第102回国会 商工委員会 第15号
昭和六十年四月二十四日(水曜日)
    午前十時七分開議
出席委員
  委員長 粕谷  茂君
   理事 浦野 烋興君 理事 田原  隆君
   理事 森   清君 理事 渡辺 秀央君
   理事 後藤  茂君 理事 城地 豊司君
   理事 長田 武士君 理事 宮田 早苗君
      甘利  明君    尾身 幸次君
      奥田 敬和君    奥田 幹生君
      加藤 卓二君    梶山 静六君
      古賀  誠君    高村 正彦君
      佐藤 信二君    椎名 素夫君
      仲村 正治君    野上  徹君
      野田  毅君    浜田 幸一君
      林  大幹君    原田昇左右君
      吹田  ナ君    松野 幸泰君
      水野  清君    小澤 克介君
      奥野 一雄君    上西 和郎君
      上坂  昇君    浜西 鉄雄君
      水田  稔君    横江 金夫君
      和田 貞夫君    渡辺 嘉藏君
      木内 良明君    西中  清君
      福岡 康夫君    青山  丘君
      横手 文雄君    工藤  晃君
      野間 友一君
出席国務大臣
       通商産業大臣   村田敬次郎君
出席政府委員
       通商産業政務次
       官        与謝野 馨君
       通商産業大臣官
       房総務審議官   児玉 幸治君
       通商産業大臣官
       房審議官     山本 雅司君
       通商産業省立地
       公害局長     平河喜美男君
       特許庁長官    志賀  学君
       特許庁総務部長  小川 邦夫君
       中小企業庁長官  石井 賢吾君
       中小企業庁次長  黒田 明雄君
       中小企業庁計画
       部長       末木凰太郎君
       中小企業庁指導
       部長       遠山 仁人君
委員外の出席者
       大蔵省主税局税
       制第一課長    濱本 英輔君
       通商産業大臣官
       房審議官     古川 直司君
       商工委員会調査
       室長       朴木  正君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十四日
 辞任         補欠選任
  奥田 敬和君     吹田  ナ君
  奥田 幹生君     古賀  誠君
  佐藤 信二君     浜田 幸一君
  横江 金夫君     上西 和郎君
  渡辺 嘉藏君     小澤 克介君
同日
 辞任         補欠選任
  古賀  誠君     奥田 幹生君
  浜田 幸一君     佐藤 信二君
  吹田  ナ君     奥田 敬和君
  小澤 克介君     渡辺 嘉藏君
  上西 和郎君     横江 金夫君
    ―――――――――――――
四月二十日
 官公需の中小業者への発注拡大に関する請願
 (三浦久君紹介)(第三七〇六号)
 中小小売業・サービス業の振興に関する請願
 (三浦久君紹介)(第三七〇七号)
 下請中小業振興に関する請願(三浦久君紹介)
 (第三七〇八号)
同月二十三日
 大店法廃止等に関する請願外一件(宮田早苗
 君紹介)(第四三六七号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 中小企業技術開発促進臨時措置法案(内閣提出
 第六四号)
 特許法等の一部を改正する法律案(内閣提出第
 四六号)(参議院送付)
 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づ
 き、関東東北鉱山保安監督部及び同部東京支部
 の設置に関し承認を求めるの件(内閣提出、承
 認第三号)
     ――――◇―――――
○粕谷委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、中小企業技術開発促進臨時措置法案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤卓二君。
○加藤(卓)委員 新人議員なので、なかなか勉強が行き届いていないところがあるかもしれませんが、ひとつこの法案に対していろいろ勉強させてもらって、中小企業技術開発促進臨時措置法案というのは非常に内容が濃くて、私は非常に賛同するものでございます。
 ただ、これは中小企業の人たちが対象なので、なかなかわかりづらいところもあるのじゃないか、こう思うところもありますので、その問題に関してきょうは、大臣がちょっとおくれるとかというようですが、長官なり政府委員の方からお聞きしたいと思うのです。
 この法案をつくった理由まあとにかく、提出されるについてはそれなりの理由があると思うのですが、基本的な問題点に関してはこれはぜひ大臣の方からお聞きしたいと思うので、日米の技術開発に対しての年間の費用というのがどの程度のものなのか、大、中、小の比較を、どんなふうになっているか、ちょっとお聞かせ願いたいと思うのです。
○石井政府委員 日本と米国との格差というのは、米国サイドにおきます大、中、小の区分が明確でございませんので、一概に申し上げられないわけでございますが、五十七年度までの数字で見ますと、日本の場合に中小企業の研究開発投資額は年間で約二千三百三十億でございまして、これは日本全体の研究開発投資の約五・七%という状況にございます。かつては中小企業の研究開発投資のウエートは約一〇%程度ございましたが、五十年代に入りまして大企業が約二〇%の年率で伸びていくのに対しまして中小企業は九%前後ということで、全体としまして中小企業の研究開発投資に占めますシェアは年々低下の傾向にあることは否定できないところでございます。
 一方、米国の場合でございますと、ナショナル・サイエンス・ファンド等の言うならば純国策機関による中小企業に対する研究助成、あるいは研究助成といいましても、むしろ委託あるいは高率補助という形式によります研究支援というのは大々的に行われております。
 ただ、私ども、日米ハイテク・ワーキンググループを通じまして、いろいろ日本と米国とのそういった資料の突合等を行おうといたしましても、米国の中小企業の定義が五百人以下ということになっておりまして、我が方と実態として極度に違っておりますので、その辺の突合はきちっとできておらないのが実情でございます。
○加藤(卓)委員 本案の審議に際して中小企業の技術力の現状を考えてみるときに、ぜひひとつこの問題に関して提案したいことがございますが、本案で「技術革新の進展に即応し、かつ、著しい新規性を有するものに限る。」というような形で使われ方が出たり、また、普及していないもの、または改良技術は除くとかいうような言葉が出てきているので、誤解があるのかもしれませんが、この辺に関して中小企業の技術力の限界を考えるときに、どの程度まで考えておられるか、ひとつ御答弁願います。
○黒田(明)政府委員 中小企業の技術力向上につきましては、従来から中小企業庁は各種の施策を用意いたしておりまして、技術指導あるいは技術者の研修、研究開発への助成、情報提供、さらには異業種交流によります技術開発意欲の触発ないし情報の交流といったことをねらいとする各種施策がございます。そのほかに、六十年度からはまた中小企業技術基盤強化税制を新たに導入いたしまして、中小企業全体としての技術力向上に大いに力を尽くしているわけでございます。
 そうではございますが、最近新しい技術革新の潮流が目立ってまいりまして、新素材でございますとか、バイオテクノロジーでございますとか、エレクトロニクスでございますとか、非常に細分化された技術、しかも複合化された技術の一つの体系として将来に向けて大きな花を吹かせそうな潮流が生まれております。こういった将来性のある技術分野、しかも、ここは技術が細分化されております等によりまして、中小企業がうまく取り組めばそこで成功を見出し得るという、中小企業にとっても非常に展望の明るい分野でございますので、新しく可能性のあるそういった分野への中小企業の誘導を目指しまして、一定の技術革新に即応した分野をまず取り上げたい。
 それから、「著しい新規性」の点につきましても、在来型の技術の改良ということも重要でございまして、先ほど申し述べました一般施策でこれらをやっていくわけでございますが、中小企業に目立ちますのは自主技術開発力が大企業に比べて足りないのではないかという点でございますので、そういう中小企業の技術開発力の涵養のためには少し努力をお願いいたしまして、「著しい新規性」といったようなものでトライしていただく、ジャンプしていただく、そういった意味で若干制約的に受け取られるかもしれませんけれども、こういった施策で傾斜的に誘導していきたい、そのために助成施策も手厚くしていきたい、かように考えているわけでございます。
○加藤(卓)委員 この法案の骨子そのものは丁寧に読んでいくとよくわかるのですが、この中で、中小企業技術開発指針を定めるために通産大臣は中小企業近代化審議会の意見を聞くようになっているようだとか、それからいま一つ、認定を受けるときに、各都道府県の知事の認定を受けなければならない、こういう基準に関してやはり一つあいまいなところがあるのじゃないか。この辺をはっきりしておかないと中小企業そのものがこれを利用するときに大変戸惑うのではないか、また、どの程度の数を予定しているのか、簡単で結構ですが、御説明願いたいと思います。
○黒田(明)政府委員 中小企業近代化審議会に指針を定めます場合に諮問いたしたいというふうに考えておりますが、この点は私ども、あるべき指針の中身については目下勉強いたしておりまして、万遺憾なきを期しているわけでございますけれども、一つのデュープロセスあるいは多くの方々の意見を徴して、実情にふさわしく、客観的な指針を実現するという意味で中小企業近代化審議会に諮り、その御意見を伺いたいというふうに考えているわけでございます。また、この法案は中小企業近代化審議会の答申に基づいているという事情もございまして審議会に諮りたいというふうに考えております。
 それから、知事の認定の客観性でございますが、私ども、できるだけそれを読んでわかるような指針にいたしたいというふうに考えておりますが、もし足らざるところがございますれば、都道府県知事に対する通達をもちまして、できるだけ客観的で全国的に統一のとれた運用ができるようにいたしたいというふうに考えております。
 それから、どの程度の中小企業ないし組合が認定を受けるかという点でございますが、現在のところ必ずしも明確ではございません。従来の試験研究の実態についてはある程度わかっているわけでございますが、今度は若干の方向づけがございますので、それによってどの程度の中小企業が認定の申請をしてくるかというのは必ずしも推定が厳密にはできないわけでございますが、私どもが事前に、この法律を策定します前に調査いたしましたところでは、相当数の中小企業及び組合がこのような線に乗ろうという意欲があるというふうに心得ております。
○加藤(卓)委員 今、大変適切な措置がなされるやにお聞きしたのですが、この問題の中で一番気になることは資金面と技術面、それに政府の助成がどんなふうになされるかというような問題点に絞られると思うのでございますけれども、指導及び助言、それから情報の提供及び人材の育成、こういうような問題点に関してぜひ力を入れていただかないと、この法案の本来の趣旨が貫かれないのじゃないか。とにかく大企業との格差が大変あるということは法案以前の問題になるかと思うのでございますが、今、大学の卒業生の優秀な人はほとんど大企業、大会社、官庁、そういうところに行っているわけであります。その大学の卒業生に対する国の費用というのは大変かかっていると私も思うのでございますが、法案の骨子をぜひ貫いていく意味でも、教育の普遍性というのですか、教育資金、教育投資になされた偏重が是正されるようにしないとならないのじゃないか。
 中小企業の技術格差を埋めようということは、技術者をいかに供給し、いかにそれを手当てし、指導するかということになるわけですが、私が一番気にしていることは、どうも大企業に人が偏在する。しかも官学を出た方たち、大変な国家投資、国の費用を受け、そして長年かかった優秀な人材がほとんど大企業の方に行ってしまう。国家の方、通産だとかいうところへ勤められた方たちはある意味では中小企業のためにもなるかもしれませんが、国の大きな資金を使って、なおかつ大企業に行って、そこでまたいろいろな試験研究を行っていくと格差がどんどんついてくるので、この辺の問題に関してひとつ基本的に研究していただきたい、こう思うわけでございます。
 これは通産省のお立場では答えられない問題もあると思いますが、技術の問題、助言という問題に関してどんなふうに考えておられるか、ひとつ御答弁願いたい。
○黒田(明)政府委員 御質問の第一点の、技術開発力涵養のための施策を支えるための資金面の措置につきましては、中小企業技術高度化補助金というものを新たに用意しておりますし、中小企業金融公庫、国民金融公庫の特別融資枠というものも設定いたしております。さらに、信用力を補完する意味におきまして、現在の信用保証に新たに特例を設けまして、金額をふやすとか、一部について無担保の枠を設定することによりまして、担保力不足と言われます中小企業の研究開発を支援いたしたい、かように考えております。
 また、組合の研究開発につきましては税制上の優遇もいたしますし、自己資本の不足によります研究開発のおくれが生じないように中小企業投資育成会社についての特例をつけ加えまして、こういった面にも配慮をいたしているわけでございます。
 それから、指導助言の点でございますが、これも加藤委員御指摘のとおり極めて重要だと考えておりまして、既に技術指導の体制をとっておりますけれども、今回の技術開発計画の認定に当たりましては、国の機関はもとより、都道府県知事あるいはその部局におきます指導を強化するように手当てをいたしたい、かように考えております。
 それから、最後の人材獲得の点でございますが、加藤委員御指摘のように、中小企業は確かに高学歴者それに技術者の不足に悩んでおりまして、何とか中小企業に優秀な大学の卒業生、とりわけ技術関係の学科を卒業した人々が好んで就職するようになることを私ども大いに期待しているわけでございますが、大きく分けて問題が二つあろうかと考えております。
 一つは、現在の社会風潮と申しましょうか、えてして大企業の方に大学の卒業生が行きたがるという問題がございます。これを何とか改めていただきたいという気持ちが切実にあるわけでございまして、臨時教育審議会などでもこういった問題を取り上げていただければ大変ありがたいと期待をいたしているわけでございます。
 翻って中小企業の側でございますが、中小企業の側におきましても、採用活動をもっと強化できないかという問題とか職場の魅力をいかにして高めていくかといった問題がございます。最近、中小企業の職場における満足度というのは相当に高いものがあるわけでございますが、現在まだ新規大卒者の就職を引っ張ってくるほどのものにはなっていないようでございまして、こういったものに努力しなければいけないと思います。
 最後に、施策面では、中小企業大学校というものを現在私ども力を入れて拡充いたしております。こういった中小企業大学校の教育訓練を通じまして獲得された中小企業の人材ではございますが、その養成に力を入れてまいりたい、かように考えております。
○加藤(卓)委員 お忙しい中、大臣が見えられたので、早速大臣に的を絞って質問させていただきたいと思うのでございます。
 とにかく大臣と長官、質疑のときに答弁がとても明確で非常に簡潔なんで、私はいつも非常に感心しておるのです。特に中小企業庁の立場に立って、私は大臣というよりも中小企業庁の担当のつもりであるというふうな御発言もいただいている中で、中小企業問題は革新技術の問題を含めて政府の取り組みが非常に大きくされていることは事実でございますが、中小企業をめぐる環境が非常に悪くなっているということを大臣はいつもおっしゃっておられる。倒産件数が多いとかいろいろな問題点がある中で、そういう問題点はむしろ大企業の方にも考えられるのじゃないか。逆に言えば、私たちが考えて、今の大企業というのは、明治の代には全部中小企業の規模の会社であったのです。それが通産行政の指導よろしきを得て戦後著しい発展をなしたというのは通産省の大きな業績であり、これはまたむしろ誇るに足るだけの指導力があるんじゃないか。しかし、その指導力が大企業だけになされたのでは困るということで先ほどから発言をしているわけでございます。
 そして特に大企業の場合でも注意しなければいけないのは、石炭産業だとか糸の産業だとか、本来ならもっともっと育っていいはずのものが大変な苦痛を味わうというわけでございますので、自動車だとかいろいろな産業の中にもそのようなことが繰り返されては大変だ。むしろそういうことも含めて御指導願いたいということは、大企業に集まっている人材、調査能力、技術能力は国の蓄積である、少なくともこれは国家が備蓄した大きな財産だ。先ほど大学の問題を言いましたが、大学で人材を育てる。これも明治以来みんなで苦労したものをぜひ育てていこうという感覚の中でやってきたことは事実でございます。それが今日大企業を育ててきた。ですから、今の大学生が大企業に行きたいというのはわかりますが、そこで私は大企業にこの際一肌脱いでいただきたい。そういう形で一つお願いしたいと思うことがございます。
 それは、中小企業向けの開発をやろうといっても、政府の資金は、きょう見ているとそれほど大きな枠がとれるようには思えません。アメリカのロックフェラーやカーネギーがどういう形で世に知られているかというと、ロックフェラーやカーネギーがどんなことをやったかというよりも、カーネギーがつくったカーネギーホールだとかロックフェラーがつくったロックフェラー財団の方がはるかに私たちの印象に残っております。ひとつ大企業の皆さんにも、税制面の優遇だとかいろいろな問題点を配慮していただく中で、大企業が持っている技術を中小企業に生かしていただけるような制度をぜひつくっていただきたい。
 それと同時に、大企業が持っている資金が中小企業に活用できるような制度をぜひつくっていただけるよう、これは大臣の立場でないとできない問題だと思いますが、そういうふうな感じで大企業の資金を、米国のベンチャービジネス、ベンチャーキャピタル、こういう形の中でいろいろな資金が流れている、その資金量を考えてみると、これは民間活力の活用という中には大企業が出てくるところが非常に大きく貢献するのじゃないか、そういう問題に関して通産当局としての御指導をぜひお願いできるように御配慮願いたい。それに関しての大臣のお考えを聞かしていただきたい、こう思います。
○村田国務大臣 加藤委員にお答えを申し上げます。
 大企業の持っておるいろいろな力を中小企業に向けてもらいたいという御要望、そのためのいろいろな制度の点について御質問がございました。
 御指摘の点につきましては、現行税制上におきましては、第一に研究開発型の中小企業、中堅企業に対して研究開発資金に係る債務保証等を行う機関といたしまして、財団法人研究開発型企業育成センターがございます。このセンターの債務保証基金に対する民間企業からの拠出金につきましては、租税臨時措置法において全額損金算入が認められておるところでございます。また、試験研究法人等に対する一般的措置として、寄附金の損金不算入の特例等の制度がありまして、企業が試験研究法人等に対し寄附を行う場合において税制上の恩典が与えられております。
 それから、中小企業庁の方では、これらの税制上の措置が有効に活用されることによって、御指摘のような中小企業の技術開発資金の円滑な供給が促進されることを期待をしておる、こういうシステムでございます。
 また、大企業の余裕金を、米国で行われているようにベンチャーキャピタルという形で活用する、そういう問題についてのことでございますが、近年我が国におきましても、都市銀行、証券会社等が中心になりまして、いわゆる民間ベンチャーキャピタルの設立が相次いております。これは先生、御承知のとおりかと思います。我が国のベンチャーキャピタルは、現在、約六十社程度存在すると言われておりまして、その投資活動も順調に推移していると聞いております。当省としては、これらベンチャーキャピタルが技術開発を積極的に行っている中小企業に対し、投資面における資金供給を行うという役割を果たすことを期待をしておるわけでございます。
 以上のような具体的な問題を例として挙げたわけでございますが、加藤委員御指摘の点はまことに私も同感でございまして、今後もそういった点について努力を続けてまいりたいと存じます。
○加藤(卓)委員 一昨年、私は訪米したときに、ハーバード大学だとか、マサチューセッツ工科大学、それとスタンフォード大学の方でいろいろ産学一体というのを勉強したわけでございます。日本の場合は、産学に官が入って産学官、こう言っているのですが、これは先ほどいろいろな方たちに聞いていると、政府の研究機関を指しているのですよということがあったので、この辺のところがそうなのかということ。
 ただ、それに関して一言申し上げたいのは、アメリカでは官が抜けていて産学でやるので非常にスピードが上がっている。官がブレーキになることのないようにぜひお願いしたいというのは、日本の通産行政でもそうですが、どうも何かというと許可が遅いとかなんとか、これは先ほど言った知事の問題に絡んでくるのです。レベルが通産レベルになっていればいいのですけれども、各県によっては役人さんがこれをどの程度理解するか、理解するまでには十年たってしまうかもしれない、そのような中で官が絡むことが、むしろ逆に言うとスピードをおくらしているのですよというような意味の発言があったやに聞いておる。しかし、そのときに私は、今、日本の場合は官が非常に大きく働いて、日本の政治というのはうまくいっているということがわかるから、私は産官学という言葉は非常に素直に、田舎の方で選挙区でも皆さんに説明して歩いているのです。ですから官がブレーキにならないように、ひとつ促進剤なり接着剤になるようにやっていただきたい。
 そのときにシリコンバレーを訪ねて、スタンフォード大学のいろいろな話や何かを聞いてきていたのですが、私は、大学の中でやはりベンチャービジネス、ベンチャーキャピタルというものがどんなものかということが何となくわかりかけてきているうちにアメリカを離れたわけですが、どうも今度の法案もベンチャービジネス、ベンチャーキャピタルに向かってつくっていった法案が、いつの間にかこういう形で、そういう言葉が文章の中にはなくなっているけれども、その辺のところを考えてつくられたものかどうかということが一つ。
 まず、アメリカの方でやっている中で、これはそのときに、ハーバード大学でしたかマサチューセッツでしたか、学長、総長と話しているときに、日本からの大変な企業の参加を得ていますよ。どの程度の企業がというので名前を見ると、ほとんど日本の企業がずらりと並んでいたし、学校へ行ってみますと生徒は東大を出た人たち、早稲田を出ました、どこを出ました、日本の最高学府を出た人たちが全部お子さんを連れで、奥さんを連れてまた大学へ入っているわけです。日本の大学はいかにいろいろな問題を醸しているか、また問題を持っているのかなということを痛感する中で、総長の言葉が非常に印象的だったのです。
 そのときの話で、この産官学の中で官がブレーキにならないようにということを先ほど申し上げましたが、ぜひひとつ、産学で研究したものはアメリカの方ではこれは大体公開が原則だとは言っていますが、いろいろ通産の方たちに聞いていると、一部、企業の出した出資に伴うところの特許の問題や何かはあるやに聞いていますが、大体論文を出してそれを公開していくような、公開が原則ですよというような言葉があった。
 特に日本の場合には、官がそして私学が、その私学だけでも医者一人頭一年に百五十万円の助成金がある、これは私学に対して。そして理科系では二十万あります、その他が十万ぐらいあるのですよということになると、官学の場合は全額丸々負担になるわけですから、それが掛ける何年ということになれば、大変な大学を卒業した人材が大企業へ行って、また政府におられるので、その人材をいかに中小企業へ持っていくかという話を先ほども大臣のお留守のときにお願いしていたわけでございます。
 この問題に関して、中小企業が大学をつくる、大学とは名ばかりで、私に言わせれば要するに、本当のことを言うと、これをぜひ省庁間を超えてみんなで協力する体制の中で――今通産行政が一番スマートだと思う。スマートな形というのは、要するに予算がないからスマートにならざるを得ない。実際には予算があるところは意外とずぼらなことをやっているのじゃないかというような感じが国民にはしている。ですから、通産のスマートさ、ないものをどうやって使って今日の日本をつくってきたかという形の中で、ぜひひとつ、ない知恵を絞っていただいて人材をいかに中小企業の方へ振り向けられるかという問題に関して、ひとつ大臣の方から何かそれに関して大きな指針がいただけ、また今後の御方針を述べていただけると、大変私の方も田舎へ帰って、いや全国の皆さんに向かって胸を張って通産行政を宣伝できるわけでございます。よろしくお願いします。
○村田国務大臣 お答えを申し上げます。
 今加藤委員が御指摘になったマサチューセッツ工科大学の産官学の提携とか、こういった事例は非常に世界的にも紹介をされておりまして、有名でございます。日本の場合はまだアメリカのシステムに比べて民間活力や、そしてまた産官学の提携がこれからであるということがよく言われるわけでございますが、委員御指摘の点はよく理解をすることができます。
 先般、中小企業白書が実は発表になりました。この中で「変革の時代に挑む中小企業の課題 技術・情報・人材」ということで、技術問題、情報問題、人材問題というものを特にピックアップをしておるわけでございます。
 通産行政というのは御承知のように、予算は非常に、通産省の大きなスタッフに比べると少ないわけでございます。予算がなくて大きなことをしようというわけでございますから、したがって、これは当然のことながら頭を使ってしっかり頑張らなければならぬ、こういうことになるわけでございますが、私はその意味で、自由主義経済体制の通産政策というのは特にすぐれて誘導政策というものでなければならない。上から下に向かってこういうことをしてくれ、こういうような指導行政ではなくて、むしろすぐれて誘導行政であり、企業の自然的な方向というものが社会の要請、国家の要請とマッチしてうまくいくという方向が一番正しい通産行政のあり方であろうと基本的に考えておりまして、その点は委員御指摘のとおりであります。したがって、現在のように非常に技術開発ということが進んでくる、情報化社会ということが進んでくる、まさにこれは国民生活全般の大きな変革を必然的に要請をするものでありますし、また高齢化社会といったような社会全体の変革に伴ってこれからの世界に対応していかなければならないわけでございます。
 したがいまして、御指摘になりました産業の進展ということにあわせて、技術開発、情報化、人材の発掘といったような問題にひとつ通産行政としては力を入れまして積極的に取り組む、そして民間活力を大きく導入する、そういった観点からこの法律もお願いしておるわけでございまして、ひとつぜひ相ともに日本の通産行政を進展をさせ、国民生活を向上するということに的を絞って、意欲を込めて頑張ってまいりたいと思います。
○加藤(卓)委員 非常に丁寧な、しかも力強い御答弁、ありがとうございました。
 それから、どうも話が大臣の方へ焦点が絞られるようで大変恐縮でございますが、忙しい大臣の時間をおかりしまして、まずこの法案の対象は中小企業者、製造業者に限ることなく、卸、小売、サービス業にまで含まれている、こうなっております。バイオテクノロジーだとか半導体、セラミック、通信技術等、今ハイテク産業というとそっちの方へ非常に目が向けられているわけでございまして、大変何か先端産業というとみんなそっちのようで、技術開発と言えばそっちのように思うのですが、私は、技術開発というのは全然違うところにも大きな分野があると思うのです。
 これは余り新しいハードのものをどんどんつくっていくということよりも、販売だとか流通だとか観光だとか、要するに中小企業が生き残れる分野での技術開発がなされるように、ぜひ中小企業向けの開発をされるべきだ。その中で、最近よく大型店が出てくる。大型店が出できて、大型店はアメリカで開発された流通技術がある。これは新しい技術で、それがあっという間に世界へ広がって冠たる流通の骨になってしまったわけです。これは何年もかからないうちに日本にでき上がったわけです。ところが今度は生協というのが下から上がってきた。これは今、とにかく無公害のものを食べよう、たったこれだけのこと。そして私たちが参加したことに意義があるというような形の中での生協が、今度またまた中小企業というよりも商工業者を大変痛めつけている。
 ですから私は、そういう分野に向かって、例えば名前を出していいのでしょうか、セブンイレブンというのもアメリカの技術を使ったらあっという間に日本で大企業に育ってしまったのだから、ぜひ中小企業庁がそういう技術開発をして、そういうものこそ通産省の中にいる皆さんの技術開発、その制度を使えばそれが商工業者のところへ行くはずなんだ。そういう研究もひとつ進めていただきたい、そういう技術開発を、あなた方がやりなさい、いいものがあれば拾い上げますよ、しかもそれは四十に限った範囲でやりますよ、しかもそれは相当難しい入学試験を受けなければ、東大を出たやつでなければ受からないような試験を受けさせるわけです。全国で四十といえば大変だ。
 そこへいくと、中小企業の販売技術をそういうことにも使えるようにこの制度をしていただけると、政府の機関なりまた通産の人たちなりみんなで集まってやることにおいて、流通そして観光、この観光なんというのは中小企業でないと残れないかもしれないぐらい人と人との触れ合い、こういう問題、流通だって同じなんです。コンビニエンスストアをつくれば、お父ちゃんとお母ちゃんでやっていれば、その方が制度と設備と、しかも情報網が完備して仕入れや何か均一化され、店舗が、安心してどこで買っても同じ値段で、しかも新鮮なものが買えるというのがセブンイレブン。値段が高い、安いとかと言えば決して安くないけれども、ちゃんと売れているなら、そういうような問題点も研究してもらうようなこともぜひ本法案の中で取り上げていただけるよう、大臣にひとつお願いしたいわけでございますが、よろしくお願いします。
○村田国務大臣 事務的な点はまた政府委員の方からお答えさせますが、今加藤委員の御指摘は、情報化の問題を中小企業に幅広く使えるようにということでございます。まことにごもっともでございまして、いわゆるベンチャー産業と言われるいろいろ新しい企業、ハイテク産業でございますとか情報化産業でございますとか、そういうものが世界的に大きく進出をしておる、そして企業全体からも業種の中でこれから非常に栄えていくという、時計の針で言えば午前九時のような産業と、産業全体としては午後三時、四時あるいはたそがれの産業と言われるようなものが概念としてはあると思うのです。
 ところが、例えば石炭産業でも、日本においては石炭産業は非常な危機にずっと見舞われたわけでございますが、その中から経営者そしてまたユーザー等が非常に協力をいたしまして、政府もそれをパックアップするという形で新しい分野に生きていくといういろいろな方法、活路を見出そうとしておる、そういう企業の中における情報化あるいは技術開発に対する努力によって新時代に対応する、また夜から朝が来るということが可能だと私は信じております。
 その意味では、先ほど言われましたいわゆる新しい技術や新しい情報というものが流通過程にも、あるいはスーパーや中小小売店にも適用されるようにいろいろな機会を与えるべきであるという加藤委員の御指摘はまことにごもっともでございまして、同感でございます。そういった例えばチェーン店を組んでいろいろ情報をシステム化いたしますように、中小企業の間でも組織化を進め、それをいろいろと具体的に活用することによって大きな店舗に対抗できるという手段が当然あるはずでございまして、そういった努力によって国民生活、地域社会の生活を向上させていくということは全く同感でございますので、中小企業庁ともよく相談をいたしまして、委員の御指摘のような方向を導入していきたい、このように考えます。
