第101回国会 科学技術委員会 第22号
昭和五十九年八月二日(木曜日)
    午前十時三十分開議
 出席委員
   委員長 大野  潔君
   理事 笹山 登生君 理事 平沼 赳夫君
   理事 与謝野 馨君 理事 大原  亨君
   理事 渡部 行雄君 理事 小川新一郎君
   理事 吉田 之久君
      伊東 正義君    岸田 文武君
      五十嵐広三君    小澤 克介君
      関  晴正君    松前  仰君
      村山 喜一君    遠藤 和良君
      工藤  晃君    辻  一彦君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (科学技術庁長
        官)      岩動 道行君
 出席政府委員
        科学技術庁長官
        官房長     安田 佳三君
        科学技術庁計画
        局長      赤羽 信久君
        科学技術庁研究
        調整局長    福島 公夫君
        科学技術庁原子
        力局長     中村 守孝君
        科学技術庁原子
        力安全局長   辻  栄一君
 委員外の出席者
        参議院議員   塩出 啓典君
        警察庁刑事局審
        議官      於久 昭臣君
        防衛庁教育訓練
        局訓練課長   上田 秀明君
        防衛施設庁総務
        部補償課長   小林 和夫君
        防衛施設庁施設
        部連絡調整官  大場  昭君
        国土庁地方振興
        局東北開発室長 照井 清司君
        工業技術院総務
        部研究開発官  齋藤 紘一君
        資源エネルギー
        庁長官官房原子
        力産業課長   大塚 和彦君
        資源エネルギー
        庁石炭部炭業課
        長       安藤 勝良君
        参  考  人
        (動力炉・核燃
        料開発事業団理
        事長)     吉田  登君
        参  考  人
        (動力炉・核燃
        料開発事業団理
        事)      大町  朴君
        参  考  人
        (動力炉・核燃
        料開発事業団理
        事)      植松 邦彦君
        参  考  人
        (動力炉・核燃
        料開発事業団再
        処理部長)   小泉 忠義君
        参  考  人
        (日本原子力船
        研究開発事業団
        理事長)    井上啓次郎君
        参  考  人
        (宇宙開発事業
        団理事)    岩崎  隆君
        参  考  人
        (宇宙開発事業
        団理事)    船川 謙司君
        科学技術委員会
        調査室長    曽根原幸雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月三十一日
 辞任         補欠選任
  村山 喜一君     山本 政弘君
同日
 辞任         補欠選任
  山本 政弘君     村山 喜一君
八月二日
 辞任         補欠選任
  松前  仰君     五十嵐広三君
  村山 喜一君     関  晴正君
同日
 辞任         補欠選任
  五十嵐広三君     松前  仰君
  関  晴正君     村山 喜一君
    ―――――――――――――
七月二十六日
 放射線被曝線量基準緩和反対等に関する請願
 (新村勝雄君紹介)(第八八三三号)
 同外一件(後藤茂君紹介)(第九〇〇六号)
同月二十七日
 放射線被曝線量基準緩和反対等に関する請願
 (新村勝雄君紹介)(第九〇四七号)
 同外一件(竹村泰子君紹介)(第九〇六六号)
 同(新村勝雄君紹介)(第九一二六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 海洋開発基本法案(塩出啓典君外二名提出、参
 法第七号)(予)
 海洋開発委員会設置法案(塩出啓典君外二名提
 出、参法第八号)(予)
 科学技術振興の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
○大野委員長 これより会議を開きます。
 去る四月二十五日、予備審査のため本委員会に付託されました塩出啓典君外二名提出、海洋開発基本法案及び海洋開発委員会設置法案を一括して議題といたします。
 発議者から趣旨の説明を聴取いたします。参議院議員塩出啓典君。
    ―――――――――――――
 海洋開発基本法案
 海洋開発委員会設置法案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○塩出参議院議員 ただいま議題となりました公明党・国民会議提出の海洋開発基本法案及び海洋開発委員会設置法案につきまして、その提案理由及びその内容を御説明申し上げます。
 海洋は、全地表面積の七割を占めながら、いまだ十分に開発されておらず、人類に残された未開発の宝庫と言えます。
 海洋には、生物資源、鉱物資源及び海水など多種多様な資源が豊富に包蔵されており、さらに海洋エネルギー並びにスペースの利用等、その開発は産業の振興、国民生活の向上、さらに人類社会の福祉に寄与すること大であります。
 四面海をめぐらし、国土の七五%に当たる大陸棚を有し、しかも陸上資源の乏しい我が国としては、海洋の開発は極めて重要かつ緊急を要する課題であります。
 第三次国連海洋法会議は、昭和五十七年四月三十日に海洋法条約草案を圧倒的多数で採択しました。条約の発効までにはまだ数年はかかるでしょうが、ともかく海洋自由の時代はもはや過ぎ去り、領海、経済水域、深海底資源開発等について新しいルールができました。
 注目すべきことは、四面を海に囲まれた我が国に二百海里経済水域のルールを当てはめると、領域が何と国土の十二・八倍の広さとなり、海陸を合わせると世界第八位の大国になるということであります。
 また、最近の画期的発見として、いわゆるマンガン団塊と呼ばれる極めて良質の深海底鉱物が四千メートルないし六千メートルの深海に豊富に賦存していることが確かめられました。この深海底鉱物の採掘についても、海洋法条約では、人類の共通の財産という理念のもとに、発展途上国を配慮したルールが決められております。
 こうした中で、我が国の国益を確保し、海洋先進国の伝統を守り続けるためには、海洋資源の開発とともに海洋環境の保全も含めた海洋の調査、研究、開発、利用において、世界をリードし、世界に貢献していくことこそが、我が国のとるべき道であると考えます。
 公明党は、昭和四十四年に海洋資源開発振興法案を初めて提出して以来、昭和四十五年、四十六年、四十八年には委員会設置法案等を加えた、いわゆる海洋開発関係法案を四回にわたって提出し、海洋開発の重要性を訴えてまいりました。
 また、海洋開発審議会は、昭和五十四年八月十五日、昭和五十五年一月二十二日の二次にわたって答申し、その中で海洋開発基本法の制定と、海洋開発委員会の設置の必要性を指摘して、海洋開発体制の速やかなる充実を迫り、しかも、その実現の時期を一九八〇年代初めとすべきであると提言しております。
 我が国では、現在、総理府以外に十三省庁という多くの省庁が海洋開発に取り組んではいますが、連係が必ずしも十分とは言えないまま縦割り行政のもとで所管業務をそれぞれ実施しているのが実情であります。海洋開発を効果的に推進するためには、国全体としての総合的な計画のもとで時代の進展におくれないよう適切な施策を実施することが必要であることは言うまでもありません。
 公明党は、先ほど述べたように時代を先取りし、早くから海洋開発の促進と特に委員会設置の重要性を訴えてきましたが、この際、改めて第三次国連海洋法会議によって開かれた海洋新時代に対応した理念と基本方向を確立するため、ここに海洋開発基本法案と海洋開発委員会設置法案を提案するものであります。
 以下、この海洋開発関係二法案の主な内容について御説明申し上げます。
 まず、海洋開発基本法案について申し上げます。
 第一に、目的と基本方針としましては、海洋開発に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図り、もって国民経済と国民生活の向上に寄与することを目的とし、開発に際しては、平和の目的に限り、民主的な運営のもとに、海洋環境の保全及び国際協調を図りつつ、自主的にこれを行うことといたしました。
 第二に、国、地方公共団体の施策、法制・財政上の措置、年次報告等につきましては、国、地方公共団体は、海洋開発のための政策全般にわたり必要な施策を講ずるとともに、国は法制上、財政上の措置を行うものとし、また、政府は、年次報告書を国会に提出するようにいたしました。
 第三に、国の具体的施策としては、国は、@海洋生物資源、海水・海底資源、海洋エネルギー及び海洋空間の開発A海洋環境の保全B海域総合利用C基礎的調査研究D基礎的科学技術の研究E国際協力F研究体制の整備G情報流通H知識の普及及び啓発Iその他必要な事項等を推進することといたしました。
 第四に、総理府に海洋開発委員会を設置することといたしました。
 次に、海洋開発委員会設置法案について申し上げます。第一に、目的及び設置としましては、海洋開発に関する国の総合的かつ計画的な推進とその行政の民主的な運営に資するため、総理府に海洋開発委員会を設置することといたしております。第二に、所掌事務及び意見の尊重としましては、委員会は、次に掲げる事項について企画し、審議し、及び決定し、その決定に基づき内閣総理大臣に意見を述べ、内閣総理大臣は、その意見を十分に尊重しなければならないものといたしました。
 事項の内容は、@海洋開発に関する総合的かつ基本的な計画A海洋開発に関する重要な政策B関係行政機関の海洋開発に関する事務の総合調整のうち重要なものC関係行政機関の海洋開発に関する経費の見積もりD研究者及び技術者の養成訓練(大学における教授研究は除く)Eその他海洋開発に関する重要事項などであります。
 第三に、組織及び委員長につきましては、委員会は、委員長及び委員六人をもって組織し、委員のうち三人は非常勤とすることができるとし、また委員長は、国務大臣とすることといたしました。
 第四に、参与及び専門委員につきましては、委員会に、重要な会務につき意見を述べさせるため、非常勤の参与を置くことができるものとし、また、専門の事項を調査審議させるため、非常勤の専門委員を置くことができるものといたしました。
 以上が、海洋開発基本法案及び海洋開発委員会設置法案の提案の理由並びにその主な内容であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
○大野委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
○大野委員長 科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として動力炉・核燃料開発事業団理事長吉田登君、同理事大町朴君、同理事植松邦彦君、同再処理部長小泉忠義君、日本原子力船研究開発事業団理事長井上啓次郎君、宇宙開発事業団理事岩崎隆君及び風理事船川謙司君の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
○大野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小澤克介君。
○小澤(克)委員 最近、核燃料サイクル確立が叫ばれ、電力業界を中心にいわゆる三点セットを下北につくろうというような動きが目立っておりますが、その是非はともかくといたしまして、この際、長官御自身から、原子炉も含めまして各種核燃料物質使用施設あるいは事業について、平和の目的以外に利用されるおそれがない、そういうように十分に規制、監督、指導する方針がおありか否か、基本的な理念といいますかお立場をぜひ明らかにしていただきたいと思います。
○岩動国務大臣 日本の原子力の研究、開発、利用につきましては、既に御案内のとおり、原子力基本法に基づいて平和利用に限って今日まで推進してまいってきております。また国際的にも、核兵器不拡散に関する条約も批准をしているということで、日本の原子力の利用については私どもの姿勢を明らかにしてきているところでございます。
 また、石油、石炭等エネルギー資源の極めて少ない日本といたしましては、代替エネルギーとして原子力の平和利用、特に発電にこれを利用していくということは極めて重要な柱でございます。したがいまして、安全性を第一としながら、平和利用のために原子力発電は今後とも進めてまいらなければなりませんが、その政策を進める上で大事なのは、ただいまお話のありましたように、核燃料サイクルを確立することでございます。もちろん、この核燃料サイクル確立に当たりましても、安全性とそしてまた平和利用という基本理念を大前提として今後とも進めてまいりたいと考えております。
○小澤(克)委員 平和利用目的に限定するという大変明快な御答弁、大変結構であるかと考えます。
 いま一つ長官自身にぜひお聞きしたいわけですけれども、これらの各種核関連施設の規制は、結局のところ原子炉等規制法を中心とする現行規制法規の解釈、運用によって、そういう形でなされるわけでございますが、いま一つ基本的な御姿勢として、これら各施設に使用される放射性物質によって施設付近の環境が汚染されることを防ぎ、そして施設付近住民の生命、身体、財産の安全あるいは保全を十分に図るお考えがおありかどうか、明らかにしていただきたいと存じます。
○岩動国務大臣 先ほども申しましたように、原子力の平和利用は何と申しましても安全が第一でございます。したがいまして、現在あります原子炉等規制法に基づく規制は、もちろんのことこれを十分に活用していかなければなりませんが、新しく民間でこのような事業を行う場合には、新しくそのような問題に対応する法制面の整備も検討する必要があろうかと考えております。当然また、地域住民の方々の安全性ということも十分に確保し、地域住民の理解と協力のもとで進められるべきものである、かように考えております。
○小澤(克)委員 とりわけ施設付近住民の安全性について十分に確保を図ると明快なお答えをいただきまして、大変結構であろうかと考えます。
 そこで当局から、これまで実際には余り存在していなかった原子炉以外の核燃料物質使用各種施設についての法規制、これに関連して順次伺いたいと思います。
 それで、今話題となっているのはいわゆる三点セットでございますが、順序として濃縮についてお尋ねしたいと思うのですけれども、その三点セットの前に、まず、現在動燃において遠心分離法による濃縮のパイロットプラントが運転をされているようでございますが、これについては法律上はどういう条項によって規制をしておられるのでしょうか。
○辻政府委員 原子炉等規制法の使用の許可ということで行っております。
○小澤(克)委員 次いで、同じく動燃が遠心分離法による原型プラントというのを計画していて、かなり具体化していると伺っておりますが、これについては法規制はどういう条項による規制になりましょうか。
○辻政府委員 これにつきましては、動燃の事業が事業としての性格を帯びてきておりますことから、加工の業として規制する予定でございます。
○小澤(克)委員 ここでひとつ教えていただきたいのですけれども、パイロットプラントであるとかあるいは原型プラント、さらには実証プラントそれから商業プラントというようないろいろな区別がなされているわけですが、これはどういうメルクマールでこういう区別をしているのか、そして今の御答弁にありました事業としての実態を有するに至るには大体どの辺からを考えておられるのか。いかがでしょうか。
○辻政府委員 一般に事業につきましては、一定の目的を持って社会的地位に基づいてなされる同じ種類の行為の反復継続的な遂行であって、営利の目的を持ってなされるかどうかは問わないというふうにされていると考えております。
 この認識のもとに、原子炉等規制法上の事業のメルクマールといたしましては、まず第一に反復継続した行為を支えるに足る程度以上の社会的需要が具体的に期待されること、それから反復継続した行為を支えるに足る安定した技術的基盤を保有していること、こういったようなことをメルクマールとして考えます場合に、従来のパイロットプラントとこれからのデモンストレーションプラントの間には格段の違いが出てきているということで、今後は加工の事業として規制するのが適当であろう、かような考えで取り扱おうとしているものでございます。
○小澤(克)委員 今またデモプラントというお言葉が出たのですけれども、これがちょっとよくわからないので、試験研究に近い方から商業化に近い方まで並べて、大体どういった程度に至ればこう呼ぶんだというようなのを、慣例で結構でございますから教えていただきたいのです。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。
 今の原型炉とか実証炉とかこういう言葉は、原子炉の開発について使われてきた言葉でございまして、いわば電力を発生しない、あるいは発生しても極めてわずかで所内の動力を賄う程度のいわゆる実験炉というものから、実際の商業炉を既に想定いたしまして、実用規模を比べると小さいけれども一応実用の機能を備えたモデル的なものをつくって実験してみようというのが原型炉でございます。それから、そこで確認されました技術をベースにして今度は、実際の経済性も含めた実用性についての確認を行い、かつ実際に使えますよということをお示しするのが実証炉ということでございます。これは原子炉についての開発の過程でございまして、そのほかのプラントについてはいろいろな考え方がとられるわけでございます。
 濃縮の場合につきましては、人形峠につくりましたパイロットプラントはいわば原子炉の実験炉的な要素があるわけでございますが、ただいま計画し進めつつあります人形峠のプラントにつきましては、これは原子炉でございますといわゆる原型プラントと実証プラントを一つにしたような形のもの。と申しますのは、発電所の場合と違いまして、発電所でございますと、百万キロワットの原子炉といいますと一基ぼこんとつくるわけでございますが、濃縮のプラントでございますと、小さな幾つかのユニットを積み重ねていって大きなプラントにするということもございまして、人形峠につくるのはそういう意味で原型プラントと実証プラントの両方をあわせ持った性格だ、こういうぐあいに御理解いただきたいと思います。
○小澤(克)委員 今、濃縮に関して原型プラントについては加工事業ということで規制するというお話だったので、それを前提にお尋ねをしたわけですけれども、そもそもこの濃縮事業に関しまして加工事業という条項を適用する、これはどういう根拠からでしょうか。
○辻政府委員 原子炉等規制法第二条六項に加工の定義が記載されているわけでございますが、これによりますと「「加工」とは、核燃料物質を原子炉に燃料として使用できる形状又は組成とするために、これを物理的又は化学的方法により処理すること」という定義がなされているわけでございます。ウラン濃縮事業といいますのは、先生御承知のとおり、核燃料物質を原子炉に燃料として使用できるような組成、すなわち、天然ウランですと核分裂を行うウラン脇の比率が低いわけでございますので、これを原子炉で燃せるようにある程度ウラン脇の比率を高める作業、これが燃料物質の組成を変更するということでございますし、遠心分離法の場合ですとこれを物理的な方法、すなわちウラン235とウラン238の比重の差を利用して分離する物理的な方法で組成の変更をする、こういうようなことによって燃料の処理をする事業でありますので、規制法上の加工の定義に該当するというふうに考えておるわけでございます。
○小澤(克)委員 根拠としては、今おっしゃられた文理解釈といいますか文理論に尽きるわけでございましょうか。
○辻政府委員 文理論と申しますか、こういった事業そのものの定義の問題と、それから先ほどメルクマールとして申し上げましたように、加工の業として規制するに足るだけの業的な要素と申しますか、これが充実してきたということで加工の業でとらえよう、こういう考え方でございます。
○小澤(克)委員 私は、この原子炉等規制法の二条六項の加工の定義に濃縮を含めることは不可能だというふうに考えるわけでございます。
 その理由は、「燃料として使用できる形状又は組成とするため」、形状というのはもちろん形のことでございますね。それから組成は、いろいろな要素から成る組み立て、組み合わせといいますか、そういったことだろうと思います。同位元素は化学的性質、物理的性質はほとんど同じでございます。微妙な違いがあることはあるわけですけれども、こういったものについて、その含まれる率がどのくらいかということを組成という言葉で賄うのは文理論的に無理だろうと思うわけです。それからもう一つは、物理的方法による処理または化学的方法による処理というふうに定義づけられているわけですけれども、物理的方法による処理というのは、伝統的な理解では、いわば力学的な力を加えるあるいは熱を加えるといったいわゆる物理的方法、そしてまた物同士をまぜたり組み立てたり接着したり配置を変えたりという操作、こういったものが物理的方法でありますし、それから化学的方法というのはまさに化学的変化を与える操作、すなわち化合、分解、また酸化させたり還元させたり、こういうふうに解釈するのが文理論的には当然だろうと思うわけです。
 濃縮は、今お答えにもありましたとおり、同位元素中の特定の原子量の比率を高める操作でございまして、それによって物理的、化学的な特性の変化をもたらすのではなく、核分裂反応という核反応に関する物質の特性を整えるといいますか、ある特定のところに特性を与える操作でございますので、これは加工という定義からは明らかに外れるのではないか、こういうふうに考えるわけでございます。
 ここから質問なのですけれども、例えば合衆国の法制度では、濃縮については用語としてもエンリッチメントという言葉が使われていて、これは軍事技術に直結するものであるからだと思いますが、原則として濃縮施設については国家が独占するということで、いわゆる成形加工、ファブリケーションとは全く異なった規制がなされている。あるいはイギリス法におきましても、ここでは含有されている同位元素ウラン235の割合を増加させるウラン処理、処理というのはトリートメントという言葉のようですが、濃縮という単語はないにしてもこういう定義づけをした上で、これを特別な許可にかからしめている。こういう外国の法制になっていることは御承知でしょうか。
○辻政府委員 濃縮の事業は、国営あるいは国際的な共同機関あるいは民営というように、国々によって、その政策に従いまして事業の形態が変わってきているというように承知しております。
○小澤(克)委員 そういう一般論じゃなくて、エンリッチメントとファブリケーションについては言葉としても違っているし、規制体制も全く違っているということは御承知かどうかということをお尋ねしているわけです。
