第094回国会 本会議 第14号
昭和五十六年三月二十七日(金曜日)
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  昭和五十六年三月二十七日
    午後一時 本会議
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○本日の会議に付した案件
 関税暫定措置法の一部を改正する法律案(内閣
  提出)
 国会議員互助年金法の一部を改正する法律案
  (議院運営委員長提出)
 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律
  の一部を改正する法律案(議院運営委員長提
  出)
 住宅・都市整備公団法案(内閣提出)の趣旨説
 明及び質疑
    午後一時三分開議
○議長(福田一君) これより会議を開きます。
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○鹿野道彦君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、内閣提出、関税暫定措置法の一部を改正する法律案を議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(福田一君) 鹿野道彦君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。
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 関税暫定措置法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
○議長(福田一君) 関税暫定措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。大蔵委員長綿貫民輔君。
    〔綿貫民輔君登壇〕
○綿貫民輔君 ただいま議題となりました関税暫定措置法の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、特恵関税制度の適用期限の到来及び最近における内外の経済情勢の変化に対応するため、特恵関税制度、関税率等につきまして、おおむね次の改正を行おうとするものであります。
 まず第一は、特恵関税制度の改正でありまして、開発途上国の経済発展に資するため、昭和五十六年三月三十一日に到来する同制度の適用期限を、さらに十年間延長し、これに伴い、鉱工業産品に対する特恵関税の適用限度額等の算定の基礎となる基準年次を変更する等、同制度の改善措置を講ずるとともに、国内産業に対する影響が懸念される品目につきましては、特恵関税の適用例外品目に追加する等、所要の調整措置を講ずることといたしております。
 第二は、関税率等の改正であります。
 まず、最近における対外経済関係の状況等にかんがみ、自動車部品の関税率につきまして、タイヤ及びタイヤケースの税率を引き下げ、ガラス鏡等二十一品目を無税とするとともに、製造たばこの関税率を引き下げることとするほか、国内の産業事情等を考慮し、鉛の塊等四品目の関税無税点を引き上げることといたしております。
 次に、昭和五十六年三月三十一日に適用期限が到来する暫定関税率の適用期限を延長し、また、同じく昭和五十六年三月三十一日に適用期限が到来する各種の減免税還付制度につきまして、その期限を延長する等、所要の改正を行うことといたしております。
 以上が本案の概要であります。
 本案につきましては、本日渡辺大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑を行い、質疑終了後、直ちに採決いたしましたところ、多数をもって、原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し、附帯決議が付されましたことを申し添えます。以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(福田一君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(福田一君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
○鹿野道彦君 議案上程に関する緊急動議を提出いたします。
 すなわち、議院運営委員長提出、国会議員互助年金法の一部を改正する法律案及び国会議員の歳費旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案の両案は、委員会の審査を省略して、この際これを上程し、その審議を進められんことを望みます。
○議長(福田一君) 鹿野道彦君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(福田一君) 御異議なしと認めます。