 事務的な問題は政府委員から答弁させます。
○黒田(明)政府委員 製造業以外に観光業とか流通業などをこの法律の対象に入れるべきではないかという御質問でございますが、その点については私ども対象にいたしております。これは部内的には製造業に限るべきではないかという意見もあったわけでございますが、現在、経済のソフト化が進行いたしておりますし、アメリカでも雇用吸収力は第三次産業が一番大きいし伸びつつございます。こういった分野での新たな技術革新という可能性もございますし重要でもございますので、これを取り入れることといたしました。
 確かに委員御指摘のように、バイオテクノロジーとか新素材といったものは直ちにはこの種の第三次産業には取り入れにくいものではございますけれども、エレクトロニクスを中心といたします各種の利用技術は非常に第三次産業で可能性のある分野でございますので、こういったものを取り入れることにいたしまして、先ほど言及のございました観光業などにつきましても運輸省その他関係各省と協議を遂げておりまして、こういった業種に何の制約もなく取り入れていきたい、そういう体制にいたしております。
 それから小売業界におきます大規模小売店、生協との関係におきます中小小売業の技術革新の問題でございますが、現在、情報化と技術のちょうど接点といってよろしいのではないかと思いますけれども、情報化が企業間オンラインの時代に移りつつございまして、中小企業の側におきましても、この情報化ないし技術を利用した新たな経営技術あるいは経営ノーハウといったものが開発されてきております。POSなどはその一つの有力な手段かと考えられますが、そういった点でいろいろと第三次産業あるいは小売業も、より合理的でより価値を生みやすい、そういった技術の開発の機会に恵まれつつあると考えておりますので、ぜひこういったものを支援してまいりたいと考えております。
○加藤(卓)委員 大変適切な答弁でございましたし、いつ聞いても本当に気持ちのいいすかっとした力強い答弁、ありがとうございました。こういうふうな形で頑張っていただきたいと思うのです。
 それで、この法案で細かい分野に関しては際限もなく気になることがあるわけでございまして、これは実施するときに、この法案はだれのためにつくったのかということを忘れずにやってもらいたい。これは中小企業のためにつくったのだということを忘れずにやっていただきたい。皆さんこれをつくっているときにいろいろこだわって余り難しくやってしまうと、逆に中小企業がついていけないようなことになってしまうのではないか。そんな中で先ほども出ているのですが、これは幾つぐらい認定するのか、予算の関係があるが、どの程度をお考えか、ちょっとお聞きしたい。
○黒田(明)政府委員 この法律で対象にいたします中小企業は、個々の中小企業者と中小企業者によって構成されます組合等の二つの分野になっておりますが、認定はこの両方をカバーすることになっておりまして、認定の数自体については何ら制限がございませんので、適当な計画が出てまいりますればこれをすべて認定していいかと考えております。ただ、この法律の裏打ちといたしまして、組合等による技術開発については中小企業技術高度化補助金というものを用意いたしておりますが、これは金額に限度がございまして、現在では単価千六百万円で四十組合程度と積算されておりますので、それが一応の限度になると考えております。
○加藤(卓)委員 私の方で少し聞き違えたのか、四十ぐらいというのは単年度四十で、後予算がついてくるというような御説明のようにお聞きしたのですが、この中で、私は新人議員としていつも不審に思うのですが、行政の枠というのがいつもひっかかってくる。民間にはない大変な枠組みになっている気がする。民間がこんなことをやったら会社がもたないので部を変えて臨戦態勢をとっていくのですが、行政というのは縦割り、横割りというか非常に厳しい。とにかく農林水産と通産行政――私ら子供の時分には農商務省というところだった。それで農協は産業組合というような感じでとらえられていた。ですから、昔は農家が農業をやりながら家畜商をやったりお酒屋さんをやったり、もちろん林業もついでにやっていた。その時分の方が資産内容がよかったかな。今はいろいろな意味で、農業従事者は非常に小規模になっておるのですが、農林業をやっている人たちはほとんど将来通産行政でお世話になるわけです。これは農業をやろうったって畑が五反歩じゃ農業なんかできるわけないから、農業の地所を売るのはいやだから何かやろうというときに中小企業分野に新しく入っていく。それを迎え入れるような政策を考えておかないといかぬのじゃないか。
 技術開発促進ということがそういう形でも利用されるように、また通産行政がそうであるようにということなんです。今回行政の枠を超えた産業の、中小企業振興政策につながるように、要するにこれは大臣ベースでないとできないことだと思いますが、いろいろ見でいて、皆熱心にやられる余り出てくることかもしれませんが、どうも省庁間の縄張り意識が強過ぎる。本当に自分の境掘りをやるみたいで醜いなと思うくらい何かある。私の方でも発言は通産省の皆さんの応援を得ておるのでスマートにやらせていただきますので、よその省庁の名前はここで省くことにします。ぜひそういうところと、これから一番育つであろう将来に向かっての御指導を、行政の全体の中でお願いできればということなんです。
 この問題で、農林省だとか通商産業というと昔の農商務省の時代で、昔、新日鉄が一つだったのが二つに分かれ、また一つになった。すそ野の方ではそういうような農林行政と通産行政がうまく絡み合ってくれると絶対に日本の底はかたく、基盤が大きく育つのだ。そういうことを中小企業庁長官の方にもお願いしたい。それを一つの大きな国是というか、国の大きな流れになるような一つの考え方も出していかないと仏をつくって魂が入らない。
 先端産業をやればいいんだ、ベンチャービジネスだけで世の中が終わるわけじゃなく、たしかアメリカのシリコンバレーでは二千何百のベンチャービジネスがしのぎを削って、何百かの人たちのしかばねじゃなく何千という人たちのしかばねの中から二千かそこらの会社が生き残った。これは中小企業が生き残るために、大変な脆弱な立場に立たされておりますので、そういうところにも法案の骨子が行き届くように、これは非常にいい考え方なんですから、その枠を広げていくように、予算を取っていただけるような努力をするように、大臣、また長官の方もぜひ今後お骨折り願いたい。私たちも応援します。
 この問題に関して、要するに省庁を超えた枠組みでやっていけるかどうかということに関して御所信をお聞きしたいと思います。
○村田国務大臣 農商務省から通産省と農林水産省というように分化をした。これは日本の官庁の歴史を見てみますと、例えば内務省から労働省や建設省や国土庁や厚生省といったものがいろいろ分化をしておるわけでございまして、言うなれば行政機関の歴史は国政の発展を物語っておると言ってもいいと思うのです。そういった明治時代の近代行政の過程の中で縄張り意識が今もって根強く残っております。これが言うなれば縦糸で、内閣官房、総務庁、経済企画庁、大蔵省、自治省といったようなところが横糸の役目を果たして、縦横がないまぜられて立派な近代行政をやっていかなければならぬということでございまして、特に御指摘になった通産省と農林水産省の提携は第一次産業、第二次産業、第三次産業の提携という意味で本当にこれは社会の基盤に触れた重要な御指摘だと思います。ですから、そういった点は十分注意をいたしまして、現在の情報化時代に即応するような、あるいは技術開発時代に即応するような新しい行政をしっかりとやっていかなければならぬと思います。
 それから、この法律に関連する予算の確保でございますが、これは私どもは新しい時代に向けての非常に大事な中小企業施策だと思います。ひとつ中小企業庁とよく相談いたしまして、また大蔵省にもよく御要請をいたしまして御期待に沿えるようなことをしてまいりたい。また、ぜひ御支援をお願いしたいと思います。
○加藤(卓)委員 時間が迫ってまいりましたので、長官の方に一言お願いしたいのです。この法案ができたというのは、私も非常に内容がいいと思いますし、ぜひひとつこれを伸ばしていこうということを先ほどから言っているんですが、これは長官が自分でつくったんですから、自分で使うときにどういう使い勝手でまず使ってみようかとか、もしお答えづらければ結構でございますが、ひとつそういうことも頭の中に入れて、自分で使うときにこれはどうやって使うんだろうとか、六法全書じゃないけれども、自分で手紙をもらうとき、読みづらい手紙もらうより読みいい字で書いてもらう方がいいとか、ですから、私内容を読んでみると非常にいいと思うんです。ですから、これをどうやって使うか、どうやってみんなに知らしめるか、その辺のところを長官にひとつお願いします。
○石井政府委員 私ども、いろいろな諸施策を業種横断的に各省庁と協調をいたしまして作成をいたしておるわけでございますが、今回の技術開発促進臨時措置法もその一つでございます。しかし、こういった新しい施策というものが中小企業の血となり肉となるためには、やはりまず中小企業の皆様方にこの新しい施策についての御理解を得ることが第一の条件でございます。その意味におきまして、昨年暮れにある労働組合が中小企業施策の浸透度について調査をされた結果を、私その組合の方々からお伺いいたしましたが、やはり今後の施策を進めるに当たりまして、第一前提はあくまでも中小企業者の皆様方に施策の内容、意義を御理解いただくということが肝要でございます。その意味で、御指摘のようなあらゆる手段を挙げまして中小企業の皆様にまずこの施策の浸透を図るということが第一に必要と考えております。
 また、この施策につきましては、私自身中小企業の出身でございますので、自分なりにいろいろな使いやすさという意味も込めまして検討いたした次第でございまして、できるだけ使いやすいように弾力的に本法の運用を今後進めてまいりたいというふうに思っております。
○加藤(卓)委員 最後になりますが、大臣に締めくくりで、大変力強い答弁を再度いただいておるわけでございますが、いつもお聞きしている言葉の中に、おれは中小企業大臣になったつもりでやるんだというあの言葉を再度ここで言っていただいてこの締めくくりにしていただきたい。非常に力強い発言でございますので、いま一度それを合い言葉にしていただいておしまいにしたいと思いますが、よろしくお願いします。
○村田国務大臣 先ほど中小企業白書のお話を申し上げましたが、まさに技術、情報そして人材育成ということでありまして、中小企業こそ国民生活そのものである、中小企業を離れて国政もなければ国民生活もないと思うくらい私は中小企業と密着をしておるわけでございまして、中小企業大臣としてしっかり頑張りたいと思います。
○加藤(卓)委員 いつも時間が長くなる質疑に参加しているので、時間は厳守する意味で少し早目にやめさしていただきます。どうもありがとうございました。
○粕谷委員長 これにて加藤卓二君の質疑は終わりました。
 続きまして、渡辺嘉藏君の質疑に入ります。
○渡辺(嘉)委員 今日、技術の革新はすばしいものがあるわけですが、エレクトロニクス、バイオテクノロジーあるいはまた新素材、これは三種の神器、まあ神のわざとまで言われる三種の神器と言われるくらい急速な進歩と広範な活用が今日の日本経済を支えていることは説明の要がないと思うわけです。
 そこで中小企業も当然この三種の神器、これを活用し、それと同時に成長期におきましてはスケールメリット、規模の利益から、今日のような環境の中では多品種小ロット短サイクルのそういう時代を迎えておるだけに、個々のニーズに合わせた多様化のメリット、これが追求される時代に来ておることはもう御案内のとおりです。それにもし中小企業がついていけないということになった場合、その企業はいやでも倒産の憂き目に瀕しますし、あるいはまた下請、隷属化をいたしまして、労働時間の延長あるいはまた収益、賃金の格差、こういうことになってあらわれてくることはもう言をまたないわけです。しかし脆弱な資本、資金力、人材、研究陣等では、これにまたついていくことがいろんな意味で困難がある。特に独創的な開発をしようなどというようなことは万に一つも難しい。このために、今回本法で中小企業の技術開発を図ろうとせられたわけです。
 と同時に、それの指導助成を図ろうとせられたことは、これは私は適切な措置だと考えるわけです。もちろん今までにもいろいろな施策はございまするので、それらの積み重ねの上に今回この法案が出たと思っております。そういうような意味で、しからば何をどのように指導助成していくのか、要点のみまず簡単に承りたい、こう思います。
○黒田(明)政府委員 前提となります大方の考え方につきましては、渡辺委員御指摘のとおり私どもも考えております。
 それで、中小企業の技術向上対策は一般的に従来のものをなお強力にやっていく必要があるというふうに考えておりますが、新しい技術革新の潮流というものが中小企業には非常に利用可能なものであり、将来これに成功するならば中小企業としても大きな展望が開けるという特性を持った潮流だというふうに理解いたしております。それは技術の細分化といった傾向であり、あるいは複合化といった傾向であるというふうに考えております。
 そこで、一般的な施策の上に中小企業がこういった新しい展望を持った技術分野に進出していくように中小企業を誘導いたしたいという点が一つと、もう一つは、中小企業はどちらかといえば従来導入依存型でございましたが、将来のことを考えますと、導入依存型では限界がございます。何とか自主技術開発力を身につけるように、こういった技術力涵養といった点に重点を置いてこの法律を運用してまいりたい、かように考えております。
○渡辺(嘉)委員 もう少し具体的な中身の答弁があるかと思っておりましたら、本当に表題だけ、要点のみ簡単にいただいたわけですが、今おっしゃったように、導入依存型の従来の中小企業のパターンから今度はみずから独創的なものを開発する。これは日本経済そのものが要求されておりますから、従来の追いつけ追い越せから、むしろ今度はみずから切り開いていく、これは日本経済そのものの要請であり、と同時に中小企業も当然その枠内で要請を受けておる、こういうような意味でこの点は同感なんです。
 そこで、これを開発するために、あるいはまた技術の向上を図るために今回考えられておるのは、中小企業者並びにその共同体でやったらどうか、こういうことが今度その一つのあり方として指針を出していらっしゃると思います。私はこのこともそれぞれの持ち味を出し合う、リスクの分散を図る、そしてそれが工業化、実用化できたときに全体で活用し、業界のレベルアップを図る、こういうことはいいと思うのです。
 そこで、この共同化をする一つのパターンとして、まず同業種を考えるかどうか。それから、異業種でいいのかどうか。それから、業界における川上、川下等々を複合的に入れる、そういう場合を考えられるのか。あるいはまたそれら全体、それでいいのか。仮に一つの例を言いますなら、縫製業者の場合、機械メーカー、ミシン業者、電機メーカー、そして同業者、これらが一体となったものをつくった、あるいは川上の織物を入れた、ニットも入れた、そして川下の衣料加工業者も入れた、いろいろなパターンがあるわけですが、どういうふうにお考えになっておられますか。
○黒田(明)政府委員 私ども、中小企業の技術開発を促進する対象ないしは主体として、渡辺委員御指摘のとおり、中小企業の個々の事業者と、共同体である各種組合等を想定いたしております。
 組合の点につきましてねらいといたしますところは、中小企業者は研究開発に取り組むと申しましても、人的な面あるいは資金的な面で必ずしも各社が十分な対応力を持っていないというふうに考えておりまして、こういった人的、資金的な面での不足を相互扶助の精神によりまして相補完し合うということで、かつ共通のテーマに取り組むならば、中小企業が個々に取り組むことが困難な課題であってもこれを達成することができるのではないかと考えております。それに中小企業者が個々に取り組みました場合に、技術開発にはどうしてもリスクが伴うわけでございますが、これも渡辺委員御指摘のとおり、命取りにならないようにリスク分散の効果もあると考えております。
 その取り組み方でございますが、現在の技術の特性は、特定の業種に閉じこもって技術開発をするというのは必ずしも効率的ではない。むしろ異業種の交流といったことが相互に啓発し合い、新しいアイデアを得、さらには技術を交流し合えるという意味で非常に有効な方法であるというふうに考えております。したがいまして、この組合における取り組み方も業種別の組合に限る必要は毛頭ないというふうに考えております。もちろん同業種で共通のテーマがあってそれに取り組むというのはそれで結構でございますし、関連の業種と共同で異業種組合をつくるのも結構でございますし、その一部になろうかと思いますが、川上、川下一気通貫でやっていただくというのも結構でございます。そういったむしろ異業種の組合というのを促進するぐらいの気持ちで私どもは考えております。
○渡辺(嘉)委員 今の件はよくわかりました。そういうふうに複合的な、あるいはまた共通のテーマを中心に集まる、これは後ほどにも触れますが。
 次に移りまして、第二条で技術開発について触れていらっしゃるわけですが、技術開発とは、「中小企業者が技術に関する研究開発を行うこと。」と定義をつけておられるわけです。そこで問題は、その括弧の中で対象を、生産、販売、役務提供の各分野、それから二つ目は、技術革新の進展に即応しておること、三つ目には「かつ、著しい新規性を有するものに限る。」こういうふうに書いてあるわけです。この「著しい新規性」、これについて「限る。」と書いてありますが、これはどういうことを指すわけですか。
○黒田(明)政府委員 この法律は一般的に中小企業の技術レベルをアップするという従来の施策に対する上乗せという位置づけになっております。一般的な技術開発の促進対策は、従来から技術指導あるいは技術者研修、それから技術改善費補助金等によります研究開発の促進、あるいは情報交換を促進する異業種交流事業等々種々ございます。さらに六十年度には中小企業技術高度化のための税制を新たに追加したりして、一般的な技術レベルの向上を図っているわけでございますが、そういった施策に上乗せしてこの法律で措置をとろうとするゆえんのものでございます。
 これは先ほど渡辺委員御指摘のように、新しい技術開発の潮流に即しまして中小企業を誘導したい、それからその過程におきまして、中小企業の技術開発力を身につけるようにしたいと考えておりまして、そのためには一般的な技術向上対策ではなくて方向性を持った、かつ技術開発力の涵養に役立つような技術開発を上乗せとしてとりたい、かような考えに出るものでございます。
 そういう意味では余り新規でもない在来技術の、下世話に言うと在来技術にひげの生えたような改良といったようなものを取り上げるのではなくて、当該中小企業者が通常利用しております技術レベルから見まして著しい新規性があるといったような技術に限ってこの法律で取り上げ、それに厚い助成策を講じて目的を達成いたしたいという考え方に立っておるものでございます。
○渡辺(嘉)委員 今聞いておりますと、今までのいろんな施策の上乗せの部分だ、今までの設備にひげの生えた程度のものではいけない、こういうことをおっしゃったわけですが、しからば第三条の二項の一号で、技術開発の対象とする指針を通産大臣が決める、こうなっておるわけですね。重大なポイントがここにあると思うのですが、この技術開発の対象となるポイントにつきましては例示をいただいたわけです。どういうものを考えるのだ。そうしたら当面、これはもう本当の仮ですね、仮に五つの例示をいただいた。これを見ておりますと、「ファインセラミックスを加工・組立等の生産工程に利用することにより、生産効率の向上を図る技術」そのほか、五つあります。一々読み上げませんが、問題はこれが著しいかどうか、新規性がどうか。新規性だけではいかぬわけです。「著しい新規性」ですからね。そうすると、これを一つ一つ判定していくのに大変だと思うのです。
 しからば通産大臣はこれから、大体聞きますと百の項目を用意していらっしゃるそうですが、それならばその「著しい新規性」の技術開発とはこれだというものを、百項目あるならまずそれを出していただかなければ、こちらは何が何だかさっぱりわからぬというのが実情なんです。ひとつ百項目から予定しておられるならば、まずその一覧表を出していただきたい、こう思うのです。
○黒田(明)政府委員 「著しい新規性」の問題につきましては私どもも、各都道府県知事が判定するに当たりまして、できるだけ困難を来さないようにしなければならないという気持ちを強く持っております。そのために指針をどのように構成するかという問題が一つと、指針ができた場合にもなお残るであろう、そういう解釈の余地を通達その他によってどう埋めていくかという問題があろうかというふうに考えております。
 さしあたりその指針の作成でございますが、私ども、スタッフを増強いたしまして、現在、どのような記述にすればいいのかということで鋭意検討しているわけでございまして、まだ、こういうものであればいけるのではないかという段階までは実は至っていないわけでございます。
 なぜそうなるかという点でございますが、一つには、技術をいろいろ業種別に考えるという考え方も実はあったのでございますが、そういたしますと非常に縦割り的になってしまいまして、今の技術の非常にクロスオーバーの性格を弱めてしまうものですから、できるだけ一般的な表現で多くの中小企業者が自由に技術を選択できるような表現にいたしたい、かように考えておるものですから、それと「著しい新規性」との関係をどのように調和させていくかという難問が実はございます。何とかこれを克服しなければいけないと思っております。
 さらに、手続的に申しますと、中小企業近代化審議会の御意見も実は聞いてみたいというふうに考えております。ここに政策小委員会をつくってございまして、技術の専門家などにも、大学の教授とかあるいは公設試験所の所長さん方、いろいろ入っていただいておりますので、そういう御意見を聞いた上で自信のあるものを出したいというように考えておるわけでございます。
 百項目というようなお話をあるいは申し上げたのかもしれませんが、目の子でどういうふうになるかなという見当を申し上げたものというふうに考えております。
○渡辺(嘉)委員 ではもう一遍聞きますけれども、今おっしゃった御答弁は、非常にまじめな、また多少ジレンマのあるふうに私は聞いたのです。なぜかというと、技術を一般的に表現してできるだけ多くの人に活用してもらいたい、対象を広めたいという考え方と、今度は「著しい新規性」という縛りと、この二つがここで衝突するわけなんですね。だから一番の問題は、「著しい新規性」でなければ対象にならぬのです。そうすれば、この中身をどのくらいの項目を予定されて、そしてどの程度のことを考えていらっしゃるのか。そして、百項目あるというのは、私はこれは下請で聞いたわけですから、正式に聞いたわけではございません。しからばどのくらいの項目を予定していらっしゃるか、まずそれを聞かしてください。
○黒田(明)政府委員 その「著しい新規性」というのを非常にピンポイントに絞って指針に書くといたしますと、非常に細かく、何とかの製造技術であって、どういう技術を応用し、かつ、ここがこうなってああなって、回転数が幾らでというふうに仮に規定いたしますれば、これは、それを読んだだけで「著しい新規性」を持っているということが明確になると思うのでございます。しかし、そういうふうに規定をしていきますと、先ほど言いましたように、非常に縦割り的で間に抜け道が、落ちるものが出るかもしれませんし、そういった方式が余り徹底いたしますと必ずしも適切でないというふうに思われます。他方、これを非常に一般的に書いてしまいますと、渡辺委員御指摘のように、またどこが新規なのかという問題が生じます。
 したがいまして、この兼ね合いの問題というのが実はまだ残っておりまして、専門家に検討させておるという状況にございます。したがいまして、その一般性と厳密な意味での新規性を規定いたします場合との間で、ほどのよいところで何とか指針を取りまとめ、足らざるところは通達をもって知事に連絡をいたしたいというのが私どもの今考えているところでございますので、その兼ね合いとして項目が幾つになるかというところは、まことに申しわけございませんが、この国会審議の場で申し上げるほどにコンクリートになっておりませんので、この際は御容赦いただきたい、かように思います。
○渡辺(嘉)委員 今承っておりまして、くどいようですけれどももう少し……。
 私は、この「著しい新規性」というような表現をわざわざ括弧書きにしてまで載せる必要はないと思っているのです。だから聞くのです。本文がありながら、わざわざこんな括弧の中で――よくやる手法なんですが、法律ではうまく書いてあるのです。括弧だとか「但し、」でいろいろな除外をしていくのです、縛るのです。私は、こういう立法のやり方はよくないと思うのです。
 その意味で、今おっしゃったように、この「著しい新規性」などというような表現をしたら、縛ろうと思えばどんなものでも排除できるのです。そんなことをしたら、何のためにこの法律をつくるのか。今までにあるやつでもう十分なんです。こんな余分なものをつくる必要はないとまで考えられるのです、今でもたくさんありますから。今度の場合、これだけ画期的に考えられた、資金に対しても、税制に対しても、あるいはまた助成に対してもいろいろ考えられた、こういうすばらしい法律をつくるなら、こういう括弧書きでわざわざ「著しい新規性」などという縛り方をせずに、これをむしろ外すべきなんです、括弧ですから。
 いま一つは、コンクリートにしていないから百項目かどうか明らかにできないと。コンクリートでなくたっていいのですよ。まだセメントと砂利のままでもいいから、この程度の中身でこのくらいの数を考えておるということを明らかにしてもらう必要があるのです。なぜかというと、それがわからぬと、この法律をつくっておいても、いろいろな制約がありますから、何が対象になるのかわからない。
 私ども、この国会で仮にこの法案が通って、現実にこれが現場に適用になりますよという説明をしたときに、じゃ、こういうことはどうですかと聞かれたら、いや、それはさっぱりわからぬ、まだメニューが来ておらぬ、食堂は開いたけれどもメニューがない、これと一緒なんです。こんなことで法案審議をするということになると、国会審議というのは、まさに霞が関の上の方だけで吹いておって、現場の方には余り関係がないのですよ。私は、こういう法案審議のやり方は好ましいものではない、むしろ、中身はこうです、メニューはこうです、このメニューに対して具体的に国会審議が行われて初めて国民の期待にこたえた国会審議になると思うのです。法案の条文だけやるなら、こんなものはコンピューターでさっといけばそれで終わり、ファックスでいいのです。わざわざ大臣まで列席してこういう国会審議をやる必要はない。
 だから、大臣が後で決めます、こういうふうに法律はなっておりますので、それなら大臣はどういうことを考えていらっしゃるか。「著しい新規性」に縛られなくて、国民の期待にもこたえますよ、そして今の時代の要請にもこたえますよ、こういうことなんですが、では大臣は、おたくに任されるわけですが、任された上でどういうことをおやりになりますか、大臣から承りたい。
○黒田(明)政府委員 私どもが「著しい新規性のあるものに限る」と書いてございますのは、法案をお読みいただきますとごらんいただけますように、技術一般ではない、技術のうちで、第一には、中小企業の事業活動に関連いたします生産等に意味のある技術であること、そして、それが現在の技術革新に即応するものであること、そしてあわせて、著しい新規性のあるものという三つの観点から縛りをかけておりまして、それが表現の問題としては括弧書きに入っているというものでございます。
 それで、私どもの立場から申しましても、実はこの「著しい新規性」というのを余り限定して解釈いたしますと、せっかく私どもがこの法案によって実現しようと考えておりますものが実現できなくなってしまうわけでございますので、私どもとしては、「著しい新規性」があるものに中小企業が挑戦してもらうことによって自主技術開発力がついていくという点に強く期待を抱いておりますのでこのようにするわけでございますけれども、ジャンプしても届かないような「著しい新規性」というのでは、中小企業者がせっかくこういったものに取り緑もうとする意欲を失わせてしまうというふうに考えております。したがいまして、現実無視の厳しい運用ということは毛頭考えておりませんで、ありきたりのものでは困りますけれども、中小企業者がジャンプすれば届くものということを念頭に置いて考えております。
 今、指針の書さ方については、先ほど申し上げましたような事情で、明確にはこういうことになりますと申し上げられないのはおわび申し上げますけれども、どんなことを考えているかというようなものについて例示を申し上げますれば、例えば高機能性高分子材料とか、ファインセラミックスとか、新金属材料等の開発の関連では、こういったものを使った特殊塗料とか、靱性、粘りの強いセラミックスの開発とか、あるいはアルミ用ハンダとか、そういったものが中小企業にとってもターゲットになる技術ではないかというふうに考えておりまして、中身はそういったことで渡辺委員にも御説明もでき、御了解もいただけるものではないかと思うのでございますけれども、指針の対外的な示し方については先ほど言ったような状況にあるということでございます。
 中小企業の実情を無視することなく、私どものねらいは、より多くの中小企業者にこういう分野に挑戦してもらうということでございますから、ターゲットとしては、ジャンプすれば届くといった程度の新規性を目標にしてまいりたいというふうに考えております。
○村田国務大臣 渡辺委員にお答え申し上げます。
 ただいま政府委員からの御答弁で大方御了解をいただけたと思いますが、法律案二条の関係につきましては、実はこれは「技術」という言葉の法律的な定義をしておるわけでございまして、また「通商産業大臣」とございます三条関係等、この「通商産業大臣」というのは、法律体系で、御承知のように、通商産業大臣のスタッフを含めた人々の協力によって通商産業大臣がその行政事務を行うわけでございますので、二条三項の「技術」の限定的な定義、また三条の「中小企業技術開発指針」についての通商産業大臣の行為等につきましては御理解をいただきたい、こういうふうに思うわけでございます。
 法律体系というのは、御承知のようになかなかわかりにくい部分がいろいろございまして、法律の民主化でいろいろわかりやすく書くようにはなっておりますが、私はそのように理解をいたしておるところでございます。
○渡辺(嘉)委員 わざわざ大臣を含めて御答弁をいただいたわけですが、なぜ私がそういうことを聞くかというと、画期的な法律だ、そう私どもも理解をしておるのです、期待をしておるのです。ところが、その中身については通産大臣が定める、国会審議はそこまで及ばないのです。だから私は言うんです。食堂を開店した、しかしメニューは後から私の方でつくります、これじゃだめなんです。これをつくられるときには、大臣はもうスタッフの方々から、中身はこうです、こういうようなメニューを考えております、そういうレクチャーが当然あったと私は見ておるのです。なしにそれが出ておるならおかしいと思うんです。だから私は大臣にわざわざ聞いたんです。大臣はどういうふうに理解しているのか。大臣も実際現場のことはよく知っていらっしゃるはずなんです。
 そういうような意味で、そういう一般論を聞いておったのではいつまでたっても押しくらまんじゅうです。これは後ほどまた先輩の部会長から十分御討議があるそうですから、私はこれ以上言いませんが、やるならばむしろそういうものをそろえて、専門家の意見を今聞いておるというなら専門家の意見をそろえて、万端整えて法案として出すべきだ。そうしないと国会議員の審議は、何回も言うが頭の上を空回りしておるだけなんです、法文を読んでおるだけなんです。私は、これではいかぬ、こういうやり方について今後やめてもらわなければいかぬと思うのですが、この点はどうですか。
○村田国務大臣 大変事務にお詳しくて通暁していらっしゃる渡辺委員の御指摘でございますから、大変ごもっともだと拝聴いたしております。
