第103回国会 環境委員会 第2号
昭和六十年十二月三日(火曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 辻  英雄君
   理事 柿澤 弘治君 理事 國場 幸昌君
   理事 戸塚 進也君 理事 福島 譲二君
   理事 岩垂寿喜男君 理事 和田 貞夫君
   理事 大野  潔君
      竹内  猛君    中村  茂君
      馬場  昇君    小川新一郎君
      岡本 富夫君    草川 昭三君
      永末 英一君    藤田 スミ君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 石本  茂君
 出席政府委員
        環境政務次官  中馬 弘毅君
        環境庁長官官房
        長       古賀 章介君
        環境庁企画調整
        局長      岡崎  洋君
        環境庁企画調整
        局環境保健部長 目黒 克己君
        環境庁自然保護
        局長      加藤 陸美君
        環境庁大気保全
        局長      林部  弘君
        環境庁水質保全
        局長      谷野  陽君
        通商産業大臣官
        房審議官    高木 俊毅君
 委員外の出席者
        防衛施設庁施設
        部施設取得第二
        課長      志満 一善君
        防衛施設庁施設
        部首席連絡調整
        官       冨田  修君
        環境庁長官官房
        審議官     栗原  康君
        環境庁長官官房
        参事官     杉戸 大作君
        外務省北米局安
        全保障課長   岡本 行夫君
        外務省国際連合
        局社会協力課長 馬淵 睦夫君
        大蔵省主計局主
        計官      涌井 洋治君
        大蔵省理財局地
        方資金課長   中島 勝巳君
        国税庁間税部酒
        税課長     宗田 勝博君
        厚生省生活衛生
        局水道環境部計
        画課長     浅野 楢悦君
        厚生省生活衛生
        局水道環境部環
        境整備課長   加藤 三郎君
        厚生省生活衛生
        局水道環境部産
        業廃棄物対策室
        長       横田  勇君
        農林水産省食品
        流通局企画課長 武田  昭君
        林野庁指導部治
        山課長     船渡 清人君
        林野庁指導部林
        道課長     田代 太志君
        林野庁業務部経
        営企画課長   塚本 隆久君
        水産庁漁政部協
        同組合課長   上野 博史君
        水産庁振興部沿
        岸課長     堀越 孝良君
        通商産業省貿易
        局輸入課長   石黒 正大君
        通商産業省機械
        情報産業局自動
        車課長     黒田 直樹君
        運輸省運輸政策
        局政策課長   豊田  実君
        運輸省港湾局管
        理課長     森谷 進伍君
        運輸省航空局飛
        行場部計画課長 堀井 修身君
        運輸省航空局飛
        行場部環境整備
        課長      松浦 伸吾君
        建設省河川局水
        政課長     二橋 正弘君
        建設省河川局河
        川計画課長   寺田 斐夫君
        建設省道路局企
        画課長     三谷  浩君
        建設省道路局道
        路環境対策室長 野村 和正君
        自治大臣官房企
        画室長     能勢 邦之君
        自治省財政局調
        整室長     鶴岡 啓一君
        日本国有鉄道総
        裁室法務課長  本間 達三君
        日本国有鉄道施
        設局環境対策室
        次長      鬼沢  淳君
        環境委員会調査
        室長      綿貫 敏行君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 公害の防止並びに自然環境の保護及び整備に関
 する件
     ――――◇―――――
○辻委員長 これより会議を開きます。
 公害の防止並びに自然環境の保護及び整備に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩垂寿喜男君。
○岩垂委員 私は、きょうは最初に池子弾薬庫の名称変更の問題、その次に石垣市の白保空港、新石垣空港とでもいいましょうか、そういう問題、それから青秋林道の問題、最後にワシントン条約の問題、その四つの問題を中心にして質問をさせていただきたいというふうに思います。
 最初に、防衛施設庁お越してございましょうか。この名称変更の理由をお伺いしておきたいというふうに思います、
○冨田説明員 お答え申し上げます。
 米軍の施設、区域の名称につきましては、一般的にその用途に即して、あるいはその用途が変更になった場合にはその主たる用途に即して名称を決めておりますので、理由と申されますと、そんなようなことでこのたび名称の変更をいたしました。
○岩垂委員 実態に即してというふうにおっしゃいましたが、今御存じのように議会解散の直接請求が一方で行われてきのう締め切られる。一方でそれに対して市長解職要求の直接請求が起こっている。そういういわば政治的に非常に激しい市民の対立の渦巻きの中で、この時期にそうした決定をなすった事情について承っておきたいと思います。なぜならば、それはだれが考えても住宅建設に反対する市民に対するある意味で挑戦であるというふうに言わなければならない。また、現実にそういうふうに受けとめている人たちがたくさんいる。そういうことに対してどのようにお考えでございましょうか。
○冨田説明員 お答えいたします。
 池子弾薬庫という名称につきましては、施設、区域の使用の状況からいたしまして、にこ数年間弾薬庫という名称が適当であるかどうかという点につきましてかねてからの日米間の検討事項でございました。そのようなところに、昨年の二月でございますが、五十九年度の防衛施設庁の予算の執行ということに備えまして、日米間で池子に住宅地区を建設する、そういうような相互の確認がございましたし、それからまた五十九年の六月には市の方から、御承知のように三十三項目条件というような中の一つといたしまして、名称を変更するようにという大変強い御要望がございまして、これに対しまして国は昨年の九月に、これも文書をもちまして二十七項目、そのうちには今の名称変更も含まれておりますが、これについて誠意を持ってできる限り実施するということをお約束いたしました。
 そんなような事情を踏まえまして、かねてからの懸案でありました名称の変更ということについて日米間で協議を重ねてまいりましたが、このほどそういうことで協議が日米間で調いまして、御承知の先月の二十九日に閣議決定で施設、区域の名称を変更した、そういうことでございまして、実は今お話のありましたようなその地域の状況ということと余り関係のないということで進められてきたことであるというふうに申し上げます。
○岩垂委員 そのことは、市長あるいは市役所に了解を求めるための努力は、あるいはそういう連絡はいたしましたか。
○冨田説明員 お答えします。
 この件につきましては、特にそういうような御連絡は申し上げておりません。
○岩垂委員 非常にシビアな賛成、反対の対立が一方にある。そして市議会は確かに誘致の側が多数であることは認めますけれども、その後市長のリコール問題が起こって、途中でおやめになって、そうして選挙が行われました。結果として米軍住宅建設反対の富野市長が当選をいたしました。現実には今、市政執行者は住宅建設反対の富野君であることは言うまでもありません。幾ら防衛施設庁が長いこと懸案になっていたからこの時期にと言っても、政治的に見ると非常に大きな波紋を投げる。そしてそれはだれを有利にさせるという意図を持ってなされたものではないにしても、結果的にそういう渦巻きの中に石を投げたことになりかねない。こういう政治的な分析を防衛施設庁がやっていないとすれば、私は率直に言って無神経だと言わざるを得ない。
 そこへもっていって市長を自分が気に食わないからといって――その種のことを一言でもあらかじめ連絡をつけて、もちろん了解は得られないかもしれない。しかし得られないというふうに割り切れるものでもない。なぜならば、弾薬庫の再使用を禁止してほしい、これは逗子市民の悲願であります。そういう扱いを素直に受けとめようとしている市長に対して二言も連絡もなしにこのようなことをやったことについてどのように思いますか。
○冨田説明員 今政治的に大変無神経であるというお話でございましたけれども、名称の変更という件につきましては、かねてから逗子市の市議会等の意見を踏まえられまして市としての公式な御要望、それに対して国としては文書で、できる限り実施するということで申し上げておりましたので、無神経といえばそういうことかもしれませんけれども、そういうような経緯を踏まえまして特に御連絡申し上げなかったということでございますが、おっしゃる点につきましては、これはやはりあらかじめ御連絡した方がよかったろう、そのように思います。
○岩垂委員 防衛施設庁はすべての地方自治体に対してそういうやり方をするのですか。そういうことを日米合同委員会で決定したら連絡もしないで一方的に、富野君が抗議に来たからそれなりの話はあったと思うけれども、日米合同委員会の決定だけでなしに閣議決定までに持っていく、そういうことをなさるのですか。地元の責任者というか行政の担当者、市長にさえ連絡をとらないでそういうことをすいすいとやるのですか。
○冨田説明員 お答えいたします。
 大体御連絡するのが常だと思います。ただ、今申し上げましたようにこの件につきましてはあらかじめそういう公式なやりとりで、実施することにつきましては国としてお約束しておったというような事実を踏まえて行ったことでございますので、特に御連絡しなかったということだと承知しております。
○岩垂委員 お約束をしたことだとおっしゃるならば、逗子の市長名をもって要請した三十二項目の中の第一番「弾薬庫施設の再使用禁止と施設名の変更をすること。」これはセットなんです。セットでなければそういうことになりません。そうするならば、弾薬庫は絶対に使わないという保証がございますか。
○岡本説明員 池子弾薬庫が今回名称変更になったわけでございますが、名称変更に伴いまして使用の形態の実態、主なる目的が今後ある程度変わった、これは言い得ると思います。ただし、米軍は現段階では池子を弾薬庫として再使用する計画は有してないと承知しておりますが、私どもとしてはこれを将来にわたって米側に約束させる立場にはないわけでございます。
○岩垂委員 アメリカとの間で話をしてきて、「弾薬庫施設の再使用禁止と施設名の変更」これはセットだということでしょう。将来にわたってアメリカ軍が弾薬庫として使わないという保証はない、使うことはないだろうと思うけれども使わないという保証はない、これでは三十三項目というのは一体どこで生かされるのですか。この種のものは少なくとも、表に出すか出さないかは別として、日米の間で合意を見なければ、再使用はしませんという合意をしなければ、だれだって信用できませんよ。その点はどうなんですか。合意を見ておりませんね。
○冨田説明員 ただいま外務省の方からお答えがありましたように、未来永劫に弾薬庫として使用しないというような約束を米側とやるということは施設、区域の性格からないことだと思いますが、先ほど申し上げましたように、日米間の協議に従いまして池子弾薬庫という名称をなくしまして名称を変更したということでございますので、当面の間特別な理由がなければ弾薬庫として使用しない、そういうような了解と申しますか、米側が名称の変更について合意したということはそういうことを裏づけているのじゃないか。したがいまして、ある程度の期間は少なくとも弾薬庫として使用しないということを期待できるものと私どもは考えております。
○岩垂委員 もう一度申します。
 今冨田さんがおっしゃった、当面の間特別の理由がなければ弾薬庫として使うことはないと承知している、この当面の間、それはどの程度が当面の間だか私もわかりませんけれども、しかし再使用しないという約束事というのはアメリカとの間にできていませんね。
○冨田説明員 今回の名称変更の合意につきましては、そのような約束はできておりません。
○岩垂委員 実態に即してと言われました。もしアメリカがまた弾薬庫として使えば、また実態に即して弾薬庫と言うことも理論的にはあり得るわけです。そのとおりですね。
○岡本説明員 日米合同委員会に関する御質問でございますので再び私の方からお答えさせていただきますが、現実問題として米軍が再び池子を弾薬庫として使用する計画はない、これは先ほど御説明したとおりでございます。ただ、将来にわたって未来永劫に日本政府がアメリカ政府に対してあそこの場所を弾薬庫として使わせないという約束をできるかというと、これは今までのほかの施設についてもそうでございますけれども、できない、そういうことはやっておらないということでございます。
○岩垂委員 実は私も三島さんという市長さんとは決して仲の悪い関係ではございませんでした。そのときに、三島さんがある種の条件闘争に入らざるを得ないということを言われたときに、それをやれば結果的に誘致運動にならざるを得ないという危惧の念で彼に対する忠告を私はしたことがございます。しかし、彼は、この弾薬庫施設の再使用禁止、ここにポイントを絞って、三十三項目という形に要求が広がっていった経過がございます。つまり逗子の市民にとって悲願なんですよ。それが、あなたはさっき誠意を持ってできる限り努力をすると言いました。三十三項目を受けとめた方は、政府はこれをやってくれる、だから協力をするということで踏み切った経過があるのです。あなた方はできる限り誠意を持って――誠意を持ってできる限りやってもできませんでしたというケースがある。三十三項目というのは、結果的に紙にかいたあるいは絵にかいたぼたもちになってしまうのです。彼らは三十三項目があるから受け入れたという経過がある。
 しょっぱなから、第一項ですよ、ここから、将来米軍は弾薬庫として使わない保証はない、日米間で合意を見ていない、これでは一体逗子の市民は何を信用したらいいのですか。三十三項目というものを金科玉条にして、これが実現するためにということを言っておる。その第一項がもう既に非常に根拠の薄いものになってしまっておる。信頼のできないものになっている。実はここのところを私は申し上げたいのであります。もし本当に誠意があるならば、三十三項目というものに対して誠意があるならば、私の立場を離れても、せめてそのぐらいのことは約束をしなかったら逗子の市民は、住宅はできました、あのときの約束は守られませんでは、また弾薬庫は違う形で使用されるということの可能性もあり得る。こういうインチキはいけませんよ。あなた方が住宅が欲しいのなら本気で市民に納得できるような道を考えたらどうですか。
 名称変更についても、これらの経過について今の市長にあるいは市議会にきちんと報告なさる手続もしない、しかも政治的な物すごい対立の渦巻きの中に、防衛施設庁が、当事者が石を投げて、だれが考えたってこういうことをやれば、やはり基地の永久使用を考えて石を打ったのだなというふうに考える形は邪推ではないですよ。その上に、弾薬庫として再使用しないという約束を申し上げることはできない、これでは一体だれを信用したらいいのですか。こういう誠意のない態度で防衛施設庁がやってくるところに全国各地でのトラブルを含めて問題が起こるのだということを、私はあえて申し上げたい。冗談じゃないですよ、これは。逗子の市民が今こんなことを聞いたら、一生懸命で市長リコールで署名をとっている人たちも、これは何だということになってしまう。絵にかいたもちを信用して食べるようなものですよ。その点は強く私は申し上げておきたいと思う。
 例えば、弾薬庫以外の施設として使うという見通しは今あるのかどうか、その辺のところの感触をお聞かせください。
○冨田説明員 このたび変更をいたしました名称が、池子住宅地区及び海軍補助施設ということでございまして、これは今現在そういうような用途としてこの施設、区域を考えているということでございますので、海軍補助施設というのは大変広い意味を持ちますけれども、補給施設というような用途と考えております。
○岩垂委員 そのほかの用途というのは、例えば直接作戦行動というか、そういう目的に使う通信なんかもその中に入ると思うのですが、訓練だとか、そういうものに使う可能性というのは今は考えていないというふうに受けとめてよろしゅうございますかか。
○冨田説明員 お答えいたします。
 補助施設というのは、補給を中心とした例えば物の置き場でありますとか、物の整備でありますとか、大体そんなようなことが中心の概念でございますが、大変幅は広い中身を持っておりますが、今おっしゃったような通信とか、オペレーションに直接つながるような、そういうような機能はこの中には含まれないということでございます。
○岩垂委員 非常に広い面積に、今おっしゃったように倉庫あるいは機材の置き場と言ったってそんなにたくさんの面積は要らないんです。使わなかったら返してくれというくらいのことは言ったらどうですか。それはまだ言えませんか。
○冨田説明員 防衛施設庁といたしましては、その施設、区域が使用されてないということが確認され、また使用の予定がなければ、これは米側に対して何らかの形で協議を行うということはかねてからそういうことをやっておりますが、現在のところ池子につきましてはそういうような状況ではないものと承知しております。
○岩垂委員 あなた弾薬庫見たことあるでしょう。ないですか。(冨田説明員「あります」と呼ぶ)あるでしょう。あの広い面積をどれだけ使っていると思いますか、現在使っているのは。面積を挙げてみてくださいよ。事実上使ってないんですよ。完全な遊休施設ですよ、あれは。遊休施設で使わないんなら返してくれと、さっきあなたは全国的なケースのことを言われたけれども、池子もやったらどうですか。やる気ないのですか。
○冨田説明員 ただいま申し上げましたように、現在使用しているということと、もう一つの要素といたしましては米軍が使用する計画があるかどうかということを踏まえて考えなければならないと思っております。
○岩垂委員 米軍が使用する計画があるかないかということを考えてというなら、そのことを聞いたらどうですか。聞きもしないでおいて、使うかどうかわからないからそう簡単に返せと言うわけにはいかないということですか。
○冨田説明員 池子の現在の施設、区域につきましては、私どもは、米軍が使用しているものまたは使用する計画を持っているものと承知しております。
○岩垂委員 時間がないから余り長い時間をとれませんけれども、この間、横浜防衛施設局長が御着任になって記者会見の中で、今県のアセスの経過で、新聞によってですからこれはニュアンスがちょっと微妙であったのかもしれませんが、見切り発車で着工するというようなことはやりませんね。
○志満説明員 去る十一月二十七日、地元の各新聞におきまして、前日の横浜防衛施設局長の池子米軍家族住宅建設事業にかかわる記者会見につきましていろいろ掲載されておりますが、環境影響評価手続につきましては、当庁は地元の意向を尊重して環境影響評価条例による手続を進めているところでございまして、この手続を尊重する限りにおきましては一事業者の立場でございまして、同条例の手続を早急に進め早い時期に着手したいとの趣旨で希望を述べたものであり、工事着手の時期をいついつなどと特定しては述べていないと聞いておる次第でございます。
○岩垂委員 質問に答えてください。見切り発車はしない、そのことをイエスかノーかで伺っているのです。
○志満説明員 アセスの手続を早急に進めた上で着手したいということでございます。
○岩垂委員 だから見切り発車をするかしないかと聞いているんですよ。イエスかノーか。
○志満説明員 見切り発車することはありません。
○岩垂委員 岡本さん恐縮ですが、実は昭和四十七年十一月十五日なんですが、横須賀にミッドウェーを寄港させる、母港化という見方についてはいろいろありますけれども、それに関連して、実は新たな施設、区域の提供を要するものではないということを外務省のアメリカ局長から横須賀市長あてに、文書をもって意向照会が行われている経過があります。これはストレートにミッドウェーのことを言っているんじゃないですよ。弾薬庫として使うとか使わないとかというような今みたいな議論をやっていたのでは不安は消えませんよ。こういう前例があるのです。外務省のアメリカ局長が照会して、そして横須賀の市民に対して――その後破られましたけれども、破られたのは、かなり時間の経過があって破られて、私は国会で追及していますが、こういう手法は外務省としては考えられないのですか。
○岡本説明員 ただいま先生御指摘のとおり昭和四十七年十一月十五日付でアメリカ局長から横須賀市長へあてて書簡が発出されておりまして、ミッドウェーの乗組員家族の横須賀居住は新たな施設、区域を必要とするものではないという言明がなされております。ミッドウェーの家族の居住計画につきましては、その後四十八年から始まり、今まで十年以上を経まして施設、区域内あるいは民間の借家の利用等によりましてその手当てがなされてきております。
 今回の池子におきます住宅建設計画は、あくまでもその後生じた米軍の一般的な住宅不足という状況に対処するためのものでございまして、昭和四十七年のアメリカ局長書簡のお話とは全く別物である点を御理解いただきたいと思います。
○岩垂委員 岡本さん、それを聞いているのじゃないですよ。それはこの前も同じことを答えられたから、そのことを言っているのじゃなくて、地方自治体が市民の不安を代表して外務省に文書で照会したものに対して外務省が、それはもちろんアメリカといろいろやりとりがあるのでしょうが、そういう形で弾薬庫に使わないとか今後基地の使用をしないとかという保証の手だては、保証と言っては悪いけれども、意向照会ですね、そういうことは今ごろは余りやってないのですか。そういうことだけ聞きたかったのです。
○岡本説明員 私ども、日米安保条約の円滑な運用、その実施は、我が国の安全保障のために全く必要なことだという認識のもとに、いずれの場合につきましても地元の御理解を得ながらやるようにしているわけでございます。したがいまして、私どもといたしましても、施設、区域がある地域の住民の方々とは機会があるたびに接触を持ち、また対話、御説明に努めてきているわけでございます。
 先生御懸念の点につきましても、そのような観点から、私どもとしてはこの弾薬庫が将来弾薬庫として再使用されることはないであろうという私どもの見通しをるる御説明してきて、住民の方々のその点の御懸念に対しては十分こたえてきているつもりでございます。
○岩垂委員 こたえてきていると言ったって、それに対して市民が納得してないわけですから。まあいいです、そのことをやりとりしていても時間がたつばかりでございますから。
 今度の名称変更というチャンスがあるならば、これらの問題に関連をして、弾薬庫として再使用しないということを明確な形で市民に約束をしないと、三十三項目を約束をして協力をしようと言った三島さんのお立場さえ非常に難しいというか、市民の信頼を一層損なうことになりかねない、そういう仕打ちを今度のやりとりの中で暴露したとあえて私は申し上げておきたいと思います。
 問題は、私どもは全面返還を主張しております。そういう立場を一層貫いていくつもりでございますけれども、少なくとも今度の場合でも誠意がない。例の、この前国会で私が問題にした海兵隊が訓練をするというふうなことを含めて、やることなすこと誠意がない。まさに要らざることをやって刺激をして、皆さん方が進めよう進めようということにむしろ反対の世論をつくっている。これは反面教師みたいなものだ。そういうことをこれからも十分気をつけていただきたいし、私どもとしてはそのことについて許容することはできない。そのことを明らかにして、施設庁と外務省結構です。
 続いて、運輸省おられますか。今問題になっている新石垣空港の建設に関連をしてお尋ねをいたしたいと思います。
 漁業権消滅海域が空港の予定海域よりも小さいことが明らかになって、今沖縄で大問題になっています。このことを知っていますか。知ったとすればいつですか。
○堀井説明員 お答えいたします。
 新石垣空港計画と同空港の周辺の漁業計画との間に整合性がとれていないという件につきましては私ども承知をしておりますが、承知をいたしましたのは昨日でございます。
○岩垂委員 NHKの報道によりますと、沖縄県は昭和五十八年の末にこの事実を知ったということを認めています。しかし、その次の年の五十九年三月の沖縄県議会で社会党の友寄県会議員の質問に対して、このことは問題がない、権利はないという意味のことを答弁しておられます。これは当時の土本部長が知っていてこういう答弁をしているのです。これは県民に対する背信行為と言うべきですよ。その事実を承知しながらほおかぶりして五十八年、五十九年、六十年、そして六十一年まで含めて予算要求をし予算を確保してきたということについてどのように思いますか。
○堀井説明員 お答えをいたします。
 この新石垣空港と同空港周辺の漁業計画につきましては、昭和五十五年の六月に八重山漁業協同組合がその総会におきまして漁業権の放棄を決議したということを踏まえまして、たまたま昭和五十八年に当該共同漁業権の更新の時期に当たっておったということから、新空港予定区域を新漁場計画から除外し手続を進めだと聞いておりますが、その手続の中で、空港計画そのものと新空港埋立予定区域で削除された新漁場計画との間に部分的に相違が生じた。この原因につきましては、県の方に問い合わせをいたしましたところが、県内部の調整の中で手違いによって発生したというふうに聞いておるところでございます。したがいまして、五十八年九月の新漁場計画において共同漁業権、これは第二十四号と称しておりますが、二十四号の漁場として法律的に残存をしておるということになるわけでございますが、これにつきましては公有水面埋立出願までには支障のないように手続を進めるというふうに聞いております。