○辻政府委員 濃縮あるいは燃料の成形加工についての規制の各国の現状につきましては、ちょっと手持ちの資料がございませんので今直ちに御答弁できるほど知識を持っておりませんけれども、いずれにしましても、各国によって、その政策のよってくるところによって事業形態並びに規制方法が変わってくる、かように承知しております。
○小澤(克)委員 今のようになっておりますので、ひとつこの点お調べ願いたいと思います。
 そこで次にお尋ねしますが、この濃縮について最初に長官から大変明快なお答えがあったわけです。すなわち、平和の目的以外には利用されるおそれがないように十分規制する、そういうお答えがあったわけですけれども、具体的に濃縮について手続的にどうやってその平和目的に限定を図られるお考えでしょうか。
○辻政府委員 平和利用確保に対する法制の概説について申し上げたいと思います。
 御承知のように、原子力基本法によりまして、我が国の原子力開発利用は平和目的に限られるという基本方針にのっとって我が国における原子力開発利用の諸般の施策が進められているところでございます。もう一つ、これを実体法上あるいは行政措置によってカバーいたしますために、一つは、原子炉等規制法によります事業の許可あるいは指定の許可等を行います場合に、平和利用が図られるということを十分にチェックするという作業が一つあるわけでございます。
 濃縮については後にちょっと申し上げますけれども、さらに平和利用ということになりますと、できた生成物、核物質が原爆等に利用されることのないよう、核物質がどういうふうに使われていくかということをきちっとフォローアップするということが必要でございます。したがいまして、原子炉等規制法に基づきましていわゆる保障措置と申しますか、核物質の国内における動きをきちっと政府において把握してこれを管理するということが行われているわけでございます。これは御承知のように、NPT条約との関連におきまして国内査察制度をこの規制法によって確立いたしますとともに、国際機関でございますIAEAの保障措置も受け入れるということによって、我が国の核物質の使用が真に平和目的に利用されていることを内外に示すというような措置がとられているわけでございます。
 具体的に申し上げますと、まず第一に、核燃料物質等の適正な計量管理を確保いたしますために、事業者におきまして計量管理規定を定めることとなっておりまして、その施設の使用開始前に政府の認可を受けるということを義務づけているのであります。これは規制法の六十一条の八に規定されているところでございます。
 さらに、事業者に核燃料物質等の使用に関しまして必要な事項を記録させるということがまた義務づけられておりまして、これは同法の六十一条の七というので規定されているわけでございます。また、同法の六十七条によりまして報告を求めるということも行われておるわけでございます。
 さらに三番目といたしまして、国あるいはIAEAの査察官が当該施設に立ち入りまして、帳簿等の検査であるとか試料の収去を行う、あるいは封印または装置の取りつけを行う、こういったことをやっております。核物質の量といいましても、お金の勘定と違いまして、いろいろな施設の中で核分裂を起こすその他のことによりましていろいろと物質の形態が変わっていくわけでございますので、こういったようなことをチェックいたしますためには、施設内におけるそういった変化を的確に把握するということのために、試料の一部を収去いたしましてこれを官側において分析して、どういう数値になっているかということを把握する必要があるということから、このようなことをやっているわけでございまして、これが法律の六十八条の規定によって行われるわけでございます。こういった一連のプロセスによりまして、核物質が平和目的に限って利用されているということを厳しく確認しているわけでございます。
 また、この業務を円滑に推進させるということから、財団法人核物質管理センターというものを設立いたしまして、同じく法律の定めるところによりまして政府に報告されました核物質の情報を処理をする業務、核物質管理センターに大型のコンピューターが備えられておりまして、日本全国の核物質の状況をきちっと把握するといったような業務、あるいは先ほどの分析といったような業務を行わせておりまして、こういったようなことを通じまして日本の原子力の平和利用の確保が担保されるというような仕組みにしておるわけでございます。
○小澤(克)委員 長々とお述べになったのは、核燃料物質の使用あるいは流通等についての一般的な規制のことだったわけですけれども、肝心の濃縮についての事業の許可に当たってはどういう手続が保障されているか、こうお尋ねしているわけです。
 御存じでしょうけれども、原子炉等規制法の第十四条には、許可の要件として、平和の目的以外に利用されるおそれがないことという要件が欠けているわけです。この点についてどうお考えなのか。
○辻政府委員 御指摘のとおり、加工の事業の許可基準には平和利用に限るという規定が欠けておるわけで、この点がほかの事業の許可、指定等に関しまする規定とやや異なるところでございますが、これは私はこのように解釈しているわけでございます。
 それは、まず加工事業におきましては原子炉等規制法の先ほど申し上げました定義上、原子炉用の燃料として使用するために燃料物質を加工する、こういうことになっておりまして、加工の事業というのは当初からその利用目的が限定されているわけでございます。原子炉が平和目的に限って利用されるということが保障される限り、加工事業を許可するに当たりまして再度利用目的を限定する必要はない、加工事業の許可基準に平和利用を設けていないのはそういう立法の趣旨ではなかろうかというふうに解釈しているわけでございます。
○小澤(克)委員 大変苦しいといいますか、法解釈上は成り立たないと思いますよ、加工事業そのものについての認可の問題ですからね。しかも十三条では、加工事業の目的について申請書に記載することが要求されていないわけですから、手続的には平和目的確保というのは全く保障されていないわけです。なぜこの加工のところにこれが入っていないかというのは、これはもう非常に簡単なんです。加工には濃縮などということは立法当初から全く予定されていないからなんですよ。今のような解釈は全く成り立たない、こじつけにすぎない、そう思います。
 そこで、この濃縮というのが加工に含まれるか否かについての学説等もある程度お調べだろうと思いますが、これについて何か承知しておられますでしょうか。
○辻政府委員 御質問の件につきましては、行政法学者の間で多少の議論が分かれているということのようでございますが、私、現時点におきましてはその内容について詳細は承知しておりません。
○小澤(克)委員 東京大学教授の塩野宏さん、これは第一法規の「核燃料サイクルと法規制」という本でこういうふうに明確に書いておられるのですね。「濃縮の段階はわが国では自ら実施しないということを前提として、原子炉等規制法が制定されているとみるのが、素直であろう。したがって、わが国でも、転換・濃縮の技術が実用化される段階にあっては、原子炉等規制法に、これを明示する必要があろう」こういうふうに言っておるわけです。これは御承知ないわけはないと思いますけれども、よくお調べください。
 次に、従来の行政解釈はどのようになっていましたでしょうか。加工について濃縮を含むという解釈が行われていましたでしょうか。
○辻政府委員 私ども最近になって先ほど述べた解釈を変えたわけではございませんで、事業の実態が出てきたので具体的な対象事業が出てきたということで考えております。
○小澤(克)委員 核燃料物質の加工の事業に関する規則という総理府令がございますね。これの二条あるいは三条の二を見てください。ここで予定されている加工事業の各施設の類型としては、二条の一のイロハのハのところから見てください、イ及びロは全般に関する規定ですから。ハ、化学処理施設の構造及び設備、ニ、成型施設(熱処理施設を含む。)ホ、被覆施設、ヘ、組立施設、ト、核燃料物質の貯蔵施設、チ、廃棄物の廃棄施設というふうになっていますよ。三条の二にも、ロから附属的なのも入れればチまででしょうか、そういう類型になっていますよ。どこに濃縮という字がありますか。考えを変えなかったというのはうそでしょう。
○辻政府委員 これは本年の六月にここの部分の規定を改正いたしまして、ハの次に新しい二といたしまして「濃縮施設しという規定を入れたわけでございます。
 これは、ウラン濃縮が加工の業に含まれるか否かという議論ではなくて、我々の考えといたしましては、具体的に動燃における事業が加工の業として考えた方が適当であるという事態に進展してまいった、そういう規制する対象の事業が具体的にあらわれてきたのでここに入れたのであるという考え方でございます。
○小澤(克)委員 この加工の事業に関する総理府令はいつ制定されましたか。四十一年七月でしょう。
○辻政府委員 四十一年七月十九日でございます。
○小澤(克)委員 その後たびたび、ほとんど毎年のように改正がなされていますね。濃縮という文字が加わったのはことしの六月、初めてでしょう。
 それから、事業に熟してきたからというお話でしたが、それでは再処理についてはいかがですか。再処理に関する規則ができたのはいつですか。
○辻政府委員 再処理事業に関する規則を制定いたしましたのは、四十六年三月二十七日でございます。
○小澤(克)委員 再処理については最初から、昭和三十二年に原子炉等規制法ができたときからあるわけですよ。事業に熟してきたから云々というのは、全く理由になりませんよ。
 昭和三十二年に原子炉等規制法が制定されたわけですけれども、衆参両院における委員会、参議院はたしかまだ商工委員会だったと思います。衆議院は特別委員会ができていたと思いますが、提案理由の中で、加工のところで濃縮を行うなどという説明を一言でもしておりますか。
○辻政府委員 私、ただいま改めて見ておりませんのではっきりいたしませんが、今聞きましたところ、積極的にそういう説明をしてはおらないということでございます。
○小澤(克)委員 もちろんそういう説明は一言もございません。私、全部議事録を見ました。
 こういうところがあるのですよ。昭和三十二年五月六日開催の第二十六回国会衆議院科学技術振興対策特別委員会、ここで委員のうちからウラン燃料入手の見通しについて質問があったのに対して、当時の有澤広巳原子力委員会委員が説明員として出席しまして、こういうふうに答えているのですね。かなり長くなりますが、時間がまだありますから読みましょう。「燃料の中に天然ウランと濃縮ウランとあるわけでありますが、おそらく濃縮ウランは国際原子力機関等を通じて得られると思いますけれども、これは発足して間もないことでございますし、かりにもう二、三年待たないとはっきりしないと思います。これに反しまして天然ウランの方は、これは今の趨勢から申しますと、外国から輸入するにいたしましても、鉱石ならばこれを輸入することは比較的楽になるような世界情勢になるのではなかろうか、こういうふうに実は考えております。」中間略しまして「ですから、天然ウランを燃料とするような開発方式をとっていきますならば、日本として考えた場合に、比較的燃料の問題はその道が開けるのではないか、こういうふうに考えております。むろん国内におきまして、天然ウランの探査をもっと厳重にやらなくちゃならぬと思います。」すなわち、天然ウランを燃料とするような開発方式、ガス炉であるとか重水炉だろうと思いますが、そういうのをやっていけば、燃料の入手確保の道が開けるのではないか、こういうことをはっきりおっしゃっています。それから同じ日です。同じく説明員として出席した石川一郎原子力委員会委員、この方は、これは一々読みませんけれども、要するに、アメリカから濃縮ウランが十分供給を受けられるであろうという感触を得たというような話をるる説明をしておられるわけです。これは聞く方も答える方も国内でウランを濃縮するということは全く念頭に置いてない。こういうやりとりがなされていることは御案内でしょうか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。
 今先生御指摘の議事録、私もつぶさに見ておりませんので今この席で確認するということはちょっとできませんですが、日本の原子力開発の当初におきまして原子炉の開発を考えているときに、天然ウランを利用して国内での実質的な燃料サイクルの確立ということで、濃縮ウランというようなことで外国からのいろいろな制約を受けない形で燃料サイクルを確立することは非常に意義あることじゃないかということで、例えば今私どもが進めております新型動力炉の中の新型転換炉の開発の初期においては、そういう考え方で炉型を選定いたしまして、その後いろいろな技術的な経緯もございまして現在のものになっておりますが、開発の初期のころにはそういう考えがあったということはございますので、今先生が御指摘になりましたような議論が交わされたということは十分考えられることでございます。
○小澤(克)委員 昭和三十二年、立法当時の状況は、アメリカのアイゼンハワーでしたか原子力の平和利用、アトム・フォー・ピースということを大々的に打ち上げて、濃縮ウランについて供給する用意があるのだという政策を打ち出した。それに呼応するような形でこういう法制化がなされているわけです。こういう立法事情からしても、そして立法時の議論あるいは法案の説明から見ましても、国内で濃縮をやるなんということは全く考えていない。ましてや加工のところに濃縮を無理に当てはめようなどということは全く念頭にない。これは明らかであります。学説ではいろいろな議論があることは先ほどのお答えにもありましたけれども、立法当時に国内で濃縮をやろうあるいは加工のところに濃縮を含めようなどということ、立法当時からそういうことであったということを唱える学者は一人もおりません。いかに濃縮を加工に含めることが無理かということはこれまでの議論で十分明らかであろうと思います。
 あと五分になりましたので質問はこの程度で終わりますけれども、私としては、濃縮を加工のところに含めることは法解釈として全く無理である、ここでもう一度はっきり申し述べておきたいと思います。
 今まで挙げました理由をもう一遍繰り返しますと、第一は文理解釈上無理である。第二は比較法的観点から見ても、諸外国との比較から見ても無理である。第三点は実質的理由、すなわち平和目的以外に利用されるおそれがないことという要件が加工のところには欠けていること。言うまでもなく濃縮というのはまさに軍事技術に直結する技術ですから、これが欠けているということはあり得ないことです、もし加工に濃縮を含むならば。さらに行政解釈。ことしの六月に至るまで行政庁自身が濃縮を加工の中でやるなどということは全く考えてなかった。これは総理府令を見れば明らかです。歴然としています。それから学説。これだけの理由があれば法解釈論、縦から見ても横から見ても無理ですよ。
 おまけに最大の理由は、国の唯一の立法機関であり、国民を代表する機関である国会において全く議論がなされていない。それにもかかわらず濃縮を加工の中に無理に当てはめるなどということは、立法者意思を全く無視した解釈でして、立法府に所属する者として絶対に容認できないとはっきり申し上げておきます。
 あと三分時間がございますので、長官を含めまして警告をしておきたいと思います。
 今、挙げましたような理由で濃縮を加工の中に含めることは不可能です。どうしても濃縮を事業としてやりたいならば、国会に法案を出してきちんと国民の前で議論すべきです。それをしないままいいかげんなごまかしをすると、また「むつ」と同じことになります。「むつ」について、事務当局から十分な情報を得られないままに試験強行の指令を出したかつての長官がそのことを非常に憤慨しておられて、今や「むつ」廃船論の急先鋒に立っておられるという事実、長官はよく御存じだろうと思います。(「急先鋒じゃないですよ」と呼ぶ者あり)急先鋒ではないそうですが、いずれにしても廃船論を唱えておられるということを御存じだろうと思います。もう一度同じ轍を踏まないように、きょうは長官には質問しないのですけれども、恐らく事務当局から十分な報告を受けていないだろうと思います。このままこれを見逃すようなことがあれば、後で例えば訴訟などになって、司法当局から濃縮施設についての事業許可が法令に根拠なしとして取り消されたり、あるいは当然無効となる、大変な混乱を招くことが十分予想されます。そういう訴訟において指定代理人を務めるのは法務省所属の方だろうと思いますが、大変な迷惑を受けると思います。そういった訟務検事さんなんかの意見も十分踏まえて、再度検討すべきであることを厳重に警告をして、私の質問を終わりたいと思います。
○大野委員長 五十嵐広三君。
○五十嵐委員 それでは科学技術庁にお伺いしますが、高レベル放射性廃棄物のガラス固化体一本が持っている放射能、これは低レベル――低レベルと言ったって差はあるだろうと思いますが、包括的に言って一体そのドラム缶何本分くらいの放射能に当たるのか。これはこの間も聞いていたところだからわかるでしょう。
 それからついでに、高レベル放射性廃棄物のガラス固化体が通常の低レベル放射性廃棄物並みに放射能が減衰する半減期を迎え迎えてそこまでいくというのには通常何年くらいかかるのか。これはいろいろ言われているものでありますから、一般的なことで結構ですが、お答えいただきたいと思います。
○植松参考人 御質問の趣旨についてお答えさせていただきます。
 高レベル放射性廃棄物の固化体そのものの大きさにもよりますけれども、動燃で現在考えておりまして、またパンフレットなどにも書かれておりますものを参考にいたしますと、高レベルの固化。体一体当たりに入っておる放射能は、ガラス固化体をつくった時点で約四十万キュリーというように考えております。低レベルの廃棄物をドラム缶に詰めた場合、それぞれがどの程度のキュリー数入っておるかによりますけれども、ある計算によりますと、高レベルのガラス固化体一体に相当するキュリー数は低レベルのドラム缶の数百万本くらいに相当するかと存じます。
 それからまた、どれくらいたてば高レベルのガラス固化体の放射能が低レベル並みになるのかという御質問につきましては、低レベルというものの表現をどうするかにもよりますけれども、今ドラム缶の表面線量率を二百ミリレントゲン・パー・アワー以下というくらいに規定をいたしたといたしますと、高レベルのガラス固化体一体の表面線量率がそれ以下になるには、放射能の減衰によりまして約三十万年くらいの期間がかかるというふうに計算上はなると思います。
○五十嵐委員 今度幌延に、今まで低レベルと言っていたのが高レベルということになったわけで、今の植松理事さんのお話のように、大体高さ百三十センチくらいで四十五センチくらいの径の高レベルのガラス固化体一体で低レベルのドラム缶数百万本分の放射能を持っている。その高レベルのガラス固化体の放射能が低レベルの放射性廃棄物並みに減衰するのには、お話によれば三十万年もかかるという。低レベルからそういう大変な高レベルにということで、幌延はその問題で今大変な論議になっているわけであります。
 そこで、こういう高レベルの一時貯蔵施設などを決めるときに、通常この種の施設というものはいろいろな調査をして、長い間かかって何十カ所か十数カ所か、低レベルの場合なんというのは、原子力環境整備センターの話では初めは五十カ所くらい見て、その次の段階でそれを十何カ所にして、それから今度は五、六カ所にして、そうして一カ所に詰めていくわけですね。今度はなぜそういうことをしないのですか。突然幌延に高レベル貯蔵施設、しかも今言うような物すごい施設、我々の世代の何十万年も後の世代にまで影響をもたらすような問題を、今生きている我々の世代の責任において決めなければならないという問題なんです。一体これはどういうのですか、ちっともそういう手順を尽くしてないじゃないですか。どうですか。
○吉田参考人 お答えいたします。
 原子力関係のいろいろな施設をつくります場合には、この立地問題は非常に重要な問題だと我々は認識しておりまして、第一条件として安全性ということを非常に考えていろんなことを考慮しておるわけでございますが、この貯蔵工学センターの場合につきましても、高レベルの貯蔵でありますのでいろいろな研究施設をつくるということも考えておりますので、やはり広い土地が必要であります。それから立地の一つの条件といたしまして、やはり地質条件ということも必要でありますので、そういうことを我々としてもいろいろなところから調査資料を集めて、それによって最初の検討をいたします。
 それともう一つ、一番重要なことは、やはり土地の住民の方に理解をしていただいてあるいは誘致をしていただくとか、そういう条件が整うということが非常に重要でありますので、我々はそういうことを考えて、この立地地点というものをそう簡単に決めたわけではありませんので、相当な時間をかけてこういうことを考えまして、幌延がそういう意味で有力な候補の一つであると考えているということでございます。
○五十嵐委員 広い土地だとか地質だとかいうお話ですが、後でちょっと時間があれば話しますが、そういう意味で幌延は適しているというか、土地は広いでしょうね。しかし、広い土地はどこにでもありますからね。おっしゃいますけれども、住民はついこの間まで高レベルなんということは全然知らないんですよ。四月でしょう、御承知のように下北の方に低レベルが決まった。やれや札幌延の方は助かったか、こうなっていたら今度は高レベルとなってきた。あれから何カ月ですか。おかしいですよ。こういうものは何カ所も候補を決めて、それこそ地質はどうだとかあるいは輸送コストはどうだとかさまざまな要素を挙げて、これはバッテン、これはマルとか、総合評価をして決めていかなければいけないでしょう。おたくなんかの場合だって、こういう原子力の仕事は五年だとか十年だとか相当長期にわたってやっている。それでいいと思いますよ。それを何ですか、二月か三月でばたばたと。わからないですよ。そして道議会にもこの間動燃の職員が出かけていって、盛んにどうしたとかこうしたという話が新聞にも出ていました。この間、町議会にも一回だけおたくの方で行って、数十人の人を集めて説明しましたね。それだけじゃないですか。住民なんて何もわからないですよ。これは手順が全くおかしいですよ。
 しかも動燃が出しているパンフレット、きのう参議院で対馬先生がいろいろやったそうだから僕は省略しますけれども、あの中で最初に出したパンフレットと後のパンフレットとでは、最初は七千本の計画であり、後は二千本という計画になって、随分その間に差が出るわけですね。それは当然のことでしょう。工学センターの機能としていろいろな暖房を提供する、例えば園芸施設にお湯を送る、養魚場に送る。あるいは雪なんかを解かす融雪の暖房を送るとかいうことがずっと書いてあった。それが最初は七千本であったのが、後から出たパンフレットを見ると二千本だから二九%です。したがって、お湯の量も大幅に減った。最初は八千四百キロワットが二千四百六十キロワットになった。おたくの方で出しているパンフレットをずっと見てみますと、例えば園芸施設はビニールハウスみたいなのが百二十棟、それが十二棟になっている。十分の一ですよ。温水プールは二千平方メートルが三百二十五平方メートルに六分の一ですよ。養魚場に対しては四千平方メートルが五百平方メートルで八分の一ですよ。路面融雪は二万八千平方メートル分が十五分の一くらいになっているのですよ。これは二千本ですよ。
 ところで科学技術庁にお伺いしますが、西暦二〇〇〇年で七千本計画のうち返還と下北の分は下北で貯蔵するということになるわけですから、したがいまして、この間局長さんからもお答えがありましたが、動燃さんの東海村から出たものを持っていくことになるわけですから、幌延で西暦二〇〇〇年で一体何本ぐらいになるという計画ですか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。