 ただ、法律案を御審議願います際に、政令事項あるいは省令事項等を定めまして、法律案で書くことが適当でない細目であるとかいろいろな具体的な行政上の問題であるとかというものを政令、省令に落とす場合があることは、よく御承知いただいておるとおりだと思います。したがいまして、重要な事項につきましては、また御指摘がございますればお答えも申し上げましょうし、そういった点は誠実に対応いたしてまいりたいと思います。
○渡辺(嘉)委員 今、「著しい新規性」という単なる表現にこだわらずに、中小企業の実態を無視しないで可能な限界で取り組んでいただく、こういうような御答弁をいただきました。それでよろしいですね。
 では、次に具体的な事例を一、二聞いておきたいわけです。
 中小企業技術改善費補助金という制度があるわけですが、これと本法との関係はどういうふうに理解しますか。
○黒田(明)政府委員 中小企業技術改善費補助金の方は、先ほど私がちょっと二分法で申し上げました一般的な中小企業の技術向上対策に属するものでございます。こちらの法案によりますものは、いわばその上乗せでございますので、お互い相排斥し合うわけではございませんけれども、概念的には今申し上げましたように仕分けをして考えております。
○渡辺(嘉)委員 私の知人がこの中小企業技術改善費補助を受けて開発事業をやったのです。この方は縫製業者で、自動供給装置というものをやったのです。これは全く新しいシステムで、さっきの話じゃないけれども、ひげのちょっと生えたようなものじゃないのです。そういう新しい開発をしたのですが、その所要資金が、原材料費が七十一万円、機械設備が百二十七万円、工具治具等が十四万円、外注加工賃が二百六十五万円、その他二十四万円で、五百一万円かけて開発したのです。そして、それに対する補助金が九十二万三千円来たのです。
 この補助金要綱を見ますと、そういうものに対しましては、国が直接のものは二分の一、そして本人が二分の一で開発しなさい、これが一つの上限として決めてある。それから県がこれにかみますと、国が三分の一、県が三分の一、本人が三分の一で開発しなさい、これが上限ですが、こうなっておるわけです。
 そうすると、この場合に、今申し上げたように五百一万円の事業費をかけて、そして九十二万三千円の補助金を受けた。あと四百万円以上は自弁でやっておる。こういうことが現実には行われておるのです。そうすると、先ほどから私は何回も言うように、こちらで考えたことと現場において実際に行っておることとは違うことが出てくるのです。だから、この人は四百万の資金の捻出のために運転資金に食い込んだのです。この人は十人ぐらいの従業員を持った四千万の年収の縫製加工業者ですが、四百万を研究開発費につき込んでごらんなさい、どういうことになるか。二、三年は大変な苦労をしたのです、運転資金に食い込んじゃったのですから。その成果がすぐに期して待つべきものがあるほどならだれも苦労しないのです。こういう実態があるわけですが、こういうことについてどういうふうにお考えになりますか。
○黒田(明)政府委員 技術改善費補助金は補助対象費用というのが決まっております。これは各種補助金の場合にも同様でございますが、本件につきましても技術開発あるは技術改善を行うに際しましては各種の費用が必要であろうかと思います。そういった点については理解ができるわけでございますが、補助金の性格上、特に補助すべき重点の費用に限ってやっておる。具体的に申しますと、一般的に利用されるような機械が仮にここで使われるといたしましてもそれは対象に入りませんし、人件費などについても対象にされないことになっております。そのような関係で、私は、今渡辺委員が御指摘になられました個々の案件については承知しないわけでございますが、恐らくそういった事情から起こっていることではないかというふうに考えます。
○渡辺(嘉)委員 それは、こういう事例ですから御承知なかったと思うのですけれども、本人はこの技術開発、最初は申請したのです。これをやりなさい、これを申請しなさい、補助しますよということで申請した。ところが、書類やらいろんなことでとてもかなわぬ。本人の人件費は言うまでもなく、自分のところの従業員の人件費も組み入れることができない。それでも物件費だけは助成が出ると思っておった。それでも大変だから、やめたいと言った。しかし、まあせっかくだから出せ出せと言ったものだから、やった。そうして実際にやってみた。五百万使った。助成が来たら九十二万だった。えらいこっちゃ。こういうのが現実に起きるのです。この中には、今申し上げたように本人は当然、従業員の人件費も含めてないのですよ。今申し上げたとおりです。それでも五百万対九十万だということ。
 こういうことから見ると、今度組合に対して補助金を出されるわけですが、事業費に対して補助金の額はどの程度を考えておられますか。また比率はどの程度をお考えになっておられますか。
○黒田(明)政府委員 私ども、補助金交付要領はこれからつくるわけでございます。その際は財政当局と協議していかなければならないわけでございますが、予算の段階で大蔵省と了解しておりますところは、これは組合に対してでございますが、単価千六百万円ということになっておりますが、その組合の選定等の状況いかんによりましては、単価二千万円くらいまでは持ち上げることができるのではないかというふうに考えております。(渡辺(嘉)委員「補助率はどうですか」と呼ぶ)まだ交付要領を定めておりませんので、これから検討させていただきたいと思います。
○渡辺(嘉)委員 時間がありませんので次に進みますが、技術改善費補助金、この要綱には、補助率は二分の一以内、あるいはまた三分の二以内、十分の六以内、こう書いてある。これを見ておると、みんなこれだけ出ると思うのです。ところが、実際は今申し上げたとおりなんですね。こういうことになったら、開発した、補助金出なかった、えらいことですよ。ですから、そういうような意味で、もっときちっとしたものをそろえて法案審議に出していただかないと困るのです。よかろうよかろうで賛成した、実際に現場におりていったら羊頭狗肉であった、これでは困るわけですね。だから、そういうような意味で中身をもっときちっと整えて法案は出すべきじゃなかろうか、こう考えるのです。第二点はそれを言うのです。
 しからば、今度は日時のことを聞きたいわけです。
 今の場合でも、その年の六月に申請したのです。そして、それに対して十月に補助金交付の通知が来たのです。まだ金額が書いてなかったですが、補助金交付の通知が来た。それで金が来たのは明くる年の三月末です。そうすると、今度の場合は組合建てですし大きいわけですから、どういうふうな日程で、いつ申請して、いつそれに対するヒアリングがあって、そして着工はいつで、そして金が実際に出てくるのはいつか。これを聞いておきませんと、新しい技術だと思ったところが、二年も三年もかかって出てきたんじゃ、もうそのときは遅いわけですから。そしてまた、かかろうと思ったって金がなければかかれませんから。せっかくいろんな資金の手当てもしたよ、なにもしたよ、事業団の金も借りられるようにしてあげたよとおっしゃっても、いつそれが出るか、これを日程的に明らかにしてもらいたい。
○黒田(明)政府委員 技術改善費補助金の対象となる経費につきましては、これも通常のやり方でございますが、応募要領で明記しておりまして、応募する段階で中小企業者の側におきましてどの費用が対象になるかならないかということがわかるように私どもとしてはやっているつもりでございます。したがいまして、もし疑問がございます場合には事前に御相談いただきたいわけでございます。
 それから、今回の技術高度化補助金につきましてはいささか事情が違ってくるかというふうに思います。と申しますのは、今回は法律によります認定手続というのがございます。したがいまして、認定の段階で技術の内容でございますとか、あるいは実施方法、それに必要な資金などについても認定の対象にいたしますので、ある程度この段階では補助金の中身についても明らかにし得るのではないかと思います。
 それから、認定を受けた後、正式に補助金交付の申請が行われるわけでございますが、どれくらい日数がかかるかという点については、申請の個々の内容によるところもございますので一概に申し上げることはできないのでございますが、渡辺委員御指摘の御趣旨は私どもとしても大変よくわかりますし、自戒しなければならないと思いますので、迅速に手続を進めてまいりたいというふうに考えます。その一つの方式といたしましては、計画認定の段階で並行して補助金の話を進めるというようなことも可能ではないか、そうすれば早期に補助金交付が可能になるのではないかと考えます。
○渡辺(嘉)委員 次に問題になるのは、今度はその認定は県がやるということですね、都道府県知事がやるわけですから。そうすると各都道府県ごとでばらばらになる危険もなしとしないのです。私は、あくまで本法のことで聞くのですよ。しかし、先ほど申し上げたこの技術改善費補助金等につきましては、岐阜県等においては中小企業技術向上奨励費補助金となっている。だから、現場で指導するときには改善くらいではだめだというものですから五百万もかけて新規なものをつくっていった。ところが、通産の考え方は、改善だ、こう言うのです。改善というのはひげが生えた程度であるかもしれない。それでもいいはずなんです。そういうような意味で、ここで問題になるのは、その認定の中身、どういう程度のものを認定していくかということと、認定の期間。じゃ、どのくらいの期間に認定してくれるのか、これが半年も十カ月もかかっておったんじゃだめですから、申請したら二月ぐらいで認定してくれるのか、あるいは前もって内申請をしておいて、内申請に一年ぐらいかかって、表に出たときには二月になるのか。よく役所のやり方は、内申請させておくのです。それに一年くらいかけておいて、そしてもうよしとなって表へ出したときには一月とか二月、こういうことになりまするので、この点について認定の方法、中身、日程、それを各県にはどういうふうに出されるつもりか、明らかにしてください。もし時間がなければ、また後でも結構です。
○黒田(明)政府委員 県に委任いたします関係上、県の判断というのも排除できませんが、御指摘のとおり早く処理できるように各県を督励してまいりたいと思います。
 従来の実績から考えますと、高度化補助金については二、三カ月で処理できるのではないか、それから高度化事業につきましては、過去の実績から見て十カ月ぐらいはかかるのではないかと考えます。
○粕谷委員長 それでは本会議の時間が参りましたので、渡辺委員の質問は一時中断をさせていただきまして、午後零時四十分から委員会を再開いたします。
 この際、暫時休憩いたします。
    午前十一時五十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後零時四十六分開議
○粕谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。渡辺嘉藏君。
○渡辺(嘉)委員 県の認定期間の問題につきまして先ほど御答弁いただいて、それに近代化、高度化等もいただいたわけですが、近代化は二、三カ月、高度化は十カ月、こうなったわけですが、今回、資金手当てを事業団等に協調を受ける、設備資金それから運転資金、こういうことになっておるわけですが、これは高度化並みに十カ月もかかっては大変なんですが、二、三カ月で県がその技術開発計画を認定した、そうしたときには直ちにこれに融資の方が対応できる、こういうふうに理解していいですか。
○黒田(明)政府委員 先ほど私が御答弁申し上げましたのは、技術開発計画の認定につきましては個々の開発内容によるものでございますので、一概にどれぐらいということを申し上げるわけにはいかないということでございます。
 今度の計画認定を受けました組合を対象にして交付することを予定しております技術高度化補助金につきましては、過去の産地法などの実績から判断いたしまして二、三カ月で交付をすることが可能ではないかということを申し上げたわけでございます。
 高度化融資につきましては、過去の実績では事前に診断、指導が入るものですから、実際に申しまして十カ月ぐらいはかかる、こういうことでございます。ただ、計画の認定があって、それから補助金の申請をし、それから高度化融資の申請をするということでは非常に時間がかかりますので、そこは運用上、並行してやるとか先行してやるとか種々の方法がございますので、できるだけ全体としては短い期間で処理ができるように工夫を凝らしたい、かように考えております。
○渡辺(嘉)委員 では、それはひとつ実情に合わせて可及的速やかにやれるように、迅速に対応できるようにお願いしたいということとともに、県の認定期間は、これはある程度やはり枠をはめておいていただかないと、いいものならいい、悪いものなら悪い、こういうふうにはっきりしておかないと困りますので、この点は要請しておきます。
 次に、第二条の二項で、今度は補助金の対象は「組合等」、こうなるわけですが、この「組合等」については、事業協同組合または特別の法律で定めた組合及び社団法人等を選別しておられるわけですけれども、企業組合、協業組合がこれから、抜けておるわけですね。わざわざ抜けておるわけです。また設立の本質がどうとかこうとか、そんな論議を今聞くつもりはないのです。しかし、実態としては協業組合でも企業組合でもそれ自身が共同体ですから、これも一事業者だというふうな見方でなくて、これも「組合等」の中に入っておるんだ、こういうことが実態論から好ましいと私は思うのですが、これはぜひ御答弁いただきたい。
    〔委員長退席、浦野委員長代理着席〕
○黒田(明)政府委員 企業組合の性格なり従来の取り扱いなりにつきましては渡辺委員大変お詳しいわけでございますが、御承知のように、企業組合は協同組合法におきまして一つの中小企業としてとらえられておるわけでございます。企業組合の中に参加している人たちを構成員としてとらえるかどうかという問題は、御承知のように今の中小企業団体の全体の認識にかかわる問題でございまして、既にこれまでの立法例におきましても、企業組合は中小企業という地位において各種の施策に参加していただく、かようになっているものですから、私どもとしては従来の考え方に立って今回の法律案でも取り扱うのが適当ではないかと考えているわけでございます。
 協業組合につきましてもほぼ同様に考えております。
○渡辺(嘉)委員 企業組合や協業組合、これを今やっておりますと時間がありませんが、私は何回も言うのですが、今まで除外しておることがおかしいと思うのですよ。それがために共同してやりなさい。特に実態として、協業組合でも企業組合でもそうですが、そこで合体し、あるいはまた分散型で連携経営をやりながら、それによって所期の目的を達しておるわけなんです。とすれば、これは当然組合の範疇に入れるべきなんです。入れてない方がおかしいのです。だからこの点は後ほどまた十分時間をかけたい、こう思っておりますが、私はこれを強く要望しておきたい。
 そこで、そういう補助金を出すということが今度の法律の大きな目玉なんだ、こう見ておるのです。ところが、その補助金を出すということについて法文にはないのですね。先ほど御答弁いただいた、一組合千六百万くらい見ておりますよ、時にはこれが二年になり三年にもわたりますよ、これは非常に画期的なことでいいことなんだ。ただし、これは法文にはないのです。先ほどの中小企業技術改善費補助金でも法律にはないのです。予算が通ったら後は通産、中小企業庁で執行だけされる、こういうやり方は好ましくないと思う。
 せっかくこういうふうにやられるのだから法文に明らかにする。そして、当初想定された、二分の一補助します、二分の一自己負担ですよ、あるいはまた、国、県で三分の一助成しますよ、三分の一は自己負担ですよ、こういうふうに受け取っておるなら、それが実行されるようにするには、法律でないとできないと私は思うのです。後は通産、中小企業庁、おたくらの中だけで内部規則をつくってやっていくということは法の趣旨を曲げる危険がありまするので、そういうことは法文に入れてきちっとやるべきだと思うのですが、なぜ法文に入れないか、この際御答弁を賜りたい。
○黒田(明)政府委員 各省の法律を見てみますと法定補助金になっているものも相当数あることは承知いたしておりますが、法定補助金がしばしば硬直的になるというような理由で政府部内ではなかなか、新規に法定補助金を設けるということについては困難がございます。私どもも法定補助金という考え方もあり得るかとは思うのでございますけれども、要は補助金の継続性それから交付手続なり交付基準の透明性ということが究極的には重要な問題ではないかと思います。その意味では、私どもは補助金の継続性につきましては大いに努力をしてまいりたいと思いますし、交付要領とか応募要領などでこの補助金の交付につきましては透明性を確保して、先生の御指摘にありますようなブラックボックスに入ることのないように努力してまいりたいと思います。
○渡辺(嘉)委員 時間がありませんので次に移りますが、今申し上げたように本法は十年の時限立法でございますから、こういうものは法律に明らかにしておいて、そして、そのときの環境によってですけれども、法律が消えたら補助金も消える、法律が続いたら補助金も続けていく、こういうことを明らかにしておくことが政治の透明性、補助金の公平性から見て、また、きちっとした補助体制をつくる意味においても必要じゃないか、こう思いますので、この点をひとつお含みいただきたい。これは大臣にも特にお願いをしておきます。
 それから税額控除の問題、これは二つ目の大きな目玉ですが、今度必要経費の百分の六、それから従来からある試験研究の資産総額の百分の七、これが税額控除になったことは非常に大きな前進だと私は見ております。その意味でこれは大蔵省と通産と両方に質問したいわけです。
 一つの例を挙げますると、先ほどもちょっと申し上げました企業は四千二百万円の年収を上げているのです。縫製加工賃四千二百万円。これの純利益が百二十一万円。かけた費用が先ほどの例でいくと五百万。ですから六%、三十万引ける、こう考えた。ところが、純利益は百二十一万ですから税額にすると四十五、六万。そうすると、それの百分の十五で頭打ちをするわけです。ということになりますると、予定した金額の控除ができなくなる、こういうことがあるのですが、この点はどう思われますか。通産と大蔵と両方から答弁してください。
○末木政府委員 確かに百分の十五の制限がございますけれども、租税特別措置はある意味では税制の公平というものを犠牲といいますか、例外として特定の政策目的のために税を軽減するという措置でございますから、受ける方からすればそのメリットは大きいほどもちろんいいわけですし、政策効果も大きいわけでございますが、そういう事情である程度限定を設けているのが従来の例でございます。
 そこで、本件につきましては、中小企業の技術振興を税制上考えてまいります場合に、従来主として使われておりました税制は、試験研究費が増加した場合の税額控除という制度がございましたが、これですと中小企業は非常に使いにくいということで、そこの反省に立って、それに対するものとしてこれをつくった。従来は増加試験研究費の税額控除の場合には頭打ちが税額の一〇%でございました。それを今回は中小企業に使いやすくするためにこの制度を設けまして、同時に頭打ちを一五%にしてございます。そういう意味では、これは、これまでの租税特別措置のいろいろな例に照らしまして精いっぱいの措置を講じたものだと思っております。
○濱本説明員 大蔵省に対しましてもお尋ねがございました件、御回答申し上げたいと存じますが、基本的な考え方は、ただいま通産省の方からお述べになりましたことと全く同じように考えでございます。
 ただいまのお尋ねは、基盤技術開発の研究用資産に関しまして税額控除の頭打ちを設けている点につきましての御指摘と考えますけれども、確かに特別措置によりますメリットが余りにも過大になるということには問題があると考えまして、従来からこのような制度を仕組みます場合におのずからそこに限度を設けてまいっておるということでございます。
 ただ、これに関連いたしまして思いますのは、別途ございますエネルギーの利用効率化等の投資促進税制でございますとか、あるいはまた中小企業の場合、中小企業の新技術体化投資促進税制等の税額控除制度もあわせてこれは御活用いただけることを考えてみますと、それは相当の規模には達すると考えられます。一発言する者あり)
○渡辺(嘉)委員 委員会の構成ができておらぬそうですから、質問をしばらく留保します。
○浦野委員長代理 暫時お待ちください。――速記をとめてください。
    〔速記中止〕
    〔浦野委員長代理退席、委員長着席〕
○粕谷委員長 速記を起こしてください。
 渡辺嘉藏君。
○渡辺(嘉)委員 今、税額控除の問題で答弁をいただいたわけですが、甚だ合点がいかぬのですけれども、もちろん野放しで幾らでも税額控除、こんなことはあり得ない、これは当然なんです。ただし、今申し上げたように、それぞれの中小企業がやるような場合には、これは今の「著しい新規性」なんというのは、大変なことをやろうと思えば非常に危険だということですね。とともに、そういう中小企業が納める税額の判断からいたしますと、そうすると先ほどの基盤技術の高度化の場合は、百分の七に対して税額の上限は百分の十だったのです。今度百分の六ふえたんですから、もちろん必要経費ですけれども。とすれば、それが十五というふうでなしに、もっとやはり上限を伸ばして増額する、このことが必要じゃないか、これを僕は言いたいわけです。
 とともに、時間がありませんから次の質問もいたしますが、この控除対象は青色申告を提出した者並びに法人、こうなるわけですね。青色申告を行う者に対する幾多の税法上の特典はもう既にたくさんあるのです。私はそれはそれなりで価値があると思っておる。今度この技術開発を行う場合の税額控除にもわざわざ青色申告を提出する云々こういう規定を置いていたわけですが、私は、もうこの規定の必要はない、こう思うのですが、どうですか。
○末木政府委員 私どもが承知しております産業関係の租税特別措置の対象は、これに限りませず、すべて青色申告をする方に限っております。
 手元の資料によりますと、最近では青色申告の比率も上がっておりまして、法人の場合にはほとんど青色、個人の場合でも六割ぐらいが青色でございます。したがいまして、所定の帳簿を備え、記録をしている方に租税特別措置を適用するという方針で政策目的の実現上は支障なかろうと思っております。
○渡辺(嘉)委員 国税庁にも聞きますが、今の青色申告、それを対象とする、記帳その他が明確である、あるいはまた青色申告を推奨しよう、青色申告の推奨はこの技術開発のこういう税額控除にまで及ぼす必要はない、技術開発の税額控除は技術開発の税額控除として扱うべきなんである、青色申告の推奨は、これはまた別途にやればいいのです。
 なぜそれを言うかというと、御案内のように昨年から白色申告の場合でも七年間の保存義務を課した記帳義務が課せられたんです。そして三百万円以下の記帳義務でないものでも取引に関係した書類は五年間保存しなさいと所得税法で決めたんです。そこまで決めておるのです。そこまでやっておるものを、これから新しくできた法律なんですから、去年以前ならともかく、去年以後ことしはもう白色申告にも記帳義務が課せられたんです。これは当然白色申告であろうと何であろうと普遍的に技術の開発研究をやったものには適用させるべきだ、こういう考え方から私は申し上げるのですが、国税庁どうですか。
○濱本説明員 租税特別措置と申しますものは先生先刻御承知いただいておりますように、あくまでも税制上の公平というものをある程度犠牲にいたしまして、特定の政策目的のために資する措置を導入するというわけでありますから、そこに集中的にある利益が付加されるわけでございます。
 したがいまして、それを受けとめる受け皿といたしましても、相当しっかりした受け皿が必要であろうというふうに考えられまして、例えば今御指摘がございました帳簿を備えつける等きちっとした経理が行われるということが前提でなければならないと考えております。従来からかかる制度につきましてはそのような組み合わせで措置は講ぜられてまいったと存じます。
 そこで、確かにただいま御指摘がございましたように、先年の改正におきまして記帳義務の制度が拡充いたされました。従来の白色の方々に対しましても一定の記帳義務が課せられるということになったわけでございますから、先生の御指摘のようにそのような人たちにもそういう利益が及んでいいのじゃないかということも確かに一つの論点であろうかとは思います。しかし、よく考えてみますと、従来の青色の記帳水準に比べますと、青色の中にも通常の記帳水準に対しまして青色の簡易記帳水準というのがございますが、その簡易的な記帳水準をさらに下回るというか、さらに簡易な水準を今回白色の人たちにもお願いをするという改正が行われたわけでございまして、その水準というのはいわば申告納税制度を定着させ発展させていく上におき良して最低限必要と今の段階で考えられます水準をお願いしているという認識がございまして、この水準をもって直ちに冒頭申し上げましたような租税特別措置のいわば受け皿的な、それに十分耐えられるような記帳水準であるというふうには必ずしも私ども認識をしておらないということでございます。
○渡辺(嘉)委員 国税庁がいわゆる青色申告に伴う記帳制度、それの簡易なやつを今度白色申告で記帳義務をさせた、こう言っていらっしゃるけれども、そんなものじゃないのですよ。実際に現場で書くときには青色申告であろうと今度のあの記帳義務のやり方からいけば、もう中身的には同等に等しいのです。だから、そういうような意味でこれは技術開発の税額控除なんですから、青色申告の推奨政策のためにやるやつじゃないのですから、これは当然中小企業庁は国税庁と交渉してこんなものは外すべきだと思うのですが、それが実態になっているのです。去年そういうふうに記帳義務を課したから私は特にこれを申し上げるのですが後ほど一緒にこれは御答弁いただきます。
 いま一つは、それの施行令には物件費並びに人件費を必要経費とするということで今度出てきたわけですが、その中に括弧書きでこれもまた専門的知識をもって当該試験研究の業務に専ら従事する者に限ると出てきたのです。これは中小企業の中でそういうエリートですばらしい素質を持って専門的にやるような者を抱えれるかどうかということです。この条文を見ておると兼業してはだめなんですね。法文ではうまく出ておるけれども、括弧書きでみんな縛っていって排除されるというやり方は全く実態を無視しておると私は考えます。この括弧書きは施行令ですから当然直してもらなわなければいかぬ、また直し得ると考えるのですが、どんなものでしょう、これは両方から承ります。
○末木政府委員 私ども初めの点につきましては、こういったものの租税特別措置の適用対象を限定することによって白色の方を青色に移す材料にするということを考えておるわけじゃありませんので、その点についてはこの問題とは全く別だと考えております。そういうことと離れまして中小企業の技術振興そのものに即して先ほどお答えしたわけでございます。
 それから第二の点でございますが、具体的にどういう細目でどういう費目を見ていただくことになるかという点につきましては、この法律がまだ御審議いただいている過程でございますから、成立した後で大蔵省当局とも国税庁とも御相談して、私どもとしてはできるだけ中小企業に利用しやすいように細目を決めていただきたいという希望は持っております。ただ、これは過去に技術関係のいろいろな税制もございますし、そういったものとの均衡なり前例等をある程度尊重していかなければいけないと思いますし、それは法律成立後の検討事項でございます。
○濱本説明員 税額控除の制度というのは要するに税の絶対免税でございます。したがいまして、最小限の要件が必要であると考えておりまして、従来の増加試験研究費の制度を仕組みますときに、その対象はきちっとした研究者がこれに当たるということが前提でなければならないと判断されてまいったわけでございます。今回も試験研究費につきましての措置はその意味ではこの延長線上にあると考えておりまして、既に政令においてそのような手当てをさせていただいておるわけでございます。
○渡辺(嘉)委員 国税庁に申し上げておきますが、この措置法の施行令の第五条の三の二項にうたっておるのは法十条の二項の試験研究ですが、これは大企業等を対象にした基盤技術のものなんです。それをそのまま中小企業に持ってこられちゃかなわないですよ。そんなものは歯車が合うわけないのです。だから大蔵省、この点は十分実態を分けて考えていただいて、実効のあるような措置を講じてもらいたい。
 それとともにこれはもう一遍大臣にお伺いしておくわけですが、先ほどから何回も申し上げておるわけですが、技術開発の研究対象がまだ明らかでない。法律はつくった、しかしそういう対象はまだ明らかでない。食堂は開店したけれどもメニューはない。こういう中身では国会審議はどうしても地についたものでない。また補助金制度につきましても、これは法律でなしに内部規程でおやりになる、これも今の答弁ではまだきちっとしたもののように考えられない。組合の範囲の拡大等につきましてもいろいろな意見も聞いてもらわなければ困る。こういうような意味からこれはもう一度審議をやり直すくらいのことを考えないと、大臣がいつもおっしゃる慎重に審議してほしいというように提案されたわけですが、きょう一日で審議してしまって、聞くところによるとどうもきょう決着をつけるというような話だそうですが、これはもうちょっと審議のし直しをするような、慎重審議をやるために今申し上げた資料が出せるなら直ちに出してもらいたい、出せなければ無理じゃなかろうか。
 これも大臣にきちっと御答弁いただきたいのですが、先ほど申し上げましたように、三分の一は国、三分の一は県が出す、三分の一は自己負担だ、こういう想定で進められた先ほどのいわゆる自動供給装置五百万かけてやった。ところが、九十二万しか補助金がこなかった。その中小企業は大変な苦労をした。二、三年は本当に苦労した。そういうことから見て、中小企業には八〇%も融資をするとか無利子があるとか二分七厘の低利で出しているとか、いろいろおっしゃる。なるほどいろいろなバラエティーに富んだ施策があるのですが、現場では実際にその恩恵は屋根の上からじょうろみたいなものなんです。下にまでなかなかしみないのです。ですから下の方では、通産省が想定し大臣が想定していらっしゃるような二分の一いっておるはずだ、三分の一負担させただけのはずだとおっしゃるけれども、実際は今申し上げたように八〇%自己負担で苦しい研究開発をやって、研究開発をやったがために後の経営を苦しくしてしまったという例が多いわけですから、そういうことのないように万全を期してやっていただくこともあわせて御答弁をいただきたい。
○村田国務大臣 渡辺委員の先ほどからの御指摘は先ほどからつぶさにこちらで承っておりましてよく了解いたしました。先ほども申し上げたことであり、またこれも渡辺委員に申し上げるのはお釈迦様に仏法を説くような感じがいたしますけれども、要は省令、政令に任せられている部分もあり、また法律で定められた法規裁量の点と行政機関に任せられた自由裁量の点もございます。そういった民主主義における分業の点も御理解をいただきまして、ぜひこの法律の成立につきましてよろしくお願いしたいと存じます。
 また、今渡辺委員御指摘の点は今後心して、できるだけ対応するように努める所存でございます。
○渡辺(嘉)委員 以上で終わります。
○粕谷委員長 これをもちまして渡辺嘉藏君の質疑は終わりました。
 この際、三十分間休憩をいたします。
    午後一時二十八分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時五十九分開議
○粕谷委員長 それでは、休憩前に引き続きまして会議を開きます。
 質疑を続行いたします。上坂昇君。
○上坂委員 今提案されております中小企業技術開発促進臨時措置法案の審議に入る前に、仄聞をいたしましたが、九州の高島炭鉱におきまして炭鉱災害が発生をしたということであります。非常に不幸なことでありますが、その模様をまだ詳細にはおわかりになっていないとは存じますけれども、現状について御報告をいただきたいと思います。
○村田国務大臣 お答えを申し上げます。
 第一報が正午過ぎに入ってまいりまして、その後また追加して情報が入りつつありますが、未確認情報でございますので、若干間違っておる点があればお許しをいただきたいと思います。
