第104回国会 大蔵委員会 第14号
昭和六十一年四月十六日(水曜日)
   午前十時一分開議
出席委員
  委員長 小泉純一郎君
   理事 笹山 登生君 理事 中西 啓介君
   理事 中村正三郎君 理事 堀之内久男君
   理事 上田 卓三君 理事 野口 幸一君
   理事 坂口  力君 理事 米沢  隆君
      越智 伊平君    大島 理森君
      加藤 六月君    金子原二郎君
      自見庄三郎君    田中 秀征君
      高鳥  修君    月原 茂皓君
      中川 昭一君    林  大幹君
      東   力君    藤井 勝志君
      宮下 創平君    村上 茂利君
      山崎武三郎君    山中 貞則君
      山本 幸雄君    伊藤  茂君
      伊藤 忠治君    兒玉 末男君
      沢田  広君    戸田 菊雄君
      中村 正男君    堀  昌雄君
      柴田  弘君    古川 雅司君
      矢追 秀彦君    薮仲 義彦君
      安倍 基雄君    玉置 一弥君
      正森 成二君    簑輪 幸代君
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  中曽根康弘君
        大 蔵 大 臣 竹下  登君
 出席政府委員
        内閣法制局長官 茂串  俊君
        内閣法制局第三
        部長      大出 峻郎君
        経済企画庁総合
        計画課長    及川 昭伍君
        法務省刑事局長 岡村 泰孝君
        外務大臣官房領
        事移住部長   妹尾 正毅君
        外務省北米局長 藤井 宏昭君
        外務省中近東ア
        フリカ局長   三宅 和助君
        外務省条約局長 小和田 恒君
        大蔵政務次官  熊川 次男君
        大蔵大臣官房総
        務審議官    北村 恭二君
        大蔵大臣官房審
        議官      亀井 敬之君
        大蔵省主計局次
        長       保田  博君
        大蔵省主税局長 水野  勝君
        大蔵省証券局長 岸田 俊輔君
        大蔵省国際金融
        局長      行天 豊雄君
        厚生大臣官房総
        務審議官    北郷 勲夫君
        厚生省社会局長 小島 弘仲君
        厚生省児童家庭
        局長      坂本 龍彦君
        農林水産大臣官
        房審議官    吉國  隆君
        農林水産大臣官
        房予算課長   鶴岡 俊彦君
        農林水産省経済
        局長      後藤 康夫君
        運輸大臣官房会
        計課長     近藤 憲輔君
        建設大臣官房会
        計課長     望月 薫雄君
        建設省道路局長 萩原  浩君
        自治大臣官房審
        議官      持永 堯民君
 委員外の出席者
        人事院事務総局
        給与局給与第一
        課長      小堀紀久生君
        防衛庁人事局人
        事第二課長   鈴木 正孝君
        防衛施設庁総務
        部業務課長   吉岡 孝雄君
        環境庁大気保全
        局交通公害対策
        室長      浜田 康敬君
        法務省訟務局民
        事訟務課長   大藤  敏君
        外務大臣官房審
        議官      太田  博君
        外務省経済局次
        長       池田 廸彦君
        文部省体育局ス
        ポーツ課長   戸村 敏雄君
        厚生省健康政策
        局総務課長   多田  宏君
        水産庁漁政部長 鷲野  宏君
        中小企業庁計画
        部計画課長   長田 英機君
        中小企業庁小規
        模企業部小規模
        企業政策課長  新関 勝郎君
        自治省行政局行
        政課長     濱田 一成君
        会計検査院事務
        総局第一局審議
        官       疋田 周朗君
        大蔵委員会調査
        室長      矢島錦一郎君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月十六日
 辞任         補欠選任
  加藤 六月君     月原 茂皓君
  藤波 孝生君     林  大幹君
同日
 辞任         補欠選任
  月原 茂皓君     加藤 六月君
  林  大幹君     藤波 孝生君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国の補助金等の臨時特例等に関する法律案(内
 閣提出第四号)
     ――――◇―――――
○小泉委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、国の補初会等の臨時特例等に関する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。矢追秀彦君。
○矢追委員 法律案とちょっと離れますが、最初に、日米首脳会談に関連して少しお伺いをしたいと思います。これは総理に聞くべき質問かもわかりませんが、大蔵大臣としてどうお考えなのかをお伺いしたいと思います。
