第093回国会 本会議 第6号
昭和五十五年十月十七日(金曜日)
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 議事日程 第五号
  昭和五十五年十月十七日
    午後一時開議
 第一 優生保護法の一部を改正する法律案(社
    会労働委員長提出)
 第二 厚生年金保険法等の一部を改正する法律
    案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
 日程第一 優生保護法の一部を改正する法律案
  (社会労働委員長提出)
 日程第二 厚生年金保険法等の一部を改正する
  法律案(内閣提出)
 農住組合法案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時五分開議
○議長(福田一君) これより会議を開きます。
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○議長(福田一君) 日程第一は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。
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 日程第一 優生保護法の一部を改正する法律
  案(社会労働委員長提出)
 日程第二 厚生年金保険法等の一部を改正す
  る法律案(内閣提出)
○議長(福田一君) 日程第一、優生保護法の一部を改正する法律案、日程第二、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の趣旨弁明及び報告を求めます。社会労働委員長山下徳夫君。
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 優生保護法の一部を改正する法律案
 厚生年金保険法等の一部を改正する法律案及び
  同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔山下徳夫君登壇〕
○山下徳夫君 ただいま議題となりました優生保護法の一部を改正する法律案について、趣旨弁明を申し上げますとともに、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、優生保護法の一部を改正する法律案について、趣旨弁明を申し上げます。
 本案は、昨日の社会労働委員会においてこれを成案とし、全会一致をもって社会労働委員会提出の法律案とすることに決したものであります。
 その内容は、都道府県知事の指定を受けて受胎調節の実地指導を行う者が、受胎調節のために必要な医薬品を販売することができる期間を、昭和六十年七月三十一日まで延長しようとするものであります。
 以上が本案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 次に、厚生年金保険法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、昨今の社会経済情勢にかんがみ、厚生年金保険、国民年金等の給付改善を行うとともに、児童扶養手当、特別児童扶養手当等について改善を行い、国民の老後保障等の充実強化を図ろうとするものであります。
 その主な内容は、厚生年金保険においては、
 第一に、改正後新たに老齢年金を受ける者の標準的な年金額を月額約十三万六千円に引き上げることとし、定額部分について単価の引き上げ、報酬比例部分について過去の標準報酬の再評価を行うほか、加給年金額の引き上げ並びに障害年金及び遺族年金の最低保障額を引き上げること、
 第二に、在職老齢年金の支給制限を緩和すること、
 第三に、遺族年金については、子のない四十歳未満の妻に年金を支給しないこととするとともに、寡婦加算額を引き上げること、
 第四に、標準報酬を四万五千円から四十一万円の三十五等級に改めること、
 第五に、保険料率を一般男子について千分の十八、女子について千分の十九引き上げるとともに、女子については明年以後も毎年千分の一ずつ引き上げ、男女差の解消を図ること等、
 第六に、老齢年金の受給資格年齢については、次期財政再計算の時期に所要の改定措置が講ぜられるべきものとすることであります。
 船員保険法においては、厚生年金保険法の改正に準じた改正を行うことであります。
 国民年金法においては、
 第一に、拠出制国民年金の年金額を引き上げ、二十五年加入の場合の年金額を月額四万二千円とし、現に支給されている十年年金の額を月額二万六千五百五十円に、五年年金の額を月額二万千六百円にそれぞれ引き上げるほか、障害年金の最低保障額及び母子年金等の額を引き上げること、
 第二に、母子年金及び準母子年金について母子加算及び準母子加算の制度を創設すること、
 第三に、保険料の額を昭和五十六年四月分より月額四千五百円に引き上げ、以後段階的に引き上げることであります。
 福祉年金については、老齢福祉年金の額を月額二万千五百円に引き上げ、障害福祉年金、母子福祉年金等の額をそれぞれ引き上げることであります。
 また、児童扶養手当、特別児童扶養手当及び福祉手当の額をそれぞれ引き上げること等であります。
 本案は、去る十月七日付託となり、昨日の委員会において質疑を終了いたしましたところ、厚生年金保険及び船員保険の子のない四十歳未満の妻に遺族年金を支給しないこととする改正規定の削除、老齢年金の受給資格年齢に関する改正規定の削除及び保険料率の引き下げ並びに福祉年金等の額を引き上げる旨の修正案が提出され、採決の結果、本案は修正議決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し、附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(福田一君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一につき採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
