第087回国会 交通安全対策特別委員会 第9号
昭和五十四年五月三十一日(木曜日)
   午前十時十一分開議
 出席委員
   委員長 有島 重武君
   理事 左藤  恵君 理事 佐藤 守良君
   理事 中村 弘海君 理事 太田 一夫君
   理事 後藤  茂君 理事 広沢 直樹君
   理事 青山  丘君
      井上  裕君    石川 要三君
      石橋 一弥君    北川 石松君
      玉生 孝久君    丹羽 久章君
      野中 英二君    水平 豊彦君
      沢田  広君    寺前  巖君
      伊藤 公介君
 出席政府委員
        内閣総理大臣官
        房交通安全対策
        室長      三島  孟君
        運輸省自動車局
        整備部長    小林 育夫君
        運輸省航空局長 松本  操君
 委員外の出席者
        公正取引委員会
        事務局取引部景
        品表示指導課長 土原 陽美君
        警察庁交通局参
        事官      太田 寿郎君
        大蔵省銀行局保
        険部保険第二課
        長       野村  寛君
        文部省初等中等
        教育局高等学校
        教育課長    菱村 幸彦君
        文部省体育局学
        校保健課長   島田  治君
        通商産業省機械
        情報産業局自動
        車課長     浜岡 平一君
        運輸省自動車局
        保障課長    伊藤 嘉之君
        運輸省自動車局
        整備部車両課長 清水 達夫君
        運輸省航空局技
        術部長     森永 昌良君
        労働省婦人少年
        局婦人課長   佐藤ギン子君
        建設省都市局街
        路課長     並木 昭夫君
        建設省道路局企
        画課長     渡辺 修自君
        自治省税務局企
        画課長     津田  正君
        特別委員会第一
        調査室長    綿貫 敏行君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 交通安全対策に関する件
     ――――◇―――――
○有島委員長 これより会議を開きます。
 交通安全対策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。左藤恵君。
○左藤委員 過般、春の交通安全週間のときに本委員会として視察に参りました。また、昨年道路交通法の改正というものが行われて、いろいろの問題点があるので、それにつきまして若干私の気のついた点についてお伺いをさしていただきたい。
 主として警察庁の方にお伺いするわけでありますが、道路交通法の改正によりましていろいろな点で目立った問題があるわけであります。経済界からいろいろ問題が提起をされておる過積みの問題があるわけですけれども、この状況も、伺いますと大体半分ぐらいに減少したということであるわけです。業者と運転手の間の責任問題なんかが非常に複雑な点があると思いますけれども、数字の上で違反が減少しておりましても、現実にトラックの数というふうな問題とか、そういうふうなことがありまして、また、大型の車にだんだん切りかえていくとかいうふうなことは非常にむずかしいと思いますが、これは取り締まりをしておられる状況から見て、今後どういうふうな推移になるだろう、どういうふうな見通しを立てておられるか、まずその点を伺いたい。
○太田説明員 過積みの問題については、ただいま御指摘のように新しい道交法によりまして、非常に取り締まりの強化をいたしておりますが、それによって業界の自粛といいますか、それが非常に顕著でございます。現在のところ、いまお話しのような形で推移しておりますけれども、私どもといたしましては、これについて手を緩めることなく、今後とも取り締まりを強化してまいりたいという考え方で一貫いたしております。件数が特にふえるというようなことは、直ちにそういうことを推測させる根拠というものはございませんけれども、手を緩めればやはり潜在的にそういう増加の傾向に転ずるというおそれも多分にあろうかと思いますので、その辺については十分な体制をもって取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○左藤委員 飲酒運転の点ですが、最初は道交法が実施されましたとき免許取り消しというふうな厳しい処分をやるということになりましたので、この点については非常に違反も目立って減少したようでありますけれども、聞きますと、近ごろはまたこの点が戻りつつあるというふうなことを聞いております。それから、取り締まりをされる場合の見地から見ますと、〇・二五ミリグラム以下というのは検挙ができないというふうなことがあるのですけれども、こういった点について、たとえば〇・二五ミリグラム以上の場合は非常に厳しいけれども、たとえば〇・一八ミリグラムとかなんとか、そういうふうな線については次のような処分をするとかいうふうなことが考えられないのか、こういう点で徹底取り締まりというものが十分できない実情というものもあるわけでありますし、何か数字だけでそこですぱっと切られてしまうという点について問題があるんじゃないかと思いますが、この点はどうでしょうか。
○太田説明員 ただいまお話しの飲酒運転に起因いたしますいわゆる死亡事故でございますけれども、改正道交法の施行後、昨年の十二月からことしの四月までの五カ月間の状況を見てまいりますと、四十一・八件ということで、施行前の五カ月間の月平均の六十六・七件に比べまして三七・三%の大幅な減少をいたしております。ただ、いまお話しのように、この傾向は最近やや鈍化の傾向も見受けられるということで、さらに飲酒運転についての指導、取り締まりの強化を図っているというところでございます。
 それから、ただいまお話しのいわゆる酒酔い運転と酒気帯び運転という問題でございますけれども、御案内のように道交法の規定によりまして、いわゆる酒酔い運転、これは道交法の百十七条の二の第一号に規定しているわけでございます。これは二年以下の懲役または五万円以下の罰金ということで非常に重い処分になっているわけでございますが、これは酒気を帯びて運転をしたために車両等を正常な形で運転することができないおそれがあるという場合の規定でございまして、いわゆる酒気帯び運転、これは道交法の百十九条の一項の七の二というのに規定されておりますけれども、いわゆる百十九条の一項七の二の酒気帯び運転の方は、先ほど先生が御指摘のように、体内にアルコール分を呼気の場合に〇・二五ミリグラム以上保有するというような条件がございますけれども、先ほど申し上げましたいわゆる酒酔い運転の方の百十七条の二の適用につきましては、〇・二五にとらわれずに、いま申し上げましたような酒気を帯びていることによりまして正常な運転ができないおそれがあれば、そういうふうに認定されれば非常に重い罰則をもって担保するという構成になっておりまして、〇・二五を特に引き下げるという必要は現在のところないんではないかというふうに考えております。
○左藤委員 この辺のところはひとつ公正、適正な運用をしていただきたいと思います。
 それで、暴走族のことにつきましても道交法で一つ大きな改正が行われて、六十八条で共同危険行為ということで、そういった場合に危険行為とかあるいは迷惑行為があれば、そういうことで取り締まることができる、こういうことでありますけれども、最近また大阪の南部の方で、団地にあります交番所というんですか、巡査の駐在しておる場所が暴走族に襲われる、そういうことのために巡査の方が逆に逃げていってしまって、そこはもうだれもいないというふうなことで、地元の住民にとっては非常に脅威、恐怖感というものがあるわけでありまして、暴走族、そういう者に対する実質的な取り締まりという点から見ますと、何か現在の共同危険行為で、そういうふうな非常に危ない運転をするという見地だけで取り締まっておるということで、実際上の問題としては空文化しているというような問題もあると思うのです。これは警察の問題というよりも、私はむしろ青少年の育成とか青少年犯罪防止というふうなものにもつと力を入れていかなければならない教育指導の面というものが大きな問題があると思います。今後そういうことで根本的にやらなければならないと思いますが、文部省の立場から見て、警察の取り締まりだけに期待しないで、何かこういうものの暴走族対策というものを特に考えておられることがあるのでしょうか。この辺についてもちょっとお伺いしてみたいと思います。
○菱村説明員 最近問題を起こしております暴走族の中に高校生などがかなり含まれているのは、まことに遺憾だと思っております。文部省では、この生徒の健全育成を図るために、学校教育の面では生徒指導の体制を確立する、それから教科指導の内容を改善するというようなことに努めております。
 高等学校教育につきまして申し上げますと、御承知のように進学率が九二%にもなっておりますのでいろんな子供たちがおりまして、生徒の中には教育内容が十分理解できなくて学校に不適応の現象を起こす、そういう者が暴走族に走るというような傾向が強うございます。そこで文部省といたしましては、まず高等学校の教育課程というものを改善する。内容を精選しまして充実した教育が受けられるようにして改善したところでございます。子供たちの学校生活が豊かで充実したものであるということがまず基本的に暴走族に対しまする対策であるというふうに考えておるわけでございます。そのほか、生徒の交通安全指導に関しましては、保健とかホームルームで自他の生命の尊重などということも十分指導しておりますし、特に自動二輪車に関しましては講習会等で交通安全教育を徹底しているところでございます。
 御指摘の趣旨に沿いまして、今後とも学校教育におきまして一層の改善を図ってまいりたい、指導を徹底してまいりたいと考えている次第でございます。
○左藤委員 教育の問題につきましては本委員会の主たる目的ではございませんので特に深くお話しすることはないと思いますけれども、そういった点で今後ともひとつ十分の配慮をしていただきたいと思います。
 それから、大型車のいろんな問題で過般もその対策が論議されました。特に左折の場合の歩行者あるいは自転車、ミニバイク、そういったものを巻き込んで事故を起こすというケースが非常に多いというので、過般視察に参りましたときに、あれは押上の駅前でありますか、大型トラックが交差点で停止する停止線よりも自転車あるいはバイクが停止する線をずっと前に持っていきまして、そしてそこで停止させるということであれば巻き込みの事故を大いに防ぐということで、これは非常に効果があるんじゃないかと思いますが、大型車とそれから普通車との差というものもつくってもあるいは効果が出るんではないかという、いろいろそういう点について交通安全の点から警察庁では全国的に何か思い切った対策を考えておられるか、あるいはそれを現在まだ調査中であるのか、その辺はどうなんでしょうか。
○太田説明員 ただいまのいわゆる二段停止線の問題でございますけれども、これはいまお話しのように関係都道府県警察が大型車の左巻き込みの事故、左折の際の事故の防止対策の一つといたしましてそれぞれ独自に始めたものでございます。しかしながら、非常に効果もあるということで、警察庁の方といたしましても可能な限りこういう形の措置というものもやっていくように指導をしておるところでございますが、いまお話しのようなさらに工夫すべき点もないわけでございませんので、その辺につきましては関係の都道府県とよく協議しながら、どういう形のものが実態に一番合うのか、現在あわせて研究もしているところでございます。
○左藤委員 こういった問題は、たとえば長距離トラックとかいろんな問題がありまして、やはり全国的な一つの基準というようなものをひとつしっかり立てて、そして一刻も早くそういった問題を全国的な視野で考えていただきたいということを特に御要望申し上げておきたいと思います。
 この前にもいろいろお伺いしたのですが、そのときにも御説明があったと思いますが、大型トラック対策として、今度大型トラックの場合のアンダーミラーの問題とかあるいは防護さくの問題、これはたしか車検のときにそういったものを既存のものについては設備するというふうなことになっておると思いますが、その実施状況はどうなのか、この辺について運輸省の方からお伺いします。
○清水説明員 お答え申し上げます。
 大型トラックによります左折事故対策といたしましては、先生お申し出のように、新車につきましては昨年の十一月より生産される車につきまして先生お申し出の三つの対策を現に実施いたしております。また、現在使用されております約五十六万台の車両に対しましては、本年三月道路運送車両の保安基準を改正いたしまして、来年の十月三十一日までに新車と同様の対策を実施することにしております。それで、この使用過程の車につきましては、車の使用者の方々への周知期間、さらには車の具体的な改造方法につきまして整備工場に習得させるための期間、さらには対策部品を確保するための期間、そういったものを考慮いたしまして来年の十一月までの経過措置を設けておりますが、現在は主としてこの対策が確実かつ円滑に行われるように準備を進めているところでございまして、いまのところ、私どもの推計では、新車及び使用過程車を合わせまして約五万台程度がすでに対策が実施されているものと推定いたしております。こういった状況でございますが、私どもといたしましては、この対策が一日も早く達成されるように関係の方々にこの趣旨を十分御理解いただくとともに、一日も早く完了するように精力的に努力してまいりたい、かように考えております。
