第096回国会 農林水産委員会 第25号
昭和五十七年八月十九日(木曜日)
    午前十時八分開議
 出席委員
   委員長 羽田  孜君
   理事 加藤 紘一君 理事 亀井 善之君
   理事 戸井田三郎君 理事 渡辺 省一君
   理事 新盛 辰雄君 理事 松沢 俊昭君
   理事 武田 一夫君 理事 稲富 稜人君
      上草 義輝君    太田 誠一君
      木村 守男君    岸田 文武君
      北口  博君    北村 義和君
      佐藤  隆君    丹羽 兵助君
      保利 耕輔君    三池  信君
     三ツ林弥太郎君    山崎平八郎君
      小川 国彦君    串原 義直君
      島田 琢郎君    田中 恒利君
      安井 吉典君    吉浦 忠治君
      神田  厚君    寺前  巖君
      藤田 スミ君    阿部 昭吾君
 出席国務大臣
        農林水産大臣  田澤 吉郎君
 出席政府委員
        外務大臣官房審
        議官      松田 慶文君
        外務省経済局次
        長       妹尾 正毅君
        農林水産政務次
        官       玉沢徳一郎君
        農林水産大臣官
        房審議官    大坪 敏男君
        農林水産大臣官
        房審議官    古谷  裕君
        農林水産省経済
        局長      佐野 宏哉君
        農林水産省食品
        流通局長    渡邉 文雄君
        農林水産技術会
        議事務局長   岸  國平君
        食糧庁長官   渡邊 五郎君
        林野庁長官   秋山 智英君
        水産庁長官   松浦  昭君
        通商産業省貿易
        局長      福川 伸次君
 委員外の出席者
        防衛庁防衛局運
        用第二課長   今西正次郎君
        法務省入国管理
        局入国審査課長 宮崎  孝君
        外務省アジア局
        北東アジア課長 小倉 和夫君
        外務省北米局安
        全保障課長   加藤 良三君
        国税庁直税部所
        得税課長    日向  隆君
        農林水産省構造
        改善局次長   中川  稔君
        林野庁指導部長 鈴木 郁雄君
        水産庁海洋漁業
        部長      井上 喜一君
        農林水産委員会
        調査室長    小沼  勇君
    ―――――――――――――
八月九日
 畜産物の輸入自由化阻止等に関する請願(林百
 郎君紹介)(第四七七三号)
 蚕糸業の振興等に関する請願(林百郎君紹介)
 (第四七七四号)
同月十二日
 食料・農業基本政策の確立に関する請願(林百
 郎君紹介)(第五〇六三号)
 米作の減反拡大中止及び食管制度の充実等に関
 する請願(林百郎君紹介)(第五〇六四号)
 果汁の輸入自由化阻止及び輸入縮減に関する請
 願(林百郎君紹介)(第五〇六五号)
 畜産物の輸入自由化阻止等に関する請願(林百
 郎君紹介)(第五〇六六号)
 蚕糸業の振興等に関する請願(林百郎君紹介)
 (第五〇六七号)
同月十三日
 食糧の総合的自給度向上に関する請願(北山愛
 郎君紹介)(第五一五〇号)
 食糧管理特別会計予算の充実、確保及び米価審
 議会委員構成の民主的改組に関する請願(塚田
 庄平君紹介)(第五二二二号)
 同外四件(安井吉典君紹介)(第五二二三号)
同月十四日
 農業者年金基金制度改善に関する請願(斎藤実
 君紹介)(第五三九七号)
 食糧管理特別会計予算の充実、確保及び米価審
 議会委員構成の民主的改組に関する請願(池端
 清一君紹介)(第五三九八号)
 同外三件(島田琢郎君紹介)(第五三九九号)
 同(塚田庄平君紹介)(第五四〇〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
八月六日
 水田利用再編対策の充実強化に関する陳情書(
 中国四国九県議会正副議長会議代表徳島県議会
 議長沢本義夫外八名)(第三九三号)
 農山村の生産基盤と環境整備の促進に関する陳
 情書(中国四国九県議会正副議長会議代表徳島
 県議会議長沢本義夫外八名)(第三九四号)
 林材業の経営安定に関する陳情書(近畿二府六
 県議会議長会代表和歌山県議会議長山崎利雄外
 七名)(第三九五号)
 木材の輸入措置に関する陳情書(奈良県議会議
 長浅川清)(第三九六号)
 農業基本政策の確立に関する陳情書外八十三件
 (鹿児島県日置郡日吉町議会議長上内辰次外八
 十三名)(第三九七号)
 農畜産物の輸入自由化反対等に関する陳情書外
 五十六件(刈谷市議会議長角岡与外六十四名)
 (第三九八号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 閉会中審査に関する件
 農林水産業の振興に関する件(七月の豪雨及び
 八月の台風第十号による被害状況等)
 請 願
 一 外国農産物の輸入削減に関する請願(串原
   義直君紹介)(第一一八号)
 二 第六次治山事業五カ年計画の早期決定に関
   する請願(小沢一郎君紹介)(第三五五
   号)
 三 木材需給の安定等に関する請願(小沢一郎
   君紹介)(第三五六号)
 四 増産ふすま用小麦の増枠に関する請願(小
   沢一郎君紹介)(第三五七号)
 五 食糧自給率の向上及び農畜産物の輸入規制
   に関する請願(小沢一郎君紹介)(第三五
   八号)
 六 蚕糸業の振興に関する請願(井出一太郎君
   紹介)(第七五〇号)
 七 同(小川平二君紹介)(第七五一号)
 八 同(小沢貞孝君紹介)(第七五二号)
 九 同(唐沢俊二郎君紹介)(第七五三号)
 一〇 同(串原義直君紹介)(第七五四号)
 一一 同(倉石忠雄君紹介)(第七五五号)
 一二 同(小坂善太郎君紹介)(第七五六号)
 一三 同(清水勇君紹介)(第七五七号)
 一四 同(下平正一君紹介)(第七五八号)
 一五 同(中村茂君紹介)(第七五九号)
 一六 同(羽田孜君紹介)(第七六〇号)
 一七 同(林百郎君紹介)(第七六一号)
 一八 同(宮下創平君紹介)(第七六二号)
 一九 木材産業の不況対策に関する請願(東家
    嘉幸君紹介)(第八二七号)
 二〇 農畜産物の貿易自由化阻止に関する請願
    (安井吉典君紹介)(第一七九五号)
 二一 農畜産物の輸入自由化反対に関する請願
    (赤城宗徳君紹介)(第二〇〇〇号)
 二二 加工原料乳価の引き上げ等に関する請願
    (五十嵐広三君紹介)(第二〇〇一号)
 二三 農畜産物貿易自由化阻止に関する請願(
    川田正則君紹介)(第二〇〇二号)
 二四 外国農産物の輸入削減に関する請願(林
    百郎君紹介)(第二〇七一号)
 二五 オレンジ、果汁、牛肉等の輸入自由化及
    び枠拡大反対に関する請願(中西啓介君
    紹介)(第二〇八二号)
 二六 農畜産物の輸入抑制に関する請願(粟山
    明君紹介)(第二〇八三号)
 二七 飼料米の転作作物として認定に関する請
    願(小沢一郎君紹介)(第二一一九号)
 二八 農畜産物の輸入抑制措置に関する請願(
    近藤元次君紹介)(第二一八七号)
 二九 チチュウカイミバエの侵入阻止に関する
    請願(近藤元次君紹介)(第二一八八
    号)
 三〇 畜産経営の安定強化に関する請願(井出
    一太郎君紹介)(第二三七六号)
 三一 同(小沢貞孝君紹介)(第二三七七号)
 三二 同(唐沢俊二郎君紹介)(第二三七八
    号)
 三三 同(串原義直君紹介)(第二三七九号)
 三四 同(倉石忠雄君紹介)(第二三八〇号)
 三五 同(小坂善太郎君紹介)(第二三八一
    号)
 三六 同(清水勇君紹介)(第二三八二号)
 三七 同(下平正一君紹介)(第二三八三号)
 三八 同(中村茂君紹介)(第二三八四号)
 三九 同(羽田孜君紹介)(第二三八五号)
 四〇 同(宮下創平君紹介)(第二三八六号)
 四一 農産物の輸入規制に関する請願(井出一
    太郎君紹介)(第二三八七号)
 四二 同(小沢貞孝君紹介)(第二三八八号)
 四三 同(唐沢俊二郎君紹介)(第二三八九
    号)
 四四 同(串原義直君紹介)(第二三九〇号)
 四五 同(倉石忠雄君紹介)(第二三九一号)
 四六 同(小坂善太郎君紹介)(第二三九二
    号)
 四七 同(清水勇君紹介)(第二三九三号)
 四八 同(下平正一君紹介)(第二三九四号)
 四九 同(中村茂君紹介)(第二三九五号)
 五〇 同(羽田孜君紹介)(第二三九六号)
 五一 同(宮下創平君紹介)(第二三九七号)
 五二 オレンジ・果汁・牛肉等の自由化阻止等
    に関する請願外三件(今井勇君紹介)(
    第二五九四号)
 五三 同外十一件(塩崎潤君紹介)(第二五九
    五号)
 五四 同外十六件(森清君紹介)(第二五九六
    号)
 五五 同外五件(関谷勝嗣君紹介)(第二五九
    七号)
 五六 同外二件(越智伊平君紹介)(第二六八
    九号)
 五七 同(田中恒利君紹介)(第二七七五号)
 五八 同(塩崎潤君紹介)(第二八二二号)
 五九 同(田中恒利君紹介)(第二八五一号)
 六〇 同外十六件(越智伊平君紹介)(第二八
    七四号)
 六一 同(関谷勝嗣君紹介)(第二九一四号)
 六二 農産物の輸入自由化、枠拡大阻止等に関
    する請願(北口博君紹介)(第二八五〇
    号)
 六三 畜産経営の安定強化に関する請願(林百
    郎君紹介)(第二九一二号)
 六四 農産物の輸入規制に関する請願(林百郎
    君紹介)(第二九一三号)
 六五 農畜産物の輸入自由化及び枠拡大反対等
    に関する請願(寺前巖君紹介)(第三〇
    九七号)
 六六 同(藤田スミ君紹介)(第三〇九八号)
 六七 農水産物の輸入自由化反対等に関する請
    願(林百郎君紹介)(第三〇九九号)
 六八 日本農業の発展に関する請願(齋藤邦吉
    君紹介)(第三三一二号)
 六九 農水産物の輸入自由化反対等に関する請
    願(寺前巖君紹介)(第三三六八号)
 七〇 同外一件(野間友一君紹介)(第三三六
    九号)
 七一 同外二件(林百郎君紹介)(第三三七〇
    号)
 七二 農産物輸入自由化、枠拡大阻止に関する
    請願(小川国彦君紹介)(第三六八四
    号)
 七三 同(串原義直君紹介)(第三六八五号)
 七四 同(島田琢郎君紹介)(第三六八六号)
 七五 同(田中恒利君紹介)(第三六八七号)
 七六 同(竹内猛君紹介)(第三六八八号)
 七七 同(松沢俊昭君紹介)(第三六八九号)
 七八 同(安井吉典君紹介)(第三六九〇号)
 七九 同外三十一件(細田吉藏君紹介)(第三
    六九一号)
 八〇 農水産物の輸入自由化等反対に関する請
    願(寺前巖君紹介)(第三六九二号)
 八一 農水産物の輸入自由化反対等に関する請
    願(寺前巖君紹介)(第三六九三号)
 八二 同外五件(藤田スミ君紹介)(第三六九
    四号)
 八三 国民本位の農業施策実現に関する請願(
    藤田スミ君紹介)(第三八三一号)
 八四 食糧自給率の向上に関する請願外三件(
    新盛辰雄君紹介)(第四〇四四号)
 八五 農家経営の救済に関する請願(中村重光
    君紹介)(第四〇九一号)
 八六 同(永井孝信君紹介)(第四一一九号)
 八七 農業に対する各種補助金の一律削減反対
    等に関する請願(矢山有作君紹介)(第
    四〇九二号)
 八八 農水産物の輸入自由化反対等に関する請
    願(寺前巖君紹介)(第四〇九三号)
 八九 国民本位の農業施策実現に関する請願(
    藤田スミ君紹介)(第四〇九四号)
 九〇 農家経営の救済に関する請願(新村勝雄
    君紹介)(第四一四五号)
 九一 農業に対する各種補助金の一律削減反対
    等に関する請願(土井たか子君紹介)(
    第四一四六号)
 九二 同(武部文君紹介)(第四二五〇号)
 九三 食糧自給率の向上に関する請願(横山利
    秋君紹介)(第四二〇五号)
 九四 昭和五十七年産生産者米価の引き上げに
    関する請願(近藤元次君紹介)(第四三
    九六号)
 九五 農業基本政策の確立及び昭和五十七年産
    米の政府買入価格に関する請願(北口博
    君紹介)(第四五二三号)
 九六 食料・農業基本政策の確立及び要求米価
    実現に関する請願外一件(井出一太郎君
    紹介)(第四五三九号)
 九七 同(小坂善太郎君紹介)(第四五四〇
    号)
 九八 同外一件(羽田孜君紹介)(第四五四一
    号)
 九九 同(小沢貞孝君紹介)(第四五四六号)
 一〇〇 同(唐沢俊二郎君紹介)(第四五四七
     号)
 一〇一 同(倉石忠雄君紹介)(第四五四八
     号)
 一〇二 同(倉石忠雄君紹介)(第四五七七
     号)
 一〇三 同(小坂善太郎君紹介)(第四五七八
     号)
 一〇四 昭和五十七年産米価及び稲作農業の生
     産性向上に関する請願(赤城宗徳君紹
     介)(第四五七六号)
 一〇五 農業者年金基金制度改善に関する請願
     (岡田利春君紹介)(第四六一七号)
 一〇六 同(小林恒人君紹介)(第四六一八
     号)
 一〇七 同外一件(島田琢郎君紹介)(第四六
     一九号)
 一〇八 同(塚田庄平君紹介)(第四六二〇
     号)
 一〇九 同(横路孝弘君紹介)(第四六二一
     号)
 一一〇 同(五十嵐広三君紹介)(第四七二五
     号)
 一一一 同(池端清一君紹介)(第四七四七
     号)
 一一二 生産費・所得補償方式による生産者米
     価の実現等に関する請願(瀬崎博義君
     紹介)(第四六二二号)
 一一三 同(寺前巖君紹介)(第四六二三号)
 一一四 同(野間友一君紹介)(第四六二四
     号)
 一一五 同(林百郎君紹介)(第四六二五号)
 一一六 同(藤田スミ君紹介)(第四六二六
     号)
 一一七 同(蓑輪幸代君紹介)(第四六二七
     号)
 一一八 同(村上弘君紹介)(第四六二八号)
 一一九 同(山原健二郎君紹介)(第四六二九
     号)
 一二〇 食料・農業基本政策の確立及び要求米
     価実現に関する請願外三件(串原義直
     君紹介)(第四六三〇号)
 一二一 同外一件(清水勇君紹介)(第四六三
     一号)
 一二二 同(下平正一君紹介)(第四六三二
     号)
 一二三 同外一件(中村茂君紹介)(第四六三
     三号)
 一二四 同(林百郎君紹介)(第四六三四号)
 一二五 同外一件(林百郎君紹介)(第四六六
     八号)
 一二六 昭和五十七年産米の政府買入価格引き
     上げに関する請願(小沢一郎君紹介)
     (第四六五九号)
 一二七 農林水産業改良普及事業体制の維持強
     化に関する請願(小沢一郎君紹介)(
     第四六六〇号)
 一二八 農畜産物の輸入拡大阻止に関する請願
     (小沢一郎君紹介)(第四六六一号)
 一二九 マツクイムシの防除に関する請願(小
     沢一郎君紹介)(第四六六二号)
 一三〇 農林業再建の基本政策確立等に関する
     請願外五件(串原義直君紹介)(第四
     六六三号)
 一三一 同外四件(清水勇君紹介)(第四六六
     四号)
 一三二 同(下平正一君紹介)(第四六六五
     号)
 一三三 同外三件(中村茂君紹介)(第四六六
     六号)
 一三四 昭和五十七年産米の政府買入価格引き
     上げ及び食糧・農業政策の確立に関す
     る請願(串原義直君紹介)(第四六六
     七号)
 一三五 米作の減反拡大中止及び食管制度の充
     実等に関する請願(林百郎君紹介)(
     第四六九二号)
 一三六 果汁の輸入自由化阻止及び輸入縮減に
     関する請願(林百郎君紹介)(第四六
     九三号)
 一三七 トマト関係品目の輸入縮減等に関する
     請願(林百郎君紹介)(第四六九四
     号)
 一三八 昭和五十七年産米の政府買入価格に関
     する請願(平沼赳夫君紹介)(第四七
     二四号)
 一三九 畜産物の輸入自由化阻止等に関する請
     願(林百郎君紹介)(第四七七三号)
 一四〇 蚕糸業の振興等に関する請願(林百郎
     君紹介)(第四七七四号)
 一四一 食料・農業基本政策の確立に関する請
     願(林百郎君紹介)(第五〇六三号)
 一四二 米作の減反拡大中止及び食管制度の充
     実等に関する請願(林百郎君紹介)(
     第五〇六四号)
 一四三 果汁の輸入自由化阻止及び輸入縮減に
     関する請願(林百郎君紹介)(第五〇
     六五号)
 一四四 畜産物の輸入自由化阻止等に関する請
     願(林百郎君紹介)(第五〇六六号)
 一四五 蚕糸業の振興等に関する請願(林百郎
     君紹介)(第五〇六七号)
 一四六 食糧の総合的自給度向上に関する請願
     (北山愛郎君紹介)(第五一五〇号)
 一四七 食糧管理特別会計予算の充実、確保及
     び米価審議会委員構成の民主的改組に
     関する請願(塚田庄平君紹介)(第五
     二二二号)
 一四八 同外四件(安井吉典君紹介)(第五二
     二三号)
 一四九 農業者年金基金制度改善に関する請願
     (斎藤実君紹介)(第五三九七号)
 一五〇 食糧管理特別会計予算の充実、確保及
     び米価審議会委員構成の民主的改組に
     関する請願(池端清一君紹介)(第五
     三九八号)
 一五一 同外三件(島田琢郎君紹介)(第五三
     九九号)
 一五二 同(塚田庄平君紹介)(第五四〇〇
     号)
     ――――◇―――――
○加藤(紘)委員長代理 これより会議を開きます。
 本日は、委員長が所用のためおくれますので、その間、委員長の指定により、私が委員長の職務を行います。
 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 この際、七月の豪雨及び八月の台風第十号等による農林水産業の被害状況とその対策について、政府から説明を聴取いたします。大坪審議官。
○大坪政府委員 それでは、本年七月の豪雨及び八月の台風第十号等によります農林水産業関係の被害状況とその対策につきまして、概要を御説明申し上げます。
 まず、被害状況についてでございますが、お手元に関係資料を配付しておりますので、ごらんいただきたいと存じます。
 まず、七月の豪雨による被害額についてでございますが、八月十四日までの関係府県からの報告によりますと、農林水産業関係合計で千七百八十四億円となっております。主な被災県は長崎、熊本、佐賀、大分、宮崎県等でございます。
 被害額を農林水産業別に見ますと、まず、農業関係の被害額でございますが、千三百六十五億円でございまして、そのうち水陸稲、果樹、野菜等の農作物の被害が百二十一億円、農地、農業用施設の被害が千二百三十一億円、営農施設等の被害が十三億円でございます。
 次いで、林地荒廃、林道等の林業関係の被害額が三百九十億円でございます。
 また、漁港等の水産関係の被害額が二十九億円でございます。
 このように、七月の災害は記録的な豪雨によりまして農地、農業用施設及び林地荒廃等の被害が大きくなっているわけでございます。
 次に、八月の台風十号等によります被害額でございますが、同様に八月十四日までの関係都府県からの報告によりますと、農林水産業関係合計で二千六百九十六億円となっております。主な被災県は長野、三重、奈良、山梨、群馬、静岡、福島県等でございます。
 被害額を農林水産業別に見ますと、まず、農業関係の被害額でございますが、千七百九十二億円でございまして、そのうち農作物の被害が千四十四億円、農地、農業用施設の被害が六百四十三億円、営農施設等の被害が百五億円でございます。
 次いで、林地荒廃、林道等の林野関係の被害額が八百五十一億円でございます。
 また、漁港等の水産関係の被害は五十三億円でございます。
 このように、八月の台風第十号等は田畑等の冠浸水、流失のほかに、強い風を伴ったために果実の落下、野菜、工芸作物等の倒伏、損傷等の被害を生じ、農作物関係の被害額が大きくなっているわけでございます。
 このような災害の発生と被害の状況に対処いたしまして、農林水産省といたしましては、適時適切な対策の実施に努めているところでございます。
 以下、対策の概要につきまして御説明申し上げます。
 まず、災害の発生後、直ちに担当官を現地に派遣いたしまして、被害状況の把握と現地指導に当たらせました。
 また、八月二日には、省内に、七月の豪雨と八月の台風十号等に関し被害状況の的確な把握と対策の円滑な実施を図るため、関係部局から成る災害対策連絡会議を発足させました。
 次に、被災農林漁業者に対します既貸付金の償還猶予等貸付条件の緩和及び農業共済についての損害評価の早期実施と共済金の早期支払いについて、関係機関に対しまして八月五日付をもって指導通達を発出いたしました。
 また、被災した水陸稲、果樹、野菜等の農作物の被害の軽減を図るため、農業改良普及所等を通じまして、冠浸水圃場の早期排水、病害虫防除のための薬剤散布、草勢及び樹勢回復のための整枝、施肥、落下果実の加工向け利用の促進等の技術指導を行っております。
 さらに、野菜等生鮮食料品の確保と価格の安定を図るため、台風直後から被害の大きい主産県に担当官を派遣し、被害の実情把握と営農指導を行うとともに、比較的被害の少ない地域を中心に、生産出荷団体に対しまして出荷について協力要請を行ってまいっております。
 東京の卸売市場につきまして見ますと、災害発生後数日にいたしまして市場入荷量も通常の水準に戻りまして、価格もキュウリ、ナス等のように被害の大きいものを除き鎮静化してまいっております。
 また、被害の大きい果樹の主産県に担当官を派遣いたしまして、営農技術及び加工、流通面の指導を行うとともに、果樹共済についての損害評価及び共済金支払い業務の迅速化につきまして指導を行っております。
 次に、農地、農業用施設等の災害復旧についてでございますが、緊急地区の応急工事及び被災個所の復旧工法等について現地指導を行うとともに、緊急査定等の実施を指導しております。
 なお、災害の早期復旧を図るため、査定業務の簡素化措置につきまして、八月十二日付をもちまして通達を発出いたしております。
 さらに、必要があれば査定設計書作成の応援体制の活用を図るべく、準備を進めております。
 また、林業関係の災害復旧につきましては、緊急を要するものにつきまして、事業主体の準備が整い次第、緊急治山事業等により早急に復旧を図ることといたしております。
 また、査定業務の迅速化を図るため、業務の簡素化措置につきまして八月十二日付をもちまして通達を発出いたしております。
 次に、天災融資法の発動及び自作農維持資金の融通についてでございますが、現在、統計情報部におきまして被害状況の調査取りまとめを急いでいるところでございます。したがいまして、この調査取りまとめの結果をもとにいたしまして、被害の実情に即し、適切に対処してまいる考えでございます。
 さらに、今後とも被害状況の的確な把握に努め、被害の状況に応じた適切な対策を講じてまいる方針でございます。
 以上でございます。
