第090回国会 交通安全対策特別委員会 第2号
昭和五十四年十二月五日(水曜日)
    午後一時二分開議
 出席委員
   委員長 石田幸四郎君
   理事 左藤  恵君 理事 佐藤 守良君
   理事 中村 弘海君 理事 野中 英二君
   理事 沢田  広君 理事 有島 重武君
   理事 木下 元二君 理事 玉置 一弥君
      北川 石松君    玉生 孝久君
      浜野  剛君    水平 豊彦君
      村岡 兼造君    井上 一成君
      枝村 要作君    楯 兼次郎君
      草野  威君    村上  弘君
      三浦  隆君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 地崎宇三郎君
        建 設 大 臣 渡辺 栄一君
        国 務 大 臣
        (総理府総務長
        官)      小渕 恵三君
        国 務 大 臣
        (国家公安委員
        会委員長)   後藤田正晴君
 出席政府委員
        内閣総理大臣官
        房交通安全対策
        室長      三島  孟君
        警察庁交通局長 杉原  正君
        運輸省自動車局
        長       飯島  篤君
        運輸省航空局長 松本  操君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局捜
        査第二課長   漆間 英治君
        大蔵省銀行局保
        険部長     松尾 直良君
        運輸省鉄道監督
        局民営鉄道部長 犬井 圭介君
        運輸省自動車局
        整備部長    小林 育夫君
        建設省道路局高
        速国道課長   田中淳七郎君
        建設省道路局地
        方道課長    山科 喜一君
        自治省税務局府
        県税課長    金子  清君
        特別委員会第一
        調査室長    綿貫 敏行君
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月五日
 辞任         補欠選任
  石橋 一弥君     北川 石松君
同日
 辞任         補欠選任
  北川 石松君     石橋 一弥君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 交通安全対策に関する件
     ――――◇―――――
○石田委員長 これより会議を開きます。
 この際、小渕総理府総務長官、後藤田国家公安委員会委員長、地崎運輸大臣及び渡辺建設大臣からそれぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。小渕総理府総務長官。
○小渕国務大臣 このたび総理府総務長官を命ぜられました小渕恵三でございます。
 御案内のとおり、交通事故による死者数は、関係行政機関、団体並びに国民各層の方々の御努力により、昭和四十六年以降年々減少し、本年もこのまま推移すれば九年連続減少の達成も確実な情勢となっております。
 しかしながら、なお年間六十万人にも及ぶ人々が交通事故の災禍をこうむっておるなど、交通事故は依然として重大な社会問題であります。
 今後、さらに一層関係省庁と緊密に連携し、総合的な交通安全対策の確保に努めてまいりたいと存じます。よろしく御指導、御鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、私のごあいさつといたします。(拍手)
○石田委員長 次に、後藤田国家公安委員会委員長。
○後藤田国務大臣 私はこのたび国家公安委員会委員長を命ぜられました後藤田正晴でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 御承知のように、わが国の交通事故による死者数は、関係の行政機関をはじめ、国民各層の皆さん方の御努力によりまして、昭和四十六年以来八年連続して減少してまいっております。ことしの死者数も、昨年同期との比較におきまして、この減少傾向を堅持をし、九年連続の減少もほぼ確実な見通しと相なっております。
 しかしながら、年間の交通事故による死傷者数は依然として六十万人の多きに達しておるのでございまして、交通事故の防止は依然として緊急な国民的な課題となっておるのでございます。
 こういった情勢に対処いたしますために、警察としましては、国民各層の方々の御理解と御協力のもとに、引き続いて調和のとれた車社会にふさわしい道路交通秩序を確立をするように努力してまいる所存でございます。
 委員の皆さん方には、従来から非常な御支援、御指導、御鞭撻を賜っておりましてまことにありがたい次第でございますが、今後とも一層の御指導を賜りまするように心からお願いを申し上げまして、私のごあいさつにかえたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○石田委員長 次に、地崎運輸大臣。
○地崎国務大臣 運輸大臣を拝命いたしました地崎宇三郎でございます。
 この機会に一言就任のごあいさつを申し上げます。
 運輸に関する行政は、陸海空にわたる輸送活動のほか、観光、海上保安、気象といった広範な分野を所掌し、いずれも国民生活に密着した行政を行っております。
 したがいまして、運輸行政の衝に当たる者は、広く国民一般の要望に耳を傾けながら本当に国民に満足していただける行政を推進していく必要があると考えておりますが、この場合、運輸行政の性質上、何といっても安全の確保がすべての基本であることは、改めて申すまでもありません。私といたしましては、これから運輸行政を進めるに当たっては、この基本認識を十分踏まえてあらゆる政策判断をしてまいりたいと考えております。また、各種交通機関の安全性の向上など、個々の安全施策についてもその推進に最大限の努力を傾注してまいる所存でありますので、何とぞ委員各位の絶大なる御支援、御指導を賜りますようお願い申し上げまして、私のごあいさつといたします。(拍手)
○石田委員長 次に、渡辺建設大臣。
○渡辺国務大臣 このたびの新内閣発足に当たりまして、建設大臣を命ぜられました渡辺栄一でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 御承知のとおり、交通事故によります死傷者は、交通安全施設等の計画的かつ積極的整備を初め、関係者の懸命の努力によりまして、自動車交通の増加にもかかわりませず、昭和四十五年をピークとして年々減少を続けておりまして、本年におきましても、昨年を下回ることはほぼ間違いなかろうかと推測されているところであります。
 しかしながら、昨年一年間でなお六十万人余りの死傷者の発生を見るといういまだ憂慮すべき状況にございます。
 交通安全は、全国民の切実の願いであります。
 私は、人命は何よりもとうといという基本理念にのっとり、第二次特定交通安全施設等整備事業五カ年計画及び第八次道路整備五カ年計画を推進し、交通安全施設の整備等、安全かつ円滑な道路交通の確保に力を尽くしてまいる所存でございます。
 委員各位の格別の御指導、御協力を切にお願いいたしまして、ごあいさつとさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
     ――――◇―――――
○石田委員長 交通安全対策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。玉生孝久君。
○玉生委員 いま所管大臣から決意表明がそれぞれあったわけでありますが、私は、地方空港の問題と最近とみにいろんなトラブルが伝えられますYS11の問題についてお伺いをいたしたい、こう思うわけであります。
 国内ローカル空港の主力機で活躍しておりますYS11は、昭和三十七年で百八十二機製造されて、現在エアラインにおいて八十機が就航をしておるのでありますけれども、その老朽化現象が進んだのかどうかわかりませんが、最近とみに故障続きの報道が目立ち、国民の間で不安な感じが増長しておるのであります。
 ちなみに、昭和五十二年では九十九件故障件数があって事故件数は二件、五十三年には百三十五件もあって、事故件数はこのときには少なかったのでありますが、五十四年には百四件、そのうちで事故件数が四件、胴体下部接地、脚故障緊急着陸、胴体下部接地、乱気流、負傷者四名というふうな四件の事故が起きているわけであります。最近におけるYSの故障は、発電機、無線機、あるいはブレーキの故障などが重なっておるのではないかと言われていますが、この故障原因を整備段階で解明することは困難でありましょうけれども、それでは故障範囲が広いことと整備時間の関係で重点的なチェックができないのではないか、こう思うわけであります。
 私どもの地方の富山空港におきましても、先月の十九日でありますが、エンジンが故障で離陸後引き返し、二十九日には地上との交信用無線の故障で離陸がおくれ、一番最後にはアンチスキッド、車輪ブレーキの自動制御装置でありますが、その異常を示して、そして小松空港へ着いておるという事故が三件も連続して起きておる、こういうことが乗客の不安を増大させておるんじゃないか、こう思うわけでありますが、この故障の実態はどうか。それから、今後の耐用見通しと安全運航の確保について、局長からひとつお答えいただきたいのであります。
○松本(操)政府委員 先生がおっしゃいましたように、現在定期航空運送事業に七十八機のYSが飛んでおります。先ほど八十機と仰せられましたが、うち二機は、実は耐空証明が切れてしまっておりまして、部品取りと言うとおかしゅうございますけれども、そのような形でございます。
 いま逐一おっしゃいましたように、たとえば今年の大きな問題として報ぜられましたものとしては、七月十八日、東亜国内のYSが羽田から帯広に行きます途中で発電機の故障により無線機が不通になるという状態が生じました。引き続き、七月二十一日には同社機の羽田における片足着陸の問題がございました。これらは非常に大きく報道されて、あるいは乗客の不安を買うことがあったのではないかと反省をいたしておるわけでございます。
 私どもといたしましては、早速七月二十二日から八月三日にかけて東亜国内に対しては立入検査を行い、その結果八月八日に東亜国内に対し電源系統及び脚系統の整備方法の再検討並びに技術管理体制の強化ということを指示いたしたわけでございます。
 現在YS11は、確かにおっしゃいますように古い機材ではございますけれども、しかし、そうは言いながらも、現在の使われ方を見てみますと、まだかなりの飛行機が飛んでおる。その飛んでおる状況は、いろいろ見方があるかと思いますが、いまおっしゃいました異常運航の発生率、つまり千回の便が出たとして、千回につきどの程度異常運航が起こっているかというのを見てみますと、ここ数年大体千回につき一回というあたりのところで、安定と言うと言葉がおかしゅうございますが、ふえないという状態になっているわけでございます。
 それから、そのほかに定時出発率という、大体十五分以内の遅延状態で、整備故障等によって出発がおくれずに出たのはどのくらいかというのを拾う数字がございますが、これはここ数年各社とも九九%以上、こういう数字を示しておるわけでございますので、特にYSが、おっしゃいましたように非常に不安定になっているということは言えないのではないかと思います。
 ただ、最近いろいろとそういうことが報ぜられておることでもございますので、私どもといたしましては、この問題が起こりましてからここ三カ月ぐらいの間に相当の議論を重ねました。八百カ所ぐらいについて整備のありようを全部見直しをいたしました。ようやくその方向づけがまとまりましたので、近くこれらを全部取りまとめまして、整備方針を変えるべきところは変える、新たに指導すべきところは指導するという形で、さらにYSの安全運航に取り組んでまいりたい、こう考えております。
○玉生委員 千回に一回だから大したことはない、九九%以上出発時間がおくれないんだからこれでいいという言い方でありますが、私どもはそう思わないのでありまして、近ごろはやはりどっちかといいますとジェット機が幅をきかしておる世の中ですからね。YS11、プロペラをつけた飛行機なんか、うちの子供でさえも書きませんよ。子供はもうプロペラのない飛行機を書いておるのですから、そういう時代にプロペラの飛行機に対してやはり何か不安があるわけですから、その不安が、事故が起きるたびに、そして故障が見つかるたびにやはり新聞も報じますし、大いに関心を持って、そういったことが余りないようにお願いを申し上げたいと思うわけです。
 前にも野坂議員がお聞きになりましたが、YS11というのは、そういう五十足らずの空港で非常に働いておる。そしてこの前の局長のお話を聞いておりますと、今後十年間はもたせたい、五機あれば部品は大丈夫だ、これはそういうふうにおっしゃっておるわけですが、もう十年間もYS11で飛ばされておる私どももまたかなわぬのでありまして、何とかしてジェット機に乗りたいという希望はあるわけであります。いま千五百メートル以下の滑走路を持っておる、千二百が主だとは思いますが、そういう滑走路を持っておる飛行機としてYS11のリタイアが問題になるところでありましょう。そういう意味で一体どういうふうな対応、YS11の後継機といいますか、そういうふうなお考えをひとつお聞かせ願いたいわけであります。
 いろいろ専門家の話を聞きますと、DC9型の改良型でありますとか、それからBAC111の670、それからF28のMK六〇〇〇ですか、それからB737の改良型とかいろいろなことを言っておられるわけでありますし、この前も局長明細に御説明になったわけであります。しかしまだそういうふうな後継機の十分な展望がない、こういう中にもやはり小さい飛行場を持っておる住民の不満といいますか、悩みがあるのではないか。後継機はこれだぞ、これでいくんだぞということがある程度明確になりますと落ちつくんだろうと思いますが、そういう点でひとつYS11の後継機は、これはいまの飛行場をつくっておる地方公共団体は全部B737、727を飛ばせようと思って、そういう目標で進んでおるわけでありますが、どうしても離島やなんかになりますと、滑走路が延ばせない、こういうふうな状態にあるところでありますと、やはりYS11の後継穂は何だろう、何にするんだろう、こういうふうな気持ちがあると思います。そういう点についてもう一度ひとついまのお感じを率直にお聞かせ願いたいと思うわけであります。
○松本(操)政府委員 確かにいま六十人乗りのプロペラ機というのは、ややタイプとしては古めかしいと申しますか、ジェット機の非常に多くなった時点においてそういう感じがいたします。
 したがいまして、私どもの方も空港整備の過程におきましてジェット化ということをここ何年となく進めてきておるわけであります。基本的には、滑走路を二千メートルにしてジェット化をするというのが基本の考えでございます。そうは言いながらも、空港のジェット化のためにはやはり相当の年月も要しますし、また中には地形上の制約その他でなかなか滑走路を延ばしがたい空港もあるわけでございますので、そういうところにつきましてはやはりYSを当分の間使わざるを得ないだろう。その期間がどのくらいかと言えば、いま先生が仰せられましたように、やはり十年ぐらいは使っていくことになるのではないか、こう考えてはおりますが、その後継機は何だということになりますと、どういう観点からこれを選ぶのかというのが実は非常にむずかしい問題になってまいります。たとえて申しますならば、大阪空港あたりでYS並みという言葉がよく聞かれますけれども、この場合には大きさというよりもむしろ音の大きさの方でYS並みということを強く要求される方が多いわけであります。そういたしますと、ジェット機でも、専門的になりますが、バイパス比の非常に大きいエンジンというふうなものを積みましたものはかなり音を低くすることができると聞いておりますので、そういうものの開発も可能であろうかとは思いますけれども、ここ数年の間にそういうものが実用の域に入るかどうかということになりますと、私は多少疑問があるのではないだろうか、このように思います。
 それからまた、飛行機の専門家に伺ってみますと、千二百とか千五百メートルとかいう滑走路で少なくとも百人以上乗れる飛行機をあげおろししたいんだ、こう言われると実は非常にきついんだ、せめて千七百とか千八百とかいう長さになるとわりあい技術的に楽であるというふうなことも伺ったことがございます。
 したがって、いま先生が仰せられましたようなBACの146シリーズの100型とかBAC111シリーズ670とかあるいはフォッカーのF29とかいろいろなものが提案されておるわけでございますけれども、あるものはいささか設計が古過ぎまして、それの改良型というふうなことでございますので、末永く使うというのにはちょっともう少し詰めなければいかぬのじゃないかという気がいたしますし、あるものにつきましてはいまだペーパープランの段階を出ておりません。したがいまして、もう少しその技術的な詰めをいたしませんと果たして採用に耐え得るものかどうかという点についての疑問がございます。
 そこで、再び結論めいたことになるわけでございますけれども、やはり滑走路を延長して通常のジェット機が飛べるようにすることが第一の考えと思いますが、しかしそうは申しながらも滑走路の延長等に問題のある空港に対しては、当面YSを整備その他を完全にして十分に使いこなしていくということではありますが、しかし将来の問題として、有力な航空機メーカー等においていろいろな検討もございますし、またわが国におきましてもYXXといったような考え方も進んでおるようでございますので、そういうものに十分に注目しながら早目早目に手が打てるような方途を講じていきたい、こう考えております。
○玉生委員 空港に対して滑走路を延ばすことが一番先決であるしジェット化に対応する道でもある、そういうふうにおっしゃるのはよくわかるわけでありますが、いま第三次五カ年計画が終わります。そして第四次整備六カ年計画というものがスタートをするように準備が進められておるわけでありますけれども、大蔵省の方はなかなかこわいことを言っておる。そういう点につきまして、国土の均衡ある発展に資するために国内航空のネットワークというものは、新幹線時代からまた航空時代に入っておるんじゃないか、こういうふうに思うわけであります。そういうふうになりますと、いまの昭和六十年には七千六百万人というものを運ぼう、こういう御計画があるようでありますが、滑走路二千メートル以上の空港というものはいまのところ四十二空港ですか、それから整備中のものは七空港というふうに、これはこの第四次の計画ができますとこれだけになるわけでありますが、今後のこれに対応するいまの運輸省の姿勢というものをひとつお伺いしたいと思います。
○松本(操)政府委員 現在七十四の空港がございますが、その中でジェット機にまともに対応できる二千メートル級以上の空港の数は二十三でございます。一つの目安といたしまして滑走路の延長を全部足してみる滑走路総延長というものを一つのめどにとってみますと、百三十四キロ何がしというのが現在日本における民間機の滑走路の総延長でございますが、ジェット機の就航できる滑走路を全部足してみますと四七%何がしという程度でございます。それに対して九二%近い旅客というものがこのジェット航空で運ばれておることは、先ほど来先生御指摘のとおりでございます。そこで、六十年度末の四次の六年計画というものをいま検討中でございますが、これが完成したという状態で考えてみますと、先ほど仰せのとおり七十五の空港のうち四十二がジェット対応、つまり五六%がジェット対応になり、滑走路延長ですと約四分の三がジェット対応になる、こういうことになろうかと思います。そこまでのところは少なくとも私ども六十年あるいは六十二、三年あたりのところを目当てに何とか持っていきたいものである、このように考えておるわけですが、その他の空港につきましては離島等の八百メートル空港とか、こういうものもございますので、これらについては機材の開発との兼ね合いでさらに今後研究を続けてまいりたい、このように考えております。
○玉生委員 いま現在富山空港において整備計画ができてはおりますが、空港周辺の関連道路のうちで富山空港線は一応舗装されておるわけであります。しかし改良されておる部分はわずか六百メートルにすぎませんで、ほとんどが未改良であります。しかもその幅員は四・五メートルから五・五メートルくらいで一車線がやっとであります。富山市の表玄関としての空港道路としてもふさわしくないお粗末な道路であります。空港線の整備はどうなっておるのか。また国道四十一号線については一部整備済みでございますが、他の部分についての土地区画整理事業等、いま整備中でございますけれども、その概要について地方道課長からお願いしたいと思います。
○山科説明員 お答えいたします。
 富山空港の関連道路としては、ただいま先生御指摘のように空港線と四十一号と両方ございまして、空港線につきましてはほとんどが一車線でございます。現在二・八キロありますが、これを空港の玄関にふさわしい形にするために新しく道路をつくる計画、その中には二車線でございますけれども、歩道それに広い植栽帯を設けた格式のある道路にしたい、このようにして今年度から国庫補助事業として取り上げております。
 それから四十一号線でございますが、これは空港の入り口から市内まで三・五キロございます。その中で現在直轄で仕事をしてございます。すでに二・一キロは四車線になりました。あと残りの一・四キロは、ちょうど沿線地区にありますところの土地区画整理事業、これが現在実施中でございますので、この事業により拡幅用地の確保ができ次第逐次工事を進めていくことで現在進めております。
○玉生委員 大体わかったわけでございますけれども、いま富山空港が整備されております富山市新保地区というのは刑務所がございます。粗大ごみ処理場がある。そして空港、おまけに耕地面積の六割以上はイタイイタイ病の地区であります。でありますから、飛行場が整備されるということは、一面また土地を優良土地に返すという目的のためにもそういう仕事で土地を利用することは一番いいとは思いますけれども、迷惑施設が重なっておる現状でもございますので、今後道路の整備でありますとか、環境を整備する上におきまして特別に御配慮願いたいと思います。富山県自身も大きな関心を示して取り組んでおりますし、もうすぐめどがつくとは思いますけれども、第四次の整備計画の中で私どもも一生懸命になっていま整備をしておるところでありますので、何かと関心を持って見ていただきたいと考えるわけでございます。
