第102回国会 決算委員会 第10号
昭和六十年六月十二日(水曜日)
    午前十時三分開議
出席委員
  委員長 安井 吉典君
   理事 糸山英太郎君 理事 白川 勝彦君
   理事 東家 嘉幸君 理事 林  大幹君
   理事 井上 一成君 理事 新村 勝雄君
   理事 貝沼 次郎君 理事 玉置 一弥君
      小坂徳三郎君    桜井  新君
      森下 元晴君    金子 みつ君
      中村 重光君    春田 重昭君
      中川利三郎君    阿部 昭吾君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  村田敬次郎君
        運 輸 大 臣 山下 徳夫君
 出席政府委員
        日本国有鉄道再
        建監理委員会事
        務局次長    林  淳司君
        科学技術庁長官
        官房審議官   雨村 博光君
        環境庁大気保全
        局長      林部  弘君
        国税庁調査査察
        部長      村本 久夫君
        通商産業大臣官
        房総務審議官  児玉 幸治君
        通商産業大臣官
        房審議官    矢橋 有彦君
        通商産業大臣官
        房会計課長   植松  敏君
        通商産業省通商
        政策局次長   鈴木 直道君
        通商産業省貿易
        局長      村岡 茂生君
        通商産業省立地
        公害局長    平河喜美男君
        通商産業省機械
        情報産業局長  木下 博生君
        通商産業省生活
        産業局長    篠島 義明君
        資源エネルギー
        庁長官     柴田 益男君
        資源エネルギー
        庁次長     浜岡 平一君
        資源エネルギー
        庁長官官房審議
        官       逢坂 国一君
        資源エネルギー
        庁石油部長   畠山  襄君
        資源エネルギー
        庁石炭部長   高橋 達直君
        中小企業庁長官 石井 賢吾君
        運輸大臣官房長 永光 洋一君
        運輸大臣官房会
        計課長     近藤 憲輔君
        運輸大臣官房国
        有鉄道再建総括
        審議官     棚橋  泰君
        運輸省運輸政策
        局長      山本  長君
        運輸省地域交通
        局長      服部 経治君
        運輸省貨物流通
        局長      栗林 貞一君
        運輸省航空局長 西村 康雄君
 委員外の出席者
        公正取引委員会
        事務局取引部景
        品表示指導課長 黒田  武君
        警察庁刑事局捜
        査第二課長   上野 浩靖君
        警察庁交通局交
        通指導課長   山崎  毅君
        経済企画庁国民
        生活局消費者行
        政第一課長   里田 武臣君
        法務省民事局第
        四課長     宇佐見隆男君
        法務省刑事局参
        事官      松尾 邦弘君
        外務大臣官房外
        務参事官    木村 崇之君
        大蔵大臣官房企
        画官      北村 歳治君
        大蔵省主計局司
        計課長     西澤  裕君
        大蔵省銀行局中
        小金融課長   中平 幸典君
        国税庁直税部所
        得税課長    岡本 吉司君
        運輸省地域交通
        局陸上技術安全
        部長      神戸  勉君
        自治省税務局府
        県税課長    前川 尚美君
        会計検査院事務
        総局第三局長  小川 一哉君
        会計検査院事務
        総局第五局長  秋本 勝彦君
        日本国有鉄道総
        裁       仁杉  巖君
        日本国有鉄道常
        務理事     竹内 哲夫君
        日本国有鉄道常
        務理事     岡田  宏君
        日本国有鉄道常
        務理事     太田 知行君
        中小企業金融公
        庫総裁     荘   清君
        中小企業信用保
        険公庫総裁   谷敷  寛君
        参  考  人
        (日本鉄道建設
        公団理事)   堀内 義朗君
        決算委員会調査
        室長      大谷  強君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 昭和五十七年度一般会計歳入歳出決算
 昭和五十七年度特別会計歳入歳出決算
 昭和五十七年度国税収納金整理資金受払計算書
 昭和五十七年度政府関係機関決算書
 昭和五十七年度国有財産増減及び現在額総計算
 書
 昭和五十七年度国有財産無償貸付状況総計算書
 (通商産業省所管、中小企業金融公庫、中小企
 業信用保険公庫、運輸省所管、日本国有鉄道)
     ――――◇―――――
○安井委員長 これより会議を開きます。
 昭和五十七年度決算外二件を一括して議題といたします。
 本日は、通商産業省所管、中小企業金融公庫、中小企業信用保険公庫、運輸省所管及び日本国有鉄道について審査を行います。
 この際、お諮りいたします。
 本件審査のため、本日、参考人として日本鉄道建設公団理事堀内義朗君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○安井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
○安井委員長 次に、通商産業大臣及び運輸大臣の概要説明、会計検査院の検査概要説明、中小企業金融公庫当局、中小企業信用保険公庫当局及び日本国有鉄道当局の資金計画、事業計画についての概要説明を求めるのでありますが、これを省略し、本日の委員会議録に掲載することといたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○安井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
   通商産業省所管昭和五十七年度歳入歳出決算概要説明について
 昭和五十七年度通商産業省所管の歳入歳出決算につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計歳入歳出決算につきまして、御説明いたします。
 通商産業省主管の歳入につきましては、歳入予算額は五十八億二千四百九十七万円余であります。
 これに対しまして、収納済歳入額は百四十二億七千五百三十八万円余でありまして、これを歳入予算額と比較いたしますと、八十四億五千四十一万円余の増加となっております。
 これは、補助事業に係る財産の処分収入が予定より多かったこと等の理由によるものであります。
 次に、通商産業省所管の歳出につきましては、当初予算額は七千九百十一億六千九百五十五万円余でありますが、予算補正追加額七千五百六十四万円余、予算補正修正減少額百十一億七千六百十六万円余、総理府等他省庁所管から移し替えを受けた額百六億二千九百十三万円余、前年度からの繰越額六十三億四千百一万円余の増減がありましたので、歳出予算現額は七千九百七十億三千九百十八万円余となっております。
 これに対しまして、支出済歳出額は七千八百八億五千八百三十四万円余でありまして、その主なものといたしまして、エネルギー対策費三千九百五十六億二千百九十一万円余、中小企業対策費一千七百十四億六千八十三万円余、科学技術振興費六百五十億七百五万円余、公共事業費百九十六億九千七百六十三万円余、経済協力費百三十二億六千七百八十五万円余等となっております。
 この支出済歳出額と歳出予算現額との差額は百六十一億八千八十四万円余となっております。その差額のうち、翌年度へ繰り越しました額は八十三億七千二百六十九万円余でありまして、不用となりました額は七十八億八百十四万円余となっております。
 次に、通商産業省所管の各特別会計の決算について御説明いたします。
 第一に、電源開発促進対策特別会計であります。まず、電源立地勘定であります。
 収納済歳入額は九百四十一億一千四百九万円余、支出済歳出額は六百二十億九千四百五十一万円余であります。
 収納済歳入額と支出済歳出額との差額は三百二十億一千九百五十七万円余でありまして、翌年度へ繰り越しました額は百九十四億一千三百八十一万円余、剰余金は百二十六億五百七十六万円余となっております。
 次に、電源多様化勘定であります。
 収納済歳入額は一千四百五億六千七百四十五万円余、支出済歳出額は九百七十六億三千百十五万円余であります。
 収納済歳入額と支出済歳出額との差額は四百二十九億三千六百二十九万円余でありまして、翌年度へ繰り越しました額は三百四十二億一千五百七十一万円余、剰余金は八十七億二千五十八万円余となっております。
 第二に、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計であります。まず、石炭勘定であります。
 収納済歳入額は一千四百七十六億九千六百八万円余、支出済歳出額は一千百九十九億九千六百十九万円余であります。
 収納済歳入額と支出済歳出額との差額は二百七十六億九千九百八十九万円余でありまして、翌年度へ繰り越しました額は百二十六億六千五百九十四万円余、剰余金は百五十億三千三百九十四万円余となっております。
 次に、石油及び石油代替エネルギー勘定であります。
 収納済歳入額は四千二百九十七億九千四百九十四万円余、支出済歳出額は三千七百三十五億五千三百四十一万円余であります。
 収納済歳入額と支出済歳出額との差額は五百六十二億四千百五十二万円余でありまして、翌年度へ繰り越しました額は四百七億三千七百七十五万円余、剰余金は百五十五億三百七十六万円余となっております。
 第三に、アルコール専売事業特別会計であります。
 収納済歳入額は三百八十六億六千三百万円余、支出済歳出額は三百四十七億四千五百七十七万円余であります。
 この会計の損益計算上の利益は百四十一億四千五百九十九万円余でありまして、期末資産の増加相当額九十九億五千五十二万円余を控除した残額四十一億九千五百四十七万円余を一般会計に納付いたしました。
 第四に、輸出保険特別会計であります。
 収納済歳入額は二千四十七億八千四百二十四万円余、支出済歳出額は六百五十一億七千四百二十万円余であります。
 第五に、機械類信用保険特別会計であります。
 収納済歳入額は百三億四千五百三十万円余、支出済歳出額は三十二億八千六百五十六万円余であります。
 なお、一般会計及び特別会計の事業の詳細につきましては、お手もとにお配りいたしております「通商産業省所管昭和五十七年度歳入歳出決算概要説明書」に記述してありますので、御覧いただきたいと存じます。
 最後に、五十七年度通商産業省所管の決算につきまして、会計検査院から不当事項として十七件の指摘を受けたものがありますことは、誠に遺憾に存じております。
 これらの指摘された事項につきましては、直ちに指摘金額の全額を返還させる等、その是正、改善の措置を講じたところであります。
 今後は、この種の事態の発生を未然に防止するため、より一層の指導、監督を行いかかる事態の絶滅に努力いたす所存でございます。
 以上をもちまして、昭和五十七年度における通商産業省所管の一般会計及び特別会計の決算に関する御説明を終わります。
 何とぞ、よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
    …………………………………
   昭和五十七年度決算通商産業省、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫についての検査の概要に関する主管局長の説明
               会計検査院
 昭和五十七年度通商産業省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項一七件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件でございます。
 まず、不当事項について説明いたします。
 これらは、中小企業設備近代化資金の貸付けが不当と認められるものであります。
 この資金は、都道府県が、国から交付を受けた中小企業設備近代化補助金を財源として、中小企業者に設備の近代化に貸すもため無利子で貸し付けるものでありますが、その貸付けの適否等について調査しましたところ、貸付対象設備を貸付対象事業費より低額で設置している者に対して貸付対象事業費どおり設置したとして貸し付けていたり、貸付対象設備を貸付対象にならない既往年度に設置するなどしている者に対して貸し付けていたり、本資金の貸付けを受ける以前に中小企業金融公庫から資金を借り入れている者に対して重複して貸し付けていたりしていたものでありまして、いずれも貸付けが補助の目的に沿わない結果になっていると認められたものであります。
 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について説明いたします。これは、委託費により受託者が取得した物品の不適切な管理に関するものであります。
 工業技術院では、毎年度大型工業技術、エネルギー関連技術等の研究開発を民間企業等に委託しておりまして、この委託研究の実施に伴い受託者に多数の機械装置等の物品を取得させております。このたびこれらの物品の管理状況を調査しましたところ、受託者において紛失していたり国に無断で処分又は使用していたりしているものや、受託者に長期間保管させていたため老朽化又は陳腐化して使用不能となっていたものなど、その管理が適切でないと認められるものが多数見受けられました。
 このような事態となりましたのは、工業技術院におきまして、委託費で取得した物品の利活用等を速やかに行えるような管理体制が十分でなかったことによるものと認められましたので、当局の見解をただしましたところ、工業技術院では、五十八年十月、委託契約に基づき取得する物品の管理及び処分に係る事務処理要領を定めまして、委託費で取得する物品を、国の機関や払下げ希望のある受託者において、委託研究完了のつど早期に利活用等が図れるようにするとともに、受託者において紛失していたり、無断で処分又は使用していた物品につきましては弁償金等を徴収する処置を講じたものであります。
 次に、昭和五十七年度中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の決算につきまして検査いたしました結果を説明いたします。
 検査の結果、特に違法又は不当と認めた事項はございません。
 以上をもって概要の説明を終わります。
    …………………………………
   昭和五十七年度の業務の概況について
             中小企業金融公庫
 昭和五十七年度における中小企業金融公庫の業務について御説明申し上げます。
 一、当公庫の昭和五十七年度貸付計画は、二兆千七十八億円と定められました。
 これに対し、中小企業者に対しては、一兆九千五百二十七億五千三百三万円余の貸付を行ったほか、設備貸与機関に対しては、百七十四億三千五百八十八万円、また、中小企業投資育成株式会社に対しては、二十五億円の貸付を行い、総額では一兆九千七百二十六億八千八百九十一万円余の貸付実績となりました。
 中小企業者に対する貸付契約額のうち、設備資金は三十七・三パーセントに相当する七千二百十六億九千九百三十九万円余、運転資金は六十二・七パーセントに相当すゑ一兆二千百三十二億七千四百三十二万円余となっており、また、直接貸付は五十一・九パーセントに相当する一兆三十五億七千八百六十万円(二万四千六百十六件)、代理貸付は四十八・一パーセントに相当する九千三百十三億九千五百十二万円(六万三百九十一件)となっております。
 年度末総貸付残高は、五兆二千三百三十億九千六百十五万円余でありまして、前年度末に比較して、二千六百十八億七百三万円余、五・三パーセントの増加となっております。
 貸付金の延滞状況につきましては、昭和五十七年度末におきまして弁済期限を六カ月以上経過した元金延滞額は、六百二十億三千六百二十八万円余でありまして、このうち一年以上のものは、五百六十四億六千四百八十三万円余、総貸付残高の一・一パーセントとなっております。
 二、昭和五十七年度の融資に当たりましては、輸出の減少及び国内需要の低迷を反映して景気が停滞気味に推移するなど厳しい経営環境の中におかれている中小企業者に対し、その事業基盤の強化に資する資金について積極的に対処してまいりました。特に、特定不況地域において売上減少等の影響を受けている中小企業者の経営安定を図るため第二次特定不況地域中小企業対策緊急融資を実施し、また、液化石油ガス転換促進貸付制度、市街地等整備貸付制度を新設したほか、事業転換貸付制度、石油代替エネルギー貸付制度等の拡充を図るなど中小企業者の経営の維持、安定のための資金についてきめ細かい配慮を払ってまいりました。
 また、中小企業近代化促進法に基づく構造改善事業に必要な資金、流通機構の近代化、合理化のために必要な資金及び産業公害の防止、産業安全の確保等のために必要な資金についても配慮してまいりました。
 なお、昭和五十七年度におきましては、中小企業者の一層の利便に資するため、大阪市西区に大阪西出張所を新設いたしました。
 三、次に、当公庫の昭和五十七年度の収入、支出の決算及び損益計算について申し上げます。
 収入、支出の決算について申し上げますと、貸付金利息等収入済額は、四千一億三千万円余、支払利息等支出済額は、四千四十四億二千八百四十万円余となりました。
 損益計算について申し上げますと、貸付金利息収入等の総益金は、四千七百九十八億六千四百九十八万円余、借入金利息、事務費、業務委託費等の総損金は、四千七百九十八億六千四百九十八万円余となりました。この結果、利益金は生じなかったので、国庫納付はいたしませんでした。
 以上をもちまして、昭和五十七年度における中小企業金融公庫の業務の概況について、御説明を終わります。
                  以上
    …………………………………
   昭和五十七年度の業務概況について
          中小企業信用保険公庫
 中小企業信用保険公庫の昭和五十七年度の業務の概況につきまして、御説明申し上げます。
 昭和五十七年度におきましては、中小企業信用保険法の改正によりエネルギー対策保険が新設されるとともに、国の一般会計から保険事業の円滑な運営を図るための原資として、保険準備基金三百八十億円、信用保証協会の保証活動の円滑化を図るための原資として、融資基金二百四十五億円、合計六百二十五億円の出資が行われました。
 まず、保険事業についてみますと、公庫が全国五十二の信用保証協会との間に締結いたしました保険契約に基づく保険引受は、件数で九十九万七千件余、金額で五兆二千二百五十五億一千五十二万円余になっており、これを前年度に比較いたしますと、金額で一パーセントの増加になっております。
 この結果、昭和五十七年度末の保険引受残高は、件数で二百七万二千件余、金額で十兆八千二百七億一千八百六十八万円余となっております。
 なお、保険金の支払いは一千四百十三億三千二百七万円余になりまして、これを前年度に比較いたしますと、五パーセントの増加になっております。
 一方、信用保証協会に対する融資事業につきましては、昭和五十七年度に国の一般会計から新たに出資されました二百四十五億円及び既往の貸付にかかる回収金等一千七百十五億六千七百万円、合計一千九百六十億六千七百万円をもちまして、一千八百四十八億四百万円の貸付を行いました。
 この結果、昭和五十七年度末における貸付残高は二千七百十二億三千七百万円になっております。
 次に、収入支出及び損益の概況について申し上げます。
 まず、収入、支出について申し上げますと、収入済額は一千百十七億一千七百五十六万円余、支出済額は一千四百四十四億二千七百十一万円余でありまして、差し引き三百二十七億九百五十四万円余の支出超過になっております。
 損益計算につきましては、さらに支払備金等の整理を行いました結果、総利益は一千二百九十四億八千九百万円余、総損失は一千六百四十六億二千二百七十二万円余となり、差し引き三百五十一億三千三百七十一万円余の損失金を生じました。
 この損失金は、中小企業信用保険公庫法及び同法施行令の規定に基づき、保険準備基金を減額して整理いたしております。
 以上、簡単でございますが、昭和五十七年度の業務の概況につきまして、御説明申し上げた次第です
    …………………………………
   昭和五十七年度決算の大要
                 運輸省
 昭和五十七年度の運輸省所管一般会計及び特別会計の決算につきまして、その大要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計について申し上げます。
 第一に、運輸省主管の歳入でありますが、歳入予算額二十三億四百二万円余に対し、収納済歳入額は四十六億四千四百九十九万円余であり、差引き二十三億四千九十六万円余の増加となっております。
 第二に、運輸省所管一般会計の歳出でありますが、歳出予算現額一兆四千六百九十億五千二百十六万円余に対し、支出済歳出額は一兆四千三百十四億二千八百三十七万円余でありまして、その差額三百七十六億二千三百七十九万円余のうち、翌年度へ繰り越しました額は三百十六億二十四万円余であり、不用となりました額は六十億二千三百五十五万円余であります。
 次に、特別会計について申し上げます。
 まず、第一に、自動車損害賠償責任再保険特別会計でありますが、保険、保障及び業務の三勘定を合わせて申し上げますと、収納済歳入額は一兆七千三十二億八千九百五十一万円余であり、支出済歳出額は三千九百十七億八千六十一万円余でありまして、差引き一兆三千百十五億八百八十九万円余の剰余を生じ、この剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れました。
 第二に、港湾整備特別会計でありますが、港湾整備及び特定港湾施設工事の二勘定を合わせて申し上げますと、収納済歳入額は三千二百九十億七千四百六十万円余であり、支出済歳出額は三千二百六十三億一千三百七万円余でありまして、差引き二十七億六千百五十三万円余の剰余を生じ、この剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れました。
 第三に、自動車検査登録特別会計でありますが、収納済歳入額は三百七十一億二千三百七十四万円余であり、支出済歳出額は二百五十三億三千四百十六万円余でありまして、差引き百十七億八千九百五十八万円余の剰余を生じ、この剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れました。
 第四に、空港整備特別会計でありますが、収納済歳入額は二千四百六十六億百七十二万円余であり、支出済歳出額は二千二百七十二億三千三百四十九万円余でありまして、差引き百九十三億六千八百二十二万円余の剰余を生じ、この剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れました。
 以上が、昭和五十七年度の運輸省所管一般会計及び特別会計の決算の大要でありまして、このうち重点施策につきましては、お手許に配布いたしました昭和五十七年度決算概要説明書を御覧いただきたいと存じます。
 最後に、昭和五十七年度の予算の執行につきまして会計検査院から不当事項として指摘を受けた点がありましたことは、誠に遺憾に堪えないところであります。
 指摘を受けた事項につきましては、直ちに是正措置を講じましたが、今後、この種の事例の発生を未然に防止すをため、より一層指導監督の徹底を図る所存であります。
 何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。
    …………………………………
   昭和五十七年度日本国有鉄道決算の大要
                 運輸省
 昭和五十七年度日本国有鉄道の決算の大要を御説明申し上げます。
 昭和五十七年度における日本国有鉄道の運輸成績は前年度に比し、旅客収入は約六パーセントの増加となりましたが、貨物収入は約十パーセントの減少となりました。
 決算の内容を勘定別に申し上げますと、まず、損益勘定におきましては、収入済額は四兆二千九百二十四億二千六百八十七万円余、支出済額は四兆三千百四十四億六千八百七十七万円余となり、支出が収入を上回ること二百二十億四千百九十万円余となりました。これは予算上の区分による収支決算の結果でありまして、いわゆる損益計算上では一兆三千七百七十七億八千九百二十三万円余の純損失となっております。
 次に、資本勘定におきましては、収入済額は二兆六千五十三億二百六十七万円余、支出済額は二兆六千百五十八億五千八百十二万円余であり、工事勘定におきましては、収入済額は一兆一千四百七十一億三千三百十六万円余、支出済額は一兆七百七十四億六千八百八十六万円余となっております。
 また、特定債務整理特別勘定におきましては、収入済額は三千四百五十六億七千百九十九万円余、支出済額は三千四百五十六億七千百九十九万円余となっております。
 最後に、昭和五十七年度の予算の執行につきまして、会計検査院から不当事項として指摘を受けた点がありましたことは、誠に遺憾に存じております。今後は、この種の事例の発生を未然に防止し、予算の効率的運用を図るべく、より一層の努力をいたすよう指導監督してまいる所存であります。
 なお、詳細につきましては、お手元に配布いたしました「昭和五十七年度日本国有鉄道決算概要説明書」を御覧いただきたいと存じます。
 なにとそよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。
    …………………………………
   昭和五十七年度決算運輸省についての検査の概要に関する主管局長の説明
               会計検査院
 昭和五十七年度運輸省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項三件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項三件であります。
 まず、不当事項について説明いたします。
 これらは、補助事業の実施及び経理が不当と認められるものでありまして、検査報告番号八七号は、地下高速鉄道の用地の取得に当たって補助の対象とは認められないものを事業費に含めていたものであります。
 また、検査報告番号八八号及び八九号は、トンネル工事及び護岸工事においていずれも工事の施工が設計と相違していたものであります。
 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項。について説明いたします。
 その一は、東京国際空港における土地使用料の算定方法に関するものであります。
 運輸省におきましては、東京国際空港の土地の一部を民間会社等に使用許可しておりますが、その土地使用料は相続税課税標準価格に一定の率を乗じて算定することとしております。
 そして、この相続税課税標準価格は、従来空港内の路線価をそのまま単純平均して求めておりましたため、徴収した土地使用料総額が、路線価を土地の位置、形状により正しく補正して個別に相続税課税標準価格を算定した場合の土地使用料総額に比べて低額となっていると認められましたので、当局の見解をただしましたところ、運輸省では、五十八年十一月、相続税課税標準価格を個別に算定する扱いに改め、五十九年度以降徴収する土地使用料から適用するよう処置を講じたものであります。
 その二は、防波堤築造工事における上部コンクリートの海上運搬費の積算に関するものであります。
 防波堤の本体とするケーソンの上部にコンクリートを打設いたします場合、生コンクリートを台船上に置き並べたバケット内に積み込み、引船により現場まで海上運搬して投入する方法がございまして、運輸省では、その歩掛かりを積算基準において定めております。しかし、志布志港の防波堤のようにケーソンが大型化しコンクリートの打設量が増大している大型防波堤の場合は、使用される作業船及びバケットの規格が著しく大型化して作業能力が向上しておりまして、積算基準の内容が施工の実態に即応したものとなっていないと認められましたので、当局の見解をただしましたところ、運輸省では、五十八年十一月に大型の作業船、バケットを使用する場合の歩掛かりを新たに定め、同月以降契約する同種工事から適用するよう処置を講じたものであります。
 その三は、航空照明用の受配電機器等の設置工事における一般管理費等の積算に関するものであります。
 運輸省制定の航空照明用の電気工事の積算基準においては、一般管理費等の算出の対象とする受配電機器等の範囲が明確にされていなかったため、この積算基準を適用してした地方公共団体では大容量で高額な受配電機器等の製造費も対象としていて、一般管理費等が著しく多額に積算されていたと認められましたので、当局の見解をただしましたところ、運輸省では五十八年十月にこれらの機器は設置工事における一般管理費等算出の対象とはならないことを明確にするとともに、その旨関係地方公共団体に通達を発し、十一月以降契約する同種工事から適用するよう処置を講じたものであります。
 以上をもって概要の説明を終わります。
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   昭和五十七年度決算日本国有鉄道についての検査の概要に関する主管局長の説明
               会計検査院
 昭和五十七年度日本国有鉄道の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項三件、意見を表示し又は処置を要求した事項一件、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項三件及び特に掲記を要すると認めた事項一件であります。
 まず、不当事項について説明いたします。
 検査報告番号一五七号は、貨物設備改良工事の施行に当たり、貨物輸送合理化計画を考慮しなかったため、工事費が不経済と認められるものであります。
 これは、熊本鉄道管理局で、豊肥本線肥後大津駅の貨物積卸施設の高床ホームや貨物上屋を撤去し、積卸場を舗装し、軌道や貨物上屋を新設するなどの改良工事を、五十七年九月、工事費四千四百二十万円で契約し、施行しているものでありますが、本社では、五十九年二月から貨物輸送について大幅な合理化を行うこととし、その際肥後大津駅は、貨物取扱数量が減少してきたことから、貨物取扱業務を廃止することが本件工事を発注する以前の五十七年二月から三月の間に示されていたのに工事を実施したため、この工事費が不経済になったものであります。
 また、検査報告番号一五八号は、軌道工事の施行に当たり、在来路盤のすき取り等を設計と相違して施工したものであります。
 これは、東京第二工事局で契約し、東京西鉄道管理局が監督、検査した南武線武蔵小杉駅構内上り線の軌道延長二百六十メートル区間の軌道工事でありまして、道床厚さを増すため、在来路盤をすき取り、道床、バラストの交換を行うものでありますが、その施工についてみますと、中央部百六十メートル区間ですき取り不足やすき取り過ぎがあり、すき取り後の仕上り面に凹凸が生じていて、排水こう配がついていなかったり、逆になっていたりしている箇所があり、その結果、この区間の路盤に雨水が溜まって路盤が泥のような状態になっているなどのため、軌道が沈下し、狂いが生じるなどしていて、工事の目的を達していないものであります。
 また、検査報告番号一五九号は、公共下水道工事に伴う負担金の支払が適切でなかったものであります。
 これは、大阪工事局で、福知山電車基地新設に伴い発生する列車汚物等の汚水処理を福知山市と協議して同市が施行する公共下水道に排水することとし、その事業費の一部を負担する協定を締結したものでありますが、公共下水道事業は協定締結前に国庫補助対象事業として実施されることとなっていたのでありますから、負担金の算定に当たっては、事業費から国庫補助金相当額を控除すべきであるのに、これを考慮しなかったため、負担金が過大に支払われていると認められるものであります。
 次に、意見を表示し又は処置を要求した事項について説明いたします。
 これは、固定資産の貸付け等に関するものであります。
 国鉄では、業務に支障のない範囲において、土地等の固定資産の一部を部外者に貸し付けたり、使用させたりしておりますが、仙台鉄道管理局ほか九鉄道管理局についてこれら固定資産の貸付け等の状況を検査しましたところ、使用承認という方式で貸し付けた資産又は暫定利用として貸し付けた資産について、貸付けに関する基準の適用方が明確でなかったなどのため、使用料が低額となっていたり、ほとんど管理に手数を要しない簡易自動車駐車場を部外者に管理させて経費を要していたり、業務に関連があるため無償で貸し付けた施設が目的外に使用されていたりなどしていて、使用料が四百六十三件七億余円低額となっておりました。
 つきましては、国鉄において、用地等の管理体制を整備したり、貸付け等に関する基準の適用方を明確にしたりするなどの措置を講じるとともに、各鉄道管理局等に対する指導の徹底を図るなどして、固定資産の効率的な利活用を図るよう求めたものであります。
 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について説明いたします。
 その一は、踏切事故に係る損害賠償金債権の不適切な管理に関するものであります。
 国鉄では、踏切において、列車に自動車が衝突するなどの事故によって生じた損害額をその原因者に弁償させることとしておりますが、この債権の管理に当たって準拠すべき具体的な事務処理要領が整備されていなかったことなどのため、二十一鉄道管理局等においては、発生後相当期間を経過しているのに請求や督促が行われていなかったりするなど、その管理が適切を欠いていると認められるものが多数見受けられ、収納未済額も八百二十七件十二億余円に上っておりましたので、当局の見解をただしましたところ、国鉄では、五十八年十一月に事務処理要領(案)を定めるなどして、この債権の管理を適正に行うよう処置を講じたものであります。
 その二は、重軌条更換工事等に使用するレールの材質の使用区分に関するものであります。
 国鉄では、従来の規格のレールより重いものに取り替えたり、摩耗したレールを取り替えたりするに当たっては、レールの材質により使用区分が定められている軌道構造標準に基づき実施しておりますが、施工の実態、標準の内容等について調査したところ、多くの工事においてこの標準と相違したレールが使用されており、その態様も様々であったので、標準自体の妥当性について検討したところ、標準の内容が実態に沿ぐわないものになっていることが認められたので、当局の見解をただしましたところ、国鉄では、五十八年十一月に軌道構造標準を改正するとともに、軌道工事標準示方書、軌道工事監督要領等を整備してその適切な施行を図るよう処置を講じたものであります。
 その三は、軌道整備工事におけるバラストかき込み工費の積算に関するものであります。
 国鉄では、バラスト軌道保守作業をする場合、マクラギとマクラギとの間にバラストを補充する作業を外注しておりますが、この作業の実態について調査しましたところ、積算上見込んでいた補充バラスト投入量と作業実態の数量とに食い違いが見受けられましたので、当局の見解をただしましたところ、国鉄では、五十八年十月に歩掛かりを改正して、同月以降に契約する工事から適用するよう処置を講じたものであります。
 次に、特に掲記を要すると認めた事項について説明いたします。
 これは、旅客営業の収支等に関するものであります。
 旅客営業の五十七年度の営業成績をみると、四千四百九十七億円の損失(新幹線二千三十億円の利益、在来線六千五百二十七億円の損失)を生じておりまして、特に在来線の損失は国鉄全体の損失一兆三千七百七十八億円の四七・四%を占める多額に上っており、国鉄当局も収支改善のための諸施策を講じておりますものの、本院において、この損失の原因について収入、原価の両面から分析いたしましたところ、運賃改正による大幅な収入増を期待することにはおのずから限界があるなどの面がある一方、要員縮減のための施策の実施過程において所要員に対して現在員が大幅に上回るため業務効率の低下をきたすばかりか、人件費等の固定経費の削減効果に乏しいなどの事態となっております。
 国鉄には社会的要因や組織上の問題など困難な事情はありますが、現在のまま推移しますと、六十年度に幹線の損益で収支均衝を図るという経営改善計画の当面の目標の達成すら困難になると認められます。本院といたしましては、このような問題点を提起することによって旅客営業の収支改善の措置が図られることを期待し、特に掲記したものであります。
 以上をもって概要の説明を終わります。
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   昭和五十七年度日本国有鉄道の決算の概要
 昭和五十七年度の日本国有鉄道の決算につきまして、只今、運輸大臣から予算の区分にもとづく収入支出決算状況の御説明がございましたが、日本国有鉄道法第四十条にもとづく財務諸表により、経営成績の概要を補足して御説明申し上げます。
 日本国有鉄道の計理につきましては、昭和五十一年度から「一般勘定」と「特定債務整理特別勘定」の二つに区分して計理いたしております。
 まず、一般勘定につきましては、営業収入は、旅客収入二兆五千四百十五億三百九十一万円、貨物収入二千七百九十三億七千百八十万円、雑収入千二百八十三億九千三百二十八万円、助成金受入三千六百三十七億五千三十六万円、合計三兆三千百三十億千九百三十五万円となっております。
 なお、助成金は、工事費補助金、地方交通線特別交付金、地方バス路線運営費補助金、大都市交通施設運営費補助金、合理化促進特別交付金及び特別退職手当補給金であります。
 この営業収入を前年度と比較いたしますと、旅客収入千三百八十億四千八十一万円、率にいたしまして六%の増加、貨物収入三百十九億九千三百五十六万円、率にいたしまして十%の減少、雑収入百三十億千五百二十八万円、率にいたしまして十一%の増加、助成金受入二百九億四千七十二万円、率にいたしまして六%の増加、合計千四百億三百二十五万円、率にいたしまして四%の増加となっております。
 旅客収入の増加は主として昭和五十七年四月及び九月に実施いたしました運賃改定によるものであります。また、助成金が前年度より増加しておりますが、これは主として特別退職手当補給金が増額されたことによるものであります。
 輸送量につきましては、旅客輸送量千九百三十五億三千二百九十六万人キロ、貨物輸送量三百七億八千二百八十一万トンキロとそれぞれ前年度に比べますと旅客は一%の減少、貨物は九%の減少となりました。
 営業経費は、極力合理化の推進並びに経費の節約に努めてまいりましたが、共済組合交付金、利子及び東北・上越新幹線開業による減価償却費等の増加がありました結果、営業経費の倉計は四兆七千七百四十九億二千八百三十五万円と前年度に比べまして十%の増加となりました。
 営業経費の内訳は、人件費二兆五百七十三億六千八百万円、動力費二千三百五十七億九千六百三十二万円、修繕費七千四百七十六億四千六十六万円、業務費三千七百五億九千三百五十三万円、租税及び公課三百五十二億千六百九万円、営業費計三兆四千四百六十六億千四百六十万円。利子及び債務取扱諸費七千九百八十八億六千八百五十四万円、減価償却費四千三百七億八千五百六十五万円、固定資産除却費三百三十七億九千十九万円、繰延資産償却費六面四十八億六千九百三十七万円、資本経費計一兆三千二百八十三億千三百七十五万円。合計四兆七千七百四十九億二千八百三十五万円であります。
 以上の結果、営業成績は、営業損失一兆四千六。百十九億九百万円、営業外利益八百四十一億千九百七十七万円、純損失一兆三千七百七十七億八千九百二十三万円となりました。
 なお、昭和五十三年度から純損失について退職手当の異常支出相当額を特定退職手当純損失、その他を一般純損失として整理いたしておりますが、これによれば一般純損失一兆八百三十一億三千八百四十一万円、特定退職手当純損失二千九百四十六億五千八十二万円であります。
 このため、繰越欠損金は前年度から繰り越された欠損金二兆二千六百四十七億千六十一万円とあわせて三兆六千四百二十四億九千九百八十四万円となりました。
 次に設備投資の概要を御説明申し上げます。
 昭和五十七年度は、輸送設備の維持更新、経営の体質改善、輸送力整備並びに新幹線建設の諸工事を実施いたしました結果、設備投資額は一兆七百七十四億六千八百八十七万円となりました。
 なお、昭和五十七年度の設備投資額の事項別内訳は、輸送設備の維持更新四千五百三十億五千八百五十三万円、経営の体質改善千六百五十三億六千四百九十万円、輸送力整備千五百四億三千九百九十一万円、新幹線建設二千七十八億七千二百五十九万円、建設関連利子千七億三千二百九十四万円、合計一兆七百七十四億六千八百八十七万円であります。
 これらの設備資金等のために、あらたに長期負債の増加となる外部資金調達額は、資金運用部等からの借入金一兆九百四十九億円、鉄道債券発行額一兆三千四百二十八億二千七百七十万円、合計二兆四千三百七十七億二千七百七十万円であります。一方、長期負債の償還に伴う減少額は五千四百三十五億九千五百九十八万円でありまして、この結果、長期負債は前年度に比べて一兆八千九百四十一億三千百七十二万円増加し、昭和五十七年度末において十二兆七千二百三十五億四百八十九万円となりました。
 なお、工事費の一部補助として受け入れた特別施設整備費補助金八十七億六千六十一万円、防災事業費補助九十四億六千六百十三万円、整備新幹線建設調査費補助金十一億三百四十九万円、磁気浮上方式鉄道技術開発費補助金六億五千六百九十万円は、その他負債に計上いたしております。