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 国会議員互助年金法の一部を改正する法律案
  (議院運営委員長提出)
 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法
  律の一部を改正する法律案(議院運営委員
  長提出)
○議長(福田一君) 国会議員互助年金法の一部を改正する法律案、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の趣旨弁明を許します。議院運営委員会理事森美秀君。
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    〔森美秀君登壇〕
○森美秀君 ただいま議題となりました国会議員互助年金法の一部を改正する法律案及び国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、国会議員互助年金法の一部を改正する法律案でありますが、これは、昭和四十九年三月三十一日以前に退職した国会議員等に給する互助年金について、基礎歳費月額五十八万円を、本年四月から、六十万円に引き上げた額に改定し、あわせて普通退職年金について、前年の互助年金外所得が六百六十万円を超えるときは、その年金年額と互助年金外所得との合計額の九百万円を超える金額の二割を停止しようとするものでありまして、その支給年額は、二百四十万円を下ることなく、その停止年額は、年金年額の二割を超えないこととするいわゆる高額所得による停止の措置を昭和五十七年七月分から行おうとするものであります。
 次に、国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律の一部を改正する法律案でありますが、これは、永年在職表彰議員特別交通費について、本年四月から、五万円引き上げて二十五万円に改定しようとするものであります。
 以上、両案は、いずれも議院運営委員会において起草、提出したものであります。
 何とぞ、御賛同くださるようお願い申し上げます。(拍手)
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○議長(福田一君) 両案を一括して採決いたします。
 両案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(福田一君) 起立多数。よって、両案とも可決いたしました。
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 住宅・都市整備公団法案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(福田一君) この際、内閣提出、住宅・都市整備公団法案について、趣旨の説明を求めます。建設大臣斉藤滋与史君。
    〔国務大臣斉藤滋与史君登壇〕
○国務大臣(斉藤滋与史君) 住宅・都市整備公団法案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 わが国の住宅事情は、量的には一応充足し、質的にもかなり改善されておりますが、住生活の向上、改善に対する国民の要望には依然として根強いものがあり、今後とも住宅の質や住環境等に関する国民の需要動向を十分に見きわめつつ、健康で文化的な生活を営むに足りる良質な住宅宅地の供給を図り、居住水準の向上に努める必要があります。
 また、今後都市化が一層進展することを考慮いたしますと、都市の整備に当たっては、良好な住宅宅地の供給と健全な新市街地の整備とを一層推進してまいるとともに、大都市地域を中心として都市機能の更新、良好な居住環境の形成等を図るため、既成市街地の再開発及び根幹的な都市公園の整備を強力に推進する必要があります。
 このような現状から見て、これからの住宅、都市政策においては、住宅宅地の供給と都市の整備との相互の関連に十分配慮しながら、これらを総合的、一体的に推進していくことが緊要な課題であります。
 このため、これまで住宅宅地の供給及び健全な市街地の整備を推進してきた日本住宅公団と宅地開発公団とを今般の行政改革を契機として統合し、新たに住宅・都市整備公団を設立し、この新たな公団に、住宅事情の改善を特に必要とする都市地域において、良質な住宅宅地の大規模な供給を行わせるとともに、健全な市街地の造成、都市の再開発、根幹的な都市公園の整備等を行わせることとした次第であります。
 以上がこの法律案を提案いたしました理由でありますが、次に、その要旨を御説明申し上げます。
 第一に、日本住宅公団及び宅地開発公団を解散し、新たに、住宅・都市整備公団を設立することであります。新公団は、両公団がその解散時において行っている業務を引き続き行うこととし、このため新公団は両公団の一切の権利及び義務を承継することとしております。
