第101回国会 逓信委員会 第18号
昭和五十九年七月十九日(木曜日)
    午後四時四十四分開議
出席委員
  委員長 志賀  節君
   理事 加藤常太郎君 理事 戸井田三郎君
   理事 畑 英次郎君 理事 吹田  ナ君
   理事 鈴木  強君 理事 武部  文君
   理事 竹内 勝彦君 理事 西村 章三君
      足立 篤郎君    亀岡 高夫君
      近藤 鉄雄君    近藤 元次君
      左藤  恵君    佐藤 守良君
      中川 昭一君    額賀福志郎君
      野中 広務君    原 健三郎君
      渡辺 紘三君    阿部未喜男君
      伊藤 忠治君    佐藤 観樹君
      中村 正男君    松前  仰君
      森中 守義君    小谷 輝二君
      鳥居 一雄君    中井  洽君
      永江 一仁君    佐藤 祐弘君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  中曽根康弘君
        大 蔵 大 臣 竹下  登君
        郵 政 大 臣 奥田 敬和君
 出席政府委員
        内閣法制局第二
        部長      関   守君
        総務庁長官官房
        審議官     佐々本晴夫君
        大蔵大臣官房審
        議官      角谷 正彦君
        大蔵省主計局次
        長       保田  博君
        大蔵省理財局次
        長       中田 一男君
        大蔵省証券局長 佐藤  徹君
        郵政政務次官  関谷 勝嗣君
        郵政大臣官房長 二木  實君
        郵政省通信政策
        局長      奥山 雄材君
        郵政省電気通信
        局長      小山 森也君
 委員外の出席者
        日本電信電話公
        社総裁     真藤  恒君
        日本電信電話公
        社総務理事   山口 開生君
        逓信委員会調査
        室長      長崎  寛君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月十九日
 辞任         補欠選任
  長谷川四郎君     中川 昭一君
  中村 正男君     佐藤 観樹君
同日
 辞任         補欠選任
  中川 昭一君     長谷川四郎君
  佐藤 観樹君     中村 正男君
    ―――――――――――――
七月十三日
 日本電信電話公社制度等改革に関する請願(前
 川旦君紹介)(第七八一七号)
 同(岡田利春君紹介)(第七八六一号)
 同(鈴木強君紹介)(第七八六二号)
 同(竹内猛君紹介)(第七八六三号)
 同(中村正男君紹介)(第七八六四号)
 同(松前仰君紹介)(第七八六五号)
同月十七日
 日本電信電話公社制度改革に関する請願(阿部
 昭吾君紹介)(第七九六四号)
 同(大久保直彦君紹介)(第七九六五号)
 同外一件(近江巳記夫君紹介)(第七九六六号
 )
 同(加藤万吉君紹介)(第七九六七号)
 同(菅直人君紹介)(第七九六八号)
 同(小谷輝二君紹介)(第七九六九号)
 同(塩田晋君紹介)(第七九七〇号)
 同(菅原喜重郎君紹介)(第七九七一号)
 同(辻一彦君紹介)(第七九七二号)
 同外二件(伏屋修治君紹介)(第七九七三号)
 同(藤原哲太郎君紹介)(第七九七四号)
 同(二見伸明君紹介)(第七九七五号)
 同(堀昌雄君紹介)(第七九七六号)
 同(正木良明君紹介)(第七九七七号)
 同(宮地正介君紹介)(第七九七八号)
 同(矢野絢也君紹介)(第七九七九号)
 同(矢山有作君紹介)(第七九八〇号)
 同(和田一仁君紹介)(第七九八一号)
 日本電信電話公社制度等改革に関する請願(池
 端清一君紹介)(第七九八二号)
 同(佐藤観樹君紹介)(第七九八三号)
 同(村山喜一君紹介)(第七九八四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 日本電信電話株式会社法案(内閣提出第七二号
 )
 電気通信事業法案(内閣提出第七三号)
 日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の
 施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案
 (内閣提出第八〇号)
     ――――◇―――――
○志賀委員長 これより会議を開きます。
 日本電信電話株式会社法案、電気通信事業法案及び日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の各案を一括して議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤忠治君。
○伊藤(忠)委員 私の方から質問を申し上げたいと思いますが、その前提は、今日まで時間をかけまして審議がなされてまいったわけでございますが、各般にわたって私の方から、これまで議論をされました内容などについて確認を含めまして触れさせていただきますので、ひとつよろしくお願いをいたします。
 まず初めは、料金認可の範囲についてですが、これは事業法の三十一条で規定をされているわけですが、郵政大臣認可の範囲については、まず一点目は、基本的なサービスの料金に限定をして認可制にする、この点。二点目は、付加的あるいはオプション的なサービスの料金の認可については、そういう料金は認可を必要としない、こういうふうにひとつ確認をしたいと思うのですが、局長、どうでございましょう。
○小山政府委員 第一種電気通信事業者の基本的なサービスの料金は認可を要しますが、付加的、オプション的なサービスの料金は認可を要しないこととしたいと存じます。
 なお、これにつきましてその内容をさらに細かく申し上げますと、主要な料金とは何かということでございますが、電話関係では基本料、ダイヤル通話料、設備料及び公衆電話料。電報関係では基本料、累加料。それから専用関係では設備料及び回線料。DDX関係では設備料、基本料及び通信料。ファクシミリ通信綱及びビデオテックス関係では通信料。データ通信設備サービス関係では設備料、回線使用料及び中央装置使用料であります。 なお、付加的な料金といたしましては、電話関係ではDSA通話料、コレクト通話、クレジット通話、キャッチホン、転送電話、「でんわばん」、空港無線電話、短縮ダイヤル。電報関係では欧文電報、無線電報料、慶弔扱い料、時間外取扱料、配達先変更料。専用関係では付加専用料。DDX関係では閉域接続、通信料一括課金、短縮ダイヤル、ダイレクトコール。ファクシミリ通信綱関係では短縮ダイヤル、ファクシミリボックス。ビデオテックス関係では管理資料作成料、会員制サービス使用料。データ通信設備サービス関係では端末機器、センター作表料等、これは認可を要しないものの例示でございます。
 なお、その際つけ加えて申し上げますと、端末を売り渡しになる場合におきましては、料金の認可は要しないものでございます。
 以上でございます。
○伊藤(忠)委員 考え方を聞きまして、理解ができました。
 今局長がお触れになった端末機器の売り渡しの問題についてですが、それは時間の関係がございますから、余り議論というところまではできないわけですが、今の考え方を確認をさしていただきたいと思いますし、少なくともレンタル制の機器については、これはすべてにわたって認可対象ではない、こういう表現は私は裏返して使っていますが、少なくともレンタル制の機器についてはすべてにわたって認可対象ではないということを、ここで気合いを合わせておきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○小山政府委員 付加的な端末はそのとおりでございます。ただしかし、本来付加的ではないもののそれを役務の提供として、一括してサービスを受ける場合には認可になりますが、付加的なものはレンタルは認可の対象にはならないものでございます。
○伊藤(忠)委員 議論しますと少し時間がかかるような気がしますので、当局の考え方に対しては、いろいろ機器の機能の問題だとか、サービス態様の問題だとか、料金にも絡んでいきますから、この点については私たちとしても意見がございまして、いずれにしても今後、継続して審議をしていくということで私たちの態度を申し上げて、次に移りたいと思います。
 次は、料金政策について伺いたいと思いますが、電気通信分野における競争原理の導入ということになるわけですが、電電公社の民営化によっても、新電電はそういう事業体に変わりましても、あまねく公平に全国的に提供する、こういうことがやはり基本であろうと思います。したがって、新電電の料金決定原則というものは総括原価方式によるものである、しかも、不採算地域における料金値上げあるいはサービスの格差を生ぜしめてはいけない、こういう考え方についてまず確認をしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○小山政府委員 料金決定原則につきましては、先生既に御指摘のように、事業法案第三十一条第二項の第一号、第二号、第三号等に書いてございますとおりが、法律上のいわゆる決定原則でございます。これは決して総括原価主義を私どもとしては否定するものではないと思っております。したがいましてそういった意味で、全国一体としてサービスを提供する新電電会社が、非採算部門と採算部門あわせまして、一つの価格により地域差を設けないような形で総括原価のもとに行うことは、この法定決定原則に何ら反するものではないと思っております。
○伊藤(忠)委員 いずれにしても、考え方について変わりはない、こういうふうに理解をいたします。
 続いて、新電電の場合、福祉電話機器の開発問題、さらにこれを進めてもっと普及させていくというような方策、さらに災害発生時などの緊急通信の確保、こういうものに万全を期していかなければならぬ、こういう任務を負うことになろうと思いますが、その点について確認をしたいと思いますが、どうでしょうか、イエスかノーかで結構でございます。
○小山政府委員 そのとおりでございます。
○伊藤(忠)委員 さらに、新電電の今後の料金体系についてでありますが、今日までの議論で明らかになっておりますが、遠距離料金の値下げに今後も努力をしていく、さらに近距離通話区域と生活経済圏との乖離ですね、これらの格差是正もあわせて今後検討を行っていただきたい、こういう私たちの主張についてどうでございましょう。
○小山政府委員 電気通信は、時間をゼロにし、距離をゼロにするものでございます。したがいまして、遠距離通話料を安くし、かつまた、近近格差というようなものをなくしていくという方向は、お説のとおりでございます。
○伊藤(忠)委員 次に、アクセスチャージについて伺います。今日までの議論を要約して、このように理解をしてよろしゅうございますか。
 まず第一点は、接続のために新電電会社が要する設備改造実費は参入者が支払う。二点目は、公共的なサービスの提供あるいは市内綱の部分などの不採算サービス部分については、これは新電電が高度通信サービスを全国的にあまねく公平に提供をする、さらに低廉かつ良質なサービスを提供しなければいけないという性格、任務を持つわけですが、そういう立場からしますと、この公共性を重視して、その一部について参入者がそういう負担について支払うことがある、こういうことに要約することができると思うのですが、この考え方についてどうでございましょう。
○小山政府委員 お尋ねの点でございますが、接続料として集約できるかと思いますが、これは第一義的には私的自治でございまして、お互いに第一種業者同士の契約、接続協定において決められるものでございます。
 しかしながらその中において、そのために特別の設備を従来の事業者が設置したときにその負担をどうするかというときに、新規参入者にその設備負担をしてもらうということとか、あるいは市外から市内へ、要するに公共的であるとか、市内綱のために市外料金から市内綱に総括原価主義に基づいて援助しているというような場合におきまして、新規参入者が同じような負担をするような形の接続協定をする、要するに、それが市内、市外のコストが明らかに市外から市内へ補助しているという場合におきまして、新規参入者も、市内綱への接続をする場合においては、同じように市外から市内への負担をするということの協定をするということは、できるものであると考えております。
○伊藤(忠)委員 今答弁がございましたが、郵政大臣による接続、共同の協定締結命令ですか、これに当たりましても、おっしゃるような基本的な考え方に立って対処をされるということを確認したいと思うのですが、よろしゅうございますか。
○小山政府委員 そのとおりに御理解いただいて結構でございます。
○伊藤(忠)委員 単純再販についてお伺いをいたします。
 いろいろ議論がございましたが、専用線の現行料金体系では、新電電の経営に支障を及ぼすことになる、そういう立場から、第二種電気通信事業者による単純再販を禁止することになる約款についても、郵政省は認可をするという考え方で再確認したいと思うのでございますが、よろしゅうございますか。
○小山政府委員 単純再販が新電電の経営に支障を及ぼすというような場合におきまして、単純再販を禁ずる約款については認可をするものであります。
 なお、現在の電電公社の専用料というものに例をとりまして、現在の専用料で単純再販をする場合には、これは当然収支相償わずということで、こういったものを禁ずる約款というものはあっても当然だろうと思っております。
○伊藤(忠)委員 次は、事業計画の問題について、当局の考え方をひとつ確認をしたいと思うのです。
 政府は、事業計画に対して郵政大臣の認可を行うに当たっては、収支計画及び資金計画はその添付資料、これだけでいいのだ、添付資料をつけてそれでオーケー、こういう考え方でよろしゅうございますか。
○小山政府委員 事業計画はサービス計画、建設計画が中心となるものでございまして、収支計画、資金計画はこの裏づけとして出される添付資料であると理解しております。
○伊藤(忠)委員 これは企業の自主性の問題と密接不可分の関係になりますが、当事者能力問題についてです。
 それで今後は、近代的な労使関係のもとで自主的に賃金あるいは労働条件の問題が新体制のもとで決められていくと思うのですが、そういう労使間でなされるもろもろの決定に対して、政府が介入をするなどということはあってはならぬと思うのですが、この基本的な考え方についてどうでございましょう。
○小山政府委員 そのとおりの考えでやってまいりたいと思っております。
○伊藤(忠)委員 次は、通信主権の問題についていろいろな角度から議論がございました。この電気通信分野といいますのは、いろいろな方からも指摘されておりますように、これは国民の神経でございまして、我が国の通信主権を守るということは、とりわけ今回の電電改革に当たって、自由化あるいは開放されるという新事態を迎えるわけですから、そういう面からしますと、そのことについてより一層の配慮といいますか、対処をやらなければいかぬ。ある意味では、それは国の通信政策の基本だろうと思うわけでございます。
 今日まで法案の制定過程も見まして、不透明な部分といいますか、そういうものが見え隠れしてきたと思うのですが、我々としては、あくまでも第二種業の外資の導入に対しては、国の通信主権を守る立場から、少なくとも二分の一程度の外資規制をやるべきだということを主張してきたわけでありますが、なかなかこの点は対立もございました。
 そこで大臣に、今日までの議論を通じまして、私どもの心を生かした次のような考え方について、それを確認いただけるのかどうか、このことを前提にしまして触れてみたいと思います。
 政府としては、この我が国の通信主権を守り、先端的な電気通信技術の開発を進める、国民経済、産業の発展に寄与し、国際競争力の激化に対応していくものだ、こういう表現といいましょうか、この問題をとらえた私たちの理念も含めまして、こういう考え方で大臣として確認をいただけるかどうか、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○奥田国務大臣 今回の法案によって、内外無差別で第二種通信事業を開放するという形を基本的にとったわけでございます。
 しかし御指摘のように、通信はまさに国の神経であり、国の自主性、独立性を損なうようなことがあってはならないことは当然でございます。したがって、通信主権を守るという立場と、そしてまたある意味において、自由な第二種の通信事業を開放することによって、新しいサービスを国民に享受していただきたい、また料金の面においても、良質で安いサービスを国民が受けられるようにいたしたいというのが願いでございます、基本姿勢でございます。ただ、先生の言われました御趣旨というものは十分理解して、今後の通信行政に当たっていきたいと思っております。
○伊藤(忠)委員 言っていることは、大臣もお答えになったように、異論はないと思うのです。やはりそうでなければいかぬと思うのです。
 ただ、今日まで審議を重ねてきまして、この段階に来ましたから、私としては、それを一つの集約といいますか、例えばそういう立場に立って表現をするとしたら、こういうふうな表現の仕方も一つはあるという立場で申し上げたわけでして、いずれにしても、我が国の通信主権を守るということと、これからさらに電気通信技術の自主開発、ひいてはそれが国民経済あるいは日本の産業の発展、国際競争力というのですか、そういう市場に対応していく問題についても、極めて重要だという立場で申し上げておりますので、こういう私の今申し上げた趣旨、考え方について、否定されるものではない、このように理解をしたいと思うのですが、大臣いかがでございましょう。
○奥田国務大臣 基本的な通信事業に対する考え方としては、私もそのように理解して、そのような姿勢で臨みたいと思っております。
○伊藤(忠)委員 次に、事業の分離問題について伺います。
 これも大分譲諭されまして、一定の見解表明などをいただいておりますので、新電電は、電電公社が現在行っている業務のすべてを継承し、その事業の分離については新電電の自主的な決定を尊重する、こういう考え方でよろしいかどうか、伺いたいと思います。
○小山政府委員 業務の分離につきましては当然、新電電会社の経営の自主性というものを保証されておりますので、経営当事者の自主的な判断によるものと考えております。
○伊藤(忠)委員 設立委員の任命について伺いたいと思いますが、これは設立委員の任命に当たりましては、国会の承認を必要とするということについては、今日まで明らかになったと思うのですが、そういうことでよろしゅうございますか。
○小山政府委員 設立委員の任命につきましては、これは行政府の責任で行うということになっておりまして、国会の御承認を得るということにはなっていないわけでございます。
○伊藤(忠)委員 時間の関係がございまして、その点はちょっと考え方が違うのですが、次に移ります。
 設立委員会の設置場所の問題、今日までの議論の中では、電電公社が国民の共有財産である、こういう基本的な認識に立って、新会社の発足に当たっては、政治の利権などがそれに絡むだとかあるいは発生するだとか、不透明な部分が映るだとかというようなことではいけないわけでして、いささかなりとも、国民に疑惑をもたらすようなものであってはならぬということを強調したいわけです。そういう立場に立って設立委員会の設置場所についても当然決められる、このように理解をしますが、そういう考え方でよろしゅうございますな。
○小山政府委員 設置場所はどこにするかというのは、まだ決定いたしておりませんが、いずれにせよ、先生御指摘のように、この設立に当たりまして、何らかの形の疑惑が残ることのないような形において事務局は設置されるべきだと思っております。
○伊藤(忠)委員 ということは、政府内ではない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○小山政府委員 まだ決めておりませんけれども、他の特殊会社の例なども参考にして決めていきたいと思っております。
