第104回国会 本会議 第14号
昭和六十一年三月二十六日(水曜日)
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 議事日程 第十一号
  昭和六十一年三月二十六日
    午後零時三十分開議
 第一 恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 航空機工業振興法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第四 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
 中曽根内閣総理大臣及び平泉国務大臣の発言
 日程第一 恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 航空機工業振興法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第四 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    午後六時三十三分開議
○議長(坂田道太君) これより会議を開きます。
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 国務大臣の発言
○議長(坂田道太君) この際、内閣総理大臣及び平泉国務大臣から発言を求められております。順次これを許します。内閣総理大臣中曽根康弘君。
    〔内閣総理大臣中曽根康弘君登壇〕
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 平泉経済企画庁長官の、去る三月二十五日の記者会見における発言は軽率であり、おわび申し上げます。
 私も、平泉経済企画庁長官に対し、厳重に注意いたしましたが、平泉経済企画庁長官自身も、深く反省しております。
 内閣は、今後一層言動を戒め、職責の厳正かつ公正な遂行に全力を挙げていく決意であります。
○議長(坂田道太君) 国務大臣平泉渉君。
    〔国務大臣平泉渉君登壇〕
○国務大臣(平泉渉君) 私の、このたびの記者会見における発言の一部について誤解を招いたことは、私の不注意から来たことであり、軽率であったと深く反省し、陳謝いたします。
 今後は、このようなことのないよう、十分に心に戒めてまいります。
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 日程第一 恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(坂田道太君) 日程第一、恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。内閣委員長志賀節君。
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 恩給法等の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔志賀節君登壇〕
○志賀節君 ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を報告させていただきます。
 本案は、最近の経済情勢にかんがみ、恩給受給者に対する処遇の充実を図ろうとするものでありまして、恩給年額の計算の基礎となる仮定俸給年額の増額、公務関係扶助料の最低保障額及び傷病恩給年額の増額、普通恩給及び普通扶助料の最低保障額の増額、傷病者遺族特別年金の増額並びに扶養加給の増額等を行うことといたしております。
 本案は、二月七日本委員会に付託され、二月二十五日江崎総務庁長官から提案理由の説明を聴取した後、質疑に入り、公的年金制度の改正に伴う恩給制度の見直し、恩給改善の基本的考え方、恩給受給者の現状及び将来の見通し、戦後処理問題特別基金の検討状況等、広範多岐にわたる質疑応答が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと思います。
 かくて、三月二十五日質疑終了後、柴田睦夫君外一名から、日本共産党・革新共同提案に係る、施行期日のうち、昭和六十一年七月一日を、三カ月繰り上げて、同年四月一日とする旨の修正案が提出され、趣旨説明の後、国会法第五十七条の三の規定に基づき、内閣の意見を聴取いたしましたところ、江崎総務庁長官より、政府としては反対である旨の意見が述べられました。
 次いで、討論を行い、採決いたしましたところ、同修正案は否決され、原案は多数をもって可決すべきものと決しました。
 なお、本案に対して附帯決議が付されました。
 以上、報告とさせていただきます。(拍手)
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○議長(坂田道太君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(坂田道太君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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 日程第二 中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(坂田道太君) 日程第二、中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。社会労働委員長山崎拓君。
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 中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔山崎拓君登壇〕