 私、三十分間でありますので、これで失礼します。
○石田委員長 次に、北川石松君。
○北川委員 ただいま玉生委員からも御質問がございましたように、ローカル線の空港は非常に狭いためにYS11が天候が悪いときは着陸に困るということで、過日、運輸委員会でも、旭川の飛行場にYSが着けずに引き返している、ジェット機にしてほしいと要望したことを思い出しておりました。そういう点で富山また鳥取等の飛行場が速やかに広げられてジェット機に対応できるように、また利用者に安堵感を与え危険度をなくするように御努力をお願いしたいということを冒頭に申し上げておきたいと思います。関連を重ね、そして残り時間を質問したいと思います。
 きょうは総理府総務長官、自治大臣、国家公安委員長、それから運輸大臣、建設大臣お見えになりまして本委員会においてわれわれ委員の質問をお聞き願えるのだろうと思ったのですが、他に委員会が開かれておりまして同時刻の開催でありますので、そちらにお出ましになったことは了といたしますが、特別委員会、特に交通安全委員会は一運輸関係、一建設関係だけじゃなしに、海空陸として行われる交通情勢というものは所管大臣の連携も必要であろうと思いますから、きょうはここに御列席の各省の皆様にこの点をよく御理解願っておいて大臣が出席してなくてもよく大臣にその意の通じるように冒頭にお願いをいたしておきたいと思います。
 関西新空港については特に伊丹空港の繁雑によって新しい空港を大阪湾にということが着々調査委などで進められておりますが、この問題は運輸委員会で質問させていただくことにいたしまして、今日大阪あるいは羽田等においての日航と全日空が同時刻に同飛行場を飛び立つというところの時間割りが示されておりまするが、果たしてこれで、今日のスピード化と繁雑の中でコンピューターシステムとかなんとか言われておりますが、空港の操作が、同時刻に飛び立つことができるのかどうか、この点について、路線のスケジュールが非常に繁雑になっておるがために、いまだにこれを改めることができない、あるいは改める御意思があるのか、ちょっとお聞かせ願いたい。
○松本(操)政府委員 この問題についてはこの春にも御指摘がございました。その後私どももできる限り改善すべきものは改善するよう努力をしてまいったつもりでございますが、遺憾ながらまだ御指摘のように同時刻に二機のダイヤが組んであるという例が幾つかございます。その数は五月ごろに比べますと三分の二ぐらいに減ってまいりました。今後ともそういった方向で努力をしてまいりたいと思っておりますが、実際の問題といたしましては、実は多少むずかしい面がございまして、一つは機材繰りと申しますか、一機の飛行機が同じ路線に張りついていない場合がございますので、それをいろいろと回さなければならない。その関連性でどうもダイヤのくっついたところと離れたところが出てくるということがあるようでございますが、しかしこれは本末転倒の議論になってはいけないと思いますので、あくまで旅客公衆の利便のためにダイヤが組まれなければなりませんので、そういう意味で仮に機材繰りについて工夫が要るにいたしましても、それはそれとしてやはり旅客の集中する時間帯には十分な供給力がつくような形でダイヤを組むようにさせたい、このように思っております。
 それからもう一つは、特にいま御指摘のございました東京、大阪について特有の問題かもしれませんけれども、たとえば東京で申しますと、一時間三十機、三時間七十八機というような離発着機数の制限が管制の都合上設定されております。そこで、ある条件のもとに理想に近い状態でダイヤを組みますと、たとえば九時から十時とか、十時から十一時というところが三十を超してしまうとか、あるいは連続する三時間で七十八を超してしまうということになりますと、やむことを得ずそれを散らさなければならない。その散らし方が、ついうっかりしておりますとほっと手前の方へくっつけて同じところに持っていってしまうというふうなことがなきにしもあらずということがあろうかと思います。したがって、いま私が述べましたような制約があることはあるわけでございますけれども、しかしそれはそういう現状を踏まえた上で、なおかつ旅客公衆の利便のために適正なダイヤを組んでいくということが私どもの仕事でもあろうかと深く認識しておりますので、今後ともそういう方向で十分に努力をしてまいりたい、このように考えます。
○北川委員 いま御答弁を願って、その内容はわれわれ素人では十分理解ができ得ないのでありますけれども、非常に御努力なさっておる点は多といたしますが、本委員会でもたびたび委員もこの点については質疑いたしております。管制塔の中ではすでに日航は何分、全日空は何分ということは頭にあると思います。また、指示もされると思うのですが、われわれ利用者にしますと、同じ時刻に二つがどうして飛び立つのだろう。素人考えなんです。こういう素人考えの中に不安がないとは言えないと思うのですね。しかし実際は同時刻には飛び立ち得ない。これはもうはっきりしておりますから、まあ最低三分の余裕がなければいかないだろうと思うのでありますが、ですから、そういう明示というものは、本当にお客の利便のためになさるのならやはりお客本位の時間の表示をしなければいけない。私はこう思うのでございますか、いかがでございましょうか。
○松本(操)政府委員 いまの先生の御指摘を伺っておりまして、私、これはもう少し航空会社も努力をしなければいかぬなという気がいたしましたが、時刻表に書いてございます時刻と申しますのは、たとえばローディングブリッジを離れる時間でございまして、したがって同じ場所で隣同士にたとえば日航と全日空がおりまして、両方ともたとえば東京から札幌に向かって同じ時刻にローディングブリッジを離れていくということは、変な気もいたしますけれども可能であるわけでございます。ただ、まさに御指摘のように同じ滑走路から二機の飛行機が同時に出ていくなどということはあり得ないことでございますから、この場合には、まさにおっしゃるとおり少なくとも三分前後の間隔はあります。ただ実際はじゃどうなっているのかと申しますと、飛行機のとまっております場所から滑走路の端まで出かけていきます時間が、同じところに並んでとまっているということはまずございませんので、したがって早く着くもの、遅く着くものがございますから、航空機の運航の安全という点から見ました場合に、時刻表上に同時刻のダイヤが組んであるからといって安全上問題があるということでは全くないわけでございますが、もし旅客の方がそういうふうな点に不安を持たれるのだとすれば、一体あそこに書いてある時刻というのは何なのだということを皆さんに十分知ってもらうことはやはり努力しなければいかぬだろうと思います。
 それとは別に私が前段お答えいたしましたのは、旅客が集中する時間帯に同時にあるいは五分間隔で二社の飛行機が出ていくということはあるいはあり得るかもしれませんけれども、しかしなくなってしまうと全然なくなってしまうとかいうふうなこともまた少し不便な点があるのかもしれない。したがって、空港ごとに方面別にそれぞれ旅客のピークというものがあろうかと思います。そういうふうな点を念頭に置きながら、先ほど申し上げましたような技術上のむずかしい点を克服しつつ旅客の便利のいいようなダイヤを組むということに努力をいたしたい、こう申し上げたわけでございますので、後ほど御指摘のありました同時刻に離陸するというその不都合性はただいまの御説明で御理解いただけたかと思います。
○北川委員 局長がおっしゃったように離陸と出発とは違うと思うのですね。だからそれはよくわかるのですし、また非常にピークのときの状態も、相並んで行くこともよく承知はいたしているのですが、ところが出発ということを基点に置きましてわれわれは飛行場へ向かうわけなんです。そういう点で、たとえば満席待ちのための時間のずれをやっておることは住々見るのであります。それをきょうどうのこうの申し上げる気持ちはありませんが、この間の台風のときにたまたま私は大阪空港へ参りまして、前日から予約をお願いしておりました。ちょうど行って、八時四十五分の日航がまだあるのですよ、八時半に行っておるから。そこで全日空に、台風のなにが出ているが大丈夫ですか、出発できるかと言ったら、できますよ、こう言うのですね。じゃ日航に乗らずに、全日空に予約しておるから乗ろうと思った。そうしたら日航は九時前に出発した。それで九時十分になっても全日空は何も放送ないので、おかしいなと思って、私、もう時間が来てしもうておるじゃないかと思って行って、どないしたのと言ったら、いや、もう出発しませんと言うのですよ。おかしいじゃないか、いまもう天気よくなってきたじゃないか、こう言ったのですよ。じゃ羽田が荒れておるならやむを得ないよ、こう言ったのです。もうしないかと言ったら、しませんと言う。ああそう、じゃ私は帰らざるを得ないけれども、もう新幹線も八時でとまってしまっている、君、どないしてくれるねん、こう言ったのです。そんなこと台風で、何か言われたかな。そうと言って、もうそのまま私その切符はいまだに保存しているのです。また何かの参考になったらと思って保存しておるのですが、そういう一例がありますので、私はたまたま同時刻の危険性を指摘し、そしてやはり利用者本位の時刻の発表というものをこれから厳正にやっていただきたいということをお願いいたしたいと思います。
 次に、今日の大阪周辺衛星都市の人口の増加とマイカーを初めとするトラックその他の車の増加というものは非常な繁雑を呈しておるのでありますが、御承知のようにこの繁雑の中で生じてくる人心の不安また交通事故の多発、また油その他の節約を考えましたときに、大阪圏の中の都市交通構想というものを見直すときが来ているのではないだろうか。ただ既成の考えにとらわれて行っていくのではなしに新しい運輸体制というものをつくるべきじゃないかと私は思うのですが、その点におきまして、昭和四十六年の十二月に都市交通審議会の答申に沿って建設が進められているところの地下鉄二号線、これに対する大日以遠の計画はどのようなお考えがあるのか、ちょっとお聞きを申し上げたいと思います。
○犬井説明員 お答え申し上げます。
 ただいま御質問のございました大阪二号線につきましては、お話にございましたように昭和四十六年十二月の都市交通審議会の第十三号答申で新設を要すべき路線ということで書かれております。そのうち東梅田−大日間につきましては緊急整備区間ということで指定されておりまして、これにつきましては東梅田から守口まで現に建設が終わって営業しております。守口から大日までは現在建設中でございます。それから先の建設計画につきましては、現在のところわれわれとしてはまだ承知をいたしておりません。
○北川委員 ただいま説明がありましたが、これは一民営鉄道としての考えだけでとどめるべきじゃないと思うのですね。建設省、運輸省ともにこれに対しての見解を一遍御披瀝願いたいと思います。
○犬井説明員 お答え申し上げます。
 ただいまお話がございましたように、昭和四十六年の都市交通審議会に整備をすべき路線ということでうたわれているわけでございますから、われわれとしてはその趣旨を十分尊重しながら今後対処してまいりたいと思いますが、鉄道の建設につきましては、まず建設主体が決まり、地元でのいろいろな話し合いが行われて、その上で免許申請がなされるということが前提として必要でございます。これは地域的に見ますと大阪市外ということになりますので、まず建設主体につきましては、大阪市がおやりになるのかほかの主体がおやりになるのかという問題があると思います。それから、大阪市が仮におやりになるといたしましても、大阪市の財政問題とかあるいは大阪市内における整備すべき路線の優先順位の問題とかがあると存じます。
 それから、具体的な路線の決定ということになりますと、地元の市町村との関係とかあるいは地元の住民の方とのお話もなされなければいけない、その他関係の私鉄との話し合いもされる必要があるかと思います。そういう話し合いがまず必要でございまして、そういう話し合いがまとまった上で申請が行われるということになりますれば、われわれとしては答申の趣旨を尊重して対処してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○北川委員 いま御説明を聞きまして、当局者としてはそれは当を得たところのお考えだと私は思うのですが、その決定されたとき、昭和三十八年当時とはかなりの情勢の変化が認められているということは事実であります。それと、それに関係ある私鉄路線も、新しいアイデアといいますか、新しい計画を示していくならば了解をしてくれるのではないか、このように私は思います。それは、人口増ということが非常に大きな問題になっております。それに伴う建設省関係の国道一号線を初めとする自動車に対応する路線というものが今日ではもう容易ではない。拡幅も容易でなければ新しい路線もつくることが容易でない。これが現状でありまして、そういうことを思いますときに、この延伸に対しまして、もちろん地方行政の中においての受け入れの大阪市もこれに対して了とするところのいろいろのファクターを提示しながらこの了解を得なくてはいけない。と同時に、大阪府の知事初め行政機構の中で、もちろん衛星都市の行政の中もよく理解を得てこれを進めなくてはならぬ、このように考えるものでありますけれども、何といいましてもこれの指導、監督またこれに対する行政の的確な措置を一つ一つ示していくためには、当局が前向きでアクチブにこれを行うという強い意思を示してもらわなくてはこれを行うことは大変至難であろうと思うものでございますので、その点の御見解、いかがでしょう。
○犬井説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、大阪市の特に北東部における人口増ということはわれわれも十分承知しておりますし、鉄道を中心とする交通網の整備が必要だということも十分認識いたしております。ただ先ほど申し上げましたように、鉄道の建設につきましてはまず地元でのお話し合いが確立されて、その上に乗って申請が行われるということが必要でございますので、われわれとしては形式的に言えばそれを待たなければアクションがとれないということでございますけれども、実際に地元でいろいろお話し合いが進みそして免許に至る過程で、いろいろ実際上は御相談があると思います。そういうことにつきましてはわれわれとしても今後積極的に対応して、答申の趣旨ができるだけ早く実現されるように努力してまいりたいというふうに考えております。
○北川委員 この点は地元のまた大阪近郊の大きな要望でありますので、重ねて前向きの姿勢で進んでいただきたいということをお願い申し上げておきます。
 そういう点において、調査費を計上するところの御意思があるかどうか。
○犬井説明員 お答え申し上げます。
 ただいま調査費を計上するかどうかというお話でございますが、国の予算としての調査費というものはこの種類のものにはございません。大阪市が、大阪市なりあるいは周辺の都市の間で御協議になってそういうお話し合いができた場合に、それじゃ調査をしようかということで、初めて地方公共団体のレベルで調査費が計上されるということになるかと思います。
○北川委員 せっかくの要望でありますので、特に前向きの御指導をお願いいたしておきたいと思います。
 次に移ります。
 交通事故の被害者の中で重度後遺症の障害者が頻々と出ております。この点について本人の苦痛あるいは御家族のこれに対する痛ましい気持ちというものは大変だと思うのですね。こういうことを思いながら介護料というようなものが考えられ、そしてこれの支給を始めておると聞いておるのでありますが、こういうことを、今後運営方針をいかにしながらこの方たちのお気持ちに沿ったなにをやっていかれるか、お聞きしたいと思います。
○飯島政府委員 交通事故による被害者の救済につきましては、運輸省といたしましていろいろな措置をとっておるところでございますが、いま先生のお話にありました重度の後遺障害者の場合には、まことに本人だけでなく御家族も非常に悲惨な状況に置かれているということについては十分認識いたしておるつもりであります。特に頭部に重大な損傷を受け、いわゆる脳損傷を生じまして寝たきり、屎尿失禁、摂食不能、意思の疎通ができないというような状態にあります重度の意識障害者につきましては、全身状態の悪化を防ぐために四六時中付き添って看護することが必要であると考えられます。こういう状況に対応しまして、ことしの八月から自動車事故対策センターを通じまして、自宅において看護を受ける場合を含めて日額三千円以内の介護料を支給いたすことといたしました。今年度予算におきましては三億二千八百五十万円を計上いたしております。
 本年度の実績を申し上げますと、申請を受け付けましたのが四百八十九人でありまして、そのうち認定をしたのは四百二十七人という状況になっております。
 なお、来年度につきましては、重度の意識障害者と同様な介護を必要とする重度の脊髄損傷者等についても介護料の支給対象とすることといたしたいということで、合計六億五千八百万円を予算要求中でございます。
○北川委員 本年四百二十七人の認定で三億二千八百万、今度は六億計上したと聞きますが、損保業界では一体どのような救済措置を考えておられるのか、お聞きしたいと思います。
○松尾説明員 重度後遺障害者、いわゆる植物人間と言われておる方々あるいはその家族の方の日常生活は御指摘のように非常に悲惨な状況にあるわけでございます。そういうことから、いま運輸省から御説明がございましたように、ことしの八月から自動車事故対策センターの介護料支給制度が発足をいたしたわけでございます。こういうことを踏まえて、民間の損害保険会社におきましても任意自動車保険の分野で同様なことと申しますか、こういう重度障害者の救済を何か考えてはどうかということでございまして、運輸省の方が発足をいたしましたので、これとの関係を踏まえながら、いま業界において鋭意検討を進めておるという段階でございます。残念ながら今日まだ具体的な案というところまでまとまっておりませんが、相当いろいろ詰めて検討しておるという段階でございます。
○北川委員 御答弁をちょうだいいたしまして了といたしますが、なおこういう事故のためにいまおっしゃった植物人間になられる方、あるいはそれよりも、精神が生きておりながらの苦痛の方もたくさんおられる。また社会に及ぼす影響を考えまして、なお一層前向きに各省と連絡をとりながらやっていただきたい、このように私はお願いをいたします。こういう点については後でまた大蔵関係からも説明を願うつもりでおります。
 時間が切迫いたしておりますので、次に、こういう交通の災害を利用する一番悪いのは暴力団だと私は思うのですよ。暴力団によるところの交通事故を利用した保険金の不正請求事件が昨年も新聞をにぎわしました。そこで、五十二年、五十三年、五十四年の件数あるいは不正金額の請求について、自賠責保険、損害保険、生命保険等に分けて一度御報告を願いたいと思います。
○漆間説明員 お答え申し上げます。
 警察庁で調べた数字は昭和五十三年中の数字しかございませんので、その数字によって御説明申し上げたいと思います。
 昭和五十三年中に各都道府県警察で検挙いたしました暴力団関係者の絡む各種保険金詐欺事件は全部で二十事件ございまして、被害額は既遂額が約一億八千六百八十五万円、未遂額が約四千六百九十万円となっております。そのうち自賠責保険であるとか自動車保険の絡んだ詐欺事件、これがほぼ御質問の交通事故の絡む保険金詐欺に当たるかと思いますが、これが十三事件ございまして、被害額にいたしまして既遂額約一億三千百四十万円、未遂額九十万円となっております。
 また保険の種別ごとの数字でございますが、自賠責保険が絡んだ事件が五事件ございまして、これが約一億三百三十万、それから損害保険が九事件ございまして、これが約七千三百五十万円、同じく未遂額が四千百八十万円、それから生命保険が絡みました事件は三事件ございまして、これは約六百三十万円、同じく未遂額五百十万円となっております。
 なお、一応自賠責保険その他に分類いたしておりますが、実際には各種の保険が競合している場合がございまして、私どものこの統計ではそのうち主なものに統合してございますので、一億三百三十万と申し上げましたが、これはすべて自賠責関係ということではございませんので、その点は御了解をいただきたいと思います。
○北川委員 いま自賠責から生命保険まで数字を挙げていただいたが、それは本当の表へ出た数字であって、実際は暴力団を恐れる余りに表に出しにくいというものが大変あるのじゃないか。こういう問題を警察当局はどのように考えておられるか、お聞き申し上げます。
○漆間説明員 お答え申し上げます。
 私どもの方も、このような交通事故だけに限らず最近の保険の普及に絡みまして各種の保険金詐欺事件が起きておりますので、それぞれの業界とも連絡をとりながらこの種事件を徹底的に検挙すべく鋭意努力しておるところでございます。
○北川委員 では、その金額は求償されて実際は回収されておるかどうか、そういう点はどうですか。
○飯島政府委員 自賠責保険の状況だけを申し上げます。
 五十三年に発覚した自賠責保険金の不正請求事件は七十九件、金額にして七千四百万円余となっております。
 保険金の不正請求に対しましては、事件の内容を十分調査いたしまして、保険会社などが不正行為者と交渉し、求償に応じない場合は民事訴訟を提起して回収することにいたしております。たとえば五十年度から五十二年度までの三カ年間に発覚した事件について見ますと、被害総額二億一千三百万円に対しまして約六割に当たる一億二千六百万円を回収いたしております。
○北川委員 六割回収されたと言うけれども、残りの四割は回収できない。これは保険制度から見て大変好ましくない形であろうと私は思うのです。そういう点で、暴力団の介入はまことに好ましくないと思うのですね。いかがでございましょう、どういう方法でこれに対処されるか。保険会社は大変つらい立場に置かれると思うのですが、善意の第三者ということを考えたときに、この対処は大変大切だと思うのですが、いかがでございましょうか。
○漆間説明員 先ほどもお答え申し上げましたように、警察といたしましても今後とも業界を初め国民の協力と信頼のもとにこの種の事案を徹底的に検挙してまいる所存でございまして、各種の会議等を通じて各都道府県警察にもその種のことを伝達してございますので、今後強力な取り組みがなされるものと期待いたしております。
