第103回国会 農林水産委員会 第7号
昭和六十年十二月十一日(水曜日)
    午前十時四分開議
出席委員
  委員長 今井  勇君
   理事 衛藤征士郎君 理事 島村 宜伸君
   理事 田名部匡省君 理事 玉沢徳一郎君
   理事 小川 国彦君 理事 田中 恒利君
   理事 武田 一夫君 理事 神田  厚君
      太田 誠一君    鍵田忠三郎君
      菊池福治郎君    鈴木 宗男君
      月原 茂皓君    野呂田芳成君
      羽田  孜君    松田 九郎君
      三池  信君    山崎平八郎君
      若林 正俊君    渡辺 省一君
      上西 和郎君    串原 義直君
      島田 琢郎君    新村 源雄君
      辻  一彦君    日野 市朗君
      駒谷  明君    水谷  弘君
      吉浦 忠治君    菅原喜重郎君
      津川 武一君    中林 佳子君
 出席国務大臣
        農林水産大臣  佐藤 守良君
 出席政府委員
        日本国有鉄道再
        建監理委員会事
        務局次長    林  淳司君
        農林水産大臣官
        房長      田中 宏尚君
        農林水産大臣官
        房総務審議官  眞木 秀郎君
        農林水産省経済
        局長      後藤 康夫君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    関谷 俊作君
        農林水産省畜産
        局長      大坪 敏男君
        農林水産省食品
        流通局長    鴻巣 健治君
        食糧庁長官   石川  弘君
        林野庁長官   田中 恒寿君
        水産庁次長   斉藤 達夫君
        運輸大臣官房審
        議官      熊代  健君
 委員外の出席者
        環境庁自然保護
        局企画調整課長 加藤 栄一君
        外務省経済局国
        際機関第一課長 登 誠一郎君
        大蔵省主計局主
        計官      竹内 克伸君
        厚生省生活衛生
        局食品保健課長 大澤  進君
        農林水産省経済
        局統計情報部長 渡辺  武君
        日本国有鉄道常
        務理事     岡田  宏君
        日本国有鉄道常
        務理事     須田  寛君
        日本国有鉄道常
        務理事     長谷川 忍君
        日本国有鉄道常
        務理事     川口 順啓君
        日本国有鉄道常
        務理事     岡田 昌久君
        日本国有鉄道経
        営計画室計画主
        幹       輿水  久君
        日本国有鉄道貨
        物局審議役   永田 幸司君
        農林水産委員会
        調査室長    門口 良次君
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月十日
 辞任         補欠選任
  太田 誠一君     井出一太郎君
  上西 和郎君     高沢 寅男君
同日
 辞任         補欠選任
  井出一太郎君     太田 誠一君
  高沢 寅男君     上西 和郎君
    ―――――――――――――
十二月四日
 農林年金制度の改悪反対等に関する請願(田並
 胤明君紹介)(第八一八号)
 同(中林佳子君紹介)(第九六四号)
 同外一件(細谷昭雄君紹介)(第九六五号)
 合板・製材等木材産業改善に関する請願(森井
 忠良君紹介)(第八一九号)
 同(吉原米治君紹介)(第八二〇号)
 同(和田貞夫君紹介)(第八五七号)
 同(松浦利尚君紹介)(第九六六号)
 農林年金制度改悪反対等に関する請願(串原義
 直君紹介)(第八五六号)
同月五日
 農林年金制度の改悪反対等に関する請願(細谷
 昭雄君紹介)(第一〇一八号)
 長野県の営林署存置に関する請願(串原義直君
 紹介)(第一〇二七号)
 同(清水勇君紹介)(第一〇二八号)
 同(中村茂君紹介)(第一〇二九号)
 農林年金制度改悪反対等に関する請願(中村茂
 君紹介)(第一〇七〇号)
 合板・製材等木材産業改善に関する請願(森中
 守義君紹介)(第一〇七一号)
 同(上田哲君紹介)(第一一七九号)
同月六日
 農林年金制度改悪反対等に関する請願(田中恒
 利君紹介)(第一二二四号)
 合板・製材等木材産業改善に関する請願(木島
 喜兵衛君紹介)(第一二二五号)
 同(永井孝信君紹介)(第一二二六号)
 同(渡辺嘉藏君紹介)(第一二二七号)
 同(不破哲三君紹介)(第一二八七号)
同月九日
 長野県の営林署存置に関する請願(林百郎君紹
 介)(第一二九六号)
 合板・製材等木材産業改善に関する請願(竹村
 泰子君紹介)(第一四九六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
十二月六日
 食糧政策の確立等に関する陳情書外十件(鳥取
 県議会議長野津英顕外十名)(第六五号)
 農業再建・食糧自給促進等に関する陳情書外二
 十九件(北海道赤平市議会議長山口八郎外二十
 九名)(第六六号)
 農畜産物の市場開放阻止に関する陳情書外十八
 件(愛媛県伊予三島市議会議長井川正一外二十
 五名)(第六七号)
 畜産・酪農政策の充実強化に関する陳情書外一
 件(福岡県議会議長岡本忠男外一名)(第六八
 号)
 農業委員会等組織の拡充強化に関する陳情書
 (大阪市東区馬場町三の三五道庭富太郎)(第
 六九号)
 農地法改正に関する陳情書(愛知県市長会会長
 春日井市長鈴木義男)(第七〇号)
 外材輸入反対に関する陳情書(福岡県議会議長
 岡本忠男)(第七一号)
 養蚕農家の経営安定に関する陳情書外一件(宮
 崎県日向市議会議長柏田利彦外一名)(第七二
 号)
 蚕糸業振興対策の推進強化に関する陳情書(関
 東甲信越一都丸県議会議長会代表東京都議会議
 長田辺哲夫外九名)(第七三号)
 国営紀の川用水農業水利事業に関する陳情書
 (和歌山県議会議長松本計一)(第七四号)
 今市営林署の存続に関する陳情書(栃木県今市
 市議会議長手塚庄右衛門)(第七五号)
 森林・林業及び木材産業の振興に関する陳情書
 外五件(四国四県議会正副議長会議代表愛媛県
 議会議長俊成薫外二十六名)(第七六号)
 国有林野の道路敷無償譲渡に関する陳情書外一
 件(中国五県議会正副議長会議代表山口県議会
 議長河村五良外八名)(第七七号)
 教育森林創設に関する陳情書(東京都港区赤坂
 一の九の一三隅谷三喜男外九十一名)(第七八
 号)
 松くい虫防除対策の拡充強化に関する陳情書外
 二件(栃木県議会議長岩崎実外十八名)(第七
 九号)
 日ソ漁業に関する陳情書(北海道議会議長三上
 勇)(第八〇号)
 竹島周辺海域の漁業安全操業確保に関する陳情
 書外一件(中国五県議会正副議長会議代表山口
 県議会議長河村五良外八名)(第八一号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農林水産業の振興に関する件
    ―――――――――――――
○今井委員長 これより会議を開きます。
 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松田九郎君。
○松田委員 最初に、議員各位に、発言の機会を与えていただいたことについて心からお礼を申し上げます。
 本議員は、まず最初に大臣に農水省の概算要求についてお伺いをいたしたいのですが、それは、六十一年度の概算要求額は、御高承のとおり前年度予算額対比九七・九%、三兆二千三百十六億円、前年度を見ますというと、優に六百九十三億の縮減の要求額となっている。さらに概算要求額から今後千数百億円前後の切り込みがなされるのではないかというふうに仄聞もしておりますが、その内容と、そして、このようにここ二、三年来とみに減額の一途をたどっておる、言うなれば四千億を超しておる。特にその予算のしわ寄せは、人件費的なものはむしろ上昇というか減額にはなっていないが、直接生産性を高める事業的な資金、いわゆる構造改善事業などもことしはさらに切り込まれて、仄聞するところ一千四百億以上になんなんとするのではないかというふうに言われておるのだが、こういう非常事態とも言うべき中にあって、所管大臣としては一体どういう基本的な考え方で対大蔵省その他政府諸機関との間に今後交渉をされようとしておるのか、そこら辺についてひとつ基本的なお考えを承りたい。できれば基本的な、個別的な問題点をとらえて、私が懸念しておる、このいわゆる事業的な、生産性的な予算というものがこのように落ち込んでおることについて、大臣はどのようにお考えになっておるか、そこら辺についてお尋ねをしたいのであります。
○佐藤国務大臣 松田先生にお答えいたします。
 六十年度予算につきましては先生の御指摘のとおりでございます。また、農林水産予算は、御存じのとおり国民生活にとりまして最も重要な予算でございまして、これは最大限努力をしてまいった、そして少なくとも農林水産行政に必要な予算は確保してまいった、このように考えておるわけでございます。
 六十一年度予算については、七月二十六日に閣議了解されました概算要求基準に沿って概算要求を行い、その後現在まで事務レベルで財政当局と鋭意折衝しているところでございますが、状況は先生の御指摘のとおり非常に厳しいような感じがいたします。
 いずれにいたしましても、私としては、土台のしっかりした農林水産業を実現するために、必要な予算につきましては全力を挙げてこれを確保してまいる所存でございますので、よろしく御理解と御支援をお願いする次第でございます。
○松田委員 意見はありますけれども、最も信頼をしておる大臣のことでありますから、大変厳しい状況ではございますが、それこそふんどしを引き締めた形でひとつ格段の折衝をしていただくということをお願いしておきたいのであります。
 次いで、食糧庁長官ないし管理部長でも結構ですが、お伺いをしたいのであります。
 ことしも米の豊作が確定をし、先般来当局が発表しておる数字によれば、大体一〇五%、言うなれば史上三番目に相当するような豊作の年ともなっておる。こういう中で政府は、来年の減反面積を二万六千ヘクタールだけふやして六十万ヘクタールにすることに決定しておる。韓国米の輸入にまで追い込まれておったさきの逼迫した状態からすると、米の需給はさま変わりをしてきている、そういう状態じゃないかというように私は思う。
 そこで、今後の米政策について以下少しお尋ねをしたいのであります。
 政府の需給見通しによれば、六十米穀年度末には四十万から五十万トンの米が残っておるのではないかとも推定をされる。これに今年の豊作で発生する分が加わってまいると、来年の十月末に残る米が百二十万トンから百四十万トンを超えるのではないかとも推計をされるのであります。需要が今後予想以上に動いていかない限り、見通しは全く暗いというか非常に問題点がある。こういうことであれば、この在庫というものを今後どのように考えればいいかという問題点もここで起きてまいります。問題は来年の生産である。再来年の十月末の問題を考えなければならない。既に五十九年産から三カ年にわたって四十五万トンずつの在庫を積みふやすことをしているが、その在庫分が二カ年間の豊作によりほぼ達成をされているということになっているのではないか。したがって、来年が平年作として四十五万トンの積み増しがなされるということになれば、百六十万トンから百九十万トン前後に膨らんでくるのではないかということも懸念をされる。在庫の積み残し、積み増し枠が百四十万トンぐらいであろうから、これをかなり上回る水準が予想されるのである。これを積み増し分のうちとみなしてしまうのであるのか、あるいは今後減反を強化して帳消しをしようとするのか、財政負担をして他用途米に安く処分をするという方法をとるか、いずれにしてもそのいずれかの方法を考慮しなければならないが、食糧庁長官としてはこれらのジレンマというか、そういう問題の中でどういう対応をしようとしておるのか、米農政の基本的な問題について、この際伺っておきたいのであります。
○石川政府委員 先生今御指摘の将来見通してございますが、五十九年産が豊作になっておりまして、計画では六十年に入ります六十米穀年度の端境期末に、四十ないし六十万トンの米を持って越年をするという計画でございましたが、これは集荷の問題なり販売の問題に若干ずつ差が出てまいりまして、大体私ども、現在把握しております数字によりますと、二十万トン程度の持ち越してございます。したがいまして、持ち越し自身は若干当初の予定を下回ったわけでございますが、幸いにして六十年産、また豊作でございましたので、これを合わせまして六十一年産につなぎます際の端境期の数量は、百万トンを若干上回る水準ではなかろうか。したがいまして、今先生が御指摘になりました数字よりも若干低いところでいくわけでございます。
 さらに、六十一年産が平年作でありますと、四十五万トン程度の積み増しがあるわけでございますので、そこで計画をいたしておりました百五十万トン前後の数字が一応予想されるわけでございますが、その後のこと、よく言いますポスト三期ということになりますと、現在やっております積み増し分の四十万トンないし五十万トン、四十五万トンと言っておりますが、そういう水準のものについては需要を上回る供給の可能性があるわけでございまして、このことの結論は、結果的にはポスト三期の対策ということになるわけでございますが、いずれにしましてもそれだけの数量のものにつきましては、これはいわゆる需要の当てが直ちに見つからない水準になろうかと思います。したがいまして、これは第一義的には生産調整の強化という方法が考えられざるを得ないのではないか。
 もう一つ、他用途米等に見られます、いわば主食向けでない需要がどれだけ拡大する可能性があるかということでございます。御承知のように現在約二十七万トン程度のものは他用途の現実の結びつきがあるわけでございますが、将来的展望としましてこれが若干でもふえるかどうか、これは価格水準その他いろいろなことにもよるわけでございますが、そういうことも含めまして今後の検討課題と考えております。
○松田委員 ところで、現実的な問題としてまた長官にお尋ねしますが、六十米穀年度の年度末の米の在庫は、計算上、今長官も認められておるように大体四十万トンから五十万トン以上となるのではないかということが予測をされる。しかし政府管理米の実際の持ち込み在庫は、この十月までで二十万トンそこそこしかないのではないかとも我々は考えるのだが、そこら辺のよって来る原因がもしあるとすればその原因、ないしはそういう事実、懸念はないということであればそれらの有無について、お聞かせを願いたいのである。
○石川政府委員 先ほど御説明をいたしましたように、政府管理米の世界で四十ないし六十というものを想定したわけでございますが、現実に私たちが持ち越すと考えておりますのは二十万トンを若干超える水準だと思います。
 そういうことになりましたことにつきましては、一つは、私どもが想定していました集荷の数量が必ずしもその水準に達していない。それから従来でございますと、政府の集荷が少ない場合は、農家消費等という、いわば農家がお持ちになっているお米が多いということで、それが市中に出回ってまいりまして政府の売りが下がってくる。そのことによって政府の保有量は変わらないという形式が多かったわけでございますが、五十九年から六十年にかけての特異な事情としまして、やはり四年連続の不作の中で、農家とかあるいは各流通段階で在庫をしておりました数量が減ってまいっておりましたのが、豊作を機会に復元をしてまいっております。これは各種の調査でもあらわれておりますので、そういう面では、いわば集まる量が少なくても売れる量は減らなかったという形で、当初の計画を下回った形の在庫となったわけでございます。
 これは二年連続の豊作ということになりますと、そういう要素が薄れてまいりまして、現実的には最近におきまして政府の米の売れ行きが若干ではございますが落ちてきておりますので、そういう面で、六十米穀年度末における米穀の数量が当初の予定を下回ったこと自身は、将来的な問題として別に不安を残す材料ではないと考えております。
○松田委員 ちょっと突っ込んでお尋ねしたいのでありますけれども、時間がありませんので次に移ります。
 先ほど大臣から予算の中身について詳細説明を受けたわけでありますが、この予算というものの中で要調整額、食糧については特に食管経費縮減によって補われるのではないかという懸念を我々持っておる。だから例えば、特に昨年、ことしと良質米奨励金についての格段の議論が、特に自民党内においては大変な重要問題として論議をされたところである。そこで、六十一年産米の良質米奨励金について一体食糧庁長官としてはどういうふうに考えておるのか、そこら辺についてお考えを聞いておきたいのである。
○石川政府委員 良質米奨励金の問題につきましては、端的に申しますと、これは財政的問題でもございますし、その点も事実でございますが、ここ数年来、私どもが良質米奨励金問題を取り上げておりますのは、財政問題に至ります前に、どうも五十九年産、六十年産連年の大豊作を契機にしまして良質米の数量が三百万トンを超えてまいりました。連年不作の中で政府の持っておりました米の品質が大変低下をいたしておりました結果、良質米はもう大手を振って売れていったわけでございますが、六十、五十九において五十九年産が売れ残る。それから六十年産に至りましては、ついこの間ようやくササニシキ、コシヒカリといったようなものの本体価格が決められまして、その前の早場のものにつきましては、従来よりも早場のためにつけておりました金を落としまして契約ができる、本体もようやくできました。一等は据え置きでございますが、二等は若干、二百八十円でございますが引き下げ。それから数量全体の引き取り自身がまだ決定できないというように、いわば売り手市場から買い手市場に転換をしてきているわけでございます。
 そういう状態は消費者にとって、良質米の需要が多いわけですから、大変よかったわけですが、度が過ぎてまいりますと、やはりそのことが裏目に出てまいりまして、せっかく奨励措置をとりながら農家の手取りが結果的に下がってしまう。これは過去におきまして、五十三、五十四年の両年におきまして、良質米の生産が急速に伸びました結果、特別販売と称しまして結果的には値引きで売ったという苦い経験もございますので、私ども、そういうことになってはいかぬという意味で、良質米奨励金という制度の必要性は十分私たちも認めました上で、現在の奨励の水準がこのままでいいのかどうかという意味で検討しているわけでございます。
 先生御承知のように、ことしの米価決定の際に、この問題について政府・与党間で検討を進めて詰めを行うというお話をしておりまして、私ども、生産者団体なり流通関係者との検討を終えまして、現在私どもの考え方をまとめて御相談する段階でございますが、率直に申し上げれば、私どもは、今の水準は若干奨励が行き過ぎるおそれがあるのではないか。良質米奨励金問題は、何か良質米奨励をするかしないかというような問題でとらえられることがあるのですが、私どもは、必要であるということは重々認めました上で、今の水準が適正かどうかという面で検討を加えまして結論を出したいと思っております。したがいまして私ども、これは財政にもかかわり合いがございますが、財政的観点より先に農政上の観点からどんな水準が適正かというのを決めました上で、また御相談をしたいと思っておるわけでございます。
○松田委員 まあ自民党の部会あたりで今の長官の答弁、特に良質米奨励金の制度そのものについては、いわゆる異論はないというか、自分もその大筋は認めるけれども、これが適正であるか不適正であるかについては云々という今の答弁では、ちょっと私は了解しがたい。その理由はここで述べておると時間かかりますから申し上げません。別の機会に譲ります。
 ところで、最近の新聞報道によると、米事情のこういう推移の中で政府は消費者米価を上げて財源補てんをするのではないかというようなことが言われておる向きがある。もししかりとすれば、これまた大変な問題だと思う。しかし、ないそでは振られぬということもあるので、あながち私はそのことを非であるというふうに全面的に決めつけるものじゃないけれども、現下の食糧のいわゆる推移からして非常に売れ行きが悪い。そこで財源はどうするかということになれば、必然的に消費者米価をしわ寄せ値上げをせざるを得ないということも考えられるが、長官は一体この間にあってどういうふうなお考えをお持ちか、この際、お聞かせを願いたいのであります。
○石川政府委員 米の事情につきましては、夏の米価決定の際におきましても、現状における農業生産の事情も当然頭に置きながら、片一方におきまして米の価格水準なり消費者に与える影響というようなことも考えまして生産者米価を据え置いてきたという事情がございます。したがいまして、米の水準を大きく揺り動かすようなことは、生産、消費両面におきまして必ずしも適切なことではないという理解で私ども進めているわけでございます。
 今先生御指摘になりましたような財政的な観点というのも、これは経済事情の一つでございますから、そういう意味でいろいろな論議があることは当然でございましょうし、また財政当局からそういう要請があることは事実でございますが、私どもは、いろいろな条件を頭に置きながら、目下そういう事情を整理をいたしておりますが、どういう方向にあるということは現時点では決めておりません。
○松田委員 長官、私は消費者米価を上げるなという意味で言っておるんじゃないのだから、その点はひとつお間違えないように。これは、場合によってはやむを得ないということもあり得るという含みで私は申し上げておることを一つつけ加えておきたいと思います。
 そして、これは同時に、そこら辺のやり方はやはり難しいところだ。食管制度とも絡んでくるので、もうこんなことなら食管制度はどうだという基本的議論にも発展してくるから、対応が非常に難しい。しかし、だからといって、よく社会党あたりが言うように消費者米価を据え置いて、そんなことじゃいかぬぞ。これははっきり申し上げておく。そこら辺はひとつよく頭に置いてやっておいてもらいたい。
 次に、たくさんあるんだけれども、ちょっとこれは忙しくなっちゃうが、ことしの米の作柄は全国的に豊作であったが、西日本の一部においては不作であり、特に我が長崎県においては、十月十五日統計調査の発表の作況指数は九一であり、全国最下位である。しかしながら、これでも実態はまだまだ二〇%もかけ離れておる。
 そこで、いわゆるその後の検証をどのようにやっておるのか。作物統計課に先般来私もしばしばお願いをして、実態調査を実施してもらっておるのであるが、その調査結果は、何かこの間ちょっと聞いたときに、二十日ごろ閣議があるから、閣議にかけなければこれは知らせられぬと。そんな作況指数をば一々閣議にかけるのか。そんなことはあなた、事後承諾がなんかでいいんじゃないの。閣議のあるまでこれは発表せぬとね、次の作柄の作況指数、長崎県の指数。そしてその実態は今どの程度把握しておるか、はっきり言ってもらいたい。――急いでやって、時間がないから。簡単に言うなよ。
○渡辺説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、ことしの水稲の作柄は、全国的には作況指数が一〇五ということで豊作ということになっておりますが、北九州、特に長崎県におきましては九一ということで、不良ということでございます。全国最低の水準になっておるわけでございます。
 このように作況が長崎県で非常に悪かった点につきましての原因は、台風十二、十三号が来た潮風害の影響とか、出穂期以降気温が高くで、特に夜の気温が高くて稲の体といいますか稲体が消耗したというような点、あるいは秋雨前線の停滞による日照不足によりまして豊熟が障害を受けたというような点、あるいはウンカ等の病害虫が発生したというような点がいろいろ重なり合ったわけでございます。
 そのようなことで九一ということを十月十五日現在の作況指数の発表のときに発表をさせていただいたわけでございますが、その後、私たちといたしましては、さらに実態のより正確な把握ということに努めておりまして、先生御承知かとも思いますけれども、私たちも担当官を、担当課長もそうでございますが、長崎県にも派遣をいたしまして、より正確な実態の把握に努めておるところでございます。
 これを最終的にまとめますのは、例年そうでございますけれども、十二月二十日ごろということになっております。それまでに慎重な取りまとめを要するものでございますから、若干時間がかかるということでございまして、例年そのようになっておるのでございますが、その発表に当たりましては、やはり国民生活に非常に大きな影響があるというようなことから、閣議決定ではございませんが、閣議に御報告申し上げまして発表する、このようなことになっておりまして、ことしも同じような手続は必要ではなかろうかというように存じておる次第でございます。
 以上でございます。
○松田委員 あなた、何%になっておるか閣議に報告しなければ言われぬのかのはっきり言ってくれよ。そういうシステムになっているの。
○渡辺説明員 それで、各県で今調査を実施しておるわけでございますけれども、今のところまだそれぞれの県につきまして最終的な数量が確定いたしておりません。私のところへまだ届いておりません。事務所段階におきまして、今申し上げましたような、より実態の正確な把握に努めており、かつ、それを最終的に取りまとめておるという段階でございます。最終的には二十日に閣議決定といいますか閣議報告をいたしますけれども、それまでの間にまとまり次第、できるだけ早く先生のところへ御連絡いたしたいというように思っております。
○松田委員 各県はどうだ云々だと言うが、よその県では被害はそうないんだよ、長崎県だけがひどいんだから。よそはほとんど被害らしいものはないんだよ、失礼だけれども。言い過ぎになるかわからぬけれども、ほとんど被害らしい被害はない。せいぜい二%か三%かその程度なんだ。うちのように三〇%もなんというのはないんだよ。だから、全国的に大豊作であるという中で、何で長崎県がそんなばかなことを言っているんだと委員各位もお思いだと思うんだよ。私は、特に自分のところだから言いにくいけれども、やはり言わざるを得ないから言っているんだから、長崎県について早く出してもらいたい。同時に、自作農維持資金等の適用を受けられるかどうか、今の状態の中で。それから他用途米をいわゆる限度数の中に云々ということがあるが、そこについてちょっとお聞かせ願いたい。どうしても今発表する段階でなければそう言っておきなさい。私、もう一つ質問しなければいかぬから。――よか、よか、それならよか。それじゃ後で聞きましょう。パーセントは答え切らぬだろう、長崎県について現状は……。
○渡辺説明員 まことに申しわけない次第でございますが、ただいまのところ、長崎県につきまして、十月十五日は九一であったわけでございますが、それが下がるという予測は大体立っておりますが、何%になるかということはまだ取りまとめ中でございます。
○松田委員 大変不満足な回答だけれども、時間がないし、また後で関係者を寄せてびしびしやるから。
 最後に、これは大臣か官房長にひとつ聞きたいのだけれども、農林省には大臣や次官や官房長、局長よりも偉い課長がおるんじゃないか、官房長が一番知っておると思うけれども。公務員のモラルあるいは省の秩序、そういうものからして、具体的にきょうは言いたいと思ったけれども、官房長が心配していろいろ言うから、きょうは氏名を挙げたり事例を挙げたりしないけれども、ちゃんとしてくれなければ困るぞ。必要であれば、この次の機会にまたこれをずっと並べて、どういうことだということをほかの議員にも知らせて、農林省の中がどういうふうに動いているかということについて言わなければいかぬ。官房長、ちょっと答えて。
○田中(宏尚)政府委員 農林水産行政は非常に大切でございまして、我々担当する者一致いたしましていろいろ一生懸命頑張っておりまして、先生ともいろいろな交渉の経緯もあったようでございますけれども、それぞれ担当部署におきまして課長さんたちも一生懸命やっていることはひとつ御理解いただきたいと思います。
○松田委員 一生懸命やっておる、まあよかろう。きょうはそれで不満ながら一応認めておこう。
 時間が来ましたから以上で終わります。委員長、ありがとうございました。
○今井委員長 次に、上西和郎君。
○上西委員 私は、本日まず牛の枝肉の格付基準の問題についてお尋ねをしたいのであります。