 次に、特別勘定につきまして御説明申し上げます。
 昭和五十七年度末の特別勘定の長期負債残高は、特定長期借入金五兆五百九十九億二百万円、財政再建借入金二千六百二十二億四千七百万円、合計五兆三千二百二十一億四千九百万円でありますが、昭和五十七年度は借入及び償還がありませんでしたので同額が昭和五十七年度末長期負債残高になっております。
 また、特定長期借入金に係る利子につきましては三千四百五十六億七千二百万円でありますが、この利子は同額の財政再建利子補給金の受け入れにより支出いたしております。
 最後に、昭和五十七年度の予算執行につきましては、会計検査院から不当事項三件の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾に堪えないところでありまして今後、さらに予算の効率的運用に一段の努力をいたす所存でございます。
○安井委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上一成君。
○井上(一)委員 まず最初に私は、今日非常に社会問題として大きく問題視をされている豊田グループの商法について、被害を受けた方、また、この問題について大変困っていらっしゃる方、いろいろな社会問題を提起しているわけでありますが、通産省に、このような豊田グループの悪徳商法に対する苦情、相談、そういう点についての通産省に寄せられた現在の状況を御報告を願いたいと思います。
○矢橋政府委員 私ども通産省におきましては、本省と地方の通商産業局に消費者相談窓口を設けております。そこに昭和五十九年度一年間に寄せられました消費者相談は、全体で約九千五百件ございました。そのうち国内の金取引にかかわるものは千三百七十八件でございまして、その相当数がいわゆる金の現物まがい取引に関するものであると考えられるところでございます。
 被害金額でございますけれども、同じく昭和五十九年度の国内の金取引にかかわる相談のうち、金額が把握可能なものが全部で九百八十三件ございました。この分につきまして集計をいたしますと、相談金額合計が三十九億七千五百万円となっているわけでございまして、一件当たり平均して約四百万円の被害となっている次第でございます。
 なお、ごく最近時点の状況でございますけれども、ことしの四月、五月、これは本省の窓口だけに寄せられた分でございますが、国内の金取引にかかわる相談件数は、四月が十九件、金額にいたしまして五千八百万円、五月が三十六件、一億八千五百万円となっているわけでございまして、このところ急に増加しつつあるというのが現状でございます。
○井上(一)委員 これらの商法に対して通産省がどのような対策を講じられてきたのか、このことについても聞いておきたいと思います。
○矢橋政府委員 いわゆる金の現物まがい取引に関する対策でございますが、私ども、一般消費者が金地金を購入するに当たりましては、模造品の排除あるいは売買に伴うトラブルの防止といった観点から、信用ある金地金商などの店頭で現物を確実に受け取る購入方法が最も望ましいと考えているわけでございます。
 このような観点から、第一の対策といたしまして、私どもといたしましては、健全な金地金の流通機構の中核機関といたしまして、昭和五十四年十二月に社団法人日本金地金流通協会の設立を許可いたしまして、その協会内に登録店制度を設けているわけでございます。現在これが三百三十二店になっておりますが、そういった登録店制度を設けまして、信用ある売買店舗網の拡充に努めているところでございます。
 第二の対策といたしまして、これと並びまして、金についての悪質な取引があるという実態を踏まえまして、一般消費者にこの問題を十分認識をしていただくために、ポスター、テレビ、新聞等によるPRに努力をしているところでございます。
○井上(一)委員 聞くところによると、関係各省庁間での対策が協議されて、豊田グループの実名でその被害防止のためにPR、広報をするということが報じられていましたが、そういうことも対応策の一つとして考えられているわけでありますか。
○矢橋政府委員 この問題は非常に関係する省庁も多うございます。さらには、最近におきましては、このようないわゆるペーパー商法とでも申しましょうか、そういった商法は、金地金だけでなくて、例えばゴルフ会員権にまで及んでいる実情でございます。
 このような商法に対しましては、消費者保護の見地から幅広い観点に立った対応が必要であるわけでございまして、実はこの六月十日に経済企画庁主宰の六省庁連絡会議が発足しております。そこで関係省庁一致して本件に対処するということにしているわけでございますが、その検討の中で、ただいま先生の御指摘になりましたような、いわゆる実名入りの注意喚起ということも行おうということを内定したと承知しております。詳細必要あらば、経済企画庁の方から具体的なお答えがあろうかと思います。
○井上(一)委員 今お答えがあったわけでありますが、実はこうして私が質疑をしているこの瞬間にも、新たな被害が生まれる可能性があるわけなんですね。もちろん、その関係省庁の連絡会議で対策を講じられてPRにこれ努められるということも、これは大変必要なことだと思うのです。しかし、買い手側、いわゆるだまされる側に注意を喚起することも大切には違いないけれども、それよりも、むしろ売り手側の豊田グループ、いわばだます側というのでしょうか、悪徳な商法をする側に営業を停止させることの方がより効果があり、より適切な行政指導ではないだろうか、そのことが新たな被害を防止することになるのではないだろうか。そういう意味から、被害の拡大を防止するため、少なくとも通産省としては豊田商事に対して新規の顧客の勧誘を停止させる等の指導を行うべきではないだろうか、私はこういう見解を持っているわけでありますが、大臣、いかがなものでございましょうか。
○村田国務大臣 井上委員にお答えを申し上げます。
 豊田商事のお年寄りなどを相手にいたしました強引な商法、また解約に応じない姿勢などにかんがみますれば、こうした商法は、消費者保護の見地から非常にいろいろな問題があるというふうに私も認識をいたしております。したがって、ただいま御指摘がございましたような問題、今後これ以上の新規契約による被害者の発生を防止するという見地から、いろいろ難しい面もあるとは思いますけれども、通商産業省としては、豊田商事に対しまして、当面新規の勧誘を見合わせる、そういう指導をするということも含め、最大限の努力をしてみたいと考えております。
○井上(一)委員 大臣、その非常に強い御決意は、私は評価をしたい。しかし一方、豊田グループもしたたかというんでしょうか、法の盲点をかいくぐっていこうという非常にずるいやり方をやるわけでありますから、通産省が強い姿勢で行政指導をされても、なかなかその行政指導に応じるかどうか、これまた非常に疑問を持つ。まあ早合点をするわけじゃありませんけれども、そういう点も危惧するわけであります。
 もしそういう通産省の行政指導に協力的な対応を示さない場合は、問題のいわゆる新規被害者の防止ということについては、まあ大変困難なことであるわけでありますけれども、しかし最大限の努力をしていただくという意味からも、必要があれば担当の職員が豊田グループに乗り込んででも、今後の被害を食いとめるために、今後の新規勧誘、いわゆる新規顧客の開拓防止に努力する強い決心で対応をすべきである。重ねてこの点について、企業の中に乗り込んででも新たな被害を防止していくという強い決心を持ってこの問題に当たってほしい、こういう考えを私は持っているわけでありますが、大臣の御所見を再度伺っておきたいと思います。
○村田国務大臣 今井上委員が挙げられました豊田商事の案件につきましては、非常に重要なことであるということで、関係省庁とも連絡をとりつつ対応をしております。したがいまして、今お示しの、場合によれば職員が会社にということもございましたが、そういうことも含めて強く指導をする気持ちでおります。
○井上(一)委員 もう意を理解しているわけでありますが、強い決心で臨む、こういうことでございますね。
○村田国務大臣 強い決心で臨むという決意でございます。
○井上(一)委員 今通産大臣が、豊田グループのこの悪徳商法、金現物まがいの商法に対して強い決心で臨むということでございましたが、私は、続いて関係省庁にお聞きをしたいわけであります。
 新たな被害を食いとめる防止対策についての通産省の見解が示されたわけです。現在被害を受けて大変困っていらっしゃる人たちに対して、とりわけ消費者保護の経企庁、そういう直接の所管の官庁の見解ですね。通産省同様に強い決意を持って、被害者の救援、救済、さらには新たな被害者を防止するための相連携した対応をする考えをここで示してもらいたいと思います。まず経企庁からお聞きしたいと思います。
○里田説明員 私ども消費者行政を総合調整するという立場、さらに消費者の利益を守って増進していくという立場から、従来とも消費者保護会議に基づきましてこういう施策を推進してまいりましたけれども。豊田商事に関しましては、もはや放置できないというゆゆしき事態になっておりますものですから、特別に関係の深い五省庁に集まっていただきまして、十日に対策会議を開いたわけでございます。この豊田商事というのは、先生も御案内のとおり非常に巧妙な商法でございまして、現行法の適用が非常に難しいのでございますけれども、ひとつここで現行法で一体どこまで適用できるのだろうかということにつきまして、今早急に最終的な詰めを急いでいるところでございます。
 それから、消費者の啓発につきましては、私どもの所管しております国民生活センターで実名入りで啓発を行うということを決めてございますけれども、さらに、早急に地方に約一億円ほど交付金を回しまして、速急に各県独自に老人向けのパンフレットをつくってもらうことにお願いしてございます。こういうことを通じまして積極的に消費者の啓発といいますか、そういう被害の防止について当たっていきたいというふうに考えてございます。
○井上(一)委員 経企庁が一億円もかけてパンフレットをつくって、いわゆる買い手側の注意を喚起するというようななまぬるい対応で、この問題の解決にはならぬということなんです。通産省が今言ったように乗り込んででもやるというぐらいに、実態調査に各関係省庁が協力をしてやっていかなければいけない。聞くところによると、警察庁も全国で既に十一件、十四名を検挙した。警察庁も全国に指示して、その実態調査に今一生懸命になっておるわけです。問題が解明すれば、すぐさまどっと一遍に俗に言う網が打てるというような態勢を警察庁はやっているわけです。経企庁はなまぬるい。そんな対応でいいと思っているのか。そんなことではいけない。だから、消費者の救済、保護についても万全の対策を講じながら、一歩進んだ行政指導を、法によって動くというのは当然のことであって、むしろ法律の後ろ盾以前の問題として、社会常識、社会通念の中でこの問題に取り組んでいかなければ、この問題の解明には当たらぬわけなのです。
 だから、そういう意味で私の聞きたいのは、そういう法がどうだこうだということを今日考えている、そういう時期ではない、あらゆる英知を素早くここに結集しなければ、このような商法が、豊田グループだけでなく、どんどんと新たに社会問題として起こってくる可能性があるわけなのです。それではもう既に遅いし、行政というのはそういう後手後手に回るようでは本当の行政ではないし、まさにそういう観点から経企庁あるいはそれぞれの関係省庁がしっかり心してこの問題に対応していかなければいけない。大変失礼だけれども、今の答弁では私は不満足だし、そんな答弁を繰り返しするからこの問題は解決しないのです。関係六省庁大変御努力をいただいているけれども、そういうことについてもう一度原点に戻った、国民の暮らしを守るための行政を考えなさい、こういうふうに私は強く指摘をし、反省を促します。
 大蔵省にも一点聞いておきたいのだけれども、聞くところによると、資産の分散、海外への流出、あるいはいろいろな面でこの企業がはらんでいる問題で、大蔵省所管の問題があるのではないだろうか。大蔵省に言えば、恐らくまた出資法云云という答弁をするかもわからぬけれども、そんなことを聞いておりません。豊田商事、豊田グループの実質的な資産の状況なんかも十分把握しているのかどうか、あるいはこれだけ世間を騒がした企業の財務状況というのはそれにふさわしいものであるのかどうか、そういう点について大蔵省の認識を私はここで聞いておきたい、こう思います。
○村本政府委員 私は国税庁でございますので、今御質問の趣旨に適合いたしました答弁をできるかどうか、必ずしも自信はございませんが、国税庁の立場として申し上げますと、国税当局の方といたしましては、国会で論議されておりますような事柄、新聞等で報道されておりますような事柄を含めまして、広く資料、情報を収集いたしまして、また、その法人から提出されました申告書、そうしたものを総合的に検討いたしまして、課税上問題がある、こういうふうに認められます場合には実地調査を行うというようなことなどをいたしまして、適正な課税に努めているところでございます。
 お尋ねの豊田商事あるいはその関連グループ法人の取引に関しましては、今日大変大きな問題になっておるということは私ども十分承知をいたしているところでございます。本件につきましても、そういった観点から適切に処理をいたしているところでございますが、今後とも申告の状況等をよく見まして適切に対応してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○井上(一)委員 せっかくお答えをいただきまして、すべての答弁にはならないわけでありますが、いわゆる税務関係の範囲ということについてはありがとうございました。一般論ということではありますけれども、特に世間を騒がしている企業であるという認識を前段に持っていただいての取り組みが必要である、こういうふうに私は思うので、この点も私の意見として申し上げておきます。大蔵省のこの問題についての基本的な認識を私は聞きたかったわけでありますが、政府委員が今来ていないということだから、最後に譲ります。
 それでは次に、私は運輸省についてお尋ねしていきたい、こういうふうに思うのです。
 過日、近畿運輸局管内で、大型トラックについてのナンバープレートの封印取りつけをディーラーに任していたという問題が指摘されたわけでありますが、このことについて当局はどういう認識を持ち、今後どのように対応していこうとされているのか、この点についてお聞きをしたいと思います。
○神戸説明員 お答えいたします。
 先生今御指摘の封印の件でございますけれども、封印そのものというよりも、それに絡んで不正改造車というような問題が発生しているわけでございまして、そういう問題の対策としてどうするかということで、私どもとしましては、封印の行使委託者に対する業務を適正にし、また封印時に大型トラックにつきましては現車確認というような処置をとってまいりたいと思っている次第でございます。
○井上(一)委員 現車確認はだれがどこでやるのですか。予備検査を受けた大型トラックはだれがどこでやるのか、そのことは答えに入っていませんが、どうなんですか。
○神戸説明員 答弁が足らないところがありまして、おわび申し上げます。
 封印の際の現車確認につきましては、現在の陸運支局あるいは自動車検査登録事務所におきまして、封印時にうちの職員で現車を確認したいと思っております。
○井上(一)委員 さらに、不正改造車両について車検の保安基準適合証を交付したとして、兵庫県警が過日、浪速いすゞモーター八尾営業所、さらには弥刀自動車工業の自動車検査員を逮捕したわけなんですけれども、このことについて運輸当局はどのような行政指導というのでしょうか、どのような対応をされたのか、このことについても聞いておきたいと思います。
○服部政府委員 お答えいたします。
 先生御承知のように、この浪速いすゞモーター及び弥刀自動車工業でございますが、現在警察当局が捜査を行っているところでございまして、責任者である検査員は逮捕されておりますし、一切の関係書類は押収されているという状況にございます。私ども運輸省サイドといたしましても、もとよりこの問題には重大な関心を持っておるわけでございまして、現在も警察当局と密接な連携をとっておりますけれども、そういった検査員が戻ってくる、あるいは押収された書類が戻ってくるといった段階におきまして、私ども監査等の手段を通じまして事実関係の把握をいたし、その上に立って、法令に照らして適正な処分、厳重な処分を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○井上(一)委員 違反事実の確認は、もう既に終えたわけですね、これは。
○神戸説明員 お答えいたします。
 違反事実につきましては、警察当局の方から、そういう疑いがあるということで私ども承知はいたしておりますが、それ以外にもあるのかどうか、どこまでの範囲をやっているのかというようなことについてはまだ確定しておりませんので、捜査当局と連携をとって、検査員が帰り、また書類が返ったときに、改めてどこまでの範囲をしたのか、そういうような確定するような監査をすることで準備をしているところでございます。
○井上(一)委員 運輸局としては、独自の違反事実への調査というのでしょうか、そういうことは全くしてないわけなんですか。
○神戸説明員 先ほど局長の方からもお答えしましたように、検査員が帰り、書類等が返ってそういう範囲が確定できる段階で、特別監査ということで運輸局として独自の調査をする予定でございます。
○井上(一)委員 私は、運輸行政がいかにずさんであるかということを、むしろこういうことをも含めて、さらに強い行政指導というのでしょうか、そういうものが必要なんですけれども、書類が押収されている。それは、具体的な犯罪の立証ということについては警察、司法当局がちゃんとやられるわけなんですけれども、行政である運輸局が何らこれの調査、実情を十分把握できないという。なぜできないのか、そんなこともやはり一言で言えば、ずさんな運輸行政であるということになるわけです。
 まず、さらに報道によって指摘をされたことを確認をしながら、まとめてまたそういう点も聞きますが、近畿運輸局の整備課長をしていた人のお兄さんが経営する会社が、三百台無検査でパスをして、実質的には五十四年から三年間、実績ゼロであるにもかかわらず車検指定を受けていた、こういうことも報道されているわけです。これは事実なのかどうか、まずそこから聞いていきましょう。
○服部政府委員 私どもの近畿運輸局の整備課長の兄に当たる人が指定整備工場の経営に当たっていたということは事実でございますが、新聞報道の事実関係につきましては、現在もなお調査を続行中でございまして、この段階で明確な御答弁はいたしかねる状況にございます。
○井上(一)委員 現在、調査が続行中というのは、じゃ途中経過としてどこまでお調べになったのですか。
○服部政府委員 大変どうも、私、御趣旨を取り違えまして、誤った御答弁を申し上げました。
 この関係の事業所につきましては、既に昭和五十九年十月一日に聴聞を行いまして違反の事実を確認しまして、同年十月九日付で指定整備工場の取り消し及び自動車検査員の解任を行ったところでございます。
 大変どうも、答弁誤りで申しわけございませんでした。
○井上(一)委員 指定取り消しは、いつの十月九日ですか。
○服部政府委員 昨年、昭和五十九年の十月九日でございます。
○井上(一)委員 じゃ、報道されていたことは事実なんですね。
○服部政府委員 遺憾ながら、事実でございました。
○井上(一)委員 この件については、事件が明らかになる以前から、同業者の間から指摘があったように私は聞き及んでいるわけなんです。いわば何年も前から指摘があった。そして運輸局は、その間何回か立入検査をしているわけなんです。何回立入検査をされたんでしょうか。
○神戸説明員 工場に対する立入検査は、六回行っております。
○井上(一)委員 その間、何か問題を指摘されましたか。
○神戸説明員 立入検査の結果につきましては、事務的な取り扱い等について警告処分をいたしておりますし、また、先ほど御答弁申し上げました五十九年十月九日の処分以前にも、五十八年の七月二十二日に保安基準適合証の交付停止という処分を六十日間行っております。
○井上(一)委員 その警告処分なり指摘事項を忠実に守り、かつまた、行政指導に対応されてきた工場なんでしょうか。
○神戸説明員 先生御指摘のように、今回、その後、指定工場の取り消しという処分をしたわけでございまして、的確な運営がなされてなかったということで、遺憾に思っている次第でございます。
○井上(一)委員 そういうふうに素直に遺憾だ、的確な指導がなされてなかったということを言われれば、その反省を次への検査あるいは指導に生かしてもらわなければいけないわけなんです。
 この会社では、車検ライン、いわゆる大型車が入れないような設備でもあったと私は聞いているわけなんですが、何回検査してもそういうことが見抜けぬような検査だったら、これはまさに今、行革でいろいろ言われている中で、こんなずさんな検査をして、いや、運輸行政は立派にやっておりますと胸を張って言い切れるのだろうか、どうか。いわゆるそういう検査をし、あるいは監査に職員が行く場合に、今までどうしてきたのか。業者団体である自動車整備振興会の差し回しの車で、いわゆる監査に出かけていっていた、これは事実なんですか。いつごろからいつまでそんなことをやっていたんですか。
○神戸説明員 お答えいたします。
 近畿運輸局におきまして、指定整備工場の監査に当たりましては、公共輸送機関を利用することを原則としておりますが、交通が極めて不便な地域に工場が散在しているような場合に、監査の能率をできるだけ高めたいという背景もありまして、整備振興会に案内をしてもらっていたところであります。これは三十九年の発足以来でございます。そして、大阪府におきましては、このようなことが業務の適正な執行を図る面から好ましくないということで、大阪支局におきましては、昭和五十七年二月以降そのようなことを全廃しているわけでございます。
○井上(一)委員 いや、もう全くあきれるわけなんですね。もちろん、監査というのは事前に通告しているのでしょう。
○神戸説明員 当該事業者には無通告で監査を行っております。
○井上(一)委員 大臣、後で大臣の所見を聞きますが、監査をしますよと業者には通告するわ、業者差し回しの車でそこへ行くわ、こんなもの何の監査ですか。なれ合いもいいところじゃないか。問題が起こって当然だと私は思うのです。現場の検査官がまじめに一生懸命やっても、幹部職員がこんなことをやっておったら、運輸行政なんというのは、もう本当に私は愛想尽かしたい。いろいろ問題があるわけですけれども、本当にこれはなれ合い検査もいいかげんにしなさい。こんなことをして、何が監査指導、行政指導なのか。問題が起こるべくして起こった。私は、厳にその綱紀を粛正し、みずからを戒めながら適切な行政指導というものが必要である、こういうふうに思うのです。とりあえず大臣、今のこの質疑を聞かれておって、まずここで一度大臣の所見を聞かせてください。
○山下国務大臣 たとえ末端の行政事務に関してのことでございましても、ただいまの質疑を拝聴いたしただけでも、私は大臣として非常な不快感を禁じ得ないのでございます。たまたま今行政上のいろいろな問題について、我が省においてそれぞれチェックをしながら検討の段階でございますので、この問題は十分ひとつ参考にして今後に処してまいりたい、かように思っておる次第でございます。
○井上(一)委員 これはいかになれ合いであるかというようなことは、近畿のある自動車整備振興会の整備業界をよくしていきたいという人たちの組織でこういうことを書いています。「一回の理事会で会館を使用した場合でも三十二、三万円の費用が消えます。一年の間に四、五回の理事会の内、三、四回は一流ホテルで開催されますがホステス、舞妓、芸妓を招いて飲んで喰べての大散財です。会議中静かだった人達も俄然元気になります。理事会とは名ばかりの慰安会です。交通費に宴会費と花代と膨大な無駄遣いとなります。」とか、あるいは近畿運輸局の今回の不祥事件に対して、「とても現在の車輌制限法では考へられない奇妙奇天烈なトレーラ車体が時として横行している」、これは後で言いますが、トレーラーの車体の改造の問題でありますが、「業界筋では運輸行政の下での規制でこんなものが許可されているのか不思議」に思っているという。業界筋も含めて、まさに「経済社会の活動をジャマしているのであり、消費者である国民の利益を侵していることになる。」そういうような声があり、癒着の運輸局に徹底的なメスを入れてほしいということで、京都市の金島さんという方が、ある新聞の声の欄にみずからの意見を書かれているわけなんです。
 なぜこんなことが起こったのか、さっきも指摘したように、車を改造して、それが法に触れるのを見逃がしてきたという、そういう事実関係、あるいは今一、二具体的に御指摘をした問題点、なぜこういう問題が起きたのか、そういう点についてはどういう認識をなさっているのでしょうか。
○服部政府委員 私どもといたしましては、各職員の公務員としての良心というものをもっと強く信じたい気持ちでいっぱいでございますが、ただいまのような御指摘を受けましたこと自体、大変不面目でございまして、遺憾千万に存じておるところでございます。
 とにかく、こういった車の安全とか公害問題に関連します業務というのは、ほかの業務にも増してその厳正な執行ということが要求される業務でもございますので、私どもこの機会に、改めまして綱紀の弛緩することのないよう、厳に各出先運輸局を督励して、今後の適正な業務運営に当たるように指導を強めてまいりたいというふうに考えております。
○井上(一)委員 私は、今のそういう決意、みずから綱紀を粛正し、気の緩みを正していこう、そういうことは当然必要であり、そのことは第一にやってもらわなければいけないことだと思うのです。
 さらにもう一点、今日まで予備検査制度というのがあるわけなんですね。その予備検査制度を、悪く言えば悪用してということになるのですが、予備検査制度を利用して、検査後、不正改造を行っている。予備検査ではエンジン部分と平ボディーぐらいで、一番最初に現車確認をせずに通過さすわけですから、それが今度不正改造されていく、そういう盲点もやはり検討に値するのではないか。そういうことがさらに交通安全上の問題としてもいろいろ引き起こしている。だから、まず第一点、予備検査制度の見直しというのでしょうか、それをうまく利用して、心ない、いわゆる善良な人たちでない人たちによって悪意を持って故意に車体が改造されて、そこにいろいろと問題を起こしている、この予備検査制度というものにも目を当てていくべきではないだろうか、私はこう思うのです。その点はどうなんでしょうか。
○服部政府委員 先生御指摘の予備検査制度でございますが、現在は年間十一万件を上回る予備検査が行われております。これは釈迦に説法でございますが、ユーザーが新しく自動車を購入しようとするに際しまして、自分が買おうと思っております車が、果たして安全とか公害の面での国の基準に適合するものであるかどうかというふうな不安感があるわけでございますけれども、それを取り除きますために自動車販売業者が、その自動車が商品であるうちにあらかじめ国の検査を受けて、その車が国の安全、公害基準に適合しているということを立証することができるようにということで、基本的には一般消費者の利益のために設けられている制度でございます。
 ただ、こういったケースでは、先生御指摘のとおり、販売業者の手元にある間にあらかじめ国の検査が終わるわけでございますから、悪質な販売業者が介在するような場合に、不正改造が行われやすい可能性というものもあわせ持っていることは御指摘のとおりでございます。
 私ども、今回の報道あるいは先生の御指摘にかんがみまして、今後この予備検査制度が決して悪用されることのないように努力をしてまいりたいと考えておるわけでございます。特に近畿運輸局におきましては、既に販売店等に対しまして不正改造防止について改めて強い指導徹底を図ることといたしておりますとともに、予備検査を受けました車両は登録を受けなければなりませんけれども、登録を受ける際に再度その場で現車の確認を行って、不正改造の有無を確かめるという方針を決めまして、こうした措置をとることによりまして、予備検査制度の本旨に従った適切な運営が図られていくように鋭意努力してまいりたいと考えておるところでございます。
○井上(一)委員 私は、近畿運輸局では不正改造防止対策を徹底指導するんだ、そういうことはもちろん必要だと思いますけれども、さっきも言ったように、今どき完全にボディーをつけずに道路を走る車なんて考えられないわけなんですよ。そんな業者がどこにおるのか。現車でちゃんとしたもの、完全なもので車検を受けるべきである。そういう意味では、改造した業者が悪いねんというような認識ではなく、むしろそういう改造ができないように行政の中で取り組んでいかなければならない。そういう意味から、時間がかかるかもわからないけれども、予備検査制度は見直していくべきだ。
 今の話だったら、予備検査をして、またさらに、二重に現車確認をしていく。これは行政改革には逆行するわけであるし、むしろ最初からちゃんとしたものがちゃんとした場所で車検を受けられるように、確認のできるようにするのがいい。予備検査をし、それをもう一回見るというのは二重的な行政の手をくぐるわけで、予備検査制度を見直すべきではないだろうか。今ここで、どういうふうに見直していくか、そこまでは入りませんが、こういう問題が起こった背景というのは、予備検査制度の盲点を突かれた、こういう理解を私はしているのです。いかがなものですか。
○服部政府委員 予備検査制度に関します先生のただいまの御指摘は、まことに多々示唆を含んでおるものでございますが、先ほどもちょっと触れましたけれども、この予備検査制度というのは、反射的にはディーラーの利益にも働くものでございますが、その本旨とするところは一般消費者の利益でございます。したがいまして、この予備検査制度を見直すということでございますが、これを廃止するということはもとより問題が余りにも大きゅうございますので、廃止の手前の段階での見直しということも含めて、今後の検討課題にさせていただきたいというふうに私ども思っております。
○井上(一)委員 私は、念のために各運輸局別の登録台数とそのうちの予備検査台数、これを少し報告を願いたいわけです。私の方にいただいたのですが、特に近畿と中国、これの比較だけを数字をもって示してください。
○神戸説明員 お答えいたします。
 予備検査の件数につきましては、先ほど局長の方から御答弁申し上げましたように、五十九年度をとりますと、全国で十一万七千七百余件になっておりますが、近畿におきましては、そのうち四万七千百六十一件でございます。中部が次に多うございまして、四万四百何件ということでございます。それから、中国が約三千件弱、二千八百九十五件という形になってございます。
○井上(一)委員 保有車両についても、近畿、中国、中部と教えていただけますか。
○神戸説明員 失礼しました。答弁が足りなかったことをおわび申し上げます。
 車両数につきましては、五十九年度で四千六百万余両でございますが、近畿におきましては約六百五十六万、中部が七百六十四万でございます。中国が三百二十三万という状態でございます。
○井上(一)委員 どうして今の数字を対比したいかということは、おわかりのように、保有台数は近畿よりも中部の方が多い、しかし、予備検査においては近畿の方が上回っている。さらに近畿と中国を比べると、保有台数は近畿が中国の倍近くになる、ところが予備検査では中国が二十分の一、近畿は二十倍である。まさにこれを見ても、近畿運輸局の仕事のずさんさが証明される。近畿運輸局の予備検査でいかに目こぼしが多かったかということも、私は大体この数字を見ても想像できるのだ、こういうふうに思うわけなんです。さらに、そういうふうに車体を改造して町を走ると何が起こるか。いろいろなトレーラー事故、きょうも起こっています。死傷者も出ています。積載をオーバーしていく、たくさん積めるようにした過積載運行が交通安全上非常に危険な状況になっているし、むしろそういう意味では、そういうことを見逃してきた運輸行政、運輸当局にも、交通安全上の責任は半分以上ある。車体を改造した悪質な大型車の交通事故というものは、そういう意味では運輸省が半分以上その責任を負うべきであって、交通事故は警察の範疇だというような認識には、私は立てない。
 そういう意味から、そのように不正改造をし、過積載をして道路運送をしていた企業に対して、運輸当局は今後どういう対応をしていこうとされるのか。さっき豊田グループの商法では、通産は、もし行政指導に従わない場合には立ち入ってでも営業を停止させる努力をする、こういうふうに非常に積極的な意思を示されたのだけれども、これは運輸省は法律的にでも立ち入ってぱんと調査して、それ相応の行政処分をしていかなければいけないわけなんです。交通事故だから警察に任しておいたらいいという問題でないわけです。そういう点についてどういう対応をしようとなさっているのか決意を聞いておきたい、こう思います。
○服部政府委員 不正改造車が過積載等の問題を通じていろいろな事故の原因にもなっており、さらにそうしたことを通じまして地域社会に迷惑をかけているということは、本当に残念なことでございます。私ども今回の事態を踏まえまして、改めてこういった不正改造車の根絶に向かいまして、近畿の運輸局を中心に、全国の運輸局職員を督励いたしまして、この問題への抜本的な対応を図ってまいりたい考えでございます。
○井上(一)委員 違反事実を発見した場合には、その企業に対して立ち入りをして事実関係をさらに調査をするという、それぐらいの強い決意を持っているのですか。
○服部政府委員 御指摘のとおりの方針で臨んでまいる覚悟でございます。
○井上(一)委員 さらに、きょうは警察庁からもお越しをいただいているわけなんです。違法改造をした大型積載違反車の取り締まりについて、当局はどういう対応をなさっていらっしゃるのか、今後どう対応されるのか。今私の質疑で私が指摘したいことが理解をしていただけたと思いますが、全国的にその積載不適当の原因等による交通事故の発生件数、特に近畿はどれくらいあるのか、そういう意味で、大型積載違反車の取り締まりの今後の対応についてここで聞いておきたいと思います。
○山崎説明員 お答えを申し上げます。
 初めに、事故の状況でございますが、御質問の過積載違反に限定した統計は手持ちがございませんので、恐縮でございますが、積載不適当が主原因となった交通事故の発生件数について御報告申し上げます。
 積載不適当と申しますと、積載物の重量、いわゆる過積でございますが、そのほか、大きさ、積載方法の制限違反、制限外積載許可条件違反、積載物の転落防止措置義務違反等を含んでおります。
 昭和五十九年中の全国における事故の発生件数は三百八十六件でございまして、これを管区警察局ブロック別に見ますと北海道が十一件、東北が四十五件、東京が七件、東京を除く関東が百十五件、中部が二十六件、近畿六十件、中国三十五件、四国二十三件、九州六十四件となっております。
 また、近畿管区内の府県別の発生件数でございますが、滋賀県が二件、京都府十件、大阪府二十五件、兵庫県十一件、奈良県四件、和歌山県八件ということでございます。
 私ども、この過積載の違反というものは、重大な交通事故の原因となりますし、また市民生活の平穏を害する騒音であるとかあるいは振動といった発生源にもなっておりまして、その取り締まりを強化をいたしておるところでございます。逐年、取り締まり件数も増加をいたしております。今後とも超過重量の多いものなど悪質、危険なものに重点を置きながら、効果的な取り締まりを推進をしてまいりたいと思っております。
 また、今の御指摘の改造車両でございますが、これについても私ども取り締まりを推進をしておりますけれども、今後とも関係法規を適用しまして、所管行政庁と連絡をとりながら、積極的に適切な対応をしてまいりたいというぐあいに考えております。
○井上(一)委員 いろいろと大臣、指摘をしてまいりました。先ほども大臣の中間的な所見を承ったわけですが、運輸行政のたるみあるいはさらなる新しい現代に適応した行政指導というのが必要になってくるわけであります。特に七月からは車検の三年更新の月に入ってくるわけで、実質的に黙々と今日まで地道に車の整備に関与してこられた中小零細企業の方々にとっては、絶対量が減るわけでありますから生活にかかわる問題であるし、そういう意味では、それらの人たちの保護政策あるいは育成政策も必要であり、そして公正な、公平な、やはり今言った一、二の癒着した便宜供与を図るような整備業界の姿ではなく、本当に正しい行政というものを的確に示していただきたい。
 さっき局長からも反省の弁がありましたけれども、大臣から最後に、すべてまとめてひとつ大臣の所見を承って私の質問を終えたい、こういうふうに思います。
○山下国務大臣 御承知のとおり、今国が持っております許可認可事項は約一方でございますが、その中の二千二百数十件というものが運輸省でございます。大変に多い。そこで、昨年の七月以来行政機構の改革も率先して運輸省は行いましたし、また、これらの許認可の一件一件を今チェックしている段階でございます。
 そこで、その二千二百数十件の中で最も多いのが自動車関係でございますし、その自動車関係の中でも安全に関する許認可が一番多いのでございます。すなわち、安全が自動車行政の中の一つの中心であるという証左であると思いますが、今御指摘のございましたこの整備あるいは車検というものは、この安全に直接密接な、非常に深い影響を及ぼす問題、それにこのようなものが起きるということは、私は運輸行政の根幹の問題として厳しく受けとめなければならぬと思っております。
 先ほど来質疑を拝聴いたしまして、警察だけではなくて、これから運輸省もきちんとやれよという、そのとおりでございます。今月の六月、七日に開かれました各運輸局の整備部長会議でも、今列席いたしております地域交通局長からこの問題については非常に厳しく訓示を行っておりますし、ただ単にそういうことではなく、またこれは今回は近畿で起きましたけれども、これは近畿だけではなくて全国的な問題だぞ、こういう受けとめ方で今後この問題にひとつ対処してまいりたい、かように思っておる次第でございます。
○井上(一)委員 終わります。
○安井委員長 次に、中村重光君。
○中村(重)委員 通産、運輸両省に対していろいろお尋ねをしたいことがあるのですが、今井上委員から豊田商事の問題について質疑が行われて、それに対して答弁があったわけですが、それを聞いていると、私は政府のなまぬるさというのに非常な憤りを実は感じるのです。今ごろ通産、大蔵、経企の三省の連絡会議を開いて対応策を考えようなんということは、何をしているんだと言いたいのですね。
 豊田商事の悪徳ぶりというのは、金のブラックマーケット、あの当時にさかのぼるのですよ。あの当時かられつきの商社であった。それを知らないはずはないですね。それから、今の金を見せてこれを買いなさい、現物は渡さない、預かり証だけを渡す、この行為が昨年、一昨年から相当ひどくなった。昨年というより一昨年ぐらいからですが、いろいろ情報を提供しているというような者に対して、脅迫まがいのことを彼は言ってきたのですよ。
 私も、この問題について昨年の特別国会のときに質疑をしようということで、予定をしておったんですが、党務によって出張ということになりまして、同僚の上坂君にこの問題を取り上げてもらったことも実はある。私はある程度調査もしているのですし、それから昨年なんかも、豊田の行為に対して訴えがあって立ち入りの差し押さえ処分といったこと等をやったことがあるのです。ところが、全然金がない。だからこれは明らかに詐欺行為だということはわかっていたはずなんだ。
 にもかかわらず、今度商工委員会と物特の方でこの問題を取り上げて、マスコミもこれを積極的に報道するということになって、大きな社会問題と実はなってきた。そこで急遽十日に連絡会議をいろいろ開いて、そして今私は新聞記事を見ているのですし、資料を取り寄せたり、それとまた今のお答えを聞いていたんですけれども、どうしてこうあいまいな態度に終始しなければならぬのだろうか。
 刑法の詐欺罪だって、これは適用できると私は思いますよ。金を買いなさいと来るんだから。そして現物を渡さない。現物をくれと言っても、いや、これはこちらの方で預かります。預かり証だけですね。そして解約にも応じないのです。そして金はないのです。これは差し押さえ処分を一度やろうとして、先ほど申し上げたようになかったんだから、こういうことに対してなぜに詐欺罪が適用できないのだろうか。これは私どもの常識では実はわからない。
 それから、出資法の第二条の「預り金の禁止」の規定、これは大蔵省ですね、これだって対象になるんじゃありませんか。先ほど申し上げたように現物を渡すのであれば、これは「預り金の禁止」の規定の対象にはならぬと私は思う。しかし、預かり金の禁止、金は金でもこれは本当のお金のことですから。そうでしょう。現物を渡さないでお金を預かる、そういうやり方の商法なんだから、したがって、出資法第二条の「預り金の禁止」の規定の違反ということになるんじゃありませんか。いわゆる業として不特定多数の者から預かり金を取ってはならない、こうある。これがどうして対象にならないんだろう。
 先ほど申し上げたように、詐欺罪も適用できようし、取り締まりができようし、それから出資法第二条の「預り金の禁止」の規定にも触れる、私はこう思うのであります。これに対してそれぞれお答えいただけませんか。たくさんありますから要点だけを。これはあいまいにすると、妙にシロだなんということになってくると、豊田は悪徳商法ですから、国会で御議論したけれどもどうも答弁がはっきりしなかった、シロだなんということになれば、またきょうからがたがたやりかねない。だから、シロだなんという答弁がここで出ようとは私は思わない。ひとつはっきりお答えください。
○松尾説明員 お答えいたします。
 豊田商事の件につきましては、現在大阪地方検察庁におきまして詐欺罪等の告訴事件がございまして、現に鋭意捜査中でございますので、ここで私からその詐欺罪が成立するあるいはしないというような具体的なお答えをいたしかねますので、御答弁はいたしかねるところでございますが、一般問題で言いますと、企業の活動の形態をとります詐欺事件につきましては、単純な詐欺事件と異なりまして関係者が多数おるということ、あるいは企業の活動の形態をとっておりますので、その企業の実態、資産あるいは負債の内容、あるいは指揮系統といいましょうか、あるいは本店、支店が多数ある場合にはその相互間の連絡とか、そういういろいろ捜査上の隘路がございまして、なかなか難しい問題もございます。
 現在、大阪地方検察庁でそれらの諸点も含めて鋭意捜査しているところと承知しておるわけでございますが、具体的にどの段階であるのかということ等につきましては、御答弁いたしかねるところでございます。