○左藤委員 どうもいまのお話では、来年の十一月とか、余り遅過ぎるのではなかろうか。もっとこれを繰り上げてやる方法はないだろうか。部品の対策とかなんとかいいましても、計画的に生産すればそういったものができるのではないかということについて、業界とのいろんな話し合いとかいろんなことがあろうと思いますけれども、もう少し熱心にやっていただかないことには、本当に交通安全対策を考えているのかというふうなことがちょっと心配されるわけであります。
 それから、そのときにいろいろ問題になりましたまずハンドルの位置を右から左に移したらどうかという問題とか、あるいは運転座席を低くするということによってもっとよく見えるようになるのじゃなかろうか、あるいはまた左のドアのところの見通しをきかせるために透明にしたらどうかとか、いろんなそういう点の提案があったと思いますが、その問題についてのその後の検討とかそういうようなものは積極的にやっておられるのかどうか、その辺はどうでしょうか。
○清水説明員 お答えいたします。
 ただいま御指摘のハンドルの問題あるいは運転席を低くするあるいは左側の視界をさらによくする、こういう点につきましては、先ほどお答え申し上げました緊急対策と別に、現在試作車というものを自動車メーカーにおきまして試作させておりまして、本年の秋ごろにはすべての試作車、十九台現在つくっておりますが、出そろう予定でございます。内容的には、低運転席でハンドルが右のものと左のもの、それから左側の視界を改善した、具体的にはガラスを入れたというような車の右と左、この四種類につきまして十九台を現在試作中でございまして、これができ上がりました上は、技術的な立場から左折事故というものをなくするためにはどういうのがいいかというのを、具体的ないろいろな問題点があると思いますので、慎重にひとつこれは技術評価をしていきたい、かように考えております。
○左藤委員 ひとつ積極的にこの点を進めていただきたいと思います。
 それから次に、自転車の問題につきまして、自転車の交差点の横断というようなことで、今度新しく横断歩道をつくるとかというふうな問題がございましたけれども、私は、やはり乗ったままの横断というのは非常に危険な状況が多いのではないかということもあります。そういうことで特に小さな子供、この点の指導が問題になるわけでありますけれども、子供の自転車事故が非常に最近多いのではないか。生活道路におきます飛び出し事故ということで、自動車とぶつかって頭を打って死んだりなんかする、非常にそういう事故が多いように思われます。原付とかバイクの場合はヘルメットをかぶっておるというふうな問題があるのですけれども、自転車の場合それもありません。こういうこともありまして、過般も本委員会の視察のときに、あれは錦糸小学校ですかへ視察に参りましたときには、低学年生の自転車は禁止しておる。そして五年生、六年生になりましたときに学校で自転車に乗る指導をする。そして指定された場所だけ自転車に乗る、こういうようなことをやっておるので最近一件の事故もないというふうなことをお話しになった。これは私は非常に積極的な対策としていいのではないかと思います。そういうようなことで、小学校におきます指導というものをもっと積極的にやらないと、ただ何か子供の自転車に対する指導というものが一般的に行われていないというような感じがするのですが、この辺について文部省の方の御意見があればお伺いいたしたい。
○島田説明員 御指摘の子供の自転車でございますが、私どもとしましては学習指導要領の中で交通安全、これを特にうたいまして、学級指導であるとかホームルームであるとか、あるいは学校行事ということを通じて行うような仕組みにしておるわけでございますが、特に自転車は、最近担当者の間でも会議をやりますとしょっちゅう問題になってまいります。私どもとしては、一口に言えば自転車の正しい乗り方、扱い方、これについての比較的詳細な資料もつくりまして全国に流しておるわけでございます。特に小学校段階では、正しい乗り方と扱い方の積極的な指導を相当学校でしておると承知しておるわけでございます。中学校につきましても、たとえば自転車通学あたりも、できるだけ学校できちっと事前にいろいろな規則も決めてしっかりやるように、こういう指導をいたしておるわけでございます。御指摘の御趣旨の点につきましては、なおせっかく十分に私ども努力をさせていただきたい、こう思うわけでございます。
○左藤委員 自転車についてもそういうふうな配慮をしていただきたいと思いますが、さらに原付、ミニバイク、これも免許が簡単に取得できるというところから問題がありまして、この種の事故が増発しておるようでありますので、こういった指導に力を入れていただきたいと思います。特に原付、ミニバイクにつきましては、右折する場合の二段右折方式というものをどこまで徹底しているのか、この辺についての何か警察での、たとえば交通安全週間にはこういったことをやって癖をつけていくというのですか、そういうふうなことをやっておられるのか、それとも二段右折を非常に強制的にやっておられるのか、そういう指導の方法はどうなんでしょうか。
○太田説明員 ただいま御指摘の原付とかミニバイク等の二段の右折の問題でございますが、御案内のように道交法の三十四条の二項というのがございまして、これによりますと、原付等が右折する場合には、交差点の中心の直近の内側を回るようにということがはっきり定められておるわけでございます。御案内のように、昭和三十九年に道路交通に関する条約に加盟いたします際に、その関連の一つといたしましてこの改正が行われたという経緯がございまして、いまお話しのようないわゆる二段方式というのは、法律上なかなかむずかしい点があるわけでございます。
 そこで、現実には、たとえば大阪府警等におきましては、主な交差点等には警察官が出ておりまして、特に片側三車線以上もあるような大きな交差点で、しかも交通量が非常に激しいというような場合に、一番左のところをミニバイク等が走っている。それが右折する場合にこわくて中心部になかなか寄っていけないというような者があります場合には、その警察官が特別に指示をいたしまして、いまお話しのような直進をして、さらに右折をするというようなことをその場で指示するとか、あるいは場合によりますとバイクをおりていただきまして、それで歩行者のような形で横断歩道を二回渡っていただくというような形で、いま申し上げましたような対策を講じているということでございまして、そういう形での指導というものは、特に安全運動期間中とかそういうことに限りませず、一般的な形で行われております。法律上の問題がいろいろございますので、なかなか十分いかない点もあろうかと思いますけれども、そういう状況でございます。
○左藤委員 場所によってそういうふうな指導をされるということでしょうけれども、必ずしもその交差点にいつも警察官が常駐するというわけにもいかないだろうと思いますので、こういうことについて何かその地域の人たちの安全を考えた指導というので、たとえばそこにだれもいないときでも指示標識を立てるとか、何かそういうような指導をやっていく。そしてまた、そういうことがあって、今度は左折する大型車なんかもそういう原付とかミニバイクに対して特別に気を配っていくというふうなことがあれば、私は交通事故というものは防げるのではないか、このように思いますので、こういう点についてなお一層の徹底を図っていただくようなことを御指導をお願いいたしたいと思います。
 もう一点だけ、前から私は何度もいろいろこのことについてお伺いするのですが、違法駐車の問題なのです。違法駐車でも、たとえば大阪のようなところで、一方通行で大きな道路を四つの線で南北に向けて行く場合にそういうふうに指定しておりますが、その通路の中におきまして商店のいろいろな関係があるので、そこに商売に来るために車を持ってくる、そういうふうなことがあって、地元と話し合いがなかなかつかないということで、形の上では違法駐車になっておる。たまに一週間に一遍ぐらい取り締まりはしておるようですけれども、その徹底は図られないというふうなことで、前にも私は、たとえば松屋町筋というところについて公安委員会として指定をして、ここは駐車禁止を解くとか、あるいは時間帯で解くとか、あるいはパーキングメーターをつけるとかいうふうなことについての要望をして、話し合いでそういうふうにしていただきたいということを言っておるのですが、最近ますますそういうことについては、言ってみれば警察としてもお手上げの状況で、一つも話も進んでいないように思います。こういうことについて、一つは遵法精神の問題だ。それからもう一つは、違法駐車の陰から飛び出して事故が起きる、こういう交通安全上から見ても、違法駐車禁止の標識だけ立っておって、その下に堂々と車が置いておかれるということについての問題、それから駐車と停車との関係もいろいろあろうと思いますけれども、こういうことについての配慮というものが非常に不十分なので、この点について特に指導をされるおつもりがあるのかどうか、この辺をお伺いしたい。
○太田説明員 ただいま大阪の松屋町筋の具体的な名前でお話がございましたので、それに関連してちょっと申し上げたいと思います。
 御案内のように、二年前にいまの問題につきまして先生から御指摘をいただきまして、やはり駐車需要がそれだけあるので、それを受け入れる駐車場なりあるいはパーキングメーターの設置という方向での解決が一つあるのではないかということで、実は地元ともいろいろ協議を進めているところでございますけれども、自分の店の前にたとえばパーキングメーターをつけられるということになりますと、自分のお店に来る車をとめる場合に支障を来すというようなことで、総論賛成、各論反対といいますか、そういうことでなかなか具体的な、パーキングメーターの設置場所が決定されるというところまで実はいかない状況でございます。しかしながら、そういう形で駐車能力をふやすという方向での努力は、今後とも地元の方と十分相談しながら進めてまいりたいと考えております。
 それから、違法駐車の取り締まりにつきましても、警察官を動員いたしまして極力その徹底を図っていく、これは現在までもやっておりますけれども、今後もそういう方針で続けてまいりたいと考えております。
○左藤委員 もう一点だけ、最近車の交差点に入る状況を見ておりますと、信号が黄色になってから突入していく。現行法では、交差点に入ってしまえば速やかに出るというような規定になっているのですけれども、こういう信号無視の取り締まりというものの科学的な実証ができないので、現実にそういうことについての取り締まりができないような状態になっているのではないか。こういうことについて警察の方でも少し科学的な取り締まりができるような方途を研究していただきたいということを御要望申し上げて、私の質問は終わります。
○有島委員長 次に、青山丘君。
○青山委員 去る五月二十五日、アメリカ、シカゴのオヘア空港においてDC10の墜落事故がありました。原因はいろいろ言われているようでありますが、あの事故の真相をつかんでおられますか。おられたらひとつ御説明いただきたい。それから、その原因について現在集めておられる情報を御説明いただければ、していただきたい。まずお尋ねします。
○森永説明員 お答えいたします。
 日本時間の二十六日午前五時、定刻より十五分おくれでシカゴ・オヘア空港の三千メートル滑走路をほぼ北に向かって離陸いたしましたアメリカン航空一九一便、シカゴからロサンゼルス行きでございますが、これが離陸直後に墜落、炎上したわけでございます。
 この原因でございますが、この事故が起こりました直後現地へ調査に赴きましたNTSB、米国運輸安全委員会の調査団の団長、この委員会の副委員長でございますが、エルウッド・ドライバーという方でございますが、日本時間にいたしまして二十八日の早朝現地でニュースリレーズした内容がございます。これが現地で最初報道された原因らしいものでございます。まずそれは左翼についておりますナンバーワンエンジンのナセル・アタッチメント・ボルトが破断をして、これが滑走路の前方約二千四百メートルの位置で発見された。したがって、このボルトをよく見てみたところ金属疲労によるクラックで破断したものと考えられる。したがって、このボルトについて現在ワシントンDCで詳細に調べておるけれども、どうもこれが臭いので、とりあえずこれについて至急点検すべきであるということをFAAに勧告したいということを現地で発表したわけでございます。
 それに基づきましてFAA、アメリカ連邦航空局でございますが、これが日本時間にいたしまして二十九日の深夜にいわゆるAD、耐空性改善命令を発したわけでございます。中身は、もちろんいまのボルトを中心にして、あと二項目ほどございますが、一番大事なのは、このボルトを新品と取りかえるかあるいは磁気探傷検査をやって安全を確認しなさいというのが主な内容のADでございました。その点検が、規制としてはアメリカ合衆国の国籍の飛行機だけに適用されるわけでございますが、いままでの国際慣行として、その同種の飛行機を使っているそれぞれの国はほぼ同じような措置をすることになっておりますので、私どもも事の重要性にかんがみましてこれに準じた措置を直ちにとることにいたしまして、日本航空の所有しております同型機九機、内訳といたしますと、国内線が六機に国際線が三機でございますが、これに対して同様の点検を二十九日じゅうに行わせることにいたしまして、日本国としてのアメリカのADに相当するTCDを発したわけでございます。そうして、日本航空はこれに応じまして二十九日いっぱいかかりまして全機の点検を完了し、全く異常がないという結果を得たわけでございます。
