第101回国会 建設委員会 第10号
昭和五十九年七月二十七日(金曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 浜田 幸一君
   理事 亀井 静香君 理事 北口  博君
   理事 桜井  新君 理事 中島  衛君
   理事 井上  泉君 理事 木間  章君
   理事 新井 彬之君 理事 小沢 貞孝君
      池田 行彦君    金子原二郎君
      唐沢俊二郎君    野中 広務君
      東   力君    松野 幸泰君
      村岡 兼造君    森田  一君
      保岡 興治君    上野 建一君
      竹内  猛君    前川  旦君
      山花 貞夫君    渡辺 嘉藏君
      古川 雅司君    伊藤 英成君
      瀬崎 博義君    中島 武敏君
 出席国務大臣
       建 設 大 臣  水野  清君
       国 務 大 臣
       (国土庁長官) 稻村佐近四郎君
 出席政府委員
        国土庁長官官房
        長       永田 良雄君
        国土庁大都市圏
        整備局長    佐藤 和男君
        建設大臣官房長 豊蔵  一君
        建設大臣官房総
        務審議官    松原 青美君
        建設省建設経済
        局長      高橋  進君
        建設省都市局長 梶原  拓君
        建設省河川局長 井上 章平君
        建設省道路局長 田中淳七郎君
        建設省住宅局長 吉沢 奎介君
 委員外の出席者
        人事院事務総局
        給与局給与第三
        課長      三上 元章君
        防衛庁人事局人
        事第一課長   村田 直昭君
        科学技術庁計画
        局国際科学技術
        博覧会企画管理
        官       鈴木 和夫君
        科学技術庁研究
        調整局調整課長 吉村 晴光君
        大蔵省主計局主
        計官      涌井 洋治君
        通商産業省産業
        政策局調査課長 植松  敏君
        運輸大臣官房国
        有鉄道部業務課
        長       平野 直樹君
        運輸省地域交通
        局交通計画課長 圓藤 壽穂君
        海上保安庁警備
        救難部長    宗形 健壽君
        気象庁観測部管
        理課長     山崎 道夫君
        気象庁地震火山
        部地震火山業務
        課長      山川 宜男君
        参  考  人
        (住宅・都市整
        備公団理事)  台   健君
        建設委員会調査
        室長      升本 達夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月十九日
 辞任         補欠選任
  関  晴正君     永井 孝信君
同日
 辞任         補欠選任
  永井 孝信君     関  晴正君
同月二十六日
 辞任         補欠選任
  関  晴正君     嶋崎  譲君
  伊藤 英成君     塚田 延充君
同日
 辞任         補欠選任
  嶋崎  譲君     関  晴正君
  塚田 延充君     伊藤 英成君
同月二十七日
 辞任         補欠選任
  関  晴正君     山花 貞夫君
  山中 末治君     渡辺 嘉藏君
同日
 辞任         補欠選任
  山花 貞夫君     関  晴正君
  渡辺 嘉藏君     山中 末治君
    ―――――――――――――
七月十三日
 公共事業予算の増額に関する請願(北口博君紹
 介)(第七八一八号)
 町村の公共下水道整備促進に関する請願(片岡
 清一君紹介)(第七八一九号)
 同(瓦力君紹介)(第七八二〇号)
 同(岸田文武君紹介)(第七八二一号)
 同(中川昭一君紹介)(第七八二二号)
 同(羽田孜君紹介)(第七八二三号)
 同(平泉渉君紹介)(第七八二四号)
 同(平林鴻三君紹介)(第七八二五号)
 同(三ッ林弥太郎君紹介)(第七八二六号)
 同(山下元利君紹介)(第七八二七号)
 同(愛知和男君紹介)(第七八六六号)
 同(北口博君紹介)(第七八六七号)
 同外五件(栗原祐幸君紹介)(第七八六八号)
 同(中川昭一君紹介)(第七八六九号)
 同(中西啓介君紹介)(第七八七〇号)
 同(羽田孜君紹介)(第七八七一号)
 同(平泉渉君紹介)(第七八七二号)
 同(堀之内久男君紹介)(第七八七三号)
 同(山下元利君紹介)(第七八七四号)
同月十七日
 道路整備促進に関する請願(藤井勝志君紹介)
 (第七九八五号)
 町村の公共下水道整備促進に関する請願(愛知
 和男君紹介)(第七九八六号)
 同(上草義輝君紹介)(第七九八七号)
 同(田中角榮君紹介)(第七九八八号)
 同(三塚博君紹介)(第七九八九号)
 同(宮崎茂一君紹介)(第七九九〇号)
同月十九日
 町村の公共下水道整備促進に関する請願(田中
 角榮君紹介)(第八二八〇号)
 同(丹羽兵助君紹介)(第八二八一号)
同月二十日
 町村の公共下水道整備促進に関する請願(伊藤
 宗一郎君紹介)(第八三六九号)
 同(鹿野道彦君紹介)(第八三七〇号)
 同(丹羽兵助君紹介)(第八三七一号)
 同(宇野宗佑君紹介)(第八四〇八号)
 同(丹羽兵助君紹介)(第八四〇九号)
 同(町村信孝君紹介)(第八四一〇号)
同月二十三日
 国民生活関連公共事業に関する請願(正木良明
 君紹介)(第八六四二号)
 同(松本善明君紹介)(第八六四三号)
 町村の公共下水道整備促進に関する請願(丹羽
 兵助君紹介)(第八六四四号)
同月二十四日
 昭和六十年度治水関係予算に関する請願(佐藤
 徳雄君紹介)(第八七〇三号)
 町村の公共下水道整備促進に関する請願(宇野
 宗佑君紹介)(第八七〇四号)
 脊髄損傷者に対する建設行政改善に関する請願
 (春田重昭君紹介)(第八七三七号)
同月二十六日
 町村の公共下水道整備促進に関する請願(相沢
 英之君紹介)(第八八一九号)
 同(青木正久君紹介)(第八八二〇号)
 同(天野光晴君紹介)(第八八二一号)
 同(熊谷弘君紹介)(第八八二二号)
 同(河野洋平君紹介)(第八八二三号)
 同(櫻内義雄君紹介)(第八八二四号)
 同(田中角榮君紹介)(第八八二五号)
 同(高鳥修君紹介)(第八八二六号)
 同(中川昭一君紹介)(第八八二七号)
 同(葉梨信行君紹介)(第八八二八号)
 同(原田昇左右君紹介)(第八八二九号)
 同(吹田ナ君紹介)(第八八三〇号)
 同(藤本孝雄君紹介)(第八八三一号)
 同(渡辺省一君紹介)(第八八三二号)
 同(浦野烋興君紹介)(第八八九七号)
 同(田中角榮君紹介)(第八八九八号)
 同(藤井勝志君紹介)(第九〇〇五号)
 国道六号線の我孫子市柴崎地域への防音壁設置
 に関する請願(森田景一君紹介)(第八八九六号)
 道路整備促進等に関する請願(亀岡高夫君紹介
 )(第八九三七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 建設行政の基本施策に関する件
 国土行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
○浜田委員長 これより会議を開きます。
 建設行政の基本施策に関する件及び国土行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 両件調査のため、本日、参考人として住宅・都市整備公団理事会健君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
○浜田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森田一君。
○森田(一)委員 お許しを得まして、日ごろ私が考えております件につきまして、私の考えを申し述べるとともに、水野建設大臣また事務当局のお考えを聞きたいと思うわけであります。
 まず第一に、建設省は今いろいろ努力はされておるわけでありますけれども、さらに政策官庁への脱皮ということについて歩を進めていかなければならないと考えるわけであります。かつて竹下大蔵大臣が建設大臣のときに、このことにつきまして、いろいろみずから先頭に立って提唱されたことがあります。そしてその後も土地従価税の問題であるとか、土地の買い占め、土地転がし、それらが問題になったときに、税制の改正あるいは日の目を見ませんでしたけれども、ビル防災法の立案というようなことでいろいろ努力がなされてきたことは承知をいたしておるわけでありますけれども、先ほど申し上げましたように、さらにこの点についていろいろなお一層の努力をすべきであると考えるものであります。
 特に、経済全体の問題につきまして、公共事業というのは、御存じのように、大変経済全体に対する影響が大きいわけであります。経済運営全体の問題につきましては、従来からの慣例等もあり、いろいろな理由もあって大蔵省、通産省あるいは企画庁が協議をして、そして翌年度の経済運営というようなことを決めるようになっておるわけであります。しかし、膨大なる公共事業の予算、そしてこの執行によって経済が左右されるというような状況にあることも事実でありますから、何らかの形で建設省もこれらの経済運営全体について参画をするというようなことになるべきであるという気がいたすわけでありますけれども、なかなか他の省との関係もあって、すぐにそのようなことは実現するわけにもいかないかもしれませんが、そのように考えるものであります。この点につきまして、水野建設大臣のお考えをまずお伺いをいたしたいと思うわけであります。
○水野国務大臣 建設省が政策官庁にどういうふうに脱皮をしていくかという問題について、私も就任以来いろいろ配慮をしてきたことでございますが、御承知のことをまた申し上げるようなことでございますけれども、御承知のとおり、道路、河川、国土利用というような国の公共事業の基盤となっていくような仕事を次々にやっております。それに加えまして、都市政策、住宅政策、建設産業政策というような幅広い行政も掌握をしているわけであります。こういうものがただハードウエアの取り扱いだけでなくて、やはり相互に有機的な関係を持つような運営ができないだろうかということで、今回建設経済局というものを新設をいたしまして、各局の間の連絡であるとか、あるいは経済政策そのものに対してどういうふうに対応していくかというようなことも考えている最中であります。
 特に、二十一世紀という言葉は少しきざでありますが、次の世紀に向けまして、日本の経済というものがどういうふうにこれから成長を維持していくかというようなことを考えますと、やはり私どもは大きな使命を感じているわけであります。それをまた単に都会といいますか、地域的に偏重したということでなくて、国土全体が均一的な成長をしていく、むしろ何といいますか、落ちこぼれのないというようなことも考えなければいかぬと思いますが、また同時に、人口集中とかいろいろなことがございますし、それに加えて、これは建設省の本来の仕事ではございませんけれども、建設省内部も、今までもやっておりましたが、例えば情報とかいろいろなことの通信というようなこともやっておりますので、あわせてそういう仕事もやっていきたい。また各年度において、日本では経済政策の際に、例えば景気浮揚の際には、公共投資をふやして景気を刺激していくというような手法が今までもとられてまいりましたが、私はやはり今ことしの日本の経済動向から考えまして、日本の今の経済政策の中で少し輸出に偏り過ぎているのではないだろうか。景気がよくなってきたと言っておりますけれども、輸出に偏っているのではないか。やはり内需刺激というようなことも考えながらやっていく必要があろうと思っております。
 そのほかいろいろございますけれども、特に公共事業の予算が与えられた範囲で、来年度予算もどうなるかわかりませんが、非常に大きく伸びるということは考えられないわけでありますから、同じ与えられた予算の中で、経済効果を考えながらそれを配分をしていくというようなことも考えていかなくちゃいかぬのじゃないか。今までもそうでありますが、今申し上げたようないろいろな問題を踏まえまして、それを有機的に中心になって考えるのが建設経済局でありまして、各局間の連絡を密にして、経済官庁への脱皮をひとつ目指していきたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
○森田(一)委員 ただいま大臣がお答えいただいたとおり、さらに努力を続けていただくわけでありますけれども、今のお話のように、当面はなかなか自由に使える財源がない。したがって、こういうことをやりたいと思っても、なかなか自由にいかないだろうと思うわけであります。しかし、いつまでもこのようなゼロシーリングというようなものは続くわけではない。これらの公共事業にとっても、さらに財源がもう少し自由になる時期が必ず来ると思うわけであります。そのときに備えて今のうちから、先ほどから申し上げましたような各般にわたる御努力、御精進をお願いをいたすわけであります。
 とにかく銭の話が何よりも大事な面があるわけでありますが、シーリングにつきましていち早く建設大臣が発言をされたことは、大変適当である、時宜を得ておる、このように思うわけでありますけれども、そもそもこのシーリングの制度というのは、私が思いますのに、本来の本質が変わってきておると思うわけであります。
 最初にシーリングが導入されましたときには、大蔵省主計局の切り代を残すために、とにかく必要ないと思うような大きな予算まで要求しておいて、そしてあと歩どまりが残って、そして要求官庁も幸せだ、大蔵省の方も半分に切ったので大変よくやったというような風潮が出てきまして、そのようなことはむだではないか、前年の五割以上要求するというようなことは、これはむだだからやめようということで、本来導入されたわけであります。
 しかし、その限度が二〇%になり一五%になりさらにはゼロになる、マイナスになるというようになってきた段階におきまして、当初の趣旨とは違ってきておると思うわけであります。単にむだな要求をしないということでなくて、実際に十二月に予算査定というのが、御存じのように、多くの国会議員の先生方も参加して復活折衝その他が行われるわけでありますけれども、実はだんだん天井が低くなってくる段階におきまして、予算編成というのは十二月ではなくて、シーリングを決める夏の時期に実質上の予算編成がなされるというふうに本質が変わってきておるという点が第一点であります。
 それからさらに、シーリングの制度は、そのように本来大蔵省が査定をするべき話を、低い水準、天井を設けることによりまして、部分的などの経費にどういうふうにつけるかということは、それぞれ各省にお任せしますよ、特に各省の官房を中心にして、この範囲のお金であればどこにつけるかはおたくの方でよく考えてください、そのかわりこのお金を突破しないでいただきたい、そういうような大蔵省と各省との間の一種の妥協である。そして大蔵省にとってはお金が少なくて済むというメリットがあるし、各省にとってはそれまで細かいことまで言われていて、今も相当細かいことまで主計局は言うわけでありますけれども、しかし、その選択権につきまして以前よりは自由度が増しておる。建設省におきましても、官房の方で官房長がこういうふうに配分をしたいと言えば、そのお金の枠の範囲内であれば、それで結構でしょうというふうに大蔵省の方も言うというような状況になってきておるわけであります。
 しかし、これの制度に問題がありますのは、そのような各省と大蔵省との間の妥協ではあるけれども、与党である自由民主党がそのような制度の中でどのように関与していくかということがはっきりしないまま、ここ数年そういうようなシーリングという名で、実際には大蔵大臣、総理大臣でもなかなかやりがたいような大きな査定がなされてきておるわけでありますけれども、そこに党の方がどういうふうに関与してやるのがいいかということが問題になったのがことしのシーリング問題だという気がいたすわけであります。その中にありまして、先般、御承知のように、藤尾政調会長が総理と会われまして、シーリングという言葉は使わない、概算要求基準にするということになりまして、党の方も一応静かになっておるわけでありますけれども、しかし、そうはいっても、概算要求基準というのは、言葉はシーリングと違いますけれども、なかなか幅はあるとは言いながら、実質においては、やはり先ほど私が申し上げたような機能という面におきましては同じようなものではないかなという気がいたすわけであります。
 シーリング問題につきましていち早く御発言をされ、閣僚の一人として、内閣全体の方針等もありますからなかなか言いがたい点もあろうかと思いますけれども、この新しい概算要求基準につきまして、建設大臣がどのようにお考えになっておるか、お伺いをいたしたいと思うわけであります。
○水野国務大臣 今年度予算の編成までは、特に昨年の予算編成期におきましては、ちょうど衆参両院の選挙その他が近づいておった関係もありまして、言ってみますと、大蔵省主導型で早々にシーリングが決められてしまいまして、私どもも総選挙後に東京へやってまいりまして、党主導型で予算編成をやろう、こう思ったのでございますが、既に枠が決まり、大体の予算ができ上がっておった、御承知のとおりの経過であります。
 また、今御指摘のように、この数年来シーリングという言葉でやってまいりましたけれども、いわゆる悪平等的な予算の削減ということになっておりまして、特に公共事業費の取り扱いについては、中央地方を問わず各地において大きな論議を巻き起こしていることは御承知のとおりであります。私どもも昭和六十年度の予算要求に際しまして、予算編成方針が御承知のとおり来週火曜日に行われるわけでありますが、今回はこのシーリング方式というものに対しては強く反発してきたわけであります。たまたま先般自由民主党の藤尾政調会長が総理とお会いになりまして、昭和六十年度の予算編成以降はシーリングという言葉は使わない、概算要求基準でいく、こういうような話し合いがございました。しかし、私どもも、さればもう安心をしていいのかというふうには思っておりませんので、先般、各省の官房長の会議でも、大蔵省自身がこう言っているのでございますが、用語は変わりましても、従来どおりの考え方で行う方針だ、こういうことを私どもにも言ってきております。これは各省とも聞いておられると思います。
 そこで、私どもは、今後いかように予算編成に向けて展開をしていこうかと今非常に苦慮している最中でございますが、先般の、これは自由民主党内のことで他党の先生方には恐縮な話でありますが、今回、概算要求基準というように言葉も変えましたが、これをめぐりまして総理と藤尾政調会長との間で取り交わされた合意のようなものがございます。それは九月から十二月の間、いわゆる予算編成方針が決まった後であっても、自由民主党と大蔵大臣の協議のもとに作業を行う、また十二月の予算編成においては、自由民主党主導型のもとに重点的な調整及び編成を行うということが一応合意をされているわけでございます。そこで我々は、その中において自由民主党の政調会におけるいろいろなお計らいを期待しているわけでありまして、今後その中でも大いに予算編成に至るまでいろいろな形で取り組んでいきたい、かように思っているわけでございます。
○森田(一)委員 ただいま悪平等という話がありましたけれども、私は公共事業というのをもっともっと重視していかなければならないと思っておるわけであります。その理由は、そもそも我が国経済というのは安定成長期に移行したわけでありますけれども、安定成長といいましても、私は、現在我が国の経済というのは、政府が考えておるよりは、やり方によってはもう少し高い成長を期待することができると思っておるからであります。石油ショックが起こりまして、そして石油の不足あるいはそれまでいろいろ次々と開花してきた技術革新というのが、今後二十一世紀に至るまではもはや新しい技術革新というのは余り期待できないのではないかというようなことの前提のもとに、我が国の経済というのは余り成長できない、極端なことを言う人はゼロ成長であるということを主張しておったわけであります。しかしながら、皆様方御存じのように、石油の問題というのは、将来はともかくとして、ここ当面において石油が不足するというようなことではありませんし、しかもエレクトロニクスあるいはバイオテクノロジーなど、それまで一般に予想されてきておるよりははるかに技術革新という意味におきましてもテンポが早く結実が見られるというような状況になってまいっておるわけであります。このような状況のもとでは、どう考えてみましても、我が国経済がアメリカ経済よりは成長が低い、低くなければならないというようなことはない。しかも、我が国は依然として高い貯蓄率を誇っておりまして、その資金が行き場がなくてアメリカ等にその活用の場を求めておるわけでありますけれども、先ほど大臣が言われましたように、これらの資金を国内で活用して、今経済摩擦の原因になっております輸出偏重というようなことも改めていかなければならないし、またそのようなことが可能であると思うわけであります。
 しかしながら、従来景気浮揚あるいは経済の成長ということを考えるときに、まず公共事業を大幅にふやして、そしてそれによってGNPを何%高めるかというような思考方法、いわゆるケインズの手法がとられてきたわけでありますけれども、しかし、その点につきましては、単純にそういう方法ではなかなかうまくいかないし、現在のような行財政改革をやっておる状況のもとでは、これと両立をしないわけであります。特に来年度あるいは再来年度の経済におきましては、政府が考えておるよりは経済自体がより伸びると私は確信をいたしておるわけでありまして、そのような際に、自然増収その他があって財源をどう使うかというようなときに、特に将来の基盤をなすストックを重視するような使い方をぜひしていただきたい。そしてそのような使い方をすることによって、さらに経済自体が次のいい回転段階に入っていくというふうに考えておるわけであります。
 以上のような考え方につきまして、まず建設大。目の所感を承りたいと思うわけであります。
○水野国務大臣 今年度の経済見通し、これは私どもの役所の所管じゃございませんが、いろいろな民間調査機関であるとか、そういったところの既に発表したものを見ておりますと、一−三月も政府の当初の見通しの四・一%よりはるかに高い。四−六もそれを突破しそうな情勢でございますから、少なくとも今年度の経済の成長率というものは、当初の見通しに比べ一%から多ければ二%以上の成長率が見込めると私は思います。
 そうであるといたしますならば、今年度の下半期になってから考えることでございますが、税収もかなり。高い。これも民間の調査でありますから、そのまま私どもが採用するということは非常に軽率かもしれませんが、自然増収が一兆円前後あるいはそれ以上のものが考えられる、こういうような事態になってくると思います。その際に、それを赤字国債の返済に充てるか、あるいは建設的な投資、次の昭和六十年度における景気の動向を考えながら景気刺激策に、あるいは対外経済問題として内需の刺激策に使い得るかどうかということは、これは御承知のとおり内閣全体の考え方でございますので、私が今何とも申し上げることはできません。しかし、個人的な立場ということを前提として申し上げるならば、でき得ればそういうものは公共事業に投資をしていただいて、そこからいろいろな果実が生まれるわけでもございますし、公共事業は御承知のとおりフローではないわけでございまして、使い切ってしまうのではございませんで、物になって残り、それが経済効率を生むわけでございますから、私はそっちへ使ってもらいたい。いずれこういうことが正式に閣議その他で問題になってくれば、これは私どもも国務大臣として議論していきたいと思っておりますが、現在まだいろいろ推測の段階でございますので、私の個人的な考えはひとつこの辺にさせていただきたいと思っているわけでございます。
○森田(一)委員 この点につきましては、例えば二つの社会があって、二つの社会が同じだけの一年間の稼ぎ高を持っておる。片方の社会は戦争をしておる、片方の社会は平和経済だというときに、同じように次の年の稼ぎ高が伸びたとしても、後で考えてみると、どれだけ資産として残っておるかというような点を考えれば、大きく違いが出てくるわけであります。この点につきましては、これは極端な例を二つ挙げたわけでありますけれども、私は平和経済の運営におきましても、同じようにGNP、国民総生産が伸びておる社会でありましても、その資産を重視してその稼ぎ高を使うかどうかということによって、長い期間の後には二つの経済は大きく違いが出てくるということだろうと確信をいたしておるわけであります。したがいまして、私たちはこれまで欧米先進国を目指して追いつき追い越せというようなことを合い言葉に今日に至ったわけでありますけれども、これは主として年間どれだけ稼ぐかということを中心に頭に置いてやってきたわけであります。そしてその面ではまさに欧米先進国にもはや追いついたと言っても過言ではない状況になったわけであります。しかし、私は、この時点におきまして、そのような年間の稼ぎ高というようなことの観点から、今後はもう少しその稼ぎ高をどうやって使っていったら長期的な意味において我が国の経済の繁栄あるいは国民の福祉に寄与することになるかということを、ちょうど今深刻に考えるべきときにある、このように考えておるわけであります。
 そのような考え方から先ほどの御質問をいたしたわけでありますけれども、ただ次に、このような本当に真剣に考えるべき問題があるにもかかわらず、国民全体としてもう一つ公共事業に冷たいといいますか、理解が十分でないという点があるわけであります。その一つに、これは例でありますけれども、例えば住宅公団の高遠狭、値段が高い、遠い、狭いというような問題から遊休住宅の問題が生じましたり、あるいは最近でも千葉ニュータウンについて問題が起こっておるわけであります。このことはやむを得ないいろいろな理由があって生じたわけでありますけれども、こういうことが国民全体にどうも私たちの税金がむだになっているのではないか、公共事業というのを推進すると税のむだ遣いが生じるのではないか、こういうような印象を与えておるという点を非常に残念に思うわけであります。私はこのような印象を少しでも、しかも一刻も早く払拭をするということが大切だと思うわけでありますが、この点につきましては事務当局の方からお答えをいただきたいと思います。