○北村説明員 お答えいたします。
 御質問の御趣旨は、いわゆる出資法第二条「預り金の禁止」の規定との関係というふうに理解いたすわけでございますが、出資法第二条は、法律によりまして預かり金をすることが認められている者以外の者が預かり金をする、そういうふうなことを禁止しているわけでございます。
 この預かり金とは、預金と同様の経済的性質を有するものというふうに解されているわけでございますが、御指摘のような現物の裏づけのない金取引につきましては、預金と同様の経済的性質を有するものであるかどうか、その取引につきまして会社の勧誘行為の実態及び資金拠出者の認識等検討いたしまして、慎重に判断する必要があると考えているわけでございます。
○中村(重)委員 詐欺罪の問題だって、それはいわゆる人権問題であるのだから慎重にやらなければならぬということはわかるのですよ。出資法の問題だって今のようなことだけれども、私が今申し上げた業として不特定多数の者から預かり金をしてはならないということ、これはまさに私が指摘したとおりに解釈できるはずなんだ。端的に私が言っている、現物を渡されないで金だけを渡す、そして解約を申し込んでも解約にも応じない、取りっ放し、そしていろいろ調べてみるとその金は豊田商事は保有していない。このことから考えてみると、これはまさしく詐欺罪であり、出資法第二条の「預り金の禁止」の規定、これの対象になる。
 同じようなことを繰り返すようだけれども、どうも慎重ということは、私はその答弁をとがめ立てはしないのだけれども、人権問題ということから慎重であることはわかるのですよ。しかし、余りにも明確な問題、こんな大きな社会問題になって、そして先ほど矢橋さんからお答えになりましたようなたくさんの被害者が出ている実態、それは村田通産大臣が言ったように、しかも六十歳以上のお年寄りがほとんど泣かされている。こういうことを考えてみると、もう政府のなまぬるい態度にいら立ちを感じるのですよ。だから、もっとずばり答えてください。
○村田国務大臣 先ほど井上委員の御質問に対しまして私から明確なお答えをしたわけでございまして、その決意で臨みます。
○矢橋政府委員 先ほども井上先生に御答弁申し上げましたように、ただいま先生御指摘のいろいろの法律の適用関係も含めまして、現在経済企画庁を中心といたします六省庁連絡会議で検討をしている、そういう段階でございます。まだそこではっきりとした結論らしきものは出ておりませんけれども、今検討中である、こういう段階でございます。
○中村(重)委員 矢橋さん、あなたが現在の担当者になる前、商工委員会で上坂委員からこの問題が取り上げられているわけだ。通産省はこれに対してどう対応したのですか。
○矢橋政府委員 この問題は、金が商品取引所法の指定商品になりまして以降、国内での先物取引が禁止されるという状況下で、いわゆる金の現物まがい取引として行われるようになったわけでございます。そのことについては、先ほど来先生御指摘のように、かねてから御指摘があった商法であるということはそのとおりでございます。そこで、先ほども御答弁申し上げましたけれども、私ども通産省といたしましては、二つの点にポイントを置いて対策を進めてきたわけでございます。一つは、消費者が現金と引きかえに安心して金地金を購入することができるような体制をつくることが必要であるということから、昭和五十四年十二月に社団法人日本金地金流通協会の設立を許可いたしまして、同協会内に登録店制度を設けるといった対策をとってきたわけでございます。いま一つは、一般消費者に十分この商法の実態、仕組みを認識していただくために、いろいろなマスメディアを使いまして消費者PRに努めてきたということでございます。
 これは今日までやってまいりました対策でございますが、いずれにいたしましても、この問題は関連する省庁も多うございます。さらに、これも先ほど申し上げたことでございますが、このような商法は金地金だけでなくて、例えばゴルフ会員権にまで及んでいるような状況でございまして、こういう商法に対しましては、消費者保護の見地から幅広い観点に立った対応が必要であると考えているわけでございまして、一昨日、六月十日、経済企画庁を主宰者とする関係六省庁の連絡会議が開かれることになりまして、そこで当面の対策について鋭意検討するという段階になっているわけでございます。
○中村(重)委員 北村企画官、私が出資法第二条に触れる可能性ありということを申し上げましたが、その可能性あり、疑い十分だ、疑いありという考え方には同じような考え方でしょうね。いかがですか、もう一度。
○北村説明員 お答えいたします。
 この段階で断定的なお答えができないわけでございますが、疑いはあるということを含めまして慎重に検討しなければならない問題であるというふうに理解しております。
○中村(重)委員 それから、訪問販売法の規制対象に金は入っていないわけだ。これを検討して金を追加する必要があるだろうと私は思う。これを追加されると、クーリングオフというようなことになる。問題は、これが生活用品であるかどうかということにひっかかるのだけれども、しかし、これは強引な訪問販売をやっていることは事実だ、我々のところまで、議員宿舎にまで電話がかかってくるのだから。所構わず、じゃんじゃんうるさいように電話戦術をとっている。我々の選挙のときもいろいろ電話は法になにするとしかられるのだけれども、余り法に触れないからといって電話戦術をやると、我々の選挙のときなんかの電話戦術どころの騒ぎじゃない。実にひどいものだ。ここにおられる人たちも、豊田商事からの電話戦術にひっかかって、うるさいなとお感じになった方がたくさんいらっしゃるのじゃないですか。この訪問販売法の規制対象に金を追加することについて、検討しますか。
○矢橋政府委員 現行訪問販売法におきましては、先生ただいま御指摘のように、政令指定の要件といたしまして、「主として日常生活の用に供される物品」とされているわけでございます。そこで、金のようないわゆる投機的な商品につきましては、普通の考えではなかなか指定がしにくいものだと考えているわけでございます。
 なお、追加して申し上げますと、訪問販売法は、ただいま申し上げましたように日常生活用以外の物品にかかわる取引に加えまして、商行為をも適用除外としております。
 この趣旨は、一般消費者が普通の日常の消費生活を営む上でのトラブルを防止しようという趣旨であると考えられるわけでございまして、そういった見地から、金のような投機的な商品にかかわる取引は、この法律の適用対象にはなじみにくいものではないだろうかと現状では考えております。ただ、御指摘のように非常な重大な社会問題を惹起しているわけでございますので、その点は今後の検討課題にさせていただきたいと思っているわけでございます。
○中村(重)委員 それから商品取引所法第八条、これは例の法制局の逆転解釈によって非常に難しくなったのだけれども、先物取引市場の類似施設の禁止規定というのがあるわけですね。ところが、豊田商事の場合は現物まがいだから先物取引ではないというところに、ずばりこれが対象になるのかどうかというところに問題があるのだけれども、申し上げたように現物は渡さないのだ、現物まがいだけれども現実には現物を渡さない。ですから、先物取引の方が商法としてはウエートが強いわけだ、豊田の場合は。だから、これも商取法第八条の先物取引の一環というような形で検討してみる必要があるのじゃないか。現物を渡すというようなことでやっているから、現物まがいだから先物取引ではない、しかし、実態は先物取引と同じようなやり方をやっているんだから、このことも研究の対象となり得ると私は思う。これはどう思いますか。
○矢橋政府委員 率直に申し上げますと、法律の文言を素直に読めば、これは先物にはなかなかなりにくいのではないだろうかと思っております。ただ、念のため研究してみたいと思っております。
○中村(重)委員 時間がありませんから、法務省、この豊田商事の問題は、きのう本店の捜査をやって何にもなかったということがわかった。莫大な借金だ。借金というか、金を隠したりなんかしているんだろうから、本当に借金があるかどうかわからないのだけれども、しかし差し押さえをするために行ってみたところが何にもなかった。したがって、財産と見られるものはそこに存在していない。そして悪徳商法だ。こういうような悪徳商法を世の中に生かしておくということはいかぬ。直ちに解散命令をやる必要がある。そうしないと、政府は国民から、消費者から袋たたきに遭ってしまう、政治に対する不信感はもう極に達すると私は思う。これに対してはどういう考え方ですか。
○宇佐見説明員 お答えいたします。
 商法の五十八条によりますと、解散命令の事由としては三つ掲げてございます。
 一つは、会社の設立が不法の目的を持ってなされたときでございます。これは、教科書などでは、例えば薬屋を看板に掲げているけれども、実際には麻薬の売買を目的としているというような例が掲げられてございます。
 二番目が、これは一定期間会社の開業をなさない、あるいは営業を休止したというような場合でございます。
 三番目が、これは会社の代表者が法務大臣より書面による警告を受けたにもかかわらず、法令もしくは定款に定める会社の権限を踰越し、乱用する行為をした、あるいは刑罰法令に違反する行為を継続または反復したという場合でございまして、三番目の場合は、これは単なる従業員がこういう違反行為をしたということにとどまりませんで、会社の代表者がその代表者としてそういう違反行為をやっている、いわば会社ぐるみで違反行為をやっている、こういう場合であるというふうに言われております。
 問題になっております豊田商事株式会社がこの要件に該当するかどうかということは、現在の時点では申し上げる段階にございませんけれども、ただ、解散命令と申しますのは、会社が公益を害するような行為をしている、そういうことで、その公益を維持するためには会社の存立そのものから否定してかからなければいけないという場合でございまして、いわば最後の手段であるというふうに言われております。
 そこで、刑罰法令に従いまして会社の代表者を刑罰に処するということができる、あるいは業法に基づきますところの監督あるいは行政指導等によりまして違法措置を是正できる、こういうような場合につきましては解散命令の発動は許されない、こういうふうに解釈されております。
 で、現在まだ捜査中である、あるいは行政指導ができるというようなことが問題になっている段階でございますので、直ちに解散命令の請求をする、こういう段階には至っていないのではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○中村(重)委員 答弁ということになってくると、今のような答弁というもの以上期待できないのかもしれないけれども、私、心配しているのは、豊田商事の悪徳ぶりを考えると、政府の慎重な答弁を逆手にとってどういうことをやり出すかわからぬという不安があります。
 そこで通産大臣、先ほど矢橋官房審議官、審議官のお人柄にもよるんだけれども、関係省庁、経企庁の呼びかけによって三省が集まって連絡会議を持った。消費者保護ということについては理解できないわけでもないけれども、これは通産省が主管省なんだよ、この問題については。だから、こういうような悪徳商法を許してはならない、存在さしてはならない、こういう考え方で、通産大臣は異常な決意を持ってこれに対処するということでなければならぬと私は思う。そこで、改めてひとつあなたの決意を明らかにしてもらいたい。
○村田国務大臣 中村委員が、各般の法律的な問題から、現物まがい商法、いわゆる悪徳商法と言われるものについて御指摘になりましたことは、こちらで拝聴いたしておりました。まさに私は、中村委員のいかにして民主主義を守るのか、そしてまた国民の生活を守るのかということからいえば、中村委員の御指摘は非常にごもっともだと思います。
 ただ、政府委員の各御答弁があったわけでございますが、これは考えてみますと、自由主義社会あるいは民主主義社会というのは、一人一人の個人的な権利を守るということも非常に重要であるということから、法で担保された自由を保障するということから、政府としての非常に慎重な対応が出ての答弁であると思います。しかし私は、中村委員の御指摘またお気持ちは全くわかるのでありまして、したがって、先ほど井上委員に確固としたお答えを申し上げたはずでございます。
 この通産省としての対応を聞いていただきたいと思うわけでございまして、考えてみますると、例えば経企庁では消費者保護、それから通産省では訪問販売による取り締まり、いろいろ関係各省によってあるわけでございまして、法務省、大蔵省、それぞれ答弁のあったこと、これもひとつ政府の立場として御理解いただきたいと思いますし、また、それだけ民主主義というのは自由の担保せられた社会である。言うなれば、性善説に立って、人は悪いことをしないんだという前提に立っていろいろ考えているのではないかと思われるくらいのところがあるわけでございます。
 それはそれでまた一つの自由主義、民主主義の考え方として、お互いにこれは是認をいたさなければなりませんが、井上先生、そしてまた中村先生、両先生からの御質問の御意図は明らかでありますし、また今までも予算委員会や商工委員会やいろいろなところで御質問があるところでございまして、こういった御質問に対してお答え申し上げておりますのが新聞その他マスコミによって報道されますことは、やはり自由には限界がある、こういった悪徳商法というものには社会的な制裁、世論の制裁というものがある、そういうことを私はマスコミは正しく報道してくれると思うのでございまして、先ほど来申し上げている御答弁によって御了解をいただきたいと思うのでございます。誠意を持って対処いたします。
○中村(重)委員 矢橋審議官、外国市場との先物取引、これも随分問題になっている商法なんだが、香港とのみ行為が相当多いんだろう、大半と言っても私はいいんじゃないかと思う。これも調査をされないと、こののみ行為は、これこそ詐欺罪なんですよ。上場しないでしたようにして、大きな損害を被害者に与えているのだから、それはもう被害者は泣くにも泣けないという実態だから、こののみ行為の防止、正当な商行為を行わしめるということについて監督指導、これをやらなければならぬと思う。これに対する考え方をお聞かせいただきたい。
○矢橋政府委員 のみ行為の実態につきましては、必ずしも私ども全貌を的確に把握している状況ではないわけでございますけれども、重大な問題でございますので、今後よくその実態の解明に努めまして、事案があれば、法令の手続に基づきましてしかるべき措置をとるように努力をしたいと思っております。
○中村(重)委員 いずれ、私がつかんでおる実態をお話をいたします。あなたが今お答えになっておるようななまぬるいものじゃないということだけを申し上げておきます。
 実は通産大臣に、経済見通し、アメリカの景気も鈍化してきた。日本の景気にも陰りが出てきた。そこで、あれほど財政的な措置によって景気回復を図るということに慎重であった竹下大蔵大臣ですら、財政の発動の時期到来というような発言をするというようなことになってきたんです。そういうことで、いろいろ私の意見を交えながら見解をお尋ねする予定であったのですが、この豊田商事の問題に関連してもう時間がなくなりました。したがいまして、改めて当委員会あるいは商工委員会その他の委員会においてお考え方をお聞かせいただきたいというふうに思っています。そこで個々の問題についてお尋ねします。
 大型店の輸入製品の販売促進のための大店法で規制している輸入品の展示即売会、これは今三日になっているのですが、これを一週間程度に延ばすという考え方が伝えられているわけですが、これは地元商店街との協議は調っているのですか、いかがです。
○矢橋政府委員 ただいま先生御指摘になりましたように、大型店によるいわゆる出張販売につきましては三日以内を原則といたしまして、しかしながら個々の計画ごとに検討いたしまして、そして日数を決め、通商産業局長において承認をする、こういう運用をしておるわけでございます。今日までも三日を超えるものを……(中村(重)委員「時間がないので端的に答えてください」と呼ぶ)一切認めない、こういうことではございません。
 ところで、この輸入促進という問題は、現在日本の置かれた状況から見て大変重要な問題でございますので、その運用について若干弾力的に考えるということは、むしろ当然かと思います。ただし個々のケースごとに、例えば地元の商店街等との間に摩擦の起こらないように注意をするということもまた当然のことでございますので、その点も心して運用をしてまいりたい、かように考えております。
○中村(重)委員 略称で私は申し上げますから。大型店の出店規制、これは行政指導というようなことを通産省は口にして、そういう考え方でやっておられるようですが、本来、法律で規定されているものを行政指導によってねじ曲げることは、許されてはなりません。したがって、行政指導によって出店届け出を抑えていくということには限界があるわけです。この法律を制定するときに私、当事者でありましたから、自民党と話し合いをしながら、政府ともいろいろ協議をいたしまして、当時橋本氏が担当の次長でございましたから、事前届け出制というものを許可制同様の扱いをしょうということでやっているわけでして、だから事前届け出という形でならば、出店申し出があった場合にこれに対して抑えていくということは可能であろうというように思っています。
 だから私は、大店法の法律の見直しをする必要もあるのではないかと思うし、現在の届け出制から許可制に移行するということも考えなければならない。私どもは、もうこれは国の権限というものではなくて、地方自治体に権限を移譲することが適当な行政であるというふうに考えています。ですから、この点に対する、これは通産大臣から聞きたいんだけれども、専門的な問題でしょうから、矢橋さんから一応お答えをいただいて、大臣の答えを聞かせてください。
○矢橋政府委員 大型店問題につきましては、その考え方であるとかあるいは法律の仕組みに関する考え方、そういったものにつきましては、立場によりましていろいろな意見がある分野でございます。そこで、一昨年になりますが、八〇年代の流通ビジョンというものを策定いたしまして、それに基づきまして現在大型店の行政を私どもやらせていただいているわけでございますが、ただいま先生の御指摘のようなポイント、その他もろもろ含めまして、八〇年代の流通ビジョンで一つのまとまった考え方を示したわけでございます。
 そこで、抑制措置につきましても、昭和五十七年の二月から最初の抑制措置をとったわけでございますが、昨年の二月には、ビジョンを受けまして通産大臣談話を発表いたしまして、大型店の出店の自粛措置を含む抑制指導を延長いたしますとともに、調整手続に改善を加えた、こういう段階でございまして、いましばらくはこのやり方で進めさせていただきたいと考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、地元意見の聴取を十分に行うこと、その他私ども運用面では最大の努力を払いまして、大店法の円滑な運用が可能になるように努めてまいりたい、かように考えているところでございます。
○中村(重)委員 それから、これは労働省所管の場合にも私は意見を申し上げて、労働大臣の見解を伺ったのだけれども、大型店というのは年間三十日以上ということで店を休むということですが、これは労働対策という面もあるけれども、中小企業との調整という問題もあるわけです。正月三日ぐらい休みおった。ところがこのごろは、正月二日目から初売りを大型店が始めた。大型店同士の公正競争、それから中小企業との格差の拡大ということにもつながってくるわけで、少なくとも正月三日ぐらいは静かに労働者も休ませる、そういうことが当然ではないか。
 どうも最近の大型店のあり方というものは、社会のそうした大きな流れに逆行しておるような感じがしてならない。これに対しては、審議官よりも通産大臣が、政治家としてどうあるべきかということで、ひとつお考え方を聞かせていただきたい。
○矢橋政府委員 事務的なことで、ちょっと状況をまず申し上げさせていただきますが、確かに先生御指摘のように、最近正月三が日において営業を始める大型店が若干ふえております。最近の調査でございますが、百貨店の場合には八四%程度、それからいわゆる総合スーパーの場合には五五%が、正月元旦、二日、三日、いずれかの日から営業を開始しているという状況になっております。
 この問題は、消費者利便ということだけから考えますと、いつも店を開いていた方がいいわけでございますが、御指摘のように労働者の福祉の問題、それから場合によっては近隣の商店街との関係、そういった問題がございまして、非常に難しい問題でございますが、現在は先生御承知のように、大店法に基づきまして年間の総休業日数を調整いたしまして、その調整された範囲内で、どの日に店を開きどの日に店を閉めるかということは、個々の企業の自主的判断に任されているという状況でございます。
 基本的には、その体制は今後ともそのとおりでやるのが適当であると思いますけれども、個々のケースごとに問題のないように、必要によってケース・バイ・ケースでの指導等を十分に行ってまいりたい、かように考えております。
○中村(重)委員 ちょっと大臣、待ってください。消費者の利便ということはわかるのですよ。だから土曜とか日曜は休まないのだ、消費者の利便を考えて。そういう特殊な産業であるということをお考えにならないといけないです。だから、そういうことを含めて、大臣、お答えください。
○村田国務大臣 大店法関連についての中村委員の御質問でございまして、現在の小売業を守っていく、そしてまた地元の経営者を守っていくというお立場からの非常に適切な御指摘であろうかと思います。まさに現在の小売業というものが、種種の点で転換期に立っておる。そしてまた、中長期的な観点に立って小売業全体の活力を維持していくという必要がある、そういった点もいろいろ考えまして、この問題については慎重な検討が必要であると考えております。
 新年の大店の営業等についての問題は、矢橋審議官からお答えをしたとおりでございますが、いずれにいたしましても、大店法に基づく調整制度の適切な運用に万全を期してまいりますとともに、今御指摘のありましたいわゆる休日制の問題その他諸般の問題について、全国的に事態の監視を続けまして、事態の推移に、ある場合にはケース・バイ・ケースでひとつ適切に対応していきたい、このように考えておるところでございます。
○中村(重)委員 それから、内需拡大ということと関連して、投資減税の問題であるとか民間活力の活用の考え方等々お尋ねをしたかったのですが、これもカットをいたします。
 ただ、自民党の方で輸出課徴金というのを考えているということが新聞報道で伝えられている。これは政府としても重大な関心を持っているのだろうと思うのですが、この輸出課徴金をかけるということは、輸入課徴金を相手国が賦課することにつながっていく、そのこと自体が自由貿易を阻害をするということであろう、私はこう思うのです。これに対する通産大臣の考え方はいかがですか。
○村田国務大臣 輸出課徴金問題は大変重要なことだと思います。私は基本的には、これに対応する態度は、この輸出課徴金は導入すべきではない、こういう決心と申しますか、はっきりした考え方を持っております。
 その理由は、まず第一に、これは自由貿易にもとる措置である。これは中村委員の御指摘のとおりでありまして、現在のように世界的に新ラウンドを推進しようとしておるときに、輸出課徴金とか輸入課徴金とかという制度そのものが自由主義経済体制にもとるものである、これが第一点であります。それから第二点は、変動相場制のもとでは円の相場自体が変わっていくわけでございますから、したがって、所期の効果を達成し得るかどうか疑問であるという点、これが二点目でございます。それから、御指摘がありましたように、アメリカでは輸入課徴金ということがちらちらと出ておるわけでございまして、これも、輸出課徴金に反対であるように、私は、輸入課徴金は絶対に導入していただいては困る制度だと思っております。その他国における輸入課徴金導入の引き金になるおそれがある、これが第三点でございます。それから第四点は、輸出に依存をしております日本国内の中小企業に対して甚大な影響を及ぼすおそれがある。以上の四点の理由から、輸出課徴金制度には反対でございます。
○中村(重)委員 それでは、中小企業の問題についてお尋ねしましょう。
 定義の見直しも検討しているのではないか、こう思うのですが、何しろ昭和二十八年、いや、もっと前からです。これは一度五千万から一億に引き上げたのですが、それ以来定義はそのままになっているわけです。したがって、定義の見直しについて検討しているのかどうかということ。
 それから、中小企業は予算もマイナス、それから税制では、事業主控除が七年間据え置いて、ようやく二十万円だけ引き上げられて、二百四十万円ということになりましたね。ですから、このことについても検討しないと中小企業は、業種であるとかあるいは地域的なばらつきはありますけれども、これはもう大変なんです。中小企業は内需を拡大しないと生きる道はありませんから、したがって、中小企業に対しては特別の対策を講じられる必要がある、そのように考えますから、後でひとつ考え方をお聞かせいただきたい。
 それから地方税が、いわゆる法人の均等割、これは第百一国会で二・五倍に実はなっているのですよ。この負担も大変なので、これも中小法人は悲鳴を上げているわけですから、このことに対しても通産大臣は関心を持って、これの引き下げを講ずる取り組みをしていかなければならないであろうという意見をひとつ申し上げておきます。
 それから、信用保険公庫の問題ですが、これは融資基金も準備基金も減額をされているわけですね。不況ですから、当然この代弁というのが多いのです。これは大蔵省からもお答えをいただきますけれども、その代弁ができないわけです。特に北海道と四国、九州、これはもう本当に深刻なんですよ、不況の状態が強いから。だから、八〇%から八五%ぐらいしか代弁はできないのです。代弁ができないということになってくると、代弁の先送りあるいは先食いという形になるのですね。そうなってまいりますと、これは選別保証しなければならぬということになってくるのです。選別ということになってくると、弱い中小企業、零細企業はますます選別の対象になって、保証から除外されてしまうということになります。したがいまして、一たん保証した以上は代弁をしなければならないのですから、代弁の枠は抑えないようにしていかれる必要があるだろう。
 まだいろいろ中小企業問題についてあるわけでございますけれども、以上の点について、時間の関係がありますから、運輸大臣にもお待ちをいただいて恐縮しておりますが、ひとつ簡潔にお答えをいただきます。
○石井政府委員 第一の中小企業の定義についての検討状況というお尋ねでございますが、これにつきましては、御承知の四十八年に一億円に引き上げまして以来、現行の定義によりましてほぼ九九%の事業着はカバーをしている実態にございます。その意味におきまして、むしろこれを拡大するというよりか、いわば権利調整という観点から縮小しろというような意見も建設業の方面からもございまして、各方面の意見を踏まえまして今後検討をさせていただく必要があろうかというふうに考えております。
 それから、第二、第三の税制に絡みます中小企業の経営安定のための支援策ということでございますが、御指摘のように、ようやく七年ぶりで個人事業主につきましての事業主控除額が引き上げられたわけでございますが、私どもはこれで十分だとは思っておりません。年々の税制改正の過程でさらに検討を詰めていくべき問題であろうというふうに思っておりますが、特に六十年度につきましては、中小企業の基本的な税制でございます特別償却制度の延長あるいは技術基盤強化税制の創設、こういった措置に加えまして、五十九年度からスタートいたしましたメカトロ税制の対象範囲の拡大、こういった措置を講じまして、中小企業の経営強化に対する支援措置を税制面から強化をいたしたわけでございます。
 それから、第四点の信用補完制度の問題、御指摘のように、地域の信用保証協会によりまして相当なばらつきがございますが、全体といたしまして信用保険制度の健全な運用を図っていくという観点から、国、信用保険公庫、信用保証協会、各金融機関、こういった関連する諸団体が、それぞれの力で現在の大幅赤字の発生というものを回避していかなくてはいかぬということで、五十六年度から改善通達に基づきまして措置をとっておるわけでございまして、今御指摘の、厳しい中ではございますが、六十年度の信用保険の枠といたしましては、前年度実績に対しまして一〇%強の信用補完枠を設定いたしましたので、これによって十分対応は可能かというふうに考えておるところでございます。
○中平説明員 信用保証協会の運営についての御質問でございまして、ただいま通産省の中小企業庁長官から御答弁がございました。私どもも、通産省とともに、信用保険公庫、そして保証協会を所管をいたしております。十分に中小企業庁とも打ち合わせましてやってきておるわけでございます。
 保険公庫の赤字が、非常に長年にわたりまして、五十一年度以降で三千億を超えるような累計の赤字になっております。こういうことがずっといつまでも続くというのは、全体として健全な運営ができないわけですから問題がございますけれども、次第に関係者の努力によりまして赤字も減少をしてきております。したがいまして、ただいま中小企業庁長官からも御答弁申し上げましたように、今年度の全体の保険引き受けの規模につきましては、昨年度の実績に比べまして一〇%を若干上回るような引き受け枠を持っておるわけでございまして、地域的なばらつきは多少あろうかと思いますけれども、こういったような枠を活用して、本来の制度の趣旨が生かされるように私どもも配慮をしてまいりたいと考えております。
○中村(重)委員 まあ言葉じりはとらえません。十分十分ということを言っているけれども不十分、十の上に不をくっつけないと実態にそぐわない、そのことだけは申し上げておきます。
 それから、私が申し上げたいわゆる代弁をあなた方の方で抑えていることは事実なんだから、それで悲鳴を上げているんだから、そういうことを本当に実態をお調べになって、対策を講じていくということでなければならぬということを申し上げておきます。
 そこで、運輸省に移らなければなりませんから、まとめて四点ばかりお尋ねします。
 この保証協会の保証、これはお答えは通産省でございましょうけれども、大蔵省も耳を傾けておっていただかなければなりません。保証の対象を改善をしていかないとだめなんです。国民金融公庫の融資対象になっているのにかかわらず、保証協会の保証対象になっていない業種が非常に多いということです。例えば、大きな料亭なんというところはこれは別でございましょうが、いずれにしても料理店であるとか葬式屋さんであるとか、あるいは最近非常に多くなってまいりました警備保障会社であるとか有線テレビであるとか、こういうものは保証協会の保証対象ではない。少なくとも国民金融公庫の融資対象になっておるところの業種が、保証協会の保証対象から除外されるというようなことはおかしいと私は思う。こういうことについて対象拡大を検討し、対象に取り入れていく必要があるということを申し上げておきます。
 それから、官公需の受注の問題です。これは建設省のときにも申し上げましたが、官公需の受注は、言葉だけはいつも拡大します拡大しますと言うんだけれども、そうはなっていない。最近は、建設業を初めといたしまして、納入業者もそうですが、大手がどんどん進出をしている。そして、地元業者というものは下請に回される。ところが、下請に回る地元業者は、労働賃金分だけの下請みたいになって、資材は大手業者が供給するのです。ピンはねしてしまう。こういうことでは官公需の受注拡大ということにならない。これをひとつ関係省と強力に交渉して、対策を講じられる必要があるということを申し上げておきます。
 分離発注の場合もそうです。ゼネコンで何もかも一つの企業がやるということはピンはねですから、これをひとつ改められて、分離発注を推進する必要があるということを申し上げておきます。
 さらにまた、下請法の抜本改正もやって、私は親企業と下請企業が対立をせよとは申しませんが、いわゆる対等の立場に立って、下請に対する締めつけというものが行われないようにしないといけない。例えば、前渡金があっても下請には回さない、また孫請には回さないということで、親企業だけが前渡金を自分で全部とってしまうというようなやり方というものは、ますます格差を拡大するということになりますから、十分これらの点について対処してもらいたいというふうに申し上げておきます。
 次にエネルギー問題がありますから、この点に対して簡潔に考え方をお聞かせください。
○石井政府委員 第一点の信用保険に対する対象拡大の問題でございますが、国民公庫と違いまして、中小企業金融公庫あるいは保険公庫関係は政令で対象事業を指定する仕組みをとっておりますので、どうも実態を後から追いかけるような嫌いがございます。その点大いに反省いたしておりますが、経済のサービス化、ソフト化の進展に対応いたしまして、予算要求の一環としてこういったものの事業対象の拡大を検討させていただきたいというふうに考えます。
 それから、第二点の官公需、特に建設業にかかわります点は、先生御指摘のようないろいろな事情がございます。その意味におきまして、五十九年度は、建設業につきまして閣議決定で特別の項目を置きまして、分離分割発注あるいは共同請負あるいは官公需適格組合の活用、こういったものの推進を各発注官庁にお願いをいたしたわけでございます。これにつきましては、分離分割発注も相当程度実績が上がりつつあるようでございますが、何分にも官公需適格組合についても、全体の六割は建設業でございますが、その建設業の適格組合の役割というのも必ずしも十分ではございません。そういう意味におきまして、現在官公需施策改善検討委員会というのを開いておりまして、実務者レベルで具体的な改善方策を研究をいたしておりますが、そういったものをできるだけ実行に移し、また建設省あるいは関係各省の御協力を得て、実態に即した、中小企業の振興につながるような方策を検討したいというふうに思っております。
 それから、三点目の下請法の改善でございますが、下請法は独禁法の特別法ということで、公正取引委員会の所管に属する問題でございますが、やはり今後親企業と下請企業との間に特別に出てまいります、例えば情報化の進展によるオンラインによる結合、その結合の進展によって下請関係がどう変貌するであろうか、そういったものを現在中小企業情報化分科会に下請のワーキンググループをつくって研究をいたしておりますが、そういったものの結論を得まして、下請中小企業振興法体系で対応するべきか、あるいは代金法の改正が必要なのか、これらを含めて検討していきたいというふうに思っております。
○中村(重)委員 次に、炭鉱災害の続発のことについて、いろいろお尋ねもし、意見を申し上げたいのですが、時間がありませんから、政府の石炭政策の基調をひとつ改めなさいということを申し上げるのです。ということは、政府の石炭政策は、各企業に自主体制の確立、生産能率の向上、コストダウン、これを基調にしているわけですね。それで労働者の生産の能率も非常に高くなってきた。このことは炭鉱保安の軽視になって、炭鉱災害を続発させて、とうとい生命を奪っておる、こういうことですから、やはり人間の命というものは地球よりも重い、保安体制の強化、人命尊重、これを基調とした石炭政策に改めなければならぬということを申し上げておきます。このことに対しては後でお答えをいただきます。
 それから、災害が続発してまいりますと企業も痛手を受けるわけですから、長崎県の高島炭鉱なんかは閉山になるのではないかという声が非常に多いわけです。ですから、政府の石炭政策というのは、エネルギーの中において貴重な国の資源として位置づけていかなければならないわけでありますし、新鉱の開発ということについて、政府は強力に対策を講じていく必要があるだろうというように思っています。高島炭鉱閉山ということは、まさか政府も企業も考えていないとは思いますけれども、これはそういう声が出ていますから、これらの点についてお答えをいただきます。
○村田国務大臣 エネルギー政策は基本的な問題でございますから、お答えを申し上げたいと思います。高島炭鉱災害、そしてまた北海道夕張炭鉱災害と相次いで起こったわけでございまして、委員御指摘になられましたように、私どもとしても非常なショックを受けております。したがいまして、御指摘になられましたように、石炭の保安対策が何よりの基本であると思います。今後本当に、委員御指摘のように人命は地球よりも重いわけでございますから、そのことによく思いをいたして、誠意を持って対応してまいりたいと思います。
 ところで、高島炭鉱の閉山に関連した問題でございますが、高島炭鉱はいわば炭鉱の島でありまして、炭鉱事業が住民の方々の生活を支えておる、そしてまた島を支えておる基本的な問題であろうかと思います。ただ、あくまでも保安を前提として、保安の万全を期しながら、今後引き続いて炭鉱事業そのものは続けていってもらいたい、このような願いを込めておるところでございます。
○中村(重)委員 では、高島炭鉱は保安の万全を期して、閉山は考えていない、こういうことですね。私が特にこの決算委員会においてこれらの問題を取り上げてまいりますのは、例えば南大夕張炭鉱、これは巨額の国家資金を投入しているわけです。そして集中監視装置というものを導入した、いわゆる近代的な設備を持つ炭鉱なのです。にもかかわらず、このような大災害を引き起こした。私は、今の問題が大事ですから、金をつぎ込んだ、国費をむだにしたというようなことを強調いたしますと、何かしら命を失ってしまったということが薄められるような感じがいたしますから、人命を大切にするということを中心にして申し上げたわけでありますから、エネルギー庁もあるいは立地公害局も、こういう問題について、再びこういうことはいたしません、災害は起こしません、こう言うのです。私どもの質問に対しても、企業も同じようなことを言う。舌の根も乾かぬうちにまた大災害を引き起こしているという現実を、重く考えて対処されることを強く求めておきます。
 次に、運輸省関係についてお尋ねをいたします。
 海運業界というのは大変な不況なんですが、この不況脱出ということについて、海運業界であるとか造船業界の方からいろいろ問題提起というものもあるようでございますが、時間の関係もありますから、その詳細をお伺いすることはできません。したがいまして簡潔にお答えをいただきたいのですが、不況克服の問題にも関連をいたしますが、離島振興ということでございます。
 離島の振興というのは、交通網の整備ということが大変重要であることは論をまたないところでございますけれども、いつも言われているジェットフォイルであるとかホバークラフトであるとか、こういうものの就航を、言葉だけではなくて、離島と本土との距離を縮めていくというような意味から、たくさんのお金も要るわけでございますけれども、工夫を凝らしてこれを何とか日の目を見るようにする必要があるのではないか、そのように考えるわけでございます。これについてお考えをお伺いいたしたい。
 それからもう一点。もう二、三点あるのですが、日本航空の問題について、運輸大臣は経営改善の要望を高木社長にされたように報道されているわけですが、特別の意図があったのだろうか、何か純民営化というものをお考えになっていらっしゃるのではないかというようにも思われるのでございますが、その意図についてお伺いをいたしたいというように思います。
 以上の二点について一応お伺いをして、続いてお尋ねをします。
○山下国務大臣 第一点の離島に対して高速艇を就航させるような措置はどうか、簡単にお答え申し上げます、
 このことは大変結構な御意見でございまして、新潟等には時速百キロ程度の巡航船も走っておりますけれども、これはスピードを出すに従って幾何級数的に大変な油を使うということで、まず採算性の問題があります。同時にまた、これらの高速艇を走らせるような一定の距離の離島に対しては航空路が開発されている、したがって、将来は航空路との競合という面からして、これらに対してペイできるような経営を考えていかなければならぬ。そこらあたりを考えて、御意見として今後とも十分検討してまいりたいと思っております。
 第二点の日本航空の問題でございますけれども、先生のおっしゃるような意図はございません。ただ、そもそもこういう特殊な経営形態にしたのは、戦後ナショナル・フラッグ・キャリアと申しましょうか、日の丸をしょって世界に雄飛する日本ただ一つの航空会社が、他の国の航空会社に負けてはいけない、しかも非常な競争場裏にあるということで、こういった形態をとって国がバックアップしたということでございます。
 しかし、その後ずっと推移を見、現状を見ますと、いろいろな問題が起きている。例えばNCAの乗り入れを契機といたしまして、日本とアメリカとの航空協定を改定いたしまして、日本も今度は複数制にするよ、日本航空以外にも飛べる体制ができたらそうするよというふうに協定の内容もなっておりますし、また現実にその方向に向かうべきであると私は思っております。
 それからもう一つの問題は、よくデレギュレーションという言葉が使われておりますが、航空に関する限り、カーター前大統領がアメリカにおいて、少なくとも国内においては新しい路線の認可とか運賃については、もう一々認可は要らないよ、君たち勝手にやれ、競争してみる、こういう体制をアメリカがとってきた。それに刺激されたというわけじゃございませんが、航空業界は世界的に大体そういう方向に向かいつつあるということは言えると思うのです。
 したがって、そういう立場から国内においてもだんだん、さっき申し上げました日本航空につきましても、日本航空だけが国内線においてもそういう特殊な形態でいいかという問題は、いろいろと論議があることは当然でございます。いわゆるデレギュレーションということですから、制限をだんだん解除していく、競争原理を取り入れていく。したがって、民間活力ひいては民営という形にだんだん移行する趨勢にあることは確かであります。したがって、日本航空を民営化するということも、今私が申し上げたように当然そっちにつながっていくわけでございますが、これを今すぐどういう形でやるかというところまではまだいっておりません。今後の一つの研究課題であることは申し上げておいてよかろうかと思います。
○中村(重)委員 それから、航空会社は大きくは三社あるわけですね。ところが、ローカル的には何でこんなにたくさん必要なんだろうか。運輸大臣は佐賀だから、東京から長崎空港に行かれるわけですね。あそこには離島近距離航空かな、それからもう一つ、これは一般旅客を運んではいないのだろうと思うのですけれども、こういうのは全日空なら全日空に一本化したらよろしいんじゃないか。