○加藤(紘)委員長代理 以上で説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○加藤(紘)委員長代理 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北口博君。
○北口委員 おはようございます。
 きょうは、農林大臣をお招きいたしまして、ただいま大坪審議官から災害の状況について御報告がございましたが、時間もございませんので、今回の七月の豪雨並びに八月の台風第十号に関する農林水産関係だけの被害について質問をさしていただきたいと思います。
 ただいま大坪審議官の方から政府としての大変前向きな積極的な姿勢についての説明をいただきまして、われわれ被災県としても大変ありがたく思っております。まず、心から厚くお礼を申し上げます。
 きょう、ここで大臣にもお尋ねしたいと思っておりますのは、まず第一に、今度の七月の豪雨と台風十号という大変一連の気象条件の災害だとわれわれは考えておりますし、また、政府としてもこれは一連の災害である、こういう認識であろうと思っておりますが、せっかく大臣がおいででございますから、この二つの災害は一連の災害として取り組んでいただく気持ちだろうと思っておりますが、念のため、このことをまず確認をさしていただきたいと思います。
○田澤国務大臣 今回の災害につきましては、ただいま御指摘のように、二つの時期を別にした災害でございますけれども、私たちは一つの災害として扱ってまいりたい、かように考えております。
○北口委員 大変はっきりと一連の災害として取り扱っていくという姿勢を明確にしていただきまして、ありがとうございました。
 次に、農林水産関係の今回の被害の額でございますが、いま手元にこの資料をちょうだいしました総額を計算してみますと、ざっと四千四百七十億、こういう数字になっております。とりわけ、施設を含めてでございますが、農業関係の三千百億ばかり、さらにまた林地、林道関係が千三百億、また水産が八十億ぐらいの数字だろうと思っておりますけれども、もう一度ここで大臣にお尋ねをいたしますが、いまわれわれこの災害地を回ってみますと、みんな必死になって災害の復旧に取り組んでおります。そして、いま政府に被災民が最も期待をいたしておりますのは、今回の未曽有の災害に対しまして、いち早く中小企業関係の激甚災害というのは実は指定をいただいておるわけでありますが、先ほどのお話のように、農林関係というのはいろいろな被害調査等にまだ時間がかかりますから、きょうあしたというわけにはもちろんまいりませんけれども、被災民初め市町村、さらにまた議会とか県知事を初め、われわれに訴えてお願いがあるのは、早く激甚災害の指定をしてくれぬだろうか、そうしないと被災農民の気持ちが安定しない、非常に不安だ、こういうことをしきりに訴えられておるわけであります。確かに日数を要することは私たちもわかりますけれども、この激甚災害につきまして大体いつごろをめどとして作業を進められ、その時期を、おおよそでも結構でありますから、大体この辺では激甚災害の指定の作業を終わりたい、こういうことをぜひここで明らかにしていただきたい、かように思うわけであります。
○田澤国務大臣 天災融資法の発動あるいは激甚災の指定についてでございますが、中小企業の方はもうすでに閣議決定いたしたわけでございますが、農林水産関係はやはり作業がどうしても後に調査を進めてまいり、また、災害後いろいろな被害状況が変化してまいります。したがいまして、被害の確実な情報を把握するためにはやはり時間がかかるという点があるわけでございますので、そのための遅滞でございますので、その点、御理解いただきたいと思うのでございます。
 ただいま統計部で非常に積極的に調査を進めているわけでございますが、今月末で大体その被害状況が把握できると思いますので、それに即応してできるだけ早い機会に激甚災の指定をしてまいりたい、かように考えております。
○北口委員 今月末に大体めどをつけていただくということになりますと、諸般の事情はあるにいたしましても、大体九月の中旬くらいにはわれわれは期待してよろしゅうございますか。
○田澤国務大臣 そういう目標に向かって努力をいたしたい、かように考えます。
○北口委員 次に、天災融資法の発動でございますけれども、これも先ほど大坪審議官から大変前向きでいま急いでやっているんだというお話でございました。ありがたいことに、きのう衆議院の本会議におきましても、激甚災害に対する特別の財政援助に関する法律の一部改正、これは天災融資法並びに激甚災害の貸付限度額を引き上げるという、大変前向きの法案を出していただいて衆議院を通過したわけでございますが、こういうことを踏まえて、天災融資法の発動を、農家としては、農民としては大変期待をいたしておるわけであります。これは、さらに激甚災害指定よりも早く取り決めていただく、発動していただくというのが私は常識だと思っておるわけでありますが、この辺のめどにつきましてもう一度大臣からお答えをいただきたいと思います。
○田澤国務大臣 天災融資法につきましても、やはり激甚災の前に天災融資法は当然発動してまいらなければならないと考えておりますので、その時期等につきましても、先ほど申し上げましたような激甚災と相前後してこれを発動してまいりたいと考えております。
○北口委員 さっきの大坪審議官の話を聞いておりますと、これなんかは今月中ぐらいに大体まとまるようなニュアンスを受けたのでございますけれども、それじゃ、これは大臣でなくて大坪審議官から、ひとつ作業の日程等を含めて答弁をお願いしたいと思います。
○大坪政府委員 ただいまのお尋ねはきわめて事務的なことでございますので、私から御説明させていただきます。
 まず、天災融資法の発動についてでございますが、これにつきましては、冒頭御説明申し上げましたように、まず統計情報部の調査結果を待ちまして、その数値を見た上で私どもなりに発動すべきかどうか判断いたしまして、政府間の折衝に入るという手続を踏むわけでございます。したがいまして、大臣から先ほど御答弁ございましたように、今月の下旬には統計情報部の調査結果がまとまると思われますので、今月中には農林省なりの判断はできると考えておるわけでございます。ただ、手続的には、先ほど申しましたように政府間の折衝を経た上で政令の制定、公布となりますので、時間的には九月半ばごろになるのじゃなかろうかと考えておる次第でございます。
 また、激甚災につきましては、農林省の場合は農地、農業用施設についての激甚災の指定の問題と、天災融資法の適用につきましての激甚災の適用と、二つの面があるわけでございますが、これにつきましては、目下関係局間で数字を急いでおるわけでございます。特に農地、農業用施設につきましては、被害の数値は県報告をもとにするわけでございますが、完全にまだ県の報告がまとまっておりません。かつまた、まとまった段階でその数値につきまして精査をする必要がございます。そういうことを考えますと、これにつきましても農林省なりの判断をするのはやはり今月の下旬ごろではなかろうかと思うわけでございます。かつ、農林省なりの判断をした段階で、今度は同様に政府間の折衝に入るわけでございまして、これにつきましても同様に政令の制定、公布を必要といたしますので、天災法と同様に大体来月の中旬ごろではなかろうかと思いまして、この点につきましては国土庁も関連いたしますので、目下事務的に政府部内で種々検討、協議をしている最中でございます。
○北口委員 可及的速やかという言葉はこういうときの言葉でございますから、被災農民の気持ちを体していただいて、ひとつ一日でも早く安心するように、政府の温かい思いやりをお願い申し上げたいと思います。
 時間があと少ししかございませんから、次に進みますが、さらにこれと関連いたしまして、自作農維持資金の貸し付けの限度額の引き上げについて、今回もやはり被災農民から強い要望があっております。原則として一人当たり百五十万という限度でありますが、去年の東北、北海道の台風による被害の場合は、いろいろ調べてみますと二百五十万まで限度額を引き上げて適用してあるという話でございまして、今回の被害は決して去年の災害に負けない大変な被害でございますから、このことについてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 さらに、すでに貸し付けてある近代化資金や公庫資金について、被災者からこの償還条件を緩和してほしい、こういう強い要望もあるわけでございます。
 さらに、ここにもありますが、これはきょうもおいででございます佐賀の保利先生から、おまえ質問するならこれもぜひひとつ取り上げてやってくれということでありまして、佐賀の場合、水稲が二百三十七ヘクタールがしん枯れをして収量が六割減にもなるというように新聞に報道されておるわけであります。これは佐賀県だけでなくて、熊本県でも稲作につきまして今度大変大きな被害を出しておるわけでありますが、農家の気持ちといたしましては、先ほども大坪審議官からお話がございましたが、災害で収穫のできないものについて共済金の早期支払いをぜひしてほしいというのが一つでございます。
 もう一つは、これも去年東北、北海道の災害で適用されたそうでありますが、常日ごろは余り制度としてはやっていらっしゃらないといういわゆる共済金の仮渡しまたは仮払い、この制度も今回はひとつぜひ、こういうような大きな惨状でありますので、政府の温かい思いやりの措置をとってほしい、これが実は現地の切なる願いでございます。
 いままでのこの三つのことにつきまして、簡単でよろしゅうございますから、ひとつ答弁をお願いしたいと思います。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 まず最初の自作農維持資金の限度額の点でございますが、先生御指摘のとおり、昨年の場合、八月から十月までの低温に係る災害に対しましては二百五十万の限度を設けたことがございます。今回の災害につきましても、被害の実態を十分掌握いたしました上で、限度額についても要すれば特例を設けることを検討したいというふうに考えております。
 それから既貸付金の償還条件の緩和についてでございますが、これは、先ほど大坪君から御説明申し上げましたように、すでに八月五日付の通達を出しまして、関係金融機関に先生御指摘のとおりの措置をとってもらうように話をしてございます。
 ちなみに、従来のやり方ですと、たとえば農林漁業金融公庫の場合には中間据え置きの設定あるいは償還期限の延長あるいは利息支払い方法の変更、こういう措置を従来から講じておりまして、今回の災害につきましても同様の措置を講ずるよう関係金融機関を督励してまいりたいと思っております。
 それから共済金の早期支払いにつきましては、これも八月の五日に通達を出しまして早期支払いを強力に指導しておるところでございますが、特に先生ただいま言及なさいました仮払いでございますが、これは、被害の程度が激甚でかつそれが判然としておる場合には仮払いの措置を講ずるように指導してまいりたいと思っております。
○北口委員 さらに、ひとつ大臣に最後の締めくくりをさせていただきたいと思いますが、今回の災害の特色というのは、山林の地すべりが非常に多かったわけであります。俗に治山はすなわち治水なりと言われるように、治山治水をしっかりやってもらわないと日本の災害というのはこれからも同じようなことを繰り返していく、こういうような前提に立ちまして、最後に農林水産大臣の決意をお聞かせいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○田澤国務大臣 森林の持つ役割りは、北口委員御承知のように、木材の提供、さらには自然環境の整備、水資源の涵養等の大きな役割りを果たしているわけでございます。したがいまして、私たちといたしましては、造林、間伐その他の事業を積極的に進めると同時に、第六次治山事業五カ年計画も策定されていることでございますから、これにのっとって治山事業の振興のために積極的に努力をいたしたいと考えておりますので、その点、御理解をいただきたいと思うのでございます。
○北口委員 それでは、時間が参りましたので終わります。
○加藤(紘)委員長代理 次に、新盛辰雄君。
○新盛委員 大臣の時間もございますので、大臣だけに確認しておきたい問題について一、二点お願いをいたしますが、まず、今回の集中豪雨、七月の豪雨なり八月の台風十号による被害が、先ほどの御報告によって約四千四百億の農林水産業の被害となっております。昨日衆議院本会議で決定をしておりますが、今回の天災融資法、さらには激甚災害法等に基づく金額を一応引き上げたわけであります。先ほど大臣は、今月末までに農林水産関係は集約をして、天災、激甚の面について積極的に努力をしたい、こういうことでありますが、今回の貸付限度額の引き上げ等と相まって、天災、激甚の災害指定を行うという時期において今回改正された額は当然それなりに適用される、こういう理解でよろしゅうございましょうか。
○田澤国務大臣 さきの委員会でも御答弁申し上げましたように、委員会での改正の趣旨には異存がございませんということを申し上げておるのでございますから、その線に沿うてこの災害に対応してまいりたい、かように考えております。
○新盛委員 特に、今回の災害では水産業界の被害も非常に大きいわけでありますが、漁港施設、養殖漁業の施設の被害、特に台風十号による三重県、和歌山県の被害など合計すると、ここに御発表なされておるように、金額的には七月の豪雨で二十九億、八月の台風十号で五十三億、こういうことになっております。農林水産業施設災害復旧事業法によって当然補正予算等で考慮が払われると思いますが、これらの問題について、あるいはハマチ、タイの養殖事業に対しての共済金の早期支払い、こうしたことについてどう考えておられるか。さらに、赤潮の発生が見られておりますが、これらに対しては赤潮特約によって当然補てんをしなければならないわけでございまして、このことについても明確にしていただきたいと思います。
○松浦政府委員 今回の災害によりまして漁港関係施設あるいはハマチ、タイ等の養殖施設、さらには赤潮の被害があったわけでございますが、漁港施設の被害につきましては、現在の関係十都道府県の報告によりますれば三十一億八千万円ということになっております。このうち特に被害の大きかったのは三重、和歌山、静岡の三県でございまして、二十五億七千万円でございます。以上の被害報告は概報でございまして、関係都道府県におきまして現在調査中でございますけれども、水産庁としては、現地の整備が整い次第、公共土木施設災害復旧事業に関する査定を早急に実施する予定でございます。
 なお、緊急に復旧を要するものにつきましては、査定前に関係都道府県からの応急協議に応ずることといたしておる次第でございます。
 また、五十七年の災害発生に対する復旧予算につきましては、今後の査定の結果によりますが、不足分については予備費等を要求いたしまして復旧事業を実施していく予定にいたしております。
 ハマチ、タイの養殖被害についてでございますが、台風十号の被害に関しますところの養殖共済の共済金の支払いにつきましては、各県に対しましてすでに速やかな救済措置をとるように指示をいたしておりまして、現在、被害認定を進めておる次第でございます。これが確定次第、早急に共済金が支払われますように漁業共済団体を指導してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
 なお、赤潮でございますが、赤潮につきましては今回例年になく発生をいたしておりまして、私どもも非常に心配をいたしておるわけでございますが、御案内のように、赤潮につきましては、漁業者の負担増にならないように、国が三分の二、地方公共団体が三分の一の、掛金の全額助成をしているという状況でございます。今回赤潮の被害のございました香川、三重及び広島の各県につきましては赤潮特約の指定水域に該当しておりまして、香川県につきましては赤潮の発生した直島、男木島、北浦、四海、家浦の各漁協地区、三重県については行野浦、広島県につきましては田島、浦島の各漁協地区の養殖業者は幸いすべて赤潮特約を付した養殖共済に加入しておりまして、被害額は共済金よりてん補できるようになっております。この支払いにつきましては、現在、被害認定を進めているところでございますが、確定次第できるだけ早期に共済金を支払うように共済団体を指導してまいるつもりでございます。
○新盛委員 次に、ブロック書簡の問題で一言ぜひ大臣の御見解をいただきたいのです。
 これまでブロック書簡疑惑はあいまいもことして、その追及が、真相解明がいまだに明確になっていない。そういう面で、最近では政府側の対応の仕方はそれぞれの省庁の関係で大変混乱をしているやに見受けられるのであります。この取り扱いについて、私どもは、徹底的に究明をしなければこれからの日米の間における特に農産物輸入の交渉等に大きな影響がある、こういう理解をしておるのですが、通産省対外務、農水関係の、これまでの議論を通して食い違ってきている、そのことについてどう認識しておられますか。
○田澤国務大臣 ブロック書簡につきましては、この委員会でもすでに御答弁申し上げておりますように、農林水産大臣あてのものではございませんけれども、しかし、農林水産に言及している部分については、私たちは、いままでの農林水産省が主張してまいりました態度と異なりますものですから、直ちに外務省に申し入れをいたしまして、私たちの態度、立場を明らかにいたしてまいりました。したがいまして、私たちはそのことによって農産物交渉が支障を来したことはございません。農林水産省としては、農林水産省が窓口で日米の農産物交渉が進められて、その結果第二弾対策がサミット前に決定されて、それが各国の高く評価されているところである、こういう状況にございますので、したがいまして、これまでも農林水産省が窓口で責任を持って進めてまいりましたが、今後も農林水産省が窓口で責任を持って日米農産物交渉に当たるという態度は変わりません。
 以上、御報告申し上げます。
○新盛委員 この外交の一元化という問題、これはこれまでもいろいろと議論があったわけでありますが、細かい議論については後ほど田中委員の方からまた追及があるかと思いますが、いま大臣がおっしゃったように、窓口を農林水産省がきちっとする。外交的な面では外務省がその介在をすることにはなるでしょうが、やはり通産省ベースでやるというところからいままでの誤解が生まれてきているわけですし、まだその真相はやぶの中でありますが、ぜひともこの窓口をどうするという決意、いまおっしゃったように農林水産省が当たるのだということについては、いま大臣も決意を述べておられますので、これからもそのことを明確にしてこの農産物問題の交渉に当たられるように要請をしておきます。
 次に、日米合同演習の日本海沖での取り扱いでありますが、すでに防衛庁の方から、第一期が終わりまして、いま第二期の演習実施についての内容が明らかにされております。
 大臣は、地元にお帰りになったときに、もし漁業や漁具等に被害を起こすようなことになったら直ちに中止だ、こうおっしゃったのですが、いまも変わりありませんか。
○田澤国務大臣 変わりはございません。
○新盛委員 では、これまでのミッドウェーが参加したりして大変広範囲に行われている対潜特別訓練、第一期は終わりましたが、この間、漁業に対する安全、さらに漁具の被害など出ているのか出ていないのか、明確にしていただきたい。
○松浦政府委員 今回の訓練につきましては、七月上旬に防衛庁から通報があった際に、八月の日本海の海域はイカ釣り漁業が非常に最盛期になりますので、この時期の訓練は好ましくないという意見を述べたわけでございますが、防衛庁としてはその権限と責任で実施せざるを得ないという御説明でございましたので、水産庁としては、訓練区域の設定につきまして、特にイカ釣り漁業の操業実態を検討の上、大和堆を外す等、その影響が最小限になるように防衛庁と協議をして調整をいたし、また、漁船の操業に万全の措置をとるように要請をした次第でございます。
 このようなことから、防衛庁としましては、訓練実施中は訓練参加機とは別の航空機をもって綿密な操業状況の調査をする。毎日の訓練計画にもこれを反映させる。海上自衛隊の訓練参加部隊には、漁船の安全確保に関する業務を所掌する専従の幹部を臨時に増員する。訓練参加部隊には見張り当直員を増員いたしまして、レーダー及び見張りによる漁船の早期発見に努める。訓練区域のうちで相当数の漁船が操業している場合には訓練を避けるとともに、沿岸及び大和堆に近接する区域では見張りの艦艇を配置するというような安全措置をとってもらえるというわが方への通報がございました。
 そこで、わが方としては、ぜひこのようなことを十分に配慮し励行して、漁業操業に支障のないように万全の措置をとってほしいということを申し入れてあったわけでございますが、前期の訓練におきましては、防衛庁からの報告によりますと何らの事故はなく終了したということでございます。
○新盛委員 確認しておきますが、昨年の日米合同演習の際に被害を受けた方々に対する補償、八千万程度の補償が実現をしたわけでありますが、今回の場合、万一事故が発生したら補償措置について万全を期せられているのか。もちろん防衛庁と水産庁は打ち合わせをしておられると思いますけれども、防衛庁の考え方をお聞きしておきます。
○今西説明員 日米共同訓練の際におきますところの漁業の安全に対する配慮、これにつきましては、ただいま水産庁長官から御説明がございましたように、防衛庁といたしましては、事故が起きることがないよう最善を尽くしておるところでございます。
 それでも万が一事故が発生した場合にはどうするかという御質問でございます。補償をどうするかということでございますが、これは、事故が起こりましたときは、事故を起こした者がその償いをするのが大原則であろうと考えております。
○新盛委員 次に、日朝漁業協定の再開問題について、ぜひ大臣のこれから進められることについてお聞きしておきます。
 このまま放置しておきますとこれは大変なことになるのですが、いま外交問題として教科書問題なども出てきて、その対応に非常に苦慮されていることは、私どももこういう漁業外交上の問題としても憂慮しているわけでありまして、日本側から何らかのアクションを起こさない限り、この日朝の漁業交渉はまとまらない。民間でもっておやりになっているんですが、民間がおやりになるにしても、北朝鮮の方からのいわゆる代表団を入国をさせなければどうにもならない、こういうことでありまして、すでに拿捕三隻の釈放方についても、罰金五百万円は払ったが早期釈放ということについてはいまだに不明でありまして、この件についてどういうふうに処理されようとしているのか。また、法務省は入国拒否をされておるわけでありますが、どういうおつもりなのか、この辺をお聞かせをいただきたいと思うのです。
 まず、大臣のこの問題についての決意をお聞きします。
○田澤国務大臣 日朝民間漁業合意については、六月三十日でこれが期限切れとなったわけでございまして、北朝鮮と日本との間には国交がございませんので、そういう意味では、民間合意で進めてきたのは御承知のとおりでございます。
 そこで、今後も私たちは民間のいわゆる日朝漁業協議会の方々の、あるいはまた日朝議員連盟の方々のお力を得て、できるだけ合意されるように期待をいたしているわけでございます。いまこの地域はイカの漁獲が行われているわけでございますが、今後サケ、マス等の漁獲が行われると思います。その前にやはり合意ができることを私たちは期待をいたしておるわけでございますので、今後とも私たちはあらゆる努力をして合意ができるように協力をいたしたい、かように考えております。
○新盛委員 法務省はどうですか。
