第101回国会 建設委員会 第4号
昭和五十九年三月二十三日(金曜日)
   午前十時二分開議
出席委員
  委員長 浜田 幸一君
   理事 北口  博君 理事 桜井  新君
   理事 中島  衛君 理事 井上  泉君
   理事 木間  章君 理事 新井 彬之君
   理事 小沢 貞孝君
      池田 行彦君    金子原二郎君
      唐沢俊二郎君    北川 正恭君
      國場 幸昌君    田中 秀征君
      東家 嘉幸君    野中 広務君
      東   力君    松野 幸泰君
      村岡 兼造君    森田  一君
      保岡 興治君    上野 建一君
      上西 和郎君    竹内  猛君
      前川  旦君    山中 末治君
      鈴切 康雄君    古川 雅司君
      伊藤 昌弘君    瀬崎 博義君
      中島 武敏君
 出席国務大臣
       建 設 大 臣  水野  清君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官) 稻村佐近四郎君
 出席政府委員
        国土庁長官官房
        長       石川  周君
        国土庁長官官房
        審議官     田中  暁君
        国土庁計画・調
        整局長     小谷善四郎君
        国土庁土地局長 永田 良雄君
        国土庁水資源局
        長       堀  和夫君
        国土庁大都市圏
        整備局長    杉岡  浩君
        国土庁地方振興
        局長      川俣 芳郎君
        建設大臣官房長 豊蔵  一君
        建設大臣官房総
        務審議官    吉田 公二君
        建設省計画局長 台   健君
        建設省都市局長 松原 青美君
        建設省河川局長 井上 章平君
        建設省道路局長 沓掛 哲男君
        建設省住宅局長 松谷蒼一郎君
 委員外の出席者
        警視庁刑事局捜
        査第二課長   上野 浩靖君
        科学技術庁計画
        局国際科学技術
        博覧会企画管理
        官       鈴木 和夫君
        国土庁地方振興
        局特別地域振興
        課長      松本 英昭君
        大蔵省理財局特
        別財産課長   根本 貞夫君
        農林水産省経済
        局統計情報部経
        済統計課長   中島 千景君
        農林水産省経済
        局統計情報部農
        林統計課長   楢原 一之君
        農林水産省構造
        改善局建設部水
        利課長     國廣 安彦君
        農林水産省食品
        流通局砂糖類課
        長       高木 勇樹君
        農林水産省農林
        水産技術会議事
        務局振興課長  廣岡 禮二君
        林野庁林政部管
        理課長     鳥居 秀一君
        水産庁漁港部計
        画課長     関口 雅臣君
        運輸省鉄道監督
        局国有鉄道部日
        本鉄道建設公
        団・本州四国連
        絡橋公団監理官 梅崎  壽君
        運輸省航空局監
        部監督課長   土坂 泰敏君
        労働省職業安定
        局特別雇用対策
        課長      矢田貝寛文君
        建設省計画局建
        設業課長    藤原 良一君
        建設省都市局下
        水道部下水道企
        画課長     黒川  弘君
        日本国有鉄道経
        営計画室計画主
        幹       高松 良晴君
        参  考  人
        (水資源開発公
        団総裁)    望月 邦夫君
        参  考  人
        (水資源開発公
        団理事)    大嶋  孝君
        参  考  人
        (水資源開発公
        団理事)    川本 正知君
        参  考  人
        (本州四国連絡
        橋公団理事)  山根  孟君
        参  考  人
        (日本放送協会
        放送総局副総局
        長)      尾西 清重君
        建設委員会調査
        室長      升本 達夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月十日
 辞任         補欠選任
  古川 雅司君     二見 伸明君
同日
 辞任         補欠選任
  二見 伸明君     古川 雅司君
同月十二日
 辞任         補欠選任
  古川 雅司君     二見 伸明君
同日
 辞任         補欠選任
  二見 伸明君     古川 雅司君
同月二十三日
 辞任         補欠選任
  國場 幸昌君     北川 正恭君
  森田  一君     田中 秀征君
  関  晴正君     上西 和郎君
  伏木 和雄君     鈴切 康雄君
  伊藤 英成君     伊藤 昌弘君
同日
 辞任         補欠選任
  北川 正恭君     國場 幸昌君
  田中 秀征君     森田  一君
  上西 和郎君     関  晴正君
  鈴切 康雄君     伏木 和雄君
  伊藤 昌弘君     伊藤 英成君
    ―――――――――――――
三月十四日
 住宅・都市整備公団の住宅建設事業縮小反対
 等に関する請願(池田克也君紹介)(第九六九
号)
同月十九日
 国民生活関連公共事業に関する請願外一件(川
 保健二郎君紹介)(第一二一四号)
 同(草野威君紹介)(第一二一五号)
 同(清水勇君紹介)(第一二一六号)
 同(関晴正君紹介)(第一二一七号)
 同外一件(中村茂君紹介)(第一二一八号)
 同(矢山有作君紹介)(第一二一九号)
 同(五十嵐広三君紹介)(第一三一三号)
 同(河野正君紹介)(第一三一四号)
 同外一件(串原義直君紹介)(第一三一五号)
 同(小林進君紹介)(第一三一六号)
 同(兒玉末男君紹介)(第一三一七号)
 同(上坂昇君紹介)(第一三一八号)
 同外一件(左近正男君紹介(第一三一九号)
 同(佐藤徳雄君紹介)(第一三二〇号)
 同(高沢寅男君紹介)(第一三二一号)
 同(竹村泰子君紹介)(第一三二二号)
 同(辻一彦君紹介)(第一三二三号)
 同(富塚三夫君紹介)(第一三二四号)
 同(中村正男君紹介)(第一三二五号)
 同(野口幸一君紹介)(第一三二六号)
 同(橋本文彦君紹介)(第一三二七号)
 同(古川雅司君紹介)(第一三二八号)
 同(前川旦君紹介)(第一三二九号)
 同(八木昇君紹介)(第一三三〇号)
 同(安田修三君紹介)(第一三三一号)
 同(湯山勇君紹介)(第一三三二号)
 同(吉井光照君紹介)(第一三三三号)
 国民生活関連公共事業推進に関する請願外二件
 (天野等君紹介)(第一二二〇号)
 同(新村源雄君紹介)(第一二二一号)
 同(福岡康夫君紹介)(第一二二二号)
 同(渡部行雄君紹介)(第一二二三号)
 同外三件(井上泉君紹介)(第一三〇二号)
 同(串原義直君紹介)(第一三〇三号)
 同(沢田広君紹介)(第一三〇四万)
 同外一件(中西績介君紹介)(第一三〇五号)
 同(中村正男君紹介)(第一三〇六号)
 同(野口幸一君紹介)(第一三〇七号)
 同(馬場昇君紹介)(第一三〇八号)
 同(細谷治嘉君紹介)(第一三〇九号)
 同(八木昇君紹介)(第一三一〇号)
 同(山花貞夫君紹介)(第一三一一号)
 同(横山利秋君紹介)(第一三一二号)
同月二十二日
 国民生活関連公共事業推進に関する請願(有島
 重武君紹介)(第一三六六号)
 同外二件(中村巖君紹介)(第一三六七号)
 同(山田英介君紹介)(第一三六八号)
 同外一件(井上普方君紹介)(第一四四〇号)
 同(大出俊君紹介)(第一四四一号)
 同(岡田春夫君紹介)(第一四四二号)
 同(川俣健二郎君紹介)(第一四四三号)
 同(永井孝信君紹介)(第一四四四号)
 同(山中末治君紹介)(第一四四五号)
 同外二件(横江金夫君紹介)(第一四四六号)
 国民生活関連公共事業に関する請願外一件(小
 川仁一君紹介)(第一三六九号)
 同(長田武士君紹介)(第一三七〇号)
 同(上西和郎君紹介)(第一三七一号)
 同(小谷輝二君紹介)(第一三七二号)
 同(駒谷明君紹介)(第一三七三号)
 同(竹内勝彦君紹介)(第一三七四号)
 同(鳥居一雄君紹介)(第一三七五号)
 同(日笠勝之君紹介)(第一三七六号)
 同(水谷弘君紹介)(第一三七七号)
 同外一件(矢追秀彦君紹介)(第一三七八号)
 同(網岡雄君紹介)(第一四四七号)
 同(池田克也君紹介)(第一四四八号)
 同(上野建一君紹介)(第一四四九号)
 同(大原亨君紹介)(第一四五〇号)
 同(加藤万吉君紹介)(第一四五一号)
 同(金子みつ君紹介)(第一四五二号)
 同(佐藤観樹君紹介)(第一四五三号)
 同(関山信之君紹介)(第一四五四号)
 同(田中恒利君紹介)(第一四五五号)
 同(田並胤明君紹介)(第一四五六号)
 同(武田一夫君紹介)(第一四五七号)
 同(中村重光君紹介)(第一四五八号)
 同(永井孝信君紹介)(第一四五九号)
 同(藤田高敏君紹介)(第一四六〇号)
 同(堀昌雄君紹介)(第一四六一号)
 同(松沢俊昭君紹介)(第一四六二号)
 同(村山富市君紹介)(第一四六三号)
 同(山中末治君紹介)(第一四六四号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振
 興特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出第一六号)
 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部
 を改正する法律案(内閣提出第一七号)
 建設行政の基本施策に関する件
 国土行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
○浜田委員長 これより会議を開きます。
 建設行政の基本施策に関する件及び国土行政の基本施策に関する件について調査を進めます。(私語する者あり)
 お静かに願います。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 両件調査のため、本日、参考人として、本州四国連絡橋公団理事山根孟君、水資源開発公団総裁望月邦夫君、理事大嶋孝君、理事川本正知君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
○浜田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。前川旦君。
○前川委員 私はせんだって本四架橋の現場を丹念に見させていただきました。工事が順調に進んでおりますだけではなくて、現地の担当しております皆さんが非常な情熱を持ってこの世紀の工事に取り組んでおられる姿を見まして、非常に胸の打たれるものを覚えたわけであります。
 そこで、まず最初に、建設大臣にお伺いいたしますが、本四架橋に関する大臣の熱意のほどはいかがか、お伺いをしておきます。
○水野国務大臣 本四架橋、本四連絡橋事業につきましては、昭和六十二年度までに一ルート四橋を完成させるよう事業の推進を図ってきたことは御承知のとおりでございます。そして既に大三島橋、因島大橋が開通していることも御承知のとおりでございます。現在建設中の一ルート二橋については、大鳴門橋は昭和五十九年度、児島−坂出ルート及び伯方・大島大橋は昭和六十二年度の完成を目途に事業を進めているところでございます。工事はいずれも順調に進んでおり、計画どおり完成するように、今後とも事業の進捗を図ってまいるつもりでございますので、どうぞ御安心をいただきたいと思います。
○前川委員 それでは政府委員の方から具体的に進捗状況を伺わしていただきたいと思います。
 まず、五十八年度末、それから五十九年度のこの新しい予算執行段階、二つに分けまして、予算の執行の面から見た進捗率の御説明をいただきたいと思います。
○山根参考人 お答え申し上げます。
 事業の実態的なことでございますので、本四公団の方からお答えさせていただきます。
 児島−坂出ルートでございますが、昭和五十三年十月に着工いたしましてから、鋭意建設を進めてきておりまして、現在、南北備讃瀬戸大橋初め、海峡部にかかります主要六橋の下部工が順次完成しつつございまして、一部では北備讃瀬戸大橋、下津井瀬戸大橋につきましては、塔が立ち上がっているという状況で、先生野にごらんをいただけたかと思います。上部工の最盛期を迎えようとする時期でございまして、支出ベースで申し上げますと、昭和五十八年度末は四割弱という状況でございますが、契約ベースとしましては、六割程度の進捗というぐあいに考えております。
○前川委員 五十九年度の新しい予算ですね、この予算でどの程度の進捗になりますか。
○山根参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、塔の架設等が始まっておりますが、昭和五十九年度は、先ほど申し上げました塔の架設を完了して、ケーブルの架設に着手するといったように、上部工が最盛期を迎えることになります。公団といたしましては、昭和五十九年度末の進捗率は六割弱、契約ベースでは約八割程度というぐあいに見込んでおります。
○前川委員 一年後には、五十九年度末には予算の執行六〇%、契約ではもう八割まで終わるというふうに伺いました。一日も早く開業を望んでいる地元の人にとって、大変力強いお答えだったと思います。
 さて、一つ心配になりますのは、去る二月二十九日の、これは朝日新聞の地方版に報ぜられましたが、橋台の側面コンクリートに、通常の二倍規模の亀裂が入って、公団は丸一カ月作業を中断してきた、こういう記事が出ておりまして、地元は非常に心配をしておりますが、この点は進捗に対して心配はないのでしょうか。
○山根参考人 お答え申し上げます。
 ただいま御指摘のように、南北備讃瀬戸大橋の中央部分の橋台、これは北備讃瀬戸大橋と南備讃瀬戸大橋のケーブルを両方定着する橋台のことでございまして、これにひび割れが発生いたしました。ひび割れの箇所はケーブルアンカーフレーム、つまりケーブルを定着いたします金物の下の土台になる部分でございまして、幅一ないし二ミリメートルの程度のものが十数カ所あらわれておりますが、通常の場合よりも若干多く発生しているという状況でございます。
 この原因でございますが、温度応力によるものとコンクリートの乾燥収縮が主なものでございます。たまたま昨年の夏は大変な高温でございまして、またことしの冬は大変な厳寒という状況でございまして、こういったことでありましたが、通常の工事の場合でもよく発生をしておるものでございます。このひび割れの問題でございますが、先ほど申し上げましたように、ケーブルアンカーフレームの土台となる部分でございまして、しかも、この部分には当初から鉄筋を入れてございますので、構造上は全く心配はございません。
 それから、工程上の問題でございますが、この橋台、私ども四Aと言っておりますが、この工事では、コンクリートの打設を昨年の十二月二十五日に行った後、鉄筋の組み立てでございますとか圧接等あるいは次の打設の段取りといったようなものを行いまして、二月の二日に次のコンクリート打設を行ったものでございまして、特に工事を中止をしたというものではございません。なお、この間大雪等によります中断はございましたが、全体の工程には影響を及ぼすものではございません。
○前川委員 現地の技術者は心配ないと説明をしてくれましたが、いまこの委員会の席で山根理事からはっきり影響はないと正式におっしゃっていただいて、これはひとつ安心をいたしました。
 さて、それではこの併用橋に乗せる国鉄、鉄道について伺いますが、実はこれは併用橋として今まで進められてきたわけであります。四国全体が併用橋として大きく期待をしているわけでありますが、実は五十八年の七月二十一日にある新聞に、国鉄再建監理委員会が児島−坂出ルートで鉄道は中止するよう総理に提言する方針を固めたという記事が載りまして、実は四国全体が大騒ぎになったわけであります。その後、この国鉄再建監理委員会は八月二日総理に対して緊急提言を行いました。その中を見ますと、本四架橋については、徹底して見直しをする、工事規模の抑制、工事費の節減に努める、こういう提言がなされているわけであります。これだけを見ますと、せっかくの併用橋が何か危なくなってくるのではないかという心配、不安が依然として残るわけでありますが、これはいかがでしょうか。そういう心配はないと考えてよろしいでしょうか。
○梅崎説明員 お答えいたします。
 昨年八月の国鉄再建監理委員会の緊急提言は、国鉄の設備投資抑制との関連から、国鉄以外の事業主体が行います設備投資につきましても、「徹底した見直しを行い、さらに工事規模の抑制及び工事費の節減に努めるべきである。」こういう指摘でございますが、私どもといたしましては、これが直ちに本四備讃線の工事の中止を求めているものではないというぐあいに理解いたしております。私どもといたしましては、この緊急提言を踏まえまして、工事費の節減などにつきまして鋭意努力をしているところでございます。
○前川委員 工事費の節減等の努力はするけれども、この提言は鉄道はやめなさいというふうには受け取っておりませんとはっきりおっしゃいますか。何かあいまいですよ、今のお答えは。
○梅崎説明員 この提言が工事の中止を求めているものではないということで私どもも理解いたしまして、五十九年度の予算要求に関しましても、運輸省といたしましては、現在の計画に従いまして完成するということで予算要求をいたし、現在御審議をお願いいたしております五十九年度予算案にいたしましても、必要な建設費を計上いたしておるところでございます。
○前川委員 くどいようですが、公団に確認をしていただきたいと思いますが、この提言の中で、「提案する事項がまず昭和五十九年度予算上に的確に反映されることを期待する。」という文章があります。つまり、この提言する事項を五十九年度の予算案に的確に反映させてもらいたいというのが提言の内容であります。ところが五十九年度の予算を見ますと、前年度に比べて国鉄関係も現実には四〇%近い増額になっています。ということは、もう国鉄を通すということをやめるとか削るとかいう心配は一切ないんだ、あくまでこれは鉄道は通しますというふうに公団からも確認していただきたいと思いますが、いかがですか。
○山根参考人 お答え申し上げます。
 私どもといたしましては、本四備讃線は本州と四国を結びますいわば当面唯一の幹線鉄道でございます。同時にまた、道路鉄道の併用橋ということで主体部分を建設しております。そういったことからぜひとも計画どおり完成することが将来の利用者の負担なりあるいは一般への負担をむしろ軽減する方向であるというぐあいに考えておりまして、たまたま国鉄監理委員会の委員長以下の諸先生方が現地を昨年十一月にごらんいただきまして、現地の進捗状況等もつぶさに御視察をいただきまして、私どもの仕事の理解が得られた。やはり計画どおり進捗をするのが適当ではないかというような御理解を得たと考えております。
 ただ、そうは申しましても、建設費の節減という点では私ども努力をいたしてまいらなければならないわけでありまして、こういった点につきましては、運輸省御当局、日本国有鉄道ともいろいろ打ち合わせをさせていただきまして、構造の見直し等を行いまして、経費の節減に努めているところでございます。
○前川委員 今の国鉄再建監理委員会というのは、臨調の方針に基づいて設置された機関であろうというふうに思います。そこで、これは運輸省に伺いましょう。
 臨調の第四部会の報告、「三公社、特殊法人等の在り方について」昭和五十七年五月十七日、この中の「建設投資の在り方」の中に、「進行中の大規模プロジェクト(青函トンネル、本州四国連絡鉄道)については、完成時点において、分割会社一国鉄一の経営を圧迫しないよう国は措置する。」という言葉があります。素直に読めば、臨調は、青函トンネルと本四連絡鉄道については完成時点のことを、その費用の負担のことを言っておるのであって、完成させるということが前提である。つまり臨調ではこの完成を認知というか前提としての。提言であって、これは臨調でもちゃんと認められたことなんだ、こういうふうに解釈をしますが、よろしゅうございますか。
○梅崎説明員 お答えいたします。
 臨調答申の先生御指摘の部分につきましては、国鉄再建対策との関連で、分割後の国鉄経営に関連しまして、その経営上必要となることが考えられます措置につきまして述べたものでございまして、併用橋の是非についてまで言及しておるものでないと理解いたしております。Dルートに鉄道施設を建設するということは、昭和四十八年の基本計画により決めておるものでございまして、御指摘の答申の部分は、この計画に基づきまして本四備讃線が建設され、分割後の国鉄がこれを経営するといった場合に必要な国の措置につきまして指摘している、こういうぐあいに考えております。
○前川委員 何かあなたちょっと歯切れが悪いですよ。要するに臨調は、これが完成した暁に、その費用について国が措置をしなさい。リース料について言っておるのであって、あくまで完成が前提なんだということを言っておるのであって、そう理解してよろしいでしょう。そうじゃありませんか。
○梅崎説明員 国鉄が経営するということを前提として、国が必要な措置をする。あるいは分割後の国鉄が経営するということを前提としまして、国が必要な措置をするということであろうと思っております。
○前川委員 押し問答しておってもいけません。私はそういうふうに素直に理解をしておるわけです。あくまで臨調が認知しておる。臨調に認知されておる工事に対して、臨調に基づいて設置された国鉄監理委員会がそれを中止せよとかやめろということをもし言うとしたら、大変な越権行為であると私は思います。それは常識だろうと思いますから、申し上げるだけにしておきます。
 しかし、翻って考えてみて、これは建設省と公団に伺いますが、国鉄にしても、現地へ行けばトンネルをどんどん掘っていますね。新幹線のトンネルまで掘っていますね。それから共用部門も併用橋として工事がどんどん進められていますね。先ほどの話では、一年後に八割まで契約は進むというお話でした。もし仮にここで国鉄が取りやめということになったらどんな混乱が起きるのだろうか。私は大混乱が起きると思いますよ。せっかくの資材、設備が雨ざらしになる。これは国として大変な損ですね。国益を害します。まして八割まで受注していたのをひっくり返す、これは不可能な話だと思いますね。どうでしょうか、これはとてもじゃないが不可能だと思いますが、どういうふうにされますか。
○沓掛政府委員 御説明いたします。
 児島−坂出ルートについては、既に契約で八割ベースいたしておりまして、これから残っておるものは現地の架設が主たるものでございます。したがって、既に工場でできたものをこれからやめてしまうというわけには実態上もまいらないと思いますし、またその費用負担について道路側で負担するということについては、道路側自体も有料道路として受益者負担の制度を活用するものでございますから、有料道路制度の建前からも、道路側でそれを負担するということは非常に困難でありますし、かつ、現在道路側は一ルート四橋で採算性の確保を図っておりますが、さらにそれ以上の負担となりますと、採算性上も問題が出てまいりますので、これはどうしても鉄道側でも応分の負担はしていただいて、所期のとおり完成するしかないというふうに考えております。
○前川委員 結構です。ここまで来たら後へは引けない、最初の計画どおり押しまくるしかないというふうに今、局長の御答弁があったというふうに理解をいたします。今ので非常に結構です。
 それじゃ……
○浜田委員長 ちょっと待ってください。今、運輸省の負担を要求する、要求をしなければならないという答弁ですね。突き詰めれば、運輸省が負担するかどうかをあなたからきちっと確認しないと質疑は終わったことになりませんから、念のために注意しておきます七
○前川委員 私は今ここで、途中で国鉄関係の工事をとめるというようなことがあったら大変なことになる、そのことを担当の建設省に確認を求めたわけです。そうすると、今、建設省の道路局長から、とてもじゃないけれども、今まで鉄道で投資した金を道路で回収するようなことは不可能だ、まして八割まで契約したものを今から取りやめるということは不可能だ、やめるということは絶対不可能だという答弁をいただきましたので、それならそれで結構ですというふうに思いましたので、そういうことで進めさせてください。
○浜田委員長 これは余分なことですが、これは申しわけないのですけれども、あなたはそれで満足されるのは結構ですが、運輸省は非常に抽象的な答弁をしていますから、もう一歩突っ込んで運輸省に……
○前川委員 わかりました。運輸大臣がいらっしゃればかなりはっきりしたお答えがいただけるのだろうと思いますが、今の梅崎監理官にはちょっと荷が重いのかもしれませんね。しかし、荷が重いかもしれないけれども、一番大切なところですから、せっかく委員長からああいうふうに勧めていただきましたので、国鉄も運輸省も、後退はしない、絶対やり遂げますというふうにお答えいただきたいと思います。いかがでしょう。
○梅崎説明員 Dルートの建設につきましては、道鉄併用橋で六十二年度に完成する、こういう計画で工事を進めておるところでございますし、私どもといたしましても、この計画に基づきまして今後とも進めてまいりたい、こう考えております。
○前川委員 これは梅崎さんを相手にしてもこんにゃく問答みたいになりそうですので、今ある程度のお答えが出ましたから、また次の機会に運輸大臣かどこかで……
○浜田委員長 社会党は発言だけすれば、責任は持たなくていいのですか。
○前川委員 いやいや、これはこれ以上突っ込んでも出ないと思いますから、委員長、それは御理解ください。
○浜田委員長 どうぞ前川君、発言を許します。
○前川委員 これは完成した暁には、あくまでも公団の財産を国鉄が借りるわけですね。そうなりますね。このリース料が、いろいろ言われておりますが、年間どれぐらいというふうに試算されておりますか。普通五百億という話を聞きますが、それも正式に決まった数字はないというふうに聞いています。これはどうなんでしょう。
○梅崎説明員 利用料の点でございますけれども、現在の段階ではそのシステムにつきまして正式に決まって劣る状況にはございませんけれども、建設に要した費用を四十年間元利均等で償還するということで回収することにいたしまして、開業後の助成がないとした場合には、毎年五百億円を超えるというような利用料になると試算いたしております。
○前川委員 毎年五百億円という試算、そのとおりなんですね。その場合に、ではその五百億をだれが負うか。国鉄は負えない、こう言っているわけです。臨調の方は、国が措置をせよというふうに言っているわけですね。これはどうなんでしょうか。
 本四公団の方に伺いましょうか。このリース代、これは臨調では国が措置せよ、こう言っているのですが、地方自治体に貸し出すということは、四国の四県は非常に貧乏ですから、これだけはやらないということを確認してもらえますか。どうでしょうか。
○山根参考人 現行制度におきましては、国鉄の利用料という形で投下資金をいわば償還をすると申しますか、回収をするというような考え方になっております。したがって、ではその利用料を現下の情勢でどのように負担をしていくかということにつきましては、これからの国鉄監理委員会等でいろいろ御議論があるところであろうというぐあいに考えております。私どもとしては、これに対してどうこうということは申すべきものではないというぐあいに考えております。ただ、私どもとしては、これまでにかかりました費用については、何らかの方法で回収できるような形にお願いをしたいというぐあいに考えております。
○前川委員 公団はかかった費用を回収するということをおっしゃっただけなんです。それはよくわかります。私が伺っておるのは、その回収する――年間五百億円リース料を取るわけでしょう。その取るのに、臨調は国が措置しなさいと書いてありますが、地方自治体の心配は、今ここにも心配の声が上がっていましたけれども、四国四県の地方自治体にその負担をさせられたら、これはとてもじゃないが能力はないのです。大変なことになるのです。だから、そういうことは考えておりませんということになりませんか。それとも、これから先の話ですか、可能性はあるという意味ですか。そういうことは考えていないということでよろしくはございませんか。いかがでしょう。
○山根参考人 お答え申し上げます。
 国において措置していただくように私どもは考えております。
○前川委員 国で措置してもらうように考えておるとはっきり言われましたので、次へ進みたいと思います。
 これから、国鉄の最後の工事にかかるわけですね。これはつまりレールから下は五十九年度で済む。レールから上の例えば信号、シグナルとか架線とか、そういった実際の最終的な運用あるいは駅舎の整備、これは本四公団が実施計画を作成して、国鉄と協議して、運輸省の認可を求めるのだと思いますが、手続としてはそのとおりでよろしゅうございますか。
○山根参考人 仰せのとおりでございます。
○前川委員 それではまず第一に、本四公団はいつごろ実施計画を作成して、いつごろ国鉄と協議をして、いつごろまでに運輸省の認可をもらうというふうに日程を組んでおられますか。これが一つです。もう一つは、あくまでも複線電化で進みますか。その二つお願いします。
○山根参考人 お答え申し上げます。
 先ほど来申し上げておりますように、このルート、本四備讃線の昭和六十二年度工事完成のためには、ただいま先生おっしゃいました軌道、電気、駅建物といった開業関係設備の一部について、昭和六十年度には着手をいたさなければならないという工程に相なるわけでございます。公団としては、これに関係をいたします工事実施計画の認可を本年じゅうには得たい。したがいまして、これに先立ちまして、さまざまな手続、打ち合わせ等を進めてまいりたい、かように考えております。
 第二点の複線電化の問題でございます。これは本四備讃線の工事基本計画では複線電化というぐあいに御指示を受けております。その方針で今後進めてまいりたいというぐあいに考えております。
○前川委員 運輸省の指示に従って公団は工事をするわけですね。そうすると、ただいまの基本計画というのは、昭和四十八年九月二十一日指示「本州四国連絡橋に係る鉄道の基本計画」、五十六年十月八日に変更指示、これは茶屋町から分岐というふうに宇野線の分岐点が変わりました。この基本計画では、本四備讃線は電化複線、明確にこれはなっているわけです。したがって、今、山根理事が答えられましたように、この指示どおり公団は実施する義務が当然ありますね。ですから、あくまでも複線電化の義務を果たすように、それであくまでやります、今そういうふうにおっしゃったと思いますが、もう一度確認したいと思います。それでよろしゅうございますね。
○山根参考人 これから実施計画の手続を、御認可を得るための作業を進めてまいるわけでございますので、この方針で進んでまいりたい、かように考えております。