○豊蔵政府委員 ただいま御指摘ありましたように、公共事業の執行に当たりましては、その貴重な財源を使わしていただくわけでございますので、むだが生じないように計画的、効率的に執行すべきであるということで、私どもも常日ごろ関係の下部機関あるいはまた公庫、公団等を指導してまいってきているところでございますが、一部地元調整が難航したとかあるいはまた各事業間の進度にアンバランスがあった等々のことによりまして、必ずしも円滑に進んでいない事例が見られることは極めて残念でございます。私どもも今後さらに心を引き締めまして、公共事業のむだ遣いをなくするように、引き続き適正な事業の執行に努めてまいりたいというふうに考えております。
○森田(一)委員 ただいまの中で、例えば住宅公団の問題については、実は最悪の時期から比べると相当改善されておるのではないかと思うわけでありますが、これらの問題について一般の人は知らない。大体新聞等で非常に問題になっておったような状況が今日も続いておるのではないかというふうにみんな思っておると思うわけであります。ただいまもその点についての具体的なお話がなかったわけでありますけれども、この機会に現在の状況についてお伺いしておきたいと思います。
○吉沢政府委員 お答えいたします。
 今二つ御指摘のございました住宅公団の一つは、遊休住宅の問題でございます。これにつきましては、建設省としましても非常に事態を重視いたしまして、その解決のために建設省に公団住宅の事業促進対策委員会というものを設けまして、関連公共施設の整備でございますとか、家賃対策でございますとか、いろいろなことで公団に指示をいたしまして、公団ではこの指示を受けまして対策の実施に努めてまいりました。昭和五十二年度末におきまして約四万戸という未入居、保守管理と言われる空き家があったわけでございますが、これが昭和五十八年度末におきまして約八千戸に減少をいたしております。八千戸になったからいいというわけではございませんが、建設省としましては、この問題につきましてさらに改善を進めるよう公団を指導しておるところでございます。
 それからもう一つ、千葉ニュータウンの状況でございますが、千葉ニュータウンの中央駅というのがございまして、これを中心とする印西地区というのがございますが、旧日本住宅公団が昭和五十年度からこの地区につきまして住宅建設に着手したわけでございます。用地の取得が非常に難航いたしまして、鉄道の方の開業まで大幅におくれるということになりましたので、昭和五十一年十二月に四千三百戸着工しておったわけでございますが、躯体工事まででき上がっておったところで工事を打ち切らざるを得なくなったという事態がございます。その結果、住宅として供給できない状態が長く続いたわけでございます。ところが最近になりまして、鉄道開通の見通しが確実になった昭和五十七年度から新しい住宅・都市整備公団によりまして工事を再開いたしまして、本年三月に鉄道が開通いたしましたのとあわせて昨年の七月ごろから約一千戸につきまして募集を行っているわけでございます。残りにつきましても、今後の需要動向を見ながら順次募集を行うように考えているところでございます。
○森田(一)委員 次に、最近民間の活力の活用というのが大変はやっておりまして、どこへ行っても民間の活力の活用ということが言われるわけであります。確かにこの点につきまして、現在国の方は百二十兆に及ぶ借金に悩まされておる、民間の貯蓄は余っておってその使い道がないというような状況でありますから、まさに民間の活力を活用しなければならないと思うわけでありますけれども、事公共事業に関してこのことが言われる場合には、往々にして公共事業を抑制する口実に使われておるという嫌いがあるわけであります。民間の活力を活用していくから公共事業、国費の方はいいじゃないかという議論がなされがちでありますけれども、私は、そのような考え方では、本当の意味での民間の活力の活用にならないと思うわけであります。国がやるべき仕事と民間がなすべき仕事という両輪がうまくかみ合って初めて本当の意味での民間の活力の活用が図られるものと考えるわけであります。この点につきまして水野建設大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○水野国務大臣 森田委員の御指摘のとおりでございまして、本来社会資本の整備は国とか地方公共団体が中心になって行うのが当然であります。
    〔委員長退席、中島(衛)委員長代理着席〕
その中で、それを補う形で、例えば都市の再開発であるとか住宅建設とか工場団地とかいったものが民間投資の形で行われてきた、これがこれまでの例でございまして、さりとて民間活力の活用ということをどういうふうに展開をしていくか、今までのパターンだけでいいということではないわけでありまして、特に建設省でいろいろやっておりますのは、都市開発の分野でひとつ広げていこう、そのためには、言ってみますと、都市開発関係の建設省の国費が一種の種銭のような形になって都市の再開発が行われないだろうか、その際に土地利用その他についての法制を見直す必要があるのではないだろうか、あるいは税制も変える必要があるのではないだろうかということで、今年度の初めに至りまして、例えば一部税制の改正をお願い申し上げました。また都市計画及び建築規制の見直し等の施策も総合的に今推進をしている最中であります。しかし、御指摘のとおり、これだけのことで民間活力導入が大きな日本経済のてこになるというふうにはなかなかまだ考えられないわけでございまして、さらにいろいろな方面で、例えば土地信託制度その他を利用していくとか、そういったことで拡張していきたいと思っております。
 それから、これはまた別の分野でございますが、公共事業そのものを執行するのは国とか地方団体、公団その他でございますけれども、その使うお金を政府保証債で民間の金融機関から拝借する、縁故債を募集するといったようなこと、さらに外債も今年度は道路公団で四百億ばかりのスイス債の募集をして今執行中でありますけれども、こういった民間資金を海外での投資に回さないように、言ってみますと、日本国内の建設その他に使ってもらうような仕組みで政府保証その他で回してもらうというやり方もやっている際でございますし、こちらの方は予想外に道路公団、本四架橋その他各種の大型公共事業の中で活用されているというふうに私は思っておりますが、来年度予算の中でもそれは大いに進めていきたい、かように思っております。
○森田(一)委員 方向としてそのような方向で御努力をいただきたいわけであります。
 特に、この際申し上げておきたいのは、各種の建築物の規制等でありますけれども、私がずっと各省のいろいろな規制の状況を見ておりまして感じますことは、規制がないという状況の中で何か問題が起こったときに、国会等で非常に問題になる、そのときに報告あるいは説明をするとき非常にしにくいという状況になるわけであります。したがって、役所の対応としては、どちらかといいますと、いろいろな規制をしておった方が責任の所在その他の問題につきましても、あるいは国会における委員会の答弁等におきましても、いわば楽なわけであります。しかし、実際に規制を緩和するということは、そういう劇的な意味で問題になることが少ないわけでありまして、全体として非常にまれに起こる事件その他のことを除外すれば、年々の経常的な活動という意味におきましては、今政府にあるいろいろな規制はもっともっと緩和していった方が、本当は全体として国民生活の上でもプラスになることが多いと思うわけでありまして、建設省におきましても、既に民間の活力の活用に関する委員会というのが設置されておるわけでありますけれども、そのような観点から、緩和というのはよほどそのような方向で推進力がなければ、この規制を新たに追加する場合と違って難しい問題があるというようなことを念頭に置かれまして、さらに御努力をいただきたいと思うわけであります。
 それから次に、建設国債の問題でありますけれども、先ほどのシーリング等の問題で大臣が発言をされましたときに、財源につきましても建設国債の活用ということを提唱されたわけであります。私もまさに今日の時代において財源の問題に触れずにいろいろ発言をするというのは無責任だと思うわけであります。したがって、この建設国債ということについて改めてよく考えてみなければならないと思うわけであります。
 かつて赤字国債が発行されておらずに建設国債だけの時代におきましては、大蔵省等におきましても、建設国債と赤字国債がいかに性格上異なるか、建設国債はこういうことで赤字国債とは全く違った性格のものであるというような主張がなされておったわけでありますけれども、その後、赤字国債も発行されるようになりまして、金融機関等の引き受けというような意味におきましては、建設国債、赤字国債余り違いがない。さらに赤字国債は十年以上の借りかえが禁止されておったわけでありますけれども、先般やはり財政上の理由からこの借りかえが認められるということになったわけであります。そのような中にありまして、ますます建設国債と赤字国債は違いはないんだ、いずれも国の借金である、だからどちらも同じように悪いんだというような主張が今日非常に強くなっておるわけであります。しかし、従来の建設国債、赤字国債を区別して考えた時代のいろんな主張を改めて検討していただくことによりまして、この際、大臣の言われる建設国債という問題について十分事務当局の方もその点について資料を集め、また理論的な補強をする等、大臣の発言ということにとどまらずに、さらにそれが非常に深い根拠を持つように御努力をしていただきたいと思うわけであります。そのような観点から、まず建設大臣の所感を承りたいと思います。
○水野国務大臣 前の委員会でも申し上げたことでございますが、ただいまお話をいただきましたように、来年度予算について公共事業の必要性を申し上げてまいりました。その財源はどこからかということで、建設国債の増発を一つの提案として申し上げてきたことも御承知のとおりであります。
 これも十分御承知のことでございますが、現在、五十九年度の公共事業関係費につきましても、そのほとんどが、この数年来のことでございますけれども、既に特定財源、いわゆるガソリン税、重量税等の特定財源と建設国債によって賄われているのが今の現状でございます。今後公共事業費を拡大していくにはどうしても特定財源を確保する、いわゆるオーバーフロー、自動車関係の諸税のオーバーフローを建設省でしっかりと確保していくということがまず第一でありますが、もう一つは、建設国債の増発をどうしても考えていかなければいけないと私ども考えております。
 さて、その建設国債は、今も御指摘がございましたから、私から重ねて申し上げる必要はございませんが、一般の赤字国債と一緒にされては大変困る。ちょうど企業と同じように、企業が停滞したときに金融機関からお金を借りて、そこで工場施設を整備をして新商品を製造していく、開発していく、そしてその企業体が新しくリフレッシュして、また他企業に優先していくということと同じように、日本経済もやはり社会資本というものを今整備をいたしまして、特に日本経済が必要とされるような、例えば最近通産省が中心になりまして、全国で十数カ所のテクノポリスを指定をいたしました。これは日本経済が今後十年間アメリカや西欧社会の経済と競争しても負けないだけの競争力をつけるためにやっているわけでありますが、現在のような公共事業費が停滞している場合、通産省で御指定になっても、私どもも共管で指定に参加もしておりますけれども、指定をいたしましても、テクノポリス関連の公共事業費が回らないというようなことが実情であります。こういったことが日本経済に悪い影響をもたらすのではないかと私は非常に心配をしているわけでございます。
 また、さらに申し上げますと、建設国債の発行によって、これは適正規模ということが一つの前提でございますけれども、GNPを増大させることもできる。また発行もいたしますが、それが建設事業にもたらされて税収もある程度返ってくる、こういう効果もあるわけでございます。またそれによって充実される社会資本自身が、その地域あるいは国家全体の経済に大きな効率をもたらして、最終的には日本経済にプラスをしてくれる各種の面があることも御承知のとおりでございます。
 こういう機会に御質問いただいたわけで、大変饒舌でございますが、重ねて私どもの考え方を申し上げさせていただきました。
○森田(一)委員 それから、先般経団連の稲山会長とお話をしたときに、建設業者が三十万から五十万にもふえて、それが食えないから何とかしろというようなことを言われてもなかなか面倒を見切れないんじゃないかというようなことを指摘されたわけであります。公共事業が石油ショック以降伸びた時期にこのようにふえたのかと思いますけれども、それにしても私が感じるのは、業者の増加が非常に多いような気がするわけであります。この点についてどういうような実情にあるのか、事務当局の方から御説明を願いたいと思います。
○高橋(進)政府委員 昭和五十八年十二月末現在で、建設業法に基づきまして建設業の許可を受けている業者は五十一万五千四十三業者でございます。お説のように、許可制度が採用された昭和四十七年におきましては二十九万四千八百四十四業者ということでございまして、約二十万当時からふえているということでございます。ただ、最近の状況は伸びが非常に鈍化しておりまして、ピーク時には前年度比で一六%伸びたこともございましたが、五十八年では前年度に比べまして〇・一%と非常に急激に鈍化しております。そういうことで、最近の状況では今までのような増加基調にはないということでございます。
 では、そういった業者が多くふえたのはどういったことかということでございますけれども、やはり建設投資額と一応リンクしているといいますか、特に投資額が名目でこの十年間で二・三倍ほどになっておりますが、それに見合っているということが基本的にあろうかと思います。
 なお、細かいことでございますが、昭和四十七年に登録制度から許可制度へ移行しましたときに、今後建設業を営む場合には許可が不可欠であるという認識が定着して、従来の登録制度のときにはちゃんと登録してなかった者が、許可制度に移ってから、許可を受けなきゃいかぬということで、従来表面に出なかったものが出てきたという要素もあろうかと思います。今後、最近の状況にかんがみますと、従来のように多くなっていくということでもないんじゃないかというふうにも考えておる次第でございます。
○森田(一)委員 それでは、最後に本四架橋の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
 先般、水野大臣現地を見ていただきまして、ごらんのように本四架橋そのものは大変順調に進んでおるわけであります。この点については事務当局にお伺いしたいと思っておりますが、いずれにいたしましても、本四架橋が六十三年三月に、特にDルート、児島−坂出ルートが完成することは確実だと私も確信をいたしております。しかしながら、大変憂慮されますのは、その受け入れ態勢でありまして、特にああいう非常に巨大なプロジェクトが完成をいたしますと、東京タワーのときにそうでありましたように、本来の通行客でなくて、見物のための自動車等が相当押し寄せるだろうと思うわけであります。それが何年続くかわかりませんけれども、いずれにしても、全体の状況というのは、本四架橋の進行に比べて、横断自動車道の方もおくれておりますし、特にこの本四架橋が入ってくる地点での受け入れ態勢というのが非常にネックになるような模様であります。
 そのような状況の中で、財政当局も大変難色を示すんじゃないかと思いますけれども、今の状況のもとでは受け入れ地点に橋を四つ、都市局が二つ、道路局が二つかけなければならないような状況でありますけれども、これを何とか本四公団が立てかえ施行して、そして当面少ない国費で事業の方は進捗させる、そういうような手法を使ってやらなければ、橋は完成しても受け入れ地点が非常に渋滞することによって、むしろこの橋というのはできない方がよかったというような声が出るのではないかと私は憂慮しておるわけであります。全国の皆様方の一兆一千億という巨額の税金を投入してつくっていただいたわけでありますから、少なくともその完成後に、この橋ができて非常にぐあいが悪くなったというような状況にならないように何とかしてまいりたいと熱望いたしておるわけでありますけれども、その一つの手法として、ぜひこの本四公団の立てかえ施行ということを実施をしていただきたいと思っておるわけであります。この点につきまして事務当局の御回答をお願いしたいと思います。
○田中(淳)政府委員 先生御指摘のとおり、本州四国連絡道路の児島−坂出ルートは昭和六十二年度末、すなわち昭和六十三年三月三十一日には完成する見込みでございます。
 このルートは、四国側におきまして、坂出北インターチェンジで先ほど御指摘の臨海産業道路と接続し、また坂出南インターチェンジで国道十一号、現在直轄でやっております坂出丸亀バイパスでございますが、それと接続し、さらに四国横断道で、坂出ジャンクションでこの三つの道路と接続する予定になっております。
 御指摘の国道十一号に関しましては、一応暫定二車線で昭和六十二年度末には完成すると思いますが、先生いみじくも御指摘なされました臨海道路につきましては、四つの橋がございまして、その橋にかかります金が都市局、道路局を合わせまして六十六億余の金でございますので、あと六十年、六十一年、六十二年の三年間でとても現在の補助、これは一部都市局の補助事業及び道路局の地方道課のお金あるいは一都市町村道の金等々を費やしておりますけれども、これだけ巨額の金を一時的に投資することは非常に難しいというのも御指摘のとおりでございます。
 それで、現在のところ本四道路の関連道路につきましては立てかえ施行の制度はございませんが、本四架橋の事業効果の増大を図り、また本四架橋の供用によりまして、現道の交通混雑の緩和を図るためにも関連道路の整備はぜひとも必要である、かように考えておりますので、現行制度の中で補助事業に関しましては重点配分をすることはもちろんでございますが、臨海道路をも含めまして立てかえ施行につきまして現在検討し、前向きの姿勢でこれに取り組みたいと考えております。
 以上でございます。
○森田(一)委員 ただいまのお話のように、この立てかえ施行ということを実施しなければ、この六十三年三月に相当の混乱が起こるということがはっきりいたしておるわけであります。それで現在、来年度の概算要求の話がどのようなことになるか、各省ともこれからの問題でありますけれども、いずれにいたしましても、先ほどの建設大臣のお話のように、公共事業が大幅にふえるということはなかなか期待しがたい点があるわけであります。そうだとするならば、財政当局も言っておりますように、少ない国費でいかにして事業量を確保していくかということが大切であるということを財政当局自身が述べておるわけでありますけれども、まさにこの立てかえ施行の制度というのは、少ない国費でどうしてもやらなければならない事業を実施するという手法として、従来からの立てかえ施行制度を非常に限定的に運用してきた観点からいろいろ難色はあろうと思いますけれども、しかし、現在の時点のあるいは現在の状況から考えれば、この手法を活用して必要な事業を遂行していくことがぜひとも必要であると考えておるわけであります。この点につきまして、私の方から強く要望をいたしまして、私の質問を終わります。
○中島(衛)委員長代理 竹内猛君。
○竹内(猛)委員 私は、六十年の国の予算の編成の中で、特に建設省の予算の中において道路関係財源を中心とした問題、それから筑波の科学博覧会並びに研究学園、これに関する諸問題を質問をしたいと思います。
 大蔵省は二十六日に、六十年度の予算編成についての最大の争点となっているところの公共事業の概算要求の伸び率を本年度当初予算の二・五%減にとどめる、こういう意向を明らかにしている。これは二十九年ぶりのマイナスとなった五十九年の二%よりもさらに下回るものである。
 ところで政府は、さらに三十一日に、各省庁の提出した概算要求を中心として予算の基準を決めよう、こういうふうにスケジュールをつくっているようでありまして、その後においても若干の流動的な面もあるが、ただいまもお話がありましたように、こういうようなことで取り扱われることになると思いますが、この際、しばしば本委員会でも問題になっておりますところの、特にまた水野建設大臣が閣議でも御発言をされておるように、国民生活に直結をし、あるいはまた災害等においても欠くことのできない、また景気対策としても極めて重要な社会的基盤を強化するところの公共事業予算について、この一連の傾向というものの中で大臣は相変わらずやはり既定の方針を貫いていくかどうか、まずこの点について決意をひとつ聞かしてもらいたい。
○水野国務大臣 来年度の予算編成方針というものが来週の火曜日の閣議で決定されるであろうという見通しになってまいりました。この予算編成方針につきましては、まだ詳細のことを私どもは知っておりませんが、少なくともその中で公共事業費をどう扱うかということは、私どもにとりましてはもちろん、中央、地方を問わず各経済界においても大きな関心事であろうと私は思っております。
 公共事業の必要なことは、先ほど森田委員にも御説明しましたので重ねて申し上げることを避けますが、非常に大事なことである。まず第一に、公共事業を今行うことが日本経済にとって極めて重要だ。その第一は、公共事業、いわゆる社会資本の蓄積ということがいかに日本経済にとって大事であるか、それはそのこと自身の経済効果だけでなくて将来にわたって、具体的に申し上げますと、例えば都市のバイパスであるとか下水であるとかあるいは都市河川の問題であるとか、こういった問題は国民の財産を守りあるいは国民の経済活動を効率化していくという意味において大変大事なことである。と同時に、これは長期的には望めないという指摘も受けておりますし、ある意味では長期的には望めないのでございますが、やはり公共投資をふやすことは、今日本経済で要望されております内需の拡大ということにもなるわけでございますし、内需の拡大刺激策というものが国際的にも要望されているということは御承知のとおりであります。私は、各方面からの経済的な要望であるというふうに考えて、来年度の予算編成方針が来週早々に決まるわけでございますが、今までどおりの考え方で閣内で対処をしていきたい、かように思っております。
○竹内(猛)委員 今力強い決意をお聞きしたわけですが、ぜひひとつそういう決意で臨んでもらいたい、こう思います。
 そこで、この財源の問題に関しては、特に道路整備について自動車重量税あるいは揮発油税等に関連をして来年度は税率を引き延ばさなければならない、延長しなければならない。同時にまた、その使途についても全額を道路整備に充当する。このことについては、今度は大蔵省の方からお聞きしたいと思うのです。大蔵省どうですか。
○涌井説明員 自動車重量税の取り扱いにつきましては、五十九年度の予算編成に際しまして、建設大臣と大蔵大臣との間で、六十年度の予算編成においては、自動車重量税に係る道路特定財源は全額道路整備費に充当するものとするということで、その方策について検討するというお約束をしております。
○竹内(猛)委員 六十年度はそういうふうにする、こう言われたわけですけれども、そこで、五十七年から五十九年に及ぶところのオーバーフロー、それが四千百八億になっている。これに関して五十九年の一月二十九日だと思うが、建設大臣と大蔵大臣、それに自民党の道路部長ですか、天野光晴部長、それに藤尾政調会長が立ち会った形で念書を書いている。この四千百八億という金はどうされますか。
○涌井説明員 五十七、五十八に我々がお借りしているわけでございますけれども、その点につきましては、やはり建設大臣と大蔵大臣との間で可及的速やかに道路整備費に充当するものとするというお約束をしております。
○竹内(猛)委員 この点について建設大臣は、これはもちろん異議がないはずでありますけれども、補正予算を組んで、これを本年度から活用していくという意思はありますか。
○水野国務大臣 今大蔵省の方から御答弁がありましたように、五十七年、五十八年分の四千億余りのオーバーフローしたものについては可及的速やかにということでございます。これにつきましては、私一存ではできないことでもございますし、先ほど竹内委員の御質問のとおり、党の政調会長も参加して三者で取り交わした一つの紳士的な協約でございますから、自由民主党の政調会とも御相談の上、その運用については取り計らいたい、こういうふうに思っております。
○竹内(猛)委員 最近、各市町村会議員並びに都道府県会の方からこの問題に関連をして、公共事業、特にこの道路事業の大幅拡大ということと、道路財源として活用するための補正予算を細め、こういうような意味の要請が来ております。これを七月の十二日現在で見ますと、全国の十七都道府県、千七百五十八の市町村でそういう要請があり、これは全国平均にすると五四%、関東ブロックでは六八・九%に達している。比較的幹線道路が舗装されている関東においてこういうふうに高いということは、なおまた関東ブロックにおいても市町村の生活道路が不十分であるということに関連をしているものだと思いますが、このような強い要請に関連をして、早急にこの三者会議といいますか、そういうもので諮ってもらって、本年度中にこれを公共事業としてあるいは景気浮揚策として社会的な施設の充実という意味において努力をしてもらいたい、こういう要請をしますがこれはいかがでしょう。
○水野国務大臣 今年じゅうにやるということは、補正予算を組んでというお言葉だと思いますが、補正予算を組むか組まないかということは、私どもの所管ではございません。しかし、私どもとしては、先ほどの文書にもございましたように、なるべくそういうものを可及的速やかに返していただいて、それを道路関係の事業に充当したいと思っていることは事実でございます。
○竹内(猛)委員 ぜひそういう努力をし、先ほど大蔵省の方からもお答えがあったような方向で進めていかないと、第九次道路五カ年計画というものもうまく進んでいかない。計画はあるけれども、その中身が魂が入らないということでは非常に困るわけだから、ぜひこれは大蔵省も含めて、この財源の趣旨については十分にひとつ頑張ってほしいということで大蔵省の涌井主計官からもう一度お答えをいただきたいと思います。どうですか。
○涌井説明員 大臣同士の約束でございますので、その趣旨に沿うよういろいろ工夫をし、検討をしなければいかぬと思っております。
○竹内(猛)委員 そこで、私は筑波研究学園の問題に入りますが、過ぐる七月四日に社会党の建設部会の一同が科学博覧会の現状と筑波研究学園都市の現状について現地の調査をしました。その中から幾つかの問題が出ておりますから、それを一つずつ処理をしていきます。
 まず、極めて簡単なところから始末をしますが、防衛庁が見えていると思いますけれども、防衛庁に要請をしますが、最近、防衛庁の見学、視察というものが、これが工業技術院の関係、通産省の関係に出入りをしておりますけれども、特に隊員が制服を着て堂々と出入りをする。コンピューター、光ファイバー等々の見学に来られるわけだが、今までは制服などは遠慮をしてきたわけだけれども、このごろは制服を着てくる。今日まで二百二十五名が入ってきている。一般に見て研究機関が防衛庁の外郭研究機関になるのじゃないかという心配をしております。特にあそこに彩られた公務員の皆さんは、防衛問題だけの研究をしているわけじゃないので、何を研究しても、自分の施設のような形で出入りをされては非常に迷惑だ、慎しんでもらいたい、こういう強い要請がありました。これに対して防衛庁はどうですか。
○村田説明員 お答えいたします。
