第096回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第6号
昭和五十七年三月十日(水曜日)
    午前十時三十三分開議
 出席委員
   委員長 吉田 之久君
   理事 上草 義輝君 理事 小渡 三郎君
   理事 川田 正則君 理事 高橋 辰夫君
   理事 上原 康助君 理事 島田 琢郎君
   理事 吉浦 忠治君 理事 部谷 孝之君
      臼井日出男君    奥田 幹生君
      高村 正彦君    國場 幸昌君
      近藤 元次君    佐藤 信二君
      泰道 三八君    中村正三郎君
      伊藤  茂君    松本 幸男君
      玉城 栄一君    瀬長亀次郎君
      菅  直人君
 出席政府委員
        防衛施設庁施設
        部長      伊藤 参午君
        沖縄開発政務次
        官       田原 武雄君
        沖縄開発庁総務
        局長      美野輪俊三君
        沖縄開発庁振興
        局長      藤仲 貞一君
        外務政務次官  辻  英雄君
        自治大臣官房審
        議官      津田  正君
 委員外の出席者
        文化庁文化財保
        護部記念物課長 小埜寺直己君
        文化庁文化財保
        護部無形文化民
        俗文化課長   富張  昇君
        農林水産大臣官
        房地方課長   川村 浩一君
        農林水産省構造
        改善局農政部農
        政課長     吉國  隆君
        農林水産省構造
        改善局計画部計
        画調整室長   大脇 知芳君
        農林水産省構造
        改善局建設部水
        利課長     長野 孝夫君
        林野庁林政部管
        理課長     米田 博正君
        林野庁指導部治
        山課長     小澤 普照君
        林野庁業務部経
        理課長     鈴木 一郎君
        通商産業省貿易
        局輸入課長   横山 太蔵君
        資源エネルギー
        庁公益事業部業
        務課長     植松  敏君
        自治省財政局指
        導課長     木村  仁君
        特別委員会第一
        調査室長    長崎  寛君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 沖縄振興開発特別措置法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出第二〇号)
     ――――◇―――――
○吉田委員長 これより会議を開きます。
 沖縄振興開発特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小渡三郎君。
○小渡委員 自治省はおいででございましょうか。
 昭和五十六年三月二十七日、地方税法の改正が行われました。国会を通過して成立したのでございますが、その中で、事業税の課税客体が追加をされております。その追加された分は、不動産の貸付業とそれから駐車場業、デザイン業並びにコンサルタント業でございます。これらの追加された業種につきましては、個人の事業税、すなわち県民税の課税客体として法律で列挙されたわけでございます。
 これを受けて、昭和五十六年九月二十五日には、自治省の税務局府県税課長発として、各都道府県総務部長あてに「個人事業税における不動産貸付業の認定について」を主題とする通達が出されているわけでございます。その結果、沖縄におきましては、米軍に提供いたしております軍用地の地主も、不動産貸付業としての課税対象になることとなったようでございます。
 県の税務課長が、これらの地主の皆さんで構成をしております地主連合会の説明会に今年の二月二十五日に出席をいたしまして、課税対象期間は昭和五十六年一月一日から五十六年十二月三十一日までの一カ年間とする、そして課税に当たっては、駐車場の場合は十台以上のスペースであること、建物の貸し付けの場合は室数が十以上であるということ、住宅用土地の場合は十件以上の契約であるということ、面積の要件としては二千平方メーター以上であるということ、それから二百二十万円以上の場合は百分の五の課税をするということ、すなわち、二百二十万円以下の場合であっても、他の収入があればそれと合算をして課税をするという説明。さらには、賃貸状況からいたしまして、課税しないこととすれば著しく他との均衡を失すると考えられるようなものについては、件数とか面積とは関係なしに課税をするということで差し支えないものであることなどの決定がなされたことについての説明が行われておるわけでございます。
 すなわち、県の税務課長が土地連で説明をする状況から見まして、二月二十五日現在では、自治省としては、不動産貸付業というのは軍に提供している土地の地主も該当するというぐあいに解しておられたのかどうか、その辺をお答えいただきたいと思います。
○津田政府委員 お答えいたします。
 不動産貸付業につきましては、御質問にありましたとおり、昨年度の税法改正で措置をすることにしたわけでございます。それの扱いにつきましては、大体先生がおっしゃられたとおりの点でございますが、軍用地等の扱いにつきましては、実は二月二十五日、沖縄県の税務課長の説明が具体的にどのように説明したか、事前に連絡等は受けておらなかったような状況でございます。
 この軍用地等に対する問題につきましては、やはり特殊な事情等もあるので、特段の配慮等も必要かと存じております。その時点におきましては、特に私どもの明確な見解というものは出しておらなかった状況でございます。
○小渡委員 どうもおかしいですね。どうしてもこれは議事録をあけてみなければならなくなりました、そういう御答弁ならば。これは、いまも御説明申し上げたように、二月二十五日午後二時から行われた県税事務所からの説明会の議事録でございますけれども、この中に、軍用土地連合会の方から質問が幾つかなされているわけでございますが、自治省としての見解は、その時点で別にはっきりした指示はしていなかったのだというような意味の御発言のように聞いているのでございます。
 ところが、「自治省から軍用地は事業として認定しないという指導なりがあった場合はどうなりますか。」こういう質問があるのです。事業ではないという認定があった場合には課税するのですかどうですかというようなことがあるのです。そうしたら、それに答えて税務課長の真玉橋景昭さんは、「自治省からそういう通達がありました場合には私達は七十二条から外します。」こう言っているわけです。裏を返せば、課税対象になるのです。ということは、県の税務当局が勝手にそういうことを決めたのではなくて、皆さんの方から何か内示がない限り、課税するのだということは、県内ではそういう発言は公式の場所でしないはずなんです。だから、二月二十五日までには少なくともあなた方の方から何らかの説明がなされたというぐあいに私たちは解しているわけです。もう一度お答えください。
○津田政府委員 個人事業税におきます不動産貸付業の認定の問題につきましては、先ほど先生がおっしゃられました、たとえば住宅の場合はどうか、あるいは住宅用地の貸し付けの場合はどうかというような扱いにつきまして、昨年の九月二十五日付で出しておるわけでございます。特に先生御指摘の軍用地の問題につきましての通達その他は、その段階では全然出しておらない状況でございます。
○小渡委員 ことしの二月一日に、自治省の野上管理官が沖縄においでになっておりますね。これは二月二十五日以前です。そのときに、県の税務課長真玉橋景昭氏が野上管理官に質問しているのです。それは議事録の中に載っているのです。二月二十五日の土地連に対する説明会で次のようなことを言っているのです。「沖縄県においては軍用地というものがあって、それは強制的に国の政策でもって接収されたものであり地主の意思は働いていない。よってこの土地を自由意思によって利用しようと思ってもどうにもならない状態にある。国は国策によってこの軍用地を維持運営しており、貸アパートとして投資あるいは経費をかけてやっている事業とは全く形態が違いますということを細かくご説明申し上げたのですけれども、結果的には軍用地料収入と普通の事業をやっているものとの間に不公平があってはならないということになり、課税しなければならないという結論になった訳でございます。」と説明をしているのです。
 それなのに、私が先ほど申し上げた九月何日かの通達、あれを読ませていただきましたけれども、その第三項に明確に軍用地料云々ということは規定されていないけれども、そこの解釈としてはこういう解釈だというように解されるようなことを、野上管理官と話し合いをして結論が出て、そして二月二十五日の説明会には出ているのですよ。したがって、そんなことは言った覚えはありませんというようなことは言っておられないけれども、それに似通ったような言い方ではおかしいと思う。
 当時は、少なくとも課税をするのだという立場に立ったと私は思うのですよ。その辺ははっきり言っていいのじゃないですか。いまは違うことは僕はわかっている。あらゆる意味でこれは確認したいから質問しているのであって、その時点ではどうだったのか。そうすると、野上管理官というのはうそを言っているのだ、それからまた、真玉橋税務課長もこれはおかしいということになりまして、問題はさらに波及していくのじゃないですか。どうですか。
○津田政府委員 府県税課の担当官が、当時沖縄県におきまして、税務課長等との話し合いの席でどのようなやりとりを行ったか、これは詳細承知しておりませんが、いずれにしましても、その出張した際におきましては、この軍用地等の扱いの問題についての出張ではございませんで、たまたまその際に税務課長さんといろいろなお話が出たのかと存じます。そのときに、一般的な通達の解釈を具体的にどう考えたらいいかというようなやりとりがあったのではないか、このように思う次第でございます。
○小渡委員 では、さらにもう一つお尋ねしておきましょう。
 この議事録によりますと、税務課長真玉橋景昭氏は「九月二十五日付で出された通達は、例えば貸アパートの場合には十室以上、土地の場合には二千平方メートル以上はそれぞれ事業とみなすということで、それ以下については除外するという考え方からできた通達なんです。やはり社会通念から課税しなくてもいいという考え方だと思います。ですから、私共はその基準を判断して、基準以上の収入のある方々はたとえ一の契約であっても課税の対象として考えております。」それで会員の方から「そうすると、収入基準でもって事業とみなすということですか。」税務課長答えて「収入基準でやる場合もある訳です。」それから直税係長が「事業とみなした根拠を申し上げますと、本法七十二条に不動産貸付業が入ってきたということです。これを受けまして通達の第三章四の(3)のイ、ロ、ハが関連してきますが、それでもなおすっきりしないものだから、内簡で判断した訳であります。」そこで「その内簡とはどういうものでしょうか。」こうお聞きしている。それに答えて直税係長は「通達と理解すればよいと思います。先ず通常、本法、通達がありまして、後は事務取扱いのようなものが自治省から出される訳です。この事務取扱いの中で、軍用地のように不明りょうなものあるいは取扱い上非常に困るようなものの取扱いが指示されている訳です。」こうあるのですよ。
 そして、今度は、「今おっしゃる通達の写しを戴けますか。」という質問になっているわけです。そうしたら「後日差上げたいと思います。」では、この通達をここへ出していただけませんか。そして、内簡ですよ。「取扱い上非常に困るようなもの」があるので、その「取扱いが指示されている訳です。」こうあるのだから、では、その指示された取り扱いというのを見ないことには困る、そうなってくるのじゃないですか。だから、二月二十五日までには自治省の態度は一体どうだったのだということを僕は聞きたくて仕方がないわけだ。それを何とか、これは県の方がそういう発言をしたのじゃないですかねというような言いっぷりじゃ非常に困るわけです。そういう言い方では県の立場もなくなりますよ。ちゃんとここにあるじゃないですか。議事録ですよ。
○津田政府委員 私ども、地方税法の扱いにつきまして、先生も御承知と思いますが、まず大きな問題等につきましては次官名の依命通達というのを出しておるわけでございます。これも先生一部御引用されたので御承知かと思います。そのほか、さらに細部につきまして、課税当局が迷いを生ずるような問題につきましては、特に不動産貸付業の問題につきまして、先ほど申しましたように、私どもの府県税課長名で昨年の九月二十五日、扱いを出しておる。このものでございますけれども、いま手元に持っておりますので、後で先生のところに置いてまいります。
 それで、この通達と申しますか、府県税課長内簡は、ごらんいただきますればおわかりのとおり、各道府県総務部長、東京都主税局長あてでございまして、全国的な諸問題、住宅等に対するあり方ということについての扱いを流したものでございまして、沖縄県におきます軍用地等の問題についての扱いを特に決めたものではございません。
○小渡委員 それはそのとおりですよ。いま御説明のあったその通達には、軍用地料がどうのこうのということは書かれていないです。うたわれていません。だから、それを言っているのじゃなくて、少なくとも県の税務当局が土地連で説明会をしているこの膨大な議事録の中で、自治省からの指示でそうなっているのだということを言っているわけですよ。だから、どういう指示があったのか。取り扱いで非常に困る、どう解釈していいかわからぬという場合は自治省に伺いを立てて、自治省からこうせい、ああせいという取り扱いの要項、要領のようなものが出るはずなんですよ。ないままに、県の税務当局がそんな新設の課税客体、それも明瞭でないものに対して、これは課税対象だということをはっきり言うということはないのじゃないですか。そのことを言っているわけです。
○津田政府委員 お答えいたします。
 いわゆる自治省の指示と申しますのは、この昨年の九月二十五日の内簡でございまして、軍用地に対する扱いについての指示はいたしておりません。
○小渡委員 それじゃ、県の税務当局が勝手にそういう解釈をしたのですね。そう解していいですね。――しかし、大問題ですよ。
○津田政府委員 その段階におきましては、このような通達の一部のいろいろなケースに対する県当局の一つの解釈と思います。
○小渡委員 この議事録の中ではそうは言っておりませんよ。県独自の解釈かと聞いているのですよ。そうしたら、そういうことはありませんとはっきり言っているのです。これは本当に大問題になりますよ。私は県でも取り上げますよ、そういう言い方であるならば。これは二万五千人の軍用地主の中から大問題だという声が出て、社会問題になりつつある。県独自、あなたの独自の考え方か、知事の指示があったのか、こういう質問もこの中に出ているのです。そうしたら、それに対して答えている県の税務当局が、そうじゃありません。では、どこから出ているのか、お前ら独自の解釈か。そうじゃない、これは自治省から取り扱いについて説明を受けております、こう言っておるのだよ。いい加減なことを言っては困るよ。
○津田政府委員 その二月の段階におきまして、私ども軍用地の取り扱いについて特に指示はございません。その後いろいろな経緯がございまして、私どもが検討いたしまして、現在の見解あるいは沖縄県に対する指示は、その後ございました。
○小渡委員 二月二十五日以前のことであって、私は以後のことはもうわかっていますよ。これは課税の対象にはならないのだという結論に達したということは、私はおおよそ推察もするし、いまは知っているつもりです。だけれども、二十五日にこういう説明が説明会で行われているわけだ。その辺をどうしても私は知りたいわけです。
 というのは、いまのことを聞いているわけじゃないのだ。それ以前の去年の九月以降、二月二十五日までの間に、自治省当局が県の税務当局に対してどんな説明を行ったのか、どういう指示をしたのか。これは沖縄を見る自治省の目というものに対して、私は非常に大きな疑惑を持っているわけですよ。そういう意味で聞いているわけです。しかし、どうしても言を左右にして言われないなら、言わなくてもいいです。
 この中にある「通達と理解すればよいと思います。先ず通常、本法、通達がありまして、後は事務取扱いのようなものが自治省から出される訳です。この事務取扱いの中で、軍用地のように不明りょうなものあるいは取扱い上非常に困るようなものの取扱いが指示されている訳です。」とありますので、事務取り扱い、これを文書にしてここへ出してくれませんか。
○津田政府委員 私ども、正式な指示というのは、先ほど申しましたような経緯になっておるわけでございます。当時担当官が行ったのも自動車税の関係で行っておるわけでございまして、この問題につきまして特に指示をするとか、そういうような立場のものではございません。しかし、その折にいろいろな話は出たのかと思います。その程度の段階かと存じます。
○小渡委員 まあその程度のことだったろうなんて軽く流しておるようでございますけれども、事、軍用地が不動産貸付業の課税対象になるのだということになって、県内騒然となりまして、大問題になった。だから、そういう通達を出すような場合には、県の方からこれは一体どうなるのだということを質問しなかったということはないと私は思いますよ。少なくとも取り扱いについてはどうしますかということで自治省に見解を求めるのが通常だと私は思います。それが二十五日以後にはありました、しかし、それ以前はありませんでしたというような御答弁のようですが、そうすると不動産貸付業の解釈につきましては、挙げて県の税務当局が独自で、勝手に、皆さんとの合い議もなしに、軍用地料を課税客体として取り扱われるのだという判断をやったのだというぐあいに私は認めていいわけですね。あなたの御答弁からはそういうことだと思いますよ。どうですか。
○津田政府委員 私どもの当時の段階の指示といたしましては、先生御承知のこの府県税課長内簡でございます。ただ、それにつきましても、もちろんいろいろな特殊ケースがあるかと思いますが、その問題につきましては特に指示というのはしておらないわけでございます。一応県当局も、この昨年の九月二十五日の内簡、それの具体的な特殊的なケースにつきましていろいろな判断はあったかと思います。
○小渡委員 それでは、この議事録の中に収録されている自治省からの説明、自治省からの指示、そういうことは一切なかったということでございますね。そう解釈してよろしいですな。これは私は持ち帰って、県の税務当局に対して――あなた、軍用土地連合会の公式の場で説明して、頑として譲らなかったのだから。内容を見ると、はっきりそう書いてあるのです。大問題なんです。だから、そういうぐあいに解釈をいたします。前へ進みます。それでよろしいですね。――結構ですとか涼しいことを言っている。そんなことを言ったら、沖縄の県の立場はないですよ。いいですか、本当に。
 私は、「地方税法 設例による実務研究」という自治省の府県税課の石原さんが書いたものを早速勉強さしていただいた。その中に、不動産貸付業とか事業とかというものの解説がございますよ。これから見ましても、その事業そのものが、「自らの創意と責任においてその業務を処理する行為」という一節があります。そうすると、「創意と責任」ということですから、それでないと事業にならぬぞということでございます。それから、不動産貸付業というのは、その不動産を貸し付けするのには「継続して、対価の取得を目的」とするという項目がまたあるわけです。
 これから見ますと、どうも、いまはそうじゃないのだけれでも、二十五日までの間は私は非常に不審に思っておったのですが、それは、土地、建物の賃貸契約を拒否している軍用地主がいますね。現在います。それで特措法によって強制収用されようとしている地主がいるわけです。これらの地主には賃貸料という形では払えないわけだ、契約がなされていないから。そうすると、地料相当の補償金が実は支払いされているわけです。これも事業とみなすかという質問がこの議事録の中に出ているのです。事業とみなすかと言ったら、税務当局は、これも事業とみなします、事業税の課税対象になります、こう言っているわけです。これは、あなた、補償金だよ。先ほど言う石原さんの解説による、創意と責任において業務を処理するという事業でもないし、継続的に利益を目的として対価の取得をやっているわけでもないのだ。そういう補償金も課税対象になる、こう言っているわけですから、これは恐ろしいことが実は自治省の内部では話されたのだなと思う私を、あなたは不思議には思わないはずなんですよ。
 きょうここでいろいろ聞いて、おれはそんなことを言ったことはないとあなたはおっしゃっている。そんな指示はやりませんよ、それは勝手に県の税務当局が解釈をしたことでしょう、責任は挙げて向こうにあるのだ、私の方にはございませんと言うのと同じでございます。しかし、こういう解釈を公式の場所で言っているところに問題があるわけです。これは大変な問題なんですよ。いまはもちろん、事業税の課税はいたしませんということについてはわかっています。しかし、それ以前の問題として、二月二十五日以前の解釈というのは大変なことをやっていたのだなというぐあいに解しているわけでございます。
 そして、この機会に私は明確にしておきたいのですけれども、二万五千人の軍用地として土地を提供している地主でございますが、この地主の皆さんは、実は農民であるのです。もともと農民であって、軍用地に接収されていなければ農業者年金も与えられるし、租税特別措置法による土地の贈与税の減免措置が受けられるわけでございます。老齢年金あるいは医療費など、医療保険税などもその市町村によって決まるわけでございますけれども、そういうのもいま地主であるという立場だけでその恩恵が与えられていない。この事実はおわかりでしょうな。
 だから、地主の皆さんが七十歳以上になってこれを息子に贈与しようという場合、そして老齢年金も受けたい、それから医療費も無料という制度にあずかりたいというように考えても、今度は贈与した場合の控除額は、軍用地料、現在百八万六千円もらっている者が六十万円の控除を受けて、約二百三十万八千五百円の税額を納めていかなければならぬのです。そうなるとこれは大変な問題だから、では死ぬまでいまのままでおろうということなんです。死ぬまでいまのままでおるということは、贈与もしないで、死んでから相続をするということになるわけですよ。生きている間、老齢年金は与えられないわけです。百八万六千円の軍用地料があるから、医療費は有料なんです。それから医療保険税は、市町村によって異なりますけれども、ある町村では年額三万三千九百二十円の支払いをしているわけです。こういう状況があるのだ。
 だから、軍用地料に事業税を課税するということになったら、二万五千人が大変な騒動を起こしてくる、大変な混乱に陥るということは、火を見るより明らかなんです。だから、私は、二月二十五日までの間に委員会が開催される機会がありましたら、その時点で問題の提起をし、追及もしたいと考えておりましたけれども、実はどうしてもこれは確認しなければならないということで、あなたの方では通達をしたことはない、言ったこともない、そんな指導をしたことはないとおっしゃっているわけだから、これは危険きわまりないので、軍用地地主に対しましては事業税は課税しないという自治省の方針をここで明らかにしてほしい、こういうことでございます。
