第102回国会 決算委員会 第3号
昭和六十年四月十一日(木曜日)
    午前九時開議
出席委員
  委員長 安井 吉典君
   理事 糸山英太郎君 理事 白川 勝彦君
   理事 東家 嘉幸君 理事 森下 元晴君
   理事 井上 一成君 理事 新村 勝雄君
   理事 貝沼 次郎君 理事 玉置 一弥君
      小坂徳三郎君    小山 長規君
      桜井  新君    金子 みつ君
      島田 琢郎君    中村 重光君
      斉藤  節君    春田 重昭君
      中川利三郎君    阿部 昭吾君
 出席国務大臣
        大 蔵 大 臣 竹下  登君
        厚 生 大 臣 増岡 博之君
        運 輸 大 臣 山下 徳夫君
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 石本  茂君
 出席政府委員
        環境庁長官官房
        長       岡崎  洋君
        環境庁長官官房
        会計課長    八木 規夫君
        環境庁企画調整
        局環境保健部長 長谷川慧重君
        環境庁自然保護
        局長      加藤 陸美君
        環境庁大気保全
        局長      林部  弘君
        環境庁水質保全
        局長      佐竹 五六君
        大蔵省主計局次
        長       的場 順三君
        大蔵省理財局次
        長       中田 一男君
        厚生省保健医療
        局長      大池 眞澄君
        厚生省生活衛生
        局長      竹中 浩治君
        厚生省薬務局長 小林 功典君
        運輸省地域交通
        局長      服部 経治君
        海上保安庁次長 岡田 專治君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局保
        安部公害課長  上野 治男君
        総務庁行政監察
        局調整課長   塩路 耕次君
        環境庁長官官房
        参事官     杉戸 大作君
        大蔵省主税局司
        計課長     西澤  裕君
        厚生省生活衛生
        局水道環境部環
        境整備課長   加藤 三郎君
        農林水産省農蚕
        園芸局農産課長 管原 敏夫君
        林野長指導部林
        道課長     田代 太志君
        林野庁指導部研
        究普及課長   蔵持 武夫君
        林野庁業務部経
        営企画課長   小沢 普照君
        水産庁振興部沖
        合課長     中村 晃次君
        水産庁海洋漁業
        部国際課長   草野 英治君
        通商産業省機械
        情報産業局電子
        機器課長    島  弘志君
        工業技術院総務
        部産業公害研究
        調整官     中島 邦雄君
        郵政省電気通信
        局電気通信事業
        部業務課長   品川 萬里君
        会計検査院長  鎌田 英夫君
        会計検査院事務
        総局次長    西川 和行君
        会計検査院事務
        総局人事課長  小川 幸作君
        会計検査院事務
        総局会計課長  山口  豊君
        会計検査院事務
        総局第一局長  竹尾  勉君
        会計検査院事務
        総局第二局長  天野 基巳君
        会計検査院事務
        総局第五局長  秋本 勝彦君
        決算委員会調査
        室長      大谷  強君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月二十七日
 辞任         補欠選任
  中川利三郎君     中林 佳子君
  阿部 昭吾君     江田 五月君
同日
 辞任         補欠選任
  中林 佳子君     中川利三郎君
  江田 五月君     阿部 昭吾君
四月十日
 辞任         補欠選任
  金子 みつ君     島田 琢郎君
  春田 重昭君     伏木 和雄君
同日
 辞任         補欠選任
  伏木 和雄君     春田 重昭君
同月十一日
 辞任         補欠選任
  島田 琢郎君     金子 みつ君
同日
 理事金子みつ君同月十日委員辞任につき、その
 補欠として新村勝雄君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 昭和五十七年度一般会計歳入歳出決算
 昭和五十七年度特別会計歳入歳出決算
 昭和五十七年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和五十七年度政府関係機関決算書
 昭和五十七年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和五十七年度国有財産無償貸付状況総計算書
 〔全所管、総理府所管(環境庁)、会計検査院
 所管〕
     ――――◇―――――
○安井委員長 これより会議を開きます。
 この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員になっております。これよりその補欠選任を行いたいと存じますが、これは、先例によりまして、委員長において指名することに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○安井委員長 御異議なしと認めます。よって、新村勝雄君を理事に指名いたします。
     ――――◇―――――
○安井委員長 次に、昭和五十七年度一般会計歳入歳出決算、昭和五十七年度特別会計歳入歳出決算、昭和五十七年度国税収納金整理資金受払計算書、昭和五十七年度政府関係機関決算書並びに昭和五十七年度国有財産増減及び現在額総計算書、昭和五十七年度国有財産無償貸付状況総計算書の各件を一括して議題といたします。
 大蔵大臣から各件について概要の説明を求めます。竹下大蔵大臣。
○竹下国務大臣 おはようございます。
 昭和五十七年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書を会計検査院の検査報告とともに国会に提出し、また、昭和五十七年度の国の債権の現在額並びに物品の増減及び現在額につきましても国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。
 昭和五十七年度予算は、昭和五十七年四月五日に成立いたしました。
 この予算は、臨時行政調査会の行政改革に関する第一次答申を最大限に尊重し、歳出面においては、経費の徹底した節減合理化によりその規模を厳しく抑制しつつ、限られた財源の中で各種施策について優先順位の厳しい選択を行い、質的内容の充実と景気の維持拡大に配慮するとともに、歳入面においても極力見直しを行い、これにより公債発行額を着実に縮減することを基本方針として編成されたものであります。
 さらに、補正予算が編成され、昭和五十七年十二月二十五日その成立を見ました。
 この補正予算では、税収不足に伴う歳入不足に対処するとともに、災害復旧費の追加、義務的経費の追加等の措置を行うため、地方交付税交付金の減額、給与改善費の不用を含む既定経費の節減等を行うほか、定率繰り入れ等の停止による国債費の減額を行い、なお不足する歳入については、公債の追加発行によることといたしました。
 この補正によりまして、昭和五十七年度一般会計予算は、歳入歳出とも四十七兆五千六百二十一億三千九百九十六万八千円となりました。
 以下、昭和五十七年度決算につきまして、その内容を御説明申し上げます。
 まず、一般会計におきまして、歳入の決算額は四十八兆十二億八千九十二万円余、歳出の決算額は四十七兆二千四百五十億六千三百七十万円余でありまして、差し引き七千五百六十二億千七百二十二万円余の剰余を生じました。
 この剰余金は、昭和五十八年度へ繰り越しました歳出予算の財源等に充てるものでありまして、財政法第四十一条の規定によりまして、一般会計の昭和五十八年度の歳入に繰り入れ済みであります。
 なお、昭和五十七年度における財政法第六条の純剰余金は千四百七十一億九千五百四十九万円余となりますが、この純剰余金につきましては、昭和五十八年分の所得税の臨時特例等に関する法律第八条の規定により財政法第六条第一項の規定は適用されないこととなっております。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額四十七兆五千六百二十一億三千九百九十六万円余に比べて四千三百九十一億四千九十六万円余の増加となるのでありますが、この増加額には、前年度剰余金受け入れが予算額に比べて増加した額四千八百九億三千三百三十七万円余が含まれておりますので、これを差し引きますと、昭和五十七年度の歳入の純減少額は四百十七億九千二百四十万円余となるのであります。その内訳は、租税及び印紙収入における増加額三百三十一億二千四百七十一万円余、専売納付金における増加額七十四億八千百四十四万円余、官業益金及び官業収入における増加額十四億四千九百四十七万円余、政府資産整理収入における増加額五十八億五千四百四十七万円余、雑収入における増加額二千百五億五千九十一万円余、公債金における減少額三千二億五千三百四十三万円余となっております。
 一方、歳出につきましては、予算額四十七兆五千六百二十一億三千九百九十六万円余に、昭和五十六年度からの繰越額四千七百九十二億二千八百六十三万円余を加えました歳出予算現額四十八兆四百十三億六千八百六十万円余に対しまして、支出済み歳出額は四十七兆二千四百五十億六千三百七十万円余でありまして、その差額七千九百六十三億四百八十九万円余のうち、昭和五十八年度に繰り越しました額は五千五百四十億五千七百九十八万円余となっており、不用となりました額は二千四百二十二億四千六百九十一万円余となっております。
 次に、予備費でありますが、昭和五十七年度一般会計における予備費の予算額は二千三百億円であります。その使用額は千二百二十五億八百四十三万円余でありまして、その使用の内容につきましては、別途国会に提出いたしました予備費使用総調書等によって御了承願いたいと存じます。
 次に、一般会計の国庫債務負担行為につきまして申し上げます。
 財政法第十五条第一項の規定に基づき国が債務を負担することができる金額は二兆五百二十八億三千八百三十三万円余でありますが、契約等による本年度の債務負担額は二兆百六十二億九千四百八十八万円余でありますので、これに既往年度からの繰越債務額二兆三千四百億四千四百二十二万円余を加え、昭和五十七年度中の支出等による本年度の債務消滅額一兆五千三百四億六千百八十七万円余を差し引いた額二兆八千二百五十八億七千七百二十二万円余が翌年度以降への繰越債務額となります。
 財政法第十五条第二項の規定に基づき国が債務を負担することができる金額は一千億円でありますが、契約等による本年度の債務負担額はありません。また、既往年度からの繰越債務額百五十五億三千七百三万円余は、昭和五十七年度中の支出等によって全額消滅いたしましたので、翌年度以降への繰越債務額はありません。
 次に、昭和五十七年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は三十八でありまして、これらの決算の内容につきましては、特別会計歳入歳出決算によって御了承願いたいと存じます。
 次に、昭和五十七年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、同資金への収納済み額は三十一兆二千四百五十九億五千二十一万円余でありまして、この資金からの一般会計等の歳入への組み入れ額等は三十一兆二千二百五億九千五百九十五万円余でありますので、差し引き二百五十三億五千四百二十五万円余が昭和五十七年度末の資金残額となります。これは、主として国税に係る還付金として支払い決定済みのもので、年度内に支払いを終わらなかったものであります。
 次に、昭和五十七年度の政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。
 次に、国の債権の現在額でありますが、昭和五十七年度末における国の債権の総額は百二兆四千四百六十六億七千百六十七万円余でありまして、前年度末現在額九十二兆二千十九億四千五百五十七万円余に比べて十兆二千四百四十七億二千六百十万円余の増加となります。
 その内容の詳細につきましては、昭和五十七年度国の債権の現在額総報告によって御了承願いたいと存じます。
 次に、物品の増減及び現在額でありますが、昭和五十七年度中における純増加額は三千九百八十一億七千九百五十五万円余でありますので、これに前年度末現在額三兆四百七十七億千三百五十万円余を加えますと、昭和五十七年度末における物品の総額は三兆四千四百五十八億九千三百六万円余となります。その内訳の詳細につきましては、昭和五十七年度物品増減及び現在額総報告によって御了承願いたいと存じます。
 以上が、昭和五十七年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書、政府関係機関決算書等の概要であります。
 なお。昭和五十七年度の予算の執行につきましては、予算の効率的な使用、経理の適正な運営に極力意を用いてまいったところでありますが、なお会計検査院から、百八十一件の不当事項等について指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。
 予算の執行につきましては、今後一層配慮をいたし、その適正な処理に努めてまいる所存であります。
 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
 次に、昭和五十七年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに昭和五十七年度国有財産無償貸付状況総計算書を、会計検査院の検査報告とともに第百一回国会に報告いたしましたので、その概要を御説明申し上げます。
 まず、昭和五十七年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要について御説明いたします。
 昭和五十七年度中に増加しました国有財産は、行政財産一兆三千三百九十一億二千七百三十万円余、普通財産一兆四千七百十九億五千四十一万円余、総額二兆八千百十億七千七百七十二万円余であり、また、同年度中に減少しました国有財産は、行政財産三千四十二億六千百九万円余、普通財産三千五百四十二億二千八百三十四万円余、総額六千五百八十四億八千九百四十三万円余でありまして、差し引き二兆千五百二十五億八千八百二十八万円余の純増加となっております。これを昭和五十六年度末現在額三十五兆六千九十七億二千四百十四万円余に加算いたしますと三十七兆七千六百二十三億千二百四十三万円余となり、これが昭和五十七年度末現在における国有財産の総額であります。
 この総額の内訳を分類別に申し上げますと、行政財産二十二兆二千六百四十九億七千八百七十五万円余、普通財産十五兆四千九百七十二億三千三百六十八万円余となっております。
 なお、行政財産の内訳を種類別に申し上げますと、公用財産十四兆三千四百二億五千四百六十万円余、公共用財産三千七百二十四億二千六百五十三万円余、皇室用財産五千四百七十億四千百十八万円余、企業用財産七兆五十二億五千六百四十二万円余となっております。
 また、国有財産の総額の内訳を区分別に申し上げますと、土地十兆六千三百四十四億五千三百四十九万円余、立木竹四兆千四百三十七億九千九十万円余、建物四兆八千五百十四億千九百三十四万円余、工作物四兆千九十億八千七百七十四万円余、機械器具八億五千四百八十七万円余、船舶八千七百二十三億六千六百三十八万円余、航空機六千七百二十五億三千二百四十五万円余、地上権等十四億七千六百八十九万円余、特許権等三十九億四百二十一万円余、政府出資等十二兆四千七百二十四億二千六百十二万円余となっております。
 次に、国有財産の増減の内容について、その概要を申し上げます。
 まず、昭和五十七年度中における増加額を申し上げますと、前述のとおりその総額は二兆八千百十億七千七百七十二万円余であります。この内訳を申し上げますと、第一に、国と国以外の者との間の異動によって増加しました財産は二兆四千百三億六百三万円余、第二に、国の内部における異動によって増加しました財産は四千七億七千百六十八万円余であります、
 次に、減少額について申し上げますと、その総額は六千五百八十四億八千九百四十三万円余であります。この内訳を申し上げますと、第一に、国と国以外の者との間の異動によって減少しました財産は三千二百七十四億三千四百四十三万円余、第二に、国の内部における異動によって減少しました財産は三千三百十億五千五百万円余であります。
 以上が昭和五十七年度国有財産増減及び現在額総計算書の概要であります。
 次に、昭和五十七年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要について御説明いたします。
 昭和五十七年度中に増加しました無償貸付財産の総額は六百六十三億九千三百八十万円余であり、また、同年度中に減少しました無償貸付財産の総額は四百八十七億九千七百九十二万円余でありまして、差し引き百七十五億九千五百八十八万円余の純増加となっております。これを昭和五十六年度末現在額六千六十五億七百四十三万円余に加算いたしますと六千二百四十一億三百三十一万円余となり、これが昭和五十七年度末現在において無償貸付をしている国有財産の総額であります。
 以上が昭和五十七年度国有財産無償貸付状況総計算書の概要であります。
 なお、これらの国有財産の各総計算書には、それぞれ説明書が添付してありますので、それによって細部を御了承願いたいと思います。
 何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
○安井委員長 次に、会計検査院当局から各件の検査報告に関する概要説明を求めます。鎌田会計検査院長。
○鎌田会計検査院長 昭和五十七年度決算検査報告につきまして、その概要を説明いたします。
 会計検査院は、五十八年十月十四日、内閣から昭和五十七年度歳入歳出決算の送付を受け、その検査を終えて、昭和五十七年度決算検査報告とともに、五十八年十二月二十一日、内閣に回付いたしました。
 昭和五十七年度の一般会計決算額は、歳入四十八兆十二億八千九十二万余円、歳出四十七兆二千四百五十億六千三百七十万余円でありまして、前年度に比べますと、歳入において、五千五百七十九億四千三百四十一万余円、歳出において、三千二百三十九億九百六十六万余円の増加になっており、各特別会計の決算額の合計額は、歳入百十一兆七千三百七十三億七千百十万余円、歳出九十七兆八千七百九十六億七千百三十六万余円でありまして、前年度に比べますと、歳入において五兆七千七百七十七億七千六百五十七万余円、歳出において五兆五千五百八十六億九千十三万余円の増加になっております。
 また、国税収納金整理資金は、収納済み額三十一兆二千四百五十九億五千二十一万余円、歳入組み入れ額三十兆千七百四十億七千三十万余円であります。
 政府関係機関の昭和五十七年度の決算額の総計は、収入二十三兆四千七百八十三億八千七百二万余円、支出二十三兆二千五百八十二億二千七百七十一万余円でありまして、前年度に比べますと、収入において一兆三千八百九十六億六千六百七万余円、支出において一兆八百六十七億二千五百七十三万余円の増加になっております。
 昭和五十七年度の歳入、歳出等に関し、会計検査院が、国、政府関係機関、国の出資団体等の検査対象機関について検査した実績を申し上げますと、書面検査は、計算書二十三万八千余冊及び証拠書類六千五百二万余枚について行い、また、実地検査は、検査対象機関の官署、事務所等四万千六百余カ所のうち、その八・五%に当たる三千五百余カ所について実施いたしました。そして、検査の進行に伴い、関係者に対して千二百余事項の質問を発しております、
 このようにして検査いたしました結果、検査報告に掲記した不当事項等について、その概要を説明いたします。
 まず、不当事項について申し上げます。
 不当事項として検査報告に掲記いたしましたものは、合計百八十一件であります。
 このうち、収入に関するものは、五件、二十一億七千二百七十九万余円でありまして、その内訳は、租税の徴収額に過不足があったものが一件、十四億二千百四十万余円、保険料の徴収額に過不足があったものが三件、七億四千七百三十三万余円、職員の不正行為による損害を生じたものが一件、四百五万余円。
 また、支出に関するものは、百四十六件、三十五億三千六百九十五万余円でありまして、その内訳は、工事に関するものとして、計画、設計が適切でなかったため不経済になったもの、予定価格の積算が適切でなかったため契約額が割高になったもの、監督、検査が適切でなかったため設計と相違して施工したものが七件、二億三千四百八十四万余円、役務に関するものとして、委託費の精算が適切でなかったため支払い額が過大となったものが二件、千四百八十五万余円、保険に関するものとして、傷病手当金等や保険給付金の支給が適正でなかったものが三件、二億三千四百六十三万余円、補助金に関するものとして、補助事業の実施及び経理が適切でなかったものが百十一件、二十五億四百三十六万余円、貸付金に関するものとして、貸し付けの対象とならないものに貸し付けていたもの、共同利用施設として貸し付けた対象施設が、貸し付けの目的を達していないものなどが二十一件、五億千二百八十五万余円、職員の不正行為による損害を生じたものが一件、百九十九万余円、その他、公共下水道工事に伴う負担金について、負担額の算定が適切でなかったため過大となっていたもの一件、三千三百四十万余円であります。
 以上の収入、支出に関するもののほか、民事執行予納金などの保管金や、郵便貯金の預入金、出納官吏の保管に係る資金等について職員の不正行為による損害を生じたものが三十件、五億五千七百九十九万余円ありまして、これらの合計は、百八十一件、六十二億六千七百七十二万余円となっております。これを前年度の百八十四件、四十二億五千九十三万余円と比べますと一件数において三件の減少、金額において二十億千六百八十万余円の増加となっております。
 次に、意見を表示しまたは処置を要求した事項について説明いたします。
 五十八年中におきまして、会計検査院法第三十四条または第三十六条の規定により意見を表示しまたは処置を要求いたしましたものは十四件でありまして、その内訳は、同法第三十四条の規定により是正改善の処置を要求いたしましたものが九件、同法第三十四条及び第三十六条の規定により改善の処置を要求いたしましたものが一件、同法第三十六条の規定により、意見を表示いたしましたものが三件、改善の処置を要求いたしましたものが一件であります。
 このうち、会計検査院法第三十四条の規定により是正改善の処置を要求いたしましたものは、農林水産省の国営及びこれに附帯する道府県営のかんがい排水事業によって生じた農業用用排水施設の管理に関するもの、林業改善資金の貸し付けに関するもの、沿岸漁業改善資金の貸し付けに関するもの、郵政省の郵便物取集業務の委託契約に関するもの、建設省の公営住宅関係国庫補助事業の実施及び経理の適正化に関するもの、地方公共団体が実施している住宅新築資金等貸付事業に対する国庫補助金の経理に関するもの、日本国有鉄道の固定資産の貸し付け等に関するもの、日本電信電話公社の各種システムサービスのセンタ設備使用料算定基準に関するもの、住宅金融公庫の土地担保中高層建築物貸し付けの対象建物の無断用途変更の防止に関するものであります。
 会計検査院法第三十四条及び第三十六条の規定により改善の処置を要求いたしましたものは、厚生省の国民健康保険助成費に関するものであります。
 会計検査院法第三十六条の規定により意見を表示いたしましたものは、労働省の福祉施設の設置及び管理運営に関するもの、日本専売公社の国内産葉たばこの在庫量に関するもの、日本電信電話公社の電報事業の運営に関するものであり、会計検査院法第三十六条の規定により改善の処置を要求いたしましたものは、農林水産省の水田利用再編対策事業の実施及び効果に関するものであります。
 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について説明いたします。