 先生、今お話がありましたが、自衛隊では、自衛隊の学校等の教育に必要のある場合に、その一環としまして、各種の研究施設の研修を実施しております。筑波研究学園都市についても、各学校等で年数回実施している状況を承知しております。
 ところで、先生御承知のとおりでございますが、自衛官は自衛隊法の第五十八条第二項の規定によりまして制服を着用することが義務づけられておりまして、したがって、研修等の目的で研究機関等を訪問する場合においては、当然のことながら制服を着用することが原則であるということになっておるわけでございます。しかしながら、研修等の目的という場合には、当然相手側のあることでございますから、相手側の意向等も事前に十分調整しまして実施しておるというのが現状でございます。今後ともその自衛隊法五十八条の原則も踏まえつつ、十分事前に調整して実施してまいりたいと考えております。
○竹内(猛)委員 自衛隊法五十八条のことはよくわかっているけれども、それがあるからといって、やはり研究所へ堂々と出入りして、周辺の人の気持ちを悪くするようなことはできるだけ慎しんで、調整、調和をとってもらいたい、こういうふうに思いますから、ぜひその点を注意をしてほしい。今後はそういうことのないようにしてほしい。
 それから、科学技術庁、見えておると思いますが、科学博覧会は来年の三月から半年間行われますが、この中で一番問題になっているのは、輸送と宿泊、それから跡地の利用をどうするかという問題なんです。
 きょうはちょっと時間がないから、輸送の問題について余り深く入れませんから、これは三十一日の交通安全のところでもう少し詰めたいと思いますが、移転問題ですね、跡地利用の問題。跡地利用について、これは国土庁に関連をしますが、工業団地をつくると言っている。
 ところが、ここに二つ問題がありますね。一つは、あの場所を取り壊すために、当初四百九十億の金の中の三%、十四億でこれが取り壊せるという計算をしたようでありますけれども、実際は七十億かかるという。この七十億かかるという負担を一体どうするかということを今から考えてもらわなければいけない。そういうものを地元に負担をさせるということはどうもよろしくない。この点について第一点。
 それから第二点は、常磐線に牛久新駅をつくった。あの駅は完全に立派な駅ですね。六カ月間使うということがわかっていながら、四十億以上の金をかけてあれだけの駅をつくるとするならば、今まで国鉄や運輸省が言ってきたように、博覧会が終わったら壊してしまうのだというようなそういうことではなくて、やはりあの駅を中心として、やがて国土庁の四全総の中で業務核都市というような問題も提起をされてきますけれども、もっとあの駅を活用して都市づくりをしていくということをしていかなければ、ただ、国鉄の御都合だけであの駅をつぶすとしたら、その駅をつくるより以上の今度は撤去費用がかかるのではないか。とりあえずこの二点について質問します。
○鈴木説明員 お答えいたします。
 先生御指摘の博覧会会場地の跡利用の問題でございますが、会場地は茨城県の工業団地として利用されるということが開催前から決まっておりまして、先生御承知のとおりでございます。したがいまして、会場の施設は原則として撤去するということになりますが、当然ながら、これらの施設、展示物、そういったものにつきましては、科学万博は国家的事業としてやるということでございますので、当然有効利用を図ることが必要であると考えております。それにつきましては、今後、関係方面の幅広い意見を聞いて、十分検討してまいりたいというふうに考えております。
 なお、先生御指摘の撤去費でございますが、その数字はまだ正確ではございませんで、現在、来年度の予算要求に向けて鋭意検討中でございます。撤去の方法あるいは再利用の仕方、場合によっては地下に埋蔵されているものは埋めてそのままにするとかいろいろな方法が考えられますので、その撤去のやり方について相当数字が変わってまいりますので、現在検討中でございます。
 さらに、臨時駅でございますが、これは万博中央駅というふうに国鉄の方で正式に命名されておりますけれども、これは博覧会の観客輸送のために臨時に設置するものということでございまして、博覧会協会と国鉄との協定がございます。それによりますと、万博終了後は撤去するというふうになってございまして、現時点におきましては撤去するという方針でございます。
 以上でございます。
○竹内(猛)委員 前段の方もまだ結論がうまく出ていないようですけれども、これも現地に負担をかけないようにしてもらいたいということがまず第一ですね。十四億という見積もりが七十億という計算になったということは、これは大変な誤算だと思う。私も県の方へ行って、この点についてはよく調べてみるけれども、今からこの問題については注意をしておかないと大変なことになるのではないか。
 それから、今の駅の問題についても、国鉄と協定はあるにしても、あの駅を取り壊すということについては、つくるよりも金がかかるではないか。そういうことを土光さんが、行革の親分が、その万博をやっている土光さんの足元で、こういうばかなことをするということはまことに許しがたいことだと思うのですね。だから、国民感情からいっても許しがたいことで、あんな立派な駅をつくって半年で壊す、半年で壊すものであるならば、あれだけ金をかけなくてもいい。これはいわばそれをつくった建設業者に対して奉仕をしているようなものだ、こういうふうに言われても仕方がない。金がない、金がないといって、先ほどからも御指摘があったように、どうもむだ遣いをしているじゃないか、そんなむだ遣いをするぐらいならもっともっと使い道はあるだろう、これは厳重に注意をし、意見を申し上げておきます。
 続いて、これは国土庁にお伺いしますが、一体、学園というものが完成し、熟成をした形というのはどういう形になるか、この点を国土庁からひとつお答えをいただきたい。
○佐藤(和)政府委員 お答えいたします。
 現在の筑波の研究学園都市の状況は、当初移転を予定しました試験研究機関がほぼ設置が終わり、先行的に整備すべき道路なり下水道の基幹的な施設が概成した状況でございます。したがいまして、研究、教育活動なり、そこに住まわれる住民の方々が日常生活を展開する上では、一応基本的な条件が整った状況というふうに認識してございます。
 今後は、研究学園都市としてふさわしい商業なり文化の機能の整備を初めとした交通、通信機能の充実整備が必要でございますし、また現在、民間の研究機関の導入による総合的な機能を持った自立都市へ向けての熟成を図る段階という認識をしてございます。
○竹内(猛)委員 いつもこの質問をしているわけですけれども、基本的には、外も含めて二十万の人口、その学園の内部に十万、こういうことが言われている。その十万に対して、今三万四千人しか来ていない。水道のごときは、十万の水をつくりながら、今五万の水を三万四千人で使っているということになっている。だから水道料金を値上げをしているので、非常にこの問題が今でも出ているような状態。交通にしてもあるいは文化施設にしても、まだまだ熟していない。こういうような中で熟成に向かって努力をしていることはわかるが、なおこれは頑張ってもらわなくてはいけない。
 そこで、これは稻村長官にお伺いするわけですが、六十年以降は特別交付金が切れてしまう。それで六十年までは約束ですから出るわけですけれども、六十年以降に関連をして、この点はどのようにされるか。六十年になってもどうも理想の町にはなりそうもない。あの特別交付金というのはいろいろな意味を持っていると思いますけれども、ここではなかなかその先のことは言えないと言われるかもしれないが、気持ちとしてひとつお答えをいただきたい。
○稻村国務大臣 御指摘の特別交付金の問題ですが、これは仰せのとおり、五十一年から六十年度ということになっております。しかしながら、これをやめるとかやめないとかというそういう論議がまだ出ておりませんので、今後これからの推移を見ていろいろ検討していく必要があるのではないか、こういうふうに考えています。
○竹内(猛)委員 地元では強く、まだ不十分だから続けてほしいという要請があります。そのことだけはここで明らかにしておきます。
 続いて、確かにいろいろなものはつくっていただきました。けれども、図書館がまだできていない。確かに、大学には学系ごとに図書館があるし、研究所にはそれぞれの図書館があります。けれども、まだまだ中央図書館といってだれでも自由に入れる図書館はない、こういうことでありますから、この図書館の建設についてはどのように考えられているのか。
○佐藤(和)政府委員 お尋ねの図書館の整備の問題でございますが、先生御存じのように、研究学園の地区の建設計画においては、図書館の整備が一つのテーマとして上がってございます。ただ、現在のところ、具体にその建設計画は定まってございません。今後、今ほど御質疑の中にありましたように、人口の定着などに合わせまして、関係機関と協議して検討を進めることと考えております。
 なお、現在、図書館にかわる機能としましては、図書館情報大学の図書館が地域住民に開放され、利用されておりますし、地区の公民館等の図書館が利用されていることを申し添えておきます。
○竹内(猛)委員 確かに小学校も十一校つくることになっていて現在四校しかできていないのですから、これを見てもわかるように、まだ非常に未熟なんです。未熟だから、今すぐここへ図書館をつくって活用しようということは無理かもしれない。けれども、その問題はやはり日程にのせておいてもらわなければいけない、こういうふうに思います。
 そこで、特にこれもまたぜひそれぞれの機関に要請をしたいわけですが、なぜ人口がふえないかというと、一つは首都圏との交通の問題あるいは医療機関の問題、教育といっても、だれもが筑波大学に入れるわけじゃないし、だれでもがあそこの好ましい高校に入れるわけじゃない。やはり朝の六時に起きなければ高校にも行けないしどこにも行けない、こういう非常に不便なことがあります。
 そういうものが一つ一つ解決をしてきたわけだが、定年制というものがありまして、学者、研究者といえども一定の年になればおやめにならなければならない。やめてそこに定住できるようなそういう装置がなければ、それはやはりあそこに腰を落ちつけているわけにいかない。だからどうしても人口がふえないのです。といって、では筑波研究学園だけに特別な定年制をつくるかというと、それもできない。だとすれば、そこに私立大学があるいは専門学校があるいはそう誠いう研究所をつくって、おやめになっても力の限り、工業団地もやがてできることですから、それを教え、そして自分もそこで生活ができる、こういうような仕組みというものが好ましいと考えておりますが、これについてどういう考え方をお持ちか、ぜひお答えをいただきたい。
○佐藤(和)政府委員 先生お尋ねのように、この研究学園都市全体をいわば世界に誇る頭脳都市として発展させるためには、また民間の活力を図るという観点からいたしましても、民間の研究機関なり私立大学をここに積極的に誘致するという方向で私どもも努力したいと思いますし、また地元茨城県におかれても、そのための県庁内の組織などをおつくりになって努力されているというふうに承知しております。
○竹内(猛)委員 これは積極的に県も一緒になって努力をしていかなければいけない、こういうふうに思っておりますし、我々もまたそのためには努力をしていきたい。
 そこで、都市整備公団がお見えになっていると思いますが、いよいよ都市整備公団も本来の任務から解除されて新たな任務につく段階になったと思いますが、七月いっぱいに公団が持っているいろいろな土地の始末をしなければならない、こういう話があります。それからなお、公団所有の物を建てない土地がまだあります。こういうものに対する取り扱いについてどうされるか、この点についてひとつお伺いしたい。
○台参考人 筑波研究学園都市の建設につきましては、住宅・都市整備公団が土地の取得、造成と基盤整備を受け持っているわけでございますが、その仕事によりまして当公団が取得している土地が約千七百ヘクタールございますが、そのうち、現在処分あるいは貸し付け等を行っていないで公団が所有している土地は約百三十五ヘクタールございます。ただ、このうちの約九十八ヘクタールにつきましては、既に研究教育施設とかあるいは公益施設用地といたしまして譲渡先等が予定が決まっております。それを引きますと、残り約三十七ヘクタールがまだ予定の決まっていない土地となるわけでございますが、これにつきましては、筑波研究学園都市建設法等の趣旨に基づきまして土地利用を図ることといたし、都市形成の進展の度合いに応じまして、国土庁、建設省の指導のもとに、新住法あるいは公団法等の定めるところに従いまして逐次処分を行うことといたしたいと思っております。
○竹内(猛)委員 価格の問題、今問題になっているのは、処分の場合にどういう価格をつけるかという問題が大変注目をされている。このことがあちらこちらで問題になっていますが、どういうような価格でいきますか。
    〔中島(衛)委員長代理退席、委員長着席〕
○台参考人 価格の処分方法といたしましては、一般的には当公団が土地を譲渡いたします場合の価格は、公団法の定めるところに従いまして、居住または営利を目的としない業務の用に供するものにつきましては、原価を基準とし、土地の位置、品位及び用途等を勘案して定め、また営利を目的とする業務の用に供されるものにつきましては、類地の時価を基準といたしまして、土地の原価並びに土地の位置、品位及び用途等を勘案して定めることとなっておりますので、この区分に従いまして譲渡するわけでございます。
 ただ、研究学園都市につきましては、特別の措置がございまして、公共公益施設の建設費等が多額に上り、関係町村の財政力をもって対処することが困難と認められるという趣旨のもとに特別の措置が定められております。昭和五十年の五月七日に「筑波研究学園都市における町村財政負担特別措置要綱」というものが定められておりまして、この要綱によりますと、昭和六十年度までに関係市町村が建設する公共公益施設の特定のもののうち、研究学園地区内の試験研究機関、教育機関等の職員等の利用に主として供されるものにつきましては、当公団から無償または実質的に公団が全額費用負担とすることとされておるわけでございます。この施設といたしましては、小学校、中学校、幼稚園、保育所、公民館、児童館、給食センター、消防施設、火葬場が定められております。
○竹内(猛)委員 次いで人事院にこれは要求したいと思います。
 今学園に移転をされた公務員が既に古い人は十年ぐらいたっておりますが、その中で移転手当というのが当初は八%出ておりました。その後、最近一%上積みして九%、五カ年間延びておりますが、その中で地元雇用と移転の者との間に差があります。一万六百八十二名の職員の中で千七百四十二名というものが支給をされていない。そこで、同じ職場で同じ仕事をしている者が給与が違うということは、これは管理者としても非常にやりにくいことでありますから、どうしてもこの点については再検討してほしい、そうでないとなかなか一本にいかない。そこでいろいろな要請があります。ありますが、これについてはまだ都市化の状態ではありませんので、この点は都市手当という形で全員に支給ができるようにしないといけない、こういうふうに思います。
 もう一つは、研究者の研究費あるいは旅費、こういうものについて四カ年間凍結をされている。凍結する意思はないかもしれませんが、抑えられていて、現実に持ち出し分が非常に多い。実際、旅費は上がっているし、いろんなものは費用はかかるけれども、それに対する手当てが行われていないということで大変要請がありました。
 この問題について、二点についてお尋ねをします。これは人事院ともう一つは科学技術庁だと思いますが。
○三上説明員 先生今お話しの筑波地区移転手当につきましては、これはもともと試験研究機関が筑波地区へ移転の促進を図る、こういう趣旨で、その機関に勤務しております研究員等の移動の促進かつ定着を図るということで設けられた趣旨の手当でございます。この手当の趣旨から申しまして、そういう他地区から移動という事情のない現地採用者につきましては、若干事情が異っておりますとともに、他地区の国家機関に勤務しております職員との均衡等もございまして、支給対象としていないわけでございます。
 なお、この手当につきましては、先生も御承知のように、期限つきでございまして、昭和六十一年で切れることになっておりまして、それまでの間にこの改廃について結論を出さなければならないということになってございます。今後、筑波地区の整備、発展の状況を引き続き把握するとともに、関係各方面の御意見を承りながら鋭意検討してまいりたい、かように考えております。
○吉村説明員 お尋ねの件は、試験研究機関の人当研究費と学会出席旅費の件だと思いますが、人当研究費につきましては、理工系の研究機関につきまして一人当たり百四十四万円、農医系につきましては一人当たり百二十六万円の予算措置が講じられておるわけでございます。これらにつきましては、御指摘のとおり予算のゼロシーリング、マイナスシーリングが始まりましてから、予算要求枠の関係で据え置きになっておるというのが事実でございまして、現在、来年度に向けましてどういうふうにするかという点については、関係省庁と相談をしておるという状況でございます。
 それから、学会出席旅費につきましても、現在一人当たりの単価が研究機関によって若干異なりますが、二、三万円程度で、これも二年に一回という形になってございまして、御指摘のように、私費の負担で学会に出席をされておる方がおられるということも聞いております。この点につきましても、研究費と同じように、予算要求の枠の関係で要求自体はできないということでございまして、その関係で長年据え置きになっておるわけでございますが、来年度どうするかという点につきましても、現在関係省庁と相談をしておるという状況でございます。
○竹内(猛)委員 もう時間が来たからこれで私はやめるけれども、特に気象庁、運輸省の方々においでいただいて質問ができないわけですね。これは三十一日に交通安全の特別委員会で、特に地震問題、交通問題について少し時間をかけてやりますので、きょうはこれで終わりたいと思います。
 今の人事院並びに科学技術庁のこの問題は、これは非常に重要な問題なんです。つまり筑波に研究施設をつくって、そこへ移して研究をしようというのが目的で行っているのだから、その研究費を抑えてしまって、研究が十分できない、悪遊びするのならこれはまずいけれども、研究をするテーマが決まって一生懸命やるのに、それができないということは、これは目的が違うのだから、その点については大蔵省もしっかり頑張ってもらわなくちゃならないし、それから関係の省庁の出先がいっぱいありますから、それぞれが頑張っていただきたい、こう思っておりますから、よろしくひとつ……。
○浜田委員長 上野建一君。
○上野委員 私は質問に入る前に、委員長にちょっと質問したいのですが、この委員会の運営について委員長は冒頭に、この委員会の最初のころに、私どもの井上委員の質問に答えて、建設行政全般について委員間の討議をやる必要がある、そういう意味で委員会の運営を検討する、こういう積極的な発言がありました。私どももこの点は賛成でございます。したがって、委員長はその検討をどのように生かされるか、それを冒頭お聞きしておきたいと思います。
○浜田委員長 お答えをいたします。
 確かに上野議員の御指摘のように、そのように御答弁を申し上げました。現在、私が考えておりますることは、現在とられている委員会制度において、大臣を初め他の責任者が委員会のあるたびごとに拘束を受ける形の中では、やはり正しい行政はでき得ないと考えております。
 第二の問題としては、議会の権威を高めるために、政党もしくは議員同士の討論段階において議会は議会なりの政策を立案し提案をし、そして行政府に対してこれの執行を進めるような指導理念の確立がなければならないと思っています。しかし、このことは言うは易しく、長い間まずいことであると言われながらなかなか打破できないのが現状であります。
 そこで、私は、委員長在任中、でき得るならばモデルケースとして一つの模擬的な委員会の開会をいたしたいと考えております。その具体的な方法については、理事会等においてお諮りをしお答えといたしたいと思いますので、御了承をいただきます。
○上野委員 そういう積極的な委員会の運営を行って、日本の建設行政全般の前進を図りたい、浜田委員長の在任中にぜひお願いしたい、こう思います。
 次に、公共事業費の問題について、私は前回も水野大臣にお伺いをしましたが、その後ますます公共事業費の抑制については厳しいものがございます。ただ、けさの新聞を見ますと、公共事業の予算の総事業費については前年並みに確保する、こういう大蔵省の方針だということで出ております。この中身は、財投に当たる分を地方負担で行うあるいは行革の特例法で決まってまいりました五十九年までかさ上げ補助の分の六分の一をカットするというその法律が五十九年で切れるわけでありますけれども、それをさらに延長して、いわば全体として公共事業費を抑えていく、そして減らさない点も地方自治体の負担は強くなる、こういうことであるなら公共事業費はさっぱり拡大されたことにならぬし、前年並みに確保したといっても内容は後退だ、こう言わざるを得ないわけでありますけれども、水野大臣が言う公共事業費のこれからの拡大について、その見通しをあわせてお伺いしたいと思うのです。
○水野国務大臣 公共事業費の問題は、当然のことでございますが、来年度の予算編成方針の中でまず規制されると私は思っております。来年度の予算編成方針は来週の初め、三十一日火曜日の閣議でこれが審議されるというふうに私どもは予想をしているわけであります。その中で、さしあたって私どもは、公共事業費がいかに重大であるかということは、これまでも申し上げてきたことでございますが、関係各省の間によくその趣旨を申し上げるつもりでございます。
○上野委員 なお一層この公共事業費の拡大のために御努力をいただきたい。特に水野大臣は、先日、千葉県下の都市災害、都市河川のはんらんによって起こる都市水害について現地を視察されました。地元住民は大変喜んでおりますけれども、それらを含めて生活関連の公共事業費がもう後退ができないぎりぎりのところに来ている、こういうことが言えると思いますので、この点をぜひともこれからの大臣としての活動の中でお願いしたい。私どももこれに全力を挙げて取り組みたい、こう思います。
 そこで、さらに水野大臣にお伺いしたいのは、東京湾横断道の問題でございます。
 この東京湾横断道の問題について水野建設大臣は二十三日に講演をされておりますが、その中で事業主体あるいは建設費についての一定の見解を発表されております。それによりますと、関西空港並みのいわば民間資本、第三セクターの方式でやらざるを得ないじゃないか、こういう発言があり、それから続いて地方自治体、県や市の資金を出すべきである、こういう発言があったということが報じられておりますけれども、その真意と第三セクター方式を本当に考えているのかどうか。考えているとすると、私は、有料道路というものがそういう株式会社の、たとえ政府資金が半分入っておったにいたしましても、そういうもので有料道路が運営されるというのは今までもなかったことですし、これからそれがどういう形で行われるのか大変疑問に思うわけでありますけれども、大臣のお考えを明確にお聞きしておきたいと思います。
○水野国務大臣 私が千葉県下において講演した中に、東京湾の横断道路建設計画について触れたことは事実でございます。その際に、まず申し上げておきたいのは、第三セクター方式ということは申し上げておりません。
 私の申し上げたことをもう一度正確に申し上げますと、東京湾横断道路は、首都圏における都市機能の再編成あるいは産業活力の向上などに寄与する国家的なプロジェクトである、その建設には多額の費用を要することから、当然その投資に対して見返りがなければいけない、いわゆる有料道路として建設することが望ましい、こういうことであります。
 それで第二に、この道路の建設に要する費用は、交通需要、有料道路事業としての採算性等について今調査検討している最中である、環境調査についてもあわせて行っているわけである、その資金計画を含めた全体の建設計画は、これらの成果を踏まえてこれからやろう、こういうことでございまして、特にその建設資金の確保に当たっては、公的資金のみならず広く民間資金の活用を検討する必要があると考えている、こういうことを申し上げたことは事実であります。
 この背景は、御承知のとおり、企業体がどうでございましても、例えば現在運営が行われております首都高速道路公団あるいは阪神道路公団、これらも既に東京都初め関係県の出資が行われておりますし、本四架橋についても同じような出資が行われております。また今回発足をいたしました運輸省所管でありますが、関西国際空港の場合は一般の民間資金も応募しております。そういう意味で申し上げたということで、企業体が株式会社になるかあるいは公団方式になるかというようなことについてはまだ不明確だというふうに申し上げたわけであります。
○上野委員 そこで、そうだとしますと、道路公団で直接やるのではなくて、第三セクターまでいかなくても特殊法人ということを考えているのかどうか。私の記憶では、これは自民党も特殊法人というものは考えない、この東京湾横断道についてはそういうことは考えてないという一定の取り決めがある、そういう話があるというふうに聞いておるのですけれども、そこら辺との関連で、特殊法人として道路公団以外に何か考えているのか、そこのところをお伺いしたいと思います。
○水野国務大臣 道路公団でやるかどうかということもまだ決まってないわけであります。現在、調査は道路公団の手で調査をしております。今申し上げましたように、どういう企業体になるかということがまだわかっておりません。ただ、首都高速道路公団あるいは阪神道路公団、本四架橋公団、いずれにいたしましても、民間の出資をいただいてやっている、こういう現状であるという客観的な事実を申し上げたわけでございます。ましてこの財政難でありますし、関西国際空港の発足が民間資金に出資を仰いで、しかもそれが大変滑り出しがいいという話を聞いておりますので、こういうことがどうしても一種の前車のわだちといいますか、発足をするとすれば、それに当たっての一つの大変有力な参考になるだろう、こういうことであります。
○上野委員 民間資本を導入するとなれば、これはいずれにせよ道路公団でやらないということでしょう。道路公団法では出資できないようになっていますね。そうすると、いずれ特殊法人をつくるということになるんじゃないですか。そこら辺、もしあれならほかの人でも答弁してください。
○田中(淳)政府委員 大臣のお答えに対する補足でございますけれども、道路公団、首都高速道路公団、阪神高速道路公団、本四連絡橋公団、この四つの公団がございますが、その中で具体的に業務収入等を除きました国の出資金、それから地方公共団体の出資金あるいは財投資金、これは政府引受債でございますが、そのいわゆる国または地方公共団体が出すお金のシェア、さらにそれ以外の財投資金、これは公募債と政府保証借入金の計でございますけれども、それから縁故債、外債、民間借入金、これはどちらかといいますと民間的なものでございます。それのシェアが四公団で五十九年度予算に関しまして平均しますと、前者すなわち国等のお金が大体四五・五%、その他の財投資金、それから縁故債、外債、民間借入金等のシェアが五四・五%ということになっておりまして、いわゆる広い意味での民間資金を十分活用させていただいております。