 ここで一安心しましたところ、また、日本時間の三十日早朝から次の騒ぎが起こったのは御承知のとおりでございます。これはアメリカのその一斉検査をFAAが指令したことによりまして、アメリカにございます百機以上のDC10の総点検に入ったわけでございますが、たまたま事故が起きた同じシカゴ空港で、アメリカ最大の航空会社でございますユナイテッド・エアラインのDC10を検査中に、一機からいま盛んに出ておりますいわゆるパイロンの部分にあるホリゾンタル・バルク・ヘッドといういわゆる水平の板に、径が八ミリ、長さが二十七ミリ程度のチタニウム合金ですけれども、百個ほどついているボルトがございまして、それの中で二十七個が落ちていた、さらには六個ががたついていたという事実が発見されまして、やつ、これは大変だということで、さらには、そのプレートが約二十インチの長さにわたってクラックが入っているということがわかりました。さらには、事故現場で回収されたアメリカン航空の飛行機の同じ場所についてもどうもクラックがあったということから、これはボルトではなくて、こちらの方がむしろ問題ではないか、ここがおかしくなって今度はボルトが切れてという形になったのではないかというふうにまた考え方を変えまして、第二弾としてのいわゆるADを出したわけでございます。
 これが出るのにちょっと手間取りまして、実は日本時間の昨日の午前二時に、とにかく飛行機は全部とめなさいという命令だけを出しまして、ただその点検方法は追って指示するということで、私どももさんざん待っておったのです。午前中に来るはずのADが来ませんで、結果的に午後になってやっと参りました。それを見ますと、やはりいま申し上げた百個ほどのボルトを全部詳細に調べること、あるいはそのプレートにクラックがあるかどうかを見ることを初めとして、あと数項目ございますけれども、そういう点検を改めてまた求めてきたわけでございます。
 したがいまして、きのうのお昼ごろからそれに対応した第二段階の点検をいたしたわけで、もちろん予告が早朝からございましたので、昨日は一切のDC10のフライトをとめましてADの来るのを待っておったわけですので、至急それに取りかかりまして、昨日の夜半に至りまして、九機のうちの一機を除きまして作業が全部完了いたしまして、日本航空の野田専務、安全を担当しておる最高の責任者でございますが、正確に言えば本朝の零時四十分に私のところへ参りまして、すべての点検を終わりました。一機は現在ほかの整備作業もやっておりまして、六月二日まで現在成田で整備中でございますので、それを除いて八機についてはすべての点検を終わりました。それで、そのうち三機について若干のふぐあい個所が発見されましたけれども、それは直ちに修理をいたしまして、問題のないようにしました。それ以外の五機については全く異常は発見されませんでしたという報告があったわけでございます。したがいまして、私どもその八機について今朝からのフライト開始を認めまして、一番機は三時三十五分アンカレジをスタートしまして、現在成田に向かっております。多分もう着いたと思います。
 それから国内線につきましても、七時過ぎから次々と離陸しておりまして、現在、整備完了した中で一機だけは夕方からのフライトに備えてまだ地上におるのが一機ございます。こういう状況でございます。
 したがいまして、御質問の原因はどうかというところでございますけれども、最初はやはりスラストを受ける、推力を受け持つ二本のボルト、これに話題の焦点があったわけでございますが、ユナイテッド・エアラインの関係で見つかりましたいわゆるパイロンの、ボックスタイプの構造になっておりますその上部の、百個ほどボルトのついているそのプレートを、さらにはそのプレートをとめているボルト、専門的にはファスナーとも言っておりますけれども、その辺がむしろ問題ではないかというふうに話が変わってまいりまして、いまそれの追求に追われている段階でございます。
 しかし、第一段階から第二段階に移るのが第一段階を点検している途中で見つかったことから、その報告から第二段階に移ったわけでございまして、まだ第一段階の報告は世界中の二百六、七十機の飛行機からすべて返事が来ているわけでもございませんし、さらに第二段階の報告はおくれるわけでございますので、第一段階、第二段階、さらにはこの機会にほかの部分も調べてみようというところから出てくるいろんな情報を集めて、さらに第三段階の原因的なものが出てくる可能性はあると思います。したがって、いまの段階で正確に第一原因はこれで、それからこうなってこうなったということをちょっと明確に申し上げる段階ではないと思います。したがって、そこらあたりはアメリカのNTSBの方で今後の調査結果を待つより仕方がないんじゃないか。ただ、事安全にかかわる問題ですし、すでに三百人近い人命が失われておりますので、少しでも疑わしいものは早目に手を打とうということで、いままでには例のない早さで緊急の措置が次々に打たれているわけでございまして、私どももそれに対応して次々に処置はしていっているつもりでございます。
○青山委員 いま御説明がございましたように、最初の改善命令が出された途中で新たな原因が出てきた、原因らしきものがあらわれてきた。そこで再び改善命令が出されている、こういうことで最初の改善命令を聞いて対策をした。したがって、それでもう安全だというふうには利用者はとれない。したがって、DC10を利用するお客さん、できることならこのDC10に乗りたくない、違う機種の便を利用したい、そういうお客の動揺がいまあると報道されております。そこで、アメリカの方から改善命令が来るまで待つという姿勢ではなく、日本独自で航空機の安全については、人命を守る安全な形で安全なまま運航を確保することができる、そういう見通しを立てられるような万全の対策がなければ、利用者の安心というものを買うことはできない。いま大変動揺があるのではないかと私は心配しているのです。
 そこで、今度の事故によって構造的な欠陥が見つかったのではないかと言われています。これまでの調査で、パイロンの上ぶたがさまざまな振動を受けて金属疲労から亀裂を生じて、これがエンジン脱落をもたらした、事故の原因になったという可能性が強いと言われております。最初の方の報道ではパイロンのフックボルト、これの脱落というようなことでありました。したがって、新しい部品にさえ変えれば安全だという見方でありましたが、なかなかそうではない。構造的な欠陥があるのではないかという不安があります。
 そこで、基本的な対策を立てないと、対症療法だけでは、折損ボルトをかえました、脱落ボルトのところに新たにボルトをくっつけましたという程度では基本的な解決にならないのではないかと思います。その辺の抜本的な対策を望まなければならないと考えますが、運輸省の見解を求めたいと思います。
○森永説明員 先生御承知のように、この飛行機はアメリカのマクダネル・ダグラス社でつくられた飛行機でございまして、それぞれつくられた国の政府によって、設計の段階から、あるいはテスト飛行の段階から、いよいよユーザーに渡すまでいろいろな段階における各種の規制がございまして、チェックした上で売り出すわけでございまして、いわば私どもがYSについてかつてやったようなことをアメリカがこの飛行機についてやっておるわけでございます。したがいまして、先生の御指摘のように、わが国独自でという点について必ずしも国民の皆様に御満足いただけるような積極的な形がいままでのところ十分とれてきてないことは確かでございます。しかし私どもは、アメリカから何らかの情報が得られなければ何もしないということではございませんし、現に九機の飛行機をもって毎日飛ばしておるわけで、それは現実、毎日目にすることができるわけでございますので、そういう段階におきましては十分にやっているつもりでございます。したがいまして、私どもこのDC10を導入しましたのが、五十一年から五十二年にかけて最初に六機、さらには去年からことしにかけて三機、合計九機あるわけでありますが、いままでのところ日本航空が持っております幾つかの機種の中でも非常にいい運航成績を持っておるので、ほとんどトラブルのない飛行機ということで通っていたので、それなりに私どもはショックといえばショックでございます。これはいまのクラックの入りましたプレートも、新聞等で報道されておりますように、二万時間たったら二〇%サンプリングして調べなさい。目視で見なさい、こういう規定になっていたわけでございますが、いま日本航空の持っておる飛行機は一番飛んでおるのでも八千時間台でございますし、少ないのは三、四百時間しか飛んでない、そういう状態でございますので、通常は一切まだ見るべき時期に来てなかったわけでございまして、そういった意味で手抜かりがあったと言われればそうですけれども、これは製造国の政府によってオーソライズされた、こういう点検規格でこういう場所を見なさいということでやっておったのですけれども、こうなりますとそういうのだけ守っていたのではいかぬということで、現実にそういうことを決めたアメリカのFAA自体が今度は、二万時間ごとに二〇%しか見なくていいものを十日もしくは百時間ごとに全部見ろということにいまのところなっておるわけでございますので、私ども、決してアメリカのまねをするだけでなしに、それ以上のことをいまやるように、昨晩というか、早朝といいますか、日本航空に対しても十分話をしたところでございまして、国民の皆様に決して御心配をかけないように私どもとしては精いっぱいのことをやっていきたいと思っております。
○青山委員 DC10は世界で二百五、六十機飛んでおる中で現在日本には九機しかない。その九機の問題が大変なんで、航空機というのはわずかなミスが致命的な事故に結びつく。こういうことでアメリカから入った情報、もちろんこれはその線に沿って検討していただく、努力していただく、整備していただくことは必要ですが、日本としてはそれなりの対策を考えていただかなければならないと考えます。これは利用者にとってきわめて重要な問題ですから、利用者の動揺があってもあたりまえだと考えておりますので、そういう点の御配慮をいただきたいと思います。
 時間がありませんので先に進みます。
 建設省来ておられますね。――この数年来のわが国経済を背景にして、景気を回復していかなければいけない、そのためには公共投資関係予算をふやしていこう、社会資本をふやしていくことは国家の将来にとって大切なことだということで、公共投資関連の予算が大分伸びてきております。一般会計の中で占める割合においては、一般会計の対前年に比べて伸びている率からすれば、公共事業関係費というのがずいぶん伸びてきております。昭和五十一・年、一般会計の前年に対する伸び率が一四・一%に比べて、公共事業関係費が二丁二%、翌年五十二年は一七・四%に比べて二一・四%、五十三年は二〇・三%に比べて二七・三%、五十四年は一二・六%に比べて二〇%と、公共事業関係費が大変伸びてきているわけです。私は、そのことはそれなりに評価してきましたし、いいことだと考えて受けとめてきました。
 ただ、それが一たび道路整備予算の一般会計の中に占める割合の経緯を見てまいりますと、道路整備に対する建設省のいわゆる一般公共事業の中に占めるシェアというものがだんだん狭まってきている。道路整備が一般公共事業の中で占めてきたシェアが四十四年では六三・四%、四十五年では六三・二%、四十六年には六二・五%、四十七年が六一・一%、四十八年が五八・六%、どんどん下がってきています。四十九年が五五・八%、五十年が五二・四%、五十一年が五〇・二%、五
〇ぎりぎりになってきている。五十二年、五十三年、五十四年を見てきますと、五〇%を切って、四八・三%、翌年が四六・六%、ことしが四五・二%と年々低下してきております。
 そのことは一体何を意味しておるか。道路整備に対する建設省の姿勢というものが後退しているではないか。そうすると、交通安全の中で道路環境が果たしていく役割り、私どもとしては、これは大切な問題だと受けとめております。道路環境ももちろん大切、安全施設ももちろん大切、ドライバーの教育も大切、問題は、総合的に交通安全行政を進めていかなければなりませんし、同時に、この国の経済、社会の活動を支えてきた、重要な役割りを果たしてきた道路という立場からすれば、この道路関係予算が年々そのシェアを狭めてきていることは非常に不安だと私は受けとめているのです。建設省の御見解はいかがでしょうか。
○渡辺説明員 お答えいたします。
 ただいま先生から御指摘ございましたように、道路のシェアと申しますのはだんだん低下しておるわけでございまして、私ども非常に憂慮しておるわけでございます。住宅団地をつくるにいたしましても、下水の処理場をつくるにいたしましても、これは必ず道路がなくてはいかぬという一番基本的な施設でございますので、いろいろ最近、下水道の問題とか、ほかにもやらなければならない仕事がたくさんふえてきておりますので、道路だけがというわけにもあるいはいかないのかもしれませんが、シェアの低下をこの程度にとどめまして、御指摘のような交通安全の問題その他万般にわたります、おくれております道路整備を積極的に進めてまいりたいと思っております。
○青山委員 基本的にはひとつもうこれ以上下がらないように努力していただきたい。これはずっと毎年見てまいりますと、毎年低下してきております。この十年間、必ず下がってきている。来年もこのまま下がっていくのじゃないかと不安になります。ひとつ努力していただきたいと思います。
 そこで、愛知、岐阜、三重、この地方は京浜と阪神の経済圏を結ぶいわゆる要衝の地域、名神高速道路、東名高速道路が開通されました。そして中央自動車道の開通がありまして、交通量は年々増加の一途をたどっております。それだけに残された問題がたくさんあるのです。たとえばバイパスの建設の問題、それから市街地道路の緑化の問題あるいは交通不能区間の解消の問題、残された問題がたくさんあるのです。いま申し上げたように、公共事業の中で占める道路の整備費が年々低下していくということは、そのまま残されていく問題が、さらに次の年へ次の年へと繰り越されていくのではないか。社会資本を整備していくというのは、何も道路だけではありませんけれども、国の経済あるいは国民の足を確保していく、あるいは国の経済の動脈としての道路の役割り、私どもがいつも論議している交通安全上の問題、とうとい人命を守っていくという問題、幅広い役割りを果たしてきた道路の整備について、これがさらにさらに先に延びていくのではないかという国民の不安に対して建設省の考え方を率直に述べていただきたいと思います。
