第101回国会 商工委員会 第17号
昭和五十九年七月六日(金曜日)
    午前十時二十六分開議
出席委員
  委員長 梶山 静六君
   理事 浦野 烋興君 理事 田原  隆君
   理事 森   清君 理事 城地 豊司君
   理事 水田  稔君 理事 長田 武士君
   理事 宮田 早苗君
      甘利  明君    尾身 幸次君
      奥田 幹生君    加藤 卓二君
      木部 佳昭君    岸田 文武君
      高村 正彦君    辻  英雄君
      仲村 正治君    野上  徹君
      鳩山 邦夫君    原田昇左右君
      古屋  亨君    後藤  茂君
      中村 重光君    浜西 鉄雄君
      横江 金夫君    和田 貞夫君
      渡辺 嘉藏君    木内 良明君
      中川 嘉美君    日笠 勝之君
      福岡 康夫君    青山  丘君
      小沢 和秋君    野間 友一君
 出席国務大臣
        通商産業大臣 小此木彦三郎君
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      河本 敏夫君
 出席政府委員
        経済企画庁調整
        局長      谷村 昭一君
        経済企画庁総合
        計画局長    大竹 宏繁君
        経済企画庁調査
        局長      廣江 運弘君
        通商産業大臣官
        房審議官    矢橋 有彦君
        通商産業省通商
        政策局長    黒田  真君
        通商産業省貿易
        局長      村岡 茂生君
        通商産業省産業
        政策局長    福川 伸次君
        通商産業省基礎
        産業局長    野々内 隆君
        通商産業省生活
        産業局長    篠島 義明君
        工業技術院長  川田 裕郎君
        資源エネルギー
        庁長官     柴田 益男君
        資源エネルギー
        庁長官官房審議
        官       松田  泰君
        資源エネルギー
        庁石油部長   松尾 邦彦君
        資源エネルギー
        庁石炭部長   檜山 博昭君
        資源エネルギー 
        庁公益事業部長 小川 邦夫君
        中小企業庁長官 石井 賢吾君
 委員外の出席者
        総務庁行政監察
        局監察官    竹内 幹吉君
        商工委員会調査
        室長      朴木  正君
    ―――――――――――――
委員の異動
六月二十九日
 辞任         補欠選任
  木内 良明君     吉井 光照君
同日
 辞任         補欠選任
  吉井 光照君     木内 良明君
七月四日
 辞任         補欠選任
  綿貫 民輔君     鳩山 邦夫君
  小沢 和秋君     浦井  洋君
同日
 辞任         補欠選任
  浦井  洋君     小沢 和秋君
    ―――――――――――――
七月二日
 訪問販売等に関する法律の一部を改正する法律
 案(高杉廸忠君外一名提出、参法第一四号)(
 予)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
七月三日
 産業廃棄物の処理対策に関する陳情書(関東甲
 信越一都丸県議会議長会代表東京都議会議長田
 辺哲夫外九名)(第三七七号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 通商産業の基本施策に関する件
 経済の計画及び総合調整に関する件
 私的独占の禁止及び公正取引に関する件
     ――――◇―――――
○梶山委員長 これより会議を開きます。
 日本社会党・護憲共同及び日本共産党・革新共同の出席を求めましたが、出席が得られませんので、やむを得ず開会いまします。
 通商産業の基本施策に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。仲村正治君。
○仲村委員 私は、まず我が国のエネルギーの需給の現状と将来計画についてお尋ねをしたいのでありますが、時間がありませんので直ちに質問に入らせていただきたいと思います。
 第一次及び第二次石油ショックを経験した我々は、資源有限に対する大きな教訓と警鐘の乱打を受けたのであります。これは我が国の一次エネルギー供給に占める石油の依存度が六〇%以上であり、しかも、その石油の九九・八%を海外から輸入している現状から、いかに我が国産業あるいは経済が石油との関連で見る限りにおいて脆弱性また不安定要素と隣り合わせでいるかがうかがえるのであります。そのために政府においては、第一次、第二次石油ショックを大きな教訓として、エネルギーの安定的確保、備蓄とあわせて省エネ対策へ省資源的改革を徹底的に行ってきたところだと思います。しかし、幾ら省エネ、省資源とはいっても、経済の成長発展に見合う、石油を初めとするエネルギーの確保は絶対不可欠であります。
 昭和五十四年以来の原油の輸入量を調べてみたところ、昭和五十四年二億七千七百十四万三千キロリットル、五十五年が二億四千九百十九万九千キロリットル、五十六年が二億三千二十三万一千キロリットル、五十七年が二億七百三十九万五千キロリットル、五十八年が二億一千二百八十四万四千キロリットルということで、昭和五十四年以来年々大幅に減少し、昭和五十八年の輸入量は五十四年の七六・七九%となっているが、その理由は何か。また、輸入量の減少は脱石油の省エネや代替エネルギーへの転換と見てよいのか。あるいは行財政改革による緊縮財政政策との関連もあるのか否か。今後の消費量の推移を含めて御説明をいただきたいと思います。
○柴田政府委員 お答えいたします。
 最近の原油輸入の状況について、その減少の原因等のお尋ねでございますが、先生御指摘のとおり、我が国の原油輸入は近年減少しておりまして、これは主として製品需要が落ちてきたということでございまして、製品需要の中でも燃料油の需要が非常に落ちてきたわけでございますが、それ以外にも、省エネルギーとか、あるいは原子力を初めとする代替エネルギーの進展が行われまして、それによりまして原油の輸入が減少してきたところでございます。
 しかしながら、五十八年度、昨年度からは原油の輸入は前年度比で見ますと二・六%の増加でございまして、これはここ数年来の景気低迷が景気回復に向かったということも基本的にございますし、それ以外に、厳冬の影響で灯油が非常に伸びてきたというようなこともございまして、石油製品需要が伸びたということで、昨年度からは原油の輸入もふえてきたわけでございます。
 今後の見通しにつきましては、五十八年度が厳冬の影響によって灯油が非常に伸びたという特殊要因もございまして、五十九年度につきましては若干減るのじゃないかというふうな見通してございますし、中長期的には微増という感じで我々は見ているところでございます。
○仲村委員 先ほど申し上げましたように、五十四年以来大幅な減少をしているわけでありますが、五十七年に対して五十八年だけは少し伸びている。ただいまの説明からいたしましても昨年は厳冬の影響で伸びた。それと同時に、景気回復の兆し等々の理由を説明しておられるわけでございますが、今後、五十四年以来大幅に落ち込んできた現象がさらにまたもとに戻るような状態になるのかどうか、その点をひとつ御説明願いたいと思います。
○柴田政府委員 昨年策定いたしました長期需給見通しにおきましても、原油の需要は、ざっと申しまして六十五年度あるいは七十年度、現在の需要に対して若干の微増というような感じで我々見込んでいるところでございます。
○仲村委員 イラン・イラク戦争は局地的紛争とはいえ、中東地域からの石油輸入依存度の高い我が国としてイ・イ戦争の悪化を非常に憂慮するところであります。特に、ことし三月以来ペルシャ湾航行のタンカー攻撃が繰り返され、あわや第三次石油ショックかと思われましたが、今のところ急激に戦火が広がることはないと思いますけれども、しかし、いつ何が起こっても不思議ではないと言われるのが中東情勢であります。イラン、イラクによるタンカー攻撃が散発的に発生し、我が国船舶も同地域への配船を手控える状態だと思うが、最近我が国へのペルシャ湾岸地域からの原油の輸入の状況はどうなっているのか。
○柴田政府委員 我が国の地域別の輸入状況を見ますと、原油輸入の約七割が中東に依存しておりまして、残りの三割をインドネシア、中国等近隣のアジア地域に、それからメキシコ等の中南米地域に依存しているところでございます。過去十年を見ますと、中東からの輸入は七八%から昨年は七〇%というように八%も大幅に減少してきているわけでございまして、中東への過度の依存がある程度是正されて七割台になったというのが現状でございます。
○仲村委員 今私は、イ・イ戦争によってペルシャ湾岸地域からの石油の輸入の状況がどうなっているのかということをお尋ねしたわけでございますので、ひとつもう一度お願いいたしたい。
○柴田政府委員 中東地域からの国別の輸入の状況を見ますと、まず昨年の八三年におきましてはサウジアラビアが、バレルデーで申しまして百万バレル・パー・デー、それから、問題のイランは三十九万バレルでございますし、イラクはほとんどパイプがこちらに出ておりませんのでゼロでございます。そういうことでございまして、この八三年の実績は、最近の月におきましてもほぼ同様な推移、繰り返しますと、イランにつきましては五月ごろまでは大体三十万ないし四十万バレルという状態で入ってきておる、イラクにつきましてはほぼゼロということでございます。
○仲村委員 ただいまの御説明からいたしますと、イ・イ戦争で最近のタンカー攻撃、これによる影響はそうない、こういうように見ていいかと考えているわけであります。
 先ほど御説明がありましたように、我が国の石油の地域別輸入量を大別すれば、中東地域が約七〇%、東南アジアが二〇%、その他の地域が一〇%となっているが、我が国の石油供給の地域別依存度は将来ともこのような割合で推移するのか、また、このような中東依存体質でよいのかという疑問を抱くものであります。なぜなら、政情不安の中東地域依存のエネルギー供給のあり方では、いつもエネルギー危機との背中合わせ、隣り合わせの不安がつきまとい、我が国経済のウイークポイントとなるからであります。したがって、経済の足腰を強くするために、将来へ向けて我が国の新しいエネルギー政策としての石油地図をつくる必要があるのじゃないか、こういうふうな観点からお尋ねをするのでありますけれども、通産大臣はこれに対してどのようなお考えを持っておられるのか。
○小此木国務大臣 御指摘のとおり、我が国の石油の供給先は中東に非常に依存しているという宿命的な体質があるわけでございますが、このような体質は、いわば非常に脆弱な体質でございまして、何としても供給先の多角化ということに努力しなければならないところでございます。しかしながら、そのような供給先の多角化ということが一年や二年でもって実現するということは非常に難しいことでありますが、このような脆弱な構造というものを何とか改革して、私どもは、中東依存度の高い現在の状況というものを打開すべく大いに努力いたさねばならないものと考えております。
○仲村委員 先ほど申し上げましたとおり、やはり政情不安の中東地域に依存するようなエネルギー供給体質を変えていかなければ、非常に不安定な要素がつきまとうのじゃないかということを考えるわけであります。例えば中国における渤海湾の油田開発あるいはメキシコ地域からの輸入増等も考えられるわけでございますけれども、しかし、いずれにしてもコストの問題がありますので、勢い他の地域へそれを乗りかえていくということは非常に困難であろうかと思いますけれども、やはり将来に向けてそういう考え方を持つ必要があるのじゃないかと思うわけであります。
 次に、代替エネルギー開発の計画についてお尋ねをいたします。
 現在の我が国の石油依存度の高いエネルギー供給体質は、その石油の九九・八%を輸入に依存し、しかも、産油国の政情不安の国情等々を考えるとき、いつ石油の供給不足が起きるかもしれないという危険にさらされていることは先ほど申し上げたとおりであります。したがって、今後石炭や天然ガスあるいは原子力等々の開発に体質改善を図っていくべきだと思うが、政府は今代替エネルギーの開発にどのように取り組み、その現状はどのようになっているか、そしてまた、将来これらの代替エネルギーで現在の石油消費をどの程度カバーできるのか、御説明を願いたいと思います。
○柴田政府委員 代替エネルギー対策につきましては先生御指摘のとおりでございまして、セキュリティーの観点はもとより、中長期的にはコスト低減というような観点からもその導入の促進を現在鋭意努力しているところでございます。
 代替エネルギーとしましては、原子力はもちろんのことでございますけれども、それ以外に石炭の開発導入あるいはLNGの導入等を進めているところでございまして、最近時点では、石炭の液化につきましても、褐炭のみならず歴青炭の液化等も進めるということで検討を進めているところでございます。
 そういうことで、昨年度の実績見通しによりますと、石油に対する依存度は六二%程度でございますけれども、逆に、将来における代替エネルギーに対する依存度は、昨年の十一月十八日に閣議決定いたしました代替エネルギー供給目標によりますと、昭和七十年度におきまして総エネルギー供給の五二%は代替エネルギーで行うということで現在計画を進めているところでございます。
○仲村委員 五十八年の閣議決定で、七十年度におけるエネルギーの比率を現在の石油の六二%から代替エネルギー五二%へ求めていかれるということでありますが、その場合、国内においての開発あるいは海外からの輸入でございますけれども、石炭や天然ガスの供給地をどこに求められる予定であるのか。
○柴田政府委員 代替エネルギーにつきましては、原子力のほか、先生今御指摘の石炭や天然ガスが中心になるわけでございますけれども、石炭につきましては、現在、開発輸入を進めておりまして、将来はオーストラリア、あるいは遠い将来アメリカあるいはカナダ、そういうところが考えられるだろうと思いますし、天然ガスにつきましても、現在、ブルネイ、アラスカ等に依存しておりますけれども、オーストラリア、インドネシア――現在、インドネシアも相当依存しておりますが、オーストラリア、インドネシアが中心になってくるのじゃないか、そういうふうに見ておるわけでございます。
○仲村委員 国内のエネルギー資源開発の取り組みについてお尋ねをしたいのでありますが、国内のエネルギー資源供給量は、石油にいたしましても、石炭あるいは天然ガスの全体の比率は極めて低い現状の中で、先般六月二十五日、新潟県岩船沖で有望な油田が発見されたというニュース、これに続いて七月二日には福島県磐城沖で大量の天然ガス開発が成功して、発電所への供給を開始したというニュースがあったわけでありますが、これは無資源国の我が国にとって久々の朗報だと思います。
 政府は、我が国周辺の油田探査や天然ガス調査等にどのように取り組んでいるのか。また、油田や天然ガス資源埋蔵の可能性はどういうふうになっているのか、御説明をいただきたいと思います。
○柴田政府委員 国産の天然ガスは五十八年度で百九十五万キロリットル原油換算の生産でございまして、国内総需要の一%程度を満たしているわけでございまして、最も安定したエネルギー供給源であるわけでございます。このような国産天然ガスの確保につきましては、昭和三十年以降五次にわたる五カ年計画を策定して組織的に開発促進を実施してきたところでございます。
 先生のお話もございましたように、七月二日には磐城沖でのガス田の生産開始、あるいは本年中には新潟県の阿賀沖北の油、ガス田の生産開始、あるいは新潟の岩船沖での有望なガス層の確認、こういうふうに、国内のガス開発についても着々と進められているところでございます。
 今後につきましては、現行の第五次五カ年計画が本年度をもって終了いたしますので、来年度、六十年度を初年度とする新たな五カ年計画の策定につきまして、この七月二日に石油審議会に諮問いたしたところでございまして、この石油審議会の答申を踏まえて、国内での天然ガスの開発についてさらに進めてまいりたい、そういうふうに考えておるところでございます。
○仲村委員 国内での資源開発に関連してでありますけれども、沖縄県の尖閣列島海底には豊富な石油、天然ガスが埋蔵されているということは学者の定説でございます。沖縄の本土復帰直前、米国の石油会社が開発計画を持っていたのでありますけれども、本土復帰でそれが立ち消えになったわけでございます。その後も国内で開発の可能性がクローズアップされていたのでありますけれども、日中間で領有権問題が起こり、そのときケ小平さんは、その議論は子孫に譲ろうということで棚上げされたわけでございます。
 先般、私は外務委員会で、同地域がれっきとした沖縄県の県土であり、日本国有の領土であるということについて安倍外務大臣の見解を求めたところでございますが、外務大臣は、尖閣列島は我が国固有の領土であると明言されたのであります。今日まで我が国政府は、どちらかといえば、中国を刺激すまいという気持ちから、同地域の開発に非常に消極的でなかったかと思うのであります。今後、この地域の海底資源調査、開発を積極的に行うべきでないかと思うのでありますけれども、大臣の御見解をお伺いしたいのであります。
○柴田政府委員 尖閣列島周辺の石油開発につきましては、同列島の領有権の帰属が、御指摘のとおり問題になっておるわけでございますが、我が国といたしましては、尖閣列島が我が国固有の領土であるということは疑いのないことであるということで主張しておるわけでございます。一方、中国も領有権を主張しておるわけでございまして、具体的な大陸棚の開発に着手するに際しましては、同諸島を含む日中間の境界問題がどうしても避けて通れないということでございます。
 したがいまして、この地域における石油資源開発につきましては、尖閣列島があくまで日本の固有の領土であるとの大原則に立ちまして、日中友好協力関係を阻害しないとの前提にも配慮しつつ、関係省庁とも連絡を密にして慎重に検討を進めていきたい、そういうふうに考えておるところでございます。
○仲村委員 この問題は、ぜひ積極的に取り組んでいただきたい。これは確かに日中間の問題が残されているとは思いますけれども、日本の側から積極的に出て行くべきだと考えておりますので、ひとつそのように取り組んでいただきたい、こういうふうに思います。
 次に、代替ガソリンと呼ばれるフエル問題についてお尋ねいたします。
 このフエルについては、通産省は御存じだと思いますので詳しい説明は省略いたします。今、沖縄県ではフエル専用スタンドがそれこそ雨後のタケノコのようにあちこちに出現し、そして最近では本土にまで上陸し、西日本を中心に広がりつつあるといわれております。これは揮発油税の適用外燃料のため、フエル販売業者が税金のかからない車両用燃料を廉売、乱売するため、正規のガソリン販売業者と真正面から衝突し、競合し、石油流通の秩序を乱すばかりでなく、法の目をくくった脱税的行為で混乱を引き起こしている状態であります。
 通産省は、その実態を知っているか。もし知っているとすれば、このフェル問題にどのような措置をとられようとしておるのか。さらにまた、これは国税庁としても放置してはならない問題だと思います。国税庁は、このフエル問題にどのように対処していかれるか、お尋ねをしたいと思います。
○柴田政府委員 実態を知っているかというお尋ねでございますが、我々も承知をいたしております。
 いわゆる代替ガソリンにつきましては、沖縄県を中心にガソリン自動車の燃料として取引されているわけでございます。この代替ガソリンの性状等は必ずしも一定ではございませんが、化学品でありますBTX類、ベンゼン、トルエン、キシレン、こういうものを台湾等から輸入いたしまして、国内で灯油等とブレンドすることにより製造されまして流通ルートに乗せられているものと我々は見ているわけでございます。自動車用ガソリンにつきましては、キロリッター当たり五万三千八百円のいわゆるガソリン税が課せられているわけでございますが、この代替ガソリンにつきましては税法上の揮発油の定義に該当せず、ガソリン税の課税対象にはなっていないのが現状でございます。このため、税負担の公平性確保の観点から、税制上の取り扱いにつきましては税務当局と鋭意協議を進めているところでございます。
 なお、代替ガソリンの自動車に与える影響等につきまして、自動車運転実験等により、さらにこの影響等を明らかにしてまいりたい、そういうふうに考えているところでございます。
○仲村委員 次に、電力の需給の現状と今後の電源開発計画についてお尋ねをいたします。
 現在、必要な電力を供給する体制は十分だと思います。いわゆる需給のバランスはとれていると思いますけれども、しかし、今後需給がどのように変化し推移していくのか。その場合、より安い電力を安定的に供給するための電源開発はどうあるべきかということをお尋ねしたいのであります。
 現在の発電電力量は、五十八年の実績からいたしますと、水力一四・六%、火力六五%、この火力のうち石油三六・四%、LNG一六・三%、石炭八%、そして原子力二〇・四%となっていますが、今後の電源開発計画としてどの分野に主眼が置かれるのか、お尋ねをしたいのであります。
○柴田政府委員 最近の電力需要は、五十五年来三年間非常に低迷してまいりましたが、五十八年度からようやく回復に向かいまして、昨年度は六%の電力需要の伸びということになってきているわけでございます。
 今後の電力需要の伸びでございますが、これは昨年の総合エネルギー調査会の需要見通しによりますと、五十七年度から七十年度まで年平均三・二%の伸びを見込んでおるわけでございまして、この需要を充足するということのために、電源の脱石油化、多様化を図りながら着実に電源開発を推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。