 それから、最近は飛行機に乗る乗客が非常にふえているわけですね。相当これは利益を上げているんだろうという反面、今度はまた航空運賃を値上げするのだという声が実は出ているわけですが、これらの点に対してはどうお考えになっているのか。ローカル航空の再編成の問題と、今の航空運賃に対しては今後どう対応していこうとしているのかということを、簡潔にお聞かせをいただきたい。
○西村政府委員 ただいまのお話のように、大きな三つの航空会社のほかに、ローカル線については何社か航空会社がございますが、これらの航空会社は、それなりに非常に小回りのきく経営、安い賃金等で非常に能率的な経営をする。どうしても大きな会社というのは、それなりに非常にコスト高になるという一般的傾向がございます。そういう中で、地方の非常に航空需要の少ない路線を非常な努力でこれまで経営してきているわけでございますが、そういう点から申しますと、今先生が言われましたような大きな会社に統合するというよりは、むしろそれぞれの会社の工夫でいろいろやっていくということがまた一つの行き方でございます。
 今後、どういうふうに国内の全体の問題を考えていくかという中では、やはりいろいろな会社の創意工夫、活力というものをどうやって生かしていくかということが根幹になろうかと思いますが、そういった点では、大きな会社へ統合再編成するという方向は、現在のところ考えておりません。
○中村(重)委員 いろいろな点のお尋ねをカットいたしますが、プッシャーバージというのですか、貨物フェリー、これのことをこの前私はお尋ねをし、調査をしながらこれに対して対応するように申し上げておきました。ともかく人間を運ばなければならないものでない、いわゆる荷物を運ばなければならない貨物フェリーに、十二人以下はいいんだというようなことで、お客さんがたくさんああと、引き船のように引っ張って、そして旅客を運んでいるということです。
 それから、設備が旅客船の場合と違って、安全性というようなものに対する取り締まりが厳しくないわけですから、これはもう本当に危険きわまりないということです。だから、ともかく運輸省、もう少し実態をつかむところはつかんで、そして改めさせるところはびしびし改めさせる、そういうことでやりませんと、なまぬるいようなやり方で、もし事故が起こったらどうするのかということですよ。この点に対してどう調査をしたのか、どう対応していこうとしているのか、お聞かせをいただきたい。
○服部政府委員 ただいま先生御指摘のプッシャーバージを用いてやります双胴船的な貨物船の運航の問題だと思いますが、これにつきましては、昨年の春に、こういった双胴型のプッシャーバージを用いて、いわば海上運送法の脱法行為的な運送行為が発生したわけでありますが、これにつきましては、私ども、こうした行為が海上運送法違反であるという方針を打ち出しまして、改善措置を講じさせたところでございまして、それ以後は、そういった事態の発生を見ておりません。
 それからなお、貨物船、内航船ですね、旅客定員十二人以下の内航船が、定員オーバーでもって旅客船まがいのことをやっているという御指摘が先般ございましたけれども、これにつきましても、厳重に、九州地区を中心に監視の目を光らしておりまして、先般、先生の御質問がありました後のゴールデンウイークに、九州を所管しております第七管区及び第十管区の海上保安部におきまして、一斉取り締まりをやってもらいましたけれども、幸いにいたしまして、そういった違反の事実はもう見られていないという状況であるというふうに承知しております。
○中村(重)委員 これで終わります。
 そういう答弁はけしからぬ。私の県にあるんだから、調査したけれどもそういう事実はなかった。どこを向いて調査しているの。運輸大臣、もう少し指導しないとだめなんだよ。ある国会議員が背後にあるから、背景になってやらしているから、それに気兼ねをして何にもできないでいるんだろう、実際は。強く反省を求めておきます。
 それから運輸大臣、この法人タクシーの増車であるとか、あるいは個人タクシーの新免、これに対しては今後どういうようなことで臨もうとしておられるのか、ひとつ簡潔にお答えをいただいて、これで終わることにいたします。
○山下国務大臣 プッシャーバージの点につきましては、ちょっと今局長が実態を係から聞いておりますので、それを待ってひとつ御答弁申し上げたいと思います。
 今のタクシーでございますが、実際問題としてかなり飽和状態どころか、余っている地域が、地域によってたくさんございます。これは、過当競争をやりますと非常な弊害が出てくる。というのは、タクシーの原価の大体七九・数%、東京都においては人件費約八〇%ということでございますから、これは赤字ということになりますと、人件費を切り詰める。ということは、運転手の質が悪くなったりいたしますので、やはり健全な経営ということは役所として見てやらなければならぬ、そのための制度でございますから、十分考えていく。
 したがって、これからは実態をよく見ながら、免許をおろすということももちろんでございますが、現時点におきまして、地域によっては減車してほしいという業界からの声もあるのです。ですから、その地域によって、それが業界でまとまるならば、台数を減らすことも運輸省はやぶさかではございません。そういういろいろなことをしながらやっていく。
 あるいは実車率、実際に客を運ぶのが五〇%を割っている地域がたくさんございます。油のむだ遣いでもある。タクシーの乗車場をもっとたくさんつくったりして、これからのタクシーの健全な経営に対して、もっともっと真剣に取り組まなければならぬということ、私も痛切に感じておりますので、ひとつ御趣旨の点はよく検討してまいりたいと思います。
○中村(重)委員 終わります。
○安井委員長 この際、午後零時四十五分まで休憩いたします。
    午後零時二十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後零時四十八分開議
○安井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。新村勝雄君。
○新村(勝)委員 既に車検の問題については午前中に議論がありましたけれども、別の観点から同じ問題についてお伺いをしたいと思います。
 まず最初に、自動車検査登録特別会計というのがございまして、その中でそれぞれ目的達成のために努力をされていると思いますけれども、この中で日立つのは、予算規模に対して予備費が相当の額になっておる、そして、それが毎年同じ額くらい繰り越されている、あるいは前の年よりも多いような形で繰り越されているということですね。予備費というからには、必要があれば、これを範囲内で使って有効に事業を遂行するということが本来の趣旨だと思いますけれども、そういう意味で、予備費というものが毎年度ほとんど同じ形で繰り返されている、あるいは繰り越されているということで、予備費の機能を果たしていないというふうに見られますけれども、これはどういうことですか。
○服部政府委員 お答え申し上げます。
 自動車検査登録特別会計の中での予備費の額がかなりの額に現在上っておるということは御指摘のとおりでございまして、この予備費の額は、五十五年当時から現在のようなかなり大きな額になってきております。
 この予備費というのは、本来、予測しがたい支出に充てるべき性格のものでございますけれども、一方、この予備費と申しますのも、しょせんは検査登録手数料等の利用者の納めます収入を原資とするものでございますので、私ども予備費の使途につきましては、そういったユーザーの利益にこれを還元するという基本的な心構えでもって今後に臨んでまいりたいと考えておるところでございます。もっと端的に申し上げれば、こういった予備費を原資としまして検査体制の充実整備を図っていくということが至当であろうと考えておるものでございます。
○新村(勝)委員 ユーザーの利益あるいは検査体制の充実を通じて国民生活に寄与するということであると思いますが、そういう意味では、単に毎年同じ額をローリングしていくということではなくて、もっと有効に検査体制の充実を図っていただきたいということを希望するわけであります。
 そこで、検査体制の問題ですけれども、これは午前中に具体的な問題について突っ込んだ質問がございました。そこで、重複をしないようにこの問題についてお伺いをするわけですけれども、体制の全体について必ずしも満足された状況ではないということは、午前中のような事態が起こるということにおいても推察できるわけでありますが、現在の検査体制は約七割が民間の工場において実施されておる、三割が国の直接の監督のもとに行われておるという状態でありますが、現在の体制についてまず大臣のお考えを伺いたいと思います。
○神戸説明員 お答えいたします。
 現在の検査制度の中で行っております通称民間車検と言っておりますけれども、指定整備の取り扱い件数は六二%弱の実態でございます。
○新村(勝)委員 現在の体制がどうであるかということについて、大臣、ひとつその概要をお伺いしたいと思います。
○神戸説明員 お答えいたします。
 検査体制につきましては、四十年代の急激な自動車数の伸びに対応しまして、国の検査体制も業務量に伴って充実してきたところでございますし、また民間でも、民間活力の活用という面からも、指定整備工場の指定という行為を通じまして、民間車検の取扱率の向上のために努力してきたところでございます。
○新村(勝)委員 努力をされているということはわかるのですけれども、その体制の中でしばしば遺憾な事実が表面化をいたしております。要するに、車検の不徹底、車検に関連をする不正、こういうことが報道されておるわけでありまして、例えば五十九年一月から七月までの七カ月の間に報道された事件が八件ほどございますけれども、これはいずれも不法改造あるいは完成検査をせずに適合証を交付した、あるいは保安基準に適合しない車両に適合証を交付した、こういったものが指摘されておるわけでございます。それから無検査で適合証を発行したという例も報道されております。
 これは報道されておるわけでありまして、実際にどのくらいあるかということはちょっとわかりません。わかりませんけれども、事故等によってその車を検査したところがたまたまそういうことがわかったというのだけでも、これは報道されておるだけでもこれだけの件数があるわけですから、実際に不正あるいは検査の不十分な、そのままの形で検査証が交付されておる、したがって路上を走行しておる自動車の中で、検査基準に合わない車が相当数あるのではないか、こういう推計もあるわけでありますし、こういう事実に対して当局はどうお考えですか。
○神戸説明員 お答えいたします。
 整備工場の不正行為につきましては、午前中も御討議があったわけでありますけれども、私ども運輸省としまして、従来から特に指定整備関係につきましては、自動車検査員に対する研修等を行い、また事業場の監査等も充実し、また不正行為が見つかった場合には処分等も厳正に行うということで、その防止に努めてきたわけでございます。
 しかしながら、一部事業場におきまして、先生御指摘のように、整備事業にかかわる不正行為が発生しているのも事実でございまして、五十八年度の実績で見ますと、指定取り消しが六件、保安基準適合証の交付停止が四十九件、自動車検査員の解任が八件、それから施設等の是正命令が五件という行政処分を行っています。またそのほかに、事務的な手続その他で指摘し、改善を警告したのが四千二百九十六件という実情でございます。
 そういう実情でございますが、最後に先生おっしゃられました、町の中に保安基準に適合してない車が相当あるのじゃないかという御指摘でございますが、街頭で取り締まりを警察当局とも連携を持ってやっておりますけれども、そこで不適合ということの率というのは変わっておりませんで、そういうことが影響しているのかどうかということは定かではございませんが、その不適合の車の率というのはそんなに大きな率ではございません。
○新村(勝)委員 たまたま事故等によって発覚をする不正事実がこれだけあるわけです。これはたまたまそういうことを契機にして発見されるわけでありまして、それ以外にいわゆる氷山の一角というような形で、相当の数の整備不完全な車が走っているのじゃないか、こういう疑いもあるわけでありますが、当局では、一般車の抽出検査によって完全整備がされているかどうかということをおやりになったことがありますか。
○神戸説明員 お答えいたします。
 抽出検査という意味は定かではございませんけれども、街頭検査でそれぞれの車を検査もいたしておりますし、それから指定工場その他に、整備事業という面から立入監査をしまして、その車の実態というのも調査をいたしております。
○新村(勝)委員 これはもう少し実際の車について整備が完全に行われているかどうかというチェックをする必要があるのじゃないかと思います。
 それと、先ほどもお話がありましたが、五十八年までの十年間の数字で言いますと、整備工場のうちで資格を取り消されたものが三十七業者、一時停止が六百九十二、改善命令を受けたものが二万九千六十八と相当数に達しておるわけです。これは業者の数、整備工場の数が二万足らずということを考えた場合に、改善命令を受けたものが二万九千、これは同じ工場が繰り返し受けたのでしょうけれども、十年間の数字にしては極めて多いわけです。この改善命令あるいは一時停止、資格取り消しという事由はどういうものが多いのですか、事由別の数字がわかったらお知らせをいただきたい。
○神戸説明員 お答えいたします。
 先生御指摘の不正の事実の内容につきましては、先生御指摘のように、整備が十分でなくて適合証を出したり、完成検査を省略して適合証を出したという悪質な不正行為については、行政処分で処分したのはそういうような件数になっているわけでございます。そして、警告処分に終わっているのは、大体適合証の事務処理の面で疎漏があったようなことについて、勧告あるいは改善命令を出したようなことになっているわけでございまして、悪質な違反等までいっていないものについては警告という処分でやっている段階でございます。
○新村(勝)委員 指定工場に対する監督ですけれども、この監督についても、聞くところによりますと、大変不徹底なものである。指定整備専門官、これは監督をする専門官だと思いますが、その数が全国で二百五十二名と聞いておりますが、実際に指定工場の検査をするのは年に一回ないし二回、それで、一回に三十分ないし一時間しか割り当て時間をとることができない。一カ所一時間足らず、しかも年に二回ということでありますが、それでは管理監督、あるいは施設がどうなっているか、実際にどういう整備が行われているかというようなことはとてもできないと思うのです。こういう実態で果たしてどの程度の監督ができるのか、管理ができるのか、大変心もとないと思いますけれども、それらの事情を伺いたいと思います。
○神戸説明員 お答えいたします。
 指定整備の監督に対する国の体制整備につきましては、指定工場数の増加と対応しまして、先生御指摘のとおり、要員数で全国で二百五十二名、六十年度までの五年間に四十名の増員をというようなことで過去に努めてきたところでございます。
 指定工場につきまして不正等を防止するという原則から、先生御指摘のとおり年二回の監査を実施しますとともに、研修、教習、それから事業場管理責任者に対する研修等を通じて指導しているわけでございます。時間的に体制として極めて弱いという御指摘でございますが、平均してならすということじゃなくして、ある面そういう不正行為が感じられるような所では重点的に行っているわけでございまして、すべての工場を均等な形というわけではございませんので、そういう面で不正に対応すべく重点的な指導という面でもやっているわけでございます。
 また、整備事業の監督に要する要員につきましては、今後とも業務量に対応して所要の努力を払ってまいりたいと思っているわけでございます。
○新村(勝)委員 年に二回、二時間程度の指導あるいは監督では、到底内容に立ち至って検討するわけにはいかないと思います。しかも、重点的にやるとおっしゃっておりますけれども、そうしますと、ますます手抜きというか、行き届かないところができてくるおそれがあるわけでありますけれども、そういう指導監督の体制をこれからどういうふうにして改善をし、あるいは充実していこうとなさいますか。
○神戸説明員 お答えいたします。
 整備事業の監督に要する要員その他体制の強化につきましては、今後とも業務量に対応して所要の努力を払ってまいりたいと思っております。
○新村(勝)委員 その体制について、大臣、どういうお考えですか、どういう印象をお持ちですか。
○山下国務大臣 これは極めて技術的なことで、私も十分にまだ関係者から聞いておりませんが、少なくとも予算の範囲、つまり厳しい財政状態の中でできるだけのことをやらなければならぬ。気持ちだけは持っておるのでございますけれども、思うに任せない点があることは事実だろうと思いますが、今後とも留意しながらやっていきたいと思っております。
○新村(勝)委員 車検の目的は安全な走行を確保するということと、環境基準を守っていくということがあると思うのです。そういう面で、現在の車検体制の中で重大な欠陥というのは、排ガスの規制がなされていないということだと思うのです。ブレーキとか走行系統とか、そういうことについてはチェックされるわけでありますけれども、排ガスについてのチェックがないということは車検の重大な欠陥ではないかと思うのですけれども、その点はいかがですか。
○神戸説明員 お答えいたします。
 自動車の排ガスにつきましては、今までも一酸化炭素、炭化水素等、また窒素酸化物についても規制を行ってきたわけでございますけれども、一酸化炭素、COにつきましてはそれなりの成果を上げてきたものと思っております。また、窒素酸化物につきましては、規制を強化して今やっているところでございますが、なかなか中公審の場で予想したような実績にはなっていないというのが実情でございます。
○新村(勝)委員 ですから、車検のときに排ガス規制、排ガスについてのチェックをしているかどうかということです。
○神戸説明員 お答えいたします。
 排ガスとおっしゃいましてもいろいろの種類があるわけでございまして、国が今継続検査の際にチェックしていないのは、窒素酸化物は国の継続検査の場ではチェックいたしておりません。
 ただ、窒素酸化物につきましては、エンジンの特性からいいまして、一般的に使用に伴ってその排出量が増加するという傾向にはないわけでございます。また、窒素酸化物というのは、燃焼温度が非常に高いほど発生する量が多いわけでございまして、検査場等でアイドル運転というようなことで排出される窒素酸化物を測定するということは、ある意味で無意味でございまして、検査場あるいは整備工場でそういうものを測定するためには、非常に簡易で短時間に精度よく測定するという厳しい条件が求められるわけでございまして、現在そのような条件を満足する機器あるいは測定法というのは開発されてない状況でございます。
 したがいまして、国の検査場で使用過程車の検査も行っておりませんし、規制も行ってないわけでございますが、新車時におきまして、排出ガス対策装置の性能につきまして新車の状態で審査するとともに、その耐女性についても確認しておりまして、使用過程において確実な定期点検整備の励行がなされるならば、新車時に比べまして排出ガスの増加というものは大きくないと考えております。また、今後とも新車時の審査あるいは耐女性の確認というものを厳正に行うとともに、定期点検整備の励行についてユーザーの啓蒙を図ってまいりたいと思っております。
○新村(勝)委員 これは専門家の意見によりますと、メーカーの門を出るときは一〇〇%すべての車が基準に合っておるとしても、使用中に一五%ないし二〇%の車は、排ガス、NOですね、NO系の排ガスが基準を超えるということが言われております。これは調査による専門家の意見でありますから信じていいと思いますが、そういう状況の中で、ぜひこれは車検のときにNOxの排ガス規制をやるべきであるという強い意見がございます。しかも、これは現在の技術水準で十分可能である、その検知器を設備をすれば十分可能であるということですが、その点はいかがですか。
○神戸説明員 お答えいたします。
 先生御指摘の使用過程車において相当高い濃度の排出ガスを出している車が多いという御指摘でございますけれども、私どもの方でも、使用過程の車につきまして、定期点検の前、それから後について調査をしたことはございますけれども、その調査では、一応一酸化成素、百台調査してございますが、一台オーバーしたという実績で、ほかの車は適合していたという実績がございますが、ただ、それでいいという問題では公害上ないわけでございまして、我々としてもそういう継続検査時に確認はしたいわけでございますけれども、ただ先ほど申し上げましたように、簡易に窒素酸化物の濃度を測定するという器械そのもの、あるいは測定法というものがまだ開発されてない段階でございますので、検査に採用できない状況でございます。
○新村(勝)委員 使用過程でそういう事態が起こるということはお認めでありますけれども、今後ひとつ、技術的な問題はあると思いますけれども、排ガス規制についても車検のときにチェックをすることができるように、その方法をぜひ検討願いたいと思います。いいですか。
○神戸説明員 お答えいたします。
 私どもとしても、先ほど申し上げたようなそういう測定法あるいは測定機器の開発が見られたときに、そういうことで検討を進めてまいりたいと思っております。
○新村(勝)委員 最後に大臣にお伺いしますけれども、明らかに車両の整備不良のために、それが原因で交通事故が発生をして、五十八年度には死亡事故三件、負傷が二百三十四件、五十九年度には死亡事故が十二件、負傷が二百六十件、こういうことになっております。ですから、このほかにも整備不良で、それが事故の原因になったケースがないとは言えないわけでありまして、ぜひともこの検査体制を一層整備をしていただきたいのであります。
 ここにこの制度についての問題点が一つあるわけでありますけれども、こういう車検というのは、国の責任において国がおやりになるのが本来だと思いますね。ところが、民間の力を活用する民活ということでしょうか、その民間活力の利用ということのはしりだと思います、これは三十七年からですから。こういう形で民間主導で今やられておる。六〇%を超える部分が民間でやられておるわけであります。
 それから、今政府が志向しておられる行政改革の路線によれば、これからこういう面がふえてくるのではないかと思うのです。最近衆議院を通過しました地方公共団体の事務に係る国の関与等の整理、合理化等に関する法律案という長い法律案がありまして、これは衆議院を通過しておりますけれども、その中にも、本来ならば国がやるべき事務を民間に委託をするという部分があるわけです。今後行政改革の進展に伴って、そういう分野がふえてくるということが予想されます。そのこと自体についてのよしあしを論ずるつもりはありませんけれども、それはメリットもあるでしょう。しかし同時に、そのことが内包する問題点もあるわけでありまして、この車検等についても、これはメリットはあるでしょうけれども、反面、民間に委託をしたことによって起こってくる弊害も同時にあるということは認めざるを得ないわけです。
 だからやめてしまえというのは、これは短絡であると思いますけれども、本来は国がやるべきものを民間に委託をしたそういう分野についての国の責任、それから国の監督指導、これをやはり十分強化をしていかないと、国の責任を民間に転嫁をしたということになりかねない。それでは困るわけでありまして、国の責任においてやるべきものを民間に転嫁じゃなくて、これは民間に委託をした場合の国の責任の明確化とそれから監督体制の強化、これを同時に行っていかなければいけないと思いますし、これから行革の進展に伴ってそういう分野がふえていくわけでありますから、それに対する確固たる国の腹構えというか、基本方針がなければならないと思いますけれども、その点について大臣のお考えを伺いたいと思います。
○山下国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。午前中も答弁申し上げたんですけれども、運輸行政にはいろいろと許認可等規制が多うございますが、その中でも自動車が一番多い。自動車の中でも、安全に関する規制が圧倒的に多いのでございます。そういう趣旨からいたしましても、何といってもやっぱり交通の秩序は安全でございますから、そういう見地から行政の面においても、これはしかと心得て厳しくやらなければなりませんが、何分限られた人数で毎年ふえていく自動車をそういった面を車検等やることは、直接はなかなか物理的に不可能でございますから、やむを得ず民間車検を行っているわけでございますが、その民間車検についての国の監督等はさらに十分やっていかなければならないと思います。
 同時に、私は最近よく思うのでございますけれども、ヨーロッパあたりへ行ってみますと、かなりの国で車検という制度自体がない国がございます。つまり、人から法律でいろいろ規制を受けなくても、車が安全であるということが自分の身を守ることならば、自分で車をきちんとやったらどうか、そんな思想だろうと私は思うのでございます。したがって、ただ車検制度を厳しくやればいいということではなくて、そういう面にまでやっぱりドライバーの意識の高揚というものをあわせて図っていく必要があるのではないかと思っております。
○新村(勝)委員 次に、通産省にお伺いしたいのですが、今までしばしば炭鉱の災害がございまして、最近大夕張における大惨事があったわけであります。この事故についての事故調査委員会において、今までその真相の究明を行ってこられたそうでありますけれども、その事故調査委員会の調査の結果がおわかりでしたら、お伺いをしたいと思います。
○平河政府委員 お答えいたします。
 南大夕張の炭鉱事故調査委員会は、事故の発生後直ちに組織されまして、鋭意調査検討を続けてきたところでございますけれども、実はきのう調査委員会が開催されておりまして、これまでの調査結果を整理いたしまして、現段階での所見をまとめているところでございます。
 この所見によりますと、まず災害の種類でございますけれども、ガス爆発とほぼ断定しております。ただし、これに伴いまして一部に炭じんの燃焼ないし爆発の関与が見られるとしております。
 次に、爆発の地点の絞り込みでございますけれども、従来から八片連れ坑道内と判断されておりましたけれども、その坑道の中で、同坑道の三日抜きから四日抜き間のボーリング座周辺の可能性が極めて高いと、坑道の中での範囲をかなり狭めてきております。
 次に、ガス源についてでございますけれども、八片連れ坑道の三日抜き以南のボーリング座、中でも十二、十三、これは番号でございますけれども、このボーリング孔のビニールカバーあるいは吸引用のチューブ類の離脱等によりガスが急速に湧出した可能性が高いというふうに判断しております。
 次に、火源については、発破、自然発火、金属等の摩擦、裸火等の可能性はほとんどないと考えられるという判断をしております。爆発地点におきます静電気の発生及び電気工作物のスパーク等の可能性について、今後詳細な検討が必要であるというふうにしております。
 このような調査結果を踏まえまして、事故調査委員会といたしましては、今次災害の原因については、なお十分断定し得ない状況にはあるものの、現段階の所感として、「可燃性ガスの異常湧出防止のための諸対策の確実な実施が、この種災害の再発防止対策の基本であると考えられる。このためには、当面ボーリング座の施設管理、密閉、高落ち箇所の処置等ガス観測も含めたガス管理体制について再検討し、所要の対策を講ずる必要がある。加えて電気工作物の保守管理の再点検や風管設置方法の再検討も必要である」、このように結論づけております。
○新村(勝)委員 そうしますと、ガス管理体制あるいは風管設置方法の検討等、調査の結果では現体制では十分ではないという結論のようにうかがえます。全体としての今お話の印象では、管理者側には決定的な手落ちはないというような言い回しのようでありますけれども、なおかつ、幾つかの点で改善の余地がある、こういうことのようでありまして、まだ最終的な結論ではないということでありますが、これらのガス管理あるいは風管設置方法というような点については、事前にもう少し完全な設備ないしは管理ができなかったものかどうか、それから、今指摘をされた諸点についても、事前にもっと万全の策がとれなかったのかどうか、そういうことについてはどうお考えですか。
○平河政府委員 ガス管理の体制につきまして、今回の事故の原因となったようなことが事前にすべて予知できなかったかどうかというお話でございますが、当山はもともとガスが多いところでございますので、従前からガス管理にはかなり重要な配慮をいたしまして、処置をしていたところでございますけれども、今回の事故で出てまいりましたボーリング座の穴からある日突然にガスが湧出するというふうなことは、余り想定していなかったものですから、その点について今回十分調査をし、対策を整理していきたい、かように考えております。
○新村(勝)委員 政府の石炭政策についてはかねてから伺っておるわけでありまして、現在のエネルギー供給の一七%ぐらいは石炭に依存をしておる。その中で国産石炭は二%ないし三%だ。この二%ないし三%というのは、国産でエネルギーを賄うという点では非常に重要だというふうには聞いておりますが、重要であればあるほど、国策によって時に数百人の人命を犠牲にするということは耐えがたいことだと思うのです。
 ですから、国内の石炭の生産を放棄するわけにはいかないと思いますけれども、今の最新の技術を駆使して、何とかいかなる突発事故についても対応できるような体制をつくることができないのかどうか。それが仮に採算に合わないとすれば、これは国策である以上、国がある程度の補助をしても、そういう最新の設備を駆使できないものかどうか。場合によったら、最先端部は自動機械によって、ロボット的な装置によって採炭をすることができないのかどうか、そういった点の科学的な可能性等について大臣はどうお考えですか。
○柴田(益)政府委員 今先生御指摘のように、体の日本のエネルギーの中で石炭の占める割合は一七%台、一八%弱でございますし、その中で国内炭の占めるウエートは三%弱ということで、数字的には非常に小さいわけでございますが、国内炭相当部分はいわゆる一般炭でございまして、電力とかセメントとか産業で使っている一般炭、半分はそれでもまだ国内炭で賄っております。
 そういう意味で、国内炭はエネルギー政策上できるだけ活用していくということで我々考えておるわけでございますが、御指摘のように、この国内炭を活用するにいたしましても、保安の確保が大前提でございます。そういう意味におきまして、従来からこの保安の確保のためのいろんな技術開発につきましては、国としても予算上数百億円助成しておるわけでございまして、国としてもその辺を相当助成すべきではないかという御発言がございましたけれども、現在でも七割から八割補助という非常に高率の補助でやっております。
 また、御指摘のように、深部化してまいりますとガスが非常に多くなってくるということで、ロボット化できないかというようなこともいろいろ検討されております。そういうことで、技術開発をすれば、それに対する政府の助成もそれなりにやっていきたい、そういうふうに考えておるところでございます。
○新村(勝)委員 石炭生産を放棄することはできない、エネルギーのわずか三%ですけれども、やはりその重みは三%以上のものがあるということなんですね。ですから、その三%のエネルギー生産のために数百人の人命を犠牲にするということは、国民としては、人情としては耐えられないことだと思います。ですから、今技術的な開発をなさっておるというお話は聞きましたけれども、大臣として、少なくとも人命を失うような大災害は未然に防ぐことができる体制を一日も早く整備をしていただきたいと思うのです。その点について大臣の御決意を伺いたいと思います。
○村田国務大臣 新村委員にお答え申し上げます。
 高島炭鉱災害、それからまた南大夕張炭鉱災害、二度相次いで貴重な人命を失うという事故が起こったわけでございまして、これについての、エネルギー対策という意味では先ほど資源エネルギー庁長官からお答え申し上げたとおりでございますが、保安問題というのは何より重要であるという認識を持っております。したがいまして、災害が全くなくなるということを理想にいたしまして、注意の上にも注意を払いながら保安行政というものを続けていく。そしてまた、国内炭の重要性というものは、引き続いてやはりその認識の上に立って石炭の採取というものを続けていきたい、こういう考え方でございます。
○新村(勝)委員 その事業に携わっている労働者の方々、それから企業の経営者も同じでありますけれども、特に採炭の最前線に立っておる人たち、労働者の方々は、数百人の仲間が犠牲になっても、なおかつその山を放棄しようとはしないわけですね。なおかつ敢然として次の日から生産に立ち向かっているということですね。この姿にはやはり行政は十分こたえていかなければいけないと思うのです。ですから、そういう点でひとつ全力を挙げての対策をお願いをしたいと思います。
 次に、バスの問題です。これはバスだけではなくて鉄道も含みますけれども、特にバスの場合には、公共交通機関としての非常に大きな社会的な意義があるのですけれども、今いろいろな状況のためにその使命を果たすことができない状況にあります。
 地方というか、大都市以外の地域においては、マイカーの普及のために乗る者が少なくなる、乗る者が少なくなるからしたがって運転回数も減らす、ますます少なくなるという悪循環に陥っておるわけです。それから市街地においては、交通渋滞のために時間を守ることができないということで、これまた利用者から評判がよくないということで、そういう社会的な要因によってバスの機能が損なわれておるわけです。私の近所でも、交通渋滞する日には、バスのスケジュールが二割、三割と運休をせざるを得ない。途中が込むために予定どおり動けないというのです。
 こういうことでありますので、バスの機能を回復をさせるための何らかの政策が必要な段階ではないか。これはもう既に繰り返されている論議でありますけれども、その点についてどういうお考えがあるのか、伺いたいと思います。既に先進的なところ、例えば名古屋市のような先進的なところでは、バスの専用レーンを設置をしているというようなことも聞いておりますけれども、こういうバスに交通秩序の中で優先権を持たせるような政策がとれないものかどうか、まず伺いたいと思います。
○服部政府委員 お答えいたします。
 最後の公共交通機関と言われますバス問題をめぐります地方部あるいは都市部を通じての問題点の御指摘がございましたが、まさに先生御指摘のとおりでございます。
 私ども、特に都市部におきますバスの復権の問題に今鋭意取り組んでおるところでございますが、この都市部におきますバス輸送の問題点というのは、申し上げるまでもないことでございますけれども、走行速度の著しい低下ということであり、かつ、それに伴って生じてまいります定時性の確保が図れない、こういう点に尽きるわけでありまして、したがって、その結果快適性も失われる、利便性も失われるということであろうかというふうに考えております。
 したがいまして、都市部におきますこういったバス事業といいますか、バス輸送の復権を図りますためには、いろいろな方策をかみ合わせまして、バスの走行速度のできる限りのアップをねらう、そして、そのことを通じまして定時性の確保を図るということであろうというふうに考えておるところでございまして、そういう考え方に基づきまして、私どもは、バス車両の低床、広ドア、冷房化ということを進めておりますし、また一方、バスが乗り場に近づいてくるということがお待ちの利用者の方々によくわかっていただけるような、バスの接近を表示するシステムを開発し、整備する、あるいはバスと鉄道の乗り継ぎを円滑にするといったような方向、あるいは先生も御指摘のバスの優先レーン、あるいはさらに専用レーンといったものをできるだけ広範囲に確保していくというような施策を講じてまいっているところでございます。
 なお、先生の御質問の中にございました、名古屋市におきますいわゆる都市新バスシステムというのは、これもまた先生御指摘のとおり、非常に効果を上げつつあるというふうに私どもも見ておるところでございまして、今後ともそういう方向で精いっぱい努力してまいりたいというふうに考えております。
○新村(勝)委員 今のお答えのように、名古屋市で既に先進的な試みを実行されて相当な成果を上げておるわけでありますが、これを行うためには、単に交通道徳、運転者のマナーに期待をするというだけではとてもできないのです。ですから、そのためには条例あるいは法律等によって優先権をバスに与えるということでなければいけないと思うのですけれども、そういった方面の検討はなされているのかどうか、その点を……。
○服部政府委員 ごもっともな御指摘でございまして、私どもも、バスの復権を図りますための施策といたしまして、いろいろと警察当局なり自治体とも密接な連携をとって御相談をしてまいっているという実態にございます。
○新村(勝)委員 大変抽象的なお答えですけれども、これは法的な検討が必要な事項ですよ。ですから、そういった面についてどの程度検討されているのか、もう少し具体的にお答えできませんか。
○服部政府委員 法律的な手当てを講じてという御指摘であったと思いますが、実は私ども、そこまでのことは現在まだ考えていないということでございます。
○新村(勝)委員 法律というのは余りない方がいいのです。特に交通法規というのは少ないほどいいのですけれども、やはり特に大都市地域におけるバスの復権ということを考えた場合には、ある程度のそういった方面の整備がなければ実効を期することができないと思うのです。ですから、そういう点についてもひとつ御検討いただきたいと思いますが、御検討の用意がありますか。
○服部政府委員 最前御答弁申し上げたとおり、私どもといたしましては、現在そういった法的な措置をもってバスの復権を図るというところまでのことは考えておりませんけれども、先生のせっかくの御指摘でございますので、そういう問題意識も持って今後に処してまいりたいというふうに考えます。
○新村(勝)委員 次に、大都市圏の通勤輸送の問題についてお伺いをいたしたいと思います。
 この問題については、繰り返し当局に御要望を申し上げたり、また問題点の指摘等を行ってきたところでございますけれども、近いうちに大臣の諮問機関である運輸政策審議会において、大都市圏の交通体系、特にこれは鉄道でありますけれども、それの答申が六月末か七月始めには発表されるということを聞いておりますが、この六月末の発表というのは予定どおり行われますか。
○服部政府委員 現在運輸政策審議会において御検討いただいております東京圏の高速鉄道網の整備構想の問題につきましては、ほぼ予定どおり作業が進捗してまいっている状況でございまして、六月末と言いたいところでございますが、若干七月にずれ込んだ格好で答申をおまとめいただけるのではないかと現在考えておるところでございます。
○新村(勝)委員 その中で、この路線はどこを通るかというところまでは、お伺いしたいのですけれども、それは無理でしょうから、それはもうすぐ発表されるわけですから結構でありますが、このように東京圏の鉄道新線についての答申が行われるわけでありますけれども、それを受けて国鉄当局は、これに対してどういう対応をなさいますか。まだ答申が出ていないから何も言えないということではなくて、東京圏内の通勤交通というのはもう極限に達しておるわけでありますから、それに対する解決の方法としての意味が非常に重いと思っております。そういう答申に対して基本的にはどういう態度で対応なさいますか。
○岡田説明員 運政審の東京都会に含まれます答申の内容は、非常に多岐にわたる問題を含んでいると考えております。その中で、特に国鉄が現在持っております路線と関係の深い問題といたしましては、常磐線筋の問題とそれから武蔵野南線の旅客化と申しますか、そういうようなお話がその中に織り込まれるのではないかというふうにお伺いをいたしておりますが、先生のお尋ねの趣旨は第二常磐線のことと考えてよろしゅうございますでしょうか。
 第二常磐線につきましては、御承知のように、常磐線筋は昭和四十年代の前半に複線化をいたしたところでございますが、大変人口の増加傾向が著しいということで、年々混雑の度を加えてきております。そういったことで、ことしの三月のダイヤ改正の時点におきましても、中距離電車の十二両を十五両にする、あるいは緩行電車の増発をするというようなことで対処してきているわけでございますが、さらに、今後の東京圏におきます人口の張りつきが、主として茨城県南部地区に張りつくという想定もなされているわけでございまして、今後、現在設備を使っての増強として考えられておりますところの快速電車の十五両化という対策を講じましても、なお昭和七十年代には行き詰まってくるということが考えられているわけでございます。この第二常磐線の問題につきましては、今るる御説明申し上げましたように、国鉄の常磐線とのかかわりが非常に深いわけでございますので、国鉄といたしましても、この問題に積極的に取り組んでいきたいと考えている次第でございます。
 しかしながら、第二常磐線のプロジェクトに要します工事費は極めて多額でございますので、工事資金の調達あるいは財政的な措置というようなものもお願いをしてまいらなければいかぬというふうに思いますし、そういった点につきましては、答申をいただきましたら、早急に地元の公共団体等とも御相談を申し上げまして、ともども検討の場をつくってまいりたいし、また同時に、政府の御指導も仰ぎながら、計画の具体化を図ってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○新村(勝)委員 鉄道の使命というのは、しばしば国鉄さんもおっしゃっているように、大都市圏内の通勤輸送の確保、都市間の大量輸送、陸上貨物の運送、この貨物の運送については大分怪しくなっておりますけれども、何といっても大都市圏内の通勤輸送というのは、ほかの手段をもって代替することのできない手段です。しかも、これは国民生活に直接関係があると同時に、国民経済にとっても至大の関係があるわけでありまして、通勤輸送が確保されないということは、経済の発展にも大きなブレーキになるわけであります。そういう意味からいって、国鉄さんの現在の使命の最大のものは、何といっても通勤輸送の確保であろうと思いますが、それらを含めて総裁の御決意を伺いたいと思います。
○仁杉説明員 お答えいたします。
 今先生御指摘のとおり、国鉄の大きな使命に都市交通がある。殊に都市交通につきましては、通勤輸送、通学輸送等を含めまして他の機関で代替ができないという問題もございまして、私どもも、この問題には積極的に取り組んでいかなければならないというふうに考えております。