○北川委員 人が被害を受けて大変困っておるのを利用して暴力団の資金源にするような、あるいはそれに便乗して人を殺害することはまことに好ましくない。そういう点において私は、当局は厳しい態度で臨んでいただかなくては困ると思うのです。こういうことを思いながら、私は、この防止策については当委員会でもたびたび皆さんがおっしゃっておると思うのです。これは警察だけでもいけないと思うんですね。また、こういう点で運輸省あるいは大蔵省というものは、あるいは前向きでこれに対応していくとなれば、どういうお考えで今後やろうとされておるか、各省ちょっと御意見を聞かしてもらいたいと思います。
○飯島政府委員 先生のお話のとおり、自賠責保険の適正な運営にとって、こういった事件を防止することはまことに大切なことだというふうに認識いたしております。今後は事故の内容について特に慎重に審査いたしまして、疑義が生じた事案につきましては事故の当事者あるいは警察当局、指導機関等の関係先へ照会、調査を徹底いたしまして、不正請求の防止に努めるよう保険会社を指導してまいりたいというふうに考えております。
○松尾説明員 先生御指摘になりましたこの保険金の不正請求というのは、警察庁のお話にございましたように、自動車保険に限らず、自動車関係はもちろん多いわけでございますが、生命保険、いろいろな分野で起きておりまして、これはモラルリスクというふうに言われております。直訳いたしますと道徳上の危険と申しますか、生保、損保を通じましてこれにどう対応していくかということがいま重要な課題となっておるわけでございます。
 これは、一つは入り口の問題、つまりそういう悪質なものが保険に入るという入り口で何かこれを防止できないかという問題が一つ、それから実際に保険事故が起きまして、あるいは本当に事故でないものを事故であると偽って請求してくるという保険金が出ていく段階と、両方での対策が必要ではないかというふうに考えております。
 自動車の関係で申し上げますと、御承知のように、自賠責の関係では自動車保険料率算定会の調査事務所というのが事故の査定に具体的に当たっておるわけでございます。自算会におきましては、たとえば特定の職員が特定の地域なり特定の保険会社のものを専担をして持つというようなことにならないように配慮をするとか、あるいは事故証明につきましても単に写しが出てきたときにはちゃんと原本を持ってこいということにするとか、いろいろ自算会の調査事務所はそれなりの調査体制の適正化ということで努力を願っておるわけでございます。
 それから、他方民間の保険会社につきましては、昨年十一月にこの任意自動車保険の分野におきまして、保険約款に若干改定を加えまして、たとえば事故が発生したら直ちに保険会社に通知をするとか、あるいは修理工場へ回して修理工場から後から高い金額で出てくるというようなことになりませんように、修理をする場合には、修理にかかる前に保険会社の承認を得るというような幾つかの手段を講じておりまして、そういうことによって本来事故金額が少ないのにふくらますような、そういう不正の請求を防止していきたい。
 それから、先ほど申し上げました一番大事なのは入り口の問題であろうかと思います。これは生命保険の分野でもいろいろ検討いたしておりますが、そういう暴力団とか悪質なものについて、Aという会社が契約をして被害を受けた、ところがBとかCという会社はそういう人物について何の知識もなかったとか、あるいはAが異常に高い保険金を甲という会社へ入っておる、乙という会社がそれを知らなかったというようなことのないように相互に情報交換の充実ということをいま業界で真剣に検討していただいて、一部そういったことを始めております。
 それから、自動車に関しましては各地で警察との定期的な懇談会と申しますか協議会的なものを設けまして、警察当局からもいろいろお話を伺い、情報を提供していただくというようなことで、入り口でそういうものを防ぐということをいろいろ工夫をいたしておりまして、今後ともこういう方向で業界を指導していきたい、かように考えております。
○北川委員 いまいろいろとその指導的立場から御答弁をちょうだいしたのであります。
 私の調査した暴力団による保険金詐欺事件が事件数として、先ほどもお話がございましたが、二十件、検挙人員六十八人、こうなっております。実際はこれは表にあらわれたものであって、本当は、表にあらわれていないけれども、実際出し得なくて涙をのんでいるというものが私は相当あるのではないかと思うのですね、相手が相手であるから。こういうことが今後起こらないように御努力を願いたいと思いますね。そういう点について、マンネリであってもならないし、国民の上に、あるいは国家財政の上にあぐらをかいてしまってもならないと思うのですね。保険会社、また保険をかけられた国民の皆さん、そしてこれを指導、監督される各省の中で、大蔵省を初めとする運輸省等々が国民的立場に立って、こういう弱い者いじめ、これを利用するもののないように今後適切な厳しい指導、監督と、そしてこの保険によるところの国民の安堵感というものを十分生かすところの今後の措置と御指導をお願いを申し上げまして質問を終わりたいと思います。なおまた足らざるは次回に質問いたしたいと思います。時間が参りましたので、ありがとうございました。
○石田委員長 次に、沢田広君。
○沢田委員 それぞれの関係の方が来ておられますが、総括的にまず第一に、車が四千万台にも達するような情勢になりまして、交通安全のこの委員会の使命というものもまた違った意味において新たな課題を背負っているものであろうと思っておりますし、従来の審議の経過というものが果たして具体的にどう生かされたかということの点検もまた必要であろうと思っております。
 いま二つの問題を提起いたしました。従来交通安全の委員会においてそれぞれ同僚の方々からいろいろな分野で指摘をされた問題が今日残されております。それに対して来年度予算編成を目指して、主として運輸省あるいは総理府ということになりますか、それぞれの担当分野においてはこれをどのように受けとめて対処しようとしているのか。普通の委員会でありますると、きわめて結論の法案ということで出しやすいのでありますが、こういう委員会でありますから、ややしり抜けの点なしといたしません。言いっ放し、開きっ放しということで済まされがちでありますが、そういう意味においていままでの委員会の審議の中身が具体的に政府の担当機関としてはどう具体的に受けとめて対処しようとしているのか、それがまず一つ。これは折に触れて各省からお答えをいただきますが、まず運輸省から聞き、警察庁からお伺いをいたしたい。
 それから、同じようにその四千万台に達しまする今日の日本の過密自動車状況というものに対応して、これからの対策としてまずどう考えているのか。長い論文で読まれたのではどうにもなりませんので、限られた時間でありますから、簡潔に個条書きにお答えをいただきたいと思います。
 以上。
○小林説明員 お答えいたします。
 非常に大きな問題でございますので、一口にはお答えしにくい問題でございます。
 私ども従来、ただいま先生御指摘のように非常に数がふえてまいりまして、やがては四千万台になろう、こういう自動車の数に対しまして、当委員会で御指摘ございましたような自動車の安全の関係あるいは公害あるいはエネルギーということに対しまして、それぞれ個々の自動車に対します安全規制なり公害規制あるいはエネルギー消費の節約という対策を立ててまいったわけでございます。
 しかしながら、いま先生の御指摘になられましたことは、そういう個々の車に対する規制では恐らく今後対応し得ないであろうという趣旨の御指摘であろうかと思いますけれども、私どもも同様に考えておるわけでございまして、今後ことに都市交通の分野において自動車交通というものの位置づけをどうするかということは非常に重要な問題であろうと思います。しかしながら、自動車につきまして登録の規制をするとか使用の規制をするとか、そういう抑制的な面でいま直ちにするということは法制的な面からも困難でございますし、実際的な面からもなかなか具体的な策というものは立てにくいということでございます。したがいまして、私どもといたしましては、公共交通機関をより利用しやすくする、そして誘導的にできるだけそういう交通機関に乗りかえていただくというような手段、そういうような手段でできるだけ自動車の使用というものを減らしていっていただく、そういう方向で今後考えていきたいということでいろいろと検討をしておるところでございます。
○杉原政府委員 お答えをいたします。
 交通安全の問題につきまして当委員会で総合的な問題あるいは個別的な問題、その都度いろいろ御指摘をいただいております。特に、交通警察の面につきましては、昨年、道路交通法の改正が行われました。その審議の過程並びに法律が成立いたしましたときに、国会で、衆参両院で多くの附帯決議をいただいております。その線に沿うて、私どもこれからもさらに仕事を進めていきたいと思っております。
 ただ、現状の認識といたしまして、ことしの六月にドライバーの数が四千万になりました。大体半年で百万人ふえるという状況で推移をいたしておるわけでございまして、まあ国民皆免許時代の幕あけというような認識でおりますが、そういう意味ではこれからドライバー行政というものを、免許行政からドライバー行政への転換という形で仕事を進めていかなければならないと思っております。
 なお、わが国の交通事故の現状の認識でございますが、いわゆる歩行者、自転者乗りと言われる交通弱者の事故というのが全体の死亡事故の半分を占める、先進諸国に例のないような状況でございます。こういう方々の事故防止について、これから大変な力を入れていかなければいけないということでございます。特に、七〇年代で事故の半減計画ということで仕事を進めてきておるわけでありますが、半減が手の届くところに参ったわけでありますが、八〇年代の仕事の進め方というのを、そういうふうな意味で私どもの仕事を国民行政という観点に立って、国民の理解と共感に支えられたような形の仕事をこれから進めていくというふうな決意で今後対処してまいりたいというふうに思っております。
○沢田委員 これはまた後で折に触れて、交通対策の特別委員会も総選挙の後新しくできたわけでありますから、従来の経緯にのっとって処理をいたしました諸事項について、これは委員長にもお願いをいたしますが、ある一定の時期においてぜひひとつ報告をしていただくというくせをつけていただくことをお願いいたしておきたいと思います。ただ言いっ放しでそれで終わらないで、最後にはひとつ締めくくりをつける、こういうことをひとつ慣例としてつくっていただくようにお願いいたしたいと思います。
 次に、大型車の問題で若干質問をしてまいりたいと思います。
 先般の新聞の判決の中身からまいりますと、これは本人の、運転手の注意義務を欠いた、こういうことで自動車の構造の欠陥とは見ないつというといままでの交通のこの委員会でいろいろ指摘し、政府があるいは現在取り扱っているわきの方にのぞき穴みたいなものをつくったり何かやっていること自身に抵触をするということになると思うのでありまして、今日のような財政状況の中で新しい車をわざわざ買わなければならない人たちも大ぜいいるわけでありますが、この判決によれば運転手がもっと気をつければ左折の死角はあり得ないということが言われております。これが私もパーフェクトだとは思っておりません。思っておりませんけれども、一応この判決というものは言うならば一つのまた法律でもあるわけでありますから、いま現在政府がやっております車両改造、そのことをこれによって取りやめるべきだということになると思うのでありますが、その点はどのように考えておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○小林説明員 お答え申し上げます。
 大型車の左折事故の原因というものはいろいろあると思います。まず運転手の注意義務の違反という問題が一つございます。そのほかに今度は逆に歩行者あるいは二輪車に乗っておられる方の注意が足りなかったという問題があると思います。それから交通環境といいますか、歩道なりそういう施設の整備が十分でない、あるいは道路の幅が非常に狭いというような問題がございます。それ以外に、いま先生御指摘の車両構造の問題というものがございます。それらがいろいろ重なりまして、事故が起きておるわけでございます。たまたま先日の判決では運転手の注意義務が足らなかったという結果が出たわけでございます。私どもといたしましては、やはり車、これは大型車に限らず乗用車におきましても死角があるということは事実でございます。ただいまの技術ではその死角をゼロにするということはほとんど不可能でございます。しかし、死角を現在よりは少なくする、そして事故を少しでも減らすということは技術的に可能ではないか、そして、少なくとも運転手が左に曲がる場合において十分な注意を払っておれば何らかの機会に見えた、少なくともその程度までには死角をなくしていきたいというのが昨年いたしました緊急対策でございます。したがいまして、昨年の対策が私ども十分であるとは思っておりませんし、今後もっとさらに死角の少ない自動車をつくっていきたい、それが交通安全に資する道だ、そのように考えておるわけでございまして、今回の判決が出たからもう車両構造は万全なんだ、決してそのようには考えていないわけでございます。
○沢田委員 万全だとは言ってないのであります。万全だとは言ってないが、一応この判決では運転手が十分注意してやればその事故は起き得なかったということなんです。特に私もこの判決そのものが、若干国の責任とかあるいはこの大型車に対する構造的な欠陥であるとかあるいはまた四・七メートルくらいの道路にこういう大型車を入れるという道路規制の問題であるとかあるいは道路構造の問題であるとか、そういうものに私も意見はなくはないのであります。なくはないんだけれども、今日的な時点において、メーカーだとか国の責任には触れられず、すべて運転手の注意義務の違反であった、こういう結論を出した。とにかく司法の結果なんですね。その結果を尊重しないということもおかしい。バックミラーの改良で十分事故は減ってきたということであるとすれば、いまの車の改造計画というものは言うならば取りやめるということが妥当になるのではないのか、こういうふうに思われるわけでありますが、その点はどうでしょうか。
○小林説明員 お答え申し上げます。
 先生の御指摘あるいは判決の内容というのは、たまたまその事故に限って申せばあるいはそういう結果になるかもしれませんけれども、ほかにも事故というのはございます。いままででも、本当に死角の中に入ったということでその旨の情状の酌量を受けたという判決も、これはバスでございますけれども、実際にございます。ですから、そういう意味におきましては、やはり車両構造的に私どもは万全であるというふうには考えておりませんし、また、現実に死角というものはこの委員会でも昨年の秋以来いろいろ御議論いただきましたようにございます。ございますので、やはり少なくとも運転する方が普通の注意を払っておれば十分見えるというように構造的に直さねばならないのではないかというのが私どもの現在の考え方でございます。
○沢田委員 極力たまたまという言葉が使われて、これは特例であるという認識のようでありますか、そういうふうに受けとめていいですか。これは特殊な例である、だからたまたまこの判例というか判決ということがこれは一つの偶然というか一つのケースであって、それですべてを律するわけにはいかないんだから、従来の政府のやっている方針は継続するものである、こういう考え方だと理解してよろしいですか。
○小林説明員 お答えいたします。
 決してそういう意味ではございません。従来の左折事故におきましても、これは警察庁の統計によりますと、運転する方が十分に確認して回った、バックミラーを十分に見たというのは二〇%程度でございます。したがいまして、その残りのものについては確認して見えたかどうかということはわかりません。しかし、その残りの二〇%は確認したけれども起きておるというのがあるわけでございます。ですから、その中の何%を減らし得るか、現在の車でもそれをゼロにするということはあるいはできないかもしれません。しかし、そのうちの何%でも減らすべきではないか、構造上の問題で処理する手があればそれを減らすべきではないかというのが私どもの考えである、そのように申し上げているわけでございます。
○沢田委員 ではもう全然この判決とは切り離しますが、こういう大型車がこの四・七メートルの道路へこう入っていく。しかも、これはもう全然政治的な話になるのでありますが、この例をとれば、歩道はそこで切れてしまって、すぐ線路を越えて左折しなければならない。左折するところには歩道がない。歩道がないところへ、しかも四・七メートルの道路へ大型車が入る。これは起こるべくして起きたんではないかと逆に言えば私は考えられる。言うならば、これは地方団体を含めて、道路行政、あるいは歩道がなぜ延長されてなかったのか、あるいは歩道がそこで確保されていれば四・七メートルはとれない、そうなれば大型自動車は通れない、そうすればそういう事件は起きることにはならない、こういうことにもつながるわけでありまして、言うならば、国なりいまあなたの方のやっている問題とは全然別の次元でありますけれども、そういう措置を講じておけば何もこの踏切を越えた後の直後の事故は起きなかったんじゃないか、こういう見解についてはどう思われますか。
○杉原政府委員 お答えをいたします。
 交通状況、道路その他各般の分野で決していま環境が十分なものではない、また、われわれの規制も必ずしも十分なものではないということは事実であろうと思いますが、具体的な道路におきます事故を起こすについての過失の問題は、その問題も含めまして具体的には判決等では検討をされておるというのが実情なんでございます。
○沢田委員 判決にはだから触れてないのですが、この例を一つの例にとって、そういうことが措置されておれば――四・七メートルというようなところにたとえば歩道ができる、そうすれば大型車は入れない、こういう事故は起き得なかったのではないかということを想定したときに、国なり行政機関としての責任を追及するにいう意味じゃないけれども、もう少しそういう配慮がなされていればむざむざそういう事故は起きなかったのではないか。これは私は全国的なものとしてとらえて言っているわけですよ。全国的なものとしてそういう配慮を行っていくことによって、死角という問題よりも、それはかえってもっとその前の段階で阻止することができるのではなかろうか、こういうふうに思うのですがいかがですかと、こう聞いているわけです。
○杉原政府委員 これはいろんな道路環境の危険な個所というものを事故が起こる前に全部改善をするというのが理想的な姿であると思いますが、現実にはそういう事故が起こった場合になぜこの事故が起こったのかということを分析をいたしまして所要の措置を講じてきておるというのがいままでのやり方の中心になる点だろうと思います。
○沢田委員 余りはっきりしていないようでありますけれども、答えられないのだろうと思いますから……。
 次に、一次業者関係が過積み制限を緩和してほしいということを選挙前の状況であったかと思いますけれども大変運動されておったようであります。そのせいかどうか、この過積み制限に対する取り締まりが、緩められたとは私は言いませんけれども、ややその感なきにしもあらずだと思うのでありまして、過積み制限に対する取り締まりは従前の方針どおり堅持して取り締まりをしていく、こういう方針には変わりがないと確認をしてよろしいですかどうか。
○杉原政府委員 お答えをいたします。
 昨年の道路交通法の改正の主要な改正点の一つであったものでございまして、こういう過積等については根源対策を打たなければなくならないということでございまして、この改正点につきましては、与野党で、ぜひこれを推進しろ、こういう御決議もいただいておるわけでございます。ただいまは状態も改正前後に比べて半分になっているし、過積に起因する死亡事故等も半減をいたしておるという実態でございまして、こういうものはいささかも手を緩めないで推進をしていきたいという決意でおります。
○沢田委員 先般ニュースの中で、運輸省が所管をしている分野だと思うのでありますが、いわゆる車両構造の、タイヤであるとかブレーキであるとかあるいは尾灯であるとか、あるいはそれ以外の外部から見えるものと見えないものがありますけれども、構造的欠陥車の取り締まりというものについてはやっていた、タイヤの減りが大きい少ないというものを含めて実施をしたニュースを承ったわけでありますが、もう少し運輸省と警察の方で連携をとって、単にネズミ取りのスピード違反みたいなちゃちなものばかりやっていないで、もっと本質的な構造欠陥車というものに対してきちんとした取り締まりというものは不可能なのかどうか。その点、またこれからどういう考え方でこれに対処しようとしているのか。これは単に大型車だけではないと思います。一般の普通貨物であろうと乗用車であろうとその範疇に属するものでありますから、一般的に問題として、運輸省並びに警察庁としてはこれにどう対応なさろうとなさっておられるのか、この点お伺いをいたしたいと思います。
○小林説明員 整備不良の取り締まりにつきまして、従来から、警察当局と連携の上、春秋の交通安全運動期間その他随時街頭で取り締まりをいたしております。そして先般、ただいま先生の御指摘がございましたように、従来タイヤの摩耗の限度というものがはっきりいたしませんでしたので、私どもも、タイヤの摩耗限度というものの検査基準というものをはっきりと定めまして、これらの取り締まりの便に供したわけでございます。今後とも警察当局と連携の上不整備車両の一掃に努力してまいりたい、そのように考えておる次第でございます。
○沢田委員 この交通安全白書五十四年度版によりますと、整備不良車両の運転で見つかったものは、走行装置不良が九十二、それから制動装置不良が三百四、その他不良車運転はわずかに六十二。二方、違反関係、信号などというのは一万二千件、左折違反が一万二千件、右折違反が一万二千件、優先通行違反が一万八千件、交差点の徐行違反が二万三千件、一時停止違反が二万一千件、これは挙げれば切りがないくらいな件数です。それに比べて車両整備は、やっているなんていっていてもちっともやっている結果にはなっていない。それだけみんな車がいいんだということになるのかもわかりませんけれども、実際はそうではないと私は判断をいたしております。だから、これは実態とはかけ離れている、やっていないということだ、私はそういうふうに考えざるを得ないのでありますが、異論があったらひとつお答えをいただきたいと思います。