○渡辺説明員 大変適切な御指摘をいただいたわけでございますが、道路整備の水準は、まだいろいろな面で、バイパスの問題あるいは安全の問題、それから渋滞の解消といいますか、いろいろな点でまだ低いわけでございます。御指摘のございました中部地方はいろいろな交通幹線が集中いたしておりますが、中部地域を初めといたしまして、全国至るところでそういう問題があるわけでございます。そのために、道路整備の促進を望む国民の声はいろいろな世論調査等におきましても常に上位を占めるという状態でございます。したがって、これらの国民の要望にこたえまして、おくれておりますこの道路整備を進めていくために、財政状況は非常に厳しいわけでございますけれども、私どもも精いっぱい努力をいたしまして、道路投資の拡大を図ってまいりたいと考えております。
○青山委員 ぜひひとつそういう姿勢で取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、時間がありませんので、あとわずかですので、四、五本の道路について全部、一応まずお尋ねをして、取り組む姿勢についてお答えいただきたいと思います。
 愛知県に春日井市という都市がありますが、ここの桃花台春日井線は、現在進めています事業は五千メートル、幅員十二メートルから二十二メートルで国道百五十五号線より改良、舗装工事を北の方に進めてまいっております。この区間というものは、県営桃花台ニュータウン開発に伴う幹線道路であって、隣の小牧市側工事はすでに完了しておりますが、いわゆる春日井市の方はこれから進めていくものであります。この桃花台春日井線について、国はどのように取り組んでくださるのかお尋ねをいたします。
 それから、春日井市の高座線でありますが、これはわずかな距離でありますけれども、これは高蔵寺ニュータウンという、いわゆる住宅公団の新しい団地が開発されまして、この公団界から市道鹿乗玉野線までを第一期工事区間として現在計画を進め、事業を進めてきている路線であります。この路線について姿勢をお尋ねしておきたいと思います。
 それから、瀬戸市の菱野線、この菱野線は国道三百六十二号線から県道瀬戸大府東海線までわずか七百五十メートル区間であります。しかし、途中に山がありまして、そこを掘り割り式にするのかトンネル式にするのかで若干時間を食ってきました。一応トンネル式ということで決定を見て、これから事業を進めてまいらなければなりません。交通安全上、経済効率上きわめて重要な路線でありますので、この路線に対する御見解も求めておきたいと思います。
 それから国道三百六十三号線、これは国道に昇格させていただいてからまだ日もそんなにたっておりませんけれども、地元の整備に対する期待というものがきわめて大きな路線であります。
 それから国道二百四十八号線は三カ所、一つは品野八丁目地域から岐阜県と愛知県の県境まで、これはもうすでにずいぶん長く整備を続けてきていただいておりますので、いよいよ最終の段階に入ってきております。
 それから国道二百四十八号線、いま一つは、古瀬戸町、藤四郎町地内の整備がおくれております。
 いま一つは、国道二百四十八号線の紺屋田町地内、この事業も大体本年度で最終の段階に来ております。
 最後に、瀬戸環状線という道路がありますが、この都市は御承知のように一定の地点を中心に周辺の市町村から道路が全部このところへ来ております。したがって、他の市町村へ行くときに必ずその場所を通らなければいけない。そこで道路はふくそうしておる、交通渋滞は常に起きている、いらいら運転から事故も起きている、とはいえ拡幅がなかなか困難です。そこで周辺の外郭の環状道路がどうしても必要だ、こういう状況であります。御見解を求めて私の質問を終わりたいと思います。
○渡辺説明員 三番目の菱野線を除きまして私の方から先にお答えを申し上げます。
 まず桃花台春日井線でございますが、五十年度から着手しておりますが、五十四年、今年度で改良が終わりまして、舗装を残すのみという状態にまで持っていくつもりでございます。
 次に高座線でございますが、これは新設道路でございまして、五十二年度から補助採択いたしております。積極的に用地を進めてまいりましたが、五十四年度は用地をほぼ終わりまして工事にかかるという段階になっております。
 次に、四番目の三百六十三号でございますが、片草から県境に至る区間は非常に線形のよくない峠の部分を中心にいたしまして、線形改良を行うということで五十四年度は四カ所工事を行うことといたしております。
 それから二百四十八号、瀬戸市から県境に至る区間、五・四キロでございますが、大分長くかかっておりますけれども、今年度、五十四年度で大体ようやくバイパス区間の用地買収を終わりまして、バイパス区間の改良を概成するという状況でございます。
 それから二百四十八号の瀬戸市内でございますが、紺屋田町地内の方は五十四年度で二車線の整備を完了する、それから古瀬戸橋から南側は四車線でやっておりますが、これは用地の問題も若干ございますので、引き続き用地買収の促進を図りたいと考えております。
 それから、瀬戸環状線でございますが、御指摘のように瀬戸市を中心に放射状に入っております幹線を通らないで行けるという非常に意義のある線でございまして、都道府県道に認定されておりまして工事をやってまいりましたが、残っております区間につきましては、今後は新設道路のようになりますので都市計画決定等も必要でございますので、ただいま調査検討を鋭意進めておる段階でございます。都市計画等の手続が済み次第事業にかかりたいというふうに考えております。
○並木説明員 瀬戸市の菱野線でございますが、御指摘のように瀬戸市の南部の住宅地と中心市街地を結びます重要な路線でございますので、建設省といたしましても事業の早期完成を図るように措置いたしたいと思っております。
○青山委員 ありがとうございました。
○有島委員長 次に、寺前巖君。
○寺前委員 ここ一、二年中古の外車の輸入が急速にふえているようです。通関実績を見ても年間三千台程度に書かれていますし、いわゆる並行輸入車が四十七年から始まっているようですが、今日一万三千台ほど入っているというふうに言われています。
 ところが最近、豪華なカタログや外観に引かれて輸入外車を買ったものの、使ってみたら故障だらけで、年式も言われておったのとは違うということが明らかになってくるし、走行距離のメーターもどうも巻き戻した形跡がある。中には運輸省の保安基準に適合していないという問題が、本人が疑惑を持って調べ出したら次々と出てくる。中には事故を起こす車も生まれる、こういうことになって、並行輸入車のあり方に一部疑惑を持つ人々が出てきております。これは一人や二人の例ではなくして、たくさんの人たちからも同じような問題が出てきているようです。被害者同盟をつくるというようなことも進んできておりますので、私はこの問題についてきょうはいろいろな関係官庁から御説明をいただきたいと思います。
 最近私はその被害者の一人であります田部幸治さんという人にお会いいたしました。このような車をお買いになる方は、車に対して非常に関心の強いお方です。自動車の専門誌「カーグラフィック」という雑誌を見て非常に興味を感じられて、その雑誌の広告が出ている「オートロマン」という輸入中古車の販売会社の車を買いたい、こういうふうに思ったわけです。その広告を見ると、年間百台分のドイツ車のパーツ供給体制が万全にそろっているとか、あるいは社員を外国に派遣しているとかいうようなことも宣伝されておる。外車を買う場合には、部品が修理の場合にどうなるだろうかという心配を持つわけですが、そういうものは万全の体制があると広告されている。よしということで行って試乗したいと申し出たら、これは高価な外車ですからちょっと外へ乗り出してもらいますというわけにはいきませんということ、しかも権威あるそういう雑誌にも載っているところのものなればそうかいなとも思い、そして手金三万円をその場で支払って車両代金二百四十三万円を三回に分けて買いましょうということにし、手続その他、税を含めてお願いをするということで買いました。
 その際に、ライトが外国製なものですから、これは通行のあり方が違うから直していただきたい、アンテナが天井についているというのもこれもぐあいが悪いから直してください、少しさびが出ているようですからそこは塗装してください、マフラーに穴があきかけているようだからそこも手を打ってください、幾つか外観的にも感じた問題を提起し、了解しましたとして帰ってきております。
 この問題は、昭和五十一年十月二十七日に注文書を出されて、その資料はここにあるわけですが、それで車検を頼んで、連絡が来たのがその年の十二月十六日ということになります。その際に、自分の住んでいるところは品川の車検でなければならぬはずなのに、品川は通りにくいから、練馬の方が手薄なので練馬のナンバーにさせてもらいますよという話が出たが、何のことかよくわからなかったと御本人はおっしゃいます。十一月下旬には通るということだったので待っていましたけれども、一向に連絡が来ずに、十二月、さっき申し上げましたような時期にやっと連絡が来た。行ってみて、口頭で申し上げておった四点余りの点についていずれも直っていないので、これはどうなっているかと聞いたら、いずれは修理しますということで、ともかくその日はうれしさの余り持って帰った。何度かその後、直していただきたい、あるいは乗ってみると故障が続発をする、それで「オートロマン」に何回か申し出に行ったけれども、いま込んでいるとかその他の理由で取り合ってくれない。
 ちょうどそこで夏目さんというお方も同じようなことを言っておられるので、お互いに話してみると、どうも不思議だ、五、六回も足を運んだけれども受け付けてもらえないということを夏目さんという方も言っている。そこで、どうもおかしいというので、協力し合っていろんな本を読んでみた。外国の車を日本に輸入するとするならばこういう点を直さなければならないという点が四十カ所ぐらい出てくる。自分の車についても調べてみたらそのとおりになっている。それで陸運事務所に行って念のために聞いてみたら、そうだとおっしゃる。それにもかかわらずこの車検が通って私の手元に入ってきたということは、陸運事務所は一体何のための車検をやったんだろう、不思議に思わざるを得ない。
 ところが、こういう話が進んでくると、同じ「オートロマン」の会社で、私の手元に来ているだけでも、こうやって六件の人々から各種の同じような問題が出てきているわけです。これは私は、たまたま間違いが起こったということは、あってはならないことだけれどもあり得ないとは言えないと思う。ところが、同じ会社についてこうやって、私の手元にあるだけでも六人さんから出てくる。こうなってくると、その企業自身も計画的に何らかのことをやっているんじゃないか、あるいは詐欺行為をやっているんじゃないか、不当なことをやっているんじゃないか、これでもって交通の不安をつくり上げている、これは重大な問題だなと感ぜざるを得ないわけです。
 一方、車検制度というのはこういうことになってはならないはずなのに、同じ会社の車が次々と出てくるというならば、車検の機能は果たしていないことになるではないですか。機能を果たしていないだけではなくして、疑惑が生まれてくるということになるではありませんか。ないしは、どこかに悪質な諸君につけ込まれる要素が機構の中にあるのではないか、この疑問に到達せざるを得ません。
 内部告発といいますか、その会社にお勤めになっていておやめになった方々のお家をこれらの六人の方が歩かれました。内部告発を聞いてみたらとんでもないことが出てきた。佐世保へ持っていって、そこで車検を受けたら、あそこの諸君たちは大したことないから通るのだ。そうして通して、今度はナンバーを移転してしまったらそれっきりのものだという話まで内部告発の中から出てくる。次々とおかしな話が出てくるわけです。
 時間がございませんので私は長々とやりません。六人の人のおっしゃったことから全部ここに書かれていますから、車も写真にちゃんと写っておりますから、おたくたちが本当にこれは大変な問題だとお感じになるならばこれをお見せしますし、直接調べられるのは私は当然であろうと思うのです。
 さてそこで私は聞いてみたいと思います。
 この田部さんの事象一つとってみても幾つかの疑いが出てきます。まず年式の詐称です。七五年型と書いているけれども、具体的にその車を陸運事務所で調べてみると実際は七四年型であるということが明らかになってきました。
 車検に合格する車だから改造費が十三万円要るということで、新規検査申請書という、ここにちゃんと写しもあります。書いてあります。左側ルーカス六三五五を取りつけたと記載されている。ところが実際は原車のままだ。室内鏡、城東工業製の可撓式のものと取りかえたと書いてあるが、実際は原車のままである。
 キロ数の巻き戻し、四万から十万キロの範囲ぐらい使われておっただろうと思うものを二万二千四百キロメートルにしておる。そのために精度が狂って、走行キロ数の進みぐあいが異常に早い。十キロが二十キロ以上になってくるという事態が実際上生まれてくる。同じ一番最初に相談した夏目さんの場合は、六万ないし十万キロメートル走っていたのに、三万八千キロに走行キロ数をごまかすために、走行距離メーターを分解し、トリップメーターの心棒をやすりがけなどしたためにその積算計が異常に早く回るという事態が車自身に生まれてくる。
 車台番号と車検証の番号が違っているのに車検が通っている。
 パーツがありもしないのに、「カーグラフィック」という雑誌に百台分のドイツ車のパーツ供給体制は万全と広告がでかでかと出ております。ここにあります。消費者の興味をあおるという事態をつくっているが、これはまさにインチキ、物によっては百八十台分あるとまで書かれており、しかも売るのは一カ月に十五台だから保証がありますと言わぬばかりに書かれている。
 自動車取得税ですが、これについては車両購入費の五%かかることになっているようだが、田部さんの場合、車両価格は改善費用も入れて二百四十三万円、ところが東京都練馬自動車税事務所へ行って調べてみると、納税証明は五万五千円納付したことになっている。五%だったら百十万円の車両価格ということになるはずだが、これでは脱税の疑いが出てくるではないか。