 今御指摘の常磐線の問題にいたしましても、国鉄としては積極的に取り組んでまいりたいという考えでございますが、ただいま国鉄再建委員会でいろいろ経営形態のあり方等を御論議いただいておりますし、また多額の金のかかることでございますので、その資金の確保というような問題もいろいろございますが、それらを総合しながら、運輸省ともよく御相談してぜひ参画してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○新村(勝)委員 運政審の答申も間近に迫っておりますので、大臣におかれてもあるいは国鉄におかれても、これを受けて直ちにそれに対応できる決意をひとつ固めておいていただきたいと思います。
 以上で終わります。
○安井委員長 次に、貝沼次郎君。
○貝沼委員 大分久しぶりでございますけれども、原子力発電関係につきまして、二、三状況が変わってまいりましたので、この際質問をさせていただきたいと思います。そこで、このあと廃炉の問題なども考えておりますので、順序といたしまして、初めに原子燃料関係についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 これは日本時間六十年六月六日、米国エネルギー省のウラン濃縮事業に関する決定というのが報道されておりまして、今までのアメリカの核燃料の濃縮の仕方につきまして変更の内容のようでございます。今までは遠心分離法というので濃縮をしておったわけでありますが、私が聞いた範囲によりますと、エネルギー省は、ウラン濃縮市場での競争力確保のため、レーザー法を遠心分離法より優位の技術として選択をした、これは二十一世紀を目指してのようでございますけれども、そのように選択をした。我が国は今遠心分離法によって進めようとしているわけでありますが、この辺のところでどういう影響があるのかということで、きょうは質問させていただくわけでございます。
 そこで初めに、この米国の決定発表につきまして、我が国としてはどのように受けとめておられるのか、どういう内容として受けとめておられるのか、そしてそれに対してどのように考えておられるか、この点を伺っておきたいと思います。
○雨村政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま先生御指摘のように、この六日に、米国のエネルギー省は次の段階のウラン濃縮の技術としまして、遠心分離法とレーザー法との比較を検討しておりましたけれども、レーザー法を採用することに決定したわけでございます。先生の御指摘のとおりでございます。
 アメリカの場合は、御承知のように現在ガス拡散法で供給能力があるわけでございますけれども、それに対しまして我が国は、現在のところ濃縮ウランの供給能力はないわけでございます。したがいまして、我が国といたしましては、現在。は、従来から検討してまいりました遠心分離法によりまして、一刻も早くその供給体制をつくるということを目標として進めてきたわけでございます。先生御承知のように、現在岡山県の人形峠におきまして動燃事業団がウラン濃縮の原型ブラントの建設を開始しておりますし、引き続きまして、青森県の下北半島でございますけれども、商業用の濃縮ブラントが建設される予定になっておるわけでございますでこのようにしまして、我が国の供給体制というものを一刻も早く確立したいというふうに思っているわけでございます。
 一方、御指摘のレーザー法でございますけれども、もちろんこれも私どもといたしまして非常に有用な技術であるというふうには評価しておりまして、現在研究開発を進めているところでございます。これも先生御承知かと思いますけれども、レーザー法には分子法あるいは原子法といろいろございまして、それぞれ分担いたしまして、日本原子力研究所あるいは理化学研究所といったところでその研究を進めているところでございます。今後の進め方につきましては、そういった研究成果を見定めながら、これから考えてまいりたいというふうに思っているところでございます。
○貝沼委員 そこで、アメリカが次の段階での、次の世代の技術として採用されたわけでありますが、その採用に当たっては、それなりの理由があって採用したはずですね。そこで、どういう理由でそういうふうに採用したと受け取っておられるか、この点を説明していただきたいと思います。
○雨村政府委員 お答えを申し上げます。
 レーザー法と遠心分離法の比較ということになるというふうに存ずるわけでございますけれども、御承知のように、遠心分離法の方は、ウラン棚と湖の質量の非常にわずかな差を利用いたしまして分離しているわけでございまして、少しずつ少しずつ濃度を上げていくという方をとっているわけでございます。一方、レーザー法の方は、ある特定の波長にウラン郷と棚が違った反応を示すということが原理的にわかっておりまして、そういったものを組み合わせて、その反応の差によってより分けるということでございまして、これは非常にうまくいきますと、分離の効率が非常に高いというふうに考えられるわけでございます。
 したがいまして、そのように分離効率が高いわけでございますから、考えられますことは、非常にコンパクトな施設で生産ができるであろうということが考えられますので、そういったもので効率的に天然ウランを濃縮ウランに変えることができるというような特徴があろうかと思います。またあるいは、そういった効率がよいものでございますから、遠心分離プラントから出てまいります劣化ウランでございますとか、あるいは再処理過程で出てまいります回収ウランでございますとか、そういったものを再濃縮するのにも非常に便利というふうに考えるわけでございます。したがいまして、こういうような特徴がございますので、工学的に非常にうまくいくというような技術が確立されましたら、経済性も非常に出てまいるわけでございますので、将来有望な技術というふうに判断したいというふうに考えているわけでございます。
○貝沼委員 例えば、一つは商業的判断でどちらが有利なのかということですね。と申しますのは、このアメリカの報告の中に、プロセス評価委員会で十分に吟味した結果の決定であり、エネルギー省としてはレーザー法の技術開発努力をすることにより、ここ三年で四、五億ドルの節約が可能と推定できるというような言葉や、あるいは、現在ポーツマスに建設中の遠心分離法は本日をもって米国政府の関与は終わりとするとか、そういったことがいろいろ書いてあるようでございますが、商業的な意味でレーザー法の方が有利という判断に立ったのかなという感じがするわけでありますが、この辺はいかがですか。
○雨村政府委員 お答え申し上げます。
 先ほども申し上げましたように、アメリカでは現在ガス拡散法で供給しておりまして、次の技術といたしましてレーザー法の採用を決定したわけでございます。レーザー法を採用するに当たりましては、経済性と申しますか、コストと申しますか、競争力をつけようということが念頭にあったということば確かだと思います。それから、先生がおつしゃいましたような節約できる金額も発表されておるわけでございますが、その辺の詳細につきましては、その裏になりますデータを私どもまだ入手しておりませんので、もう少し調べさせていただきたいと思います。
 先ほど申しましたように、経済的に確かによいものだというふうに思いましてアメリカは採用したものだとは思いますが、二十一世紀のものだというふうにも申しておりますし、私どもといたしましては、アメリカの今回発表になりましたもののバックになりますところの経済性なり技術というものを、これからもう少し調べていきたいと思っているわけでございます。
○貝沼委員 日本の濃縮技術も、これは五月二十四日の報道でありますが、従来よりも三十倍も効率のいい遠心分離機ができたという報道が出ておりまして、集合型遠心分離機というふうに書いてあります。これは従来の三十倍効率がいいといいますが、これらの日本の開発した技術は、アメリカのもはっきりしたことはわからないと思いますが、そういうレーザー法によるものに負けていないというような判断に立つものでしょうか、いかがなものでしょうか。
○雨村政府委員 お答え申し上げます。
 今先生御指摘の動燃事業団で現在開発しております遠心分離法の装置でございますけれども、これは先生御指摘のように、非常に性能のいいものが現在試験としてはうまくいっているわけでございまして、できますれば、これは現在岡山県の研究ブラント建設中でございますけれども、御承知のように、あれは第一期と第二期に分けて建設しております。第二期のところには、今の装置というものを採用したいというふうに考えておるところでございます。それから、この技術は恐らく、青森県の下北半島で現在考えられております商業プラントにも採用される予定になっております。
 それで、こういったウラン濃縮の技術、それからそのコストでございますけれども、これは非常に機微な技術でございます。そういった面で、その情報というものは、外国の状況を正確に把握することはできないわけでございますけれども、私どもといたしましては、当面このウラン濃縮の改良された技術によりまして、国際競争力を持つようなウラン濃縮工場ができるというふうに期待しているわけでございます。
○貝沼委員 国際競争力を持つように、当面はこの遠心分離法によっていくという言葉でありますが、これは大体次の世代をも見通して日本は遠心分離法でいくという当局の表明である、こういうふうに受け取ってよろしいですか。
○雨村政府委員 お答え申し上げます。
 現在私どもは、原子力委員会の決定いたしました長期計画に基づいて原子力の開発利用を進めているわけでございますけれども、当面日本が自主的な技術といたしまして恒常的な規模でできますものは遠心分離法でございまして、その技術によりまして当面の生産というものを進めていくわけでございます。
 ただ、先ほども申し上げましたように、レーザー法も将来の技術としましては非常に有望なものの一つというふうに認識しておりますので、その研究自体は、先ほども申し上げましたけれども、原子力研究所あるいは理化学研究所におきまして研究を進めておりまして、それがある段階になりますと、それを評価いたしまして、その先どう進めていくかというようなことを検討させていただきたいというふうに思っておるわけでございます。
○貝沼委員 それから、問題はそういうふうにこれから進めていくわけでありますが、ただ、核燃料については俗に言うPPですね、要するに、核燃料においてはどうやって守るかということが決められておるわけでありますが、こういう遠心分離機は核燃料じゃありませんので、その工場あるいはその秘密というものが非常に問題になってくるわけであります。したがいまして、こういう技術が漏れないための対策といいますか、そういうものは大丈夫かという声があるわけでございます。これについては、当局としてはどういうお考えでおられますか。
○雨村政府委員 お答え申します。
 先生御指摘のように、原子力関係には機微な技術が幾つかあるわけでございますが、このウラン濃縮の技術もそのように考えられておるわけでございます。現在は、この動燃事業団を中心に技術研究開発が進められているわけでございますけれども、例えばこの事業団におきましては、核拡散の防止という観点、これは先生、今の御指摘の観点でございますが、その観点からと、もう一つは、財産権の保護という観点から、機微な情報というものが外部に漏えいしないように、これは内部規定で厳重に管理運用しているところでございます。
○貝沼委員 今、日本の原子燃料というものがどういう方向に行くのだろうか。とにかく、アメリカがくしゃみをすれば日本は風邪を引くというような状況に言われておる日本でありますので、とかくアメリカの方がこういう決定をいたしますと、日本もまた変わるのかなと、私ども岡山県におる人間にとって、最高の技術が岡山にあると思って自負しておるわけでありますが、これもちょっと、じゃおくれておるのかなという、そういう感じもしないではなかったのでありますが、ただいまの答弁を聞きまして、確信を強くいたしました。
 それで、今度は燃料から離れまして、炉の方を通産省の方にお伺いをいたしますが、いよいよ原子炉の寿命も問題になってまいりまして、炉をどのようにして処置していくか、こういう議論をしなければならない時代に入ったと思います。私は、かつて科学技術の方で何回かごの廃炉の問題を取り上げたことがありましたけれども、まだ時期が早くてそういう議論に乗りませんでしたが、いよいよ今度は、原研の炉などが対象になっておるのでしょうけれども、どうやって廃炉をするかという具体的な話が出てまいりました。
 そこで、例えば原子炉廃棄に新工法とか、何とか建設がこれを考えておるとか、あるいは三年ないし十年間密閉しておいてその後解体をするとか、いろんなことが言われておるわけでございます。その中で、最近の報道によりますと、通産省の方針といたしまして、これは報道でありますから「通産省方針」といたしまして、「寿命尽きた原発の処理」、こういう見出しで、「耐用年数が来た商業用原子力発電所の処理について、通産省・資源エネルギー庁は、運転停止後最長十年間、建物に人が入れないように密閉したあと解体撤去することにした。」こういうふうな記事が載っております。
 そうして、その具体的な方針といたしまして、廃止措置の基本方針といたしまして、一つは「原発の規模、炉の型に関係なく、強い放射能を出すコバルト60の放射能が半分近くに減る最低期間の三、四年間から最長十年間、密閉管理したあと解体撤去する」、それから二番目といたしまして、「廃炉費用約三百億円(出力百十万キロワット級の大規模発電所で密閉期間が五年の場合)は、電力料金に加算し、電力会社に廃炉準備金として毎年度の決算で積み立てる」、それから、「発生する廃棄物約五十五万トン(出力百十万キロワット級)の約二%程度とみられる低レベル及び極低レベル放射性廃棄物は主として」下北の方に貯蔵というふうなことが載っておるわけでありますが、この通産省方針と言われておるものは、これは事実でございますか。
○逢坂政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘の廃炉といいますか、運転が終了した原子炉の廃止措置につきましては、私ども大変重要な問題であるというふうに認識しておりまして、総合エネルギー調査会原子力部会の原子炉廃止措置対策小委員会というところで昨年の三月から、具体的な廃止方式でありますとか、廃棄物の先生御指摘の処分対策、関連技術などにつきまして鋭意検討が進められてきております。御指摘の点でございますが、現在最終取りまとめの段階に来ておりまして、来月の半ばにはこの答申がいただけるのではないかというふうに予想しております。
 それで、廃止措置につきましては、五十七年の六月に原子力開発利用長期計画というのを原子力委員会で出しておりまして、そこでは原子炉の廃止措置については、「原子炉の運転終了後できるだけ早い時期に解体撤去することを原則」とする、こういうことで大筋原則は決められておるわけでございます。私どもの方で検討させていただいておりますこういう問題は、具体的なものについて実施しているということでございます。
 それで、今の先生の御指摘の具体的な内容は、実はまだ最終答申をいただいているところではございませんので、はっきりはお答えできないのでございますが、およそ先生の御指摘のような線でまとまるものではないかと、今のところ予想しておるわけでございます。
○貝沼委員 要するに、小委員会の報告書がまとまるのは七月ごろになるかもしれないけれども、当局として大体期待しておるものはこういった内容のものであるというふうに理解してよろしいですね。もう一度答弁をお願いします。
○逢坂政府委員 具体的なものではなくて、大体そういうような方向でまとまるのではないかと予想しております。
   〔委員長退席、井上(一)委員長代理着席〕
○貝沼委員 それで、私はどうも不思議なのは、原子炉をつくるときになぜ廃炉のことが考えられないでつくるのかということですね。どういう事業をやるにしても、最後まで考えて、そしてその事業が成り立つかどうかというのを普通考えると思うのです。ところが、原子炉の場合は、とにかくつくって発電をする、それだけ一生懸命やって、その後今度はこれは廃炉をするといったって、実際に炉を処分するためには金が相当かかるわけでしょう。ところが、そのお金は今どこから出てくるかというめどはないわけですね。今の方針ですと、廃炉準備金というものを決算で積み立てるというのですけれども、これからの話でありまして、つくったときから積み立てているわけではありません。こういうような何となくその場限りのことが多いような気がするわけであります。なぜこれは初めから廃炉のことを考えて計画はしなかったのでしょうか。
 というのは、例えば原子力の発電コストというのは幾ら幾らである、何点なんというふうにまさしい数字が出ているわけですね。ところが、実際は廃炉にも金がかかるわけです。そういったことも本当は計算に入れてコストというものを出さなければいけない。ところが、初めのうちはそれは除外して出していない。そして、いよいよあと十何年間で炉を処分しなくてはならないという段階になって、今度は準備金をつくるとかあるいは廃炉の費用がどうだとかということが言い出されてくる。これでは私は一貫性がないような気がいたしますが、こういうことでよろしいのでしょうか。
○柴田(益)政府委員 原子力発電所をつくる場合には、廃炉のことまで考えてつくっておるわけでございます。現在の原子力発電所の発電単価を申し上げますと、昨年度のモデル計算でまいりますと、キロワットアワー当たり十三円でございまして、石炭火力が十四円、石油火力が十七円という数字が出ておりますが、廃炉費用につきましては、海外でのいろいろの知見を我々集めておりまして、そういうものから類推いたしまして、大体今の原子力発電コストプラス一割、十三円にプラス一割という程度のものとして従来から考えておりまして、そういう経済計算のもとに原子力発電所を進めてきたわけでございます。
○貝沼委員 ですから、まだ廃炉の方法が決まらないのですよ。決まらないのに、どうやって計算したのでしょうね。結局できっこないのです。できっこないのに、ただ計算した計算した。じゃ、どういう方法でやるのですか。方法によって金がかかるのが全部違う。それがどうやって金が出てきたのか。ということは、ちょっと鉛筆をなめて書いたのと幾らも変わらないということですね。ですから、初めから方法というものは考えておくべきじゃなかったですかということです。
 原子力発電をやっていて廃棄物が出てくる。この廃棄物の処理の問題もそうだったのですね。ですから、トイレなきマンションと言われたのでしょう。そういうようなことが私はやはり何となく泥縄式に映るので、今までは仕方のないことですけれども、今後はひとつきちっとしていただきたい。そうしてさらに、ここにありますように準備金というようなことになってまいりますと、これは電気事業法の面で義務づけその他の問題が出てまいりますので、法律的な改正をすべきところが当然出てくると思いますが、その辺の観測はいかがですか。
○柴田(益)政府委員 先生御指摘のように、廃炉費用についてはきちんとすべきであるというお考えにつきましては、まことにごもっともでございます。廃炉の問題が実際に現実化してまいりますのは、商業用原子炉につきましては十年以上先がと思いますが、今からきちっとしておく必要があるわけでございます。
 そこで、先ほど逢坂審議官がお答え申し上げましたように、現在原子力部会の廃炉対策小委員会で廃炉の方式について技術的にいろいろ検討しておりまして、来月にもその答申が出るということでございますので、その答申を待ちまして細かい費用計算をする方向で今準備をしておりまして、その後、料金制度にどうしていくか。新聞では準備金というようなことも書いてございますけれども、まずその方式が出されまして、それに従いまして廃炉の費用というものを積算いたしまして、それを今後の料金制度にどう織り込んでいくか、研究を進めていきたいというふうに考えている次第でございます。
○貝沼委員 時間が迫ってまいりましたので、原子力問題は以上で終わりたいと思います。何といっても原子力問題は信頼が第一でありますので、ひとつそういうことでお願いしたいと思います。
 次、運輸省にお願いいたします。
 これは飛行場の陳情でございますけれども、既に岡山県の新岡山空港建設推進協議会の方から、中四国のへそのような地位を占めようとする新岡山空港の陳情が出ておると思います。場所的に大変重要な土地でありながら、岡山の空港というのは今非常に小さく、飛行機も小さく、滑走路も短く、したがって乗る人も少なく、新幹線とどっこいどっこいの時間がかかる、こういうようなところなんですね。これでは中四国の発展はちょっと望めません。そこで、今回新岡山空港ということが出されまして、幸い現在予算もついておるわけでございますが、三つの要請が出ておると思います。
 その一つは、新岡山空港が昭和六十三年春、いわゆる瀬戸大橋との関連でありますが、この瀬戸大橋がかかるころに何とかできてもらわないと困るということで、そのころまでにできるように予算措置をお願いしたい、こういうのが一つでございます。それから二番目は、滑走路が二千メーターでありますが、この二千メーターを二千五百メーターに初めからひとつ何とかしていただけないか、第五次空港整備五カ年計画にこれを組み入れていただくようなわけにはいかないだろうかということでございます。三点目は、三種を二種空港へ格上げしていただきたい。この三つの陳情が出ておるわけでありますが、これについて当局の考え方を聞きたいと思います。
○西村政府委員 新岡山空港の建設につきまして、今お話しのように建設推進協議会から陳情を承っております。
 まず第一点の供用開始の目標でございますが、現在私どもできるだけ早く、早期開港ということで努力をしてきております。岡山県も非常に御努力をいただいておるわけですが、私どもも予算の配付等につきましてはできる限りの努力をしておりまして、まだなお昭和六十一年度以降も若干の額を残しておりますが、供用開始は六十年代のできるだけ早い時期にしたいと考えているわけでございます。
 それから二番日の滑走路の延長でございますが、滑走路の延長は、現在の整備計画は二千メートルでございまして、この二千メートルの滑走路ができますと、現在のYSが飛んでいるのと違いまして、ボーイング767等の中型ジェット機が飛べる、この結果、一機当たりの輸送力は四倍近いものが可能になるわけでございまして、輸送力が飛躍的に増大いたします。そういうことで、現在岡山空港に期待されている輸送需要には当面十分対応できるということでございますので、開港後さらに新たな輸送需要がどう出てくるかということを勘案しながら、将来の拡張の必要性というものに対処していきたいと考えている次第でございます。
 それから第三点の、岡山空港を三種空港から二種空港へ格上げしてほしいという御要望でございます。
 御承知のように、空港整備法というのは一種、二種、三種という区分を設けまして、二種空港は運輸大臣の設置する飛行場として、全国の航空交通ネットワークの中核的な飛行場としてやる、三種空港は地方空港ということで今日までやってきたわけでございますが、今日の空港整備の環境と申しますか、実態も徐々に移り変わってきまして、各地方の空港というのは、それぞれのローカルの輸送需要に対応して、いろいろな意味での開発の拠点としても、高速交通ネットワークの中核としても、地方自身が地域社会の発展の求めに非常に御熱心に取り組まれているという状況でございます。こういう点から申しまして、現在は実は二種空港と三種空港の区分は実態的にもなくなってきておりますし、したがって、制度的にも二種、三種の区分をすることはいかがかという議論が出てきております。
 私ども現在、当面は二種、三種という区分で今後の空港整備法の体系を維持し、これに従って空港を整備していくことが適当と考えているわけですが、しかし将来にわたってまでこういったあり方が適当かどうかということにつきましては、今後長期的な課題として検討していくような必要性も出てくるのじゃないかというふうに思っているわけでございます。そういう状況でございますので、三種空港の二種空港への格上げというような個別の空港についての対応というのは、現在考えていないということをお答えさせていただきたいと思います。
○貝沼委員 実態的に二種空港、三種空港が余り違わないと言うけれども、補助金の率ではぐんと違うわけでありますから、それで問題になっておるのです。同じようなものをつくるのなら、補助金だって同じようにしていただきたい、こういうことです。そこを逆にとらないようにお願いします。
 それから、先ほど六十年代のできるだけ早い時期と言いましたが、これは六十三年の春と私は言いましたので、そういう表現になったと思いますが、六十三年の春かどうかはわからないけれども、大体その辺をめどにというふうに受け取ってよろしいかどうか、これが一点。よろしいですか。
 それからもう一点は、さらに五百メートル延長という問題であります。将来の拡張の必要性云々という言葉でありますが、要するに、今は実績がないというだけのことですから、将来開港してみていろいろな実績を見た上であと五百メートル必要だなということが出てきた場合に、工事などいかにして手戻りを少なくするか、そういう工夫は地元からもいろいろと相談が来ておるはずでありますから、そういうような相談にも乗りながら、手戻りが少ないようなことも考えております、こういうふうに受け取ってよろしいか、その二点を伺いたいと思います。
○西村政府委員 工事の完了は、できるだけ御希望の六十三年春ということを私どもも目指しております。
 それからさらに、将来の延長の問題でございますが、岡山県当局の方も、将来拡張の場合に手戻りがないようなやり方ということを御研究なさっているようでございますので、私どももそういう点について十分協力して、将来必要なときに必要な措置ができるような体制でいきたいと思います。
○貝沼委員 ぜひひとつ間に合うようにお願いいたします。
 次に、消費者保護の問題でお伺いをいたします。
 午前のこの委員会でも、豊田商事を筆頭に消費者保護の問題がいろいろ出ておりました。私は同じ問題を蒸し返そうとは思いませんが、この問題で非常に気になる点は、対象として高齢者が圧倒的に多いということなんです。先般の決算委員会でも、私はお年寄りの環境、これが今大きな問題となっておるということで、例えば相続の問題とかそういうことを議論させていただきました。今回は、このお年寄りの方がまたこういう悪徳商法にねらわれておるということで、一つの問題として取り上げたわけでございます。
 そこで、こういう悪徳商法に通産省がどうやって対処するのか。私たちの目から見ると何か非常になまぬるいのですけれども、私はここで通産省に聞かないで、消費者保護の基本法を持っているのは経企庁でありますから、今の通産省の取り組みで経企庁は結構である、これですべて解決するとお考えなのでしょうか。
○里田説明員 先生が御質問になっておられるのは、今問題になっております豊田商事の件かと思いますけれども、この件につきましては、一つは商法そのものの問題がございます。向こうの方も弁護士を抱えて非常に巧妙にやっておりますものですから、法律の適用がなかなか難しいということがございます。これにつきましては現在関係省庁で集まっておりまして、緊急に結論を出すべく現在鋭意検討をしているというところでございます。
 それからもう一つ、被害に遭った消費者につきましては、通産省の方では消費者相談室というのを設けておられますし、私どもの国民生活センター、それから全国に二百六十六ございます消費生活センターを通じて積極的に対応させております。現在山のように殺到しておりまして、対応に大変苦慮しておりますけれども、組織を挙げて対応しておるというところでございます。
 それから啓発につきましては、通産省の方も積極的にやっておられますし、私どももそれなりにやらしていただいていると思いますけれども、なかなか老人という方は、テレビもごらんにならない方が多い、それから新聞もごらんにならない、それからセンター等やあるいは通産省でおつくりになられたパンフレットもなかなかごらんにならないという方々がございますので、非常に私ども困ってございまして、一つのやり方としましては、県によって多少違いがございますが、奈良とか栃木、福井、山口あるいは神戸というところでは、暮らしの相談員というのがございまして、これは家庭の主婦を任命いたしまして、老人宅なんかを回っていただくということをやっております。
 私どももさらにこういうような制度を工夫してやっていきたいというぐあいに考えておりますし、それから約一億円ほど至急県に交付金を配りまして、この中の相当部分を、老人用のパンフレットをつくっていただくようにお願いしてございます。これは豊田商事ばかりではございませんで、またほかに現物の先物取引とか老人をねらっている悪質な取引がいっぱいございますもので、そういう問題もひっくるめてやろうと思っておりますけれども、各県独自の工夫をしていただきまして、いいパンフレットをつくって老人に届けるということをやらしていただこうと思っております。
○貝沼委員 それはパンフレットを見れる人ですね。それから判断のできる人ですね、その気になれば。
 そこで、実は今法律相談とかそういうところでたくさん出てまいりますのは、痴呆性の老人を抱えているところなんです。それも、痴呆性とはっきりわかればまだいいのですけれども、あるとき正気であり、あるときちょっとおかしくなる、こういう人たちです。それでも一個の人間であり、自由が認められ、自由な取引ができるわけでありますから、ここにいろいろな問題が出てくるのです。したがって、その人たちは取引したこと自体忘れてしまっているのです。だけれども、それは有効なんです。そこで、これは根本的に法律の面で決めなければならない部分があるわけですよ。これを私は、経済企画庁が中心になってひとつ進めていただきたいと思うのです。
 先般、この委員会で法務省にそのことを言いましたら、法務省は準禁治産者にできないのかというようなことを言っておりましたけれども、自分の親をそんなことができる人は恐らくいないと思いますね、いつもいつもおかしいのじゃないのですから。したがって、それはそんな簡単に言わないで、もっと対策を講すべきだと私は思うのです。この消費者保護基本法によりますと、そういう社会の発展に即応して、変わった場合ですね、その場合に消費者の保護を施策しなければならない、これが経済企画庁の持っている法律でありますから。しかも、消費者保護の条文には、具体的な施策をつくれとか、あるいは危害の防止とか公正な取引とかいろいろ書いてありますから、ひとつ各省庁連絡をとり合ってでも結構ですから、そういう痴呆性に似たお年寄りの方のおるようなところに対するこういう悪徳商法に対してどう守るか、この検討をひとつお願いしたいと思うのです。
 例えば、もう知らないうちに判をぽんと一つ押してしまって、そしてクーリングオフという制度があっても、クーリングオフが過ぎてから実はこうでしたと言われても、判を押した本人は忘れてしまっているわけですから、しかし取引は取引としてそれはちゃんとあるわけですから、その辺をひとつ御検討をいただきたい、対策を講じていただきたい、こう要望したいわけでありますが、この点はいかがでしょうか。
○里田説明員 この高齢者の問題にどう対応するか、非常に難しい問題で、私ども真剣に今検討しているというのが実態でございますけれども、なかなかこれを法律的に高齢者を保護するということは、ちょっと未成年の場合と違いまして、お年によりまして頭の痴呆が進むということではございませんので、人によって個人差がありますので、非常に難しいかと思います。
 しかし、こういう高齢者の方がそういう悪徳商法のえじきにならないよう、広く地方公共団体の末端では総合的な老人対策ということをやっておりますし、それから新聞でも拝見いたしますと、通産省の方も厚生省と連携をとっていろいろPRをやっていきたいということをおっしゃっています。私どももケースワーカーとかいうことを考えておりまして、広域的な老人の対策の一環として、こういう老人の方々にそういう悪徳商法の被害者にならないようにいろいろお世話させるような仕組みを、これは早急に私どもも考えなければいかぬと思っております。
○貝沼委員 そういう方々がいらっしゃいまして、そしてそれをねらうまた商売人がおりまして、そして常に委員会でしかられるのは通産省と、こうなるわけでありますから、通産大臣、これに対して何らかの御意見をお持ちでしたら、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
○矢橋政府委員 最近の悪徳商法に関連いたしまして、特に老人の保護ということが重要な問題になっていることは、先生御指摘のとおりでございます。
 今先生がお挙げになりました法律上の保護のあり方の問題、これも重要な問題と思っております。ただ、これは民事法の根幹にもかかわる問題であろうと思いまして、関係各省、知恵を集めなければならない点かと思っております。
 また、いま一つ御指摘になりましたPRの問題でございますが、これは私ども、一つ大きな反省点にしたいと思っております。従来はテレビで流すとか、新聞に広告を出すとか、あるいはチラシを出す、そういったことをやってきたわけでございます。それなりに一生懸命やってきたつもりでございますが、テレビも見ない、新聞も見ないというような方のことを考えますと、そのPRのやり方も今後私ども大いに工夫をしてまいりたい。例えば、民生委員の方に御助力を願う、そういった問題も含めまして、この問題について工夫、改良を重ねながら、真剣に取り組んでまいりたい、こう思っているわけでございます。
○貝沼委員 ぜひお願いいたします。
 それから最後に、時間がちょっとありますのでお尋ねいたしますが、今回の五十七年度決算検査報告書の中にも出ておりますが、毎年毎年制度融資の問題が不当事項として上がっております。これは何というか、実は大変不愉快な問題なんです。扱うのが多いから間違いもあるという議論もあるかもしれませんけれども、しかしここではそれが通りませんので、今後そういうことがないようにしていただきたいということであります。
 特に今回、「オシドリシャツ」ですか、これが大変なことをやりましたですね。しかも、これにかかわって繊維工業構造改善事業協会の課長さんがわいろをもらって、そうして大がかりな悪いことをいたしましたけれども、こういうことがあると、一体この協会というのは何をやっているのか、また、この制度融資というのは本当に何か悪の巣のように見えてくるわけですね。したがって、そういうふうな不信が起こってはいけませんので、今後こういうことのないようにしてもらわなければなりませんが、まずこのことについてどう受けとめておられるかということと、今後の決意を伺っておきたいと思います。
○石井政府委員 ただいま御指摘のケース、これは大きく中小企業高度化資金融資制度によりまして、中小企業事業団が本体としてこの融資制度を運用いたしておるわけでございますが、これにつきましては、中小企業者及びその組合に対しまして事前に診断指導をして、その貸し付けの適正化を図ってきたわけでございます。しかし、御指摘のように、毎年一部に不当事項として指摘されますようなケースを生み、また、ただいま先生御指摘の「オシドリシャツ」の件があるわけでございまして、極めて遺憾なことであるというふうに考えております。
 これまでも毎年指摘を受けるたびに、関係の事業団及びその関係いたしました都道府県に対しまして厳重な注意を促して、その改善を催促をしてきたわけでございますが、今回の「オシドリシャツ」の事件を契機にいたしまして、中小企業事業団の中に副理事長をヘッドといたします審査体制検討委員会というのをつくっていただきました。ここで諸手続の段階ごとに。度総点検をしてもらいたい、診断指導及び審査の段階、さらに償還が完了するまでの債権管理の段階、諸段階における総点検をしていただきたいということをお願いいたしまして、その結果をもちまして、さらに的確な改善措置を実行に移すように私ども指導してまいりたいと思っております。
○貝沼委員 終わります。
○井上(一)委員長代理 次に、春田重昭君。
○春田委員 私は、本日は新幹線の公害問題と国鉄の再建の中で余剰員の対策問題、この二点を中心にしながら質問をさせていただきたいと思いますが、まず新幹線の鉄道公害についてお伺いしたいと思います。
 公害対策基本法の第九条の騒音に係る環境を維持するため、新幹線鉄道騒音に係る環境基準が定まっておりますけれども、まずその数値をお示し願いたいと思います。
○林部政府委員 お答えいたします。
 地域によりまして一類型、二類型というふうに分かれておるわけでございますが、一類型というのは主として住居を頭に描いた地域でございますし、二類型の方は、商工業地域でございましても生活環境の保全が必要であると考えられておる地域というふうにとらえられておりますが、一類型につきましては七十、それから二類型につきましては七十五という数字が決められております。
○春田委員 ただいま局長から御説明があったように、一類型すなわち住居地域では七十ホン以下、二類型、いわゆる商工業地域でございますが、これは七十五ホン以下、軌道中心から二十五メーター地点の測定となっております。
 そこで、この環境基準を守るために新幹線鉄道にはおのおの達成目標期間が定められております。まず東海道・山陽新幹線については、その達成目標期間はいかようになっておりましょうか。
○林部政府委員 本年の七月が十年になりますので、達成期限としては本年の七月ということになっております。
○春田委員 局長から簡単に御答弁がございましたけれども、東海道・山陽新幹線につきましては、八十ホン以上の区域につきましては、昭和五十年の七月二十九日、環境庁の告示がされておりますから、これから三年以内、七十五ホンを超え八十ホン以下につきましては、一類型は七年以内、二類型については十年以内、さらに七十ホンを超えて七十五ホン以下の区域につきましては十年以内、こういうことでございますので、この十年目がこの七月二十八日になるわけでございます。
 そこで、まずこの八十ホン以上の区域でございますが、対象戸数はどれぐらいあって、その対策はどこまで進んでいるのか、これは国鉄の方からお答えいただきたいと思います。
○岡田説明員 お答え申します。
 東海道新幹線並びに山陽新幹線につきまして、八十ホン以上の地域の対象戸数は一万四千七百戸でございます。五十九年度末、すなわち六十年三月三十一日現在でございますが、対策を済ませております戸数は一万四千六百戸でありまして、進捗率は九九%ということになっております。
○春田委員 対象戸数のほとんどが対策済みでございますけれども、その中で病院と学校、こうした特定施設の対策がまだ未対策の施設があると聞いておりますけれども、その辺の状況はどうでしょうか。
○岡田説明員 特定施設の対策につきましても、東海道一山陽新幹線につきましてはほとんど完了いたしております。
○春田委員 先日国鉄側からのお話によりますと、百四十五対象があって現在百三十戸であるから、まだ未対策が十五戸あると聞いておりますけれども、もう一回確認いたします。
○岡田説明員 失礼いたしました。学校、病院等につきましては、百四十五の対象戸数がございまして、現在までに百三十を終わっておりますので、進捗率は九〇%ということでございます。
○春田委員 一般地域も非常に重要でございますが、なおさらこうした特定施設は非常に早急な対策が必要であろう、こう思っておるわけでございますので、早急な解決を望む次第でございます。
 二点目に、七十五ホンを超えまして八十ホン以下、すなわち七十五ホン対策でございますけれども、対象戸数とその進捗率を御説明いただきたいと思います。
○岡田説明員 七十五ホンを超える戸数につきましては、全体二万四千戸でございます。五十九年度末現在におきますところの対策済み戸数は一万五千七百八十三戸ということで、進捗率は六六%ということでございます。進捗率が低位にとどまっている数字になっておりますけれども、これらの対象戸数の方々につきましては、お申し出と申しますか、おたく様が対象になりますという御通知は申し上げておりまして、それについてお申し出があり次第助成していくという形をとっているわけでございますが、そのお申し出の率が最近になって少し鈍化をいたしております。そういったことがございまして、七十五ホンから八十ホンの間までの地区の進捗が若干鈍化をしているという状況でございます。
○春田委員 住居地域では九九%が既に対策済みである、商工業地域についてはトータルで六六%と極めて悪いわけです。ただいまの説明では申し込みがないということでございますが、先ほど環境庁の局長からお話があったように、環境庁告示がされたのが昭和五十年七月二十九日でございますから、既に一類の住居地域については七年以内で達成しなければならない。さらに商工業地域では十年以内でございますから、来月の二十八日が十年目になるわけです。したがって、この時点で一〇〇%に近い数字が出て当たり前でございますが、それが悲しいかな六六%という数字になっておる。
 私はどうしても不可解なのでございますが、要するに、住居地域の方たちは九九%であって、商工業地域は六六%、理由としては申し込みがない、こういうことでございますが、そうした申し込みがなぜ商工業地域だけ少ないのか、これは予算との絡みがあるのではないかと思いますが、その辺、もう少し詳しく説明してください。
○岡田説明員 今先生住居地域と商工業地域というふうにおっしゃいましたけれども、八十ホン以上の地域にある対象戸数が住居地域であろうと商工業地域でありましょうと、八十ホン以上のゾーンにございます対象戸数が一万四千七百二十三戸ございまして、進捗率が九九%になっておる。七十五ホン以上の地域が二万四千戸ございまして、それが六六%になっておるということでございます。
 したがいまして、騒音がひどいところの地区については、ほとんどの方々が障害防止工をお受け入れになって対策が進んでおる。一方、七十五ホン以下の地域につきましては、御通知は申し上げているわけでございますが、居住者の方々のいろいろな御事情があると思います。その申し込みに応じてぜひやってくれというお話が鈍化しているということでございまして、予算上の制約からおくれているということはございません。予算的には私ども十分に用意をいたしております。なお、今後におきましても、この七十五ホン地区の今の六六%につきましては、さらに徹底を図ってまいりたいと考えております。
○春田委員 私は、そちらの方がわかっているものと思って、寸足らずでございましたけれども、この前の説明では、七十五ホン対策の中でトータル六六%であるけれども、いわゆる住居地域については九七%済んでいる、二類型の商工業地域については四八%であるという説明があったわけでございますので、今私、説明をしなかったわけでございますけれども、同じ七十五ホン地域の中でも住居地域と商工業地域はなぜこれだけの差があるのか、こういう意味なんです。
