第103回国会 本会議 第9号
昭和六十年十二月三日(火曜日)
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 議事日程 第九号
  昭和六十年十二月三日
    午後二時開議
 第一 医療法の一部を改正する法律案(第百一回国会、内閣提出)
 第二 下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業等の合理化に関する特別措置法の一部を改正する法律案(社会労働委員長提出)
 第三 国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案(第百二回国会、内閣提出)
 第四 地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案(第百二回国会、内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
 永年在職の議員堀昌雄君及び永末英一君に対し、院議をもって功労を表彰することとし、表彰文は議長に一任するの件(議長発議)
 日程第一 医療法の一部を改正する法律案(第百一回国会、内閣提出)
 日程第二 下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業等の合理化に関する特別措置法の一部を改正する法律案(社会労働委員長提出)
 日程第三 国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案(第百二回国会、内閣提出)
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(大蔵委員長提出)
日程第四 地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案(第百二回国会、内閣提出)
    午後二時四分開議
○議長(坂田道太君) これより会議を開きます。
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 永年在職議員の表彰の件
○議長(坂田道太君) お諮りいたします。
 本院議員として、また、国会議員として在職二十五年に達せられました堀昌雄君及び永末英一君に対し、先例により、院議をもってその功労を表彰いたしたいと存じます。表彰文は議長に一任せられたいと存じます。これに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(坂田道太君) 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
 これより表彰文を順次朗読いたします。
 議員堀昌雄君は衆議院議員に当選すること九回
 在職二十五年に及び常に憲政のために尽くし民
 意の伸張に努められた
 よって衆議院は君が永年の功労を多とし特に院
 議をもつてこれを表彰する
    〔拍手〕
    …………………………………
 議員永末英一君は国会議員として在職すること
 二十五年に及び常に憲政のために尽くし民意の
 伸張に努められた
 よって衆議院は君が永年の功労を多とし特に院
 議をもつてこれを表彰する
    〔拍手〕
 この贈呈方は議長において取り計らいます。
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○議長(坂田道太君) この際、堀昌雄君及び永末英一君から発言を求められております。順次これを許しをする。堀昌雄君。
    〔堀昌雄君登壇〕
○堀昌雄君 ただいま私は、永年勤続議員として、院議をもって表彰していただきました。本院議員として、この上もない光栄でございます。謹んで御礼を申し上げたいと思います。(拍手)私を今日まで支えていただいたたくさんの皆様方に対しても、心から御礼を申し上げたいと思います。
 私は、この間、財政、経済、選挙法を専ら勉強をしてまいりました。現在の日本の財政は、皆様も御承知のように、完全に行き詰まっております。財政、経済というのは、言うなれば国民生活の集約でありますから、その対応は柔軟でなければならないと思います。しかし現在、財政再建が優先され、現在の諸情勢に対しては必ずしも十分の配慮が行われておりません。財政再建は国民経済のためにあるのであって、少なくとも財政再建のみが優先することは、国民経済としては決して望ましい状況ではないと思うのであります。「出るをはかって入るを制す」という財政上の言葉がございますけれども、現在では、入るを制してさらに出るを制す、こうなっているのではないかと思います。私は、財政が正しい軌道に乗ることを期待するものでございます。
 次に、選挙法の問題でございますけれども、国権の最高の機関である国会が決定をいたしておりますこの選挙法について、最高裁判所が違憲の判決を下したということは極めて重大な問題で、三権分立の民主的議会制度に対して大きな問題を投げかけていると思います。私は、立法府の一員として深く反省をし、責任を痛感をいたしておるわけでございます。
 さて、当面の問題は、ともかくこのようなことが起きておりますことを正さなければなりません。そのためには、現在の憲法が国民に約束をしておりますところの主権者たる国民の立場で、これらのものが処理されることが必要でございます。国勢調査が行われまして、その結果が明らかになりましたならば、七名程度の公正な第三者機関が設けられて、国会の議決した方向によって速やかに対策が講じられることが、この問題の唯一の解決策ではないかと考えておるのでございます。
 私は、皆様とともに、この立法府の国権の最高機関であるものが、さらに権威を高めるために今後も一生懸命努力をいたしまして、本院の議員としての責務を果たしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。皆様方の今後の御指導、御鞭撻をお願いをし、一言所感を述べてお礼のごあいさつといたします。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(坂田道太君) 永末英一君。
    〔永末英一君登壇〕