○宮崎説明員 わが国と北朝鮮との間には国交がないということは御存じのとおりでございまして、したがいまして、北朝鮮からの入国は、親族訪問などの人道ケースを初めとしまして、文化、学術、スポーツ、経済の交流を目的とするものにつきましては、具体的案件ごとに審査の上、わが国の国益をも考慮して入国を許可することにいたしております。反面、政治的な意味合いの濃い北朝鮮人の来日につきましては慎重に対処しているのは御案内のとおりでございます。
 玄峻極氏は、いわゆる日朝民間漁業協定の延長を交渉するということで入国を希望するということは法務省としても伺っていたわけでございますが、実はこの玄峻極氏の入国については、入国申請がなされておりませんので、法務省の方はこれを拒否しているといま委員がおっしゃいましたけれども、これは手続上はそういうことではないわけでございます。しかしながら、仮定の問題ということにもなりますが、入国申請がありますると、法務省としてはこれを拒否するという方針を定めていたということは事実でございます。この点については、実は御案内のとおり、法務省のみならず外務省その他の関係諸官庁とも協議の上、そのような方針にしていたわけでございます。
 さらに、玄峻極氏の入国問題と漁業協定の延長の問題でございますが、これにつきましては、玄峻極氏は今回は向こうの交渉団の団長として来られるということで、残念ながら、去年におきまして、玄峻極氏は五十二年以来三回にわたって来日しておられるわけですが、三回目である去年来日されたときに、わが国と友好関係にある国、具体的に言いますと米国、韓国ということですが、この政策を非難、誹謗するということを記者会見等の形で行われたわけであります。それで、その玄峻極氏の入国につきましては、そのような行動はいたさないという条件で入国を認めていた関係上、今春漁業協定の延長の交渉ないしはその予備交渉ということでございましたが、来日されるという意向が法務省にも伝わったときに、われわれといたしましては、これは入国条件にも反した人でありますので、にわかに入国は認められない、そのような結論を出したわけでございます。
○新盛委員 時間が来ましたので、午後の時間にぜひ法務省にまたおいでいただきまして、この問題について細かく追及をしたいと思いますので、一応これで私の質問を終わります。
○加藤(紘)委員長代理 次に、松沢俊昭君。
○松沢委員 先ほど大坪審議官の方から十号台風の被害状況の御報告をいただきましたが、そのプリントのところに「主な被災県は」ということでずっと名前が載っておりまするけれども、新潟県というのが載っておらぬようでありまするが、これは一体どういうことなのであるか、まず最初にお伺いしたいと思います。
○大坪政府委員 御配付申し上げまして御説明した資料には、確かに御指摘のように十号台風関係につきましては新潟県は出ておりません。この挙げました県名は、被害金額の大きいものから、しかも、被害の数値はあくまでも県報告でございますが、その県報告の被害数値が大きい県からある程度のものを拾い上げたというものでございまして、他意はございません。
○松沢委員 この農作物の被害というのが千四十四億ということになっていますね。他意はないと言われますけれども、新潟県は水稲だけで百億を突破しているのです。ですから、この金額の中の一割は新潟県ということになるわけです。それが主な被災県でないという理屈はないじゃないですか。
○大坪政府委員 この資料の数値は、あくまでも、この表にございますように、八月十四日までに関係の県から報告を受けました数値をそのまま記載しておりますので、ただいま先生御指摘の新潟県につきましては、早速調査いたしたいと思います。
○松沢委員 時間がございませんので、大臣に御質問申し上げたいと思います。
 先ほど天災融資法の発動の問題あるいはまた激甚災の法律の指定の問題等につきまして御質問がございましたが、再度、重ねて質問申し上げますけれども、これは、十号台風は指定の対象になるという判断で先ほどから御答弁があったものと私は受けとめておりますが、その点、大臣、どうですか。
○田澤国務大臣 十号台風をも対象にして私たちは考えようといたしております。
○松沢委員 それは先ほどもちょっと御答弁ありましたけれども、さらにはっきりさせておきたいと思いますが、見通しといたしましては、これは被災農民が大変急いでおりますので、いつごろまでには発動、指定ということができるのか、大臣の見通しをお伺いしたいと思うのです。
○田澤国務大臣 先ほどもお答えいたしましたが、大体今月の末、被害状況の計数が整うと思いますので、したがいまして、いろいろな事務手続等がございますから、九月の中ごろまでには激甚災の指定あるいは天災融資法の発動ができるのではないだろうか、かように考えております。一応そういう目標で私たちの方も作業を進めてまいりたい、かように考えます。
○松沢委員 それから、大臣のところにも写真なんかをお渡ししておきましたので見ていただいたと思いますし、また、現物も、この前委員会が開かれるということで私持ってまいりましたけれども、大臣に見てもらうように大臣室の方に届いたはずなのであります。そういうぐあいに、今回の台風十号の被害というのは、雨が全然ないところで二十八、九度の温度の熱風で約二十四時間台風が吹き続けたという関係で、フェーン現象で水分が全部脱水状況になりましたので、いままでに見られないところの被害が新潟県の水田地帯一帯を襲ったということになるわけであります。この被害が余りにも大きいものでありますから、これは収穫皆無のところもありますので、何とか金を借りなければならぬという状況の農家は非常にふえております。したがって、いま申し上げましたように激甚災や天災融資法の指定、発動というものを急いでいるわけなのであります。
 ところが、ここに新聞に載っておりますけれども、「減反成績の悪い農家は台風被害の救済後回し 無慈悲な説明会」こういう新聞の見出しで、現地のある市町村で減反の成績の悪い者に対しては金を貸さないという説明をやったわけなんです。これは大変大きな問題になりまして、早速私の方でも農林水産省の審議官の方に連絡をとったりなんかしまして、それで、そういうことは農林水産省の方ではやってもいないし、考えてもいないし、そういうことではよろしくない、こういうことで県の方に連絡をとってもらいまして、県から市町村にまた連絡をとってその取り消しをやってもらった、こういう経過がございます。とかくいたしますと、こういう被害で困っているときに、成績が悪い場合にはこれをてこにして減反成績を上げようという末端の行政の無理というのがないわけではございません。こういうことはよくないことなのでありますから、農林水産省の方でそういうことは絶対やってはならぬぞという厳命を自治体に指導していただけないものかどうか、この点、大臣の方から御答弁をいただきたい、こう思うわけなのであります。
○田澤国務大臣 水田利用再編対策の集団化あるいは定着化については、農林水産省としては積極的な姿勢でこれを進めておりますが、それと災害との関係は別問題でございますので、そういう点は十分地方農政局を通じて末端にその旨を徹底させたい、かように考えております。
○松沢委員 ぜひそういうことで徹底をさせていただきたいと思います。
 それから、これは米価を決める際におきましても、六十七万七千ヘクタールの第二期減反というもの、それが一昨年、昨年と東北地方を中心に襲った冷害等によって、いまは四万六千ヘクタールを全体の面積から除いて各県に減反割り当てがなされているわけなのでありますが、今回のこの被害状況からいたしまして、またことしもやはり昨年に続く凶作なのじゃないか、私はこういう判断を持っているわけなのであります。こういう場合におきましては減反の見直しというのを考える必要があると思いますが、大臣はどうお考えになっておりますか。
○田澤国務大臣 いま御指摘のように、水田利用再編第二期対策、五十六年から五十八年までの転作規模は六十七万七千ヘクタールだったわけでございますが、五十六年度、五十七年度については災害等がございましたので四万六千ヘクタールを軽減いたしたわけでございます。したがいまして、五十八年度の目標面積については、六十七万七千ヘクタールは一応のたてまえでございますけれども、本年度の作柄だとかあるいはまた米の需給関係だとか、そういう点を十分勘案して今後この目標をどうするかということを決めたいと思いますので、いましばらくこの点については私たちの方で検討してまいりたい、こう考えます。
○松沢委員 なかなか災害というのは大きく広がっておりますので、大臣もすでにおわかりだと思いますけれども、十分それを踏まえての御検討を賜りたいということを希望いたしまして、終わります。
 どうもありがとうございました。
○加藤(紘)委員長代理 次に、田中恒利君。
○田中(恒)委員 私は、当委員会で先般来問題になっておりますブロック書簡の問題について、なお若干の事実関係と、当委員会の議論の中で政府に対して強く指摘をしておきたい二、三の問題を中心に御質問してみたいと思います。
 まず第一に、ブロック書簡が当時最大の課題でありました農林水産物を主管する農林水産省の所管大臣に届けられていなかった、このことについて外務省はアメリカ側に照会をし、その理由は何であったのか、時間がありませんから要点で御答弁いただきたいと思います。
○妹尾(正)政府委員 お答え申し上げます。
 米側に照会いたしましたこと、それから米側が申しましたことの詳細を申し上げるわけにはまいりませんけれども、御質問の点にしぼって申し上げますと、私どもの方からなぜ農林大臣にはこういう書簡が出ていないのかという質問はいたしませんでした。
○田中(恒)委員 なぜしなかったのですか。
○妹尾(正)政府委員 お答えいたします。
 むしろ私どもといたしましては、あて先の問題につきましては、外交的性格の非常に強いものでございましたら外務大臣だけにあてられることが多いというふうに考えているわけでございますが、外務大臣以外の方にもあてられていたということで質問したわけでございます。
○田中(恒)委員 外務大臣以外の経企、大蔵、通産三大臣に来ていて農林大臣になぜ来なかったのかということが、いまなお問題の一つなんですよ。しかも、ブロック書簡は、あなた方は伏せられておるけれども、ブロック書簡の八項目の概要ももうすでに新聞で報道されておるわけです。その第一項目が残存輸入制限の問題ですね。それから第二番目は課税の問題。この課税も、農産物が工業製品と同じような比重に取り扱われておるわけでしょう。そういう農産物を中心とした内容のものになっておるのに農林水産省に来なかったということについて、外務省はこれを照会すべきであったと思うのですね。それをあなたのところはしていない。そういう取り扱い上の問題が一つあります。
 それから、この事実関係で私はいろいろなことをお聞きしたいわけですけれども、十分な時間がありませんから。
 外務省は、五月十一日と五月十七日に二度にわたって日本大使館を通してアメリカ通商代表部に背景の照会をしたというわけですね。その背景とは、一つは、手続が従来と違っておる。いまもおっしゃられたように、外務大臣だけじゃなくて四大臣に来ておるということもそうでしょうし、各省に手渡される手渡され方など手続上の問題。それから、ジュネーブ会議における日米合意にかかわらず、農産物問題について八項目の中を中心にして指摘をされておるということですね。
 それから、いま問題になっております日本国総理の市場開放声明、この市場開放声明がこういう形で投げつけられてきたということについて、外務省は、若干異例である、後でこれはちょっと議論したいと思いますけれども、しかし異例である、こういう認識のもとにやられて背景照会せられたということであります。
 この総理声明の中で、少し細かい御質問をしますが、新聞報道によると本文と添付文書のタイプが違っておるとか、あるいは総理声明の案文はおよそアメリカの通商代表部が書いたようなものには思えない、文言の取り扱いなり文章の形式なり、これはどうも和製英語、つまり日本人が書いた節がある、こういう疑問があって照会をせられたと伝えられてもおるし、あなただったと思うが、参議院の農水委員会でも、その点も含めて調べました、こういう御答弁をせられておりますね。この総理声明案というものは、そういうあなたの持っていらっしゃった疑問は晴れたわけですか。
○妹尾(正)政府委員 お答えいたします。
 その前に、先ほどの農林大臣あてのものがなかったという点でございますが、私どもとしては、農産物の問題が含まれておりましたので、早速農林省に外務大臣あてに来たものと同文のものをお送りしたわけでございますし、さらに、農産物の自由化は困難であるということ、それから従来の経緯があるので、その経緯を踏まえてやっていくべきであるということを米側に通報したわけでございまして、農産物の問題につきましては、農林省と御相談しながら手落ちのないように処理したつもりでございます。
 次に、ただいま御質問の点についてでございますが、私どもといたしましては、その届けられ方、それから形、それから内容、内容はいま申し上げました農産物との関連等もございまして、いろいろな点でよくわからない点がございますし、そういうときは調べるのが当然だから情報入手に努めたということでございます。そのいたしましたことにつきましては、私どもとしては一応最小限度調べるべきであるということは調べたつもりでございますが、その結果については、先方の立場、先方との関係もございますので、この場で申し上げることは控えさせていただきたいと存じます。
○田中(恒)委員 そこのところからがわからない。言わないというところに、われわれはこの問題をこのまま置いておくわけにいかない、こういうことになるわけですが、少なくともブロック書簡の特に附属文書と言われる日本国総理の市場開放宣言、声明、あるいはあなた方は談話、こういうように言われる場合もあるのだが、細かく言えばいろいろ違うわけですけれども、いずれにせよ、この市場開放声明はブロック氏自体によって書かれたものである、こういう認識をせられたわけですか。これも言えないということですか。
○妹尾(正)政府委員 お答えいたします。
 ブロック書簡はブロックUSTRの署名入りのものでございまして、私どもは、ブロック書簡というものはその当時日本側で検討しておりました市場開放第二弾についての参考ということでブロックさんの意見を言ってきたものであると考えております。
 添付書簡につきましては、後ほど通産省の方から米側に電話で連絡をした経緯があるということを伺ったわけでございまして、あるいはその辺を踏まえていたのかどうか、そういう点を含めて通産省からお答えいただいた方が適切ではないかと思います。
○田中(恒)委員 通産省にお尋ねしますが、ブロック書簡は外務大臣、経済企画庁長官にはパリで直接手渡された、大蔵大臣には直送せられた、通産大臣あてのものは五月十二日の朝パリの栗原審議官の宿泊ホテルに投げ込まれておったのを十二日の朝に受け取った、こういうふうに報道されておりますが、これは事実ですか。
○福川政府委員 ブロック書簡の私ども通産大臣あての受け渡しの点につきましては、五月十二日の朝、栗原通商産業審議官の部屋にその書簡が入った封筒が届けられてまいったということは事実でございます。
○田中(恒)委員 五月十二日に安倍通産大臣はブロック代表と会見をしておるわけですね。その席で大臣あての書簡が渡されずに、栗原審議官の部屋に投げ込まれておる。しかも、各省大臣にはそれぞれ直接ないし直送をせられておる。通産大臣だけ栗原審議官の部屋にいつの間にか投げ込まれておった。こういう異様な渡し方が疑惑を生んでおるわけなんですよ。そのことについてどう思われます。
○福川政府委員 当時、栗原通商産業審議官は三極の会合に出席しておりました。通産大臣の首席の随員ということでございまして、したがいまして、いろいろなかっこうで向こう側、USTRと接触もいたしておりましたし、そういった首席の随員ということでございますので、私どもとしては、栗原審議官にお渡しになられたこと自身が必ずしも不自然なこととは思っておりません。また、ほかの省庁におきましても大臣随行のしかるべき者に渡されたというケースもあると聞いております。
○田中(恒)委員 それは納得いかないのですよ。この文書は、極秘というか親展秘というようなことが銘打たれておるからということで、あなた方、肝心なところはおっしゃらないわけだ。そういう文書を、ほかの大臣だってみんな随行しているわけですが、なぜ通産省だけ随行首席に渡されておったのか。このことが、栗原さんがアメリカへ行かれてお帰りになってこの声明の問題を官房長官や何かとお話しされておるということなども含めて疑惑の焦点になっておる、こういうふうにわれわれは理解しておるわけです。
 なお、通産省にお尋ねいたしますが、通産省が総理声明案の骨子をUSTRへ電話で通報したというのは五月十七日ということでありますが、間違いないか。その五月十七日の何時ごろなんだ。それから、この通報は事務当局がしたと答弁をせられていらっしゃるわけですが、だれがUSTRのどこへ通報せられたのか、この点も明らかにしていただきたい。
○福川政府委員 いま、先生、五月十七日と御発言になられたかと聞きましたが……(田中(恒)委員「七日ですね」と呼ぶ)五月七日の午前中に、まずUSTRの担当の方から私どもの事務局に対しまして、電話で三極会合、これは五月の十二、十三日に予定されておりますが、議題をどうしようかというお問い合わせがございました。これに対しまして、私どもは、その日中に安倍大臣とお打ち合わせをいたしましてそして御返答を申し上げよう、こういう考えから、またその日の夜に再度電話をしてもらいたいということを応答をいたしました。
 その後、大臣と事務当局の間で三極の会合の打ち合わせをいたしまして、その際、安倍大臣から、総理談話も個別会談の議題の一つにしたいということと、その骨子を米側に事前に通報するように御指示がございました。これを踏まえまして、その夜アメリカ側からまた再度電話がございましたときに、米側に以上の点を通報をいたした次第でございます。通報をいたしましたのは、これは事務当局でございます。私どもの担当の事務当局とUSTRの担当の事務当局との間で連絡をとり合っておったわけでございます。
○田中(恒)委員 これは、あなた方のお話を聞くと、五月の七日に向こうから議題の照会があって、安倍大臣と相談をして万事やられたということですね。ところが、商工委員会で安倍国務大臣が社会党の清水委員のこの問題についての質問に対しては、五月の六日に、中東訪問の報告と、十日過ぎに三極の会議が行われるので、総理と会って、総理に声明を出していただくよう主張して総理の了解を得た、そのことを事務当局に、向こうから連絡があったら総理声明のことも言っておけ、こう言っておるから事務当局はやったんだ、こういうふうに答弁せられておるんです、この文章はちょっと長いですけれども。電話は後で、後でということは「それに基づいて、通産省の方でUSTRに電話で連絡したと聞いておりますが、」というようなことになっておるんですが、一々そういう手続をとられたんですか。
 いままでの御答弁では、三極の議題が出てきたからその際にその答弁をいたしました、こう言っておるわけですよ。しかも、午前中、こう言っておるわけだ。いまは午後と言われたわけです。その間に通産大臣と相談せられたと言っておったが、通産大臣のこの答弁を読みますと、あらかじめそう言っておったので通産省の部下が電話で連絡したんだ、向こうから議題を言うてきたから電話で連絡したんだ、こういうふうに言っておるのです。この問題、われわれ調べておりますが、どうですか。
○福川政府委員 五月の六日に、安倍通産大臣が連休中に中東を訪問いたしました御報告を兼ねて、三極の対応を総理と御相談になられたわけでございます。その際に、いまの総理声明、総理談話のような形のことを出してはという御進言を申し上げ、総理の方からは原則的な御了解を得て、今後三極の場等でその辺の理解を求める、こういうことの方向が出てまいったわけでございます。もちろん事務当局といたしましても、総理への安倍大臣のお話の模様は私どもとしても十分承ったわけでありまして、そういったことで、総理談話の点につきましては、第一弾と違って第二弾で十分評価を受け得るように対外的な理解を求める努力をするようにということはそのときからございました。
 五月の七日になりまして、USTRから最終的に議題をどうしようかというお問い合わせがございましたので、私どもとしては最終的な確認をする、こういう意味で、議題とともに、いま申し上げました総理談話を議題にしたいことあるいはおおむねの骨子を米側に通知する、こういうことでございまして、それを最終的な確認をいたした上で先方に通報いたした、こういう経緯でございます。
○田中(恒)委員 これは、細かくもう少し調べてみますがね。
 それで、あと残されました時間、この委員会の審議を通して私どもとしてなおはっきりさしていただきたい点を、二つほど、政府に政府の統一見解というか、まとまった見解を出していただかないと、どうもあいまいであるわけです。
 それは、先ほど来事実関係について御質問をしておりましたが、アメリカのブロック通商代表がわが国の四人の国務大臣に市場開放声明文案を提示をしていく、こういうやり方は、通常的に、国民常識から言えばあり得べきことではない。これは、だれがどう考えても、一国の総理に対して、世界の指導国家と称するアメリカが、アメリカの一役人が、こういう宣言をしなさい、こういうことを言うのは、どう考えても非常識で異常な状態だとわれわれは理解をしておる。これは、主権侵害に関する問題に内容としてはやっぱり考えざるを得ない、こういう理解をわれわれはしておるわけですが、政府の方は、この委員会の質疑を通してそういう認識がないわけですね。外務省は、先ほども申し上げましたが、若干異例の出来事、こういう御答弁をせられておる。通産省になると、こういうことはしばしばあることだ、こういうふうに言われておる。大体、外務省と通産省でこれはニュアンスというよりも基本的にちょっと違う。この問題を一体どういうふうに――一本の政府の見解というものを出していただかねばならないとわれわれは思っておるわけです。若干異例である、若干というところに、私は後で質問しますが、問題があるのだと思いますけれども、しかし、異例であるという外務省に対して、こういうことはしばしばあるので、あり得ないことじゃありません、通産省はこういう答弁をされておるわけですね。この二つの外務省と通産省の見解の差というもの、これをまとめていただきたいと思うわけです。一体どちらをわれわれは政府の正式の答弁と理解したらいいのか。これは外務省が窓口だから外務省の見解が政府の見解だ、こういうふうに理解をすべきだと私は思っておりますが、どうですか、外務省。
○妹尾(正)政府委員 お答えいたします。
 対外関係に責任を持っております外務省の判断として、先般来申し上げている見方は正しい見方であると考えております。
○福川政府委員 こういうことが、先生の御発言によれば、若干異例であるという判断か、あるいはしばしばあるんじゃないかということのニュアンスの差のお尋ねでございますが、私どももしばしばあるということではなくて、たしか、私、あり得ないことではないということを申し上げたわけでございます。若干異例か、あり得ないことではないかという、そのニュアンスの違いでございますが、私どもとしては、ブロック書簡に添付されておりましたその附属文書が、こういった声明を出しなさいという要請をアメリカ側からしてきたわけではございませんで、そういうことが出る場合にはしかるべき指導を、こういうことで返ってきたことでございますので、そういった内容を踏まえて考えまして、それはもちろんこういうことがしょっちゅうあるとは私どもは思いません。思いませんが、そういった内容等も踏まえて見れば、必ずしもあり得ないことではないということを申し上げたわけでございまして、しばしばあるということのニュアンスで申し上げたことではございませんので、その点は御理解をいただきたいと思います。