 今回の首脳会談に臨みまして、総理は、総理の私的諮問機関である経済構造調整研究会の報告書をもとにしてレーガン大統領と会談をやられ、そしていろいろな約束をしてこられたということになっておりますが、国家を代表して行かれたわけですから、手続論としまして、いわゆる諮問機関のリポートだけをもってそれがあたかも日本の政府あるいは議会等の考えとするといいますか、そういう点は問題があると私は思うのです。例えばこの前、総合経済対策なるものを閣議決定をしておられますから、そういったものを踏まえて、あるいはこのリポートについて閣議である程度了解をとられて行かれたのなら納得ができるのですが、ただ諮問機関だけのリポートを向こうへぶっつけて、しかもその会談の中で、推進本部をつくると国際公約をして帰る、後で、帰られてからそういう作業に入られる、これはちょっとおかしいのじゃないか、こう思うのですが、その点はいかがですか。
○竹下国務大臣 いわゆる経構研というのは私的諮問機関ですよね。八条機関でもないのは、それは御指摘のとおりでございますが、総理自身の知識を充実するための諮問機関が出した報告書というものの中にくみ取るべきものもあるからこそ、それが会談の中において主軸をなした、参考的なものであったというふうに理解すればいいのかなということが一つ。
 それからもう一つは、私が行きましたときにも、前川レポートはどうだったんだ、こう聞いておりました。前川さんのことをミスター・マイクと言うのですが、何でマイクと言うのか私は知りませんけれども、そのミスター・マイクというものに、私どもが思っている以上のと言うとちょっと失礼ですが、大変な評価と期待感が先進国の間にあったから、特にあの問題について議論がどうしても進みがちではなかったかというふうに考えております。
 したがって、あの中で指摘されておる問題について、恐らく税の問題は税制調査会、それからその他財政運営の問題は財政審等てそれぞれ報告がなされて、やはりオーソドックスなところで議論も進んでいくべきものではないか、こんな感じで見ておるところでございます。
○矢追委員 いや、大臣は私の質問に答えてないですよ。要するに、ある程度議会にも了解をとり、議会が仮に無理であるとすれば、少なくとも閣議で、こういうようなことを言ってくるぐらいの了解をとらないといけない。これは、言うまでもなく日本は大統領制とは違うのです。総理は大統領と勘違いしているんじゃないか、こう思うのです。その手続を言っているわけです。あの人は諮問機関が大変好きですから、何でもかんでも諮問機関でやって、それがいつの間にか国家の政策になってしまっておる、こういう行き方については大変な批判が出てきているのですね。今度のはその最たるものだと思うのですよ。向こうがこのレポートを評価している点は私もわかりますよ。この内容についてはまだ後で触れますけれども、少なくとも今度はサミットの準備で行かれて、しかもネクタイもなしで、ああいうラフな姿で会談をされたというようなことですから、気楽に行かれて、気楽な話し合いかもしれませんが、向こうはこの話し合いの中身をやはり国際公約と受け取っているわけです。しかも記者のレポートもされたわけですからね。そうなると、これは一つの大きな国家の政策として決まってしまうわけですよ。極端に言うと、総理を除く全大臣は問題にされてない、こういうことになる。少なくとも閣議で、このリポートというものを、今後推進本部をつくる、あるいは今おっしゃったように、税制の問題は税調、あるいは財政審、あるいは金融は金融、こういうふうにやる、基本方針はこれなんだと、大体の了解を得てから行かれてやられるのならいいですけれども、勝手に自分の諮問機関の報告を、あたかもそれが完全なる国家政策にいずれなるのだ、そういうようなことで行かれて、しかも、新聞報道ではございますけれども、私がやめた後もこの方針は変わらぬのだと次の総理大臣の手足まで縛っておるのですね。もう一回聞きますけれども、こういうことで大蔵大臣は本当にいいのですか。
○竹下国務大臣 私も現場におりませんので、その辺よくわかりませんが、ただ、前川レポートの中の金融とかそういう問題については、大体私どもの考えでおるようなことが盛り込まれておるから、内容そのものについて著しく異なるものだとは思いませんが、今の手続問題ということになりますと、それは総理がこれを参考にして今後政策展開をやっていきたい、こういうことを述べられる参考資料として自分で勉強された資料ですから、まああってもいいではないかな、ただ、未来永劫変わりませんと言って、将来、政権がそれこそ野党に行く場合もありますし、そのときまでの傾向を縛ってしまうということは、それは言われてみれば、そうかなという感じで今承っておりました。
 いずれにしても、きょう午後二時間お出になるそうでございますので、その辺でひとつ真意をただしていただければと思います。私も、お昼の時間に何か御報告を承れるようでございますから、そうしたらもう少し先明かりのするようなお答えをいたします。
○矢追委員 それ以上は、あと坂口委員が夜質問いたしますので、そのときにやっていただきたいと思いますが、私がなぜこのことにこだわるかというと、今回の首脳会談で決められたことが手かせ足かせになって――いいことならいいですよ。まずい面がいっぱいあるわけです。それまでやられたら特に大蔵省が一番困るのじゃないかと私は思うのですが、その点いかがですか。
○竹下国務大臣 これはやはりそれぞれの機関でまた議論してもらって具体的な政策としては構築していかなければならぬことだと私も思っております。大蔵省の部内に関係のあるもの、もとよりMOSS協議なんかの対象、これは決まっていないようでございますけれども、それもありますが、向こうの考え方はわかったわけですから、それらに対する対応策はこれから詰めていかなければならぬなとは思っております。