○永末英一君 ただいま院議をもって永年在職議員の表彰をいただきました。まことに光栄の至り、感激にたえません。これひとえに先輩、同僚各位の御指導並びに選挙区京都の皆様の普通選挙第一回以来、水谷長三郎先輩に引き続き、連綿として変わらぬ民主社会主義への御支持と、多年の同志諸君の労苦のたまものでございまして、厚く御礼を申し上げますとともに、今日の栄誉を分かち合いたいと存じます。(拍手)
 私は、昭和三十四年六月、日本社会党所属議員として参議院に議席を与えられましたが、いわゆる六〇年安保の激動の中で民社党結党に参加し、昭和三十八年十一月、本院に議席を得て以来、八回連続当選、本日に至りました。
 この間、参議院におきましては大蔵委員長を務め、衆議院におきましては三矢研究事件、日韓基本条約、沖縄祖国復帰、ロッキード事件など、そのときの政治の焦点であった問題審議の衝に当たり、また、最近六年間は、国会対策委員長といたしまして伯仲時代の国会運営に身を挺し得たことは、議会政治家としての本分をいささかでも尽くし得たかとも存ぜられ、各位に対し深く感謝を申し上げる次第であります。(拍手)
 我々の世代は、戦争とともに始まりました。私は、大学卒業後、直ちに海軍主計科士官として、ソロモン海域、ラバウル航空隊で戦い、さらにマリアナ海戦、レイテ海戦を戦いました。重巡洋艦「摩耶」、戦艦「武蔵」での撃沈、戦艦「大和」での戦闘は、私に戦争をなくすための政治の重大さを強く教えました。復員後、世論調査を業として世論の実体に触れ、議会制民主主義こそ依拠すべき唯一の政治形態だと痛感させられました。また、戦争直後の経済荒廃のさなかで、民族生存のためには社会主義的手法が必要だと考えました。
 戦後四十年、今や我が国の経済力は躍進し、国際的地位も大きく変わりました。この四半世紀の社会の大変動に対し自分のなし得たことを振り返りますと、その小ささにじくじたるを禁じ得ません。しかし、今日の栄誉を受け、初心に返り、平和の永続、国民生活の安定、議会政治の確立に一層の精進をいたす決意であります。
 国民各位の変わらぬ御支持、御教導をお願い申し上げ、謝辞といたします。(拍手)
     ――――◇―――――
○議長(坂田道太君) 日程第一とともに、日程第二は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略し、両案を一括して議題とするに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(坂田道太君) 御異議なしと認めます。
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 日程第一 医療法の一部を改正する法律案(第百一回国会、内閣提出)
 日程第二 下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業等の合理化に関する特別措置法の一部を改正する法律案(社会労働委員長提出)
○議長(坂田道太君) 日程第一、医療法の一部を改正する法律案、日程第二、下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業等の合理化に関する特別措置法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告及び趣旨弁明を求めます。社会労働委員長戸井田三郎君。
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 医療法の一部を改正する法律案及び同報告書
 下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業等の合理化に関する特別措置法の一部を改正する法律案
    〔本号(二)に掲載〕
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    〔戸井田三郎君登壇〕
○戸井田三郎君 ただいま議題となりました医療法の一部を改正する法律案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げますとともに、下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業等の合理化に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、趣旨弁明を申し上げます。
 まず、医療法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、人口の高齢化、疾病構造の変化等に対応して、適正な医療体制の確保を図るため、医療計画の作成等に関し必要な事項を定めるとともに、医療法人に対する監督規定の整備等を行おうとするもので、その主な内容は、
 第一に、この法律は、病院、診療所等の開設、管理及び整備に必要な事項を定めること等により、医療を提供する体制の確保を図り、もって国民の健康の保持に寄与することを目的とする」と、
 第二に、医療計画は、都道府県が作成し、対象区域の設定及び必要病床数に関する事項を定めるほか、病院の整備の目標、医療施設相互の機能の連係、医療従事者の確保その他医療を提供する体制の確保に関し、必要な事項を定めることができるものとすること、
 第三に、国及び地方公共団体は、病院等の不足地域における整備等に努めるとともに、病院の開設者等は、その建物、設備等を病院に勤務しない医師、歯科医師に利用させるように努めるものとすること、
 第四に、医療法人の理事及び監事の定数並びに欠格事由を定めるとともに、医療法人の開設する病院または診療所の管理者はすべて理事に加えることとし、理事長は、医師または歯科医師である理事のうちから選出するものとすること、
 第五に、都道府県知事は、医療法人の業務または会計が法令に違反している疑いがあると認める等の場合には、立入検査を行うことができることとし、違反等の事実が判明した場合には、必要な措置をとるべき旨を命じ、その命令に従わないときは、業務停止命令または役員の解任の勧告を行うことができるものとすること等であります。