○山崎拓君 ただいま議題となりました中高年齢者等の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 本案は、本格的な高齢化社会の到来を迎え、高年齢者の雇用就業対策を総合的に推進するための措置を講じようとするもので、その主な内容は、
 第一に、法律の題名を高年齢者等の雇用の安定等に関する法律に改めるものとすること、
 第二に、事業主は、定年を定める場合には、それが六十歳を下回らないように努めるものとするとともに、六十歳末満定年の事業主のうち、政令で定める基準に該当するものに対しては、定年の引き上げの要請等、一定の行政措置を講ずることができるものとすること、
 第三に、事業主は、高年齢者雇用推進者の選任、定年退職者等に対する再就職の援助及び定年退職予定者等の退職準備に対する援助に努めるとともに、高年齢離職者が多数生じる場合には、公共職業安定所長に届け出を行い、必要に応じて高年齢者の再就職援助計画を作成するものとすること、
 第四に、国は、労働省令で定める高年齢者の雇用割合が一定の割合を超える事業主等に対する助成等を行うほか、求人の開拓、求人求職情報の収集及び提供等により、高年齢者の再就職の促進を図るものとすること、
 第五に、高年齢者の雇用の安定等を図ることを目的として設立された公益法人を中央高年齢者雇用安定センター及び都道府県高年齢者雇用安定センターとして指定することとし、事業主の取り組みに対する援助体制を整備するものとすること、
 第六に、定年退職者等に対する臨時的かつ短期的な就業機会の提供等を目的として設立された公益法人をシルバー人材センターとして、また、シルバー人材センターの健全な発展を図ること等を目的として設立された公益法人を全国シルバー人材センター協会として指定することとし、定年退職者等の就業ニーズに応じた体制を整備するものとすること
 第七に、現行の高年齢者雇用率制度は廃止するものとすること
等であります。
 本案は、去る二月十三日に付託となり、同月二十五日林労働大臣から提案理由の説明を聴取し、昨日の委員会において質疑を終了し、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(坂田道太君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(坂田道太君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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 日程第三 航空機工業振興法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(坂田道太君) 日程第三、航空機工業振興法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。商工委員長野田毅君。
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 航空機工業振興法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔野田毅君登壇〕
○野田毅君 ただいま議題となりました航空機工業振興法の一部を改正する法律案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 御承知のように航空機工業は、関連産業が極めて広範にわたり、技術の波及効果が大きい産業であるため、各国とも積極的な振興策を実施しておりますが、近年、航空機等の開発は、国際共同開発方式が世界的な趨勢となっております。我が国としても、これに積極的に参加していくことが必要となっておりますが、現下の財政事情のもとでは、現行の助成方式による支援が困難な状況となっております。
 本案は、このような状況にかんがみ、現在、我が国が取り組んでいるYXX及びV二五〇〇の両プロジェクトの円滑な促進を図るとともに、これにつながる今後の国際共同開発プロジェクトにも適切に対応するため、新たな助成方式を導入する等の措置を講じようとするものであります。
 その主な内容は、
 第一に、法律の目的において国際共同開発の促進を明確にするとともに、通商産業大臣が国際共同開発に関する基本的な指針を定め、公表すること、
 第二に、通商産業大臣は、国際共同開発を促進するための助成資金の回転基金化を図るため、開発事業者等に対する助成金の交付及びこれにより収益が生じた場合の納付金の徴収等を行う指定開発促進機関を指定することができること、
 その他、指定開発促進機関に対する所要の監督規定を定めること、日本航空機製造株式会社が既に解散している実情に照らして、これに関する規定を削除すること
等であります。
 本案は、去る二月二十日当委員会に付託され、同二十五日渡辺通商産業大臣から提案理由の説明を聴取し、三月二十五日に審査を行い、同日質疑を終了し、討論を行い、採決の結果、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し、航空機等の国産化支援に関する附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(坂田道太君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(坂田道太君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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 日程第四 租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(坂田道太君) 日程第四、租税特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。大蔵委員長小泉純一郎君。