 第二に、新公団の業務につきましては、現在両公団が実施している住宅宅地の供給及び健全な市街地の整備の業務を引き続き新公団の業務として推進することといたしますとともに、新たに、都市機能の更新等を主目的とする都市の再開発及び都市環境の改善の効果の大きい根幹的な都市公園の整備を行うこととするほか、これらの業務に関して地方公共団体等に対して技術の提供等を行うこととしております。
 第三に、宅地開発公団の場合と同じく新公団につきましても、関連公共施設の整備を当該公共施設の管理者にかわって新公団が行うことができることとするとともに、関連公共公益施設の整備に伴う地方公共団体の財政負担を軽減するために関連施設整備事業助成基金を設けることとしております。
 第四に、資本金、管理委員会、財務及び会計等について所要の規定を設けております。また、役員につきましては、日本住宅公団と宅地開発公団との役員の合計は二十四名でありますが、新公団では十九名以内とすることとしております。
 その他、両公団の統合等に伴う所要の経過措置を講ずることとするほか、土地区画整理法、都市再開発法等の関連法律について所要の改正を行うこととしております。
 以上が住宅・都市整備公団法案の趣旨でございます。(拍手)
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 住宅・都市整備公団法案(内閣提出)の趣旨説
  明に対する質疑
○議長(福田一君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。小野信一君。
    〔小野信一君登壇〕
○小野信一君 日本社会党を代表して、ただいま議題となりました住宅・都市整備公団法と政府の住宅政策の基本について質問をいたします。
 わが国の住宅政策は完全に失敗をいたしました。その最大の理由は、政府に土地政策がなく、一億総不動産屋と言われるとおり、土地を投機の対象とし、汚職と黒い霧のるつぼにしてしまったからです。
 このことを証明するように、ここ数年の都市圏の宅地価格の上昇は年率一〇%を上回り、いまや勤労国民にとって住宅を手にすることは高ねの花となり、全く困難になりました。この責任は、まことに重大と言わなければなりません。
 鈴木総理は、いま国民に対して、近い将来どのような生活を約束し、また保障しようとしているのでしょうか。増税、国鉄地方線の廃止、公共料金の値上げ等の生活苦の増大ばかりではないはずです。国民生活の中心となる家庭、そのよって立つ住宅について、いま政府は何ができ、国民に何を提供しようとしておるのでしょうか。
 住宅の取得は、個人の努力では不可能になりつつある現在、国民は政府の具体的解決策の提示を強く求めております。たとえば、土地価格の規制、家賃の抑制、適正な持ち家の供給のための金利の引き下げ等、具体的提案とともに、総理の住宅政策の基本的な考え方を、まずお伺い申し上げます。
 いま、国民の住宅への要望も大きく変わりました。住宅での寝室と食堂の分離、子供の勉強部屋、お年寄りの部屋等、質のよい住宅が要請されております。しかし、政府が昭和五十六年度から発足させようとしておる第四期住宅建設五カ年計画は、勤労国民の要請にこたえるものではありません。
 公共賃貸住宅は、前計画よりも二十七万戸の減少であり、その上に宅地の供給促進の政策が欠落しておるため、宅地価格の上昇とともに、住宅供給はますます困難になっております。建設大臣の宅地及び住宅に対する責任ある政策をお伺いいたします。
 次は、住宅基本法の制定についてです。
 すでに今国会冒頭、わが党の飛鳥田委員長が、党の強い意思をもって基本法の制定を要求いたしました。また、住宅宅地審議会の答申で二度、国会でも十数回も取り上げられております。しかし、今国会でもいまだに提出されず、新聞では、すでに断念とも報道されております。世界人権宣言はもとより、日本国憲法に照らしても、住宅の公的保障という理念の確立は、全国民すべての望むところです。
 この際、建設大臣に明確な答弁を求めます。
 基本法は今国会に提出するのかどうか。
 第二に、基本法を国民の合意に基づき制定すべしという審議会答申について、合意の形成のために、現在まで具体的にどのような努力を重ねてきたのか。
 さらに第三は、基本法を今国会に提出できない場合には、わが党の住宅保障法案を中心に論議を進めるととが議会制民主主義のルールであり、これが国民の期待にこたえる道であると考え、政府にこの姿勢を求めるものですが、いかがでしょうか。
 これまでの経過を見ますと、政府としても明確な答弁を示すべきときと考えます。
 これに関連して、行政管理庁長官にお伺いいたします。
 建設省の審議会答申軽視は目に余るものがあります。審議会を通して国民の声を広く行政に取り入れることもまた行政改革の一つであるはずです。行管としては、建設省に対して審議会尊重の勧告を出すくらいは当然と考えますが、いかがでしょうか。
 次は、法案の内容についてです。
 私は、この法律案を検討して、何か大切なものを落としているように思われてなりませんでした。公営住宅法と公団住宅法を再読して気がついたことは、この法律案はだれのためにつくられるのかが明らかにされておらないことです。