○津田政府委員 お答えいたします。
 実はその二月二十五日の速記録というのを、私ども見ておりません。どういうものか承知しておりません。それで、私どもとしては、公的な見解につきましてその段階までに明示的に県当局等に指示したというふうには考えておらないわけでございます。その後、県当局からも相談があり、関係者の皆さん方も御心配の様子で、私どもへのお話もございました。そこで十分検討させていただいたわけでございます。
 趣旨は先生がおっしゃるとおりと存じますが、そもそもこの軍用地等への使用の開始というものが、戦場であった当時、あるいは戦争が終わってもアメリカ合衆国が施政権を背景にいたしまして軍用地として利用した、こういうような経緯を考えますと、これは一般の不動産貸付業にはならない、このような見解でございます。はっきり申し上げたいと思います。
○小渡委員 それでは自治省、最後でございますが、もう一度お答えください。
 それは、たまたま今度、不動産貸付業として軍用地主が該当するのだということで説明会が行われたのは事実でございますから、そうなりますと当然、私はこれから感ずることは、地主に対して課税はしないということがいま明らかになりましたし、確認はされましたから、それは結構ですが、この段階で新たに感ぜられることがあるのですよ。
 私個人が感ぜられることはどういうことかといいますと、これらの軍用地がもし軍用地でなかった場合は、その土地が高度に利用されていたはずでございます。そうしますと、当然、市町村の固定資産税だとか、あるいは県に言わせれば事業税、国に言わせれば法人税という形でいろいろな収益が上げられるような土地利用が、復帰後十年間で高度に行われたものと解されるわけですよ、振興特別措置法もあったことだし、いまからも継続するのですから。
 いま沖縄県や沖縄県の市町村は、財政負担能力というのは全国最低であるわけです。そうであるならば当然、新たに皆さん方は――安保条約とそれから国防という大きな国策、国民的な合意のもとで、沖縄がそういう形で、地主は自分の意思のいかんにかかわらず理解をし協力をしている状態というのは、これは否めないわけです。そうなりますと、県や市町村に対して、国の財政がどうであろうと、当然別な形で、もっと新たな交付税なり――新たな交付税というのは、事業税が取れれば県は多少財政にゆとりが出ますね。ところが、私はそういうけちなことは言いません。県や市町村が、その土地が高度に利用されていたならばという前提があるわけでございます。したがって、新たな財政措置を何か考えていただきたい、これは一つの提案でございます。それで、後日、一年ぐらい経過いたしまして、どのような検討がなされたかをまたお尋ねをいたしたい、こういうぐあいに考えております。この問題についてはそれで終わります。よろしゅうございますね。
○津田政府委員 本件の問題につきまして、事業税が取れないということになりますと、もう先生御承知のとおり、交付税の計算上基準財政収入額が減ってまいって、そういたしますと交付税額がふえる、こういうような仕組みでございます。しかし、この問題のみならず、沖縄県におきます歴史的な事情あるいは地理的な条件でいろいろなむずかしい問題を抱えておりますことは承知しておるつもりでございまして、今後におきましても、税財政上の種々の対策というものは、県あるいは市町村当局の御意見も十分承りながら配慮してまいりたい。私、税の担当でございますが、財政局にも先生の御趣旨は伝えてまいりたい、かように思います。
○小渡委員 次に、私は沖縄本島の全市町村を復帰十年でございますから一つの区切りとしまして訪問をいたしまして、市町村が抱えている政治上の未解決の課題でどうしても早期に解決してほしいというようなものを、いろいろ勉強する機会を得ました。たくさんあるわけです。ところが、限られた時間では全部ここで解明し尽くすわけはございません。そこで、北部、中部、南部と分けまして、その代表的なものを一つずつ出してみたいと思っております。はからずも、その全案件につきまして、すべて米軍が沖縄に駐留をしていることと関係があるのでございます。だから、私は、いかに沖縄のいわゆる政治上、行政上、経済上の問題が、米軍の基地の存在ということと強いかかわりと関連を持っているかということがわかったわけでございます。
 そのうちの一点としまして、まず那覇空港から問題提起をしてみたいと思います。
 那覇空港は、県内外の空路の拠点空港として重要な役割りを果たしていることは、もう先刻皆さん御承知のことだと思います。同空港が運輸省が管理している民間空港であるということ、そして、自衛隊と現在共同使用をしている空港であるということでございます。この自衛隊使用につきましては、昭和四十六年六月二十九日の第十三回日米安全保障協議委員会で自衛隊の配備が決定をしたわけでございます。さらに、その使用につきましては、四十七年の十一月七日、運輸省の航空局長と防衛局長との間で那覇飛行場の使用等に関する協定が結ばれることになって、共同使用になったわけでございます。おわかりだと思います。
 そこで、時間の関係がありますから、ポイントだけを申してまいります。名古屋空港と那覇空港とを比較してみました。どうしてかといいますと、運輸省管理であるからであります。運航状況を見ますと、名古屋空港の場合、これは五十三年度現在でございますけれども、民間機が二万四千二百二十五機、それから自衛隊が九千二百十七機で、合計三万三千四百四十二機となっております。那覇空港はどうだろうかということでございますが、民間機が三万二千百五十九機、自衛隊機が一万四千七十三機、合計四万六千二百三十二機に及んでおります。密度は那覇空港の方が名古屋空港よりは濃いことがわかろうかと思います。
 そこで、基地面積の対比というのは、全国と沖縄というのはいつも言われていることでございますから、これは繰り返し言う必要もないと思いますけれども、全国の五二・八九%、これが沖縄に集約されている、こういうことでございます。
 今度は基地対策経費の推移を見てみました。基地対策経費というのは、おおよそ分けて五つぐらいあると思います。その一つは、基地周辺整備等に関する諸施設に投ずる資金です。それから、提供施設の整備資金です。補償経費の充実資金でございます。基地従業員対策資金であります。提供施設の移設の資金でございます。これを合計したのを、今度は四十九年−五十四年、ずっと五年間見てみましたが、全国対比三九・三二%なんです。五二・八九%が全国対比の沖縄にある基地の面積でございますから、それと比較して基地対策経費というのは三九・三二%であるということですよ。これは密度とか兵員の数だとかいろいろなことがあるのでしょうけれども、三九・三二%というのはどうも納得がいかない、こういう感じでございます。
 自衛隊といたしましても、本土におきましては沖縄とは違いまして、沖縄はその基地周辺整備資金等のいま言う基地対策経費は、その恩恵を受けるのはまだ十年足らずでございます。本土とは全く異なった情勢にあるのでございますけれども、なお全国対比三九・三二%という状況であるということをまず認識しなければいけないのじゃないか、これでは足らないのじゃないかということが指摘されようかと思います。
 そこで、那覇空港でございますけれども、これはいま運輸省が管理しているために運輸省の公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害防止に関する法律の適用を受けて、学校等公共的な施設の防音工事だとか、住宅防音工事とか、あるいは共同利用施設の助成とか、騒音以外の障害による施策、障害防止工事の助成とか、いろいろそういうことがあるわけですね。ところが、運輸省所管の先ほど申し上げたこの法律では、学校等公共的施設の防音工事、たとえばそのうちの助産所、救護院あるいは看護婦養成所、精薄厚生施設、保健所、母子健康センターあるいは養護施設、こういうのは対象外とされているのですよ。それが対象外になっていないのは、防衛施設庁の所管をしている法律で、防衛施設周辺の生活環境の整備に関する法律では、全部民生安定のために防音工事の対象になっているにもかかわらず、運輸省の方ではこれは対象外になっているわけだ。この辺に問題が出てくるのですよ。
 それはさらに、住宅の防音工事にいたしましても、現在、那覇空港周辺の市町村でございますが、たとえば豊見城村の場合は、運輸省の障害防止に関する法律の適用を受けまして、防音工事の場合でも、一室百六十万円のうち百三十五万円を超えるものについては二分の一が地方負担になっているわけです。それから二室三百万円のうち二百五十五万円を超えるものについては二分の一は地方の負担になっているわけです。ところが、防衛施設庁の場合は一室百六十万円、これは全額です。二室三百万円、これも全額である。こういうふうにバランスがとれてないのだな。それでえらい迷惑をしているのは豊見城村なんですよ。こういう状況があるのです。
 それから、共同利用施設の助成につきましても、防衛施設庁側としましては、その周辺整備に関する法律で特別養護老人ホームや無線設備あるいは消防施設、公園、緑地、屎尿処理、ごみ処理など、そういう施設についても補助の対象になっている。ところが、運輸省の場合はこれは対象外である、こういう事実がある。
 それから四番目は、騒音以外の障害に関する施策でございますが、これも障害防止工事の助成でございます。その中で、農業、林業、漁業施設、道路、河川、海岸、水道、下水道、鉄道、こういうのは運輸省の場合は対象外になっております。
 それから次は、特定防衛施設周辺整備調整交付金でございますが、これが防衛庁の場合は交付金が出るわけでございますけれども、運輸省独自の場合にはそんなものは対象にならないのです。それはもちろん対象にならぬでしょうけれども、共同使用の場合には、基地施設の場合はその分は交付がされております。それから、農業障害補償については、防衛施設庁所管の場合は補償がありますけれども、運輸省の場合は制度はあるけれども実質的には補償はされておりません。NHKの受信料等についても同じです。こんなような状況が実はあるわけですね。
 それで、那覇空港が今度は欠陥空港として滑走路を三百メートル延長するということになりました。そのときに、豊見城村としては、公聴会を運輸省が開いたわけですが、その公聴会の席上で強烈な反対意見も出ましたが、村当局としてはそのときに豊見城村長の代理として助役宜保光一氏が出席をいたしまして、公述をいたしております。そのときの公述の内容ですが、大まかな点を申しますと、本土類似空港の実態調査を自分たちは行った。二番目は、本土の場合、運輸省と防衛庁、それから地元の県知事、関係市町村、そういうところがそれぞれ協定書を締結している。三番目は、両省間で手厚く地域の環境整備に積極的に当たっている。それから四番目は、那覇空港は復帰時における運輸省と防衛庁の関連協定については、県や市町村は実はそのときは不参加であったという経緯がございます。そうして五番目は、那覇空港は国の直接防衛の責任の前進基地である、及びその施設規模からいたしましても、これは運輸省所管というばかりではなくて、さらに特定防衛施設区域である、その関連市町村であるという考え方に立つならば、特定防衛施設であるということを指定しなければならない、このような公述をいたしているわけでございます。
 この辺までの経緯をおわかりでございますか。それをまず運輸省、運輸省が来ていなければ、開発庁、それから防衛施設庁に、それぞれお尋ねをしたいと思います。
○藤仲政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘の点は、私どもよく承知をいたしております。しかしながら、御案内のとおり運輸省ないしは防衛施設庁の問題でございますので、その点については私から申し上げるのは差し控えさせていただきます。
○伊藤(参)政府委員 お答えします。
 那覇空港におきまして現在陸海空自衛隊が、それぞれ飛行部隊と共用しておりますし、沖縄復帰以後、自衛隊が那覇空港を使用する件について、私どもの方と運輸省の方で行いましたいきさつ、これについては私ども承知しております。
 なお、ただいま先生御指摘の三百メートル延長につきましての公聴会による地元御要望というのは、私どもつまびらかにはしておりません。
○小渡委員 その公述書の中で、これは文書でしたためた豊見城村長さんの公述書でございますが、その中で特にこういうことを言っているのですね。防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律の第九条の適用をしてほしい。要するに、空港の管理協定を見直して、同空港を特定防衛施設に指定をしてほしい、そして豊見城村が特定防衛施設関連市町村に指定されることを実は期待しているわけです。
 その理由はもう先刻おわかりだと思いますが、豊見城村には防衛施設はないのです。空港自体は那覇市に所在しておりますけれども、実際に騒音の公害をもろに受けているのは那覇市ではなくて豊見城村なんですよ。それはおわかりと思います。それをわからぬと言われるのだったら、あっちへ行ってもらわなければならない。離着陸のときには、どちらにいたしましても豊見城村の上空を通るわけでございます。そんなようなことがありまして、豊見城村としては実は大変な公害を受けているわけなんです。ところが、九条の適用は受けられない、それは施設がないからだ、こういうことで一蹴されているようなことがあると、これは非常に将来に問題を残すことになるのはもう火を見るより明らかでございます。特に豊見城村は、那覇市のベッドタウンといたしまして、過密地域の一つに指定されている地域である。そんなことでございますので、その辺の見解をお尋ねしておきたい、このように思います。
○伊藤(参)政府委員 お答えします。
 先生非常に事情もお詳しいし、法のたてまえ等も十分御承知の上で御質問になっておられると思います。私どもも、豊見城村につきましての御要望、先ほど公聴会の内容についてはつまびらかにしないと申し上げましたが、別の機会に豊見城村直接からもいろいろ御要望を承っておりまして、御要望の内容あるいはその御主張につきましては私どもとしても十分承知しております。
 ただ、先生御自分で繰り返しおっしゃっておられますように、私どもの環境整備法と運輸省所管飛行場における各般の施策が、基本的には航空機の騒音を防止するという意味で大体同じような基準でやっておると思いますが、細部におきまして若干運用が違うとか、私どもの対象とする施設が多くなっておるというような実態もございます。何分にも、公共飛行場として那覇空港が置かれております限り、公共飛行場の運用に伴う障害は運輸省所管ということになっておりまして、現在の各般の法もそういうふうに整備されておりますので、その点につきましても、私ども地元等にも繰り返し御説明しておるわけでございます。
○小渡委員 三百メーター滑走路延長につきましては、どうしても豊見城村としては防衛施設庁に条件を提示したいとしても、防衛施設庁の所管にならない。運輸省には要請をしておりますけれども、対象外のものにつきましてはどうにも手の出しようがないわけです。これは市町村が持つ悩みである。そこで、今度は県と協定を結んだわけです。延長するためには、では豊見城村としてはこういう要請があるからこれを全部整備してくれということで、防音から始まって道路、排水に至るまで、三カ年間でこれを実施するという協定書を結んだわけです。ところが、県としては、これは財源が大変だ、しかし、そうかといって滑走路を延長しないわけにはいかないのだ、こういう板挟みになっているのもまた事実なんです。
 那覇空港の自衛隊の利用度というのは、五十三年度で年間一万四千七十三機ですが、そんなに離発着をやっているわけです。名古屋の方は九千機ぐらいなんです。民間は沖縄は三万、内外航空路の拠点でございますから多いのは当然でございますけれども、自衛隊もその約半分ぐらいを利用しているのでございますから、運輸省の所管する法律でカバーできないものについては、当然防衛施設庁の方でカバーをしていくということでないと、豊見城村は踏んだりけったりということにしかなりませんよ。こんなのを踏んだりけったりと言うのだ。どこにも行くところがない、だから県に言うわけです。県としては、滑走路を延長するということは安全航路を確保するためにぜひ必要だ、これはやろうということだ。そうすると、こういうのをやってくださいと言ったらノーと言うわけにはいかない、かといって財源がないわけだ、一体どうするんだという問題が出てくるのですよ。だから、もう一遍復帰の時点に返りまして、あなた方のところと運輸省との間で結んだ協定の見直しを徹底的にいま行うべきだと私は思います。
 九条の解釈にいたしましても、私はこれは絶対だめだという解釈にはならないような気がするのです。その議論をいまやると、もうあと二十五分しかないですからそれはできませんけれども、後日またその議論を個人的にやるのは結構でございますが、真剣に御検討いただかない限り、豊見城村の政治的な――あなた方がいま当面する未解決の問題で一番重要なのは何かと言ったら、みんな口をそろえてこの問題をぽっと出してくる。それが現地の悩みだ。ぼくは、これにはどうしてもこたえないといけないと思うのです。何らかの方法を考えないといかぬと思うのです。そうでないと、おまえらがまんせよということにしかならないのです。そういうことは許せないと思う。だから、その辺を十分検討していただきたい。
 同時に、本土の実態でございますけれども、これは加賀市の一つの例をとっているのでございますが、加賀市は基地所在地ではないけれども、法律九条による特定防衛施設周辺整備調整交付金を昭和五十年度から受けております。五十四年度を調べてみますと五千五百万円、こういうぐあいにあるのです。豊見城村の場合はこの対象にならないわけでございます。しかも隣です。だけれども、これは運輸省の管理している空港だからだということになればそれまででございますが、何らかの知恵を出してもらわぬといかぬ。あなた方は官界きっての優秀な公務員であるし、経験と頭脳をフルに活用していただいて、これを何とかせぬといかぬですよ。
 加賀市の場合は、緊急避難道路は昭和四十八年から実施されております。だけれども、そういう施設も豊見城村は必要としているが、どうしようもないという状況にあるわけです。こういうのを一種の差別と言うのじゃないですか。何かそんな感じがしてしようがない。だから、繰り返して申し上げますけれども、わが国の官僚ですから、知恵をしぼっていただいて、ぜひやっていただきたい。お答えをいただきたいと思います。
○伊藤(参)政府委員 石川県の加賀市についての御指摘がございました。確かに加賀市は、小松基地の進入表面下にあるということで騒音状況等も非常にうるさいものですから、特定防衛施設ということで指定しております。ただ、同じ状況ということにつきましては、私どもやはり根っこに、那覇空港は運輸省の所管する国際空港であるということでございますので、このたてまえといいますか、それをもとにしてつくられております各般の法律の基本原則というのを崩すわけにはまいらないというように考えているわけでございます。
 それから、私どもとしまして、基地の運用等による障害、これは飛行場以外の、いわゆる航空騒音以外の障害等も、ある場合にはそういうものに対しての御要望についての対策は若干ながらさせていただいておるというのが実情でございます。
○小渡委員 時間の関係もございますので、またその問題については引き続き、続編は次回にいたすことにいたします。
 次は、中部地区に移りまして、普天間第二小学校用地返還に関することでお尋ねをしておきたいと思います。
 普天間飛行場の隣接する地域に、これは宜野湾市でございますが、普天間第二小学校がございます。この普天間第二小学校は、現在生徒数千二百三十三名でございます。この普天間第二小学校の運動場と校舎敷地の保有率でございますが、文部省基準の三四%しか確保されておりません。そこで、教育環境が非常に悪い、しかも飛行場の滑走路のすぐそばである、隣接しておる、運動場のそばはフェンスに囲まれている、こういう状況でございますから、どうしても移転をせぬといかぬということになったわけでございます。
 そこで、その移転地につきましては、宜野湾市にありますキャンプ瑞慶覧のFAC六〇四四、ここに新設、移転をすることが得策だということで市の決定を見ているようでございます。そのことは、現地の那覇防衛施設局の方にも要請がここ二カ年ばかり続けられているようでございますが、現在の段階で得られた回答は、同じ地域ではあるけれども、もうちょっと西側に移動して――約五百メーターぐらい移動した地域でございます。地図もございますけれども、皆さんおわかりと思います。それで、五百メーター移動したその地域ならばよかろうということらしいのです。私はその現地を見ました。そうしたら、これは喜友名城とか貝塚とか、いろいろなものがいっぱいあるのですよ。こんなところを地ならしすることは絶対できません。しかも、北側の方は約五十メーターぐらいの断崖絶壁なんです。そこへ学校を移せと言っているわけです。これは敷地として不適当でございます。
 そこで今度は、いま指定されている地域がまずいならば、その東側の方に第二の候補地を隣接して置いても差し支えないと市当局は言っておるのでございますが、まだ前に進んでないのです。解決しておりません。したがいまして、ぜひこれはやっていただかなければならないし、同時に、国有地もございますから県の方の了解も取りつけなければいかぬということで、知事の方にも要請いたしましたら、知事の方からも正式な回答が出まして、五十五年十二月十二日付の宜野湾から要請のあった国有地の分の返還については、国有財産法第九条に基づく委任事務に係る管理財産であるから同意いたしますということになっているわけでございます。
 さらに、移転地における地主の皆さん方でございますが、五名おられますけれども、その五名の地主の皆さんも学校用地であるならば結構でございますということで、これも開放に同意をいたしております。それで、その開放を希望している地域は住宅地域なんですよ。平屋でございますから二階にすれば簡単に収容することができるわけでございます。御検討いただいて、即刻対応していただくように要請をいたしますが、いかがでございますか。
○伊藤(参)政府委員 宜野湾市の普天間第二小学校の実情につきましては、先生御指摘のとおりでございまして、私どもとしてもその事情はやはり学校教育の完全を期するという意味で適当でないと思っております。この件につきましては、地元の御要望もございましたので、那覇防衛施設局としましても、この地元の御要請を図るべく対米交渉を精力的にやっております。
 ただ、先生もおっしゃいましたが、当初要望したところは米軍の住宅というものが、一応私どもから言えばまだびっしり全地域にわたって配置されている土地でございまして、これを移設するとかそういうような問題になりますと、かなり問題もございます。米軍としましても、そういった普天間第二小学校の状況について理解を示しまして、いろいろな候補地というものについて、米軍、那覇施設局、それから宜野湾市当局ということで調整中でございます。
 確かに先生御指摘のように、貝塚等のある地域もありまして、そういうところは適当ではないのじゃないかということで、なお調整しておりますが、防衛施設局としましては、米軍の基地運用等においても大した支障にならず、それから宜野湾市として、これは小学校でございますので当然のように通学学区等の問題もございますので、そういったようなものも踏まえて、事態の早期解決を図りたいと思って現在努力中でございます。