○矢追委員 具体的な問題の中で一つ。レーガン大統領は、減税あるいは景気もよくなったんだというふうなことを言っておられるようでございますけれども、減税一つを取り上げても、総理は去年から減税を言われ、また最近でも減税をアドバルーンとしては上げておられますが、それは六十一年度予算にも反映をしていない。まあ、総理が前から言われておる税制のシャウプ以来の大改革というものがこれからどうなっていくのか。特に私はいつも残念に思うことは、日本の政策がアメリカから言われたり外国から言われていつも変わるということ、それは国際協調の時代ですから、ある程度のことはやむを得ないと私は思いますが、大変重要な、日本の政策の根幹にかかわるような問題まで、何か外国から言われてから動き出す、こういうことでは、日本の独立国家としての意味も何もなくなってしまうわけでございますので、その点を非常に憂うるわけですが、それはそれといたしまして、税制改革。
 それからもう一つは、マル優の撤廃問題。この点はこの委員会や予算委員会でもさんざん議論されてきた問題ですが、この新たな首脳会談を受け、さらにサミットでも大体予想されることですが、ヨーロッパはもっとアメリカ以上にいろいろな要求がきついかもわかりません。そういう面でこの減税、特にマル優枠の問題についてはどう思われますか。
○竹下国務大臣 前川レポートでは確かに貯蓄優遇税制の問題が出ておりますが、これとてこれだけ喧伝されたレポートでございますから、当然のこととして税調へそれぞれ御報告申し上げるべき課題であると思っております。
 税調では、この問題については一通りの御意見をかつて出されたわけでございますけれども、その後、金融の国際化とか自由化とかさまざまな事情も進んでおりますので、幅広い角度から、恐らく来月になりますか、再来月になりますか、税制調査会の後半の議論として取り上げられるであろうと私は思っております。
○矢追委員 そうすると、サミットが終わりますとまた改めて税制調査会にこういった方針で臨む、そういうふうな新たな展開といいますか、そういうものが今のお話を聞いていると打ち出されるように思うわけですけれども、いかがですか。
○竹下国務大臣 例えば国会の議論は逐一報告する、同じようにいろいろな経済研究所なんかの意見も自分らで収集したりしていらっしゃいますから、前川レポートについても税調でそういう資料として取り上げられるであろうということは、私も予測ができるわけでございます。
 ただ、いわゆる利子配当課税のあり方というようなことからでございましょうから、個人貯蓄の六割を占めるに至っておる非課税貯蓄の現状が課税の公平の面からは問題があるとかいう議論はたびたびなされておることでございます。それからもう一つは、所得水準の高階層ほど実際のところは利用割合も高い、したがって、高額所得者をより優遇する結果となっておる。あるいは限度管理について、貯蓄者と貯蓄取扱機関及び税務当局に少なからぬ手間を負わしめていること。そしてまた利子配当所得は、発生の大量性と、その元本である金融商品の多様性とか浮動性とかそういう特殊な性格を有しておることなどに配慮する必要がある。あるいは受け取り利子も所得の一形態であって、本来はすべて総合課税の対象とすべきであるが、長年定着した非課税制度を一時に抜本的に改革することは好ましくない等々、さまざまな議論が今までもなされてきたわけでございますから、これから非課税貯蓄制度を含めた利子配当課税のあり方についていろいろな角度から恐らく検討がされるだろうということは、およそ予測のつくところでございます。改めて政府からいわゆる利子配当課税、なかんずくこのマル優問題を議論してくれということをお願いするまでもなく、議論は行われる課題であろうと考えております。
○矢追委員 次に財政の問題です。これは非常に難しい問題になると思いますが、一つは、いわゆる六十五年の特例公債脱却、財政再建、これはもう全然できない、こう私は思っておりますし、補正予算の審議においても、いわゆる現金償還のできない部分はいわゆる全額借換債、こういうふうなことにも追い込まれるのではないか、こういうふうに私は申し上げたわけですが、この財政面の問題については、総理の方は、いわゆる前川レポートなるものを大統領は非常に評価した、こういうふうに一方的に総理の方の新聞発表で言われておる。レーガン大統領の方は前川のマの字も出ていなくて、何も触れていない。この財政問題については、お昼にお会いになったときぜひただしておいていただきたいのですが、どういうふうに総理は話し合いをされたのか。
 というのは、アメリカも大変な赤字を抱えて、アメリカの財政だって決して好転していないわけですよね。法律ができたにせよ、これからまだまだ大変な状況である。日本も同じく大変です。日本の方がむしろより大変である。そんな中で内需拡大あるいは減税、お金の要る話ばかりですよね。民活というのが一つありますけれども、そういう中で、この首脳会談あるいは今後サミットを受けた後、この日本財政の今まで言われた方針というのは変えられないのか、あるいは変えていかれるのか。特に私も再三指摘をしてきております、もうぼつぼつ「増税なき財政再建」というより――増税せいという意味じゃないですよ、六十五年の特例公債脱却、この看板はもうおろさざるを得ない。
 もう一つは、今申し上げた全部借りかえ償還、この点はいかがですか。
○竹下国務大臣 まず、かたくななまでにも六十五年度赤字公債依存体質から脱却を目指すというこの努力目標に対して、非常に困難であろうとも今日その旗はおろしていないということは事実でございます。したがって、今後も毎年毎年の予算編成に対して厳しい対応をしていかなければならぬ。
 そして、二番目の問題というのは、ある意味において関連があるのかもしれません。いわば赤字公債というものを減らす一つの手段として、議論としてはあり得ることであろうと思います。それだけのものが、いわば年限がつけば永久とはなりませんけれども、年限がつかなければ永久国債のような感じでもってこの借りかえをしながらと、こういうことは、六十二年度以降、二兆円を超えると思われます公債償還の財源をどうするかという問題が大変深刻になる。その一つの方法として、この公債償還方法について一つの考え方を示唆――前にも矢追さんはそういうお話をなさったことがあります。政府としては、もう一つは電電株式の売却収入がどうなるかという問題もありますし、今まで財政審で言われているのは、減債制度の基本は維持しなさいよ、こう言われているわけでございますから、したがって、どうして六十五年度特例公債依存体質脱却を達成するか、その道がないものかということは、六十二年度予算編成の過程においてぎりぎりまで知恵を絞っていかなければならぬ課題だ。今の、先日来おっしゃっております問題につきましては、公債の償還方法についての一つの示唆を与えていただいたというふうに受けとめて、そのほか電電株の問題等をも総合的に勘案して、六十二年度に汗かかなければいかぬ問題だというふうに考えておるところでございます。