 次に、日程第二につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
 農住組合法案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(福田一君) この際、内閣提出、農住組合法案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣原健三郎君。
    〔国務大臣原健三郎君登壇〕
○国務大臣(原健三郎君) 農住組合法案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 最近における地価の動向を見ると、大都市地域の住宅地を中心に上昇傾向にありますが、これは、交通体系の整備、公共事業の進捗等による住宅地としての効用の増によるもののほか、さらに根強い住宅地の需要に対して供給が不足していることが主なる原因であると考えられます。
 このような状況を踏まえた今後の土地政策の基本的な課題は、長期的には、大都市地域における人口と産業の集中を抑制し、他方、地方への分散を促進することにより、国土の均衡ある発展を図ることであります。さらに、当面の緊急な課題としては、大都市地域を中心として、引き続き投機的な土地取引の抑制に努めるとともに、特に宅地の供給を強力に促進することが必要であります。
 このためには、現在講じております各般の宅地供給のための施策の拡充強化を図ることが必要でありますが、さらに、これらと相まって、主要な宅地供給源であり、現在大都市地域の市街化区域内になお相当大量に存在する農地について、必要に応じて、当面の営農の継続を図りつつ、住宅地等への円滑かつ速やかな転換を図ることが必要であると考えられるところであります。
 このような見地から、大都市地域の市街化区域内農地の所有者等が協同して、必要に応じ、当面の営農の継続を図りつつ、農地を円滑かつ速やかに住宅地等へ転換するための事業を行うための組織として農住組合の制度を設け、その組織の事業活動を通じて、これらの者の経済的社会的地位の向上と住宅地及び住宅の供給の拡大を図ることとした次第であります。
 以上がこの法律案を提出する理由であります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、農住組合は、組合の地区内の市街化区域内農地の相当部分を含む一団の土地について、良好な住宅地等の造成を目的とする土地の区画形質の変更等を行うとともに、組合員のために住宅の建設等を行うこととしております。さらにまた、これらとともに、利便施設の建設、土地の譲渡、土地に関する権利の交換分合、組合員の当面の営農上必要な共同利用施設の設置及び管理、客土、暗渠排水、農地利用規約の設定等の事業を総合的かつ一体的に行うことができることとしておる次第であります。
 さらに、これに伴い農住組合は、土地区画整理事業及び土地改良事業を施行することができることとし、土地区画整理法及び土地改良法の適用に関し所要の規定を整備することとしております。
 第二に、農住組合は、当面農業上の利用が継続される一団の営農地等に属する農地について、所有権または使用収益権を有する組合員で当面の営農の継続を希望するものの合意により、農地利用規約を定め、市町村長の認定を受けることができることとするとともに、農地利用規約の目的を達成するため必要があると認めるときは、組合員以外の者で当該一団の営農地等に属する農地について所有権等を有するものと、農地利用規約と同一の内容を有する契約を締結することができることとしておる次第であります。
 第三に、農住組合の組合員たる資格を有する者は、地区内の土地について所有権または借地権を有する者及び地区内の農地について所有権以外の使用収益権を有する者とし、組合員は出資する義務を負うほか、組合員のうち所有権者及び借地権者は、各一個の議決権及び役員の選挙権を有することとしております。
 第四に、農住組合を設立するには、大都市地域の市街化区域内農地について所有権を有する者四人以上が発起人となり、定款及び事業基本方針を作成し、都府県知事の認可を受けなければならないこととしております。
 なお、この認可の申請を行うことができるのは、この法律の施行の日から十年を経過する日までといたしております。
 第五に、定款に定める組合の地区は、原則として一定規模以上の一団の市街化区域内農地を含む一団の土地の区域であり、市街化区域内農地の面積が地区面積の大部分を占めるものでなければならないことといたしております。また、事業基本方針には、地区内において、組合員の当面の営農の継続を図りつつ市街化区域内農地を住宅地等へ転換するために組合が行う事業の種類及びその実施の方針等を定めることといたしております。
 第六に、組合は、農業団体等に対し、組合の事業に関し、必要な助言または援助を求めることができることとするほか、国及び地方公共団体は、組合に対して、その事業の施行の促進を図るため必要な助言及び指導を行うことができるものとしております。
 第七に、管理、解散及び清算、監督、罰則等に関する規定を定めることとしております。
 以上が農住組合法案の趣旨でございます。(拍手)
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 農住組合法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(福田一君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。木間章君。