 けさの午前九時前後、長崎県西彼杵郡高島町所在の三菱石炭鉱業株式会社の高島炭鉱の飛島二卸春場で煙が発生いたしまして、九時二十分ごろ全員避難指令を出した。入坑者はゼロ片坑道まで退避するとともに四名を救出したが、残り十数名が閉じ込められ、そして現在救護隊が入坑して救出作業をしておる。救出作業の結果、現在までに十一名の死亡が確認された模様であるということが情報として入っておりまして、非常に痛ましいことでございまして、直ちに通産省立地公害局の災害担当参事官を現地に派遣いたしました。そしてとるべき措置について現地と今いろいろ打ち合わせ中でございます。
○上坂委員 昨年の一月に三池炭鉱の災害がございまして、八十三名の方々が亡くなりまして、非常に不幸な事態が続いております。今回の炭鉱は非常に条件の悪いところでありますから、なかなかこれからの作業も大変だと思いますけれども、通産省としても十分調査をされまして対策を講じられるように希望いたします。
○村田国務大臣 炭鉱の保安問題、こうした事故というものの発生について、私も就任以来一番実は常に配慮をしておるところでございまして、事故が起こらねばいいがということを神に祈る気持ちでおりますが、こうした事故に接しまして本当に心配をいたしております。できるだけのことをいたしたいと思います。
○上坂委員 それじゃ本題の質問に入ります。
 まず一番先に、さきに可決いたしました基盤技術研究円滑化法とこの法律との関連性、これについてひとつ御説明をいただきたい。
○黒田(明)政府委員 基盤技術センター法の方は、ややもすれば我が国において基盤技術の試験研究が外国などと比べておくれがちである、特に民間の活力がこの方面に導入されることが極めて望ましいというような観点から、基盤技術に着目いたしまして、民間活力を導入し、特にその試験研究について振興促進を図っていくというところに法律の目的なりねるいなりがあるかと思います。
 私どもが御審議をお願いいたしております中小企業技術開発促進臨時措置法の方は、中小企業の技術開発の現状、将来あるべき姿などに着目いたしまして、必ずしも技術は基盤技術には限らず、他方、技術革新の潮流に即応した技術に中小企業を誘導するというところに目的を置き、かつ、中小企業の自主的な技術開発力の涵養というところにねらいを定めております。したがいまして、中小企業が基盤技術についての試験研究を実施するという場合には、あちらの法律の対象にもなりますし、ほとんどの場合、私どもが御提案いたしております中小企業の法律も適用になるというふうに考えます。他方、私どもの法律には当然大企業は参入することができませんし、中小企業のこの法律と、あちらの法律とは、いわば一部中小企業にとっては二重でありますが、お互いにカバーし合わない面もあるという関係にあると考えております。
○上坂委員 けさテレビ放送がありまして、我が国の企業の、企業ばかりじゃないですが、公私を含めまして研究開発費の報道がされたのです。それを見ていますと、日立が二千百九十億円で、研究開発費を出しているトップなんです。あと企業がずっといろいろ続いています。電機産業あるいはその他の非常に大きな企業が続いております。そして七番目に顔を出すのが公的な技術開発なんですね。これが工業技術院で千百三十億円、そして七位というふうに出ています。もう一つ、東京大学が十一位になっておりますが、一千億円を出している。それで、実を言うと、民間といわゆる公的な機関におけるところの研究開発費というのは三対一の割合になっているということなんですね。したがって、研究開発に対する熱の入れ方が非常に弱いように報道されておるわけですね。国としてはもっと研究開発を進めるべきではないかという報道がされておったわけです。
 今までずっとこれに類する、特に先端技術あるいはまた情報化社会に対するところの対応として幾つかの法案が出まして、そしてこれらに対する審議がなされてきました。しかし、これはあくまでも民間の活力といいますか、そういうものを導入し、活性化していくということに基本があると思うのです。国の方では融資であるとか助成であるとか、あるいは税制であるとかということで、民間の企業の育成、そして先端技術の育成なり技術革新の育成を図っていくということになっていると思うのです。その意味で、それをやることは当然必要でありますし、重大なことだと思いますが、通産省としても国の、公的機関としての研究開発というものに一層熱意を入れていく必要があるのではないか。したがって、そうしたことに対するところの通産省としての考え方をお答えいただきたいと思います。
○石井政府委員 私からすべてをお答えすることが適切かどうかわかりませんが、御指摘のように公的研究投資のシェアといいますか、これは各国比較におきますと日本は非常に低いということは事実でございます。それから御指摘のような研究開発投資額の水準というものも必ずしも十分なものではないというふうに考えておるわけでございますが、前回の基盤技術研究円滑化法におきましていろいろお話し申し上げたと思いますが、とにもかくにも国あるいは公立の研究機関と、それから民間企業の持つ活力を精いっぱい引き出すということがこれからの研究開発推進に必要でございますので、そういったベストミックスといいますか、そういうものを求めて、今後の研究開発推進を行っていくべきではないかというふうに考えております。
○上坂委員 そこで、これから非常に大きな公的機関としての任務をこの研究開発も持つということを前提にして、具体的に法案に関係する問題について御質問いたします。
 今度の法律は、一条、目的があります。これはどの法律でもそうなりますから当然でありますが、第二条に定義が行われているわけであります。そしてその定義で、適用されるいわゆる中小企業なり、あるいは企業組合なりというものが定義をされてきているわけでありますが、この三項に技術開発に対する、先ほど渡辺委員からいろいろ質問がありました問題が提起をされております。
 この問題をちょっと置きまして、その次に出てくるのが第三条のいわゆる指針であります。技術開発の指針というものがきちんと立てられて、そしてその技術開発の指針に基づいて中小企業者あるいは組合は、自分たちがこれから開発しようとするところのいろいろな問題に対する計画を設定をして、そしてその次には都道府県知事の方にこれを提出をして認定を受けることになるわけであります。そして、もしそれが認定をされますと、そこで国の資金の確保あるいは税制の優遇ということが出てくる、これがこの法律の基本になっていると私は思うのです。
 したがって、先ほど渡辺委員からもるる述べられましたが、いわゆる指針というものは、ここで非常に重要な役割を果たすと思うのです。これがないことには、どんなことをやっていいかわからないわけですね。我々もこれを質問する場合に、この技術開発の指針というものについて、どういうものか見当がつかないわけであります。したがって、質問するにも非常に困難をする。質問するのに困難をするということは、大臣がいつもおっしゃっている慎重な審議をするということに非常に支障を来すということになるわけであります。
 そこで、この指針は一体どういうものであるかということで要請をしたところが、渡辺委員からも指摘がありましたように「技術の内容について」という一枚の紙が回ってまいりまして、そこに例が五項目あるわけです。これをずっと見てみますと、何か今やっているようなこと、どこでも進めているようなことだと思うのです。ところが、こんなようなものですという説明しかいただけないわけです。ですから審議をしろといっても、一体どこに目標をつけて技術開発の、いわゆる中小企業に対する、これは民間の活力を引き出すという意味ですが、どこにその焦点があるのか、ここのところがどうしてもつかめないわけであります。そういうところから、私はこの法律はナマコ法案だ、こう思っているわけです。肝心の骨がないのですね。ですから、ぐにゃぐにゃして全くこれはつかめないのですよ。こういう法案を提出をするということは一体どういうことなのか、ここがどうも私には疑問に思われるのです。
 先ほど加藤先生の質問がありまして、この法案は一体だれのためにつくったのか、こういう質問がありましたね。これは中小企業者のためにつくったんだ、こういうことなんですが、ほかから声が出まして、通産省のためにつくっているんじゃないかという声が実際出ているわけです。どうも私もそういう感じがしてならないわけであります。
 先ほどの基盤技術センター、これは大企業を含めて、そしてその中に中小企業も含めていろいろな形で技術開発なり技術革新というものを促進していくための対策を立てる、こうなっておりました。したがって、こういう法案、今の技術センターの法律は、概してこれはやはり大企業が利用するところが非常に多くなってくると思うのですね。中小企業が中央まで出てきて、そしてこれに対していくということはなかなかできない。やっぱり大企業が来ていれば、どうしても一歩退かざるを得ない、こういうことになってしまうと思うのです。
 そこで、一方で大企業に対する厚い法案を出したから、今度は中小企業にも幾らか何とかしなければならないなんという考え方で、そして緊急に決めて出したのではないかと憶測をせざるを得ないことになってしまうのですが、そうではないというお答えが出てくるだろうとは思うけれども、本音のところをひとつお話をいただきたいと思うのです。
○石井政府委員 ただいま御指摘のような御懸念をお持たせしたというのは、私ども非常に残念でもございますし、また申しわけないと思っておるわけでございますが、現実のこの作業のプロセスについて、私昨年六月に着任いたしましたが、その以前からのプロセスを正直に申し上げまして、ひとつ御理解賜りたいと思うわけでございます。
 これは技術革新の進展を中小企業としてどう受けとめていくかということを、実は一昨年の秋からベンチャービジネス研究会という形におきまして検討を始めたわけでございます。このベンチャービジネス研究会報告が六月十八日、実は私の着任の前の日にでき上がったわけでございます。これを検討してまいった段階で、これを骨格にして法案化ということが当初の目的であったわけでございますが、しかし実態問題といたしまして、ベンチャービジネスとは何か、また五十年前後、第一次ベンチャービジネスブームがございまして、一昨年あたりから第二次ベンチャービジネスブームと言われておりますが、そういったブームに乗った形で中小企業行政を推進するわけにいかないのではないか。また、ベンチャービジネスの歴史が浅いがゆえに、その経営実態等十分統計的に把握できていない、こういったものをベースにしては中小企業対策を推進できなかろう。
 まさに現在振興すべきは、技術革新に対応した中小企業の自主的努力を支援することに問題の焦点があるわけでございますので、したがいまして、中小企業の技術開発を全体として推進する。しかしこれは午前の答弁でも申し上げでございますが、例えば中小企業の技術基盤を強化するという意味において、技術基盤強化税制等、全般的な施策のほかに、やはりこの技術革新の潮流に挑戦をして、中小企業がみずから積極的に技術革新に参画するものを支援するということで、焦点を合わせて立法化をしたらどうかということになりまして、中小企業近代化審議会の議を経まして、この法案の作成をいたした次第でございます。
 長々とお話ししましたが、そういう審議の過程を経まして、私自身もこの技術開発指針というものが出せるかということは、三度ため押ししております。法律案を御提出する段階で、例えば指針という形において、指針に盛り込むべき項目を御設定いただきまして、行政府にお任せ願う立法例というのは間々あるわけでございます。最近では、例えばテクノポリス推進のためにつくられました法律におきまして、開発指針を政府が定めて、これを推進するということでございます。
 そういう意味では、その立法例に準拠したものということで御理解を賜りたいわけでございますが、いかんせん、先ほど御指摘の「著しい新規性」等、直ちにイメージがわいてこないという意味におきまして、この技術開発指針がどうなるのかという御疑念を生じせしめたのは当然かと思うわけでございます。私ども、近代化審議会の政策小委員会を開きまして、大学の先生方にお入りいただきまして、この技術内容も相当程度は詰めでございます。
 しかし、これは先ほど来御指摘のように、中小企業庁が横断的に、中小企業の業種を所管いたします関係省庁と調整をとりながら、総体として中小企業の技術振興に当たるということでまいりますと、関係省庁の調整をすべて経た上でこれをお出ししなくちゃいかぬということになるわけでございますが、それはこれから政策小委員会で詰めた上で今後確定をする、今そういうようなプロセスにございますので、すべて確定的に申し上げられないということでおしかりをちょうだいいたしておるわけでございます。
 いずれにしましても、先ほど来次長から御答弁申し上げておりますような、現在の技術革新に挑戦する中小企業の自主的努力を幅広く支援できるような開発指針づくりに今後精を上げてまいりたいと思いますので、御理解を賜りたいと思う次第でございます。
○上坂委員 今の答弁で、各省との協議をして、それで関係の大臣の意見を聞く、その上で指針をつくるんだ、こういう御答弁があったわけですね。
 そこで、普通こうした法律をつくる場合、ある程度事前に協議をして詰めておくという形がないと、法律ができてから各省との間に分捕り作戦が行われるのが通例であったわけですね。したがって、せっかくこうした立派な法律をつくろうとするのでありますから、やはり事前に詰めるだけのことを詰めて、そしていつでもこれに対応できるような形にしてから出すべきだ、そういうふうな格好にすれば、これは指針でもある程度の骨格というものはわかったと私は思うのですね。ここへ提出していただくことができると思うのです。ところが、そういうものが全くありません。
 しかも、先ほど指摘がありました著しい技術開発、「著しい新規性」ということになりますと、中小企業の立場でそんなに著しいものが出てくるものかどうか。これは、「著しい新規性」を出すためには、それこそ大変な年数をかけた研究というものが必要だろうと私は思うのです。だから、新規性というのは、そんなに著しくなくても、積み重ね、積み重ね、積み重ねた上に立って、そして生まれてくるものじゃないかと思うのです。エジソンばかりはいないわけですから。ですから、突如として驚天動地のような技術が生まれたりなんかすることにはならないと思うのですね。そういうことを考えると、やはりこれぐらいのところは何となくわかるというような指針があって、そしてそれに中小企業がいつでも、これならおれの今の段階でもやれるんだという意欲をわかせるのでなければ、本当の中小企業の技術を開発し、そしてそれに対して促進をしていく、それは私はできないのではないか、こういうふうに考えるわけです。
 そういう意味で、この新規性という言葉が問題になっておりますが、やはり私もこの点については問題にせざるを得ないわけであります。著しいなんて言わなくたって、新規性があればこれは当然取り上げるべきではないかというふうに私は思うのです。そして、取り上げたことの一つ一つの積み重ねの上に立って、中小企業というのは自分の経営基盤も確立することができるし、商品化してそれを売って、やはり商売をやらなくちゃならないのですから。研究ばかりやっているんならこれはベンチャービジネスになっちゃうわけです。ベンチャービジネスはまだまだ、今答弁にあったように、実態がなかなか把握されないということでありますから、現状の技術をもって一生懸命で経営努力をしているその中小企業者のためになるというならば、そうした、申請されたものに対して通産省がむしろ制約をするようなものはやはり削った方がいい、私はそういうふうに感じておるわけです。
 そういう点で、この法律の修正をする意思はございませんか。大臣いかがですか。
○村田国務大臣 先ほど来委員の御質問の、第二条の技術関係、それから第三条の中小企業技術開発指針関係、それから第四条、五条の技術開発計画の認定についての御意見、承りました。
 特に、第二条の、中小企業者が技術の研究開発をすることという規定の中で、定義を、「著しい新規性を有するものに限る。」としておりまして、これが非常に限定的な意味であるということで御心配をされる御指摘はよくわかりますので、これは法律適用の面において、委員の御趣旨の点をよく考えてフレキシブルな対応をすべきであると思います。
○上坂委員 もう一点お聞きしますが、そこで、今度また指針に戻りますけれども、私のところに今、告示というのがありまして、通商産業省告示第六十号「昭和六十年度における技術改善費補助金及び石油代替エネルギー技術改善費補助金の対象となる研究開発課題及び技術改善計画書の提出に関する事項についてこと非常に具体的に書かれている。ここでずっと挙げられているわけですね。こういうものが出るのではないかというふうに何となく思うわけでありますが、告示とそれから指針というものの違いというんですか、重さというんですか、そういうものをどういうふうに考えたらいいのかということが一点。
 それからもう一つは、大臣にお伺いするのは、先ほど言ったように、各省との間に折衝をされまして、そしてある程度詰められてから閣議決定なり何なりが行われる、それが法案化に進んでいくということではないかと私は思っておるわけでありますが、この点について、今の後の点は大臣にお答えをいただきたい。
○黒田(明)政府委員 指針の決定につきましては、法律で既に各省との調整手続を定めておりまして、私どもで原案をつくり、関係各省に協議をして、それが調ったところで指針を出したいというふうに考えております。
 指針と告示の関係でございますが、指針は、名前は技術開発指針という名前で出すわけでございますが、その形式は告示ということで発表したいと考えております。
○村田国務大臣 お答え申し上げます。
 先ほどの答えでやや語尾がはっきりしなかったかと思いますから、もう一度申し上げますが、「著しい新規性を有するものに限る。」という法律の規定を修正するということではなく、原案でぜひお願いをしたいと思いますが、その適用の面において、委員御指摘の点については十分配慮をしてまいりたい、こういうお答えになると思います。
 それから各省との調整の問題でございますが、委員御承知のとおり、法律案を出します際は、各省との調整の関係、法制局その他と十分の相談、協議をいたしまして、次官会議を経て法律案を閣議決定するという段取りでございまして、今委員の御指摘の点につきましては、各省との折衝は法律案自体は十分やっておるわけでございます。
 したがって、幸いに法律が成立いたしました暁に各省との協議につきましても、遺漏なきを期してまいりたいと思います。
○上坂委員 私はこだわるわけですがね。こだわらないわけじゃないんですよ、こだわるのですが、その指針が基本になって、それに基づいていろいろな形が出てくる。認定の申請やらそれから認定やら、そして今度は投資会社が出てくる、あるいはまた中小企業の信用保険法の適用がある、そして人材の確保から情報の提供から助言までするという法律になっている。そうしますと、それはいわゆる計画書が出されてからの話になりますから、計画書が出されない前に私たちにこういう法律を示して、この法律を審議しなさいという場合には、あらかじめやはりできるだけの資料というものは出してもらわなければ審議をすることができないというのを、これは私は別に私の言うことが非常識ではないと思っておるわけです。
 ところが、実際にどういうものかと聞きますと、この程度であると、先ほどちょっと手にしました五項目、それに出てくるだけです。そして今度は、先ほどの質疑応答を聞きますと、まだまだたくさんありますよということなんです。そのたくさんある中に「著しい新規性」がないものだってあるかもしれない。そこのところが非常に問題ではないかと私は思うのです。だから、出してもらいたい。「著しい」という言葉を一つとってみても、一体「著しい」というのは現状に即してどうなのか、私たちもその資料に基づいて、あるいは企業の皆さんに伺ったり、あるいは専門的な立場の学者の皆さんにお伺いをして、そして現状の技術分野の発展の仕方はどこまでいっているのか、技術革新の状況はどこまでいっているのかということを突き詰めることもできます。そして、その指針に基づいて、これは一体どうなのか、そこで我々は慎重審議して、これではどうも「著しい新規性」にならないのじゃないか、こういう意見だって述べることができるわけであります。
 ところが、それが何にもないのですから、全然述べることができない。ただ条文だけでやれと言うならば、これは幾らもない条文ですから、さっき言ったところで決まってしまうのですから、これはもう黙って、はい、わかりましたと言うしかなくなってしまうわけです。私はそういう提案の仕方というのは、渡辺議員の話ではないけれども、ちょっと衆議院商工委員会をばかにしているのじゃないか、こういうふうににっこり笑って言えばいいのだろうから言うのですが、そういう感じがするわけです。
 ですから、促進しろ、促進しろと言われても、なかなか促進できないし、慎重審議をしろと言われても、慎重審議ができないということになってしまうのです。ですから、いろいろなことを別な面でお聞きせざるを得なくなってしまうわけですね。これに関係があるのかないのかわからないけれども、関係があるだろうと思うことを見つけ出して、そして苦心惨たんして質問しなければならないというような状況になってしまうのです。この辺はどうもなかなか納得がいかないのです。これは長官、もう一回御答弁願えますか。
○石井政府委員 私ども、よりよい技術開発指針をつくるという意味において、慎重に関係各省との調整をさらに今後深めてまいりたいと思っておるわけでございますが、ひとつ御理解を賜りたいと思いますのは、本法案によります諸支援措置というのは、先ほど来申し上げておりますように、一般的な技術開発、これに対する支援措置の上乗せ措置であるということでございます。
 技術開発というのは、あくまでも既に中小企業が使用しておるもの、あるいは普及しておるものというものを改めて技術開発することではございません。当然新規なものの技術開発に取りかかるわけでございます。そういった一般的な新規な技術あるいは商品あるいはプロセス、こういったものを開発するのは一般的な技術開発支援措置をもって足れりというふうに判断いたしておりまして、本法案に基づく上乗せ措置を講じまして支援をしていくという意味におきまして、そこに違いを出す意味において「著しい新規性」というふうに私ども規定をいたしたわけでございます。
 しからば、そういうことを言われてもわからぬじゃないかとおっしゃられますと、それじゃ、「新規性」とは何かというところから始めませんと全部御説明はできないことになるわけでございます。
 たまたま先ほど先生が御指摘のような技術改善費補助金におきます要綱におきまして、一つの事例で申し上げれば、機械、装置の省力化あるいは高性能化、自動化のための技術と、非常に幅広い形で書いてございます。こういうものは当然にこういう技術改善費補助金を受けてある開発要素を加味しまして一つの新しいものをつくるという意味で技術開発が行われるわけでございますが、私ども本法案の対象としたいと思いますのは、こういった省力化、高性能化といったようなプロセスをエレクトロニクスの技術、マイクロエレクトロニクスの技術、そういった新たな技術潮流にのっとった形でそれを取り込んでくるということが一つ考えられるわけでございますが、これは新規性の外の話でございます。同時に、「新規性」とは何かと言えば、やはりそれに開発要素を一つ、二つどうプラスするかということではないかと思うわけでございまして、そういったものが今回の中小企業の技術開発に取り組むために求められてくるのではなかろうかという判断でございます。
 そういう意味で、一般的な技術開発政策として支援措置を講ずるのではない、もう一つアップした形、もう一つアップしたグレードの技術開発を支援するという意味において「著しい新規性」という用語を用いたわけでございまして、そういう意味で我々これから、御指摘のような諸問題、できるだけ中小企業に理解を得なげればこの活用もおぼつかないわけでございますので、そういった点を踏まえてきちっとした開発指針をつくりたいというふうに考えておるところでございます。
○上坂委員 ですから、私がさっき言ったように上乗せするということですね。ただ、上乗せすると言っても、今までの技術にちょっと毛の生えたようなものでは困る、こういう答弁もあったわけですね。だけれども、今聞くと、もう一つすぐれた技術、もう一つすぐれた開発というふうに言われているならば、著しくいかなくて、やはり段階的に、現状よりはよりいい技術というものが開発されれば、それが土台になってまたすばらしい技術が開発されていくという形になると思うのです。これが私は中小企業の実態だと思うのです。それは人材の面からいっても、金融の面からいっても、組織の面からいっても中小企業はそうせざるを得ないわけです。
 ですから、今「著しい」ということは削除する気はないという御答弁がありましたけれども、そう考えますと、今の御答弁にありましたように、やはり段階的に進んでいく、その段階的なのが非常に重要な基礎的な役目をなして、次の飛躍的な技術開発というものが行われるということであるならば、それこそが重大なのであって、それを飛び越えてより高度なものだけを求めるような印象を与えるということは、中小企業に対する意欲をむしろ阻害していくことになりはしないか、そう私は考えざるを得ないのですね。そこで私は、もう一度この問題については再検討してもらいたいと思うのですが、大臣、いかがですか。
○石井政府委員 私ども、先ほど申し上げましたように新規性を求めた技術開発、これは技術開発の当然の要素でございます、それをさらに本法の上乗せ措置の適用といたします場合には、それよりもうワングレード高まっていなくてはいかぬということを考えておりまして、それを「著しい新規性」ということで規定いたしたわけでございます。その意味におきましては、例えば従前の技術あるいはシステム、これに開発要素が幾つ付加されているのかということによって判断されるものではなかろうかというふうに思いますので、いわば飛び離れた、あるいは飛躍したもののみを限定的に考えているというものでは毛頭ございませんので、ひとつそういう趣旨で御理解を賜りたいと思う次第でございます。
○上坂委員 そういう答弁をしていると、いわゆる指針をつくって、そして告示をつくる場合に、「著しい新規性」の「著しい」とはという解説をして出さなければならなくなってしまうね、そうでないとなかなか理解ができないわけですから。そこまで親切にやらないと、中小企業はこれに対応していく、これを受けて立っていくという形はとてもできないと思うのです。そればかりにこだわっていると後へ進まないから、また後戻りするかもしれませんが、前へ進ませていただきます。
 そこで、今非常に技術革新が進んでいる。先ほど長官からエレクトロニクスの活用とかという話がありました。したがって、新規性の問題と関連をしまして、今の段階で考えられるのはエレクトロニクスあるいは新素材、バイオテクノロジーといったいわゆる技術関係のものに限定されてしまうおそれがないかということを私は懸念をします。そうしますと、今の中小企業に直ちになじんでこないような感じがするわけであります。これが私が考えておりますようになじまないということになりますと、法律の目的はなかなか達成されないのではないかという感じがするのですが、その点についてはいかがでしょうか。
○黒田(明)政府委員 この法律では、技術開発の一般的な施策以外に特に重点的に中小企業を誘導していきたい新しい技術分野、それは現在生まれつつある技術革新の潮流に乗った分野というふうに考えておるわけでございまして、そこで一般施策に上乗せをするという策をもって臨もうとしているわけでございます。技術革新の潮流に乗った技術開発の範囲という点につきましては、指針の中で技術開発の内容といたしまして中小企業者が見てもよくわかるように規定いたしたいと考えているわけでございますが、その範囲は必ずしも狭いものではないと思います。他方、一般的な技術開発あるいは技術力向上対策との間には差を設ける関係上、そこには一つの境界線が引かれることになるのはやむを得ないことかと思います。
 そこで、境界の外にある技術開発テーマにつきましては、これは先ほど来申し述べております、これまでの一般的な技術開発施策、技術改善費補助金もございますし、技術指導もございますし、その他の異業種交流施策など多々あるわけでございます。さらには、税制では新たに六十年度から中小企業技術基盤強化税制というのを導入いたしておりますけれども、こういったものの施策で支援をしていく、こういうふうに考えております。
 それから、私どもこの法律を提案しております以上は、この法律に乗ってくる中小企業を制限してしまっては私どものねらいとはむしろ逆な効果になるわけでございまして、中小企業の実態に照らして無理のない形で誘導していくという意味で、多くの中小企業に参入してもらえるように考えていきたいと考えております。
○上坂委員 第二条で、「中小企業者とは」というので中小企業の定義があるわけです。そこには「工業、鉱業、運送業その他の業種」というのが入っております。それから、資本金が一千万円以下の会社あるいはまた五十人以下の会社ですと、小売業またはサービス業にまで及ぶ、こういうふうに出ているわけであります。我々が頭で描いているのはいわゆる機械産業ですが、非常に多くの種目があると思うのです。この法律は、その機械産業に類するものばかりでなく、電機産業も含めて、今言ったようなサービス業であるとか輸送業であるとかいうものについても適用されるのかどうか、これをお伺いいたします。
○黒田(明)政府委員 中小企業基本法によりますと、中小企業者の定義につきましてはそれぞれ講じようとする施策ごとによく考えて定めるようにというふうになっております。私どもここに採用しております定義は、技術開発というのは制限する必要がない分野であると考えておりまして、できるだけ広く定めようという気持ちで規定いたしております。御質問の製造業以外の業種でございますが、二条一項二号でも明確にしてございますが、一号で言う「工業、鉱業、運送業その他の業種」に含まれることが明示される形で小売業またはサービス業、卸売業というふうに規定いたしておりますが、そういった第三次産業に当たるものも取り入れて技術開発を促進すべきであると考えております。そういう意味では、製造業に限らず、ソフトな技術開発が中心になり、かつ将来非常に重要だと思われておりますこういった第三次産業分野につきましてもこの法律を適用することを予定しておりますので、御了解いただきたいと思います。
○上坂委員 非常に多くの分野にわたってこの法律が適用されるということについてはわかりました。
 そこで一つお伺いしたいのは、今貿易摩擦がいろいろ問題になっている。あるいは海外経済協力の問題が出ている。その場合、我が国の中小企業、優秀な中堅企業と言われる企業が海外に進出をしているということも事実だと思うのです。そこで、海外進出をする場合にでもこの新規性を有する技術開発、それが適用されてその範疇に入るのかどうか。本社は当然日本にあるわけであります、そして都道府県知事にこれを出して認定を受けるわけでありますが、それをもって海外に進出をするというような場合にでも適用されるのかどうか。
 それからもう一つは、現実に海外に進出している企業が経済協力という意味で現地の企業とジョイントベンチャーを組んで、そこで共同の技術を開発していくというようなものが非常に著しい新規性を持つものであったならば、これについて適用することができるのかどうか、この辺はいかがですか。
○黒田(明)政府委員 中小企業が国内でジョイントベンチャーをいたします場合、相手が外国資本でございまして国内でできる会社が中小企業であります場合には当然対象になるわけでございますが、ジョイントベンチャーによってできます会社が海外にできます場合に、これは中小企業施策一般の問題でございますけれども、ここに言う中小企業には該当しないというふうに解釈せざるを得ないかと思います。例えば国内で海外と技術協力を行うために特に研究開発をするというような場合、国内の中小企業でございますれば、その目的が海外との経済協力といったような問題でございましてもこの法律では当然対象になりますが、御質問の、海外におけるジョイントベンチャーについてはなり得ないかと思います。
○上坂委員 時間が来ましたからこれでストップしますが、できるのではないかとか、できないのではないかと思いますとか、何かできる可能性もあるのかな、こう思ってしまうから、そこのところははっきりしておかないといけないと思うのですね。
○黒田(明)政府委員 答弁があいまいで申しわけございませんでした。
 国内におけるジョイントベンチャーで、中小企業会社が日本国内にあります場合には対象になりますし、海外にあります場合には残念ながら対象にならないというふうに考えます。