 また一方、八重山漁業協同組合との漁業補償契約の中では、消滅等につきましては空港計画ときちんと整合しておるということでございます。
○岩垂委員 手違いをお認めになったが、私はその図を拡大してあなたに見えるように言うけれども、南側と北側、これだけの面積の食い違いがあるのです。こんな初歩的なミスを手違いと言ってごまかせますか。これでは飛行場はできませんよ。埋立申請もできませんよ。十一・九ヘクタール。北十一メートル、南八十三メートル。漁業権を放棄してない部分が空港計画として位置づけられている。私は、この地図というのを県の資料に基づいて専門家にプロットしてもらって土木工事工法を含めてつくってもらったのです。こういうずさんな計画を後で手直しできれば何とかなるという始末をしていいのですか。運輸省、予算を全部つけていたんでしょう。沖縄県に対する管理監督はこういう問題を含めてどうなるのですか。その点どう思いますか。
○堀井説明員 お答えいたします。
 先生御指摘のように、漁業権の抹消の部分と空港計画といったものが整合しておることが望ましいのは当然だと思います。ただ、そこの点が手違いによって整合がとれておらないということによって、その空港計画そのものがおかしいとかそういうものではないというふうに私どもは解釈をしておるところでございます。
○岩垂委員 余り強弁しない方がいいですよ。
 それでは、漁業権を放棄して、まだ残っている。手続をどうするのですか。これは県知事の瑕疵ではないのですか。手違いというのは瑕疵でしょう。それはどうですか。
○堀井説明員 お答えいたします。
 先ほど申しましたように、漁業権を削除された部分と空港計画が整合しておるということが望ましいのは当然だと思っておりますが、ただこういうふうな手違いが生じておることは私ども非常に残念に思います。したがいまして、この残っておる部分の漁業権につきましては八重山漁業協同組合の同意をとって埋立免許等の手続にかかるということで、円滑に推進をしていきたいという県のお考えのようでございますが、特にこの点について法律的に問題があるというようには解釈をしておりません。
○岩垂委員 この面積たけ漁業権放棄をしました。ところが県の公報で示した公図はこれです。県の公報というのは公文書ですから、これで示されたものは漁業権を放棄したところよりも広くなっている。つまり放棄してない部分がある。それは県の手違いだとおっしゃっている。県の手違いでやったものを、県の方が今度もう一遍八重山漁協に行って、おいあのときは間違ってしまったからもう一遍漁業権放棄するそういう手続をしてくれよといって説得するというようなことが当たり前のことみたいな答弁をしているけれども、一体行政としてそれでよろしいかどうか。今のあなたのような責任を感じてない答弁にはいささかも私は納得できません。明らかに県の手違いとあなたはおっしゃった。県の手違いはあなたはそのまま認めるのですか。運輸省は認めるのですか。そしてどんどん工事を進めようとしているのじゃないですか。そんな運輸省の態度では許せません。この法律手続というのはどうやってやるのですか。
○堀井説明員 お答えをいたします。
 八重山漁業協同組合と五十九年に交わしました漁業補償契約の中身は空港計画と完全に整合しておるということでございますし、公有水面埋立法の出願に当たりましては権利者の同意が必要でございます。したがいまして、そのずれておる部分の漁業権が残存しておるわけでございますが、これにつきましては八重山漁協の同意をとる必要があるというふうに考えております。
○岩垂委員 ではもう一つ言いますよ。そういう食い違いだけで済まないのですよ。
 公害防止区域、つまり工事を施工するに当たって、工事期間中に埋立区域線から前面五十メートルぐらい、そこに水域を確保して、この水域に公害防止対策のための汚濁防止幕などを設置する、そして公害対策に役立たせると言ってきた。ところが、その五十メートル間隔の区域、つまり私がこの地図で示せば、長官、これは白いところですよ、ずっとぐるぐるっとそうですよ。この部分も漁業権を放棄していないのです。それで飛行場をつくるというのです。環境行政から見たって、これは重大な問題ですよ。どんどん土砂を埋め込んでいくわけですから、海が全部汚れてしまうのですよ。そんなことは飛行場をつくるときのイロハのイでしょう。ところが、その部分も放棄していないのですよ。それも手違いで申しわけなかった、この部分の漁業権をまた放棄してください、そう言って漁民に説得をして歩くということは、法律上云々というような問題があるにしても、私は明らかに県の瑕疵だと思うのです。課長は手違いと言いました。手違いというのは瑕疵のことですよ。
 もし手違いでという議論になっていけば、これを修正する場合には二つの方法がある。一つは、確かに今課長が言ったように、もう一遍漁業組合へ行って頼んで、口説いて、そして協力をいただくという手もあるでしょう。しかし、これは明らかに県知事の瑕疵ですよ。だとすれば、漁業法四十条の免許の取り消しみたいなことを含めてやっていく方法も考えられなければならないが、これをやると、今白保で裁判をやっているのです。その裁判の六回にわたる公判の過程で、沖縄県は免許の手続には一切瑕疵はございませんということを裁判所で言い続けてきたものだから、それを言うと裁判の方がやばくなるから、裁判に影響を与えるから、それでは困るからもう一遍漁協の説得にかかろう、こういうこそくなことをやっているのです。こんなことが、よくあることですと言って認められるでしょうか。
 しかも大事なことは、その白保の飛行場をつくる地元の人々は自分の生活権を奪われる。そして世界でも有数なサンゴ礁、これはいろいろ評価があるかもしれませんけれども、少なくとも国際的に見ても立派なサンゴ礁だ。アオサンゴの群落なども含めて東洋のガラパゴスなどと言われているその部分を埋め立てる、こんな乱暴な話がありましょうか。こういう手続的なミスだけじゃなしに、もう既に問題が起こっている事態に対して運輸省がそういう責任のない態度でこの事態をおさめていく、そういう態度はまことにけしからぬと思いますけれども、もう一遍御答弁をいただきたいと思います。
○堀井説明員 お答えをいたします。
 消滅しておる範囲の五十メーターのところには制限補償という形、さらにはまた、その周囲には影響補償ということで八重山漁業協同組合とは漁業補償交渉が成っておりますので、先ほど先生がおっしゃいましたような埋め立て部分だけというわけではないということでございます。
 それから、手違いによってこのような事態になっておるわけでございますけれども、いろいろなやり方といったものは考えられると思いますし、私どもも検討してまいりたいと思っております。
○岩垂委員 漁協法の五十条でいくという話は、結局漁業法の四十条でいくと裁判に影響があるので、それが一番簡単なんだが、あるいは多少漁業調整委員会の協力も必要だから問題はあるけれども、漁業組合だけに責任を転嫁して、そして後始末をつけようなんというやり方は、県民を冒涜するだけでなしに裁判所を冒涜しやしませんか。そんなやり方というものについて、こんなずさんな計画で運輸省はこれからもどんどんおやりなさいと言うつもりですか。
○堀井説明員 お答えをいたします。
 新石垣空港は第三種空港でございますし、沖縄県知事が設置、管理をされる空港でございます。したがいまして、基本的には沖縄県知事が新空港についてどのように御判断されるかということに帰着するというふうに私どもは思っております。したがいまして、従前からいろいろな市町村における建設促進の決議あるいは県議会において同様の趣旨の促進決議がございますけれども、そのような点も踏まえ、しかしながら一方で、先生御指摘のように、白保の住民の方々の根強い反対があるということもあり、県並びに石垣市に対しまして幅広いコンセンサスが得られるように要請をしておるところでございまして、そのような情勢を見つつ私どもも検討してまいりたい、こう考えておるところでございます。
○岩垂委員 旅客数の見積もりが年間百六十万人、多い、下方修正をするということをここでも私伺ったことがございますが、百万に抑えたのですか。
○堀井説明員 お答えいたします。
 以前に推計をしております数字につきましては非常に大きいということで、現在の航空需要なり社会情勢、経済情勢等を勘案をして下方修正していかなければいけないだろうということは以前にも申し上げたわけでございますが、現在第五次の空港整備五カ年計画を策定中でございまして、その中で試算を現在やっておる最中でございます。その中間的な結果によりますと、石垣空港の乗降客数は昭和六十五年度で百万強程度になるのではなかろうかということでございます。
○岩垂委員 もともと二千五百メートルの滑走路が必要だという前提は、百六十万人の乗降客が来る、だから今ので間に合わない。百六十万が百万に減りました。実は百万も私はおぼつかないと思うのです。それに対して、結局市長さんや県知事さんは農産物を直送するというようなことを考えたらどうだということをおっしゃっておられた。つまり、乗客から貨物の方にそのウエートを移された。ところが、貨物の方は、後ほど機会があれば申し上げますけれども、大変立派な石垣の港をつくる予算がついて、その工事がこれから進められようとしている。貨物の方はどちらかと言えば船、これは飛行機じゃ高くてしようがないですからというふうなことも考えてみると、二千五百メートルの滑走路をつくるという根拠が少し薄くなってきているというふうに私は思うのです。
 それだけじゃなしに、これから若干長い時間がかかるのかもしれませんけれども、運輸省そして通産省を含めて日本政府はSTOL、つまり滑走路の短いところで間に合う飛行機の開発をやっている。「飛鳥」のことも新聞で拝見をした。そういう状況なんだから、しかもこれは低燃料で低騒音だと言われている。国に予算がないのですから、そういうことを全体、ちょっと長期的に、これから飛行場をつくったって時間が相当かかるわけですから、確かにSTOLがすぐ間に合うとは言わないけれども、そういうことを考えた上で現空港の拡張をすべきだということを私は言ってきたのです。これらの状況を運輸省は見て地方自治体をリードする、指導するあるいはその要望に対応する、こういうことでないと取り返しのつかない事態になってしまうだろうと私は思うのです。
 地元の人たちは本当に強いですよ、自分たちの生活権の問題ですから。しかも、今や国際的に史で白保のサンゴ、白保の海を守ろうという運動が広がってきている。ついせんだっても那覇市でWWFのシンポジウムがあった。あるいは経済学者宇沢弘文さんを先頭にして経済のアセスもやろうということまで言って調査をしている。これだけの広がりなんですよ。そういう状況のもとで、イージーに運輸省がこれからも工事をどんどんさせていくというようなことは、私はどうも納得がいかない。
 そういうことをぜひ検討を願いたいということをまず前提で申し上げながら、予算の方は、五十九年、六十年というふうに予算使っていませんね。どうですか、それだけ答えてください。
○堀井説明員 お答えをいたします。
 昭和六十年の予算といたしまして三億五千万を用意しておりますが、これについてはまだ執行しておりません。
○岩垂委員 五十九年は。
○堀井説明員 五十九年につきましても執行しておりません。
○岩垂委員 幾らですか、五十九年は。
○堀井説明員 五十九年も三億五千万でございます。
○岩垂委員 五十九年三億五千万、六十年三億五千万、この調子でいきますと、埋立申請はことしどころか来年もなかなか見通しがつかないという状況、私はいろいろな手続を逆算してそう楽ではないというふうに申し上げたいと思うのですが、運輸省は大蔵省に対して新年度の予算もつけていくわけでしょう。幾らですか。
○堀井説明員 昭和六十一年度の概算要求におきまして、新石垣空港分といたしまして三億五千万を要求させていただいております。
○岩垂委員 五十九年、六十年、六十一年、三億五千万ずつ。全然使われていない。そして来年度使うという可能性について言えば決して明るくない。埋め立ての免許もなくて、それに関連して、例えば予算を使わなければむだになるということでテトラポットの発注やあるいは工事のための道路の建設や、あるいはエプロン部分のフェンスをつくりたいとかいうことを考えているようです。埋立申請もないのに、飛行場が当然つくられるものだということを前提にしてどんどんどんどんお金が使われていくというような事態を一体どのようにお考えなのか。
 少なくとも五十九年度予算はどうなるか、私はそういう場合には工事をとめさせるべきであるというふうに思いますが、五十九年の予算がどうなるか。そして工事のそういうイージーな発注をやめさせるべきだと思いますが、いかがですか。
○堀井説明員 今の先生が御指摘のございました例えばエプロンにかかわりますようなフェンスでありますとかあるいは消波ブロックといったものについてやりたいというような話につきましては、私どもも承知はしておりません。
 それから、五十九年度の予算でございますが、御指摘がございましたように埋立免許等の手続がおくれておるという事態でございますので、五十九年度予算につきましてはもう当然繰り越しておるわけでございますけれども、非常に執行が難しいというふうに私どもは考えております。
○岩垂委員 執行が難しいという場合はどうなるのですか。難しかった場合。
○堀井説明員 お答えをいたします。
 五十九年度予算につきましては不用額という形にならざるを得ない一かと思います。
○岩垂委員 補償金なんだけれども、これは何について支払いをされるのですか。補償金の内容。
○堀井説明員 これは先生、何年の分の予算でございましょう。漁業補償の関係でございましょうか。
○岩垂委員 漁業です。
○堀井説明員 これは五十八年度に漁業補償を支払っておりますけれども、四億五千万でございますね。これにつきましては埋立地による漁業権の消滅並びに一部影響補償水面がございますし、それから制限水面等の漁業制限に伴う補償額を積み上げて支払うものでございます。
○岩垂委員 進入路に対しては、今言ったように漁業権が放棄されていませんね。進入路のここのところです。されてないでしょう。
○堀井説明員 今先生おっしゃいましたのは進入灯の部分だと思いますけれども、これも消滅の区域に入っておるというふうに聞いております。
○岩垂委員 聞いておるけれども、それはまだそういう確認になっていないんでしょう。まだ、今現在消滅してないんでしょう。
○堀井説明員 お答えいたします。
 共同漁業権第二十四号からは削除されておりません。
○岩垂委員 ところが、それに補償金を払っているのです、削除されないところまで。これはどういうことなんですか。――まあ、もう私言いませんよ。とにかく話にならぬですよ、これは。
 それから、もう一遍伺いますが、一人でも反対があれが補償金というのは配分できないというのは、たしかことしたと思いましたが、三月の二十日かな、別大道路の拡幅に伴う埋め立てのときに福岡高裁判決が出ていますね。知っていますか、それを。
○堀井説明員 存じ上げておりません。
○岩垂委員 一人でも反対があればこれは配分できないのです、少なくとも高裁判決に関する限り。その点は頭に置いてください。
 建設省おられますか。――今申し上げましたように、もう飛行場計画の極めて初歩的な部分から、次から次へと、今の漁業補償の問題を含めて沖縄県がやっていること、それを全部運輸省が追認をしているということを私は申し上げるつもりはないけれども、しかし少なくとも飛行場をますます進めていこうというふうなことをしている状況のもとで、埋立申請が出されてきたときに、建設省も、次から次へと沖縄県は勝手なことをして困ったものだというのが本当の心境だと私は思いますが、それはそれとして、これらの問題についてきちんと申請が出されてきた、その前提を押さえることについて、それからまた同時に建設省は今それをどう受けとめているかということについて、一問だけお尋ねをしておきたいと思います。
○二橋説明員 お尋ねの石垣島の飛行場につきましては、公有水面埋立法の面から申しますと、まだ県知事に対する埋め立ての申請が行われていない段階でございます。
 本件の埋め立てにつきましては、計画によりますと面積が五十ヘクタール以上ということになりますので、建設大臣の認可を要することになると考えられます。その知事から認可申請が出てきました段階で、建設省といたしましては、免許権者でございます沖縄県知事の意向を踏まえながら、環境庁の御意見も聞き、慎重に審査をする所存でございます。
○岩垂委員 大蔵省、長いこと待たせて済みませんでした。
 今申し上げたように、大前提が全然できてないんですよ。それでとにかく三億五千万、三億五千万、三億五千万と、五十九年のものはもう不用、もう使えないということです。これは来年度もそう簡単に大蔵省が予算をつけるとは私は思わないけれども、慎重に対応していただくということについて御答弁を。どうも一問で大変申しわけないけれども。
○涌井説明員 五十九年度三億五千万計上したもの、これは六十年度に繰り越しになっておりまして、多分このままいくと不用になる可能性が大いにあると思います。六十一年度とうするかは、今後の予算編成の課題でございます。関係省庁とも十分議論して、どうするか考えていきたいと思います。
○岩垂委員 どうするか考えていくんじゃなしに、あなた主計官なんだから、今の国の財政赤字というような事情を含め、厳しい財政事情というものはだれでもわかっているわけですから、慎重にこの辺について対応していただきたいと思いますが、もう一遍御答弁を煩わしたいと思います。
○涌井説明員 大変厳しい財政事情ということは御承知のとおりでございます。そういう中での公共事業の配分でございますので、慎重に検討していきたいと思います。
○岩垂委員 環境庁長官、今やりとりをいたしました。私もう時間がないものですから、もうちょっと細かく、皆さんにわかっていただけるように、今の計画のずさんさ、それから問題点というものをお話をする時間があればいいのですけれども、きょうはまだ質問もございますものですからこの辺でこの問題は締めくくりますけれども、環境庁として白保のサンゴを守ってほしいということは、私何回か訴えてきました。環境庁がせっかく海中公園に指定したところの過半はもうほとんどなくなっちゃっています。そういう実態の中で、サンゴを守っていただくという御努力をお願いすると同時に、やはり政治家として、地元がそう言うからとにかくどんどん工事を進めていくというようなことはやめてほしいと思いますし、同時に三省庁協議という問題もございますから、ぜひひとつ慎重に取り組んでいただきたい。少なくとも、一番関係のある地元の同意のないままに突っ走っていくようなことはやめるべきだ。成田空港の例を見ればわかるのです。どんなに金がかかったか。建設費用だけでなしに、アフターケアを含めて、どのくらいかかっているか。そのことも含めてお考えをいただいて、この問題についての御答弁をいただきたいと思います。
○石本国務大臣 お答えをいたします。
 ただいまいろいろと先生のお話を聞いていたところでございますけれども、事業者である県が十分な調査を行う、これが一番肝要な問題であるというふうに考えておりますので、さらに専門家あるいは学識経験者の意見を十分に調整してほしいというふうには思います。
 なお、埋立計画が具体化いたしますと、公有水面の埋立立法の手続の中で、主務大臣の認可に際しまして環境保全の観点から意見を求められることになるというふうに考えておるのでございまして、その際には慎重に審査し、適切に対処してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○岩垂委員 運輸省と建設省に最後にちょっとお願いしておきますが、地元というのは一番直接関係のあるところですね。そこがやはり反対をしている。同意を得られていない。こういう状況のもとで、そういう意見というものを十分に尊重していただきたい。これは今までも地元の人たちに親切に会っていただいております。そういう意味で、これからも地元のそういう人たちの気持ちを十分配慮しながら進めていくということについて御答弁を煩わしたいというふうに思います。両方お願いいたします。
○堀井説明員 お答えをいたします。
 近辺の直接の住民でいらっしゃいます白保の住民の方々等も私どもの方においでになりまして、現地の情勢あるいはお考えといったものを私どもに強く訴えられておるということでございますが、私どもも直接の関係者でございますし、よく耳を傾けておるということでございます。
○二橋説明員 これまでも地元の方々の御意見はいろいろな形でお伺いいたしておりますが、今後とも県当局あるいは地元の方々の意見を機会あるごとにいろいろお聞かせいただきながら対応してまいりたいと考えております。
○岩垂委員 ありがとうございました。じゃ、運輸省と建設省、大蔵省、結構です。
 それでは、委員長初め環境委員会のメンバーで青秋林道を視察しましたから、これを質問しないと怒られちゃいますから、質問をしてみたいというふうに思います。
 最初に、最近、国の原生自然環境保全地域あるいは自然環境保全地域の指定が五十七年ぐらいから激減をしている。同じように各都道府県の自然環境保全地域の指定も、これは新たな指定だけでなしに追加指定も停滞しているというふうに承っている一方で、すぐれた自然環境、自然林が伐採されたりスキー場がつくられたりというようなことでいろいろな問題が提起されていますが、環境庁にお伺いします、それはどういうわけでしょうか。これは都道府県の努力というものもあるのでしょうが、そういうものをやはりリードする役割を環境庁に積極的にしてほしいと思うのですが、いかがですか。
○加藤(陸)政府委員 先生の御指摘になりました傾向、全体としてはおっしゃるようなことになっております。おっしゃるようなという意味は、新たな自然環境保全地域あるいは原生自然環境保全地域、都道府県の分も含めまして、最近の指定というのは少のうございます。ただ、これはその熱意がなくなったということではございませんで、多言をいたしませんが、なすべきところは相当精力的にやってきたということと、その後、いいところがないとは言いませんけれども、適地というもの、あるいは合意がぴしゃっと得られるというところがなかなか難しいところが若干残っておる、こんな状況のせいかと思います。他方、失われてしまわないうちに地元の方とも十分相談しながらいろいろな手を打ちたいということは考えてまいりたいと思っておりますので、御理解願いたいと思います。
○岩垂委員 これは財政的なバックアップの体制の問題もあるのですよ。私はもう言いませんけれども、ぜひそういう点の配慮を願いたいというふうに思います。
 それから林野庁にも、最近は国有林というのは国民の共有財産だ。しかも、いわゆる資源というのは、材木だけではなしに、そこにある自然を含めて国民の財産だ。特に、最近のように自然破壊が行われている状況のもとでは、こういう自然を残していく、国土の荒廃を救っていく、そういう点で取り組まなければならぬというふうに思いますけれども、そういう中で林野庁も積極的にこういう問題の指定などについて御努力をいただきたいと思いますが、これは前段でございますけれども、御答弁を願いたい。
○塚本説明員 自然環境保全地域の指定につきましては、林野庁といたしましても、最近の森林をめぐる情勢等を十分踏まえまして、環境庁から具体的協議のあった時点で検討してまいりたいと考えております。
○岩垂委員 この間私ども見に行きまして、例の青秋林道、奥赤石林道の開削工事に関連をしまして、これだけ全国的な問題になっているものですから、皆さんもそれなりに御努力をいただきたいと思うのですけれども、今調査をしているその最終報告というのはいつごろになるのですか。
○塚本説明員 現在行っております白神山地森林施業総合調査につきましては、五十九年度、六十年度にかけて実施をいたしておりまして、最終報告は年度末にでき上がるということになっております。
○岩垂委員 私もこの間あれしたのですけれども、例の路線が変更になった、ルートの変更によって、秋田の方から道路をつくっていくわけですが、青森県側の工区である鯵ケ沢管内に三キロ食い込んでいるでしょう。これはわかりますね。こういう工事というのは、秋田県が、青森県の領土とは言いませんけれども、よその地域へ道路をつくっていくというようなことはどういう法律的な根拠なんですか。そういうことは簡単にやれるのですか。
○田代説明員 施行主体でございます両県が協定等を結びましてできることになっております。
○岩垂委員 その法律的な根拠は。
○田代説明員 ちょっと法律的根拠までよくわかりませんが、地方自治法だというふうに私は理解しております。
○岩垂委員 私率直に言うと、調査を今やっているわけでしょう。その間にどんどん工事をやっているという実態は、調査というのが何の意味になっているのかなということを尋ねなければならぬのですけれども、こういうことはいささかも矛盾を感じませんか。
○田代説明員 お答えいたします。
 御承知のように青秋林道は、青森と秋田の両県が、森林資源の合理的な利用、森林資源の保全あるいは地域振興というようなことに資するという判断で、五十七年度以降事業主体となって実施しているものでございます。現在国有林で調査を進めております白神山地森林施業総合調査につきましては、今後のその地域のブナを主体といたします広葉樹の天然林につきまして、自然環境の保全の要請と木材資源の利用の要請とをどうやって調和させるかということを総合的に検討するものでございまして、林道の開設そのものの適否を判断するためにやっておるものではないと理解しておるわけでございます。
 この林道の開設につきましては、実施主体でございます両県が諸般の事情を十分に考慮して適時的確な判断のもとに開設していると私どもは考えておりますが、現在のところ両県とも継続実施を強く望んでおるものでございます。また、早期完成を熱望して用地提供その他いろいろ林道の開設に積極的に協力していただいております地元住民に対する影響等を考えますと、これを安易に中断といいますか、やめて待っておるというようなことはできるだけ避けたいというふうに基本的に考えておる次第でございます。
○岩垂委員 今あなたがおっしゃったように、林道をつくっていく、その先々がどんどん切り倒されておるわけです。そういう状況を考えてみると、林道とブナの原生林がどんどん損なわれていくということとは裏表の関係にあるものですから、調査をしてそれをどう守っていくかという観点をも含めて、現実に今調査が進んでいるのですから、その辺のところを考えたら、一方で林道をどんどんつくっていくことはいかがなものかということを私はあえて申し上げておきたいと思うのであります。
 実は、これは調査に行ったときに私申し上げましたけれども、林野庁の自神山地の中間報告というのがございました。そのときも指摘しましたから私はもう詳しくは言いません。言いませんが、だれがどう見ても一体現場を見たんだろうかという疑問を感じましたので、私聞きました。団長さんの個人の名前を申し上げるつもりはございません。しかし、この報告書をまとめられた団長さんは現場を見ておられません。見てきたような何とかとは言いませんが、率直なところ、いろいろな問題があるということを地元の人たちだけでなしに関係者が指摘をしているところです。これはもう申し上げません。二十数カ所問題点がある。