○前川委員 さあそこで、電化複線で橋を通りまして、四国側へおりて予讃線と出会います。その予讃線が非電化単線のところへつながるわけであります。そこの受け皿をどういうふうに考えていらっしゃるのか。我々地元としては、受け皿もせめて最低電化してこれは受けたい、そういうふうにしてもらいたい、こういうふうに考えておりますが、これは公団と国鉄と両方から答えていただきましょうか。電化でおりてきてつながるところは単線非電化なんです。これをどういうふうに考えていらっしゃるのか。地元としては、つながるところの予讃線も複線電化で受けたいというのが当然の地元の希望なんでありますが、そこのところどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○高松説明員 お答えします。
 今の複線電化の問題につきましては、先生おっしゃるとおり、基本計画におきまして予讃線につきましては複線電化という御指示はいただいております。しかしながら、鉄道輸送につきましては、やはり輸送の実態に合った形でもって設備をつくっていくというのが基本でございます。当面の措置としてどういうふうにやっていくかにつきましては、先ほど本四公団からお話ございましたように、これから開業設備の協議の中で検討させていただきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○前川委員 きょうは委員長から非常に力強い御支援をいただいておりますので、私もひとつ強気で質問したいと思います。
 予讃線というのは、高松−坂出までは複線なんですね。それから単線区間になって、それからまた丸亀から多度津までは複線になっているのです。複線と複線に挟まれて、ちょうど単線の区間が何キロかあるのですね。その単線のところへ複線電化をつなぐわけでしょう。それなら、国鉄で五千億もの当初予算ですから、最後の三十億や四十億をけちらないで複線電化でお受けになるのが常識じゃないでしょうか。その点いかがですか。
○高松説明員 今、先生がおっしゃったように、予讃線につきましては単線部分もございますしあれでございますが、やはり先ほど申し上げましたとおり、輸送の実態に合った形で、監理委員会からも御指摘のとおり、最小限限られた資金を有効に使うという観点から対処してまいりたいと考えておりますので、実際のダイヤをいろいろ検討した上で結果を出したい。検討課題だと思っております。
○前川委員 それでは複線の話はちょっと金が絡みますから除外しましょうね。電化の話だけに狭めます。
 電化で橋の上を電車が通ってきて、そして電化された線路とぶつかる。せめて高松へ行くぐらいの間、わずか十何キロですけれども、ここだけは電化ということになりませんか。そういうふうに考えたらどうですか。検討していますか。検討の値があると思いますか。いかがですか。
○高松説明員 お答えします。
 今の電化の件につきましては、一つの案としていろいろな議論があると思います。そういう中での検討課題だと思いますし、今先生おっしゃいました予讃線のみならず、本四備讃線の中につきましても、どういう列車を通し、電車の方がいいのかディーゼルの方がいいのか、いろいろな量によって違ってまいりますので、その点を踏まえて検討していきたいと思っております。
 以上でございます。
○前川委員 はっきりお答えください。高松まで予讃線の一部電化、これは検討の課題でよろしゅうございますか。検討の課題にする。
○高松説明員 検討課題の一つでございます。やらない場合もありますし、やる場合もございます。そういうことでございます。
○前川委員 それは将来のことですから、あなたはそういうふうに言われるかもしれませんけれども、ちょっと考えてもらいたいのは、いずれ高松新空港というのがつきますね。そこで、私ちょっと計算をしてみましたけれども、飛行機と国鉄と競争、これは少なくとも大阪までだったら競争できるのではないだろうか。御承知のとおり、四国の東半分は大阪の経済圏なんです。おわかりですね。例えば、私はこれは知らなかったのですが、飛行機のダイヤの何分発というのは車輪が離れるときがそうなんだそうですね。車輪が土地についたときが何分着なんです。私はこれは知らなくて、テレビのクイズか何かで知ってびっくりしたのですが、それを考えると、我々の経験からいうと、飛行機が飛び立つまでに僕ら三十分から四十分は早く飛行場へ行っていますね。搭乗手続がありますね。それから飛行機へ乗り込む。それから滑走路の方へのろのろと転がっていく。そこで管制塔から離陸のオーケーをとって離陸する。少なくとも四十分くらい時間がかかると私は思うのです。それから高松−大阪間、これはYSで四十分足らずですけれども、今度747が入っても四十分かかると思いますよ。距離が近いからジェットのメリットは余りありません。そうすると、飛行時間は大体四十分ぐらい。それから今度伊丹飛行場へ着いてから新大阪行きのバスヘ乗るまで、着陸してから乗るまで三十分かかりますね。それからバスで新大阪までは二十五分かかります。全部合計しますと百二十分以上かかる。二時間以上かかるのです。そうしますと、私は連絡船をよく利用しますが、連絡線の乗客の六割までが高松ております。もし高松発岡山行きの快速電車か特急電車を通したら、それで岡山で新幹線に乗りかえるとしたら、二時間ちょっとで大阪へ届きますね。そうすると、時間的にはほとんど変わらない。そうなると、料金が安いだけに競争が強いということになります。競争は十分にできるというふうに私は思いますが、そういうことを検討されますか。そうお考えになりませんか。
○高松説明員 先生御指摘のとおり、備讃線が開通いたしますと、岡山−高松間で申しましても三十分短縮いたします。そういう意味で、大阪から高松への連絡はいかんという御議論がございます。在来線でもって参りますと、大阪からですと二百五十キロになってしまいますので、これは現在東京−伊東で「踊り子」という特急を直通で走らせていただいて御利用いただいておりますけれども、あの距離の場合ですと百二、三十キロでございます。大阪−高松となりますと三時間くらいになりますので、ちょっと距離からいいますと、東京−浜松くらいでございますので、やはり先生御指摘のとおり、新幹線に乗りかえていただくというのが一番よろしいんではないか。そういうふうに考えていきますと、現在の運賃で試算いたしますと、岡山−高松間で距離は延びますけれども、若干ふえますが、時間の三十分短縮というものから考えましてメリットはあると思います。そういう点も踏まえ、先ほどおっしゃった輸送形態のあり方等についてメリットもあり、またデメリットもいろいろあると思いますし、そういうことでいろいろ検討していきたいというふうに考えております。一つの検討としてやっております。
○前川委員 いつごろまでに結論を出しますか。
○高松説明員 この開業設備の協議につきましては、本四架橋公団から五十九年度内に結論を出してほしいという御要請が来ております。私どももそれを受けまして検討してまいりたいと思っております。
 ただ、いずれにしましても、先ほど御議論がございました建設費の償還の問題、国鉄としてはとてもこれはしょい切れる話ではございませんので、何とぞよろしくお願いしたいと思います。
○前川委員 それじゃ私は前向きに今の電化の問題は真剣に検討してもらいたい。このことは検討の課題だとおっしゃいましたけれども、念を入れて要請をしておきます。よろしゅうございますね。
 それから、これは地元の森田代議士がおいでなのでちょっと越権行為かもしれませんけれども、今の予讃線へぶつかって、それから坂出駅へ入りますね、国鉄は。この坂出駅はこれから高架にするのですか。どうでしょう。これは都市局の方の所管であろうと思います。都市局として、建設省として、これは連続立体交差というふうに考えて国鉄の方に申し入れされるのかどうか、その辺の見通しはいかがですか。
○松原政府委員 御指摘の坂出駅付近の連続立体交差事業につきましては、現在事業主体として予定されております香川県と国鉄との関係機関とで調整を行って、都市計画決定の準備を進めているところでございます。今後も早急に都市計画決定が行われるように、事業主体になります香川県を指導してまいりたいと考えでございます。
○前川委員 もうちょっと突っ込んでいただきたいのですが、もうごく最近の話ですね。国鉄が上を通って、橋を通っておりて予讃線と結ばれるというのは、先の遠い話ではありませんね。あれは坂出市の八幡町のところだったと思いますが、八幡町というところで予讃線と接続しますね。それから一・四キロたてば坂出駅になりますね。この坂出駅は、立体つまり高架で坂出駅へつなぐのか。それから先にアプローチを延ばすのか。それとも平面でいくのか。その辺の計画は今どうなっていますか。どういうお考えですか。
○松原政府委員 お答えいたします。
    〔委員長退席、中島(衛)委員長代理着席〕
 私の方は、坂出市の市街化の将来の発展のために、連続立体をいたしまして、市街地の一体的整備を図る必要がある、こういう判断のもとに香川県から要望がございまして、五十七年度に新しい新規事業箇所として採択を決定いたしてございます。
 ただ、事業を実際に行います場合には、国鉄と香川県との協議が成立することが前提になるわけでございまして、その協議がまだ整っていない、こういう現状でございます。
○前川委員 国鉄との協議がまだできていないということでありますが、国鉄はどういうお考えを持っていらっしゃるか。例えば複線が無理であれば、仮に単線でも高架で入れるようにするとか、具体的にある程度案を持っておられますか。いかがですか。
○高松説明員 坂出駅の取りつけにつきましては、今のところ平面で取りつける予定で考えております。
 それから、先生お申し越しの坂出駅高架につきましては、坂出駅のところに現在貨物線がついております。御承知のとおり貨物のシステムチェンジという問題を考えますと、今後の貨物の動向がどうあるか、都市施設でございますので、相当遠い将来を見通したところでつくっていかなければいかぬと思いますので、その辺のことを見極めた上で十分検討させていただきたいというふうに考えております。
○前川委員 そうすると、貨物引き込み線、海岸線等もありますが、そういう点をずっとこれから考えた上で将来の高架というのは考える、今のところは平面というふうに考える、そういうふうな御答弁でしたね。
 ただ、私お願いしておきたいのは、仮に単線高架ということになりましても、それが単線がコンクリートになるようなことでなくて、将来やはり複線でいけるというふうな工事でやってもらいたい、このことを希望したいのですが、その点はいかがですか。
○高松説明員 これは今後の計画でございますので、これはもちろん私どもは運輸大臣の御認可をいただかなければいけませんし、各省庁等の御指導をいただきながら検討させていただきたいと思います。
○前川委員 もうちょっと西の方へ行って、丸亀駅の方を今高架をやっていますね。これは単線だけれども、将来いつか複線にできる含みを持たしたキャパシティーのある工事をやっておるでしょう。ああいうのが常識だろうと思いますが、坂出もああいう格好でやりますか。望ましいと思いますが、どうですか。
    〔中島(衛)委員長代理退席、委員長着席〕
○高松説明員 現在白紙の状況でございますので、これから検討させていただきたいと思います。
○前川委員 それでは建設省にお伺いいたしますが、六十三年度の供用開始までに関連道路網の整備は間に合わせますか。合わせていただきたいと思いますが、いかがですか。
○沓掛政府委員 児島−坂出ルートの四国側の起点は坂出南インターチェンジであり、本土側、岡山県側の起点は早島インターチェンジでございますが、この四国側の坂出南インターチェンジから東側との接続につきましては、坂出丸亀バイパス、さらに高松バイパスを経て接続を図っていきたいと考えておりまして、そのための工事を進めております。また西側の接続につきましては、坂出丸亀バイパス、さらには現在工事中の善通寺バイバスを経まして、四国横断自動車道の善通寺インターチェンジに入りまして、この四国高速道路につきましては、六十二年度までに善通寺からさらに土居まで供用されることになりますので、このような現在建設中の工事を六十二年度までに整備し、東西の交通の処理を図っていきたいというふうに考えております。
 本土側でございますが、岡山にあります早島インターチェンジからは、東側の接続につきましては、岡山バイパス、さらには東偏西播開発道路を経て接続したいというふうに考えておりますし、西側の接続につきましては、現在山陽自動車道を工事中でございますが、早島インターチェンジから福山西インターチェンジまでを供用開始することによって接続を図っていきたい。また本土側の北の方につきましては、一般国道五十三号や一般国道百八十号を経て接続を図っていきたいというふうに考えております。
 今申し上げた道路については、一部工事中の区間もあるわけでございますが、これらにつきましても六十二年度までには整備し、児島−坂出ルートが供用の際には、これらのルートを経て各地域との接続を図れるようにしていきたいと考えております。
○前川委員 それではもうちょっと具体的に伺いましょう。
 橋からおりてきて最初のインターチェンジは坂出北インターチェンジですね。これは臨海産業道路におりできますね。その臨海産業道路を二車線でも、片側だけでもせめて六十三年度開業に間に合わすように通してもらえますか。通しますか。その計画はどうですか。
○松原政府委員 御指摘の臨海産業道路は、高松市から詫間町に至ります臨海部延長約四十キロの幹線道路のことかと思います。
 御承知のように、この道路は香川県の臨海地帯を直結しまして、かつ瀬戸大橋完成後の地域交通、地域開発に寄与する幹線道路でございます。このうち高松市から多度津間の延長約三十四キロを第一期工事として現在事業の進捗を図っているわけでございます。これはいろいろな手法で事業の進捗を図っております。街路事業、区画整理事業、地方道事業あるいは有料道路事業、そういう各種の事業手法を組み合わせまして推進を図ってまいりました。現在の厳しい財政状況の中でも、特に重点的に配慮をいたしまして進めてまいったところでございます。
 高松市と坂出市の間の約十六・五キロにつきましては、現在既に十二キロが供用をされております。残りの四・五キロにつきましても、早期完成を目指して事業の推進を図っております。残りの坂出−多度津間の十七・五キロにつきまして、十キロについては供用中でございますが、残りの七・五キロの区間につきましては、残事業も非常に多くて、現在のところ、瀬戸大橋の供用時期までに開通するという確たる見通しが立てれない状況でございますが、建設省としても、早期開通を目指しまして、これから鋭意努力を続けてまいりたいと考えております。
○前川委員 今のお答えは、インターチェンジはできるけれども、まず北側のインターチェンジにつながる道路が、そこへ至るところまではできているけれども、肝心のインターチェンジにつながるところが開業に間に合うのか間に合わないのか大変あいまいなお答えでありました。先ほどの御答弁にありましたように、開業に間に合うように周辺の道路網の完成を急ぐように努力するというのであれば、これは最大限の努力をして、開業時にはインターチェンジにつながないと、車が来てもその車が行くところがないんじゃありませんか。変なことになりますよ。どうなんです。何かあいまいで、もうちょっと熱意がありませんか。いかがです。
○松原政府委員 お答えいたします。
 御指摘のインターから高松側の方には、それまでに間に合うだろうと思っております。丸亀側の方につきましては、今後とも努力をしてまいりたい、こういう段階でございます。
○前川委員 わかりました。少なくとも、最低限東へ行く分は間に合わすというふうに今見通しを述べられましたね。それを確認してよろしゅうございますか。東というか高松の方に行く分は間に合うだろう、間に合わす、よろしゅうございますね。
○松原政府委員 お答えいたします。
 御指摘のように、東に参りますものにつきましては間に合うだろうという見通しを持っております。
○浜田委員長 だろうというのは推量の助動詞ですから。
○前川委員 そうなんです。委員長、どうもありがとうございます。
 気になるところなんですね。傍観者みたいにおっしゃってはいけませんよ。多分間に合うでしょうということじゃいけませんよ。これは委員長が御指摘のように、もう少しはっきり答えていただかないといけませんね。どうです。
○松原政府委員 私が間に合うだろうと申し上げましたのは、私の方が事業主体でございませんで、私の方はその事業主体に対して補助いたします立場のものでございますから、事業主体が違います関係で、そのように申し上げたのでございます。
○前川委員 これは事業主体は県の方ですから、県はあくまでも間に合わすということで必死になっているのですよ。それを建設省が助けてくれるかどうか、そこがポイントなんですよ。補助なら補助金をちゃんと出して、県の事業に対して建設省が助けないと、これは県が主体だから、多分いけるだろうなんておっしゃるけれども、県は必死になってやろうとしているのです。それを国がどれだけちゃんと支えてくれるか、ポイントはそこです。いかがですか。
○松原政府委員 お答えいたします。
 私の方は十分県をバックアップする気持ちはございます。
○前川委員 バックアップするつもりはございますということは、もう一週言い直しますと……
○浜田委員長 県に予算がないということです。
○前川委員 いや、県はないそで振ってでも頑張ろうとして歯を食いしばっているのです。ですから、県が一生懸命やろうとしていますから、建設省はそれにこたえてちゃんといたしますということで確認してよろしゅうございますね。
○松原政府委員 私はそのつもりでお答え申し上げたわけでございます。
○前川委員 そうすると、私が今申し上げましたように、県の熱意に応じて建設省の方でちゃんといたしますということで同意してよろしゅうございますね。それでよろしゅうございますね。あなたはうなずいておられますが、よろしいですね。
 それでは委員長の前でこれはちゃんと確認しておきたいと思います。
 さて、もう一つの道路ですが、四国自動車道、四国には高速自動車道は開通しているのが一本もないのです。後進地域です。この四国の自動車道の軸になるのは四国横断道ですが、善通寺−豊浜間は六十二年度末までに間に合いますね。開業に間に合いますね。先ほど道路局長から答弁がありましたが、肝心の善通寺−高松間ですが、これの工事の実施計画の認可はいつごろ考えておられるのか。どう考えていらっしゃいますか。
○沓掛政府委員 ただいま先生御指摘の四国横断自動車道の高松市から善通寺市間二十二キロメートルは、昭和五十七年一月に整備計画が策定されておりまして、現在日本道路公団におきまして、事業実施のために必要な調査及び関係機関との調整を鋭意行っているところでございます。
 建設省といたしましては、その成果を得まして、日本道路公団に対し施行命令を出し、引き続き工事実施計画の認可をしたいと考えております。
○前川委員 これは地元にいろいろ問題があるということは私も知っておりますから、とにかく地元は地元で努力はいたしますので、建設省は建設省で最大の努力をいたしていただきたい、このようにお願いをしておきます。
 さて、この関連の整備事業では地元の自治体に非常に集中的に費用が要るのです。例えば坂出なんか都市の下水整備をやらなければいかぬでしょうし、地方道の整備をやらなければいけないでしょうし、沿道についても、緑地などは供用開始以前は国の補助があるけれども、供用開始後は国の補助がないそうです。それから地域住民にとっては、道路が通るということで迷惑料としていろいろな公共施設の要望がいっぱい出てまいります。それから土地の買収、これも決められた基準をオーバーするので非常に苦労をするということでいろいろあります。いろいろありますが、地元としては一生懸命努力したいと思う。ですから、どうぞ建設省もそれにこたえて最大の援助を惜しまないということを大臣おっしゃっていただければ、我々も一層励みがかかるということでありますが、いかがでしょう。
○水野国務大臣 ただいま前川委員の御熱心な御質問を拝見しておりまして、身につまされて聞いておりました。建設省の所管の公共施設の整備につきまして、今お話がありましたアクセスの道路であるとか都市下水あるいは沿道緑地、こういったものがたくさん整備されなければならないということで、過年度においても、建設省としては鋭意努力をしてきたつもりでございますが、架橋の完成までになお一層御尽力しなければならないことも多かろうと思います。今後ともその推進に十分配慮をしていきたいと思っております。
○前川委員 十分配慮をしていただくということでありますが、地元は地元なりに懸命の努力をしたいと思いますので、どうぞひとつそれにこたえるだけの姿勢で取り組んでいただきたい、このことを重ねて要望しておきます。
 最後に、鳴門の橋は間もなく完成をいたしますが、四国の東半分は、先ほど申しましたように大阪の経済圏です。徳島と淡路島だけに橋がかかったのでは、経済効果はほとんどないと言っては言い過ぎになりますけれども、非常に少ないのです。どうしてもその先、阪神につなぐ橋、つまり明石、これに着手しなければどうにも本物の姿になりません。これは将来どう考えていらっしゃるのか。今、三全総ではストップされています。ですけれども、これをストップしたのでは、鳴門の場合、せっかく投資した投資効果は十分発揮できないのです。将来の考えとして建設省はどういう見通しを持っていらっしゃるのか、これはぜひ引き続いて取り組んでいただきたいというのが私の意見なんですが、いかがでしょうか。
○沓掛政府委員 明石海峡大橋は道路鉄道併用橋として計画されておりますが、社会経済情勢、国鉄の財政事情等を勘案し、国土庁、運輸省と協議の上、道路単独橋の可能性についても所要の調査検討を行うこととし、本四公団に調査を実施させているところであります。調査は現在本四公団が取りまとめているところでありますが、その報告を受けて、今後の取り扱いの方針について関係省庁とも協議したいと考えております。
 明石海峡大橋の開通は、人口、産業が集積し、高度な都市機能を有する京阪神都市圏と四国、淡路島との間の輸送条件を大幅に改善することとなり、西日本地域全体に大きな経済効果をもたらすものと考えられますが、大鳴門橋だけの開通によりましても、人口約四百万人の四国と人口約十七万人の淡路島を直結し、古くから人や物の交流の活発な両地域が一体化されることにより、新たな産業立地、観光開発等の地域振興が図られ、さらに四国と京阪神間の時間、距離が相当程度短縮することにより、四国、淡路島を初めとする関連地域に大きな経済効果をもたらすものと考えています。
○前川委員 時間が参りました。
 最後に委員長にも大臣にもお願いがあります。どうか一度現地を見ていただきたいと思います。本当に現地で一生懸命技術者が、壮大な男のロマンといいますか、大変なロマンのある事業であります。四国四百万人の住民は本当にこれに期待をしているのです。
 私はよく笑い話で言いますが、四国の後進性ということで四国の山猿という言葉がよく使われます。山猿なんと言われるのは四国ぐらいだろうと思いますけれども、山猿から早く脱したいというふうにみんな願っているのです。この橋にかける夢は非常に大きゅうございますので、どうか一度見ていただいて、促進方を委員長にも大臣にもよろしくお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○浜田委員長 水野建設大臣、意思表明をお願いします。
○水野国務大臣 ただいま国会で五十九年度予算が審議中でございますので、なかなか時間がないのでございますが、早急に時間をつくりまして現地を視察したい、御指摘いただく前からさように思っておりましたが、前川委員のお話でございますから、なお一層時間を早めまして、早急に現地に行ってみたい、かように思っております。
○浜田委員長 最後に委員長の見解を表明します。
 本問題を決定した大平総理の後継者であります森田一君を初め自由民主党からも強い要請これあり、委員会、委員長としても、本問題の調査は一回させていただきたいと考えております。
○前川委員 心から感謝申し上げます。よろしくお願いいたします。ありがとうございました。
○浜田委員長 次に、竹内猛君。
○竹内(猛)委員 私は、建設大臣並びに国土庁長官の所信表明に関連をして幾つかの問題を質問したいと思いますし、なおあわせて地元に起きている問題も質問をいたしますので、誠実に答えていただきたいということをまず冒頭から申し上げておきたいと思います。
 第一は、国土庁長官にお尋ねしますが、先日の所信表明並びに井上委員の質問に対して、国土庁の任務は過疎と過密をなくして住みよい緑豊かな国土をつくることだと答えられておりますが、今でもその考え方に変わりはないかどうか確認します。
○稻村国務大臣 それが国土庁の最たる任務でございますから、変わりありません。
○竹内(猛)委員 しかし、現在の我が国の人口の分布の状況、こういうものは、その国土庁の理想にも反して過密と過疎が著しく明らかになってきた。
   〔委員長退席、中島(衛)委員長代理着席〕
それは選挙区の定員の改正をしなければならないほど明確です。長官の選出されている能登半島もまさに過疎地帯のうちに入って、定員を減らさなければならない、こういう実情なんです。逆に今度はまたふやさなければならないというところがある。国土庁が出発して十年目、国土庁は一体何をしてきたか、どういう過密過疎を防ぐような努力をされたか、そのことについて説明を願いたい。
○稻村国務大臣 全くおっしゃるとおりだと私は思っております。過疎過密を完全に解消してしまう、これはなかなか難しい。しかしながら、完全ということでなくても、最近は大都市圏に流れ出る人口が大変鈍化をしてきたということは事実であります。そういう意味から、これは完全というわけにはまいりませんけれども、やはり国土庁としては、離島振興法であるとか山村振興法であるとか、あるいはまた大きく申し上げますならば北海道開発振興法であるとか沖縄開発振興法であるとか奄美振興法であるとか、こういう形から、国土庁の役割は、完全とは言わないけれども、その精神に従いつつ努力をしておるところであります。また最近に至っては、この過疎であるところの半島振興法といったこともいろいろ計画の中に入れて、緑の多い、花と緑の豊かな国土づくりに対して、これからはできるだけの積極的な姿勢でこれを考えていかなければならぬ、こういうふうに考えております。
○竹内(猛)委員 今、長官からお話があったけれども、言葉だけはありますね。法律もつくった、魂が入っていないじゃないですか、実際は。
 具体的に申し上げますと、例えば北海道を見ても、札幌の人口はふえる、ところが北海道の市の中でも恐らく室蘭のような市でも、これは工業地帯であり鉄鋼の市でありながら人口は減っていますね。それから例えば東北を見ても、仙台はふえているけれども、その周辺のところは必ずしもふえてはいない。ここに幾つかの市を挙げましたが、札幌、仙台あるいは金沢、松山、熊本、こういうふうなところは、この十年間ぐらいに一〇%の人口が増加をしているけれども、逆に釜石とか室蘭とか静岡県の天竜、広島県の大竹等々においては、これは一つの例ですが、逆に一〇%減っている。それは鉄鋼が不振であったり木材が売れなかったりするような面もあるかもしれませんが、過疎地域振興法の適用される農山村に行けば、なおこれは恐らく人口が減ってしまっているところが多い。これは一体どういうことなんです。法律がありながら実態が、中身がひとつついていかないということは、これはどういうことなんです。そこをひとつ説明してもらいたい。これはひとつ事務的に説明してもらいたい。
○小谷(善)政府委員 お答えいたします。
 地方都市での人口の状況でございますけれども、先生が今お話しになったような都市もございますけれども、全体として見ますと、都市規模別に見まして人口の増加率というものは次第に平準化してきております。全体のあれで見ますと、例えば四十五年から五十年までの間に都市規模の小さいところ、例えば三万から五万といった都市が一・八一%の人口の増加でございましたが、五十年から五十五年には二・五五%の増加になっておりますし、三万未満の非常に小さい都市でございますが、これは四十五年から五十年で六二三%の減少でございましたけれども、それが五十年から五十五年でやはり減少でございますが、一・六四%の減少と減少率が縮まってきておる。そういうようなことで、都市規模別に見ますと、人口の増加率というのは次第に平準化してきております。しかし、先生も御指摘のように、中枢都市とか県庁所在都市のような大きな都市では、都市機能の集積を進めながら発展してきておりますけれども、他方で中小都市や農山村地域では発展力が十分でなくて、なお人口減少を続けているところも少なくございません。
    〔中島(衛)委員長代理退席、委員長着席〕さらにはそういう都市、そういう農山村地域におきましては、それまで若年層を中心として長期にわたって人口流出が続きましたものですから、その結果として、急速な老齢化が進んでおりまして、またそれに伴って地域社会の基盤の弱体化とか、その機能の低下といったものが進行して、そういうことから地域の状況が非常に深刻であるというようなことも先生の御指摘のとおりでございます。このために対応策といたしましては、その地方の中小都市につきましては、周辺農山村の中核となるように、産業の振興を図るとか、あるいは日常生活に必要な諸機能の充実を図るとか、あるいは周辺の農山漁村とのアクセスの一層の改善を図るといったようなことをさらに進めていく必要があると考えておりますし、また農山漁村につきましては、食糧の安定供給とかあるいは国土と自然環境の保全といったような基本的な役割のほかに、ゆとりある居住の場であるとか、あるいは国民の自然との接触をする場であるとかいったような役割も担っておるわけでございますから、そういう点にも配慮しながら、基礎的な生活環境の整備とか、高度化し多様化する住民の居住環境へのニーズに対応したような地域整備といったものを今後さらに進めていく必要があるのではないかというふうに考えております。
 先ほど大臣が御答弁申し上げましたけれども、過密過疎を解消するための対策として、私ども基本的には三全総にも示しておりますように、全国のそれぞれの地域が地域の特性を生かしながら、自然環境とかあるいは生活の場、あるいは生産の場といったものを、全体を総合して調和のとれた人間が定住できるような場を整備していくということであろうかと考えておりますし、そういうような定住条件を支えるために、工業の再配置でありますとか、教育とか医療施設の配置でありますとか、幹線交通施設の整備といったようなことを進める必要がありますし、また首都圏整備法等々を基本にいたしました大都市の過密対策の実施と工場の制限といったものを一方で進め、他方では過疎法とか離島振興法、山村振興法等々いろいろな法律に基づきまして、制約条件の多い地域に対する地域振興策を実施する、こういうような政策を各般にわたって総合的に着実に実施する必要があるのではないか。そういう方向で私どもも努力しているところでございます。
○竹内(猛)委員 この十年間努力をされたことはわかるけれども、必ずしもそれは今話されたような形に実っていないという事実がさらに明確になったわけですね。例えばまず選挙区の定数改正という問題を先ほど言ったわけですけれども、今、この十年間に一〇%以上人口が伸びているところは東京の近郊県である埼玉、茨城、千葉、神奈川、それから近畿の中心である滋賀と奈良、東京と大阪は余り伸びてもいないし普通だ、こういう事実ですね。この事実というものは、どうしても農山村に住めない、こういうことになっている。