○上野委員 道路公団の話を聞いているのですよ。道路公団ではできないのでしょう。
○田中(淳)政府委員 日本道路公団の場合で申し上げますと、五十九年度予算で前者すなわち国等の出資金を入れますと四九・三%でございます。
○上野委員 道路公団は出資金を受けられるのかと言っているのです。
○田中(淳)政府委員 民間企業からはお金を受けるわけにはまいらぬということになっております。
○上野委員 受けられないのでしょう。だから、出資をしてもらうということになれば、道路公団が仕事をやることはあきらめた、違うところでやるということになってくるでしょう。これはならざるを得ないでしょう。そういう意味では何らかの形での特殊法人をつくってやる。本四架橋の公団がありますね。ああいうものでやるかあるいは第三セクターでやるか、そのどっちかでしょう。その点を明確にしてもらいたい。
○水野国務大臣 道路公団では民間の出資金を受けることができないことはおっしゃるとおりでございます。しかし、現在道路公団で調査をしているわけでありまして、そういうことがいろいろございますから、勘案をして、着工するとすれば、これは今行っております道路五カ年計画の最終年度、昭和六十二年までに決定をしなければならぬわけでございますけれども、そういうことを含めまして、一般的な外的な情勢は、国費だけでやるとか財投資金を道路公団を通じて導入してやるとかということだけではなかなか発足が難しい。これは非公式でございますが、大蔵省の関係者とも話し合いをいたしたことがあるのでございますが、そういう際にも関西空港の成功の例を一つ言われておりますので、私は講演でございますから客観的な情勢として申し上げた、こういうことでございます。
○上野委員 大臣が今おっしゃったとおりで、講演について私はけしからぬと言っているのではなくて、私の質問に対して、まだどこでやるか決まってない、金の出し方もまだわからないのだと言っておきながら、一方では事実上は道路公団は外されておる、今の道路公団ではできない、ここまではもうはっきりしたわけですね。だから、その意味ではもうその講演の中から一定の回答がだんだん出てきているのだと私は思うのです。そういう意味で私は申し上げているわけであります。
 そこで、採算性の問題について道路公団は大変膨大なお金をかけて調査しているのにかかわらず、私がここで聞いてもさっぱり発言をしてくれない、まだ言える段階ではない、幾つかの考え方があるという意味の答弁をもらっておりますけれども、はっきりしたことを言わない。
 そこで、私は私の調査で一定の試算を出してみたのです。建設費が一兆円、工期十二年、そこでこれが問題なんですけれども、資金コスト、安い金利の金を使ってやるとして年六%、そういうことを一応仮定して、そしてこれも道路公団の調査その他で出てきておる一日三万台の交通量、それから三十年後には六万台、倍にして計算をする、こういうことで一定の仮定を立ててやってみますと、十二年後には利子を入れると一兆五千七百億のお金になります。そしてこれを三十年間で返すことにして計算をしていきますと、その収入との関係では、大体三十年後に一応の収支が合うようになる、こういうことになります。ただ問題は、この間の維持管理費、人件費その他を含んでおりますけれども、これが入っておりません。それから金利も六%ということで非常に安く見積もってありますが、それでも建設費を入れますと、三十年後には七千五百億くらいの赤字になる、そういう計算が成り立つのです。やる方にとっては非常に有利に見積もってあるわけですね。しかも三万台というのもある意味ではちょっと疑問がある。例えばカーフェリーなんかはどんどん減っている。湾岸道路その他の道路の整備に伴って、まだ木更津まで道路は行っていませんよ。これは水野建設大臣が建設をやれということの指示を出したのだけれども、まだ木更津までは行っていない。それにもかかわらず、カーフェリーが木更津を出発するもの、金谷を出発するもの、そういうものが年々一割くらいずつ減っていっているのです。そういう意味では、もう湾岸道路とか東関道とかその他を入れても、既に交通が非常に変わりつつある。したがって、三万台というのを果たして見込めるかどうかというのも問題がありますけれども、一応の仮定をして計算してみた。そうすると、これは採算が合わない。十二年プラス三十年たって四十二年間かかってもなおペイできない、七千億から八千億の借金ができる、こういう採算性のない事業になりかねない、こういうことであります。
 この点について、先ほどとの関連としましてどう考えておるか、お伺いしたいと思います。
○田中(淳)政府委員 東京湾横断道路の採算性につきましては、現在種々の観点から検討を進めており、具体的な内容につきまして申し上げる段階に至っておりませんが、現行の有料道路制度に基づく試算によりますと、一般の公団方式により採算制の確保は可能であると今考えております。
 ただ、今後採算性の具体的な検討にあたりましては、先生の御指摘の趣旨を十分に踏まえながら、さらに慎重な検討を進めてまいりたいと考えております。
 なお、これまでの調査結果によりますと、横断道路を利用する自動車交通におきます便益を勘案し、供用初年度における利用交通量を御指摘のように一日三万台と見込みますと、一般の公団方式により採算は一応可能であると考えております。
 さらに、例えば努力目標といたしまして、一応工事に着手しましてから十一年ないし十二年かかると思いますが、いろいろ工法等々を検討しまして、できるだけ工期を短かくする等々の手段をとりまして、安く早くつくりたい、さように考えております。
○上野委員 だから私も三万台でやって採算が合わないと言っているのですよ。どう計算しても、後で明らかにしてもいいのですけれども、あなたが採算が合うと言うその根拠を示してもらいたい。どういう計算でしょうか。三万台からどんどんふえていくのか。それから金利はどうですか。金利は私は六%と見たのですけれども、それは低いと思うのです。それに普通の車で四千円と見たのですね。湾岸道路、東関道をずっと回りますと、今の計算で約二千五、六百円で行くのですね。これもまた値上がりするだろうと思うのですけれども、そういうことなんで、そういうことからいうと、木更津の人は川崎に行くときは通るかもしれないけれども、千葉市の人はどっちを通るかといったら橋を通りません。一回くらいは見学に行くかもしれませんがね。その辺の計算も、今までの計算は非常にいいかげんじゃないのか。こっちが積極的に言わなければ、あなたの方は採算が合うとか合わないとか言わないのですね。それはもっとあなたの方で今まで調査したのを骨子だけでも明らかにしてもらいたい。
○田中(淳)政府委員 まず建設費でございますけれども、これは五十七年度プライスで一応九千五百億円と考えております。
 それから、先ほどちょっと申し上げましたが、投資計画、なるべく短い機関でやりたい。現在十一年ないし十二年という工期を考えておりますけれども、採算性を向上させるという意味で工期をできるだけ検討する等の……(上野委員「何年くらい」と呼ぶ)できるだけということ、今それを検討中でございます。
 それから、工事工程の検討、それから交通需要に応じた段階施工の検討、いわゆる初めから全断面つくるのじゃなくて、交通量に応じた半断面主義とか、そういう意味でございます。(上野委員「半分つくって半分後で」と呼ぶ)はい。
○浜田委員長 私語は慎んでください。
○田中(淳)政府委員 それから、利用料金でございますが、利用者の受けます便益、それから港湾域の有料道路の利用料金、先ほどおっしゃいましたいわゆる東京湾岸道路とか東関東道等々指すわけでございますが、それからフェリー利用料金及び採算性を勘案しまして、一応現在考えております料金設定は、現時点では乗用車で一台当たり三千円、さように考えております。
 それから、資金計画でございますけれども、借入金の内容、長期借入金の種類と資金コスト、低利借入金の導入等の可能性などの検討、それから国等からの財政補助の内容の検討等を行っております。現在考えておりますのは、現行の有料道路制度を前提に考えますと、結果として、先生御指摘のように、建設資金コストは六%程度を考えておるわけでございます。
 それから、蛇足でございますけれども、確かに東京湾岸道路、東京及び千葉を終わりまして、現在ベイブリッジ等で西の方へ延ばしておりますが、先ほど先生御指摘の高速道路の木更津線、これもこの横断道路ができる時点には当該付近まで完成するような目標を立てております。
 以上でございます。
○水野国務大臣 ちょっと補足させていただきますが、先ほど、それじゃもう道路公団では全くやらないのだな、こういうような御指摘でありました。確かに今の法律のもとでは、詰めていけば先生のようなお話になるわけでありますけれども、それでは道路公団でやらないのかということではないのでございまして、そういうこともあわせて、道路公団自身でやるということもあわせまして、あるいは道路公団の関係機関というようなことも考えまして、いろんなことをあわせて考えて今調査をしております。
 それから、ただいまの道路局長の御答弁の調査あるいは先生の御指摘になりました調査、いろんなものが出ておりまして、料金を幾らにしたらばペイをするかということも、まだまだほかに加えて勘案すべき要素というものがたくさんございますので、それも実は今後の判断の材料といいますか、そういうことを加えまして判断をしていきたい。昭和六十二年までにはまだあと三年間あるわけでございまして、その間にそういうものを勘案した上で最終判断に踏み切りたい、こういうことでございます。
○上野委員 資金の問題でもう一つ申し上げておきたいのは、財政投融資とか政府資金その他いろいろやるんだ、こういうことを今まで言ってきたわけです。今の困難な時期、これから行政改革、向かう方向は地方財政に対する圧迫がだんだん大きくなってくる。したがって、地方財政の中から県や市に金を出させるというようなことはやるべきじゃない、私は本当にそう思います。また出せる状態でもない、どの県だって全部赤字になっているのですから。そういう意味で、大臣の方から地方自治体に金を出させるというようなことはやるべきじゃないと私は思うが、この点は大臣はどう思いますか。
○水野国務大臣 おっしゃるとおり、地方自治体に何でも押しつけようということではないのでありまして、関西空港の場合は、地方自治体も大変喜んでお出しになる、あるいはこれに関する民間の例えば電力会社であるとか石油会社であるとか建設会社であるとか、そういったところが大変出資を希望されまして、聞くところによりますと、関西空港の場合はたしか民間資金は二百億ということであったのでございますが、出資申し込みが既に四百億を超えておるというふうに私どもは聞いております。そういうことは私どもがこれから東京湾の横断道路を進めるに当たりまして大変参考になるということを申し上げたので、先生の御宸襟を大変悩ませましたけれども、一つの参考としては、今後財政難とかいろんな意味において資金の調達も非常に難しい中で、そういうことを無視してはできないのではないかということで御理解をいただきたいと思います。
○上野委員 次にお伺いしたいのは、東京湾に橋をかけるというのは確かに技術上はできるでありましょうけれども、今日の東京湾の環境全体を見ますと大変問題がございます。この点については前回もお伺いしておりますが、特に海難事故、災害の危険、そういうものがいっぱいございます。
 この前の質問からさらにもう一段突っ込んでお聞きしたいのは、まず東京湾ですね。前の調査の結果によりますと、幾つかの調査の結果の中から指摘がございます。まず一つは、錨泊地が足りない。特に災害時には大変な状態になる。その点がこういうふうに書いてあります。「「現在、東京湾では横断道路の南北水域、すなわち羽田沖や川崎・横浜水域は全面的に船の仮泊地として利用され、その水域は年々広がっていく。しかも台風の来襲が予想される場合は、湾内全体が避難場所となる。したがって、横断道路の設置は、全体的に湾中央部でも船舶の有効仮泊水域を減ずることとなる。湾内で不慮の海難が発生し、付近船舶に大災害を招く恐れがあるときは、船舶は緊急避難の必要があり、この水域が重要な役割を果たすことになる。その場合、横断道路付近の船舶同士の衝突や船舶の横断道路への衝突は、航路が使用できなくなる可能性をもっており、緊急避難をとろうとする他の船舶に障害を与える心配がある。またこの付近は京葉シーバース、川崎シーバースなどの巨大タンカーの着桟操船にあたってのアプローチ水域になっている。」こういうことで災害の危険性を指摘している。しかも、これは建設省の調査によるわけでありまして、ほかの方から言っているわけじゃない。その調査の中で指摘される点について解決ができないのが現状だろうと思うのです。この調査の中で指摘されている点を回答できるかどうか。
 なお、問題点として言っているのは、「第一、横断橋の航路入口付近で水流の乱れによる船舶の進路偏向が生ずる(流される)。二番目に、航路付近で強風が発生し、進路が変更する作用がある。三番目に、航路周辺にフォッグバンク(局地的な霧)が発生して、視界が悪化する。四番目に、道路通行車両の照明により視覚が阻害される。五番目に、横断道路によってレーダーの虚像が発生する」こういう五つの危険性を指摘していますね。これを一つ一つどう考えられるか、実際どうなのか、先ほどの錨泊地とも関連をしてお伺いしたいと思います。
○田中(淳)政府委員 先生既に御案内のように、東京湾の横断道路の建設が東京湾の海上交通に及ぼす影響及びその対策につきましては、各方面の専門家によります総合的な判断が必要であると考えまして、財団法人の日本海難防止協会に委託して調査検討を行っているところでございます。
 昭和五十七年度までは、同協会に船舶航行調査委員会を設けまして調査を行ってまいりましたが、五十八年度からは、海上交通安全調査委員会、さらに船舶安全調査委員会、船舶交通調査委員会等々の三委員会を設けまして、船舶航行の安全対策につきまして、さらに詳細な検討を行っているところでございます。また運輸省と建設省の間で東京湾横断道路連絡調整会議を設けまして、計画の具体的な調整を行っているところでありまして、これらの検討を踏まえまして、東京湾横断道路の建設に当たって、東京湾の海上交通に大きな影響を及ぼすことがないような所要の対策を講じてまいりたいと考えております。
 また、御質問に対して具体的なお答えにはなりませんが、これは目下一生懸命検討中でございます。さらに東京湾におきまして……
○浜田委員長 委員長から申し上げます。
 答えにならないものは発言なさらないように。
○田中(淳)政府委員 わかりました。
 個々の詳細につきましては、現在、検討中でございます。
 以上でございます。
○上野委員 検討中というのはいつまで検討をやるのですかね、これは。だって調査が始まってからもう十年になるのじゃないですか。十年間かかって、その十年前に指摘された点についてまだここで発言もできない、説明もできないというのは一体どういうことですか、これは。
○田中(淳)政府委員 昭和五十九年度すなわち本年度及び昭和六十年度でできるだけ解決したいと思いますが、すべての点について解決するのは多少無理と考えております。多分昭和六十一年度まで、御指摘の点に対する諸問題を含めましていろいろ詳細検討したいと考えております。
○上野委員 時間がありませんから、さらにもうちょっと先に進みますが、昭和四十五年の衆議院の内閣委員会で、当時の橋本運輸大臣が我が党の木原代議士の質問に答えて、東京湾の乱開発の結果、もう船が入ってくるのは無理だ、特に十万トン以上の船が東京湾に入るのは無理だ、そういう答弁をしております。その答弁があったあの当時から見ると、東京湾の船はさらに多くなっているわけですけれども、この十万トン以上の船は入港制限しなければだめだと四十五年当時に言っておった。それがいつの間にかどこかへ行っちゃっているのですけれども、海上保安庁、これはどういうことなんでしょうかね。しかも今は二十万トン、三十万トンという船が出入りしている。そういうことに対する危険性。特にLNGのタンカーがもし一たん爆発でもしたらどういうことになるか。これも既に調査の中にもはっきり出ている。これに対する対策は一体どうなっているのか、お伺いします。
○宗形説明員 お答えいたします。
 橋本元運輸大臣の御発言は、東京湾の海上交通の確保方策としまして海上交通法の制定、湾内におけるシーバースの設置と、それを前提といたしました十万トン以上の船舶の入港制限を検討したいとする御趣旨であると承知いたしております。
 この御発言の趣旨を踏まえまして、昭和四十七年に海上交通安全法が制定されました。すなわち、長さ二百メーター以上の巨大船が東京湾に入湾する場合には、中ノ瀬航路及び浦賀水道航路を航行しなければならないこと、それから当該航路内では十二ノット以下の速力で航行しなければならないこと、長さ二百メーター以上の危険物積載巨大船等には進路警戒船を配備しなければならないことなどの規制が行われることとなったわけでございます。
 海上保安庁としましては、これらの規制を着実に実施する一方、昭和五十二年には東京湾海上交通センターを設置しまして、船舶航行の状況をレーダーで監視しまして、そのデータを含め船舶交通に関する種々の情報を航行中の船舶に対し提供するなどきめの細かい安全対策を講じてきておるところでございます。これらの施策によりまして、港内を除く東京湾内における衝突、乗り上げ海難は、海上交通安全法の制定以前の年間平均約二十三隻から、五十二年の海上交通センターの運用開始後は年間平均八隻と大幅な減少を見せております。最近では一万トン以上の船舶の衝突、乗り上げ事故は皆無の状況となっております。
○上野委員 ちょっと海上保安庁、最近よくなったと言っているけれども、例えばこの橋本発言の四年後に事故が起こっているでしょう。第拾雄洋丸、死者が三十三名、しかも湾外に引き出してこれを撃沈していますね。そういう大事故が起こっている。あれももしあそこの場所で爆発したら一体どうなったのかという大変危険な状態まであって、ただ、引き出し方が上手だったために問題があの程度で済んだわけですけれども、これは大変なことですね。例えば、資料の中にあるように、LNGの一万五千トンが五ノットの速度でぶつかったら横に穴があく、穴があくとたちまち一万五千トンのLNGが海面にはい出して、これが空気中の五%から一五%ぐらいになったら爆発すると言っているのですね。そういう危険性が依然として今東京湾にあるわけでしょう。そういう場合に、海上保安庁はもっと率直にこの際発言されたらどうなんでしょうか。東京湾横断道はちょっとその意味では今のままでは無理なんじゃないですか。だから、海上保安庁は実際先ほど法律ができたからいいと言っているけれども、あれは規制するだけでしょう。それは交通信号を新たにつけたり速度をあれしたりする自動車のちょっとしたものですよ。だから、そういうことではなくて、前の橋本運輸大臣が言っておったように、入港自体を一定程度規制しなければ東京湾横断道というのは実際問題としてはつくれないのじゃないですか。その点はどうお考えですか。
○浜田委員長 最後の答弁ですから、的確に願います。
○宗形説明員 ただいま御指摘ございました第拾雄洋丸の事故は、昭和四十九年十一月に発生した事故でございます。先ほども申し上げましたが、その後昭和五十二年に東京湾海上交通センターが設置されて以降、湾内通航船舶の状況を常時レーダーで監視しまして、それで航行安全上必要な情報の提供、それから指示等を行って、浦賀水道及び中ノ瀬航路等の通航船舶の安全を図っているところでございます。これによりまして、先ほども申し上げましたが、十万トン以上の船舶はもちろんのこと、東京湾内における衝突等の海難は、一万トン以上の船舶については皆無となっておるわけでございます。
○上野委員 時間になりましたのでやめますが、私の質問にほとんど答えられないのですよ、この東京湾の交通安全の問題、それから環境の問題について。やはり海上保安庁はこれまた実際問題としてそれ以上の権限が今ないでしょう。今与えられた枠の中でただ海の船を整理しているだけでしょう。それ以上のあれがない。その立場からだって、これはあなたの方も加わって調査した調査書には危険性を指摘しているわけだから、それについてやはり聞かれたらもっとはっきり答えるようでなければ、本当は役所としての仕事はできないのじゃないでしょうか。そういう意味で質問に対して大変不十分でありますので、また次の機会にお伺いしたい。それで終わりたいと思います。
○浜田委員長 午後二時十分より委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時十五分開議
○浜田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。山花貞夫君。
○山花委員 私は、きょう機会をいただきまして、ワンルームマンションをめぐる問題についてお伺いをしておきたいと思います。
 実は、ここ数年いわゆるワンルームマンションをめぐりましていろいろな問題が生じているところでありますけれども、たまたまついせんだっても、私は八王子市のホールで開かれました大勢の皆さんの集まりに出席をいたしました。
    〔委員長退席、中島(衛)委員長代理着席〕
幾つかのトラブルの中心となった皆さんが集まっておりまして、最近のさまざまのワンルームマンションをめぐる実態について生々しい報告を受けたりしたわけですが、例えば業者側から自治体に対して多額の損害賠償の裁判を起こす等々の裁判になっている事例も最近マスコミでよく報道されるところであります。したがって、建設省といたしまして、このワンルームマンションの建設動向についてどのように把握しておられるか、まず冒頭この点についてお伺いをいたします。
○吉沢政府委員 お答えいたします。
 住宅の着工戸数といいますか、着工に関する調査あるいは統計といたしましては、住宅着工統計というものがございます。この住宅着工統計と申しますのは、統計をとります場合の面積の刻みでございますとか、あるいは住宅の細かい内容でございますとか、種類でございますとか、そういうところまで調査の区分がされてございませんので、いわゆるワンルームマンションの建設動向を直接正確に把握することは難しいわけでございますが、一応分譲・共同住宅で三十平方メートル以下の小規模なマンションというとらえ方をいたしますと、おおむねワンルームマンションの動向がとらえられるのではないかと考えております。
 それで、そういう形で着工戸数を見てまいりますと、昭和五十四年度以降四千戸台で推移してまいったわけでございますが、昭和五十七年度には五千六百九十三戸、前年度比が二六・〇%増という増加傾向を示しております。さらに五十八年度には一万五千六百五十九戸、前年度比が一七五・一%増ということで大幅に増加しております。そしてこの分譲・共同住宅全体に占める割合も一二%に達しているわけでございます。
 なお、地域別の動向を見ますと、東京都の着工戸数が非常に多くて、五十八年度には一万一千二百四戸に達しております。全国の七一・五%を占めているわけでございます。また東京都につきましては、先ほどと同じように見てまいりますと、分譲・共同住宅全体に占める割合が五十八年度には二八・二%になっております。
○山花委員 建設省におきましても、昨年秋こうした分譲マンションの入居者について実態調査をされて問題点を挙げたと伺っておりますけれども、その概要について御報告をいただきたいと思います。
○吉沢政府委員 私どもワンルームマンション居住者の実態調査というものをいたしまして、中野区、世田谷区、杉並区及び目黒区、この四つの区に建っておりますワンルームマンションの居住者百一人を対象にいたしまして五十八年十一月に実施したものでございます。以下その結果の概略を申し上げます。
 まず、入居者の年齢あるいは職業についてでございますが、二十歳以下あるいは二十歳代の学生あるいは会社員というものが圧倒的に多くなっております。
 次に、入居する前どこに住んでいたかということについて調べたわけでございますが、親族等と同居していた者というのが三割ございます。残りの者について、前の住宅の形態がどうであったかというのを見てまいりますと、一般反間アパートに住んでいたという者が約六割を占めております。その六割の一般民間アパートに住んでいる者について、前の住居と現在のワンルームマンションとどっちが大きいかという規模を調べでみますと、前の民間アパートは約十二平方メートルの面積であったものが、今度は十五平方メートルになったということで拡大をいたしております。
 次に、家賃でございますが、入居者の支払う家賃の月額賃料は五万円前後ということになっております。
 次に、入居者のワンルームマンションに対する評価でございます。スペースの広さについての不満はございます。しかし、交通の便や場所のイメージが入居に当たって非常に重視されているということもございまして、現在の住居を総合的に評価すると、約八割の者が満足しているというふうに答えております。
 また、今後の居住予定期間というものを調べましたところ、二年以内と考えている者が約七割に達しております。
 以上でございます。
○山花委員 建設省の調査、それなりに問題点は浮き彫りにしておると思いますけれども、ただ、極めて客観的な基準に基づいた調査、こういう印象を受けるわけでありまして、最近出ております問題点に即した調査の仕方も必要なのではないか、こういう気もしております。その点に関連しては、東京都におきまして、この点また違った角度から調査をした、こういうように伝えられておるわけでありますけれども、その報告は建設省として受けておられるでしょうか。そしてもしそこで出てきている問題点についてお話ししていただければ、こういうように思います。
○吉沢政府委員 お答えします。
 東京都の特定の区あるいは都からの御意見を徴しておりますが、具体的に今ちょっと手元に資料がございませんですが、やはり東京都としては、紛争が生じておる、その紛争に対する対策に苦慮しておるということで、何とかこの紛争の解決を国においても図ってもらえないかというような意向が強かったように記憶しております。
○山花委員 実は、東京都におきまして、確認申請の受け付け件数の関係から、期間は五十七年四月から五十九年一月でありますけれども、約六百五十四のケースについて調査した、こういう状況のようです。
 地域的には、二十三区内が五百二十八、多摩地区が百二十六という状況ですので、これはことしの一月以降また状況は違っているのじゃなかろうかと私はあちこちからの報告で感ずるところでありますけれども、その実態調査について見る限りは、例えば全体のワンルームマンション、件数のうち七一%は全く管理人のいる部屋がない、あるいは約半数につきましてはごみ置き場もない、あるいは例えば駐輪場を設けておるのはわずか三〇%にすぎない、こういうような主として管理面における問題点というものが大変はっきりと出てきておったわけであります。
 この敷地面積からいいましても、ほとんど三百平米以下というところが、特別区におきましては六、七〇%、多摩地区におきましてはやはり六〇%弱と、大変狭いところに、しかも第一種住専地域、三階ぎりぎり、部屋は十五平米以下、こういった格好でのワンルームマンションがたくさんふえた中で問題が多発している状況というものが東京都の調査からも明らかになっている、こういうように思います。
