第103回国会 法務委員会 第2号
昭和六十年十一月二十七日(水曜日)
    午前十時四分開議
 出席委員
  委員長 片岡 清一君
   理事 太田 誠一君 理事 亀井 静香君
   理事 高村 正彦君 理事 森   清君
   理事 天野  等君 理事 横山 利秋君
   理事 三浦  隆君
      井出一太郎君    上村千一郎君
      栗原 祐幸君    塩崎  潤君
      宮崎 茂一君    山崎武三郎君
      稲葉 誠一君    小澤 克介君
      日野 市朗君    山花 貞夫君
      草川 昭三君    中村  巖君
      伊藤 昌弘君    柴田 睦夫君
      林  百郎君
 出席政府委員
        内閣法制局第一
        部長      工藤 敦夫君
        法務政務次官  村上 茂利君
        法務大臣官房長 岡村 泰孝君
        法務大臣官房司
        法法制調査部長 井嶋 一友君
        法務省民事局長 枇杷田泰助君
        法務省刑事局長 筧  榮一君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局捜
        査第一課長   藤原  享君
        警察庁刑事局捜
        査第二課長   国松 孝次君
        警察庁刑事局保
        安部保安課長  伊藤 一実君
        経済企画庁国民
        生活局消費者行
        政第一課長   里田 武臣君
        国土庁土地局土
        地利用調整課長 山崎 皓一君
        外務大臣官房領
        事移住部領事第
        二課長     本田  均君
        大蔵大臣官房企
        画官      坂  篤郎君
        国税庁直税部法
        人税課長    熊澤 二郎君
        国税庁徴収部徴
        収課長     加藤 廣忠君
        国税庁調査査察
        部調査課長   友浦 栄二君
        厚生省健康政策
        局指導課長   入山 文郎君
        農林水産省食品
        流通局商業課長 中村 英雄君
        通商産業省産業
        政策局商政課長 山下 弘文君
        通商産業省産業
        政策局商務室長 宮本 恵史君
        通商産業省産業
        政策局サービス
        産業官     菅野 利徳君
        運輸省港湾局開
        発課長     泉  信也君
        建設省建設経済
        局建設業課長  小野 邦久君
        自治省行政局選
        挙部政治資金課
        長       中地  洌君
        最高裁判所事務
        総局民事局長  上谷  清君
        参  考  人
        (全国豊田商事
        被害者弁護団連
        絡会議代表委
        員)      兵藤 俊一君
        参  考  人
        (全国豊田商事
        被害者の会連絡
        協議会事務局次
        長)      滝井 信子君
        法務委員会調査
        室長      末永 秀夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月二十七日
 辞任          補欠選任
  橋本文彦君       草川 昭三君
同日
 辞任          補欠選任
  草川 昭三君      橋本 文彦君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政に関
 する件(豊田商事に関する問題)
     ――――◇―――――
○片岡委員長 これより会議を開きます。
 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政に関する件、特に豊田商事に関する問題について調査を進めます。
 本日は、参考人として全国豊田商事被害者弁護団連絡会議代表委員兵藤俊一君、全国豊田商事被害者の会連絡協議会事務局次長滝井信子君の両名の方に御出席いただいております。
 両参考人には、御多用中のところ、本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。両参考人におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願いいたします。
 次に、議事の順序について申し上げます。御意見の開陳は、兵藤参考人、滝井参考人の順序で、お一人十五分以内に取りまとめてお述べいただき、次に、委員からの質問に対しお答えをいただきたいと存じます。
 それでは、まず兵藤参考人にお願いいたします。
○兵藤参考人 ただいま御紹介をいただきました兵藤俊一でございます。現在、全国豊田商事被害者弁護団連絡会議の代表委員の一人でございます。日弁連の関係では、九月に発足いたしました消費者問題対策委員会の副委員長も仰せつかっております。本日は、参考人といたしまして、まず第一に、豊田商事の破産管財人の第一回調査報告書をもとにいたしまして、豊田商事の破産財団の現状を御説明申し上げ、第二に、今後この種の被害を再発させないための意見を申し上げて、本委員会の御審議の御参考にさせていただきたく存じます。
 豊田商事商法に対しましては、各地の弁護団が現在も次々に詐欺及び出資法違反ということで刑事告訴を続けております。この豊田商法につきましては、まずその本質をとらえていただくことが大変肝要かというふうに思うわけでございます。その本質と申しますのは、この豊田商法といいますのは、一見企業のような形態をとって取引とかあるいは契約といったような外観を呈しておるわけでございますけれども、実際は取引でも契約でもないのでございまして、御老人などから金銭を収奪する一つの組織にすぎなかったということでございます。ファミリー証券というのを扱っておったわけでございますが、こういう預かり証券を発行いたしまして、その発行に見合うだけの金塊を全く保管していなかったわけでございます。そして被害者の方々から収奪してきた金銭を、高額の歩合給ということで従業員の間ですぐに山分けしておったわけでございます。
 豊田商事は、設立後いかなる時点をとりましても資産と呼べるようなものがございませんでした。現在被害者の方々が損害を回復しようとすると、どうしても従業員が山分けしてしまいました取得分を再び回収するしか方法がないわけでございます。大切なお金をファミリー証券という紙切れにすりかえられてしまいました人々、この被害者たちは、この豊田商事のからくりが全くわかりませんでした。もし被害者の方々がこういった豊田商法のからくりを知っていたら、果たして大切なお金を豊田商事に出したかどうか極めて疑問でございます。
 ところが、豊田商事がその収奪しました金を即座に山分けしてしまうという組織であることを十分承知していた人たちがいます。だれだというふうにお思いでございましょうか。まずその第一は国税庁でございます。第二は豊田商事と取引をして巨額の利益を得た者がおります。いわゆる豊田商事の収奪したお金に群がった人たちでございます。
 国税庁の関係でございますが、国税庁は、昭和五十八年秋には既に通常の税務調査として豊田商事の財務状況を調べております。さらに豊田商事の昭和五十九年三月期決算の納税申告書に従いますと、国税庁の指導によりまして、昭和五十八年三月期の損金を豊田商事は三十九億というふうに出したわけでございますが、国税庁はこれをさらに修正させまして、百五十三億の欠損だというふうに修正申告させておるわけでございます。実に三十九億から百五十三億という欠損に修正さしておるわけでございます。こういう事情を考えますと、一般国民では全く知り得ない豊田商事の詐欺構造というものを国税庁は極めて早い時期から知っていたのではないかというふうに考えるわけでございます。
 豊田商事と取引をして巨額の利益を得た者としましては、仙台の釜房湖のゴルフ場建設を請け負いました熊谷組、豊田商事が将来倒産することをある程度見込んで、なおそれでも無価値なきずものゴルフ場を売りつけた水野グループというのがございます。それからさらには、豊田商事の倒産直前に豊田商事に対して融資しておりました松本祐という金融業者がございます。さらには、スキー場を高額で売りつけておりました本文善株式会社というのと、その代表者の市川社長などがございます。
 それでは次に、豊田商事の破産財団の現状を御説明申し上げたいと存じます。この破産財団が、被害者の方々にいずれ配当として分配される基本の財産となるものでございます。
 豊田商事の破産財団は現在五億円余りでございます。豊田商事に続きまして破産いたしました親会社の銀河計画というのがございますが、この銀河計画の破産財団が七億円余りでございます。両方を合わせまして十三億円程度というふうに言われておるわけでございます。しかるに、ファミリー証券によって被害を受けた人たちは、その金額が一千六十六億円に上るわけでございます。といいますのは、被害者の方々に現在お返しできる配当といたしましては、被害額の実に一%をわずかに上回るにしかすぎない金員でございます。被害者の方々は六十歳以上の御老人が約六割を占めておるわけでございますが、この豊田商事事件は単なる欲ぼけといったような単純な問題ではございませんで、インフレの進む中で老後の生活資金の目減りに不安を抱いておりました独居老人の方々が、多少とも利率のよいところへ預金しようということで被害に遭ったわけでございます。そんな人々の不安を逆手にとった詐欺だったということでございます。
 現在、破産財団が抱えております主な問題を若干御説明したいと思います。大体五つ程度になろうかと思います。
 まず第一に、二番大きな問題は何といいましても税金の問題でございます。税金のうち、従業員の給与として源泉徴収がございますが、これは現在、滞納処分として約六億円が差し押さえられております。この源泉徴収税に、つきましては、従業員が取得したお金というのは給与という性格のものではございません。詐歎の分け前であるというふうに考えるわけでございまして、もともと徴税権が発生しない、もともと課税すべき性質のものでないということでございます。したがいまして、現在差し押さえられている分につきましては直ちにこの差し押さえを解除していただき、それから既に徴収してしまっております過去の分につきましては、利息を付して還付手続をして被害者の方に返していただきたいというふうに思うわけでございます。
 次に、豊田商事の関連会社でございますベルギーダイヤモンドが滞納していた物品税がございます。総額で約二十六億円というふうに言われておりますが、そのうち約五億冊を破産しました銀河計画が保証いたしております。したがいまして、この五億円が被害回復に回らなくなる可能性があるわけでございます。しかるに、このベルギーダイヤモンドの商法もいわゆるマルチ商法と言われておりまして、非常に安いダイヤを高く売っていたということから、その物品税の納付義務がないのじゃないかという主張もされておるわけでございます。この税金の問題といいますのは、国税庁が豊田商事の詐欺商法を最もよく知っていたこととあわせ考えますと、被害者にとっては租税債権が優先するということを到底納得できるものではございません。
 税金の問題に続きまして、次に宮城県仙台の釜房湖のゴルフコースについて御説明いたしたいと存じます。このゴルフ場の建設を請け負いましたのは熊谷組でございますが、その請負契約書中には、豊田商事が倒産したときにはみずからそのゴルフ場を引き継いで建設するということになっておりまして、豊田商事が倒産する危険性を予想していたと言われております。熊谷組の場合は、豊田商事の倒産を予見し、しかも豊田商事の延命策に加担したと言われてもやむを得ない状況にあるわけでございます。また宮城県は、この事件につきまして熊谷組を行政指導する立場にありながら、みずからは豊田商事との災害防止協定に基づきまして豊田商事から八千万円の担保を確保しております。その上、今後の防災工事費用として一億円余りをいわゆる債権届として請求してきておるわけでございます。
 その次に、ゴルフ場を非常に高く豊田商事に売りつけた水野グループと、それから金融業者に松本祐という会社がございますが、この両方について申し上げたいというふうに思います。いずれも、豊田商事がいずれ近い将来倒産してしまうことを十分承知の上で豊田商事と取引をして巨大な利益を得ているというふうに指摘したいと思います。水野グループは四つのゴルフ場を豊田商事に売りつけていますが、そのうち三つのゴルフ場につきましては、その売買契約書の中に、豊田商事が倒産した場合にはそれまでに豊田商事が支払った手付等をすべて没収してしまうという条項が含まれておるわけでございます。いわゆる違約没収条項でございますが、この条項を盾に、現在まで既に豊田商事から受け取っております二十六億円を返還しようとしないわけでございます。極めて不条理なことだと言わざるを得ません。同様に、金融業者松本祐商事につきましても、昭和六十年四月、倒産直前でございますが、四月になりまして十億円を豊田商事に貸し付けたことになっております。その貸付金につきましては被害者より優先して返済を受ける権利を主張しておりまして、この松本祐商事につきましても、そんな倒産直前に貸し付けておきながら優先権を盾に被害救済を遅延させる原因をつくっておるわけでございます。
 そのほか、スキー場売買に絡む巨大な利益を得ました本文善株式会社とその市川宏社長、あるいは豊田商事が十一億二千万円をかけました医療法人日生会を舞台とした病院買収の事件など、破産財団にとりましては極めて大きな問題が山積しておるわけでございます。
 このような点は、これまで豊田商事の問題と取り組んでまいりました弁護団、豊田商事弁護団が指摘してきたところでございますが、今回。破産管財人の御努力によりまして一層はっきりと確認されたことになっております。
 次に、今後この種の被害が再発することを予防しようとするにはどうしたらいいか、再発予防でございます。
 豊田商事は金の地金の流通を悪用した商法だったのでございますけれども、その被害額が二千億円を超えると言われるほどになるまでに金銭の収奪がなされてしまった、全然とまらなかったというのを考えてみますと、その理由として、まず金地金の流通量が把握されていなかったのではないか。通産省やあるいは資源エネルギー庁にこういった流通量を把握する適切な立入調査権限などがなかったというのが一つは原因ではないかと思われます。そして警察庁の関係で申しますと、出資法違反あるいは詐欺罪というもので摘発しにくかったことなどが挙げられています。
 しかし、通産省の相談窓口を初め県や市の消費生活センターへは豊田商事の苦情相談が多数来ておりましたし、また昭和五十九年三月には出資法と詐欺罪で刑事告訴がなされておりますので、同時期の累積欠損が四百七十六億円に達していることを国税庁が知っていたのですから、政府の側でもっと初期の段階で手が打てたはずでございます。具体的には、豊田商事の現物まがい商法を取り締まるためだけの新しい法律をつくってもよかったと思います。
 今後の方策としましては、消費者に対する教育やPRなどもさることながら、訪問販売法を改正し、無差別な電話による勧誘や長時間居座ることによる強引、執拗な勧誘などを禁止することなどが考えられます。新立法につきましては、既に各政党で構想ができ上がりつつあるように伺っておりますが、いわゆる詐欺的商法とか灰色商法とか言われる分野は、公正取引委員会に新しい権限を付与することなども含めまして早急に立法措置がなされなければならないというふうに考えます。
 以上をもちまして私の意見表明とさせていただきます。どうも大変ありがとうございました。(拍手)
○片岡委員長 ありがとうございました。
 次に、滝井参考人にお願いいたします。
○滝井参考人 ただいま御紹介いただきました全国豊田商事被害者の会連絡協議会事務局次長を務めさせていただいております京都の被害者の滝井信子でございます。
 私は、最初に自分の被害に遭うた経過を簡単に説明いたしまして、次に被害者の実情を述べさせていただきます。それから、全国の被害者を代表いたしました立場から、被害者全員の要望を陳述させていただきます。
 私は、京都の西陣織物下請加工を家業としている者でございます。織物業界は景気の変動に非常に左右されやすい業界でございまして、去年の秋以来の不況がことしの春になっても回復の兆しかなく、家計の赤字が続き、何かアルバイトでもと思っていたことしの三月、新聞の折り込み広告で豊田商事の求人が目につきました。全く普通の会社と思って就職いたしました。
 研修第一日目は、会社はいかに堅実で発展途上の信頼性のある会社であるかということを、ビデオとパンフレットによる研修で教え込まれ、支店長の研修によっても、「政府の認めたこの会社は、お客様と私どもの互いの信頼関係で強く結ばれており、全国六十支店に及ぶ発展ぶりであり、金は現物取引で、会社の経営が現物取引が基本であるから、お客様とのトラブルは一度も起こしたこともなく、大変に喜ばれている会社です。」と、堅実で日本の社会に貢献していると、あたかも一流の真っ当な会社と信じ込まされ、まるで麻酔にでもかけられたように会社のすべてを信用させられてしまいました。支店長との自然な会話の中に、まさか当方の財産状況を調べるための意図がたくらまれていたとは全く知る曲もありませんでした。
 第二日目は、研修と銘打って支店長は私を営業課長に引き合わせ、課長は私に二時間以上かかって当方の財産形成状況を詳しく探り出した上でファミリー契約の説明をし、当方が所持している金三・五キロを会社に預ければ有利であることを強調し、昼食のさなかにも、支店長は私の家へ課長をファミリー契約の説明にやらせることを強く勧め、ついに課長は家に同行し、夫に再びファミリー契約の説明を長々としたあげく、契約をすることを迫りました。ためらっている私どもを、奥さんの勤められる会社であるからぜひ見に来いと誘い出し、再び夫に研修の際のビデオを見せ、契約をしなければ絶対に帰らせないという雰囲気の中で強引に契約を迫ったのであります。勤め先の支店長や課長が策略を企てて財産を巻き上げる人たちとは疑ってもみませんでした。
 三日目の研修は、テレホン室の現場で電話応対をしている人の間に入って話しぶりを聞いておりました。中には遠慮がちに小さな声で電話している人、堂々と名のって電話している人、しかし少し妙だと思ったのは、お年寄りの人は契約がとれやすいと言って、なるべく女名義で電話帳に載っている人を中心にやっていた人もありました。でも二年半続いている人がいると聞くと、やはり信用できる会社であるという感じもしないではありませんでした。しかし、面談票を隣の席の人に見せてもらったら、契約者とトラブルになったとか、長時間に及んだので警察を呼ぶと言われたので契約に結びつかなかったという記事を見て、かなり強引なやり方のようにも思えました。半信半疑の気持ちで帰宅いたしましたが、しかしその夜は眠れませんでした。
 思い返せば、私と同じ日にテレホン係へ入社した人も、夜遅くまで部長が家に上がり込み、金を買う契約をしろと強要されたという話、また営業課に入った人が、保証人を頼みに親戚や友人の家を回ったが、豊田商事なんてとんでもない、トラブルの多いややこしい会社だとだれも信用しないのでやめるという話、すべて当方の契約の後で聞いた話でした。
 夫と話し合っているうちに、ただの二日目で契約を強引に迫ったのは、会社のあらを知られないうちにと仕組まれた支店長と課長の謀略であったこと、求人広告はまさにカモの募集であったことに気がつきました、まるで麻酔が少しずつさめていくように。ビデオとパンフレットによる研修は、会社を信用させるための手段にすぎなかったこと、現物取引ゆえにトラブルを起こしたことがないと支店長が説明していた時点にもトラブルが全国で続出していたことを私どもは知らなかっただけで、真っ赤なうそを並べ立てた研修であったことに気がつきました。これは大変なところへ勤めてしまった、私の口で被害者をつくるということはとてもできたことじゃないと思い至り、四日目に辞職を申し出ました。
 その午後、弁護士さんのところへ駆け込みましたら、トラブルの多い問題の会社であると聞かされて、改めてだまされたのだということに気がつきました。まさに晴天のへきれきと言うほかありません。私たちのような被害者をつくらせないために何か手を打たねばと考え、記憶に新しいうちに被害に遭うた経過を十三時間かかって手記にまとめ、警察の困り事相談所や消費者センターなどへ持参いたしましたが、そのとき改めて豊田商事に対してたくさんの苦情相談が寄せられているということを知らされました。通産省へも、全国の人々がこの手口に乗せられないようにと注意していただくべく手記を送りました。今後このような悪徳商法がはびこってはならないという思いから、東京悪徳商法対策委員会へも手記を送り、入会いたしました。新聞社初め放送協会へも、大きく取り上げて啓蒙していただきたいと願い、手記を送りました。
 私のような個人でも、豊田商事の非道さ、悪らつさを知るや、これ以上の被害を出してはならないと考え、思いつく限りの手だてを尽くしてきたのです。しかし、行政の方々は、何ら有効な手だてを打つことなく、豊田商事の活動するままに任せ、被害者がふえ続けるのを黙認してきたというほかありません。
 七月十三日京都被害者の会第一回総会以来、京都の会の世話人を仰せつかりました。会場を埋め尽くしている御老人たちの打ちひしがれた姿、つえにすがっている人、耳の不自由な人、半ばぼけてしまって家族に付き添われている人、中には手話通訳によって説明を受けておられた聾唖者数人の姿が大変印象的でございました。被害者の半数以上が孤独で優しい言葉には非常にもろい面があり、また義理人情に厚く純朴な人たちばかりであります。
 セールスマンが身の上話を持ち出して同情させ、何時間も粘り込んで土下座をして契約に結びつかせたというケースもあります。マル優が外されて預金に税金がかかりますとか、預金の目減り、福祉の切り捨てなどの世間一般の共通した不安材料を巧みに利用して、お母さんの老後は豊田商事の有利な金利で保障されますよとか、金(きん)は絶対にもうかります、税金もかかりませんという甘言と、ついには、お母さんは私の親のように思います、お母さんの将来は私が絶対に責任を持ちますから、と巧妙に親しく優しく近づき、肩をもんだり世間話をしながら夜中までへたり込み、相手を根負けさせて契約をさせたという例が大変多いのです。生命保険も解約して契約させられたため葬式金さえもないという人もおられます。
 全盲の七十六歳の女の方も、銀行より有利とか全責任を持ちますからお任せくださいとすっかり信用させられて預金通帳を見せたら、翌日はただの紙切れに変わってしまった、と言われます。まさに赤子の手をねじるやり方です。人の懐に手を突っ込むやり方であります。がんの手術後自宅療養中の五十六歳の主婦は、長時間の勧誘にすっかり根負けして息子さんの結婚資金すべてを契約させられてしまい、その後ショックのため病気が再発した、と絶望的な訴えをされておられます。
 身体障害者の息子さんがおられます七十五歳の女の人は、自分の死後もその子が政府の世話にならなくてもよいようにと手芸教室をやりながら長年こつこつとためてこられた預金と、親からの株券、証券などの相続財産ともに契約をさせられ、いまだに教室の仕事を続けながらも暗たんたる不安の日々を送っておられます。
 お母さんの契約一つ取れたら私は正社員になれます、お母さんの老後は私が責任を持ちますからどうぞお願いしますと再三にわたって訪問し、その都度長時間頼み込み、ついに亡くなられた夫の遺産を預けたその人は、何度警察へ訴えても民事と刑事は違うからと相手にしてもらえず、どうしてよいか途方に暮れてもだえ苦しみ、半狂乱の日日を送っておられます。毎夜のごとく私の家へ電話をかけてきて、仏壇に線香を供えてくれたセールスマンを信じた私がいけなかったのでしょうか、もう生きる望みもありません、と泣きつかれます。つらいのはあなた一人ではありませんよ、私もいまだに泣いたり怒ったりの毎日ですと慰めながらも、私も悔しさが込み上げてきて、泣きながら応対しております。
 中には、創価学会のひとり暮らしの男性の家へ訪れたセールスマンは、自分も創価学会の会員ですと自宅に誘い、御本尊さんを一緒に拝んで信頼させ、六千万円の契約をさせたのです。信心までも利用して信頼を裏切る卑劣きわまりない手口、信頼という人間社会に最も大切な面を裏切る行為は、極刑にも値する犯罪であります。
 全国の被害者の文集を読んでおりますと、一葉一葉が胸に迫るものがございます。長年白昼堂々と弱者から財産をだまし取ってきたというこの行為は、文明国、法治国にあるまじき犯罪であります。すなわち、国の恥であると考えます。豊田商事こそ、人間の皮をかぶった悪魔の大詐欺集団であったのであります。日本政府が認めた会社だと言われれば、だれもが信用いたします。だまされる者が悪いというのならば、だました者が正当化されてよいのでしょうか。被害者に対して欲ぼけという言葉の世間の非難も耳に入ります。しかし、被害者の実態は決してそうではありません。勘定ずくで契約したものでもありません。被害者の大半の御老人は、契約内容とか金の取引の知識などに全く疎い人たちばかりであります。その人たちに何の責任がありましょうや。
 法律家たちは、何年も前から行政に対して被害を未然に防ぐ対策を提案してきたと言われます。今までに何回も国会で豊田商事問題が審議され、政府に対策を求めておられたのですから、行政側から国民に警鐘を乱打されていたならば、強い規制が行われておりましたならば、これほどに悲惨な被害状況には至らなかったでしょう。被害をもっと未然に防ぐことができたことでございましょう。五年間も野放しにされていたために被害は年年拡大の一途をたどり、社会悪が増長されたのであります。関係各省の行政の怠慢の結果がこのような悪徳商法の蔓延を招いたのであります。多数の被害者が今日置かれている実情を日々見るにつけ、まことに無念であり、残念に思います。この実情を世間の一般の人たちに広く知っていただき、行政の責任の重さを自覚していただきたいのでございます。
 京都は去る十一月十一日に二度目の告訴状を地方検察庁へ提出いたしました。その際当事者六十五名に招集の電話をかけましたのですが、中には何度呼び出しても出ない人がありました。後でわかったのですが、ショックの余りに痴呆症になってしまって入院した人、告訴直前に亡くなった人もおられたのです。ショックのために衰弱が激しくなり亡くなられる御老人が続出しております。自殺者も各地から出ております。日航機事件などは直接人命にかかわる問題でありましたから直ちに政府は対策を講じておられますが、この豊田事件は、表面は人命にかかわる問題ではないと思われがちでしょうが、このために労働意欲をそがれ、生活の不安定、家庭不和、家庭崩壊、離婚など、精神的、肉体的健康の阻害にも直接つながっているということを御認識いただきたいのでございます。
 私でさえも三日で気がついて会社をやめておりますのに、何カ月も何年も豊田商事へ勤めていた人たちには、良心の一がけらもなかったのでしょうか。人をだましてお金を巻き上げるだけが会社の営業であったと知った以上、退職するとか告発するのが普通の人間の常識であります。その上、豊田商事にたかって利権をむさぼっている水野グループや熊谷組、松本祐商事などに対しては、管財人に協力されますように関係各省からの適切な措置を強くお願いいたしたいと考えます。一
 国税庁にお願い申し上げます。
 被害者を次から次へとつくらなければ会社の経営が成り立たなかったこの商法を察知の上で、国税を債権の第一位として差し押さえられております国税庁にも御理解ある全面譲歩を強く望むものでございます。
 警察庁、検察庁へお願い申し上げます。
 このような明らかな詐欺手口を訴えておりますのに、いまだに警察は詐欺商法を立証できないということに被害者一同非常にいら立っております。なぜ早く刑事問題として捜査し厳重な処罰をされないのか、被害者一同不可解に思っております。被害者から没収した金を山分けした者から早く取り戻していただきたいと願っているのでございます。
 この事件の完全な解決なくして今後の悪徳商法の根絶はあり得ない上に、同じような詐欺商法が繰り返され局でありましょう。そんな日本の社会であれば被害者たちは浮かばれようがございません。
 最近は特にさまざまな手口で一般消費者、善良な国民をだます悪質巧妙な手口がふえてきており、訪問販売、押し売り、強盗的な商法での被害が発生しております。豊田商事と同じ被害はもう起こらないでしょうが、私たちのこの大きな犠牲を生かして、その場だまし的商法が絶対できないように取り締まりに有効な法律を整備して幅広く規制できる法律を迅速につくっていただきたいと強く希望いたします。
 政府へお願い申し上げます。
 被害者一同は、今後は国家を信頼し安心して生活のできる政治であってほしいと強く願っております。これは国民としての要求の最低の条件であります。余命幾ばくもない御老人たちが、いわれなき苦しみ、悲しみに暮れ、人間不信に陥り、これからの生活の不安とだまされたことの悔しさのみが頭にこびりつき、判断力も理解力も失い、ただ荘然と生き長らえているという現状をどうか御賢察いただきまして、実質的な被害の救済措置を早急に講じていただきますことを心から切望いたします。
 御清聴を感謝申し上げます。ありがとうございました。(拍手)
○片岡委員長 ありがとうございました。
 以上で参考人の意見の開陳は終わりました。
    ―――――――――――――
