第102回国会 本会議 第3号
昭和五十九年十二月十九日(水曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第三号
  昭和五十九年十二月十九日
    午後零時三十分開議
 第一 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改
    正する法律案(内閣提出)
 第二 検察官の俸給等に関する法律の一部を改
    正する法律案(内閣提出)
 第三 一般職の職員の給与に関する法律の一部
    を改正する法律案(内閣提出)
 第四 特別職の職員の給与に関する法律及び国
    際科学技術博覧会政府代表の設置に関す
    る臨時措置法の一部を改正する法律案
    (内閣提出)
 第五 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律
    案(内閣提出)
 第六 国民年金法及び特別児童扶養手当等の支
    給に関する法律の一部を改正する法律案
    (社会労働委員長提出)
 第七 国民年金法等の一部を改正する法律案
    (第百一回国会、内閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 日程第一 裁判官の報酬等に関する法律の一部
  を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 検察官の俸給等に関する法律の一部
  を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 一般職の職員の給与に関する法律の
  一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第四 特別職の職員の給与に関する法律及
  び国際科学技術博覧会政府代表の設置に関す
  る臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣
  提出)
 日程第五 防衛庁職員給与法の一部を改正する
  法律案(内閣提出)
 日程第六 国民年金法及び特別児童扶養手当等
  の支給に関する法律の一部を改正する法律案
 (社会労働委員長提出)
 日程第七 国民年金法等の一部を改正する法律
  案(第百一回国会、内閣提出)
    午後零時三十九分開議
○議長(福永健司君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 日程第一 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(福永健司君) 日程第一、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案、 日程第二、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。法務委員長片岡清一君。
    ―――――――――――――
 裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
 検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔片岡清一君登壇〕
○片岡清一君 ただいま議題となりました両法律案について、法務委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 両法律案は、一般の政府職員の給与が改定されることに伴い、裁判官及び検察官についても、一般の政府職員の例に準じてその給与を改定しようとするもので、その内容は次のとおりであります。
 第一に、最高裁判所長官、最高裁判所判事及び高等裁判所長官の報酬並びに検事総長、次長検事及び検事長の俸給については、これに対応する内閣総理大臣その他の特別職の職員の俸給に、その他の裁判官の報酬並びに検察官の俸給については、これに対応する一般職の職員の俸給におおむね準じてそれぞれこれを増額すること、
 第二に、報酬月額並びに俸給月額の改定は、昭和五十九年四月一日にさかのぼって行うこと等であります。
 委員会においては、去る十四日提案理由の説明を聴取した後、慎重審査を行い、昨十八日質疑を終了したところ、民社党・国民連合から、両案に対し、人事院勧告の引き上げ率におおむね準じて増額する内容の修正案がそれぞれ提出されました。
 次いで、両案及び両案に対する修正案を一括して討論に付したところ、自由民主党・新自由国民連合から修正案に反対、原案に賛成、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び日本共産党・革新共同から修正案に賛成、原案に反対の各意見が述べられ、採決の結果、両修正案は賛成少数をもって否決され、両法律案は賛成多数をもっていずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、民社党・国民連合の両修正案につきましては、国会法第五十七条の三の規定に基づき、嶋崎法務大臣より、政府としては反対である旨の意見が述べられました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(福永健司君) 両案を一括して採決いたします。