○伊藤(忠)委員 今の答弁だけではちょっとわからぬわけですが、他の例に倣ってというふうに表現をされましたけれども、例えばそれはどういうふうなことになるのだろうかという、一定の方向性というものですか、それが示されなければ、今の前段の考え方については同意いただいたわけですから、では、具体的にどうするかということについての方向性をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
○小山政府委員 御指摘の点を十分踏まえまして決めていきたいと思います。
○伊藤(忠)委員 ということは、政府内に置くということはなかろう、このように理解してよろしゅうございますか。
○小山政府委員 私、全部言う権限は持っておりませんけれども、先生のおっしゃる点ということにつきましては、極めて重要な御意見だと思っております。
○伊藤(忠)委員 郵政大臣、どうでございましょう。設置場所です。
○奥田国務大臣 郵政省内に置くことはありません。(「新電電の中は」と呼ぶ者あり)新電電の中にも置くことはないと思います。
 設立委員会の設置場所についての御質疑であったようにお伺いいたしました。先ほども御指摘があったように、国民からいささかも疑惑を持たれない、しかも公平中立というような立場でのいろいろな定款決定等の問題もございますから、場所としては、郵政省内ということは好ましくないと思いますし、また、今電電という声が上がりましたから、それにお答えするわけですけれども、そういった形も好ましくないと思っております。中立的な、だれの目から見ても透明度の高い場所でされるべきであろうと私は考えます。
○伊藤(忠)委員 次に、電気通信審議会のことについて、この委員の任命に当たってのことなんですが、やはりこれはいろいろな分野の皆さんですね、少なくとも電気通信政策について、国民を全体的にフォローできるような、各階層の有識者あるいはそういう分野の皆さんに参加をしてもらうというのが、これは一番の趣旨だろう、このように思うのですが、どうですか。
○奥山政府委員 電気通信審議会、先生御承知のとおり、電気通信に関する事務に関する重要な事項を調査審議し、あるいはこれに関し必要と認める事項を大臣に建議するという権限と責任を持っておりますので、この委員の任命に当たりましては、郵政大臣が、本来の趣旨が没却されることのないよう、中立公正に任命をしていくところでございます。
○伊藤(忠)委員 かなり抽象的なんですが、具体的にお聞きします。
 そういう代表される一つのジャンルというのですか、多数の労働者を代表するという立場から、労働組合が推薦をするようなそういう代表も構成員の中に考えられるのかどうか、この点を伺います。
○奥山政府委員 電気通信審議会の委員は、二十名以内で構成されることになっておりますが、現在でも、労働組合において御活躍をいただいた方が構成員となっておられることにひとつ御理解を賜りたいと思います。
○伊藤(忠)委員 大臣、いかがでございましょう。
○奥田国務大臣 大変公益性に関係のある重大な事業、それに対する委員等々も決められるというような、非常に国民が注目しておるところでございますから、できるだけ公平に、そしてまた、こういった電気通信事業にも詳しい、しかも人選に当たっては幅広い形で選んでいきたい、その間に関して、国民の皆さんからも御納得いくような形で、そういった方向の人選を進めたいということでございます。
○伊藤(忠)委員 念を押すようなんですが、ということになれば、その中には今私が申し上げたような、これは労働組合といいましても、本当に広いわけですから、非常に多くの皆さんを擁していられるわけですから、そういう代表の方もその中には当然入るだろう、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますか。
○奥田国務大臣 今非常に重要な問題でもございますし、国民の目もまさに注目されておる問題でもございます。今特定の団体のだれを選ぶ、あるいは特定の団体を私の口から申し上げるということはいかがかと思います。広範な中で、広くそういった形の人材をその委員に充てたいということで御納得を賜りたいと思います。
○伊藤(忠)委員 私が今申しましたその趣旨は理解をいただけますか。
○奥田国務大臣 十分理解をいたしております。
○伊藤(忠)委員 大臣、その趣旨を踏まえて、尊重して任命に当たりたいというふうに理解をしてよろしゅうございますか。
○奥田国務大臣 先生の御発言の趣旨はよく理解をいたしております。そういう基本姿勢で臨みたいということでございます。
○伊藤(忠)委員 時間も来ましたので、最後に、需給調整の問題について、これは局長、基本的な考え方をお聞きするぐらいしか時間がないと思います。
 これまでの議論の中でやりとりがございましたが、とにかく大ぐくりだ、細かい軽微にわたるものは対象にならぬということはこれまでの御答弁のとおりなんで、いずれにしたって、設備の変更だとかそういうものは大ぐくりなものである、パーセントで言えば、最低でもこれは五〇%、それ以上の変更ということですね、そういう考え方でこれまで議論されていたと思いますので、そういう答弁がございましたから、そのように理解をしてよろしゅうございますか。
○小山政府委員 これは変更の場合のことだろうと存じます。そのことにつきまして、変更というのは、電気通信事業におきましては、他の電気事業とかガス事業に比べまして、非常に進歩の度合いが大きいものでありますし、需要動向も変わるということで、現在あります電気事業の二〇%、ガス事業の一〇%では、非常に現実に合わないことはもう当然のことでございます。
 なお、五〇%というのはこの前、私からははっきり申し上げませんが、御質問の点につきまして否定はしなかったところでございます。
○伊藤(忠)委員 わかりました。
 それで、サービス内容のことなんですが、これはもう御承知のことなんで、あれも大ぐくりで、例えば電話サービスだとか電報サービスだとか、あるいはデータ通信サービスだとかというふうにこれも大ぐくりにやって申請をする、こういう理解でいいですか。
○小山政府委員 ただいまの考え方は、ただいまの公衆法では役務が法定化しております。したがって、先生のおっしゃるような形での電話とか電報とかというのは一つの想定でございますが、これからの事業法ではそういうのは法定化されておりませんが、大体スケールとしては役務というものを単位として取り運んでいきたい、こう思っております。
○伊藤(忠)委員 今私がちょっと表現上は抽象的に過ぎたかもしれませんが、そういう考え方で理解をしていいのですね。
○小山政府委員 私どももそのように思っております。
○伊藤(忠)委員 終わります。
○志賀委員長 次に、鳥居一雄君。
○鳥居委員 ただいまの需給調整について、まずお伺いをしておきたいと思います。
 事業法案の第九条で、第一種電気通信事業者の許可について規定されておりますね。それで、これを受けまして十四条におきまして、電気通信役務の種類等の変更について規定をされております。これは当該区域において、第一種事業者の過剰設備、つまり共倒れを防止するためだ、そしてあらかじめ明確に予見される場合に限って調整を行うことができる、こう受けとめております。しかし一見、競争原理の導入ということとこの需給調整ということはなじまない事項だと思いますし、これは極力介入を避けるべきだろう、そういうふうに考えるわけです。
 そこで、第一種事業者の参入あるいは設備計画を抑制するものではないと思うのでありますけれども、この点についてはいかがですか。
○小山政府委員 御指摘の点、いわゆる需給調整というお言葉で申されたわけでございますが、私どもの法律案では、著しく過剰になった場合と言っておりまして、この考え方は、初めから需要を限定して、それに基づいてすべての事業というものに対する規制を行うという思想ではございません。
 当然基本的には、各企業者がその企業マインドに基づいて事業を進めていくということをまず第一にいたしまして、著しく過剰で、結果的にそれによってサービスを受ける方たちが、サービス料金にはね返って高い利用料金になるということが明白な場合においてのみということの考え方でございまして、したがいまして、あらかじめ需要を郵政省の方で決めて、この中における割り当てをしていくという考えは全くございません。
○鳥居委員 そうしますと、この十四条の軽微な変更でありますけれども、軽微な変更を超える内容というのは、電気通信設備の概要について大幅な変更であること、それから、電気通信役務の種類及び態様ということがかかわってくるだろうと思うのです。
 それで、さっきの質疑の中にも、五〇%程度、こうございましたけれども、この軽微な変更をどういうふうに限定をし考えるのか、この点についてはどうでしょうか。
○小山政府委員 事業を開始するに際しまして、電気通信設備の概要を申請事項としているところでございます。一般的に言えば、それを変更するということによって事業内容の実質的な変更になるという場合に、この変更というものに対する一つの行政関与というのがあるわけでございまして、実質的にその事業内容が変更にならないというような場合においては、これは当事者の裁量にゆだねるべきものと思っております。
○鳥居委員 そうすると、九条の第二項の号の中にあります、軽微な変更に当たって問題になります電気通信役務の種類及び態様、この種類及び態様ということでありますけれども、現在の電電公社で申しますと、電話、電報、それ以外のサービスというような大ぐくりな対象を指す、こうとってよろしいですか。
○小山政府委員 役務の種類というのは結局、ただいまで言えば、法定しているところの電報とかそれからファクシミリとか、そういったものが変更になる場合でございまして、その中における量的な変更は、先ほど御指摘がございましたように十四条の量的な変更は、軽微な変更でもって実質的な形での変更にならない場合はよろしい、こういうことでございます。
○鳥居委員 次に、データ通信事業についてお伺いをしたいと思います。
 今日のNTTの一つの事業といたしまして、データ通信本部の占める位置、これは一定の評価もあり、今日までの経過がございます。今から十年ほど前、DRESS、DEMOSに象徴されるようないわゆるデータ通信設備サービス部門、この部門が民業と競合する、こういう議論の中で、公正競争といういわゆる競争条件の整備の上からいって、データ通信部門というのは分離すべきである、こういう議論が実は十年ほど前にありました。
 今私は思うのでありますけれども、かつてのデータ通信本部、特に設備サービスというのは、商店あるいは中小企業で大型コンピューターその他持てない、保有できない場合に、公社のコンピューターにアクセスをしていく、そういう形の販売在庫管理等の役割というのは、非常に大きなものがあったと思いますし、そこに競合があったために、行政監察の結果、公正競争条件を整えるべきだという議論から、にわかに分離論につながる議論があったと思うのです。
 しかし、今日のデータ通信本部の主たる役割というのは、ネットワークの構築という、いわば設備サービス部門というのはもう既に拡張をしない、しかもあわせて、システムコンサルタント的な新しいビル内のシステムを構築していくというような意味で、ネットワーク構築のために大きな役割を今日果たしているというのが実態だろうと思うのです。つまり、かつてのデータ本部の分離論というのは、今日全く意味をなさないと私は思うのですが、まず公社から、デ本の今日的意義について概略を申し述べていただきたいと思います。
○山口説明員 お答えします。
 私どものデータ通信業務につきましては、先生が先ほどおっしゃいましたように、十年この方、特に公共的あるいは全国的な、あるいは技術先導的という立場で開発を担当してまいりました。
 先ほど先生おっしゃいましたように、一時、一般の中小企業関係との競合がございまして、電電公社が全般的にやるべきではないというような声もございました。しかし、これからのやはりデータ、特にVANを含めましたデータ関係のコンピューター産業というものを考えますと、どうしてもやはり電電公社でなければできない分野があると私どもは思っております。
 特に今おっしゃいましたように、ネットワークを構築していく、ネットワークにソフトを乗せて新しいサービスをしていくということになりますと、まだまだ非常に分野の多い分野だと思っておりますし、私どもはやはり従来やってまいりましたように、公共的あるいは全国的な、あるいは技術先導的という立場をとりながらも、一般の民間の業者さんと協調しながら進んでいくのが当然だと思っております。
○鳥居委員 デ本の今日までの役割、使命というのは、今答弁にありましたように、公共性それから全国規模、技術先導的、この三つの条件があっただろうと思います。つまり、そういう中で今日を迎えたデータ本部が、十年前に言われたような分離あるいは分割、この対象になるというのはいささか私には理解できないのですが、分離について、かつての分離論と、今日なおかつ分離をしなければならないとお考えか、大臣、この点についてはどうでしょう。
○奥田国務大臣 一口に言って、一種事業と二種事業、今度の場合、新電電は双方ともやっていくことになるわけでございます。しかし、今先生も当初に御指摘いただいたように、公正競争という分野からすれば、やはり新電電の持てる技術力、資金力というものは大変大きなものであるし、それが公正競争という形の中で果たして維持できるかどうかという危惧は、私が持つんじゃなくて、同じVANならVANの同業の事業進出を意図されている人たちにとっても、大変な脅威であろうと思っております。
 しかし今日の電電では、データ本部に従事している人が一万人近くということも聞いておりますし、今後の新電電の経営民営化に伴いまして、これは自主的に考えていただく問題ではなかろうかと思っております。私の強いて個人的な見解という形になって言わしていただければ、自主的な形で分離という形をとられるなら、それもまた結構なことであるなという気持ちでございます。
○鳥居委員 分離論というのは、十年前に出てきた議論でありまして、今日その亡霊みたいな形でまかり通っていることは、どうも解せない議論であります。
 そこで、電電公社の通信回線の端末でありますけれども、端末機器のあり方について今日までさまざまな議論がありました。
 それで、電話機のレンタルでずっとまいりまして、売り渡し試行というのを第一次、第二次、第三次と行ってまいりました。つまり趨勢からいって、ニーズからいって、レンタルというのは非常に弱点が多い。これだけ競争の激しい時代ですから、端末における競争、これも競争条件を整えなければならないという議論の中で、レンタルバックというのがまた大変なもので、未償却費が一兆円にも上るという、公社自身の財務を脅かす、そういうような実態になっているのが、このレンタル制度だろうと思うのです。例えば、標準型の電話機で償却期間が九年ですから、九年間レンタルを続けない限りにおいては償却ができない、こういう状況の中で新しい時代を迎えようとするわけです。
 それでまず、これまでありました保存引き受けの制度、これは六機を開放しない、そういう裏表の問題として、民間の端末を保守を引き受けるという、これは公衆法第百五条で規定されている。新法の中ではこの規定が消えてなくなるのですね。御存じですか。どういうことになるのでしょうか。要するに私契約で、株式会社として新電電が発足しますから、株式会社として今後端末機器の取り扱いをしていく上において、保守に関しても参入の端末機市場、こことの間で契約をしていく、こう受けとめてよろしいでしょうか。
○小山政府委員 これからの端末の考え方でございますが、従来のレンタルという名前で呼ばれているものも、これはかみ砕いて言いますと、機器のレンタルではなしにいわゆるサービス、役務の端末をそのときにおいて一括してお客様の方が買い上げているということでございます。したがいまして、ただいま先生の言われましたレンタルバックというようなものも、そういうことを前提としておりますから、公衆法を受けました公社法は、機器の販売ということは初めから考えてないわけでございます。
 しかしながら、今度の事業法は、機器というものを端末部分で一つ切りまして、これは電気通信役務ではなしに端末という一つの機器である、こういう観念をしておりますので、したがいまして、そういう観念からまいりますと、今までの公衆法にはあったといたしましても、今回は端末のいわゆる機器の修理ということになってくるわけでございます。
○鳥居委員 非常に重要な部分だと思うのです。端末機の故障があるいは回線の故障か、交換機の故障か、これはやはり回線を持つ者の責任という立場に立たざるを得ない。そういう意味において、保存引き受けの制度の後をどういうふうにつないでいくのか、これははっきりさせなければならないことだと思います。
 続きまして、工事担任者の配置の問題です。
 これは本来、ネットワークを守るために、一定の技術を持っている人に工事を担当してもらわなければならないという意味合いのものであったはずです。ですから、この端末機器の設置工事ができるのは、公社職員であっても経験が長い、短いがあるから、工事担任者の配置を民間と同様に試験によって配置しなければいけない、こうお考えのようでありますけれども、これはちょっとおかしいんじゃないですか。ネットワークをみずから壊していこうということはあり得ないわけでありますし、現行の制度をそのまま受けるとすれば、公社職員であればこの工事担任者試験は必要ない、こういうことになっていてよろしいのじゃないでしょうか。
○小山政府委員 工事担任者資格を必要とする理由は、先生御指摘のとおりに、ネットワーク保護の見地でございます。したがいまして、自営設備は利用者がその責任を持つということになるわけですが、片方、今御指摘ありました新電電の場合だろうと思います。この場合におきましては、新電電それ肉体において、その保護のための一定の教育を受けた方というのは当然、そういった意味で資格というものを認めていくというような方向で今後検討していきたいと思っております。
○鳥居委員 そうすると、第三者機関による試験というのがありますけれども、これはその経験を十分しんしゃくした上で、必ずしも受けなくてもいいと解釈していいですか。
○小山政府委員 おっしゃるとおりでございまして、例えば今の電気通信学園の専門コースを出ているとかそういった方は当然、その中においてあるものとしてみなすような形で今後運用していきたい、こう思っております。
○鳥居委員 終わります。
○志賀委員長 次に、永江一仁君。
○永江委員 この電電公社民営化に関する三法の審議もいよいよ大詰めを迎えておりまして、先任の議員の方と若干重複するかもしれませんが、民社党を代表する立場において御質問させていただきたいと思います。
 まず第一点は、この法の最も重要な観点は、民営化することによって、競争原理の導入と同時に公社の活性化、そしてその賃金、労働条件を初めとする当事者能力を持たせるという中で公社の活性化をしていこう、民営化していこう、このことが今回の法案の最も重要な視点であるというふうに思うわけでございます。
 そういう観点から、先般来の各党間のいろいろな交渉の中で、事業計画の認可に当たっては、収支計画及び資金計画は添付資料扱いにする、先ほども御答弁ございましたので、この点は改めて確認するわけでございますが、こういう点については我が党は評価するものでございます。
 同時に、添付資料という形の中で、この内容でございますけれども、その自主性を重んずるという観点からするならば、この添付資料扱いとすべき収支計画、資金計画の内容は、概要程度にすべきであるというふうに考えるわけでございますが、この点についてどうお考えになっておりますか。
○小山政府委員 先ほども御答弁申し上げたところでございますが、要するに、サービス計画とか建設計画というもの、そのサービスを受ける、直接利益を受ける利用者の方々の利益保護という立場でございますから、当然その裏づけとしての必要な程度のものでございます。例えば人件費幾ら、物件費幾らというようなことは必要ないと思っております。したがいまして当然、そういった建設計画とかサービス計画の裏づけになる添付資料でございますから、必然的にかなり概要的なものになろうかと思います。
○永江委員 次に、附帯業務につきまして、これを認可の対象から除外したということでございますけれども、間違いございませんか。
○小山政府委員 私ども政府案を提出している立場から申し上げますと、ただいま国会の方の各党の間でのお話というものは、まだ私ども確定的に聞いておりません。これは私ども現在、政府提出法案というものの原案において考えているところでございます。