○片岡委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高村正彦君。
○高村委員 参考人のお二人の方々におかれましては、お忙しいところ出席していただきまして貴重な御意見をお述べいただきまして、本当にありがとうございました。
 時間の関係で早速質問に移らせていただきますが、まず、兵藤参考人にお尋ねいたします。
 再発防止のために立法措置も必要だということを先ほどちょっと触れられたわけでございますが、それらの法制化について、取引の自由だとか行政が介入できる範囲というのはどのくらいなんだとか、そういうような問題を提起される方もいるわけなんですが、そういうことについて参考人はどういうふうにお考えになるか、御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○兵藤参考人 取引の自由とか営業の自由というのは憲法上の裏づけもあるわけでございますが、今回の豊田商事商法につきましては、既に国民生活センターあるいは各地にあります消費生活センター等で被害の申告が続発しておったわけでございまして、こういうような被害の相談あるいは被害の実情についての把握が十分できるような案件につきましては、私は、営業の自由とかその他いわゆる一般の商取引とはもう全く違ってきておるわけでございますので、行政官庁その他におかれまして、営業の自由に重きを置くのではなくて、被害者救済、営業を禁止するような方向で御指導いただけるのが正しいのではないかというふうに考えております。
○高村委員 豊田商事だけじゃなくて、こういう悪徳商法というのはいろいろあるやに聞いておりますが、一般国民の予防知識の向上という面から効果的な国または地方公共団体の施策についてお考えがあれば、滝井参考人と兵藤参考人それぞれにお聞かせ願えればありがたいと思います。
○兵藤参考人 豊田商事を初めといたしますいわゆる悪徳商法につきましては、とにかく早いうちに芽を摘んでいただきたい。深みにはまってからでは本当に被害が拡大いたしまして手おくれになるわけでございます。先ほど滝井参考人もおっしゃいましたように、こういう日本のような文明国、そして中流意識が広がっております日本の国におきまして、どうしてこういう商法が起きちゃうのか。全国、北は北海道から南は沖縄までこんな大きな被害が起きるまでどうして放置されてしまったのだろうかというようなことを御指摘になったわけですが、まことにそのとおりでございまして、なるべく早目早目に芽を摘んでしまうということが必要だろうと思います。それには、先ほど申し上げましたけれども、国民生活センターあるいは消費生活センターへ相談の目立った段階からもうそれなりの対応をしなくてはならない、早目早目な対応をする必要があるというふうに私は考えておるわけでございます。
○滝井参考人 先ほど申しましたように、あらゆる、さまざまな手口でだまし商法がはびこってきておるわけです。キャッチセールスとかいって街頭で若い人をつかまえてそこでいろいろと勧誘をする、そういうことで学生さんなんかがそれにひっかかって、友達を勧誘したらそれだけの歩が回りますよとかいう甘い言葉に乗せられて、最初はアルバイトのようなつもりで、軽いつもりで乗ったのが、自分も借金して契約をとったような形にならなければどうしようもない。半ばおどされながらそのグループから足を抜くことができなくなってしまって自殺をしたというふうな人も出ておるわけで、私たちこの被害に遭うてから初めて世間に目を開いて見たら、あらゆる商法、怖い商法が蔓延していたんだなということに初めて気がついたのです。ましてや、ひとり暮らしのお年寄りの家へ突然電話をかけてきて――豊田商事も最初から金を売る会社ですとは言ってませんでした、私が就職したころは。会社が若うございますので、会社が、豊田商事という会社を知っていただくためにごあいさつに上がりますというふうな形で御老人の家へ電話がけまして、まあお話だけなら聞いていただけますかというふうに言ったら、お年寄りが、一人で寂しいものだから、話ぐらい聞きますよと、話し相手になってもらうような軽いつもりで言ったところが、どの通りをどっち曲がって何軒目というふうな家の所在を聞きましたらぱっとそこヘセールスマンがすぐ飛び込めるように体制ができておりまして、そこへ入ったら最後、そこの資産状況を調べるような形で、世間話から優しい身の上話とか、おばあさんお寂しいでしょうとかいうふうにしてひっかけていくわけですので、そういう突然訪れて訪問販売するというふうな、こういう訪問販売法とか、その場逃れの、その場だましの商法というものが非常に弱い人をつけねらっているということを私たち知りました。それで、本当に国民の中の弱者の中の弱者、そういう人たちを甘い言葉でつって、それで取り上げる、こういう弱い者いじめの世の中であってはならないと思いますので、ぜひとも幅広く規制できる法律を迅速につくっていただきたい、絶対そういう商法がはびこらないよう取り締まりを強化していただきたいと願っております。
 以上でございます。
○高村委員 先ほど兵藤参考人のお話の中に、詐欺や出資法違反で刑事告訴をしている、あるいは告発ですかしているというお話がありましたけれども、その結果はどういうことになっているかということがおわかりになれば教えていただきたい。
 また、豊田商事グループの元役員の中には、不当な高収入を得ていた人がたくさんいるわけですが、そういう人たちの所在または資産の状況がどうなっているのか、あるいはそういう人たちに直接の民事的な措置をとっているのか、とるとすればどういうことをするのかということもあわせて教えていただければ大変ありがたいと思います。
○兵藤参考人 刑事事件の関係でございますが、昭和五十九年の三月に、弁護士が代理人となりまして大阪地検の方へ豊田商事を詐欺及び出資法違反ということで告訴して為ります。五十九年三月でございますから、もうかなり前になるわけでございます。それから豊田商事が倒産いたしましてから、この豊田商事の被害者弁護団の方では次から次へと告訴をしておるわけでございます。大阪、長崎、福岡あるいは宮城、いわゆる仙台でございますが、そういうところで現在なおそのほかにも続々と告訴の手続がとられる予定でございますけれども、警察庁あるいは検察庁の方の対応というのは必ずしも私の方は正確にはわからないわけでございます。その結論がどうなるのか、あるいは見通しがどうなのかということについてはちょっと現在のところよくわかっておりませんが、被害者にはかなり厳しいような感じを受けるわけでございます。私どもとしては、刑事事件としてこの豊田商事の全体像を把握してほしい、国民に知ってほしいということが念願でございますので、どうか捜査当局におかれましては厳重な捜査を続けていただきたいというふうに考えておるわけでございます。
 それから豊田商事につきましては、これは先ほど申し上げましたように、役員、従業員は高額の歩合報酬を取っておるわけでございまして、こういう従業員、役員を野放しにすることは被害者として到底できることではございません。それぞれの責任を民事上追及していく準備を進めておるわけでございます。しかし、先生の御質問の中にありました居どころ、財産ということにつきましては、調査が大変難しい面もございまして、必ずしもよく判明しているとは申せない状態でございます。
○高村委員 豊田商事事件については現在破産手続が進行中でありまして、先ほどのお話の中にも国税庁の問題とかあるいは取引先の問題とか、いろいろお話があったわけでございますが、破産手続の面でこういった特殊な事案についての問題点があるということであれば御指摘いただきたいと思います。
○兵藤参考人 私、弁護士でございますが、弁護士としてかなり破産管財人を仰せつかる機会が多いわけでございますけれども、破産管財人として、落胆というのはおかしいのですが、一番がっかりいたしますのは、国税が優先するということでございます。管財人としては、財団と言いますけれども、これは破産会社の財産のあらゆるものを集めるわけでございます。その集めた財産を被害者の方々、いわゆる債権者に配当していく手続でございますが、その財産を管財人としては精いっぱい努力して集めるわけでございます。少しでも多く集めて被害者の方にお返ししたいということで努力するわけでございます。しかし、一生懸命集めたその資産、いわゆる財団と言うのですが、これがほとんど税金に持っていかれてしまう、いわゆる国税の優先でございます。
 そういう面で、私どもが一生懸命被害者のために集めたのに、極端な場合ですと八割、九割が租税債権として国に持っていかれちゃうのです。国の税金を集めているようなことになっておるわけでございまして、私の経験から申し上げますと、どうもその辺がしっくりこないわけでございます。ほとんど被害者の方には一割とか二割というのが残るだけのような場合があるわけでございます。
 そういうことから申し上げまして、やはり今破産の手続として一番問題になるのは、私はこの国税債権の優先というのが問題ではないかと思うわけでございます。私は、これはもう時代的には合理的理由がない、現在では合理的理由がないというふうに理解しております。恐らく明治時代あるいはそれ以後のいわゆる国家至上主義時代の残滓ではないかというふうに考えておるわけでございまして、なるべくなら被害者の方へ重きを置いた配当手続という形で破産法を改正するのがいいのではないか、あるいは事件によって若干制限をしてもらってもいいのですけれども、こういう豊田商事のような場合には、少なくとも被害者の方へまず配当するというような形でいくべきではないかというふうに考えておるわけでございます。
 それから先生、もう一点御質問がございましたですか。(高村委員「破産手続の問題について」と呼ぶ)わかりました。
 それからもう一つ破産手続として問題になりますのは、今回豊田商事で特に気になるわけでございますが、たくさん会社があります。豊田商事は関連会社百二十社というふうに言われておりますけれども、たくさん会社をつくっておるわけでございます。なるほど名前はたくさんあるわけでございますが、結局同族、同じものでございます。同じ被害者から収奪してきた金がぐるぐる会社の中を回っているだけでございまして、こういう事案の場合は一括して破産手続がとれないか。豊田商事は破産、銀河計画は破産、あるいは鹿島商事は破産、ベルギーダイヤモンドは破産というような、こういう一つ一つの破産手続では、到底手続上賄えない実情になってしまうわけでございます。百二十社をそれぞれ破産にしていたら、これはもう大変でございまして、こういう豊田商事のような事案につきましては、破産手続としてはある程度一括してできるような法改正ができれば大変便利ではないかというふうに考えております。
○高村委員 大変貴重な意見をお聞かせいただいたわけでございますが、この際、特にお二人の参考人から、国会もしくは政府に要望としてつけ加えることがあれば一言ずつおっしゃっていただきたいと思います。
○兵藤参考人 先ほどもちょっと申し上げたのでくどいかもしれませんが、とにかくこういう悪徳商法につきましては早目早目に芽を摘んでいただきたい。そのためには国会あるいは政府がどうしてもその情報を早くキャッチできるような体制、そしてこの情報をキャッチした段階でそれに即応した体制がとれるような体制、こういうものを整備してほしいと思います。立入調査のできるような、そういう法律的根拠などもある程度整備していただかないと、こんなに被害が広がるまで、どういうことでこうなっちゃったんだろうかというのが、もう率直な被害者の気持ちでございまして、ぜひ早目に芽の摘めるような法体制、そして行政体制、こういうものを整備していただきたいというふうにお願いする次第でございます。
○滝井参考人 この豊田商事事件で一番特徴のあるのは、御老人の被害者が大変多かったことでございます。それで、被害に遣われた御老人たちは、高齢化社会であるという日本のこの現状で、よもやこれほどまでにひどい目に遣わされるとは思っていなかった。安心して歩ける道、何の標示、危ないからという標示もない安全であるべき大道の真ん中を歩いておったら、突然大きな穴がばんとあいてそこへばさっとはまり込まされて、はい上がることもどうすることもできない、だれも助けてくれないというふうな、まさにその例えそのものの苦しみ、悲しみを味わっているのです。
 だから、日本の政府の高齢化社会に即応した弱者を守る法律なり温かい措置を皆さん望んでおられますし、私どもも、こんなに大きな被害になるまでに、お年寄りがかなり被害が出ておった時点で気がついたらすぐに何とか手を打っていただけたら、こんなにまで御老人に長生きしていて本当に地獄の目に遭ったというふうな悲しい思いをさせないで済んだのじゃないかと思います。だから日本の政府に、本当に安心して生活のできる、信頼のできる国家であるという政治をしていただきたい、これを強く望んでおります。
○高村委員 ありがとうございました。
 以上で私の質問を終わります。
○片岡委員長 横山利秋君。
○横山委員 お二人のお話を聞きまして、まことに胸の迫る思いがいたします。私ども国会議員としても従来各委員会で取り上げて政府に迫ってきたものの、九十分でなかったことを反省されるし、あるいはまたお二人のこれからの御要望についても十分今承知をいたしたところでございます。以下、時間の許す限り御意見を伺いたいのであります。
 兵藤参考人は現在、弁護団の連絡会議の代表委員をなさっていらっしゃるそうで、膨大な全国的な被害者に対して、私が伺うところによりますと、今滝井さんのお話を聞きましても本当に気の毒な人たちばかり。弁護団は一体何人くらいで、どういう連絡網で、今どんなお仕事をなさっていらっしゃるか、まず簡潔に伺いたいと思います。
○兵藤参考人 この豊田商事事件は、今横山先生御指摘になりましたとおり非常に悲惨な様相を呈しております。しかも、被害者が全国北海道から沖縄まで、そしてそれぞれの被害者の一人当たりの被害金額は非常に大きい。かつてなかったほど、四百万円とか五百万円という金額でございます。そこで、この被害者に対して弁護団として救済していかなければならない、被害者を到底放置できないということで弁護士が集まりまして弁護団を結成しておるわけでございます。全国的に被害者がお見えになりますので、弁護団の構成も全国の弁護士がそれぞれの地域で弁護団を結成し、その弁護団が統一的に全国で活動しております。この統一的な全国的弁護団の組織を全国豊田商事被害者弁護団連絡会議というふうに呼んでおるわけでございます。現在、加入といいますか、弁護団に入っていただいております弁護士の数約一千名を超えると思います。
 そこで、この弁護団の活動でございますが、できましたのが七月でございます。倒産直後からできたわけでございますが、それ以後もちろん被害者の救済を目的といたしまして活動をしてきておるわけでございます。
 まず、破産手続にのっとりまして、いわゆる債権届、被害者の方々が、私はこれだけの被害に遭いました、ついては裁判所から豊田商事の財産が集まりましたら、その配当をくださいという請求でございます。それぞれ被害者の方々の債権届という書類をつくりまして、これを大阪の地方裁判所へ提出いたしております。
 それから、この豊田商事の商法は、どうしても基本的なとらえ方をしっかりしていただかないといけないと思います。いわゆる組織的な詐欺集団にすぎなかったのだ、会社とか取引とか契約とかそういうものはもう表面的なことで、実態をよく把握してほしいということから、これはどうしても刑事事件として実態を明らかにしてほしいというのが弁護団の一つの目的でございます。したがいまして、それにのっとりまして刑事告訴を各地で弁護団は行ってきておるわけでございます。現在のところ大阪、福岡、長崎あるいは宮城、仙台でございます。そういうようなところを皮切りといたしまして、その後各地の弁護団が告訴の手続を準備しておるところでございます。
 それで、さらに豊田商法の特徴でございます高額の歩合報酬をもらった役員あるいは従業員等に対しまして民事上の個人責任を追及いたします。これは現在弁護団でかなり進んでおります。既にもう提訴があちこちで行われておりまして、これは歩合を返せというようなことではございませんで、いわゆる豊田商法に加担した、豊田商法の中心となって働いた不法行為者だ、豊田商法に加担した人間だということで、被害者に対して全責任を果たせ、被害者の被害金額をすべて返せ、こういう訴訟になっておるわけでございます。いわゆる不法行為を理由とする損害賠償の請求事件を起こしておるわけでございます。ただ、この障害になりますのは、先ほど高村先生からも御指摘がありましたが、加害者の住所、資産というのが必ずしも容易に判明しないというところから、その前途には厳しいものがございますが、できる限りの努力をいたしまして、民事上の責任も追及して被害者の救済に充てたいというふうに考えておるわけでございます。
 大体以上でございます。
○横山委員 大変な社会問題であるだけに、被害者の皆さんも御老人や低所得者であるだけに、弁護団の諸先生も本当に社会奉仕といいますか大局的見地でおやりになっていらっしゃると思うのですが、一層ひとつ御努力を願いたいと思うのであります。
 そこで、まず最初、いわゆる国税の問題であります。
 私も長年大蔵委員をやりまして税の問題を扱ってきたし、また法務委員として現在弁護団から問題提起されております国税は取るべきでないという理論を私なりにいろいろと実は考えておるわけであります。先生のお話は、要するに商法に基づく形式的な会社であってもそれは詐欺の目的である、だからいわゆる商法による実質的な会社ではないという論理だと存じます。この商法五十八条は、要するに仮に会社が正規の形の目的を持っておっても、その目的と違うことを最初から考えてそしてそれを実行しておるときには、これは会社解散命令を法務大臣が発動し得る、私はそこが一つのポイントであると思うのです。
 実は私、先般この問題で法務省に確かめましたところ、法務省がそういうことを調査し得る通常の仕事をしていないのだ、それから役所がそういう解散命令を出すあるいは警告を出す以上は、そういうことで信用を阻害されたと言って逆に告訴される。役所が当事者責任を負わなければならぬ重大な問題であるということは、それはそのとおりでありますけれども、そこのところが実は問題だと思いました。
 それからもう一つは、実体論として今滝井さんからお話しになるようなことを感じて、そして解散を初期の段階にするといたします。少なくとも会社に利害関係者がおる。その利害関係者に対して被害を与えることを覚悟しなければいかぬ。小の虫を殺して大の虫を生かさなければならぬ。そういう決断をどのときにどういう条件でやるかということが大事な問題だなと思って、商法に解散命令権があるんだから一回でもなぜ発動しないかと私は迫っておる一人なんでございます。これは理屈の問題でございますが、先生の御感想をちょっと伺いたいと思います。
○兵藤参考人 豊田商事は全国の被害者から約二千億を超えるお金を収奪したわけでございます。被害者は三万人とも十万人とも言われるわけでございますが、被害者の数はちょっとはっきりしておりませんけれども、被害金額は帳簿上はっきり出てくるわけでございます。二千億以上のお金を集めてこれをどこへ使ったかといいますと、まず第一は従業員とか事務所を借りたお金というものがかなりの部分を占めておるわけでございます。約六割ぐらいがそこへ回ったお金、要するに山分けのお金でございます。あとはいわゆるレジャー産業、レジャー施設へ進出を図ろうといたしまして、そういう関連部門の事業に投資をしております。あるいは、一部は被害者の方々に、まだ会社が生きている倒産前の段階で、どうしても返してくれと言って弁護士さんを通じて示談交渉あるいは訴訟になった場合は若干の示談をいたしまして金が返っておる例もございます。この被害者に返ったお金が五百五十億ぐらいあるようでございます。そういうような情勢と、さらには先ほどちょっと私、意見表明の中で申し上げましたが、ほとんど毎年毎年赤字欠損でございまして、利益を上げた年が一度もない。そしてさらには申告すれば修正申告で減額されて欠損がふえてくる。しかも莫大な欠損に修正申告させられるというようなことを考えますと、明らかに会社の実態がどうかということは国のレベルでわからなければ私はおかしいと思うのです。これは法務省とか国税庁とか、そういうようなことがあるのかもしれません。行政の組織が縦割りだということもございますので、それはある程度やむを得ないかもしれませんが、少なくとも国税庁は知っていたけれども法務省は知らないというような、そういうものではないと思うわけでございます。今、横山先生御指摘の解散命令というようなところももっと早く、これは申し立てが出たわけでございますけれども、そういう面でも私は手を打っていただきたいと考えておるわけでございます。
○横山委員 商法の解散命令権の以前に警察の問題がございます。滝井さんにもお伺いをしたいのですけれども、警察が最初この問題について被害者の訴えについて消極的であったという話があるわけであります。ここに十月二十二日の東京新聞、「不発だったダイヤ商法の捜査」社会問題になって警察も一生懸命やったけれども空振りに終わったという社説であります。
  警察側は「ダイヤ販売は隠れミノで、実質は会員を連鎖的に集め、上位会員ほど金銭配当が多くなるネズミ講」と判断、精力的な捜査を行った。ところが、法務・検察当局は@ダイヤは安物とはいえ本物Aネズミ講防止法で加入者は「一定金額を支出する」と定義されているが、べ社の場合、ダイヤの価格が一定でないBダイヤの購入だけで新会員の勧誘をしない者がいる――などの理由から、ネズミ講防止法の適用に難色を示している。
 警察側はさぞ無念だろうと思う。
こういう記事なんです。ここで感じられることは、最後は国会でもやかましく言ったので警察は立ち上がったのですけれども、初動の段階で警察には、どうも民事には介入しない、刑事事件ならやるけれども、売った買ったの利害の問題に介入しないという観念が働き過ぎたのではないか。また警察は、このネズミ講防止法だけ頭にあって、詐欺だとか、ていのいい脅迫だとかそういう観点からやらなかったのではなかろうか、こういう感じがあるわけですが、何か警察についての経験上の御意見は、滝井さん、ございますまいか。
○滝井参考人 この豊田商事事件で、だまされたんじゃないかとふと思ってすぐ解約に行ったけれども話し合ってくれないということで、私はどこへ泣きつきに行ったらいいんだろうとすぐ警察の困り事相談所へ行かれます。それで弁護士さんのところを紹介されますけれども、被害者はやはり、私らは金の取引を知ってもうけたくてお金を出したんと違う、もうかりますよ、これから預金の目減りがするから、豊田へお預けになったら金利がよろしいよというふうな言い方で強引に勧められるものだから、そんなに信用できる会社ならば、あなたがそんなに頼むんだからと、もう個人的に非常に親しく親しくつき合ったような形で契約させるんです。最初はだまされたようなつもりでないので、あなたがそんなに頼むならば信用できるのならば顔を立ててあげましょうと言うて義理人情に厚い御老人が契約したということで、私はもうだまされたとどうしても信じられない、一遍聞いてくださいと言うて何遍も警察へ行かれる方があるんです。そうしたら警察では、おいばば、わしの言うこと聞かなんだら手も足もへし折ってもうたるぞ、こう言うたら警察へ来なさい、そうしたら刑事事件として扱いましょう、だけれども、あなたの契約されたのはどこへ行ったって今警察の立ち会う問題じゃありませんと言って扱ってもらえないというのが現状でございました。
 それで京都も七月に告訴状を出しまして、なおかつ告訴状を受理したんじゃなくて、ただ置かしてもろうただけで、何にも捜査には手をつけられてないんです。それで、警察の元締めである検察庁へお願いしたら何とかしてくださるだろうと思って二回目の告訴を検察庁へ十一月十一日に出したんですけれども、その方は警察とよく相談いたしました上で御返事しますということで、どうやら受理はしたという御返事が弁護団へ来ているそうです。しかし、いつから捜査するとかそういうお約束はいただいておりませんし、ただ受理をしたというだけのことで、警察といたしましても、こんな明らかな詐欺の手口を当事者を呼んで詳しくお聞きになったらよくわかると思います。
 昭和五十九年中ぐらいは明らかに契約の形をとって、金を買ってもらったという形で、それを預けてもらったら金利を払いますという形をとっていたんですけれども、ことしになってからは金の売買というふうなことじゃなくて、ただもうかりますよ、お母さんうちの会社は安心してください、あなたの老後は私が保障しますとかいうその場逃がれのうそばかり言ってお客さんから取ったわけですので、これは明らかな詐欺なんです。だから、この実態を知れば警察としたら黙っておられないはずなんです。もう早くから弁護士さんはそれを訴えてきておられます。それになぜ警察がまだ本腰を入れて詐欺の捜査をなさらないか。これは本当に私らは不可解に思うのです。この問題は本当に妙なことだな、どうしてこんな不安な世の中を警察がほっておくんだろうな、そればかりが不安に思われてならないのです。
○横山委員 ありがとうございました。
 そこで現状ですが、先生にお伺いしたいのですけれども、現状は今お二人からお話しのように、これからの問題もある、今の告訴問題もあるが、広くは何とかして破産財団に金を集めるということでございますね。それは主として管財人がおやりになることで、弁護団としてはそれを集めやすいようにいろいろな運動をなさるということだと思うのですけれども、その間、警察、検察、それから管財人、弁護団、その連係プレーはうまくいっているだろうかと心配するのです。例えば検察がいろいろな書類を押収しちゃった、その押収しちゃった資料を管財人になかなか見せていただけぬという場合があるだろうか。弁護団がいろいろな被害届けについて調査してくれということについて警察とうまくいっているか、管財人とうまくいっているか。その辺で何か御希望がございますか。
○兵藤参考人 管財業務が大変でございます。被害者が多い、被害金額が多いということで、管財人は日夜非常に奮闘をしておられます。寝食を忘れて管財業務に当たってみえるというのが実情だろうと私は思います。
 それで私は、弁護団の一員としてあるいは弁護団として、管財人の御活動を高く評価しておるわけでございますが、九月二十四日の債権者集会、これは第一回の債権者集会でございまして、ここで調査報告がなされたわけでございますが、管財業務として財団を確保する、財産を集めるのについて実態がどうもよくわからない。この件については国土法違反とかその他の関係で資料がほとんど警察の方へ行っている、捜査中ということで警察が押収しちゃっているということで実態がどうもはっきりしないというような報告があるわけでございます、報告書にもちょっと出ておりますけれども。そういうことで、警察が押収なすった資料と、それをある程度認識したいという管財人の御要求とがどうもしっくりいっていないのではないかという感じも私は受けるわけでございます。
 この被害者救済というのには、今先生がおっしゃいましたように財団の拡充というのが一番手っ取り早くて確実な方法でございます。これのために弁護団としては管財人に御協力申し上げ、さらに関係各省におかれまして財団の確保にぜひあらゆる面の御協力をいただきたいというふうに弁護団としてはお願いをするわけでございます。
 実態はうまくいっているのかどうか、この点については私、今確実なものがございませんので、ちょっと御回答は控えさせていただきたいと存じます。
○横山委員 午後、各省に来ていただきまして、その御心配の点を確かめたいと思います。
 中坊破産管財人から出されたこの調査報告書、第一回目のものでございますが、極めて詳細で私どもにもよくわかる報告であります。しかし、その報告をもっていたしましても、五十五ページに出ておりますが、「本件において、当職がもっとも腐心していることの一つに、管財業務を如何に短期間に終了させるかの問題がある。とりあえず中間配当に達するまでの目標期間を当職はここ数年以内と設定している。」これは滝井さん、本当にがっかりなさると思うのですね。これだけ努力しておっても、この中にある内外さまざまの国際的な財団の拡充というのはかなりの努力を必要とする、管財人だけではいかぬ、弁護団だけが応援してもだめだ、これはもう本当に政府が協力しなければだめだ。協力には限界があるだろうと思うけれども、法律上の問題があると思うけれども、協力してもらわなければうまくいかないと思うのであります。
 そういう点では一、二、例を挙げて御質問したいのですが、先ほどもお話がありました釜房湖の問題ですね。これは三十七ページに出ております。先ほど御引用になりましたのは熊谷組が破産会社と工事請負契約があり、宮城県との関係で完成保証を義務づけられておるから、この釜房湖自身にとっては熊谷組が善処をする責任がかなりある、ここが一つの解決のかぎだと思うのです。
 そこでお伺いしたいのは、この完成保証義務というのは、先生も弁護士でございますから、法律上どういうことなんでございましょう。県、自治体に完成保証義務を出すということは、施主が破産しても自力でそれをやる義務があるということを民法上ですか、義務を完全に負ったものである、それをやらなければ熊谷組としては民法上の責任を問われるという問題でございましょうか。また、聞けば熊谷組としては、それなら買ってもいいという話があるようでございます。買ってもいいけれども、驚くべき安値価額で買いたいということらしいのであります。これは社会的な地位も大きな有名な熊谷組でございますから、もう少し社会的にも考えて善処してもらわなければならぬと思うのですが、その点を含めて完成保証義務の法律上の責任などをちょっとお伺いしたいと思います。
○兵藤参考人 この豊田商事の被害者は、もう何度も話に上がっておるとは思いますが、非常に高齢の方が多いわけでございます。六十歳を超える方が約六割を占めておるということでございます。管財人の方ではその点を非常に御心配なさっておるのではないかと思います。なるべく早く管財業務を終えたい、なるべく早い時期にお金を集めてしまいたいということが一つの大きな目標でございます。なるべく早く被害者の方にお返ししてあげたいということが大事な要素になると思います。