 保安基準に適合していない車が車検をパスしている。これは別に分解して調べるまでもなく、前照灯が外国産のままになっていたり、ヘッドレスト、頭部後傾抑止装置がついていないとか、座席ベルトが外国産のままであってぐあいが悪いとか、非常用信号用具がついていないなど、素人が見てもわかる姿が次々にずっと出てきます。
 私のところに訴えが来ておるその一人の比佐さんという場合は、納車されて二週間後に、アクセルワイヤの戻りが不良、エンジンの回転上がりっぱなし、減速せず、ギアのシフトダウン・ブレーキ操作したところに対向車がやってきてフロントが少し出てタクシーと衝突、そのために相手を傷つけるという事態が生まれる。ヒーター、マフラー故障のため作動せず。修理させたら、ドイツ製のホルツのガムガムで埋めるというでたらめだ。これらの事実について、私は重大な問題だと思いますので、すでに昨日関係省庁の皆さんにも資料はお渡しをしておりますから御見解をお持ちだろうと思いますので、順次見解を聞きたいと思います。
 年式の詐称や走行距離装置の改ざん、こういうものは詐欺行為にはならないのか。被害者同盟からも訴えを考えておられるようだけれども、警察としてはどういう見解に立たれるのか。
 公正取引委員会は、このような虚偽の広告を出し年式や走行距離メーターが改ざんされるというようなこと、不利益をこうむらせるようなことをやっているけれども、法律的には問題はないのか。一体これに対してどう対処されるのか。
 自治省は、取得税は所有者が払うものだけれども、このように代理業者にやらせているけれども、どう見たって疑わしきものを感ぜざるを得ない。これに対してどういう措置をとられるつもりなのか。
 まず関係の省庁からお聞きをしたいと思います。運輸省は後にします。
○太田説明員 ただいまの年式の詐称あるいは走行距離の変更といいますか、そういう問題につきまして、それが欺罔の手段として用いられたということがはっきりしてきた場合には詐欺罪等が成立する可能性もあるわけでございますが、やはり具体的な事件ということになりますと、私ども実は警視庁の方でもまだ本件について把握していない状況でございますので、昨日先生からお伺いして初めて承知したというような状況でございますので、具体的な事件としてどうなるかという問題につきましては、さらに告訴等を待ちまして具体的な捜査資料に基づいて結果を出さなければならないというふうに思いますけれども、一般論としては、欺罔の手段としてそういうものが用いられ、それが非常に極端な場合には詐欺罪等が成立する余地があろうかというふうに考えております。
○土原説明員 年式や走行距離につきまして先生御指摘のような表示の事実がございますれば、不当表示の疑いがあるかと思っております。
○津田説明員 自動車取得税の関係につきまして御説明申し上げます。
 御承知のとおり、自動車取得税の課税標準は取得価格でございます。もっとも、販売会社の社員にその車を売ったとかそういう特殊ケースのときには通常よるべき取得価格というようなことがございますが、原則としては取得価格でございます。自動車取得税の申告に当たりましては、売買契約書その他、課税標準、その価格というものが明らかになるような書類を出していただきまして、それによってチェックしまして納税をするわけでございまして、もしその売買価格等に疑義がございましたら、それは更正決定ができるものでございます。
○寺前委員 私はそれぞれの省庁に資料を提供しますから、それぞれの省庁としての対策を具体的にお決めをいただきたいということを申し上げて、もう一度お返事を最後にお聞きをしたいと思います。
 それから運輸省に聞きます。
 こういう事実は運輸省として承知をしていたのか。それから、一つの会社からだけでも私の手元だけでもこれだけ出てくる。このような問題が車検体制の中にあるとするならば、車検体制の中のどこに問題があったのか、運輸省としての見解を聞きたいと思います。これが一点です。
 たとえば並行輸入車の検査が集中する品川の陸運事務所の場合を見てみると、五十三年度で九百五十九台の並行輸入が入っております。もちろんこのほかに改造車や組立車、それに一般の車の新規、継続検査をやらなければならない、そういう仕事があります。聞いてみると、ざっと一日八百台からの車検で、一台当たり五分から七分ということが車検の実態になっているけれども、こういうことのために問題があるのだということも言っているようですけれども、これは車検の体制として問題があるというふうに見なければならないと思うのです。その点について、これは事実であってそうなのか、お答えをいただきたい。これが中身の一つです。
 それから、並行輸入車というのは日本の車とは違って特殊な面があります。したがって書類審査だけでも三十分ぐらいはかかるというふうに関係の検査官は言っております。とするならば、関係のこういう車の特別な体制をつくるという問題を考えるか、何らかの対応策がここには必要になってくるのではないかと思うけれども、それについてはどういうふうに考えているのか。
 三番目に、陸運事務所の検査官を聞いてみたら、たとえば税務署の場合だったら税務大学校に入ってその教育を受けた諸君たちが徴税その他の任務についている。そういうふうに検査をやる諸君たちにその任務につくまでに十分な教育を施しておくという必要はないのか。いま何か一年ほどたってから二週間ぐらいの教育はあるようだけれども、そもそも検査官になる段階にそういう教育が必要ではないのか。あるいは航空の方で言うならば、管制官になるためにはちゃんとしかるべき大学校で教育を受けるということをやっているようです。こういう整備工場の方はそれぞれ免許状を持っていながら、この検査をする陸運事務所の方にそういう教育がなされていないというところに重要な問題があるけれども、そういう問題についてはどういうふうに考えておられるのか、こういう内容を含めて御見解を聞きたいと思います。
○小林(育)政府委員 お答えいたします。
 まず第一番の問題でございますけれども、先ほどからいろいろ保安基準に適合しない車が出ているじゃないかという御指摘でございます。私ども並行輸入の車につきましては事前に書面を出させまして、先ほど先生御指摘の四十数項目、こういうお話がございましたけれども、それについて国際的なといいますか外国の基準と国内の基準との相違、したがいまして、国内に持ってきます場合に当然かえなければならないヘッドライトでございますとかその他のものにつきましてどういうふうに改造したかというものを事前に書き出させまして、それを書面で審査をした上で現車とこれを確認しておるわけでございます。したがいまして、私ども検査をいたしました段階におきましてはそういう保安基準に適合しないものが検査証の交付を受けるということはあり得ないわけでございます。
 それではそういう車がなぜ走っているか、こういうことでございます。これは先生方もう御承知のとおり、暴走族の車とかあるいは俗にトラックやろうと言われますように、不正に改造された車というのが町には多く走っております。これは、私どもの車検に持ってまいりますときには合法的な形にして車検を受け、その後皆改造を行うということでございます。恐らくはその外車におきましても、陸運事務所に持ってまいりますときには一応正規の姿にしました後でもとに戻したのではないか、そのように想像されるわけでございます。
 それから、非常に業務量が多いのでそういうものを見過ごすのではないか、こういう御質問でございます。これはこの委員会でも、数分の検査で十分な検査ができるかという御質問でございまして、たびたびお答えをしておるわけでございまして、私どもの検査というものの性格、これはわが国だけではございません。車両の検査をやっております先進諸国におきましても、自動車の検査というものはもちろん非破壊でございますし、外観の検査でございます。これを分解して一々調べるというような検査をやっている国はございません。したがいまして、国の検査で何をやるかということが一つ問題でございます。この前もこの委員会で申し上げましたけれども、私ども国の検査というものは人間の体で申し上げれば定期健康診断ではないか、これは人間ドックのようなものではございませんということを申し上げたわけで、定期点検整備というものが使用者に義務づけられておるわけでございまして、これを使用者の方が正しくやっていただく、それを車検というのが後見的にといいますか、これを見ていく、こういうことがいまの道路運送車両法における車検の位置づけでございます。したがいまして、この車検だけですべての安全を担保するというわけにはまいらないわけでございまして、私どもも与えられた予算と定員の中でできる限りの努力をしているつもりでございます。
 それから、次の御指摘は、並行輸入車について特別の審査機関のようなものをつくったらどうかという御指摘でございます。
 ただいまもお話がございましたように、並行輸入の数も年々ふえてまいります。もちろん輸入車全体が相当ふえてまいっておりますけれども、並行輸入が相当ふえてまいっております。したがいまして、これを特別な機関で処理するということになりますと、審査に非常に時間がかかります。そうでございませんでも、並行輸入の車というのはわが国の排ガス規制等によりまして非常に審査に時間がかかるという苦情が一面でございます。したがいまして、そういう一カ所で集中的にやるということになりますと、さらにこれが時間的なロスになるということで現在各陸運事務所の窓口において実施するということでございます。そういうことで陸運事務所で実施いたしますけれども、東京の場合を例にとりますと、こういう並行輸入業者の方にできるだけ協同組合をつくっていただいてそれに入っていただくということが一つと、それから業者の方にも集まっていただいて講習会を開いております。この春にも開きまして、業者の方六百人くらいの方がお集まりいただいたと聞いております。並行輸入業者の数というのははっきりわかりませんけれども、全国で千業者くらいということでございますので、東京で六百という数は相当部分ではないかと考えているわけでございますけれども、こういうことを通じましてそういうトラブルがないようにという体制、並びに私どもの内部の者に対しましてもマニュアル、手引き的なものをつくりまして、そういう並行輸入車の取り扱いについて教育をしている、こういうことでございます。
 それから最後に、検査官の教育訓練が不十分じゃないか、こういうことでございますけれども、これは先生御指摘になりました二週間くらいというのは、入りました者をすぐ新人教育をしておりますが、それ以外に検査官の研修というのを本省、局で毎年実施しております。ちなみに五十三年度は本省で行いました回数が四回で、全国で百五十二人の検査官の研修を行っておりますし、局では二十九回三百七十人の研修を行っております。したがいまして、そういう局、本省の研修を通じまして、検査官の教育を図っているというのが実態でございます。
○寺前委員 私、一体それが検査機関の御発言かとちょっと耳を疑わざるを得ないです。輸入した車をちゃんと整備して車検へ持っていってそれを売るわけでしょう。買わされた人がたくさんおって、それが被害になっているんでしょう。それが現実に起こっている。これがうそだとおっしゃるんだったら、うそだとはっきり言っていただきたい。私は先ほど具体的に言ったでしょう。自分が見た車を二カ月後に車検を通りましたからとりに来てください、とりに行ったら少しも変わっていない。さびておるところがあった、上にアンテナがあった、そこをかえてください、こう言った。それがそのまま通ってきた。あなたのさっきの話だったら、車検へ持ってきたときには合法的にやっておって、後で改造したんだというお話。冗談じゃない、そんなもの通りますか。この訴えている人の話はだれの話だと思っているんです。この委員会を侮辱したらいかぬと思いますよ。訴えがあるんだから。私はこういう車ではぐあいが悪いと思って、そのときに感じたことだけを言った、それがそのまま通ってきているじゃないか、私ら車検が通ってきているということを信用してその車を買うのに、車検が通っておって信用したら実際は違った、それから研究してみたら車検ではここを直さなければいかぬことになっているのが全部直っていないじゃないか、買われた方が訴えているんです、こんな車検証明があるかいなと言って。それがないとおっしゃるんだったら、ないということをはっきりこの人の問題であなた言えますか、その人の言っていることがうそだと。あなたのところにもきのうちゃんと言ってあるんだから、その人の言うことはうそだとはっきり言いなさい。でたらめだとここへ来て言い切ってごらんなさい。そうでしょう。二百数十万円の金をかけて、この人はこれは危なくて乗れないからと言って、そのまま車を置いておられますよ、自分の責任になるから。警察の方はそうだと言われると思いますよ。いやしくも車を運転する人が、それは売ったやつが悪いんだと言って乗っているというようなことはできるものではないですよ。その一つの重要な位置に車検があったんだ、その車検の仕方というのは信用を与える重要な要素だったんだ、そう訴えておられるのです。それが一人じゃない。その会社から六人も出ている。協同組合に入ってそこで講習をやるさかいにそんなことにはならぬはずだなんて言ったってだめですよ。私はもう時間がありませんのでやめますけれども、特殊な例じゃないと思う。そこの会社から六人もここに訴えがあるんだから、六人全部あなたに見せますよ。一人一人がどういう事態にあったか全部書いてあるんだ。それに対して後で改造したんだという角度で物を見ている限りにおいては、何で改造せんならぬのです。筋の通らぬことをおっしゃるのはおやめなさいよ。私はもう言いません。
 一つだけ。車検のあり方に問題があったのか。事実を否定されないんだったら、直ちに検討しますということ以外にはないと思います。これを否定されるんだったら別です。どちらですか。私はあなたに率直にそこだけ聞きたい。