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 租税特別措置法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔小泉純一郎君登壇〕
○小泉純一郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 初めに、本法律案の主な内容を申し上げます。
 第一に、内需の拡大等に資するため、住宅取得控除制度を改め、二年間の措置として、住宅取得のための借入金等の残高の一%相当額を三年間にわたって所得税額から控除する住宅取得促進税制を設けるなどのほか、民間活力を活用する観点から、東京湾横断道路を建設する特定会社に対する出資額の一〇%の所得控除の措置等を講ずることとしております。
 第二に、特定資産の買いかえの場合の課税の特例の縮減等、企業関係の特別措置の整理合理化を行うなどのほか、移転価格税制を設けることとしております。
 第三に、法人税率の特例制度について、その適用期限を一年延長するほか、欠損金の繰越控除制度について、直近一年間に生じた欠損金に限り適用を停止する措置を講ずることとしております。
 第四に、昭和六十一年度予算における補助金等
の整理合理化に伴う地方財政対策として、昭和六十一年五月一日から昭和六十二年三月三十一日までの間、たばこ消費税の従量税率を紙巻きたばこ千本につき四百五十円引き上げるなどの臨時措置を講ずることとしております。
 その他、特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法の制定に伴い、所要の措置を講ずることとするほか、中小企業の貸倒引当金の特例制度等適用期限の到来する租税特別措置について、実情に応じその適用期限を延長するなどの措置を講ずることとしております。
 本法律案につきましては、去る三月五日竹下大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、直ちに質疑に入り、慎重に審査を行い、昨二十五日質疑を終了いたしましたところ、本法律案に対し、上田卓三君外二名から、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の三党共同提案に係る修正案が提出されました。
 次いで、討論を行い、採決いたしました結果、修正案は少数をもって否決され、本法律案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 なお、本法律案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(坂田道太君) 討論の通告があります。順次これを許します。野口幸一君。
    〔野口幸一君登壇〕
○野口幸一君 私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、反対の討論を行います。(拍手)
 提出されておりますこの法律の一部改正につきましては、先般、大蔵大臣より提案の趣旨説明がありましたが、その中身は、現在進行中の税制全般にわたる抜本的見直しとの関係に留意しながら、民間活力の導入等を通じ、内需の拡大等に資するための措置を講ずるとともに、税負担の公平、適正化を図るというものであります。しかし、この改正案の内容は、この趣旨とは全く裏腹に、内需の拡大はおろか、税の不公平を増大し、負担の公平化に逆行する形となっているのであります。
 また、中曽根総理がかたくなに死守せんとする六十五年度赤字公債依存体質の脱却という目標は、国民のだれもが信用していない現実に直面しているにもかかわらず、依然として形だけの対策に終始し、具体的な目標の達成手段は皆無の状況のまま放置されているのであります。しかも、さきに提出された「財政の中期展望」では、六十四年度には六兆円余の歳入不足が生じることと試算されているのでありますが、政府は、税制の抜本改正を盾にして一切の具体的な方針を打ち出そうとせず、一時しのぎの場当たり的対応によって時を稼いでいるのであります。余りにも安易にして無策な財政再建策だと断ぜざるを得ません。
 また、税制の抜本改正の日程についても、本年の夏までには減税案を、そして秋には、その財源を求めるための改革案の答申を得ることにしておりますが、減税案は参議院選挙対策に利用し、秋にはそのツケを財源措置として増税案を出すということは、全く国民を愚弄するものでありまして、激しい怒りを覚えるものであります。(拍手)この一事だけを見ましても、政府の「増税なき財政再建」という言葉のうつろさを証明するものであります。
 さて、本法案の内容について反対する趣旨を申し述べますと、政府は、住宅取得促進税制の新設を提唱いたしましたが、現在の住宅建設の促進には、この措置をもっても効果は少なく、むしろ地価の大幅な高騰が今日の住宅取得の頭打ちになっている状況にあることを考えますと、土地取得対策こそ緊急性を要するものでありまして、特に大都市圏では、著しい地価の高価格が、高所得者のみが住宅取得者となっている現状にかんがみ、今回の措置はさらに屋上屋を重ねる結果となるものでありまして、抜本的な地価対策をおろそかにした制度の新設は、不公平を助長するだけで、何らの効果のないものであると言わなければなりません。
 また、内需拡大の要請にこたえて、東京湾横断道路など一連の民間活力を導入するに当たり、一部の投資促進減税は、内需拡大の立場から考えれば余りにも規模が小さく、一部のプロジェクトの独占を当て込む大企業、大資本が利するのみであり、何ら国民生活向上に役立つものではなく、さきの住宅取得に対する減税と同様、逆に不公平の拡大につながるものであります。むしろ、先般、与野党幹事長・書記長会談において合意を見た所得税等の大幅減税の早期実現こそ、内需拡大に対する大きなかぎであることを重ねて警鐘するものであります。(拍手)