 こういう意味では、この中間報告の延長線上に最終的な報告があるというふうに考えたくございませんので、きちんとやはり専門家の、そして地元の人たちの批判にたえ得る、しかも現場を踏んだ調査にしていただきたいということは言うまでもございませんが、あえて申し上げておきたいと思います。いかがですか。
○塚本説明員 白神山地森林施業総合調査の中間報告に対しましては外部の方々からいろいろと御意見が寄せられておるということは十分承知いたしております。今後最終報告に向けまして、これらの御意見につきましても参考としながら、よりよき結論を得るように努めてまいりたいと思っております。
○岩垂委員 私も参加をしたのですが、そして新聞やテレビでもかなり大きく報道されていましたけれども、六月に秋田でブナ・シンポジウムというものが行われました。私も実はびっくりしたのですが、会場に入り切れないほど人が集まって、マスコミの皆さんの大変な御協力もいただいて、ブナと言われるものが日本の文化とのかかわりを含めて問い直されるという場面でございました。
 そのときに、これは実は去年の予算委員会でも私は申し上げたことなんですが、国連のMAB、マブ計画というものがあるのです。私はそのことは余り知らなかったのですが、そういう原生林を残す場合に、例えば白神山地で言うと四万五千ヘクタールのブナ林がある、そのうち一万六子ヘクタールの原生。的環境についてはコアエリアとして、原生保護地域というのですか、残りの三万ヘクタール弱については十分なバッファーゾーン、緩衝地帯をその辺にとった上で、自然林資源の枯渇を招かぬように、そして更新を図りながら上手な利用、すなわち地元のための林業を図るというふうなことができないか、こういう指摘がございました。それはもう御存じだと思うのですが、こういう考え方に立ってちょっと伺ってみたい。
 もう時間がございませんからまとめてお伺いしますが、環境庁にお尋ねしたいのは、一万六千ヘクタールと私言いましたけれども、少なくとも白神山地の原生流域、それから青森県側の追良瀬川源流、暗門川源流、それから秋田県側で言うと粕毛川上流部、全部合わせると一万二千五百になるのです。これは実は環境庁の一九八二年の「日本の自然環境」の中に、そういう原生のものを守るべきだという気持ちを込めて、記録といいましょうか、載せられています。だから環境庁が自然を考える場合には、自分でつくってきた、つまり評価といいましょうか、そしてそれを世に問うた、こういう範囲を含めて考えるべきだと思いますけれども、今、県の方と自然環境保全地域の問題についてどんな話し合いをなさっていらっしゃるのか、お聞かせいただける範囲で御答弁をいただきたいと思います。
○加藤(陸)政府委員 委員長を初め先生方、現地をつぶさに見ておられますので大変お詳しい御質問でございますが、実は今の問題点につきましては、その前提として、自然環境保全地域としてなるべく早く指定をしなさいという御指導といいますか御指示をいただいておりまして、その方向で努力しておる段階であることをまず申し上げさせていただきます。
 先生が今具体的におっしゃいました面積をどの程度にというのは、結局、どの範囲を自然環境保全地域、特に国のレベルの自然環境保全地域という方向になります場合にどの程度をというのが相当煮詰まってまいりませんと、面積、どこをどうこうというところまではなかなかまいりませんので、型どおりになって恐縮でございますが、県、林野庁その他関係の皆様方が各種の調査もいたされておりますし、この自然環境保全地域の設定に係る保全対象の中身とか広がり等、技術的評価を踏まえましてやっていきたいと思っておりますので、地元両県等関係機関と十分協議中のところでございます。
 面積の広がり、先生具体的な数字も若干おっしゃいましたけれども、それがどれくらいのところへおさまるかにつきましては、現時点では明確なことはちょっと申し上げかねますので、御理解願いたいと思います。
○岩垂委員 環境庁が地元との話し合いの経過で、白神山地の青森県側の櫛石山頂付近から赤石川流域と粕毛川流域というふうに承っていまして、追良瀬川流域や暗門川の源流の保全については余り熱心でないというふうにも承っていますので、もうこれ以上申しませんけれども、ぜひそのことを頭に置いていただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。
 最後に林野庁に質問をいたしますが、私ども一万六千ヘクタールというふうに言っています。これは青森県側は一万一千五百ヘクタール、秋田県側は四千八百ヘクタール、こういう数字になるわけです。正直言うと、一万六千というのをびた一文まけられないという議論をここでするつもりはございません。ございませんが、今環境庁が言った自然環境保全地域、これはうわさによれば六千五百ヘクタールというふうにも聞いていますが、それはうわさの範囲を出ないものだとして、下から上がってきているのですからそれはそれでうわさといったって真実のあるうわさなんですけれども、それ以上言いません。
 それはそれとして、それも分断をしてしまったんじゃ何の意味もないのですよ、これは。問題にもならぬ、率直のところ。だけれども、環境庁が努力するというのだから、それでも私はこんな少ない面積で、さっき申し上げたように、本当に守るつもりがあるのかとあえて言いたい。しかし、問題は指定するにしても分断をしてはいけないということが一つ。
 それから、今話題になっているような六千五百というようなことは、今言ったような背景のもとで余りにも問題がある。これは環境庁、もっと頑張ってもらわなければ困る、このことが大前提。そのことを前提にして何らかの形で林野庁は今のこの原生林を残すこと、そして同時に、もちろん利用という考え方もあるのでしょうが、そういう考え方について、学術研究のためだとかレクリエーションだとか、そういうことをも含めて、この一万六千全体の、私は一万六千全部守ってと言いたいのだけれども、しかしそれはそれとしてお話し合いをする余地はもちろんあると思いますが、そういう多目的な利用のことを含めて、もう本当に、おとといもNHKテレビで放映されました。全然関心のない人まで、あれはすばらしかった、あんな自然を残したい。それは遠く離れていても、私たちの日本のすばらしい自然だというふうに感じている国民が非常に多い条件のもとですから、残していくための御努力をいただきたいと思うのですが、その辺の答弁をいただきたいというふうに思います。
○塚本説明員 白神山地のブナを中心とします天然林につきましては、学術的に見ても大変重要なものであるという認識を持っております。したがいまして、今後この地帯の森林の取り扱いにつきましては、現在行われております白神山地森林施業総合調査の結果を踏まえて適切に対処してまいりたいと考えておりますが、自然環境保全地域の指定につきましては、環境庁から具体的な協議があった時点で検討を進めてまいりたいと思っております。
○岩垂委員 環境庁から言われたからやるというのではなしに、林野庁がこれだけ世論のバックアップを受けて日本の森林を守っていく、国土の保全だけでなしに失われつつある自然や緑を残していく、そのことが、大変財政は厳しいけれども国民の利益を広い意味で守るのだということを堂々と訴えながら、その利用の仕方をも主張していかなければ、国鉄と同じになっちゃいますよ。そういう始末のところへ追い込まれていく前に、森林が持っている効用というものを国民的なレベルで理解をいただき、御協力をいただく努力をすべきである、その試金石がこの白神山系のブナの原生林である、このことを主張して、最後にもう一遍、多面的な利用の問題について御答弁をいただきたいと思います。
○塚本説明員 先ほど申し上げましたように、この白神山地のブナを中心とする天然林につきましては、学術的にも大変重要なものであるという認識を持っております。したがいまして、私どもとしましては、現在進めております森林施業の総合調査を受けまして林野庁として具体的な方向づけを行っていくということになりますが、今お話のございましたように、森林の総合的利用という観点に立ちまして、ブナ林について保存すべき学術参考林等を設定する等、御指摘の趣旨も十分踏まえながら今後取り扱いについて検討してまいりたいと思います。
○岩垂委員 きょうは初めて学術研究というふうなことも含めて取り組みたいということだというふうに思いましたので、これで終わりたいと思います。ちょっとオーバーして済みませんでした。ありがとうございました。
○辻委員長 岡本富夫君。
○岡本委員 きょうは地盤沈下の問題それから交通公害、最後に航空公害の問題について質問いたします。時間が非常に少のうございますので、的確にお答えをいただきたい、これを最初に要求をいたしておきます。
 私どもは昭和四十二年に公審対策基本法を制定いたしました。そのときに、典型公害の中に地盤沈下というのを入れたわけです。と申しますのは、地盤沈下によって起こるところの被害というものは非常に大きい。例えばメキシコ地震でも、地盤が非常に弱いところについては大きな被害を受けている。被害があってから、いろいろなものがあってからその対策をするというような後追いではならないということから、環境保全ということで委員会も置かれたし、立法もされ、そういうことで最初は特別委員会であったのが常任委員会になったわけです。したがって、環境庁も非常に権限を持ったというように私たちは解しておるわけであります。
 ところが、四十二年に制定された基本法の中の典型公害の中で規制法ができていないのがこの地盤沈下。これはなぜまだ規制ができないのか、また現在の取り組みについて簡単にひとつお答え願いたい。
○谷野政府委員 ただいま御質問にございましたように、地盤沈下につきましては典型公害ということで法律に明示されているということは御指摘のとおりでございます。
 環境庁といたしましては、地盤沈下の実態、さらにただいま御指摘の法律上の措置というようなものも十分踏まえまして中央公害対策審議会に諮問をいたしまして、昭和四十九年十一月に一定の答申をいただいておるわけでございます。その内容は先生御承知のことでございますので繰り返すことは省略させていただきますが、法制度化について進めるべきである、こういう内容の趣旨でございます。
 私どもといたしましては、この答申の趣旨を踏まえまして、法律の制定に向かって種々の検討を加えてきたわけでございますが、その間、この地盤沈下の最も大きな要素でございます地下水の問題を含めまして各省庁においてそれぞれの問題意識からいろいろな御検討が行われたわけでございまして、このような折衝が繰り返された結果といたしまして、昭和五十五年五月から内閣官房の調整のもとに関係省庁による連絡会議において協議を進めているということになっているわけでございます。残念ながら、現在のところいまだ成案が得られていないわけでございます。
 そういう過程がございまして、しかしながら、地盤沈下とこれに伴います被害の問題につきましては、このまま放置できない、こういうことでございまして、地盤沈下を防止をいたしまして、あわせて地下水の保全を図るために、昭和五十六年十一月十八日の地盤沈下防止等対策関係閣僚会議の決定に基づきまして、地域の実情に即しました総合的な地盤沈下防止等対策要綱を策定して、とりあえず問題に対処していく、法律の問題につきましては引き続き検討を加えていく、こういうことに相なっておるわけでございます。
○岡本委員 昨年の地盤沈下の状態を環境庁が発表しておりますね。それを見ますと、新潟県上越市ですか、十センチ、それから北海道の札幌市では八・四センチ、あと細かくありますけれども、ずっときまして千葉の成田では五・三センチ、年間こういうように地盤沈下が起こっておる。これについて、既に昭和三十一年に工業用水法、あるいはまた三十七年には建築物用地下水の採取の規制に関する法律、こういうような法律がありましたけれども、これでは地盤沈下というものがなかなか解決しないということで、実は四十二年にこの典型公害の中に入れたわけです。
 今お聞きしておりますと、確かに五十六年十一月十八日に地盤沈下防止等対策関係閣僚会議というもので決定はいたしておりますけれども、この連絡会議の議長は国土庁の長官官房長になっておる。しかも、環境庁はそれに協力するというようなことです。これでは環境庁の権利放棄あるいは責任回避、こう言われても仕方がないわけでありますけれども、環境庁はこれをどういうように考えておるのか、立法提案はいつごろになるのか、これをひとつお聞きしたいと思う。
○谷野政府委員 ただいま御指摘がございましたように、政府全体のベースの閣僚ベース、さらにそのもとにおきます関係の局長ベースの連絡会議というものがございまして、その中でどういうことを議論するかということにつきましては、それまでに出ておりました関係各省のいろいろな規制あるいは事業に関する要綱、その他の御提案があったわけでございまして、それを総合的に検討するというのが議題になるわけでございます。この問題につきましては、単に規制の問題、地下水のくみ上げあるいはその他の規制の問題ばかりではなく、その他の代替用水の事業というような問題につきましても総合的にこれを取り上げるということになるわけでございます。
 ただいま御指摘のように、国土庁は水資源という立場でございますし、さらに、建設と申しますか、いわゆるインフラストラクチャーに関します総合的な調整官庁としての立場をお持ちでございます。私どもは環境に関する総合調整官庁ということを位置づけられておるわけでございまして、そのあたりでいろいろ両省で御相談をしながら問題に取り組んでいくというのが適当であるというのが私どもの考え方でもございますし、その当時の判断であったというふうに考えておるわけでございます。そういうことで、事務局その他いろいろございますが、これにつきましても両省で協力をしていくというのがその趣旨であるというふうに思っておりまして、ただ、両方というわけにもまいりませんで、そのときのいろいろな御判断で今御指摘のようなことになっておるというふうに理解をいたしておるわけでございます。
○岡本委員 公害対策基本法の所管の大臣は環境庁長官になるのですよ。どこの省が反対してこれはできないのか、こう言いたい。
 そこで、そんなことは言いにくいだろうと思うから、それで、通産省立地公害局長は来ているかな。
○辻委員長 官房審議官です。
○岡本委員 まず通産省から、この地盤沈下の立法に対する反対理由をひとつお聞きしたい。
○高木政府委員 先生の先ほど御質問の中に、工業用水法を三十一年に導入したというお話があったわけでございますけれども、通産省といたしましては、従来から地盤沈下の防止については努力してきたところでございまして、工業用水法の運用あるいは代替水源としての工業用水道の建設あるいは地下水利用者の自主的な規制、それらの指導等を行ってまいりまして、問題の解決に努めてきたところでございます。今後とも私どもといたしましては、地盤沈下の防止につきましては努力してまいりたいというふうに考えております。
 それからまた、地盤沈下の被害等の著しいそういう地域等につきましては、地盤沈下の防止を行うとともにあわせて地下水の保全を図るというところから、各省庁の諸施策を総合的に実施するということで、地域別に地盤沈下防止対策等の要綱が定められているところでございまして、これらにつきまして、当面この要綱に基づいて私どもといたしましては地域対策の解決に全力を傾注してまいりたいと考えております。
○岡本委員 次に、建設省。
○寺田説明員 建設省といたしましては、地下水は水循環の一形態として地表水とともに重要な要素を占めるものでありまして、これらは本来一体のものとして総合的に管理する必要があるとの立場から、地下水法の案を検討しておりましたが、先ほど環境庁の方からもお話がございましたが、関係各省庁間で調整が図られました結果、当面、地盤沈下防止等対策要綱に基づく対策を推進することといたしております。
 国土の保全を図り、地下水を貴重な水資源として適正に利用していくための地下水の総合的な管理制度の法制化につきましては、関係省庁との連携を図りながら今後とも検討を続けていく考えでございます。
○岡本委員 あなた方が今答弁したのは、六十年の四月二十六日に地盤沈下防止等対策関係閣僚会議決定が出ている。それには濃尾平野あるいは筑後・佐賀平野、あるいはこれ以外に関東地域のがあるらしいのですけれども、そういう地域指定をやっているのはそこだけなんです、見ていると。
 ところが、国土全体を見ますと、先ほど私が言った環境庁の発表によったところの、十センチも地盤沈下しているのが新潟県の上越市とか、要するに、国土全体にわたっているところの防止対策要綱になっていない。それ以外のところがぼつぼつ出てきているわけでしょう。こういう防止対策要綱をつくっただけでは、地盤沈下の要綱をつくったらすぐ地盤沈下がとまる、そんなばかなことはないわけですから、その対策が必要なんです。ということは、結局国全体のぴしっとした典型公害に対するところの規制法ができていない、したがって、都道府県、各地方自治体の取り組みというものができない、実はこういうしり抜けになっているところが私はけしからぬと思う。これは、私たちはこの公害対策基本法をつくるときに相当議論した。だから随分待っておったけれども、十八年たっていまだにそのまま。
 これは建設省あるいはまた通産省が随分反対していることはわかるけれども、長官、この地盤沈下防止対策閣僚会議の議長というものはやはり環境庁でなければならない。国土庁はそういうところではないわけです。もう一度長官が閣議で発言をして、そしてこの地盤沈下の問題についても環境庁が責任を持って、あるいはまたその権利を行使してとめていくという決意があるかどうか、ひとつお聞きしたい。
○石本国務大臣 ただいま御指摘をいただきましたように、この総合的な法制化につきましてはいまだにその結果を見るに至っておりませんということはよく承知しているところでございますが、御意見を十分に尊重いたしまして何らかの対策を講じながらその方向に向かって努力をしていきたいと考えるわけでございます。
○岡本委員 環境庁の官房長も来ていますね。ひとつしっかりして、長官が閣議で意見を述べて、そして権限と責任を環境庁が握れるように、持てるようにしてもらいたい。
 長官、さらにもう一遍。なかなか難しい問題ですなんて言ったって、代々の長官もなかなかようしなかったのですから、あなたは女性の特権を発揮してひとつやってもらいたい、これをお願いします。
○石本国務大臣 関係省庁とも十分に検討を尽くしながら、先生申されました御意向に沿うように努力をしてまいります。
○岡本委員 次に、長官、ことしの夏にわざわざ四十三号線の御視察をいただき、つぶさに見ていだたき、住民は大変喜んでおります。また、期待も非常に大きいわけでございます。言葉は非常に厳しい場合もありますけれども、これは私たちも地元へ帰ると住民の皆さんからやかましく言われ、また地元に住んでいる私といたしまして、各市長さんも非常に困りながら、一日も早く適切な対策をしてもらいたいと望んでおりまして、先般もやむにやまれずあの三市の市長が参りまして長官に親しくお願いしたわけであります。
 そこで、一つは夜間の交通規制あるいはまた発生源対策、この排ガスの規制もなかなか最初は抵抗いたしておりましたけれども、やればできたわけですね。また、私、提案いたしまして一車線を削減してグリーンベルトもつくったりしていろいろと手を尽くしましたけれども、最後に残っておるのが沿道整備の問題なんです。この沿道整備についての法律ができましたのが五十五年の十月、その後、ことしの九月に道路開発資金貸付制度というものが創設されたらしい。このいきさつについてひとつ御説明をお願いしたい。また、その貸付制度を利用した人、申し込みはどうしたか、それについて答弁してください。
○三谷説明員 お答えいたします。
 御質問、二点おありだったと思いますが、まず一点目の沿道整備道路の問題でございます。これは五十七年の八月に御指摘のように指定をされております。それで、計画の策定はまだ完了しておりません。
 沿道整備計画を策定し沿道の計画的整備を進めていくためには、沿道整備道路の構造、それから当該区域及び周辺地域の土地利用の現状及び将来の見通し等、当該区域の特性を考慮して定める必要がございますが、そのために土地使用者であるとか居住者等、利害関係者の意向を十分把握して、その意向が反映されなければなりません。そのために関係者から成ります沿道整備協議会において、昭和五十七年の指定以降、例えば、この意向を完全につかむために一万世帯を対象に沿道住民アンケート、あるいは沿道事業の調査、これもかなりの数の事務所を対象に行っております。さらに沿道の建築敷地の調査とか、こういうような必要な調査を今進めておりまして、それらの成果を参考として沿道整備計画の事業を進めているところでございます。したがいまして、今後は関係市におきましてモデル地域を選定いたしまして、整備手法の具体的な検討を行いまして、住民の意向あるいは地域の特性を考慮した整備手法の詰めを取り急いで行ってまいりたいというふうに考えております。
 それから道路開発資金でございますが、道路開発資金制度は、官民資金の活用によって道路に関連をする公共の利益に資する事業分野に長期、低利の融資を行い、民間活力の導入と総合的な道路の機能向上等を図ろうとするものでございます。運用につきましては、九月に貸付要領を定め、通達したところでございます。
 現在まで幾つかの項目について貸すことになっておりますが、道路空間高度利用事業とそれから特定大規模道路用地取得事業、これは用地の買収でございますが、これにつきまして貸付申請がございまして、百八億円の貸付決定を行ったところでございます。このほか、申請手続中、または照会、打診段階の案件もございますので、その計画的な執行に努め、今後本制度の周知徹底もあわせて努めてまいる所存でございます。
○岡本委員 それはどこで貸し付けをやっているのですか、貸付制度の窓口。
○三谷説明員 先ほど申し上げましたように、九月に通達が出てまいりました。実際のその制度の進め方につきましては、道路開発振興センターを設立いたしまして、本制度の運営についての円滑化を図っております。
○岡本委員 長官、よく聞いていただきたいのです。ひとつ強力にこの問題は推進していただきたい。
 なぜかと申しますと、東京にこういう行革に逆行したような振興センターをつくっている。それで各地方でいろいろなことがあることに対しては、そんなものは全然わからない。靴の裏から足をかいているみたいなものですね。だからその運用に当たって、申し込んでも、これはだめです、これはだめです、みんなはねてしまう。要するに、地元のその地域の環境保全あるいはまた住民のためにつくったものですけれども、全然地元のことがわからないものですから、これはだめ、これはだめ。私どもの調査を見ますと、六件の申し込みがあって一件だけ何とか採用されるようだというのです。
 その一つの例を見ますと、例えば制度の中身を見ますと、建築面積が千平米以上、間口が二十メートル以上。ずっと並んでいる家ですから、しかも隣とプロジェクトをつくってやるというのは、なかなかこんなところはしないのです。ですから、一つつくって、こういうものですよと。そうすると皆さんが、これならば利用さしてもらいましょう。市の方へ申し込んだりして、これに使えるわけです。例えば四十三号線の関係で地元から一件相談があった、その返事は否定的だ。その理由は何か、面積が九百平米で百平米少ない、これはだめだ。しかも前に景観のオープンスペースがない。四十三号線は、せっかくここに緑化したグリーンベルトをつくって、それで歩道がある。その間にも一つあって歩道がある。その歩道の後ろにこういう建物を建てよう。そのところにもう一つ景観のオープンスペースをとれ、そんなことをしたら建てる者がなくなりますよ、土地が高いのに。
 こんな道路開発振興センターなるものはだれがつくったか知らぬけれども、全然地元のことをわからなくて、ただ机の上で、これはだめ、これはだめ、これはだめというけしからぬ制度なんです。これならば、阪神道路公団が金を出すのですから、そこを通っておる加害者ですから、それならば阪神道路公団で、これは必要だこれは必要ない、地元とよくすぐに打ち合わせをしてできるわけです。わざわざ東京まで持ってきて、全然わからない人が規則だけで査定するのですから。これはせっかく五年前に沿道整備法をつくって、何かこっちで言うと、こういう対策もやっております、こういう対策もやっております、口では言うけれども、現実には全然適しないものをつくって、いつまでたってもできませんよ。ただ対策をやっただけのことです。こんなことではお話にならない。
 しかもこの前、長官おいでいただいたときに、その沿道整備法の対象は三階まで、あとの上は対象にならない。その上の方にバイパスがあって阪神道路公団が走っておるのです。そこのは野放し。こういう何というか、だれが考えたのか知らぬけれども、予算をつけて、これは恐らく二百億ぐらいの予算が出ておるのと違いますか、全然使わずにそのままずっといってしまうのではないか。二百億というのはちょっと間違ったかもわかりませんけれども。したがって、こんなことでは全然絵にかいたもち。
 そこで長官に申し上げたいのですけれども、各省からこういうような何かの相談があったときには検討いたしますというような御答弁を先ほどされておりました。環境庁としてさらに進んでそれを調査して、これはこうしなければならない、ここはこうしなければならぬという意見を各省に言って、そしてまとめていくのが環境庁じゃなかろうか。それが環境庁ができたところの大きな一つのお仕事だと私は思うのです。昔はよく環境庁から例えば大気保全局長がわざわざ調査に来たり、わざわざ出向いて現地調査された。今はもう環境行政が後ろに後退したと言わざるを得ない。中曽根さんになってから特に軍備だけに力を入れて環境はほったらかしておる。これは話にならぬと私は思う。そんなこと言ったら悪いけれども、言わざるを得ないと思うのです。
 時間がありませんが、長官、現実はこういうことなんです。ごらんになっていただいたと思うのですが、これについて、ほかのお役所から答弁されますとまた検討しますで終わりますから、長官の決意をひとつ伺っておきたいと思うのですが、いかがでしょう。
○石本国務大臣 ただいま先生から沿道整備法をめぐりまして不合理と思われる点についての御指摘が幾つかございました。このことにつきましては、それぞれ関係する省庁もございますが、私どもが中心になりまして十分に検討しながら、この不合理の解消といいますか、そういうことに向かって努力していかなければならないというふうに私は受けとめました。