 それは大体いつごろから始まったかということになると、高度経済成長、農業基本法、日本列島改造、それから最近の財政、財界を中心とした行政改革、これがやはりその背景になっているんじゃないか。農山村は、今豊かなどうのこうの、農業をどうのこうのと言われたけれども、現在はあれでしょう、せっかく我々の先輩がつくった鉄道が、国鉄が赤字なるがゆえにレールをはがされて、それから今度はバスの停留所を取られて、荷物も運べない。これはマイカーでなければ動けないじゃないですか。確かに道路だけは建設省の努力でよくなりましたよ。ところが子供や年寄りや身体障害者や御婦人が、本当に農村に残って働く者がそこで立派な仕事をしようとしても、それはできないじゃないですか。若い男はみんな都市に出て働いて賃労働をしなければ食えない、こういう事実というものがある。一方では農業も土地改良をし、品種改良をし、山村でも立派に農業でやっていけるような努力をしておきながら、減反、アメリカからのいろいろなものの輸入、貿易の自由化、これは外圧ですね。内部からは行政改革でこれはどんどんそういう産業を抑えているんじゃないですか。そういう状態の中からこの問題が出ているということに対してはどうです、これは認められませんか。
○小谷(善)政府委員 過疎問題の基本的な要因というのは、先生も今御指摘がございましたように、高度成長の過程で地方圏から大都市圏へ大量の人口移動があったことに伴って生じたものでございまして、その人口移動の背景には、工業化とか都市化が進展して、それに伴って第一次産業就業者が急激に減少したとか、あるいは大都市圏と地方圏との間にあります所得とか生活環境整備水準の格差といったものがあったというふうに考えております。
 それで、最近の動向につきましては、先ほど申し上げたとおりでございますけれども、しかしなお過疎の問題が根強く残っておるということも私ども十分認識しております。
 それで今、先生が御指摘になりましたような国鉄の問題あるいは農産物の問題等々につきましては、それぞれ固有の政策目的あるいは経営上の問題といったことからやむを得ず行われているというふうに考えておりますけれども、そういうようなものが過疎化を加速することのないように、さらに我々としては十分いろいろな点で配慮していかなければならないというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 この問題については大臣に最後にお願いをしたいのですが、今の十年間、国土庁十年、本当にしっかり今言う過疎過密の状態、とにかく選挙区の定数を直さなければならないというほど人口がはっきり移ってしまったんですね。つまり太平洋の方には過密地帯があり、日本海側が過疎地帯になった、そして大都市に集まって、山村が留守になる、こういう状態というものを本当にこの趣旨に沿って緑豊かな国をつくっていくために、過疎と過密をなくすために努力をしてもらいたい。その努力のことについて、この項はちょっとこれで終わりたいと思うものですから、大臣から取りまとめてひとつお答えをいただきたい。
○稻村国務大臣 本当に難しいのです。例えばモデル定住圏、これは過疎を防ぐという意味から指定はしてあるものの、やはりこれに対する中身が余りにも薄いということであります。その他過疎過密の問題につきましても、工業再配置促進法、これにつきましても、何らこれに一つの規定するものもない。
 ただ、私は最近考えておるのですが、例えば電力を出力しても、大体原発、火電をつくるところは過疎地域でありますね。その立地されたところでなくても、その周辺についてはやはり公害その他を配慮しながら工業の位置づけをしなければならぬとか、何かもう少し過疎対策については相当きついそういう規定を設けていかなければとてもじゃない、過疎過密の解消というものはいつまでたっても今の平行線でいってしまうだろう。
 特に私が考えますのは、やはり教育、産業であります。この教育、産業は、一番大きく人を動かしますし物を動かしますから、教育、産業についてもどういう形でこれをしたならば、日本全島が平準化した――それは理想でありますけれども、そんなに平準化したということでなくても、やはり生まれたその土地に自分の優秀な子孫がこれから先営々として夢を持って生活ができるような、そういう環境をつくり出すのにはどうしたら一番いいんだろうか、こういう問題を現在の法律の中においても検討しなければならぬ。ただし実行ということは、財源等々の問題もございますから難しいのでございますけれども、全体をここで見直すとかということでなくても、一つ一つ効果のあるものからこれは見直していく必要があるだろう。そうすれば、衆議院の定員是正も当然起きてくる理由はないのではないか、こういうふうに私は考えております。
○竹内(猛)委員 難しいことはよくわかるが、難しいから要請をし注文するんですから、十年目ですから、この機会にひとつ決意を新たに頑張ってもらいたい。そうでないと、国土庁なんて要らなくなってしまうということを言う人も中に出るからそれは困る。だから、そういうことのないようにひとつしてもらいたい。
○稻村国務大臣 今、大変消極的なことを申し上げたのですが、実際は本当のことを申し上げておいたらいいだろうと思いましたが、問題は三全総、これがいろいろなことを含めて計画に入ったわけですね。ところが、途中半ばというわけではありませんが、社会の変化というか、老齢化社会をいよいよ迎える、あるいはまた社会の環境が大きく変わってまいりましたので、新しく四全総を策定することに今、着手をしております。
 そういう意味から過去の、今、竹内さんのおっしゃったようなことも含めて、私も過疎地域におりますから、こういった苦痛な過疎地域の生活の中に生まれ育ってきたわけでありますから、こういったことも思い合わせながら、国土庁本来の使命であるところの花と緑の豊かな郷土づくりのために誠心誠意努力してまいりたい、こういうふうに思っております。
○竹内(猛)委員 今度は建設大臣に質問します。
 建設大臣は我が国の建設業の展望についてどういうようなお考えを持たれるか、これはまず総論ですね。つまり先ほど前川委員からもいろいろあったように、本四架橋というような大きな仕事もやがて終わりになる、北海道と本土のつながる海底トンネルも大体おしまい、新幹線もかなり進んだし高速道路もおおむねできた。しかし、まだ仕事はやればたくさんあるけれども、大きな仕事が大体終わる。海外に進出しようとしても、賃金やいろいろな関係でなかなかうまくいかないと業者は言っている。そういうときに大小合わせて五十二万という建設業者、五百万の建設労働者、二十兆を超えるところのいわゆる生産高といいますか、こういう一つの産業になってしまった建設産業、こういうものを一体どういう形で発展させ持続させていくのかという展望はお持ちかどうか。これは五年とか十年の展望を持たないと、その場限りでは非常にぐあいが悪い、これはどうですか。
○水野国務大臣 先生の御指摘のように、今、五十万を超える建設業者がおり、全国に約五百万と言われている建設業の関連従業者がいることはよく承知をしております。ここ四年間連続に公共事業費が頭打ちになっておりまして、建設業界自身が非常に低調に陥っているということも御承知のとおりであります。
 しかし、公共事業全体を見回しますと、日本のいわゆる社会資本の充実というものはまだ極めて不十分でございます。私はある意味では建設省の幹部会でよく話をするのでございますが、欧米に比べて社会資本の充実度が御承知のとおりまだ非常に低いわけでありますが、西欧並みになるにはまだ数年から十年の時間が必要だろうと思っておりますが、こういう仕事がある間は、日本の建設業というものはまだまだある意味では展望が開ける。またある意味では日本経済全体がやるべき仕事があるということは大変楽しみなことだと考えてもいいのじゃないだろうか。御承知のとおり、欧米なんかに参りますと、特にヨーロッパなんかに参りますと、下水もやってしまった、道路もやってしまった、河川もおおむねやってしまった、やるべき仕事がない。そこにむしろ経済の成長率を上げようとしても上げる材料がない。金利の上げ下げだけで経済を動かしているわけでありますから、そういうことだけではどうしようもない、海外に出るしかないだろうという意見をよく欧米の政治家や何かの話で聞きますが、日本においては私はその点はまだなお社会資本の充実に対して努力をすべき目標が多々あると思っております。
 ただ問題は、五十九年度予算は御承知のとおり今、参議院で御審議をいただいておりますが、五十九年度の予算の中ではさしたる進展は見られませんけれども、六十年以降あるいは六十一年以降の予算編成の中で公共事業費というものをなるべくもっと伸ばしてまいりまして、その五十万を超える建設業の人たちに光を当てるようにしていきたい、これが一つでございます。
 それから、もう一つの問題は、これは他省庁と若干関係がございますが、ただいま竹内委員の御質問の中にもございましたけれども、海外の建設工事という問題が一つあろうと思います。これはいろいろ実はカントリーリスクの問題などがあって非常に難しい問題でございますが、いずれにしても、日本の建設業界が中近東にあるいはアジア諸国にかなり雄飛をしようとしている。しかし、これに対して国内の法律的な問題でいろいろな整備が相整わないということもあって、たしか五十八年度、五十七年度あたりは、海外における建設業界の受注高というものはおよそ一兆円ぐらいであるというふうに記憶しておりますが、極めて低い。もっと私は日本の建設業界は海外でするべき仕事もありましょうし、力を持っていると思いますが、こういうものに対して展望を持ちたい。海外で、大手の建設業が多いと思いますけれども、ともかく日本の建設業者が海外で活躍すべき分野を開いてやっていきたいと思っておる所存でございます。
○竹内(猛)委員 今、大臣から御答弁がありましたが、五年とか十年とかの展望を、全体として、河川をどうするあれをどうするでなくて、建設業としての展望を明らかにすると同時に、海外との関連についても、これは十分に考えていく必要があるだろう。そうでないと、建設業という不安定な、仕事があってそれに飛びついていくということでは非常に不安定じゃないか。
 そこで、これは大臣の所信表明の中に、中小建設業者を守っていくのだという言葉がありましたね。その中小の建設業者というのはたくさんある。どこにもここにもあると思うのです。今お話があったように、社会資本を充実させる、橋をかける、ダムをつくる、ビルをつくり道路を直すということは、私は結構なことだと思う。これはやらなければならない。ところが、その仕事をだれが請け負ってどうするかという問題になるとほとんどが一握りの大手の企業がとってしまう。最近はそれが濃厚だ。もう仕事が始まったときには全部手を出してしまっている。前に公正取引委員会から談合の話が出て、一つの基準のようなものが出たけれども、これは談合なんかの以前の問題なんですね。今、茨城県に起こっている十一億くらいの茎崎町の公民館の問題にしても、設計をする段階にもう約束ができていて、それを約束をして起工式をしようとしたら、議会から待ったがかかって、提案をしたところが否決をされた、できない、こういう事態が起こっている。それは毎日新聞に書かれていますね。
 あるいはこれは自治省に関係をすることだけれども、県会議員の数が全国に二千六百四十六名、その中で七百八十四の会社重役、それから団体役員が四百六十三、この中のかなりの部分にみずから建設業を営みあるいは一等親以内の者がそこの責任者をやっているところが多い。こういうところが我が茨城県にもありますね。六十五人の県会議員の中に恐らくそういうのが十五名くらいいるでしょう。こういう議員が出てはいけないということではないですよ、みんなが選ぶのですから。あるいは市町村会でもそれと同じような形で、議員が町の仕事、村の仕事、市の仕事、こういうものをつかまえて、そして自分でとって下請にやらせる、こういう形で、これは談合なんという騒ぎのものじゃないんだ。これを見逃していてきれいなことばかり言っていてもだめだ。この事態をどうするかということによって、中小企業というものが、まじめな企業が何とか生き延びられるようにしなければいけない。この辺はどのようにお考えか。どうですか。
○台政府委員 第一番目の問題でございますが、建設業においては大手だけが仕事をとってしまうんじゃないかという問題でございますが、私たちは基本的には、大手は優秀な資本か、企画力を生かし、中小は優秀な技能力、技術力を生かして優秀な生産物が期待できるような業界であってほしいというふうに指導しているわけでございます。建設工事はもともと各種の工事の組み合わせによりまして総合的に施工されるものでございますので、工事の内容、規模等によりましては、当然に下請による施工が不可避であることが少なくないわけでございます。したがいまして、私たちといたしましては、元請、下請関係の改善を重視しておりまして、昭和五十三年十一月に策定されました元請・下請関係の合理化指導要綱に基づきまして、合理的な下請契約の締結の問題あるいは下請代金の支払いの適正化等について強力に指導しているところでございまして、今後とも同様な指導を続けてまいりたいというふうに思っております。
 なお、二番目の地方議会の議員の問題につきましては、私たちの所管法ではございませんが、地方自治法におきましては、地方公共団体の議員に関しまして「関係私企業からの隔離」の規定を設けておりますが、これらの規定の適用につきましては、同法は議会の自律にゆだねられているというふうに理解しております。
 なお、建設省といたしましては、常々公正な取引を確保する観点から、関係法令の遵守につきましては、事務次官通達を発する等必要に応じて関係団体を指導しているところでございまして、今後とも同様に指導してまいりたいというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 一連の答弁があったけれども、事実、実態をさらに調査をして、これはしっかり指導してもらわなければ、これからますます容易ならざる事態に入るということを私は予想しますから、調査をしてもらいたい。
 そこで、今度は建設業に働く労働者の問題ですね。五百万の労働者の中で八十万が労働組合に組織をされている。約一七・八%。その他は未組織ですね。組織されない条件にある。こういう未組織の者で無権利のような状態の者をどうするかということについては、これは労働省の関係になると思うが、労働省どうですか。
○矢田貝説明員 御説明申し上げます。
 今、御指摘ございましたいわゆる未組織等の労働者の方々の問題でございますけれども、建設労働の雇用改善に関する法律という法律がございまして、私ども、そういった法律に基づきまして、そういった中小零細に働く方々の雇用の改善を進めるということを基本にして、各種の給付金を支給するとか訓練を実施するというようなことで対処いたしております。
○竹内(猛)委員 努力にもかかわらず余り進んでいませんね。先ほど私、組合の組織率を間違えました。訂正します。一八・九%です。
 そこで、農林省にお伺いしますが、農業で生活ができる専業農家は日本にはどのくらいあって、建設労働に出ている、つまり一種兼業、二種兼業、こういうものの農家の所得の構成、これはどうなっておるのか、ちょっと説明をしてもらいたい。
    〔委員長退席、中島(衛)委員長代理着席〕
○楢原説明員 お答えさしていただきます。
 五十八年の一月一日現在で、一番最近時点でございますが、私どもの調査結果によりますと、総農家数は約四百五十二万戸ございます。このうち農業だけでもって生活をしております専業農家は、その約一二%に当たります約五十九万六千戸でございます。そのほかの戸数は、これは他の、自家農業以外の就業からも所得を得まして生活をしております兼業農家でございます。このようになっております。
○竹内(猛)委員 農業所得の、農家所得の内容はどうなっておりますか。
○楢原説明員 別の課長から答えさしていただきます。
○中島説明員 農家所得の中の農外所得、農業のほかの所得でございますけれども、五十年度には農業所得が約三分の一でございましたけれども、五十七年度には約二割に低下しております。残りは農外所得ということになっております。
○竹内(猛)委員 大臣、これは国土庁の長官も聞いてもらいたいけれども、現在農家の中で一三%が専業農家、その専業農家もそれだけでは生活ができない、それから兼業というのもまさにこの状態。それから農家の収入というものは、出稼ぎをしなければ、よそで何か働かなければやっていけないという状態。これがほとんど建設業に就業をしている。その日その日の稼ぎをしている者が多い。そして大企業ではなしに、その下請、孫請で働いている。非常に危険な職場で働かざるを得ない。こういう不安定な状況というものが日本の社会資本をつくる労働力になっているということについてはお認めになると思うのですね。この状態がさらによくなるとは思えない、ますます悪くなるだろう。こういう実態を今後どのように解決をしていくのか、処理をしていくのかという問題についてどうお考えか。これは建設大臣の方からちょっと……。
○水野国務大臣 御指摘の点とややずれるかもしれませんが、建設労働者の雇用の改善等に関する法律、これは労働省の所管でございますが、こういう法律がございます。この趣旨を踏まえて建設省としても行政をやるわけでございますが、雇用関係の明確化あるいは常用化、臨時雇いでなくて常用にしてもらいたいという、その常用化の推進を図る必要があるというふうに考えておりますが、労働行政、労働省との密接な連携をとりまして、建設業者の指導を行ってまいりまして、今後もこれらの指導の徹底をしていきたい、かように思っております。特に、この元請から下請、孫請の間に今、竹内先生の御指摘のようなそういう問題があろうと思いますから、その点に十分留意をしていきたい、かように思っているわけでございます。
 ただ、竹内先生に反論するわけではないのでございますが、私なんかの県では、知っているところは、ある意味においては専業農家よりも兼業農家の方が所得が高いというところに日本農業の一つの基本的な大きな面があって、これがむしろ日本農業を阻害している。下請とか孫請とかあるいは臨時雇いとか、そういうところへ入って働かれるところに労働基準法とか社会保険とかいろんな問題があって、確かに不備な点がありますが、意外に所得は、農業所得もありますから、家族収入としては全体としては割合高い、そこにむしろ私は問題点があるんじゃないか、かように思っております。
○竹内(猛)委員 今の水野大臣の説明もそのとおりだと私は思います。思うから、食糧の自給を確保し、いい農業にしなければならないというように、農業をほうり出して、特に山村で農地を荒らして職場へ出ていく、そして農外収入によって現在の経済に耐えていく、そういう農民の状態を見ると、これはよろしくない、こういうふうに考えるので、これは農林委員会の仕事かもしれませんが、しかし、大臣ですから、閣僚だからひとつその場でこういう話があるからということは、心の底にとめておいてもらわなければいけない、こういうふうに思います。
 さて、時間も来ましたので、現地に起きている一つの問題を提起をしたいと思いますが、現在筑波研究学園都市の松代五丁目に、市街化調整区域にホテルの建設が、住民の意見をほとんど聞かないままにしてどんどん進行している。この実態についてひとつ説明をしてもらいたい。
○台政府委員 県からの報告によりますと、御指摘のホテルは谷田部町手代木に建築が予定されているものでありまして、昭和五十八年十月三日に都市計画法に基づく開発許可を県は行っております。当該ホテルの建築予定地は市街化調整区域内であるため、開発許可に先立ちまして、都市計画法第三十四条第十号口の規定に基づきまして、県の開発審査会の議を経て許可されたと聞いております。
○竹内(猛)委員 県の開発審査会の議事録をもらいたいということを要求したけれども、それは秘密だから出せないと言う。委員の名前も大体聞いたけれども、その委員のある人に聞いてみると、議題が多くてほとんど議論をしないままに通してしまった、こういう話なんです。現地へ行ってみると、現地では千数百人の署名で県と町に要請をした。現在は問題が大変盛り上がっておりまして、実に深刻な状態にあります。
 そこで、ここに地元の声がありますから、これを全部読み上げますので、これに対応してもらいたい。
  松代五丁目市街化調整区域へのホテル建設についての趣意書
 私達は、現在、筑波学園都市内、谷田部町松代地区に住んでおります。このたび、この松代五丁目南側道路沿いの市街化調整区域に、高層の大規模ホテル(一〇五室、八階建、床面積三千百平方メートル)の建設計画が進められていることを知りました。
 これは、科学万博の宿泊施設補充のため、県や町が、現地の視察をすることなく、又、住民への説明もなく、唯、審査基準にあっているというだけで認可を与えたものとのことです。
 しかし、建設予定地は道を隔てた北側が閑静な公務員住宅、南側が優良農地であり、将来高業地区として発展すべき所ではありません。高層ホテルが住宅地域に隣接して建設されることによって私達の受ける被害は、深夜までの騒音、盗難、交通事故の危険の増加、電波障害など、計り知れないものがあります。
 しかし、私達が何よりも恐れていることは、日頃、世界に誇る研究施設をもつ学園都市にふさわしい居住環境が破壊されるのではないかということです。諸外国の例でも、学園都市には低層の住宅の町づくり、遊技施設の禁止等、特別の計らいがされています。
 このたびの認可は、わずか半年間の科学万博のためだけで、その後数十年に及ぶ町づくりに対する深い見通しが感ぜられません。本来、住宅地に隣接する市街化調整区域は、県及び町が長期的な都市計画に合わせてその利用を計るものであり、研究者の住居周辺の開発には、慎重な配慮がなされるべきだと思います。またこのことは、科学万博のテーマ「人間・居住・環境と科学技術」の趣旨とも矛盾するのではないでしょうか。
 私達は、県が、このホテル建設に対する認可を保留し、その審査にあたり、是非、現場を視察し、署名した一四〇〇名余りの住民の声を聴いて頂くことをお願い致します。そして、長期的な見通しにたって、将来に汚点を残さぬよう適切な措置をお願い申し上げる次第です。
こういうように現地は極めて明確な問題を提起をしている。
 これはこの科学博覧会のテーマにも反する。つまり嫌だという公務員をわざわざ静かなところに宿舎を建てて、そこに移転をさして、ここでしっかり研究と勉強をしてほしい。その十メートル先の横に三十メートルのホテルを建てる。このホテルの建設者は十年前にはラブホテルを経験している人だ。それで半年たてば、科学博覧会が終われば必ずそういう方向に移っていくであろうということは、当初の計画がそうであった。今その部屋のつくりかえをしておるところですが、そういう状態の中で、この研究者の皆さんが今立ち上がっている。しかも県も町も、このようなものを建てるときには事前にその地域の住民の人たちと話し合いをしていかなければならないのに、そういうことを一切しないで、わかってから初めて懇談会を持たれるというこんなやり方は、これは常識じゃないです。許してはならない。どうします。
○杉岡政府委員 お答えいたします。
 先生御承知のとおり、この筑波の研究学園都市につきましては、研究学園地区とそれから周辺地区が一体となって均衡のとれた田園都市を構成するものでございまして、現在県あるいは関係の市町村、それから住宅・都市整備公団、こういったところが相協力いたしまして鋭意その建設を進めておるところでございます。
 ところで、当該ホテルの建設に当たりましては、県当局におかれましては、学園都市の理念を十分考慮いたしまして開発許可をしたものというふうに我々は考えておりますが、今後国土庁といたしましても、県当局から事情を聴取いたしまして、このホテル建設、本件につきまして、県がさらにその地元の住民あるいは市町村の意見を十分聞いた上で適切な処置を講ぜられるように指導してまいりたいというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 科学博覧会の関係者はホテルのことで何か話を聞いていますか。
○鈴木説明員 お答えいたします。
 そういう住民の皆様の御意見があるということは伺っておりますが、博覧会協会あるいは私どもといたしまして、特にこの件で御要望をしたとか、そういったことはございません。
○竹内(猛)委員 この問題は、まず開発審査会の議事録を非公開にする、見せない。そんなものは見せなくても委員の中に知っている人がいればしゃべるのです。その方がなお悪い。これを非公開にする。冗談じゃない、聞いてみれば何も話をしてないと言っている。それは知っている人がいっぱいいるからだめなんだよ。それは非公開にした方が悪い。何も議事録がないじゃないですか。現地も見ていない、そういうことをしている。
 それで、谷田部町や県の指導要綱にもそのようなものをつくるときにはちゃんとその現場の人と話をしなければならないということになっているでしょう。ここにある谷田部町の指導要綱には「事業者は、前項の事前協議をする前に、事業計画地周辺の関係住民等に事業内容、その他必要事項を説明し、周知をはからなければならない。」ということになっている。図ってないじゃないですか。あるいは県が五十八年一月十八日に決めた筑波研究学園都市区域整理に関する開発行為等の審査要綱の中の基本的なところにもこうなっている。「筑波研究学園都市にふさわしい良好な環境の保全整備を図るため、開発行為はその計画内容・土地利用目的が現在県で進めている周辺開発地区整備計画の目指す方向・内容と整合が図られ、自然環境の保全・景観等に考慮が払われているものでなければならない。」ところがあの田んぼの中に、将来商業地域にはならないようなところに、その住宅地の一画に何で三十メートルもの高い八階のホテルを建てなければならないのか。それを許さなければならないのか。これを許可したときには資材置き場という形で許可している。それがいつの間にかホテルになり、やがてこれはモーテルになっていく。この男は十年前にモーテルをやったということをちゃんとしゃべっているじゃないですか。そういうことは許せないでしょう。現地へ行って住民と一遍懇談をする意思はないか。どうです。
○台政府委員 開発審査会のあり方につきましては、都市計画法によりまして、政令に定める基準によって条例で定めるということになっておりますので、恐らく県の方におきまして自由な御発言を確保するために非公開にしておるかというふうに思っております。
 それから、今までの経過につきましては、私たちは県からの報告によりまして、手続としては適法な措置であったというふうに聞いておるわけでございますが、一般的に申しまして、御指摘のように、市街化調整区域におきます開発行為につきましては、都市計画法は相当厳正な態度をとっておりまして、先ほど申し上げました三十四条の十号のロは「開発区域の周辺における市街化を促進するおそれがないと認められ、かつ、市街化区域内において行なうことが困難又は著しく不適当と認められるもの」に該当する場合にだけ例外的に許可できるということになっておるわけでございますが、これは例えばホテルにつきましても、地域の実情によりましては、この要件に該当するものもあることは想定されますので、まさに具体的な内容次第ということになるというふうに考えておるわけでございますが、なおその辺は県の報告を徴しまして、適切な事務処理が行われるように指導してまいりたいというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 県、県と言うけれども、それは町がそういうずさんなことをやって県に上げ、県の審査会はろくに議論もしないで決めてしまった。そして現在学園の建設と全く矛盾するようなものができているということに対して、一体これはおかしいと思わないのですか。これはおかしいじゃないですか。どうしようというのですか。適法だ適法だと言うが、それは適法には違いないでしょう。住民の意思を聞かないで無視してやっているのだから、この指導要綱に反しているじゃないですか。にもかかわらず適法だ適法だと言ったらどうなるのですか。もう少し親切な答弁はないのですか。
○台政府委員 谷田部町の指導要綱につきましては、私詳細は承知しておりませんが、いずれにいたしましても、指導要綱が市なりあるいは県なりの行政指導の指針でございますので、定められております場合には、行政指導の指針に沿って一般的な行政指導が行われるというふうに期待しておるわけでございます。
 開発許可に関しては、都市計画法によりまして許可権限が知事にございますので、なお知事から具体的な内容につきまして詳細に報告を徴した上で、いろいろ検討させていただきたいというふうに思います。
○竹内(猛)委員 きのう十分に県の方から聞いたはずじゃないですか。県の方から話を聞いているじゃないですか。それで町も県もこのままではどうしようもないと言っているのです。こういう状態の中で適法だ適法だというふうに言われれば、これはもうどうしようもないのです。適法だと言ったって、やはり人間のやることだから誤りもあるのだから、そういう問題についてはもう少し親切に、住民の意思というものを一体どうするのだ。千数百人の人たちがこれだけの問題を出しているのに、そんなことなら行政不服審査会にでも提訴をして、もう一遍この問題をやり直しをしなければならぬじゃないか。科学博覧会協会は別に百五の部屋がなくとも十分に宿泊ができるのですよ。そんな不親切な話がありますか。
○台政府委員 私が申し上げましたのは、手続が適法だから問題がないというお話をしているわけではございませんで、手続が適法であるところまでは私たち承知したわけでございますが、その先さらに実質的に合理的であるかどうかにつきましては、まだ知事の方からの詳細な報告を受けませんとわかりませんので、それをちょうだいしてからいろいろ指導方針を決めたいというふうに御説明しているわけでございます。
○竹内(猛)委員 この問題は、もう時間も来たから大体一応締めはするけれども、了解をしないですね。了解できないです。
 きょう質問することがわかっていて、きのう朝からあれだけの話をして、知事からも聞くと聞いたけれども、どういうわけですか。何をきのうは話をしたのですか。何のためにおれのところへ来たのか。冗談じゃない。絶対これは許せないぞ。この二人の大臣が聞いていらっしゃいますが、きょうは大臣に答弁を求めないけれども、やがてこの問題は求めなければならない時期が来る。しっかりしたいい学園をつくろうというのに、やがてどうなるかわからないようなものを、三十メートルもするようなものをそのそばにつくって――あなた方は一体どうなんだ。自分の研究所の前にそういうものをつくられたら、三十メートルもするようなホテルをつくられて、朝となく腕となく騒がれたら、研究なんかできないじゃないですか。学園都市はぶち壊しじゃないですか。そんなものに何でそんなに力をかさなければならないのか。我々は勘ぐりたくないけれども、何か別なものが動いているのじゃないかという感じさえする。そういう指導というものはないだろう。これは建設省おかしいじゃないですか。国土庁はどういうふうに考えるか。国土庁からも聞きたい。
○杉岡政府委員 再びお答えいたします。
 先ほど御答弁申し上げましたように、国土庁といたしましても、県及び町が関係の地元住民の意見を聞きながら、今後適切な措置をとれるよう指導してまいりたいというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 住民の意見を聞くと言うけれども、どういう形で聞こうとするのですか。
○杉岡政府委員 きのうの話でございます。したがいまして、これから実際に県の方の担当者に来てもらいまして、その手続、今後どういうふうに開発許可が具体的に研究学園都市にふさわしい施設になるかどうか、そういった面について十分地元と協議をするような開発許可にするよう指導してまいりたいというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 これはもうどうしようもないから、委員長に相談だけれども、理事会でひとつ諮って、現地の調査をしてもらいたい。そうしなければとれは話にならない。
○中島(衛)委員長代理 理事会に今の竹内君の提案を諮ります。
 また、建設省計画局長、竹内委員の納得のいくような答弁を、ひとつ後日用意して、きちっと答えるようにしていただきたいと思います。