○小林(育)政府委員 私どもも先生の御指摘がある以前に、これが新聞に出てまいって、私どもは内部で調査をいたしました。新聞に出ましたということは、いま先生御指摘の全県ではございませんし、必ずしもはっきりわかったものばかりではございません。しかし、その段階で私どもが調査をした限りにおいては、少なくとも改造の申請のあった、そして記載されたものについては、確実に点検をしておるということは確認しております。ただ、私は、それが後で改造されたとは申し上げておりません。であろうと申し上げておるわけでございまして、推量でございます。したがいまして、ここでどうであったかということは水かけ論でございます。
 ただ、私どもそういうことが今後行われるということでありますれば、これは非常に大きな問題でございます。したがいまして、私どもとしては、そういうことが起こらないようにということで、先ほど申し上げましたような並行輸入の方にも十分注意をしていただくし、私ども検査官がそういう間違いを起こさないようにということで、内部の教育もし、業界の方にも注意をしていただいているというのが現状でございます。
○寺前委員 私はこんなもの水かけ論にされたらたまったものじゃありませんよ。御本人が、こういう車だった、そこを直してくれ。そのままの車で返ってきたんだ。そう訴えておられる。それが水かけ論とは一体どういうことですか。あなたは知っていなかったら水かけ論にならぬでしょう。それだったら、重大な問題だからすぐ調べます、これ以外にないじゃありませんか。私は資料は全部提供すると言っているんだよ。どうです。私はそこだけだよ。時間がかかるからそこだけだ。水かけ論にされてたまるか。
○小林(育)政府委員 事実関係については再度調査いたします。
○寺前委員 もう時間が来ましたので、各省どうするかということだけ、一言ずつ言ってください。
 終わります。
○太田説明員 被害者の告訴を待って所与の捜査を進めたいと存じます。
○土原説明員 具体的にお話をお聞きして検討させていただきたいと思います。
○津田説明員 地方団体が外車につきましても適正価格の把握に努めるようあるいは適性な課税が行われるよう、今後も指導してまいります。
○有島委員長 次に、伊藤公介君。
○伊藤(公)委員 日航機のDC10型機の欠陥の問題について、冒頭に一、二点だけ伺いたいと思いますが、細かなアメリカからの報告等につきましては、後ほど御説明を伺えるということを伺っておりますから、先ほど同僚議員の質問もあったようでありますから、一、二点だけ伺っておきたいと思いますけれども、このアメリカの連邦航空局の、墜落事故の後、同型機の総点検を命令をされて、これは非常に、これだけの停止処置をするということはかつてそうないことでありまして、大変大規模な航空機停止処置をして、総点検を命じられ、そのちょうど同じDC10型機について日本側の方もいろんな調査をされていると伺っておりますけれども、しかし、アメリカの調査に頼らずに徹底した調査が日本側でも独自に私は進められる必要があると思っておりますけれども、その見通しについて伺いたいと思います。
○森永説明員 先ほど青山先生からも同様の御質問がございましたけれども、何分私どもの所管しております日本航空が持っておる機数は九機にすぎませんし、その中の三機は昨年の秋から、一番新しいのはことしの四月の初めに就航したばかりの機体でございまして、DC10の中では比較的最近導入されたものが多うございます。したがって、どの機種もそうでございますが、次々に改修が加えられておりますので、必ずしも私どもの機体とアメリカの場合と同じではございません。さらにはエンジンも、実はノースウエスト航空と日本航空だけはプラット・アンド・ホイットニーのエンジンを使っておりまして、今回のゼネラル・エレクトリックのCF6というエンジンとは全く違うメーカーでございます。
 そういうことで、私どもも情報の不足に実は悩んでいるわけで、今回再度にわたるいわば総点検が全世界の二百七十機余にわたる全DC10について現在行われ、かつまた行われつつあるわけでございますので、その情報がやはり私どもの点検の手がかりの有力な一つになろうかと思って、それは大いに期待しているわけで、決してアメリカのFAAだけの何かの指示を待っているだけではございません、世界じゅうのユーザーからの情報を待っているわけでございます。
 さらには、それだけではきわめて受け身じゃないかということで、これはまさに自分たちが持っております九機につきましては、万が一問題がないように、まさにいま全精力をつぎ込んで現在点検をしているような状況で、決してその辺でおろそかにしているとは思いませんが、何分情報の不足に悩んでいる状況でございます。
○伊藤(公)委員 専門的なことで私もよくわかりませんけれども、日本の方が、飛行度、飛行時間がまだそう長くないというお話もありましたけれども、金属の疲労度というものは、一体どのくらいをもって、どういう基準があるのか、ちょっと伺いたいと思います。
○森永説明員 一番ポピュラーな飛行機といたしましてDC8、いわゆるジェット旅客機時代の草分けとして707と同時に出たダグラスの飛行機でございますが、これは現在でもかなり世界を飛んでおります。日本航空も四十数機持っておりますが、これは昭和三十四年に初めての飛行機が就航いたしまして、日本航空が買いましたのが翌三十五年でございます。もうすでに二十年近く飛んでいるわけでございまして、現在保有している四十、数機の平均飛行時間が三万二千時間に達しております。最近、これに、騒音問題がいろいろ大きくなりまして、実は非常に静かなエンジンが最近アメリカとヨーロッパのメーカーの技術提携でつくられましたので、そのエンジンに載せかえて、もう少し寿命を延ばそうじゃないかという議論がいま出てきておりまして、それでいいますと八万五千時間程度の数字になっておりますが、少なくともいまでも五万時間程度は大丈夫だということになっているわけで、そういう古い世代の飛行機でも、ずいぶんいろいろ、時間的に、細かい点検整備をやっているのはもちろんのことでございますが、かなり長い寿命がございまして、私ども、繰り返すようですけれども、昭和三十五年に就航している日本航空の四十数機の飛行機も、いまのところ三万二千時間で、まだ余命はかなりあるという状況でございます。いまの事故を起こしましたアメリカン航空の飛行機が約一万九千時間でございます。それから、その後第二段階の点検のきっかけになりましたユナイテッド・エアラインの飛行機が一万一千四百時間飛んでおります。そこら辺はいわば比較的若い、飛行時間をかせいでない飛行機で起きたので、したがって大変なショックを受けているわけでございます。
○伊藤(公)委員 DC10型機の欠陥の問題につきましては、後ほど細かな御説明を伺った上でさらに機会をいただいて質問をさせていただきたいと思います。いずれにいたしましても、空の旅はわが国にとっても非常に重要な問題でございますので日本側の独自の調査を十分して、アメリカ側はすでに飛行を始めるというお話も先ほどちょっと伺いましたけれども、わが国はわが国の立場で十分調査をしてひとつ出発していただきたいというふうに思います。
 次に、財団法人交通遺児育英会についてお伺いをいたしたいと思います。
 実は昭和四十三年十二月二十日に当交通安全対策特別委員会で決議をしているわけであります。「交通事故により親等を失った児童・生徒の進学援護に関する件」ということで、「財団法人の設立及びその財団法人の健全な事業活動を促進するため、必要な助成措置等について配慮すべきである。」といったような内容で決議をしているわけであります。その財団法人育英会の財源が大変ピンチになっているというお話を私もずいぶん伺ってきているわけでありますけれども、その実態はどうなっているか、まずお伺いをいたしたいと思います。
○三島政府委員 交通遺児育英会は、ただいまお話がございましたとおり、いわゆる交通遺児に対する奨学金の貸与等を中心とした活動を行っておられるわけでございますけれども、その資金といたしましては、基本財産等の運用益、自賠責特会あるいは公営競技団体からの補助金、それから街頭での募金とか経済界からの寄付等の一般寄付金、こういったものでございます。昭和五十一年ごろから学費の高騰といいますかかなり上がってまいりましたし、遺児家庭の経済的負担がふえてまいりましたため、逐年、奨学金の貸与額の増額を図ってまいっております。また貸与人員の拡大、こういった事業内容の拡充も図ってまいってきておるわけでございます。また、昨年、昭和五十三年には東京都下日野市に遺児奨学生のための学生寮を建設したわけでございますけれども、その建設及び土地購入に総額約十四億六千万円を要したわけでございます。このようなことで、事業活動の拡大に伴いましてこれに要する資金もかなりの大きな額に上るわけでございますけれども、育英会の御努力にもかかわらず、昨今の情勢から寄付金の募集が必ずしも順調に進んでいないということを私ども聞いておるわけでございます。
○伊藤(公)委員 交通遺児の方を含めて行政の立場で手を差し伸べなければならない人たちがもちろんいるわけでありますけれども、基本的には社会全体で相互に支え合っていくということがやはり本来あるべき姿であって、必ずしも行政だけでできることでありません。そうした底辺の広い多くの国民の善意というものを大切に育てていく必要があろうかと実は私は思っております。たまたまこの財団法人出育英会が呼びかけ人になって「あしながおじさん」の募集を最近されて、大分新聞でも取り上げられているわけであります。これは、高校、大学を卒業して一本立ちするまで七年間学費を出してみんなで応援してやろう、こういう制度でありますけれども、いまこうした企画がどのように進んでいるのか、行政の立場で御説明をいただきたいと思います。
○三島政府委員 ただいまお話しの「あしながおじさん」という制度でございますけれども、交通遺児が高校または大学を終了するまでの間その奨学金に見合う額を継続して寄付していただこう、こういう目的で一般の方々からの長期安定的な寄付を確保しようということで育英会がお始めになったわけでございます。大体の目標といたしましては、昭和五十四年度の奨学金の貸与額は約十億円を予定しておるようでございますけれども、その三分の一程度をこの「あしながおじさん」の制度で確保しようというふうに考えておられるようでございます。
 現在までの状況でございますけれども、個人の場合もあれば団体の場合もあるようでございますけれども、電話あるいは手紙で約千二百件の問い合わせあるいは連絡があったそうでございます。このうち寄付申し込みが確実となっているものはいまのところ四百件、約三分の一でございます。金額にして七千二百万円程度ということでございます。先ほど申し上げました問い合わせ、連絡等のございました千二百件につきまして現在資料及び申込書の送付といった手続を進めているという段階でございまして、交通遺児育英会としては、今後さらに広報活動を活発に行いまして目標達成のために努力を続けてまいりたい、こういう意向でございます。
○伊藤(公)委員 先ほど申し上げたとおり、本来は民間ベースで、民間の方々の力でそうした善意の輪を広げるということが本来の姿だと私は思っておるわけでありますが、やはりそういう民間の力に行政も手を差し伸べるということがある意味では必要ではないかと思っておるわけでありまして、こうした広い運動の中に、たとえば現職の大臣も「あしながおじさん」になるとかそういうホットな、行政の側からも何か具体的な協力への道を開くことができないだろうかというふうに私も実は考えるわけです。そういう育英会や民間の運動に対して今後具体的な御協力をしていただいたらいいのじゃないかというふうに思いますが、いかがでしょう。
○三島政府委員 やはり育英会の活動は一般の方々の御協力がぜひとも必要なわけでございます。私どもといたしましても、やはりいろいろな関係方面、関係向きの育英会の活動に対する御理解と御協力を賜るように私どもの立場として努力してまいりたいというふうに考えております。
○伊藤(公)委員 育英会の財源の問題について、その会のいろいろな年間行事やいろいろな計画についてはやはり財団法人自身がいろいろな角度から最もいい方法で御計画をされるのがいいと私は思いますけれども、かねてからこの育英会も御希望されていた日本自動車工業会からの寄付、この要望はずいぶん以前からも出ておりまして、昭和四十四年に育英会に当初十億円の寄付、その後九年間全く寄付がない。トヨタが五十二年に二千万台数の生産を記念して三億円の寄付をされた、それだけにとどまっているわけであります。
 実は、本委員会の太田先生も以前にこの件は本委員会で取り上げられているわけでございますが、私、実はそのことを伺って、ちょっと議事録をひっくり返して読ましていただきますと、通産省は可能な限り自動車業界として前向きの姿勢で取り組むように指導したい、これは、行政の立場でこうした業界に対してこういう働きをすることはむずかしいということは私もよくわかります、余りやり過ぎれば圧力になるわけですし。そうではなくて、繰り返すようですけれども、やはり相互の善意に基づいたそうした配慮がされるべきだと私は思っているわけであります。そういう要望がずいぶん以前から出ているわけでありますが、その後どのような接触をおやりになられたのか、また、工業会に対して今後そうした問題については道を開いていただける何らかの方策があるのか、お考えを伺いたいと思います。
○浜岡説明員 御指摘のとおり、この問題につきましてはかつて太田先生から御指摘を受けておりまして、ああいうお答えを申し上げました後に日本自動車工業会に対しましても、この問題について前向きに取り組むよう、私の方から強く要請をいたしております。
 その後の経緯につきましては、育英会の方から自動車工業会に対しまして拠出の御要望があったようでございますが、年々大変巨額の資金の御提案のようでございまして、自動車工業会といたしましても、いろいろな御要望の中のバランスでどういうぐあいに取り扱うかというようなことで、御提案のとおりの数字についてはなかなかむずかしいのじゃないかというような意見も会の中にあるようでございます。