 ただしかし問題は、附帯業務ということが新会社に、今回民営化の趣旨というものを考えますと、幅広い事業活動を行い得るように、それによって民間会社らしい活動というものをここに求めているものでございますから、当然そういった意味におきまして、幅広い事業活動を認めていくべきであろう、こう思っております。
○永江委員 ただ、この話の中に、附帯業務に関する必要事項を今後省令で定めるという方向が出ておるわけでございますが、今局長が御答弁になったように、会社の自主性を尊重し、その活動の幅を持たせるという観点から、今後そういった省令の制定の中では、弾力的な配慮をすべきであるというふうに思うわけでございますが、その点、いかがでございますか。
○小山政府委員 基本的にそのとおりでございますが、問題は、どのような形になるにせよ、附帯業務というものと本来業務というものの間に一つの会計的な区分けというものはきちっとしていただいて、公共料金でありますところの通信費の方から、附帯業務の方の援助をすることがないようにというだけの話でございまして、それ以外のことは私ども、初めから求めるべきではないと思っております。
○永江委員 次に、第三点の料金認可の問題でございますが、先ほどもちょっと出ておりましたけれども、レンタル料というものがなかなか理解しにくい点もあるのでございます。こういった中で、ホームテレホンとかビジネスホンというものの扱いはどういうふうになるのか、こういうことについては、できるだけ自由にすべき点があるのじゃないかというふうに思うのでございますけれども、御見解をお聞きしておきたいと思います。
○小山政府委員 先ほども若干申し上げましたけれども、ホームテレホン、ビジネスホンというものも、それ自体が役務の提供の一環としてとらえられた場合におきましては、これは役務の提供ということで料金認可ということになります。
 ただしかし、これはいろいろなことを考えますと、もう一つは、端末というのは売り切りができるわけでございます。そういたしますならば、レンタルというような形のことにつきましては、まだ私、個人的な見解でございますけれども、いろいろ分割した売り渡し方だってあるわけでございます。それからリースというのもあります。したがいまして、端末機の売却の方法をいろいろ工夫するならば、この認可というものとは関係なくなるわけでございます。
○永江委員 おっしゃるように、これは非常にいろいろなケースがあるということでございますけれども、できるだけそういう点についての自由というものを、ぜひ配慮していただきたいというふうに私としては申し上げておきたいと思います。
 ところで、時間も余りございませんので、せっかくでございますから、大臣にお尋ねをするわけでございます。
 何と申しましてもこの法律の基本は、当事者能力を持たせるという観点で、先ほども局長から御答弁いただいておるわけでございますが、今後の新会社に対する労使の自主的な立場あるいは人事介入、こういうことはできるだけ行政の介入を排除するというところに、最も今回の法案の趣旨があると我々は理解しておるわけでございまして、最後に、その点についての大臣の御見解をお聞きいたしたいと思います。
○奥田国務大臣 当事者能力を十分発揮していただいて、経営責任も明確にしていただく、そういった形で、行政介入はできるだけ控えるという形の基本姿勢で臨むことは当然でございます。また、たびたび御指摘もございましたけれども、経営の根幹である労使間の賃金の問題等々は、自主的な経営責任のもとにおいて、労使の円満な形の中で決定さるべきであり、そういった形にも政府は関与しないということも明言いたしておるところでございます。
○永江委員 終わります。
○志賀委員長 次に、佐藤祐弘君。
○佐藤(祐)委員 最初に、共産党の質問時間はあと一時間半、これは合意されておったわけであります。これとても十分ではないと私は思っておったわけですが、それが共産党を除く会派の間で修正の話が進められたということから、不当にも十分間に制限されたこと、この委員会の場で強く抗議の意思を表明しておきたいと思います。
 電電法案には、まだ究明されなければならない問題点がたくさん残っております。国民の財産である電電公社を民営化する、財界、大企業の手に渡すとか、公共性が企業性の犠牲にされる、そういった問題があります。
 きょうは、特に通信主権の問題、またニューメディアとプライバシー保護の問題、さらには、VANの発展に伴って進むであろう大企業による産業再編成、それから中小企業を守る問題等々、突っ込んだ質疑をしたいと考えて、これだけたくさん用意をしてきたが、まことに遺憾ながら、外資の参入と通信主権の問題に絞ってお尋ねをするということになりました。
 大臣にお聞きをしたいわけです。
 まず、電気通信事業は、国民にとっても国家にとっても極めて重要な神経系統であるということが、当委員会でも繰り返し討議をされてきました。この枢要な分野に外資、外国企業の参入を認めるということ自体、国の主権の侵害を許す重大問題であると我が党は考えております。
 事実郵政省も当初、第二種についても、国家の安全保障という面からも外資規制が必要だという考えを持っておられた。ことしの二月に私が説明を受けた段階でも、そういう説明でありました。それがどうして変わったのか、その点をまずお聞きをしたいと思います。
○奥田国務大臣 通信主権の問題、国の神経系統に当たる重要な基幹分野であるという認識においては、先生と全く変わりないわけでございます。したがって、この一種事業に関しましては、厳しい外資規制の枠の中で、こういった一種事業に対する外資の規制というものを厳しく条件づけておることも事実でございます。
 ただ二種の事業は、これからの新しい情報化の技術の進展に対応してもちろん、VANを中心としていろいろビデオテックスとかファクシミリとか多彩なメディアの利用を国民に、きめの細かい形でサービスを提供しようという分野でございます。しかしながら先生の御指摘のように当初、原則自由としながらも、緩やかな外資規制を考えたことは事実でございます。このことは、ある特定外国資本に、巨大資本、巨大技術によって一社独占というような、日本のそういった二種事業が席巻されるという危惧の念を抱いておったわけでございます。
 しかし、その後の調査のいろいろな結果を踏まえまして、我が国の技術もそれに十分対応し得るという考え方に達しまして、内外無差別という形の開放という形をとったわけでございます。したがいまして先生の御指摘のとおり、通信事業は、あくまでも国の安全保障にも関する重要な国の神経系統に属する基幹産業であるという認識の点においては、今日もいささかも変わっておらないわけでございます。
○佐藤(祐)委員 認識が変わっていないと言われながら、外資の参入を許す、これは私は明らかに矛盾だと思う。
 そして、第二種が第一種よりもうんと軽いものだということではないわけです。第二種については、大臣自身の発言でもありましたが、言うならば新幹線だ、在来線に対する新幹線、ハイウエーだというような見方もあります。事実、今後いろいろ発展していく中では恐らく、産業内、産業間、そういうものを結ぶ主要な通信になるだろう。そういう意味では、公共性はますます高くなるというふうに私たちは考えております。
 そして、今のような御答弁にもかかわらず、もう一つ我々が見る必要があると思っておりますのは、この郵政省原案が変わっていく過程、これと並行してといいますか、絡む形で、アメリカ政府からの要求が相次ぎました。これは大臣御承知のとおりです。
 例えば一月七日、オルマー商務次官がホノルルで演説し、米政府は、改正法案、これは日本の電電法案のことでありますが、改正法案に外国企業の参入を制限するような条項が盛り込まれるのではないかと懸念している、この種の制限は、外国企業にとって新たな貿易障壁になる、時間がありませんので紹介はできませんが、以下、いろいろ繰り返し対日要請がなされております。結局、そういうアメリカの強い対日要求に、郵政省並びに日本政府がその圧力に屈したのではないか。その点、私は非常に大問題だというふうに思うわけですが、いかがですか。
○奥田国務大臣 先生御指摘がありましたように、オルマーさんも来日の折、私も直接お会いをいたしました。また、マンスフィールド駐日大使も、この電気通信事業の問題について、わざわざ省までおいでになりました。また、ブロック通商代表からは書簡もいただいたことは事実でございます。
 その際に明らかにいたしておりましたことは、あくまでも通信政策は、我が国の通信主権に基づいて自主的に決定なさるべきものである、あなた方の御要望は一つの期待表明として受け取ります、という形ではっきりと、通信担当の大臣としては、自主性をこれらの方々にもはっきりと訴えておったことは事実でございます。
 したがって、いろいろな日米間でのそういった形の交渉と申しますか、そういった応対をした動きがあったことは事実ではございますけれども、私たちは国の通信を預かる立場として、自主性、独立性をいささかも損なわず、アメリカ側からの要望は一応期待表明であったという形で受け取った次第でございます。
○佐藤(祐)委員 昨日の連合審査会での大臣答弁でもありましたが、西ヨーロッパ、ドイツにしてもフランスにしても、アメリカの要求を受け入れていない。その意味では、日本だけが例外的だとおっしゃっているわけです。それについて、先導的な方向に行っているのだという説明でありましたが、私は、これはどうも言いわけではないかというふうに思うわけです。
 アメリカの自由化要求のねらいが何であるか、それは大事な問題だろう。現在、世界で自由化を要求しているのはアメリカだけてあります。そして、みずから自由化を一九八〇年に決定したその意図は、自分たちは優越的な力を持っている、だからアメリカが他国にいろいろ参入されるおそれはない、自国を自由化することによって他国に自由化を求めていく、それがアメリカのねらいであることは明らかであります。
 例えば、フランスのル・モンド紙などでも、そういうことが非常に明快に特集で指摘をされております。私はその点、もう時間が余りありませんので突っ込んでいきませんが、客観的にはそういうことであろうということを指摘をしたいわけであります。
 もう一点、大事な問題でお聞きしたいのは、そういうように日本のとにかく重要な通信分野に外国企業がどっかりと腰をおろす、このこと自体が大問題だと思うわけでありますが、もう一つは、IBMとかATTがやろうとしておりますVANですが、VANというのはその性質からいって、ネットを使ういろいろな企業とか業者、そういうもののさまざまな情報、企業の秘密といいますか、そういうものがすべて、VAN業者が握ろうと思えば握れる、そういうふうに私は聞いております。
 先日真藤総裁も御答弁の中で、そのような意味合いのことをおっしゃったというふうに承知しているわけであります。そうしますと、IBM、ATTが日本の産業界などの情報を握ることができる、これ自体が大問題だと一つは思います。
 同時に、これがアメリカに、あるいはほかにも流れていく危険性があるというふうに私は考えるわけです。現に数年前、南米で同じようにアメリカへ流れたということが起きまして、大問題になったこともあります。こういう点についてはどういうようにお考えか、非常に大事な問題だと思いますので、大臣にお聞きをしたいと思います。
○奥田国務大臣 確かにVANのシステム、とりわけ不特定多数で全国ネットを有するような形の大型のVAN事業者、それが外国企業であれ日本の企業であれ、情報がのぞき見きれるという形は、技術的には可能であろうかと思います。しかし、通信一種であれ二種であれ、そういった形で企業の機密あるいはプライバシーの問題等々をもしも盗み取りし、のぞき見をしていくという形がありますれば、これらの点はまことに重大でございます。 そういった形がもしあれば、我が国はこれを憲法でも保障していると同時に、通信事業全般にかけて厳しくそういった法的に明定しておるわけでございますし、そういった形になれば大変なことでございますし、そういった意味からいっても、二種事業は内外無差別の原則をとっておりますけれども、そういった一定の資格、一定の技術責任というものを、特に影響の多い大型VANに対しては明定しておるところでございます。
 できるだけ、万が一にもそういった先生の御懸念になっているような形にならないように、そういった点は重要な一つの形として基本的に受けとめてまいりたいと思っております。そういうことのないように、行政的に万全を期していきたいということでございます。
○佐藤(祐)委員 時間が参りました。最後に、この電電民営化並びにそういう電気通信分野の民間参入、これは非常に大きな問題を残しておるということ、そして、このまま成立するならば悔いを千載に残すものであるということを指摘して、質問を終わります。
○志賀委員長 この際、竹下大蔵大臣より発言を求められておりますので、これを許します。
○竹下国務大臣 「新電電の株式売却収入の使途についての政府の見解」、これを読み上げます。
 一、今回の電電公社の民営化は、将来の高度情報社会に向けて、事業の公共性に留意しつつ、民間活力を導入し、事業経営の一層の活性化を図ることを目的としている。
 この趣旨から見れば、政府がいつまでも全株式を保有するのは望ましくないので、政府としても漸次株式売却を行いたいと考えている。
 二、株式売却収入の使途については、種々議論があることは承知しているが、いずれにしても国民共有の資産であることに鑑み、国益にかなうよう、今後、予算編成の過程を通じ、政府部内において慎重に検討してまいりたい。
 いやしくも国民に疑惑を抱かせることは断じて許されないので、政府としても厳正かつ公正に対処する所存である。正確を期するために読ましていただきました。
○志賀委員長 質疑を続行いたします。阿部未喜男君。
○阿部(未)委員 今大蔵大臣はいみじくも、国民共有の財産であると、そういう認識に政府が統一見解として立っておられるようでございます。
 言うまでもなく、今日の日本電電公社の財産は、これは国民が出し合った財産であって政府のものでないことは、今大臣がおっしゃったとおりでございます。今回のこの日本電電株式会社の法案の中には、電電公社がすべての財産を出資して、おおむね一兆円の株式を取得する、その一兆円の株式を政府が無償で譲渡を受ける、こういう内容になっておるわけでございますから、したがって、国民共有の財産であるこの株式がどういう目的に使われるのだろうか、どういうふうに運営されるのだろうかということについて、国民は非常に注目をしておるところでございます。
 先般来、大蔵省からの御出席もいただきまして、当委員会の審査を進めましたけれども、その点について何ら明確な使途が示されておりません。したがって私は、この膨大な国民共有の財産を今後一体どういうふうにお使いになろうと考えておるのか、その点をお伺いしたいと思います。
○竹下国務大臣 阿部委員の御質疑の内容は、私も同じように理解をいたしております。まずそれが大前提でございます。
 今財政当局として申し上げますならば、いわば今度は財政法上、一般会計に帰属するという趣旨のものでありますだけに、これにつきましては、いわばその都度、国政全般について、これを広い角度から検討してその方向は決めるべきものであろうということが、私どもとして申しますならば、原則的なお答えになろうかと思っております。
○阿部(未)委員 国民共有の財産であるという認識に立つならば、その使い方につきましては当然、国会等で議論をしてお決めを願う、そう理解をしていいわけでございますか。
○竹下国務大臣 これは何分にも予算によって国会の議決を得なければ売却そのものができないわけでございますから、当然のこととして国会における議論等は、その国民共有の財産たるものを国民全体のために使う場合、重大なるポイントになろうかと考えております。
○阿部(未)委員 続いて質問をいたしますが、いわゆる新電電会社は、責務としていろいろな研究開発等が義務づけられております。研究開発というようなものは、それ自体は決して収入を伴うものではありませんけれども、新会社にはその責務があるわけでございますから、例えば、この株式の中から基金というようなものをつくって、この開発等に充当できるような準備をしておくというようなことも一方法と考えられますが、そういう御検討をなさる用意がございましょうか。
○竹下国務大臣 この基金構想という中身を判然と私も整理しておるわけではございませんが、そうなると、財政法上の建前からいえばいわば特定財源、こういうことになり得る可能性もあろうかと思うのであります。
 そういたしますと、今まで申し上げました私どもの筋から言いますと、今日のいわば行財政改革に当たって、そうした特定財源を伴うような基金等の創設は好ましくない、こういう指摘を今日までいただいておりますので、その立場からお答えするならば、基金を創設するということは今日、私どもとしては検討をしたという実績はございません。
○阿部(未)委員 もちろん検討をした実績があるかということを聞いておるのではなくて、そのお金の性格から考えて、そういうものが当然考えられていいのではないか、検討してみる御用意がありましょうか、こう伺っておるわけでございます。
○竹下国務大臣 基金というものについては今は考えておりませんとお答えするのが、正確であろうかと思いますが、ただ、先ほどの論理から申しますと、国会等の議論の経緯等を踏まえなければ、当然のこととしてこれが使途というものについては、国政全般の中にどのように位置づけるかということはできないわけでございますので、その意味における先生の御提言というものは、私どもも念頭に置くべきものであるというふうに理解をいたします。
○阿部(未)委員 これは大臣、大臣は専門家ですからお伺いしますが、大体プレミアムといいますか、そういうものがついてどのくらいぐらいになると考えられますか。
○竹下国務大臣 これは専門家とおっしゃいましたが、非専門家の相当な方でございまして、そういうことを軽々に予測すべきものではなかろうかとも思っておりますが、ただ先生、これは政府保有のものを市場に出すわけですが、そうすると今の例で考えてみますと、新株を市場で調達すると同じような形式になる。
 そうなりますと、昭和五十六年でございましたか、約一兆八千億ぐらいがこの市場のキャパシティーでございます。五十八年は八千億ぐらいでございましたか、そういう日本全体の資本調達市場のキャパシティー等のこともございますし、恐らく国会で御議決をいただいて限度額も決まるわけでございますから、今そのプレミアムを論ずるには余りにも私の知識は貧困でございます。
○阿部(未)委員 大変、大変謙遜されたお言葉でございますけれども、仮に大蔵大臣、プレミアムがどうなるかという問題は将来の課題としても、おおむね一兆円の株式になることはこれは間違いがない、今日までの議論の経過で。一〇%の配当がありましても、年間一千億の配当はあることは間違いありません。こういう膨大な金が入ってくるわけでございますから、これは早くどういうふうに国民に還元していくか、そのことを考えてもらわなければならないので、そういうことについてはどうお考えでしょうか。
○竹下国務大臣 一兆円ということが、恐らくいわば一兆円程度とでも申しましょうか、あるいは上限と申しましょうか、どういう表現で議論なされたか正確には存じておりませんが、そういうものを仮に念頭に置きました場合、これは配当もまた、一割配当というのを今の段階から固定する議論も、あるいは冒険かと思いますけれども、ただ現実問題として、これから会社ができて、それから正確には資本の内容もきちんと決まるでございましょうし、そういう仮定の状態に今日まだあるわけですね、法律を通していただいたわけでもございませんし。その際、所管ならざる国務大臣が軽々に論ずることは、むしろ国会の審議に対して非礼になるではないか、こういう感じでございます。
○阿部(未)委員 私は一例として申し上げたんですが、一〇%の配当があったとしても一千億入ってくることは、これは算術計算で明らかなわけでございますから、それだけ膨大な金が入ってくることが明らかになっておるにもかかわらず、これを国民にどんなふうに使いますということを明確にしないまま、法律だけを通せということに無理があるのではないか、こういう気がするのですが、この点は大臣、どうですか。どうも大臣、この法律が通らない方を期待しておるわけですか、今のお言葉では。