○小渡委員 それでは次に、北部の方に移りまして、宜野座村は村全体の五〇%が基地に提供されている地域でございますが、この宜野座村は五十五年の三月に宜野座村海辺縦貫道路の新設工事の設計書をつくり上げております。それはなぜかといいますと、宜野座村の半分が軍用地に接収をされておりますから、どうしても海辺周辺の農地を土地改良事業などを積極的に行って農村振興を図ろうというぐあいに企画している。これは水も非常に豊富な、しかも森林も豊富な、土地も肥沃な村でございますけれども、現在残念なことに国道三二九号線一本が村内を縦断しているわけです。ほかは縦貫する道路というのはないわけでございまして、最近の交通量の増大等によりまして事故の発生率も高くなりましたし、非常に渋滞を来すような状況に至っているわけです。そういうのを見越しまして、宜野座村としては、五十五年の三月にはどうしても新たな縦貫道路をつくらなければいかぬということで計画をしていたようでございます。
 その縦貫道路をつくるためには、宜野座村には三つの河川がございますが、そのうちの一つの河川宜野座川、これはかなり大きい川でございますが、その橋梁を何とか先につくっておかなければいかぬということで、石油備蓄交付金を利用いたしまして、長さ五十メートル、幅も八メートルぐらいありますが、りっぱな橋ができ上がったわけでございます。ところが、残念ながら道路は旧道路が幅員の非常に狭いままで残されておりまして、将来の大きな一つの課題になっているわけでございます。宜野座村としては、那覇の防衛施備局に対しましても六項目にわたって要請書を提出しているわけですが、いま私が申したのはそのうちの一つでございます。
 それで、防衛施設局の方からは、去年の八月十七日には、五十七年度以降調査をするかどうかいまのところわからないのだけれども、資金量が膨大であるからこれは検討はしなければならないだろうということで、進捗状況としてはそんなに好ましい状況ではないようでございます、私が受けた感じでは。この縦貫道路というのも地図は持っておるのでございますけれども、皆さんの方で見ていただけばわかります。宜野座川から南の方に、字惣慶を通って漢那まででございます。全長にいたしまして約三千メートルでございます。これの実現方を防衛施設庁として、宜野座村の半分以上が軍用地でございますし、さらには宜野座第一水源ダム建設助成事業などが要請に出ているはずでございます。あそこは戦車道路なんかもあります。ですから、民生の安定と産業振興、それから交通の緩和、そんな社会的な要求が実はあるわけでございますから、年次計画をお立てになっても、その建設をぜひやってもらわなければいかぬ、このように思うわけでございますが、ひとつ御所見を賜りたいと思います。
○伊藤(参)政府委員 先生地元の御事情に非常にお詳しくて、いろいろな地元の御要望につきましてのお尋ねでございます。
 宜野座村につきまして、村の非常に大きな面積を基地に提供しているということも事実でございますし、宜野座村自身が村の開発のためにいろいろなことを計画されておる、場合によってそれが防衛施設局の方への御要望としてまいっておるわけでございます。
 私ども防衛施設局の方でやります各般の対策事業といいますのは、防衛施設周辺の生活環境の整備法に基づいて行っておりますので、いま御指摘の道路等につきましても、私ども道路をやる場合には、基地の設置、運用により直接障害を生じた場合ということがたてまえになっております。そういうたてまえに基づきまして、地元周辺市町村からの御要望に対しましては、その障害の度合いに応じていろいろな施策をやっております。
 この問題につきましては、実は私ども那覇施設局の方から状況を聞いております。昨年の四月に六項目ほどの御要望があった。その六項目の御要望につきましても、私ども環境整備法に照らしまして、採択可能なものにつきましては前向きに検討させていただいて実施しておりますが、やはり整備法のたてまえ、あるいは実施の実情から見て、なかなか整備法上私どもの対策事業として取り上げにくいというものにつきましては、事情等を十分御説明して、私どもなりには御理解いただいていると思っておるわけでございます。
 いま先生御指摘の海辺産業道路といったような状況につきましては、やはり村当局にとって一つの骨幹道路としての有効性というものは私どもわかるわけでございますが、何分施設と離れたところでの施策でございますので、そういった直接的な基地の運用、設置に伴う障害というのが認めにくいということで、施設局の方では、検討はするが採択は困難ではないかというような事情につきまして、村の方にも申し上げたと思っております。
○小渡委員 戦車道路は文句なしにどんどんおつくりなさいと言ってつくらして、今度は、海辺道路をつくってくださいと言ったら、これは直接余り被害がないから、関連がないからちょっと採択はむずかしいよと言うのは、ちょっとおかしくないですか。主客転倒ではないですか。アメリカ軍には文句なしで、うんもすんもないですよ。検討さしてくれなんと言うことはないはずだ。アメリカ軍がここへ戦車道をつくりたいと言ったら、どうぞ、山も切り開いて結構ですよ、じゃんじゃんつくってくださいというかっこうになって、今度は、地域の方からこれでは困るじゃないですか、水源地もおかしくなっていますよ、土砂が堆積してどうにもならなくなっています、かさ上げしてください、何か新しいダムをつくってくださいと言ったら、これもちょっと待てや、検討せぬといかぬ、採択もどうかなだとか、今度はまたさらに、海辺道路と言ったら、いや、これは直接被害はどうのこうのと、おかしくないですか。
 本当は、その地域に米軍が要求することに対して対応できるように、その地域の人たちが喜んで対応できるという形をつくらなければだめですよ。これは逆ですよ。時間がないからもういいけれども、また同じことをやりますから、十分検討してください。検討して、採択はどうかじゃなくて、これは採択をせぬといかぬのだ、そういう方向ですよ。これは長い目で見ればそうせぬといかぬと思いますよ。
 次は、浜比嘉−平安座間の架橋実現についてですが、これは開発庁の方です。施設庁、ちょっと残っておってください。
 浜比嘉と平安座間の架橋実現というのは、復帰後すぐこの件は起きてきているのです。というのは、与那城村には平安座島がございまして、ガルフを誘致したときに海中道路ができ上がりまして、離島苦の解消はそれによってある意味では解消された。それから、御存じのように、宮城島がその隣にあります。宮城島は石油備蓄基地を建設するために埋め立てをしたので、これも陸続きになりました。それも解決しました。その北側に伊計島という島がございます。その島も離島でございますけれども、これも伊計島架橋を建設することによって、離島苦の解消は全部終わりました。
 ところが、あと一つ残っているのは、勝連町の行政区である浜比嘉でございます。その浜比嘉も、平安座島まで千五百メーターぐらいしかありません。それで、五トン船が往来しておるのでございますけれども、ちょっとしけたらもう行けないわけです。かつては、浜比嘉の住民が病気をしまして、それを本島に移送するときにひっくり返った、それで死亡したという事例もあるぐらいなんです。やはり医療状況とか、あるいは生活状況とか文化面だとか、そんな面から見ましても、離島苦というのはどうしても争えない。そこで、この島こそ最後の島になります。だから、どうしても浜比嘉島と平安座島の架橋実現をやってほしいという要請が、もう五十三年ごろから言われましたけれども、ちっとも前に進まない。それで、県の離島振興計画の中にも位置づけをされております。
 第一次振興開発計画の終了とともに、第二次振計のスタートでございます。その見直しの部門でもこれは取り残された一つの大事業だと私は思っておる。だから、この第二次振計のスタートに当たりまして、ぜひその実現のために全力を挙げていただきたい、このように要請をしているところでございますが、御所見を賜りたいと思います。開発庁、お願いします。
○藤仲政府委員 平安座島と浜比嘉島との間の架橋計画については、先生すでに御承知かと思いますが、沖縄県において調査費三千七百万円をもって調査済みでございます。ただ、御案内かと存じますが、この架橋の部分が道路法上のいかなる道路になるか、県道にするか、市町村道にするか、そういう道路法上の道路の認定について明らかになってないというぐあいに聞いております。したがいまして、今後これらの点を中心に県、関係市町村の間で調整が図られ、御要望がありました場合には、関係省庁と協議の上、適切に対処してまいりたい、かように考えております。
○小渡委員 この架橋につきましては、五十二年三月に浜比嘉架橋調査設計予備調査がもう終わっております。五十四年三月には浜比嘉架橋建設設計計画に係る環境影響評価調査も全部終わっております、これは県のもの。それから今度は勝連町としては、基本構想を初めとしまして、浜比嘉島振興開発計画書も全部でき上がっております。
 いろいろな調整があるようではございますけれども、ただ問題は、沖縄振興開発特別措置法の第六条、沖縄の道路に関する特例でございます。これを適用していただかなければこれはできないと思っているのですよ。というのは、その一部を読んでみますと、第六条で、「県道又は市町村道の新設又は改築で、沖縄の振興開発のため特に必要があるものとして建設大臣が沖縄開発庁長官に協議して指定した区間に係るものは、道路法第十五条及び第十六条の規定にかかわらず、建設大臣が行なうことができる。」これでございます。それから、その指定は「当該道路の道路管理者の申請に基づいて行なうものとする。」申請がなければできません。だから、地元の方では非常に意欲を出しております。県とも調整をしましたら、それに対して早速対応していただきたい。そして、「建設大臣が行なう道路の新設又は改築に要する費用については、国は、政令で定めるところにより、その全額を負担し、又は道路法に規定する負担割合以上の負担を行なうことができる。」これが今度も、いま法律の審議が行われているところですが、残るところでございます。ぜひ対応していただきたい、このように思うわけでございます。
○藤仲政府委員 いまの点につきまして、私どもまだそこまで検討いたしておりませんが、県道ということになればその問題もないわけでございます。先生のおっしゃる意味はよくわかるのでございますが、沖縄県との協議が先決でございまして、その辺、関係市町村の意向等も踏まえまして、今後関係省庁、すなわち建設省道路局でございますが、道路局とも協議しながら対処してまいりたい、かようにお答えいたしておきます。
○小渡委員 もう最後でございますが、あと五分のようでございます。
 そこで、きょうせっかく通産省がおいででございますけれども、問題の提起だけをしておきたいと思っております。
 それは、復帰後、復帰に伴う特別措置法によりまして、そのうちのオレンジとか牛肉の輸入については割り当てがなされるようになりました。特にオレンジはIQ品目です。そういうことで、実は沖縄の状況といたしましては、復帰前に輸入実績を持っている者が申請によってその割り当てがされるようになりました。ところが、オレンジに関しては、沖縄市青果物卸商協同組合に加入している十四業者はもともと復帰前の輸入業者でございましたけれども、そのときの法律の内容とかそういうものに詳しくなかったために申請を怠ってしまいまして、そうしてその恩典が受けられなくなったわけです。現在、中部、北部には割り当てを受けている業者というのは一社もないわけでございまして、いま那覇の割り当てを受けている既得権者、この人たちに相応の枠料だとか手数料を納めることによって購入をしているというような状況にございます。それは復帰してから十年も経過しておりますので、この辺で内外情勢も大分変わりました。貿易摩擦も起きております。こんなような状況から見て、輸入割り当ての枠は現在の沖縄分はこれで適当であるのかどうか、そしてまた、適当であるとするならば、その割り当てをもう一度見直す必要があるのではないか、こういう点についても御検討をいただきたい。
 それから、牛肉についても全く同じことが言えるわけでございます。現在、輸入業者が鶏肉だとか豚肉などを輸入いたしまして、その輸入実績というものが相当のものになっております。現在、輸入枠は少なくとも四千五百トンだと思いますが、それに対して五百トンぐらい、あるいは五百トンプラスアルファの増枠は、県民のニーズにこたえて増枠しても差し支えないのではないかというような感じがします。そのことは、沖縄の畜産振興で現在三万頭ですが、三万頭よりふえたということは一度もございません。どんなに奨励をしましても、三万頭に低迷しているわけでございます。しかし、牛肉の需要というものは非常に高くなっておりまして、それが市価を突き上げる、消費価格が高くなる、こういうような状況にもなろうかと思いますので、復帰十年でございますから、この時点で見直しをぜひしていただきたい、このように思っております。これは一つの提言でございます。時間がございませんから、これで終わりたいと思いますが、いかがでございますか。
○横山説明員 お答え申し上げます。
 沖縄の需要に対応いたしますオレンジ及び牛肉は、先生御指摘のとおり、復帰時より本土と同じく割り当て制度になっております。枠の大きさに関しましては、最近におきましても沖縄からの要望は私どもも十分存じておりまして、枠を半年ごとに設定をいたしまして割り当てを行っておりますので、その半年ごとの枠の設定に際しまして法律的に協議をすることとなっております所管庁の農水省と協議をいたしておるところでございますが、残念ながら、本土を含めまして国内畜産業の保護あるいは柑橘農業の保護といった見地から、その枠の増大ができずに来ておるわけでございます。私どもといたしましては、沖縄の皆様の要望に応じまして、今後とも農水省とその要望を踏まえた協議を枠の設定ごとに続けてまいりたい、かように考えております。
 それから、割り当て対象業者でございますが、この問題につきましては、限られた枠の中でこれをどうやって配分し、割り当てていくかという問題でございまして、一たび割り当てが始まりますと、その実績に基づきまして国内におきます流通経路等が形成をされるといったような事情がございまして、これを変更いたしますことは、枠の大幅な変更がない限りなかなか困難であるのがこれまでの経験でございます。しかし、先生せっかくの御指摘でもあり、かつ、沖縄の関係者の皆さんの御要望でもございますので、私ども研究はさしていただきたいと考えております。ただ、いま申しましたような一般的な困難さがあるということはひとつ御承知おきを賜りたいと存ずるところでございます。
○小渡委員 もう時間ですから、最後に、開発庁、それから防衛施設庁に特にお含みをいただきたいと思います。
 それは、先ほどもちょっと触れましたが、県内の各市町村が抱えている政治的な、あるいは行政上の、あるいは経済的立場からの重要な課題というのは、すべて米軍基地あるいは自衛隊基地と関連のあることばかりである、こういうことを私は改めて知りました。したがって、第二次振興開発計画でその目的を達成するためには、基地に対する対応、その土地の高度利用が最も重要な課題になろうかと思います。したがいまして、場合によっては法律の改正を必要とするものもあるいは出てくるかもしれません。そのようなものを含めまして、百万県民の十年間を振り返ってみて、なおこれから先必要な問題について、こんな重要な問題があるのだということはその都度指摘してまいりますので、ぜひ前向きに対処していただくことを要請いたしまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○吉田委員長 この際、午後一時まで休憩いたします。
    午後零時八分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○高橋委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。島田琢郎君。
○島田委員 第二次沖縄振興開発計画に関連し、特に沖振法で今後十年間のそうした計画が進められていく段階の冒頭でございますから、やや総体的なお話も交えながら、今後の十年間の沖縄振興が過去十年間の反省なりあるいは評価の上に立ってしっかり進められていかなくてはならぬというのは、これは私が申し上げるだけではなくて、みんなしっかり腹に据えておられるんだと思いますが、いささかそうした点の問題になる課題を提起しながら、ぜひひとつこの特措法が十分の機能を発揮し、言われております本土に近づく、本土並みあるいは本土を追い越すというふうな実績をこの十年間に生み出してもらいたい、こういう希望を持って質疑をいたしたい、こう思っております。
 たまたまNHKがこの十年間の県民の意思がどうであったかというアンケートをとった中に、大変象徴的な調査の結果が発表になりました。復帰時の四十七年に、復帰を喜んだ人たちが五一%おりました。これは、二十七年という長い他国支配のもとから解放されるという喜びは、県民にとっては、われわれ本土におっては理解をすることのできないもろもろの感情も含まっていると思います。しかし、この時点でやはり半分近くは非常に不安を持っている人たちもおりました。正確には、よくなかったという評価をしている者も四一%アンケートの結果では出ている。その後年次を経るごとによかったと喜んだ人たちもだんだん減ってきまして、今度はよくなかったというふうに考えを変える人たちが逆に五七%とふえた。よかったと喜んでいる人たちが一三%減って三八%となっている。
 これは、私は、この十年間の沖振法に基づく沖縄振興計画が、即そのままよかった、悪かったという評価につながるというふうには申し上げるつもりはありません。しかし、やはり沖縄県民の一人一人が本土に復帰し長い支配から解放されたという喜びを持続し得て、なおこの計画のもとで沖縄の開発なり振興なりが期待どおりに行われていれば、五一%喜んだ人たちが一〇〇%になったはずだし、また一〇〇%喜んでもらえるような施策が行われていないということは一面で言えば行政の責任だ、こういうふうに私は断じてもいいだろうと思います。
 それだから、今後十年間というものを、そういうしっかりした反省の上に立って、少なくとも今後十年間には百万の県民の皆さんが本当によかったなというふうにならなくてはいけないものだ、そうでなければ、この計画あるいはこの法律の延長は意味をなさないのではないかと思うのであります。
 こうした県民の期待に直に応ずることができなかったという幾つかの問題点は今後明らかにしてまいりますが、このアンケート調査に対して政府としてはどういう見解がおありなのか、まず冒頭に伺いたい。
○美野輪政府委員 お答えいたします。
 昭和四十七年に沖縄が本土に復帰いたしまして、その際、沖縄振興開発特別措置法等の振興開発関係の諸法を制定いたしまして、それに基づく計画を策定し、私ども積極的に沖縄の振興開発に取り組んできたつもりでございます。ただ、いろいろ内外の経済情勢の変化、その他沖縄の特殊事情等もございまして、なお非常に多くの課題を抱えておるということは、先生御指摘のとおりでございます。
 そういったことの中で、私どもいま十年の切れ目を迎えようとしておりまして、五法案の審議をお願いしておるわけでございますけれども、二次振計の策定に当たりましては、先生からただいま御指摘のありました数字、これは私ども必ずしも正確にとらまえておりませんけれども、非常に厳しく受けとめ、また、計画の策定に当たりましては、地元の意向等も十分把握しながら今後の振興開発を誤りない方向に持っていきたい、このように考えておるところであります。
○島田委員 こうしたアンケート結果を見、一つの意見がございます。それは当然の結果だという前提で、一つの例として、復帰前にはトラブルが起これば、アメリカとじかに交渉するなりあるいは話し合いをするなりして、直接解決ができた。ところが、復帰後には日本政府がここへ入ってきている。口悪く言えば、県民にとってはまさに日本政府は化け物みたいな感じになってしまって、直に話ができたのが、今度は日本政府を通して話をしないと解決しない。こういうもどかしさが一つ壁になっている。具体的に言えば、これからもお話の中に出してまいりますが、やれ日米安保だ、地位協定だ、こういうものを間に挿んで話の解決ということになりますれば、やはり県民の皆さんの期待にぴしゃっとこたえるということにならない。そこに私は、いまの政府の置かれている、問われている姿勢というものが一つあるのではないか、こう思います。
 これは、これからもう少し具体的にその点に突っ込んでいきたいと思うのですが、これが最も端的に沖縄県民の皆さんが持っている気持ちだろう、私はこう思うのですね。本来、われわれにとっては大事な政府でありますが、沖縄県民の皆さんにとっても大事な日本政府であります。いままでいろいろなことをアメリカと直にやり合ってきたことで話できないことでも、日本政府には身内なんですから話できなければいけない。また頼りにもせんければいけないし、頼りにもする。しかし、期待にこたえるような解決がされないとすれば、日本政府に対してやはり不信感を持つのはこれまた当然。こういう仕組みというものは、安保の鎖につながれているという強い緊縛感から沖縄の皆さん方が依然解放されていないばかりか、むしろ逆にそのことが非常に大きな壁になりあるいは手かせ足かせになっているという現実は、本土のわれわれが十分考えていかなければならない点ではないか、こう思うのです。
 話を少しそらして悪いのでありますが、いま戦争が終わって三十数年たちました。沖縄はあの終戦間際に大変な大きな犠牲を強いられた。しかし、それもだんだん年とともに風化していく。そういうことに、沖縄の県民の皆さん方の気持ちなり感情なりは耐えがたいものがあるだろう、こう私は思うのです。
 五十三年でしたか、私が沖縄に三度目にお邪魔いたしましたときに発行されておりましたのが「これが沖縄戦だ」というこの写真集です。これは、琉球大学の大田昌秀さんという教授の方がつくられて世に問うた大変ショッキングな、これを忘れてならないという、日本国民に対するあるいは世界に対する警告の書として、私はいまも大事に持っております。ときどきこれを開きますが、私は北海道でありますから、戦争の犠牲という立場からいえば日本列島で一番少ないところにおりました。だから二年、三年、五年たつと戦争のこわさ、平和の大事さというものを忘れがちになる。風化しがちだ。しかし、沖縄に限っては絶対に風化してはならない。いわゆる日本の犠牲になったというこの大事な事実を、私たちはそのときどきにおいてしっかりと確認をしていかなければならぬ。そこが風化してしまうと沖縄問題を考える原点が崩れてくる、こう思うのです。この写真集は写真ばかりではありませんで、細かにコメントされていますから、われわれにとっては非常に大事な平和の願いを込めている「これが沖縄戦だ」というこの著書は、国民ひとしく腹の底にしっかり据えておかなければならぬ点だ。政府も、ややもすると今日的な状況はやや後戻り。ややどころではない、大いに歴史は逆回りを始めている。沖縄の県民の皆さんに対してそれで相済むのかどうかというのは、私はやはりこの機会にしっかりと考えてもらわなければならぬ点だ、こう思うのです。
 沖縄の人たちは、この悲惨な経験を生かして、沖縄の再建のために戦後三十数年大変な努力を重ねてきた。戦後直ちに解放されて本土に復帰したのではない。二十七年という長い、暗い歴史が依然として続いていたのですから、沖縄の皆さんのバイタリティーというものはすばらしいものだと評価していいでしょう。しかしそれに甘んじてはいけない。甘んじていけないがゆえに、十年計画ではあるけれども第一次振興計画が出され、それに基づいて政府は責任を負ってきた、こう思うのであります。
 たまたま外務政務次官がおいででありますから、私がいま述べました意見に御見解があればこの際承りたい。
○辻政府委員 私も、たまたま出身地が九州であることもありまして、沖縄には一衆議院議員といたしまして二度にわたってお訪ねをして視察をし、またいろいろな地元の方のお話も承ってまいっております。
 先生もおっしゃいましたが、戦後、沖縄の県民の諸君が非常な御苦労をされておりまして、なお幾多の問題を抱えておって、政府としてできるだけ速やかに沖縄の産業の振興、民生の安定等に最大の努力をしなければならない、私どもはかように感じておるわけでございます。