 そういう面からいきますと、この豊田商法によっていろいろ利得を得て、その利得を返さなくちゃならない人があるわけでございます。今横山先生の御指摘になりました釜房湖の熊谷組、これもその一つだと思うのですげれども、こういう法律上返さなくちゃならないお金について、では裁判をやったらどうだ、管財人がその熊谷組に対して返してくれ、清算してくれということをやったらどうだということは当然考えられるわけでございます。しかし、御承知のとおり裁判手続に入りますとかなり日にちを要するわけでございまして、管財人としてはなるべく、この報告書の中にも書いてございますが、訴訟等はなるべくなら避けて示談交渉で早期に解決したいというふうに言っておみえになるわけでございます。そこで示談交渉ということになると社会的問題がいろいろ絡んでまいりますので、どうしても関係各省あるいはその他の御協力を得なくてはできないわけでございます。熊谷組にっきましては、今先生の御指摘のように仙台の釜房湖というゴルフコースの工事請負契約をした当事者でございます。豊田商事は金の現物まがい商法を主体としておったわけでございますが、五十九年ごろから、どうもこの金の現物まがいというのはいずれ返さなくてはならない、満期になると、一年とか五年過ぎますとどうしても返さなくてはならない、同種同量の金あるいは金銭をもって被害者に清算しなくてはならない、これが非常に苦痛であるということから、会員権商法へ切りかえをいたしました。会員権商法ならこれは利用権を売るだけだ、お金を返すということにはならないのではないか。とにかく会員権として利用していただいて、その会員権を豊田商事の方で預かってそれに対して利息をお支払いするというような形でやったら元金は返さぬで済むのじゃないかということを考え出しまして、会員権商法に主力を置き出したわけでございます。そこで、その会員権商法として一番いいのはゴルフ場ではないかということから、このゴルフ場の件が上がってくるわけでございます。豊田商事が各所にゴルフ場を準備いたしましたのは五十九年末ごろからでございます。方向転換を始めたわけでございます。この釜房湖につきましては、昭和五十九年九月五日に熊谷組が豊田商事の持っております土地をゴルフ場にするという造成契約を締結しております。そこで、このゴルフ場を造成するのについては宮城県の方で、豊田商事が途中から倒産したり何かしてほったらかしになったら困る、あとが荒れほうだいになっては困るということから、行政指導の一環としまして、いわゆる熊谷組に後をちゃんと完成保証しろ、おまえ責任持って後までしっかりやれよという契約をさせておるわけでございます。熊谷組が宮城県に対しまして完成保証しておりますのは、豊田商事が倒れてしまったら当然熊谷組が後を引き続いてこのゴルフ場の経営をしていかなくちゃならない、自分で造成し、自分で後経営していくなりあるいは第三者に経営を移すなりして、とにかくこの工事を完成する責任を負っておるわけでございます。契約書等を検討してみますと、道義上の問題でなくて、当然法律上の責任があるというふうに私は考えておるわけでございます。
○横山委員 時間がなくなりましたが、もう一問だけちょっとお答え願いたいのですが、四十六ページのパラオの問題であります。
 パラオ共和国アイライ州の租借の問題でございまして、この四十六ページを拝見しますと、一体パラオ共和国アイライ州政府に対して十六億を支払ったのか、その金額が計算上やや不明瞭でございますが、かなり膨大な金額が支払われておるわけですね五十九年間の租借・黙りというわけであります。これは、一体どういう方法がこの財団拡充のためにあり得るか、例えば賃借権を第三者に譲渡する、あるいは解約して返還を求める、国際的な問題でありますが、どういう方法があり得るとお考えでございましょうか。
○兵藤参考人 豊田商事はあらゆる部門に進出してきたわけでございますが、最後は海外事業部門にまで進出しておるわけでございます。それを担当いたしましたのがムサシノエンタープライズという会社でございます。こういう会社をつくりまして海外事業の担当をさせておったわけでございます。この会社がパラオ共和国アイライ州に租借地を持っておるわけでございます。期間九十九年、二百万坪ということでございます。このパラオの土地を借りるために三十七億円の賃貸契約を結んでおったわけでございます。そのうち、ただいま横山先生御指摘のように十六億余りを既に支払っておるということでございます。
 結局、この土地の賃借権につきましては、既に豊田商事が倒産しておりますので豊田商事としては何のメリットもないわけでございますが、この賃借権あるいは支払った十六億円、これを何とかうまく換価できないかというのが弁護団として考えておることでございます。これは本質的には管財人に御努力いただくことでございますが、十六億円の支払い済みのお金を返していただき、かつこの賃借権についての清算をしていただけたらかなり財団に益するところが多いというふうに考えます。これは海外でございますので、外務省がどういうような把握をしてみえるのか、どういう方向で解決しようとするのか、私は非常に注目しておるところでございますので、ひとつこの点を外務省には確かめていただけたら大変ありがたいというふうに存じております。
○横山委員 ありがとうございました。
○片岡委員長 草川昭三君。
○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。
 本日は、両参考人の先生方には大変御苦労さまでございます。特に滝井参考人からは私も手紙をいただいておりまして、物価問題特別委員会等では皆様方の声を反映させていただくべく、あるいはまた私どもそれなりに、得ました資料を関係省庁にもいろいろと問題提起をしてきておるわけでございますが、問題は豊田商事グループ全体の資産把握ができていないわけでございまして、ここに今一番私どもにとりましても焦りがあるのではないか、先生も同じだと思うのでございます。今も先生のお話を聞いております中で、目立った資産というのでしょうか、その中で当該者との間の争う問題もあると思うのでございますが、豊田商事と取引をいたしておりましたゴルフ場の問題について、もう少し先生の方から御意見を聞きたいわけでございます。
 豊田商事が全国にたくさんの三十近いコースの運営を目指しておったわけでございますが、既に払った金額というのが工事代金を含めて約八十億あると管財人も言っておみえになります。その中で、俗に言うところの水野グループというのがあるのでございますが、これは私も随分調べさせていただきまして、他の委員会で警察当局にも、もう少しフォローアップをしてもらいたいということを言っておるのですが、残念ながらまだその返答は得ていないわけです。これは水野グループに既に二十六億円以上の既払い額がある、こう言っておるのでございますが、本来ならば豊田ゴルフクラブに経営権が移らなければいかぬのですけれども、永野殺害事件の翌日か翌々日に水野グループに経営権が戻っているのですね。今のお話を聞いておりますと没収条項があるというのですが、岡山の湯ノ郷については没収条項がないと言われておるのです。そこら辺も含めて一体どういう形になっておるのか御説明を願いたい、こう思います。
○兵藤参考人 先ほどちょっと申し上げたと思いますが、豊田商事グループはいわゆる金の現物まがい商法を方向転換いたしまして、昭和五十九年の十二月末ごろから会員権商法へ力を入れ出したわけでございます。これは先ほど申し上げましたように、いわゆる現物まがいですとどうしても満期には金またはお金を返さなくちゃならないということから、これを避ける意味で、被害者から巻き上げた金を返さないで済むような方法はないかということから会員権商法を編み出したというふうに考えられております。
 そこで、会員権商法の一番対象になります、いわゆるうまみのあるのはゴルフ場であるというふうに考えたわけでございます。ゴルフ場につきましては現在あちこちでいろいろ問題があるわけでございますが、どちらかといいますと立地条件の悪い、預託金をたくさん抱えた、要するに債務をたくさん抱えたゴルフ場というのがあるわけでございまして、こういうゴルフ場を買わされたような形、あるいはもちろん豊田商事の方向として買ったわけでございますけれども、そういう一連の流れの中で水野興業グループというのが出てまいります。
 この水野興業グループにつきましては、いつごろから豊田商事と接触があったかちょっとよくわからないのですけれども、この水野グループが出しております雑誌に「政界往来」というのがございますが、この「政界往来」の中で水野興業グループが五十九年の九月に豊田商事を徹底的に糾弾したわけでございます。ところが、ほんの三カ月たちました五十九年十二月には豊田商事を徹底的に礼賛する記事が載っておるわけでございます。どうもこの辺から豊田商事と水野興業グループは、この「政界往来」の記事等を契機として、昭和五十九年の末ごろには手が結ばれたのではないかというふうに想像されるわけでございます。
 この水野興業グループが豊田商事に売りましたゴルフ場は四つでございます。今先生の御指摘のありました岡山の湯ノ郷を初めといたしまして、千葉成田、それから東名小山、ハワイに買っておりまして、ハワイのオロマナ。この千葉成田、東名小山、岡山場ノ郷、ハワイオロマナの四つのゴルフ場を取得しておるわけでございます。金額は全部で百八十三億円でございます。時期は五十九年十二月から、ほとんど十二月でございますが、ハワイオロマナだけは六十年三月というふうになっておるわけでございます。幾ら払っておるかといいますと、千葉成田に対して七億円、東名小山に対してやはり七億円、岡山場ノ郷につきましては八億円、ハワイオロマナにつきましては四億円というふうに既払い額があるわけでございます。合計して二十六億円を払っておるわけでございます。これが今草川先生御指摘の二十六億円ということになるわけでございます。
 このゴルフ場の売買に絡みましては、水野興業グループとしまして恐らく豊田商事はいずれ近い将来倒産するということを察知しておったのではないかと想像されるわけでございます。といいますのは、湯ノ郷についてはそういう規定がございませんが、ほかのところについてはいずれも売買契約書の中に既払い金は没収するぞという規定が入っておりまして、いつ豊田商事が倒産しても損をしないように、自分だけは受け取った金は返さぬで済むようにという条項が入っておるわけでございます。そういうところから、非常に不明朗な印象を受けるわけでございます。この二十六億円というのは、筋道からいきまして、既にゴルフ場が原状回復をされております、水野興業の方へ戻っております、したがいまして管財人の方へ当然返してもらわなくてはならないお金だと弁護団としては考えておるわけでございます。この二十六億円を何とか返してほしい。これについては、ゴルフ場ということから関係省庁でも御協力を賜れないかということでございます。
 それからゴルフ場に関して、これは特に弁護団としてお願いでございますが、いわゆるきずもののゴルフ場が全国で非常に多うございます。これをもとにした会員権商法があちこちで出てまいります。この会員権商法というのは、結局また金を巻き上げる手段になる可能性が強いわけでございます。要するに、ゴルフをしないのに会員権だけを買ってそれを人に貸すというような、金を収奪する手段に使われる危険が非常に多うございます。したがいまして、関係省庁に対して、ゴルフ場の規制あるいは会員権商法につながらないような形での規制というものをお願いできないかというふうにも考えておるわけでございます。
○草川委員 ゴルフ場の問題を探求してまいりますと、この管財人の報告の中にも少し名前が出てくるのですが、松本祐商事という貸金業の名前が出てくるわけなんです。このビルを豊田も使うわけでございますが、その間にかなりの手形の決済のやりくりがあるわけです。さらに、この松本祐商事を追っていきますと、きょう名前を申し上げませんけれども、ロッキード事件で名前が出てくる日本では非常に高名なある人物の名前が出てくるわけであります。
 そこら辺がありまして、私もこのゴルフ場の問題を調べたのですけれども、どうしても限界があるわけです。ですから、先生の方、ゴルフ場についてそれなりのことを今おっしゃっていますけれども、相手もそれなりのシフトは敷いておるわけでございますので、それを乗り越えるには実は大変な問題があると私は思うのです。その点では、管財人の先生にも私なりの資料を提供はしておりますけれども、弁護士先生はまた独自の行動というのですか、請求権を発動していただかないとこれは解決しないと私は思うのですが、その点はどうでしょうか。
○兵藤参考人 ゴルフ場その他の規制についてはいろいろ問題点があると思います。営業の自由とか、またそこら辺に議論が来るかもしれませんけれども、私どもといたしましては、ほとんど利用できないようなゴルフ会員権によって金銭を収奪する手段とされては困る、何とかこれを規制できないものだろうかと考えておるわけでございます。もちろん弁護団としてもその点の方法を考えておるわけでございますけれども、今その具体的な答弁はできません。済みません。
○草川委員 時間の関係もございますので、次に例の白馬国際リゾートスキー場のことでございます。
 これも管財人が指摘しておるのでございますけれども、このスキー場も非常に大きな面積なものですから土地の所有権について非常に錯綜しておる。その肝心のところを共同経営者である本文善株式会社あるいは同社の代表者市川宏という方が、これもなかなかの人物のようでございまして、相当な金額が、「五億六〇〇〇万円以上」という言い方になっておりますから、「以上」ですから、それが七億か八億かわからぬという実態のようでございますけれども、これもどういうように見られておられるかお伺いしたいと思います。
    〔委員長退席、高村委員長代理着席〕
○兵藤参考人 豊田商事はレジャー産業へ進出するということで、ゴルフ、テニス、スキー、マリーナというようなところへ手当たり次第に進出を図ったわけでございます。その一つに白馬高原開発というところが、これはもちろん豊田商事の関連会社でございますが、これが始めましたスキー場があるわけでございます。このスキー場は白馬国際リゾートスキー場と呼ばれておるわけでございます。スキー場としては大変広い土地が必要でございます。そこで、土地の購入あるいは賃借にかかったわけでございますが、五億六千万円以上払っておって、そのうちの三億二千万円ぐらいが本文善株式会社の方へ払われておる。これが正確な売買代金の内金として払われたのか預託金なのか、私どもはその辺まだつかめていないわけでございますが、かなりのお金が本文善株式会社の方へ流れておると言われております。
 この本文善株式会社といいますのは、このスキー場の一部に土地を持っておるわけでございます。要するに、スキー場の対象となっております土地のうちの一部を持っております。その一部は、このスキー場の中ではかなり重要な位置を占める部分でございます。御存じのとおりスキー場は余り急ではいけないわけでございますが、非常になだらかな部分、しかも中心的な部分をこの本文善株式会社及び市川宏という人物が所有しております。これを借りて経営するということを計画したようでございます。現在、豊田商事倒産によりましてこの計画は挫折したわけでございますが、その周りの土地は本当に価値のない土地かもしれませんけれども、豊田商事はスキー場として買っております。周りの余り中心的でない部分を買っておりまして、その中心的部分を借りておるわけでございます。その貸し主が本文善と市川宏ということになっておりまして、この状態で豊田商事が持っておる周りの価値のない部分だけの土地を売るのが大変難しいわけでございます。真ん中の一番いいところだけを本文善株式会社あるいは市川宏が押さえておりますので、管財人が換価するのに非常に苦慮されておるということでございます。これにつきましては、既に警察庁で国土法違反ということで捜査をしておみえになるようでございまして、この捜査内容がどういうことになっておるのか私は注目したいところでございますが、このスキー場の件につきましても換価あるいは既払い額の返還というような形で、建設省あるいは国土庁でございますか、そういうような関連省庁にぜひ御協力を賜れればありがたいというふうに考えております。
○草川委員 最後の質問になりますが、先生は全国の豊田商事被害者弁護団の代表でもあられますのでお伺いをするのですが、国に対する責任をどう求めるか。国家賠償、これはいろいろな多方面にわたると思いますし、全国の被害者をどのようにまとめていくのか、非常に難しい技法もあると思うのでございますが、先生の御見解なり、あるいは弁護団として今どのようなお話になっておるのか、率直なところの御意見を賜って質問を終わりたい、こう思います。
○兵藤参考人 この豊田商法がどうしてこんなに大きくなるまで放置されておったのか、だれに一体責任があるのかということは極めて重要な問題でございます。果たして国に責任があるのかないのかということは当然考えられるわけでございます。
 これは、私の個人的見解を控えさせていただきますが、現在この点につきましては弁護団の方で検討中でございます。被害者救済の面からいきますと、私はぜひ国の方である程度の措置をしていただきたいと思うのですけれども、それがなされない場合はどうなるのかということについて、弁護団の中で今鋭意検討しておるところでございまして、まだ具体的な方策は決まったわけではございません。
○草川委員 以上で終わります。
○高村委員長代理 三浦隆君。
○三浦(隆)委員 本日は兵藤参考人、滝井参考人にはお忙しいところおいでいただきましてありがとうございます。また、貴重な御意見をいろいろ拝聴させていただきましてありがとうございました。
 初めに兵藤先生の方からお尋ねをしたいというふうに思っております。
 大変すばらしい調査報告書も既に出されているわけなんですが、今もお話に一部ございましたけれども、こうした豊田商事の悪徳商法というのがどうして生まれてきたのだろうかということに関連しまして、この豊田商事の経営者グループというのは、かかる詐欺的商法をどういうふうにして学んだのだろうか。というのは、だれに学んだのだろうか、あるいは銀河計画の企画者というのは本当はだれであったのだろうか、あるいは顧問会議というのはどのようなことを議題として、ここで顧問弁護士さんはどのような役割を担ったのだろうか。この調査報告書の十三ページでございましょうか、かなりこの顧問会議について触れているところがございまして、ここでは、「会議の中ではファミリー契約証券取引、レジャー会員証券取引について刑事民事の両面にわたって検討されていたもようである。」ということから顧問弁護士の役割を解明したいというふうに述べられているわけです。
 まず第一問は、この経営者がどうして、どのようにして、だれからこういう詐欺的商法を学んだのだろうか。以下、お答えいただければと思います。
○兵藤参考人 豊田商事グループの実権を握っておりましたのは故永野一男会長だろうというふうに言われております。実質的にはやはり永野会長が考え出した商法ではないかというふうに想像するわけでございますが、これはだれから教わったのか、そしてどういうふうにして身につけたのかということになりますと、ちょっと私ども正確に把握しておるわけではございません。ただ全般的な風潮として、いわゆる老人問題あるいは預金問題あるいは金の価値に対する考え方、そういうようなものが総合してこういう金の現物まがい商法に発展していったのではないかというふうに考えられるわけでございます。もちろん豊田商事の永野会長初め役員においてかなり計画的に実行された商法であることは間違いございませんけれども、ある程度社会的風潮もこれに拍車をかけたように考えられるわけでございます。その程度のお答えしかちょっとできないかと思います。
○三浦(隆)委員 顧問弁護士さんの方の顧問会議について……。
○兵藤参考人 この調査報告書によりますと、顧問会議というのが十三ページに出てまいります。この顧問会議は、豊田商事の顧問弁護士がございまして、この豊田商事の顧問弁護士が集まりまして、豊田商事の商法につきましての法律上の問題点その他を会議において議論したというふうに想像されるわけでございます。この顧問会議ないしは豊田商事の顧問弁護士がどのような役割を果たしたのかということにつきましては、弁護団といたしまして今なお調査中でございます。はっきりした結論は出ておらないわけでございます。
 こういう顧問会議で弁護士がどのような役割を果たしたかということにつきましての責任といいますか、弁護士の弁護士倫理というようなことに関しましては、まず第一に、日本弁護士連合会ないしはその傘下にあります各単位弁護士会の指導監督というところに権限がゆだねられておるわけでございます。綱紀とか懲戒というような手続があるわけでございますが、これは私ども弁護団とは全く関係のない手続でございまして、内容に立ち入っての発言は控えさしていただきたいと思います。
 それでは、弁護団としてはこういう顧問会議に参加していた弁護士についてどのように扱うのかという御質問だろうと思いますけれども、既に今御承知のとおりかなり高額の顧問料を取得しておられたようでございます。この点について実際顧問料なのか、あるいは実質会社の経営にタッチしていたのではないかというような議論がされているわけでございますが、まさにその辺が弁護士のいわゆる倫理面を含めた責任の問題になってくるかと思います。
 一つ例を挙げますと、この弁護士の役割といいますか果たした中で、倒産直前ごろに被害者が被害者側の弁護士に被害救済を訴えてくるわけでございますが、それに対して顧問弁護士の方が被害者とその依頼する弁護士との間の離反を図るというような言動もあったように察せられるわけでございます。そういう点で、弁護団としてはかなり真相を究明した上でそれ相当の対処をしていきたいというふうには考えておるわけでございますが、現在のところ事実関係を慎重に調査してからというふうになっております。
○三浦(隆)委員 滝井参考人にお尋ねいたします。
 被害者の皆さんが訴訟に踏み切った動機についてお尋ねしたいと思います。
○滝井参考人 大抵の被害者の方は個人でどうすることもできないので、最初から弁護士さんにお願いされております。その中で、最初豊田商事が倒産するまでは、弁護士さんを通じまして豊田の管理課の人と交渉されていたわけですけれども、四月、五月ぐらいからは解約にも相談に応じないというようなケースがふえてまいりました。私の方でも、これはまともな契約と解釈できるから解約できないという話でしたが、四回、五回にわたる弁護士さんとの交渉によりましてやっと解約の話に応じるということになったのですが、私の方は三・五キロの金は実は一千百五十万円の投資で手に入れたものでございまして、債権届では八百五十万ぐらいでしたけれども、それも向こうと解約の話になりますとただの六百八十万を、しかも七回分割払いでないと応じられないというのが最終の答えでございまして、これではどうしようもない、弁護団の方も豊田側との話し合いは話にならないからということで、皆さん訴訟に踏み切る方は申し出てください、それで一番顕著なだまし手口がはっきりしているケースから訴訟に持っていくという話になりまして、私どものことしになってからのそういうひどいやり方でやったということを対象に絞って訴訟にされているわけでございます。
○三浦(隆)委員 先ほど参考人から、悪徳商法がこれ以上はびこってはならないからだというふうにお伺いしたと思いますが、参考人として、こうした悪徳商法が続けられてきた理由はどうしたことでここまで指摘されながら続いてきたんだろうとお考えでしょうか。
○滝井参考人 被害者の心情といたしまして、これほどひどい商法が早くから、五年も前から弁護士さんたちの間で問題にされて政府へ提唱されてきたにもかかわらず、手を下してくれなかったということに対して非常に不信感を持っております。それで、投資ジャーナルの会長なんかが自白しているとおり、政治家に渡りをつけていたというあたりを聞きますと、豊田商事も永野会長がもう一週間も生きておればそういうことを口にしたんじゃないかということ、一様に被害者はそのように思っております。議事録なんか見ますと、関係各省が議員さんたちから質問を受けておりましても、いつまでたっても検討いたしますとか目下捜査中でありますとか、これから勉強しますというふうな答えに終始していたわけでございますので、私はどうしてもっと真剣に、国をよくするための政治であってもらいたいのに、なぜこんなのたりくたりとした責任逃れの返事に終わっていたかというあたり、どこかから圧力があったんじゃないかな、そういうことをうがって見るわけでございます。やはり永野殺害事件に関連いたしましても、背後関係がないと警察は直ちにおっしゃっていますけれども、背後関係があるからないと言うんじゃないか、被害者様に皆そういうふうな疑問の目で警察の動きなり関係各省の答えぶりを注目しているわけでございます。だから、そのあたりにどこかの圧力があったんじゃないか、それは私どもにも察しがつくのでございます。その根本的なものを解明されなくてこの豊田商事問題を解決しようということは無理だと私は思うのです。
 以上です。
○三浦(隆)委員 参考人、なかなか微妙なお答えであったと思うのです。今、圧力があったのではないか、それに対してかなり十分なる疑いを持たれているというふうに思います。一般的には官公庁に対して、警察であれどこに対しても圧力というものは普通はあり得ないことだと私には思えますけれども、しかし参考人としては、本当に心からそう思われての御発言だったというふうに思います。いずれ我々の方も明らかにしてまいりたい、こう考えております。
 次に、参考人は、訴訟によってだまされた金額というものが戻り得る、どの程度戻り得るものとお考えでしょうか。訴訟に今何を期待されているのでしょうか、お尋ねしたいと思います。
○滝井参考人 これはもう皆さんも御承知いただいたとおり、被害者から取り上げたお金をみんなが山分けしたのでございますから、訴訟によってその山分け分を被害者に返すということが第一の目的で訴訟されているのでございますけれども、これはもう被害額全額戻るとは毛頭考えておりません。それで、管財人の方の手元にある資産を分配しましても今一%余りということを伺っておりますけれども、精いっぱい頑張って訴訟で仮に従業員から取り上げられたといたしましても、これだけの期間が経過しておりますので従業員も皆使い果たして持ってないというものがかなりあると思います。それで、幸いにも不動産とかそんなものを持っております従業員がおりまして、そこから換価できたとしましても、戻ったとしましても、とても被害者に返す分は取れないことは覚悟でございますけれども、いずれ、この長年ほっておかれたという責任を追及されまして、その原因がどこにあったかということがはっきりいたしましたら、これは国賠訴訟で償っていただくのが当然と考えます。
 以上です。
○三浦(隆)委員 訴訟費用の点でお二人にお尋ねしたいというふうに思うのですが、なけなしの本当に貴重な財産を失われてお困りの方が大変多いということだと思います。一方、訴訟しても失ったお金が戻るとは思えないといった場合に、その中で訴訟費用というものがかかると私は思いますけれども、参考人としては、お金は戻らなくても訴訟費用というものをお考えになるのかどうか、それを一点お尋ねしたい。
 それから、弁護士さんの方も大変いい、御立派な弁護士さんばかりですが、やはりある程度訴訟費用というものはお考えだと思うのですが、取り返した金額に対するどの程度を訴訟の費用、弁護士費用とお考えでしょうか、お二人にお尋ねしたいと思います。
○滝井参考人 ただいまなされております京都の訴訟については、訴訟救助の該当になる人を絞ってやっております。それで、今のところ裁判費用は心配要らないということでございますけれども、私の例をとりまして、もしもその従業員から被害回復の見込みがあるようでしたら、ある程度の訴訟費用はかけても裁判を起こしたいと思っております。けれども、ほとんどのお年寄りはそういう裁判費用もお持ちじゃございませんし、私どもはまだ働ける年齢でございますので、裁判に仮にお金がかかっても、これは従業員のとことんの責任を追及するまでは許してはおかないという覚悟のもとでかかっておりますので、もうこれは被害が戻る戻らないということよりも、その従業員たちの責任をいかに認めさせるかということが目的で訴訟しているという両面にわたっておりますので、私は費用をかけましても訴訟を起こしていきたいと思っております。
 以上です。
    〔高村委員長代理退席、委員長着席〕
○兵藤参考人 先ほど申し上げましたように、全国の弁護団連絡会議では、この民事責任の追及ということが一つの大きな目的になっておりまして、それぞれの手続をとりつつあるわけでございます。この弁護団会議の中では各地の弁護団の実情がそれぞれ異なりますので、一応各地の弁護団のペースというのは尊重してまいっているわけでございます。今の先生の御質問に対しましては、名古屋弁護団を中心に私としてはお答えさせていただきたいと思います。
 名古屋弁護団といたしましては、民事上の個人責任の追及は、あくまで被害者の真意を確認しまして、その被害者の真意として、どうしても訴訟で被害を回復したい、あるいは被害が回復できようができまいがとにかく訴訟で最後まで結末をつけておきたいというような、いろいろな考えがございます。したがいまして、そのそれぞれの被害者の意思を御確認いたしまして、それに沿った弁護団活動をしてまいっておるわけでございます。どうしても訴訟費用その他については経費としてかかるわけでございますけれども、その点もよく御説明申し上げまして、できる限りいろいろなあらゆる方向から考えまして、被害者の方に経済的負担にならないような形で民事訴訟を進めていきたいというふうに思っております。