 公営住宅法は「住宅に困っている低所得者のために」、公団住宅法は「住宅に困窮する勤労者のために」住宅を提供すると明らかにしております。日本住宅公団の住宅は、住宅・都市整備公団の住宅となっても、住宅に困窮する勤労者のための住宅でなければなりません。
 このことは、良質で低廉な公共住宅を、大都市圏に居住する勤労者に提供することを意味します。この目的を明らかにすることによって、高い、狭い、遠いの公団住宅に対する不評を払拭する新公団のエネルギーとなるはずです。
 たれのためにという最も大切な対象が欠落しているこの法律で、高い、狭い、遠いと言われる公団住宅の問題点が果たして打開できるものでありましょうか。もしできるとするならば、新公団では具体的にどんな方策を持っておるのか、建設大臣の所見をお伺い申し上げます。
 私は、住宅公団を総合公団に拡充することには賛成いたします。むしろ、より拡充して、より住みよい住宅を、より安く国民に提供すべきだと考えます。しかし、そのために名称を変えたり、公団を二つに割ったり、また統合したりするだけでは、問題の解決にはなりません。
 要は、公団の財政負担をどのように軽減し、宅地の確保をどのように進めるかのはずです。公団の事業資金には、民間の生命保険会社の高い金利のものも使っております。政府の出資はわずかな額であり、利子補給も財政事情に左右され、まことに不安定です。
 そこで、私は、次のことを提案いたします。
 第一に、公団の団地建設に伴う関連公共公益施設は全額国庫負担とすること、
 第二は、公団に投入されている民間資金は財投で肩がわりをしていくこと、
 第三に、公団住宅の家賃に算入される金利は、現行五%から三%に引き下げ、差額は国が利子補給をすること、また公団所有住宅と敷地は公租公課を減免すること、
 第四は、土地の確保については、公団への土地の売却、再開発、での公団住宅の建設には、土地税制の大幅な改正を行うこと、
 第五に、公団に国費を投入するための財政負担の増大に伴う歳入対策として、土地増価税また大都市の企業に都市集積税を課すこと、このような施策を実施することにより、「住宅に困窮する勤労者」のための公団は、名実ともに総合的に拡充されるはずです。建設大臣並びに大蔵大臣の所見をお伺いいたします。(拍手)
 次に、行政管理庁長官にお尋ねいたします。
 住宅公団は、現在総裁を含めて十四名の役員がおります。昭和五十年には宅地開発公団が設立されました。私ども社会党は、この宅地開発公団の設立には、住宅供給を宅地と建物との二つの公団に切り離してしまうことは不合理であり、むしろ住宅公団を総合公団として拡充すべきものであり、公団をふやすことは天下り機関をつくるだけで、腰かけ的な役員では有効な宅地開発などできるはずがないとして、反対をいたしました。今回の両公団の統合は、わが党の主張の正しかったことを政府みずからが認めたことと解釈いたします。(拍手)もしそうであるならば、本法の十九名の役員定数は従来の発想がそのまま引き継がれたものです。私は、役員、理事は住宅公団法で定めた十四名で十分であると考えます。今回の統合は、行政改革の一環なのか、それとも総合的拡充なのか、長官の見解と、その改善の方針を求めます。
 一方、公団と公団住宅の居住者との関係は余り正常ではありません。せっかく住宅をつくっても、入居者との関係が悪くては仏つくって魂入れずです。
 そこで、この法律案成立に当たって、公団と入居者が家賃や住宅の維持管理について話し合える制度を設けるようにすべきだと考えますが、いかがでしょうか。また、新公団発足に当たって、入居者の居住条件を定めた住宅公団法の施行規則の改正を考えておるのかどうか、建設大臣の答弁を求めます。
 私は、行政改革が国民へのサービスの低下になってはなりませんと考えるし、国民生活の向上に資するものでなければならないと確信いたします。むしろ、とのことの方がより重要なはずです。
 総理は、行政改革に政治生命をかけるとまで言い切りました。総理の行革の基本理念からすれば、この新公団は、どのような方針と組織で設立され、運営されなければならないとお考えになるのか、総理の御所見を伺って、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣鈴木善幸君登壇〕
○内閣総理大臣(鈴木善幸君) お答えいたします。
 まず、鈴木内閣の内政方針の中で、住宅政策がどのように位置づけられているかとのお尋ねでございますが、住宅は、人間の暮らしの中で最も重要な基盤となるものの一つでありますから、内政上きわめて重要な要素であると考えております。国民の居住水準の向上を図り、ゆとりある社会を築いてまいりたいと存じます。
 住宅問題解決策でありますが、住宅対策の重要な前提となる土地対策を中心に、なかなかむずかしい問題でありまして、要は、広い視野に立って、いろいろな施策を総合的に講じてまいることが大切ではないかと存じます。