 二〇〇〇年という時点でございますので一応のいろいろな試算の仕方はございますが、百二十リッターのキャニスターに換算しまして千五百本程度かと考えております。
○五十嵐委員 おたくの方の二冊目のものは二千本と書いてあった。一冊目の七千本がだめになって二千本に直して書いた。今度は千五百本だと言う。私は千五百本だってできないと思いますよ、今の東海村の再処理工場の状況から言うと。これは最大限見積もってでしょうね。恐らくそう聞けばそのとおりですというお答えでしょう。今の状況でいけば恐らく数百本じゃないですか。そうするとどうなるのですか。仮に今お答えのとおり千五百本ですと、最初の計画七千本から見ると二一%ですよ。二冊目に出したプリントにある二千本計画からいっても七割くらいのものです。今言った数字はさらにまた下がる。これは全然事業用にはならないじゃないですか。ややそういう感じのことを吉田理事長さん、この間お答えになっておられましたね。理事長さん、どうですか。
○吉田参考人 お答えいたします。
 この貯蔵工学センターそのものの一番の目的は、高レベルのガラス固化体を貯蔵いたしましてそれの安全性を研究開発する、そういう点が一番の基盤になっております。ところが、そうなっておりますけれども、ガラス固化体からは熱を発生し、また放射線を出しますので、そういうものの利用はできないだろうか。そういうことの研究開発をするのが最初の段階でございまして、その結果でいい結果が出ればそれをいろいろ実用化にも適用することができるということで、この前もちょっと御説明しましたけれども、実用化すればこういうふうになりますということで二千本とか七千本とかいう数字がたしか出たと思いますが、それはずっと超長期に考えた場合の実用化の段階を前提とした研究開発をしたいというのが我々の最初の目的でございます。
○五十嵐委員 あのパンフレットを見ると、住民にしてみれば、またバラ色に書いていますから、何かそれぞれの家庭もあるいは農家なんかも暖房が来るんだな、それは千何百軒分なんて書いてあるんですから。そういうような紛らわしいことはやめた方がいいですよ。これはもう改めて言いませんけれども、あのパンフレットとは別に「九つの質問」というのがあるでしょう。あれなんかだって全く問題がありますよ。きょうは言いません。言いませんけれども、あれはやっぱり回収した方がいいですよ。きのう若干指摘を受けたようですが、表紙といい、今言うような恐ろしい高レベルのガラス固化廃棄物、それの横に女の人が立っている、一メートルくらい横に。それを写真に撮って表紙に使っている。それは大体背の高さを比較する上でそういうぐあいにしたんだなんて言っておりますけれども、これはとんでもない話ですよ。ああやって実際に高レベルのガラス固化体の横に女の人が立ったら、どうですか、そんなもの何分もたたないうちに終わりでしょう。どうしてそんなものを表紙にして配るんですか。あなた方の仕事というのは安全性が第一でしょう。だめですよ。中身についても問題がありますよ。今、一三言わないけれども、あれはやっぱりやめてください。撤去してください。もし取りかえないのなら、またやりますよ。
 さてそこで、通産省に二つありますが、そのうちの一つは、下北計画では再処理工場に固化のプラントと一時貯蔵施設を一緒にやろうということに電事連の方針も決まって、青森県の知事にも申し入れたということのようでありますが、そういうことで固まったと考えてよろしいですか。かつ、そこには返還の廃棄物も一時貯蔵する、こういうことになっているようですが、いかがですか。
○大塚説明員 お答えを申し上げます。
 前回、先生から御質問がございましたときに、通産省の諮問機関でございます総合エネルギー調査会の原子力部会で七月二日に報告が行われた、その内容についてちょっと言及したと思いますが、あの中でも今おっしゃった趣旨というのは、これは政策の観点ですが、はっきり書いたわけでございます。
 それから、七月二十七日に電事連が会長以下申し入れを青森県に行いましたが、それに使いました文書の中でも、おっしゃいました一時貯蔵、それは再処理に伴って出てまいりますもの、それから返還固化体に関する一時貯蔵、これはその場で行う、その敷地内で施設をつくることを考える、こういうことをはっきり書かれておるわけでございます。
○五十嵐委員 そうですね。
 そこでこの場合、吉田理事長にお伺いしたいと思うのです。
 吉田理事長は、総合エネルギー調査会の原子力部会のメンバーですね。その部会の基本政策小委員会というのがあるが、そのメンバーでもあるわけですね。ここから七月の二日にレポートが出たわけです。これは「自主的核燃料サイクルの確立に向けて」という全体的に非常に重要な報告で、これからの廃棄物等も含めて一つの基本を示していくレポートであった、こういうぐあいに思いますが、そう受け取っていいですか。簡単で結構です。
○吉田参考人 お答えします。
 今先生の言われたとおりだと思っております。
○五十嵐委員 この報告書の同レベル放射性廃棄物対策」の「基本方針」というところに、こう書いているわけです。
 1 基本方針
  @再処理施設から発生する高レベル放射性廃液は低レベル放射性廃棄物と比べて量的には少ないものの、放射能レベルが高いごと、放射性物質の崩壊による発熱があること、半減期の長い放射性核種を含んでいること等の特徴を有している。
 したがって、環境への影響と公衆の放射線被ばくを防止する見地から高レベル放射性廃棄物については、十分安全に管理しつつ、最終的には人間の生活環境から隔離することが必要である。
  Aこのため、高レベル放射性廃液は、安定な状態に固化処理し、一時貯蔵した後、再処理工場敷地外において、国の責任の下に処分を行うこととする。
こう書いているわけであります。
 先ほど通産省からお答えになりましたように、下北の第二再処理工場もこの方針に基づいて、再処理工場に付設して固化プラント及び一時貯蔵施設もつくるということになったものであろう、こういうぐあいに思います。この場合の一時貯蔵というのは、言うまでもありませんが三十年から五十年貯蔵するというものですね。
 そこで、吉田理事長さんにお伺いしたいのでありますが、それならば、東海村にある再処理工場に何で固化プラントと一時貯蔵施設をあわせてつくらないのですか。あなたが起草委員になっている、しかも今お話しのように我が国のこの種のこれからの基本方針としてのレポートにはっきり書いているわけだ。固化も、一時貯蔵もして、それから敷地外で処分をするんだと書いているでしょう。あなたのところでまずそれをやらなければだめでしょう。何で敷地外に一時貯蔵を出すなどという誤った考えを持つのですか。どうですか、理事長。
○吉田参考人 お答えいたします。
 東海の再処理工場のところで我々は固化プラントをつくりまして、そこでガラス固化をやります。それからできたものも、やはり一時的にはある程度のものは貯蔵しなければなりませんので、そういうことも東海の事業所でやることは当然でありますけれども、我々が今計画しております貯蔵工学センターは、先生もおっしゃいましたように三十年とか五十年とかという一時貯蔵をして、それの安全を実証しなければいけない。しかも、先ほどから御説明のありましたようないろんな利用の可能性の研究をするとかということになりますと、最初に適地として申し上げましたように、相当広い土地にそういうものをしないと工学センターとしては成り立ちませんし、このハイレベルの固化体の安全の実証というようなことをやるにも、東海事業所では狭くてそういうことまではできませんということで、我々としては別途にこういう工学センターを計画をしているわけでございます。
○五十嵐委員 いいですか。まず問題を二つに分けましょう。
 一つは、おたくの方で決めたように、おたくの方というのは、つまり総合エネルギー調査会原子力部会で七月二日に出したレポートにあるように、ここでいう「安定な状態に固化処理し、一時貯蔵した後ここの一時貯蔵というのは、言うまでもなく三十年ないし五十年のことですよ。そうですね。下北もそうするわけですよ。その後に再処理工場敷地外で国の責任で処分する、こうなっているわけですから、お答えがちょっとすれ違っているようですが、それは僕はやはり当然敷地内でやるべきでないか、それが基本方針でないかということなんです。それを動燃自身が変なことをしちゃうまくないということです。
 しかし、そこでもう一つの問題ですね。そうはしたいんだが敷地が十分でない。だからやりたくても、いろいろな研究とあわせてやろうとしているのだから、そこで敷地上どうもならない、こういうお話なのでしょう。私は恐らくそうだろうと思いまして、敷地を調べたのですよ。おたくの方からの資料ではなかなかこれは出てこないのですけれども、動燃事業団の東海事業所の敷地の状況は、敷地面積は全部で八十二万平方メートルぐらい、このうち七万ぐらいは原子力施設としては利用ができないのだと、こういうのです。そのうち、建物として利用しているものは十四万平方メートル。そのほか、道路が十一万ぐらいあるといいますが、道路は別として、建物としてのいわば建ぺい率からいうと、率は一五・四%ですよ。隣に原研の敷地があるでしょう。これは広大なものだ。二百六十万平方メートルあるのですよ。その中に、原研の場合はちょびちょびと建物がある程度ですよ。いいですか、今二千本の貯蔵施設として半地下のものをつくろうとする、どのぐらいになるか聞かせていただきました。三千三百平方メートルにすぎないのです。研究施設を幾らか周りに建てるとする、そんなもの何ぼ面積が要りますか。あなた、調べているのですか、そういうことを。調べてないわけないでしょうね、自分のところだから。それは理屈になりませんよ。いかがですか。
○植松参考人 お答え申し上げたいと思います。
 東海事業所の敷地面積は、御指摘のように八十二万平方メートルございます。建物は御指摘の十四万平米でございます。原子力の施設でございますので、建物と建物を非常に密集してつくるわけにはなかなかまいりません。したがいまして、建物と建物の間にいろいろな核物質防護上のフェンスもございますし、守衛所その他いろいろ必要な施設を離してつくる必要がございますので、建物外にも相当の面積を活用することが必要でございます。そういった実際に利用されております敷地全体を取り上げますと、約二十五万平米強になりますので、原子力施設として利用可能な七十五万平米に対します土地の利用率を考えますと三三%になるという私たちの計算になっております。それからまた、二千本の貯蔵施設の建屋が三千三百平米ということにつきましては御指摘のとおりでございます。先ほど吉田理事長からお答え申し上げましたように、この貯蔵工学センターは、貯蔵そのものの実施を行うということが一つの主目的ではございますけれども、それに関連する利用の研究、その他いろいろな研究もやる予定にしておりますので、できるだけ広い場所をこの建物等のために持ちたいというふうに考えております。したがいまして、東海事業所敷地内でこれらの貯蔵工学センターにおいて実施しようとしておる試験項目をすべて満足するわけにはいきませんので、東海事業所敷地外に別途広い土地を取得したいというふうに考えておるわけでございます。
○五十嵐委員 まあ、それは現地へ行ってみればすぐわかることですよ。これはかみ合う議論でないわけですね。おたくの方は、つまり敷地面積が足らぬという、僕の方はあるというのですから。それは設計屋が見ればわかることで、そのくらいのものなら建てられるとか建てられないというのは一発でわかることですよ。しかも、お隣には今言うように膨大な原研の敷地があるということ等を考えますと、敷地がどうこうなんて議論は、そんなものはまともな議論として出るものではないわけであります。
 そこで、しかしそういうけれどもいろいろな調査もする考え方がある。私は、調査といったって、さっき言いましたように、いろいろ熱の利用だとか放射線の利用なんというものはもうほとんど、どうもあの程度の本数からいうとできるような状況ではないというふうに思うのですが、しかし、実際に皆さんがお考えになっている研究で大事な一つは、確かにあるかもしれぬ。それは何か。あのパンフレットにもありますが、長期貯蔵の研究です。まあこれでしょうね。
 七月五日の原子力産業新聞紙上にありますが、六月二十五日、二十六日の例の放射性廃棄物フォーラム84のパネルディスカッションで、あるパネラーが言っている言葉がある。これは植松さんもパネラーの一人として出ておりますからよく御存じでしょう。「地層処分については、トンネルを掘って地下実験室を作り、熱、地下水などを調査し、現場で実験する必要がある。スウェーデン、西独などはすでに行っており、日本も一日も早く地点を決めて、この地下実験を行うべきだ。」こう言っているわけです。これは、一方で例の地層の調査の手順があって、そのとおり進んでいるわけです。まず第一段階として「可能性ある地層の調査」、これはもうことしで終わるわけですね。五年間ですか。来年から今度は、その中で「有効な地層の調査」がこの五年で選定されたところに基づいて十年間行われるわけです。それで試験地を決める。こういうことで第三段階に入っていくということになるわけですね。御存じのとおりであります。この場合の、いわゆる手順の中に書いてあるわけですが第二段階、これは原子力委員会の放射性廃棄物対策専門部会の「高レベル放射性廃棄物処理処分に関する研究開発の推進について」という基本になっている方針ですが、それの中の「地層処分研究開発の全体像 第二段階 有効な地層の調査第一段階で選定された有効な地層について、試錐を含む広域調査及び精密調査を行うと共に工学バリアの原位置試験を行い、それらの総合評価により試験地を選定する。」つまり、今あなた方がここであわせてやろうと言っている長期貯蔵についての、長期貯蔵というのは処分の初期段階、数百年間というもの人間の管理から離さないでそれを確かめていく、それを長期貯蔵というわけですね。その長期貯蔵の研究と称するのは、今僕が言ったようなことをやるということでしょう。
○植松参考人 お答え申し上げます。
 貯蔵工学センターで企画をしております内容は、高レベル固化体の貯蔵に関する安全の実証のための試験が中核となっておるものでございます。これはあくまでも貯蔵に関する試験でございます。先生御指摘の部会報告は処分に関する研究開発の進め方ということでございまして、この処分に関する研究開発の進め方については、現在も原子力委員会の中で検討がさらに進められておるというふうに聞いておりますので、その検討の結果を受けて、動燃は国からの指示を受けて処分に関する必要な研究を進めたいというふうには考えております。
○五十嵐委員 きょうは渡辺部長さんが来ていないのですが、この前の委員会では、あなた出ていませんでしたから、渡辺部長さんに私は質問しているのです。後で議事録をお読みいただけばいいのですが、つまり僕が言ったようなことだと言うのですよ、簡単に言えば。深い穴を掘って、そこの下の方に実験ルームのようなものをつくって、そこでいろいろやるということなのか、そういうことだと言うのですね。いろいろレクチャーも受けました。レクチャーの中でも、ややそういうことはお認めになっているのですよ。それは恐らく植松さんが知らないことはないというふうに思いますが、ここで書いていますように、「最終段階では、貯蔵パイロットプラントの運転実績をもとに、貯蔵施設の拡張を図り、これらと並行して長期貯蔵に関する研究を実施します。」長期貯蔵という言葉の概念は、これはおたくの方の世界で常識的に、処分の初期段階の数百年間については、やはり人間が地下七百から千五百メートルぐらいの深いところに入れたものを目を離さないで同じように管理していく、そして五百年か六百年して、よし、よかろうという時期になって、これを埋めていって完全に隔離して、さっきお話しのように約数十万年は人間の生活圏から離してしまうということなんですね。だから、これはそれをやるということになっているわけだ。やはりそこら辺が一つねらいなのかな。
 この前の質問でもお話ししたのですが、結局幌延というもののねらいは、今言うように、わずか千何百本だ。あそこまで持っていくのには、聞く時間がないから僕が言いますが、大きな鉛の箱に入れて、重量六十トンだとか八十トンだとかそういう大きさにして、専用の船で持っていって、あそこから陸揚げして、はしけだって別につくらなければいかぬでしょう。道路だって六十トンも八十トンもの物を運ぶ道路なんて、あなた、ありやしないですよ。みんなつくり直すか、鉄道を引かなければだめでしょう。橋も全部かけかえなければだめだ。そんなことをしてあそこまで持っていって、どうしてもやらなければいかぬという理由は何なんだか、僕はわからないのです、今ずっと聞いていっても。東海村の中にだって敷地はあるんだから、それは研究の問題があるといったって、そういうことなら、東海村こそ研究施設がたくさんあるんだからそこでやるのが一番理想的である。しかも、さっき言うように基本的な方針としては七月二日の報告書で方針も出ている。それから脱線しておたくの方が今やろうとしているのは間違いなんだから、そういう方針からいったって、どう考えたって東海でやるのが当たり前だということになるのです。それはおかしいですよ。それを強いてやるというのは、やはり長期貯蔵の調査だ、それはつまり処分につながる、私はそういうぐあいに思うのです。だから、冗談でないぞと思うのですよ。
 そこで、この後はもう時間も余りないのでありますが、通産省にちょっとお伺いします。
 例の海外委託再処理にやっているものでありますが、あれが随分値上がりをしているわけでありまして、大体トン当たりで一億八千万円ぐらいじゃないか。あるいは、為替の状況によりますから、おたくの方はもう少し下に見ているのかもしれませんが、一億六千万円ぐらいという説もある。仮に低い方の一億六千万で見ると、それには輸送賃が、こっちから向こうに行く片道でトン当たり四千五百万かかる。そうすると、契約は全体で四千六百トンですね、新旧合わせて。そうですね。仮に四千六百トンを一億六千万円で計算をすると、再処理料金は七千四百億円ということになる。運賃が片道四千五百万で、往復として、帰り道はその値段で仮に来たとすると、四千百億円になる。この二つを合わせるだけで一兆一千五百億ですよ。これは大変な金額ですよ。そのほかに保管料だとかなんか、かかるものはないですか。
○大塚説明員 お答え申し上げます。
 やはり先生最後に御指摘になりましたように、保管料もかかる、かように聞いております。
○五十嵐委員 保管料ほか、かかるものは今言ったほかにどのくらいあるか。わからなければ大づ かみでいいです。その単位だけでいいです。何千億だとか何百億だとか、そんなことでもいいです。
○大塚説明員 お答えを申し上げます。
 保管料に関しましては、いつ返還されてくるかとかそういう時期によって非常に変動いたし。ます。ちょっと先生今おっしゃいますようなことは余りにも仮定が多過ぎてお答えしにくい。恐縮でございます。
○五十嵐委員 わかりました。しかし、さっき一兆一千五百億と僕は言ったのですが、保管料を除いてそのぐらい、多少でこぼこはあるかもしれませんよ、つまり大ざっぱに言ってそんなものだ。一兆数千億だということは、おおよそそういうことだということですか、どうですか。
○大塚説明員 お答え申し上げます。
 先生がただいま挙げられました数字でございますが、これは私どもの今伺っていて感じたところでございますが、やはり新契約分を中心とした算定ではないかと思われます。
 ただ、全体として考えますと旧契約分のものもございまして、そういうものを入れれば今おっしゃったような数字よりはむしろ低いのではないかという感じはいたしますが、確実なところはここではちょっと留保をさせていただきたいと思います。
○五十嵐委員 旧契約は、トン数からいうと少ないでしょう。ですから、トータルからいうと一兆以上、一兆数千億ということには間違いないんじゃないですか。
○大塚説明員 お答え申し上げます。
 先生先ほどおっしゃいました四千六百トンのうち、新契約が約三千二百トンでございますから、旧契約分の方もそれほど少ないというわけでございませんけれども、ただ、大づかみな感じとしては、先生が挙げられた数字というのは一つの試算ではないかという感じもいたします。
○五十嵐委員 試算なんて言ったってだめだよ。ややそういうことかどうか。
○大塚説明員 そういうことであるかどうかということについては、ちょっと私はこの場では申し上げにくいということを申さざるを得ません。
○五十嵐委員 そんな、あなた、だから少しサバがあったってどうだって構わないわけです。この根拠だって、なかなかお答えがないと僕はもう少し言わなくてはいけないことになりますからね。ややそういうことであれば、まあその前後だというぐあいには言ってもらわなければ、私もまた余分なことを聞かなければならぬ。
 それともう一つついでに、もう時間がないようですが、この契約書に、最大の投資を要する建設費用は前払いにするということになっている。これもひどい話だと思うのだけれども、あるいは全体でない部分的な前払いということかもしれぬが、しかし、一兆数千億のものに対する前払い、これは運賃は別かもしれぬが、運賃は先に払っちゃうということか。再処理の料金についても約七千四百億の相当部分を前払いするという契約になっている。これが一つです。それからもう一つは、未処理で返還、つまり固化の技術が未開発なものですから、場合によっては固化しないで未処理のまま戻すこともあり得るという契約の内容になっているそうでありますが、その辺をちょっとお知らせいただきたいのです。
 これは、いずれにしても結局は国民の負担になってくるものですから、我々は重大な関心を持っている。だから、これは一兆数千億の問題なのだから、皆さんの方でできるだけ公開してください、私契約だからといってひた隠しにしないで。そういうことではなくて、国民の負担にかかわることであればぜひひとつ出してもらいたいという要望を含めて、今の点御質問を申し上げておきたいと思います。
○大塚説明員 お答えを申し上げます。
 先生がただいま二点おっしゃいましたうちの初めの前払いの点でございますが、この契約についてはいろいろな払い方がございまして、契約時に幾ら払うとか、それから毎年ビジネスプランというもので費用も見直したりしております。ただ、おっしゃるように確かに前払いと言える部分もあるかと存じます。それは決して多いものではなくて、私どもが存じております限り、それは一〇%より下のものである、かように考えておるわけでございます。
 それから第二点の、使用済み燃料で返還される可能性があるという点でございますが、これは私が存じているところでは、かなり限定された条件下で、例えば先方において固化プラントなどがどうも技術的にできないとわかったときとか、しかもその場合には払ったお金が原則として返還されるとか、そのような契約になっておる、かように私は承知しております。
 それから、先生が金額の前後とおっしゃいましたけれどもいそのような感じを私は持っております。
○五十嵐委員 どうもありがとうございました。
○大野委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二十二分休憩
    ―――――――――――――
    午後一時三十分開議
○大野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。関晴正君。
○関委員 私は、きょう、青森県の下北半島六ケ所村に核燃料サイクル基地ということで電事連がぜひ設置したい、そういう要請をなされたことにかかわる問題について御質問を申し上げたいと思います。