 私は本委員会で本年三月二十八日並びに六月五日、とりわけ畜産県であります鹿児島県、私の選挙区でもありますので、ここの最大関心事である枝肉の格付基準の脂肪交雑優先を見直すべきではないかと主張しましたところ、農水省も現状について厳しい反省をなさり、そうした方向について努力すると確約をいただきました。大変うれしく、選挙区をこれを言って回りましたら、農家の皆さん方が、上西代議士は大体年金代議士と思っておったら牛のことまでやってくれるかと、大変を好評を受けたのでありますが、本日たまたま機会を得ましたので、その後の作業の進捗状況、実施の見通し等について見解を明らかにしていただきたいと考える次第です。
○大坪政府委員 ただいまお尋ねございました牛の枝肉取引規格の改正の問題でございますが、現在、日本食肉格付協会におきまして検討部会を設けまして鋭意検討を進めている状況でございます。
 検討の基本的方向につきましては、既に一月中央畜産会から報告がございました三点でございまして、その一つは新たに歩どまり基準を取り入れること、第二点は脂肪交雑評価適用基準を緩和すること、第三点は枝肉切開部位の統一の問題、この三つでございます。したがいまして現在、日本食肉格付協会の中に設けられました検討会ではこの方向に即して具体的な検討作業を進めているわけでございます。
 現在の検討状況について御報告申し上げますと、まず、規格見直しのためにはいろいろなデータが必要でございますので、そういった各種のデータの収集並びに分析方法の検討を進めておるということと、さらに具体的に食肉中央卸売市場なり部分肉処理場に参りまして、枝肉段階での脂肪交雑則頭数分布状況あるいは歩どまりの程度についての調査等々を実施しておる。さらに並行的に新しい規格をどんな枠組みとして設けるか等々についても検討しておるという状況にございます。
 そこで、お尋ねの改正の具体的時期についてでございますが、三つの項目について考えますと、検討に要する時間はそれぞれ異なっていくのではなかろうかと考えております。したがいまして、結論が出そろってから一斉に改正した方がいいのか、あるいは結論を得次第逐次改正していく方がいいのかということにつきましては必ずしも結論を得ていないわけでございますが、情勢を考えますと、一斉にやるのではなく、むしろ結論が出次第改正していってはどうかと現段階では考えておるわけでございます。
 そこで、項目別の改正のめどでございますけれども、まず第一の枝肉切開部位の統一につきましては、先生御案内のように、現在市場におきまして切開部位が異なっている事情にございます。したがいまして関係者、つまり卸売市場の荷受け会社なり買多人等との意見の調整を要するわけでございまして、この点にやや時間をとっているということでございますが、調整を急ぎまして、何とか来年度には実施いたしたい、かように考えております。
 次に、脂肪交雑評価適用基準の緩和につきましては、既存データの整理なり補完データの収集あるいは分析等々の検討作業に加えまして、新しい規格についての格付員に対する研修等も必要でございますので、これらの準備を考えますと、やはり改正自体来年度中になるのではなかろうかと考えております。
 最後の三点目の、新たに歩どまり基準を取り入れる点についてでございますが、これは必要なデータ自体がまだないという状況でございまして、データの収集から始めているわけでございまして、収集したデータの分析等々にある程度の時間がかかるのではないかと見ているわけでございます。また分離評価方式への移行ということになるわけでございますので、従来からございました判定項目をどうするか等々極めて技術的な検討も要するということもございますし、さらに格付員の研修も要するということを考えますと、今申しました第一、第二の項目に比べますと、やや時間を要するのではなかろうかと考えているわけでございまして、これにつきましては六十二年度の改正になるのではないかと考えているところでございます。
○上西委員 お答えはわかりました。
 ただひっかかりますのは、私は国家公務員の皆さん方のお使いになる言葉にまだ習熟しておりませんので、六月の私の質問のときには来年度以降とおっしゃった、今は来年度中とおっしゃる。以降と中では具体的にどう違うのか。この辺明確にしておかないと、例えば来年度以降というのは四月からやるのか、来年度中は八月にやるのか。格付基準によっては生産農業の所得、取り分が一頭十万、二十万違ってくるわけでしょう。ですから、私が最初に質問した三月から見ても八カ月、九カ月たっているわけですから、相当作業が進んでいる。もうちょっと具体的に、例えば六十一年度上期にできる、下期にならざるを得ぬとか、これくらいのことは、局長おかわりになった後でございますが、すばらしい農林水産省の組織の中で仕事をなさっているあなた、明確にお答えいただきたいと思います。
○大坪政府委員 確かに先生御指摘のように、先般の委員会での答弁におきましては、来年度以降という表現を使ったことにつきましては私自身議事録で承知しております。ただ日本語の用法といたしまして、来年度以降ということは必ずしも本年度ではなくて来年度以降であるにすぎないわけでございますので、むしろ私は、積極的に年度を確定した方がいいと考えまして、改めて今回の御説明では、来年度中という言葉を使わせていただいたということでございます。
○上西委員 わかりました。できるだけ作業を急いでいただいて、六月五日の委員会では大臣みずから、局長答弁のとおり見直し作業を急がせますと確約をなさっておりますので、そのことをゆめおろそかにせずに作業を進めていただきたいとお願いを申し上げておきます。
 次にお尋ねしたいのは、先月二十一日我が党の串原議員がお尋ねをしたのでありますが、豚価の安定対策、このことについて母豚の淘汰と事業団の調整保管、これについては十一月以降精力的に取り組んでいきたい、実施をしたい、こうお答えになっておりますが、それから三週間近い日がたっておりますので、日進月歩の今の社会情勢の推移の中で具体的にこれらがどう実施をされているか、このことについて実情を御説明いただきたいと思います。
○大坪政府委員 第一点の母豚の淘汰の問題でございますが、これにつきましては、養豚経営安定推進会議におきまして十一月から、母豚の淘汰は通常毎月四万頭程度行っておるわけでございますが、これにさらに上乗せいたしまして約二万七千頭増加をして淘汰をするという方針で十一月からその実施に取り組んでいるわけでございます。この状況につきましては、先月末主要な県の畜産課長及び各県にございます養豚経営安定推進会議のメンバーに参集を求めまして、淘汰の実施状況及びその後の取り組みにつきまして協議を行ったわけでございます。その際の報告から十一月二十日現在での淘汰の実施率を推計いたしますと、全国でおおむね目標の六割程度というふうに推定いたしております。私どもとしては、何としても、今日の事態の解決のためには子取り用雌豚の淘汰の達成が必要でございますので、今後とも引き続きまして関係方面に対して指導督励をしてまいりたい、かように考えております。
 次に、調整保管の問題でございますが、先般串原先生にお答えいたしましたとおり、調整保管は十一月の二十五日から実施しております。
 まず、全農が十一月二十五日に開始いたしまして、昨日でございますが、十二月十日現在では七市場で買い入れを行っていうということでございます。また、全蓄連、全開連につきましては近日中に開始する予定でございます。また、日本ハム・ソーセージ工業協同組合におきましては十二月四日から開始しております。また、日本食肉市場共同株式会社におきましては十二月九日から開始しております。以上のような調整保管のための買い入れの状況につきましては、昨日、十二月十日現在で集計いたしますと、頭数では約八千頭となっているわけでございます。
 今後の調整保管のための買い入れの展開でございますが、最終的な買い入れの場所につきましては、市場では三十カ所、産地食肉センターでは五十カ所程度を見込んでおりますので、事業実施主体の準備態勢等が整い次第、逐次頭数を拡大していく、かように見ております。
○上西委員 お答え、わかりました。
 ただ、母豚の淘汰は、もう重々御承知と思いますが、我が鹿児島県は七千三百三十頭、ダントツ、日本一でありまして、そういった状況にありますからそれだけ関心も深い。果たして農水省はどういう施策をとってくださるか。頼りは農水省だけと言ってもいい状況にあるわけでありまして、今局長がお答えのような実情、やはり一刻も早く実施に移せるように全国的にそのスピードアップを特にお願いをし、この質問は終わらせていただきます。
 次に、林野庁の方に幾つかのお尋ねをしたいのであります。
 まず第一点は、現在、行革臨調路線のあおりとはいえ、心ならずも九つの営林署を廃止されようとしている林野庁。このことについて、私は隣接する宮崎県の高崎営林署の実情を調査しに行きました。どうも危ないということだったのでしょう、九月三十日、高崎町議会は満場一致で高崎営林署の存続を決定し、十月十八日、林野庁の署名発表と同時に、町は広報車を走らせて町民大会の呼びかけを町が主催をしてやる、こういうことで、十月二十六日に高崎町始まって以来の一千六百名という大量の町民の参加のもと、熱気あふるる中で高崎営林署の存続の決議が行われました。
 高崎営林署はもともと島津藩の流れをくんでおりますから、軒下まで国有林だと言ってもよいという実情にあるわけです。言うならば、国有林の中に町がある、国有林の中で生活をしている、そうした特異な状況にある高崎町でそうした動きがある。
 片や、今は亡き中川一郎、当時の農林水産大臣ですが、一番最初の営林署廃止のときに確約をなさっている。地元の理解と協力なくしてはやりません。こうしたかたい約束が脈々と農林水産省、林野庁に生きていると私は確信をするのであります。
 そうしたことがある中で、伝え聞くところ、年内には官報に告示をし、この廃止を強行したい、こういう決意であるやに聞いておりますが、もし仮にそうとするならば、長官、今から残されている日にち、何日ありますか。その間、九つの営林署の廃止について本当に中川、当時の農林水産大臣の確約が実現できるような皆さん方の今の現状にあるのか、あるいは皆さん方の努力の結果の見通し等について率直に御説明いただきたいと思います。
○田中(恒)政府委員 九営林署の統廃合につきましては、事案の性格上、積極的な地元の賛成を得るということは大変難しいことでございまして、現在極力御理解を得られるような話し合いその他を続けているところでございます。そう日にちが残されているわけではございませんが、最大限の努力を私ども行いまして、御理解、御納得を得るべく最大限努力を尽くしまして、その上で所定の手続へ進めてまいりたいと考えております。
○上西委員 私は、田中長官のお人柄をよく存じ上げておりますので、その言葉によもや偽りはない、こう確信をしたいのであります。ただ、国際森林年、しかも近年森林の持つ機能が改めて再評価をされている中に、林野庁だけが、林野庁の独自の発想ということは別ですよ、林野庁だけが、今の日本の政府の中で、営林署を廃止し、国有林を含め、民有林を含めて後退する姿勢にあることは、私はどうしても納得できないのであります。
 大臣を含めて、やはり胸を張って、山に緑を、このことをもっと毅然たる態度で貫き通してほしいという気持ちがあるものですから、あえて嫌みめいたお尋ねをしなくちゃならないので、以下、少しく具体的なことを申し上げたいのです。
 一番最初の長崎の五島営林署の廃止あるいは鹿児島の大島営林署の廃止。当時私は鹿児島県の林政民主化共闘会議の議長でございました。九州ブロックの副議長もやっておりました。何回となく営林局あるいは林野庁にお邪魔をしました。その当時の長官とお話をしたこともあります。
 その中で大島営林署について非常に記憶に残っておりますのは、占領下にあった一時期、二十八年までですね。そうしたハンディもあるが、大島営林署を廃止し大島営林事務所に切りかえる時点で、国有林の境界が不明確である、こういうことが現地で鋭く指摘をされたのです。私は、林野庁は少なくとも国有林という日本国の財産を分明にしなければならない義務があるのではないか、こう長官室で申し上げたところ、当時の長官は、わかりました、そのことについてはたとえ営林署を廃止した後でも、地元のそうした御要望を含めて、私たちの仕事でありますからやります、こうおっしゃった。念のため、今度取り寄せてみた。四百九十四、画定をしなければならない、こうなっているのであります。四百九十四カ所と言えましょう。それがこの五年間、四十二カ所しか達成されていない。まだ四百五十二カ所の境界未定が残っている。
 御承知のように奄美大島は日本の中で、まあ沖縄県も若干ありますけれども、鹿児島県の中でもハブが大変多いところでありまして、地元の方でも余り山の中に、ハブが跳梁ばっこするときには入りたくないという実情があります。しかも、もともといろいろありましたから、境界をよく知っているのはそれぞれの地域、小字小部落の長老、古老の方々でないとわからなくなっている、一刻も早くこれをやらないと困る、こういう声が地域の自治体、住民を含めて大変あるのに、率直に言ってなぜ五年もかかって一割も進んでいないのか。当時の長官じゃない、責任者ではない長官に大変申し上げにくいのでありますが、五年たって一割も進んでいない。こういうことは大島営林署廃止に当たっての約束違反だとまで私は言いたいのであります、当時確約なさいましたから。こういったことが放置されたままで、果たして今度の九つの営林署のそれぞれの地元の関係の方々に御納得いただけるんだろうかと、私は不安でたまらない思いがするのであります。
 したがいまして、この境界について少しく見解をいただきたいと同時に、その後の大島営林署の実情についてちょっと調べてみましたら、合併当時、廃止当時大島営林事務所が残った。そこからもう既に定員内を含めて四名の方が退職をなさった、不補充のまま。あるいは事業量も相当落ちているし、植えつけも年間七ヘクタールが三ヘクタールに落ちている。旅費も大幅に削られている。仕事らしい仕事もできない。従来と違って鹿児島へ出てくるのも制限。名瀬、いわゆる奄美大島本島から他の離島へ行く場合の旅費などもぐっと絞られちゃって、現地へ行って泊まることもできない。船中泊で実質日帰り、船中泊二泊なんていう非常に過酷な出張命令が出ている。
 こういうことをいろいろお聞きしますと、やはり看板に偽りがあったのではないか。営林署廃止が先に立って、あとのことはどうでもいいんだ、極論すればそういう感じを受けないでもないのであります。そうしたことについて大島営林署廃止当時の約束事項、別に議事録をとっておるわけではなくて、長官室で長官がぴしゃっとお答えになった、そういったことを私は鮮烈に記憶しておるものですから、それらについて見解なり今後の対策について長官、お答えいただきたいのであります。
○田中(恒)政府委員 いずれの営林署の統廃合に際しましても基本的な態度は同じではございますけれども、この大島営林署の統廃合に際しましても、いろいろ寄せられました御要望に対しましてそれぞれ適切適正に対応しようという考えを基本に置いて律したわけでございますが、特にこの大島については他と異なりまして、代替に置きました営林事務所についても、会計機関を持たせるというような、ほかにない性格を持たせるなど、それぞれ対応しておるところではございます。
 なお、御指摘の境界につきましては、ここは総延長キロ数が四百九十四キロでございます、箇所ではございません。境界検測は一般に、いろいろと開発が進んだり境界に問題が生じておるところを非常に優先的に行っておりますので、平穏に管理されておるところがどうしても後回しになりがちなところがございます。ところが、お話しございましたようにこの大島においては、それまで検測らしい検測を実行いたしておりませんでしたので、この統廃合を機会に計画的に進めたいということから始めたわけでございますが、やはり始めてみますとそれぞれ立ち会う相手方も必要だとか、いろいろそういう問題も途中で生じまして、計画どおりには実は進んでございませんが、なおこれはそういう経緯のあったことでもありますので、重点を置きましてこれを進めてまいりたいと考えております。
○上西委員 長官、あと重ねて申し上げておきますけれども、六十年度の大島営林事務所の旅費予算は二百七十九万四千円だということです。そのうち鹿児島へ出てくる安全衛生委員会、このために百二十六万。担当区主任が鹿児島へ出ていくのは年一回に制限されている。それでも二十一万。ですから、半分以上は鹿児島への旅費でとられちゃう。ですからもうほとんど身動きがとれぬじゃないか。今おっしゃることとこの旅費予算の実情などを見ますと、やはり今のスピードでしか進まないのじゃないか、こう考えますので、お答えは結構ですが、長官、大島営林事務所の実情について、そうしたことを約束されただけじゃなくて、境界を明確にするというのは林野庁の責任でありますから、やはりたとえどんなに林野庁が苦しい会計状況にあっても、こういったところについては一時期集中的に予算を投入し、人員も派遣をしてこの境界画定を急ぐ、こういうことについてぜひ御努力をいただきたいと思うのです。一言何かございますか。
○田中(恒)政府委員 旅費とか庁費等生活費に係る面につきましても、国有林野事業が大変厳しい合理化を遂行いたしておりますので、全国各局署にわたりましてそういう努力は各職員それぞれ実行いたしておるところでございます。
 要員配置についてもお話がございましたが、この大島については全体の縮減をそのままストレートに大島に比例させるということではなく、その辺を配慮いたしまして、極力人員減にはならないような配置をいたしております。
 それからなお、境界検測につまましても、隣接者から要求があったような場合には直ちに行うとか、国土計画法での要請のあるところ等緊急を要するところがどうしても先になりがちではございますが、そういう点で着実に進めてまいりたいと考えておるところでございます。
○上西委員 次に長官にお尋ねしたいのは、下屋久営林署で発生をした民間労働者の死亡事故についてであります。
 私は、当選以来昨年もことしも、林野庁とりわけ国有林関係ですね、民間林業労働者の死亡事故、重大災害事故がこの五年間、さらにことしは六年間を通じてほとんど変わっていない、このことについて厳しく追及をしてきたところであります。
 実は十月初め、私は屋久島に国政報告を兼ねて行きました。そうして上下営林署にお邪魔をし、署長以下幹部の皆さん、労働組合の方々とも御懇談をし、署員の皆さん方にも若干の国政報告等そうしたことについてお話をし、そうして、帰ってきてそれこそ旬日を出ずして即死事故が出た。しかもこの安房の貯木場というのは、ことしの三月いっぱいまでは鹿児島営林署の官船が運搬に当たっていたところ、民間に委託をしてそれこそ半年で死亡事故が出た。私は大変残念であり、遺憾だと言わざるを得ないのであります。
 この事故の内容についてここでとやかく申し上げません。問題は長官、十月七日に発生した死亡事故が局を通じ林野庁にいつ報告が届いたか、まずそのことについで簡単にお答えいただきたいと思います。
○田中(恒)政府委員 速報という形ではその日のうちに参っております。その後詳細な報告はおくれておりますが、速報は即日参っております。
○上西委員 その速報を受けた場合に、その後の処理は林野庁はどんなふうになさるのですか。速報を受けた、その速報はどう活用されるのですか。
○田中(恒)政府委員 私ども日本で一番大きい事業体でありますので、いろいろな災害事例を分析して将来の安全に資するということが大変大事な仕事でございます。したがいまして、これはどうしても直営の場合が非常に早く詳細な報告が来がちで、事務処理体制がそのように進んでおるわけでございますが、そういう災害事例を全国局署に流しまして、全国の現場の安全懇談会等でその事例を研究し反省材料にする、そういうことのために情報として下部へ流すようにいたしております。
○上西委員 これ以上お答えは結構ですが、私は率直に申し上げたいのは、今いみじくも内部の事故については速報体制がとれている、しかし、いわゆる部外者の事故についてはまだそれをやって――日にちははっきりおしゃらなかったけれども、私が聞いたところでは十五日に詳報が林野庁に届いている。
 お答えは結構でありますが、私は常々申し上げているように、自分の出身職場の九州電力のことをちょっと申し上げますと、私のところでは社員、社員外を問わずあるいは一般公衆の感電死亡事故を問わず、事故が発生したら、とりわけ重大死亡事故などは即日本店に報告、そうして早ければ翌日、遅くとも翌々日に全事業所、私のところは、九州に三百七十五、有人の事業所があるのですが、ここの朝礼では報告、再発防止、このことはとりあえずとられるのであります。例えば、今度の場合丸太転落だ、そうであれば丸太転落に注意しろ、こういうことが即刻流れない限り、何のための速報か、何のための安全衛生か、こう私は言わざるを得ないのであります。
 林野庁も今大変でしょう。私は長官に心から同情を申し上げます。しかし、人間の命は地球よりも重いのであります。死亡事故が発生したらもっと敏速に、詳細な分析その他は別としても、とりあえず、事故が発生をした、すぐ流す、せめて三日以内ぐらいにはすべての営林署あたりで、こういう事故が起きたからお互いに注意しよう、こういう体制がとられるように私は心からお願いをしたいのであります。一言何かあれば……。
○田中(恒)政府委員 御趣旨、十分ありがたく承りまして、そのように相努めたいと思います。
 この場合も、実はいろいろ、ある程度の報告は十五日に来ておりますので、その辺でもう少し早くこういうことが行えるような体制を整備いたしたいと思います。
○上西委員 ここで一言、大臣にちょっと御見解をいただきたいのです。
 やはり帝室御料林、昔は天皇陛下の財産を、番をすると言ってはなんですが、守るような立場であった。どうしたって歴史の中、体質の中に官尊民卑的なものが残っていればこれはゆゆしいことだと思うのです。決して今の林野庁の皆さん方がそうだと言いたくない。僕は絶対思っていません。ただ、体質的にどこかにそういうものが意識せずに残っていて、署員だと、いわゆる林野庁の職員だと早い、今おっしゃったように七日の発生が十五日でございましょう、詳報が。こういうことはやはり一刻も早く変えていただきたい。そうして、そうしたことについて農林水産省全体がもっと安全に意を注いでいただきたい。
 そういうところでは、人情味極めて豊かな佐藤大臣からも一言御見解をいただいて、そのことを今後てこにして安全対策強化をお願いしたいのであります。せっかくでございますから一言御見解をいただきたい。
○佐藤国務大臣 先生にお答えいたしますが、先ほどから林野庁長官とのやりとりを聞いておりまして、先生の御指摘のとおりだと思います。これはすぐ改善させたい、このように思っております。よろしくお願いします。
○上西委員 大臣ありがとうございました。では林野庁の皆さん、ちょっと厳しいことを申し上げたようでありますが、ぜひ安全に対して一層のお取り組みをお願いしたいと思います。
 次にお尋ねしたいのは、とうとうおやりになった。鹿児島県は志布志湾、柏原地区の防風林の伐採であります。先月二十八日、お切りになった。いや、あれは林野庁の責任じゃないとおっしゃるかもしれませんが、幾つかの案があった。国家石油備蓄基地をつくるために取りつけ道路の案は幾つかあったわけですね。一つじゃなかった。しかし結果として、私に大胆に言わしてもらうならば、最も安易で最も安上がりの方法を林野庁はオーケーしたという形になっているのです。
 環境庁見えていると思う。あれだけの、樹齢百年を超えるものをばさばさばさばさと切っていった、このことについて私は大変怒りを覚えているのであります。まず、環境庁お見えだと思いますが、この辺のゴーサインを出した、そのことについての若干の見解を簡潔にお答えいただきたいと思います。
○加藤説明員 御説明申し上げます。
 今お尋ねございました取りつけ道路に係ります保安林の指定解除につきまして、森林法第二十六条の規定によりまして農林水産大臣から環境庁長官に協議を要することとされております。これは保健保安林ということでございまして、私どもの方で五十九年十一月に協議を受けまして、環境保全上の観点から検討しまして同意したものでございますが、私どもとしては、保健保安林として景観上の観点それから自然環境の保全上の観点からは許容し得る限度内であるというふうに考えております。
 また、保安林の指定解除に係る協議に際しまして、いろいろ風害防止等の防災の観点等もございますが、その点につきましては私どもの方では検討を行う立場にはないということでございます。
 以上でございます。
○上西委員 まだ環境庁は切った跡をごらんになっていませんでしょう、あなた。私は行って見たのです。やや大げさに言えば、自衛隊の最新型の戦車がばあっと走れるだけたたき切っているのです。現地を回ってみました。賛成派の方々にも会ってみた。彼らも言いました。私たちは国家石油備蓄基地賛成、取りつけ道路やむなしと思ったが、こんなに切るとは思ってなかったと。島津藩以来百四十年という樹齢の木もあったと聞いております。そうしたものを守るために現地の方々は、風で枝が折れてもそれは取るな、防風林だと。本当に支えてきたのに、ばさばさばさばさとたたき切られた、泣いた、胸が痛んだと。これは賛成反対の立場を超えてありました。それだけのことをおやりになった。しかも、今度はそこを切り下げるわけですからね、道路の高さまで。言うならば、小高い丘があって防風林がいっぱい植わっていた、ど真ん中をぶち抜いた、今度は切り下げる。言うならば台風の通路をおつくりになる、こういう形になるのです。
 しかも、この保安林の解除、伐採前に地元の方々の同意書をもらうために行ったら、断られた、じゃ去年のやつで生かそうなんということが現実にあったとか、いろいろ聞いております。不手際があったというふうに私は受けとめざるを得ないのであります。
 そうしたことをひっくるめて私は非常に憂えるのは、長官、あなたは国有林を守るべき立場にありながら、七百二十一本のうち国有林二百二十九本、民有林四百九十二本をお切りになった。そうして、これから先、道路をおつくりになっていく。この道路の問題について、私たちは、本当にすき間風でさえ痛いですよ。あれだけの幅をぶち切って、掘り下げて、いつ台風の災害がやってくるかわからない。
 ちなみに、私、今度の台風十三号でちょっと調べてみましたら、あの鹿児島市の鴨池公園の横にあるツツジの木約五千七百本程度でありますが、これが海岸から十メートルから、一番遠いところで四百メートル、台風十三号で全滅なんです。錦江湾の内海でも全滅なんですね。柏原は外海ですよ、太平洋ですよ。ここで大きな台風でも来たら、本当に見る間に真っすぐやってくるのじゃないか、こういう懸念を持つのでありますが、お切りになることを同意なさった林野庁としては、今後の防風、防潮、そうしたことについてはいかようにお考えなのか。
○田中(恒)政府委員 今回の道路を選定いたします際に線形などへの配慮でございますが、道路部分を曲線形にするとか、また、道路勾配が起点からは上り勾配、その後船だまりまでは下り勾配としているなど、風の影響を少なくするように計画をしているところでございます。
 しかしそれにいたしましても、保安林の中の道路でございますので、その林縁を緑化する、それから風の吹き出し口については防風壁あるいは中央分離帯を活用した樹林帯等を設置いたしまして、極力風の影響を緩和するような、そのための諸施策を積極的に講じてまいりたいとしているところでございます。
○上西委員 私は、将来に禍根を残すというふうに見ているのでありますが、今お言葉のようなことを一生懸命されるでしょう。しかし、災害が起きないという確約、保証はだれもできない。もし万が一そうしたことが起きたときにやはり大きな道義的な責任を持たされているということを日本政府全体がお考えいただきたいし、とりわけ、その衝に当たって計画を承認し同意を与えた林野庁や環境庁の責任は極めて大であると、ここで声を大にして申し上げておきたいと思います。
 最後に、国鉄もお見えと思いますが、農産物の貨物輸送の問題について少しくお尋ねをしておきたいのであります。
 実は、鹿児島鉄道管理局が貨物を全廃したいということを発表になり、これが地元のマスコミで報道されました。私もびっくりしました。鹿児島県の農産物の国鉄輸送利用状況を当たってみますと、結構利用しているのですね。バレイショ、カボチャ、ソラマメ、ミカン、里芋、ソバ、カンショ、その他いろいろある。こうした農産物の輸送に国鉄が大きく利用されているにもかかわらず、一方的に鹿児島鉄道管理局が貨物全廃を打ち出された。この真意は那辺にあるのか。また、農林水産省側としてこうした実情を御承知ならば、やっぱり国鉄に一言注文をつけていいんではないか、こう考えるのでありますが、それぞれの立場で御見解をいただきたいと思うのであります。