 なお、お話のありました駐留米軍との関係につきまして、ただいまお話がありましたようにいろいろな問題が残念ながら起こることもありますが、そういう際には、外務省としましては、日米合同委員会を通じまして、できるだけ県民諸君の願望がかなえられるように努力をしておるつもりでございます。
○島田委員 それでは、
  ふるさとは清らさ
  広く青い海よ
  黄金あやなす太陽よ
  もゆる真紅のデイゴよ
  ふるさとは生命の泉
  平和豊かに
  とわに栄えゆく
  ふるさとの夜明け讃えん
 沖縄開発庁の政務次官、この言葉をお聞きになったことがありますか。お聞きになったとすればあるいはごらんになったとすれば、どこにあったか御記憶がありますか。――どうやら御存じないようであります。実はこれは、私が沖縄に参りましたら、県庁の前に復帰記念碑がございました。そこに刻まれた県民の願いであります詩なんです。まあ、まだおなりになって日にちもたっていない政務次官に酷な質問かもしれません。しかし、後ろについている役所の皆さん方、この言葉を知らぬで、私が冒頭に長々言った沖縄の県民の願いがかなえられるでしょうか。あの碑はだれにでもわかるところにある碑ですよ。知らぬとすれば、それぐらい日本政府と地元の間のコミュニケーションが欠けていると言っても言い過ぎでないと私は思う。私はややたどたどしい読み方をいたしました。これは私は強いてたどたどしく読みました。そういうたどたどしい読み方をしたのは、すらすらと読んでしまうと、県民の皆さん方の平和への根強い本当の願いというものが耳に残らない、目にもとまらない。永久にこの碑は消えないはずであります。私は当時それを見て手帳に書き込んだのであります。すばらしい県民の皆さんの気持ちだ。これを、われわれ日本国民一億一千万がひとしく胸にきちっと刻んでおかなければいけない、こう感銘を受けたから、いまあえてお尋ねをしたのであります。御存じなかったのはなかったとしていたし方ありませんが、一遍、県庁に向かわれたらこの復帰記念碑をごらんになってほしい。
 まず、私は、それほど沖縄に対して、表面的に形だけは沖縄よ、沖縄よと言ったって、政府自体が沖縄に対してちっとも心が入っていないじゃないか、これで今後十年間何をやろうと考えているのか、そこを問いたいと思うのです。沖縄開発庁の田原政務次官、御見解があれば承りたい。――何もありませんか。時間が浪費されるから、それでは前に進みます。どうか、私のいま言った言葉を胸に刻んでおいてほしい。
 そこで、五月十五日は沖縄の復帰記念日でありますね。それを前にして、大事な沖振法の延長を図ろう、こういうことであります。私はこの法案の審議に当たって、仕組みとしては、沖縄県自身が今後十年間というものの県の自主性に基づく計画というものを立てられていかなければなりませんね。それを受けて、沖縄開発庁がこれを今後の計画として整理をされ、それに基づいて今後計画が進められていく、事業が進められていく、こういうことでありますが、われわれがいま国会でこういう大事な法案の審議に当たっても、まだ地元の考え方が明確に出てきていないというのは私は理解できない。私ども国政調査で現地に伺ったときに、県に対しても、この点については早く出すべきではないか、もうタイムリミットはわかっているのだし、いつやらなければならぬかということも日程としては固まっているのであって、それに間に合わせるように県民の期待にこたえた県の計画というものがつくられてこなくてはならないのだから、早く出すべきだ、これは当時参加をした与野党みんな早く出すべきだという意見であったのでありますが、知事は怠慢ではないかと私は思うのです。
 仄聞するところによると、夏近くになるだろうと言います。開発庁との協議が終われば秋になってしまいます。一年間空白になるということにもなりかねないのでありますが、この点の不都合はないと開発庁は考えているようですけれども、そういう大事な、第二次振興計画の基礎になる県民の考え方はおおよそ網羅されているはずでありますが、それが知事の手によってつくられ提出されないというのは、いささか国会における審議としては変則な感じを持っている一人なのです。この辺の考え方は、事務方で結構でありますが、どうお考えになっているのですか。
○美野輪政府委員 お答えいたします。
 現在、県におきまして振興開発計画の素案を、まだ法案成立の前でございますけれども、事実上検討を鋭意進めているというふうに私ども聞いておりまして、県案を県の審議会にでき得れば三月中にもかけ、六月くらいには県としての原案を固めたい、六月末までには政府の方にそれを提出したい、こういう予定になっているというふうに聞いております。
 先生御指摘のように、余り長い空白期間を置くというのは適当でないと私どもも考えておりますので、それを受けとめまして、私どもとしては、国の振興開発審議会等に付議し、あるいは各省との調整を急ぎまして、でき得れば七月中にも、また遅くも八月中には国としての計画を決定いたしたい、来年度の概算要求につきましては、それを一つのべースにいたしまして要求ができるようにというようなスケジュールで、現在考えておるところでございます。
○島田委員 私は県の怠慢ということを言いました。しかし、開発庁だってもっとそれを促進するという立場に立って行政指導を行うべきではないですか。県の基本的な考え方がわからないで、法律だけ通せばいい、あとは計画は後からつけていくよ、私はそこに真剣さが足りないという感じを持つのであります。本来、法律が延長され効力を発揮していくときには、その柱になるのは計画なのでありますから、その計画が少なくともきちっとしたものになっていなければならないと私は思うのです。そこにもまた、政府としての及び腰といいますか、もっと厳しく言えばきわめて怠慢な姿勢がある。それで一体沖縄の振興が図られていくのでしょうか、疑問がわいてくるのであります。
 しかし、いまここであなた方をしかりつけていてもこれは話にならぬから前に進みますが、私は御存じいただいているとおり農民でありまして、農業の問題にこの十年間ほとんど集中をしてまいりました。そういう中から沖縄にも六、七度参りまして、主として沖縄の農業問題にかかわってまいりました。それは私にとって最も専門とする得意の分野であるからということも一つありますが、やはり沖縄の今後の振興の基礎になるのは、大事な第一次産業を忘れてはならない、それがしっかり根づいていなければ長い沖縄の将来を考えることができない、この点は、私は、どなたが何と言おうと後生に持ち続けている私の一つの理念であり、考え方であります。幸いなるかな、奄美を除けば本土にない特殊なと言ってもいい、サトウキビを中心にした農業があるのであります。しかも、われわれ北海道のところのように零下二十度、三十度に下がるという気象条件はここにはないから、本来農業というものを考えれば立地条件としては非常に恵まれている。その条件を行政なり政治なりがどう生かすことができるかという点にかかっている。ところがどうも最近の政府の考え方を聞いておりますと、そこのところをとんと忘れていると言ったら怒るかもしれませんが、やや軸足を、そこではなくて、観光という目の見えるところに求めておるような感じがいたします。確かに実績は観光客が二百万人近くも毎年やってくる、落としたお金が二千億だ、大変魅力のあることでありますから、私は頭からそれを否定するつもりはありません。しかしそれだけでいいのだろうか。軸足をそこに置いておいて沖縄の将来を考えることで過ちを犯すことはないであろうかという、これまた私なりの心配があるのであります。この際、農業、漁業そして林業、この第一次産業は県民や国民が生きていく大事な一つの原点でありますから、やはりそこに軸足を移してもらいたい、重心を置きかえてもらいたい、こういう希望を一つ私は持っています。私のこの希望は単なる希望ではなくて、沖縄県民の皆さん方の大きな期待であり、一つの願望だというふうに私は自信を持って受けとめています。
 残念ながら、先ほど二十七年間の長い支配のもとに置かれたと言いましたが、その後十年間それじゃ解放されたかと言えば、さっき私は一言で言ったように、安保の鎖につながれた現状の中から脱し切っていない沖縄であります。それは、一次産業にも二次産業にも少なからざる影響をもたらして今日に至っている。基地がそうであります。全国の五割を超える基地を沖縄は抱え、県土の一一%以上の大事な大事な面積が基地にとられている。山の上とか山の奥に基地があるのならいいけれども、のどから手の出るような、よだれが出るような大事な大事な場所、土地の中にどでんと基地があるのであります。農業の振興、これを考えただけでもいたたまれない、いらいらでは済まないような感じを沖縄の農業者あるいは林業者は持っておるのじゃないだろうか、こう私は考えているのであります。
 そこで、私もいままで見てまいりました沖縄の農業、決定的に沖縄の農業は振興不可能だというふうなものではないということだけは明らかだ。それどころか、沖縄特有の条件を生かし、本土にないりっぱな農業をつくり上げていくことが可能だという幾つかの実績も見てきた。私は、何もかもけなすつもりはありません。少ない予算とはいえ、農林水産省が中心になって基盤整備、土地改良などの問題に取り組んで来た成果は高く評価していい、やられた実績はそれなりに県民の期待にもこたえている、農水省は自信を持っていいと思うのですが、残念ながらどうも進捗率が悪い。あのままでいったら百年河清を待つがごとし、のろまっかしいくらいの進みぐあいであります。
 そこで、この際、この復帰後の十年間で結構でありますが、おやりになった農業振興策によってどのような効果が上がったか。テスト的あるいはパイロット的におやりになったところの効果は私がいま言ったとおりありました。しかし、それが沖縄農業全体にどのような効果になってあらわれたかという点になると、私はいささか疑問があるので、その点をひとつこの際総括をしておいてほしい。それは、常に言われるところの本土との格差という点で言えば縮まったのか、あるいは依然として大きな格差がここにあるのか、一言で結構であります。長い答弁は要りません。
○川村説明員 お答え申し上げます。
 沖縄復帰後の十年間は、沖縄農業が本土農業の水準に追いつくことができるように、農業振興の基礎的な条件の整備に重点を置いてまいったところでございます。
 御承知のとおり補助率の特例等を通じまして、農業用水源の確保あるいは灌漑施設の整備等の農業基盤の整備を図りながら、サトウキビ、パイナップル等の特用作物の生産性の向上、さらに野菜、花卉、畜産等の生産振興対策を講じますとともに、ミバエ等の病虫害の防除、さらには農業試験研究施設の整備等も進めてまいってございます。その結果、サトウキビ等の生産の安定向上、本土向けの野菜あるいは御指摘ございました花卉等の生産の大幅な増加、肉類を中心といたします畜産の振興など、沖縄の農業生産はかなり大幅な伸びを示してまいっております。
 試みに農業純生産で見ますと、四十七年度から五十四年度までの間に、全国では一・九倍の伸びでありますのに対して、沖縄におきましては同期間に二・七倍の増加を示しておりまして、本土の農業生産に比べても沖縄の農業がかなりの振興を示したということが言い得るのではないかと思っております。
○島田委員 自画自賛も含めての御説明でありますが、そうすると、農業関係の予算はどのように推移してきましたか。
○川村説明員 お答え申し上げます。
 沖縄復帰以来の農業の振興に関する予算措置につきましては、農業基盤整備費を中心に、四十七年度の六十二億円から五十六年度には二百八十六億円と年々伸びを示してきておりまして、全国の農業関係予算に占めます割合も、四十七年度の〇・五%から五十六年度には〇・九%まで高まってきております。五十七年度の予算におきましては、耕種あるいは畜産におきまして生産対策を中心に予算の統合メニュー化というのを進めてまいっておりますので、この分の予算の特定がちょっとむずかしくなってきたという特殊事情がございまして、五十七年度二百七十七億円と前年に比して若干特定し得るものは減少しておりますけれども、統合メニュー化事業の中において従来同様沖縄対策を引き続き実施するつもりでございますので、実質的には前年対比でさらに増額していくつもりでございます。
○島田委員 ずいぶん力も入れてきましたという御報告であり、本土よりも生産は伸びました、そこはわかりました。しかし、一番大事なのは所得であります。農家の所得、つまりふところが温かくなったかどうかというのが、この効果があったかないかの一つの目安でありましょう。沖縄の農業所得あるいは農家所得、私は農家所得という考え方はとらないのでありますが、しかし、限られた面積、限定された経営の中でありますから、農家のふところを考える場合には農業所得だけでは賄い得ないということは容易に想像できるから、農家所得というものも含め、農業所得、農家所得はどんなことになっているのですか。
○川村説明員 お答えいたします。
 沖縄の農業所得、農家所得につきましては、四十八年度の沖縄の農家所得が百二十三万二千円、農業所得が三十八万六千円となっておりましたが、五十四年度の農家所得が三百八万一千円、農業所得が八十三万円となっております。
 それで、御指摘にもございますように農業所得の農家所得に占める割合は、遺憾ながら年々低下してきていることは事実でございます。しかし、沖縄におきましての本土復帰以来の農業の順調な発展によりまして農家所得、農業所得は先ほど申し上げましたような着実な伸びを示しておりまして、四十八年度の本土に比較いたしますと、農家所得が本土対比五三・四%、農業所得が五二%でありましたのが、五十四年度にはそれぞれ約七割に上昇しており、本土との格差もかなり縮小してきているということは申し上げられるのではないかと思います。今後とも第二次振興計画等に即しまして農業振興に努め、本土との格差縮小にさらに努力してまいるつもりでございます。
○島田委員 残念ながら本土との格差は依然かなりある、こういう実態であります。そうなりますと、私が先ほど質問をいたしました農業振興のための予算であるとか、そのほかのいろいろな施策をやはりもっと重厚にしていかなければ、本土との格差は縮まらないということに結論づけられると言ってもいいのではないか。
 ずいぶんやってきました、こういうお話でありますが、問題はキャパシティー、かさばかりでかくなったって、農家自身のふところが温かくなってこなければ目的が達せられたとは言えないですね。私の方も不用意に本土との比較で比較でと申し上げているのでありますが、それは一つの目標として絶対外すことのできない目標ですね。ではあるけれども、沖縄はそう簡単に車に乗って隣の県に出稼ぎに行けるような条件にない。それは、いま農家だけのことを申し上げているのではありません。県民所得をどうやって向上させていくか、あるいはこの間の論議でもほぼ各党が集中的に議論を展開しておりました失業解消、雇用拡大、こういう問題を考えるときにも、やはり地場産業として大事な農業、漁業、そうして林業というものが雇用拡大、雇用安定の大変大きな一つのセクションを担当しているので、もっとそこに力を入れるべきである、私はそう思う。本土との比較からいえば、これでも大変なお金を突っ込んでいるのです、力を入れているのです。そこのところだけ本土並みになったって、現実に農家自身の生活が豊かにならなければ、そしてまた沖縄の全体を考えてみても、全体の景気を回復し、景気の原動力になるのは農村部であり、漁村部である、これは本土も同じことが言える。そういうことを考えますならば、今後十年間における農業振興策というものには本当に腰を入れてもらいたい。やりましたやりましたと言ったって、われわれは、僕ら政治家も含めて、経過が大事じゃなくて、結果が出てこないことには評価できないのであります。そういう気構えでひとつ農水省もがんばってもらいたい。ここのところは激励にとどめておきます。
 時間を少し節約したいので、いまの点についてはまた後刻この沖特委において私が取り上げていかなければならない点だと思っていますから、そのときは農林大臣にも来てもらってしっかり答弁してもらわなければならぬと思っております。
 そこで、農業を考えていく場合に忘れてならない要素が幾つかありますね。まず、沖縄の本土に比べても見劣りのする経営基盤であります。それは一つには面積、同時にまた基盤の確立、土地改良、水の問題など、整備していかなければならない要件が幾つかあるのであります。
 そこで、まず農用地という問題について考えてみたいのでありますが、たまたま沖縄については農外資本によって買い占められた土地がいっぱいあるというふうに言われて、私も現地でその実態に触れてきました。県民の大事な財産が残念ながら県外資本によって買い占められる、あるいは農外資本によって農地が取り上げられる、こういうことは私は何としても解消せんければならぬと当時強く思ったのであります。これは帰ってきて関係のところにもお話ししましたし、農林省にもこの農地の買い戻しというのは急がれるということを指摘いたしたことがございます。おっしゃるとおりだから、農地の買い戻し、有効利用に向けて農林省としては力を入れたいということでした。また国土庁にかかわる部分についても、国土庁に行ってこの点の話をいたしたことがございます。その後何年かたっているのでありますが、この買い戻しの状況はどうなっているのでしょうか。
○吉國説明員 お答え申し上げます。
 農地につきまして農地保有合理化法人の制度、具体的には沖縄県につきましては沖縄県農業開発公社による買い戻しの状況でございますが、昭和四十八年度から五十四年度にかけまして八百十一ヘクタールの買い戻し、買い入れを行っております。五十五年度にさらに四百ヘクタール近くの買い戻しが行われておりまして、合計をいたしまして、五十五年度までのデータでございますが、千二百七ヘクタールの買い戻し、合計九十六件で、金額にいたしまして約二十七億円という状況に相なっております。
○島田委員 今後の見通しはどうですか。
○吉國説明員 今後とも農業上の積極的、有効な活用を図るという上におきまして、農業振興地域内の農地につきましては極力買い戻しを行い、さらに、意欲のある農家の育成に役立つように積極的に売り渡しを進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○島田委員 あたりまえのことをあたりまえに答えているだけでさっぱり中身はわからぬのでありますが、少し時間を節約したからもう一遍もとに戻ってお話ししますが、昭和五十二年に沖縄県が「農業に関する振興基本計画」というのをお立てになっている。その第一に「農外資本に買い占められた農地の買い戻し」という項目がある。御承知でしょう。これから極力やります、そんなことは私だって答えますよ。どれぐらいの面積があって、年次的にはどういう計画でおおよそ進められそうかぐらいのことは言ってもらわないと、農用地の買い占めの状況はどうなっているかという質問に親切に答えているということにならぬじゃないですか。
○吉國説明員 買い占められた土地がどのくらいあるかという点についてでございますが、沖縄総合事務局で行われた調査と理解をいたしておりますが、昭和四十六年から四十八年にかけて取得された面積のうち、農地が約三千ヘクタールというふうに承知をいたしております。先ほど申しましたように、千二百七ヘクタールが従来までの買い戻し面積でございますが、具体的な年次計画というところまでは立てておりませんが、先ほど申し上げましたような方針に従いまして極力急いで、事情の許すものから進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○島田委員 まだ三分の一しか買い戻していないのですから、まだ約三分の二あるわけですね。これはよほど腰を据えてやらないといかぬ。督励しておきます。
 そこで、心配されますのは、そういう土地はあるが、地元の心配は、年々地価が上がっていく、これは本土並みにやはり地価は急騰しているようですね。これから十年間に約二千ヘクタールの買い戻しを行うとすると、地価対策というものがしっかりしていないと、なかなか買い戻しもできなければ、また地価つり上げを先導するようなかっこうになってもいかぬ。高い土地を造成して、さあこれでやれよでは大変です。私自身も農業をやりながら一番悩むのは、土地の値段がどんどん上がっていくということなんです。その辺の対策はしっかりお立てになっているのですか。
 そしてまた、その仕組みをちょっと教えてください。どうやって買い戻しをする、どういう機関がどういうふうにして買い戻しをする。それは農地としていままで使われているものではないものがほとんどでしょう。大体は荒れ地みたいになっておるんだ。当然それは買い戻ししたら造成しないと畑にならない。だから造成費がかかりますね。欲しい農家に売り渡すときにはとんでもない高いものになってしまうというようなことでは農用地対策にならぬのです。きょうお答えができなければ、それは後ほどまた資料としてでもあなたの方のお考えを正確に聞かせてもらいたいと思っているが、おわかりになる範囲でお答え願って結構だが、これはどうですか。
○吉國説明員 御指摘のとおり、買い戻しをしておりますものの中には相当部分がそのままでは農業上に使えないという状況に、かなり荒蕪地化したと申しますか、そういうものも含まれておるのが実情でございます。そこで、そういった場合につきましては、農用地開発の事業でありますとか、あるいは畜産基地建設の事業でありますとか、そういった事業の採択と並行いたしまして買い戻しを行い、造成をした後で売り渡すといったようなことをいたしておるわけでございます。そのほかにも、すぐに使えるものにつきましては、一般の買い入れ売り渡しということでやっておるものもございます。全体の量的には、先ほど申し上げたような事業関連で買い上げて、事業が終わったところで売り戻すというものの方が多いというのが実情でございます。
○島田委員 先ほど触れました県の農業振興基本計画によりますと、かなり具体的な提案をしていますね。
 農用地利用銀行を設置してほしい。それは農業委員会や地方自治体や農協、それぞれ連携し合って特定利用権を設定する。これは農地法等にも抵触する部分もあるかもしれません。そしてまた、農地利用増進事業というのをこういう中から進めてもらいたいという考え方が示されています。これは所管は農林水産省でしょうが、こうした提案に対してこれを不問にしているのですか。
 それから、荒蕪地再開発のための助成措置をぜひとってもらいたい。さっきの地価対策との絡みから言えば当然の要求であります。
 また、山林原野の適地は、畜産基地や農地開発事業、草地開発事業によって農地を造成してもらいたい。そして県土との一体的利用を図る。また国有林野における適地も相当あるから、この積極的な利用についても配慮願いたい。かなりこの計画は具体的なんですね。
 さらに、おおよそ四百ヘクタールに及ぶ農用適地が米軍施設の中にある。軍用地転換計画の農業的土地利用区分の設定されている区域については強く返還を求めてもらいたい。こういうことを計画の中で言っているのです。
 これは、ちなみに五十二年に県が策定したものであります。課長は御存じないような顔をしているが、知らないんですか、この計画。また県のこの要請は農林省にはないのですか。沖縄開発庁にはあるのでしょうね。お答えください。
○藤仲政府委員 お答えいたします。
 五十二年に沖縄県の方でそういう計画を策定したということは承知しておりますが、これは国の方で関与しておりません。そこでその後の経過等もわれわれは承知してないわけでございます。
 ただ、私どもが県庁から聞いておりますところでは、農政の基本方向に関する点については今後も維持していくという考えであるけれども、いずれにせよ第二次振興開発計画の策定の段階に入っておりますので、それが策定されればそれが基本方向となるもの、そういうぐあいに考えておるということを聞いております。