 本案は、第百一回国会に提出され、提案理由の説明を聴取した後、今国会に継続していたものであります。今国会におきましては、十一月十四日質疑に入り、同月二十八日質疑を終了いたしましたところ、いわゆる医師の一人法人の設立等について、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び社会民主連合五派共同の修正案が提出され、採決の結果、本案は五派共同提案の修正案のとおり多数をもって修正議決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 次に、下水道の整備等に伴う一般廃棄物処理業等の合理化に関する特別措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 御承知のとおり、昭和五十年には、一般廃棄物処理業者等が下水道の整備等により受ける著しい影響を緩和するため特別措置法が制定され、今日に至ったわけでありますが、これまでこの法律に基づく合理化事業計画を定めた市町村はなく、一部の市町村において、転廃業を余儀なくされる一般廃棄物処理業者等に対し、事実上の措置として、交付金の交付等を行っているという実情にあります。
 このため、本案は、合理化事業計画に定めるべき事項に関する規定を整備しようとするもので、十一月二十八日の社会労働委員会において、これを成案とし、全会一致をもって社会労働委員会提出の法律案とすることに決したものであります。
 その内容は、市町村が合理化事業計画に定める事項として、下水道の整備等により業務の縮小または廃止を余儀なくされる一般廃棄物処理業等を行う者に対する資金上の措置に関する事項を加えようとするものであります。
 以上が本案の趣旨及び内容であります。
 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(坂田道太君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(坂田道太君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
 次に、日程第二につき採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(坂田道太君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
○長野祐也君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 すなわち、この際、日程第三とともに、大蔵委員長提出、租税特別措置法の一部を改正する法律案を委員会の審査を省略して追加し、両案を一括議題となし、委員長の報告及び趣旨弁明を求め、その審議を進められんことを望みます。
○議長(坂田道太君) 長野祐也君の動議に御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(坂田道太君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
    ―――――――――――――
 日程第三 国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案(第百二回国会、内閣提
  出)
 租税特別措置法の一部を改正する法律案(大蔵委員長提出)
○議長(坂田道太君) 日程第三、国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案、租税特別措置法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告及び趣旨弁明を求めます。大蔵委員長越智伊平君。
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 国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案及び同報告書
 租税特別措置法の一部を改正する法律案
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔越智伊平君登壇〕
○越智伊平君 ただいま議題となりました国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 御承知のように、我が国の公的年金制度は、近年、人口構造の高齢化の進行等により、年金制度の基盤に大きな変化が生じております。このような社会経済情勢の変化に対応して、長期的に安定した年金制度の維持が図られるよう、制度全般にわたる見直しが必要とされております。このような状況にかんがみ、本法律案は、さきの国会で成立いたしました国民年金、厚生年金保険等の制度改正と同様、国家公務員等共済組合の組合員等についても、国民年金の基礎年金の制度を適用することとし、同時に、共済年金制度における給付と負担の長期的均衡を確保するため、給付水準の適正化を図る等の措置を講じようとするものであります。
 その主な内容を申し上げますと、
 第一に、共済年金制度に基づく給付は、原則として基礎年金に上乗せして支給する報酬比例年金とし、給付の種類は、退職共済年金、障害共済年金及び遺族共済年金等としております。
 第二に、共済年金の年金額は、厚生年金相当部分の年金額に公務員制度等の一環としての職域年金相当部分の年金額を加えたものとすることにしております。また、年金額の算定の基礎俸給につきましては、全期間の平均標準報酬月額とするとともに、年金額の算定方式についても厚生年金と同様の方式にするほか、職域年金相当部分の年金額については、その水準を厚生年金相当部分の二割相当としております。なお、支給開始年齢については、現行の経過措置を短縮し、昭和七十年から六十歳となるようにしております。
 第三に、退職共済年金については、配偶者等に対する加給年金制度及び低所得者に対する在職老齢年金制度を設け、障害共済年金については、事後重症の制限期間を撤廃し、遺族共済年金については、給付率を二分の一から四分の三に引き上げる等の措置を講ずることとしております。
 第四に、公的年金の併給調整の実施、所得制限の強化等、給付の合理化を行うこととしております。
 第五に、既裁定年金の取り扱いについては、いわゆる通年方式により算定した額に改定することとしておりますが、従前の年金額は、これを保障することとしております。
 第六に、共済年金の給付に要する費用については、使用者としての国または公共企業体等と組合員との折半負担とすることとし、いわゆる公経済の主体としての国庫等の負担については、基礎年金拠出金の三分の一とすることとしております。