 これは、検査の過程で会計検査院法第三十四条または第三十六条の規定により意見を表示しまたは処置を要求すべく質問を発遣するなど検討しておりましたところ、当局において、本院の指摘を契機として直ちに改善の処置をとったものでありまして、検査報告に掲記しましたものは十四件であります。すなわち、農林水産省の輸入小麦の買い入れに当たっての国内港間の海上運送経費を政府の負担としていることに関するもの、通商産業省の委託費により受託者が取得した物品の不適切な管理に関するもの、運輸省の東京国際空港における土地使用料の算定方法に関するもの、防波堤築造工事における上部コンクリートの海上運搬費の積算に関するもの、航空照明用の受配電機器等の設置工事における一般管理費等の積算に関するもの、日本国有鉄道の踏切事故に係る損害賠償金債権の不適切な管理に関するもの、重軌条更換工事等に使用するレールの材質の使用区分に関するもの、軌道整備工事におけるバラストかき込み工費の積算に関するもの、日本道路公団の橋梁工事におけるプレストレストコンクリート単純けたの設計方法に関するもの、トンネル工事における火薬取扱労務費の積算に関するもの、首都高速道路公団のコンクリート床版補強工事における増けた架設費の積算に関するもの、本州四国連絡橋公団の自己昇降式作業足場で使用するディーゼルエンジン発電機の燃料費の積算に関するもの、宇宙開発事業団の種子島宇宙センターにおける自家用電力と購入電力の調整に関するもの、帝都高速度交通営団の地下鉄道施設を保守管理する工事の労務費の積算に関するものであります。
 最後に、特に掲記を要すると認めた事項について説明いたします。
 この事項は、事業効果等の見地から問題を提起して事態の進展を図るために掲記しているものでありまして、昭和五十七年度決算検査報告には、次の四件を掲げてございます。
 すなわち、建設省の国が補助した土地区画整理事業の施行に伴って整備された宅地の利用の現状に関するもの、日本国有鉄道の旅客営業の収支等に関するもの、日本鉄道建設公団の成田新幹線の建設工事に関するもの、日本原子力船研究開発事業団の原子力船「むつ」の開発に関するものであります。
 以上をもって概要の説明を終わります。
 会計検査院といたしましては、機会あるごとに関係各省庁などに対して、適正な会計経理の執行について努力を求めてまいりましたが、なお、ただいま申し述べましたような事例がありますので、関係各省庁などにおいてもさらに特段の努力を払うよう、望んでいる次第であります。
 引き続きまして、昭和五十七年度国有財産検査報告につきまして、その概要を説明いたします。
 会計検査院は、五十八年十月十八日、内閣から昭和五十七年度国有財産増減及び現在額総計算書及び昭和五十七年度国有財産無償貸付状況総計算書の送付を受け、その検査を終えて、昭和五十七年度国有財産検査報告とともに五十八年十二月二十一日内閣に回付いたしました。
 五十六年度末の国有財産現在額は、三十五兆六千九十七億二千四百十四万余円でありましたが、五十七年度中の増が二兆八千百十億七千七百七十二万余円、同年度中の減が六千五百八十四億八千九百四十二万余円ありましたので、差し引き五十七年度末の現在額は三十七兆七千六百二十三億千二百四十三万余円になり、前年度に比べますと二兆千五百二十五億八千八百二十八万余円の増加になっております。
 また、国有財産の無償貸付状況につきましては、五十六年度末には、六千六十五億七百四十三万余円でありましたが、五十七年度中の増が六百六十三億九十二百八十万余円、同年中の減が四百八十七億九千七百九十二万余円ありましたので、差し引き百七十五億九千五百八十八万余円の増加を見まして、五十七年度末の無償貸付財産の総額は六千二百四十一億三百三十一万余円になっております。
 検査の結果、昭和五十七年度国有財産増減及び現在額総計算書及び昭和五十七年度国有財産無償貸付状況総計算書に掲載されている国有財産の管理及び処分に関しまして、昭和五十七年度決算検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項といたしましては、総理府の給油所設備工事の施行に当たり、タンク室の防水モルタル工の単価を誤ったため、契約額が割高になったもの、文部省の中高層大気観測施設の敷地造成等の工事の施行に当たり、電波障害防止フェンスの支柱の設計が適切でなかったため、フェンスの強度が著しく低下していたものの二件であり、また、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項といたしましては、運輸省の東京国際空港における土地使用料の算定が適切でないため、徴収額が低額となっていたので、算定方法を改善させたものの一件でございます。
 以上をもって概要の説明を終わります。
○安井委員長 これにて昭和五十七年度決算外二件の概要説明聴取を終わります。
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○安井委員長 この際、資料要求についてお諮りいたします。
 例年、大蔵省当局に対して提出を求めております決算の検査報告に掲記された会計検査院の指摘事項に対する関係責任者の処分状況調べについて、昭和五十七年度決算につきましてもその提出を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○安井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
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○安井委員長 引き続き、本日は、総理府所管中環境庁及び会計検査院所管について審査を行います。
 それでは、順次概要説明を求めます。
 まず、環境庁長官から概要の説明を求めます。石本環境庁長官。
○石本国務大臣 環境庁の昭和五十七年度歳出決算につきましてその概要を御説明申し上げます。
 まず、昭和五十七年度の当初歳出予算額は、四百六十一億一千九百八十一万円余でありましたが、これに予算補正修正減少額十一億三千三百五十七万円余、予算移しかえ増加額七千七百十八万円余、予算移しかえ減少額三十億六千三百九十四万円余、前年度からの繰越額一億三千八百三十八万円余を増減いたしますと、昭和五十七年度歳出予算現額は、四百二十一億三千七百八十七万円余となります。この予算現額に対し、支出済み歳出額四百十六億五千四百九十三万円余、翌年度への繰越額五千六百四十八万円余、不用額四億二千六百四十五万円余となっております。
 次に、支出済み歳出額の主なる費途につきまして、その大略を御説明申し上げます。
 第一に、公害防止等調査研究関係経費といたしまして、五十九億九千八百十三万円余を支出いたしました。これは、化学物質実態調査等を実施するための経費及び国立公害研究所、国立水俣病研究センターの運営等の経費として支出したものであります。
 第二に、自然公園関係経費といたしまして、四十九億百三十一万円余を支出いたしました。これは、自然公園等における管理及び園地、博物展示施設、長距離自然歩道等の整備並びに渡り鳥の観測、絶滅のおそれのある鳥獣の保護対策等の経費として支出したものであります。
 第三に、環境庁の一般事務経費といたしまして、三百七億五千五百四十八万円余を支出いたしました。これは、公害防止を図るための施策推進に必要な調査費、地方公共団体に対する各種補助金、公害防止事業団及び公害健康被害補償協会に対する交付金、環境行政に従事する職員の資質向上のための研修所の運営費並びに環境庁一般行政事務等の経費として支出したものであります。
 最後に、翌年度繰越額と不用額について主なるものを御説明いたしますと、翌年度繰越額は、自然公園等施設整備費において、異常気象等によって事業の実施に不測の日時を要したこと等により年度内に完了しなかったものであります。
 また、不用額は、退職手当等の人件費を要することが少なかったこと等のためであります。
 以上簡単でありますが、昭和五十七年度の決算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
○安井委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。天野会計検査院第二局長。
○天野会計検査院説明員 昭和五十七年度環境庁の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○安井委員長 次に、会計検査院長から概要の説明を求めます。鎌田会計検査院長。
○鎌田会計検査院長 昭和五十七年度会計検査院主管一般会計歳入決算並びに会計検査院所管一般会計歳出決算につきまして、その大要を説明申し上げます。
 会計検査院主管の歳入につきましては、予算額二千二百八十七万余円に対しましては、収納済み歳入額は、二千二百五十万余円であり、差し引き三十六万余円の減少となっております。
 収納済み歳入額の主なものは、公務員宿舎貸付料等の国有財産貸付収入二千百四十五万余円であります。
 次に、会計検査院所管の歳出につきましては、当初予算額八十七億二千二百五十万余円から、補正予算額一億五百十七万余円を差し引き、予備費二億七千四百二十六万余円を加えた予算現額八十八億九千百五十九万余円に対まして、支出済み歳出額は八十八億九千九十八万余円でありますので、その差額六十万余円を不用額といたしました。
 支出済み歳出額のうち主なものは、人件費七十九億二千四百五十四万余円、検査旅費五億五千四百三十七万余円、施設整備費五千百二十四万余円となっております。
 以上、甚だ簡単でございますが、昭和五十七年度における会計検査院関係の決算の説明を終わります。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
○安井委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。竹尾会計検査院第一局長。
○竹尾会計検査院説明員 昭和五十七年度会計検査院の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
○安井委員長 これにて説明は終わりました。
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○安井委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島田琢郎君。
○島田委員 最初に会計検査院にお尋ねをいたします。
 実地検査の施行状況についてでありますが、過去五カ年間の実地検査施行率は約八%、こういう状況になっているようでございますが、五十七年度、ただいま報告のございました年度で言えば、八・五%の施行で二百十八億円余と御報告がございます。五十八年度が八・四%の施行で百七十一億円余のむだ遣いがあったと指摘をされております。予算の執行の適正化のためにも検査機能を充実強化せよというのは、私も昨年ここで検査院の皆さんと大変深い議論をした経過がございます。実地検査施行率の向上を図る必要があるという主張は、私は現在もまだ持っておるわけでありますが、お考えをお聞かせいただきたい。
○鎌田会計検査院長 お答え申し上げます。
 会計検査院の実地検査の施行率と申しますのは、今先生が御指摘のとおり、大体八%から八・五%程度に推移しているわけでございます。これは大体四万一千二百ぐらいの各官署、公団、事業団、そういったところの検査対象機関というものに対しまして実地検査をやった箇所が大体三千五百カ所というような数字でございますので、そういうパーセンテージが出るわけでございます。
 しかしながら、これが施行率というものが八%ないし八・五%程度ということが金額的ではどうかという面から考えますと、これはかなり検査をいたしております。つまり、八・五%と申しますのは、我々の方で決めております重要な事項、それからそれに準ずる事項、あるいはその他の検査箇所というように分けておりまして、五十八年度で申し上げますと、重要な箇所につきましては四一・三%、これに準ずるものは九・四%、その他のものが一%というようなことになっております、つまり、その他の余り重要でないというところは、特定郵便局、登記所あるいは国鉄の駅などというものが二万四千ぐらいあるわけでございまして、こういった数字を分母といたしますために八・四というような数字が出てくるわけでございます。
 しかし、先生が御指摘になりますとおり、この検査の施行率をもって我々がこれで満足であるというわけではございませんで、私どもといたしましては、せめて一〇%ぐらいの施行率にいたしたい、これはかねがね願っているわけでございます。しかしながら、現下の財政状況というようなものを考えまして、そして各省庁人員が削減というような時代の中で、検査院のみが増員するということはなかなか困難なことでございます。もちろん、施行率を上げるためには人員と検査旅費の増額というものを見て初めて達成されるわけでございますが、今申し上げましたような事情でなかなか思うに任せないというのが実情でございます。
 したがいまして、私どもといたしましては、発想の転換と申しますか、いかにしてこのパーセンテージで全体の財政執行の状況を把握するか、こういういろいろな方策を検討いたしまして、一を見て十を知る、そこまではまいらないかもわかりませんが、そういう気構えを持って検査方法に工夫を凝らしているわけでございます。そのほか、例えば今まで管理的な仕事に非常に人員を要しておりましたのを、コンピューターシステムを導入いたしまして、そっちの面の人員を削減して検査の方に重点的に充てる、こういうようなことも考えております。また、職員の研修も十分行う、こういうような方途をもって足らざるところを補う、こういう考え方でやっております。いずれにいたしましてもなお工夫を凝らしまして、八・何%であらわされるそういう施行率の表現を、もう少し一〇%に近づけるように今後努力していきたい、こういうふうに考えております。
○島田委員 丁寧に説明をいただきましたが、私は検査院の実態、御苦労のほど、また一生懸命工夫を凝らしてやろうと考えておられる、少ない人員で頑張ろう、こういう内容、お気持ちについてはよくわかっているつもりでございます。残念ながら予算でぎゅうぎゅう縮められてまいりますから、八%を一〇%に上げるというのは容易なことではない。しかし、八%の検査施行率でも百七十億円ものむだ遣いが指摘されるというほど問題をたくさん持っているということも浮き彫りになっているのではないか。ここは指摘だけにとどめ、今あなたがおっしゃった努力に一層の期待をかけたい、こう思います。
 さて、環境庁の関係で長官にまずお尋ねします。
 長官、農、林、漁業、この三つに基本法があるのとないのがございます。御存じでしょうか。
○石本国務大臣 お答えいたします。
 漁業についてはついていないというふうに承知しております。
○島田委員 よく御存じでございます。漁業の関係で言いますと、佐竹水質保全局長は水産庁にもおられたのでありますが、残念ながら、漁業に対しては基本法がないのです。しかし、それにかわるべきものとして、沿岸漁業等振興法という法律がこれをフォローしているわけであります。しかし極めて不十分。きょうはそこのところをお尋ねするわけではございません。この法律の中に、実は石本長官がしっかりと目をみはっていただかなければならない条文がございます。御存じでしょうか。
○石本国務大臣 専門家ではございませんので大変もたもたしておりますが、水質汚濁防止法という法律があることを知っております。
○島田委員 意地悪いと思わぬでください。ぜひこれはあなたにきょうは御認識をいただいておきたいと思って、あえてこういう質問をいたしました。しかし、時間が限られておりますから、私の方でひとつ説明をいたします、
 この沿岸漁業等振興法の第三条、私はここが石本長官御所管の項目であるというふうにぜひお考えを願いたいので、ここを説明いたします。
 その第三条というのは、国の施策としての項目が十一項目掲げられておりまして、その第一番目に、「水産資源の適正な利用、水産動植物の増殖、漁場の効用の低下及び喪失の防止等によって、水産資源の維持増大を図ること。」まさにこれは環境庁の所管になるのでございます。
 もちろん、環境庁だけでできることではございません。しかし、ここのところをしっかりと目をみはっていていただきたいという点では、あなたのところに大変責任を重く感じていただかなければならない規定でございます。細かな内容につきましては、きょうは水産庁から関係者が参っておるはずでございますから、後ほどこの内容については詰めてまいりますが、漁場の効用の低下、最近沿岸漁業が振興を必要とされるという、新しい二百海里時代を迎えてこれが我が国の水産の最も大事な視点とされているのでございます。
 したがいまして、この海域なりあるいは前浜を汚す。汚染をいたしますと、当然のことながら大事な魚族のいわゆる生息が不可能になってまいります。したがって、内陸から流れる水がきれいでなくてはいけない、また海そのものが魚のすめる条件をきちっと持ってもらわなければならない、そういう状態で、この水質汚濁、水質汚染、これは非常に最近心配される状況にあるのではないか。その点についてはあなたのところで調査がなされているはずでございます。
 そこで、私はお尋ねしたいのでありますが、漁業関係の被害で、五十九年度はまだ出ていないと思いますが、五十八年度にはどのような被害が出ていて、そしてその改善策についてはどのように環境庁としては関係省庁に対して指摘をしているのか、あるいは協議といいますか、指導というほどはできないでありましょうけれども、その点について肝心なところをまずお尋ねをしておきたい。
○佐竹政府委員 最近、沿岸漁業で一番問題になっておりますのは赤潮の問題でございますが、赤潮につきましては、特に閉鎖性水域、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海等でございますが、そのうちかねてより一番問題になっております瀬戸内海につきましては、年間発生件数二百回程度でございます。これにつきましては水産庁とよく連絡をとりまして、その発生の予察、それから事後的な対策――対策につきましては特に水産庁の方にお願いしておるわけでございますが、等をやっているところでございます。
 その他海洋の汚染によりまして、漁業の被害として一時問題になりましたPCB、水銀等につきましては、現在それらについてはすべて環境基準を達成しておりまして、したがって、被害等も出ていないわけでございます。
○島田委員 佐竹さん、きょうですか、漁業白書が出てきますね。あなたの方の環境庁の公害白書はいつ出すのですか。
○岡崎政府委員 現在作成中でございまして、今国会が終わるまでには国会に御報告できるような形で作業を進めております。
○島田委員 今の佐竹さんのお話は、ぜひ漁業白書、ここを見て――もちろん見て十分白書の中にも取り込まれるだろうと思いますが、私は、今お話にありましたような状況よりももっと深刻になっているのではないかというふうに思うのです。ですから、多分きょうかあす漁業白書が出てまいりますから、私もそこを注目しているのでありますが、それはもう水質の関係はあなたのところでありますから、ぜひこれは環境を守るという立場で、ひとつどんどん農水省なり関係省庁に文句をつけていただきませんと、案外ルーズになりがちで、そっちの方は環境庁だと任せてしまって自分の方の努力は案外しないものでありますから、ぜひここのところは整合性のある白書にしていただきますよう期待をいたしておきたいと思います。
 ところで、そういう環境をちゃんとしておかなければならない漁業の今日的実態にあるという点で、きょうは、水産庁にこれから尋ねてまいりたいと思うのです。
 残念ながら、先日、我が国の漁業の大変重要な漁場と言われております北洋、遠洋漁業の締め出しの一つだと私は位置づけておりますが、これに鯨が絡まりまして、鯨を放棄せざるを得ないという窮地に現在追い込まれておるのは、御承知いただいているとおりだと思うのであります。事ほどさように、二百海里からどんどんUターンをして沿岸に船が帰ってくるという事態がこれから深刻に出てくると思うのです。
 そういう大きな問題は限られた時間ではとてもこなし切れませんから、私はきょうは限定したお話にさせてもらいますが、先般、長い間の懸案が昨年実りまして、日ソ漁業協定が成立をいたしましたが、それに伴いまして日ソ漁業交渉が行われました。その交渉結果は大変厳しゅうございまして、最も大きく影響を受けましたのが大陸棚資源の関係漁業を除くということでありまして、従来の日本海水域の七海区と言われております沿海州水域を操業区域とする沖合底びき漁業は、沿海州を喪失せざるを得ないという格好になってしまいました。しかし、その一部の代替として新たに樺太西海域の第五水域を取得したわけでありますが、この代替水域の漁場価値というのは水産庁としてはどのように評価をしているのでしょうか。
 そして、一緒に答えてもらいます。本年二月中旬か二月の上旬から操業が開始されているはずでありますが、その漁獲実績は現在どれぐらいになっているのだろうか、それは五十二年の北洋減船以前のデータに比べますとどういう比較になるのか、ここのところをお尋ねしたいと思います。
○中村説明員 ソ連の二百海里水域が制定される前は、我が国の底びき網漁業が樺太の西水域、今度新しく開放された水域で操業ができたわけでございまして、当時この水域で、大ざっぱな数字ではございますが、七、八万トンの漁獲を上げていたという実績もございまして、そういう意味からいいますと、この水域自体はかなり優良な漁場だというふうに考えられるわけであります。しかしながら、この水域に割り当てられましたクォータというようなこと、あるいはこの水域にございます魚種別の組成というようなことから考えますと、現実的な問題としての漁場価値というものは、かなり限られてくるのではないかというふうに思うわけでございます。
 それから、現在わかっております漁獲実績でございますが、これは二月の中旬から三月の中旬までの数字だけでございまして、今のところは一千トン弱、九百三十九トンというような数字でございます。これに絡みます。その以前の数字というのは、月別の数字がございませんのでちょっと不明でございますが、ちなみに申しますと、前年、沿海州でとっておりました時代でございますが、同じ時期にほぼ二千八百トン程度の漁獲を上げていたということでございます。
○島田委員 委員長にお願いいたしますが、五十二年の前ということになりますと五十一年と五十年、二年ぐらいで結構でありますが、今手元にデータがないというお話でございますので、後ほど私あてに、比較をぜひしてみたいと思いますので、ひとつ資料提出をお願いしたいと思うのですが、委員長からお願いしていただけますか。
○安井委員長 それはよろしゅうございましょうか。
○中村説明員 今の御指摘は、五十一年における樺太西水域での月別漁獲量ということでございましょうか。(島田委員「はい」と呼ぶ)わかりました。
○島田委員 昨年の同期に比べましても一千八百トン減、三分の一に減っている、こういうことでございますから、この分をどこかで取り返さなければならないか、もしくは減船せざるを得ない、こういうことになると思うのです。
 時間がなくなりましたから細かな内容に触れることはできませんが、今、先ほど申し上げましたこの海域なりあるいはクォータによって操業しております隻数は、許可隻数が九十隻ございますね。これは今の見通しで、どれぐらい減らせばこのクォータとかあるいは漁獲区域に合う操業ができるのか、この辺はどうお考えになっていますか。
○中村説明員 現在、どの程度の船が操業できるかということにつきましては、関係業界、それから北海道庁というようなところが検討を続けておるわけでございますが、現状のままの体制ではいずれにしても不可能であるということでございまして、業界としては、一応今の段階では、九十隻の現在の隻数のうち十二隻程度の減船が必要ではないかというふうに言っておるわけでございます。水産庁といたしましても、いずれにしても今のままではやはりかなり苦しいということでございまして、何らかの操業対策の変換というようなものは必要ではないかと考えておりますが、具体的に何隻減船する必要があるというようなことについては、まだ検討中でございます。
○島田委員 そんな甘い数字では、私は最終的に大変問題を残すのじゃないかと思っております。私が計算をしてみましたところ、ほぼその倍の二十四、五隻減船せざるを得ないのじゃないか、こう思っているのです。この二十四隻についております乗組員その他家族などを入れますと、これはほっておけない数字だと私は思っています。十二隻なんというような甘い数字がどこから出たのか、私は理解に苦しむのでありますが、いずれにせよ、大変な船が減船を余儀なくされるという実態に追い込まれることは間違いない。それを他の水域に入れさせたり、沿岸に戻ってきて沿岸で操業させたり、いろいろなことをこれからお考えいただかなければ生き残っていけないわけであります。