○上坂委員 それではここで。
○粕谷委員長 本会議のため、午後四時から委員会を再開することとし、この際、暫時休憩をいたします。
    午後二時五十一分休憩
     ――――◇―――――
    午後四時開議
○粕谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。上坂昇君。
○上坂委員 この法案は十年間の限時法になっております。十年間の間にいろいろ技術革新あるいは技術開発を図ろうとしているわけでありますが、技術開発のテンポが早まれば早まるほど、既設の機械設備を持っている企業は新しい機械に買いかえていかなければならぬという問題が出てくると思うのです。その場合、既設のいわゆる機械設備等に対して、これに対する耐用年数を再検討すべきではないかというふうに私は思うのです。というのは、前に印刷機械については、耐用年数の改正がございました。したがって、これから予想される、いわゆる技術革新の分野におけるところの機械設備、そういうものに対する耐用年数の問題について、御所見を承りたいと思うのです。
○石井政府委員 機械設備の法定耐用年数に関しまして、現実の設備の使用実態に基づきまして、客観的に設定をしておるわけでございます。今後も、そういった方針に基づきまして検討をしてまいりたいというふうに考えております。
 御指摘のように、昭和六十年度におきましては、印刷設備あるいは製本設備、こういった分野につきまして、その耐用年数の短縮を実施したところでございます。
○上坂委員 もう一点でありますが、金融機関の中小企業に対する貸出競争の激化は、優良中小企業をめぐる競争であって、それに該当しないと考えられる企業には厳しい選別態度がとられていることが高い中小企業の倒産の一因である、こういうふうに中小企業金融公庫も指摘をしております。
 新しい技術開発ということになりますと、研究費にしましても新しい資本が必要でありますし、非常に大きな経済的な負担が中小企業にかかってくると思います。しかし、経営上は既存の企業というものを続けていかなければなりません。同時にまた、新しい商品が開発されたときに、やはり市場開拓をして、それを売るということはなかなか中小企業では難しい。そこで、どうしてもその新しい商品なり何なりを扱う、いわゆる中小の販売業者というものの力というものもつけていかなければならないと思うのです。そうでないと本当の総合的な発展というのは図られないというふうに私は思うのです。そういう点で、今の公的な金融機関にしましても、民間の金融機関にしましても、今中小企業に対しては非常に選別融資というのが強化をされている。貸し出しが緩和されるべき状況にありながら、一面では、決してそうではないという問題があります。
 そこで、こうした法律を進める以上、やはりそうした面についても対策を立てていく必要がある。したがって、金融面の弾力的な運用というものが必要であるというふうに私は考えますが、そういう形で進められる御意向があるかどうか承りたいと思います。
○末木政府委員 先生の御指摘は、新しい技術の開発をやって、その成果が、例えば新鋭機械という形で結実した場合に、それを自分のところで使うだけでなくて、外販する場合も考えて、その金融の円滑化ということだと思いますが、自分だけではなくて外にも売れるということになりますと、投下した資本や何かの回収もそれだけ容易になるというメリットがございますし、技術開発へのインセンティブとしては期待したいという事情、そういうふうに考える中小企業もあるかと思います。一概に必ず外に売る企業ばかりとは思いませんけれども、そういうケースはあろうかと思います。
 それにつきまして、金融でございますけれども、先生ただいま選別あるいは引き締めということをおっしゃいましたが、確かに現在有力銀行が中小企業に対して大いに進出をしている中において選別的な動きはあるようでございますけれども、政府系の機関におきましてはそういうことは決してございません。むしろ大いに活用していただく、金融自由化で、非常な変化の中で苦労する中小企業に大いに使っていただくということで、制度的にもこの四月から融資条件の改善をしております。
 そこで、今のような販売金融につきましては、中小公庫の例で申しますと、一般枠というものでございますと、今ただいまでも利用していただくことが可能でございます。これを幾つかあります政策的な特別枠ということでございますと、今直ちには用意がございませんけれども、この辺につきましては、この法律がこれから成立すれば、動いていきます過程におきまして、開発の実態、それからそれが外販にどのくらい期待するものが出てくるかどうか、そういった量的、質的な面も見きわめまして、必要に応じて、特別枠が必要であればまた検討していきたい、当面は一般枠でそれに対応できるように金融機関にも要請をし、指導をしてまいりたいと思います。
○上坂委員 今の点は、なかなか今金融機関から借りていない企業というのはありませんから、したがって、前に借りているものが完全に返される、あるいは半分返すとかという段階になりますといろいろ考慮してくれるんですね。だけれども残っている場合にはなかなかやってくれないわけです。そこへもってきて新しい技術開発に対する資金が出てくる。そうすると、それもいわゆる決算上はちゃんとした形であらわれてきてしまいますね。これは負債としてあらわれてくる。そうなりますと、それがネックになって、そしてこちらはまた困る。それから運転資金の面でも困るという状態が出てきますね。特に人材の場合にはなかなか中小企業には勤める人がおりません。高度な技術を開発するとなると、やはり高度な技術を持った人材が必要です。そういう人たちはなかなか給与の面でも中小企業にとっては非常に負担です。したがって税制の面でそういう人たちに対する、そのプロパーで扱っている人に対しては考慮をするということを言われておりますけれども、しかしプロパーであるかどうかということについても、中小企業ではなかなか区別がつきません。両方やらなければとてもできないような状況になっていますから、そういう面で新しい資金需要というのが出てくる。その場合に、既成の技術、既成の商品化に対しての手当てというものに非常に支障を来すようなことがあっては、せっかくのこうした手当てが水の泡になってしまうので、その点について十分配慮していただく、こういうことを申し上げているわけでありますが、今の点でもう一度御答弁をいただきたいと思うのです。
○石井政府委員 本年度より一般的な中小公庫あるいは国民金融公庫の貸付限度枠を引き上げましたことは、御承知のとおりでございます。従来の二億一千万を二億五千万まで引き上げたわけでございますが、今回の技術開発促進法にかかわります認定企業に対しましては、技術開発あるいはそれの企業化という面におきます増加資金の資金需要が発生をいたしました場合には、構造改善貸付枠の特例といたしまして二億五千万という一般貸付限度にさらに一億上乗せをいたしまして特別の融資を行う、これは特利をもって貸し付けを行うという制度を四月一日より発足させることといたしたわけでございまして、こういった特別貸付制度、政策融資の弾力的な運用によりまして、そういった事態に対応してまいりたいというふうに思います。
○上坂委員 先ほど言いました人材養成のことですが、中小企業にとって今のところ大体三つぐらいしか人材養成の方法がないのです。
 一つは、どういうことかというと、いわゆる通産省が進めている中小企業大学校、そうした公設教育機関、あるいはまたメーカーが行っているところの講習会、あるいはセミナーをやっている特別な会社があります、そういう会社の講習会とか、そういうところへ行って勉強する以外にちょっと方法がないのです。それからもう一つは、そういう受講をして帰ってきて、受講した人が今度は先生になって自分の企業の中にいる人たちの教育をする。もう一つは、中小企業の社長と言われる人たち、あるいは家族の人たちがみずから独学で勉強していくということで新しい技術の導入を図る、そしてまた、それをもっと発展させるような勉強をするというのが今の中小企業の実態なんです。ですから、これについてはいろいろ研修制度であるとか巡回指導であるとか、たくさんありますけれども、十分そういうものに応じられるような対策を立てられるようにお願いをしたいと思うのです。その点いかがですか。
○石井政府委員 中小企業にかかわります技術研修、各種の施策、今先生御指摘のとおりでございますが、それに加えまして例えば異業種交流というのも、経営者あるいは管理者が技術先端分野へ触れていく、あるいは自分の全く知らない、しかし自分が抱えている技術課題を解決する、異業種におけるそういった技術の萌芽を発見するという手だてにもなろうかと思います。そういう意味で異業種交流を進めてまいりたいと思います。
 さらに、あわせまして例えば中小企業大学校の場合でございますと、技術研修につきまして最低二日間コースから始めまして多彩なコースを用意いたしておりますが、企業を離れて果たして研修を受け得る機会がすべてにあるかと言えば、必ずしもそうではございません。そういった面を考慮いたしまして、特に技術研修につきましては通信研修というシステムも取り入れてまいっておりますが、そういったものの充実、これを今後とも進めてまいりたいと思います。
 そういった公設の研修組織あるいは異業種交流、こういったものを含めると同時に、さらに小規模事業者につきましては、六十年度から周辺の先端技術産業に管理者あるいは若手後継者を派遣いたしまして、そこで研修を受けていただくという枠組みをつくることといたしております。そういった形で、今後多彩な手段をもちまして中小企業の技術者研修を進めてまいりたいと思います。
○上坂委員 そこで、一つこういう話があります。ある大手電機メーカーがありまして、その下請企業が若い技術者を自分から雇ったんです。そして通勤の乗用車まで準備してやったんです。そうしたらその技術者が一生懸命になって、新しい試作品を試みたい、それが成功したのです。これは実際にあった話なんです。ところが、共同開発という名目で、親企業と下請企業の場合には必ずそうなってしまうのですが、そこで突然その技術者が親企業に引っこ抜かれてしまったのです。その原因はどういうものかというと、新しい製品ができるというような技術を持ったから、下請契約金額の値上げ交渉を行ったのです。ところが、それの報復措置として引っこ抜いてしまった。ですから、下請企業はちょっとでも頭を持ち上げるということになって、すぐれた仕事がたくさんできるという形になりますと、必ずそれに対する報復措置がとられるというのが下請企業と親企業の今の実態なんです。これが経済の二重構造の実態なんです。ここのところをよくわきまえておかないと、下請企業は非常に多いですから、そこで大変なことになるおそれがあると私は考えております。
 それからもう一つは、例でありますが、CADの導入がこれから行われてくると言われております。ある大きな自動車工業は設計図面をみずから手渡さないで、いわゆるコンピューターで送ってしまうわけです。そうすると、画面を見ながらやることになるのでしょうけれども、部品を発注する場合もそういう方法を使うことになるわけです。そうすると、それに対して応じないところをみんな切っていってしまうのです。そこである大きな企業でありますが、下請自動車工業でありますが、部品の加工下請メーカーの数を既に三分の一に減らしてしまっている。ですから、技術革新というのは必ずしも中小企業が救われるものではなくて、痛い目に遭うという実例がたくさん出ているわけです。したがってこの際、こういう法律をつくる以上は、ますますそういう窮地に追い込まれていきますから、親企業と下請企業の関係のいわゆる法制というもの、制度というものを再検討して、本当に下請が生きていかれるような制度の改正に取り組むべき時期に来ていると私は思うのです。これをぜひやってもらいたいと考えます。
 ちなみに、あるミシンの工場におきましてはこの五年間に下請企業を半分に減らす計画を立てているわけです。これも全部メカトロニクスの技術があるかどうかということで選別して、そして下請を整理していく、こういう形ができできます。これは大変な社会問題になりますし、失業者を招くことになります。今の下請代金支払遅延等防止法では、なかなかこれを防ぐことができません。単に通産省がアンケートを出して、そのアンケートに沿って調べて、それに対して指示をしたからうまくいったなどと考えていたのではとても親企業と下請企業の間を調整することはできないのであります。ですからどうしても下請企業のあり方に対する再検討、制度的なこれの救済措置を進めていかなければならないと考えておるのでありますが、この点についてどういうふうにお考えになっているか。
○石井政府委員 情報化の進展あるいは技術革新の進展、これはもう大企業、中小企業を問わず、これへの対応を怠れば脱落せざるを得ない宿命に現在置かれつつあるわけでございます。ただ下請という形におきまして閉鎖的な市場の関係を利用して、優越的な立場からいろいろな不当な行為を行うということにつきましては、これまでも取引関係にある限りについては下請代金支払遅延等防止法によって一応対処してまいったわけでございますが、しかし、その背景にある技術革新あるいは情報化というのは当時想定されなかった背景でもございます。
 そういう意味におきまして、私ども情報化の一環といたしまして情報化検討分科会の中に四つワーキンググループをつくっておりますが、その中で下請問題だけを特に勉強するワーキンググループを結成いたしまして、単にコンピューター利用による例えばオンラインによる受発注管理あるいはそれぞれの経営諸指標のデータベースの設定、こういったものの情報化の持つ影響だけではございませんで、さらにCAD、CAM、そういったものの技術の進展、これはある意味で情報化と裏腹の電算機利用による工程管理の手法でございますので、そういったものを含めて今後どういうふうに対応していくべきか、その結論は直ちに下請代金支払遅延防止法という形で取り込んでいくべきなのか、あるいは下請企業振興法、現在振興基準をいろいろ定めてございますけれども、こういったものの中身として取り込んでいくべきか、これは今後のワーキンググループの結論を待ちまして検討させていただきたいと私は思います。
○上坂委員 下請問題については特にいろいろ中小企業庁あるいは通産省の方と折衝したことがありますが、その実態をつかまれているのかいないのか、非常に疑問を持つところがあります。というのは、何となく通産省の方で親企業の方へ指示すれば一時的には親企業はそれに従う、これは事実なんです。しかし、従うけれどもそのうち企業をかえてしまったり、あるいはしばらくたつともっと過酷な条件がつけられたり、こういう形が出てきます。したがって、今、長官が答えたようにどういう法律によるのか、既設の法律によるか新しい法律によるか、これはわかりませんけれども、とにかくそれについての再検討をするという言葉を信じて、これに対する期待をしておきたいと思うのです。
 時間が参りますが、今まで質問をして、決していろいろな項目について反対をしたりなんかする立場ではありません。むしろ、こうした法律がどんどんできて、そしていろいろな対策が進められることを歓迎したいと思うのです。しかし、本当に中小企業の人たちが飛び込んでいけるような形でないといけない。それには、どうしてもひっかかるのがこの「著しい」という限界なんですね。こういうものを何で置かなければならないのか、幾ら説明を聞いてもわからない。何回聞いても同じことばかり言っているから余計わからなくなってしまう。つくる方だって、おかしい点があると思ったら改めていいと私は思うのです。
 そういうことに余りこだわって、つくったものだから絶対改めないなんて思っているからおかしくなってしまう。だから執拗な質問をしなければならなくなってしまう。なるほどここのところはおかしいなと思ったら改めたらいいと思うのです。上乗せをするということはわかっているけれども、そんなに急激にはっと進むような技術ではないので、やはり一歩一歩進むということをさっきから言っているわけでしょう。言っているのだったら、そういうふうに対応できるような法律にした方がもっと中小企業にはなじみやすいし、本当に中小企業にとってはありがたい法律として映るわけです。そういう温かい心が必要である、これが第一点。
 もう一点最後に、こういう中小企業に対して非常にいい法律をどんどんつくっております。これは大臣に申し上げたいのですが、つくっているのにもかかわらず、小売業の段階になりますと大商店、スーパーマーケットとか大型店を中心にしてすべての行政が進められていく、これは全くおかしいと私は思っているのです。こういう企業を救うという気持ちをやはり小売業にも考えていかないと、幾ら商品が生まれてもその商品を扱う小売業がたくさんあるわけでありますから、その人たちをつぶすような形でいったのでは私は本当の温かい総合的な行政にはならないと思うのです。この前大きな声を出して質問をいたしました。そういう点についての反省を含めまして大臣の答弁を求めたい。
○村田国務大臣 上坂委員から全般にわたっての御質問をちょうだいいたしまして、こちらでつぶさに承っておりました。
 著しい新規性技術というものについての定義の問題でございますが、技術化の問題、情報化の問題、これは皆新たなる物事に対する挑戦でありまして、言うならば白地地域に新しい図をかいていくどいう点で既成の秩序がまだないわけでございます。したがって、そういった新しい試みの上に法律体系あるいは実体を築いていくわけでございますから、通産省、中小企業庁としても非常に一生懸命検討し、協議を進めておるところでございます。
 この法律を通していただいた暁に、白地地域に図をかいていくという意味で上坂委員の御指摘はよくわかりますので、誠意を持って対応するということで、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。
 第二点の、先般も上坂委員から御質問のありました大店法の関係でございますが、私どもは、地元企業また小売業との関係というものが最も大切である、そういった人間関係を壊してしまって大型店の進出はあり得ない、このように考えております。委員の御指摘になった点はよくわかりますので、今実態をよく調査させておるところでございまして、きめの細かい配慮のもとに中小企業行政を進める所存でございます。
○上坂委員 終わります。
○粕谷委員長 上坂昇君の質疑は終わりました。
 次に、木内良明君の質疑に入ります。
○木内委員 今回のこの法案の審議に当たりまして留意しなければならない点があると私は考えているわけであります。すなわち、中小企業における技術開発への対応といったその部分だけを取り上げる局部的議論に終始してはならないというのを一つは感じます。
 戦後の我が国の経済発展の中で、屋台骨となり大変な貢献をしてこられた中小企業の方々が今、経済構造の変化と市場環境の推移の中でどうすれば生き残れるか、どうすれば新しいそれぞれの業界における活性化が行われるのかということを死に物狂いで模索をしているときであります。そうしたときに、新しい時代の進展の中で不可欠と言われる技術開発をさらに中小企業の各界に導入をしなければならないという組み立て、筋道があるわけでありまして、その辺の議論を忘れて技術開発だけをどう進めていくかということにはなり得ないのではないかと思うわけであります。
 特に、この審議に当たりまして、たまたま通産ジャーナルという雑誌に石井長官が「しなやかに、そしてしたたかに」という一論文をあらわしておられました。私は、大変な敬意とまた的確な分析であるなということを痛感しながら読ませていただきました。再読もさせていただきました。先ほど来の本委員会での質疑を聞いておりまして、通産大臣からの大変前向きな、中小企業施策の重要な一環としての本法案の位置づけという話もありましたし、また同時に、中小企業対策における石井理論の演説会場であるというふうな感じも実はしていたわけであります。そうした点も何点か触れながら審議を進めてまいりたいと思いますのでよろしくお願いします。
 我が国経済の発展の原動力となり高度成長を支えてきた中小企業は、今日、怒濤のような技術革新の波や市場構造の大きなうねりを思わせる変化など、激流を思わせる激しい時代の流れの中で紛れもなく新しい対応と生き方を求めていると思うわけであります。変革期に対する中小企業が今必死に新しい生き方を模索せざるを得ない、いわば戦後初めての中小企業にとっての試練と挑戦のときである、こういう認識を私は持っております。現在中小企業の眼前に立ちはだかる諸課題は、それぞれ中長期的な今後の中小企業のあるべき姿を考える上でいずれも重要なものが多いわけでありますけれども、とりわけ技術革新への取り組みのおり方こそ最重要課題の一つであると思います。
 こうした視点に立って現状を考えますと、大企業においては激烈な先端技術開発競争が華々しく展開されている反面、中小企業におきましては、設備の導入等を通じてのいわゆる受動的外部技術依存型の技術開発というものの傾向が強いわけでありまして、大企業に比べ著しく立ちおくれていると言わざるを得ないと思います。まず、こうした現下の状況に対する大臣の御認識を承りたいと思います。
○村田国務大臣 中小企業におきましては、資金面それから人材、情報面で満足し得る状況にないということはもう御指摘のとおりでございます。これまで外部技術の活用が技術基盤強化に大きな役割を果たしてきたところでございます。しかしながら、中小企業におきましても現在さまざまな、今御指摘になったような、これは疾風怒濤と申しますか、シュトルム・ウント・ドラングというような時代だろうと思いますが、さまざまな環境変化を背景にみずから技術開発に取り組むことが求められておる、そういう激しい時代がやってきた、このように認識しておりまして、これは木内委員の認識と全く同じだと思います。
 中小企業の振興を図っていく上で技術の果たす役割は極めて大きなものがありまして、中小企業も自己の技術特性を十分に認識しながら積極的な前向きな技術基盤の強化を行うことが必要である、技術、情報そして人材、この三つが中小企業に課せられた大きな課題であろう、これは中小企業白書の指摘するとおりだと思います。
○木内委員 中小企業における技術開発の今後の早急にして確かなる進展というものが、我が国の経済の健全な発展を促す意味で重要なことであることは明らかであります。かつて高度成長により経済のパイが拡大をし、所得水準の一定レベルの達成が行われた段階で、それまでの単なる量的拡大が志向された行き方というものは、その後、質の充実へと転化されてきた経緯があります。
 さらに、多様化するニーズとそれらのニーズの短サイクル化によって多品種少量生産の時代を迎えているわけでもあります。こうした時代は、よく、小回りのきく中小企業にとっては有利である、あるいは中小企業の時代だとも言われるわけでありますけれども、いたずらにこうした面が喧伝をされ過ぎたり、またこうした状況をとらえて、中小企業にとってのバラ色の時代であるという意見もあるようでありますけれども、こうした意見というものは、一面の真理ではありましても、そのまま無原則に中小企業の繁栄が座視して約束されるものでもないというふうに思います。石井長官もこの点については「しなやかに、そしてしたたかに」の中で冷静にポイントとして指摘をしておられます。
 しかしてまた同時に、こうした需要構造における変化というものは追い風と向かい風の二面性をも持っているものでありまして、すなわち中小企業の機動性によりニーズを敏感にとらえ、細かな対応を行うことにより新製品の開発、生産工程の合理化等々を達成し得れば、その成果を受け入れるマーケットも多様な広がりを持ってくるわけであります。そうしたものが期待されるわけであります。
 しかし、逆にこうした、特に現下、適切な対応がなされず、さらにまた違ったような取り組みが行われるならば、これは逆の結果に終わってしまう、こういう危惧をも抱くわけであります。
 そこでまず、多品種少量化時代というものと中小企業、この環境における中小企業というもの、どういったお考えか、これは長官の方からぜひお聞きしたいと思います。
○石井政府委員 どうも拙文でお目を汚しまして恐縮でございます。
 御指摘のように、多品種少量生産の時代というのはまさに市場構造の変化から生じてきておる面が非常に強いわけでございます。今回発表いたしました五十九年度の白書におきまして、日米の大企業、中小企業のすみ分けの状況というのも一文検討いたしておるわけでございますが、ある意味では非常な類似性がございます。分野として見る限り類似性があるわけでございますが、これはとりもなおさず、やはりその時代、その時代の生産技術に規定されまして、それぞれの大企業、中小企業の分野の選択、要するに自己の企業の生存をかけて選択が行われていった結果、そういった類似性があるのではないかというふうに思うわけでございます。
 ただ、内容的にそれでは同じかと言えば、決してそうではございません。日本の場合には相当な変化が見られたわけでございます。そういう意味において多品種少量生産というのがある意味で中小企業にとってフォローの風であるということは事実だろうと思います。ただ、事実でございましても、やはり変化するスピードも相当に速い。そのスピードに対応する生産体制の確立がなければ、利益を上げて円滑に事業を遂行するわけにはいかないわけでございまして、そういった技術革新の大胆な取り入れ、あるいは技術革新そのものに中小企業みずから参画をして、それを事業に反映させる、そういったことによって多品種少量生産の時代を我が物としていっていただきたいというのが私の念願でございまして、そういう意味合いにおきまして今回の技術開発促進臨時措置法案をお出しした次第でございます。
○木内委員 この多品種少量時代というのは、中小企業にとっては一面フォローウインドであり、他面またアゲンストであるという今の指摘は、まことにそのとおりだと思いますし、またこうした環境の中における中小企業の技術開発の必要性、取り組みの緊要性というものを意図して本法案の提出になった、こういうことであると思います。
 中小企業にとっての技術開発の意義というものを、今若干多品種少量化時代、そうした環境の中における意義としてとらえていただいたわけであります。さらにこの意義のすそ野を広げて考えてみたいというふうに思います。
 すなわち、中小企業自体にとっての技術開発の幅広い立場から、いわば国民経済の発展等の観点から見た中小企業の技術開発力向上の重要性というものはいかなる形で掌握をされておられるか。一つには産業技術向上等の観点から、二つには民間活力発揮の観点から、さらには中小企業の技術開発力向上対策としての必要性という観点から、ぜひ本委員会において明らかにしていただきたい。
 これは単に中小企業が技術開発を進め、取り組んでいくというだけの問題でなくて、我が国経済に及ぼす広がりを意義として持っているのだ、こういう認識を実は私はしているわけでありまして、その意味から本法案の持つ趣旨というのは尊重されなくてはならない、こういうふうに思うわけで、お尋ねをいたします。
○石井政府委員 木内先生、三つの視点から中小企業の技術開発促進の必要性について御指摘なされましたが、そのとおりかと思います。
 先ほどの御答弁でも申し上げました第一の視点、中小企業の事業機会の拡大あるいはそのフロンティアの拡大という面については既にお答えしたとおりでございますが、同時に民間活力の活用という観点からいたしましても、本来、機動性あるいは創造性に富む中小企業であるものの、その企業の規模の過小性による不利というものがあるわけでございまして、それが現在の技術革新の潮流の中で、その制約のためにみずから積極的な役割を果たし得ないのでは非常に全体としての民間活力の活用という観点からもマイナスでございます。そういう意味におきまして、中小企業の規模の過小性から発します技術開発取り組みへの制約をできるだけ解き放つといいますか、あるいは共同化によってこれを解決する、そういう意味におきまして、技術高度化事業の推進あるいは今回の法律案に盛り込まれましたような支援措置を講ずるわけでございまして、そういう制約を解き放つことによりまして中小企業の持つ民間活力が十分発揮できるのではないかという意味におきまして、全体の民間活力の活用という面からも大いに意義のあることではないかと思う次第でございます。
 それから第三点に、国民経済的視点というお話がございました。我々、現在の技術革新の特性というものを、午前中の御答弁でも次長から申し上げましたが、技術の細分化傾向と同時に複合化傾向ということが非常に大きな特性として指摘できるわけでございます。と同時に、それは市場構造の変化を反映するものであるわけでございますが、そういう意味におきまして、周辺技術あるいは商品化技術というものは、そういった細分化しあるいは複合化した上で初めてそういうものが生きてくるわけでございます。そういった分野につきましてはやはり中小企業の積極的な参画なしに技術開発は遂行できませんので、産業技術のバランスある発展を期待し国民経済の発展を期待する、かつ、技術革新成果を国民生活へ波及させるという意味においても、中小企業の持つそういった技術開発課題への積極的対応が望まれている時代ではなかろうかと思う次第でございます。
○木内委員 今の長官の答弁にもございましたように、いわゆる総合経済対策として、また総合産業対策としての中小企業の技術開発への取り組みというものの重要性が明らかになったわけであります。特に中小企業における技術開発の必要性の背景として、先ほど申し上げました近年における需要構造の変化あるいは経済環境の変化というものが挙げられるわけであります。
 再三にわたって触れてかえって長官には御迷惑かもしれませんけれども、この「しなやかに、」の論文、私なりにこれを読ましていただきました。いわば市場構造の変化に柔軟に対応し得るためのしなやかさ、そして強靱でなければ変化に耐えていくことは不可能であり、それがいわばしたたかさが求められるゆえんである、収れんするとこういうふうに解釈をしたわけであります。中小企業がいかに変化に経営体制を即応させていくか、いかに新しい時代に活性化を見出していくか、こういう内容である。変革期に対応する中小企業の育成とする六十年度新政策の底流にあると思われるこのしなやかさとしたたかさについて、今この場でもう一度長官の方からお考えを簡単で結構ですからお述べいただければありがたいと思います。
○石井政府委員 既に木内先生御指摘のとおりでございまして、こういった変化し、かつ、その変化のテンポの激しい経済社会に対応する中小企業の育成という意味をできるだけ平易に表現しようという意味におきまして、その柔軟性を求め、あるいはその経営基盤の確立を求めるということをしなやかさあるいはしたたかさという表現をした次第でございます。
○木内委員 これまで何問かにわたって本法案の中身であります中小企業の技術開発の問題の前段階としての総論についていろいろお聞きしてまいりました。この法律案の位置づけというものが一層明確になってきているのではないかという感じがいたします。
 先ほど来の質疑を聞いておりまして、やはりこの法律案というものはかなり運用の段階で配慮がなされなければならない、省令、政令にゆだねられている部分が大変に多い法律案である。しかし、それがいかなる対応、運用がなされるのか心配をする余りに、余りまたこれが縛りを持ってはいけないという認識も持っております。しかしながら、何点かについては具体的内容についてこの場で答弁をいただいておく必要が今後の法律の運用段階で生じてくるものですからいただきたい、こんなふうに思っております。
 まず技術開発の問題をもう少し聞いてまいります。
 先ほど大臣への質疑の中で中小企業の技術開発の対応のおくれというものについて指摘をいたしました。これを中小企業の試験研究費について見てまいりますと、五十七年度が二千二百八十六億円で総額四兆六千九百億円のわずか六%。五十三年から五十七年の五年間の試験研究費の平均伸び率も大企業が一六%であるのに対しまして中小企業は九%と低い伸びであります。また、数字の面でもう少し見てまいりますと、かつて中小企業の研究開発投資のウエートは一〇%近くあったわけでありますけれども、今は五%程度という数字もあります。これまでの経済不況下において、中小企業のここ数年のそうした特殊な経済環境というものがあったわけでありますので、中小企業の体力の弱体化というようなものもこれあり、研究開発投資というものが圧縮されてきたのではないか、こう考えます。まずこの点についての認識はどうでしょうか。