○田中(恒)委員 正確に議事録を読めばわかるわけですね。安井委員の質問に対してあなたの御答弁は、「そういったいろいろな意見あるいは文書の交換ということはこれまでもいろいろな形であるわけでございまして、必ずしもそういうことはあり得ないことではないというふうに思っております。」こういうふうに言っておられるわけです。しかし、これを読むと、やはりしばしばこういうことはあり得るので何もおかしいことじゃない、こういうふうに単純に理解をいたしますよ。
 それで、そう理解をせざるを得ないのは、外務省が若干と言っているのは、通産省が電話で、骨子とおっしゃっておるわけだが、骨子なのか全文なのか、あの短い文章ですから電話で全部言ってしまえばそれでわかるわけなんですよね。だから、電話でやろうが文書でやろうが実態は変わらない、こういうことが言われておるわけですが、いずれにせよ、通産省がアメリカ側に総理談話の骨子、日本側の内容を伝えておったということがあるから、これは若干異例であるという言葉がついておると思うのですが、外務省、そうじゃありませんか。
○妹尾(正)政府委員 お答え申し上げます。
 私どもが若干と申しましたのは、むしろ、これが公式の外交文書のような形で来たものでしたら非常に異例だということになると思うのでございますけれども、内々言ってきたということなので、唐突な感じはいたしますが、とんでもないとも言い切れない、そういう点を主に頭に置いて若干ということで言っていたわけでございます。
 いずれにいたしましても、その時点で、私どもが受け取りました時点で、後ほど通産省から御説明がありましたようないろいろな経緯は知らなかったわけでございます。
○田中(恒)委員 あなたのところの深田さん、おかわりになったんですかね。深田さんは、あらかじめ通産省から連絡をしておりますから、そこで、こういうことは異例であって抗議をするといったようなことはできないというような意味の御答弁を何度もせられておりますよ。だから、私は、あなた方が言っておる若干という言葉の中には、通産省から通報しておるから返ってきたんだ、そういう意味があるから若干ではあるんでしょうときわめて好意的に解釈しているんだ。一々こっちが言うことを否定するという姿勢が、臭い物にますますふたをするということになるんだ。そういうものが含まれておるんでしょう。
○妹尾(正)政府委員 お答え申し上げます。
 受け取った時点においてのことといたしましては、私は先ほど申し上げましたような印象だったわけでございますが、現時点で全体を見てどう評価するかという御趣旨でございましたら、ただいま先生御指摘の点も含めて見ると、さらに若干という感じがもっと強くなるということかと存じます。
○田中(恒)委員 これは若干じゃないんだよ。大変なことなんですよ。
 その次に、総理の市場開放声明を、日本のマスコミは、御承知のようにこれは通産省の高官が作成して向こうへ持っていって渡しておるんだ、こういうようにきわめて具体的に書いておるんですね。しかも、私たちがずっと聞いてみると、絶対自信があると言うわけですよ。お役所の中だって、そういうことを告発しておる人がおるんだと言っておる。ただ、いろいろ事情があるから人の名前は言えない、こういうところでわれわれの方も一つの壁を持っておることは事実ですけれども、相当な公の新聞ですから、決してなまはんかなことで言っているんじゃないと思うのですよ。
 ただ、これについて、国会の答弁では、通産省は、そういうことはありません、こう言っているんです。ありませんと通産省ははっきりしておる。ところが、私どもの党には池田官房副長官から口頭の説明があった。そこでは、これはイエスともノーとも言えない、こういうことなんだ。これも大変な相違なんだ。これは、どちらが本当なんですか。どちらが本当ですか、外務省。
○妹尾(正)政府委員 通産省にお答えいただいた方がよろしいかと存じます。私どもとしてはお答え申し上げる立場にございませんので、通産省からお答えいただきたいと思います。
○福川政府委員 私どもといたしましては、かねてから当委員会でも御答弁申し上げておりますとおり、五月六日に総理の原則的な御了解を得まして七日に電話にて通報をいたしたということでございまして、いま先生御指摘の新聞等に報ぜられておりますような文書を渡しておったということではございません。先ほど申しましたように、私どもとしては七日にUSTRに電話でその内容を通報いたしました、こういうことでございます。
○田中(恒)委員 この議論をいつまでしても同じようなことですけれども、あなた方、通産、外務――農水は関係ないからコメントできないということなんですが、経企もある、大蔵省もありますけれども、これは各省間でいま一遍まとめていただけませんか。だれが聞いてもあなた方の言っておることは完全に一致してないんですよ。ニュアンスの差であると言う人もあるが、これは根本的に問題のつかみどころが違っておると言う人もおる。ほとんど国会の質疑を通してそのことがはっきりされてないのです。ですから、私は、これは政府の、われわれからいえば統一見解でありますが、こういう矛盾したちぐはぐな答弁を一本にまとめてもらわなければいけないと思うのです。そのことについて、外務省が中心になって、通産との間が特にちぐはぐなんですが、一本にまとめて、何らかの形でこれは御答弁いただきたいと思いますが、いかがですか。通産省じゃない、外務省が先でしょう。
○妹尾(正)政府委員 お答え申し上げます。
 このブロック書簡についての経緯につきましては、むしろ官邸が中心になって事実関係をまとめておられるわけでございますが、その点については関係の御方面にはすでに御連絡済みと承知をしているわけでございまして、これが政府としての見解ということになろうかと存じます。
○田中(恒)委員 時間が参りましたので、これは非常に不鮮明なままに質問を終わらなければいけませんが、官邸筋は、私どもとの話ではイエスともノーとも言えません、はっきりできません、こういうことなんですよ。通産省のようにはっきり渡さない、こういうようには言ってない。わからない、そういうことになっているわけです。ですから、この問題につきましては、今後さらに私たちは問題の真相というか、国民が疑惑を持ってわれわれに国会でこれを明らかにしてくれと言われているわけですから、そういうものについての問題をなお明らかにする努力を積み重ねていきたいと思います。
 ただ、この問題は日米の想定される農産物交渉などにいろいろな形で絡み合うわけでありますので、この点については特に主管の農林大臣がひとつきちんとこの問題の実態を把握をしていただいて、われわれにも納得のいくような詰めをお示しをいただきたい。このこともあわせて大臣に御要望いたしまして、この問題に対する大臣の御所信を承って、質問を終わりたいと思います。
○田澤国務大臣 対外経済摩擦の解消の問題は、この委員会でも常にお答えしておりますように、政府としては非常に重要な問題でございますから、昨年の暮れに対外経済閣僚会議を開いて五項目の対策を決定しているわけでございます。したがいまして、対外経済閣僚会議で外務省は外務省の立場あるいは通産省は通産省の立場、農林水産省は農林水産省の立場を互いに主張し合って、そこで合意をするのがたてまえなんですね。それで対米なり対ECに農産物を含めての交渉を進めるというのが基本でございますから、そういう基本的な態度というもの、基本的な機関を通じての交渉を今後も進めてまいりたい、こう思います。
    〔加藤(紘)委員長代理退席、亀井(善)委員長代理着席〕
 そこで、何回も申し上げておりますが、ブロック書簡については、私の方には直接農林水産大臣の名前では来ておりませんけれども、しかし、私たちとしては、農林水産関係に言及したものについては強くアメリカに私たちの趣旨を訴えて今日に至っているわけでございます。したがいまして、日米間の農産物交渉についてはブロック書簡というのは直接影響がなかったと私は見ている。ただ、これから進めていく場合においては、やはり外務省が中心になってこの種の問題は進めてもらわなきゃいかぬ。しかも、農産物については農林省がおやりなさい、他の通産省関係の品目については通産省がおやりなさいというようなはっきりした態度を外務省が中心になってやってもらえば一番よろしいことです。ですから、私は、今後もそういう一貫した態度で日米交渉に臨みたい、また、臨んでいかなければならない、かように考えておりますので、そういう点は御了解いただきたいと思うのです。
○田中(恒)委員 終わります。
○亀井(善)委員長代理 次に、神田厚君。
○神田委員 きょうは災害問題を中心に御質問を申し上げたいのでありますが、最初に、ただいまもお話がありましたブロック書簡問題について大臣に御質問を申し上げたいと思うのであります。
 過日の委員会におきまして、私どもはブロック書簡の経緯の解明についていろいろ議論をしたわけでありますが、その席で、私は特に農林水産大臣に、このブロック書簡の問題について関係閣僚会議その他の場所で大臣の方から発言を求めて、ブロック書簡の経緯の真実を求めるように要求しておったわけでありますが、その後、大臣といたしましてはそういう機会を持っておられたのかどうか、あるいはこのことについてどういうふうな形で真実の究明についての御努力をなさったか、お答えをいただきたいと思います。
○田澤国務大臣 神田委員にお答えした後まだ関係閣僚会議が開かれておりませんので、実は発言の機会がございません。しかし、先ほど申し上げましたように、対外経済摩擦は非常に重要な問題でございますし、また、いわゆる経済外交というものは日本の現状においては非常に厳しい問題でございますので、特に農林水産省としては、農産物の自由化を控えてのことでございますから、非常に重要な意味を持つわけでございます。
 そこで、先ほど申し上げましたように、外務省が中心になって、農水省は農林水産省所管事項、通産省は通産省所管事項に責任を持っておやりなさいというような形でこれから外交交渉を進めることが正しい行き方であろう、私はこう考えますので、そういう線を今後も主張して、農産物交渉については支障のないように私としては最善を尽くし、また、責任を持ってこの交渉に当たってまいりたい、かように考えております。
○神田委員 農産物交渉は大変厳しい見通しの中でありますが、ひとつ大臣のただいまの決意のような形で推進をしていただきたいと思うわけであります。
 そして、ブロック書簡のことは、この問題を中途半端にしてしまいますことは大変問題を後に残しますし、これからの悪弊となるわけでありますから、このブロック書簡問題については、大臣におかれましてもきちんとした結論を、あいまいにしないでその真実の追及を徹底的にやっていただきたい、こういうふうに要望したいと思うのであります。農業新聞等が入手をしている資料によりましても、どうも和製英語だとか、やはり日本の方から書いて送られたというようなことが明らかに言われているわけでありますから、そういうことで疑惑をあいまいにしたまま、それをそのままにしないで真実の追及をしっかりと引き続いてやっていただきたい、こういうふうに要望しておきたいと思います。
 次に、災害問題でありますが、先ほども天災融資法の発動あるいは上乗せ、激甚災害の指定の問題等について質問がありましたが、いつもそうでありますけれども、資料といいますか、それが集まるのが遅くて、発動がどうも遅きに失するというような問題があるようであります。この見通しについて、大臣の方から、少し早目にこれができないものかどうか、ひとつ御答弁をいただきたいのであります。
○佐野(宏)政府委員 目下統計情報部でもせっかく被害結果の取りまとめに急いでおるところでございますが、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、一応被害結果が取りまとめられるのが今月末ではないかという見通しでございます。それが整いましたら、激甚災法及び天災融資法の発動につきましては私どもも精いっぱい急いで対処をしたいと思っております。
○神田委員 同時に、被災者に対する制度資金等の既貸付金の償還の猶予措置の問題あるいは自作農維持資金の円滑な融通等の問題が心配をされているわけでありますが、この辺につきましてはどういうふうにお考えでありますか。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 既貸付金の償還条件緩和措置につきましては、八月五日付ですでに関係金融機関にそういう措置をとるように通達を出してあるところでございます。従来からやってまいりましたように、たとえば公庫資金の場合でございますと償還期間の延長であるとか、あるいは中間据え置きの設定等を行ってまいっておりますが、今回の災害も、被害農林漁業者につきまして同様の措置を適切に講じていきたいと思っております。
 それから、自作農維持資金の融資限度につきましては、これまた御高承のとおり、従来、災害によりましては特例的な限度額を設定しておりましたが、今回の災害につきましても、被害結果の取りまとめができました段階で検討いたしたいと思っております。
○神田委員 さらに、農林漁業への被害対策の問題でありますが、特に果樹、野菜等の農作物の技術指導をどういうふうにするのか、あるいは病害虫の家畜衛生の問題や、さらには、林業におきましては復旧造林の問題等が残っているわけでありますが、その辺につきましてはどういうふうにお考えでありますか。
○古谷政府委員 本年の七月の豪雨また八月の台風十号によりまして九州地方と近畿、東海、関東、北陸、東北と非常に広範に被害があったわけでございますが、果樹、野菜等について技術指導をどうしているかというお尋ねでございますが、この被害の発生後直ちに担当官を現地に派遣いたしまして被害状況の把握と現地指導を行いますとともに、被害を軽減するために県、農政局、農業改良普及所を通じまして所要の指導をしているところでございます。
 具体的に申し上げますと、果樹につきましては浸水園地の排水、また、倒れました木の引き起こし、病害の防除、さらに葉の活力に応じました果実の摘果なり栄養剤の葉面散布、こういうふうなものが内容となっております。さらに、野菜につきましては圃場の排水、病害虫防除は同様でございますが、さらに、被害程度に応じた再播種、再定植、代作の早期実施、こういうことを内容にして現在進めているところでございます。
○神田委員 その他の家畜等の衛生問題やあるいは倒木等の林業の復旧問題等についても、これはぜひとも注意を払ってやっていただかなければならない問題だと思うのでありますが、その辺のところもひとつ遺憾のないように進めていただきたいと思うわけであります。
 続きまして、被災農家の課税上の問題でありますが、被災農家の実態に即して課税上におきまして特例措置が講じられるようにいろいろと要望も来ておるようでありますが、その辺につきましては、税負担の軽減の問題はどういうふうにお考えでありますか。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 まず、地方税の方の場合でございますが、これにつきましては、七月の集中豪雨の関係につきましては七月三十日、それから台風十号及び集中豪雨につきましては八月六日、それぞれ自治省の税務局長から各都道府県あてに、期限の延長、徴収の猶予、減免等について適切な措置をとるようにやれという通達を出していただいております。
 それから国税につきましては、私どもの方から国税庁の方に、被害の実態に即した適切な処理をお願いしてあるところでございます。
○神田委員 大分いろんなことで落ちついてきてはいると思うのでありますが、野菜など生鮮食料品の供給対策などは現在どういうふうになっておるでありましょうか。
○渡邉(文)政府委員 今回の長崎あるいは台風十号の場合に、やはり一番問題になりましたのは野菜の安定供給の問題でございます。
 災害の直後におきましては、道路が寸断されたとかあるいは農家が圃場の整理に追われたというようなことで市場への入荷量も二日ばかり大変減りまして、その関係で数日間野菜の価格が高騰したことがございますが、現時点におきましては、おかげさまで道路も復旧いたしましたし、総体としましては非常に落ちついてきているというふうに私ども見ております。
 ただ、地上に背丈高く出ておりました果菜類の被害が多うございまして、ナスとキュウリの価格を一番心配しておったわけでございますが、キュウリにつきましても昨日あたりから完全に通常のベースに戻っております。ナスが若干回復がおくれておりますが、これも近いうちに通常のベースに戻ろうかと思っております。
 いずれにいたしましても、今後とも青果物の安定供給につきましてはできるだけの努力をいたしていきたいというふうに考えております。
○神田委員 それから、園芸施設の問題であります。
 園芸施設も今回かなり被害に遭っておりますけれども、この園芸施設共済の異常事故の範囲をこういう被害の実態から今後広げていかなければならないのではないかと思うのでありますが、その辺はどういうふうにお考えでありますか。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘の園芸施設共済の異常事故と申しますのは、実はこれは大災害で、被害の発生の態様から見て連合会の段階では危険分散機能が期待できない、それで全額国が負担しなければならない、そういう事故を一体いかなる範囲のものとして規定をするかという問題でございます。
 それで、現在私どもは最大瞬間風速六十一・二メートルあるいは震度六以上の地震というような基準を決めておりますが、実はこの基準は園芸用施設安全構造基準に合わせて決めておるわけでございまして、先ほど申し上げましたような趣旨の異常事故の基準としてはほかによるべき適当なめどもございませんので、安全構造基準に基づいて採用している現行の数値ということでやむを得ないのではないかというふうに考えているわけでございます。
○神田委員 私どもとしましては、もう少し採用基準を緩和して共済の異常事故の範囲を広げるべきだというふうなことで検討していきたいと思うのでありまして、農林省におかれましてもひとつそういう観点でお取り上げをいただきたいと要望しておきたいと思うのであります。
 最後になりましたが、このいずれの場合におきましても農業共済金の支払い問題があるわけでありますが、これもやはり要望としまして早く支払ってくれというような声が非常に大きいわけでありますので、ひとつこの共済金の早期支払いの問題につきまして御答弁をいただきたいと思うのであります。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 私どもとしては、もうすでに八月五日付で通達を出しまして早期支払いを督励いたしておるところでございますが、特に被害の程度が激甚で被害の状況が判然としておるものにつきましては、要すれば仮払いの措置も含めてできるだけ早く金が渡るようにしたいと思っております。
○神田委員 終わります。
○亀井(善)委員長代理 次に、寺前巖君。
○寺前委員 昨年、日米共同演習が日本海においては十年ぶりに行われました。そして、はえ縄の切断事故が起こったりして、あの演習に対してはずいぶん憤激を買ったものです。まだ記憶に新しいところであるのにもかかわらず、またことしも日米の共同演習が日本海で行われているということに対して、関係漁民の間では非常に批判が高まっているところであります。
 きょうは限られた時間でございますが、日本の水産界にとって日本海の漁族の保存と安全操業というのは非常に重要な意味を持っておりますので、日本海の安全操業の角度から、いま起こっている諸問題について総合的に聞きたいと思うのであります。
 防衛庁お見えでしょうか。本年の八月の前期と後期に分けて日米の共同演習が行われておりますが、一体どれだけの規模の演習が行われているのか、御説明をいただきたいと思うのです。核積載可能艦の空母ミッドウェーが今度の演習には参加をするという、かなりの規模の演習だと聞いておりますが、米側、日本側の艦艇の状況はどういうことになっているのか、前期後期に分けて御説明いただけるでしょうか。
○今西説明員 今回の日本海におきます日米共同訓練は、前期と後期に分かれておりまして、前期は八月の十一日から十五日、後期は二十一日から二十六日でございます。
 その規模でございますが、参加艦艇で申しますと、前期、後期ともに日米参加部隊は双方合わせまして十七隻ずつでございます。日本側が九隻、米側が八隻でございます。
○寺前委員 前期にミッドウェー空母が参加したと聞いているのですが、後期はどういうことになるのでしょうか。
○今西説明員 お答えいたします。
 前期の訓練におきましては空母ミッドウェーが参加いたしました。それで、前期と後期では日米ともに参加部隊がすっかり入れかわりまして、後期におきましてはミッドウェーは参加いたしません。
○寺前委員 他の空母は参加しますか。
○今西説明員 お答えいたします。
 後期の米海軍の参加部隊は、巡洋艦一隻、フリゲート五隻、補給艦一隻、潜水艦一隻でございまして、他の空母というものは参加いたしません。
○寺前委員 いずれにしても、米軍のかなりの規模の艦隊によって日本海のわが操業地域内において行われているわけであります。
 当初私どもが新聞で読んだときには、米軍がこの地域において実弾演習をやるというふうには聞いておらなかったわけですが、後日、前期の段階で実弾演習が行われておったようであります。後期の段階においても、これは米軍の独自の行動だという表現でもって発表されておりましたけれども、実弾演習がやられる可能性がこの期間中ないしは前後を含めてあるのでしょうか。
○今西説明員 御指摘のとおり、前期の訓練におきましては、米海軍が、これは日米共同訓練としてではなくて、単独の訓練として実弾射撃を実施したということでございます。後期につきましては、そういった計画があるというふうには聞いておりません。
○寺前委員 この間、秋田県の地方紙を読ませていただいておりましたら、八月五日付の紙面の中にこういうことが書いてありました。「海上自衛隊では「今後は少なくとも年一回、日本海での共同演習を行いたい」と言っている」という内容でありました。また、昨年十二月二日でしたが、ある新聞の夕刊を見ていますと、第七艦隊の司令官の「第七艦隊の戦力配備の重点を従来のインド洋から北太平洋、日本海方面に移したい。」という言明が報道をされております。この報道と海上自衛隊が言っているという報道の内容とを勘案してみると、今後は日本海で少なくとも年一回という計画が現に進んでいるのではないかというふうに思うのですが、何かそういう計画があるわけですか。
○今西説明員 海上自衛隊の訓練につきましては、これは日米共同訓練を含めまして、いろいろな海域で、いろいろな時期に、いろいろな条件のもとでなるべく多数の機会に訓練を実施することが部隊訓練という観点からいたしまして重要でございます。そういうことでございますので、なるべく機会を見つけていろいろな条件下で訓練を実施したいと考えておりますが、明年以降のことにつきましては具体的な計画はまだできているわけではございません。しかし、年一回ぐらいは日本海で日米共同訓練を事情が許せばやりたいという希望は持っております。
○寺前委員 そこで、農林省にお聞きをしたいと思うのです。
 ともかく日本海においては、特にことしは太平洋岸が不漁だということから日本海にかなり流れ込んできているという実情にもありますが、日本の二百海里時代においては非常に重要な漁業上の問題を含んでいると思うのです。そこで、毎年最盛期にこういう実弾演習を含むようなことが行われるようになってくると、日本の漁民にとっては非常に不安に思わざるを得ない内容を含んでいると思います。いま行われているイカ釣りの最盛期の状況のもとにおいて、この訓練海域に一体どれだけの船が出漁しているのでしょうか。