 この豊田商事の被害者は本当に悲惨でございまして、訴訟をして被害回復ができるものならしたいという人、あるいは何が何でもとにかく訴訟を遂げてその結末をつけておきたいという人たちを集めましていろいろ御説明を申し上げるのですけれども、実は私はあり金を全部奪われてしまいました、訴訟をするお金さえありません、こういう被害者がかなりお見えになるわけでございます。こういう場合はどうするかといいますと、やはり弁護士会に外郭団体といたしまして法律扶助協会という機関がございます。こういう法律扶助協会へのあっせんなどをいたしまして、それぞれ御意思を確認した上、できる範囲であらゆる法律上の手続、機関を駆使いたしまして民事訴訟を弁護団として手続を代行してまいっておるわけでございます。
○三浦(隆)委員 参考人への私のお尋ねはこれで終わりたいと思います。お忙しいところ、本当にありがとうございました。貴重な御意見をこの委員会を通じて生かして、皆さんの御期待に沿ってまいりたい、こう考えております。
○片岡委員長 柴田睦夫君。
○柴田(睦)委員 参考人のお二人には遠路おいでいただきまして本当にありがとうございます。日本共産党・革新共同の柴田睦夫です。既に同僚議員から、再発防止、国税問題、刑事、民事の責任、熊谷組、海外出資、ゴルフ場、スキー場、被害回復、いろいろと御質問がありました。貴重な御意見を拝聴いたしました。
 そこで私は、具体的な銀河計画の関連事業であります病院経営問題、この中心になっております医療法人日生会についてお尋ねしたいと思います。報告書によりますと四十八ページということになるわけです。この報告書によりますと、銀河計画は日生会に対し、現在七億八千五百八十五万円の貸付金と三億四千万円の手形貸付金を有している、こうなっております。合計十一億二千五百八十五万円です。そして岐阜県の中津川・城山病院、医療法人厚愛会高知城東病院、宮崎県・久峰温泉病院、それから宮崎県・高岡病院について報告されています。兵藤参考人が触れられましたのはこれらのことと存じますけれども、これら病院では現在どういう状況になっているのか、まず兵藤参考人に御説明をいただきたいと思います。
○兵藤参考人 豊田商事グループは、金の現物まがい商法から会員権商法へ転向いたしまして、さらに医療部門へも一部進出を図っておったわけでございます。豊田商事グループがどうして医療部門に介入してきたかという理由については必ずしもはっ劣りしないわけでございます。特に非営利部門でございますので、もうけを主体とする豊田商事グループがどうしてこういう医療部門に進出したかについては必ずしも理由がよくわからないわけでございます。しかし、四つの病院を買収しておるわけでございます。この中心になって活動したのは、医療法人日生会という宮崎の病院がございますが、ここがいわゆる仲介役のような形で病院の買収に走ったわけでございます。
 この四つの病院をいずれも買収したわけでございますが、その方式はいろいろでございまして、病院の土地、建物を買い取ってしまう、あるいは病院の役員を入れかえさせて実権を豊田商事グループが握ってしまうといういろいろなやり方をとったわけでございますけれども、いずれも豊田商事の倒産と同時に、買収された病院の方がまた役員を入れかえるような形で実権を取り戻しておるような実情でございます。病院でございますので、入院患者あるいは通院患者等があるわけでございますし、その経営が不明朗だということになりますとある程度人道上の問題にもなるわけでございまして、この病院が現在とのようになっているのかということは極めて重要な問題だろうというふうに思っております。
 特に、先生の御指摘の岐阜県の中津川にあります城山病院というのがございますが、ここは既に豊田商事グループで土地、建物を買ってしまいまして、そのお金として一億九千万円以上を払っております。役員も入れかえて豊田商事グループが実権を握っておったわけでございます。ところが、破産宣告を受けたすぐ直後、七月二日でございますが、その七月二日にこの城山病院はまた役員を入れかえてしまいまして、もとへ戻してしまいました。いわゆる豊田商事グループから何か離脱したような画策をしたわけでございます。そして、あろうことか、一たん豊田商事グループがお金を払って手に入れた病院の土地、建物までも錯誤ということでまた城山病院に、これは個人の名前でございますが、城山病院の経営者個人に持ち主は変更されておるわけでございます。結局豊田商事がお金を払って病院の土地、建物を買ったのに、いつの間にか画策されてまた城山病院の方へ戻されてしまったというようなことになっておるわけでございます。管財人の方では、これでは換価が不可能だということで法律上の保全処分というのをとりまして、現在この土地、建物を押さえております。今後、示談または訴訟、裁判上の手続で解決することになるのではないかと思いますが、こういうような非常に不明瞭な部分が多うございます。一たんは豊田商事が取得したのですけれども、倒産時のどさくさに紛れてまたもとの所有者の方へいつの間にか戻ってしまっている。豊田商事が出したお金はそのままになってしまっている。原状回復で戻ってしまっているのにお金だけ返ってこないということで、破産管財人が非常に御苦心なさっておられるところでございます。
 それからもう一つは、病院の性格上、先ほど申しましたように人道上の問題もございます。そういう面で、この実態は私どもでは必ずしもしっかり把握しておりませんけれども、かなり錯綜しているのではないかというふうに想像されます。これはやはり厚生省の方で実態をよく究明していただきたいというふうに考えておるわけでございます。よろしくお願いいたします。
○柴田(睦)委員 伺いますと、財団を形成していく、これが現在のところはまだ非常に少ない、これは大変なことのようであります。
 私がおります千葉県弁護士会の弁護団、ここで受け付けているのが四百三十九人、届け出金額が十八億一千七百八十五万円、千葉県だけでもこれだけになっているわけです。ところが、この豊田商事の被害者への還付金は、現在のところ破産手続によるものは極めて微々たるものであるという状況であります。こうした病院関係は、資金が回収されるならば破産財団を形成し、その分、被害者の救済に充てられると思うわけですが、財団形成のために解決しなければならない支障となるようなものがあるのではないかと、この報告書を見ながら感じるわけです。しかもまだ解決の可能性も相当強いというように思われるのですが、この支障となっているものがどういう問題であるか、このことの御見解を伺いたいと思います。
○兵藤参考人 管財業務につきましては管財人の御努力をいただいておるところでございまして、弁護団としてはこれを側面からお助けする立場にあるわけでございますけれども、ただいまいろいろなお話が出ましたが、結局管財業務に支障になっておりますのは国税、それから豊田商事に群がった第三者、不当な利得を得た第三者がございます。管財人として、この間の第一回の債権者集会でおっしゃいますのは、豊田商事の役員等の協力が必ずしもよく得られない、帳簿が改ざんされたり紛失したり、あるいは事情聴取をするのに役員を呼んでも出てこない、あるいは出てきても、私は知りません、全部永野会長のやったことですということで逃げてしまうので、その実態の究明が非常に難しい。実態の究明が難しいということは管財業務に非常に支障になるわけでございます。豊田商事があれだけの会員を収奪しておきながら、さらに倒産した後で役員等が知らぬ存ぜぬということで管財業務にさえ協力しないということはもってのほかでございまして、この点が管財業務として非常に支障になる点と思われます。
 そのほかにもいろいろな面で管財業務に支障があるわけでございますけれども、やはりこれは政府の立場におかれまして、日本の国の問題でございますので、ぜひ行政を初めその他機関において積極的に御協力、御支援賜るようにお願いしたいと思います。
○柴田(睦)委員 病院の問題ですけれども、患者が入っておられるようですが、これの保全処分をやられた。さらに今度は本訴ということになるわけですが、裁判で解決するには何といっても時間がかかると経験的に思うわけです。この事案は、保全処分ができているような、管財人側が勝訴することが確実であるというようなケースではないかと思うのですけれども、豊田商事の被害者の方たちはお年寄りの方が圧倒的に多いということを考えてみますと、裁判の結果解決するということでなくて、早期の被害回復が求められると思うわけです。そういう点からいいまして、政府の対応が重大な問題になってまいりますけれども、少なくとも病院行政に携わる者に対して、裁判の結果を待つのではなくて、行政指導してもらって債権回収を図りたい、こうお考えになられるのは当然ではないかと思うのです。病院に対して指導監督する行政庁が、ケースによっては病院の新しい買い主を見つける、そのあっせんをするという援助ができるのではないか、そういう御要望がおありかどうかということをお二入の参考人からお聞きして、終わりたいと思います。
○兵藤参考人 現在、豊田商事の破産上の手続からまいりますと、事業の継続はできるわけではございません。したがいまして、病院の経営とかそういうことについては、管財人としては全然お考えではないと思います。あくまで現有の資産を換価いたしまして、これを被害者の方に配当としてお返しするということが主力でございます。したがいまして、今先生の御指摘ありましたような各病院につきましては、これをそれぞれ換価いたしまして、その換価代金を配当ということで被害者の方にお返ししていくことが一番いいと考えます。
 換価するにつきましては、破産管財人の方でいろいろ調査その他御努力をされておるわけでございますけれども、訴訟でやるということになりますと先生御指摘のとおり非常に日にちがかかります。御老人の方々が非常に多いという面から考えますと、なるべく早期に示談で片づけるのが至上な方策であると思われるわけでございます。したがいまして、この病院の件につきましては、厚生省を初めとして行政官庁の行政指導によりまして、何とか早期に換価解決するような方向で御努力、御協力を賜るようにお願いいたしたいと存じます。
○滝井参考人 先ほどからも申し上げておりましたように、五年も長い間、関係各省がこれを知りつつ放置していたことが、ここまで被害を拡大していった原因でございます。被害者の方たちは余命幾ばくもない方たちばかりでございますので、早急な被害回復ということが重点であろうかと思います。裁判とか訴訟とかでは日数がかかる、また費用もかかるということで非常に困難なことでございますので、今まで五年もほっておいた関係各省がそれの償いとして、豊田商事事件の早急な解決に向かって全力を挙げて御協力いただきたいと思います。これは私たちの、国会と政府に対する要望でございます。そうでなければ、戦時中長い間御苦労なさったお年寄りたちは、本当に日本の国に生まれてよかったと思えないのでございます。今まで国家を信じて国のためにと一生懸命生きてこられた皆さん方、死の直前になってこういう思いをさせられるということは、日本の国がこんな悲しい国であったのか、これで終わっていかれるのだったら余りにも冷たい政治だと思います。だから、長い間放置しておいた償いとして各省、政府が責任を持って迅速な解決へ全力を挙げていただきたい、これが被害者の願いでございます。
○柴田(睦)委員 終わりますが、お二人ともありがとうございました。特に、今取り上げました厚生省関係、私も努力していくことをお約束いたします。1
○片岡委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
 両参考人におかれましては、貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。
 午後一時再開することとし、この際、暫時休憩いたします。
    午後零時二十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○片岡委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 この際、お諮りいたします。
 本日、最高裁判所上谷民事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○片岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
○片岡委員長 質疑を続行いたします。横山利秋君。
○横山委員 本日、私どもは各省からおいでを願いまして豊田商事の問題についてそれぞれ質問することになりましたが、午前中、弁護団連絡会議代表委員の兵藤俊一さん、被害者の会連絡協議会事務局次長の滝井信子さんのお二人の参考人に来ていただきましていろいろお話を伺いました。質疑応答を通じまして、高齢者の皆さんから詐欺的商法でだまし取った金がどんどんほかに流れて、現在破産財団にあります金は約十三億くらいしかない。しかしながら、被害額は一千六十六億。まさに一%も返らないのではないかというようなまことに気の毒な状況でございます。
 それで私ども、それぞれ若干ニュアンスは違いますけれども、第一にはなぜこうなったか、第二番目には破産財団の財源を確保する方法は何か、第三番目にはこれからこういう詐欺的商法が横行しないようにこれを防ぎとめる方法は何かという点に絞られるような気がいたします。
 そこで各政府委員にお伺いをするのでありますが、先ほども兵藤参考人からお話がございましたが、この豊田商事のやり方というものは商法に言う会社ではないのだ、これは詐欺を目的にしてつくった形式にすぎないのだ、これを商法に言う会社とみなして役所がいろいろな扱いをすることは間違っている、こういう論理がその大前提としてあるわけであります。その立場がはっきりいたしませんときょうの質問も十分にまいりません。
 そこで、まず民事局長にお伺いしたいのですが、商法五十八条の会社解散命令、この五十八条を見て考えてみますと、会社が形の上では、書類上では体裁が整っておっても、初めからそれを目的にするのでなくて、裏の目的が法律に反しあるいは詐欺をする目的でその組織を運用しておるということであるならば、会社の解散命令は同法五十八条に基づいて法務大臣としてなし得るのではないかという点であります。かつて本委員会におきまして、商法五十八条の発動をしたことがないという返事がありました。そしてまた、これを発動するについては法務省はそういう態勢にない、雲霞のごとき会社を常時監督することはできないという意見がありました。現実問題そうではあろうけれども、しかしながら、社会的に問題になってここまでくるまでに、既に朝晩テレビも見、新聞も見たであろう。そういうときに、法務省はこの解散権を持っておるけれども、私らはそんなことにはとても責任を持てぬというようなことでは困るではないか、こういうことを私は申し上げたのでありますが、この豊田商事グループの詐欺的商法の実態が明らかになった今日、改めて五十八条についてどうお考えでございましょうか。
○枇杷田政府委員 ただいま御指摘のように、最初から何か犯罪行為のようなことをするという趣旨で会社が設けられるというような場合には、その会社は公益上その存立を許すべきでない実態にあるというふうに私ども考える次第でございますが、それをどのようにして把握あるいは立証するかというようなところが実は実務的な問題であろうかと思います。現在、豊田商事の関係につきましては、だんだんと破産手続の中で実態が判明してきた面があるわけでございますけれども、商法の五十八条というのはいわば法人の人格を失わせてしまうという手続でございますので、その事柄からいたしますとやはり慎重な手続が必要だということも一画言えるわけでございます。
 それで、先ほど御指摘ありましたように、犯罪行為が日常行われておるというような場合には五十八条の一項三号の問題に相なろうかと思いますけれども、この三号の場合には、犯罪行為を会社の業務としてやっておるというふうなことが把握されて、そして警告を発し、さらにまた刑罰法規に反する行為を反覆してやるというふうなことによって、法務大臣は初めて裁判所に対して解散請求をするという手続になっておるわけでございますが、この犯罪を行っておるというふうな観点につきましては法務大臣が直接掌握をするというのが非常に難しい問題でございますので、したがいまして、非訟事件手続法において、検察官の方でそういうような事実があれば法務大臣の方に通知をするというふうな手続になっておるわけでございます。したがいまして、法律制度としても、捜査機関がその商法五十八条も念頭に置きながら、その捜査の進展に従って解散命令の事案であろうというふうに考えたときには通知をしていただくことになっておるわけでございますが、豊田商事の場合には非常に事案が巧妙と申しますか複雑と申しましょうかということで、犯罪性について捜査機関の方でなかなか結論が出なかったというふうな面もあるのではなかろうかと思いますが、私どもの方ではそういう通知もいただいておりませんし、また私自身の手で犯罪行為があるというふうな認定をする手だてもございませんために、結局五十八条の法務大臣の権限を発動するというふうな事態には至らなかった次第でございます。
○横山委員 あなたの説明は、確かに役所同士の関係からいうとそうかと思われる。けれども国民の目からすると、この解散権というものは法務大臣が持っている固有の権利である。言ってこないからわしは知らぬ。言ってこないからには、これは後で問題にしますけれども、言ってこないからわしは知らぬと言うて、本来発動すべき状態であると自分は考えるにかかわらず自分たちは指導的な立場をとらない、こういう気持ちですか。将来ともそういうことですか。なぜ言ってこない、おれはそう思うがなぜ言ってこないという立場はとりませんか。
○枇杷田政府委員 確かに五十八条の法務大臣の権限は固有の権限でございますので、これは全くの受け身で発動すべきものだというふうには理解をいたしておりません。したがいまして、私どもといたしましても、そういういろいろな報道等にっきましては全く無関心でおるわけではございません。ただ、捜査機関の動きというものもまた同時に見なければならぬという面がございますので、そこら辺を勘案しながら情勢の推移を見守っておったというのが実情でございますけれども、今後とも決して、ただ言ってくるまではもう目をつぶって何も知らぬというふうな態度ではなくて、少なくとも重大な関心を持ちながら、いろいろな報道については見ていかなければならないと考えております。
○横山委員 次に、先ほど参考人から出た話題でございますが、百二十ぐらいの関連会社があるが破産手続を今二つやっただけだ。百二十全部やるといったら大変なことだ、一括破産手続にはできないものだろうかと言ったのだけれども、裁判所はなかなかそんなというような顔をしておるという話でございます。
 ここに、ジュリストの「詐欺的取引と法律」というコピーをいただきました。東大の竹内さんや田中さんを含めて座談会が行われております。ここでもやはり問題になっておるわけであります。私は、グループを一括破産手続をすることは確かにいろいろ問題があると思う。だから一概にそういう場合にすべてやれと言っているわけではないけれども、またそういうことが申請されても裁判官が許さない場合もあるけれども、現行法で一括破産手続は許されないものであるか、許されないとするならば改正の可能性はあるのかという点について、豊田グループを念頭に置きながら意見を聞きたい。
○枇杷田政府委員 現在の破産法のもとにおきましては、法律的に何か一括して破産手続を進めていくというふうなことは予定しておらないと思います。したがいまして、ある裁判所の部が破産手続を並行的に行って、事実上そこと連絡しながらというふうなことはあり得ようかと思いますが、法律的には無理ではあろうかと思います。
 なお、立法論として一つにしたらどうかということでございますけれども、その点については、確かに豊田商事のようなケースを念頭に置きますとその方がうまくいく、全体の財産を管理して結果的に妥当な始末ができるという面があるような気もいたします。ただ、これは技術的に大変考えていかなければならない問題が多かろうと思います。殊に会社の本店所在地が必ずしも同一箇所にあるとは限りませんし、そういうふうなこともありますので、私どももそのメリットと申しますか、そういうものは十分認識しながら、細かな点についてもひとつ研究をしてみたいと思います。
○横山委員 ぜひこの機会に検討をしていただきたい。
 それから法務省に要望しておきたいのは、先ほどは解散権を例にとりましたけれども、従来から言っておりますように、商法というものは法務省民事局の担当である。それで今商法改正が最大の問題になっておる、お互いに議論しておる。私がやかましく言うのは、法律をつくり法律を改正するのは法務省であるけれども、商法の実効を担保するのは法務省ではないかのごとき感じがするのです。事実、法務省の下部機関の体制がなかなかそれを担保できないということはわからないではない。しかしながら、つくった法律はどこが責任を持ってその実効を担保するのかはっきりしない現状では困る。これは今回の商法改正のときに少し議論をしてもらいたい、これを要望をいたしておきます。
 次は警察庁にお伺いをするのですが、先ほども滝井参考人のお話を聞きますと、また各地の被害者の要望を聞きますと、何といっても豊田の問題は五十七年から国会、その前から町で被害の訴え、そういうものが随所に出たにかかわらず警察の対応が非常に消極的であった、私もその気持ちというか雰囲気はわかるわけであります。警察というところは民事に介入せず、刑事事件で殴られたらひとつ来てちょうだい、簡単に言うとそういう対応が通常であります。経済犯とか詐欺とかという点については、警察内部の前線のお巡りさんの知識も必ずしも十分ではない。宮城県警で対応が悪かったというわけで問題になりまして、後から是正がされたというのでありますが、この詐欺的商法について警察が最初の段階において極めて消極的であったということ、私は大変遺憾だと思う。その点について警察には反省がございますか。
○国松説明員 お答えをいたします。
 私どもとしてもできるだけのことはしたつもりでございます。我々といたしましても、いわゆる豊田商法が問題になりました時期から、全国的な規模でその実態解明に努める一方、あらゆる法令に照らして違反事実の有無がないかどうかという点を究明をいたしまして、これまでにも刑法の強制執行不正見脱のほか、外国為替管理法違反等の違反事実を突きとめまして、それぞれ関係府県警察において事件検挙を図ってきたところでございます。また、豊田商法に対する詐欺罪の適用ができるかということにつきましても、現在被害者から告訴が出ておるところでございますので、そうした告訴を踏まえまして、大阪府警等関係府県において鋭意捜査を実施しているところでございます。
○横山委員 これは十月二十二日の東京新聞ですが、
  豊田商事グループで、「金ペーパー商法」と並ぶ大量集金組織だったベルギーダイヤモンド社の商法を、禁止されているネズミ講として捜査していた愛知県警はじめ全国十一道県警の努力が”空振り”に終わった。
 警察側は「ダイヤ販売は隠れ、ミノで、実質は会員を連鎖的に集め、上位会員ほど金銭配当が多くなるネズミ講」と判断、精力的な捜査を行った。ところが、法務・検察当局は@ダイヤは安物とはいえ本物Aネズミ講防止法で加入者は「一定金額を支出する」と定義されているが、ベ社の場合、ダイヤの価格が一定でないBダイ
 ヤの購入だけで新会員の勧誘をしない者がいる――などの理由から、ネズミ講防止法の適用に難色を示している。
 警察側はさぞ無念だろうと思う。
以下書いてあるのですが、これは事実ですか。
○伊藤説明員 お答えいたします。
 ベルギーダイヤモンド関係の事件につきましては、御指摘のとおり本年六月二十九日、愛知県警察が無限連鎖講の防止に関する法律違反事件で本社等の捜索に着手いたしましたほか、一道十三県において同法違反事件容疑で捜査を実施し、送致につきましては十月十九日から十一月一日の間にすべて終了しております。私どもにおきましては、これら一連の行為が同法に違反すると積極的に解して送致したところでございます。
○横山委員 私はこういう警察側の三つの問題提起で、ネズミ講防止法の適用というような言い方に誤りがあった、問題提起の仕方が間違いではないかと思う。これはおどしはせぬ、暴力は使っておりはせぬ。けれども、じいさん、ばあさんを夜の夜中まで拝まんばかりに、先ほどの話によれば宗教団体のところまで連れていって、私もあなたと同じ宗教ですとうまいこと甘言を弄して、そうして結局は詐欺、そういう立件の方式が実態に合ったものではなかろうか。ネズミ講防止法というようなものに当てはめようとしたこと自身に間違いがあったのではないか。法務省は難色を呈したと言うのでありますが、法務省はそういう提起をされてどういう知恵を働かしたのですか。ああ、これはあかん、おまえ帰ってこいということだけだったのか。
○筧政府委員 御指摘のベルギーダイヤモンドの事件につきましては、ただいま警察庁から御説明がありましたように、名古屋地検ほか十二地検で警察からネズミ講防止法違反で事件の送致を受けて現在捜査中でございます。その点について消極とか積極とかという結論を私どもから申し上げた事実は全くございません。ただ、ベルギーダイヤモンド関係の捜査の当初に各警察と当該の地検との間でいろいろ相談があったということは事実でございます。相談というのは、大概の事件、ごく簡単な事件を除きまして事前に相談があることは普通の事件一般でございます。それと同じ意味で相談はあったということでございます。それでその結果、警察で捜査を遂げまして、現在名古屋地検以下で事件の送致を受けて捜査中という状況でございます。
○横山委員 では、この新聞はうそか。「全国十一道県警の努力が”空振り”に終わった。」というのはうそか。
○筧政府委員 警察では捜査を遂げて検察に送致されて現在各地検で捜査を継続中でございます。空振りのという事実は全くございません。
○横山委員 あなたが公式にそう言うのにかかわらず、新聞が社説で出すということは、火のないところに煙は立たぬですよ。今でこそ国会も何回も取り上げる大社会問題になっているけれども、その初期の状況は被害者から見ればふんまんやる方ないのです。警察も検察も、やる方ないのです。何で私どもの言う主張を取り上げてくれぬ。あなたはおどされてぶん殴られたらいらっしゃいと言わんばかりの態度について、ふんまんやる方ない。先ほど滝井参考人は涙を流さんばかりに訴えられた、警察の対応が悪いと言って。これは考えてもらわなければいかぬことであります。今は刑事局長のおっしゃるようなことだと一応しましょう。
 そこで、先ほども聞きますと、今管財人が少ない人数で、しかも財源のないところであらゆる努力をし、弁護団は総計全国一千名になるという話でございますけれども、一番の焦点はいかにして財団を強化するか、お金を集めるか、十三億しかないものをたくさん集めるかということですが、そのためには、管財人が地検なりあるいは警察なり何かと連係プレーがうまくいっていないといかぬと思うのです。警察に書類が押収されておる、調査中だから部外へ出せぬ。管財人がいらっしゃるなら裁判官の命令書を持ってきてちょうだい、まさかそうは言わぬと思うけれども。管財人の財源確保について検察庁も警察庁も十分な連絡を、また情報交換をあるいは資料の提供を協力しておられるかどうか、意見を伺いたい。
○筧政府委員 豊田商事関係につきましては、詐欺あるいは出資法違反で現在大阪地検で告訴を受けて捜査中でございますので、刑事事件の捜査で得られた情報、資料等を管財人に御利用願うという点については、御承知のように刑訴法上の制約がございます。そういう制約がございますけれども、検察当局といたしましても法の許す範囲内で管財人に協力するにやぶさかでないというふうに考えておると思いますし、現に大阪地検から報告を受けたところでは管財人との関係は極めて良好であるということでございます。
○横山委員 警察はいいですか。
○国松説明員 警察につきましても、ただいま法務御当局から御答弁があったとおりでございまして、大阪府警を中心に管財人との関係は極めて良好に維持されていると報告を受けております。
 なお、いろいろな管財人の行います財産保全活動につきまして、私どもで捜査をやる上でできることについては法の許される範囲内でいろいろやっているわけでございまして、現実にこれは八月十二日のことでございますが、大阪府警で行いました強制執行不正見脱事件の捜査を通じまして押収いたしました現金あるいは預金通帳、国債等の債券類、合計一億四千九百七十八万四千八百四十四円相当のものにつきましては管財人に還付をいたしておるところでございます。今後とも管財人とは大阪府警を中心にいたしまして緊密な連携をとってまいるつもりでございます。
○横山委員 それは結構です。ぜひその密接な連絡、協力をしてもらいたい、要望します。
 次は税金の問題であります。ここが一番問題になるところです。大臣きょうお見えになりませんから、法務次官に極めて常識的な御意見でもいいからまず承りたいと思うのですけれども、要するに先ほど冒頭に言ったのは、これは詐欺的商法だ、会社じゃないのだ、初めから銭を猫ばばしてやろうという意思があったんだ。それが証拠に、金を買えと言う、銭を出す、そのときに金、現物を渡さない、それは証券でお預かりいたしますと言う、その金はすぐゴルフに逃げてしまうあるいはほかのところへ逃げてしまう、初めからそういうようなやり方なんです。ですから管財人及び弁護団としては、これは会社でないから源泉徴収義務はないのだ、ちょうど泥棒に取られたようなものだ、そういうものだから被害者に返してもらいたいというこの理論。いろいろ難しい理論を展開するのを避けて簡単に言うと、そういうものなんです。公序良俗に反している。こういう税金は、今まで豊田から取ったやつは返してもらいたい、そして未納になって差し押さえを受けているやつは解除してもらいたい、これが財源確保の基本的な問題なんです。いかがでしょうか。常識的にどう思いますか。