 現在、私の方からも引き続き当事者間の話し合いを進めるようにという要請を重ねていたしておりますが、先生御指摘のように、私どもの方からどれだけの金額を出すべきだということを具体的に指示する性格のものではございませんので、やはり当事者間で折り合いのつく線を何とか見つけまして、その線でこの善意の運動というものを関係業界としてもバックアップしていくという方向で結論を出すということが適当ではないかと存じております。
○伊藤(公)委員 これは私の推測でありますので、真実はよくわかりませんけれども、こういう要望が出ていて、十年間自動車工業会からもそうした運動に対して協力が現実の問題として今日までなかったということですから、財団法人育英会と自動車工業会との間にスムーズな話し合いが行われない、そういう状況が生まれているのではないかというふうに私は推測をするのです。
 もちろん、不幸な交通事故が起きる、車がなければ事故が起きないと言えばそれまでですけれども、しかし、現実に車を使わないということもできないわけでございまして、そういう意味ではそういう感情的なものを越えた双方の理解というものがないと、現実に交通事故に遭われて大変な思いをしている母子家庭にとっては、そうした感情論よりは現実に助けてほしいという方もたくさんいるわけでありますから、育英会と自動車工業会との仲人役をできるかどうかわかりませんけれども、そうしたスムーズな双方の意思が通じ合える状況というものをやはりつくっていく必要があるのではないかというふうに私は考えているわけです。いま御答弁いただいたように、どれだけどうしてやってほしいということでないにしても、できるだけそうした要望にもこたえて、現実にそうしたことが前進ができるような道をぜひ開いていただく努力をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○浜岡説明員 こういう問題につきまして、やや比喩的で恐縮でございますが、具体的な結論が出るまでには、やはり当事者間のキャッチボールと申しますか、やりとりが何回か重ねられるということではないかと存じます。現在の段階は、自動車工業会が一つボールを投げまして、これから育英会の方から返りのボールが来るのが待たれているという状況であろうと私推察いたしております。
 同時に、私の方から申し上げますと、自動車業界の首脳も育英会の常任理事あるいは理事に名前を連ねておるわけでございますので、やはりこういう、いわば両者の間にブリッジ的な存在になっておられる方々の役割りというようなものも当然期待できるのではないかというぐあいに考えております。私の方は従来お答え申し上げました考え方は基本的に変わっておりませんので、外側から何とかいい線が見つけ出せるように引き続き声援をしてまいりたいというぐあいに考えております。
○伊藤(公)委員 すでにそういう要請をされたというお話を先ほど伺いました。いつ、だれに、どういう形できちっと要望されたかということを私お尋ねしたいと思いましたけれども、いまそういうことを改めて申し上げるというよりは、前進的にぜひ新たにそうした道を開いていただく努力をしていただくように強く要望しておきたいというふうに思います。
 それから、実は生活の資金の貸し付けについてでありますけれども、自動車事故による死亡者または重度後遺障害者の子弟であって、義務教育終了前の児童に対して一時金というものがいままで出されていたわけであります。これは無利子で貸し付けるという制度でありますが、今日までは義務教育ですね。もう九六、七%が高校進学と言われている現状の中で、この制度は高校まで延長したらどうだろうかというふうに私は思うのです。実質的にはもう高校までほとんどの人たちが進学をするという現状の中で、そういう制度の改善ができないかどうか、お考えを伺いたいと思います。
○伊藤説明員 お答えいたします。
 先生お話のございました自動車事故対策センターが交通遺児の家庭に対しまして生活資金の貸し付けを行っているわけでございます。これは四十八年度に発足いたしまして、昨年度、昭和五十三年度末までに延べ三万九百三十人に対しまして、総額三十三億三千万円を無利子で貸し付けておりまして、このことが交通遺児家庭の生活の保護ということについて役割りを相当果たしてきているのではないかと考えております。しかしながら、先生先刻御承知のとおりに、この貸し付けは自動車事故対策センター法という法律がございまして、この三十一条でセンターの業務の範囲が規定されております。この貸し付けは、義務教育終了前の児童を対象とすることとされておりまして、現在のところは、高校生につきましてはまだ実施していない状況でございます。しかし、先生御指摘のように、現在高校教育が事実上義務教育化しているという状況もございますし、それから、現在センターから貸し付けを受けておられる家庭の方々からも、せめて高校を卒業するまではセンターからの貸し付けを継続してほしいという要望もございます。しかし、先ほど申し上げましたように、センター法におきますセンターの業務範囲と、それから本日先生から御意見が出ております交通遺児育英会が行っております高校生に対します奨学金の貸与事業という制度、あるいは都道府県が行っております高校生の授業料減免事業に対しまして国が補助をいたしておりますが、そういうことで現在は高校の就学の機会というものの確保に努めているわけでございます。こういった現在の他の救済制度というものとの兼ね合いもあろうかと思いますが、先生の御意見をも踏まえまして、今後の課題として検討してまいりたいと考えております。
○伊藤(公)委員 次に、交通事故に遭われた交通遺負を抱えた家庭にとっては、そうした一時金の問題とあわせて、働き手の御主人を失って、お母さんが後働けるかどうかということが非常に重要な問題だと思っておるわけであります。全国で十二万人の交通遺児の九〇%はお父さん、父親を失っている。そうした母子家庭では、六万世帯、約半分は非常に貧しい状況の中に置かれている。母親の職場を確保するということが恐らく交通遺児の家庭にとっては最大の問題であろうと思っておりますが、その雇用状況はどうなっているのか。これは全国の約六十万を超える母子家庭についても同様のことが言えると思いますけれども、民間と行政が、ともにこうした母子家庭に対する雇用の促進ということを名実ともに進めるべきではないかと思っておりますが、その実態を御説明いただきたいと思います。
○佐藤説明員 お答え申し上げます。
 労働省が五十二年六月に実態調査を行っているわけでございますけれども、この結果によりますと、現在、寡婦等の方々で就業している方は八九・六%ということで、約九割の方は何らかの形で就業されております。このうち、従業上の地位を見ますと、これらのうちで雇用労働者になっておられます方が七三%ほど、それから自営業者が一七%、内職をやっておられる方が六%ということでございます。
 先生御指摘のとおり、確かに、寡婦の方たちも自立して生活の糧を得ていきたいという方が大変多いわけでございます。私どもといたしましては、寡婦の方たちもその適性と能力に応じた雇用の場を得られるということが重要だと思いまして、まず広範な御相談に応じまして、いま、たとえ就職している方でも、また仕事を探している方でもそうでございますが、より安定した雇用、高い収入を得たいという方につきましては、技術を身につけたいということであれば、公共職業訓練その他の各種の訓練を受けるようにお勧めいたしておりまして、公共職業訓練をお受けになりましたときには手当を支給するという制度をとっております。また、使用者がこういう寡婦等の方たちを雇用することがさらに促進されますように、こういう寡婦等の方たちを雇用する使用者に対しましては、雇用奨励金を支給しているところでございます。
 さらに、こういう諸制度が寡婦等の方たちあるいは使用者の方たちに周知されるということがやはり重要でございますので、婦人少年室が中心になりまして、関係の行政機関とも十分連絡をいたしまして、寡婦等の方々あるいは使用者にこういう制度の周知に努めますとともに、こういう方たちをより多く雇用するように使用者に対しても啓発を行っているところでございまして、今後もこういう制度につきましてさらに充実を図っていきたいと考えております。
○伊藤(公)委員 車の事故が起きないような方策をとるということが一番大事なことでありまして、起きたときにどうするかということだけの議論は後ろ向きになってしまうわけでありますが、しかし現実に毎日のように交通遺児は悲しい交通戦争の中で生まれているわけでありますから、特にいま申し上げたとおり、お母さんの働き場というものは非常に重要でございますので、ひとつ民間のこうした団体とも十分な連絡をとっていただいて、しかも、訓練をしている余裕すらない、もう、すぐにでも働かなければならないという家庭ばかりでありますから、できるだけ速やかなそうした処置ができますように十分な連絡をとっていただきたいと思います。
 時間が来てしまいましたけれども、最後に、実は自賠責保険の一部に、あるいは一部でなくて上乗せをして育英資金に回すという大胆な方策はとれないのか。たとえば保険に百円乗せますと、三千五百万台でありますから三十五億円を活用できるということになるわけでありますが、そうした方策はとれないのかどうなのか、お伺いいたしたいと思います。
○伊藤説明員 お答えいたします。
 先生御指摘の自賠責保険料の一部にそういった交通遺児の対策の資金となるべき部分をビルトインして、そしてそれを基金にして交通遺児対策を進めたらどうかという御提案だというふうに思います。
 実はこういった方式につきましてはフランスにおきましてもございます。フランスの強制保険の中に、一部そういった原資を入れまして――ただ、フランスにおきますのは、そういうものを原資といたしまして、わが国では政府の保障事業に該当いたしますいわゆる無保険者による事故とかあるいはひき逃げ事故による被害者に対します損害のてん補ということにその基金を使ったり、あるいは、いわゆる不履行判決等の貸し付けということで、損害賠償の請求が判決で認められた場合においても、その加害者の方に履行能力がないために、損害賠償、要するに被害者の損害がてん補されないままに残ってしまうという問題があるわけでございまして、これに対する立てかえということで私どもの事故対策センターで一部やっておりますが、フランスにおきましては、保険料の中に入れましたその金を資金にいたしまして、そういった不履行判決の履行の確保のための基金に充てるというようなことが行われております。
 先生、交通遺児対策ということでお話がございましたけれども、私といたしましては、その交通遺児対策というようなことよりはむしろ、もっと広い被害者一般の救済対策に充てるというようなことは、一つの貴重なアイデアと申しましょうか、御意見だろうというふうに考えますが、現在の自賠責制度にかかわる問題でございますので、今後、将来の問題として検討してまいりたいというふうに思います。
○伊藤(公)委員 どうもありがとうございました。終わります。
○有島委員長 この際、DC10の安全対策に関する問題について発言を求められておりますので、これを許します。松本航空局長。
○松本(操)政府委員 日本時間でございますが、去る五月二十六日午前五時、シカゴのオヘア空港で起こりました、アメリカン航空所属のDC10型機の事故に関連いたしまして御報告を申し上げます。
 事故が起こりましたのは五月二十六日午前五時。事故の状況は、シカゴ・オヘア空港を離陸直後のアメリカン航空所属のDC10でございまして、その時点において、目撃者の証言あるいは撮影されました写真等によりますと、左側の翼の下に懸垂されておりましたエンジンが脱落をいたしました。この脱落したエンジンがさらに機体の一部に当たったようでございますが、この点は必ずしも確認をされておりません。結果的には、当該航空機は操縦の自由を失って飛行場の場外直近のところに墜落をいたしまして、関係者を含めまして二百七十三名が死亡するという非常に大きな悲惨な事故になったわけでございます。
 わが国といたしましては、この問題を承知いたしましたのが土曜日でございましたけれども、月曜日直ちに、私どもの方の大臣が関係の三社の社長を呼びまして、外国で起こった事故ではあるけれども、DC10型機というものは日本国内にもあるわけでございますので、また、類似のいわゆるワイドボデーと称される機材もあるわけでございますので、そういったような点を念頭に置いて、各社とも、いやしくも航空機の整備に係る、あるいは運航に係る問題において事故を発生することのないよう、さらに念には念を入れてそういった方面に励むようにということを指示をいたした次第でございます。
 米国におきましては、NTSB、つまり日本で申しますと事故調査委員会のようなところが直ちにこの事故の調査に携わったわけでございますが、事故の直後に、このエンジンと翼とをつないでおりますパイロンという部材がございますが、このパイロンと翼をつなぐところにボルトが何本かあるわけです。そのうちのボルトが一本折損されて事故現場の近傍から発見されたということに非常に重点を置きまして、この発動機支持構造部、つまりパイロンと主翼とを結合しておりますエンジンの推力を伝達する機構のボルトの折損ということがこの事故の大きな原因ではないかというとりあえずの判断から、このボルトに重点を置きました点検を指示するいわゆる耐空性改善命令というものを二十九日の深夜になって発行したわけでございます。
 このアメリカ連邦航空局の発しました指示は、当然のことながらアメリカの国籍機についてのみ有効でございますけれども、私どもといたしましては、事の重大性にもかんがみまして、これに直ちに対応した措置をとることといたしました。すなわち、日本航空が所有しております国内線用六機、国際線用三機の九機のすべての航空機に対し、二十九日じゅうに連邦航空局の指示したような点検及び所要の整備を行うということを指示したわけでございます。日本航空はこれに従いまして、二十九日の夜までにすべての機材について点検を行いました。
 点検のやり方といたしましては、ボルトを抜いてチェックするというのではなくて、積極的にボルトを全部新品と取りかえてしまうという作業を行わせたわけでございます。