 しかし、沿岸は御承知のように、どんどん領域といいますか漁獲量も減っており、また、先ほど長官に私は、ぜひ目をしっかりとここに向けて海水汚染その他を守っていただきたい、こういうことを申し上げましたが、魚族の生息状態も、あるいは漁業の振興についても、沿岸におきます手当ではいま一つ適切さを欠いている、こういう状況のもとにあると私は思いますので、ここにUターンしてなだれ込んでくるなんということになりましたら、これは大変なことになってしまう。したがって私は、減船という方向で処理せざるを得ないのではないだろうか、こういうふうに思うのです。
 特に、これは沖合底びき漁船でございますから、なかなかほかのところの調整といったって難しい。しかも、その仲間同士の調整ということになりますれば、特に沿岸との操業調整の必要性がまた出てくる。これは実態としては課長おわかりのとおりです。ですから、最終的には減船せざるを得ない、こうなってくると私は思うのです。ですから、減船に対する補償の適切なる手を打っていかないと、生活を持っております皆さんはたちどころに苦境に追い込まれてしまうという事態に相なります。物すごく深刻な問題であるわけです。対策として私のようなお考えで臨まれる、そういうお気持ちがありますか。
○中村説明員 私どもは業界の方からも、先ほど申しましたように十二隻、これは日ソ交渉に絡んだ減船だけでございますが、十二隻を減船したいので、国としてもしかるべき援助をしてほしいというような陳情は受けておるところでございます。ただ、現在まだ種々検討している段階ということでございまして、その減船についての対応につきましても、現在検討しているというような段階でございまして、今の段階ではまだ結論めいたものは出ていないということでございます。
○島田委員 ただ、この北海道の機船連は、去る二月の理事会で、樺太西水域におけるクォータの大幅な削減、これは一年きりだというお話もありますけれども、とにかく厳しくなっているという状況がある中で、現状の操業実績数を維持することができない、したがって減船せざるを得ない、その場合には、五十二年に大減船が行われましたが、このときに国は責任を持って補償するという措置をおとりになりましたが、私はそれに準じた措置というのが当然必要ではないか、またこの理事会もそういう結論で、国の救済措置を求めている。こういうことですから、これから検討するということも、もちろん検討の経過としてはわかりますけれども、しかし早急にこの問題に対処していただきませんと、もう生活が陸に揚がっても干上がっている人がいるわけでありますから、こういう状況をほうっておくということになりますとこれは大変でありますので、救済措置は特に急を要すると私は思います。ぜひ急いでこの問題に対処していただくようお願いをしたい。重ねて答弁を求めておきたいと思います。
○中村説明員 現在の検討をさらに早急に進めてまいりたいと思います。
○島田委員 そのほか、新しい水域において問題が起こりがちなのは、タラバガニとかケガニなどの甲殻類やニシンなどが混獲される、こういうことが予想される水域でもございます。ここのところは対策をぜひ組んでいただかなければならぬと思います。
 それからもう一つは、ツブとかズワイガニ、エビ、これがいわゆる政府間の交渉の中から外れまして、民間交渉に移るということでありますが、大変先行きが暗い、こういうことになっておりますが、その点についてのお考えを聞かせてください。
○草野説明員 カニ、ツブ、エビの民間交渉につきまして、お答えいたします。
 この民間交渉につきましては、その早期開始につきまして、政府といたしましても外交ルートを通じまして、また現在日ソ漁業協力協定交渉のために訪ソしております担当部長を通じまして、その早期開始につきまして要請をしておるところでございます。
 先般、四月十五日からの予定で協議を開始するということでございましたが、実は昨日に至りまして、ソ連側の都合によりまして早くても四月二十日以降になるというソ連からの通報がございましたが、我が方といたしましては、さらに早期開始を強く働きかけていきますとともに、水産庁から専門家をオブザーバーとして派遣させる等によりまして、できるだけの援助を図っていきたいというふうに考えております。
○島田委員 時間が参りましたので、十分な詰めが行えないまま終わらざるを得ませんが、いずれにせよ、水産庁としては、この問題について真剣に取り組まなければならないという責任感は十分お持ちになっているのでしょうな。先ほど、五十二年当時の減船補償の資料も私のところに届いてまいりました、このときのお考えに立って補償する、ひとつこういう確約を私はいただきたいと思っているぐらいでありますが、いかがですか。
○中村説明員 残念ながら、先ほども申しましたように現在検討中ということでございますので、五十二年当時と全く同じ方式でやれるということをただいま確約するわけにはまいりませんけれども、そういうものも含めまして十分検討させていただきたいと思っております。
○島田委員 ところで、環境庁長官、私は減船しておかに船を揚げてしまうということを求めているのではなくて、本当はやはり沿岸の漁業を振興させ、そしてそういう中でUターンしてきても十分それにたえ得るだけの環境をつくっておきたい。特に佐竹さんはこの間まで水産庁にいた人ですから、特に沿岸の関係については、あなたは一定の見識を持っておると私は思って見ている一人でございます。その方が環境庁に来られているわけで、しかも水質保全という一番大事なところの局長さんですから、それは国内の陸地におきます水をきれいにする、そしてそれをきれいにすることによって沿岸も汚濁、汚染されずに済む、こういうことでありますが、しかし私をして言わしめれば、必ずしもその効果が上がっているとは思えない。現に、今前浜で魚をとっている漁師の皆さんが、だんだん海も魚がすみづらくなってきているという事実を、毎日毎日の操業なり生活の中から訴えておられるわけでありますから、この訴えをしっかり受けとめていただいて、まずは日本の周辺の海に魚が十分すめるような環境を責任を持っておつくりをいただく。そしてそのことによって、よそから減船で戻らざるを得ない船も全く陸に揚がって甲羅干しするようなことではなくて、そこで操業して魚をとることのできるそういう条件を望んでいるということもあわせて、環境庁の持つ責任は極めて大きいと私は思うのです。
 きょうはわずかな時間でしかございませんから、私の申し上げていることのすべてを十分御理解いただけなかったかもしれません、でも、その気持ちは通じていただけたと思います。後ほどまた時を改めまして環境問題、特に魚がすめるような条件をつくる、そういう条件づくりのお話を引き続きさせてもらいたいと思っておりますが、私の持ち時間がもう二分ほど過ぎましたので、ここでとりあえずのところ終わらざるを得ません。御協力いただいたことを感謝しながら、ぜひそこに力を入れていただくことを重ねて強調して、私の質問を終わりたいと思います。
○安井委員長 次に、井上一成君。
○井上(一)委員 私は、まず最初に検査院に一つお尋ねをしておきたい。むしろ、私からもぜひこのことについては充実をしてほしいという期待も含めて、お尋ねをしたいと思います。
 御承知のように、我が国の外交指針、外交の一つの大きな柱として、開発途上国に対する経済援助の問題があります。国際協力事業団が中心になってその予算執行等に当たっているわけですけれども、相手国の民生安定、生活向上に大いに役立っためにも効果ある予算執行が望まれるわけでありまして、もちろん相手国に入って主権を侵害することはまかりなりませんが、協力を得ながら、我が国の予算が効果ある事業執行になるように、実地検査等も含めたより充実した会計検査院の対応が必要であろう、こういうふうに思うわけでありますが、この点についての検査院からの御所見を承っておきたい、こういうふうに思います。
○鎌田会計検査院長 お答え申し上げます。
 先生仰せられますとおり、海外援助、経済協力あるいは技術援助協力、そういったものが最近非常に多くなってまいりまして、これらに対する会計検査院としての検査あるいは調査は非常に緊要なことであるということは、以前から私どもも認識いたしております。したがいまして、実情を申し上げますと、既に昭和三十年代から、ただいまのJICAの前身である海外移住事業団、そういったものの南米における事業の実施状況、そういったものも現地について検査といいますか調査をいたしておりますし、四十年代に至りましては、毎年発展途上国に赴きまして、そこにおける技術協力あるいは海外援助の実態を、相手の協力を得ながら調査いたしておる次第でございます。
 最近で言いますと、去年でございますが、アフリカのエジプト、ケニア、スーダン、そういったところにおける技術協力、そういったものの実態を拝見して、国民の税金であるそういう援助の資金が現地において有効に生きているか、現地の人のためになっているかというのを拝見してきているわけでございます。当初私ども、主権が及ばない国の調査でございますので、協力が得られるかどうかということを非常に危惧していたわけでございますけれども、案ずるより産むがやすしと申しますか、行ってみますと現地の当事国の官憲の協力が非常に得られまして、あるいはまたJICAならJICAの派遣員の意見も聞き、またその案内を得ながら、場合によっては向こうの官憲といいますか当局者が帳簿まで見せてくれるというような協力も得られるような状態でございまして、非常に調査がしやすいと申しますか、そういう実効を上げております。
 ただ、外国旅費の予算の関係がございます。それと、国内における検査も十分でないという現状にかんがみまして、なかなかこれを徹底的にやるというわけにはまいりませんが、御趣旨を体しまして、今後も外国旅費の予算をふやし、また、当局が毎年出しております海外援助、技術協力のフォローの白書がございますが、そういったものを参考にしながら、なお意欲的に検査と申しますか調査を続けてまいりたい、こういうふうに考えております。
○井上(一)委員 さて、私は予算委員会でも我が国の武器輸出三原則に抵触する問題、またその企業姿勢をただしてまいりました京セラの企業の実態について若干危惧を持って、さらに詳しく私なりに調査に入ったわけであります、武器輸出の予算委員会でも指摘したわけでありますけれども、法に、あるいは我が国の政府の方針に逆らって企業の繁栄は到底あり得ないし、そういうことをしてはいけないし、当然深い反省に立って、さらなる経済の進展を自力で、あるいは多くの関係者の努力でなし遂げてほしい、こういう思いであったわけでありますけれども、私が指摘をすれば早速、うわさで大変迷惑をしている、日ごろ私は稲盛社長というのは立派な方だということをお聞きしておって、まさかその社長がそういうことを発言なさるとは思っていなかったのですが、そういう発言があり、通産省が上西副社長を呼んで事情聴取をすれば、取引の事実、まあ不利になることは言わないでしょうけれども、うわさでないということがだんだん明らかになってきたわけですけれども、なおかつまだ企業の経営の体質に疑問を抱いたので、きょうは、私なりに二、三、京セラの企業がどのようなことをしているかということを私の調査によって明らかにし、それについて政府の対応を尋ねていきたい、こういうふうに思います。
 第一点は、京セラがバイオセラムというのですか、人工骨を製造している。このことについては、厚生省は御承知なんでしょうか。
○小林(功)政府委員 京セラが人工骨を製造し、販売しているという事実は承知しております。
○井上(一)委員 いつ厚生省はそういう事実を承知されましたか。これは私が若干質問を事前通告もいたしましたし、厚生省にもこのことについては認識を深めてもらうために、少し情報というのでしょうか、私なりの指摘事項は前もって通告はしてありますが、いつごろこのことについては御承知になったのでしょうか。
○小林(功)政府委員 この京セラの人工骨の問題は以前からあるのでございますが、それが承認前に販売されたじゃないかということは、実はことしの一月ごろに状況を把握しております。ただ、先生からもお話ございましたので、その点もあわせてさらに調査をしておる段階でございます。
○井上(一)委員 実は、私はここに京セラがパンフレットをつくって広告をし、販売をしている、その京セラの一つの広告を持っています。これは生体に埋め込むわけでありますし、こういうものは通常、その材質なりあるいはそれが及ぼすところのいろいろな弊害も含めて事前に厚生省に承認申請をして、承認をとってそれから販売をするわけでありますけれども、この人工ひざ関節、バイオセラム人工骨については、時間がありませんので私の方から若干指摘しますからそれについて答えてもらったらいいですが、昭和五十五年から販売をいたしております。大阪のある国立病院で、五十五年に三千万円、五十六年六千五百万円、五十七年に一億一千七百万円、五十八年に一億二千三百万円、五十九年一億三千万円、ざっと五億円弱、一病院にそれだけの販売をしております。そして、これがいろいろと被害を受けたり、あるいは責任問題でいろいろなことがひょっとして起こるかもわかりませんし、そういうことは大変であろうし、あるいはいろいろと良心のとがめがあったのか、五十八年の十一月二十一日に厚生省に承認申請を出しています、五十九年の十二月二十八日に、ひじ、ひざ、肩等の関節用のバイオセラム、人工骨の承認を初めて得たわけなんです。
 まず、承認前に販売をしていた事実、これはお認めになりますね。そして、承認をされたのは五十九年十二月二十八日である、このこともお認めになられますね。
 さらに、今指摘をしました国立病院が昭和五十五年以降購入している事実、これは調査をしなければわからぬと思うのですけれども、私の調査では、大阪のある国立病院がそれだけ購入をしている、こういうことを把握しています。厚生省はいかがでございましょうか。
○小林(功)政府委員 第一点の承認前に売っていたという事実でございますが、現在、その詳細につきましては関係の県に調査を頼んでいるところでありますが、ただ、承認前に広告宣伝をし、かつ、メーカーに販売したという事実は承知しております。
 それから、承認の日付でございますが、全人工ひざ関節、これは現在、承認申請の準備中と聞いています。今のお話は人工骨だと思いますが、これはおっしゃるとおり、五十九年十二月二十八日に承認されています。
○井上(一)委員 それでは、人工骨が五十九年十二月二十八日に承認を受けたわけですね。
○小林(功)政府委員 そのとおりでございます。
○井上(一)委員 それ以外のものはまだ承認は、申請も出てないし、承認の対象にもなっていないということでございますか。
○小林(功)政府委員 それ以外と申しますか、京セラは随分いろいろ種類がございますが、その中で、今おっしゃったセラミック人工骨、これはおっしゃるとおり五十九年十二月二十八日承認、それから全人工ひざ関節、先生のお言葉にもあったと思いますが、これはまだ承認がおりておりません。申請準備中であります、
○井上(一)委員 私はここにひざ関節のパンフ、これはまだ承認がおりてない。やっと人工骨だけがおりたということ。
 それじゃ、いま一点聞いておきたいのですが、承認を得ずに販売広告をし、かつ、販売をすることは薬事法に違反しますね。
○小林(功)政府委員 薬事法上の承認を受けないで販売した場合は、当然薬事法違反になります。薬事法の第六十四条違反でございます。
○井上(一)委員 今回の京セラのこの私が指摘したことは、明らかに薬事法第六十四条に抵触するわけですね。
○小林(功)政府委員 詳細調査中の箇所もございますが、承認前に販売した事実はあると思いますので、そうであれば薬事法違反になります。
○井上(一)委員 そうであればなのか。そうであればといって私は今指摘をして、あなたも承認前にこういうのを出して販売をしている事実が、全体は掌握できないけれども部分掌握はしているはずなんだから、そうであればなのか。京セラの行為は薬事法違反であると……。
○小林(功)政府委員 薬事法第六十四条違反になります。
○井上(一)委員 その六十四条の違反に対しての罰則は、第何条が適用されるのでしょうか。
○小林(功)政府委員 第八十四条に規定がございまして、無許可品の販売につきましては「三年以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金」という規定がございます。
○井上(一)委員 私は冒頭に、その武器輸出のときに京セラの企業姿勢というものに非常に疑問を感じました。それで一体、京セラという会社はどういうことをやっているんだろうかということを私なりに調査をしました。そうしたらこれが出てきて、薬事法違反だ。通産省で事情聴取を受けて、いろいろ説明を、弁解これ努めたそうでございますけれども、全くもってこういう行為をする会社の報告なんというのは信用できないこと、私はそのこともやっぱりこれは考えなければならない。こんなこともやっているんですよと、厚生省の所管だけれども、通産省にも申し上げておきたいわけであります。
 さらに、この薬事法の違反をしてまで京セラがバイオセラム、人工骨を販売をしていたという事実、あるいはそれが罰則八十四条に適応する、薬事法六十四条に反していく、非常にまことにもってけしからぬ話だと思いますし、もう一つ、さっき私が指摘をした、これはまあ一病院のことでございますが、国立てございますので、厚生省がそういう事実関係を知っていらっしゃるのかどうか、そういう情報を得ていらっしゃるのかどうか、このことについてもお答えがなかったので、ひとつ聞いておきたいと思います。
○大池政府委員 御指摘の件につきましては、京セラの人工骨の購入、使用等の状況を早速当該施設に照会いたしましたところ、人工股関節等購入、使用している実態があることを承知しているところでございます。
○井上(一)委員 私は、これは売り込む京セラの企業姿勢に問題があるんだ、そういう認識、もちろん承認を得ずに売り込むなんというのは薬事法に違反だし、これはもう罰則があるわけなんですが、きょうは厚生大臣も大蔵の連合審査のお忙しい中お越しをいただきましたので、厚生大臣、今お聞きのように、京セラが行っている行為そのものは、あなたの主管で、全くもって法に抵触し、薬事法違反である。そして条文は、先ほどお答えがあったように六十四条に抵触し、罰則八十四条に該当をする。人工関節の品名とかタイプ、単価等、これだけでも四十種類あるのです。こんなことは許せない。こんなあくどい商売というか、こういう法を無視して、生体にかかわる問題ですよ。
 そういうことで、京セラの薬事法違反事件について厚生大臣はどうなさるのか。告発をするのか。この薬事法違反について厚生大臣の所見を、京セラのこの行為に対して、今短い時間での質疑ですけれども、どう受けとめてどう対応されようとしていらっしゃるのか、このことだけを大臣からお答えをいただきたい。
○増岡国務大臣 ただいまお話を承っておりまして、時代の先端を行く企業がなぜそのような事態になっておるかということを不思議に思うぐらいでございまして、先ほど業務局長から説明をいたしましたように、現在各県に依頼をいたしまして調査いたしておりますので、その結果を踏まえまして、告発も含め適切な措置をとってまいりたいと思います。
○井上(一)委員 念を押すようでございますが、薬事法違反に対しては告発を含めて適切な処置をとるということでございますね。
○増岡国務大臣 そのとおりでございます。
○井上(一)委員 大臣、ありがとうございました。大蔵委員会にどうぞ御出席をいただいて結構です。
 ここで、警察庁にお聞きしておきたいと思うのです。
 今お聞きのように、私と政府関係者、大臣との質疑応答でも、薬事法違反に対して告発を含めて適切な処置をとる、これはもう大変な問題だと私は思っております。今聞いていただいた短い質疑の間に状況が若干把握していただけたと思いますので、警察庁の対応をここで私は聞いておきたい、こう思います。
○上野説明員 お答えします。
 お尋ねの件は、事実関係をまだ十分に承知してないことでございますが、今後強い関心を持って実態の解明に努めてみたいと思います。そして、ただいまも厚生省の大臣等からお話がありましたように、告発があれば当然のこと速やかに捜査をすることはもちろんでございますが、そのほかにも、実態を見て、法令に違反することがあれば厳正に対処してまいりたいと考える次第でございます。
○井上(一)委員 さらに二点目に、今度は、京セラがコードレステレホンを生産しているわけなんです。
 これは通産省に聞きたいのですが、いつごろから、京セラのどこの工場で生産をして、どういうような販売をいつからしているのか。さらには、その生産をしているのはいわゆる正規の認定を受けたものであるのか、部外品という認定外のものであるのか、そういうこともあわせて聞いておきたいと思います。
○島説明員 お答え申し上げます。
 取り急ぎ京セラから事情を聴取いたしましたところ、まず、国内向けに京セラがコードレスボンを生産販売しているということは、御指摘のとおり事実であるということを確認いたしました。
 生産開始は五十八年の四月からと聞いておりまして、販売は五十八年の五月、翌月から販売を開始しているようでございます。
 販売の台数は、今現在までで約三万一千五百台というふうに申しております。高級機、普及機、標準機等三、四種類のものをつくって販売をしているようでございます。
 工場でございますが、神奈川県にございますようですが、玉川事業所、それから北海道の北見工場、この二カ所で生産をしているようでございます。
 それから、認定を受けているかどうかということでございますが、電電公社の認定外商品ということを明記して販売をしておるということのようでございます。
○井上(一)委員 認定外の商品を売っているわけなんです。
 それで、今度は郵政省に聞きたいのです。
 御承知のように、三月三十一日までは公衆電気通信法、さらには電気通信事業法という法律があって、この法律は私も十分詳細に条文までは把握はいたしておりませんけれども、売る側の責任よりも、あるいは使用者側に対する牽制というか、そういうことでこの法律があるわけでありますが、ここに一つ重要な、京セラの「コードレステレホンを販売していく方策」というものが、一九八三年一月十九日に内部でつくられているわけなんです。私は全文を申し上げることは時間がありませんが、販売方法として、まずは「訪問販売を主体とする。」さらに「電電公社対策のために機敏な顧客との対応が必要である。」いわゆる電電公社よりも機敏なお客さんに対する対応。さらには、代理店で機器の設置だとか、お客さんからの苦情に対しては対応していかなきゃいけない日その対応のできるメンバーを営業所に置くべきである。特にその中で使用法の指導、使い方の指導書、回収、修理の必要性の判断、そういうことのできるメンバーを代理店に置こう。さらに、セールスポイントは、電電公社のプッシュホンを増設するよりも低コストであるのだ。これはもう電電公社のプッシュホン以外のものをそこに接続するということは抵触する、法に反するわけなんですけれども、いわゆる電電公社の電話機で得られない機能が京セラのコードレステレホンにはあるのだ。さらに、電電公社は、こういうことをしたら詐欺まがいの商法で、厳しいようだけれども、使用者をだまして、自分は、売った方に法的な責任はない。これはもちろんその中に、機器のトラブルに関しては京セラが絶対責任を持つんだということを明確にしようということも書いてはある、そういうこともはっきりしているんですけれども。だから、そういうことを、いわば使用者側が責任をかぶる、あるいは法に抵触するということをわかりながら販売をしている。
 このことは、私から言えば、まさに悪徳な商法に入る、いわゆる商業道徳の問題である。あるいは問題としてこんなことがいわゆる郵政事業、電信電話事業の中に入ってくるということは、むしろ正しい、公正な、公平な競争にもならないし、公平、公正あるいは情報の秘密保持、いわば企業経営の姿勢として大変ゆゆしき問題であると私は思うのです。これは、こういうことをやろうとして考えて、こういうことを計画して、そして生産に入って販売をしてきた。
 さらに、私は特にこれは申し上げておきたいのは、内部でも、こういうことをすれば公衆電気通信法に抵触するであろうということをちゃんとわかっておったので、「電電公社、通産省のトップレベルに当たり、公衆電気通信法の問題の政治的解決を図る。」こういうことが明記されているわけなんです。いわば、そういう問題が起こったら電電公社だとか通産省だとか、これは製品については通産省の所管でありますから、そういうところと政治的な話し合いをして問題の解決に当たっていこう、そういうことを言って善良な消費者に対する販売をしてきた。
 このことについて郵政省はどう受けとめ、どのようにこれを認識し、対応していこうとされるのか。法の問題でいけば、法の運用からいけば使用者側に法が適用されるということは私は承知しております。モラルの問題として、あるいは道義的な問題として、あるいは電信電話、そういう事業の問題としてどのようにこれを受けとめられるのか、ひとつ聞いておきたいと思います。
○品川説明員 お答え申し上げます。