 第七に、その他の改正であります。
 まず、年金額の改定方式については、厚生年金等と同様、消費者物価による自動スライド制を採用することとしております。
 次に、国鉄共済年金については、財政調整事業を実施している間、職域年金相当部分についての給付は行わないこととしております。
 また、共済組合の組合員等に対して基礎年金制度を適用するため、国民年金法等について所要の改正を行うこととしております。
 最後に、本案の施行期日は、国民年金、厚生年金保険の制度改正と同様、昭和六十一年四月一日といたしております。
 以上が本法律案の概要であります。本案は、去る第百二回国会に提出され、本年六月十八日の本会議において趣旨説明と質疑が行われた後、同日、当委員会に付託されました。当委員会におきましては、六月十九日、竹下大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑に入りましたが、質疑を終了するに至らず、今国会に継続審査となったものであります。
 引き続き、今国会におきましては、十一月十二日から質疑に入り、同月十九日、二十日及び二十八日の三日間、共済年金関係の四法律案を一括議題として、地方行政委員会、文教委員会、農林水産委員会、社会労働委員会及び運輸委員会との連合審査会において、中曽根内閣総理大臣を初め関係大臣に質疑を行い、さらに、十一月二十六日には参考人から意見聴取を行うなど、極めて慎重な審査を行ったところであります。
 かくて、十一月二十九日質疑を終了いたしましたところ、堀之内久男君外二名から、自由民主党・新自由国民連合提案の修正案が提出されました。修正案の要旨は、去る第百二回国会において成立いたしました国民年金法等の一部を改正する法律に対する参議院修正等に伴い、関係規定について所要の条文整理を行うものであります。
 次いで、討論を行い、採決いたしました結果、修正案及び修正部分を除く原案は、いずれも多数をもって可決され、よって、本案は修正議決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対しましては附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。
 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及びその概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、本日大蔵委員会において全会一致をもって委員会提出法律案として提出することに決したものであります。
 御承知のように、去る五月、自由民主党・新自由国民連合と日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の三党派との幹事長・書記長会談において合意を見た政策減税等の処理のうち、いわゆる寝たきり老人減税問題につきましては、その後、関係各党派間において協議が行われ、合意を見たところであります。本案は、この合意に基づく所要の立法措置として提出されたものであります。
 すなわち、昭和六十年分以後の所得税について、同居の特別障害者に対する特別控除額を七万円引き上げて十四万円にしようとするものであります。これにより、同居の特別障害者については、扶養控除額三十三万円、特別障害者控除額三十三万円、同居の特別障害者に対する特別控除額十四万円の合計八十万円の所得控除が認められることになります。また、この引き上げは、昭和六十年分の所得税の確定申告から適用することといたしておりますが、本年の年末調整の際にも適用することとし、そのための所要の措置を講ずることといたしております。
 なお、本案による国税の減収額が昭和六十年度において約三十億円と見込まれますので、内閣の意見を求めましたところ、諸般の事情に照らしてやむを得ないものと考える旨の意見が開陳されました。
 以上がこの法律案の趣旨及び概要であります。
 何とぞ、速やかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(坂田道太君) 両案中、日程第三につき討論の通告があります。順次これを許します。上田卓三君。
    〔上田卓三君登壇〕
○上田卓三君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案に対して、反対の立場から討論を行うものであります。(拍手)
 今日、我が国人口の高齢化が急速に進行しつつあるもとで、高齢化社会における社会保障の根幹をなす年金改革は、緊急に解決を迫られている重要な政治課題であります。老後の生活を第二の人生にふさわしく、豊かで生き生きとしたものにするために、すべてのお年寄りに健康で文化的な生活のできる年金を保障することが急務となっております。しかしながら政府は、今日に至るまで制度の抜本改革を怠り、ただただ矛盾を拡大させてきました。これまでの年金制度が複雑であったため、制度間に抜きがたい格差を生じ、掛金と給付の均衡を欠き、成熟度の高い国鉄共済が破綻に瀕するなどの混乱を来した原因と責任は、挙げて政府にあるのであります。
 ことし春の国民年金、厚生年金の改正、基礎年金制度の導入と、今回の共済年金法の改正案など一連の改正案は、要は、危機に瀕した国民年金と国鉄共済を、厚生年金及びその他の共済年金とどんぶり勘定することで救済しようとするものであり、その結果は、年金給付水準の大幅な引き下げ、給付開始年齢の六十五歳への引き上げ、国庫負担の削減という、年金改悪以外の何物でもありません。これは、公的年金制度に対する国の責任を全く放棄し、国民にその負担を転嫁するものであります。
 今回、共済年金にも導入されようとしている基礎年金の基本的な問題点は、四十年加入、月額五万円という生活保護基準にも満たないその支給額と、しかもそれを保険料方式で行う点にあり、すべての国民に最低生活水準を保障するという、一九七七年十二月の社会保障制度審議会の答申で提起された基本年金の本来のあり方と、全くかけ離れた内容となっていることであります。また、国庫負担が現行の制度に比べて大幅に引き下げられる反面、定額保険料が高過ぎて国民の負担にたえ得ないことも問題であります。既に去年の数字で、国民年金の保険料免除者が全体の一六・七%、三百十万人にも達している事実は、定額保険料方式の国民年金制度が早晩立ち行かなくなることを示しております。