 両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(福永健司君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第三 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第四 特別職の議員の給与に関する法律及び国際科学技術博覧会政府代表の設置に
  関する臨時措置法の一部を改正する法律案
  (内閣提出)
 日程第五 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(福永健司君) 日程第三、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、日程第四、特別職の職員の給与に関する法律及び国際科学技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、日程第五、防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。内閣委員長中島源太郎君。
    ―――――――――――――
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
 特別職の職員の給与に関する法律及び国際科学技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案及び同報告書
 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔中島源太郎君登壇〕
○中島源太郎君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、本年八月十日の人事院勧告にかんがみ、一般職の職員の給与について、本年四月一日から平均三・四%内の改定を行うこととし、全俸給表の全俸給月額、医師の初任給調整手当、扶養手当、住居手当及び通勤手当等の額を引き上げようとするものであります。
 特別職の職員の給与に関する法律及び国際科学技術博覧会政府代表の設置に関する臨時措置法の一部を改正する法律案は、一般職の職員の給与改定に伴い、特別職の職員についても俸給月額の改定等を行おうとするものであります。
 防衛庁職員給与法の一部を改正する法律案は、一般職の職員の給与改定に準じて防衛庁職員の俸給月額の改定等を行おうとするものであります。
 以上、三法律案は、十二月十二日本委員会に付託され、翌十三日後藤田総務庁長官及び加藤防衛庁長官から提案理由の説明を聴取した後、一括して質疑に入り、昨十八日質疑を終了いたしましたところ、一般職職員給与法改正案に対し、小川仁一君外二名から、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の共同提案による人事院勧告を完全実施することを内容とする修正案が、また、三浦久君外一名から、日本共産党・革新共同提案による、人事院勧告を完全実施するとともに、最近における勧告の実施状況にかんがみ、政府は一時金の支給について検討の上、必要な措置を講ずるものとすることを内容とする修正案が、それぞれ提出されました。
 また、特別職職員給与法改正案に対しては、和田一仁君から、民社党・国民連合提案により、防衛庁職員給与法改正案に対しては、市川雄一君外一名から、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の共同提案により、一般職職員の給与について人事院勧告を完全実施することとする修正案に倣い、特別職職員及び防衛庁職員の給与についてもそれぞれ所要の改定を行う旨の修正案が、それぞれ提出されました。
 右の四修正案につきまして、趣旨の説明を聴取した後、国会法第五十七条の三の規定に基づき、内閣の意見を聴取いたしましたところ、後藤田総務庁長官及び加藤防衛庁長官より、政府としては反対である旨の意見がそれぞれ述べられました。
 次いで、討論を行い、採決いたしましたところ、四修正案はいずれも賛成少数をもって否決され、三法律案はいずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(福永健司君) 三案を一括して採決いたします。
 三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(福永健司君) 起立多数。よって、三案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ――――◇―――――
○議長(福永健司君) 日程第六は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(福永健司君) 御異議なしと認めます。
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 日程第六 国民年金法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を改正する法律案(社会労働委員長提出)
 日程第七 国民年金法等の一部を改正する法律案(第百一回国会、内閣提出)
○議長(福永健司君) 日程第六、国民年金法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を改正する法律案、日程第七、国民年金法等の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の趣旨弁明及び報告を求めます。社会労働委員長戸井田三郎君。