○竹下国務大臣 いや、ありがたいことだと思っておりますのは、普通例えば、予算を御審議いただいておる、そのわずか前に、仮にその使途とか、なかんずく箇所づけ等が外へ漏れますと、国会軽視もはなはだしい、こういってストップするというのが長年の慣例のように私は知っております。したがって、これが通ったらどうするかという前提で御質問いただくということは、私も内閣一体の責任の中の閣僚としてありがたいことだな、こういうふうに感ずるわけでございます。
 しかしながら問題はあくまでも、一般会計ということになりますと、それはやはり国全体というものの中でその都度、予算の単年度主義の中で決定していくべきものでございますので、それを特定して、私ども単なる予算編成の調整権のあるだけの大蔵大臣がそのようなことを予見するのは、むしろ私の分を越したことではないかというふうに考えております。
○阿部(未)委員 それはいわゆるさっきおっしゃった国民共有の財産を召し上げるに当たっては、まことに不見識な御意見ではないかと私は思いますね。こんなふうに使いたいのだからというのがあって初めて成り立つのであって、取るだけはとにかく取りましょう、法案の内容はそうなっておるのです。取るだけは取りましょう。後をどうするか、取った後で考えましょう、こういうお話に今の大臣の御答弁はなるわけですけれども、これでは国民は納得できない。
 ただ、きょうはもう時間もありませんから、これは仮に成立したとすれば、来年の四月からになる予定のようでございます。その間まだ時間がありますから、ゆっくり議論をさせてもらいますが、少なくとも来年の四月までには、もし使う場合にはこういう形でこうしたいということだけは明確にしておいてもらいたいと思います。しかも、新しい会社はまだたくさんの負債も抱えております。その負債についても、やはり配慮しておいてもらわなければならない課題だと考えます。
 それからもう一つ、大蔵省というのは大臣、あなたが大臣で気の毒ですけれども、取ることは非常によく取るが、後は、取るのは上手だが、使うときに人に相談せぬで使う傾向が非常に強いようでございます。これは今申し上げましたように、研究開発等の課題も残されておるし、しかもこれは国民共有の財産でございますから、この株の放出とか運用とかいろいろな問題については、この会社の監督官庁である郵政省と十分に連絡をとり、協議をしながらその取り扱いを取り運んでもらいたい、こういう期待を持っておるが、この点、どうでございましょうか。
○竹下国務大臣 最終段階のところで阿部さんおっしゃったのは、私どももそのとおりであると思っております。
 ただ、召し上げることが上手だとおっしゃいましたが、そうではなくて、お願いいたしましてお聞き届けいただいて、国会の御協賛をいただいていつもいただいておる、こういうことでございます。
○阿部(未)委員 じゃ、最後に一言だけ大臣に申し上げておきますが、反論するわけじゃありませんけれども、当初、財政が苦しいから電電公社から千二百億ずつ四年間、そのときこの委員会で大蔵省が約束したことは、今回限りの特別な措置でございます、今後絶対にございませんと言った舌の根が乾かないうちに、今度はまた二千億上積みして召し上げておるのです。ですから私は、召し上げるのが上手だ、こう申し上げたのですけれども、後段について御了解がいただければ、私の質問を終わります。
○志賀委員長 次に、佐藤観樹君。
○佐藤(観)委員 私は前回の委員会で、いやしくも国民の共有財産と言われる電電公社の資産というものを、途中は除きますけれども、政府の保有株として売却をする限りは、民営化するに当たって、いやしくも利権が発生をしないように、それから、一部の勢力によってこれが独占をされて支配をされることがないように、そして、新しく発足をしますこの新電電の経営というものが安定をして、雇用も安定をし、そして高度情報化社会の中で中心的な役割をこの新電電が果たす、そのための制度的なあるいは行政的な手段というものをつくっておかなければならぬという趣旨から、お伺いをしたわけでございますが、残念ながらきょうこの時点で、あと数時間後に当委員会をこの法案が通るでありましょうけれども、民営化の一つの側面でございます株の売却について、一体いつからこれが初まるのか、やろうとしているのかということについては、いまだにはっきりしないわけでございます。
 本来でしたら、竹下大蔵大臣と一問一答をやりたいのでございますが、時間がありませんので私、まとめて質問させていただきますので、まとめて御答弁をいただきたいと思うのであります。
 大臣の今の御答弁の中にも、いつまでも全株式を持っていることは好ましくない、漸次株式を売却していきたいのだということを言っておられるわけでございますが、一体それでは六十年度にやるのですか、六十一年度なんですかということすらはっきりしないわけでございます。
 大臣御存じのように、通常のルールでいけば、これは国民の皆さん方に買ってもらうことでございましょうから、その資産の内容について当然のことながら、ディスクロージャーをして、一般商法にのっとった財務諸表というものを国民の皆さん方に見せて、そしてこういう内容でございますから買ってくださいというのが、これが一般通常のルールであることは大臣、御承知のとおりでございます。
 しかし、今まで電電公社という形であったがゆえに、一般商法上の貸借対照表なり損益計算薄というものはできません、できておらないわけでございます。しからば一体、これを通常のルールにのっとって、二年間はひとつ財務諸表が商法上のものができるまで株は公開をしませんというルートをとるのか、あるいは、これは上場しようと思いますれば、上場基準からいって、会社設立後五年間は上場できないわけでございますから、流通ができないということになりますので、それじゃ五年間待つのかということにもなってきましょうし、私は、これは会社の性格からいって、特殊的な性格を持ったところでございますから、必ずしも絶対的にそのルートを通らなければならぬとは思いませんが、しかし最低限のディスクロージャー、財務諸表の公開ということはしないでこれだけ膨大な株を国民に買ってくださいということも、これもまたおかしいのではないだろうかと思うわけでございます。
 しかも、民営化によるコストの増がどれだけになるか、これも実はもう少し詰めたかったわけでございますけれども、法人税を初めとする国税、地方税等々でざっと二千億、それから雇用保険や労災保険、こういったもので約百七十五億、それから道路占用料で約三百億、そのほか減価償却が一般税法上でどうなってくるのかというような違い等があり、退職給与引当金があり、あるいは非独占的な経費、今までは独占だったがゆえに要らなかったけれども、独占でなくなった場合に必要な経費等々を勘案をしてみますと、一体その財務諸表というのがどうなっていくのかということについて、私は大変疑問が出てくるわけでございます。
 一体それを、従来の公社が発表しておりました貸借対照表なり損益計算書というものをもう一回もとから洗ってみて、それをできる限り商法に近い形に税金まで全部出して、減価償却も税法にのっとったものに書きかえて、そして財務諸表を出して、国民の皆さん、こういう内容でございます、ただしこれは完全に商法にのっとっておりませんけれども、かなり近いものですから、これを信用して買ってください、こういうやり方をやるのか、それとも冒頭申し上げましたように、従来最も基本的なあり方であるところの、商法にのっとって財務諸表ができるまでこれは売却をしないという方針なのか、そのプロセスについてひとつお伺いをしていきたいと思うのであります。
 もう一つは、利権に結びつかない方法、担保措置の問題でございます。今阿部委員からも御指摘がございましたけれども、どのくらいのプレミアムがつくのかわかりませんが、大体資本金が一兆円だと言われている、そして純資産が四兆三千億円だと言われておれば、最低限これは四倍以上のプレミアムがつくであろうということは、大体これは常識的にわかるわけでございまして、細かく専門家にはじかして、類似会社比準方式なりあるいは公開価格算定方式なりいろいろな算定の仕方がございますけれども、そのことは今おきましても、ざっと四倍のプレミアムがつくであろうということが一応考えられる、大変膨大な金額になるわけでございます。
 それに恐らく、当然これはどこかのシンジケート団にまとめて売り渡すというようなことにならぬのでありましょう。私は当然、一般公募をなさるのだと思うわけでございます。そういうときに、何らかの形での利権が発生するようなことがあってはならぬと思いますが、その手はずというのは一体どうしていくのか。
 それから、細かい話でございますが、これは精神の問題として、新商法では一株五万円という額面に新しくなっているわけでございます。四倍のプレミアムということは二十万円の価値になるわけであります。一株二十万円というのは、いかにも金額として大き過ぎるのではないか。これはやはり阿部委員からも御指摘があったように、いわば加入者やあるいは債券を買った人が築き上げてまいりました資産でできた財産でございますから、あまねく広く国民大衆がこの株を持ってもらえるという方式というのを考えるということが当然なのではないだろうか。そのためには、細かいことのようでございますけれども、これを五万円等の額面にするのではなくて、無額面株にして、あまねく広く国民大衆の皆さん方が買いたいという方については買ってもらえるような、そういうやり方というのを当然考えるべきじゃないかと私は思うのであります。
 あわせて、だれかに独占的にこの株を持って支配をされるということをなくするために、少数株主権の三%条項というのを発効させて、だれかがこれを独占をする、どこかの法人がこれに支配権を持つというようなことがあってはならぬ、そういうことを定款の中で定めるべきだとも思うのであります。
 最後になりますけれども、株式会社になれば安定株主工作ということを考えるのは、企業経営者の当然やらなければいかぬことでございますから、その意味からいいまして、まあ金融機関もございましょうし、あるいはユーザーとしての事業会社なりあるいは生産会社もありましょうし、そういった方々に、大変大規模なものでございますから、持ってもらうということも当然考えることになると思いますけれども、もう一つ、この際忘れてはならぬということは、やはり従業員の方々にもこの株を持ってもらうということを、積極的にやるべきではないかと私は思っているわけでございます。
 今社員持ち株制度というのが大変発達をしておりますし、これは従業員の資産形成という意味だけではなくて、社員のモラル向上とか、あるいは福利厚生対策等々という面からいっても、今後の新電電が経営的にも安定をしていくという立場からいっても、私は非常に重要な要素ではないかと思っているわけでございます。
 たくさんの問題について御質問を申し上げましたけれども、お答えをいただける点についてはお答えをいただき、阿部さんは来年四月一日だと言いましたけれども、予算等の関係もありましょうし、冒頭の問題もございますので、でき得る限り今申し上げましたような問題についてお答えをいただき、本来、こういった基本的なことが何ら明らかにならないで法案が通るということは、私は極めて遺憾だとは思いつつも、いろいろな政治情勢がございますから、そのことについてはきょうは厳しく追及をいたしませんけれども、答え得る点につきましてお答えをいただき、かつ、残された問題につきましては、次の予算委員会の中でも御答弁ができるように、ひとつ大蔵省として準備をしていただくということを申し添えて、私の質問といたします。
○竹下国務大臣 今佐藤委員、いわゆる専門的な立場からの御意見を交えた御質問でございますが、窮屈なことを申しますならば、電電株式会社の株式に係る事項は、御審議いただいておる法律案に基づきますところの設立委員によって検討されるということでございますので、今の段階で私から申し上げるものは具体的にはございません。
 ただ御説になりました、いわばこの利権が生じてはならないとか、そうした問題は厳正に対処しなければなりませんし、また、最後に御質問になりました、私が国会へ出てからもたしか日本合成ゴムか何かのときにそういう議論があったと思うのでありますが、そういうことは、今の議論等も踏まえながら、十分検討すべき課題であると思っております。
 ただ、いわゆる商法上の財務諸表の問題は、いささか専門的過ぎますので、証券局長の方からお答えした方が正確であると思います。
○佐藤(徹)政府委員 若干手続的な問題ですので、補足させていただきますが、証取法上、同法が定めます売り出しに該当する場合には、有価証券届出書を提出することになっております。売り出しに該当する場合というのは、不特定多数の者に対して均一の条件で売却をする、簡単に言いますとそういう場合でございますが、その有価証券届出書の中の記載事項の一つとして経理の状況というのがございまして、経理の状況として先生御指摘のように、直近二事業年度の財務諸表を記載するということに原則としてなっております。
 原則としてと申し上げましたのは、会社を新たに設立いたします場合に、公募の方法で設立するケースがございます。この場合は、財務諸表がございませんので、財務諸表を添付をしないで有価証券届出書の提出をするという扱いを認めておりますので、そういう意味で原則としてと申し上げたわけでございます。これが一般的な取り扱いでございます。
○佐藤(観)委員 時間ですから終わりますが、大臣、最後に一言だけお伺いしたいのです。
 要するに六十年、来年の四月一日から会社が発足するわけですけれども、六十年度には政府持ち株の売却はしない、こういうことなんですか、それもまた何も決めてないということですか。
○竹下国務大臣 厳密に言えば、やはりそれも今後の検討事項というお答えをせざるを得ないのじゃないかと思います。
○佐藤(観)委員 終わります。
○志賀委員長 次に、小谷輝二君。
○小谷委員 このたび公社が新しく新電電という株式会社に変わるわけでございまして、新電電は株を公社に渡し、幾らかわかりませんが、そうして公社は解散する、その株はそのまま普通財産として大蔵省に帰属し、大蔵菊が扱われることになる、このように承知しておるわけでございますが、大蔵省が法律で三分の一以上保有する、このように決められた根拠、まずその理由はどういうわけですか。
○小山政府委員 この三分の一と申しますのは、安定株主として政府が支配し、特殊決議などというものによりまして定款の変更などというものが――その間、政府によっていつも安定的に株主として経営していくということを目指したものでございます。
○小谷委員 これは政府が持つということの根底には、公共性、公益性を担保する、こういうことが当然うたわれておると思います。この点はどうですか、大臣。
○竹下国務大臣 これはやはり所管省からお答えすべき問題だと思いますが、公益性、公共性、それはそのとおりだと思います。
○小谷委員 大蔵大臣は御存じでないかもわかりませんが、公共性、公益性につきましては、今回法律改正で、電気通信事業第一種事業で国際電電もあるわけでございます。これは最も公益性、公共性の強い第一種事業でございますけれども、これは政府は株を持っていません。この点について、現在公社がおおむね十分の一保有している、このように承知しておるわけですが、これは政府が保有するという考え方はあるのですか。
○小山政府委員 ただいま御質問いただきましたKDDの関係でございますが、ただいま確かに十分の一を電電公社が所有しておりますが、それ以上に政府が所有するというようなことは考えていないところでございます。
○小谷委員 では、せっかく大臣お見えになっておるのですから……。
 電気通信事業の育成につきましては、これは電気通信審議会がことしの一月に「二十一世紀に至る電気通信の長期構想」というのを発表いたしまして、その中に、高度化のための長期指針というものを策定すべきである、このように策定を求めておりまして、特にその中で、重点的に対策を講ずる事項として、将来社会への先行投資として、光関係技術等の先端技術分野に対する開発、これは巨額な資金を必要とする。そうしてさらに、衛星通信の利用の促進、これとて大規模な国家資金の投下が必要である。そのほか、衛星通信サービスの助成とか、またデータベースの構築の助成とか、こういうかなり莫大な資金を必要とする。新たな二十一世紀に向かう電気通信事業、公正な競争原理を導入して活性化を図っていくには必要である、このように述べておるわけでございますが、この点についての資金の手当て等については考え方がおありでしょうか。
○竹下国務大臣 これも率直に申しますと、今財政当局の私からお答えする立場にはないではないかと思っております。所管省がございまして、それの要求等がありまして、広く国全体の立場に立って予算の調整をする立場にありますので、やはり主張そのものは所管省のお答えの方がより正確ではなかろうか。ただ私ども、国会でこのようにして熱心に行われております議論には、絶えず耳を傾けなければならぬという抽象的なお答えが、やはり大蔵大臣の限界ではなかろうかと思います。
○小谷委員 郵政大臣も、本会議の質問の中のこの長期指針のことにつきましては、国がこの長期指針をできるだけ早い時期に制定をしたい、このように答弁をされておるわけでございます、改めてお伺いはいたしませんが。
 そこで、私が申し上げたいのは、この株の売却益は、先ほど大蔵大臣からの統一見解がありましたように、国民の長い間積み重ねてきた資産でもあり財産でもございますから、したがって、電気通信事業を通して、そうして国民に広く還元すべきではないか、それがこの資金の使途としては、性格から見ましても当然ではなかろうか、このように思うわけでございます。
 それにしても今日、国の財政事情、また来年度予算につきましても、ゼロシーリングと言われるような状況の中で、いよいよ来年の四月一日から新たな民営化の競争が始まってまいりますし、それに伴ってこのような研究開発投資というのは直ちに始まってくる、こういう状況にあるわけでございます。
 したがって、これらの株の売却益は、大蔵省はさきに、そのような資金は基金としてはつくる考え方はないという考え方でございますが、一部でも特別会計というものをつくって、そのような目的に合致したこういう資金の使途の目的として使用するような方法を考えるべきではないか、このように思うわけでございますが、この点はいかがですか。
○竹下国務大臣 まさに国民共有の資産でございます。それだけにそれはその都度都度、国益にかなうような国全体の施策の中で、慎重に検討をされて決められるべきものでございますだけに、いわゆるこれを特定財源という意識の上に立って財政当局者がお答えをするというのは、適切ではないではなかろうか。ただ小谷さんの、これこそまさに国益にかなう国民全体に対するあるべき姿であるという意見は意見として私どもは承るというのが、財政当局のお答えの限界ではなかろうかなと、こういうふうに考えます。
○小谷委員 終わります。
○志賀委員長 次に、鈴木強君。
○鈴木(強)委員 総理大臣、連日の御健闘を心から感謝申し上げます。
 私は、去る五月十日本会議におきまして、この三法案について総理にも質疑をいたしたのでございますが、日来、きょうまで慎重に審議を進めてまいりました。その結果、どうしても総理大臣にもう一度御質問を申し上げておかなければならないことがございますので、時間の関係上で数点に絞ってお伺いをいたします。
 その第一は、電気通信事業の公共性確保についてでございます。法案全体の審議を通じて私は特に痛感をいたしたことでございますが、電気通信事業に対する公共性が余りにも軽視されております。一面では、企業の活性化とか、あるいは効率化が優先的に打ち出されているものと判断せざるを得ません。
 政府は、電電事業を民営化しようとしていますが、これまでの電電事業の国民に対する重要な公共的役割と今後の高度情報化社会へ向けての基盤的役割が軽視されていると考えます。総理は、将来にわたっても電気通信事業が国民生活に極めて不可欠なサービスであり、安価で、良質なサービスを提供すべきものであり、競争原理導入によって公益性をどう維持していくのか、ここが非常に問題な点だと思いますが、どうしてもよくわかりませんので、総理から明快なお答えをいただきたいと存じます。
○中曽根内閣総理大臣 今回の改正は、いわゆる高度情報化時代の戸口に立ちまして、日本の電気通信体系、制度に根本的な再検討を行い、将来に向かって日本の電気通信事業体系というものを発展させるために行っているものであり、同時に、国民の利便等も考えて行っているものであると考えます。
 一面において、今回の改正は、いわゆる公社を改革することによって民間的手法を導入する、そして経営責任体制、自主決定という方向に大きく前進させる、それと同時に、また一面公共性を確保する、両面の調和点をとらえてやっているものと考えております。