○矢追委員 それがいいとか悪いとかじゃなくて――いいという議論じゃないですよ、それだけ誤解せんといてくださいよ。そうしなければもうどうしようもない袋小路に追い込められたということ。私は前にも、十年で現金償還もできない、赤字公債、特例公債の借りかえももうやむを得ないじゃないかと言ったときにも、いや絶対やりません、キャッシュで返しますと盛んに言い張っておられて、あくる年から借りかえ、こうなっておるわけですね。予言が全部当たっておるわけでありまして、恐らく今度の六十二年度予算編成でも、予算繰り入れは現実にもうできないわけですから、借りかえもやむを得ない。
 それに対して今後特例公債を出さない、あるいはまた国債残高を減らすことにどういう手だてでどうやっていくのか、あるいはまた、非常に強く要求されておる内需拡大、いわゆる積極財政というようなものをどう組み込んでいくのか、大変難しい問題ですが、これは本気になって議論をしていただかないと、私このところずっと議論を聞いておりまして、その場、その場で終わりなんですよね。去年も、私は総理に、これだけたまった国債残高をどうするのかと言った。深刻に受けとめますと言われたが、まただめなんです。本当に六十二年度予算編成なんというのは気の遠くなるような話になるのじゃないですか。大蔵大臣、また続いてやられるのか、今度は総理になられるのかわかりませんけれども、本当にこれは深刻な問題なんです。これはどうします。
○竹下国務大臣 矢追さんおっしゃいますように、もうおまえ借りかえしかないじゃないか、借りかえは断じていたしません、借りかえを奨励する意味ではないが借りかえしかないじゃないか、こういう質問がありまして、それで翌年、あなたがそう言ったからやったんだと開き直ってしまうのじゃありませんが、結果としてそうなりました。政策選択として最終的にそうなった。
 今度の場合は、ことしは予算繰り入れ、株式の売却等で国債整理基金の融通に遺漏なきを期した形の予算でお願いしてやりました。ところが、六十二年度には二兆円を超えると思われます。そうすると、私は矢追さんに二月でしたか、御答弁したときにも、「今矢追さん、いわゆる現金償還のための財源を借りかえによって調達しているわけでございますから、それをあるいは六十年償還という償還計画そのものを一時変更するというような気持ちであるいは議論なすったことがあるかもしれませんし、我々もそんな議論をしたことは率直にございます。」しかし、一方、減債制度は守れよという縛りの中に現在自分の身を置いております。そして新しく、株はまだ売れておりませんけれども、この問題も六十二年度予算編成にはもう少し浮き彫りになって見定めがつく形になるでございましょう。そういうものを見ながら、おっしゃったとおり六十二年度予算編成に当たって詰めていかなければならぬ一番重要なポイントだという考えは、今日も変わりません。だが、多少遠慮しておっしゃっていただいておりますが、来年あなたがそうしろと言ったからやったんじゃないかということを言うつもりはございません。
○矢追委員 次に、金融の問題ですが、これもイギリスの方からも強い要求が出て、それに対する大蔵大臣の発言がまたアメリカでも余りよく思われていないというふうな議論が出ておりますが、円高がまたサミットで相当各国から出てくると思うのです。これに対してどういうふうに対応されていくのか。
 リビアをアメリカが攻撃したことによってまたちょっとドルが上がってきておりますね。これは私のうがった見方かもしれませんので感じとして申し上げておるのですが、ドルの威信が落ちたときに大体アメリカは戦争をやるのですよ。そしてまたドルを上げるわけですね。どうもそんな感じがしてならぬわけでして、リビアを爆撃しておいてちょっと上げておいて、サミットへ行ってまた下げ、円高にしろ、こういうふうなことも少しはあるのじゃないか。というのは、総理が行かれて、その後すぐ攻撃しているのですよ。だから、総理が行ったときにもう知っていたのじゃないですかね。恐らく大統領が攻撃しろという命令は、首脳会談のときにはした後じゃないかと思うわけです。総理が聞いたか聞かないか、これもまた後で聞いてもらおうと思っております。そうなると、リビア問題と日本のサミットとは関係がないかもわかりませんけれども、だんだんうがった見方をしたくなってくるのです。
 それは別として、この円高の要求は相当出てくると思いますが、それは率直に、それじゃやりましょうというのか、あるいは、いや百八十円切れば大変なんだ、そういうことで百八十円というのを防波堤の一つの線として押し返すのか。それをやると、百八十円を守るためにまたダーティーフロートをやっておると批判されてくるわけですけれども、その点はいかがですか。
    〔委員長退席、堀之内委員長代理着席〕
○竹下国務大臣 きょうの寄りつきが今のところ百七十八円十五銭、こういうことでございます。きのうの終わり値が百七十九円三十銭。
 これは適当な機会だと思いますので……。今おっしゃったようにきな臭いことが起こるとよくドル高になる、これは一般論としてそう言われる。きょうのところは、米のリビア攻撃から当初ドルは上昇したが、市場では逆にドル売り材料を見る向きもあり、欧州では下げるなど総じて様子眺めに入った、こんなようなコメントがついておりますから、従来のように大きくは揺れなかったとは思います、きょうはまた円高基調になっておりますが。