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 国民年金法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を改正する法律案
 国民年金法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔戸井田三郎君登壇〕
○戸井田三郎君 ただいま議題となりました国民年金法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を改正する法律案について、趣旨弁明を申し上げますとともに、国民年金法等の一部を改正する法律案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 まず、国民年金法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、昨今の社会経済情勢にかんがみ、昭和五十九年度において年金額等の改定を実施しようとするもので、昨日の社会労働委員会においてこれを成案とし、多数をもって社会労働委員会提出の法律案とすることに決したものであります。
 その主な内容は、
 第一に、昭和五十七年度及び昭和五十八年度の累積消費者物価上昇率が五%を超えない場合であっても、年金額の特例的な改定措置を講ずること。
 第二に、年金額の改定率は二%とし、厚生年金保険及び船員保険については本年四月から、国民年金については本年五月から、それぞれ実施すること。
 第三に、老齢福祉年金の額を月額二万五千六百円に引き上げ、本年六月から実施するとともに、その他の福祉年金の額についても引き上げること。
 第四に、特別児童扶養手当の額を福祉年金に準じて本年六月から改定するとともに、福祉手当の額についても引き上げること。
 以上が本案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
 次に、国民年金法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、人口構造の高齢化等の変化に対応し、公的年金制度の長期的安定と整合性ある発展を確保するため、公的年金制度の一元化等の改革の一環として、国民年金制度の適用を拡大し基礎年金を支給する制度に改め、船員保険の職務外年金部門を厚生年金保険に統合し、国民年金と厚生年金保険の給付の適正化等を行おうとするもので、その主な内容は、
 第一に、国民年金制度を基礎年金を支給する制度として位置づけ、国民年金の適用を厚生年金保険の被保険者及びその配偶者にも拡大し共通の基礎年金を支給することとし、その給付は老齢基礎年金、障害基礎年金及び遺族基礎年金の三種類とすること、船員保険の職務外年金部門は厚生年金保険に統合すること、厚生年金保険制度は、原則として基礎年金に上乗せする報酬比例の給付として老齢厚生年金、障害厚生年金及び遺族厚生年金を支給する制度に改めるほか、老齢厚生年金の特別支給等の厚生年金保険独自の給付を行うこと、
 第二に、給付水準の適正化を行い、給付と負担の均衡を図ることとし、基礎年金の水準を昭和五十九年度価格で月額五万円の定額とすること、また、厚生年金保険について報酬比例の年金を、施行日における年齢別に、二十年の経過期間をもって段階的に逓減すること、なお、施行日に既に六十歳に達している者及び既裁定の年金については、原則として従来どおりとすること、
 第三に、被用者の妻にも国民年金を適用し、基礎年金を支給することとし、婦人の年金権の確立を図ること、
 第四に、二十歳前の障害についても障害基礎年金を支給するほか、厚生年金保険の事後重症の制限期間を激発する等障害者の所得保障について改善を行うこと等であります。
 本案は、第百一回国会に提出され、四月十七日の本会議において趣旨説明が行われ、同日付託となり、七月十二日に提案理由の説明を聴取し、同月二十六日質疑に入り、八月二日には参考人の意見を聴取する等審査を行った後、継続審査となり、閉会中には北海道及び鹿児島県への委員派遣において現地の意見を聴取し、引き続き今国会において質疑を行い、十二月十二日には内閣委員会、地方行政委員会、大蔵委員会、文教委員会及び農林水産委員会との連合審査会を行い、昨日中曽根内閣総理大臣の出席を求め質疑を行うなど、慎重かつ熱心な審査を行い、同日質疑を終了いたしましたところ、子のない寡婦の遺族厚生年金、三級障害についての障害厚生年金、遺族の範囲等について、自由民主党・新自由国民連合及び民社党・国民連合より二党共同の修正案が提出され、討論を行い、採決の結果、本案は自由民主党・新自由国民連合及び民社党・国民連合二党共同提出の修正案のとおり多数をもって修正議決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(福永健司君) 両案中、日程第七につき討論の通告があります。順次これを許します。永井孝信君。
    〔永井孝信君登壇〕