 さらに、婦人の年金権も確立されたとは到底言えず、夫婦関係や雇用関係の変動によって資格要件が左右され、無年金者やそれに近い低額年金者が大量に出ることが予想されるのであります。結局、我が党の基本年金構想のように、税方式で均一最低保障年金を実現することが、国際的な例にもかない、我が国公的年金制度を真に安定させる基礎となることは明らかであります。基礎年金の水準、費用負担のあり方等について、国民年金法の附則の規定に基づいて早急に検討に着手することを強く要求するものであります。
 さらに、厚生年金、共済年金とも支給開始年齢が本則六十五歳とされたことは、いまだ我が国の定年制が五十五歳から六十歳への移行期にあり、六十歳定年制すら完全に実施されていないという雇用実態を無視したものと言わざるを得ません。特に共済年金の場合、退職年金であり、この制度上の矛盾は重大です。六十歳からの特別支給の財源が国庫負担なしとされたことも、年金財政を圧迫し、結局六十五歳支給を強要するものであり、容認できません。
 共済年金の政策改定の根拠に賃金スライドの要素が明確に規定されていないのも問題であります。職域年金部分を懲戒処分によって支給停止とすることは、年金を労務管理の手段に使う悪質なものと言わざるを得ません。報酬比例部分の国庫負担はゼロとされ、基礎年金の三分の一国庫負担と合わせても、国庫負担が大幅に削減される一方、保険料は次々と引き上げられ、最終的には掛金率は、実に一カ月二十万円の収入で三万四千五百円にもなるとされています。これは、労働者負担の限界というものをはるかに超えているのであります。
 共済年金四法案に対して我が党が四党共同で提案した十二項目にわたる共同修正要求事項に対して、政府は、いまだ全く誠意ある回答を行っておりません。特に、職域年金部分の改善、報酬比例部分の算定基礎のとり方の改善、既裁定者のスライド停止を行わないこと、年金スライドに賃金スライドを加味すること、懲戒処分による職域年金カットをやめることなど、基本的な諸点について修正が行われない限り、今回の改正案をそのまま承服することはできないのであります。
 さらに、基本的な問題点として国鉄共済の救済問題があります。本年四月から開始されたばかりの財政調整五カ年計画は、国鉄の分割・民営化方針のもとで、二年後には再び完全に行き詰まることになります。このように国鉄共済を破産するに任せて国鉄の分割・民営化方針を打ち出した国鉄再建監理委員会と、その答申をやすやすと受理し、最大限の尊重を約束した政府の無責任さに対して、深い怒りを感じざるを得ません。そもそも国鉄共済年金財政の破綻は、戦後、満鉄などの引き揚げ職員を大量に国鉄が抱え込んだことなどの歴史的経過と、国の運輸政策、国鉄経営の矛盾と失敗を抜きに論議することはできないのであります。したがって、その救済策は、基本的に国の責任において解決、実行されるべきものであります。これ以上労働者に負担転嫁を行う年金制度の財政調整は、断じて行うべきではありません。
 政府は、国鉄共済の救済策について、六十一年度中に結論を得て立法措置に入るとしているものの、その具体的内容は全く明らかではありません。いわんや六十五年度以降の対策については、全くの白紙状態であります。しかし、この問題を抜きに共済年金制度の一元化も、公的年金制度全体の統合一元化も、そのめども見通しも立たないことは明らかであります。私は、ここで、国鉄共済問題とともに、基礎年金制度のあり方も含めて抜本的な見直しを行い、公的年金制度一元化の方向と内容を速やかに国民の前に明らかにするよう、改めて政府に要求するものであります。
 急速に進行する高齢化社会のもとで、すべての国民に豊かで安心できる老後を保障するために、年金制度の真の意味での確立と一元化が今日ほど求められているときはありません。さらに、年金制度に加えて、老後の健康、雇用、生きがい、孤独の解消など、総合的な高齢化対策が必要とされています。日本の社会保障制度、長時間労働など低い水準が経済摩擦の背景の一つにあるとのOECDの指摘をまつまでもなく、我が国の福祉水準は、諸外国に比べてまだまだ立ちおくれています。臨調行革の名のもとに軍備拡大、福祉切り捨ての政策を続けることは、内需をますます切り縮めて経済摩擦を激化させる結果をもたらさざるを得ません。
 我が党は、既に発表している暮らせる年金構想の実現を初め、高齢化社会に対応する福祉施策の充実と改革を強く要求し、取り組んでいくことを最後に申し上げて、私の反対討論を終わります。(拍手)
○議長(坂田道太君) 熊谷弘君。
    〔熊谷弘君登壇〕
○熊谷弘君 私は、自由民主党・新自由国民連合を代表して、ただいま議題となっております国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、賛成の立場から討論を行います。(拍手)
 御案内のとおり、今や我が国の公的年金制度は、人口構造の高齢化、社会経済情勢の変化等により、年金制度のよって立つ基礎に重大な変化が生じてまいりました。言うまでもなく、年金制度は、国民の老後生活を支える主柱であり、社会保障の中心的なものとして重要な役割を占めており、社会経済情勢の変化に的確に対応しつつ、二十一世紀の高齢化社会においても、健全かつ安定的な運営が必要であります。もちろん、公的年金制度を長期的に健全で安定したものとするためには、あらゆる面で公平性を確保していくという視点が重要であり、かつまた、社会連帯のもとに、国民の全幅の信頼を寄せることのできる制度の確立こそ切に望まれるところであります。
 私は、このような状況のもとで現在、公的年金の一元化を展望しつつ、公的年金全体の長期的安定と整合性のとれた制度の実現を目指して努力を続けております政府に対し、深く敬意を表するものであります。
 本法律案は、かかる観点から、共済年金についても、国民年金、厚生年金保険等の改正と同様、世代間における給付と負担の公平姓及び各公的年金制度間の調整を図るため、国家公務員等共済組合の組合員等についても、国民年金の基礎年金制度を適用し、給付水準の適正化等の措置を講ずることは、今日の情勢から見て当然の措置であると考えるものであります。