○杉原政府委員 先ほどお示しの件数は、事故の原因と思われるものの主なものを拾い、事故が発生した場合の事故原因ということで出してきたものだと思います。現実の整備不良車両の取り締まりは、年間約十五万件行っております。事故が起こった場合に、それが車の欠陥あるいは構造装置の不備でその事故が起こったものであるかどうかということにつきましては、実は車同士等がぶつかりますと車自身が損壊をされてしまいます、そういうふうな問題等がございまして、これは具体的に原因がいろいろありますけれども、その中の主たる原因が車の構造装置の不良によるものであるというものは結果的には非常に少なくなっているということでございます。
○沢田委員 いずれにしても、その取り締まりについて十分今後努力をしていただきたいと思います。
 次に、軽油引取税の問題について若干お伺いをし、自治省関係を含めてお答えをいただきたいと思います。
 軽油引取税は昭和五十四年度までを一応時限的な措置といたしまして、通達その他によりますと、補助金、交付金、こういう名称でそれぞれの都道府県がそれぞれのトラック協会あるいは特約店あるいはバス協会、そういうところに交付をしてまいりました。これは軽油引取税が値上げをされたときの一つの政治的な解決であったのかもわかりませんけれども、その問題は使い道が、要すれば、従業員の福祉であるとかあるいは厚生施設であるとか安全の問題であるとか、そういうようなことに使うということでこの取り扱いができたと記憶をいたしております。この最終年度を迎えたわけでありますが、私もこれは全国的に集めればよかったのでありますが、全国的にはこれは五十二年度で百十八億支払われているわけでありますし、さらに五十三年度はもっと多くなっていると思います。ですから、そういうものの実質的な評価について、どう受けとめておられるのか、その使い道と、その結果といいますか、どういうふうに利用されたのかということを集約されているのかどうか、その点ひとつお答えをいただきたいと思います。
○金子説明員 ただいま御質問の運輸事業振興助成交付金の問題でございますが、これはただいま先生御指摘のとおり、五十一年の税制改正によりまして軽油引取税が三〇%引き上げられました際に、バス事業者あるいはトラック事業者の輸送コストの上昇を抑えるというような観点から、政府の税制調査会におきましても、バスあるいはトラックにつきましては適切な配慮を行うべきである、こういうような御指摘もいただきました。そういうような経緯を踏まえまして、いま申しました交付金の制度を設けさせていただいておるわけでございます。
 この交付金の使途といたしましては、たとえばバス協会について申しますと、停留所の標識でございますとか上屋、案内板の整備でございますとか、あるいはバス事業の融資を円滑にいたしますための利子補給でございますとか、そういうような事業を行っておりますし、トラック協会について申しますと、トラックセンターの設置でございますとかあるいは共同輸送サービスセンターの設置、あるいは基金の増勢をいたしまして、トラック事業の融資の円滑のための利子補給、こういうような事業を行ってきておるところでございます。
 この事業の効果の問題でございますが、ただいま申しましたような事業に充当しておるわけでございまして、それぞれ住民のサービスの向上、職員の福利の向上あるいは業界の利子負担の軽減、そういう目的にそれぞれ十分活用されておるというふうに認識いたしておるところでございます。
○沢田委員 このトラック協会なりバス協会に配賦された金が一般の軽油利用者に、会員としてですか、会員としてでなくともいいのですが、どういうふうに還元されているということを御承知ですか。
○金子説明員 運輸事業振興助成交付金は個々の業者の方に直接還元されるというものではございませんで、ただいま申しましたように、公共法人でございます都道府県バス協会あるいは都道府県トラック協会に交付をいたしまして、ただいま申しましたような用途に使われておるということでございます。
○沢田委員 私の言っている質問とは違うのですが、トラック協会というのはいわゆるトラック協会で、トラックの協会であります。バス協会はバス協会であります。それ以外にたくさんの軽油の利用者がいるだろう、そういういるだろうという人たちに対する適用はどうなっているのかというのが実は質問の趣旨であります。それはそれで後でもう一回……。
 これはある県の五十二年度、五十三年度の決算書を貸借対照表等を含めて見せてもらっているわけでありますが、いまあなたがおっしゃっているような形にだけ、このときには二億九千万この交付金が出ております。同時に、三億八千万ぐらい積立金ができているようであります。土地を買ったりいろいろな形をやって、それが福利厚生のためだというのですが、私の総体的な感じからいくと、その正味が、全体の金そのものが、こういう一つの団体のための還元金じゃなくて、もっと高度なものであったんだと理解をしていたわけであります。
 ところが、一つの一般的な補助団体、こういうような扱いで、人件費から、それから通信費はあたりまえかもわかりませんが、その他の土地代から、当然その団体が固有に負担をするべきものも含めて、この補助金の中で使用しているというふうに、私は考えます。もっと補助金が有効的に利用されるためには、一定の会費を取るなら会費を取って、それで一般の会の運営を図って、補助金は補助金として事業支出として図っていく。このたてまえがとられなければ、本来の補助金という趣旨にはならない。これは全額交付ということになってしまう。そういうことになるので、その点はあなたの方ではどの程度、確かめられているのかわかりませんけれども、少なくとも会員があり会費を納め、そして一般的な事務経費はその会費で賄い、補助金によって事業を行う、これが補助金の主たる性格ではないのか。給料まで払うことを、この費用の中には充てているのかどうか、その点ひとつ御解明をいただきたいと思います。
○金子説明員 まず、第一点でございますが、この運輸事業振興助成交付金がバス協会あるいはトラック協会以外に交付されていない理由でございますが、先ほども申し上げましたとおり、五十一年の税制改正に伴います軽油引取税の値上げに伴う経費負担増というものが営業用のバスあるいはトラックの運賃コストに与える影響というものを考慮いたしまして、この交付金を交付することによって、バス事業者あるいはトラック事業者の負担をこの面から補っていこうというような趣旨から、こういう制度を設けたわけでございます。したがいまして、この助成交付金と申しますのは半ば公共的なバス事業あるいはトラック事業の事業者のみに交付をしておるというところでございます。
 それから、交付金の使途の問題でございますけれども、先ほども申しましたように、住民へのサービスの改善、あるいは職員の福利厚生、あるいはバス事業者あるいはトラック事業者の借入金の利子の補給、そういうような経費に主として充当することによりまして、いま申しましたようなバス事業者、トラック事業者の負担の軽減を図るという措置を講じておるところでございまして、この法人は社団法人でなくて財団法人ということで設立をいたしておりまして、この交付金によって財団法人の運営を交付金の趣旨に基づいて現在行っておるということでございます。
○沢田委員 さらに、これは今年度で終わりだというふうに理解してよろしいですかどうか、その点が一つ。
 それから、特約店に従来は百分の一・二、これは何という名称でしょう。納税報償金というのでしょうか、あるいは納付還付金というのでしょうか、名称はあれですが、百分の一・二。また同時に、今度は改めて百分の一・四に引き上げて、これは各都道府県によってまちまちのようであります。まちまちのようでありますけれども、いずれにしても、それによって一億何がしの金がその特約店に出されている。これは、なぜ私がこういう問題を言っているかということは、三〇%上がったって、いまの原油の値上げによれば、その程度は当然バランスがとれてきちゃっている時代になっている。それを何か、固定観念として扱っていくところに問題がある。じゃ、タクシー業界はどうだ、あるいは一般のガソリンの揮発油税の方はどうか、こういうことを考えてみると、何かこれは不平等である、こういう立場で私、申し上げているわけです。ガソリンスタンドにも同じような、こういうものが支払われているのかといえば支払われてはいない。だから、特約店に、なぜそういうような大手だけに、百分の一・二なり百分の一・四なり、これはある県の金額で一億三千万ぐらい、そういう金額を還元をしていくということ自身に税の不平等を感ずるわけでありまして、その点はまたひとつ、どういう意味なのか、あわせてお答えをいただきたい。
○金子説明員 まず最初に、運輸事業振興助成交付金の問題でございますが、とりあえず本年度の通達では、本年度の措置について各都道府県の指導を行っておるところでございますが、御案内のとおり、軽油引取税の暫定税率と申しますのが五十七年度までの措置でございます。そういうような観点から五十五年度以降の問題につきましては、現在運輸省当局とどういう措置をとるかということにつきまして協議中でございます。したがいまして、いまの段階で五十四年度中でこれを廃止するということは申し上げられる段階ではございません。
    〔委員長退席、有島委員長代理着席〕
 それから、軽油引取税の徴税に係ります特約店への交付金の問題でございますが、私どもといたしましては、いわゆる税の特別徴収義務者というものにつきまして一般的に徴収取り扱い費を交付すべきものではないというふうに考えておるところでございますけれども、軽油引取税の特別徴収義務者、これは元売り業者とか特約業者でございますけれども、この特別徴収義務者に交付金を交付いたしておりますのは、特別徴収をいたします税金というものが軽油代金とともに手形で支払われる場合がほとんどである。そういうことで手形の金利負担の問題というようなものを考慮いたしまして、納期内に納入いたしました額及び徴収猶予内に納入いたしました額の一%を下らない額を基準として特約業者あるいは元売り業者等の特別徴収義務者のそういうような軽費をも考慮いたしまして、交付金を交付することが適当だというふうに私どもは指導をいたしておるところでございまして、県によりましてはその一%を超える率で交付しているところもあるところでございます。
○沢田委員 言うならば、税金を一方で取って一方でざるのように水を流しているということでありますから、当然それなら減税すべきは減税すべきであって、それを徴税交付金で出すというような筋合いは、税の本質からいって正しいものではない。私が大蔵にいるからそう言うわけじゃないのですが、税の本質からいっておかしい。そういうふうに思いますから、五十四年度も折衝中だというと、何かこれを既得権のようにまた継続するという一方の一つの問題ですよ。
    〔有島委員長代理退席、委員長着席〕
協会へ出す金も何か既得権みたいに五十五年度にも継承するような気配も感ずるわけでありますけれども、それはいま言った実際をよく確かめて、その実態が果たしてその目的に沿っているかどうか、それからまた、税金を上げたという名目の中から税金を還元していることをいわゆる国民が納得するのかどうか。業界だけの対策としてこれを片づけるものではないと私は考えます。ですから、もう一つの問題は、超えているということについても、そういうことからいったら一般のサラリーマンだってわれわれだって源泉徴収されているわけですから、何もその人たちだけが税金を納めたからといってそこの徴税交付金を受ける理由にはならない。もし受けるとするならば全国民が受けなければならぬ筋合いのものだと思うのですね。そういうことによって事務の繁雑さは皆同じないんですから、そういうことの不公正は私には許しがたいと思うのでありますが、いまの点についてもう一回、超えている分は下げさせるのか。どんどん上げていかれるようになっていますね、これ。東京が上げたから今度は千葉も、千葉が上げたから今度は埼玉も、埼玉が上げたから神奈川も、どこか一つ破れると一・二に、今度は一・四に、こういうふうに競り上げられてきているのが実情でしょう。そういう実情を黙過していること自身にも責任があるのじゃないですか。どうですか、その点は。
○金子説明員 先ほど申し上げましたように、取り扱い交付金の問題でございますけれども、軽油の代金を徴収いたしますのに税金を含めまして二月とか三月とかいう手形で代金を徴収しておる。その間の金利負担というようなものは、他の特別徴収義務者のいわゆる一般的な事務負担とはまた別の負担でございます。そういうような観点から、私どもといたしましては、一%程度の交付金というものは妥当なものではなかろうかというふうに考えておるところでございます。
○沢田委員 最後ですが、そのことの返事は、大蔵委員会で質問すれば同じ返事をするわけですね。そういう理解をしていいですね。
○金子説明員 私どもといたしましては、そういうような、ただいま申しました考え方に基づきまして都道府県の指導をいたしておるところでございます。
○沢田委員 続いて、保険金の取り扱いは先ほども質問がありました。この自賠責の保険で二千万を超えているものが五十三年度の実績で百件以上ございます。これは判例として出ているものが百件以上ございます。その内訳がもしわかったら、後でも結構です。これは先に質問要項の中に入れておかなかったからすぐに答えられないかもわかりませんので、後で結構ですから、自賠責の方のじゃなくて判決の方の二千万を超えているもの、二千万を超える判決を受けているものが大体三九・四%、百一件に五十四年度なっていますから、その中身がもし後で判明したらお答えをいただきたい、こういうふうに思います。
 それから、この自賠責を査定するものはどこで査定をするのかということでお答えをいただきたいと思います。
○松尾説明員 最初のお尋ねは、ただいま手元に資料がございませんので。ちょっともう一度お伺いして恐縮でございますが、御指摘は、事故で訴訟事件になった事件について自賠責の限度を超えた判決の出たもの、こういう御趣旨というふうに理解をしてよろしゅうございましょうか。
 それから、自賠責について実際の事故の査定はどこがするのかという二番目のお尋ねでございますが、これは自動車保険料率算定会の下の調査事務所というのが具体的な事故の査定に当たるということで処理をいたしております。
○沢田委員 その中で相殺責任という言葉があるというか、これは調査会の一つの資料なんですが、これもさっきの道路の問題にも触れるわけでありますけれども、「重過失相当減額二〇%を適用するのが妥当と考えます。」ということで保険会社の方に文書がいった。保険会社は、それじゃかわいそうだからということなんでしょう、まだその後があるのでありますが、それでは全額で二千万を支払った。こういう実態なんでありますが、この「二〇%を適用するのが妥当」だという「二〇%」は何を根拠で出すのかということが問題なんです。恐らく答えは、判例等を通じて出すのだということを言っているのだと思うのですが、そういうことだけでなしに、なぜこの場合も――若干後で警察の方にも伺わなくちゃならないのですが、そういうことが勝手に可能なのかどうか。自動車保険料率算定会損害調査第一部長、こういう判こを押してそれぞれ担当官に出している。そういう自由なことが可能なのかどうか。もう少し客観性を帯びるということが必要なのではないか。また同時に、死んでいいはずはないのですから、自賠責の場合に、当然その全体額が支払われるべきである、私はそう思うのでありますが、その過失相殺という点について明らかにしていただきたい。
○松尾説明員 お尋ねは、強制保険である自賠責保険にかかわるお話かと思います。
 自賠責保険は、先生御承知のように、ほとんど無過失責任に近いような制度になっております。したがいまして、この過失相殺というのは非常に重大な過失の場合にだけ適用されるわけでございまして、一般の賠償責任に比べまして過失相殺の適用される場合というのは非常に限られております。
 その具体的な基準は何かというお尋ねかと思いますが、目算会の中におきまして内部的な基準を設けてやっておる。しからば、それは自算会の非常に恣意的なものかと申しますと、結局は判例的なものの積み重ねということではなかろうか、かように理解をいたしております。
○沢田委員 これは一たん出されたものが今度は二〇%、千六百万が二千万に支給され直しをしているわけです。私がいまここで聞きたいと思うことは、もしそういうことによって差をつけるならばなぜ変更したのか。それほど権威がないものなのか。あるいは他の力が作動すればそういうふうに動いていくものなのか。これはこの一件だけにしかすぎません。しかし、より多くの一般の人は、そういうことによって金額がふえたり減ったりしていたのでは、私は信頼して自賠責の保険を見詰めることができないのじゃないかというふうに思いますので、その点、自動車保険料率算定会というものの中身も私は知りたいと思いますけれども、どういう監督をしてどういう指導をしているのかひとつお伺いをいたしたいと思います。
○松尾説明員 自動車保険料率算定会というのは、特別の法律に基づいてつくられております団体でございまして、その主たる任務は、自動車関係の損害保険料率の算定、それから、あわせて先ほど申し上げましたような損害調査をいたしておりまして、監督は私どもの方でいたしております。
 それから、具体的にいま先生から御指摘のありました件、個別の案件としてどういう事情があったのか私どもちょっとわかりませんが、過失相殺の二〇%適用がいつの間にか適用なし、一〇〇%支払うようになったというケースのように伺いましたが、これは非常に恣意的に、あるときは適用されたり適用されなかったりというものではないと存じます。先ほど申し上げましたように、自賠責につきましては、過失相殺が適用されるというのはむしろ例外的なケースでございまして、五十二年度でございますと、全件数のうち過失相殺が適用されたというのは一%もないくらい例外的な場合でございます。したがいまして、わきから何か圧力がかかってどうこうというようなことではないというふうに考えておりますが、御指摘のケースについて、もし後ほどでも具体的な事案がわかりましたら、私どもの方も調査をいたしてみたいと考えております。
○沢田委員 それから、判例でだんだん死亡による賠償金が上がってまいりまして、昔は昭和四十七年ごろが三百万ぐらい、五百万程度になったのが四十九年、一千万になったのが大体五十年ぐらい、現在ではもう一千八百万を超えているという大体の状況ですね。ですから、これは大蔵に関係することなのかもわかりませんけれども、二千万ももうすでに時期が遅くなってきているというふうにも思うのでありますが、二千万を上げる意思はないかどうか。去年上げたばかりだからという気持ちはあるでしょうけれども、現在のようなせめて物価指数にスライドするくらいなことは最小限度考えるべきではないかというふうに思いますが、いかがですか。
○松尾説明員 自賠責の限度額を幾らにするのが適当かというのはいろいろな要素が絡む話かと存じます。先生御指摘のような物価ということもあり、年々上がるではないかという点は御指摘のとおりかと思います。また個々の判例の積み重ねも、そういう事情を反映して上がってきておるということも事実かと存じます。それから、現在の二千万に上がったばかりであるということも、これは御指摘のとおりでございます。自賠責と任意保険との関係をどう考えるかというような問題もございますので、引き続き慎重に検討させていただきたい、かように考えております。
○沢田委員 きょうは委員会が別ですから、後でまた別にやるとして、せめてこれからはスライド制程度は最低限度含めて、やはり自動的に上がっていくという仕組みにするということが掛金を納める人の方の側にとっても納得できることになるし、それからまた給付をもらう方の方についてもそうなっていくだろうと思います。自賠責の扱いは大蔵省扱いでありましょうが、これは運輸省も関係しているわけですね。そういうことですね。ですから運輸省の方も、もし必要があったら次回にお答えをいただきたいと思います。
 続いて任意保険の方の関係なのでありますが、任意保険の方には、今度はさっき言った相殺責任、いまも相殺責任のことを言いましたけれども、相殺責任ということできわめて任意保険というものが保険会社によって自由に変動をさせられる。この場合は、何か相手は一億入っておったということなのでありますが、朝六時三十五分ということで、新聞の配達で七メートルの道路を右折をしてトラックにひかれて死んだ。死んだ後の遺族のことについては、みんな声を大にして遺族を何とかしてやらなければいかぬいかぬ、こう同僚も言っているわけであります。しかし、そのときはそう言うけれども、事故のときには保険会社は、自賠責の方では二千万円出すように働きかけをして、自分の出す方では二割程度しか出せない、こういうことで相手方に通告をしてきた。また一つおかしいと思うのは、これは私の方の調査が不十分なのかどうか知りませんが、事故を起こした加藤春雄という人は、六月二十日ですが、三十日の免停で、二日間の講習で業務上過失の問題は片がついていると私の調査では出てきている。これはその前のやつかどうかわかりませんけれども、とにかくそういうことが出てきておる。そして一方では、任意保険に一億入っていながら八割を減額をされてしまっている。では事故の中身はどうなのかというと、いま申し上げたように、七メートルの道路の中に分離帯があるわけじゃない。そして新聞の配達ですから、六時三十五分ごろにバイクで右側に出ようとしたら正面から来たトラックに殺された。片一方は大きなトラックであり、片一方はバイクなのです。それでいて八割が責任があるという判定の根拠に問題があるということをいま私は言おうとしているわけです。それは道路構造の問題であるかあるいは規則、これは規則を盾にとっているわけですから、中央帯を横断したということが責任だ、こういうことになっているので、それではみすみすわれわれは安心して道路も歩けない。保険金だけを例にとれば、こういうことにもなりかねないと私は思うのです。その点をひとつ解明していただきたいと思うのです。
○松尾説明員 御指摘になりましたケースが具体的にどういう事件であるか、私ども承知をいたしておりませんので、それは事故後、当然警察等でしかるべき処理がなされたかと存じます。