○永井孝信君 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となりました国民年金法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 今日、我が国の人口が急速に高齢化しつつあり、かつ経済が低成長下にありますだけに、高齢化社会における社会保障の根幹をなす年金の改革が重要であることを否定するものではありません。しかし、どのような視点から改革を行うかが問題であり、いかなる状況のもとでも安定した年金が確保され、老後の暮らしに不安がないようにすることが不可欠であります。
    〔議長退席、副議長着席〕
 現在の年金制度がばらばらに分立し、制度間に大きな格差を生み、供給に関する調整もなされず、拠出と給付の均衡を著しく欠き、政策的に極めて高い成熟度を余儀なくされている国鉄共済が破綻するなど、混乱を来すに至った原因とその責任は挙げて政府にあることを強調しないわけにはいかないのであります。
 我が党は、これらの現状にかんがみ、単に政府批判に終わるのではなく、国際常識や昭和五十二年の社会保障制度審議会の建議である国民皆年金下の新年金体系を土台にして独自の補強を行い、だれもが安心して暮らせる年金改革構想を既に明らかにしてきたところであります。しかるに政府・自民党は、我が党の提言には目をつぶり、高齢化社会における社会保障費の増大は今後の財政硬直化の要因であり、活力ある福祉社会とは自立自助が原則だとする第二臨調の答申をうのみにして、改悪案を国民に押しつけようとしているのであります。
 その特徴的な問題点は、まず第一に、社会保障制度審議会の建議で明示している基本年金の導入や最低生活保障制度の確立、財源を税方式に求めることなどを無視し、形をとって内容は全く似て非なるものとしていることであります。
 特に、基礎年金制度を社会保険方式で取り入れ、最高五万円を給付するとしていますが、そのときの負担保険料は一万三千円であり、しかも四十年間丸々納入し続けなければなりません。国際的にも例のない制度であります。現行制度では四十年間保険料を納入すれば月七万七千円となる給付が五万円、そして改正によって三五%も切り下げられるわけであります。夫婦では現行月額十五万四千円が十万円になるというひどさであります。しかも、現行の五年、十年、老齢福祉年金の受給者などは改正の対象にもされていないのであります。国民年金の保険料が現行月六千二百二十円であり、それが二倍以上の一万三千円にはね上がることとあわせて、給付の切り下げなど、国民の理解を得られると政府や自民党が本気で考えているのかと疑わざるを得ないのであります。
 国民年金加入者の中には、農業、中小零細企業のみならず、自由業、日雇い労働者、失業者もおり、収入の高低を無視した定額保険料制度により納入困難者が今後さらに増加することは火を見るよりも明らかであります。現に国民年金保険料納入免除者の比率は、昭和四十年代の八%台であったものが現在では一六・七%、三百九万人にも上っているのであります。これに滞納者の五・四%を加えますと、実に二〇%を超える人が現在でも高負担にあえいでいることを見逃すわけにはまいりません。各県別に見ましても、沖縄の四三・三%を初め免除率二〇%以上の県が十二にも上っているわけであります。政府案が実施されれば、納入困難者の増加によって国民皆年金下における無年金者が増大し、最も年金を必要とする弱い立場の人々を切り捨てる結果となることは余りにも明らかであります。
 第二には、婦人の年金権についてであります。
 サラリーマンの無業の妻を強制加入制としておりますが、無業の妻は一千百万人と言われており、この人々の夫婦関係、雇用関係の変動は、離婚の増大や共働き、パートの激増など著しいものがありますだけに、年金の受給対象の変化、重複など多くの矛盾を持つこととなって、それらを的確に管理することが事務能力上極めて困難であるだけに、婦人の年金権を結果的に放棄せざるを得ない人が激増するのではないかと思われます。
 第三には、保険料についてでありますが、政府は、高齢化社会に伴い厚生年金は昭和百五年に三八・八%、国民年金で昭和九十年に一万九千五百円になると宣伝し、これを厚生年金で二四%、国民年金は一万三千円に抑えるのだと値上げの不当性を隠ぺいし、その一方で、定額部分の単価あるいは報酬比例部分の乗率を引き下げるなど保険料と給付の双方を改悪し、その上支給開始は、六十五歳定年の保障もないまま、将来厚生年金の受給者を六十五歳に繰り延べの計画を持っているわけであります。断じて容認できないわけであります。
 さらに、年金積立金についてでありますが、昭和五十八年度末で厚生年金が四十兆九千三百七十四億円、国民年金は三兆一千十六億円という膨大な保有であり、西ドイツの三カ月分、アメリカの一カ月分の支払い準備保有と比較しましても、我が国は厚生年金で五・七年分、国民年金で二・六年分を保有しておるわけであります。しかも、昭和百年に至ってもなお二年分相当額を保有するという財政収支計画に沿って財投資金確保を図ろうというものであります。国民への給付切り下げとは対照的に、財界に対する配慮と断ぜざるを得ないのであります。
 以上、極めて大まかに問題を指摘してまいりましたが、この政府提出の年金改正法案が、さきの百一特別国会において、有史以来の大改悪と言われた健康保険法の審議促進を図るが余りに、年金法の審議を前国会では故意におくらせ、そうして今国会の冒頭に至って五十九年度の物価スライド分をあたかも人質のようにとって、慎重審議を行わず拙速に走ったことは厳しく糾弾されねばなりません。我が党の提起している年金改革構想を踏まえて、少なくとも次の諸点については改善するよう強く要求するものであります。