    〔木間章君登壇〕
○木間章君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました農住組合法案につきまして質問を申し上げ、その問題点を明らかにしたいと考えます。
 第一に、本法律案提案の背景には、言うまでもなく、大都市圏における住宅難、宅地難がございます。そして、こめような状況を引き起こした原因と責任は、政府・自民党の経済政策、国土利用政策にあることは、いまや周知の事実であります。(拍手)
 大都市圏への産業と人口の集中から来る過密問題、地方圏における第一次産業の衰退、生活環境整備のおくれによってもたらされた過疎問題、これらが歴代自民党内閣の手によって推進され、その責任を感じてか、いまは亡き大平前総理は田園都市構想を提唱され、その内容はともかくといたしましても、国民は大きな期待を寄せたのであります。
 私は、大平前総理の遺志を継ぐと決意されておいでる鈴木総理が、この歴代自民党内閣の国土利用政策の失敗を反省され、田園都市構想の推進を実行されるのか否か、まず総理の所見をお伺いいたしたいと存じます。
 次に、今日の住宅難の原因は、政府の住宅政策にあると私は考えます。
 政府は、来年度を初年度とする第四期住宅建設五カ年計画を策定していますが、五年前の第三期住宅建設五カ年計画の策定に当たって、国民の住宅は確実に向上しており、今後はより質のよい住宅を求めているという認識のもとに、八百六十万戸の建設計画が策定されました。そして今日、その最終年度の計画を入れましても、建設戸数は約七百九十万戸と計画を下回っているのであります。しかも、公営住宅は計画の七六・一%、公団住宅は五五・八%と大幅に目標を下回っているのであります。
 このような計画の大幅な後退によりまして、全国の住宅困窮世帯、つまり住宅に困っていると感じている世帯は、五年前の一千三万世帯から一千二百五十六万世帯、全世帯の三八・九%へと拡大しているのであります。そして、本法案で問題となっております三大都市圏では、持ち家の三二%、借家の五八%が住宅困窮世帯であります。
 建設大臣にお伺いいたします。
 目標の未達成と公共賃貸住宅の大幅な落ち込み、住宅困窮世帯の拡大と住宅ローン地獄に見られる持ち家政策の破綻を見るとき、政府の住宅政策、とりわけ第三期住宅建設五カ年計画が失敗に終わったことは明らかであります。
 私は、との数字にあらわれております失政の事実を真摯に反省され、広く勤労国民の声を聞き、良質、低廉な公共住宅を中心とした第四期の計画を策定されることを期待いたしますが、この点につきまして、大臣のお考えをお聞かせください。
 私は、狭い国土を思うにつけ、そして、国土の一%の土地に全人口の三分の一以上が生活しているわが国の今日の国土利用のあり方を考えるにつけ、生活空間、生産空間としての土地を、国民全体の貴重な資源として、社会的に有効に利用していかねばならないと痛感いたします。
 そこで心配いたしますのは、土地価格の問題であります。
 今年の地価公示を見ますと、東京圏の住宅地で一八・三%、全国平均を見ましても一二・三%と大幅な上昇を示しております。この高騰は、勤労国民の所得の上昇、そして他の物価の上昇、たとえば消費者物価の上昇も、本年八月の統計では八・七%と高騰しておりますが、それをも大きく引き離し、まさに異常なものと言えます。
 しかるに、政府は、私ども日本社会党を初め勤労者、有識者の多くの批判と提案を退け、無策のまま放置しております。私どもは、国土利用計画法第十二条「規制区域の指定」、第二十三条「土地に関する権利の移転等の届出」制に係る部分の法律改正、そして、公示価格と取引価格を同額とするよう提起いたしておりますが、政府は、現状のまま土地価格の高騰を野放しにされ、土地を生活空間としてではなく、投機の対象として放置されるつもりなのか、お伺いいたします。(拍手)
 これはまさに、住宅難に苦しむ勤労国民の最も注目するところであります。同時に、土地対策の専門庁として、四十七年、四十八年の狂乱的土地取引と地価高騰の後に誕生した国土庁の存在の意義を問われる問題でもあります。この点につきまして、国土庁長官の明快なる御答弁をお願いいたします。
 農住組合法案は、都市近郊の農地をつぶし、農民に不動産経営をさせようとするものであります。国や地方公共団体の住宅、土地対策をなおざりにして、住宅、宅地の供給と関連施設整備を含めて農民に押しつけようとする政府の方針をもって、今日の大都市圏の住宅、宅地問題は解決するものではないと思います。
 また、本法案によって、政府は、十年間に数千ヘクタールの宅地が供給されると推測されておられるようでありますが、どのような住宅が、どのような価格で勤労国民に提供されるのか、この法律案には全く触れられておりません。
 住宅の戸数、宅地の供給面積、そうした量の面ばかりを追求し、その質の面、勤労国民の住宅費負担のあり方を置き忘れたとれまでの政府の姿勢によって、今日の住宅難、土地問題が発生したのでありました。
 政府と地方自治体が、力を合わせて国民、住民の生活環境に責任を持ち、都市の活力と農村の緑とを結合させた計画的な都市建設を進める、このことこそ真の田園都市構想ではないでしょうか。(拍手)
 地方における雇用の場の創出のため、農林漁業を再建し、住民が定住を図られるよう生活環境を豊かにしていく、そして都市では、公有地を勤労国民のために有効に利用する、あるいは借家人も含めた住民の総意に基づき都市再開発を進める、さらには、大企業が所有している遊休地、デベロッパーが値上がりを待って眠らせている宅地を、適正な価格で勤労国民の生活用地として解放させる、こうしたことこそ当面の急務と言えます。