○岡本委員 ぜひ閣僚会議やいろいろなところで、せっかくつくっても絵に書いたもちじゃだめだということを、直接調査していただいたわけですからその点を指摘して、建設省の場合は建設大臣が言わなければだめなんです。なかなか大臣の決意がなかったらできないですね。ひとつよろしくお願いをいたしておきます。
 そこで、そのときに問題になりました吸音板の問題ですけれども、このときに、吸音板の中で直達者の騒音値が高いからといって反射音の影響がないとは言えないのに、余り効果がないのだということを建設省は言っていた。では、余り効果がないというのはどれだけあったのですか。調査したデータはどうなっているのだということを知らせてもらいたいと言うと、これは隠して出さない。どうですか、建設省。
○野村説明員 沿道の騒音は自動車から発生する音が直接到達するもののほか、沿道の建築物や道路上空に位置する高架橋の裏面から反射してくるものなど、さまざまな音が合成されたものでございます。このうち直接到達する音と比較いたしまして高架橋の裏面反射音の程度が大きいような場所におきましては、この反射音対策は大変効果があるというぐあいに考えておるわけでございます。
 阪神高速道路の武庫川地区にはダブルデッキ構造、二層構造の高架構造がございますが、このような場所につきましては二層のうちの上層部の橋梁裏面からの反射音の影響が大変大きいわけでございます。このような箇所に吸音板を設置することは全体の騒音レベルの低減に大変効果的でございます。現地の試験結果を見ますと、三ないし五ホンの低減効果が見られるわけでございます。一方、一般の平面道路におきましては、いわゆる一層で設置される高架構造がある区間でございますが、このような箇所につきましては沿道の騒音は直接到達する音が卓越しているわけでございます。したがいまして高架橋の裏面に吸音板を設置しても低減の率が非常に低いということになるわけでございます。
 しかしながら、高架橋の裏面反射音の大きさは橋梁の構造、橋げたの形状あるいは橋梁の幅とか地上からの高さ、こういうさまざまなものによって影響されますので、今後とも研究を進めてまいりまして、特に阪神高速につきましては類似の箇所におきまして、二層式の高架構造に類似したような他の箇所におきましても同様な効果が得られるかどうか調査検討を進めてまいりたいというぐあいに考えております。
○岡本委員 とにかく余り効果がなかった、ではデータを出してくださいと言うと、それは出せません。今こういうような現状です。よく見ますと、この間話がありましたように、一平米百万円かかる。経済効果が非常にあれだ、経済がもたぬというようなことで経済優先になっておる。そこに一つのネックがあるようで、少しでも住民の被害を軽減してあげようというような考え方が非常に少ない。これもひとつ環境庁として取り上げていただかなければならぬのであります。
 そこで、国鉄さんおいでになっておりますか。――新幹線の防音壁が新しく開発された、そんなに高くないということでありますが、ひとつこれを簡単に御説明願いたいと思うのです。
○鬼沢説明員 お答えいたします。
 今先生御指摘の新型防音壁と称するものは、最近私ども国鉄が新幹線用に開発したものであろうかと思いますが、これは簡単に申し上げますと、音波の緩衝原理と申しますか、音波がお互いに打ち消し合うような工夫をいたしまして、それで音を下げるという工夫をしたものでございまして、一種の合成樹脂で断面が長方形で長さが異なる中空の管を四段重ねにしたような装置をつくりまして、その中に騒音を誘い込んでわざと音の伝達をおくらせまして、それと直接伝わっていった音波との間の緩衝をさせるという工夫をしたものでございます。
○岡本委員 東海道・山陽新幹線では、平均的効果で五から七ホン下がっておる。それから今名古屋地区で実験段階だ。せっかく国鉄さんが開発したこういうものを建設省でも取り上げて、そうして試験をやっていくということにすれば、経済の方と両方何とかいけるのじゃないだろうか。少しでも努力するという考えがなかったらもう付近の住民はたまったものじゃないわけです。これは要求しておきます。
 最後に、この面については、湾岸道路をただいま建設をしておるわけですけれども、一部できておるのですが、これがいつごろ開通するのか。湾岸道路ができると一車線削減するのには、できた段階で検討するというような話ですけれども、これをじっと見ておりますと、中の湾岸道路がどこまで、堺から神戸までですか、これが開通というらしいのですが、いつごろできるのか。しかも、これは関西新空港のための道路であって、それも四十三号線の緩和のための道路ではないのじゃないかな、したがって一車線削減というようなことはよう言わぬのじゃないかなというようなことを言う人も地元ではいるのです。そこで、この開通について大体いつごろ、これについてめどを発表してもらいたい。
 ということは、もう一つは、この湾岸道路はちょうど尼崎の工業団地の中を通る、縦断する、そうすると工業団地の洲崎は新しい機械を入れるにも入れられない。私は、この公害対策基本法をつくるときに、中小企業に対しては特別の配慮をすべきだというようなこともここへ挿入したのです。だから、ひとつこれについて、これは建設省ですか、ちょっと御答弁願いたい。
○三谷説明員 お答えいたします。
 大阪湾岸道路は、大阪湾に沿って神戸から大阪府泉佐野に至る延長、全部言いますと九十キロでございます。ただ、神戸市の東灘区から泉大津まで三十八キロは阪神高速道路の大阪湾岸線として事業化をしております。このうち港晴―三宝までの八キロについては現在供用中でございまして、残りの区間については、昭和五十八年度から始めております第九次道路整備五カ年計画において港晴―中島間の約五キロ、それから三宝―出島西町の約四キロの計九キロメーターを六十二年度までに完成させることを目標としております。
 阪神間の湾岸線は、移転が必要となる大規模工場団地の代替地の確保や移転作業、航路を横過します長大橋梁の工事、海陸にわたる関係機関との調整等に時間を要するわけでございますけれども、早期完成に向かって引き続き計画的に事業を進めていく方針でございます。
 なお、国道四十三号と並行いたします区間、中島あるいは魚崎、この区間につきましては、昭和六十年代の半ばを目指して鋭意進めておりますが、なかなか予算あるいは関係機関との調整等に時間がかかりますので、完成は昭和六十年代後半になる見込みでございます。
○岡本委員 これをもっと明確にひとつきちっと時日を切って、あるいはまた阪神道路公団の方にやかましく言って推進方をやってもらいたい。これはどんな計画かということを、きょうは時間がありませんから、また後で聞きます。
 もう二点あるのですが、今度はディーゼル車、排ガス規制でディーゼル車の規格合格車、こういったものについて運輸省と税金の軽減対策をやったらどうかということで考えておるようですが、これをひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
○林部政府委員 ディーゼル車の最新規制適合車に対します税制上の優遇措置についての要望のお尋ねかと思いますので、簡単に内容を申し上げますと、六十一年度の税制改正要望に当たりまして、自動車の排気ガス低減対策の一つといたしまして、営業用の大型トラック、バスができるだけ最新の排ガス規制に適合する車に代替することを促進してもらう、つまり、できるだけ新しい規制適合車に古いものをかえていただく、それを促進する意味で、新車に買いかえた場合における自動車税と自動車取得税の減免措置を新たに創設してほしいということで、運輸省と私どもが共同して要望いたしておるということでございます。
○岡本委員 これは恐らく、この間長官もお見えになってディーゼルの黒煙の問題で皆非常に弱っておる、一日も早く新車を買って、そのことに対しては税金を免除するというようなねらいだと思いますが、これはひとつ極力推進をして絶対にから取っていただきたい。
 きょうはここで航空機の騒音問題、コンターの問題についてお聞きしようとしておりましたけれども、時間がありませんからこの次にいたします。
 長官、この公害問題、環境問題というのは一つだけで決め手はないものなんです。いろいろなものが相乗効果があって初めて効果をあらわすわけでありますから、今申し上げましたことを参考にしていただきまして、また、この前もお話ししたけれども、そういったものを参考にしていただいて、環境庁としてはぜひリーダーシップを発揮していただいて環境保全に努めていただきたい、また住民の救済に努めていただきたい、これを要望いたしまして、きょうはこれで終わります。どうもありがとうございました。
○辻委員長 岩垂寿喜男君。
○岩垂委員 ちょっと厚かましいのですけれども、和田さんの時間を侵略いたしまして二十分ほど質問をさせていただきたいというふうに思います。
 一番目は実はキンクロライオンタマリンの問題で、これは新聞やテレビでも取り上げられている問題でございます。これは絶滅の危機に瀕した種の中でも最もその生息が危ぶまれている、そしてワシントン条約では附属書の1に掲げられているキンクロライオンタマリンでございますけれども、この前、私は自然保護局長にもお尋ねしたことがございますけれども、昭和五十八年の八月から十月にかけて十四頭が、ガイアナで人工繁殖のものという偽りの輸出許可証に基づいて輸入された。現在も十二頭が原産国に返されることなく国内にとどまっているというのは御存じのとおりでございます。この問題は、こういうミスによって入ったわけですけれども、こういうミスをチェックする具体的な手だてというものはその後講ぜられていますでしょうか。通産省でしょうか、どっちでしょうか。
○石黒説明員 お答えいたします。
 ライオンタマリンの問題でございますが、先生十分御案内のことと思いますが、にせの輸出許可証によって日本に入ってきたわけでございます。具体的にこれをチェックするためにどういうことをやったかということでございますが、ことしの四月から、従来は原産地証明でよかったものにつきまして、これを輸出許可証という形に改めておるところでございます。
○岩垂委員 今申し上げたように輸入されて二年たっているわけですが、これはマスコミでも取り上げられて国民の中でも大変注目を浴びているわけです。ブラジル政府から返還要求があったと承っておりますが、どんな形であったか、御答弁いただきたいと思います。
○馬淵説明員 お答え申し上げます。
 先生の今の御質問でございますけれども、何分にもブラジル政府との関係もございまして“直接お答え申し上げることは控えさせていただきたいと思うわけでございますけれども、我々が聞いているところでは、ブラジル政府はライオンタマリンについてはその保護に非常に関心を持っている、こういう問題に関してはできるだけ事を荒立てないで二国間で平和裏に解決したい、こういうふうに希望していると聞いております。
○岩垂委員 希望しているというのは返還要求ではないということですか。そしてそれに関連をして、この問題の解決のために外務省はどんな御努力をなさったか、経過を御報告ください。
○馬淵説明員 これまで在京のブラジル大使館を通じて外務省に対しても接触があるのは事実でございます。我々も在京大使館あるいは我が方のブラジリアの大使館を通じてブラジル当局とも種々の意見交換を行っておるということでございます。
○岩垂委員 種々の意見交換というのは、おとなしくということは返還の要求ではないのですか。
○馬淵説明員 ブラジルとしてはこのライオンタマリンが平和裏に、この問題が平和裏に解決されることを希望しているということでございます。
○岩垂委員 これは通産になりましょうか、その所有者に対して正式に文書の形か何かで返還を申し入れたことがございますか。
○石黒説明員 お答え申し上げます。
 現在、所有者は三者あるわけでございますが、私ども、ワシントン条約の趣旨にかんがみまして、こういう形で入ってきたものについてはブラジルの方に返還されるのが筋であろうということで、折に触れまして従来から返還をするようにお話をしているところでございます。現在も続けておりますが、最近時点におきまして現保有者の方もやはり返さなければいけないかなという感じになってきております。ただ、具体的にいろいろ事務的な問題がございますが、基本的には返す方向で私ども現保有者を指導しているところでございます。
○岩垂委員 立ち入って伺いますけれども、所有者の方で何か条件が、私言いませんけれども、あるやに承っておりますが、その辺はいかがですか。
○石黒説明員 お答え申し上げます。
 具体的にこれをこうしてくれというところまで正式な形での条件ということにはなっておりませんが、いろいろクリアすべき問題としては、一つは輸入に伴うコストをどうするかという問題があるやに承知をいたしております。
○岩垂委員 コストがある場合に、それをどういう形で負担するかというようなことについて通産省は御検討なすったことがございますか。
○石黒説明員 コストの負担の問題でございますが、私どもは、ワシントン条約の趣旨にかんがみてできる限り早く出していただきたいわけでございますけれども、これを国の金でそのコストを負担するという性格のものでもございませんものですから、なかなか名案がなくて苦慮しているところでございまして、具体的にそれじゃぎりぎりどういう形になれば保有者の方と話がつくのか、これは現在精力的に詰めているところでございます。
○岩垂委員 先ごろブラジルのリオデジャネイロ霊長類センター所長のコインブラ博士が日本にお見えになりました。この方は、もう私申し上げませんけれども、キンクロライオンタマリンの回復管理国際委員会の委員長をやっておられる方です。この方が現場をごらんになって、これはNHKのテレビで見たのですけれども、五頭視察をなすったそうです。飼育の状態がよくない、もの色が変わるなど健康を損なっている、一年以内に死ぬのではないかということを述べておられることは通産省も御承知のことだと思いますが、輸入をしてから二年たっております。確かに折衝はしているとはいうものの、問題の解決のめどがついておりません。
 それで私は、もしこれが日本で亡くなるというふうな事態になったら、日本とブラジルの友好関係だけでなしに、これは個体数が二百とか戸とかいう単位でしか残ってないわけですから、国際的にも大変な非難を受けることは明らかだと思うのです。確認ミスというのは一体どこが責任を持つべきものか。そして、そのことを前提にして、国際的な信用にまで発展しかねないこの問題の処理をいつ、どのぐらいのめどで進めようとなさっているかということをはっきりここでお示しいただきたいと思います。
○石黒説明員 お答え申し上げます。
 ブラジルの専門家が来てライオンタマリンを見て、飼育の状況が悪いという御指摘があったのは私どもも承知をしております。その点につきましては、私どもに入りました連絡によりますと、その指摘を受けまして、保有者の方で、おりを広いものにするとか温風機を入れるとかいう形の改善措置をとるべく直ちに着手したというふうに伺っているところでございます。
 先生御指摘のような事態は何としても避けたいと考えておりますものですから、先ほど申し上げましたように早い時期にブラジルへの返還の実現に向けて努力をしているところでございますが、現実問題この寒い時期に返還をするというのもできないだろうと思いますので、来年の春、暖かくなりましてから、個体の状況等健康状態も見まして実現されることにはなると思いますけれども、それ以前にクリアしなければいかぬ問題を精力的に努力をしてまいりたいということを申し上げておきたいと思います。
○岩垂委員 返還をするという原則が決まったことは結構なんですが、そのコストの負担の問題を含めて指摘をしておかなければならぬのは、輸入業者に対してどんな指導を行ってこられたのか。これは私どう考えても、違法なものだということを承知で入れていると思うのです。どうもそんな気配がある。この辺は通産省のチェックミスなどということも指摘せざるを得ないけれども、肝心なことは輸入業者の問題だと私は思うのですね。この辺をないがしろにしておいて、何とかひとつ返しましょうというような議論をしていても始まらないと思いますが、これらの問題についての指導はどのようになさっていらっしやいますか、お伺いをしておきたいと思います。
○石黒説明員 お答え申し上げます。
 輸入業者はそんなものわかっておるのじゃないかという御質問でございますが、私どもは、こういう問題が一、二出ますと必ずその輸入業者を呼びまして、どういうあれでこんなもの、にせものとわかって入れたんじゃないかという話を詰めるわけでございますが、向こうから返ってくる答えは、いや正式の許可証ということでございます、そういうことで入れましたというあれでございます。ワシントン条約も国内批准以来ある程度人口に膾炙といいますか、皆さんによくわかっていただけるような時代にだんだんなってまいりましたものですから、私どもはワシントン条約の趣旨なり中身なり具体的なやり方なり、そのあたりにつきまして輸入業者によく周知徹底を図ってやっていくということで、次なる珍事が出ないように備えてまいりたいというふうに考えております。
○岩垂委員 ウガンダの象牙の問題もそうなんです。これは私もNHKのニュースで見てびっくりしたのですが、にせのウガンダ政府の輸出許可証で三十トン以上の象牙が輸入されている。これは事実ですか。
○石黒説明員 お答えいたします。
 私ども、ウガンダ管理当局に対して事実かどうかを確認いたしましたところ、ことしの七月になりまして同許可証は違法であるという連絡をいただいております。
○岩垂委員 去年の十一月にワシントン条約事務局の統計情報担当のハクスリー氏が日本へ来まして、やりとりがございましたね。象牙の取引の問題について、例えばチャドとかスーダンとかウガンダなどから輸入されているというふうに言うけれども、こういうところから輸入される場合にはその都度事務局に事前確認をしてほしい、それは文書で確認をしているはずでございます。五十八年一月にワシントン条約の事務局が全締約国に対して、ウガンダの輸出許可証には偽造のものがある、各締約国はウガンダの輸出許可証が提示される都度ワシントン条約事務局に確認を求めるとの通達を出したということを伺っておりますが、それは事実ですか。――これは事実なんです。私がワシントン条約事務局に確認をしてございますから事実なんです。
 私が言いたいのは、一回ならずそういう連絡があって、現にみずから輸入不許可にしたという事実も前提にあるわけです。なぜ今回もこういう、三十トンというのですから大変な量ですよ。何頭象を殺せばいいのですか。そういうことを考えてみますと、こういうことが何回か行われていくということは私はどうかと思うのです。だから、事の経過と今回の不正輸入との関係というものの責任をどういう形でとらせようとなさっていらっしゃるのか、その点をきちんとしていただきたいと思います。
○石黒説明員 お答え申し上げます。
 ウガンダからの象牙の輸入問題につきましては先生おっしゃいましたとおりでございますが、先ほど御答弁申し上げましたように、七月にウガンダ管理当局からあれはにせであるという連絡をいただきました直後に私どもは規制を強化いたしまして、象牙の輸入につきましては、申請があったものについてはすべてCITES事務局にその輸出許可証の真偽の確認をするという形で、一件一件チェックをするという形で対応をしておりまして、それ以降ウガンダからの輸入はございません。輸入業者に対しましてもそういうことが公になりました時点で十分注意をしたところでございます。
○岩垂委員 チェック、チェックと言うのですけれども、これは通産省がやっているのじゃないのですよ。象牙輸入業者の団体の象牙部会にやらせているのです。つまり業者の元締めにやらせているのですよ。確かにその後は一定の改善の措置は見られたとはいうものの、私は口が悪いから申し上げては悪いけれども、業者にチェックさせて一件一件やっています、これではチェックにならないのです。これも何回か繰り返さないという保証はございません。厳重注意したとおっしゃいますけれども、どういう権限で注意なすったのかわかりませんが、率直なところを申し上げて、そういうことについてのミスが前にあったにもかかわらず今度も確認ミスをやってしまった。結果的に不正な輸入をしてしまった。
 それが公になると業者と団体とを呼んでしかってみせることは結構です。しかし、確認事務が業者団体に移っていたのでは一体それがどういう形で担保されていくのかということになればやはり問題が残っていくだろう。つまり通産省の責任を業者に任せたって、それは業者もまじめにやっている人まで含めて疑われることになってしまっているわけであります。こういうシステムでは困ると私は思うのです。さっき私、キンクロライオンタマリンのことも言いました。正直なところを言って、これはこういう状態だと何回でも問題を起こしますよ。
 私はこの前も申し上げましたけれども、環境庁長官にお尋ねをして、国内法の整備がどうしても必要だ、そうしないと悪いことをしたのがぬくぬくと利益を保障されてしまう。これはもうかる仕事なんですよ。私もコストを調べてみてびっくりしました。象牙だとかタマリンだけではないのですよ。WWFのいろいろな人たちが国内だけではなしに訴えてくれますけれども、こんなことを認めておいてはいけませんよ。それには私は国内法の制定が必要だということに対して、石本長官は「当然国内法の制定は必要だというふうに考えますので、今お言葉がございましたように、時間はちょっとかかるかもわかりませんけれども、その方向に向かって真剣に検討してまいります。」というふうにおっしゃった。
 通産省、やはり国内法が必要だという認識に立つか立たないか、イエスかノーかで結構です。
○石黒説明員 お答えいたします。
 国内法の立法が必要か否かにつきましては、ワシントン条約関係省庁連絡会議の場におきまして「中長期的課題」の一つとして検討を行っているところでございまして、私どももその場におきましてこういう具体的な事例を踏まえて議論に参加をさせていただきたいというふうに考えております。
○岩垂委員 長官、中長期的などというと間に合いませんので、やはりこれを早くしてもらわなければ困る。その点を含めて御答弁をいただきたい。
○加藤(陸)政府委員 長官に御答弁いただく前に、若干事務的なことにわたりますが、ちょっと御説明させていただきたいと思います。
 先ほど来通産省の方からも御答弁がございましたように、ワシントン条約関係の各省連絡会議というのを局長レベルで持ちまして、私どもが座長役をさせていただきましていろいろな検討を進めておるのは御承知のとおりでございます。また、環境庁の中にも野生生物対策推進本部というような組織もつくりまして真剣に取り組んでおることも御説明申し上げたところでございます。私どもといたしましては、ただいま先生のお話の件もございますが、基礎づくりといたしまして、専門的な事項に対処できるような「審査・照会マニュアル」というようなものもつくりまして、きちんと整備をして周知をしておくとか、さらには日本国内におきます野生生物の保護全般の問題も含めて対策を総合的に推進していくことが基礎的には必要であると思っております。
 このようなことも踏まえまして、ワシントン条約対象動植物の国際取引の規制に関連しましては、各種の規制措置を関係省庁の御協力も得ながら進めているところでございますし、順次必要な義務を果たし得る体制に向かっていると思うわけでございますが、なお条約の遵守の実効を上げる等のためどのような措置が必要なのか、先生もおっしゃいました国内法制の問題も含めまして、時間はおっしゃるとおりかかるかとは存じますけれども、さらに検討を深めてまいりたい、なるべく早く進めてまいりたいと思っておる次第でございます。
○石本国務大臣 ただいま先生のお話を承っておりまして、これはかなり時間をかけて法制化というふうにも考えておるところでございましたけれども、これは急がなければならない問題だなというふうには受けとめました。
○岩垂委員 委員長、あえて言わせていただくと、ミスに乗じて輸入させた形なんですよ。これは現在の国内法ではいろいろ取り締まりができないというふうに言っている。やはり最低限没収して、できれば原産地国へ返還をする。そういう人たちには最低限罰則その他の措置をとらないと、これはどこまでいっても解決がつかないというふうに私は思いますので、その点を、今長官のせっかくの御答弁でございますから、私は前回に引き続いて勇気のある御発言だと思いますので、そのことを期待をしておきたいというふうに思います。
 それから、これはちょっと確認だけですが、これは通産省、昨年の九月にカメルーンからシャロンというゴリラが入ってきまして、これは正しい輸出許可証ではないということで、このことがわかったものだから輸入が許されないで、カメルーンも引き取りを拒んだというケースがある。それはその後どうなっているか調べてございますか。
○石黒説明員 お答えいたします。
 御質問の動物でございますが、任意放棄をされまして、それで寒い時期ということもありまして、日動水の方で預っていただいているという状況でございます。(岩垂委員「どこで」と呼ぶ)東武でございます。
○岩垂委員 それは今どこの財産ですか。
○石黒説明員 通産省の財産でございます。
○岩垂委員 通産省の財産で、それが発注先の千葉市の動物公園に移るというふうなことはございませんね。
○石黒説明員 お答えいたします。
 当初一時期、千葉市の動物公園の方に入った時期がございましたけれども、その後協議が調いまして現在の形になっておるところでございます。
○岩垂委員 そこへ戻すということはあり得ないんですね、念を押しておきます。
○石黒説明員 特段、今戻すというようなことも検討をしておりません。
○岩垂委員 今私、二つの例だけを申し上げました。きょうは実は保留問題をやろうと思ったのですが、保留問題はかなり時間がかかりますので、これはやめますが、ことし、ワシントン条約の会議がございまして、日本政府が大変な意気込みで取り組んでいただいたということについて、私なりにそれはそれとして評価をし、感謝をしたいというふうに思います。
 ただ、問題はあそこではああいうことを言っても、結果的に事実はしり抜けになっているわけです。この関係を直さないで、会議に大勢出かけていって、それで演説を打って日本はよくやってくれたと言われても、やっていない現実を見みと落差は大きいですよ。それは私は非常に国際的な信用にもかかわる、このように思います。だから国内法の整備をできるだけ急いでいただきたい。このことは長官から御答弁をいただきました。
 それからもう一遍お尋ねしますけれども、キンクロライオンタマリンについて返還のめど、時期というものを示さなければなりません。その上で今話をしてということにしなければなりませんが、最後に通産省と外務省に、大体そのめど、返すということはわかりました、これはきょう初めて言った。だけれども、それからどんなめどで考えているかということも、さっき気候のことなども言われましたけれども、はっきりさせていただきたい、そのことを御答弁いただきたいと思います。
○石黒説明員 お答え申し上げます。
 返還をさせたいというふうに思っておりまして、そのためにクリアすべき問題を早目にクリアすべく、業者あるいはまた関係省庁ともよく連絡をとって進めてまいりたいと思います。