 その第一は財源であります。先進諸国では基礎的年金の財源は国が保障することを常識としております。保険料の増大と支払いの限界、産業ロボット、OA化などに伴う産業構造、雇用構造の激変にも対応できるよう基礎年金のナショナルミニマムにふさわしく保険料に最も近い形態の年金税の実現を図るべきであります。その第二は、給付は最低保障方式として確立し、単身者六万、夫婦十万円とすること、あわせて厚生年金支給開始年齢はあくまでも現行どおりを堅持すること。その第三には、社会保障の理念に沿って国の負担は減額しないことなどなどであります。
 憲法第二十五条で、すべての国民が健康にして文化的な生活を営む権利と社会福祉や社会保障の増進義務を国に課しています。この憲法に逆行するかのような本法案は、我が国の社会政策上の大きな汚点として将来語り継がれるのではないかと思うときに、まことに残念であります。したがって、本法案には断固反対し、我が党の提起に基づいて改善を図るよう強く要求して、私の反対討論といたします。(拍手)
○副議長(勝間田清一君) 野呂昭彦君。
    〔野呂昭彦君登壇〕
○野呂昭彦君 私は、自由民主党・新自由国民連合を代表して、ただいま議題となっております国民年金法等の一部を改正する法律案及びこれに対して自由民主党・新自由国民連合及び民社党・国民連合が提出した修正案につきまして、修正案及び修正案を除く原案に賛成の意を表するものであります。(拍手)
 我が国の公的年金制度は、今日社会保障の中心的な制度として国民生活において重要な役割を占めるに至っております。しかしながら、人口構造の高齢化、社会経済環境の変化などにより、年金制度のよって立つ基盤そのものに重大な変化が生じております。年金制度は国民の老後生活を支える主柱であり、このような社会経済情勢の変化に的確に対応しつつ、我が国社会が高齢化のピークを迎える二十一世紀においても健全で安定した制度の運営を図るため、今日長期的展望に立った制度全般にわたる見直しが迫られているわけであります。政府原案は、このような要請にこたえ、公的年金制度の長期的な安定と整合性ある発展を図るものであります。
 政府原案の内容は、まず第一に、基礎年金の導入による制度体系の再編成を行うことであります。すなわち、国民年金の適用を被用者やその被扶養配偶者にも拡大し、国民すべてに共通する基礎年金を支給する制度とするものであります。第二は、給付と負担の適正化を図ることであります。すなわち、制度を支える現役勤労者の所得や負担とのバランスを保つという観点から、将来における給付水準の見直しを行い、これにより負担の増大を抑制することとしております。そのほか、婦人の年金権の確立、障害者の所得保障の大幅な改善など、政府原案には公的年金制度に対する国民の期待にこたえて多くの改善内容が盛り込まれております。
 以上から、私は、政府原案の趣旨については高く評価するものでありますが、社会労働委員会における慎重にして十分な審議の結果、遺族厚生年金及び三級の障害厚生年金などについて所要の改善措置が講じられたことは、本法案の目的の達成とその円滑な実施に資するものと考える次第であります。
 このように、国民年金法等の一部を改正する法律案並びに自由民主党・新自由国民連合及び民社党・国民連合が提出した修正案は、本格的な高齢化社会の到来に備え、公的年金制度の将来の方向を定める上で、極めて重要な意味を持つものであります。この修正案及び修正部分を除く原案に重ねて賛意を表し、私の討論を終わります。(拍手)
○副議長(勝間田清一君) 沼川洋一君。
    〔沼川洋一君登壇〕
○沼川洋一君 私は、公明党・国民会議を代表し、ただいま議題となりました国民年金法等の一部を改正する法律案に対し、反対の立場から討論を行うものでございます。(拍手)
 基礎年金導入の構想は、既に我が党が昭和五十一年の「福祉社会トータルプラン」において国民基本年金として提唱し国民の批判を仰いだところでありまして、その意味におきましては、今回の政府案は我が党の構想と大枠においては一致するものであり、評価いたしておるところであります。しかしながら、政府案の内容は、無年金者をなくし、すべての国民がその老後において健康で文化的な最低生活を営むに足る恒久的な年金制度を確立しようという基礎年金導入の基本理念が十分に生かされているとは言いがたい内容のものであり、まことに残念であります。
 すなわち、政府原案は、四十年間拠出を続けた場合の基礎年金額を生活保護基準や老人家計の必要最低限度の生計費にも満たない五万円に設定しているほか、老齢福祉年金受給者に基礎年金導入のメリットを全く与えていないことであります。また、現行国民年金の保険料の滞納等によって年金の受給資格が欠落している者に対する救済措置が講じられていないこと、国庫負担を現行制度に比して大幅に切り下げている反面、基礎年金の定額保険料が高額過ぎて国民の負担にたえ得ないことなど、基礎年金が全国民に共通のミニマム年金として確立されるための条件が欠け、基礎年金の趣旨に沿わない内容となっているのであります。
 申すまでもなく、昭和四十年代から盛り上がってきた年金改革の論議の発端は、無年金者をなくして、あめ玉年金と言われた老齢福祉年金を初め各種年金の水準を何とかして最低生活が維持できる程度にまで引き上げたいということであったわけであります。もちろん、各制度間の不平等をなくし、重複、過剰給付をなくしていくことは重要でありますが、すべての国民が平等にミニマムな年金を保障されるような制度をつくろうということが国民の願いであって、そのことこそが年金改革論議の原点であったと思うわけであります。昭和四十八年は福祉元年と言われた年であります。以来、我が国の公的年金制度は、制度的には先進諸外国に比して遜色のないものであると言われていながら、一般大衆を適用対象とする国民年金の制度は、これらの人々の年金に対する念願とは逆に、その趣旨に沿わないものになろうとしているのであります。