 その前に、原子力というものは一体どこまで生命があるものだろうかということを考えるわけであります。原子力は石油にかわるエネルギーなんだ、代替エネルギーなんだということをよく言っておるし、言われてもおるのですが、このことについて私は、石油の方が原子力よりも長もちし、原子力の方が先にお払い箱になってしまうんじゃないだろうか、こう考えているわけであります。それで、その主たる理由はどこに見つけることができるかといいますと、今日、アメリカにおいては原子力発電所が百基以上にわたってキャンセルされているという、この実態であります。なぜアメリカが原子力発電所を百基以上にもわたってキャンセルするようになったのか、これは重要な問題だと私は思うわけであります。そういう意味において、日本はこのアメリカの原子力行政といいますか、またアメリカの原子力発電所のそうしたキャンセルの姿に学ぶべきものがあるはずだと思うのですが、まずその点について伺っておきたいと思います。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。
 米国における原子力発電所建設のキャンセルがいろいろとあるということにつきましては先生御指摘のとおりでございまして、この点に関しましては、アメリカにおきましては一九六〇年代から七〇年代の初めにかけまして、先行きをかなり見越しまして大量の原子力発電所の建設が見込み発注されました。数で申しますと、一九七一年以前で百三十一件ほどの発注がありまして、その後も発注がなされまして一九八二年までの間に二百五十一件ほど発注された。その後、アメリカのインフレはかなり厳しく、さらに金利が高いというようなことで、建設の工期が長引いてきたことと相まちまして、非常に発電所の建設費が高くなったわけでございます。このため、確かにキャンセルでは、原子力で先ほどの二百五十一件の発注に対しまして百件というキャンセル数が出ておるわけでございますが、これは原子力だけではございませんで、キャンセルが出ているのは石炭火力においても四十四件出ておるわけでございます。米国の電力会社は、我が国の電力会社と違いまして数が非常に多うございまして、したがって規模も小さいという点もございまして、経営基盤が脆弱性を持っておる。財務体質が先ほどのインフレ、高金利というようなことから悪化し、資金調達も困難な状態になってきたという問題もあるわけでございますし、一方、全体の電力需要の伸びも低下してきたという背景があるわけでございます。こういうことで、我が国とはかなり事情を異にしておる点がございますし、アメリカは石炭も豊富に国内に有するという点もございまして、我が国と違う事情にあるわけでございます。我が国としては、国内にエネルギー資源に恵まれないというようなことから、石油の代替エネルギーとして安定したエネルギー供給を確保していくためには、やはり原子力というものが今後とも開発が必要とされるという状況にあろうかと思います。
○関委員 今の御答弁は、この問題についての分析が非常に不足だ、私はこう思います。今のお答えからいくと、経済上の問題がうまくないとか、あるいは金利高が影響しているとか、あるいはインフレが関係あるとか、そして建設費に多額の金がかかるからだ。一体その原因は何であるのかということなんです。それは安全度の問題なんです。安全確保の問題において明確な一つの確信、自信がなくなったから、これはもうやめなきゃなるまい。どうして安全にかかわる自信がなくなったのかということになると、再処理の問題において自信がなくなった。アメリカは再処理工場うまくいっていますか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。
 アメリカにおきましては、いわゆるカーター政権以来核の不拡散政策、核の不拡散を図るという強い政策から、国内における再処理事業につきましてもその計画を取りやめるというようなことがございまして、民営の再処理事業は現在進展いたしておりません。
○関委員 言うなれば原発における終着駅と申しましょうか、終末処理における処理の仕方に自信がない、再処理において自信がないものですからアメリカはこれをやめたんだ、こう言っていいんじゃないだろうかと思うのです。金がかかるとかあるいは金利が高いとか、そんなことよりも安全性において自信を持てなくなったからやめるに至ったのだ。しかし、軍事上はやっておりますよ。軍事上やっているということは、軍事上から取り出すところのプルトニウムのとり方と原発からとらなければならないその工程の間には、また大きな差もあるわけです。片一方はとりやすい、片一方はとりにくい、こういう事情もまたあるわけです。ですから、いずれにしても、アメリカが原子力発電所百基以上もキャンセルする方向をとった。この後もう原発をつくるのはやめているわけです。統計的に見ますと、アメリカが原発の発注をやめたのは一九七九年、ここからはもうゼロ、ゼロ、ゼロ、ゼロです。そうしてキャンセルがじゃんじゃんふえていって、先ほど申し上げたように百基を超えるところまできているわけです。
 私どもの方のエネルギー調査会で発表したものによりますと、一九九〇年には原子力は少なくとも一億キロワットを目指す、こう言いました。一九七〇年のときに二十年後の我が国の原子力の予想は一億キロワット、こう打ち出したのであります。ところがその後、一九七七年には六千万キロワットに変更いたしました。さらにその後、七九年には五千四百万キロワット、そして八一年には四千六百万キロワット、そして昨年は三千四百万キロワット。実にこの十三年の間に、一億キロワット一九九〇年においては原子力でやるんだと言っていながら、年々計画変更をしてきているわけです。これほど数字の変化と申しましょうか、予測の不的確と言ったらよろしゅうございますか、でたらめだと言った方がもっといいかもしれません。こういう傾向からいくと、三千四百万キロワットと言っておりますけれども、やがてまたもっともっと予測が下がっていくのじゃないだろうか、私はこう思います。
 その点について、理由がどこにあるのか、こうなりますと、やはり我が国の原子力行政においても、原発の上流の部面においては成功してきたけれども、下流の部面、終末の処理ということにおいて極めて困難性が多くなった。そうして大変に金がかかることになった。ここに一番のポイントがあるのだろう、私はこう思うわけです。そういう意味で、今私どもの日本においても、終末の処理における再処理工程、再処理能力が全くなすすべもない状態にある。今、東海村で計画しておるところの再処理工場はとまったきりですよ。何でとまっているのですか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。
 現在動燃事業団の東海再処理工場が休止中でございますが、これは溶解槽の溶接部等に微小なきずがありまして、そのためにこれを改修し、さらに新しい技術を導入した我が国独自の技術でつくりました新溶解槽を設置いたしまして運転再開に備えているところでございまして、明年早々に運転再開ができる見込みでございます。
○関委員 十三年もかけられて、そうして今日溶解槽に穴があいたということで、一つが故障、二つ目のものを同じように使って、これもまた同じように使うものですから同じ結果になるわけです。科学というのは正直なものですよ。人間だというと、さまざまなうそを平気で言う者が多い昨今であるけれども、科学にはうそはない。ですから、フランスの技術を取り入れて、東海に再処理工場をつくって動かした。一年半もかからぬうちに故障が起きた。二つ目のものも同じようにして故障が起きた。そこであなた方は、この故障を直さなきゃならないということで懸命に努力をした。修理をしてお直しになったのでしょう。修理をしてお直しになったというならば、直したものは動いていなきゃならない。ところがあなた方は、修理をして直したと言いながら、第三の溶解槽の方に道を選んで今走っているわけです。第三の溶解槽がうまくいって、同じ時間かけられると、また同じような結果が出ることは間違いない。あるいはそれ以下になるかもしれませんよ。
 そこでお尋ねしたいのは、第一の溶解槽といい、第二の溶解槽といい、現地ではR10、R11と言っておりますが、これらの腐食の原因は何だとお考えになっておりますか。
○大町参考人 大町でございます。お答えいたします。
 溶解槽の腐食の原因は、母材の溶接部分はどうしても母材そのものと比べまして多少弱くなる傾向がございます。したがって、その部分が硝酸による腐食を受けてピンホールができた、こういう次第でございます。
○関委員 そこで、今度つくられたものにまた同じような結果にはならないということがございますか。
○大町参考人 申し上げます。
 R10及び11の溶解槽のピンホールが生じた部分は、もちろん硝酸に浸され、かつ使用済み燃料の溶解をうまくやるために加熱する部分でございます。この加熱する部分に、10につきましても11につきましてもピンホールが生じたわけでございまして、したがって第三の溶解槽、R12と称しておりますが、この溶解槽につきましては、加熱する部分には溶接部分がないというような工夫をいたしております。それから、母材そのものについても微量成分を極力減らすというような努力をしておりますので、R10及び11ほど簡単にピンホールが生ずるということはないものだと思っております。
○関委員 温度の問題で、では何度の温度の違いが考えられるのですか、今度の新しいものにすれば。言うなれば溶接の部分から少し外した場所で、あるいは溶接の箇所を少し減らしたということで、温度の高いところを少し避ける、こうおっしゃいますが、ではそうしたところで何度の違いを見ているのですか。
○大町参考人 加熱しておる部分は大体百度から百七、八十度ぐらいの温度でございます。溶解槽のバレル上部の部分は逆に冷やすことをいたしております。したがって、常温を基準にいたしますれば、百度からそれよりもう少し上の程度である、こういうふうにお考え願っていいかと思います。
○関委員 フランスの技術を導入してつくった再処理工場ですよ。フランスの設計でやって、そうして結果が欠陥を生じたわけなんです。今度少し我が国の力を加えて新しいものにしてR12をやろう、こういうことで今踏み出しているわけです。しかし、この踏み出しているところのR12といえども、事前に実験をなされておりますか。
○大町参考人 事前に試験をしたと聞いております。
○関委員 いつ、どこでなされました。
○小泉参考人 再処理部長の小泉です。お答えいたします。
 ステンレススチール鋼の硝酸に対する耐食性につきましては、別途ステンレススチールの試料をとりまして、硝酸に対する耐性あるいは硝酸の中にいろいろな不純物を含ませた場合の耐性、そういうような基礎試験はかなり前から並行的にやっております。その結果に基づきまして、それからもう一つは、現実に起こりました事象から、伝熱面の溶接線というところがほかの部分よりも腐食に対して相対的にはより弱いということがはっきりわかりましたので、そのことを取り入れた設計をしたわけでございます。
○関委員 多額の金をかけてR10、R11を修理をした。修理の技術を取得し、ロボットによる技術をいろいろと展開して修理を完了いたしました。完了したというならば、実際に完了した結果を点検したかと言いましたら、点検をしたと言う。いつ点検したかと聞くと、五十八年の十二月に点検して、一つの方は一週間動いて成功いたしました。一週間動かして成功したならば、あとの方もまた同じように直して成功させればいいんですが、あとの方はどうなさいました。
○大町参考人 申し上げます。
 御承知のように、東海工場には初め二基の溶解槽がありました。実を申しますと、建設当時から第三の溶解槽を設置できる予備セルがございました。したがって、この第三の溶解槽が設置できておれば、溶解槽が二つだけよりもベターであるという考え方がそもそもあったわけでございます。ただし、建設当時、建設費を節減するとかいうようなことで、セルの中に第三の溶解槽を置いていなかったというのが実情でございます。
 この溶解槽のピンホールの問題が一番最初に起きましたのは五十七年四月、R11と称するものでございますが、これを発見いたしました際に、かねて考慮しておりました予備セルに第三の溶解槽を設置するということを考えたわけでございます。施設の溶解能力に余裕を持たせることは工場の安定的な運転に非常に重要でございますので、第三の溶解槽を設置することを考えたわけでございますけれども、先ほど申しましたように溶解槽については改善を施していたわけでございます。
 ところで、その後R10の方のピンホールも生じまして、このR10と11はおっしゃるように修理を施したわけでございます。これが修理が終了して運転いたしましたのが昨年の暮れでございますけれども、同時に片や第三の溶解槽の設置の準備も進めておりましたので、考えようによっては修理をいたしました10と11の運転、10はこの際運転しておりませんけれども、運転を続けても構わないわけでございますけれども、これを続けますとR12の増設工事に支障を来すということで、とりあえず昨年の十二月末で修理したものの、運転を打ち切ったような次第でございます。
 以上でございます。
○関委員 あなたのところは研究機関なんですよね。そうしてフランスの技術をそのまま取り入れでつくったものが二つとも故障が起きた。そこで一つの故障を直すべく努力して修理をした。同じように第二の方も修理をした。修理をしたらそれでいいんじゃないですか。なぜ修理をしたものを運転するようにしないんです。修理をしたけれどもまた壊れるからこっちの方はやめておこう、もう一つの方は修理は完了しないけれども、やってみたところで同じことになるんだからやめよう、こう判断をして第三の道をとったんですか。
○大町参考人 先ほど申し上げましたように、ほぼ今年いっぱいで新溶解槽の据えつけ工事を終わりまして、来年早々に運転準備を開始して新溶解槽の運転を開始する予定でおります。同時に、昨年の十二月で打ち切りましたR11の運転並びに昨年運転をとりあえず見合わせておりましたR10の運転についても、新年早々から運転を開始するつもりでございます。したがって、R10、11の修理がうまくいったと私どもは一応は考えておりますけれども、最終的にはこの運転の結果を見ればはっきりわかるわけでございます。
 以上でございます。
○関委員 お尋ねします。
 あなたの方は、R10とR11のうちR11の方は直した。R10の方は直したかもしれないけれどもテストしていませんね。テストを完了して同じように成功していますか。はっきり言ってください。
○大町参考人 テストとおっしゃる意味もいろいろあろうかと思いますけれども、いわゆるホット、溶解試験を実施する前の段階の試験は実施いたしております。すなわち、最後の酸加熱試験というところまでは実施いたしております。ただし、その溶解槽の外側に黄色い汚れが見えましたので、この原因を究明すべく運転は大事をとって見合わせたということでございます。
○関委員 なぜもっと早く正直に言わないんです。どうしてその黄色い現象が起きてきたんですか。
○大町参考人 現在調査中でございます。なお、この黄色い汚れがあることについては既に新聞等に発表いたしておりますので、私ども申し上げるのが遅かったかもしれませんけれども、別に隠しているつもりではございません。
○関委員 私は、あなた方の仕事というのは、再処理という工程についてきちんとして万全のものでございますよということを明らかにするのが仕事だと思っているんです。一が悪くなった、はい二にかわりますよ。一も二も同じものなんだから、同じように使えば同じような結果になるんです。そこで、一を直したら二だって同じように直したらいいでしょう。ところが、一は直した、二も直したけれども運転するほどに至らなかった。これほど不経済な物の使い方がありますか。また、これほど科学に挑むに当たってどこまで本気なのかしらと疑わせるようなこともないでしょう。一は運転できだというなら一で運転したらいいじゃないですか。二に疑問があるというなら二を修理するのにもその技術を磨いたらいいし、そういうような腐食が出てきたならば、その原因は何であるかということも究明したらいいでしょう。
 その究明もしない。運転できたといったものは運転もしない。そうして第三のR12にあなた方は踏み込んだでしょう。しかもそのR12は、溶接箇所の部面を減らしたとか高熱の発するところを避けたと言ってみたところで、百度を超えるものでどれほどの違いになりますか。そうして実験をしましたか。ちょうどあの原子力船「むつ」の陸上実験をしないうちに本舞台へ投げやったと同じように、これだってきちんとした実験をしないままに――したと先ほど答えておりましたが、どうしたのかわかりませんよ。したと言えばしたことになるかもしれない。だけれども、この材質といえども、かえたとしても果たしてその材質がうまく機能して、三千時間、四千時間使って、なお五千時間でも六千時間でももつかというのは、全く未知数ですよ。どうですか。
○大町参考人 確かに未知数とおっしゃれば未知数でございます。何千時間と今の段階で私どもははっきり申し上げることはできません。しかし動かすことによって、それが従来のものに比べてどのくらいもちがよくなっておるかということははっきりさせることができるかと思います。ちなみに申し上げますけれども、私ども再処理工場の運転をし、かつトラブルはございましたが、そのトラブルのために周囲に御迷惑をかけたことはないということは確かでございます。
 以上、お答え申し上げます。
○関委員 御迷惑をかけたら大変でしょう、あなた。
 そこで、もう一つの問題が技術的に出ております。それは、プルトニウム蒸発缶のステンレスに予想外の腐食が進み、上半分を取りかえざるを得なくなったという実態が出てきましたね。この原因は何と見ておりますか。これこそ驚くべき事態ではないかと私は思うのですよ。
○大町参考人 プルトニウムの蒸発缶につきましては、プルトニウムの蒸発に関するいろいろな計測装置がございます。この蒸発部の計測装置の部分に微細な漏えいが発見されたわけでございます。漏えいと申しましても、この漏えいはプルトニウムの濃縮液そのものではございませんで、プルトニウムの蒸発と申しますと大部分が水分でございますけれども、その水分の凝縮液がわずかに漏れたというものでございます。これは溶接補修によって一度補修を実施しておりますけれども、今現在東海工場の運転休止中の機会にこれを交換をしておる、こういう次第でございます。
○関委員 ただいまの質疑応答の中ではっきりしたと思われるのですが、とにかく再処理工場について我が国の技術は未確立の状態のものである。そうしてとにかく二百十トン再処理をやろうといって計画していながら、四年の間にその七割程度で終わっているわけですよ。一年間でいくと四十三トンの計算になるわけなんです。まことに非効率、非能率で、私は難しいことを示して余りあるものだと思うのです。そこで、一でもだめ、二でもだめ、三の道をとって、私は三の道もだめだと思いますよ。なぜならば同じものだからです。フランスだって同じように故障はあるんです。故障はあるんだけれども、故障を乗り越えて知らぬふりしてやっている向きも大分ある、だれも見ていないからいいだろうというので。だからフランスの実態だって、フランスの設計に基づき、フランスの技術に基づいてやっているんですから、フランスでよくて日本で悪いはずがないんですよ。向こうがよくてこっちが悪いというなら、こっちの施工や管理がいいかげんであったし、手抜きであったということにもなるでしょう。しかし、そうではないと私は思う。向こうも同じように故障がある。
 そこで、再処理ということの技術はとにかく難しいものだ。そしてまた再処理によってさらに進んでプルトニウムを得たとしても、プルトニウムを一般的に燃料に使うなどということは、プルトニウムをとる以上に多くの、四倍以上の金がまたかかると計算されているわけなんです。でも地元へ参りますと、あなた方はいい宣伝をしておりますよ。燃料をたいて、結果としてたいた以上の燃料がまた出てくるんですから、これにはだれでもびっくりして、いいことだなと思いますよ。しかし、たいた以上に出てきた燃料を取り出して使うと、これにかけた金の四倍以上もかかるという計算。計算で四倍以上だが、実質でやったら十倍以上もかかるであろう、こうまた見られているわけですよ。ですからこれは容易なことじゃない。こんな容易でないことに踏み込んでいって、つくるのだけはじゃんじゃんつくる、そして後の始末には手を上げることになると、これは原子力行政からいって容易なものじゃない。トイレなきマンションだという言葉は、言葉としては冗談半分に聞きながらも、トイレがないマンションであれば隣のマンションへ行けばいいようなものだから、まだいい。あるいはまたおまるを持って歩けばいいかもしれない。これはそういうわけにいかないでしょう。
 そういうことを考えると、こうした再処理のことについてまだ自信も確信もないのに、青森県の下北半島ならば人がいいものだから持っていけば受けるであろう、こういうことで押しつけているんじゃないですか。青森県は貧乏だから、青森県民は無知だから、覚えられると困るから今のうちにここへ攻め込んだ方がいいだろう、こういうことでやっておられるんじゃないでしょうか。青森県も、また東通村の村長さんも六ケ所村の村長さんも、政府のやることなすことすべてうそ、ごまかしできたものだから困っちゃって、最後にこれで助けてもらえるなら助けてもらおうかと思っているんです。日本国じゅう至るところでこれは困ると言っている。北海道の奥尻へ持っていけばこれもだめだと言うし、徳之島に持っていけばここでもいけないというし、長崎へ持っていけばここでも困りますと言っているのです。みんな困ると言っているのに、何で青森県の諸君たちがいいと言っていることに黙っておられるんです。青森県だって反対するのが筋でしょう。無知と貧乏をいいことにして、あなた方の行政が利用しているんじゃないでしょうか。
 私は、六ケ所の村長さんと東通の村長さんが奪い合いっこをして、負けた方が非観した姿が新聞に報道されたときに、何という情けないことが青森県の中だけに起こり、そして国民に見せなきゃならないんだろうかと悲しみました。みんな笑っている。青森県も、あの下北半島をこういう原子力半島にして、人も住めない猿も住めない、そんなものにしてはならないはずです。私はここは観光半島にしたらいいだろうと言っているんです。もう観光はオジャンですよ、これが来ればね。(「そんなことないよ」と呼ぶ者あり)知らない者がそんなこと言っているのはまだいい方だ。かわいい方ですよ。知らないって恐ろしいことですよ。また悲しいことです。そういう意味において、こうした安全も確立されないのに電事連がそういう申し込みをしてしゃにむに進んでいるということについて、何で行政がチェックしないのだろうか。これは行政も既に了解済みで組んでいるのだとすれば、ともに許しがたいことになる。
 そこでこの際、長官に聞きたいと思います。
 科技庁長官は、こうした未確立な技術の現状にありながらも、再処理工場をしゃにむにあそこに押しつけて持っていかなければならない、そういう決意でおられるのか。あるいはまた、このことについては世界の技術に学び、日本の将来を考え、そうして原子力行政というものについて有沢委員会がいろいろ進めてきたことに誤りがないのかどうか、ここにもメスを入れて検討を加える、これがまた科技庁長官の仕事でもあるだろう、私はこう思うのですけれども、無知と貧乏を悪用して、地元の人たちがいいと言うならば知らぬふりしてやったらいいだろう、こう思っておられるとするならば、これまた大変です。そういう意味において、この際青森県の下北半島の六ケ所村に三点セットを持っていって、そうしてここをそうした箇所に何が何でもしてしまおう、こういう方針で長官もおられるのかどうか、伺っておきたいと思います。
○中村(守)政府委員 大臣にお答えいただきます前に、技術的なことについてちょっと御答弁させていただきたいと思います。