○永田説明員 現在国鉄では、六十二年の四月をめどにいたしまして貨物鉄道会社の設立の検討を進めております。この新会社での具体的な列車設定、駅配置等につきましては、輸送効率の向上を前提にいたしまして、輸送需要、線区特性及び設定する列車の輸送量等を考慮しつつ、六十一年秋に予定しておりますダイヤ改正作業の中で検討しておるところであります。したがいまして、御質問のことも、このダイヤ改正作業の骨格がある程度明らかになる時期、大体明年二月ごろと考えておりますけれども、この時点にお示しできるかと思います。したがいまして、現地の局で全廃というようなことを言ったというのは、これはちょっと私どもわかりませんので、厳重に注意しておきます。
 以上でございます。
○鴻巣政府委員 国鉄の貨物部門の合理化案、今お話しのようにまだ具体化をしていませんので、鹿児島県内の貨物駅の取り扱いにつきましては現在のところ決定をしていないというふうに聞いております。
 農林水産関係物資の国鉄輸送量は、残念ながら昔に比べますとだんだん減っておりまして、その中で鹿児島県の農産物につきましてもやはり同じですけれども、今お話しのようにバレイショとか、あるいは輸送量は少ないのですけれどもソバなど、まだ国鉄に依存しているものがかなりあるわけです。そこで、私ども農林水産省といたしましては、貨物駅の取り扱いについては国鉄と荷主との調整を十分見守りながら、農林水産関係物資の円滑な輸送に支障がこないように、必要ならば関係当局に所要の配慮を求めてまいりたいと考えております。
○上西委員 局長、そうした意味での御努力をぜひ強力に推し進めていただきたい、このことをお願いし、質問を終わらしていただきたいと思います。ありがとうございました。
○今井委員長 次に、田中恒利君。
○田中(恒)委員 私は、国鉄の問題を中心に若干御質疑を申し上げるわけでありますが、まず農林水産大臣に、明年度の予算編成の時期に入りまして、大臣も大変御苦労されていると思いますが、ことしの農林水産予算の編成の基本的な考え方を冒頭にお伺いをして、二、三の点につきまして我々の主張を申し上げ、大臣からも関係局長からも御意見を賜りたいと思いますので、まず来年度の予算編成は大体どういう考えでいくのか、佐藤農政というものの重点をどういう方向に志向されようとしているのか、そういう輪郭について、この際、当委員会を通して明らかにしていただきたいと思います。
○佐藤国務大臣 田中先生にお答えいたします。
 六十一年度予算につきましては、七月二十六日に閣議了解されました概算要求基準に沿いまして概算要求を行い、その後現在まで事務レベルで財政当局と鋭意折衝させているところでございますが、状況は非常に厳しいように感じています。
 農林水産予算は、先生も御存じのとおりでございますが、国民生活にとりまして最も重要な予算というようなことで、今までも農林水産行政の推進に必要な予算については、これを確保すべく全力を尽くしております。
 そんなことで、私としては、いつも言っておりますが、土台のしっかりした農林水産業を実現するために必要な予算につきましては、全力を挙げてこれを確保してまいる所存でございますので、よろしく御理解と御支援をお願いする次第でございます。
○田中(恒)委員 先ほどの御答弁と変わらないわけでありますが、私がお伺いしたいのは、予算の金額などのこともさることながら、農林大臣佐藤農政というものの味をどういう状態に進めていくのか。予算をめぐる情勢は非常に厳しい、これはよく承知をいたしておりますが、その中でどういう重点的な手法でこの農政というものを推進していくのか。そのためには当然予算の裏づけというものも必要になるわけなんでありまして、その面は強化をしていかなければいけないということだろうと思いますが、そういう面についての考え方をお聞かせいただきたいという質問の要旨でありますが、いかがですか。
○佐藤国務大臣 お答えします。
 先ほど少し抽象的な言葉で土台のしっかりした農林水産業ということを申し上げたわけですが、大きく分けてポイントは四つあると思います。
 その一つは、土地利用型農業の体質強化を目指した構造政策の推進。その中身につきましては三つございまして、農業基盤整備事業の推進あるいは農業構造改善事業、生産対策の推進、農業経営の規模拡大対策の推進でございます。
 二つ目には、一番問題の技術開発で、バイオテクノロジー先端技術の開発等新たな施策の展開ということでございまして、その中に二つございまして、その一つは農林水産新技術開発促進センターの設立、それから農林水産情報システムの開発整備ということでございます。
 三つ目には林業の問題でございまして、二十一世紀に向けた森林・林業施策の充実ということでございまして、中身について申し上げますと、造林、林道等林業生産基盤の整備、それから、先般皆さん方の御後援を得て獲得しました森林・林業、木材産業活力回復五カ年計画の実施ということでございます。
 次は水産業でございまして、二百海里時代の定着に即応しました水産業の振興ということでございまして、中身を分けて二つございます。一つは漁港等漁業生産基盤の整備、それからもう一つは我が国周辺水域の漁業の振興、こんなことを重点に新しい農林水産行政を展開してまいりたい、このように考えております。
○田中(恒)委員 そこで、農林大臣は非常に誠実な方で、大臣御就任以来大変御苦労せられて、いろいろな政策の遂行のためにお力添えいただいておる点はよく承知をしておるわけでありますが、今日の農林予算を通して見た農政の実態は、残念ながらじりじりと追い込められておる、このことはもう申すまでもなく数字が具体的に示しているところでありまして、昭和五十年度は全体の国家予算の中でやっと一割にとどまっておったものが、本年度は六・三%、一般歳出の中で占める割合も今やっと一〇・一%、一割台すれすれ、こういう状態になっておりますし、昨年の農林予算は、たしか各省庁の間では最も農林省が打撃を受けたと言われておる。前年度対比で四・六%のマイナスになっておる。こういうことで、実は私ども農林関係者はもとより、農業、林業、関係する多くの人々が農政の後退論というものを打たざるを得ない、こういう状況にあるわけであります。
 聞くところによると、ことしも、農林省が今出しております概算要求は、本年度の予算よりも九百数十億減額のものに対して、さらに一千億なり一千二、三百億の減額要請が出てくる。その内容は、今大臣がおっしゃられておったが、日本農業の基盤整備をめぐって、公共事業なども含めていわゆる高率補助を三分の二補助を二分の一にしていく、こういう考え方、あるいはハイテク技術、先端技術の開発、こういう問題についても私ども非常に心配をしておるわけであります。
 そういう意味で私は、一つは、構造改善を中心とした補助金の問題が臨調行革路線の中で投げかけられておるわけでありますが、高率補助を削減せよ、こういう形が財政当局からは投げかけられておるやに聞いておる。こういう問題に対してどういう決意で臨まれるか。
 特に、例の農業改良助長法の改正の際に問題になりました協同農業普及事業の交付金の問題、つまり国と県とでもっていわゆる技術普及指導の体制を現行から後退させない、一昨年ですか、この法律が制定されたときに当委員会で、全国のバランスをとらなければいけない、現状よりも後退させない、具体的には普及員の数などを減らさない、こういう意味もあって、交付金への切りかえについては十分これまでの実績にちなんで一般財源化しないように、こういう意見が質疑の中でも展開をされてきた経過があると思います。附帯決議にも、そういう趣旨の附帯決議が幾つかなされてきた経過があると思います。先端技術というものを一般化させていくためには、技術指導体制というものが何としても確立されておらなければいけないわけでありますから、そういう意味でこういう技術指導員体制というものを後退させない。そういう面で問題になっておりますこの協同農業普及事業の交付金の取り扱いの問題。
 あるいは先ほども御意見がありましたが、私はこの問題については自民党の皆さんと意見を異にしますが、これまでの予算編成では食管の問題が、減額をされていく予算編成の中では相当大きな比重を占めておった。この食管の問題をめぐって、消費者米価の引き上げというのが言われておる。しかし、今日逆ざやというものが一・九%という状態に接近をしてきた。この事態の中で消費者米価を上げるということは、米の消費拡大という立場から考えましてもこれは非常に大きな影響を与えるし、本来食管制度の基本的な仕組み、考え方からいうと、こういう事情の中で消費者米価を上げるということは断じて認めるべきではない、こういう考え方に立っております。
 これらの三つの点について、この際、大臣なり関係者の方から一括して御答弁をいただきたいと思います。
○佐藤国務大臣 先生にお答えいたします。
 予算につきましては、いつも御支援と御高配を心からお礼申し上げる次第でございます。
 先生御存じのことでございますが、現在の厳しい財政事情のもと、また増税なき財政再建、行財政合理化、そういう形の中で孫に借金を残さない、そんなことで我が省もある程度努力しておるわけですが、その不足分につきましては、全省を挙げまして知恵と努力と汗をかきながら補っている、そして実質的に農政の推進上支障がないように頑張っておるということは特に御理解願いたいと思うわけでございます。
 それから、今おっしゃいました協同農業普及事業交付金の問題でございますけれども、これは先生御存じのことでございますが、新しい農業技術の普及等、現下の農政の中では大きな役割を担っておるわけでございまして、その財源措置につきましては、昭和五十八年五月には農業改良助長法の一部を改正しまして、それまでの定率の負担金制度から現行の定額の交付金制度に切りかえたところでございます。
 今般の昭和六十一年度予算編成に関連しまして、協同農業普及事業交付金の一般財源化の問題についていろいろ話題に上っておることは承知しておりますが、この点につきましては、協同農業普及事業については二つのポイントがございます。その一つは、全国的にバランスのとれた一定の行政水準を確保する必要がある、二つ目には、国と都道府県との協同事業としての性格を有していること等から、都道府県の財政事情等に専ら左右されることがないよう、我が省としましては安定的な財源措置を講ずる必要がある、こう考えているわけでございます。
 そんなことで、今後とも現行の協同農業普及事業交付金制度の堅持、継続のために最善の努力を払いたいと思っておりますので、一層の御支援をお願いする次第でございます。
 また、先ほど来の政府売り渡し価格の引き上げ等の問題あるいは食管制度の問題でお話があったわけですが、私は現在、米穀の政府売り渡し価格の取り扱いにつきましてはまだ何も決めておりません。いずれにいたしましても、食糧管理法の規定に従いまして、家計費及び物価その他の経済事情に十分配慮し、消費者の家計の安定を旨として適正に対処してまいりたいと考えております。
○田中(恒)委員 予算の問題は、これから年末にかけて政府・与党、私ども野党社会党も農林予算の獲得については最大の努力を申し上げたい、こういうふうに考えております。
 いろいろ詰めなければいけない問題もありますけれども、これから進むことでありますから、予算問題については以上で終わらせていただきます。
 次は国鉄の問題で、特に私の住んでおります四国の立場に焦点を合わせながら、若干関係各省の皆さんに御質問申し上げたいと思います。
 私がこう申し上げます物事の考え方の一つは、国鉄の分割・民営化という問題が投げかけられておりますが、この問題で地域的に最も大きな打撃、影響を受けるのは、率直に申し上げまして農村、山村、漁村であります。つまり、今日日本の社会の中で最も厳しい状態に追い込められておる地域、この地域は、ある面では国鉄という公共性を中心とした輸送機関というものが長い間位置づけられ配置をされておった、それが地方交通線の切り捨てなどを中心にいたしまして、率直に申し上げまして大変大きな打撃を受ける、そういう立場に立って、当農林水産委員会として、これから新しい地域の活力をどう生み出していくかという視点で我々力を注いでいる者としては、このことは黙過しがたいという面が一つございます。
 二番目は、農林水産生鮮食料品を中心とする輸送体系、しかもこれからの流通というものは、いわゆる近距離流通というよりも遠距離の物資の交流というものがますます強くなりつつある、そういう視点からも国鉄の問題は私どもにとって大変関係が深い、こういう立場に立って、若干今日の諸問題と結びつけながら質問をしていきたいと思います。
 第一は、運輸省と国鉄は、監理委員会が積み残したというか、貨物については全国一本の民間の会社、ここまでは出しておりますが、その詳細については検討させるということであったわけでありますが、この点について、最近全国一本の新しい鉄道貨物会社のあり方、構想というものをまとめられたようであります。まずその内容についてお示しをいただきたいと思います。
○熊代政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、ことしの七月末に、危機的な状態にある国鉄を何とかしなければいかぬということで再建監理委員会からの意見が出されまして、その中で、貨物につきましては基本的な方向は示されたわけですが、なお専門的、技術的な面で政府で国鉄と十分連携して検討して、十一月中に成案を得るようにという指摘を受けたわけでございます。
 これを受けまして、その後、運輸省におきまして国鉄と四カ月にわたりまして検討いたした結果を運輸省として取りまとめ、再建監理委員会にも御報告し、基本的な御了承を得たというものでございます。
 その内容でございますが、国鉄の貨物部門を意見のとおり旅客部門から分離独立した全国一元の特殊会社とする。そして徹底した輸送の効率化、コストの思い切った低減、収入の安定的な確保などを図ることによりまして、将来にわたって鉄道貨物事業として健全な経営を行っていく体制を確保しようというものでございます。
 具体的にはかなり詳細な面があるのですが、主なものを申し上げますと、まず第一に、徹底した輸送の効率化を図るために、現行の集配列車及び輸送基地を廃止して、コンテナ輸送並びに大量定型輸送に特化する。そして、原則として、合理化した後のコストを前提に採算のとり得るものについて列車設定を行うこととする。
 二番目といたしまして、人件費、物件費の徹底した縮減を行うことによりコストの低減を図る。
 三番目といたしまして、収入の安定的な確保を図るために、コンテナ輸送等につきましては、通運等の物流事業者に往復列車単位等で販売、いわゆる卸売を行う。
 四番目としまして、そういうようなことで、実は六十一年の十一月に向けて大規模なダイヤ改正を旅客を含めて検討しておるわけでございますが、現時点で一応想定し得る諸元を前提といたしました六十二年度の収支試算をやったわけでございますが、以上の措置を講ずれば収支採算を確保し得るという見込みを立てたものでございます。
 なお、この基本的な考え方といたしまして、鉄道貨物輸送につきましては、長距離輸送等におきまして鉄道の特性を生かせる分野があるはずだ、また徹底的なスリム化を行うことによって、スモール化といいますか規模を縮小することのみを考えるのではなくて、積極的にそういう特性を発揮し得るような分野を維持拡大していくということを基本的に考えるという立場に立ってまとめたものでございます。
 以上でございます。
○田中(恒)委員 考え方の中心というか、事項についてよくわかりましたが、もう少し具体的にお尋ねします。
 貨物列車の本数はどうなるのか。貨物の取扱駅はどうなるのか。要員はどうなるのか。全体の数で結構ですが、どういうふうになりますか。
○熊代政府委員 先ほど現時点で想定し得る諸元と申しました中に、先生御指摘の点を一応収支試算の前提として挙げてございます。
 先生御指摘の列車本数でございますが、六十年三月のダイヤにおきまして一日千三百六十六本という列車が設定されております。この中には集配列車に基づく車扱い直行といったものがかなりの敷布ございますが、これを原則的にやめるということで、一応諸元としましては、一日七百本というものを想定したものを今の計算の基礎にいたしております。
 貨物の取扱駅は、コンテナ、車扱いを含めまして現在四百二十二ございます。それを約三百駅程度というふうに考えております。
 要員数でございますが、五十九年度現在、試算値でございますが四万六千六百、望ましいものとしては一万人程度ということを付記してございますが、移行時点ではとりあえず一万二千五百人というものを想定しておるわけでございます。
○田中(恒)委員 私などは運輸の専門家じゃありませんから、余り細かい部分的な問題についての御質疑は当該委員会にお任せをするわけでありますが、今、列車本数千三百六十六本が七百本になる、四百二十二の貨物取扱駅が三百になる、人員は一万人が理想だが、四万六千六百人が一万二千五百人、そういうのが諸元の一応のめどということで御報告がありました。
 しかし、新聞発表によるともう少し具体的に、中央紙、地方紙挙げて十一月二十二日に、例えば貨物取扱駅については廃止される駅の名前もずっと一斉に報道されておるのです。ですから、私は何らかの形で運輸省なり国鉄なりからこれが出されておると思うわけでありますが、このとおりいきますと、先ほど御質問しました鹿児島県、上西さんのところでありますが、都城から南、この地区は現在の貨物取扱駅がゼロになる。私のところの四国は四県ありますが、貨物の取扱駅がゼロになるということで、実は連日のように地方の新聞や関係業界がこの問題について心配をしておるわけであります。私どものところにもいろいろな要請を受けておるわけでありますが、この点についてはいかがですか。
○熊代政府委員 御指摘のように、作業をやっております段階で中央からいろいろそういう情報が流れたという事実は我々承知しております。
 ただ、先ほど申し上げました新しい貨物鉄道会社のあり方というものをまとめましたのは、我々としましては、今後の作業を進めていく上でその骨格と成立のめどをつけるというために作業をしたものでございまして、その収支試算、あるいはその諸元も、現時点でこの程度で最小限スタートすることができるということで想定し得る規模を一応諸元として定めたにすぎないものでございます。
 御指摘の四国の駅等を含めまして、先ほど触れましたように来年の十一月を目標とした抜本的なダイヤ改正という作業に入っておりますので、個別の列車、あるいはそれに伴う駅につきましては、これから国鉄と通運事業者、荷主あるいは地元等とよく御相談を申し上げて、具体的、個別的な検討を行って、大体来年の二月末ぐらいに確定をしてまいりたい。
 我々のところにも四国あるいは南九州の方々からのそういう陳情を受けまして、我々としては、列車設定や駅の存置につきましては、単に縮小均衡ということをねらったものではなくて、将来的にも季節列車ですとか臨時列車等々といったものを、輸送コストを踏まえながら積極的、弾力的にニーズに対応していくような会社にしたいのだ。
 その場合に一つ基本になりますのは、これから来年にかけまして、国鉄といたしまして非常に厳しい合理化によるコスト低減といったものをやっていくわけですけれども、そのコストを賄えるというものがどうしても基本にならざるを得ぬわけですけれども、先ほど触れましたような季節列車ですとかあるいは臨時列車といったようなものにつきましても、これまでの運行形態とかそういったものにとらわれることなしに、十分荷主さんあるいは通運事業者等と相談して、できるだけ広範囲なものを残していくということで、国鉄に現地あるいは中央においてそれぞれの協議を進めるようにというふうに申しているところでございます。
 なお、この案につきまして、農水省の食品流通局からも私あてにそういう協議をよくやってほしいという旨の文書をいただいてもおりますし、私としてはそういうふうに国鉄に指導をしていきたい。最終的に、今申し上げたように協議をした末、来年の二月末ということを一応めどに駅等については確定していきたいというふうに思っております。
○田中(恒)委員 簡単でいいです、いろいろ聞きたいことがたくさんあるのだから。
 四国の四つの県に国鉄の貨物を取り扱う駅が一つもない、こんなことをやられるのですか、これはやらないようにいたしますか、そのことだけ言ってもらいたい。
○熊代政府委員 具体的なあれにつきましては国鉄で詰めていただくことですけれども、我々としてはできるだけ広範囲にということでございますので、四国に皆無というような状態はできるだけ避けたいというふうに思っております。
○田中(恒)委員 国鉄、どうですか。この問題は、来年の秋にダイヤ編成だから、ダイヤ編成の相当前から貨物の取扱駅の問題は進めていくんですからね。来年の二月なんかじゃなくて大体もう決まっておるんだ。
○永田説明員 お答えいたします。
 今、運輸省の方からも申し上げましたように、ダイヤ改正の作業の真っ最中でございまして、夜を日に継いでやっておるわけでございます。現在需要関係をとっておるわけでございますけれども、この作業が終わりましておおよその骨格ができますのが二月ごろでございますので、二月ごろにはおよその考え方をお示しできると思っております。現在のところは全く作業中でございますので、まだ確定しておりません。
○田中(恒)委員 あなたはきょうは国鉄の総裁のかわりに来てもらったのだ。この問題は作業の経過であるとか事務的な問題ではないんで、政策決定なんですよ。四国の島、鹿児島県という一つの県、そういうところに国鉄の貨物の駅を全然置かない、こういうことは私はあり得ないことだと思うのだ。そんなことをしてごらんなさい、あなた。政府みずから、国鉄や運輸省自体が差別をしておる、こういうことになるわけですよ。効率化とかいろいろなことをおっしゃるけれども、四国は六十二年ですか六十三年ですかに橋ができて、しかもそれは鉄道を併用する、こういう形になっておるわけなんですよ。そういうところに貨物の駅を全然置かないなんということを考えていたとしたら、一体政府は何を考えているのかと言わざるを得ない。これは全島民の反発と、いわゆる国鉄を含めた政府に対する反撃になりますよ。
 そういう意味で、我々は総裁が来てくれと言って大分話したのだけれども、あなたはきょうは国鉄総裁の立場で全権を持って出ると言うから、あなたが責任を持って答弁するということだから了承したわけなんで、私は、事務的に二月ごろまでいろいろ作業がかかりますからとかいうような、そんなことを聞くためにここで質問しているのではないんだ。そのことについてお答えいただきたい。
○永田説明員 先ほど運輸省の方からもお答えありましたように、我々はもちろん収支あるいは輸送効率というものを、今度は会社として独立しなければなりませんのでどうしてもそこは勘案せざるを得ないわけでありますけれども、できるだけそこらを勘案しながら広い範囲の中で営業していきたいという考えが基本にあるわけでございますので、そういう観点に立ってこれから作業を進めていきたいというふうに考えております。
○田中(恒)委員 この問題は会社の判断じゃなくて、会社に持っていくまでに日本国有鉄道が判断をして、新しい貨物会社に移管をしていくというか譲り渡すというか、そういうことになるわけですから、日本国有鉄道の政策判断なんですよ。
 そんなことは、これは常識的に考えてあるべきことじゃないと我々は思っているわけなんだけれども、あなたは、広い範囲とかいろいろな、どうでもとれる解釈はだめなんで、あなたはどうお思いになりますか、もう一遍お聞きします。
○永田説明員 私自身と言われますと、私もずっと長い間国鉄で貨物の仕事をしてまいった立場からいっても、できるだけ、もちろん四国も含めて今後とも営業していきたいという気持ちはありますけれども、先ほど申し上げましたように、これはどうしても、国という大きな立場もありますけれども、会社として成り立つという観点も両方あわせ含めて、これが全体として収支が合うという、そういう観点でできるだけ広げていきたいという考えは持っておりますけれども、今具体的に四国をどうこうという御回答はちょっとできかねると思います。もう少し時間をおかりしたいと思います。
○田中(恒)委員 それは納得できない。運輸省は、広い範囲で、四国に鉄道の貨物駅がないということのないように最大限努力をしていく、こういう意味の答弁だったわけですよ。国鉄は、それも何かどうもわからないということしか言えないんだけれども、この問題は国鉄が事務的にいろいろ積み上げて判断していくことなんですね。そういう意味では、私は今の答弁には納得できないんですがね。
○熊代政府委員 私も申し上げましたように、四国の貨物輸送をできるだけ維持したいということは、必ずしも駅を通年残しておく必要があるかどうかという点とはまた違った面もあろうかと思うのです。現在でもミカン等につきましては十一月から十二月下旬までといったような季節的な輸送が中心になっておりますので、それらを含めまして、要するに貨物輸送に不便をかけないように、しかもそれがコマーシャルベースにならざるを得ません面があるわけなんで、それらで荷主なり国鉄が十分話し合って、工夫をし合って、効率的な輸送として残し得るものはできるだけ残すということで考えていく。先ほど、貨物の駅が全廃するのじゃないかというような報道が流されたというお話ですけれども、我々としてはそういうものはまだ確定していないということで、二月中に固めますということを申し上げているわけでございます。
○田中(恒)委員 あなたの答弁を聞いておったら、確定していないと言うけれども、確定しているんだよ、内定しているんだよ、そんな言い方をしたら。私はそういう国鉄改革の姿勢というものに率直に言って大きな憤りを感じざるを得ませんよ。これはこれから多分政治問題になっていくと思いますけれども、四国だけが、鹿児島県だけが貨物の取扱駅を置かない、こういうことは許されるべきではないと思う。
 この問題は、あなたのところの考えがあったって、我々国会でもそれぞれ関係政党で重大な問題としてこれから半年以上かけて取り組んでいきます。今のあなた方の答弁を聞いたら、確定していない、確定していないと言っているけれども、それは時間を待っているだけで、もう既に新聞が報道したような方向で切り捨て論を強行していく、こういう姿勢を明らかにしたと理解せざるを得ないのです。その点はまた別途にこれから全体的に取り組みたいと思います。
 この問題と絡んで、最近の国鉄改革をめぐって私どもの四国に対して異常ないろいろな問題が投げかけられてきている。だから、私はこの点もこの際明らかにしておきたいと思います。
 国鉄改革の先兵ともなった監理委員会の住田委員が、十一月七日、松山市で行われた四国総局の幹部研修会でいろいろな発言をしておるわけでありますが、そこでこういうことを言っておる。これは新聞に報道せられておりますが、これは新聞だけじゃなくて、いた人全部聞いておるわけでありますが、「四国に高速道路ができると鉄道は大変な影響を受ける」「地元は何でも欲しいというが、ぜいたくな要望は受けいれられない。道路を造るなら鉄道は撤退する、と大声で言ってもらいたい。道路か鉄道かの選択の時代に入っている。道路問題に一丸となって取り組まなければ新会社の見通しは暗い」、こういうことを言っておるのですよ。
 これは、私ども四国の島民に対して恐喝していると思うのですよ。高速道路をとるのか、鉄道をとるのか。四国は高速道路というのは、ことし初めて、私の県ではたしか十一キロだと思いますが、十一キロだけ初めて四国に高速道路ができたのですよ。高速道路なんかまだ見たことのない人がほとんど全部なんですよ。そういうところへ来て、高速道路が欲しいのなら鉄道はだめだ、そんなぜいたくなこと言うな、こんなことを監理委員会の委員が言っておるわけです。
 このことについて、監理委員会の住田委員にきょうはここへ来ていただいて、御本人はどういうお考えでおっしゃったのかお聞きしたいと思っておったが、おいでにならない。この間大蔵委員会でもこの問題は同じように議論になった、指摘されておるわけですが、そのときもお見えにならない。私は、監理委員会の責任者に、ここでこの住田委員の発言に対してどういうふうに受けとめていらっしゃるか明らかにしていただきたい。
○林政府委員 お答え申し上げます。
 まず、ただいまの先生の御質問にお答えする前に、私ども監理委員会が四国につきまして行った長期収支見通しの前提でございますけれども、これにおきましては、四国におきましても、道路整備五カ年計画で現在予定されておる四国の高速道路、これは今後すべて完成していく、そういう前提のもとに、その影響も考慮いたしまして、なおかつ鉄道が経営的に成り立つ、そういうことで、そういう前提で所要の基金の設定その他の措置を講じて収支見通しを策定しておるということでございます。
 ただいま御質問の点でございますが、先般地元の一部の新聞に同委員が道路か鉄道か二者択一を迫ったというふうに報道されたわけでございますけれども、その後、住田委員にその発言の真意を確認したわけでございます。それによりますと、同委員の発言は、こういうただいま申し上げましたような収支見通し前提というものは十分踏まえた上でのまず発言でございまして、私ども監理委員会の意見でも述べられておりますけれども、交通機関が非常に多様化した今日におきましては、効率的な交通体系というものを形成していくためには各種の交通機関の間で適切な機能分担を図っていく必要がある。そのために、例えば道路等の整備に当たりまして、既存の鉄道の機能のあり方というものをどう考えたらいいかというようなことについてあらかじめ十分調整をしていく必要がある、十分調整した上でその機能分担をはっきりしていく必要があるという趣旨、これは私ども監理委員会の意見にも明確に書いてございますけれども、そういう趣旨の発言を行ったということでございまして、伝えられるように、道路か鉄道かという二者択一を形式的に迫ったということでは決してございません。