 公共性の確保につきましては、一種の事業につきましては、役務の提供義務であるとか、あるいは株式の保有について政府保有というものをある限度を示して義務づけているとか、あるいはもとより検閲の禁止、あるいは秘密の保護等についてもしかるべき責任体制をとらしておる、こういう点におきまして、あるいは大地震とかそういう非常事態が起きた場合につきましてもいろいろな措置を講ぜられるようにしてある、こういう点においても公共性というものは確保されておると思っております。
○鈴木(強)委員 今日まで百十四年の歴史を持つこの事業が公衆電気通信役務として位置づけられ、極めて低廉な、そしてしかも安全で確実な伝達をするという使命を帯びてきておるわけでございます。
 今回の法案を見ますと、公衆電気通信というその公衆がすべて消えておるわけでございます。これから高度情報化社会に向けてVAN事業というものがどんどんと発展してまいるでありましょう。私たちはそのことについては理解できますので、VAN事業をやることについては賛成です。しかし、一番大事な第一種、そして公共性の強いこの事業というものが会社移行によって途端にその比重を軽くしてしまった。何かもうけ主義的な方向に進んでいくのではないかというふうに非常に懸念をするわけです。ですから、その点について総理として、今後この電気通信事業というものの公共性については、責任を持って安い料金で確実に速くつく、こういうことを使命にした、この目標というものを堅持していくというその基本的な態度を私は伺いたかったのであります。
○中曽根内閣総理大臣 鈴木さんおっしゃいましたように、全国民を対象にしまして、低廉にして安全な効率的な通信サービスが行われるように政府は今後とも努力してまいるつもりでおります。
○鈴木(強)委員 時間がありませんので細切れになりますが、お許しをいただきまして、次にスト権規制についてお伺いをいたします。
 政府提案の整備法案附則第三条では、当分の間スト権の十五日間の規制が行われることになっておりますが、本日新たに同法附則第四条を起こし、政府は施行の日から三年後に法律施行後の諸事情の変化を勘案して附則第三条の見直しを行うものとするとの修正案が提出される運びになりました。附則第三条に言う「当分の間」と今度の修正案の三年後に見直しということの関連において、この施行後特段の事情変化のない限り今の十五日間の特別措置というものは当然廃止されるものと私は思うのでございますが、総理の御所見をお伺いをいたします。
○中曽根内閣総理大臣 この規定によりまして、与野党の合意を踏まえまして、三年後に新会社に係る特例措置について見直すことになりますが、その際には電気通信事業分野における状況の変化等を勘案して、この措置の廃止も含め見直しを行ってまいる所存ております。
○鈴木(強)委員 これは労働組合にとりまして伝家の宝刀であり、民間に移行した以上はぜひ、今、総理のおっしゃったようにこの新しく出されました附則第四条によりましてその目的が達成できますよう重ねて私からお願いをいたしておきます。
 それから当事者能力のことについて総理にちょっと確認をしたいのでありますが、今、電気通信事業は日本電電公社の経営になっておるわけでございます。ところが、この制度には多くの欠陥がございます。すなわち政府とか国会の拘束、統制というものが非常に多うございますが、新しい法律によりましてこれらの拘束、統制というものは最小限度に限定をして、例えば私が心配するのは、事業計画の認可等については郵政大臣、大蔵大臣が協議をして決めることになっておるのでありますが、経営の自主性を尊重して、少なくとも労使間における賃金決定等当事者能力については最大限に保障すべきだと思います。本会議でもたしか自主性は十分尊重するという奥田郵政大臣からの御発言があったことを今思い出すのでありますが、ぜひひとつ総理から改めてお伺いをしたい。
 そしてもう一つ問題なのは、今後政府が労使の問題について介入をするというようなことが絶対ないようにしていただきたいのでございます。私は、国際電電が昭和二十八年四月一日から分離をするときに、あの現在の国際電電株式会社法が通りました後、労使間の運営について勉強もしてまいっております。しかし、どうかすると賃金決定の段階にいろいろな話が入ってくる、そして労使間の話し合いというものがなかなかうまくいかない、こういう事実を私は知っているのでございます。長い歴史の中から二十八年に国際だけが会社に移行したわけでございまして、ストライキ権はもちろん、三法が保障されておりますが、どうしても国の方からのいろいろな介入というとちょっと言葉が悪いと思いますが、いろいろなお話がございまして、賃金決定の際に会社の幹部が頭を変えてしまうというようなことがあったことも事実であります。
 ですから、そういうことがかりそめにもあってはいけない、そういう意味で、これは当然のことでございます、政府が、また第三者が労使に介入するなんということはできないことでありますけれども、そういう経験を持っているだけに、私はこの際、総理大臣にしかと確かめておきたい、こういう意味で実は御質問をしておるわけでありますから、どうぞお答えをいただきたいと思います。
○中曽根内閣総理大臣 賃金の決定そのほかの労働条件等は当事者が自主的に決定すべきものでありまして、政府がこれに介入するということは適当でないと考えております。
○鈴木(強)委員 当たり前のことを答弁していただいたわけでございます。私があえてこれを取り上げましたのは、総理、大変失礼ですけれども、私の経験からしてそういうことがたびたびございました。ですから、やはり会社になっても何か国の方がいろいろな意味において、介入というとちょっとあれですけれども、縛りをするような動きがあるんですよ。そういうことがありますと、せっかくまとまろうとしたものが一日延び二日延びて、結果的にはお客さんが迷惑をするストライキが続いていくわけですね。したがって、そういうことがあっては私はいけないと思うのです。総理大臣が深い理解を持っていらっしゃって当たり前のことを答弁していただいたわけですから、私も素直にはいと言って引き下がればいいのでありますが、そういった過去の経験があるものですから申し上げたので、もう少し、そうだ、そういうことがあったらそれはいけない、おれはそういうことはやらぬというようなお答えができないのですか。
○中曽根内閣総理大臣 鈴木さんからもう少し味つけた話をしろ、こういう御注文でございますが、私の考え方をもう少し敷衍して申し上げますと、行管長官のころから電電公社の改組ということを臨調の皆さんの御意見を受けて検討しておりましたが、やはり公共性を片っ方において確保する、同時に民間手法を導入して経営の効率化あるいはサービスの向上等々も考える必要がある。その民間手法を取り入れるという大事な点はどこにあるか、公社と今度の特殊法人とこを違わせるかという大事な点は、それは一つは予算統制を最小限にとどめる、事業計画その他にしても基幹的な問題は認可その他でもいいけれども、できるだけ最小限にとどめるように留意するということ、もう一つは労使関係における自主性、当事者能力をできるだけ状況の許す限り回復するということ、この二つが大事だ。これが企業経営の中における緊張感も生みますし、また、それによって責任感も両方に生まれてきて、そしてでれでれした経営や労使関係がなくなる。非常に清潔で、しかもばりっとした労使関係が生まれる、そういうような感じもしておりました。そういう趣旨から、今申し上げましたような答弁を申し上げる次第です。
○鈴木(強)委員 総理の最初の発言のところでちょっとひっかかることがありますが、これは時間がありませんから、先に進ませていただきます。
 それから総理大臣、今度は、ちょっとさっき私も申し上げましたが、会社になって新規参入というのが入ってくるわけですね。今、幾つかの第二電電が出ております。建設省がやるとか道路公団もやるとかいろいろ、要するにアメリカ式ですな。アメリカでやっていることを日本はまねているのです。
 そういうようなことがありまして、私も五月に十日間アメリカの視察に行ってまいりましたけれども、AT&Tを分割したことなんかによってメリットは何にもないです。私は、今、我が国でこの法律改正が通りますと、新規参入が許される、そこについていろいろと質疑をしてまいりましたが、そのことによって両者にどういうメリットがあるかということについてははっきりしない。むしろ料金が競争原理の導入によって安くなる、言葉はそうでしょうけれども、いろいろ突っ込んで質問してみますと、現状維持が精いっぱい。下手をすると今度は上げていくというような状況にある。これでは競争原理を導入した意味がどこにあるでしょうか。しかもダイヤルは、現状では十二に対して二十幾つ回さねばならぬ、現状の機械を使うとすれば。これから研究開発をしていっても今のダイヤルの数は五つふえるのです。これはやはり加入者から見ると不便ですね。料金も今は電電公社へ払えばいいのですよ。それを二つも三つもの会社から請求書が来る、払わなければならない。サービスの面におきましても、そのように……。総理、どういうようにお考えになっているかわかりませんけれども、審議を通じて考えると、メリットというものが余りないのですね。確かに新しい情報化社会に向けていろいろなサービスを提供するINSあるいは通産省のニューメディア構想、郵政省のテレトピア構想、こういったものが出てきております。これも情報基本法というものがなかなか整備されないうちに勝手に動いて回っておるのですね。
 ちょっと余談になりましたけれども、そういうわけで、どうも新規参入に対するメリットがないように私は思うのですけれども、総理はその点をどうお考えでしょうか。
○中曽根内閣総理大臣 この点は鈴木さんと考えが違います。私はやはり高度情報社会を前にいたしまして、官、分あるいは民、おのおのが最大限に力を発揮できるような体制にいろいろな制度を変えていくことがいいんではないか、そう思っております。
 やはり一種にしても二種にしてもいろいろ形態は異なり、国家との関与の度合いは違いますけれども、百花繚乱としていろんな商品が出てくる。それがまた国民のいろいろなニーズにこたえていく。今の電気通信の態様というものは今日にとどまるのではないので、INSの時代が来ると言われておることを見ましても、さまざまなアイデアとか企画とか商品が生まれてくる可能性があると思うのです。そういう意味において、いろいろな面からそういうアイデアが生まれ、商品が生まれてくるということは、国民のニーズにも合いますし、またその競争というものが次第次第に効率化して低廉性を呼んでくる、そういう点もありますし、むだもなくしていくという点もあると思いますし、新しい技術開発をそれが生んでくるという要素もあると思うのです。ですから、現在だけを見ておらないで、高度情報時代というものを見据えていけば、私は競争原理の導入ということは非常に将来花が開いてくるであろうと考えております。
○鈴木(強)委員 総理はそういう花が咲くことを夢見てこの法案を出されたのでありましょうからそうおっしゃいますが、私どもいろいろと研究もし、この法案の審議を通じて感ずることは、どうも新規参入者がうまいのが出ないから、ひとつあっちからこっちからまとめて一本化したらどうかというようなことまでやっているわけですね。ですから、競争原理を導入しても、本当に電電公社と対等に競争していくという相手がどこにあるのか、そういう点も私は疑問を持つのです。ですから、そんなに、二十一世紀に向けて高度情報化社会が着々と進んできているわけですけれども、花開く遠い未来のことまでは私ども何人も予測できませんけれども、そんなふうな気がするわけです。
 時間がもう二分しかないですから、質問ができませんが、実は通信主権の問題についても総理に率直に伺いたかった。この委員会でもかなり質疑を重ねてまいりましたが、御承知のように、政府の原案を見ますと、二月十六日には第二種特別VANについては二分の一の外資の規制がありました。これは許可制でした。ところが、その後通商代表部からの外務大臣への働きかけ、マンスフィールド大使の外務省訪問、そして外務大臣からアメリカへの回答等の文書も持っておりますが、そういう意味からいって、せっかく郵政省がつくったあの原案というものが、二月十六日、我々にも説明されました。にもかかわらず、その後急激にあれが削除された。これはまさに私はアメリカとの関係ではないかと思うのであります。
 ところが、質問をしても郵政大臣だってそれは言えないでしょうね。担当の局長だって言えないでしょう。そうしたら、苦し紛れの苦しい苦しい答弁をやることがもう目に見えるようにわかった。だけれども、私はそこまで言わなかったのですけれども、これは私の意見として、日本の通信主権というものを守るためには、それはアメリカとは友好国でありますから、できるだけ親密を深め、通信の分野におきましてもやることは結構です。だがしかし、基本的なその通信主権というものに対して侵されることのないように、ぜひしっかりやっていただきたい、こういうように心から思っているのです。まだ一分ありますから、一言……。
○中曽根内閣総理大臣 私は、できるだけ内外無差別という原則を貫くがいいと思っておりました。またしかし、第一種のようなものは国の基幹線を構成するものでありますから、これはそう簡単には考えられない。それ以外の二種に及ぶようなものについてはできるだけ内外無差別の原則をやってよろしい、またそれが行われても日本の企業は対抗力を十分持っておる、競争した場合には絶対負けない、そういう私の見通しもありました。ですから少なくとも二種に関してはできるだけ内外無差別の原則を通すようにということを私は言ってもおりましたし、また、今回の法案をつくるときにそれを実現してもらった。その過程においてはいろいろな考えもあります、ありましたけれども、一貫して私はそういう考えを持ってきたのでありまして、私の考えであるということを御了知願いたいと思うのです。
○鈴木(強)委員 そう言わざるを得ないでしょう。ありがとうございました。
○志賀委員長 次に、武部文君。
○武部委員 この法案が提出されましてから、当委員会できょうまでいろいろ論議をしてきたわけですが、私は、第一に、なぜこのような重要な民営あるいは競争導入というものをこのように内閣は急ぐのか、この法案の提出は、提出期限をはるかにおくれて国会に提出をされてきました。特に中曽根総理はこの法案の提出に異常なほど熱心だと言われておるわけでありますが、私は大変疑問に思うのであります。
 俗な言葉で言えば、この株のもうけで国の借金を穴埋めしよう、あるいはまさに将来洋々たる通信事業に対して、電電公社の独占に任せる手はない、民間の企業ももうけは自分らも当然手にすべきである、そういう圧力がかかったのではないか。さらには、先ほど来同僚議員からもお話がございましたが、貿易摩擦の関係から、アメリカの圧力でこの民営並びに競争原理の同時導入という、世界のどこの国にもないことをこんなに急いでなぜやろうとするのか、私は大変疑問に思うのであります。一体、この法案の提出に大変熱心である中曽根総理は、このようなちまたの意見に対してどうお答えなさるでしょうか、それをまずお聞きしたい。
○中曽根内閣総理大臣 第一は、先ほど申し上げましたように、高度情報時代を前にいたしまして、できるだけ国民のニーズに合った多様な、競争原理を導入した体系に持っていった方が高度情報時代にふさわしい結果を生む、そういう意味においても急ぐ段階に来ていると思いました。この今度の会社法案にもありますように、五年で見直すということが書いてありますが、公社から会社に移行しても五年ぐらいはその据わりぐあいがよくわからないということもあって、五年ぐらいの再検討の期間で見直すということになっておるので、これも時間がかかります。そういう意味からしても、できるだけ早目にスタートした方が高度情報時代に間に合うであろう、そういう考えが一つあったのでございます。
 もう一つは、臨調答申を受けまして、政府は最大限に臨調答申を尊重してその実現に努める、そういうことを閣議決定もし、国民の皆さんにも公約してきておるところでございます。その臨調答申の内容に盛られておることを実行する、そういう意味において電電公社やあるいは専売公社の改革を今回実行した、こういうことでございます。
○武部委員 私は、先ほど競争とそれから民営が同時に行われた国はないということを言ったのでありますが、アメリカの問題は、やはり私どもとしては非常に関心があるわけであります。当委員会でも述べたのでありますが、この法案が提出される直前に、外務大臣からブロック米通商代表あてに書簡が出されておる内容であります。何点か問題点がありますが、その中に「通常は十年以上もかかりうる電気通信市場の開放という大事業が本法案により、わが国においてはかくも短時目のうちに導入されたことは注目されるべきことである。」という一節があるのであります。これは当委員会に法案が提出される前のことであります。十年もかかるような法律がこんなに短い期間に国会に提出されてきたということの背景はここにあるんじゃないかということは、この外務大臣の書簡の内容から見ても明らかであります。こういう点について総理はどういうふうにお考えでしょうか。
○中曽根内閣総理大臣 臨調におきまして、かなり長期間にわたりまして電電公社あるいはデータ通信の問題等について検討を加えておりました。そして臨調は、関係各省や民間の方々の御意見もよく聞いて、そして電電公社の改組あるいは専売公社の改組という方針を決めました。これはかなり前のことであります。それを受けて政府は、昨年の十月に自民党として大体こういう方向でいくという大綱を決めまして、それから法律化に非常に努力したわけであります。やはり相当数の法律を改正しなければなりませんから、法制局の作業でも大変なものでありまして、そういうことでぎりぎりになって今議会の中盤で法案を提出するということになりましたが、これらの諸作業はアメリカから言ってきたからやっているのではないのであります。たまたま市場の開放というような問題で、いわゆるVANの問題が出てまいりましたが、これは我々がもう作業をしている途中に出てきた問題で、我が方の方針が、少なくとも自民党においてこういう方向でやるということを、大綱を決めた後に出てきている問題なのであります。そういう意味におきまして、アメリカの顔色を見い見いやったものではない、臨調答申や自民党の電通政策に基づいて我々が進めてきた、そういう経過があるということをぜひ御理解いただきたいと思うのであります。
○武部委員 いろいろ御説明がありましたが、私はなかなか納得ができないのであります。
 当委員会で政府側の答弁に、公社のままで競争原理を導入すると電電は第二の国鉄になると思う、こういう答弁がありました。これは認識不足も甚だしいと言わなければならぬのであります。少なくとも電電の持っておる背景は国鉄とは全然違う、実態も違う、さらには将来性についてはまさに雲泥の差があるのであります。そういう点の認識は、このままいけば電電は第二の国鉄になってしまう、だから今、公社のままではだめだから競争を導入して民営にするんだ、こういう点は全く私は受け取れない、そのように指摘をしておきたいのであります。これは意見になりますからそれ以上のことを申し上げません。
 今度の法案の審議を通して明らかになったことは、余りにも急いで出してきたために内容に全くちぐはぐな点が出てきた。例えば、新規参入を含めて電気通信産業のこれからの市場の動向は一体どうなるだろうか、そういう見通しも明らかではないのであります。一体新規参入がどういうものがいつごろどういう形で出てくるか、それはどういうサービスをするか、全く不明であります。さらに、百項目に近い政令、省令にすべてをゆだねておる、内容も明らかではない。我々が審議をするに際してもほとんどそういう資料らしきものはない。そういう中でしゃにむに民営だ、やれ導入だ、競争だ、こういうことが提案されたというふうに私は思っています。
 その前に、今、大蔵大臣からもいろいろな答弁がございましたが、株式の公開の方法あるいは利益の処分、こういう問題についても全く内容は不明確のまま、こういうままで国民は一体この百十数年続いてきた、しかも国営から公営に移って三十二年、多くの功績を上げてきた、そうしてその中の欠陥は今逐次是正されつつある、そういう中で何でこんなに急いでやらなければならぬのか。