○島田委員 この計画は西銘県政で立てられていない。革新県政であった前屋良知事のもとでつくられた。よもやそういう差で物を考えているんじゃないでしょうな。どうですか。
○藤仲政府委員 ただいま申し上げましたとおり、詳細について私は承知しておらぬわけでございますが、県当局の話では、農政の基本方向に関することについてはこれを維持していく。ただ、今後二次振計を策定するわけでございますから、二次振計の内容にどういうぐあいになっていくかは、これはこれからの問題でございます。
○島田委員 またもとに戻るような話になっちゃってこれはきわめて遺憾でありますが、そもそもこの沖振法に基づいて沖縄振興計画なるものは国が立てて押しつけるんじゃないんでしょう。県の自主性と独立性に基づいて立てられたものを、やや調整する部分はあるにせよ、おおよそそれを尊重するというところにこの法律とこの計画の基本がなければならぬと私は思うのですが、こういう大事な農業振興に対する県の意見を無視するというようなことは一体いかがなものなんですか。聞いておりませんという話はまことにいただけない。北海道の私だって知っている。わずか一時間の質疑の中でも、現政府が沖縄県に対してとっている仕打ちなりやり方なりはきわめて冷酷、冷たいものである、真剣に考えていない、こう言ってもいいんではないですか。私は、いま私が申し上げた点で、確かにその点についてはいろいろ検討したが、かくかくしかじかでこのようになりましたという答弁が返ってくるかと思った。あずかり知りません、何たることですか。農林省も農林省だ、聞いてないという話はない。――聞いてないから答弁しないんだろうと私は思っていま言っているんだが、こんな大事な沖縄の農業の振興計画、振興に対する意見、もっと素直に、県民の意思を体してやるという気持ちがあるならば、これを受けて立って、それは中には無理なところがあるだろう、筋の通らぬところもあるかもしれぬ、しかし、そのことに真剣に対応するという行政の姿勢がなかったら話にも何もならぬじゃないですか。これから十年間も同じことを繰り返していくのですか。残念ながら、そんな振興法なら私は賛成できない。責任ある答弁を求めます。
○美野輪政府委員 先ほどもお答えいたしましたけれども、二次振計の策定に当たりましては、県にその原案の提出権を認めておるところでございまして、この現行の仕組みは今後もそのまま引き継ぐということで考えておるわけでございます。
 私どもといたしましては、県の方で大変慎重な手続を経て、県内の各界の意見等も集約しながら、その原案を作成する手順を整えておるというふうに承知をいたしております。先生も先ほど御指摘ございましたように、県原案は当然国においても尊重されるべきものというふうに私ども考えております。また、国の審議会におきましても、地元の各界の代表の方々に委員として多数御参加をいただいておるところでございまして、そういった意見等も私ども十分聞きながら、国の計画を策定するということで考えてまいりたい、このように思っております。
○島田委員 ところで、いままで買い戻しをした農地の平均的な価格というのは一体どれくらいになっておりますか。同時にまた、沖縄の農地の平均的価格、わかったらお知らせ願いたい。
○吉國説明員 買い戻した農地の平均価格でございますが、先ほど申し上げました数字からここでちょっと暗算でいたしたわけでございますが、千二百七ヘクタールの面積に対しまして二十七億強の買い戻し価格ということになっております。したがいまして、十アール当たり約二十万円強の価格になろうかというふうに思います。
 全体の農地の価格でございますが、御案内のとおり、先ほども御指摘がございましたが、農地価格の値上がり傾向が続いております。全体的に見ますと全国の値上がり傾向と余り大きな差はないようでございますが、水田で見ますと、これは全国農業会議所の調査でございますが、都市計画法の線引きが行われていない農用地区域、純農的な地域の価格で申し上げますと、中田で十アール当たり七十三万一千円、五十六年の数字でございます。御参考までに申し上げますと、全国が百四十万二千円でございますので、水田では約半分の水準と言えようと思います。中畑で見ますと、沖縄が十アール当たり七十六万四千円でございまして、全国の同じく中畑の数字、九十六万六千円に対しまして約八割方の水準になっておるわけでございます。
 先ほど地価対策についての御指摘もございましたが、地価の上昇の中には、全体の開発が進んでまいったことによる影響ということもあろうと思いますし、一部には農業振興に意欲を燃やして規模拡大の需要があるということも影響していようかと考えておりますが、関係各省とも協力をしながら、地価対策に取り組んでまいる必要があろうと思います。
 私どものできる範囲といたしましては、農地転用規制なりあるいは農業振興地域の制度、農地区域の開発制限、そういった制度を通じまして、できる限り適正な土地利用を実現していくということを通じまして、農地価格の抑制にも努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
 それから、先ほど農用地利用増進事業の取り組みぶり等についてもお話しございましたので、ついでにお答えを申し上げさせていただきますと、沖縄におきましても農用地利用増進法に積極的に取り組んでいただいておりまして、全国に比べればまだやや出足の鈍い点はございますが、五十六年の十二月末の数字で五百ヘクタール近いものが利用権設定が行われておりまして、最近かなりふえてきつつあるということを私ども喜んでおる次第でございまして、今後とも地元の方々の御協力をいただきながら、積極的に推進を図ってまいりたいと考えておる次第でございます。
 なお、農地銀行問題にもお触れになったわけでございますが、沖縄県の言っておられます農地銀行と同じものであるかどうか、私、ただいまよく承知をいたしておりませんが、私どもで一般的に全国的に農地銀行制度という助成制度を行っておりまして、これは農業委員会の活動を通じまして、農地を売りたい、買いたい、あるいは貸したい、借りたいという希望等情報を収集いたしまして、カード式に整理をしておくといったような事業でございます。そういったものを全国的に地域農政推進対策の中で進めておりまして、そういったものの活動を踏まえまして、農用地利用増進事業につなげていきたいという制度があるわけでございます。そういった制度につきましては沖縄県につきましても当然助成の対象になっておるわけでございまして、こういった形を通じまして今後とも農用地利用増進事業の推進とそれによります経営規模の拡大、これに全力を挙げてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○島田委員 先ほど私がちょっと触れましたが、米軍施設の中に農用適地がある。これの返還といいますか、転換を求めているというような事実は農水省にあるのですか、あるいは開発庁にありますか。
○美野輪政府委員 お答えいたします。
 私どもの聞いております範囲で申し上げますと、直接農業適地を返還してほしいという直な話としては私ども聞いておりません。ただ、いわゆる黙認耕作地というのがございます。これにつきまして、種々施設庁と耕作者との間にときにいろいろ意見の相違があるというようなことは私ども耳にしております。大体そのような状況でございます。
○島田委員 今後の問題として、そういう適地を返還してほしいという要求が出てきたら、防衛施設庁、これにはどういう対応をしますか。
○伊藤(参)政府委員 お答えします。
 黙認耕作地につきましては、先生御承知と思いますが、米軍施政権下のもとにおきまして、米軍が、基地の運用のために必要な地域ではあるけれども、保安用地その他の状況下にあって、いわゆる土地として確保しておくのが第一の理由、それに対して、農業用地として、沖縄県民の方々の生活等の利便も考えて、米軍自身が条件を付して使用を許可していたというのがそもそもの発想でございます。
 それで、沖縄復帰後におきましても、米軍基地の中であって、なお米軍基地の運用上支障のない範囲において、農業用地として使用しておるものも現在かなりございます。それにつきましては、一応米軍運用に支障のない限りにおいて、現在耕作されておられる方の農業経営については支障のないようには運用しておりますので、私どものところに、黙認耕作地について返還してくれというような具体的要望というのはほとんど参っておりません。そういう状況でございます。
○島田委員 私の言っておるのは、返還してくれという要請が仮にあった場合にはどうするのか。
○伊藤(参)政府委員 お答えします。
 返還要請につきましては、地元市町村の方の行政需要に基づくものとか、あるいは現所有者、耕作者からの土地利用のための御要望というのがいろいろな面で出てまいることも考えられるわけでございます。われわれといたしましては、米軍基地としての運用上の利用状況とそれから御要望の要請といったようなものも加味いたしまして、必要があれば米軍とも調整して、そういう返還要望についての米軍に対する申し出等をお引き継ぎすることもあります。
○島田委員 さて、次に、大事な農業経営を行っていく上での重要なもう一つの柱は、基盤整備でございます。この際、この十年間における農業基盤整備のために投入した予算はどれぐらいですか。どれだけの農地が整備されたか。この点を明らかにしてほしいと思います。
○大脇説明員 沖縄県における農地の整備の状況についてお答えいたします。
 沖縄県における農地の整備は、ここのところ年々本土を上回るベースで伸びてきておりまして、全国のそれが二・八%で伸びているのに対しまして、沖縄県は毎年四%というようなことで進展してきておるわけでございます。
 農地の整備率を推計するに当たりましては、私どもは営農の機械化という観点をポイントに置きまして、水田にあっては、原則として三十ヘクタール以上整形済みのものを整備済み、また畑にあっては、農道が整備されているものを整備済みとして推計しているわけでございます。この推計によりますと、沖縄県における農地の整備率は、昭和五十年時点では一・四%という水準にすぎなかったわけでございますが、五十七年度時点では、この間に約一万二千四百ヘクタールの耕地の整備が行われまして、約二九%の水準にまで上がってきております。全国では約三七%でございますから、なおおくれがあるわけでございますが、こういうふうに整備率自身は上がってきているわけでございます。
○島田委員 一千億といったって、これは十年間の話ですからね。容易に想像できることは、これっぽっちの金を投入したって、とてもじゃないが基盤整備ができましたというような実績を上げることはできない。たまたまことしの予算に触れて、ゼロシーリングの中で一〇〇を四%超えたんだからとおっしゃるが、それはとてもじゃないが、沖縄の現状、土地基盤の必要とする事業総量を見た場合には、依然としてこの先もまことにのろのろとした事業進捗にしかならぬだろう、僕はそんなふうに予想している。それは全体予算の一割を投入しているんだからといったって、私が先ほど冒頭に、沖縄の今後を考えていく上の大事な振興の柱は、第一次産業、とりわけ農業の振興にある、だから観光の方に置いておる軸足をもっとこっちの方に置きかえろと、こういう主張をしたのはそういう点であります。
 それでは、今後こういう予算の中で一体どの程度進んでいくと考えていますか。
○長野説明員 沖縄の農業基盤につきましては、基幹作物のサトウキビその他の畑作の振興のために、農業用水路の開発等従来から実施しております。
 先生御指摘ございましたように、整備の水準が他の府県に比べまして若干おくれておりますので、採択基準だとか、補助率、予算、そういった面でいろいろな措置を講じまして積極的に実施しておるところでございます。それで、過去十年間に約七・五倍の伸びを示したわけでございまして、先ほど御説明いたしましたように千二十五億円ということでございます。
 今後の問題でございますが、当然第二次振興開発計画あるいは土地改良長期計画、そういったものを踏まえまして、沖縄県のためにできるだけの事業をやろうと思っております。
 ちなみに、昭和五十七年度の要求しております予算でございますが、伸び率は先ほど先生おっしゃいましたように一〇四・四でございますが、この中で国営の名蔵川地区の新規着工をやる。それから、国営事業の二地区、圃場整備、灌漑排水事業など補助事業といたしまして約三百地区を積極的に推進していきたい。さらに将来でございますが、沖縄の農業振興を図るために、気象的、地形的その他の諸条件を十分配慮いたしまして、積極的に水資源の開発等の農業基盤整備事業を実施してまいりたい、このように存じております。
○島田委員 積極的にという、言葉はまことに頼もしいのでありますけれども、本当にそのとおりにいくのかどうか、予算の面から考えますれば、きわめて心細い感じがする。
 私も、モデル的におやりになりました地域を幾つか見てきました。屋我地の構造改善でおやりになったあの土地基盤整備の事業、また宮古の上野村を中心にした基盤整備の状態、いずれも私は大変いいことだと思っています。残念ながらそれが局部的に、モデルだとかパイロットだとか、パイロットは少し大きくなりますが、どうも私は気に入らぬのでありますが、いつまでもモデルみたいなことばかり考えている。もっとそれを思い切って広げていかなくちゃだめだ。狭い沖縄県といったって、いまのような進みぐあいなら、十年でどれだけいくんだろうか。いままで長い間手抜きになっていた沖縄だから、一遍にそうはいかないということは十分割り引きして僕は言っているんだ。しかし、沖縄のいわゆる振興というものは、農業を取り除いてはだめなんだ。これを除けば片ちんばなものなんだという認識があれば、そこにもっと予算を突っ込んでいかなくちゃならぬという答えに必ずなってくるはずなんです。どうもいまのお話を聞いていると、積極的にとこうおっしゃるが、具体的にはどうも積極的になりそうもないという心配がある。もっと自信をもって、決意を持って、この問題に取り組んでもらうということを僕は確約してほしい。どうですか。
○長野説明員 全力を尽くしまして沖縄の基盤整備の推進に当たりたい、このように存じます。
○島田委員 あなた、大臣になったようなことを言うなよ。それは大臣ならそういう答弁するよ。一官僚で大臣の答弁みたいなことを言っていたんじゃ始まらぬじゃないですか。それは役人の立場では言えないと言えば僕はわかりますよ。積極的にと言ったら、今度は言葉を変えて。それは大臣答弁というものなんです。大臣が言ったって、僕は許さぬと思いますよ。あるいは大臣ならなお許さぬということにもなるかもしれぬが、事務方にいる皆さんはその壁を破っていかなければね。これじゃ沖縄の農業振興なんというのはまことにおさびしい。沖縄の農業というものの大事な農業振興のために、必要な基盤整備という問題は、これは改めてまたいろいろ角度を変えてやりますが、きょうは持ち時間を整理しておりますから、ここらで余りどまづくと先の方に進まぬということになるからやむを得ないので、いまのお答えは私は了とはできないが、保留したまま次の質問に移らざるを得ない、こう思います。
 さて、もう一つ沖縄の農業にとって欠かせない大事な問題があります。水です。水の問題が解決されなければ、幾ら基盤が整備され、意欲を持った農業者がそこにおっても実効を上げることは不可能、これが沖縄の置かれているもう一つの大きな問題ですね。私の北海道では雨がばんさと降ってくれるから、うちは多過ぎて本当に沖縄に持っていってあげたいくらいだ。沖縄に数度行ったが、島田さん、一番沖縄が喜ぶおみやげは水です、雨持ってきてくれ、これが皆さんのおっしゃること。そのかわり帰りに泡盛やるよ、それくらい違うのです。水の深刻な問題というのは一向に解消されない状況に置かれている。これはやはり真剣に考えなければいけない。確かに建設省が中心になって幾つかのダムが建設されている。しかしこれも、私は行くたびに福地ダムなどのぞいてみるが、底が透けて見えるようなおさびしい貯水のありさまです。県民は毎年断水、時間給水に苦しんでいる。暑い沖縄だからふろにも入りたいが、倹約、節約してふろに入らなければならぬ。それだけではない。大変大きく生活に脅威となっている。いわんや農業においては、空から雨が降ってこない限りは何ともしょうがない。その被害をずいぶん幾度となく繰り返し受けてきました。北海道じゃ去年えらい大きな台風がやってきまして、これは沖縄を飛び越し、九州を飛び越し、内地のところを頭越しにして北海道に来た、招かれざる客であります。何と天は皮肉なものよ。そのときは沖縄は一日千秋の思いでみんな空みて、百万の県民皆空を仰いで、雨よ雨よ、この際は少々の被害があっても、大きな台風どかっときて、ばんと雨を降らしてくれ。ぞっとする話であります。私どもは十五号台風だ、十八号だ、十二号だといってえらい被害を受けて、「もうこりごりよ、台風は」と言っているときでありますから、その切実さは本当に身につまされる話であります。
 私は水の対策をやってないとは言いませんよ。これもまた、せんだって宮古の地下ダムを実際に見てまいりました。農業用水としての確保ですね。これは沖縄の特性を生かした発想であり、取り組みとして私は評価していいと思うのです。幸い宮古に限らず、沖縄はほとんどサンゴ礁という特殊な岩盤によって構成されている島でありますから、それをうまく利用すれば水の確保というのはある程度できる、こういうふうなことも素人なりに考えられることだったのでありますが、たまたま琉球大学の古川教授がこの間、つい先日、調査研究されました結果を発表いたしました中に、興味深い文献が載っておるのであります。沖縄本島でも、いま上に見えるダムの建設は進んでいるけれども、これだってさっき指摘したように、水がめ満々とたたえられるというような状態は一年のうちほとんどないと言っていい。これは後ほどまた山の問題なんかに触れて指摘をいたしますが、こちらの方の話を先にさせてもらうと、古川教授の発表している内容というのはきわめて興味深い。嘉手納基地の滑走路と並行しているのでありますけれども、地下に深い不透水基盤の谷がある。この谷は幅一キロ、深さ五十メートル、奥行き四キロという、細長い溝状なんでありましょうが、そうなっていて、地下水がとても豊富であるということが発見されている。これを水量で推算いたしますと、底長一キロ、高さ三十メートル、貯水域の長さが三キロの地下ダムがここにつくられると見ていいだろう、その水量が六百万トンに及ぶと言われています。これは、比較いたしますと現在の金武ダムの九倍、浦添市の七万の人口の生活用水としては一年分賄える量だ、こう言われているのであります。
    〔高橋委員長代理退席、委員長着席〕しかもそのほかに、いまお話ししたキャンプ・ハンセン一帯には古億首川と呼ばれるわき水がありまして、これがずっと延びて金武大川まで達している。大変なものですね。いま計画が予定されております億首ダムというのはこの地下水を貯水する地下ダムを併用するというふうなことになっているというやに聞いているのでありますが、億首ダムだけでは七百万トンですけれども、これにつながっていまの地下ダムというものの水量を全部合わせてまいりますと、さっき言ったほかにここだけでも優に一千万トンを超えるということになるのですね。また、キャンプ・コートニー付近で地下水の流れをとめるといたしますと、これまた数百万トンの貯留が可能だ。水資源があるのですね。工法はいま言ったような工法でこの水を確保するとすればこれまた数百万トン。読谷飛行場一帯の琉球石灰岩台地でも地下水が貯留できる地質であるということも調査の結果明らかになっている。これは考えてみていい話じゃないでしょうか。いま、お金がかかるとやら、やれ時間がかかるとやら、沖縄は言っていられないのです。われわれ本土において考えることのできない深刻な水に対する悩みを持っている。沖縄の振興開発は極論すればこの水の解決にあると言っても言い過ぎでない。だとしたら、ここに力、予算を惜しむべきではないではないですか。私の指摘に対して、事実関係をお調べになったことがあるか。ないとすれば、今後そういうことは、調査に値するものと私は思うのですが、おやりになる考えがあるか。まずここのところをお聞きしたい。
○藤仲政府委員 御指摘のとおり、水資源の開発は今後の沖縄振興開発を左右する最も重大な問題の一つであると私どもは考えておりまして、従来から水資源の開発には多大の努力を費やしてきておるわけでございます。
 現状を申し上げますれば、御案内のとおり、隔日給水制限が昨年夏から続いておるという状況でございます。当面の対策と申しますか、現在私どもが推進しております対策は御案内のとおり北部三ダムの完成でございまして、この北部三ダムにつきましては五十七年度中に完成ということでございまして、安波ダム、それから普久川ダムはすでに試験湛水を開始いたしております。
 そこで、これも試験湛水を開始しましても、雨が相当降らなければ早くたまらないことはもう御指摘のとおりでございまして、いま県の方では、いまちょうどお話がございました嘉手納には非常に貴重な水源として井戸群があるわけでございますが、そこに新たな井戸の試掘を検討いたしておる状況でございます。
 今後もやはり、何と申しましても、一般的な水資源開発の手法といたしましては、大量の水を恒常的、安定的に確保するという点におきましても、あるいはまた、完成後の維持管理が比較的少額で済むということにおきましても、当面なお多目的ダムの建設というのを主体として水資源の開発を進めるべきであると私は考えておりますが、御指摘のように地下の水源の利用ということも可能でございますし、また海水の淡水化というような構想もございます。場合によってはそれらのものは生活用水、都市用水として見ますれば局地的な水源であり、あるいはまた補完的な水源であるかもしれませんが、御指摘の農業用水としてはこれは大いにこれから開発をしていく価値があるわけでございます。
 具体的に申し上げますれば、五十七年度予算におきまして本島南部地区の、これは地下ダムを水源とする地区調査に着手する予定になっております。
 それからお尋ねの、新聞に出ておりました古川教授の地下ダムの可能性について、いままでに検討したことがあるかという御指摘でございますが、嘉手納地区につきましては検討した事実はございません。今後また県当局とも連絡をとりまして、そういう可能性というものについても検討してまいらなければならない、かように考えております。
○島田委員 現在進めている多目的ダムの問題はちょっと後ほどまた触れますが、まずはその地下ダムの問題について、まだ調査をおやりになっていないということで、今後よく県と相談してというお話だから、ぜひひとつそれはやってもらいたい。しかし、これはそれぞれ基地にあるわけですね。県として利用したい場合には問題はないでしょうね。
○伊藤(参)政府委員 お答えします。
 米軍基地に関する件でございますので施設庁の方からお答えを申し上げますが、沖縄における水の事情というのは私ども十分承知しておりまして、従来も地上式ダムといいますか、多目的ダムをつくる場合、米軍基地に関連する問題につきましては、私どもの方も調整に立ちまして、米軍基地の運用と支障のない限り、そういった開発を進めるということでやっております。
 御指摘の地下ダムにつきましては、正直申し上げて私ども現在のところ全然知識を持ち合わせておりませんので、今後沖縄県あるいは開発庁の方で御計画を進める段階において必要があれば、私どもとしても調整をとってまいりたいと思っております。
○島田委員 この際ちょっとお尋ねしておきますが、計画が出され、相談があれば乗るという防衛施設庁のお考えが示されたのでありますが、そうすると、いまのお話では、そういう計画が立てられてここに地下ダムの建設が行われるということについては、何の支障も問題もないと受け取っていいですね。