 ただ、国鉄問題というのは非常に影響するところが大でございますので、今後、私ども監理委員会といたしましても言動等については十分慎重に対処したいというふうに考えております。
○田中(恒)委員 高速道路、道路と鉄道を併用しての四国の開発計画というものも、国でもできておりますし県でもできておる、当然監理委員会も建前としては――これはあなたがおっしゃったような例え話をせられたのだと思う。そうでなかったら大変なことになりますからね。これは政府の計画、四国総合開発計画、全部切りかえなければいけないわけですから。私も昨年から一昨年、四国の開発委員会に所属しておりましたけれども、そういう立場で全部いろいろな計画を立ててきておるわけですから、もし仮にそうでないとあなたがおっしゃったら、全部入れかえなければいけないですから大変なことになるわけです。
 しかし、今あなたがおっしゃったように、そういう前提であると言いながら、こういうような――暴言ですよ、これは。こんな発言。あなた一部の新聞だと言われたが、一部の新聞なんかじゃない。そんな甘っちょろい考えでおるからこの問題が矮小化されていくのです。そんなものじゃありませんよ。この問題が起きてから、愛媛県の各種のマスコミは三日置きくらいに社説で書いておるわけですよ。あなたのところの加藤さんが来て、知事以下全部からこのことについて詰問をされた。今と同じような御答弁があったけれども、それでもなお納得いかないということになっておるのですよ。
 今、愛媛県は県議会を開会中ですけれども、きのうこの問題で、これは自民党を含めて全政党の質問者がこの問題について知事に質疑をやっておる。知事も、このことについては了解できない、この問題については監理委員会に対して強く詰問をしていく、こういうことをはっきり答弁しておる。罷免の要求も出ておる。自民党県会議員団も抗議を出す、こういうことをおっしゃっておる。私は、これは愛媛県で起きたことだから愛媛県ではっきりさせなければいけないと思っておりますけれども、この間私は四国の高知県へ参りました。高知県の国鉄の調査の際にも、この問題が、高知県の行政関係者から経済、農業、すべての団体の皆さんから強く指摘をされておるのですよ。そんな状況にあるのに、一部の新聞で書いてなんとおっしゃられるところに認識の大きな間違いがあるのですよ。
 住田さんは、この際こんなことも言っておるのですよ。内山線が三月三日に開通することになっておる、これは開通すると予讃本線になる。そうなると、海岸回りに今予讃本線というのがありますが、この予讃本線は必要ない、バスにかえるべきだ、こんなことを言っておる。今度内山線ができたら今の予讃本線はこちらに変わるわけですけれども、国鉄はバスにかえるということをいつ決めたのですか。そういうことが決まっておりますか。私どもはこの問題についても何度か国鉄や運輸省と話もしておる。だれがこんなことを決めるのですか。運輸省どうですか。
○熊代政府委員 内山線が来年三月三日に開通した後の予讃本線の海岸回りの問題につきましては、先生御指摘のとおり、運輸省としてこれをやめるとかというようなことを決めているわけではございません。
 一般論としまして、輸送密度が低くて鉄道特性が失われたという線区につきましては、地域の実情に即した地域交通体系というものを形成する観点からも、そういう特性の失われたものについては、地域の事情に応じて可能な限りコストの安いバス輸送へ転換すべきだということは基本的にはございますけれども、内山線の開通に伴います予讃本線の海岸回りにつきましては、当然その後の輸送動向等を見まして考えていかなければいかぬ話でございまして、事前に云々ということはないと思いますし、今の時点で申し上げますと、新しい会社になった場合にはその会社の経営判断で行われるべきものと考えているところでございます。
○田中(恒)委員 住田さんの発言については、今、真意ではない、二者択一ではない、こんなことをおっしゃられたが、そういうふうにはどうしても思えないのだ。
 住田さんはこの日だけじゃないんだ。この前に、十一月五日に高松で、四国の、国鉄監理委員会主催の国鉄改革に関する地方懇談会というのが開かれている。これは四国の各県知事、議会の代表、経済界、労働界、農業団体、それから交通機関関係者、ほとんど四国の関係者が全部集まっておる。ここでの質疑の中でも、やはり同じようなことを言っていらっしゃるのですよ。四国は将来高速道路の一番影響を受けると心配しておる、鉄道と高速道路のどちらを選択するか検討してほしい、こういうことをおっしゃられておるのです、この十一月七日の前に。同じような意味の発言になっておるわけです。ここでは言葉が非常に激しくなっておる。同じ国鉄の幹部だからハッパをかけたと言われるつもりなんだろうけれども、それにしても少しどぎつい。
 それから、その後住田さんはこの問題について、これほど騒がせておるのに御本人が正式に記者会見をして釈明をするとか、こういうところへ呼ばれたら出てきて御自分で堂々と自分の所信を述べるとか、そんなことされてないんだ。そして監理委員会の主としてあなたがそういう意味のことを言われておる。これではなかなか納得いかない。
 私どもはこの問題について今後ともいろいろな立場で、御本人の所信を明らかにしていただくためにも、あるいは監理委員会がこんなことを言っておることをこのまま認めておくというわけにはいかない。監理委員会というのは大体こんなことをやるためにつくられたのではないのです。あなたのところは、検討したものを総理大臣に答申すればそれでいいので、それから後のことは――あちこち飛び回って勝手にこんな途方もないことを言い回ってもらって大変な不信と不安を関係者に与えていく、私ども、特に四国から出てきた者の立場からいっても、あるいはこれは四国だけにとどまらずに、九州、北海道を含めた国鉄の地方線廃止と絡んで関係者に大きな影響を与えておる。このことを特にこの際指摘をして、これは委員長において今後、きょうは住田さん来ておりませんから、私はこれ以上監理委員会の方と議論してもしようがないわけでありますから、理事会でこの問題の取り扱いについては御検討いただきたい、このことを要望しておきたいと思います。
 それで、まだ少し時間がありますから、四国の鉄道の問題について特に国鉄当局、運輸省に関係いたしましたら運輸省の方からも御意見をいただきたいと思います。
 率直に申し上げまして、四国は鉄道に関する限り全国で一番おくれていると私は思っておるのです。まだ鉄道の体制がとれていない地区であります。これは国鉄の皆さんが一番御承知のとおりだ。四国は島であるけれども、循環鉄道は依然として今日できていないですね。四国の鉄道の複線率というのはわずかに二十七・二キロ、営業キロ数の三%にすぎないわけです。これは北海道が一二%、九州が一八%、本州が三四%、全国平均二七%の中で四国の複線化率は三%である。それから、電化率は全国平均が四一%でありますが、四国は電化がゼロである。複線三%、電化ゼロ、こういう状態が四国の今日の鉄道の状態です。しかも四国は関西一の災害地区である。台風なりあるいは土壌の状態からいって非常に危ないところであります。そういう状態であるし、車両などはいつも問題になるわけでありますが、四国の鉄道の車両の七割は、急行列車、特急列車、大体二十年の耐用年数を経たおんぼろの車が本州から払い下げられて走っておるのです。そういう状態なんです。これだけ輸送機関というものが競合ができて、そして近代化をして、スピードアップをして車が走らなければいけない時代にこんな状態なんだ。
 私は素人だから簡単なことしか申し上げられぬが、私どもの愛媛県に初めて特急が走ったのは昭和四十七年だ。松山−高松間百九十四キロ、二時間四十五分で走っておるのです。今、特急は走っておりますが、今の特急はどれだけかかっておるかといったら、三時間二分かかっておるのですよ。四十七年から六十年、十三年の間にスピードアップどころか、スピードはもっとおくれておるのです。それぞれとまる時間が多くなっておる。列車の本数は大分多くなっておる、だから駅々でとまらなければいけない、単線だから。そういうこともあるのでしょうが、それにしても、二時間四十五分で高松まで行っておった特急が、今は三時間二分かかる。こういう状態が四国の今日の鉄道の装備の状態なんですよ。だから、これを近代化してくれ、こういうことを大分前から言っておるわけです。ところが、なかなか思うようにいかない。そこへもってきて今度は逆に切っていく。こういう形が先ほどの貨物の問題にも出てきておるし、地方線の問題でも出てきておるわけであります。
 四国の電化それから複線化、この問題について国鉄当局はどういうようにお考えになっておるか、まずこの点をお示しいただきたい。
○輿水説明員 お答えいたします。
 四国の現状につきましては先生の御説明のとおりでございまして、確かに複線化率それから電化率等におきましては、数字の上で全国平均より劣っていることは事実でございます。
 しかしながら、これらのことにつきましては、輸送量それからサービス等々を勘案しましてやってきたものでございまして、例えば、四国の輸送需要は島内完結型になっておりますので、そういう点では、私どもはかなり早くから輸送サービスの改善ということをやってきております。したがいまして、御存じでございましょうけれども、無煙化でございます。無煙化は四国地方が全国に先駆けて行ったものでございます。その結果、先生御指摘の車両が古いではないかということでございますが、確かに無煙化が早かったものですからディーゼル車両の経年が来てしまいまして、平均いたしますと全国の中で一番古い車両がたくさん走っておる、それがディーゼル車両でございます。例えば客車などでは非常に新しいものも入れております。それで、今回四国が民営鉄道として成り立っていく基盤の一つとして、車両の更新ということは、全国の中でも重点的にやっていかなければならないのではないかということで検討をしております。
 また、安定輸送、安全輸送のために、CTCと申しまして列車を集中的に制御する設備がありますが、これらの設備は非常に地味なものでございますけれども、鉄道輸送の上では一番重要なものでございまして、これは四国が七〇%に達しておりまして、全国でも高い水準にございます。
 というふうなことで、先生の御期待の複線化率でありますとか電化率ということにつきましては必ずしも追随しておりませんけれども、その他のこともやっておりますので、ここら辺につきましては御理解をいただきたい、こういうふうに思う次第でございます。
○田中(恒)委員 何もやってないとは言いませんけれども――私が質問している以外のことをお答えになるんだが、時間がありませんので……。
 しかし、これからの鉄道輸送の問題は、設備を近代化してスピードアップをして、いろいろ細かいことはあるでしょう、私ども専門家ではないからよく承知してないけれども、やはりスピードをどう上げるかということは、いろいろ言ったって大切なことでしょう。そういう面では逆になり得るじゃないか。これはやはり複線の必要性があるということなので、そういう面について、当局も多少お考えはあるようにも聞いておるし、来年度予算編成をめぐっていろいろあろうと思うし、それから本四架橋の問題が日程に上っておるわけでありますから、四国と本州の橋を渡った鉄道をどういうふうにつないでいくのか。片一方は電化で走ってきて、こっちへ入ってきたらゴトゴト、こういう状態なんだから、早く急いでくれということを申し上げておきます。きょうはこれ以上言いません。
 それから地方線の問題もやはり同じでありまして、私はこの間高知県へ行きましたら、中村線の存続、宿もの第三セクターの新設、開始、こういう要望を非常に強く受けたわけであります。私の地域には予土線というのがあります。この予土線、中村線、宿毛線、これは四国の西南地域と言われて、四国後進地域の代表であります。先ほど申し上げましたが、政府の三全総、四全総、いずれもこの四国西南地域を中心に政府としても施策を打ち立てるということで、農林省で言えば農地拡大の事業であるとか、運輸省は港湾の重要指定整備であるとか通産省は中核工業団地育成であるとか、こういう一連のいわゆる新しい世代に向けてのつち音がやっとおっ始まろうとするその際に、この地域の地方路線がどうも危ない、こういう状況になって、関係の各市町村を初め皆さん方が大変心配しておるわけであります。
 先ほどの貨物の問題と同じように、この点についても国鉄なり運輸省が十分、これは四国の西南地域だけではなくて過疎地域全体の問題について目を配ってもらわなければ、効率性ということだけで、ただ採算性だけやられたのでは、国鉄の長い歴史を全く一変させることになっていくと私は思うのです。仮に、あなた方がお考えになっておる民営という手法にいたしましても、そんなことで済むものではないと思う。そういう意味で、地方線の問題についても十分検討してほしいということを申し上げておきます。
 農林大臣、私どもの党の用務で中座していただきましたが、私が質問いたしました問題は、いずれも解決できないままにきょうは終わるような気がしてならないのでありますが、最初に申し上げましたように、これから通常国会に向けて投げかけられている国鉄の問題は、農山漁村にとっては、将来の地域計画というか地域の発展、活力化というか、こういう視点に立った場合極めて重大な内容を持っておるものだと思います。私は、どう考えてもこういう弱いところがまず最初に血祭りに上げられる、こういう心配がしてならないのであります。
 農林水産省としては、そういう道をたどらないような役割を、大臣も国務大臣でありますから中曽根内閣の中でその点は強く主張して、弱い者いじめの鉄道の路線の切り捨てであったり、道路をつくれば鉄道は要らぬのだ、こんなむちゃくちゃなことを言う監理委員会のメンバーなどはやめさせてもらいたいと私どもは思っておるわけでありますが、こういう点について大臣の所信をこの際お尋ねして、私の質問を終わります。
○佐藤国務大臣 田中先生にお答えします。
 私、途中から失礼いたしまして質疑を十分聞いておりませんが、私も十年ほど前に運輸政務次官をやりまして国鉄問題を少し勉強したわけで、ここにいる林君などはその当時一緒にやった仲間でございます。
 基本的に、貨物というのは売り上げが一割で直接関与人員が三割、したがって大変な赤字だ、こういうようなことで前から言われておったわけですが、民営化した場合に、農林水産物の輸送というのは国民生活にとりまして一番基礎的な物資で非常に大切である、そういう形の中で地方のサービスをどのようにして落とさないかということ。それからもう一つ国鉄が非常にかわいそうなのは、例えば学割を含めて公共料金の負担をしておったわけです。しかも、国が面倒を見ないで負担させておった、こんなことが大きな原因になった。そんなことで、国鉄を民営化した場合に、先生御指摘のように、やっと本体は採算が合っても共済年金は払えぬ状況、それで皆さんに御審議を願った、みんな応援、こんな状況でございます。
 その中でどうしてサービスを落とさないようにするか。先ほど先生、例えば三百の貨物駅になる。前から国鉄は三百駅にするという方向を持っています。三百というのは、政治家として私の見た場合、県が四十七あります、そうすると少なくとも一県に一つは残る、僕はそう思います。だから、四国に全くなくなることはないと思います。そういうことは、国鉄、運輸省はようやらないと僕は思います。そういうことを含めて私も同感です。仮にそんなことをやったら大変なことになる。
 そんなことを含めて、国鉄の問題、特に農林水産省の問題につきましてはいろいろな問題がございます。また、最近は自動車輸送が発達しまして、分岐点を含めていろいろな点がありますけれども、とにかく農林水産関係物資の円滑な輸送に支障を来さないよう、私も運輸大臣、国鉄総裁をよく知っておりますから、先生の御意向を酌んで特に四国の問題をお話しし、お役に立ちたいと思っておるわけでございます。
○今井委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時十一分開議
○今井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします、小川国彦君。
○小川(国)委員 私は、最初に農林水産大臣に、現行の食管制度についてどのような考え方を持っているか、あるいはまたその役割をどのように評価しているか、見解をお伺いしておきたいと思います。
○佐藤国務大臣 小川先生にお答えいたします。
 食糧管理制度は、先生御存じのことでございますが、国民の主食でございますお米を政府が責任を持って管理し、その需給及び価格の調整と流通の規制を行うことによりまして、生産者に対してはその再生産を確保し、また消費者に対しては家計の安定を図るという重要な役割を果たしてきております。
 したがって、本制度につきましては、今後とも事情の変化に即応して、必要な運営面での改善は図りつつこれを堅持してまいる所存でございます。
○小川(国)委員 最近、消費者米価値上げの動きがいろいろに報道されているわけです。二%ともいい、四、五%ともいい、そういう新聞報道がなされているわけでありますが、具体的に農林水産省としてそのような考え方あるいは方針を持っているのかどうか、その点、これは大臣でも長官でも結構ですが、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。
○石川政府委員 米価につきまして、財政当局の立場からのいろいろな要請とかそういうものがあることは事実でございますが、現在の段階では私ども、その処理の仕方につきまして方針をまだ決めておりません。いろいろと事情等の検討はいたしておりますが、新聞報道にありますように、決めたとかあるいはこういう方針で臨むことにしているとかということは、全く現状ではございません。
○小川(国)委員 きょうは大蔵省当局にもおいでいただいておりますので、大蔵省当局として、今消費者米価についてどういうようなお考えを持っておられるか、その点ちょっとお伺いしたいと思います。
○竹内説明員 ただいま食糧庁長官の方からお答えがございましたように、消費者米価の具体的な取り扱いにつきましては、いろいろ協議、御相談はしておりますが、具体的な取り扱いについてどうこうというところまで至っておりません。したがいまして、政府部内で、大蔵省としてはどうかという御質問にも、いささかお答え申し上げにくいわけでございます。
 ただ、極めて一般論といたしましては、御案内のような非常にきつい、厳しい財政事情、財源事情もございます。そういう中で、各省とも全体としては各種の経費の節減合理化、見直しをお願いし、あるいは御相談をしているような状況でございますが、そういう中にありまして、総体としては歳出の抑制あるいは圧縮に努めつつ、例えば農林水産予算でございますと、前向きの農政費と申しましょうか、あるいは足腰の強い農業へ向けての施策等については何とか配慮していく、こういうことが必要でもございますし、そういうことからも、食管の節減合理化については、極めて一般論としては引き続き努力を続けていく必要があるというふうに考えております。
○小川(国)委員 今、一般論という形でお話がありましたが、私は、これは一般論じゃなくて当該の米価に関しての御見解だというふうに理解をするわけなのであります。
 大蔵省の方としては、農林水産予算の施策に配慮している、こういうふうにおっしゃっているわけなのですが、ここ毎年の農林予算を見ますと削減の一途をたどってきているというわけで、昨年も農林予算全体としては削減された。ここ数年来、農林予算の傾向というのは削減の一途という状況にあるのですが、これは農林施策の向上ということよりもむしろ後退というふうに私ども受け取らざるを得ない。それは金額から言えば、やはりはっきり後退であるというふうに思うわけなのです。
 そういう意味で私どもは、国の施策として軍備を重要だというふうに考える方もあるし、食糧を重要だというふうに考える立場もあると思いますが、いずれの立場をとるにしても、食糧の重要性、農業の重要性ということについては、これはいかなる民族、国家においても、食糧の管理それから食糧の確保ということについてはやはり最大の努力をし、予算的な措置もしていく、これは欧米各国、先進諸国を見てしかりだと思うんですね。ひとり我が国だけが農林予算を年々減少してきている状況にあるのですが、この傾向に歯どめはかけられるのかどうか、その点はいかがなのですか。
○竹内説明員 先生のおっしゃいますような食糧問題の重要性につきましては、私どもも私どもなりに理解をいたしているつもりではございます。
 ただ、最近の財政を取り巻く状況は、御案内のように極めて厳しい財源事情のもとで何とか財政再建を進めていく必要があるということで、各省とも歳出の細かい施策に至るまで節減合理化、見直しをお願いし、お取り組みいただいているところでございます。農水省予算につきましても、同じように個々の経費についてそれぞれ見直し、節減合理化の御努力をお願いしてきているところでございます。
 六十一年度予算につきましても、さらに一層きつい財源事情にもございますので、歳入歳出両面から非常にきつい状況にございますので、引き続き御努力をお願いしているという状況にございます。
 ただ、このように全体といたしましては歳出の圧縮といいますか、率直に申し上げまして、そういうきつい努力を続けざるを得ない状況にはございますが、例えば農水省予算の内容面につきましては、今後の農政の展開の方向、先生の御指摘のような食糧問題、農業問題の重要性、そういう観点から、足腰の強い農業といいますか、そういう方向を目指して体質強化を図る、そういう観点から、いわば内容面での質的な充実という点につきましては、私どもとしても私どもなりに努力をしてきておるつもりでございますが、こういう観点につきましては、今後とも努力を続けてまいりたいと考えております。
○小川(国)委員 全体的な財政緊縮の考え方というのはわかるわけなのですが、政府として農業政策というものを、例えば防衛政策なりあるいは社会保障政策なり教育政策なり、そういう中での農林水産業の施策の重要性の順位というのですかね、それはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
○竹内説明員 御質問の点は、率直に申し上げまして、私、農林水産の関係の予算を担当しております一主計官としましてはちょっとお答え申し上げにくい非常に大きな問題であるように思います。そういう意味では、いささかこういう席で私見を申し上げるのはあるいは差しさわりがあるかもしれませんが、私は、それぞれの施策について各省とよく御相談し、また全体として、内閣として、どういう予算の内容、それぞれの方面についての総体ということを全体としてお決めいただいていると理解いたしております。
○小川(国)委員 昭和六十一年度予算案が編成されれば、その結果は数字において出てくるわけです。過去五年間くらいの予算の減少傾向は目に余るわけです。私どもは、力点や重点の置き方は、それは大蔵省の考え、農水省の考えがあって、それぞれの話し合いの中で重点が変わっていくということは時代の流れ、あるいは力点の置き方はそういう変化があっても当然と思うのですが、総枠が減っていく。例えば、社会保障予算は横ばい、そしてまた防衛関係予算は上昇という中で、農林水産予算が逆に年々減少傾向をたどっていく。
 もちろんあなたは一分野を担当している主計という立場にあると思いますが、しかし、自分たちの置かれた立場をどういうふうに理解して、どういうふうに取り組んでいかなければならないかということは当然あると思うのです。そこのところ、意識や自覚がなかったらただ削減の役割をするだけのことになってしまうので、農林水産業を国の施策の中でどう位置づけ谷のか、予算編成の中でその総体の割合をどう組んでいくのか、ここのところであなたが農林水産業というものを効率的に、合理的にもっと発展させようというお考えを持っているとすれば、それは当然予算の結果の中に出てこなければならないことですね。そういう意識なり腹構えなり心構えというものは、農林水産担当の主計官としておありになるのかどうか、そこのところをひとつはっきり聞かせていただきたいと思います。
○竹内説明員 私どもとしましては、全体のきつい、厳しい財源事情の中で、それぞれの経費について、先ほど申し上げましたような行政目的をそれぞれの行政分野において達成していきながら、かつ同時に国費の節減が図れる余地がないかどうかということをそれぞれの分野分野にお願いし、私どもも一緒に考えていくというふうな仕事をやっていくということだろうと思います。
 農林水産予算につきましても、同様の観点から、そういう一種の見直しを行いながら、しかしながら先生のおっしゃるように、農業の重要性、これは短期間の話ではございませんし、将来の足腰の強い農林水産業の重要性ということは十分認識いたしておるつもりでございますが、そういう方向に向かっての内容面での質的な充実、将来に結びついていくようなそういう経費の配慮ということについて努力を続けてまいりたいと考えております。
○小川(国)委員 どうかひとつそういう点で、質的な充実はもちろんでございますけれども、量的にも、予算額でさらにまた減額されていくことがないように、これは私は大蔵省の特に農水担当の主計当局に強く要望申し上げたいと思います。
 それから、さらに食糧庁にお伺いしてまいりたいのですが、過去十年間の生産者米価と消費者米価の改定状況はどういう流れになってきているか。私どもが見るところ、玄米六十キロ当たりの米価の昭和五十一年から六十年までの十年間の流れを見てみますと、例えば昭和五十一年当時は一俵六十キロ当たりで四千三百六十七円の売買逆ざやがあった。ところが五十二年、五十三年、五十四年と、三千七百八十一円、二千四百八十円、千八百八十八円と年々減少してまいりまして、昭和六十年の売買逆ざやは、一俵当たりの一、二等の平均で見てまいりますと三百四十一円という金額で、年々農林予算の減少と合わせるがごとくではございませんが、ごとくに売買逆ざやが減少してきているという状況が見られるわけです。これから消費者米価の値上げが具体的にどうなるかわかりませんけれども、この傾向を食糧庁としてはどういうふうに認識し、把握しておられるか、その点はいかがでございましょうか。
○石川政府委員 ただいま先生の御指摘のありましたように、売買逆ざやにつきましては、昭和五十一年でございますか、米価決定の際にこれを解消するという方針が一応とられているわけでございます。これは、売買逆ざやそのものが政策的に大変意味を持っておりました段階から、逐次売買逆ざやそのものよりも米価の水準というところにいろいろと論点が参りまして、御指摘のように売買逆ざや是正が、これは一本調子ではございませんで、途中でいろいろな、食管に定めます、生産者につきましては再生産確保ということ、消費者につきましては家計の安定ということがございますので、必ずしも一本調子ではございませんでしたが、売買逆ざやにつきましてこれを解消するという動きをやってまいっておりますので、そのことと、売買逆ざやに占めます財政の負担はかなり多うございましたので、農林予算全体の動きということについて先生御指摘のような傾向になっているかと思います。
 ただ、この売買逆ざや是正の問題につきましては、先生も御指摘のごとく、近年にはその売買逆ざやの水準自身が大変低くなっておりまして、昨年二月の改定の際に一類につきましては既に順ざやになっております。それから二類の売買逆ざやもほぼ完全解消に近づいておりまして、売買逆ざやの中身が三類、四類、五類あるいは三等米といったようなところに参っておりますので、今までのような一本調子の形での売買逆ざや是正につきましては、食管運営上いろいろ問題になってきているような状況にあろうかと思います。
 したがいまして、私ども米麦価というものを扱います場合に、売買逆ざやの是正自身は政府としての従来からの方針でございますが、その取り扱いに慎重を期さなければならない事態になっているかと思っております。
○小川(国)委員 例えば一等のベースでまいりまして、一類、二類、三類、四類、五類とございますが、これが仮に二%消費者米価が値上げをされた場合、あるいは四%値上げをされた場合、どういう売買逆ざやの数字がおよそ推定されますか。
○石川政府委員 私ども、パーセンテージは一切まだ頭に置いておりませんが、先生御指摘の二%とか四%という水準を考えますと、現在一類で売買逆ざや、これはむしろ順ざやでございますが、順ざやが四百八十円程度のものが、二%だと八百円段階くらいまで上がってまいります。四%なら千円を超えるような順ざやになってまいります。それから二類は、二%、四%いずれも、今までほとんどゼロのものが三百円とか七百円とかいう順ざやになってまいります。三類につきましては、現在六百円前後の売買逆ざやがございますが、二%程度でもまだ三角の二百円ダウン、四%になると三類も順ざやというような数字になろうかと思いますが、これはあくまでも仮定でございまして、計算上の数字で申し上げたわけでございます。