○石井政府委員 御指摘のように中小企業の研究開発費の投入伸び率というものが大分下回っておることはそのとおりでございます。その背景としましては、五十四年秋以降のいろいろな経済の低迷、それによりまして長期低迷下における経営環境の悪化、こういうものも大きく反映している面があろうかと思います。今後総体としての研究投資の規模間のあり方というものをどう持っていったらいいかというのは一概に言えませんけれども、先ほど申し上げましたバランスのとれた技術開発の発展という意味からいたしますと、できるだけ中小企業のそういった研究開発への投資意欲を沸かすような形で政策的な制度づくりをいたしていきたいというふうに考えております。
○木内委員 近年における技術の傾向といいますのは、先ほども若干触れましたけれども、いわゆる細分化の傾向、もう一つは複合化の傾向、かなり高度なものになっておりまして、この技術のあり方というものは、その中心部分というのはほとんどが大企業によって今日まで行われてきているわけであります。私は、こうした大企業による細分化あるいは複合化傾向の大きな流れというものは今後も基本的には継続していくものであろう、こういうふうに思うのです。
 中小企業における技術開発というものは立ちおくれているとはいうものの、あるとするならば、そうした大企業による技術開発を受動的に受け入れたり、申し上げた外部依存型技術ということにならざるを得ない、こういうふうに思います。しかしながら、こうした大企業と中小企業における技術開発の傾向というものを、中小企業がこのままでよいということで座視するならばますます格差というものは広がってしまうであろう。しかしながら、中小企業の体力として、現実として大企業が行ってきた細分化、複合化傾向の強い技術開発というものになかなかアプローチすることはあわせて困難であろう、私はこういうふうには思うのでありますけれども、今後の中小企業における技術開発のあり方というものは、申し上げた大企業がこれまで行ってきた中心部分たる流れに対してどういう位置づけが行われればよいのか、そして、その思想というものは今回の法案にどのように盛り込まれているのか、この点についてお聞きしたい。黒田次長。
○黒田(明)政府委員 木内委員御指摘のとおり、現在の技術革新の潮流を技術的側面から見ますと、確かに細分化の傾向、複合化の傾向を示していると思います。少し前までは大量生産方式であります化学工業の技術ですとか鉄鋼の技術ですとか、あるいは原子力発電の技術ですとか、こういったものは極めて大型の技術でございまして、その研究開発への参加の度合いあるいは利用のメリットといった面では中小企業は余りうまく参入する余地も少ないし、メリットも少ないという事情にあったと思います。ところが、最近のエレクトロニクスその他の新しい技術分野では非常に細分化された技術の集合体として一つの技術体系が構成されてくるという様子が読み取れるわけでございまして、また非常に分野の違う技術がお互いに複合し合って新たな製品、新たな技術を生み出していく傾向も読み取れます。こういった中で中小企業の体力を考えますと、新しい技術革新に適応していくということは非常に生易しいことではないわけでございますけれども、技術の性質から見れば従来の大型技術の時代よりも中小企業者がこれに取り組むいわばアクセサビリティーといった面では可能性が開けているというふうに思われるわけでございます。
 そこで、こういう技術の新しい展開と、もう一つ我々の経済で進行しつつございます需要面における、先ほど木内委員ご指摘のニーズが非常に多様化しているとか短サイクル化しているとかいった、やはり細分化と申しましょうか多様化と申しましょうか、そういった経済の傾向等を踏まえまして、中小企業が何とかこういった新しい事態の変化に即応できるように支援していくのが、私ども中小企業施策の衝にある者にとって課せられた使命であるというふうに思うわけでございます。
 そこで、どのようにして中小企業者がこういった情勢変化に立ち向かうようにしていくのかという点でございますけれども、やはり中小企業者の意欲を高めるということが最大の眼目ではないかと思います。そのためには、私どもとしては、中小企業者が今後重点を志向すべき技術開発の分野をできるだけ明確にして、中小企業者が明確な意識を持つことができるように、また、導入型ではなくて新しい技術開発力を身につけるためにそういったことの重要性をよく認識していただくこと。さらには、そういう意欲を持った中小企業者といえども、なお体力が十分でない面が多々あるわけでございますから、これに私どもが施策を用意して、意欲ある中小企業者が今の新しい変革にチャレンジできるような諸条件を整備していくことによって、中小企業者がこの変化に適応し、さらには将来体力をつけ、付加価値の高い分野で十分な活躍ができるようになっていく、そういった条件が形成されなければならないし、私どもも努力しなければならない、かように考えております。
○木内委員 今の黒田次長の答弁にありましたように、技術開発への取り組みの意欲を持たせ、さらにまた意識を強化していくということでこの法律案があるわけであります。特に、これは後ほど触れるわけでありますけれども、いかにすれば具体的な技術開発に中小企業が取り組めるかという、そうした血の通った配慮というものが行われていくべきだというふうに思うわけであります。先ほど上坂委員の質疑の中でありましたけれども、「指針」の内容、あるいは「著しい新規性」の問題等も触れられておりましたけれども、黒田次長はたしか法制局の御出身でありますから、その辺はかなり苦心をされて条文の作成に当たられたというふうに思うのです。この運用については後ほど触れるわけであります。
 さきに触れた一文の中で、長官が「産業技術のバランスある発展のためには、中小企業の技術開発それ自体への積極的な参画が必要になっているが、これについてはこれまで行政的にあまり有効な手が打たれなかったのではないかという反省を私たちはもっている。」こう述べておられるわけであります。私はむしろこういう率直な弁に接しまして、逆に今行政当局のこの法案への意気込みを強く感じるわけであります。試験研究の増加費用税額控除制度の中小企業への適用上の隘路あるいは技術改善費補助金制度の効率化を図るための体系化への整備といった点が勘案されて新年度での中小企業における技術開発への施策、立法化への動きというふうになってきたと思うのです。
 今申し上げたような制度との関連で、いかにこの立法化になったかという点について御答弁願いたいと思います。これは簡単で結構です。
○黒田(明)政府委員 中小企業の生産性をつぶさに見てみますと、五十年代に入りまして、付加価値生産性の大企業との間の格差が拡大しつつあるというふうに思われるわけでございます。これをもう少し子細に見てみますと、従来は資本装備率によるものというふうに理由づけられておりましたが、生産性の大企業との格差というものが、従来は中小企業の方が上におったわけでございますけれども、その差が非常に縮小してきているという現実がございまして、それはやはり中小企業の側におきます広い意味での技術力が問題となってきているのではないかというふうに見られるわけでございます。
 そこで、私どもは従来から、技術開発あるいは技術力向上の問題については一般的な施策でもって臨んできておったわけではありますけれども、新しい事態の変化もあり、今言いましたような趨勢的な問題もあり、やはり中小企業者には新しい可能性に挑戦する意味で技術開発に取り組んでもらう必要がある、そういった意味では今何が重要かというようなことを種々検討いたしましたところ、ただいま提出させていただいておりますような法案、そこに盛られておりますねらい、対象あるいは手段、こういったものが必要であるというふうに考えておるわけでございます。
○木内委員 具体的に第二条の定義、「技術」として「生産、販売又は役務の提供の技術で、技術革新の進展に即応し、かつ、著しい新規性を有するものに限る。」こういうふうになっております。これはかなり縛りのきつい条文になっております。先ほど来触れておりますように、中小企業の技術パターンといいますものは導入依存型の技術力が中心ということになっています。それで先ほどたしか大臣の答弁でしたでしょうか、この「著しい新規性」ということについては適用の面でフレキシブルな対応をしていくという答弁があったというふうに思います。これについて具体的に二点お聞きしたいと思うのです。
 まず一つは、指針の中で「著しい新規性」というものが理解されやすい形として盛り込まれるかどうか。中小企業が独自に技術開発計画をつくり、また提出をし認定を求める作業があるわけでありますけれども、計画策定の段階でみずからが今行おうとしている技術開発が「著しい新規性」に当たるかどうか、こうした判断のための物差しが盛り込まれるかどうか。時間の関係で、「著しい新規性」というもののバックグラウンドとなるこれまでの経緯についての質疑は省かせていただいて、まず指針に具体的にそれが盛り込まれるのかどうか。いわば技術力のない、開発力に一歩も二歩も立ちおくれている、あるいは計画策定能力に力として不十分な状態である中小企業の人たちが十分わかり得るような指針内容になるのかどうか。またならなければいけないと思います。
 それから、私はこの条文を考えてみますと、将来的に開発計画が相当に出てくる、そういう判断のもとに選別し、ふるいにかけるための条文化が行われたのだろうという考えを実は持つに至ったのです。仮にそういう発想が一面妥当であるとすれば、技術開発計画がそれこそ相当数提出が行われるような状態であれば、これは現下の情勢からして極めて好ましいことでありますが、そうだからといって、いきなり初期的段階からこの厳しい縛りをつけるということもどうかなというような感じも持っているわけであります。
 この二点についてまずお答え願いたいと思います。
○黒田(明)政府委員 私どもが「著しい新規性」ということを要件にしています理由につきましては、先ほど来申し上げているとおりでございまして、一般施策の上乗せということで方向を持たせるということと、自主開発力の涵養に資するという意味で、一般の技術開発よりは若干の要件を追加している、かように御理解いただきたいわけでございます。私どもは中小企業がこういった課題に取り組むことを期待して法律案を提案しているわけでございまして、中小企業がこれに冷淡であるとか、そっぽを向くという程度の厳しさを要求したのでは元も子もないわけでございますので、中小企業の研究の実情というものによく注意を払いまして、無理のない形で運用すべきだというふうに考えております。
 したがいまして、今、木内先生「著しい新規性」というものが中小企業にわかりやすいような形で解説されるかということでございますが、できるだけそのような努力をいたしたいというふうに思います。また、この内容の理解につきまして至らざるところがあるといけませんので、都道府県に十分連絡をいたしまして、あるいはその他の関係団体に連絡いたしましてPRに努め、指導に努めて、中小企業者の理解を得られるように努力いたしたいというふうに思います。
 それから件数でございますが、私ども実はこの法律案をまとめます際に、大体のアイデアでこういったものの研究開発の需要がどれくらいあるかというようなことをざっと調査といいますか、各都道府県に具体的な事例としてあるかという点を手を挙げてもらったわけでございます。研究開発のための補助金は組合ペースで四十件程度しか予算的には考えてないと申し上げましたが、そのときに手を挙げた中小企業協同組合等の団体が百五十七ございました。これは私どもとしてはまだまだふえることを期待しております反面、他方、いざ研究開発でお金が要る、何が要るということになったときに、しり込みする組合も出るのではないかとは思いますが、大体その程度のものがあるということを念頭に置いて私どもは法案を準備さしていただきました。
○木内委員 校内暴力の問題、非行少年の問題なんか議論するとき、非行少年がいる、これは何とかしなければいかぬということで、PTAを呼ぶのですね。問題があるということで、父兄がおっ取り刀で飛んでくるところの子弟というのは、さほど問題がないようなのです。呼びかけにも家族が応じないような場合、実は問題がある。
 今全国に、そういう話で球を投げてみた。相当数字が挙がった。これが大体百五十七と今おっしゃいましたね。そういう球を投げたときに、グローブを出す人たちは意欲があるのですよ。問題は、私もこの法案の審議に当たって、実は何件か聞いてみました。お豆腐屋さん、こんにゃく屋さん、あるいはそのほかの業界、陶器、焼き物ですか、こうした製造業者の方にも聞いてみました。一体、「著しい新規性」を盛り込んだ計画をつくるために何を考えたらいいのか。自分の命ある仕事で先端的技術をいかに導入できるのかということについてはまるっきりわからない、はっきり言ってそう言っていました。
 ですから、これは答弁は結構ですけれども、ぜひ今言われたように、この指針のほかに、例えばそれぞれの業種別、製造分野別に、今意識はないけれども、こういうものを与えられてみて自分が該当する自分の業種を見てみたならば、こういう技術開発が可能であるということがわかるような、そういうものも用意していただいたらいいんじゃないか。百五十七あったから、これでひとつその中から選別してみるかというようなことでなくて、これはぜひ要望してみたいと思うのです。これはかなり難しいようですか。難しいようなお顔をされますので、じゃ、ちょっと率直なところを御意見お聞かせ願えませんか。
○石井政府委員 一つの事例でお答えをいたした方が御理解が得やすいかと思います。
 さきに御答弁申し上げました異業種交流という制度、五十九年度から進めておるわけでございますが、現在まで約百四十五のグループ、四千四百社ぐらいがこれに参画をいたしております。
 この異業種交流の意義は何かと申しますと、それぞれ特定の業種において解決をすべき技術課題、これはそれぞれの経営者が確認いたしておるわけです。意識いたしておるわけでございます。ところが、その技術課題を解決するための技術手法というものがわからないわけでございます。これをむしろ一緒に交流会を開く異業種の経営者あるいは技術者に求めていっているわけでございます。これまで全国に府県単位でそういったグループを結成してまいりましたが、六十年度から中小企業事業団にテクノロジーセンターというものを設置をいたしまして、全国のそれぞれ府県で満たされない技術課題のデータベース化あるいはそれぞれの特定業種に対応してこういった技術手法が提供できますというような他の業種の方々のデータベース化、こういったものを実は六十年度から構築をいたす予定にいたしております。こういったものを見ていけば、具体的にそれぞれの中小企業分野におきましてどういった技術課題が解決を求められているかというのは、相当程度わかってまいるのではなかろうかと思います。
 こういったものを一つの事例、端緒といたしまして、全体的な中小企業各分野におきます技術開発の機運といいますか、そういうものを守り立てていきたい、そういうふうに考えております。
○木内委員 ぜひ申し上げた製造業種別の一覧リストみたいなものができれば非常にいいんじゃないかというふうに思いました。
 今の長官の御答弁にもあったように、開発すべき課題はわかるけれども、このプロセスについての技術的な解明が行われ得ないという一般的なうらみがあろうかと思いますので、これはぜひ要望しておきたいと思います。
 それから、先ほど来の答弁で、ちょっとほかの委員の方の答弁を聞き漏らしておりましたけれども、改良技術についてどういう扱いをされるのか。と申しますのは、細分化と複合化傾向の中で、改良技術そのものが実は新規性があり、創造性ありとみなされるケースもあるという専門家の意見もあるわけです。この辺の線をどこに引くか、この点についてお伺いします。
○黒田(明)政府委員 技術が全く新規のものであるか、あるいは一つの技術の改良であるかということは、この法律では余り重視いたしておりませんで、「技術革新の進展に即応し、かつ、著しい新規性」、これが要件になるわけでございますが、それが見受けられるものであれば、当然対象になります。
○木内委員 今の御答弁は、余りこの「著しい新規性」にこだわらない。特に先ほどの大臣答弁で、フレキシブルな対応をしていくということもありますので、このように受けとめたいと思います。
○黒田(明)政府委員 「著しい新規性」については、かねて大臣から御答弁申し上げているとおりでございます。
 改良技術でいいかという点でございますが、そのような御答弁を申し上げているような意味におきます「著しい新規性」というのは必要ではございますけれども、改良技術であるからだめということではないという趣旨で御答弁申し上げました。
○木内委員 極めて明快な答弁であったと思います。
 次に、「技術開発指針」の問題であります。
 特にこの中で問題になりますのは、極端に厳格にしてしまうと、中小企業が取り組めない結果となってしまいますし、特に「技術開発を行うに当たって配慮すべき重要事項」というのがあるのですけれども、これは何ですか。
○黒田(明)政府委員 今回の指針におきましては、中小企業を自主技術開発の方向に引っ張っていきたいという願望がございます。そのために、中小企業者が技術開発に取り組むに当たってはやはりある程度の覚悟が必要でございまして、研究開発につき込む費用などについてはそれなりの心の準備をして大いに取り組んでもらわなければなりませんので、そういった側面について触れたいというのが一つ。
 もう一つは、これは成果の利用を含みますけれども、そういった成果の利用についてはできるだけ組合の中におきます需要者、利用者が公平に成果の利用を享受できるように、そういった点をここで特記いたしたいというふうに考えております。
○木内委員 今、成果の利用という話がありましたので、関連で触れるわけでありますけれども、例えば、この指針を受けて技術開発計画を策定する中小企業者、組合、これが比較的人材ですとか研究機能がそろっている場合はいいわけでありますけれども、必ずしもそうじゃないわけであります。この縛りが余りきつくなってまいりますと、恐らく重要事項にはそのほかの項目も入ると思うのですけれども、いわゆる申し上げた機能等がそろっている中堅企業に行ってしまう危惧を実は持つわけであります。やりたい気持ちがあっても取り組めない本当の意味での中小企業者、本当の意味でこの技術開発が今後必要とされる業界にこの法律の恩恵がもたらされないということになることを心配しているわけであります。この点はどうでしょうか。
○黒田(明)政府委員 今回この法律のいわば対象として中小企業を取り上げます場合に、個々の中小企業者と、そのほかに中小企業者の団体であります組合等を取り上げておりますが、その取り上げております趣旨は、中小企業者個々に考えてみますと、人的、資金的あるいはリスク負担の面で足らざるところが多うございますので、相寄ってこれらを補完し合う、そして分担し合うという形で共同で研究開発に取り組むことを奨励いたしているわけでございます。
 その場合に、組合は大部分、中小企業等協同組合法に言う組合になると思いますが、この組合では相互扶助の精神ということがいわば協同組合の特色でございまして、大きなところ、力のあるところ、それを取り巻く力のない小規模企業者、こういったものも同じような研究課題を抱えているわけでございますから、相互扶助の精神でこの研究開発に取り組んでいただき、そして、成果の利用についてもそういう相互扶助の精神で公平な利用が確保されるようにというふうに考えております。その基礎は協同組合法等で少なくとも精神的には確立されていると思いますし、今後私どもが個々の技術開発計画認定に当たっても目を配っていきたいというふうに考えております。
○木内委員 ぜひその点も血の通った対応、運用をされるよう要望をしておきます。取り組みやすい、わかりやすい指針というもの、具体的で、なおかつ温かみのある施策がこの指針に盛り込まれなくてはいけないというふうに私は思います。
 技術開発計画の問題について聞きます。
 私は、本来この法律を見てまいりました段階で、恐らくこの届け出先は通産局にでもなるのかと思っておりましたら、都道府県知事である。まず都道府県知事に提出をさせ、そして認定をするという、こういうシステムにした理由について一点。
 それから、都道府県知事ということでありますけれども、認定の当事者能力が果たしてあるかどうかという点、まずこの点、お尋ねします。
○黒田(明)政府委員 この種の認定業務を行う場合には、いろんな段階が考えられるかと思います。本省でやる場合、あるいは地方支分部局でやる場合、さらには都道府県知事でやる場合、もっと下がって市町村でやる場合、いろいろ考えられるかと思うのでございますが、中小企業者の利便性ということを考えますと、やはり土地に近い行政官庁が当たるのが適当であるというふうに思われますし、他方、木内委員御指摘のように、その判定能力というような問題も考えなければなりません。そういうような意味で考えますと、都道府県知事がとどのつまり最も適当ではないかというふうに考えたわけでございます。私どもの地方支分部局となりますと、御指摘のように通産局になるわけでございますが、そこに足を運ぶといたしますと、やはり中小企業者にとっては若干の負担もございますし、それから国の研究機関を通産局が利用するという点でも必ずしも便利でない点があるのに対しまして、都道府県には公設試験所などがございまして、そこに技術者がおります。したがいまして、認定に当たっては知事部局のみならず、そういった研究機関を動員することによって技術的な判定の道が講ぜられるというふうに考えられます。また、そのように指導してまいるつもりでございます。
 それから、万一判断に余るようなことがございましたら、照会、回答の形で都道府県知事から私どもが連絡を受けまして、私どもも専門家と相談をすることが可能かと考えております。そのような点は通達などで明確にしてまいりたいと思います。
○木内委員 恐らくこの開発計画を提出されるに当たっては、既に作業が始まっているかもしれませんけれども、各地域、各職域、業種に対する拾い出し作業というものが必要になってくるというふうに思います。都道府県知事のこの法律に対する対応姿勢によっては、地域的に各都道府県別に偏在が起こってくるのではないかという心配をするわけです。この点はぜひ運用面で連絡、連携を、しっかり縦の線で国と都道府県知事というものが行われていかなくてはいけないという指摘をまずしたいと思います。
 それから、今の点についての御答弁を願うことと、関係があることですけれども、例えば技術開発計画の認定の数の問題もありますけれども、それぞれ都道府県知事が認定をするということになりますと、各県別の横並びの認定のリズムというものができなきゃいかぬ。といいますのは、これは一つの例として恐縮ですけれども、焼き物、陶器について仮に技術開発の計画を立てるという場合に、有田という町があるわけです、これはたしか佐賀県でしたか。愛知県に瀬戸がある。これはあくまでも例ですが、それぞれの有田と瀬戸の方で技術開発計画を組合なり業者の団体がつくった、出した、愛知と佐賀の県知事がこれを認定するわけであります。相当なダブリが出てくることもあるでしょうし、それから、私は、ダブリ自体はむしろ研究開発、技術開発のエネルギーとなるものでありましょうから、いい面もあると思いますけれども、広がりのある異業種における技術開発というものが横並びで間口の広い形で進めていかれなければならないと思うのです。そのために、都道府県知事の認定ということにはなっているものの、技術開発計画が都道府県知事を通じて通産省本省に上がってきて、ここで交通整理もやはり行われなくてはいけないのじゃないか。県知事の認定ということになっておりますけれども、やはり産業構造の普遍性という点から考えても、ぜひそうした作業も整理がされつつ行われなければいけないし、そうしますと、通産本省と各県との連携態勢というものも必要になってくる、こういうふうに申し上げたいわけですけれども、どうでしょうか。
○黒田(明)政府委員 地域的偏在のおそれというのは、私どももあろうかと思います。これまでも中小企業施策がいろいろあるわけでございますが、非常に熱心な都道府県もあるかと思えば必ずしもそうでないところがございまして、私どもとしてはできるだけ中小企業施策が全国に公平に利用されることを願っておるわけでございます。
 ただ、どうしても中小企業施策は意欲ある中小企業というのを前提にいたしております関係上、そういった意欲を有しない地域について私どもも非常に困るわけでございますが、できるだけPRを行って、こういった各地における中小企業者が意欲を起こすような誘導も必要かというふうに思いますと同時に、この補助金などの交付に当たってはできるだけ全国的な、厳密な意味ではできないかとは思いますけれども、ある程度のバランスといったようなものも念頭に置いて運用いたしたいというふうに思います。
 それから、それぞれの県知事の間で認定にばらつきが出るというのは、余りそのばらつきが激しくなりますと適当ではないと思います。それぞれの地域の実情ということや、あるいは地方公共団体の自主性ということも考慮しなければいかぬかとは思いますけれども、できるだけ統一的な基準で都道府県知事が認定を行うように指導したいというふうに思います。
 それから、ダブリなどの点につきましては、これも厳密に言いますと恐らく全く同じ技術開発ということが行われる可能性というのはほとんどないと思うのですが、厳密でない意味においてはダブリということもあろうかと思いますが、余りそういったものを排除しないで行いたいというふうに思います。私ども、都道府県と密接に連絡をとりながら、どんな申請があるのか、どういうふうにするのか、情報を仕入れまして、バランスのとれた事業の展開を志したいと思います。
○木内委員 都道府県知事における認定のための基準、これはまた別途おつくりになった方がいいと思います。どうでしょうか。
○黒田(明)政府委員 認定それ自体は法律に書かれております要件に従って行うわけでございまして、その大きな部分は指針ということになるわけでございますが、私どもも委員御指摘のような点を考えますので、通達などで補っていきたいと思います。
○木内委員 具体的にいろいろ質疑を用意しておりますけれども、時間がございませんので、何点かに絞ります。
 まず一つは、附則の第二条の、十年以内にこれを廃止するというふうにあるわけでありますけれども、理由として技術革新はテンポが速いためということがあると思いますけれども、むしろこれは逆に恒久法にしてしまって、先ほど申し上げたこの中小企業における技術開発の必要性というものはこれまでの流れ、今後の見込みの中で極めて重要になってくるわけでありますし、この重要性というものは十年間でなくならないわけでありますから、恒久法にして、むしろ指針を見直すという方向では立ち行かないものか、この点お聞きします。
○黒田(明)政府委員 私どもも、中小企業の技術開発の必要性というのはとても十年で終わるというふうには思っておりませんで、十年後には現在よりももっと痛切にその必要性が感ぜられるかもしれないというふうに思っております。十年といたしました理由は、そういう施策の打ち切りということを考えているわけではございませんで、ややもしますと、施策が長引くに従って私ども施行に当たる側におきましても惰性に流れる面もございますので、十年たった時点でもう一度中小企業をめぐる環境を見直し、どのような手法がより効果的であるのか、これから講じようとします十年の施策が果たして効果を上げ得るのか、あるいは上げ得ないとしてどういった点に改善を加えるべきなのか、そういったものを見直すという意味で十年という期間をあえて設定した次第でございまして、打ち切るという意味ではなくて、一つの見直しの時期というふうに理解いたしております。
○木内委員 最後にお聞きします。
 るる訴えてまいりましたように、中小企業における技術開発というのは現在の情勢の中では極めて重要なことでございまして、総合的な施策が今、中小企業庁、通産省、政府によって数多く行われているわけでありますけれども、特にこの法案の実施に当たっては血の通った対応というものをお願いしたいし、これについての大臣の御決意をお願いしたいと思います。
 そして、具体論でありますけれども、その御決意のあるところで、例えばこの法律の施行によってよい成果の出たところにつきましては、特に初期的段階で技術開発のいい成果が出たといったような第一号などは通産大臣による表彰なんかは考えたらどうか。これも一つの励みになるのではないか。また同時に、そのくらいの意気込みでぜひ対応してもらいたい、こういうふうに思うわけてすが、これをお聞きします。
○村田国務大臣 よく承りました。中小企業は、石井長官が申しましたように、市場構造の変化に柔軟に対応し得るしなやかさ、そしてまた環境変化に力強く耐えていくしたたかさ、まさにそのとおりだと思います。さすがに石井長官、頭がいいからいいことを言うなと思って聞いておりましたが、技術革新が急速に進展をしておる今日でございまして、中小企業の技術開発力の涵養ということは喫緊の課題だ、こういうふうに認識をしております。
 この法案につきましても、従来の技術力向上対策の上乗せ施策として制定をすべく御審議をお願いをしておるところでございまして、従来より整備を図ってきた技術力向上施策につきましても、昭和六十年度には減税規模百四十億円の中小企業技術基盤強化税制を創設するとともに、予算の確保についても厳しい財政事情のもとで最大限の意を尽くしてまいったところでございます。今委員御指摘になりました表彰等の問題も非常にいいアイデアだと思います。検討させていただきますし、今後はこれらの施策を総合的に推進いたしまして、中小企業の技術の向上を図るため一層の努力を尽くしてまいる所存でございます。
○木内委員 以上で終わります。
○粕谷委員長 これをもちまして木内良明君の質疑は終わりました。
 続きまして、宮田早苗君の質疑に入ります。
○宮田委員 この法案の振興対象となっております「技術開発」の定義について、「生産、販売又は役務の提供の技術で、技術革新の進展に即応し、かつ、著しい新規性を有するものに限る技術に関する研究開発」、こうなっておるわけでございますが、まず、具体的にはどのような技術をお考えになっておるか、その辺をお聞きいたします。
○黒田(明)政府委員 中小企業を対象にいたします関係上、まず「技術」の範囲を定める意味におきまして、第一点は、「生産、販売又は役務の提供の技術」である、中小企業の事業活動に関連する技術であるということを特定したいというふうに考えております。ここでは販売、役務も入るということでございまして、製造業には限らないということでございます。
    〔委員長退席、田原委員長代理着席〕
 次には、「技術革新の進展に即応し」といういわば技術の内容、方向性を持たせております。それは、技術革新が今生じておりますけれども、それは一つの方向を持っており、かつこれは中小企業にとっての未来を開き得る分野であり、その未来はうまく中小企業者が成功するならば非常に大きな付加価値をもたらす性質のものであり、中小企業者がこれに即応できるものであるというふうに考えておりまして、そういった今の技術革新の潮流に即応するものというふうに選びたいと考えているわけでございます。
 それからまた、先ほど来御議論いただいております「著しい新規性」でございますが、一般的に技術開発の促進ということは従来の施策においてもやっておりますが、それにさらに上乗せして中小企業者にこの技術革新の進展に即応していってもらうわけでございますが、それと同時に、その過程におきまして技術開発力をみずから涵養するという意味で、ある程度のジャンプを必要とするという意味で、従来の技術開発の一般施策とは少し違うという意味で「著しい新規性」というふうにしておるわけでございますが、この「著しい新規性」の意味合いにつきましては、いろいろ私ども御議論をいただき、御答弁申し上げましたように、中小企業の技術開発の実情を踏まえて考えてまいりたい、かように考えております。
○宮田委員 製造業関連の技術には限定しないということなんでございますが、非製造業関連ではどんな技術を考えておいでになるか、その点をお伺いします。
○黒田(明)政府委員 ほんの例示になろうかと思いますが、最近では情報化関連の技術がこういう第三次産業で大幅に発展を遂げつつあるように思います。倉庫業におきます各種の倉庫運営技術、貨物の整理、取り入れ取り出しなどの技術、それらを全体的に把握する技術、小売業におきましてはPOSを中心にいたします売れ筋商品、新筋商品の把握と会計処理とを一体化した技術、運送業におきましては、これも常時全店所在地を把握するような情報化技術などが見られるようでございます。そういった情報化関連の技術が第三次産業では非常に多いかと思いますが、もちろんそれ以外のもっと物的な側面を持った技術などもあり得るというふうに考えております。