○村上(茂)政府委員 御質問の趣旨は理解できるのでございますが、税法の問題になりますとおのずから税法上の技術的な問題もありますので、これはちょっと法務政務次官が答弁するにはふさわしくないかと存じます。
○片岡委員長 国税庁熊澤法人税課長。
○横山委員 ちょっと待ってちょうだい。私はこれから国税庁と理論闘争をやらなければならぬのだけれども、これは並みいる各省にもいろいろ要望せんならぬが、しかし従来の発想なり何なりではだめだ、被害者救済という大事な点を念頭に入れ、かつ豊田商法というものは今までの会社と違うのだ、詐欺だあるいは泥棒だ、こういう観点に立たぬと、今から国税庁が言いそうなこと私はわかるのだけれども、あの言うことを片耳で聞いて、片耳はこっちのことを聞いてちょうだいよ。さあ、それではどうぞ。
○熊澤説明員 先生おっしゃられますのは、豊田商事の商法が詐欺的な商法であって、そこで集めた金を従業員に支払っているけれども、それはもともとそういう詐欺的商法で集めた金を山分けしているようなものだから、従業員に対する報酬の支払い等が無効なのであって源泉徴収義務もないのではないか、こういうお尋ねかと思います。
 豊田商事が従業員に払っております外交員報酬などにつきましては、現在公序良俗に反し無効であるという訴えが破産管財人から提起されております。そこで、私ども国税局といたしましては、この従業員報酬の民事上の効力、これがあるのかどうか、その判断を裁判の結果を待ちまして、そこで確定いたしました権利義務あるいは経済的事実、そういうものに基づきまして適切な対処、対応をしてまいりたいというのが私どもの立場でございます。
○横山委員 それが精いっぱいか。判決には従います、けれども、あなた方は裁判であくまでそれは源泉徴収義務者であるとして争うつもりか。そこのところを聞きたいんだ。僕の言うことがわかって、そういう御意見についても首肯すべきところがあるという弾力性で臨むのか、あくまで争うということをここで言えば僕にしかられるから判決に従うだけと言っているのか、どっち。
○熊澤説明員 ただいまも申し上げましたように、今裁判が提起されて進行中の状況でございます。そこで、私どもどのような判決が一体なされるのか、これは予測することもできないわけでございまして、またそういったいろいろな過程の中で我々まだ考えているわけでもございませんので、あくまでもそういった裁判の判決の結果確定いたします権利義務の関係、経済的事実関係、こういったものをよく考えまして適切な対応をするというのが私ども現在の立場でございますので、御理解いただきたいと思います。
○横山委員 答えになっとらんじゃないか。地方裁判所の法廷で国税庁は、いやそんなことはうそだ、あれは会社だ、あれは徴収義務があると言うて真一文字にやって、そして地裁で負けたら高裁、高裁で負けたら最高裁まで争うつもりですか。これはあなたのところ、結局法務省の訟務局長が代理人となっておやりになるのだろうと思うけれども、少しは被害者の気持ちもわからぬではないというぐらいのことは言うたらどうだね。
○熊澤説明員 ただいま民事上で裁判中だということでございまして、こうした民事上の効力があるのかないのか、こういう問題につきましては、やはり裁判所の判断を待つのが適当であろうと思います。我々もそういった裁判所の判断が出されましたときには、そうした事実あるいは権利義務の関係に基づいて判断するわけでございますので……(横山委員「それじゃ地方裁判所で負けたら控訴はしないか」と呼ぶ)さらに、もし何か判決があったような場合に私どもどう対応するかという問題でございますけれども、これは民事の効力の問題自身は私ども当事者ではございませんので、例えば納税告知処分につきまして一体それの効力がどうなのかというような争いが仮になされた場合は私どもの所管でございますけれども、民事上の当事者の争いにつきましては私ども直接の当時者ではございません。いずれにいたしましても、現在そういう裁判進行中の状況でございますので、将来のどういうような内客の判決というようなことも予測しながら、仮定しながら、今先生に正確なお答えをすることはできないということをちょっと御勘弁いただきたいと思います。
○横山委員 ちゃんと考えていてもらいたいんだが、まあこれ以上言っても仕方がないけれども、実際問題、これが根幹の問題だ。
 それから、もう一つ根幹の問題がある。それは、私どもも政府各省に要望して財団の確保に今一生懸命になるわけだ。十三億を上積みしたいんだ。上積みしたら一番最初に国税庁が持っていっちゃうんだ、優先特権で。そういうことは、何のためにわしらやっておるかわからぬぜ、そうだろう。各省にも一生懸命あれやこれや要望して、やれるかやれぬかわからぬけれども、正義と情理に訴えて、ひとつ頼むでおまえのところも骨を折ってくれというわけだ。それを弁護団も被害者も期待しておるわけだ。ところが、金が集まったら一番最初にどんどん税金で持っていっちゃうということを何と考えるかね。私は、税法による優先特権の規定を知らぬわけではない。知らぬわけではないけれども、社会問題化している今日の状況等から考えて、国は自分だけもらえればいい、自分が最初もらってしまって、なかったらしようがないじゃないか、こういう冷淡な態度をとるかとらぬかということだ。
○加藤説明員 お答えいたします。
 国税当局としましては、やはり国税の滞納があります限り法律に従って滞納処分を続行して国税債権を確保しなければならない、こういう責任がまずあるわけでございます。本件にっきましてももちろんそういう方針でやっておりますし、今後もその方針で責任を果たさなければならないと考えておりますが、若干申し上げますと、本件につきましては国税当局は破産宣告前に相当たくさんの財産の差し押さえを行っております。これは、当時の状況では豊田商事の役員連中がどんどん財産を散逸するというおそれ、状況があったわけでございます。そういう中で差し押さえをどんどんやっておったということで、結果的に見まして、これによりまして同社の財産の散逸をかなりな程度防ぐことができたのではないかと考えております。さらに、差し押さえした後、敷金とか入居保証金がありましたが、これの取り立てにつきましては破産管財人と十分協力をいたしまして、家主側と強力な折衝を続けてまいりました。それによって返還額の増加に鋭意努力してきたわけでございます。
 こういうことを通じまして、同社の滞納処分においては国税債権を確保した上で、さらに被害を受けられた破産債権者に対する配当財源もふえる結果になるというふうに考えております。
○横山委員 国税債権を確保した上で被害者に返すというのは全く机上の空論じゃないの。国税債権はどのくらいあって――今財団の銭は十三億ですよ。国がとにかくおれにまずよこせ。あなたの言ったことはわかっておる。差し押さえたから散逸しなかったというのはわかったが、さて、銭が集まったらまずおれによこせ、余ったやつはわしが満杯になったら分けてやるということはひどいじゃないかというのが大方の意見だ。国も一緒に泣いたらどうだというのだ。被害者と一緒に泣いたらどうだ。被害者が一%だったら国も一%、そのくらいの腹を決めたらどうだというのだが、あなたに返事を求めてもそうはいかぬだろうな。それはわかっておる。わかっておるが、私の気持ちがわかったら長官によく言っておいてもらいたいが、どうだろう。
○加藤説明員 ただいま先生が御指摘なされたようなことは、従来から被害者弁護団が何回か国税庁に陳情して同様の趣旨のことを述べております。その点につきましては、その都度長官にまで伝わっておりますけれども、私ども何せ現行の法律のもとにおいて国税の徴収を確保するという責任がありますし、国税徴収法でも破産法でも租税債権というのは最優先ということになっておりますので、それを無視した執行は私どもは許されない、こういうことを御理解いただきたいと思います。
○横山委員 法律がそうなっている、原則がそうなっていることは私も知っておる。知っておるが、あなたに一遍聞きたいが、何でそうなっているかということだな。会社が倒産した。倒産したらまず国税が全部持っていってしまう、先取特権がある、あとは債権者に任す、分けるというのは、先ほどの参考人の御意見でもそうだけれども、明治以来のお国が最優先という論理じゃないの。国も被害を受けた、国民も被害を受けた、だからそれは裁判所なり管財人なり何なりがそれを分配するに当たって国が最優先という論理というのは、ちょっと時代におくれておるのじゃないのか、私はそう思うのだが、どうなんだ。あなたが現行法を離れて少し考えたらどうかな。
○加藤説明員 お答えいたします。
 執行当局の立場でございますので立法論にわたる意見は差し控えたいと思いますが、現行の法の解釈ということでまいりますれば、やはり国税というものは私債権に比べて公共性の高いものである。公共性の最も高い債権であるから最優先すべきであるという考え方だと思います。そういう考え方は明治憲法でも新憲法でも変わるはずがないものだというふうに認識しております。
○横山委員 論争をすると、徴収課長だからそんなにいい答弁が出るはずがないのだから、現行法の解釈は承ったとしておきます。けれども、ひとつよくよく考えてもらいたい。一生懸命に我々が政府各省を督励して、そして財団の確保に努める。各方面の善意と協力が実って財源が出た。そして何のことはない、徴収課長のところに全部行ってしまう。あなたのところに行くのじゃないのですけれども、国の方へ全部行ってしまう。あんなことは何のためにわしらやっておるのか、被害者が気の毒だからやっておるのですよ。国が気の毒だと何にも思いはせぬ、そんなことは。国は警察庁も検察庁も先ほどちょっとおしかりをしたように、さぼっておったからこんなことになったのだ、私はそう思う。そういう点から考えると、高度の政治判断が働くべきときではないか、こういうことです。長官によく言っておいてちょうだい。
 次に、建設省に聞きますが、膨大な金がゴルフ、テニス、スキー場、あるいは運輸省関係のマリーナヘ回っている。ゴルフは海外を含めて三十コース、なりふり構わず買収せんとして資本投下をした。契約代金総額三百七十億、既払い額八十億、特にそのうち、午前中も問題になったのだが、水野グループには二十六億、契約が不合理なもの、転売が必要なものなどいろいろあるが、今私どもが心配しておるのは手付金流れ、つぶれたら手付金は返さない、契約を履行しなかったら手付金は返さない、こういうことで既払い額を没収しようとしているところが随所にあらわれている。
 例えば洞爺湖コースは、三億八千万円の既払い額に一億円だけで和解書が締結されておるが、二億八千万、ぽい。例えば仙台釜房湖コースは、熊谷組が県に対して完工保証義務を負っておるが、熊谷組を中心にして事業主の承継者を定め、解決すべき問題がある。例えば千葉成田コースは七億支払い済み、山形蔵王コースは六億支払い済み、喜連川コースは五億支払い済み、東名小山コースは七億支払い済み、岡山陽ノ郷コースは八億支払い済み、ハワイオロマナコースは四億支払い済み、パリセランクールコースは、これも支払い済みのものがある。
 この支払い済みなり和解の問題を通じて考えられることは、午前中明らかになったのだけれども、もう使いものにならぬようなゴルフコースを買わしている。中には、水野グループに関係いたしましたものは、豊田がつぶれかけのときに、つぶれることがある程度予知できるのに買わしておる。だから、つぶれた瞬間に膨大な手付金がコースの経営者に渡っておる。こういう状況から考えますと、これらのゴルフ場関係について、ほかっていたら、管財人とこれらのゴルフ場コースとの間には、和解書なりいろいろなことをやり示談をいたしますためにはなかなか時間がかかる。しかも、これらはすべて地方自治体が建設認可した問題である。特に仙台釜房湖コースは、熊谷組が県に対して完工保証責任を負っている。そうでなくとも全部県が認可した問題である。県の認可ということは建設省に何らかの関係があるはずだ。そう考えてみますと、直接建設省がとやこう言えるかどうか、それは知らぬ。県が直接あっせんできるかどうかも、それもわからぬ。私はしかとは言いがたい。しかしながら、今や相手方が黙契のもとにこういうことをやらして自分のところが取り込んだ疑いがある。こういうことを考えますと、建設省はこれらのゴルフ場関係を含めて何らかの援助を財団確保のために骨折るべきではないか、こう思いますが、いかがですか。
○小野説明員 お答えいたします。
 ただいま先生のゴルフ場の設置の問題あるいはゴルフ会員権の売買の問題でございますけれども、私どもの役所では、例えば都市計画区域等で開発規制が必要であるとかいったような場合の関与ということはございますけれども、通常ゴルフ場を設置すること自体については建設省自体が直接関与するということではございませんで、その意味で先生にお答えをできる範囲というのは大変限られておるわけでございます。ところが、先ほど名前の出ました仙台釜房湖のコース、これにつきましてはたまたま請負人が既に決まっておる、一部事業の着手も行われている、こういうこともございますので、この点につきまして多少お答えをざせていただきたいと思います。
 このコースにつきましては、宮城県あるいは地元の川崎町あるいは豊田商事グループ、現在は管財人の方が管理しておられるということだろうと思いますが、それと請負人でございます熊谷組三者間で、自然環境保全条例に基づきます協定書というのができておりまして、この協定書に基づきまして、あるいはその協定書に基づきます附属文書でございます、いろいろ植栽の工事であるとかあるいは災害防止工事等についての契約書等に基づいて、実際三者間でどういう取り扱いがなされるのか、現在いろいろお話し合いがあるやに聞いております。特に請負人でございます熊谷組が工事完成保証まで引き受ける義務があるのかどうか、協定書等の解釈をめぐっていろいろ問題があるようでございます。聞くところによりますと、既に数回にわたって、仙台で三者間でこのゴルフ場をどうするかということで話し合いが持たれているやに聞いております。特に私の聞いているところによりますと、宮城県あるいは川崎町はぜひこのゴルフ場を完成させたいということで、いろいろ三者の中に入って担当の課長さんが御尽力をされておるようでございます。私どもといたしましても、当分こういう形での、管財人の方々が入られた上での三者の話し合いを見守ってまいりたいと思っております。ただ、大変特殊な事件だということにもかんがみまして、請負人である熊谷組からはいろいろ今後とも話し合いの結果等についての報告を求めていくようにしたいと考えております。
○横山委員 私が承知しているところによりますと、熊谷組は、それでは私のところも保証書を出しておるのだから、私のところで完工責任を負っておるのだからと言って、場合によれば買収してもという話があるそうですね。ところが漏れ聞くところによれば、金額が極めて安い、足元を見ているのではないかという感じがするわけであります。天下の熊谷組が何というみっともないことを言うかと私は憤慨しておるわけであります。確かに施主がつぶれていろんなことがあるだろう、あるだろうが、ここまで天下を騒がせた社会的問題になっておる豊田グループの被害者の救済、国の税金の救済じゃないですよ被害者の救済のためにみんなが騒いでおるのに、足元を見たかのごとき金額を提示しているらしいといううわさを聞く。まことに遺憾である。ひとつあなた、骨が折れるが熊谷組にちゃんと言っておいてもらいたい。
○小野説明員 お答えいたします。
 三者間での当該ゴルフ場を今後どうするかという話し合いの詳細は私も承知いたしておりませんけれども、一部漏れ聞くところによりますと、中に未買収地もかなり残っておるとか、いろいろな問題点もあるようでございます。やはり現状では、宮城県あるいは川崎町当局のゴルフ場をぜひ完成させたいということが大変大事なキーポイントになるのではないかと私は思っておりますので、今の先生のお話はお話として承りましたけれども、現状では承知をいたしておりませんので、引き続き詳細については把握するように努めたいと思っております。
○横山委員 通産省に聞いた方がいいか建設省に聞いた方がいいかわかりませんが、豊田グループは先ほど申したように、金を買ってちょうだい、はい数百万円出しました、金は渡しません、これはお預りいたしまして運用いたしますと言ってゴルフ場の方へ金を回した、こういうことですね。私、本委員会で先盤言ったのだけれども、ゴルフ場の建設については地方自治体なりあるいは建設省が何らかの関係で関与はいたしますが、ゴルフ場の運営については担当の監督官庁がない。ゴルフ場法が制定されていないからであります。そこが今回のつけ目なのであります。それこそまさに豊田商法がばっこいたしましたのは、会員権の扱いなり、千人ぐらいしか入れぬところを会員権を二千枚売ったり、あるいはまた会員権の転売、相続あるいは除名その他、先般私が民事局長にちょっとお尋ねをした民法上の問題、そういう問題がたくさんあるわけであります。
 この際、この経験を将来のために、ゴルフ場法をひとつ制定すべきではないかという考えを私は先般も示したわけでありますが、通産省は、商工委員会でかつてゴルフ場法の議員提案があって、それが成立をしなかった経緯を御存じでございますか。
○菅野説明員 昭和四十八年から九年ごろであったかと思いますけれども、第七十一国会におきまして議員立法で提案をされたということは承知いたしております。ただ結局、当該提出法案は廃案になっているわけでございますけれども、その辺の議論の内容等々については、議員立法であったこともございまして、当省としては必ずしもつまびらかにしておりません。
○横山委員 恐らく想像するところによれば、これはゴルフ場の会員及び出資者、それらの権利を守り、ゴルフ場の健全な運営を図るために議員提案が超党派で出されたと思うのですが、それがつぶれた理由は、ゴルフ場の経営者群の自由裁量が束縛される、役所の監督が強化される、それは困るというて暗躍をしたのではないかと想像がされるわけであります。今日、全国雨後のタケノコのように豊田だけでも三十の内外のゴルフ場を席巻して悪事を働いておるということを考えますと、私は、この一つの大きな経験の中で、しかも今日の全日本におけるゴルフ場の乱立、そして会員権の乱発、それによる紛争等を考えますと、この際ゴルフ場法を制定すべきではないか。役所としても検討すべきではないかと思うのですが、それをやるとなると通産省の所管になりますか。検討はいたしておりますか。通産省になるのか、建設省になるのか。
○菅野説明員 先生から御指摘いただきましたように、最近所得水準の向上でございますとか余暇時間の増大というふうなことに対応いたしまして、ゴルフ関係の人口も増加傾向をたどっているということでございます。そういう意味におきまして、今後とも国民ニーズの多様化というふうなものに対応して、ゴルフ事業が健全かつ円滑に発展していく基盤をつくっていく必要があるということについては、私どもも同様の認識をしているところでございます。
 それで、現在私どもの方で、会員権云々ということだけではないのですけれども、一般の役務取引のトラブルの実態把握ということで勉強しておりまして、ゴルフ場等に関連する分野についてもその中の一つの検討課題ということにはなっているわけでございます。これらの実態分析の結果というようなことを踏まえて役所の方でも対応策を考えていく必要があろうかと思います。
 ただ、一つ問題がございますのは、こういった分野におきましては、既にかなりのゴルフ場がいろいろな形態で存在をしておる、そういう会員の地位の保全というような問題でございますとか、あるいはレジャーというようなものについての勧誘のあり方、根本的な問題が幾つかございます。そういった点も踏まえまして、ゴルフ事業の健全な発展のためにとり得る対応の措置といたしましてどういうものが望ましいのかということを検討する必要があるのではないかと思います。いずれにしましても、この検討の過程で先生の御指摘の点も一つの視点ということであわせて考えさせていただきたい、慎重に検討してまいりたいと思っております。
○横山委員 最後にやはり慎重だとか、これから検討すると言っているんだけれども、今や駸々乎としてゴルフ場ができ、そして問題が続出して、しかも豊田がその頂点に達しておると私は痛感していますよ。ゴルフ場の経営者は、ゴルフ場をやる以上は財界なりいろいろな知名の人がやっておる、やっておるけれども、今やこれだけ出てきますと有象無象もみんなやっているんですよ。そこで会員権の乱発が行われておるんですよ。紙切れ一枚のゴルフ場の会員権が数千万円のものもあれば五十万円のものもある。そういう状況の中でこれ以上放置を許してはいけませんよ。これは至急この経験の中で生かしてゴルフ場法の制定について努力をしてもらいたい。
 外務省にお尋ねいたします。
 豊田グループはムサシノエンタープライズがパラオ共和国アイライ州政府より租借をして二百万坪があるそうです。午前中も議論になりましたけれども、この調査報告書によれば、多分これは十六億だろうと思うのですけれども、十六億金が出ているわけですね。参考人にお伺いいたしますと、国際的な問題でもあるし管財事務所もてんやわんやの努力をしておるのだけれども、何しろ太平洋の真ん中のパラオ共和国であるから、これは外務省の援助をいただきたい問題であるということを言っていました。外務省は、事前に御検討願っておきましたが、この問題を賃貸契約を解消して金を少しは返してもらうか、少しはじゃなくてたくさん返してもらえるか、あるいは第三者にこれを譲渡するか何らかのことを、パラオまで何回も行くわけにいかぬし、外務省としての協力の方法はどんなことが考えられるか、御意見を承りたい。
○本田説明員 外務省としましては、このような民事上の問題につきましてはまず当事者間で解決を図るのが最も望ましいと考えておりまして、まず破産管財人あるいはムサシノエンタープライズ社とパラオの州政府との間で当該租借地の賃借権を処分することにつきまして話し合いを行われる必要があると考えております。外務省としましては、そのような話し合いの推移も見た上でどのような協力ないしお手伝いが可能なのかどうかということにつきまして検討してまいりたいと思っております。
○横山委員 これは言うまでもなくごもっともなことだ。前段とにかく当事者間でやってもらいたい、そしてその傍ら外務省が協力できることがあればする、こういうことですな。いいね。格好だけ言わずに本気になって、まず何はともあれ当事者にやってもらいたい、その上で外務省が協力をすることがあればするから、こう承っていいね。――はい、それではそれはぜひ、十六億ですからね、ちょっとけたが大きいのだから、管財人からもあなたの方へ御相談が行くだろうと思うから、ひとつ頼みますよ。
 次は、通産省と農林省関係の商品取引の問題であります。
 私は商品取引のことについて多少の知識があるものですから、本当のことを言うと、ここに出ております商品取引の具体的な内容についてどこがどのくらいどういう方法でというてとを追及をしたいところであります。したいところでありますが、それをやれば商取法違反だとかそういうことが明らかになるだろう。議事録に載れば、そこの処分問題もあるいは生ずるかもしれぬ。私はそれが目的じゃない。少なくともここに膨大な金額が投入されておる、そういう金を財団の確保のために返してやりたい、返すように努力をしてもらいたい、こういう気持ちなんですから、どこの取引員、幾ら、どういう方法でということはきょうは言いません。私の趣旨のあるところを酌んでもらって、農林省、通産省は公式、非公式を問わず取引員会社あるいは関係者に、この問題について善処を求めるように協力してもらいたい。
○宮本説明員 ただいまの点につきましては、商品取引員と豊田商事の関係につきましてなお調査をしておるところでございますけれども、先生御指摘の趣旨を踏まえまして今後とも調査検討いたしたいと存じます。
○中村説明員 お答えいたします。
 先ほどの答弁と同じになりますけれども、商品取引員と豊田商事の関係につきまして、必ずしもまだ明らかでない部分もございまして調査中でございます。いずれにいたしましても、先生の御指摘の趣旨も十分踏まえながら、また商品取引業界全体の信用保持の観点、そういうものも十分配慮いたしまして商品取引員等に対して適切な指導に努めてまいりたい、かように考えております。
○横山委員 結構です。これは結果がわかりますからね。あなた方お二人がここで私の趣旨を踏まえて善処すると言ったことは、管財人に後で聞けばどうなるかわかりますからね。ひとつ頼みますよ。
 次は厚生省関係。どうして一体豊田グループが病院に手を出したのか。病院がそうもうかるわけでもあるまいに、どうして病院まで手を出したのかわからぬのですが、五カ所にわたって医療病院に投下された資本の回収が問題であります。岐阜・城山病院、高知城東病院、宮崎・久峰温泉病院、宮崎・高岡病院、この四つの病院に資本投下がされています。けさほど実は岐阜の城山病院が話題になりました。参考人のお話を聞くと、一億数千万円資本投下がされて豊田グループの人間が入り込んだ、事件が起こったら直後にその人間を首切ってまたもとの所有者。手に戻った、そして名義変更もしちゃった。一億八千万円ただ取りしちゃった。岐阜の城山病院ですが、そういうお話のようであります。厚生省が個別の病院に対して指示権、監督権を全面的に公式に行使し得るかどうかはそれはわからぬ。それは、方法はいろいろあるだろう。少なくともこれらの病院に対して、病院といえば人道的な施設であり社会的な施設でもありますから、病院の経営がどういう状況かは別といたしまして、それぞれ第三者に譲渡をしてもらうなり、契約解消の条件が不利な高知城東病院なり宮崎の二つの病院の第三者への譲渡なり、いろいろ方法があろうかと思う。そのいろいろな方法について、管財人も努力するけれども厚生省も手をかえ品をかえてこの話が円滑に進むように協力をしてもらいたいが、いかがですか。
○入山説明員 厚生省といたしましては、医療法に基づきまして保健衛生及び国民医療の確保という観点から医療機関に対して指導監督を行っているところでございまして、本件のような民事上の問題について当該病院に対し直接指導するということは困難であると考えております。しかしながら、今回の問題の社会的重大性を認識いたしまして、厚生省といたしましても破産管財人の職務の円滑な遂行という観点から破産管財人に対しまして必要な情報の提供を行うなど、できる限り協力をしてまいりたいと思っております。
○横山委員 ぜひ誠意を持って善処をしてもらいたいと思います。
 次は運輸省で、マリーン関係は九カ所に資本投下が行われております。その中で私の地元の名古屋名港マリーナは二・三億資本投下が行われておる。ところが売った人間はすぐに五千万円を届けてきて、これでパアにしてくれと言ってきておるとこの報告書には出ております。この名港マリーナに関する問題は当法務委員会で私が二、三回取り上げて、こういう結果になっておるのを見て実はびっくりしたのでありますけれども、歴史的にもいろいろ問題のあるところなのであります。よくもまあそれを売りも売り、買いも買いしたものだと思います、私の率直な意見は。そんなばかなものをよう買ったな、売ったなと思います。そしてしかも五千万円でこれをパアにするということは、現地は何も関係ない、何も動かしもしておらぬ、ただ二億三千万円やって、そして向こうは、あなたのところがつぶれたで五千万円でパアにしてくれというような状況なんで、まことに豊田グループはこれで一億八千万円ただ取りであります。何かこれ方法はないか、運輸省はどうお考えですか。
○泉説明員 破産管財人の調査報告書によりますと、先生御指摘のように、破産会社みずからもしくは豊田商事グループを通じまして経営をしようとしましたマリーナは全国に九カ所、そのうち六カ所については中途解約の状況にあるという記載がございます。これらの契約は、先ほど各省庁の御答弁にございましたように私人間の契約でありますために、私ども運輸省が直接介入するということはできないと思っております。しかしながら、今回の問題が非常に大きな問題でございますので十分事態の推移を見守りたいと思いますが、御指摘のございました名古屋のマリーナにつきましては、現在まだ運営が行われていないという程度の把握をいたしておる状況でございまして、実態が十分に把握できないというところでございます。今後とも港湾管理者等を通じましてできる限りの努力をいたしたいと思います。
○横山委員 警察関係にお伺いしたいのですが、スキー関係では五億六千万円の貸し付けがあって、また長野の県警では国土法違反で追及中のもの、それから兵庫県警で外為法違反で追及中のものとあるわけですが、現在警察関係として追及中のものはどんなものがほかにありますか。
○伊藤説明員 お答えいたします。
 これまで私ども全国警察の方を指示しながら銀河計画、豊田商事、豊田ゴルフ、ベルギーダイヤモンド株式会社等につきまして重点的に調査、捜査を進めまして、現在までに外為法違反、廃棄物の処理及び清掃に関する法律、それから先ほどの無限連鎖講の防止に関する法律、それから国土利用計画法、こういったような違反事実を突きとめましてそれぞれ捜査を推進いたしまして、これらの事実につきましては一応捜査を終了して、それぞれ事件送致をしております。
○横山委員 先ほど言ったように、当初の消極的な態度から、せっかく鋭意迅速な処理を望みたいところであります。
 刑事局長にちょっとお伺いしますが、豊田被害者から金をもらって、すぐにそれを本来の目的、ダイヤモンドなりあるいはゴルフなりなんなりという名称のものに使わないで、会社幹部が全部山分けしたという感じでございますね。そして分散をして、あるいはまた取引先と内々の話し合いで、おれのところが破産したらおまえのところに手付金が全部行くから、その中でまた半分ぐらいよこせよということが行われたような傾向が強い。それから、話題になりましたのが十人ぐらいの顧問弁護士に対する高額の報酬、あるいは従業員も、先ほど滝井さんに見せてもらったら、二十歳以上の高卒で固定給三十万円、歩合がさらにそこへどんどんいくわけですね。そういう会社の役員や従業員や顧問弁護士の報酬が豊田グループで支払われたというか支給されておったということについて、返還の請求が管財人から出ておるわけですね。これは不当利得でありまして、返還請求には一定の理由があると思いますが、これは法律上どういう判断にお立ちになりますか。