 ただいま先生から御指摘のございましたいわゆるコードレス電話につきましては、従来の公衆電気通信法令下においては、利用者がいわゆる自営機器として設置して電話として使うことはできない体制になっておりました。また、四月一日実施されました電気通信事業法下におきましても、技術的ないろいろなまだ未開発というところもございまして、いわゆる利用者による自営設置ということは、まだできる状態になっておりません。電電公社あるいは新しいNTTは、そうした設置を断ることができるわけでございます。端的に申し上げまして、自営設置というのができない機器でございます。
 したがいまして、今先生がお挙げになったような販売方法ということからしますと、利用者が安心して通信を行うということからしますと、前の公衆電気通信法につきましても、また新しい電気通信事業法につきましても、願うところは、利用者が安心して、そして自由な通信ができるということを願っておるわけでございますから、そういう観点からいたしますと、そのような販売方法は大変いかがなものか、好ましくないというふうに考えるところでございます。
 以上でございます。
○井上(一)委員 こんないかがわしい商法を私はこのまま放置してはいけない。それでそれぞれ、いわゆる企業の生産等については通産省の所管でございますし、今指摘をした郵政省の所管は所管、私は、速やかにその実態調査をし、かつ、公平、公正な行政指導を含めて正しい対応を通産省も郵政省もとるべきではないだろうか、こういうふうに思うのです。それぞれの所管から決意等を聞かせていただきたい、こう思います。
○島説明員 私どもといたしましても、なお十分な調査をいたしまして、先生の御指摘も踏まえて適切に対処することといたしたい、かように考えます。
○品川説明員 お答え申し上げます。
 私どもといたしましても、利用者の皆さんが安心して通信できるという立場からどのような対処をとるべきか、事実を踏まえまして適切に対処してまいる所存でございます。
 以上でございます。
○井上(一)委員 私は、まだ続いて質問をいたしますが、運輸大臣の予定で同僚の中村先輩にその部分だけ質問を先にしていただくようにいたしまか。
○安井委員長 それでは、井上君の質問は一たん打ち切りまして、次に、中村重光君。
○中村(重)委員 それじゃ、運輸大臣にお尋ねをします。
 大臣も御承知のとおりですが、例の軽タク、これは時間の制約があるようですから意見は申し上げません。どうも我々としても、法治国家においてでたらめなことは見逃せない、いら立ちもあって、当然と言えば当然だけれども、議員立法でもって、道路運送法の改正で軽タクの違法行為を取り締まるべきである、そういうことで法律案は成立をし、公布されるわけですが、今後の取り締まりの方針、これは警察庁もお見えですから、一応大臣のお答えをまとめてやっていただく意味で、続いてお尋ねをするのです。
 陸だけではなくて、海も同じなんです。貨物船で旅客運送をやっているのです、これは十二名以下は荷物について人が乗っていくことはよろしいということになっているんだけれども、十二名や二十名じゃないのです。貨物船に機械も何もづいていない船を引っ張っていく、しかも時間表まで書いてあるんだね。こういったことが長崎県だけではなく、あちらこちらと軽タクと同じようにふえてきている。これをどう取り締まりをするのかということについて、あわせてひとつお答えをいただきたい。
 もう一つは、例の瀬渡し船開洋丸の遭難。これも御承知のとおりに客船という取り扱いをしていないわけですから、救命具なんかにいたしましても形式だけですね。もう使い物にならないようなものを積んでいる。これは先ほど申し上げた貨物船の場合も同じなんです。それから、発信装置のSOSの設備ももちろん義務づけられていない。開洋丸がどうして遭難をしたかということについては、これは荒海に、しかも定員をオーバーして無謀な出港をしたということにあるのでしょうけれども、その原因はやはり運輸省の、あるいは海上保安庁の取り締まりが非常に緩慢であるということ。人命というものは一人であっても地球より重いと言われている。だから、小型の遊漁船であるからというようなことで取り締まりを緩やかにしておくということが、今回のような事故が起こったということであります。
 したがいまして、大臣も胸を痛めているのだろうと思うんだけれども、今後の取り締まりの方針等について、法整備も必要でありましょうし、それから、申し上げましたように、いろいろと現行法の中においてもやればやれること、それをやっていないということだから、今後はどうするのか、これらの点についてまとめて大臣のお答えをいただきたい。
○山下国務大臣 まず、軽貨物のタクシーの問題でございますけれども、基本的な私どもの理念といたしましては、こういう違法行為を見過ごしておくということは、ますます違法活動がエスカレートいたしまして、基本的に社会秩序を破壊していくという考え方に立っているわけでございます。したがいまして、そういう観点から今回は立法化をお願いしたということでございます。そのことによって、具体的に申し上げますと自動車の使用を停止するとか、あるいは従来できなかった一回だけではという問題、反復してこの行為をしなければといったそういう問題を、一回でも取り締まるということでございまして、具体的には、私の不十分な点はまた政府委員から御答弁いたしますけれども、とにかく基本的にここできちんとしておかなければますますエスカレートする、そのためにはどうしてもこういう措置をとらなければならぬ、そして、こういう立法措置をとる以上は、法に基づいてびしびしやっていくということでございます。
 それから、海の方でございますが、このことにつきましては、先生御指摘のとおり十三人未満、つまり十二人以下はおっしゃるとおりでございます。が、これは既にきちんとした法律があるわけです、船舶安全法によって、これは海の方が非常に人命の危険性が多いということでございまして、むしろおかの場合よりも厳しい罰則になっておりまして、違反した場合には一年以下の懲役あるいは三十万円以下の罰金ということになっておりますので、問題は、これらの法律に基づいて取り締まりを厳格にやるかどうかという問題でございますが、警察等にもお願いいたしまして、おか以上にこれは法に基づいてやっていかなければならぬと思っております。
 それから開洋丸の問題、大変どうも痛ましい事故で、御冥福を祈る気持ちでいっぱいでございますが、このことにつきましては、むしろこの実態につきましては政府委員の方が適当かと思いますので、政府委員から答弁いたさせます。
○中村(重)委員 政府委員には後でお答えいただきます。
 今大臣が言われたように海上運送法が適用されるということであれば、これは客船もそういうことになっているんだから。ところが、貨物船は船舶安全法、これでは罰則も問題にならないし、それから、装備の面において海上運送法と船舶安全法では内容が違うのです。私が法の整備を含めてということを申し上げたのは、ここに問題があるわけだから法改正も必要になってくるだろうし、現行法の中においてもっと厳しくその取り締まりをやればできる面がある。大臣も、今までは反復であったけれども一発でもやるんだ、そのとおりだと思うのです。それから、タクシーに積めない荷物とは何かという問題等も当然出てくるわけだから、どんなに法律を強化しても、やる気を持ってやらないとこれは問題にならない、こういうことになろうかと思います。その点もひとつ十分お考えおきをいただきたいということを申し上げて、あとは政府委員で結構です。
○山下国務大臣 貨物運送法につきましては、実は私も甚だ勉強不足で、政府委員から答弁いたさせますが、今の貨物のカテゴリーにつきましては私どもいろいろ論議いたしまして、警察御当局にも、法できちんとしてもらわなければ御迷惑をかけるだろう。御承知のとおり、トランクは貨物であるけれどもハンドバッグはどうだ、男はハンドバッグがなければ万年筆はどうだということになりますと、非常に難しい問題でございますので、法の解釈についてはきちんとしてまいりたいと思っております。
○中村(重)委員 大臣、結構です。
 政府委員の答弁は、恐縮ですけれども、井上委員の質疑が終わってからにしてください。
○安井委員長 それでは引き続いて、井上一成君。
○井上(一)委員 環境庁長官、さっき私は、日本の先端企業である京セラの行っていること、あるいは企業の内部というのでしょうか、体質の一部を指摘して政府にその対応を迫ったわけです。環境庁長官は人の健康を守るためにその人生を生き抜かれてきたことについて、これは本当に立派だなと私は思う。今立場は変わって、政治家としてあるいは環境庁の長官として、人の健康、そのために何をなすべきかという深い意をさらに固めていらっしゃる、そういうふうに私は受けとめていますし、これからも、あなたの今まで取り組んでこられたその目標、信念を曲げないでぜひひとつ頑張ってほしい、こういうことを最初にお願いをしておきたいと思うのです。
 それで、ややもすると企業は利益優先というのでしょうか、そういうことに走って、環境の整備あるいは公害の発生のおそれのあることについて事前予防を十分にしない。このことを環境庁長官が行政指導の中で強く指摘をし、またその公害発生源をなくすための努力をしてほしい。特に先端技術、IC関連産業等については、いろいろな薬剤を使っていくわけであります。そういうことについて公害が新しい問題として持ち上がってくるわけであります。
 そこで、京セラの工場が公害問題についていかにむとんちゃくであり、いかに放置をし、いかに公害をまき散らしているか、そういう実態を環境庁は御存じなんでしょうか、こういうことなんです。私は、京セラのすべての工場を環境庁が掌握しているとは思いません。どこかの地域で問題が起こり、そしてそれが環境庁と公害問題で強いかかわりがある、京セラの工場の問題で、何か自治体からの相談なりあるいは市民からの訴えなり、環境庁に対するそういう声は受けとめていらっしゃるのかどうか、このことをまず聞いておきたいと思います。
○佐竹政府委員 京セラは本社ほか全国に十一、主要工場を持っておるわけでございますが、これに対して私どもは、水濁法に基づく規制、それから先生から御指摘のございましたような先端産業として特に有機溶剤を多量に使用する、かようなことから行政指導をやっておりますが、この二つの面で工場の操業態様について深い関心を持っているわけでございます。ただいま御指摘の点で言えば、特に有機溶剤を多量に使用されると想定される九州の三工場、その中でも特に鹿児島県の川内工場については若干問題があるというような報告を昨日徴したところでございます。
○井上(一)委員 今、川内工場についての話が出ました。京セラの鹿児島川内工場で公害が発生し、居住市民がいろいろと迷惑を受けている、地下水の汚染等影響が出ているのではないだろうか、そういうことなんでございます。
 さらに、川内市の公害対策審議会が市長に意見として具申した中には、京セラの工場の施設の拡充なりあるいは従業員の増加に対する宿舎等のこともあるのでしょう、汚水処理施設の改善とかあるいは県、市の排水測定結果の水質基準あるいは協定値を上回る値が測定されている、こういうことが書いてある。川内市長から京セラの鹿児島川内工場に公害防止対策についての要請がなされているのです。排水処理体制の早期確立と有機溶剤の悪臭防止対策、こういうことについて私はさっき二点、許可を取らぬ、薬事法に違反をしておる、あるいは電波法、電気通信事業法等にも抵触することがわかりながら販売をしている、こんなことを具体的に事例として出したわけで、厚生大臣は告発を含めて対処したい、こういうことをおっしゃっているのです、
 京都の山科にも工場があるわけなんです、ここでは何を生産しているかということは私が申し上げる必要はないわけなんですけれども、京セラは人工宝石も製造しているわけなんです。人工宝石を製造する過程で使用するいわゆる溶剤というのでしょうか、酸化クロムを含めてそういう化学物質がどういう反応を起こして、どういう悪影響を及ぼすかということを、私は、やはり環境庁はしっかりと把握しなければいけない、こういうふうに思うわけです。
 それで、今鹿児島の川内工場についての報告なり実情を把握しているか、環境庁長官、いかがでしょうか。京セラの工場についての公害発生状況を今日的な取り組みではなく、操業時から含めて徹底的な調査をする必要があるのではないだろうか。川内市でもまだ完全でない。ことし六十年一月にそういう施設を完備しますという約束があったらしいのですけれども、それまでに、本当言えばそれができるまでは、工場の拡充も従業員の宿舎等も含めてやはり汚水処理についてはちゃんと整備してからでないと、操業というか会社の生産を開始してはいけないわけなんです。
 だから、山科の工場も含めて、これは大変なことがあるかもわからない。ということは、そういう企業であるということを私はさっきから申し上げているわけなんです。だから、今は完全であったとしてもある時期、本当にそういう処理が完全であったであろうか、そのために下水道が汚染されてはいないだろうか、そのために今発がん性の物質がそこにありはせぬだろうか、私は、やはりそれくらいの危惧を持って、徹底的に京セラのこの各工場についての公害発生源及びその対応を操業時にさかのぼって調査をし、適切な行政指導が必要になるのではないだろうか、こういうふうに思うのですが、長官から、このことについてどのように取り組もうとなさるのか、どういう強い決意を持っていらっしゃるのか、お聞きをしたいと思います。
○石本国務大臣 お答えをいたしますが、先刻政府委員が申しましたように、私どもの序としましては、トリクロロエチレンのような有機溶剤を使用しなければできない製品もこの工場の背景の中にあるということは承知をしております。そうした時点におきまして、この問題は監督権といいますか、監督権限を有しております。その地域の県知事とも十分に連携を保ちながら、今後適正に措置してまいりたいというふうに考えております。
○井上(一)委員 ということは、環境庁長官、私が指摘したように、何も京セラだけという意味ではないのです。すべての企業にそういうことを周知徹底させなければいけないのです。それは誤解のないようにしておいてもらわないと。私は何も京セラだけという――今、京セラの鹿児島の川内工場でも問題が起こっているし、山科でも起こり得る可能性がある。ただ、付近住民は知らなかったかもわからない。そういうことを含めて、私はやはり調査をその各権限を持っている府県段階も含めて、それは協力をいただかなければいけないわけですけれども、やはり行政指導という環境庁という立場から、あるいは健康を守るというあなたの生きてこられたその人生観からも、環境庁長官、ひとつ私はすべての企業にそうあってほしいのだけれども、とりわけ京セラの企業体質に疑いを持っているので、特に名指しをさしてもらってどうでしょうかと、いろいろたくさん工場がありますから、皆公共下水の完備したところでなく、地下水をやはり飲料水にしているところ、あるいは地下水を何らかの形で生活用水に使っているところが多うございますので、そういう意味でもひとつ十分な調査をすべきではないだろうか、こういうふうに私は思うのですが、いかがでございましょうか。
○石本国務大臣 先生のお言葉のようにあらゆる事業体につきましてのことになりますが、有機体を使っておりますすべての事業所等につきまして従来もやってきたつもりでございますが、今後精いっぱいに気をつけながら努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○井上(一)委員 ということは、京セラの各工場に対しての公害問題についての調査に取り組む、こういうことでございますか。
○石本国務大臣 京セラを含めまして、すべてのそうした工場について十分調査をして、対策をしてまいりたいというふうに考えております。
○井上(一)委員 私はもっといろいろと指摘をしたいのでありますけれども、何をおいても京セラの企業体質がこういうことである。だから、予算委員会で指摘をした武器輸出三原則に抵触するあの問題についても、私が指摘をしたことに対する京セラのその反省のない姿勢というのでしょうか、あるいはこれからの企業に対する取り組みというものにきょうもまた私は警鐘を鳴らしたわけであります。関係省庁、通産も郵政も警察庁も厚生省も環境庁も、すべてそういう面ではいま一度原点に立ち戻って、先端企業の優秀な大手大企業だという認識でほっておくのではなく、原点に立ち戻って、法の精神、政府の取り組む姿勢、そして通常な社会通念というものを理解をしてもらうようにぜひ今後一層の努力をお願いをして、私の質問を終えたいと思います。
○安井委員長 次に、中村重光君。
 お約束の時間から先ほどの発言時間を除いた時間、発言を許します。どうぞ。
○中村(重)委員 政府委員のお答えを伺いたいのですが、委員長から大分厳しく時間に制約を受けたのですが、きょうは海上保安庁お見えでしょう。十管本部が五十八年度中に検挙した海上犯罪数は二千百三十件、その中で二十トン未満、いわゆる瀬渡し船のような船は十九件にすぎない。この数字を見ても、いかに少人数乗って――瀬渡し船なんというのは大概七、八人乗りますから、今回のように二十三人の定員で二十六人、三人オーバー、こういうことはまれです。大型船であれば関心を持つのだろうけれども、小型、少人数乗船ということだから軽く扱ってきたということのあらわれだということも言えるだろうと私は思います。このことも含めて海上保安庁、警察庁、それぞれひとつ取り締まり方針、法の整備の問題を含めてお答えください。
○岡田政府委員 開洋丸事件にかんがみまして、瀬渡し船に対する私どもの安全指導をどのように徹底するかということが重大な問題になっておるわけでございますが、私どもは海上安全の確保ということを任務としておりますことから、当然のことながら、これまでも瀬渡し船事業者に対しましては、いわゆるそれの安全対策連絡協議会というようなものを事実上つくらせまして、その協議会を通じて安全思想の徹底を図る、かような対策を講じてきたところでございます。瀬渡し船の数につきましては、極めて概数でございますが、全国約二千三百隻ほどあるのではないかと思われますが、そのうち約六割につきましてはこのような協議会に参加しておるところでございます。
 協議会におきましては、今回の事件の背景になりましたようないわゆる中止基準をどういうふうにつくるか、そしてその中止基準をどうやって守るか、あるいは緊急の場合の通信の連絡方法、あるいはその大前提としての気象、海象状況の的確な把握、このようなことについて、それぞれの地域地域の海象、気象の実情に合わせましたきめの細かいいわゆる安全規約みたいなものを我々が指導しながらつくらせる、かような方途を講じてきたところでございます。
 残念ながら、今回の開洋丸は、当該串木野周辺におきまして約十四隻ほど既にこの協議会に参加しておるものがありますが、八隻ほど参加していない船もございまして、実は八隻の中の一つに入っていたわけでございます。何分にも任意の加入でございますので、私どもも今後ますます大いに努力はしなければならないと思いますが、何とかこの四月四日にも再度管区に、関係の部署に通達を出しまして、とにかく一〇〇%を目指して瀬渡し船業者の組織化を図る、こういうことによりまして安全指導を徹底させてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○中村(重)委員 それでは、警察庁もお見えでしょう。それから、先ほど大臣がお答えになったことで、運輸省としてももっと取り締まりの方針等、これは警察が直接は取り締まりをするのだけれども、今度改正になりました法案と従来の法律との取り締まり上の相違といったものを含めてお答えをいただきたいのです。時間の制約があるので、要点をひとつぴしっとお答えを願いたいのです。
○服部政府委員 ただいまの先生のお尋ねは、軽貨物タクシー法案の問題であろうかと思いますので、御説明をさせていただきますが、御案内のように、軽貨物自動車で旅客を運送する行為というのは明らかに旅客運送行為に当たるわけでございます。これを反復継続いたしまして有償で行いました場合には、無免許でもって旅客運送事業を行ったという形になるわけでございまして、明らかに道路運送法第四条違反ということになるわけでございます。
 ところで、従前の道路運送法の体系の中ではそういう行為はどういうふうにとらえられておったかということでございますが、まず、一回限りそういう行為を行いました場合には、それに対する行政処分も罰則の適用もない。それから、四条違反、無免許でやったという反復継続の立証をなし得た場合におきましても、行政処分でこれに対応するという方法がなくて、私どもがその事実を確認いたしまして告発して裁判にかけて罰則の適用を図る、そういう取り締まりの方法しかなかったわけでございます。
 そういうことでございますので、非常に取り締まりの実効を欠く実態があったわけでございますが、そういう点にかんがみまして、今回議員立法という形で道路運送法の一部を改正していただきまして、一回限りの違反行為でありましても車両の使用停止処分をかけられるし、また罰則の適用もある、さらに無免許でもって四条違反という形で反復継続して行いました場合につきましても重い行政処分がかけられる、こういうふうな対応ができることになりました。
 したがいまして、そういう新法の考え方を踏まえまして、軽貨物問題につきましては、私どもこれまで以上に警察当局との連携を密にいたしまして、取り締まり体制の充実を図り、強い姿勢で厳正な対応を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
○中村(重)委員 船の方もお答えください。貨物船がお客を有償で運んでいる図これは事実だ。時間表までぴしっと書いて、まさに定期船の扱いになっている。なぜ取り締まりをしないのか。
○服部政府委員 御指摘のような事態がありますことはまことに残念に思うわけでございますが、今先生御指摘のようなケース、すなわち内航貨物船がその持っております定められました定員の数を超えまして旅客を運送したことが確認された場合につきましては、仮にそれが一回限りの行為でありましても、船舶安全法の規定によりまして、これは先ほど大臣も御答弁申し上げましたが、一年以下の懲役または三十万円以下の罰金の適用があるということになっておるところでもございますので、私どもといたしましては、先生御指摘のような実態面の把握にさらに努めまして、今後とも海上保安官署等との連携のもとに取り締まりの厳正を期してまいりたいと考えるものでございます。
○中村(重)委員 船舶安全法、これも今のような法律の内容だから、取り締まりをしようとすればできるのだね。しかし、やはり海上運送法の適用がないと、装備なんかの面において厳しい取り締まりがなかなかできないのではないかと思うのです。しかし、それはできるということであればいいわけだから、それはやってもらいたい、やるべきだということを申し上げておきます。
 時間の関係がありますから環境庁の関係に移ります。
 長崎県の対馬に東邦亜鉛対州鉱山というのがあるのです。これは佐須川と椎根川の流域でカドミウム汚染対策地域として五十八ヘクタール、土壌改良と公害防止事業を実施している。五十九年には五・二三ヘクタール解除した。六十年の四月には十九・四五ヘクタール解除している。残りは三十一・二七ヘクタール。これは六十一年度末でもって調査を終わり、安全であれば解除するという方針であるわけです。これは安全であればこれでよろしい。それには異議はないのです。そこで、安全であるのかどうかということが一点。
 もう一つは、人的被害ということです。被害者は、イタイイタイ病として公害病の指定をしてくれと言っている。私は委員会で随分質疑をやったし、環境庁あるいは厚生省に行って患者の諸君と一緒に話し合いをし、さらにまた、現地まで政府の方で出かけていっていろいろと患者と接触するといったような積極姿勢も見受けられた。ところが、実際はなかなか指定にはならないということなんです。これは腎臓機能障害があることは厚生省も環境庁も認めているわけですが、これでは被害者組合も納得しないのですから、今後これらの点についてどう対処していこうとお考えになっておられるのかという点です、
○佐竹政府委員 前段の対州鉱山の件についてお答えいたします。
 御指摘のとおりでございまして、六十一年度における解除につきましては、現在のところまず間違いないであろう、かように私ども判断しておるわけでございます。つまり、安全であるという判断が得られるであろうというふうに判断しておるわけでございます。
○長谷川政府委員 お答えいたします。
 カドミウムの汚染地域におきます健康被害といいますか、健康影響という問題でございますが、これにつきましては、先生御案内のとおり、長崎県におきましても五十一年以降におきまして住民健康調査が行われたわけでございますが、そのときにおきます研究班の調査報告によりますれば、カドミウム汚染の有無と腎機能異常との間に関連性が認められた県、長崎県は認められておるわけでございますが、そういう県と認められなかった県があるというぐあいに報告されておるところでございます。このように県によりましてカドミウム汚染と腎機能異常との間に関連性があるかないかという点が分かれているところもあるわけでございますので、環境庁といたしましては、まずこの腎機能異常がカドミウムと特異的な関係があるのかどうか、この腎機能異常が疾病であるのかどうかという二点について検討する必要があるというぐあいに考えておるところでございまして、こういう面において現在必要な調査研究が行われておる段階でございます。