 その場合の電源開発でございますが、どこに重点を置くのかという御質問でございますけれども、やはり原子力発電を中心とする石油代替電源を積極的に開発してまいりたい、そういうふうに考えているわけでございます。原子力発電につきましては、五十七年度末が千七百十八万キロワットでございましたけれども、七十年度末にはこれを四千八百万キロワット程度に増大してまいりたい。それから同様に、石炭火力につきましても、五十七年度末の六百六十五万キロワットから二千百万キロワットと三倍以上に伸ばしてまいりたいというふうに考えておりますし、また、LNG発電につきましても、二千二十一万キロワットから七十年度には四千三百五十万キロワット程度に、さらに水力発電につきましても三千二百万から四千二百万キロワット、こういうふうに増大させてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
 七十年度末の電源構成は、先生は電力量で申されましたけれども、恐縮でございますが、キロワットで申しますと、七十年度末での電源構成としまして、原子力につきましては二三%、石炭が一〇%、LNGが二一%、水力が二一%、こういうような状態でございます。石油につきましては、現在四〇%程度のものが七十年度末では、キロワットで申しまして二四%、そういう程度の形を考えているところでございます。
○仲村委員 次に、沖縄電力問題についてであります。
 沖縄電力はガリオア資金で設立されたが、復帰の際、政府が肩がわりし、特殊法人として出発したのであります。そして、昭和五十六年十二月に民営移行の閣議決定がなされ、以後、国も県も、その経営形態の方向性を模索しているところでございます。
 現在、沖縄県は検討機関や調査研究機関に詰めの作業を急がせているところであります。もちろん県民としては現在の特殊法人の継続を望んでいるところでありますけれども、どうしても民営が避けられないとすれば、独立民営か九州電力への合併かの道をとらねばならないのであります。県としては独立民営の方向で検討が進められているようでありますが、その場合、あくまでも本土並み料金での経営を前提にしなければならないと思います。さらに、出資構成も政府や県民のチェックができるように、県や市町村のほか、県内金融機関等、あくまでも公共的機関を中心に全県民的企業にすべきであります。しかし、地元新聞によりますと、県内大手企業が水面下で活発に工作していると伝えられております。政府は、資本金を民間に譲渡する際は、絶対に独占的状態にならないよう慎重を期すべきだと思うが、沖縄電力の監督権を持つ通産大臣として、これに対する御見解を伺いたいと思います。
○小此木国務大臣 沖縄電力株式会社につきましては、昭和五十六年十二月の閣議了解によりまして、沖縄の実態に配慮しつつ、他の一般電気事業者の協力のもとに、早期に民営移管するとされているところでございます。現在沖縄県では、県知事の諮問機関である沖縄県電気エネルギー対策協議会を中心に、地元としての意見を取りまとむべく検討中でございます。通産省といたしましては、こうした沖縄県における検討結果を踏まえ、また、政府関係省庁、九電力会社等、関係者の意向も踏まえまして、民営移行の実現へ向けて今後調整してまいりたいと存じておるところでございます。
○仲村委員 最後に、セメント産業の現状と、その業界の不況の改善についてお尋ねしたいのであります。
 我が国のセメント産業は、高度経済成長期、特に東京オリンピック、大阪万博等々の前後の公共工事ラッシュの時期に設備拡張がなされたのでありますが、一次、二次石油ショック以来の減速経済とあわせて、ここ四、五年間超緊縮財政運営でセメントの需要が著しく減少し、業界では弱肉強食の乱売合戦の過当競争が展開され、極めて憂慮すべき現状であります。この状態を放置することは、産業の健全な育成発展を図る立場から許されないものだと思うが、通産省はどのように対処していかれるおつもりか、お伺いしたいのであります。
 私たちの沖縄県のような市場の狭い地域までもダンピングの殴り込みをかけて、地元企業つぶしにかかっている始末で、全く放任できない状態でありますけれども、政府の抜本的対策はないのか、お尋ねをしたいのであります。
○篠島政府委員 先生おっしゃるような現状がございまして、我々も対策が必要であると考え、昨年の十一月に産構審にセメント小委員会を設けまして、鋭意検討していただきました結果、この三月二十三日に答申を得ております。
 その内容といたしましては、グループ化による共同事業会社を核といたしまして、業務の提携による生産設備の処理あるいは販売の合理化等を行うことによって、構造改善を進めるべきであるという内容でございます。これを受けまして、この五月二日に産構法に基づく特定産業としてセメント業種を指定しておりまして、現在基本計画の策定等についていろいろ審議しておりますが、できるだけ早急に、基本計画の策定あるいは事業提携計画の承認等を行って対処してまいりたいというふうに考えております。
○仲村委員 終わります。ありがとうございました。
○梶山委員長 次に、田原隆君。
○田原委員 ただいま仲村委員からエネルギーのことについていろいろ質問がありましたが、私も、少し観点を変えてお願いをしたいと思うのですが、先ほどのホルムズ海峡付近の話のときに、中東依存度七〇%と申されましたけれども、仲村委員の質問の趣旨からいくと、ホルムズ海峡を通過するのは六五%だろうと思うのですが、そして、サウジが百万バレル、イランが三十九万バレル、イラクはゼロというお答えで、いかにも何か簡単に考えられたような印象を受けたような気がするのですが、戦争ですから、もしここが封鎖されるようなことがあれば大変なことであろうと私は思いますので、その辺を、一言でいいですから、通産省は重大な関心を持って今後慎重に十分な対処をするということを一言だけお答え願いたいと思います。
○柴田政府委員 最近、原油需給状況は割合に安定的ではありますけれども、先生御指摘のように、大分ホルムズ海峡に依存しているわけでございまして、一たん事があったら事態は非常に深刻でありますけれども、備蓄の着実な積み増し等によって万全の対策をとるということで進めているところでございます。
○田原委員 後で出てきますが、備蓄だけではとてもだめだと思うのですが、石油政策、エネルギー政策全体についてひとつ慎重に考えていただきたいと思います。
 それから次に、石特会計のことについてちょっと触れてみたいのですが、本年度石油税の一・二%改定が実施されましたけれども、平年度、六十年度になりますと、千三百四十億の税金が入ることになるわけです。それから、今まで石油税が石特会計繰り入れの未済分が三千六百五十億円残っておりますけれども、これらの金については五十八年度は六百四十億円返され、五十九年度は六百七十億円返されておりますが、当然六十年度もどんなことがあっても最低七百億円程度は返してもらわなければいかぬ、そういう傾向でいけば、本当は全部返してもらうといいのですが。ただ、石油がちょっと緩んでおるというような印象が今まであったものですから、これらについて何となく備蓄を初めトーンが緩んできておった感じがするのですけれども、私が調べてみると、世界の石油の備蓄の総量平均は百六十二日分だと言われております。我が国は民間備蓄が九十九日分、それから国家備蓄を入れて百二十五日分ということになっておりますけれども、国家備蓄三千万キロリットルを目標にしておりながら、現在千五百万キロリットル程度まで行っております。これは順調に行っておるような気がするのですが、私は、目標の置き方がまだ少し少ないような気がするのですけれども、先ほど申しましたようなホルムズ海峡の封鎖というようなことが、もし万が一あり得たり、あるいは重大な危機があったときには、一応IEA加盟国は助け合うということになっておるようですけれども、お互い自分の国がかわいいわけですから、日本も日本なりの努力を十分したということがなければいかぬわけでございますけれども、もっと半年分ぐらい、すなわち百八十日分ぐらいの日数があってもいいのではないかと私は考えておるのですが、この辺の備蓄に対する考え方をもうちょっと詳しく、ただし簡潔に、核心をついてお答えいただきたいと思います。
○小此木国務大臣 長官もたびたび答弁いたしたわけでございますが、我が国の備蓄は、おっしゃるとおり確かに百二十五日分でございますけれども、IEAの基準に従えば、当然百六十日以上なければならぬということで、私どもはなおその備蓄に対して今後も努力を進めていくべく、先般もそのような考え方を私ども示したわけでございます。
 石油は、確かに世界的な状況を見れば緩んだ状況にはございますけれども、我が国の場合をとらえてみれば、何と申しましても中東に依存している体質を早い時期にどうしても脱却しなければならない。そういうような諸般の情勢を考えれば、委員御指摘のとおり、通産省、資源エネルギー庁といたしましては、国民の安心感を得べく、せっかく努力いたす所存でございます。
○田原委員 大臣から大変立派な御答弁をいただきましたが、石特会計にもう一回戻ります。
 平年度千三百四十億になって、しかも三千六百五十億、はっきり言えば貸しがあるというような現状でありますが、一方、石油業界を考えてみますと、非常に体質改善、体質強化、構造改善が要求されておりますし、またホルムズ海峡の問題を考えたときに、石油を求める相手国の多方面化と申しますか、こういうものが望まれるわけだし、また自主開発が当然望まれるわけですが、そうすると、石油タンクというものは非常に金がかかるものでございますけれども、これらを含めるときに、この石特会計平年度千三百四十億になったからといって、来年度要求のトーンが、五十九年度要求のときのように精いっぱい通産省は頑張っていただかないと、あるいは財政当局は財政再建の問題を念頭に置いておりますから、三千六百五十億についてなかなか返してくれないというようなことが出ても困るわけでございますので、通産省のこの辺の、来年度の要求に対する、今私が申し上げたような石特会計の未済分と来年入る千三百四十億円を踏まえて、ひとつ一言で決意を述べていただきたいと思います。エネルギー庁長官、特に……。
○柴田政府委員 一言で決意をということでございますので、簡単に申し述べさせていただきますが、当省といたしましては、先生の御指摘のような点を十分勘案いたしまして、昭和六十年度予算におきましては、一般会計留保分の最大限の取り崩しを含めて、所要の財源の確保に努力してまいる所存でございます。
○田原委員 次に、先端技術開発のことについてお伺いしたいと思いますが、我が国の経済が二度の石油危機と、その後の長期不況を克服して、今日上昇基調を示し始めておりますけれども、その過程でエレクトロニクス技術の進展等の新技術の寄与が大変大きいと思っております。今後においても、資源がない我が国ですから、これが安定的な発展を遂げ、国際社会に貢献し、かつ福祉国家の実現を図っていくためには、どうしても自主技術を開発し、これを推進し、技術立国としての基盤を築いていく必要があろうと思いますけれども、財政再建下という名のもとで、民間活力を増進しながら安定的な成長を持続していくには、どうしても先端技術を中心とした産業技術の革新が不可欠であろうと思います。そのための研究開発の積極的な促進策は、これまた非常に必要なわけでありますが、通産省はこの重要性について一体どういうふうに認識しておられるであろうか。
 先般新聞で大臣がいろいろ御決意を述べておられたようでございますが、先端技術開発については、欧米諸国は非常に力を入れておりまして、アメリカでは三年連続して基礎研究費を約一〇%程度ふやしております。フランスはGNPの二・五%を研究開発に充てる目標を設定しております。西独でも三十億ドルのエレクトロニクス開発計画がスタートすると聞いております。また、税制上の優遇措置や、独禁法の運用緩和等による研究開発の促進策が実施されてきていると聞いておりますが、その欧米諸国の現状について把握しておられると思いますけれども、時間の関係で詳細なお答えはいただけませんが、別途それらについての資料、データを私にいただきたいと思うのですが、よろしくお願いします。
○福川政府委員 ただいま先生御指摘のように、私どもといたしましても情報技術の進展、さらに、それに加えまして新素材技術あるいはバイオテクノロジー、こういった新たな技術革新の胎動期と申しましょうか、新しい波を迎えている時期ではなかろうかというふうに思っておるわけでございます。私どもとしても産業活力の維持発展、それから国際競争力の維持確保、さらに国際研究協力ということで十分努力をして、世界経済の活性化に貢献をしてまいりたい。
 先端技術分野につきましては、今先生御指摘のように、もちろん民間活力を発揮させるということと同時に、民間でやり得ない、リスクが大きく、また開発期間に長期を要するようなものについては、政府も積極的にやっていく、また民間の研究開発を促進いたしますために、その環境整備に大いに力を入れていくということで、私どもとしても今後の政策を考えます上で、特に重点を置いてやってまいりたいというふうに存じております。
 諸外国のいろいろな動きにつきましては、工業技術院の方で十分把握をいたしておりますので、先生御指摘のような点については、資料にして後刻工業技術院の方からお届けさせていただきたいと思います。
○田原委員 今から私が聞こうと思うところまでお答えいただきましたけれども、工業技術院を中心として、今産政局長がお答えになったように、新技術について非常な研究をされ、努力をされておることは私も承知しておりますけれども、ただ、緊縮財政という名のもとに、だんだんこういう基礎研究――技術には基礎研究と開発段階の研究と、それから商業ベースに乗ってからさらに進めていくというような、大きく分けて三つの段階があると思うのですが、やはり新技術として一番必要なのは基礎的な研究であろうと思うのですけれども、それは国が助成しなければいかぬ。商業ベースに乗ってくると、これは貿易問題等もありますから、財政的な措置よりもむしろ税制その他の措置が必要であろうと思いますが、五十七年度には四百六十億円の予算があったのが、残念ながら五十八年度には四百三十二億円と減っておりますし、さらに五十九年度は三百八十三億円と、年々いかにもリニアに減っております。六十年度は三百億を割るのじゃないかというような心配を私はするのですけれども、これは全く時代逆行でありますから、私の方も一生懸命頑張りますが、通産省、力を入れていただいて、来年度の予算要求については理論も確立していただいて、どうか頑張っていただきたいと思うのです。
 特に、各国の研究費の政府の負担割合を見ますと、欧米の主要国はみんな四三%から五三%でございます。これが軍事的に関係あるものを除いても三〇ないし四六%となっているのに対して、我が国は約二五%というふうに低い。幾ら財政が厳しくても、技術立国を目指す我が国ですから、来年度の予算枠についてはシーリングと別扱い、これは聖域だということでやっていかなければいかぬと思います。そのつもりで通産省は臨んでいただきたいと思いますが、大臣の御決意をひとつ……。
○小此木国務大臣 田原委員のおっしゃるとおり、通産大臣たる私自身も、このような状況というものを非常に憂慮いたしておるところでございます。現在日本の産業の中で非常に世界的に優位を示しておるものも、このような技術開発ということを国家が怠れば、あるいは民間が一歩でも怠れば、将来にとてつもない大きな禍根を残すことにもなりかねないと存じますので、私ども、御指摘のとおりの意見も踏まえて、今後頑張っていかなければならないと考えておるものでございます。
○田原委員 ありがとうございました。
 それから、税制、財政のことは除きましても、基盤整備とか技術情報の交換の場をつくるとか、技術評価をシステム的にやるとかいうようなことについては、これは法律がなくてもできるかもしれませんが、基本法的なものをつくるお考えはないのかどうか、一言お答えをいただきたいと思います。今まであった機情法なども期限が来ますし、新しく何か法律を考えてやる気があるかどうか、お願いします。
○福川政府委員 今御指摘のように、政府としても、技術開発のためにみずからも取り組む、あるいは民間の技術開発を助成するために積極的に助成策を進めていくということと同時に、民間が進めてまいります技術開発のために、その基盤、環境条件の整備を図っていくということもこれまた非常に重要な点であると考えておるわけでございます。例えば技術情報の交流、データバンクを整備する、試験研究の評価方法をつくる、あるいは人材の育成を図るといったような環境条件の整備というのは、特に複雑になってまいりました技術社会においては非常に重要なポイントであると思うわけでございます。
 私どももその点、今鋭意検討いたしておるわけでございますが、今先生お話しのように、行政上の措置でできるのか、あるいは法的な条件整備をしなければうまくワークしないのかという点につきましては、具体的な対策につきまして、既存の制度の見直し、さらに今後のニーズということを踏まえて、いろいろ多角的な視点から検討いたしてまいりたいと思うわけでございます。今先生の御指摘のような点も踏まえまして、今後さらに検討をしてまいりたいと存じます。
○田原委員 大臣にお伺いしたいのですけれども、大臣はこのたび四極貿易大臣会合に御出席になりました。これは先般西ドイツで開催されたのですが、内容として、新ラウンドや保護主義の問題等が話し合いの場に出たのじゃないかと思います。その辺について、どんな進展があったのか、またどんな問題点が残っておるのか等について簡単にお知らせいただきたいと思います。
○小此木国務大臣 このたびの四極貿易大臣の会談は、私、既に各所で申し上げておりますとおり、ロンドン・サミット宣言をいかに具体化するかということの議論が中心でございました。新ラウンドの問題、あるいはガットの作業計画の問題、さらには関税前倒しの問題、また保護主義の巻き返しの問題等々でございましたけれども、一つの例を申し上げれば、新ラウンドについて、率直に言って、四極の中にも積極派と消極派があったことは事実のような感じでございました。しかしながら、私どもが消極派と見ていたところが、実はサミット以後必ずしも消極派ということではない、この新ラウンドを実現するためにいかに慎重であるか、結果として成功させるためには慎重な手続等を行わなければならないではないかという意味の考え方が強うございまして、そういう意味では、消極派ではなくて、別な意味の積極派であったということを新たに認識いたしまして、四極のそれぞれの地域がいかに保護主義を巻き返して、自由貿易体制というものを推進しなければならないかという考え方が非常に強かったという印象を受けまして、私としてはそういう意味での成果が非常に大きかったと考えておるものでございます。
○田原委員 どうもありがとうございました。
 時間が来ましたので、これで終わることにいたしますが、通産省に御要望しておきたいのです。
 経済協力の問題についてこの次に機会があったら詳しく聞かしていただきたいと思います。特に海外エンジニアリングの育成振興策について、来年度以降は最重点を置いていただきたいという一つの論拠を持っております。この次の機会に御質問申し上げますので、十分研究しておいていただきたいと思います。
 これで終わります。
○梶山委員長 次に、奥田幹生君。
○奥田(幹)委員 ことしは、伝産法が施行されまして十周年に当たります。したがって、その十周年の記念行事を伝産の町と言われております京都でやろう、前通産大臣の宇野先生のときから通産省ではそういう計画を立てていただいて、地元の京都府、京都市もそれに参画いたしまして、ことしの十一月下旬三日間、京都でお世話になることになっておりまして、この限りにつきましては私どもは非常に喜んでおるわけでございます。しかしながら、それだけではもったいないという話が出てまいりまして、ことしの三月に、十周年記念行事を中心に二カ月ぐらいの間、伝産工芸博覧会を同じく京都でやったらどうかというようなお声を通産省から地元へいただいたわけでございます。町の活性化を図ってまいりますためにはこれも非常に結構なことでございまするから、以来意欲的に取り組んできておるわけでございますけれども、今日に至りましてもなお不明確な点がたくさん残っておるわけでございます。
 簡単に申し上げますと、四月の末にこれを受け入れるための伝統産業推進会議ではっきりと受け入れることを決めまして、五月の下旬には工芸博覧会協会をつくろう、六月の中旬に発足をさせようということになったわけでございますが、通産省の企画委員をされております方から、予算は総額六億二千七百万が示されたわけでございます。しかしながら、二回目の会議をセットいたします直前になりまして八億三千万円に、およそ二億円事業予算が膨れ上がりました。しかも、どういう品物をどの場所にどの程度のスペースをとって展示をするというような事業内容は今もって不明確でございまして、企画委員さんからは知らされておりません。そうして、おとといの段階になりまして、また予算がはね上がって八億七千万になったわけでございます。事業内容が示されないまま予算だけが膨れてまいっておりますので、非常に地元では、一方では期待を持ちながら一方では不安がっておる、これが今日の地元の実情でございます。前売り券を、最初は地元で十万枚売ってくれ、売りましょうと約束をしておりましたら、途中で京都府十万枚、京都市十万枚、商工会議所十万枚ということに計画も変わってきた。不安がる一因はそういうところにもあるわけでございます。
 したがって、私がお尋ねをいたしますのは、大きな博覧会の計画でございまして、八十万から百万人寄せよう、集めようということでございますが、しっくりと納得ずくで協力をさせてもらうためには事業内容を早く示してほしい、いつごろ明らかになるのか、これが質問の第一点。
 それから、これまで二回も事業予算がふえてまいっておるわけでございますが、これからはこの八億七千万という数字は変わらないのか、また会合を開くたびにぼこぼこはね上がっていくのかどうか、これが二点。
 それから、通産省の企画委員が地元の会合で全部取り仕切っておられるような形になっておるのですけれども、その企画委員というのは通産省でどういう位置づけをされておるのか。私は、企画委員の方だけが表に出まして、通産省が一歩も二歩も後退をされておるような印象を受けるのでございますけれども、もう余り日にちがございません。百日もないわけなんです。したがって、地元は非常に心配をしながら一生懸命何とかこれを成功させたいという気持ちは持っておるわけでございますので、大きな事業を短期間で消化するために、まさに重い荷物を地元のいろいろな関係の団体と通産省が一緒になって担ごうとする意欲があるのかどうか、これらの四点についてお尋ねをいたします。