 実は私、昨日も、私は東京都かの調布というところに住んでおりますけれども、従来から問題のありました、全く閑静な住宅の中に突如、これは六十四戸でありますけれども、ワンルームマンションができ上がりまして、そこでの近所の皆さんから大変苦情が来ておったものですから、隣の話し声をテープに吹き込んだもの等々を聞いてみたり、いろいろ調査をしてまいりましたけれども、この問題点たるやちょっと想像を絶するところがありまして、従来のその地域、近隣の生活の体系を変えてしまうぐらいの大きな影響を与えているということを実感として感じてまいりました。
 こうしたことから、最近特に住民との紛争が多発しているという状況が、これは時折新聞にも報道されるところですけれども、そうした紛争の実態について建設省としてどの程度把握しておられるか、この点についてお話をいただきたいと思います。
○吉沢政府委員 お答えします。
 ワンルームマンションの建築に関して発生する紛争につきまして、その実態をつぶさに把握するということは困難でございますが、私どもの方で承知している範囲で申しますと、建設が盛んになりました昭和五十七年度以降が非常に顕著になっておりまして、特に住居系の地域において多発しているというふうに承知しております。
 紛争の内容といたしましては、中高層建築物一般に見られます日照でございますとか、工事中の騒音でございますとか、あるいは振動といったような問題のほかに、ワンルームマンションに特有な問題としまして、所有者と入居者が違うという点から、管理が不十分になるおそれがある、そういったことに伴いまして、入居者による騒音等の迷惑行為を防止してほしい、あるいは管理人の設置など管理形態を明確化してほしいといったことを求めた紛争が多いというふうに承知しております。
 また、これに加えまして、周辺住民と生活様式の違う若年層が高密度に居住するということになりますため、地域社会の調和が乱れるのではないかといった不安が紛争の原因になっているというふうに聞いております。
○山花委員 先ほど指摘いたしました東京都の調査、これはその時期的な問題もありますけれども、ことしの一月段階で、五十七年度は三十二件ぐらいであったけれども、五十八年四月から八月までの間で五十六件であった、こういう報告になっておりますし、またこれはそれぞれ期間が違っておりますけれども、現在反対運動といって紛争が起こっておりますところは、東京都内だけで九十二カ所、全国で百六カ所、こういうことが伝えられているところでもあります。
 恐らくこうした状況というものは、私が実際にあちこちから伺っている状況からいたしますと、依然として増大傾向にあるのではなかろうか、こういう気がいたします。しかも、その紛争が、住民が例えばピケを張るというような紛争から始まりまして、私が冒頭指摘いたしました、特に二十三区内から三多摩地域にこのワンルームマンション問題というものが波及してくるこの数カ月の状況でありまして、例えば六月二十一日、二十二日、それぞれマスコミ朝刊が報道しているところでありますけれども、八王子市内のある、新宿に本社を持ちますリースマンション会社が建設しかけたワンルームマンションにつきましては、これは一千百三十八室にも上る大規模なものでありまして、町中にできる三十戸、五十戸の小型なものとは違うわけであります。一千戸以上のマンションというような形になったところから関心を集めて、これまた市役所がこれに対して対応しておったわけでありますけれども、市役所の開発指導要綱に基づいた事前協議の関係で計画がおくれたということで、業者が自治体を相手にいたしまして八千六百五十三万円の損害賠償の裁判を起こしました。これが六月二十日の出来事でありますけれども、同じ六月二十日には、これまた八王子市内でありますけれども、立川にある建設コンサルタントが八王子のめじろ台というところ、これは幾度かマスコミにも載りましたので、お目にとまったことがあるかもしれません。ここでやはり単身者用のリースマンションを建てようとしたことから、市に対して裁判が起こりまして、住民がこれに参加をするという格好で裁判闘争というところまで持ち込まれております。
 こういう事態が次々と続いているということの中で、まず私が知っている範囲では、各自治体が地元の住民のこうした紛争を解決するために努力しなければならない、こういうことから、いろいろ対策をこれまで講じてきたこの一年間の経過があると思うのですけれども、そうした各自治体の対応につきまして、建設省で把握している状況についてお話をいただきたいと思います。
○吉沢政府委員 ワンルームマンションの建設に伴いまして、同辺住民との紛争が多くなっております東京都を初め大都市の地方公共団体におきまして、ワンルームマンションの建築に関する指導要綱を制定したりあるいは中高層建築物の建築に係る紛争の予防と調整に関する条例といった条例をつくったりということでいろいろな措置をとっておられます。またこういったものについてこれからつくろうということで検討中のところもあるというふうに伺っております。こういった要綱などは、ワンルームマンションの建設に対しまして何らかの規制を加えようとするものでございます。
 その内容といたしましては、例えば建築主に対して管理人を常駐させることを求める、あるいは騒音であるとかごみ処理であるとか、入居者の住まい方につきまして、異常な事態が起こることを防止するための措置を求めるというようなもの、あるいは一定の住戸面積を確保してほしいというふうに求めるもの、あるいは建築計画を事前に公開してほしいというふうに求めるもの等がございます。こういった項目を内容とした条例あるいは指導要綱というものができておる状態でございます。
○山花委員 今のお話にも出ておりましたけれども、従来のマンション建設等をめぐるトラブルの場合には、日照の問題、プライバシーの問題、環境問題、工事被害、電波障害、こういう問題が大体中心だったわけですが、最近のワンルームマンションをめぐるトラブルにおきましては管理問題が中心であります。とにかくいろいろトラブルが起こって、住んでいる人のところに抗議をいたしましても、所有者と居住者が違っておるし、全体の戸数の中で管理人室がないというのは七一%、こういう状況でありますから持って行き場がない、こういう格好で大問題が起こっているわけであります。そうした意味から、今お話しになりました各自治体の対応につきましても、管理問題を一体どうするかというところにそれぞれ頭を悩ましている、こういう状況ではないかと思います。
 手元にあります資料によりますと、二十三区内それぞれ検討しているところが多く、また多摩地区におきましては、二十六市五町一村ありますけれども、八王子は検討を終わったようです。町田は既に指導要綱を持っておるようですが、三鷹が検討を終わった等々でありますが、まだ検討し始めのところで紛争が起こってくるにつれて自治体が慌てて立ち上がっている、こういう状況であります。
 こうした全般的な状況からいたしますと、やはり建設省としても、先ほど一応の実態調査はされておるようでありますが、こうした最近の管理問題というテーマに即して、もう一遍このワンルームマンション問題についてメスを入れていただきまして、何らかの機関で相談していただき、何らかの指導的な方向を打ち出していただくということが非常に迫られているのではなかろうか、こういう気がいたします。
 きょうは短い時間の問題提起だけでありますけれども、その点について、建設省としてどういう準備をされてきておるのかということについてお伺いをしておきたいと思います。
○吉沢政府委員 お答えします。
 私ども、とりあえずの調査を先ほど申し上げましたような形でこの間行ったわけでございますが、なお引き続きワンルームマンションの実態の把握に努めてまいりたいというふうに考えております。
 なお、ワンルームマンションのこの問題というのは、一つには周辺住民の入居者の住まい方に対する不安というものが一番大きなものではないかと思っております。それでこの不安の一つの原因が、先生御指摘の管理人が常駐しないことということだろうと思います。管理人が常駐しないということは、これはワンルームマンション独自の問題でございまして、これを何とか解決するということは、業界を指導するという形において実施してまいりたいというふうに考えております。
 また、そのほか日影でありますとか町並みの乱れでございますとか、こういったことに関する問題もございますけれども、これは既に先生御承知のように、建築協定でありますとかあるいは地区計画でございますとか、そういった形で解決する道もございまして、既にそういう方向に動きつつあるというふうに承知しております。
 なお、ワンルームマンションにつきましては、このほか例えばワンルームマンションの建築主が利殖でありますとか節税効果でありますとかいうことを過度に宣伝いたして人に買わせるというようなことがあるやに見受けられるので、そういった過度な宣伝をしないようにという、これは業者対策として進めてまいりたいというふうにも考えております。
 以上でございます。
○山花委員 最後に、大臣にもちょっと御所見を伺っておきたいと思うのですが、実は五十五年国勢調査によりますと、東京都内、ワンルームマンション問題は東京都内のものですから、ということを中心としてみますと、単身者の世帯が百四十三万を超えておりまして、全世帯の三分の一、三三%、こういう実態の中から学生、会社員の単身者の入居住宅問題というのは、これからも非常に大きな問題となってくる、こういうように思います。
 実は、昨年の六月住宅・都市整備公団が初めて東京都内新宿に単身者向けの分譲住宅三十八戸を売り出したわけでありますけれども、これはもう今話題となりました十五平米以下というよくあるワンルームマンションとは違っておりまして、もうちょっと居住環境がよいということもありましたが、これに対する申し込みが三十八戸に対して五千五百四十五人、百四十五・九倍、こういう形で大変多数の応募者があったというところからも、単身者用の居住問題ということに対する関心が出ておるんじゃなかろうか、こういう気がいたします。
 建設省の第四期住宅建設五カ年計画の中でも最低居住水準十六平米というのがあるわけでありまして、現実には十六平米ないようなワンルームマンションがあちこちに建てられ、さっきの利殖目的ということも絡んで十年、二十年たってスラム化したら一体どうなるか、こういう問題も心配ではなかろうかと思います。世の批判といたしましては、建設省は、先ほどあったような地元の住民の協定に期待するとかあるいは自治体の指導要綱等に期待するという格好で、腰を上げるのが遅いのではないか、傍観者ではないかという批判もあるわけであります。そうした意味におきましては、最近の問題としてぜひ建設省におきましても何らかの機関といいますか、機関ができなくても、何らかの相談と対策の機会、そういうことについて真剣に取り上げていただきたいということをひとつ要請いたしまして、この点について御所見をお伺いいたしたいと思います。
○水野国務大臣 先ほど来住宅局長が御答弁申し上げておりますとおり、ワンルームマンションというものは、今御指摘のように最近だんだん管理面の問題などが出てまいりまして、いろいろ実態を把握しているということは申し上げたとおりであります。ただ、御承知のとおり、今御質問にもありましたとおり、住都公団が単身者住宅をつくりましたら、これはワンルームマンションではありませんけれども、大変な応募があった。言ってみると、東京都というところが単身者が非常に多い、あるいは単身者ではなくて東京では単身者というのがある。要するに、職住がだんだん離れてきているために、単身で東京に住まなければならないという需要というものもあるわけでありまして、ですから、ワンルームマンションをあながち全部否定して、そういうものをつくっちゃいかぬということはできないわけであります。それだけに非常に対策が難しいわけでありまして、質のいいものと悪いものをどういうふうに分けていくかということも考えなくちゃいかぬ。それだけになかなかつかみにくいという問題がございまして、非常に苦慮しているところでありますけれども、ひとつなお一層実態を把握して、各自治体を指導していきたい、かように思っております。
○山花委員 今後の御努力に期待いたしまして、質問を終わりたいと思います。
○中島(衛)委員長代理 渡辺嘉藏君。
○渡辺(嘉)委員 過日、分科会におきまして質問をいたしました点について、その後の変化と今後の見通し等につきまして建設大臣並びに建設省の関係の皆さんにお伺いをいたしたいと思います。
 木曽川右岸浄水事業のことですが、この木曽川右岸の流域下水道は巨大な事業計画でありましたので、かねてから地元から強い反対があり、また訴訟も起きておることは御案内のとおりです。もちろん、そのうちの一件につきましては、その対象が少しずれておりまして、過日一部は却下になりましたけれども、これはまた新しく対象を明らかにいたしまして監査請求を初めとする訴訟が起きることになっておるわけです。そういうような意味合いで、これをこのまま原案のままで押し切るということはいろいろなトラブルが予想されるわけです。
 まず第一に、もう一度お伺いしておきたいのは、この処理場の建設地は現在木曽川の河川敷になるわけですが、それがためにこの河川敷に新しく堤防をつくりまして、その新しく堤防をつくったことによって、従来の河川敷を何らかの形で払い下げて、そして処理場にする、こういうことに承っておるわけです。
 そこで、まず第一にお伺いしたいことは、堤防延長約二千百メートル必要であると言われておりまするが、そのうちの約四、五百メートルはまだ民地が残っておると聞いておるわけですが、これを堤防敷として使用できるような段取りをどのようにつけられるつもりか、お伺いしたいと思います。
○梶原政府委員 御指摘のとおり、終末処理場の建設に関連いたしまして、二千百メーターの新堤防を築造中でございますが、その必要な用地につきましては、岐阜県におきまして鋭意関係者と折衝中でございますが、河川敷でございますので、その中にいろいろな権利の土地がございます。その中の民地につきましては、未解決分が、五十八年度末現在でございますが、五百八十七平方メートルあるという報告を受けております。その後、岐阜県におきまして関係者と折衝を重ねておると承っております。
○渡辺(嘉)委員 そうすると、これの折衝を今県がやっていらっしゃる。少なくともこれは建設省が行う堤防の新築工事なんですが、それを県に任せて土地の取得をさせる、こういうことですか。
○梶原政府委員 この新堤防は、下水道事業の事業主体である岐阜県がいわゆる請願工事として河川の堤防工事をやるということでございまして、その工事自体は河川管理者に委託申し上げる、用地買収はみずからやる、こういう形になっております。
○渡辺(嘉)委員 県が過日、今の終末処理場の用地の一部を収用委員会にかけて強制収用したわけですが、妙な言い方ですが、堤防敷地の分をなぜそこだけ残してあったのか、なぜそのときにやらなかったのかしらんと思っていた。そうすると、今の民地の方々も強制収用になった対象と同じグループであり、同じような立場にいらっしゃるものですから、かなりの方法でないとできないと思うのですが、そういう強制的なことは好ましくない、私はこんなふうに考えておるわけですが、どんなふうにお考えですか。
○梶原政府委員 おっしゃるとおり、岐阜県におきましても、関係の権利者の御理解を得るように一生懸命努力しておるようでございまして、でき得れば円満に解決したいということでやっております。私どももそのように指導いたしております。
○渡辺(嘉)委員 それでは、その円満な解決に努力するように御指導を期待したいわけですが、それとともに、かなり大きな部分、長さにして約九百メートルから千メートルぐらいあると言われておりますが、前渡占用地があるわけです。これはかって昭和十九年に、当時の岐阜県知事が食糧増産その他を含めまして、前渡西連合会に占用を認めまして、そしてそこで畑作業、その他農産物をつくらせていたわけです。それが今度は、戦後、法の改正によりまして国の所轄になったわけですね。それがまたそのまま引き継がれて前渡西町の占用地として今日に来たわけですが、この占用地について、県はこれの占用権の買い上げを図っておられるわけです。
 そこで問題は、この占用権を買い上げるために、これの補償交渉をする対策委員会が地元に生まれました。そしてその対策委員会がこの占用代の一部を受け取った、こういうことで、これは明らかに違法なことである。なぜなれば、前渡西町の規約その他から見ましても、総会の三分の二以上の議決によって資産処分を行うことができると決めてあるのにかかわらず、それを経ずに別個の対策委員会をつくり、個々にそういう契約をしていった。それで金を受け取った、こういうことは適法でない。それからこれを開発公社がやっていらっしゃる。当初は岐阜県も予算を組んで、開発公社の買い上げたものを県は予算化して、開発公社に支払って県の所有に帰す、こういう段取りをつけていたわけですが、その後、どういう都合か、県はその予算執行をせずに今日に至っておるわけですね。こういう経過については御存じですか。
○梶原政府委員 詳しくは承知いたしておりませんが、大まかにはそのようないろいろな交渉の経緯があみと聞いております。
○渡辺(嘉)委員 そうすると、この前渡西町の占用地について、県は何らかの形で占用権を買い上げて自己のものにし、今の請願工事をしなければならぬわけですが、今申し上げましたように、適法でないということで訴訟も起き、あるいはまた県もその予算執行をしておらない。こういう段階で果たして堤防用地として堤防を新築することができるのかどうか、これを承りたいと思います。
○梶原政府委員 法律的に申し上げますと、占用の買い上げということではございませんで、占用を廃止していただく、こういうことかと思います。いろいろな経緯で県の方も御努力されておりますが、でき得れば、在来の権利者の方の御納得を得て占用を廃止して、更地の形で円満にいくように期待しておるわけでございます。
○渡辺(嘉)委員 占用しておりまする権利を今のところまだ全部買い上げておらないわけですが、とともに、いま一つは、この占用地の所有権は国にあるわけです。ですから、国は県に現在の段階で占用を認めるつもりかどうか、これを一遍承っておきます。
○井上(章)政府委員 既に占用を許可しておる土地につきまして、新たに別の者に占用をまた許可するという場合には、当然既存の占用者との間の調整が必要でございます。既存占用者の占用を廃止して、新たな占用者に占用を許可するということになりますので、新たな占用者の占用の許可を待ちませんと、その上の占用の一定の行為はできない、こういうことになるわけでございます。
○渡辺(嘉)委員 今承りまして、私も納得できましたが、どうかその点虫食い、中途半端のままで行われないように切にお願いをいたしておきます。
 しからば、今度はそこに堤防ができることについてもう一遍承りたいわけですが、この新堤をつくるという計画はいつおつくりになったかということと、これに関連するわけですが、ここに新堤をつくって、その遊水地帯と思われる部分が直線的に堤防で仕切られますと、私も現地を常に見ておるわけですが、そこはかなり水が当たる場所ですから、その水が当たったら反射的に今度は、木曽川の中に、中州に川島町という集落があるわけですが、そこにその反射水、流水が押し寄せて洪水の危険が起きるのじゃなかろうか、こういう心配も出ておるわけですが、この点についてはどうですか。
○井上(章)政府委員 先生御承知のように、木曽川は大河川でございまして、長い歴史があって、その結果として今日の河川区域が引かれております。当該地域は霞堤になっておりまして、私どもは治水計画上もここはいずれ直線堤防によって画然とした河川にすべきであるという考え方を持っておりまして、当該地域のこの新しい堤防の築堤計画につきましては、昭和四十三年の四月に策定されました工事実施基本計画に沿って計画したものでございます。現在霞堤になっておるところを締め切ることになります。締め切ることによります下流や対岸への影響については当然いろいろ検討がなされるわけでございますが、改修計画上いろいろな検討を経て締め切るべく計画されておりますので、ほかの地域に支障は生じないように配慮されたものと考えております。
○渡辺(嘉)委員 先日も、切れもしないと思った長良川の安八町における堤防破堤があったわけです。これは先日もいろいろ論議をいたした次第ですが、どうかひとつそういうことのないように万全を期していただきたい。
 とともに、今度はその新堤の建設計画と終末処理場の建設とを並行して進める、こんなふうに承ったわけですが、それならば具体的にこういうような計画でこういう中身でこういう防衛措置を講じながらやるということを、この際明らかにしていただきたいと思います。
○梶原政府委員 当面五十九年度におきましては、処理場につきまして新たに水処理施設に着手する予定でございます。
 新堤につきましては、関係の権利者の御理解を賜りまして、なるべく早く用地買収を進め、築堤を先行させたいということでございます。そういう新堤の築造を急ぎながら処理施設につきましても、処理区域の関係住民の非常に強い熱意もございますので、並行して処理場を建設してまいりたいということでございます。
 当面、霞堤がございまして、先生御指摘のような一大洪水時という事態が発生いたしますと心配でございますが、工期その他万全の配慮をいたしまして、手戻り等のないようにしてまいりたいと考えております。
○渡辺(嘉)委員 時間がありますので進めますが、しからば、その堤防建設、築堤と並行しながら工事を進めるということは危険であって、私はそういうことはすべきじゃないと思うのですが、もし洪水が出て、予想しないことが起こるのが洪水ですから、洪水が起きて損失が発生したりあるいはまた障害が起きた場合にはだれが責任を持つのか。
○梶原政府委員 処理施設そのものの工事の完成という点につきましていろいろ支障が出るという点につきましては、原則的には施工業者の危険負担の問題であるということでございますが、そういう事態が生ずることは決して好ましいわけではございません。したがって、河川管理者とも十分協議いたしまして、そのような事態が生じないように、実際の施工につきましては万全の配慮をしてまいりたいと考えております。
○渡辺(嘉)委員 万全を期すならやはり新堤ができてから、そしてもう八分どおりできたという段階で進めるならいいのですけれども、まだまだそれこそ八分の一もできておらぬ状態でそういうことを認めることは、私は好ましくないと思いますので、慎重を期していただきたいと思うわけです。
 そこで、そうすると今度は、その河川敷の占用許可を県に与えるわけですね、現在まだ河川敷ですから。河川敷に処理場をつくる、占用の許可を与えるということになりますると、この建設省の省令第十五条の八、ここにはもう既に、私は読みませんが、その管理する土地において新築等を行う場合は、その権原を完全に有する場合、または権原を取得する見込みが十分である場合、こういう場合と規定しておることが一つ。それから占用については、四十年の十一月十日付河川審議会の答申に基づく基本通達によりますると、これは中身においては、そういう処理場等の問題はなくて、公園、緑地及び広場、公共用の運動場、その他書いてありまして、あるいはまた河川敷地占用許可準則にも、こういう処理場をつくるというようなことのために河川地の占用を認めるような項目はないわけなんですが、先日も緊急公共用ということでそれを認めるんだとおっしゃったのですが、これはいささか法に抵触するのではないかと思うのですが、どうですか。
○井上(章)政府委員 占用地につきましての河川敷地占用許可準則に抵触するかどうかという御指摘でございますが、これにつきましては、そもそもこの占用許可準則は、同準則第二に規定されておりますように、水利使用とか工作物の新改築に伴う占用には適用されないわけでございまして、これらに伴う占用につきましては、個別に治水上の影響、事業の公益性等を考慮して判断することとなっておるわけでございます。
○渡辺(嘉)委員 じゃ、時間がありませんので。最後になりましたが、私はそういういろいろな無理ややりくりを承知の上で、事業計画そのものも本年度でさえ九十六億を想定しながら二十億しかない。これから一年に百億ぐらいずつを投入しなければならぬような巨大計画は、私はこの際見直しをして、あるいはまた何らかの方法を講じて、トラブルや反対を押し切るとい。うのみではなくて、具体的に実行案を持って、その反対をしていらっしゃる方々も終末処理場の建設そのものに反対しておるのではなくて、いろいろな問題について反対していらっしやるわけですから、そういう中身を十分酌んでいただいて、この際、そういう反対派の方々も説得して、一丸となってこの流域下水が完成できるような方向に指導していただくように、建設大臣等において所信があれば承りたいと思うわけです。
○梶原政府委員 関係者の御理解を賜りまして、工事を本格的に進められる体制が整いましたら、予算措置につきまして建設省といたしましても十分協力してまいりたいということで、現行の計画の推進を図りたいということでございますが、関連する諸問題につきましては、先生の御趣旨を十分踏まえて県を指導してまいりたいというふうに考えております。
○水野国務大臣 ただいま局長から申し上げたと似たような答弁でございますが、木曽川右岸流域下水道計画は、岐阜県が周辺地域の状況を十分調査をいたしまして、関係市町村長とも協議の上に、都市計画法の手続に従って決定したものでございます。本事業に対しましては、一部関係者の反対があるということも聞いております。公共事業を進めるに当たっては、関係住民の理解を得ることが最も肝要でございますが、今後とも住民の理解と協力を十分に得ながら事業を進めるように県を指導してまいるつもりでございます。
○渡辺(嘉)委員 じゃ、ひとつ十分に住民の意向をお酌みいただいて、そして県その他を指導されまして、それらの意見を酌み入れた今後の工事の進捗にぜひ御努力をいただきたい、こういうことで私の質問を終わります。
○中島(衛)委員長代理 新井彬之君。
○新井委員 先回も少しお尋ねをしたわけでございますが、六十年度予算編成について再度お伺いをいたしておきます。
 新聞報道によれば、七月十七日、総理と自民党政調会長との間に合意が成立して、これに基づき、来年度予算要求に当たってはシーリングではなくて概算要求基準を設ける、こういうぐあいになったようでございます。これを受けて、大蔵省は既に要求枠について各省との折衝に入ったと伝えられております。また行政改革推進審議会は七月二十五日、六十年度予算編成に関する意見書を提出されたし、この件については各界各層より多くの意見が出されているところでございます。
 総理は党内発言で公共事業増額抑制的なことを言われたとも聞いております。公共事業費の増額確保の必要性については前回もいろいろお話ししたことでございますが、この問題が財政再建の要請と絡んで各様の論議を生ずる難しい問題であることもわかるわけでございますが、八月の概算要求提出に向かって、今月末にも概算要求基準が決定されるというこの時期において、建設省として六十年度予算編成においていかなる考え方のもとにいかなる基本方針で望むのか。内閣の一省としての立場もあり、政府・与党内に各様の意見がある状況下、明快なお答えは困難かと思われますけれども、公共事業の主管省としての、現在の経済社会状況に対する判断と、六十年度予算における公共事業費のあり方についての考え方を伺っておきたいと思います。