○中村(重)委員 これ以上この問題を議論しても、ここでは進展がないだろうと思うのです。随分長い期間を経ているわけだから、私は全くイタイイタイ病との関連なしというようには考えられないのです。しかし、研究班をおつくりになって、地元の大学からも参加してやっているわけですから、それを疑うものではないのですけれども、人の健康と生命に関することですから、被害者組合が十分納得できるような対処の仕方が必要であろうと思いますから、この土壌改良の問題を含めて、大臣も十分関心を持って対処してもらいたいと思います。まだ盛りだくさん申し上げたい、ただしたいこともあるのですが、時間の関係から多く言えないのです。
 この下水道工事については、環境対策という面から環境庁も十分関心を持って対処しておられるのだろうと思うのですが、長崎県の雲仙で特別下水事業というのをやっているのです。もう供用開始をしていい段階になっているのだけれども、地元負担、受益者負担が大きいものだから供用開始が難しい、危ぶまれているという実態にあるのです。このことをお聞きになっていらっしゃるかどうかということと、下水道事業については環境庁も十分な関心を持って対処していくということでないと、雲仙のような莫大な金をかけて供用開始ができないというようなことでは、話になりません。そういう点をお答えができればお答えいただきたい。
 それから、市町村長なんかからいつも言われることですが、有毒性のある水銀の乾電池が相当放置されている、空き缶もそうなんだけれども、これは自治体に任せておけばいい、いわゆるボランタリー活動というものに任せておけばよろしいのだというように環境庁はお考えになっていらっしゃるのかどうか、これらの考え方についてお答えをいただきたい。
 それから、合成洗剤の発がんが非常に促進されていますから、これによる環境破壊に対してどう対応していこうとお考えになっておられるのか、その点をただしておきたいと思います。
 それから、時間の関係がありますから、難しいことじゃなく常識的なことですから、続いてお尋ねしますからそれぞれお答えください。
 食品添加物は子供の健康をむしばむと言ってもいいぐらい健康阻害になっているのです。いわゆる無添加加工食品の生産、加工ということにもっと指導性を持って取り組んでいかなければならないのではなかろうかという感じがいたします。
 これらの点についてどうお考えになっていらっしゃるのか、考え方をお聞かせいただきたい。
○佐竹政府委員 第一点の特環下水道でございますが、先生御指摘の具体的地区については私ども承知しておりませんが、湖沼を初めいわゆる閉鎖性水域の水質浄化のためには、この下水道、特に既成市街地以外のところでやられる下水道については私ども深い関心を持っておるわけでございまして、これが円滑にいくように建設省にもよくお願いしているところでございます。
 それから、第二点の水銀の問題でございますが、これは私ども現在非常に危険であるとは判断しておりませんけれども、市町村の長、自治体の皆さんが大変危険性を感じて分別収集等をやり、現在保管してお困りになっておるという事実はよく承知しております。これについては廃棄物行政一般と非常に深い関係がございますので、一次的には直接執行の責任を持っておる厚生省に対して、できるだけ早く保管しておるものの処理方針等も指示すべきではないかということを御相談いたしましたところ、厚生省ではことしの夏ごろまでには生活環境審議会で審議してそれについて結論を出す、かようなことを聞いておりますので、それを見守りたいと考えております。
 それから、合成洗剤の危険性につきましては、これは既に厚生省の方で一応の結論を出しておられ、現在安全であるというふうに私どもは承知しておるわけでございますが、なおその環境影響等につきましては国公研を中心に現在勉強しておるところでございます。
 食品添加物の問題につきましては……。
○竹中政府委員 食品添加物の問題でございますが、私どもこれにつきましては国民が大変大きな関心をお持ちであるということを背景にいたしまして、添加物の指定に当たりましては極めて厳正に、十分安全性について検討いたしました上で指定をし、かつまた、過去に指定しております添加物につきましても、その安全性等について科学の進歩に応じて再点検するという作業を続けておりますので、現在、私どもが指定しておる食品添加物は、定めております使用基準の範囲内でお使いいただく限りにおいては人の健康に全く心配がない、私どもそのように考えております。
○中村(重)委員 話にならない答弁だけれども、科学の進歩というようなことで実際は健康阻害。特に環境庁長官は御婦人で、こういう問題には一層の関心をお持ちだろうと思います。したがって、びしびしとこういう問題については対処してもらいたいということを強く求めておきます。
 それから、厚生省にカネミ油症裁判のことについて考え方をお聞かせいただきたいのですが、御承知のとおり敗訴することになった。そこで、訴訟に参加をしていない人たち。六百数十名いると思うのです。この参加をしていない人たちは、厚生省が立会人になって協定を結んでいるのです。そして、一時金として百五十万円が交付されているわけです。ところが、今度控訴をすることになった。また相当に時間がかかるだろうと思います。したがって、争いをやめて話し合いによって解決する。これは勝訴した側は七百五十万円ですか、これが仮執行によって配分されるという形になっているわけです。ですから、これは控訴をしましても結果は明らかであろうと私は思います、これらの点を基礎にして積極的に話し合いによって解決をする、こういうことで対応されることが国の責任を果たすことにつながっていくのではないかと思います。これをひとつお聞かせいただきたい。
○竹中政府委員 カネミ油症の患者さんにつきましては、長年にわたって大変御苦労いただいておるわけでございまして、その点につきましては深く御同情を申し上げる次第でございます。
 今先生お話しのように、カネミ油症事件の被害者千八百三十三名でございますが、そのうち約三分の一に相当する七百二名の方につきましては裁判に参加をしておられない、このうちの六百五十九名がいわゆる未訴訟派ということでございまして、昭和五十三年七月に、鐘淵化学工業、それからカネミ倉庫、その間で確認書並びに覚書が調印をされまして、一時金が支給されておるということでございます。
 今先生お話しの国に責任ありという判決が、一陣の二審、三陣の一審と出たわけでございますが、私ども政府といたしましては、裁判所の御判断に不服である、政府部内でいろいろ検討いたしました結果、いずれも上告をいたしておるわけでございます。したがいまして、今の時点で和解をして患者さんの方々にそういった補償金、賠償金といった性格のものをどうこうするということについては、現在私どもといたしましては考えていないわけでございます。
 ただ、そういった訴訟の問題、裁判上の問題とは別にいたしまして、例えば油症の治療研究の推進でございますとか、あるいは健康管理の拡充、世帯更生資金の特例貸し付け等々私ども行政上とり得る措置につきましては、今後とも積極的に講じていきたいというふうに考えているわけでございます。
○中村(重)委員 また改めてお尋ねをすることにいたします。
 会計検査院にお尋ねをいたしますが、先般の委員会で安井委員長から指摘がありましたように、この会計検査院の決算検査をされるその結果というものが予算に反映されなければならない、これは当然なことです。それが、五十六年度の決算をようやく先般終わった、こんなことでは予算に反映するも何もあったものじゃない。会計検査院としてももどかしいお気持ちであろうことはよくわかる。総理にそのことを強く指摘しているわけですから、閣議等において十分そのことの趣旨が徹底されるであろうことを私は信ずるものであります。
 そこで、会計検査院は会計検査の結果を予算に反映をさせるためにどのような努力をしておられるかという点が一点であります。それから、その予算に反映させるためにどのような方法を講じておられるのか、この二点をひとつお聞かせいただきたい。
 それから次は、政府関係金融機関、この貸し付けに対する会計検査院の検査、いわゆる肩越し検査というものが行われることになる。これに対する翁通達であるとか、あるいは藤森官房副長官のこれに対する通達等も出ているわけですが、ところが、金融機関がこの検査に協力をしないというようなことも言われているわけです。これらは詳しく私が承知いたしていることを申し上げたいのですが、もう質疑の時間が終わったということですから、委員長からしかられても困りますから改めてお尋ねすることにしますが、ひとつ以上の二点についてお答えをいただきたい。
○鎌田会計検査院長 お答え申し上げます。
 まず第一点の、検査結果が予算に反映しているかどうか、どういうふうにしているか、こういうことでございますが、今先生おっしゃいましたように、五十七年度決算検査報告はただいま審議が始まるということは、おっしゃるとおり私どもといたしましてはまことにもどかしいと申しますか、そういう意識を持っております。五十七年度の決算検査報告は、五十八年の十二月には既に国会へ提出しているわけでございます。なるべく速やかに御審議賜ることが、やはり指摘された官公署、そういったものに対する反省あるいは是正の手段を早くとらせる、こういうことになるかと思います。
 反面、私どもといたしましてはそれではどういうふうな努力をしているかと申しますと、やはり一刻も速やかに検査報告を国会に提出するような努力をするということが第一点でございますと同時に、この検査の進行過程において、年に二回大蔵省主計局とは打合会を毎年開催いたしておりまして、気のついた点につきましては大蔵省の見解を聞き、連絡し合って予算の編成の資料にしてもらう、こういうような措置を講じているわけでございます。いずれにいたしましても、我々の努力した検査の結果というものが予算編成に大きな援助といいますか、参考になるということを願っていることは変わりございません。
 それから、第二点の肩越し検査でございますが、おっしゃいますとおり五十六年の翁通達、そしてことしの二月内閣官房から通達が出たわけでございます。本質的に申し上げますと、我々といたしましては、検査を完全に行うということのためにはやはり院法改正が必要である。また、五十二年以来十数度にわたる衆参両院の御決議がありました以上は、私どもはこの院法改正をしたいという考え方を変える気は毛頭ないわけでございます。しかし反面、内閣の方では、現段階においては院法改正は困難である、こういう御判断に基づきまして、しかし行政指導で協力していきたいということでこういう通達が出たわけでございます。
 この通達の効果というものがどの程度であるかということでございますが、二月の通達で、この四月、そろそろ検査も始まるわけでございます。その中で必要あらば問題の金融機関に対しましても検査に参りまして、そして必要があれば肩越し検査に行きたい、こういう考えもあるわけでございます。そのときの協力の度合いというものは、私どもといたしましては、総理大臣、大蔵大臣、閣議のお話もございましたように、相当の効果があるというふうに期待しているわけでございます。なければ、また私どもとしては考えを変えていかなければならない、かたい決意を持って対処していくつもりでございます。
○中村(重)委員 これで終わります。
○安井委員長 次に、貝沼次郎君。
○貝沼委員 私は、会計検査の強化ということで、二点ばかりお尋ねしたいと思います。
 その一点は、会計検査院の立場でございますけれども、これは憲法第九十条によって保障されておるわけでありますが、この会計検査院の独立性の問題について検査院としてはどのように受けとめておられるのか、この点をまず伺っておきたいと思います。
○鎌田会計検査院長 会計検査院の独立性という御質問でございますが、もとより会計検査院は、憲法九十条にございますとおり憲法上の機関でございます、そして国の歳入歳出の決算を検査すべしということでございまして、会計検査院法によりましてその権限、組織とか、そういったものが規定されておるわけでございます。
 そして特に特記すべきことは、会計検査院は内閣に対して独立の地位を有する、こういうことでございます。また、検査官以下の人事の問題についても、これは内閣の下にない。つまり、任命その地については、検査官については国会の御同意を得た上で内閣が形の上では発令いたしますけれども、一応人事の独立権ということは検査官以下確保されているわけでございます。また財政法上、予算上の問題につきましても独立ということが規定されております、そういうようなことで、私どもといたしましては、検査院は内閣に対して独立、行政府に対して独立、行政機関の一つではあると考えますけれども、行政の執行機関たる内閣に対しての独立性というものを非常に尊重いたしまして、これは世界各国もそういう形のものが会計検査機構としてあるわけでございますが、そういう地位を重大視しながら検査に臨んで検査院の意見を述べる、これは内閣に遠慮することなくその意見を判断して述べていく、こういう立場でございます。
○貝沼委員 その内閣に対しての独立性が、ややもすれば疑われるような事態があるわけでございます。と申しますのは、決算の検査報告書の提出でございます。これは毎年会計検査院の方から提出をしておるわけでありますが、例えば五十二年とか五十三年、五十四年、五十五年、五十六年、五十七年、五十八年とずっと見てまいりますと、例年大体十二月の十日から十四日ぐらいの間に提出がされております。ちなみに五十三年は十四日、五十四年は十日、五十五年は十五日、五十六年は十三日、五十八年は十日、こうなっております。五十七年だけがなぜか十二月二十一日になっております。二十一日で、ずっとおくれております。
 なぜこれがおくれたかということにつきましていろいろ言われておるわけでございますけれども、これは衆議院の総選挙のあった年でございます。そしてその衆議院の総選挙のときに、この場合十二月六日の閣議で当時後藤田官房長官は、「「政府に不利な調査結果を選挙中に公表するのは避けてほしい」と各省庁にクギを刺した。」と括弧がついて報道されておりますから、そのままの言葉だろうと思います。こういう影響を受けたのか、十八日の投票でありますから選挙が終わるまでこれが延ばされた、もしこれが事実であるとすれば、内閣の意向によって会計検査院の報告が動かされた。これはただいま御答弁のありました独立性という問題に大きく抵触してくると思いますが、この点はいかがですか。
○鎌田会計検査院長 お答え申し上げます。
 五十七年度の決算検査報告が十二月二十一日に総理を経て国会へ提出されたというのは事実でございます。これはなぜおくれたかということでございますが、今先生が仰せられましたように内閣からの要請があったのか、あるいは官房長官のそういう言明があったからそうしたのかということでございますが、これは我々といたしましてはまことに意外なふうに感ずるわけでございます。独立官庁でございますので、当時内閣からはそういう意見は聞いておりませんし、またそういう内閣官房長官の話があったということは、たしか検査報告の内容について一斉に新聞記事が出た、その日の新聞で私はそれを見たような記憶がございます。なるほどこういうふうにもとられたのかなと思ったわけでございます。
 実は、五十七年度がなぜ二十一日になったかということでございますが、これはたまたま、国会その他の方から検査報告がどうも読みにくいというような御示唆がございまして、では五十七年度分からひとつ徹底的にこれを改編していこうという作業をやりまして、五十七年度につきましては相当手をかけまして、読みやすく、しかも説明を非常に加えたというような作業がございました。事実、ここに五十六年度と五十七年度、これが五十七年度でございます。五十六年度はこれでございます。五十六年度は三百八十ページぐらいでございます。五十七年度が五百四十ページ、約四割の増ページになっております。増ページになったのは、内容的にもいろんな指摘事項があったわけでございますけれども、それ以上に内部を、検査報告の説明を詳しくしたというようなことがございまして、事務総長官房の当局で作業に非常に時間を要した、こういう事実がございます。
 逆に申しますと、私は後で考えたのでございますが、おくれたのが選挙のおかげで提出がおくれてもそうおかしくなかったというふうに説明できるかな、こういうふうに感じたぐらいでございまして、決して先生が先ほどおっしゃいましたような、外部的な要因によって操作した、こういうことではないということを御了解いただきたいと思います。
○貝沼委員 時間がもうなくなっちゃって、私は今のはどうも余り納得いかないのですけれども、それならそれで、検査院というのは権威を保つことは非常に大事なわけでありますから、そういう記事に触れておりながらなぜ沈黙をしておったのかということです。そうでないならそうでないように、そこではっきりと何か物を言うべきではなかったのですか。ただ言われっ放しというのは、これはある意味では認めたのかなというふうに勘ぐられてもいたし方ないわけであります。これは検査院の権威という問題になると重大でありますから、やはりそういうときには何か発言をすべきであったと考えます。ところが、それがなかったということは、今の説明では納得いかない面がありますので、今後はそういうことのないようにお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○鎌田会計検査院長 お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたように、検査報告の内容が新聞に出たときに、たしか一つだけの新聞で私、見たように思います。したがいまして、これが一般的にそうとられているというような意識は当時全然持っておらなかったので、むしろこういう見方もあるのかなという程度にしか感じなかったわけでございます。したがいまして、あえて外へ弁明するとか抗議するというようなことはしなかったわけでございます。
 どちらかといいますと、会計検査院というのは沈黙を守る方が多い役所でございまして、余り積極的にPRする立場にないのではないか、何かお尋ねがあれば説明をする、こういう立場で終始してきたわけでございますが、どうも先生のおっしゃるようなことも考えますと、これから少し声明といいますか、PRといいますか、そういうような機会も持った方がいいような感じもいたします。
○貝沼委員 予鈴が鳴ってきましたけれども、もう一点だけ。
 本日のこの概要説明でも、ずっと見ていきますと不当事項というのが出てきます。これは条文のよりどころは記載されておりません。それで、ほかのものは全部院法第何条によりというふうにちゃんと記載されております。ところが、この不当事項は、私が言うまでもなく院法第二十九条の問題ですね。そうしてこの中には、「法律、政令若しくは予算に違反し」、ここの部分が一つと、「又は不当と認めた事項」、こういうふうになっておるわけでございます。
 ところが、この条文にある不当という言葉と不当事項の不当という言葉は意味が違ってきております。この点を明らかにしない概要説明というものは、非常に紛らわしいものになってくると私は思います。不当というのは、法律あるいは政令に違反しないまでもいろいろ問題があるという部分が多いでしょうから、その不当という言葉を中心にして不当事項でまとめてしまっておるということは、各省庁に対してちょっと遠慮した形の表示になっておるのではないかという気がいたしますが、これはなぜこういうふうにしなければならないのですか、その点をお伺いいたします。
○鎌田会計検査院長 院法第二十九条の規定でございますが、確かに先生のおっしゃるとおり、「法律、政令若しくは予算に違反し又は不当と認めた事項」、こういうことになっております。
 ただ、これは今先生に御質問をいただきましてなるほどとちょっと考えたわけでございますが、従来会計検査院は、違法であれ予算違反であれ、あるいは経済性あるいは効率性、そういった見方から問題を取り上げた場合に、帰結するところは、その額が幾らであるかというところに非常にとらわれる役所でございます。また、その金額がちゃんと出なければ批判、指摘しないという、まあ習性と申しますか、そういうならわしになっているわけでございます。我々といたしましては、その不当と言われたことが各官庁にとって一番痛い言葉であるというふうに考えておったわけでございますが、先生のおっしゃるとおり、予算違反あるいは法令違反ということをうたって、それに基づいてこうした不当な金額であるというような表示をした方がいいのかなというような感じもいたします。
 いずれにいたしましても、昭和二十年代以降ずっとこういう形で何十年とやってきたわけでございまして、検査院の職員といたしましては別に不思議に感じてこない、それぞれの指摘事項の中でこれこれの法令違反ということが説明してあるので、これでいいのだろうと考えておったわけでございますが、そういう御見解もおありということでございますので、来年から、そういうふうにできるものかどうか、前広にひとつ検討させていただきたいと思います。
○貝沼委員 時間が来ましたので終わります。
○安井委員長 この際、休憩いたします。
    午前十一時五十四分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時七分開議
○安井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。斉藤節君。
○斉藤(節)委員 私、公明党の斉藤節でございます。
 まず最初に、農耕土壌について、環境庁初め厚生省の方々に御答弁願いたいと思っております。
 まず最初に、昨年の十一月八日に環境庁水質保全局長名で各都道府県知事にあて、「農用地における土壌中の重金属等の蓄積防止に係る管理基準について」というのが出されております。これは間違いございませんね。
○岡崎政府委員 大変恐縮でございますが、今、局長がこちらに参っている途次でございますので、私は正確に承知しておりませんが、そういう形で各都道府県に連絡を出したことは私も承知しております。
○斉藤(節)委員 この中で、「近年、農用地における地方の増進及び資源の有効利用の観点から、有機性副生物を再生し原料とした資材」というのがございます。この中の「有機性副生物を再生し原料とした資材」、このものは一体どういうものなのか、その辺、定義をしていただきたいと思うのでございますけれども、まだいらしていませんか。――では、来られるまで保留します、これの答弁をいただかないと次の質問ができないものですから。
○安井委員長 ちょっとお待ちください。あと一分ぐらいで参ります。
 それでは、再開します。
 政府委員に申し上げますが、本会議が終わったら直ちにというふうに委員長は申し上げておりました。本会議は予定よりも少し早目に終わりましたけれども、会議後直ちにということですから、おくれないように願いたいと思います。
 それでは斉藤君、もう一度質問をし直してください。
○斉藤(節)委員 昨年十一月八日付で環境庁水質保全局長名で各都道府県知事あてに、「農用地における土壌中の重金属等の蓄積防止に係る管理基準について」という通達が出されておりますけれども、間違いございませんですね。
○佐竹政府委員 間違いございません。
○斉藤(節)委員 この文面の最初のところに、「近年、農用地における地方の増進及び資源の有効利用の観点から、有機性副生物を再生し原料とした資材」という文言がございます、この「有機性副生物を再生し原料とした資材」というものについての定義をまず明らかにしていただきたいと思います。どんなものなのか。
○佐竹政府委員 定義ではございませんが、具体的に私どもが考えている物質を申し上げますと、一つは下水道汚泥、それから都市ごみコンポスト、それからし尿汚泥などを具体的に対象として考えているわけでございます。
○斉藤(節)委員 そういうことでありますと、し尿汚泥を中心としたものであるということでございますけれども、同じ十一月に土壌農薬課の「汚泥等の農用地等における利用実態調査結果の概要」というのがまた出されております。これによると、汚泥を中心にしたものであるというふうに考えてよろしいわけでございますね。
○佐竹政府委員 正確な数字自体を今手元に持っておりませんが、下水道汚泥のウエートが非常に高くなるということは間違いございません。
 今お話しのございました土壌農薬課の資料によれば利用量の数字も出ておりますけれども、この数字は間違いないと思います。
○斉藤(節)委員 では、まず農水省の方にお伺いしたいのでありますけれども、農水省としてはこの通達についてどのように考えておられるか、お聞きしたいと思います。
○管原説明員 お答えいたします。