 しかも、アメリカあるいはイギリス、今、我々の数年前から始まっておる民営あるいは分割、そういう中で多くの問題点が出てきておるのであります。アメリカの料金は三〇%も四〇%もはね上がった、あるいは故障の修理に何日かかってもやってこぬ、そういう事態を我々はここで追及すると、アメリカの料金が上がったのはインフレのせいだ、こういう答弁であります。とんでもない話であります。そういう認識不足が出ておるのであります。私どもは、そういう点を考えると、三年も四年もかかって競争を導入しながら民営に移行してきたイギリスの例というのは非常に大きな参考になる。そういうものを研究しながら競争を逐次導入していって――競争は必要でしょう。ですから、公社の独占ではなくて、競争を導入しながら一体民営はいかな形でやるべきかということを、なぜそういうやり方をとられなかったか、私は大変疑問に思う。
 そこで指摘をしたいのは、冒頭申し上げたような三点の、借金の穴埋めに株でプレミアムでもうけて、そうして一般会計にこいつをぶち込んで赤字を解消しようというねらいがあるんじゃないか、アメリカの圧力に負けてATTやIBMに市場を開放したんじゃないか、こういうことを言われても仕方がない、私こういうふうに思うのですが、もう一回ひとつ総理の見解をお聞きしたいのであります。
○中曽根内閣総理大臣 まず第一に、電電公社がこのままいったら第二の国鉄になるということは私は考えておりません。それはまるっきり性格が違うので、この点は武部さんと同じ考えてあります。
 それから第二に、電電公社が持っておる資産というものは国民全体の大事な資産であり、国民全体のものである。それを政府の名において今まで管理してきたので、所有権者はと言えば、突き詰めればこれは国民全体のものでございます。したがいまして、この資産を処理するという場合には、全国民を常に頭に置いて、そして全国民が喜んでくださるようなやり方で厳正にこれは処理していかなければならない、そう思っております。大蔵大臣から御答弁があったと思いますが、株式の売買等につきましても、この点については慎重かつ厳正に行わなければならない。それは国民全体の利益を考えてやる必要があるとかたく肝に銘じておるところでございます。
○武部委員 時間の関係であと二、三点お伺いします。
 今回提出されました事業法というのは、確かに事業者を拘束する法律であります。しかし、情報の取り扱いについては規制はないのであります。今プライバシーの保護の問題であるとか、あるいはコンピューター犯罪がいろいろ出ております。そういうものを防止するために情報の利用についての情報基本法を制定すべきであるということは、当委員会で何回も論議されてきたわけですが、いまだに実現を見ておりません。本来ならば情報基本法が先で、その後に今回の法律が提案されるというのが筋道なのであります。逆になっておるのであります。したがって、我々は、この次の国会に情報基本法というものを内閣の責任において提出してもらいたい、こういうことを約束していただきたいのでございますが、いかがでございましょうか。
○中曽根内閣総理大臣 情報の管理というものはこれからますます重大になってくると思います。それは情報の公開の問題もありますし、プライバシー保護の問題もありますし、国境を越えて流れていくという問題もあります。ですから、既にOECDにおきましてはコードをつくっておるところであります。そういう意味において、高度情報時代を迎えまして、この電気通信産業あるいは情報の管理等々も含めて、どういうふうにこれを扱っていくかという意味の基本法を制定するという御意見については、我々も大いに考えさせられる問題であると思っております。ただ、私の考えでは、これは非常に幅の広い、深い研究を要する問題であると思うのであります。そういう意味におきまして、これは今後慎重に検討してまいりたい、そう思っております。
○武部委員 郵政大臣は情報基本法の制定についてそのような約束をされましたが、難しい内容があるかもしれません。しかし、本来ならばこれが先なのでありますから、そういう点についてぜひ政府で検討を加えて次の国会に提出をしていただくように、特に要請しておきたいのであります。
 次に、外資の問題であります。
 いろいろお話があったようでありますが、郵政大臣は、特別第二種の全面開放を世界に先駆けてやった、こういうことをたしかきのうの連合審査の中で発言しておられました。私は、ここはちょっと問題があると思うのであります。それは、経過を見れば先ほどの同僚議員の質問にもあったとおりです。通産省と外務省が、俗な言葉で言えば、アメリカの圧力に屈して、郵政省を抑え込んだ、これが真相ではないかと私は思います。それは郵政省の原案が覆ったからであります。
 そこで、それならば特別第二種の全面開放は我が国の産業、業界に対して一体どういう影響を与えるかという質問をいたしました。同僚からもいたしました。そうしたら、心配はない、国内の産業、業界が席巻されるようなことはない。先ほどもちょっとあったようでありますが、特にIBMやAT&Tについてはそういう心配はない、我が国の商習慣になじまないという答弁がございました。そんな生易しいIBMやAT&Tだとお思いでしょうか。私は、それは間違いだと思います。
 ここ数日来、新聞はそのことを書き立てておる。少なくともAT&TはVANの進出について既に日本で合弁会社を物色をして、ここに報道されておるところによれば、七社の名前が上がっておる。さらに基本のソフトを販売をする。これには十二社の名前が上がっておるのであります。三井物産、日本興業銀行など十二社がAT&TからVANサービスを受けることをAT&Tと交渉中である。少なくともアメリカが単独で企業として進出を考えるなんという、そんな生易しいものじゃない。もう日本の合弁会社とちゃんと話し合いは進んでおるのであります。こういう点を考えると、特別第二種の全面開放というのはゆゆしい問題だ、このように思うのですが、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○中曽根内閣総理大臣 私はそうとは思いません。日本の企業経営者及び日本の労働組合の複合した力というものは、世界に向かってどの国にも負けないだけの力を今や持っておる、特に電気通信系統においては持っておる、そう思っております。アメリカのIBMとかあるいはAT&Tが第二種等について日本に参るということがありましても、資本関係その他につきましても日本は十分抵抗力もあるし、またこれに負けるようなことはない。その点は、私は武部さんと考えが違います。むしろ迎え撃って堂々とやって、新しいアイデアや商品を開発して、国民の皆さんのさまざまなニーズにおこたえするという方が日本は前進するであろう、そう思います。
○武部委員 総理の認識は大変甘いと私は思います。この審議を通して郵政大臣は、そういうような事態が万が一あるとするならば、それは見直しの中の一項目として考える、こういう発言もございました。私は当然しかるべきだと思います。この点についてはそれだけの意見にとどめておきたいと思います。
 株の問題というのが非常に注目をされておりまして、総理は、同僚議員の質問に本会議で利権ということをおっしゃいました。これが利権に利用されてはならぬ。総理の口から本会議の答弁で利権などという言葉が出ることは私は特別なことだと思うのです。それほどこの電電の株は注目をされておるのであります。私は、利益の処分のことについては申しません。株の公開について申し上げたいのであります。先ほども株の独占を排除するという意見がございましたが、私も同意見であります。したがって、株を公開する場合に公共団体あるいは公益法人、そういうものに公開をする必要があるじゃないか。
 例えて言うならば、イギリスは二十四万五千人のBTの職員に対して七十ポンドの株をただでやることになりました。そのほかいろいろな利便を図って、三万円の金を出せばBTの株を十二万円もらえるように、イギリスの国会で大体これが決まるようであります。このようにして多くの職員に新しい電電の株を持たせる、こういうやり方をしています。そのことが直ちに我が国で適用できるかどうかは別として、考えてみるならば、電気通信共済会という財団法人があります。職員が全部加盟しております。そういうものに株を持たせる。あるいは現在郵政互助会というのがKDDの株を一万四千株持っておりますが、そういうもの。あるいは共済組合、これもKDDの株を持っておりますが、これは全職員が対象のものであります。言うならば、職員が間接的に株を持つことができるというやり方。こういうふうにして株の独占を排除する、こういう方法を考えるべきではないか、このように思います。イギリスはまさしく今回、株の公開に当たってそういうやり方をしながら、利用者も株を持てる、株を持つ。さらには職員も株を持つ。そういう形にして、巷間言われるような株の不当なプレミアムをこれによって得るというようなことをできるだけ避けるようにしている。こういう点については総理はどのようにお考えでしょうか。
○中曽根内閣総理大臣 先ほど来申し上げましたように、電電公社の資産は全国民の大事な財産でございまして、これは全国民のために公正に扱わなければならない。これが一部のところへ偏在したり、不当に扱われるようなことが絶対ないように厳正に扱うべきものであると考えております。
○武部委員 終わります。
○志賀委員長 次に、竹内勝彦君。
○竹内(勝)委員 先ほど総理よりスト権の問題、労調法の附則の問題に関しまして正式な御答弁がございました。もう一点確認しておきたいわけでございますが、本法案に、労働関係調整法の附則第三条に「日本電信電話株式会社に閲する事件であって、争議行為により当該業務が停止されるときは国民経済又は公衆の日常生活に相当程度の障害を及ぼすおそれがあると認められるものについて、労働大臣が当該事件がこれに該当すると認定した旨及び当該認定をした理由を明らかにして」云々、こうございますけれども、こういうようなことが果たしてこの高度に発達した今の電電の中で一体起こるのか、総理としてどういう認識を持っておるのか、そしてまたなぜこのように附則をつけたということにこだわって――今後三年ということで廃止を含め検討する、今そういう御答弁がございましたけれども、そもそもこの附則をつけた理由は一体何ですか。
○中曽根内閣総理大臣 電電公社というのは非常に公共性を持つ、非常に大事な仕事をしておる通信体系でございまして、これを株式会社形態に移行させるというについて、この公共性の部分については我々も非常に重視したところでございます。そういうようないろいろな配慮を持ちまして、一挙に労調法という方向に移行するというところでは、片っ方はストは全然禁止されておる、今度は労働権は回復する、しかしある程度公益事業としての制約を受けるという形になりますが、ちょっと落差があり過ぎやしないか。だから特別の規制措置を講じて、労調法の緊急調整というような大きな措置をやる前の一つの措置を講じておるということもある程度必要ではないか、そういうような考えに基づいて附則を設置したものでございます。
○竹内(勝)委員 そこで、三年ということを先ほども言いました。あるいは廃止を含め、こういう言い方でございますが、それじゃ今後このまま進んでいって、もう今、全部自動化で、例えばストをやったから電話網なりあるいはこの高度情報通信というものが国民に支障を来すというようなことがあり得るか、私は現在の中でそういうものは絶対にあり得ないというように解釈しておりますが、こういうことで考えるならば、そういう中で廃止を含め検討するというものではなくして、少なくとも三年の間に問題がなければ廃止でいいんだ、こう理解してもいいと思いますけれども、総理のお考えをもう一度ただしておきたいと思います。
○中曽根内閣総理大臣 この部分は与野党の話し合いを受けまして、政府は与野党の話し合いに従ってこのような措置をいたしたものでございます。今後の三年間においてどういう変化が起こるか、一面においては経営状態がどういうふうになるか、労使関係というものがどういうふうに移行するものであるか、技術の革新性というものがどういうふうに進むであろうか、国民の世論や評価がどういうふうに出るであろうか、あるいは国民生活に対してどういう影響を持ったであろうか、そういういろいろな面もあり得ると思うのです。そういうあらゆる面も考え、そして廃止も含めて検討する、そういうふうに我々の方で考えた次第でございます。
○竹内(勝)委員 そこで今回のこの三法案、最大の目的は高度情報社会へ向けての電気通信事業の面の基盤整備である、こう認識しております。その中で競争原理の導入、しかしそこに電電という大きな公共性があり、国民に与えていく影響は非常に重要なものがあるわけでございまして、電気通信事業が今回民営化になっていくということは、百十四年にわたるものの画期的な革命であると言っても過言ではございません。
 そこで確認しておきたいわけでございますが、まず第一に、電電公社の民営化により共存共栄、やはり今の民業、高度情報通信というものに携わっておる民業が幾つもあるわけでございます。その民業との面で共存共栄でなければならない。片方が巨象みたいで片方がアリみたいでというような競争であっては絶対にならないと私は思います。そこで、今後民業に対して圧迫がないのか、公平な競争をどのように考えていくのか、この総理の御見解というものをお伺いしておきたいと思います。
○中曽根内閣総理大臣 新会社が公正な競争をやるようにという考え方は全く同感でございます。そういう点につきましては、今回の法文におきましても若干の考慮が行われているだろうと思っております。大臣の答弁におきましても、例えば端末機の製造は行わないとかそういうような答弁もしておるだろうと記憶しております。そういうようないろいろな面におきまして公正競争が行われ、そして共存共栄の実が生まれるように私たちも見守ってまいりたいと思っておる次第です。
○竹内(勝)委員 くどいようでございますが、この新電電会社に当事者能力は与えていく、当然のものでございます。しかしその事業範囲について、例えば最小の範囲に公正な競争ができなければならないと思いますが、今まで独占状態が続いてきた公社でございます。それを考えますと、この法案が成立したときには、今も総理が答弁いたしましたが、端末機の製造といったものに新電電会社として進出していくということは当分の間控えるべきだ、大臣も真藤総裁も述べました。通信機器製造の出投資を含めてそういったものに進出していくということになってきますと、今その業界は中小零細企業も含めて日本経済の中におきまして重要な立場にございます。したがいまして、そういった出投資などという面への進出は当然あってはならない。今、総理もそう言われたことでございますけれども、ここで私は一つの例を申し上げたいわけでございます。
 昭和五十六年十月に行われましたが、それは電電公社がトラックI形式でファクシミリを競争入札させた際発生した大混乱がございます。それは関係者はみんなよく知っておることでございますが、一部のメーカーが公社の大量購入を当て込み、市場価格の四分の一以下という超価格で落札した例がございます。もっと詳しく申し上げますと、この五十六年十月時点においてファクシミリ市場価格約百五十万に対し、落札価格が三十四万三千、購入台数が二千台。この落札購入価格から販売価格をはじき出して市場価格の半値で売り出そう。これではもう、メーカー、ディーラー、サービス会社等ファクシミリ関係業界はこぞって業界の全面倒産を掲げて郵政省に陳情を繰り返しました。郵政省の公正な、適切な行政対応によりましてこの大混乱は防ぎ得たわけでございますけれども、さてそこで、公社制度のときでさえもこういうトラブルが起こりそうになったということから考えますと、今申し上げました懸念というものは決してそんな生易しいものではないと私は考えます。そういう意味からも、公正な競争、これでなければなりません。そういう意味で何らかの調整、監督、そういったものが成っていかなきゃならない、こう考えますけれども、総理の御見解をもう一度ただしておきたいと思います。
○中曽根内閣総理大臣 電電公社は目下のところは我が国の通信業界におけるジャイアンツでありまして、二番がないような巨大な力を持っております。したがいまして、その一挙手一投足はかなり日本の通信業界に影響を及ぼすというものであるだろうと思います。そういう意味においても公共性がかなりあるのであります。これから高度情報社会を迎えるに当たりまして、電電公社が適正に運営されているかどうかということは日本の通信関係の将来にも非常に影響する、そういう点があると思いまして、公正競争のもとに適正に運営されるように私たちも監督していかなければならぬ。そういう意味で郵政大臣にはそういう監督権もあると思うのであります。ただ、過剰に労使関係や当事者能力を阻害するような介入はいけませんが、公正競争を行うようにやっていくということは私は適切なことではないかと思います。
○竹内(勝)委員 今、総理がいみじくも言われたように、それが今度は当事者能力、そして本当に、反対に新規参入を許したかわりに新規参入された電電が今度はそれによって圧迫を受けていく、これであってはならないことは当然でございますので、その辺の調整こそ高度な判断によりましてのものでぜひ賢明な策をとっていただきたいことを重ねて要望しておきます。
 そこで、大蔵省は六十年度税制改正で電話料金に課税する電話利用税を導入する方針を固めたやに伺っております。具体案の検討に着手した、こういうようにも伺っておりますけれども、その際、電電公社として、これは電話料金の値上げになっていってしまって反対にそれが実質的な国民への増税になってはなりません。総理はこの電話利用税に関しましてはどんな御見解をお持ちでございましょうか。
○中曽根内閣総理大臣 政府といたしましては、電話利用税というものは検討もしておりません。
○竹内(勝)委員 そこで、二十一世紀の高度情報社会に向かいまして最も基本となっていく、先ほども論議が行われましたけれども、便利になっていく、非常に生活自身が大きく変わっていく、その便利さ、そして生活がどんどん向上していく、その中で人間性というものが喪失していってはなりません。この人間性という問題とそれからまた便利さという問題、非常に難しい問題ではございますけれども、特に私は申し上げておきたいのは、今も問題になりました、この法案が通っていく、そして今後もまた、今までいろんなトラブルの中からも検討されている、例えば、電話料金はこんなに使った覚えありませんよ、こういう苦情は数多くございます。そうするとそれは、電話はどこへかけたか調べなきゃなりません。調べていくということは、だれが、どこへ、いつかけたということまで調べていく形になるわけです。そういったものを例えば今度は公にしていくとなってきますと、これは非常にプライバシーの問題と交錯してまいります。したがいまして、プライバシー保護法及び今、論議になりました高度情報化基本法という問題、私は本委員会でかねてより要望しておきましたが、これは同時着陸でなければいけない。もう今この電電三法が成立していく、そして来年の四月一日には施行されていく、こういう形になったときに、これがプライバシーの問題やあるいは高度情報化基本法という問題が後送りになったのでは、この自由化という問題、民営化という問題が生きてこないと私は指摘してまいりました。総理はこの点に関して、できるだけ早く、こう言っておりますけれども、もう緊急を要すると思います。したがいまして、郵政大臣は少なくとも次の通常国会にはというような答弁もございましたが、総理としてこの基本法という問題、プライバシー保護法という問題、こういった問題に関してどんな御見解をお持ちでしょうか。
○中曽根内閣総理大臣 基本法につきましては先ほど申し上げました次第でございます。プライバシー保護の問題はおっしゃるように非常に重要な問題であると思っております。これは真剣に検討して、できるだけ早くこの問題を解決していくべきであると思います。二年前、三年前にもなりますか、私は行管庁長官をしておりましたときに、加藤元東大総長を長とする研究会をつくりまして、約一年近く検討していただいて、その答申も得て、今、総務庁を中心にしまして関係各省においていかにこれをやるかということを共同検討しておるところでございます。お示しのようにできるだけ早く成案を得て、プライバシー保護の実を上げるように努力してまいるつもりでおります。
○竹内(勝)委員 郵政大臣は次期通常国会にもというような発言もされておりますが、できるだけ早くというのはそういうような認識を持っていいのかどうか、総理、くどいようでございますが、もう一度御答弁ください。
○中曽根内閣総理大臣 次期通常国会までに中曽根内閣が続いているかどうかは疑問であります。