○篠島政府委員 お尋ねの件でございますが、まず事業内容でございますが、準備期間が非常に短いということもありまして、確かに一部の関係者の間に、一体どういうふうに事業がスムーズに進んでいくのか、こういうような不安もあったかに聞いております。とにかく十月開催をめどに鋭意内容をできるだけ具体的に固めようということで、目下努力の最中でございまして、ここ一、二週間の間にはほぼその全容が固まるというふうに聞いております。
 それから、事業予算がくるくる変わるという件でございますが、八億二千万というこの前の会合で出されました案、これはいろいろな経緯があって六億から八億に膨れ上がったというようなこともございますが、それはそれなりの合理性を持っておりまして、先生の御指摘のございました、最近に至ってまた五千万積み増したというのは、実は一部の京都の関係者の間から、博覧会の開催期間を一週間ばかり延ばしたらどうかという案がございまして、もし延ばすとすれば五千万余計にかかるという計算が出てきたわけでございます。延ばさなければもとどおりの八億三千万でございますか、その程度のラインでおさまるということでございますので、この予算案につきましてもリーズナブルな変更というのはあり得るかと思いますが、そう方針が固まらないまま恣意的にぐるぐる動くということではないというふうに見ております。
 それから、堺屋先生が今度の京都の工芸博につきまして推進役の一人としていろいろ動いておるわけでございますが、通産省では伝統的工芸品月間推進会議というのを設けまして、毎年伝統的工芸品月間を定めて、いろいろ伝産の国民に対する浸透あるいは意識の高揚等を図っておるわけでございます。堺屋先生はその会議の委員でございます。ただ、京都の今度の工芸博につきましては、直接月間推進会議の委員としての堺屋先生ではなく、別途京都の工芸博の協会というのができておりますが、その理事の一員として動いておるわけでございまして、直接的に緊密な形で月間推進会議の委員として博覧会にかかわっておるということではないのでございます。
 それから、今回の京都の博覧会は、通産省といたしましても大変意義深いというふうに考えておりまして、準備期間が短いという制約、これはいろいろ問題ございますが、この中でとにかく成功させるべく関係者ともども協力し合って、全力を挙げて成功させる方向でやりたいと考えております。
○奥田(幹)委員 もう時間が来たそうでございますからこれでやめますが、予算の件につきましてふえた理由、私もそれなりに承知しておるわけです。例えばその中身が八億二千三百万円のときには、その中に一千七百万、予備費として見ておったわけですね。八億七千万になりましたら予備費がゼロになっているのです。そういうところも地元で不安がっておるわけでございます。時間でございますから御答弁は要りません。十分慎重に、しかも、地元も一生懸命やろうとしておりますから、通産省の方でも一緒に汗を流すというような気持ちでお世話になりたいと思います。要望しておきます。
 ありがとうございました。
○梶山委員長 横江金夫君。
○横江委員 きょうは、河本長官が所用があるようでございますので、私は、実は質問を河本長官には最後にお願いを申し上げたいと思っておりましたけれども、その関係等で最初から経済の見通し、あわせて経済運営の基本的な態度につきまして、とりわけここ二十日ぐらいのうちには六十年度の予算、いわゆるシーリングを決めなくてはいけない時期に来ているわけでありまして、そういう意味合い等からまいりまして、大蔵省は引き続きマイナスシーリング方式を堅持する形に相なっておりますけれども、ことしの一月から三月の実質成長率が年率七・四%になるなど、景気は着実によくなっておると思うのであります。こういう意味合いからまいりまして、景気の回復を含めながら、長官として来年度の予算枠についてどのようなお考え方を持ってみえるのか、まず第一に伺っていきたいと考えます。
○河本国務大臣 概算要求のシーリングの問題につきましては、今、自由民主党の政務調査会を中心に検討が進められております。また、大蔵省の内部でも検討しておられるのだと思いますが、私は、これを決めます基本的な考え方といたしまして、行政改革を徹底して行うということが第一、それから第二には、日本の持っております潜在成長力が十分発揮できる、こういう政策を強力に進めることが必要だと思いますが、この二つの政策をどのように調和させていくかということがこれからの議論の中心になると思います。今月末に方向が決まると思いますので、もう少し議論の推移を見ていきたい、このように考えております。
○横江委員 初めからこういう言い方をしてはなんでございますけれども、私、四月にも黒字の問題等につきまして質問させていただきました。このときにはまだ予算が通ったばかりでございまして、これからその施策について十分考えていきたい。きょうも、これからの基本的な考え方としては、行政改革を徹底するということと、そして潜在成長力を発揮するという考え方、抽象的にはわかりますけれども、しかし今、その時期につきましては少し時間をいただきたい、いつもパターンが実は決まっていると思うのです。私はもう日にちが――大蔵省を初め、相当この作業は進んでいるというふうに伺っておるわけでございまして、今の二点の基本的な考え方につきましては、長官が従来から言っておみえになります話として理解をするわけでありますけれども、シーリングに対する長官自身の考え方について、もう少し前進的な御発言、御答弁を賜りたいと思うのです。
○河本国務大臣 経済政策という観点から考えますと、このシーリングの問題は六十年度の予算の要求の仕方を決めるということでありまして、実際にこれが政府原案になりますのは十二月末の段階であります。そして、その予算が成立いたしますのは、早ければ来年の三月、遅ければ四月の前半、こういうことになりまして、これが実際に経済に影響し始めるのはずっと先のことでございます。
 したがいまして、これまでの例を見ましても、概算要求がそのまま政府の予算原案になるわけではございません。時には概算要求を超えて政府予算案が決まったこともございます。あるいは圧縮されたこともございまして、概算要求が必ずしも本予算になるということではございません。しかし、当面の物の考え方の方向をどうするかということにおいて若干の参考になると思いますので、先ほど申し上げたような二つの基本原則を御説明したわけでございます。
 行政改革は必要でありますけれども、しかし、我が国の持っております経済の潜在的な成長力が十分発揮できる、これもまた当面緊急の課題だ、このように思いますので、その調和点をどこに求めるかということで、今、政府と党との間で議論が進んでおるわけでございまして、もう一カ月もいたしますと結論が出るわけでありますから、その議論の推移を見守りながら具体的な判断を示していきたい、こういうことを申し上げたわけでございます。
○横江委員 さきにECのオルトリ副委員長がお見えになりまして会談をされたわけでありますが、副委員長から、我が国の経済成長の見通しと貿易黒字の解消策につきましてただされたというふうに伺っておるわけであります。とりわけ今年度の政府経済見通しで、実質経済成長率が四・一%、この点につきましては非常に順調に進んでいるからという理由のもとに、この九月にも経済見通しを見直す意向を長官としては明らかにされたようでございます。私は、九月にそのような見直しをされるいわゆる背景とその感触、見通しについてお尋ねをいたしますと同時に、黒字減らしというのですか、この使い方の問題等については、先ほどの基本的な二つの問題と兼ね合いをするわけでありますけれども、内需拡大策を柱として、公共事業の増額、これがまず一つ。そして投資減税による設備投資をてこ入れする、これが二つ目。三つ目としては、所得税の大幅減税、この三点を実は挙げてみえるわけであります。これにつきましても政府部内で結論をまだ得ておりませんけれども、積極財政を展開する中で、長官としては真剣に検討したい、また政府部内で検討していただきたいということを強く言っておみえになりますけれども、ここらあたりにつきまして、シーリングを含め、そして、今言った年来の三つの問題点につきまして、経済成長の上からいって、ひとつその詳細についていま一度御説明を賜りたいと思います。
○河本国務大臣 先般、ECのオルトリ副委員長が日本においでになりまして、お目にかかりました際にこういうお話がございました。一つの国が巨額の黒字をずっと出し続けるということは、保護貿易の台頭の引き金になる危険性が大きい、したがって、そういう場合には巨額の黒字が継続しないような内需の拡大策をやはり考える必要があるのではないか、こういうお話に関連をいたしまして、日本といたしましてもいろいろ内需の拡大策を考えておるということから、今御指摘のような話をしたわけでございますが、そのうち公共事業の拡大の問題につきましては、シーリングの問題等の関連において議論が今進められておりますけれども、私は、むしろそれより先に、この九月に四月−六月の経済指標が出てまいりますので、それを見た上で、毎年のことでございますが、その年の経済成長の見直し、経済指標の見直しをすることになっておりますので、九月に見直しをするつもりである、こういうことを申し上げました。
 そのときに出た話ではございませんが、別の話として申し上げますと、そのときの経済情勢を見て補正予算を組むのか組まないのか、もし組むとすればどういう内容の補正予算を組むか。公共事業の前倒しをしておりますが、公共事業を追加する必要があるのかどうか、こういうことが九月の段階で来年の予算よりも早く議論になる、このように考えております。
 それから、所得税の減税につきましては、昨年九月の与党と野党の合意が実現をされておりませんので、私は、この一月以来大蔵大臣や自由民主党の政務調査会に対しまして、所得税の減税問題を税制全体のあり方との関連において抜本的にもう一回検討してもらいたいということを要望しておりますが、これは恒例に従いますと、結論が出るのは十二月であろう、このように考えております。
 それと別に、最近になりましてアメリカの設備投資が非常な勢いで進んでおりますので、こういう状態が続きますと、我が国の経済の競争力も二、三年先には非常に心配な点が出てまいっております。そこで、もう少し我が国の設備投資の拡大を図る必要があると考えておりますが、そのためにはいろいろな対策が必要でありますけれども、特に投資減税についてもう一回よく検討し直す必要があると私は思います。この四月の予算で若干の投資減税が決まっておりますけれども、これは金額が極めて小さい、しかも限定された対象でありますから、余り効果がないのではないかと思っております。そういうものではなく、今アメリカがやっておりますような投資減税を参考にして、大規模な投資減税をやる必要があるのではないかと思っております。これは新しい課題として十二月までに結論を出す必要があろう、このように考えておる次第でございます。
○横江委員 内需の拡大、公共事業等については補正予算を九月の段階とか早い時期に、少なくとも来年度の予算の前に考えなくちゃいけないという御発言でもございましたし、この辺につきましても注目をしてまいりたいと考えておるわけであります。
 なお、大型減税、もう長官の年来の主張でございまして、信念の強さ、かたさ、前のような景気の悪いとき、今若干上向いてきた中でも、経済成長力、潜在能力を発揮する意味合いも含めて、このような所得減税についてはお考えになってみえる。しかも、そのことは自民党や政府首脳、いろいろな機関に申し上げてあるということで、十二月に結論が出る。去年の十二月は選挙でございましたけれども、去年の一月もこのような質問を各党の代表がされておみえになります。ことしの十二月というのはどうも先送り、ただ、長官としてはお話をしてみえますけれども、どうもそこらあたりが実現しないものですから、ややもするならば先送り的な、去年の十二月がことしの十二月になるような感じがしてなりませんけれども、私の記憶違いであるならば許していただきたいと思います。
 私は、長官自身のいわゆる大型減税についてお尋ねしたいと思います。来年度の予算の歳入と歳出の見込みを見てまいりますと、現時点におきましては四兆円近くその差額がある、要調整額が必要だと言われているわけでありますが、そういう財源がない場合に、年来主張してみえます今回のこの大型減税に対する財源はどこに求められるのか。また投資減税につきまして、アメリカのを参考にして今予算に出ておりますような小さな規模ではなしに、大きな規模でやるという場合に、その財源につきましても非常に厳しい中にありますが、そこらあたりにつきましても、御答弁を賜っていきたいと思うのです。
○河本国務大臣 私が所得税の大型減税が必要であるということを言っておりますのは、二つの理由がございます。
 一つは、昨年九月の与党と野党の合意が実現されてないということから言っておるわけでありまして、これは私は与党の責任であると同時に、野党の方にも責任があると考えておるのです。国会で合意をして国民に発表して選挙をしたわけでありますから、これはそのままにすべきではない、このように考えておりますが、そういうことから、この一月、五十九年度の予算編成の際に、このことを強く主張いたしまして、先ほど申し上げましたように、それぞれの責任者に検討をお願いしたわけであります。しかし、税制というのは年度の途中で変わることはほとんどございませんで、十二月に翌年度の税制をどうすべきかということを議論するのが恒例であります。したがいまして、来年度の税制はこの十二月に最終の議論がされる、こういうことだと思うのです。
 それから第二の理由といたしましては、最近の経済を見ますと、外需の関係は輸出が非常に伸びておりますから力強く進んでおりますし、設備投資も先端技術と中小企業関係が若干拡大の方向にございます。ただしかし、個人消費につきましては、残念ながら一進一退を繰り返しておりまして、なかなか政府見通しどおりには進んでいないというのが現状だと思うのです。これはやはり国民の実質所得がふえないというところに背景があるわけでございますから、そういう観点からも、私は、国民の実質所得をふやすということのために減税を実施する必要があると考えておるのでございます。
 五十二年から比べますと、所得税の総額は二倍になっておりますから、この際、この問題について私は、与野党通じての政治の共通の大きな課題として当然取り上げる必要がある、こういう観点に立って議論をしておるわけでございます。
    〔委員長退席、森(清)委員長代理着席〕
○横江委員 個人消費が伸びてない、ほかの面については伸びているわけでありますが、だから、その辺の活性化のためにも所得減税は必要だ。私は、所得減税が必要だということについては、与野党の昨年九月の関係等もありますし、ぜひ実現をしていただきたいと思うわけでありますけれども、長官として、先ほど私質問いたしましたように、大型減税の場合の四兆円の差額というんですか、調整額が必要だという場合と、設備投資の場合、ここらあたりの財源について、今御答弁いただいておりませんけれども、どういうようにお考えになってみえるのか、お聞きいたしたいと思います。
○河本国務大臣 私は、減税の規模が相当大きくなりますと、これは一年にやらなくてもいいと思うのです。アメリカなんかでも所得税減税は八一年から八三年までの間に三年間かかりまして、だんだんふやして最終の目標に達する、こういうやり方をやっております。したがって、日本の場合でも、規模が大きい場合には何も一遍にやらなくても、二年とか三年計画でこれを実行していくということにすればいいと思いますし、財源の問題につきましては、十二月の段階で、こういう経済の状態でありますから、もう少し経済の推移を見守りながら議論すべきだと思いますが、財源の問題よりも、政策としてやるべきかどうかということが決まれば、財源の問題はおのずから解決の道もあろうと私は思います。
 しかも、ことしは、これまでの経済の動きを見ておりますと、当初の政府見通しを相当大幅に上回るような感じがいたします。最終的には九月の段階で判断しませんと具体的な数字は申し上げられませんが、最近の民間の調査機関なども、総じて上方修正をしておりますが、数字は別といたしまして、相当上回るのではないか。経済が相当活力を回復いたしますと税の弾性値も急上昇いたしますし、もう少し経済動向を見た上で財源問題は判断すべきものだ、このように思います。
○横江委員 長官の積極的な考え方、大きな気持ちはわかるのです、財源より政策だということはよくわかりますが、しかし、今私ども日本の国の財政というのは大きな借金をしておるわけでございますので、それが政策のうまい形によってすべてうまくいけるなんて、そんな夢のような話にはならないということがあります。そういう意味合いからまいりまして、やはり政策とあわせて財源も十二分に考えなくてはいけないのではないだろうか。ただ言うだけであるならば結構ですが、財源だってやはり大事な、この辺のところがはっきりしなければ出てこない問題だと思うのです。だから、その辺のところについては、大臣が退席される時間でございますのでこれ以上伺いませんが、ただ、積極政策をとってみえる大臣として、シーリングと兼ね合いの上で、宮澤喜一さんの資産倍増計画の問題についての御意見をお聞かせいただきたいのが一つ。
 すべて申し上げますが、もう一つは、私は政治家の姿勢として、これはひとつ長官に伺っていきたいと実は思っていました。本議会の中で長官の姿を見ていましても非常に清楚な感じがするのです。厳しさと、その意味合いでは非常に清楚、そして意欲、じっと黙って余り笑われませんので怒ってみえるような感じがしますけれども、実は頼れるという感じもあると思うのですが、その政治家の姿勢として、今の例えば私は不公平税制の問題もそうだと思います。しかし、最近の新聞を見て国民が一番納得できないのは、例えば脱税の問題、申告漏れの問題。脱税等については、数%の調査で数千億というような脱税が出てくるのです。
 私は、財源の関係とも兼ね合いがありますけれども、これは大蔵省の関係でありますが、政治家としての長官に伺うわけであります。数%でそれだけの発見ができますから、もっと調査すればたくさん出る、私はそういう感じがするのです。しかも、それはたまたま重加算税だけぼんと払えばそれで済みだ。もちろん税務当局が告訴して刑事事件になるという場合もありましょうけれども、ほとんどのものは重加算税を払って終わりだということで、一罰百戒的なものもないし、約四千万の勤労所得者は何もごまかしができない。しかも、こういう大きなごまかしをしながら、それが今の風潮として通っていくような感じ、国民の目から見た場合には私は大変な憤りがあると思うのです。
 青少年のいろいろな非行化の問題もありますけれども、私はまずこの一つだけでも、財源の問題と兼ね合いながら、政治家の姿勢として、こういう現象についてどのようにお考えになるのか、将来総理という展望もございますし、私はその意味合いから、政治姿勢としてぜひ今申し上げた一点だけお聞かせをいただきたいと思います。
○河本国務大臣 これは大蔵省がお考えになっておると思いますが、アメリカなどの最近のやり方を見ておりますと、増税よりも税の徴収漏れを防ぐ方が先決ではないか、こういうことで、そのことによってある程度の増収を図っていこうということをこの間アメリカ政府も決定をしておりましたが、私は、それはそれなりに立派なやり方だと思います。しかし、私はそんなに大きな数字を期待することは、急速には難しいのではないか、このように考えます。
 やはり税収の拡大ということは、そういうことも大事でございますが、経済が力を回復をいたしますと、先ほど申し上げますように税の弾性値も急速に高くなりますし、税収もふえますので、そういう事態が一番望ましいと思うのです。そういうことのためには、例えて申しますと、秋の収穫をしようと思えば春に種まきをしなければいかぬ、種をまくためにはやはりある程度の資金が必要ならば調達しなければいかぬ、こういうことを考えて政策を進めるべきではないか、私はこう思います。
 政府は今財政が窮屈でありまして、別の言葉で言いますと貧乏をしておるということだと思いますけれども、国民経済全体から見ますと、貯蓄過剰ということで資金は余っておる、これが外国へどんどん流れていっておるというのが現状でございますので、やはり国民経済全体からいろいろなことを判断をしていく、こういうことも考え方の一つとして必要ではなかろうか、このように思います。(横江委員「宮澤喜一さんのは」と呼ぶ)
 宮澤さんの資産倍増計画は、私も拝見をいたしましたが、中間報告ということで、方法等について、いずれまた次に発表されるのだと思います。この間の中間報告はそれなりに結構だと思いますけれども、全体としての評価は、やはり全体の政策が発表された段階でないと十分できないと思います。
○横江委員 河本長官も時間で退席されますので、ありがとうございました。
 次に私は、核エネルギー、核燃料サイクルの関係についてお尋ねをいたしたいと思うのです。
 通産大臣の諮問機関であります総合エネルギー調査会原子力部会がこの二日に報告書をまとめました。その報告書は、今申し上げましたように、原子力の利用を効率化することです。そして、核燃料サイクルの事業化に方向づけの検討をしたということだと私は思います。そして、その中で、その一つは、使用済み核燃料再処理工場は一九九五年、十一年先に運転を開始をする、二〇〇〇年には年間八百トンの処理能力を達成をし、国内再処理需要の半分を賄う、二つ目には、ウラン濃縮工場、低レベル放射性廃棄物貯蔵施設は一九九一年から操業を始める、報告書は以上の目標を明らかにしているわけであります。
 電気事業連合会は、青森県下北半島に予定をしておる核燃料サイクル基地の建設の具体的な計画、立地点を決めて、今月中にも青森県に提出する段取りになっていると伺っております。