 住宅難のもとで、その解決を持ち家取得に求め、その結果、住宅ローン地獄に苦しむ勤労国民と、食えない農業によって職業を奪われていく農民の間に利害の対立があるかのごとく宣伝し、みずからは農民から土地を取り上げ、都市の市民をローン地獄に追い込もうとする政府の姿勢は、許されることではありません。
 国民の住宅要求が高まり、大都市問題がクローズアップされてくる中で、政府の長である内閣総理大臣は、住宅政策についてみずからのビジョンを持つことが要請されております。私は、鈴木総理が国民に何を約束されるのか、それを明確に、具体的にお示しいただきたいのであります。(拍手)
 私どもは、たとえば住宅金融公庫融資で不足がある場合、公庫融資と民間ローンとあわせて借り入れできる指導と助言の制度化を要求し、同時に、経済情勢の変化等によりどうしても返済が困難となって一時中断せざるを得ない事態が発生した場合、三カ年程度の猶予できる保証制度もあわせて提案しておりますが、建設大臣は、勤労国民のローン地獄に対し、どのような解決策をもって臨まれるのか。
 さらに、国土庁長官には、大企業や大地主の持つ遊休地を、勤労国民に適正な価格で解放させるいかなる方策をお持ちになっておられるのか、明快な御答弁をいただきたいと存じます。(拍手)
 私ども日本社会党は、都市の緑とオープンスペースの確保、都市の無秩序な拡散防止、都市への生鮮食料品の供給地として、都市近郊農業を積極的に育成していくべきであるという方針を持っております。また、農民が職業を奪われ、莫大な農地の譲渡所得を得たとしても、そのことが本法案の第一条、目的に掲げられております農民の経済的、社会的地位の向上につながるとは考えておりません。
 したがいまして、農民の意思によって、営農を継続する者に対する登録農地制度の確立、営農の意思を失った農民の農地については、国や自治体が関連公共施設も含め整備を行い、勤労国民に良好な住宅を提供するという政策を提案しております。
 しかるに、政府は、農住組合を設立すれば農地の宅地並み課税は免除する、そして、それ以外については宅地並み課税を全面的に課税する方針を持っているのではないかと心配する農民がおります。これがもし真実であるなら、理念を抜きにした、あめとむちの政策と言えましょう。この際、政府の統一した見解を示していただきたいと思います。
 私は、三全総計画につきましても、新経済社会七カ年計画につきましても、高度経済成長期に各省が立てられた水ぶくれ計画がそのまま残されていると思われてなりません。三全総計画がそのまま進めば、都市における過密、地方における過疎は解消しない結果となります。政府が言うUターン、Jターン現象などは、統計数字では見ることができても、はだで感じることはできません。過疎と地域格差は拡大の方向にあるとさえ言えましょう。私は、地方圏における産業振興、教育文化施設などの整備こそ、大都市問題の解決の唯一の道であると考えます。
 また、政府は防衛費の大幅増額を行おうとしておりますが、公営住宅、公団住宅に使われる国の予算は、現在でも防衛費のわずか六分の一程度であります。国民の生活を豊かにし、非武装中立の積極平和外交を展開することこそ真の平和への道であり、政府のとるべき道であると考えます。
 地方圏における産業振興、生活施設に対する国の予算の大幅な増額に対する政府の積極的な姿勢を、この機会にお示しいただきたいと考えます。
 以上をもちまして、私の農住組合法案に対する質問を終わらせていただきます。(拍手)
    〔内閣総理大臣鈴木善幸君登壇〕
○内閣総理大臣(鈴木善幸君) 第一に、田園都市国家構想についてお尋ねがございました。
 八〇年代以降、二十一世紀に向かいまして、新しい国づくり、都市づくり、また村づくりが本格的に取り組んでいかなければならない重要な課題に相なっておることは、御指摘のとおりでございます。都市に田園の豊かさ、また田園に都市の活力を導入いたしまして、そして地域の特性を生かしながら新しい時代の要請にこたえる地域社会を建設する、そのネットワークを全国に拡大して田園都市国家を建設する、これが大平前総理の提唱であったわけでありますが、自由民主党におきましても、これを党の政策として取り上げ、これが実現のために総合的な施策を進めておるところでございます。
 そのためには、私どもは、産業基盤の整備あるいは生活関連の施設の整備などに総合的な施策を展開いたしまして、国土の均衡ある開発、発展を図りながら田園都市国家の建設を推進してまいりたいと考えておるのであります。
 第二のお尋ねは、都市づくりについてでございます。
 都市づくりについての私の基本的な考え方は、都市の魅力である機能性を損なわないで、これを安全でかつ人間性豊かなものにしていきたいということであります。
 つまり、大都市にありましては、既成市街地の再開発を行い、都市の機能と環境を向上させ、ゆとりのある新市街地を再構築する、また、地方の都市にありましては、周辺の農山漁村を含む地域社会の中で経済面、文化面での中核的な役割りを果たさせていくという点に主眼を置いていきたいと存じます。
 このため、総合的な都市計画のもとに、都市基盤施設の整備、土地区画整理事業、市街地再開発の事業などを活発に行いまして、そして良好な住環境を備えた都市づくりを実現してまいりたいと存じておるのでございます。
 国土の均衡ある開発、発展を図るということは、私どもが最も力を入れておる点でございます。そのためには、中央、地方に資源の配分に当たりまして十分な配慮を行いながら、地方の地場産業の振興、あるいは産業、工場等の誘致の問題そういう基盤整備をまず行うことが必要でございます。
 さらに、教育でありますとか、文化でありますとか、あるいは住環境の整備でありますとか、そういう点にも力をいたしまして、国土の均衡のある開発、発展、また、地方にも国民の皆さんが地域に偏しないで定住できるような、環境整備に力を入れてまいる所存でございます。(拍手)