○松浦政府委員 ただいまの日米共同訓練は前期を終了したわけでございますが、この訓練に当たりましては、先ほども御答弁申し上げましたように、私ども、防衛庁の方とは十分連絡をとりまして、特にイカ釣りの操業に支障のないように、水域につきましてもいろいろ調整をお願いし、また、十分に安全操業に留意してもらいたいということを具体的に申し入れてお話をしたところでございまして、現在、この水域では、漁況もございまして、ほとんどイカ釣り漁船は操業いたしておらない状況でございます。
○寺前委員 それは訓練中であるから出ていないということであって、いまこの地域にはイカ釣りの最盛期としてのあれはないわけですか。
○松浦政府委員 これは、私どもは防衛庁といろいろ話をいたしまして、大和堆という非常に重要なイカ釣りの水域を外したような調整を行いましたので、その結果、現在の漁況のもとにおいてはそれほど重要でない水域において共同演習をやっていただくという状況になりました。したがいまして、イカ釣り船はこの水域ではほとんど操業していないという状況になっております。
○寺前委員 昨年のはえ縄事件は、必ずしも演習区域だけではなくして、その過程における問題として事故が起こっていますね。そうすると、訓練海域だけではなくして日本海全体において、アメリカの艦隊の行動というものは日米共同演習と関係ない部面において独自の行動だと、先ほど説明があったような問題を含んでくるということは、水産庁としては当然お考えになっている問題だと思うのです。
 そういう意味では、この日本海における共同演習なり実弾射撃がアメリカ軍の独自の演習だということで行われていることに対しては、どういう見解をお持ちなんですか。
○松浦政府委員 まず、当該共同演習水域に入ってまいります過程につきましては、米側の単独の行動でございますので、防衛庁の方から米側に対しては、操業上問題が起こらないように十分に注意をしてほしいということを私どもの方から申し入れております。
 それからまた、実弾演習の関係でございますが、七月二十六日に外務省の北米局の安全保障課から水産庁の沿岸課に、日米共同訓練と重なる時期、水域におきまして米側が単独で射撃訓練を行う模様であるという電話連絡がございましたが、これに対しましては、沿岸課長の方から、この訓練には反対であるという旨を申し入れたところでございます。
 そのようなことで、私どもといたしましては、常に米側の単独の行動につきましても十分に配慮してもらうように、防衛庁なり外務省なりにはお願いをいたしているという状況でございます。
○寺前委員 外務省はお見えでしょうか。米軍の実弾演習について、水産庁としては反対だという態度をいま表明されたわけであります。外務省としては、この問題についてどういう対応をされたでしょうか。
○加藤説明員 お答え申し上げます。
 水産庁の方から、この実弾射撃訓練と称するものに反対であるという意向を私どもは確かに承りました。
 他方、私どもは、七月中下旬に米側からこの種の訓練が行われるという通報を受けまして、その後しさいな検討を行ってきたわけでございますけれども、今回の米海軍の実射訓練は一日一、二時間程度という、その意味で軽微なものであり、かつ、訓練に使うものも、実弾と申しますよりは、火薬量がきわめて少ない訓練弾であった、こういうような事情もございました。そして、先ほど御説明がございましたように、その訓練水域というものも、この時期に行われておりました共同訓練のために関係省庁間で意見調整が行われていた水域の一部であったというような事情もあったわけでございます。
 そういうわけでございまして、私どもは、このような限定された水域における限定された内容の訓練ということであれば国際法上認められてしかるべきものであるという前提のもとに、米側に中止を申し入れるという措置はとらなかったわけでございます。
 ただし、私どもは米側に対して、このような訓練に当たっては万全の安全対策を行うべきであるという要請をいたしまして、これに対して米側からも、あらゆる安全措置は必ずとりますというふうな確認は取りつけた、こういう経緯があるわけでございます。
○寺前委員 少し話は変わりますけれども、私どものところに、山形県のイカ釣りの漁民からの話が来ました。十七日にソビエトがピョートル大帝湾沖で演習を行っている。日本海の中において、日本の経済水域の中においては、こういう先ほどからの話の演習が行われている。北朝鮮の方は六月でもって漁業協定打ち切りで入れなくなった。そして、漁業協定が結ばれているソビエトの方へ行ったら、またそこで演習が行われている。一体日本海の漁民はどこへ行ったらいいんだ、こういうことになってくるじゃないかということで、これに対して日本政府としてはどういう見解を持って対応しているのだろうかという質問が来ました。
 私は、せっかくの機会ですから、日本海の全体の問題の一つとしてこの問題についても聞きたいと思うのですが、ピョートル大帝湾沖、これは非常にソビエトに近いところらしいのです、十二海里前後のところだというのですから。そこでの演習というのは一体どういうものであって、日本側としてはどういう態度をとられたのか、御説明いただきたいと思います。
○加藤説明員 お答え申し上げます。
 私どもといたしましては、八月十三日に海上保安庁が傍受いたしましたソ連の航行警報によりまして、ソ連が八月十七日にピョートル大帝湾付近の水域で、また、十六日から十九日に沿海州地方沖の水域で射撃訓練を行う、そのための危険水域を設定したということを承知いたしました。
 わが方において調査いたしました結果、この水域は日ソ漁業協定に基づいてわが国の漁船が多数操業している水域を含んでおります。そこで、その安全確保上問題があるということになるわけですし、操業の中止あるいは漁場の移動といった事態の発生が予想されることが判明したわけでございますので、八月十三日に、在ソ連のわが方の大使館を通じまして、ソ連に対し中止要請を行っております。
○寺前委員 私は、そこでちょっと解せぬことになってくるのですよ、大臣。日本の直接の経済水域の中において実弾演習までやられておって、そして昨年も事故が起こっているのであって、漁民は不安を持っている。それに対しては中止申し入れをし、農水省としては抗議の意思を示しておられながら、外交事案としては行われていない。二百海里の中とはいっても、相手国の十二海里という領海の近辺におけるところの演習、そっちの場合は日本の操業の関係だということで当該国に意見を言う、これでは筋が通らぬことになるのじゃないだろうか。やはり自分の国内におけるところの操業問題にきっぱりした態度をとるということと同時に、日本海全体の総合的あり方の問題として相手国にも問題を提起するというふうにしなければ、国際的にも筋は通らないということになるのじゃないだろうか。これを一点、大臣にお聞きしたいと思うのです。
 それから、時間の関係がありますので、大臣にもう一点お聞きしたいのは日朝漁業協定です。私は日朝議連の三役をやっておりますから、長年この問題に関係をしてきました。
 先ほどここで法務当局の発言がありましたが、手続はされていないけれども、対文協の副委員長で朝日友好協会の委員長の玄峻極という、私どもが二回目、三回目調印をした相手、すなわち、国交はないけれども、日本の零細な漁民のためにわれわれが配慮して、どうぞおとりくださいという関係を結んだ相手の代表者です。その代表者が日本に入ることを拒否して、そしてこの漁業協定をもう一度復活してくれということについては、われわれ自身がその話し合いを朝鮮の関係者との間にすることは非常に困難になってしまった。私は、焦点はむしろそこだと思うのです。私は、日本海の操業全体を資源の保護を含めてりっぱにやる上においては、この玄峻極氏の入国問題を解決してもらうということが一番の焦点だと思うのですが、大臣としてはその点についてどういうふうにされようとしておるのか、これが第二番目の問題です。
 それから第三番目に、いよいよ日米の漁業の新しい協定が九月に調印をされようとしています。
 この新協定によると、従来年一回一括して漁獲割り当てをしていたものを三回に分けて割り当てをする。また、割り当てに当たっては米国の水産振興に対する協力度、つまり米国水産物の輸入実績や技術供与の度合いなどを勘案して向こう側としては決めていきたいというような内容がその結果として出てくる、こうなっておる。また、アメリカのブロー法によって三・五%の入漁料が二倍の七%に引き上げられようとしている。また、米国の要請でスケソウを昨年は一万四千トン買い入れたが、ことしは二十万トンにふやすように要求されてくる。米国産のスケソウはソ連産のものよりもかなり高い。こういうふうにずっと出てくる一連の結果というのは、日米の漁業新協定というのはちょっとわが国としては受け入れがたい内容を持っているのじゃないか、何らかの歯どめ措置が要るのではないかというふうに、新聞社の社説、各紙を見たら全部一斉に書いているわけです。
 これについてどういうふうにお考えになっておるのか、この点についてお答えいただいて、私は終わりたいと思うのです。
○田澤国務大臣 日本海における日米合同演習、さらにソ連の実弾射撃訓練等について、日本海のいわゆる魚族の確保の尊重だとか、あるいは安全操業に大きな影響を与えているから、それに対する対策をどうするのだということでございますが、いま寺前委員御指摘のように、日本海の魚族保護の尊重あるいは安全操業をまず第一に私たちは考えていかなければいけない。したがいまして、日米合同演習の場合においても、その区域についてはできるだけ農林水産省の考え方を防衛庁に訴えで、それで防衛庁あるいは外務省を通じてこの私たちの考えをできるだけ内容に入れていただくようにしていただいておるわけでございます。
 また、今後も私たちはできるならば演習のないほどよろしいわけでございますけれども、それはまたそれぞれの目的があってやろうとするのでございましょうから、もし演習を行うとしても、私たちの魚族の保護の尊重あるいは安全操業というものを常に確保するように、私たちは今後も交渉を進め、その確保をしていくように努力をしたい、かように考えています。
 また、日朝民間漁業合意の問題でございますが、これは六月三十日で期限が切れたわけでございますけれども、これは日朝間に国交がございませんので、民間合意で進めてきたわけでございまして、これまで二回合意されて、二回交渉が進められてまいったわけでございますが、今回はいろいろな事情からこれの合意を見ないのでございます。したがいまして、私たちとしては日朝議員連盟あるいはまた日朝漁業協議会、この方々に働きかけをいたしまして、お願いをいたしまして、できるだけ早い機会に交渉が調うように期待をいたしているわけでございます。
 一方、外務省に対してもあるいはまた法務省に対しても、ただいま御指摘のような状況をできるだけ緩和するようにお願いをいたしているわけでございます。外務当局としては、漁業交渉が持たれるその内容が具体的になったときに改めて検討しようという態度のようでございますので、そういう点を私たちは期待をいたしているということでございます。
 最後に、日米漁業協定の問題でございますが、日米間の漁業関係は非常に厳しい状況にございます。スケソウダラの洋上買い付けの要求、あるいはブロー法を基本として年間割り当てはまかりならぬというような態度を示してきているわけでございますが、今回、寺前委員御指摘のように部分的な割り当てというようなことは表面ではございますけれども、内部的にはできるだけ日本の意向等も踏まえながら今後交渉をするというようなことなどもございますので、今後、私たちは実際に毎年毎年交渉する割り当てについては、さらに積極的に話し合いを進めてまいりたい、こう考えているわけでございまして、日米漁業協定については後ほど水産庁長官から具体的にまた答弁をさせることにいたしたい、こう思います。
○松浦政府委員 今回、日米の漁業関係につきましては、いわゆる日米の漁業協定につきまして交渉いたしまして、双方の一応の合意を見るところまでに至ったわけでございますが、先生も御案内のように、一九七七年に米国が二百海里の漁業水域を設定したことに伴いまして、同協定に基づきましてわが方の漁船が百万トン余の米国二百海里内における漁獲量を上げておりまして、わが国の遠洋漁業の約六割ということで非常に重要な水域でございます。
 しかしながら、近年アメリカの中では、自国水産業の振興を図るという立場から、一九八〇年末には外国漁船のプレザーブあるいは漁獲割り当てと水産物貿易とをリンクするというようなことを内容としましたいわゆるブロー法が成立いたしまして、ただいま大臣も御答弁ございましたように、大変むずかしい厳しい事態になっているわけでございます。
 しかしながら、今回の協定の交渉に当たりましても、米側が国内法がこのような状態で決まっているということ、あるいは米国の二百海里水域における日本以外の諸国がモデルGIFAと申します協定案に即しまして協定を結んでしまっているという事実から、アメリカ側は非常に強い姿勢で臨んできたわけでございますが、われわれとしては、伝統的な漁業実績というものを持っているこの水域についての日米の特殊な関係というものを強調いたしまして、協定の案文はかなり厳しいものがございましたが、ただいま大臣がおっしゃられましたような諸点、たとえば協議の事項の内容であるとかあるいは漁獲の割り当てに当たっての年間の割り当てをあらかじめわが方に示し、また、その運用も弾力的にするとか、あるいは貿易その他の事項と漁獲割り当てのリンクについては、わが方が協力をした分については十分にこれを配慮するといったような諸点につきまして、合意議事録でいろいろと内容を記載いたしまして、非常に厳しい事態ではございますけれども、われわれとしては精いっぱいの努力をし、従来の関係が存続できるように最大限の努力をしたつもりでございます。
 要は、今後の交渉に当たりまして、個々の漁獲割り当てに当たりましてのわれわれの粘り強い交渉によりまして、ただいま先生御指摘のような割り当て枠あるいは入漁料等につきましてしっかりとした交渉をやってまいりまして、この水域におきましてのわが国の漁業の今後の安定的な操業ができるように、最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○寺前委員 お約束の時間が参りましたので、これで終わりますが、どこから考えても、新しい日米の漁業協定というのは米国本位につくりかえられていっていることはもう明らかだ。それから、日本海の事情について言うと、アメリカの戦略に従属する方向がずっと強く打ち出されてきている。全体として考えると、日本の水産界にとっては非常に大きな問題ですから、積極的に農水省は日本のあり方を再検討してもらうようにやっていただきたいということを要望して、終わります。
○亀井(善)委員長代理 次に、阿部昭吾君。
○阿部(昭)委員 時間が大変おくれておりますから、ごく簡潔にお尋ねをしたいと思います。
 大臣、実は青森県も同じだったと思うのでありますが、去年、おととしの冷災害、この場合に、おととしよりも去年の方がはるかに被害はひどかったのであります。減収の実態というのも、農林省の調査によっても一昨年よりも昨年がはるかにひどかった。ところが、農業共済の共済金の方は、一昨年に比べると、私の山形県で言うと、ちょうど三分の一以下である。これは、制度の運用、いろいろな面に確かに問題があります。青森県などでも、このような状況に対して大変いろいろ問題がございます。東北各県、ほとんど同じような大変な問題になりました。
 これは、確かに一昨年の場合は、相当ひどい冷害になるということをあらかじめすべての皆さんが予想した。去年の場合は、収穫期の直前まで、あるいは脱穀調製期に入るまで、まさかこんなひどい減収にならぬのではないか、こう思っておった。
 御案内のように、共済の場合には立毛主義、まだ農場の中に作物がある間に減収評価をちゃんとしなければいかぬ、一人一人が申告をちゃんとしなければいけないという申告主義、この二つのことのために、実際は一昨年よりも去年の方がはるかに被害がひどかったのに、共済金の方は三分の一以下、こういう状況になったのであります。
 私は、この立毛主義なりあるいは申告主義という原則を崩すことはできなかろうと思います。しかし、だれの目から見ても、農林省の調査でも、減収が一昨年よりも去年の方がはるかにひどかったのに共済の方は三分の一以下ということになると、なかなかこれは、第一線でこの制度の運営にかかわっている皆さんの立場はきわめて深刻なんであります。したがって、こういう場合に、農林省は農林省で一定の組織的な指導機関もあり、やはりもっと実態に即した運用というものがなければならぬのではないかと思うのであります。この点に関しての御見解をお聞きいたしたい。
 時間がおくれておりますから、一遍にみんな申し上げますと、第二の点は、激甚災害、天災融資法発動あるいは共済金の早期支払い等々のことにつきましては、いままでいろいろな御答弁がございました。これは私の要望でありますが、ぜひひとつ、さらに一層急ぐようにしてもらいたいということを強くお願いをしたいと存じます。
 それから、水田再編という立場で、畑作物あるいは果樹あるいは施設園芸といったような部面に相当力を入れてきました。今度のこの災害で、これらの畑作物なり果樹園なり施設なりが相当手痛い打撃を受けました。
 ところで、一定地域がこの激甚災指定の基準に合致するところは問題がないのであります。ところが、施設などは、やられますと大変大きな損害なんであります。周りの方は余り大したものはやられていない。たまたま水田転作で施設園芸をやったところが、まだ新しいのに今度の十号台風でどえらい被害をこうむった、償還などまだ全部これから、こういう状況のときに、いまの激甚や天災融資法でどういうことになるのかということになると、なかなか大変なんであります。したがって、私は、特にこういう水田再編の立場で相当みんな激論しながら苦労して施設農業に転換をしたりというような場合に、何かもう一つ突っ込んだ手厚い援護というのがあっていいのではないかというふうに思うのであります。これが第二。
 最後に、大臣が所信表明を行われました際に、田澤農政というのはこれだというのがどうもなかなかはっきりしておらない。これは、農林水産省の政策には継続性と延長がずっとあるのだと思うのです。しかし、田澤農政はこれだというものが、どうも私が拝見しておる限りはちっともない。いままでの延長でしかない。大臣は、あの際に、田澤農水相の道筋はこれだというものを、ちゃんとしたものを出します、しかも、今度の国会の間に出しましょうと言われた。あさって国会は終わるのであります。あれ以来いまだに、田澤農水相の田澤農政はこれだというものを私はまだお聞きしておらぬのであります。その方はいつお出しをしてくださるか。
 この三つだけ伺って、時間がおくれておりますから、私の質問を終わります。
○田澤国務大臣 東北の冷害に当たって、この共済制度、いわゆる共済金の率が非常に違っておった、私もそのとおりだと思うのです。
 一昨年は、冷害だということが前提で、いわゆる立毛主義も申告制度も完全に実施されて、農家の方には非常に喜ばれたという年でございましたが、去年はライスセンターが初めて穀物を取り扱ってみて、確かに今年度は不作なんだということがわかりまして、それからそれぞれ調査をしましたら、間違いなく一昨年に近いほどの冷害であったということがわかったわけでございまして、申告した地域についてはそれなりに措置ができましたけれども、申告のない地帯は大変な、共済制度の適用ができなかった地域があったわけでございます。したがいまして、この問題については、申告をしなくても、あるいは立毛主義をあくまでも守らなくても、何か市町村において責任を持ったらこれを処理することができないのかということをさらに私も検討してみたのですよ。しかし、共済制度というものはやはりこれまでも正しく実施してきたものであり、将来もまた一つの信頼を得た制度としてこれを伸ばしていくためには、一つのことでトラブルが起きては大変だということでこれが実施できなかったわけでございまして、非常に残念ながら去年はああいう制度を実施されないままに終わったわけでございます。
 なお、私は農林水産省には、この種のことは、将来とも立毛主義あるいは申告制度の中でこういう災害が起きた場合はどうしたらよろしいかということは検討してもらいたいということで、なお検討を続けさせているわけでございますけれども、現状ではなかなか救いがたいもののようでございます。
 また、激甚災では、天災融資法と水田利用再編対策との関係でございますが、これは私は非常にむずかしい問題だと思うのです。水田利用再編対策の集団化あるいは定着化というものは私たちは非常にこいねがっておりますし、その奨励のためにはあくまでも努力をしてまいらなければなりませんけれども、災害はやはり災害として受けとめていかなければならない問題でございますので、ことさらに水田利用再編対策だからということでその特別な扱いということはなかなかむずかしいのじゃないかと思いますが、具体的なケースの問題に対応した場合に、いろいろ検討させていただきたい、かように考えます。
 最後に、田澤農政の問題でございますが、これは、私はこの委員会で申し上げておりますように、農林水産業というのは農山漁民にとっては生産の場であり、あるいは生活の場でございますからへ地域の安定の基盤である。むしろ日本の安定の基盤でございますから、私は、農林水産業の振興というものはもっともっと積極的に飛躍的な成長を図らなければならないということを主張し、現に、日本の世界GNP一割経済が運営されているのも、農林水産業から健全な労働力が提供されたこと、あるいはまた日本人としての物の見方、物の考え方が農林水産業で培われた結果であろう、私はこう考えますので、今後もやはり農林水産業が人と人との交わりの温かい健全な地域社会でなければならない。それから、密度の濃い農政を進めなければならないというのが私の考え方でございますので、それをどういうように日本の農政の中に反映させるかということで、これまでいろいろ努力をしてまいったのでございますが、この国会にはちょっと間に合いませんけれども、二十三日に農政審議会が開かれます。農政審議会では、いろいろな問題をも含めて、八〇年代の農政の方向の具体的な推進に対する報告をいただくことに相なっております。私は、その報告を受けて、具体的に五十八年度予算あるいはまた農水省としての具体的な方向の中に私の考え方の一部でも入れて、先ほど申し上げました日本農政の明るい方向をつくり上げたい、こう考えておりますので、二十三日以後にひとつ御期待を願いたいと思うのでございます。
○阿部(昭)委員 終わります。
○亀井(善)委員長代理 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時四十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時八分開議
○羽田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。新盛辰雄君。
○新盛委員 午前に大臣に対して日朝漁業民間暫定合意の諸問題でお尋ねをしておきましたが、この問題で、これからの取り扱いを含めて政府の見解をぜひ聞いておきたいと思います。
 日朝漁業新協定への動きがいま民間の間でも活発なんでありますが、漁業問題に限って東京で交渉ができるような配慮がぜひとも必要じゃないかと思うのであります。そうしたことについて、いま無協定でありますが、漁民の皆さんが経済的にこうむっている損害は大変なものでありまして、早急に打開しなければなりません。外務省はこの問題についてどういうふうにお考えになっているか、お聞かせをいただきたいと思います。
○小倉説明員 お答え申し上げます。
 従来、日朝民間漁業暫定合意が民間関係者の方々の御努力によりまして安定的に確保されてきたということは、やはり政府、外務省としましてもそういった方々の御努力ということに対しては非常に評価し、また、その配慮を多としなければいかぬと思っております。今回、先生御指摘のとおり六月に失効いたしましたが、外務省としてもこれをきわめて残念なことであると思います。