 再処理技術につきまして動燃事業団におきまして種々のトラブルが今日まで生じてきたことは事実でございますが、逆に言いますと、こういったトラブルが非常に貴重な経験となりまして、今後の新しい再処理工場を建設する上に万遺漏なきを期するためのいろいろな経験ができてまいっておるわけでございますし、それからフランスの再処理工場、これは最新のものよりもまだ古い工場でございまして、UP2と称するものでございますが、これでも稼働率が六〇%以上を示しているというようなこともございますし、国際的な新しい知見に基づきまして、動燃事業団の経験を踏まえて民間の再処理工場が建設されていくということでございます。
 特に安全の問題につきましては、現在までも動燃事業団におきまして、周辺の公衆はもとより従業員におきましても、若干の非常にささいな汚染はございますが、健康その他に障害を与えたということはございませんで、安全上大きな問題ということは今日までも起こっていないわけでございます。
 それから再処理工場から出ますプルトニウムの利用につきまして、ちょっと先生のおっしゃいました数字が私ども解しかねまするが、プルトニウムの利用につきましては、新型転換炉という今私どもで開発しましたものを電源開発が実証炉を建設することにいたしておりますが、それでも使えますし、それから軽水炉でも利用できる。先生が先ほどおっしゃいましたことは高速増殖炉の方のことかと思いますが、高速増殖炉の方はまだ先の問題にいたしましても、軽水炉での利用につきましては、西ドイツでも既にかなりな実験を済ましておりまして、利用できるわけでございますので、プルトニウムにつきましては当面そういう新型転換炉とか軽水炉で活用していくということでございます。そのプルトニウムの加工技術につきましても、現在動燃事業個で開発いたしまして、それの工場も東海村に建設をしておるところでございます。
○岩動国務大臣 まず最初に、基本的なことを申し上げておきたいと思います。
 原子力発電を初めとしまして、私どもの原子力政策は、原子力基本法に基づいてまず平和利用ということを基本にしておることはもう御案内のとおりでございます。またこの原子力の利用につきましては、原子力委員会で長期的な計画をつくりまして、それに基づいて総合的な推進を図っているところも申すまでもないところでございます。
 そういうような計画のもとに、現在の日本の原子力発電は既に二十七基、設備容量で一千九百六十九万キロワットに達しておりますし、日本の電力のおおむね二〇%を賄う、かつまたその稼働率は七〇%を超す、しかも安全性を確保しながら行われている。このような状態で、私どもはさらに安定した、かつまた安全性を基本とした原子力発電の方向はさらに進めてまいりたいと考えております。
 問題は、最近石油との関係が言われ、あるいは石炭との関係も言われているわけでございますが、やはり安定的な代替エネルギーとしては原子力が第一である、この考え方は変わっていないわけでございます。したがいまして、このような政策で原子力発電を進めてまいります場合に、お話しのように再処理等の問題、いわゆる核燃料サイクル、これを確立しなければどうにもならない。電力だけがうまくいっても、発電だけがうまくいっても仕方がない。そういう観点から核燃料サイクルの確立ということが今日の最大の課題であると思っております。この核燃料サイクルの確立につきましては、私どもは、技術的にもまだ未解明の部分もございます。したがいまして、これらにつきましては、あらゆる力を結集して内外の知見を十分に活用しながら、安全性とそして効率性を追求していかなければならないと思っております。
 そういう中で、濃縮と再処理と放射性廃棄物の処理といったようないわゆる核燃料サイクルが現実に商業ベースで電気事業者によって行われようとしておりますが、この具体的な立地につきましては、これは地元の方の十分な御理解と御協力なくしては進められないもの、私はこう思っております。したがいまして、さらにその安全性の問題、必要性の問題、そしてまた地元の方の十分な御理解、御協力というものを前提として進めていかなければならない。そのために政府として必要ないろいろな技術の面における支援あるいは技術の移転というようなことも考えていかなければなりませんし、また法制上必要な整備も検討しなければならない、かように考えております。
○関委員 今の長官の御答弁を聞いて、原子力発電所の現状あるいは将来、この点についての長官のお考えが私から言えばまだ不十分じゃないだろうか。ということは、ちょっと聞きたいんですが、石油とウランとどっちが早くなくなると思っていますか。長官、お答えください。
○岩動国務大臣 私も専門的なことはわかりませんが、石油については大体三十年くらいでなくなると言って、もう十年も二十年も来ております。したがって、可採燃料というものはかなりあるんではないかと思います。しかし、だんだん難しいところでしか石油が振れない、こういう事態であろうかと思います。一方、石油については、今現在世界的に供給ができるのは中東地帯が一番大きな役割を果たしている。特に日本においては中東に依存する割合が非常に多いわけであります。ところで、御案内のように中東の政治情勢というものは極めて流動的であり、したがって供給源としては不安定である。そういうようなことを考えますと、日本としてはやはり脱石油政策は日本のエネルギー政策としてどうしてもとっていかなければならない基本路線であって、これは今日でも変わらない、今後も変わらない、私はかように考えております。
 また、石炭についてもいろいろな要素があって、最近は原子力発電と石炭火力発電とが大体似たようなものになってきたと言われております。しかし石炭も海外から輸入をしなければならない。したがって、そこには為替の問題も出てまいりましょう。また価格についても必ずしも今の状態でいくかどうか、この点についても十分安定した供給源として見ていくことがいいのかどうかという問題もございます。
 そういう点においては、核燃料サイクルを確立することを前提として、私どもは原子力発電は極めて重要な代替エネルギーとして今後も推進していくべき柱であるということを考えております。
○関委員 大臣が石油の寿命が三十年ぐらいだと思っていること自体認識の間違い……(岩動国務大臣「いや、三十年、三十年と言われてきたけれども」と呼ぶ)じゃ何年ですか。ちゃんと言いなさい。
○岩動国務大臣 私の答弁をよく聞いていただきたいのですよ。今まで世の中では、油は三十年ぐらいで寿命が来るだろうということが言われ続けてきた。しかし、それが言われてからもう十年も十五年もたっている。ということは、新しく地下からあるいは海底から石油資源が開発をされてきた、こういうことによって三十年説がだんだんに延びてきている。しかしどれくらいあるかということは、まだまだ専門家の間でも定説的なものはないと思います。ただ、これから掘っていくような油というものは非常に難しい環境の中でやっていかなければいけない。ということは、大変コストがかかるということが一つと、それから現在中東等においての不安ということもありますから、その辺の認識はちゃんと持っていただいて、お互いに共通の場面で議論をさせていただきたいと思います。
○関委員 今大臣、覚えたような話をしているけれども、ちっとも知らないじゃないですか。公になっているところでも、石油はもう百年は大丈夫だと言っているでしょう。計算されていますよ。埋蔵量は二兆バレルはあると言っているのでしょう。使用量は世界で年間二百億バレルでしょう。百年と計算してこれから掘っていけば、もっと多くなるのですよ。ウランの方は何年かということをあなた答えなかった。ウランの方は、この調子でいったらあと三十年から多く見て五十年。じゃんじゃんやったら三十年だろうと言っていますよ。これは我が国の方でもきちんと発表して認めていることなんです。だけれども、今大臣のようにウランよりも石油の方が早くなくなる、石油の寿命が何年かもわからない、こんなことでかかっておられた日には行政を誤ります。もっと認識を深めて、油の方が長生きするし、油の代替エネルギーに原子力がかわるなんというものじゃない、こういう点についてはよく申し上げておくところです。この点もっときちんと取りかかって、そして行政において誤りのないように、しかもまだ下北半島について、地理的条件も活断層も何にも調べてないで、いいかげんにしてこれを進めるなんということはやはり考え直してもらわなければならない。特にそのことを強調して、私の質問はきょうはこれでおきます。
○大野委員長 小川新一郎君。
○小川(新)委員 大変暑い中を御苦労さまでございますが、第百一特別国会もいよいよ終盤間近になってまいりました。そこで、当委員会では精力的に科学行政全般にわたって、また過日は法案を一本上げました。そういう中で、委員長の御配慮によって、あらゆる分野の学者諸先生方の御意見を聞きながら、私も短い時間ではございましたが、当委員会にあって非常に有意義な勉強をさせていただいたことを、まずもって感謝をしている次第でございます。
 そこで、この短い期間ではございましたが、ほんの氷山の一角と言われればそれまででございますが、私の経験した、また勉強し得た中で感じましたことを織り込みながら、この委員会並びに科学技術行政のあり方、そして科学技術庁の今後の行色方について二、三お尋ねしたいと思うわけでございます。
 まず、私が一番感じておりますことは予算の組み方でございますが、科学技術の関係予算は各省庁にまたがって昭和五十九年度で幾ら計上されているのか。また幾つの省庁にまたがっているのか、これさえも明確になっていないわけでございます。それというのも、この科学技術政策に関する縦割り行政の問題が非常に大きな問題点ではないかと私は考えている一人でございます。しかも我が国を取り巻く最新情報化社会、またニューメディア、そういった現在、未来をかけて今までとは全く想像のつかない行財政を求められている状態の中で、我が国の科学技術の最高責任の要にある科技庁が一体このままの姿でいいのだろうかという懸念を持つ一人でございます。
 例えば通産省は、先端技術の研究開発、基盤整備やベンチャービジネス育成のために立法や金融、税制上の援助対策を考えております。郵政省は、VANやデータベースの事業に対して同様の援助策を考えていると聞いております。この中で税制を例にとっても、このように各省庁ばらばらの税の減免措置やまたは金融の大幅な援助、これらは課税の公平性が損なわれるおそれがあるのではないかとさえ思われるわけでございます。しかも、このような科学技術振興政策に関する縦割り行政の実態は枚挙にいとまがありません。縦割り行政の弊を避けて、総合的、一元的な科学技術行政の体制を確立する必要性を大臣はどのようにお考えになっておられるのか。また昭和六十年度における概算要求基準についての閣僚としてのあなたの御発言、そして明年度におけるところの科技庁の予算の姿勢、こういったものが一体どのように配分されていくのか。これは私も非常に興味を持っているわけでございますので、まずその辺のところを大蔵省並びに科技庁の責任者として、どなたでも結構ですがお答えをいただき、そして長官の御所見を承りたいと思っております。
○安田政府委員 大臣がお答えになります前に、制度の仕組みの一部につきまして先に説明させていただきます。
 今、先生おっしゃったように、科学技術の振興は大変重要な仕事でございますので、これを整合性を持って計画的、効率的に実施いたしますために、私どもといたしましては、科学技術会議というものがございますが、その場におきまして総合的かつ基本的な方向づけを行っております。
 また、それらの方向づけのもとに、各省庁におきましてそれぞれの行政目的に合わせてそれらの技術開発が進められているところでございますが、さらに日本全体として調和ある発展をいたしますために、科学技術庁におきましては、その一といたしまして、関係各行政機関の科学技術に関する事務を総合調整する役割を持っておりまして、その役割に従いまして各省庁の研究開発を促進いたしているところでございます。
 それから二番目といたしまして、それらの各省庁に共通的に必要となります基盤的研究あるいは原子力、宇宙等の例に見られますように、各省庁の役割を超えて取り組む必要のあるような分野におきます研究開発は科学技術庁自身がこれを推進しているところでございます。
 今後とも関係行政機関が持つ力を十分に発揮するように、科学技術庁といたしましても総合調整機能の充実につきまして努力いたしまして、科学技術の振興を一層図ってまいりたい、かように考えております。
○岩動国務大臣 日本の科学技術政策の根幹に触れた御質問でございます。ただいま官房長からも申し上げましたが、私ども科学技術庁は、日本の科学技術政策の最高の調整機能を果たしていかなければならない総理大臣に対する重要な責任を持つ官庁であると認識をいたしております。そのようなことから、科学技術会議というものが非常に大きな役割を果たしてまいる。また科学技術政策につきましても、この会議の中に政策委員会等も設けまして、鋭意日本の科学技術政策の総合的な、整合的な政策の確立に努力をいたしてきておりますが、今後なお一層その重要性を認識してやっていかなければならないと考えております。
 そういうような基本的な考え方のもとに、来年度の予算編成に当たりましても、概算要求枠につきましては私も財政当局と直接交渉もさしていただきました。その結果、来年度の概算要求枠は、五十九年度予算に対しまして一・七%のプラスで要求をする、こういう合意ができたわけでございます。一般経常部門におきましては一〇%、そして投資的部門においては五%削減という非常に厳しい中におきまして、少なくとも科学技術庁の予算としては前年度よりも一・七%のプラスで概算要求をすることができたということは、私は日本の科学技術の今後の振興のために大変評価をされてもいいのではないだろうか。もちろん欲を言えば切りがございません。
 特にこの内容について若干のことを申し上げますと、来年は科学技術博覧会、万博が開催をされて、今までの投資的な経費というものが大幅に減ってまいります。おおよそ百数十億円が当然の減少になる状態でございます。したがって減少になったならば、当然その減少になったところをスタート台として何%ふやすか、こういうことになるわけでございますが、この当然減る科学技術博覧会に要する経費も来年は最小限度のものにとどめて、そのような当然減を今までなし得なかった科学技術の分野に投入し、しかもプラスの要求をするということになっている次第でございまして、この点については十分な御理解と、しかしこれで満足はいたしておりません。さらに私どもは今後年末に予想される最終的な予算編成まで努力をして、国民の期待に、そして先生のお考えにも沿うように努力をしてまいりたいと思っております。
○小川(新)委員 お話を承っておりますと、まことにそのとおりすらすらすらと答えられているんですけれども、概算要求でございますからこれから詰めが行われるわけでございますが、昭和五十八年、五十九年を見ても二・五%伸びているわけです。ことしは一・七。これは、今大臣がいみじくも申した万博における費用の配分がそれだけ昨年度、今年度よりも来年度は減るのだということで、一・七という数字がはじき出されたと思います。それはそれなりに思うのでございますが、それでは、そういうことを踏まえた上で減っているのかどうか、これはちょっと私どもに納得できない点でございます。それをひとつ御答弁いただきたいのです。
 そこで、我が国の科学技術関係予算は昭和五十九年度で一体幾ら計上されているのか。また幾つの省庁にまたがっているのか。この合計金額並びに合計省庁、おわかりになりましたら教えていただきたい。この二点、お願いします。
○福島(公)政府委員 お答えいたします。
 科学技術関係予算は、いわゆる科学技術振興費とその他科学技術関係費という二つに分かれておりますけれども、現在十八の省庁でこの予算というものをいただいております。その合計でございますが、科学技術振興費等につきましては五千七百二十八億円でございます。それから、その他の研究関係費というものを加えたものが一兆四千七百四十六億円という数字になっております。
○小川(新)委員 今お聞きいたしましても、十八省庁にまたがり、約一兆四千七百四十六億、それに五千七百二十八億の開発研究費が計上されている。この中に占める科技庁の予算は幾らか、パーセントは。
○福島(公)政府委員 ただいまお答え申し上げました数字でございますが、科学技術振興費等五千七百二十八億というのは、一兆四千七百四十六億円の内数でございます。その中で科学技術庁がいただいております予算は、科学技術振興費等で三千二百九十三億円、それから、その他関係費を含めました合計で四千十八億円でございます。全体の比率というのがこの表に出ておりませんけれども、約三〇%弱ということではないかと考えております。
○小川(新)委員 そこで、今のような問題が本委員会でまだ審議されてない、我々もきょう初めてこういった内訳を聞いたわけでございますが、例えば高速増殖炉の開発に対して、科学技術庁が「もんじゅ」をつくるわけでございますが、この「もんじゅ」の建設の予算をとり、通産省は高速増殖炉の実用化に際しての総合評価検討の予算をとっております。これは一体どっちが多いのでしょうか。
 その次、再処理に関しては、科技庁が技術開発、通産省が技術確証調査、予算をそれぞれ使っております。一応研究の領域を区分しておりますが、実態は全く同じものというケースが少なくない。これこそ科技庁が全部一括して、それぞれの成果を通産省なら通産省、その関係省庁に報告をし、または実態調査に関するところの報告については、科学技術の責任者である岩動長官が閣僚会議もしくはそれに準ずるようなところに御報告なさり、まとめてその予算を科学技術庁関係予算として受け取り、その科学技術関係予算の内容についての検討を当常任委員会で審議をする、これが私は筋だと思うのでございますが、今御報告をいただきますと一兆四千八百何がしかの、一兆円以上のものが我々の知らないところで計上され、使われ、そしてその報告さえも受け取っていないということは、科学技術の常任委員会の委員として私は、本委員会に対して非常に軽視をしているのではないかという気持ちさえしてなりません。その辺のところをお答えをいただきます。
○中村(守)政府委員 まず、先生が例示されました点が原子力の関係でございますので、その点だけちょっと先にお答えさせていただきます。
 原子力関係の予算につきましては、原子力委員会におきまして各省庁全部意見を聴取いたしまして、各省でダブりといいますか、そういうことのないように十分仕分けいたしまして、予算の見積もりを原子力委員会として出しておるわけでございまして、先ほど御例示がございました高速増殖炉の開発につきまして、これは動燃事業団が「もんじゅ」の建設を初め「常陽」の実験炉の運転、さらにはそれに必要な基礎研究等、ほとんどが当庁が運用している予算でございます。ただ、先ほど先生御例示ございました調査費というのは、これは通産省が将来の実用化時期、電気事業者が受け入れるような時期にどういう問題があるかということを踏まえてのいわゆる行政上の勉強代というようなものでございますので、科技庁がやっている先ほどの大型予算である研究開発費とは性格を異にするものでございます。
 それから技術につきます確証試験、これは電源特会で運用しているものでございます。実用化に近い段階のもので実証的なものを通産省の方が分担しておりますが、ここら辺も十分に科技庁、通産省との間でお話し合いをしまして、原子力委員会でも慎重審議をしましてやっておりますもので、二重投資とかいうようなことはないようにしてございます。
○小川(新)委員 動燃事業団とエネ庁との絡みの中でも予算の分捕り合いが、親会社と言ってはおかしいですが、その親元である科技庁と通産省、こういうところで。これはほんの一例です。私も専門家でございませんから、その総合性、整合性について今ここでとやかく言われてもわからないのですが、我々素人が見ても、そういった調査費や総合調査費というようなものが同じような目的のために使われているのではないかという疑義を持っているわけでございます。これが同じように一兆円近いものが他の省庁にばらまかれていること自体、科学技術振興に関する予算の内訳が本当にダブっていないかいるか、縦割り行政の中における横の連携をとるためにも、本委員会でこの予算のあり方についての検討をすべきではないか。それが科技庁の縦割り行政の一番大きな弊害になっているのではないかということを私はあえて指摘をしながら、すなわち、科学技術庁長官にその権限を与えて、しかもその権限下にある、長官のもとで審議をする委員会の地位を高めることが、日本のすべての科学技術の先導をするのではないかという私の考え方のもとで、委員長並びに理事に諮ってただいま研究中の決議案の内容にしても、私は岩動長官のバックアップをしていると自負しているわけでございます。その点について長官の御所見を承っておきたいと思います。
○岩動国務大臣 日本の科学技術行政、政策というものが整合性がなければならないことは当然でございます。また、そのために今日まで科学技術に関する閣僚会議も持って、その整合性を図ってきております。しかし現実には、やはりある程度縦割り的でなかなかその間の横の連携というものがうまくいってない面もないとは言えません。しかし、その垣根をできるだけ取り払って、そしてまず政府の中の横の連携、さらに産学官という縦の連携も図っていくことが日本の科学技術行政、政策の根幹であろうと思っております。そういう意味におきまして私は、総理大臣を補佐し、総理大臣のもとにおいてそのような政府の中における科学技術行政、政策の総合調整機能というものをこれからも十分に意を用いていかなければならない。大変ありがたい御示唆をいただきまして、感謝を申し上げます。
○小川(新)委員 私はなぜ今このような問題を言っているかと申しますと、日本列島の国土総合開発の第三次全国総合開発計画、三全総、また新全総で初めて日本列島の整合性のある開発をしようとしたときのむつ小川原開発の中に、科学技術庁が入っていないのですね。ところが今や下北半島の開発というものは、もはやむつ小川原株式会社の第三セクターだけに任せ得ないところの高度な日本の原子力行政の立地条件の中に踏み込まれているわけですね。でありますが、昭和五十九年七月のむつ小川原総合開発会議の委員名簿を見ますと、国土庁、防衛庁、経済企画庁、環境庁、大蔵省、文部省、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、労働省、建設省、自治省、これだけあっても科技庁が出てこない。どういうわけなんでしょうか。内閣総理大臣の最高の諮問機関であるところに、当時、昭和四十六年、四十七年の新全総当時に、それだけの見通しがきかなかった。そして下北半島のむつ小川原の開発が行き詰まって、ようやく昭和五十年代に入って、膨大な赤字を抱えるこのむつ小川原の第三セクターの株式会社救済のためかどうかは知りませんが、ここに電事連が動き出し、日本の三点セットと言われるリサイクル問題が踏み出された。こういうこと自体も、科学技術庁の原子力を担当する私たち仲間が、大臣を踏まえた我々がこういう見通しの中に踏み込まれていなければならないのに、全く蚊帳の外に置かれて、でき上がったら今度お入りくださいというのでしょう。のこのこ入る必要はありませんよ、もう。そんなばかな話がどこの世界にある。さんざっぱらこっちが言うときには入れてもくれないで、十三省庁以下にしてわあわあやって、いよいよ電源開発の行き詰まりの中での原子力発電の後始末を下北半島に求めるときになって、初めて政府は科学技術庁さんよおいでください。こんなばかにした話はありませんよ。だから私たちは、縁あって大臣とこうして同じ土俵の中で議論をし、日本の科学技術の施策に関しての議論をやっている仲間の一人として、余りにも大臣がかわいそうですよ。惨めですよ。違いますか。私は、総理大臣がいるんだったらここで決めつけたいくらいです。いないから残念で、悔しいけれども、せめて大臣にバックアップの声を聞かせておるわけなんですよ。いかがですか。