    〔国務大臣斉藤滋与史君登壇〕
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。
 私には、二点質問があったわけであります。第三期住宅建設計画は失敗であった、よって、それを基盤に、第四期については参考にしてやれということと、もう一つは、ローン対策でありました。
 ただいま総理から、安全で人間性豊かな魅力ある都市づくりを目標にという基本的な考えが示されました。住宅行政におきまして、総理からこの問題についてとくと指導をいただいておるわけであります。
 先ほど先生は、第三期住宅建設計画は失敗であったというように申されましたけれども、私はそうは考えておりません。まだ確かに八百六十万戸の目標が七百九十万戸、達してはおりませんけれども、まだこれからであります。公団住宅等の建設停滞は見られましたけれども、公庫住宅が順調な伸びをいたしておりまして、見通しとしては一〇七・七%ぐらいの達成を見込まれております。
 住宅政策は、御案内のように、国民のライフステージに応じた持ち家及び借家の役割りと国民の住宅選択の動向を勘案して、持ち家と借家の供給バランスを考慮すべきものと考えております。
 当然、第三期住宅五カ年計画を踏まえて、第四期の計画は、居住水準の改善のおくれている大都市地域を中心に、公営住宅、公団住宅等公共賃貸住宅の供給力の強化を図ることとし、あわせて、人口構造の中高年齢化等による持ち家需要に適切に対応するなど、それぞれバランスのとれた施策を実施していくことといたしております。
 二点目のローン対策でございますが、ローンの事故につきまして、その方々に心からお気の毒と申し上げるわけでありますけれども、御案内のようなオイルショック以後の後遺症等々で、経済計画の破綻、不況倒産等で、当初ローンを取り入れた方々がそれに対応できなくて支払いができない、償還できないというようなことであるわけであります。
 もちろん、ローン政策が持ち家制度の発展に尽くした役割りというものは私たちは当然理解し、また、これからも進めていかなければなりません。
 ただ、問題は、経済変化に対応するだけの当初の指導、計画性等をやはり強力にこれからも指導していかなければならないかと思います。
 あわせて、起きておる事故につきましては、延納の問題分割の問題あるいはボーナス等の併用等々を考えながら、何とか救済措置を進めてまいりたい、このように考えているところであります。(拍手)
    〔国務大臣原健三郎君登壇〕
○国務大臣(原健三郎君) 木間先生にお答え申し上げます。
 最初の第一問は、今後の土地対策をいかに推進していくのであるかという質問でございます。
 最近における地価の動向は、非常にいわゆる急上昇しておるが、そのまま放置しておるのではないかとおっしゃられますが、上昇率はだんだん現在のところ鈍化傾向が見られるものの、大都市においては依然として住宅地の上昇が目立っておることは事実でございます。
 地価が上がる、上昇する、これは効用増によるものもありますが、根強い住宅地の需要に対して供給がそれに見合わない、こういうのが主たる原因でございます。昭和四十七年、四十八年のような投機的なる取引による急激な土地の値上がりは現在のところ見受けられません。
 このような状況を踏まえた今後の土地政策としては、基本的には過密過疎を解消し、国土の均衡ある利用を図ることが必要であると考えております。
 当面の対策としては何をやるか。引き続きこの投機的土地取引を抑制することが大事であります。そして、宅地供給の促進を図ることが何よりも大事であります。
 このためには、第一、国土利用計画法の的確な運用を図ります。第二、大都市地域の市街化区域内農地の宅地化の促進をやります。いま法案を出しておるのもその趣旨であります。第三、宅地供給促進のための財政上、金融上の措置の拡充。第四、都市再開発の促進をこの上とも進めます。第五、土地税制の活用等、いろいろ総合的にかつ積極的に推進して、地価の暴騰を防ごうと考えております。
 第二の御質問は、大企業はたくさん土地を所有しておるが、それが遊休地となっておって活用していないじゃないか、こういう御質問でございました。
 国土庁が資本金一億円以上の企業について調査したところによれば、昭和五十三年度末において、これらの企業が三大圏の市街化区域内に所有しておる販売用土地のうち、造成工事等に着手していないものは必ずしも多くはない、わりあい少ないのであります。また、昭和四十九年以降の企業の販売用土地の状況を見ますと、取得を上回る売却が行われておるという結果も出ております。これから見ると、総じて企業が保有しておる販売用土地は、宅地として供給されつつあると考えるのが妥当であると考えます。
 なお、未利用のまま残されておるような土地につきましては、適正な価格で供給されるよう、国土利用計画法による遊休土地制度の活用、届け出制度の的確な運用、土地利用転換計画の策定の推進等の施策を総合的にいろいろ実施してまいる所存でございます。
 第三の御質問は、農住組合と宅地並み課税との関係、それらについての結果等について御質問がございました。
 それで、本法案は、市街化区域農地に係るいわゆる宅地並み課税と直接関連を有するものではございません。
 昭和五十七年度以降の宅地並み課税の取り扱いにつきましては、昭和五十五年度の税制改正に関する政府の税制調査会の答申がございまして、それの線に沿うて、答申の趣旨を生かしてやりたいと思っております。
 その答申の趣旨は、昭和五十五年、五十六年度は課税しない、五十七年度に初めてこれをA地区、B地区、C地区にわたって全面的に、積極的に課税のことを考えなければならぬ、こういうことになりますが、これは関係省庁とよく連絡し、協議の上に前向きに検討していきたいと考えておるところでございます。
 以上、お答えいたします。(拍手)