○岡田説明員 失礼申し上げました。七十五ホン以上の区域の中でイの区域とロの区域と申しますか、住居地域と商工業地域と分けてみますと、全体押しなべますと六六%という数字になっておりますが、住居地域の方は九七%が済んでおります。商工業地域の方のお申し出があり対策が済んだ部分が四八%になっているということでございます。そういった意味では、住居地域にございます全く完全な住宅等についてはお申し出の率が高い、それから商工業地域にございますものは、周辺の暗騒音とかそういう関係もあると思いますが、お申し出の率が低いということであると考えております。
○春田委員 これは予算の枠は別に定まってなくて、申し込みがあれば国鉄としては十分対策ができる、残りのいわゆる商工業地域の半分以上の方たちが申し込んでも、その辺は予算に関係なくすぐ対策ができる、こう理解していいわけですか。
○岡田説明員 すぐ対策をとるようにいたします。結構でございます。
○春田委員 環境庁の方にお伺いいたしますけれども、ただいまの質問に対しての答弁であったように、七十五ホン対策というのが既に達成目標期間を過ぎながら、なおかつ達成されていない地域があるわけでございますし、来月の二十八日を控えてまだ全体の六六%にしか達していないということからすれば、ほとんど一〇〇%近い数字は出てこないと思うのです。環境庁としては、十年以内に、また七年以内に達成しなさいと定めてあるわけでございますが、こういった形でそれが不可能となっている現時点についてどのようにお考えになっておりますか。
○林部政府委員 達成期限につきましては、先生御指摘のように、本年の七月には期限が到来するわけでございます。私ども現在予定いたしておりますこととしましては、達成期限が到来いたしまして後、沿線の自治体の協力も得まして、達成状況について精密に調査をするというふうに考えております。六十年度の予算でも、一千万円弱でございますが、予算化いたしておりますので、東海道・山陽の沿線で百ポイント程度計測いたそうかと考えております。その後、この調査の結果を踏まえた上で、必要な対策の推進につきまして関係機関の方に働きかけを行うというように考えているところでございます。
○春田委員 その実態調査の期間というのは、大体どれぐらいを見込んでいるのですか。
○林部政府委員 秋口ごろには、十月ごろには働きかけをしたいということで測定を行いたいと思っております。
○春田委員 その実態調査の結果、関係機関の方に要請をするということでございますが、関係機関とはどこの機関ですか。
○林部政府委員 所管する省庁といたしましては運輸省ということになりますし、直接の事業者としては国鉄ということになろうかと思っております。
○春田委員 さらに、七十ホンを超えて七十五ホン以下の区域の進捗状況はどうでしょうか。
○岡田説明員 七十ホンを超えて七十五ホン未満の区域につきましては、現在障害防止対策がほとんど進捗していない状況でございます。この対策といたしましては、一つには発生源対策でいろいろ対処してまいりたいということと、もう一つは、やはり障害防止工対策を積極的に進めてまいりたいということで、現在七十ホンを超え七十五ホン未満の区域に対する障害防止工対策をいかにすべきかということにつきまして、関係省庁ともいろいろ御相談しながら詰めている段階でございます。それと同時に、実際の測定を行いまして、七十ホンを超え七十五ホン未満の対象となります家屋につきまして、個々に特定をする作業を早急にいたしたいと考えているところでございます。
○春田委員 七十ホンを超えて七十五ホン以下の対象区域というのは、正確な数字でなくてもいいですけれども。推定で大体どれくらいあると見ているのですか。
○岡田説明員 東海道・山陽新幹線の沿線につきまして、約二万四千戸という推定をいたしております。
○春田委員 推定で二万四千戸ありながら、要するに現実においては何ら対策が進んでいない、研究段階の域にあるわけです。これも環境庁告示では、要するに告示してから十年以内でございますから、来月の二十八日でこの区域についてもすべて完了して当たり前でございますけれども、全く対策がゼロ%である、研究段階である、こういう答えになっているわけでございますが、環境庁、これはどうなんですか。全く環境庁告示が無視されている形になるわけでございますが、どんな考えを持っているのですか。
○林部政府委員 私どもが掲げました目標に到達をいたしておらぬということは、御指摘のとおりでございます。私どもといたしましては、やはり対策は必要であると考えておりますが、その具体化につきましては、先ほど国鉄当局の方からもお返事がございましたように、具体的な実施につきましては、これから関係方面と十分検討して具体化を図っていくことになろうかと考えております。
○春田委員 どうも環境庁は運輸省の後追い的なそういう感じを持つわけでございまして、環境庁が自信を持って五十年七月二十九日に出した環境庁告示、十年以内に守れ、七年以内に守りなさいというのは全然進んでいないわけですから、もっと強い姿勢が必要じゃないかと私は思うのです。国の環境を守るためには、そんな遠慮をしないで、もっと前向きで取り組んでいただきたいと私は思うのです。どうもちょっと環境庁としてはおとなし過ぎます。
 さらに、東海道・山陽以外で、東北・上越新幹線が既に開業されているわけでございますけれども、この辺の環境基準といいますか、また達成目標期間というのはどう定まっておりますか。時間がないから簡単に答えてください。並びにそれに対する進捗状況。これは国鉄側の方から答えてください。
○林部政府委員 お答えいたします。
 東北新幹線につきましては六月二十二日、上越新幹線につきましては十一月十四日に環境基準の三年目の達成目標期限が到来することになっているわけでございます。
○岡田説明員 達成目標期間につきましては、今環境庁からお答えになったとおりでございますが、ちょっと補足させていただきますと、八十ホン以上の区域につきましては開業時直ちにということになっております。それから、七十五ホンを超え八十ホン未満の区域が、今お話がございました三年以内ということでございますので、東北新幹線につきましては六十年六月、本年六月、上越新幹線につきましては本年十一月ということでございます。それから、七十ホンを超え七十五ホン以下の区域につきましては、開業時から五年ということになっておりますので、これは六十二年の六月、十一月ということになるわけでございます。
 ということで、現在の進捗状況でございますけれども、開業時直ちにと言っておりました八十ホン以上の区域につきましては、原則として対策を完了いたしている状況でございます。
 二番目の、本年六月に達成目標が参ります七十五ホンの区域についてでございますが、御承知のように、東北新幹線につきましては、本年の三月のダイヤ改正の時点におきましてスピードアップをさていただいたわけでございます。このスピードアップにつきましては、当然環境問題に非常に大きな影響を与えるということで、私どもの基本的な立場といたしまして、スピードアップをいたしましても、発生源におきまして今までの二百十キロより劣化をさせないということで、もろもろの対策、例えばレールを磨きますとかあるいはパンタグラフの数を減らす、そしてパンタから出ます音を減らすというような対策を講じて実施をするということで進めてきております。
 そういったことがございましたので、実際に二百四十キロ運転を実施した後の時点におきまして測定を行いまして、早急にこの対策を講じたいということで、三月の時点におきまして、もろもろの対策を講じながらスピードアップを実施をさせていただきましたので、現在沿線区域につきまして鋭意測定中でございまして、これらにつきましての障害防止対策については緊急に進めたいというふうに考えているところでございます。
○春田委員 上越新幹線は鉄建公団ですね。鉄建公団からお答えください。
○堀内参考人 上越新幹線の騒音対策の現況を申し上げます。
 八十を超えるものについては、開業時ほとんど終わっておりまして、七十五ホンを超える住宅並びに七十を超える学校、病院につきましては、現在のところ達成率が七七%でございます。
○春田委員 一々数字をとらえて言うのはなんですけれども、いずれにいたしましても、開業してから三年ですから、東北新幹線につきましては今月の二十二日がちょうど満三年目になっちゃうわけですね。それでまだ〇%である。上越新幹線については七七%でございまして、リミットがこの十一月十四日という形になりますね。一〇〇%近い数字が進捗状況になっているわけでございますけれども、東北新幹線については全くお話にならないわけでございます。
 言葉では早急にやりたいとかおっしゃっておりますけれども、聞くところによると、やっと今月の初めごろですか、測定が開始されたと聞くに至っておるわけでございます。三年以内で要するに対策を講じなければならないのが、今月の初めに入ってやっと測定が開始されたということは、初めからもう達成するという意思は全然ないわけです。
  〔井上(一)委員長代理退席、新村(勝)委
   員長代理着席〕
 いろいろな技術開発、それから音源対策等そうした開発研究に力を入れておられるのはわかりますけれども、環境庁が告示したそうした目標は全く無視された形で今日まで来ているわけでございまして、これについてどんな基本的な考え方を持っているのですか。これは環境庁の告示というのは単なる努力目標であって、初めからやらなくていいんだというような考えが、頭があるんじゃないですか。どうなんですか、それは。ちょっと総裁から答えてください。どうなんです、総裁。
○仁杉説明員 今先生から御指摘がございましたように、環境庁の告示に対しておくれているという実態があるわけでございまして、実は東海道の沿線、名古屋の沿線つきましても、七十ホンについて今至急にそういう該当の家屋を調べるということとともに、対策、音源対策はちょっと間に合わないと思いますので、環境対策と申しますか、そういうことで対処するようにという指示を出しております。
 それから、東北新幹線につきましては、やはり今までちょっと調査がおくれているという実態が先生の御指摘のとおりございますので、至急調査をして対応するようにという指示を今いたしております。
 国鉄といたしまして、今先生の御指摘のように、環境庁の告示に対して少し態勢がおくれているということを反省をいたしておりまして、早急に対応するよう指示をしてあるところでございます。
○春田委員 反省している、早急にやりたい、こういうことでございますけれども、達成目標期間があと一年とか半年あればわかるのですけれども、もう今月の末には目標が来るというような状況の中において、早急にやりたいと言っても、どうも何か不自然なそういう答弁になるわけでございまして、いずれにいたしましても、この問題につきましては沿線住民の大きな関心になっているわけでございますので、ひとつ早急といいますか、鋭意といいますか、万全な環境対策をやっていただきたいと思っているわけでございます。
 それから、振動対策も同じく七十デシベル以上が指針となっているわけでございますけれども、この対策も全体としてはまだまだ五四%しか進んでいないという状況に、資料をいただいている中ではなっているわけでございまして、これにつきましても、達成目標期間はございませんけれども、騒音対策と同じような考え方で速やかにやるべきだろう、私はこう思っております。これについてはどう考えますか、基本的に。
○岡田説明員 振動対策につきましても、やはり今先生御指摘になりましたように、特に騒音の環境基準のように目標達成期間というのが具体的に定められているわけではございませんけれども、私どもといたしましては、これと同様に考えておりまして、極力進めてまいりたいということで既にお申し入れをしているわけでございます。
 移転を含めましていろいろお申し入れをしているわけでございますが、対策の実施についてお申し込みが少ないということから、現在東海道・山陽新幹線について申しますと、振動対策の対策済み戸数のパーセンテージは五四%ということになっている状況でございます。これにつきましても、早急に進展を図ってまいりたいというふうに考えております。
○春田委員 先日の新聞報道によりますと、国鉄総裁みずからが名古屋の方に御視察なさっている。特に名古屋付近においては振動公害が非常に多い。また住民による訴訟も起こっていると聞いているわけでございます。そういった背景を踏まえながら総裁も現地に乗り込んだと思うわけでございますけれども、いろんな現地視察をされまして、また国鉄としてはいろんな原告団との話し合いがなされているみたいでございますけれども、どんな状況で、これがどんなふうに進むのか御説明いただきたいと思うのです。
○仁杉説明員 先生御指摘のように、五月十日に現地に参りまして、視察をしてまいりました。
 防振対策の問題でございますが、これが非常に防振工事をやってもうまくいかないというような御不満があるお宅もございまして、そのお宅で体験をしたというようなことでございますが、この原因を見ておりますと、一つは地盤が非常にやわらかいということでございます。もう一つは、うちの構造が防振工事をやってもなかなか防振の効果が上がらないという構造になっております。
 具体的に申しますと、下に大きな工場みたいなものがありまして、穴があいているというのでなかなかうまくいかないというような点がございます。このお宅は線路のすぐそばにあるわけでございますが、こういうお方は何とか移っていただけないだろうかというのが私どもの考え方で、今までもいろいろお話し合いしたのでございますが、それなりに住民の方の御意見もございまして、現在そうなっておりますが、こういう場合には、方法としては移転をしていただく以外にちょっと方法がないのではないかというような感じを持ちました。
 防音につきましては、やはり対策をきちっとすれば、それなりの効果があるというふうに私は見てまいりました。住民の方とも、東京におきましても名古屋におきましても対話をいたしました。その中で、皆さんのお話もややそれに近いような印象を受けて帰ってきたわけでございます。
 これらのお話を受けまして、実は環境庁長官も現地をごらんになりまして、五月七日でございましたか八日でございましたか、私わざわざ呼ばれまして、そのお話がございました。そういうことを踏まえまして、今訴訟が起こっている原告団とも何らかの形でお話し合いのできる部分についてはお話し合いをして、できるものはどんどん実行していくというふうにしてまいりたいと思いまして、ただいまお話し合いの場を設けだというような形になっているわけでございます。
○春田委員 いずれにいたしましても、国鉄は今国民注視の中で再建に取りかかっているわけでございます。そうしたいわゆる国鉄再建をスムーズにいかせるためにも、騒音や振動の環境問題というものがスムーズに進まなかったならば、こういった対策が進んでいなければ、またその再建に大きなブレーキもかかってくるわけでございますから、ひとつ全力を挙げてこの環境対策については進めていただきたい、こう思っているわけでございます。政府としても、また運輸省としても、これは国鉄だけでできる問題ではございませんので、その辺のところは十分いろいろな援助、また御指導をしながら環境対策に臨んでいただきたい。大臣もお聞きになっているとおり、環境庁の告示がされて既に過ぎている、また近くなっていてもまだ半分しかできていないという状況でございますので、そういった面を含めまして大臣の御所見を伺いまして、この問題については終わりたいと思います。
○山下国務大臣 国鉄の財政の現状、先生御案内のとおりでございますが、そういう中にあっても環境対策を優先的に進められるように私ども指導をいたしておるところでございます。同時にまた、国鉄当局、非常に優秀な技術陣を持っておられまして、あわせて技術の面からさらに効果的なものを次々に開発されるものと期待をいたしておりますし、そうなりますと、私どもが現在予想しております以上の効果的な面が今後あらわれてくるのではないかというふうに思っておる次第でございます。
○春田委員 それでは、環境庁の方と鉄建公団の方は結構でございます。
 二点目でございますが、国鉄再建の大きなかぎを握ります国鉄の余剰員問題につきましてお伺いしたいと思います。この余剰員対策、まず国鉄の基本的な御見解を簡潔にお伺いしたいと思うのです。
○太田説明員 端的に申し上げまして、この余剰人員は国鉄の再建問題のいわば最重要課題の一つである、こういう認識に立ちまして、組織の持てる力のすべてを傾注して、この対策を進めてまいる所存でございます。
 具体的な対策は、ただいま二つに分けて推進しております。一つは、我々、活用策と言っておりますが、部内において活用する方法でございます。もう一つは調整策といいまして、部外の力もかりながら進めてまいる、こういう方法でございます。
○春田委員 大臣、この国鉄の余剰員の問題でございますが、政府としては基本的にはこの問題をどう扱おうとお考えになっていますか。
○山下国務大臣 余剰人員問題は、国鉄の再建の中で避けて通ることのできない最大の重要問題であることは、私ども理解をいたしております。しかしながら、何と申しましても国鉄自体の問題でございますから、国鉄がどのようにこれに真剣にお取り組みいただくかということを私どもは期待もし、また最大の努力をお願いしたいと思っておるところでございます。また、国鉄の最大の努力という前提に立って、政府といたしましても最大限の御協力を申し上げるということをかねがね申しておりますし、またその決意に変わりはございません。
○春田委員 再建委員会の林さん来ていますか。林さん、再建監理委員会としては、この余剰員対策についてはどういう結論に持っていこうとしているのか。まだ答申が七月の下旬だと聞いておりますけれども、答申の前のある程度の骨子ができているのじゃないかと思います。その辺が御説明できれば言っていただきたいと思います。
○林(淳)政府委員 私ども監理委員会では、現在再建案についての詰めの作業をやっておる最中でございまして、まだ骨子を固めているという段階ではございません。
 ただ、今までの議論で余剰人員の問題についての考え方でございますけれども、私ども監理委員会としまして、効率的な経営形態の確立ということをするための実質問題として二つある。一つは余剰人員の問題、もう一つは長期債務等の処理、この二つの実質問題を的確に解決しなければ、効率的な経営形態の確立というものは本当にはできないのではないか、こう考えておるわけでございます。
 そこで、余剰人員の問題でございますけれども、これにつきましては非常に重要な問題だという意識を持っております。少なくとも万というオーダーの実際の人間の問題でございますから、これをおろそかにしたのでは再建は到底達成できないということでありまして、これについてはやはり雇用の場の確保、雇用対策というものについて万全の措置を講じなければいけないという考え方でございます。
 私どもの亀井委員長が国会等でもしばしば申し上げておりますのは、少なくとも路頭に迷わすようなことは絶対してはならぬということを言っておるわけでございまして、そのための雇用対策というものに、国鉄はもとよりでございますが、政府とされましても万全の対策をとられるようにということが監理委員会としての基本的な考え方でございます。
○春田委員 国鉄は今日まで経営改善計画、その見直し、そしてこの一月には「経営改革のための基本方策」等を示しておられるわけでございますが、その中で要員計画の動向等も数字的に、大体余剰員がどれくらい出るかという見込みを出されておりますけれども、五十九年度と六十年度では大体どのくらい出るのか。さらに六十一年度、そして最終年度の六十五年度にはどれくらい出ると見ておるのか、数字をもって御説明いただきたいと思います。
○太田説明員 一定の想定のもとにはじいておるわけでございますが、まず仕事を進める要員、私ども所要員と言っておるのでございますが、所要員は年度別にかくあるべきである。つまり私鉄並みの効率というものを念頭に置きながら、それを想定いたしまして、一方実際に在籍している現在員、ある一定の割合で退職していく年齢構成を見ながら推定をいたしまして、その差を余剰人員というふうに見ておるわけでございます。
 そういう前提で見まして六十年首、今の時点でございますが、一万七千五百名、六十一年首は三万名、六十二年首は五万名、同様にいたしまして、六十五年首におきましては六万七千名の余剰人員が存在するであろう、こういうふうに見ておるわけでございます。
○春田委員 六十年度の一万七千五百名は、その後国鉄側から出された資料によりますと、若干合理化、退職者の問題等で変化がございまして、二万五千五百名ぐらいになるだろうという形で出ておりますけれども、この点、どうなんですか。
○太田説明員 御指摘のとおりで、現時点で余剰人員約二万五千五百名を擁しておる次第でございます。
○春田委員 なお、六十一年の期首におきましては一応三万名という計画になっておりますが、六十年並みにいけば三万八千名か四万名になるのではなかろうかと言われておりますが、どうですか。
○太田説明員 御指摘のとおりでございまして、これも六十年度、本年度の合理化の推進状況と本年度末における退職人員の推移と両方の相関関係で出てくるわけでございますけれども、現時点の推定では、ただいま擁している二万五千五百名に一万二千名強の上積みがあるであろうという想定で、したがいまして、来年の六十一年首におきましては三万八千名程度になるであろうというふうに推定いたしております。
○春田委員 国鉄としては、対策本部を設けまして、今おっしゃったようにさまざまな活用策、調整策でこの余剰員対策を進めておられるわけでございますが、特に調整策の中で、退職制度、休職制度、派遣制度、いろいろな工夫をしながらとっておられますけれども、五十九年度の実績に比べて六十年度はさらに余剰員がふえると大体想定されているわけですね。こういった面で、五十九年度の実績を踏まえながら六十年度はこういうものをさらに進めていきたい、拡充していきたい、またこういった点をさらに変えていきたい、こういうことがあればひとつ御説明いただきたいと思うわけでございます。
○太田説明員 やはり施策といたしましては、五十九年度のやり方を踏襲して、それを強化拡大していくということが基本かと存じます。
 もう少し具体的に申し上げますと、まず活用策におきましては、五十九年度中に随分各地で創意工夫を凝らしまして、いわば持てるエネルギー、資質を各方面に発揮をしてまいりました。直営売店の経営などもその一つの例でございますし、あるところなどは水を売り出したというようなこともございます。そういう全般にわたりまして活用策を講じてまいりたい。なかんずく、今例で申し上げました直営売店の拡大などは、これはもう即効的な成果が上がりますので、ぜひ進めてまいりたい。五十九年度は五十数店、六十店弱の直営売店を各地でやっておりますが、これを少なくとも何倍か、二、三百店は加えられるようにいたしたい。これは一例でございます。
 それから、調整策につきましては、やはり何といっても基本は退職の勧奨でございますが、五十九年度におきましてもかなりの成果を見たわけでございます。六十年度においてもさらにそれを推進してまいりたい。ただ、大変残念なことでございますが、いわゆる年齢構成、労務構成と申してもいいのですが、これが変わってまいりまして、五十九年度末におきましては、いわば戦後一番多い数の退職実績を見たのでございますが、本年度におきましては、対象人員が激減しております。二万名を割る対象人員でございますので、かなり高率な退職の実績を上げ得たとしましても、到底五十九年度の実績には及びません。
 そこで、もちろんこれはもう少ないといいながら第一の対策として進めてまいりますが、そのほかに、調整策の二番日、三番目でありますところの依頼休職制度の充実、それからまた派遣、いわゆる出向の強化などを進めてまいりたい。先日、雇用対策本部を設けまして、本部長に総裁が就任いたしました。この派遣を中心とする対策の強化のために、関連事業の方々の理解、協力を仰ぎたいという趣旨で、約百五十名の各社の代表にお集まり願いまして、総裁から直接、五十九年度の御協力に対する謝意と、特に六十年度の理解と協力を訴えたのでございます。これから積み上げてまいりますけれども、私どもの取り組みとしましては、五十九年度は約二千五百名の派遣の実績を上げることができましたが、六十年度におきましては、それに加えて少なくとも倍近い四千ないし五千名の派遣の上積みをいたしたいというふうに考えている次第でございます。
○春田委員 総裁もそうしたことで先日関連業者を約百五十社ですか、お呼びになって要請されたと聞いているわけでございますが、いずれにしましても、ちょっと時間がなくなってきましたので、その問題もお聞きしたかったわけでございますけれども、最後に大臣にお伺いしたいと思います。
 国鉄としては推進本部を設けまして、そういう形でいろいろな余剰員対策をやっているわけでございますけれども、国鉄だけではどうしても足らない面があります。先ほど大臣がおっしゃったように、国鉄の再建については国としても政府としても全力を挙げるという御答弁があったわけでございますが、そういった面で、国としてもこの余剰員対策本部を設置する必要があるのではないかというのが一点。
 二点目には、これは運輸省だけでなくして、いろいろな労働省や各省にもまたがる問題でございますから、こういった面で特別立法の必要があるのではなかろうか。委員長の亀井さんもそんな示唆をしているわけでございますが、大臣はどう考えるのか。
 それから資金的な援助、いろいろな国の助成とか奨励金とか、そういった国の資金的な援助というのがやはり必要になってくるのではないかと思います。そういった面で、七月下旬に再建案が出てきますから、その段階でおやりになるのかもしれませんけれども、今の段階で内々に大蔵省とそういった資金的な援助の話ができているのかどうか、こういった問題。
 この三点につきまして、簡単で結構でございますから、ひとつ御答弁いただきたいと思います。
○山下国務大臣 今先生御自身からおっしゃいましたように、監理委員会から答申が出ましてから、今おっしゃったような具体的な問題を詰めてまいるつもりでございますが、ただ、余剰人員対策、これは政府全体としてやらなければならぬということは申し上げたとおりでありますが、特に密接な関係がございます労働省当局とは、もう既にいろいろと話し合いを進めておる段階でございます。
 なお、その他の問題、例えば対策本部をつくるとか大蔵省との話し合いとか、こういった問題は、今申し上げましたように、具体的に答申が出ましてからその問題に取りかかりたい、かように思っております。
○春田委員 時間が参ったわけでございますが、次の方がまだお見えになっていないですから、延長して、それでは三分間いただきまして、残りをやりたいと思います。
 これも新聞報道でございますけれども、再建監理委員会の所要員の見通しは、昭和六十二年度は二十一万人、余剰員は六万数千名と見ているわけでございますけれども、国鉄のこの要員計画では、二十二万九千人に対して余剰員は五万人という見方がされております。先ほどまだ固まっていないということでございますから、これは憶測記事かもしれませんけれども、再建委員会としてはこれをどう見ているのですか。まだ固まっていませんか。
○林(淳)政府委員 いろいろ新聞に報ぜられておりますけれども、監理委員会としては今数字の詰めをやっている最中でございまして、まだ具体的なその何万人という数字は固まっていないわけでございます。
 ただ、いずれにしましても、国鉄も六十五年度には十八万八千人ということでありまして、時点は、私どもは六十二年度という時点で、三年その時点の違いはございますけれども、適正要員数というのはほぼ近い数字だろうというふうに考えております。六十二年度はやはり相当の大きな数の余剰人員が出てくるということで、大変な問題だなというふうに考えているわけでございます。
○春田委員 国鉄のこの要員計画でございますが、さまざまな経営改善計画を立て、それからまた見直して、そしてさらにこの一月に出されたわけでございますけれども、既に六十年の初めと六十一年の初めについても数字の若干のいわゆる狂いが生じてきているわけでございます。昭和六十五年につきましては、十八万八千人の体制で余剰員が六万七千名大体出るだろう、こう見込まれているわけでございますけれども、今言ったように、もう六十年、六十一年で既に狂っているわけでございます。これは再建監理委員会の最終答申が出た段階で、やはりある程度見直していく必要があるのではなかろうかと思いますけれども、その点、国鉄はどうお考えになりますか。
○太田説明員 余剰人員一万七千五百名の当初想定が二万五千五百名、御指摘のとおり約八千名ほどの差異が出ております。先ほどその原因を御説明申し上げませんでしたが、これは二つの要素がございます。一つは所要員、つまり合理化の面が、五十九年度当初予定を二万五千名と目標をセットいたしまして進めたのでございますが、三万一千名と実績を上げることができまして、これはいわば合理化の前倒し効果を生んだということでございます。その面で六千名の食い違いがあった。それから退職人員が、当初基本方策策定の時点では三万二千名出るであろうと想定したのでございますが、五十五歳以上の職員のところでは大体想定どおりの退職率になったのでございますが、若年層のところで私どもの想定より二千名少な目に出たものですから、そこで二千の差異が出ました。ですから、合理化の前倒しの六千名と退職人員の不足分の二千名、合わせて八千名がそごの原因でございます。
 今申し上げましたように、合理化の方は前倒してございますので、これは六十五年十八万八千人体制の実現に向けては、私どもとしては自信を深め、決意を固めている次第でございます。それから退職の方につきましては、若干のそごを来しておりますので、これは母体が小さくなるのでなかなか回復するのは容易ではないと思いますけれども、予定どおりの線に復元させたいということで、全力投球をしてまいりたいと思っております。
○春田委員 いずれにいたしましても、国鉄再建というのは必要でございます。だからといって働く労働者の不利益にならないように、これは国鉄総裁の方にもまた運輸省の方にも十分お願いしていきたいと思います。当然組合とのいろいろな話し合いの中で妥協しながらおやりになっていると思いますけれども、その点を十分踏まえながらやっていただきたい。いずれにいたしましても、この余剰員対策というのは国鉄再建の大きなかぎを握っているわけでございますから、先ほど大臣が御答弁なさったようなそういう形で、国でも最大限の援助をやっていただきたいと思っているわけでございます。
 最後になりますけれども、国鉄問題ではございませんが、三光汽船問題につきましていろいろな物議を醸しているわけでございまして、一企業に対してそうした経営問題で大臣がみずから乗り出すのはいかがかというような話も出ているわけでございまして、この際、運輸大臣の御釈明があればお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○山下国務大臣 釈明と言われれば私もちゅうちょするのでございますけれども、ただ、この問題につきましてはしばしばマスコミ等で取り上げられたわけでございますが、基本的には、構造不況について所管する役所がいろいろと手を打つことは当然だと私は思っております。
 ただ、今御指摘のように、それに名をかりて一企業に対してだれが見ても不当な介入をする、援助をするということになると、これはおっしゃる点があるかもしれませんが、私はこの問題につきまして委員会で何回も質問を受けたのでございますが、じゃ、私が何を三光汽船に今までやったか教えてくださいと、私は、開き直るというわけじゃございませんけれども、言ったことがあるのでございまして、今日まで別に三光汽船に対して具体的に私は大臣という立場で何一つやったことはございません。
 今繰り返して申し上げますように、ただ構造不況に対してはやらなければならぬということ、これはひとつ御理解をいただきたいと思っております。過去において、戦後今日までの四十年の日本の行政の歴史の中でも、私も通産省の政務次官をやりましたときにも、中小企業等についてもいろいろやったことがございます。当時、法案を当時の大臣が二つつくられて、私も御協力申し上げたこともあるのでございますが、構造不況対策ということは、これは当然政府がやるべきことだというその信念には、私は変わりはないのでございますから、そういう立場からひとつ御理解をいただきたいと思っております。
○春田委員 確かに海運業界は大変な深刻な状況になっているというのは伺っているとおりでございます。必ずしも大臣の真意というものが伝わってなかったものですから、私、一応お伺いしたわけでございますので、どうかその点は御理解をいただきたいと思います。
 終わります。
○新村(勝)委員長代理 次に、玉置一弥君。
○玉置(一)委員 引き続き、国鉄の問題についてお伺いをしたいと思います。時間配分として先に国鉄をやらせていただいて、あと通産の関係をやらせていただきたいと思います。大体三、四十分程度という予定でございますので、村田大臣、もしよろしかったらちょっと御休憩いただいても結構でございます。
 今いよいよ監理委員会の答申待ちということでございまして、すべてがそこが焦点というところに差しかかっているわけでございます。今までの国鉄の状況を、私も大蔵の関係をやっておりまして、そういう面からずっと見させていただいておりましたけれども、どうも今までの累積債務の処理がうまくいかなければ、国鉄が民営化されても依然同じ経営状態が続くのではないかというような心配をいたしております。聞くところによりますと、三十五兆円程度ある。これは今運転中の借入金というものも全部含め、あるいは今問題になっております共済制度のいわゆる厚生年金への移管、いわゆる統合、こういうことも含めてだと思いますけれども、これからの論点の基礎になりますので、先日三十五兆円ぐらいの累積債務があるということでございましたけれども、まず、この内容について明確にお答えをいただきたいと思います。
○林(淳)政府委員 お答え申し上げます。
 国鉄の債務については、私ども監理委員会の方で三十五、六兆というふうに申し上げておりますけれども、これは顕在化しておる債務のほかに、いわゆる潜在的な債務というものを含めた額でございまして、まず時点は昭和六十二年度というふうに考えておりますが、この時点で、顕在化しておりますいわゆる長期債務が二十五兆円強というふうに見込まれます。
 そのほか、国鉄の場合、年金についていわゆるファンドのない部分というのがございます。今後健全な経営をやっていくためには、これについての処理が必要になってくるということで、これが五兆円程度というふうに見ておるわけでございます。
 ほかに、いわゆる退職金がございます。これから新しい形態になるにいたしましても、国鉄期間中の退職金というのは、これは現在国鉄には退職引当金制度がございませんので、少なくともそういう引当金を新たに何らかの形で考えていかなければならぬという問題がございます。
 そのほか、青函トンネルあるいは本四架橋、これについては合計しますと一兆七、八千億になりますけれども、青函あるいは本四については、在来線が開通したといたしましても、運営費だけでもどうにかこうにかということでありまして、むしろ赤字が出るという状況でありまして、とても資本費をしょえる現状ではない。そうすると、その青函あるいは本四の一兆七、八千億というものは、やはり一つの債務と考えていかざるを得ない。まあ不良債務と申しますか、そういうたぐいのものと考えていかざるを得ない。
 というふうなことで、そういうたぐいのものをもろもろ積み上げますと、いわゆる要処理債務と申しますか、何らかの振り分けをしなければならぬ債務というものが、潜在的なものも含めて全体で三十五、六兆円に達するというふうに推計をしておるわけでございます。
○玉置(一)委員 毎年一兆円ぐらいの債務がふえてきているわけでございますけれども、六十二年までいきますと、我々の計算でも二十五兆円ぐらいになるということでございまして、特に民営化してから後の話で、二十兆円ぐらいは現段階で政府が持たなければいけないだろうというようなお話が出ております。この政府が持つというのは国が持つ、国が持つというのは、もとのお金を出しているのは国民ということになるわけでございまして、ただでさえ今百三十兆円ばかりの国債発行をやっておりまして、この処理をしなければいけない。さらにそこに二十兆円がオンされるわけでございまして、運輸行政の中での一環ということはよくわかるのですけれども、やはりもっと慎重な論議をされて、その中で方向を決めていく必要があるのではないかと思うわけですし、どういう方法でこの二十兆円を国が処理をされるのか、この辺についてもまだ不明確な点が多いわけでございまして、まず運輸省の側に、この二十兆円の処理についてどう対応されるのか、それについてお伺いしたいと思います。
○棚橋(泰)政府委員 先ほど再建監理委員会の方から、民営・分割、経営形態の変更時点におきまして約三十五兆という、まあ亀井委員長の御答弁の大まかな内訳のお話がございました。ただ、これは全く大まかな内訳の話でございまして、詳細な点についてはまだ御検討中であるというふうに承っております。さらにそれらの債務につきまして、その処理をどのようにするか。新しい経営形態になります国鉄にも相当程度の債務はしょっていってもらうということになろうと思いますし、また、そのほか国鉄の資産等の処分をいたしまして極力債務を減らすというようなこともあろうかと思いますが、そのような結果、最終的にどの程度の債務を国において処理しなければならないかという点については、まだ最終的な御結論が出ていないというふうに承っております。
 したがいまして、来月に予定されます最終答申の中でそれらが明らかになりました段階で、恐らくその処理についてのお考え方も答申の中に盛られてくるというふうに考えられますので、それに従いまして適切な処理をいたしたい、かように考えております。
○玉置(一)委員 それでは、監理委員会の方にお聞きをいたします。
 七月末に答申を出されるということでございますけれども、新聞によりますと、最終答申案が固まるというようなことで書いてありまして、ここから先というか、それぞれの各項目について各省庁とのいろいろな意見調整とか、あるいは逆に技術的にどこまでを追求するかとか、いろいろな手法があるかと思いますけれども、監理委員会として最終答申案がどういう形でどのレベルまで出されるのか、一つの方向を示唆するということではなくて、あるいは具体的な案までつけて出すのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○林(淳)政府委員 答申の中でどこまで触れるかということについては、現在まだ検討中でございまして、これはそれぞれの項目ごとに基本ラインだけはびしっと出しておく必要があるだろう。しかし場合によって、ものによっては政府あるいは国鉄サイドの方で実施段階で弾力的に対応しなければならぬ事項もあろうかと思います。その辺をいろいろ考えながら、あるいは場合によっては御相談をしながら、少なくとも経営形態あるいは長期債務あるいは余剰人員に関する基本的な処理の方法、方針というものはきっちり出したいというふうに考えております。
○玉置(一)委員 また先ほどの二十兆円に戻りますけれども、この割り振りは当然まだ正確に決まったものでもないわけでございますが、一応二十兆円の分担を国がするということで、今原案では検討中だということでございます。これは約という形で書いてありますけれども、約三十五兆円のうちの約二十兆円が国の負担に回るということについてどの程度の論議が行われておるか、ある程度具体的にお願いしたいと思います。
○林(淳)政府委員 最近の報道等で、二十兆とか十七、八兆とかいろいろ報ぜられておりますけれども、その辺の数字はまだ固めておる最中でございます。先ほど申しましたように、大まかに三十五、六兆という債務があるわけでありますけれども、それについての処理方針としては三つのパターンを考えておりまして、一つは、新しい会社が最大限の効率化を行った上でどこまで承継できるか、これは新しい会社の将来の経営の健全性というものも十分考えながら、その辺の限度をどう考えるかというのが一つでございます。それからもう一つは、いわゆる遊休地等の国鉄の非事業用用地、これの処分によりましてどれくらい債務の穴埋めができるか。それから最後に残ったのが、今先生おっしゃいました二十兆とか十七、八兆とかいろいろ報ぜられている数字でございますが、これについては最終的に国が負担せざるを得ないということは、先生もおっしゃいましたとおり、最終的には国民の負担を求めざるを得ないという部分でございます。
 これについては、非常に膨大な額でございますので、一体どのように財源を生み出していくかというところがポイントでございまして、非常に難しい問題でございますが、基本的な方向づけはきっちりしなければいけないということで、今鋭意検討をしておる最中でございまして、まだ具体的な処理方法というものまで結論を得る段階には至ってないわけでございます。
○玉置(一)委員 また、一番最後の約二十兆円の話でございますけれども、現段階で技術的な詰めがないということになりますと、えいやで決めるしかないわけですね。今まで大分長く検討されてきたと思いますけれども、何通りか、こういう方法で論議されているというのがあるはずですが、その辺についてはいかがですか。
○林(淳)政府委員 今までもちろん財源についての議論はいろいろやってきておりますけれども、これには、一つは十七、八兆なり二十兆という金額を一体何年かかってどういう方法で解消していくかという問題がございます。それから、それによって一体単年度でどれくらいの負担が出てくるのかということでありまして、結局、債務の、現実の鉄道債券なりあるいは財投なりというものの償還方法等についての問題、それから具体的な毎年度の支出についての問題、全部複雑に絡み合っておりまして、その辺のところをどのように組み立てていくかということでいろいろな議論をしておりますけれども、現段階ではまだ具体的に決まっていないということでございます。
○玉置(一)委員 今国の予算措置をいろいろ見ておりますと、国鉄関係の補助金あるいは一般会計の中の予算の経費ということで、黙っていて三兆円くらいの財源不足が年々生じているわけでございまして、昭和六十二年ということを今から考えていきますと、来年度予算措置が三月の終わり、四月の初めから論議されておりますけれども、六十二年は大変厳しい年になりそうだということでございまして、そこに上乗せするということで考えていきますと、かなり早いうちから関係各省に働きかけをして、特に大蔵当局になると思いますけれども、処理の方法についての論議というものを進めておかなければ、これはなかなかうまくできないというような感じを受けるわけです。