 すなわち、年金の給付については、厚生年金と同様に、原則として基礎年金に上乗せして支給する報酬比例年金とすることとしておりますが、共済年金制度は、公務員制度等の一環としての性格を有している面にも配慮し、職域年金部分を加算することは、その特殊性にかんがみ、妥当な措置であると思われます。また、年金額の算定の基礎となる基礎俸給については、全期間の平均標準報酬月額とし、その他の年金額の算定方式についても、厚生年金と同様のものとして設計しており、給付水準及び内容について相互に均衡が図られるなど、まことに適切な措置と考えます。
 次に、今回の改正において最も関心が寄せられる問題について申し上げますと、まず、既裁定年金の取り扱いについては、厚生年金の算定方式に類似している、いわゆる通年方式により算定した額に改定いたしましたが、従前の年金額は保障することとしており、また、この点に関しては、給付と負担の公平化を図る見地からもやむを得ない措置であると思われます。
 最後に、国鉄共済年金問題については、政府の統一見解が示されたところであります。この問題の処理については当然、国民の理解と合意が得られる施策が図られると思われますので、今後、政府及び関係者間等において一層の努力を期待いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○議長(坂田道太君) 坂口力君。
    〔坂口力君登壇〕
○坂口力君 国家公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案の採決に当たり、私は、公明党・国民会議を代表し、反対の立場から討論を行います。
 我が党は、昭和五十一年十月、国民基本年金構想を提唱し、その中で、国家公務員等の共済年金にも基礎年金を導入して、年金制度の一元化を速やかに進めるよう主張してまいりました。いわゆる二階建て年金制のオリジナリティーは我が公明党にあります。(拍手)その意味において、今回の改正案の基本的な方向性については、我々の主張を取り入れたものであり、評価をしているところであります。しかしながら、我々の主張した既得権を侵さず、一元化を目指し、生活保障の基礎年金を確立するという基本的立場と比較をしました場合に、政府が示します年金制度は、形こそ我が党案に似ていますが、その内容は全く異なるものになっていると言わざるを得ないのであります。
 言うまでもなく、基礎年金はすべての年金加入者に共通する制度であり、その性格づけから見て、給付水準は最低生活の保障をするに足るものでなければなりません。国民、厚生両年金の審議に際しまして、基礎年金に対する国庫負担はせめて四〇%まで引き上げること、国民年金には所得比例保険料を導入し、低所得者の保険料を引き下げるように主張いたしましたのは、その基本理念に基づいてのことでありました。私は、今改めて、基礎年金についての重大な欠陥を繰り返し指摘せざるを得ないのであります。
 第二の反対理由は、公務員制度とのかかわりにおいてであります。共済年金を厚生年金に合わせることを急ぐ余り、公務員制度の中に置かれた年金の立場を顧みることすら忘れたことであります。
 言うまでもなく、公務員は、スト権を初めとする労働基本権に制限が加えられ、守秘義務や私企業からの隔離など、特殊な服務規律が定められています。その制度の中に組み込まれた給与であり、年金であります。したがって共済年金は、厚生年金との横並びで論じるだけではなく、公務員制度の中の年金として、議論を重ね、理論的裏づけが必要であったことは、国家公務員法の示すところであります。共済年金にとっては、その誕生以来の最大の改革であるにもかかわらず、公務員制度審議会は開かれず、人事院においても現状の調査研究も行われず、国家公務員法百八条に示された国会、内閣への意見陳述もなかったのであります。まさしく手抜きの改革案と言わざるを得ません。
 いわゆる三階建ての部分であります職域年金は、報酬比例年金の二〇%とされていますが、その水準の根拠は余りにも不明確であり、批判にこたえられる理論的裏づけが欠如しているのであります。既裁定者のスライド停止につきましても、現役公務員とのバランス上、百歩譲ってやむを得ざることであったといたしましても、年金生活を送るOBたちを納得させるだけのものがなく、約束した年金を実行しないという政治不信だけが後に残る結果になったのであります。これらは、いずれも公務員制度のあり方から離れて、年金だけを論じたところに原因があると言わざるを得ません。
 国鉄問題もしかりであります。国鉄を民営化し、新しい企業形態に移行させようとするとき、その混乱の中で生じる年金財政の行き詰まりは、当然のことながら政府が責任を持って処理すべきものであり、純年金制度の財政対策とは区別されるべきものであります。六十四年度までは政府の責任で対処することが確約されましたものの、一番問題になるのは六十五年度以降の国鉄共済であり、国鉄改革の影響は長く尾を引くものであります。国鉄改革に基づく年金財政の影響を明確に区別して、政府の責任をさらに明らかにする必要があると考えるものであります。
 第三には、五十兆円を超えた厚生、国民年金積立金の運用についてであります。
 年金がさらに一元化されようとする現在、厚生年金積立金が確実かつ有利に運用されているかいないかは、共済年金の将来にとっても重大な関心事であります。積立金はすべて財政投融資として利用されていますが、その運用は、確実であっても有利であったとは言えません。厚生年金基金が五十九年度八・八%という高利で運用されているのと比較かしました場合、六・八%に固定された財投の枠組みだけで運用することは、将来に大きな格差を残し、年金財政の悪化に拍車をかけるものと言わざるを得ません。
 もとより、財投資金の果たしてきた役割は評価するものであり、すべてを否定するものではありません。しかし、共済年金を初め各年金に対する国庫負担を削り、保険料を引き上げる政策を国民に示している現在、厚生年金積立金をあくまで自主運用させないというかたくなな態度は、国民の信頼に背向くものであります。年金保険料は租税と異なり、あくまでも年金のために拠出されたものであることを忘れ、第二の予算の名のもとに年金加入者の意思を無視して運用することは、断じて許せません。
 サラリーマン年金の中心は、その加入者数から見ましても、厚生年金が柱であります。今回共済年金制度を厚生年金制度に合わせたことは、将来厚生年金に財政援助を仰がなければならないための布石であることは、明々白々であります。それゆえ、年金全体の将来のために、あえて私はこの問題をここに取り上げた次第であります。