○小川(国)委員 仮に、これは大蔵省が主張していると言われております四%になってまいりますと、一等のベースで一類、二類、三類、四類とも全部順ざやになってくる、五類だけが逆ざやで残る。こういうふうになってまいりますと、食管法の建前あるいは食管制度の建前が大きく崩壊する。これは、食糧庁がいろいろな管理経費をかけてまいりましても、食管法の生産者から買った価格よりも低く消費者に売り渡すという建前は完全に崩れてしまう。これは、もう農業団体が売っている、あるいは商社が売っているのと同じで、農民から買った値段よりも高く消費者に売るということであったら、これは食管会計の建前というか、原則というのですか、そういうものが大きく崩れてしまうのではないかと思うのですね。そういう点で、私はやはり食管制度における逆ざや解消とはいいましても、それが逆転するような事態というものはあっていいのかどうか、これは非常に食管制度の原則を崩壊せしむるものじゃないかという懸念を持つのですが、この点はいかがですか。
○石川政府委員 先生御指摘のように、売買逆ざや、このほかに実はコストの部分がございまして、政府が米を持って、例えば備蓄しておりますために使います金利だとか倉敷といったコストがあるわけでございますが、そういうコストというものを一応政府が持ちましたとしても、例えば輸送費だとか保管費だとかが要らない米につきまして大変多くの部分が順ざやというようなことになりますと、これは政府の米の運用にかなり大きな影響を与えると思います。政府がある程度コストを持ち、売買逆ざやもほぼ解消しているような状態でございますと、政府が管理経費を持っておりますので、なおかなりの競争力を持ちながら運用ができるわけでございます。特に上質の米等について大変大きな順ざやが出てまいりますと、これは当然のことでございますが、市中に流れる米をコントロールする力が弱ってまいりまして、現在やっておりますいわゆる米管理ということにかなり影響があろうかと思っております。
 したがいまして、私ども売買逆ざやの解消に努めながらも、それと同時に米が、何と申しますか、今法で定めております集荷、販売のルートで適正に動きますように、先ごろも集荷とか販売に関します流通改善ということもやっておりますが、そういうことも、やはり売買逆ざやというものが逐次解消され、それがそういう流通業者の方々が力をつけていくというプロセスと同時並行的に行われませんと、いろいろな混乱が起こるということを考えてやったわけでございます。
○小川(国)委員 大蔵省当局に伺いたいんですが、過去の消費者米価の値上げの経過を見ますと、大体生産者米価が夏に上がる、そうすると、それにつれて消費者米価が暮れか翌年の予算編成の中で上がる、こういうことが行われてきているわけです。したがって、私どもは当然消費者米価の値上げは必至、こういうふうに見ているわけなんですが、皆さんの方は消費者米価の値上げはなしに、ことしは生産者米価は一銭も上げなかった、したがって消費者米価も上げずにいくと、こういうふうに理解してよろしいかどうかですね。
○竹内説明員 先生御案内のように、ことしの生産者米価については据え置きということで御決定をいただいたわけでございます。御案内のように生産者米価、消費者米価、それぞれ食管法の規定にございます趣旨に沿って適切に決めていくということでございますが、先ほど申し上げましたように、全体の予算編成の中で、そういう財政状況の中で食管の節減合理化という努力も必要になってきているのではなかろうかというふうに私どもは考えております。
○小川(国)委員 これを一%値上げしますと、大蔵省の方では金額では幾らになってまいりますか。
○竹内説明員 一%で約百三十五億の財政的な影響ということと理解しております。
○小川(国)委員 そうしますと、仮に五%になりますと六百七十五億、こういうことになってまいりますね。私どもは消費者の立場に立ってみても、生産者米価を値上げした、それだけの経費の財源を捻出しなければならぬ、したがって、これは生産者にそれだけ支払ったんだから消費者も値上げを我慢してくれ、こういうことならある程度消費者も、これはやむを得ないという認識に立つということもできるかと思うのですがね。ことしのように、これだけ資材が上がった、肥料が上がった、農薬が上がったという中で、生産者が大変な厳しい経済環境の中で米価の値上げを要求してきた、それに対してゼロ回答で押し切ってきた。ここへ来て、四%だ、五%だということで消費者米価を値上げすると言ったら、一体何のために値上げするかというのは消費者としては納得いかないと思うのです。これは大蔵省がただ財源捻出のために消費者にしわ寄せを転嫁させて、ここで数百億の財源を浮かそうというためでしかない、こういうふうに理解せざるを得ないと思うのですね。
 ですから、私は、食管会計の建前からいけば――今言ったような大蔵省が巷間伝えられている四、五%の値上げをしようということになれば、これはすべてが順ざやの流れになってくるし、そうすると、食糧庁だって食管制度を守っていく役所ではなくて、日本食糧株式会社、たばこ屋さんも電話屋さんもみんな株式会社になったから、株式会社でやってくれというなら別です。大蔵省がそういう考えに立つなら別ですけれども、これは農民の立場に立っても消費者の立場に立っても絶対に許せないことなんで、そういう食管制度を守っていくという立場から考え、あるいはまたことしの生産者米価据え置きの観点から考えると、これは絶対に認められないと思うのです。その点をどういうふうに説明なさいますか。
○竹内説明員 先生御指摘のような具体的な数字で主張しているというような報道が新聞にあったことはございますけれども、そういうことではなくて、私どもは農林省といろいろ御相談いたしておりますけれども、御指摘のような数字でどうこうということではございません。確かに売買逆ざやもここまで小さくなってきておりますし、売買逆ざやを上回る改定ということになれば、そこをどういうふうに理解するのかという御議論があることは十分承知しております。
 ただ、先生の御心配のように、そうなってくると食管制度が維持できなくなってきてしまうではないかというような点についてどう考えるか。歴史的に見ますと、二十年代、三十年代、もちろんいろいろな諸条件、諸事情が違いますが、若干の順ざやあるいはかなりの順ざや、売買だけ見ますとそういうこともあったわけでございますが、そのときも食管制度はそれなりにきちっとした運営がなされてきているわけでございます。しかし、いろいろ諸情勢も違いますし、そういう点についてどう考えるかという点はまたいろいろ御議論があろうかと思いますが、いずれにいたしましても、ことしの扱いにつきましてはまだ御相談中でございまして、具体的にどうこうというところに至っていないわけでございます。
○小川(国)委員 しかし、これは当然新年度予算の編成の中で皆さんの方としては財源として見込んでいかなければならぬということになるので、いずれは改定をやってくるというふうに私は思うのですが、生産者の立場から見ても消費者の立場から見ても、生産者米価を据え置いて消費者米価を上げるというのは納得できないのですね。
 今もあなたの方がおっしゃったように、順ざやになっていった場合の説明をどういうふうにつけるのか、これはおっしゃったのですが、つけようがないと思うのです。どういうふうに消費者に対して――生産者にこれだけの値上げをしたので、それは消費者も持ってくださいというならわかるのですよ。生産者の方は一銭も上がってないのですから、それで消費者の方だけ何%上げるという理由は見当たらないと思うのですが、これは据え置くのが当然じゃないですか。
○竹内説明員 先ほどもお答え申し上げましたが、政府の買い入れ価格、売り渡し価格、それぞれ食管法の規定の中で別々に適切に決定するということになっているわけでございますが、また他方で、御案内のように臨調臨調等でもこの売買逆ざやの解消あるいは管理経費の節減等、コスト、逆ざやの縮小という御指摘もちょうだいしておりますが、御案内のような財政状況の中で具体的にどういうふうに取り扱っていくか、これから御相談してまいりたいというふうに考えております。
○小川(国)委員 一番最初に大臣も言われた、長官も言われた生産者の再生産、家計の安定。これはどっちから見ても、ことしは生産者米価が上がらなかったので、生産者の再生産というものでいろいろな物価の上昇によるところの費用というものはほとんど見られなかった。家計の安定という面から見ても、これを引き上げてきたら家計の安定という趣旨もどっちの趣旨も生かされないことになると思うのです。
 これ以上大蔵省に言ってもどうかと思いますので、これは農林水産大臣でも食糧庁長官でもいいのですが、やはり農民に納得いき、消費者に納得のいくという、食管制度の建前からいけば――従来も農民からの買い入れ価格が一%か二%のときに、三%から四%近い、倍近い消費者米価の値上げをやってきているのですよ。これは毎年米価闘争が行われて農民の生産者米価が多少とも上がっても、結局ツケは消費者に回ってくる、こういう印象はぬぐえなかったわけです。そこへもってきて、今年度は生産者米価の引き上げがゼロだったわけですから、そこでまた大幅な消費者米価の引き上げがあったら、これは本当に今私が申し上げているように、農民にとっても割り切れないし、消費者にとっても国の財政補てんのために我々の米価が勝手に引き上げられた、こういう印象はぬぐえないわけでありまして、これはやはり食管制度を担当していく農水省としては、大臣も長官もしっかり腹を構えて、そういう単なる財源確保の理由から消費者米価の値上げを許すことがないように、その辺のお考えはどうなのか、その点をひとつ伺いたい。
○石川政府委員 事情につきまして、先生いろいろおっしゃいましたような事情を私ども十分承知はいたしております。
 米価の水準につきましてどう考えるかということにつきましては、大臣からお答えしましたとおりの、要するに家計の安定を旨としてその他の経済事情もしんしゃくして決めろということでございますから、そういう考え方でやるわけでございます。
 国の方針といたしまして、売買逆ざやというものはできるだけ解消していこうという大きな方針がございますが、どんなタイミングでどのような仕方でやっていくかという意味で、かつてのように非常に売買逆ざやが欠きゅうございますとかなり大きな動かし方ということが可能だったわけでございますが、大変微妙な状況に入ってきておりますので、私どももそういう周囲の事情、これは生産、消費両方に与える事情等も考えながら、また財政的な背景というようなことも十分頭に置いて慎重に対処をするつもりでございます。
○小川(国)委員 次に、私は国鉄の問題についてお伺いをしたいと思います。
 国鉄の民営・分割化ということがこれから来年度に向けて非常に大きな焦点の問題になってきて、政府においては、これの関連法案、主要な法案で三ないし四、それからまた関連する法律は百二十とか言われる膨大な国鉄再建へ向けての立法あるいは経営再建計画というものが進められている。これは農林水産業にもいろいろな意味で影響が出てくるかと思うわけです。
 最初に、現行国鉄の経営というのは公共性、採算性という二本の柱で今日まで行われてきた。そういうところへ民営・分割という方向が出てまいりますと、公共性という一つの柱は取り払われてしまって、採算性ということが正面に出てくるのではないか、それ一本になってしまうのではないかということで、国民の国鉄という立場から考えますと、非常に大きな危惧の念を我々は抱いているわけであります。
 ところで、従来、米とか飼料とか肥料については割引というものが行われてまいりまして、今まで、例えば五十九年度で言うならば、米では五億一千二百万円、割引率は八・九%、飼料について言うならば三億九千四百万円、割引率は一八・六%、肥料について言うならば四億八千百万円、割引率は一一・八%ということで、日本農業の基本をなす米づくり、それから畜産のための飼料、また、米づくりでも野菜づくりでも果樹園芸でも総体的に必要とされる肥料、そういうものに対しての割引政策の中で日本農業の根幹をひとつしっかり守っていこうということが行われてきたわけでありますが、国鉄監理委員会あるいは国鉄当局の中では、今打ち出している再建計画の中では、こういうものの取り扱いをどのようにお考えになっていらっしゃるか、それぞれお答えいただけたらと思います。
○林政府委員 お答え申し上げます。
 私ども、現在の国鉄を分割・民営化することによって鉄道としての活性化、効率化を図りまして最大限鉄道を残していく、こういう考え方で、したがいまして、その公共性というものを、我々は公益性という言葉で表現しておりますけれども、そういう観点は十分配慮して考えておるつもりでございます。
 ただいまの割引等の問題でございますけれども、私どもとしましては、分割・民営化をするわけでございますので、基本的には新しくできる会社の経営判断によって適切な運賃制度あるいは運賃体系というものが形成されていくと考えているわけでございます。
○岡田(昌)説明員 お答えさせていただきます。
 先生にお示ししていただきました資料でございますが、現在国鉄におきましては品目別の割引は一切行っておりません。かつて国鉄が貨物輸送を行う場合には等級制度がございまして、これは古くは二十数等級ございましてそれぞれの品目によって運賃を定めておりましたが、現行はトラック輸送、貨物輸送すべてトン当たり、キロ当たりの運賃に変わっております。これは五十五年にすべての等級制度を諸団体、もちろん農業関係、水産関係も含めまして諸団体とも御相談して撤廃いたしております。したがって、現在運賃があるのはトン別、距離別の運賃でございます。
 現在割引を行っているのはそれと全く異なりまして、ある地点、Aという地点からB地点に行く競争運賃を勘案いたしまして、トラックの運賃が実勢幾らぐらいだ、国鉄はまたそれ以下でなければ売れないとか、返回送運賃にする場合には、例えばコンテナが返ってくるような場合にはかなり割引してできるものですから、そういう割引を行っているのは事実でございます。したがって、先生おっしゃっていただいた品目別の割引というものではございませんで、結果においてそういう割引がトータルとして計算できるということでございまして、各駅で公示を行いまして、どこからどこまでの距離は何トンあれば品目にかかわらず割引するというような制度も採用いたしているわけでございます。
○小川(国)委員 私が皆さんの方からいただいた資料でありますから、これは結果においてそういう割引が行われているという理解をいたしますが、監理委員会の方ではこれを新しい運賃体制で決められるということなんですが、そういう公共性を持った割引制度は存続するように監理委員会の方では考えられているのか、あるいはそれは旧国鉄の業務終了と同時に全く終わってしまうというふうにお考えになっているのか、その点はいかがですか。
○林政府委員 現在主として旅客についていろいろな割引制度があるわけでございますが、貨物につきましては、むしろ競争交通輸送機関との関係で、営業的な見地から実際問題として割引が行われておるというのが実態であろうかと思うわけでございます。
 いずれにしましても、新しい分割・民営化された会社におきましては、基本的には、営業上の判断に基づきまして、営業政策としてどのように運賃というものを設定していくかということが発想の基本になろうかと思います。それを基本にいたしまして、各種政策上の問題、これは旅客でございますけれども、旅客の分野では私鉄等におきまして通勤、通学等についての割引とかいうことが行われておりますが、これも、いわゆる政策的な割引というよりは、むしろそれぞれの私鉄の営業上の判断による割引でございまして、基本的には、新しい会社においてもそのような考え方を基本といたしまして運賃の設定が行われるというふうに考えております。
○小川(国)委員 ここでは公共性というものがもう全く失われる、すべてが営業判断。私は、現行の私鉄のそうした割引制度がすべて営業政策ばかりとは思えないわけで、これはやはり国の認可によって行われているのでありますから、当然公共的な観点というものを加味されていると思いますが、この点については今後の課題でありますので、ひとつ監理委員会も運輸省も国鉄当局も、こういう面については従来の公共性というものの面が損なわれないように、採算性を追求するということもこれはもちろん大切なことでありますが、この点についての今後の配慮をお願いして、次に移りたいと思います。
 次に、私は、国鉄の再建計画の中で、国鉄構内の営業会社、全国に相当数のものが置かれているわけでありますが、こういう中には国鉄が出資している会社と、それから出資していない非出資会社と、こういうふうに分かれると思うのです。この出資会社については、当然配当があって、構内営業料というものがまた入ってくる、こういうふうに思うのでありますが、これは国鉄全体では大体どのくらいの収入になっておりましょうか。
○長谷川説明員 お答えいたします。
 出資会社の配当金と構内営業料金でございますが、五十九年度で申し上げますと、配当金が五億二千三百万円、構内営業料金が八十八億五千百万円でございます。
○小川(国)委員 これは各鉄道管理局別に分けられておりますか。
○長谷川説明員 管理局別はちょっと不明でございます。
○小川(国)委員 そうすると、これは各社別にはわかるようになっておりますか。
○長谷川説明員 おっしゃるとおりでございます。
○小川(国)委員 これは資料としてお出しを願えますか。例えば、全体でこれは何社ぐらいになりますか。
○長谷川説明員 全体で百二十一社でございまして、後刻また御提出いたしたいと思います。
○小川(国)委員 次に、非出資会社の構内営業料と売上総額はどのぐらいになっておりますか。
○長谷川説明員 お答えいたします。
 非出資会社の方は、売上高と構内営業料金につきましては、これは経営上の秘密の事項でございまして、信義上、提出することにつきましては御勘弁いただきたい、このように考えております。
○小川(国)委員 この総額はわからないのですか。国鉄として非出資会社から受け取っている構内営業料ですね。
○長谷川説明員 総額では、これは五十九年度のケースで、非出資会社、駅ビルの場合でございますが、全体で約四千四百億ばかりでございまして、それに対する構内営業料金が約五十億でございます。ですから、割合といたしましては一%強、構内営業料金と売上高の比率が一%強という状況でございます。
○小川(国)委員 今のは、駅ビルで四百億の売り上げで五十億というと、一〇%強になるんじゃないですか。一%強というお話でしたが……。
○長谷川説明員 売上高の総額が四千四百億でございます。
○小川(国)委員 これは非出資会社の売り上げのすべてでございますか。
○長谷川説明員 さようでございます。
○小川(国)委員 今、駅ビルとおっしゃいましたが、駅ビルがすべてということになるんですか。この構内営業料を取っているところは、駅ビル以外にはないのですか。駅ビルの中の総売り上げが四千四百億、そしてその中の構内営業料が五十億と……。
○長谷川説明員 非出資の駅ビルだけでございます。
○小川(国)委員 そうすると、全体ではお幾らぐらいになりますか、この構内営業料は。
○長谷川説明員 お答えいたします。
 旅客構内営業料金、トータルの額でございますが、五十九年度で四百九億という額になっております。
○小川(国)委員 何ですか、額が少なくなっちゃったんですがね。そうすると、この四千四百億と四百九億を足したものが国鉄の非出資会社の構内営業料のすべてと、こういうふうに理解してよろしいのですか。
○長谷川説明員 ただいま四百九億と申し上げましたのは全体の構内営業料金でございまして、それに見合う非出資の構内営業料は約五十億という数字でございます。
○小川(国)委員 そうすると、この四百九億に見合う旅客営業売り上げというのはどのぐらいになっておるのですか。
○長谷川説明員 これはいろいろな業種がございまして、ちょっと現時点では不明でございます。
○小川(国)委員 この旅客営業料金というのは、大きな項目では何項目ぐらいに分かれるのですか。旅客営業料金の内訳の大きな項目としては何項目ぐらいに分けられるのですか。
○長谷川説明員 大ざっぱに分けますと、弘済会とかあるいは弁当屋等の構内営業と、それから駅ビルなどの構内公衆営業と、大ざっぱに言いますとそういう二つに分かれるところでございます。
○小川(国)委員 そうしますと、それの売り上げとそれに見合う収入、構内営業料というものの分類はできるんじゃないのですか。
○長谷川説明員 今申し上げました分類では出てまいりませんので、ちょっと今手持ちがございませんので、後刻また御報告申し上げたいと思います。
○小川(国)委員 次に、国鉄の土地貸付収入ですね。これは件数は何件ぐらいで、面積は幾らで、使用料は総額どのくらいになっておりますか。
○岡田(宏)説明員 お答え申し上げます。
 五十八年度一年間の数字でございますが、土地の貸付件数は約四万七千件、面積は四百七十ヘクタール、使用料は約百二億円でございます。
○小川(国)委員 約お幾らでございますか、使用料。
○岡田(宏)説明員 約百二億円でございます。
○小川(国)委員 これも各鉄道局別に分類は可能でございますか。
○岡田(宏)説明員 可能でございます。
○小川(国)委員 これについては後ほど資料で提出を願いたいと思います。
○岡田(宏)説明員 御提出申し上げます。
○小川(国)委員 次に、国鉄の建物、高架下の貸付収入は総額お幾らになっておりますか。それから、各局別の貸付内容を、建物、高架、こう分けまして、それぞれ各局別に御報告願えますか。
○岡田(宏)説明員 同じく五十八年度の全国数字でございますが、建物につきましては千五百件、面積といたしまして約十万平方メートル、使用料は約十四億ということでございます。高架下の貸し付けの件数につきましては、全国的に約三千件でございます。面積は百二十ヘクタール、使用料は約五十億円でございます。
 これの管理局別の数値等につきましては後刻提出を申し上げます。
○小川(国)委員 次に、六十年四月現在、国鉄OBの、出資会社、非出資会社あるいはまた国鉄取引先企業、これへの就職状況につきまして、どういう役職の者が何名どういうところに就職しているか、この総体の数字というのは把握されておりましょうか。
○長谷川説明員 お答えいたします。
 六十年度首の国鉄の出資会社のOBでございますが、約五千人でございます。それから非出資会社、これは駅ビルでございますけれども、OB数約千三百人というところでございます。
○小川(国)委員 この非出資会社は駅ビルだけですか、それ以外のところはないんでしょうか。
 それからもう一つ、国鉄がレールを買っている、電線を買っている、車両を買っている、そういう取引会社へのいわゆる出向といいますか、あるいは就職されている方ですね、その把握はされてないんですか。
○須田説明員 先生の御質問の取引先の方につきましてお答え申し上げますが、今、先生のおっしゃいます取引企業と申しますのを、私どもが物品を購入させていただいている会社というふうに考えて申し上げますが、これは実は非常に多岐にわたっておりまして、本社だけでお取引しておりますものが数百社、地方を入れますと実は数千社に及んでおります。
 したがいまして、その就職につきましても、本人の資質、能力等で、いわゆるスカウトをされて個人的に入るようなものもございまして、必ずしも国鉄が把握しておるものばかりではございませんので、現在その数につきましては把握をいたしていないというのが実情でございますので、御容赦いただきたいと存じます。
○小川(国)委員 国鉄は、政府各省庁から自治体に至るまで、新しい余剰人員の受入先をお願いしているわけですね。そういうときに、自分のところの退職者が行っている先はこういうふうにそれだけの人数の者が出てくるので、これはやっぱりきちっと掌握して、こういう皆さんの退職者がそういうところにどこまで行っているかというのは把握する必要があると思うのですが、いかがですか。
○須田説明員 先生御指摘のように、今余剰人員でいろいろ雇用方もお願いしておりますので、先生おっしゃいますように、少なくとも大どころにつきましてそのような必要性があろうかと存じますが、今後の問題としてそのような勉強もしてまいりたいと思っております。
○小川(国)委員 いつごろその勉強は終わるのでございましょうか。
○須田説明員 目下余剰人員のお願いを精いっぱいいたしておるところでございますので、いつまでという期限につきましては御容赦いただきたいと思います。
○小川(国)委員 余剰人員の受入先としてはお考えになっていないのですか。
○須田説明員 物品を購入しております機関につきましても余剰人員を御雇用いただきますようにお願いを申し上げてまいりたい、かように思っております。
○小川(国)委員 時間がありませんので、最後に国鉄の所有地ですね、この土地の保有状況について、各局別にどういうところにどれだけの面積を保有しているか、この一覧を提示願えましょうか。
 それから同時に、その中で処分可能なもの、処分不能なもの、このものについての仕分けは終わっておりましょうか。終わっていればその数字をひとつお示しいただきたいと思います。
○岡田(宏)説明員 まず前段の問題でございますが、国鉄全体の所有地は六億六千八百五十万平方メートルに及んでおりまして、非常に膨大な面積を所有いたしておるわけでございますが、各管理局別にその所有地がどうであるかという資料については御提出をすることができるわけでございます。
 なお、この用地の処理の問題につきましては、過日、監理委員会からの意見書が内閣に提出をされておりますが、その中でこの用地の取り扱いにつきましては、「現在の国鉄所有地のうち、将来の事業の姿を見通した上で最小限必要となる事業用用地以外の用地は原則として売却対象とすることとし、これらを「旧国鉄」に帰属させた上で適正な価額で売却し、もって長期債務等の処理財源に充てることが必要である。」こういう御意見をいただいているわけでございます。これらの御意見の趣旨に沿いまして、現在国鉄におきましては、これらの先ほど申し上げましたような全所有地につきまして、将来の事業の姿を見通した上で最小限必要となる事業用用地以外の用地をいかにして生み出すかということについて、鋭意作業中の段階でございます。
○小川(国)委員 時間が参りましたので、最後に一つ。その作業の終了のめどは、時期はいつになっておりますか。
○岡田(宏)説明員 現在鋭意検討中でございますが、何分にも大変膨大な用地であるということと、それから、現在稼働している施設が乗っている用地におきましても、それらの施設を最小限必要な事業用地ということでコンパクトなものにまとめ上げる、そうした上で非事業用地として生み出しをするという作業でございますので、これは大変な作業でございます。国鉄の今までの施設の全部の見直しを行うというような作業でございまして、その作業につきましては極力急がなければいけないというふうに考えておりますが、現時点ではいつまでということについて明言を申し上げられるような段階ではございませんことを御了解いただきたいというふうに思います。
○小川(国)委員 時間が参りましたので、終わりたいと思います。
○今井委員長 次に、水谷弘君。
○水谷委員 きょうは何点かにわたりまして、農林水産業に関する問題について、大臣と主にいろいろお話を申し上げながら御質疑を申し上げたいと思います。
 昨日参議院を関税暫定措置法の改正案が通過いたしました。いよいよアクションプログラムも実施の段階に入ってまいります。そういう時期に当たりまして、今後の農林水産物の貿易問題について最初にお尋ねをいたします。
 本院の当委員会におきまして六月五日、農林水産物の市場開放問題に関する決議が行われたことは大臣もよく御存じのとおりであります。その中に、
 我が国は累次にわたり農林水産物の市場開放措置を講じてきたところであるが、最近に至り、諸外国の市場開放要求は一段と強まり、農林水産業関係者に不安と動揺を与えている。
  よって、政府は、市場開放問題の処理に当たっては、我が国の農林水産業を取り巻く状況について諸外国の十分な認識を得るよう一層努めるとともに、既に深刻な事態にある我が国の農林水産業の存立を脅かしひいては食料安全保障等の面で国民生活に不安を与えることのないよう万全を期し、去る第九十一回国会の「食糧自給力強化に関する決議」及び第九十六回国会の当委員会における「農畜水産物の輸入自由化反対に関する件」の決議の趣旨に従い、決然たる態度で対処すべきである。
このようにあるわけです。
 既に、日米における農産物の、主にガット提訴停止の十三品目に関する停止が解除になる来年の四月二十二日を前にして、その事前の協議のために農水省の皆さん方が大変御努力をされている。また、日米の漁業協定等の協議のためにも、もう水産庁長官も訪米をされておられる。今日までいろいろ大変な御努力をされているということはよくわかっております。