○水野国務大臣 我が国の住宅並びに社会資本の整備水準は、欧米先進国に比べて著しく立ちおくれている、御承知のとおりでございます。その計画的な整備に対する国民の要望は今非常に強いわけでございます。また我が国の景気は目下回復過程にあるものの、全体としてはなお先行き不透明な部分も残しております。また地域的にも大変格差がございまして、依然としてはらつきが散見されるというのが実情であるわけであります。このような状況を踏まえて、内需拡大による経済の安定を図りながら国民生活の充実と活力のある経済社会の実現を図っていくためには、公共事業の安定的な確保が必要であるということは、今なお私どもは自信を持って考えておるわけでございます。
 さて、六十年度の予算編成に当たっては、この点について各方面からいろんな御論議を得ておりますが、私は最終的には各方面の御理解を得ながら公共事業費の確保に最大の努力を尽くしていくつもりでございます。
○新井委員 社会資本の充実ということからも、また内需喚起策ということからも公共投資の拡大というのは非常に必要である、こういうことで言われておることはだれも異論がないところでございます。ただ問題は、来年度予算における増額の必要とその規模をどう見るのか、また財政再建の要請との兼ね合いでどのように考えるか。一つは、財政再建の要請が強ければやむを得ないということになるのか、または財政再建の要請に理由をつけてきちっと反省を求めるということになるのか、あるいはまた財政再建との両立の方途があるということになるのか、その辺についてはどのようにお考えですか。
○水野国務大臣 公共事業費の増額の必要性並びに財政再建の要請、この兼ね合いをどういうふうに考えていくか、大変難しい問題でございます。けさの某新聞の漫画にも出ておりまして、大変おもしろいと思って拝見をしておったのでありますが、公共事業については、私どもは予算編成で全体の問題の中で最終的には理解をされていくというふうに思っております。また私どもも、同額のお金でございましても、それを将来有効に使わしていただくという道もまたあろうかと思います。
 最近、公共事業の経済効果ということについていろんな議論が出ております。余り経済効果がないというような議論をしている向きもありますけれども、かつて大蔵大臣でおられました、亡くなりましたが、水田大蔵大臣は、公共事業は大変経済効果があるんだ、建設国債を発行することは、いわゆる赤字国債とは別なんだという答弁をしておりまして、そういう古い速記録を私ども拝見して、そのときそのときでいろんな議論が出てくるものだというふうに思っておりますが、同時に私どもは財政再建を一体どういうふうに考えていくか。御承知のとおり、財政を再建しなくちゃいけないわけでありますけれども、さりとてすべてを抑え込んでしまいましたら、経済がパイが大きくなることによって財政は再建をされる、いわゆる国債の残高を減らしていくということができるわけでありまして、その両方を考えながら、非常に難しいことでありますが、私は何とか達成をしていきたい。
 いよいよ月末に予算編成方針というものが決められるわけでございますが、ことしは御承知のとおり、シーリングという言葉をやめまして、概算要求基準というような言葉に変えたわけであります。私どもの官房長が大蔵省と話をしておりましたら、内容はそう変わらないよ、こういうことを大蔵省から言われたそうでありますが、それはまあいかようであろうとも、こういう席で大変恐縮でございますが、先般総理と自由民主党の藤尾政調会長との間でいろんな考え方の整理がなされましたけれども、概算要求が決まりました後でも、十二月の予算編成までの間に、大変他党の先生に恐縮でありますが、自由民主党の主導型で、党主導型でこの問題は整理をしていくというような話し合いもできております。私どもは、月末の予算編成方針の確定までに問題が解決するのではなくて、それも含めて十二月までの間に各般の情勢を取り込んで、ともかく必要な事業費、必要な予算を獲得をしていこうというつもりで、当初からの考えといささかも変えずに努力をしている最中でございます。
○新井委員 この問題は非常に大きな問題でございますし、ひとりだれかが特別にやるとかあるいは一つの政党がやるというような問題ではなくて、やはり今後の日本の国の社会資本をどのように整備して国民の皆様方におこたえしていくかという大事な問題であろうかと思います。そういう意味におきまして、各界各層のいろいろな意見を集約して、それこそベターな道を選ぶ、こういうぐあいにやっていただきたいと思うわけでございます。
 先ほども、景気浮揚策について非常に効果があるというのとないのといろいろあるわけでございますが、やり方によって当然やはり景気浮揚策の効果はある。特に、今消費の方も落ち込んでおりますし、いろいろな指数から見まして、どうしても内需を喚起していかなきゃいけないということになりますと、効果的な公共投資によって、やはりどうしても内需を喚起しなきゃいけないのじゃないか、こういうぐあいにも思うわけでございます。また余裕財源が本年は出るような状況にあるようでございますが、行政改革推進審議会の方からは、これは当然国債の返還に回すべきである、こういうことも言われているわけでございますけれども、これらもやはり今後の状況を見ながらやっていかなきゃいけないというように思うわけでございます。
 それから、もう一つよく認識をしなきゃいけないと思いますのは、赤字国債と建設国債というのは明らかに性質が違うものです。確かにそれだけの借金になるということは借金になるわけでございますが、今後をずっと長い目で見た場合において、当然そのときそのときにやっていかなければならない問題、そういう社会資本の充実、投資でございますので、それらは子孫末代まで財産として残るわけでございますし、おくれればおくれるほどそれだけ高額な費用がかかる、こういうことになるわけでございます。
 そういうことで、自由民主党の方々もいろいろと今やられているようでございますが、大臣といたしましても、どうぞこの公共事業の予算獲得につきましては全力を挙げてひとつやっていっていただきますことをお願いをいたしておきます。
 社会資本が非常におくれているということについては、道路を見ましても、河川、公園、下水道、いろいろあるわけでございますが、道路の問題等につきましては非常に要望が強い。市町村からあるいはまた都道府県知事会からも、道路についての要望というのも特に強いわけでございます。したがいまして、道路問題について一、二点お伺いしておきたいと思うわけでございます。
 五十八年の十一月に総理府が行った都市再開発に関する世論調査で、急いで解決すべき都市問題は何が一番大事か、こういう質問に対して、道路の交通渋滞を直してほしい、こう答えたのが一番最高で四〇%でございます。それからまたほかの方の資料によりましても、最近の道路で目立つのは渋滞によるロスである。国道での平均走行速度はこのところ年々低下しており、五十八年度で時速三十六二一キロメートルと、五十二年度に比べて六・二キロメートルも落ちている。アメリカでは連邦道路のうち約七割で時速八十八キロメートル以上で走れる。そういうことで、これも時間がかがりますからいろいろ内容は言いませんけれども、非常に経済的な効率も落ち込んでいる、こういうような状況があります。
 そういう中で、道路の特定財源につきましても、五十九年度においても約一千百億円という自動車重量税のオーバーフロー問題があるわけでございますが、やはり納税者からすれば、これだけ道路に対する要望が多くて、交通渋滞がある、なおかつまだどんどん整備をしなければいけない、こういうことで、特定財源というものにも皆理解をされているわけでございますので、これだけが特定財源ということで特別に予算が目立ってふえたとしても決しておかしくない状況じゃないか、こういうぐあいに思うわけでございますが、こういう問題についてはいかがお考えでございますか。
○田中(淳)政府委員 御指摘のとおり、昭和五十五年度以来、歳出予算の抑制に伴いまして道路予算も抑制またはマイナスの状態にありますために、昭和五十七年以降道路特定財源の歳入予算額が歳出予算額を上回りまして、いわゆる自動車重量税のオーバーフローを生じております。
 このため一昭和五十九年度予算の編成時におきまして、自動車重量税の取り扱いにつきまして大蔵、建設両省において折衝しました結果、昭和五十九年度当初予算において、自動車重量税の国費分の八割に相当する額のうち道路整備費に充てられていないものにつきましては、経済財政状況に応じ、年度内に道路整備費に充当するとともに、昭和六十年度の予算編成におきましては、自動車重量税にかかわる道路特定財源は全額道路整備費に充当するものとし、その方策について検討するものとすることで了解したところでございまして、鋭意現在検討を進めているところでございます。
○新井委員 五十九年度で揮発油税の特別の財源が切れるわけでございますけれども、道路整備推進のためには、やはりこれを延伸すべきである、こういうぐあいにも意見が出ているわけでございます。そういう場合におきましても、この自動車重量税のオーバーフローの問題等も積み重ねてきちっと解決をしておかないと、それ以上税金を取ってどこへ使うんだということになりまして、特定財源としての役を果たさない、こういうこともありますので、道路予算が特別ほかよりも出たとしましても、これはあくまでもやはり特定財源という一つの考え方から出た問題でございますので、そういうことでひとつ御努力をいただきたいと思います。
 それから最後に、兵庫県からも道路の問題についてはたくさん出ておるわけでございますが、今から順番に申し上げますので、こういう問題については、今後またお願いしたいと思います。
 一つは、中国横断自動車道、これは鳥取市と姫路市を結ぶ道路でございますが、これを国土開発幹線自動車道に指定して、早急に調査をしていただきたい、こういうような要望が出ております。兵庫県の場合は、北は日本海から南は太平洋までつながるわけでございまして、南北道路というのが非常にないわけでございます。特に鳥取県からなかなかこっちへ出てきにくい。いろいろ説明しているとたくさんあるわけでございますが、非常に大事な道路である、こういうようなことで要望が出ております。
 それから二番目は、播但連絡有料道路の朝来町までの延伸を新規事業として採択をしていただきたい、こういうことでございます。今神崎町まで播但有料道路は開通しているわけでございますが、やはり豊岡方面へ向かってまだまだ渋滞がある。特にこれは一般有料道路でございますので、採算等もいろいろ考えて提出をされているわけでございまして、この件についてもどのようにお考えになっているか、お伺いしたいと思います。
 それから三番目は、山陽自動車道姫路市−龍野市の事業を促進し、早期完成を図るとともに、神戸市−二木市間の早期着手及び三木市−姫路市間の整備計画の早期策定により県内全線の早期完成を図っていただきたい。これはもう今姫路市までの工事はやっておりますが、姫路市から三木市間の整備計画はまだありません。それから三木市から神戸市までの整備計画はありますけれども、これを早く着工していただきたいというようなことでございます。
 それから四番目に、国道二号太子龍野バイパスの事業を促進し、早期完成を図るとともに、正条橋以西の拡幅をしていただきたい。これは第二国道でございますから、この線しかなくて今までも非常に込み合っているわけでございまして、現実にこの線、どうしても拡幅が必要な地域である、こういうことでございます。
 それから五番目に、山陽自動車道姫路西インター設置に伴う国道二十九号線の交通量増大に対処するため、国道二十九号姫路西バイパスの整備に早く着工していただきたいということでございます。
 それから六番目に、西播磨テクノポリスの重要なアクセス道路である主要地方道、相生山崎線の事業費を確保していただきたい。
 説明すると時間がありませんので、いろいろ県の方からも要望が出ているかと思いますけれども、これらについてのお答えをいただきまして、質問を終わります。
○田中(淳)政府委員 順次お答え申し上げます。
 まず、中国横断自動車道の姫路−鳥取でございますが、御案内のように、昭和五十二年十一月四日閣議決定された第三次全国総合開発計画で全国的な幹線交通体系の長期構想として、既定の国土開発幹線自動車道を含めまして、現在七千六百キロでございますが、おおむね一万キロメートル余で形成される高規格の幹線道路網が提唱されたわけでございます。
 建設省におきましては、この構想を受けまして、現在、高規格幹線自動車道路網について基本的な調査を実施しているところでございまして、今後さらにその路線、整備手法等に関する調査を推進し、第九次道路整備五カ年計画期間内に高規格幹線道路網計画を策定する考えでございます。
 先生御指摘の姫路市から鳥取市に至る自動車道の構想につきましては、この中で検討してまいりたいと考えております。
 それから第二の播但有料道路でございますが、播但有料道路は御指摘のように、兵庫県の北部の但馬地方と播磨の中心都市でございます姫路市を結ぶ有料道路でございます。昭和四十五年に着工して以来、順次建設が進められ、現在、姫路市と神崎町の間約三十五キロメートルが供用されております。
 兵庫県では、先生御指摘のように、播但有料道路につきまして、さらに朝来町までの間約十キロを有料道路として延伸する計画であり、昭和六十年度から新規事業として着手したい旨要望しておりますが、建設省としましても、この道路について兵庫県の重要な幹線道路であることを認識しておりますので、事業化につきましては、現在検討しておるところでございます。
 それから第三の問題の山陽自動車道の姫路−龍野間の事業促進及び早期完成、さらに神戸市−三木市間の早期着手並びに三木市−姫路市間の整備計画の早期策定の問題でございますが、御案内のように、山陽自動車道につきましては、神戸市において中国縦貫自動車道から分岐いたしまして、山口市で再び中国縦貫に合流する全体延長が四百三十キロの高速自動車国道でございます。
 このうち、姫路市から龍野市間につきましては、現在、用地買収及び工事を行っているところでございまして、六十年代の半ばまでに逐次供用を図るべく事業の推進に努めておるところでございます。
 さらに、山陽自動車道の神戸市から三木市の間の約二十七キロでございますが、昭和五十七年一月に整備計画が策定され、現在、日本道路公団において事業実施のため鋭意調査を推進しているところでございます。建設省としましては、その結果を踏まえまして、日本道路公団に対し今後施行命令を出す予定でおります。できれば、調査がまとまれば、昭和五十九年度内に施行命令を出したいと考えております。
 さらに、三木市から姫路市の間約二十三キロメートルにつきましては、昭和四十七年六月に基本計画が策定されておりますが、現在、近畿地方建設局におきまして、整備計画策定のために必要な地質あるいは構造物、環境対策等々の調査や県立播磨中部丘陵自然公園との調整等鋭意調査を進めておるところでございまして、できるだけ速やかに成果をまとめていきたいと考えております。
 第四点の、国道二号の太子龍野バイパスの事業の促進及び早期完成に関することでございますが、一般国道二号の太子龍野バイパスは、太子可及び龍野市内の現国道の交通渋滞の解消及び交通安全の確保を図ることを目的に計画されたバイパスでございまして、延長が九・五キロでございます。事業を早く終わらせるために、姫路寄りの三・九キロ部分を日本道路公団による一般有料道路として、残り五・六キロ部分を建設省の直轄事業として実施しているところでございます。現在、用地買収をほぼ完了し、鋭意工事を進めているところでございますが、今後バイパス部の八・一キロの早期完成を目指して事業の推進を図るつもりでございます。
 それから、正条橋以西の拡幅につきましては、まず正条橋の拡幅を実施し、現在下部工の工事を施行しているところでございます。今後とも橋梁工事を推進いたしますとともに、正条橋より西側の拡幅についても引き続き工事を進めたいと考えております。
 西播磨テクノポリスのアクセス道路の主要地方道相生山崎線の事業の問題でございますが、御案内のように、相生市から山崎町に至る主要地方道でございまして、このうち相生市内の約六キロにつきまして、西播磨テクノポリス開発計画関連道路として計画されているものでございまして、相生市矢野地先におきまして、バイパス事業として昭和五十九年度に新規採択したところでございます。もちろんこれも鋭意事業を進めていく予定でおります。
 以上でございます。
○新井委員 終わります。
○中島(衛)委員長代理 古川雅司君。
○古川委員 建設大臣に若干の質問をいたします。
 来年度の予算編成をめぐり、公共投資拡大の是非が議論を呼んでおるわけでございます。繰り返しになりまして大変恐縮でございますが、大臣は大変御苦労をされ、この点御努力を続けておられるわけでありますが、非常に厳しい財政事情であるということ、その中で、今後公共事業の増額による積極財政への転換というものが可能だ、御決意のほどはわかりますけれども、大臣御自身のお見通しはいかがでしょうか。
○水野国務大臣 公共事業費の確保ということについて積極財政、これは内閣全体で考えることでございまして、私どもだけで申し上げるわけにはいかないわけでありますが、積極財政の有効であるということを、私どもは今日まで各方面の御理解を得たいということでお話をしてきたわけであります。しかし、最近いろいろ伝えられるところによりますと、さほどの大きな公共事業費の増額ということが望めるとも私どもは思っておりません。ただ、減少することは、いわゆる昨年までの予算編成のやり方でございますと、マイナスシーリングという言葉を使っておりましたが、少なくなるということは非常に問題である、何とかして事業量をまず確保しなければならないというふうに考えているわけであります。またその確保された暁には、事業の執行に際して経済効率、ここの経済効率といいますのは、事業をやることによって、建設業が仕事を行い、それによって波及効果がある、いわゆるそういうものもございますが、それよりも、例えば社会資本が整備されて、都市周辺のバイパスでございますとかあるいは高速道路でございますとか、日本経済に非常に有効に効果のあらわれるような、あるいはその地域経済に有効な効果のあらわれるような使い方をなるべくしていきたい。これは何も道路に限ったことではないわけでありますけれども、今例えばということで申し上げたわけでございますが、いずれにいたしましても、有効に使っていきたい。そういう予算の配分というふうなこと、あるいは概算要求の段階においても、そういう要求の仕方をしたいというふうに考えております。
○古川委員 この点につきまして、建設国債を増発をして税収の増を図り、このことが決して財政の健全性を損なわない、そういう見方もございますし、また一方には、公共事業を拡大するということが財政危機をさらに深刻化させる、そういう気苦労もあるわけでございます。ただいまの大臣の御答弁としては、極めて厳しい今後の展望をお持ちだということがよく理解できたわけでございますが、この公共投資による社会資本の整備に当たりまして、いわゆる重点的、あるいは今大臣は経済的な効率化という御表現をされたわけでございますけれども、こうした点が今後この厳しい財政状況下では非常に重きをなしてくるのではないかということも考えられるわけでございます。
 この重点という意味、さらにその効率という意味について、もう少し掘り下げて大臣のお考えを伺っておきたいと思うのでございますが、重点については、地元の声なりあるいは経済的な効果、効率性、そういうことをお考えなのではないかということが一つ考えられます。またさらに、その効率につきましては、これはぜひお伺いをしておきたいのでございますが、従来とかく批判のございました公共施設間の整備水準のばらつきの問題であるとか、例えばこれは下水道の規格の問題などで、大都市、中小都市間のアンバランス、そういったことがしばしば指摘をされてまいりました。また別の問題といたしましては、高地価であるとかあるいはまた各種の規制が一つの障害になっている。そうした各種規制について見直しをする必要があるのではないか。さらに民間活力の利用という面で、国有地の払い下げの問題であるとか、そうしたいろんな効率化を図る上での配慮が今後必要になってくるのじゃないかと思いますが、その辺、時間もわずかでございますけれども、ひとつ大臣の突っ込んだ御答弁をいただければ幸いです。
○豊蔵政府委員 先ほど大臣から基本的な考えにつきましてお答え申し上げましたが、私どもも本年度の予算の実施に当たりましては、特に例えば、事業の完成が間近であって、それに重点的な投資をすることによって早くその施設の効果が発揮できる、そういったようなものにつきましての予算の重点配分であるとか、あるいはまた用地関係の手当てが済んでいるものにつきまして予算の配分をするとか、それから今先生からお話がありましたように、他事業関連の仕事につきまして、その整合性を図るために、特に予算の配分を行うといったようなこと、さらには民間活力の導入ということと関連いたしまして、市街地再開発関連事業、そういったようなものにつきまして、公共施設の整備と民間の事業の整合性を図るといったような関係につきまして、事業の重点的な実施を行ってきたところでございます。来年度につきましても、これらの考え方をさらにより一層徹底してまいりたいというふうに考えております。
○古川委員 この重点性、また効率化という質的な問題、これは極めて今後大事になってくるということは、ただいま私も申し上げましたし、官房長の御答弁にもあったわけでございます。量的にもいろいろ心配されているわけでございまして、七月十日に大臣が閣議に報告をされました建設白書の中でも、この公共事業費の抑制ということが続いていけば、いわゆる道路整備計画など五カ年計画の目標の達成が非常に困難になっていくということが指摘されているわけでございまして、いわゆる下水道整備については、現在、計画の進捗率は五九%、都市公園についても同じく五九%、道路については三四%という数字がこの現状をあらわしているわけでございます。繰り返すようでありますが、この厳しい財政事情の中で、この計画の遂行ということに対して建設省としてどのような展望をお持ちであるか、御答弁願います。
○豊蔵政府委員 ただいま御指摘ありましたように、私どもの関係しております各種五カ年計画の進捗率につきましては、現在までのところ必ずしもはかばかしくございません。しかしながら、せっかく立てられました計画でもありますし、先ほど大臣からお答え申しましたように、私どもも来年度の事業費の確保を全力を振るって図りまして、これらの計画の少しでも達成いたしますことに努力をいたしたいというふうに考えております。
○古川委員 こうした各種五カ年計画の進捗率が非常に低い状況で推移をしているわけでございますが、いずれにしても、年次計画の終わりが六十年あるいは六十二年ということになるわけでございまして、その後の長期的な展望もそろそろ考えておかなければならない。公共事業費のこうした抑制という状況が続く上においては、さらに厳しい財政的な制約ということをまず第一に考えなければなりませんし、また一方では、いわゆる社会資本の維持管理費の増大の問題、これは既に各界から指摘をされておりますし、私も本委員会において御質問申し上げたことがございますが、この点については建設省としてどういう予測を持っていらっしゃるのでありましょうか。一般の民間では何種類かの調査結果が公表されているわけでございます。例えば老朽化による更新の時期を間近にしている公共建造物がかなりの数量に上っております。今後公共投資額の伸び率が期待できないということになりますと、ある調査では西暦二〇〇〇年にはこの維持管理費が全体の五一%、二〇二五年には九一%に達するであろうというような数字も挙げているわけでございますが、建設省当局としては、この点はどのようなお考えを持っていらっしゃるのでしょうか。
    〔中島(衛)委員長代理退席、桜井委員長代理着席〕
○豊蔵政府委員 社会資本のストックがふえてまいりまして、またこれらの施設の整備が進んでまいる段階で、やはり維持管理のための経費、あるいはまたその施設の更新のための経費といったようなものが順次ふえていくことは当然でございます。
 ただいま先生から御指摘がありました数字は、国土庁が新しい第四次全国総合開発計画の策定に当たりましての基礎資料としてお調べになったものかと思いますが、私どもも細かくは計算をいたしておりませんが、仮に公共投資額というものの伸び率がゼロ、横ばいが続いたというような状況が本当に出てまいりますれば、二十一世紀におきましては、維持管理と更新のための経費が相当部分を占める。そのために新しい投資、すなわち社会資本の新しい整備のための余力がなくなるというようなことは、傾向としては十分考えられることだと思っておりますので、そのためにも今のうちから社会資本の整備が計画的かつ着実に進められることが必要であるというふうに考えております。
○古川委員 大臣にこの点についての御見解を重ねてお伺いいたします。
 今官房長の御答弁にありましたように、更新のための投資、それから維持管理費が非常に増大をしてくる。なおかつ道路、下水道、都市公園を初めとして、こうした年次計画が非常に進捗率の低いままそれぞれの計画年度を終わろうとしているわけでございますが、いわゆるその計画年度以後、次の年次の計画の作成についてもそろそろお考えをお示しいただいた方がよろしいのではないかというふうに思うわけでございますが、この点はいかがでございましょうか。
○水野国務大臣 ただいま御指摘のように、建設省の持っております各種の五カ年計画が非常に停滞をしている、実際において達成は難しいじゃないかということでございます。しかし、私どもは、これはどうもこの委員会で大変申しにくい話なんでありますが、やっぱり予算編成を前にいたしまして、余り自分でみずから今まで考えてきたことを放棄するということは、同時に予算の要求についても極めて淡泊に考えているんだというふうに受け取られがちであります。それだけに、私どもは今の御指摘のようなことについては、大変大事なことであるし、いつの段階か確かにそういう考え方をしなくてはいかぬということも考えておりますが、現在のところは、ひとつ今まで申し上げたとおり、各種五カ年計画の達成に向けて全力で努力をする。特に六十年度予算に際しては、いろいろな障害があろうとも、ともかく所期の目的どおり大蔵省に対して要求すべきものは要求いたしまして、そこでひとつまた我々の境地が開けていくだろう、こんな考え方で、いよいよ予算編成方針その他が始まりますし、概算要求の問題も始まりますが、そういうものに取り組んでいくつもりでございます。
○古川委員 建設大臣初め建設省の大変な御努力ということは、十分私も理解をしているわけでございます。今後も御苦労いただくと思いますが、よろしくお願い申し上げます。