○枇杷田政府委員 法律構成をどういうふうにするかというのはやはり難しい問題があろうかと思いますけれども、破産管財人の方でいろいろな法律的な可能性を御判断になってやっておられることであろうと思いますので、最終的には裁判所の御判断によると思いますけれども、そういうようなことが主張としては成り立つような法律的な可能性を管財人の方としては考えておられるのではないかと思います。
○横山委員 管財人が考えていることは私が言ったとおりなんだ。政府としては、刑事事件になるかならぬか。数百万の金をおじいさん、おばあさんからもらって、それを本来の目的でなくて、そんなべらぼうな高給をもらって、そして取引関係と山分けのようなことをやったら違法性が成立するのではないかと私は思うんだが、どうなんです。
○筧政府委員 刑事責任という関係になりますと、単なる報酬が高いとか山分けしたということだけではどうも責任が問われないかと思います。やはり豊田商事で現在捜査をいたしております詐欺なら詐欺という犯罪事実がございまして、それに当該役員あるいは関連会社の関係者等がその詐欺の内容を知ってこれに加担した事実があったかどうかによって、共犯なら共犯ということで刑事責任の有無が決せられるかと考えております。
○横山委員 これは常識を超える問題ですよ。
 国税庁にお伺いをいたしますが、先ほどもるる話が出たわけでありますけれども、五十八年の決算が三十九億のマイナス、修正で百五十三億の赤字、そういうことになったという先ほどの意見、報告であります。弁護団としても、管財人としても、できでそんなに間もない会社がそんなべらぼうな赤字を出して、これは会社じゃない、倒産は目に見えておる、国税庁にはわかっておるじゃないか、わかっておって、わしは税金のことだけやっておればいい、そんなほかのことはわしの職分じゃないと言って放置しておったのは、これは国民の常識としても感覚としてもおかしいじゃないか。何で国税庁はそれをしかるべき方法なりなんなりをして、それこそこんな会社はインチキだ、国税庁が一番早く知ったんだからしかるべき方法で、ぐるぐる回って法務大臣の解散命令にいくかどうかは別といたしましても、何らかの方法をとるべきではなかったか。先ほど警察の初動捜査が悪かったという話をしたわけでありますが、そういう意見が出たことについて国税庁はどうお考えですか。
○友浦説明員 お答え申し上げます。
 私どもの税務調査は、御承知のように犯罪捜査を目的としたものではもちろんございません。税務申告が適正になされているかどうかという観点で行っております。したがいまして、税務調査の過程におきまして、会社の取引が詐欺罪等の犯罪行為に当たるかどうかというような視点から物を見ているわけではございませんので、その点ひとつ御理解いただきたいと思います。
○横山委員 長らく大蔵委員をやっておった私としては、その答弁に満足するよりしようがないと思う。思うが、しかし、これが社会的に町におる人たちとしては当然出てくる議論であるということは、やはり各役所がお互いに考えなければいかぬと思いますよ。それぞれ、豊田グループについて直接間接に何かしら知悉する状況にあったと私どもは思うわけであります。先ほど滝井参考人も泣かんばかりに、そんなこと警察が早くやってくれたら、あそこがこうしてくれたら、あるいは兵藤参考人も、もう少し国が積極的に出てくれたらかかることはあるまいにという意見なんであります。
 そこで、以上で質問を終わるわけでありますが、政務次官に感想を聞きたい点が一、二ございます。
 一つは、今最後に申しましたが、国に責任がないかということであります。国は、国税庁は、そんなことは犯罪捜査じゃないからわしの方から言えた義理ではない、言ったらしかられると言う。また厚生省も建設省も、直接わしの仕事じゃないぞ。けれども、新聞もテレビも出ているから知悉する状況にあったわけですよ。そういう点ではどこかが、法務省が適当かどうかわかりませんが、少なくとも解散権を持っている法務省としても、豊田グループについて一遍相談したいから各省知恵をかしてくれというようなことをやって総合的に一つに豊田グループの全容をつかんで政府としても対処をするということがなければ、今後豊田グループがまた出てもこの分析と同じ結果になるのではないかということを私は痛感するわけであります。これからこういうものを未然に防止するにはどうあればいいかということについては、ゴルフ場法初め二、三の示唆はいたしましたけれども、十分なことができませんでした。少なくともこれからどうあればいいかについては政府も少しお考えをされるべきだと思いますが、御意見はございませんか。
○村上(茂)政府委員 各省にまたがります非常に重大な問題でございますので、法務政務次官としてお答えするには非常に幅が広過ぎると思いますが、実はこの問題がやかましくなりました時点で政務次官会議でも取り上げられまして、いろいろな意見がございました。特に私どもは選挙をやっておる関係上、それぞれの選挙区におけるこの問題に対するいろいろな御意見をちょうだいいたしまして、ほとんどの人が非常に心を痛められたと思うのであります。ただしかし、各省からそれぞれ答弁がありましたように、今の法律制度の建前のもとでどのように適切に対応できるかということにつきまして、法務省の場合は先ほど刑事局長、民事局長がお答えいたしましたが、法の制度の中においてどのように国民的な期待や要望にこたえられるか、さらに今後とも真剣に考える必要があると存じておるような次第でございます。
 新しい立法制度の問題につきましては、現行制度との対比、特に今捜査進行中の問題であり、この問題についてどのような結論が出るかということにつきましては、御承知のように組織が全国にまたがっておるものでございますから、いろいろな事実関係の取りまとめに相当な日数を要しておるわけでございますが、できるだけ関係機関に努力願いまして適正な結論が出るように私どもも注視してまいりたいと考えておる次第でございます。
○横山委員 終わります。
○片岡委員長 草川昭三君。
○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。
 きょうは、被害者の会の代表の方とそれから弁護団の代表の先生に午前中来ていただいた上での午後の質問になるわけでございます。
 今横山先生に対するいろいろな答弁を聞いておりますと、役所側は非常に親切ではない答弁が多かったと私は思うのです。ですから私は、役所側もそれぞれの制約はあるわけでありますけれども、本当の被害者の救済、あるいは資産の散逸を防ぐという意味、あるいはまた新しい被害を防止するという立場から、ぜひ積極的な態度をとっていただきたいと思うわけです。
 まず最初に国税にお伺いしますが、今いろいろな答弁があったわけでございますが、御存じのとおり管財人の方から大阪地方裁判所に不当利得返還請求訴訟というのがやられているわけです。これは五十九年十二月から六十年の四月までの豊田商事関係の二千万円以上の収入者二十人を訴えていると私は聞いておるわけです。既に第一回の裁判がやられたと思うのですけれども、そのときに、その二十名の二千万以上の高収入者はたった一人しか出席をしていない。このまま裁判が続くと完全に管財人の方の、一方的と言うと言葉は悪いのですけれども、管財人の主張どおりの判決がおりることはほぼ間違いがないのではないかと思うのです。ですから今の段階では、国税は当然のことながら敗訴を覚悟していると思うのですね。
 そういうことになりますと、これは非常に重要になってまいりますのは、現在、財産を差し押さえている物件が約十九億と言われております。源泉関係で六億、それで十三億、残りは管財人に預けるよ、こういう感じになっているわけですね。財産を押さえていただいたのは我々も国税に感謝をしなければいけませんけれども、問題は六億で済まぬわけですね。もしこの判決が管財人の主張どおりに認められるとするならば、五十九年の十二月以前にもこれは当然さかのぼっていく。しかも、それは二千万円以上か一千万円以上か五百万円以上か、今度はその幅の問題が出てきます。そういうこと等についても国税当局は既に御準備なされているかどうか、お伺いします。
○熊澤説明員 ただいま先生からお話のございましたとおり、豊田商事が支払いました外交員報酬のうち一部二十人のものにつきまして、あるいは一定期間に払われましたものにつきまして、不当利得返還請求の訴えが提起されているわけでございます。
 そこで、そうした豊田商事が支払いました報酬等について豊田商事が納付しております源泉所得税をどうするかということが問題になるわけでございますけれども、国税当局といたしましては、今争われております民事上の裁判の結果を待って、その支払い報酬の権利関係が裁判上どういうふうに判断されるのか、その判断を待って適切に対処してまいるというのが現在の私どもの立場でございます。
○草川委員 その答弁は、私も前回の物持で同じ質問をしておりますので承知しておるわけですが、その適切な判断という言葉の中には、今回の被害者は非常にお年寄りが多いということ、社会的な背景が非常にあるということ、いろいろな問題があるということを十分判断した上での適切な判断になるのでしょうか。
○熊澤説明員 ただいま裁判が進行中でございまして、判決でどのような内容のことが確定するのか私どもも予測できないところでございますので、現在裁判を待っているところでございます。いずれにいたしましても、私ども法律に従いまして、その裁判の結果にも基づきまして適切に対処していかなければならないと考えております。
○草川委員 押し問答になりますからあれでございますが、とにかく二十人のうち出席者は一人というような裁判であるならば、管財人の主張が通る判決が出ることは間違いがないと私は思いますし、国税当局もそのことは十分承知しておみえになると思うのです。そういうようなことになってまいりますと、国民の世論あるいは被害者の実態を十分考えられて処置していただきたいということを強く求めておきたいと思います。
 それから、今度は刑事局長にお尋ねするわけでございますが、先ほどの御答弁では鋭意捜査中だということでしたね。ところが、これは九月十日の物特の委員会でございますけれども、警察当局も一生懸命やっておるのだけれどももっと頑張れという趣旨の発言を私はしたわけです。例えば、「銀河計画の北本幸弘社長の地位というのは非常に重要だと思うのですが、北本社長を参考人というか、呼び出して事情聴取をしたのか、していないのか、答えてもらいたい」という私の質問に対して、警察庁の清島保安課長は「しておりません。」という答弁なんです。銀河計画というのは豊田商事の上の全体を統括する非常に大きな役割を果たすわけですが、その社長を事情聴取していないという答弁が九月現在あるわけです。これは我々は非常に納得できないのです。
 それから、ベルギーダイヤモンドについて私はいろいろと質問をしておるわけでございますけれども、そのときには清島保安課長は、「警察といたしましては、このベルギーダイヤモンド関係につきましては捜索の時点から積極説でございまして、」非常に積極的な姿勢を示しておるし、事実私ども、現場関係では捜査員が非常に頑張っておみえになるということを評価しておるわけです。「積極的な捜査を全国やってきたわけでございます。この販売形態と申しますか組織形態というのは、ほぼ解明し終わったというふうに考えております。 しかしながら、いろいろな法適用上、果たして法律に言う無限連鎖講に当たるかどうかにつきましては、従来の一般的なネズミ講とやや違ったものがございまして、この点について現在法務省と検討中ということでございます。」こういうことを言っているわけですから、検討中で、結局幹部の逮捕に踏み切っていないのです。それで書類送検ということになったわけですから、今局長は捜査中だからと言いますけれども、それは我我は一般的にはもうトーンが落ちだと見なければならない。それが証拠に、類似商法がこの結論が出てから一斉に始まっておるわけでしょう。毛皮を売って歩く、化粧品を売って歩く、健康食品を売って歩く、それが今ずっと広がっているわけです。訪問販売がなかなかうまくいかないということはございますけれども、かなり無理をした形で類似商法が出ておるということを十分に承知してただいまのような答弁をなされているのか。しかし、公判維持が本当に難しいから今回やめたというふうに言われれば言われるで次にどうするかという議論になると私は思うのです。その点どうでしょうか。
○筧政府委員 公判維持が困難だからやめたというようなことは全くございません。本件にっきましては、先ほど申し上げましたとおり、現在、名古屋地検その他十数地検で事件を受理し、各地検で捜査中でございます。もちろん各地検と申しましても形態は一緒でございますから、名古屋地検なら、名古屋地検になるかどうかわかりませんが、名古屋地検が中心となって最終的な結論を出す、その時点はまだしばらく時間を要するであろうというふうに考えております。
 最初の銀河計画の件は、参考人として呼んでいないという点は警察の捜査の計画といいますかやり方の問題でございますので、一般に申し上げまして重要な人をいつ呼ぶかはその事案事案によって異なるわけで、下から積み上げていって最後に一番重要な人から事情を聞くというのも通例行われているところでございまして、その捜査の詳しい内容は存じませんが、それはそういう事情で、その時点ではまだ参考人としても呼び出しておられないという事情であったろうと推測するわけでございます。
 それから、またベルギーダイヤモンドに返るわけでございますが、逮捕するかしないか、これも別に積極であるか消極であるかということとは直接関係はないかと思っております。逮捕の必要がなければ任意捜査があくまで捜査の原則でございますから、逮捕する必要がないということであれば逮捕しないで事件の捜査を進めて送検するということも、従来幾らでも例があるわけでございます。それで、私どもの方で積極とか消極とかいう結論を出していないということは先ほど申し上げたとおりでございます。それは、検察庁としてはまだ送検を受けた時点でございますので、検察庁としても調べた上で事実を確定して、その事実に基づいて無限連鎖講の防止法違反に当たるかどうかということを検討するわけでございますから、あくまでも事実の確定がなければ法律的な結論は出てこないわけでございます。そういう意味で、積極、消極いずれとも私どもから申し上げたことはないというふうに申し上げているわけでございます。
 ただ、先生御指摘の点でちょっと付加して申し上げれば、この問題が起こりました時点から私どもの方でも捜査当局、検察庁等といろいろな捜査に関して意見を交換することもあるわけでございますが、まだその事実が明白でないけれども、だから何とも申し上げられないけれども、一般的に言ってこの無限連鎖講の防止に関する法律というのは 草川先生十分御承知のとおり非常に難解な法律でございます。従来起訴した事例も幾つかございますけれども、福岡等で相当争われておる事例も現にあるわけでございます。そういう意味でこの法律の、難解というと変でございますが、要件が相当厳しくいろいろなことが書いてあるわけでございます。それらの点について慎重な捜査、検討が必要であるということを申し上げたことはございますが、ただこのベルギーダイヤモンドについてどうこうということを申し上げたことはございません。その後、最近健康食品とか毛皮とかといろいろなものがあるだろうということは私も承知いたしておりますけれども、それもそれぞれの販売形態の内客を詳細に見ませんと無限連鎖講に当たるかどうかということ、先生御承知のようにそれぞれ知恵を凝らしていろいろな形をとっておりますので、個々に事実を確定した上で検討しなければ何とも言えないというふうに考えておる次第でございます。
○草川委員 私の方から問題を提示します。
 ことしの八月二十八日、神戸簡裁は、ベルギーダイヤモンドの商法は明らかに違法だ、無限連鎖講防止法の金銭配当組織に似た方法でなされたもので、公序良俗に反したものであり無効だと明確な判決があるわけです。これは後で大蔵省にも出資法の問題で聞きますけれども、全体的に今回の豊田商事一連について裁判所の方が積極的なんですよ。これは国民の世論というのですか、現状を正しく判断なされて非常に前向きに早く判決をおろしていただく、今度の管財人に対する対応も非常に積極的な対応をなされてみえると思うのです。それに対して行政の方が非常にちぐはぐだということを私は指摘をしたいわけです。
 今局長、非常に難解な法律だということをおっしゃったので、これは率直に、ネズミ講は議員立法ですから、君たちがつくった法律の方がなっとらぬぞ、だから直せというような発言があった方が、ざっくばらんに言って将来のために私はいいと思うのです。それならそれで手落ちがあったわけですから、すぐクイックアクションで直す、こういう時代ですから。それが我々の議論だと思うのです。だから私はそういう議論を引き出してもらいたいわけです。特に今回の場合もネズミ講の場合の一定額の金銭と言えるかどうか、あるいは金銭配当組織にこのベルギーダイヤモンドが当たるかどうかというところが一番問題だと思うのです。ですから、こういうことは当時つくったときにはもう議会の方も、天下一家の会とかいろいろな会があったわけですから、わあっとこうやってつくったわけです。まさかこの豊田のようなこういう商法ができると思っていないものですから、こういう法律になったと思うのです。だからそういう意味では、取り締まりをする立場の皆さん方にとっては非常にやりづらいと思うのです。しかし、堂々とひとつここに問題があるのだから、もうちょっとここで外れておるならば「等」とかという言葉でも入っておるならばやれたよというなら言ってくださいよ。その点はどうですか。
○筧政府委員 別に議員立法であるので難解とかという趣旨で申し上げたつもりではございません。私が、ふだん余り読みませんが、今回の事件等が起こりましてあの条文を初めて一行一行読んでみた感じを申し上げたつもりでございます。
 それから、草川委員御指摘のとおり、この法律が天下一家の会を契機とし、それを対象というと変ですが、想定しながらつくられた法律であるということも承知いたしておるわけでございます。一定の金額あるいは金銭配当組織であるかどうかという点が問題であるという点も、草川先生御指摘のとおりであろうかと思います。ただ私としましては、この法律がまずいとか難解だとかということではなくて、やはりこの法律の趣旨が天下一家の会の被害にかんがみつくられた。それまではこの種の行為は処罰されていなかったわけでございます。それを新しく刑事罰の対象とするというからにはやはり要件を絞って、正当な講組織が紛れ込むといいますか、規制されることのないようという配慮から厳格な要件が決められたものと考えておりますので、この法律についてどうすべきだというようなことは全く考えておりません。ただ、個々の事案の適用に当たっては、やはりこの法律の要件は厳格に慎重に解釈すべきものだというふうに考えておる次第でございます。
○草川委員 我々は法律に不備があるならばそれを手直しをしなければなりませんし、それからまた新たな犯罪を防止するためにもまた国民消費生活を守るためにも対応しなければいけない、そういう趣旨で私は私なりの意見を今市し上げたわけであります。これ以上申し上げても意見の対立はそのままだと思いますので、次にいきます。
 大蔵省関係でお伺いをいたしますが、これも出資法違反ではないかという議論については、秋田地裁というのがあるわけですね。この秋田の地裁の方も出資法違反で無効だというような判断をなすっておみえになるわけですが、大蔵省としてこの秋田地裁の判例をどのように判断をしておみえになるのか、お伺いをしたいと思います。
○坂説明員 お答えいたします。
 ただいま先生から御指摘がございました秋田地裁の判決でございますが、私どもも当然承知いたしておりまして読んでおりますが、豊田商事がやっていたようなことが出資法の二条、つまり「預り金の禁止」に当たるかどうかということでございますけれども、これは結局はその実態が問題だということになるわけでございます。この秋田地裁の判決につきましては、民事訴訟と刑事訴訟の違いといったようなこともあるのかなと思っておりますし、また上訴中、さらに高裁で今争われているというふうにも聞いておりまして、その辺の成り行きあるいは推移も見守りつつ、また捜査御当局の捜査の進行状況といったようなものを待っているということでございます。
○草川委員 なぜそういう質問をしたかというと、我々も何回か大蔵省に出資法違反でこれを取り締まったらどうかと言ったら、それは出資法違反にはなかなかならないのではないかということから事件がこうずっと大きくなってきたわけです。
 あわせて申し上げるのですが、大蔵省設置法というのがありますね。大蔵省設置法の第十二条には、昭和五十八年十二月までは貸金業の実態を調査し及び「預り金となるべき金銭の受入についての情報の収集その他法令違反の防止に関すること。」という「その他法令違反の防止に関する」項というのがあったわけです。ところが、五十八年十二月に大蔵省は設置法を変えまして、「大蔵省の所掌事務は、次のとおりとする。」「預り金となるべき金銭の受入れについての情報の収集に関すること。」で、「その他法令違反の防止に関すること。」というのは切ってしまっているのですよ、五十八年末に。なぜこんなものを切ったのですか。今までどおり「その他法令違反の防止に関すること。」というのがあれば、十分こういう預かり金の問題等についても大蔵省独自で調査できたはずです。この当時というのは、既に五十八年の暮れですから、国会の中でも豊田商事の悪徳商法というような問題が問題提起をされてきている時期ではなかったのか、こう思いますし、それから参議院では五十七年七月に商工委員会等でも出資法違反だという公明党の馬場委員の質問もあるわけであります。こういう議論があったにもかかわらずこのような改正をしたことの責任は重大だと思うのですが、どうでしょう。
○坂説明員 大蔵省設置法の第四条では、先生御指摘のとおり改正されているわけでございますけれども、この改正は実は他のいろいろな設置法やなんかとの条文のバランスを考慮して削除したというふうに聞いております。一般的に申しまして所掌する法律に違反するような行為の防止について努力いたしますことは、所管する官庁といたしましては当然のことでございまして、この条文が削除されたからといってその努力をしないというようなことは毛頭ないわけでございます。したがいまして、先生がおっしゃいましたように、条文がもとのとおりであればできたかというようなことでは必ずしもないのではないかというふうに思っておる次第でございます。
○草川委員 今の発言は後で、これは国家賠償等の訴訟になったときに非常に重要だと思うのですが、この文章がなくても、ルーチンワークというのですか日常業務として当然やりますよという答弁でしょう。だったら、法令違反の防止に関する情報収集だとかということを具体的に本当にやったのですか、こういうことを私はまた逆に言わなきゃいかぬわけです。本当にやっておみえにならぬわけですよ。議会の中では我々の質問に対して出資法違反じゃないなんて言っているわけですからね。これは大蔵省、責任大きいですよ。豊田商事事件をのさばらせた遠因というのはあると思うのですが、その点どうですか。
○坂説明員 私どもは豊田商事のやっておりますようなことが出資法に違反しないというふうなことを申し上げたことは今までございませんで、常に実態が問題でございます、その実態につきましては司法当局で今御捜査中でございますという答弁をいたしておりまして、そのようにお答え申し上げておりまして、該当しないというような答弁はいたしたことがございません。
○草川委員 通産省は我々といろんなやりとりをやっておりましたが、最後ではとにかく豊田商事の金の商売は違法だ、だからやめろという通報を出しているんですよ。これは時間的なずれはあるけれども、遅いけれども。大蔵省はそういう点では全然ノーアクションだったことは事実ですよ、このことについては。これは私は今の答弁は正直な答弁ではない、こう思います。しかし、これも時間がかかりますから、きょうは余り時間がございませんので。
 農水省にお伺いをいたします。
 管財人のいろんな報告書を見ておりましても、いわゆる先物取引に相当の金額が流れているということがそれなりに詳しく書かれています。私も先物関係に相当な金額が入るというのは、それを具体的に菊池商事だとかあるいは日本インベスターズリサーチだとかリッチモンドだとか、個別の企業の名前を挙げて何回かごの国会の場で指摘をしてまいりました。具体的に豊田商事の金というものが商品取引員の中に流れているのではないかというようなことも何回か指摘をしてきたわけでございますが、どうも行政当局についてはそういう事実はないと言われてきたわけであります。きょうは、恐らく豊田商事問題についてもうこういう機会は今後余りないと思いますので、これは私の名誉のためにも農水省に答弁をしてもらいたいわけでございますが、この先物取引の中で、いわゆる商品取引員の中には豊田商事グループの会社に株券を保有されていた者があることを農水省は承知をしているか、こういう形で質問をしたい、こう思いますが、どうでしょう。
○中村説明員 お答えをいたします。
 豊田商事の破産管財人が六十年の九月二十四日に大阪地方裁判所に調査報告書を提出しておるわけでございますけれども、その中で、豊田商事グループの会社が商品取引員の株券を保有しているということが述べられているということを承知いたしておるわけでございます。
○草川委員 私どもがかねがね主張していたことを今農水省は証明をしていただいたわけでございますから、これ以上、その企業の名前がどうのこうのということは申しません。それはなぜかといいますと、管財人の方も、豊田の金が流れていた、しかしそれを肩がわりをすることによってその会社を生かしていく、生かしていくことによってそれなりの銀河計画なりあるいは農旧の方から入ってきた金を回収することができる、こういう立場がございますから、何も私は、その企業をこの際集中してつぶすということが目的ではありませんから、今のやりとりはこれで終わりますけれども、私がかねがね主張してきたことが今お話がございましたように証明されたという事実だけはここに申し上げていかなければいけないと思います。
 それから、この管財人の調査報告害の中には触れられていませんけれども、リッチモンドという会社があります。このリッチモンドという会社も、私どもが委員会で質問をした翌日、豊田の人間が入っていたということを理由に解散をしてしまいました。これは黒字で解散をしたわけでございますが、この黒字で解散をした企業に対しても、その得たところの利益というものは管財人に渡すべきだというような主張をしてきておりますけれども、そういう事実も、役所が積極的に対応を立てていただいておるならばもっと早くこれは解決をしたのではないか、こう思うのです。この点も時間がございませんので、以上で終わりたいと思います。
 次は警察庁にお伺いしますが、午前中にも私は発言をしたわけですが、長野県警が捜査をいたしました白馬国際リゾートスキー場の国土利用計画法違反に関するいゆわる捜査状況はどうなっているのか、これはもう起訴の段階になっているのか、お伺いしたい、こう思います。
○伊藤説明員 お答えいたします。
 お尋ねの件につきましては、長野県警が国土利用計画法違反で白馬高原開発株式会社の社長ら五人を八月二十三日に長野地検大町支部に書類送致しております。
 本件は、白馬高原開発がスキー場用地として山林約二万平方メートルを購入する際に、法に定められた知事に対する事前の届け出をせずに売買契約を行ったという事案でございます。捜査の状況は以上のとおりでございまして、地検の方に送致済みという状況でございます。
○草川委員 その捜査の中で、差し支えなければお伺いをしたいわけでございますけれども、投入資金が、管財人の方では、五億六千万円以上に達している、しかし、そのスキー場用地確保のために出資をしておる企業の中で本文善株式会社というのがあるわけですが、そこへ、これも共同経営者の一人なんですけれども、敷金等を含めて三億二千万円というのが入っている、このあたりが非常に過剰な資金投入ではないだろうかと言われているのですが、差し支えがなければお伺いをしたいと思います。
○伊藤説明員 お答えいたします。
 当該スキー場の売買等に絡みまして、銀河計画から白馬高原開発に対しまして、五十九年三月ごろから前後七回に分けて約五億七千万余の金が貸し付けされていることが判明しております。その中で、スキー場用地の買収のため、御指摘の本文善株式会社及びその他に対しまして、土地の売買、賃貸借代金といたしまして約三億一千万余が支払われているという状況が明らかになっております。そのほか、白馬高原開発株式会社等の事務所の諸経費等として約二億六千万円が支払われているという状況が明らかになっております。
 以上です。
○草川委員 このような事件があるわけですが、建設省あるいは国土庁は、このような非常に大規模な開発なんでございますけれども、事前にチェックできなかったのかどうか、見解をお出しください。
○山崎説明員 お答えいたします。
 国土法につきましては、先ほど警察庁の方からお答え申し上げましたように、一定規模以上の大規模な土地取引を行います場合には、あらかじめ都道府県知事に対して届け出することが義務づけられているところでございます。この届け出の必要性につきましては、国土庁あるいは機関委任事務で実際にその事務をやっております都道府県では、毎年啓発用のポスター等を作成する等によりまして周知徹底を図っておりまして、国民の間にはこの制度はかなり浸透してきておるというふうに私ども考えております。