 有機物の適正な施用というものは、農用地の保全、それから農用地の利用という面で非常に重要でございまして、このために下水汚泥等の利用につきましては非常に関心は持っておるわけでございますが、下水汚泥につきましては、肥料効果がある反面、また土壌蓄積性の重金属を含むおそれもございまして、作物生育に対する安全性の面で、無条件でその利用を図っていくということには問題があるのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
 環境庁のただいまの通達につきましては、環境庁が農用地の土壌の汚染を未然に防ぐという立場から都道府県あてに通達されたものというふうに承知しておりまして、その趣旨については私ども異存ございません。
○斉藤(節)委員 では、厚生省の方にお伺いしたいと思いますけれども、厚生省として、コンポストの使用についてはどのように考えておられるか。
○加藤説明員 厚生省といたしましては、し尿汚泥、ごみなどをコンポストなどといたしまして農地に還元いたすことにつきましては、ごみの減量に役立つとか、その結果として処分場の寿命が延びるとか、あるいはごみ等の資源化、有効利用といった観点から、基本的には望ましいものというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、し尿汚泥等の農地還元は廃棄物処理の一形態でございますので、その実施に際しましては、例えば雨による流出でありますとか、愚息の発生でありますとか、あるいは地下水、公共用水系の汚染でありますとか、あるいは作業者の健康影響、それから周辺住民、地域の衛生、そういったものに留意しながら、生活環境の保全に支障のないようにやっていただきたい、こんなふうに考えているわけでございます。
○斉藤(節)委員 これで農水省と厚生省の御意見は大体わかったわけでありますが、もし土壌中にそのような重金属などが蓄積するようなことであれば、やはり汚染するという問題がありますので、その辺は私は考えていかなければならぬと思います。
 この通達を読んでいきますと、亜鉛について管理基準として出されているわけでありますけれども、これを決定したのはなぜなのか、その辺、明らかにしていただきたいと思います、
○佐竹政府委員 実は、既に先生御案内のように、最近、特に下水道汚泥等の発生量が増大してまいりまして、これを有効利用するという観点から農地に還元する都道府県等がふえてまいっているわけでございますが、私どもも、ある意味ではこれは非常に望ましいことであるというふうに判断するわけでございますけれども、一方、各都道府県で、重金属等が農用地に蓄積されると、一度蓄積されればこれを取り除くことは非常に大変であるというところから、何らかの施用のメルクマールをつくってほしいという要望がかねて出されていたわけでございます、私どもはそのような要望を受けて、五十六年以降汚泥の農用地等還元問題研究会という私的な諮問機関を設けまして御検討いただいて、五十八年六月に報告をいただいたわけでございます、その際、現在の下水道汚泥等の成分、それから自然の土壌における重金属等の自然の賦存量等から見て、亜鉛及び銅を対象として当面その施用をコントロールすることが必要であるという御報告をいただいておるわけでございます。その報告をもとに私ども各省といろいろ検討を進めてまいりまして、その結果、現在の汚泥等の成分の構成、さらに土壌中の自然の賦存量等から見ますと、亜鉛が施用によって最も自然賦存量をオーバーする可能性が高いというようなところから、特に亜鉛を取り上げることとしたわけでございます。
○斉藤(節)委員 今のお話はよくわからないわけでありますけれども、亜鉛を賦存量から決めたということでございますが、このガイドラインによると、亜鉛の量が一二〇ppmだというふうに規定しておるわけです。一二〇ppmという値は非常に小さいんじゃないか、小さ過ぎるんじゃないか。自然界でさえも普通三〇から三〇〇ppmぐらいありまして、一二〇ppmといったら相当低い部類に入ると私は思うわけです。一二〇ppmということであれば、それを土壌にコンポストなどで施肥していいというのは、これは使うなということと同じことじゃないかと私は思うわけでございます。そういうことで、この際管理基準を見直していく必要があると思うのでございますが、いかがでございますか。
○佐竹政府委員 この管理基準を決めるに当たりましては、実際に生育障害等が出る発生値の限界値をとるべきだというようなお考えも確かにあったわけでございまして、私どももいろいろ検討してみたわけでございますけれども、それについては非常にばらつきが多い。またその他のいろいろな条件に左右されるというようなところから、自然賦存量による、つまり天然自然界に現に存在している亜鉛の量程度までは施用していいというようなことを一つのメルクマールにしたわけでございまして、このような場合に、自然賦存量、いわゆるバックグラウンド値を使うというのは一つの考え方であることは、先生もよく御承知いただけるかと思います。
 この自然賦存量につきましては、私ども数年間調査をいたしまして、土壌の総体累積度数九五%値をとりまして、それが大体一二〇ppmにおさまったわけでございます。仮に投入量を十アール当たり〇・五トンというふうにいたしますと、現在の平均的な汚泥の中の亜鉛の含有量から計算いたしますと年負荷が三・二七%ぐらいになるということでございまして、一二〇ppmという値は自然の賦存量に比べてちょっと低過ぎるのではないか、要するに自然の賦存量と限界値との間の幅が狭いからほとんどやることができないのではないかという御指摘であろうというふうに理解するわけでございますが、今のような計算をしていきますと、決してこれが禁止的機能を持つものではないというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、いずれにいたしましても、これは一応の緩やかな指針でございまして、私どもも今後なお引き続き研究し、勉強していこうという気持ちを持っておることは、ここで申し上げておきたいと思います。
○斉藤(節)委員 では、農水省の方にお伺いしますけれども、この亜鉛の一二〇ppmというガイドラインについてはどのように考えておられますか。
○管原説明員 農用地の活用利用という面から、私どもこれで差し支えないだろうというふうに考えております。
○斉藤(節)委員 差し支えないじゃなくて、もっと多くてもいいのじゃないかと思うかどうか、その辺どうですか。
○管原説明員 ちょっと言葉が適当でございませんでしたので訂正させていただきますけれども、この程度のところが妥当ではないかというふうに考えております。
○斉藤(節)委員 では、環境庁の方にお聞きします。
 亜鉛というのは私どもの作物に吸収されて果たして害があるのかないのか、その辺をいろいろ明らかにしていきたいと思うわけでございますけれども、亜鉛というのは申すまでもなく私たちの体になくてはならない金属でございまして、しかも植物も亜鉛がなければ成長しないのですね。例えばここに国立公衆衛生院の山県登さんの「微量元素」という本がありますけれども、これに植物の亜鉛欠乏症ということについて出ております。
  土壌中の亜鉛はふつうなら十分のはずであるが、土地によって溶脱を激しく受ける場合、あるいは人為的にはリン酸塩および窒素肥料の施用が多すぎる場合に作物の亜鉛欠乏を生ずることがあり、トウモロコシの白芽病、リンゴやナシの小葉病、柑橘類の斑葉病などを起こし、収穫が減少したり種子の生育が貧弱になったりする。欠乏のおもな影響はRNAしたがってDNAの生産の妨害にあると考えられている。
こういうことで、植物にも亜鉛はなくてはならないわけです。そういう意味で、亜鉛は多くても害にならないのですね。
 いろいろ論文がありますが、農林水産技術会議事務局から出された「研究成果92」というのがございます。畑作物に対する亜鉛の吸収、これは私も随分調べたのですけれども、これによりますと、亜鉛では生育障害は見られない、むしろなければ困るということなんです。例えば畑作物のカドミウムと亜鉛の吸収について研究されているわけでありますが、「Cd、Znの添加による生育障害はみられなかった。」ただし「なすのみは、生育が著しく抑制され、畸形果がみられた。」あるいは「ホウレンソウはCd、Zn無添加の場合にもCd、Zn濃度が他の作物より高かった。」しかし成長には影響がなかったということなんでございます。そのほかにも、水稲に対する亜鉛の影響も随分報告されております。それによりましても、亜鉛の量というのはそれほど問題にする必要がないと私は思うわけです。
 しかし、ここでガイドラインとして亜鉛一二〇ミリグラム・パー・キログラム、つまり一二〇ppmというように決められて、これを受けた都道府県並びに市町村は、亜鉛が悪い金属であるというふうに強く受け取っているわけですね。それで、し尿を改良してつくった堆肥あるいはコンポストといったものを一切使用してはならないんだという厳しいあれが出まして、これが非常に使いにくくなっておるという現象が起こっているわけです。そういう点で、亜鉛を指標イオンとして使うということについては非常に誤解を招きやすい。同じ重金属といいましても、亜鉛のような我々の体になくてはならないものもありますし、カドミウム、水銀のようにあってはならないものもあるわけでございますから、このガイドラインはそういう点で適切でなかったのではないかと私は思うのです。改めて質問をいたします。
○佐竹政府委員 先生はこういう重金属類の分析、その機能等については十分な御認識をお持ちでございまして、私ども、お言葉を返すだけの知識もないわけでございますけれども、ただ、一応私どもの検討の過程では、亜鉛による土壌汚染の事例といたしまして現実に被害が発生している例が、例えば鉱山の周辺でございますと長崎県の対州鉱山周辺あるいは富山県神通川流域、兵庫県生野鉱山周辺等で亜鉛による土壌汚染の例がございます。また製錬所では、群馬県安中、福島県磐梯等で亜鉛の障害が出ておるわけでございます。
 さらに私ども、この検討の過程で文献調査等をやったわけでございますけれども、亜鉛濃度と作物の減収量についての相関を調べますと、例えば麦の場合でございましても七七ppmから一〇〇〇ppmの間で非常にばらつきがあるわけでございまして、その点は確かにもうちょっといろいろ調べなければいけないかもしれませんが、コカブ等では三二ppmから一六八ppm、葉菜では七二ppmから三二〇ppmの間で二〇%の減収が生じているというデータがあるわけでございます。もちろん、これは実験条件によって大きな幅があるわけでございますが、このようなところから一応亜鉛濃度一二〇ppmという値を決めたわけでございます。
 これを決めるに当たりましては、先ほど申し上げましたように、五十八年六月に先生方から御答申、この一二〇ppmという数字をいただいたわけでございますけれども、さらに農林水産省、建設省あるいは都道府県等とも協議いたしまして、通達は昨年の十一月に出したわけでございますが、その間一年以上かけてやったわけでございます。したがいまして、現在、下水道汚泥等の有効利用にこれが非常に支障を及ぼしているということはないのではないかというふうには私どもとしては考えたわけでございますけれども、先生が今御指摘のような事実があるとすれば、我々としてもそのような実態をよく調べて研究してみたい。
 いずれにしても、さまざまな条件によっていろいろ変わってくる。確かにおっしゃるように、一二〇ppmをちょっとでも超したらすぐに害が出るというものではございませんので、万一これが画一的な一種の規制値のような形で末端で利用され、汚泥等の有効利用に支障となるということは私どもの本意ではございませんので、その辺の実態を都道府県等を通じてよく調べてみたい、かように考える次第でございます。
○斉藤(節)委員 大変意地悪い言い方になるかもしれませんけれども、そのガイドラインの亜鉛の一二〇ppmをクリアしておればほかの重金属が何ぼあってもいいのだというような解釈をした場合、困るのじゃないかなと私は思うわけです。そのいい例としまして家畜の堆肥、こういったものもかなり農耕土壌に肥料としてまかれているわけでありますけれども、この中に含まれているいろいろの重金属類というのは非常に多いのです。
 ここに分析した結果がございますけれども、例えば堆肥の中でも豚のふんをもとにしてつくった堆肥でありますが、これなどは銅が五三四ppmあるのです。亜鉛も五七三ppmです。このように豚のふんでつくった堆肥は、銅とか亜鉛が大変多いわけです。そのほか鉄なども、七六六〇ppmというように非常に高い値を持っております。また、油かすも結構高い値の重金属を含んでおりますけれども、こういうものを規制されないで、ここに出されております、去年十一月に出されましたこのガイドラインというのは、し尿といったものだけを対象にしているということは少し問題があるのじゃないかなと私は思うわけです。それだったら、豚のふんからつくった堆肥だとか生ふんをもとにしてつくった堆肥だとか、こういうものも当然規制されなければならないのじゃないか。確かに使う量が違いますよと言われるかもしれませんけれども、しかし使う量はそんなに変わらないと私は思っているわけです。その辺どのようにお考えになりますか。
○佐竹政府委員 基本的な問題といたしまして、下水道汚泥等の場合には、これは終末処理場の性格にもよるんだろうと思いますけれども、工場排水等のウエートが高い場合には施用にかなり注意しなければならない。それから一般の家畜のし尿等による堆肥等について言えば、従来農家がその由来等についても経験的にある程度知識を持っているわけでございまして、そういうところから肥料としても特殊肥料というような扱いを受けている場合もかなりあるわけでございます。
 ただし、最近は豚ぶん等につきましても、飼料の中にその生育を促進というような意味で硫酸銅等を入れている例があるようでございまして、この点が実は私どもがこの通達を出すに当たっての一つの問題点でございまして、御指摘のように汚泥だけを差別する、規制するというのは基本的におかしいわけでございます。この点は私どもも農水省に対して申し入れ、畜産局から五十九年十一月十三日付で、「銅、亜鉛等を含有する飼料の取扱いについて」ということで、指導通達を出していただいているわけでございます。
 そのような意味で、私ども決して汚泥だけを何か特別に規制しようなどということを考えているわけではございませんので、今後も、御指摘の家畜ふん尿の農地への施用についても、それによる重金属等の蓄積が果たしてあるのかないのかというようなこともチェックしてまいりたい、かように考えているわけでございます。
○斉藤(節)委員 時間もだんだんなくなってきましたし、次のテーマがありますので、これは余り突っ込んでいけないわけでありますからまた別な機会にやりたいと思いますけれども、この通達の中でちょっと御検討願いたいと思うことがあるので、これは提案なんでございますけれども、やっていただきたいと思うわけです。
 このガイドラインの三番目に、「管理基準に係る亜鉛の測定の方法は、表層土壌について強酸分解法により分解し、原子吸光光度法によるものとする。」こう書いてあるのですね。強酸分解というと、私たち常識的に考えて過塩素酸分解をやるのだと思うのです。
 私がここでちょっと疑問に思いますのは、作物はいろいろありますから種類によりますけれども、亜鉛を吸収、あるいは水銀でも何でも同じでありますけれども、根から重金属を吸い上げる、その場合は化学形が随分大きく問題になるだろうと思うのです。いわゆる根から吸いやすい状態のものと吸い上げられにくい形があるわけです。試験の論文なんかを見ますと、ポット試験では、例えば亜鉛でしたら塩化亜鉛というような形で水溶液で加えているわけです。こういうような場合には非常に根から吸い上げられやすいと思うのです。しかし、土壌中における亜鉛の化学形態というのはいろいろあると思うのです。過塩素酸という強酸でもって分解しますと、いわゆるトータル亜鉛が出るわけです。亜鉛が全部溶けてしまうわけです。しかし、根から吸い上げられる亜鉛かどうか、わからないわけです。
 そういう意味で、分析法にもいろいろあります。例えば酢酸ソーダでもって溶出するとか、いろいろな方法があるわけでありますけれども、どのような形の亜鉛が根から吸収されやすいのか、その辺を公害研究所あたりでぜひやってもらいたいと思うわけです。公害研究所のこの論文を見ますと、そういったことをやっておりませんし、また何かあいまいな、例えば重金属の影響も、砒素が存在する場合についてのみやっているというようなことで、砒素は土壌にそんなに多く存在するというようなことは余りないわけでありますから、そういう点でこの試験法もひとつ考えていただきたい、これは私の提案でありますけれども、ぜひやっていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○佐竹政府委員 率直に申し上げして、先生の今の御質問に的確に答えるだけの知識がございませんものでございますから……。ただ、この分析方法についても、先ほど申し上げました汚泥の農用地等還元問題研究会の報告としていただいた方法を使っておるわけでございまして、それなりの理由はあると思いますので、別途の機会、国会の場あるいは別途先生に御説明に上がりたいと考えております。
○斉藤(節)委員 私は、公害研究所あたりで、亜鉛とかカドミ、水銀、銅だとか、どういうものが根から吸収されやすいのか、そういう化学形態の研究をやっていただきたいということを要望したいと思いますけれども、よろしくお願いします。
 大体、これで堆肥関係の方は終わりまして、残りの時間は酸性雨について御質問申し上げたいと思います。
 最近、先進諸国の間では酸性雨の問題だとかあるいは地球的規模の環境問題等に対する関心が非常に高まってきております。このようなことを背景にしてサミットでも環境問題が取り上げられるようになってきております。サミット宣言に環境問題が最初に盛り込まれましたのは、一九八一年のオタワ・サミットからであるわけでありますけれども、その後、ベルサイユ、ウィリアムズバーグ、それからロンドン・サミットなどを通じて、宣言文の中に何らかの形で環境問題について記述がなされておるわけでございます。ことしの六月に行われる予定になっております西ドイツのボン・サミットでは、我が国として環境問題についてはどのような態度で臨むのか、その辺、長官にお尋ねしたいと思います。
○石本国務大臣 お答えいたします。
 ただいま先生申されましたように、近年、オタワ・サミットですとかベルサイユ・サミットとかあるいはロンドン・サミットなどで環境問題が取り上げられるようになってきました。ボン・サミットで何を検討するかにつきましては、現在西ドイツを中心に各国首脳の意向を受けた個人代表が検討しているところでございまして、現時点では決まっていないと聞いております。
 環境問題は非常に重要な問題でございますし、国際的なレベルでその取り組みが検討されることは大変望ましいことでございますし、今先生の申しておられます酸性雨の問題、これはヨーロッパでは大きな問題になっております。アメリカでも問題になっております。多分取り上げられて検討されるものだと考えております。
○斉藤(節)委員 我が国として、このサミットに環境問題について積極的に提案か何かされる予定ですか。
○石本国務大臣 さっき申しましたように、我が国としてはどれとどれというふうに今まだそこまでいっておりませんが、検討中でございますので、いずれ御報告できると思います。
○斉藤(節)委員 酸性雨問題についてこれから質問いたしますけれども、これは我が国は余り顕著ではない、顕現されておりませんけれども、ヨーロッパなどでは非常に大きな問題になっております。そういう点で、酸性雨問題についてぜひともサミットで取り上げられるような方向にやっていただきたいと思うのですけれども、いかがでございますか。
○岡崎政府委員 先生おっしゃいますように、酸性雨は各国で大変大きな問題になっておりまして、サミットという場のみならずOECDあるいは国連、いろいろな国際的な場で勉強しております。サミットでどういう形でこの問題に取り組むかは、まだ私どもも十分その議論に参加しておりませんけれども、そういった問題意識も踏まえまして私どもとしては対応してまいりたい、かように思っております。
○斉藤(節)委員 酸性雨という言葉は最近使われている。アシッドレーンというわけですけれども、雨水の酸性化を決めるものは何であるか、その辺、どのように環境庁では考えておられるのでしょうか。
○杉戸説明員 お答え申し上げます。
 酸性雨の生成のメカニズムと申しますと、これは定性的には、火山活動を除きますと主として工場とか自動車、航空機、そういったところから排出されます二酸化硫黄あるいは二酸化窒素などが大気中で移送、拡散される間に、オゾンなどによりまして酸化反応いたしまして、硫酸イオンだとか硝酸イオンといったものに変換されまして、そしてそれが雲とか霧の粒子中に捕捉され溶解されて、あるいは直接雨水の中へ溶解、捕捉された結果雨水が酸性化される、そのようなことかと存じておりますが、先生御指摘のように、この生成のメカニズムにつきましては世界的にもまだ十分に解明されていない、そのようなことでございます。
○斉藤(節)委員 私どもが蒸留水をつくる場合、空気中の炭酸ガスがありますから、普通関が大体五・七、pH七が中性でありますから、当然水というのは中性であるはずですけれども、空気中の炭酸ガスを吸って普通そのくらいの酸性度を持っているわけですが、さらにそれ以下になると酸性雨だと言われているようでありますけれども、今お聞きいたしましたら、例えば火山活動でも亜硫酸ガスなどが発生します。しかし、そういったものを考慮してもさらに酸性の雨が降るというようなことがあって、これは我々人間の活動によって起こるものだと思うわけです。そういう点では、SOxのほかにNOxなんか相当問題になっているのじゃないかなと私は思うわけでありますけれども、そのほかアルデヒドなどがあるかと思います。そういう意味でいろいろなものが含まれているわけでありますけれども、最近の酸性化の特徴、昔と大分変わってきているのじゃないかと思うのですが、その辺、御認識があるかどうか、お聞きしたいのです。
○杉戸説明員 これはアメリカでの文献でございますが、その一つの測定例といたしまして、最近米国では硫酸イオンがだんだんと減少傾向にある、そして硝酸イオンが逆に増大している、そのような報告もございます。環境庁におきましても、現在国内についての長期モニタリング等を実施しておりまして、そのような点についても解明してまいりたいと考えております。
○斉藤(節)委員 確かに、最近アメリカでは硫酸イオンによる酸性よりも硝酸イオンによる酸性の割合がだんだん多くなってきているという報告があるようです。私が読んだ論文でも、化石燃料の使用によってNOxが増加しているからだろうというようなことも書いているわけでございまして、最近の論文では五〇%ぐらい多くなってきているという例が報告されております。
 我が国での状況はどんなことでございましょうか、今まで起こった事象について御説明願いたいと思うのです。
○杉戸説明員 我が国におきましては、昭和五十年度から五十四年度にかけまして、関東地方の一都六県で調査を行いました。その結果、初期降雨から三ミリメートルまでの雨水につきましては、pHが三から五というかなり高い酸性度の雨が記録されております。また、昭和五十六年の六月には、これは群馬県でございますが、pHが二二八六という高い酸性度を示す雨が観測されております。
○斉藤(節)委員 今御説明いただきましたように、我が国ではそういったことでありまして、大体欧米諸国におけるようなそういう湖沼だとかあるいは森林等の生態系に及ぼすような影響は今のところあらわれていないようでありますけれども、しかし、今後被害が顕在化しないという保証はないと私は思うわけでございます。そういう点で、欧米諸国などで問題になっておりますのは森林だとか何かだと私は聞いているわけでありますが、林野庁の方に質問いたしますけれども、酸性雨対策についてはどのように現在考えておられるのか、御説明願いたいと思います。
○蔵持説明員 ただいま先生お話がございましたように、我が国におきまして酸性雨による森林被害と思われますものは、現在のところ報告がございません。しかしながら、諸外国の被害の状況にかんがみまして、林野庁といたしましては酸性雨につきまして十分関心を払って、それを見守ってまいりたいと考えております。
○斉藤(節)委員 さらに質問申し上げたいのですけれども、酸性雨に対して弱いと考えられる樹木はどういった種類のものがあるのか、その辺、林野庁の方で調べておられるかどうか、説明願いたいと思います。
○蔵持説明員 外国の資料によりますと、例えば西ドイツではドイツトウヒ、ヨーロッパモミ、それから広葉樹のブナとかナラ、こういうものに被害が出ておるようでございます。また、アメリカでも一部酸性雨によると思われる被害が出ておりますけれども、これは主にトウヒでございます。そういう樹種が被害を多く受けているという報告を受けております。
○斉藤(節)委員 では、そういうブナとかナラという闊葉樹、それからドイツトウヒといえばこれは針葉樹ですけれども、それ以外の針葉樹は大丈夫なんでしょうか。例えば我が国に非常に多い杉だとかヒノキあるいは北海道のエゾマツ、トドマツ、そういったものはどうなんでしょうか。