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○議長(福田一君) 鳥居一雄君。
    〔鳥居一雄君登壇〕
○鳥居一雄君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました農住組合法案の趣旨説明に対し、質疑を行うものであります。
 この農住組合法案は、三大都市圏の市街化区域内農地について、営農の継続を図りつつ円滑な住宅地等への転換を図るため、市街化区域内の農地所有者等が農住組合を設立し、土地区画整理事業と土地改良事業が並行して行えるようにしようとする内容のものであります。
 今日の深刻な住宅事情の打開策の一環として、この法案の趣旨は是とするものでありますが、その運用に際しましては、土地税制や地価対策等との連動した効果的な対応がなされなければ、期待する成果は望めないと思うのであります。
 さて、まず第一は、農住組合の設立へ参加する農業者と宅地の供給見通しについてであります。
 この法案には強制力がないため、農住組合の設立に参加するかどうかは農業者の自由意思に任されております。したがって、仮に現状のまま農業を続けるために参加しないと意思表示をすれば、話は全く進展しないことになります。また、一件二ヘクタール以上のうち、その半分を宅地に転用することにしているために、大規模な宅地開発がむずかしくなり、かえって市街地のスプロール化に拍車をかけるおそれもあるわけであります。そのため、農住組合では、狭い農地を交換分合してスプロール化を防ぐとともに、農業経営の効率化を目指すことになっていますが、先祖代々受け継いできた自分の農地への愛着は非常に強く、円滑に進展するかはなはだ疑問であります。
 政府は、このような状況のもとで、農業者の理解と協力を得てどのぐらいの農住組合の設立と、それによってどれくらいの宅地供給を見込んでいるのか、伺いたいのであります。
 第二は、農住組合の供給する賃貸住宅が、国民の要求を満たし、居住水準の引き上げにどれほど貢献するかということであります。
 現在、農業者等の賃貸住宅建設に対する助成策としては、農地保有者等賃貸住宅建設利子補給制度あるいは特定賃貸住宅建設利子補給制度などがありますが、住宅に困窮している国民が望んでいる良好な、ゆとりのある賃貸住宅の供給促進策として果たして十分であるか、疑問であります。たとえ良好なゆとりある賃貸住宅が供給されるとしても、高家賃では国民の期待にこたえられないのではないかと危惧するものであります。
 したがって、この際、賃貸住宅の家賃については、公的住宅融資や利子補給等を行うことと引きかえに、家賃抑制条件を義務づけるべきではないかと思うのであります。さらに、家賃補助制度や家賃控除制度等を拡充して、公共賃貸住宅の入居者との間にも不公平を生まないような十分な配慮をしながら、適正な家賃負担システムを確立すべきではないかと思うのでありますが、建設大臣のお考えをお伺いいたします。
 第三は、農住組合法の運用と宅地並み課税の問題についてであります。
 経済学者や専門家等の分析によると、農業者は、宅地開発や賃貸住宅の経営などふなれな仕事に乗り出すよりも、現状の農地のまま保有しておいた方が有利で安全であると考える者が多いと言われております。そして、政府がねらうとおりの宅地供給促進の効果を上げるためには、対象地域の市街化区域内農地に対して宅地並み課税を完全実施することが不可欠であるとも指摘をいたしております。
 ことし五月の国土利用白書によると、市街化区域内農地は全国で二十二万一千ヘクタールに上り、そのうち特に宅地不足の深刻な三大都市圏にも九万五千ヘクタールあるとのことであります。一方、わが国の新規宅地需要は、三全総によると、昭和五十一年から六十五年までの十五年間に全国で十九万ヘクタールとのことであります。すなわち、単純計算によれば、市街化区域内農地だけで十五年間の新規宅地需要を十分賄えることになります。
 そこで、まず国土庁長官にお伺いしたいのでありますが、長官は去る十月三日の閣議後の記者会見において、「五十七年度から宅地並み課税を完全に実施する。今度こそやらねばならないだろう」こう発言されたと報道されておりますが、この真意のほどを改めてお伺いをいたします。
 さらに、宅地並み課税の所管大臣である自治大臣はどうお考えであるか、あわせて伺うものであります。
 わが党は、市街化区域内農地の宅地化促進のために、住宅事情の深刻な三大都市圏において選択的宅地並み課税制度の導入を提言いたしております。
 これを簡単に申し上げると、一つには、宅地並み課税を全く行わないかわりに、半永久的に農地のままにしておくことを義務づけ、宅地転用を禁止していく。二つには、農地の宅地転用も譲渡先も制限しないかわりに、宅地並み課税を完全実施する。この二つのどちらかを農業者に自由に選択していただくというものであります。
 このように柔軟性のある選択的宅地並み課税制度の導入について、建設大臣並びに自治大臣の御見解を伺うものであります。
 第四は、都市計画法に基づく市街化区域の線引きの見直しについてであります。
 建設省は、宅地供給促進のためという大義名分のもとに、市街化区域と市街化調整区域の線引きの基準を大幅に改めて、市街化区域の拡大を図ろうとしております。しかし、市街化区域内にまだ大量の農地が残存している現状のもとで市街化調整区域の開発を先行させることは、本末転倒と言わなければなりません。また、優良農地の維持確保という視点からも望ましくはありません。
 しかも、線引きの権限をゆだねられている地方自治体の大半は、基本的には宅地開発を抑制しようとしていますが、このように、地方自治体の協力を得られるという担保もない市街化区域の拡大は、一層のスプロール化を招くだけではないかと思うのであります。
 これらの疑問点について、建設大臣はどのように対処されるお考えか、伺いたいのであります。