○宮田委員 今までの質問者がほとんど言っておいでになりますように、「著しい新規性を有するものに限る。」こういうことを言われておるわけでございますが、こういうことになると、これが振興の対象ということになりますと、技術の範囲を狭めるということになるんじゃないかという懸念もあるわけでございまして、この「著しい新規性」ということについて具体的にどういうように運用なさる方針か、その辺をお聞きいたします。
○黒田(明)政府委員 技術開発と申しましても、従来の在来型の技術にわずかな工夫を加えるというのも技術開発たり得るわけでございますが、私どもはそういった在来の技術にわずかな工夫を凝らすというのではなくて、やはり相当程度の研究開発努力が伴うことによって実現できるような技術開発を考えたいわけでございます。そうすることによりまして、その努力の過程におきまして中小企業がみずからの技術開発力をつけていくというふうに考えている次第でございます。この「著しい新規性」というのはそういう意味でございますので、中小企業者が努力を断念してしまうような、そんな過酷なものは毛頭考えておりませんで、努力を誘発する程度の基準を考えたいというふうに思います。
 それで、一般的なメルクマールとしては、従来の中小企業のグループで利用されていない技術で、その新しい技術開発のためには相当な努力が要る程度のものではあるわけでございますが、指針の中でその範囲をできるだけ明確にいたしたいと思いますが、先ほど御答弁申し上げましたように、その「著しい新規性」というものをもう少しブレークダウンして、指針の中で、あるいは通達の中で皆様にわかり得るように努力してみたい、かように考えます。
○宮田委員 中小企業の技術開発の現状を見ますと、ほとんどと言っていいほど外部からの導入と思うわけでございますが、しかし、これだけでなしに中小企業みずからが技術開発に取り組む事例というのもあると思うわけでございますが、現在どれくらいそういう中小企業が見込まれておるか、わかっておれば御説明願いたいと思います。
○黒田(明)政府委員 私どもが予備的に調査をいたしましたところでは、協同組合などでこの種の技術開発に取り組もうと考えているところが百五十七、手を挙げてきたわけでございます。それから、総務庁の科学技術調査報告によりますと、五十八年度中に中小製造業の中でみずから研究開発を実施したものは約一四%ということになっております。もっともこの総務庁の調査は私どもの定義と必ずしも合ってないようでございますが、一四%という数字は一つのメルクマールになろうかというふうに考えております。
○宮田委員 中小企業の技術力全体を引き上げる見地からすると、相当数の中小企業の技術開発を促進されるものであると考えますが、この法案の対象となります中小企業の組合、どれくらい見込まれるのか。できるだけ多くの中小企業に立法の恩典が及ぶように同法案を運用すべきであると考えるわけであります。技術導入に関連するものを振興の対象とすべきであると思いますが、この点もどうかということと、また、中に「著しい」という字句が入っておるわけでございますが、これは削除したらどうかというふうにも思いますが、その点含めてお願いします。
○黒田(明)政府委員 私ども先ほど来申し上げておりますように、一般的な技術開発につきましては別途補助金もございます。技術改善費補助金などはそうでございますが、そういったもののほかに技術者研修、技術指導、情報交換、さらには信用保証でも新技術企業化保険といったような制度を用意しておりますし、また、六十年度は新たに中小企業技術基盤強化税制を導入する、その規模は減税額で平年度百四十億円ぐらいにはなるのではないかというふうに試算しているわけでございまして、中小企業ができるだけ技術開発に取り組むようにということは私どもも全く同様な考えでやっております。
 今回のこの施策はそれに対する上乗せでございまして、新しい技術開発の可能性のある分野に中小企業の努力を誘導しようというねらいを持っておる上乗せ施策でございますので、一般的な施策との間に若干の差をつけております。その差が実はこの「著しい新規性」というところにあらわれておるわけでございまして、その「著しい新規性」を要求するかわりにと申しますか、助成措置も上乗せをして、補助金も別途用意いたしておりますし、この法律にございます各種の誘導措置をつけているという関係にございます。
 私どものねらいは、中小企業をそういう新しい可能性のある技術革新の潮流に沿った分野に誘導することでございますから、一般のものとの間に差をつけるという必要性はございます。その意味で「著しい新規性」ということを言っておるわけでございますが、ねらいは、数多くの中小企業者をそういうところに誘導するというのが究極の目的でございますから、数多くの中小企業者がそういう分野に誘導できるように、逆に言いますと、この「著しい新規性」というのを、中小企業の実情を踏まえて運用するようにしなければならないというふうに考えます。ただ、一般施策との間にそういう差異をつけなければこの種上乗せ施策ということも成り立たなくなるわけでございますので、実情を踏まえて運用するということで、できるだけ多くの中小企業者を新しい可能性のある分野に誘導するということでやってまいりたいというふうに思いますので、御了解賜りたいと思います。
○宮田委員 この法案は臨時の措置法ということになっている。期間を十年、こういうことになっております。ところが、この法律案の必要性を五項目ばかり並べられておるわけでございますが、これは当然なことと思います。これをちょっと読んでみますと、まず、近年、「技術革新が急速かつ広汎に進展」するとともに、「技術の細分化、複合化傾向が増大」しておる。これは臨時でなしに恒久的なことで考えなければならぬのじゃないか。五項目全部見ましても、臨時ということでなしに、これからは恒久的に考える必要のことばかり、こう思っておりながら、あえて臨時の措置法ということで十年と期限を切られた理由ということと、もう一つは、延長も当然考えられると思いますが、その点についてのお考えを聞かせていただきたいと思います。
○黒田(明)政府委員 現在の技術革新の潮流というのは、二十一世紀に向けて続いていく、広がっていくと思いますし、中小企業がその中にあって対応を迫られていくという実態も変わらないというふうに思います。したがいまして、中小企業者が技術開発に取り組んでいかなければならない必要性、重要性というのは、現在はもちろん、将来においても減ずることはないというふうに思っております。
 それにもかかわらず十年で期限を設定しておりますゆえんのものは、私ども、今のような考えを持っているからこそ、この十年間におきますこの法律の運用でどの程度の成果を上げることができるか、施策として成功するのかどうかといったような点で、私どもは大いにこの十年間に精力を結集してやりたいという念願が一つと、仮により適切な手段があるとすれば、法律を改め、施策を充実しなければいけないわけでございますが、その契機といたしまして、物事をいわば見直す一つの区切りといたしまして十年間という時間、期限を切ってあるわけでございまして、そういう段階でもう一遍施策の適切さかげんというものを見直すべきではないかというふうに考えております。
 ただ、延長の可能性につきましては、現時点におきましては、この技術開発についての必要性というのは変わらないと思いますので、延長ということは十分にあり得るというふうに考えております。
○宮田委員 関連をしてお聞きするわけでごいますが、中小企業の技術力を向上させることは二十一世紀に向けての中長期的な重要課題であるわけでございまして、これを計画的に実現していくための基本法的な性格をこの法案に持たせるべきじゃないか、こう思うわけであります。この立法趣旨に立って恒久法化を考えてもいいのじゃないかと思うわけでございますが、その点のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○黒田(明)政府委員 この法律の中小企業による技術開発の促進に占めます重要性は基本法と呼んでもいい程度ではないかというふうに思いますが、基本法は、中小企業基本法というのもございますし、それから技術全般をカバーするというよりは、この全般的な、一般的な技術開発施策はこの法律の外にもあるわけでございますので、あえて基本法というような名前をつけておらないわけでございます。十年間というふうに時限的にしておりますのも、それで足りるという意味ではございませんで、事柄の重要性のゆえに、十年たって立ちどまって見直すという義務をいわばみずから課しているというふうに御理解いただきたいと思います。
○宮田委員 不況に見舞われた産地を救済するための技術開発の促進を含めた対策を講じるために産地中小企業対策臨時措置法、こういう法律が制定されておるわけでございますが、今度できますこの新法の運用に当たって、産地法はどのように位置づけられるものか、その辺をお聞きいたします。
○黒田(明)政府委員 産地法は、御承知のとおり円高によります輸出産業の被害あるいは輸入の増加、あるいは原材料の入手困難といったような、当時の、外から生じました困難に中小企業者が対処するために、いわば産地ぐるみで施策を講じようとするものを支援する法律でございまして、この中には技術の開発というものも入っているわけでございますが、期限が来年来ようといたしております。
 で、この法律の契機になりました、先ほど申し上げましたような外から起こった事態というのは、その後御承知のように変化をいたしておりまして、この法律をそのままで存続する理由というのはなくなったと思いますし、これまでに講じた施策によってそれなりの成果が上げられたというふうに考えております。
 ただ、今回技術問題を取り上げます関係上、これまで技術開発に取り組んでまいりました産地組合がまたこの新しい技術テーマによりましてそれに取り組もうとするときには、実質的に産地組合の技術開発をこちらの法律に基づいて遂行していくという可能性は生じてきているかと思います。ただ法律論といいましょうか、形式論を言えば、両方は、目的も別でございますし、これを承継するという形にはなっていないわけでございます。
○宮田委員 中小企業投資育成株式会社法の特例が設けられておるわけでございますが、何社ぐらいがこの対象となる見込みか、お聞かせ願いたいと思います。
○黒田(明)政府委員 今回の特例を講じますのは、今までは投資育成会社法では、投資対象が資本金一億円以下の会社というふうに限られていたわけでございますけれども、中小企業であります以上は、例えば資本金が一億二千万円であっても、製造業で従業員が二百人というのであれば、その技術開発に必要な自己資本を投資育成会社から供給してもいいのではないかという意味で、中小企業という定義の範囲内で今の投資育成会社の対象層を拡大しようという意味でございます。
 この対象に入ります企業数というのは、必ずしも明確に数字としては出ていないわけでございますし、また、そういう中小企業者からどの程度、この法律に基づいて投資育成会社に対して投資を求めてくるかどうかというようなことはちょっと計算もしにくいという事情がございますが、私どもとしてはこの制度の趣旨をPRをいたしまして、できるだけ自己資本の充実の道を利用してもらうようにいたしたい、かように考えております。
○宮田委員 行政改革に関する閣議決定におきまして、投資育成株式会社は来年度以降民間法人化することが決まっているわけでございますが、この特例措置の実施に当たって、事業の円滑な推進を確保するため、この資金のめど、これはついておるかどうか、この点もお伺いいたします。
○黒田(明)政府委員 投資育成会社は、昭和四十三年以来投資の成果が上がらないと申しますか、懐妊期間が非常に長いために、長いトンネルの時期を過ごしたわけでございます。ところが、最近に至りましてようやく投資の成果があらわれてまいっておりまして、昭和五十八年以降投資育成会社の投資先で、多くは二部でございますけれども、第二部の市場に上場する企業が大分出てまいりまして、現在は、政府からの出資と申しますか、中小公庫からの出資も償却できましたし、内部留保もある程度持ち得るという状況になってきております。
 したがいまして、私ども既に民間移行と民間法人化ということを政府全体として閣議で、行政改革の一環として決めているわけでございますが、民間移行に当たりましては、十分会社のあり方について改めてよく見直し、健全性について検討を要すると思いますけれども、現在の見込みといたしましては、前とは大分変わりまして、経理も充実してきているというふうに考えておりますので、民間移行は可能であり、かつ、私どもの将来に対する希望としては、民間法人に移行後も、中小企業基本法にいいます中小企業の自己資本充実のための政策機関として何らかの位置づけを与えて、その強力な施策展開、投資の実行というものを支援していきたいというふうに考えております。
○宮田委員 ベンチャーキャピタルの活用について、中小企業近代化審議会で五十九年十二月六日ですが、「今後の中小企業の技術力向上のあり方について」の報告にもありますように、自己資本に乏しい中小企業に対する投資活動に重要な役割を担っておるベンチャーキャピタルから中小企業への技術開発に対する投資活動を今後促進する方策が今回の法案に盛り込まれていないと思うのですが、これはなぜかということを説明していただきたいと思います。
○末木政府委員 現在、民間でベンチャーキャピタルと呼ばれております企業は約六十社ほどございまして、それらの業績はおおむね順調に推移しておるというふうに認識しております。ただ、その多くは比較的最近設立された企業でございまして、そのせいか投資対象先から十分満足であるという評価ばかりでは必ずしもございませんで、したがいまして、先生が御指摘の審議会の報告でも、基本的にはこれらのベンチャーキャピタルが中小企業の自己資本の充実に果たす役割に期待をしつつ、今後いろいろな問題点の推移を見詰めて必要に応じて政策的な検討に取り組むようにという御指摘をいただいております。私ども、今の段階では同じような期待を持っておりますけれども、この法律に取り込んで制度的な形で役割を担っていただくにはまだ少し時期が早いのではなかろうかと思いまして今回は見送りましたけれども、期待はしている、こういう考え方でございます。
○宮田委員 リスクの大きい投資を促進するために投資損失準備金の制度の創設とか、ベンチャーキャピタルの株式売却益への課税の軽減などの措置を実現したらどうか、こう思いますが、その点のお考えがありましたら聞かせていただきたいと思います。
○末木政府委員 ただいま申し上げましたような問題はさておき、御指摘のような税制の手当てはどうかという点は確かに問題点の一つかと思いますが、基本的には我が国の税制においてキャピタルゲインをどう取り扱うかという大きな問題とも関連いたしますので、今後なお慎重な検討が必要ではなかろうかと思っております。
○宮田委員 審議会の中間報告では、人材の確保策の一環として、ベンチャーキャピタルからの役員の派遣、それから人材のあっせん、供給に係る問題の解決策が検討課題とされておるわけでございますが、この問題にどう対処なさる方針か、その点もお聞きいたします。
○末木政府委員 御指摘の点につきましては二つ問題がございます。
 一つは、独禁法との関連でございまして、独禁法を担当しております公正取引委員会がベンチャーキャピタルの独禁法上の取り扱いにつきましてガイドラインを発表しておりますけれども、その中で、ベンチャーキャピタルからの人の派遣が相手先の企業の支配にならないようにという観点から、人の派遣は行わないということが示されております。
 そこで、一方においては、こういうところから有能な人を受け入れたいという要望もございますし、逆に人の受け入れについては警戒的な中小企業もございますけれども、そういった全体を含めましてどういうふうにすれば独禁法の精神に触れないで、つまり経営の支配という問題を生じないで有効な人の受け入れができるかという点が一つございます。
 いま一つは、職業安定法上の制約がございまして、人材のあっせんとか供給に関しては一定の制約がございます。この辺も、もちろん立法の趣旨に照らして、新しい時代の要請にこたえるためにはこういう例外措置が必要であろうというような考え方もあろうかと思いますが、その二つの点を今後十分検討いたしまして対処してまいりたいと思っております。
○宮田委員 もう一つ。審議会の報告では「担保力の不足が中小企業の技術開発資金の確保上大きな障害となっている。」こういうことを指摘しておるわけでございますが、中小企業に限らず、企業の先端技術開発に関する問題の一つは、新技術、新商品に対しまする評価体制が整備されていないことでございましょう。このために、新素材やコンピューターのプログラムなど、先端技術関連の試験評価体制を確立して技術シーズの担保能力の付与に努めることは、中小企業の技術開発を促進するためにも緊要の課題と考えておるわけでございますが、政府の対処の方針、ございましたら出していただきたいと思います。
○石井政府委員 御指摘のとおり、中小企業だけではございませんで、先端技術につきましての研究開発成果の評価体制の確立ということは極めて重要であると思います。一つの試みが、ファインセラミックスセンターの設立というのもその方向にのっとった一つの施策でございますが、従来から中小企業分野に関しましては、公設試験研究機関におきまして依頼試験に応ずるという形におきまして、そういった評価を常々行ってきたわけでございます。しかし、御指摘のような担保としての有効性、有用性という側面からまいりますと、単に技術、あるいは技術の新しさ、あるいはその信頼性というだけではなしに、その技術を化体した商品のいわば市場性とか、総合的な問題が含まれてこないとその担保の価値という意味において十分ではないと思います。そういった面を含めて、今後の中小企業の先端技術への取り組みに対応いたしまして、少し研究をしてまいりたいというふうに思います。
○宮田委員 情報の提供とか人材の養成は重要な課題と思いますが、この法案には具体的な施策が盛り込まれていないわけでございます。今後どのような施策を積極的に推進なさる方針か、この点もお聞きいたします。
○遠山政府委員 この法案の第十条に、今御指摘のような人材の養成その他必要な措置を国及び地方公共団体が講じる、こういうふうにしておりますが、その中身でございますけれども、中小企業大学校におきます研修とか公設試験研究機関におきます技術情報の提供、それから技術指導、そういったものがございまして、それから、都道府県が行います中小企業技術研修あるいは技術アドバイザー事業あるいは同じく都道府県が行っております巡回技術指導事業、そういったものを現在進めているわけでございます。そういう人材養成のための施策につきましては、これからも中小企業の技術開発能力の涵養の観点から、ますます重要になっていくわけでございます。そういった施策を進めますと同時に、さらにそういう施策をどういうふうに進めていったらいいかということにつきまして、中小企業近代化審議会の場等におきましても御検討いただきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○宮田委員 審議会の報告では人材の確保策について検討課題が九項目挙げられておるわけでありますが、この中の中小企業大学校の効果的な活用についてどのように対処なさるかということと、これと関連がございます中小企業大学校の技術研修については、本格的な実習を伴うものは東京校だけに限られておるわけでありますが、今あります各地方校にも広げるべきじゃないかと思いますけれども、その辺はどうですか。
○遠山政府委員 審議会の中間報告で御指摘がございました中小企業大学校の効果的な活用でございますけれども、先ほどもちょっと触れましたが、研修ということにつきましては都道府県でも研修事業をやっておりますけれども、そういったものよりももっと本格的なと申しますか、高度かつ専門的な技術研修を実施する機関として、今お話しの中小企業大学校がございます。そこでは中小企業の技術者に対しまして直接研修を行う、こういうものと、それから、公設試験研究機関の職員に技術指導を行うための研修、こういうものがあるわけでございます。いずれの研修におきましても、中小企業大学校では、高度かつ専門的な技術研修を行うために設備を利用しました実習を伴う研修をやっていこう、こういうことでしておりますけれども、そういった研修を今後とも技術の進歩に即応し、あるいは研修ニーズに即応した形でコースの充実を図っていく、あるいは研修内容の質的充実を図っていく、こういうふうに考えておるわけでございます。
 それで、本格的な設備を使いました実習を伴う研修というものが中心になるわけでございますけれども、そのほかにも、技術研修ではありませんが、経営者を対象にいたしました研修というのがございまして、その中では、やはり技術革新の進展の状況等につきましても触れて、そういうことを十分理解してもらって経営に当たっていただく、こういうことを図っていきたい、こう思っておるわけでございます。
 それで、お尋ねの二点目に、現在行われております本格的な実習を伴う技術研修は東京校だけでございますが、これを地方校に広げたらどうか、こういう御指摘でございました。この技術研修のための設備と申しますのは、これはいろいろございまして、実はかなり大がかりなものもあるわけでございます。そういった大がかりな設備は、やはりそれに伴います施設をつくらなければいけないわけですので、その効率性等からいきまして東京校に集中しているわけでございます。現在、中小企業大学校は東京校のほかに関西校それから五月の末に開校になります直方校というのがございますけれども、そういった地方校の整備に合わせまして、地方校で技術研修をどういうふうに進めていくかということは課題になっているわけでございます。従来は、本格的なそういう設備がかなり大がかりなものでございましたので東京校だけでやっていた、こういうことでございますが、こういった技術革新の状況あるいは技術研修に対しますニーズの高まり等を考えまして、技術研修を地方校においてもどういうふうにやっていったらいいかということにつきましては、これからそのあり方について検討していきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○宮田委員 企業内研修について、ずっと以前は新入社員だけを対象として研修をしていたわけでございますが、最近これだけ高度化になりますと、新入社員だけではもう工場経営ができないということになってまいりました。さらにそれらを含めた全体に対します企業内研修というのが必要になってまいりまして、各企業それぞれ工夫をしながら、設備しながらやっておるわけでございますが、この充実のためにさらに制度的な支援のあり方をしたらどうか、こう思いますが、政府のお考えがありましたらお聞かせ願いたいと思います。
○遠山政府委員 企業内で仕事に直接役立つような人材の養成は、御指摘のように企業内で行うというのが非常に効率的でございます。ですけれども、中小企業におきましては組織的あるいは体系的な研修がなかなかできない状況でございまして、それは人的な面、資金的な面あるいは研修を行います人材の面、そういった問題があるようでございます。そういったことに対しまして何か制度的にというお話でございますけれども、企業内で行いますだけに、研修の対象とか目的、形態とかいうのが企業によってさまざまでございます。それから、もともと仕事の中で教育訓練をするということでございますので、業務との関係でなかなか区分が難しいという問題もあるわけでございます。そういったことで、制度化するのはちょっと難しいものですから、それを補完するものとして、先ほど申しました中小企業大学校の研修あるいは都道府県が実施いたします研修、そういったオン・ザ・ジョブ・トレーニングではなくてオフ・ザ・ジョブ・トレーニングというふうな形で政策的には進めていく、こういうふうな方向をとっているわけでございます。
○宮田委員 大臣にちょっとお聞きするわけでございますが、中小企業の技術力向上を推進していくには、今回提案された法案を初めといたします中小企業施策の枠だけにとどまらず、ハイテク時代に対応した学校教育のあり方を検討する必要があるのじゃないかと思います。御存じのように、我が国の中小企業は事業所数で九四・四%、それから従業員数で八一・四%と非常に高い割合を占めておるわけでありまして、学校教育は極めて重要な意義を有するわけでございますが、このために、卒業後中小企業に就職した従業員が、コンピューターの利用技術など基本的な技術の習得に資するカリキュラムを学校教育に積極的に導入するように、通産省として積極的に推進すべきじゃないか。もちろん所管は文部省でございましょうけれども、大臣の、また通産省自体の積極的な推進があれば文部省も動くのじゃないかというふうに思います。そこで、まず文部省に働きかけていってほしいということが一つ。
 もう一つは、臨教審で今盛んに論議をされておるわけでございまして、ハイテク時代に対応する学校教育のあり方等々が論議されておると思いますし、通産省からも事務局に人材が出されておいでになるのじゃないかと思いますが、なかなか表に出てこないわけでございます。大いに通産省として表に出していただいて、学校教育、こういう問題についての大いなる推進ということをやっていただきたいと思いますが、その点についての大臣のお考えを聞かしていただきたいと思います。
○村田国務大臣 先ほど来の宮田委員の御質疑、こちらで拝聴いたしておりました。私は常々の持論で、中小企業というのはまさに国民生活そのものであるというような認識を持っておりますので、今御指摘の中小企業の従業員に対するコンピューター等の基本技術の習得といったような問題につきましても、中小企業の技術の向上を図っていく上で極めて重要である。したがって、先ほど政府委員から御答弁申し上げましたように、従来から中小企業大学校などにおいて中小企業の従業員を対象に種々の技術研修を推進しておるところでございます。しかし、技術革新の進展が著しい今日、このような中小企業の現在の従業員にとどまらないで、入社前の就学段階での技術研修の重要性というものもますます増大していると考えられるわけでございまして、これは一般問題として中小企業というものに対する国民の認識、そしてまた教育段階におけるいろいろな学習、そういった問題の重要性はよくわかりますので、御指摘の点につきまして文部省にも相談をいたしてまいりましょうし、検討してまいりたいと思います。
 それから、後段の臨時教育審議会の問題でございます。学校制度のあり方のほか、生涯教育充実策などについても、種々の有識者を交えまして、臨教審では非常に真剣な議論がなされておるというふうに聞いております。通産省といたしましても、中小企業の人材の養成、人材確保の立場から、同審議会で実りのある議論をしてもらうように期待をいたしておるところでございますし、また必要がございますれば、臨教審のスタッフとも御連絡をとるのにやぶさかでないと思っております。
○宮田委員 地方大学の理工科系の新卒者を地域の中小企業へ根づかせるような効果的な方策、こういうこともやはり考えてほしいと思いますが、その点何かお考えがありましたら、ひとつお願いします。
○遠山政府委員 各地域の大学の卒業生を、その地域の中小企業に根づかせるということも非常に大事でございまして、各地域の大学校の卒業生がそれぞれの県内でどのくらい就職しているかという数字を見てみますと、やはり理工系の卒業生がほかの地域に出ていってしまって、なかなか根づいていない、こういうことがあるようでございます。それが中小企業の理工系卒業生の人材の確保の難しさにもつながっていくのじゃないか、こういうふうな感じがするわけでございます。
 ただ、学校教育の卒業生、修了者が就職先を選択します場合には、自由意思に基づきまして選択をしている、こういうところはやむを得ないところでございまして、そういう中でどういう施策があるかということでございますが、やはりそれぞれの地域におきまして、そういう卒業生が自分の持っている能力を十分発揮できるような就職の場をつくる必要があるのではないか、こういうふうな感じがするわけでございます。
 具体的に申しますと、例えばテクノポリスに見られますような高度の技術集積都市をつくりますとか、そういった施策、あるいは地域の中小企業の技術開発が進んでいくというふうなことも必要ではないかというふうに考えているわけでございます。したがいまして、中小企業庁といたしましても、そういった中小企業の振興を通じまして、技術開発をてこにしました地域経済の活性化を図り、そのためにいろいろな例えば地域フロンティア技術開発事業あるいは地域システム技術開発事業をこれから進めることにしておりますが、そういった事業あるいは地場産業振興対策事業、そういった事業を進めまして魅力ある雇用機会の確保に努めたい、こういうふうに考えているわけでございます。
 ただ、中小企業の側におきましても、やはりそれなりの努力をしていただくということも必要なのではないかと思いますが、中小企業といたしましては、なかなか大企業に比べまして採用活動が弱いという面があるようでございます。したがいまして、中小企業自体が人材の確保につきましてパンフレットの作成をするとか、あるいは就職情報についていろいろなところで説明会を開くとか、そういうふうな努力をしていただく必要もあるのではないか、こういうふうな感じがいたします。
 ただ、人材問題につきましては、先ほど申しましたように大きな課題でございますので、地域に根づかせるという問題につきましても、今後中小企業近代化審議会等の場におきまして御検討いただきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○宮田委員 最後、もう時間が来ましたから答弁は必要ないと思いますが、通産省のあらゆる御配慮であらゆる施策が講じられておるわけでございますが、せっかくの御配慮が手続の複雑さ等々で、中小企業の皆さん、敬遠されがちでございます。せっかくのいいものが利用されないという嫌いが出てくることも間々あるわけです。さらにこの法律一つとりましても、非常に効果のある法律にしなければならぬと思いますが、あるにもかかわらず知らないばかりに利用し切らぬという問題もあるわけでございますから、PRという問題については格段の御配慮をしていただきますように要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。
○田原委員長代理 野間友一君。
○野間委員 中小企業技術開発に関するいわば基本法的なものが初めてつくられたわけであります。この提案の理由あるいは一条の目的を見ますと、「最近における技術革新の急速な進展及び需要構造の著しい変化に対処して中小企業が行う技術開発を促進するための措置を講ずる」と書いてあります。私もこれはそのとおりだと思うのですけれども、技術開発とは一体何なのかという、二条三項一号では、先ほどから論議を聞いておりましても、先端技術を中心に考え、また著しく新規性を持つと大変な縛りがかかっておる。これでは一体中小企業のうちでどれだけ乗っかっていけるのか、これは実際に業者に聞きましても非常に不安な気持ちを持っておるわけなんです。
 もともとこの目的にもあるように、技術革新の進展とか需要構造の著しい変化というのは何も先端技術に限ったものではなくて、あらゆる分野においてそのとおりなんです。したがって、中小企業の技術開発に関する基本法的なものができたわけですから、論議がありますように、もっとその分野も広く、しかも中身についても「著しい新規性」というような厳しい縛りでなくて、うんと広い運用を図るべきである。だから、「著しい」というのは取るべきであるというのが私の主張なんですけれども、せめて新規性が明白など申しますか、非常に弾力的な運用を図るべきである、私も同じように思いますが、その点いかがでしょうか。
○黒田(明)政府委員 中小企業の技術開発を一般的に幅広く促進すべきであるという点については私どもも同じ考えを持っているわけでございまして、そのために各種の施策を用意しております。補助金につきましても技術改善費補助金などでこれを支援いたしておりますし、各種金融措置を政府関係金融機関でも用意いたしておりますし、信用保証の特例などもあるわけでございます。そういった施策によりまして幅広く中小企業の技術開発を支援していきたいと考えております。