○竹内(猛)委員 国土庁が関西の学術都市をつくるという構想がある。その構想について、予算とかそういうものについてちょっと報告をしてもらいたい。
○杉岡政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生の御指摘にありました関西文化・学術・研究都市の構想でございますが、これは近畿圏に従来から培われておりました文化あるいは学術あるいは産業、こういった集積を生かし、それに新しい時代にマッチした文化研究学園都市をつくるということでございまして、実は、国土庁といたしましては、昭和五十四年からその調査をいたしてきております。その結果、昭和五十六年に基本的な考え方、これを示したわけでございます。これは京都市それから大阪市におおよそ三十キロ圏、三十キロの距離でございます。それで奈良に隣接しておるという京阪奈の丘陵地帯にもつの小都市群、クラスターと申しますが、小都市群をつくりまして、ここに文化、学術、研究機能を集積させようという構想でございます。まだ構想ができたばかりでございますので、具体的にこれの建設の投資額等々につきましてははっきりといたしておりません。これからこの構想を具体化する段階にあるわけでございます。
○竹内(猛)委員 なぜこういうことを聞いたかというと、筑波研究学園の設立の理念、静かな、しかも研究にふさわしい都市をつくると言っておきながら、公務員の住宅の前に、十年前にいかがわしい仕事をした男があのようなホテルをつくる、そして景観を荒らし、学園の風紀を乱すようなことになるおそれが十分にある。同じようなことを関西でやってもらっては困る。こういう意味を持って関西のことを今ちょっと聞いたわけです。
 いずれにしても、筑波研究学園が概成から完成、やがて熟成という段階になっていくときに、二十万の人口がなければ本当に熟成したことにならないのに、まだ人口が十四万人しか定着をしていない。なぜ六万の人口が定着をしないのかという問題が、実は交通の問題や教育の問題や医療の問題やあるいは環境の問題があるのです。その中の重要な生活環境が侵されれば、これはますます来にくくなるじゃないですか。せっかくの学園都市をつくったその基本的な理想が壊されてしまうじゃないか。そういうことを考えると、法律や要綱に適しているからということで安易に許すなんということはとんでもない話だ。長い見通し、長期の計画の中で、その地域をどうするかという中で、ホテルをつくるのもやむを得ないという判断が出たなら、これは住民も納得するでしょう。とこるがわかったときには既に許可がおりている。そんなばかなことはないでしょう。それがいいと言うなら、あちこち全部やりますよ。どうですか、建設省、台局長。
○台政府委員 最初に申しましたように、手続が適法であるのは最低の要件でございまして、不適法であれば問題にならないわけでございます。適法でありますところまでは確知できましたので、さらに県の意向あるいは地元の意向等につきましても、詳細に内容を調査いたしまして判断いたしたいと思います。
○竹内(猛)委員 適法とは認められないのだ。要綱をつくっておいて、それは要綱に反している。それはだめだ。
 以上、私はまだ問題を残して、これで終わります。
○中島(衛)委員長代理 瀬崎博義君。
○瀬崎委員 最初に、琵琶湖総合開発関係について、質問をしたいと思います。
 この琵琶湖総合開発事業は、下流に新たな水を送るという大義名分で、琵琶湖の水位をプラス一・四メートル、マイナス一・五メートル、この範囲で大きく操作することによって、そういう新規利水を生み出そうとしているわけで、私は再三再四この場でも述べてきたように、こうした大きな水位変動は、琵琶湖の環境や水質に決定的な破壊をもたらすということで、強く再検討を求めているのであります。しかし、現実には、水資源公団は水位の低下を前提にして、各種の補償工事をやっているわけですね。
 琵琶湖周辺にはたくさんの、漁港などよりははるかに小さい船だまり施設が過去あったわけですが、これに対しても、やはり補償工事が進んでいる。一応、水資源公団は、琵琶湖総合開発に伴う湖水位の変動、具体的には補償対策水位、琵琶湖基準水位からマイナス二メートル、つまり二メートル水位が下がったときに支障を来すこととなる船だまり施設の代替施設として新しい船だまり施設を建設することとしてきたわけですね。その場合に、一隻や二隻の船ごとに新しい船だまりを補償していたのでは、これは切りのない話であって、そこにはおのずから補償基準といいますかあるいは補償の対象範囲といいますか、そういうことを考えてやらざるを得なくなってくると思うのです。そういう船だまりの補償の基準というものをどう考えてやっているのか、まず伺いたいと思います。
○川本参考人 お答えいたします。
 先生、今、御指摘の、琵琶湖の周辺には、大変数多くの船の利用者のための船だまりがございます。こういったものはおおむね地先の漁業者の方々の漁船の係留や水揚げ、荷さばき、そういった操業に必要なものでございまして、そういうものが琵琶湖の総合開発事業によりまして、将来湖面の水位が低下いたしますので、水位が低下いたしますと使えなくなるということから、それをつくり直すということが必要になってくるわけでございますが、その代替の施設につきましては、集落の位置であるとか道路その他の関連施設であるとか、漁業者の要望、そういったものなどを総合的に検討いたしまして、将来、管理者となる地元の市町村、その当局とも協議をいたしました上で、原則といたしましては、現況施設ごとに代替施設をつくることとしております。ただ現況施設が大変近接してあるとか、そういったことで統合が可能であるというふうな判断をされる場合には、船だまりの間隔がおおむね一キロメートル程度の範囲、また利用する船の数がおおむね十隻程度ということになりますように、できる限り統合するということで進めておるところでございます。
○瀬崎委員 琵琶湖の一番北の端、奥琵琶湖と言われている地域ですが、そこに飯浦というところがあるのですね。これは琵琶湖に行かれれば、この辺を図られるとわかりますが、極めて風光明媚な、水も比較的きれいな部分です。ここにも飯浦の船だまりが新しくつくられましたね。県下の各新しい船だまり施設の建設費用を見ますと、大体数千万から一億前後の施設が多いので、この飯浦の船だまり一億七千八百六十万円というのは、船だまりとしては大きい部類に属するわけですね。この飯浦の場合の補償対象となった船の数を用途別といいましょうか、種類別で示していただきたいと思うのです。
○川本参考人 飯浦の船だまりにつきましては、対象としております船の数が十三隻でございまして、そのうちの十一隻が一般民家の方々の所有しておられる船でございまして、所有者は七名になります。そのほかに近畿農政局の船が一隻、それから地元の消防組合の船が一隻、合計十三隻ということになっております。
○瀬崎委員 しかし、そのほかに、いわゆる今言われたのは飯浦船だまり補償協定書に基づく補償対象だと思うのですが、そのほかに近江鉄道株式会社――西武グループで滋賀県を代表する企業ですね。それと水資源公団の間には確認書が交わされていて、従来ちゃちなものではあるけれども、近江鉄道が桟橋近くに持っていた、それの代替施設の役割も果たさせる、そういうことで、この近江鉄道の子会社でありますオーミマリンアンドサービス社の二隻の観光汽船もまたこの船だまりの補償対象になっているんじゃないですか。
○川本参考人 先生ただいま御指摘ございましたように、この船だまりの対象船としては、先ほど私申し上げました十三隻でございますが、その近くに近江鉄道の所有の桟橋がございまして、そこにオーミマリンの船が二隻係留しておりますので、新しい飯浦の船だまりを建設する際に、別個に代替の桟橋をつくるということは大変不経済でもございますし、船だまりをつくります防波堤が必要でございます。その防波堤にその係留施設を併用させるということで、そういう意味での対象ということでは先生おっしゃるとおりでございます。
○瀬崎委員 そうすると、オーミマリンの観光船というのは、防波堤のいわゆる係留施設に係留する、つまり防波堤の外側に停泊させる、そういう意味でつくられたわけなんですか。
○川本参考人 補償工事を実施いたしますときの補償協定ということといたしましては、今先生おっしゃいましたように、防波堤の外側にオーミマリンの船を係留させるということで工事をしております。
○瀬崎委員 では実際に新しくつくられた飯浦の船だまりを利用しておるのは、一体だれだれでどういう船かお尋ねしたいと思います。
○川本参考人 先生おっしゃるのは、現時点ということであるとすれば、まだ琵琶湖の総合開発は完成しておりませんし、湖面の水位が低下するという実態はございませんので、その現状でのお話ということでいたしますと、この船だまりには、船が今現在入っておるのは、今といいますか、私どもが最近調べた結果では、入っておるのは民間の船が一隻、それからオーミマリンの船が一隻ということでございます。オーミマリンの船は、先ほど申し上げました防波堤の係留施設に係留をして人間の上げおろしをしておるということの実態もございます。
○瀬崎委員 オーミマリンの船は、私は何回か行っておりますが、特に「りっぷる」という船は外側に係留されておるのではなくて、港の中に常時停泊しておるのです。それともう一つは、内貴周一さんという地元の漁民の方の漁船が一隻停泊しておる。現在の利用状況はまさに言われたとおりなんです。ですから、一番目立つのはこのオーミマリンの観光船の停泊なんです。先ほどの協定書によれば、補償対象には近畿農政局湖北農業水利事業所のモーターボートも入っておるようなお話でしたね。
 そこで、農林水産省に伺いたいのですが、今言われた農水省湖北農業水利事業所のモーターボートというのは、飯浦に国営湖北農業水利事業の揚水ポンプ場があるのですが、そこの附属の船ではないかと思うのですが、どうですか。
○國廣説明員 お答えいたします。
 御指摘のモーターボートは、国営湖北農業水利事業におきまして、琵琶湖に建設した余呉湖補給揚水機場等の設計施工に関する調査及び工事の監督用に使用するほか、施設完成後の維持管理を目的といたしまして、四十年度に購入したものであります。
○瀬崎委員 それでは四十年に購入されたモーターボートですね。まさかほったらかしにはできないので、常時、管理はどこでやっていらっしやるのですか。
○國廣説明員 お答えいたします。
 モーターボートの管理は、現在国営事業所が直接行っておりまして、揚水機場の保守点検に使用する以外は、揚水機場に附帯して設置されている格納庫に収納いたしております。
    〔中島(衛)委員長代理退席、委員長着席〕
○瀬崎委員 もう一つ聞きますが、それでは飯浦の揚水機場からは恐らく一キロあるいはもっと離れていますかね、いまの新しい飯浦船だまり。そういうものを農水省としてはもともと必要としておったのですか。
○國廣説明員 琵琶湖総合開発が完成いたしました暁には二メートルの湖面低下がございまして、その湖面が低下いたしますときには、船だまりに入れることになっております。
○瀬崎委員 ところが現地の方で伺いますと、確かにもともとあそこのポンプ場はディーゼルエンジンだったから、重油がときたま琵琶湖に流れ出ないとも限らないから、そういうものの管理、監視ということも必要だけれども、現在は電気モーターに切りかえられているので、全くモーターボートの使用の必要性はなくなっておる。また現に数年間全然使用していないという現状にある。およそ出先の事業所としては、その飯浦の船だまりにモーターボートを入れるような話は聞いたことがない、こういうことなんですが、どうなんですか。
○國廣説明員 モーターボートは、揚水機場の吸い込み口、そこに除しん施設等ございますものですから、それの管理にかんがい期には使用いたしてございます。
 それから、先ほど船だまりのことは聞いたことがないという現地の報告でございますが、私どもは船だまりが将来使用されるということは承知いたしてございます。
○瀬崎委員 今の農水省は、水資源公団が実際交わしている協定書に農水省の船が挙がっているので、むげに否定できないからそういう発言をしていると思うのだけれども、現実問題として、もしモーターボートが実際に揚水機場に着水できないような事態になれば、第一、今度は揚水そのものが不可能になってしまうわけですね。琵琶湖の水をくみ上げて余呉湖に揚げるわけなんですから、当然のことながら、ポンプ設置場所は湖面から干上がってしまったのでは意味がなくなるわけでしょう。だから、あなたの話は全然現実に矛盾するわけなんですよ。どうでしょう。
○國廣説明員 琵琶湖総合開発の中におきまして、余呉湖の揚水機場は、従前私どもが計画いたしましたときは、現在の水位を予定いたしておりますが、琵琶湖の総合開発ができますと、湖面水位が低下いたします。それに伴いまして、水資源公団から補償工事が既に行なわれておりまして、水位低下に対応しても余呉湖に水が揚げられるような措置は既に講じております。
○瀬崎委員 ということは、何も遠く離れた船だまりへモーターボートを持っていかなくても、現在の艇庫から琵琶湖におろし得るような状況にもなっている、こういうことを意味するのであって、あなたの話はそういう点では、片一方では水が揚げられるようにちゃんと補償工事を行っている、片っ方は水位が下がるからモーターボートはつけられない、これは話が矛盾するということを言っているわけです。そう思いませんか。
○國廣説明員 お答えいたします。
 現在艇庫にございますモーターボートは、インクラインによって琵琶湖に入れることになってございますが、そのインクラインは一メーター強の長さしかございませんで、湖面低下が二メーターになりますと、そのインクラインは使えなくなるわけです。その際、揚水をやっておりますと、やはりモーターボートで吸い込み口を検査する必要も生じてまいりますので、当然船だまりの使用は必要になると私どもは考えているわけでございます。
○瀬崎委員 大分無理なこじつけだと思うのだけれども、船だまりの近さから言えば、むしろ山梨子の船だまりの方がはるかに近いんじゃないですか。
○浜田委員長 答弁なし。続けて質疑をお願いします。
○瀬崎委員 これは何と抗弁しても、実際無理な話なんですよ。もし船だまりを利用するとすれば、山梨子の船だまりを利用すべきなんです。飯浦まで一々出かけていってモーターボートを操作するなんということは、荒唐無稽な、現実にできない話なんですよ。それ以上よろしいです。現場の状況は御承知ないはずですから、それでああいうことが平気で言えるわけなんですよ。水資源公団ならその辺の事情、地理は知っているはずです。
○川本参考人 先生の今のお話の件でございますが、私ども公団の方といたしましては、昭和五十四年の七月にその補償協定を結んでおるわけでございまして、そのときに、従来からその周辺で船を利用しておられる方々との協議及び地元木之本町当局との協議の結果、その補償協定を結んでいるわけでございます。その内容といたしまして、今、御指摘の農林省の船も飯浦の船だまりに入れるということで合意に達しておるわけでございます。山梨子の方が近いかどうか。山梨子というのは大分南でございますし、具体的にどの程度近いか遠いかというのは私も存じませんけれども、農林省といたしましては、そういう御意思で補償協定をお結びになったということでございます。
○瀬崎委員 それでは農林省がその意思で結んだのではなくて、木之本町が協定書のいわゆる補償対象に挙げたという方が正確なんじゃないですか。
 それではもう一つ聞きますけれども、先ほど補償対象は漁民の方など地域の方七人ということをおっしゃいましたね。この中でいわゆる漁船を持っていらっしゃる漁民というのは、現在船だまりに船を泊めていらっしゃる内貴周一さん一人だけじゃないのですか。あとの方に漁船をお持ちの漁民がいらっしゃいましたか。
○川本参考人 当時五十四年時点では、先ほど申し上げました七名の方が対象の十一隻の船を持っておられた方でございますけれども、その後亡くなった方もおられるようでございますし、いろいろ変動もあるようではございます。漁船という定義がむずかしゅうございますけれども、その七名の方々がそれぞれ船名内貴丸、作エ門丸、西村良丸等々の名前のついた船舶を所有して生活をしておられたということでございます。
○瀬崎委員 今くしくも挙げられましたその作エ門丸とか西村良丸とかいろいろな孔とついた船、寸法も長さ十メートル、幅一・二メートル、深さ〇・三五メートルとか、あるいは長さ六メートル、幅一メートル、深さ〇・三二メートルと書いてありますね。こういう船が現実にどういう船だったのか、公団は確認しているのですか。
○川本参考人 その補償協定を五十四年七月に締結いたしました時点で確認をしております。
○瀬崎委員 これは船舶一覧表を見てもわかるように、これだけの大きさの漁船なら、当然のことながらトン数が出てこなければいかぬのですよ。全然トン数は記載されていない。トン数の記載のあるというのは、まさにその内貴周一さんの内貴丸一隻だけなんですね。私どもも地元でいろいろと事情を聞いてみますと、何々丸とはついているけれども、現実はボートだったというわけですね。そういう事実をあなた方は全然調査していないのですか。
○川本参考人 今まで申し上げました十一隻の民有船のうち一番大きな船が今おっしゃった内貴丸でございまして、長さが十一メートル八十ございます。それ以外の船は十メートルあるいはそれ以下の小さなものでございまして、そういったことから、トン数というのは確認されていなかったのだろうと思います。
○瀬崎委員 いや、その船の現物を確認しているかということなんです。書いてある事実は、確かにこの表があるのだから、これを見ればわかるわけなんですね。ここに書かれているような大きさの船が現場に現にあるか、こういう方々がお持ちかどうか、そういうことを確認しているのですか。
○川本参考人 五十四年時点では、先ほど申し上げたように確認はしております。現在でどうかとおっしゃいますと、先ほど申し上げたように、この中の七名の方の中には亡くなられた方もございますし、またその後の生活環境の変化等によることでしょうけれども、船を持っておられない方、そういった方々もあるようでございます。
○瀬崎委員 冗談じゃないですよ。確かに内貴周一さんはもともと漁民であり、漁船をお持ちなんですね。他の方は、五十四年当時既にもう漁業はやっていらっしゃらなかった。ここに載っているような船がどういう理由でこの表に記載されたのか、事情がよくわからない、こういうことなんですよ。これはどこかでつくられた表なんですね。そのことをまずはっきりさせておきたい。
 しかも、現状はもうお認めのように、内貴さんを除いては現実にもう漁業とは関係がなくなって、現にボートはお持ちですが、しかしそのボートも、全部浜に揚げたり自分の家の方に持って帰っていらっしゃいまして、こういう大きな船だまりを使う必要は全くなくなっているわけですね。そういうわけで、結局現在の実際の利用者はだれかということになるならば、オーミマリンの観光船、これが一番大きな利用者、こういうことになっている。この現実は否定できないのじゃないですか。
○川本参考人 補償の原則といたしまして、当然のことではございますけれども、補償協定を結び、またそれに対する補償工事、この場合は補償工事でございますが、そういったものを実施いたします時点での現有のものに対して補償をするというのが当然でございまして、現状が、その後の社会状況の変化といいますか、生活環境が移り変わったというふうなことで、船の所有の実態が変わっておるということは現実にあるかもわかりませんけれども、そういった実態はやむを得ないものだと思っております。
○瀬崎委員 それほど当時の実態中心だというのなら、そもそも飯浦の旧の船だまりの同じ場所、旧の船だまりというのは、現在の船だまりより約二百メートルほど東寄りになっているわけですね。しかも、内陸部の掘り割り状の池のような船だまりであって、琵琶湖とは細い水路で国道八号線の下をくぐってつながっておった、こういう状況でしょう。ですから、普通なら旧の船だまりのちょうど前あたりの琵琶湖岸につくられるのが至当だと思うのですけれども、これをなぜ二百メートルも西へ寄せてつくったのですか。
○川本参考人 冒頭にお答えいたしましたように、船だまりの補償原則といたしましては、もとあった位置につくるということを原則にしておることは事実でございます。この飯浦の船だまりも、今までの施設が、国道八号線を横断して細い水路で湖面と結ばれております内陸の入り江を主な船だまりとして地元の方が使用しておったということでございまして、その場所に新しく船だまりをつくろうといたしますと、国道八号線を横過しておる水路を当然改良しなければいけない。そのためには、ひいては国道八号線の橋梁もつくりかえなければいかぬ。場合によっては――場合によってはといいますか、そういうつくりかえをいたしますと、国道八号線のつけかえといったことも必要になってくる。大変大がかりなことになります。そういったことで、現有位置にはつくることは不得策であるということでございます。そういうことで、地元の市町村及び船の所有者、そういった方々と協議を重ねまして、そして現在の位置が一番適当であるというふうな合意を得たということで補償協定を結んだわけでございます。
○瀬崎委員 おかしいのは、合意を得た合意を得たと言われるけれども、地元の方々にしてみれば、やはりもとの船だまりの周辺に飯浦の集落があったわけですね。だから、内陸部には同じものはつくれないにしても、その真ん前の琵琶湖岸につくってもらうのが一番よかったというわけですね。
 それからさらに、では近江鉄道が持っていた、あれも桟橋と言っていいのかどうかわかりませんが、木造のちゃちなものです。これの代替施設という点からいうならば、これはさらに数百メートル東寄りにその桟橋はあったわけです。だから、東へ寄せるのなら話はわかるけれども、逆に西の方へ二百メートル寄せているわけですね。だれが一体そういう場所を設定したのか、地元の人たちはまさに理解に苦しむ。これはだれが考えてもおかしい話ですね。だから、何か公団の方の都合でそういうふうにしたのじゃないか、こういうふうに言われるわけなんですが、どうですか。
○川本参考人 新しい船だまりの位置をどこにするかということは、当時地元といろいろと折衝したことはございまして、現在の位置に決まりますまでにも何カ所か検討はしたようでございます。それぞれが、例えば民地の買収が非常に困難視されるであろうというふうなこと、あるいは湖の底の勾配が非常に深くてきつくて、船だまりをつくるには地形的にも適していない、そういったいろいろな理由から、これは補償交渉でございますので、相手との合意が成り立たなければできません。そういったいろいろな検討と協議を重ねました結果、地元との協議が成立したということでございます。
○瀬崎委員 しかし、昭和五十四年当時と今日と、わずか四年ほどの違いですからね。当然のことながら、その船だまりの近い将来の利用者がどうなるぐらいの見通しは立っているはずですね。そして現在は既にもう地元の方での利用者はたった一人、一隻になってしまっている。これは紛れもない事実であり、あなた方もそれをお認めになっている。ところが、今後どうしてもこの港湾といいますか、船だまりを使用しなければならないのは、むしろオーミマリン、あるいは近江観光の不定期船もときどき着いているようですね。そうなりますと、あの場所というのは国道八号線を挟んで近江鉄道グループ、西武グループの近江観光の大きなレストランのある場所なんでしょう。まさにその真ん前の琵琶湖面につくられたのです。だから、だれがどう考えても、今後半恒久的に利用するであろうこの近江観光あるいはオーミマリンの観光船が一番便利がよくなった。そういう点ではまさに近江観光グループのために船だまりをつくりかえてやったというか港をつくりかえてやったと言っていいと思いますね。近江観光はあれに一銭も出しているわけじゃないでしょう。約二億近い金で全部公団の補償によってつくられた、こういうことになるので、これは余りにも住民の批判を招く問題ではないかと思うのです。ですから、言葉をかえて言うならば、近江観光あるいはオーミマリンの専用港湾をつくってやったようなものなんですね。当然現在のような使用状況になってくれば、しかも岸壁の外に係留することになっておった船が常時港内に停泊するようになったのですから、建設費の一部分は近江観光グループに負担させる、私はこういうのが公平じゃないかと思うのですね。約束と違っているわけでしょう。本来桟橋の代替施設だから、付随的に岸壁の外側に係留してくださいというのが、現在はこの船だまりの中側に常時船が停泊することになった。そして年がら年じゅう、四六時中使用するのがこのオーミマリンの観光船「りっぷる」一隻であり、さらに不定期的に近江観光の観光船が利用する。地元の人々の利用の見通しは、現在内貴さん一人を除いて事実上なくなってしまった、こういう現状なんですね。これはやはり一度政府の側も実情をよくお調べになって、ああいう近江観光の観光船に補償ということは私は成り立たないと思うのです、実質新しい港湾をつくってやったと同じ結果になっているのですから。それなりの建設費の負担は当然させるべきだ。今日これほど行政改革とかなんとか言われているときですから、このぐらいのことをやって当たり前だと思うのですね。これは国土庁長官になるのでしょうか、建設大臣になるのでしょうか、そちらでお答えいただきたい。政府に私は要求をいたしておきます。
○川本参考人 ただいま現時点での利用の実態等のお話がございましたけれども、先ほど来申し上げておりますように、琵琶湖の総合開発はまだ完成しておりません。湖面の水位低下も生じておりません。農林省の例がございますように、そういった湖面水位の低下が起こりました時点での利用ということが将来、現在の時点とは変わって出てくると思います。
 また、オーミマリンの船のお話でございますけれども、これは先ほども申し上げましたように、桟橋の代替施設として、この新しい飯浦の船だまりの防波堤を桟橋として利用させるということでございまして、現実に乗客の乗りおりはそこを利用しておるわけでございまして、泊地の中に船が入っておるという現実ではございますけれども、これにつきましても、私どもは補償協定の上で、これが完成しました後は、地元木之本町にその施設を引き継ぎまして管理してもらうということで、昭和五十五年の夏には木之本町に管理を引き継いでおります。そういった管理者の方の方がいろいろと状況を勘案されまして、自主的に御判断いただいて、地域の発展のためにいろいろとその泊地の利用方法を考えられるということは、これは差し支えないものと思っております。
○瀬崎委員 公団に答弁させればそういうことしか言わないから、これは政府側の判断を求めると言ったのです。
 現在、木之本町が、あそこの船だまりの管理規程をつくろうとして働きかけたんだけれども、結果的には利用者が現実地元にはいないという状況になってしまったものだから立ち消えになっておるわけですね。したがって、今、管理規程も何もない。だからこそオーミマリンの船は、本来外側に係留されるべきものが我が物顔に中で常時停泊する。もとの近江鉄道の桟橋では、常時使用しないときを含めてああいう大きな観光船を停泊させることは不可能なんですよ。まさにあの船だまりができたことによって常時停泊が可能になった。こういう状況ですから、これは単に補償の域をはるかに出た新しい利益を企業に与えているわけですから、そういう部分に対しては、当然建設費の負担はさせてしかるべきだと私は思うのですね。だから、一遍私が今指摘したような実情というものを、これはやはり公団を監督している一応国土庁ということになるのでしょうね、よく調べて、私が言ったことが事実であるならば、それ相応の処置を示していただきたいですね、長官。
○稻村国務大臣 これは各省庁いろいろ話を聞いておりますと、各省庁にまたがっておりますし、それなりのいろいろな言い分というとおかしいですが、それなりの理由づけをしていろいろ話をされております。そういう意味でよく調査、査定――私の権限というのは、内閣総理大臣の主管ですから、そこで私が一部権限を譲渡されておる公団の、あるいは経理問題あるいはその他いろいろなことを権限委譲されておりますが、しかしながら水資源開発公団はあくまでも国土庁の所管の中にありますから、今よく話を聞いておりましたから、今後よく調査をして御報告を申し上げさせていただきたい、こういうふうに思っています。
○瀬崎委員 もう一つ、琵琶湖総合開発でこういう大手系列の観光企業にかかわる補償で問題にしたいのは、旅客船補償なんですね。船に対する補償ですね。この旅客船補償の趣旨と補償の算定方式、簡単に伺いたいと思います。
○大嶋参考人 お答え申し上げます。
 御案内のように、琵琶湖におきます旅客船、これは琵琶湖の湖岸、湖島を結ぶ重要な交通手段になっておるわけでございまして、したがいまして、琵琶湖開発事業にかかわります湖水位の変動に伴いまして水深が浅くなる。そこで南湖におきます旅客船の航行に支障を来すということになるわけでございます。そのために、交通手段としての旅客船の航行の公共的な性格あるいは社会的機能にかんがみまして、水位が低下しましたときにおきましても航行ができるように対策を講ずるということにしておるわけでございます。したがいまして、水位低下時におきます航行のためには、船舶の喫水深が一メートル以下であることが必要でございます。
 補償対策といたしましては、南湖におきまして航行しておる旅客船のうち、喫水深一メートル以上の船舶について代替船を建造するということにしております。これに要します費用のうちで、企業者が負担すべき額を補償するということにしておるわけでございます。なお、代替船の建造に伴いまして、旧船は廃船といたしまして、船籍を抹消するということにいたしておる次第でございます。
○瀬崎委員 補償の算定方式をお答えにならなかったのだけれども、時間の関係がありますから次に進みますが、昭和五十五年度に実はこの旅客船の補償協定を結ばれていますね。そのときの補償対象となった会社名及び各会社ごとの補償対象船舶数及び各会社ごとの補償額は、協定時幾らになっていますか。
○大嶋参考人 お答えいたします。
 契約締結のときで申し上げますが、全体で十八隻補償対象船がございます。琵琶湖汽船株式会社がそのうち十一隻でございます。その他七隻が小さな会社と申しますか、いろいろなところがございますということでございます。(瀬崎委員「各会社ごとの補償」と呼ぶ)契約の金額といたしまして、琵琶湖汽船の八隻につきましては二十六億四千百万……(瀬崎委員「八隻――十一隻じゃないの、何言っているんだ」と呼ぶ)十一隻のうちに……(瀬崎委員「協定」と呼ぶ)
○浜田委員長 大嶋理事に申し上げます。
 責任ある答弁を的確にするようにしてください。できない場合は交代して答えるように。
○大嶋参考人 十一隻のうちに、既に契約をしております八隻につきましては二十六億四千万余を支払っております。残りの三隻については、現在まだ契約を締結をしていないということでございます。
○瀬崎委員 私が聞いたのは、昭和五十五年度の協定時における補償額は幾らか、こう聞いているわけなんですね。その協定時に琵琶湖汽船については対象十一隻、その他七隻、ひっくるめて一応金額出しているでしょう。それは幾らですか。
○浜田委員長 大嶋理事、的確にお答えください。
○大嶋参考人 協定時におきましては、琵琶湖汽船十一隻につきまして三十八億一千五百万、その他オーミマリンがございまして、これが四億四千三百万、橋本汽船が一億六千五百万、それから岡田海運が九千四百万、松屋高速船と申しますか、これが一億四千万というような状況でございます。
○瀬崎委員 じゃその琵琶湖汽船の対象になった十一隻のうち、八隻は新しい船を建造したので、具体的に補償金額を支払った、その合計額が二十六億四千万とおっしゃいましたね。各般別に明細言ってくれませんか。
○大嶋参考人 各船ごとの資料につきましては、答弁を差し控えさせていただきたいと思います。
○瀬崎委員 その理由は。