 申し上げますように、この核燃料サイクルというのは、原子力発電に必要なウランの濃縮精製から使用済み核燃料の再処理、廃棄物処理までの一貫した工程であるわけであります。我が国が原子力を軸としてエネルギーの安定確保を図るためには、今申し上げました宮前の一貫工程をつくる必要が当然あると私は考えておる次第でございまして、そういう意味合いからまいりまして質問させていただきたいわけであります。この二日に報告書が出ましたが、この検討の背景、そしてその概要についていま一度明確に説明を願いたいと考えるわけであります。
○柴田政府委員 核燃料サイクルの事業化に関する原子力部会の答申を我々いただいたわけでございますけれども、まずその背景でございますが、先生のただいまのお話もございましたように、原子力発電につきましては、発電所の分野に比較いたしまして相対的にウラン濃縮あるいは再処理あるいは放射性廃棄物の処理処分がおくれているわけでございます。これをともかく早く確立しなければならないということでございます。現在、濃縮については全量をアメリカ、フランスに委託しておりますし、再処理につきましてもイギリス、フランスに委託しているところでございます。これを相当程度我が国で自主的に開発いたしまして、原子力発電だけでなくて、その前段階から後半部分についても一貫して日本で行うようにすることが必要であるということから、この核燃料サイクル事業化の答申をいただいているわけでございます。
 答申の概要でございますが、ただいま先生のお話もございましたように、ウラン濃縮につきましては、先ほど申しましたように、現在これをアメリカ等に委託しているわけでございますけれども、一九九一年ごろに運転を開始いたしまして、二十年後の二〇〇四年には国内需要のほぼ三分の一、三千トンSWU年を日本で濃縮することを目標にしております。それから、使用済み燃料の再処理につきましては、一九九五年に運転を開始するということで、二〇〇〇年ごろには使用済み燃料の我が国における年間発生量のほぼ二分の一を日本の再処理工場で処理するということにいたしております。それから、放射性廃棄物の処理処分につきましては、特に低レベルの放射性廃棄物につきまして一九九一年から貯蔵を開始いたしまして、二〇一〇年ごろには二百リットルドラム缶約百万本、最終的には三百万本の貯蔵を目標とするというような内容の報告になっている次第でございます。
○横江委員 概要につきまして、あるいはまたその背景、理解できるところでありますが、核燃料サイクルの今申し上げました三施設、特に立地問題にかかわる電力業界の最近の動き、及びこの報告書に関連をして今後電力業界としてはどのような動きがされていくのか。
 新聞に出ていますように、小林庄一郎電気事業連合会会長さんのお話でありますが、核燃料サイクルの三施設の立地を進めている電力業界としては、報告書を高く評価し、事業計画策定上の道標としたい、報告書の内容を十分に踏まえ、関係省庁の指導のもとに、できるだけ早く三施設の事業計画を取りまとめたいと話しております。今回の報告書は、計画策定上の道標だと積極的な姿勢を発表しておみえになりますけれども、通産省のつかんでみえる業界の動きをひとつ御説明賜りたいと思います。
○柴田政府委員 電気事業連合会におかれましては、去る四月二十日に青森県に対しまして、下北半島の太平洋側における核燃料サイクル三施設の立地について包括的に要請をされております。今お話がございましたこの七月二日の総合エネルギー調査会原子力部会の報告書を踏まえまして、電気事業連合会としましては、さらに具体的な事業計画、具体的な立地地点等を決定して、我々の伺っているところによりますと、今月中にも青森県に対して具体的な申し入れを行うというふうに承知しているところでございます。
 青森県側とされましては、先般北村知事も海外の施設を御視察なさったようでございますけれども、現在、電力業界から具体的な申し入れを待っておられるところでございまして、県側といたされては、地域住民等の意向を尊重して慎重に検討を行いたいというのが知事を初めとする県の基本的態度と伺っているところでございます。
 当省といたしましては、電力業界に対し、青森県を初めとする関係自治体等と十分な話し合いを行っていくよう指導してまいるというふうに考えております。
○横江委員 今業界のお話として、事業計画や立地点を、県がそれを待っているんだというようなお話も伺って、その作業に努力する、後段申されましたが、通産省としては、これまた鋭意努力するというお話でございますけれども、この報告書の中からいきまして、通産省としての具体的取り組みの分野もあると思うのです。鋭意努力しますという一言で片づけられるだけの簡単なものではないと私は思うのです。鋭意努力しますという通産省の対応をもう少し詳細に御説明いただきたいと思うのです。
○柴田政府委員 核燃料サイクル事業は非常に重要でございますので、通産省としても全面的にこれを確立する方向で政策を展開していくわけでございますけれども、具体的には来年度、六十年度以降の予算等にこれを反映させていきたいということで検討中ではございますけれども、従来から用意しておりますところの開銀等における融資制度等を初めといたしまして、立地地点につきましては発電所と同じような電源立地交付金等の交付も検討してまいりたい。現在では、直ちにこれに応ずるということはできませんけれども、政令等を改正いたしまして、立地交付金等も交付できるようにいたしたいと考えているわけでございます。
 なお、具体的な問題につきましては、ただいま申しましたようなことを含めまして、さらに来年度の予算要求までに詰めてまいりたいと考えておる次第でございます。
○横江委員 この三施設の事業化のスケジュールが今おぼろげながら出てきているわけですね。特に従来のスケジュールと違って具体的な目標、九年先だ、十一年先だと。しかも今、青森県という一つの場所が発表されておるわけですけれども、県側も非常に好意的だというようなお話もあるわけです。
 そこで、立地点について、いろいろなところも伺うわけでありますけれども、青森県のどこだということも含めて、許していただけるならばもう少し具体的に、踏み込んだ説明を願いたいと思います。
○松田政府委員 今、具体的な立地地点について何かお聞かせ願えないかという御質問でございます。
 地点の選定につきましては、まず第一義的に、民間の電気事業者を中心としました事業でございますので、民間の電気事業連合会等を中心としました検討を我々は待っているというのが基本的な状況でございますし、さらに、それを受けられました県側において、地元のいろいろな情勢を考慮に入れられて、それに対応されていくということによって決まっていくというふうに考えております。そういう意味で、私どもとしましては、地点につきましては特に今の段階で申し上げることは何もないという状況でございますので、お察し願いたいと思います。
○横江委員 先ほど長官から、包括的には四月二十日にという話があって、そして県知事も関係諸国の視察もあり、非常に好意的だというお話がありました。そういう意味合い等からまいりまして、業界と県側とのコンセンサスの上で、お互いに努力をし合う中から進めていきたいというお話はよくわかるのですけれども、今局長からお話があったことが事実だとするならば、青森県ということで限定してまいりますと、今の話以上にもう少しお聞かせいただけるような節があるのじゃないでしょうか。さもなければ、青森県側というのは局長が言われたような風じゃないのですか。そこらあたりを少しお聞かせいただきたいと思います。
○松田政府委員 現在、電気事業連合会等で青森県と折衝しておる中で上がっている地点といたしましては、六ケ所村にありますむつ小川原のサイトが一応考えられております。さらに東通村におきましても、ここは今、原子力発電所の立地をめぐりまして補償交渉が行われているところでございますが、そこに立地するというような案があるというふうにも聞いております。また、実を言いますと、いろいろなサイトから要請、陳情があるというふうにも聞いております。しかし、今述べました二つのサイトがある意味で有力な案として検討されておるというふうには聞いておる次第でございます。
○横江委員 具体的に検討されている立地点についてもお話を伺ったのですが、青森県側はいろいろな過去の苦い経験も持っていると思うのです。安全の問題、地元対策、これは苦い経験であるがゆえに、また命にかかわる問題でもあるし、この安全性についての問題は、例えば東海村においても問題が出ましたし、世界的にもいろいろなところで大きな問題が出ておるわけなんです。基本的には、県であると同時に地元住民の納得、理解、そして協力が一番必要であると私は思うのです。すべてここにかかってくると思うのです。しかも、その住民の納得と理解が得られなければ、これからの日本のエネルギーを支える原子力産業がここでとんざをしてしまうと思うのです。
 幸いスケジュール的にも進んできておりますし、民間だけじゃなしに、これこそ大方の部分は通産省の仕事じゃないかと思いますので、この点について、過去のいろいろな苦い経験も含めた上で通産省の基本的な姿勢、誠意がまず第一だと思うのですが、そのことについてお尋ねしたいと思います。これは大臣にもお聞きいただいて、最後にまたお伺いします。
○松田政府委員 通産省といたしましては、もちろん具体的な計画の案は電気事業者の方でつくるということになりますが、この大きなプロジェクトを進めるに当たりましては、基本的にはあくまでも地元住民の納得を得た上で進めていくべきである、そのように県当局その他とも話し合いをし、指導してまいりたいというふうに思っている次第でございます。
 原子力発電所の場合には、先生も御存じと思いますけれども、幾つかの手続が決まっております。電源開発調整審議会でありますとか、公開ヒアリングでありますとか、そういう幾つかの例がございます。核燃料サイクル施設についてはそういうものが初めてでございますので、まだはっきりしておりません。しかし、そういう例を見ながら何らかの具体的な手段も考えていきたいというふうに私ども検討しているところでございます。
    〔森(清)委員長代理退席、田原委員長代
    理着席〕
○横江委員 大臣、今、核燃料サイクル事業化についてお話をさせてもらいました。青森県も協力的で、スケジュール的に進む方向に今来ているわけであります。初めての試みであるし、また大きな、かつてないプロジェクトだと思います。そういう意味合いで、ぜひ成功をおさめなくちゃなりませんし、大臣としてのこのプロジェクトの成功に向かっての所見、決意をぜひお聞かせいただきたいと思います。
○小此木国務大臣 大きな意味で、我が国の将来のエネルギー政策を推進する上で、青森県側と事業者との間の話し合いがスムーズに進みまして、これが推進されることを私どもは期待いたしますし、通産省といたしましても、これを大いに支援していかなければなりませんが、その前提としては、何と申しましても、その危険に対する住民の皆様方の安心感をいかに得るかということが大事なことであると考えるのでございます。したがって、この理解のためには挙げて努力をしていかなければなりませんし、そのような不安というものを除去する上においてこれを進めていくということが私どもの大きな考え方でございます。
○横江委員 それでは、次の問題に移っていきたいと思います。
 きょうもイラン・イラクの紛争が報道されておりました。とりわけペルシャ湾におきましては、私ども日本の石油消費量の六五%近くを依存しているわけでありまして、その意味合いからまいりまして、イラン・イラク戦争、中近東の情勢というものは他の国に比べて非常に関心が高い問題であり、また第一次、第二次というオイルショックを経験している国民としてもこの問題は目を離すことができない状況だというふうに思います。
 よって、イラン・イラクのこの戦争、武力行使というものは、政府はどういうような分析をしておみえになるのか。将来鎮静化していくというふうに見てみえますのか、あるいはますます拡大をして、カーグ島の爆撃から、またイランがホルムズ海峡封鎖をするところまでいくというのか等々を含めて、ひとつこの見通しについて御答弁をいただきたい。
 そして、今の状況における、もちろんこれは激化をした場合の石油の需給の問題等にかかわってまいりますけれども、その辺を含めた石油需給の問題についても御説明を賜りたいと考えています。
○黒田(真)政府委員 イラン・イラク紛争の進展につきまして、私どもも大変関心を持って注目しておるところでございますが、陸上における紛争というものの現状は膠着状態であるというふうに言えるかと思います。数次にわたりましてイラン軍の攻勢があったようでございますけれども、イラク側も大分防御態勢を固めているということで、現在のところは膠着状態である。
 海上におきましては、御案内のように、本年の三月以来双方によるタンカーの攻撃が行われておりまして、昨日の午後も日本の海運会社の用船しているタンカーが被爆をしたというようなことが行われたわけでありますが、これ自身が戦況に大きな影響を与えるということでは必ずしもないということかと思います。
 また、ホルムズ海峡の封鎖の問題という点につきましては、イランは、カーグ島からの石油の積み出しが不可能とならない限りは、ホルムズ海峡の封鎖は行わないという立場をとっておるようでございますので、現段階ではそのような行動には出ていないということだと思います。
 現在までのところ、国連事務総長の提案を受け入れまして、イラン、イラク双方とも都市部に対する攻撃を控えているわけでございますけれども、その他の地域におきましては今後の戦闘が拡大をするという可能性もないわけではございませんので、引き続き紛争の動向を十分見守っていく必要があると思います。
 なお、石油に関連いたします点については、資源エネルギー庁の方からお答えさせていただきます。
○柴田政府委員 石油需給に対する影響でございますけれども、現在、国際的な面での石油需給は、ここ数年来石油の消費が減ってまいりまして、非常に緩和した状態にございます。そういうことで、中東情勢の緊迫化にもかかわらず、原油スポット価格等は安定的に推移しておりまして、現在でもGSPを下回っているのが現状でございます。したがいまして、我が国の原油調達につきましても順調に調達がなされておりまして、我が国への原油供給全体に対する影響は現在のところないという状態にございます。
○横江委員 世界的に緩和基調である。いま一つは、第一次オイルショック、第二次オイルショック等から見まして、その時期が需要期じゃないという問題等も実はあると私は思います。
 ところが、局長から御説明いただきましたように、現段階としては膠着状態だけれども、その他の地域についてはまだ予断を許さないというつけ加えも実はあるわけでありますけれども、サミットにおけるあの首脳会議を終えて、日本の提案だったかどうか、その努力を、私どもは定かでありませんけれども、しかしデクエヤル国連事務総長の調停というのですか発言によって、人の住まう住居地は攻撃をしない、こういう申し入れをお互いに受けたやの格好であったのが、二週間もたたないうちにイラク、そしてきょうはイラン、しかも、今回のこの戦争状況というのは、話を聞きますと、何かお互いに世界に注目をさせて、そして、その上で早く停戦をしたいというイラク側の思惑もあるというふうにも伺っておるわけでありますけれども、あるいはまた、イランというのはそんな調停とかなんかじゃなしに、最後まで戦うのだというような話があるやに伺い、これから先の状況というものはなかなかはかり知ることができないとは実は思うわけであります。
 しかし、今の状態がこのままでいくとした場合でも、きょうのジャパンラインのチャーター船に対して、大体日本に対しては彼らは選別をして攻撃をするからしないだろう、日本はイランにもイラクにも情報を提供しておるし、また日本はお客さんでもあるからということを含めて、そういう安易な考え方というのですか、攻撃はないだろう、しかし甲板とか何かに、船体の上に日の丸をつけたりしておったのが、現実にジャパンラインのチャーター船が攻撃をされた。そうなってくると、安易な考え方で果たしていいのかということを実は考えるわけなんです。その意味合いからまいりまして、本当にこれからの状況というものが心配ないかどうかということも含めて、若干安易な見方ではないかということを含めて、いま一度この戦局見通しについて私は伺っておきたいと思うのです。
○黒田(真)政府委員 イラン・イラク紛争の根源にさかのぼりますと大変難しい問題をそれぞれ持っておるようでございますし、また、ただいま先生御指摘のように、イラク側の思惑、イラン側の意図というものもそれぞれあるようでございます。したがいまして、いろいろな努力にもかかわりませず、この紛争が早期に収拾されるという見通しは大変持ちにくいかと考えられます。特に、今先生が御指摘になりましたように、昨日の、チャーター船に対する攻撃と申しますかチャーター船が被弾をしたということは、明らかに日本の用船であるということを示しているということが強調されておりますし、また、その地域もサウジアラビアのラスタヌーラから三百キロほど離れた、いわばペルシャ湾の中央というよりは出口に近い部分であるというようなことなど、そういう意味ではやはり十分注視をしてと申しますか、今後の新しい兆候になるのかもしれないというような意味では、十分警戒をして対処しなければならないという点につきましては先生の御指摘のとおりというふうに私ども考えております。
○横江委員 仮に今の状況でこの硬直した状態が進むにしても、ペルシャ湾における禁止区域以外の公海の上でも日本の印をつけてでも爆撃をされておる。保険料も高くなるだろうし、船体保険から荷の保険からチャーター代まで随分高くなってくる。この場合はほとんど日本人ばかりだったそうでありますが、日本人は行かなくなる、それ以上に、行かなくてもほかの人が行くのじゃないかということですが、営業的に成り立たなくなるような心配が出てくると、先ほど、需給関係緩和状態でもあるし、また時期的にもいいという話でありますが、そういうような行かない心配が出てくるとすれば、その辺についても考えていかなければいけないと思いますが、その辺はどうなのでしょう。
○柴田政府委員 先生の御指摘のような心配はあるわけでございますけれども、我々の現在の見通しといたしましては、現在の事態から一挙に全面的かつ相当長期にわたる湾岸からの石油供給中断という可能性は少ないのじゃないかというふうに考えているわけでございまして、イラン自身といたしましても、ホルムズ海峡を閉鎖するということになりますと、自分で自分の首を絞めることになるわけで、そうイランも言っているわけでございまして、そういうことからいたしましても、全面的な石油供給中断という可能性は少ないというふうに見ているわけでございますけれども、ホルムズ海峡の封鎖等が万一行われたという場合でありましても、現在の我が国の石油備蓄は、民間備蓄は九十九日、国家備蓄は二十六日で、合計百二十五日ございます。それから、ホルムズ海峡に関係しない国々の増産余力もございますし、またIEAを通ずる国際協力体制も整備されておりますので、我が国に対する石油の安定供給についてはその影響を最小限にとどめることができるというふうに判断いたしている次第でございます。
○横江委員 備蓄問題について、これは備蓄がありますから心配ありません、ホルムズ海峡が封鎖されたりいたしましても、長期にわたらなければそのような心配はありませんというような、国民にしてみて非常に心強いお話だと思うのです。ただ私は、ホルムズ海峡の封鎖もそのとおりでありますけれども、先ほど言いましたような、船が行かないということもあわせて、日本政府はペルシャ関係については非常に安易に見てはしないかという感じがしてしょうがないのです。
 例えばホルムズ海峡を封鎖した場合でも、この状況について非常に見方が甘いと言ったら失礼でございますけれども、海外の論評、いろいろな論評があるのです。例えばアメリカのニューズウイークあたりでは、タンカーの保険料を引き上げた、またサウジアラビアのヤマニ石油相に至っては、保険会社が間もなくペルシャ湾を航行する船舶への保険を払うことを拒否するだろう、このように言っているのです。また、ビジネス・ウイークは、忘れられていた戦争が湾岸南部の石油産出国にまで広がり、ほぼ十年ぶりに第三次石油危機という危険な状態に近づいておるということもアメリカの雑誌に出ているのです。局長は、中東に通じている方とか外務省とか、そういう皆さんのお話によって今のような御答弁をされていると思いますけれども、雑誌ではそういう見方があるのです。言っておるのです。
 責任あるアメリカの高官は、例えばワインバーガー国防長官に至っては、現時点では戦争終結に結びつく兆候は全くない、同時にイラン、イラク双方が国境地帯に地上軍五十万、百万という説もありますけれども、集結しておる、イラン軍の攻撃は極めて近いという見方を、これは雑誌ではないのです、ワインバーガー国防長官が言ってみえる。ただ言っただけの話じゃなしに、ここに出ているわけです。それからマーフィー米国務次官補は、今後も戦争は激化する、空爆を含む陸上戦の拡大は必至だ、同じようなことを言っているのです。また、ホルムズ海峡を封鎖をする軍事力をイランが持っており、最後の手段として封鎖を強行する公算があるとの懸念まで表明しているのです。
 こういうアメリカ側の情報、しかも責任ある人の発言からいきまして、今の時点では需給については心配ないですよと言うけれども、これが二月、三月先になってまいりまして、いわゆる需要時期になってきた、そういうようなこと等考えあわせていきましたときに、緩和基調でございますというだけで国民は心配なしとするであろうかということを実は思うのですが、その点はいかがでしょう。
○柴田政府委員 イラン・イラク紛争については、先生ただいまお話しのように、いろいろな御意見等があろうかと存じます。その辺を含めまして、日本としては非常に注意深くその推移を見守っていかなければならないということではございますけれども、他方石油需給につきましては、今は不需要期で緩和基調にある、そこで安心しているのではないかという先生の御指摘でございます。
 確かに五月以降十月ころまでの夏場は石油の不需要期でございまして、年間に対して一割程度需要は減るわけでございます。そういう意味では、ここ数カ月は需要は非常に落ち込んでくるということではございますけれども、我々としては、不需要期ということだけではなくて、年を通して世界全体の石油需要が落ち込んでおりますので、かつてOPECについては三千百万バレル生産をしたわけでございますけれども、現在はOPECの取り決めが千七百五十万バレル、実際には千八百万バレル生産ということで、OPEC自身が非常に生産余力もある、ほかの国も同様に生産余力はあるわけでございまして、世界全体の石油消費がかつてに比べると落ち込んできているという意味での緩和基調ということも無視できないのじゃないかと考えておるところでございます。