 それはそれとしまして、私どもと米側とのいわゆる合意というのは、安定が望ましい。本当はだれも不安定が望ましいという者はおらぬわけでございますから、ここまでは合意できる。そうするとすぐ勘ぐった見方というのは、それは今のレートで安定することか、こういうことになると、一つのターゲットを日本国の大蔵大臣が決めているのじゃないか、それはやはり市場の自主性にゆだねるべきものであるという論理もまた成り立つわけでございますが、私どもあくまでも市場主義でございますから、いわば市場の決めるレートというものが安定をすることが望ましいという以上に踏み込んで幾らが適当かという議論はお互いがしないということになっております。
 ただ、イギリスのポンドと比べますと、対ドルが日本の方がうんと強くなっておるということと、もう一つは、大きな変化があったとしますならば、まして英国は北海油田以来産油国ですから、それがさらに響くという懸念というようなものから、時として、私的懇談であろうと、ポンドはもっと弱くてもいいじゃないかとかいう意見はそれぞれの立場の人にあろうかと思っておりますが、私は、今日までの経過からして、日本がいわばダーティーフローティングをやっているんだというような批判を受けるような状態にはないではなかろうかというふうに見ておるところでございます。
○矢追委員 また原油も下がってきたし、黒字減らしはいろいろな面でなかなか難しいのではないか。そこへ持ってきて、ダーティーフロートをやってないと言われますが、やっているように見られてくるわけです。とにかくこの円高問題は、実際に現場へ行きますと、大手企業というのは大体先を見越して、例えば将来百七十円になりそうだとなれば百七十円で線を決めてやっておるわけです。それがだんだんと中小零細企業におりてくるとなかなかそうはいかなくて、今倒産問題とか非常に困った状況になっておるわけです。内需が拡大しておればいいのですけれども、それもなかなか進まない。今度通産省の方で法律ができましたけれども、果たしてこれがどれだけ実効があるのか、私は大変疑問に思っております。
 この円高問題についての大蔵大臣の答弁で私がまだ不満なのは、いわゆるサミットの場でどうこれに対抗するのか、それをちょっとお聞きしたいのです。今は言えぬかもわかりませんけれども……。
○竹下国務大臣 これはやはりいわゆる為替レートは安定すべきであるという大原則を維持するような主張をすべきであろうと私は思っております。七人の会といいましても、ECも入りますし、個々のコンセンサスというと、大原則以上には、おまえのところがどうだとかこっちがどうだとかという議論にはなかなか入らないではなかろうかというふうに思っております。
 ただ、今御指摘なさいましたように、ちょうど先週の日曜日、ワシントンから帰ったばかりに岐阜の陶磁器の多治見と刃物の関に行ってみたときに、私に対していろいろな御要請があった深刻な問題というのは、実態を認識していただくために、会議で話すか飯のときに話すかは別としまして、話題には供すべき問題だと思っております。
○矢追委員 この問題の最後に、総理の言う日本経済の輸入志向型への転換、これはなかなか難しいし、また時間のかかる問題です。これは、恐らく推進本部ができて、いわゆる中長期的な展望も含めて出してこられると思うのですが、かなり長期にわたらなければできないし、拙速をやればえらいことになってしまう。日本経済そのものがおかしくなってしまうわけです。この点、大蔵大臣は今後どう考えていくのか。
 首脳会談で私大変不満に思ったのは、もちろん日本のこういう経済構造というのは外国から見たらけしからぬかもしれませんけれども、日本としてはこれ以外に生きていく道が今までなかったことは事実なんです。アメリカが輸出の努力を怠っていることも事実なんです。例えば商社にしろ、日本のいろいろな企業は相当英語を勉強してみんなアメリカへ行っておるわけです。アメリカの企業がどれだけ日本語を勉強してこちらにセールスマンを派遣しているかというと、全然話にならぬ。あげくの果てに日本語がけしからぬ、そういうことを言う人まで現実におるわけですよ。こうなったら全くの内政干渉というか、一体何を考えておるのか、それこそ植民地扱いですよ。かつてのいわゆる列強は、大英帝国にせよ、各植民地を全部自分の国の言葉に変えてしまいました。そこまでされたら終わりですが、国際化の時代だからある程度日本人も英語を勉強して、どこへ行っても全部英語が通じるようになったわけです。あとはアメリカも努力してもらわなければ困るので、米国にも責任があるわけですよ。それを全然言われないで、ただ日本だけ、はい、わかりました、輸入志向型にします、それで日本経済ががたがたになったのではこれはどうしようもないわけです。ある程度はそういう方向もやっていかなければいかぬと思いますよ。しかし、時間がかかるということ、下手をしたら、四、五十年くらいかかるということくらいは今度のサミットで堂々と言ってもらわなければ私は困ると思う。最初に申し上げたように、首脳会談をいろいろ見ておりますと、どうも日本だけがアメリカに監視されている。そういうことでは非常に困るのです。
 それからもう一点、四%成長を総理は約束されましたけれども、これはできるのかできないのか、その点をお伺いしておきたいと思います。
○竹下国務大臣 前段の場合、私も同感の部分がたくさんございます。
 アメリカでも、コカコーラとか、IBMもそうかもしれません、日本の国内において十分そのシェアを獲得しておられる企業もあるわけです。今販売努力のお話が出ましたが、実際問題そのとおりでございますし、例えば自動車にしたところで、ドイツは日本向けの分は右ハンドル、左ハンドルをちゃんとお直しになるが、アメリカはまだお直しにならぬというようなことも努力の欠如と指摘して結構だと思います。日本語は、確かに私も感じますのは、非関税障壁の最たるものかもしれません。特に、私が言っていることは国会でもわからぬものを、訳すのには余計わからぬかなと時々思うのであります。私自身が、私自身の言葉そのものが非関税障壁だという感じを率直に言って受けないわけでもございませんけれども、この点とてそれは努力してもらわなければならぬし、産業構造の問題につきましてはおっしゃるとおりです。