○照井説明員 国土庁の東北開発室長でございます。今の先生の御指摘について国土庁の方から一言お答えをさせていただきたいと思います。
 一つは、先生が御指摘のように、現在のむつ小川原開発と申しますのは、昭和四十四年に閣議決定されました新全総の時代から始まりまして、昭和五十二年に閣議決定されております三全総においても、大規模工業基地として国として開発を進めていくということで今まで開発が進んでまいったものでございます。現在、国土審議会で四全総、次の全国総合開発計画の策定作業が進められておりますけれども、私どもとしては、その位置づけは変わらない、東北開発という立場から変えないでくれということを国土審議会の方にお願いしておるわけでございます。
 それで、先生御指摘のように、七月三十一日にむつ小川原総合開発会議というものを開催いたしました。この開催趣旨は、実は電気事業連合会から青森県に七月二十七日に正式な核燃料サイクル施設の立地要請がございまして、ただ地元の意見の集約はこれからなされるということでございますけれども、その要請を受けて政府としても、今まで少なくとも三全総あるいは新全総では全然想定しておらなかったことでございますから、その点についての検討を進めなければいけないということで、おとといの日には青森県の方から具体的な要請内容とそれから青森県としての対応方針、青森県としては、地元六ケ所村の意向を尊重しつつ県内各界各層の御意見を伺い、さらに安全等の問題については専門家会議を開いて知見を得る、それ以外に県の正式な見解とかそういうものもございますので、その意見を集約してこの施設を受け入れるかどうか決めたいということでございますが、国に対しては安全面あるいは事業の推進面でいろいろ指導を得たいということでございました。その際に、科学技術庁は実は従来御指摘のように新全総、三全総等では想定しておりませんで十三省庁でやっておったわけですけれども、当然原子力関係の問題でございますので、正式に科学技術庁にお入りいただかないと政府としての検討、特に安全面での検討が進まないということで、むしろこの十三省庁会議でお願いして科学技術庁に入っていただいたということでございますので、御了承をいただきたいと思います。
○小川(新)委員 私はその話を聞いていて、本当に不可解に思うのですよ。昭和四十四年の新全総から一次、二次、三次、今度は四次、何回も何回も手直しをして、日本の国土をどう開発しようか、それが有名な田中元総理の「日本列島改造論」に見られるところなんですね。あのところにもう書かれているじゃないですか、本当のことを言ったら。だから、ああいう一つの本がいいか悪いか私は知りませんけれども、昭和五十二年の三全総の時点で東京電力が広大な下北半島に、むつ小川原に進出している。御存じのとおり。もう次は原子力の問題を抜きにしては語れないということを政府が言うのであるならば、当然科学技術庁の優秀な原子力局長や安全局長、ここにいらっしゃる長官を堂々とこの十三省庁の中に入れて、この地が本当に今後あるべき日本の原子力行政の一環として道なのか不適なのか、また今後どうあるべきなのかということは、五十二年の三全総をつくったときにスタートをしなければならないのに、今度電事連やそれぞれの方からの新しい開発計画が出て、そこで科学技術庁の専門家の優秀な原子力局長の意見を聞かなければできないなどということ自体、私は国土庁が思い上がっているのじゃないかと思う一人なんです。私は、建設委員会でもないから国土庁を責めているわけじゃないけれども、少なくとも中曽根内閣の姿勢の中にこのようなつけ焼き刃的な国土開発というものが突然ある日ぼこんぼこんと出てこられたら、反対したくない我々でも反対するようになるだろうし、また反対したい人はより反対に回るでしょう。こういうことは考えなければいけないと思うのですね。
 でありますから、ただいま申し上げましたように、十三省庁から成っているこの連合の審議の場に科技庁を入れなければならない、原子力局長の意見を聞かなければならないためにここにどうしても入ってもらうのだという姿勢は、長官、あなたの所属している内閣総理大臣の頭が全くおくれているのではないかと思わざるを得ないのであります。いかがでしょう。
○岩動国務大臣 御指摘は全く傾聴に償いたします。これから日本の国連を決めていくのは科学技術が最も重要な分野であり、世界的にも経済の活性は科学技術を活用することである、こういう認識であろうと思います。したがって、日本全体の活力というもの、そういう中での国土の総合開発利用ということも、このような科学技術を念頭に置かないで進めることは正しい方途ではないだろうと私は思っております。
 今度下北で、このような具体的な事項で参加をすることになりましたが、これは真打ちが初めから出ないで、いよいよ最後に呼び出されたのだ、真打ちの値打ちというものをここで御認識をいただければ幸せでございます。
○小川(新)委員 全く人柄のいい大臣、本当に敬服いたします。尊敬します。私は、真打ちであろうと真打ちでなかろうと、そういうことでなくて、優秀な科技庁の原子力専門官をこの中にもっと早くから入れて、少なくとも泥縄的な発想でないことを心から願っておるわけなんです。長官は本当に人柄がよろしいから、内閣を責める前に自分にむちうって、努力が足りなかったのだという反省の中からあえて真打ちという言葉をお使いになったのだと思うのですけれども、私はその点を中曽根内閣に強く要求しておくわけでございます。
 そこで、部分的なことで恐れ入りますが、むつ小川原開発株式会社が土地を取得したその当時のお金、広大な未分譲地の金の残金、借入金、これらは一体どうなっているのか。また、開発にまだどれぐらいの残留地が残っているのか。例えば仮に、今度の三点セットの電事連のこのリサイクルの要請が通ったとしても、残りどれくらいむつ小川原開発に残留地が残るのか、これが一点でございます。
 それと、借入金が今どのくらいあるのか。
 三点目は、このことによって残りの土地に新しい企業が進出しやすいのか、しにくいのか。これが環境アセスメントに大きな影響が出て、他の企業にどういう影響を与えるのか。いい方に出るのか、悪い方に出るのか。この感想を、国土庁としては見通しがあると思いますのでお尋ねします。
○照井説明員 お答えいたします。
 第一点目につきましては、むつ小川原開発株式会社の五十八年度末の借入金は千三百億円でございます。
 それから、むつ小川原開発地区全体は五千二百八十ヘクタールございますが、その中で工業用地として造成しておりますのが二千八百ヘクタールでございます。そのうち、石油の国家備蓄基地用に二百六十ヘクタール、これはもう既に売却済みでございます。それから、今回の核燃料サイクル三施設の用地についてでございますが、これは電事連が青森県に具体的に要請した内容で伺いますと、三つの施設を合わせて六百五十ヘクタールでございます。したがいまして、その残りとなりますので、二千ヘクタール弱がまだ売れない、売却残で残るということでございます。その点につきましては、私どもも、むつ小川原開発株式会社は当然でございますが、青森県と地元の方ともお話をして、円滑な企業立地が進むように努力しておるつもりでございます。
 それから三点目でございますが、核燃料サイクル施設の建設と申しますのは、これはもう既にお話がございましたように、安全性の確保というのが大前提になりますので、今後それについて、むつ小川原総合開発会議の場等を通じて十分な検討がなされるというふうに考えております。その辺の理解が得られれば、今後の企業立地については支障はないというふうに考えております。
 以上でございます。
○小川(新)委員 この核燃料サイクル施設の立地が受け入れられた場合、用地の分譲価格というものはどのような基準で定められるのですか。
○照井説明員 この用地の分譲価格というのは、まだ別にどういうふうに決めるかということをしておりませんが、今までのやり方で見ますと、用地買収費それから用地造成費それから公共公益負担金等、むつ小川原開発株式会社が自分のお金、借りたものもございますが、そういうもので払っておるわけですけれども、そういういろいろな要因を総合的に勘案して分譲価格を決める。我々としても、適正な分譲価格をつけるように指導してまいりたいというふうに考えております。
○小川(新)委員 私どもが心配しますことは、むつ小川原株式会社が今日まで使った金ですね、費用、これはどれくらいあるのかまず聞きたいのですが、これが約一千億近くあるんじゃないかと言われているのです。そうまでないかどうかわかりませんが、あるわけですね。そこで、今日まで企業の誘致が日本経済の状態とかいろいろな面で進まなかった。そこへこういうものが突然できたということは、一面はむつ小川原株式会社の救済というか、そういう面ではいいお得意さんが来てくれたということですね。これが一点。
 二点目は、来てくれたことによってのプラスとマイナス、メリットとデメリットが出てくるわけですね。こういった面を考えて、どこに、だれが、どうしたらいいかということの検討になれば、この下北半島のむつ小川原の立地条件というものに目をつけるのは人情だと思うのですが、そういう点を踏まえた中でのいろいろな議論が今出ているわけでございます。でありますから、私はきょうお呼びいたしております――きょうは電事連来ていませんね。では関係の科技庁でも結構です。あなたでも結構ですが、今言ったような中でのお答えをひとつお願いしたいと思います。
○照井説明員 最初に、先生の御指摘のございましたむつ小川原開発株式会社自体のこれまでの資金投下実績は二百七十一億円でございます。公的資金等も含めて全部合計いたしますと八百七十一億円になるわけでございます。公的資金が、五十八年度までの累計でございますが五百四十一億投下されておるわけでございます。
 それで、今回の核燃料サイクル施設の立地計画について、国土庁としての対処方針を申し述べさせていただきますと、我々といたしましては、青森県と地元の意見の集約ということが今後なされるというふうに伺っておりますので、地域振興の見地それから自立的核燃料サイクルの確立という観点を踏まえまして、関係省庁とも相談しつつ、むつ小川原総合開発会議の場を通じまして十分検討してまいりたいというふうに考えております。
○小川(新)委員 きょうは国土庁の最高指導者も来ておりませんことですし、あなたに余り追及してもお気の毒でございますから、この辺でやめておきますけれども、どうかお帰りの節は、本委員会でこういうことが議論されているということを長官にひとつお伝えいただきたいのです。御苦労さまでございました。結構でございます。
 そこで、放送衛星、気象衛星等の宇宙開発について若干お尋ねをしたいと思います。
 放送衛星ゆり関係において、ゆり二号aの故障の原因は一体何だったのか、ゆり二号aの事故対策委員会の審議状況はどうなっているかということが第一間であります。
 第二間は、今回ゆり二号aの中継器のA系統が故障したにもかかわらず、放送衛星の管理を宇宙開発事業団から通信・放送衛星機構へ移したのはなぜなのか。また、今使用している中継器のB系統の信頼性については保証できるのかどうか、これが大きく分けて二点でございます。
 三点目、ゆり二号aの故障の責任は一体だれが負うのか。NHK、通信・放送衛星機構、宇宙開発事業団にはどのような責任があるのか。また、NHK、宇宙開発事業団とメーカーとの関係はどうなっているのか。NHKや事業団はこれらのメーカーに対し契約上、民法上の損害補償の請求はできるのかどうか。また、衛星の開発を担当した事業団はNHKに対してどのような契約上の責任があるのか。もし契約上の責任がないとするならば、道義的に事業団はNHKに対して、次のBS2b、六十年八月予定をしております、これから上げるものですが、ちょっと延びておりますが成功させることと、今度計画しているBS3の開発方法に対して、出資者であるNHKの要望を十分聞いて信頼性のある確実な衛星をつくるべきだと思います。中継器の出力の大きいものを要望しているというこの問題点をどのようにお考えになっているかという点であります。
 私は、時間がございませんので箇条的に幾つか並べ出しました。こういう質問のやり方は非常に厳しいやり方なんでございますけれども、残された時間が二十分しかございませんので、どうかひとつ御判断を賢明にしていただいて、お答えを十分お願いする次第であります。
○福島(公)政府委員 お答えいたします。
 先生の御質問、非常に数が多いのでそれぞれまた担当の者がお答えするということでございまして、最初の御質問でございますけれども、現在、原因究明の状況はいかがかということでございます。
 御高承のとおり、五月十四日の臨時の宇宙開発委員会におきまして、BS2のふぐあいを究明するために放送衛星対策特別委員会というものをつくりまして現在究明しているわけでございますが、今日まで本委員会が二回、それからその下にあります技術小委員会というのが十回開かれております。
 いろいろと今まで実際に入手しましたデータ及び地上におけるシミュレーション試験というものも重ねてやっておりまして、特に原因究明で一番役に立ちそうな地上における熱真空試験というのをやっております。ちょうど地上で上空におけるのと同じような状態をわざと起こさせてシミュレーションしていく方法でございますが、これは既に始めましてから一カ月ぐらいたっております。いわゆる真空のチャンバーの中にセットしてやっておりますために、二カ月間連続して運転しなければならないということでございますので、途中で結果を取り出すことはできませんが、データとして送られてくるものは全部チェックしております。そこでかなりの原因究明の可能性というものが出てきたということでございますが、最終的にはその試験が八月いっぱい。
 それからもう一つは、その結果に基づきまして、現在停止しております中継器の再起動試験というものをもう一度やってみたい。ただ、この再起動試験をやるためには、ちょうど食に入ったとき、やむなくとめたときに使ってみたいということでございますので、九月の初めごろ再起動試験をやってみたいと思っておりますが、その結果を見ないと最終的には何とも言えないという状態にはなっております。その結果を見まして、今後、先生の御指摘もございましたように、来年の夏打ち上げますBS2bの打ち上げの問題、それからさらにことしから始めますBS3の開発の問題、そういうものに生かしていきたいと考えております。
 いずれにせよ、開発に当たっております我々としましては、今回国民が非常に期待していた放送衛星でございましたので、これが三つの中継器のうち二つもぐあいが悪くなってしまったということに対しては大変責任も感じますし、遺憾に思っております。そういうことで、今回懸命にやっております原因究明というものを生かしまして、この貴重なノーハウ、データというものをBS2bあるいはBS3に生かすことによって責任を果たしていきたい、こういうふうに考えております。
○船川参考人 先生の御質問のうちの、主として事業団が担当しております技術的な問題についてお答えさせていただきます。
 まず、こういうふうな中継器の故障を起こしましたそれの責任をどう考えるかということでございますが、事業団といたしましては放送衛星の開発を担当いたしました者といたしましてこの事態を厳粛に受けとめまして、原因の究明、それからできるならば回復の措置等の対策に全力を挙げて取り組んでいるところでございます。
 それからもう一つ、次に、なぜ故障の状態のまま機構に引き渡したのかということでございますけれども、機構の方に打ち上げ後三カ月たって引き渡したわけでございます。引き渡しの時点におきましては、A系統は残念ながら故障しておりましたけれども、当初目標のカラーテレビジョン二チャンネルの同時放送は、残りましたBチャンネルとRチャンネルを使いまして放送が可能と確認されておりましたし、もう一つ電波センサーの故障の問題があったわけでございますが、これにつきましても、バックアップとして用意されておりました太陽センサーなどを使う運用で十分できるということで、ユーザーである通信・放送衛星機構及びNHKの方と双方で協議いたしまして、御了解願った上で引き渡したものでございます。
 それから、残りましたB系統は大丈夫かということでございますけれども、これは現在いろいろ原因探求中でございますので、なかなか難しい問題があるわけでございますが、少なくとも現象面で見る限り、現在故障しておりますAチャンネルとRチャンネルとは現象が全く別でございますので、いろいろ今故障原因の分析をやっておりますけれども、多分故障原因もそれぞれ違うのではないかというふうに我々判断しております。それからBチャンネルの状況も非常によくて、その後全く異常を起こしていないということでございますので、我々はBチャンネルについてはAチャンネル、Rチャンネルのようなことがまたそのまま起こるというようなことは考えておらないということでございます。
 それから、今後BS2bはどうするのかということでございますけれども、これは現在鋭意原因究明中でございまして、原因が究明できないと、なかなかその対策にどれくらい時間がかかるかということを申し上げられないわけでございますが、少なくとも我々としましては、現在、来年の打ち上げということを念頭に置きまして、いろいろ故障原因の解明それから対策の日程の見積もりをしているところでございます。
○小川(新)委員 損害賠償の件についての民法上の責任等は。
○岩崎参考人 NHKというお話もございましたけれども、NHKと私ども事業団との間には契約関係はないわけでございます。(小川(新)委員「メーカー」と呼ぶ)メーカーとの関係については、いわゆる瑕疵担保責任の問題になるわけでございます。契約の相手方は東芝でございますが、東芝と宇宙開発事業団との間の契約におきまして、契約相手方は契約物品の瑕疵について、引き渡しが行われてから一年間または打ち上げ時点のいずれか早い時期まで担保の責めを負うということに原則的になっているわけでございます。ただ、その点については加重規定がございまして、その瑕疵が契約相手方の故意または重大な過失に基づく場合は、瑕疵を発見したときから一年間担保の責めを負うということになっているわけでございます。
 そこで、ゆり二号に関しましては、本年一月二十三日に打ち上げられたわけでございますから、前段に申し上げました通常の瑕疵担保の期間は切れているわけでございまして、契約相手方でございます東芝の責任を問うことができますのは契約相手方に故意または重大な過失がある場合に限られる、こういうことになるわけでございます。いずれにいたしましても、先ほど来お答えを申し上げておりますように、ふぐあいの原因につきまして現在鋭意調査中でございます。その調査結果を待ちまして、契約上の瑕疵担保責任を問うことができるかどうか、その辺を慎重に検討いたしたいと思っております。
○小川(新)委員 今回故障した中継器はアメリカのゼネラル・エレクトリック社とフランスのトムソン社製であると聞いております。通信衛星では国産の中継器を使っていながら、放送衛星ではなぜ外国の中継器を使用したのか。現在の日本のトップクラスの企業における技術は放送衛星の使用に耐えられるものが十分あり、競争に耐えられると私は確信しておりますが、日本のトップのこういった科学技術の企業のものは使わないのか。どうしてこういう判定をするのか、どこで基準を持って外国の製品にしたり日本製品にしたりするのか、これを私どもは知りたいところなんでございます。それがまず一点でございます。
 それから二点目は、打ち上げ保険、寿命保険について。損害保険ですけれども、放送衛星ゆり二号aに対して打ち上げ保険が掛けられておりますが、一部故障が発見されていながら、九十日の保証契約期間が切れる四月二十一日に宇宙開発事業団から通信・放送衛星機構に管理が移され、その直後にさらに致命的な故障を引き起こした結果、保険金が全く入らなくなったことに対し、国民は何とも割り切れない気持ちでおるわけでございます。放送衛星ゆり二号プロジェクトにかかる経費、同予備機も含めて、衛星ロケットその他を含めて合計六百十億円にも上っております。そのうち四割は国の税金による負担、六割はNHKの受信料による負担であり、いずれも国民の負担であります。宇宙開発事業団、NHKともになぜゆり二号aに対して寿命保険を掛けていなかったのか。また、予備機であるゆり二号bに対して打ち上げ保険、寿命保険の両方を掛けるべきであると思いますが、これは科学技術庁長官から国民の納得のできる答弁をお願いしたいのでございます。
○船川参考人 まず、放送衛星になぜ外国の品物を使っているのかということにつきまして、技術的な見地からお答えしたいと思います。
 先生のお話にございましたけれども、通信衛星の方は比較的出力が小さい真空管を使っておるわけでございますけれども、放送衛星の方は非常に高出力の中継器を必要といたします。これは、聴視者に直接受信していただくために非常に高出力の真空管を衛星に載せなくちゃいかぬということもございまして、この衛星の設計を開始いたしました五十五年度のころには我が国では全く実績がございませんで、製作が困難なものでございましたので、こういうことにつきましていろいろ実績を持っております米国等の外国技術に依存せざるを得なかったというわけでございます。中継器につきましては、先生のお話にございましたようにアメリカのゼネラル・エレクトリック社が衛星を含めて全部やっておりますが、その中の真空管はフランスのトムソン社製というのを使っておりまして、当時といたしましては、これが採用できる唯一の真空管であったと現在でも我々は考えております。
 今後でございますけれども、こういう心臓部に当たりますようなものにつきましては、ぜひ我が国のものを使いたいと我々も考えておりますけれども、こういう放送衛星の真空管につきましては、国内メーカーでやっと開発モデルのようなものができてきたという段階でございまして、本当にフライトに使えるかどうかということは、まだこれからいろいろ試験して決めなくちゃいかぬという段階でございます。しかし我々といたしましては、この次のBS3では何とか国産化したいという希望を持っております。
○岩崎参考人 保険の方につきましてお答えを申し上げます。
 ゆり二号aにつきましてもいわゆる打ち上げ保険は掛けていたわけでございますけれども、先生御指摘のことは、打ち上げ後九十日たちまして衛星が軌道上で稼働を始めました後の保険、そのような意味におきまして、いわゆる寿命保険のことであろうかと思うわけでございます。この寿命保険につきましては、衛星が軌道上で稼働を始めました後、衛星の利用に支障が生ずる、そういう故障が生じた場合に対処するものでございますから、基本的にはユーザー側で保険を掛けられるべきものと私ども考えているわけでございます。今回のゆり二号aにつきましても、NHKも基本的にそのような線で御理解になっておられたわけでございまして、そのような意味におきまして、宇宙開発事業団におきましては保険を掛けなかったというのが実情でございます。
 なお、ちょっとお話がございました今後のゆり二号bの問題でございますけれども、申し上げましたようなことで、寿命保険につきましては基本的にはユーザー側でお掛けになるものだというように思いますけれども、ユーザーの方ともよく御相談をいたし、科学技術庁とも御相談をいたしまして、ゆり二号bにはどのような保険をということは、今後検討をいたしたいと考えております。
○福島(公)政府委員 追加の御答弁をさせていただきたいと思います。