 しかし、今回の市場開放措置によって各国は我が国の市場開放が十分行われたという評価は決してしておりませんし、また本年は史上最高の世界の穀物生産量、こういう状況にもあります。さらにまた、アメリカにおいては新農業法がクリスマス前に合意できるか来年になるか等々、アメリカの農業の現状を見ますと非常に大きな問題等も抱えている。そういう環境と同時に、またASEAN諸国においても、日本はアメリカに対する一方的な開放措置だけではなくて、我々の方もしっかり向けという声を中心にして、いろいろな開放要求が起こってきております。ECにおいても相当強い開放要求が今後も続いてくるわけであります。そういう中で、今後の市場開放要求に対する大臣の基本的なお考え、取り組まれる姿勢、こういうものについて冒頭お伺いをしておきたいと思います。
○佐藤国務大臣 先生にお答えします。
 これはもう私はいつも言っておりますけれども、我が国の農林水産業を守り、どのように発展させるか、そういう形の中に、今先生御指摘のような市場開放をめぐる諸外国の情勢は非常に厳しい状態でございます。そういう形の中に、友好国との関係に配慮しながら慎重に対処してまいりたい、このように考えているわけでございます。
○水谷委員 慎重に配慮しながらということでございますが、農林水産大臣のお立場で、我が国農林水産業を守るという覚悟のもと、今日までも大変努力をされておることはよくわかっておりますが、これからが本格的な決戦場に入るような気がいたします。ひとつ全力でお取り組みをお願いしたいと思います。
 具体的な問題として、ガット提訴の十三晶目についてその凍結がいよいよ来年四月に切れる。これまでの日米の協議の見通し、それに対する対応を大臣はどのようにされるかお聞きします。
○佐藤国務大臣 先生にお答えします。
 農産品十三品目については、先生御存じのことでございますが、昨年四月に合意し、二年間休戦となっているわけでございますが、去る十二月四日ワシントンで非公式会合を行い、現在合意の実施状況等を中心に協議を行いました。米側は基本的には原則自由化の考えに立っておりますが、この問題の現実的解決を求めて今後とも協議を続けていくこととなりました。
 今後の協議に当たりましては、米側は厳しい態度で臨んでくることが十分予想されますが、我が国農業の厳しい実情及び十三品目の重要性にかんがみ、我が国農業に悪影響を及ぼさないよう最大限の努力を払ってまいりたい、このように考えているわけでございます。
○水谷委員 これは我が国農業にとって大変重大な問題でありますので、どうかひとつ徹底したお取り組みをして、これ以上の米側の要求に対しては明確にこちら側の事情を理解をさせる。また説得力のある、我が国農業におけるいろいろな実情というものを理解をさせるということと同時に、残存輸入制限品目十三品目がアメリカの農業にとってもかなりのメリットがあるんだということも含めて理解をさせていかなければいけないだろう、このように考えているわけであります。
 もともと完全自由化という基本路線を持ってこっちに向かってくるわけでありますから、それに対してよほどの覚悟がなければそれを守り切ることはできない、こう思います。これから本交渉に入るまでの間、農水省の皆さん方が大変なお骨折りをされるわけでありますけれども、どうかひとつ、我が国農業全体を守るための闘いと心から決意をしていただきまして、しっかり頑張っていただきたい、そのように思います。
 次に、六十三年四月、ここに迫られている牛肉、かんきつに関する日米交渉、これは五十九年四月七日に、日米間において牛肉輸入貿易交渉が行われて、高級牛肉について四年間で二万七千六百トンの輸入枠の増加をするということが決定をしたわけであります。これはしかし、当時生産者にとっては大変な問題であり、当事者にとってはこれだけの枠拡大が国内の畜産にどういう影響を与えるのかという大変な不安と心配があったわけであります。
 その結果、五十九年の四月中旬以降、全国的に和牛の子牛価格が下落、また和牛の雌牛の屠畜頭数も前年同期に比べて四〇%増、こういう国内生産者の生産意欲の減退、大変な影響が出た。そして我が国の現状は、もう申し上げるまでもありませんけれども、本年の二月一日現在では国内の牛飼育農家というのが二十九万八千戸、一戸当たりの頭数は九頭、こういう全く本当に零細な規模。そういう中で一生懸命頑張っていらっしゃる。その片方には、もう返すことのできないような多額な負債をしょっておられる。こういう状況は大臣もよく御存じでありますし、だれが考えても当然のことでありますが、この上に万が一この輸入枠以上の枠拡大がもし行われるようなことがあるとすれば、我が国の畜産に対しては壊滅的な打撃を与える、これはよく御存じのとおりであります。
 そういうことで、特にこの交渉にこれから少しずつ向かっていくわけでありますけれども、そのときになってみなければ状況は明確には申せませんでしょうが、しかしその見通しとそれに対する大臣の御覚悟を伺っておきたい、こう思います。
○佐藤国務大臣 お答えいたします。
 国内の牛肉、かんきつにつきましては先生の御指摘のとおりでございます。そんなことで、牛肉、かんきつについては昨年四月決着を見、現在平穏に合意を実施中でございます。一九八八年度以降の取り扱いについては、一九八七年度の都合のよい時期に協議をいたすこととなっております。本協議にはまだ二年ほどの余裕があるわけでございますが、協議が行われることになれば、牛肉、かんきつは先ほど先生御指摘のようなことが非常にございます。また、我が国農業の基幹的作目であり、我が国食糧の安全保障や国土の保全の面におきましても重要な役割を果たしていること及び我が国農業の実情について十分説明し、米側の理解を求めていく考えでございます。
○水谷委員 その御決心でよろしくお願いをいたします。
 それからさらに、今回の関税の引き下げ、これに続いて米側が大きな関心を寄せておりますチョコレートだとかグレープフルーツ、クルミ、主にこれらが相当関心があると言われておるわけですが、これだけではない、これらを含めたすべてのものについてまた第二弾、第三弾の関税率の引き下げについて強い要求が出てくることは想定されます。
 ちなみにチョコレート、これは関税の引き下げが五十八年四月、それまでの三一・九から一〇%以上引き下げた。現在の関税はEC並み二〇%、こういうふうになっています。チョコレートの主原料は砂糖、粉乳でありますから、これがこれ以上下げられると我が国の酪農やまた甘味資源作物に大変な影響を与えるわけであります。さらに、クレープフルーツについては、昭和四十六年に自由化され、その後輸入が急激に増加をいたしました。四十六年に自由化をされたそのときには一万一千トン、それが四十九年には十五万一千トンに達しました。その後十三万トンから十七万トン台でずっと推移をして定着しているように見えますけれども、これとても現在の関税であるがゆえに定着をしているという見方が十二分あるわけであります。
 それらをひっくるめて、今後要求が強くなってくるであろうアメリカ側の関税引き下げ要求に対して大臣はどのように対処していかれるか、お伺いをいたします。
○佐藤国務大臣 先生にお答えいたします。
 農産品の関税引き下げにつきましては、先生も御承知のとおり、さきの行動計画で、国内農業と十分調整を図りつつ米側関心品目を含め約二百品目の引き下げを行うこととしたばかりでございます。米国からの、先生先ほどございましたチョコレートとかグレープフルーツを初めとする農産品の関税引き下げ要請については、日米貿易委員会等の場を通じまして機会あるごとに、行動計画を含むこれまでの市場開放措置の内容とその努力、個々の産品の事情や我が国農業の実情を十分説明してきておるところでございまして、今後ともこれらについて米側の理解を得ながら慎重に対処してまいりたい、このように考えておるわけであります。
○水谷委員 慎重に対処をするということでありますが、しっかり対処をしていただきたいと思います。
 次に、ナチュラルチーズの関税引き下げ要求、これがEC、豪州の最大の関心事であったわけであります。今回の市場開放措置の中ではこれが大変な問題として提起をされ、関係者の努力によって辛うじてこれが対象にはなりませんでした。しかしそこへ至るまでの経過の中で、総理の発言やら官房長官の発言やらいろいろな問題が影響を与えて、大変な不安に陥れられた多くの方々がいらっしゃるわけでございます。今後三年以内に引き下げる方向を検討するというような方針が決まったり、いろいろな問題がございました。多くの議論が尽くされているところでありますけれども、国内酪農の振興にとって大変有望なものとして、特に五十五年以来政府がその生産振興を一生懸命やってきたものであります。そういう国策として位置づけて一生懸命やってきたもの、これがもし将来において関税の引き下げ等によって重大な影響を受けるということになりますと、一体政府は何をしてきたのかという問いかけになるわけであります。
 現在のナチュラルチーズは昭和二十六年以来自由化をして今日まで来ているわけですけれども、関税割り当て制度によって、関税率は外国産一〇〇%のものについては三五%、外国産六七%で国内産の割合が三三%の混合品はゼロ、このようになって、そういう措置によって国産ナチュラルは生産量も伸びてきました。しかし、全体の中で輸入量は既に八〇%を占める。この上もしこの関税に手をつけるようなことがあるとすれば、それこそ酪農に決定的な打撃を与える、死活問題になります。そういうことで、今後三年以内に引き下げる方向を検討する方針を決めるような、こういうようなことはあってはならないと私は考えます。
 そこで、大臣がこのナチュラルチーズの関税引き下げに対してどういう御決心を持っていらっしゃるのか、また今後どういうふうにそれに対応していかれるのか、お尋ねをしておきたいと思います。
○佐藤国務大臣 水谷先生にお答えします。
 先生お話しのとおり、ナチュラルチーズというのは乳製品の中では今後需要が増大すると見込まれる品目でございます。また、その国内生産の振興は我が国酪農の安定的発展のために重要であると考えております。欧米諸国におきましても、ナチュラルチーズ等の乳製品は、輸入制度上、可変課徴金等による手厚い保護のもとに置かれております。そんなことで、このような中で関税の引き下げは極めて困難であると考えております。
○水谷委員 本当にここまでやったらそれこそ酪農は大変な被害を受けるわけでございますので、ひとつ全力を挙げてお取り組みをいただきたいと思います。
 次に、今回決定を見ました市場開放措置によって影響を受ける農林水産物資について、いろいろな国内対策を農水省は一生懸命頑張り、現在の大変な財政事情の中でその枠を確保するという、そこまで大変な御努力をされていることはよくわかります。そういうことを踏まえた上で何点かについて御質問をしたいと思います。
 骨なし鶏肉の関税引き下げ、今回、一八%から四%下げて一四%になるわけでございますが、この国内対策費として私が承知しております数字は二百六十三億、消費拡大対策として十億円、ブロイラー価格安定基金への融資財源として十億円、食鶏処理場再編整備対策への融資等二百四十三億円、そのうち補助が二十六億円、このように手当てがされる見通しになる。これは一応評価するわけですが、最低限これはしっかり守ってほしい、こう思います。と同時に、いろいろな生産者団体から諸要求が農水省にもあったと思います。それらについて大きく分けますと四点ございましたが、そのうちの三点はこれらによってカバーされているような気がいたします。しかしもう一項目、現在の配合飼料価格、これを国際水準並みに近づける施策を生産者は強歯要望されておったと思います。
 そこで、現在円高が続いております。この暮れまでにどうこうすることはできないかもしれませんが、年明けてから、来期、配合飼料価格に円高差益を還元するという角度からも大きな努力をしていかなければならないと思います。全農等においては既にその検討に入ったと伝えられておりますが、農水省としてこれについてどのように対応していかれるか、お尋ねをしておきます。
○大坪政府委員 配合飼料価格につきましては、従来から飼料穀物の国際価格なり為替相場、さらにはフレート等の動向に基づきまして、原則として六カ月ごとに価格の見直しを行ってまいっておるわけでございます。私どもといたしましては、養鶏農家を含めまして畜産農家の経営の安定を図る観点から、全農等が価格の見直しを行う際には合理的な価格形成が行われるよう適切な指導をしてまいっておるところでございます。
 御案内のように、最近の配合飼料価格について申し上げますと、飼料の国際価格の低下、大豆油かす等たんぱく質原料の国内価格の低下等から、昨年の七月、ことしの一月、さらにことしの七月と、相次いで値下げが行われてきたわけでございます。さらに本年十月には、飼料穀物の価格の低下とともに円高も考慮いたしまして、期中改定と言っておりますけれども、一たん決めました七−十二月の価格の中で十−十二月期の分につきまして改めて追加の値下げをした、そういうことを行ってきておるわけでございます。
 ところで、先生御指摘のように十月の期中改定以降さらに円高が進んでおるわけでございます。したがいまして、この円高差益の還元につきましては何らかの方法で行うことが必要というふうに考えておったわけでございますが、生産者団体におきましては、将来の値上がりに対処する趣旨で配合飼料価格安定基金に対しましてトン当たり千二百円の積み増しを行うという方針を決めた次第でございます。
 さらに、近々には来年一月から六月までの配合飼料価格の決定を行うことになるわけでございますので、この際には、今後におきます配合飼料の原料事情につきましては、飼料穀物の国際価格は底値を脱し、やや上昇の兆しを示し出していること、たんぱく質原料価格が不安定であること、フレートが低水準から反騰に転じていること等々の変動要因はございますが、十−十二月期の期中改定を行った九月末時点よりも為替相場はさらに円高が進行しているわけでございますので、これらの事情を十分勘案した上で合理的な価格形成が行われますよう私どもとしては最大限の指導をしてまいりたい、かように考えております。
○水谷委員 どうぞよろしくお願いします。ことし三度も値下げをされたということは大変望ましいことでありますが、さらに努力をしていただきましてコストダウンのために役立つようにお願いをしたいと思います。
 次にお尋ねをいたします。
 木材製品の関税引き下げ、これが六十二年四月ということで、その国内対策として林業活力回復五カ年計画、五百億円の補助金と一千億の金融、これも先ほど申し上げましたように、大変な財政難の中でよくここまでその枠を確保する方向に向かったな、我々ももちろん一緒になってやったわけでありますけれども、評価をいたします。特に頑張っていただきました。この一千五百億、これはそれぞれ目的ごとに効果を見ることができるでしょう。しかしながら、現在の我が国の林業、林産業が抱えている深刻な問題を解決するその手だてに果たしてなるのだろうかなと、だれもこれは考えるわけでございます。
 我が国の国内森林がこれ以上荒廃した場合には国土の崩壊につながり、また水資源問題に発展し、国民の生命の存続にまで将来においては重大な問題を引き起こす。今生きている我々の時代において、我が国が営々として長い間受け継いできた大切な緑資源というものを我々の世代で枯渇をさせてしまったのでは、これは大変なことでございます。そういういろいろな懸念から、農水省当局は水源税構想を真剣に進められて、緊急特別避難のために何とか財源を確保するためにはこれしかないというせっぱ詰まった皆様方の御心配から、そういう形で水源税が浮上してまいりました。突然浮上してきたと言っていいほどでございます。
 私どもは、森林・林業を守るためにその財源を確保しなければならないということについては全く同じ立場に立ちますが、本来これらの財源は、目的税をつくって特別な手当てをすべきものではなくて、これは国の一般財源の中から充当すべきであるという基本的な考え方に立っております。そういう意味で、林野庁長官の大変な御努力は私どもよく存じておりますが、一般財源をこれからどのように森林・林業の財源として確保していかれるおつもりなのか。水源税だけではこれは不十分であります。そういう発想からもう一歩も二歩も前へ飛び出していただいて、国民的財産を守るためにどうするか、こういう議論と国民的コンセンサスをつくり上げる御努力をより一層やっていただきたい、このように考えるわけでございますが、御所見をお伺いしたいと思います。
○田中(恒)政府委員 森林・林業の置かれております大変厳しい情勢につきましては、先生御指摘のとおりでございます。それらを基本的に整備するために、木材関税の引き下げに端を発しました五カ年計画の策定、それらの措置を特に講ずることによりまして森林・林業の活性化を達成いたしたいと考えているところでございますが、さらにそれをもってしても十分に手当てのできない重要な水源地帯における森林整備につきましては、水源税を創設して万全を期したいということから、現在各方面にそのような御理解を得るべく努力をしておるところでございます。
 これらの過程を通じまして、森林整備の必要性のためには基本的には一般財源によるべきであるという御理解が広まりましたことは、私どもも大変感謝をしているところでございまして、それらを我々も十分踏まえまして、今後とも財源の獲得には努力をしてまいりたいと考えております。
○水谷委員 次に、今回の基準・認証等のいろいろな措置によりまして、ニュージーランド産サクランボの実質輸入解禁ということになるわけでございますけれども、このサクランボの国内の他の果樹との競合関係、また現在国産のサクランボに与える影響、こういうものについてどのようにお考えになっていらっしゃるか、お伺いをいたします。
○関谷政府委員 今回のニュージーランド産サクランボのいわゆる輸入解禁に伴う影響のお尋ねでございます。
 この解禁自体につきましては、先生よく御承知のようにこれは専ら植物防疫上の技術的な観点から行うものでございまして、ニュージーランドの方でサクランボの効果的な殺虫方法が確立された、その点を私どもも担当官を派遣しまして確認の上で、この解禁措置に踏み切ったわけでございます。そういうことで、いわゆる解禁という技術的な問題とその貿易上の影響ということは、全く質の違う切り離された問題であるわけでございます。
 ただ、サクランボの今回の措置自体の影響は実際的にどうなるだろうか、こういうことでございますと、全体的にはまずネグリジブルと言っていい、影響はほとんどない、こう言っていい状態であるというふうに考えております。
 と申しますのは、御承知のように日本のサクランボは四月以降出回りまして、大体六月が最盛期でございます。ニュージーランドはまさに逆でございまして、十二月、一月に出てくる。しかも、当面のこととしますと、これは航空便で参っておるようでございますが、ニュージーランドの日本向けの輸出量というのは当初百トンぐらいワンシーズンにあるのじゃないか。実際は、今見ているところでは、今回入ってくるものは五十トンにも達しないようなところであろうという見通してございます。そういたしますと、量的に日本の生食果実、例えば十二月がその出回り量九十万トン、一月は四十万トン、こういうような非常に大きな量でございますので、サクランボ以外の全体的な果実にとっても、影響としては実際上はほとんどない、こういうふうに考えております。
○水谷委員 今お考えは伺いました。どうかよくその辺の状況を注意深く見守っていただきまして、適切な対応をしていただきたい、こう思います。
 それから、今回のいろいろな輸入手続の簡素化、また外国検査データの受け入れの促進とか政府介入の縮小とか認証手続の簡素化、迅速化、こういうことによって直接的に出てくる問題として指摘するわけではありませんが、輸入食品の安全性の問題については、あらゆる方面からいろいろな議論が起きております。現在は輸入業者による見本抜き取り自主検査、そういうものによってほとんど行われている。しかし、実質的にはほとんどその検査内容というものがどうなっているのか不明確である、このような指摘があります。
 そこで、厚生省おいでになっていると思いますが、輸入食品の検査体制はどのようになっているか、お伺いをいたします。
○大澤説明員 現在、輸入食品の検査監視体制でございますが、全国に十九カ所の海と空の港、海・空港に検疫所がありまして、それぞれの検疫所に総計で六十七名の食品衛生の監視員、この職員を配置いたしておりまして、毎日、毎年入ってくる輸入食品の監視をしているわけでございますが、輸入食品は、御存じのように食品衛生法によって、まず輸入届け書というものを出すことから始まるわけでございます。輸入食品が入ってくる際に、その届け書によります書類審査を全部行いまして、さらに必要なものにつきましては検査を行いまして、それらの輸入食品が食品衛生法に違反する、あるいは違反している状況にある、そういう場合につきましては、それらの食品の廃棄あるいは積みおろし、こういう処分を行って食品衛生の監視をしておるわけでございますが、単に書類の審査あるいは食品の理学的、細菌学的な検査のみならず、これに加えまして、輸入食品を取り扱う業者に対して食品衛生に関する指導も不断に行っている、こういう体制で輸入食品の監視を、あるいは指導を行っているところでございます。
○水谷委員 現在のその体制で十分対応できるとお考えでございますか。
○大澤説明員 今御説明いたしましたように、一定の職員で監視、指導を行っているわけでございますが、御承知のように年々輸入件数あるいは輸入数量トンというものも最近では増加の傾向にあるわけでございますが、我々といたしましては、これらの輸入件数あるいは輸入数量の動向も踏まえながら、食品の監視に万全を期したいと思っております。
 具体的には、検査の率が一般に低い、こういう御指摘もあるわけでございますが、輸入食品が入る際に、書類のチェックはもちろんのこと、食品の特性といいますか性状、あるいは生産地あるいは輸出先の状況、例えば落花生であれば、いわゆるカビがつくという地域とそれほどつかない地域があるわけでございますが、カビがよくつく地域につきましては、そこから入ってくる食品については特別に注目して検査していく。あるいは輸入の途上に船の中で、あるいは飛行機の中で温度管理がまずくて食品が変化したり腐ったりする、あるいは水をかぶったりする、こういう状況もあるわけでございますが、これらの特性をよく見まして、食品に対して重点的、効率的な監視をしてきているわけでございます。
 しかし、年々輸入件数あるいは輸入数量ともふえている傾向にありますので、今後とも食品衛生の監視員の充実に努め、さらに検査機器の整備あるいは職員の技術研修等々を含めて、検査体制の充実には一層留意してまいりたい、このように考えております。
○水谷委員 今回の市場開放措置、こういうことが国民に、食品の安全性に疑義を持たせないような体制を組んでいく必要があると思いますので、どうかひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 監視員の方が六十七名ということでございますけれども、五十九年度で一人当たりの処理件数が五千五百八十件、トン数で三十七万トンという数字も出ているようでございます。まあこれは膨大な数でございます。本当にこれは、公務員の総定員法もございまして増員なん従いうことは今の財政事情でなかなかできることばございませんけれども、やはり国民の生命と安全を守るのに必要なところには重点的に財源配分をし、対応をするという基本的な政治のあり方に立って対応をしていっていただきたい、このように要望をしておきます。
 次に、いろいろ先ほどからの市場開放それから先進諸国における熾烈な農産物輸出の姿、そういうもの等を考えてみますと、国際社会の中で国民の大事な食糧を守るということ、また地球全体の国土を保全するとか、農林水産業には大変な役割があるわけであります。工業製品を中心とした貿易摩擦のスケープゴートのように農林水産物が使われてはかなわぬわけであります。そういう意味では、賢明な人類が二十一世紀を迎えようとしているときに、いろいろなあつれきで各国の農林水産業がダメージを受けることのないように、一定の秩序と一定の規則のもとに農林水産物の貿易が行われるためにということで、新ラウンドに向けて、現在ガット農業貿易委員会においていろいろな御苦労、努力を続けておられるわけであります。
 我が国のIQ品目、また残存輸入制限品目、いろいろなものがいわゆる輸入制限品目としてある。しかし、国家貿易品目はいずれにしても、それ以外のものについては常にとんでもないものとしてやり玉に上がってまいります。しかし、そこに手をつけたら我が国の農業の存立基盤は大変なことになる。そういう意味で我が国も、国際社会の中における農業の特殊性を十分考慮した新たなルールづくり、そういう中で特段の努力をしていかなければならないと思いますし、またもう一つ、ECまたアメリカ、またいろいろな各国の利害、今日までの既得権、そういうものに対して大変難しい問題があります。これがどんどん進んでいって、逆に我が国が不利益をこうむるような形になっても困る。細心の注意を払いながら、それでも積極的にやはりこれを推進していかなければならないと思いますが、この新ラウンドに向けての現在のガット農業貿易委員会におけるいろいろな取り組みについて、今後どのように取り組んでいかれるのかお尋ねをしたいと思います。
○佐藤国務大臣 先生にお答えいたします。
 新ラウンドについては、去る十一月のガット総会におきまして、準備委員会を設立し、来年七月中旬までに交渉の目的、交渉項目等について検討し、来年九月には閣僚会議を開催して交渉を開始することが決定されたところでございます。新ラウンドにおきまして、我が省としては、二つの点において特に重点を置いてやる必要があると思います。
 その一つは、農業だけが突出することなくバランスのとれたパッケージを目指す必要がある。また、農業については、現在所ラウンドに向けてガットの農業貿易委員会で行われている作業をさらに促進し、農業の特殊性に配慮しつつ、農業貿易の現状を踏まえ、農業に関する国際的ルールの整備を行っていくことが必要であると考えております。
○水谷委員 外務省、見えておられますか。同じ質問。
○登説明員 お答え申し上げます。
 現在、ガットにおきましては、農業問題は先生御指摘のとおり主として農業貿易委員会で審議されておりまして、これは昭和五十八年の一月に最初の会合を持ちましてから毎年数回ずつ会合を開いておりまして、この委員会におきましては、農業貿易に影響を及ぼす数量制限あるいは補助金その他の問題について関係国間で真剣な検討が行われている状況でございます。
 新ラウンド交渉は、ただいま農林大臣からも御説明のございましたとおり、そのための準備委員会の発足が既に決まっておりまして、来年早々にもその第一回目の会合が開かれるという状況でございますけれども、従来から行われております農業貿易委員会における農業問題の審議及び新たに始まりますところの新ラウンドの準備委員会の審議を通じまして、私どもといたしましては、農業の特殊性に十分配慮しつつ、農業に関する国際的なルールの整備に積極的に参加して、新ラウンド交渉の進捗を図っていきたい、かように考えております。
○水谷委員 どうぞ真剣なお取り組みをお願いをいたします。
 以上で農業、農林水産物の貿易問題に関する質疑は終わりまして、次に、水田利用再編対策の第三期が終了する、その後の我が国の食糧、農業政策の基本的な目標について大臣とお話を申し上げたいわけでございます。
 その前に、先ほど来の質疑の中にもございますように、まず当面来年度の農業予算、農林水産関係予算、これは御答弁は要りませんが、ここのところ、本当に大変な勢いで削減をされてきているわけでございまして、五十八年度から六十年度にかけて四千億、六十一年度の予算についても六百九十三億円も減額して要求をされた、その上にまた削られたという、こういう経緯がございます。これ以上切り込みをされては、大臣がどんなに頑張ろうと思ってもこれは無理です。まず、予算のしっかりした手当て、確保をどうかひとつ頑張っていただきたい。それが一つ。
 それから、過日大臣は、良質米奨励金は削減しない、こういう御発言があったと伺っておりますけれども、来年度の米価の問題についても重大関心の問題でありますが、そういう御決心でお取り組みをしていっていただきたいと思います。
 そこで本題に入りますが、実はこの間の新聞に「「食料の自給率高めて」 中学生も心配」文化祭で東京の町田市の和光中学校で、「日本の農業の現状と今後の在り方を探る調査・研究を発表した。」、こういう記事が載っておりまして、大変すばらしいことだなと思っておりました。ところで、私の一番下の娘が現在五歳でございますが、この子が今保育所に通っておるわけでございます。お遊戯会が実はあしたあるわけでございますが、そのお遊戯の中で、田んぼも畑もなくなったら人は生きていけないという歌を歌いながらお遊戯を踊るんでございます。私は娘がうちで練習しているのを見まして、ほう、保育所でもこういうことをやる、大したものだなと実は感心をしたわけでございます。