 御承知のように、国民年金法第一条は、その目的として、憲法第二十五条第二項の理念に基づくものであるとしているのであります。にもかかわらず、現行国民年金が国民の年金に対する念願を達成し憲法第二十五条第二項の理念を十分に達成し得なかった最大の理由は、保険料が高額に過ぎて国民がその負担にたえ得なかったところにあるのであります。このことは、本年三月末における保険料免除者の数が三百九万人、国民年金の強制被保険者の六人に一人は保険料が払えないという現実を見れば明らかなことであります。このほか、保険料の免除手続もしないで保険料を滞納している人たちが数知れずいるのでありまして、こうした人たちは、極めて不十分な年金を受けることになるか、あるいは無年金者になってしまうのであります。本来、社会保障制度によってその老後が保障されなければならないこうした人たちが、その保険料の負担にたえかねて年金保障から脱落して十分な保障が受けられないということでは、本来の趣旨に逆行するものでありまして、公正な社会保障制度とは言えないのであります。
 政府原案によれば、日雇い労務者の方も、離婚して授産場で働きながら子供を育てている女性も、一律に月額六千八百円の保険料を拠出しなければ、将来五万円の基礎年金を受けることができません。しかも、この保険料は五十九年度価格で将来は一万三千円にまで値上がりするというのであります。毎日毎日一生懸命になって生きている人たちにとっては、到底負担し切れる額とは思えません。基礎年金を導入したと言っても、高い保険料のために年金保障からの脱落者が今後とも増加の一途をたどることは火を見るよりも明らかであり、率直に言って、年金制度の崩壊にもつながるおそれのあることを危惧するものであります。
 もちろん、基礎年金の導入によって、障害福祉年金、母子福祉年金などが大幅に改善されたほか、サラリーマンの妻に独自の年金権が確保されるなど、国民の悲願が達成された面を認めないわけではありませんが、給付と負担の両面において財政の論理のみが先行し、底辺の階層に属する人たちに対する配慮に欠け、その結果、こうした人たちに対する年金保障が十分に行えないような基礎年金制度は、その基本理念に背くものであると言わざるを得ないのであります。
 私ども公明党・国民会議は、以上の趣旨に基づき、基礎年金額の引き上げ、保険料負担及び国庫負担のあり方、年金権欠落者の救済の問題など十六項目にわたる修正を要求いたしました。これら我が党の主張に対し、政府・自民党においてもかなりの部分について理解を示され、法案修正の運びとなりましたことについては一応の評価をするものでありますが、基礎年金が将来にわたって国民年金法第一条の趣旨に沿って十分機能し得ないことは、以上述べてきたとおりであります。
 基礎年金導入の構想は、もともと我が党が国民基本年金として推進してきたものでありますが、これを導入するに当たっての基本理念が十分生かされないまま原案に賛成することはできません。まことに残念ではありますが、本改正案に対し反対の意思を表明いたしまして、私の討論を終わります。(拍手)
○副議長(勝間田清一君) 田中慶秋君。
    〔田中慶秋君登壇〕
○田中慶秋君 私は、民社党・国民連合を代表し、ただいま議題となっております国民年金法等の一部を改正する法律案に対し、賛成の討論を行うものであります。
 御承知のとおり、我が国は高齢化社会を迎え、今や生涯人生八十年と言われております。老後は平均で二十年以上となり、今日、長くなる老後をいかに過ごすかが国民各層の重大な関心事であります。老後生活を第二の人生にふさわしく豊かに生きがいに満ちた生活を送るには、その経済的基盤が万全でなければなりません。
 老後生活を支える所得の保障の最大の柱は何といっても公的年金制度であります。しかし、公的年金制度はいわゆる官民格差、給付と負担の不均衡など多くの問題を抱えていると同時に、制度が多岐に分立しているがゆえに、国鉄共済のごとく個別制度ごとに財政破綻することにもなりかねず、苦労して保険料を納めても年金が本当にもらえるかどうかという不安を国民に与えていることは否めない事実であります。それゆえに、老後の給付を支える現役の働く人々の保険料負担が耐えがたいものにならないようにするとともに、給付内容については生活の基礎を支える適正なものにすることにより、将来にわたり財政破綻を招かないようにする必要があろうと思います。かくて国民が信頼できる年金制度確立に向けて抜本改正が急がれてきたものであります。
 民社党は、他党に先駆けて基礎年金の創設と所得比例型年金の二階建て年金制度体系に改めるようナショナルミニマムプランを提唱してまいりました。基礎年金構想は社会保険審議会や社会保障制度審議会でも論議をされ、その創設は国民の合意となり、臨時行政調査会においても、五十七年七月の答申で、「全国民を基礎とする統一的制度により、基礎的年金を公平に国民に保障することを目標」としながら、段階的に制度を統合することを明記しております。