 お尋ねの保険会社が任意保険についてどういう基準で過失相殺を適用するかということでありますが、これは会社が恣意的に行ってはならないわけでありまして、現在基準といたしまして、東京地方裁判所の民事交通部が作成をいたしまして、広く交通関係の裁判に使われております自動車事故過失割合認定基準等、こういうものをもとに各社がいたしております。この東京地裁の作成いたしました目安によりますと、たとえば、一方が赤信号を無視した場合には過失割合はどのくらいであるというように非常に具体的な基準を示しておりまして、その基準に基づいて現在保険会社は処理をいたしておるということでございます。
○沢田委員 運輸省の方も続いてお答えいただきますが、いままでの分をまとめて警察の方からもお伺いしたいのです。
○杉原政府委員 警察の事故処理の問題は、具体的な道路交通法の規定に照らして刑事事件として処理をするものでございまして、おおむねの場合にドライバーの業務上過失事件として処理をするということでございまして、保険の方の関係のものは、また民事問題としてとらえられるということであろうと思います。
○沢田委員 時間の関係もありますけれども、ここで私が再度重ねてお伺いしたいのは、判例タイムズに載っているのも私も手に入れてあります。これを根拠にしていきますと、これは判例であるとかなんとかということはありますけれども、ここは立法府ですから、もし右折が八割もの責任があると仮定をするならば、右折のできないような施設を講じなければならないのが行政府であると思うのです。あるいは右折そのものだけを例にとってみれば、もし本人の過失が八割になる。たとえば国会議員が横断歩道の一メートル横のところを通っていて殺されたらば、横断歩道以外を通ったのだから、これは過失であるということになるわけですね。これはいわゆるルールとの相関関係にあるわけです。ですから、そうなると、そのルールそのものを相殺義務との関係において改めてもらわなければならぬし、それ以外は通行できないようにしてもらわなければならぬ。そうしなかったらばわれわれ国民の生命というものは守られていかないし、遺族も生活が守られていかない、こういうことになってしまうわけです。これはバイクと自動車で、朝の六時三十五分といえばトラックも相当なスピードで走っていたのでしょうし、片一方も新聞配達だから近回りしたのでしょうから、それで過失だという論理を展開して二千万ぐらいしかもらえないという形になること自身に問題があるのじゃないか。これはやり合ってもしようがない。最後は訴訟をやる以外にないと思っておりますから、それはそのつもりでおりますけれども、一応とにかくそういうことで、できるだけこの保険というものの任務を全うしてもらいたい。そして将来の遺族のことを何だかんだ後で問題に上げないように善処してもらうような方向で、必ずしも判例集というものをそのままストレートに適用することが適当であるとは、この場合私は感じていないのであります。それであえて取り出して質問をしたわけであります。これは時間の関係がありますから要望だけにとどめて、後で具体的に提示をしていきたいと思います。
 続いて、これは運輸省の関係で、後でお答えをいただきますが、車検の整備の基準というのは何を言うのかということなのであります。要するに、車検車検と一般的に言っておりますその車検とは、これはそれぞれによって違うのでしょうけれども、印刷しちゃってあるのがあります。そこの金額の明示によれば、合計三万四千円という金額が定期検査、定期整備、そういうもので規定づけられているわけです。それ以外は自由に変えていってしまうのですけれども、それは民法上の契約じゃないか。法律上の車検というのは、三万四千円までが法律上の車検の中身であって、それ以上は民法上の契約であるから、基本的に言えば相互の新たな契約を行わなければ行ってはならない仕事ではないのか、その点はどう考えておられるかをお伺いいたしたいと思います。
○小林説明員 車検の整備の基準があるかという御趣旨だろうと思いますけれども、私ども特に車検のための整備の基準というものは持っておりません。ただ、定期点検整備というものを義務づけております。これは自動車の種類、それが事業用の自動車であるか自家用の貨物自動車であるかあるいは乗用自動車であるかで期間が違っております。たとえば自家用の乗用車でございますと六カ月、十二カ月、二十四カ月というようなことになっております。したがいまして、自家用乗用車ですと車検期間が二年ということになりますので、その二十四カ月の点検時期に当たる、こういうことになるわけでございます。
 一方、翻って料金の問題でございますけれども、先生、法定で三万四千何がしというお話がございましたが、私どもそういうような公定料金を認可したこともございませんし、そういう料金は認可の料金ではございません。したがいまして、それが幾らであるかはここの整備工場によって違うわけでございます。定期点検の料金はそれぞれその工場によってあると思います。そして定期点検整備の結果、当然直さなければならないところが出てくると思います。それに要した部品代並びに工賃というものが加算されまして整備の料金として出てくる、そういうことであろうと思います。
 そして、それが車検整備であろうと定期点検整備であろうと、はたまた事故によります臨時の整備であろうと、これは商取引でございますから契約に基づいてやられるのは当然でございまして、一方的に事業者の側が行うということはあり得ないわけでございます。私どもも整備工場に対しましては、よく事前に受け入れ検査をいたしまして、お客様との納得ずくでの整備ということを指導してまいっておりますけれども、ただいま先生の御指摘になりましたのはそういう点が徹底してないという御指摘だと思いますので、今後そういう点につきましてさらに注意をしていきたい、そのように考えておるわけでございます。
○沢田委員 これから注意をされるということですからいいのでありますが、二十四カ月の点検整備で、これは普通の自動車ですが、この場合これは印刷されてあって一台一万二千七百円。「定期交換作業」として「ブレーキマスターシリンダオーバーホール ブレーキホイールシリンダ&キャリバーオーバーホール ブレーキシステムエア抜き フロントホイールベアリンググリス交換」これで九千八百円。「完成検査」として「排気ガス濃度検査 ヘッドライト焦点検査 ホーン音量検査 スピードメータ誤差検査 ブレーキ制動力検査 サイドスリップ検査」これで四千円。「エンジン及び下廻りクリーニング」で五千百円。それから下回りのさびどめで二千四百円。これが印刷されてしまっているわけです。
 これは法律上決められている車検に対しての法律上の金額ではないにしても、整備会社が行わなければならない作業に与えた金額だと思うのです。だからそれ以外は商法上の取引である。その区分を明確にされなければならぬのではないか。これは法律に決められている義務なんですね。六カ月であるか十二カ月であるかは別問題にしまして、車を持っている者は一応法律上点検しなければならぬ義務を負っているわけです。だからその点についてはとやかく言えないわけだ。どこまでやるかという問題は行政府が決めることだ。しかしそれ以外のことについては、少なくとも個人と業者との商法上の取引に該当するものではないのか。だからその辺のけじめというものをきちんと、それ以上は、それをやった方がいいか、ドックへ入って病気が発見されたから入院するかどうかの問題とドック代とは別問題だろうと思うのです。ですから、その辺の区分を今後の行政の扱いとして明らかにしておいてほしいと思います。
 あと残された時間はわずかでありますが、この車検に関係するのですけれども、われわれが聞いている範囲内におきましては、車検を通すときの一酸化炭素あるいは排気ガス、そういうものの基準は車検場からもとの自動車の修理工場へ戻してもっと排気ガスを出すようにしなければ車が走らぬ、これは私もいま具体的に証明する方法を持ってないのでありますけれども、これはあなたの方、警察で調べてもらえばわかることなのでありますが、そういうことが出ていることが一つ。
 それからもう一つは、今度十月一日からあなたの方の通達が出て、各整備工場でそれぞれ次のような点検整備ができるように施設をしろ。ところが中小企業その他ではなかなか買えない、排気ガス点検器だとかいろいろなものを整備することはなかなかいま直ちにはできない、こういう悩みを訴えている点もあるわけでありますが、その点についてはどうお考えになっておられるのかお伺いをいたしたいと思います。
○小林説明員 まず第一の点でございますけれども、先生の御質問の趣旨がちょっと私には理解できないわけでございます。と申しますのは、従来古いタイプの、もう少し端的に申し上げますと四十八年以前の車でございますと自動車の排気ガス対策がまだ進んでおりませんで、車によりますと、車検場へ持っていきますときに相当に気化器の調整をいたしませんと排気ガス、ことに一酸化炭素が不合格になります。したがいまして、車検に合格した後でさらに気化器を調整して馬力の減少を補うというようなことがあったということを聞いております。しかし最近の排気ガス対策車というものは非常に進歩してまいりまして、そういう操作を行わなくても十分車検に合格をいたしますし、また馬力が足りないということはないはずでございます。したがいまして、いま先生の御指摘のような事例はほとんどないのではなかろうかというふうに私ども考えているわけでございます。
 それから、二番目の認証基準を改正してCOテスターなりHCテスターを整備工場が持たなければならないということで、中小企業で大変ではないかということでございますけれども、これは融資制度を設けまして、必要な方には低利のお金を融資しますということでやっておりますので、認証基準の適合というのは来年の二月でございますけれども、機械が買えないというようなケースはほとんどないのではないか、私どもそのように考えておるわけでございます。
○沢田委員 時間ですので終了いたします。
○石田委員長 次に、有島重武君。
○有島委員 昭和四十五年以来いわゆる七〇年代交通安全対策につきましては、交通事故死傷者数を半減するという一つの成果を得られた。これは日ごろから当局の方々または民間の諸団体の方々が大変御苦労をされあるいは技術関係の方々がいろいろ工夫をこらされた、これは大いに評価すべきことであろうかと思うわけでございます。そこで来年から八〇年代になるわけでございますけれども、次の目標として、さらにまた半減というようなことを掲げて五年なり十年なりの目標を立ててやっていらっしゃろうと考えていらっしゃるか、それは量にかかわることですね。あるいはもう一つ、質的に何か七〇年代と八〇年代には交通安全対策について一つの目標をつけるべきであるかというようなことについて、いまいろいろと考えていらっしゃるんじゃなかろうかと思うわけであります。お聞かせいただければ伺っておきましょう。総理府の三島さんから。
○三島政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生お話しのとおり、昭和五十一年から昭和五十五年までの第二次の交通安全基本計画では、目標といたしまして、交通事故死者のピーク時であります昭和四十五年の交通事故死者一万六千七百六十五人の半減を目指すということになっておるわけでございます。
 ただいま現在の状況がどういうふうになっておるかと申し上げますと、実は、昨日現在で昨年比マイナス四百一名ということになっております。計算上わかりやすく申し上げますと、去年より四百名以上減らせば半減が実現できるということでございまして、昨日現在ではどうやら四百名を一名上回っておるわけでございますが、実は、最近になりまして、ちょっと交通事故死者がふえてまいりましたし、これからの年末の交通事故多発期を控えておりますので、さらに一層関係機関と協力して努力してまいりたいというふうに考えております。もしそれが実現いたしましたら、第二次交通安全基本計画の最終年度を待たずして、一年前に半減が達成できるということになるわけでございます。
 そこで、昭和五十六年から始まります第三次の交通安全基本計画ではどういう目標を立てるかという御質問でございますけれども、実は、来年じゅうには第三次の交通安全基本計画を策定するわけでございますので、いまそろそろ準備作業に取りかかっております。そういうことで実はいろいろな基礎的な資料を得るために調査研究をやっておりますが、その一つとしまして、今後、交通事故が長期的にどういう発生が予想されるかという、交通事故の発生に関する長期予測についての調査研究、こういった調査研究もいまやっております。その他いろいろな調査研究をやっておりますけれども、そういう調査研究の結果を踏まえまして、そうした結果を参考としまして目標をどういうふうに立てるかを検討してまいりたいと考えておりますけれども、これまでの減少傾向を維持、継続し、さらに一件でも交通事故を減らすという方向で、そういう観点に立って目標を立てるべきではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○有島委員 本年の六月に運転免許証の所持者が四千万人を超えたわけでありまして、これは成人男子の十人に八人である、こういうことでございますね。いまの、今後の目標ということについて何か質的な違いはあるかというようなことに対して確答は得られませんでしたけれども、その努力をしていらっしゃることはわかりました。
 きょうは、自動車関係の死者、負傷者、これを減少させるための対策、こういったものに限って二、三ただしておきたいと思うわけでありますけれども、第一番目に、警察庁におかれましては交通大学校の構想があるやに聞いております。この進行経過など新聞を通じて私、承知している範囲、それからそちらの方の何か印刷したもの、これも見ておるわけでございますけれども、この新聞報道なんかについて、これはちょっと新聞報道とはニュアンスが違うんですというようなことがおありになったらば教えておいていただきたい。それから、この学校をつくっていく上に何かデッドロックとなるべき問題点がおありになるならばそれも伺っておきたい。杉原さんから。
○杉原政府委員 お答えをいたします。
 先ほど総理府の方からお話がございましたように、ことし、うまくいけば連続九年死亡事故の減少という記録を達成することが可能ではないかという情勢で推移をしてきておるのでございます。
 実は現場的に日常の事故の発生状況を見ておりますと、ここまで減らしてきたのでありますけれども、いま毎日大変大きな壁にぶつかってきておりまして、これから先さらに交通事故を減少させるというその傾向を定着させるということが非常に至難になってきておるという現状認識でございます。
 先ほどもお話がございましたように、ドライバーの数がことしの六月で四千万人になりまして、年間二百万人ずつふえている状況でございますし、車の台数もどんどんふえている状況の中で、事故の絶対数を減していくということでございますので、いろいろなことについてこれからかなり思い切った対策を立てない限りはこの傾向は持続できないという認識でございます。
 その中で従来いろいろな各般の施策が講ぜられてきておりますし、私どもの交通警察の分野の中でやってきておりましたのは、街頭での監視といいますか、悪質なドライバーに対する取り締まりの問題、あるいは信号機その他の安全施設の整備というもので対応をしてきておりました。それはそれなりにこれからかなり積極的になお進めていかなければならぬと思っておりますけれども、同時に、四千万になったドライバーというもの、あるいは年間二百万ずつふえていくという実態を考えていきますと、ドライバーについての行政というものを基本的に考えてみなければならない時期ではないか。このことは昨年の道路交通法の改正を通じまして本委員会におきましても御指摘ありましたように、国民皆免許時代の到来を迎えて、ドライバー行政に抜本策を考えろと附帯決議のトップにそれをいただいておるわけなんでございます。
 そういう御意思等を考えながら、これからどうやっていくかというときに、現在ほとんどのドライバーというものが教習所を出るんでございますけれども、教習所で教える先生、いわゆる指導員、こう言っておりますが、指導員の人がどういうふうなかっこうで教えているかということになりますと、これはそれなりに一生懸命で教えてくれておるのでありますが、二、三日前までどこかで職業ドライバーでおったような人が来ますと、公安委員会の審査を受けて、これが明くる日から指導員になる、こういうふうな形でございまして、その指導員についての交通心理学とかあるいは教授法とかいうふうなものについてのいわゆるカリキュラムの構成の中に入れて訓練をして、それを先生にする、仕立てるというふうなことが全く行われてない状況のままで、何十時間の課程を終えますとドライバーという形になってこう出てくるというふうなことでございますので、こういう大量行政というものを考えていきますと、そういうドライバーの教育者というふうなものを一定のカリキュラムの中で訓練をして、そういう人がいいドライバーを教育してもらうというふうな問題。
 それから、いわゆるプロドライバーといいますか、トラックあるいはタクシー、いろいろなドライバーがあるわけでありますが、こういう人、あるいは一番高度な運転を要請されるのは、消防自動車であるとか、パトカーであるとか、白バイとか、ガス会社の緊急自動車とかいろいろなものがありますが、これらの人なども、これは訓練をして緊急自動車のドライバーになるということは全くないのでございまして、ある人がたまたま緊急自動車に乗る、こういうことでございまして、これは大変に危ない運転でありますが、そういうような職業ドライバーでありますとか、そういう高度の運転技術の必要な人の訓練施設、それからさらに、いろいろいま企業が皆車を使っておりますが、そういう各企業での安全運転管理者という制度がございますが、この安全運転管理者なども、その会社、企業のドライバーというものの養成について、余り訓練というか、そういう機会がないというふうなことでございまして、これからのそういうドライバー行政というものを考えますと、そういう訓練施設というものが、あるいは研修施設というものが、そういう指導者的な役割りを果たす人についてはぜひ必要ではないだろうかというふうに思うわけでございまして、そういうふうな観点から、本委員会でかつて御審議をいただきました法人に自動車安全運転センターというのがありますか、この法律の中に研修施設を設けてやるというのが業務の一つになっております。
 その安全運転センターの研修施設として、俗称でありますけれども、交通安全大学校的なものをつくって、そこで訓練をしてもらい、将来のドライバー行政に大きく寄与していくようにしていくことが不可欠な情勢になっておるのではないかというふうに考えておるのでございます。
○有島委員 いま私伺った中で、警察庁としての「自動車安全運転センター中央研修所について」という刷り物がございまして、それからここにございますのが六月五日付の朝日新聞ですね。それから十一月二十二日付の東京新聞の夕刊、こうあるわけなんですけれども、こういった報道の中で、この点は訂正しておきたいというのが何かありますか。ありませんか、別に。ありましたら。
○杉原政府委員 大体そういう内容で現在検討をいたしておるものでございます。
○有島委員 ちょっと誤解を生みやすいことは、大学と大学校というのはちょっと違うからね。各種学校、専修学校のようなふうにこれはなるわけでしょうね、恐らくは。
 それから、この学校、いろいろな問題があろうかと思うのですけれども、それではこれを出るとどのような資格あるいは恩典というものが得られるということになるわけですか。
○杉原政府委員 これは、そういう研修施設で一定のカリキュラムを得た人にそういう仕事をやってもらうということで考えておるわけでございまして、逆にそこを出ませんとそういう仕事に携わることができないというふうな形で考えておるわけでございます。ただ、これは全体の免許行政の中でそういうカリキュラムを卒業した人をどう組み込んでやっていくかということは、免許行政全般の問題にかかわってまいりますので、そういう観点から現在検討を進めておるということでございます。
 なお、新聞には俗称といたしまして交通安全大学校あるいは交通安全大学と括弧書きで出ておりますが、これは俗称でございまして、正式には自動車安全運転センターの中央研修所という形のものになろうかと思います。
○有島委員 そういたしますと、中央研修所というと、地方にも徐々につくっていこう、そういうようなお考えが含まれているわけだな。
○杉原政府委員 これは現在そういう安全運転の教習所、自動車の教習所が義務教育といたしますと、これは専門教育の機関であるという感じでございまして、一つの安全運転の研修のメッカということで考えておりますので、いまの段階ですぐ地方につくるというふうなことを考えておるわけではございません。
○有島委員 現在運転免許は一種、二種ということになっているわけですね。あるいは新しくなった人は印をつけて走るという制度になっておりますね。この大学、まあ研修所ですか大学校ですか、こういったものと絡みまして、運転免許をもう少しランクづけをしていかなければならない時代が来ているのじゃないかという話をよく聞きます。その学校を出ればAランクドライバーになれるというような、そういうようなことを前提としてでないと、せっかく学校をおつくりになっても、そこにみんなが来い――メッカというのは人が皆あこがれるところなんだな。そこに行くと何かあるところなんだな。そうなってもらわなければ困ると思うのですね。そのためには、やっぱり運転免許のランクづけというものに新しく踏み出さなければならぬ。これはセットしていかなければ意味がなくなるのじゃなかろうかと私は思うのだけれども、いかがでしょうか。
○杉原政府委員 まことに示唆に富む御意見でございまして、実は私どもこの免許制度というものをドライバー行政という観点から抜本的に見直しをしようということで考えておるわけでございまして、関係の方々の意見をいま聴取している最中でございますが、先ほどおっしゃいましたような意見が大ぜい寄せられております。そういうことを考えながら、この研修所を含めて、ドライバー行政の全体像というものを描いてみたいというふうに考えております。
○有島委員 といいますことは、いま大体遠慮しながら考えているとおっしゃるわけだけれども、今後五年間のうちの一つの課題として、踏み出すという御決意でいま研究をしていらっしゃるわけですね。
○杉原政府委員 御指摘のとおりでございます。
○有島委員 次に、シートベルトのことについて、せんだって十一月十三、十四の両日に東京で世界初めてのシートベルトの国際シンポジウムというのが開かれたと承っております。これは日本交通科学協議会、それから全日本交通安全協会の共催でやった。警視庁なども後援なさった、こういうことでありました。