 第五は、農住組合法と地価の問題についてであります。
 農住組合法に基づいて宅地化を効果的に進めるためには、地価の安定が前提であります。しかるに、さきに国土庁が発表した基準地価調査結果によると、地価は依然として高騰を続けております。中でも住宅地価格は、この一年間に全国平均で一一・五%、昨年の八・五%を大幅に上回っております。しかも、実際に取引されている実勢価格は、この数値よりもはるかに高値であるとも指摘されております。
 ところが、近年のこのような異常な地価高騰に対し、国土利用計画法に基づく規制区域の指定、これは必要に応じて総理大臣も指定を指示できるようになっているにもかかわらず、全く行われておりません。
 この際、地価抑制のため、規制区域の指定を機動的に行えるような、法改正を含めて、運用方法の再検討をしてはどうか、総理大臣並びに国土庁長官の確固たる御決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣鈴木善幸君登壇〕
○内閣総理大臣(鈴木善幸君) 地価の問題、土地政策の基本についてお答えをいたします。
 地価の動向につきましては、政府としても十分注意を払っておるところでございまして、いやしくも地価の高騰がなされないように、私どもは全力を挙げて総合的な施策を今後も展開をしてまいりたいと考えております。
 最近の地価の上昇の要因といたしましては、交通施設の整備などによる影響もございます。効用増という面もありますが、主因はやはり宅地の需給の不均衡であると考えるのでございます。
 したがいまして、当面の土地対策といたしましては、引き続き投機的な土地取引を厳に抑制する、また、宅地の供給の促進を図るためにあらゆる施策を進める考えでございますが、本日提案をいたしておりますところの農住組合法案、これもこの中におけるきわめて重要な役割りを担うものでございますから、早急に御審議の上御可決をいただきまするように御協力をいただきたい、こう思うわけでございます。
 また、基本的には、やはり国土の均衡ある発展を図っていく、そして過密過疎を解消する。こういうことにあると思いますので、今後そのような政策展開を私どもはやる所存でございます。(拍手)
    〔国務大臣斉藤滋与史君登壇〕
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。
 私には、農住組合法についての御質疑、それから、公明党さんが提案されております三大都市圏における選択的宅地並み課税についての所見、さらには線引きの問題についてであります。
 いま出されておる農住組合法をこれから御審議を願うわけであります。基本的なことにつきましては、ただいま総理からもお話がありました。その基本的な御意思のもとに私たちはこの問題について取り組み、御理解をいただき、法案をひとつ通していただいて、住宅、宅地政策の万全を期したい、このように考えておるところであります。
 御指摘のように、現行の農住制度、特賃制度では十分でない、これを何とか義務づけて、なお新たにシステムを確立すべきではないかというような御意見のようでありましたけれども、御案内のように、現行の農住制度、特賃制度は、利子補給期間中の家賃について抑制を義務づけ、適正な家賃となるよう図っているところであります。
 賃貸住宅対策といたしましては、民間供給と公共賃貸住宅供給、それぞれ役割りを分担していくことがよろしいものと考えております。
 これからの住宅問題として、居住水準の向上、住宅の促進を図っていく上で、この現在の制度にどのような方法でなお肉づけ等々をして進めていくかということが問題になっていくかと思いますけれども、とにもかくにも、都市の勤労者向けの賃貸住宅供給としての相応の役割りは果たすものと私は考えております。
 なお、低所得者の方々への低廉な家賃の賃貸住宅としては、公営住宅等の公的賃貸住宅の直接供給をもっていくことがよろしいのじゃなかろうか、そのことの対応の方がよろしいと考えておりまして、現在の居住制度に家賃補助、税制上の家賃控除等の措置を直ちにこの農住組合法に基づく対応に重ねるということは、現段階では必ずしも適当でないと考えております。
 次に、選択的宅地並み課税制度の導入についてでございますが、後ほど所管大臣である自治大臣から答弁があろうかと思います。御指摘のような意見を含め、関係方面の意見を十分に参考にしつつ検討を行ってまいりたいと思います。
 宅地並み課税につきましても、やはり所管の国土庁長官からお話があろうかと思いますので、私から重ねて申し上げることはなく、所管大臣からお願いをいたします。
 線引きの問題でございますけれども、御案内のように線引きは五年目ごとに見直しということでありますけれども、昨今の特に宅地、住宅事情を考えたときに、何とかこれに指針、基準をお示ししてこの問題の早期解決を図りたいということから、通達を出したわけであります。
 もとより、市街化区域内の空閑地、遊休地、調整区域内の土地等々の利用については知事権限に任されておるわけでありますけれども、地方によってはこの通達に反応を示す、あるいは反対される方もおられるわけでありますけれども、それは事情に即して、私たちの意図するところをくまれて、何とか住宅、宅地問題を解決したいという意図のもとに示された基準でございますので、そういうようなことでひとつ御理解をいただき、御協力をお願い申し上げる次第でございます。(拍手)
    〔国務大臣原健三郎君登壇〕
○国務大臣(原健三郎君) 鳥居先生にお答え申し上げます。
 私に対する質疑は三つあります。
 その第一は、農住組合の設立の見込み数、宅地供給の見込みは幾らあるのであるか、その見込みについて御質問がございました。