 しかし、現実としての厳しい将来展望というのは、これは認めなければならないところでございまして、特にこうした公共事業費の抑制ということが建設業界に対しても非常に大きな不安と影響を与えていることは事実でございます。特に、中小建設業については非常に深刻な事態にあるわけでございまして、その点で、今後のこうした厳しい財政の状況下にあって、いわゆる建設業界の行き方、あり方についても、建設省としてはそれぞれ指導に当たられる方針を御検討ではないかと思います。あるいは建設業界のいわゆる産業構造そのものにも触れていかなければならないという状況に入ってきているわけでございますが、具体的に大手ゼネコンのあり方についてやあるいはまた中小建設業の公共工事の受注の拡大の問題、あるいはジョイントベンチャーのあり方、あるいはまた吸収合併などで中堅企業を大規模化していくというような考え方、そうしたいろいろな複雑な問題が絡んで、この問題についての建設省の御指導のあり方も非常にこれから重要になってくるのじゃないか。もし既に基本的なあるいは具体的な方向がお決まりであれば、この機会にお示しをいただければ幸いでございます。
○高橋(進)政府委員 今先生御指摘のような問題、建設業は非常に厳しい環境の中にまさに当面しておるわけでございます。建設省といたしましては、これから早急に今後のそういった環境の中で、建設業の将来、姿としてどういうことになるかということ、中長期的な観点からの予測をいたしまして、そういった状況に応じて、政府としてとるべき施策、あるいは企業として考えてもらわなければならぬことといったようなことを今年度から来年度にかけて勉強いたしまして、打ち出してまいりたいと考えております。今先生がおっしゃった問題点等それぞれございますので、そういったことを踏まえて、そういった中長期ビジョンというものを打ち出してまいりたいと考えておるところでございます。
○古川委員 官房長、何かございますか。
○豊蔵政府委員 建設業の中でも、特に中小の企業につきましての配慮が必要であるということでございまして、去る七月二十四日の閣議におきましても、中小企業向けの発注率を昨年の目標より一段と上げまして、これらの発注をふやしていくといったようなことを私どもとしてもとっておりますし、さらには、これらの具体的な各発注機関の発注業務の実施に当たりましても、発注標準の遵守あるいはまたジョイントベンチャーの活用、そういったようなこと等組み合わせまして、私どもなりにできるだけの援助をしてまいりたいというふうに考えております。
○古川委員 道路整備事業につきましても、こうした公共事業費の抑制ということでいろんな不安があるわけでございます。これはもう全国的に多岐にわたっていると思いますが、先般の委員会で非常に短い時間でお伺いをしたので、繰り返しになりますが、日本道路公団の昭和五十九年度の予算の内訳を見ましても、支出では、建設費が三四・二%、借入金の元利払いが五五・八%、このように元利払いの金額が建設費をはるかに上回っている現状でございます。財源構成としても借入金の比率が非常に大きいのでありますが、そのうち五一・一%がいわゆる低金利の財投資金に頼っているわけでございます。これも最近報道されておりますとおり、郵便貯金の低迷等から今後どうなるのかという状況にあります。
 こうした財源構成等も含めて、道路公団の今後の事業の推進にもいろんな不安があるわけでございますが、国土開発幹線自動車道を一例に挙げまして、その中の山陽自動車道、これは延長四百七十キロメートルの吹田市から山口市に至る計画でございます。事業主体が日本道路公団でありますが、例えばこの中で広島県内については百五十一キロメートルありまして、六十年代の前半にそのうち大体百キロメートルを完成して供用に付したい、そのような状況だというふうに私は伺っているわけでございますが、こうした整備計画の決定をした区間について建設を促進するということ。これは先ほど来私が申し上げてまいりました、いわゆる公共事業費を効率的に使って、いわゆる供用に付さない未完成の区間がまだらに残ってまいりますと、その点では非常に非経済的ではないか、経済効果が非常に損なわれるのではないか、そういう現状。これは全国至るところにあると思うのでございますが、経済性を高めるために、そういった点、この道路公団を事業主体とする整備事業だけに限らず、ここで大いに注目をして、事業推進の一つの重点にすべきではないか、このように考えるわけでございますけれども、この点いかがでございましょう。
○田中(淳)政府委員 御指摘のように、昭和五十五年度以降非常に道路予算も削減を受けまして、道路事業につきましては、まず有料道路事業の活用を図りまして、事業量を伸ばすように努力しております。
 それかう、一般道路事業につきましては、新規箇所を極力抑制しまして、事業の重点的、効率的執行に努めておるところでございます。これにつきましては、大臣及び官房長が既にお答え申し上げましたとおりでございます。
 それから、先ほどお申し込みの山陽自動車道でございますが、御案内のように、神戸市におきまして中国縦貫自動車道から分岐しまして、山口市で合流いたします全体延長約四百二十キロメートルの高速自動車国道でございます。
 既に全線の基本計画が策定済みでございまして、三木市から姫路市間二十三キロ、及び廿日市町から大竹市間二十六キロメートルを除きます三百八十一キロメートルにつきまして整備計画が策定されております。このうち、龍野西インターから備前インターの間二十五キロが既に供用されております。残る区間につきましても、日本道路公団におきまして工事、用地買収及び一部区間において事業実施のための調査を鋭意推進しているところでございます。
 今後の見通してございますけれども、第九次道路整備五カ年計画期間、すなわち昭和六十二年度まででございますが、既供用区間を含めまして百七十八キロメートル、全延長の約四一%でございますが、その区間の供用を予定しております。また基本計画区間の約五十キロメートルにつきましても、現在、整備計画策定のために必要な調査を進めているところでございます。
 ちなみに、六十二年度まで、すなわち第九次道路整備五カ年計画期間内で供用する予定区間を申し上げますと、龍野東インターから龍野西インターまで四キロ、倉敷ジャンクションから福山西インターまで五十八キロ、西条インターチェンジから廿日市インターチェンジまで五十三キロ、大竹インターチェンジから岩国インターチェンジまで七キロ、徳山西インターチェンジから山口ジャンクションまで三十一キロ、計百五十三キロでございます。
 先生御案内のように、廿日市インターチェンジから大竹インターチェンジの間の二十六キロメートルにつきましては、現在既に一般有料道路、広島岩国道路が山陽自動車道と同時に供用予定を考えております。
 以上でございます。
○古川委員 こうした各地域の個々の事例に当たってまいりますと、事業の推進についてはいろいろな障害もございますし、また私どもの目から見まして、もう少し公共事業費を効率的に、さらに重点的に使って、ところによっては事業計画期間を短縮してもいち早く供用に付して、その経済効果を上げるということをねらうべきではないか、私はこのように思うわけでございます。
 最後に、住宅局長にも質問の通告をいたしておりますので、一問だけお伺いをいたしまして、私の質問を終わります。
 いわゆる最低居住水準未満の世帯について、五十八年に実施いたしました住宅統計調査によりますと、第四期の住宅建設五カ年計画、昭和五十六年から六十年の間で解消の目標を掲げておられるわけでございますが、現状として約四百万ある。これは全体の一一・五%だというふうに示されております。しかもその中で、公営住宅が百八十三万のうち約六十五万。これは公営住宅の中でこの居住水準未満の世帯は三五・四%になるわけでございまして、これは初期のいわゆる一Kないし二DKの非常に小規模な住宅を集中して建設したという名残でございますが、いずれにいたしましても、居住水準最低限というものを確保していくためには、公共の賃貸住宅の役割が非常に大事になってくるのではないか。これは大体建設省としては、今の時点にあってどのぐらいの見通してこの解消を考えていらっしゃるのか。
 さらに、この六十年度の予算編成をめぐりまして、公共賃貸住宅の推進にとっては非常に大きな障害が出てきているわけでございます。特に住宅金融公庫の利子補給金の急増ということも大きな問題でありまして、時間がございませんので、その数字までは挙げませんけれども、そういうように非常に厳しい状況の中で、この問題、テーマに対してどう取り組んでいく方針であるか、具体的にお示しをいただきたいと思うのでございます。
 大変暗い面を強調するような質問を繰り返しまして恐縮でございますが、厳しい現状ということを私も大臣とともに認識をいたしまして御質問した次第でございます。
○吉沢政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、公営住宅の居住水準というのが非常に低いということでございます。新しく建設している住宅ではすべて三DK以上で供給できるという水準にいたしておりますが、既存ストックでは最低居住水準に満たないのが御指摘のとおり三五%会もあるという状況でございます。このため、低水準にある既存ストックの居住水準の向上というものが急務でございまして、私ども建てかえでございますとか増改築でございますとか、こういったものを推進しているわけでございます。しかし、最低居住水準未満の住宅を解消するにはなお相当の努力が要るわけでございまして、あと何年というふうにちょっと申し上げるわけにまいりませんが、今後とも建てかえ、増改築を推進いたしまして、居住水準の向上を図ってまいりたいと思っております。
○古川委員 終わります。
○桜井委員長代理 小沢貞孝君。
○小沢(貞)委員 朝から長い時間で大変お疲れのようですが、大変易しい問題だけをお尋ねいたしますので、どうぞ親切にお答えいただくようにお願いいたします。
 この前の続きで、きょうもだれか午前中に質問を出しておりましたが、きょう専ら聞いておりますと、来年度の予算でもっと公共事業費を増額しなければいかぬじゃないか、異口同音に全部そういう声であります。私はその前に、ことしまだやらなければならぬことがあるから、それをやらなければならない、こういうことを申し上げたいわけであります。ことしは、当初予算編成のときに、我が党を初めとして野党からも公共事業費を増額せよ、こういうような話がありましたが、政調会長の方から、様子を見て、こういうような言葉で最後は決着がついたようであります。そして引き続き前倒しでやろうじゃないか、こういうことで前倒しもやっていただいたようであります。今、私たちの県の方へ来ると、災害が幸いにあったといえばおかしいのですが、それで大変活況を呈しておりますが、これも災害の費用については予算を考慮していただいて復旧がどんどん進む、さてその後仕事がない、こういうことのようですから、ましてやそういうことのなかった地区における、ことしの年度末における事業というものはさっぱりなくなっちゃうのじゃないか、こういうことから、ことしの公共事業の追加予算を組むか、こういうことであります。
 この前の質問のときに、一例を申し上げますと、自動車重量税のオーバー分については、昭和五十九年度分については五十九年度中に返す、そうして大臣は、返してもらう、こう言い切っているわけです。五十七年、五十八年度分の三千余億については可及的速やかに返してもらう、こういうような約束になっているはずであります。私たち議会がそのことを知ったわけであります。そこで私は、これをよく考えてみると、そのときに大蔵省からお越しいただいた涌井主計官は、最後にはこう言っているわけであります。「返すということは、つまり補正予算を組むということでございますので、私の立場から現在の段階で補正予算を組むということは申し上げるわけにはまいりませんので……。」いきさつは大臣御案内のように、そのとおりであります。当初予算の折衝のときに、ことし分はことしに返す、こういうしっかり約束をしたら、当初予算に何でそれを入れなかったか。そうでなければ、返す場所がない、こういうような意味にとれる御発言が大蔵省の主計官の話でありますから、私は、それは恐らく事務的に間に合わなかったから、ことしの当初予算には組んでない、こういうように善意に受けとめるわけです。したがって、ことし出された当初予算の中に、大蔵、建設両大臣の約束をくっつけて出すならば、つまりそれは補正予算つき当初予算、こういうように私たちは理解できるわけです。そこで私は、端的に、ことしはそれを返してもらって補正予算を組みます、こう言わなければ、大臣みずからが約束をしたことをみずからほごにする、こういうことになりますので、今政治的に言えるとか言えないとか、私は、政治の場ではなくて、事務的に、それはことし補正予算を組みます、返してもらいます、こういうことにならなければならないはずだと思うのです。どうでしょう。
○水野国務大臣 五十九年度の予算編成の過程で、過程と申しますか、最後の段階で、大蔵大臣と私が、自民党の政調会長の立ち会いのもとに、自動車重量税その他のオーバーフローの分をどうするかという話し合いをしたということは、この前の委員会で申し上げたとおりであります。そこで、約千百億の今年度の分をどうするか、今お話しのようなことでありまして、未充当の自動車重量税を年度内に道路整備費に充てるという場合には、一体どういう方法でやるのか。これは常識的に考えれば補正予算を組んでやるということしかないわけであります。しかし、補正予算を組むかどうかということは、これは私一人で、建設省という役所だけで考えることではないのでありまして、建設省だけでまた補正を組むということでもないわけでありまして、各省間にいろいろな問題が出てまいります。ですから、これは秋に向けていろいろな形でだんだんと煮詰まっていくだろうと私は思っておりますので、この際、補正予算でということは、言いたいことは言いたいのでありますが、まあひとつ御勘弁をいただきたい。
○小沢(貞)委員 そこが勘弁ならぬところですよ。というのは、約束をしたら、そこでもって当初予算に組んであれば、これは何も心配がないわけです。恐らくそれは事務的に間に合わなかったから組んでないから、ことし返しますと。当初予算に組んでありませんということは、ことし補正予算で返しますと、そういうことが当然合意――これは政治の問題じゃないと思うので、当然合意のことなんです。だから主計官も、この前のときには、返すということは、補正予算でありますから、私は言えない、こう言っただけだよな。私は、大臣が上手で向こうをだましたのか、向こうが上手でだまされちゃったのかどうかわかりませんが、事務的には、とにかくことし返しますということは、ことし補正予算を組みますというもう明らかな合意で、これは政治の問題じゃないと思うのです。これは大臣、言明しなければ向こうが返しませんよ、もう本当に。当然合意のことだから、これは政治的立場で言うことじゃなくて、本当に事務的な立場で言えることだと思うのです。
○水野国務大臣 でございますから、私どもとしては、補正予算を組む際には、これは当然使わしてもらう、補正予算も組んでもらいたいということは、当然考えております。これは考え方でありますから。しかし、補正予算を組むか組まないかということは、内閣全体でやることでございますから、それはこれから押していくしかない。しかし、少なくとも千百億のオーバーフローの分を今年度中に何かで返す、こう言っているのでありますし、それは当然六十年度の予算編成にも投影していくだろう。六十年度にもオーバーフローというものは当然考えるわけでありますから、総合的に私どもは考えていきたい。できればもう、補正予算を組んでここでやってもらいます、こう言いたいわけでありますけれども、御承知のように、補正予算を組むという行為自体は建設省だけでできないわけでございますから。しかし、こういう取り決めをしたということは、補正予算を組むことがあるやもしれずということでお互いに合意をした、そこまでなら申し上げてもよろしゅうございます。
○小沢(貞)委員 どうもそれ以上言えないようなのですが、これは大臣、しっかりしておいてもらいたいことは、当初予算に組まらんじゃったんだから、これは当然返しますということは、当然補正予算を組むということを当初のときに約束されていることだ、私はそう思う。だから、最初のときからそういう条件をつけて予算を出すわけにはまいらぬから、それは伏せておったでしょうけれども、議会もこれを聞いて明らかになった以上は、私は、約束を履行するときには当然補正予算が組まれる、そういうように解釈します。この前建設委員長も大音声でそれを言っておったようですが、ひとつそれは、これはもう責任問題になると私は思うほど国民の世論は盛り上がっておりますから、間違いなく補正予算を組む、それをとってくる、こういうようにしていただきたい。
○水野国務大臣 おっしゃるような努力は最大限に払うつもりでございます。
○小沢(貞)委員 次は、昨年も質問を申し上げて、当時の内海建設大臣は、検討しておきましょう、こういう言明があったようでありますが、私が一つだけ当面やってもらいたいと思うのは、日本道路公団の余裕金の金敵機関を、他の省庁の公団や何かと同じように、余裕金を建設大臣の指定する金融機関も取り扱えるように、一項目、それだけの字でいいと思いますから、日本道路公団法を改正をしてもらえるか、こういう質問であります。研究しておきますといいますから、どのように研究が進んでいるか、ひとつ後でお答えをいただきたいと思いますが、例えば農用地開発公団は、その余裕金の運用については「農林水産大臣の指定する金融機関への預金又は郵便貯金」、こういうようにあるわけです。それから森林開発公団は、やはり「農林中央金庫若しくは農林水産大臣の指定するその他の金融機関への預金又は郵便貯金」、労働福祉事業団は「銀行その他労働大臣の指定する金融機関への預金若しくは金銭信託又は郵便貯金」、他省庁のはほとんどそういうふうに入っているわけです。日本道路公団は三十一年に制定されたかと思いますけれども、もう三十年たって経済社会の情勢が違っておりますし、私は、当然建設省の方から改正をします、こういう提案があるべきものではないか、こういうように考えます。ただ日本道路公団だけでなくて、建設省関係にはいろいろありますから、建設省は大変しぶちんといいますか、どういうわけで「建設大臣の指定する金融機関」というのを建設省関係の余裕金の扱いには入れてなかったのか、これは他省庁と比べてバランスがおかしい、こう思うのです。一つは研究がどのように進んできたか、こういう意思はあるか、こういうことです。
○田中(淳)政府委員 前内海大臣が道路公団の余裕金の運用方法の拡大について研究すると言われたのは事実でございます。先生御案内のように、道路公団の余裕金は、全国的に、かつ非常に広範な地域から毎日定期的に収納される料金収入が主でございまして、その運用期間が非常に短期でございます。その運用につきましては、まず第一に公金の取り扱いに習熟していること、それから第二にサービス水準が高いこと、それから第三に全国にわたる有機的なネットワークを組織し、為替の決済、公団の本社集中、局送金というようなことでございますが、そういう為替の決済が迅速かつ安全であること、それから第四といたしまして公団の資金調達、具体的には縁故債の割り当てでございますが、こういう日本道路公団の資金調達に協力が得られていること等を総合的に勘案しまして、主として銀行預金により運用するのが適当であると考えております。また、現に公団におきましても、円滑に機能しているのは事実でございます。余裕金の運用先の拡大につきましては、単に日本道路公団のみならず、道路四公団、さらに他の公団とも関連いたしますので、慎重に検討してまいりたいと目下考えております。
 以上でございます。
○小沢(貞)委員 多分そういう御答弁だと思いますが、他省、ほかの公団や何かもみんなそういうようになっておるだけに、直すとすると、日本道路公団だけを直すというわけにはまいらぬと私は思いますから、これは省全体が取り組んで、研究して直してもらう、こういうことよりしょうがないと私は思うのです。ただ、もう三十年もたって時代が変わっていますから、ほかの省庁の公団や何かのものは、郵政大臣、労働大臣あるいは農林大臣の指定する金融機関、こういうように明確に入っているのに、なぜ建設省関係だけは入っておらないか。建設省は余りかたくなじゃないか。これは当然そう見られるのは当たり前であります。したがって、この問題については、内海前建設大臣が言明されたように、早急にひとつ検討を加えていただくようにお願いをしたいと思います。
 そこで私は、日本道路公団だけをやろう、こういうことになるならば、これは議員立法なり何なりでやるわけで、金は一文もかかるわけじゃありませんが、議員の方で合意を受けたら、大臣はそれを受け入れるようにするかどうか、この点をひとつお伺いしたいと思うのです。
○田中(淳)政府委員 日本道路公団におきます料金、収入金を含めました余裕金につきまして、事業資金の支払い見込み等、資金計画書を勘案し、運用期間と金利を考慮した運用を図っているのがその実情でございますが、現行制度で円滑に一応機能していると考えております。なおより効果的なあるいは効率的な余裕金の運用を図るよう今後とも公団を指導してまいりたい、かように考えております。
○小沢(貞)委員 これは省全体のことだから、官房長から話がなければおかしいと思うのだ、道路公団だけじゃ。
○豊蔵政府委員 建設省関係の公団につきまして、今先生から御指摘がありましたように、余裕金の運用につきまして法定されておりまして、その法定されている内容が必ずしも他の公団と同じでないということは御指摘のとおりであります。今、道路局長から申し上げましたが、一般的には現在の制度で余裕金の運用は十分円滑に運営されているというふうに私ども考えておりますが、今先生からいろいろ御指摘がありましたし、今後さらに検討はさせていただきたいと思います。
○小沢(貞)委員 今度は易しい質問です。
 高速道に緊急避難のはしごをつけてくれ、私も気がつかないでおったけれども、ドライバーがみんなこう言っているわけです。羽田へ行くとき、途中で地震があったり火災があったら先生とうしますか、こう言われれば、こっちは本当に口のあきようがない状態じゃないかな、こう思いますが、その件と、もう一つは、高速道は、ガードレールの方が安いのでしょうかね。後、維持費もかからない、こういうことがあるから、どうしても予算の関係上そうなるかもしれませんが、ドライバーはやっぱり目が疲れる。潤いかない。これはやっぱりできるところだったならば緑化する。総理も言っているのだから、緑化を推進しようと。こういう希望が非常に強いわけです。前向きに検討していただけますか。
○田中(淳)政府委員 まず第一の問題でございますけれども、現在の首都高速道路公団の非常口の設置現況でございますが、供用延長が首都高速道路公団では百六十キロでございます。そのうち出入りのランプが二百二十八カ所、それから非常開口部が二十二カ所、それから非常階段、これは高架部にございます、非常階段というのが。それからトンネル部分にも非常階段がございます。その高架部の非常階段が七十九カ所、トンネル部が九十三カ所、それから管理所等への連絡通路、これは異常事態発生のときには当然一般の方も使えるわけでございますけれども、これが十五カ所、合計四百三十七カ所、百六十キロの中でとにかく何かが起こった場合に避難でき得る可能性のある施設があるというふうに思います。
    〔桜井委員長代理退席、中島(衛)委員長代理着席〕
単純に百六十キロを四百二十七で割りますと、大体三百メーター余に一カ所ぐらいという感じでございますけれども、もちろん実際の運用に当たりましては、首都公団職員の、事故が起こった場合にはここから逃げろとか、そういう具体的な操作が当然必要だと思います。一般の方々には、そういう非常事態発生の場合には気が動転されておりますので、なかなか見つかりにくいということも予想されますので、当然首都公団職員あるいはパトロール隊が一緒にそういう事態発生のときには適切な措置をするということになろうかと思います。
 それから第二点の、ガードレールのかわりに緑化したらどうだという御質問でございますが、高速道路上のガードレールは、主として路肩側に一カ所と、それから中央分離帯側につくっておりますが、その機能は、もう先生御案内のとおりでございますけれども、高速道路を走っております車が路肩の外側または対向車線に逸脱するのを防ぐのが目的でございます。したがいまして、ある程度強力なものでございませんと、中途半端なものでありますと大事故の原因になる。特に対向車、上り車線から下りへ突っ込むようなことになりますと、よく新聞で報道されておりますけれども、速度が倍になりますので大事故の原因になっております。したがいまして、やはり全部緑化で、木だけで、ガードレールをやめるというわけにはまいりませんで、御案内のように、一部ガードレールを使いながら中央に緑化しているところもございますし、それから防音壁なんかも、高速道路で先生御案内だと思いますが、ツタとかあるいは将来背が高くなる木を植えまして、ドライバーの精神の安定といいますか、そういうものに努めておりますので、全くガードレールをなくして木だけでやれというのは、逆の意味で、特に対向車同士の衝突という危険が生じますので、一応ガードレールはつくりますが、緑化でやわらかな感じを与えるあるいは視線誘導的な効果をねらうというようなことになろうかと思います。
 以上でございます。
○中島(衛)委員長代理 小沢先生、ちょっと待ってください。
 追加で答弁。都市局長。
○梶原政府委員 私どもの所管しております都市高速道路、首都公団、阪神公団、多少東名、名神と構造あるいは交通量が違います関係もございまして、避難方法につきましては特別の配慮をいたしております。非常口の設置計画を持っておりまして、全体計画で首都高速道路七十五カ所ございますが、一応五十七年度までに設置を完了いたしております。それから阪神高速道路につきましては、六十二カ所の全体計画のうち残りが十七カ所ということで、これも鋭意整備を進めておる段階でございます。
○小沢(貞)委員 小さいことの後、二十一世紀の夢みたいなことで、今度国土庁長官にお尋ねしたいんですが、先般「中部山岳地域総合整備構想策定調査報告書」、こういうものを拝見いたしました。これはまた新聞も大きく取り上げて、私たちは過疎地帯をどのようにして今後やっていくかという非常に重要な問題だと思います。内容は一々読み上げませんが、こんな立派なもので、拝見をさせていただきましたが、これは夢を書いただけで、これを具体化するとかなんとかということは、何か一応の予定を持っておりますか。
○稻村国務大臣 調査結果については局長の方から後でお答えをさせますが、問題は、中部圏というのは御承知のように、大変長野、富山、岐阜と山岳地帯が多いわけです。これを総合的にどうこれから地域づくりのために役立たせていくか、そういう意味から調査をしたわけであります。
 そこで、国土庁は今四全総の策定、着手に入っておりまして、その中で中部圏の占める位置づけ、特に山岳地帯が多いわけでございますから、その山岳地帯を総合的にどう四全総の中に繰り入れて、そして二十一世紀に向けて夢と希望と安らぎのある中部圏の発展というか、中部圏の一つの位置づけということで調査をさせたものであります。
 調査内容については、今局長の方からちょっとお聞きを願うといいと思います。
○小沢(貞)委員 物は見てますから、短くひとつ。
○佐藤(和)政府委員 では簡単にひとつ御説明させていただきます。