 この間の岐阜の方のお話も、簑輪さん岐阜県ですからすぐこっちを見られましたけれども、私どもは経済摩擦を一遍も起こしたことはありません。それはそうです、アメリカでつくっていないものを出しているのですから。ただ、NICSとの競合で、ドルリンクのものと円高のものとで競争力を失った、だから我々には何の罪もない。なるほどそれもそうだな。しかも今まで、原油だけは輸入しなければいかぬから、それとの見合いで、政府からも随分輸出奨励のためのいろいろな合理化とかそういうことの指導があり、それに対して忠実にやってまいりました、摩擦を起こした元凶でもない我々が何でそういう対応を迫られるのかというような話がございましたから、これは構造改革というのは私も時間的には相当なものがかかると思います。転廃業しろと言ったって、私にすぐ歌うたいになれと言ったってそれはだめでございますから、そういうことをも考えながら、物々によって時間というものを可能な限り早めていく努力は政策の上でも反映していかなければならぬ問題だ。一遍にガラガラポンと変わるというような性格のものではないというふうに思っております。
 そうするとすぐ、陶磁器でも設備を買い上げてくれというような話が――ちょうど撚糸問題もありまして、今時期的に余りいいときではないなというような印象も受けながら話を聞いておりましたが、確かに時間のかかる問題でございますから、一つ一つきめ細かい配慮をしてそういう指導はしていくべきものであると思います。
 それから四%成長でございますが、私は帰りにずっと経済企画庁で整理された数値等を見ながら、やはりこれは円高のメリットというのが広範にうかがえる。例えばきのう見た統計で、二月末は二十七ドルであった原油が三月末に二十二ドルに下がってきたというようなことからすれば、原材料、原燃料、すべて安くなって、それらがいずれ我が国の企業収益等にもつながっていくとすれば、たび重なる公定歩合の引き下げとかそういう効果もさらに手伝うわけでございますから、私は四%成長というのは可能であろうというふうに思っております。
○矢追委員 それでは補助金の問題に入らせていただきます。
 この問題、私も昨年質問さしていただきましたが、これは自治省にお伺いしたいのですが、六十年度のときにも、地方財政法第二条に抵触しないかという質問に対して、交付税といわゆる起債によって埋めておるから地方の負担増にはならぬ、こういう答弁に終始をされたわけです。ことしは去年より、負担増という言葉が嫌なら影響増でも結構ですが、幾ら影響増になりますか。
○持永政府委員 今回の補助率の引き下げによります影響額でございますが、全体で一兆一千七百億円でございます。これは、その中に公共事業の拡大に伴います地方負担の増加分も含めて一兆一千七百億円ということでございます。
○矢追委員 去年は幾らですか。
○持永政府委員 昭和六十年度の場合は全体で五千八百億円でございます。
○矢追委員 昨年と比べまして相当大幅な増加になっているわけです。推計の表、いただいておるのを見ましても、北海道でも、これは特に大きいのですが、昨年は二百十億円であったのがことしは四百五十八億円、それから東京都が、二百五十二億円が四百九十三億円、それから大阪が、二百三十六億円が四百二十九億円、それから次に大きいところでは、福岡の二百五十二億円が四百八十九億円と、大きいところをとりましても大変負担増になってきているわけですね。しかも、これが今後三年間続くわけです。この三年間、六十一年、六十二年、六十三年度、毎年上がっていくと考えてよろしいですね。
○持永政府委員 今御指摘になりました計数は、非公共の分だと思います。これが今後上がっていくかどうかということにつきましては、結局、この数字のベースになります例えば生活保護の単価、あるいは児童措置の単価が上がるかどうかという問題、あるいは措置対象者数がどうなるかということによって変わってくると思いますけれども、常識的に考えますと、若干の増はあるいはあり得るかと思っております。
○矢追委員 今若干と言われましたが、去年とことしはどの大きな上がりはないと思いますが、三年後になりますと、仮に単価が上がらないとしても――単価が上がらないことはないわけで、物価スライドぐらいはしていかなくてはならぬわけですから、そういう点ではかなり上がってくる。さらに、公共事業などは、これから内需拡大とか言われ、各地方自治体もいろんな新しい地域を開発して、また地域に産業を誘致したり、地域独特のいろんなことをやろうと思ってどこも一生懸命今やっておるわけですから、またこれもふえてくるわけです。そうなりますとますます負担増になってくる。負担増にならない、ならないとおっしゃり続けておりますが、私は、大変なことになってくると思う。
 これは大蔵大臣にお伺いしたいのですが、そもそも本来国がやるべきものを地方にお願いしてきた。それをまたたくさんお願いしていく。そのために地方の予算が大変になってくる状況というのはよくないことなんですね。まず、いいことか悪いことか、それをひとつ。
○竹下国務大臣 だから、それを悪く言えば、既得権と考えれば、その既得権が減っていくわけでございますから、受ける方にとってみれば悪いこと、こういうことになろうかと思います。だから結局は、事務事業はいかにあるべきか、仕事の分担はどうあるべきか、さようしからば費用負担はいかにあるべきかというところから積み上げて、お互いがコンセンサスを得るというのが一番好ましいことであろうというふうに思っております。
 我が国は、敗戦、焼け跡、やみ市という食うに精いっぱいのときからの経緯をずっと見ますと、それは中央依存型であった。それが、地方にも徐々に力がついてきた、それぞれの地方の個々のアンバランスは別といたしまして。そういう財政状態も見ながら、あるべき費用負担のあり方というところからコンセンサスを得るような努力はこれからもしていかなければ、それは一方にとっては悪いことだ、一方にとったはいいことだというようなことになってはならぬというふうに思っております。
○矢追委員 今の国と地方の分担というものの基本的なコンセンサスというかルールというものがまだ、決まっているようで決まっていないわけでしょう。それなのに、こうやってどんどんどんどんカットしていくというのは、やはり地方自治体の立場に立ては大変問題があるわけです。