○大嶋参考人 例えば個人の補償等につきましても、その内容を公表するということはいたしておりませんし、各船ごとにつきましても同様であるというふうに理解をいたしております。
○瀬崎委員 単なる個人じゃないですよ。企業に対する補償ですからね。その補償の金の出どころは、国民の懐から出るわけですよ。あなたの方で言わなければ、仕方がありませんからこちらから言います。ただ、これが正しいかどうかを確認しておきたいのですね。
 金秋丸一億五千万円、みやこ九二億三千三百万円、玻璃九十一億一千三百万円、平安丸二億六千八百二十万円、日吉丸二億五千四百九十万円、きんし丸一億三千五百四十万円、勢多丸二億二千二百五十三万円、いぶき九二億七千六百三十三万円、合計で二十六億四千百六十六万円、この数字は間違いありませんか。
○大嶋参考人 契約を締結いたしました時点では、そのとおりでございます。
○瀬崎委員 今申し上げましたこの八隻ですが、大体建造後三十年前後だっているんじゃないですか。
○大嶋参考人 船によりましていろいろと違いますが、おおむね三十年代に進水をした船が多いようでございます。
○瀬崎委員 少なくともこれは観光船ですから、単なる旅客船じゃないのですね。通勤、通学用の他の小さい船会社のとはまた違うのですよ。ですから、もう三十年近くもたっているのだから、これは早晩新造船に切りかえざるを得ないような状況の船、こう見るのが至当じゃないですか。
○大嶋参考人 船ごとに新造船に切りかえる時期が来ておるかどうかというのはちょっと私判断いたしかねますが、先ほど申し上げましたように、湖水位の低下に伴います対策としては、当然、現在運航しておるものにつきまして、必要なものについては対策を講じなければならないものだ、このように考えております。
○瀬崎委員 実際にこの八隻のうち、玻璃丸など現役就航、常時就航というのは限られておるわけですね。特に公団総裁の望月さんは滋賀県の御出身で、滋賀県から参議院議員にも出ていらっしゃったわけですから、その辺は船の名前を聞かれればあああのぼろ船がと一日でおわかりだと思うのですが、きょうお聞きの方にそれが目に映らないのが非常に残念です。
 さらに、琵琶湖の水位を一・五メートル下げることについては、なお反対ないしは見直しの県民世論というのが非常に強いわけです。琵琶湖の水位を一・五メートル下げるという新規利水開発の合意なるものは昭和四十七年三月、当時の経済企画庁長官、建設大臣、自治大臣、大蔵大臣、滋賀県知事、大阪府知事、兵庫県知事、そして自民党の政調会長、この間で申し合わせされたものであって、本委員会においても、政府側が法的な裏づけのあるものではない、行政的に意味のあるものと言えば言えるという答弁をしたこともあるのです。そういう点では、この申し合わせの効力ということになると非常に疑義もあるわけです。しかも、我々が水位低下問題をいろいろ追及すると、政府にしても県にしても、一・五メートル低下というのは十年に一回あるかないかであり、そういう事態が起こらないように極力努力すると言っているわけでしょう。最終的にはこの水位低下がどうなるかは南郷洗堰の操作規程によって決まってくるわけで、この操作規程は上流、下流の関係者のいろいろな利害が相対立して明治以来今に至るもつくられていないわけです。この琵琶湖総合開発事業が終わってこれがすんなりとできるかどうか疑問だと思いますね。もしこういうような事情を考慮して、最終的に実際水位が一・五メートル下がらない、そういうふうな南郷洗堰操作を行うことという規定になってきた場合、現在まで支払われた補償は一体どうなるのですか。
○川本参考人 琵琶湖の総合開発事業、御存じのように琵琶湖の基準水位でいいますとプラス〇・三メートルからマイナス一・五メートルまで、容量で十二億トンでございますけれども、それを利用して新規の揚水を毎秒四十トン開発するということでございまして、当然のことながらマイナス一・五メートルまでを利用する。ただ、異常渇水のときにはそのマイナス一・五メートルをさらに割ることもあり得るということでマイナス二メートルまでを補償対象として事業を実施しておるわけでございまして、マイナス一・五メートルまでを利用するということはもう明定されておるわけでございます。
○瀬崎委員 しかし、その水位を事実上拡大して上げ下げしようと思えば、いずれにしても南郷洗堰の操作が変わってこなければいかぬわけですね。これは恐らく操作規程をつくらざるを得ないんじゃないでしょうか。これは建設省の方に聞きたいと思いますね。
○井上(章)政府委員 そのとおりでございます。
○瀬崎委員 だから、現在の水位を一・五メートル下げるという前提は、先ほど言った法律的には根拠のない申し合わせに基づいているだけのことなんですよ。今後実際の水位がどうなるかというのは、今言われたように、当然のことながら河川法に基づいて南郷洗堰の操作規程がつくられることによって決まるわけですよ。ですから、私が聞いたのは、その操作規程の結果、水位が実際に一・五メートル下がらない、こういうふうな事態が起こったときに、では、今まで支払われた補償はどうなるのか、これを聞いているわけで、これは望月総裁にお答えいただかなければ、あんな事務的な話じゃ困りますね。
○望月参考人 私は今の立場としてその問題にお答えする立場にないことを御了承願いたいと思います。
○瀬崎委員 では、これは政府が判断することでしょうか。両大臣、どうでしょう。
○井上(章)政府委員 ただいま実施されております琵琶湖総合開発事業、これを変更するということは考えておりません。
○瀬崎委員 事業そのものは変更しないでしょうが、操作規程が未定であることは事実、そして操作規程を実際につくらなければ水位の変動の新たな拡大もできないことも事実。ですから、私は、仮定の話ではあるが、では実際には水位が下がらないという事態が起こったときには補償の方はどうなるんですか、返してもらうんですかという話になるでしょう。だが、それはお答えできないというわけですね。
○浜田委員長 ちょっとお待ちください。今の問題に答えられませんか。水位が一メートル五十下がらなかった場合どうするかということなんです。三メートル下がった場合はどうするか、あわせて答えてください。
○瀬崎委員 委員長、質問者の聞いてもおらぬことはいいですよ。
○浜田委員長 そうでないと、聞いている人が錯覚を起こすといけないから。仮定の問題には答えられませんという答弁ならともかく、答弁が的確ではありません。
○井上(章)政府委員 琵琶湖総合開発事業につきましては昭和五十七年の九月六日、実施方針が定められ、公示いたしております。
 先ほど変更する予定はございませんと申し上げたのは、この事業実施方針についてでございます。
○瀬崎委員 その事業の実施の内容が変わらない、あなた方が変えようとしてないことは百も承知なんです。だけれども、現実、水位を一・五メートル下げるということになれば、法的には先ほど言われた南郷洗堰の操作規程というものができてこないといかぬわけなんで、では、その結果として水位が下がらない場合だって全くないとは言えないわけなんです。それでは水位が下がらなくなった場合、補償はどうするんだ。もう既に出した補償は出しっ放しか。そうなると、結局合言いましたように、琵琶湖汽船にしてみれば、どっちみち新しく船をつくらなければならないような時期に来ておった、できるだけ早く補償金もらってうまくそれを利用した、こう言われかねない事態に今あるということを私は言っているわけです。ですから、本来もう少しこの事業の進捗を見ながらこういう補償問題というのは進めてもいいわけなんです。本当にどこまで補償すべきかということがはっきりわかる時点までゆっくりしてもいいわけなんです。そういう点を指摘しておきたいのですが、時間もないし、さらに現在も八隻で合計二十六億四千百六十六万円既に補償を支払っていますね。琵琶湖汽船についてはあと三隻残っています。五十五年度の補償協定額は締めて三十八億と決まっているのですが、この残っている中には相当大きい船もまだあるのです。みどり丸なんかはこれでいくと相当な補償額になるんじゃないかと思うのです。果たして当初の協定の三十八億に全部おさまりますか。
○大嶋参考人 協定を締結いたしました時点と実際契約をいたします時点では、物価等の変動がございまして、同額というわけにはまいりませんので、普通ならふえるだろう、こういうふうに思っております。
○瀬崎委員 この補償額の方は建造年次に応じて一種の物価補償までちゃんと入り込んでいるわけですね。極めて至れり尽くせりになっているわけです。ところが、逆に琵琶湖周辺の住民の方はどうかといいますと、一例だけですけれども、琵琶湖の水位が低下するために、各市町村の従来の水道水源が使えなくなる場合が出てくるというので、全面的に琵琶湖からの逆水工事に水道を切りかえているわけですね。これが逆水であるために、燃料費も要るし、いろいろな経費もかさむ。物価の影響を受けているからということで、去年からことしにかけて全面的に二割から三割値上げになっているわけですね。企業の方は物価が上がったら上がったのに応じて補償がふえてくる、住民の方は物価が上がったら上がったに比例して負担がふえてくる。これはまことにいただけない話なんですよ。しかも、先ほど船は廃船にするとおっしゃいましたね。例えば既に補償を受けた玻璃丸はどうなっているか御存じでしょうか。
○浜田委員長 大嶋君。答える場合に、妙さな声でやるとあなたの方が何か弱みがあるように聞こえますから、胸を張って答えてください。
○大嶋参考人 それじゃ大きな声でお答えさせていただきます。
 私、聞くところによりますと、廃船になりまして、もちろんエンジン等も取り外してございますが、浜大津につながれておりまして、土産物か何かを中で売っておるやに聞いております。
○瀬崎委員 一応格好は廃船ということになっているけれども、ちゃんと物産展示店として金もうけをしているわけですよ。こういうことを考えるならば、この琵琶湖汽船あるいはオーミマリンに対する旅客船補償が果たして適切に行われているのかどうか、これは疑問を持たざるを得ないわけですね。私は何も補償をやってはいかぬと言っているんじゃないのです。適切な公正な補償であるべきだということを言うわけです。何をもって適正、公正とするか。結局、水資公団に補償の算定方式をいろいろ聞いたけれども、これはいろいろ駆け引きもある、出す方は少なく出したい、もらう方は多くもらいたいということがあるので、外部には出したくない、こういうことなんでしょう。
 そうすると、結局妥当かどうかの判断はどこでやるのか。今言ったように、住民の方が逆に琵琶湖の水位変動によって負担がふえるような事態が現に起こっているわけです。そうなれば、一隻ごとの船に対して幾らの補償をしたかをむしろ公表することによって、こういう琵琶湖汽船の所有している船の実態等をよく御存じの方なら、この金額が妥当かどうかという判断はおのずから世論的にも形成されてくるわけです。世論の批判にたえるような補償であるべきなんです。だから私はあえてしつこくこの問題の公表を迫ったし、あなた方が言わないから、一応こちらから調べた内容を逆に発表するということになったわけですね。当然そういうふうな世論の批判にたえ得る補償でなければならないということを強調した上で、今言ったように、この補償内容には相当疑問の余地がある。ですから、改めてこれはまた国土庁長官になるのでしょうか、先ほどの船だまり、港湾じゃないけれども、考えてもわかるでしょう。こういう大手の観光会社は、自分の港湾も全部公費で新しいものをつくってもらう、船も全部公費で新しいものになるわけでしょう。これははたから見ていると随分虫のいい商売をやっているなということにならざるを得ないのですよ。だから一度、今私が提示をしたこういう資料に基づいて、これも現状をよく調査されて、果たして補償が妥当かどうか、行き過ぎの補償があるならば、それは適切な方法で妥当な額にすべきだと思いますね。一般の生活補償とは違うということを十分念頭に置いて御検討いただきたいのです。
○水野国務大臣 今、瀬崎先生のなかなか明細な御調査を感心して承っておりました。
 そこで、私も実はそういうお話を初めて聞いたものですから、これから関係者から事情もよく聞いてみないとわかりません。ですから、先生の御調査は、一つの疑念を持ってずっとお調べになってきたことでございまして、そのお話を聞いておりますと、なるほどごもっともなお話だとも思えます。
 一点だけ、私は先生のお話も一つの仮定の上のお話だと思いましたのは、今の船に対する補償は、水面が一メートル半低下した場合、それはこういうふうに支払いをした、これはまことにけしからぬ、先生のお話のとおりでしたらけしからぬことなんであります。もし水位が下がらなかったらどうするというようなお話もございましたが、周辺の住民に対して、水位が下がった際の水道の手当てもしているわけでありますから、水面は下がるということが常識でやっておられるのだろうな、先生のお話も、下がった場合はどうする、下がらなかった場合はどうするという話が、両方の面から御指摘をなすっていらっしゃるわけでありますから、いろいろな仮定の上で御調査なすったのだろうなと思ってお話を承っておりました。関係者を集めて実態をよく調べてみたい、かように思っております。
○瀬崎委員 重ねて申し上げますが、私は、こういう相手がたとえ大企業であっても、水位低下に伴う旅客船補償あるいは港湾建設の補償をしてはいかぬとは決して言っていないのです。それがきちっと国民の納得し得る内容のものであるならば、そういう適切な補償はしていいと思います。しかも、私だって琵琶湖汽船はしょっちゅう利用している立場ですからね。観光客がたくさんおいでになって気持ちよく船に乗っていただいて、繁盛することを願っているわけですね。だけれども、少なくともこういう公的機関が公費による補償をするということになるならば、当然そこには妥当な額がなければならない。先ほど挙げました八隻の船のそれぞれ船の年齢、現在の傷んでいるぐあい等々から見て、この補償額はどう見でもやはり行き過ぎという感じがしてからないということが一点。
 それから、水位が現実にどの程度下がるかという点について、公団は協定書そのものを出してこないのですよ、補償協定書を。その中に、例えば将来水位の低下が思ったより少ない場合、では一たん支払った補償金をどうするかと書いてあれば私はとやかく追及しません。そういう配慮があるのかどうかということも言っているわけです。住民の側はすでに補償を受けているじゃないかとおっしゃいますけれども、従来、水道なんかでも天然自然の水道源から安い水が飲めていたのを、今強制的に全部逆水に切りかえられた。住民には選択権がないのですね。琵琶湖の逆水は飲みたくない、近くの井戸なり川の水源の水をくれと言ったって、自分だけそういうわけにいかぬわけでしょう。そういう点では、いや応なしに負担の増加を強いられればついていかざるを得ない住民と、片方の企業とのアンバランス、こういう点をよく考えてほしいということです。
 以上です。
○浜田委員長 午後二時より委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後一時八分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時開議
○浜田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 内閣提出、奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、本日、参考人として日本放送協会放送総局副総局長尾西清重君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
○浜田委員長 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。保岡興治君。
○保岡委員 それでは質問をさせていただきます。
 財政状況が非常に厳しい中で、本年度で期限切れになる奄美群島振興開発特別措置法の期限延長をしていただくことになったことに関しては、稻村大臣初め関係の皆様方に心からまずもって感謝を申し上げたいと思います。また法案の審議がここに始まりましたこと、委員長初め委員各位に感謝を申し上げます。特に稻村大臣は御就任直後に、忙しい予算編成の前に現地奄美大島まで行っていただきまして、親しく奄美の群島民と接していただいて、その後懸命に努力いただきましたことを、今日の結果を得た大きな要素として群民ひとしく感謝を申し上げていることを申し添えさせていただきたいと思います。
 ところで、奄美群島は昭和二十八年日本に復帰以来、既に三十年たっているわけでございますけれども、当時一人当たりの群民所得も国と比較して二七・六%、三分の一にも満たない非常に低い水準でありましたが、昭和五十五年度で六六・七%と、相当の改善が見られてきたことは事実でありまして、また他の公共施設整備なども同様に改善されてはまいりましたけれども、依然として格差が非常に大きく残っているわけでございます。
 そこで我々は、財政当局も今回の延長に際して、復帰してもう三十年もたつんだから一人歩きしてもいいんじゃないかとかあるいは臨調答申でも、地域の特例については、終期を迎えたら廃止を含めて見直せという非常に厳しい内容になっているわけでございますけれども、我々からすれば、三十年もたってもなおこれだけ格差が残っているということの方にやはり問題があるのではないか、こういうふうに思っているわけでございます。
 そこで、まだ残っております本土との格差解消の見通しが、今度の延長されました次なる特別措置で解消できるのか、その見通しが立っているのかについて、まずお伺いをしたいと思います。
○稻村国務大臣 この前保岡さんのあれで奄美大島に行ってまいりました。これは大変やはり格差のあることもよく承知をしております。特に二十八年、熱烈な歓迎の中で復帰をされて以来三十年ということですから、その間にやはり着々として地域格差、こういったことが進んでおるということは、この目で見てまいりましたが、まだまだこれからが、私は、道路にしても、特にその基盤整備等々を見ましても、この五カ年ですべて格差が是正されるものだというふうに考えておりません。しかしながら、その枠内で最大限の努力をして、やはりアメリカの施政権の中で解放されて復帰されたという痛々しい、そういったことをやはり日本人は忘れてはならない。特に私は島民の皆さんの多くの人とお会いいたしましたが、日本人の心奄美大島にあり、こういう感じを切に胸に打たれる点があったと思います。
○保岡委員 大臣の今のお話だとなかなか今度の計画中も格差の完全な解消は難しいというような趣旨のお話でございましたけれども、私が考えても、今までのような施策の推進というのかあるいは予算の状況からいきますと、なかなか大変だなと率直に思います。
 そこで、いろいろ制約があるわけでございますけれども、群民としては、今度の延長計画の中での格差改善については相当な期待があるわけでございます。特に産業振興あるいは文化、教育、そういったソフトの面にまで広めて大いに格差是正を図っていただきたいという要望が強い。これに対して、基本的に今度はどういう戦略でこのような格差解消に臨まれようとしておるのか、それを簡単に、基本的なことで結構ですからお伺いしたいと思います。
○稻村国務大臣 あそこの産業というと大島つむぎですね。これが一番大きいんじゃないかと思います。それから観光事業ですね。あれだけの周囲海に囲まれておりながら漁獲量というのは少ないですね、この前いろいろ聞いてみましたけれども。しかし、漁港等々がもちろん不完全なところもありますけれども、もう少し漁獲の量をふやしてもらわなければならぬのではないかな。特に今度あなたの強い要請で現地におってつむぎ会館の建設をお約束いたしました。これは着々と進んでおります。これを契機として、ただ単に、もちろん技術革新はやってもらわなければならぬし、流通開発もやってもらわなければいかぬ。しかしながら、これを契機として商品開発よりか流通の開発というところに相当の力を入れていただきたい。この前行ったとき大体二百億と言われたのですが、私は少なくとも六百億から八百億売り上げがあるものだと確信しております。あなたと、大分早いときでしたが、あなたが国会に出られて、私と一緒にぜひ韓国に行ってくれないかということで、韓国つむぎと大島つむぎとがごっちゃになってしまって、デパート等々でも平気で韓国つむぎを大島つむぎと称して販売されておるという事実関係、そういう意味から、あなたと参りまして、こういったものだけは大体交通整理ができたと思っておるわけです。
 ただ問題は、流通センター、つむぎ会館の建設を機として、いま申し上げたように、流通問題に大きなメスを入れてもらう。そのためにはあらゆることを政府としても惜しまない。これを惜しんだならば、今申し上げたように、三分の一ぐらいで、せっかくあのようなすばらしいものが、機械ということではなく、全く労働集約産業、あれくらい集約産業でなければできない、人でなければできないものでございますから、やはり大切にして、本当に適正価格で売り出す必要があると思いますので、この前もあなたに申し上げたように、技術革新ということも大切であるが、価格の問題について、流通問題、これについては政府はあらゆる努力を惜しまない、こういうことを申し上げてきたわけであります。
○保岡委員 後で若干また少し加えてお尋ねしますけれども、本当に大臣の御熱意で大島つむぎ会館ができたということは大変感謝をいたしております。この予算が適正に執行されて、早くできるということを心から願っています。流通関係もこの産業の最大のネックでありまして、特に資金面で零細でございますので、十分な資金がないところに、産地問屋みたいな流通の拠点がなかなかできないということもあります。これはもちろんつむぎ関係者が基金をつくったりして、大島つむぎ会館を契機に、自力で自立あるいは自興の精神でみずからもリスクを負担し、出捐をして、政府に流通関係の対策を求めるという新たな動きができることを我々も期待をしているわけですが、そういう場合には、今の大臣のお話にありましたとおり、積極的に政府でも対応していただきたい、これは御要望として申し上げておきたいと思います。
 それから、格差解消のためには、つむぎのみならず、農業とか観光とかあらゆる問題、広範にわたる努力が必要だと思うのでございますけれども、私は格差の問題で奄美大島にもう一つの面があると思います。それは奄美が他の沖縄との関係で、これは同じ南西諸島、琉球弧という中に位置づけられて、自然条件もあるいは経済あるいは文化圏というものでも共通なところがあるわけでございますけれども、沖縄に比べても奄美大島はどうもいろいろ水準が劣っている。例えば一人当たりの所得でも、同じ五十六年で比較しますと、沖縄対比九四・一%の水準だ。これは近年ますます拡大する傾向にあるように見えるわけです。また他の公共施設の整備などを見ても、これは沖縄に比べて奄美の方が低いものが非常に多いわけです。ところが沖縄の振興特別措置法は、非常に高い水準の補助率等、またいろいろ総合開発局があったり、あるいは沖縄開発庁という役所を持っていたりして、県挙げてこの南西諸島の特色に取り組んでいる。そういう支援体制もどうも奄美の場合と比較して量的にも相当違いがあるように思いますし、また逆に、市町村の財政力指数なんかを見ても、奄美の方がむしろ劣っておるというようなことがあるわけで、このままいくと沖縄との格差はますます拡大していくんじゃないか。これは他の地域であればうらやましいということで済みますけれども、隣接して同じ特色に、あるいは同じ困難に取り組んでいる地域としては、向こうがよくなることは、逆にこちらが押し込まれて片ちんばになってひずみが出てくるということになるので、やはり沖縄との調和ある発展、均衡ある発展というのは、奄美の振興にとってもう一つの大事な柱ではないかと思うのですが、その点について大臣がどのように考えておられるのか、伺いたいと思います。
○稻村国務大臣 やはり振興法の内容が奄美大島と沖縄とは相当の違いがありますね。沖縄の人口も現在百十万ですね。ちょうど私があれしておるときには七十五万であったわけです。それが急激にぐうっとふえていったのですね。それは私は考えてみますと、やはりUターンをしている。暖かいところですから住みやすい。住みやすいということは、住宅の問題にしても着る問題にしても、半そでで一年間を通すことができる。
 それからまた、企業の問題につきましても、公害というものが大変難しいところがありましたが、地場産業の育成等々に大変な力が入っていった。あるいは公共投資の問題にしても、奄美大島とのこれはもう全然比較にならぬわけです。
 そんな意味で、沖縄振興法というのは日本でいろいろな振興法がありますが、完璧の体制である、すべてが十分の十である、こういうような関係から、大変市町村の財源不足というときにおいても、大変やりやすくなってきている。
 そこで、奄美大島との問題でありますが、二十八年、それから沖縄の返還等々の年月の相違であるとか、こういった問題がそのときに恐らく加味されたものではなかろうか、乱そういうふうに思っています。
 そういう意味から、沖縄の開発庁の、その時期もありますが、歩調を合わせて奄美大島と、そういうわけじゃございませんが、長い間のアメリカ施政権の中で、このことだけを日本人全体が忘れることなく、特に奄美大島の場合は台風の常襲地である。これは必ず台風がやってくるという大変厳しい条件下に置かれておること、もちろんそれは沖縄も同じでありますけれども、沖縄よりかもっと常襲的に台風が吹きすさぶというところでございますから、大変厳しい環境の中にあると私は思います。そういう意味から、この前参りましたときに、ハブはどれだけおりますかと聞いたら……。
 あなたの聞く時間がなくなりますから、それじゃこの辺でやめますが、どうぞひとつよろしく。
○保岡委員 今、大臣から、沖縄開発庁長官もされているいろお話もおありだろうと思いますけれども、時間もないので大変申しわけなく思うのでございますが、特に、私は沖縄との関係で、奄美と同じくらいの大きさ、規模の沖縄の離島と比較した場合、一人当たりの公共投資額が沖縄の方が借くらいあるのですね。一概に一人当たりの公共投資額で施策の水準を云々することは、直接はできないかもしれませんけれども、沖縄本島との一人当たりの公共投資額は、実は十年前には奄美は沖縄の半分以下だったのが、今じゃ大体沖縄県平均と同じくらいまでなってきているわけです。それで奄美の公共投資額も、三十年間の約八割七分はこの十年で投入しているというくらいにこの十年は一生懸命やってもらってきている。しかし、沖縄の離島と比べると、このままいくと格差拡大はなお大きくなるのじゃないか。特にシーリングとかいろいろあって重点配分がなかなかできないということになると、よっぽど沖縄との格差解消については、沖縄開発庁における政策あるいは奄美における今後の具体的な対策等を比較検討して真剣に考えないと、将来取り返しのつかないことになるのじゃないか。特に財政が厳しいですから、このままいくと、なかなかこの問題は重大になってくるのじゃないかということを心配するわけでございます。したがって、ぜひこの点については特に留意をして、新しい特別措置を進めていただきたいと思います。
 それからもう一つは、奄美大島全体として見た場合に、本島の南部がおくれがちょっと目立ってきているわけでございます。こういう群島内の格差というものもありますので、特に南部については、今度の新しい計画で重点を置いてやっていただきたい。予算の配分それから振興計画の中における位置づけというものについても、きちっとしていただきたいと思いますが、局長、いかがでございましょう。
○川俣政府委員 お答えいたします。
 奄美大島本島の南部開発につきましては、ただいま先生から御指摘がございましたように、本島の中でもかなり開発のおくれた地域であるという認識を私どもも持っておるわけでございます。そこで五十九年度から新しい振興開発計画が策定されるわけでございますけれども、その中において、いわば課題地域といたしまして、大島本島南部地域を位置づけて振興を図るべきであろうというふうに思っておる次第でございます。
 その際、県あるいは地元の町村ともよく相談をしなければならないと思いますけれども、必要な事項のうち幾つか申し上げてみますと、交通体系のまず整備の問題があります。それから農林水産業あるいは大島つむぎ、観光開発、特に農産加工型の産業の振興ということが必要なんじゃなかろうか。例えばしょうちゅうでございますとか、もずくのつくだ煮でありますとか、プラム酒でございますとか、そういったいわば一・五次産業の振興ということが必要なんじゃなかろうかと思っております。また事業費の傾斜配分についてお話がございましたけれども、従来からも大島全体の一人当たりの投資額からいたしますと、南部地域には多い配分がなされておるのでございますけれども、ただいまのお話もございましたこともあり、今後ともそういった点に留意をしながら事業費の配分にも努めてまいりたいと思います。
○保岡委員 奄美の農業も格差解消で非常に重要だと思いますが、このところ農業基盤整備が急速に進んでまいっておりますし、また航空とか海の輸送体制も整備されつつありますし、病害虫であるところのミカンコミバエが既に撲滅され、引き続いてウリミバエの防除の見通しも立ってきている。ここで奄美大島の農業の振興が大きな展開をするためには、今後奄美の農業に関して試験研究体制というものを強化する必要があるのではないかというふうに思っているわけでございますが、そのためには、現在県に農業試験場の大島支場、徳之島支場とあるわけですが、いずれも老朽化して施設整備も十分でない。このあたりで研究棟の改築整備や研究施設のなお一層の整備が必要だと思うのでございますが、六十年度予算あたりで検討を進めていっていただきたいというふうに思いますが、農林省いかがでございましょうか。
○廣岡説明員 お答えいたします。
 奄美群島におきます農業の振興が奄美の振興にとって非常に重要だという認識は、農林水産省としても持っているわけでございまして、その発展の基礎になります試験研究につきましては、農林水産省の機関といたしましては、基礎的、開発的研究を分担するということで、九州農業試験場あるいは野菜試験場の久留米支場、こういうところを中心といたしまして、奄美群島を含みます亜熱帯地域におきますサトウキビなどの畑作物の品種改良とか栽培改善等に関する試験研究を行っております。
 また、鹿児島県におかれましては、普及及び指導、奨励に直接役立つ技術の開発、こういうものを分担していただきまして、県農試の大島支場とか徳之島支場でサトウキビを中心とする野菜とか果樹というものの試験をやっていただいております。こういうものにつきましては、農林水産省といたしましても、総合助成事業というふうなものを活用いたしまして、サトウキビの試験等にこれまでも国の助成をやってきたところでございますし、徳之島、大島に指定試験をお願いいたしまして、サトウキビの品種改良も進めるようにしてきたわけでございます。今後ともこういう形の援助と申しますか、指導は引き続きやっていきたいというふうに思っております。
 こういう施設の整備につきましては、これまでに奄美の振興開発特別措置法というものを政府の中で検討してまいりましたいきさつ等もございまして、そういうものも踏まえまして、また先生の御趣旨も外しまして、今後国土庁を初め関係省庁と緊密な連絡、協力をとりながら、これらに対します取り扱いにつきましては検討を進めさせていただきたい、こう思っておる次第でございます。
○保岡委員 研究費といったものについても、県の要望に沿ってできるだけ配慮をしていただきたい。それから窓口は国土庁に、予算要求はなると思いますが、両省でよく今後予算措置について相協議して施設整備等が進められるように御努力をお願い申し上げます。
 時間もありませんので、とにかく簡単に答えていただきたいのでございますけれども、奄美の文化の振興のために地元の方では文化会館をぜひつくっていただきたい。これは学校の体育館等を利用していろいろな演芸とか音楽会とかやっておりまして、他の地域に比べてその点の水準が非常におくれているということでございますが、この点についていかがでございましょうか。