 本日の閣議におきましても、関係閣僚が集まりまして、第四次住宅建設五カ年計画を実効あるものとするよう相談していこうということにいたしたのでありますが、住宅対策は、基本的には、諸物価の安定を図り、また住宅金融を円滑化するなどして、国民の住宅取得能力を向上させる、また
 一方では宅地供給の促進に全力を尽くす、こういった幅広い観点から住宅対策に取り組んでまいりたいと存じます。
 私の行政改革の基本理念から見て、今回の住宅・都市整備公団の設立をどう見るかとのお尋ねでありましたが、御承知のとおり、住宅・都市整備公団は、大平前首相の時代から、日本住宅公団と宅地開発公団とを統合するという行政改革の一つとして取り上げられてきたものでありますから、速やかに本案の成立を期待をいたしております。統合後の新公団におきましては、一層効率的な事業運用を図るとともに、組織、人員等につきましても簡素化に努めてまいりたいと存じます。
 残余の点につきましては、所管大臣から答弁をいたさせます。(拍手)
    〔国務大臣渡辺美智雄君登壇〕
○国務大臣(渡辺美智雄君) お答えいたします。
 公団の団地建設に伴う関連公共公益施設、それに対する助成問題でございますが、全額国庫で補助しろというのですけれども、これは御無理なことでございまして、現在も、地方公共団体、開発業者の負担を軽減するために助成を行っております。最初は三百億ぐらいだったものがだんだんふえて、去年、五十五年度が九百億、五十六年が一千億、それだけやっておるわけでございますから、これ以上と申しましても、このような財政難の折でございますから、御理解をいただきたいと存じます。
 その次は、公団が民間の資金を借りておるが、全部財投で肩がわりをしなさい。
 これは公団と申しましてもいろいろございまして、その中に、住宅ばかりでなくて店舗をつくったり、魚屋さんもできたり、呉服屋もできたり、いろいろなもの、要するに店舗営業部分、この部分については、これはやはり民間の資金を借りてやるのが適当じゃないか。それによってもちゃんと採算が合うわけでございますから、そういうことで、この部分は財投では賄っておりません。
 それから、次は公団の家賃の計算に使われる金利。
 これをいまは四・五または五%にやっておるわけですが、これは調達コストは実は八%なんです。それを利子補給してやっておるわけで、さらにそれを引き下げろと言われましても、これも実は、現在ですら一般会計からの利子補給のために、平均すると一戸当たりの家賃の値下げ額は五万四千円となっているわけでございますので、これをさらにその資金コストを下げるということは、せっかくの御提案でございますが御容赦を願いたいと存じます。
 次に、公団への土地譲渡について大幅減税やれ、要するに土地減税をやれということでございますが、これは優良宅地をつくるというために、現在三千万円ないし一千五百万円の特別控除を認めております。一般の譲渡所得がいわゆる四分の三総合課税だというのに対して、特別控除額を超える譲渡所得については、これは二分の一という総合課税でいい。これもえらい優遇措置を講じておりますから、現在一般の所得税を減税せよといっても、なかなかできないといってお断りしているようなときでございますので、土地を売った人にだけ、それ以上の大幅減税は適当と考えません。
 次に、大都市の企業に対する都市集積税、こういうようなものをつくってやったらどうだということでございますが、土地増価税も問題がございますし、都市集積税といっても、その内容がよく私には理解できない。現実に地方税では、いま事業所税というものがあります。大都市の都市環境の整備に要する費用に充てる目的税として、現在地方税で事業所税というのがございまして、これとの関連もございますから、これはにわかに賛成はいたしかねる、まことに申しわけございません。
    〔国務大臣斉藤滋与史君登壇〕
○国務大臣(斉藤滋与史君) お答えいたします。
 政府の住宅政策が余り芳しくないような御質問でございましたけれども、私たちといたしましては、大いに実効の上がった政策をやってまいってきたと確信を持っておるものでございます。
 さきの五カ年計画におきましても八百六十万戸が民間を含めて七百八十万戸、九〇%でございますけれども、公的資金につきましては、当初目標の三百五十万戸が三百六十八万戸、一〇五%の達成率でございまして、決して政策的な間違いはなかったというように確信するものでございます。
 今後の問題につきましては、総理からもお話がございましたように、やはり国民がひとしく良環境のもとで快適な生活を営む良質の住宅政策を積極的にやれという御指示をいただいておりまして、それに基づいて、基本法につきましても、なお今国会にお願いをいたしたいと考えておるところでございます。
 その他、私に対する質問、約十問ほどございますが、順次お答えをいたします。