 それともう一つは、先ほどの非事業用用地でございますけれども、これにつきましても、国有地の払い下げの候補地が今大蔵の理財局の方で出されておりますけれども、五十二カ所とか三カ所とかいう数があるわけです。それと同時に売り出すということになれば、それだけの規模のものが同時にそれだけ消化できるのかというようなこともあるわけでございまして、一つ一つの詰めを十分やった上で、どの方法にするかということを考えていかなければいけないと思います。
 そういう意味で、もう既に時期的には政治決断に持ち込まざるを得ないような時期に来ていると思うのですけれども、事務方でそういう詰めができてないということは、ちょっと問題だというふうに私は感じるわけです。日程的にはどうなんですか。これから最後の詰めに入る段階だと思いますけれども、その詰めに入る段階での原案というのがまだ十分できてないということであれば、監理委員会として十分な答申はできないというふうに思うわけですが、これについての御意見を伺いたいと思います。
○林(淳)政府委員 監理委員会が発足いたしまして、一昨日でちょうど二年たったわけでございますが、この間、百十八回にわたって会議を開いて、相当の分析、検討をしてきております。ただ、財源の問題というのは非常に難しい問題でございますので、今その辺の最後の詰めをしておるということでございまして、私どもとしては、予定どおり七月の終わりごろになると思いますが、その時期には答申を出したいというふうに考えております。
○玉置(一)委員 続きまして、今の例えば新会社の十五兆円の話を申し上げたいと思います。
 新会社でございますから、いろいろなものを整理してからやろうということで、いわゆる不良債権会社というか、債権を全部吸収した会社をつくって、残りを新会社でゼロから出発というような形でございますけれども、それに加えて今度十五兆円の話が、どうしてもこれは新会社で、どこまでいけるかわからないけれども、およそ十五兆円だというようなお話で流れております。これは財投金利で考えてみた場合でも、年間にしますと一兆数百億円の利払いが発生する。
 立ち上がり当初からこういう形になるわけでございまして、現時点の国鉄の運賃収入、在来線そのままということで考えていきますと、三兆五千億円強という数字しかないわけです。ほかのもろもろ入れましても、四兆円ちょっと超えるというような状況でございますけれども、その中で、これは民営・分割化されても、当分の間、運賃収入としてはそう大きくは変わらないだろう、そういうふうに思うわけでございます。そういう面から考えますと、十五兆円を新会社が引き継ぐということになれば、既に一兆幾らというものがその運賃収入の売り上げの中から削除されるということになるわけでございまして、従来以上に大変厳しい状況になるというふうに思うわけでございますけれども、これについて監理委員会の方の御意見と、そして現在の国鉄のいわゆる経験上からの御意見を伺いたいと思います。
○林(淳)政府委員 まず、数字の点でございますけれども、全体で三十五兆、それから二十兆、十五兆というお話がございましたが、その辺の数字は実はまだ固まっておりませんので、そこはひとつ御了承いただきたいと思います。
 それから、三十五、六兆というものの処理方法でございますが、これは先ほど申しましたように、三つのパターンで考えておるわけでありまして、一つは、新しい会社が、私どもとしてはいろいろな分析をした結果、この程度はしょっても健全性を阻害しないという限度で債務を引き継いでもらう。それからもう一つは、土地等の処分、いわゆる不用地の処分でもって穴埋めをしていく。それでもなおかつできない残った分については、国が負担をしていく。この三つの処理パターンで考えているわけでございます。
 したがって、具体的な数値は、今最終の詰めをやっておりますが、新会社については、少なくともいろんな分析をした上で、この程度ならば効率化をすれば引き継げるし、かつ、新しい会社の今後の財務基盤というものを阻害しないという限度で新会社には引き継ぎたいということで、今最終の数字の詰めをやっておるということでございます。
○竹内説明員 国鉄では、一月の初めに基本方策というのを出しましたけれども、そのときには、二十五兆円ということを基礎にして計算をしてみたわけでございます。ただ、今先生がおっしゃいますように、単年度で一兆数千億というような金額の負担というのは、鉄道のこれからの非常に厳しい状況の中で考えてまいりますと、大変に困難ではなかろうかという気がいたします。
 ただ、これは現在再建監理委員会の方で御検討されております経営形態につきまして、その経営基盤あるいは財政基盤というものが一体どのようなものになるかということによりまして、非常に変化があるものではないかというふうに思いますので、現在のところ、これがどうかということにつきましては、私どもとしてはまだ明確にお答えを申し上げられないような状況かと存じます。
○玉置(一)委員 新会社の構想があるならば、逆算して、その中から例えば売り上げの五%以内だと幾らだとか、そういう数字が出てくると思うのですけれども、せいぜいそのぐらいが限度じゃないかなというふうな感じがいたします。ですから、もうちょっと経営をよくしていこうということであれば、同じやるならもっと身軽になってやるべきだというような気持ちを持っておりますので、そういうお話を申し上げてまいりました。ぜひ、せっかく民営化しても数年しかもたなくて、また同じ形で戻ってきたということのないように、お願いを申し上げたいと思います。
 二月六日の予算委員会におきまして、中曽根総理が国鉄の改革についての発言をされております。我が党の塚本委員長が質問に立ちまして、それに対しての答えということでございますけれども、国鉄の改革について、「およそ臨調答申の線に背くような考えを持っている人がいたらこれはけじめをつけなければならない、私はそう思っております。」こういう答弁がございました。
 運輸大臣と国鉄総裁にお聞きをいたしますけれども、今回の亀井委員会におきまして、国鉄再建問題が論議されて最終的に答申が出されるということでございまして、答申がすべて正しいとは思いませんけれども、一つの政府の諮問機関としての方向であるということでございまして、これに対してやはり行政当局としてそれに対応していくということになるわけでございますけれども、大臣と総裁の方から、それぞれ決定が出されたらどういう対応をされるのかということについてお聞きをしたいと思います。
○山下国務大臣 今までもうしばしば答弁申し上げているように、私ども内閣といたしましては、監理委員会の答申を最大限に尊重する趣旨の閣議決定もいたしております。したがいまして、監理委員会から答申が出ました場合には、なるたけその趣旨を尊重しながら、私どもでやるべき例えば法律の改正であるとか、そういった諸準備に直ちに着手したい、基本方針としてはそういう建前をとっていきたいと思っております。
○仁杉説明員 今大臣から御答弁ございましたが、私どもも政府機関でございますので、答申が出され、それを尊重されまして政府案をつくるということ、この場合に恐らく国鉄にもいろいろと作業が来ると思っておりますが、そうした中におきまして作業を通じて御協力をする、また実務者として申し上げるべき意見は申し上げますが、最終的に政府案が決まるという段取りになりましたら、それを誠実に実行していくのが国鉄の立場と考えております。
○玉置(一)委員 もう一方的にお答えを聞くだけにしておきます。できるだけ事前の論議の中に参加をしていただいて、その中で十分意見を吐いていただいて、納得のいく再建の取り組みをこれからお願いしたいと思います。
 どうも再建と逆行するような動きが中にあるわけでございますけれども、実は整備新幹線の問題でございます。整備新幹線は今凍結をされているということでございます。しかし、年度予算の中で六十四億が計上されるというようなことで、今細々と消えないで残っているという状況でございます。ただ、今整備新幹線のいろいろな計画を見ておりますと、工事の費用が大変かかる、それだけの長い距離を走るわけでございまして、一説によりますと、最終的には建設総額が二十兆円になるというお話がございます。
 この着工について、昨年の予算編成の時期に自民党の内部での調整がございました。このときにことしの八月ぐらいに結論を持ち越したということになっているそうでございます。我々としても大変心配をしておりますのは、整備新幹線が単に選挙目当てのために着工されるということであれば、せっかく財政再建のために政府の各部門が大変な努力をされているわけでございまして、これに大変大きな逆噴射といいますか、逆の力を与えてしまうことになるのではないかと心配をいたしております。
 これは自民党内のお話でございますけれども、その着工の根拠として、新幹線の建設、開業による経済的な波及効果で投資額を大幅に上回る税収増を見込める、こういう話になっているそうでございますけれども、我々がそれぞれの整備新幹線の候補地の状況を見ると、ここまで行くのはとてもじゃないけれども、相当の人が乗らないとできないのではないかという感じを受けるわけです。ですから、そういう意味でより慎重な論議をやっていかなければ、簡単に自民党内だけで押し切る、そして赤字をまた政府にかぶせていくということであっては困るということでございまして、この辺についてまず運輸大臣のお考え方をお聞きしたいと思います。
○山下国務大臣 整備新幹線の取り扱いにつきましては、近く予定されております国鉄再建監理委員会の基本答申が出されました後に、国及び地域負担等事業実施方式のあり方、同答申との関連等について所要の調整を行うこととされておりまして、財源のあり方等につきましては、このような調整の結論を得た上でのことだ、かように理解をいたしている次第でございます。
○玉置(一)委員 それでは、監理委員会にお聞きをしますけれども、監理委員会が七月の末に答申を出されて、それを受けて八月には整備新幹線の関係閣僚の意見をまとめるということになっているそうでございます。監理委員会としてどこまで論議がいっているのか、そして今一部お話がございましたように、財源問題をどういうふうにお考えになっているのか、この辺についてお聞きをしたいと思います。
○林(淳)政府委員 私ども再建監理委員会は、現在の国鉄をどのようにして再建をしていくかというのが任務でございまして、そういう意味で現在の国鉄の具体的な再建案を検討しているわけでございまして、整備新幹線は今後の問題でありまして、私ども監理委員会としては、私どもが検討する問題の枠外の問題と考えておりまして、整備新幹線をどうするかということについての検討は、我々は行っておりません。
○玉置(一)委員 では、再び運輸大臣にお聞きしたいと思います。
 現在、自民党の部会の中で新税構想がございまして、この整備新幹線の建設費を目的税で取ってはどうかという意見があるそうでございますけれども、これについて運輸大臣としてどういうふうにお考えになっているのか。また今後こういう方向に向かって検討されるのか、この辺についてお聞きしたいと思います。
○山下国務大臣 先ほども申し上げましたように、新幹線の財源につきましては、先般の予算のときには国鉄の負担にならないようにという趣旨のことでございましたけれども、新税その他とかいろいろな問題につきましては、まだ現在具体的な方向づけがなされておる段階ではございません。
○玉置(一)委員 それでは、整備新幹線全般についてお聞きしますけれども、一説によりますと、整備新幹線というのは今から赤字が見えているというふうなことが言われております。建設費、運営費含めてだと思いますけれども、国鉄当局として、新幹線をつくられた実績から見て、整備新幹線をつくった場合に果たして採算がとれるかとれないか、この辺についてお答えをいただきたいと思います。
○棚橋(泰)政府委員 国鉄の担当がおりませんので、運輸省からお答えを申し上げます。
 整備新幹線を建設して採算がとれるかどうかという問題につきましては、どのような新幹線をどのような区間に建設するか、またその建設の期間がどのくらいかかるか、さらにはそれに要する財源をどのような形で賄うのか、そこらのあたりが明確でございませんと、新幹線の採算というものについて明確にお答えできるという段階ではないと考えております。
 ただ、従来の新幹線の例で考えますと、例えて申しますと、東北・上越新幹線というようなものにつきましては、当面は非常に資本費が多くかかりますので採算は悪いわけでございますけれども、新幹線は次第次第に開発誘発効果を持っておりますし、また将来的に資本費負担が逓減してまいりますと、長期的には採算がとれる新幹線になるものだと考えております。
○玉置(一)委員 時間が来ましたので、運輸省についてはこれで終わりたいと思います。
 あと全部残り通産省にお願いしたいと思います。それでは、通産大臣にお伺いしたいと思います。
 貿易摩擦の問題が、ここ数年各委員会で一斉に取り上げられておりまして、これについて具体的な案がなかなか出てこないというのが現状でございます。中曽根総理もさきのサミットで約束して帰られましたけれども、果たして実効の上がるものができるかどうか、我々も心配いたしておりますし、何とか実効の上がるような形でやっていかなければいけないと思っております。
 しかし、今の日本の経済構造から考えてみまして、貿易摩擦よりも貿易アンバランス、収支のアンバランス、これはもうなくすことができない、こういうふうに私は認識をしているわけです。というのは、買う物は少なくとも原材料、二次製品というものがあるわけですし、輸出する物はほとんどいわゆる完成品の輸出というような形で、付加価値をつけて出すわけでございますから、その付加価値がなければ日本の経済がもたない、こういう状況でございまして、これを何とか解消していきたい、こういうことで考えているわけでございますけれども、どうも時々行き過ぎた考えの方がおられまして、実は五月の末、三十一日だったと思いますけれども、経団連の会合がございまして、その中で藤尾政調会長が、輸出課徴金を考えている、こういうふうな話をされたわけです。
 これは、その前に自民党内で、相手国が輸入課徴金をかけるならば、日本の方が先にかけてしまったらどうだ、こういう話もございまして、いろいろのいきさつがあってこういう発言をされたと思いますけれども、これについて通産大臣としてどういうふうにお考えになっているのか、また、この輸入、輸出課徴金というものについての取り組みは現にあるのかないのか、その辺についてお伺いしたいと思います。
○村田国務大臣 玉置委員にお答え申し上げます。
 輸出課徴金問題については、まず御指摘になった五月三十一日の自民党四役と経済四団体との懇談会で輸出課徴金のお話を、出されるということは、事前には聞いておりませんでした。そして、実はそれの記事が出ましたので、これは非常に大変な問題であるというふうに認識をいたしております。
 なぜ輸出課徴金が大変であるかと申しますと、今玉置委員も御指摘になられましたが、まず第一に、輸出課徴金というのは、今日本やアメリカ、いわゆる自由主義の先進国が一生懸命推進をしております新ラウンドであるとか自由開放体制という考え方からいうと、これは根本的に相反する考え方である。したがって、そういう輸出課徴金という考え方にくみすることができないというのが第一点でございます。
 それから、現在は変動相場制でございまして、円の対ドルレートも非常に変化をするわけでございますし、したがって、そういった変化に応じて仮に輸出課徴金をかけたとしても、所期の効果を達成し得るのかどうか疑問であるということ、これが第二点でございます。
 それから第三点は、委員も御指摘になられたと思いますが、アメリカでは輸入課徴金を取ってやろう、例えば日本から来る商品について輸入課徴金を取れば、アメリカの方は収入にもなるというような発想からだと思いますが、そういう考え方が一部にあって、しかもまだ現在もこれは根絶していない。もし日本で輸出課徴金をかけるというようなことになれば、アメリカは当然のこととして輸入課徴金をかけることを考えるかもしれない、言うなれば引き金になる非常な危険性があるということ。
 それから第四点は、中小企業に対する影響でございますが、中小企業は大企業に比して経済対応力がどうしても小さいわけでございますから、もし中小企業に輸出課徴金を課するというようなことになると、これは大変な甚大な影響を及ぼすおそれがある。
 以上申し上げた四点の理由から、輸出課徴金という考え方には我々は同調することができないし、賛成することができない、輸出課徴金制度をしくことは好ましくない、こういうふうにはっきり考えております。
○玉置(一)委員 財界の方から、円安ファンドを活用して、要するに輸入対策の費用に充てればどうか、こういう話が出ているかと思いますけれども、この辺についてはいかがお考えになりますか。
○村田国務大臣 その問題は、まだ十分検討いたしておりません。
○玉置(一)委員 先ほどもちょっと申し上げましたように、貿易収支のアンバランス、これは日本としては宿命みたいなものでございまして、ただ、貿易収支の黒字が出た場合に、それを理由に外国が責めるということ、どう考えてもおかしいと思うのです。これは解消できないならば、逆にどういう形で対応していかなければいけないのか。それがあればこんな苦労しないと思いますけれども、やはり見かけ上の収支バランスをとろうと思えば、経常収支以外の資本の移転の方、こちらを逆に入超というような形にせざるを得ないということになるわけでございますけれども、それも今の金利の問題からいくと、とても難しいというようなことが言えるかと思います。
 少なくとも、ぼつぼつといいますか、ことしの七月末から八月末ぐらいだったと思いますけれども、総理が外国に行かれて帰ってこられてから対外貿易摩擦の解消の具体案を練ろうというようなお話でございますけれども、これについて通産省としては、今どういうお取り組みの具体的な原案づくりをやっておられるのか、もしあればお聞きしたいと思います。
   〔新村(勝)委員長代理退席、委員長着席〕
○村田国務大臣 玉置委員の御指摘になったのは根本問題でございますから、やや詳細に申し上げたいと思うのです。
 貿易のインバランスの問題、日本の場合は非常に資源に乏しく、そしてまた人口が多いですから、どうしても貿易その他によって国の経済を相当発展させないといけないという基本的な問題があって、そしてまた、日本人の努力、英知、そういうものが現在のような一割国家とか国際国家とか、あるいは経済においてアメリカに次いで世界的に非常に大きな発展をしてきておる、そういうことがあるわけでございますが、その意味でもどうしても貿易をふやしていかなければならないという根本的な宿命のようなものがございます。
 そして、自由主義経済体制でありますから、貿易をしておりますうちに、例えば自動車をたくさん輸出し過ぎるとかいろいろな問題が、対米あるいは対EC、対ASEANあるいは対中南米というあらゆる世界の国々と生ずるのは当たり前でございまして、例えば日米の関係を考えますと、レーガン大統領でさえ、例えば日米の輸出インバランスについては、米国の高金利であるとかドル高であるとか、そういった問題に基本的な原因があるのであるということを教書の中でお述べになっておるくらいでございまして、そういうことについての大所高所からの考え方はアメリカにもあると思います。
 ただ、私はボン・サミットにも出、日米首脳会談にも出席いたしましたが、具体的な国民感情としては、三百何十億ドルというような対日赤字を抱えているんじゃこれは大変だという国民感情が出る。これも私は当然の帰結かと思わなければならないと思います。したがって、中曽根総理は四月九日に対外経済対策を決定いたしまして、基本的な問題についての路線をしっかりと確立されました。
 通産省では製品輸入ということをしっかりやろうというので、四月二十二日に、輸出の非常に大きい企業、あるいは百貨店、商社等々の貿易に非常に風係の多い企業の社長さん方にお集まりをいただいて、ひとつ輸入についての具体的な計画を立ててください、そしてそれをまた通産省に報告してくださいというような、これはお願いでございますけれども、非常に深刻なお願いを私から申し上げたところでございます。幸いに総理の決意、そしてまた政府の決意というものを酌んでいただいて、六十社はいろいろその努力をしていただいているわけでございます。
 同時に、七月までにアクションプログラムをつくろうというので、総理を中心にいたしまして対策本部が発足をし、通産省もその中心部分で一生懸命働いておるわけでございまして、そういった具体的なものを今一生懸命詰めておりますので、七月中にはそれについての成果もある程度まとまるであろう、そういったものを積み上げて、貿易インバランスの解消に向けての努力はどうしてもしなければならぬという相当突き詰めた気持ちになっておるわけでございまして、それがまた日本のためであり、世界のためである、こういう認識に立って具体的に努力をしておるところでございます。
○玉置(一)委員 それでは、外務省にお聞きをいたします。
 今諸外国から日本に対するいろいろな要請が来ていると思いますけれども、地域別あるいは国別にかなり要素が違うというような感じもいたしますし、その要望の強さも違うというふうに思うわけでございまして、当然通産省と十分な連携をとっておられると思いますけれども、外務省として今国別あるいは地域別にどういうふうに要望をとらえておられるのか、この辺についてお聞きをしたいと思います。
○木村説明員 お答えいたします。
 先生御存じのとおり、従来からアメリカ、欧州、ASEAN諸国等からいろいろな種類の要望が参っておるわけでございます。その要望の中には、関税の引き下げ、それから開発途上国については特恵制度の改善、それから輸入制限の撤廃ないし緩和、基準・認証、輸入手続の改善、製品輸入の促進、政府調達、サービス、金融等、分野としては非常に広い分野にわたっておるものでございます。
 したがいまして、これを地域別、国別ということで御説明するのはなかなか難しいのでございますけれども、若干の具体的な例を例えば関税について申し上げますと、四月九日の対外経済対策において既に方針が決まっております合板のほかに、先進国では例えばワイン、チーズ、チョコレート、通信機器、紙等が出ておりますし、途上国については、ASEANにつきましては骨なし鶏肉、バナナ、パーム油などというものが出ておりますし、韓国は例えばマツタケ、むきグリというように、国ないし地域によって、例えば関税についても、もちろん特産品が違いますので、こういうような状況でございます。
 その他、先ほど申しましたように、特恵の問題は開発途上国の要望でございますし、基準・認証の問題は主として先進国からの要望が強い。それから製品輸入の促進ということにつきましても、米国又びECというのが非常に強いというようなところでございます。例えば金融、サービス面につきましても、やはり先進国からの要請が強いということでございまして、先生おっしゃるように、分野につきましては、国によって差異がありますけれども、全体といたしますと相当広い範囲のものについていろいろな要望が来ておる、こういう状況でございます。
○玉置(一)委員 大変いろいろなというか、今話に出ておるものはほとんど各国とも要求しておるような感じがするわけですけれども、私が例えば外国製品を買おうということである店へ行きまして、幾らですかと値段を聞きますと、大体海外の三倍ぐらいするのですね。これは一つの例でございますけれども、例えば洋酒の場合、これはいろいろ数字、余りずばっと出すとまずいかと思いますけれども、何が一番多かったかというと、マージンが一番多いのです。例えば一〇〇という数字がありまして、製品の原価というか、輸入FOBで出してみて一応原価としますと、通関の関税があって、それから国内の税金があって、そしてマージンということなるわけですけれども、一番ウエートが大きかったのがマージンということになるわけです。
 特にヨーロッパ系のいろんな製品を調べてみますと、一つの会社、一社一特約店ということになっておりまして、そこ以外が売ることはできない。それ以外のところは第二次の特約店になるわけですから、要するに一つのルートしかない、こういう形になっておるわけです。いろいろな製品を調べてみると、ほとんどそういう形になっておる。
 一方では、ヨーロッパの方では、宣伝をするということは自分たちの製品がよくないんだ、こういう意識もありまして、特に一生懸命売ろうとしないで、どっちかというと口コミで、使ってみてよかったら次の人が買いに来る、こういうような感じだというような話も聞いております。
 そういうふうに考えていきますと、ただ単に製品を買うということは、これは買うのは国民ですから選択の自由があるわけですね。そして、いいものを高く買うというのはだれでもできるわけです、お金さえあれば。ところが、やはり金持ちというのはそんなにたくさんいませんから、金持ちほど安いのを買う人もいますけれども、実際は、例えば性能的に同じ製品で向こうの値段が三倍だというようなものを、果たして日本の国民が買うかどうかですね。
 幾ら輸入促進ということでやっても、やはり間の流通経路なり、今もお話も出ておりましたけれども、輸入手続の問題とか関税とかいろいろなのがございますけれども、関税についてはほとんど東京ラウンドの前倒しで先に先にやってますから、かなり低いところにきている、ところが流通部門については全然触れられていない、こういう感じがするのですけれども、これにやはりタッチをしていかなければ輸入促進はできないというふうに私は思うわけですが、大臣としてどういうふうにお考えになりますか。
○村田国務大臣 ちょっと具体的なお話をしてみたいと思います。
 サミットへ行きましたときに、リーガン大統領首席補佐官とバイラテラルで大分時間をかけて話をしたのです。そのときにリーガン首席補佐官、これは他国で言えば総理に当たるような仕事もしている非常にアメリカの実力者ですね。この人が言いましたのは、四月九日の中曽根総理の決定を非常に高く評価する、ただ、実際問題でそれによって貿易額のインバランスが少なくなるかどうかということが非常に大問題なんだ、日本は、今玉置委員が御指摘になったような、非常に輸入についての関税が高いだとか、官僚統制が非常に強くって、基準・認証その他の具体的ないろいろな問題についてなかなか関税外の障壁があるとか、あるいは非常に輸入に日数がかかって具体的にいかないとか、そういういろいろな問題があるんじゃないかという指摘をされました。
 私はそれに対応して、官僚統制と言われるけれども、非常に日本の公務員はよくやっているんだ、御指摘のような点はいろいろこれから調べてみたいと思うがということで、確かに今例にお挙げになった、例えば洋酒であるとかいろいろなものについて、いろいろそういう具体的な指摘が聞かれるわけでございます。だから、そいつはひとつできるだけ撤廃に努力をいたしましょう、そういう関税の撤廃、関税外の障壁の撤廃、いろいろ具体的な努力をしてみたいと思う。そのときにアメリカ側でも輸出努力をしなければいけませんよというようなことで、どちらが言うともなしに、タンゴは一人じゃ踊れないという言葉が出てきたのです。これはやはり両方で一生懸命にやってみなければ輸出輸入というのはうまくいかないのであって、そいつを努力をしてみようじゃないかというのがリーガン大統領補佐官と私の話の内容でございました。
 そして、貿易問題についてはひとつ慎重に対応してほしいということを私は特に申し上げたのです。というのは、感情的になられると非常にうまくいきませんよという気持ちを裏に込めて申し上げたのですが、御指摘のような点は確かにあると思いますし、今も外務大臣が外国に行かれていろいろと努力をしておられる。外務省、それから農林水産省、それから通産省、関係各省いろいろあるわけでございまして、各省も非常な苦労をしておられるわけでございますから、ひとつ各省庁連絡をとりながら、今御指摘になった点が確かにもしあるとすれば、努力を続けていかなきゃならぬ、このような認識を持っております。
○玉置(一)委員 事ごとに、物を買うごとにそういう感じがするわけでございまして、ぜひいろいろな表にあらわれてない障壁を取り除いていただくようにお願いを申し上げておきます。
 貿易のアンバランス、二国間でいろいろやっておりましても、これは日本の国情に合うもの、ニードに合うものというものがなかなか見つからなくて、価格競争においてもあるいは品質においても日本の方が非常に優位な立場にある、こういう事情の中で進めていかなければいけないということがあるわけです。
 私が昨年南太平洋のいろいろな島国あるいは豪州、あの辺に行ってまいりましたときにも、日本が買うのは原材料だ。これはもう割り切って考えた場合に、日本が原材料を買うお金でアメリカから電気製品なりあるいはECから衣料なり、こういうものをオーストラリアは買っているということがありまして、例えば日本がいろいろ責められている国、そこが輸出している相手先、その辺をやはり調査して、そしてそこに対して日本が何か買うものあるか。ですから、相手が選択できるわけですね、ふえてくるということで。そういういわゆる第三者を介して協力ができれば、これは一つの摩擦解消の手段になるというふうに思うわけでございまして、いわゆる第三国経由の貿易体制というものがとれないかというふうに思うわけでございますけれども、これについて通産省と外務省と両方でお答えをいただきたいと思います。
○村岡政府委員 大変示唆に富んだお話だと思います。こういう三国間の問題、対照などを含めまして、私どもも輸入できる商品の開発とか競争力の涵養とか、大いに研究を進めてまいりたいと思っております。
○木村説明員 ただいま村岡月長から御答弁ございましたとおり、外務省といたしましても、第三国を含む協力関係ということの重要性ということは認識いたしておりまして、個々具体的にどういうことがどういうふうになるかという問題については、さらにいろいろなところで検討していかなければならない問題だとは思いますけれども、全体としての協力関係の幅を広げるという先生の御指摘はごもっともだというふうに考えております。
○玉置(一)委員 第三国を通じた場合に、間に入っている国が知らなければこれは何にもならないわけでございますから、その辺も十分にPRをしながら、やはり少しでもいろんな国々と摩擦解消に向けてお取り組みをいただきたいと思います。
 おくれて参りましたけれども、大体の時間が来ましたので、これで終わりたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○安井委員長 次に、中川利三郎君。
○中川(利)委員 本日の質問に入ります前に、委員長と大臣にそれぞれ資料を準備してまいりましたので、御披見いただきたいと思います。
 私、きょう、自動車の販売業界、とりわけ中古車販売、この悪徳業法といいますか、まさしく目に余るものがあると思うのですね。何とか商事の問題が今大きい社会問題になっておりますが、まさにそれなんか足元にも寄らないような、構造的に根が深い大変な悪徳ぶりだと思うわけでありまして、今お渡ししました資料の一枚目、自動車販売業界における悪徳商法の例として、その手口の種類並びにユーザーがそのためにどんなに年間被害を受けているか。例えば自動車重量税の二重取りだとか、自動車取得税の詐取だとか、こういう格好の中で年間五千億円余といいますか、これは私の推計した試算でございますが、こういう大問題になっているということでありまして、この順序にほぼ従い。ましてお聞きするわけでありますが、まずその第一は、自動車重量税のいわば二重取りの問題でございます。
 重量税というのは、御承知のとおり車の重さに応じて課税される国税でございまして、一たん納められますと、廃車しても名義変更しても還付されない、いわば払い切りの税金であります。中古車を購入したユーザーは、車検の有効期間中は改めて重量税を納める必要もなければ義務もない、こういう筋合いのものであります。しかし、多くの業者の方々は、車検期間残分、その期間を案分した重量税が必要だ、こう言いまして、これを法定費用として取っているということですね。
 これは私もこの前、去年の十月の決算委員会で質問しておるわけでありますが、これは明らかに刑法上の詐欺あるいは民法上の不法行為、それだけでなくて、自動車業における表示に関する公正競争規約、これに違反することは明白でございますが、重量税の二重取りだけでも、表にも示してありますように、ユーザーが被害を受けている部分は年間に、して約五百億円と推計されております。したがって、今全国各地でユーザーからの不当利得返還請求だとかあるいは損害賠償の刑事告訴、告発が相次いでいるわけでありまして、時間の関係上、私は直ちに法務省へお聞きしたいと思うのです。
 刑事告訴の件にまで発展した東京町田市のケーユー商事の事案、これは前もってお知らせしてありますからおわかりと思いますが、お話を聞きますと、この一月に送検しておるということですね。現在は八王子の地検で捜査中、こう聞いておるのでありますが、一月に送検して、今六月だということになりますと六カ月間、私の調べたところによりますと、きのう現在でさえもまだ告訴人あるいはその代理人から事情聴取さえもしておらないということですね。したがって、一体どんな事情があって半年ももたもたしているのか。こんなちっぽけというと失礼ですが、なぜこうなのかということを、現在の捜査の段階を含めてとりあえずお答えいただきたいと思います。
○松尾説明員 お答えいたします。
 お尋ねの件につきましては、ことしの一月九日に東京地方検察庁八王子支部で詐欺事件として受理しております。現在捜査中でございまして、先生お尋ねの具体的な捜査状況については、ここで答弁することは差し控えたいのでございますが、検察当局としましては、捜査を遂げまして適切に処理するものと思っております。
○中川(利)委員 私は、捜査中だ、これはわかりますよ、毎々あなた方そう言っていらっしゃるわけですから。しかし私の推定では、金額が一件一件にしてみれば小さいということで、そのために余り重視しておらないのじゃないかという感じがするのです。しかし、その間でもどんどんやり方が一層悪質化いたしまして、今までは刑事事件にしなくても、その不当な取得を糾明すれば、あるいは訴え出ればすぐ返しておった。今は刑事事件で告訴しないとなかなか返らないような、そういうことで進行しておりまして、それだけ被害者が泣くという状態になっておるのです。皆さんがぼやぼやと言うと失礼ですけれども、その間じゅうでもこういう問題が進行中ということについて、私は重ねてこの迅速な捜査を要求したいと思うわけであります。
 次の問題は自動車取得税のだまし取り問題、今度は取得税の問題でありますが、御承知のとおり、取得税というのは市町村道路の整備財源として創設されたものでございまして、都道府県の目的税でございます。しかし、自治省通達によって法違反の徴税事務が行われ、地方税法とその運用の間に大きなギャップが生じております。自動車販売業界はこのギャップにつけ込みまして、実際に納める税額を大きく上回る全員を自動車取得税名下で徴収してその差額を猫ばばする、こういうことが今白昼公然と行われているわけであります。
 こうした全員の徴収は、刑法上の詐欺であるし、先ほど申し上げましたように、民法上も不法行為に当たるわけであります。同時に、今の公正競争規約からいいましても違反することは明らかだと思うのです。この分については、私の試算によりますと年間五百億円、こういうことに推計されるわけでありますが、この点につきましても、今ユーザーから不当利得返還請求あるいは損害賠償、こういうものが相次いでおりまして、刑事告訴、告発事件にまで及んでいるわけであります。
 さらに、警察庁にお伺いするのでありますが、自動車取得税のだまし取り問題で刑事告訴、告発された東京都の無限オートセールス、千葉県のトヨペット販売特約店の株式会社ファミリー、この事案について警察庁の金澤刑事局長は、四月十六日の我が党の経塚議員の質問に対しまして、千葉の事案は柏警察署において捜査している、東京の事案については近く態度を決定する、こういう御答弁をしておるわけでありますが、その後の捜査状況はどうなっておるのか、先ほどと同じような捜査中ということをおっしゃるのかどうか、お聞きしたいと思うのです。
○上野説明員 お答えいたします。
 ただいまお話の出ました二件のことでございますが、最初に、警視庁の方に話があった分でございますけれども、本年三月末に、日本自動車ユーザーユニオンの代表者名で告発状が警視庁に郵送されてきておりますけれども、同庁におきましては、その後告発代理予定の弁護士等との間で関係書類等の提出要請を行うなど、必要な情報、資料の収集に努めているところでございます。あと一つの千葉県の場合でございますが、本年四月九日に告訴、告発を受理いたしまして、現在千葉県の柏警察署におきまして関係者からの事情聴取や関係資料の収集を行うなど、現在捜査中のものでございます。
○中川(利)委員 それでは、また次の問題を聞きますが、それは行政書士法違反の各種届け出書類の作成、代行と、登録費用などの不当な徴収というか猫ばばといいますか、この問題についてお聞きするわけであります。
 この業界では、公定料金を大幅に上回る料金を徴収して、自動車の登録や車庫証明などの届け出書類の作成、届け出業務を代行するなど、行政書士法違反が常態化しております。サービスでやるようなことを言いながら、実際は公定料金を何倍も上回るようなお金を取っておるのですね。ですから、日本行政書士会連合会との間で、これまでもなくさんのトラブルが起こったのであります。過大な料金によるユーザーの被害、これは年間にして登録関係で一千七百億円、車庫証明関係で二百億円と試算されているわけであります。
 それで、まず私は、公正取引委員会が来ていると思いますのでお聞きしますが、この業界では、ユーザーの明白な同意あるいは依頼、そういうものがないのに、下取り車の査定料などを一方的に取っています。ユーザーが自分で車を取りに行ったのにかかわらず納車費用を取ったり、公正証書を作成しておらないのに公正証書作成費用としてお金を取る、まさにそれが常態化、横行している事実がございます。これによるユーザーの被害分は、年間七百億円程度と推計されるのであります。
 これは公取にお聞きするのでありますが、こうした費用徴収は、やはり先ほど述べましたような詐欺、不法行為、あるいは皆さんの公正競争規約にも反するものだと思うけれども、いかがですか、この点が一つです。
 それから二つ目には、公取では、自動車重量税の二重取り問題や取得税のだまし取り、登録費用などの不法不当な徴収問題などにつきまして、自動車公正取引協議会に対しましてどのような指導をやったのか、それに対して協議会はどのような措置を講じたかということをあわせてお聞きするのでありますが、聞くところでは、協議会では違反事例を具体的に例示して是正を求める文書を傘下の各団体に送付したということであります。その文書の内容を簡明にして要を得てお聞かせいただきたいと思うのであります。
○黒田説明員 お答えいたします。
 ただいま先生の御指摘のありましたように、自動車業界における一連の自動車重量税、それから取得税とか登録等の費用のあり方につきまして、いろいろ問題が指摘されていたこともありまして、私どもの方でも、自動車業の表示に関する公正競争規約にのっとりまして表示を是正するよう指導しておりましたところ、五月七日付で、自動車公正取引協議会の方で「保険料、税金、登録等に伴う費用の表示基準について」、これを取りまとめまして、関係団体、傘下会員に周知を図っております。
 その中身、骨子だけをお話ししますと、まず一点目は、「販売価格には、保険料、税金、登録等に伴う費用は含めないで別途に表示すること。」二番目としまして、「保険料、税金、登録等に伴う費用を表示する場合には、その内容を明りょうに表示すること。」それから三番目に、「保険料、税金、登録等に伴う費用は、実際に発生する費用を表示すること。」こういったことを決めておりますので、この通達を会員に周知徹底するよう今後とも指導していきたいと考えております。
○中川(利)委員 今の公取からの指示を受けて自動車の協議会が下部団体に流した資料は、その次のところにございますのでごらんいただきたいと思うのです。
 皆さんが自動車公正取引協議会に対していろいろ指導した、こういうことでありまして、その結果としてこういう格好にあらわれたということは大変結構であります。
 しかし、指導したと言いながら、自動車協議会がこういう通達を下部に流した同じ日に、もう一枚のものを流しておるのです。同じものを私は持っていますが、それを見ますと、公取からそういう示唆があった、だからこういうふうにやりなさい。やったことは結果としていいことですが、示唆というのは、字引を調べるまでもなく、これは何とかやりなさいということではないんだなあ。そういう指導じゃない。直接物は言わないけれども、間接的にそれをわからせるようにするのが示唆なんです。そういう文書が出ているのですね。私は公取はよくやっていると思いますけれども、そういう点でもう少しきちっとした指導をしていただかなければならない、こういうように思うわけであります。
 同時に、これは初めて申し上げることでありますが、今申し上げました重量税の二重取りだとか取得税のだまし取りだとか、あるいは届け出書類作成、代行や登録費用の不当な徴収だとか、この業界はこうした不当徴収した全員を会計経理上どのように処理しておるのかということです。帳簿上、裏利益としてこっそり懐へ入れているのではないか。ある業者の内部告発によりますと、業界では二重帳簿は当たり前だというのです。法定費用名下でそうした不当徴収した全員を、会計経理の処理上その対象外として脱税しているというんだな。
 国税庁にお聞きをするのでありますが、千葉県その他におきまして、中古車販売業者の脱税容疑による税務調査を行っていると聞いているのでありますが、この点はいかがでございましょうか。
○岡本説明員 お答え申し上げます。
 我々国税当局といたしまして、実態必ずしもつまびらかでない点がございますが、一般論として申し上げさせていただきたいと思うのですが、我我日ごろから各種の資料、情報等を収集いたしまして、こういった課税上問題があると認められます業種、あるいは社会的にも注目されております業種であるとか、あるいは比較的好況と認められるような業種、こういった業種に属する納税者等につきましては、重点的に調査を実施して課税の適正化を図っているところでございます。したがいまして、御指摘の業種等につきましても、いわば一般的に全体の調査の実施の中に取り込まれておりますので、特にお尋ねの地域あるいはお尋ねの中古車販売業者の調査状況ということでは把握しておりませんので御了解賜りたい、こう思っております。
○中川(利)委員 それはおかしいじゃないですか。一般論であなたお答えになっているわけでありますが、私の手元に「脱税捜査に関する請願」というものが、これはその次のコピーに、皆さんの資料に含めてありますが、千葉県松戸市の田中さんという方から国税庁長官あてに来ています。それから、同じ千葉県市川市の野原さんという方から、同じように「中古車販売店の脱税捜査要請書」というものが来ています。それから、埼玉県大宮市の蓮見さんという方から、長官あてに「自動車販売店の脱税調査御願書」というものが来ています。