 先般ロンドン・サミットが行われて、先生のお話しもございましたように経済宣言が出ております。このロンドン・サミットの宣言におきましても、現在の世界の石油備蓄状況等によりまして、湾岸情勢が悪化しても相当の期間対応は可能であることを評価しておりますし、一方、今後とも先進諸国が協調的行動をとることが必要である、そういうふうに確認しているわけでございます。日本といたしましても、いかなる状況にも対応できるよう備蓄の活用を初めといたしまして、IEAという国際的な場もございますので、そういうところと十分相談をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○横江委員 私自身は、いたずらに国民に心配だということを言うつもりは毛頭ありません。しかし、今申し上げましたような、事実としてアメリカ政府自身も言っているという事実を申し上げながら質問をさせていただいているわけなんです。
 そこで、備蓄の関係とか、今緩和基調、油を使うのが代替エネルギーにかわったり、省エネによって一時から比べると非常に少なくなってきておる。だから、今の局長のお話からいきますと、戦争状態よりか、その方は心配がないというところにウエートを置いた話でありますけれども、思い出していただきたいのは、第一次オイルショックのときにはたった五%カットでぱあっとなってしまったのです。油はあったのですね。人間の心理なんというものは、あるからいい、ないからいかぬじゃなしに、今あなたは、あるからいいという発言でございますけれども、第一次オイルショックのときはそういう現象があらわれたという苦い経験を実はしているのです。三回もオイルショックをさせてはいけませんし、また、いい状況でもあるということからいくならば、手落ちのないようにしていただきたいということが一つです。
 そこで、この備蓄の関係等について今IEAの話がございました。そして日本の場合、百二十五日、また、IEA自身が調査をした九十九日間というお話もございました。ただその前に、IEAの緊急事態における放出ということは今まで一回も経験していないと私は思うのです。何か予行練習か予備練習はあったかもしれませんけれども、されていないと思うのです。それとは別に、この制度ががっちりとある中で、話を伺うところによりますと、これは非公式か公式かは知りませんけれども、通産省の方も話があったことは事実だと認めてみえますけれども、二月か三月の段階にアメリカから緊急時における石油備蓄の放出の話し合いがあったそうなんです。あるいは、連休のときにも話があったから休みの関係等で覚えているという話もありまして、何回かあったというのですね。この三月の段階であったというのは、IEAの関係じゃなしに、アメリカ自身から、日本が一番ペルシャ湾に関係があるし、一番需要が多いという関係から、緊急時になったときには石油を崩しましょう、そういう話があった。まず、この辺についてはどうでしょうか。
○松尾政府委員 先生の最初におっしゃったことについて一言補足させていただきます。
 原油の需給が非常に緩んでいるということが背景にあるものですから、現在スポットの価格が非常に低い水準で推移しているということをちょっと重ねて申し上げさせていただきたいと思います。
 第二番目に、先生が御指摘になりました備蓄の取り崩しに関しますアメリカの提案のことでございますけれども、確かに春のIEAの会合におきまして米国から、石油の供給が大幅に制約された初期の段階におきまして備蓄の取り崩しを早急に行うということが今後の石油供給制約が生じた際における対応として極めて望ましいのではないか、それがいたずらな価格の上昇を防ぎ、世界経済への悪影響を回避することができるのではないかという問題提起がございました。その後IEAの会合は何回も開かれておりますし、その他いろいろな機会をとらまえまして、米国の提案については私どもも承知しているところでございます。
○横江委員 IEA、初期の段階から話があったというわけでありますが、確かに備蓄によって精神的にも負担は軽くなるわけでありますけれども、ただ、備蓄をしておるというだけで、実際にその時期になって放出ができないということになれば、これはあっても何ら意味がない状況になってくると思うのです。今までは一遍も経験がない。戦争状態が厳しくなる手前だと今お話もあったわけでありますけれども、あえてアメリカから日本にそのような油取り崩しの話が出てきた背景というものは、私なりにこれはほかの皆さんにも伺いましたけれども、やはり日本は油の国だということも含めて、そしてこれからの、先ほどまで議論していました戦火というもの、CIA等いろいろな情報機関を通じて、やはり日本より以上にアメリカは持っていますので、しかも、同盟国というか、日本とのかかわりが非常に強い関係等から、アメリカから、IEAとは全く別の角度から、そのような緊急時には放出の関係を相談しようじゃありませんか。私は、その背景の中に、CIA等を通じたペルシャの状況というものを厳しくアメリカ側は見ているからこそ、日本にそういう話があったのではないかというふうに感じますけれども、その辺はどうなんでしょう。
○松尾政府委員 IEAの場等を通じまして米国が申しております趣旨は、特に現実明白な何らかの危険が迫っているからこのような提案をしているわけではない。ただ、IEAで現在ございますスキームをそれなりに十分評価さるべきでありますけれども、現在ございますIEAのスキームを発動するまでの前段階といたしまして、先ほど申し上げましたように、石油の供給が大幅に制約されるような事態が生じた際には、素早く備蓄の放出を行いまして、世界的な石油市場の急騰を防ぎ、冷静な対応を世界各国ができるようにしていこう、こういう趣旨から出たものというふうに説明を受けておりまして、私どもも、IEAのスキームとの関連に十分留意しながらこの問題についての対応を考えてまいっているところでございます。
○横江委員 非常に石油が不足する状態が近いからということで、そういう意味合いで提案があったわけじゃないというお話でございますけれども、やはり私どもは、いつも第一次オイルショックのことを考えるのですね。これと比較をしながら物を言っている意味じゃありません。第一次オイルショックのときは情勢が違います。違いますけれども、まさに鈍感だった政府だ。四十八年のあの当時の中で、アメリカ自身がいわゆるエネルギー教書というものを発表した。資源のある国であるにかかわらず発表した。そのことについて外務省は、あのような発言なんというものはと、得意の政治分析をして、さほど心配しなかったが、通産省の関係の中で鉱山石炭局の方は、何かアメリカの動きは心配なんだ、そのことが如実に当たって、そしてそれ以後パニックになってしまった。私は、一度あることは二度あるとは申し上げませんけれども、今石油が足らなくなる心配があるという提案があったわけじゃなしにという言葉を聞くにつれて、四十八年のそのエネルギー教書、ニクソン教書というものを思い出しながら、それで本当にいいのだろうかなということを、過去の経験に照らして実は今発言をさせていただいているわけであります。
 何か当時は、中曽根総理は通産大臣であったそうでありますけれども、その教書が出た後にイランに行かれて、イランは王制だ、日本と同じような国だとかなんとか言って、後から批判を受けたとか、まさに知らなさ過ぎたという話を実は承っておるわけであります。私は、それほどまでしっかりと情勢をつかんで考えていかなければ大変ですよということを思うわけでありますけれども、そういう心配はございませんか。二度と過去の苦い経験を踏まないように、よろしゅうございますでしょうか。
○柴田政府委員 先生の今のお話にございましたように、四十八年の第一次石油ショック、その後の五十三年から五十四年にかけますイラン革命に起因する第二次石油ショックということを我々は経験しておるわけでございまして、こういう経験からいたしまして一番必要なことは、やはり緊急事態に冷静に対処することが必要だというふうに我々は認識しているわけでございます。
 特に、第一次石油ショックのときには特別備蓄というものがございませんで、そういう意味でも対応策に非常に限りがあったということもあって、価格の異常な高騰あるいは品不足という事態を招いたわけでございますけれども、その後我々といたしましては備蓄も着々と進めておりますし、あるいは法制度もいろいろ整備されております。石油需給適正化法、あるいは売り惜しみ買い占め防止法等々いろいろ法制手段も整備されております。あるいは先ほど申し上げましたように、過去の経験を積み重ねて行政的な対応も整っておるところでございます。今後どういう緊急事態になろうとも、通産省といたしましては、冷静にかつ国民に安心していただけるだけの対策を進め得るというふうに我々は考えておるところでございます。
○横江委員 時間も来ましたけれども、冷静に対応していただく中で、一つの具体的な心の安まりというのは備蓄だ。現在の日本の百二十五日間というのは、IEA方式でいきますと何日間ですか。
○柴田政府委員 IEA方式で参りますとデッドストック約一割を引くということでございますので、百二十五日からざっと一割を引いた数字がIEA方式の数字になろうかと思います。
○横江委員 そうしますと、IEA方式で参りますと百十三日間備蓄量がある、こう理解してもよろしいですか。もう時間がありませんので……。
○柴田政府委員 一割程度のデッドストックを引く以外に、対象とする製品の出し入れ等がございまして、先生が今おっしゃったような、正確に百十何日ということがそのまま当てはまるかどうかわかりませんけれども、デッドストック一割、それ以外の対象とする製品の出し入れ等々を勘案して、もうちょっと数字は小さくなるかと思いますが、正確な数字は今ちょっと差し控えさせていただきたいと思います。
○横江委員 時間もございませんが、我が国の石油備蓄は、国家備蓄、民間備蓄で百二十三日になっています。IEAの試算では、流通在庫などを差し引き、いざという場合に取り崩せる利用可能備蓄が日本の場合六十日だ。今あなたの言われたのではなしに、計算では、ランニングストックを引いた場合の話だと思いますが、六十日だ。イタリアが六十日台です。スペインが四十日台。IEAの平均の九十日を大きく下回っているのはこの三つの国だ。冷静に対処していると言われますところの日本、九十日を下回っているのは日本とイタリアとスペインだ。さらに、我が国は中東依存度が六五%という高いことをIEAから指摘されておる。場合によっては三国名指しで備蓄積み増しが勧告される。何か二月に一遍勧告されたそうでございますけれども、勧告される、これで冷静かと私は思いますが、こんなことが事実とするならば、備蓄の問題というのは大変だと思うのです。これは事実でしょうか。
○柴田政府委員 今先生が申された数字は、先ほど申しました百二十五日の日本の備蓄法上の計算からデッドストック約一割を引きまして、さらに若干調整を行った上にランニングストックの四十五日を引いて、いわゆる緊急時に利用可能な数値としての六十日という数字だろうと思います。実際に利用可能な数字は、ランニングストック四十五日を引いたものが使えるわけでございまして、そういう数字になってこようかと思います。
 そういうことからいたしましても、日本の場合は備蓄の積み増しということは非常に必要でございまして、我々としましても、国家備蓄三千万キロリッターという目標で進めているわけでございます。現在千五百万キロリッター弱でございますけれども、これを今の目標では六十五年度までに三千万、倍にするということで今努力しているわけでございまして、利用可能の備蓄量の積み増し、これは一生懸命やっていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○横江委員 六十三年三千万キロリットルについても、毎年二百五十万キロリットルの計算でいった場合に、これは計算的にいきますと、六十三年までには二百五十万キロでは足らないのですよ。それはまだ途中がありますから、ふやしますという話になるかもしれませんけれども、今の段階から途中でぱっとふやしますというのではなしに、やはりコンスタントにお行きになるということが不安をかき立てないというふうに実は思うのです。
 大臣、今質疑をさせていただきまして、油問題は国民も非常に厳しく見ていると私は思います。それを絶対に心配がない、今度はもう第一も第二も、第三なんということはあり得ない、これが政府の使命であり、当然大臣もそのことをお考えになってみえると思うのです。私は、その辺の決意をひとつしっかりと承りまして、またほかの質問も考えていましたけれども、時間が来たようでございまして、大臣、申しわけありませんが、しっかりと心配のないことを大臣の口からお聞かせをいただきたい、かように考えます。
○柴田政府委員 先ほどちょっと私の答弁の中で間違った点がございます。一言訂正させていただきます。
 三千万キロリッター六十五年ではなくて、六十三年度を目標にということで、ことしも二百五十万キロリッターを積み増しておるということでございます。訂正させていただきたいと思います。
○小此木国務大臣 貴重な御意見を聞きながら、私も心新たに備蓄というものを考えているわけでございます。第一次あるいは第二次石油ショックという苦い経験をしたからこそ、我々はそのようなことを繰り返さないためにも、今長官がいろいろと申し上げましたように、備蓄の問題というものを真剣に考えているわけでございます。我が国の備蓄が百二十五日分あるということによって安心を得ることなく、今後もIEAの平均的な備蓄の量を確保するためにも、私どもはこの政策を進めてまいる所存でございます。
○横江委員 終わります。
○田原委員長代理 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時五十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十一分開議
○梶山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。長田武士君。
○長田委員 去る五月開かれましたOECDの閣僚理事会、これには河本長官と小此木通産大臣が出席をされました。六月の初めにはロンドン・サミットが行われまして、先日は三極通商会議に通産大臣が出席をされてお帰りになったばかりであります。大変お疲れのこととは思いますけれども、二、三質問をさせていただきたいと思っております。
 このような一連の国際会議を通じまして、私どもが心配をいたしておりましたのは、我が国の大幅な国際収支の黒字、これについて欧米各国から非難が相当集中するのではないか、こういうことを私たちは非常に心配をいたしておったわけであります。そこで、会議に出席されました両大臣に、その印象について御意見を承りたいと思っております。
○小此木国務大臣 OECDの理事会は、貿易問題一般あるいは債務累積問題等幅広い意見の交換をいたしたわけでございますし、三極通商代表の会談におきましては新ラウンドの問題、ガットの作業計画の問題あるいは関税前倒しの問題、さらには保護主義巻き返しの問題等が活発に議論されまして、我が国の貿易黒字の問題については一切触れることはありませんでした。特に私が先般出席いたしました貿易大臣会合におきましては、従来、とかく新ラウンドに対する考え方に対して消極派と見られていたところのEC側が、そのようなことではなしに、やはり新しい時代には新しい体制で行こうというもとの考え方である新ラウンドに対する態度が、消極派というよりもこれを成功に導くためにはどのようなやり方で慎重に行かなければならないか、いわゆる失敗は許されないという考え方の中で慎重にやるべきだ、裏を返せば、消極的な考え方でなしに積極的な考え方であるということが私どもに理解できたという意味で、非常に成果のあった会合であったと私は言えると思うのであります。
○河本国務大臣 先般の一連の国際会議で、日本の大幅黒字に対して直接の非難が出なかったのでありますが、それは一つには四月、五月と我が国が懸案の対外経済政策を一応すべて片づけた、こういうことも背景にあったと思います。
 それから第二は、我が国の経常収支は大幅黒字でございますが、最近は資本の流出が拡大をしておりまして、そのために基礎収支、総合収支は赤字になっております。そういうことも一応考慮の中に入れて直接の攻撃が出なかったのだと思いますが、しかし、数日前にECのオルトリ副委員長がおいでになりましたときには、一つの国が巨額の黒字をずっと続いて出しておる場合には、これが保護貿易の引き金になるおそれがある、こういう趣旨の発言もございましたので、やはり我が国といたしましては、巨額の貿易黒字、経常収支黒字の問題につきましては、やはり絶えず十分注意を払っていかなければならぬ、このように思います。
○長田委員 我が国における国際収支の黒字は、去る六月二十一日に発表されましたOECDの見通しによりますと、経常収支で一九八四年が三百五億ドル、それから一九八五年が三百六十億ドル、このような見通しを立っておるわけであります。そうなりますと、政府の五十九年度の見通しが二百三十億ドルでありますから、はるかにその額は超えております。このOECDの見通しによりますと、西ドイツは八四年が五十七億ドル、それから八五年が百億ドル、こう黒字を出しておる程度でございまして、アメリカは、御案内のとおり非常に大幅な赤字であります。アメリカは、八四年が八百六十二億ドル、さらに八五年には一千五十億ドル、このような大幅な赤字になっております。そうなりますと、OECD全体といたしましては、この赤字は、八四年が五百十七億ドル、それから八五年が五百二十五億ドル、このような赤字を抱えておるわけであります。こういう状況の中にありまして、我が国はOECDの全体の赤字の六割以上を黒字として、今長官がおっしゃいましたとおりひとり占めしておる、こういう格好でございます。
 こうした我が国の黒字は、もはや構造的なものと思えるわけでありますけれども、本年三月、外務省の経済局が発表いたしました「日米間の国際収支」という資料によりますと、円レートが一ドル二百三十五円で横ばいした場合、一九八六年では対米経常黒字は三百二十五億ドル、このように予想を立てられておるわけであります。さらに、この円レートが八四年は二百三十五円、八五年が二百円、八六年が百七十五円、こういうケースを予測して対米の経常黒字、こういうふうに円高、こういうような状況を加えてみましても、四十億ドル赤字になるだけで、二百八十二億ドルという黒字になるというふうな予測を立てておるわけであります。
 また、先日発表されました通商白書でも、国内投資を超える貯蓄率の高さが経常収支の黒字の原因である、こういうふうに言っておるわけであります。我が国の経常黒字というのはもはや構造的な要因、これが非常に強いのではないか、このように分析をされておるわけであります。
 さらに、六月五日付の日本経済新聞によりますと、経済企画庁がこのほど我が国の経常収支の黒字について初めて定量分析を行ったということであります。それによりますと、五十八年度におきますところの我が国の経常黒字二百四十三億ドルのうち、五五%に当たりますところの百三十三億ドルが高い貯蓄率や技術革新などに伴う構造的な黒字である、このように定量分析を行っておるわけてあります。
 そこで、この分析の結果につきまして、経企庁ではどういうふうに判断をされておるのか、考えておるのか、御説明をいただきたいと思います。
○廣江政府委員 我が国の経常収支が、五十七年度の九十一億ドルから五十八年度の二百四十二億ドルと史上最高の黒字を記録したわけでございますが、この原因といたしましては、まずアメリカの高金利を背景といたしますドルレートが高くて円レートが安かったということが一つ。二番目には、アメリカにおきます急速な景気回復の局面があったということ。さらに三番目には、石油価格の下落が生じたということ。そして四番目に、我が国の国内需要の伸びが緩やかであったということ。いわばこういう短期的な要因によるところが大きいと思います。しかしながら、最近の大幅な経常収支の黒字を、今申し上げました短期的な要因だけで説明することはやや困難ではないかと思います。やはり中長期的な要因に基づく経常収支の黒字が存在するものだと思います。
 御質問は、定量分析について説明せよということでございますが、部内でいろいろ検討はいたしておりますが、これは前提の置き方によりましても異なりますし、また、やり方もいろいろございますので、ここで一々定量的な結果につきまして御説明するのは控えさせていただきたいと思いますが、今申し上げましたような要因があったということだろうと思います。したがいまして、このため我が国の市場の一層の開放を進め、内需中心の持続的な成長を図るとともに、資本輸出を通じて世界経済の発展に貢献していかなければいけない、かように考えております。
○長田委員 この新聞によりますと二百四十三億ドルの全体の黒字があります。構造要因というのは百三十三億ドル。そこで、今、短期要因ということを言われましたけれども、これは四十六億ドルしかないのですね。これはアメリカの景気であるとか国内の景気、さらには為替レートの問題等々三つの要因があるようであります。あと特殊要因としては六十四億ドル。そういう意味ではこの構造要因というのが日本の対米黒字を非常に大きくしている原因ではなかろうか。そういうようなことで経常的な黒字の要因は構造的なものであるということを私は強く感ずるわけであります。今の御答弁ですと、分析の仕方がいろいろあるということなんですけれども、これは経企庁で定量分析したのじゃないのですか、この新聞は……。
○廣江政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、部内ではいろいろ検討いたしておりますが、必ずしも新聞に掲載されたものが私どもが分析しておる数字そのままではないということをお答えさせていただきます。いろいろ前提の置き方とか、やり方がございますので、これを一義的に定量的に申し上げるということは控えさせていただいたわけでございます。