 住宅基本法の問題でございますが、今国会の提出は、相なるべく間に合うように出すように、せっかくいま検討中でございます。自由民主党、与党でもプロジェクトチームをつくって、この問題に取り組んで検討していただいております。なお、各党にもそれぞれ御意見がございまして、これからの問題として、それぞれの党の方々の御意見をも拝聴しながら参考とし、国民的合意が得られる成案づくりに努めて、何とか今国会に提出したいという所存でございますので、せっかく御協力をお願いを申し上げる次第でございます。
 次に、住宅・都市整備公団設立の目的については、この新しい公団は、住宅事情の改善を特に必要とする大都市地域等におきまして、良好な居住性能及び居住環境を有する住宅及び宅地の大規模な供給、健全な市街地の整備、都市の再開発等を総合的に推進すること等を目的としております。
 同時に、新公団は、現在の両公団に比べて、役員の削減、重複する組織の整理統合等を図っており、行政改革の目的にも沿うものと考えております。
 次に、新公団における住宅供給の対象者についてでありますが、住宅・都市整備公団法案の趣旨に照らし、日本住宅公団における住宅供給の対象者と実態的には同じものと考えております。
 また、公団住宅の供給に当たりましては、新公団においても、居住水準の向上、職住近接等に対する国民の住宅に対する要望にこたえるため、従来の諸制度の活用を図るとともに、総合的な居住環境づくりという観点から、良質な住宅の供給と都市整備とを総合的に推進していくことといたしております。
 次に、団地建設に伴う関連公共公益施設の整備についてでありますが、新公団事業に関連する公共施設等の整備のため、通常の公共事業に加えて、住宅宅地関連公共施設整備促進事業制度、立てかえ施行制度及び直接施行制度の諸制度の活用により、その整備の促進を図ってまいる所存でございます。
 次に、新公団の資金構成についてお話がございました。
 事業の種類により、一部民間資金を導入しておりますが、公団事業の円滑な実施に支障のないよう、所要の資金量及び資金構成の確保に努めているところでありまして、今後とも事業推進上、このような努力を続けてまいる所存でございます。
 次に、公団賃貸住宅につきましては、一般会計からの利子補給により家賃の低廉化を図ってきたところでありまして、今後とも現行制度の活用に努めてまいることとしておりますが、御提案については、現下の財政事情等にかんがみ、困難であると考えられます。
 敷地の租税の問題、譲渡税の問題は、大蔵大臣から御答弁ございました。
 次に、行管庁長官にも質問があったようでございますけれども、新公団の役員教が十四名で十分ではないかということでございますけれども、今度は新たに、都市再開発、公園整備、鉄軌道の経営等の新たな業務を担当させる等、事業の拡大がございまして、当面、出発十九名が適正な役員数であると考えているところであります。
 次に、公団住宅の管理についてでありますが、公団住宅の管理が適正に行われ、入居者との関係を円満に維持することは望ましいことであり、新公団発足後においても、入居者の御理解を得ながら公団住宅管理の適正化を図っていくよう、公団を適切に指導してまいる所存でございます。
 最後に、住宅・都市整備公団法施行規則については、今回提案しております住宅・都市整備公団法案の成立後、制定していくこととなりますが、新公団は、日本住宅公団及び宅地開発公団が現在行っている住宅宅地の供給業務を引き続き行っていくこととしておりますので、現在の両公団法の施行規則の基本的な仕組みを引き継いでいく考えであります。(拍手)
    〔国務大臣中曽根康弘君登壇〕
○国務大臣(中曽根康弘君) 建設省におきまする審議会の答申につきましては、できるだけ尊重さるべきものと心得ております。
 住宅基本法制定に関する審議会の答申につきましては、いま御答弁がありましたように、建設省におきまして関係各省庁の意見を調整している最中でございまして、この推移を見守ってまいりたいと思います。
 それから、この新しい組織の役員の数が多過ぎはしないかという御指摘がございます。
 これは、行革を行います現在、われわれも最も注意しなければならぬ点であると思いますが、これは五十五年行革の一環として行われておるものでございまして、できるだけ縮減することに努めました。
 しかし、ただいまお話がありましたように、都市の再開発という仕事と、それから都市公園の施設並びに整備というような新しい仕事も追加されまして、現状におきましてはやむを得ない、このように考えております。(拍手)
○議長(福田一君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
○議長(福田一君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時四十六分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  鈴木 善幸君
        大 蔵 大 臣 渡辺美智雄君
        建 設 大 臣 斉藤滋与史君
        国 務 大 臣 中曽根康弘君
 出席政府委員
        建設大臣官房総
        務審議官    川上 幸郎君
     ――――◇―――――