 具体的めどを来年の一月とか三月とか五月とかいうことを言える段階ではございませんけれども、御質問の趣旨も踏まえまして早急にめどをつけたいと考えております。
○岩垂委員 結局、コストの問題と、恐らく業者の側から見ると、通産省がそういう手続を認めたんだから、通産省がミスを認めろみたいを言い方を現実にしているわけです。それでミスを認めると金は負担しないよ、おまえの方が悪いんだから、ということも含めてやりとりがあるわけです。私はもうさっきまで言わないでおこうと思ったけれども。これではどこまでいっても解決がつきませんよ。
 私は、通産省の非は非としてそれは反省をしながら、ちょっと金額が大きいですから、どこかの予備費でというわけにもいかぬでしょう。しかし、通産省が輸入に当たって、それは偽造という問題はあるにせよ、それをきちんと解明できなかった意味の不作為の作為とでもいいましょうか、責任を免れることはできない。ただ、それじゃそれだけで国の銭でというわけにもなかなかいかぬでしょう。輸入業者が幾らもうけているのか、同時に動物園にあってそれがどのぐらい稼いでいるかというようなことまでを申しませんけれども、ある意味で三万一両損というふうなことも考えなければいかぬのかいなという感じを私なりに持ちます。
 しかし同時に、これは例えばWWFJなどに、あるいはその他の自然保護団体などにも協力を求めて、何とか返したい、国民の皆さんにもぜひ御協力をいただけないかというようなことも含めて早くやってほしいと思うのです。私は及ばずながら、その意味では橋渡しの役割をいささかでもお手伝いさせていただきますよ。
 つまり、そういう解決のめど、腹を通産が持たぬで、それでとにかくやってもまとまりっこないです、これは。そういうことで国民の世論も集める。何で返さないんだ、だってこんなにもうけているじゃないか、だから負担しろよということも含めて、私は一つの私案でございまして、それは役所のシステムになじむかなじまないかはわかりませんけれども、やはりこれだけ世論になっているわけですから、とにかくこれだけ新聞やテレビが書く効果というのは大きいですよ。また、かわいいもの。そういう意味では気の毒に、かわいそうにという感じがあるわけでございまして、それをもうけ仕事に使ってはいけないという立場でぜひ具体的な案、腹づもりを決めて、外務省だって年がら年じゅうやられるから困ると思うのだ。そういう意味では通産が主導的立場に立ちながら連携をとってやっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか、最後に御答弁をいただきたいと思います。
○石黒説明員 再々申し上げておりますが、先生の貴重な御示唆も踏まえまして、関係省庁ともよく連携をとりまして対応してまいりたいと思います。
○岩垂委員 ありがとうございました。
○辻委員長 和田貞夫君。
○和田(貞)委員 昭和五十六年一月に政府が空き缶問題連絡協議会というものを設置されて、空き缶等の散乱防止のことについていろいろと対策を講じられてまいったと思うわけでございますが、最近は非常に散乱の場所がより広がりつつある。こういうことで農民の皆さんや農業団体の皆さんからも、何とかこれは国の方で早急にひとつ処理してもらいたい、そういう御意見が多く寄せられてまいっておりますし、また自治体の方でかなり積極的に取り組んでいただいておるところもあるわけなんですが、何しろ限られた区域内でございますからどうにもこうにもならぬ、どうしても単一立法化を自治体自体も望んでおられる向きがあるわけでございます。
 そういうような観点に立ちましてひとつ質問したいと思うわけでございますが、申し上げましたように五十六年に政府の連絡協議会が設置されて、政府としては、その後空き缶等の散乱防止のためにどのようなことをやってこられたのか、そしてこの五年間に、やってこられだ結果どのような効果が上がっておるとお思いになっておられるのか、そして今なおどのような苦情があるのかということを把握しておられるのか、この点につきましてまずひとつお聞かせ願いたいと思います。
○栗原説明員 お答えいたします。
 五十五年に国会におきまして空き缶の問題が議論されまして、その後、今先生がおっしゃられましたように、環境庁の中に検討会、それから十一省庁から成る連絡協議会を持ちまして、種々検討を続けてまいっております。それで現在のところ、十一省庁の連絡協議会は十七回やっております。その間、五十六年、五十七年の間の時期におきましては、いわゆるデポジット制度その他につきましても議論いたしました。しかしながら、現在私ども十一省庁連絡協議会におきまして、空き缶散乱問題に対する対応としてどうすべきかということにつきましては、やはりモラルの問題が重要である、それで普及啓発を中心にし、それぞれの省庁を通じまして関連業界の指導、それから地方公共団体に御依頼する、あるいはまたボランティアの方々、民間団体の方の御協力をお願いする、そのような対策で対応していくというような方向に進んでおります。
 それで、現在の状況でございますが、私ども、五十五年からいろいろ調査をしておりまして、最新の調査は五十九年の結果が発表されておりますが、その調査によりますと、三千三百の市町村のうち千八百九十一の市町村にアンケート調査を実施しております。それで、回答率が九五%でございますが、そのうち散乱状態が改善されたとする市町村が三〇・五%、それから散乱状況が悪化したというのが六・一%というようなことでございます。残りが全般的に変化なし、それから不明というような形でございまして、過去少しずつでございますが、順次改善しつつあるというふうに理解しております。
○和田(貞)委員 これは数字を並べて、それで満足しておったら困ります。確かにこの五年間、今言われるように啓蒙活動はやってきた。あとの処理の問題については一切自治体に任せっきりじゃないですか。しかも、その自治体がやっておるところといったらどのぐらいなんですか。それはその地域の実情に沿った対策は必要であろうと思います。しかし、取り組んでおられる自治体が現実には全国的にも少ないわけだ。しかも、その取り組んでおられる自治体自身がどうにもこうにもならぬということで音を上げている。また、道路に散乱するのはともかくとして、これはまだ何とか収集の余地があるとしても、田んぼの中や畑の中にほうり込まれ、投げ込まれた散乱ごみは、土地を持っておられる農民が、これは一般廃棄物だから勝手に処理せいというようなことで事が解決できるか、そのまま放置しておっていいのかどうか、こういう問題をもっと真剣にどこかの政府機関に考えてもらわなければいかぬ。考えてもらうその中心というのは環境庁以外にないじゃないですか。環境庁がそのことをもっと親身に考えてもらわないと、ただ、世論調査をした結果、数字がこうである、ああであるというようなことで満足しているというようなことは、余りにも現実離れをした環境庁の姿勢じゃないか、こういうふうに私は思うわけなんですが、今数字を並べられて、漸次減っていっているというような認識把握の中で、このまま放置しておいていいと思うのかどうか、お答え願いたい。
○栗原説明員 局部的な問題としまして、農村地帯におきます空き缶の散乱につきましては、先国会におきましても御議論があったところでもございますし、それからまた農業新聞等におきまして問題視されているということについては十分承知しております。それで、それに対する対応といたしましては、今年度の調査、もう実施済みでございます、現在集計中の調査なのでございますが、この調査におきまして、農地における空き缶散乱の実態調査というようなものをつけ加えまして実施しております。それが現在集計中でございますので、その結果を待ちまして、また十分調査をいたしまして、関係省庁と十分協議して考えていきたい、そのように思っております。
○和田(貞)委員 それは、農業をなさっておられる農民だけの問題じゃないんですよ。やはり道路に散乱されれば、その付近の住民の皆さんも大変なことですよ。処理がなかなかできないという実態の中にある自治体が非常に困っておる。その自治体の困っておる実態というものを把握してもらって、そしてこれからどうするのだということを、もうこれは何省だ、これは何省だというようなことの責任逃れをお互いにやるのではなくて、これこそやはり環境庁が中心になって、せっかく十一省庁の連絡協議会をつくっておるのでありますから、新しい立法措置をするなら立法措置をするというようなところまでこぎつけていく政府の努力、姿勢というものがぜひとも必要でなかろうかと私は思うのであります。後で環境庁長官の方からお答えいただくことにいたします。
 それでは、今環境庁がお答えになったように、各省庁がそれぞれ取り組んでおるのだということを言われたわけでございますが、国税庁は酒類の製造メーカーに対して、この散乱防止についてどのように取り組んでこられたのか、あるいは農林水産省は飲料用製造メーカーに対して、散乱防止のためにあるいは社会的責任を負わせるためにどのように指導してきたのか、ひとつ両省庁からお答え願いたい。
○宗田説明員 酒類業界におきまして缶を多く使用しておりますのは、酒もございますが、主としてビール業界が多うございます。ビール業界は、食品容器の散乱防止を図ることを主目的として設立されております社団法人食品容器環境美化協会の構成員となっておりまして、関係業界ともどもに消費者の啓発活動、環境美化キャンペーンそれからくずかごの製作や配布など散乱防止対策を実施しております。さらにビール企業各社におきましては、「あきかんは くずかごに」と表示しました統一美化マークを全部の缶に印刷するとか、テレビ広告などにおいても統一美化マークを映し出すということで努力しておりますほか、地域のボランティア活動に参加して、散乱防止対策を積極的に実施しております。
 私どもといたしましても、先生が先ほどおっしゃいましたような御趣旨を踏まえまして、環境保全さらには資源の有効利用の面から、これらの業界の実施事業を側面から支持するということで指導を行っておるところでございます。
○武田説明員 お答えいたします。
 私ども、先ほど来お話しの空き缶問題連絡協議会の申し合わせ事項に則しまして飲料メーカー等を指導し、また所要の助成措置も講じまして、次のような対応をさせていただいているわけでございます。
 まずメーカーでございますけれども、これはジュースなんかの缶のすべてに「あきかんは くずかごに」という表示をするようにいたしております。それから消費者啓発のためのポスターとかパンフレット、ステッカー、これは国が食品容器環境美化協会に補助をいたしまして作成をし、メーカーが配布している。昨年実績で、パンフレットで大体二十三万枚、ステッカー二十万枚ぐらいの数字になってございます。それから、メーカーや今申し上げました協会がくずかごの設置、寄贈を行っております。またこの協会が主要観光地におきますごみの持ち帰り運動、持ち帰り等の呼びかけを行っておりまして、そのために持ち帰り用の袋を用意するわけでございますが、これに対して私どもが助成をしているという措置を講じてございます。また作文コンクール等の実施、そういうこともやっておりまして、私ども、今後ともこうした対応の推進に努力してまいりたいと考えているわけでございます。
○和田(貞)委員 容器をつくっておる製缶メーカーを所管されておる通産省は、どのように容器メーカーに対して指導してきたのですか。
○高木政府委員 お答え申し上げます。
 通産省でどういうことをやってきたかという御質問でございますけれども、私どもは、この問題につきましては美観という観点だけでなくて、省エネルギーあるいは省資源に通ずるという観点からもこういう問題は重要なものだと理解いたしております。このために私どもといたしましては、空き缶問題連絡協議会には十分参加いたしておりますけれども、それと同時に、そういう枠組みの中におきまして、クリーン・ジャパン・センターを中心にいたしまして、そこでいろいろな対策を講じておるというのが現状でございます。
 その中でやっておりますのは、まず第一点は、啓蒙普及運動が大事だということから、散乱防止と再資源のための啓蒙普及運動をやっております。それから、市町村に対しましてはいろいろな選別機だとかプレス機だとか、そういうものを貸し付ける事業を行っております。それから、そういうものを回収される場合のボランティア活動に対しての補助と申しますか、そういうことで対応しているのがこのクリーン・ジャパン・センターでございます。
 それから、製造業者、業界に対してどういう指導を通産省はしているのだということでございますけれども、これにつきましては、まずキャンペーンと申しますか、そういう啓蒙普及運動をぜひやっていただくということ、それから回収のくずかごと申しますか、そういうものを寄贈する、先ほども同じようなお話がございましたが、そういうことをやっていただくとか、あるいは回収拠点の整備を行うとか、あるいは回収されてきたものを選別する技術は現在でも十分とはまた言いがたいところがございまして、技術開発等を実施している状況でございまして、今後ともこれらを含めて実施してまいりたいと考えております。
○和田(貞)委員 各省庁の御報告を今聞いてみますと、いろいろと工夫を凝らして啓蒙活動をやっておられるということはわかる。しかし、現実の問題として散乱ごみが防止できておらないという現実を無視するわけにいかない。確かに一人一人の消費者の自覚は必要であろうと思います。それには、ただ自覚を求めるということだけでなくて、国や自治体がもっと積極的に、それは国の責任として、自治体の責任として、消費者が自覚できるような責任を持った方策を考えていかないと、缶にこういう注記が入っているとか、容器にこういうことをしているとかというようなことだけでは、十分な対策を講じたというようには私は思わない。
 現実に処理ということは大変なことです。自分の土地に放棄されたものを毎日毎日、自動車が一日じゅう夜を徹して通過する、そういう道路に面した農民にとってみては、むしろそれが日常の仕事になっているわけです。また、市町村が計画をした上での一般廃棄物の処理以外に、かなり目の届かないところにまでごみの散乱がある限りにおいては、市長さんはお手上げ、こういう状態になっておることを考えたときに、これはもう抜本的な対策を講じなければどうにもこうにもならないと私は思うわけです。
 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の所管の任に当たっておられる厚生省にお聞きしたいと思うわけでございますが、この法律の「廃棄物の処理」というのは、具体にどういうようなことを処理というように考えておられるか。法律には「処理」という二字の一言でございますけれども、これは、どういうところからどういうところまでを含めて処理というように思っておられるのか、お伺いしたい。
○加藤説明員 先生今お触れになりました廃棄物処理法におきまして、一般に私ども「処理」として理解しておりますのは、今私一般廃棄物のことで申し上げますが、家庭から出ましたごみ、一般のごみを、私ども通常ステーションと言っておりますが、ステーションに持ってきていただきまして、それをそこから先収集して歩き、それから運搬をし、それから、時に中間処理といいまして、例えば焼却とかそういったことをいたしまして、最終的に最終処分をする。この一連の過程、つまり、一般的に申し上げますれば、ごみ収集のステーションから始まりまして最終の埋立地まで、これを処理と申しておりまして、それに対しまして自治体が固有の事務として、市長さん、町長さん、村長さん方が責任を持ってやっておるわけでございます。
○和田(貞)委員 一般廃棄物については今おっしゃったように市町村が計画的になさっておるわけですね。産業廃棄物についてはどうなんですか。
○加藤説明員 産業廃棄物につきましては、それを排出した事業者がみずからの責任において処理をするということになってございます。
○和田(貞)委員 産業廃棄物でないものは一般廃棄物、こういうことになっておりますね。
 そこで、産業廃棄物でないという解釈の仕方ですが、三条に「事業者の責務」ということがうたわれているわけでありますが、三条の一項で「自らの責任において」事業者が、今お答えになったように「処理しなければならない。」と明確に書いてある。二項では、その前段に「事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物の再生利用等を行なうことによりその減量に努める」、そして、その後段では「製造、加工、販売等に係る製品、容器等が廃棄物となった場合においてその適正な処理が困難になることのないようにしなければならない。」こう明確に書いてある。この法律の所管をしておるあなたの方の解釈というのは私はあると思うわけなんでございますが、ひとつその前に自治省にお尋ねしたいと思います。
 空き缶等の散乱ごみですね。散乱ごみというのは適正な処理が困難なのか困難でないのか、十分に処理するようなことが困難なのかあるいは困難でないのか、それをひとつ現場の担当をしておられる自治体の立場に立って自治省からお答え願いたい。
○能勢説明員 空き缶や空き瓶の散乱の問題、各地であるわけでございまして、地域の環境美化というような観点からも問題であるということは御指摘のとおりだと思います。さらに、御指摘のような処理の問題、処理の困難な問題があるということについても、地方団体からよく私ども話を聞かされるところでございます。各地方公共団体それぞれ、キャンペーンを行うとかあるいは広報活動を行うとか、美化運動を音頭をとって行うとか、さらにまた、条例の制定といったようなことをいろいろ努力をしておるのが実態でございますが、的確な処理というようなことにつきましてはいま一つしっかりした決め手がなくて、それぞれ苦慮しておる面があるということもまた実態であろうかと存じます。
○和田(貞)委員 自治体の実態を今述べてもらったわけですね、長官。厚生省は今お聞きしたことについてはどう解釈されますか。
○加藤説明員 先生お触れになりました廃棄物処理法三条の規定、これは私ども関係者にとってはかなり有名な規定でございまして、長いことこれについて議論がございました。現在、私ども、この三条二項の、いわゆる適正処理が困難なものをどういうものを想定しておるかということを申し上げますと、まず第一に、除去、無害化の困難な有害物質、環境汚染物質、またはその原因物質を含有しているなどの、主として化学的、生物学的な性状を有するものということでございまして、例えばプラスチックごみ、そういったようなものが一つの例でございます。
 それから第二といたしましては、総重量が極めて重いとか、あるいは容積、体積が極めて大きい、そういったことによりまして圧縮なり破砕が極めて困難であるという、そういった主として物理的な性状を有するものということで、例えば例を挙げますれば、大型の冷蔵庫とかそういったものが通常、困難なものというふうに言われておるわけでございます。
 それから第三のカテゴリーといたしましては、爆発性を有するなどの、処理施設を損傷するまたは作業従事者の安全衛生を損なうおそれがあるものということで、例えば卓上ガスボンベといったようなもの。それが十分にガスがなくならないままごみとして出され、それが途中で爆発をして作業員がけがをする、こんなようなことでございます。
 そういうものをこの三条では想定いたしておりまして、ただいま御議論がございますような空き缶はどうかと申しますと、空き缶は、先ほど私が申し上げました処理の過程にきちっと乗ってくれば、処理の中に入ってくれば、これは自治体は特段処理を困難としているわけではございません。自治体によりましては、集められたごみの中から空き缶だけを分別して、例えば有価物として回収させるとか、そういったことをやっているところがありますし、また、家庭から発生する段階で分別させて出すという場合もございます。
 ただ、先生が先ほど来お触れになっておりますように、例えば道路から農地に捨てられるとか、あるいは観光地とかそういったところに捨てられるといったものは、私ども、この法律の三条二項でただいま想定をいたしております適正処理を困難にするものというふうに考えておりませんで、むしろ、国民のモラルの問題、そんなふうなものが主たる基本的な問題だというふうに考えております。
○和田(貞)委員 先ほど申し上げましたように、国民のモラル、消費者の自覚ということは私は否定しておらない。それはそれとして、現実の問題として、散乱ごみの収集、運搬に自治体は非常に骨が折れる。収集、運搬が不可能に近い、広範囲にわたる散乱ごみがあるわけです。今厚生省の方から第三条の二項についてお答えになったこともさることながら、散乱したごみが収集が不可能である、運搬が不可能であるということであれば、当然のことながら、適正な処理を欠くじゃないですか。適正な処理を欠かないと言い切れますか。
○加藤説明員 先生が御指摘になっておりますような現実の問題、これは私どもももちろんよく存じております。廃棄物処理法上はこの問題をどう扱うかと思し上げますと、先生も御存じのことでございますけれども、廃棄物処理法の第五条に「清潔の保持」という項がございまして、ここで「何人も、公園、広場、キャンプ場、スキー場、海水浴場、道路、河川、港湾その他の公共の場所を汚さないようにしなければならない。」という規定がございます。さらにそのすぐ後の第五条第四項に、ただいま申し上げましたような公園とか広場等の公共の場所でございますが、「前項に規定する場所の管理者は、当該管理する場所の清潔を保つように努めなければならない。」こういう規定が一応用意してございます。私どもは、この規定にもかかわらずいろいろなところに投げ捨てられているというのも現実であるということも存じておりますし、それが先生まさに御指摘のように、いろいろな迷惑をかけておるということも存じておりますが、一応廃棄物処理法の体系で申し上げますれば、こういうものについては「清潔の保持」という条項によって対応していく。それからまた、ステーションに集められたごみの中に入っております空き缶等につきましては、分別であろうが混合であろうが、それにつきましては先ほど申し上げましたような体系で処理しておると考えておる次第でございます。
○和田(貞)委員 自治省にお尋ねいたしますが、先進的な町田市を初め各県各市町村でかなり条例をつくったり、あるいは要綱をつくったりして、ところによればデポジット方式を導入して、住民挙げて取り組んでおられるわけですね。しかし、その自治体の行政区外に出たときのごみの散乱というのは、条例があったり要綱で取り組んでおる市町村の域を出るわけですから、これはどうにもならぬという問題があるわけです。それから、やり方によっては消費者の皆さんに甚だ大きく負担をかけるということにもなってまいりますし、あるいは末端の小売販売業者に大きな負担をかけざるを得ないという状況になってくる可能性もあります。さりとて、自治体がそれをカバーするためには、特に観光地ないしは観光地に近い自治体にあっては散乱ごみが随所に重なっていくわけですから、財政的にも非常に負担がかかるという悩みは当然のことなんですね。
 そこで、そのような真剣に取り組んでいただいておる自治体の悩みというのはそれなりにあると思いますし、また取り組めない事情の自治体には取り組めない事情の悩みがあるわけでございます。私も二、三の自治体の方から意見を聞いておりますが、それらの自治体から、別に統一的な考え方、意見というようなことでなくてもいいですから、自治省としてどういう解決策を意見として持ち込まれておるかということをこの機会にお聞かせ願いたいと思います。
○能勢説明員 御質問に正確にお答えするだけの十分なものがあるかどうかあれでございますが、ひとつ率直にお答えさせていただきたいと思うのです。
 先ほどからお話がございます空き缶の問題を考えてみますと、散乱の問題だけではなくて、資源化の問題なり飲料用器政策としての問題なり、いろいろな観点から問題があるように思います。と同時に、空き缶の問題に関連する関係者ということでまいりますと、消費者はもちろんのこと、市町村だけではなくて、関係の業界なりあるいは土地の管理者なり、それも多岐にわたっておるわけです。
 そういうことで、空き缶の問題の解決ということになりますと、これらの関係者がみんな一緒になってともかく取り組むというのが一番肝心のことだろうと思いますし、全体としてどうするかということにつきましては、関係省庁から成る空き缶問題連絡協議会が設置されて、せっかく議論が進められておるわけでございます。こういった場を通じながら、私どもの役所といたしましても積極的に検討を進めてまいる考え方でございます。
○和田(貞)委員 自治省としては自治体の本当の悩みというものをそのまま伝えられておらないと私は思いますが、自治体の市町村長の代表だったらもっと厳しく、一体国の方は何を考えてくれているのかということを言い切ると思うのですよ。そういうようなことを考えたときに、通産省は通産省、国税庁は国税庁、農水省は農水省ということで先ほどいろいろとお答えいただいたわけでございますけれども、この空き缶の散乱防止の対策ということだけで処理をし切るということになると、これはまた経費の点だとかいろいろな面で問題が派生してくることであろうと思います。空き缶はなくなったけれども、たばこのポイ捨てはやまぬ、その他のごみはやまぬということでは、これは何していることやらわからぬわけですね。だからやはり、散乱ごみ対策というのは一貫して適切な方法というものを考える必要がありはしないか、こういう気がするわけです。あるいは通産の方でお答えになった、再生利用、再利用という問題は単に空き缶だけのことではないわけですから、その他再生あるいは再利用できるような資源をまとめて考えるというようなことも必要であろうかと思うわけであります。
 それぞれの自治体でそれぞれの地域の情勢に応じて取り組んでおられるわけでございますが、いいところはいいところ、短所は短所として十分見つけ、そして全体的なごみの散乱防止というものについて考える。今まで五年の間環境庁が事務局として十一省庁の皆さんが集まって協議をしてきた今日の時点、現状では、自治体にこたえる連絡協議会の歩んできた道であったとは私は思えないのであります。また、その散乱によって大変迷惑千万な被害を受けておる住民の皆さんにとってみれば、何をしているんだということになりかねないというように私は思うわけでございます。