 今回の政府案は、こうした論議や答申を踏まえ、世代間の給付と負担の適正化を通じ長期的な制度運営の安定強化を確保するため、基礎年金制度の確立とそれによる女性の年金権の確立、障害者に対する障害年金の大幅改善等を中核とし、激変緩和の措置を含み制度の抜本改正を行うものであり、その改正の骨格について、我が党は基本的に評価をするものであります。
 しかし今回の改正は、まさに制度の抜本改正であるため、個別には多くの問題点があり、その修正を求めてまいりました。特に、老齢、遺族、障害の三つの年金給付水準について重点的に法案修正の実現に努力してまいりましたが、そのいずれもが修正をされることになったのであります。
 まず、老齢厚生年金について、政府原案は基礎年金を六十五歳から支給することになっており、夫婦ともに六十五歳に達していれば、夫婦合算で月額十万の基礎年金が受給できるわけであります。しかし、夫が六十五歳に達しても妻は平均六十歳前後であり、その場合、厚生年金の加給年金として月額一万五千円の年金しか受け取れないことになります。同じ年金生活者でありながら、一方の基礎年金は夫婦で月額十万になり、他方は六万五千円と、三万五千円の格差が生じることになります。我々は、この格差是正をするように強く求めてまいりました。その結果、妻が六十五歳になるまでの老齢年金は、加給年金月額一万五千円に加え月額一万円の特別加給を行い、妻が六十五歳になるまでは夫婦で月額七万五千円となるように修正できたのであります。
 第二に、厚生遺族年金であります。
 政府原案は、子持ち寡婦に対し手厚い給付を行うことにしており、その点は高く評価をできるのであります。問題は子供のいない寡婦であります。政府原案によれば、手なし寡婦の場合、四十歳以上と四十歳未満に大幅な格差ができているのであります。例えば、標準報酬月額二十万円の場合、四十歳以上の寡婦の年金額は月額六万五千円でありますが、四十歳未満の年金額は月額二万八千円となり、このような大幅な格差を設けることは極めて不合理でありましょう。我が党は、この見地から、四十歳未満の寡婦に対する遺族年金水準を四十歳以上の寡婦と同様に給付水準を改めるよう、修正を求めてまいりました。これについては、我々の修正要求によって、夫の死亡時に三十五歳以上であった寡婦に対しては、四十歳以降月額三万七千五百円を加算するよう修正されたことは大いなる前進であると考えております。
 第三に、三級障害者厚生年金の給付水準であります。
 政府原案によれば、障害三級の給付水準は、標準報酬月額十万円の場合、現行月額五万一千円であるのに対し、政府原案では月額一万八千七百五十円と急激に年金水準が低下することになり、急激な給付水準の低下を可能な限り避けようとする民社党の修正要求によって、三級障害厚生年金について月額三万七千五百円の最低保障制度が設けられ、標準報酬月額二十万円以下の者は、この制度により給付水準が政府原案よりかなり改善されることになりました。私としましては、最低保障額の水準になお不満が残りますが、現時点で政府原案より改善されたことは事実であり、評価をするものであります。
 以上述べたとおり、我が党の修正要求のうち、特に重点としました三項目につき法案修正が明確にされましたので、賛成をいたします。
 最後に、本案は、年金統合化の第一段階であり、共済年金の改正なくして統合一元化は実現できません。したがって、いわゆる官民格差の是正と激変緩和の措置を基調として、本法案で創設される基礎年金を共済年金にも創設することを核とした共済年金法の改正を早急に国会に提出するよう特に強調いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○副議長(勝間田清一君) 小沢和秋君。
    〔小沢和秋君登壇〕
○小沢和秋君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、国民年金法等の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。(拍手)
 この法案が、現在だけでなく今後数十年に及ぶ国民の年金水準、負担等を決定する重大な内容のものであるにもかかわらず、政府・自民党は、まだ審議開始後わずか三週間にもならぬ今日、スライド分の年内成立を口実に、十分な審議もせぬまま採決に持ち込もうとしております。私は、まず、この暴挙に対し心からの怒りを込めて抗議するものであります。(拍手)
 また、この機会に申し上げます。我が党は、スライド部分の年内支給は当然と考えていますが、それは二%でなく四・四%とすることを強く要求いたします。
 さて、今や人生八十年の時代を迎え、年金、医療、雇用等にわたる総合的な老後保障対策を確立することは、国民の最も切実な要求の一つとなっております。しかし、中曽根内閣が現実に進めている政策は、この要求に全く逆行しております。昨年の老人医療費有料化、今年の雇用保険法改悪による六十五歳以上の労働市場からの締め出し、失対打ち切り、今回の年金水準大幅引き下げ、負担の大幅増など、すべて、せっかく実現した老後の保障と福祉を次々に後退させ続けています。これでどうして高齢者が安心して生活できるでしょうか。私は、まず、このような中曽根内閣の姿勢を根本的に改めることを要求いたします。