 その他の問題といたしましては、賃金スライドの導入や、既裁定者の遺族年金についての厚生年金以下である部分の改善など、我が党の修正要求に今後応じることを約束されたことは了といたしますが、しかし、細部を見ますと、共済年金を厚生年金に合わせると言いながら、厚生年金よりも低い階層もあり、NTTやたばこ産業株式会社の問題など、多くの整理を怠っていると言わざるを得ません。
 以上、本改正案に反対する主な理由を申し上げましたが、最後に、政府に対し、公的年金制度の一元化にさらに速やかに前進されるように要求をいたしまして、討論を終わります。(拍手)
○議長(坂田道太君) これにて討論は終局いたしました。
○議長(坂田道太君) これより採決に入ります。
 まず、日程第三につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(坂田道太君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
 次に、租税特別措置法の一部を改正する法律案につき採決いたします。
 本案を可決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(坂田道太君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第四 地方公務員等共済組合法等の一部
  を改正する法律案(第百二回国会、内閣提
  出)
○議長(坂田道太君) 日程第四、地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。地方行政委員長高鳥修君。
    ―――――――――――――
 地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法
  律案及び同報告書。
    〔本号(二)に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔高鳥修君登壇〕
○高鳥修君 ただいま議題となりました地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、高齢化社会の到来等社会経済情勢の変化に対応し、公的年金制度の長期的安定と整合性ある発展を図るため、公的年金制度の一元化等の改革の一環として、地方公務員等共済組合法に基づく長期給付についても、基礎年金制度を適用するとともに、給付水準の適正化を図る等の措置を講じようとするもので、その主な内容は次のとおりであります。
 第一に、長期給付の種類は、退職共済年金、障害共済年金、遺族共済年金等とするとともに、その給付額は、平均給料月額を基準として算定することといたしております。
 第二に、共済年金の年金額は、厚生年金相当部分の額と職域年金相当部分の額を合算することといたしております。
 また、退職共済年金は、組合員期間等が二十五年以上である者が、退職した後に六十五歳に達したとき等に支給することといたしておりますが、当分の間、退職共済年金の受給資格期間を満たしている者が六十歳に達した後に退職したとき等には、退職共済年金の特別支給を行うこととともに、支給開始年齢については、現行の経過措置を短縮することといたしております。
 さらに、障害共済年金は、組合員である間に初診日のある傷病により、障害等級に該当する程度の障害の状態になったときに支給し、遺族共済年金は、組合員、退職共済年金の受給権者等が死亡したときに、その遺族に支給することといたしております。
 第三に、退職共済年金等の年金額の改定は、厚生年金と同様、消費者物価指数による自動改定とするほか、高額所得による支給停止、併給の調整等、給付の合理化を図ることといたしております。
 第四に、既裁定年金の額をいわゆる通年方式による年金額に改定するとともに、改定後の年金額が従前の年金額より少ないときは、従前の年金額をもって改定後の年金額とすることといたしております。
 第五に、長期給付に要する費用は、組合員と地方公共団体等が折半して負担することとし、公的負担の額は、基礎年金拠出金の三分の一に相当する額とすることといたしております。
 第六に、団体組合員について、新たに地方公務員等と通算措置を講じ、また、地方議会議員の年金について、高額所得停止制度の導入及び支給開始年齢の引き上げを図るほか、組合員等についても基礎年金制度を適用することとし、昭和六十一年四月一日から施行することといたしております。
 本案は、去る第百二回国会に提出され、本年六月十八日の本会議において趣旨説明と質疑が行われた後、同日当委員会に付託されました。当委員会におきましては、六月二十日古屋自治大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑に入りましたが、質疑を終了するに至らず、今国会に継続審査となったものであります。
 引き続き、今国会におきましては、十一月十二日から質疑に入り、同月十九日、二十日及び二十八日の三日間、共済年金関係の四法律案を一括議題として、大蔵委員会、文教委員会、農林水産委員会、社会労働委員会及び運輸委員会との連合審査会において、中曽根内閣総理大臣を初め関係大臣に質疑を行い、さらに、十一月二十二日には参考人から意見聴取を行うなど、慎重な審査を行ったところであります。
 質疑におきましては、公的年金の一元化の今後の手順と方法、国鉄共済の救済策と地方公務員共済の対応、基礎年金の給付水準の妥当性、いわゆる官民格差の是正内容、年金額の算定基礎のあり方、年金の支給開始年齢と定年制等雇用対策との関連、職域年金相当部分の給付水準の根拠、懲戒処分等による給付制限の緩和、既裁定年金のスライド停止、年金財政の将来見通しと公的負担のあり方等、広範多岐にわたって論議が行われました。
 かくて、十一月二十九日質疑を終了いたしましたところ、臼井日出男君から、自由民主党・新自由国民連合提案の修正案が提出されました。修正案の要旨は、去る第百二回国会において成立いたしました国民年金法等の一部を改正する法律に対する参議院修正等に伴い、関係規定について所要の条文の整理を行うものであります。
 次いで、討論を行い、採決いたしました結果、修正案及び修正部分を除く原案は、いずれも多数をもって可決され、よって、本案は修正議決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対しましては附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