 ヨーロッパを中心にして、最近では強制着用させるという国が相次いでいる。すでに一九七〇年の十二月にオーストラリアのビクトリア州では世界に先駆けて着用法を制定した。それからこれに連なってオーストラリア全部、あるいはニュージーランド、チェコ、フランス、スウェーデン、ソ連、スペイン、ベルギー、オランダ、スイス、デンマーク、西ドイツ、オーストリアなど、いままで二十一カ国そういうふうになっているというのですね。このシートベルトの効用といいますか、事故を軽くするということでありましょうけれども、わが国においてはシートベルトの着用に関する法制化について、警察庁なんかはどのようにお考えになっていらっしゃるか。
○杉原政府委員 先般ああいう国際シンポジウムが行われまして、いろいろな貴重な意見があったのでございますが、日本の場合に、ことしの秋の安全運動でのシートベルトの着用率が、助手は別にしまして運転者だけを例にとりますと、高速道路で二〇・九%、一般道路で一三・四%の普及率でございまして、年々少しずつは上がっておりますが、まだかなり低い状況でございます。
 諸外国でこれを法制化、それからさらにこれを罰則で担保するというふうな国がございます。日本の場合には、高速道路におきましてはシートベルトの着用の努力義務というものを昨年の道路交通法で規定をいたしたのでありますが、罰則とか行政処分で強制するということでなくて、着用するようにしましよう、こういうことになったわけでございます。諸外国で法制化してこれを強制している国があるからといって日本でいま直ちにこういうことに踏み切るべきものかどうかということについては、まだ検討しなければならない問題がかなり多いのじゃないだろうかというふうに思うわけでございまして、当座は地域、職域等を通じての――シートベルトというのはもともと人様に危害を加える行為ではなくて自分の身を守る行為なものですから、シートベルトをやっておればこれだけ安全だという事柄等について、現在も総理府等を中心にやっていただいておりますが、それをさらに進めてこの着用率をどんどん高めていくというふうなことに当座はむしろ努力を傾注していくべきではないだろうかということで考えておりまして、いわゆる罰則とかあるいは強制力でもって担保するという法改正は現在のところまだ時期尚早ではないだろうかというふうに考えております。
○有島委員 杉原さんは、きょうここにいらっしゃるのは車でいらっしゃったと思うのですけれども、シートベルトはおかけになりましたか。
○杉原政府委員 締めることの努力義務は高速道路だけなのでございますけれども、役所の車で参りますと一緒に乗る人が必ず締める、そういう約束事みたいになっておりますので、私もいつもそういうことでシートベルトは締めることにいたしております。
○有島委員 三島さんに伺いますけれども、タクシーによくお乗りになりますね。タクシーにはシートベルトはついていますかいませんか御存じですか。
○三島政府委員 タクシーにもついております。
○有島委員 ではもう一つ伺いますが、タクシーに乗ってシートベルトをおかけになったことございますか。
○三島政府委員 先ほど警察庁の交通局長からのお話がございましたけれども、私も自分の車に乗るときは必ずつけますけれども、タクシーに乗りましたときには実は残念ながらつけたことがございません。
○有島委員 運輸省から飯島さん来ていらっしゃるから、自動車局長さん、いかがですか。
○飯島政府委員 以前からシートベルトは非常に効用があるというふうに先輩の方から言われておりまして努めてはおりますが、恥ずかしい話ですが完全には励行いたしておりません。
○有島委員 この夏に省エネルギーとかなんとか言っちゃって大臣がみんな半そでを着たことがございましたけれども、ひとつお役所の中から完全実施などをなさってはいかがでしょうか。それから、きょうは大臣の方々はお帰りになっちゃったけれども、少なくとも四人の大臣の方々には率先してやっていただくようにお勧めになってはいかがでしょうか。三島さん、どうでしょうか。
○三島政府委員 実は、シートベルトの着用につきましては、日本の場合まだ法制化はされてないわけですけれども、何といいましても自動車乗車中の事故に遭った場合に被害を軽減するためには非常に効果があるということはわかっておりますので……(有島委員「理屈はいいから、大臣にやらせるということを」と呼ぶ)私ども、毎年八月にシートベルトの着用月間をやっております。その際には大臣にもお願いして着用していただくようにお勧めしておりますし、実際おつけになっておられるようでございます。
○有島委員 私は、何とか月間とか週間だけではなしにそういうふうになさいませ、こういうように率先していただくのが――いきなり法制化するのはなじまぬというお話でございますけれども、そういったことはできることなんだから、まずできるところから始めていかなかったらここでやっている議論はみんなほら話になるわけだから。いかがでしょうか。
○三島政府委員 御趣旨ごもっともだと思いますので、私の立場としてもお勧めしたいと思います。
○有島委員 やや角度が違った話でございますけれども、日本は地震国であります。せんだって東海方面、静岡の方では大きな防災訓練をいたしました。交通一時ストップということもやりました。東京だってこれはもっと深刻なわけであります。
 これは御承知であろうと思うのですけれども、大震災時に当たって、消防庁の方の「地震の心得」というのには、自動車を運転していたときには速度を落とし道路の左側に停車して様子を見る、カーラジオでも情報を聞く、それから避難するときにはエンジンをとめてキーはそのままにして消防や警察の方の指示に従って必ず歩いて避難するなどと書いてある。総理府の方でもこれはよく御承知ですね。三島さんいかがですか、初めてですか。
○三島政府委員 申しわけございませんけれども、私不勉強で、承知しておりません。
○有島委員 警察の方ではいかがでしょうか。
○杉原政府委員 お答えをいたします。
 地震対策、災害時の自動車対策といたしまして私どもが第一線に対して一般に指導しておりますのは、地震が発生した場合は運転者に対しては、自動車を路外の駐車場や空き地に停車させる、それができない場合は道路左側に停車するように指導をいたしておるわけでございます。それから避難等のためにやむを得ず自動車から離れるときは車のキーをつけておくように指導をいたしておるわけでございます。
○有島委員 そこで、私は町の自治会の方や消防団の方々からの要請を折々承っておるわけでありますけれども、防災訓練というものを年に一遍、ないしは東京なんかのある地区ですと毎月一日には必ずやっておる、そういうところもございます。そういうような熱心な方々が、一度町じゅうの交通一時ストップということをやってみてくれないか、こういうことなんです。
 これをやってみるとどんなところにどんなふうなことが起こり得るかという、混乱といいますか、その想定というものが町じゃうの人たちに一遍にぴんとくるであろう。大きな啓蒙になる。あるいは運転者の方々がそれを一遍やってみるということが大切だ。現在やっておりますのは、東京なんかでもある大きな道路の一区間に限って十分なり停止するというような訓練はやっております。それからこの間の静岡の場合にもそのような規模であったようですね。それから後の後遺症といいますか、それを復旧するのに大変時間がかかって大変であろうかと思うのですけれども、災害のときはもっと大変なことになるわけでありまして、空き地に入れといっても東京なんか空き地はございませんし、皆とまる。とまったのはいいんだけれども、うちの前にタンクローリー車にとまられたんじゃかなわないという人が出てくるわけですね。本当に警察が誘導してくれるのかどうかというようなこと。これはすぐにとは申しません。ことしやれというわけにいかないけれども、来年の九月一日なら九月一日にそういうことをやってみようという声を上げただけでも、相当深刻にいろいろなことをみんなが考え出すのではなかろうかと思うわけですね。こういうようなことをひとつやってごらんになってはいかがか御提案申し上げるのですが、いかがでしょうか。
○杉原政府委員 本当にいい御指摘だと思います。ことし例の災害予知のああいうことができるようになったものですから、静岡を中心にいたしまして訓練をいたしました。そのときも、昨年、訓練でも交通規制ができるという法改正が初めて行われました、それを適用いたしまして、一時車をとめるというふうなことを静岡を中心にして、短時間でありましたけれども、やってみました。また、そこからいろいろな反省点等もございまして、来年はさらにかつてのいろいろなやり方を教訓にしながら次の手をぜひ打ってみたいということで、いま寄り寄り関係機関と検討しているところでございます。
○有島委員 それは結構なんですけれども、一つの最終目標としてそのけたまでやってみるんだということを一遍打ち出した上でもって、少しずつステップ・バイ・ステップに行くというふうにした方が進み方がいいんじゃないかと思うのですね。恐らく協力的な人はいると思うのですけれども、そうでない人は、この忙しいのに何だと言う人の方が多いことが起こると思うのですね。警察がなさることはみんなが喜んで参加してくれないと、そうじゃなくてもやりにくいことがあるわけだから、そういうようなことは中央防災会議との連携でやらなければどうにもならないことでございます。これは東京なんかに限ってみても、よその県の車の方がたくさん入ってきておるし、官庁の車を一体どうするかというような問題があるわけです。だからそういったことを、いつとはまだ決めてないけれども、将来はここまでやりたいと言ってしまった方がいいんじゃないか、いかがでしょうか。
○杉原政府委員 御指摘の点を含めまして、十分関係のところと打ち合わせをしてみたいと思います。
○有島委員 先ほどのシートベルトのところへちょっと戻りますけれども、アメリカなんかでは、シートベルトを着用しているかしないかでもって保険が違うという話があるんです。確かにシートベルトを着用する人がふえれば保険屋さんはもうかるわけです、被害が少ないんだから。だから保険上の何らかの優遇措置、これは罰則というとえらいことになるけれども、むしろ優遇措置を講じる方向にお考えになってはどうか。これは保険のことになるから大蔵省の松尾さん、いらっしゃいますか。
○松尾説明員 ちょっと不勉強でございまして、アメリカでどういう仕組みになっておるか存じておりませんが、先生の御指摘は、シートベルトの着用を促進するために保険の面で何かインセンティブが与えられないか、こういう御趣旨かと思うのでございますが、私ども考えますに、保険、特に損害保険というのは先生御承知のように損害をてん補するというものでございますので、常識的に考えますとシートベルトを着用するということは損害を小さくするという効果を持っておるわけでございます。したがいまして、シートベルトを着用した者によけいに保険金を払うというのはどうも保険になじまないのではないだろうか。もし保険の面で何かインセンティブを働かせるといたしますと、むしろ逆にシートベルトを着用するというのが常識である、あるいはそれはもう非常に一般化しておる、そういう中でシートベルトを着用しなかったために損害があったというときに、先ほど沢田先生御指摘の過失相殺の問題ということで、シートベルトを着用しなかった者は過失相殺だよ、そういうことが言えるようなことがあればということでございますが、これもシートベルトの着用の普及度とかあるいはまた、判例を持ち出しますと沢田先生のおしかりを受けるかもしれませんが、そういうことが判例にも反映してくるというようなことであれば、保険の面でそういう逆のインセンティブと申しますか、そういう余地はあろうかと思うのでございますけれども、着用した者によけい保険を払うというのは保険技術的にはちょっと無理なのではないかという感じがいたしておりますが、なおアメリカでどういう仕組みになっておりますか、よく勉強いたしたいと思います。
○有島委員 もう時間ですからお答えは結構ですけれども、いま松尾さん不勉強ということでございますが、勉強してください。そしてどういう形か知らないけれども、つけた人とつけない人とは違うんだということを経済的にもはっきりできるようなことは、工夫すれば可能でしょう。ひとつ工夫していただいた方がよろしいのじゃないかと思うわけです。それからいまおっしゃったお答えの中で、全般的にシートベルトをつけるようになったらこうしようというお考えはちょっとなじまぬわけだ。ここで言っているのは、どうしたらみんなにつけさせることができるだろうか、少しでも事故を減らすことができようか、そういう相談をしているところですから、その趣旨に従ってひとつ御研究いただきたい。
 終わります。
○石田委員長 次に、木下元二君。
○木下(元)委員 私は、以前から問題になっております大型貨物自動車の左折事故対策をめぐって質問いたします。
 昨年の十月四日に運輸省の自動車局が、大型貨物自動車の左折事故が続発することにかんがみまして当面の緊急対策として、五十三年十一月一日以降に生産される大型車についてサイドアンダーミラーの新設を初め三項目の改善対策を実施しました。さらに本年三月十五日に、既存車、現に走っている大型車についても保安基準を改正して同様の対策を実施しました。これを仮に暫定対策と申しておきます。こうした対策の実施によりまして左折事故件数は若干減少をしておるようでありますが、なお依然として続発をいたしております。昨日は札幌市内で、登校途中の小学三年の女子を死角のために確認できずに左折事故でひいたダンプ運転手が、病院でその子の死を知って自殺をしたという悲しい報道がありました。悲惨なことであります。この事故を起こした車は緊急対策なり暫定対策が施されていたのでしょうか、まずお尋ねします。
○小林説明員 未対策であったように聞いております。
○木下(元)委員 本年一月から十月末までの左折事故件数はどのくらいでしょうか。そのうちで、緊急対策、暫定対策を講じた車によるものがどのくらいあるか、件数と死亡者数を明らかにされたいと思います。さらに、死亡者の年齢別内訳はどうなっておるでしょうか。
○杉原政府委員 お答えをいたします。
 ことしの一月から十月末までの十カ月間に発生をいたしました大型自動車の左折時の死亡事故の発生状況でありますが、件数にいたしまして百三十一件、死者数にしまして百三十二人、昨年の同期に比べますと、件数で四十九件、二七・二%、死者の数では五十六人、二九・八%減という状況でございます。
 なお、去年の十一月以降に販売されて改造された大型車でございます。新車で出された車、これによります事故が六件、六人、それから新車としてではなくて改造して使った車で、全体がそれ以外を含めますから、十六件発生をいたしております。十六件、十六人。
 それから大型自動車によります相手方の死者数であります。これは年齢とおっしゃいましたが、年齢を申し上げますと……(木下(元)委員「細かくなくて結構ですから、何歳以下が何人というような」と呼ぶ)
 百三十二人をちょっと申しますと、幼児が六人、小学生が二十二人、中学生が四人、六十歳以上のお年寄り三十七人、その他六十三人、こういう状況でございます。
○木下(元)委員 いまの十六件、十六人というのは、新車の分を含めずにですか、含めてですか。
○杉原政府委員 含めずにでございますから、合わせますと二十二件、二十二人ということになります。
○木下(元)委員 それでは緊急対策、暫定対策を講じた車はどのくらいあるのですか。
○小林説明員 私どもの手元にございますのが、昨年の十一月からことしの十月までの新車の登録台数が八万四千五百二十二台でございます。そして、新車、使用過程車を含めた左折対策の実施済みの車両が二万四千六百六十六両合わせて全体の約二〇%が対策済みでございます。
○木下(元)委員 いまの調査は、これはどういうところを通した調査でございましょうか。つまり、業者の方の報告によるものか、あるいはそうでなくて、警察が事件として扱ったものを警察を通して調査をされたものでしょうか。
○小林説明員 新車につきましては、新車の登録時点の台数でございますから、当方でつかんだものであります。それから対策は整備工場からの報告を累計したものでございます。
○木下(元)委員 この点は運輸省なり警察でさらにもっと厳密な調査をされるというお考えはあるのですか、ないのでしょうか。これは対策を講じた車に事故が――事故と申しますのは左折事故ですね。この事故が起こっておるのかどうか。起こっておるとしても、対策を講じていない車に比較してどれだけ減少をしておるか。ということは、対策の効果と申しますか、実効性を見る上で非常に大事な点だと思うのです。私、これはぜひきちんと点検、調査をされるべき問題ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○小林説明員 数字につきましては先ほど申し上げたとおりでございます。
 ただいまお話しの対策済みの軍とそうでないものの事故の比率と申しますのは、先ほどほかの先生の御質問にもございましたけれども、左折対策の原因というものが単に車両構造だけに起因するということでもございませんし、その原因の究明というものが、直ちに死角だ、あるいは運転者の注意義務違反だ、こういうふうに決めつけるわけにもなかなかまいらないということでございます。したがいまして、先生御指摘のように――いま数の方は私申し上げましたようにはっきりつかんでおりますけれども、それでは実際に比率的にどうなのかということになりますと、むしろ原因の方の究明という方がよりむずかしいということで、そういう意味におきまして純粋の対策車とそうでないものの事故発生の比率というものはなかなかっかみにくいというのが現状でございます。
○木下(元)委員 いまの報告によりましても、対策車についても相当な数の事故が起こっておるようですね。全体の二〇%ぐらいが対策車であって、そのうちで二十件余り起こっているということですから、私はそう少なくない数字ではないかと思うのです。これは、私は、もっときちんと調査もされなければわかりにくい点があると思いますが、この緊急対策あるいは暫定対策というものは、資格問題の改善のためにいろいろな措置をとられたわけですね。サイドアンダーミラーを新たに装備するとか、あるいはバックミラー、アンダーミラーの大きさ、曲率を変更するとかいうことをしております。しかし、たとえば信号待ちをしておった大型トラックが左折をする際に必要なチェックポイントというものはほかにたくさんある。全部で十三カ所もあるというふうにも言われておるわけですね。しかもミラーの映像もよくない。運転手にこれだけ広い確認を完全に求めるということは、いわゆる人間工学の立場から見ても問題があるということが言われておるわけですね。しかもミラーの新設によっても死角は完全になくなっていない。残っている。こういう問題もあるわけであります。
 それからまた、緊急対策、暫定対策では、補助方向指示器を装備することになっておりますが、これが子供というようないわゆる交通弱者の注意をどこまで喚起をするのかという点ははなはだ問題、疑問であります。この緊急対策、暫定対策にはこういうような疑問なり問題点があるわけであります。したがって、これは決して抜本対策というようなものではないと思うのですね。だから、こうした対策が講じられても左折事故というものは依然として起こる。いまの数字にもあらわれておったと思うのです。ですから、私はこういう対策で放置はできないと思うのですね。当面の措置としてもっと抜本対策を講じていく必要があるのじゃないか、こう思いますが、いかがでしょうか。
○小林説明員 いま当面の対策として抜本対策を講じろ、こういうお話でございますけれども、私どもはむしろ当面の対策として、その暫定対策、緊急対策をやったわけでございます。
 先ほど別の先生に御説明申し上げましたように、私ども決していまの対策が十分だとは申し上げておらないわけでございまして、死角があるということも十分承知しております。
 ただ、これは大型トラックに限りませんけれども、車両というものは少なくともいまの技術では死角を一〇〇%なくすということは不可能に近いことでございます。したがいまして、いま先生御指摘になりましたように、いたずらに鏡をふやして死角をカバーするということになりますと、運転者の人間工学的な面から申し上げましても、そこまで今度はカバーし切れない、いたずらに運転者に負担を増加させるだけ、こういうことにもなります。したがいまして、そういう間接的な方法によらないで、もう少し直接視界等を改善する方法がないかということで、昨年大型のメーカーに試作車をつくらして、いまその検討を進めておるということでございまして、私どもそういうことで新しいタイプのもう少し死角のない、しかも運転しやすい、そして安全な車が開発できればそういうものを採用していきたい、そのように考えているわけでございます。
○木下(元)委員 いまあなた方がやられていることはよくわかっているわけでありますが、長期展望に立ちました試作車をつくっていろいろ研究をし検討を進めていく、これは結構だと思うのです。大いにやってもらいたいと思うのです。しかし、これは何分時間がかかることですから、それはそれとして、当面の対策としていまおやりになっている緊急対策あるいは暫定対策というものは、それ自体、いまあなたがお認めになったようにきわめて不十分なものであります。そして、そういう対策を施してもそういう対策車から事故がどんどん起こっている、こういうことでしょう。ですから私は、そういう対策を施した車が出て相当な期間が経過してその結果も数字の上で出てきておるわけでありますから、ひとつこの段階で見直しと申しますか、より有効な当面の対策も講じるということを考えていただきたい。いまの緊急対策に甘んじて、もう将来のことは試作車で考えるのだから、いまのことは何もしないということでは困ると思うのです。たとえば、もちろん交通規制であるとか教育であるとか、そういう総合的な対策もあると思うのです。そういうものとあわせてより有効な方法というものを考えてもらいたい、こういうふうに考えるわけです。それは、たとえば左側ドアであるとか、左側のフロントウインドー下を透明にして直接視界を拡大をする、こういうことだって長期展望に立った対策ということではなくて、当面の対策としてそうしたことも考えてよいのではないかと私は思うのです。いかがでしょうか。
○小林説明員 先生の御指摘のとおりでございまして、もうすでにある種の新型の自動車には、左側の助手席の下が透明になって左下が見えるというような構造のものも出ております。もちろんそういう安全な率をつくるのはメーカーの社会的な責任でもございますし、そういうものを早く世の中へ出すというのが私どもの義務だと思っておりますので、できます対策は一日も早く進めさせてまいりたい、そのように考えております。