 我が党は、当面の最大の年金問題は、受給者の七割を占めるわずか二万円台の低年金者、数十万人の無年金者をどう救済するかにあると考えます。しかし、この法案は、これらの人々には何の手も差し伸べないのであります。政府の言う五万円基礎年金は、今後四十年間高い保険料を完全に納めた人にだけ六十五歳から支給するというものにすぎません。この水準は、これまでに比べ三割以上の切り下げであります。もし保険料の負担にたえられなければ、何の保障もありません。現在でも全国で六人に一人は保険料の免除を受けております。滞納者も約百四十万人に達しております。将来、今の二倍以上、一万三千円の保険料まで上がったとき、日々の生活に追われる勤労者が果たしてこのような重い負担にたえられるでありましょうか。今後さらに大量の低年金者、無年金者が出てくることは必至であります。このような制度がおよそ基礎年金の名に値しないことは明らかであります。(拍手)
 厚生年金も同じことであります。現在の平均十一万五千円、五十年後でも平均十四万六千円にしか達しないのに高い高いと攻撃され、水準を三割以上引き下げられ、保険料は二倍以上になります。特に問題なのは、夫が六十歳になってその切り下げられた年金を受け取るようになっても、妻の年金は妻自身が六十五歳になるまでもらえず、約十年は夫の分の年金だけで生活しなければならぬ超大幅切り下げとなることであります。政府の言う婦人の年金権確立は、これが大部分のサラリーマンの奥さんにとっての現実的な意味なのであります。
 障害者の年金については、これまでの我が党の要求が一定程度取り入れられていますが、福祉手当の打ち切りなど障害者の自立に新たな脅威を生み出している点もあります。
 政府は、このままでは年金財政の破綻が避けられないかのごとく宣伝しています。しかし、これは我が国が世界第三位の経済力を持ち、実質年四・三%程度の経済成長を遂げつつある現実を無視した議論であります。この点については、厚生省の試算が国民一人当たり実質所得が全く伸びないという非現実的な前提のもとに計算されていることを私が指摘し、当局もその不当性を認め、現に翌年のパンフレットからその部分は削除されているのであります。もうこのとおり決着がついているのに、厚生省がその後も同じような宣伝を繰り返しているのは全く言語道断であります。
 今回の法改正によって国の年金財源負担は大幅に減るのであります。このことは厚生省自身が委員会の中で認めざるを得ませんでしたが、これはまさに年金に対する国の責任放棄であります。これについて当局は、国の財政危機を持ち出して合理化を図るかもしれません。しかし、本当に政府に金がないのか。この財政危機のもとでも、政府は日本を危険な核戦争に巻き込む軍備拡大の予算は最優先で増額しているではありませんか。これが日本民族を破滅に追いやることを我が党は繰り返し警告してきました。なぜ、このようなとんでもない戦争の準備に予算を湯水のようにつき込みながら、その一方で年金などの財源は削るのか、私は断じてこれを認めることはできないのであります。(拍手)
 大企業の年金財源負担についても同じことです。私は昨日の委員会で、過去十八年間に我が国の企業の社会保障財源に占める負担割合が四二%から二九%へと低下し続けていること、サミットに参加している先進七カ国の中で企業の負担割合が最低であることを明らかにし、せめてこれら諸国並みに企業負担をふやすように要求いたしました。ところが総理は、各国の国情や個性の違いを理由にこれを拒否したのであります。我が国には世界的な大企業がずらりとそろっているのに、どういう国情や個性の違いがあって大企業の負担を世界一軽くし、その分を生活に苦しむ勤労国民に押しつけねばならないというのか、こんな総理の弁解には国民はだれ一人納得しないことは明らかであります。
 軍事費や大企業奉仕の予算を削り、不公平税制を是正するなどして国の年金財源をふやし、大企業からもせめて諸外国並みに年金財源の負担を求めれば、すべての六十歳以上の老人と障害者に対し、単身者七万円、夫婦十万円の最低保障年金を直ちに実現することができます。政府の基礎年金とは天地の差であります。国民年金や厚生年金は、この無拠出の最低保障年金に上積みする年金制度として維持し発展させれば、年金水準は底上げされ、全体として大幅に改善することができるのであります。国や大企業の年金負担をふやすことなしには、どんなに制度をいじくり回しても、二十一世紀に希望の持てる真の年金制度を構築することはできないのであります。
 最後に、私は、改めて政府に対し、本法案を撤回し、以上述べた方向で根本的に練り直すことを要求いたします。あわせて、我が党が真の年金制度確立のため引き続き奮闘する決意を申し述べ、反対討論を終わります。(拍手)
○副議長(勝間田清一君) これにて討論は終局いたしました。
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○副議長(勝間田清一君) これより採決に入ります。
 まず、日程第六につき採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(勝間田清一君) 起立多数。よって、本案は可決いたしました。
 次に、日程第七につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○副議長(勝間田清一君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
○副議長(勝間田清一君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時四十一分散会
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