 こう言うと、大蔵大臣も、国が大変苦しいのだから地方もちょっと苦しみを分かち合ってくれ、こういうように言われると思うのですけれども、その辺をただそれだけでやっていいのかどうか、私、非常に問題があると思うのですよ。というのは、地方が負担している、地方がやっている仕事というのはいろいろありますけれども、一番大事なことは、いわゆる住民福祉とか、非常に生活に密着した問題が多いわけですね。しかもそれは、本来国がやるべきものを地方がやっている。そしてそれに対してある程度の分担をしてきた。それをもっとやれ、こうなってくるわけですから、その中には、地方はある程度豊かであるという考え方が大蔵省には基本にあるんじゃないですか、地方富裕論というのが。だからこういうふうになってきているのか、それとも、もう苦しくてしようがないからちょっと頼む、どっちですか。
○竹下国務大臣 どっちかと言われれば、それは、苦しいからちょっと頼む、いずれは公経済の車の両輪ではないか、こういうことでございましょう。
 ですが、私はいつも思うのですが、外交とか防衛とかはいわば本来国のやるべきこと、身近な問題はできるだけ地方政府がやっていくという姿が好ましい。さようしからば、税源配分をしなければならぬが、その税源が余りにもアンバランスである、そこでその都度、いわば双方の調整措置が今日まで、特に公共事業の場合は何回か行われてきたんだなというふうに思っております。社会保障は、元来身近なものとしてその委任事務も団体委任事務にするから、地方のイニシアチブによって可能な限りのものはやってもらうが、憲法二十五条に基づく生活保護はやはり国がその責任を負うべきだ、こういうところで整理されておるんじゃないかなというふうに見ております。
○矢追委員 もう少し具体的に言いますと、今のこういうカットで問題になってくるのは、先ほども申し上げましたが、国の責任で行うべき所得保障や施設収容措置の最も基本的な事務事業、こういったものにおいて負担率が下げられておるわけですね。これはやはり中央と地方の信頼関係というものが非常に損なわれてくる、そういうようなことが一つあると思うのです。
 それからもう一つの問題は、この推計表しか出してもらえませんのでこれでいきましても、市町村の方が都道府県より負担が多いところが非常に多いのですね。というのは、特に金額の大きいところはもうほとんど全部が都道府県より市町村の方が大きいわけです。北海道だって、道は二百十三億で市町村は二百四十五億、東京都も二百十八億と二百七十五億、それから京都が四十二億と百二十億、これはもう三倍です。大阪が百二十三億と三百六億、これも三倍近い。それから兵庫が八十九億と百四十七億、それから福岡が百八十四億と三百五億、こういうふうな状況で、全都市町村という財政力の弱いところにしわ寄せが行っておるわけですね。都道府県と市町村との間の負担のあり方、これは自治省になるかと思いますけれども、では都道府県は何を負担する、市町村は何を負担する、そういった点ももうちょっとちゃんとしていかないといかぬのじゃないかなと思うのですが、特に市町村にしわ寄せされて、その結果起こってくることは自治体の財政力の格差というものが拡大されてくる、こういうようなことになるのじゃないか。特に福岡それから北海道、この辺は今回も去年より物すごくふえておりますし、また、見ましても北海道は大変広い。人口も多い。福岡は生活保護とか炭鉱の関係等で大変なのかもしれませんけれども、とにかく弱いところに余計行っておる、こういうふうに考えられるわけですが、その三点についておのおのお答えいただきたい。
○持永政府委員 今御指摘のように、北海道とか福岡に対する影響が大きい、それから県と市町村の間の問題、こういう点の御指摘でございますが、県と市町村の問題につきましては、県、市、町村、それぞれ役割分担、費用負担が決まっておりまして、生活保護の場合で申し上げますと、町村部に係ります生活保護は県が負担をし、都市の生活保護については市が負担をする、こういう仕組みになっておりまして、それに対応して地方交付税を通じまして県、市それぞれに財源措置をしているわけでございます。そういったことで、県なり市なりの費用負担のあり方によりまして、この影響額がこういった形で出てくる。したがって、一つの都道府県の中で都市部人口が多いところは市町村分の方が影響が大きく出ますし、逆に都市人口が少ない県にありましては比較的県の方が大きく数字が出てくる、こういう結果に相なるわけでございます。
 それから、福岡あるいは北海道等々の御指摘でございますが、確かに福岡の場合は生活保護が大変多いわけでございますので、非常に影響が大きい。北海道の場合もかなり数字は大きいわけでございますが、これは財政規模そのものが大きいということもございまして、総体的に考えますと、やはり何といっても福岡が一番影響が大きいわけでございます。そのほかでは、比較的影響が出てまいりますのは九州の熊本でありますとか宮崎でありますとか、そういうようなところでございますが、これらにつきましても、それぞれ影響の度合いに応じまして財源の措置を交付税あるいは地方債を通じてとってまいりますので、この影響が大きい、小さいことによって各団体の財政運営に非常に大きな相違が出てくるといいましょうか、異なりが出てくるということのないように対応をしてまいる所存でございます。
○矢追委員 だから、私も去年から言っている。交付税、いわゆる起債をやればそれで影響はなくなるのだ、それも繰り返して今も言われておりますけれども、それならもとへ戻したらいいじゃないか。そういう議論も逆にあるのじゃないですか、大蔵大臣。何でこれをカットしていくのですか。素朴な質問で、私の質問間違いかもわかりませんが。
○竹下国務大臣 どちらかといえば私どもはマクロの地方財政計画で見るわけですから、個々への対応はやはり自治省が目配りしていただくことでありますので、マクロではおよその地財計画に支障を来さないというだけの措置は、たばこなどみたいな無理もしながら対応してきておるというふうに理解をいたしております。