○川俣政府委員 地元において奄美の文化活動の中心となります文化会館を建設したいという強い御要望があることは、私どもも承知をいたしております。次の計画期間中に計画の中に盛られることになるのではないかと思いますけれども、私どもとしては、地元の構想を十分承った上で今後対処をしてまいりたいと思っております。
○保岡委員 それと、奄美大島の今後を考えた場合に、自立自興の基盤づくりという意味で、これはもちろん地元の者が意欲を持って、またエネルギーもそこに集中して、みずから考えるということが一番基本になると思いますが、そういった意味で、民間の研究機関というものを設置して、そこでいろいろ将来の奄美大島の構想や問題点を研究していこうとしております。その点について、次期振興計画の中でも、島おこし調査費ということで、そういうことの調査費の助成をしようということになっておりますが、大臣が奄美で約束していただいた水資源のマスタープランの策定の費用とかあるいは二十一世紀の奄美大島の姿、定住構想とか、そういった将来のいろいろな構想を進めていくための調査費を今後充実していただくということがそろそろ奄美においても必要である、それが群島民の自立自興の精神の高揚とみずからの島づくりにつながるのではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
○稻村国務大臣 お約束をしたとおり進めておるはずであります。
○保岡委員 まだいろいろ質問したい点があるのですが、小笠原の問題も若干質問しなければなりませんので、奄美関係はこれで終わりまして、小笠原の関係で……。
 小笠原は集落が指定された地域の周辺だけが重点的に整備されるようになっているようでございますが、これが例えば扇浦のようなまだ指定をされていない地域の整備が非常におくれているために、遠い集落から通勤して農業をやらなければいけないとかいろいろ問題が出て、島全体の調和ある発展や帰島を促すいろいろな便宜のための大きな隘路になっていると聞いておるわけでございますが、今度の計画でその点が特に思い切って推進できるかどうかお伺いをしておきたいと思います。
○川俣政府委員 お答えいたします。
 昭和四十三年に小笠原は本土に復帰をいたしたわけでございますけれども、その間の空白期間が長くて、効率的に復興をしていくためには一島一集落ということがよかろうということで、そういう方針で、父島の場合ですと大村、奥村地区を中心に整備を進めてきたということでございます。ところが、ただいまお話もございましたようなことで扇浦地区に通勤農業をしておる方もある。そういうこともあって、水道等の施設を整備してもらいたいというような御要望もいただいておるような次第でございます。
 今後、小笠原諸島につきまして目標人口の三千人を達成いたしますためには、やはり新しい集落の形成というものが課題になってくるのじゃなかろうかと思っておりまして、新しい計画のもとで住民の皆さん方の居住の意向等も把握した上で、計画にどのように取り組むか検討してまいりたいと思っております。
○保岡委員 小笠原ももう復帰してから十五年たつということでございますけれども、いまだに航空路が開設されていない。一隻の定期便に頼って、五、六日に一便という他の地域と比べものにならないくらいの交通の不便さがあって、観光客の増加を図るとかあるいは島内の生産物を市場化して外に出すというようなことを考えると、非常に話にもならないくらいのハンディキャップなわけです。どうしてもこれは航空路というものを考えていただかなければならないと思うのでございますが、最後に、この航空路の開設について積極的に取り組んでいただきたいと御要望申し上げて、御決意を伺って終わりたいと思います。
○川俣政府委員 小笠原におきまして飛行場設置の強い要望があることは、私どもも承知をいたしております。新しい五カ年計画の期間中に空港設置及び航空路開設の可能性について検討を進めてまいりたいと思っておるところでございます。何分にも空港を設置いたしました場合に、それにペイをするだけの航空需要というものが人の面あるいは物資の面であろうかと思っておりまして、そういった意味での需要予測調査等も精力的に進めていくつもりでおります。
○保岡委員 ありがとうございました。
○浜田委員長 次に、上西和郎君。
○上西委員 私は、今御質問なさった保岡議員と違いまして、当選後まだ日も浅い全くの新人でございます。かつ常任委員会で質問するのも初めてのことでございまして、今からお尋ねしたいことは若干ございますが、質問する内容あるいは言葉遣い等について不適当なものがあるかもしれません。そういった点がもし出てきたときは、新人だということで御寛恕いただきたいと思います。
 まず大臣に率直にお尋ねをしたいのであります。
 今度奄振法が五年延長される、大変いいことだと思います。ただ、問題は沖縄との比較について、奄美大島群島区がアメリカの占領下から日本本土に復帰した。そのときは群島民挙げて、当時の金で少なくとも五億なければ何もできない、こういう本当に群島民挙げての決議があったにもかかわらず、これに一顧だにしなかった当時の政府。文字どおり今の言葉で言えば自立自興を強制して裸で受け入れた。その悪しき残渣が現に尾を引いて奄美の振興は立ちおくれているのではないか。もちろん地上戦があったかどうか。アメリカ軍が上陸し無辜の民草をまでも戦禍に巻き込んだ悲惨な、あのひめゆりの塔に象徴をされる沖縄は、確かにその面では差があるでしょう。しかし、アメリカの占領下にあったということについてはいささかも条件に違いはないのであります。ところが、佐藤榮作元総理が当時総理として、沖縄の復帰なくして自本の本当の終戦、繁栄はあり得ない、こういうことでおやりになったあのときには、どれだけの投資を沖縄本島に、沖縄群島になさったでしょうか。そのことを抜きにして、いたずらに財政硬直化の折奄美大島については沖縄ほどのことは到底できない、現状だけでやっていって、今度五年延長で先ほど長官がお答えになっておりましたが、果たして奄美はよくなるのか、五年間で完全にそれを回復できるのか。原点に立ち返っての大臣の所信、見解というものを厳しく私は求めたいと思うのであります。
○稻村国務大臣 奄美大島が復帰したときと沖縄が復帰したときと、奄美大島のときはそれは大変日本国の環境の厳しいときであったと私は受けとめております。そういう意味からこのハンディのあることもよく私も承知をいたしております。そういう意味から、先ほど来申し上げましたように、保岡さんが五年でできると思うかという、この答えについては、長い間のアメリカの施政権下の中で来たわけですから、そのハンディが物すごくあるわけですから、五年で今度の延長によってすべて格差の是正ができるものではないと申し上げたとおりであります。そういう意味から、沖縄と奄美大島との現在の振興法の内容からいって、もうスタートから違っている、おっしゃるとおりでありますが、違うこともよく私は承知しております。
 これをどういうふうにして補っていくか、どういうふうにしてこれを埋めていくか。先ほど来の保岡さんの提唱で、自力自興、もう与えられるのじゃなくて、島の島民としても自力で我々も開拓意欲を持っていこうじゃないかという、このことについては私は大変敬意を表する面があるわけです。そういう意味から、何ら検討もせずに、当然そのことには助成すべきである、こういうお答えをしているわけであります。
○上西委員 今、大臣の御答弁で、基本的には御理解いただいていると思います。
 ただ、私ここで念を押しておきたいのは、かつて奄美大島本島の南部、いわゆる古仁屋の天然の良港、これは最盛期の大日本帝国海軍が連合艦隊をすっぽり入れてもおつりが出るくらいの天然の良港であり、佐世保鎮守府管区の傘下では最もすぐれた要塞でもあったわけであります。そうしたことで戦時中は軍港として栄えてきた。それがあるためにまた戦争の被害も結構大きかった。にもかかわらず、大臣御自身お認めになっていることがあるにもかかわらず、何か五年延ばしたからこれでいいではないか。奄美の方々も自力自興ていけと言わぬばかりの姿勢というものがあちらこちら見えるものですから、その点については、今おっしゃったような気持ちが国土庁と言わず関係省庁すべてから奄美群島の皆さんに対して温かい配慮、思いやりというものがにじみ出てくるような法の延長、いわゆる補助金の適切な運用、いろいろ出てくるでありましょうが、その気持ちが群島の居住されている方々に伝わるような姿勢というものが少し欠けているのではなかろうか、そういう感をいたしますので、その点についてあと一言御見解をいただきたいと思います。
○稻村国務大臣 そういう意味もありまして、長官に就任すると同時に、奄美大島にお伺いをさせていただいたわけであります。そういう意味から、あなた方にこれは上げますよというのじゃなく、どうかひとつ振興法のこの助成施策によってできるだけ早い期間に格差をなくするような方向でぜひお願いをしたい。決して過去のそういったことを忘れておるものでもありませんし、そのことについては振興法自体にそういった意味が相当含まれておる、こういうふうに御理解をちょうだいしたいと思います。
○上西委員 では少しく具体的な問題についてお尋ねを順次してまいりたいと思います。
 ただいま保岡議員からも御質問がありました。奄美群島地区の文化の振興ということで文化会館、その文化活動のシンボルたるそうした中心的役割を果たす文化会館の建設、これは島民が長年にわたって渇望しているところであります。これについて具体的なお考え、計画等、これらについてぜひお答えを、御説明をいただきたい、このように考えます。
○川俣政府委員 奄美群島に民謡でございますとか、民族芸能を初めといたしまして、いろんな有形無形の文化財があるにもかかわらず、これらの文化活動の中心になる文化施設がないということでございまして、ぜひその文化会館を奄美につくりたいという強い御要請があることを私どもは承知をいたしております。
 先ほどもお答えを申し上げましたように、地元からのどういう構想で会館をお建てになるのか、どういう規模でお建てになるのか、そういった点についてまだ十分話を伺ってないわけでございまして、そういった構想をお聞きした上で、私どもの対処方針というものを決めてまいりたいと思っております。
○上西委員 ありがとうございました。ぜひ地元の要望にこたえての促進方をお願いをしておきたいと思います。
 次にお尋ねしたいのは、保岡議員の質問と重複する点もありますが、大臣が御指摘のように、奄美の浮揚、振興のために欠かすことのできないものは、つむぎとやはり農業だと思うのであります。そうした意味合いで大島本島並びに徳之島にあります鹿児島県の農業支場、これらの整備充実、こうしたことについてあと一つ意欲的な取り組みがほしい、このことなくしてはどうしても大島、奄美地区の農業の振興、発展はなかなか難しいのではないか、こう考えますので、私からも重ねて関係省庁の御見解、取り組む姿勢をお尋ねしたいと思うのであります。
○廣岡説明員 お答えいたします。
 鹿児島県の農業試験場、支場がたくさんございますけれども、奄美群島には大島支場と徳之島糖業支場というのが置かれておりまして、サトウキビの栽培関係、品種改良、こういうものを中心にいたしまして、野菜とか果樹、こういうものの試験を実施されております。それを支援すると申しますか、基礎的、開発的な研究といたしましては、国の方の機関で九州農業試験場だとか、野菜試験場の久留米支場で基礎的、開発的な研究をやって、一体となってその地域の農業技術を開発しておる、こういうことでございます。
 先生御指摘のこの大島支場なり徳之島糖業支場の整備という問題につきましては、鹿児島県などの今後の計画というものがもう少しはっきりとしてまいりました段階で、それらもお聞きいたしまして、またこの奄美の振興開発特別措置法、こういうものを検討してまいりましたいきさつ等も踏まえまして、奄美地域の振興を担当されます国土庁と緊密な連絡、協力を図りながら、今後その取り扱いについて検討させていただきたい、こういうふうに考えております。
○上西委員 見解よくわかりました。ただ、ここで私は一つの歴史的な事実はあえて指摘をしておきたいと思うのであります。
 それは、大島つむぎの染物を染める過程で欠くことのできない必要な材料にシャリンバイという植物があります。木であります。ところがちょうど日支事変の始まるころ、当時の大島営林署にお勤めであった極めて良心的な、研究熱心な職員の方が、今のままではシャリンバイは枯渇をする、ここで今の言葉で言うと、林野庁が、あるいは関係の方々がすべてを挙げてシャリンバイを育成、そうして本当に大事にしていかなければ大変だという指摘を日支事変勃発のころしたのであります。ところが、このすばらしい献策はいつの間にか倉庫の片隅に押しやられて、現在シャリンバイはまさに枯渇の状態、そうして大島つむぎはその染める過程の染料を確保するために四苦八苦、そのことも今大島つむぎが大変不況に陥っていった一つの原因だと地元では指摘をしている声も高いのであります。
 したがいまして、農業、林業、こうしたことについては長い目で物事を見ていただき、そうして地元の強い要望にこたえて、ただ単に要望だけじゃなく、本当に農林水産省なら農林水産省がその基本的な立場に立って理解をし、必要と認めたならばむしろ積極的に取り組んでいく、こういうことを私はシャリンバイの歴史に振り返りまして、あえて重ねてお願いをしておきたいと思うのであります。よろしくお願いをしたいと思います。
 さて、次にお尋ねしたいのは、かつて帝国陸軍にその人ありと言われた荒木貞夫、当時陸軍中将閣下が車からおりてしまうという大変危険な道がありました。そこでは今もって荒木峠、将軍坂とかという名前が残っているほどの大変なところであります。そうしたところへ私も復帰当時から随分行っておりますから、ずっとよくなってきたことはよくわかるのであります。いろいろと大変な御努力でよくなってきたことは事実、それに対する過去、関係の皆さん方の御努力があったことは評価をいたします。
 ただ問題は、残された新朝戸トンネルを含む国道五十八号線の改良の見通し、これについてぜひ御見解をいただきたい、このように考える次第です。
○稻村国務大臣 今、御指摘の朝戸トンネル、これは一昨年から調査を進めております。それからもう一つの三太郎トンネル、これは今年度から着工する、こういうことです。規模は両方とも大体同じような規模でありますが、一方は着工、一方はもう一年調査ということで、着工、完成をするという運びになっております。
○上西委員 では重ねてお尋ねしますが、新朝戸トンネルは一年おくれるが間違いなく着工、こう確認してもよろしいわけですか。
○稻村国務大臣 この前奄美に参りましたときに、これは保岡代議士にもはっきりと、今年度は三太郎着工、来年度は、県が今調査をしておりますが、五十九年度には朝戸トンネルは着工いたしますということを申し上げてきたとおりであります。
○上西委員 大変明確なお答えをいただきまして、ありがとうございます。
 次は、奄美群島振興開発基金の問題についてであります。
 復帰以来名称が法律に比例して次々変わってまいりましたが、現実にこの基金が果たしている役割は大変大きなものがございます。ただ、遺憾ながら、あと一歩資金の枠を拡充し、そうして融資についてもあと一歩というのが群島民の強い要望でありまして、こうしたことについて、財政窮迫の折からではありますが、どのようなお考えでおられるか、奄美群島振興開発基金の現状をより改善充実、拡大強化をしていく、こういうことについての御見解をぜひ承りたいと思います。
○川俣政府委員 奄美群島振興開発基金についてのお尋ねでございますが、ただいまお話がございましたように、奄美の一次産業あるいは大島つむぎ、観光の面等におきましてこの基金が果たしてきた役割は非常に大きいというふうに思っております。そういった観点から、来年度におきましても一億六千万の国からの出資も実は予定をいたしておるわけでございます。
 五十九年度におきましては、まず融資の面では、四十二億五千二百万円の貸し付けの枠を用意いたしたいと思っております。また保証につきましては、百八億八千百万円ほど予定をいたしたい。こういうことで、保証につきましても融資につきましても、御要望に応ずることができるのではなかろうかと思っております。特に新しく流通加工等の振興基金という貸付分野を設けまして、それでいわゆる一・五次産業、例えばスモモの加工でございますとか、そういった面にも融資をするような道を開きたいということで準備を進めておるわけでございます。
○上西委員 時間が限られておりますので、ただいまの答弁を安心をして受けとめまして、先に進ませていただきます。
○浜田委員長 ちょっとお待ちください、上西さん。
 国土庁長官、答弁の補足がありますので、これを許します。
○稻村国務大臣 補足というか多少訂正ということになるでしょうね。
 三太郎トンネルは、この前、保岡代議士と地元におってお約束申し上げたとおり、今年度から着工、ただし朝戸トンネルについては、基礎調査、これが去年からことしにかけてと、できるならば保岡代議士にサービスしたつもりなので、よしわかったとこう言ったけれども、基礎調査ですから多少そこにずれていくのではないかと思いますが、一応私が返事をしたことでありますから、必ず実現に向かってやってまいりたい、こういうように思っております。
○上西委員 私、新人でございますけれども、今のお答えの中で一つひっかかったのは、保岡代議士へのサービス、これでは私はやはり納得できぬのですよ。奄美群島住民に対するサービス、こうでなければ、さっきの表現と同じようでもっと悪いのじゃないでしょうか。私はその辺はきちっと……
○浜田委員長 大臣に注意します。
○稻村国務大臣 大変失礼をいたしました。訂正をいたします。それはあくまでも奄美住民の利益のためでございますから、これは訂正をさせていただきます。
○上西委員 私は、国土庁という新興の意気燃える新しい庁は国家、国民のためにある、こう理解をしておりますので、今後、今のようなお間違いは絶対なさらないように、私は心からお願いをしておきたいと思います。
 次に、念を押しておきたいのは、私、新人でございますから、国会における附帯決議というものがどのような拘束力、効力を持っているかよくつまびらかにいたしません。しかしながら、少なくとも前回五年延長を決めたときに、すばらしい附帯決議が全会一致で決められていることだけは今度質問に当たって私なりに調査をいたしました。しかし、それを読めば読むほど、この五年間、この附帯決議はどこか棚の上にさらされていたのではなかろうか、こう思わざるを得ないのであります。そうした観点から、もっと非公共事業といいますか、いわゆるレクリエーションとか、この文章の中にもいろいろ出ていますね。そうしたことについて、あと一歩、投資といいますか、予算の計上というか、あるいは国土庁としての取り組みといいますか、そのようなことについてぜひ御見解をいただきたい、このように考えます。
○川俣政府委員 お答えいたします。
 非公共事業を重点的にやるべきではないかというお話でございますが、私どももそのような気持ちで奄美の振興事業に取り組んでおるつもりでございます。
 ただ、従来から生活基盤にいたしましても生産基盤にいたしましても、まずそういった基礎的な条件の整備というものに力を入れてきたことも、また一方で事実であります。今後は、お話のございましたように、いわゆる非公共事業についてもさらに力を入れていきたいと思っております。先ほども話に出ましたいわゆるシンクタンクをつくって、そして奄美の自立自興のための島民の皆様方自身の島づくりの計画といったような点もおっしゃる問題の範疇に入ろうかと思いますけれども、こういった点についても、私どもとしては支援をしてまいりたいと思いますし、その他の面につきましても、せっかく努力をいたしたいと思っております。
○上西委員 よくわかりました。少なくとも附帯決議が確実に、誠実に実行されることを強く要望して、この点についての見解を子といたします。
 あと三つほど、沖縄との対比の問題で、地元奄美群島はもちろんでありますけれども、鹿児島県全体にある一つの見方ということについて、三点順次具体的な事項についてお尋ねをしたいと思います。
 第一点は、黒糖酒の原料の交付金についてであります。少なくとも奄美の実態を見るときに、黒糖酒の原料になる黒糖が大方沖縄から数億円移入をされている。奄美はやはりサトウキビの産地であり、黒糖を結構製造しているのに、なぜ海を隔てた沖縄県から移入をしなければならないのか。そんな余裕があるならば、もっと奄美で黒糖をつくらしてよいのじゃないかということにどうしても帰結するものですから、その辺の事情なりあるいは見解なりを明確にしていただきたい。このように考えます。
○高木説明員 お答え申し上げます。
 先生の今、御指摘の奄美の黒糖酒でございますが、確かに黒糖酒は地域の産業として大変重要なものだと私どもも思っております。ただ、黒糖の生産それ自体は奄美全体でも五百トン程度、沖縄の場合は一万トン近い黒糖の生産がございます。黒糖酒に仕向けられます黒糖は、大体年間子トンないし千五百トンということでございますので、どうしても絶対量が不足する。その分を安定的に沖縄産の黒糖で補っているというのが実情ではないかと思っております。奄美の地域での五百トンのうち、黒糖酒に仕向けられておりますのは、最近若干減少ぎみでございまして、百トン前後でございます。これはやはり土産物にも仕向けられるわけでございますが、土産物の価格というのがキロ当たりにしますと五百円ぐらい、黒糖酒向けはその半分ぐらいという価格関係も、そういう影響があるのじゃないか。ただ、せっかく県なり地元の可なり酒造組合、それから地元の農協が基金をつくりまして、実は、黒糖それ自体の価格も沖縄産と比べますと、奄美産は高いという実態でございます。酒造組合が黒糖酒をつくるに当たりまして、沖縄産との価格のバランスをとるために交付金を出しておりますが、そういうために、今申し上げました県なり可なり酒造組合なり地元の農協がお金を出し合って基金をつくっておられる。そういうように地域産業の振興という観点から地元の御努力があるわけでございますので、私どもも地元のお考えをよく聞きながら、必要に応じまして、黒糖の生産関係につきましても、助言あるいは御指導を行ってまいりたい、こう思っております。
○上西委員 よくわかりました。しかし、何といっても、自分のところでとれる黒糖でございますので、やはり黒糖酒にもっともっと使用できるような立場での農水省としての御指導なり、そうしたことを重ねてお願いしておきたいと思います。
 次は、下水道の問題です。沖縄と比べて下水道工事に関する補助金が低いという一言に尽きるわけであります。先ほどもハブ咬傷患者のお話が出ておりました。私、奄美にあります和光園の園長をされておった林先生という方と割にじっこんにしておりまして、よく承ったのは、上西さん、いわゆるくみ取り式トイレがなくなれば、ハブは激減をするのだということをよく私は聞かされたのです。科学者でございますから、医学的立場で。トイレでしゃがんでいて、足の指をかまれる、これが結構多いのであります。ネズミを追っかけてハブが入ってくるわけです。ですから、下水道が整備をされることは、奄美群島の生活レベルをぐんと上げると同時に、天敵と言ってよいハブの退治、ハブ咬傷患者の減少のために大きな役割を果たす。にもかかわらず、なぜ沖縄に比べて下水道工事に関する補助金が低いのか、極めて素朴な疑問を持っておりますので、御見解をお示しいただきたいと思います。
○黒川説明員 お答えいたします。
 現在、奄美群島では名瀬市で公共下水道事業が行われておりますけれども、下水道事業の補助率そのものにつきましては、沖縄も本土も管渠については十分の六、それから処理場については三分の一ということで、補助率は変わっていないことは御承知のとおりだと思います。ただ、下水道事業の補助対象にする事業につきましては、一般的には下水道法の三十四条の規定に基づく政令によりまして、主要な管楽及び処理場等の設置、改築に要する費用を対象に補助するとされているわけでございます。したがって、奄美群島はそのような措置が適用されているわけでございますけれども、沖縄につきましては、四十六年の復帰前にできました沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律によりまして、経過措置といたしまして、全体の事業費を補助対象にするという特例が定められておりまして、それがこのような事情になっておるわけでございます。
○上西委員 そういった事情はわかるのです。ただ、少なくとも下水道の普及率は一国の文化のバロメーターだ、こういうことは随分と広く言われているのでありまして、ようやく奄美が着手をしたときに、確かにそういった法律的なハンディはあるでしょう。しかし、現実に補助対象の違いから補助金が低くなっている。このことについては、やはり国土庁として、主管省庁としてこれは高めて、一刻も早く下水道が完全普及するように仕向けていく、これは当然とっていただかなければならない姿勢だと思いますが、その点について強く要望したいと思いますが、何か御見解があれば国土庁からも一言承りたいと思うのであります。
○稻村国務大臣 今御指摘の下水道の問題、いろいろ具体的な事例を挙げられましたが、当然文化のバロメーターということでございますから、積極的に進めてまいりたい、こういうふうに思っております。
○上西委員 重ねて申し上げておきますが、ハブというのは少なくとも日本列島では奄美にしか生息していない。こういうことで今ハブ手当を要求しようというのが――官公庁とか民間とかを問わず、転勤する者は皆そうなんです。例えば卑近な例で、鹿児島に出てくる。夜、公園その他を散策しようとすると、奄美に現に居住している方々は恐ろしがって歩かないのです。明るいところへ行くとハブが出てくるという危険に常に四六時中さらされているのですから。そのハブをなくするための最も効果的な方法は、下水道の完全整備だと言えるわけでありまして、多角的な視野でぜひ国土庁が窓口となり、各省庁に積極的に働きかけて、ぜひ補助金を高め、下水道工事の早急なる施行、このことについて御努力を重ねて強く、最も理解ある、しかも友情あふれる大臣にお願いをしておきたいと思うのであります。
 最後に、航空運賃についてお尋ねします。沖縄に比べて奄美が割引率が低い、こういうことで、やはり奄美群島にお住まいの方々は、先ほど来お話がありますように、台風常襲どころか、台風銀座の三丁目でございますから、私としてはあえて申し上げたいのは、しばしば船が欠航する。私は昔六百五十トンの興南丸というのでよく行ったものです。それに比べれば、今は随分よくなりました。それでもやはり台風が来ると船がとまる。万やむを得ず飛行機を利用する。そういうときに、少なくとも今比較されている沖縄地区に比べて奄美の航空運賃が結果的に割高になっておるのではないか、こういう素朴な疑問があることは事実であります。この辺について解明をお願いしたいし、今後どうされるかという見解を含めて、ぜひ関係の方からの御見解をいただきたいと思います。
○土坂説明員 沖縄の航空運賃の割引の話でございますが、沖縄の場合にはいわゆるパック旅行と申しまして、二十五人以上の団体に対して、それがパック旅行をするときに二五%の割引をする、こういう制度がございます。先生、それを念頭に置いての御発言かと思います。
 ただ、奄美の場合には、パック旅行でなくて個人の場合でも、いわゆる東京、大阪、福岡の各地点から鹿児島経由で奄美へ行かれる場合には、特別乗り継ぎ割引と称しまして、率がいろいろございますが、最高で二六%までの割引をしております。しかも、これは先ほど申し上げましたように、二十五人というまとまりでなくて個人にも適用される、パックでなくても適用されるということでございますから、やはりかなり手厚い制度ではないかというふうに思っております。
 それから、仮にこういうような大きな団体運賃というものを奄美の路線に導入することを考えますと、奄美というのは今YS路線が中心でございますが、そういたしますと、これは六十四人の定員の飛行機でございますから、こういう割引制度が導入されてこれが十分活用されるということになりますと、やはり個人の利用者にも多少の御迷惑が及ぶかもしれません。そういったようなことを考えますと、やはり今すぐに大きな割引運賃を入れていくということはちょっと問題がありはしないか、やはりこの問題は、将来のジェット化なりそういったような動向を見ながら、奄美の運賃体系全体をどう持っていくかということの中で、将来の課題として考えさせていただきたい、こういうふうに思っているところでございます。
○上西委員 わかりました。将来に向かってそうした御高配を沖縄並みにぜひということをお願いをしておきたいと思います。
 最後に、委員長、私は鹿児島県民の一人として、ここに御列席の皆様方を含め、ぜひ奄美群島に対してあと一歩の御理解をいただきたいと思うのであります。
 それは沖縄と全く同じような条件下に置かれ、その時間の差こそあれ、アメリカの占領下に置かれたという物すごいハンディ、しかも、最も戦後の混乱期にそれを受けて、先ほど申し上げましたように、これだけのお金が欲しいというのを結果的には一顧だにせず、そして裸で受け入れて、そのハンディのまま現在、五年、五年、五年と小刻みに、極端な言い方で不適当かもしれませんが、恩着せがましく奄振法を延ばしてきたことで事足れりといったようなことは、あれでいいんだ、もう奄美は自立自興してもらわないと困る、こうなっていきますと、あの戦後の混乱期に受けた奄美群島民の大変な筆舌に言いあらわしがたい苦労、艱難というものを思い起こしますと、私は、この奄振法の五年延長に大変な御努力をいただいたことに心から感謝を申し上げながらも、関係の皆さん方に、あとひとつ奄美群島の実態、奄美群島に居住している方々に温かい政治の日を当てる、そうした手を差し伸べる思いやりの気持ちを、少なくとも彼らは火となって日本本土復帰を求めた奄美群島民である、このことをお忘れないように心からお願いを申し上げ、私の質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○浜田委員長 木間章君。
○木間委員 我が党の持ち時間は二人セットで五十分、あと十分余りしかないわけでありますが、ぜひ御答弁は簡潔にお願いを申し上げたいと思います。
 主として小笠原問題に絞って御意見を承りたいのであります。小笠原諸島も奄美とよく似たような現況下にあるのではないだろうかと私は見ておりますが、今日、五カ年間の延長法が提出されたわけでありますが、現状についてどのように分析されておるのか、お尋ねしたいのです。
 小笠原は、第二次大戦もいよいよ激しくなった昭和十九年でございましたが、当時六千人の島民が居住しておりましたが、強制的に国の政策ということで本土に引き揚げを命ぜられて、その後、第二次大戦最大の激戦地となっていったことは御案内のとおりであります。
    〔委員長退席、中島(衛)委員長代理着席〕
戦後の小笠原は、昭和二十一年に米軍政府の統治下に置かれまして、当然に日本本土からの行政分離、交易、往来が途絶えまして、もちろん政府の財政援助もなくなっていったのであります。昭和四十三年六月、本土復帰に伴いまして日系人の入植が認められ、民間の手でまず復興から始まりました。とはいっても、戦禍による崩壊あるいは無人化によるジャングル化、そして相次ぐ台風などなどの中で、マイナスから出発したのが現状であったと思うのです。
 政府の方も、当然復帰の翌年、四十四年十二月に、小笠原諸島復興特別措置法を制定しまして、自来十五年間、行政各般の事業を取り組んでこられたわけでありますが、現状、奄美との比較あるいは沖縄との比較等もありますが、本土の各都道府県との比較において、どのように大臣は認識をされておるか、お尋ねしたいと思うのです。
○川俣政府委員 数字のこともありますので、私からまずお答えをさしていただきます。