○長田委員 いろいろあると思いますけれども、どうかひとつその分析の結果を当委員会に提出を願いたいのですが、どうでしょうか。
○廣江政府委員 いろいろ勉強いたしまして、関係方面とも協議いたしまして、御要望の趣旨に沿うような方向で善処いたしたいと思います。
○長田委員 いずれにいたしましても、こうした大幅な経常黒字がいつまでも続くということであっては、世界経済への貢献どころか、大量の失業者を抱える諸外国に対しまして、結果としては保護貿易主義の風潮を喚起せざるを得ない、そういう風潮がだんだんと強くなるであろうというふうに私は考えております。
 そこで、保護主義の代表的な例を申し上げますと、御案内のとおりアメリカでは自動車の輸出百八十五万台、これは自主規制を日本がやっておるわけでありますけれども、それにもかかわらずローカルコンテント法案が下院で通過をした。あるいは特殊鋼や大型二輪車の輸出についても摩擦があるやに聞いているわけであります。一方、ECにおきましても、既に一段落いたしたわけでありますが、ガット二十三条協議の問題やVTRなどの自主規制の問題があります。また昨年十一月にはDOD、ディジタル・オーディオ・ディスクの関税の引き下げを決定いたしたわけであります。
 こうした保護貿易主義の台頭に対しまして、さきのOECD閣僚理事会、ロンドン・サミットそれから三極通商会議、この三つのそういう会議では我が国は新ラウンドの提唱をいたしております。しかし、この提案に対しまして諸外国はどのように受け取っているのか、そこらの感触をひとつ両大臣からお聞かせいただければと思っております。
○小此木国務大臣 申し上げるまでもなく、新ラウンドは自由貿易体制を維持強化し、保護主義を巻き返していく上でまことに重要な問題でございます。このような観点から、先進国におきましては新ラウンドの重要性及び必要性につき共通の認識があるわけでございまして、さらに、発展途上国におきましてもこのような認識が現在深まりつつあるわけでございます。しかし、先ほども申し上げましたように、この新ラウンドにおきましても、発展途上国に関してはそれなりの懸念、心配がございまして、このような懸念、心配を取り除くことこそ先進国である四極のそれぞれの国の役割でございまして、この新ラウンドの提唱の中でも、今後発展途上国の参加をどのように促していくかということが四極の国それぞれの共通の認識でございまして、これらの作業を進めていく上で新ラウンドの実現を期していこうということも四極の合意であったわけでございます。
○河本国務大臣 東京ラウンドに続きまして新ラウンドを開くという趣旨は、どうしても保護貿易的傾向が出てまいりますので、そういうことになりますと世界経済全体に悪い影響が出てまいります。何としても保護貿易的傾向は抑えなければいけませんので、そういう趣旨から私は、新ラウンドをできるだけ早く開くことが必要だと思います。
 手続等につきましては、今通産大臣がお述べになったとおりであります。
○長田委員 この新ラウンドの交渉は、我が国は大幅な黒字であるわけでありますから、私は、よほど気配りをしませんと、どうしても強者の論理と受け取られる筋が出てくるのじゃないか、そういうことを心配するわけであります。
 ですから、諸外国以上にまず我が国の市場を開放することが第一条件だろうというふうに考えております。日本の場合は、市場開放策について、既に関税率については東京ラウンドの合意を前倒しをいたしたわけであります。そして二つ目には、輸入制限の緩和もいたしました。第三番目には、基準・認証制度の改善とOTOの設置もいたしました。さらに四つ目といたしましては、本年四月の対外経済対策では、特定外国製品市場浸透促進プログラムの実施や外国検査機関を積極的に活用することにして、外国製品の我が国への売り込みを手伝っていこう、そういうこともやりました。また、五つ目には、金融市場の開放も既に決定をいたしておるわけであります。
 ですから通商白書でも、我が国の市場開放は既に諸外国に比べまして遜色はない、このように言っておるわけであります。しかし、その一方では我が国の市場閉鎖性はまだまだ残っているというような指摘もございます。例えば関税率にいたしましても、工業用の原材料には低いけれども農産物には高いとか、そういう構造がある。そういう意味では我が国が本気で自由貿易の必要性を強調する割にはどうもそういう実は上がっていないのじゃないか、こういう批判もあるわけであります。
 我が国農産物価格が外国と比べて高いというのは、御案内のとおり国土が狭いとか流通の問題とか、いろいろあるわけでありますけれども、関税率が高いということがその一因であるように私は考えております。したがいまして、総論だけを国際的に表明するだけではどうも余り説得力がないんじゃないか、そのように考えます。総論と各論とを一致させないと新ラウンドの提唱者としてはちょっと恥ずかしいなという感じもするわけですね。OECD閣僚理事会で合意をいたしました早期かつ徹底的な準備は不可欠ということがロンドン・サミットでも確認されたわけでありますけれども、徹底的な準備という意味については両大臣はどのように受け取っていらっしゃるのでしょうか、お尋ねをいたします。
○小此木国務大臣 我が国の貿易収支が黒字であるということから、さまざまな外国からの批判を受けていることは事実でございますが、しかし、それゆえに我が国は対外経済政策というものを累次にわたって決定していった。しかも、第五次対外経済政策の発表というものはかなり徹底的なものでございまして、外国よりもむしろ優位に立っているものが非常に多いわけでございます。このようなことを主張しつつ、OECD閣僚理事会等におきましても、早期かつ徹底的に、新ラウンドを早期に行うということは文字どおり早期に行うということでございまして、我が国の考え方というものを諸外国によく認識、徹底させて、これを遂行していこうとする考え方でございます。
○長田委員 自由貿易を守るためには、新ラウンド交渉は私は絶対進めなくてはいけないというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、我が国の経常収支がこのままでいいかということになりますと、私はそうじゃないように思うのです。我が国が真に世界経済に貢献していくためには、自由貿易体制が堅持されまして、世界経済が拡大均衡の方向へと転換をするということが大事だろうと私は思います。先ごろ出されました通商白書では、資本の少ない欧米や発展途上国に積極的に資本の供給を行う、そして相手国の生産性の向上を助けて、国際競争力の格差を是正して、保護貿易主義の抑制を図るべきだというふうに非常に強調されておるわけであります。私はまた、そのとおりだと思っておりますけれども、そこで通産大臣の率直な御意見をもう一度お伺いしたいのであります。
 世界の経済を拡大均衡にするためにはどういう施策があるか、あるいは日本の貿易収支の赤字の構造的な問題をどういうふうにして解決するのか、非常に難しい問題だと思いますけれども、通産大臣からひとつお答えをいただきたいと思います。
○小此木国務大臣 四極の貿易大臣会合でも率先して私が主張したように、世界経済を活性化するためには拡大均衡が必要であるということになれば、何としてもこれは自由貿易体制というものを維持、推進していかなければならない。それゆえに、私は四極の中でもこれを強力に主張いたしたわけでございます。
 またさらに、通商白書にございますように、我が国の黒字をどのような形で転換していかなければならないかということになりますれば、たびたび委員が申し上げられたように、内需の拡大ということはもとより必要なことであるとはいうものの、我が国の経済構造の中にやはり黒字を生む体質というものがあるということになれば、それなりにこの黒字というものをどうやって世界に向けて供給していくか、それが我が国が世界の経済に貢献する一つの大きな考え方であると私は思っているところでございます。
○長田委員 今後における我が国の貿易摩擦への対応といたしましては、もう既に御案内のとおり、第一番目には、今通産大臣がおっしゃったように内需の拡大、これが大きな要因であろうと思います。第二番目には、市場の一層の開放、第三番目には、輸入の促進、第四番目には、節度ある輸出といいますか、こういうことが挙げられると考えております。そういう意味で、当面私はこの中で内需の拡大が非常に日本におきまして緊急な課題であろうというふうに考えております。
 そこで、河本長官にお尋ねをしたいのでありますけれども、私は当面、最近六十年度の予算の概算要求を前にいたしまして、シーリングの問題でいろいろな論議が実は出ております。こうした中で、財政再建と行政改革を混同した論議がなされているように私は思えてなりません。行政改革というものは、本来財政に仮に余裕があったといたしましても、行政や予算のむだ遣いは許されないというのがその目的だろうと私は考えております。すなわち行政改革も、予算を何でもかんでも削るということ、歳出をカットすることが行政改革であるという論議に私は直ちに賛成できないわけであります。
 もちろん財政再建はやらなければなりませんし、行革もこれは絶対やらなくちゃならないと考えます。しかし、景気が低迷しておったのでは税収も図れませんし、財政再建というのもなかなか困難であろうと考えております。また、景気が少しばかりよくなったといっても、消費やあるいは住宅建設は依然として低調を続けております。その景気のよさというのは、どちらかといいますと、やはり河本長官の一番嫌っております外需依存型の景気であろう、このように私たちは考えておるわけであります。そこで、世界の中の日本といたしまして、今後の経済運営はどうあるべきか。シーリングや行財政改革をめぐる論議とも絡めまして、河本経企庁長官の忌憚のない御意見を承りたいと思っております。
○河本国務大臣 現在の我が国経済は数年ぶりに景気回復の方向に進んでおりますが、これをつぶさに分析をいたしてみますと幾つかの特徴がございます。
 一つは、ことしの経済成長は内需中心の成長というように想定をいたしまして、ことしの一月にもその趣旨の発表をしておりますが、最近の動きを見ますと、必ずしもそうはいっておりません。やはり外需による成長が非常に大きな柱になっております。これは先ほど来お話しのように、経常収支が、一月に立てました政府の見通しよりも非常に拡大をしておるからでございます。現在ではむしろ、外需の方が経済成長のより大きな柱になっておる、そういう感じすらございます。
 それから内需の面では、設備投資はやや勢いを回復してまいりましたが、GNPの六割近くを占めております個人消費が一進一退の状態でございます。ここに私は非常に大きな問題があるように思うのです。どうも伸び悩んでおるというのが現状でございます。これに対して、一体どう対応をしたらいいかということだと思うのです。
 それからもう一つは、社会資本投資と住宅投資は、予算が御案内のような内容でございますので、むしろ経済にとりましては及ぼす影響はゼロである、こういう状態でございます。したがいまして、内需の拡大ということになりますと、一つは、どうすればもう少し民間の設備投資を拡大することができるか。それから、一進一退の状態にある個人消費をどうすればもう少し拡大することができるか。それから、特に社会資本投資等は財政が中心になるわけでありますが、これが経済に及ぼす影響はゼロである、こういうような状態をいつまで続けておっていいのかどうか。こういうことがこれからの議論の中心だ、このように思います。
 シーリングの問題につきましては、今内閣と自由民主党の政務調査会を中心にいたしまして、ずっと熱心な議論が続いております。今月の末には双方で調整が始まろうかと思いますので、今の段階では私から具体的なことは申し上げない方がよかろう、このように思います。
○長田委員 河本長官は、かねてから経済運営につきましては、非常に積極的な御意見を述べられておるわけであります。
 きょうは、「経済新路線を探る」ということで長官が対談をされております新聞を持ってまいりました。それによりますと、今年度の一兆円減税は、一兆円の増税を伴っているから、昨年の与野党間で合意した「景気浮揚に役立つ相当規模の減税」というのは果たされなくて、大変遺憾だ、要約でありますけれども、そういうふうに述べられていらっしやいます。
 それから、我が国の国際競争力を維持するために設備投資減税をやるべきだ、あるいは国債の発行を罪悪視するのは間違いであるとか、いろいろ積極的な発言をされておるわけであります。
 この点に関しましては、我が党の竹入委員長も去る六月七日、熊本でありましたけれども、記者会見でその見解を述べております。第一に、低中所得者を中心とした所得減税の実施、第二には、公共事業予算を不公平税制の是正によって確保したいが、やむを得ない場合には建設国債の発行を認める、第三番目には、投資減税の実施等を提言しておりまして、さらに第四といたしましては、シーリングの問題については一律削減方式をやめて、政策の優先順位を明確にした政策別シーリングを提唱しておるわけであります。河本長官が発言されていらっしゃる内容について、少なくとも第一の所得税の減税、第二には投資減税、第三にやむを得ない場合は建設国債を発行してでも公共事業予算は実質増額を確保するという三点、この点については私たちは大賛成であります。
 そこで、公共事業予算と防衛予算を、昭和五十四年を一〇〇といたしましていろいろ比較してみました。昭和五十九年度では、公共事業予算の九九・六%に対しまして、防衛予算の方は一四〇・一に達しておるわけであります。これは公共事業予算が五年間も横ばい、ないし削減されてきた結果でありまして、歳出の削減イコール行政改革といった誤った論理の結果であろうと私は考えております。
 我が国の社会資本は、世界第二位の経済大国としては全くふさわしくないものであるということは事実であります。国民の高い貯蓄率を振り向けるべきプロジェクトというのは私は無数にあるように感じるのですね。いわんや、その高い貯蓄率が膨大な経常黒字となって構造的摩擦要因となっている今日、我々は政治の見識においてこれはぜひとも是正しなければならないというふうに考えております。政府・自民党においても、今、シーリングの問題について論議の最中であるとは思いますけれども、この問題について、経済担当大臣であります河本長官の忌憚のない御意見を再度お伺いしたいと思っております。
○河本国務大臣 公共事業の問題につきましては、今いろいろお述べになりましたが、それと並行して私どもは今十五本の公共事業の五カ年計画を進めております。例えば下水道とか道路、港湾、空港、公園、こういう五カ年計画があるわけでございまして、これは過去五十六年、五十七年、五十八年と三カ年にそれぞれスタートをしております。いずれも閣議で決めたものでございますが、それがスタートの時点から実行されていない、こういう点は私どもは大変遺憾に思っておるわけであります。
 なぜ五カ年計画をつくったかといいますと、今お述べになりましたように、我が国は先進国としては社会資本投資が不十分である、やはり欧米諸国にできるだけ早く追いつかなければならぬということで五カ年計画をつくったわけでありますが、それが実行されていない、そういうところからいろんな議論が出ておるんだと思います。
 それから経済政策の面から見ますと、過去数年間ずっと据え置きになっておりますし、それから本年度の予算そのものが景気に対して中立型である、経済成長に及ぼす影響はゼロである。こういう経済政策が非常に微妙なときに予算そのものが経済に対して及ぼす影響がゼロである、こういうことでいいのかどうか。世界の経済情勢が非常によくなった現在におきましては、少し工夫をいたしますと経済成長は飛躍的に拡大をする、そういうことも可能でありますが、客観情勢の悪いときには幾ら努力し大量の資金をつぎ込みましてもなかなか効果が出てこない、こういうこともございますので、やはり財政再建のためにももう少し潜在成長力を実現するように工夫をいたしますならば、税の弾性値もこれまた飛躍的に高くなると思いますし、税収もこういうときには相当大幅にふえる、このように期待されますので、私といたしましては、そういう観点に立ちまして社会資本投資を拡大すべきである、こう思っております。
 拡大する方法はいろいろあると思うのです。行政改革をやらなければなりませんし、行政改革の精神に反するような拡大の仕方は避けなければなりませんし、どういう方法がよろしいか。例えば貯蓄過剰の現在、新調達方法といたしましては、国が国債を出す方法もありましょう、地方が地方債を出す方法もありましょう、それから政府保証債という方法もありますし、あるいは債務負担行為、外資の導入と、いろいろな方法があろうと思うのです。
 いずれにいたしましても、貯蓄過剰という現在の国民経済全体を考えまして、そうして行政改革という柱を通しながら公共事業を拡大していくという方法は、具体的にどういう方策があるかということがこれからの事務的な進め方だ、私はこう思っておるのですけれども、それは先ほど申し上げますように、今月中には大体の方向が政府・与党の方で相談してまとまると思いますので、もう少し様子を見たい、こういうふうに思っております。
○長田委員 それから、円レートの問題について河本長官にお尋ねをしたいと思います。
 最近、アメリカの高金利を反映いたしまして円がまたまた値下がりの方向へ動いているわけであります。経常黒字解消のためにも非常に困難な問題が出てきております。きょうは二百四十円八十銭、きのうよりも一段と円安となっておるわけであります。こうした円安が貿易摩擦の再燃や、あるいは素材産業の収支の悪化に当然つながってまいります。アメリカの景気過熱が高金利を呼んでおるわけでありますが、アメリカの高金利に振り回されて、いつまでも円がその実力とおりに評価されないということになりますと、我が国の経済運営に重大な影響が出てくることもまた事実であります。事実、石油元売会社では値上げをするというようなことも報じられておるわけでありますが、このレートの問題は何とか安定するような措置をぜひ講じなくてはならない、そのように考えています。例えば利子平衡税というようなことも耳にするわけでありますが、河本長官は、このレートの問題についてどのように考えていらっしゃるのか、お尋ねをいたします。
○河本国務大臣 最近、アメリカで急速に金利が高くなりまして、現在では我が国の国債の利回りが七%台、アメリカの国債の利回りが一二%台ということで六%も差がございますので、そこで大量の資金が流出をしていく。ここが円安の背景でございます。四月、五月、六月と各月とも平均いたしまして、およそ四十億ドルぐらいの資金が流出をしておりますので、年率に直しますと大変な金額になります。しかし、そこで今急速に対応策をとるといいましても、もう少し様子を見る必要があるのではないか、私はこのように思うのです。
 アメリカの経済がどのように動くのか、アメリカの金利がどのように動くのか。アメリカの大統領なども、物価が四%台であるのに金利がこんなにめちゃくちゃに高いというのはどうしても理解できない、こういうことを大統領みずからが言っておる状態でございまして、アメリカ自身も、現在の姿が正常な姿であるとは思っていませんし、しかも一方で、発展途上国の債務累積に及ぼす影響も大変なものがございます。そういうことになりますと、これが引き金になりまして世界全体に思わざる悪い影響が出てまいりますので、日本とアメリカとの関係ということだけではなくて、世界全体の経済に一体どういう影響が出てくるのか、こういうこととの関連におきまして、もう少し様子を見た方がいいのではないかと私は考えております。
○長田委員 時間がありませんから、次に、エネルギー問題について若干お尋ねいたします。
 ペルシャ湾の緊張は一進一退ながらまだ続いておるわけであります。きのうは、ジャパンラインがチャーターいたしましたリベリア船籍の大型タンカーが攻撃を受けたということが報道されております。原油の六五%をペルシャ湾に依存しております私たちにとりましては、エネルギーの安定供給と価格の安定は最も関心のある問題であります。
 この問題はロンドン・サミットでも議題として取り上げられたわけでありますが、ペルシャ湾に万一のことがあった場合の備蓄の取り崩しや、緊急融通などについて具体的な話し合いを進めたわけでありますけれども、どうも各国の意見がまちまちであった。そういうことで、経済宣言の中では今後とも引き続き共同して行動するというような抽象的な表現にとどまったわけであります。ペルシャ湾ホルムズ海峡の依存度は世界一高い日本国であります。そういう点では非常に不安を禁じ得ない状況に置かれております。
 また、今月にはIEAの理事会が予定されておるわけでありますが、実際サミットで、世界最高首脳会議で具体的に討議されなかった、なかなか合意を得ることができなかった問題をIEAの会議で簡単に合意ができるというような甘いものではないと私は考えております。そういう意味で私は、備蓄の取り崩しや緊急融通の段取り等の問題についてはどうなっておるのか、通産省にお尋ねいたします。
○柴田政府委員 先般のサミットで石油緊急時問題が議論されておるわけでございますけれども、先生おっしゃるように、アメリカ側と西欧側で多少のニュアンスがございます。アメリカ側は備蓄に重点を置く、西欧側はそれ以外の方策に重点を置くということで、若干ニュアンスがございますけれども、いずれにしても今後とも各国協力して、さらに努力をしていくということでは意見は一致しているところでございます。
 また、それを受けまして近くIEAの理事会が開かれるわけでございますけれども、アメリカもその他の先進諸国もいずれも、IEAのスキームの中での選択肢の問題でございまして、IEAのスキームそのものを変えるということではなくて、その中での備蓄を重点的に考えるのか、消費政策を重点的に考えるのか、融通を重点的に考えるのか、その選択肢がいろいろあるわけでございますけれども、そのどれを重点に置いて考えるのかというような意見の調整になろうかと思うわけでございます。
 それから、現在の事態では湾岸からの石油供給中断に至る可能性は少ないと見られるわけでございますけれども、仮にホルムズ海峡からの石油が供給途絶された場合でも、現在百二十五日の備蓄がありますので、これを中心にしまして十分その影響を最小限に抑えることができるというふうに我々は判断しておるところでございます。