 保険につきましてはただいま御説明のあったとおりでございますけれども、我々も国民の一人でございまして、なかなか釈然としない点もございますので、瑕疵担保と保険の問題につきまして、私どものところで各界の専門家を集めまして現在勉強会をやっております。その結論を何とか来年打ち上げるBS2bには間に合わせるように出して、皆さんも納得できるようなものにしていきたいと考えております。
○小川(新)委員 最後に、警察庁、外務省にコンピューター犯罪についてお尋ねします。
 コンピューターを中心とする情報化が進展するに伴い、いろいろな社会問題が生じております。過日は私立の大阪工大のコンピューター事件がありましたが、一体どれくらいコンピューター事件が最近行われているのか。情報の盗難、改ざん、破壊などの事件が報道されております。そして、コンピューター犯罪による国家機密、企業機密の漏えいあるいは災害、事故による重要情報の破壊、消滅などを防止するための科学技術は非常に重要であります。こういった問題に科技庁及び当委員会が関心を持たないことは不思議でなりませんし、また当然持ってしかるべきだと思っております。
 さらに、これについては金融界、産業界、防衛庁などは大きな関心を持っておりますが、中曽根内閣全体の取り組み状況は一体どうなのか。通産省はコンピューターシステムの安全対策基準を既に作成し、ごく最近その改定を行ったと聞いております。その新しい基準とはどのようなものなのか。コンピューターシステムの安全を守る対策は科学技術に負うところが多いのでございますが、通産省や郵政省などの縦割り官庁ではなく、私どもの委員会の所属しております科学技術庁こそ真剣に取り組むべきではないかと私は大臣にまず御注文したいのでございます。大きく分けて、これが一つの質問でございます。
 次に大きな質問の一つは、原子力発電所用核燃料輸送問題について、私の住んでおります埼玉県内国道十七号線を通過する核燃料輸送の実態はどのようになっているかということでありますが、その運ばれている内容、数量を知りたいわけでございます。また、核燃料の輸送に伴う交通事故防止対策及び盗難防止対策はどのようになっているか。万一事故が起こった場合の放射能物質による人体への影響及びその安全性については、警察庁や関係省庁がそれだけの施設を持っているのかどうか、またそういう必要はないのか、全く安全なのか、これは埼玉県民一同非常に関心のある問題でございますので、県民を安心させるためにも明快な御答弁を警察庁並びに原子力関係の当局からお聞きしたいと思っておりますが、よろしくお願いいたします。
○於久説明員 コンピューター犯罪の実態につきましてまずお答えをいたします。
 警察庁におきましては、コンピューター犯罪を、銀行等の現金自動支払い機、いわゆるCDでございますが、このCDから他人のキャッシュカードを使って現金を盗み出すCD犯罪と、それから不正データの入力、データあるいはプログラム等の不正入手、こういったCD犯罪以外のコンピューター犯罪に大別をしております。
 こういったものの発生状況について簡単に申し上げますと、CD犯罪は、五十六年で見ますと、認知が二百八十八件、検挙が百七十九件、五十七年は認知が四百七十二件、検挙が三百二十一件、五十八年は認知六百四十二件に対して検挙が五百三件、本年に入りまして上半期一月から六月までの状況では、認知が三百九十一件、検挙が三百十件、これは逐年増加をしております。
 それからCD犯罪以外のコンピューター犯罪は、五十六年は認知が十件、検挙が九件、五十七年は認知六件、検挙五件、五十八年は認知、検挙とも六件、本年の一月から六月、これは認知、検挙とも六件ということで、ほぼ横ばいの状況でございます。
○辻政府委員 核燃料輸送の問題についてお答えを申し上げます。
 我が国における原子力発電所を中心といたしました核燃料施設間におきます核燃料物質が陸上あるいは海上で輸送をされているわけでございますが、その実績につきましては、昭和五十八年におきまして、これは後に出てまいりますが、運搬の確認を行っているものが二百八十件でございます。このうち、軽水炉にかかわる新燃料輸送が百七十九件、それから使用済み燃料輸送が三十一件、合計二百五件という件数になっております。この一件一件の件数は、輸送の一回とは必ずしも合致しておりません。一件の政府の確認によって何遍かの輸送が行われるというような関係になっております。
 この核燃料物質の輸送につきましては、国際基準といたしまして国際原子力機関、IAEAが放射性物質安全輸送規則を定めておるわけでございまして、各国ともこの規則に基づいて輸送の安全規制を実施しているところでございます。我が国もこの規則をもとに、原子力委員会及び放射線審議会の審議を経まして輸送の安全基準を法制化し、これに基づいて当庁のほか、関係省庁がそれぞれ分担して安全規制を実施しているという状況でございます。
 すなわち、陸上輸送につきましては、原子炉等規制法に基づきまして科学技術庁が核燃料輸送容器あるいはその中に入っている輸送物、これの安全規制を行っております。それから荷物の積みつけ方法あるいは輸送の仕方、これにつきましては運輸省が規制を行う。それからさらに実際の輸送に当たりましては、都道府県の公安委員会が運搬の経路等につきまして必要な指示を行うということができることになっておるわけでございます。このIAEAの基準は、こういう厚いものですけれども、周辺公衆に対する安全性という観点から規制されておりまして、容器につきましても高いところから落下する試験をやる、あるいは自動車等が火災を起こしたときにも遮へい物質が焼けたり溶けたりしないような規制を行っておりますので、こういった規制の体制によりまして安全確保につきましては万全の措置を講じておるというところでございます。
 万が一にもこの輸送によるトラブルはないというふうに考えられるわけでございますけれども、これらの規制の考え方について申し上げますと、仮に事故が起こりました場合でも、一回一回の輸送量をある程度以下に制限することによりまして、ICRPその他の国際基準で定めますところの周辺公衆への被曝量が許容値以下になるようにということで規制をしているわけでございます。さらに、地元の方々の不安に備えるために、関係省庁におきまして放射性物質の事故時安全対策に関する措置というのを申し合わせておりまして、もし万が一トラブルがありました場合には現場に関係省庁の担当官を派遣する、あるいはそのアドバイスをする専門家でございますが、原研あるいは動燃その他の研究者で放射能についての知識の高い方をあらかじめ指名しておきまして、こういう方が応援に行くというような体制もとっておるところでございまして、十分な安全対策を講じておるところでございます。
○小川(新)委員 終わります。
○大野委員長 工藤晃君。
○工藤(晃)委員 私は、この委員会で先日、核燃料サイクル施設問題で質問を行いましたが、そのとき大変短い時間でありましてまだ幾つかの点を残しましたので、この機会に質問したいと思っております。
 さて、電気事業連合会が六ケ所村への三つのサイクル施設を立地したということが伝えられておりますが、その具体的な立地の場所はどこでしょうか。それから港湾としてはどこを使うわけでしょうか。これは科学技術庁で結構です。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。
 電気事業連合会が去る七月二十七日に、青森県並びに同県の六ケ所村に対して核燃料サイクル施設を六ケ所村内に立地を申し入れたところでございますが、その申し入れの内容でございますけれども、御質問の具体的な場所につきましては、再処理施設を六ケ所村内の弥栄平という地区に置くということでございます。それからウラン濃縮施設と低レベル放射性廃棄物の敷地外貯蔵施設につきましては、同村内の大石平に立地するということになっております。
 それから港湾施設につきましては、現在工事を進めておりますむつ小川原港の港湾を使うということでございます。
○工藤(晃)委員 そうしますと、仮にこういう立地が行われますと、この施設に運ばれるであろう使用済み燃料及び海外再処理返還物、それから低レベル放射性廃棄物は、今建設中のむつ小川原港を使うということになるわけですか。
○中村(守)政府委員 今の先生の御質問でございますが、その件につきましては、電気事業連合会としてはそのように考えているということでございます。
○工藤(晃)委員 では、次に防衛庁及び防衛施設庁に伺いますが、六ケ所村及びその近接地域で米軍、自衛隊のどのような演習場があるか、演習の状況はどうなっているのか、伺います。
○上田説明員 自衛隊関係の訓練について御説明申し上げます。
 まず、陸上自衛隊六ケ所対空射撃場というものがございます。それから、これは施設庁の方から後ほど御説明いたしますが、米軍の三沢対地射爆撃場がございます。いわゆる天ヶ森対地射撃場と言われているところでございます。そこにおきましても自衛隊の方の訓練を行っております。
 概要でございますが、六ケ所対空射撃場におきましては、陸上自衛隊の高射特科部隊等が全国各方面隊から順次入れかわり参りまして、三十五ミリ二連装高射機関砲、七十五ミリ高射砲等の対空火器の訓練を行っております。昨年度の実績で、本年もほぼこの日程で行われておりますが、期間は七月一日から十一月十五日ということになっております。
 それから天ヶ森射爆撃場の方でございますが、米軍の射爆場でございますが自衛隊の方も使用しておりまして、航空自衛隊のF1戦闘機部隊を主体にいたしまして、その他の戦闘機部隊も含めまして対地射爆撃訓練を行っております。これは訓練弾で爆弾・ロケット射撃、それからガン射撃を行っております。
 以上でございます。
○工藤(晃)委員 防衛施設庁の方から……。
○大場説明員 米軍関係につきましては、三沢対地射爆撃場がございます。三沢対地射爆撃場は、航空機による対地射爆撃の練度維持及び向上のための訓練場として、地位協定に基づいて米軍に提供しております大変重要な施設でございます。
○工藤(晃)委員 今挙げられなかった中で、米軍訓練空域R129というのがありますね。それから自衛隊のB訓練海域、これは海に接しているところでありますが、それもある。それから自衛隊進入管制区は大体この下北のずっと上を通っているということですが、その点はよろしいですか、今も存在しているわけですね。
○大場説明員 米軍関係といたしましては、R129の訓練空域がございます。これは公海上にございまして、空中戦訓練用に使われておると承知しております。
○工藤(晃)委員 自衛隊のB訓練空域はどうですか。
○上田説明員 青森県の太平洋側と申しましょうか、高高度訓練空域Bがございます。
○工藤(晃)委員 では、六ケ所村近傍において自衛隊や米軍の航空機の墜落ないし落下物事故として、この数年でもよろしいですが、どういう事故があったでしょうか。
○上田説明員 自衛隊の方の関係について御説明いたします。
 青森県東部下北半島におきます自衛隊の航空機の事故でございますが、昭和四十六年に三沢飛行場内で墜落事故、昭和五十二年に大湊の海上自衛隊の航空隊でございますが、青森県上北郡野辺地町にて不時着水がございます。それから昭和五十五年、青森県上北郡上北町にて第三航空団の航空機の墜落事故が起きております。
 それから、いわゆる落下物等の件でございますが、昭和五十六年に六ケ所村で航空自衛隊の模擬弾の誤投下がございました。それから昭和五十八年、同じく六ケ所村で海上自衛隊の第二航空群の訓練弾の誤発射がございました。これは、先ほどの訓練の概要に説明を追加させていただきますが、天ヶ森射場におきましては、海上自衛隊も若干ではございますが使用して訓練を行っておりますので、こういうことが生じたわけであります。
○小林説明員 米軍関係について申し述べます。
 防衛施設庁が知り得た最近十カ年間における天ヶ森、六ケ所村及びその周辺に所在する米軍の施設及び区域に係ります誤爆あるいは誤射などの事故の発生件数でありますが、模擬弾の誤投下が二件、それから機関砲リンク、空薬きょうの落下が二件、合計で四件であります。人身の被害は起きておりません。
○工藤(晃)委員 今報告されましたけれども、青森県の行政特別対策室が五十四年以後のをまとめておりますが、件数においては今防衛庁、防衛施設庁が報告されたよりも多いように思われますし、また、ここに記載されてないものが記載されてありますが、これはやはり県当局として県議会に出された資料でありますから、ちゃんとしたものであります。
 それで、この問題はもう少し後で伺うわけですが、もう一つ伺いたいのは、三沢でF16の配備がこれから進んでいくわけでありますが、F16の演習というのは一体どこでやるのでしょうか、それを伺いたいと思います。
○大場説明員 F16につきましては、対地攻撃能力を有しておりまして、パイロットの練度維持のために対地射爆撃の訓練を行うことが考えられますが、現在具体的なことについては承知いたしておりません。
○工藤(晃)委員 現在具体的なことは知らないと言うけれども、これはもう常識的に天ヶ森を使うことになるでしょうし、場合によれば、非常に狭いということでさらに要求してくることを考えておかなければならないと思います。
 そこで、非常に大事な問題は、一つは確かに天ヶ森と先ほどの三つの施設との距離がどうかということが問題になってくるわけですが、それと同時に、三つの施設との距離だけでなしに、三つの施設に運び込むいろいろな使用済み燃料だとかあるいは低レベルの廃棄物だとか、あるいはまた英、仏から返還されてくるであろう廃棄物ですね、これがおろされるところのむつ小川原港、そことの間の距離などをどうしても検討せざるを得ないわけでありますが、ざっと地図で見ても、なるほどさっき言った三つの施設と天ヶ森との間は九キロぐらいあります。しかし、そのかわり六ケ所村の対空射撃場の、特に漁業補償するような海域は非常に接近しているという問題もありますね。それと同時に、天ヶ森と今度のむつ小川原港、との距離を見るとほんの五キロくらいしかない、そういう状況ですね。これは後で地図でよく調べてください。私持ってきておりますが、これは地図にプロットすればすぐに出てくることであります。
 しかも、先ほど落下物の事故で余り詳しい地点が報告されなかったわけでありますが、この青森県の行政特別対策室でとったものを見ますと、五十四年九月十六日、六ケ所村大字平沼、それから五十四年十月十三日、六ケ所村大字平沼、これは提供地内だということですね。それから、その次あたりに六ケ所村大字鷹架というところが出てくるのですね。五十六年十月十六日にも六ケ所村鷹架というところが出てくるのですが、この六ケ所村鷹架というところはまさにむつ小川原港があるのが鷹架なのであって、この落下物は、もう一度ちょっと言いますと、五十五年の十二月九日のは米軍が模擬爆弾を誤投下したと思われる穴を発見、五十六年十月十六日の鷹架も米軍機が模擬弾を誤投下したと思われる穴を発見ということなんですが、こういうことで鷹架というのはまさにむつ小川原港そのもの、完全に近接した地帯ですね。そこにこういう誤投下事件が起きているということなので、米軍や自衛隊の基地それから訓練のいろいろな演習場あるいは訓練の実態からすると、全くここは核燃料のサイクルを持ってくるには不適切な地域だと思うわけですが、その点は長官どうでしょうか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。
 今いろいろ御指摘のような自衛隊並びに米軍の訓練との関連というものが一つの検討する対象であろうかと思いますが、そのいろいろな実態等を十分に検討いたしまして、それに対応する措置というものをいろいろと考えていくということができるのじゃないかと思っております。現在予定されております敷地自身は、天ヶ森の射爆撃場からはかなり離れておりまして、ここら辺の飛行訓練の実態がどうなっているのかということを確認しないと、今すぐここでその問題が具体的にどうであるかこうであるかということまで御答弁はできかねる次第でございます。
○工藤(晃)委員 長官にはまた後で聞きます。
 動燃の再処理工場建設に当たって、水戸射爆場の返還が前提条件だったことはよく御存じだと思います。関係自治体挙げでそのことを強く迫ったし、現実に水戸の射爆場が返還されるということが確認されてから東海村の動燃の再処理工場がつくられた。これははっきりした事実であるし、またそれは当然のことだったと思います。
 一九七〇年一月二十六日から二十九日にかけて、アメリカの上院外交委員会安全保障取り決め及び対外約束小委員会聴聞会議事録、これは外務省が訳したものがありますからそれをそのまま読むわけでありますが、水戸射爆場についてこういうことを言っております。「日本の原子力燃料公団は水戸射爆撃場の標的地帯から約二・六マイルのところにプルトニウムの調査・開発用研究所を運営している。最も近い行楽地たる海岸までの距離はこといって、二・二マイルとか三マイルという地点を挙げているわけでありますが、この一番最後のところに一人の発言として、これはもう驚くべきケースである、あなたの言うところでは、同射爆撃場は原子力研究施設から二マイル、海水浴場から二、三マイルということだが、これは飛行機で飛べばたった二秒ほどではないかという発言があります。これは一マッハでいうとちょっとこの二秒というのは私納得できない数字で、もう少し長くなるであろうと思います。アメリカのこの聴聞会におきましても、射爆撃場と原子力の施設がたった二マイルというのは驚くべきであるということを言っております。
 それで、さっき私が挙げたのは、確かに三つの施設そのものは、例えば九キロといいますと二マイルどころじゃないかもしれませんけれども、少なくともむつ小川原港に関して言えば四キロとか五キロとかいった範囲でありまして、まさにこれは三マイルとか四マイルとなって、三マイル、四マイルなら驚くに当たらないということじゃないわけでありますから、これは全く非常識な立地なんですね。全くこれはもう考えられないような、アメリカの議会でもこれが問題になれば、これは驚くべきことであると委員が発言せざるを得ないような、そういうところに設けるということになりますね。
 そこで私、長官に伺いたいわけなんですが、さっきも言いましたように港と核燃料施設、実際に使う港と天ヶ森の距離がこのように近いということに加えて、自衛隊ないしは米軍の航空機が上から落とすような誤投下事件が実は鷹架地区でもあったというようなことを考えてみて、基地とか演習場、これは米軍、自衛隊ですね、あるいは利用状況というのは、これからの安全審査という中で非常に大事な一要素としなければならないと思いますが、どうでしょうか。これは長官、それが一問ですね。
 それから、その場合一体どこでそれを調査し、それから調整していくのか。これが二つ目。
 三つ目が、もしこの三つのサイクル施設を設けるのに、天ヶ森はどうも危ないということになった場合には、三施設をやめるのかあるいは天ヶ森にどいてもらうということにするのか。この三問はっきり答えていただきたいと思います。
○中村(守)政府委員 今先生御指摘の点につきましては、規制当局とも今後いろいろ検討しなければならない問題でありますし、先ほど国土庁の方からもお話ございましたように、むつ小川原開発会議の方で十分各省庁との間でこの問題についてもお話し合いをしていくということになろうかと思います。
○辻政府委員 安全審査の件でございますけれども、この立地計画につきましては電事連が構想を示して申し入れを行った段階である、施設の具体的設計等については今後事業者等において検討されるものと承知しております。私ども安全規制当局としましては、現段階では、審査前のことでございますので、特段のポジションを申し上げる時点ではございませんけれども、このような事業者側の検討の過程におきまして、御指摘の点においても必要に応じて一定の安全上の評価がなされるものと考えております。私どもといたしましては、将来、事業者が一定の評価を行った結果を申請してきた段階で安全審査を行うことになりますので、先ほど申し上げましたように現時点で御意見を申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○工藤(晃)委員 これは大変大事な問題なんですね。東海村の動燃の場合は、水戸射爆場が返還の条件になったわけでしょう。それで、安全問題というときに、もちろん施設そのものの安全とか技術上の問題、いろいろあるけれども、具体的にアメリカ軍や自衛隊が演習をさんざんやって物を落としているさなかにつくるというとき、第一に考なければならないことなんですが、今聞いてみると、何ですか、事業者がまず検討して何かを出す、それから原子力安全委員会ですか、これで検討するというようなことなんですか。それとも一体どこがやるのですか。さっき国土庁の方が言っているところの何か連絡会議でこの調整をやるのですか。どうなんですか。これは大変大事な問題なので、はっきり答えていただきたいと思います。答えられないのですか。
○中村(守)政府委員 必要に応じまして今後いろいろ具体的なことを、事業者の方の計画との兼ね合いもございますし、自衛隊の方の活動の具体的な内容との調整もございますから、そこら辺は必要に応じて、むつ小川原会議という場もございまして、各省庁いろいろ連絡調整する場所もございますので、そういった場所とか、あるいは各省間におきましていろいろと御相談をしてまいるということになろうかと思いますが、一義的には地元の意向というものも一つの大きなよりどころになろうかと思います。
○工藤(晃)委員 長官、お願いします。
○岩動国務大臣 むつ小川原に核燃料サイクルの施設を立地しようという事業者の地元への申し入れ、これを進めてまいる上では、何といってもまず基本的に地元の方の御理解と御協力が必要であることは申すまでもありませんし、また安全性という観点やあらゆる観点から私どもは政府の立場でこれを解決していかなければなりません。そういう中で、ただいま御指摘の射爆場の件が提起されておるわけでございますが、これも関係省庁、当事者間でさらに検討をすべき課題であると心得ております。
○工藤(晃)委員 検討すべき課題であるという答弁をされまして、それは当然ですが、先ほど言いましたようにF16の配備ということになりますと、ますますこの地域がその訓練のため使われるようになるのは自明のことでありますので、そういうことを前提にして、米軍の方は米軍、自衛隊の方は自衛隊、こっちはこっちということでいったら大変なことになるということを強く言い、次の質問に移りたいと思います。
 私の質問の趣旨は、動燃の再処理工場が七三年試運転して以来十年以上たった。八一年から本格操業だということですが、八三年二月以降、事故で操業が停止している。年間二百十トンの能力と言いながら、ホット試験、本格操業を通じて今までの成績というのは百七十一トンにすぎない。その原因はどこにあるかということなんであります。その点について、軽水炉の燃料の再処理、これはだんだん燃焼度も高くなっていくわけでありますが、燃焼度が高くなっていく場合どのような技術的問題があると科学技術庁は考えるか。それが一つと、それに付随して、科学技術庁はこう考えるけれども専門家の間でこの問題でどのような指摘が行われているのか、これをあわせて答えていただきたいと思います。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。使用済み燃料を再処理いたします場合に、燃焼度を高めていきますとどういうことがあるかということでございますが、燃焼度を高めるということは、燃料の中にフィッションプロダクト、いわゆる核反応に伴います核分裂生成物が出てまいりますが、そういうものが溶解しにくいという問題がございまして、不溶解残渣の量がふえるという点が一つございます。それからガス性の核分裂生成物も出てまいりますので、再処理の工程で処理すべき気体状の放射性物質がふえてくるという点がございます。それから第三に、放射線の量が当然ながら増加をするし、それに伴いましていわゆる溶媒が劣化する度合いも強まる、こういった問題がございます。