 では、外務省として具体的に何を考えておるかという御質問の御趣旨だと思いますが、私どもとしましては、やはり国交が現在朝鮮民主主義人民共和国との間にはないという事実を踏まえますときには、再開のための話し合いが民間レベルで早急に行われることが望ましいのではないかというふうに思っております。
 では、さらに具体的にそのために外務省として何かできるのかということになってまいりますと、私どもとしましても、現在、これができるということをはっきり申し上げられないのは非常に歯がゆい次第ではございますけれども、北朝鮮に対しまする基本的政策の範囲内におきまして、外務省としても側面的にできる限りの協力はしたいというふうに思っております。漁業という土俵の中で何とか話し合いができないかというふうに考えております。
○新盛委員 朝鮮民主主義人民共和国に対するこれまでの非友好的な政策というのが前面に押し出されているがゆえに、こうした今日の憂うべき実態を見せているわけであります。
 それで、いまおっしゃるように、どうしたらいいかという、民間の皆さんのレベルで何とか前向きに話ができるように、当面の漁業の次への曙光を見出したいという積極性を伺いましたけれども、その障害になっているのは一体何か、こういうことであります。その障害を取り除くためにどうすればいいのか、政府としてお考えになっておらなきゃならないわけでありまして、外務省の対応をお聞きしたいと思います。
○小倉説明員 話し合いがなかなかできないということの障害がどこにあるかということにつきましては、率直に申し上げましていろいろ意見が分かれる面もあるのではないかというふうに考えております。
 私ども、日本側からいろいろな交渉のための話し合いにピョンヤンにいらっしゃるという動きもあったと承知しておりますし、また、私どもとしましては、漁業問題を話し合うための代表団というものの受け入れと申しますか、日本でそういう話し合いを行うということ自体につきまして、これはまかりならぬとか、そういうような考え方は持っておりません。
 そういう意味におきまして、この問題がむしろ漁業問題というものの土俵の中で解決されるという線が出てくるのでありますれば、外務省としましても対処の仕方があり得るのではないか。これが別の次元の問題と無理につながってまいりますと、そこにまたいろいろむずかしい問題がございますが、一つの共通の土俵の中で話し合うという雰囲気を何とかしてつくっていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○新盛委員 結局、出入国管理令に基づく規制の問題がそこに出てくるのじゃないかと思います。日本側から出かけていってピョンヤンで会談をして結論を出す。あるいはまた、向こう側の方の協力を得て、特にこの暫定協定というのは、これまで日朝間の中では朝鮮民主主義人民共和国の側に大変な御協力をいただいている。だから、これは日本の方が期待をする暫定協定をというならば、日本の対応の仕方がここに出てこなきゃいけない。法務省はこの面ではどうもかたくなに、入国管理局を中心にして北朝鮮の代表団を呼ぶことはちゅうちょしておられるわけでありますが、なぜそういうちゅうちょしなきゃならないのか。これは確かに国交がないからだ。
 したがって、そういう面では、七月一日以降漁業関係者はもう非常に、前年度の実績が全然上がってこないわけですし、イカ、サケ、マスの流し、はえ縄を含めてでありますが、ベニズワイかごなど、こうしたものの漁獲も、これまで操業水域におきましても、イカで五百隻、サケ、マスで三百隻、ベニズワイかごで二十隻など、合計九百隻近くです。漁獲量にして一万三千トン、そしてこの金額も五十億以上のものでありまして、生活権の問題だ。
 そういう現実的な問題を無視して、ただ玄峻極氏をという名前が上がっただけで、これはだめだ。何かほかに方法があるのなら、代表団という名前でX氏だ、こうすれば入国管理としてそれはいいのじゃないか、漁業交渉ですから。その辺のところはどう理解をしておられるのか。午前中にその辺のことに少し触れておられたようでありますが、法務省として対応の仕方が余り厳しいのじゃないか。民間から盛り上がってきている交渉を芽を摘むようなやり方をしたのではどうにもならないわけでありますから、その配慮というのはないものかどうか、法務省にお聞きしたいと思います。
○宮崎説明員 お答えいたします。
 いまのX氏を代表としての代表団はどうかというお話でございましたが、法務省といたしましては、玄峻極氏以外の人物について全く問題にした経緯はございません。玄峻極氏につきましても、先ほど申し上げましたように、入国申請はまだないわけでございまして、そういう意味では、特にその入国拒否ということを決めたという段階ではないわけでございます。
○新盛委員 そうすると、そのほかの方であれば、もし入国への希望を持ってこられたらそのときに対応するのだ、その段階で考えてみたい、こういうふうに受け取られるのですが、玄峻極氏が漁業の実際的な交渉の実力者だ、だからこの方を入国させるということが問題の解決のまた一歩上るところなんでして、なぜこれをかたくなに拒否をされるのか。結局は、政治活動をしたからなんだ。だから、そういう面では約束を違えたのだ。国内におけるそうした諸行動が日本の外交的な面でいろいろと触れるので、これで警戒している、こういうことなんだと思いますが、もうこのことについては、友好国として、これから朝鮮半島全体にわたって、北だとか韓国だとかという、そういう表現ではなくなったのじゃないか。最も日本の近海に近いこの国々の漁業の面では、漁業者は、そんな外交手段的な問題については一切かかわり合いはない、もっと漁獲量は上げたいし、また日本の漁業、水産政策の面におきましても大変寄与しているという状況をもう切実に感じておられるわけですから、ここの窓口をどうしても開いてもらわなければいけない。積極策を、ではどうすればこの入国への希望がかなえられるのか、法務省として見解を賜りたいと思います。
○宮崎説明員 先ほどもお答えいたしましたとおり、玄峻極氏以外の人間が団長になってこられるということでありますならば、そのときはケース・バイ・ケースに考えるということでございます。
 玄峻極氏につきましては、先ほど御説明申し上げたような事情があるということでございまして、しかも入国申請がないわけでございますから、実際の入国問題については今後の問題として関係諸官庁と協議を遂げていきたい、そのように考えております。
○新盛委員 だとするなら、外務省として、この民間暫定協定を早く締結をしなければ漁民の皆さんが非常に難儀しているという、その実態を踏まえまして、積極的に朝鮮民主主義人民共和国への呼びかけをされてもいいのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○小倉説明員 先生も御承知のとおり、朝鮮民主主義人民共和国、いわゆる北朝鮮との間には、現在一政府間の関係がございませんので、政府とその相手方との間の直接の呼びかけ、対話ということは、いろいろな事情から現在できる事情にないということでございます。
 しかしながら、先生のおっしゃっている御趣旨は、政府が政府と話をするということ以外の方法であっても、いろいろ間接的に、漁業問題の実際上の重要性にかんがみて、外務省としても両者間のこの問題についての対話ができるように、実際上の不便が漁民に及ばないように何かできることがないのかという御趣旨ではないかというふうに拝察いたしますれば、それはそれで私どもは先ほど申し上げましたとおり、漁業の土俵の中で話をする、別の次元の問題と極度に結びつけない形で漁業の土俵の中で話をするという感じが出てくれば、そこはおのずから私どもとしましても側面的な御協力もできるし、また、漁業の土俵の中で話をするという雰囲気をつくるために、あるいはいろいろ日本の関係者の方とも話し合っていく余地があるのじゃないかというふうに考えております。
○新盛委員 ここで、これは政府のどこが所管になっているのかわかりませんが、すでに三隻が拿捕をされているわけです。この事実については御存じかと思いますが、早期釈放方をという強い要望がなされておりますが、結論的にこのことについてお伺いします。
 さらに、七月一日以降の漁業関係者のこうむった経済的な損失、これについて補償措置をという強い要求がございます。これは政府の責任でありますから、そのことと二つお聞かせをいただきたいと思います。
○松浦政府委員 ただいまのお尋ねでございます北朝鮮側に拿捕された三隻の船でございますが、正宝丸、第六浜吉丸、この二隻は罰金を各五百二万二千円払いまして八月十一日に釈放されております。
    〔委員長退席、亀井(善)委員長代理着席〕
それからまた山口県の順吉丸でございますが、これも罰金二百五十一万六千円を払いまして八月十二日釈放になっております。したがいまして、この関係は一応全部完了しているという状況でございます。
 それから第二に補償のお尋ねでございますが、この水域におきまして現在最も漁獲活動を行っておりますのはイカ釣り船でございまして、現在のところはまだかごあるいはマスのはえ縄等の漁船につきましては操業を行っていない状況でございます。イカにつきましては、漁況等もあり、あるいは漁場が移動してまいっておりまして、現在の段階では、この北朝鮮の暫定合意の水域におきましては特に操業を行う状況になくても、ある程度までの漁獲量を上げておりまして、私どもとしては一応の操業の継続はできているというふうに考えている次第でございます。したがいまして、直ちにいま補償の問題ということは考える状況にないというふうに考えておるわけでございますけれども、しかしながら、当然これからの成り行きも十分見守らなければならぬわけでございますし、この協定が、合意が一日も早くできることを望みまして、さような補償問題が起こらないようにいたしたいというふうに考えているわけでございますが、なお十分事態を見守りまして、その上で対処いたしたいというふうに考えております。
○新盛委員 次に、最近新たな漁業管理政策が矢継ぎ早に打ち出されているときですが、漁業法、沿整法、あるいは遊漁法等の新しい制定など、国内においてすらこの構造的な整備を行わなければならないという状況の中で、午前にも出ましたように、日米漁業交渉の結果はきわめて厳しい状況でございます。また、日本の二百海里を初めとするこれからの漁業政策という全般的な問題もございますが、ここでぜひ一つ基本的なことでお伺いしておきますが、この日米の漁業交渉等の結果によって、相手の日本が漁業協力をどれだけしたかということによって割り当てなり入漁料なり隻数の規制、こういうものが行われるようになってくる。新ブロー法がそうであります。さらには、南太平洋フォーラム諸国での各国々の漁場規制、二百海里以内には日本の船を入れない、こういうようないわゆる漁業外交上の面で規制が大変強くなってきております。
 そういう状況の中で、先般のIWC、いわゆる国際捕鯨委員会における結論は、これからの日本の漁業全体を考える面で、きわめて異常なぐらいに厳しい内容がございました。
 こういうことで、まず第一の基本的な日本漁業を取り巻く諸情勢、そういうことを踏まえて遠洋から沖合い、沖合いから沿岸へ、そういう整備計画も含めて出てくるのでしょうが、当面、捕鯨の規制を受けましたことに対して異議申請をされるのか、あるいは脱退をするのか、あるいはまたほおかぶりをして実際にはやってしまえ、こういうふうになるのか、どちらにしても選択を迫られているわけですね。これについて政府側の御見解をいただきたい。
 それと、続いてですが、最近、マグロ、カツオの減船を二〇%でもっておやりになったのですが、今日の状況ではカツオ・マグロ漁業というのは再生できるのだろうかどうだろうか。いわゆる構造改善の面でも特定漁業再編成事業として新しくつくりましたけれども、今日の状況ではもうどうにもならない。しかも、年間十一万トンのカツオ、マグロの輸入が、最近では目に余るものがある。もちろん生産者側の方で言えば魚価、消費者側の方で言っても魚価、この中において特にカツオの魚価の暴落、こうしたことについて有効な手段があるのかないのか。こうしたことについても、捕鯨の問題とマグロの問題は異質でありますけれども、内容的にこれからの漁業全体を進める上での当面の目玉でありますから、お答えをいただきたいと思います。
○松浦政府委員 まず、捕鯨についてお答えを申し上げます。
 先般の一WCの会議におきまして、わが国代表団及び関係捕鯨団の最善の努力にもかかわりませず、条件つきとはいえども、モラトリアムが可決されましたことはまことに残念でございました。この決定が三年間の猶予がつけられているということはありますものの、基本的にはやはり国際捕鯨取締条約の目的及び精神とは相入れないものがあるというふうに考えますし、また、科学的な討議も十分経ずして、単に数の力で決められた印象を持つものでありまして、その点、きわめて遺憾であるというふうに考える次第でございます。
 わが国の今後の対応策につきましてただいま新盛委員のお尋ねがございましたが、この点につきましては、関係業界あるいは関係国とも十分に話し合ってまいりました。異議の申し立ても含めて、現在検討いたしているところでございまして、先般も大臣が御答弁申し上げましたように、今後とも、捕鯨が存続できるように、最大限の努力を払ってまいりたいと思っております。特に問題はアメリカのパックウッド・マグナソン法との関係でございまして、その内容については先生もよく御承知だと思いますけれども、私どもとしてはそのような関係がございますので、アメリカとの関係については十分に話し合わなければならぬと思いまして、先般、日米の漁業協定の交渉に参りました井上海洋漁業部長にも先方と十分接触するように話をいたしております。部長も帰ってまいりましたところでございますので、その報告も聞き、今後の対応策を考えたいと思っております。
 それから第二のお尋ねのカツオで、ございますが、最近のカツオの需給及び価格の動向を見てみますと、ことしのカツオの生産は一月から五月の累計でほぼ前年並みでございます。それから需要について見ますと、家計消費で見ますれば生鮮のカツオは本年に入りまして需要が回復している状況でありまして、かつおぶしは減少しているというような状況でございます。
 しかしながら、何よりも今回のカツオの魚価が安くなっております状況の原因は、需要の約三割を占めております輸出、これが米国の高金利政策によりまして、いわゆるアメリカ側の在庫減らし、これによりまして需要が伸び悩んでいるという点にあるというふうに考えております。このために、生産は前年並みでございますが、需要が停滞したところ、在庫もふえてまいりまして、現在、価格水準が一たん回復は見たものの、最近また下落いたしまして二百三十円台で推移しているということでございます。この点につきましては、私どもも非常に憂慮いたしておりまして、この対策といたしまして、まずとにかく最近のカツオの需給、価格動向に照らしまして、短期的な魚価の低落を防止するということから、日鰹連と全漁連に調整保管の事業を予定させております。これは、現在発動が可能な状況になっております。
 それからまた第二に、今後の対策でございますが、八月の十日に関係四団体、これは日本鰹鮪漁業協同組合連合会、全国近海かつお・まぐろ漁業者協会、海外まき網漁業協会及び北部太平洋旋網漁業協同組合連合会の四者でございますが、この四者の間でこの問題について十分に検討してほしいということで検討をお願いしまして、いままで指導をいたしてまいったわけでございますが、当面、品質の向上に努めるということのほか、今後カツオ魚価の推移によっては水揚げの分散、海外から日本への輸出の調整の要請といったような措置をその必要に応じて適宜実施していくということで検討してもらった次第でございます。
 水産庁としましては、このような関係団体の検討を踏まえまして、今後の魚価の動向を注意深くフォローしながら、適時適切な対応策をとってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
 また、基本的な問題といたしまして、特に一本釣りの漁業の経営を何とか維持し、健全なものにしなければならぬというふうに考えているわけでございますが、カツオはかつおぶしあるいは缶詰等の加工向けの需要と刺身あるいはたたきの生食向けの利用用途がございますけれども、カツオの一本釣り漁業につきましては、空冷装置等の導入によりまして極力生食向けの比率を高くしまして付加価値を高くしていくということにいたしますと同時に、生産性向上のための自動釣り機の改良であるとかあるいは餌料低温蓄養施設の開発普及あるいはビンナガの漁場開発といったような諸施策を長期的に講ずることによりまして、カツオ漁業の安定を図ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○新盛委員 よろしく願います。
 終わります。
○亀井(善)委員長代理 次に、松沢俊昭君。
○松沢委員 午前中も大臣に質問をしたわけなんでありますけれども、時間がありませんので詳しく質問することはできませんでした。
 そこで、一つは、これは災害に関する質問でありますが、去年、おととしと東北を中心にした冷害で、米の場合においては単年度需給というのができない状態が二年続いておるわけです。今回も、新潟の場合におきましては大体四割近くの減収になるのではないかという見通しがつけられる状態であるわけですが、こういうぐあいになってみますと、やはりことしも単年度需給はむずかしくなってくるのではないか。そういうことになりますと、いままでの減反目標の面積、それは相当検討し直して修正をしなければならない、そういう事態にすでに追い込まれているのではないかと考えておるのですが、そういう点につきましてどういう御見解を持っておられるか、まずもって御質問をいたしたいと思います。
○渡邉(文)政府委員 五十七米穀年度の米の需給について申し上げますが、五十六年産米の作柄が、昨年でございますが、作況九六とやや不良というような状況でございましたが、五十七米穀年度当初には、昨年の十一月一日現在になりますが、九十一万トンの持ち越しがされておりまして、これの活用によりまして五十七米穀年度は需給上の心配は来すことのないようにできると私ども考えておりまして、予定では六十万トン程度の五十六年産米の持ち越しができるのではないか、このように考えております。
○松沢委員 この前のサンケイに出ておりますけれども、それによりますと、他用途米といいますか、それを外国から輸入をするという記事が載っておりましたが、やはり需給関係というのが反映しているのではないかと私は思われるわけなんです。だから、もっと端的に聞きますと、減反をやっているこのさなかに絶対に外国から米を入れるということはしません、こういう確約はできるのでしょうか、どうですか。
○渡邉(文)政府委員 結論の方から申し上げまして、私ども原則的にそうしたことは全く考えておりません。国内で完全自給できるように考えてまいりたいと存じます。
 ただ、先般の一部報道されました件は、農林水産省として輸入するような考えは毛頭とっておりません。今後のそうした加工用なりの需要に対する対処は、できるだけ国内産米をもってどういう対処の仕方をすべきかということは、私どもこれからの大きな問題かと考えます。むしろそうしたことが私どもが考えるべき問題と思っております。
○松沢委員 それじゃ、もう一回はっきりさせていただきたいと思いますが、外米輸入というのは減反をやっている限りにおいては絶対にやらないと約束できるのですね。
○渡邉(文)政府委員 いろいろ自然条件の変動等がございます。たとえばモチ米の例のようなこともございます。極度な事態になった場合まで想定するかどうかという問題はありますが、私どもやはり現在の需給状況を考えますと、単年度均衡を果たすということを前提にいたしまして、原則的に国内ですべて供給していくという考え方に政策の態度はとってまいりたいと考えております。
○松沢委員 どうも長官のお話、ちょっとまだわからぬですがね。モチ米の輸入というのは昨年やりましたね。この委員会におきまして、そういうことはおかしいじゃないかということで追及があったわけでありまして、その点は食糧庁の方でもしかと腹におさめて対策を立てられていると思います。したがって、そういう対策を立てている限りにおいては、減反をやっているこういう時期においては絶対に外米の輸入はやらない、こういうふうに私は受けとめたいと思いますが、どうですか。
○渡邉(文)政府委員 私どもは、減反の現況におきまして輸入する考えはございません。モチ米の話を申し上げましたが、そうした状況もやはり国内での基金制度なり何なりの準備、そうした制度なりを構えることによりまして国内自給の体制をとりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○松沢委員 そういうことで、国内生産で賄うようにしていただきたいと思います。
 それともう一つは、大臣も言っておられましたけれども、作柄の状況によって減反の見直しということもあり得る、こういうふうにして午前中の答弁は受けとめるわけでありますが、これは食糧庁ではないのですね。ちょっとお願いします。
○古谷政府委員 お答え申し上げます。
 先般大臣から御答弁申し上げましたように、五十八年度の転作等目標面積につきましては、第二期の目標面積六十七万七千ということで実施するのがたてまえでございますけれども、本年産米の作柄が明らかになりました時点で、米の需給状況、在庫等を勘案して決定するという考えでございます。
○松沢委員 次に、災害に絡んでの融資の対策の問題でありますが、天災融資法の適用というのを急いでおられることも午前中の答弁によって明らかになっておるわけなのであります。天災融資法の限度額の引き上げの問題は、法律改正が行われております。しかし、現地の方では十六日までに申し込みをやってもらいたいということで、十三日あたりに各農協あるいは行政組織を通じまして関係の代表者を呼んで融資申し込みの説明等をやりまして、十六日ごろまでに申し込みをやってもらいたいという作業が進められておるわけであります。この天災融資法も、百六十万というのを、今度限度額二百万ですか、引き上げをするというふうに法改正が行われたわけであります。
 それから自創資金の問題につきましては、百五十万というところの限度額でありますけれども、この前の御説明等によりますと、必要があれば引き上げざるを得ないではないかというようなお話にもなっております。
 しかし、十六日までにこの申し込みをやってくれということになりますと、天災融資の場合におきましてはやはりこれは百六十万の限界で申し込みをやらざるを得ない、あるいは自創資金の場合においては百五十万の限度の枠内において申し込みをやらなければならぬ、こういうことになるわけなんです。現地の方としましては、その限度額の引き上げの要望というのを出しているにもかかわらず、いまの状況からすると限度の枠の中で申し込みをやってくれということになっておるわけなんだから、結局、上の方へ行けばだれもいやせぬ、限度額を引き上げてくれというような、そういう申し込みはなかったというふうにして受けとめられてしまうのではないか。これは一体どうしたらいいのかというような疑問というものがいま出ているわけなのであります。その点につきましての御見解をこの際お聞きをいたしたい、こういうぐあいに思います。