○木下(元)委員 それはぜひやっていただきたいと思います。
 それから、大型貨物自動車の左折事故というものは、運転席が高くなって助手席左側付近に広い死角が存在するという構造的な欠陥から起こるわけであります。その死角を小さくして事故が起こらないようにしようということで緊急対策や暫定対策というものが出されてきた、こういうように私は理解をしておるのですが、そのとおりでよろしいでしょうね。
○小林説明員 必ずしも先生の御指摘のとおりではないと私は思うわけでございます。と申しますのは、運転席が高いことが死角を増大するかどうか、こういう問題でございますけれども、確かに側方並びに後方の視界というのは、運転席が高くなればなるほど悪くなるのは常識でございます。一方、直接視界、直接目で見えます視野の方は、運転席が高くなればなるほどよくなるというのがこれまた常識でございます。いま問題になっておりますのは、大きな車が左に曲がりますときに、左側に大きな死角ができて、そこで運転手の方が気がつかないときに、二輪車なりあるいは歩行者なりを傷つける、こういう問題でございます。ですから、それをカバーするためにはどのようにしてその左側の死角をなくすか、こういうことでございます。運転席を下げれば側方の視界がすぐよくなるかといえば、必ずしもそれもそうではございませんで、当然運転席を低くするということは側面の窓につきますところのバックミラーの位置も下がるということになりますので、遠くまで見渡しができないということになるわけでございますので、必ずしも運転席を下げることが死角を狭めることに即つながるということにはならないわけでございまして、その辺のバランスをどういうふうにとるかということが大切なのではないか。とりあえず、現在の運転席では、いまのような鏡の組み合わせでやれば、十分な注意さえしていただければ、左に曲がる場合に事故を起こさないだけの視野の確保ができる、そのように考えたわけでございます。
○木下(元)委員 ここで余り議論をする時間がありませんので私はもう申しませんが、車に構造的な欠陥と申しますか問題点があって事故が起こっておるということは、これは否定できないと思うのです。そうだとすれば、既存車についての対策というものはメーカーの責任でやらせる、これも私は当然のことだと思うのです。しかるに、既存車の対策についてはユーザー負担になっております。しかもこの点は、昨年十月十八日の本委員会におきまするわが党の寺前議員の質問に対しましても、三塚政務次官はメーカーの責任でやらせるというように答弁をしておるのであります。それにもかかわらずユーザー負担になっておる。これはどういうわけでしょう。簡単に答弁してください。
○小林説明員 まず、これは欠陥車ではないか、こういうお話でございますけれども、私ども、この車が欠陥があるというふうには思っておりません。と申しますのは、世界的な基準で見ましても、わが国の大型車の視野というものは、改正以前におきましても最も厳しい基準でございます。ただ、先ほどから何遍も申し上げておりますように、使われます道路環境なり、使われ方というものが相当諸外国と違っております。そうしたことによってこういう外国では余り問題にならないような事故が出てくるということが一つの問題としてあるわけでございます。しからば、そういう使われ方をする以上は、やはり車両構造的にも処置しなければいけないのじゃないかというのがわれわれの考え方の基礎でございまして、そういうことでは車両構造的に問題があるというふうに考えたわけではございません。したがいまして、欠陥車であるというふうにしたわけではないわけでございます。それが一つでございます。
 それから、政務次官がメーカーの費用負担でやるとお答えしたということでございますけれども、私はそういうふうには理解しておらないわけでございまして、三塚次官のお答えしたことは、要するに、メーカーの責任体制をはっきりするということは確かにお答えしておりますけれども、費用負担をメーカーにやらせるという趣旨のお答えはしていないというふうに理解しております。
○木下(元)委員 欠陥車かどうかという問題は、これもここではもう議論いたしません。ただ、しかし、構造的に問題があるということもあなたの方もお認めになっているわけで、私の前の質問に対しましても、構造的に直さなければならない点があるということははっきり言われたわけですね。問題があるということはこれまでの答弁にも出ておるわけですよ。だから、言葉として欠陥車と言うか言わぬか、これは別として、運輸省はこの問題で裁判にも係っておるわけですから欠陥車ということは言いにくいと思うのです。私はその点はさておいて、非常に問題がある車だということは事実だと思うのですね。
 昨年の委員会での質問ですが、やはり国会答弁というのは実行してもらわないといかぬと私は思うのです。ここに会議録がありますが、寺前議員が、五十万台走っておる車、その車の保安基準の改正という問題、これを一体どうやるのか、その責任は一体だれの手でやるのか、この走っている車に対する対策、これはメーカーの責任で対策を組ますということを検討してもらいたいというふうに要望しているわけですね。それに対して、メーカーに対しましてきちんとこういう問題について行うようにいたしますという趣旨の答弁をはっきりしているわけです。だから、これはメーカーの責任を認めておる答弁なんですよね。メーカーの責任でやる――メーカーの責任でやるということはメーカーの負担でやるということであって、メーカーの責任を認めて、いや負担は別だ、負担まで認めたものではないと言うのは詭弁だと私は思うのですよ。それではメーカーの責任でやるということを認めて、そして負担はしないということであれば、責任でやるということは一体何を意味するのか。これは意味がわからぬわけですよ。メーカーというものは保安基準が改正になれば、責任があるなしは別として、当然保安基準の改正に従った措置を講ずるわけでしょう。だからそういう点で、責任でやるということは当然メーカーがその負担を行うという趣旨以外には考えられないと私は思うのです。この点はそういう詭弁的解釈では私は納得できません。しかも、国会でそういう趣旨で答弁をしておるものを、それを無視してこういうことをおやりになるということでは困ると私は思うのです。もう時間がありませんので、私はこの点について改めて大臣に質問をするということにして、これ以上ここでは申しません。
 それから、当面の対策とは別に、低運転者席の大型車を試作することが進められております。現在どういう段階でしょうか。そして、現実にそうした車が町を走るようになるのはいつごろになるのかということもあわせて……。
○小林説明員 ただいま国産の大型をつくっております五社のメーカーで十九台の試作車ができております。私どもの交通安全公害研究所におきます定置的な試験を終わりまして、ただいま日本自動車研究所におきましてフィーリングテストといいますか、主として感覚的な試験がことしいっぱい行われる予定でございます。そうしまして、年が明けまして、恐らく春ごろから一般の街路におきます走行試験というものが来年の夏ぐらいまで行われまして、その後半年ぐらいで報告書の取りまとめ、そのような段階になろうかと思います。
 そういう車がいつごろ町を走るかということでございますけれども、ただいまのつくりましたものは試作車でございますし、しかも昨年の十月に私どもがメーカーに指示をいたしまして約半年ぐらいの期間でつくらしたということで、試作車としても不完全なものでございます。したがいまして、ああした形のものがそのまま出るということではございません。相当変わったものが出ると思いますので、これが製品の段階に出るのはなお時間がかかると思いますけれども、先ほど申し上げましたように、部分的にはあの中に取り入れております、窓をあけるとか、その他いろいろな構造、装置等はおいおい新型の形で出てくるものだ、そのように考えております。
○木下(元)委員 もう時間がありませんので最後にしますが、試作大型貨物自動車評価検討委員会というものがつくられまして進めておるようですが、一つ希望しておきたいことは、民主的な構成と運営で進めてもらいたい。たとえばテストでも、一般の運転手にも試乗をしてもらうというふうなことも広くやってもらいたいと思います。公聴会も開いて多くの国民の意見も聞いてもらいたいと思います。それから、できるだけ早くスケジュールを進めてもらいたいのであります。たとえば運転席を右から左へ変えるというような構造の変化、そういうことをやれば死角問題というのは解消するわけでありますが、運転席を低くするのと違いまして時間をそうかけずにやることもできるわけであります。そういう解決方法も含めて、これはやはり何とか早く進めてもらいたいと思うのです。交通弱者の命がかかった問題として早く本腰を入れて取り組んでもらいたい。このことを要望いたしておきます。最後にお答えをいただきたい。
○小林説明員 私どももできるだけ早く結論を出したい、そのように考えております。
 構成につきましては、私ども、広く各界から先生方にお集まりいただきまして、いま御指摘のありましたような民主的な運営をしておるつもりであります。
 それから、テストのドライバーの方でございますけれども、これは検討委員会の方でまだ人は決まっておりませんので、今後御選考になると思いますけれども、広く各界と言いますか、いろいろな会社の運転手さんに乗っていただきたいと思います。ただ、路上テストに入りますと二カ月、三カ月という非常に長期間同じ方に乗っていただかなければならぬということで、所属の会社とのお話し合いということもありますので、その点も考えまして選考させていただきたい、そのように考えております。
○木下(元)委員 終わります。
○石田委員長 次に、村上弘君。
○村上(弘)委員 安全対策に関連しまして、犠牲者対策について二点だけ質問したいと思います。
 一つは、一九六八年、昭和四十三年十二月にこの交通安全対策特別委員会で行いました決議ですね。交通遺児、児童、生徒の進学援助に関する決議でありますが、これに対して政府は一体どういう態度をとっているかという問題であります。それからもう一つは、交通遺児育英会に対する助成措置についての問題です。
 そこで第一点ですが、私、たまたま一昨日、第七回交通遺児と母親の全国大会に出席をいたしました。全国から交通遺児やお母さん方約二百五十人が出席して、灯油問題、教育費が大変高騰するというふうなことで、交通遺児の家庭の窮状が切々と訴えられていました。
 たとえば、福岡県の渡辺嘉枝さんというお母さんは、七人のお子さんを抱えて御主人を亡くして、何とか高校だけにはやりたいと思っていたけれどもあきらめかけていたんだ。しかし、交通遺児に対する奨学金がもらえる制度かあるんだということを知って、やっと上の四人を高校に行かせることができましたという話だとか、高槻市の中学二年の平井順子さんというお嬢さんは、お母さんが苦労しているけれども、どうしても高校だけには行きたい、しかし公立高校に受かるかどうか、私立の場合だったらあきらめなければならなくなるかもしれないと言って、途中で涙を出して、もう声が詰まって泣き出しちゃったということで、各党の代表の方も同様でありましたが、私ももらい泣きをするというような状況でありました。
 この育英会が行った実態調査、いろいろな資料がありますが、その中で、たとえば交通遺児で奨学金を受けている高校生は三人のうち一人、また大学生の場合には二人に一人が、もし奨学金がなかったら進学はできなかっただろうというような結果も出しておるわけです。
 ところが、その頼みの綱であるこの交通遺児育英会が大変な財政危機に見舞われているということを資料その他を出して訴えておるわけです。もしそうなれば、お母さん方や交通遺児、また育英会、それぞれ非常に重大な事態になるわけで、そこで私は、先ほど申し上げました第六十国会における本委員会の決議というものが非常に重要になってくるというように思うわけです。
 この決議は、御承知のとおりに「交通事故により親等を失い、生活困窮家庭にある児童・生徒の援護及び高等学校等での修学資金を貸与する業務を行なう財団法人の設立」、つまり育英会ですが、「及びその財団法人の健全な事業活動を促進するため、必要な助成措置等について配慮すべきである。右決議する。」という決議であります。
 これに対しては、当時佐藤内閣も異例の閣議了承を行ったということなんです。ところが、この育英会の代表の方が運輸省の関係当局に要望に行くと、そんな国会決議なんてというような、いまの政府の姿勢とも関連あるのでしょうけれども、そういうふうなことを漏らしたということも言われており、当時出席した各代表とも非常に憤慨したわけで、国会を何と思っているかというようなこともあいさつの中で他党の代表も言っておりましたけれども、当時床次総理府総務長官は、この決議に対しては、「政府といたしましては、御趣旨に沿って十分検討し、努力いたしたいと存じます。」ということを言っているわけですが、名前は控えますけれども、先ほどのその当事者がとっておる態度は、果たしてその後の総理府その他関係省庁がとっている態度なのか。つまり、当初とっていた態度が変わってきたのかどうか。それとも、この決議に対しては趣旨に沿って引き続き努力するという態度なのかどうか。この点非常に大事だと思いますので、非常に簡単なことでございますが、まずその態度をお伺いしたいと思うわけです。
○三島政府委員 政府といたしましても、国会の御決議の趣旨に沿いましてその後努力しておるところでございまして、いささかもその方針については変わりないわけでございます。
○村上(弘)委員 当然のことだと思いますが、その点をしっかり確認いたしたいと思います。
 それで、その先ほどの大会では、五項目の要望事項、第一に、灯油代、もち代など越年、越冬資金の支給をお願いしたい。第二は、交通遺児育英会の政府補助金を増額してほしい。現在奨学金が三分の一ですが、これを三分の二にしてほしい。第三に、母子家庭の母親の雇用促進法を制定してほしい。第四に、母子年金の増額、受給年限の延長、母子家庭医療費の無料化を進めてほしい。第五に、自動車メーカーに年間四億五千万円の支援をお願いしたいというようなことがありますが、私はこの中で、先ほど言いましたように交通遺児育英会に対する政府補助、この点を緊急に強化する必要があるのではないか。詳しくは言う時間がありませんが、年間約十五億円ばかりの予算で、そのうち奨学金の部分が十億円ということですから非常に効率高くやっているのではないかと思うのです。その中で高校生への部分が三分の一しか補助されていない。したがって、そのあとの三分の二はいろいろな手段で、涙ぐましい努力をして募金その他でやっているのです。御承知のような情勢ですから本当に窮地に立っておる。あと半年ぐらいでもう破綻するだろうというようなことも言われているわけです。
 これは先ほどの決議の精神から言いまして放置できない事態ではないかと思うのですが、この高校生に対する奨学金の予算に対する三分の二の補助をやる意思はないかどうか。来年度はどれだけ補助するつもりなのか。それは全体の何割に当たるのか。つまり高校生に対する補助金の額は、全体の高校生の補助金総額の何割になるのか、そういう点をお聞きしたいと思うのです。
○飯島政府委員 お答えいたします。
 先ほど運輸省の担当課長が何か誤解を招くような発言があったというお話がございましたが、運輸省といたしましては、当委員会の決議に沿ってできるだけのことはやらせていただきたいというふうに考えております。
 さて、財団法人交通遺児育英会が高等学校に在学する交通遺児に対しまして行っていますいまお話しの奨学金の貸与事業につきましては、自賠責特別会計から昭和四十四年度以来助成を拡充してきておりまして、五十四年度予算においても二億四千四百万円の補助金を計上いたしております。さらに五十五年度におきましては、四億三千五百万円を補助するため、現在予算要求中でございます。
 また、その補助の内容につきましても、五十三年度におきましては、奨学生一人当たり月額一万円を単価として、その三分の一を助成しておったのでございますが、五十四年度におきましては、私立高校に通う奨学生に対しましては月額一万五千円を単価として認めることとしたところでございます。また、五十五年度予算におきましては、予算要求の案を作成する段階で交通遺児育英会と意見の調整をいたしました上、公立高校に通う奨学生について一万五千円、私立高校に通う奨学生については二万円をそれぞれ単価といたしまして、その二分の一を補助するべく予算要求をしているところでございます。
○村上(弘)委員 短い時間ですからこれで終わりますけれども、いま言われましたあれでいきますと、高校生に対する奨学金総額の二分の一を助成するということのように承るわけですが、その予算要求の額が、いま言いました高校生に対する奨学金全体に対する二分の一なのかどうか。今後もそれを続けるつもりなのかどうか。育英会は三分の二を要求しているのですけれども、その点、来年度はどうするつもりなのか、もう一度明確にしていただきたいと思います。
○飯島政府委員 総額についての二分の一を補助するということにもなるわけで、当面その実現に最大限の努力をしたいというふうに考えております。
 それから、三分の二云々というお話は、私の聞いているところでは最近になってその御要望が出てきているということと思っておりますが、今後の問題につきましては、この育英会というものが民間の善意を基盤として育英活動を行うということで設立されたものであり、この健全な事業活動を促進するために国も応分の助成を行うという考えできておるものでございます。今後さらに助成を強化することにつきましては、自賠責の特別会計からの各種の補助金の全体の規模あるいは同会の作成する貸与計画を考えながら、同会を所管しております総理府、文部省と協議して慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
○村上(弘)委員 終わりますが、三分の二に対して二分の一ということでは、恐らくこれからも財政危機は続くだろうと思います。しかし、いままでの三分の一よりは前進である。これは少なくとも実現していく必要があると思うのです。総理府も運輸省もともにぜひその努力をお願いしたいということと、もし最終的に実現しないということになれば、私は再度この問題についてはもっと広く、全面的にお聞きしたいということも留保しておきまして質問を終わりたいと思います。
○石田委員長 次に、玉置一弥君。
○玉置委員 本日は、主に次の三件についてお尋ねをしてまいりたいと思います。
 最近、原付自転車、特にファミリーバイクあるいはミニバイクと呼ばれております乗り物が非常に普及をいたしまして、特にその中でも婦女子の間あるいは青少年の間での愛好が進んでいると聞いております。そうした中で最近の事故の傾向を見てみますと、整備不良あるいは交通安全知識の不足というものから事故が生じているように思われるのでございます。そういうことにつきまして、いままでの警察庁あるいは運輸省それぞれのこれらに対する対処の仕方あるいは今後の方針というものを中心にお聞きをしてまいりたいというふうに考える次第でございます。特に免許が非常に安易に取得できるということと車両自体の価格が安い、そして非常に手軽に乗れる、そういうことがセールスポイントということで人気が出ているわけでございまして、現在保有台数が約七百六十万台強というふうにお聞き及びしております。そういう中で、特に二輪車の中、どういうふうな原因でどういう事故が生じて、対前年度としてどういうふうに推移をしているのか、その辺について警察庁にお伺いしたいと思います。
○杉原政府委員 お答えをいたします。
 事故につきまして、全体の事故がこれだけかなり減っている中で、原付自転車、法律上は原付自転車、バイクと言われているものでございますが、これの事故がふえておる。しかも単に被害者というだけでなくて、第一当事者の事故もふえておるという状況でございます。現在、原付につきましては、御案内のように免許制度の中で実技試験がない、学科試験だけということになっておるわけでございまして、将来この原付自転車の免許の制度をどうしたらいいのかということを含めまして、この原動機つき自転車の安全対策というものを総合的に考えなければならない時期ではないかというふうに認識をいたしておるわけでございます。
○玉置委員 具体的に事故の状況といいますか、数量、それはわかりますか。
○杉原政府委員 一応、五十cc以下、どっちかといいますとファミリーバイクと言われるようなものでございまして、五十cc以下の原付について申し上げますと、原付自転車の事故の総件数が二万五千二百五十二件、うち死亡事故が四百七十件というふうな状況になっておるわけでございます。
○玉置委員 いまの、死亡事故も含めまして二万五千二百五十二件、これは対前年度あるいはその前年度を比較して、いかがですか。
○杉原政府委員 先ほどのは原付の事故件数を第一当事者ということで見たわけでございますが、この二万五千二百五十二件というのは、対前年比九・二%増ということでございます。
○玉置委員 日ごろ町の中を歩いていますと、あるいは車に乗っていますと、運転技術が非常に未熟という感じを受けるときもありますし、また交差点あるいは単なる曲がり角、その辺の曲がり方、それから運転道徳、そういう面で非常に不足をしている部分があるのではないかというふうに感じるし、またいろいろな方からそういう話を聞くわけでございますけれども、それについて、特に今回、第一当事者の件数が出ましたけれども、実際のところ、交通法規の遵守あるいは車の構造自体が非常にのみ込まれていないというふうに感じるのでございます。
 聞くところによると、非常に簡単に免許が取れるということで、その免許についてもいろいろ話がありまして、特に、こちらにありますのは五十四年の十一月九日に運転免許制度研究会というところから資料が出ておりまして、その中に、運転免許関係で、原付免許で運転できる原動機つき自転車にはいろいろのものがあるが、構造、性能によっては、学科試験のほか何らかの技能面のチェックを必要とするものがあるのではないか、こういう御意見が出ているわけですね。これを当然入手をされていると思いますけれども、こういうことも含めまして、交通安全という見地から見て、一回免許を出してしまえばそれで終わりだということではなくて、現在の増加率を見ても非常にふえておりますし、そういう内容から、もっとひどくなる前に手を打たなければいけないと思うのでございますけれども、そういうことからいきまして、警察庁としてどういうことを考えておられるか、あるいは現在までどういうことをやっておられたか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○杉原政府委員 御指摘のとおりであると思います。