○蔵持説明員 これはあくまでも推定でございますけれども、例えばドイツトウヒでございますと、同じ属で日本ではエゾマツなどがございます。これはピセアというトウヒ属でございます。それからヨーロッパモミでは、日本で言いますと例えば北海道のトドマツなんかも同じ属でございます。ヨーロッパのブナ、日本のブナ、それほど大差はございません。したがいまして、もし日本に酸性雨によると思われる被害が起きるとすれば、こういうものが懸念の対象になるのじゃなかろうかというふうに推定はいたしております。
○斉藤(節)委員 私の時間がなくなってしまったのでちょっと残念なんですけれども、また別な機会に環境庁さん初め関係各省庁の方に質問したいと思っておりますけれども、量後に予算、これは決算の委員会でございますのでお聞きしますけれども、公害防止基準設定等対策費というのですか、これは大気汚染防止対策、水質汚濁防止対策、土壌汚染防止及び農薬対策という対策費をずっと見ていきますと、五十六年度から六十年度まで見ますと一様に減少してきているわけですね。
 きょうの報告を見ますと、何か予算案が最初よりもかなりの額が削減されてきているような、補正するたびに減ってきているような感じがするわけですけれども、このようなことであっては困るのじゃないかと私は思うのです。大いに獲得していただきまして、今の酸性雨に対しましても、地形によってどんなふうに影響があるのか。例えば奥羽地方とか奈良盆地だとか、そのほかいろいろ場所によって、風の方向あるいは気象条件だとかそういうものによって酸性雨の森林に対する影響もいろいろ違うと思うわけでありますので、今後環境庁さんが大いに予算を獲得していただいてその辺の調査をやっていただきたいということをお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○安井委員長 次に、玉置一弥君。
○玉置(一)委員 ようやく決算は五十七年度に入りまして、我々も決算委員として一生懸命早くやっていきたいと思うので、御答弁の方々もそれぞれ十分なる御答弁をいただきたいと思います。
 今回は、環境庁並びに会計検査院ということでございますけれども、まず、今まで決算でいろいろ意見が出されまして、また決議を出されたりということがございましたけれども、こういうものがそれぞれ予算の中にどういうふうに反映されているのか。そして五十六年から行政改革が推進されておりますけれども、我々の目から見て、行政改革そのものの効果がどうも余り出てないのではないか、逆に言えば予算に生かされていないのではないか、こういうふうな気持ちを持っておりまして、そういう観点からの質問をしていきたいと思います。
 会計検査院、そしてきょうお呼びをいたしております総務庁、それぞれ各省にまたがった監査あるいは検査を行うという点で共通点があるわけでございます。そして私たちも、例えば内閣委員会で視察に行った場合に、出先の方々と懇談をする話の中で具体的ないろいろな提言を聞くわけでございます。しかし、ただ聞きおくということに終わってしまっている。こういうことから考えていきますと、それぞれ会計検査院の決算の報告あるいは総務庁が出しております報告、こういうものがまさに生かされるルートができていないのではないかと思うわけでございまして、これをより具体的に御説明をいただきたいと思います、
 まず、横の関連ということで総務庁にお伺いをいたしたいと思います。
 今まで各省を横断的に見られ、そして特に行政機能あるいは行政機構というものに対するチェック、監査を行ってきたということでございますけれども、これをどういうふうに報告され、また今までどういうふうにそれぞれの分野で生かされてきたか、これについてお伺いしたいと思います。
○塩路説明員 御説明申し上げます。
 先生からお話ございましたように、私ども行政改革ということに特に最近力を入れて行政監察を実施いたしてきております。その成果を上げるように一生懸命努力をいたしておるところでございますが、私ども監察をいたしました後勧告をどのように実現するかということでございますが、通常、勧告をいたしました後三カ月後に、その勧告に対する回答というものを相手省庁からとっております。そこでかなりの改善を見る場合も多いのでございますが、さらに、その回答をもらいました後六カ月後に二度目の回答をとる、こういうふうな仕組みにいたしております。これにつきましては、私ども総務庁設置法の規定がございまして、それを根拠としていたしております。
 その二回だけでは必ずしも全部が実現するというわけにはまいらないわけでございますが、一応手続的にはその二回をいたしておりまして、さらに必要な場合には、事実上相手省庁からその実施状況を聞くというような形でプッシュをする。さらに不足の場合には、推進監察という次の監察を実施する。こういうことでもって内容実現を期しておるわけでございます。
 なお、勧告を実施した際の話でございますが、勧告の結果を長官が閣議で発言をされまして、各省庁に御実現方をお願い申し上げるというような形を、特に横割り的なテーマにつきましては実施いたしております、
 以上でございます。
○玉置(一)委員 今はまさに法令、省令、政令に定められた範囲のものということに受け取ったわけでございますけれども、私が申しました中で、確かに各省庁に対するいろいろな意見、調査結果というものも具体的にいろいろ聞きましたけれども、特にその中で私たちが感じましたのは、自分たちの権限外のことに関しての横断的な目というもので比較をされる、そういうことから、非常にそのものに染まり切ってない意見が出てきている。言い方をかえれば、非常に公平な見方で見た意見というものが出てきている。これは、ただ権限外ということでございまして、確かに役所の一つのセクションとして発言することはできないというふうに思いますけれども、これについて何らかの形で政府が吸い上げていって、それを今の行政改革なりあるいは予算の中に生かしていくということをやらなければいけないと思うのですけれども、具体的にそういう動き、今の省令、政令、法律以外の部分の意見、これについて、もしそういう話が出てきたときの処理としては、今までどういうふうにされていましたですか。
○塩路説明員 御説明申し上げます。
 先生の今のお話のような直の形で私どもが実施しているというふうに申し上げられるかどうかという疑問がございますけれども、私どもといたしましても、監察局が中の監察を担当する者だけの考え方で仕事を進めていっては決していけないだろうというふうに思っておりまして、幾つかの仕事のいたし方をしておるわけでございます。監察テーマを選ぶ場合、あるいは実施する場合に、当然学識経験者の方あるいは各省庁の実務家の方に対しまして御意見を伺う、これは各省庁の場合もいわゆる行政監察の対象というようなことではございませんで、いわゆる一種の有識者のような形でお話を伺うというようなことは随時実施いたしております。
 それから、これも直のお答えになるかどうかでございますが、例えば私ども、昨年特殊法人の会計基準の標準化という問題に取り組んで勧告をいたしておりますが、その勧告をつくります過程で研究会を開催さしていただきまして、そこには学者あるいは公認会計士の方以外に、必ずしも監査対象でない特殊法人の経理の担当の責任の方に御参加をいただいて研究会をいたしまして、私どもは勉強さしていただくというようなことをいたしております。
 それからまた、やや違う側面でございますが、各省庁の内部監察監査機関と連携をいたしていかなければいけない、私どもの見方を広げていかなきゃいけないという意味合いにおきまして、連携をとるというようなことも努力をいたしておりまして、一つの小さな努力かもわかりませんが、そういった関係の方々にお集まりいただいて、私どもが主催いたしまして研修をいたすというようなこともございます。
 三つ目のやり方といたしましては、私どもの監察を実施するに当たりまして、その前に、各省庁自体の方で問題の見直しをされるというような仕組みが、最近閣議決定をベースにいたしましてとられております。附属機関あるいは特殊法人の問題につきまして各省庁みずから、組織なり事業のあり方の見直しをされまして、それをむしろベースにして私どもが横から改善を促進するというような監察を実施するというようないたし方をいたしておるわけでございます。
 先生のお話の直の形ではございませんけれども、今申し上げましたようなことは、今までに実施いたしておるわけでございます、先生のお話を私どもといたしましても謙虚にお伺いさしていただきまして、今後のやり方を考えていきたいと思っております。
○玉置(一)委員 きょうは余り時間がございませんので、ついでに呼んだと言っては変な形ですけれども、予算に反映させる、あるいは行政機構の推進という意味で五十六年から行われておりまして、それがそれぞれなかなか効果が出てこない。そして、私たちの目から見て行管庁の内部にも非常にいい意見があるということ、これが権限外ということでなかなか上に上がってこない。それを、行革推進の責任の省庁としてぜひそういう形をとってほしい、こういう気持ちから申し上げたわけでございます。確かに、学識経験者とかいろいろな意見を聞くということは必要でございますけれども、まさに実務をやっておられる方、そして自分の部署のことは言いにくいけれども、やはり横断的に見た公平な意見というのがあるわけでございますから、これをぜひ吸収していただくようにお願いを申し上げたいと思います。
 一応、総務庁についてはこれで終わりますので、どうぞお帰りください。
 会計検査院にお伺いをしたいと思います。同じような内容でございますけれども、会計検査院の報告がいかに予算に生かされていくか、これについての一つのルールといいますか、これをお伺いしたいと思います。
○鎌田会計検査院長 会計検査の結果がいかに予算に生かされるかということでございますが、これは毎年、十一月の末かあるいは十二月に、決算検査報告を内閣を経由して国会へ提出するということでございまして、一年間の成果をその中におさめまして、各省庁あるいは公社、公団、事業団、そういったものに対して指摘したものは、それを申し上げているわけでございます。しかし、これがなかなか、提出いたしまして、また各省庁に配付いたしましても、各省庁では自分の責任分野のものしかごらんにならないというようなこともございまして、同じような問題が各省庁の所管の中で出てくるということも過去にございました。私どもといたしましては、そういうことがないように広く、この検査報告に盛られたものを他山の石として参考にしていただきたいということを常々申し上げているわけでございまして、検査院におきましては、各省庁の監査の分野の人たちを集めまして研修会をやる、あるいは講師を派遣して普及といいますか、そういったことを申し上げてお願いしている、こういうようなことでございます。
 それともう一つ、直接的に予算に反映するという方法といたしましては、これは毎年大蔵省主計局と年二回意見の交換会と申しますか、そういう会合を持っておりまして、私の方は各所管の担当の課長、主計局の方も各担当の主計官以下の方が来られまして、こういう問題がある、これについて大蔵省はどう思うか、また大蔵省の方では、こういう問題はひとつ検査院でじっくり見てほしい、こういうような意見の交換がありまして、これがまた予算編成のときには大いに役立つ、こういうふうに考えているわけでございます。
 卑近な例で申し上げますと、昨年、五十八年度の決算検査報告で申し上げた例でございますが、これは農林水産省の集団育成事業に対する補助金、金額的にはそう大きな予算ではございませんけれども、これを徹底的に見ましたところ、非常にふぐあいがございまして、検査報告に載せましたところ、直ちに六十年度の予算にはこれが計上されなくなった、こういうような事実もあるわけでございます。
 なお、私どもといたしましては、そういうふうに直ちに予算に反映されるという効果をお願いしつつ、またそれを目途として今後も努力するつもりでおります。
○玉置(一)委員 今回を見てもわかりますように、決算の審議というのは非常に遅くなってしまっている。ところが、一向に差し支えないように毎年毎年予算は組まれておりまして、確かに報告は出ておりますけれども、中身としてまだ承認されたものでもないということになるわけです。
 ただ、事務的ないろいろな指摘は早く処理をし、またそれを反映するということも大変必要でございますし、逆に、各省ともにそれを受けとめて姿勢を正すということも必要だと思います。しかし、不正以外のことについてやはりもっと突っ込んだ論議がなされ、そして検査だけではなく、いろいろな面からのいわゆる会計検査院としての持ち味を出していただかなければならないのではないかと思うわけです。というのは、この会計検査報告書にもございましたように、いわゆる検査の観点というところに書いてありますけれども、適正処理、経済性、効率性、所期の目的との比較、こういう観点で物を見ていこうということ、こういうものから見ていきますと、なかなか予算に間に合っていないんじゃないか。というのは、まだまだ目に余るというか、我々がいろいろなところを歩いておりまして、まず建物あるいは道路、河川も山へ行くほどかなりぜいたくなものになっているということもありますし、こういう面で見ていきますと、本当にもっと具体的な前向きな意見を出された方がいいんじゃないかと思うわけです。
 きょう、大蔵省も来ていただいておりますので、大蔵省として、会計検査院報告とまたそれ以外のいろいろな意見が出たときに、予算にどういう処理をされているのか、あるいはどういう手法で予算に組み込まれていくのか、この辺についてお伺いしたいと思います、
○西澤説明員 御説明させていただきます。
 決算の結果を反映するということになりますと、会計検査院の指摘事項、これはもちろんでございます。これだけではなくて、国会の決算審査の決議も、それから決算の内容を見まして不用額が出た経費、これについては削り込むということもしなければなりません。
 これをどのように具体的に反映しているかということを申し上げますと、まず指摘事項と国会の決議につきましては、その中で予算編成に関連する事項につきましては関係省庁の御協力を得なければなりませんものですから、協力を得ながらできる限りその予算に反映できるように努力をしているわけでございます。
 まず、今検査院長からもお話がございましたように、会計検査院との連絡会議は年二回なんですが、最初に八月に予算の査定作業に入る前に、四月から検査をしてきておられる検査院の方々のお話を聞く形で行います。それから、新しい予算ができました後、三月には新しい予算について反映できたもの、さらには四月からの検査のために予算の中身を主計局の方から御説明申し上げるという形でやらせていただいております。
 それから、会計検査院の指摘事項の周知徹底については、再発防止ということを十分考えながら、しかもそれを予算の編成に反映することをお願いする形になりますので、各省庁の予算決算担当者会議というものを開きまして、これには実際に実務に携わっている方々に出ていただきまして、これは会計検査院の検査報告をもう一度大蔵省の方で類例別に編集をし直して、それを各省庁にお渡しをいたしまして、決算の事例の起きなかったところについても、同じようなことが起きないように徹底いたしております。
 それから、不用額が出た経費につきましては、これは主計局の内部のことになりますが、査定の段階でチェックできますように主計官、主査にその表をお渡しして徹底を図っております。
 決算結果の予算への反映というものについては、関係の各省庁に予算要求の段階から反映していただくことになると思いますので、これからも工夫を凝らしながらやってまいりたいと思います。
○玉置(一)委員 大蔵省にいろいろ言いたいことはあるのですけれども、大蔵委員会でいろいろ言えると思うので一言だけ……。
 不用額について今までいつも思うのですけれども、不用額が出てきたら、今もお話にございましたようにばっさり切るのだということです。ただ、不用額というのは逆に言えば、不用額を捻出する省庁ほど翌年は優遇すべきだというような見方もあるのじゃないかと思うのです。というのは、本当にいろいろやってみたけれども、やらなくて済んだという見方が一つあります。そういうなぜ不用額が出たのかということをよく調査されて、そしてそれこそ翌年度の子算に回していただいて、せめて半分くらいはその省庁が自由に使える、そのくらい思い切ったことを大蔵省がやっていただければ、省内での行政改革というのはかなり進むのじゃないか。ただ、祭らせたら切られるから今期中に何とか使わなければいけないというのが現状でございますから、それをできるだけ方向転換していただいて、新しい予算編成の一つの手法としてぜひ取り入れていただきたい、さように思うわけでございます。それだけ申し上げて、大蔵省についてはこれで終わります。
 先ほどもちょっとお話し申し上げましたように、今国の補助金が大蔵委員会で論議されておりますけれども、この補助金を使ってつくられたいろいろな施設が年々非常に豪華になってきている。聞くところによりますと、そのいろいろな施設の利用度がかなり低いということも言われております。先ほどの検査のいろいろな観点の中に、経済性、効率性等という話がございましたけれども、これから見ていくと、ただ単に物がうまく条件どおり建てられている、あるいはいろいろな基準に合っているということだけではなくて、本当に要求されたものが活用されているかという状況についてもフォローしていく、こういうことが必要かと思います。そして、場合によっては年々項目を決めてそういう横断的な目で調査をしていくということも必要かと思いますけれども、これについて会計検査院はどのようにお考えになっているか、お聞きしたいと思います。
○鎌田会計検査院長 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、各省庁所管のいろいろな施設がございます。そして、これが有効に利用されているかされていないかという問題があるわけでございます。会計検査院も、もちろん経済性、効率性あるいは合規性、正確性というような検査をすると同時に、やはり費用対効果と申しますか、お金をかけたものが実際に目的どおり有効に使われているかどうか、これは当然見ていかなくてはなりませんし、従来もいろいろな面で見てきて、あるものは検査報告にも載せているわけでございます。
 ただ、これが各省庁にわたるものを一括して申し上げるということは、なかなか難しい問題がございます。と申しますのも、検査の方が各省庁の縦割になって検査しているものでございますので、なかなかその点が徹底いたしません。しかし、近時におきましては官房の中にそういう特別のチームを編成いたしまして、各省庁の同じようなものを横断的に見ていく、こういうチームをつくりましていろいろな分野のものを見ております。
 先ほどおっしゃいました補助金による地方における各種の各省の所管に基づく施設が豪華になっていっているのも、検査もいたしまして承知いたしております。これも集中的に検査したこともあるわけでございますけれども、建設の時期がいろいろずれておりましたり、利用の度合いというものもやはりある程度建設されてからの期間的な猶予を持って見ていかなければならないということで、見た段階で直ちにこれがむだであるというような結論もなかなか出しかねるという現状がございます。しかし、何年か前にありましたもののフォローはもうそろそろやってもいいのじゃないかということでございます。そういう面で、今先生御指摘の各市町村などにおける補助金による施設、こういうものは見ていく時期であろうか、こういうふうに存じております。
○玉置(一)委員 きょうも本会議がございましたように、貿易摩擦が最近非常に華やかになってきている。中曽根総理も、海外協力にやはり力を入れていきたいし、また連帯を深めなければ国の安全にもつながらない、こういうふうな姿勢を今打ち出されております。私も、昨年の六月だったと思いますけれども、オーストラリア、ニュージーランド、南太平洋諸国、いろいろ海外援助協力の実態調査ということで行ってまいりまして、そのときに感じましたのは、今予算の中でウエートが非常に高まってきて、これからますますその分野が大きくなってくる。まさに数日間でございましたけれども、しかしこの調査をしてみた結果、物は買われているけれども使われていない、こういうものがたくさんある。場合によっては、船からおろされたまま、こん包されて既に半年以上寝てしまっているというものもある。これは冗談がもわかりませんけれども、オペレーターのいない地域にトラクターを出したり、あるいは整備工場の全くないところに自動車を出したりあるいは機械類を出したり、そしてひどい話ですけれども、電気のないところに電気冷蔵庫がある、こんなことがあるということが具体的な例で示されました。
 それを見たときに、日本国内のいろいろな会計検査については会計検査院が行われておりますけれども、海外に出された部分についてどこが責任を持って調査をし、そしていわゆる監査をするかということをちょっと疑問に感じたわけです。この辺について今までどうされていたのか、また、これからどういう対応をしなければいけないのか。
 今国税庁でもやっておりますように、国税庁は、それぞれの大使館に大使館員がおりまして、これは大蔵省から出ておりますけれども、そういう方々が協力をしながら、まさに権限はないけれども調査をするということを具体的にやっております。しかし、会計検査院から海外に行かれたと今まで聞いたことはないわけでございますし、また、年間に何回かしか行かれない。そのくらいの回数で本当にそういう検査ができるのかという心配もしておりまして、これから新しい対応を考えていかなければいけないと思いますけれども、これについてのお答えをいただきたいと思います。
○鎌田会計検査院長 先生御指摘のとおり、海外経済協力あるいは海外援助あるいは技術協力、そういった面で相当の金額のものが海外に融資あるいは投下されているわけでございます。これは原資はすべて国民の税金であったり国民の貯金であったりするわけでございます。したがいまして、私どもとしましてもこれに無関心でいるというわけにはいかないわけでございます。したがいまして、これも例えばJICA、国際協力事業団、これの前身である海外移住事業団、こういったものが海外に投資したものについて昭和三十数年ごろから現地に行って見るというようなことは始めておるわけでございます。
 ただ、これは主権の問題があります。国内の検査ということをうたっております会計検査院法で、海外の国、外国、主権の及ばない範囲に検査という態度で臨むというわけにはやはりまいりません。ただ、海外技術協力にいたしましても援助にいたしましてもいろいろな態様がございまして、政府借款とかそういったものはもうほとんど検査という立場はあり得ないだろうというような見解でいたわけですけれども、昭和四十年以降数次にわたりまして海外へ行って、直接そういう投資あるいは輸銀の融資あるいは海外経済協力基金の融資、それからJICAの技術援助の実態、こういうようなものを見ておりました。そして、相手国へ行って、こちらの出先の説明を聞きながら現場へ行ってみますと、案外十分協力してくれまして、帳簿検査というまでにはまいりませんけれども、いかにこちらから出たものが、品物あるいは建物あるいは施設、そういったものができているか、有効に使われているかということが検査できるわけでございます。
 ちなみに、昭和五十一年ぐらいから十年ぐらいの調査に参りましたことを申し上げてみますと、五十二年にはインドネシア、タイ、マレーシア、シンガポール、五十三年にはトルコ、イラン、イラク、五十三年にはフィリピン、ビルマ、五十四年にはインドネシア、スリランカ、マレーシア、五十五年にはインドネシア、五十六年にはタイ、マレーシア、シンガポール、五十七年にはインド、スリランカ、インドネシア、五十七年にはブラジル、ペルー、パラグアイ、五十九年、これは去年でございますが、エジプト、ケニア、スーダン、こういったところへ行っていろいろ拝見しているわけでございます。
 その結果、やはり先生が先ほどおっしゃいましたような事例がなきにしもあらずということでございます。しかし、これも海外のことで、現地の発展途上国の国柄あるいは技術の程度、そういったような要素もございまして、直接法的に国内におけると同じような論法で是非を言うわけにいかず、それぞれの所管の銀行なり事業団あるいは外務省にいろいろ所見を御注意として申し上げている、こういう状況でございます。
 かたがた、外務省の方におきましても、外務省の直接借款であるとかJICAあるいは海外経済協力基金の実施したものを集大成した経済協力評価報告書というようなものが、ことし三月にも第三次分が出ております。私どもはこういうものも参考にして、まだこれからの検査と申しますか、調査に対応していかなければならないと思っております。
 ただ、結論的に申し上げますと、当初、私どもが海外におけるそういう調査を始めましたころと比べまして、最近は目的がかなり達成されている、こういう印象を持っているということを申し添えまして、答弁を終わります。