○長田委員 いずれにいたしましても、エネルギーの安定供給と価格の安定を図っていくことが最も重要だろうと私は考えております。通産省といたしましても、ホルムズ海峡依存度を下げるために従来から努力されておるわけでありますが、ちょうど六五%程度までようやくこぎつけたということを聞いておりますけれども、今後ともこのホルムズ海峡依存度は極力下げるようにしなければならないと考えております。
 そこで、去る五月三十一日の日本経済新聞によりますと、備蓄のための利子補給金に差をつける、それで中東以外からの原油の備蓄には利子補給を有利なものにしよう、そのように報じられておるわけであります。私はそれは結構なことだとは思いますけれども、急場に間に合うかどうかということには問題があるだろうと考えております。それでも国民が不安を感じているとすれば、中東に万一のことがあって中東からの供給が途絶える場合、対応の問題をどうするかということを国民がわかっていないといけないような感じが私はいたすわけであります。
 極力、今のところ心配ない心配ないということは通産省及びエネルギー庁は言っておりますけれども、しかし、何%節約すれば備蓄は何日十分もっということを国民に具体的に提示することも私は必要だなという感じがいたしております。何でもかんでも大丈夫だという論理ですと、まずいのではないかなという感じがいたしております。そういうようなことで、六月十八日の日本経済新聞では、まず民間備蓄から取り崩し、緊急融通の動向も見ながら国家備蓄も徐々に取り崩していくというようなことが報じられております。仮にそうだといたしましても、価格は暴騰しないかどうか、またそれで何日ぐらいの対応ができるのかといった疑問は国民はみんなひとしく持っておるのじゃないかと思います。
 先日、中東経済研究所が、一〇%、一五%と段階を追って計算しておりますけれども、一〇%節約した場合百五十六日は持ちこたえることができるという試算を発表しております。これは昨年の十二月に私がこの委員会で取り上げたのですけれども、外務省が発表いたしました一〇%の節約で二百七十二日持ちこたえられるということをエネ庁に言いましたら、その資料は見ていないと言っていました。しかし、後で見るということで豊島資源エネルギー庁前長官はごらんになったと思いますけれども、実際問題、中東経済研究所は、一〇%節約すれば百五十六日、ところが外務省においては二百七十二日大丈夫ですというふうに百日も違うのです。こういうことでは、国民は一体どうなっておるのかという疑問を持たざるを得ないと私は思います。
 そういう意味で、日本国民は非常に賢明でありますから、節約も進めなくちゃなりませんし、さらに石油事情というものをもっと明らかにして、大丈夫だからと言うようなことじゃなくて、国民にも協力を呼びかける、そういう姿勢が今エネルギー問題、中東問題を含めて大事だろうと私は考えておりますが、どうでしょうか。
○柴田政府委員 ただいまの先生の御質問の最初の方にありました備蓄の利子補給の問題等につきましては、現在検討中でございまして結論を得ないところでございます。
 備蓄でどの程度もつかという試算の数字の点でございますが、我々の現在考えておるところによりますと、既に御案内のように、現在日本の備蓄は百二十五日ございまして、それからランニングストックに必要な約四十五日分を除いた約八十日、これが取り崩し可能な量になるわけでございますけれども、この八十日につきまして、ホルムズ海峡を通過するものが六五%ございますから全部ストップするわけではございませんので、残りの三五%はともかく入ってくるということで計算しますと、八十日は全部がストップした場合の八十日でございまして、ホルムズ海峡だけがストップしたということになりますと百二十三日間、日本としては供給増あるいは消費節約をカウントしなくても対応は可能だということでございまして、実際問題としてはホルムズ海峡に関係しない国の生産増加あるいはそれ以外のいろいろな事態の推移がございますので、どの程度対応可能かは一概には申せないわけでございます。
 先ほど先生は、外務省の試算の数字あるいは中東経済研究所の数字を申されておりましたけれども、我々として今対外的に申しておりますものは、先ほど申しました百二十三日、これが少なくとも大丈夫ですよ、それ以外に消費節約があり、あるいは湾岸以外の国の増産もあるということで対応もできますということを申し上げているわけでございまして、その辺のところでひとつ御理解賜りたいと思います。
○長田委員 今申し上げましたように、中東経済研究所あるいは外務省が、一〇%節約した場合何日ぐらいもっという試算を出しておりますけれども、エネルギーの需給についてはある程度明らかにして、国民に協力を呼びかけることが通産省として、またエネルギー庁としても当然必要だと私は思いますが、その点どうでしょうか。
○小此木国務大臣 私どもは、ただいたずらに自信なく大丈夫だ、大丈夫だと言っているわけではございません。さりとて、これまた非常に難しい問題でございまして、大丈夫ではない、大丈夫ではないというようなことを言って国民に不安を与えてしまうということも重大な問題だと思うのです。したがいまして、ことしの当初からいろいろな事件が起きているところのペルシャ湾の状況を見ながら、我々は省エネルギーあるいは新エネルギーの開発、さらには現在の備蓄というものをさらに一層進める政策を展開していくことが一番よろしいことであると私は考えているわけでございます。
○長田委員 終わります。
○梶山委員長 宮田早苗君。
○宮田委員 経企庁の方に三問ばかり先に御質問をいたします。
 最初の質問は、二回にわたりますオイルショック以降、日本経済は低成長、不安定な時代に入ったとされましたが、最近、二十一世紀までの日本経済を展望して、中成長の時代、こう位置づけて四ないし五%程度の成長を見込んでいるようでございますが、世界経済、日本経済の制約条件からいって、これすら困難という説もありますが、どのような経済要因によって中成長と言われる、言うなら安定成長が図られるか、この点の考え方をお聞かせ願いたい、こう思います。
○大竹政府委員 成長を支える要因としてはいろいろございますが、大きく分けまして、一つは労働力、あと資本、それから技術、こう言われているわけでございます。こうした長い期間の成長率を考えますときは、やはりそうした基本的なものがどういうふうに動いていくかということを見きわめることがまず前提になるわけでございます。
 その点に関しましては、これはもう御承知のように、まず我が国の技術開発力というものは大変に高いものがあるということが一つでございます。それから資本の蓄積に見合う貯蓄率が欧米に比べて相当高い、こういうことが第二点でございます。それから労働力につきましても、質の優秀さは当然でございますけれども、今後あと十年とか、あるいは二十一世紀までというような相当長い期間を考えましても、労働力の量の増加というものは相当程度のものが見込まれるのではないかというのが大方の見方でございます。
 したがいまして、こうした要素を考えまして、世界経済の外的な環境というものは、御指摘のようにいろいろ問題があるわけでございますけれども、私どもといたしましては、政府の施策、それから民間の活力、相まちまして、四%程度の成長は可能ではないかというふうに想定をしておるところでございます。
○宮田委員 ただいまの質問に関連するわけでございますが、中成長と位置づけられて回ないし五%成長、この実現は世界経済の動向に大きく左右されると考えるわけです。
 そこで、近年、世界経済の停滞が著しいわけですが、先進工業国におきますスタグフレーション、発展途上国におきますところの債務累積などの経済的困難、また保護貿易的風潮、さらには変動相場制の不安定などの問題も山積しているところでございますが、今後の世界経済の見通しと、世界経済の安定的発展にとって日本の果たす役割についてどうお考えか、この点もお聞かせ願いたいと思います。
○大竹政府委員 現在、世界経済が、ただいま御指摘になりましたようないろいろな問題を抱えておるということは、そのとおりでございます。こうした問題そのものはなかなか根の深い問題でございまして、短期間に基本的に解決するということは難しい面があるわけでございます。
 ただ、最近アメリカを中心といたします世界経済の回復基調、これは相当力強いものがあるというふうに考えていいのではなかろうかと思っておるわけでございます。そうした景気回復の力強さというものを何とか持続的に維持していくということが、これからの世界経済、それから日本経済がその中で果たす役割というものを考えるときに一番重要になるのではないかと思うわけでございます。先月開かれましたロンドン・サミットにおきましても同じような指摘があるわけでございまして、現在のこうした持続的な成長を維持していく、そのためにはやはり適切な金融政策あるいは構造的な財政赤字をなくしていくことが重要であるという指摘がございました。
 それでは日本としてどうするかということでございますけれども、日本といたしましては、やはり世界経済に占める日本の地位あるいはその持っている活力というものを十分に世界経済の活性化に活用をしていくということが基本でございます。具体的には、まず何よりも日本自身の成長が、内需中心の相当の成長をするということが中心になるわけでございますが、それと、従来から努力をいたしておりますが、市場開放あるいは積極的な産業調整あるいは経済協力、産業協力といったようないろいろな政策を組み合わせて、日本の国際的な役割を果たしていかなければならない、こう思っておる次第でございます。
○宮田委員 エネルギー問題についてちょっとお伺いをいたします。
 今日、イラン・イラク戦争という爆弾のようなものを抱えているわけですが、国際石油市場の需給は緩和ぎみであるようでございますが、長期的に見てエネルギー情勢は依然不安定な状況にあると考えるのが至当と思います。
 そこで、具体的に今後二十年程度のエネルギーの需給バランス、これがどうなると予測されておいでになるか。もう一つは、代替エネルギーの本格的な登場についてはどう見ておいでになるか、この点もお伺いいたします。
○大竹政府委員 長期的なエネルギーのバランスでございますが、これは経済企画庁の関係いたしましたものとしては、「二〇〇〇年の日本」という二十一世紀を展望いたしました長期の経済の展望がございます。これは経済審議会で御検討いただいたものでございますけれども、それによりますと、いろいろケースを分けまして試算をしたものがございまして、それは例えばケースの中の四%成長というものをとりますと、二〇〇〇年のエネルギー需要というものが石油換算で六億九千四百万キロリットルというふうな数字がございます。エネルギーの種類別にもいろいろ試算はございます。ただ、これは五十七年の数字でございまして、やや時点が古うございます。最近のものといたしましては、通産省の総合エネルギー調査会の方で長期のエネルギー需給の見通しをつくっておられますが、これが昨年の十一月に発表になっております。
 これは、二十年との仰せでございますが、昭和七十五年、これから約二十年でございますが、その数字といたしまして一つの試算をお出しになっておられます。これはエネルギー需要が原油換算で大体六億キロリットル程度というふうな試算をお出してございます。これが一つの数字的なよりどころであるわけでございますが、その中で、御質問にございました代替エネルギーの問題をどういうふうに触れておるかということは、これは政府の方針といたしまして閣議で決定いたしたものがございます。先ほどのエネルギーの需要見通しに基づいて作成されたものでございまして、これによりますと、やはり一番主体が石炭、その次が原子力、天然ガス、こういうものが主体になっておるということでございます。
 いずれにいたしましても、民間の努力と、それから政府のエネルギー政策の重点的あるいは計画的な実施というものを前提に、石油代替エネルギーの大幅な利用拡大を見込み、政策として閣議決定をしておるところでございます。
○宮田委員 経企庁に対します質問はこれで終わらせていただきます。
 これから通産省の方に質問をいたしますが、まず、今後の二十一世紀に至ります道のりは新産業革命の時代である、こう言われておるわけでございます。また、日本経済がさまざまな困難を乗り越えて安定成長を確保するためには、たゆまのない技術革新の実現が不可欠である、こう思います。現在、新しい技術革新は新素材、バイオテクノロジー、マイクロエレクトロニクスの分野に起こっていると言われておりますが、二十一世紀を展望いたしましてどのような規模を想定しておいでになるか、この辺をお答え願いたいと思います。
○福川政府委員 今先生御指摘のように、先端技術分野は現在、技術革新の胎動期にございまして、将来に向けて経済的にも大きな発展が見込まれると思っておるわけでございます。
 もちろん、技術進歩は大変急速に進んでまいりますし、また、その実用化というのもなかなか予測が難しいわけでございますが、経済成長を大体従来のようなテンポ、四%前後、あるいは最近の技術開発の進歩等を想定しながら、識者によりまして大胆な想定をしてもらいますと、まず新素材の関係でございますが、これは産業構造研究会の試算によりますと、二〇〇〇年前後におきまして、新素材の市場規模は大体五・四兆円程度、それに関連の基礎素材を含めますと十・二兆円程度、さらにこの新素材が新しい需要を生み出していくといったような波及効果を含めて考えますと、新素材の市場は六十三兆円程度にも、六十兆円を超える規模にもなるのではないかという試算がございます。そういたしますと、これまた鉱工業生産全体がどうなるか、予測が非常に難しいわけでありますが、恐らく二〇〇〇年前後では工業生産額の大体数%程度の規模になるのではないか、かように考えておるわけであります。
 また、バイオテクノロジーは、工業技術院が委託調査をいたしました計算結果によりますと、化学工業におきます新プロセスの実現あるいは新しい医薬品の製造といったようなことで、二〇〇〇年前後での市場規模は回ないし七兆円というふうに見込まれておりますが、波及効果を考慮いたしますと、恐らくこれもまた相当程度上回るのではないかと思われます。
 また、最後に御指摘のありましたエレクトロニクスでありますが、業界の試算によりますと、一九九〇年、二〇〇〇年よりちょっと前ではありますが、一九九〇年の市場規模は約二十兆円。したがいまして、さらにまた川上とか川下とかの波及効果を考えれば、これまた何倍かになるというふうに思うわけでございます。
 そういうふうに考えてみますと、今御指摘の三つの先端産業部門、これが二〇〇〇年前後になりますと鉱工業生産の中でかなりのウエートを占めていくというふうになるのではないか、かように考えております。
○宮田委員 これまでの日本の技術革新は、多くの場合、米国あるいはヨーロッパからの技術導入に負うところが大きかった、こう思うのです。日本の得意な分野は実用技術であって、また現場生産化、こういうふうに言われてきたわけでございますが、これからは、世界経済における日本の位置づけの高まりということもございまして、基礎技術、応用技術においても先駆的な役割を果たしていかない限り、国際競争力に敗北することにもなりかねない、こう思うのです。
 その点について、特にアメリカの底力は相当のものと言われておりますが、日本、米国の技術開発競争についてはどのような見通しを持っておいでになるか、この点ひとつお願いします。
○川田政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘のように、我が国の産業技術の面におきまして、これらの先端的なところを走っておると申しますのは、いわゆる製品化技術あるいは生産化技術、ただいま御指摘のような基礎的な段階あるいは先端的な分野における産業技術というものにつきましては、アメリカのみならずヨーロッパの国においても、一部相当な格差がある点は私どもも認めておるところでございます。そのようなことがございまして、このようにおくれている特に基礎的な段階あるいは先端的な技術の分野の産業技術の研究開発というものは我が国にとりましても非常に重要なものであるということで、現在、通産省といたしましては、私どもの試験研究所その他を中心といたしまして、次世代産業基盤技術研究開発制度といったものを中心といたしまして、我が国の将来に不可欠な研究開発の推進を図っておるところでございます。
 このような基本的なところは将来どうなるかということでございますけれども、非常に難しゅうございまして、我々といたしましては全力を尽くしてこの面について最大の努力を払っていくということで、私ども研究所を中心といたしまして全面的に推進をしておるところでございます。
○宮田委員 今日、我が国産業社会においても既に産業構造の転換が進んでおります。その変化は急激なものになりつつありますが、特に第二次産業から第三次産業へ、その第二次産業においても川上産業から川下産業への移行が進むものと予測されておるわけであります。こうした経済のソフト化、サービス化の状況についてどのような予測を持っておいでになるか、また、こうした産業構造のソフト化は産業を空洞化させて社会の活力を弱めるという意見もあるわけでございますが、この点の考えがありましたらお聞かせ願いたいと思います。
○福川政府委員 今、経済のソフト化あるいはサービス化ということがいろいろなところで言われておるわけでございます。それをどう考えるかという点は、今先生のお話のように、いろいろな見方、考え方があると思うわけでございます。
 確かに最近の産業構造の変化を見ますと、第三次産業のウエートは、就業者の場合で見ますと、五十年と五十六年を対比いたしますと、四九・四%から五三・一%とそのシェアを高めておるわけでありますが、付加価値額で見ますと五六・五%から五三・九%ということで、むしろシェアは実質付加価値額で見ると下がるというのが現在の状況でございます。したがって、経済のサービス化あるいはソフト化と言われましても、ただ単純に第三次産業の比重が高まっていくということだけでは、なかなかとらえられない面があるというふうに思うわけでございます。これまたサービス業、主としてその中では情報関連のサービス業が非常に伸びておるわけでございますが、そういう意味ではサービス業の各種の機械設備、情報関連機械設備といった投資がむしろ着実にふえておる、またサービス業でもむしろ製造業の情報関連に対しての貢献が高まる、こういう状況もあるわけでございます。
 したがいまして、現在言われております経済のソフト化、サービス化というのは、単純に第二次から第三次に移るということではなくて、むしろ牽引力になりますのは情報技術等の技術革新を媒介にいたしまして、第二次産業と第三次産業の間で相互に依存を高めながら発展していくというふうになっていると見た方がいいのではないだろうか。対個人サービスよりも対事業所サービスが高まっておるということを見ますと、今申したような関係が出てくるのではないか。そういう意味で言えば第二次産業、あるいは場合によっては第三次産業の国際競争力を高める方向に働いておるというふうに見ていいのではないかというふうに思うわけでございます。
 したがって、今ただ経済のソフト化、サービス化で、いわゆる第二次産業等がウエートを下げて、そこの産業が空洞化していって社会の活力が弱まる、こういうことも一つ見方としてはあるかもしれませんが、私どもとしては、むしろ技術革新を中心にいたしました知識集約化、高付加価値化、こういう一環で現在の情報化あるいはソフト化の大きな流れが動いておるというふうに思うわけでございまして、ただ単純な第三次産業化という意味ではなくて、今申したような産業構造全体がその競争力を高める、あるいは付加価値を高める、知識集約度を高める、こういう方向にあると考えておりますし、また将来ともそういったことで方向づけを見出していただかねばならないのではないか、かように考えております。
○富田委員 今後二十年程度を予測して、回ないし五%程度と言われる中成長が続いた場合、トータルとして労働力需給については、さまざまな前提条件つきではございましても、問題はないとする意見が多いわけでございます。
 現在の完全失業率を二%以下に抑えることができると考えてよいのかどうかということと、もう一つは、産業構造の変化が急速に起こって、技術革新によります既存技術の熟化、情報化、サービス化によります関連部門の外部化などが進行することによって、従来型の企業内転換が不可能となることによって一時的な需給アンバランスが起こって失業率が高くなる、こういうふうに思うのですが、この点についてお考えを聞かせていただきたいと思います。
○福川政府委員 昨年の八月閣議決定を見ました「一九八〇年代経済社会の展望と指針」によりますと、将来の失業率は五十八年度から六十五年度までの八年間、実質の経済成長率を四%程度と見込みまして、完全失業率を二%程度を目安にしていく、こういうこととされておるわけでございます。この技術革新が進展することに伴います雇用への影響という点については、今御指摘のように、いろいろな問題があります。新しい職域ができてくる、新しい産業群ができてくる。さらにまた、企業の中でも新しい分野にウエートを移していくといったような、いろいろな変化があるわけでございまして、企業内におきます能力開発あるいは配置転換、こういうことが進められていくことになるわけでございまして、今大きな流れといたしましては、解雇の発生というような事態は今までのところは生じておりませんし、今後も今の企業内の労働力の流動化対策というようなことから、こういう問題は生じていかないのではないか、また生じていかせてはいけないのではないか、かように私ども考えておるわけでございます。
 今私どもといたしましても、このマイクロエレクトロニクス化あるいは情報化、こういった技術革新の進展が、企業の経営の変化を通じまして雇用にどのような影響を与えるかということを、五十九年度末までを目途に現在調査研究をいたしておるところでございまして、学識経験者の御意見も今徴しつつあるところでございます。
 今おっしゃるように、いろいろ企業の中である部門を外部化するというような動きも出てくるかと思いますし、また専門化していく分野については、あるいはそういう面が出てくると思いますが、経済全体が今申しましたような技術革新あるいは情報化の進展というようなことで競争力を高め、また新しい産業群が伸びていくということで、四%程度の成長力を持っていくということでありますれば、恐らくこの労働力の需給の面から見ましても、その労働力の流動化のための諸施策を十分に行っていけば、今申したような不安というのは生じないのではないか、また生じさせていかないような政策展開というものを労働省ともども考えていかなければならないのではないか、かように考えておる次第でございます。