 それからもう一つの問題は、物すごくむずかしいのです。県の方の出先の連中に聞きましたところが、枠があっても、毎年のことだけれどもいままで枠を消化したことはない、こういうことを言うのですけれども、自創資金なんかの場合においては農業委員会が窓口になっておりましていろいろ受付をやっておりますが、厄介で、むずかしくて、とても要するに百姓が申し込むような金を借りるところの制度ではない。だから、みんな切られてしまうんだ。だから、借りたいけれども借りるわけにいかない、こういう状態に実はなっているのです。いまどき百五十万や二百万ぐらいというのはサラ金に頼めば簡単に金を貸してくれるのですよ。サラ金のような簡単な金の貸し方、借り方がどうして制度資金の場合においてはできないのかという疑問を私は持つのです。農家の場合におきましては、ちゃんと抵当物件も担保物件もあるわけですよ、田地田畑というものが。だから、サラ金並みにさらさらと金を貸してくれるような制度にしてもらわなければどうにもならぬじゃないか、こういうぐあいに私は思うのですが、それをあわせて御答弁を願いたいと思います。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 今回の天災融資法及び激甚災害法の改正は議員立法でございますから、私どもがとやかく申し上げることではございませんが、それが施行されました暁に政令を定めます段階では、先生ただいま御懸念のように十六日までに申し込んだ申込金額に幾らと書いてあったから幾らで間に合うのだから政令でちょん切ってしまう、そういうことをするつもりは毛頭ございません。
 それから自作農維持資金についても、必要があれば融資限度の特例を設けなければいけないと思いますが、これは何しろ財政当局ともかけ合わなければいけないことでございますから、やはりそのためのデータをそろえる期間は御猶予をいただかなければなりません。しかし、その十六日まで云々というのは、恐らく市町村段階で早く手続を進めるためにそういうことをやっておられるということでございましょうから、私どもとしては、そこで出てきた数字がどうだったから値切るというふうな、そういうつもりは全くございませんので、その点の御懸念はないようにお願いをしたいと思います。
 それからもう一つ、枠をもらってもなかなか消化し切れないのは貸し方が窮屈過ぎるからではないかという点でございますが、これはむしろ私どもとしては、天災融資法の資金の枠にいたしましても、どうしても万一足りないことがあってはいけないということで多い目に枠を財政当局と話をして決めてくるということにいたしております。ですから、その意味では、多少枠が余りぎみになるというのが、むしろ私どもは正常な状態なのではないかというふうに思っております。
 それで、天災資金の融資限度の計算の仕方は、俗に申しますA万円、B%というので計算をいたします。一見、鬼面人を驚かすような算術であるような感じをあるいはお持ちになるかもしれませんが、実態的には市町村の役場なり農協なりにも練達の方がおられて、そういう計算はほいほいとやっておられるというのが実態のようでございまして、少なくとも私どもが見聞をする限りでは、どうもそこの辺の決め方がめんどうくさ過ぎて農家に十分御利用いただけないでいるというのは、せっかくの先生の御指摘でございますが、ちょっと私どもの実感とは違うのでございますけれども、さらに簡素化について、簡素化を進める余地があれば、私ども研究をするにはやぶさかでございません。
○松沢委員 時間がありませんので急ぎますけれども、それでは、佐野局長の御答弁で、いまの要するに限度の枠以上の申し込みをこれからやっても、それはそれなりに貸す方としては応対をする、こういうふうに理解して差し支えないですね。
 それからもう一つは、貸し方借り方の問題で要するにちょっと厄介で、もっと簡単な貸し借りの方法というものを考えてくれ、こういうことにつきましては、時間がありませんから、私の方でもっと述べたいわけでありますが、検討する余地があったならば検討する、こういうことで差し支えないですね。
 それじゃ、限度額の引き上げの問題につきましてもう一つお答え願いたいと思います。
    〔亀井(善)委員長代理退席、委員長着席〕
○佐野(宏)政府委員 まず天災融資法の方は、これは国会がお決めになることでございますが、私どもの胸算用といたしましては、貸し出しに間に合うように新しい天災融資法、激甚災法が施行されるのでございましょうから、その場合にはその施行前に行われた申し込みに限度を超える金額が書いてあっても貸すまでには限度内になるわけでございますから、その場合には何ら支障がないように思います。
 それから自作農維持資金につきましても、もしそういう必要があるとすれば、これは貸し出しを実行する時期に間に合うように措置をするつもりでございますから、その前に出した紙に書いてある金額が形式上その当時有効であった業務方法書なり通達の金額を上回っておるからやり直せというようなことをするつもりはございません。
○松沢委員 それから農業共済の問題でありますが、これも早期に認定をしてもらって共済金の支払いをしてもらいたい、こういう要望があるわけであります。これに対しまするところの指導文書もおりているようでありまするが、どうなっているのか、お伺いをいたしたいと思います。
 それからもう一つは、大変な災害でございますので、一斉にやるということになりますと評価員の数が足りない、これはふやしていかなきゃならぬということで、各市町村とも評価員の数をふやしながら評価を進めるというところの段取りをとっているようでございますが、その場合、それに伴うところの経費がかかるわけでありまするが、要するにこれに対する対策はどうなっているのか、これをはっきりしていただきたい、こう思うわけなんです。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 前段の共済金早期支払い及び要すれば仮払いという問題につきましては、八月五日付で各県に通達を出してございます。末端まで私どもの意図は十分浸透しておるというふうに考えております。
 それから、二つ目のお尋ねの点でございます今回人手をふやしたりなんかしておるので掛かり増しの金がかかるがという点でございますが、そのような種類の掛かり増し経費につきましては特別事務費で手当てをする心づもりをいたしております。
○松沢委員 それから、国税庁からおいでになっていると思いますのでお伺いしたいと思いますが、新聞なんかによりますと、農業課税所得標準というのを今度はやめて、そしてもっと農業から所得税をよけい取らなければならないという方針がえが行われたということが新聞に載っているわけでございます。
 いろいろ聞きますと、稲作、水稲の場合においては従前どおりに所得標準というもので課税をしていくという方針だということも聞いておりますが、その際、災害なかりせばというのを前提にしていままで所得標準というのはつくられてきているわけでありまするが、今回のようにもう一面、点でなしに面で災害があったという場合においては、そういう所得標準はちょっと現状と合わないということになるのじゃないか。その点、ことしはどういうふうにして所得標準というのをおつくりになるのか。
 それからもう一つは、稲作以外は所得標準というのをなくするということになるわけでありますが、これは明らかに農業の所得の把握がうまく行われていないために農業所得というのが非常に安いんだ、そういう立場で方針の変更というのをやらなければならないということだと思いますけれども、そういう方針でいくということになりますと、災害があっても税金は去年以上によけい取られるということの結果になるのじゃないか、こういうことを私は心配するわけなんでありまするが、その点、どういうふうにしてお考えになっているのか。
 この二点をお伺いしたいと思います。
○日向説明員 委員十分御存じと思いますが、水稲等につきましては、価格が安定しております関係上、これは農業所得標準の算定に当たりましては面積課税制度というのをとっております。国税庁といたしましては、クロヨン等の論議に絡みまして世上いろいろな批判がございますけれども、水稲等に関係いたしましては、従来からとっております面積課税の方式を今後とも基本的には変更する考え方はございません。しかしながら、水稲と言いましても栽培規模においてかなり差があるものが見受けられますので、大規模の栽培面積を有しているものにつきましては、たとえば収支計算等が課税の実情に適しているのではないかということが考えられる場合には、そういう方法も現地の関係市町村とかあるいは農業団体等の意見も徴しながら十分検討してまいりたい、こう考えております。
 それから、お尋ねの第二点目でございます今回の台風十号等の災害による被災を標準算定上どのように取り込むかという点につきましては、委員も十分御存じのように、私どもといたしましても、各地において水稲等を中心にして、たとえば新潟の北部地方等には大きな被害が発生しておるという報告を受けておりますので、これは所轄の国税局に指示いたしまして、関係市町村と十分協力してまず被災の実情を的確につかむ。それと同時に、来月からいよいよ農業標準の作成が始まりますので、この農業所得標準の作成に当たりましても被災農家の被害の実態というものを標準作成上適正に反映するように十分指導してまいりたい、こう考えております。
 なお、申し添えますが、農業用施設等について損失が発生した場合につきましては、その施設の未償却残高並びに後片づけ費用等を含めて、その年度の標準外経費として控除できるということになっております。
○松沢委員 とにかく相当の災害なんでありまするから、適正な課税というものが行われるように努力をしていただきたいと希望を申し述べておきます。
 もう時間がありませんから、もう一点だけ共済の問題でちょっとお伺いしたいと思いますが、いま米を販売するその販売の米というものは、農地法が変わってしまいまして、米選機のふるいの目というのは大体一・八になっているんですよ。一・七というものはほとんどないんですよ。ところが、共済の評価をやる場合における坪刈りとか、そういう場合におきましては一・七を使っているわけなんです。だから、共済の評価の場合においては実態とは違った計算になるのじゃないかと思うのですね。こういうのはやはり直さなければならぬところの時期に来ているのじゃないか、こう思います。
 それからもう一つは、農林省だとか県だとか農民の努力によりまして大変農業技術が進んできているわけです。栽培技術も進んできているわけです。そういう状況であるにもかかわらず、一筆単位の場合におきましては三割足切りをいまもなお使っていかなければならぬ理由はないじゃないかと私は思うのです。たとえば五百キロ取れるところでも、三割足切りとなりますと引受単収は三百五十ということになるでしょう。だから、収穫皆無になってもさっぱり金はもらえない、こうなるわけです。だから、栽培技術がここまで進んできたときに三割足切りという理屈が通らなくなってきているのじゃないか、こういうぐあいに私は思うのですが、これはすぐに改正するわけにもいかぬと思いますけれども、ふるいの目と足切りの問題、どうお考えになっているのか、ひとつ局長の方からお伺いしたいと思うのです。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 一・八ミリか一・七ミリかという問題でございますが、この点、私ども、実態として一・八ミリがあることは承知をいたしておりますが、私どもの見るところ、商品価値を高めるために一・八ミリということでおやりになっている問題であるように見受けられまして、どうもそれが直ちに収量をいかにして捕捉するかという問題とは別の次元なのではあるまいかという感じがいたしております。そういうふうに私どもも受け取っておりますので、ただいま御指摘の一・八というのは、共済の方で直ちにそれに合わせるべき性格のものであろうかどうかについて、私どもはちょっとにわかにそうであるというふうにも思いにくいように思っております。
 それから二つ目の、三割足切りの話でございますが、私どもは、まず個別の農業経営の中である程度までのリスクに対しては自家保険的な機能を元来経営内部に内蔵しておるというふうに考えるべきものではないかと思っておりまして、ただいま先生御指摘の農業技術水準の向上によっても、事柄の性質としてそういう自家保険的な要素が元来あるべきものであるという点は恐らく私どもは変わらないのではないかと思っておるわけであります。
 それはそれとして、しからば三割というパーセンテージ自体はどうかという問題でございますが、これは、当然ここをいじればまた掛金にも連鎖反応を生ずるわけでございまして、ここをいじることは必ずしも農家にとってうまい方向にばかり作用するという性質のものでもございませんので、そこはなお慎重な検討を要するのではないかと思っております。それで、もう少し被害割合が低い場合にどうかという問題については、三割という方で操作をするよりもむしろ農単半相殺とか、そういう方向でただいま先生が提起しておられるような問題に回答を出していくことの方が処理しやすいのではないかというふうにいまのところは思っておるわけでございます。
○松沢委員 時間が参りましたからこれで終わりますけれども、一つは、災害が予想以上の規模に拡大している、そういうことを御認識の上万全の対策を立ててもらいたいことと、いま私が提起しました共済制度の問題、これはにわかにどうこうは言えませんけれども、災害のたびごとに感ずることなのでございまして、ひとつ御検討を賜りたい、こんなぐあいに考えております。
 田中委員が待っておりますので、終わります。
○羽田委員長 松沢君の質疑はこれで終わります。
 次に、田中恒利君。
○田中(恒)委員 わずかな時間をいただきまして、災害の問題について、若干政策提起も含めて御質問をしておきたいと思います。
 実は林業関係の災害でありますが、私も集中豪雨の地帯を若干回ったわけでありますが、その際に、われわれの地域では小林道と言っておりますが、こちらでは大体作業道と銘打っておるものであります。ともかく山林所有者、森林組合、中には町も加わって相当たくさんな作業道があるわけですが、これが今度の災害で大分傷めつけられておる。これをこのまま放置しておきますと、いわゆる二次災害というか、これが引き金になって林地の荒廃、鉄砲水などの原因になる、こういうことも想定されるわけであります。私は、この作業道と称するものの持っておる災害の影響度というのは全国的には非常に大きいと思うのですね。この問題について、これは林野庁でしょうか、どういう御見解を持っておるのか。
 実は、私も大分傷んだ地域もあちこちで聞いておるわけですが、そういうところの町村長なんかと話すと、これは自力でやる以外手がないと言うわけですね。しかも、とばしておればまた二次災害を引き起こすバネになるということで非常に弱っていらっしゃるようでありますが、当面の災害復旧にこれらの作業道に対して何らかの手は打てないのか。林道については相当きめの細かい施策をお互いこれまで災害ごとに積み重ねてきておるわけですが、将来、作業道というものについて何らかの国の基準なり、あるいは町村が主体になっていくものなどについて、何か国として、林地の保全という視点からも対応策を考えなければいけないのではないか、こういうことを実はいま考えておるわけであります。私も災害の特別委員会に所属しておりますので、その方面でもこれは練っていかなければいけぬ問題のような気がして、党の方に提起をしておるわけでありますが、この際、この問題についての関係者の御意見をお尋ねをしておきたいと思うわけであります。
○鈴木説明員 お答えいたします。
 林業用の作業路の作設に当たりましては、地形、地質等の状況を十分に踏まえて路線の選定を行いまして、なお設計施工に当たりまして、のり面を安定勾配に保つとか、防災上の所要の工作物、たとえば側溝とか横断排水溝あるいは敷き砂利、こういうものを設置するなど、林地崩壊の原因にならないように、災害防止に十分配慮して作設するよう、今後とも十分県なりを指導してまいりたい、このように思っております。
 なお、最初のお尋ねの、現在の作業路が災害を受けた場合の当面の措置ということでございますが、これにつきましては、現在、造林事業を実施しておる場合におきましては、作業道路が災害を受けた場合、造林事業の補助対象ということで災害復旧の対象としてまいりたい、このように考えております。
○田中(恒)委員 私も、作業道を林道並みに特別に処置をしておる分野があるということもお聞きをしておりますけれども、今度の災害などを見てみると、やはりこの作業道に対する影響が周辺の林地を相当傷めておる。そういう影響がありありと見えるわけでありまして、これは全国の山の中を非常に広範に、全部走っておるわけですから、なかなか数字などでこれは出てきていない面が多いわけでありますけれども、相当大きな影響を持っていることは事実であります。そういう意味で、当面の災害対策について何らかの再建策をできるように配慮していただきたいと思いますし、今後とも、この作業道の問題について、林野庁当局は意欲的に対策を取り組んでもらうなり、場合によればモデル的な地区の調査などをしていただきたい、こういう御要望を申し上げまして、これは政務次官の方から、政策的な問題の提起になっておるのですが、御意見をお伺いをして、終わりたいと思います。
○玉沢政府委員 国土保全という面からきわめて重要な問題であると考えておるわけでございますので、十二分な処置を講ずるように努力をしていかなければならない、こう考えるわけでございます。
 以上です。
○田中(恒)委員 終わります。
○羽田委員長 田中君の質疑はこれで終わります。
 次に、武田一夫君。
○武田委員 私は、二つの問題を質問します。
 一つは、稲作の作柄状況が、私は東北地方を歩いてみまして、非常におくれているということで大変心配しているわけでありますけれども、あとまた台風や長雨による影響もありまして、果たしてどういうような状況を現在まで当局がつかんでいるのか。今後心配されているような不作の方向にいかないかどうかという見通しも含めまして、現況をちょっと知らせていただきたい。聞くところによりますと、どうも低温が続きまして三日ないし七日もおくれている。私も岩手、宮城、それから福島をずっと歩きましたが、全体ではないが、部分的には大変だめだという地域もありますね。そういう点も含めまして、それに台風の影響もありまして各地で被害もあるということですので、これは米の問題も非常に心配なものですから、その点をひとつお尋ねをしておきたい、こう思います。
○古谷政府委員 私どもで把握しております概況を簡単に述べさせていただきますと、七月十五日現在の早場の作柄につきましては、東北の北部は平年並み、東北南部及びその他の地域はやや良、また遅場地域につきましても、生育は七月上旬までは全般的に高温多照に恵まれて順調というふうに見ておったわけでございます。
 しかしながら、七月後半からの低温傾向によりまして、東北地方を中心として生育がややおくれぎみになってきております。北陸では、早場以外は全般的には平年並みないし平年よりややおくれという状況と考えております。また、全般的には茎の数が多目で、生育がやや軟弱になっていることから、一部地域ではいもち病の発生なり倒伏が懸念されているという状況もございます。
 九州におきましては、豪雨による冠浸水の影響、北陸、東海、近畿の一部では台風十号に伴う風雨によりますいわゆる白穂の発生、こういうものが懸念されているという状況でございまして、私ども、この状況に対応して、必要な技術対策の充実に努めていきたいというふうに考えておるところでございます。
○武田委員 十日前後に上がったときには、大体十五、六日ごろ、お盆のころからちょっとお天気がよくならないと東北は大変だという状況ですが、電話なんかを入れて聞いてみましても、どうも宮城県なんかも天気がよくない、雨がぱらついているという状況ですし、技術だけの問題でこれは対応できなくなってきているのじゃないかと思うだけに、私は、こういうことを考えると、米がそんなに十分ないような気がします。
 特に良質米は大体ないわけでありまして、大変な状態にならないという保証はないので、来年の米は大丈夫かと言うと、米が余っていると言うのですが、これは平年作でいけばそうであるでしょうが、多少不作となった場合、果たして米の需給というのが間違いなく、心配なく保証できるかという問題ですね。一つだけ確認をしておきたいと思うのですが、これは大丈夫ですか。どうでしょうか。
○渡邉(文)政府委員 五十七米穀年度の状況は、先ほどもお答えいたしましたが、本年の十一月には約六十万トン程度の持ち越しができるようにいま操作を懸命にいたしておるわけでございまして、本年の米の作柄につきましては、いろいろ御懸念もありますが、いまのところ、一部のそうした状況とそうでないやや良の地帯の状況も伝わってきております。八月十五日現在の作況も近く出るかと思いますが、そういうところにも十分注意を払ってまいりたいと思いますが、この状況からすれば少々の不作でも持ち越し量は十分カバーされるので、私ども需給上心配はないというふうに考えております。
 なお、作況は私どもは十分注意して見てまいりたい、このように考えております。
○武田委員 それじゃ、もう一つ、これは水産庁にお尋ねします。井上部長さんおいでですが、大変御苦労さまでございます。
 日米両政府間で先ごろ基本的に合意したいわゆる新日米漁業協定の問題ですが、いろいろ聞くところによると、日本側にとっては厳しいものがあるのじゃないかということでありまして、その中身について、今後の対応についてお尋ねします。
 一つは、対日漁獲割り当ての際のわが国との協議事項というのが削除されて、さらに分割割り当ての明文化がされ、その割り当ても、ブロー法を背景に、日本側の対米漁業協力度を見て決定するなどというような内容のものがその中に含まれているということであります。これは、日本側にとっては、特に日本の遠洋漁業というのは、六割ですか、アメリカの水域の中で操業をやっているということで、非常に心配だということを漁業関係者が言っているわけでありますが、その中身が一方的な内容のように見られるが、果たしてそういう心配がないものかどうか。
 特に漁業協力の度合いによって割り当てを決めるのだというようなことになれば、かつてニュージーランドが魚をとらせるから乳製品を買えとか、あるいは松の材木を買えとか、そういう難問を持ってきたということもあるのですが、そういうようなおそれがほかの分野でも出てこないか、ほかの国の海域での操業にもそういうことが波及してくるのではないかというおそれがある。ですから、こういうことに何か歯どめをかける必要があるのではないか、そういう心配が一つあるわけであります。これについてどういうふうな対応を考えられているか。
 それから、ブロー法というものが非常に厳しくわが国の漁業に迫ってきているようなのでありますが、この法律というのは、将来これによって米国の水域から外国漁船の締め出しも意図しているのではないかということを言う方もいるのであります。そういうことは考えられないものかどうか。そういうことがあるとすれば、日本の水産の政策上どういうふうな対応をしなければならないか。
 こういう三つの問題について、時間がありませんので、ひとつ一括してお答えをいただければと、こう思います。
○井上説明員 お答えいたします。
 現行の漁業協定は一九七七年に協定をいたしまして発効したものでございますが、この五年の間に、アメリカの水産関係の法律で重要な条項を含む法律改正があったわけでございます。ただいま先生御指摘になりましたいわゆるブロー法というのがそれでございまして、アメリカの漁業振興をする、そういうのを念頭に置きまして、外国に割り当ていたします場合にも、アメリカの漁業振興との関連、つまりアメリカの漁業に対してどの程度協力するのか、そういうことを見ながら漁業割り当てをしていくとか、あるいはアメリカの発展します漁業につきましては漸次外国漁業を締め出していく、そういった、いわゆるフェーズアウトと言っておりますけれども、それを内容といたします法律が一昨年の暮れに成立されたわけでございます。アメリカといたしましては、基本的にアメリカの漁業を振興させていく、それとの関連において外国の漁業に対して割り当てをしていく、こういう基本的な方針があるわけでございます。