 ただいまお話しございましたようなことで、昭和四十四年以来十五年にわたりまして復興事業、振興事業を小笠原につきましては実施してまいったところであります。その結果、かなりの公共施設の整備も進んでまいったわけでございます。
 例えば、し尿処理施設等をとりますと、あそこでは大体一〇〇%の整備率というようなことにもなっております。ただ、所得格差等は依然としてございまして、本土に比べますと、一人当たりで約三分の二というような水準であります。したがいまして、今後とも特別措置法に基づきますところの振興事業を推進してまいる必要があると思っております。
 ちなみに人口について申し上げますと、昭和五十八年四月一日現在で定住人口一千七百三十五人、短期滞在者を含めまして一千八百五十九人に相なっております。実は振興計画の目標といたします人口は、御案内のとおり三千人でございまして、そこまでまだいっていないというような事情もあるわけでございまして、今後とも振興事業を進めながら、小笠原にございます資源を活用しつつの産業の振興ということを今後の課題として取り組んでいくことが必要であろうというふうに思っております。
○木間委員 大臣の小笠原認識は後ほどまたお願いをしたいと思いますが、確かに、行政水準を見ておりますと、国土庁でお持ちの主要指数表比較を見ておりますと、数字的には立派なものが並んでおるのでありますが、内容は、私は数字の魔術と申し上げましょうか、大変実態とはかけ離れておる、この表とはかけ離れておると言わざるを得ないのであります。
 例えば小学校、中学校の整備率は一〇〇%のようでございますが、現実は教室の不足も出ておりますし、また医療施設関係を見ておりましても、十万人当たりを一つの標準にされております。人口たかだか二千人切れるところへもってきて、十万人に置きかえると、このような数字の魔術にひっかかるんじゃないだろうか。例えば道路の問題にいたしましても、道路構造令お構いなしで、延ばすことだけしかやられていない、こういったこと等が端的に指摘できるわけであります。特に医師の充足につきましては、現在ただいまのところ外科一名、産婦人科一名でございまして、島民の皆さんの日々の医療の問題は大変な難儀が横たわっておる。特にこの医師の回転率を見ておりましても、二年前後でころころ変わっておる、充足がなかなか大きな悩みの種、こういうことからいきますと、私はこの指数そのものがもっと別の角度で見直されなきゃならぬのではないだろうか、このように特に指摘をしておきたいのであります。
 もっとも先ほどのお話にもありましたが、奄美にいたしましても小笠原にいたしましても、第二次大戦のときには、太平洋方面における日本軍の最前線基地として大きな役割があったでしょうし、戦後もまた近年になりますと、二百海里時代を迎えまして大変重要な経済水域にもなっておるはずであります。そういったところへ、実は残念ながら事業費がどんどん狭められておるといいましょうか、国費の持ち出し分が、当時から見ますと、今日では半分以下に低下をしてきております。
 これは私のうがった見方かもしれませんけれども、国全体の財政が行き詰まっておる、そういう中でこの小笠原の問題も処理をされているやにうかがえて仕方がありません。加えて言うなら、東京都に属するんだから、都は全国自治体唯一の富裕団体なんだから、東京都でおやりなさいということなのか、あるいは自主自興といいましょうか、現地の皆さんはやはりみずから島を守り発展させるためにやりなさいという、そういう面が出ておるのか、どうも私は残念でならぬわけであります。仮にこの諸島がなかったら、あるいは奄美群島がなかったら、我が国の世界における位置づけはどうなっておるか、このことを篤と再考していかなければならぬと思っております。特に我が国は世界に誇る経済大国になったのでありますから、それは小笠原村の問題として島民がやりなさい、自治体がおやりなさいということでは、私は理解ができないのでありますが、そういったことについて大臣はどうでしょうか。
○稻村国務大臣 今、御指摘の問題ですが、奄美大島にいたしましても沖縄にいたしましても、また小笠原諸島にいたしましても、何ら変わることはないと私は思います。ただ問題が、先ほど来も申し上げましたように、奄美大島と沖縄とのその時期が相当ずれがあって、例えば奄美大島の振興計画をつくったときには大変厳しい状態であったわけであります。そういう意味から小笠原の問題は、奄美大島と同じように、やはり心から愛情を持って今後も当たっていく必要があると私は思っております。
 ただ、予算等の問題については半減をしたようでありますが、後で具体的に事務当局から申し上げたいと思いますが、できるだけ今後も、先ほど来申し上げたその精神に沿って全力を挙げて開発の方向に持っていきたい、こういうふうに思っています。
○川俣政府委員 ただいま大臣から御答弁があったとおりなんでございますが、国費なり事業費がピーク時に比べて半分以下になっているということはございません。ピーク時が五十四年でございましたのですが、その当時に比較いたしまして、二見港が概成をいたしましたとかあるいは地域のし尿処理施設が整備されたというようなことで、若干事業費が減ってきておることは事実でございます。小笠原の振興事業、今後とも引き続き進めてまいらなければならないという認識は、私どもも十分持っておるわけでございまして、今後とも事業費の確保については格段の努力をいたしたい、かように存じております。
○木間委員 半減はしていないぞというお話のようでありますが、私の手元の資料によりますと、年間に置きかえますと、四十億がやがては二十億程度になっておるのであります。それにつれて国費も漸減をしておりますから、私はやはりそういった意味では、今、小笠原のこの位置づけは極めて大事な、そして島民もそのことを多年にわたって願っておったことが、今の行財政改革のあおりをまともに受けておるんじゃないだろうか、このようにうかがえて仕方がないわけであります。
 それはそれといたしましても、かねがね委員会でも、小笠原にいたしましても奄美にいたしましても、いつまで続けるのか、こういう御意見があるやに聞いております。それは委員の方から申し上げますと、もっと積極的にやるべきでないだろうかという半面もあるわけでありまして、ぜひそういった後退をしないように、そして自主自興といいましょうか、そういったことが図られるようにもっと抜本的な施策を取り進めていかなければならないと思うのです。
 そこで、今後の産業育成の問題について触れておきたいと思うのでありますが、小笠原は戦前もそうでございましたが、農業の面あるいは水産業の面、そして近年特に観光の面がクローズアップされてきております。しかし、農業面で見ておりましても、亜熱帯という自然の中で、従来はメロン、スイカ、カボチャ等の農業が進んでおりましたが、全国的に見られるハウス栽培に押されまして、今日では名をなしておりません。また水産の問題にいたしましても、かつては四十時間近く往来に所要時間がかかった。そういう中で五十四年におがさわら丸が就航をいたしました。十時間余り短縮になったのではありますが、今日なお二十九時間前後かかるという大変交通不便のところに置かれております。したがいまして、観光面でこれから立ち直っていこう、復興をさらに進めていこう、そういいましても、なかなか外海離島の特性といいましょうか、そういった点では村だけの力ではどうにもならない。やはり国家国民のために、それこそ国が一丸となってこれらの手だてをやっていかなければならぬのでありますが、産業の今後の振興策について、育成策についてどのようにお考えがお尋ねしたいと思います。
○川俣政府委員 小笠原諸島が自立自興してまいりますためには、産業の振興が必要であることは仰せのとおりでございます。そしてその柱となります産業が、一つは農業であり一つは水産業であり一つは観光であるという点につきましても、私どももそのように考えております。
 農業につきましても、最近は観葉植物の栽培が盛んでございまして、観葉植物を中心に内地に移出をするということで、所得をできるだけ上げておるという事実がございまして、それを今後は伸ばしていかなければならないのじゃなかろうかと思います。また一方、ミカンコミバエの絶滅が五十九年度中には期待をされるところでございますので、今お話のございました果樹園芸等についても今後力を入れていったらいかがかと考えております。
 水産業につきましては、私どもが調べましたところによりますと、二見漁港の場合、水揚げされました魚を島内で消費いたしますものと内地に移出をいたしますものが五十七年度で大体九十七トン、九十八トンでほぼ同じ量に相なっております。製氷冷蔵庫等の施設整備を進めまして、漁港施設の整備等とも相まちまして、いわゆる内地向けの漁業の振興を図ってまいったらいかがかというふうに思っております。
 観光につきましては、近年どこの観光地もそうでございますが、入り込み客数ということになりますと停滞ぎみでございますけれども、大変恵まれた自然を持っておるわけでございまして、いわば海洋性レクリエーション地域といったような大きな構想を立てて、今後の観光の対策を考えていったらいかがかというふうに思っておるところであります。
○木間委員 時間がなくなりましたので、要望だけ申し上げておきたいと思います。
 産業の育成の問題にいたしましてもあるいは行政水準を高めることにいたしましても、政府の全面的な財政の援助がなければならないのであります。投資がなければならないのであります。特に今、局長の答弁の中にもあったのでありますが、観光問題はより深刻だろうと思うのです。時間がかかり過ぎるということ、それには航空路の開設が望まれるわけであります。先ほどの御答弁の中に、新五カ年計画の中で十分検討する、当然のことでありますが、その背景には、ペイするかどうか、需要の問題もこれありというようなお話もありました。私は、この問題は需要だけで解決してはいかぬのではないだろうか、このように強く思っておりますので、大臣以下局長にもそのような対応で今後処していただきたい、このことを御要望申し上げ、終わらせていただきます。
○中島(衛)委員長代理 御苦労さまでした。
 鈴切康雄君。
○鈴切委員 公明党の鈴切康雄でございます。
 奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興特別措置法の改正に伴いまして、きょうは時間の関係がございますので、小笠原問題に絞って御質問申し上げたい、このように思っております。
 まず初めに、小笠原諸島振興特別措置法は、昭和五十四年に小笠原諸島復興特別措置法を切りかえたもので、今月末でその五年間の期限が切れるわけでございますが、この五年間で政府及び東京都が行った振興事業の総括について、政府としてはどのように評価されておるか、お聞きいたします。
○川俣政府委員 小笠原諸島が昭和四十三年に本土に復帰して以来十五年間に投じました事業費総額は約四百四十億でございます。そして五十四年から五十八年の五カ年間に投じました事業費の総額は百六十二億でございます。
 それで、そういったことで生活環境施設の整備あるいは生産基盤の整備等に努めてまいりまして、先生も御案内のように、例えば父島で申し上げますと、大村、奥村地区についてはかなりの水準のコミュニティーができ上がったというふうに思っております。ただ、人口の面におきましても、先ほど申し上げたように、目標としております短期滞在者も含めた人口三千人にはまだほど遠いわけでございまして、今後新しい五カ年計画の中でも新しい政策というか計画目標を定めながら振興事業を推進していく必要があろう、かように考えております。
○鈴切委員 小笠原の振興というのは、計画人口が三千人でございますけれども、それも実は未達成でございますし、あるいはまた硫黄島の問題及び飛行場の問題なども未解決でございます。大変に力は入れていただいておるわけでありますけれども、所期の目的からはかなりほど遠い状況であります。計画人口三千人については、振興計画を支えるための大事な基盤である以上、それが満たされないということになりますと、振興計画に支障が生じてくることになると思いますが、なぜ三千人が定着しないのか、また今後策定される振興計画の中で何らか変更を加えるつもりはあるのかどうか、その点についてはどうお考えでしょうか。
○川俣政府委員 お答え申し上げます。
 計画人口三千人に達しておらないわけでございますが、五十八年四月現在では定住人口で千七百三十五人、それから短期の滞在者を含めますと千八百五十九人、こう相なっております。ただ、申し上げたいと思いますのは、年々常住人口にいたしまして五十人程度ずつは人口が増加をいたしておるということでございます。また就業状況を見ましても、五十年度と比較いたしました場合、農業、漁業従事者の方の数が三〇%程度は伸びてきている。しかし、御指摘のように、目標人口にはまだ達していないということでございます。
 したがいまして、やはり当初の三千人の目標を達成するべく、今後五カ年間におきましても、先ほど来申し上げておりますような産業の振興、さらには公共施設の一層の整備等に努めてまいらなければならないと思っております。目標人口の三千人につきましては、次の五カ年計画においても、そのまま引き継いでまいりたいと思っております。
○鈴切委員 次に、硫黄島の問題についてお伺いいたしますが、小笠原振興計画では、「硫黄島については、総合的な調査等の上、帰島及び開発の可能性を検討するものとする」ということでありましたけれども、どのような結果になりましたか。
○川俣政府委員 お答えいたします。
 ただいまお話しございましたようなことで、硫黄島につきましては帰島及び開発の可能性を検討をいたしております。五十五年度から三カ年を目途に総合調査を実施してまいりましたが、一応五十七年度でその調査も完了いたしましたけれども、実は補完すべき調査も残っておりましたもので、五十八年度、今年度引き続き調査を実施しておる段階であります。現在、小笠原諸島振興審議会の硫黄島問題小委員会で、実はこの問題についていろいろ御審議をいただいておる段階でございまして、調査が済み次第、この小委員会にも報告をさせていただきますし、結論をお出しいただくまでにいましばらく時間をいただきたいと思っておるような次第であります。
○鈴切委員 この硫黄島の問題については、これは振興計画の中の一つの大きな柱であったはずであります。にもかかわらず、いろいろおやりになっておったとはいいますけれども、審議会は五年間何をやっていたかというふうに実は私は申し上げたいくらいであります。いずれにしても、この問題をいつまでも先送りをするということはできない問題である、旧島民の帰島の可否あるいはそれに伴うところの対策等をここら辺できちっとしなければならぬと私は思うのですが、その点についてどうお考えでしょう。
○川俣政府委員 ただいま御指摘もございましたようなことで、私どもも審議会においてできるだけ早く結論を出していただくように努力をしたいと思っております。結論のいかんにかかわりませず、旧島民の方々の理解が得られますような対応策を私どもは誠心誠意考えなければならないと思っておりまして、その点についてもせっかく努力をいたしたいと思っております。
○鈴切委員 昨年の一月に国有財産中央審議会から「当面の国有地の管理処分のあり方について」という答申が出され、これを受けた大蔵省は国有地の処分条件等を変更して、時価売り払いの範囲を拡大し、売り払い価格の段階的な引き上げを昨年九月から実施することになったわけでありますけれども、この方針の適用によって、小笠原では国有地の売り払い価格が高騰し、振興事業等の実施に支障を来しているのみならず、島民の土地利用の活性化を妨げることになっております。国有地あるいは国有林地が多いという特殊事情を考慮して、運用面で従来どおりの適用を図るべきではないかと思いますが、この点については大蔵省はどうお考えでしょう。
○根本説明員 それではお答え申し上げます。
 小笠原諸島に所在いたします大蔵省所管の普通財産に関しましては、これまでも国有財産法あるいは小笠原諸島振興特別措置法等の趣旨に即しまして、無償貸付あるいは減額貸付、それに譲与を行ってきたところでございます。また今お話のとおり、昨年一月国有財産中央審議会の答申に基づいて定めました当面の国有地の管理処分についての通達におきまして、大蔵省所管の普通財産の処分に関し、小笠原にあってはその特殊事情を考慮し、小笠原振興特別措置法第十三条に基づき同法施行令第二条に規定されている施設、すなわち農道、用排水路、営農研修施設、それに漁業無線施設等につきまして振興計画を推進するため、従来どおりの優遇した処分条件を適用することとしたところであり、小笠原の振興事業に支障が生ずることのないよう十分に配慮してきているところでございます。
○鈴切委員 小笠原諸島においては、国策として島民の強制疎開が行われ、占領期間が長期にわたったため、本土はもとより沖縄、奄美とは異なり国有財産の地方公共団体への払い下げ、貸し付け等の手続がほとんどなされなかったことや、戦前は全島は基地化したため旧日本軍の用地が占める割合が極端に大きくなっております。
 このような状況にあって、小笠原振興法の優遇措置に指定されていない国有財産の払い下げについては、実は高いもので坪約二十万円と法外な価格になっております。これが小笠原の振興を阻害する大きな要因となっておりますし、一般の売買価格を高値で主導する結果にもなっております。これらに対して大蔵省はどう対処されるおつもりでしょうか。
○根本説明員 お答え申し上げます。
 確かに今先生おっしゃいましたとおり、小笠原諸島振興特別措置法施行令第二条の優遇措置の対象とならない国有財産につきましては、昨年の春に国有財産中央審議会の答申を得まして、優遇された処分条件の見直しを図ったところでございます。これは例えば一定面積以上の土地を公園に充てるような場合、その一部でございますけれども、例えば買い受け予定期間内の場合にはその三分の一、これにつきましては時価売り払いをし、残りは従前どおりの優遇された条件、すなわち無償貸付で処分しようとするものでございます。
 それで、このような措置をとることがあったのは、国の財政事情が極度に悪化し、財政再建が当面の緊急課題となっている今日、国有地処分による税外収入の確保が強く要請されていることによるものでございまして、当面の措置としてやむを得ないものと考えており、御理解を願いたい、こう考えている次第でございます。
 それで、あと現実の評価についてでありますけれども、国有地の売り払いの価格、すなわち評価につきましては、相続税課税標準価格をもととした価格、固定資産税課税標準価格をもととした価格、周辺の民間取引事例価格に比準した価格及び民間精通者の意見、これらを総合勘案して客観的に適正な価格を求めることとしております。
 それで、当該小笠原村所在の国有地の評価に当たりましては、現地の実情を十分に調査の上、東京都及び小笠原村の意見並びに小笠原村の特殊事情をも十分勘案して評価し、適正を期したいと考えている次第でございます。
○鈴切委員 理解してくれと言ったって理解のできない問題です。実はこの小笠原自体は国有林野及び国有地が全体の約七割を占めるわけですね。そういう中にあって、今あなたのおっしゃるように坪約二十万円という売り渡し価格を大蔵省の方で言うようでは、これはすべてそれに伴って小笠原の地価というものが決められてしまう。だからそういう意味からいいますと、非常に問題を残しているので、その点については十分に考慮もしていただかなければならないし、本当に小笠原の振興を図るというならば、まずその点から考えていただかなければならない問題だろう、こう私は思います。
 そこで、小笠原の場合においては、国有林地が約七割と圧倒的に多いわけでありますけれども、今後の開発に伴って、公共施設用地や農業の規模拡大のための国有林地払い下げ問題が当然起こってくると思っております。そういった場合、林野庁としては、小笠原の置かれた特殊事情にどのように対処していこうと考えておられるか、基本的な考え方をお伺いしたい。
○鳥居説明員 お答えいたします。
 林野庁といたしましては、あそこの所在する国有林野が資源として、小笠原の振興、発展に非常に寄与すべきものとして重要な資源であることを承知しております。したがいまして、当方といたしましては、特に今おっしゃられましたような国有林野の活用といいますか、農業用、公共用、そういったものの活用につきましては、国有林野活用法という法律がございますが、その法律の趣旨にのっとりまして、積極的に対応していきたいというふうに考えております。
○鈴切委員 空港整備について振興計画では「空港については、自然環境に与える影響その他の調査結果等を勘案の上、その設置の可能性等の基本的方向を検討するものとする。」となっておりますが、どのような検討がされ、どのような結論になったのでしょうか。この空港整備の問題については、実は島民の悲願である。言うならば硫黄島と飛行場のこの問題については、一つの大きな柱になっているわけでありますから、そういう意味において、少なくとも航空路を開設するということを振興計画の中で行うべきであると私は思うのですが、その点についてはどうでしょう。
○川俣政府委員 先ほど来お答え申し上げておりますように、小笠原諸島の一層の振興を図るために、航空路を開設したいという御要望が非常に強いということは、私どもも承知をしておるわけであります。従来から部あるいは国におきまして、いろんな空港に関する調査を実施いたしてまいりました。ただ、従来の調査で決して十分なわけじゃございませんで、今後さらに調査といたしましては、体系的な観光開発の可能性と観光客予測でございますとか、あるいは航空路開設に伴う島内経済効果の予測とか、ソフト面を中心とした調査も必要なんじゃなかろうかと思っておるわけでございまして、次の振興五カ年計画期間内に空港の設置及び航空路開設の可能性についての検討を進めてまいりたいと思っておるところでございます。
○鈴切委員 実は、五年前の振興計画のときにそういうことをおっしゃって、そして五年間の間に調査をして云々ということであったわけでありますけれども、それがまた五年も先送りされるということは、島民にしてみるならば、早く飛行場をという願望に対して、余りにも冷たい仕打ちだろう、私はそのように思います。
 ともあれ、やはり国土庁は離島並びに半島、いろいろ抱える重要な所管庁であるわけですから、そういう意味において積極的に取り組んでいただきたいな、私はそう思っているのですが、長官、どうでしょうか。
○稻村国務大臣 今度の延長の場合において可能性を見出していくということで飛行場の問題の話がありましたが、私は、これは何といっても対策の一つとして交通体系は極めて重要ではなかろうか、特に離島でありますから、そういう意味でこれをまた可能性を見出して全力を挙げてまいりたい。
 総合的に考えまして、先ほど来林野が七割、坪単価の問題が恐らく立ち木を含めて二十万ということでございますから、それが適当であるかどうかわかりませんが、振興法をつくってまでも振興しようというそのときに、七割を占める国有林野、特にその単価等との問題を考えた場合には、これは各省庁連絡をとりまして、離島の振興に役立つような方法でこれから考えていかなければならぬ、こういうふうに考えております。
○鈴切委員 確かに離島振興法においても、例えば十カ年計画の中において総合交通体系というものを確立する、そのためには可能な限り飛行場をつくるということでございますから、まして孤島である小笠原の場合においては、まさしく二十七、八時間もかかるわけですから、どうしてもやはり飛行場というものはこれから前向きに検討していただかなければならないと思っております。
 実は、これは水産庁になりましょうか、河港の外防波堤及び東港の整備についてお伺いしたいわけでありますが、昨年の十一月の台風十七号によりまして、母島の河港周辺は波浪によって大きな被害が出たわけであります。これは外防波堤の建設がおくれているのではないかというふうに私は思っております。また冬季西風が非常に強い場合あるいは台風のとき、母島周辺に出漁している地元漁船や他地域からの漁船の安全を確保するためには、どうしても母島東港を緊急避難漁港として整備する必要があるというふうに考えておりますが、漁港の指定について水産庁はどうお考えでしょうか。
    〔中島(衛)委員長代理退席、委員長着席〕
○関口説明員 お答え申し上げます。
 現在、小笠原諸島周辺の海域に出漁する漁船の前進根拠または避難の漁港としましては、父島の二見というところに漁港法の指定による第四種漁港として一つの港がございます。そのほかに、漁港法ではございません、港湾法による港湾として指定されているのが母島の河港でございます。
 小笠原諸島における新しい漁港の必要性、今先生がおっしゃいました母島の東港でございますが、その必要性等につきましては、東京都の方におきまして調査を行うという予定になっているというふうに聞いております。今後私ども、その調査結果に基づきまして、東京都の意見等を踏まえまして、漁港の指定等について検討してまいりたいと思っております。
○鈴切委員 やはり離島というのは、一島二港というのが必要欠くべからざる条件だと私ども思っております。今、父島の二見港について云々というお話がありましたけれども、母島からいいますと三時間ぐらいもかかるようなそういうところに避難港といっても無理だろう。しかも日本の最南端にありますところの母島に今後どうしても漁港の避難港をつくるべきである。その避難港の候補地としては東港は最適であるということを私この目で確かめてきましたから、そういうことについて前向きに、東京都との間においての話し合いが必要であるとするならば、ぜひそれを話し合っていただきたいと思うのですが、いかがですか。
○関口説明員 東京都の方で行います調査の結果が出まして、東京都の方から私どもの方にいろいろな申し出がありましたときは、それに基づいて検討してまいりたいと思っております。
○鈴切委員 三月六日の朝、NHKのニュースで放送衛星の試験を行い、成功したと報道されております。これは小笠原のように一千キロも離れた場所においては大変に朗報だと私は思っておりますけれども、いよいよ放送衛星が活用されるということになりますが、放送衛星のサービス開始はいつごろになるかということがまず第一点であります。
 それからまた、小笠原における天気予報の現状は、NHKラジオと小笠原CATV協会から、それぞれ夜に翌日の天気予報が発表されておりますが、放送衛星を使った小笠原における天気予報はどのような形で行われるのかというのが第二点目であります。
 さらに、関東地方の天気予報の中で、小笠原には電波が届かないにしても、これから振興法を延長するぐらい小笠原というものについてはやはり関心を持っていただかなければならない問題でありますので、そういうことから考えますと、伊豆七島の天気予報に引き続き小笠原諸島の天気予報も放送すべきだと私は思うわけでありますが、この三つについて、NHKの参考人の方からお願いをしたいと思います。
○尾西参考人 お答え申し上げます。
 現在、放送衛星ゆり二号は順調に運行しておりますが、今後もまた不測の事態が起こらない限りは、私どもといたしましては、五月十二日に衛星放送の開始をしたいと思っております。
 小笠原諸島につきましては、父島と母島に局を設置いたしまして、衛星放送を再送信することになっておりますので、島民の方々が各戸でパラボラアンテナをおつけになる必要はございません。通常の受信機とアンテナでごらんになれるはずでございます。
 第二の御質問でございますが、小笠原の天気はどういうふうに放送されるのかということでございます。私どもは、気象庁が作成したものをお伝えするという仕組みになっておりまして、どのような気象情報を気象庁が持っているか、どのような発表をするかによって私どもの伝え方も変わってくるわけでございますけれども、小笠原につきましては、現在、夜八時三十分ごろに一回だけ、あすの天気予報というのを気象庁から発表しておりまして、これをラジオの第一放送、ローカル天気予報で二回放送しております。衛星放送が開始されますと、もちろん衛星放送で小笠原諸島の天気について、この情報をそのまま入れるわけでございますけれども、気象庁といたしましては、朝の七時前にきょうの天気を発表すると言っております。したがいまして、朝の七時台と八時台のきょうの天気、それから夜の九時以降のあすの天気というのが一日二回発表されることになりますので、私どもといたしましては、この二回の機会を利用して、小笠原諸島の天気予報を最大限放送したいと思っております。
 それから、ローカル天気についてのお尋ねでございますけれども、衛星第一放送というのが今の総合テレビの放送をほとんどそのままスルーに放送することにしておりますが、衛星放送は、御承知のように、ローカル放送は非常に難しい機能を持っております。つまり各地域で各地域の天気予報を出すということは、衛星放送が全国一律の番組を流すことになりますので、大変難しいわけでございますけれども、四月二日からは六時四十五分からニュースワイドを始めます。現在、七時に始めておりますが、六時四十五分から八時十五分までニュースワイドを放送いたしますが、この間のローカル部分は関東ローカルをそのまま全国にお伝えするという手法をとっております。したがいまして、この中で例えば七時二十五分から二十六分あるいは七時五十分から七時五十一分までのこの二回の一分間にローカル天気予報をやりますが、この機会に、先ほど申し上げました朝のきょうの天気の小笠原諸島の天気予報を入れる予定にしております。
 以上でございます。
○鈴切委員 時間になりましたので、これで終了させていただきますが、二言、長官、やはり長官も、半島の問題については、過疎化が進む中にあって大変に御配慮あるいは頭の痛い問題だというふうに思っておりますし、またお力を入れておられます。なかんずく奄美大島並びに小笠原は孤島でありますし、そういう意味からいいますと、さらに条件が悪いわけでございますから、今回、振興法を再延長するという形である以上は、少なくとも国土庁の中に振興局がある、その振興局はこの問題については全力を挙げていただきたいことをお願いをいたしまして、質問を終わります。
 以上です。
○浜田委員長 小沢貞孝君。
○小沢(貞)委員 重複したようなことはなるべく避けたいと思いますが、最初に、どうもよくわからない点がありますので、お尋ねします。
 この法案が三月三十一日までに成立しないと、奄美群島振興開発基金は解散しなければいけないのですか。
○松本説明員 お答え申し上げます。
 奄美振興開発基金はこの法律に基づいて設立されておりまして、三月三十一日の期限が切れますと、その設立の根拠を失うことと相なるわけでございます。したがいまして、民法の規定が準用されまして、類推適用されまして、そして解散しなければならない、解散するという規定になっております。したがいまして、その以降は民法の規定によりまして清算法人としてのみ存続をする、民法の規定によりまして解散、こういうことに相なるわけでございます。
○小沢(貞)委員 そうすると、三月三十一日に通らなければ、四月一日だか四月二日だか知らぬが、解散手続をとって、それから四月になってこの法案が成立すると、またそのときに設立準備会を開いて設立をする、いわばこういう手続をしなければいけないわけですね。
○松本説明員 民法の規定によりまして、当然解散するとなっております。すなわち、法人の目的たる事業の成功が不能になりました、こういうふうにみなされるわけでございまして、当然に解散をする、こういうように私ども、理解いたしております。したがいまして、後は先生御指摘のとおり、再び設立手続をいたしませんと基金が設立てきない、かようなことになるわけでございます。
○小沢(貞)委員 わかりました。
 これは私が調べた指標ではないのですが、主要指標比較、これは人口の増減率とか人口一人当たり所得はどうなっているかということを、小笠原、奄美、鹿児島、沖縄、全国平均、こういうようなものが出ておりますが、その中に生活保護率、奄美五二・二%、こうありますが、これは違っているのか、これは合っていてこのとおりでしょうか。
○松本説明員 お答えいたします。