 前々から大臣に申し上げてきましたように、我が国の農業、農林水産業を守るための国民合意の形成、そのためにいろいろな御努力をされております。しかし、これがいわゆる対外的な貿易摩擦の問題よりも国内問題として処理しなければならない、そういうことがいっぱいある。そういうことで、ポスト三期、限定的な水田利用再編対策だけではなくて、今いろいろ漏れ承っておりますと、二十一世紀を目指した、二〇〇〇年を目標にした我が国の農政のビジョンを確立するんだということで、いろいろな問題点を挙げられながら検討し、頑張っておいでになるようでございますが、佐藤守良農林水産大臣のすばらしい見識を二十一世紀につなげられるようないろいろな方向性を確立できるように頑張っていっていただければありがたいな、こう思うわけであります。
 食糧の自給力の向上のためにどうするか。また、現在の構造政策をどう推し進めるか。さらにまた、後継者の問題はどうするのか。現在の食管法が将来どういうふうになっていくのか。さらにまた、市場開放要求に対してどうこたえるか。問題点は挙げられないほどございますが、基本的な目標について大臣はどのように考えておられるか、お尋ねをいたします。
○佐藤国務大臣 先生にお答えします。
 冒頭に、お宅のお嬢さんと保育所の先生によくお礼を言っておいていただきたい、こう思います。
 実は、我が国の農業を取り巻く情勢を見ますと、食糧消費の伸び悩み、農産物価格の低迷などの諸問題に直面しております。また、行財政改革の一層の推進が求められますとともに、アメリカ等を含む外国からの市場開放要求が依然絶えないなど、厳しい状況にございます。
 こういう中でポスト水田利用再編第三期対策を初め当面する農政の重要施策を推進するに当たっては、農業の体質強化と農村社会の活性化を進め、農業に携わる人々が意欲と生きがいを持てるようにすることが大切であると考えております。
 そういうことで、私は四つの施策を中心に今後の農政を展開してまいりたい、こう考えております。
 その一つは需要の動向に応じました農業生産の再編成、二つ目には農地の流動性を通じた中核農家の規模拡大や高能率な生産組織の育成、三つ目には農業生産基盤の計画的整備、それから最後にはバイオテクノロジーを含めた農業技術の開発普及等の各般の施策を積極的に展開してまいっていく所存でございます。
○水谷委員 今四つおっしゃいましたね。需要の状況に合わせた再編、また、流動化で中核農家の育成、高能率、生産性の向上、生産基盤の整備、バイオを中心にした生産技術の向上、こういういろいろな目標を掲げられました。
 しかし、そこで、前にも私、我が党の委員長の本会議における質疑を引用しながら大臣に御質問をしました。国はどこまでやっていけるのか、いくべきなのか。それから都道府県、市町村、地方自治体はどこまでこの農林水産業に対してやっていくべきなのか。農業者自身はどこまでみずからの自助努力によってやるべきなのか。また、一般消費者、国民はどういう分担をすべきなのか。これは簡単に分けられませんことはよくわかっております。しかし、そういう形の中から今後のあるべき二十一世紀の日本農業の姿というものをつくり上げていく、そういう理論もぜひ現在いろいろ進めていらっしゃる議論の中で起こしていっていただきたい。農業者も、決してこのまま二十一世紀に推移できるとは思っておいでになりません。特に真剣に取り組んでおられる方々はいろいろなことをお考えになっておいでになります。ですから、将来の展望は早く出した方がいいんです。これは優秀な政府の皆さん方があらゆる情報をもとにして――これは、我が国の農業は将来どういう方向に行くべきかというのは、そんなに考える人間によってまちまちな結論が出るはずがないわけであります。いろいろな環境があるわけですし、制約があります。しかし、そういう中でどうかひとつ、農業が置かれている、これは我が国の産業として保護すべきものであるという基本的な考え方に立った上で、いろいろな方向性というものを示していっていただきたい。
 いつも農業者の皆さん方から言われるのは、今までいいと思ってやってきたことがだめになる、そういうことでは困るんだ、希望を持ち、夢を持つ、そういう農業政策が確立されていない限り青年たちは農業に従事しようとしませんよ、こういう本当に深刻なお話も出てくるわけであります。また、ちょうど今暮れでございまして、勤労者はみんなボーナスをもらいます。そのボーナスの額が多いか少ないかいろいろ議論の分かれるところでありますが、しかし、農業者はボーナスがない。この暮れに来てベースアップのいろいろな話が新聞に載る。私のところについきのうも、農業者が本当に一般の都市の労働者のようにボーナスをもらって、そして喜べるような、何でもいいから、一点の輝きでもいいから、そういう希望の持てる農政の確立のためにしっかり頑張れということで、気合いを入れられております。どうぞひとつ、今後のお取り組みをお願いしておきたいと思います。
 食糧庁長官、先ほども質疑がございましたが、消費者米価の値上げの問題が連日のごとく新聞に報道されておりまして、一体政府は、この時期に及んで、二年続きの豊作、こういうときになぜ消費者米価を引き上げるのか、食管会計の逆ざやがどうのこうのという議論は、国民、消費者になじみません。消費者米価を引き上げることによって、米価は最もメンタルな、物価上昇に与える影響を持っているものでございまして、米が上がったということは、そのままいろいろな物価に波及効果を及ぼしていくものであります。基本的な物資です。そういう消費者米価の引き上げについては行うべきではないし、さらにまた、消費者米価の引き上げが生産者米価の引き上げと対比されて、生産者と消費者を真っ正面から衝突させるような、こういう感情的なものを国民の中に醸し出してはならない、私はそう考えているわけでございますが、値上げは、大臣は行わなくてもいいという発言をされたとかされないとか、長官は上げなければならぬというふうにおっしゃったとかおっしゃらないとか、いろいろ伝わってきておりますが、どっちがどうなんですか、お答えをいただきたい。
○石川政府委員 いろいろ新聞紙上に、決めたとか決めないとか出ますけれども、先ほどから財政当局自身もお答えをいたしておりますように、いろんな諸条件について意見が出てきたりあるいは問題点が提示されたりというようなことはあるわけでございますけれども、先ほどから申し上げておりますように、売買逆ざやというのも大変幅が狭くなってきておりまして、物によっては順ざやもあるというような事情。これは政府は、方針といたしましては、売買逆ざやは解消すべきものであるということは五十一年以来の方針ではございますけれども、どう扱うかということはやはり具体的な、そのときどきの経済事情等、これはもちろん財政事情も入るわけでございますが、そういうことを踏まえてやるべきものだと考えておりますので、私ども目下そういう各般の事情についていろいろ精査はいたしておりますが、決定をできるような段階ではございません。
○水谷委員 大臣いかがですか。
○佐藤国務大臣 今長官がお答えしたとおりでございますが、私の発言につきましては、たしか十一月一日の閣議後の記者会見でございますか、大蔵省の方針として報道された、これは真偽は別ですが、そういうことが新聞に出ておったわけで、記者から質問があったので、私は率直に言いますと、お米の値段のことを話しまして、最後に、財政の観点からのみで考えるべき問題ではないということを明確に言ったわけでございます。
○水谷委員 大臣のおっしゃるとおりです。財政の観点からのみ考えるべきではないということで、値上げをしないということで頑張ってください。答弁は要りません。
 次に、我が国の酸性降下物による森林の被害について、林野庁は現状をどのように把握しておられるか、またどう対応されるか、お伺いします。
    〔委員長退席、島村委員長代理着席〕
○田中(恒)政府委員 これまで我が国では酸性雨による被害はないものと考えられておりましたけれども、最近一部の地域におきまして杉の梢端部枯損が見られることから、酸性雨による被害ではないかと言われているわけでございます。これまでの調査からいたしますと、酸性雨による被害とはなかなか断定できない状況にございます。しかし、世界的に見ますと、酸性雨が北米及びヨーロッパにおいて湖沼あるいは森林等の生態系に深刻な影響を与えておるという報告もございます。
 農林水産省といたしましても、本年度から林業試験場におきまして、我が国における酸性雨の実態解析や林木に及ぼす影響につきまして調査研究を進めているところでございます。人工的な酸性雨をつくりましてそれによる実験でありますとか、これまでほかの原因であると一応見られておりました被害につきましても、酸性雨によるものである可能性もございますので、そういう見直し等々含めまして本年から調査、試験研究を始めているところでございます。
○水谷委員 私は本年の予算委員会の第五分科会で、三月七日、酸性雨の問題について取り上げました。そのときの農水省の御答弁から比べますと相当前進をされております。評価いたします。どうかひとつ、これは林野庁は被害者なんですから御遠慮なさる必要ない、御自分でだめにしているわけじゃないわけでございますので、その調査研究とか対応について大臣にもどんどん御要望されて、それらの対応に万遺漏なきように体制をとっていただきたい。
 群馬県の衛生公害研究所で、酸性雨による杉枯れではないかというとうとい研究をされて発表されている事例もございますし、先般私も、前の農水省の次官でございました渡辺知事とこの杉枯れの問題で話し合いをしまして、栃木県で杉枯れが起きていないというのはおかしい、徹底的に調査をしましょう、そういう話し合いもいたしました。これは各県が、九州の方でも動き出しております。各県で今、森林の枯れていく姿というのは一つの原因によって起こるはずはないわけであります。有吉佐和子の「複合汚染」じゃありませんけれども、当然いろいろな要因によってそれが汚染をされ、被害を受ける。長期にわたって汚染されたのがある時期に大きな被害となってあらわれる、そういう形態であろうと思います。
 ですから、酸性雨一つとってどうこうという問題ではございませんけれども、やはり我が国の地理的条件、また気候風土、いろいろなものを考えますと、中国大陸とか韓国とかそういうところからのいろいろな影響を受けるのではないかということを心配して研究をしていらっしゃる学者先生もたくさんおいでになるわけでありますから、各方面のいろいろな御意見も積極的に林野庁はお聞きになられて、そして将来において、一刻も早く手当てをしてよかったなと言えるようにぜひお願いをしたいと思います。大臣、この点いかがでございましょうか。
○佐藤国務大臣 先生にお答えいたします。
 実は私、ことしドイツへ参りましたときに酸性雨の問題が出てまいりまして、ちょうど先生の衆議院の予算委員会のあれを聞いて、その後林野庁から調査を聞いておったので、かなり話ができたということで、現地では大変なことを知ったわけでございます。
 そんなことで、今、林野庁長官答えたとおりでございますが、我が国における酸性降下物による森林被害について、今のところ明らかでありませんが、これについては非常に深い関心を持っているところであり、この問題の重要性にかんがみ今後とも調査研究を早く進める、そしてそれに適切に対処してまいりたいと考えております。
○水谷委員 どうぞ御努力をお願い申し上げます。
 次に、ソ連漁船の寄港のことについてお伺いをいたします。
 まだ日ソ漁業交渉が開始もされていないのに、来年の寄港先はどこですかなどというばかげた御質問は実はできないのでございますが、どうなっておりますか。
○斉藤(達)政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、日ソ漁業交渉、明年のソ連水域及び日本の水域におきます日本の漁船それからソ連船の操業条件を定めるための日ソ漁業委員会、まだ開かれておらないわけでございます。その段階で、交渉の内容に予断を与えます御指摘の問題についての回答は控えさせていただきたいと思います。お許し願います。
○水谷委員 今の御答弁のとおりであろうと思います。実は十一月二十一日、当委員会の質問で、我が党の武田委員がソ連の漁船の入港に伴う塩釜市の問題について水産庁に尋ねられました。その御答弁の最後に水産庁長官はこのように答えておいでになります。「それから、そういうことと関連をいたしまして、これで塩釜は終わりだなというお話がございましたが、一九八六年の問題につきましてはこれからソ連側と協議をする時期が近づいておるという現在の段階でございますので、予断を与えるようなことを申し上げることは控えさせていただかなければならないわけでございますがここうおっしゃっております。今の次長の答弁と同じ答弁でございます。そういうことは私もそのとおりだと思う。また、外務省は年内にも行われる予定である日ソ漁業交渉で、ソ連漁船の日本国内寄港を拒否する方針を固めた、こういう発表もございます。これは今後の漁業交渉の中で大変重大な問題であります。そう軽々にこれらについて議論をすることは私も差し控えなければならないと思っております。
 ところが、十二月七日だったと思いますが、河北新報にかなり大きく「ソ連船寄港 塩釜は今年限り 来年は岩手 自民と農水省合意」という記事が載っております。その中身を見ますと、「来年のソ連漁船の寄港地は、五道県持ち回りという政府・与党の申し合わせに基づき岩手県内の港湾とすることで、既に自民党三役と農水省事務次官、官房長、水産庁長官が合意しており、塩釜港への継続寄港はない」等々報道をされております。自民党のある有力な代議士の口から出たという報道でございます。この真実はどうだか私も知りませんけれども、こういう明確な記事が出ることについて、私は、政府としてもこれは本当に厳重に対応していかなければならないな、こう思っておりますが、大臣いかがでございますか。
○佐藤国務大臣 先ほど次長が申したとおりでございますが、本年度の寄港問題につきましても、私は交渉の最終局面におけるやむを得ない措置として認めたということでございまして、基本的には寄港を認めたくないというのが真意でございます。
 それから、今の新聞記事は私は知りません。ただ、今聞いてみますと、大臣が抜けておりますね。したがって私の知らないこと、関知し得ないこと、こう御理解願いたいと思うわけでございます。
○水谷委員 それは大臣、大臣が抜けていても責任がありますよ。本当に重大な問題です。最終的には大臣がまた交渉に行かれるわけでしょう。いずれにしても、このようなことが表に出るには農水省にもすきがある。言ったか、言わないか、それは知りません。しかし、重大な問題として私は御指摘をしておかざるを得ません。
 次に、水産庁にお尋ねをいたしますが、ソ連が十月に北転船を拿捕いたした事件がございました。これらをきっかけにしてスケソウの水揚げが大変落ちた、こういうことが言われております。こういうことだけではございませんけれども、現在の状況をいろいろ考えてみますと、果たして来年、日ソの間でスケソウの漁獲量がどういうふうになるのかなと大変な不安と心配があるわけです。そういうことで、これは頑張ってもらいたいという激励を込めた質問でありますが、その見通し、またその御覚悟をお尋ねしておきたいと思います。
○斉藤(達)政府委員 ただいま日本のスケソウダラの漁獲量といいますのは、ソ連から約二十五万トンのクォータをもらい、アメリカからは本年は約六十七万トンのクォータをもらっておりまして、むしろアメリカ水域への依存度が強いわけです。そのほかに北海道の周辺あるいはベーリング海の真ん中にあります池のような公海で相当量の漁獲を上げております。
 御指摘の、ソ連及びアメリカの水域での明年の操業条件がどうなるかということはいずれもこれからの問題でございますが、いずれの国の場合にも、自国の漁業を優先という態度を極めて強く打ち出しておりますのでかなり厳しい局面が予想されるわけでございますけれども、私どもといたしましては、何とかことしの水準が維持できるように最大限の努力を傾けていきたいと思っております。
○水谷委員 どうぞそのように御努力をお願いしたいと思います。
 伺いたい項目についてはほぼこれで終わりました。いろいろなことを伺いましたが、どうか大臣、我が国の農業が抱える問題は大変多うございまして、それこそ大変だと思います。ただ、先ほど申し上げた国民合意の形成ということの中身、常に、農業団体へ行くと財界の圧力に屈して政府はこうだという話が出てまいります。また財界の方へ行きますと、農業者は保護に甘えていてはいかぬというような話が出てくる。何だか国論が統一できずに外国からの強圧に耐え切れないでいるような感じがしてならない。財界の若い人たちと、また本当に真剣に農業をやろうといって頑張っておられる農業者の若い青年たちと会う機会を何とかつくって、とことん話し合う、定期的に会う。日本の産業界の若手と農業者の青年たちの話し合いの中で、どうしていけばいいのか、未来に向かっての英知をお互いに出し合う、そういうようなものもつくっていくべきではないのかなという思いもいたします。
 もう一つは、農業構造を見てみますと、専業的に真剣に農業に取り組んでおられる階層、その次に第一種兼業、第二種兼業という形で分類をされております。しかし、その分類の中で第二種兼業の占める比率は現在の我が国の農業において非常に大きいわけであります。ですから、政策が一律になってしまいますと、専業農家とか第一種兼業、第二種兼業にいろいろな悪影響が及ぶ場合がございます。そういう意味で、第二種兼業農家でも総合すると広い耕地をお持ちになり、我が国の農業生産量においてもかなりの比重を持っておいでになられる、そういう観点から、今後そういう方々に対してどういうふうにしていくべきなのか。全く楽しみのために農業をしておいでになる階層と産業として一生懸命取り組んでおられる階層と、きめ細かな対応が今後必要になってくるのではないのかなと私は個人的に考えております。
 そういうことも含めて、どうかより一層、二十一世紀をにらんだ我が国の農林水産業の発展のために真剣にお取り組みをお願いをしたい、最後にそれを申し上げまして、少し時間を残しましたが、私の質疑を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
    〔島村委員長代理退席、委員長着席〕
○今井委員長 津川武一君。
○津川委員 私は、食管を守りたい、守るという立場から、米の問題について若干の質問をしてみます。
 最近、いろいろな人からやみ米の横行や米流通の混乱など、食管制度は一体どうなるのかという心配を聞かされます。その反面、財界からだけでなく、中央紙の一部から食管なくせのキャンペーンも始まっております。
 そこで、米と食管の問題について若干質問してみます。
 先日、お米屋さんの全国組織である日米連の代表の方たちが私のところに来まして、宅配便を利用した米流通が増加している問題についていろいろと訴えられました。農家が縁故米として送るのは従来から宅配便が使われていたようですが、最近は産地の米屋から消費地に贈答米と称して宅配便を使って送り届けるケースがふえています。生産地の小売店の中には、売り上げの半分を贈答米で占めている例も生まれているという紹介記事が「地上」という雑誌の十一月号に載っております。こうしたことのために、消費地の米屋さんが今年九月以降一、二割の売り上げ減になっているとも聞いております。
 私は、宅配便が急速に国民生活に定着してきた中で、これを利用した米の全国流通もこのままではどんどん広がっていくのではないか、それが食管運営を揺るがすことになるのではないか、不正規流通の規制が困難になるのではないか、それだけではなく、政府の県別供給計画に狂いも生ずるのではないかと心配しております。
 そこで、この宅配便について食糧庁の見解はどうであるか聞かしていただきたい。これが一つ。もう一つは、宅配便による米流通の増加の食管運営に与える影響や、その対策を適切にするために、どのくらい宅配便が行われて、内容がどんなものであるか、これの実態を調査すべきでないかと思っておりますが、いかがでございますか。
○石川政府委員 先生御指摘のように、最近宅配便という形でお米がかなり流れているのではないかというお話をいろいろなところでお聞きするわけでございます。
 制度論から先に申しますと、五十六年の食管法改正の際に、縁故米とか贈答米と今言われているものにつきまして、かつてはそういうお米をどこかへ動かすことさえ移動の許可を取りませんと動かしてはならぬという制度になっておりましたけれども、食管法改正の中では、例えば息子さんが東京へ勉強に行っている、そういう場合に田舎の農家の方が自分の子供さんにお米を送るというようなことまで抑えて米のコントロールをする必要はないのではないか。大量に反復継続して行われる米の流れというものを抑えるという面から、今申しましたのは、実は縁故米と称するものでございますが、そういうものは、形式はある程度制限はいたしておりますが流通させることを認める。それから、例えばせっかくの出来秋だからお世話になった人に自分のお米を無償で差し上げましょう、そういう贈答ということ、それはお金で贈るよりも自分でつくったお米を贈ることはいいことだということで、そういうものも制度として認めたわけでございます。
 したがいまして、事柄がそういう縁故米とか贈答米という範囲で行われる限りにおきましては、私は食糧管理の上で特段問題がないと思うわけでございます。
 問題は、縁故米とか贈答米の名をかりて商売をなさることについて、どのようにチェックをしていくかということでございます。
 実は、今おっしゃいましたように、農家からそのまま出してまいりますようなものは、大半出来秋だけに出てまいります。要するに、出来秋に出てきて、反復継続というのは、例は全くないとは申しませんが比較的少ないと思います。商業的に行われるものでも、今先生おっしゃいました産地のお米屋さんが、例えばその産地にいらっしゃる消費者の方から自分の親戚にその産地の米を送ってくれと言われて、金はその産地の消費者の方が払われて消費地の方に対しては無償の形で流れますと、これはいわば贈答米でございます。そういう種類の贈答米につきましては、私ども若干の整理をいたしておりますけれども、小売業の方々が贈答米というような形でいわば一定の包装などしておりますので、そういう包装しました贈答米というようなことでは、昨年暮れの実績にも約一万トン前後そういうものがありますから、こういうものは特段問題にする必要はなかろうかと思います。
 問題は、最近、宅配便の中で、いろいろな品目もふやし、あるいは若干消費地との結びつき等も行いながらやっているものがどういう形態であるかということでございまして、先ほど先生もおっしゃいましたように、小売商組等におきましてそういうことを問題視をいたしておりますので、具体的に、反復継続し、かついわば贈答米とか縁故米の名はかりているけれども実質はそうでないと思われるものについて、極力情報を提供していただきたい。
 一度郵政の方のお話としてそういうものを正規にやろうかというお話が来ましたときは、私どもはそういうものは制度的に問題でございますということでお話もしておりますし、ある県の経済連がそういうことを企画なさったときも、私どもはそれは制度的には問題でございますということでチェックをいたしております。
 ここ二年続けて豊作であったということ、それからもう一つは、宅配という制度が急速に発達してきまして、御承知のように現在、前年度の宅配の個数は三億八千万個と言われておりますから、それだけ多くのものが動いております。そういうことで御心配の向きもあろうかと思いますので、私ども、調査と申しましても役所が追っかけ回すという調査になかなか向いていることではございませんが、お米屋さん同士の中でそういうものが恒常化されているという情報がありますれば、私どもはそれなりに調査をし、問題のあるものについては指導して直していきたいと思っております。
○津川委員 そういう形で宅配便でお米を受け取っている消費者に聞いてみましたら、小売店から買うのと大体同じ値段、小売店にササやコシを頼むとブレンドされてそのものは来ない、宅配便に頼むとそのものがずばり来る。こういう形で宅配便が少し動いているようなので、食管制度から心配になりますので、食糧庁としても政府としても何らかの形で状態をつかむ必要があると思いますが、ここで積極的に状態を把握するという態度をぜひとっていただきたい、こう思うのでございます。もう一回答弁をお願いします。
○石川政府委員 これは商売のことに関連しますので、余り反復継続ではっきり表に出てまいりますれば、産地、消費地のお米屋さんなり我々の情報網に当然入ってくるものでございます。
 ただ、そういうことを調べるといって、ごく善意で行われている無償の縁故米とか贈答米までいろいろと私どもが申し上げることは制度の趣旨からいっても問題であろうと思いますので、何か網をかけて調査するという手法には向かないと思っております。
 したがいまして、縁故米とか贈答米に名をかりた販売方式が行われているという情報がありましたときに、またそういう情報があれば小売屋さんから私どもの方に積極的におっしゃっていただきたいと申し上げておりますので、そういう姿で情報を正確につかみながら適切な指導をしていきたいと思っております。
○津川委員 豊作になりますとまた宅配便がふえていきますので、そういうことから食管制度が崩されないように格別な配慮を求めて、質問を進めていきます。
 次は、今回政府が行った流通改善に関連してお尋ねいたします。制度改善の内容や趣旨については食糧庁の方が非常に熱心に詳しく教えてくれましたので、そういうことの上に立って幾つかの疑問点をただしてみたいと思います。
 一つは、政府米の売却制度の改善。改善するというのですが、いわゆる入札売却方式を導入するということになります。政府米の売り渡し価格を卸業者に札を出させて決めるという今回取り入れたやり方がどんどん広がると、大変なことになります。消費者米価の値上げは野放し状態、逆に需要が弱いものは生産者米価の引き下げに通ずるなど、食管制度を大きく揺るがすものになると思わざるを得ません。
 食糧庁から説明を聞きますと、競争的売却いわゆる入札方式による売却は、政府米の中で標準価格米向けを除いた部分の約二割という全体からすればわずかな量にすぎない、しかも上限価格を設定するので厳密な意味での入札ではないなどと説明してくれております。しかし、今回の措置を具体化した通達類を見せてもらったら、どんな品質の米をどれだけ競争的売却で売り渡すのか、上限価格はどれぐらいの幅に設定するのかが必ずしも明確でありません。量については食糧事務所長の判断で決められる仕組みになっているようです。
 そこでお尋ねですが、食糧庁としては、当面、量では二割、上限価格では五%前後に設定する方針だと聞いておりますが、将来、今回と同じような理由で、すなわち産地別、品種別の需要の動向を政府米売却により一層反映させると称して、競争的売却の対象を二割でなく三割、四割、上限価格も五%でなく二〇%、三〇%に引き上げていく、こういう形でどんどん広がっていくような気がしてならない。そうでないと断言できるのか。今回の制度の仕組みからいってそういう余地はないと言い切れればいいのですが、この点はいかがでございますか。
○石川政府委員 まず、今回の趣旨でございますが、先生にも御説明いたしたと思いますが、政府が卸に米を売っていきます場合に一番大切なことは、その卸が本当に必要としている米、必要としている数量を適切に供給していくことだと思っているわけでございます。
 そういう趣旨もございまして、制度改正の際に、政府の割り当てに若干のそごがありました場合、卸間で売買をしてもよろしいという制度をつくりましてその量の調節を考えたわけでございますが、基本的に、政府が割り当て的売却をいたしておりますと、例えば卸商売買というものをやりました結果、他に品物を渡したところがそれだけ需要がないのではないかということでへずられる、それを怖がりまして今までどおりに、必ずしも自分は売る自信がなくてもそれだけの米が欲しいということで、いわば政府米が正規に卸に売られながらそれが正しいルート以外にも流れるというようないろいろな批判もあるわけでございます。
 そこで、私どもは、卸の真の需要、と申しますのは、卸は同じ米を同じように何でも欲しがっているわけではございませんで、ものによっては比較的高品位のものを望み、ある者は業務用を望みと、いろいろ違うものですから、そういう卸の需要に適切にこたえるためには、価格という要素を全く入れないで量的な割り当てだけでやることには非常に困難がある。
 したがいまして、先ほど先生もおっしゃいましたように、標準価格米原料あるいはばらで売り払いますような結びつきのある品物、そういうものを除外しましたものの中の一部、先生先ほどおっしゃいましたように、八割については従来の実績を採用して実績で売り渡しをする、しかしあと二割ぐらいの分量について、もっと欲しいという者がお互いに競い合うという形であれば、上限を定めて札を入れていただいて、真の需要を見きわめて渡すという方式を考えたわけでございます。