 それで、これは請願ですね。請願権というのは、すべての官公署に対しまして誠実処理を義務づけているはずでございます。そういう点から見まして、こういう請願が出たのに一般論でお答えするということは、これはまことに誠実じゃない、誠実義務に反することだと私は思いますが、重ねてお聞きしますと、この方々から脱税のこういうものが出て、あなた方はどう処理していますか、お聞きします。
○岡本説明員 再三国会の場でお答えさせていただいているところでございますけれども、我々国税の立場といたしまして、個別の納税者の個々の話につきましてなかなか御答弁できないのは、御勘弁いただきたいと思うわけでございます。
 ただいまの投書の件でございますが、我々国税当局としまして、国会でこういった御議論をされている事柄であるとかあるいは新聞等で報道された事柄というのは当然のことでございますけれども、さらに今御指摘のございましたような部外からの提供のあった情報につきましては、貴重な情報として関心を持ちまして、それらのいろいろな情報と、さらには我々の内部で収集しましたいろいろな資料であるとかデータであるとか、あるいは納税者から提出されました申告書等を総合検討いたしまして、課税上問題があると認められる場合には実地調査などを行いまして、課税の適正化を図っているところでございます。
○中川(利)委員 あなたはけしからぬことを言うね。何もこれは投書じゃないですよ。内容証明で国税庁長官に対する請願書ですよ。それをあなたはそういう格好でおっしゃるということは、しかも新聞情報その他と並列に物を考えているなんということは、けしからぬじゃないですか。請願権というものはどういうことかということに対して先ほど私は申し上げたわけですから、個別にこういう問題が行ったら、脱税の容疑があるから調査しているとかしていないと言うのが当然でしょう。なぜそういうものを一般論として申されるのですか。請願だということをあなたは投書だと言う。
 そこでお聞きしますが、投書と請願とどこが違って、請願の場合の義務はどうなんですか、重ねてあなたに聞きます。
○岡本説明員 最初申し上げましたとおり、我々個別の件につきましては、非常に答えづらい立場にございますので御勘弁いただきたい、こう思うわけでございます。
 なお、ちょうだいいたしましたものにつきましては、十分に慎重に検討させていただきたい、こう思っております。
○中川(利)委員 請願を投書扱いするようなやり方の中に、信頼する国税庁になれと言ったって、なられるものじゃないですよ。そこそこもう一回考え直しなさいよ。だめですよ。
 それでは、また次の問題に移らせていただきます。これも初めて議論になるわけでありますが、業界におけるその他の悪徳商法として、自動車税のだまし取りの問題、還付金の猫ばばの問題をお聞きするわけであります。
 自動車税、これは自動車の用途や排気量に応じて課税される都道府県税であります。賦課期日は毎年四月一日、納期は五月中ということになっています。徴収は普通徴収の形で、納期期限前十日までに納税通知書を交付することになっています。賦課期日後に納税義務が発生したものには、その翌月から課税し、当月分は課税しませんということです。また、同一都道府県内で所有権の変更が行われた場合は、当該変更はこの年度末に行われたものとみなして、当該年度は新たな所有者から自動車税を取らない。
 現行地方税法はそうなっておりますけれども、自動車販売業者の多くは、こうした法規定に違反しまして、ユーザーから法的根拠のない全員を自動車税名下でだまし取る、また、過大な自動車税を取って、実際に納付する額との差額を着服するなどの不正を大っぴらにやっております。その手口の一つ、賦課期日後に納税義務が発生したユーザーから、当月分を含めた年度末までの月割り自動車税を徴収し、一カ月分をだまし取るというものでございます。これによるユーザーの被害、新車の場合だけを見ましても、私の試算では年間四十億円になります。
 そこで、皆さん、大臣に配付した先ほどの資料でございますが、三枚同じような「中古車販売業界で常態化している自動車税のだまし取り」という資料がございます。ちょっとこの実例で申し上げます。三枚同じものが入っておると思いますが、三枚目の一番上段の、ファミリーという会社からだまし取られた斉藤守さんという方からちょっと申し上げたいと思うのです。この方は六千五百円だまし取られているわけですね。実際はそれの税額は、自動車税は税務署に入っておらなかった。
 その次の資料がここにございますが、その斉藤守さんという方の自動車注文申込書というのがございます。これで見ますと、「株式会社ファミリー御中」、斉藤さんの自動車注文申込書でありますが、ちゃんと黒枠で囲ってありますからごらんになればわかると思いますが、この左側の黒い枠の中のことから申し上げますと、六十年二月から六十年三月まで、六千五百八十円の自動車税を払っております。ところが、肝心の自動車税を税務署には何ぼ払ったかというと、これは同じページにそのコピーをとってありますが、自動車税ということで斉藤守さんが六十年の二月九日付になっておりますが、ゼロになっていますね。こういう徴収のやり方というものは地方税法上許されないと思いますが、いかがでございましょうか。
○前川説明員 お答えを申し上げます。
 自動車税の地方税法上の扱いでございますが、課税の仕組みについては、冒頭御質問で先生の方からお話がございましたそういう仕組みになっておるわけでございまして、原則地方税法上は、賦課期日後に納税義務が生じました場合には、その発生した月の翌月から月割りをもって課税をする。また、主たる定置場所在の同一県内において中古車を賦課期日後に取得いたしました場合には、法律上賦課期日現在の所有者に自動車税を課することとしておりまして、先ほどお話ございましたように、その場合には年度末に地方税法の適用については所有権が移転したものとみなすことになっておりますので、その年度分の税につきましては、その中古車を取得した人には課税をされないということでございます。
 今御指摘になりました事例、私もこの場で聞かせていただいたわけでございます。具体的なその背景なり何なりをもう少し詰める必要があろうかと存じますけれども、主たる定置場が同一の都道府県内の所有者の変更である場合には、今申し上げましたように新しい所有者には地方税法の納税義務がその年度についてはないわけでありますから、地方税法の定めるところによりあたかも納税義務があるかのごとく装って自動車税を徴収するといったようなことでございますれば、それはやはり善良な納税者の誤解を招く方法であろうかと思うわけでございまして、そういうことであれば、これは遺憾な事例であると私は思うわけでございます。通産省ともよく連絡をしながら、御指摘のような件についても適切な対応をしていくようにする必要があると考えております。
○中川(利)委員 今の事例は、あなたの遺憾なことの事例の一つとして私は提起したわけであります。
 それでは、通産省にお聞きしますが、だまし取りの手口の第二番の問題は、今お話ありましたような同一府県内で所有者の変更が行われた場合のやり方ですね。新たな所有者は改めて自動車税を納付する必要はないにもかかわらず、月割りの自動車税を法定費用の名下で徴収するやり方です。こうした悪徳業者は、アウトサイダー業者からトヨタ、日産、マツダ、ホンダ、こういうメーカー系列のディーラーまでがらがらとそろっているわけであります。
 また資料で申し上げますが、先ほどの「中古車販売業界で常態化している自動車税のだまし取り」の三枚つづりのものを出していただければわかるのですが、この三枚目の一番最後に「ニチエイ 千葉県」というのがございます。ニチエイという自動車会社ですね。そして「W氏(千葉県)トヨタスプリンタ」。Wですから、渡辺さんという方が一万二千五百円の自動車税を取られていながら、全く納めてないという事例でございます。この渡辺さんも、同一県内での事例として申し上げているわけです。このニチエイという会社が自動車税を何ぼ納めているか、見ました。これも一銭も納めておらないというのが次の資料、コピーであります。ゼロですね。
 さらに、さっきの前段の「だまし取り」の二枚目の下から二番目の杉田モータースの件でありますが、O氏と書いてあるのは小野田さんという方でありまして、三万一千六百二十円を自動車税として取られながら、結局何も納めておらなかった。その資料がその次に続いているものでありまして、同じであります。
 もう言えば切りがないのでありますが、例えば四人目も、「だまし取り」の資料の二枚目の一番最初にあるわけですが、日産プリンス千葉から買ったものです。これも九千八百七十円取られながら実際何もない、こういう事例があるわけです。
 しかも、これは何も私が今ここで申し上げているのではなしに、前もって通産省にお知らせしてありまして調査を依頼したわけでありますが、その後どのように対処したのか、結果はどうであったか、私の発言しているのがうそなのかどうかを含めて、お答え願いたいと思います。
○木下政府委員 ただいま資料で御指摘いただいたものにつきましては、昨日夕刻私どもの方にいただいたものでございますので、早速現在調査をしております。ただ、調査をしておりますが、まだ結論がはっきりわからない状況でございます。
○中川(利)委員 では引き続いて、私は今いろいろな事例を具体的に述べているわけでありますから、しかもちゃんとおたくの方にコピーを出しているのですから、調査したがまだ結論は出てないということですが、悪事であることは明らかでありますから、したがってその前提でちゃんと調査して、御連絡を近々いただけるかどうか。
○木下政府委員 調査をいたしました結果、御指摘のような事例がありました場合には、それが県を越えて販売されたかどうかということとの絡みがございますので、そういう点十分踏まえて検討させていただきたいと思いますが、これらの問題について消費者に無用の混乱や誤解を与えることは望ましくないと考えておりますので、もしそのような事例があれば、関係業界において調査検討するよう要請し、その結果を踏まえて何らかの対応が必要かと考えております。
○中川(利)委員 それでは、警察庁にお聞きしますが、初めに例示いたしました千葉のファミリーの件、これは既に刑事告訴、告発事件にまで発展しておるわけでありますが、この事件の捜査状況と今後の対応、方針を少しくお聞かせいただきたいと思います。
○上野説明員 お答えいたします。
 先ほど申し上げましたように、本件につきましては、四月九日に千葉県の柏警察署におきまして告訴、告発を受理してやっておるわけでございまして、現在関係者からの事情聴取や関係資料の収集を行うなど捜査中でございますので、ただいまのところ、それ以上のことにつきましてはちょっと申しかねるところでございます。
○中川(利)委員 公取にお聞きするのでありますが、このようなだまし取りが公正競争規約第十条、第十四条違反は明白だと思うのですが、これについても関係業界が是正措置をとることができるように厳重な指導をすべきだと思いますが、いかがですか。
○黒田説明員 お答えいたします。
 先ほどお答えしましたように、自動車公正取引協議会では、六十年五月七日付をもちまして「保険料、税金、登録等に伴う費用の表示基準」を取りまとめておりまして、その中で保険料、税金、登録等に伴う費用は、実際に発生する費用または納付する税額を表示することとなっておりますので、この取りまとめの基準に従って今後遵守していくよう指導してまいりたいと思っております。
○中川(利)委員 今度また自治省にお聞きするのでありますが、納税義務者本人にこうした問題が発生するということは、納税義務者本人に納税通知書を交付しないということなんですね。普通納付の方法をとらないで事実上申告納付の方法で徴収しているわけですね。また、領収証を納税義務者本人ではなくて業者に交付して、本人には渡さないという問題があるのです。こうしたやり方は現行地方税法上問題があると思うのですが、この点はどうなんですか。少なくとも納税者本人に納税通知書を交付する、本人に納税の事実とその金額を知らせる、こういう措置を各都道府県に講じさせることが、こうした悪質なやり方をなくする一番いいことだと思うのですが、その点についていかがですか。
○前川説明員 お答えを申し上げます。
 御案内のとおり、自動車の移転登録をいたします際には、納税義務者は地方税法の定めるところによりまして、自動車税の賦課徴収に関して必要な事項を申告または報告をしなければいけないということになっているわけでございます。賦課期日現在の所有者に課する場合には、御承知のとおり、納税通知書をあらかじめ交付をして納付をしていただく、こういうことでございますが、年度の途中で納税義務が発生して月割り課税になるという場合につきましては、納税通知書を交付して行う普通徴収の方法によるのではなくて、先ほど申し上げました申告あるいは報告をする際の書面、それに証紙を貼付して納付をしていただく、いわゆる証紙徴収の方法によることになっております。
 したがいまして、この場合には納税通知書は交付をされないということでございます。証紙をお張りいただくか、あるいはその証紙にかわるものとして現金で納付をして、納税済み印を自動車税事務所でいただくかということでございますが、いずれにいたしましても、税務事務所の扱いといたしましては、証紙を貼付した申告書、報告書を持参した音あるいは現金を納付した者に領収証をお渡しをするというのが、普通の金銭支払いの場合の方法ではないかと思うわけであります。しかしながら、税の領収証でございますから、それはやはり確実に納税者の手に渡ることが当然のことながら予定をされているものでもございまして、そういう点、不十分な点があるということでございますれば、これまたやはり通産省ともよく連絡をとりまして、関係事業者によく指導をしていただく必要がある問題であると考えております。
○中川(利)委員 領収証を発行されれば、それを業者に渡せば必ず本人に交付するということが保証できないわけでありますね。だからこそ問題が起こっているわけです。それが望ましいなんというような悠長なことを言っている間に、どんどんこういうようなことが当たり前のような格好で進行しているわけであります。
 現に、皆さんがそういう態度でありますから、私は二十ばかりの都道府県に全部照会してこれを調べたのですよ。ところが、法違反の事務がたくさんあるのです。今あなたがいろいろおっしゃいましたけれども、ある府県では、複数でありますが、納税通知書兼領収証が一枚の紙になっているのですよ。一枚の紙で両方ちゃんと印刷されてある。まさにこれが恒常化し、制度化しているような格好なんだな。本来これは別々に、十日前に納税義務者に交付云々なんということになっているけれども、そういう建前さえも全くいいかげんになっているということを重ねて申し上げておきます。
 時間の関係がありますのではしょりますけれども、自動車税をめぐる不正の第二は、先ほどの都道府県の枠を越えて所有者の変更が行われた場合に、還付される全員を業者が猫ばばしているという事例です。私は先ほど事例ごとに申し上げておるのにかかわらず、皆さんの返事はそれを越えてあいまいな返事をしたということも、私はちょっと指摘をしておかなければならぬと思うのです。
 こうした府県の枠を越えた場合は、十年前にも大変問題化しまして、その後一時鳴りをひそめたが、またぞろこの業界に横行してきているという問題であります。ほとんどのユーザーが自動車税は払い切りの税金だ、そう思い込んでいることをいいことにして、車検、登録変更届け出書類の作成とあわせて、ユーザーが知らない間に還付請求書や委任状などを勝手につくって、還付金を猫ばばしているということであります。
 そういうことで、私は先ほど申し上げましたように、都道府県の還付係から実情を調査いたしました。それによりますと、すべてのところが、還付請求に来るのはほとんど業者で、ユーザー本人が来るのはまずまれだ、あるいは還付金は委任状を持ってきた業者に還付しておる、次には、業者に還付した還付金のうち、ユーザーに戻らないものが相当数あるのではないか、これは都道府県でおっしゃっていることなんです。
 日本自動車ユーザーユニオンにも相当数の事例が持ち込まれておりますが、そのほとんどがユーザーの返還請求に応じて直ちに返却しているのですよ。こうした還付金の猫ばばによるユーザーの被害は、私の試算では三百五十億円に上ると推計されておりまして、私は絶対に放置できないものだと思っているのです。自治省も、業者によるユーザー泣かせの不正を根絶するために、還付の事実とその額を納税者本人に知らせるなどの措置を講ずるのが当然だと思うのでおりますが、こう聞いても同じような答えしか返ってこないですから、ここは省略させていただきます。
 そこで、通産大臣がおりますが、私はきょう、まだ時間が若干ありますが、最も重要だと思われる自賠責保険料の二重取り問題でお話ししたいと思うのです。
 これは運輸省にお聞きするのでありますが、十年前に自動車販売業者の多くが、自賠責保険料は掛け捨てと思い込んでいるユーザーが多いことにつけ込んで、保険の未経過期間に対応する返却保険料をユーザーに返却しないで、猫ばばの事実が明るみに出て大変問題になりました。先ほどもお話ししましたが、その当時運輸省は自動車局長通達を出していろいろ指導して、自販連なども一定の自粛をしたわけでありますけれども、一時鳴りをひそめておったものが最近またまた出てきたわけです。
 それは、車を下取りする際に返却保険料があることをユーザーに知らせないで猫ばばしたり、保険契約の名義人を前の所有音のままにしておいて、次の購入者から未経過期間分を案分した全員を保険料名下で二重取りするなどという悪質なやり方であります。
 こういうことは随所に起こっておりまして、私は皆さんに「中古車販売業界における自賠責保険の詐取・例」として資料を用意してあります。この資料によりましても、これはそこら辺の小さいディーラーなどではなくて、マツダだとかトヨタだとか、メーカー系列の堂々たるあれがやはりこういうことを普通にやっているということですね。アウトサイダーだけではないということです。だから、この事実を知ったユーザーは次々に返還請求して、不当利得と認めさせて返還させているわけであります。
 この点についても運輸省に事前に私は連絡してありますが、どういうふうに調べてどうなったかということであります。簡単でいいですよ。もう一問で質問をやめます。
○服部政府委員 ただいま先生御指摘のような事実が現在もなお見られますことは、大変遺憾に存じております。
 昨日先生の方からいただきました資料に基づきまして、現在事実関係を照会、調査中でございますが、いただきました表のうち、幾つかはそのようなことがあったということがほぼ認められている状況でございます。
 いずれにいたしましても、この下取り車の下取り価格に自賠責保険料の未経過分が含まれるべきであることはいわば常識でもございますし、当然そういうふうな措置がとられなければなりませんので、私どもといたしましては、そのこと及びその額が幾らであるかというようなことを注文書の中に明示するようにこれまでも指導してまいっておりますが、さらに現在、通産省とも協議をしながら、こういった注文書の様式等につきましても、今の点がより明確になるような工夫をしようというふうに考えておるところでございます。
○中川(利)委員 それでは最後に、運輸大臣がおりませんが、局長で結構です。あわせて通産大臣にもお答えいただきたいのでありますが、こうした自販業界の取得税のだまし取りやら重量税の二重取り、あるいは自動車税の不正ないろいろなやり方、諸費用の不当不法な徴収など、まさに悪徳の限りだ。通産省は行政指導以前の問題だなどと言ってこの前の国会でも逃げておって、野放しになっている実情ですね。こんなことで消費者行政ができるかということですね。公取でさえも今公取協を通じまして所要の――公取でさえもなんて大変失礼でありますが、所要の是正指導をやっているわけでありまして、直接の所管官庁の通産省の野放しは許されないと思うのです。
 私は今、通産大臣に厳重な指導を求める、こういうやり方をすぐ改めてくれということで、一番最後のところに資料をくっつけてあるわけでありますが、これは村田敬次郎通産大臣に対して「中古車販売業者の諸費用等不当徴収に関する請願書」、久保さんという方、それから小野田さんという方、二人の請願書のコピーを出しておるわけです。これらの請願に対して、事実関係を調べて、厳正な指導監督を要求したいと私は思いますが、この点どうかということと、先ほど来の運輸省所管につきまして、大臣不在ですから、局長から今後の対応の決意をお聞きして、終わらせていただきたいと思います。
○服部政府委員 ただいまも御答弁申し上げたつもりでございますが、私ども、流通過程の円滑を確保し、あわせまして一般消費者の保護を図るという見地から、今後そういうことの起きませんように精いっぱいの取り組みをしてまいりたいと考えております。
○村田国務大臣 中川委員の御指摘承りました。個々の案件につきましては、ケース・バイ・ケースに事情調査の上、必要に応じ指導をしてきておりまして、かなりの解決を見ているものと承知をしております。
 いずれにいたしましても、通産省としては、中古自動車の取引に関し、これまでも重量税の表示方法等につき所要の指導をしてきたところでございますが、さらに現在、当省の要請に基づき、関係業者団体におきましても、各種費用の徴収問題を総合的に調査検討中でございます。その結果をも踏まえ、今後所要の改善指導を行うなど適切な対応を図っていく所存でございます。
○中川(利)委員 いろいろ言いたいことがありますが、これで終わります。
○安井委員長 次に、阿部昭吾君。
○阿部(昭)委員 きょうは大変遅くなりましたのでお疲れかと存じますが、もう若干お願いをいたします。
 最近、市場開放、政府の国際公約、そのアクションプログラム、行動計画の政府指針がまとまったと大変大きく伝えられてございます。これは通産省だけでというわけにはいかぬ、いろいろなところに、各省に関連をしていく問題だと思うのでありますが、私は、通産省はある意味で言えば自由化をどんどん進める立場、それもよくわかるのであります。しかし、実際上は事はそう簡単かというと、そう簡単でないこともたくさんあるわけであります。
 今度の政府指針の中で、例えば植物検疫、これを緩和するというようなことがございます。これは通産大臣は、どうも検疫の関係はおれの方に言われてもようわからぬよということになるだろうと思います。それから食品添加物の範囲、これなども許容する範囲を拡大しよう、あるいは農薬の残留の基準なども緩和をしようといったようなことが今度の政府指針の中にあるようであります。
 私が恐れますのは、自由化はいいと思うのですが、しかしながら、だからといって一つの基準なり今までいろいろな理由があってやってきたものを、この際全部取っ払えということでいいのかどうか。その場合に、村田大臣、長いおつき合いで嫌みに聞こえるかもしれませんが、通産省はどうも無原則に、とにかく全部基準を緩和すればいいというような雰囲気が非常に強いと言われておるのでありますが、私はそこには一つのけじめというものがちゃんとなければいけないのじゃないかと思うのでありますが、御意見を伺いたいと思います。
○村田国務大臣 阿部委員にお答え申し上げます。
 通産省は、市場開放体制の推進、それから新ラウンドの推進ということでその衝に当たっておりますので、阿部委員御指摘のように、その問題について極めて熱心であることは事実でございます。アクションプログラムの策定に当たっては、原則自由、例外制限の基本原則のもとに、関税、輸入制限、基準・認証、輸入プロセス、政府調達、金融・資本市場、それからサービスなどの項目について各省が検討を図っているところであり、政府・与党対外経済対策推進本部を中心に、七月中に骨格を取りまとめる予定でございます。
 通産省は、従来から市場アクセスの改善には積極的に取り組んできたところでありますが、アクションプログラムの策定に当たりましても、省内にアクションプログラム策定委員会を設置し、原則自由、例外制限の原則を徹底すべく鋭意検討しておるところでありまして、この本部には関係閣僚がほとんど参画をしておられて、恐らくそういうことを頭にお入れになりながら御質問されたかと思いますが、農林水産省などは非常に苦慮しておられる面もあることもよく承知をいたしております。例えば郵政省あるいはそういった関係各省との相談の上に立って、私はこれは現内閣、現政府の一つの対外的な使命であり、方針であるという認識のもとに、非常に積極的に推進をしてまいっておるところでございまして、その点はぜひ御理解を賜りたいと思っております。
○阿部(昭)委員 ここに日米貿易研究会の「プログレス・レポート」、一九八四年九月、こういう文書があるのでありますが、通産省は日米貿易研究会というものを御存じでしょうか。
○村岡政府委員 日米貿易研究会、トレード・スタディー・グループというものは、私どもは存じております。本件は、一九七七年に在京のアメリカ人と若干の日本人有志によって結成されたものでありまして、主として日本の貿易障害を研究しているボランティアの団体というぐあいに理解をしております。ここにジェトロの職員が関与しておるわけでございます。
○阿部(昭)委員 ジェトロというのは、通産省ではどういうポジションにあるのですか、どういう関連にあるのですか、聞くまでもないことなんですが。
○村岡政府委員 ジェトロと通産省との関係と申しますのは、いわゆる外郭団体とでも申すのでございましょうか、特殊法人日本貿易振興会、これの法律をつくり、かつこの団体を監督しているのは通産省でございます。
○阿部(昭)委員 これを読んでみると、アメリカ側が日本に対して、例えば農産物なら農産物、いろいろな通信機器なら通信機器、いろいろなものをいかにして窓口を開かすか、そのために必要な作戦要務令というのか、どういう作戦でいったらいいかというのがこのレポートなんであります。
 ジェトロというのは通産省の外郭の組織、ところが実際上は、確かに向こうの、日本に来ております皆さんが参加をしておりますけれども、この皆さんに日本の貿易なり何なりに対して、この観点から攻撃しなさい、問題点はここで、作戦はこのようにしていかなければいかぬということを、日本の通産省との深いかかわりにあるジェトロの皆さんが手ほどきをして、これがアメリカの、日本に対して、今日本はどうも貿易はアンフェアであるというようなことを言う中身というのは、みんなこの中に作戦というものが書かれておるのですね。
 私は、今非常に恐れるのは、例えば日本に南北問題ありとすれば、日本のおくれておる地域の側の問題に非常に足を深く、工業的開発のこれからいろいろなことをやらなければいかぬ地域に私は深いかかわりを持っておる、そういう立場からいいますと、例えばこの農産物の、去年の今ごろは牛肉だとかオレンジの輸入枠拡大という問題で大変に揺れてございました。輸入枠は拡大いたしましたが、貿易のアンバラは解消されたかということになると、ますますあれ以来また拡大されておる。
   〔委員長退席、新村(勝)委員長代理着席〕
 問題は、今起こっておるこの貿易アンバラの根源というのは、実際上は日本のこの工業輸出の巨大なボリュームによって招かれておるものなんです。したがって、この肉だのオレンジだの少々のことをやったところで、実際上はどうにもこのギャップは埋まらぬのですよ。そのことのために、日本が農林水産業のような非常に、ある意味で言えば弱い部分というものが決定的にじりじりと後退をしておる。
 そういう意味で、通産省がいろいろな意味で深いかかわりにあるジェトロ、このジェトロが実際上は旗振りをして、中心になってこの「プログレス・レポート」というのはつくられておると私は見ます。アメリカ側がこうだこうだと言うわけでしょう。この辺、どうだああだ、それに対して日本側から、いや、この辺があれなんで、この辺からつっつけ、突っ込まなければいかぬというのがこれなんですね。こういうことで果たしてよろしいのであろうかという問題が、実は私は気になるのであります。
○村岡政府委員 率直に申し上げまして、若干誤解がおありなのではないかと思うのでございます。日米間でもいろいろ誤解、パーセプションギャップというものがございますが、日本の中にもあるような気がするのであります。私どもが聞いておるところでは、アメリカ人ジョアン・アレンさんとかブルザーさん、マキロイさんという方々が、初めこの「プログレス・レポート」の作業を始められたんだそうでございます。
 当初の段階では大変誤解に満ちた論文をお書きになった、それを見せられてジェトロの人々がびっくりした、それで、それじゃ困る、もう少し正しいまともな内容にしてほしいということを申し入れまして、ジェトロの人が二人ばかりここに参加をいたしまして、間違いを訂正していった。その中には、幾らこちらが主張しても、アメリカ人側が直さなかったというような部分も残っておるそうではございますが、そういう経緯でまとめられたもの、このように承知しております。
 私どもといたしましては、アメリカ人の目で見た日本のマーケットの障害というのも、一つ非常に参考になります。しかし、まかり間違えると、誤ったパーセプションを本当にアメリカ人に与えてしまうという危険性がありますので、正しい理解をしてもらうべきだというふうに直す努力をジェトロがしたのだ、このように理解をしている次第でございます。
○阿部(昭)委員 そうしますと、局長、私の手元にある去年の九月の「プログレス・レポート」というのは、あなたの目からごらんになると大変うまくできておる、いろいろやって、アメリカの一方的なものじゃなくて、大変うまくできております、こういうことになりますか。
○村岡政府委員 率直に申し上げまして、これを読み始めたのがつい一時間ばかり前でございまして、全部読んでおりませんのですが、受けた印象は、まだ相当過激な部分が残っているな、かなり間違った記述も残っているな、こういう感じでございます。したがいまして、先生先ほど御指摘のように、大変すぐれた労作であるとは思っていないわけでございます。
○阿部(昭)委員 ぜひひとつ今後、例えば日本の側が向こう側からのいろいろな意見、これに対して、通産省直ではないが、ジェトロのここへ加わっている人というのは、事実上通産省の人だと見ますよ、一般的には。そこで問題は、やっぱり向こう側に対して、向こう側のこういう指摘に対しては、日本の側からの正確な意見というものが反映されなければいけないものだろうと私は思います。
 そういう意味で、きょうは時間の関係で多くを触れることはできませんけれども、これらの少なくともジェトロのメンバーが参加をして、これは共同の作業になっておるのですけれども、実際上は向こうは全部これをやっぱり一つのよりどころにして、日本の今の貿易自由化に関するいろいろな問題をやる場合には、これがテキストだということで今やってきておるようでありますが、こういう問題についてはもっと通産省は機敏な、きめの細かな手だてをしていかないと、彼らが何かあるとすぐ日本はアンフェアだなんということをおっしゃる根拠が、この中に私はあるというふうに思うのです。内容の一々に時間的な関係で触れるわけにはまいりませんけれども、ぜひそのことを御認識を願いたい、こう思うところであります。
 それから、これもちょっとあれなんでありますが、さっき私が申し上げました、日本は穀物だけでも年間二千七、八百万トン、どうかすれば二千九百万トンというものを輸入してございます。世界の中でこれだけの巨大な量の穀物を輸入しておる国は、世界では例がありませんね。それ以外にも、穀物以外のものでも莫大な農産品の輸入を行ってございます。
 それでもなおかつ、今や日本の国内世論は、農業に対して国際的には非常に過保護である。確かに非常に狭い面積の上でやらなければならぬ日本農業でありますから、土地利用型の耕種作物になりますと、確かにこれはうまくいかぬのであります。米などでも四倍に近い今の値段という意味で、風当たりは強いわけでありますけれども、その中で、今起こっておるこの貿易の不均衡、アンバラというものの根源は、何といっても農業や何かに向こうの農産品が入りにくい、だからアンバラが起こったような世論が日本の国内にあるのでありますけれども、これは私は間違いだと思うのです。
 世界のどの国だって、三千万トンに近い巨大な穀物を輸入しておるなんという国は、世界で例がない。これだけの農産品輸入をやっておる日本なんですね。したがって、この貿易アンバラの最大の根源というのは、非常に金目の高い工業産品の巨大な輸出というのが、今日のこの貿易アンバラの基本であることは明瞭なんですよ。そういう意味で、しかし通産省は、農業の方は農林省がやればいいや、おれの方は工業産品の方だから、これと農産品ということになると、農産品は農林省、農林省と通産省は縄張りの問題だ、役所間のセクショナリズムの問題だということじゃ、やはり成り立たない問題があるように私には思われるのです。
 そういう意味で私は、これはきょうは時間の関係で農林省の分まで全部答弁してくれなんて、そんなむちゃなことは言いません。言いませんが、例えば今度のこの行動計画、その指針などの中に、今言った植物防疫の基準を今度範囲をずっと変えていくとか、私が恐れるのは、食品に対する添加物の問題など大変な問題ですよ。それから残留農薬の問題などというのも、決して甘く見てはいけない問題なんです。そういう意味で、通産省は確かに今このアンバラ問題で、とにかく入ってくるものはみんな入れればいいやという立場がもしらぬけれども、それだけではやはり許されない問題があると私は思います。
 この問題については、私はぜひ村田大臣から率直な所見をひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○村田国務大臣 阿部委員の御指摘は、非常に根幹に触れておる問題だと私は思います。
 率直に申し上げて、私、もちろん通産大臣でございますが、通産省という狭い枠にとらわれておるのではない。やはり国家全体の立場に立って貿易問題その他は推進をしなければならぬ、これはもう通産省の職員も同じでございまして、その点でひとつぜひ認識を深めていただきたいと思います。
 私はこの間、ボン・サミットヘ行ってまいりました。そのときに、リーガン米国主席大統領補佐官だとか、バンゲマン西独経済大臣だとか、ECのドクレルク委員だとか、そういったいろいろな方々にお会いをして、日本に対する感触、そしてまた日本側からいう新ラウンドの推進だとか、自由開放体制の促進というようなことをお訴えをしてきたわけです。その際異口同音に言われたのは、中曽根総理が四月九日に行った決定は非常に高くこれを評価をする、問題は、それによってどれだけ日本の貿易黒字が減るかどうかである、我我はその点を非常に注目をしておるんだ、こういう点では、私どもの会った各国の要人の方々が一致した見解でございました。
 したがって、私どもがこの貿易の自由化を推進しております気持ちは、原則自由、例外制限という気持ちで、原則はどこまでも自由であるという考え方でございます。これについては、農産品についても例外ではない、その原則というものについてはよく考えていただくんだということが、これは国を挙げて、政府を挙げての決定であると私は理解をいたしております。
 ただ、農産品は国民生活に非常に深いかかわりのある問題でございますから、例えばフランスにおきましても、農産品の自由化の問題については非常に強い抵抗がある。これはもうそういった国際的ないろいろな農産品に対する各国の考え方というのは非常に共通のものがあり、それは理解をしておるわけでございます。
 しかし、そういったものをも初めから例外としてしまったのでは、我々のアクションプログラムはできない。したがって、全体について開放体制をしいていくという基本原則、これはどこまでも貫かなければならないのでありまして、阿部委員が非常に農業を思い、また国民生活を思う観点から御指摘をされた気持ちは私は十分に理解できますし、そしてまた、政治家である以上、そういった配慮なくして政治に対応できないという気持ちも全く同感であります。
 でございますので、私が申し上げたいのは、アクションプログラムの基本方針については原則として全部自由である、例外の制限のみを一部認めるだけであるという気持ちのもとに全体を進めていくという国の方針を御理解いただきたいということと、また、例えば日米貿易摩擦を考えてみますと、この貿易摩擦は、率直に申し上げて、なくなることはないと思います。
 そのときどきによって、例えば四分野であるとかいろいろな問題がテーマになるわけでございますが、お互いに自由経済体制でありますから、自由経済体制と自由経済体制が貿易でぶつかり合うという面をとれば、これは日本のように輸出に相当頼って経済の発展、国力の伸展を期待しなければならない国にとっては、必ずいろいろな国々と貿易インバランスの問題が起こらざるを得ない。
 特に資源については輸入依存になるわけでございますから、全体として個々の国々と貿易インバランスが解消するということはあり得ないわけでありますが、あくまで国の政治の目標としては自由開放体制をしいて、そしてそれが世界の自由主義諸国、また世界全体の国々のためにプラスになることを考えることが政治としての理想であるという意味でございまして、決して通産省の取り扱っておる品目というような狭い枠組みで考えておるわけではございません。国際国家として、また経済国家としての日本の使命感に燃えて考えておるわけでございまして、この点は阿部先生のお立場も全く同じであると存じます。よろしく御理解を賜りたいと存じます。
○阿部(昭)委員 これも若干嫌みに聞こえるかもしれませんけれども、私は必ずしもそう思わぬのです。最近、通産省というのは一体何だ。通産省というのは、企業がどんどんでかくなっていって、余り通産省などの官金よりかは、自前でみんな動き出すようになってしまった。しかし、だんだん困難な局面に立っておる下請さんであるとか中小企業であるとかというのがあるのですけれども、通産省はそっちの方に余り手は伸びていないぞという議論がある。したがって、最近の通産省というのはどこに焦点を向けるのか、もうちょっとはっきりすべきではないか、こういう意見が一つございます。
 それから、これもお聞きしたいのですが、例えば著作権の問題があります。これがソフトウエアの問題によって、文部省と通産省の間に縄張り争いみたいなものが、私どもの目から見ると目につくのであります。
 それから、これも一体どこで線を引くのか、私にはいろいろの思いがあるのでありますけれども、郵政省の方でテレトピアというようなことを言う。通産省はニューメディアのコミユニティー計画とかなんとかいうようなことを言う。これは一体どこでやるのだ。科学技術庁の方は、例えば今度の人工衛星、これ似日本で日本の科学の粋を集めてやろうじゃないか、こう言っておる。通産省は巨大な工業産品の輸出という問題を抱えていますから、そんなものは見返りにアメリカあたりから持ってきた方がいい、買ってきた方がいい、こういう議論がある。そういうようなことがいろいろ取りざたされるのであります。
 こういう中で、それらも決して問題でないという意味じゃなくて、もっと通産省が肝心なのは、日本全体の今の産業社会というか、その中でどこかに幾つかの絞った動き方が必要ではないか。その意味で言うと、一つは、景気はよくなったとか立ち直りつつあるとかと言いながら、業者間のアンバラが非常にあると言われ、地域間のばらつきも非常に大きいと言われる。その中で私の認識では、日本に南北問題があるという認識なのであります。
 私は、通産省が、通産省だけでできるかどうかは別の問題として、日本の産業構造、産業会社をどのように国全体として俯瞰した政策を立てるのかということが重要なのではないかと思うのであります。そういう意味で、通産省の領域がでかくなり過ぎたせいもあるのかもしれませんけれども、通産省が一体どこに的を絞ってこのことをやろうとしているなという感じがぴっと来ないという意味で、通産省はいろいろなところに随分縄張り争いをしかけているじゃないかというのがあるのでありますが、そうじゃなくて、通産省は、国民から見ると、開けていく地域、おくれている地域、業種間のばらつき、こういうものにもっとすばっとなるほどというようなものを政策として推進すべきではないかと私は思うのでありますが、総論的でありますが、大臣の御所見をお聞きしたい。
○村田国務大臣 非常にいいアドバイスだと思いますし、適切な御指摘だと思います。通産省とは何かというのは、私も通産大臣になってから毎日考えている問題でありますが、べらぼうにレパートリーの広い役所でございます。例えば東京で世界の映画祭があればそれも通産省の所管、貿易摩擦も通産省の所管、中小企業、また北海道で炭鉱災害があれば通産省の所管ということで、大変に広いということがまず目におつきになると思いますが、私は一言にして哲学を申し上げれば、これは阿部委員と別にまたじっくり、二時間も三時間も時間をかけてディスカッションしたい問題でありますが、今度高度技術社会と申しますか、そういう新しい時代が来ようとしている、情報化社会という新しい時代が来ようとしている、社会形態からいけば高齢化社会という社会が来ようとしている、そういう新しい社会に通産省という一つの行政主体がどうやって対応していくかというのが根本的な問題だと思います。
 私は、その意味では、この七カ月間は非常にむだではなかった、完全に一つの中心を持ちながら進んできていると思っておるのでございまして、具体的にあらわれてくる現象は、貿易摩擦だとか技術開発だとか情報化だとかということでありますが、進んでおる時代をいかにして通産行政が先取りするかというのが、通産省とは何かという御質問に答える一番いいお答えだと思います。
 私は、一番いい政治というのは、時代に対応し、時代を先取りする行政であり、政治であると思っておるのでございまして、その意味において、私どもが把握しておる通産行政は間違っていない、大局的にはかっちりとつかまえておるというつもりでおるわけでございます。
 言うなれば、産業革命以来二百数十年、まさに新しい第三の波が起ころうとしておる、そして、日本という国は国際国家であり、まさに大きな地球の中で一つの使命感を持った国家として進んでいかなければならぬということからいえば、おのずから通商の面でも産業の面でも対応していく点がある、それは縄張り行政などにこだわらないで、農林水産省とも郵政省とも科学技術庁とも十分話し合って国のあすを考えていける政策である、このような基本的な理解でございまして、そういった点は、恐らくイデアリストである阿部先生と基本的には全く同じだと思うのです。またこの問題は時間をかけてゆっくり話し合いたいと思います。よろしく御理解を賜りたいと思います。
○阿部(昭)委員 終わります。
○新村(勝)委員長代理 次回は、来る十八日火曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時五十四分散会