 五二・二パーミルでございまして千分の五二・二、パーセンテージにいたしますと五・二二%、かようなことでございます。
○小沢(貞)委員 わかりました。これは全国のほかの市町村と比較して最低ですか。質問通告していなかったから御答弁しにくいかもしれませんけれども、内地の中にもこういう市町村があるでしょうか。
○松本説明員 お答えいたします。
 全国の平均は一二・二パーミルであろうと思います。それ以上の市町村があったかどうか、私ちょっとつまびらかにいたしておりませんけれども、恐らく最低の部類に近いものではなかろうかと考えております。
○小沢(貞)委員 五二・二という、ちょっと見れば異常に高い数字になっておるわけですが、こういうことから考えて、奄美の振興ですか、開発計画というものは、昭和二十九年以来、これはそれぞれ振興計画なり開発計画を立てて目標値というものを決めてやってきたはずだと思うのだけれども、こういう状態は、前回の計画を立てたときから比べると、事志と違って大変まだ目標まで達成しなかった、こういう反省があるわけでしょうか。
○川俣政府委員 お答えいたします。
 奄美群島の振興につきましては、昭和二十九年以来、事業費総額にいたしまして約三千六百六十億程度の事業費が投入されておるわけでございます。それでいわゆる生産基盤の整備でございますとか生活環境の整備に鋭意努力をしてきたわけでございます。
 ただ、御指摘のように、約三十年たちましたけれども、依然としてかなりのいろいろな、所得の面あるいは公共施設の整備水準の面におきましても、かなりのキャッチアップはしてきたと思うのですが、なお鹿児島県あるいは全国と比較をいたしますと、いろいろな面で格差があるというのも事実でございます。したがいまして、私どもといたしましては、これらの格差をできるだけ縮めるべく、奄美の振興法につきましても五年間の延長を今度もお願いをしているというわけであります。今後の課題といたしましては、その施設整備も必要でございますけれども、やはり産業の振興を図ることによりまして、奄美におきますところの住民の所得の向上ということを最大の目標にして、いろいろな施策を進めてまいらなければならないのではなかろうかと考えておるところであります。
○小沢(貞)委員 私の質問に明確ではないのだけれども、ここでまた期限を延長をして、こういう提案をするからには、過去もう三十年近く、計画を立ててはそれがだめ、私から簡単に言えばさいの河原だ。また何年計画を立ててもだめ、こういうことを繰り返してきておる、こういうように見えるわけです。だから、その計画が悪かったのではないか。
 これは大臣に聞くけれども、今度は延長をしたら、これが最後というつもりで出しておりますか。またそのときにいけば、計画はうまくいかなかったからまた安易に五年なり十年計画を延長しようとすることか。今度は自信があって――やるからには、延長するからには、もとになる計画というものがきちっとできておって、そのとおりに財政的にも何もやっていかなければ、また私は、絵にかいたもちになるだろう、こう思うわけです。
 その前にしっかりお尋ねしたいことは、小笠原にしても奄美にしてもそうなんですが、これはもとになる計画が悪かった、そういうきちっとした政府としての反省がなければ、おおそうかそうか、我々は方向としてはいいから賛成をするのだけれども、また五年たったら、これはいかぬ、またやり直し、また延長、こういうことを繰り返さないだろうかということです、くどいようですが。それには、これが正しいかどうか知りませんが、奄美群島振興開発計画(改定十箇年計画)、昭和五十四年六月十三日内閣総理大臣決定、六月十五日閣議報告、このときの計画というものが正しかったかどうかというきちっとした反省があって、反省を声高らかに言ってもらわないと、我々は今度はまた信用していいかどうかわからぬわけです。どうでしょうか。
○稻村国務大臣 この振興法は、ほかの計画と内容は相当違うはずです。言うなれば、地域の格差をなくすとかあるいは所得の格差をできるだけ縮めていくとかという、こういう一つの問題点をとらえていますから、ほかの計画なら、道路ならば道路、大体五カ年計画をつくれば、ああこれでよかったとかいろいろなことがありますが、奄美、小笠原あるいは沖縄その他におきましては、やはり一番大きな問題は、経済の動脈は道路でありますから、道路問題等を取り上げても、あるいは港湾の問題等々を取り上げても、また飛行場の問題は、奄美の場合は今度はジェット化ということで、今、空港が建設中であるとか、この五年間の延長の中においてすべて本土と同じような環境づくりができるかどうか、それは私は難しいと思います。そういう意味から、延長、延長と、今度でもいろいろな問題があったわけでありますけれども、やはり国民の理解を求めでできるだけ、五カ年でできないとするならば、またその次の五カ年、またその次の五カ年ができないと――それは決して後戻りをしておるわけじゃない、どの事業を見ましてもほとんど前進をしておりますから。そういう意味でひとつぜひ今後とも、あのような中から復帰され、しかも、それだけに大きなハンディのついた奄美群島あるいは沖縄にいたしましても、その他の地点におきましても、自立振興、これは大事なことです、精神的な面からいって。それでゆだねてしまうというのではなく、それと並行して、これは誠意を持ってできるだけやっていくべきである、私はこういうふうに考えております。
○小沢(貞)委員 法律の期限は五十九年から五年間ですから、そのときになってもまだ自信がなくて、幾らかずつ前進してきたからまた前進するであろうと、要約すれば大臣の答弁はそういうことだったと思うのです。
 そこで、私は事務当局にお尋ねするが、この五カ年間に、主な指標、主な到達目標、国民所得は一人当たりどのくらいに上るか、人口はどのようなぐあいにふえていくか、それに対する財政的裏づけはどうか、その目標というものは、今度はまた立て直してきちっとやるわけですか。そこをここへ発表したか。まだ質問もないので発表してはいないわけですね。それを聞かせてもらわないと、ただ五年延長しるというから、はい、そうですか、これだけでは過去の反省がないから、今度は、こういうところが悪かったからここを直してこういうふうにして、産業的にも何とかの面においてもそういう具体的な裏づけというものがあって、五カ年間金はどのくらいかかる、こういう到達目標というものはあるわけですか。
○川俣政府委員 奄美の場合も小笠原の場合も同様なんでございますが、新五カ年計画につきましては、改正案が成立いたしました後に、大体五月ないし六月を目途に県の方でつくっていただいて、それが私どもの方へ来まして内閣総理大臣として案を決める、計画を決める、こういう段取りでございまして、目標人口なり、今おっしゃいましたような指標が今確定しているわけではございません。ただ、今までも計画策定について、県当局あるいは市町村等いろいろな相談をしてまいっておる過程はあるわけでございまして、例えば奄美の場合で申し上げますと、次の五カ年計画では、快適な住みよい生活環境の確保、特性を生かした産業の振興、均衡のとれた地域社会の発展、こういったことを目標に掲げていろいろな施策を進めてまいったらいかがかというふうにされておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、五カ年ごとに延長をお願いしておる状況に現在あるわけなんでございますけれども、それぞれの五カ年計画におきまして盛られた事業は、その時期に奄美なり小笠原の振興にとって最も必要欠くべからざる事業ばかりでございまして、それらの事業がそれぞれの時期に、あるいは次の期間にまたがるものもあるかもしれませんけれども、そういったことで進めてきたことが今日の奄美なり小笠原の振興に役立っているということは否定できないんじゃなかろうかと思います。
 今計画期間中におきましても、例えば奄美におきましては、本島の空港のジェット化の仕事も進めておりますし、あるいは県立大島病院の改築を行いまして、奄美群島におきます中枢医療病院といたしましての整備も進めております。これらはいずれも住民の方々の極めて強いニーズにおこたえする事業になっておるというふうに思っておるわけであります。
○小沢(貞)委員 私の言うのは、この法律を提案するからには到達目標の計画というものが先にあって、こういうことだから、この法律はさらに五年延長してもらおう、こういうように出てこなければ話がうそではないですか、これは。何となく五年やってくれ、大臣の答弁じゃないが、そのときになってうまくいかなきゃまた五年延長してもらう、これじゃ審議をしてもらおうというからには順序が逆じゃないでしょうか。
 それに、ついでに時間がないので聞くんだけれども、先ほどの質問を聞いていると、沖縄の振興と比べて大変おくれをとっている、こういうようにお聞きしました。これは奄美地方はみんな鹿児島県抜けて沖縄へ行きたいと言えば、法律的には行けますかね、これは自治法上の何か難しい問題があるけれども。というのは、沖縄の方では、私の記憶に間違いかなければ、米の安売りまで、たばこの安売りまで、それからNHKのたしか料金割引まで、こういうことまでして、ちゃんとやって、この指標から見ると沖縄の方が上ですよ、奄美よりは。だからそういうことを考えると、イージーにただ目標が達成しなかったから、またその時点で御提案申し上げます、この次はまたいけなければまた御提案申し上げます、これじゃ私はそこの島の人々に不親切な態度ではないか、こう思うのですが。
○稻村国務大臣 私は奄美大島の振興法で今日の奄美大島がある、こういうふうに考えています。
 ただ、この点について補助率の問題ですが、例えば漁港の問題については十分の十、空港においては十分の九、港湾においては十分の九、道路においては十分の九、これは一つの例だけ挙げたのですが、そういう意味から振興法で相当補助率を高くしてその振興を図っておるわけであります。そこですべての問題が解決をされたとするならば、これは要らないのです。まだまだ道路の問題にしても、農業の基盤整備にしても、あるいは港湾の整備にしても、漁港の整備にしても、今までは相当やってきたでありましょうが、完全ではない。そこでこの五年間においてそういった事業が全部終わるか、港湾にしろ、基盤整備にしろ、道路にしろ、あらゆる問題は、この五年間においてそれは完璧に終わるものではない。
 そういう意味から、私は先ほど来も申し上げたのですが、どうかひとつそういう中で、アメリカ施政権の中から復帰してきて、その差というのは相当あるわけでありますから、こういったことを国民の理解の中に置いて、やはりこの振興法というものを延長しながら、できるだけ早くあらゆる整備が本土と同じような方向でいくことがよいのではないか。だめだったらまたやるんだ、そんならやらぬでもいいじゃないか。そうすると、ここで私ははっきりと長官として、これはすべて打ち切ることができますというようなことは、私はこの目で奄美大島に行っておりますからね。そんな意味で、私はこの振興法が五年後にはすべて関係ありませんと、無責任な意味じゃなく、できるだけ国民の理解を多く求めるために、今申し上げておるわけであります。
 問題は、振興法のいう補助率の問題ですね。事業計画は鹿児島で立てることですし、また奄美大島で立てることですから、それについて振興法によって助成行為を我々は積極的に進めていく、こういうことでありますから、ひとつ誤解のないようにお願いしたいと思います。
○小沢(貞)委員 何か事務当局は答弁がない。沖縄へ行きたければ行けますか。そっちの方が立派な振興計画を立てている。
○川俣政府委員 突然のお尋ねなもので、ちょっと答えに窮するのでございますけれども、多分自治法上は、府県の一部の統廃合についても規定があると思います。しかし現実問題としては、やはり奄美の皆さん方は鹿児島の県の住民としてずっときていられるわけでございますし、法律の可否論のほかに、現実論としてはいろいろな問題があるのじゃなかろうかと思います。
○小沢(貞)委員 質問を終わりますが、委員長に要望しておくのは、この前にも質問の際に出しておきましたが、治山五カ年計画とか治水五カ年計画とか、それは法律で決まっているわけじゃなかったと思いますが、これは法律で決まっている。そういうものがどうも絵にかいたもちのように私には映るわけで、この問題については建設的な意味において、建設委員会において小委員会をつくって、いろいろ何とか五カ年計画とかいうものの魂が、中身が整っていないで形だけ出している、こういうふうに見えて仕方がないわけで、私は積極的な意味において、何とか五カ年計画なり何なり建設省関係のものについて、ひとつ小委員会なり何なりをつくって御検討いただくような、前回に続いて要望を出しておきます。
○浜田委員長 承りました。
 瀬崎博義君。
○瀬崎委員 奄美群島振興開発事業の五十九年度予算案を見ますと、国土庁計上分が年間二百七十億円あるんだけれども、このうち非公共事業分わずかに十二億七千万円で、残りの二百五十七億七千万円が公共事業で、九五%以上に当たるわけですね。道路整備、港湾整備などの公共土木事業になっておるわけです。しかも過去十年間の振興開発事業の内訳を見ますと、総事業費約三千二十億円のうち三分の二以上が国費で賄われているわけですね。しかも奄振法第三条においても内閣総理大臣が振興開発計画を決定することになっているわけです。
 こうした状況を考えますと、奄振開発事業については、事業主体はもちろん地方自治体ではありますけれども、事業が真に奄美の民主的な発展と住民の生活に役立つよう国としても事業の適正な執行に連帯責任を持っているということになるんじゃないかと思うのですが、伺っておきたいと思います。
○稻村国務大臣 それはおっしゃるとおり全責任を持って執行しておるわけであります。
○瀬崎委員 一月十三日に、鹿児島県は、奄美群島中でもトップクラスの建設業者四人、町田建設、友原建設、前田建設、赤穂産業について建設業法上の指名停止処分にしているわけですね。その理由は。
○藤原説明員 御指摘の件は、選挙賭博で鹿児島県の知事許可業者が指名停止処分を県から受けたというふうに承知しております。
○瀬崎委員 その理由を聞いているんだ。そんなことは私が言っているじゃないか。何を言っている。
○藤原説明員 私の方は内容をつぶさに承知しているわけじゃないのですが、刑法上の違反行為のかどで逮捕されたわけでございます。それに伴って県の発注行政として発注上指名停止した、そういうふうに承知しております。
○瀬崎委員 それでは警察庁に伺いますが、今、建設省が言った刑法上の問題で逮捕された、そのために指名停止になったということなんですが、ではどういう理由でこういう業者を逮捕したのか、そしてまたその後の捜査状況はどうなっているのか、お答えいただきたいと思います。
○上野説明員 お答えいたします。
 お尋ねの件につきましては、一月十日と十一日でございますが、一月十日に一名を逮捕し、一月十一日に二名を逮捕しております。罪名は、刑法の百八十五条の賭博罪と百八十六条の賭博開帳図利罪でございます。
○瀬崎委員 その賭博はどういう内容の賭博ですか。
○上野説明員 先般の総選挙に立候補された方につきまして、A、Bの候補者がおられたわけでございますが、Aの候補者あるいはBの候補者につきまして、それぞれその人が当選するということを考えまして、金をかけたということでございます。
○瀬崎委員 AとかBとかいうけれども、もう少しはっきり言ったらどうですか。
○上野説明員 私どもまだ現在捜査中の事件でございますし、その候補者の方々が直接関係しておられるわけではございませんので、そういう場合には氏名等につきましてはお答えを差し控えさせていただいております。
○瀬崎委員 この問題は極めて重大なことなので、我が党も国会議員団が調査に行っているわけですよ、二月十九日から二十二日まで。その際、地元の土建業者にも会って事情聴取をしているわけですが、その業者の人たちはこう言っているわけです。選挙賭博の最大の目的は集票活動にある、金をかけたために必死に選挙運動をせざるを得ない、従業員やその家族の名簿の提出、集会の動員など、かけた候補が勝ては仕事が回ってきますからね、利権にありつくために選挙運動、賭博、買収、汚職と悪循環が続くのです、こう言っているわけです。つまり選挙賭博と公共事業とは、奄美ではまさに表裏一体の関係にあるわけなんですね。県もこの辺のからくりを知っているからこそ、結局選挙賭博で指名停止ということになっているんじゃないかと思うのです。そうでなかったら、表面上は何も建設業法上の問題とは関係のない刑法上の問題で、それも今警察庁が言ったでしょう、逮捕された段階でまだ捜査中だから、この段階で指名停止するのは、普通一般には余りないことですね。そう思いませんか。
○藤原説明員 指名停止といいますのは業法上の処分ではございませんで、発注者が発注行政の立場からペナルティーとして課する措置でございます。通常の場合、逮捕時で一応回避措置をとりまして、そして公訴がなされますと指名停止するというケースが多いと思いますが、いずれにしましても、逮捕されますと、指名には入れないというのが一般的じゃないかと思います。
○瀬崎委員 今回の場合は、だから鹿児島県としても極めて事態を重視して、逮捕の時点で指名停止に踏み切らざるを得ない、そういう内容を持っていることを示していると思うのです。
 実は昨年の一月五日、当時の加藤六月国土庁長官が奄美大島へ視察に行っておりますね。その夜、ホテルの歓迎会で奄振特別措置法の延長がうまくいくかどうかは、次の選挙で保岡先生が当選するかということと重要な関係がある、こういうあいさつをされているわけです。その他のこともおっしゃっている。このことについては昨年の三月四日の予算委員会第八分科会でもわが党の当時の三谷議員が追及しているわけです。事実上そういう発言を認めていらっしゃるわけです。さらに昨年の六月十二日には当時の二階堂幹事長が、これまた奄美大島の演説会で、公共事業を大変ふやしてきている、自民党の幹事長というのはそれぐらいの力はある、そのかわり票だけは分けてください、票が出なかったらえらいことになる、こういう公言もされているわけですね。こうなってくると、まさにこういう奄振事業といいますか、公共事業を種に利益誘導をしている、こういうことになるでしょう。
 そこで、現在の稻村長官に伺いたいのですが、こういう奄美振興開発事業を利益誘導あるいは利権の対象として取り扱ってきたこういう政府閣僚あるいは自民党の幹事長の言動についてどう見ていらっしゃるのか、見解を明らかにしてほしいと思うのです。
○稻村国務大臣 前大臣の加藤さん、それから当時の二階堂幹事長の発言がありましたが、私は、これはどういう答え方をしていいのか、それはあなたの発言に対して、それは違うとは言いませんけれども、全然掌握しておりませんから、誘導尋問、そういうわけじゃありませんから、そのことについて私は発言を避けたい、こういうふうに思っております。
○瀬崎委員 重ねて長官に伺いますが、そうすると、公職選挙法には公務員の地位利用であるとか地位利用類似の行為あるいは地盤培養行為、こういうことが禁止されていることは御存じだと思うのですね。だから、それに触れるような言動をもって奄美の公共事業を利用する、こういうことがあってはならないというこの一般原則についてはどうでしょう。
○稻村国務大臣 その一般的な意見については注意をしなければならぬ、こういうふうに思っております。
○瀬崎委員 そういう点で、先ほど逮捕されて、名前を言わなかったけれども、現在指名停止のきっかけになった逮捕組の奄美での大手の業者というのは、大体保岡現議員側にかけた人物なんですね。こういうのが指名停止を受けているわけでしょう。ですから、こういう不明朗な事態に国が大きな補助をつけている事業が利用されている、この事態自身は決していいことではないと思うのですよ。その点については、大臣としてどういうふうにお考えですか。
○稻村国務大臣 神聖な選挙でありますから、そういう賭博行為があったということは大変遺憾なことではなかろうかと思います。
○瀬崎委員 私どもは、奄美が今なお本土とは大きな格差のもとに置かれていること、先ほど来言われておりますように、沖縄と比べてもなおあらゆる手法において立ちおくれを来しているということ、こういう点については本当に心から憂慮をしているわけなんです。せめて沖縄並みにいろいろな事業の補助率は上げるべきだろうと考えているわけなんですが、そういう努力を我々が積極的にしていく。また政府としても、そういうことを検討する上でも、その補助を出した事業が、こういう選挙賭博のやり玉に上がった業者等の、言うなら大きな工事の対象になっている。これは関係ないでは済まない。そこで県も指名停止をしているんだと思うので、国としても、特にこういう点ではきちっと意思表示をするなりそれなりの見解を示すなりして、今後こういう奄振事業が、世間の批判を受けるような土建業者の仕事の対象にならないような歯どめはかけていくべきじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。
○稻村国務大臣 国土庁というのは、これはどちらかといいますと、予算を持たざるというか、そのかわり力強い各省庁を持っておる、ここの調整機能の働きをするところでございまして、指名停止等々の問題については、これは県当局であり、あるいはまた建設省の関係にかかわることであって、何というか私が縄張りから外れて、今ここでこうしますから、ああしますからということについての発言は差し控えなければならぬというふうに思っております。
○瀬崎委員 私が何であえてこの問題に触れるかといいますと、現地の一部の報道にはこういうことが載っているのです。
 処分を受けた土建業者が今回は泥をかぶった、だからこのことが逆に論功行賞となって、今後受注量がふえるのではないか。こういうことになってごらんなさい。これは全くやぶ蛇になるでしょう。そういう点で、もし国土庁長官が所管として答えられぬと言うなら、当然これは建設業者の健全な育成を図っている建設省が答えるべき問題でしょうね。今後どのように指導をしていきますか。
○藤原説明員 かねてから建設業者及び建設業者団体に対しましては、不正、不誠実行為のないように指導をしておるところでございます。
 今回逮捕されました業者は、いずれも県知事許可の業者でございます。業法上の対応等につきましては、刑の確定を待って業法の規定等とも照らしながら知事が適切に措置するものと考えております。
 いずれにしましても、建設業者が世間から業界全体の信頼をなくするような行為をしたことは甚だ遺憾だというふうに考えております。
○瀬崎委員 当然そういうことで、業者の側に対してもそれなりの必要があれば処分なり指導なりは厳正に行われなければならないけれども、それが先ほど警察庁が言ったように、AなりBなりというそれぞれ選挙に立候補した――その一方の人は当然当選しているわけですね。絡んで起こっているわけでしょう。その政治家の方が全く関知しない、知らぬ、こういうことで通るものかどうか、これは大いに疑問を持つわけですね。そういう政治家に対して長官は何らかの反省を求める、そういう意思はありませんか。
○浜田委員長 答弁すべき問題ではありません。長官、答弁すべき問題ではありません。
○稻村国務大臣 今、委員長から答弁すべき問題ではないと言われておりまして、答弁すべき問題ではございません。
○瀬崎委員 質問者が質問しているのに委員長が答弁を抑える、そんな不見識な采配はないですよ。どういう理由で答弁をしなくていいのですか。
○浜田委員長 それなら委員長不信任案を出せばいいでしょう。お出しなさい。受けて立ちます。
○瀬崎委員 委員長、理由を言いなさいよ。理由を言いなさいよ。
○浜田委員長 必要のない、当委員会に関係のない問題ですから、人事不審に関する発言については差し控えていただきたと思います。
 と同時に、前もって警告します。先ほど保岡君の氏名を明示して云々された箇所がありますが、取り消しを要求します。
○瀬崎委員 これは事実をありのままに言っただけであって、別に何も誹謗中傷しているわけじゃないですよ。事実ですよ。私はそういうものの取り消しには応じませんよ。
○浜田委員長 応じなければ応じなくて結構です。ただ注意までいたしておきます。
○瀬崎委員 応じません。はっきり言っておきます。
 最後に、今のような公明正大な事業を今後執行していくということを前提にしてですが、第一に、奄振事業の中でも今後の公共事業の重点の置き方ですが、やはり生活環境施設の整備、農業あるいは地場産業振興、教育文化の振興、こういうものにも力を注いでいく必要があるということを現地の人はおっしゃっている。
 それからもう一つ、非公共事業の分野、大島つむぎの振興であるとか医療施設の整備、こういうものも、さらに道路その他から見れば立ちおくれもひどいから力を入れてほしい、こういう要望もあるのです。ですから、こういう現地の要望に政府として十分こたえていってもらいたいので、その点の答弁を求めて終わりたいと思います。
○川俣政府委員 先生のおっしゃいます非公共的な事業にも従来から力を尽くしてきたつもりでございます。大島病院の建設しかり、大島つむぎ会館の建設を今後やろうということもその一環であろうかと思いますが、今後とも意を用いてまいりたいと思います。
○瀬崎委員 終わります。
○浜田委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○浜田委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○浜田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決定しました。
    ―――――――――――――
○浜田委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、北口博君外四名より、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党・革新共同の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。北口博君。
○北口委員 ただいま議題となりました奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案について、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び日本共産党・革新共同を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において委員各位におかれては十分御承知のとおりでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。
    奄美群島振興開発特別措置法及び小笠原諸島振興特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法の施行にあたり、次の事項について、適切な措置を推進し、その運用に遺憾なきを期すべきである。
 一 奄美群島振興開発計画の策定及び小笠原諸島振興計画の改定にあたっては、地元市町村の意向を十分に尊重するとともに、今後も各事業量の確保及び補助率、補助単価、補助採択基準等について、市町村の財政状況、当該市町村の就労構造にかんがみ、特段の配慮をはらうこと。
 二 奄美群島における産業の振興に資するため、農業技術研究施設、観光施設、島内道路整備、大島紬産業育成策等について、特段の配慮をはらうとともに、奄美群島振興開発基金の拡充に努めること。
   また、小笠原諸島における産業の振興に資するため、農漁業施設、観光施設の整備及び本土との交通機関の整備等について特段の配慮をはらうこと。
 三 奄美群島及び小笠原諸島の住民生活の安定、向上のために、医療施設及び医療従事者の拡充、文教施設、児童福祉施設、老人福祉施設、下水道施設等の整備促進、気象観測体制の充実に努めること。
 四 硫黄島に対する帰島及び開発問題については、関係者の意向を参酌するよう努めるとともに、速やかに結論を出し、所要の対策を講ずるよう配慮すること。
   右決議する。
以上であります。
 委員各位の御賛同を何とぞよろしくお願い申し上げます。
○浜田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○浜田委員長 起立総員。よって、北口博君外四名提出の動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、稻村国土庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。稻村国土庁長官。
○稻村国務大臣 本委員会におかれましては、本法案につきまして熱心な御審議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。
 審議中における委員各位の御高見につきましては、今後その趣旨を生かすよう努めてまいりますとともに、ただいま議決になりました附帯決議につきましても、その趣旨を十分に体して努力する所存でございます。
 ここに本法案の審議を終わるに際し、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対して深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。どうもありがとうございました。
    ―――――――――――――
○浜田委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
○浜田委員長 次に、内閣提出、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。水野建設大臣。
    ―――――――――――――
 公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○水野国務大臣 ただいま議題となりました公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 我が国は、その地勢及び気象から洪水等による災害が多発し、毎年、河川、海岸、道路、港湾等の公共土木施設に甚大な被害を受けております。このため、政府におきましては、本法に基づき、洪水等の異常な天然現象により被災した公共土木施設の復旧について高率の国庫負担を行い、その促進に努めてきたところであります。
 しかしながら、本法制定後、地すべり防止施設等本法の適用対象とならない公共土木施設の整備が進み、それらの施設の被災が増加しております。また、一方、第二次臨時行政調査会の行政改革に関する第三次答申におきまして、災害復旧補助金制度の改善に関する指摘が行われているところであります。
 このような状況にかんがみ、国庫負担の対象となる施設の追加、災害復旧事業に関する事務の簡素合理化等を図ることとした次第であります。
 以上が、この法律案を提出する理由でありますが、次にその要旨を御説明申し上げます。
 第一に、災害復旧事業費について国庫負担を行う公共土木施設に、地すべり防止施設、急傾斜地崩壊防止施設及び下水道を追加することといたしました。
 第二に、災害復旧事業の一助所の採択限度額を見直し、引き上げることといたしました。
 第三に、災害復旧事業の一カ所の工事の範囲を五十メートルに拡大することといたしました。
 第四に、災害復旧事業費の剰余金を他の災害復旧事業に使用する場合の主務大臣の認可を廃止することといたしました。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○浜田委員長 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。
 本案に対する質疑は後日に譲ります。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時四十六分散会
     ――――◇―――――