 こういった技術的課題につきましては、既に海外におきましても、この不溶解残渣の除去のための新しい方式が開発されつつありまして、動燃の東海再処理工場で取り扱っております燃焼度よりも高い燃焼度のものを既に海外で処理している実績もあるわけでございます。
 それから、気体の放射性廃棄物が発生する量が多くなるというようなことにつきましては、放出低減化についての諸技術、それから放射線の量が増加するということにつきましては、使用済み燃料の冷却期間をふやしてその低減を待つというような方式、あるいは新しい抽出方式の採用というようなもので対応していけるし、既に海外におきましても高燃焼度のものを処理している実例もあるわけでございます。
 いずれにしましても、現在の軽水炉で行います燃焼度を高めるという程度のことでございますれば、今後十分対応できるものであると考えております。
○工藤(晃)委員 一番最後の結論の、今後十分対応できるものであるというのは賛成しかねます。
 今の中で、軍事用のプルトニウム抽出のときとそれからガス炉の燃料の再処理のときと違って、つまり軽水炉の燃料の再処理の場合は、それらとは違った新しい技術上の困難にぶつかったということはある程度認めたというふうに私も考えます。
 従来、ピューレックス法というのは、これですべていけ呑んだということは政府、科学技術庁の方でよく言ってきたわけでありますけれども、確かにピューレックス法はそういう軍事用の、核兵器用のプルトニウムの生産とかガス炉の燃料再処理では確立されているというふうに見られるかもしれないけれども、しかし、特に燃焼度が高まってきますといろいろ新しい問題として、先ほど指摘がありました不溶性残渣が出てくるという問題、これは放射能も非常に強くなる。それからまたさまざまな核分裂物質ができる。それも金属形態でなしに酸化物の形態でできる。これがふえると溶けない物が多くなって、それがいろいろくっつくと電池みたいになって腐食作用を起こす、こういう問題もある。それからまた、さっき言いましたように、極めて強い放射線のもとで有機溶媒が分解して、プルトニウムの抽出率が大変悪くなるだけでなしに、有機層と水層に二つにきれいに分かれるところが、第三の層ができて、そこにプルトニウムがたまるということが指摘され、そうすると第三層形成に伴って臨界問題というものも出てくるということが言われてきたわけなんです。だから、はっきりさせなければいけないのは、燃焼度の高い使用済み燃料の再処理技術というのは非常に重要な点でまだ確立してないということをむしろはっきりさせるべきだ、こういうことだと思います。
 例えば「原子力発電問題全国シンポジウム(高知)報告集 八四年三月」の中に、原研の原子炉化学部の市川富士夫氏の指摘がありますけれども、ちょっと紹介しますと、「軽水炉の使用済燃料にはプルトニウムと核分裂生成物が多く、したがって放射能も強い。そのために溶解に際して不溶性残渣を生じたり、有機溶媒が分解したり、環境への放射性ガスの放出が増えたりする。これらの問題は根本的に解決しておらず、軽水炉燃料の再処理は世界的に壁に突き当っているといえよう。」これが、実は東海村のピューレックス法で、前はガス炉での燃料の再処理で開発された技術をそのまま使おうとして、いろいろ今までうまくいかなかった原因になると思います。
 もう少し、これは「化学と工業」という雑誌ですが、この中に「原子力と化学−現状と将来」というのがあります。これは八三年の九号です。この中でやはり辻野毅、原研の燃料工学部再処理研究室長がある指摘をしております。それで、この辻野毅氏の場合はかなり慎重な言い方をして、「軽水炉燃料の再処理は、すでにわが国をはじめ欧米においても進められており、その基礎技術は確立されている。」「基礎技術は」というちょっと慎重な言い方をしながら、「しかしながら、いまなお、施設の大型化、安全性の向上、核拡散の防止、高燃焼率および新型燃料の処理などの研究開発が進められている。」と言って、この主要な技術的課題の中にはかなり重要なことが指摘されている。例えば、高燃焼率燃料などの処理の問題もこの中には挙げているわけであります。これを見ても、基礎技術というのは何と理解していいかわからないけれども、具体的な技術的課題というのは非常に大きいのだということを指摘しているわけであります。そういうことを踏まえて、なおかつ今後はうまくやれそうだということが言えるのかどうか、もう一度答弁願いたいと思います。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。
 まず、不溶性残渣に対する対応ということでございますが、これにつきましては、現在の東海再処理工場では清澄工程としてパルスフィルターを置いております。残渣がふえますと、こういったところの詰まりとかいろんな問題が出てまいりますので、交換の頻度が高くなるというような問題があるわけでございますが、それが稼働率の低下につながるということでございます。
 今後大きな規模の再処理工場を建設していくという過程におきましては、既にフランスにおきまして実用に供されております遠心清澄器の導入というようなことも考えられますし、あるいはそのパルスフィルターとか遠心清澄器を並列に幾つか系列化いたしまして稼働率の低下を避けるというような方法も考えられるわけでございますし、放射性のガス等の発生につきましては、クリプトン等、動燃事業団でフランス等では行われていないような技術開発もいたしておりますので、そういったもので対応できると我々考えておるわけでございます。
○工藤(晃)委員 大変重要な問題で、特に電力業界が燃焼度をどんどん高めている傾向の中で、そういう安易な見方というのは私は許されないと思います。
 またもう一つちょっと引用しますが、「化学と工業」先ほどの雑誌の巻頭に内藤奎爾名古屋大学教授がこのように書いていることをぜひ聞いていただきたいと思います。「バックエンドには再処理と廃棄物処理・処分のプロセスが含まれるが、これらの技術は世界的にまだ確立されていない。再処理は極めて強い放射線の下での化学プロセスであり、環境への影響を考慮して極めて高い分離効率が要求される一方、臨界爆発に対する配慮を必要とするなど、最高度の化学技術が要求される。」廃棄物のところは略しますが、「さらにこれらバックエンドのプロセスでは、従来の化学者には未知の存在であった超ウラン元素が主役であり、この点でも特異性がある。要約すれば、核燃料サイクルは基本的には化学プロセスであるが、その技術は従来の化学技術を適用しただけでは不十分であり、原子炉材料と同様、従来の常識を超えた高度の技術が要求される。」
 内藤奎爾名古屋大学教授はこのように、世界的にこの技術はまだ確立されてないということを言っておりますが、この内藤奎爾氏は原子力安全委員会の核燃料安全専門審査会の再処理部会長ではないでしょうか。その点どうでしょうか。
○辻政府委員 先生の論文を私読んでいるわけでございませんので、どういう意味でおっしゃっているか今ここでわかりませんけれども、確かに先生は燃安審の部会長でございますので、諸般のこういった技術の現状を背景にして安全審査に当たっているわけでございます。そういう点で、ある意味から言えば十分な安全審査が期待できるのではないかというふうにも考えられるかと存じます。
○工藤(晃)委員 時間がないということでありますが、今の答弁は全く不勉強だと思いますね。それで、内藤奎爾教授がこう言われている確立してないということをはっきりして今後当たるのか、あるいは何とかなるだろうというのではまるっきり違うんですね。そのことを私ははっきり指摘しなければなりません。特にこれだけでなしに、いわゆるレベルアップして容量をさらに大きくするとなると、先ほどもありましたクリプトン85がどんどん出ていくという問題もあるし、臨界問題も出てきます。数々の安全にかかわる重要な問題がある。それを何とかなるであろうというような姿勢で科学技術庁が当たったのでは国民はたまったものでないということを指摘して、私の質問を終わります。
○大野委員長 辻一彦君。
○辻(一)委員 私、時間が限られておりますが、一つは、北京でついこの間交渉がされておりました日中原子力協定の交渉経過等について若干伺いたいと思います。
 まず、七月二十六日から二、三日行われた北京の日中原子力協定の交渉経緯等について伺いたいと思います。
○中村(守)政府委員 日中の原子力協定につきましては、先生御指摘のように先月の二十六日から二十八日にかけて第四回目の会議が持たれたわけでございます。今までの三回の協議で深められました両国の基本的立場に関します相互理解をもとにいたしまして、双方で協定案文、ドラフト的なものにつきまして意見を交換したわけでございます。今後さらに今回の協議を踏まえまして、具体的な案文作成のための検討を行っていくという状況にございます。
○辻(一)委員 極めて抽象的な経過でありますが、いろいろ難航している点もあろうと思うのだが、何が今交渉の問題点になっておるか、この点について伺いたい。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。
 交渉中のことでもございますので、何がということを言うのも適当ではないのかとも思いますが、やはり一番基本的なところといたしましては、平和利用をいかに担保していくかということについての問題でございます。
○辻(一)委員 この種の問題は、交渉中の点については詳しく触れることができないという制約があることは理解します。しかし、この間私ちょっと質問したのですが、米中の原子力協定がアメリカの意向によっていろいろ難航しているということで、アメリカの模様を見ているという感じがしないでもないのですが、その辺はどうですか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。
 アメリカと中国の関係の様子を見ておるということじゃございませんで、日本の独自の考え方で中国の理解を得るよういろいろお話し合いをしているところでございます。
○辻(一)委員 私はそうあってほしいと思うのですが、この前の質問で、七月十七日に長官にもお伺いしました。そのときにも、日本は独自の立場で日中原子力協定に臨む、こういう答弁でありますが、そこらの点が相当しっかり貫かれておるのかどうか、これはひとつ長官にお伺いしたい。いかがですか。
○岩動国務大臣 この前も申し上げましたが、私どもはあくまでも原子力基本法の精神に従って、中国との原子力の協力については前向きに考えていきますが、しかし基本は、やはり対外協力においても平和利用というものが確実に担保されることを基本的な姿勢として、これからもそのような折衝を続けてまいります。
○辻(一)委員 この種の性格上、今交渉経緯を余り詳しく聞いてもなかなか無理があると思いますので、この点でとどめますが、これはひとつ日本の平和利用そして三原則等を踏まえながら、また日中の友好を前進させていく、この両者の調和をとりながら独自性を貫いてしっかり頑張っていただきたいと要望しておきます。
 そこで、これにちょっと関連しての問題なんですが、今の日中原子力協定の内容がいろいろあると思いますが、大体中国の原子力開発に我が国がどういうように協力できるかというような問題がかなり大きいウエートを占めておると思う。これはもちろん大変重要ですが、もう一つの面で、中国のウラン原鉱の存在を考えると、日中原子力協力はさらにウラン鉱の日中共同開発、こういう分野にまで発展をさすべきであると思いますが、これについてどう考えられるか。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。
 ウラン探鉱の問題につきましては、既に動燃事業団が中国側と協定を結びまして、探鉱について協力をするということになっておりまして、今後また必要に応じその強化を図っていきたいと考えておるわけでございます。
 それから協定が締結できなければ何も協力できないということではなくて、今の動燃事業団の協力にもございますように、できるところから協力をしてまいりたい、こう考えておる次第でございます。
○辻(一)委員 ウラン原鉱の確保という点は、濃縮ウランの原料として、日本の原子力の平和利用、三原則の自主という原則を貫くためにやはり原料の確保ということがどうしても必要でないか。今努力しているということですが、それはわかりますが、将来の可能性をどのくらいに見ますか、これをちょっとお伺いしたい。
○中村(守)政府委員 お答えいたします。
 今、動燃と向こうの関係は探鉱ということでございますが、さらにその進展によりまして、開発という段階にまで拡大していくということは十分考えられることであろうかと思っております。
○辻(一)委員 長官、石油資源の問題にしても、我が国がエネルギーをほとんど海外に依存しておるという点から中近東依存率が非常に高かったのですが、しかし中近東にいろいろな問題が起こると非常に不安定になる。したがって、石油資源自体も市場の分散、安定確保ということがどうしても必要である。中近東、インドネシアあるいは中国というように、ソビエトも含めて石油も分散をして安定的に確保することが必要である、こう思います。同様な観点からすると、今ウラン鉱は豪州、カナダ、アフリカなどに一つの供給源を求めておるのですが、私は雲南省等における中国のウラン埋蔵量の豊富性という点を考えると、この関係を強化して、ウラン原鉱も分散確保という観点から一層の努力をする必要があるのじゃないか、このように思いますが、これについてひとつ大臣の所信をお伺いしたいと思うのです。
○岩動国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、ウランについてもその供給源の多様化を図っていくことが日本の原子力平和利用を進める上において大変大事だという認識を持っておりますので、これからむ各方面と接触を持って多様化のために努力してまいりたいと思います。
○辻(一)委員 これは日中原子力協定のこれからの交渉とも絡む問題なので、ひとつ腹を据えて十分頑張っていただきたい、このように希望いたします。
 それからこの機会に私、石炭の液化という問題について伺いたいのですが、エネルギーの将来ということを考えれば、今国際的にも石油、原子力とあわせて、石炭の見直しというか、石炭をもう一度どう生かすかということがもう既に確認されておると思いますが、その中で石炭液化に道が開けるかどうかということは非常に大きな問題だと思う。そういう意味で石炭液化の技術的な開発状況は現在どうなっているか、この点を、時間が余りありませんから、ひとつ要点をお伺いしたい。
○齋藤説明員 お答えいたします。
 石炭の液化技術の開発につきましては、我が国では、サンシャイン計画のもとにおきまして褐炭及び歴青炭の液化についての技術開発を現在続けております。
 具体的には、褐炭液化につきましては、日豪の国際協力のプロジェクトといたしまして豪州ビクトリア州に五十トン・パー・デーのパイロットプラントを建設中でございます。
 それから歴青炭液化につきましては、プロセス開発装置一トン規模の運転研究をこれまで実施してきておりまして、本年度から、これまでの三方式を統合した新しいプロセスによる二百五十トン・パー・デーのパイロットプラントの基本設計に着手をしようとしているところでございます。
○辻(一)委員 ちょっと伺いますが、前にアメリカとドイツと日本の国際プロジェクトがあって、随分取り上げておったのですが、これは御破算になったのですが、それらの経緯、どういう事情で御破算になってしまったのか、そしてまた、そのときに蓄積された資料等は今後相当活用し得るのかどうか、それらの点をちょっとお伺いしたい。
○安藤説明員 お答えいたします。
 三国で進めておりましたのはSRCUプロジェクトと申しまして、日本は昭和五十五年の七月から参加していたわけでございます。ところが本プロジェクトは、五十六年の六月にボン会議におきまして三国間で協議した結果、コストが予想以上に大幅に増加するというようなことから、このプロジェクトを中止するということで三国間の協議が成り立ちまして、同年八月に正式に終了ということになったわけでございます。その間作業が進められておりまして、大変な成果があったわけでございますが、我々といたしましても、その情報を全部入手いたしまして、十八万ページに及ぶ膨大な研究資料が日本にも入手されております。これらはNEDOにおきまして評価いたしまして、十分今後の研究にも活用されるという確信を得ておりまして、我々といたしましても、そういう成果が今後のNEDOプロジェクトに活用されることを期待しておるわけでございます。
○辻(一)委員 十八万ページというと相当膨大な資料です。十分活用するということですが、具体的にこれをどのように分析をして、どのように活用していくのか、その点の計画というか、それをひとつ聞いておきたい。
○安藤説明員 お答えいたします。
 このプロジェクトは、ちょうど六千トン・パー・デーの液化プラントの実証プラントの設計作業が途中で中断したということになっておりますが、これまで、全工程についてですが基礎研究あるいはプロセス選定、こういったものが完了しております。また、主要工程である液化反応工程だとか、あるいは水素ガス製造工程、または液化油の蒸留工程、こういった主要な、さまざまなプロセスの設計ができておりまして、こういった設計資料がNEDOのプロジェクトの中においても大いに参考にされて、貴重な情報として利用されるということが期待されているわけでございます。
○辻(一)委員 それはせっかく蓄積した資料ですから、十分検討して活用してほしいと思います。
 そこで、三国の協議で、コストが予想外に高くついて、当面は中止となったわけですが、今の開発の状況からして、片方では原油価格の動き、あるいは片方では石炭の動き、技術開発の動き、これらが組み合わされてコストが将来決まっていくと思うのですが、いつごろの時点で石炭液化は液体燃料として実用化し得るか、その見通しはいかがですか。
○齋藤説明員 お答えいたします。
 経済性についてはいろいろなファクターを考えに入れて検討されるべきものでございますが、私どもの考え方といたしましては、現在国際的な石油需給は若干緩和基調に推移はしておりますが、IEAを初めとする多くの見通しては、一九九〇年代には再び逼迫する可能性が高いとされておりますし、これらの見通しを踏まえますと、おおよそ二〇〇〇年までに石炭の液化油が経済的に既存のエネルギーに代替し得る時期が到来することは十分にあり得るというふうに考えております。
○辻(一)委員 二〇〇〇年を目指してぜひ頑張っていただきたい。
 そこで、歴青炭のパイロットプラント建設の計画が今設計されておるというのですが、このパイロットプラントを建設するについて、何か基準というかあるいは必要な条件というか、こういうものはどの程度示されるかどうか。
○齋藤説明員 お答えいたしま丸。
 歴青炭の液化パイロットプラントにつきましては、先ほども申し上げましたように、今年度から基本設計に着手をすることにいたしておりまして、全体の計画といたしましては九年間を予定しております。それで、今年度から一応三年をかけて設計を行い、その後三年をかけまして建設を行って、最後の三年間、すなわち六十五年度から六十七年度に運転研究を実施するという形で計画を立ててございまして、具体的な建設そのほかに至るまでは、設計を行うとともに、立地点等についてもNEDOを中心として検討が行われていくというふうに考えております。
○辻(一)委員 私の伺いたいのは、それもですが、例えば地域的に化学コンビナートの近くでなくちゃいけないのか、あるいはそういうところから離されても一定の条件があれば可能なのか、そこらの見解はいかがですか。
○齋藤説明員 立地点の選定につきましては、パイロットプラントという性格上、この施設設備等の使用期間が相対的に短期間になるということを含めまして、効率的に研究開発を実施するという要請等にこたえるためにもいろいろな配慮をしていかなければいけないということでございますが、このため、通常のユーティリティーが近くにあるというような条件のほかに、海外炭の荷揚げ施設あるいは貯蔵施設、さらには副原料となります水素や窒素等の供給設備がどうなっているか、あるいは生成物の処理設備あるいは排水、排煙等の公害防止設備、さらには運転研究の際に多くの運転員が必要となりますこともありまして、そういった方々の宿泊設備というようなインフラストラクチャーが整備されているところが望ましいと考えております。
○辻(一)委員 時間がもう少なくなりましたが、最後に、石炭の粉末を水に溶かしての輸送、スラリー輸送の可能性について一点お伺いしたいのです。
 石炭が非常に大事だということは認識されておりますし、日本にも相当石炭がありますが、また中国には今推定一兆五千億トンという石炭が埋蔵されていると言われており、例えば内蒙古のジュンガルでは露天掘りで一カ所二千五百万トンの計画がある。これを中国、日本、アメリカで共同でどうかという論議がされておりますが、その掘った大量の石炭を運ぶのがどこの国でもなかなか大変なので、鉄道かパイプラインかというのがあって、ここは鉄道に落ちついたようでありますが、将来を見ると、粉末にして溶媒を加えての高性能のスラリー輸送の必要が出てくると思うので、これらの開発状況、今後の見通し、これを最後に伺って、終わりたいと思います。
○安藤説明員 石炭の輸送につきましては、大体内外とも鉄道あるいは自動車が主力を占めているわけでございます。今先生の御質問にありましたいわゆる流体としての輸送、これも外国におきまして一部実用化している実例もございますが、いずれにいたしましても、石炭の固体輸送ではいろいろな面で問題がある。大量に経済的に輸送する一つの手段といたしまして、また燃焼も考えますと、現在の石油等の液体燃料と同等の扱いやすさを求めるという意味からも、この石炭スラリーの輸送技術の開発が期待されているわけでございます。
 当省といたしましてもこれに大変力を入れておりまして、実は電源開発株式会社、これは若松で実験しておりますが、ここに補助を出しておりまして、五十五年から進めておるわけでございます。現在、一・五トン・パー・アワーのパイロットプラントを建設して、スラリーの実験をやっているところでございます。この実験の成果を踏まえまして、さらにこの規模の一けたぐらい多い十トンぐらいになろうかと思いますが、こういったところの実験も重ねながら、ぜひこのスラリー技術の確立に努力したいと思っております。
○辻(一)委員 これで終わりますが、長官、日本はエネルギーが大体ない国なので、石油、石炭、原子力にしましても、やはり非常に努力をしないといけないと思うのです。この石炭の分野は、液化の問題等々見てもまだまだ力を入れなくてはならない分野が非常に多いと思いますが、科技庁長官としてこれからのこれらについての所信と決意を一言伺って、終わりたいと思います。
○岩動国務大臣 日本のエネルギー政策といたしましては、まだまだ石油に依存している分野が大きいのでありますが、やはりそれにかわるエネルギー源を多様化し、そして近代的な新しい科学技術によって、最も使いやすくかつまた経済的に効率のあるエネルギー源をこれから磨いて、そしてつくって、日本の国民経済の安定的な発展に寄与しなければなりません。そういう意味におきまして、私どもは基盤的な技術分野にさらに力を入れてまいりますが、関係省庁ともよく連携をとりまして、効率的に日本のエネルギー政策を展開してまいりたいと思います。
○辻(一)委員 終わります。
○大野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時三十二分散会
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