○宮田委員 今後予測されます各産業分野の革新的技術開発のかぎを握るのは、基礎新素材の開発であると言われております。今月三日にまとめられました基礎産業局長の私的諮問機関でございます基礎新素材研究会の中間報告でも、基礎新素材の開発企業化には巨額の資金と多くの人材を長期にわたって投入する必要があって、財政、金融、税制面における政府の積極的な支援の必要性を指摘しておるわけであります。これを受けて通産省は、技術開発基盤整備法の一つの柱として基礎新素材の開発支援に取り組む方針と報じられておるわけでございますが、これに対する見解をお伺いいたします。
○福川政府委員 今御指摘のように、基礎新素材あるいはさらに広く新素材の発展の基盤を見出していくためには、一つには、もちろん民間活力を中心にいたしながら、民間企業が積極的に技術開発を行っていくような、民間活力を最大限に発揮させるための環境条件の整備を図っていくという問題でございますが、これにつきましては、もちろん税制あるいは金融のための誘導措置と同時に、そのほか例えば試験評価方法のあり方の研究、あるいは情報交換、人材育成というような問題が含まれるわけでございます。
 さらにまた、民間部門では対応が困難でございますような、リスクが大きく、また開発に長期間を要するような技術分野につきましては、その技術開発を、積極的に国も参加する形でやっていくということも必要であるわけであります。
 さらにまた、これら民間あるいは政府のそれぞれの技術開発を進めてまいります。その過程で、産学官の協調ということもこれまた大いに進めていかなければならないし、そのために、いろいろな制度を見直していくという必要があるのではないか、かように考えておるわけでございます。
 もちろんこういった、冒頭御質問のございました先端産業部門三つの分野をどのように進めていくのがいいのかという点は、今内部でもいろいろ検討いたしておるところでございまして、これを果たして法律という格好にしていくのがいいのか、また、あるいは法律という格好にしなければそういった条件整備ができないのかどうか、あるいはまた一方、民間の活力を損ねるということになってはならない、そういう中で政府のあり方はどのようなことがいいのかといったいろいろな視点がございます。
 また先生の御指摘のような点もあり、また民間関係業界の意見もいろいろございますが、今私どもとしては、それぞれ二十一世紀を目指しました先端技術の開発のあり方、またその方途を見出すべく関係方面の御意見を徴しつつある段階でございまして、今ここですぐ法律を出すかどうかという点については、まだその方向づけの結論をつけておりませんけれども、今申しました先生の御指摘のような先端技術産業を発展させていくという大きな考え方、流れ、これに沿ってどのような施策がいいかを現在鋭意検討をいたしておるところでございます。
○宮田委員 最後でございますが、今後の技術開発、国際競争を勝ち抜いていくためには先端技術分野での研究開発を積極的に行い、それに基づいて設備投資を進めていくことが不可欠である、こう思います。現在日本において基礎素材産業の設備が老朽化しつつあります。設備の平均的使用年数もアメリカに相当おくれをとっていると言われております。過日の経団連がまとめた「先進各国の企業税制と税負担」という報告によりましても、法人所得に対しまする実質税負担の割合が約五二%と、アメリカの約三二%、イギリスの約一八%に比べても大きなものとなっているわけであります。こうした差は、減価償却期間の短縮や特別償却が認められていること、さらには研究開発投資促進税制などによるものと見られておりますが、こうしたことが続くことによって日本企業の国際競争力が低下することが心配されておるわけであります。今後の税制改正において、かねて私ども民社党が主張しておりますように、積極的な投資減税実施、設備の減価償却期間の短縮、試験研究費の税額控除の拡大などを行うべきと考えておるわけでございますが、この点についての見解をお聞きいたします。
○福川政府委員 投資減税につきましては、今年度エネルギー利用効率化等投資促進税制を初め、またいわゆる中小企業新技術体化投資促進税制といったような投資税制をおつくりいただいたわけでございます。私どもとしては、厳しい財政事情のもとで最大限の努力をいたしましたものがこの今回の制度でございまして、現状においてはまずこれの十分な活用を図っていくということを考えておる次第でございます。
 もとより、先生御指摘のように、経済成長、発展の源泉が技術開発であり、それを具体化するのが設備投資であることは言をまちませんし、今後の成長の原動力が、そういった意味では技術革新を通じます設備投資にあるという点は私どもも十分認識をいたしているところでございます。今後、こういった、今お話しのような設備投資のあり方につきましての税制上の措置あるいは法定耐用年数短縮といった点は、今申しました財政の事情と、また現在あります諸税制の今後の利用のあり方等を見ながら、十分実態に即して対応を検討してまいりたいと思うわけであります。
 また、増加試験研究費の税額控除制度、これも民間におきます技術開発を促進いたします上で非常に有力な政策手段でございまして、いろいろ厳しい財政事情の中で今日産でこの制度を何とか守り抜いてきたということは、これまた技術革新、技術開発の重要性が各界で認められたものではないかと思っておるわけであります。今年度その期限を二年間延長したというのもそういった認識が深まった結果ではないか、かように考えておるわけでございます。
 今お話しのように、技術開発のあり方は、これまで累次先生御指摘いただきましたように、大変重要な問題でございまして、私どもとしても、先ほど先生からも法律制定等の御質問もございましたが、こういった民間におきます技術開発のあり方も、今申したような財政事情の中でいろいろ難しい問題がございますが、その重要性を十分考えながら個々具体的にさまざまな観点から検討を現在進めているところでございます。
○宮田委員 終わります。
○梶山委員長 次に、小沢和秋君。
○小沢(和)委員 まず、現在の景気の問題ですけれども、大企業が最近記録的な業績の回復を見せておる。三月期の決算で申しますと、税引きの利益が七六・九%もふえておるというようなことが言われておるわけでありまして、全体として景気が回復しているということは言われますけれども、ところが、これと非常に対照的だと思うのは中小企業の状態だと思うのです。五月度も千九百六十五件という史上最高の倒産件数を記録しておるわけでありまして、十七カ月間続いて前年同月を倒産件数は上回る、こういうような残念な事態であります。
 このことについて東京商工リサーチの「特報」によりますと、倒産件数多発の理由として、現在の景気回復が輸出主導型であるために、内需に依存する率が高い中小企業にはその恩恵が及んでおらず、これが中小企業を中心に倒産の多発を招いている、こういうようなことも指摘をしているわけであります。
 私どもは、こういう厳しい情勢の中であればこそ、中小企業に対する政府のてこ入れが緊急に求められていると思いますし、我が党はこういう情勢に対応するために、去る五月十一日に中小企業関係三法の改正案を本院に対して提出いたしました。その概要を一言で申してみますと、第一は、官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律の改正案でありまして、これはいわゆる官公需を五〇%以上中小企業に発注するように義務づける、そうして優先発注品目を拡大するなどの措置をとろうというものであります。
 第二に、下請代金支払遅延等防止法改正案でありまして、代金の支払い期限、現在は六十日になっておりますが、これを当面四十五日、最終的には三十日にまで改善をしたいというものでございます。
 第三に、大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律の改正案でありまして、これは店舗面積五百平米以下も含めて大企業の小売店舗の出店を全体として都道府県知事の許可制にする。こういうようなことを私どもはこの三法の改正で提起をしておるわけであります。
 これについては改めてまた近日中に本格的な説明の機会と審議の機会を得たいと思っておりますけれども、きょうはこれに関連して若干の御質問をいたしたいと思うのです。
 総務庁の行政監察局の方、お見えになっておりますね。まずお尋ねをしたいのは、「官公需についての中小企業者の受注の機会の確保に関する行政監察結果報告書」が五十七年九月に当時の行政管理庁の方から出ております。私もこれを読んでびっくりしたわけであります。「多くの省庁では、官公需の契約見込額の算出に関して具体的な方針を策定して下部機関を指導しているものはみられず、その所管する公社・公団等に対してもこのような指導をしている例はみられない。」四十一年に官公需の確保に関する法律ができて、だから、もう今日までで十八年にもなるわけでありますけれども、五十七年の段階でチェックをしてみたら、ほとんどそのための具体的な努力の姿勢、体制というのがないということをこのことは指摘をしたのだと思うのです。このことも私は憤慨にたえないわけです。その後、この報告書に基づいていろいろと改善の指導がなされて、今ではもうばっちりそのための体制が改善されたというふうに伺っておりますけれども、そうかどうか、まず確認の意味でお尋ねをしたいのです。
○竹内説明員 御指摘の契約目標額の設定につきましては、各省庁におきまして、総務庁の勧告を受けまして、そういう方針の設定、それから個々の契約の中から中小企業者に発注可能なものの選定等、合理的な契約目標額の設定をしているというふうに我々は判断いたしております。
○小沢(和)委員 それならば中小企業庁の方にお尋ねをしたいのですが、五十七年の九月に指摘されてからもう二年近くたつわけでありますが、実際に契約実績にそれがどのように反映しているか。五十八年度の実績が既にまとまっておるというふうに聞いておりますので、その実績を御説明願いたいと思います。
○石井政府委員 五十八年度の中小企業向けの官公需比率につきましては、現在千数百万件余にわたります官公需の契約につきまして各省庁の協力を得て集計中でございます。現段階ではまだ確定的にお答えできる状況になっておりません。もうしばらくお時間をいただきたいと思っております。
○小沢(和)委員 しかし、例年でいくともう今ごろ閣議決定をして、次のいわゆる国等の契約の方針を出すべき時期に来ているのですよ。きのう私のところに説明にお見えになった方は、それはまとまっているけれども、この方針と同時に実績を発表するのが今までの例になっているから御勘弁願いたいというふうに私には言ったのです。あなたの話では、まだ集計途中だと言うけれども、そんなことはないのでしょう。今までそういうふうにしておったということは、慣習というか、あなた方がそうしておったということとして私は認めるけれども、まとまっているというなら今出しなさいよ。
○石井政府委員 実績を集計し、これの分析をしている段階でございますし、その結果についての分析、評価、これは各省庁と突合せねばならないわけでございます。そういった問題につきましては、特に五十九年度の目標設定について私ども今精力的に各省庁と話し合いをしておるわけでございますが、これと並行しまして作業を進める関係上、各省庁との関係におきましてまだ確定したという段階ではございません。その意味で現段階で確定した数値として御報告はできないということでございます。
○小沢(和)委員 今の長官のお話でも、集計は済んで、分析して、各省とそれに基づいて五十九年度の方針を話をしていると言うんでしょう。だから集計した段階では、もうおよそのことはわかっているはずなんですよ。
 そうすると、もう一つ先に行きますけれども、五十八年度の国等の契約の方針というものには、五十八年度に三兆七千六百七十億、そして契約の率としては三七・三%で、五十七年度よりも〇・三%だけれども伸ばすという方針が出ているわけですね。一体これを達成したと言えるのか、未達成だったのか、去年と比べてどうだったのか、それぐらいのことは言いなさい。
○石井政府委員 今御指摘の点でございますが、非常に厳しい財政状況下で、各省庁の協力を得て、現在確定作業を急いでおるわけでございますが、御指摘のように五十八年度三七・三%の目標を設定いたしたわけでございます。我々、上半期、下半期分けまして、年次途中でも一応チェックいたしておるわけですが、上半期には割合に小さい発注が最初の段階で多く出ますので、比較的成績が上がっておったわけでございますが、この五十八年度におきます、例えば中小企業の発注向けになじみやすい庁費の大幅な削減等ございまして、残念ながら目標三七・三%を達成することは無理ではないかというふうに考えております。
○小沢(和)委員 そうすると、これはまことに奇怪な話だと思うのですよ。五十七年九月には行政監察の結果として抜本的に改善をしなさい、それをまだほとんど取り組んでない省庁が大部分じゃないですか、こういう指摘を受けて、先ほどのお話によると抜本的に改善をされたと言うのですね。そうしたら、五十八年度にそれがぴんと響かなければおかしいでしょう。それがむしろこの目標はもちろんのこと、その前の年の三七%も割り込もうかというような程度に終わった。一体この行政監察の勧告が、どこでどういうふうに反映されてこういう結果になるのですか。ほとんどそれは改善したと言えないのじゃないですか、この実績は。これで改善したとあなた考えるのですか。
○石井政府委員 行政管理庁の勧告を受けまして、中小企業庁といたしましては各省との推進協議会を開催いたしまして、この改善方について十分話し合いをいたしました。
 具体的に申し上げますと、行政監察の結果、主要点が三点あるわけでございます。
 第一は、合理的な目標設定についての助言調整をしっかりせいということでございます。これにつきましては、五十八年三月に関係官庁に対しまして中小企業庁長官名をもちまして、官公需統轄部局、これは各省庁ごとでございます……(小沢(和)委員「何をやったか知っているのですよ。だからもうずばり、それで効果があったと思っているかどうか言いなさいよ」と呼ぶ)とにかく先ほど申し上げましたように、監察結果を受けました改善措置は十二分に果たしたというふうに考えておりますが、五十八年度におきます二千億余に上ります庁費の大幅削減、特に中小企業に相当向いている品物でございますが、こういったものが大幅に削減になった等によりまして、残念ながら所期の目的が達成できなかったというのが実情でございます。
○小沢(和)委員 今、十分に努力をしたというふうにおっしゃるのですけれども、私はそれは評価できないと思うのですよ。それで、今あなたが言われましたいわゆる特定品目、中小企業に向けるのに適していると言われるものの発注状況というのが、行政監察の報告書に載っております。これを見ると非常に興味があるのは、省庁によって大変なばらつきがあるということなんですよ。例えば事務用品などでとってみますと運輸省は一〇〇%、ところが農林水産省は四七・七%、最低が労働省の一九・〇%、こんな開きがあるわけです。同じ事務用品を使うのに運輸省は一〇〇%中小業者に発注できて、労働省は二割も発注できない。私は、これはおかしい、理屈に合わないと思うのです。それから総額で見ても、北海道開発庁などというのは一〇〇%、中小企業性のものは全部それに出しておる。ところが防衛庁は二二・三%というのです。こんなに開きがあるのですよ。あなた方が言われるような努力をしたら、そういうところをちょっと上げただけでも数字としては相当にぴんと響かなければおかしいのじゃないかと私は思うのです。
 それから、もう一つ参考のために申し上げますと、国の方は今言うように三七%程度だけれども、地方自治体は全国平均で七四%ぐらいでしょう。私の地元の福岡県はどうかと思って問い合わせをしてみたら、昭和五十三年が七二%だったのが、五十八年、この五年間で一〇%上がって八二%までいっているのです。やはりこれは努力の姿勢があればこういうふうに改善できるのじゃないですか。だから、あなた方はこの行政監察でこれだけいろいろやった、改善したと言うけれども、私は、ほとんど改善されてないとあなた方が率直に事態を認めないと、これは改善できないのじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。
○石井政府委員 御指摘の特定品目でございますが、全体といたしますと、五十七年度におきましては七三・三%で中小企業向けに発注が行われておるわけでございまして、全体目標の大体倍の比率になっておるわけでございます。御指摘のような各省のばらつき及びその実績に徴しまして、私どもは、それぞれの省庁ごとに今後の対応を十分改善するように今後とも協議をしてまいりたいと思っております。
○小沢(和)委員 それから、「省庁等別官公需実績の推移」という資料を少し前ですけれども私どもの方でいただいております。これを見ると、過去五年間各省庁などがどのように中小企業に向けて発注をしてきたかという実績が書かれているのですけれども、この表を眺めて私びっくりしたことがあるのです。最近五年間で一番急激に中小企業向けの発注を減らした官庁はどこでしょうか。
○石井政府委員 今御指摘の実績表をさっと眺めたわけでございますが、具体的にどこが一番かという点については、まだここで的確にお話を申し上げるほど精査しておりませんが、通産省も相当減っておる官庁の一つではないか、とにかくおひざ元でありながら非常に残念だと思っております。
○小沢(和)委員 まさに御名答なんです。私、計算してみたのですけれども、昭和五十三年の通産省の中小企業向けの発注率が六六・五%。このごろでは大体模範的な方だったのですよ。ところが、五十七年度で見ますと四四・八%。この五年間で実に二一・七%、三分の二に落ち込んでいるのです。発注額で見ると三分の一ぐらいに落ち込んでいるのです。しかも、五年間ずっと一貫して減っているのですよ。そうすると、一方ではあなた方が中小企業向けの官公需取りまとめの責任者だ。一番模範的に、みずからも範を示しながら他に呼びかけていかなければならないはずの役所が、一貫して減らしておいて、これでよそに対してまともに呼びかけられるはずがない。これは、私は端的にあなた方の姿勢を反映したものじゃないかと思うのです。その点については厳しく警告をしておきます。これ以上追い打ちはかけませんけれども、ひとつ反省していただきたい。
 そこで、大臣にお尋ねをしたいのですが、私どもの党としては、中小企業への五〇%の発注を義務づけるべきだということを主張をしているわけです。しかし、法律的に義務づけることについてはいろいろ議論もあるかもしれませんけれども、実を言うと、この五〇%の発注をやるように努力するということは、かつて、昭和五十一年一月二十七日に、我が党の本会議での代表質問に対して、時の総理大臣であった三木武夫さんがこう述べているのです。「官公需の発注については、現在は三二・九%でありますが、できれば五〇%にこれを持っていきたい、今後努力をいたす所存でございます。」実はほかのところでもそれと同じことを言っているのです。だから、これは当時の三木首相が再三公約をしておるのです。私は、これは内閣の公約として今でも生きているし、したがって、あなた方御自身が五〇%を目指して努力しなければならない政治的責任があるのじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○小此木国務大臣 我が国の景気の回復が輸出関連企業を中心に回復いたしておるということではございますが、それはどちらかといえば大企業でございまして、中小企業の回復はテンポが非常に緩やかであるということは御承知のとおりでございます。したがって、委員御指摘のように、官公需の問題につきましてはいろいろ事情もあるようでございますが、三木内閣当時の五〇%に持っていきたいという言明もあること等から、今後この面における努力を大いに期していきたいと存じております。
○小沢(和)委員 ちょっと歯切れが悪いのですが、五〇%というのは、三木首相はみずから数字をおっしゃって、それを実現するために努力をいたす所存でございますとはっきり言っているのですよ。だから、これは今でも政府の基本的な方針として生きておる、あなた方が実現する責任があるというふうに私は考えるけれども、どうお考えかということをもう一遍お尋ねします。
 それから、もうぼつぼつ時間が来ておりますので、最後にもう一問大臣に申し上げたいと思うのですが、この中小企業への官公需を五〇%に引き上げる、それだけで一兆数千億円中小企業への発注がふえるわけです。そうすると、今財政危機だと言っておりますけれども、国はただ発注の先を振りかえるだけで、さっき申し上げたように非常に分極化しているように、中小企業は非常に落ち込んでいる、これに対して集中的にてこ入れをすることができるという意味で、私どもこれは非常に重要だと考えているわけです。
 それでお尋ねしたいのは、例年でしたらもう閣議でことしの方針というのが決定されるべき時期なんですが、おくれておる。それは、そのこと自体大変困ることで、いつごろそれを発注するのか。いきなり今すぐ五〇%にしろと言ってもなかなか無理かもしれませんが、ことしは、少なくともだれが見てもこれは努力をしたなとぱっと上がるように、ひとつ小此木大臣大いに御奮聞いただきたいので、その決意のほども承りたいのです。ほかにもまだ大分質問を用意しておりましたけれども、時間が来ましたからこれで終わりますので、ずばり簡潔にお答えください。
○小此木国務大臣 五十一年の一月二十七日に三木首相が本会議で言明したことは、できれば五〇%に持っていきたいということを言ったことでございまして、先ほど申し上げたとおりでございますけれども、このことは中小企業の景気の回復ということについて大変重要なことでございますので、このことの向上に全力を挙げてまいりたいと存じます。
 二番目の問題も、ただいま私が申し上げたことに含まれておると存じます。
○小沢(和)委員 では、終わります。
○梶山委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時二十分散会