 ところが、アメリカ連邦航空局の方は、この二十九日の指示を出しました後にもさらにいろいろと調査を続けておったようでございますが、事故を起こしましたアメリカン航空の事故機の調査の結果及び二十九日の米国連邦航空局の耐空性改善命令に従って点検をしておりましたユナイテッド航空という別の会社の同じDC10の航空機のチェック、この両方の検討結果から、最初に指示をしました推力用のボルトではなくて別のところに大きな原因があるのではないか、こういう疑いを抱いたようでございます。で、三十日の午前二時に、とりあえず追って指示のあるまでDC10型機の全面的運航停止を命ずる、こういう措置をとったわけでございます。
 私どもといたしましては、実は昨三十日の早朝、いろいろな方法でこの指示の内容を承知をいたしましたので、直ちに日本航空に口頭をもって指示し、追ってこれは文書で確認したわけでございますけれども、日本航空に所属する九機のすべてのDC10についての運航の停止を命じました。そのうちの一機は、たまたまアンカレジに向け運航中でございましたので、アンカレジへ着いた時点で運航を停止させまして、旅客を全部おろし、旅客は振りかえ輸送をするということにいたしました。したがって、昨三十日、日航のDC10が全部運休しましたので、約二千八百人の旅客が振りかえ輸送あるいは乗りかえ輸送、こういったような問題が生じたわけでございますが、ともかくそういうふうにいたしますとともに、日本航空に対しては予備的な点検を指示したわけでございます。
 と申しますのは、連邦航空局が追って指示するまでということで何を具体的に指示してくるのかが、その時点では必ずしもはっきりいたしませんでした。その後、昼過ぎになりまして、私どもはテレックスでその指示の内容を承知したわけでございます。これによりますと、先に発しておりました推力用のボルトのほかに、このパイロンそのものの構造についてチェックをせよ、こういうことでございます。
 やや技術的になって恐縮でございますが、エンジンを翼の下につり下げますためにパイロンという部材が入っておるわけでございますが、このDC10のパイロンというのはちょうど鉄橋の構造を思っていただければよろしいのでございますけれども、短い部材は組み合わせまして、それをボルトで締めつけるという、ボックスガーダーと申しますか、そういったような構造になっておるわけでございます。特にその翼に密着してくっついております部分について、約百本のボルトで締めつけてある部分があるわけでございますが、その締めつけてある百本のボルトの中に緩みあるいは欠損、こういうのが生じているのを発見したようでございます。さらにまた、この百本のボルトで一枚の板を締めつけておるわけでございますが、この一枚の板に亀裂が入っているのも発見されたようでございます。
 そこで、そういう点にさらに十分注意をして点検をするという具体的な指示が出てまいったわけでございまして、これに従いまして私どもの方も直ちに、運航を停止しておりました日本航空のDC10に対して、この指示に従った点検、整備を行うよう指示をしたわけでございます。その結果、あらかじめ準備をしておりましたので、作業は意外に早く進んだわけでございまして、大体昨日の夜十時ごろには一応のチェックと整備を終わったわけでございます。
 およそ、航空機を運航させるに当たりましては、運輸大臣から資格を付与されました確認整備士が、整備が完全に行われたことを確認する必要がございます。私どもといたしましては、これらの九機につきましての整備の概要と、確認整備士がこれを確認したということを文書をもって報告させることをしたわけでございますが、本日午前一時ごろ、日本航空の方から担当の専務の名において、九機のうち八機については完全に点検を終わり、整備を終わった。一機につきましては、これはたまたま成田に駐機しておる航空機でございますが、この飛行機を近くモーゼスレークに持ってまいりまして、パイロットの訓練用に使うということもあって、単に指示されました個所だけでなくて、それ以外の部材についても、この際徹底した整備を行いたいということで、営業用に運用しておりませんので、一応別扱いといたしまして、八機について、けさ早く運航の許可をしたわけでございます。したがって、本日早朝からは、予定どおり運航をしておるわけでございます。
 この八機について、どういうふうなことであったかの結果を概略申し上げますと、五機については何らの異常を認めておりません。一機につきましては、エンジンをつっておりますパイロンの中に、ある部材があるわけでございますが、この右及び左のエンジンにつきまして、締めつけの力が緩んで部品の位置が多少ずれているというのが発見されましたので、これの位置を直してもとどおりきちんと締めつけるという措置をとりました。それからもう一機につきましても、一基のエンジンについて、百本のボルトのうち二本が多少緩んでおるということが発見されましたので、これは、所定の締めつけ力で締め直すという措置をとりました。もう一機につきましては、一基のエンジンについて、ただいま申し上げましたようなファスナーが一本破損をしておりましたので――ファスナーというのは締めつけボルトでございますが、この締めつけボルトの破損が発見されましたので、これを新品と交換して、正規の締めつけ力で締め直すという措置をとりました。現在、成田に駐機しておりますモーゼスレーク用の機材につきましては、同じようにファスナー、締めつけボルトが、左のエンジン、右のエンジンのパイロンに関連して、一本または二本破損をしておったわけでございますが、実はこれも新品に交換をしてございます。ございますけれども、この飛行機は、別の部分につきましても整備を行っておりますので、現時点では、まだ飛行の許可を発するに至っておりません。今後どうするかということでございますが、DC10につきましては、個々の部材につきまして百時間ごとまたは十日目ごとのいずれか早い方に、この部分について点検をせよという新しい指示が連邦航空局から出されておりますので、今後当分の間、この方法によってパイロンと翼との取りつけ部分についてチェックを行わせるということにしてまいる所存でございます。
 なお、冒頭申し上げました、大臣が関係三社を呼んで指示しましたことに対する回答といたしまして、いま私どもが各社に具体的に指導しておりますのは、このDC10のみならず、他の機材にもいろいろな問題点があるのではないかということを念頭に置いて、従来から実施してまいりましたような整備を励行することはもちろんでございますが、こういう事故があったということを念頭に置いて、さらに具体的、技術的な面を追求し、どういうふうな方法で、どういう部材について整備の精度を上げていくかという点について報告をしろ、こういうことを言うてございます。したがいまして、一概に大型機がすべてエンジンのつり下げ部分について問題があるとは申せないと思います。これはDC10と、たとえばジャンボジェットでは、非常に構造が違っておりますので、DC10のやり方をそのままジャンボに持ってくるというわけにはまいりません。そこら辺のところを技術的に詰める必要がございます。ただ、これらの航空機はいずれも外国製の航空機と、とりわけアメリカ製の航空機でございますので、私どもの方で強度計算その他細かな点をチェックしているわけではございません。したがって、アメリカの連邦航空局の責任者においてどういうふうな見解を持っているかということを、正式に外務省を通して現在問い合わせております。
  一方、われわれといたしましても、これらの航空機の運航について、ある程度の知識、経験というものを持つに至っております。とりわけDC8のようなものについては、長い間の経験というものを十分に持っておりますので、これらについてはいまさら外国の援助を受ける必要はないと確信いたしておりますけれども、使用してからわりあい日にちのたっていない航空機につきましては、基本的な点について、使用者側からだけの判断でいろいろと対応策を講じることが、万一片手落ちになることがあるといけませんので、ただいま申し上げましたように、連邦航空局の意向なども確認し、早急に具体策を立てて、これらの問題について具体的に処置する点があれば、直ちに取りかかるようにしたい、このように考えておる次第でございます。
 以上、大変簡略でございましたけれども、二十六日に発生いたしましたアメリカにおける事故に関連いたしまして、どのような措置をとったかを御報告申し上げました。ありがとうございました。
    ―――――――――――――
○有島委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。後藤茂君。
○後藤委員 時間がございませんので、一、二点お伺いをしたいと思うわけです。
 先ほど技術部長の方から御報告がございまして、情報が大変不足しておるので、それに悩んでいるということでございました。ただ、事は人命にかかわる大変重要な問題ですから……。まず、二十六日の午前五時ですか、情報が入った。そして、アメリカの連邦航空局から、二十九日に、具体的な点検個所の指示があり、さらに三十日に行われているようですけれども、その間とられておる対策がどうも十分でなかったのではないか。情報を集めることに急であったということもわかるわけですけれども、私は、先ほどの局長の報告をお聞きをいたしましても、どうも構造的な欠陥を持っていたんではないだろうかというように思えてならない。
 そこできょうお伺いをしておきたいのは、事故の情報をキャッチされたのが何時で、それはエンジンの脱落事故であるというのは、事故情報と同時にわかったのか。さらに、今度はボルト欠損というものが、いつの時点で情報が知らされたのか。その間、フライトは行われておったのかどうか。
 さらに、いま一遍に全部申し上げておきたいんですが、航空法の第百四条には、省令で整備基準等も規定をされているようですけれども、先ほどの局長の御報告の中では、古い航空機については、こちらとしては技術的な面においても、安全の面においても十分に対応能力を持っておるが、比較的新しいDC10についてはまだわからない部分がある、こういうように言われておりましたけれども、その運輸省令の整備規程ですが、この方も恐らく変えていかなければならない、再検討をしていかなければならない問題があるのではないか、こういうように考えるわけです。まだ世界各国からの情報等も待って具体的に検討されると思いますけれども、いま申し上げましたような点につきまして、簡単に御答弁をいただきたいと思います。
○松本(操)政府委員 お答え申し上げます。
 五月二十六日の事故が起こりました時点においては、私どもは新聞報道その他で承知をしたわけでございますが、エンジンの脱落であるという点については、わりあい早くわかったわけでございます。ただ、どういう理由で落ちたのかという点については、恐らくアメリカ側の現場でもなかなかわからなかっただろうと思いますので、私どももよくわからない。これはある程度やむを得なかったと思います。
 ただ、二十八日、ちょうど土曜日から日曜にかけての問題でございましたので、月曜日早々に、先ほど申し上げたように、三社の社長に警告を発した、この時点におきましては、いま先生の御質問にもございました整備規程に基づきます各社のそれぞれの整備基準がございます、これに従って十分に点検をせいということをまずスタートしました。五月二十八日の十二時過ぎに具体的な方法論がわかってまいったわけでございまして、日航としては直ちにこれに取りかかっております。正式の手続を経ましたのはおくれておりますが、作業を開始させましたのは二十八日の昼過ぎには入っておるという状況でございました。
 最後におっしゃいました整備規程の改定が要るのではないかという点につきましては、これは省令はきわめて骨だけが書いてございまして、具体的にどこをどういうふうな方法で何時間置きにというふうなことは整備基準という形で各社が機材ごとに全部決めまして、それを私どもの方が認可または承認をする、こういうことになっておりますので、今後の問題といたしまして、いま私が申し上げましたのは、新しい機材等についてはやはり具体的な強度計算等われわれのわかりかねる面もあるので、そういう点は外から知識を吸収する、あとはわれわれの持っている知識で十分にこなしていって、具体的なそういう基準、規程のたぐいについては改正すべきものがあれば早急に改正をしていくようにしたい、こういう趣旨でございます。
○後藤委員 もう一点だけ。
 先ほど八機、一機は別ですけれども、八機点検をいたしましたところが、それぞれ緩みがあったとかあるいはファスナーの破損があったとかということが指摘をされました。これは直接大きな事故につながるような欠陥であるかどうかは私どもにはわかりませんけれども、総点検をしてみるとそういうようなことになっているということになりますと、先ほどの御報告ではDC10が今度の問題と非常に大きなかかわりを持っておるわけですが、トライスター等はどうなのかという国民の心配がやはりあるわけです。したがってこの際は、単にDC10の総点検だけではなくて、緊急に各航空機の整備点検を時間をかけてやるべきではないか、そして国民の皆さん方に、こうこうこういう点検をしておるので安全であるということが明らかにならないといたずらに不安感を持つのではないか、かように考えるわけでございますが、いかがでしょうか。
○松本(操)政府委員 先生御指摘のようなことは確かにあろうかと思います。ただ、DC10の場合と、例におっしゃいましたトライスターの場合と大変に構造が違っております。今度のDC10の場合も、最初の情報で私どもが一生懸命に調べましたところは、実はどちらかと言えば二次的な問題ではなかったのかといま思っております。そういうことでございますので、早急にここら辺のところを詰めまして、どこをどう見ていくのが一番確実なのかというふうな点を早急に見つけてそれを実行に移していく、また、こういうふうなことをしていますということも広く皆様方に御了解願うようにしてまいりたい、このように考えます。
○後藤委員 終わります。
○有島委員長 次回は、六月七日木曜日午前十時理事会、十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時五十三分散会