○玉置(一)委員 余り長いので、今後の話を詰めるまでなかなかいけなかったのですけれども、やはり時代が大分変わってきておりまして、海外とのつながりというのはだんだん深くなってくると思うので、それなりの対応をとっていただくようにお願い申し上げたいと思います。
 時間があと五分三十秒しかございませんので、一問だけ環境庁にお伺いして、終わりたいと思います。
 スパイクタイヤの問題がここ一、二年大変話題になったわけでございます。特に寒冷地におきましては、スパイクタイヤ並びにチェーンがなければ車は走ってはいけない、こういう条例がございます。こういう条例を的確に守っておりましたならば、スパイクタイヤによります道路の破損、そこから生じます粉じん、これが公害となってあらわれてきている、こういうことが今社会問題になっております。
 環境庁の方では、昭和五十七年、五十八年、五十九年の三年間、スパイクタイヤの公害問題ということで調査をされたということを聞いております。また環境庁以外、特に通産省におきましては、スパイクタイヤの低公害化技術に関する研究というものを行っておられるというような話を聞いております。端的に、この問題はこれからどのくらいかかって、これからどうするのかということをお聞きしたい。
 片方では、今技術開発をやっておられますけれども、技術開発としてまさに経済性に見合ったものができるのか、また、そのためにはどういう体制をとらなければいけないのか。今までの問題を全部集約してそういう形になるのですけれども、この二点だけお答えをいただいて、終わりたいと思います。
○林部政府委員 お答えいたします。
 非常に広範な、関係省庁の多い問題でございまして、端的にお答え申し上げるのはなかなか難しいわけでございますが、今までの経緯を申し上げますと、五十八年三月に関係省庁の連絡会議というのが発足をいたしております。そして六カ月後の五十八年九月に、私ども環境庁から大気保全局長名で、関係道府県知事に対しまして、スパイクタイヤの使用自粛を中心としました当面の対策をとるように要請をいたしました。その当時は、このような方策を具体的に要綱等に定めておとりになっていたところは、札幌市だけでございましたけれども、現在は、北海道、宮城県など十道県でこの使用自粛に関する要綱が制定されまして、具体的な措置がとられております。
 また、この要請に続きまして、運輸省、警察庁、建設省の方からも、それぞれ関係機関あるいは関係団体にスパイクタイヤの使用自粛に関する協力要請をする旨の通達が出されておる状況でございます。
 今の先生の御質問に直接お答えできるような具体的なものとなりますと、これはなかなか難しいのでございますが、技術開発の問題は後ほどそれぞれの関係省の方からお答えがあると思いますが、連絡会議の事務局を担当しております環境庁といたしましては、各省が十分に連携を保ちながら、現状を少しでも改善する方向に進んでまいりたいということで、かなり広範な問題を取り上げていかなければならないのではないかと考えております。
○中島説明員 御説明申し上げます。
 通産省工業技術院といたしましては、五十九年度からスパイクタイヤの粉じん公害防止ということで研究を進めておりますが、その内容につきましては、水とか雪がないところでスパイクが作動しない、タイヤの中に引っ込む、氷や雪があるようなところでスパイクが作動するような、そういった研究を開始しております。形状記憶合金ですとか温度に敏感な高分子材料、こういったものを使っていこうということでございますが、今先生がおっしゃいましたような経済性の問題、それからその可能性ということについては、現時点ではまだ明確なことはお話しできませんが、一応四年計画ということで研究を進めております。こういった問題については関係省庁の御意見等を反映しながら進めていきたい、かように考えております。
○玉置(一)委員 時間がありませんからもう終わりますが、今のタイヤなんかでも非常に時間がかかるというか、車が発達をしてからこれだけの年数がたっているわけで、ここでまた結論が出ないというのは、これから十年、二十年たっても出ないのじゃないか。今の話でも、雨が降ったときに、水にぬれたら温度が下がりますから、そのときにつめを出して同じ結果になるのじゃないか、そういう心配もするわけです。
 ただ、言えることは、環境庁の問題ということで、一番予算の少ないところがメーンになってやっているわけでございます。他省庁の応援をいただくような形でやっていかないと、いろいろな公害問題というのはなかなかうまくいかないと思いますし、きょう質問しようと思った琵琶湖の問題とか、こういう問題も環境庁以外、通産省、建設省あるいは農林省とそれぞれ絡んでくる問題でございまして、そういう面で、予算がないかわりによそが動くようなことでやっていただきたい、ぜひそういうふうなことで、これからの環境庁の活躍を期待いたしまして、終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○安井委員長 次に、中川利三郎君。
○中川(利)委員 まず初めに環境庁長官にお聞きいたします。
 ことしは国際森林年でございますが、担当省庁は林野庁だということは承知しておってお聞きするのでありますが、地球的規模で森林の消滅と荒廃がどんどん進んでいることに対しまして、国連食糧農業機関。つまりFAOの理事会が昨年十一月に、人間社会は、世界の森林資源に対するこれ以上の損害とその荒廃を容認することはできない、こういう趣旨で国際森林年が設定されたものだというふうに聞いているわけでありますが、あなたは自然環境保全についての最高の責任者でございますので、本年のこの国際森林年に対する御所見を、簡単で結構ですからひとつお話しいただきたいと思うのです。
○石本国務大臣 お答えをいたします。
 お話のありました昨年十一月のFAOの理事会におきまして、すべての加盟国に対しまして、一九八五年には森林というものについて特に注意を払うこと、それぞれの森林資源の保全を国家的、世界的な問題としてとらえることなどを要請するとの決議があったことは承知いたしております。
○中川(利)委員 続いて林野庁にお聞きするのでありますが、坂田道太衆議院議長を会長とする国土緑化推進委員会が、先ごろ、国民共通の財産である森林が危機に直面しているとして、二十一世紀森林委員会、みどり委員会を発足させました。また同時に、林野庁の方でも、この四月二十六日には、東京の高尾山の国有林野の中で、駐日外交官だとか在日外国人留学生、児童らを参加させまして、国際森林年記念の森造成記念植樹祭を行うなどということが計画されています。結局こうしたことは、森林自然をその環境とともに守っていこうという実践、PRの一環であると思いますが、いかがですか。一言でお答えください。
○田代説明員 国際森林年の関係につきましては、先生のおっしゃるような趣旨でやっております。
○中川(利)委員 それでは、以上を踏まえまして本題に入らせていただきたいのであります。
 御承知かと思いますが、秋田県の八森町と青森県の西目屋村を結ぶ県境、白神山系の尾根、約千メートルの高い地帯、そこを走る山岳道路、つまり秋田と青森をつなぐ青秋林道は昭和五十七年から工事が始まり、現在総延長二十九キロのうち五・六キロの進捗状態となっております。
 問題のブナの原生林のある国有林工事はいよいよこれから始まる、こういう段階でございますが、この林道沿線は、我が国では面としては最大の、しかも唯一と言われる一万三千ヘクタールにも及ぶブナ原生林地帯でございまして、貴重な動植物の豊庫であり、かつ、周りの町村の水源地であり、山菜等の生活林としても大きな役割を果たしているわけであります。このため、青秋林道をめぐる問題につきましては、衆議院でも参議院でもしばしば取り上げられまして、参議院では中曽根総理も答弁をしておる事実もございます。また、林野庁や環境庁も、さらには事業主体となる秋田県、青森県もこれまでそれぞれ独自に調査を行っておりますし、また日本の自然保護団体でも当面する最大の関心事としてその成り行きを見守っているわけであります。また、五月のゴールデンウイークには、朝日新聞の本多勝一さんなんかも現地を見にいくという情報も入っておるわけであります。
 ところで、私は昨年の六月六日でございましたが、現地の営林局や著や、あるいは町村の方々、県の林務部長さん、皆さんの御協力を得ながら、秋田県側である藤里町側と八森側の両方から現地視察をしたのでございますが、初めの藤里側を入ったとき、大滝林道というところから奥深く入っていきましたら、いきなりがけのところからべろっと、秋田弁ではべろっとというのですが、カモシカが二頭ばったり目の前に出くわしまして、私もびっくりしたが向こうもびっくりして、やはり自然だなと思ったのですね。ちょうど連れの方がはっとしてすぐそれを写真に写して、私にとっては貴重な自然のカモシカの写真を振らせていただくことができましたし、また、これからお話しする白神山地の原生林、まさにすばらしい風景でありまして、後ほど皆さんに見せてやっていただきたいと思います。
 そういうことで、まず環境庁にお聞きしたいのでありますが、この問題では秋田県でも、先ほど申し上げましたとおり五十九、六十年度、まず地質だとか動物、植物の専門的な一流の学者、研究家、そういう皆さん方に依頼しまして自然環境調査をやっているわけでありまして、今月中にもその結論が出る予定だ、こういうふうに言われておりますが、昨年の八月ですか、とりあえずの中間報告というものが出されておるわけであります。せんだって私、県の自然保護課の責任者のところに行っていろいろお話ししたのですが、今度出る最終のまとめの報告もおよそ去年発表された中間報告とほとんど違いはない、こういうことをおっしゃっていたわけであります。
 「粕毛川源流部自然環境保全調査及び青秋林道に係る自然環境調査の概要」という、いろいろな角度から学者、研究家が県の依頼でまとめた最後の「総括」のところに何と書いてあるかというと、時間がございませんからその最後だけ読ませていただきます。「自然は精緻なバランスの上に成り立っており、特に本地域のように自然のままの生態が保たれているところは、できるだけその改変を避けるか、止むを得ない場合であっても自然の保全に十分な配慮のなされることが望まれる。」こういうことで結んでいるのです。このことを環境庁は承知していますか。承知しているかいないかで結構ですから、お話しください。
○加藤(陸)政府委員 お答えいたします。
 ただいま先生がお読み上げになりました秋田県の行っております調査の中間報告ではございますけれども、承知いたしております。
○中川(利)委員 それでは林野庁にお聞きします。
 今申し上げましたように、それぞれの専門家の長期にわたる調査結果は、中間報告でもそうなっているのです。最終報告も同様の視点に立っているとしたならば、青秋林道のルートなど計画変更ということは当然あり得るものだと思うのですけれども、あり得るのかどうか。望ましくないとか自然をそのままにしてほしいとか、それが結論になっているわけですから。それとも、調査結果がどういう格好で出ても、初めに林道ありきということで、林道を通していくことはそうした調査の影響から全く領域外の問題になっているのかどうか、この点について林野庁からはっきりお答えいただきたいと思うのです。
○田代説明員 青秋林道の開設に当たりましては、昭和五十六年度に秋田県あるいは青森県が両方で行いました林道のための全体計画調査というものに基づいてやっておるところでございます。その後、今先生おっしゃいましたように県の行っております諸調査があるというふうに聞いておりまして、その結果がわかり、その結果を踏まえまして、施行主体である秋田県あるいは青森県の方が、工種あるいは工法というようなものの重要な事項につきまして変更を要するという判断をなさいまして、その結果もし林野庁に対して変更協議を出してこられた場合には、その御意向を尊重しながら検討して適切に対処してまいりたい、このように考えております。
○中川(利)委員 そうすると、最終的なものが出た場合は十分計画変更もあり得る、こういうことに理解してよろしいですね。
○田代説明員 県が判断して申請してきた場合には、適切に対処してまいりたいと考えております。
○中川(利)委員 県の林務部では、この問題の重要性にかんがみて、場合によれば路線の工程、工種、工法をこの学術調査の結果を十分考慮に入れるというようなことを言っていますから、そのとおりだろうと思うのです。
 そこで、また二、三お聞きしたいことは、今お話ししましたように標高千メートル台の山岳林道を通すということは大きな問題でありますが、林道を通すということは、ただ通すわけじゃありませんね。その後に必ずブナの原生林の伐採という問題が出てくるわけでありまして、それでなければ林道を通した経済的メリットがないということになるわけです。
 ところが、御承知かと思いますが、あそこの粕毛川上流一帯あるいはその周辺部は、秋田県の中でも最大の多雨地帯、長雨地帯だ。この前、藤里の町長さん、八森の町長さんと私、現地視察の際お会いしましていろいろ御意見を聞いたわけでありますが、藤里の町長さんは、実は自分の町が今の林道計画から除外されておってほっとしておった、ところが、一部が自分の町に入っちゃったというので困ったなと言っているのです。なぜそうなのかというと、この町の上流である今言った粕毛川の源流部、ここで大変なブナの伐採で、昭和三十八年大災害に遭っているからなんです。その教訓から、その源流部に素波里ダムというすばらしい景色のいいところでありますが、ここに大きなダムをつくったのですけれども、それでも昭和四十七年の大洪水で機能が麻痺になって、現在ダムの半分以上がもう埋没というか山土で埋まってしまって、ダムの寿命さえも半分以上縮まった、こう言って嘆いていらっしゃいました。
 また、八森町の町長さんは、今までで最大の水害がこの八森町を三十九年襲った。これは当時皆伐も真っ盛りであったというのですね。それで流域の家が一軒流されちゃった、こういうことを言っておりましたが、今までさえもこういう問題がそういう地域の特性としてあるわけであります。
 それに、まさに全国に冠たるというか、もう大変なあの白神山系の高峻な山岳を林道を通すという。しかもその後伐採なんということになった場合、災害の場合の水の問題、山土がどんどんはげていく問題、こういうことに対して当然被害が想定されると思うわけでありますが、そうした面の予測、そうした面での検討が、つまりそのアセスがどのようにやられているか、これは林野庁の方にお聞きしたいと思うわけであります。
○田代説明員 一般に、大きな林道、事業規模が非常に大きいとか、あるいはそのルートが制限林のように自然環境の保全に留意する必要のあるところを通る林道につきましては、あらかじめ環境アセスメントを含みます全体計画というのを立てております。それから、当然関係機関、例えば自然保護の問題でありますと自然保護というようなところの関係部局と調整を図りながら、自然保護、環境保全には十分注意しながら設計、施行を行っておるところでございます。
 青秋林道につきましても、今お話ございましたように大規模な林道でございますので、事業主体でございます秋田県あるいは青森県側は青森県の両県が地形あるいは地質、それから気象、植生、動物、それから崩壊地とか土地の利用状況というようなことにつきましてあらかじめ調査をいたしまして、この林道を開設することによりまして自然環境の保持だとかあるいは国土の保全にどのような影響を与えるかということについて、調査をして行っているところでございます。
○中川(利)委員 私は一般的なそういうことを聞いているのじゃなしに、ここは長雨、多雨地帯で、当然のことながらその部分に限って、気象という問題も入っておりましたけれども、山土がどう流れるとか雨がどう流れていくとか、災害が起こった場合だれも責任とる人がいないわけですから、そういう点で、あなたはいろいろな面で環境アセスをやった、調整を図っているというようなことを言いますけれども、ついせんだって、あなた方何やってきたかといいますと、秋田県には森吉山というすばらしい山があるのですが、これが今皆さんの手で国有林丸裸になっているのです。鳥海山という山が秋田県と山形県の県境にあるのですが、同じ丸裸です。きょう写真持ってくればよかったのですが、これはあなた方ちゃんとわかっているでしょう。やるときはみんな立派なことを言うのです。
 二十年前までは森吉山は、富士山のあの大樹海青木ケ原とまでは言わないけれども、まさに大樹海であったのです。
 今は全く赤茶けて、写真見れば何か紅葉の季節を見ているような感じなんですが、紅葉じゃないんだ。赤茶けているのです。そういう状態になっているということです。どうせ裸になったのなら今度は国土計画で会社を引っ張ってきて、そこにスキー場をつくろうかなんということまで言い出してきているのです。だから私はこういうことを念を押すのであって、そういうことを皆さんおっしゃるならば、鳥海山でも森吉山でもこのとおりちゃんとしていますよという一つのものがあるならば僕も納得するのですけれども、そういう一遍のやり方については、私は非常に遺憾だと思うわけであります。後は野となれ山となれというようなやり方ですからね。
 結局、おたくは独立採算制ですから、だからやればやりっ放しだ。何でも新しいところへ行って切らなければいけないという格好になっていくわけですね。だから山の林の林野の仕事もなくなって、労働者がともかく大変だということであって、プチの原生林だって、ブナの更新だって本気になってやればちゃんとできるわけです。私は仕事はいっぱいあると思うのです、松でも杉でも手入れがやられていないのが国有林。私のような素人でも秋田へ帰って田舎の方へ行けば、ここが国有林、ここが民有林、すぐわかるのです。手入れが行き届いたのが民有林。ですから、本当にあなた方が真剣に山をやろうとするならば、もっともっと雇用もふえるし、地場の労働もふえていくということを私、確信しているんです。
 まあ、そのことを言ってもしようがないわけでありますので、次へ進めさせていただきます。
 環境庁に今度お伺いしますが、御案内だと思いますが、ここには植生だけでもブナを主体にして四百種、今後の調査では五百種になろうという、そういういろいろな植生があるわけですが、とりわけその全体の約二五%が貴重種、遺伝子上も非常に大事なものです。そういう立場から、あの学者の学術調査の中でも、「現状の保全が望ましい。」と。同時に、動物相を見ましても、特殊鳥類、天然記念物のクマゲラの生息だとかイヌワシだとか、いろいろな生息が確認されているわけでありますが、一回破壊されればもう返ってこない自然でありまして、そういう立場から環境庁では、どうしてもそこを自然環境保全地域に指定するということは、かねがね、去年の六月二十七日の国会でも、その候補地として研究、検討する、こういう答弁をしていらっしゃるのですね。
 そこで、もう今月末にも最終報告が出ようとしているわけでありますので、当然私は自然環境保全地域指定について早速でも林野と協議すべきだと思うのです。去年の六月段階でもそういう答弁が来ているわけでありますから、その後も含めて、今の現状も含めて、地域指定についてぜひ近々にひとつ林野庁と協議する、この責任ある答弁を、これは環境庁長官からお伺いしなければならないと私は思うのですが、お答えいただきたいと思います。
○石本国務大臣 お答えいたします。
 先生のお話をお聞きいたしましたし、また地元などにも、私、全国区でございますものですから行ったこともございますが、この自神山地一帯は我が国固有のブナの原生林でありますし、また貴重な野生動物の生息地としても重要な地域でございます。したがいまして、環境庁といたしましては当該地域を自然環境保全地域の検討対象地と考えているところでございますが、今後、青森、秋田両県及び関係機関と十分調整を図りながら検討してまいりたいというふうに目下考えているところでございます。
○中川(利)委員 いや長官、去年の六月二十七日も同じ答弁をしていらっしゃるわけです、候補地として研究、検討すると、今月末には当然のことながら結論が出るんです。ですから、去年も言い、ことしも検討、研究を考えているということ、同じような答弁じゃ私、非常に不満足でありまして、ぜひひとつおやりになっていただきたい、やるべきだ、こう思っているわけでありますが、研究、検討の対象とさせてということは、やるということですね。このことをひとつ確認したいと思います。
○石本国務大臣 ただいま申しましたように、これは環境庁だけで決めるわけにまいりませんので、関係当局と積極的な交渉を展開しながら前向きで努力してまいります。
○中川(利)委員 じゃ、林野庁にお伺いします。
 今、環境庁長官は前向きに、積極的にやりたい、しかし相手がある。つまり林野庁との協議が調わなければだめですね。そこで考えるならば、林野庁は単に木を伐採するだけが仕事じゃありませんね。治山治水、山を守る、これも林野庁の基本的なお仕事でありますし、やはりこういう国民の世論というと大げさでありますが、今どうなるかというのは大きな問題です。これを一つの行政分野だけの裁量で、おれの方にはこれだけの任務があるから、その中で全部やればそんな自然保護の指定なんて要らないんだというのじゃなくて、やはりチェック・アンド・バランスの機能のためにも、全国民が納得するためにも、当然そういう幅広いチェックのきくやり方をしなければならない。したがって、環境庁から積極的にそういう働きかけがあった場合、おたくはそれに対して積極的にこたえていく御意思が今あるかどうか、このことにかかっているんです。皆さんの今までの言い方ややり方が本物がうそなのか、私は一種のリトマス試験紙だと思うのです。そう言えば言い過ぎですけれども、どうかその点について誠意ある回答をいただきたいと思うのです。
○小沢説明員 ただいま先生おっしゃいましたように、白神山地につきましては、林野庁といたしましてもここの地域につきましては、ブナを主とする広葉樹の天然林でございますけれども、この天然林をめぐりまして地域の林業あるいは林産業の振興の観点からの御要請もございますし、また一方におきましてこのブナの天然林の保護を図れという非常に強い社会的な関心も高まっているということは、私どもよく承知をしているところでございます。そこで、私どもはこの地域につきまして、この森林の取り扱い、今後どのようにすべきであるかということを総合的に考察をしなければならない、こう考えておりまして、この地域につきましては、林野庁といたしましても五十九年度から二カ年の計画で調査を実施してございます。
 ただいまの環境庁の方とのお話につきましては、私どもこの総合調査の結果を踏まえる必要もございますけれども、この自然環境保全地域の指定について環境庁から具体的な御協議がまたございました時点でこの問題につきまして対応してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○中川(利)委員 最後になりますけれども、環境庁というのは全く、今こう思っても口出しできない。権限がないのです。自然環境保全整備指定になっていませんから、チェックきかそうったってきかせられないのです。それで、痛しかゆしで環境庁は皆さん非常に悩んでいらっしゃると私は思うのです。ですからあなたの方も、基本任務に山を守る問題もある、しかし伐採の問題もある、その矛盾した二つの側面を持ちながら我々の子孫のためにどうしていいものを残していくかということになると思うのです。私は、一本も木を切るななんて、そんなやぼなことを言っているのじゃないのです。そういう点でぜひとも林野庁は環境庁の要請にこたえるべきだ、重ねてそのことを申し上げておきます。
 時間が参りましたので最後に、六月の十五日と十六日に、日本自然保護協会がブナ原生林の保護基金という、あの先ほどお見せしましたポスター、あれを千円で売って、それで日本のブナを守ろうという運動が今起こっているのです。それで、この六月の十五、十六日、秋田県の文化センターというところで、全国からたくさんのそういう皆さん方が集まってシンポジウムを開くことになっているのです。これについて環境庁、林野庁、何かお力添えいただけるかということで皆さん関心をお持ちになっていらっしゃるので、一言ずつお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。
○加藤(陸)政府委員 私どもの方から先にお答えさせていただきますが、先生のお話しになりましたシンポジウムの件、承知いたしております。関係の計画を立てておられる方々とも打ち合わせをさせていただいておりますが、前向きに出席の方向でさせていただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
○小沢説明員 このシンポジウムにつきましては、私ども正式な御要請があった段階で、どのような御協力ができますかどうか、そういうことも含めまして考えさせていただきたいと思っております。
○中川(利)委員 終わります。
○安井委員長 次回は、来る十九日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時六分散会