 御承知のように、農住組合の制度は、大都市地域において、市街化区域内農地の所有者等が自発的な意思に基づき設立する農住組合の事業活動を通じて、宅地供給の拡大を図ろうとするものであります。したがって、農住組合の設立の見込み数であるとか、さらにまた、宅地供給の見込みの量であるとかいうのをいま直ちにこれを予測することは、非常に困難でございます。
 しかし、本制度は、大都市地域における市街化区域内農地の現状と農地所有者等の意向を十分踏まえた上で、さらに必要に応じて、当面の営農の継続を図りつつ、進んで宅地の造成、住宅、利便施設の建設、管理等を総合的かつ一体的に行おうとするものであります。でありますから、宅地供給の促進に相当の効果があり、相当の宅地が出てくるものと予測しておるところでございます。
 第二の質問は、宅地並み課税に関してどういうふうにするのかということでございます。これは非常にデリケートなものですから、少し詳しく申し上げます。
 市街化区域農地に対するいわゆる宅地並み課税についてでありますが、これは、昭和五十五年度税制改正に関する政府の税制調査会の答申が出ております。その昭和五十五年度の税制改正の答申に従ってやろうと思っております。細かく規定して答申が出ております。その答申を読んでみますと、こんなのであります。
  三大都市圏内の特定の都市の市街化区域農地
 に係る昭和五十七年度分以降の固定資産税及び
 都市計画税については、長期にわたり営農を継
 続する意思のある者に対する配慮を行うなど必
 要な措置を講じつつ、新たにC農地を課税の適
 正化措置の対象に加えるとともに現在課税の適
 正化措置が講じられているA農地及びB農地に
 対する課税を強化するため、十分な検討を行う
 べきである。こういうふうな答申になっております。
 でありますから、この答申の趣旨に沿うて、昭和五十五年度、五十六年度は課税をいたしませんが、五十七年度においてはA農地、B農地、さらにいままでなかったC農地に向かって、全面的に、積極的に考慮すべきものであるという答申のように考えておりますので、各関係省庁とも相談の上に、交渉して、御期待に沿うように努力いたしたいとこう思っております。
 第三の質問は、国土利用計画法に基づく規制区域制度の運用についてであります。
 いわゆる規制区域制度の運用をもっと活発にやれという御趣旨でございますが、制度発動の要件である投機的土地取引が行われている徴候は現在のところございません。でありますから、当面、規制区域指定の必要はないものとわれわれは見ておるところであります。
 しかしながら、全然やらないというのではなく、今後の土地取引及び地価の動向についてはなお注意を要するものがありますので、引き続き監視を徹底させ、もし必要がある場合においては機動的に指定を行うという考えを持っておるものであります。本制度の運用に万全を期していく考えでございます。
 なお、制度の改正をやる考えはあるかということですが、投機という異常事態がないのにそういう規制を強化するというようなことは、かえって健全な土地取引を混乱させ、必要な土地供給を阻害すると考えられますので、慎重に対処してまいりたいと考えておるところであります。(拍手)
    〔国務大臣石破二朗君登壇〕
○国務大臣(石破二朗君) お答えいたします。
 私に対する御質問は、市街化区域内における農地の宅地並み課税強化について、地方税所管大臣としてどう考えるかという点と、さらに、公明党の御提案になっております税制についての所見いかんということであったと思うのですが、地方税を所管します自治省といたしましては、市街化区域内の農地の課税を強化しますことは、そう大した額ではありませんけれども、苦しい財政事情のもとにおきましては賛成であります。(発言する者あり)賛成であります。
 しかしながら、御承知のとおり、日本の大都市の人口一人当たりの公園面積、農地ではありません、公園面積でありますけれども、東京の二十三区とニューヨークあるいはロンドンと比較してみますと、それぞれ二十分の一、三十分の一という比率で、東京の公園面積は低いわけであります。もちろん自治省は直接の権限はありませんけれども、地域の住民が良好な環境のもとで生活していただくようにすることが自治省の所管の一つと思います。
 したがいまして、そういう見地からしますると、公園と農地は違いますけれども、できれば補助金でも差し上げて保管してほしいくらいの土地であります。(拍手)幾らかでも緑地が残るということは賛成でありますけれども、しかしながら、今日の宅地価格の上昇、特に三大都市圏におきまする宅地の値上がり等は放置することを許しませんし、昨年暮れに税制調査会が答申になりました趣旨からいたしましても、農地の宅地並み課税の強化、これは地方税の増収にもつながることでもありまするし、十分尊重し検討してまいりたいと思います。
 なお、公明党御提案のいわば選択的課税についてでありますけれども、十分の検討をいたしておりませんが、若干の疑問点なしとしませんけれども、アイデアとしましては尊重すべきものと思います。せっかく慎重に検討させていただきたいと思います。(拍手)
○議長(福田一君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
○議長(福田一君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時十八分散会
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 出席国務大臣
        内閣総理大臣  鈴木 善幸君
        厚 生 大 臣 園田  直君
        建 設 大 臣 斎藤滋与史君
        自 治 大 臣 石破 二朗君
        国 務 大 臣 原 健三郎君
 出席政府委員
        国土庁土地局長 山岡 一男君
     ――――◇―――――