○竹内(勝)委員 そこで、先ほども株の問題に関しまして、例えばこれだけの超一流、大変な株式が開放されていく、そういう中におきまして職員に分けていった例であるとか外国の例であるとか、いろいろ今ございましたけれども、私は現在の電電というものが一体どういう形でこのように大きく発展してきたか、これは電話加入者の一人一人がつくり上げ、現在の総資本十兆二千四百八十八億円、五十七年度末でございますけれども、そういう形ででき上がってきたものであり、その中で政府が出資したのは設立当初の百八十八億円というわずかなものでございます。
 今回、電電公社の民営化により、国民が資産形成してきたものを開放するわけでございますが、株式の処分の仕方というものは、今も論議がございましたが、国民の納得いくものでなければならないと思います。そこで、私はここでも一つの例を挙げましたが、それはKDDの株が四十倍にもなったとかそれ以上にもなったとかというような言葉がいろいろとある。そういう中から考えても、この株式を一体だれが手に入れたとか、そういうこと自身がむしろ疑惑につながっていってはならないと思います。しかし、自由社会でございます。この自由社会の中で当然そういったものが国民に渡っていくわけでございますけれども、この電電ができ上がってきた経過というものを考えてみても、電話加入者、今四千三百万、こういった人たちが例えばみんな欲しい、電話加入者、国民によって支えられたのでございますから、電話加入者が欲しい、国民が欲しいと言ったときには分けてやらなければならないのじゃないかと思います。しかし、物理的に、またどう考えても、例え一株でもそれだけの数はございません、こういうことになります。じゃ抽せんでもいいじゃないかというような考えさえもあるわけでございますが、私は、こういうように公平な形で、そしてまた、これが利権につながるようなことになっては絶対にならない、こう考えますので、この株式の公開という問題に関しましては、今後非常に徹底した論議をしていかなきゃならないと思います。総理の御見解をもう一度お伺いしておきたいと思います。
○中曽根内閣総理大臣 竹内さんがおっしゃるとおり、非常にこれは重要な問題であると思います。先ほど来申し上げましたように、全国民の大事な財産でございますから、これは厳正公平に扱うべきであり、一部に不当に偏在したり、あるいは不正な取引が行われるようなことが絶対ないように今後も監督もするし、努力もしてまいるつもりでおります。
 株式の問題というのは非常に技術的な、専門的な要素もあると思うのです。したがいまして、もしそういう必要が出てきた場合には、あらゆる人人の意見もよく開いて、そして国民からいささかも疑惑を受けることがないような厳正な措置をとるようにいたしたいと思っております。
○竹内(勝)委員 そこで、アメリカの例が先ほどからも質問がございました。ATTが何年かかかってことしの一月から分割になりました。これは御承知のとおりでございます。この電電が、公正な競争、有効な競争条件というもので、例えば第一種事業の中でこの電話という問題一つを取り上げてみましても、公正な、有効な競争が働いていかない限り、独占性は排除できません。そして、これだけの大きなものがアメリカのATTの例のように例えば分割にでもなったならば、これは大きなデメリットが幾つもございます。それは今もありました。請求書を幾つもやらなきゃならない、けた数も幾つか回さなきゃならない、いろいろなことがございます。分割は私どもは反対でございます。しかし公正な競争が、有効な競争というものが出ていかなきゃならない。今、民間でもあるいは道路公団だ、国鉄だといろいろな例が、例えば東京−大阪間でも出てきております。しかし、設備のために相当なお金がかかる、いろいろ話は出てきても、じゃ単独でやるというのは非常に困難じゃないか。そういう中から郵政大臣は、これはみんなが一緒になってやった方がいいだろうというような意見もございました。
 総理、この問題で、東京−大阪間というような非常に有効なところに総理として今後有効な、効率ある、いわゆる本当に競争条件で競争の相手が出てくる、こう理解しておるのかどうか、それをお伺いしたいと思います。
○中曽根内閣総理大臣 光ファイバーの活用であるとかあるいは衛星通信の活用という将来性を考えてみますと、そういうものも出てくる可能性はあると思います。
○竹内(勝)委員 終わります。
○志賀委員長 次に、永江一仁君。
○永江委員 この法案審議もいよいよ大詰めを迎えたわけでございますが、私は、民社党を代表する形でございますので、若干前任の議員の方々の御質問と重複いたしますけれども、確認の意味を含めまして御質問いたしたいと思いますので、御答弁をいただきたいと思います。
 私たちは、今回のいわゆる電電の改革三法案につきましては、臨調の方針に添っての電電改革であるという立場から、基本的には賛成の立場をとるものでございます。ただ、やはり二、三の点について国民の中に不安があるということで、せっかくの機会でございますので、行政の最高責任者としての中曽根総理に若干御質問をしたいと思います。
 今回の法案の最も大きな趣旨は、何といっても、競争原理の導入と同時に、電電公社を民営化することによって活力を与える。その活力の根源は、今まではどちらかというと、まあいい方ではありましたけれどもやはり親方日の丸の体質を変えなければならない、ここが一番重要な視点であろうと思うのでございます。
 そういう点から、先ほど来御質問がございましたけれども、何といっても当事者能力を持たせる、特に労働者、そこで働いている人々の賃金とか労働条件等の当事者能力あるいは人事権、これらについて行政の介入を排除するというところが最も重要な観点であろうと思うのでございます。
 そういう点で、先ほど郵政大臣からは、こういうことについては一切介入しないという御答弁をいただいておるわけでございますが、行政の最高責任者としての総理の確約と申しますかお考えをお尋ねしておきたいと思います。
○中曽根内閣総理大臣 政府といたしましては、給与とか労働条件等の問題は労使が旧主的に決むべき問題でございまして、政府がこれに介入するようなことは考えておりません。
○永江委員 若干、人事の介入につきましては、我が党は取締役全員ではなくて代表取締役だけの選任にすべきでないかという立場を今日までとってきたわけでございます。残念ながら、この我が党の主張は入れられておらないわけでございますけれども、労使のそういった問題のみならず、やはり人事の介入というもの、若干巷間言われておることは、この新しい株式会社、新電電が郵政省その他のお役人の天下り先になるのじゃないかという不安もなきにしもあらずでございます。
 そういう点で、人事の介入についてもひとつ行政は排除していく、この姿勢をぜひお答えいただきたいわけでございます。
○中曽根内閣総理大臣 政府は、新電電会社がかなり高度の公共性を持っておるという面から今のような条文にいたしてあります。まあしかし、今後新しい電電会社が発足した後の経営状況その他諸般の情勢を見まして、五年の見直しというのは全部にひっかかっているわけでございますから、その情勢も見守りつつ検討すべき問題であると思います。
 我々の今の考えといたしましてはこの条文で差し支えない、そう思っております。
○永江委員 次に、外資規制の問題でございます。
 これも先ほど来がなり議論されておりまして、総理はかなり、かなりというか、自信満々に我が国の労使関係あるいは技術力の中で、この第二種VANの外資規制を外したことは心配ない、こういうお答えでございました。
 確かに、我が国の技術なり労使関係の良好き、そして日本の経済力が伸びたということは事実でございます。しかし、余りにも、まあ言葉は悪いですが思い上がるということはこれからの我が国にとってはやはり戒めなければならないと私は考えておるのでございます。かつて日本は、一つか二つの武器が世界一、二ということで、これはもう負けないということであの第二次大戦、いろいろ理由はありましたけれども、苦い経験も持っておるわけでございます。確かに、自動車とか鉄鋼がアメリカをも凌駕しておることは事実ですけれども、それをもって日本がアメリカにも絶対負けない、そういう若干の思い上がりが総理の御答弁の中にあるのじゃないかと大変危惧するわけでございますけれども、いかがでございましょうか。
○中曽根内閣総理大臣 日本の現在のエレクトロニクスの技術力とかあるいは日本人が持っておるサービスの力とかアフターケアをやるやり方とか、そういうものから考えてみますと、第二種の問題につきましても日本人が負けるものではない、私はそう思っておるのです。でありますから、今後とも様子は見守りますけれども、私の確信におきましては、負けるものではない、むしろいろいろな新しい商品が出たりして低廉でしかも有効なサービスが生まれてくる端緒をつくる、そう考えております。
○永江委員 実は、昨日の連合審査におきましても我が党の安倍議員がかなり厳しく追及いたしまして、若干郵政大臣気色ばまれたのでございますが、そういう中で負けるものではないと言いながら、しかし万一の場合どうか、特にこれは日本の主権にかかわる問題であるという心配の中で、最終的な御答弁としては、この三年後の見直しという中には外資規制の撤廃も含むという若干郵政大臣としては苦しい中での御答弁であったと思うのでございます。そういう御答弁いただきましたが、総理といたしましても、郵政大臣の答弁に沿ってこの見直しが――先ほど、当事者能力その他見直し規定というものはすべて含んでおるという御意見でございましたけれども、この点もそれに含まれておると理解してよろしいでしょうか。
○中曽根内閣総理大臣 見直し規定は全部にひっかかっておるわけでございますから、もちろんその条文も例外ではございませんが、しかし私が申し上げますように、ともかくサービスとかアフターケアとか技術力の面におきましては、私は負けないと確信しております。
○永江委員 時間の関係もございますから、ひとつ総理の見通しが誤りでないことを私も願いながら次の質問に移りたいと思います。
 これも先ほど御議論ございましたけれども、近年はコンピューターによるいろいろな処理、そういったデータが国内でのいろいろな秘密保持と同時に、国際的に、国境を越えて流れ出す、こういう問題も若干出てきておるわけでございます。こういう国際間での情報の、プライバシーの保護とかデータの保護というものがこれから非常に大きな重要課題になってくるわけでございまして、こういったガイドラインに関しましても、OECDの理事会の勧告においてはそれぞれの保護について国内法で考慮するようにと求められているわけでございます。
 先ほど、来年には中曽根内閣が続いておるかどうかわからぬという答えでございましたけれども、そういたしますと、先ほどの見直しもすべてお答えが心配になってくるわけでございます。ひとつ総理の責任と自信において、この法の制定の見通しについてもう少し的確な御答弁をいただきたいと思います。
○中曽根内閣総理大臣 私は情報公開とプライバシーの保護というものには非常に熱意を持っておる者なのでございます。行管長官時代から国会でも前向きの答弁をしてきております。これは今でも変わっておりません。お示しのように、特にプライバシー保護の問題、また情報の流出等の問題等も考えて、国境を越えた問題というものも出てきておるわけでございますから、いろいろな問題につきまして今、関係各省で検討させておりますので、できるだけ結論を早く出していただくように努力して、また法制化もできるだけ早くやれるように検討していきたいと思っております。
○永江委員 時間の関係で最後の質問に移りますが、いわゆるスト権の問題につきましては、これも先ほど来いろいろ議論ございましたし、先般来各党の法案修正という話の中で一定の前進を見たというふうには理解しておるのでございます。しかしながら、基本的に労調法によって、この電気通信も公益事業でございますから、総理の権限において五十日間のスト規制ができるということになっておる。それにさらに附則を加えて、十五日間の労働大臣によるスト規制ということは、どう考えましても全くこれは実は納得ができないのでございます。
 屋上席という言葉がございますが、これは屋上屋じゃなくて中二階をもう一つつくったような感じがするのでございますけれども、きょうは労働大臣もいらっしゃいませんし、実はもう少し法律の内容について御質問したかったのでございますけれども、これを条文どおり読みますと、まずこの附則によって十五日間ストを禁止される、さらにその後労州法によって総理が五十日間スト規制ができる、六十五日間規制されるというふうに読めるのでございます。このことはまことに労働者の基本的な権利を、特に民間産業においての権利を抑圧するということから考えまして、全く野放しなら確かに総理等の御答弁も納得できるのでございますが、労調法において五十日間総理の権限においてストが規制されておるということを踏まえた中でなおかつこの附則をつくるということは、どうしても理解ができないのでございますが、いかがでございましょうか。
○中曽根内閣総理大臣 この条文を設けました趣旨は先ほど申し上げたとおりでございますが、与野党間のいろいろな御協議を踏まえまして、先ほど申し上げましたように、三年の経過を見て、そして廃止も含めて検討する、そういうふうに自民党も政府も考え方を決めた次第でございます。
○永江委員 今の総理の御答弁で一応の納得はできるのでございますけれども、どうかひとつ基本的に労働者の権利、まあ我々もストライキがなければない方がいいという考えでございます。しかし、総理、ここでひとつ考えていただきたいことは、ストライキがないということとできないということは大変な違いがあるということでございますね。我が国は確かに戦前はストライキをすることも命がけでありました。しかし、多くの先人の闘いの中でこの権利をから取ってきた、また第二次世界大戦という大きな犠牲の中で働く人々の権利をから得たということ、そのことが今日の日本の進歩につながったということはだれも否定することができないわけでございます。
 現実に今、世界を見ましても、ストのない国とできない国、これは雲泥の差でございますね。後進国においてはできないあるいは一定のイデオロギーの中で体制の中でストライキが打てない、こういう社会体制であってはならないということについては、総理とそれほど私は認識の違いがあるとは思わないのでございますけれども、そういう意味で、労使の話し合いの協調と理解の中でストがないということと、これを法律において抑えるということは全く違うということを、私は特にこの機会に訴えたいわけでございます。どうかそういう意味でぜひとも三年後の見直しの中でこのことは正常に戻していく、ストはできないのじゃなくて労使の協調の中でしない、こういう方向に社会を持っていくということ、ぜひともその方向で再度御確約をいただいて、質問を終わりたいと思います。
○中曽根内閣総理大臣 永江さんの御意見、よく私たちも理解できるところでございます。そういうお考えも受けまして、今回こういうような態度を決めた次第なのでございまして、御了解をいただきたいと思う次第です。
○志賀委員長 次に、佐藤祐弘君。
○佐藤(祐)委員 今、総理は答弁の中で、電電公社はジャイアンツである、また国民の財産であるということをおっしゃいました。今なぜこの電電公社を民営化する必要があるのかという問題であります。
 政府は、その理由の大きな一つといたしまして、高度情報社会に向けての国民の多様なニーズにこたえるためであるということを言っておられます。果たしてどうなのかという点であります。私は先日の委員会で、言われております国民のニーズにこたえる多様なサービス、これが民営化しなければできないのか、公社形態のままではできないのかということを尋ねました。これに対する郵政当局の答弁は、民営化しなければどうしてもできないというものはないということでありました。つまり、この面からの必然性はないわけであります。では、なぜあえて民営化をするのか。結局、臨調答申に基づいて、超優良企業、総理が言われたジャイアンツ、この電電公社を民間会社にすることによって、財界と大企業が今後大きな発展が見込まれる電気通信の分野、これをしっかりといわばその手に押さえていく。そのために国会による審議あるいは監督、そういうものを取り外す、そして料金につきましても、これまでは国会議決を要する法定制でありましたが、大臣の認可制にするなどによって自由にやりやすいようにする、そういうところに大きなねらいがあるのではないかというふうに考えるわけであります。それは電気通信事業にとって最も大事な公共性、国民生活にとって今、不可欠であります。その公共性に反するものではないかと考えるわけでありますが、総理の御見解をお聞きしたい。
○中曽根内閣総理大臣 その点は見解を異にいたします。やはり競争原理を導入するということによって、百花繚乱たる新しい商品も出るし、新しいサービスも出るし、そして国民の皆様方はより便利になり、あるいはより安くなる、そういうことを考えてこういう措置をとっておる次第であります。
○佐藤(祐)委員 総理は今国会の所信表明演説で、「今後の高度情報社会のあり得べき姿等について国民的合意の形成に努める」、こう述べておられます。この高度情報社会へ向けての基盤づくり、それはまさにこれから、数十兆と言われておりますが、莫大な資金を投入してINSを構築するとか、進められるわけであります。まさにこれから実際にどういう国民のニーズがあるのか、それにふさわしいネットはどういうものか、そういったものを検討しながら進めていくということだろうと思います。
 ところが、今出されておる法案では、今後この電電公社の予算とか事業計画あるいはさっき言いました料金、そういうものについて国会で審議することなしに進めようということが一番の問題点であります。そういう方向に行くとすれば、果たして国民的合意が得られるのか、どうして得られるのか。私は国民的合意が得られない方向へますます行くというふうに考えざるを得ないわけでありますが、その点についてお答えをいただきたい。
○中曽根内閣総理大臣 私は、今回の改正法案につきましては、国民の大多数の皆様方は民有化に賛成ではないかと思うのです。また、当事者能力を回復して、そしてできるだけ労使関係の問題は労使関係で自主的に決めるという点についても、これは経営者においても労働組合側においても御賛成ではないかと思うのです。
 そういう諸般の情勢を考えてみますと、国民の大多数はこういう方向に移行することについて賛成しておられるのではないかと判定をしておるのであります。
○佐藤(祐)委員 私はそうではないというふうに考えております。やはり事柄の本質がまだ十分に知られていない。年間三千億から四千億、そういう莫大な利益を上げておる電電公社、これは国民の財産だということを言われておるわけでありますが、それが本当に国民本位に運営されていく、そのために私たちは公社形態を維持して公社の一層国民本位になるような民主化、そういうことによってこそ国民へのサービスが本当に保証されるのだということを考えておるわけであります。しかし、現実に進んでおりますのは、そうではなくて、民営化という名で、これまでは国民の財産であったものが結局は財界、大企業の財産に変えられていくという姿であろうというふうに考えております。
 次の問題を申し上げます。
 プライバシーの問題であります。先ほどからいろいろお答えが既にありました。私たちは民営化には反対でありますが、人類が得た新しい社会的な電気通信の力、これが本当に国民の要求にこたえる方向でいろいろ開発をされていく、そのことは大いに必要であると考えておるわけであります。その場合にもいよいよプライバシーの問題が重要になってくると考えております。
 総理が行管庁長官時代、いわゆる中小企業VANの自由化に当たって答弁があります。我が党の藤原ひろ子議員の質問に対してこういうように答えられておられます。「いま研究会で鋭意詰めをやっている段階で、数カ月の間に結論が出される見込みであります。結論を得ましたら慎重に検討いたしまして、取り扱いを進めてまいりたいと思っております。」そして間違いなく数カ月後、五十七年の七月に研究会の報告が出されました。それから二年になります。鋭意とおっしゃっておられるのですが、二年間非常に進捗していないというふうに私は思うわけであります。先ほどの御答弁では、鋭意、今、関係省庁と協議をして、できるだけ早期に提出をする、具体化していくということでありました。
 そこで、そこの御答弁はありましたので、考え方の問題でお聞きをしたいわけです。