 現行協定のもとでも、すでにこのブロー法の改正を受けまして、昨年から日本に対する割り当ての方式というのは実質的に変わってきたわけでございます。すなわち、漁獲量の割り当てにつきましては、アメリカの水産業の振興に対する協力度合いを最重点に置いてくるということでございます。現に、ことし問題になりました洋上買い付け、いわゆるジョイントベンチャーなどに見られるのは典型的な例でございます。
 それから割り当て方式につきましても、ことしから年に三分割方式、つまり一月、四月、七月というように年に三回に分けまして分割をしてくるような方式に変えておりまして、現行協定のもとにおきましても、アメリカのそういったブロー法の改正を受けまして、実質的な割り当てについての変更が行われてきているわけでございます。
 今回の漁業協定の改定に当たりましても、アメリカ側は、こういう法律の改正の経緯を受けまして、それを日米協定の中に織り込んでくるという提案をしたわけでございます。これは単に日本ばかりでなしに、台湾でありますとかあるいは韓国、スペイン等についても同様の案文の提示をしてきたわけでございます。その限りにおきましては、従来と中身は違っているわけでございますけれども、わが方といたしましても、従来の日米関係、特にわが国がアメリカの水域に大きく依存をしているという実態、あるいは日本の漁業がアメリカの漁業に対して、その漁業発展につきまして十分協力をしてきた、こういう実態を踏まえまして、極力現行協定に近づけるべく努力をしたわけでございます。
 協定本文そのものにつきましては、向こうの提案を修正させるということはなかなかむずかしかったわけでございますが、合意議事録という形におきまして、割り当ての協議におきましても、その協議の結果を割り当てに反映させるというようなこと、あるいは年間一本の割り当てから分割割り当てに移行します場合にも、年間の割り当て量が十分わかるような通知をしてくれること、あるいはその運用についても柔軟な運用をしてもらうこと等を合意議事録の中身に織り込みまして、実態的には現行協定とさほど違いのない、そういう運用ができるものを確保した、そのように考えているわけでございます。
 協定本文そのものも非常に重要でございますが、同時に、アメリカ側との間では毎年毎年の実際の協議が重要でございます。遠洋漁業がアメリカの水域に相当依存している、こういう事実にかんがみまして、アメリカ側との協議を十分いたしまして、協力すべきところは協力することによりまして日本の漁獲割り当て量の実績を確保する、このように努力をしていきたいと考えておりますし、また、そうすることが日本の遠洋漁業の実績確保につながる道である、このように考えている次第でございます。
○武田委員 ブロー法というものによって今回の合意した新協定は手直しされているということは明らかです。日本はアメリカから、正直に言って一番魚をとっているわけです。ですから、これがどんどん漁獲量が多くなってくると、不思議なことに締め出しが強くなるということですね。いいお客様を締め出すということなんですね。ですが、そういうふうなブロー法によって、今後こういうような日本の水産業界に大変な不安を与えるようなことであっては困ると思うわけです。これはエスカレートしていくことがないという保証もないわけですから、この際、やはりよく話し合いをしながら、よく歯どめをかけるような日本側の対応も必要だと思うのですね。これは水産庁やあるいは農林水産省だけの力ではなくて、外務省なんかも相当外交的な働きかけもしてもらいたい、こういうふうに思うわけです。
 それで、これと関係して、IWC、国際捕鯨委員会の第三十四回の年次会議における決定、これも関係してくると私は思っているのです。特にアメリカが熱心に捕鯨、鯨の捕獲の禁止ということを言っているリーダーであって、こういうことを考えますと、これが今回の漁業協定のさっき話の中で出た漁業協力の一つにも入ってくるのではないかと私は思うのです。要するに、たくさん魚を買うとか技術協力をするとか、いろいろある中の一つに、日本がもし鯨の問題で何かいちゃもんをつけてきたらこれでまた云々というような心配がないかというと、私は大いにあるのじゃないかと思うのですが、この点、どうですか。これとは別々に離しては考えられないと思うのですがね。
○井上説明員 先生の御指摘の点は、IWCでの決議、つまり三年間の猶予期間を置きます捕鯨の全面禁止の措置に関連した御質問だろうと思うわけでございます。
 御案内のとおり、アメリカのいわゆる二百海里法の中には、IWCの決定の効果を減殺するような行為がありました場合に、その国に対する漁獲量を初年度五〇%、その次年度一〇〇%削減をする、こういう規定があるわけでございます。IWCの決定に対しましてどのような措置をとるかにつきましてはいまなお慎重に検討中でございますが、仮にIWCの決定に対しまして異議申し立てをする場合に、この異議申し立てがそのようなIWCの決定の効果を減殺するような行為に当たるのかどうかということが問題になるわけでございまして、仮にそういうような行為になるといたしますと、日本の遠洋漁業に対する非常に大きな影響が危惧されるわけでございます。先ほど御答弁申し上げましたように、わが国の遠洋漁業の六〇%近くがアメリカの水域に依存をしているというような状況でございます。こういうことも十分に念頭に置きながら、また、当然のこととして捕鯨法等も十分に考える必要があるわけでございますが、捕鯨問題についてはさらにアメリカ側と十分な協議を続けてまいりまして、適切な対応策をとるように考えているわけでございます。
○武田委員 時間が来ましたので、最後に、外務省の方、来ていますか。いまいろいろと対外的な問題を考えるとき、外交というのは非常に私は重要な問題として考えているわけであります。いま教科書の問題でいろいろと御苦労なさっている文部省、外務省の関係ですね、この間は通産、外務、ブロック書簡の問題等々、いろいろと外務省さんの名前が出てきますが、私は、海を隔ててたくさんの国を抱えている日本にとっては、外務省の力というのも、よきにつけあしきにつけ、ずいぶん大きく発揮されると思うのです。
 漁業協力あるいはまたいろいろな貿易の問題につきましても、外務省もいろいろと御協力はしていただいているようでありますが、この際、一層連携を密にしながら、今後外交関係がスムーズに行き、その中で食糧問題あるいは水産漁業の問題等が円滑にいくような対応を私は真剣に考えていただきたい。いままでも考えていると思うのでありますが、これから一層重要な立場に置かれると思うだけに、そういうことについての対応をいかがお考えになり、いかがな方向で今後取り組んでいかれるか、この問題をお聞きいたしまして、時間が参りましたので質問を終わります。
○松田政府委員 お答え申し上げます。
 外務省の仕事の中におきまして、広い意味での資源、あるいはただいま御議論賜っております水産業というものが非常に大きなウエートを持っていることは、ただいま御指摘いただきましたとおりでございます。たとえば水産に関して申し上げますならば、今次日米漁業協定改定交渉も、水産庁の各位とともども、私どもも微力を尽くして御協力申し上げましたし、また、漁業一般につきましては、外務省経済局に漁業室という専管の課を設けましてそのような仕事をさせております。日米関係のみならず、日ソを含めまして、対外水産関係万般につきまして、所管庁の水産庁ともども、今後とも最大の努力を続けてまいる所存であることを申し上げたいと存じます。
○武田委員 終わります。
○羽田委員長 武田君の質疑はこれで終わります。
 次に、藤田スミ君。
○藤田(ス)委員 まず最初に、災害問題で二点お伺いをしておきたいわけです。
 先ほども佐野局長の方から、自作農維持資金の枠を拡大するということをお約束いただいたというふうに私は認識をいたしましたけれども、これは農民にとっては生活運転資金として最も切実な要求になっております。昨年も被害が非常に大きく、連年災害だということで、その限度額を百五十万円から二百五十万円に引き上げる措置をとっていただいているわけなのですが、ことしは、とりわけ、議員立法とはいえ、天災融資法と激甚災害法の改正が行われて、それぞれ二五%の引き上げとなっているわけです。こういう状況のもとですから、なおのこと、去年とられた百五十万円を二百五十万円に引き上げるというその枠を下回ることのないように、ぜひ枠拡大を行っていただきたいと私は考えるわけですが、まず、この点についてお伺いいたします。
○中川説明員 お答えいたします。
 今回の災害に伴います自作農維持資金の貸付限度額の特例措置につきましては、現在、被害状況の把握に努めているところでございます。その調査結果を待ちまして、被害の実情に即し適切に対処してまいりたいと思っております。ちゃんと二百五十万円は守るようにいたします。
○藤田(ス)委員 枠は昨年よりも下回らないということでお約束をいただいたと受けとめておきます。――うなずかれましたので、次に移ります。
 私は、今度の十号台風とその後に続きました豪雨で、特に奈良県と大阪府の災害地を調査してまいりました。きょういただきました資料の中にも、とりわけ大きな災害地として、その一つに奈良県というのが挙げられておりますが、恐らくあの奈良県の災害というのは大和川水系を中心とした地域であって、この点では大阪府でも大変大きな被害を受けておりますし、大阪府南部の被害も大きかったわけです。こういう災害から得た教訓というのは、それを繰り返さないために十分生かしていかなければならないし、それによって対策を強化していかなければならないと思います。
 もちろん、今度の災害の大きな原因としては、開発のテンポに比べて中小河川の改修が非常におくれているということなどもあるわけです。しかし、同時に、重要な要因としては、開発、とりわけ乱開発で森林が削られ、水田がずいぶんつぶされています。そして、ため池も減少しているわけです。つまり、これまで雨が降ってきましたときに水田とかため池とかで一たんためられて、それから徐々に川に流れていっていた状態が大変変わってまいりまして、一遍に川に流入するという環境の変化が大きな災害を招いたと言えるのではないかと思うわけです。
 現に大阪府でも、昭和四十五年耕作面積二万九千九百ヘクタールが、五十六年には二万一千四百ヘクタールと、八千五百ヘクタール減少して、三〇%減です。それからため池は、昭和四十五年一万四千三百一個から、昭和五十六年には一万二千四百五十一個、つまり千八百五十個減少しまして、一三%減、こういうことで、水田あるいはため池がどんどん宅地などに転用されていっているわけです。しかも、そのため池自身が今度決壊をいたしまして被害をつくり出す、そういう深刻な問題も出ているわけで、私は、この点で政府に責めを問わなければならないところが多くあると思うわけです。
 いろいろありますが、きょう、私は、ため池の問題にしぼってお伺いをしておきたいわけです。
 全国で被害が出ているため池の被害状況、これはつかんでいらっしゃいますか。これに対して、災害復旧事業、台風シーズンが控えておりますので、これは緊急に取り組んでいただかなければならないわけですが、その見通しはいかがなものなんでしょうか。
○中川説明員 お答えいたします。
 このたびの台風十号によりまして、農地、農業用施設については甚大な被害を生じており、農業用ため池につきましても被害の報告を受けておりますが、現在、被害を取りまとめ中でございます。ただいまわかったところでは、約九百カ所被害を受けております。
 これらの復旧対策につきましては、被災後直ちに係官を現地に派遣いたしまして、緊急地区の応急工事、被災個所の復旧工法等について指導を行っているところでございます。また、復旧事業につきましても、事業主体の準備が整い次第緊急査定を実施いたしまして、早期に査定を終了させることといたしまして、通常では全体で三カ年完了でございますが、特に緊急を要する農業用ため池については早期に完了するように努めてまいりたいと思います。
○藤田(ス)委員 三カ年完了を早期に完了するようにというのは、今回の決壊があった場所に対してでございますか、それとも老朽ため池に対してでしょうか。
○中川説明員 ちょっと舌足らずで失礼いたしましたが、災害復旧事業は全体として三カ年間で完了するというふうになっておるのでございますが、ため池のような重要施設については二カ年でも完了させたい、そういうふうに考えております。
○藤田(ス)委員 できるだけ早く対策を講じていただきたいということをお願いしておきます。
 ところで、この老朽ため池の問題なんですが、今回災害が起こらなかったところについても、老朽ため池は非常に危険だ。これは水を受けなければならない、防災上も一定の役割りを果たさなければならないにもかかわらず、被害を巻き起こすという危険な状態を一番持っているのがこの老朽ため池なんです。私の住んでおります堺市内でも百九十カ所あるというのですが、全国では一万数千カ所だというふうに言われております。これらの整備計画はぜひ急ぐべきではないかと考えますが、この点でどういうふうな見通しになっておりますでしょうか。
○中川説明員 お答えいたします。
 昭和五十四年度の調査によりますと、全国の農業用のため池が約二十五万カ所ございまして、このうち改修を要します受益面積五ヘクタール以上のため池でございますが、これは約一万カ所あるようになっております。これについては鋭意その整備に努めておりまして、五十四年度から四カ年間に約千八百五十カ所について採択し、現在、改修を実施いたしております。
○藤田(ス)委員 そのテンポでいきましたら、一万カ所こなしていくのはなかなかでしょう。私は、これは急いでもらわなければいけないと思うのですね。今回の災害の経験から、このため池の貯水容量はもう下げてはならないなということと、それから都市の防災上、もう一度その役割りについては見直していかなければならないのじゃないかということを私は感じたわけです。
 ところが、現実に私の地元でも、ため池を半分用地に変えて、それで地元負担をひねり出しているというのが実態であります。これは、水田面積が減少して、受益者がそれに伴って減少していっている、したがって負担率が非常に高くなっていっている、だから改修に要する費用はそういう形で捻出しなければならないという苦肉の策なんでありますけれども、しかし、それでは防災上から考えると大変困るわけで、こういうところにこそお金をかけないと、結局ロスにロスを重ねていくだけで、まさに行革と言うなら、こういうところにお金をうんとかけて、災害を防止してロスをなくしていくということが非常に大事じゃないかな、そういうふうに思うわけです。そこで、負担率の軽減を検討していただきたい、これが一点です。
 それからもう一つは、このため池についてはいままでは利水という面で活用が考えられていたのですが、今後はやはり治水、特に都市部のため池については治水ということも考えに入れて、総合的な対策をとっていかなければならないという点で、私は、そういう立場での総合的な研究というのをいま急ぎ行っていかなければならないのじゃないかというふうに考えますが、この点はいかがでしょうか。
○中川説明員 お答えいたします。
 農業用の老朽ため池の整備につきましては、防災事業といたしまして、国の補助率としては六〇%として、ほかの事業に比べますと非常に高率な助成をしているわけでございまして、それに、そのあと二〇%を大体各県とも負担いたしまして、残りの二〇%につきましても、私どもも全部調べておりませんが、半数以上の市町村が一〇%以上の負担をしているというような状況にございまして、受益者負担ゼロということにもなっておりませんが、できるだけ負担率は軽減するようなことで実施されております。
 また、先ほどの御質問にございましたように、ため池の整備も何年かかるかというようなお話もございましたが、ほかの予算に比べますと平均以上の伸び率を与えまして老朽ため池の予算を伸ばしておりますので、あとは、災害時におけるため池の管理について安全対策をとるように、いろいろと指導してまいっているところでございます。
○岸政府委員 研究面につきましてお答え申し上げます。
 先生御指摘のように、この問題につきましては研究としても大変重要だと考えておりまして、従来、農業土木試験場におきまして、経常研究におきましてもずっと研究を続けておりますが、特に今回のような問題もございますし、先ほど御指摘いただきましたような問題もございますので、五十八年度からの予定でございますが、特別研究として、このため池の問題につきまして、特に農業用フィルダムの安全性向上技術の開発といったような観点から試験研究を実施してまいりたい、そんなふうに考えております。
○藤田(ス)委員 ため池の改修に対して国が特段の努力を払っていただいているということを決して否定するものではありませんけれども、非常に大事な問題ですし、今回の災害の教訓からも一層積極的な取り組みを期待したいと思います。
 研究については約束をしていただきましたので、ぜひこの研究に着手していただくように期待をしておきます。
 もう時間がありませんので、大変恐縮なんですが、今国会最後ですので、私は、婦人の問題について一点だけお伺いをして、これで終わりにしたいと思います。
 婦人に対するあらゆる形態の差別撤廃条約の批准を六十年度をめどにして、政府としても国内行動計画後期重点目標を設定して取り組みを進めております。農水省としても努力をしていただいているわけですが、この「婦人に関する施策の推進のための「国内行動計画」後期重点目標」というのを見ましたら、ここでは農漁村の婦人についていろいろとその目標を掲げているわけです。この文章を見ますと、私はどうしても、農水省自身が掲げた国内行動計画を達成するためにいま求められているのは、普及事業の拡充を抜きにしては考えられないことだというふうに考えるわけですが、この点、農水省としてどういうふうな見解を持っていらっしゃるか、改めてここでお伺いをしておきたいわけです。
 もう一点は、にもかかわらず、近年普及員の数は年々減少してまいりまして、いまもう普及員一人当たりの担当は何と二千三百十戸というふうな農家担当になっております。その上に、今回臨調答申で、「普及事業については、生産性向上のための事業への重点化、生活改善普及事業の見直し等事業内容の刷新と効率化を図る。」というふうに言い出しまして、あわせて地方公務員に対する人件費補助についても云々をしているわけです。こういうことでは、私は、あと二年に残された後期重点目標が本当に達成するのかという、非常に危惧を持っているわけですが、この点でどういうふうな御見解か、お伺いをしておきたいと思うのです。
○古谷政府委員 お答え申し上げます。
 いま御指摘のように、国内行動計画の後期重点目標で「農山漁村婦人の福祉と地位の向上」、その中で農業経営、技術の普及、指導あるいは住みよい生活環境の普及、指導等の目標が掲げられておるわけでございまして、私ども、これを現地で受けとめるものはやはり農村地域に広く配置されております普及職員、なかんずく生活改善普及職員であろうという意識を持っております。
 ただ、定員につきましては、これは国家公務員のいわゆる定員管理計画というものに準じまして削減するのはやむを得ないわけでございまして、やはり普及事業自体の合理化なり効率化ということを図ることは、行政としても当然進めていかなければならないわけでございますので、全体の普及事業自体の効果が削減されないように私どもとしても進めておるわけでございます。
 また、第二臨調の答申との関係でございますが、これは、御承知と思いますが、やはり生活改善普及事業につきまして批判がかなりいろいろあるわけでございます。農家の生活水準が向上してきているのに、農家だけについてのそういう事業が要るのかという意見、あるいは現行の普及活動というのが具体的な農村のニーズに合っているかというふうな意見等が混在して述べられておるわけでございますが、私どもとしましては、やはり普及事業の今後の農政における重要性ということにかんがみまして、この事業に対する理解を深めるよう、さらに努める考えでございます。
○藤田(ス)委員 時間が参りましたので、また次の国会のときにこの問題について深めていきたいと思いますが、生活改善普及員に対するその事業の重要性についてはお認めいただいた、そしてなお、今後、それが農村の婦人にとって非常に大事な役割りを果たしていくんだという点についても、そういうふうに考えていらっしゃるというふうに私は受けとめました。日本の婦人の分野の中でも一番おくれているのが農村、山村の婦人だというふうに言われております中で、私は、農業改善普及員の皆さんが今日まで並み並みならない努力をして、農山村の婦人を励まし続けてきたというふうに思いますし、ゆめゆめ行政改革、臨調答申などということでこの事業が後退することのないように申し上げておきまして、私の発言を終わります。
○羽田委員長 以上で本日の質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
○羽田委員長 これより請願の審査に入ります。
 今国会において、本委員会に付託になりました請願は全部で百五十二件であります。
 本日の請願日程第一から第一五二までの請願を一括して議題といたします。
 各請願の内容につきましては、請願文書表等によりましてすでに御承知のことと存じます。また、理事会におきましても慎重に検討いたしましたので、この際、各請願についての紹介議員からの説明等は省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○羽田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 これより採決いたします。
 本日の請願日程中、第三ないし第二一、第二三、第二六、第二八、第四一ないし第五一、第六四、第七二ないし第七九、第八四、第八七、第九一ないし第九三、第一〇五ないし第一一一、第一二七、第一二九及び第一四九の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○羽田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 ただいま議決いたしました各請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○羽田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○羽田委員長 また、本委員会に参考送付されました陳情書は、食糧管理制度の拡充に関する陳情書外八件の外四十六件であります。念のため御報告申し上げます。
     ――――◇―――――
○羽田委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。
 すなわち
 農林水産業の振興に関する件
 農林水産物に関する件
 農林水産業団体に関する件
 農林水産金融に関する件
 農林漁業災害補償制度に関する件以上の各件につきまして、閉会中もなお審査を行いたい旨、議長に申し出たいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○羽田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次に、閉会中の委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中審査案件が付託になり、その調査のため委員を派遣する必要が生じました場合には、その調査事項、派遣委員、派遣期間、派遣地並びにその承認手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○羽田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時五十六分散会