 したがいまして、こういう考え方でおります限りにおきましては、その二割がどんどん上がるというような姿になるわけではございません。むしろ、その量の最終的調整をするのがこの入れ札の方式でございますから、先生御心配のそういう無制限に枠が広がるという可能性はないわけでございます。また、そういう趣旨で設定いたしておりますから、微妙な差が出てくるという前提で、ある程度の上限は設けますけれども、例えば何割も振れるということになれば、そのこと自身は価格設定の仕方自身の問題だと思いますので、私ども、現在考えております方式で物を考えております以上、例えば入札の対象数量を圧倒的に広げる、あるいは上限とか下限とかというもの、下限は後から申し上げますが、上限というものをむやみに上げていく必要もないし、またそういう考え方はいたしておりません。
○津川委員 長官の説明、気持ちはよくわかりますが、過去にそういうことをたくさん積み上げてきて今食管制度が危なくなっているのです。そのことは後でもう一回申し上げます。
 そこで、話を進めていきます。
 こういう形で主食に入札で売り渡すという道を開いてきたのです。過去をずっと顧みてみますと、例えば昭和四十七年、政府売り渡し価格に品質格差が設けられたとき、私自身当時の委員会で、それが生産者価格にもはね返るのではないかと心配して質問しました。昭和四十七年九月十二日のこの委員会で当時の足立農相は、「生産者価格につきましては絶対に将来とも差をつけない」と断言しました。ところが、その後七年して生産者価格にも品質格差が導入されています。また、買い入れ制限についても、昭和四十四年二月二十六日の委員会で当時の長谷川農林大臣は、「買い入れ制限はいたしません。」と明言しております。これもその後、国会の答弁はほごにされてしまっております。
 以上のように、政府は食管を守るためという名目で、買い入れ制限、自主流通制度の導入と拡大、米価の品質格差の導入、逆ざや解消と米価算定方式の改悪、他用途利用米制度の発足など、食管制度、国の責任を一貫して緩める、国がその責任を逃れる方向で措置をとってきました。そして、その手法として、当初食管制度の例外的措置として持ち込まれた制度がその後運用によって拡大され、現実に合わせるものとして、数年前には食糧庁自身が否定した制度が現実のものになっているわけであります。今、食糧庁長官は問題が拡大していく心配はないと言われるが、石川さんが長官でなくなれば次の長官がまたさらにそれを広げていく、この心配が極めて濃厚なので、今、食管制度を守るとすれば極めて厳格な立場をとる必要があると思いますが、この点はいかがでございますか。
○石川政府委員 今、先生が御指摘になりましたのは、運営等の面でいろいろな改善をしてきたことに対して、そのことが食管制度をだんだん守りにくくするのではないかという御心配であろうと思いますけれども、例えば品質格差の問題をとらえましても、どちらかといいますと良質の米というのは自主流通にゆだねてあるわけでございますが、政府が持っております米につきましても現にかなりの品質の格差がございます。そういうものを、例えば無理にその格差を無視いたしまして一本で運用しようとしますと、かえってそこに無理が出てまいりまして、いわば食管の硬直的運用、その硬直的運用を埋めるのがやみの世界というような形になりまして、食管制度に緩みが来るおそれがあろうかと思います。むしろ、格差がありますものは格差を適正にしていく、そのことが、いわば需要の実態に応じた販売ができてくるという意味で、やみのつけ入るすきがなくなるということではなかろうかと思います。
 先生が先ほど御指摘になりました、例えば米の等級間格差の問題でございますが、これとて、先生も御承知のように、例えば品位が低いからといって下げられるのではないかという御心配の四類とか五類とかいうものを考えましても、これは政府が買い入れますときの格差よりも売りますときの格差が多うございます。したがいまして、四類、五類の方が政府が大きな財政負担をしてやっているわけでございまして、そういうものをどのようにするかということがむしろ問題かと思いますが、格差をつけますこと自身は、政府が持っています米も需要に応じて値段に差をつけて、そういう差というものを合理的に判断した上で消費の方につないでいくという意味では、むしろ制度を守ることに役立っているのではなかろうか。
 今回の販売改善につきましても、政府が一本調子に割り当て的売却だけをやっておりますと、需要と政府の販売との間に差ができてまいりまして、そこをやみ米が埋めていく。どちらかというと、やみ米を肯定なさる立場の方はそういうことを盛んに主張されるわけです。政府が自分たちの正規の販売の中でいわばそういうすき間というものをなくしていくことが、食糧管理制度を守るということではなかろうかと思っておりますので、私どもそういう考え方に立って制度の改善をしてきたわけでございます。
 それから、だれかがかわったらということでございますが、役所の中でよく相談し、そういう方針を立てていくわけでございますから、特定の人間でどうこうということではなかろうと思います。
○津川委員 宅配便に見られるように、やみ米がはやっておる、私たちはそれが心配だから今質問しておるのであって、共産党がやみ米を奨励しているみたいな感じに受け取られれば大変な誤解なので、この点を明らかにしておきます。
 そこで、石川さん、あなたがかわっても大丈夫だと言うのだが、そうはいかない状況がここにある。五十六年の食管法改正の際、第四条の米穀の売り渡し規定の中に入札方式が持ち込まれた問題、我が党の寺前、野間、そして参議院の下田議員は、これは食管制度をゆがめる、国の責任を逃れるものだとして厳しく追及したのでございます。それに対して当時の松本食糧庁長官は、今回の入札制は、古米の処理というような加工用やえさ用に処理する場合に適用されるのであって、主食は対象にしない、再三にわたってこういう答弁をしているのです。そして、主食については決まった価格で売り払う随意契約の考え方が当然だ、これが消費者を守る。
 今、食管制度がぎこちなく運営されていますが、一番食管制度に文句を言っておるのは臨調行革なんだ。ともかく米は流れでおった。あなたは大丈夫と言ったけれども、食糧庁長官の松本さんがこう言ったのに、今度あなたの手で主食米にこういう道が開かれているのだ、ここいらはとうでございます。
○石川政府委員 最初に、誤解のないように申し上げますが、先ほどからおっしゃっている競争的売却の第一義的なのは、これは入札じゃございませんで随契でございますから。もう一つ、どうしても売れ残ってきたときに入札をとりますけれども、今、最初に割り当て的に売却しますのに二割入れますのは、あれは入札ではございませんで随契でございますので、そこは誤解のないようにしていただきたいと思います。
 立案当時、松本長官のもとで私管理部長でございましたし、国会を通りましたときは次長で、そういうことも十分承知をいたしております。
 そこで、今度は入札の話を申し上げますと、ゆとりがある米を今申し上げましたような形で売ってまいりますと、完全にすべてのものが売り切れれば問題はないわけでございますが、しかし、やはり品質その他、お米は御承知のように豊凶がございまして、凶作の場合には売りにくいお水もいろいろ出てくるということも事実でございます。そういうものが積み重なってまいりました場合、例えば過去の形をもちますと、結局古米あるいは古々米という姿でだんだん売れ残ってくる。そういうものを高い管理費をかけながら持っておりまして、過剰が出てきました場合は、御承知のように過剰処理ということで、大変大きな財政負担をしながら、極端な場合は、えさにするということでございますと三十万円近いものを三万円にして売るというような形で処理をしてきたわけでございます。
 私ども、今回そういうような形にはすまいと思っておりまして、御承知のように、越年するようなお米は原則低温保管というような形で、極力、せいぜい一年古米ぐらいの状態で回転をさせていきたいわけでございますが、今言ったような販売方式をしました場合に、やはりどうしても売りにくいお米が結果的に出てくる場合がございます。よく御心配になる、特定の地域の米は売りにくい、そういうお話では決してございませんで、例えば災害の度合いが強いときに入ってきたお米、これは地域はいろいろございますが、そういうお米が出てまいりました際に、価格が一本であるからそれしか売れぬと言って、売れないのをじっと抱えていることがいいのか、若干の価格の幅を持たせれば十分買い取ってもらえるのか、そのあたりは、松本前長官がお答えをしている、加工とかなんとかという例を引いていらっしゃいますが、要は、随契という姿では売りにくくなったお米について売っていくという手法に下限を設けた入札制を採用するのはどうかということで、私ども提言をして、そういう方向に持っていきたいと思っているわけでございます。
 これをやります際に、私どもそういう国会における答弁がありましたことも十分承知をいたしておりますので、松本先輩のもとへ赴きまして、こういう趣旨で運用をしたいというお話をし、そのことは、松本前長官自身も当時発言としてそういう言い方はなさっておりませんが、要するに、売りにくいお米をどうやって売っていくかという手法の一つとして法律上認められた入札という方式を使うのは適切じゃなかろうかということで、私どもも、松本さんにもお話をした上でこういう方式を考えているわけでございます。
 表現の仕方、要するに主食とか加工用という言い方で先生御理解いただいておりますのは、答弁がそのとおりになっておりますからそう御理解になってしかるべきものでございますが、趣旨は、普通の状態で売れにくいお米を長く持ってうんと安く売るという手法よりも、もう少し合理的な売り方があるのじゃなかろうか、そういう意味で私どもそれを採用したいと思っているわけでございます。
○津川委員 私は、あなたの手で開かれている――売れない米は最後は入札するでしょう。それが広まっていくのを非常に心配している。あなたは食管の運営上のことで問題にしている。
 私がもう一つ、やみ米が食管を壊していく、大変なことになるのじゃないかと思っているのは、先ほど言った逆ざやの問題。あのとき石川さんは、はしなくも、逆ざやがなくなったり順ざやになっていくとやみ米が発生すると言っているわけです。今度政府は、生産者米価、消費者米価決定に当たって、売買逆ざやの解消、これは臨調行革が強く皆さんに指示して指導しているものですが、それを何よりも優先させてきました。そのために、どんなに生産費が上がっても生産者米価は据え置いた、農民の経営を苦しめてきた。逆に消費者米価は、家計の圧迫を顧みず連続して引き上げた。このために今や売買逆ざやは一・九%、先ほど論議にあったとおりです。
 このような米価決定のあり方自体、食管法の精補に明らかに違反していると私たちは主張してきたのですが、同時に、この逆ざや一・九%もしくは解消は、それ自身不正規流通米大量発生の条件を拡大して、流通面からも食管制度を崩す重要な因子になっております。差がないためにやみの商人がはやる、ここのところが大事なことであって、政府はやみ米、やみ業者につけ入る余地を与えないと言うが、農民からの買い上げ価格を据え置く、消費者価格はどんどん引き上げる、生産者米価を抑える、消費者米価を上げる、こうした政策の中にやみ米のつけ入る、やみ米をふやしていく根拠があるわけでありまして、本来の立場から、農水大臣が言われたように、農家の立場からいう生産者米価と消費者の立場からいう消費者米価というものを守らなければやみが横行していくと思いますが、これでもやみが抑えられるという自信がありますか、この点いかがでございますか。
○石川政府委員 売買逆ざやにつきまして、昭和五十一年から政府としてはこれを解消していこうという方針を定めましたのは、売買逆ざやは一体何のためにある政策がという論議の中で、生産者のためにある、むしろどちらかといいますと、買う値が高くて消費者に売る値が安いという状態を考えますと、生産に対する援助だという考え方が一つあり得るわけです。
 それから、米の絶対不足の時代はそういう理屈で売買逆ざやの説明をしたわけですが、そういう理屈で説明をしてまいりますと、御承知のように、ほんの少しお米をおつくりになる方にも、それからかなり大型生産をなさる方にも同じような援助の仕方をしているという意味で、そういう生産援助だということだと効率の悪い援助ではないかという批判が出てまいります。
 それから、かつて、高く買って安く売るのだから、それは生産者は生産費を償っているけれども、消費者の家計安定、消費者に援助をしているのだという説明の時代もあったのですが、そういう説明でございますと、どんなお金持ちの方も貧しい方も同じようにお茶わん一杯幾らという援助をするのはおかしいではないかという批判、これはまた当然出てまいります。
 それと同時に、お米が集めやすく、あるいは流しやすくするために売買逆ざやがあるんだということになりますと、流通業者の商売がしやすいように売買逆ざやがあるということになりまして、これまた大変説明のしにくいことになるわけでございます。
 したがいまして、私どもは売買逆ざやにつきましては、できれば解消の方向へ持っていきたいわけでございますが、これはある日突然というわけにはなかなかいきませんから、徐々に解消の方向へ持ってくる。ただその場合に、当然のことでございますが集荷をなさる人、販売をなさる人がそれなりの御努力をいたしませんと、要するに人よりも高く買って安く売ってやるのだということだと、これは自動的に集まり自動的に流れるという安易な集荷、販売の体系であると問題だということで、流通改善ということをいたしているわけでございます。
 私どもは売買逆ざやがもたらしますいろいろな影響力、例えば今先生も御指摘のように、乱暴な解消の仕方をしますと流通に影響を与えますから、かつて売買逆ざやが大変大きかったころと違いまして現在一・九、わずかな水準でございますし、一類のような米につきましては既に順ざやでございますから、こういう非常に微妙な時期に至っておりますので、解消方針そのものは政府方針として従来あるわけでございますが、どういう事態でどのようにやるかということは大変微妙な問題になってきておる。そういう意味では慎重な扱いを必要とするわけでございますが、売買逆ざやの存在そのものが、何か例えば流通を混乱させぬために必要なのだという論法は、実はなかなかとりにくい。むしろそれは集荷業者なり販売業者がよりみずからの努力をすべきものであって、そういう努力の上に集荷ができるのであれば、これは政府もただやっていただいているわけじゃございませんで、集荷経費も政府は管理経費として実は持っているわけでございます。ですから私どもは、管理経費の問題になりますとこれはまた全然別個の議論をいたしますが、売買逆ざやの存在については、今申し上げたようなのが政府のここ数年来一貫した考え方でございます。
○津川委員 石川さんが丁寧な答弁をしてしまったので、私、石川さんの話を聞こうと思っているうちに質問時間がなくなっちゃったのです。
 そこで簡単に答えていただきますが、今一・九%までになった逆ざやをゼロにするつもりか。
 二つ目には、消費者米価、先ほどは大臣が財政の上から考えるべきじゃないと言って、これは了承してもいい話ですが、今農政上の立場から消費者米価を上げなければならぬ根拠があるのでございますか。私はないと思う。そういう立場から農水大臣は、この際なので消費者米価は、かつて我々に私的に話しているみたいに、はっきり上げないということを言明することが必要だと思うのでございますが、この二点、答えていただきます。
○石川政府委員 消費者米価の決定の法則は、御承知のとおり家計の安定を旨としまして、いろいろな経済事情をしんしゃくして決めるということになっているわけでございますから、私ども、そういう要件につきまして現在いろいろと検討はいたしておりますが、決めるような段階に至っておりません。いろいろな状況がございますので、そういうものを勉強いたしておるという状況でございます。
○津川委員 消費者米価を上げなければならない農政上の根拠がありますか。
○石川政府委員 これは農政ということも含めて、財政というような問題も一つの要件でございます。大臣がおっしゃいますように、財政のことだけで物を決めるわけにもいきません。したがいまして、食糧政策上の問題、その背後にあるいろいろな問題も考慮しながら検討いたしておるところでございます。
○津川委員 非常に時間が切迫してきましたので、円高に対してちょっと質問させていただきます。
 水産物の缶詰、瓶詰、十月現在のものを農水省が十二月二日付で調べて私に資料をくれたんですが、円高の影響で水産缶詰、瓶詰の輸出の減少が二一%、新規成約の減少が三六%、受注残の減少が三四%、干しシイタケの輸出の減少が一五%、新規成約の減少が六二%、受注残の減少が六七%、こういうふうになっておりますが、円高によって日本の経済、わけても農業、林業、水産業の受ける影響、消費者の受ける影響について、政府がどのように考えているかを明らかにしていただく、これが一つ。
 二つ目には円高差益の還元について、えさの問題ですが、為替レートが一ドル当たり十円値上がりした場合、他の条件が同じであれば、トン千円前後の値下げが行われます。この間、十月十二日にえさ価格について三千円の値下げをしましたが、その前は二百四十円、しかしその後、二百円、二百十円台に上がっておりますので、これをえさに直接還元しなければならない。
 政府自身はこれを飼料基金に繰り入れると言っておりますが、養豚農家は今一頭当たり出荷すると一万円張りつけて出さなければならない。養豚農家は、飼料基金がある程度まで十分ありますので、基金に入れないでこれをえさの価格に直ちに反映させていただきたい、この要求がかなり強いのでございます。先ほども何か基金に入れると言っておりましたけれども、基金は十分、ここにも表を持ってきておりますが、お金はある。これにさらに加えないで、とりあえずこの養豚農家を救ってあげる意味において、えさの円高分を還元すべきだと思いますが、この二点、答えていただきます。
○佐藤国務大臣 まず、二つ質問がございましたが、私が円高による日本の農林水産業と国民消費生活に対する影響について申し上げます。あと配合飼料につきましては畜産局長から答弁させたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 九月下旬のG5、先進五カ国蔵相会議の合意に基づく円高誘導の結果、先生御存じのとおり円相場は二百円台で今推移しているという現状でございます。
 このような状況のもとで、輸出産品については円高により輸出不振等の影響が懸念されるところであります。このため、とりあえずの年末の緊急対策としましては、農林水産関連企業も含めて中小企業に対し、低利融資等の特別対策を実施することとしたところでございます。
 次に、円高によります輸入価格の低下が国内価格にいかに反映されるかが国民生活にとりまして最も重要でございますが、輸入や流通の形態の違い等により種々異なる事情がありますので、今後とも流通実態等の把握に努め、適切に対処してまいりたいと考えております。
○大坪政府委員 全農等におきましては、ことしの十−十二月期につきましては、飼料穀物価格の国際価格の低下に加えまして円高等もございまして、期中改定を行ったわけでございます。その後さらに円高が進んだということで、その対応につきましては、団体相互間でいろいろ検討しておったわけでございますが……(津川委員「畜産局長、時間が来たから、基金に入れないで直ちに養豚農家に還元する、そういう指導をするかしないかを答えていただければいいんです」と呼ぶ)ところが、配合飼料の流通につきましては、農協系の場合を申し上げますと、工場から経済連、単協を通して農家に渡る、そういった流通経路を経由するわけでございます。したがって、余り頻繁な改定が行われますと、それは流通過程で混乱を起こすおそれもあるということから、十月以降の円高の還元につきましては、従来から配合飼料価格の安定を図るためにつくられております基金に対する資金造成費として使おうというふうに方針が決められたものでございます。
 もちろん、この間の円高についてのえさ価格の還元につきましては、近々、一−六月期の配合飼料価格の見直しに入るわけでございますので、その際には、十分に反映され、合理的な価格形成が行われるよう適正な指導をしてまいりたい、かように考えております。
○津川委員 これで質問を終わりますが、局長、流通経路がどうだとか、混乱とか、今、養豚農家はそんな暇がない。この際なので、危機を救う意味において、えさ代で問題を解決したい、こう思っておりますから、その流通過程の円高のメリットを全部養豚農家に還元するように、大臣もうなずいておりますので、そのことを強く求めて、質問を終わります。
○今井委員長 田中恒利君。
○田中(恒)委員 異例のことでありますが、各党の了解を得て、短い時間ですが補完質問をさせていただきます。
 国会は、与野党間の理事を通して、あらかじめ話し合いで一定のルールをつくって運営をされておるわけでありますが、きょうの私の質疑は、あらかじめ国鉄当局と話し合われておったことについてはほごにされたと私は理解せざるを得ません。
 私どもは、きょう、国鉄問題につきまして国鉄総裁の出席を強く要請をいたしてまいりました。総裁がどうしても出席できないということで、担当常務が総裁にかわって責任のある回答をいたします、こういうことで、三人の担当常務の皆さんに御出席をいただきました。にもかかわらず、私の質問に対して出席の常務は一言も答弁をしていただいておりません。もちろん、私自体国鉄の役員の皆さんを存知しておりませんので、十分でなかった点もあろうかと思いますけれども、これはぎりぎりの段階まで担当の常務が、具体的に言えば、貨物の問題の質問に対してお答えする、こういうことで進められておったと思いますが、なぜ常務は部下の答弁だけにとどめて横に座っていらっしゃったのか、まずこの点をお伺いをいたしたい。
○岡田(昌)説明員 お答えさせていただきます。
 私、貨物を担当いたしております常務の岡田でございます。
 午前中、実は参議院の連合審査がございまして、瀬谷先生の質問をめぐりまして出席要求がございましたものですから、そちらに出ておりました。大変失礼いたしました。私、こちらに出席しておりませんでした。
○川口説明員 私、国鉄で地方交通線問題を担当しております常務の川口でございます。
 午前中、私、出席はいたしておりました。実は地方交通線の問題について御質問があるということを私、承っておりまして、地方交通線の問題についてお答えするという予定をして、その心準備をしてこちらに参っておったわけでございますが、先生から地方交通線問題についての答弁のお求めがございませんでして、私は答弁に出そびれた格好で、私としては大変不本意でございましたけれども、御迷惑をおかけしましたことをおわび申し上げます。
○田中(恒)委員 国鉄からは総裁の出席を私どもは再三にわたって求めた。総裁が出席できないので、総裁にかわって答弁のできる常務を出席させるということであったわけです。皆さんのお答えを聞けば、担当の仕事以外は答えられないと。私自体の質問も、総裁にかわって出ていただいておるのだから、国鉄の政策判断についてお答えしていただきたいということを再三お願いをしたが、全部事務的な答弁にとどまっている。私は、実は常務役員だとさっきまで理解しておったのです。いろいろ聞いてみると、常務は横に座っておったけれども答弁しなくて、何か担当の係の方が終始答弁をしたということを聞いて、実は唖然としたのです。私どもは、担当がどうだこうだということはわかりませんよ。国鉄総裁にかわって答弁するということでありますから、副総裁なり常務が全体的に責任を持って答弁するという理解をせざるを得なかったわけであります。どうですか。
○川口説明員 先ほど申し上げましたように、私といたしましては、貨物輸送の問題について担当でもございませんでしたので、そういうお話であるということを実は余りつまびらかに存じませんでして、これは私どもの方が悪いのでございますが、そういうことで、結果的に先生に御迷惑をおかけする次第になったことを深くおわびする次第でございます。
○田中(恒)委員 私に迷惑じゃないんですよ、これは。国会の審議に臨む国鉄の姿勢に問題があると思う。それぞれ仕事の専門の方がたくさんいらっしゃるでしょう。そういう皆さんが専門的な答弁をして、そうして肝心の責任者が黙ってそれを上から見ておる、こういう形で国会の審議に加わっていただくということは、私どもとしては非常に納得できません。
 この問題は、きょう短い時間でどうこう言えませんから、委員長に、私はこの後、引き続いて国鉄問題について時間を得て、総裁をお呼びいただいて、総裁を前にして議論をさせていただくことを特に要請しておきます。
 ただ、きょうの私の質疑の時間の関係がありますから、今担当の方がお見えになったから重ねて質問をいたしておきますが、新しい貨物の鉄道会社の構想をめぐって、実は私ども四国から一切貨物の取扱駅がなくなる、こういうことで、県当局初め関係業界がこぞって心配しておるわけであります。私は先ほど農林大臣にも御意見を伺いましたが、農林大臣も、三百残って四十七都道府県に貨物駅が全然なくなるといったようなことは政治的には考えられません、こういうお話をいただきました。私は、四国四県全土にわたって貨物駅が一つもなくなる、こんなことを国鉄当局としては考えておるのかどうか、これは事務的な詰めじゃなくて、御答弁は二月でないとわかりませんとか来年の秋のダイヤ改正ではっきりしますとか、こんなことしか答弁してくれないので、私は、政策決定者としてこの問題についてどういうお考えか、このことを質問したわけであります。この点について、担当常務からこの際明らかにしていただきたいと思います。
○岡田(昌)説明員 お答えさせていただきます。
 私ども、駅の存廃につきましては事務的に考えたことは一度もございません。私ども貨物輸送をやり、貨物輸送に命をかけてやってきている人間といたしまして、貨物の営業をどうするかということは必死に考えているつもりでございます。四国の貨物輸送につきましても、荷主の皆さん方から大変お世話になっておりますし、我々も真剣に取り組んでいるわけでございます。
 ともあれ、今回の事業体全体の事業規模を決定する作業に今取りかかっておりますが、実際問題といたしましても、先生御案内のように、貨物輸送というのは、先生を前にして大変失礼でございますが、やはり船もトラックも一カ所にできるだけ集めて送るというのが基本でございます。当たり前のことでございますが、例えば宅急便でも十一トントラックが各家庭まで行くわけじゃございませんで、必ず集めて送る。どういうふうに集めていったらいいのか。船でも、各港に寄っていけばすべて営業がうまくいくという話ではございませんで、どういうふうにして集めたらいいのか。例えば四国のミカン輸送におきましても、今三本出しておりますが、二本は本土から出しております。どこに集めたらいいのか、どこに集めたら本当にコストが安く早く輸送できるか、しかも本土から行っているものが三日目売りができるわけでございます。
 そういうふうにこれから全部詰めまして、国鉄の特性である大量しかも定型の輸送ができるように考えておりまして、私ども決して事務的に考えておるわけではございませんし、またそれを必死になって地元と相談いたしておりまして、国鉄の案が来年二月ごろをめどに固めることができるのではないかと考えている次第でございます。
○田中(恒)委員 この問題も質問を保留して、なお続けていきたいと思いますが、あなたのところが考えているのは、岡山まで四国のコンテナで持ってこい、あそこを拠点にして運ぶ、こういう大ざっぱな考え方が流れておるということを聞いておりますけれども、ともかくミカンにいたしますと、島腰部のミカンが中国のあの駅に行っておるわけですよ。これは効率的に当然なんです。あなたのところが取扱駅をなくしていくものだから、いや応なしに、船で渡って岡山まで持ってこいなんて言っても持っていけるわけがないので、これは技術論ですからあなたのところでやってもらいたいと思うけれども、少なくとも四国には、農産物、ミカンなどいろいろありますが、その他、紙の問題から石灰石の問題からたくさんあるわけであります。
 長期的な輸送として国鉄の果たす役割は非常に大きいと思っておりますから、ともかくしかし四国から鹿児島県から取扱駅を一駅もなくするなんという、そんなむちゃくちゃなことを、これまで国民のお世話になって育ってきた国鉄が、幾ら衣がえするといっても、そんなに一遍にするものじゃありませんよ。そんなことをされましたら、そこに住んでおる連中は国鉄というものに対して異常な見方をいたしますよ。このことだけを申し上げまして、私は自後に質問の機会を得て、なお質疑を展開していきたいと思います。
 終わります。
○今井委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時二十三分散会