 ただ、御指摘の白馬高原開発のケースにつきましては、土地取得の大部分につきまして届け出がされてなかったということは事実でございまして、これは極めて遺憾であったわけでございます。したがいまして、長野県といたしましては、その事実がわかりましたところで直ちに当事者から事情聴取を行いまして、厳重な文書による注意を七月十三日に同会社に対して行ったところでございます。
 これを事前にチェックはできなかったか、こういうことでございますが、何分これは取引の前に届け出をするということでございますので、その時点におきましては取引の事実というのがまだ潜行しているわけでございまして、それを都道府県なり市町村があらかじめ的確にキャッチするというのはなかなか難しい問題もございまして、一般的には現在各都道府県等でいろいろと御努力をいただいておりまして、各県でいろいろチェックをしているというケースはございますが、本件につきましてはできなかった。これはある意味では今の制度上はなかなか難しい問題であろうというふうに考えておる次第でございます。
○草川委員 制度上の難しい問題を先取りするということが行政の日常業務でもあると思うのです。また、こういう悪徳商法が再び起きないような対応を立てなければいけません。今たまたま白馬開発の問題になりましたけれども、本件をずっと全体的に我々も反省をしながら眺めていきますと、悪徳商法というのはこれからもたくさん出てくると私は思うのです。例えば行政上もある程度手をかしておるというような点があるのですね。
 一つは、これもちょっと話が前へ戻りますけれども、商品取引所法第八条の解釈というので、きょうは法制局も来てもらっておりますけれども、有名な逆転解釈というのがあるのです。これは、商品取引所法に明確に掲げてある商品以外の商品の先物取引をすることは禁止をされているという見解を昭和二十六年の当時の法制局が通産省に答えている、それが後に逆転するという有名な事件がございます。昭和五十五年に、指定をしていなくても二条第二項に言う商品以外の物品の先物取引をする市場の開設を禁止していないという逆の見解を出す、そのことによって悪徳商法がざあっと繁栄をする、そういう事件の中で豊田商事というのは生まれてくるわけですよ。だから、一般の市民の方々には先物取引の問題についての御理解はなかなか難しいと思うのでございますけれども、時間がございませんので簡単に、これを法制局はどういうつもりで逆転解釈をしたのか、お聞きしたいと思います。
○工藤政府委員 お答えいたします。
 ただいま先生御指摘の商品取引所法第八条の解釈の問題でございますが、経緯につきましては今先生御指摘のとおりでございます。
 この内容といいますか理由でございますが、この法制意見の変更は、ちょうど五十五年あるいはそれより少し前から金の取引が盛んになりまして、いゆわる先物取引的な取引による被害が続発した。そういうことで、その時点におきまして昭和二寸六年の先ほどの法務府の法制意見が維持されるのかどうかということが問題になりまして、通産省からの照会もございまして改めて検討した、その結果行われたということでございます。
 内容でございますが、結局、二十六年の法制意見は当時の諸般の事情を前提とした解釈であったと考えられるわけでございますが、五十五年当時には既に二十六年前後の資料もなく、したがいまして、商品取引所法の現在の第一条の目的、こういったところと照らしながら八条の文理に即して検討したわけでございます。その結果、商品取引所法の第一条におきましては、「商品の価格の形成及び売買その他の取引を公正にするとともに、商品の生産及び流通を円滑にし、もって国民経済の適切な運営に資することを目的とする。」かように規定しているわけでございますが、そのすぐ次にございます第二条の二項におきまして、これが先生先ほどおっしゃられたいわゆる指定商品でございますが、「この法律において「商品」とは、」ということで商品の定義をしてございます。そういう商品の定義がございますので、したがいまして先ほどの第一条の目的もその商品と解さざるを得ない。要するに逆に申し上げれば、指定商品以外の物品につきまして投機の弊害を防止するということは商品取引所法第一条の目的には含まれない、こう理解せざるを得ない。したがって八条一項につきましても、指定商品にっきまして厳格な規制のもとにあります商品市場での価格の形成、これが適正かつ公正に行われるように保障したものである、かように考えて結論に達したものでございます。
○草川委員 いずれにしても、きょうは時間がございませんが、その問題についても随分裁判が行われております。それで行政側が敗訴というのですか敗れている例もあるやに聞いておりますけれども、とにかく今の解釈以後、私設市場の取引に対して随分苦情があったわけです。最近では豊田商事事件から非常に減っておるようでございますけれども、いずれにしても私設市場というのは残っております。あるいはまた、悪質商法を行う人々の過去を洗っていきますと商品取引業界に関係のあった方も多いわけでございまして、これでは本当の商品取引業界の健全な発展にもつながらない、こういうように思うので、より一層の通産省の指導が必要だと思うのですが、その点、通産省の見解をお尋ねいたします。
○宮本説明員 お答えいたします。
 通産省といたしましては、御指摘のようなことによりましてヘッジングでありますとかあるいは公正な価格の形成という国民経済上重要な意義を有しております商品取引に対する社会的な信頼を損なうことがあるといたしますと大変遺憾なことでございますが、そもそも商品取引員の受託業務の適正化を図りまして委託者保護に万全を期すことが商品取引の信頼性の向上に不可欠であるという観点から、従来より強力に商品取引業界を指導しているところでございます。特に商品取引員と委託者との接点となります外務員につきましては、所定の試験に合格することを条件とするとともに、これに合格いたしました者を対象に一定期間研修を義務づけ、かつまた二年間の登録の有効期間の更新に際しましても所定の研修を義務づける等の措置を講じまして、外務員の資質の向上を図っているところでございます。今後ともこれらの措置を一層強力に推進してまいりたいと思います。
 また、悪質商法を行いまして社会的問題を惹起しております業者の役員等の商品取引業界への流入につきましては、商品取引業界として、これら業者との間に明確に一線を画するため厳正に対処しているところでございまして、商品取引に対する社会的信頼を向上させるため、今後ともこの方針を貫いていくよう商品取引業界を指導してまいりたいと存じます。
○草川委員 最後になりますので法務省と経済企画庁の方にお伺いをしますが、経済企画庁は国民生活、消費生活を守る一つの窓口にもなっておるわけですが、何か新聞報道によりますと、予算をもらってアメリカヘ行き、欺瞞的商法等についての新立法を研究するというようなことが言われておりますが、どういう取り組みをなされるのか。
 それからまた、これは法務省になりますか、午前中弁護士の先生方からもお話がありましたけれども、非常に資産が全国各地に散逸をしている、しかもこれは海外にまで及び、資産の分散というのですか、これも法人設立という法人格の乱用、戸とか随分会社があるわけでございまして、法人格の乱用ではないか、あるいはもし破産をかけ差し押さえをするならば、一つの個別の企業ではなくて一括してそれをかけるようなことはできないのだろうかというお話がございました。そういう点についての対応をお聞かせ願いたいと思います。
○里田説明員 先生の御案内のとおり十一月一日に消費者保護会議を開催いたしまして、この豊田商事問題についても対応を決めておるわけでございますが、その一つは現行法の厳正な運用ということでございまして、これは現在警察庁、検察庁におきまして鋭意捜査中でございますので、私どもその成果を大変期待を持って見守っているというところでございます。ただ、現行法の適用につきましても先ほどから御指摘いただいておりますように非常に難しい面もありますので、万が一こういう現行法が適用できないという場合にも速やかに適切な措置がとれるように法的措置を含めて対応を考えておくように、こういう決定でございました。そういうことを踏まえまして現在各省庁で集まりまして検討を進めておりまして、この一月にもアメリカに六省庁による調査団を出しまして、現地の法律の運用状況あるいは執行体制等に加えまして、一体どういう法律でこういう問題に対応するのが一番適切であるかということについて鋭意準備を進めてまいりたい、こういうように考えております。
○枇杷田政府委員 お尋ねの第一点の法人の乱立の防止の問題でございますが、これは、現在の商法がいわゆる準則主義をとっておりまして、形式的に当たればその設立を認めるという原則がございます。その原則を覆しまして公益法人のように主務官庁の規制に属させるということについては、会社法の根本的な問題だろうと思いますので、ちょっとにわかには考えられないところだと思います。しかしながら、泡沫的な会社が乱立をするということは防止しなければなりませんので、そういう意味で、現在法制審議会の商法部会におきまして、大小会社の区分立法の際に最低資本金の制度等を検討しているところでございます。
 それから、その次の破産手続を関連会社一括してやれないかという点でございますが、これは先ほど横山委員の質問にもお答えしたところでございますが、なるほどそのような手続があった方がかなりうまくいくという面もあるやには思いますけれども、ただ破産手続というものがそういうふうな一括して果たして全体としてうまくいくかどうかについてはいろいろ問題があろうかと思いますので、今後その問題については研究をしてみたいと思っております。
○草川委員 以上で終わります。
○片岡委員長 三浦隆君。
○三浦(隆)委員 それでは、豊田商事問題について質問をさせていただきます。
 きょうの読売新聞に載っているのですが、この豊田商事の悪徳商法への深い関与があると言われております元顧問弁護士が、別件というか、別の同じような事件でございますけれども、そのことによって、東京弁護士会の綱紀委員会によりまして全会一致で懲戒相当との議決が行われたようでございまして、懲戒委員会にかけることが決まっております。今後懲戒委員会では除名を含む処分を検討する、こうしたようなことが記事に載っているわけです。言うならばこの弁護士さんが大変深いかかわりを持ったらしいことは、そのほか東京弁護士会の副会長さんが同じく読売新聞に載せている言葉の中で、顧問弁護士の一人は脱法的な商行為を認めるような法律手引をつくっていたとされるが、これは弁護士倫理上問題だと思う、このようにも述べております。そして、午前中行いましたが、そこのところで引用させていただきました調査報告書における顧問会議の顧問弁護士としても深いかかわりを持ったやにうかがわれることが書かれているということでございます。そんなことで、この弁護士さんについては日弁連の代表の方を呼んでどうなっているのかお尋ねしたいと思ったのですが、まことに残念ではございましたけれどもお呼びすることができなかったわけでございます。これにっきましては委員長も大変御苦労されたということで感謝を申し上げておるのですが、党の立場の違いもございますので少し触れさせていただきたいというふうに思うのです。
 この日弁連の代表をお呼びしたいということでは、法務委員会の理事会でお諮りして、特に積極的な反対もないということから委員長が御熱心にやっていただいたというふうに理解するのでありますが、この場合に、衆議院規則第八十五条の二に基づきまして、これに関する衆議院先例というのがございます。先例集の一九九号でございますが、これによりますと「衆議院規則第八十五条の二の規定により、委員会が審査又は調査のため参考人の出頭を求めるときは、委員長から意見を求める案件、日時及び場所を記載した書面をもって本人に通知する。」というふうに著かれておるのですが、委員長としては文書による要請を行ったでございましょうか。
○片岡委員長 ただいま三浦委員からのお話でございますが、私、委員長といたしましては、委員会の従来の慣例に従いましてできるだけ誠意を持って処理いたしたつもりでおるわけでございます。この点、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
○三浦(隆)委員 文書による公式要請がないということも実は日弁連が参考人に応じない一つの理由になっているわけです。一方では内諾を得なければ文書を出せない、片方は文書がなければ検討できないでは水かけ論でありまして、どちらが優先するかということで議運にはかりましたところが、これは当然議院規則並びに先例集が物を言うのだ、このとおりに従わないから事態が混乱したのだ、その点をはっきり述べてくるようにということでございましたので、その点をひとつ付言させていただきたいと思います。
 それでは、その次の質問に移りますが、日弁連が仮に非公式の折衝であれ参考人に応じなかったというのは、委員長としては、どうしてであっただろう、どういう理由であったとお考えでしょうか、折衝の過程で。
○片岡委員長 私の聞きましたのは、それぞれの関連の問題は単位協会においての問題になっておる程度で、弁護士会としてはまだそれにお答えするような段階に至っていないので、出ましても十分御満足のいただけるようなことは申し上げることができないと思いますので、この際ひとつ遠慮させていただきたい、こういうことでございました。したがいまして、私もそればある程度やむを得ないのじゃないかなということで了承をいたしたわけでございます。
○三浦(隆)委員 一つには、委員長のお答えとあわせて、時間がないとか資料がそろいにくいとか三役会が開けないとか、いろんな理由もあったかと思うのですが、先ほど言いましたように公式文書の要請がないというのも、最近ですけれども最後の折衝では出たようでございます。特に一つの意見として、今の御発言にもありましたように、地域弁護士会がかかわることで日弁連としては今出席して述べる立場にないという意見であったとすれば誤りでありますので、はっきりと指摘したいと思います。
 弁護士法の第四十五条に日弁連の「設立・目的及び法人格」に関する項目がございます。この第二項に「日本弁護士連合会は、弁護士の使命及び職務にかんがみ、その品位を保持し、弁護士事務の改善進歩を図るため、弁護士及び弁護士会の指導、連絡及び監督に関する事務を行うことを目的とする。」ということで、指導、連絡、監督の事務を行うようになっているわけであります。特に今回のように、豊田商事事件という未曾有のと言ってもいいくらい大勢の人が巻き込まれ、多額の金額が話題となり、しかもその主役の一人として、詐欺的容疑も辛くも法的な操作で逃げるような鮮やかなことをやった一人として顧問弁護士の名前が今大きく浮かび上がってきておりまして、これは捜査が進むにつれて明らかになってくるだろうと思うわけです。この点はもう既に先ほど御紹介した東京弁護士会の副会長さんもその容疑を十分におわかりになっているようでございますから、そうすると、それに対して午前中の参考人も、今まで何をしておるんですかと役所に対する追及もかなりひどいものもありましたけれども、あわせて弁護士会というものが何をしておったのかということも問われていることだろう。言うなら、せっかく第四十五条二項に日弁連としての指導、連絡、監督に関する事務ということをうたっていながら、果たしてこれを行ってきたのか行わなかったのか、これは一弁護士さんではお答えできないことでありまして、日弁連としての対応を私は尋ねたかったということです。
 第二点、第四十八条に「調査の依頼」というのがございますが、「日本弁護士連合会は、弁護士及び弁護士会の指導、連絡及び監督に関する事務について、官公署その他に必要な調査を依頼することができる。」とあります。今回のように、どの役所にお尋ねしていいかわからないくらい大変難しい背景を持っておりますが、そうなると日弁連としても地域弁護士会にとっても簡単なことではございません。これはそれぞれの専門の役所に調査依頼をしなければどうにもならないだろうと思うのです川ではそれをした事実があったのかなかったのかお尋ねするとすれば、これまた個々の弁護士では答えられない。日弁連としての対応を要求したかったわけです。
 それから、第六十条には「日本弁護士連合会の懲戒」というのがありますが、それによりますと、「日本弁護士連合会は、第五十六条第一項に規定する事案についてみずからその弁護士を懲戒することを適当と認めるときは、懲戒委員会の議決に基き、これを懲戒することができる。」ということでありまして、地域弁護士会だけじゃなくて日弁連直結の懲戒も可能なわけです。言うならば、問題を軽く見ればそれまでですが、問題を重く見れば、場合によってはこうした手段もあったわけです。そういうことで日弁連に直接お尋ねしたかったということでして、これは一部の人の発言にありましたように日弁連の出る幕の問題じゃないんだというふうなことでは決してございませんで、これはあくまでも日弁連そのものを呼ばなければ聞き得ないことなんだということであります。
 さらに、うちの議運なり国対で問題にしようかどうかと言われた大きな理由には、一応法務委員会理事会で決まって、そして要請している参考人の仲なんだということ、しかも一週間前に決まったことであるし、臨時三役会なりを開こうと思えば開ける余裕を持っていたということ、しかもこれは、限られた参考人を呼ぶ事件というのはわずかな時間でありまして、しかも中間的な報告でございますし、それでは日弁連役員として個人見解でもよいと私は言っているわけです。ですから、十分答えられるはずであったこと、それから質問内容は今言ったように短い時間で対応できるもので、特に資料を必要とするような細かいことをお尋ねする時間はないのだということであります。
 それから、この事件に関しては、日弁連「人権白書」でもこれに関する日弁連の見解がある程度表明されている場所がありまして、これには新規の立法を踏まえた日弁連としての考え方が述べられているわけであります。とするならば、その日弁連の「人権白書」が出た後にこうした問題が起こっておるわけですから、御自分たちの述べた見解と今日との時間的な食い違い、この経過の中で今どのようにお考えなのか、ぜひ開きたかったということです。
 それから、この事件に関しましては、突発的に起こったのではなくて、何回も新聞報道等で周知されているわけですから、少なくとも日弁連の役員になられている方ならばいつ呼ばれてもある程度のことは答えられ得る範囲の問題であったということであります。特に、先ほど言いましたようにこの事件に弁護士さんがかかわっておる。圧倒的多くの弁護士さんは、私の知っている限りすばらしい立派な方がいっぱいいらっしゃるわけでありまして、たまたま一部の弁護士さんのために日弁連そのものまでが、多くの弁護士さんそのものまでが疑いの目を持たれるということはむしろ日弁連にとって苦痛であろう、だから、この際はっきりと出て日弁連としての態度を鮮明にしていただいた方が日弁連にとってもプラスだったのじゃないだろうかということであります。もしこれをしないということは、逆に、日弁連は外部の不正摘発には極めて厳しい目を向けておきながら内部の不正摘発に向ける目は極めて弱々しいのかというふうに思われたとすれば日弁連にとっても心外ではないのだろうかというふうなことでありまして、我が党の中でも、今回のことに関しては大変激しい批判的な意見が日弁連に寄せられたということであります。
 そこで、最後に委員長にお尋ねしたいのですが、今回はいろいろな理由があって出席できなかったとしましても、今弁護士さんにかかわる問題は、外国人弁護士の問題から数々の弁護士に関する不祥事件の問題からそのほかいろいろとかかわる問題が多いですから、いずれの機会が、できるなら近いうちに弁護士問題に対する集中審議の場をおつくりいただいて、そこで日弁連の方の御出席をお願いしたいと思うのですが、委員長としてのお考えはいかがでしょうか。
○片岡委員長 三浦委員の日弁連が来て参考人として意見を述べてほしいという御要望の御真意を私、今よく理解することができました。私がこの理解に若干不十分な点のありましたことを今痛感しておりますが、今お話しの件は、いずれ理事会で十分御相談をしてまた決めたいと思いますので、御了承賜わりたいと思います。
○三浦(隆)委員 本件につきましては、民社党としての見解表明が既に出されておりますので一応御紹介したいと思います。民社党としての「申入書」という形で内閣、経済企画庁、通産省、大蔵省、法務省、警察庁の六省庁に対しまして六月二十一日付で申し入れを行っております。そして、我が党としましては、三年前、昭和五十七年四月二十七日の商工委員会におきまして、宮田早苗委員の方からこの問題を取り上げて大分詳しく質問をしておるのです。そこで政府の方から答えられた意見が三年前と今とほとんど変わらない状態が続いて今日に至って、そして本当に今日の破産事件になってしまったということであります。そこで、そういうことがないようにということで我が党が「申入書」を早くから送っていたわけですが、これがその「申入書」です。
    申 入 書
 豊田商事等による金の現物まがい商法が全国的に広がり、この被害の訴えが続出している。しかも、その大多数は高令者であり、その中には寝たきり老人や、わずかな預貯金を頼りに生活をしている人達である。しかもそれらの人達に対する契約はすべて外交員の甘言と強引な勧誘とをもって行なった詐欺的な商法と言える。
 豊田商事の悪徳商法についてわが党は、かねてから国会で指摘してきたが、今日に至るまで各省庁間の責任のなすりつけあいにより、その対策が遅れたため、被害を拡大させたことは明らかである。
 よって政府は、豊田商事等の悪徳商法を追放するとともに被害者を救済するため、左記の施策を早急に講ずべきである。
 記
 一、悪徳商法防止のため、訪問販売、ペーパー取引及び投資コンサルタント等に対する立法措置を早急に講ずること。
 一、金地金及びレジャー、貸マンション等の購入契約を行い預り証を保有している人が契約を解約し、代金の返還を請求した際は返還を義務づける等の万全の措置をとること。
 一、豊田商事および同関連会社並びにそれら類似の会社による悪徳商法の被害がこれ以上拡大しないよう不当な営業活動の停止を警告し、特に高齢者等の消費者に対し悪徳商法被害の防止について広くPRにつとめること。
 一、豊田商事等の悪徳商法の実態調査をすみやかに行うとともに詐欺、出資法等違反事例の摘発を強力に行うこと。
 一、今回の豊田商事、関連会社ならびに投資ジャーナル等の被害の実態にかんがみ、証券取引法における有価証券の定義の拡大、訪問販売法の適用対象物資に金地金、レジャー、貸マンション等々の会員券等を加える等の措置を講ずること。
 右申し入れる。
昭和六十年六月二十一日付ということで、我が党の悪徳商法対策特別委員会名で申し入れを行っているわけですが、この申し入れにありましたように、本当に被害が拡大して今日破産という状態を招いたということはまことに残念でございます。
 それで、法務省にお尋ねをしたいと思うのですが、豊田商事グループの悪徳商法には顧問弁護士が深くかかわっていたものと思われる。これらの顧問弁護士は、弁護士法一条の「弁護士の使命」に反するものであると考えます。弁護士の懲戒処分について法務省が把握している限度においての日弁連の対応状況についてお尋ねしたいと思います。
○井嶋政府委員 お断りするまでもないところでございまするが、弁護士法上、弁護士の懲戒あるいは監督につきましては、弁護士会あるいは日弁連の自治にゆだねられておりますので、政府はこれに関与できない仕組みになっておるということは委員御承知のとおりでございます。
 そこで、お尋ねの懲戒の現状でございますが、これは既に新聞報道等でも明らかにされておるところでございますけれども、東京弁護士会におきましては本年七月上旬にその所属弁護士一名について、さらに仙台弁護士会におきましては本年八月下旬に所属弁護士二名について、それぞれ綱紀委員会に調査を開始させております。この綱紀委員会と申しますのは、御案内のように懲戒委員会にかける前の準備手続の調査をする委員会でございます。現在、同委員会におきましてそれぞれ調査が行われているということを承知いたしております。
 なお、先ほど委員から御指摘がございましたけさほどの報道でございますけれども、ここへ参ります前に日弁連に確認を求めましたところ、東京弁護士会におきまして、報道されたような懲戒相当の議決が綱紀委員会においてなされたということは事実であるということでございます。ただ、その前提になります事実はこの豊田商事関係の事実ではない。したがって、豊田商事関係の事件はそういったことで引き続き綱紀委員会によって調査が継続されるという状況であるということでございます。
○三浦(隆)委員 豊田商事関連会社社長の刑事責任というのもやはり問題になろうかと思うのですが、この豊田商事関連会社社長の刑事責任の追及について検察当局の見解をお尋ねしたいと思います。
○筧政府委員 豊田商事関連につきましてはいろいろな事件がございますが、現在大阪地検に詐欺あるいは出資法違反で十件の告訴がなされております。そのほか福岡地検に二件、千葉、神戸地検に各一件の告訴がなされており、現在当該地検で鋭意捜査中でございます。
○三浦(隆)委員 昭和五十七年七月六日付の参議院商工委員会の会議録によりますと、同種の質問に対しまして警察庁はこう答えておるわけであります。
  そこで、私どもといたしましても、その会社のやり口等についていろいろ調査をしておるわけでございますが、何分にもやり方が非常に巧妙でございますので、直ちに犯罪に該当するというわけになかなかまいらないというのが実情でございます。まあ今後ともいろいろ、あらゆる法令に該当しないかどうか、慎重に検討していきたいと、かように考えております。
この答弁は五十七年の七月でありまして、もうかなり昔々でございますけれども、しかしこの答弁にもありましたように、調査を始めているというのですが、それから約二年半もたっているのに、なぜ調査が難航してはっきりと浮かんでこないのか。あるいはこの答弁にもありますように、「何分にもやり方が非常に巧妙」だというのですが、なぜそんなに巧妙にこの会社はなし得るんだろうかという疑問が、被害者だけでなくて、だれにも浮かんでくることなんではないかというふうに思うのですが、これについて法務省でお答えいただければと思います。
○筧政府委員 大阪地検で告訴を受けましたのは昨年の四月であろうかと思います。いずれにいたしましても、二年近くたっておるわけでございます。その間鋭意捜査を進めておるわけでございますが、難しいと申しますと、まず詐欺一般について申し上げますと、単なる勧誘員、外務員の言った言葉がうそであるというようなことではございませんで、やはり豊田商事という会社、組織、それに関連企業も含めまして大きな組織の企業活動を介しての犯罪というふうに考えられるわけでございます。そういたしますと、その間の金の出入りあるいはその経営状態等を確定しなければなりません。そのためには多くの経理帳簿その他の解明が必要でございます。現在大阪地検ではその捜査を主にやっておるようでございますけれども、御承知のようにその経理関係書類その他につきましても必ずしも十分なものではなくて、隠匿したものもあれば散逸したものもあれば、不十分なものを集めまして現在その実態を解明中と聞いております。したがいまして、その点で相当の日時を要しておるというふうに御理解をいただきたいと思います。
○三浦(隆)委員 とにかく五十七年七月六日の答弁というものを今ここで引用させてもらったのですが、この時点でも既にかなりの疑いを持たれて調査をされている。ただ、調査をしながら相手が非常に巧妙なので困っておる、私はそう理解したわけですね。ですから、三年間も調査されているわけですから、大変難しくても、もう少しそれ以後の答弁その他には何らか新しい変わった答弁というか前向きなものがあってもよかったのじゃないかなと思うのです。
 ただ、今刑法の詐欺罪の問題が出ましたが、この刑法の詐欺罪の今回の事件はだんだん捜査が進んでいくと思いますけれども、この詐欺罪で有罪と決め手をつかみ得るというふうな、何となくそういう見通しというのでしょうか、まだ調べてみなければわからないでしょうけれども、この事件と刑法の詐欺罪とはどういうふうな関連を持つものか、一般論としても結構ですからお話しをいただきたい。
○筧政府委員 現在捜査中でございますので、確たる見通しを申し上げられる段階ではございません。
 ただ、一般論として申し上げますれば、個々的な個々の行為による犯罪と違いまして、こういう会社形態の企業活動を通じての詐欺ということになりますと、継続しているその営業の実態を解明し、ある時点でのその会社の経理状態あるいは営業状態、それによって特定の時点においても先の見込みがないし、これから金を集めても返せる見込みが全くないというような判断をなし得る時期がいつであったかというようなことを確定しなければならないわけでございます。そういう意味で、その会社の営業内容あるいは経理内容を解明中でございますので、その点の解明がつけば、今市し上げましたような形での詐欺ということで解明ができるのではないかと考えております。
○三浦(隆)委員 学説あるいは判例の理解からすると、詐欺罪の構成要件の欺罔、例えば欺罔の理解一つにしてもかなり幅広い解釈がなされているわけでして、今回のようなものは全部を明らかにすることは大変難しいでしょうけれども、重立ったもの一つに争点を絞ってやっていただければ割とスムーズにいき得るのじゃないだろうかなという気がするのです。もしそれがどうにもできなければ、本当に悪い人は悪いことをしてよかった、被害者はそれで泣きっ放しというふうになると、社会正義というのは余り実現され得なくなるような気がしないでもございませんので、そういったきょうの参考人の被害者の声が通りますように、ひとつしっかりと御捜査をお願いしたいと思います。