 そういうような観点で、私はきょうのこの質問によってこれが終わりであるというようには全く考えておりません。これは一両日中にというような、あるいは一カ月以内にというようなことにはならないと思いますけれども、しかし急を要する問題であります。したがって、先ほど意見を申し上げたわけでございますが、容器は容器をつくっておるメーカー、これは容器を製造して容器を売って収益を上げておるわけです。あるいは酒類にいたしましても飲料用にいたしましても、容器詰めをして、そして製造し販売をして収益を上げておられるわけです。確かに食品容器環境美化協会へそれぞれ参加をして、一定の分担金も払ってやっておるんだというようなことで、社会的な責任をそれぞれの事業者が果たしたというようには私は思わないわけであります。また自治体は自治体として、本来の清掃業務あるいは廃棄物の処理業務というものが自治体の固有事務としてあるわけでございますが、しかし自治体だけ単独でそれをやっていくということになりますと、これは酒を飲まぬ住民もおりますし、ジュースも飲まぬ住民もあるわけですから、そういう酒も飲まぬ、ジュースも飲まぬような住民にしてみたら、酒やビールを飲むことから起こってくるその事務を何で自分らの負担で丸々解決せにゃいかぬのやというようなことも、短絡的な意見でありますけれども出てこぬとも限らぬわけです。
 だからやはり、自治体もさることながら、製缶のメーカー、容器のメーカーあるいは酒、ジュース等の製造メーカー、そういうようなメーカーも、この最終的な処理に当たって社会的な責任を、自治体に対して応分の負担をする、応分の分担をする、そういう中で一体となった最終的な処理というものを考えるということでなければ、これは最終的な解決というものはおぼつかないんじゃないか。現行の厚生省の所管をされておられるこの法律によって、今の厚生省の見解以上の域を出ない見解であるならば、新しい法律をつくって、そしてこれが処理できるようなことも考えていかなくちゃならないと私は思うわけです。
 そういうようなことで、もう十一省庁の連絡協議会ができて五年になるわけですから、ここらあたりで本腰に取り組んでもらう姿勢のほどをひとつ長官の方から述べてもらいたいと思います。
○石本国務大臣 ただいま先生の御質問を通しまして、それぞれ関係省庁がいろいろのお答えをしたわけでございますが、空き缶問題というのは各省庁それぞれの責任分担の中で努力をしておられますけれども、なお現在のような状況がますます広がっていくと言えばおかしいですけれども、収集することができない現実を見ておりますと、何か特別の措置でもしなければいけないのじゃないかとお話を聞いていながら思うわけでございます。やはり収集と運搬ということになりますと、自治体が最終的に処理することになるのじゃないかなという気もするのでございますが、いずれにいたしましても、特別の措置を仮につくると仮定いたしましても、現在それに関連する法律とかあるいは規則とかいろんなものがあるわけでございますから、そういうものを十分に参酌しながら慎重に検討いたしまして、そして判断する必要があるのじゃないか。絶対にあるのだというふうに私、お話を聞きながら考えたわけでございまして、今後十一省庁とともにこの問題を、あした、あさってというわけにはまいらないと思いますけれども、できるだけ早急に、ただ美観とかそういう問題じゃなくて、非常に迷惑をしておられる多くの国民の方々もおいでになるわけでございますから、心しまして結論に導くための対策を考えさしていただきたいというふうに思います。
○和田(貞)委員 この解決が終わるまでひとつ長官に留任してもらって解決してもらわぬと、長官がかわるとまた一からやり直さにゃいかぬので、これは内閣のことでございますが、気持ちとして申し上げておきたいと思います。
 これは我々、立法府は立法府として早急に単一立法化の面も含めて勉強したいと思います。行政府は行政府として、ただ今までのような、五年間歩んでまいったような連絡協議会をまだ続けていくというようなことではなくて、今長官の言われたように、自治体だけに押しつけるというようなことであってはいけないと思いますし、また地域のボランティア活動だけに甘えるというようなことであってもいけないと思う。そこらが相まって、例えば今地域によりましては、駅前に自転車が放置されていて乗降客が非常に困っているというような問題がありますね。そういうような問題につきましては、例えばその地域の高齢者の皆さんの組織がボランティアの活動としてこれに対処しておる、そういう一例もあるわけですから、年寄りに対するところの生きがいの道、一つの仕事を与えるというようなことも含めて、この問題につきましていろいろな角度から、そして自治体が今日まで取り組んでいただいた結果の長所を生かし、短所を補うということで、ひとつ環境庁が中心になって、長官がお述べになったように、この機会に新しい方策というものを早急に打ち出していただく御努力をぜひとも重ねてお願いを申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
○辻委員長 この際、休憩いたします。
    午後一時二十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時十九分開議
○辻委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。小川新一郎君。
○小川(新)委員 時間が限られておりますので、明快な、気分のよい御答弁をひとつお願いする次第でございます。
 最初に、水俣病待たせ賃訴訟について大臣の御所見を承りたいと思います。
 昭和四十五年代、有名な公害国会、墓場からの告発とか死者の告発というようなことで、水俣病を初め、日本全国で限りない公害が発生いたしました。そのことを踏まえて私どもは努力に努力を重ね、今日ようやく曙光を見出した、といっても、また新たなる公害が発生してくる懸念もある、こういう非常に厳しい状況の中で、産業優先なのか、生命、健康が優先するのかという二者択一の議論の中で、今私どもは曲がり角に立っているわけでございます。
 そういう中で、水俣病の十数年来の闘いの中で、環境庁長官は福岡高裁の判決をどのように受けとめられていらっしゃいますのか。
 また、石本長官は、なぜこの間、患者団体の面会申し入れに対してお会いしなかったのか。私は、これにはいろいろ御理由があると思います。大臣には大臣のお考え、環境庁には環境庁の、今までのいきさつの中からこの患者団体と会うことを好まない、または会うことに対していろいろと抵抗がある。そういう団体であるのかどうかは別といたしましても、歴代環境庁長官の中で、女性の長官として、男性にない優しさというか、応対の機微というか、そういうものを一つの特異の武器として、こういうぎすぎすした社会の中にあって、長官の持つパーソナリティ、またその人柄、人徳で、たとえこういった過激と言われているような団体の方々であったとしても、そういう方々は公害の犠牲者であり、長い間御苦労なさってきたのでございますから、たとえどのようなばり、または名誉に関して気持ちの悪い、気分の悪いことを言われることを予想されたとしても、長官自身の日ごろの行動、識見、そういうものの判断の中から、お会いすべきであったと私自身は思っております。
 それを、会わなくて、強制的に排除したということが新聞報道されております。これはまことに理解に苦しむものでございますが、その辺のところ、長官としてはどのような御所見があるのか、まずお尋ねいたしたいと思います。
 と同時に、環境庁長官として、いわゆる待たせ賃を支払うことについてどのように考えていらっしゃるのか。地裁、高裁ともに原告が勝利をしております。これに対して、最高裁に上告するのかしないのか、こういう点を踏まえた中で、御見解をお尋ねします。
○石本国務大臣 先生いろいろお言葉をいただきましたが、私も就任いたしまして以来、この水俣病につきましては私なりに心を砕いてきたつもりでございます。
 ただいま申されましたように、待たせ賃に関するものでございますが、訴訟の判決もございました。これは、国及び熊本県におきましては、これまで水俣病の認定業務を促進するために各般の施策を講じてきたにもかかわらず、これが認められなかったことはまことに残念だという気がいたしております。現在、判決内容を検討中でございますが、いずれにいたしましても、環境庁といたしましては、認定業務促進のため、関係県との連携のもとに、引き続き最善を尽くしてまいる所存でございます。
 それから、なぜ会わないのかというお言葉でございますが、私は、水俣病の患者さんあるいはまたそういう関連の方々にこれまではずっとお会いしてまいりました。今回も会うことには決してやぶさかではございませんが、過去の経緯などございまして、そうしたことなどを含めまして、今回、現在ただいまはお会いしないということで来ているところでございます。その辺をおわかりいただきたいと思います。
○小川(新)委員 私も、最初に申し上げましたように、長官の気持ちが理解できないわけではございませんが、私はそこが政治の一番大事なところだと思うのです。恐らく長官はお会いしたかったと思うのですが、いろいろな諸般の情勢で、あるいはとめられたかもしらぬ、お会いしない方がよいというような周りからの忠告とか、そういう圧力があったかなかったか、そういうことは私はわかりませんが、私は、長官は恐らくお会いして、どんな言い分にせよ、患者団体にたとえ長官の名誉に関するようなことを言われたにしても、会うお人柄だといつも確信している一人なんですが、今回は会わなくて、強制的に退去させ、そこで暴力行為が発生し、一人逮捕されたというような、少なくとも公害病患者の犠牲者が環境庁長官に会うために刑事訴訟法にひっかかるような行為をしたということは、これはまことに遺憾だと思うのです。
 そこで、最善をお尽くしになると言うけれども、これはそのまま裁判のとおり環境庁としては従うのか、それを不服としてさらに最高裁に上告するために今はここで会えないというのか、明確にしていただきたいのでございます。
○目黒政府委員 お答え申し上げます。
 上告の件につきましては、現在、判決の内容を法務省等と検討中でございまして、現時点ではこれ以上のことが申し上げられないような状況にあるわけでございます。
○小川(新)委員 おかしいじゃありませんか。国会において、委員会において、少なくとも委員がそれに対しての方針を聞きたい、防衛庁の国家機密に関するような、少なくとも国家の安全保障に関するような問題ではない、公害を発生させたという被害者からの責任問題に対して、また待たせ賃の問題について、こういう問題がなぜ我々に発表できないのですか。委員会に公表できないのですか。もう相当日にちもたっている。
 そういう問題が起きると、一々法務省に相談しなければ環境庁としてはその方針が決定できないのですか。これこそ環境庁の人格の問題であり、だれからも束縛されないでおのれの信じる道に従って、するかしないか、遺憾であるのかないのか、ただいま大臣は最善を尽くすとおっしゃっている、そんな不明朗な、答えられないなんてことでは納得できない。
○目黒政府委員 お答え申し上げます。
 上告の件につきましては国全体として法務省が所管をいたしておりまして、私どもも法務省等と協議をしなければならないような問題でございますので、今私どもの方としては法務省と鋭意検討中のものでございます。
○小川(新)委員 大臣、それじゃそれはいつごろわかるのでございますか。
○石本国務大臣 私も先ほど来事務当局にそれをただしているわけでございますが、現在ただいまのところ予定が立たないということでございます。
○小川(新)委員 予定が立たないということは、まことに私は理解に苦しむのであります。このような大事な問題、きょうやきのう起きた問題ではない。十何年もかかっている。やっと結果が出た。またもう一回裁判。また何年かかって結果が出た。これに対して今度どうするかということもいまだに予定が立たない。ますます日にちが延びていってしまって、上乗せするわけですね。
 大臣、ここは事務当局の言いなりになるということはおかしいのであって、大臣が早くしなさいとか、いつまでになさいとか言うことは、少なくとも最高責任者として深刻に受けとめていらっしゃるのであるならば、公害を起こしたという原点に立ち返った責任問題を議論されなければならない環境庁としては当然だと思うのですね。私は水俣病にかかったわけではございませんが、なった方々は本当に大変な御苦労でございます。死に至る。またイタイイタイ病、こういった病気というものは、普通では起きなくてもいいものが起きたということを御理解いただいて、私は、男性にない婦人のきめ細やかな情の中から御判断をしていただきたいと念じているわけでございます。
○石本国務大臣 先ほど部長も申しましたように、私といたしましては、上告するかしないか、とにかく結論を早く急ぐべきであるということは申しているわけでございますが、現在ただいまのところ、最後の詰めといいますか、それがいつになるかということがわからないという状態にあるわけでございます。大変申しわけないと思っております。
○小川(新)委員 そうすると、こういうことがきょうの委員会で議論されていますと、患者団体からはまた心配の余り陳情に来るわけでありますね。そうして、来ましたときにはまた面会もしない、排除でもってトラブルが起きる、こういうことを繰り返しておりますとますます政治に対する不信感がわいできますが、大臣はどのようにお考えでしょうか。
○目黒政府委員 お答えいたします。
 私どもは、この上告をするかしないかということについて関係の方々が大変な関心を持っておられることはよく承知しておるわけでございますが、事柄が大変重大なことでもございますし、私ども判決の内容を十分慎重に検討いたすということもございますし、また、先ほど来申し上げましたような関係省庁との協議もございますし、そのようなことも踏まえまして慎重にしておるところでございます。
 なおまた、患者さんの方々等からもしこの点についての御質疑があるとしますれば、やはり今のようなお答えしかできないわけでございますが、先ほど大臣が申し上げましたように、私どもは、平穏無事にルールとおりお会いするということについてはやぶさかではございません。したがいまして、私どもは、患者さんの方々もこの点につきましてはできるだけ御理解を賜りたいと思っている次第でございます。
○小川(新)委員 我々国会議員が質問しても答えが出ないものを、患者団体が聞いたって答えるはずがないし、またこの問題でトラブルが起きるわけでございます。
 大臣、私が申し上げているのは、人というものはお互いの人情の機微の中から――大臣の真摯な態度で接しられている姿に石をもってぶつ者がもしあるとするならば、それは世の中の批判を受けるわけです。敢然と女性である大臣が矢面に立っている姿を見て、だれか心を動かさない者があるでしょうか。それをもしとめている者があるならば、あなたの周りを取り巻く男性のやから、もしくはそれぞれの立場の責任を感じていらっしゃる方々が、大臣の身を思ってかばっていらっしゃるのか、おのれの責任を達成するためにやむを得ずやっているのか、いずれにしても、ここは決断を要する場面が近づいているということを私は進言しておきます。
 時間がございませんからここでいつまでも詰めておるわけにまいりませんが、あえて申し上げますが、どうかひとつ歴代大臣の中でも名のある大臣として、この水俣病の裁判問題に対する出処進退における態度というものを明確にしていただきたい、こう念じて、次の質問に移らせていただきます。
 酸性雨の被害についてちょっとお尋ねいたします。
 日本でも関東地方の平野部で、私の住んでいる埼玉県を中心に最近杉の木の立ち枯れがふえてまいりました。特に冠頂部の枝が枯れております。欧米においては、この酸性雨の問題が今大変な社会的、国際的問題になっております。日本でこれが起きることは大きなショックだと言われております。これは先ほどの大気汚染学会における研究発表において大学の教授がこのことを発表したということでございますが、なぜ埼玉県、群馬県にこのような杉枯れ状態が出ているのか、これは一概に酸性雨だけで解決するという結論を出すのは早いのかどうか。
 私どもがなぜ心配しているかと申しますと、御存じのとおり松は松くい虫にどんどんやられて、今や日本の国から松がなくなるんではないかというほど心配しております。残された一番大事な樹木である杉やヒノキにもしこのような被害がどんどん出て松と同じような運命になったら、日本古来の樹木である松とか形とか、我々の日常生活に最も必要な、また環境整備に大事な木を、後代に残すことなくいたずらに枯らしてしまうことになったら、現代の私たちの大きな責任であると言わざるを得ません。そこでこの問題についてお尋ねするわけであります。
○杉戸説明員 お答えいたします。
 先生御指摘の杉枯れの問題につきましては、環境庁でも大変心配いたしておるところでございます。そこで、先ごろ大気汚染学会で、これは群馬県の衛生公害研究所でございますが、その発表がございましたので、私ども早速現地に参りましてその関係者からいろいろ詳細な内容につきまして伺いまして、また現地なども視察いたしてまいりました。
 特に埼玉県、群馬県を中心にその被害が広がっておるのでございますが、この研究所の調査された方の見解では、これはなかなか難しい問題でございまして、杉枯れの要因というのも、降水量とか地下水あるいは気温とか土質、そのほかにも台風の影響とか害虫の影響、それから御指摘のような酸性降下物、これは酸性雨も含めていろいろな意味の酸性降下物でございますが、いろいろなものが考えられる、今後の広範な調査にまたなければならない、現在のところはその原因は不明であるというような見解でございました。
 私ども環境庁といたしましても、これは大変重要なことだというような関心を持っておりまして、これから関係者と連絡をとりながら、この問題には前向きに、真剣に取り組んでいきたいというように考えております。
○小川(新)委員 この解決のめど、またはそれへの対応についての成算というものは環境庁は持っていらっしゃいますか。
○杉戸説明員 これからいろいろ調査してみなければわからないかと存じますが、環境庁では、酸性雨の問題につきましては、五十八年度からその発生のメカニズムとか陸水、土壌に及ぼす影響など、いろいろな調査をいたしておるところでございます。そういう調査との関連などにおきまして、私ども積極的に勉強してまいりたいと思っております。
○小川(新)委員 お願いがございますが、埼玉県に対しては特に、私の住んでいるところで、自分のところだけ言うのは申しわけないのですが、三国山脈を壁として東京湾から吹いている風に硫黄酸化物、NOx、これらのものが滞留して落ちてくるという説もございますので、埼玉県庁と連絡をとり、また群馬県庁とでも結構ですが、行動する御計画を示していただきたい。
○杉戸説明員 先ごろ群馬県の方からいろいろ話は承ったのでございますが、特に先生御指摘のように、埼玉県下でもかなりの杉の被害が出ておるということでございますので、埼玉県の方にも一度いろいろ話を伺ってみたいと思います旧
○小川(新)委員 話じゃなくて、実際の行動として何らか打ち出していただきたいのです。ただ話を聞くだけというのも――わかっていることなんですから、どんどん枯れているのですから、それが、指摘されなければ動かないというのでは困るのであって、環境庁の方からこういうようにしてやるという何らかの行動を示していただきたい。
○杉戸説明員 杉枯れの問題につきましては、特に林野庁なども関係がございますので、そういうところともまた連携を密にいたしまして、それから埼玉県の方ともいろいろ話をしてみたいと思います。
○小川(新)委員 よろしくお願いします。
 次に、産業廃棄物のことで、この前も私は質問いたしましたが、埼玉県の秋ケ瀬のところに大きなごみの山、トラックにして約数百台分、撤去資金にして約五、六千万円とも言われる不法投棄が行われました。この不法投棄が行われて、その業者が何回忠告、指導されても言うことを聞かない。ついに警察に逮捕されました。その間に会社が倒産いたしました。そのごみの山が残りました。だれも片づけられないということでございます。
 その原因は、有害な物質が流れているときには法律に従って取り除くことが県や市町村でできるのですが、一般の産業廃棄物については、そういう有害物質を垂れ流さない山についてはどこからも資金が出ない、ただ原因者である不法投棄をした会社の責任になるのだ、こう言っているわけですが、その責任者である社長が逮捕され、会社が倒産し、にっちもさっちもいかなくなりました。残ったのはごみの山でございました。
 この前の質問では九月までということでございましたが、十一月になってもできないということで、私が仲立ちをいたしまして業者の組合団体を動かし、君たちの仲間がやったことだから法律のいかんを問わず埼玉県の環境部と協力してこれを取り除いてくれということにいたしましたところ、埼玉県側では非常に喜んで、これを業者組合にお願いをしてただで今片づけ中でございます。住民は非常に喜んでいるわけなんですが、これは全くそのときそのときの行き当たりばったり、その業者が賛成してくれれば片づける、しなければそのまま。業者側としては、厳しい当局に対して少しでも協力をして恩を着せたいという気持ちもあったでしょうし、また責任を感じているかもしれません。
 いずれにいたしましても、結果においては、そのごみを取り除くのは業者の好意によって自分たちの仲間のしりぬぐいをしてもらわざる得ない。それを取り除くためのお金を出すところがない。ただ水かけ論。困った、余った、ごみの山を眺めてはため息をついていた状態でございます。たまたまそういうふうな配慮によって解決するめどがついたのですが、こういうことは日本全国で行われていると思うのです。
 だからこれは国が当然何らかの――そういう法律にない、または条例にない、そういう問題の山を取り除くためにはどうしたらいいのか。最終的にはその原因者がやるのだが、その原因者がどうしても言うことを聞かない、または倒産して資金がない、力がない、そうなったときにはその山は一体だれが取り除くのかということが今一番大きな問題になって浮かび上がってまいりました。このことについて何か法文をつくって対応するお考えがございますでしょうか。
○横田説明員 お答え申し上げます。
 ただいま、先生が仲介をされまして埼玉県の荒川近くのごみの山を業者のボランティアによりまして片づけていただける話があったということを聞きまして、私ども大変喜ばしいことだと思いますし、また、産業廃棄物処理行政を進める上からしましても頼もしい限りというふうに受けとめております。まことにありがとうございました。
 一般的に申し上げますと、不法投棄等の不適正処理の事例の発生原因といたしましては、まず、排出事業者が廃棄物処理に関する意識をまだ十分高めていないといったことや、また処理業者の経営基盤が十分でないといったこと、あるいは処分地空間の確保が非常に難しい、これは先生御案内のとおりでございますが、そういったことが挙げられるわけでございます。
 厚生省といたしましては、これら種々の要素を踏まえまして、まず、根本的な問題といたしましては、不法投棄等の不適正処理事例の減少を図るといったことの指導に努めてまいりたいというふうに考えておりまして、現在、不法投棄、不適正処理の防止対策の調査研究というものを行っております。
 その中でも、五十九年度で一応中間段階の取りまとめがございまして、指摘されている事項といたしまして、有害廃棄物を排出しない事業者につきましても、今後は有害廃棄物排出事業者並みの廃棄物管理意識というものを持たせることといった指摘がございます。また、その中に、具体策といたしまして、廃棄物処理責任者の配置を行うとか、あるいは保管施設におきますところの分別管理の徹底をいたしますとか、あるいは委託を文書化する、今までとかく口頭で委託、受託の契約を結ばれているというケースも聞くわけですが、口頭でなくて文書化するといったこと、あるいは処理後の確認というものを必ずチェックするといったようなことが挙げられております。またそのほか、処理業者の許可条件を強化したり、あるいは監視指導の強化といったことに努めてまいりたいというふうに考えております。
○小川(新)委員 それらのことはもう議論され尽くしているのですよ。それで山が残ったのです。だれが片づけるかということなんです。
 たまたま今回は、ボランティアなんて格好のいいことを言っているけれども、私が入って業者をたたいて、渋々している業者に車と金と場所を提供させたのです。言うことを聞いたからいいけれども、言うことを聞かなかったらどうにもならない。おれがやったんじゃないから知らないよということですよ。そうでしょう。だからどうするんだということなんです。そんなことはもう今までみんなやっている。
 だから、国が何とかしてくれなければ困るのだということで、県はこういうことを言っているのですよ。
 不法投棄が行われる原因は処分場の不足にあると思われるので、国は計画的な処分場の確保を図ってほしい。不法投棄の防止については、行政処分なり指導を円滑に作用させるため、県任せではなく、国として指導方針づくりをしてほしい。埼玉県のような大都市圏にある地域については、産業廃棄物の県境間の移動が激しく、県を越えた広域的見地から取り締まりが要請される。このため、周辺都道府県との連携体制の制度化を国も進めてほしい云々等、十幾つも注文があるのです。
 あなた方は、それは聞いているでしょう。だけれども、その山が取り残された。その山については最終はどうするんだということができない。そうなったときには県が金を出すとか国が金を出してでも、自分たちの責任でやるべきなんですね。ところが今度のこれは、悪く言うと、借りをつくったわけです、産業廃棄物業者に。そうでしょう。申しわけないな、片づけてくれたかい、ありがとう。向こうは今度はいい顔になりますよ。そうですね、大臣。そういうことのないようにするために、何らかの措置を講じてくれというのです。――簡単にお願いします。
○横田説明員 お答え申し上げます。
 不測の事態等が起こった場合に、二部またこれは業界の内部での相談なんですが、保険制度みたいなことも考えております。そういったことで今後事後処理のあり方についても検討を加えてまいりたいというふうに思っております。
○小川(新)委員 ありがとうございます。その保険制度をやって、どこからでも金が総合的に援助できて、たれ人からも非難されない、この保険制度というのはまことにいいアイデアでございます。ぜひ実行していただきたいと思います。
 次に、志布志湾の国家石油備蓄基地に係る漁業補償金についてちょっとお尋ねします。
 古くて新しい問題でございますが、新大隅開発計画が昭和四十六年に発表されて以来、十余年の長きにわたって反対の住民運動が展開されている中で、最近の石油備蓄の緊急性の変化等大きな国家的な変革の中で、志布志国家備蓄事業の建設を今進めているわけでございますが、志布志国家石油備蓄基地に係る漁業補償金四十一億二千五百万が昨年十月八日に支払われました。
 この四十一億二千五百万の内訳は、高山について十五億九千三百万、これは硯石地区の漁船だまり分を含んでいるところです。東岸良二十五億三千二百万、これは柏原地区の漁船だまりのところでございますが、この二つに対して補償金がまだ渡っていない。ところが、先ほど私がいろいろ聞きますと、こういう四十一億二千五百万円の補償金の積算というものは、硯石と柏原という二つの漁船だまりの損害補償を積算した上で四十一億何がしというものが出てきたのかと聞いたら、そうだ。その前はそうでないと言うのです。これは含まれていない。ただ、一括的な損害補償の中でお任せしたのであって、あとは、この地域にお金を支払うか支払わないかという問題については漁業組合の問題であって、我々の関知したどころではない。