 郵政大臣もニューメディアの光と影ということを言われて、影の部分、要するにプライバシーの保護とか、つまりデータの流出、盗用、悪用、そういうことを避けなければならぬ。そしてこれがもし悪用されたり、流出したりしますとプライバシーが優審されて、そのときはもう取り返しがつかないということであります。つまり、侵害されてから、そういう事態が起きてから、罰則の規定があるからいいんだということではないと思うわけであります。つまり、まずそのプライバシーの保護について法的にも技術的にも本当に万全なものがつくられるのか、それがつくられなければ新しい技術もまだ採用しない、そういうように考える必要がある。このプライバシーというのは基本的な人権の極めて重要な構成部分であります。つまり、技術が先行していって人権軽視、そういうことにならないように本当に万全の対策をとって後、技術が進められるべきだというふうに考えるわけでありますが、その点についてお聞きをしたいと思います。
○中曽根内閣総理大臣 加藤元東大総長を座長とする研究会の答申は、今のお話のようにいただいておりまして、その答申を今いろいろ検討しつつ、各省庁の間においてプライバシー保護の立法の問題について検討していただいておるわけです。
 お示しのように、人権の保護という面から見まして非常に重要な問題でありますが、一面において、また片っ方では情報の公開という問題もありまして、そういう問題との絡み、バランス等々も考えて、どういうふうにこれを均衡をとりつつプライバシーを保護していくかという点で、各省庁いろいろ意見もありまして、今その詰めをやっている、こういう状況でありますので、御理解をいただきたいと思います。
○佐藤(祐)委員 残念ながら時間が来たので、終わります。
○志賀委員長 これにて各案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○志賀委員長 この際、日本電信電話株式会社法案に対して、畑英次郎君外二名から、自由民主党・新自由国民連合、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の三派共同提出による修正案並びに日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対して、畑英次郎君外二名から、自由民主党・新内由国民連合、公明党・国民会議、民社党・国民連合の三派共同提出による修正案がそれぞれ提出されております。
 両修正案について、提出者から順次趣旨の説明を求めます。畑英次郎君。
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 日本電信電話株式会社法案に対する修正案
 日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○畑委員 ただいま議題となりました修正案につきまして、提案者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、日本電信電話株式会社法案に対する修正案について申し上げます。
 案文は、お手元にお配りしてあるとおりでございます。
 この修正案は、自由民主党・新自由国民連合、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の三党共同提案に係るものであります。
 政府原案におきましては、日本電信電話株式会社が行う附帯業務については、郵政大臣の認可事項としていることは御案内のとおりでありますが、附帯業務は性格上、その範囲がおのずから限定されるものと考えられますことから、収支相償うなどの要件が担保されれば、これを郵政大臣の認可から外して、会社自身の判断で行い得るものとしても特段の問題は生じないと考えられますので、お手元にお配りしました案文のとおり修正しようとするものであります。
 次に、日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対する修正案について申し上げます。
 案文は、お手元にお配りしてあるとおりでございます。
 この修正案は、自由民主党・新自由国民連合、公明党・国民会議及び民社党・同民連合の三党共同提案に係るものであります。
 政府原案におきましては、会社の労働関係が、これまでの公労法から労働三法によることとなることにかんがみ、当分の間、調停に関し特例措置を講じ得ることとしておりますが、これを、法律施行の日から三年後に諸事情の変化を勘案して見直しを行うものとすることにするため、お手元の案文のとおり修正しようとするものであります。
 何とぞ両修正案について、委員各位の御賛成をお願い申し上げます。(拍手)
○志賀委員長 以上で両修正案の趣旨の説明は終了いたしました。
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○志賀委員長 これより各原案並びに両修正案を一括して討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤忠治君。
○伊藤(忠)委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表しまして、本三法案の問題について反対の立場を表明しながら、以下見解を申し述べたいと思います。
 二十一世紀の高度情報化社会に向けて、電気通信事業の果たす役割とその与える影響は極めて大きいと思います。政治、経済、社会、文化、つまり国の中枢機能としての役割を果たすわけでありますし、また家庭や地域の社会生活に極めて重要なかかわりを持つものであります。
 さらに、影の部分を見落としてはならないと思います。高度サービスが進展する中で、情報のフローをどうコントロールするのか、個人の秘密の権利をどう情報化から守るかの重要課題などがあります。
 さらに加えて、VANサービス、ネットワークの発展は、資本の系列化が進み、産業構造をも大きく変えていくことになろうと思います。
 このような認識に立つときに、今回の電電改革は多くの問題に直面をしており、それだけに本改革が、国民のための情報通信の確立に寄与できるものでなくてはならぬと考えるものであります。
 以上を前提に、三法案の反対理由について触れたいと思います。
 その第一は、法案は、まず民営化ありきというのが前提に立っていまして、無理やり臨調路線につじつまを合わせようとしているところであります。全分野に競争原理を導入することに急ぐ余り、社会党が主張しております国民共有の財産にふさわしい改革になっていないという点であります。にもかかわらず、株式の問題については、論議の中で、国民共有の財産であることを認めながらも、株式売却益は一般会計に入れて、財政赤字の穴埋めにも使用するとの考え方は、断じて許せないのであります。また、利権防止の積極的姿勢にも欠けております。
 さらに、法案の具体化を図る政省令は百項目に上るわけですが、これら多くの部分が今日に至るも解明されておらず、不透明な部分が多いという点であります。
 第二の点は、民営化、自由化すればよくなるんだという面のみが強調されて、影の部分が明らかにされていないことであります。
 電話料金の値上げに対する不安、あるいはサービスが低下するのではないかという国民ユーザーの不安に的確に答えられていない。論議を通じて、向こう二年間は値上げしないということは明らかになりましたけれども、それ以降の料金は、ディジタル化が進むでありましょうけれども、一体どうなっていくかについて、解明されておりません。また、福祉電話サービスなどミニマム要求等に対する対策も、決して積極的ではないと思うのであります。
 第三の理由は、経営の自主性についても不十分であります。
 事業計画、事業範囲についても、行政の介入部分が排除し切れておりません。公正競争条件の確立についても、しかりであります。とりわけ、これらと密接不可分の問題である雇用や労働条件については、当該労働者はギブ・アンド・テークを信じて今日まで努力がなされてきましたけれども、テーク一方に終始をしているのが現状であります。これらの解決に向けて、電電当局は最大限の努力を傾注しなければならないけれども、諸問題の与える影響など多くの問題点を残していると言えます。
 反対の第四は、労働基本権、とりわけ争議権についてであります。
 理由のない理由をつけて、不当にも附則で二重に制限することは絶対容認することはできません。要求については若干の修正がなされましたけれども、なお我が党の主張にはほど遠く、極めて遺憾であります。したがって、制限条項は撤廃すべきであることを強く要求いたします。
 五つ目の理由は、通信主権の確保、基本サービスの一元的運営についてであります。
 通信は国の神経であり、極めて公共性の高い、国益に深くかかわるものであります。これを貿易摩擦解消策の次元で扱ったり、あるいはアメリカ政府の圧力に属するような形で市場開放の中に組み込むことは、誤りであります。通信主権確保の立場から、悔いを千載に残さないように、特別第二種の二分の一外資の規制を行うべきであります。また、電話通信など基本サービスに係る通信は、公共性の確保、あまねく公平に良質なサービスを提供する立場からも、一元的運営を確保すべきであります。
 以上、提起しましたとおり、今日なお極めて重要な問題点が存在をしております。慎重審議を我我は要求してきましたけれども、にもかかわらず、いまだ解明されていない多くの問題点があります。
 このような状況下で三法の採決を行うことは、国民のための情報通信の確立を目指した民主的改革には決してならないと思います。
 日本社会党は、以上の立場から本法案には反対であることを表明をしまして、私の意見とかえます。(拍手)
○志賀委員長 次に、佐藤祐弘君。
○佐藤(祐)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、日本電信電話株式会社法案等三法案に反対の討論を行うものであります。
 まず、委員会の審議についてでありますが、昨日の午後から我が党を除く一部会派の間で協議が行われ、委員会は理由も示されないまま開会せずに、本日の午後四時半まで審議が全く放棄されたのであります。しかも、理事会で確認されていた私の一時間半の質疑を多数で一方的に切り捨て、修正案に対する質疑も許さず、強引に質疑終局とされたことは極めて異例であり、この非民主的運営に強く抗議するものであります。
 本法案反対の第一の理由は、今回の三法案が電電公社を解体して民間会社にするとともに、通信の一元的管理をやめて競争方式を導入するなど、国民生活と社会経済活動に重大な影響を持つ電気通信事業の公共的性格を無視し、電電公社を財界、大企業に売り渡すものであるからであります。
 政府は、今回の電電民営化を国民の多様なニーズにこたえるためと言ってきましたが、この主張には全く根拠がありません。既に法案審議の中で政府自身が、民営化しなければやれないという通信サービスはないと認めているではありませんか。現行の制度を改善すれば、国民の期待に十分こたえられるのであります。
 もともと今回の電電民営化は、財界主導の臨調路線によって口火が切られたものであり、財界、大企業が年間三千億円から四千億円もの利益を上げている電電公社を直接支配し、もうけの対象にしようとしていることは明らかであります。現に、ある大企業幹部は、放出株が出てくれば当然安定株主として保有することは考えると発言しております。
 我が党は、このように国民の財産である電電公社を大企業に売り渡すことを断じて認めることはできません。
 反対する第二の理由は、国会による統制が外されるため、国民向けのサービスが低下し、負担が増大するのは必至だからであります。
 電報電話料金は、これまでの法定制から大臣の腹一つで決まる認可制になり、今の国鉄のように値上げも自由になります。
 反対する第三の理由は、日本の通信主権を危うくするという点であります。
 通信主権は、国際電気通信条約でも明記されている国家主権の一部であります。
 したがって、世界の圧倒的多数の国々は、この通信事業を国営もしくは公営で一元的に運営し、外国資本の参入を認めていないのが現状であります。しかるに政府は、ことし一月以来のたび重なるアメリカ政府の全面開放の要求に屈服し、第二種通信事業については、アメリカのIBM、ATTなど巨大独占企業が参入することを認めたのです。このことは我が国の情報通信システムに対する支配を拡大しようとするものであります。
 同時にこれは、アメリカの世界戦略とも結びつき、我が国の情報通信事業の軍事利用への道を開く危険性もあります。
 最後にストライキ権の問題であります。
 本法案は、電電公社の民営化を言いながら、憲法で保障された労働者の基本的権利であるストライキ権を事実上剥奪するに等しいものとなっております。そもそもこの権利は、企業の経営形態いかんにかかわらず無条件に保障すべきものであることを我が党は強く主張するものであります。
 以上、反対の理由を述べましたが、修正案についても、政府原案の反国民的根幹を何ら改善するものではなく、賛成できないことを明らかにいたします。
 電電改革にとって今必要なことは、電気通信事業が高度で大規模になればなるほど、公的機関による管理が必要であり、それにふさわしい民主的運営のための改革こそ求められていることを重ねて強調し、反対討論を終わります。
○志賀委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○志賀委員長 これより採決に入ります。
 日本電信電話株式会社法案について採決いたします。
 まず、本案に対する畑英次郎君外二名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○志賀委員長 起立多数。よって、畑英次郎君外二名提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○志賀委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。(拍手)
 次に、電気通信事業法案について採決いたし」ます。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○志賀委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案について採決いたします。
 まず、本案に対する畑英次郎君外二名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○志賀委員長 起立多数。よって、畑英次郎君外二名提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○志賀委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○志賀委員長 ただいま議決いたしました各案に対し、鈴木強君外三名より附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者より趣旨説明を求めます。鈴木強君。
○鈴木(強)委員 私は、ただいま議決いたしました三法案に対する附帯決議案につきまして、提案者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文はただいまお手元にお配りしてあるとおりでございます。
 この附帯決議案は、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の四党共同提案に係るものでありまして、案文は当委員会における質疑等を参酌して作成されたものでありますから、各項目については説明を省かせていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛成をお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
   日本電信電話株式会社法案、電気通信事業法案並び日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対する附帯決議(案)
 今次改革は、我が国の明治以来の電気通信の一元的運営体制と三十年に及ぶ公社制度に対する抜本的変革をもたらすものである。この改革が真に国民利用者の利益となって還元されるようにするためには、あまねく公平なサービスの提供、公共の福祉増進と国民の利便の確保等、電気通信事業の公共性に対する十分な配意と、他方、公正かつ有効な競争の導入を図る中で、新会社に対する十分な当事者能力の付与による事業経営の一層の効率化、活性化施策の実施が極めて重要な課題となる。
 したがって、政府はこのような観点から、電気通信が今後の高度情報社会に向けて果たす先導的役割にも、十分な認識と展望を持ち、今回の三法案の施行に当たっては、次の各項の実施に努めるべきである。
 一 政府は、我が国の通信主権を守り、先端的な電気通信技術の開発を進め、国民経済、産業の発展に寄与し、国際競争力の激化に対応するものとする。
 一 政府は、競争原理を有効に機能させるため、日本電信電話株式会社と新規参入者の間の公正な競争の確保に努めるとともに、新規参入の促進及び振興に特段の配慮をすること。
 一 政府は、高度情報社会に向けて情報通信の果たす役割の重要性にかんがみ、情報通信産業の育成振興を図るため、情報通信の基盤整備のための法制度を早期に確立すること。一 政府は、事業計画に対する郵政大臣の認可を行うに当たっては、収支計画及び資金計画は、その添付資料とすること。
 一 日本電信電話株式会社は、日本電信電話公社の解散の際、現に行っている業務の企てを承継するものとし、その業務の分離については、日本電信電話株式会社の自主性を尊重すること。
 一 政府は、現行の専用線の料金体系の下では第二種電気通信事業者による専用線の単純再販が日本電信電話株式会社の経営に支障を及ぼすことにかんがみ、単純再販を禁ずる約款についても認可すること。
 一 政府は、日本電信電話株式会社の経営の自主性を尊重し、賃金その他労働条件等労使間の自主決定に介入しないものとすること。
 一 日本電信電話株式会社の電気通信機器製造部門への進出は、当分の間行わないものとすること。
 一 政府は、毎年一回、第一種電気通信事業に関する情報通信概況をとりまとめ、国会に報告すること。
 一 日本電信電話株式会社の株式処分に伴う売却益の処分については、日本電信電話公社の資産形成の経緯並びに本委員会における審議の経過等にかんがみ、国民にとって有効であり、かつ疑惑を招かぬような方法で行うべきものとすること。
  なお、株式が特定の個人・法人に集中することのないよう売却に当たっては十分配慮すること。
    ―――――――――――――
○志賀委員長 これにて趣旨説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○志賀委員長 起立多数。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
 この際、奥田郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。奥田郵政大臣。
○奥田国務大臣 このたびは慎重な御審議をいただきまして、ただいまは日本電信電話株式会社法案、電気通信事業法案、日本電信電話株式会社法及び電気通信事業法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案を御可決いただきましたことに対し、厚く御礼を申し上げます。
 この委員会の御審議を通じまして承りました御意見につきましては、今後、電気通信政策を推進していく上で、十分生かしてまいりたいと存じます。
 また、附帯決議につきましては、今後その趣旨を十分尊重いたしてまいりたいと存じます。まことにありがとうございました。(拍手)
    ―――――――――――――
○志賀委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました各案に対する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○志賀委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○志賀委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
  午後八時四十分散会
     ――――◇―――――