○議長(坂田道太君) 討論の通告があります。これを許します。加藤万吉君。
    〔加藤万吉君登壇〕
○加藤万吉君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案について、反対の意見を表明するものであります。(拍手)
 本法改正の提案理由は、公的年金制度の長期的安定と負担と給付の公平を図り、また、年金制度一元化の一環として基礎年金を導入しようとするものであります。しかし、本改正案が、国民皆年金の行き詰まりと、縦割り年金制度と積立方式による年金財政の崩壊が表面化をし、加えて、年金に対する国の負担の削減を迫る行革の圧力を、保険料の引き上げ、給付水準の引き下げ、さらに財政調整の名のもとに他の年金制度への負担転嫁を図ろうとするところにその本質があることは、何人の前においても明らかなところであります。
 国鉄共済年金の例を挙げても、その破綻が、戦後海外からの引揚者の受け入れ等の政策線上にその根源があり、その上、今回の分割・民営化という政策執行の中に、極限に達した年金財源の破綻について国の責任を明らかにすることもなく、我が党の執拗な要求でようやく、六十四年度までは国の責任において支払いに支障のない措置をとることを確約したにとどまり、その後起きるであろう鉄道公安官の警察機構への配置がえに伴う年金積立金の移管や配置転換、年金受給者の増加等、六十五年度以降にさらに数兆円を必要とする財源については白紙であると述べ、さらに主管大臣は、全年金制度の支援も理論的にはあり得ると述べるに至っては、一年金制度の救済すら展望でき得ない本改正法案が、七十年公的年金一元化を口にすることすらおこがましいと言わざるを得ないのであります。(拍手)
 つまり年金一元化とは、年金政策の崩壊を他の共済との統合で乗り切り、成熟度の低い厚生年金被保険者への負担転嫁と、四十九兆円に及ぶ積立金までその魔手を伸ばそうとする政策と言わざるを得ないのであります。今、私たちがこの改正案を認めることは、既成事実の積み上げの中で、将来の潜在的年金債務負担を暗黙のうちに了解を与えることであり、断じて許しがたいところであります。
 本来、公的年金一元化の長期安定の道は、我が党が明らかにしたように、基本年金はその名のとおり最低生活保障を支える年金として位置づけ、安定した財源確保のため当面の国庫負担の三分の二への拡大、やがて税負担方式による公的年金制度を指し示す中で、労働者がどのような社会連帯をなすべきか、被保険者の納得の中で進められるべきであり、国鉄共済救済に見られる異質の課題に労働者連帯を口にすることは、その区分を不明確にするものとして深く戒めなければならないところであります。(拍手)
 初めに財政ありきの改正案は、この長期的展望とプログラムが欠落しておりますがゆえに、年金制度間の整合性、矛盾の拡大を招いております。
 第一に、今回の改正による通算年金方式への制度切りかえは、モデル年金の年金額は従来支給額の独身者で六三%、夫婦で八五%であり、厚生年金改正時の削減率よりも高く、職域報酬部分もその乗率が千分の一・五のため企業年金よりも低く、少なくとも千分の二以上に引き上げるべきであります。加えて、共済年金に懲戒処分等による支給の一部停止を残し、労務管理の一手段にするにおいては、年金制度の根幹にかかわる問題として削除されるべきであります。
 第二に、支給開始年齢の六十五歳も、本年施行した六十歳定年制度と矛盾し、共済年金が退職年金であることの規定に反するものとして修正をされるべき点であります。
 第三に、既裁定者に対するスライド停止は、到底容認できるものではありません。この停止の結果、早くても三年、遅い人は七、八年にわたり停留を余儀なくされ、営々と公務に尽くし、いま年金によって日々の生活の糧を得ている受給者に、その期待権、潜在的な財産権への侵害として、この過酷な措置は直ちに撤回し、物価はもちろん、賃金の変動にも準じて年金の改定が行われるよう改正をされるべきであります。
 第四に、基礎年金に係る国庫負担は、あらゆる被保険者に等しく付与されるべきであり、地方同体がこの公的負担をすることは、国の公的年金制度として基礎年金の導入に反するものであり、それでなくても六十四歳までの国の負担削減による地方団体の負担額の増加は、地方財政圧迫に拍車をかけるものになりかねないのであります。いわんや、利益を伴わない地方公営企業はもちろん、四現業に公経済負担を強いることは、国の制度として基礎年金が国民年金に取り込まれた措置とあわせて、断じて許すことはできないのであります。
 第五に、消防職員についても、五十四年改正で五十五歳支給の特例をつくりながら、この法律で六十歳まで繰り延べをするということは、六十歳まで勤務し得るような人員の配置、労働環境の整備の条件が伴わないため五十五歳退職という現実を踏みにじって強行することは、朝令暮改のそしりを免れないのであります。
 以上、私は幾つかの反対理由を挙げましたが、さらに、恩給法の改正がないための本法案との整合性の欠落や、あるいはその他さまざまな修正点は枚挙にいとまがありません。すなわち、私が当初指摘をしたとおり、本改正案が、高齢化社会を迎えての基本的な我が国の年金制度にじっくりと腰を据え、その上に立っての改正ではなく、縦割り、職域を単位とした保険積立方式の破綻の政府の政治責任を、被保険者、地方団体への負担の拡大、給付の削減によって、公的年金制度一元化を図ろうとするこそくな改正案と言わざるを得ないのであります。
 政府は、本法案を直ちに撤回をし、国会の論議を通して各党の意見を組み入れ、抜本的な改革案を提起されることを強く望んで、私の反対討論といたします。(拍手)
○議長(坂田道太君) これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○議長(坂田道太君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(坂田道太君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
○議長(坂田道太君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時十三分散会
     ――――◇―――――