○伊藤(参)政府委員 お答えします。
 先ほど申し上げましたように、私どもとしましては現在この地下ダムについては実際の調査状況等も一切承知しておりませんし、それから現在まだ御計画もないようでございますが、現在米軍基地として提供し、米軍が運用しております基地のその機能に対して、そういった計画がいかなる影響を与えるかということも全く承知していない状況でございます。でございますので、今後そういった状況が進んだ上で必要があれば、私ども調整申し上げるというので、現在、支障があるかないかということについて申し上げられる段階ではないと思っております。
○島田委員 それなら聞くけれども、支障がないとわかったら問題ないですね。
○伊藤(参)政府委員 この支障という問題につきましては、繰り返して申しますようでございますが、米軍基地の運用上の問題と水資源開発の問題、そういった面で検討しなければならないものでございますので、そういった支障のあるなしがわからない段階、あるいはどういう状況かわからない段階で、支障がなければという問いに対しては現在ちょっとお答えいたしかねると思うのでございますが。
○島田委員 仮に支障があっても、県民福祉に寄与するということが最優先するものだという理解でいいですか。
○伊藤(参)政府委員 お答えします。
 私どもの立場は日米安保条約に基づく米軍駐留目的というものを果たすためにやっておりますので、先生の、仮に支障があっても県民福祉のためにはというのも、やはりそういったそれぞれの目的達成のために必要な程度において論じられると思いますので、一概には申し上げられないのではないかと思います。
○島田委員 いま水の問題は深刻である。もう本当にのどから手が出るほど水が欲しい。それが県民の皆さんの生活に深くかかわり、大げさに言えば、それが県民のいわゆる幸せにつながるとしたら、それが優先するのはあたりまえでしょう。それでもなお日米安保だ、地位協定だとか言わぬでしょうなということを言っているのです。それは、この計画がどこを基点にして始まらなければならぬかという原点を僕は言っているからです。いま具体的には水の問題を取り上げました。そういう問題は沖縄にごまんとあるのです。仮定の問題にはお答えできないという姿勢だけれども、直接は防衛施設庁がいま所管しているが、日米安保だ、地位協定だとなればこれは外務省である。外務省はこの問題に対して前向きに取り組みますね。
○辻政府委員 ただいまお話のありました新聞記事等は、先ほどお話を承りまして、琉球大学教授の発表なるものをただいま拝見したばかりでございます。具体的には承知をしておりませんが、沖縄におきまして飲み水、農水等を含めて水資源を確保することは非常に重要な問題だということは、先生の御指摘のとおりであります。
 したがいまして、先ほどありました多目的ダムでいくのか、あらゆるものを探して可能な水資源を開発していかなければならないということだと思いますが、この件につきましては、具体的に建設省なり県庁なりの調査によりまして、どの程度のものが必要であるのか、できるのかということを踏まえました上でないと、私どもがすぐに御意見を申し上げることは若干むずかしい。
 ただ、おっしゃいました米軍の基地というものは、日本の安全保障のために必要があることでありますので基地の使用を認めておるということが一方にございますが、そのことはそのことといたしまして、住民の水に対する願望が非常に強いわけでありますから、具体的なものを承ってある程度になりましたら、いかに調整ができるかということに真剣に取り組んでみたい、私どももさように考える次第でございます。
○島田委員 それ以上お話をするのも――まあいま政務次官から言われたことは私自身にとってみればまことにあいまいもことしてわからぬが、それでは仮にこういう場合はどうですか。地下ダムがこの嘉手納基地の地下三十メートルほど下の方にある。これは常識的に考えれば支障を与えませんわね。それでも日米安保に基づく地位協定の対象になるのですか。
○辻政府委員 ただいま仮定の設定を立てられましての御質問でございますけれども、私どもとしましては、米軍の基地の使用の目的に適合させることができるのかどうかということは、具体的な事情によらなければ判断することは困難でございますので、一般的に何メートル下だからおまえは支障がないと思うかと言われましても、私も専門家でもございませんので、そういうことをお答えすることは困難でございますけれども、支障がなく水資源を獲得する方法ができる場合があるならば、それは結構なことでございますから、具体的事実に基づいて使用目的との間の調整を図る努力をしたいということをお答え申し上げているわけでございます。
○島田委員 僕は、いま仮に三十メートル下、こう言ったのですが、これはその地下の、いわゆる深さの仮定を言ったのであって、具体的にはそれは対象として考えなくてもいい、それなら問題がないという常識的な線として、それは理解ができるかどうかということを言っているのであって、もう少し詰めて言えば、米軍に貸している土地というのは地下何メートルまでが地位協定の対象になっているのであると、逆にそれを聞きたかったのであります。それはどうなっているのですか。
○辻政府委員 基地の使用の場合にも、地下に埋蔵管を埋めます場合もありますし、ケーブルを通す場合もありますので、一般的に見て地下に関係がないということは私は言えないというふうに考えるわけでございます。
 ただ、今度の先生の御質問の前提になっております地下ダムなるものが、どういうものであって、どういう構造であって、どういうふうにしてつくるものか、私ども全く存じませんので、抽象的に三十メートルなら常識的にはよかろうではないかと先生のおっしゃる気持ちはわかりますけれども、私が責任ある立場といたしまして、そういう仮定の問題について、基地の使用上支障がないんだということをここで申し上げることは困難ではなかろうかと思いますので、御了解を願いたいと思います。
○島田委員 地位協定で考えられるといいますか、いままで取り扱ってきた中で、地上から何メートル下までが対象になっているのですか。
○伊藤(参)政府委員 お答えします。
 私ども、施設及び区域という形で米軍に基地を提供しておりますので、その米軍の運用の必要性に応じてその施設、区域に含まれる地中を利用するということも、また米軍に与えられた権限と考えております。
○島田委員 そうしたら極端な話、地球の真ん中辺までも全部その対象になるのですか。真ん中を越えて裏側の地球まではないにしても、真ん中まではあるということですか。
○辻政府委員 先生の御質問の趣旨はわかりますから、全く関係のない地下が、基地の使用と関係が地球の下まであると申し上げる気はございませんけれども、現実にどこまでを使っておるのかとということにつきましては、私もつまびらかでございませんので、当該のケースにつきまして、仮にこの地区に地下ダムを掘るとした場合には、どういうダムが、どういう構造で、どういう位置にできるのかということと関連しまして、基地使用目的に適合しなくなるのかどうか、支障がないのかどうかという判断をいたしませんと、責任ある行政の立場としまして、極端な仮説の議論を私がここで申し上げますのはいかがかと思いますので、お許しをいただきたいと思います。
○島田委員 僕は仮説を言っているんじゃないですよ。米軍に提供されている土地というのはどこまでを対象にした協定になっているのかという、具体的なことを聞いているのです。それが地球の真ん中のところまで全部あるのか、あるいはそういう取り決めは全くないのか。ないとすれば下まであるわけですね。
○辻政府委員 地位協定そのものの中で、何メートルとか地下どこまでというようなことは何も書いてございません。したがいまして、具体のケースにおきましてどうなっておりますか私、つまびらかでありませんので、私の知っております限り、何メートルということを決めた例は存じないわけでございます。
○島田委員 今後そういう問題が起こってきますぞ。しかし、政務次官が言われているので私は了解します。というのは、それが支障がないとすれば問題ありませんと理解していいんですね。
○辻政府委員 お話しのように基地の使用目的に支障がないならばダムをつくることも可能であるという意味では、そのように考えるわけでございます。
○島田委員 そこで、先ほど藤仲振興局長からお話のあった多目的ダム、いま福地ダムを初めとする北部の五つのダムが、完成もしくは完成の域に近づいているものがある。しかし、これが完成しても十分な湛水を得られるかどうかというのには、私は何度か見に行っているが、どうやら心配である。その心配の一つに、水資源地のしっかりした確保という問題に大変心配がある。
 たまたまそこは、これまた日米安保に基づく地位協定によって演習場という指定を受けている。そのために、森林法に基づいて林野庁がしっかりとこれを確保し、またこれを守り、水資源涵養林としての機能を生かしていくという点で、そこはわが方から言うところの治外法権である。たまたまそういう実態に触れてきました。きょう私の同僚の伊藤議員から、三月六日「沖縄タイムス」がカラー写真で「沖縄の恩納村の実弾砲撃演習で焼かれた着弾地 痛々しい山肌を見せる伊芸ブート」ということで、こんなでっかい写真入りの新聞が手に入ってまいりました。見るも無残なんです。政務次官おわかりですか、赤くなっているのは皆撃ち込んだ弾の跡ですよ。緑なんかどこにもない。水がめ周辺においてややこれに似たような状況も生まれ出つつある。せっかく金をかけて水がめをつくったって、入ってくる大事な山のところがこんな状態になったとしたら、これはどぶに金を捨てたと同じことになってしまうんですね。建設省は洪水調節のために治水という関係でこのダムに取り組んでおられる。また農業用水としては農水省である。上下水関係、とりわけ飲用水で言えば厚生省である。工業用水で言えば通産省。一つのダムをつくるのにそれぞれ寄り合い世帯でやっているわけですね。それもうまく進んでいけばいいわけですけれども、しかし、大事な水がめに入ってくる源である山がこんな状態になっているというのは、放置しておけないと私は思うのです。何度か私は林野庁にこの点を指摘しました。保安林の指定を急げ、やたらに弾を撃ち込むような、そういう状況は完全にこれは阻止しなければいけない、こういうことを言ってきたのですが、林野庁の答弁はこれまたなかなか、ただ林野庁が責任を持って手をつけるという状況には相なっていない。何でかと聞いたら、日米安保条約だ地位協定だ、これが出てくる。
 まず、この際もう一遍、改めてこの場で、農林省林野庁のこの保安林指定に関するいままでの努力があったかないかを含めて、考え方を聞きたいと思うのです。
○小澤説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、沖縄県民の方々にとりまして水の問題が大変重要な問題でございます。また、北部の訓練場内の森林が水源涵養上重要であることは、私ども十分認識しているところでございます。
 しかしながら、北部訓練場内の森林につきましては、米軍に施設、区域として提供されておりまして、これは関係省庁に関連がございます事項であります。そこで、私どもといたしましては、この問題につきましては、関係省庁間で連絡をとりますと同時に、また関係省庁におきまして研究してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 なお、北部の国有林につきまして、水源涵養機能の一層の充実強化を図ることがまた実際上必要でございますので、この点につきましては、私ども、その充実強化を図るという観点から、必要な除伐その他の森林施業を今後実施してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○島田委員 僕の言っているのは、まずは水資源涵養保安林に指定すべきである、こう言っているのです。施業計画、わかるよ。それもやらなければいけません。しかし、やはり保安林としてそこをきちっと囲みをつくるということでないと、幾らあなたが施業計画をやって一生懸命木を植えてあれしたって、そこにまた弾をぽんぽんやられればそんなことになるのです。まず原点は、保安林指定を行うかどうかにかかっている。再度お答え願いたい。
○小澤説明員 お答えします。
 保安林の指定の問題につきましては、保安林の指定の目的、これはまさに森林を、水源涵養保安林でございますならば水源涵養上必要な規制をかけるということになるわけでございますけれども、一方におきまして、現実の問題といたしまして米軍演習の施設ということで提供されておる。そういたしますと、その施設提供の目的と保安林指定の目的との間の調整の問題がどうしても生じてまいりまして、この点につきまして関係省庁にまたがる問題が存在しているということでございまして、そのようなことで、その辺の問題につきまして今後さらに研究が必要かというふうに考えておるわけでございます。
○島田委員 それではあなた、これは保安林として指定すべきだという考え方に立っているのですか、どうですか。
○小澤説明員 指定すべきかどうかということになりますと、現実の提供施設であるということがございますので、やはり現実のそういう実態を踏まえませんと、その点につきましてはなかなかむずかしい問題があるわけでございます。
○島田委員 僕の質問に正確に答えてくださいよ。保安林としては必要ない、こう思っておるのですか。
○小澤説明員 必要がないということではございませんですが、そこを即指定ということになりますと、その辺につきましては先ほど来申し上げた問題があるということでございます。
○島田委員 それでは必要だと思っている、しかしいろいろな問題があるというのは僕はわかるよ。そうすれば、必要だと思って林野庁は所定の手続をとって、ぜひ水源涵養保安林として指定できるようにしてくれという要請や注文をつけたことありますか。
○小澤説明員 保安林の指定の必要性というその点の問題ではございませんで、私ども認識しておりますのは、この地域の森林が水源涵養上非常に重要な森林であるという認識をしておるわけでございます。
○島田委員 重要な認識を裏づけるものは、当面法的なきちっとした位置づけが必要なんですよ。そんなもの私から言わなくたって、法律を守っていかなければならぬ行政官としてはあたりまえのことじゃないですか。あなたは口では必要だと思っている、こう言いながらも、現実には、その必要があるということを、今度は、手続上これは貸している土地だから、いろいろ要求をして、それを保安林指定にできるような状況にしてくれという要請を施設庁なり外務省なりにしていないとすれば、あなたは必要ないと考えているという結果にしかならぬじゃないですか。あなたのおっしゃっていることはきわめて矛盾なんですよ。それならはっきり、現段階では私どもは水資源涵養保安林としての必要は認めておりませんと言った方がすっきりするんじゃないですか。これはきのうきょう始まった話じゃないですよ。この沖特の委員を含め、農林水産委員会の委員を含めて、もう何人も何年もこの問題を言っているのです。それが、いまのままで水資源涵養保安林としての機能が果たせるなどという考え方を持って林野行政に取り組んでいるとしたら、もう失格ですよ。現状を把握していないのか、それとも保安林に対する認識がないのか。認識がないとは言わせませんですぞ。山の番人じゃないですか。
 このことについては、昨年の十月の沖縄県議会においても、全会一致でここのところはきちっと保安林に指定して水がめ対策をやってもらいたいと決議している。確かに、地位協定で米軍に貸し付けしたときには、まだダムの建設は計画の段階ぐらいで、実際には進められていなかったと思う。しかし、いま現在、今度は五つのやがて水がめができ上がるのですよ。その大事な源になる山が守られなかったらどうなるのですか。その認識がないというのはおかしいじゃないですか。だから、私はまた繰り返すけれども、今後十カ年の沖振法なるものは、出だしから全くなってないじゃないですか。その辺のところをきちっきちっと整理し、発想の転換をし、思い切った沖縄振興というものが事業的にも行われていかなければならない大事な論議をいましているのですよ。県民が切実に願っている、毎日毎日口に運ぶ中では最も大事な水、生活で必要とする水、この切実な要求を解決しないで何が十カ年計画ですか。それに正確に答えるのが山を預かる林野庁の姿勢でなければいけないじゃないですか。きわめて遺憾だ。――下がってよろしい。
 さて、そういう要請は施設庁にも行われていないようだが、どう考えるか。
○伊藤(参)政府委員 お答えします。
 沖縄における演習場、特に北部訓練場等におきまして幾つかのダム等を建設し、それで、北部訓練場一帯の地域が水資源涵養のためにも重要な役割りを占めているということは私どもも認識しておりますし、それから、水資源保護のために北部訓練場における米軍演習等も十分配慮してやっていただきたいというような御要請も受けております。
 私どもとしましても、日米安保条約に基づく米軍駐留の目的達成ということと、それからまた、沖縄県民の生活のために必要な水の確保ということの両立を図ってまいりたいと思いまして、事あるごとに米軍等に対しても、水源涵養の必要性、有効性といったようなものについて申し入れもしてございますし、現実の形としましてそういったことが効果的に行われるように努めてまいりたいと思っております。
○島田委員 これまた伊藤さん、あなた、私の質問に正確に答えようとしない。残念ながら、林野庁からは指定をしてほしい、指定したいからこの問題について日米間の協議をやってもらいたいという要請はないようだ。しかし、現地の実態はそうではないです。そこをきちっとしなかったら水なんて確保できないのですよ。
 幸い外務省から政務次官おいでだから、沖縄のこういう問題に対して、私は要求をしておきますが、日米間で、演習などはもってのほか、火薬類など使うなんというのはもってのほかだ、演習は絶対やらないこと、そしてこれは除外して、一定区域で結構だが、水資源涵養保安林として逆に指定をするということを農林省と協議する。たまにはあなたの方も、いつも下から上がってくるやつを協議していくんじゃなくて、上の方からいいことを少し出したらどうですか。そのお考えはありますか。
○辻政府委員 米軍の駐留そのものにつきまして、これを円滑にどう処理していくかということは大変重要なことだと思っておりますが、現在日米安保条約に基づきまして米軍が駐留をしておりますことが、日本の安全と平和のために必要だという基本認識を持って私どもは対処をしておるわけでございます。したがいまして、軍隊でありまするから、演習する場所を基地提供しているわけでございますから、演習をしないでやれということを一般的に言うことは私はきわめて困難なことである、そのように考えておるわけでございます。
 この地区の保安林の問題につきましては、これは外務省自体が具体的に判断できる問題ではございませんで、おっしゃるように水源涵養の必要はわかりますけれども、森林を預かります林野庁から、また現地の施設庁等からお話がありました段階でなければ、外務省が先行的に判断するということは行政の仕組みからいかがかと考えるわけでございます。
○島田委員 手続的にはそうでしょう。しかしあなたは政治家なんだから、役人じゃないんだから、私も政治家で物を言っているのです。こんな話が大事なこの委員会で出たということを無視するというのは、私は許せないですね。政治家なんですよ。お互い政治家同士の話じゃないですか。たまたまおれは知らんかったけれども、島田からそういう指摘があった、政治的な判断に基づいてこれはやっぱりと、それがなきやあなた大臣になれませんぞ。政務次官で終わりじゃわい。これは、そういう政治家がおったんじゃおさびしい限りですね。私はぜひあなたの勇断を待ちたい。
 そして、ついでだから申し上げておくが、私は演習地全部言っていませんよ。このダム周辺のところの山ぐらいは保安林として指定したらどうだ。そこから見えるはずですが、この緑になっているところを赤で囲んである、これが大体国有林ですよ。その中に三つもあるいは四つも、福地ダムも含めますと四つ、今度できるやつも含めると。いずれも山の中なんですね。この地域の必要な部分を指定するということは、そんなに大きないわゆる困難な状態ではないんでないか。たとえば、困難であってもこれはやらなくちゃならないのですよ。林野庁は、早速考え方をまとめて、防衛施設庁を通し、外務省に日米の協議をしてもらうように申し入れるべきであります。その考えもないですか、林野庁。
○小澤説明員 この問題につきましては、関係省庁間で御相談なりまた研究をさせていただきたいというふうに思っております。
○島田委員 よろしい。
 たまたま私はいままでの話をずうっと聞いていますと、これは、きょうのお話を私がする中でも、在京のお役人方、政治家の中では、完全に地元の沖縄の実態を承知していないという向きがあるように強く印象として受けました。しかし、せっかく沖縄開発庁が出先に総合事務所を持っているのですね。この総合事務所の機能はどうなっているのですか。県の実態は時々刻々と正確に情報として本庁に伝えられてこなきゃいけないのじゃないですか。美野輪さん、どう思います。
 たとえば、私はこういう酷評を聞きましたよ。沖縄の行政を円滑に進めるために設置されている出先の沖縄開発総合事務所、これくらい無能の長物はない。私は口が悪いからそのまま伝えるのでありますが、少しもこれはマイルドせずにお話ししますが、機能的に見ると寄り合い世帯、その辺のアパートみたいな。たとえば失業問題を解決するといったら労働省だけだ。本当はそんなことで失業問題なんて解決しませんね。雇用拡大だって解決しません。通産省も、農林省も、みんな集まって、それを有機的にやはり結合しながら、そして十分の総合的な知恵が発揮されていかなければならない事務所がこの総合事務所ではないんですか。情報の提供も、きょうの私の印象では、全くこれはなっておらぬ。いまのような話なんというのは、出先のところできちっと整理されて、さあ沖縄開発庁よ、本庁どうする、防衛施設庁どうするのじゃ、外務省よと、こういう話になってこなきゃいけないんではないでしようか。完全な縦割りで、ちっとも横の連携がない。こんなことでは、私は、これからの十年の開発計画が、新しい発想に立って大胆な行政を展開していくということにはならぬのではないですか。こんな無機能な出先なら、これこそ行政改革の対象になりますぞ。ぜひひとつ機能的な、そういう全知全能を張りめぐらして、きちっと神経立てて、アンテナ張って、やっぱり地域の住民の物の考え方なり要求なりを吸い上げていくという機関に直してもらいたい。そうでなくたって、空を飛んでいかなきゃいけないところです。海を渡っていけば何日もかかっちゃうという、自動車でぱっと行けるような距離にないんだから、常にそういう出先との緊密ないわゆる連絡、横のきちっとした連携、これがなされなきゃいけない、こう私は思うのです。ちょっと横道にそれましたが、やや私は厳しい語調ではありますけれども、この点はぜひひとつ改善を図ってもらいたいと思っています。
 そこで、ダムの問題はその辺にしておきますが、きょうはダムの問題ではほかに建設省やいろいろ来ておられるのでありますが、せっかくお呼びしておきながら、この辺は時間が少し足りなくなってきたのではしょらせてもらうので、いままでおつき合いをいただいた建設省の関係の方はお引き取りいただいて結構であります。