 この中部山岳地域の総合整備の構想についての調査でございますが、五十六年から五十八年の三カ年かけて行ったものでございまして、長野県、富山県、岐阜県にわたる中部の山岳地域について、例えば良質な定住地域の形成のための施策として、具体的に言いますと、富山、松本等の都市を定住拠点都市として充実すること等の一般的施策のほかに、定住拠点ネットワークの形成ということで、国道百五十八号線安房トンネルの建設等によります交通施設の整備をまず基礎的に行ったらどうだろうかという提案が一つございます。
 それから、二十一世紀に向けましては、いわば生涯教育の学習の場としてこの中部圏の山岳地帯を使ってみたらどうだ。具体的には余暇学園都市の建設ということで、先生御存じの長野、岐阜の県境の高原を中心としたいわば夢の都市づくりを構想の一つとして提案している等の内容を持つものであります。
 よろしくお願いします。
○小沢(貞)委員 それでは最後に、建設業者は社会的責任、こういうものがだんだん重くなってきたから、やはり建設省もそういうように指導をしていただかなければならないのではないか。昔の三十年も五十年も前の土方の集まりのような企業ではないと私は思うわけです。どうもそういう面が残っているような気配があるわけで、例えば具体的に、昨年の衆議院選挙のときでありましたが、これは周りから見ていてもひんしゅくを買うほど、下請業者を集める、関係業者に連絡をする、それはもう下請の業者も言われるから嫌々ながら集まって、それでノルマはかけられる、金は集めさせられる、これはちょっと周りから見ていてひんしゅくを買うほどの強烈な選挙体制を組んで進めているわけです。やはり建設業者は地方公共団体の仕事もやる、国の仕事もやる。だからそういうところは政治活動はいかぬと私は言わぬけれども、周りから見ていてひんひゅくを買うほどの選挙運動を進めている事態があるわけであります。
 何も私の知っているところだけではなくて、これは鈴木派ですか、何か選挙後の集まりなんか出たら、若い人が、ある土建業者だかが大変な選挙運動をやってと、こういうことが某中央紙の一面に出ておって、なるほど、なるほどなるほど、どこでもそういうことかなと、私は気がついたわけであります。
 そういう業者が何をやっているかというと、これは例えば東欧のある駐日の大使館をつくるに当たって、わいろを持っていって成功し、工事をやった。外国の公務員にわいろを持っていく、私はこれは刑法の贈賄罪になるかと思ったら、外国の公務員はそうじゃないと今聞いたわけです。向こうの方は捜査のしょうがないというのですから、これはそういうことを承知していてやった、こういうことならば、また悪質だなと思うし、私は、道義上許されるべき問題ではないのではないか、こういうようにも思います。
 また、当時ですか、少し前にある週刊誌を見たら、その会社が、これは「自民大崩壊の引き金世紀の謀略M資金事件の核心」、そういうところへその会社の役員の名前が出てくるわけですから、選挙運動の傍若無人のやり方、あるいはまた今の大使館の建築の問題、ごくわずかでありますが、今この週刊誌にその会社の名前が出てくるという、これは少し企業の社会的責任、そういうものを知らなさ過ぎる。昔のままの土建屋だ、こういう形で傍若無人にやっているのではないか、私にはこういうように見られるわけで、私の知っているこのK会社は、私の付近でありますから知っているだけで、ほかにもそういう例が非常に多いのではないか、こういうように考えます。
 もしそれを適切な指導で改めないならば、我々は公職選挙法を改正しなければいかぬと思う。現に我々の地方で、ある県会議員やある市会議員は、何だ、おい、市の仕事や県の仕事をやるのにあれだけの強烈な選挙運動をやるとは何だ、これを見ていられるか、こう言うけれども、やりようがないわけで、公職選挙法で規制を加えるほどの重要な問題ではないか、私はこういうように考えるわけです。
 大臣のお耳には方々からそういう問題が入っていると思いますが、いかに、どのようにして指導するか、そういう点について私はお尋ねしたいわけであります。
○高橋(進)政府委員 建設業がほかの一般の企業と同様に社会的な責任というものを自覚して行動するということは、大いに我々としても期待し、そういうように一般的に指導をしてまいりたいと思います。
 ただ、今先生例として挙げられました、具体的な中身はよく承知しませんので、何とも申し上げられませんが、政治活動につきましては、一般的には営利企業である会社等は自由だと思います。ただ、それが公職選挙法に違反するとかいうようなことがあれば、そういったことがはっきりした段階で、建設省といたしましても建設業法上に基づきまして厳正な指導をしなければならぬ、こういうふうに思います。
 そのほか、具体的に例としておっしゃいましたことにつきましては、十分承知しておりませんので、何とも申し上げられませんけれども、ほかの企業と同様に、社会的な責任というものは自覚して行動していくことを期待しているものでございます。
○小沢(貞)委員 これはやはり大臣が決意をして、余り我々、公職選挙法を改正して、何をやってはいけない、あれをやってはいかぬということは絶対やりたくないわけで、そういうことを言われないように、大企業になってくれば社会的責任というものはあるのだから、そういうことを十分気をつけろ、こういうようなことは大臣でなければ指導はできぬじゃないか、私はこう思うのです。どうでしょう。
○水野国務大臣 ただいま経済局長が申し上げましたとおり、一般的な問題として、建設業者であろうとも、これは政治活動をやることは構わない、あるいは政治活動をやる際に、政治連盟のようなものを結成してやることも構わないと思われます。
 ただ、建設業、よく言われることは、公共事業の受注をしているような企業が公共事業の発注と絡んでいろいろな選挙に活動する、利益誘導型のやつです。そういうようなことは道義的な問題でありますから、厳に慎むべきである。もちろん利益誘導というのは公職選挙法にあるわけでありますから、これはまたそういうしっかりした事実があれば、当然警察当局その他司法当局が検挙されることであろうと私は思いますし、その都度それを考えていくしかない。
 しかし、一般的には確かにおっしゃるような道義的な問題があろうと思いますから、何かの機会にひとつ建設業界の指導的な人たちにそういう話はいたしてみたい、かように思っております。
○小沢(貞)委員 これはやはり国民からひんしゅくを買うようなことは私はまずいと思いますから、ぜひ大臣の適切な指導をよろしくお願いをいたします。
 最終に、飛び込み質問で大変恐縮であります。都市局長の方にこれを御調査、御指導をいただきたい。やはり大企業の倫理性みたいな絡みの問題でありますから、文書だけを差し上げて、あとは善処をしていただくように、こういうことだけで読み上げませんから、よろしく御指導をいただくようにお願いをいたします。
 時間ですから以上で終わります。
○中島(衛)委員長代理 中島武敏君。
○中島(武)委員 きょうは朝からシーリング、概算要求問題が問題になってきましたが、私は住宅金融公庫の利子補給金問題についてお尋ねしたいと思っています。
 住宅金融公庫に対する利子補給金のうち、来年度、六十年度ですが、この増加分約千七百億円について建設省は大蔵省に別枠として認めるよう求めているが、大蔵省は前年度と同額の要求しか認められないと拒否していると新聞で報道されております。建設省に伺いたいのですが、建設省はこの報道にあるように、別枠として認めるように大蔵省に要求しているのか、また大蔵省によって建設省の要求は拒否されているのか、この点について最初に伺いたいと思います。
○吉沢政府委員 お答えいたします。
 御存じのように、まだ概算要求の時期の前でございまして、私どもが別枠で要求するとかいうことをいたしておるわけではございませんし、したがいまして、大蔵省からそれが拒否されているというような、そういう状態ではございません。
○中島(武)委員 大蔵省は来ておられますか。
○中島(衛)委員長代理 来ています。
○中島(武)委員 今の点について建設省から要求はされておりますか。またそれに対して何らかのことを言っておられますか。
○涌井説明員 ただいま住宅局長が答弁したとおりでございます。
○中島(武)委員 これはまだこれからの問題であることは事実なんですけれども、新聞でもいろいろ報道されている、私もじかにいろいろと聞いている向きもあるのです。そしてこの問題は大変心配な問題になってくるということはもう事実だと思うのですね。
 それで、実は建設省からいただいた資料によりますと、六十年度の補給金の必要額見込みは四千五百九十五億円に上ります。五十九年度の補給金対比で言えば一・六〇五倍、非常に大きなものに達するわけです。実は五十七年に住宅金融公庫法が改正されましたけれども、そのときに附則で、五十七年度から五十九年度までの各年度の特別損失について後年度に国が交付金を交付して補てんするという措置がとられた。それでこの審議のときに、こういういわゆる繰り延べ措置をとれば、結局しわを先に寄せてしまうことになるから、六十年度には一挙に利子補給金が増加して大変なことになるということを指摘したことがあります。そのとき当時の豊蔵住宅局長、ここにおられますけれども、何と答えているかといいますと、これは御本人がここにおられますから、よく御記憶だと思うのですが、「政府全体として意思決定をしたわけでございますので、六十年度以降におきましては、従来の繰り延べた補給金につきまして的確にこれを補てんするということは、また本来必要な補給金についてもこれをきちんと補てんをするという決心でございます。」豊蔵さんはそういうふうに答弁をされたのです。さらに大臣の方、当時始関国務大臣ですけれども、大臣は、段階制金利の導入に絡んでも問題になったわけですけれども、「そのかわり政府部内では大蔵省が責任を持ってその間善処する、こういう約束になっておりますので、確かに心配もございましょうけれども、われわれはその点がうまくいくもの、かように期待いたしておる次第でございます。」と、大蔵省がちゃんと善処すると約束しているから大丈夫なんだ、こういうことを答弁しておられるわけです。それは大臣の答弁だから、責任のある答弁だというふうに思うのです。なるほどさっき局長が言われたように、概算要求の前だから、まだ表向きそういうことがあったというふうに言えないということは、私はある意味でわかるのです。わかるのですけれども、これは非常に重大な問題に直面してきているということを感ぜざるを得ないわけであります。その点で、これは大蔵省にしっかり折衝して、別枠であれ何であれ、とにかくこれだけのものはちゃんと確保するというふうにやらなければ、これはえらい事態になってくると思うのです。そういう点で、建設省としてはどんなふうに折衝するつもりであるかということをあらかじめ聞きたいと思うのです。
○吉沢政府委員 お答えします。
 先生御指摘のように、利子補給金が千七百億、現在の段階で推算いたしますと、そのくらい上回るという見込みでございます。今のところ概算要求基準というものも具体的に出されておりませんので、どういう対処方法をとるかということについては申し上げかねるわけでございますが、これを既存の住宅対策費の枠の中で処理するというようなことは、現実問題として不可能に近いというふうに考えております。良質な住宅を求める国民のニーズも極めて大きいものがございますので、今後の住宅対策の推進を図るために、財政上適切な配慮が得られるよう最大の努力をしてまいりたいと思っております。
○中島(武)委員 これは大臣にも伺っておかなければいかぬと思うのですけれども、これはやはり相当でかい問題になって出てくると思うのですね。そういう点では大臣の方ではどんなふうに対処していくおつもりであるかということについて伺いたいと思うのです。
○水野国務大臣 住宅金融公庫の補給金の問題は、おっしゃるとおり来年度予算編成について大変大きな問題でございます。それで国の財政事情はまことに厳しいのも御承知のとおりでございますが、住宅金融公庫自身は、住宅政策の基本、柱でございますから、今後とも大きな役割を期待していかなければいけない。長期的に、安定的に住宅金融公庫が運営できますように、公庫補給金問題については大蔵省としっかりとした話し合いをして所期の目的を達成していきたい、かように思っております。
○中島(武)委員 大臣の決意も伺ったのですが、一言重ねて申し上げておきたいのですが、局長から、住宅対策費の枠内で解決なんかとてもできるものじゃない、それはそうだと思うのです。ことしの住宅対策費、つまり住宅予算は七千六百六十三億円。それでもし来年も同じ額だと仮定するということになりますと、先ほど申し上げた四千五百九十五億円の補給金というのは六三%を占めるという事態が生じてしまうのですね。そうすると、住宅金融公庫は貸付業務が成り立たなくなってしまう。あるいは枠内で処理するということになれば、それはもうどこかほかのところを全部削る。公団住宅を削っちゃうのか公営住宅を削っちゃうのかという問題になって出てくる。住宅対策費の外へ出るということになれば、これまた建設省の予算を一〇〇%ちゃんと枠内で補給しようと思えばの話ですけれども、大変な事態が生まれると思うのです。ぜひひとつこの問題はしっかりやってもらいたい。大臣にも重ねて申し上げておきたいと思います。
 それでは、次の問題なのですけれども、これは昨年の十月に通産省から、本年三月までの期限で「昭和五十八年度内外産業経済情勢等に関する研究(民間資金による公共的事業の推進の可能性に関する調査研究−銀座再開発を例として−)」という調査委託がJAPICに対してなされて、通産省に報告されているはずであります。この問題について伺いたいのですが、通産省、来ておられると思いますけれども、この調査研究の目的、それから委託調査の予算額、それから調査メンバー、それから内容の概要について簡単にひとつお答えいただきたいのです。
○植松説明員 お答えいたします。
 御指摘の委託調査でございますが、まず、目的、趣旨でございますが、昨年来、公共的な事業分野への民間活力の導入の促進の重要性ということが提唱されまして、昨年十月の政府の総合経済対策にもその点がうたわれております。通産省におきましても、こういった公共的な事業分野への民間活力の導入促進をする場合にどういう問題があるかということにつきまして検討してみる必要がある。ただし、こういったものはいろいろ具体的にプロジェクトに即して検討してみないと問題点というのが浮き彫りにされないということで、たまたま銀座地区につきましては、非常に高地価負担でございますとか開発空間が不足しておりますとかいうことで、商業的な事業機会が減少し、いわゆる地盤沈下が進んでおる。また夜間人口が漸減してまいりまして、都市活力の減殺といった商業地域として多くの課題を抱えておるという点から、地元関係者の間でもこういった商業業務地域としての再活性化の議論が起こっておったという事情がございまして、当省といたしましては、今申しました観点、それから地元のそういう動きというものをあわせまして、銀座地域の再開発をモデルケースとして取り上げて、この公共的事業分野への民間活力の導入促進につきまして、まず青写真をつくると同時に、青写真をつくった場合に、その可能性に当たってどのような問題があるかということについて、事業採算でございますとかあるいは法制の問題とか、そういった問題点を浮き彫りにしてもらうという趣旨でJAPICに検討を依頼したわけでございます。
 予算額は、先ほど御案内の予算項目によりまして六百万円弱でございます。
 それから、JAPICのメンバーでございますが、建設業でございますとか、あるいはその関連の業界、金融界等々法人で百五十九法人、十九関係団体というメンバーで構成された社団法人でございます。
○中島(武)委員 これは三月にたしか通産省に提出されていると思うのですが、まだ公表されてないと思うのですね。それで公表をしない理由について言っていただきたいのです。
○植松説明員 ちょっとその前に、先ほど答弁漏れがあったかと思いますが、本件の構想でございます。その青写真の中を簡単に申しますと、幾つかの構想がございますが、大きい点は、現在の体制といいますか施設では、非常に狭隘化いたしまして、いろいろ都市機能のネックが出ておるという観点から、一つは「地下空間の創造」、これは銀座の主要街路下に地下空間をつくるということで、そこに商業施設でございますとかイベント広場等の諸施設あるいは駐車場、プロムナードといった公共施設等を適正に配置するという地下街の構想、それからもう一つは、「都心型高層住宅複合体の建設」と言っておりますが、高速道路の上部未利用空間を利用いたしまして、高層住宅、ホテル等を建設し、下部は事務所でございますとか商店、上の方が住宅あるいはホテルといったものの総合的、複合的な建築物をつくり、都心にふさわしい高層建築をつくろう、これが二つの大きな構想。それに対してあとは交通システムの整備でございますとか公共施設の整備等が加わっております。
 今、公表の件でございますが、三月末に調査結果をいただいたわけでございますが、もともとこの委託をいたします段階、昨年の十月末でございますが、委託の趣旨等につきましては新聞等にも発表いたしまして、その当時からいろいろな構想もございまして、大体趣旨等については公表いたしております。
 今回の委託の目的は、そういったものを実際に地元のニーズに合わせて再開発計画をつくりました場合にどういう問題点があるかということで、青写真と同時に出てきます問題点を技術的に詰めてもらうというのが趣旨でございまして、その問題点について果たして公表すべき性格のものであるかどうかという問題は別途ございましたのですが、いずれにいたしましても、たとえ公表するにいたしましても、一つは、私どもいただきました調査結果を十分勉強してみる必要があるという観点から、補足説明等を現在まで聞きながら勉強しておるというのが現段階でございます。あわせてかたがた地元関係者に対しましては、JAPIC自身が大体構想の概要等を現在までのところ説明しておるというふうに聞いておりますが、余り一般的に結果等を公表いたしまして、もともとモデルケースとして私どもは勉強しておるわけでございますので、それを一般に公表することによりまして、地元民に無用の不安等を起こすというようなことになりましても、これまたかえって混乱をもたらす原因ということもあろうかと思いまして、その点も配慮しつつ現在勉強中ということで、特に公表はしてないというところでございます。
○中島(武)委員 重ねてお尋ねしたいのですが、そうすると、勉強してからでなければ結論がちょっと出ないのじゃないかというふうにも今の答弁は聞こえるのですけれども、他の省庁、通産省以外の省庁にも検討してもらうという気持ちをお持ちかどうかということと、それからもう一つは、勉強した結果、これは実行したらよいというように考えた場合には、通産省としては推進役を買って出るかどうか、この点についてお尋ねしておきたいと思います。
○植松説明員 他省庁の関係でございますけれども、実は、これを委託調査いたします場合にも、民間活力の活用でございますので、恐らく民間主体で推進する、基本的には政府が中心になるわけではございませんけれども、当然再開発等を伴うということになりますと、いろいろな規制官庁はございます。そういう観点から必ずしも十分であったかどうかという問題はございますけれども、一応私どもは勉強をする趣旨等につきましては、関係省庁にも御連絡をいたしまして、委託調査をしたという経緯がございます。検討結果につきましては、現段階で、私ども通産省で調査結果報告書をいただきまして、まだ内部で検討中というところでございますので、詳しく関係省庁に御説明というところまで来ておりません。ただ、勉強した成果につきましては、恐らく他省庁関係でも参考にできる部分がかなりあろうかと思いますので、そういう点につきましては、関係省庁にも御報告、御説明をしたいと思っております。
 それから第二番目の検討をした結果、推進すべきという判断になった場合にどうかということでございますが、今申し上げましたとおり、現在、調査結果報告を勉強中ということでございまして、現段階で特に推進すべしとかいうような判断に至っておりません。
 ただ、一言申し上げておきたいと思いますのは、これはモデルケースとして、あくまでも銀座地域の再開発につきまして一般的な公共事業分野への民間活力の活用、導入というものについてどういう問題があるかということを勉強したということで、商店街の近代化とかいろいろそこの施設関連につきましては、通産省の所管の部分もございますので、そういう意味で関連もございますけれども、あくまでも民間主体ということを中心に話が進められていくのではないかというふうに考えております。
○中島(武)委員 通産省、もう一つお尋ねしたいのですけれども、この再開発構想、これは銀座の地元商店街の人たちとの間に合意はできているのですか。
○植松説明員 まず、これを調査を委託いたしました段階で、地元の関係者で既にそういう再開発をすべきということで勉強、検討などが進められた。ただし、それは地元全体のコンセンサスと私どもは理解はしておりませんけれども、そういう動きがあったということで、それをベースにはいたしましたけれども、委託の方はむしろモデルケースとして勉強したいということでございますので、その観点からJAPICに委託をしたという経緯でございます。JAPICでこの構想が出まして、JAPIC自身としましては、その構想につきまして既に関係方面、地元の関係者には説明をしておるというふうに聞いておりますけれども、私ども調査委託する段階で、実はこういう問題は地元の意向を無視しては意味がないし、地元のニーズに応じて再開発が行われるという点からいいますと、委託した先に対しましては、地元とも連絡をとりながらできるだけ現実的な、ニーズにも近い青写真を前提にして問題点を掘り下げてもらいたい、こういうことで委託をしたという経緯がございます。
○中島(武)委員 これは建設省に伺いたいのですけれども、今の通産省の説明でも、この構想の概要の主な柱というのは二つあるというふうに言われた。これは文書になっているものを見ますと、こう書いてあるのです。銀座の主要な街路下に新しいイメージのプロムナードと明るい店舗のある地下空間を創出するという計画だと言っているのですね。あと一つは、今通産省が答弁されたように、高速道路の上部空間を利用し、都心型の高層住宅やホテルを建設するというものだ、こういうふうに言っているのです。
 それで、ちょっと時間もないから建設省にまとめてお尋ねしたいのです。一つは地下空間の利用問題なんですけれども、この問題については、昭和四十八年に「地下街の取扱いについて」という通達が出されております。それによりますと、原則禁止というふうになっています。それから静岡駅前で大変大きな地下街のガス爆発事故が起きました。それで重ねて新たに五十五年にその通達を出しているわけです。ところがこの構想は、私が入手した文書によりますと、総面積が二十七万七千平方メートルという八重洲地下街の約四倍、川崎地下街の約五倍という非常に巨大な地下街が構想をされておる。防災上からもいろいろ問題だというように思うのです。
 それで建設省に聞きたいのは、一つは、建設省では地下街原則禁止の通達を解除する必要を感じたことがあるかどうかという問題についてです。
 それからもう一つは、高速道路の上にホテル、住宅を建設するというのですけれども、道路上にホテルや住宅をつくるということは、これも原則禁止じゃないのかということですね。それが許可されるという場合には極めて限られたものでしかないというように思っているのです。道路の敷地外に余地がないためにやむを得ない場合、こうなっているはずなのですね。これも改正するという必要を感じたことがあるかどうかということについて伺いたいのです。
○梶原政府委員 地下街について申し上げますと、原則禁止という従来の通達の方針を変える必要は現在のところ考えておりません。
○田中(淳)政府委員 先生御指摘のように、道路上の空間に建築物を建てる行為は、いわゆる道路の占用に該当することになるわけでございます。現行道路法上では、都市計画法第八条第一項第三号の高度地区で建築物の高さの最低限度が定められている地区内の自動車専用道路の上空のみに限られていることになっております。道路法施行令第七条第七号にそういうことが書いてございます。その条件が一つです。
 それからもう一つは、先ほど先生がおっしゃったとおりでございますが、道路の敷地以外に余地がなくやむを得ないものであることが要件になっております。これは道路法第三十三条の「道路の占用の許可基準」でございます。
 今のところ、これを積極的に変えるという気持ちは持っておりません。
 以上でございます。
○中島(武)委員 JAPICに通産省が調査委託をして出してきた構想というのは、私は率直に言って大資本の利潤追求のものだなということを感じるのです。というのはなぜかというと、銀座の商店街の方々の中でも意見が一致しているわけではないのですよ。商店によっては、私どもが話を聞いてみても、それは困る、こういう意見をもう率直に言う人もいるわけなんです。やはりそこに住んでいる人の声というものがやはり再開発をするという場合に一番の基礎にならなければいけないということが一つなんです。
 それからもう一つは、今建設省の方からも答弁がありましたように、地下街原則禁止あるいは高速道路上のホテル、住宅等の建築物は例外的なものなんだ、それを変える必要というのはないというふうに、これは一般論といいますか、答弁がありましたけれども、さらにやはり防災上もいろいろ問題を持っているというようなものなのですね。
 それから、住宅をつくるというのですけれども、この住宅をつくっても大変な価格になるのじゃないか。この場合は、私は計算をしておりませんが、大川端で今再開発が進められようといたしておりますが、三DKで六千万円と言われているのですね。これは住宅をつくっても庶民の手に入るものではないのですね。だから、本当に銀座の再開発ということを考えるのであれば、やはり何といっても住民とか関係自治体とかいうものの意向を十分尊重してやるべきじゃないのか、これが私は建設行政の上でもあるべき、とるべき態度なんじゃないかというように思うのです。
 その点で、最後に私が聞きたいのは、建設大臣、どう考えるかということなんです。銀座の再開発についてというのじゃなくて、そんなことを言ったって話になりませんが、今申し上げた基本的な考え方というものを踏まえて進まなければいかぬのじゃないかということを私は思うのだけれども、大臣はどうか、こういうことでございます。
○水野国務大臣 銀座の再開発については、私は初めて話を聞いたわけでありますが、今道路局長、都市局長が申し上げたとおり、地下街の再開発は原則的には禁止をされている、高速道路上の再開発は、これは特定の例外的なもの以外は許されていないというような、建設省としては法的な条件があるというふうに、今お話しのとおり感じて、話を聞いておったわけであります。
 そこで、一般的な再開発事業についてももちろんそうでありますが、これはやはり地元の同意、協力というようなものがなければ、現実にやっていけません。今、西銀座の再開発についてはどういうことか、私も初めて聞いたわけでよくわかりませんが、さような考え方を持っておるわけでございます。
○中島(武)委員 終わります。
○中島(衛)委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時三分散会