 次に、赤字法人に対する繰越欠損金控除の一年停止をするという増収措置は、円高不況に苦しむ中小零細企業に追い打ちをかけるものであり、血も涙もない全く場当たり的な措置であります。これでは、赤字から抜け出そうと必死の努力をしております中小零細企業に対して、倒産しろと言うに等しいものであります。
 特に、特定産業に属する事業を営む法人や円高による影響をもろに受けている中小零細企業の赤字法人にとっては、まさに死活の問題であり、現状を無視した全く過酷なものであると言わなければなりません。取りやすいところから取るという理念なき対応策であり、赤字法人の実態を一視同仁とした不用意な提案であると断ぜざるを得ません。我が党は、公明党・国民会議、民社党・国民連合とともに、特定産業構造改善臨時措置法第二条第一項に規定する特定産業等に対し、その適用を除外するよう修正を求めた次第であります。
 また、たばこ消費税の引き上げは、政府税調の論議と経過を無視し、予算編成の最終段階で突如として引き上げを決められたたばこ消費税につきましては、日本たばこ産業株式会社の六十年度決算も出ていない今日において増税を強行するやり方でありまして、たばこ産業はもとより、たばこ耕作者、たばこ産業に従事する労働者にも大きな影響を及ぼすものであるだけに、増税財源かき集めの手段のみを追求し、民営化したばかりの日本たばこ産業の将来や、外国たばこの進出の本格化など多角的な事業全体に対する検討を行わず、余りにも安易な増税手段として提案されたものでありまして、到底賛成いたしがたいものでございます。
 また、この消費税が臨時異例なものであるとしながらも、六十二年はもとの価格に戻すという保証もなく、六十二年以降は税制の抜本改正の掌中において処理をするというものでありますから、これまた国民への欺瞞による増税であることは言うまでもありません。
 以上、租税特別措置法の一部改正案は、その焦点がさきに本会議において大蔵大臣の述べられました趣旨とは逆行した内容であることを指摘し、反対の事由を申し述べ、私の討論を終わります。(拍手)
○議長(坂田道太君) 中西啓介君。
    〔中西啓介君登壇〕
○中西啓介君 私は、自由民主党・新自由国民連合を代表いたしまして、ただいま議題となりました本法律案に対し、賛成の意見を表明するものであります。
 御承知のように、昨今における我が国の経済は、物価の安定基調が続く中で、民間設備投資を中心に緩やかな拡大を続けておりますが、一方、我が国の財政を取り巻く環境には、なお一段と厳しいものがあり、歳入の大宗をなす税収についても、最近の円高基調の影響等もあって、多くの自然増収を期待しがたい状況にあると考えられます。
 このような認識のもと、政府におかれては、歳出面における徹底した節減合理化を前提としつつ、税制面におきまして現在進められている税制全般にわたる抜本的見直しとの関連に留意しながら、住宅取得者の負担の軽減、民間活力の活用等を通じて内需の拡大に資するよう配慮されるとともに、引き続き税負担の公平化、適正化を推進するなど、最近における社会経済情勢と現下の厳しい財政事情に対処して、最大限の努力を払っておられるのでありまして、私は、これを極めて高く評価するものであります。
 以下、具体的に申し上げますと、
 第一に、現行の住宅取得控除制度を改め、住宅取得促進税制を設けるなどのほか、東京湾横断道路の建設に係る特定会社に対する出資の所得控除の措置や、エネルギー基盤高度化設備投資促進税制を創設するなどの措置が講じられております。これらは、内外からの内需拡大等の要請にかんがみ、極めて時宜を得た適切な措置と考えます。
 第二に、企業関係の租税特別措置について、連年にわたる厳しい見直しに引き続き、特定資産の買いかえ特例の縮減等その整理合理化を行うなどのほか、国外関連業者との取引の課税の特例、いわゆる移転価格税制を設けることとされております。前者については、税負担の公平確保の見地から高く評価されるところであり、後者についても、適正な国際課税の実現に資するため、極めて意義のあるものと考えます。
 第三に、法人税率の特例制度の適用期限を一年延長するほか、欠損金の繰越控除制度について、直近一年間に生じた欠損金に限り適用を停止する措置が講じられております。これらの措置は、なお引き続き厳しい財政事情にあることが配慮されたものであり、まことに必要やむを得ないものと考えるものであります。なお、法人税の負担水準のあり方については、政府として税制の抜本的見直しの中で今後十分検討を行って結論を出されることを要望いたします。
 第四に、たばこ消費税について、昭和六十一年五月一日から昭和六十二年三月三十一日までの間、その従量割の税率を紙巻きたばこについて、千本につき四百五十円引き上げる等の臨時措置が講じられております。この措置は、昭和六十一年度予算における補助金等の整理合理化に伴う地方財政対策の一環としてなされるものであり、まことに当を得たものと考えるものであります。
 その他、特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法の制定に伴う措置及び中小企業の貸倒引当金の特例制度の適用期限の延長等の措置は、いずれも、最近における社会経済情勢に顧み、時宜を得た適切なものと考えます。
 以上申し上げました理由により、本法律案に全面的に賛成の意見を表明し、私の討論を終わります。(拍手)
○議長(坂田道太君) これにて討論は終局いたしました。
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○議長(坂田道太君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(坂田道太君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ────◇─────
○議長(坂田道太君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後七時四分散会