 そこで林野庁、もう一つ沖縄に大変問題があります。八十年という気の遠くなるような契約のもとで貸し付けられている勅令貸付地がありますね。これも六十四年で実は長い長い八十年の契約が切れます。この間無償で貸し付けられてきたのでありますが、やはり何ぼただでも、長期にわたっているとはいえ、人のものは人のもの、身も入らず腰も入らぬということになりがちだ。現地はそうでありませんけれども、一生懸命借りたものを手入れしていて、隣接する国有林と比べたらもう話にならぬぐらいりっぱに施業もされている、保育もされている。それだけに、せっかくの八十年に一遍めぐってくるチャンスに、ぜひ地元の県に何とか払い下げてほしい。これもかなり切実な要望として数年前から私どものところへ来ております。これも、払い下げるにはいろいろ手続がどうの、手間がどうの、私も長い間政治家をやっておっても、まだ依然として行政というのは本当に手間暇のかかるものだな、こう思っていますが、いまだにこれに対する正解が示されていない。六十四年といえばまだ七、八年あるが、この際、地元の要望に応じて無償で払い下げをするという勇断を示してもらいたいと思うが、検討の用意がありますか。
○米田説明員 先生のいまおっしゃられました勅令貸付国有林、四千四百九十六ヘクタールございますけれども、これにつきましては、沖縄の本土復帰後も、沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律及び関係政令に基づきまして、契約期間であります昭和六十四年五月まで従前と同一の条件、いわゆる無償でお貸しをしているところでございます。六十四年五月に期限が参りますけれども、本契約の期間後の取り扱いにつきましては、いま貸し付けをいたしております趣旨、あるいはいままで経営を行ってまいりました実績、それから沖縄県のいろいろな社会経済の動向、あるいは沖縄県に対するいろいろな各種の特別措置、そういうのがいろいろあると思いますけれども、そういう関連等十分考慮いたしまして、期間終了までにはなお数年ございますので、その間の状況の変化もあると思いますけれども、そういうのも踏まえて慎重に現在検討をいたしておるわけでございます。
 御存じのように、国有林を初めといたしまして、国有財産の処分につきましては法令等のいろいろな規制がございますので、そういうのを含めまして慎重に検討させていただきたいと思っております。
○島田委員 検討の用意がありますかという質問に対してはそうお答えになることで、これはやむを得ないでしょう。しかし、余りごちゃごちゃ御託を並べなさんな。検討しますでいいじゃないですか。八年たってまたそのときが来たら、いまみたいなごちゃごちゃしたいろいろなことを言って、検討はしましたが成りませんでした、私はそれを期待しているのじゃない。そんなもろもろの何かを検討するというのじゃなくて、払い下げをするという方向をはっきり示しながら検討してもらいたい、という意味を含めて言ったのです。意が伝わらなかったというのは私の質問の仕方が悪かったということでもあるかもしれませんが、ぜひこれは実現してほしい。何が何でもきちっとしてほしい。また八十年も貸し付けをする、ほかの県にないことをやる、払い下げすることもないことをやると言うかもしれぬが、どこの世界に、政府と出先の県が長期にわたって八十年も、まだこの先も、八十年もたったら孫も子もいなくなりますぞ。この際そういうものはやはりきちっと断ち切って、地元の期待にこたえていくべきではないですか。地元が欲しいと言っているのだもの。検討するということですから、余りごちゃごちゃいろいろなことを考えないで、すかっとやってもらいたい。
 もう一つありますが、その前に厚生省、大変失礼しました。途中でお帰り願って結構だということを私は言おうと思っていたのですが、建設省、厚生省、申しわけないですが、きょうは時間の関係で質問ができなくなりましたのでお引き取りください。また後の機会に、きょうの質問の三倍ぐらいやりますから、そのときはひとつここで答えてもらうことにして、きょうはせっかくの機会を与えずにしまったことをお許し願いたいと思います。
 さて、沖縄の山を考えますときに、そのセンターとなるのはやはり何といっても営林署です。事業所も含めた営林署であります。沖縄の営林署はどんな実態になっていますか。
○鈴木説明員 沖縄の営林署は復帰後直ちに設置されまして、現在署員十七名、内勤の職員でございますけれども、十七名で活動しております。
○島田委員 庁舎はありますか。
○鈴木説明員 庁舎は借り上げでございます。「クメビル」というところの四階と五階を借りております。
○島田委員 沖縄の振興にとって、農林水産の第一次産業はきわめて重要なセクションである。沖縄の緑が損なわれ、それが破壊されていくようなことがあってはならぬということは、私はいままで強調しました。これには御異存がないはずだ。そうすると、拠点となるべき営林局舎の独立性を求めるというのは、これまたそんなに無理な注文ではないではないですか。現に林野庁は、ことし厳しい改善計画のもとにあって、四つの営林署の改築を当初計画され、いま予算化される段階で三つの営林署が指定されている。ことし早速というのはいまの予算では間に合わぬだろうから、無理は言いませんが、来年あたり間借りから解放してやるという気持ちを持ってほしいと思うのですが、いかがですか。
○鈴木説明員 営林署の庁舎につきましては、現在、全国におきましても昭和の初期あるいは戦後間もなく建築されたものが多数ございます。そのため、その整備が強く要請されております。しかしながら、いま国有林野事業は非常に厳しい財政事情のもとにありますので、新築について抑制せざるを得ない事情にあります。このため、建物の老朽度や都市計画との関係、地元における受け入れ体制などを勘案しながら、逐次、先生の御指摘のように三カ所程度を新築してまいっております。
 沖縄の営林署につきましては、現在沖縄におきましては、合同庁舎の整備計画もございます。そういう点もありますので、今後慎重に検討してまいりたいと考えております。
○島田委員 きのうあれほど、きょうは約束ぐらいしなさいよと言っておいたのに、この答弁では――長いつき合いだぞ、本当に。きのうきょう沖縄の独立庁舎を持ち出したのじゃないですよ。もうきょうあたりはいい返事をしてくれるかいなと思って期待していたら、この始末。きょうはこれでやめておきますが、何ぼでもやるぞ、建てるまで。
 林野庁はこれで終わります。お引き取り願って結構であります。
 あともう幾ばくもないから、ここで文部省にちょっとお尋ねします。
 文部省にお尋ねしたいことはたくさんあったのですが、これも後刻に譲りますが、振興計画にかかわってぜひこの点だけはしっかりひとつ考えてほしいということだけ申し上げておきますが、先般も参考人の御意見の中に、いままでやってきた沖縄振興の部面でいろいろハードな面、どうもそこ一辺倒という感じがするが、今後はやはりソフトな面で考え方を変えてもらいたいという御意見がありました。私は貴重な意見と受けとめております。
    〔委員長退席、上草委員長代理着席〕
 その一つに、沖縄の文化をきちっと大事にしてほしいな。これは形にして考えるならばいろいろありますね、総合博物館だとかあるいは芸術館、文化館、歴史館、いろいろ名前はありましょうが、こういう文化を育てるという大事な道具立ても必要です。もう一つは、長い間続いてきたローカル色豊かな沖縄民芸、こういうものもあります。あるいは沖縄芸能、こういうものを大事に育てていくという心をしっかりつかまえた計画を必要とするという訴えは、私は至極当然、まことに新しいお考えのもとの御発想と受けとめて敬意を表した一人でありますが、こういうものは今後の計画の中で現在時点お考えになっておりましょうか、ちょっと聞いておきたい。
○富張説明員 お答えします。
 文化庁といたしましては、地域の特色のある民俗芸能あるいは民俗文化財、その他歴史資料、民俗資料、そういったものの保存、伝承のための施設として歴史民俗資料館の整備を進めております。もう一つは、多少その性格を異にしますが、いわゆる音楽、演劇といった現代芸能のための施設、通称文化会館というような言い方をされておりますけれども、そういった施設についての補助をしながらその整備を進めておる、こういうことでございます。
 幸い沖縄には重要無形文化財であります組踊りとか、その他非常に特色のある民俗芸能あるいは伝統的な工芸技術、こういうものがございますので、地元の方で具体的な施設の整備なりあるいは具体的な保存、振興の方策というものをお考えのようでございますから、それを待って適切に対処していきたい、このように考えております。
○島田委員 それから、学校の整備はかなり進んだという説明を予算のヒヤリングのときに私も受けまして、そうかなと、若干の疑念は残っておりますが、そこはきょうは質問はやめておきましょう。
 ただ、この間もう一つ重大なことがあった。文部省、参考人の意見の中に校舎の上、学校の上を米軍がヘリコプターで人をぶら下げて演習をやるのですね。子供たちの上ですぞ。教育上よろしくないというのでは済まない問題でないでしょうか。さっき私は、貸した米軍の基地は地下何メートルまで権利があるのかと言ったが、空の上といったら学校も空の上何メーターまで権利があるか知りませんが、米軍は学校の上を飛んでどんどん使えるのですか。まことに横着な演習だ。それだけでも腹が立つのに、これは危険きわまりないではないですか。そのために学校をどけろなんという話になることはもってのほか、基地がどこかへ行かなければいけないのに、学校をどこかに移転しなければならぬという騒ぎになったら、本末転倒もはなはだしいじゃないですか。こんなことは自粛してもらわなければ、やめてもらわなければならぬ。こんな話も外務省は話をしても通らぬ話なんですか。
○伊藤(参)政府委員 米軍の実際的な演習のお尋ねでございますので、私どもの方で。
 いま先生御指摘の事実は、多分、先日米軍が読谷地区におきまして、ヘリコプターに同時に数人の兵員がぶら下がりまして、基地外の上空を飛んだという事実がございました。この件につきまして、直接学校の上空を飛んだかどうか私ども承知しておりませんが、基地外の民家上空を、一般の市民の方々の生活されるところを飛んだということで、これは米側にとっても許される訓練状況ではないということで、米側にも抗議を申し込んでおりますし、米側も、二度とそういうような訓練を基地外では行わないというように回答を寄せております。
○島田委員 よろしい。私、初めて納得した。そういう姿勢でやってください。
 ところで、ヤンバルクイナがいま話題になっています。これは県の天然記念物としての指定にいまなっていますが、環境庁、これだけ大事な、われわれ日本の財産であるだけではなくて、これは世界の財産と言われておりますね。それは一定の限られたところにしかいない。沖縄の北部の山の中ですね。しかも彼らはきわめて憶病、何とか手を添え、そっと育ててやるという温かい人間の手がなければ、これは絶滅の危険にさらされる。こういうところを火器を持って演習をやったり、人がばかすか入り込むようなことはやるべきでない。これはむしろ防衛施設庁に聞いた方がいいのかもしれぬが、ヤンバルクイナを追い回すような演習や、火器など持ち込むようなことは絶対にあってもらっては困るが、これにも毅然たる態度でアメリカに対して物を言ってほしいと思うが、いかがですか。
○伊藤(参)政府委員 ヤンバルクイナの件につきましては、新聞報道等で、北部訓練場周辺といいますか沖縄北部に生息しているというような知識しか持ち合わせておりません。現在、関係の省庁で生息状況なり生態なりを検討しておると思います。そういった結果、それが現在米軍への提供地域内に存在するのか、それから、現在米軍が北部訓練場地区で行っております演習行為がどのような影響を与えるものなのか、そういったようなものの検討が今後なされた場合、私どもとしては、鳥獣保護の目的というものも米軍に十分認識させるようなことをとりたいと思いますが、まだ現在のところちょっとそういった状況を私ども完全に把握しておりませんので、現在のところではそういった今後進められる調査結果を待ちたいと考えております。
○島田委員 さっきはあれだけあなたはいいことを言いながら、今度またそんなことを言っている。そうならないようにひとつちゃんとしてもらいたいという、私の言っていることがおわかりになっていない。やれ手続だのまた実態がどうの、そんなことを言っているうちにいなくなっちゃいますぞ、死んじゃいますぞ。
 そこで、環境庁あるいは直接には文部省でしょうが、この際、国の天然記念物として指定するべきだと考えるが、いかがです。
○小埜寺説明員 御説明申し上げます。
 先生も御承知のとおり、鳥とかけだものでございますけれども、鳥獣保護行政につきましては環境庁で所管しているわけでございますが、その鳥獣の中で特に学術上貴重なものは、私ども文化庁の方で、文化財保護法に基づきまして、天然記念物ということで指定をして保護しているわけでございます。
 先生御指摘のヤンバルクイナにつきましては、新聞等で報道されてございますけれども、実は学会で正式に学会誌に載ったのは二月でございます。私ども文化庁におきましては、ただいま、調査主体であります環境庁と連絡を十分とりながら、天然記念物の指定要件に該当するかどうか、現在鋭意検討しているところでございます。
○島田委員 終わります。
○上草委員長代理 部谷孝之君。
○部谷委員 これから沖縄に関する質問を順次進めてまいりたいと思いますが、まず大変礼儀正しい、折り目正しい田原沖縄開発政務次官に対しまして、私はひとつ、かみしもを着てお尋ねをしたいと思います。
 沖縄の振興開発の十年間を振り返ってみますと、まず本土との格差の是正という点で社会資本の整備は一部になおおくれが見られるものの、全体といたしましてはかなりの成果が上げられてきたことにつきましては、これは評価できると思います。しかしながら、産業経済の面につきましては、本土から企業を誘致し、これを軸といたしまして第二次産業を振興させ、第三次産業に偏重いたしておりました沖縄の産業構造を改善しようとしたその試みは、計画期間中の経済事情の変化等もありまして、所期の目的を達成することはできなかったと考えられます。このことは、現在の沖縄の厳しい雇用情勢、失業情勢、さらには所得面におきまして目的が達成できなかった、そういうことの大きな要因となっておりますことは、各界各層から指摘されておるところであります。
 問題は、今回提案されました改正案は現行法の仕組みをそのまま継続しておりまして、たとえば過去十年間に活用されなかった工業開発地区の指定や、自由貿易地域制度等については、特段の検討をすることなく、現行法の制度をそのまま踏襲しておることであります。したがいまして、第二次振計におきましても現振計と同じ結果に終わらないように、過去十年間の経過を踏まえまして、二次振計においてはこれらの制度が機能するように十分検討し、そのための諸施策を講じていくべきである、このように思うわけでありますが、まず次官の御見解を伺いたいと思います。
○田原政府委員 いま先生がおっしゃるように、今回の改正法案により継続することとされている工業開発地区についての優遇措置は、他の地域立法によるものより手厚いものとなっており、また、自由貿易地域制度は、わが国では例を見ない制度であります。今後沖縄の自立的発展を図るためには、産業の振興、特に産業間の連鎖の核となる製造業の振興が重要であり、そのためには、産業基盤の整備をさらに推進していくとともに、地元の企業誘致活動の取り組み、制度の具体化の検討などと相まって、工業開発地区制度、自由貿易地域制度による優遇措置などが活用されることとなるよう努めてまいりたいと存じます。
 さっき先生がおっしゃったように、やはり一次産業ないしは工業がどんどん発展しないのは、これらが十分活用されなかったということでございますので、心して努力してまいりたいと考えます。
○部谷委員 心して努力したいということでございますので、ひとつその御努力を期待してまいりたい、このように思います。
 そこで、第二次振計についてお尋ねしたいと思うのですが、一次振計は、申すまでもなく格差の是正と自立的な発展の基礎条件の整備を目標としてまいりましたが、今次の第二次振計は、基本的な目標はどこに置かれるのか、御答弁願います。
○美野輪政府委員 お答えいたします。
 現在、二次計画につきましては沖縄県において素案を検討しておるところでございますけれども、沖縄の経済社会の現状等を眺めますと、沖縄の特性を積極的に生かしながら、引き続き各面にわたる本土との格差の是正を図る、それから自立的発展の基礎条件を整備していくという必要は、私ども引き続きあるもの、このように考えておるところでございます。特に、沖縄の経済社会の自立的発展へ向けまして、現在新しい段階に来ているというふうに思われます沖縄の活力ある地域社会を実現するとともに、就業の場を確保していくということのためには、やはり産業の振興がきわめて重要なものというふうに私ども認識しているわけでございます。
 このように、第二次の沖縄振興開発計画におきましては、基本的には第一次計画の線を踏襲していくものといたしましても、第一次計画の期間中におきます社会資本の整備等の成果を踏まえまして、沖縄の経済社会の状況にかんがみまして、産業振興等により重点を置いた形のものになっていくのではなかろうか、また、そうしていく必要があるのではなかろうか、このように考えておるところでございます。
○部谷委員 基本的には第一次振計を踏襲していきたいけれども、その積み残された部分についてひとつ重点的な施策をやっていきたい、こういうふうな御答弁だろうと思うわけでありますが、その第二次振計のフレームは大体どのように立てられるのか、お伺いします。
○美野輪政府委員 お答えいたします。
 第二次振計のフレームといたしまして何を取り上げるのかということ、またその水準をどのように見込むのかということにつきましては、現在県において検討いたしておりまして、私どもも内々の検討を行っておりますけれども、まだ出せるような形にまでは至っていないという状況でございます。
 ただ、いずれにいたしましても、現在の振興開発計画に盛られております、総人口、生産所得、それから産業構造、就業者数、就業構造、それから一人当たりの県民所得、これが現在の計画において取り上げられておるところでございますが、こういった基本的な事項につきましては、第二次計画におきましても当然これを取り上げていかなければならぬものというふうに考えておるところでございます。
 これを来年度予算との関連においてのお尋ねでございますけれども、たとえば産業構造についていいますと、私ども、産業のあらゆる分野において振興を図っていく必要があるのじゃなかろうか。これは、沖縄の経済社会が非常に厳しい。それから、各産業の振興を考えた場合に、それぞれにまたメリットも、よい条件も考えられるけれども、抑制条件もまた非常に各産業分野とも考えられるというようなところからいたしますと、全産業にわたっての振興を図っていくということがやはり必要なのではなかろうか、このように考え、したがいまして、第二次のフレームといたしましても、こういった沖縄県経済の自立的発展を図っていくというような、そういったフレームとしていくことが必要であろうと考えております。
 このような考え方に立ちまして、先ほど来申し上げておりますように、まだ数字として結論的なものを私ども得られておらないわけでございますけれども、産業構造に対するこのような考え方のもとに、五十七年度予算につきましては、水資源の開発を初め、道路、港湾あるいは農業基盤等の産業基盤の整備に特に意を用いて編成をいたしておるところでございます。
○部谷委員 第二次振計につきましては、県でその大綱をいまつくりつつあるようでございますが、政府といたしましても、当然、いまあなたの方からもお話がありましたように、予算要求の査定の段階である程度具体的なフレームの枠組みがなければ、そうした予算編成はできないのではないかというふうに私は考えるわけなんです。それで、大蔵省とのそうした予算折衝の段階でそのフレームの枠組みがなかったのかどうか。いまの御答弁では、私は大蔵省を説得するようなそういう答えにはならないと思うのですが、いかがでしょうか。
○美野輪政府委員 お答えいたします。
 昨年末における大蔵省との折衝、あるいは関係省等との折衝におきましては、具体的な計画の中身というよりは、むしろ沖縄の現状、それからそこから生じてまいります今後の課題といったところにつきまして、十分な御理解をいただいたつもりでございます。そういった角度から折衝いたしまして、内容的には、今後の問題といたしましても、いずれにしても沖縄の現状からしますと、特別措置法を延長し、第二次の計画を立てていくということが必要であるという関係省間の理解をいただきまして、その上に来年度の予算の編成等を行った、こういう関係にあろうかと思います。
○部谷委員 先般もお話がありましたように、人口の伸びが第一次振計当初よりもかなり大きく伸びてきておるわけです。そして、同時にまた、失業率が当初のフレームをはるかにオーバーする、そういう形で現在あるわけなんですが、そうした増加する人口、そして就業の場を与えなければならないそういう人たちがたくさんおられる。そういう人たちの就業の場を確保し、ひいては県民生活の水準の向上を図っていくというために、沖縄県は地域特性を生かした産業の振興を図る、こういうふうに県も言っておられますし、あなた方もそういう主張をしておられると思うのですけれども、そうした地域の特性を生かした産業の振興というのは一体どういうふうなことを示しておるのか、まずそれをお答え願います。
○美野輪政府委員 先生御指摘のように、県内の経済事情は非常に厳しいものがございますし、また、いま御指摘の雇用問題、これは大変深刻な今後の課題であるというふうに私ども受けとめております。そのような課題に対応していくために、基本的には、産業振興を図ってその雇用の機会を確保していくということが必要になってくるわけでございます。
 地域の特性を生かした産業の振興というものはどういうことを考えておるかというお尋ねでございますが、私どもといたしましては、沖縄が亜熱帯地域に位置するということ、このことから、産業振興を図るためには豊富な太陽エネルギーとかあるいは広大な海洋、そういった沖縄の地域特性を積極的に生かしていくということがまず考えられる。これはもちろん特性といたしましても、言うなれば産業振興という面から見ますとメリットとデメリットと両方考えられてくるわけでございますが、そういったデメリットを可能な限り克服し、メリットを生かしていくということがまず考えられなければならぬのじゃなかろうか。また、そのほかにも、地理的な特性としまして、本土から遠く離れておる、逆に東南アジアとの接点に位置するというような位置の問題、あるいは沖縄県自体が多くの離島から構成されておるというような問題。そのほか、沖縄におきましてたとえば伝統工芸等を考えます場合には、いわゆる伝統的な文化の伝承というものがございます。そういったものを可能な限り最大限に産業振興の中に生かしていくということを考えていかなければいかぬのではなかろうか。
 大変抽象的でございますけれども、たとえば農業について申しますと、温暖な自然条件を生かしまして、野菜とか、花卉とか、あるいは肉用牛の供給基地を形成していく。もちろん、その間に基幹的な作目であるサトウキビの生産振興というものを図っていかなければならぬということがあろうかと思います。さらには熱帯果樹といったようなものの栽培も今後考えられていくのではなかろうか。そういった意味で、作目の多様化を図るとともに、生産性の高い農業を確立していくということが必要ではなかろうか、このように考えておるわけでございます。
 また、たとえば三次産業の中では、最近、観光が急速に伸びてまいっております。これは、沖縄の美しい自然、それから各種の歴史的な遺産等々が、いわゆる観光資源として見直されておるわけでございますけれども、そういったものを十分生かして、現在の観光の上昇の傾向を定着させる、あるいはさらに伸展させていくというような努力が今後沖縄において必要なのではないか、このように考えておるところでございます。
○部谷委員 今度の沖振法の改正措置の中に、過疎法が適用されたことに伴う措置の問題と、辺地法の適用の問題があるわけであります。