 また、これに関連しましてお尋ねしたいのですが、豊田商事の悪徳商法によって現実に多数の被害者が出ております。このような豊田商事グループに対する適切な処置をとれずにこれまで野放しにせざるを得なかったのは何でであろうか。例えば現行法上に不備があるのだろうか。たくさんの法令が関連すると思うのですが、こうしたものを野放しにせざるを得なかった背景に、これを的確に押さえ得なかったという法令上の不備があるのか。もしあったとするならば、これに対する是正措置というものをとる必要があるのではないだろうか、こう私は考えるのですが、民事、刑事の御担当の方から法規上の問題でお尋ねしたいと思います。
○枇杷田政府委員 私どもの所管しております民事関係の法律と申しますのは、申し上げるまでもなく基本的な私人間の法律関係を規制するというものでございます。そういう観点から豊田商事の問題が直接問題になるというふうには考えておりません。現在、関係六省庁間におきまして担当者の会議を持っておりますが、その際にいろいろな角度から検討されまして、民事関係につきましても直接間接、何か立法措置をする必要があるということになれば、それについて十分に検討してまいりたいと考えておる次第でございますが、現在のところ、私どもの所管しております法律で直接の改正の問題としては特に検討しているものはございません。
○筧政府委員 罰則の関係で申し上げますれば、今御説明いたしましたとおり詐欺あるいは出資法違反その他について現在捜査中でございますので、その結果法律に不備があるということになりますれば何らかの措置を考えなければならないと思っております。とにかく捜査の結果を待ちたいと考えております。
○三浦(隆)委員 この問題に対しまして通産省、経済企画庁あるいは法務省、それぞれの担当の大臣がいろいろと御答弁をされているわけであります。時間的にもかなり早い時期からいろいろと御答弁をいただいておるのです。例えば通産大臣の御発言を読んでみますと、これは予算委員会の記録ですが、とにかくこの事件で「早急に処置いたしましょう。」と述べております。「国会でもたびたび論議されておりますこのようないわば社会悪を追い払うためには、委員御指摘のようないろいろな対策を考えまして、早急に処置いたしましょう。」というのですが、その後具体的にどんな措置をとってきたものやら、そのときだけの答弁で終わってしまったのではどうにもならないであろうという感じであります。あるいは物特の場におきます経済企画庁長官のせりふでありますが、「政府の政策から考えましてもゆゆしき事態だと思いますし、しかも、その傾向がますます顕著になりつつあるということでございますから、政府といたしましてもこの問題を何らかの形で至急前向きに解決をしなければならぬ、対応しなければならぬ、このように考えておりまして、関係省庁と至急相談をしたい、このように思っておるところでございます。」こうあるのですが、ここでも至急相談するとか、ゆゆしき事態だとか、言葉だけは威勢がよろしいのですが、実効的手段がほとんどと言っていいくらいとられてこないからこういう被害者が出てきたのだろうと思います。また法務大臣の方の答えもございまして、これもいろいろとお答えをいただいたわけですが、これは参議院の決算委員会の一つの記録であります。例えば、この問題に関連して「適切に対処をしてまいりたい」とか「何らか対応の工夫ができるのかどうかというようなことについて検討したい」とか、それなりの答えがあるわけであります。
 私が言いたいのは、それからもう既にかなり時間がたっているわけでありますが、にもかかわらず被害者はどんどんふえてしまったということです。本当に関係各大臣がそれぞれの今の発言どおりの具体的な対応をとられていれば、泣きを見る人がもっと少なく済んだのではなかっただろうかということであります。大臣の御発言ですので各省のそれぞれの方から御意見をお聞きしたかったのですが、時間がございませんのでそれはやめることにいたします。
 最後にお許しをいただいて一つだけお尋ねしたいのですが、今まである例ですと、これらの急に成り上がったグループというのは、よく政治家への政治献金その他を行うのが常じゃないか。午前中の参考人も、何か強い圧力が各行政庁、役所にかかっておるのではないかというふうな御発言がありました。まさかとは思いますけれども、今回の豊田商事グループと政治家との関係につきまして国税庁と自治省からお答えできれば一言ずつお尋ねしたい。
 というのは、国税の方は脱税容疑ということで、それをばっと押収されたと思うのですね。ずっと膨大な書類を見まして脱税という事実がはっきりした点に関して、これに対して差し押さえたりいろいろ行為をされたと思いますが、その中で正規の政治献金であれば別に脱税ではないわけですから、そこいら辺の食い違いを書類を見ながらお気づきになったかどうかという点、これを国税庁に。
 それから自治省については、政治献金というふうなものが行われたのが載っているかどうかでありますが、恐らくは表面的には載っていないだろうと思います。そこでむしろ自治省にお願いしたいのは、豊田商事グループというのも莫大な数に及んでおりますし、また同時にそれに関する役員の数も相当になっております。大変難しいかとは思うのですけれども、こうした豊田商事グループと政治との悪い関係はないとは思いますけれども、念のため調べていただければ幸いだなというふうに思います。
 時間でございますから、答え得る範囲だけで結構ですから、一言ずつ国税庁と自治省にお願いしたいと思います。
○友浦説明員 お答えいたします。
 先生御指摘のように、豊田商事につきましては一般の税務調査を行ったことがございます。ただ、ただいまお尋ねの件につきましては、個別にわたる事柄でございますので、答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
○中地説明員 お答え申し上げます。
 政治資金の収支報告書でございますが、これは政治団体がどういうところから寄附を受けたかという収支報告でございます。したがいまして、ある政治団体がどこからもらっているかということにつきましては調査ができるわけでございますが、逆の場合、すなわち、こういう企業からあるいはこういう人からもらっているのかどうかと申しますと、三千数百、五十九年におきましては三千三百三十四団体でございますけれども、それを全部当たらないといかぬという膨大な作業でございます。そういうことで非常に難しいということを御承知いただきたいと思います。
○三浦(隆)委員 午前中の被害を受けた参考人の方が、各役所には強い圧力がかかっているから我我は救われないという極めて不信感を持ったような御発言がございます。もちろん発言者も確たる証拠を持って言ったのではないと思いますが、そういうことが広がりますと、よく政治家がそれにかかわるというふうなことがありますと我々にとっても大変心外でございますので、大変面倒なことかとは思いますけれども、わかる範囲で結構でございますから、国税の上からもあるいは自治省としての所管の上からもお調べいただけるならば大変ありがたいというふうに思っております。
 質問はこれで終わります。
○片岡委員長 林吾郎君。
○林(百)委員 各同僚からの質問もありましたが、豊田商事事件の、常識では納得できない、殊にお年寄りを相手にしてこういう無謀な金の取引まがいの悪徳商法をやっておりました事件については、実は私の方の議員でも昭和五十七年に小林政子議員が質問をしておりまして、五十七年以来私の方でこの問題についての国会での質疑の記録をとってみましたら、これだけの厚さがあるんですね。こんな厚さで、九十六国会から百二国会までの間にこれだけの質疑がなされているのに、行政当局が何の手も打たなくてこういう悲劇に終末を告げたということについては、これはどこの管轄ということもありますが、通産省としてはこういうことは気がついておらなかったんですかね、こういう内容の取引をしていたということ。どうでしょう。
○山下説明員 私どもの通産省の消費者相談窓口につきましては、五十六年の末ぐらいから豊田商事関係の相談が寄せられるようになってまいりました。そういうところを通じまして、こういうケースが動きつつあるということは承知しておったわけでございますけれども、その後、五十七年のだしか六月ごろだったと思いますけれども、豊田商事の方に事情の説明を求めだというような経緯はございます。ただ、豊田商事の方でこれは企業の問題なんでということで、具体的な説明を得られなかったという関係はございますけれども、私どもとしてはそのころから金の現物まがい商法と今言われているような取引が行われているということで気にしておりました。そして、私どもの対応といたしましては、消費者行政の関係パンフレットなどにそういうような商法の御紹介をし注意を呼びかけたというようなことがございますし、金の現物そのものの取引の方を推奨する、そういうことが円滑にできるような仕組みをつくるというようなことをやってまいった次第でございます。
○林(百)委員 こういうまがい商法をやっておるということで疑いを持っているとすれば、警察と連絡をしてもいいし、それから税金関係では国税庁と連絡をとってもいいし、捜査の方法はあると思いますね。
 私がおたくへ警告を発したとき、「うまい話には落とし穴GOLD」こういうものを出して消費者に警告を発しておりますとあなたの方からお答えを得たんですが、どういうところへこういうポスターを配られたのですか。このころもうあなたの方ではわかっていたんじゃないですかね。「「金」悪質業者にご用心 「金」の現物を買う時は、電話・訪問等による勧誘に注意し、信頼できる業者の店頭で、代金と引換えに、現物を受け取りましょう。ご相談・苦情等は、通商産業省」その電話番号が書いてありますが、「または、地方通産局の消費者相談室へ。」「「金」の悪質業者にご用心」と言う以上は、これは通産省はそういうことを知っていなければこういうビラが出るはずないのですが、知っていながらそれをそのままに今まで放置しておくというのはどういうことなんですか。
○山下説明員 金の取引に関連いたしまして、いろいろ消費者相談の窓口に苦情が寄せられておりましたことは事実でございます。そして、最初のころの金の取引の問題と申しますのは、先ほどちょっとお話が出ておりました先物取引のようなもので金の消費者の苦情というようなものが出てまいったわけでございますけれども、その後、今お話しいたしましたいわゆる現物まがい商法と言われるものも出てまいったということでございます。そういうことを踏まえまして、今先生がごらんいただきましたポスターというようなものを出したわけでございますが、たしかそれは二千部ほど全国の消費者関係の消費者センターあるいは各都道府県の消費者窓口というようなところへお配りをしたというふうに承知しております。
○林(百)委員 どういう関係者のところへこういう警告を発したというのですか。
○山下説明員 今申し上げましたように、そのポスター自身は市町村の消費者相談窓口とか都道府県の消費者相談担当課とかいうところにお配りしたと理解しております。
○林(百)委員 そうすると、ここに「ご相談・苦情等は、通商産業省」電話番号が書いてありますね。ここに豊田商事の関係の被害者からの相談は来なかったのですか。
○山下説明員 私どもの相談窓口には豊田商事の相談案件も入ってきております。そこにございます電話番号は――どうも失礼しました。通産省の窓口でございまして、入ってきております。
○林(百)委員 これも日本金地金流通協会から「金の悪質業者にご用心!!ウマイ話には落し穴があります。」と言って、こういうパンフレットも出ているのですが、こうなりますと、豊田商事のことがわかっておらないはずはないのに、どうしてそれに対して通産省としての監督なりあるいはそれに対しての適切な措置でこのような多くの被害が出るようなことを差しとめることができなかったのですか。もういっぱいこういうものは出ているのですよ。通産省を初めとして日本金地金流通協会からも出ていますね、こんな厚いパンフレットが。それでいて豊田商事のようなこういう現物まがい商売が幾らでも自由にできているということはどういうことなんですかね。
○山下説明員 私どもの関係しております法律で申し上げますと、訪問販売法というようなものがさしあたり消費者対策の関係法律かと思いますけれども、この法律の対象には実は金の地金というのはなっておりませんで、具体的に豊田商事の商法を規制するという意味から申し上げますと、私どもの規制対象になっていないということはございました。
 それからもう一つ先生の御指摘でございますけれども、特定の会社についてその商法を非難するということをやるには行政の立場といたしましてはかなり慎重に判断をしなければいけないというようなこともございまして、むしろ迂遠な方法ということになろうかもしれませんけれども、消費者に対して現物の地金でお買いくださいというような啓発をすることによって逆に現物まがい商法に引き込まれないように、そういうようなPRの活動をしたということでございます。
○林(百)委員 それではあなたは、豊田商事は実際金を買っていたとお思いになりますか。実際買った金を賃借していた、そうお考えになっているのですか。もし実際金を買わずに、金を買ってお預けください、そうすればそれを運用します、そう言って金を持っていって、しかも流通の費用が人件費や経費だけで四割、いろいろ入れると七〇%近くも費用にいっているというのですよ。それが一年なら一割、五年なら一割五分なんて、そんな高利息が生まれるはずないじゃないですか。それを通産省は、私どもの管轄でないから何にも監督もできないと言うのですか。そんな商売がありましたら、それは通産省がまず第一に手を入れるなり関心を持つなり忠告を発するなりするのは当たり前じゃないですか。
○山下説明員 地金の流通につきましては、実は自由化されて以降、私どもとしてもだれがどれだけ地金の手当てをしているかということにつきましては必ずしも詳細に把握し得ない状況でございます。そういう意味で、豊田商事がどこまで本当に地金の手当てをしたのかというところは詳細把握できておりませんでした。
 そして、先ほどちょっと申し上げましたけれども、五十七年の六月ごろ、豊田商事を呼びまして具体的な地金の運用というようなものを開こうと思ったわけでございますけれども、協力を得られなかったというような経緯がございます。そういう意味では、豊田商事の実体というようなものは十分つかみ得なかったということはございますけれども、先生御指摘のうまく商売が成り立つのかどうかという点につきましては、外交員の歩合の数字につきましては私ども十分承知をしておりませんでしたけれども、一〇%を超える利率で回すということは大変難しいビジネスであろうというふうに思っておりました。(「もっとゆっくりしゃべりなさい」と呼ぶ者あり)
○片岡委員長 もっとはっきりしゃべってください。
○林(百)委員 今もあなたも言うように、預かった金の人件費と経費だけでも四割は使っている。そのほかの諸経費を入れれば預かった金の七割使ってしまうというのですね。そうすると運用できるのは三割の金だけ、まあ金を金にしてもね。それで年に一割あるいは一割五分の利息が生まれるはずないですよ。そんなことも不思議に思わなかったら、あなた通産省の役人の資格はありませんよ。もしあなた自身がそういうことで強制的な措置がとれなかったら、警察と連絡してみて、どうも詐欺まがいの取引らしい、あるいは国税庁の方へ、脱税の、国税の違反の嫌疑もある、それでよその庁と連絡をとり合って捜査してもらったっていいじゃないですか。どうもおかしい、おかしい、しかし金の直接の取引は私の方の管轄でなかったから手が入りませんでしたといったって、金の取引はあなたの方の監督権があるわけでしょう、現物の取引が許されるようになったのですから。どうしてそういうことをやらないのですか。
○山下説明員 少し御説明が不足で申しわけございませんでしたけれども、金の管轄は通産省でございますけれども、そういうことに対して強制的な調査権限がないということで申し上げたわけでございます。
 それで御指摘の、通産省でそういう問題、疑問を持ったときにどうしたかということでございますけれども、先ほど来御議論ございましたように既に国会等でも警察当局の御関心というものを表明されておりましたので、詐欺の問題というようなことにつきましては御検討いただいているというふうに理解しておりました。
○林(百)委員 あなたの言うのは言いわけで、あなたの方が強制権持っていないというけれども、強制権持っている行政庁は方々にあるんだから、そういうところとお互いに連絡をとり合えば幾らでも資料を集めることはできるでしょう。それは明らかに通産省の責任ですよ。経企庁も、いろいろありますけれども、直接的にはあなたの方の責任ですよ。金の悪徳取引があるということを知っていてポスターまでつくっているのですからね。
 そこでお聞きしますが、経企庁はおりませんね。ことしの十一月一日に消費者関係の会議を開いて、「最近、現物まがい取引や投資顧問業など、消費者を巻き込む悪質な商取引事件が多発していることから、防止策が主な課題になった。その結果、現物まがい取引については、立法措置のほか、国民生活審議会(首相の諮問機関)の約款適正化委員会で、契約上の問題点を検討して、改善策を取りまとめることも決まった。」こうありますが、この国民生活審議会(首相の諮問機関)の約款適正化委員会の契約上の問題点の検討と改善策はその後どうなりましたか。これは通産省でいいのですか。通産省も関係六省庁のそれに加わっているわけでしょう。
○山下説明員 先生御指摘の前段の消費者保護会議の方は各省大臣が参加しておりまして通産省も参加いたしておりますが、後段の国民生活審議会でしたか、約款の方の研究をしておりますのは企画庁の組織でございますので、そういうことを勉強しておられることは承知しておりますが、中身の詳しいところについては存じておりません。
○林(百)委員 それでは法務省にお尋ねしますが、法務省ではこういう動きは承知していますか。こういう現物まがい取引について立法措置のほか国民生活審議会の約款適正化委員会、約款というんだから商法の約款だと思いますが。
○筧政府委員 前段の消費者保護会議の方は私ども関係いたしておりますが、後段の方は私ども関係いたしておりません。
○林(百)委員 法務省の民事局おりませんね。
○片岡委員長 おらないです。
○林(百)委員 そうすると、約款の適正化は経企庁の方が行うということに聞いておきましょう。
 それで、このときの話ですが、先ほど質問もありましたが、「経企庁、警察庁、通産省など関係六省庁は来年一月、合同調査団をこうした取引の先進国である米国に送り、規制や消費者保護の実情を調査したうえ、早ければ次の通常国会に法案を提出する方針だ。」ここで出席しているのは警察庁と通産省だが、「早ければ次の通常国会に法案を提出する方針だ。」と言いますが、これは事実そうなっているのかどうか。また、アメリカは先進国だというのはこういう悪い取引の先進国だという意味ですか。アメリカは何の先進国なんですか。それを答弁してください。
○山下説明員 先ほど申し上げました消費者保護会議で決定いたしましたことは、豊田商事のような事態の再発を防止をするために法律の整備を含めて対策を検討するということで決定がされております。それを踏まえまして私どもいろいろ勉強している最中でございまして、アメリカに調査団が行く話は、企画庁の方で先ほど御答弁ございましたように進んでいる案件でございます。
 先進国はどういう意味がということでございますが、例えばマルチ商法というのは実はアメリカから輸入されたというようなこともございますので、アメリカでいろいろ消費者保護対策というのも進んでおるというふうに理解しておりまして、それの勉強に行ってこようということでございます。
○林(百)委員 通常国会に何かこういう豊田商事まがいの商売が起こらいような定款の改正をするような あるいは新たな立法を提案するような、そういう方針はあるのですか。
○山下説明員 先ほど申し上げましたように、既に決めましたことは法律の整備を含めて検討するということでございますが、具体的なタイミング、中身につきましては、いつまでとかどういう内容ということまではまだ固まっておりません。
○林(百)委員 そうすると、そういう法案を準備はしておると聞いていいんですか、検討はしている。
○山下説明員 今、六省庁会議でそういう問題を含めて議論を進めている最中でございます。その中に当然法律を直すところを含めていろいろ議論をしております。
○林(百)委員 そうすると、警察にお尋ねしますが、これは新聞に出ていることですが、「大阪府警は豊田商事グループに関する大量の捜査資料を警察庁に送り、法整備の参考にしてもらうとともに、来春にでも新手の経済事犯に対応する部門を新設、悪徳商法の取り締まりを強化していく方針だ。」というように新聞に出ておりますが、この対応する部門を新設して悪徳商法の取り締まりを強化していく方針についてはどういうことになっているんでしょうか。
○伊藤説明員 お答えいたします。
 警察といたしましては、従来から一般市民をねらいましたこの手の詐欺的商法は平穏な市民生活を侵害する極めて悪質なものであると認識しておりまして種々対策に取り組んでまいりました。御指摘のとおり、こうした関係者の手口は次第に巧妙化、知能化してきておりますので、私ども警察といたしましてもそれらに的確に対処するということで、組織の改編それから捜査体制の強化を図るということを検討しております。
 具体的に申し上げますと、警察庁におきましては組織改編によりまして市民生活の保護に力点を置きました生活経済課を新設することを検討して奉ります。それから各都道府県警察におきましてはこの種事案に迅速的確に対応できるように、まず個々の捜査員の捜査能力の向上を初めといたしまして捜査体制の充実強化を推進してまいるところであります。
 いずれにいたしましても、今後とも私ども警察としては消費者保護あるいは弱者保護の立場に立ちましてこうした事案に真正面から取り組む、違法行為があれば看過しないという厳しい姿勢で臨んでまいりたいというふうに考えております。
○林(百)委員 時間がありませんので裁判所にお聞きしますが、豊田商事については破産の決定があって第一回の債権者集会が開かれたと聞いておりますが、差し押さえた財産と届け出られた債権との比率は今どのくらいになっていますか。
○上谷最高裁判所長官代理者 一番新しい資料を聞いてまいりましたので、十一月二十日現在の数字で申し上げます。細かい端数は若干不正確なところがございますので、概数ということでお聞き取りいただけると好都合でございます。
 まず、債権の届け出の総件数が三万六百四十六件、債権金額にして千百四十六億四千二百七十一万円という数字になっております。この債権の内訳は、いわゆるファミリー証券債権の件数が一番多く二万七千七百一件、金額にして一千百四億九千八百万円という数字になっております。それに次いで多いのが豊田商事の従業員から届けられている債権で、これが二千六百四十三件、金額にして十二億七千四百七十九万円となっております。その他、例えば貸金等の雑の債権が三百二件、金額にして二十八億六千九百九十二万円。以上を合計した数字が最初に申し上げました千百四十六億四千二百七十一万円ということになるわけでございます。
 それから、十一月ごろまでに破産管財人が収集いたしました財団でございますが、豊田商事関係では約六億程度。それから、御承知と存じますが、関連会社で同じように破産宣告を受けております銀河計画の関係で約八億。合計いたしまして現在のところ十四億の財団が収集されておるという現状でございます。
 まだこの他、例えば債権の回収等が管財人によって行われる可能性がございますので、将来この金額に変動が生ずる可能性はございます。現在のところ収集しております財団が、今申し上げたとおり関連会社の銀河計画を含めまして約十四億という数字になっておるわけでございます。今申しました一千百四十六億という債権額は、いわゆる破産債権の届け出された金額でございますが、その他、例えば租税等のいわゆる財団債権に当たるものがございます。現在のところ概数で約十二億余りあるようでございますが、そういうふうな金額に対しまして、現在までに確保された財団の金額が関連会社を合わせまして約十四億ということでございますので、この比率から見ますと債権者に対する最終配当率は高いものはなかなか期待できないだろう。これは今後管財人がいろんな手段を駆使いたしまして財団の収集に努めることになりますし、場合によれば訴訟を提起するということで財団の収集確保に努めていることでございますので、最終的な見通しはまだまだわからない段階でございます。
 それから、債権調査の結果、届け出のありました債権についても異議が出たり全部の額がそのまま認められるわけではないと思いますので、この点も未確定でこれから調査を進める段階でございますので、配当率がどうなるかということはちょっとまだ計算はできない段階でございます。ただ、今申しましたような数字の対比から申しますと、余り高い配当率は期待できないような状況になっている、こういう進行ぐあいでございます。
○林(百)委員 破産の手続の終結する見通しというのは今のところ立ちますか立ちませんか。いつになるかわかりませんか。
○上谷最高裁判所長官代理者 去る昭和六十年九月二十四日に第一回の債権者集会及び賞権調査期日を開いたわけでございますが、今申しましたとおり債権の届け出件数が膨大でございますので、本年の十二月二日から債権調査の具体的な期日がさらに続けられることになりまして、これだけでも件数が非常に多うございますので、ある程度の時間がかかると思います。
 それから、先ほど申しましたとおり破産管財人といたしまして任意の交渉で財団を収集し得る分はよろしゅうございますが、物によっては訴えを提起するとかいう措置をとらなければならないようなものもあろうかと思います。したがいまして、そういうふうなものが全部最後まで片づきませんと最終的な破産手続の終結ということにはならないのでございますので、今のところ全部の手続がいつまでに終了するかという見通しを申し上げるのは非常に難しい段階でございます。
 ただ、御承知のとおりある程度の債権が確定し、ある程度の財団等のまとまりができれば、その都度中間的に配当を進めるというような手続もあるわけでございますが、いずれにしましても今まだ破産手続の冒頭で調査に差しかかった段階でございますので、いつの時期にどういうふうな形で配当ができるかとか、まだちょっと見通しはつかない状況でございます。
○林(百)委員 これで終わりますが、警察へ二問だけ聞いておきたいと思います。
 けさの参考人の御意見の中で、滝井さんの御意見で、当然これは国の責任だ、こういう不当な詐欺まがいの企業組織、企業全体が詐欺の集団みたいな、こういうことを許していたということは国の責任である、だからこの損害については当然国が責任を負うべきであるという御意見もあったわけなんです。警察としても詐欺が成立するかどうか、いろいろな要件もありますけれども、しかし金を出させて金を買いますと言いながら、それを直ちに違う方面へ流用する、それでもう金を買う余地もないのにその金がよそへ使われている、あるいは契約者から取った金の四割から六割近くが経費や人件費に使われて、残りのものが配当が年間一割や一割五分になるはずがないということになれば、これは明らかに詐欺の構成要件を充当するので、どうしてもっと早く警察は――これは会社、営業というより詐欺を行っている集団だということができると思うんです。しまいにはもう従業員自身も、いや私の会社は詐欺をやっていますと私にも言っているんだから、これは間違いない、本人がそう言っているんだから。それを警察の方は、いやどうも犯罪構成要件が充当するかどうかわからぬから手が出ないとかなんとか、通産省もそんなことを言っている。これは被害者からいえば国が責任を負ってくれるのは当然だということになりますが、どうして警察がそんなに手ぬるいことをしていたのか、二千億円もの被害が出ているのに。
 それからもう一つ警察へお尋ねしたいのは、この事件の終結に決定的な影響を及ぼす社長の永野一男ですね。これが公然と白昼マスコミの人たちの見ている前で殺されている。どうしてそんなことが行われるのか。そのことのためにこの事件の民事的、刑事的結論を出すのに決定的な障害を与えているわけです。私が聞いているところでは、この犯人は「まことむすび誠心会」という会の一員だというのですが、この「まことむすび誠心会」というのは一体どういう性質の金なのか、そしてこの犯人はどういう動機で永野を公然と白昼マスコミの人たちの見ている前で殺害したのか、今の二つの点について警察から答弁を受けて、私の質問を終わりたいと思います。
○伊藤説明員 お答えいたします。
 先ほど来法務当局からも御答弁ございましたとおり、詐欺の立証につきましては、関係者が多い、関係資料が大変複雑にわたっている、あるいは組織ぐるみの犯罪であるということからるる困難を伴っておりますけれども、現在九府県警察におきまして十六件の詐欺等の告訴を受理いたしまして、関係府県警察におきまして鋭意捜査を実施中であります。
○藤原説明員 「まことむすび誠心会」はどういう団体がというお尋ねでございます。
 「まことむすび誠心会」は、現在被告人になっております飯田の話では、昭和四十八、九年ごろ、世の中は弱肉強食の時代である、世直しの必要があるということが単独で日本貧民党といった団体を設立したようでありますが、その後その団体を「まことむすび誠心会」と改称いたしまして、そして一部マスコミ等に自分のつくった機関紙を郵送頒布しておったことがこの活動実態であるということで、特に組織的な背景は認められない団体であるということでございます。
 それから、二つ目のお尋ねの犯人の動機でございますが、動機につきましては、豊田商事の金の販売名下の詐欺的商法に憤り、同社の最高責任者である永野会長を殺害しようというのが動機であるというふうに承知いたしております。
 以上でございます。
○片岡委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時二十三分散会