 まず、従来やってきておる事柄でございますが、実はことし、公益法人としまして二輪車安全普及協会というのができまして、これらを中心に免許を取得した人について自主的な研修が行われておるわけでございますし、いろいろな機会を通じて地域単位あるいは警察署単位で講習等をやっておりますが、実態はこういうふうなことでございます。
 そこで、運転免許制度研究会といいますのは、実は私どもの方で各界の方にお集まりいただいてつくっております研究会でございまして、従来各界からいろいろな意見が出ているものを主な意見として並べたものでございます。
 先ほど先生御指摘のありましたように、いま五十ccのところであれを切っております。五十cc以下のところはいわゆる術科試験がなしで学科試験だけということでやってきておりますが、実はなぜこういうことを切り離してやってきたか、こう言いますと、過去の経緯を見てみますと、当初原付自転車というのは、自転車の横のところに原動機をちょっとひっつけて、昔ありましたああいうのを考えた原付だったのでございます。それがだんだん性能がよくなりまして、ギアチェンジまでできるような原付が出てきた。それに免許行政というのは必ずしも対応していないじゃないかというような問題があるわけでございます。しかも、五十ccのところで切っておりますが、五十ccの中にはいろんな、電池で動くような非常に小規模な排気量のものもあれば、五十ccでかなりのスピードの出るものもあるというふうなことでございますので、そういう五十ccで一くくりにしないで、五十ccの態様によっていろいろ考えていったらどうか。外国などでは三輪の五十ccができてきているということでございますので、そうなりますと、その車の性能に合わせた運転免許制度というふうなものを考えなければいかぬのじゃないかというふうなこと等がかなり議論をされておりまして、その原付の方の性能の高いものについていまの学科試験だけではなくて技能的なチェック、これは試験制度というものもありますし、受講を義務づけるというふうな制度もありますし、いろいろなことがあると思いますけれども、そういうふうなことを全般的によく考えて対応策を検討してみたい。できるだけ早く結論を出すようにしたいというふうに思っております。
○玉置委員 いろいろ事故の中に要因があると思いますけれども、これは運輸省の方にお聞きしたいのでございますけれども、整備不良による事故がある。それがかなりのウエートを占めているというふうにも聞いておりますけれども、現在の五十cc以下の自転車、それは売る前には点検整備の指導をするPRをするというふうになっていると思いますけれども、売られてしまった後、だれが乗ろうと、先ほどのお話で学科試験しか受けていないあるいは法令しか受けていない、そういう方が乗られるわけでございますけれども、その辺について現在の点検整備の状況、それと現在の状況にマッチした運輸行政を見通した場合に、どういうことをやらなければいけないと感じておられるか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○小林説明員 お答えいたします。
 いまお話しございましたように、五十cc以下の原動機つき自転車がふえてきた、こういうことは事実でございます。それをお使いになります方が、家庭の主婦であるとか非常に年少の方であるとか、そういうことで、車に対する知識が非常にないということから、整備不良というような問題が起きているということの御指摘であろうかと思うわけでございます。
    〔委員長退席、有島委員長代理着席〕
 私どもといたしましては、五十ccクラスの原付の自転車につきましても、新車の段階では型式認定というものをやっております。したがいまして、新車におきましては、その前に保安基準というのがございまして、そういう基準に合った車でないと世の中へは売らない、こういうことでございます。そういう保安基準に合った車を型式認定して出しておるわけでございます。したがいまして、そういう新車の段階で車に問題があるということはないはずでございます。
 しかしながら、いま御指摘がございましたように、使われる方が車の知識が余りない方が使われるということで問題が出てくる、そういうことでございます。したがいまして、私どもといたしましては、この型式認定をいたします場合に、これを販売する側に必ずサービスブックというものを添付させまして、サービスブックには、普通の車におきます定期点検整備に準じたものをつけさして、何カ月ごとにこういうところを点検してください、整備してくださいということで、ユーザーに点検整備をしていただくようにPRしているわけでございますけれども、何分にもまだそれが十分に徹底しない、恐らくそういうことであろうと思いますので、今後一段とそういうことの徹底に力を尽くしてまいりたい、そのように考えております。
○玉置委員 制度についてはかなり時間がかかると思うのですけれども、それよりも、まず何よりも事故を防止するという意味で、いますぐできるという、そういう意味から、たとえば、免許を取られてその何カ月以内に、整備を含めた、あるいは交通安全技術、その辺の講習会とか、そういうことをある程度強制的に実施をされてはどうかと思うのですけれども、その辺についてはいかがですか。
○杉原政府委員 現在、免許を取った人に運転技術の講習というのは、先ほど申し上げましたように、かなり強化をしてやっておりますが、これを制度的に受講を強制するということになりますと、また、受講の強制というものと、免許制度というものと、試験の問題というのとが非常にリンクをしてまいりまして、その辺をこれからどういうぐあいにしていったらいいのかということは、先ほどの御指摘の点等も含めまして、よく検討してみたいというふうに思っております。
○玉置委員 現在、免許の書きかえのときに講習がございますね。あれは何か法令で定められているわけですか。
○杉原政府委員 免許の更新のときの講習は、講習を受けるように一応義務づけられておるということでございます。
○玉置委員 事故がよりふえる前にそういうことを防止したいという気持ちから今回のお話を提案したのでございますけれども、運輸省と警察庁あるいは総理府とを含めて、合同で、すぐできること、それと長期的にやらなければいけないこと、そういうことをできるだけ早くお話し合いしていただきたいというふうに要望申し上げたいと思います。
 それから、大蔵省の方お見えになっておられますか。原付自転車を含めまして、二輪車に車検がないということで、かわりにといいますか、自賠責保険が義務づけられておりますけれども、車検がないということが一つ原因だと思いますけれども、保険の期限が切れたものが存在しているというふうにも思える部分がございまして、現在の二輪車における付保状況、その辺と、たとえば切れた場合にどうされているのか、その辺についてお伺いをしたいと思います。
○飯島政府委員 原付自転車の自賠責の付保率は長らく五〇%台で推移してきておりましたが、いろいろ対策を講じました結果、五十三年の三月末には六三・九%、それから五十四年の三月末には七四・三%と逐次向上してきております。
    〔有島委員長代理退席、委員長着席〕
当省としましては、従前より監視活動、その他いろいろの措置をとってきたわけでございますけれども、付保率の一層の向上を図ることを目的といたしまして、昨年十二月に、関係省庁あるいは関係の民間団体等の参画を得まして無保険バイク対策協議会というものを設置しました。ことしの三月まで百日間、第一回の無保険バイク追放キャンペーンを実施した次第であります。その成果とすぐ言えるかどうかは別としまして、さっきお話ししましたように、付保率の向上が見られております。
 それから本年の九月には、重点を置く地域といいますか、府県をふやしまして第二回のキャンペーンを実施いたしております。内容としましては、広報活動を強化したり、販売店は大抵保険代理店を兼ねておりますので、保険代理店等で加入を促進する、あるいは三年のような長期ものの契約を進めてもらう、それから期限切れの防止、このためには保険会社から再加入の確認通知書を相手方に、データを持っておりますので通知を送付する、それから監視活動の強化、街頭取り締まりの強化等の措置を講じておる次第であります。
 なお、今後につきましては、加入データの一元的な管理について検討してまいりたいというふうに考えております。
○玉置委員 非常にふえてきているという状況はよくわかりましたけれども、自賠責でさえこれですから、任意保険をお聞きしようと思ったのですけれども、大体さらに悪いという状況だと思います。ですから、自賠責全体も含めてまた別の時間に詳しくお伺いをいたしたいと思いますので、せっかくきょう来ていただいたのですけれども、任意保険についてはちょっと割愛いたしたいと思います。
 続きまして、高速道路の問題に入りたいと思います。
 現在、わが国の高速道路は、昭和五十三年末で二千四百キロを超えたというふうに言われております。また、一日の平均利用台数というのが百万台を超えている。都市間の交通の手段あるいは生活物資の輸送ということで非常に重要な役目を担っているわけでございますけれども、最近、インターチェンジあるいは合流地点というところでの非常な混雑というものが目立っておりまして、そういうものに付随をいたしまして追突事故というものが増加をしている、追突事故が高速道路での事故の原因の大部分を占めているというお話を聞いております。現在、これは建設省になると思いますけれども、今回のいろいろな事故の状況から見て交通量との問題がかなり影響しているというふうに思うわけでございます。設定当初から現在の交通量を予想できなかったということもあるかと思いますけれども、今後の道路整備という面から見て、現在の合流地点あるいはインターチェンジ付近、その辺の整備計画も含めて、簡単に高速道路の整備についてどういうふうに考えておられるか、その辺についてお聞きをいたしたいと思います。
○田中説明員 非常に概略的に申し上げますと、先生よく御存じだと思いますが、わが国の高速道路は、ことしの十一月現在で供用延長が二千五百二十一キロメートルでございます。それで、御案内のように法定路線が七千六百キロございまして、約三三%程度でございます。昨年度から発足しました第八次道路整備五カ年計画、これは五十七年の末に終わるわけでございますが、建設費三兆二千億を投資いたしまして、この計画期間内に千三百キロ、したがいまして毎年平均二百六十キロメートルずつやっていく予定でございます。したがいまして、五十七年度末には三千五百キロになる予定でございます。
 さらに昭和六十五年度まで、約十年余り先でございますけれども、昭和六十五年度末までには、全国の県庁の所在地付近を全部高速自動車国道のネットワークで結びたい。その延長が五十六年の末で五千七百キロメートルを予定しております。
 それから、さらに長期計画になりますけれども、二十一世紀初頭に、現在の法定路線でございます七千六百キロメートルを何とか終わらせたい、かように考えております。
 それから、御案内のようにことしの八月に閣議決定されました新経済社会七カ年計画で、計画の最終年度でございます昭和六十年度までに、建設費五兆三千億円をもちまして、供用延長を約四千二百キロを仕上げたい、このような計画のもとにいま鋭意努力している次第でございます。
 それで、先生御指摘の、特にインター付近の接続道路の点でございますけれども、これに関しましては、たとえばいろいろな、直接接続する道路、具体的に申し上げますと、京都南インターチェンジなんかは、一日の出入り交通量が、これはことしの六月の調査でございますが、平均四万二千台ほどございまして、しかも本線が京都南−京都東間が約六万近い交通量だと思います。したがいまして、それに接続しておりますのが国道一号線でございまして、時によっては非常に渋滞するということでございまして、この一号線につきましてはもうすでに四車線完了いたしまして、京都南のところは加減速車線をつけまして、むしろ四車線以上にしております。しかも人家が非常に密接に連檐しておりまして、これの拡幅は非常に困難であります。一般的に申し上げますと、その接続道路だけでなくて、周りの府道あるいは市町村道あるいは二国、補助国道でございますが、そういうものを全体的に整備しまして、何とか交通緩和に役立てたい。いま具体的な京都南インターのことを申し上げましたが、たとえばよく問題になります東名の御殿場インターでも国道百三十八号線だと思いますが、これを直轄の方で鋭意拡幅しまして、御殿場インターの現在の機能をさらに改良いたしまして、これは大分先になると思いますけれども、現在の交通渋滞を少しでも早く緩和したい、かように考えております。
 以上でございます。
○玉置委員 高速道路全部を広げて交通量をカバーするというのは非常にむずかしいと思うのですけれども、たとえば京都南の話でいきますと現在、京都市の道路だと思いますけれども、そういうものが隣接している部分がありまして、その近くに田畑もあるわけでございますけれども、混雑の状況を見ていますと、一つはゲートの数が少ないということと、それから誘導線といいますか、要するに高速道路に乗り入れる線あるいは逆に高速道路から出る料金所までの線、それが短いということも一つ大きく事故につながる原因だと思うのです。その辺の拡幅は道路全体を広げるよりも比較的安易にできるんじゃないか。安易にという言い方はいまの財政難の中で非常に問題があると思いますけれども、比較的やりやすいではないかというふうに思うわけでございますけれども、これは一つ京都南の例としてお話を申し上げて、その辺の技術的な問題点といいますか費用も含めて早急にやらなければいけないところとしてその辺を考えていただきたいと思いますけれども、それについてどのようにお考えになりますか。
○田中説明員 先ほどお答えしましたように、京都南インターが接続しておる一号線は人家が非常に連檐しておりまして、再度検討させていただきますけれども非常にむずかしい。都市計画決定どおり現在二十一メーターぐらいの幅だと思いますけれども四車でやっております。
 実は、その国道一号線に並行いたしまして油小路線というのですか、都市局がいま工事をやっておるわけでございますが、これが五十メーターで、まだ例の上鳥羽南部区画整理地域というところがちょっと難航しておりまして、これがちょうど国道一号線と並行に京都の南の方から真ん中の方に入ってきます。これがいまのところ五十八年度を完成目標にしまして鋭意努力しておりますが、これができますと相当交通緩和に役立つと考えております。
 それから、先生非常によく御案内だと思いますが京滋バイパスというのがございます。これは京都市と宇治市を完全にバイパスするものでございますが、これもすでに直轄の方で事業化しておりましてもう四十六年ぐらいからやっておるわけでございますが、御案内のように宇治市の一部、それから滋賀県の大津市の一部に反対がございますが、これができますと非常にスムーズに流れるようになる。したがいまして、とりあえずは京都市の市道の油小路線の整備を急ぎまして少しでも南インターの混雑解消に役立てたい。その次には京滋バイパス、何とか京都府あるいは宇治市の反対の方々を説得していただきまして、公団ももちろんやっておりますが、鋭意そのようにやりたい。
 それから、非常に大きなバイパスでございますが、阪神公団の大阪松原線が五十四年度の三月末にはオープンするわけでございます。これは御案内のように高速自動車国道の西名阪国道、それから東名阪、途中直轄の二十五号の四車線道路のところがございますけれども、それを通じて名古屋へ参ります。それでこれができますと阪神公団の大阪松原線が五十四年度の末にできるという点と、それから、いま申し上げました名阪国道の近畿管内は、もう全部四車は終わっておりますが、中部地建というところがございまして、そこの管内の四車化が本年度の末に終わります。そうしますと名神全体のバイパス的な働きをいたします。これは非常に大きなバイパスでございますけれども、京都南インターには直接には関係ございませんが、しかしながら名神高速道路の交通量が少しはこっちの方に流れる、とりあえずそういうふうな手段で何とか交通渋滞を防ぎたい、かように考えております。
○玉置委員 地元の話なんで具体的には直接いろいろとお話をお願いしたいと思いますけれども、時間がございませんので高速道路は中途半端なあれになりますけれども、要するに混雑が高速道路上まで影響して、それによって事故が起こるということ、それから追突の原因というのは、一つは車間距離、そして前方不注意ということが原因だと思いますけれども、これらを防ぐためには混雑解消というものも大きな影響を及ぼすわけでございますから、何分その辺の混雑解消という面でも力を入れていっていただきたいというふうに思います。
 時間がございませんので次に移りたいと思います。
 運輸省では五十三年二月自動車分解整備事業の認証基準を改定されまして、排出ガス、これはCOとHCでございますけれども、測定器の設置、そして整備士の増員、作業場の拡大ということを認証工場に義務づけが行われたということでございます。現在営業をやっております事業所に対して適用猶予期間ということで五十五年の二月七日までに適合するようにやりなさいというお話でございますけれども、現在の状況、どうなっているかということと、時間がございませんので続けてお答えをいただきたいと思いますけれども、たとえば期限が切れてしまった場合、一つは有資格者というものが最終的には一番ネックになると思いますけれども、人がいないから名前だけでも来てくれというふうな状態が引き抜きとなってあらわれる可能性が非常に強いわけでございまして、こういうこと、その他融資の面、その辺を含めて防止をするためにどうすればいいのか、またどういうふうに計画されているのかということをちょっとお聞きいたしたいというふうに思います。
○小林説明員 お答え申し上げます。
 新認証基準への達成状況でございますけれども、ことしの十月末におきまして三つ項目がございます。まず第一の項目の整備士の確保でございますけれども、これは適合しているパーセントで申し上げますと、整備士が確保されております工場が九三%、それから一酸化炭素COの測定器がすでに備わっておるところが九六%、炭化水素HCの測定器が備わっているところが八七%でございます。
 次の問題としては、来年の二月までにどうするか、こういう御質問でございます。私どもといたしましては、一酸化炭素並びに炭化水素の測定器につきましては、中小企業向けの低利の設備資金の導入を図りまして、これらが零細な整備工場におきましても対応できるようにしておるわけでございます。現在先ほど申し上げましたように九六%あるいは八七%という数字でございますけれども、これは買い控えと申しますか期限ぎりぎりになってそういう測定器が安くなるだろうという思惑が一部にございますし、そういうものの在庫も豊富にございます。したがいまして、こういう機器類につきましては、私どもそれほど達成するのがむずかしいというふうには考えておりませんし、金額そのものも三十万ないし五十万の価格でございますので、それほど中小企業といえども負担になるというほどの金額ではない、そのように考えておるわけでございます。したがいまして、問題は自動車整備士でございます。この十月の調査には、実は八月二十四日に合格の発表になった分、この数を申し上げますと、全国で九千四百十七名合格になっております。それから、認定というのがございます。これは一種養成施設、二種養成施設、職業訓練所とかその他でございますが、これで十月七日に合格になりましたのが全国で一万八千七十一人ございます。そのほかに、十二月七日、二、三日先でございますけれども、これに学科試験がございます。これらの試験の合格者はまだ十月末の統計には入っておりませんので、そうした人たちが就職されれば問題はないということでございます。
 それで、整備士の足りない工場の絶対数でございますけれども、全国で五千百六十五ございます。これが先ほど申し上げた足りないパーセントの中の工場でございます。絶対数的にはもうすでにこの八月の二十四日と十月の七日の数で十分あるわけでございますけれども、ただ大企業へ就職をするという傾向がございますし、そういうことから、零細な工場につきましては楽観は許されないわけでございますけれども、絶対数的には何とか確保できるということでございますので、個々の工場についてきめの細かい指導をしていきたい。そして、先生の御指摘のございましたように、一月の末になりましてから、あるいはもう一月の初めから、整備士を引き抜きをして混乱させるというようなことのないように、きめの細かい指導をしてまいりたい、そのように考えておる次第でございます。
○玉置委員 最後に、いままで長年営業されておりまして、特に中小零細企業というのですか、一人で家内工業的にやっておられた、そういうところが非常に厳しいと思うのです、そういうところしか対象になっていないと思いますけれども。そういうことを考えますと、このままいきますと、整備士がそろわなかったから自分一人ではできない、だから営業をやめなさいということになると思うのですね。その場合に、いままでの生活権というものが当然保障されなければいけないし、またある程度指導というか、運輸省として今後ある期間指導するという形になると思いますけれども、その辺について、やさしい行政といいますか、心の温かい行政をぜひお願いを申し上げたいと思うわけでございます。その辺について、今後こうしていくのだという一応の決意というものをぜひお聞かせをいただきたい。それを最後に質問を終わりたいと思います。
○小林説明員 先ほど先生御指摘のように、この基準の改正は、昨年の二月に改正をいたしまして、経過期間が二年あったわけでございます。その間、私どもといたしましても、十分に機器の確保あるいは人の確保というのを指導してきたつもりでございます。その結果が、先ほどお話し申し上げましたように、何とかいけるのではないかという段階に来ておるわけでございます。
 それで、二月の七日になって足りないからすぐ取り消しだ、そういうことをするつもりはございませんけれども、ただ、できますならば、二月の七日にすべての工場が新しい基準に適合していただけるよう、まだ時間も残されておりますので、私どもも末端もともども努力していきたい、そのように考えております。
○玉置委員 終わります。
○石田委員長 次回は、公報でお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
 午後五時二十五分散会