 その中で新しく生じております技術革新の潮流に即応していくように中小企業を上乗せして支援したいというのがこの法律のねらいであり、かつ、その過程におきまして、これまでどちらかといえば導入依存型でありました中小企業の技術力を自主開発の方向に誘導していきたいということから、「技術革新の進展に即応し、かつ、著しい新規性を有する」と規定しているわけでございます。ですが、中小企業をこの方向に誘導するためには多くの中小企業者が取り組み得るような程度のものでなければならないというのは御指摘のとおりでございますので、運用に当たってはそのような点については心してまいりたいと思います。
    〔田原委員長代理退席、委員長着席〕
○野間委員 今次長から答弁がありましたけれども、できるだけ広く運用上配慮する必要があるのじゃないか。上乗せ上乗せとよく言われますけれども、これは中小企業の技術開発に関する初めての立法なんですよ。ですから、法の裏打ちのない予算措置等について私も承知しておりますけれども、せめて新しい立法ができたわけですから、できるだけ広い中小企業者が利用できることは当然望ましいことでありますから、その点も踏まえてぜひ運用上最大限の配慮をしていただきたいと思います。
 指針の問題です。これもずっと論議がありましたが、わかりやすく、きめ細かく、容易に乗っかれるように、幅広く、中小業者あるいは組合が見ればすぐそれに乗っかれるように、今四つばかり申し上げましたけれども、ぜひそういう工夫をしてほしい。今技術について幅広くという答弁がありましたけれども、それを踏まえてぜひ要望にこたえていただきたい。いかがですか。
○黒田(明)政府委員 指針を策定するに当たりましては、今の御指摘の点を心して努力してまいりたいと思います。
○野間委員 次に計画の問題ですが、この計画については年度初めに出すということになるのか、あるいは随時出せるということになるのか。それから計画期間は大体何年くらい考えておられるのか、いかがですか。
○黒田(明)政府委員 計画の認定は年中いつでも受け付けるようにいたしたいと思います。それから計画の期間でございますが、私ども、中小企業の技術開発の実態を見てみますと、テーマによっていろいろばらつきはあるのでございますけれども、平均して考えてみますと、三年程度ではないかと思います。したがいまして、二年から三年というふうに御理解いただいてよろしいかと思います。
○野間委員 六条に関連して聞きますが、いわゆる技術高度化補助金ですね。先ほど計画期間が三年という話もありましたけれども、この補助金とは当然リンクすべきであろう。これは産地法のときにもそういう論議がありまして、三年を五年の期間に合わせるというふうに後で変わりましたけれども、その点についてどうでしょうか。
○黒田(明)政府委員 計画の認定と補助金は制度的には一応結びついていないわけでございますが、補助金交付の対象組合は認定する組合から選んでいきたいと考えております。ただ、仮に認定を受けたいという組合が非常に膨大な数に上ってまいりますと、補助金の総額が限定されております関係上全部には回り切らないという事態も起こり得ないではないと思います。
○野間委員 ぜひ産地法のように、要望に即して、二階にほうり上げてはしごを取ることのないようにぜひお願いしたいと思います。
○黒田(明)政府委員 計画を認定いたしまして初年度補助金を交付することを決定した場合には、その計画に従って技術開発が実現するように私どもも支援してまいりたいと思いますので、二階に上げてはしごを外すようなことがあってはならないと思います。
○野間委員 六十年度の予算の措置ですが、四十組合、一組合当たり千六百万ですか、こうなっております。先ほど次長は、各都道府県で届けてなかった組合に対して手を挙げろと言ったら百五十七あるという話がありましたけれども、これは四十――これは予算上の制約があるとは思いますけれども、当然新年度か来年度以降枠を拡大することが必要だと思うのです。ちなみに産地指定の状況を見てみますと、五十四年が七十七組合、五十五年が八十六ですね、五十六年が三十五組合、計百九十八組合ですね。指定されたわけですから、こういう点で予算の措置も枠の拡大をうんと努力していただきたい、こう思います。
○黒田(明)政府委員 法律及び予算の施行状況を見まして、必要に応じて補助金の拡大には大いに努力いたしたいと思います。
○野間委員 同じく六条に関連してですが、いわゆる事業団の高度化融資の問題ですね。これはかなり私はいい制度だと思います。と同時に、信用保険法による新技術企業化保険の特例措置、それから課税の特例、こういう支援措置が今度法案で盛り込まれておるわけですが、この十条二項では国あるいは都道府県は認定中小企業者への指導及び助言を行う、こういうふうにありますよね。ところが、認定中小企業者の場合に対するきめの細、かい指導助言、これは当然必要ですけれども、問題は、計画の作成自身が大変な難事業になるというふうにも考えられるわけですね。したがって、多くの中小企業者が計画をつくる、認定を受けられる、支援策が設けられる、こういうような技術開発の成果が上げられるように認定前の助言指導も大変大事だと思います。これは十条の一項とも関連すると思いますけれども、その点、できるだけきめの細かい指導助言をするべきだと思いますが、いかがですか。
○黒田(明)政府委員 法律では、認定中小企業者に対する指導助言というふうにいたしておりますが、それは、認定に伴いまして行政庁においても認定中小企業者に対する指導助言の責任が一段と重くなる、必要性が高まるという認識で規定しているわけでございますが、事前の相談指導につきましても、私どもとしては実効上それをやることが適当であるし必要であると思いますので、そのようにいたしたいと思います。
○野間委員 この十条一項は、「情報の提供」「人材の養成その他必要な措置を講ずる」。ここでは「認定中小企業者」という縛りがないわけで、一般的に指導助言ができるし、ぜひこれを大いに活用していただきたい。特に中小企業白書を見ましても、「研究開発上の課題」の第一として挙げられておりますのは、研究者や技術者不足が七一・六%、こうなっていますね。それから「今後の政策要望」を見てみましても、設備投資減税の要望はともかくとして、これを除きますと、人材育成制度、この拡充が第一位で五一・二%、技術情報の提供が二番目で三九・五%、かなり高い要望が出ていますね。そこで、この要望にこたえるために、例えば十条の一項を踏まえまして、情報の提供あるいは人材の育成その他必要な措置、これは具体的にどのようなことを今のところ考えておられるのかお聞かせいただきたいと思います。
○遠山政府委員 第十条第一項の情報の提供、人材の育成についての具体的な措置でございますが、中小企業大学校におきます研修それから公設試験研究機関におきます技術情報の提供、それから同じ公設試験研究機関におきます技術指導、それから都道府県が行います中小企業技術研修それから技術アドバイザー事業、巡回指導事業、そういったものが具体的な施策としてあるわけでございます。
○野間委員 それは今まである制度なんですね。せっかくこういう法律をつくるわけですから、これに基づいて中身についてさらに充実をするということが急務だと私は思います。
 そこで、質問を変えまして、個別の問題についてお聞きしたいと思います。まず、技術力の向上対策の問題であります。技術アドバイザー、それから巡回技術指導ですね、こういう制度がありますけれども、この指導実績はどのくらいになっておるのか、簡単にお答えいただきたいと思います。
○遠山政府委員 まず技術アドバイザー制度によります実績でございます。これは五十五年度に創設されたものでございますが、現在アドバイザーとしては約二千五百名いるわけでございまして、五十八年度までの実績の数字がございますが、それによりますと、全国の企業で二万五千企業にアドバイス事業を行っている。これは五十五年度から五十八年度までの四年間でございます。年度別に申しますと、五十五年度が五千三百二十四企業、五十六年度が六千五百四十七企業、五十七年度が六千四百九十二企業、五十八年度が六千百三十二企業、こういうふうになっております。
 それから巡回技術指導の方でございますが、巡回技術指導につきましては、五十四年度から五十八年度までの数字を申しますと、五十四年度が一万五千八百三十四企業、五十五年度が一万五千五百七十一企業、五十六年度が一万五千二百九十企業、五十七年度が一万五千八百七十一企業、五十八年度が一万四千八百六十八企業でございまして、この五年間を合計しますと大体七万七千企業に対しまして指導を行っている、こういうふうになっているわけでございます。
○野間委員 私も地元の和歌山でいろいろ事情を聞いたり調査もしてきたんですけれども、この技術アドバイザーというのは非常に好評なんですね、巡回指導も同じですけれども。
 特に言っておりましたのは、適切なアドバイザーに恵まれた場合には、例えば例としてこんなのを挙げていました。繊維関係ですね。中小企業の要望や問題にこたえて、アドバイスによって次々とアイディアあるいはヒントが出されて、これが評判であちこちに広がって非常に好評であったということも聞きましたけれども、これは私は非常に大事な事業だと思います。もう一つ、都道府県等の行います技術者の研修事業、これもありますね。これは一昨年七千三百九十七人、研修事業で受講しております。
 この技術アドバイザーあるいは巡回指導それから都道府県で行います、今申し上げました技術者の研修事業、これらは、中小企業に最も広くしかも密着した事業で、非常に大事な任務を帯びておるということで改めて私も認識を深くしたわけでありますけれども、ただ予算面で見てみますと、これはトータルしましても今年度五億四千二百万円ということで、ずっとこれは年々減っていますね。ですから、こういう予算をうんとふやしまして、アドバイザーももっと広域に、しかもすぐれた人材を養成と申しますか、集めて、さらに質量ともに中小企業の皆さんの御要望にこたえるということが急務だと思いますけれども、大臣いかがですか。
○遠山政府委員 技術アドバイザー制度につきましては、これは中小企業が独自ではなかなか解決できない困難な問題、製品だとかあるいは製造工程等に係ります技術的問題につきましてできる限り適切な技術指導を行う、こういうことでございまして、いろいろな点で役に立っている面が多いというふうに感じているわけでございます。
 それから巡回指導事業の方も、先ほど申しましたように、かなり多くの企業につきまして巡回をして、その生産現場でもって指導に当たっている、こういうことでございます。
 それから都道府県が行っております研修事業につきましても、先ほど先生数字を挙げてお話がございましたけれども、非常に多くの技術者の研修に役に立っているわけでございまして、私どもとしても、これからもできる限りこういう施策の強化を図っていきたい、こういうふうに考えております。
○野間委員 大臣はぜひ、そういう意味での予算上の措置も含めまして人的あるいは物的に拡充強化に御努力いただきたいと思いますが、いかがですか。
○村田国務大臣 御質問の御趣旨、賛成でございます。
○野間委員 次に、中小企業大学校の問題についてお伺いしたいと思います。
 中小業者の技術力の向上あるいは人材育成を図る上でも、また助言指導を行う地方の公設試験機関、この技術者の水準を高める上でも、中小企業大学校の果たす役割はこれまた非常に大事だと思います。これも先ほど質問が出ておりましたけれども、東京校、大阪校あるいは直方校、それから旭川も開校準備中だというふうに私聞いておるのですけれども、それから瀬戸校もですか、ここではメニューを見ておりますとかなり豊富なメニューですね。いろいろと私も資料で拝見いたしましたけれども、実習について言いますと、実習を伴う研修というのは東京校だけなんですね。この点についてその事実の確認と同時に、これまた和歌山の工業試験場のある幹部の話を聞いてきたのですが、和歌山は大阪に隣接しながら実習を伴う研修ができないということです。指導員の研修を毎年東京校へ出しているという現状なんですね。ですから、公設の試験研究機関のこういう指導員の研修についてもそうでありますから、中小業者等についてはなおさらなかなか東京まで行くことが困難だというふうに思います。
 そこで、地方校においても実習を伴う研修をぜひ実現していただきたい。特に当面大阪校についてぜひこれを早期に実現してほしいという要望が非常に強いわけですけれども、いかがですか。
○遠山政府委員 実習を伴います研修につきましては、お話しのように東京校におきまして設備を持ちまして研修を行っているわけでございます。その設備の主なものを見てみますと、例えばNC工作機械とかマイコン開発装置あるいはトランスファーマシンとかプレス機器等のための油圧回路実習装置、そういうものがあるわけでございます。そういう設備はかなり大型なものがございますので、各地方校にそういう設備を置きますのがなかなか難しい面がございます。ただ、そういう本格的な大きな設備を使います実習のほかに何か簡便な方法はできないかとか、別の設備を借りた形でもってできないか、あるいは東京校の設備を一時ほかの地方校で使うとか、そういうふうな方法ができないか、そういうことがこれから検討すべき課題じゃないかと思いますけれども、そのほかに地方校におきましてそういう設備を使わないで、例えば経営者研修の中で新しい技術についての、座学が中心になりますけれども、そういった研修で補っていくというのが今までの状況でございます。
 そういうことでございますので、私どもとしては、これからのそういった各地域の研修ニーズも考え、それから設備の利用の仕方等も考えながら検討していきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
 ただ、東京校におきましては、今のところ全国から研修生が来ておりまして、一応全国から参加する形にはなっているわけでございますけれども、各地域の便宜のためにはいろいろ考えていきたい、こういうふうなことでございますので、検討をさせていただきたいと思っております。
○野間委員 必要があるから、しかも地域にないから東京まで出てくるわけで、その点実習を伴う研修、これは各地方校においてもぜひ実現できるように検討をしていただきたい。
 再度確認を求めるのと、それから研修者の指導について、コースが一カ月コース、それから六カ月コースとあります。ところが聞いてみますと、職員の数あるいはスタッフ等の関係でなかなか、一カ月じゃ足りないけれども六カ月では長過ぎるということで、どうしても二の足を踏むということから、二カ月コースあるいは三カ月コース、こういうものもぜひ組んでもらえないかという要望も非常に強いわけですけれども、この点もあわせてお答えいただきたいと思います。
○遠山政府委員 公設試の職員等に対します指導者としての研修、指導員研修と言っておりますけれども、これにつきましては今お話しのように六カ月のコースがあるわけでございます。これはやはり中小企業大学校で、そういった指導員の研修として高度かつ専門的な知識の修得ということでございますので、ある程度期間をかけて研修を行う、こういうことでございます。
 一方でお話しのように、六カ月では公設試等の職員を派遣しにくいという声も聞くわけでございます。そういった要望の実態等も踏まえました上で、そういうコースを設置する必要性につきまして検討してまいりたいと思っております。
○野間委員 東京校あるいは大阪校、関西校と言うんでしょうが、このパンフレットあるいは募集案内、こういうものを見てみましても、確かに環境も非常にいいし、研修のメニューも、見てみますとかなり中身も濃いものがあるように私は思いました。
 ところで、ここへできるだけ皆さんが参加できるようにということで、労働省関係でもらった資料によりますと、こういう大学校等の研修に参加した場合、有給教育訓練休暇給付金というものがあるようですね。中小企業者の場合には賃金の三分の一ですか、ここでの労働者の場合には賃金の三分の一の支給、その他経費を負担する受講奨励金、これを支給する制度もあるようですね。
 それで数字を見てみますと、五十八年これを利用して三千二百六十六人が受給しておるようであります。これは単に労働省の問題としてだけではなくて、こういうものを大いに利用して研修をするように中小企業庁としてもPR、宣伝をすべきではないかと思います。通産省の制度と同時に、労働省のこういういい制度をどんどん利用するようにぜひPRをするべきではないかと思いますが、いかがですか。
○遠山政府委員 御指摘の有給教育訓練休暇奨励給付金制度、これは雇用保険法の規定に基づきます制度でございまして、お話しのように有給教育訓練期間中の賃金、三分の一、あるいは受講奨励金といたしまして給付がある、こういうふうなことでございます。それから、そのほかに生涯職業訓練奨励給付金というものも同じような制度として設けられておりまして、中小企業大学校のコースにつきましては、例えば通信研修なんかの対象にはこの生涯職業訓練奨励給付金が支給されるという制度もあるわけでございます。
 そういった制度につきましては、中小企業が従業員をこういう研修に派遣する場合に非常に有用な制度でございますので、極力そういうふうな制度をPRしまして利用していただくということが必要なわけでございます。私どもとしても、中小企業大学校の募集のパンフレットにもそういうのを載せておりますし、十分そういう制度が利用できるようなPRをしているつもりでございますけれども、今後ともそういうことにつきまして一層努力をしていきたいと思っております。
○野間委員 「中小企業の技術力向上のために」という、ことしの二月に中小企業庁が出しました中小企業関係技術対策の重点のパンフレット、これを見まして、最後に「昭和六十年度中小企業技術関係予算案一覧表」、これがついておりますね。これを見ますと、相当いろいろな制度が実際にあるわけですね。ただ、いろいろなそういう項目なり種目がありますけれども、残念ながらトータルの金が少ないというのが大きな問題だと思うのです。だから、多種多様な、非常に工夫されていろいろな施策をやっておられるということはよくわかるのですけれども、この技術力向上対策の補助金、これをやはりうんとふやすということが大事だと思います。
 ちなみに、技術高度化対策補助金、これも含めまして、これで数字を追ったのですけれども、全部で五十八億七千百万円ですね。項目は二ページにわたって相当多いのですけれども、なかなか金額がこれに伴わないというふうに私は思いました。これは、同じ技術開発補助金に関して日立などを見てみますと、一社だけで七十億二千九百万、これだけついておるわけです。ですから、中小企業全体に対する予算と一社と比べても十一億まだ足りないということにも数字上なるわけで、だから、技術開発を促進して技術力の向上を図るということを本当に実現するためには、こういう点での予算の大幅な増額ということは急務だと私は考えておりますけれども、これは大臣、いかがですか。
○村田国務大臣 中小企業技術向上対策予算についての御質問でございます。
 これは最近の五カ年間を見ましても、一般会計中小企業対策費の技術力向上対策予算として年平均一〇%以上増加をさせておるということになるわけでございます。非常に重要な、また、今後は技術の向上ということが本当に重点的に行われなければなりませんので、御趣旨の線に沿って予算の確保に努力をしていきたい、このように思っております。
○野間委員 中小企業白書からもう一つ引いてみますと、「親企業の技術革新に伴う発注内容の変化」、こういうところがありまして、グラフが載っておりますね。これは百九十四ページです。これを見ますと、コストダウンの要請をされたというのが五一・一%、それから、品質・精度の向上要請強化が四八%、納期の短縮化が二四・四%、こうなっていますね。
 だから、中小企業の人が一生懸命苦労して技術開発あるいは技術力の向上に取り組んでも、結局その果実、成果が皆吸い上げられてしまうというようなことになると大変なことになりますから、この点について、こういう中小企業者からの要望が、今数字を挙げましたけれども、こういうことでありますから、こういうことのないように、やはりちゃんと厳しい指導をすべきじゃないかと私はこの数字から感じましたけれども、いかがですか。
○石井政府委員 御指摘のような中小企業下請事業者の声を私ども真剣に受けとめまして、例えば、情報化の一つの対応としてCAD、CAMの導入、こういった技術革新成果の取り込みによる大幅なコストダウンを志向する中小企業、こういったものが今後どういうふうな下請関係の中で親事業者と対応していくべきか、現在、情報化対策分科会で検討いたしておりますが、それらを含めまして、下請代金支払遅延等防止法あるいは下請中小企業振興法、こういった法体系の中でどういうふうな対応策が講じ得るか、今後検討してまいりたいと思っております。
○野間委員 大臣、同じ質問ですけれども、ぜひそういうことのないように指導をいただきたいと思いますが、いかがですか。
○村田国務大臣 御指摘になりました中小企業白書の中では、変革の時代に挑む中小企業の課題として、技術、情報、人材を挙げております。特に、新しい技術革新の潮流と中小企業の自主的技術開発の必要性ということで、技術についての重要性というのは、中小企業白書のいわば一つの太い柱でございます。御質問の線に沿ってしっかり努力をしなければいけないというふうに認識しております。
○野間委員 ことし三十回目を迎えますが、全国の建具業者の大会があります。それから、十九回の全国建具展示会、これは私の地元和歌山市で行われるわけであります。これに関連してですが、木工関連産業等が、住宅産業の低迷等がありまして大変深刻な状況にあるわけですね。これは私も紹介議員になりまして、昭和五十七年に当委員会で請願採択も実現しておるわけですけれども、この対策、政府のこの請願を受けて何をやったかということについてのあれを見ておりますと、いろいろ書いてあるのですね。書いてありますけれども、実際にはずっと依然として低迷しております。特に、この全国大会があります建具について言いますと、これは深刻な状態がずっと続いているわけですね。
 そこで、要望として私もたくさん聞いてきたのですが、先ほども論議がありましたが、産地法、これが来年期限切れになりますね。それで、建具の組合に聞いておりますと、これは大変役に立った、物心両面の支援になった、もう切れてしまったらえらいこっちゃ、これを残してほしいというのが切実な声なんですね。和歌山で見てみますと、七つが指定されまして、そのうちの五つが終わって、あと二つ皮革と漆器が残っておりますが、期限の切れたメリヤスあるいは紀州繊維等々五つ、これはやむを得ませんから県単で補助をやっておるわけですね。
 私は、これは確かに激変緩和というふうなことでできたものだというふうに承知しておりますけれども、これをやはり産地法として恒久化をする必要があるんじゃないか。産地で見てみますと、四百七十二産地のうちで、五十八年末ですが、百九十八が指定されたという実績を持っているわけですね。これは大変な予算上、金融上あるいは税制上の励ましになっておりますから、ぜひその延長、強化をする必要があるんじゃないか、こういう強い要望がありますが、この点いかがですか。
○黒田(明)政府委員 産地法は、当時の経済環境の激変、具体的には、円高によりまして輸出が困難になるとか輸入が急増するといったもの、あるいは原材料の供給が途絶えるといったような事態に対処するために産地が結集してやろうとする努力を支援する目的で制定されたわけでございますが、御承知のように、その後経済環境がまた変わりまして、現時点では、このような法制定当時のような事態というのはなくなっているというふうに考えますのと、もう一つは、これまでに講じました施策によりましてそれなりの成果を上げてきたというふうに考えておる次第でございます。
 今度のこの技術新法によりまして、技術開発についてはまだ特段の開発支援をするわけでございますが、産地法に盛られております技術開発と本来継続するものではございませんけれども、実質的には、新たに、産地法に基づく技術開発の基礎の上に新しい挑戦をする可能性がまた出てくるわけでございまして、こういった施策の活用によりまして、現在の事態に中小企業者あるいは産地組合が対処することを私どもとしては期待しているわけでございます。したがいまして、本年産地法は期限が来るわけでございますが、ここで失効ということになってしかるべきではないかというふうに考えております。もちろん、中小企業の関連施策については、法律の打ち切りにかかわらず、いろいろな面で御利用いただけるように用意はいたしたいというふうに考えます。
○野間委員 この点については、期限切れが来年ですから、執拗にこれを残すように私もこれから要求していきたいというふうに思っております。
 最後に、先ほど申し上げましたように、建具の業者の大会のときにあわせて展示会をやるんですね。ここでは全国の業者が集まって、大変苦労して、いいものをつくってみんなに見てもらう。これはずっと十八回やっているのですけれども、いろいろ聞きましたら、このいいものをぜひPRしてほしい。例えば日本にあります外国の大使館に展示をしてほしいとか、あるいは外国の日本の大使館に展示してほしいとか、そういういろいろな励みになるような措置をぜひしてくれというふうに非常に強い要望があるのですけれども、聞きますと、通産大臣賞とかあるいは中小企業庁長官賞とか今までずっとやっておりましたが、これは賞状一枚なんですね。実際こういう低迷した地場産業、建具に対して励みになるような新しい施策を展示会にちなんで何か考えられないかどうか、この点についてひとつ見解を聞かせていただきたいと思います。
○古川説明員 先生御指摘の展示会は、多様化する住宅の需要に対応するために毎年金国の優良家具を展示するものでございまして、建具業界の技術、技能及びデザインの向上並びにその普及に多大の貢献をしているものと承知いたしております。ただ、先生の御指摘のように本展示会の展示品を買い上げることは、新しい予算措置を必要といたしますので、現状では極めて困難ではなかろうかと考えている次第でございます。
 ただし、通産省といたしましては、先生御指摘のように、従来から愚産大臣賞等を設けまして本展示会を積極的に支援してきておりまして、業界とされても、これをみずからの需要拡大努力の一助とされることを期待している次第でございます。
○野間委員 最後に、大臣、何か所見がありましたら建具の振興についてお答えをいただいて、終わりたいと思います。
○村田国務大臣 今御指摘になった木製建具製造業というのは、私も住宅関係を長い間やっておりましたから知っておりますが、ほとんど中小企業であり、地場産業でございます。したがいまして、野間委員の御指摘になりました点は私どもはよく理解できますので、いろいろ今後検討させていただきたいと思います。
○野間委員 終わります。
○粕谷委員長 野間君の質疑はこれをもちまして終わりました。
 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○粕谷委員長 これより討論に入るのでありまするが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 中小企業技術開発促進臨時措置法案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○粕谷委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手)
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○粕谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
○粕谷委員長 次に、参議院から送付されました内閣提出、特許法等の一部を改正する法律案並びに内閣提出、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東東北鉱山保安監督部及び同部東京支部の設置に関し承認を求めるの件の両案件を議題とし、それぞれ趣旨の説明を聴取いたします。村田通商産業大臣。
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 特許法等の一部を改正する法律案
 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、
  関東東北鉱山保安監督部及び同部東京支部の
  設置に関し承認を求めるの件
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○村田国務大臣 特許法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 この法律案は、特許法その他の工業所有権関係法律について、一九七〇年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約に基づく国際出願制度の一層の利用の促進を図るとともに、最近の技術開発の進展に対応し得るよう制度の改善を図るため、所要の改正を行うものであります。
 なお、本件につきましては、昭和五十八年十二月から工業所有権審議会において慎重な審議が重ねられた結果、昨年十一月に特許協力条約(PCT)の改正に伴う法制整備及びその利用促進等のための制度のあり方に関する答申が提出されており、本法律案はこの答申に基づいて作成したものであります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一は、特許協力条約の規定の変更等に伴い出願手続の改善を図るものであります。複数の国に対する特許等の出願を国際的に統一された方式による一つの出願で行うことを認める国際出願制度について、その利用の促進を図るとの観点から、昨年二月、条約の規定の変更等が行われましたが、これに伴い、国際出願制度を利用した外国からの出願について、我が国への出願の翻訳文の提出の期限の変更、翻訳文の範囲の限定等出願手続の改善を図ることとしております。
 第二は、特許出願等に関し優先権制度を導入するものであります。最近の技術開発の進展に対応するため、先にされた特許出願等に係る発明を含めてされた出願について、当該先にされた特許出願等に係る発明に相当する部分の出願日につき優先的な取り扱いを認めることとしております。
 なお、優先権制度を採用することに伴い、補正却下後の新出願の制度及び追加の特許制度を廃止するとともに、それらに伴い関連する規定を整備することとしております。
 第三は、国際出願制度の利用を促進するために、国際出願について、特許庁以外の他の国の国際調査機関等による国際調査等を受けられる制度を採用するものであります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
 次に、ただいま議題となりました地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東東北鉱山保安監督部及び同部東京支部の設置に関し承認を求めるの件につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 鉱山保安監督部は、鉱山保安の確保を図るため、通商産業省の地方支分部局として、現在、仙台鉱山保安監督部、東京鉱山保安監督部、中部近畿鉱山保安監督部及び中国四国鉱山保安監督部の四部が置かれており、中部近畿鉱山保安監督部及び中国四国鉱山保安監督部にはそれぞれ中部近畿鉱山保安監督部大阪支部及び中国四国鉱山保安監督部四国支部が置かれております。
 このたび臨時行政調査会の答申を受けて、鉱山保安行政の効率的推進を図るため、仙台鉱山保安監督部と東京鉱山保安監督部とを統合し、仙台市に関東東北鉱山保安監督部を設置するとともに、東京都に同部東京支部を設置する必要があります。
 以上が、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東東北鉱山保安監督部及び同部東京支部の設置に関し国会の承認を求めることの提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○粕谷委員長 これにて両案件の趣旨の説明は終わりました。
 両案件に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 次回は、来る二十六日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後七時九分散会
     ――――◇―――――