 そこで、まず過疎法の関係についてお尋ねしたいと思うのですが、旧過疎法に準じて沖縄開発庁長官が指定する市町村の基幹道路の整備が今日まで行われてきたわけですが、今回のこの四十八条の削除によりまして、従来の基幹道路の整備はなくなるのかどうか、その点、いかがでしょうか。
○美野輪政府委員 お答えいたします。
 先生ただいま御指摘のように、新過疎法は五十五年に制定されたわけでございますが、その際、これを沖縄にも適用することといたしたわけでございまして、同法の過疎地域に該当する市町村につきましては、いわゆるただいま御指摘の基幹道路の整備についての新過疎法による県代行制度等も沖縄に適用される、こういう形になったわけでございます。それで、いま御指摘の四十八条と新過疎法の規定、両規定によりまして全く同種の規定が重複して沖縄に適用される、こういう形になってまいったわけでございます。したがいまして、今回の沖振法の改正に際しましてこの間を整理することといたしまして、沖振法四十八条の規定を削除することといたしたわけでございます。したがいまして、沖振法による県代行の制度はなくなりますけれども、それと同種の新過疎法による県代行制度が沖縄について適用されることとなりますので、実際の事業面においては特段の支障はないものというふうに私ども考えております。
○部谷委員 ちょっと私の理解が違うのですが、現行法は旧過疎法、つまり昭和四十五年に制定されました過疎法、その旧過疎法に準じて長官が指定する市町村の基幹道路の整備を行う、こういうことだったわけでしょう。だから、現行は新過疎法は適用されていないのですね。旧過疎法に準ずる措置としてやられてきた。そこでこの四十八条が削除されることによって、いわゆる新過疎法の適用を受ける、こうなるわけじゃないですか、確認したいのですが。
○美野輪政府委員 ただいま御指摘の件につきましては、私どもの理解といたしましては、今回四十八条が削除されることによりまして新過疎法の県代行制度が適用されるのではなくて、現在時点におきましては沖振法による県代行制度も沖縄において適用され、新過疎法による県代行制度、新過疎法は五十五年の制定でございますが、この際に沖縄にも適用することとされております。新過疎法による県代行制度も現在沖縄について適用されておる、要するに同種の制度が二重に沖縄に適用されておる、こういう関係にある、こう理解をいたしております。
○部谷委員 ですから、沖振法は、旧過疎法に準じて開発庁長官が指定する、こうですね。それから、旧過疎法と新過疎法との間では要件が異なりますね。要件が異なるから、ダブっているわけじゃないのです。異なる法律によってそれぞれ措置されておる、こういうことになるわけですね。したがって、今度の沖振法から新過疎法に移ることによって、その要件が異なることによって私は指定が外れるところが出てくるのじゃないかと思うのですが、その点はどうですか。
    〔上草委員長代理退席、委員長着席〕
○美野輪政府委員 失礼いたしました。先生御指摘のように、沖振法の四十八条による過疎市町村の指定は、旧過疎法の基準に準じた基準で指定する、こういう形になってございます。新過疎法制定の際、旧過疎法等、その基準が変えられたということがございますので、先生御指摘のように、沖振法による過疎市町村と新過疎法による過疎市町村との間には、実際にずれがございます。具体的に申しますと、石垣市及び伊良部村の二市村でございますが、この二市村が沖振法四十八条による過疎市町村ではございますが、新過疎法による過疎市町村ではないという関係にございました。今回四十八条を削除することによりまして、この二市村につきましては、もちろん新過疎法による過疎市町村ではない、それから沖振法による過疎市町村でもなくなるという関係が出てまいること、先生の御指摘のとおりでございます。
 実はこの関係につきまして、私どもといたしましては、新過疎法が制定されました際の旧過疎法による過疎市町村であって、新過疎法による過疎市町村でなくなったものに対しまして、所定の経過措置を講じております。その経過措置の例にならいまして、また伊良部村、石垣市におきましては県代行事業を現在実施しておるという事情も踏まえまして、四年間は県代行を行い得るように附則におきまして措置をいたしておるところでございます。
○部谷委員 ですから、沖振法によるところの指定市町村二十四市町村、それがいま石垣と伊良部が外れて二十二市町村になる、こういうことになるわけですが、この沖振法を改正して新過疎法を適用させることによって、いわば沖縄の二つの市村は損をした、こういうことになるのですが、そのとおりですか。
○美野輪政府委員 形式的に考えますと、先生御指摘のとおりでございます。ただ、実際の問題としましては、ただいま申し上げましたように、四年間の経過措置を設けまして、従前どおり県において代行ができるものという形にいたしておるわけでございまして、また私ども、四年間にできるだけ事業を進捗させるよう、予算の確保等については留意をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○部谷委員 いわば悪い方に、本土にならした、結論的にはそういうことになるわけですね、そこをひとつ十分頭の中に入れておいていただきたいと思うのです。
 次に、辺地法の問題ですが、辺地法の適用される地域、これはどれぐらいになるでしょうか。
○美野輪政府委員 辺地法によります辺地の地域につきましては、これは辺地法の施行規則によりましてその特定がされるという手続になってございます。これはいわゆる辺地度点数というようなものをつけまして、これを算定して特定されるという手続になるわけでございます。具体的に何カ所という問題につきましては、今後所管省であります自治省におきましてそのための作業が行われるという手順になろうか、このように考えております。
○部谷委員 自治省、いまの点はどうですか。
○木村説明員 沖縄市町村の辺地につきましては、現在沖縄県の方で基礎的な調査を行っている段階でございまして、まだ正確に幾つになるかということの情報はいただいておりません。
○部谷委員 美野輪さん、この辺地法を適用することによって一体どういうメリットがあるか、それを教えてください。
○美野輪政府委員 お答えいたします。
 辺地法によりますと、辺地を抱えておる市町村におきましては、辺地に係る公共的施設の総合整備計画を決める。まず計画を定めまして、これに基づきまして道路とか集会施設等々の公共的施設の整備に充てる経費につきまして辺地債を発行するということになるわけでございますが、その辺地債の元利償還金の八割を地方交付税において補てんすることができるということになっておるわけでございます。したがいまして、この辺地債を活用することによりまして、市町村の実情に応じた公共的施設の整備を促進していくことが可能になるであろう、このように私ども考えておるわけでございます。
○部谷委員 それだけメリットのある制度をいままでなぜ沖縄に適用しなかったのか、その点、どうでしょうか。
○美野輪政府委員 いままで辺地法を沖縄に適用しないこととしておりました趣旨といたしましては、沖縄につきましては、その復帰に伴いまして本土との間に非常に著しい格差を生じておったわけでございます。沖縄のそのような実情に着目いたしまして、沖縄の振興開発につきましてはこれを国の責任で行う、そのために、社会資本の整備につきましては当該事業に対する国の補助率、負担率の割合の引き上げ等をかなり大幅に行ったわけでございます。それからまた、復帰当時における沖縄の振興開発につきましては、県内の各市町村の事業に着目するというよりは、むしろ沖縄全体の基盤的な社会資本の整備を図ることがまず急務であるという考え方によりまして、この辺地法の活用を期待するまでには至らなかったものというふうに考ております。
 それでは、これをなぜ今回適用することとしたのかという御疑問が当然生ずるかと思うのでございますけれども、これまで振興開発を進めまして、かなり公共施設の整備等がなされてまいっております。しかしながら、県内におきましては過密過疎が同時に進行するとか、あるいは地域によりましては地域の核となる地域とその周辺との間にこういった公共施設の整備等につきましてアンバランスが生じ、あるいはアンバランスの生ずるおそれが出てきたということ、また、地域内におきましてもそういったきめ細かな市町村の事業に対する要請等が強くなってまいったというようなこともございます。それらの事情を勘案しまして、地域間のバランスのある振興を図るために、今回、辺地法を沖縄についても適用することといたしたわけでございます。
○部谷委員 辺地法には対象事業というのを五項目並べて、その他政令で定めるものということで大体二十項目ぐらいあるのですけれども、これらに対しては従来大体十分の十補助でやってきた。しかし、このたびは辺地法でやる、こういうことですか。
○美野輪政府委員 お答えいたします。
 辺地債の対象となります公共施設の整備事業につきましては、沖振法による補助対象とされておるもの、またされてないものもございます。それから、されておるものにつきましては、それぞれの事業ごとに補助率が定められており、十分の十の事業もございますし、あるいはそれ以下の補助率の事業もあるというのが実態でございます。沖縄振興開発特別措置法におきましては、むしろ全体的に補助率を本土よりもかさ上げをするということによりまして県市町村の負担を減らし、余裕の財源をもって単独事業等に振り向けられることを期待しておったと言ってもよいのではないかと思いますが、ただ、現在のように徐々に施設の整備が進んでまいりますと、やはり非常にきめ細かなところに目が向いてまいります。それからまた、住民の方の要請も、県市町村の事業を期待するという機運が高まってまいっております。そういったこともございまして、今回、辺地法を沖縄にも適用することといたしたわけでございます。
○部谷委員 先ほど、大体従来は直轄事業でやっておったけれども、そうした制度を一応この際こうした辺地法に切りかえていくというふうな御答弁があったのですけれども、直轄でやれば大体十割補助ですね。それから、いまの辺地法でいけば元利償還に要する経費の八〇%を地方交付税の基準財政需要額に算入する、こういうことになって、交付税で措置をしていくということになるわけです。だから、今度のこの措置は、これも大変酷な言い方をすれば二〇%市町村に持てと、幾らか冷淡なやり方じゃないかという気がしてならないのですが、いかがですか。
○美野輪政府委員 私の説明が必ずしも十分でなかったために、誤解を招いたかと思うのでございますけれども、いわゆる過疎市町村においても同様でございます、辺地においても同様でございますが、現行の沖振法による高率補助の制度はそのまま適用いたしております。今後も適用することといたしております。したがいまして、先ほど申しましたように、事業によりまして非常に高率補助の、十分の十あるいは十分の九というような事業もございます。それからまた、逆に沖振法に補助制度のない事業等も、辺地債の対象事業とされているものもございます。したがいまして、沖振法による高率補助は、もちろん辺地においても今後引き続き適用していく。なお、それから漏れます事業、あるいは辺地債の方がむしろ有利な事業等につきましては、辺地法を適用することによりましてその整備を進めることができるようにしよう、こういうことでございまして、俗な言葉で言いますと、よいところをとれるようにしようということで御理解をいただければと思います。
○部谷委員 御説明を伺えば、冷淡でなくてきわめて温かい措置である、こういうふうな御説明でございますので、まずそれを了としたいと思います。
 自治省にちょっとお尋ねしたいのですが、私は、五十七年度の辺地及び過疎対策事業費を調べてみましたらば、辺地、過疎、両方合わせまして二千二百二十億、そのうちで辺地債が五百八十億、それから過疎債が千六百四十億。五十六年度と比較して伸び率を見ましたらば、辺地債の方が九・四%アップ、過疎債の方が七・九%アップ、こういうことになっておるのですが、過疎債に比べまして辺地債が伸び率がよろしいということは、今度のこの五百八十億の辺地債の事業費の中に沖縄が含まれておるのか、そのためにこの伸び率がよくなったのか、どうなんでしょうか。
○木村説明員 自治省といたしましては、過疎債、辺地債ともに、おおむね同じ比率で充実をしていくという方針でまいっております。
 過疎債の千六百四十億でございますが、その中には、実は先ほどお話が出てまいりました経過団体分というのがございまして、これは毎年減少していく約束になっております。したがいまして、それを外しまして、本来の過疎団体のみについての数字を比較いたしますと、九・二%の伸びでございます。あと、端数の関係がございますので、過疎債、辺地債、おおむね同じ実質的な伸び率であるとお考えをいただきたいと思います。
 沖縄に辺地法を適用するかどうかということにつきましては、五十七年度の予算編成の時期にはまだ検討が始まっていなかったのでございます。したがいまして、辺地債の沖縄への適用に見合う増額分というものを枠の獲得の範囲で算定することはできなかったのでございますが、いま御指摘がございましたように、通常の事業の伸び率を超える九・四%、五百八十億という金額を確保いたしているところでございます。
○部谷委員 そういたしますと、五百八十億というその積算の中には、辺地法が今度沖振法の中に包含されるという、そういうことの措置はしていないということでありますが、そうすると、積算に入っていないとすれば、今年度の財政上の措置はどのようにしてとられていくのか。いかがでしょうか。
○木村説明員 辺地法を沖縄県に適用いたします場合には、まず辺地の調査確認、それから、辺地の調査確認が終わりました段階で辺地の総合整備計画の策定という仕事があるわけでございまして、これには相当の日時を要するものというふうに考えております。しかしながら、五十七年度におきましても、先ほど来申し上げておりますように五百八十億円という総枠を確保いたしておりますので、これらの準備が整いました辺地について、五十七年度においても、緊急に必要な事業があるということでございますれば、これに対して辺地債の充当を許可してまいりたい、こういうふうに考えております。
○部谷委員 次に、沖縄電力の問題についてお尋ねいたします。
 沖縄電力の民間移行問題につきましては、前回も質問いたしましたように、五十六年の十二月二十八日の閣議におきまして、「沖縄の実態に配意しつつ、他の一般電気事業者の協力の下に、早期に民営移行することとし、そのため、政府は、諸般の措置を講ずる。」という閣議の了解が行われました。このことに関しまして、先般参考人の意見を聴取いたしましたときに、安里参考人はこのように述べております。
  御承知のように、電気は水と空気のように県民生活に不可欠のものであり、かつ、民生の安定と産業の振興のために健全な運営が求められております。
  特に沖縄振興開発計画は、本土との格差の是正と自立的発展の基盤整備を目標に国の諸施策が進められておると理解するものであります。とりわけ、電気と水は沖縄の基盤整備にきわめて重要な課題であることは、今日明らかにされておるところであります。
  しかるに、水については国の施策でその恩恵を受ける体制が進められながら、電気については沖振法から抜け出そうとしております。沖振法の十年延長ということと沖縄の実態と電気料
 金問題を考える場合、沖縄電力を行政改革の対象とすることに疑問を感ずるものであります。民生の安定と産業の振興のためには、電気と水は切り離せないものであり、いま一度、今日まで言われた県民意思の尊重ということについて真剣に検討していただきたいと思います。
  とりわけ、沖縄の実態と沖縄電力の歴史的経過を考えれば、むしろ電気事業の安定のために国の施策が問い直されてしかるべきである。したがって、県民の民生の安定と産業の振興に大きな影響を与える電気料金については、九電力会社料金水準に位置づけた諸施策を講ずべきだと考えます。
  同時に、本土電気事業の歴史や実態も踏まえ、融通電力、電源構成問題や離島の実態等、民営移行の条件整備に思い切った施策導入を図るべきと考えます。
  加えて、基幹産業としての認識に立ち、経済、雇用効果や、技術、人的資源問題を含めて検討し、また沖振法の十年延長との関連を含めて、当面特殊法人の延長を図り、沖縄の歴史的経過を生かしていくことが大切だと考えます。こういうふうに述べておるわけなんですが、この安里参考人の陳述に対して、通産省はどのようにお考えでしょうか。
○植松説明員 いま御披露がございました点でございますが、沖縄電力につきましては、四十七年に特殊法人として発足して以来、いろいろの経緯を経て今日に至っておるわけでございますが、これから民営移行を図っていくわけでございます。いま御指摘のありました点、すでに民営移行の方式の変更等をここで行ったわけでございますが、その過程で県からも、水と同様、電力は民生の安定及び産業の振興のために非常に重要であるからということで、安定的供給及び本土並み料金という言い方をされておりますけれども、適正な料金で供給されなければならないということで、その条件が整備されるまで民営移行を延期すべきじゃないか、こういう御要請がございました。その点も考慮しつつ、その他諸般の情勢の変更も考えながら、今回、他の一般電気事業者の協力も得ながら民営移行を図るというふうに変えたわけでございますが、そこでの考え方というのは、やはり地元からの、そういう電気料金の安定といいますか、適正料金による供給ということが沖縄の振興のために重要であるという観点も踏まえまして、そういう形での変更を行ったわけでございまして、これから民営移行を進めていきます場合にも、適正料金による安定供給という地元の要請というものは十分勘案しながら、これから条件整備に努めていきたいというふうに考えております。
○部谷委員 水と電気は、島民のみならず国民全部の問題ですが、生活の基盤できわめて大事な問題である。そういうことで、特に沖縄の電力問題については、いろいろな意味での問題をはらんでおる。だから、水にあれだけ国費を投じておるのだから、電気の問題についてもう少し国は責任を持ってもいいじゃないかというのが私はその趣旨だろうと思うのですね。
 そこで、沖縄電力がいわゆる施設の整備のために、その間、復帰してから地価が非常に高騰したとか、労賃、機材の上昇が非常に激しかったとか、あるいはいろいろな設備の単価が上がってくるとか、特に五十年のあの沖縄博覧会によって一連の物価高騰がさらに激しさを増したとか、そういういろいろな事情の中で、やはり安定的な電力を供給するためにはそれなりの、本土にあるいろいろな電力会社以上の無理をして投資をしておるでありましょうし、同時にまた、公害対策とかそれぞれのいろいろな法令に適合する措置というものを設備投資してきておると私は思うのです。
 ところで、一方、政府からの助成と特恵措置を考えてみますと、政府からは例の沖縄公庫からの借入金、これはやっている。これは借金ですからね。そのほかのいわゆる事業税の軽減だとか関税の免除だとか、そういうふうなものの特恵措置、私は、これは実は事前にあなたの方に調査願ったのですが、数字がまだ出ていないということであります。私の手元にあるのは五十二年の数字でありますので四、五年前の計数なんですが、五十二年の計数をとってみますと、設備投資をした数字、これは五十二年度が終わった段階での数字ですが、年間平均百三十一億。そういたしますと、これは六年間で七百九十億ですか。それから、公害対策法令適合等に要した工事費が四十七億。だから、八百数十億のそういう投資をやっておる。一方、政府からの特恵の措置をトータルいたしますと、約三十億なんですね。
 ですから、安里参考人が、そういう数字を対比するときに、これはもっと国がやってくれてもいいじゃないか、そういう意見が沖縄の島民の皆さんの中に根強くあると言うことは、私はよく理解できると思うのです。ですから、むしろこうした特殊法人から民間へ移行することを急ぐよりも、拙速を選ぶよりも、言っておるところの条件整備をもう少しじっくりやってほしい、そういう希望がきわめて強いということを彼は述べておるのですけれども、私は、当然の要請だと思うのです。あなたは五十五年、五十六年の閣議決定、閣議了解に基づいて仕事をしておられるわけでありますから、なるべく早くやりたいという御答弁が返ってくることはもう火を見るより明らかですので、あなたの答弁は求めませんけれども、そういうきわめて強い要望、要請があるということを十分あなたの頭の中に入れて、ひとつ今後措置を進めていただきたい、このように思います。
 次に、沖縄の観光事業と産業振興にとって、航空輸送事業の整備拡充が喫緊の問題であり、きわめて重要な問題であるということは論をまちません。昭和五十年に、那覇空港は米軍から全面返還されました。そして、滑走路も延長され、宮古、石垣のジェット化、その他の離島空港も整備されてまいりましたけれども、さらにまた、離島空港の整備というものが今後の問題として推進されなければならぬと思うのですが、そうした今後の計画はどのようになっておりましょうか。
○藤仲政府委員 現在までの離島空港の整備状況をまず申し上げます。
 沖縄の離島空港につきましては、復帰時、宮古、石垣、久米島、与那国、南大東及び多良間の六空港がございましたが、復帰後、これらの空港の改良を行いますとともに、伊江島、波照間、粟国、北大東及び下地島の五空港が開設されました。また、ただいま御指摘がありましたように、宮古空港及び石垣空港につきましては、その間、暫定的ではございますが、ジェット機が就航できるよう整備を行ったところでございます。
 今後の計画というお尋ねでございますが、今後、離島空港の整備の主な事業として考えておりますのは、第一が現在整備中の宮古空港でございまして、滑走路を現在の千五百メートルから二千メートルに延長する事業を実施中でございます。二番目は石垣空港でございまして、これは現在の空港を移設するという形で新石垣空港というようなかっこうに相なりますが、現在の空港を移設することによりまして、二千五百メートルの滑走路を有する空港を整備して、航空機の大型化に対処する、こういう計画でございます。その他、与那国空港の滑走路を千五百メートルに延長いたしまして、YS11を就航させることなどを計画いたしております。
○部谷委員 時間が参りましたので、最後にお尋ねしますが、米軍の演習空域との関係で伊江島路線が現在運休しておる、そして、せっかくの空港が有効に生かされていない、同時にまた、伊平屋、伊是名空港の新設というものも演習空域との関係が障害になっておる、こういうふうに伺っておるのですが、その点、どうなんでしょうか。
○藤仲政府委員 伊江島空港を使用しておりませんことは、御指摘のとおりでございます。また、伊是名、伊平屋の空港設置は、昭和四十七年以来地元から要望が強いものでございますが、これもただいま先生御指摘のように、伊江島の訓練空域との関係でなかなか実現を見てないという状況にございます。県の方でもいろいろ検討しておりますし、私どももいろいろ計画を検討したところでございますが、計器飛行方式によって飛行場に進入するといたしますと、その区域が現状では訓練空域にひっかかる、こういうことが判明いたしております。そこで、伊江島訓練空域の撤去あるいは移設と申しますか、そういう点につきまして沖縄県もいろいろ検討しておられるというぐあいに伺っておりますので、そういう点の進展を見きわめました上で一私どもといたしましては空港の設置を検討いたしたい、かように考えておる次第でございます。
○部谷委員 きょうはまだ医療関係について厚生省から、また同じ厚生省の方に水問題でせっかくお越しをいただいておるのですが、時間が来てしまいましたので、これで終了したいと思います。どうもありがとうございました。
○吉田委員長 次回は、明十一日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時三十二分散会