 しかし、積算されているというのといないというのでは大変な問題でございます。積算されていないで四十一億二千五百万が計上されたというのであれば、この二つの漁船だまりに対する補償金は払われなくてもいいわけです。ところが、これを踏まえた上で積算されたのだけれども、これが払われていないということならば漁業協同組合の責任になるわけでございますが、いずれにいたしましても、この問題は非常に法律的に微妙なところでございます。
 なぜかと申しますと、まず、両漁船だまりの埋立工事を着工するに当たり――もう一つでき上がっちゃって、今一つやりつつありますが、漁業権者からの着工への同意を得たのかどうか。着工への同意、公有水面埋立法八条一項、これは得ていない、漁業協同組合の総会決議さえ行っていない、同意していない。埋め立てへの同意というものは同法四条三項一号、これは五十八年十一月に得た、総会決議等がございます。
 公有水面埋立法八条一項には、工事に伴う損害の補償をするかまたは着工の同意を得た後でなければ埋立工事に着手できないとされております。この場合の事前の損害の補償が漁業補償に当たるのでありますけれども、これは、漁業組合に補償すれば、漁業集団、漁師の方々一戸ずつに支払わなくても、着工というものは法律を超えてできるのかどうか、これは非常に大きな問題でございます。
 先ほど私がいろいろお尋ねしますと、この両漁船だまりには漁業組合から要請のある施設をつくってくれということで、その施設をつくったからもうこれでいいのだと言っておりますが、果たしてそれは補償に当たるのかどうかという見解でございます。まだこの地域の三人ないし数人の方々が、漁業補償に対する反対のために補償金を受け取っておりません。そういう問題でございますと、漁業協同組合に支払われたことによって漁民個々に対する補償はなされたのか、それが果たしてこの法律に適合するのかしないのかという問題が今浮かび上がってきたわけでございます。
 その前に私が疑問に思うことは、この両地域が損害補償の積算の内容に組み込まれているかいないかという問題さえも二つの意見に分かれておりまして、まことに私は不可解に思うのでございますが、この点からまず明快に御説明をいただき、公有水面埋立法の問題を運輸省と水産庁両方の御意見を承りたい。まず、水産庁にお尋ねします。
○堀越説明員 当該地区についてその積算の中に入っておるかどうか、実は本日伺ったばかりで、私まだ承知をいたしておりません。
 ただ、一般に私ども、漁港など地元漁業者が希望します水産関係施設などを設置いたします場合には、その関係漁業者から漁業補償の要求があるというふうなことは通常はないというふうに聞いております。
○森谷説明員 お答え申し上げます。
 波見港の埋め立てに関連いたしまして、当該海域で漁業権を有しております東串良漁業協同組合及び高山町漁業協同組合に対しましては、埋立法に基づく免許の要件の一つといたしまして、両組合より同意書を徴した上で、出願人であります鹿児島県で、公有水面埋立法の免許権者であります同港の港湾管理者鹿児島県知事より免許を取得して工事を行っているものでございます。同波見港の工事につきましては、両組合の同意を前提といたしまして、昭和五十九年十月八日に補償金を支払った上で、本年一月九日に工事に着手しているわけでございます。
 なお、漁業権者であります両組合より同意書を徴し、また補償金を支払っておりますので、お尋ねの八条の条項は適用がないというふうに考えております。
○小川(新)委員 水産庁、あなたのところは怠慢だよ。これが入って積算しているのか積算していないのかわからないなんて、そんな答弁はないですよ。十何年来の闘いをやっているところで、漁業権が入っているか入っていないかわからないなんて。
 大体、漁業組合に払えばそれでもう解決したと思うのか、それとも、こういう補償は漁民一人一人に補償を与えるのか。だから施設をやったからいいのだと言うが、漁民は今度は反対になってしまうわけですよ。漁業協同組合に払ったんだ、それでおれたちは賛成したなんという決議文なんてないですよ、あると言っているけれども。
 運輸省は、どういうふうにして――二つの漁業協同組合が納得をした同意書を取り寄せたとか取り寄せないとか今言っているようですけれども、全然個々の漁民に金が渡っていない。しかも、積算されていないと言っておいて、今度は入っていると言っている。この辺のところは非常に不明確だ。
 水産庁、こういう場合、一人一人の漁民には補償しなくてもいいのですか。漁民集団もしくは漁民に補償せず、そういう組合という団体に一括してやればそれでいいのですか、こういう問題は着工の方に踏み切れるのですか、この辺のところが私にはわからないのです。その辺のところはどうですか、水産庁はどういう指導をするのですか。
○上野説明員 お答え申し上げます。
 埋め立てを行います場合には大抵漁業権の放棄という行為が伴うわけでございますけれども、この漁業権の放棄をいたすにつきましては、水産業協同組合法によりまして総会の特別決議、これは総会出席者の三分の二以上の同意を要するわけでございますが、特別決議を要するということになっております。したがいまして、漁業権の放棄と得喪ということでございますけれども、これに関します限り、個々の漁業者が云々ということはございません。
○小川(新)委員 今聞いているのは漁業権の放棄じゃない、漁業権の放棄に伴う漁業補償はどうするんだと聞いている。あなた方はすぐすりかえてしまうんだ。私は漁業権を言っているんじゃない。
 それは、今言ったことはあり得るけれども、漁業権を失うことによって生ずる個々の漁民の補償は、一人一人の漁民に対して補償額を提示し補償していかなければいけないんだろうというのですよ。それができているのか、できていないのかと聞いているのですよ。
○堀越説明員 私ども、漁業補償の前提となります漁業補償契約を結ぶ前には、漁協が関係地区の漁業者の同意を得るように指導いたしておるところでございます。したがいまして、その同意を前提に漁協が漁業補償金を受け取るわけでございますので、通常はその関係漁民に渡るべきものだというふうに考えております。
○小川(新)委員 そうしますと、この第八条は、「其ノ補償ヲ為シ又ハ前条ノ規定ニ依ル供託ヲ為シタル後ニ非サレハ」、その後に、「権利ヲ有スル者ニ損害ヲ生スヘキ工事ニ著手スルコトヲ得ス但シ其ノ権利ヲ有スル者ノ同意ヲ得タルトキ」云々とありますが、その権利は漁業協同組合にあるのか、それとも、組合に入っていれば、個人に接触をしなくても権利の補償の一括というものは――金は組合員に渡っていないのだし、その見返りとして何か施設をつくることによって補償になったとかなんとかということを説明されたのですけれども、そうすると個人個人の補償というものは、あなた方が一つずつ折衝しなくても、その権利の問題で、組合に全部責任を与えてしまって、あとの一人一人の持っている、小川新一郎なら小川新一郎という漁民には交渉しなくてもいいのですか、それで着手してしまうのですか、その人の同意を得なくても。
 損害を生ずる者は私なんですよ、協同組合じゃないですよ。協同組合が損害を生ずるんじゃないのだから、漁民一人一人の生活権なんだから、その生活をする人が漁業権がなくなってしまって大変になってしまったんだから、それをあなた方が一つずつこうやって折衝していかなくてはいけないと書いてあるように私は理解しているのだが、これは私の方が間違っているのか、どうなのか。
○森谷説明員 お答え申し上げます。
 公有水面の埋め立てに当たりましては、「公有水面ニ関シ権利ヲ有スル者埋立ニ同意シタルトキ」という一つの要件がございます。その一つとしまして、今お尋ねの漁業権者がこの権利者に当たります。私ども、波見港の埋め立てに当たりましては、先ほど申し上げました東串良漁業協同組合と高山町漁業協同組合がここで言う漁業権者に当たるということで、両組合の同意を得ておりますので、公有水面埋立法に従って適正に事務を処理したというふうに考えております。
○小川(新)委員 三分の二の同意を得たから、決議を得たからという、そういう決議の議事録なども私は見てないのですがね。そういうこともうやむやのうちに、一人一人の漁民の犠牲の上に立って、漁業協同組合が一括して納得したとかしないとかという問題なんですけれども、一番損害を受けている一人一人の漁民にお金が渡っていかないのですよ、大臣。こんなばかげた話があるのですかね。それで、どんどん工事が進んでいっちゃうんだね。この問題は、時間が来ましたからやめますが、本当に真剣に考えていただかなければならぬ問題でございます。実は自動車の排ガスのことできょうお呼びしておりました通産省の方々、運輸省の方々、大変失礼いたしました。時間がございませんからきょうは質問できないので、徒労をいたさせたことを心からおわびをいたしまして私の質問は終わらせていただきますが、大臣、先ほど申しましたように、公害問題にしても補償問題にしても、要は人と人との問題でございます。この問題解決のために環境庁または所管の省庁が真剣になって取り組んでいただきますことを最後にお願い申し上げ、ごみの山については保険制度という問題が浮かび上がってまいりましたので、私としては不満足でございますが、質問をこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。
○辻委員長 藤田スミ君。
○藤田(ス)委員 きょう私は大変時間が限られておりますので、新幹線騒音の環境基準達成の問題についてのみお伺いをいたします。
 まず、環境基準の達成についての基本姿勢で長官にお伺いをしておきたいわけです。
 改めて申し上げるまでもないと思いますが、この七月に、十年前に告示されました新幹線騒音の環境基準の達成期限が切れました。環境庁の調査によりますと、東海道新幹線に限ってみましても、その達成率は、住居地域で、五十メートル以内で四四%、二十五メートル以内で一二%、十二・五メートル以内で七%とほとんど未達成であります。私は、環境基準というのは、その達成期限が来るまでは目標値のゴールとしての意味を持っているでしょうが、一たび達成期限が来ればいつまでも目標値のままでとどまっているわけにはいかない、まさに規制基準と同じような機能を果たすべきものだというふうに考えていました。
 ところが、環境庁大気保全局長から運輸省の国鉄再建総括審議官にあてられました要請文書を見ますと、住居地域の環境基準である七十ホンは棚上げにされまして、五年以内をめどに当面七十五ホン以下とするという努力目標が示されているだけであります。七十ホンについては、達成のめども、対策、手段も何ら示されていないのではないかと思います。環境庁は七十ホンを放棄していないとおっしゃるけれども、これでは、事実上棚上げあるいは放棄したと言われても仕方がないわけであります。ここには、その環境庁の環境基準の達成は技術的に可能な範囲内でそこそこやっておけばよいんだというような安易な気持ちがあるのじゃないか。本当に環境基準を達成するという強い姿勢なり構えなりが欠けているのじゃないかというふうに言われても仕方がないと私は考えますが、まず、長官の環境基準に対する基本的な姿勢をお伺いしたいわけです。
○石本国務大臣 ただいま先生も申しておられましたように、今回運輸省などに申し入れをいたしました措置は、着実に環境基準を達成させるために当面なし得る最大限の努力を求めたものでございますが、私といたしましても、環境基準の達成に向けまして、今後ともできる限りの努力をしていかなければならないというふうに考えております。
 具体的なことは局長の方からお答えさせていただきます。
○藤田(ス)委員 着実に達成できるように当面なし得るというようなことで措置が、対策が示されているわけなんですが、そのできる限りの努力といいましても、環境基準を引き下げて、さらに目標期限を先送りするようなやり方というのは、これはまさに沿線住民に対する環境庁の裏切りだというふうに考えられませんか、そこに胸の痛みを考えられませんか。
○林部政府委員 私から技術的な問題に関連しましてお答えさせていただきます。
 私どもが今回関係省庁に申し入れをいたしましたのは、今日の時点で技術的に可能な最大限の目標をいかにして達成するかということで申し入れをしたものでございます。つまり環境基準というのは、再々先生からも御指摘がございますように、屋外での達成ということが本来目的になっているということでございますから、今回の要請をいたしました内容の主たるものは、音源対策として七十五というものを達成したいということでございまして、七十ホンという問題を別に切り下げをしたわけではございません。
 それは、現在の時点では音源対策としては技術的にまだ可能な領域にまで達していない。ただ七十五ホンについては、現在考えられます技術を総合して対応すればそれは達成ができるのではないかということで、T類型、U類型を問わず、住宅の比較的集合しているようなところについて重点的にそういうことをやっていっていただく。特に住宅の密集しているようなところが連続しているような地域から手をつけていただいて、五年以内に何とかそれを達成していただこうというものでございまして、確かに、七十ができないのではないかということについては、現在の段階では技術的にそれができないということが明らかになりました以上、屋外での環境基準達成を目指す路線としては、今、大臣からも申し上げましたように、現在の時点で一番必要なこと、また最大限可能と考えられることを目いっぱいやってもらうという具体的な目標を明示したということでございまして、別に切り下げをしたというようなつもりはございません。
○藤田(ス)委員 そうすると、念のために聞いておきますが、何としても五年以内に屋外での七十五ホンは達成する、そういう並み並みならない決意を持っておられるというように聞いていいのですね。
○林部政府委員 率直に申し上げまして、私どもは今回運輸省、また間接的には国鉄に要請をした形になるわけでございますが、今回私どもが要請をしております七十五ホンという発生源対策を先ほど申しましたような地域において完了するということは、私は相当努力の要ることだと思いますから、これは当然、具体的には国鉄当局にも相当な努力をしていただかなければならないわけでございますし、私どもといたしましても、現在の時点で、こういう技術的に可能なものでございますから、達成の可能性はあくまで追求していくという決意で具体的な目標をお示しをした、こういうことでございます。
○藤田(ス)委員 環境庁の調査では、名古屋の七キロメートル区間で幾つか鉄橋があるところですね。とりわけ名古屋市熱田区の六番町、あの鉄橋のところでは八十九ホンという非常に高い数値になっております。そこで国鉄が七十五ホン対策として、レールの更換、架線のハンガー間隔の縮小あるいはラムダ型防音壁、そしてバラストマット、四つの対策技術を出しておられるわけですが、これを全部やったとして総合効果何ホンぐらい低下するんですか。国鉄は例の六番町の鉄橋にラムダ型防音壁、それからバラストマットのその技術は実施できると考えておられるのか。二点ですよ。
○鬼沢説明員 お答えいたします。
 今先生御指摘の、昨年名古屋市内で実施いたしました試験結果で、四つの技術的な方策を実施いたしますと約五ホン騒音が低下するという結果を得ております。なお鉄橋についてでございますが、鉄橋については、先生おっしゃったラムダ型防音壁及びバラストマットのうち、このバラストマットは、第二・六番町はいわゆるバラストと称します砂利の入ってない鉄橋でございますので、バラストマットを敷設することはできませんが、ラムダ型防音壁については、一般の高架橋に比べて幾分効果は落ちるかもしれませんけれども、こういうものを試してみたいというふうに考えております。
○藤田(ス)委員 そうすると無道床ではバラスを敷くことはできない。ラムダ型防音壁というのも他につけるところで期待できる効果は十分期待できないということになりましたら、この地域では結局四つの対策でどれくらいの低減効果を期待できるわけですか。
○鬼沢説明員 鉄橋につきましては、先生おっしゃるように技術的にはまことに難しゅうございまして、今一生懸命勉強はしているところでございますが、現在のところ先ほど申し上げました四つの対策によって鉄橋について騒音が幾ら落ちるかということについては、たかだか一ないしニホン程度だろうということしか申し上げられませんが、なお今後とも別の方策を勉強して対応していきたいというふうに考えている次第でございます。
○藤田(ス)委員 別の方策というのは、今後の検討というのは何年ぐらいで期待できるわけですか。
○鬼沢説明員 先ほど御指摘ございましたように、環境基準の達成目標期間を過ぎたという現在の段階でございますので、私どもとしては最大限の努力をして、できるだけ早く開発してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○藤田(ス)委員 いや、できるだけ早くはわかっているんですが、そうしたら具体的にこういう四つの対策と同じくらい開発というのはもうめどが立っているんですか。
○鬼沢説明員 いろいろ勉強はしておりますけれども、現在この場で先生にこういう方法でと言って、具体的に申し上げられるような技術レベルまで至っておりません。
○藤田(ス)委員 目下勉強中で具体的な技術には至っていない、そういうことなんですね。そうすると、この全国一、一番高い八十九ホンというところは、結局今の対策技術では一、ニホンくらいしか低減効果を期待することができないということなんですね。しかし一方、環境基準というのはもともと昭和五十年に告示されたときには、八十ホン以上の区域は三年以内に達成するべきだ。そうでしょう。そして、もし三年過ぎても達成できなかったら、可及的速やかに達成されるように努める、こうなっているんですね。環境庁にお伺いいたしますが、七十五ホンは達成できますか。
○林部政府委員 御指摘の地点におきましては、音源対策で七十五ホンにすることは現在の時点ではできないと思います。
○藤田(ス)委員 非常にはっきり言われたんですが、現在の技術では音源対策はできない。そうなりますと、もはや最後の一つの音源対策しか考えようがないじゃありませんか。私はあえて運行速度を検討する以外にないという言葉を使っておきたいと思いますが、それ以外にないじゃありませんか。違いますか。
○林部政府委員 現在の時点で発生源対策というものが技術的に不可能であれば、それ以外の方法を考えなければいけないということは御指摘のとおりでございます。当面は私どもの判断といたしましては、音源対策以外に、適正な土地利用の問題あるいは移転の問題、さらには従来から行われております住宅防音工事によって、次善の策ではございますけれども、改善を図ってまいるということが現在の時点では最善の方法ではないかというように考えております。
○藤田(ス)委員 私は今おっしゃったことは本筋じゃないと思うのです。
 長官は現地に行かれてよく御存じだと思いますが、八十九ホンていうたら国電とか地下鉄の中よりもまだやかましいくらいなんです。地下鉄で込んでいるときに人と会話するときどんなに難儀しますか。少し離れていたらもう物言えませんね。かなり耳のそばで物を言わなければならない。防音対策をしたって、そんなにしょっちゅう窓を閉めておくわけにいきません。とりわけ御商売をしているおうちは、戸があかなかったら商売にならないわけですから、それがどんな生活かということを今環境庁は本当に考えなければいけないと思うのです。
 しかもここは住宅密集地帯の激甚地域であって、裁判まで起こして十年以上も要求し続けている突出地域であります。だから、どうしても特別対策を講じて紛争の全面解決に当たっていくということが非常に大事になっているわけです。この環境基準の達成期限が切れて七十五ホンさえも達成できない、八十九がわずか八十七くらいにしかすることができないというような状態の中で、環境庁が土地利用だとか移転だとか防音工事だとかということを繰り返しているというのは、結局被害の大きい区間をもう見捨ててしまうのか、音源対策が技術的には不可能だから、もうここは放置するというふうに考えているのかと言わざるを得ないわけですが、どうして環境庁自身が運行速度の検討ということを考えられないのですか。
○林部政府委員 私は先ほど鉄けた部分についてはと申しましたが、鉄けた以外の部分につきましては新しい技術において可能な限りのことは、現在一部テストもしておられるようでありますけれども、それはやはり現在の最も騒音の激甚な領域から着手していただくという考え方で申し入れをしているわけでございますから、先ほどの次善の策をもって対応せざるを得ないという部分が何キロかの中に部分的に入ってくるということでございまして、それ以外の部分については音源対策の可能な限り最新の技術を駆使してやっていただくという前提で要請をしているわけでございますから、先生がおっしゃるように沿線がすべてだめであるということにはならないと私は思います。
○藤田(ス)委員 言っていることに答えてください。十年間も訴訟して、そして非常に苦しんできた八十九ホンというこの地域の問題をどうするのか。そこはもう技術的に不可能だということは先ほどの国鉄の御答弁でもはっきりしましたね。その技術的対策が不可能と言うけれども、そうすると最後は列車の運行速度を検討する以外にこの八十九ホンを当面下げることができないじゃないか、どうしてそれを言わないのかということを言っているのです。名古屋市熱田区六番町のこのかいわいのことを言っているのです。一般的じゃないのです。
○林部政府委員 前回たしか先生と私とのやりとりの中で私はこう申し上げたと思います。環境基準の達成という新幹線全般にわたる手だてとして減速の問題というものを議論するつもりは私どもはありませんとはっきり申し上げました。名古屋の問題は一つの切り口であるということも申し上げたと思います。現在当事者が話し会いのテーブルに着いておられるわけでありますから、そのテーブルに着いて、長い間の争いにどのようにして終止符を打つかということの話し合いの場において両者が話し合う限りにおいては、あらゆる問題を取り上げることは可能であろうというふうに私は考えております。しかしながら、新幹線全般の環境基準達成という次元で考えました場合に、七十ホンなり七十五ホンを達成するために減速をしてほしいというような要請をする考えはないということを申し上げておるわけでございます。
○藤田(ス)委員 そうすると、その切り口の問題として環境庁は、国鉄当局が減速の措置をとるということについては、そういうことならば御自由におやりください、これだけは言えますね。
○林部政府委員 スピードの話というのは運行にかかわる問題でございまして、今回の私どもの十三都府県百三十側線の測定地点で子細に測定をいたしましたデータを見ましても、それぞれの地点の平均車速というのは一定でございません。ということは、国鉄の側は運行ダイヤの内容に応じてそれぞれの地点でいろいろな形で運行しておられるわけでございますから、どういうスピードでお走りになるかということは国鉄側が判断をして決めればよいことであるというのが私どもの基本的な今の判断です。
 確かに先生前回も御指摘のように、まだ百ホンを超えているようなひどい時代におきましては、答申をいただいておるわけでございますから、その時点では、場合によっては減速の問題等についても言及することあるべしというようなお考えが委員の先生の中にあったというようには想像できるわけでございますけれども、その後相当の年次も経ておりますし、技術的にもいろいろな改善努力が行われて、実際の測定では、確かに先生御指摘の六番町の鉄けたの周辺は大変ひどいレベルであるということは認めます。しかし、技術によってかなり改善はされてきているというような事実もございますので、七十五なり七十達成のために減速をということにはよほど慎重に扱う必要があるということで、私どもとしてはそこのスタンスは、今回の要請の段階でも選択肢の中に減速を入れるということには慎重でなければいけない、そういう判断であのような内容の要請をした、こういうことで御理解をいただきたいと思います。
○藤田(ス)委員 私はこの間時間表というのを見てみたわけです。そうしますと、八四年の十月号と八五年の十二月号を比べてみますと、お客さんの要請もあってのことだろうと思いますけれども、同時にそれは国鉄のもうけにつながることにもなるわけで、東京、名古屋、京都、新大阪と、東京―大阪間は名古屋、京都にとまっている、これに静岡、浜松に停車する「ひかり」が今できているわけですね。東京、名古屋、京都、新大阪で三時間八分なのが、静岡、浜松と停車駅が入りますと三時間十六分、こうなるわけです。さらに東京、横浜、名古屋、米原、京都、新大阪、こういうふうに停車駅が六つになりますと全部で三時間十七分という数字なんですね。これはもう時間がないですから全部は言いませんけれども、要するに国鉄というのは、お客さんが乗ってくれるだろうな、そしてそれが収益に関係するだろうなということになりましたら「こだま」ではない「ひかり」でもちゃんと停車駅をふやしていくわけです。
 だったら、名古屋のあの七キロ区間の一番ひどいところで、十年以上本当に苦労してきたところで、少しスピードを変える、それも五分とか六分とかというような時間にはならないわけでして、そこの減速は後で何ぼでも吸収することも可能だし、現に東京―新大阪間三時間八分のところを、自分のところの都合のいかんによれば九分も延ばせば八分も延ばすわけですし、それでお客さんが、それはけしからぬと言ってどこかに抗議に行ったというようなこともありませんし。私はそういう点では、人の命を預かる環境庁として、実質的に基準のレベルダウンというように思われても仕方がないようなことをおっしゃるなら、何で新幹線のスピードダウンの方を言われないのかな、こういうふうに思わざるを得ません。
 話し合いの問題についても、先ほど御答弁にありましたけれども、達成期限が切れてしまったこの段階で今後どのように達成を図っていくのかという点では、国鉄当局と原告住民と名古屋市と環境庁、この四者が話し合いを持っていくべきではないか。そうして、その環境基準の告示と達成、維持に責任を負う庁として環境庁がその誠意を見せていくべきではないか。そういう話し合いを呼びかけ、そして応じていくという点で誠意をぜひ見せていただきたい。環境庁長官、いかがでしょうか。
○石本国務大臣 先生申しておられますように現地の視察もいたしましたし、あの地域の騒音、振動というものは、短い時間でございますけれども私一緒に体験してまいったわけでございます。
 運行方法についての御意見でございますが、現に国鉄と原告団とが話し合いに入っておりますので、どうか円満に、よい結果といいますか、和解されますことを願っているわけでございますが、私といたしましては、仲介することによって解決できる問題ではないというふうな考えを今持っているところでございます。
○藤田(ス)委員 仲介ということではなしに、その環境基準を達成していくべき責任のある序として、国鉄と名古屋市と原告住民とで話し合いのテーブルを積極的につくっていく、そして話し合いが前に進むようにしていく労をとってもらいたい。仲介という言葉を使っていませんよ。それぐらいの誠意は見せていただけませんか。これは最後です。
○石本国務大臣 このことは当時の国鉄総裁に来てもらって、直接会いまして、そして私なりに感じたこと、言いたいと思うことを全部言ったわけでございます。そして双方がテーブルに着いておられるわけでございますから、しばらく様子を見させていただいているのが現状でございます。
○藤田(ス)委員 時間が参りました。終わります。
○辻委員長 福島譲二君。
○福島委員 十一月二十六日に水俣問題を中心としての御質疑を申し上げましたが、その後いわゆる待たせ賃訴訟についての判決も出たことでもございますし、新しい事態を受けて、また前回の引き続きという意味で若干の御質問を申し上げたいと思います。
 前回、いわゆる水俣病のボーダーライン層についてどのような措置をお考えであるかということにつきまして、二度、三度少しくどいようなことでございましたが、お尋ねをいたしました。それに対しまして、最終的には長官から、水俣病ボーダーライン層について何らかの特別措置を六十一年度から実施することを含めて検討したいという趣旨の御答弁がございました。また、それだけの御答弁でございましたが、一部の新聞ではその日の夕刊にその内容が観測記事という形を含めて報道されました。続いて翌朝には、主として九州の方の新聞でございますが、各紙とも一面トップでかなり大きなスペースを割いて、医療費を公的補助する、国と自治体が折半で考慮する、そういう内容の報道がなされました。それを見ましてから、私といたしましてはいささか複雑な心境でございました。
 まず、各紙が報ぜられましたこのボーダーライン層についての何らかの特別措置というものの観測の記事について、ひとつ環境庁から御確認をいただきたいと思います。
○目黒政府委員 お答えをいたします。
 御指摘の新聞記事にございますように、水俣病と診断するには至らないが、医学的に判断困難なものに対して医療費の補助をしてはどうかという考え方が県の方から示されていたことは事実でございます。過日の委員会におきましては、関係方面との協議が十分整っていなかったということもございまして、この点について詳細に申し上げることができなかったという次第でございます。
○福島委員 関係方面との協議が整っておらなかった、確かに予算を伴う措置でもありますし、関係当局、多分に大蔵省であろうかと思いますが、その辺と十分に協議が整っていなかったという事情は推察をいたしたところであります。しかし、各省とも、例えば概算要求作成時点で翌年度に具体的にどのような構想を持っておるかということは、財政当局とのすり合わせはなくてもそれぞれの所管庁としての立場で、希望として翌年こういうことをやりたいんだということはどんどんと打ち上げをいたしておるところでありまして、あの段階で直ちに夕刊で記事が出るような内容のものが全然打ち出されずに非常に抽象的な御答弁で終わったことは、私は極端に言えば国会軽視と言われても仕方がないのではないか、このように思います。
 そのことについて長官から弁解をいただきたいとは思いません。もし私の言うところが何か間違いがあれば、あるいは御異議があればお返事をいただくといたしまして、むしろその反省のもとに、きょうはお考えになっておるところをひとつ率直にお答えをいただきたい。多分に前回の質疑応答の段階では、全体として紋切り型であり、誤りがないために非常にきゅうきゅうとした御答弁が多かったような私としての印象をいたしております。しかし、この水俣の問題は複雑であり、背景があり、非常に困難な問題であるだけに、これに取り組んでいかれる環境庁として、まだ最終的にあるいは結論は得ておらぬけれども一体どういうふうに考えていくのだ、どういうところに問題があるのだというような意味での意思表示をきちっとしていただく。そのことで私どもと率直に意見を交換し合うということが水俣病問題の全体としての解決の前進につながるのではないかという感じがいたしますので、そういう意味であえてこの問題を最初に申し上げておきます。
 同時に、このボーダーライン層の取り扱いにつきましては、恐らく今の医療費を中心としての何らかの具体的な対策ということになると思いますけれども、その場合にボーダーライン層の線引きをどういうふうに考えていくかということなり、あるいはこのボーダーライン層の方々というのは当然に棄却された方々でありますから、場合によっては再申請ということがあり得るわけでありますが、その場合に、従来続けられてまいりました治療研究費との関係をどうするかとか、いろいろな意味で技術的になお検討を要する問題があろうかと思います。どうかそういう問題につきましては、第一線で取り組んでおります関係県、格別熊本県の皆さん方と十分に御協議を進めた上でお進めいただくことをお願い申し上げておきたいと思います。
 続いて、先ほども小川委員から若干お触れになりましたが、十一月二十九日にいわゆる待たせ賃訴訟の福岡高裁での判決がございました。判決の内容を拝見いたしまして、第一審に比べて認定審査のあり方についていろいろな角度から具体的な改善を示唆いたしております。また一面、まだ十分とはあるいは言えないかもしれませんが、申請者側の検診拒否に批判的な判断も下された、いろいろな意味で私はなかなか考えられた判決だなという印象を深くいたしております。
 先ほどの御答弁でも、この判決に対して最終的に上告するかどうかなお法務省とも十分に今協議中であるということでございました。私も熊本県当局、知事を初め関係部局の皆さん方との意見の交換もいたしておりますが、県側も、格別実際に公害部でこの問題に当たっておられる皆さん方というのは本当に一生懸命やっておられると思います。しかしながら、問題が複雑でありかつ経緯もある、あるいは社会的な背景もあるということでなかなかその努力が実らない面もあるのも事実でありまして、そういう意味から、どちらかというと国家賠償法に基づく損害賠償を患者の皆さん方にお払いをするということについての心理的な抵抗もかなりあるように見受けられます。そういう気持ちからするとこれは上告ということだと思いますが、しかし一面、上告をした場合に、やはり患者の皆さん方の気持ちからいたしますとそれに反することでもありますし、これから認定審査業務というようなものをどしどし進めていかなければならない段階で上告することが果たしていいかどうか、そういう判断もあろうと思います。
 いずれにいたしましても、単にこれを法律的な観点から法務省と御相談になるということだけでなく、熊本県にとってはやはり高度に政治的な配慮も要する問題でもありますので、そういう意味で熊本県知事とは十分に意見の交換をなさった上で、こんなことはあり得ないと思いますが、極端に言うと、国は上告する、県はやめたというような大変妙な形になるということはあってはならない。その逆のことも当然であります。いずれにしても気持ちを合わしてこれから進めていかなければならないという意味で、十分に県知事と意見の交換をなさった上でお進めいただきたいと思います。
○目黒政府委員 先ほど先生から最初に御指摘いただきましたことについて若干補足をさせていただきます。
 環境庁といたしましては、特別な措置ということでございまして幅広く今検討をいたしているわけでございますが、私どもの考え方といたしましては、この特別の措置につきましては、特別医療事業、こういう名称を考えているわけでございます。これはあくまでも仮称でございます。
 それから措置の対象でございますが、水俣病と診断するには至らないが、医学的に判断困難なものを一応考えているところでございます。
 それから措置の内容でございますが、これは原則として医療費に、特に自己負担分に対する補助といったようなものを考えているところでございます。
 また疾病の限定、どのような疾病にということでございますが、交通事故とか分娩とか歯科あるいは皮膚科とか伝染病といったようなものは当然除外しなければいけないと思っておりますが、そのほかの点については検討しておるところでございます。
 また、実施時期につきましては、先般お話し申し上げましたように、一応環境庁としては六十一年の四月から実施したいというふうな考え方で、そういうものを含めて検討しているということで、これが私どもが現在検討いたしております環境庁の考え方でございます。
 それから上告の点でございますが、先生の御指摘に沿いまして、熊本県を含めまして十分慎重に関係各方面と協議をいたしまして決めてまいりたい、このように考えているところでございます。
○福島委員 ボーダーライン層の取り扱いにつきましては、先ほど私が申し上げました点も含めて、新しいこの際の措置でありますから、これが立派に実って、患者の皆さん方にも御理解をいただいて、少しでも患者の皆さん方のお気持ちを和らげられるような方向で運営されるように、実のある対策というものを来年度予算で必ず実現するようにお願いを申し上げておきます。
 次いで、前回の委員会の際に補償協定の見直しの問題について私の意見を申し上げました。本当に重症の方に対しては今の補償基準でも場合によっては低いとも言えるし、またこの前の二次判決の内容を見ましても、障害の程度の軽い患者さんには今の補償水準よりも低い金額で補償するのが適当だというような判断が根底にあるようにも見受けられるわけであります。もちろんその判決は、判断基準、判断条件との兼ね合いのもとでの判決であったことも十分に承知をいたしておりますが、この提案に対して、私の御質問したときの企画調整局の御答弁と、その後で馬場委員から、同じ日の午後に御質問したその御答弁との間に、私は伺っておって若干差があるような印象を受けました。
 私が御質問した際の企画調整局長の御答弁では、私が申し上げたような内容についてもう少し幅広く頭の中に置いて、そしてもう少し模索をすることがあっても私としてはいいのではないか、これは個人的な感じとしてお答えになったわけでございます。それに対して馬場昇委員から若干違った形での意見の展開がございまして、馬場委員は患者と会社が自主的に決めたものを守らせるのが環境庁の立場ではないかという立場に立っての質問を展開されました。それに対して最終的に企画調整局長は、補償協定は当事者が完全に納得してつくられたものでございまして、当事者の気持ちというのがすべてであるというふうに存じます、こういう御答弁になってまいりました。補償協定は金科玉条であるというようなニュアンスがここでは多少浮き出てきたのかな、馬場委員の質問に対して、多少押し返されたのかなというような印象を受けました。その間に、私と馬場昇委員の質疑に対する御答弁で一体差があるのかないのかをこの際確認をしておきたいと思います。
○岡崎政府委員 馬場先生と福島先生から補償協定をめぐりましてやや違った角度からの御質問がございまして、それにつきまして私、率直な気持ちでお答えをしたつもりでございまして、私の気持ちとして、福島先生に御答弁いたしましたことと馬場先生に御答弁をいたしたこととの骨子、気持ちは変わっていないつもりでございます。
 今簡単に整理をしてみますと、一つは、今の協定についてどう思うかということであろうかと思いますが、協定のつくられたいきさつ、そのときの御苦労等は両先生からも承りまして、そういった当時の事情のもとで関係者が精いっぱい苦労してつくり上げられた、決して軽々しいものではないなというバックグラウンドがあるということは、一つの認識として御答弁したつもりでございます。さらに、協定というものでございますから、でき上がったものといたしましては、当事者がそれを合意の上で動かしていくというのも協定の性格上当然のことであろうというふうに思っております。
 翻って、私ども環境行政に携わっている者といたしましては、水俣問題の一歩でも前進、解決のために、置かれた状況のもとで精いっぱいのことをしていかなければいけない。そのためには幅広く、いろいろないきさつ等にこだわりなく勉強もしなければいけない、関係者の御意見にも耳を傾けねばいけないというのが私どもの基本姿勢でございます。当時の状況と違って現在はいわゆるボーダーライン層のものが多くなっている、それにどう適切に対応すればよいのか。あるいは八月の判決におきましてもある種の見解がサジェストされているというようなこと、それに基づきましてまたいろいろな議論が識者の間からも展開されているということにも耳を傾けながら、いろいろ模索を続けるというのが基本的な態度であろうということで御答弁をいたしたつもりでございまして、両先生へのお答えは本質において私は変えたつもりはございません。
○福島委員 この協定は、確かに当時大変苦労されて患者団体の皆さん方とチッソとの間で、馬場さんと三木長官を立会人という形で協定をされたいきさつも、私は十分に承知をいたしております。しかし、その後十数年を経過いたしまして、その当初は本当に重症者が中心としての状態でありましたのが、今は大勢としては私はやはり軽症者の方々が認定の中心になっておると思います。であるからこそ、今度の判決もやはり軽症者には軽症者に見合う水準という形での判決、これは司法によって、水俣病とみなされた方々に対してでありますが、そういう水準というものが打ち出されたのだろうと思います。
 同時に、これはもう絶対に変えるべきものでないということでなくて、私はそのこと自身は、今回も患者団体の皆さん方が、先月の中ごろであったと思いますが、この補償水準を引き上げるという要求書をお持ちになっておると伺っております。とりもなおさず、これは協定の改定であります。私はやはり長い年月も経た現在、事情変更の原則に基づいて、この協定をもう一遍見直してみるということが水俣病の問題について一つの大きな課題ではないかなと思っております。残された時間、そのことを中心として若干いろいろな観点から問題を提起してみたいと思っております。
 きょう大蔵省理財局と自治省の財政局、お見えをいただいております。御承知のように、この患者補償は県債でいわば立てかえ支払いをされております。その原資は資金運用部資金が大部分、かつての六割、現在七割ということでございます。これを今この判決の示唆にもありましたような意味で妥当な補償水準に改めるという努力を何らせずに、親方日の丸のチッソの資金供給のために漫然と県債の発行を認めていくという現状については、全然おかしいと思われないかどうか。起債の許可あるいは公的資金の供与は、あくまでも妥当な金額の範囲にとどめるための工夫と努力がなさるべき性格のものではないか。全くうのみにその手当てをしていくという現状は、私はやはりそれなりに問題があるのではないかと思っておりますが、大蔵省、自治省のそれぞれのお考えを聞かしていただきたいと思います。
○中島説明員 お答えいたします。
 チッソ水俣病の患者に対しまして、補償金につきましてはいわゆる原因者負担を原則としております。その支払いに支障が生じないように配慮する、それからあわせて、地域経済あるいは社会の安定に資する、そういう観点から国それから熊本県及び関係金融機関が一体となって協力しよう、そういう趣旨で行われているものでございます。
 資金運用部としましても、熊本県の発行いたします補償県債の引き受けをそういう意味で行っているところでございます。このように、運用部の引き受けは、原因者負担をあくまでも原則といたしまして、その支払いに支障が生じないように行っているものでございます。
 補償の中身につきましては、補償当事者間の民事上の損害賠償問題として解決されるべきものではないか、こういうふうに考えております。
○鶴岡説明員 趣旨等はただいま大蔵省の方からお話のあったとおりでございます。
 私どもとしては、臨時、異例の措置としまして現在県債の発行を許可しているところでございまして、非常に難しい問題だと思っておりますが、こういう県債の発行がいつの時点でか終わることを期待しているわけでございます。
 なお、そのもとになります補償金のあり方等につきましては、私どもの方でそれについて申し述べるというのは、ただいま大蔵省からお話があったように非常に難しい問題でありまして、私どもはあくまでもそのルールに基づいて出ました補償金額につきまして県債の発行を許可していく、それを引き続き続けていかざるを得ないのだろうというふうに考えております。
○福島委員 一般の事業についての起債とは多少性格が違うということは私も十分にわかります。しかし、例えばある市が武道館でもつくろうというような計画があった際に、これは大蔵省も自治省も、その計画がその時点で果たして適切かどうかあるいはその内容が過大であるかないか、そういった点についても非常に事細かく中身について当たられるわけであります。かつ自治省も、この県債問題がスタートした当時には、今お話がありましたように、これも臨時、異例の特別の措置だ、原則的には余り好ましい話ではないという立場のもとに、この補償金の金額と県債の発行金額との間の算定方式については極めてシビアな態度で、極力県債発行額を低く抑え込むための努力を大分なさいました。私に言わせれば、少し企業の実態というものを無視した厳しさではないかと今でも思っておるわけですが、そういう一般的な方針をとられておる自治省あるいは大蔵省が、この問題に関しては当事者間の私契約だ、その内容の問題だと言われます。
 しかも、これも公式な話じゃありませんが、いろいろな方に私は個人的にお話をしてまいりますと、この補償協定の補償水準が非常にあるところに集中してしまっておるということについて、今となってはやはりその辺にいろいろな意味での問題があるねという指摘があります。これを全く放置していつまでもこれを続けるということは、場合によっては熊本県議会が、政府から県債の発行についての協力を求められて従来これまた渋々とやってきておる熊本県議会でありますが、この水準を適当な、リーズナブルな水準に直して、そうでなければ県債は嫌だという事態が出てくるのではないかなと私は思うがゆえに、今あえてこの問題を提起をいたしておるわけであります。
 今のように自治省、大蔵省としては格別、これはもう補償協定の中身は私契約だ、そして環境庁に対して伺ってもやはり同じような答弁が今までなされてまいりました。しかし、私はこの問題は必ずいずれの日にか水俣病関係閣僚会議で議題にしなければならないような日が来るのではないかなと予想をいたしております。そうでなければ大変結構なんですが、そういう事態になって初めてこの問題を渋々取り上げるというようなことではなくて、やはり個人的に見て前回の企画調整局長の御答弁も多分に、ニュアンスとしては、個人的には今までの環境庁の御答弁を多少ではありますけれども一歩踏み出した御答弁であったと思います。
 この補償水準がどうあるべきかということについての判断をなさるお役所というのは、自治省は起債の立場、大蔵省は資金運用部資金を出すという立場からも判断があってもおかしくはないと私は思うのですけれども、そこは私ども個別に伺いますと、やはり水俣病全体として扱っておる環境庁の守備分野だということを今までお話しになってまいりました。そういう意味で、改めてもう一遍環境庁に、この問題についての私の指摘が全く的を外れたものとお考えになるかどうかについての御見解を承っておきたいと思います。
○岡崎政府委員 補償協定そのものにつきまして現時点においてオフィシャルにどうこうということは別にいたしまして、今までの水俣問題についての取り組みにつきましては、認定制度と補償協定とそれを支える県債方式というのがデリケートな形で組み合わさって動いてまいっておるということは先生も重々御承知いただいておるところだと思います。その状態がいつの状態でも理想的な状態かどうかということにつきましては、私ども不断に見直していかなければいけないという御指摘も当然でございます。補償協定の協定としての性格ということもございましょうけれども、全体の問題としてどういうふうに位置づけて、今後どうやったら本当に全体としての解決に少しでも近づいていけるのかということにつきましては、私ども、補償協定の前に公健法というのを預かって運用をしておるわけでございますので、そういった角度等もあわせ考えまして、いろいろ識者の御意見など頭に置きながら進んでまいりたいと思っております。
 先ほど来大蔵省、自治省等からもお話がございましたが、私どもはそういう環境行政を預かる立場として大蔵省、自治省にもいろいろ御協力をお願いし、また県にも大変な御協力をお願いして運営しているわけでございますから、そういった関係者の方々、さらにそのもとには当然のこととして水俣で悩んでおられる方々の気持ち等も十分酌み取りながら、御指摘の点も含めて何か理想の状態に少しでも近づくことができないかということは勉強をしてまいりたいと思っております。
○福島委員 大蔵省、自治省はこれ以上御質問しても余り進展はないと思いますが、あとわずかでありますし、先ほど申し上げましたようにいずれ水俣病関係の閣僚会議で皆さん方に御議論をいただくような事態があるのではないかと思いますので、もうしばらくの間、最後までおいでいただきたいと思います。
 ちょっと角度を変えまして保健部長に、水俣病であるかどうかの判定におきまして、これは極端を言い方をいたしますが、身動きができないような病人であっても、判断基準から照らして、水俣病と似たような症状であっても医学的に水俣病と判定できない場合も当然あります。一面、逆にほとんど日常生活には支障がないというような人でも、医学的に見て、お医者さんが診て判断条件に合致しておるということであればこれは水俣病になる、そういうものですね。
○目黒政府委員 お答えいたします。
 私ども、水俣病であるか否かということはまず医学の面から判断をしていくわけでございますが、御指摘のように水俣病と認定をされました方々の中には劇症型で死に至るようなものから、歩けるけれども他の症状があるものといったように、症状のバラエティーがあるということは事実でございます。ただ、バラエティーがあるこの状態を軽いとか重いとかというふうな判断は従来からはしてこなかったわけでございます。
○福島委員 軽いとか重いとかいうのは、やはりA、B、Cのランクがあるわけですから、認定審査会ではしておらぬわけですが、ランク付委員会では当然になさっておられる。そしてその基礎資料というのは審査会の審査の中身から判断をしておるわけですから、要するに全体としてやはり重い、軽いという判断はなし得るのだと私は思います。もしそれがなし得るのであれば、やはり今私が例示申し上げたような、水俣病と認定されても日常生活にはほとんど支障がない方、その方々に対する補償水準というものを、補償協定とかいうことを考えずに白紙の立場で考えた場合には、今の基準というのは全く妥当性があるとお考えになられますか。
○目黒政府委員 お答えいたします。
 ただいまのいわゆる審査会が使用いたしております判定基準、これはやはり現行の判断のものであろうかと思うわけでございます。しかしながら、この現行の判断基準をもちましても、やはり先ほど私がお答え申し上げましたように症状の程度に応じていろいろバラエティーがある、そしてまたそのバラエティーあるものに対して補償の水準を考えていくべきじゃないかというような御意見というものは、水俣病対策に関しますさまざまな御論議の中の一つとして私どもも十分認識をしているところでございます。
○福島委員 今までは全く関係ないとおっしゃってこの問題についてのいわば評価もなさらなかったわけでありますが、今の御答弁は、やはりそれなりに一つの問題点としてはあるんだ、そういうお考えかと私は思います。
 もう時間がありません。多少重複になりますが、私なりの考え方等を一応整理して、そういう意味でちょっと申し上げておきたいと思います。
 環境庁は、この問題は当事者間の私契約の問題だと言って今まで完全に逃げの姿勢でございました。しかし、それは今まで申し上げたような意味で大変問題だと私は思っております。しかも、締結の際には三木長官も立会人として判こを押しておられるので、環境庁としても経過的に無関係だということは全然言えないと思います。のみならず、県債という、今も自治省からお話がありましたような極めて異例の特別の措置を講じてまでチッソを支援して、そしてそのことによって補償金の支払いというものを可能ならしめておるわけであります。そして関係閣僚会議を開いて毎度、補償金の支払い必要額というものを基礎として熊本県に対して県債の発行を政府として要請されております。
 しかも、先ほど申し上げましたような、自治省としては決して好ましくないという意味で少しでも県債の額は少ない方がいいんだという基本方針をとっておられるところでもあります。大蔵省は大蔵省で県債の原資の七割を資金運用部資金という形の公的資金を投入するという非常に異例な事態を行っております。その基礎が、私契約だからと言って、これはもう政府はアンタッチャブルだと言われるのは、どう考えても私はおかしいと思います。
 今の部長の御答弁は多少問題意識を感じ始めたということを御表明になったという意味で一歩進められた問題だと私は思いますが、今の補償協定が水俣の問題のいろいろな意味での混乱の一つの背景にあるのが現実であります。患者団体の方も引き上げを要求されるという今の事態でありますから、改めてここに補償協定を早急に見直す、あるいはまた本来、公健法に基づいての救済というのが原則的にあるわけですから、この際、公健法の原則に戻るということも真剣に考えてみるべきではないかなと私は思っております。
 ただ、今まで現実問題として認定審査が非常におくれておるということで裁判の指摘もいただいておる状況のもとに、これからの認定審査の結果認定される方に新しい協定を直ちに適用するということは大きな問題が生ずる、また混乱も生ずる、なかなかできることでもないと思いますが、これからの申請者の方々に対しては、あるいは来年一月からでも構わぬのですが、そういうような何らかの――当初補償協定を結んだこと自体、そのときの患者さんを代表するという意味で患者さんの代表方と協定を結ばれたのですが、これは既に十数年前のことであります。事情変更の原則というのは私十分にここで考えられることだと思いますので、そういうことをやはり真剣に考えていかなければならないのではないかなということを申し上げ、環境庁の皆様方にも、そのことを含んで、これから県議会がこの問題を提起してくる可能性がありますから、県債を引き受けることを条件としてというような形でなくて、もう少しすっきりと、この点の基本的な問題の所在というものをお考えいただきまして、自治省も大蔵省も直接関係ないという一応のお答えではありますが、それぞれの担当省の方々も、実態的には、この問題について今のままでいいのかねという気持ちがだれが見ても常識的にあり得る話でありますので、その辺についての御検討を事前に十分にお願いいたしておきたいと思います。
 以上をもって終わります。
○辻委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時十一分散会