○矢追委員 大蔵大臣、私こういう質問はいいかどうかわかりませんけれども、結局、大蔵省には地方に対する不信感というのが基本的にあるのじゃないですか。だからこういうことでぎゅっと締めていかないと、今までのような交付税方式あるいは起債をどんどん認める方式では何をやるかわからぬ。すごくぜいたくな市民館をつくるじゃないか、生活保護だってはらまきをやっちゃうじゃないか、だからこれでぎゅうぎゅう締めない限りだめなんだ、基本的にこういう地方不信感みたいなもの、先ほど地方富裕論を言いましたけれども、もうちょっと厳しく言いますと、地方不信感みたいなものを持っているのじゃないですか。いかがですか。
○竹下国務大臣 これは、素朴に、生活保護に何で千人当たり四十人の県があって何で千人当たり三人の県があるんだろう、時々こういうような疑問を持つことは私どもにもないわけではございません。しかし、私どもは元来マクロのベースで自治省といろいろ御相談申し上げるということで、聞くところによるラスパイレス指数とかいろいろなものを見て、アンバランスがあるんだなというふうなことは感じますけれども、地方不信論というものを持っておっては、これはいけないことであると思います。国家公務員たるもの、地方公務員たるもの、それぞれ国民に対する奉仕者であって、いやしくも公経済の両輪相互に不信感があっては車は円滑に回らないと思っておりますから、不信感は持つべきものではないというふうに思っております。
○矢追委員 ちょっと時間がなくなりましたので、次にこれは自治省にお伺いしたいのですが、ことしの、六十一年度の各都道府県の一般会計予算の伸び率、これを見ていきますと、長崎なんかはマイナス一〇%、高いところで愛知の七・六が最高の伸びになっておりますが、これだけ補助金カットされて、それによってやはり自治体予算というのは大変苦労してやりくりをやっておるわけです。自治体の方が減らされるものという前提で予算を組んで、もう既にやっておるわけですけれども、この伸び率、私も六十年度の伸び率の表がありませんのでわかりませんが、六十年度と比べて六十一年度予算というのは大体傾向としてふえておるのか、減っておるのか、まずその点はいかがですか。
 それからその次、もう時間がありませんが、予算編成に大きな影響が出てきておる、私はこう思うわけでございますけれども、その二点についてお伺いしたいと思います。
○持永政府委員 まず、予算規模の伸びでございますが、六十年度の場合は、決算見込みの数字で申し上げますと、伸び率が五・四程度になると見込まれております。
 それから、六十一年度の当初予算の状況でございますが、今御指摘あったわけでございますけれども、全体の都道府県の当初予算の伸びは四・三%でございます。ただ、この中で京都府と長崎県につきましてはつい最近知事選挙があったわけでございまして、この当初予算はいわゆる骨格予算という形に相なっております。したがいまして、骨格である二府県を除きますと、全体の伸びは四・六ということに相なります。
 それで、この四・六の伸びをどういう評価をするかということになるわけでございますけれども、私ども毎年つくっております地方財政計画がございますが、六十一年度の地方財政計画の伸びがちょうど四・六でございまして、その地方財政計画は、当然のことながら人件費のベースアップを初めとして社会保障の伸びあるいは公共事業、あるいは単独事業についてもことしは三・七%増を見込むというようなことでそれぞれ積み上げをいたしまして、適正規模の歳出の伸びを見込んでおるわけでございますので、そういった意味からいたしますと四・六の伸びというのは妥当な伸びではなかろうかというふうに考えております。
 ただ問題は、県によりまして税収について平均的な伸びまでいかないという県もあるわけでございます。東北、北海道あるいは九州といったところがそうでございます。そういうところは、現実の財政運営が大変厳しいということで、基金の取り崩しをするとかいろいろなやりくりをして、苦労されて予算を編成されておる。そういう県があることも事実でございますが、全体としては地財計画の伸びになっておりますので、おおむね妥当な予算編成が行われているというふうに見てよろしいのではなかろうかというふうに受けとめております。
○矢追委員 最後に大蔵大臣、国の方が財源がなくて財政難で非常に大変な状況で、取り崩しをやったりいろいろなことをやってもにっちもさっちも動かなくなってきて、いよいよ六十年度予算編成というのは大変な危機状況にある、私はこう理解しておるわけですけれども、地方の方はこれからだんだんずれていくのですね。去年一割カット、今度もカット、これが三年間続く。これから地方がきいてくる。さっき言われた国の苦しいのをちょっと分けてほしいというのが、それがもうどんどんいくわけですから、そうすると国も大変、今度地方はもっと大変ということがこの二、三年後に出てくる。そういくと、日本国全体、国も地方も大変なことになると思うのですよ。だから、これは本気になってやっていかなくては、ただ切ってやっていく、それだけでは私困ると思うのですよ。その点この財政再建、そして外国からの外圧によるいろいろな問題、これも真剣に取り組まないと本当に大変なことになる。これに対する決意だけお伺いして終わりたいと思います。
○竹下国務大臣 大事なことは、どんなことがあっても地方財政計画そのものに支障があるような措置は、毎年毎年の予算編成のときではございますが、それだけはとってはならぬということで対応していこうと思っております。
○矢追委員 終わります。
○堀之内委員長代理 玉置一弥君。
○玉置(一)委員 今回の補助金一括法案、いろいろな問題点がある。昨年も出されておりますけれども、幾ら考えてもわからないのは、国がいろいろなことをやってきて、そして最終的には国が全部やったからあとはもうこれしかない、こういう形で出されればまだわかるわけでございますけれども、どうもいろいろお話を聞いておりますと――昨年の場合は時間がないという感じがあったわけでございますが、ことしはもう既に一年たっているわけで、一年たっていてまた同じ手法で今度三年も延ばそう、こういう考えになっているわけです。
 これを考えてみますと、国はいろいろ考えるのがもう嫌だ、新しい税制度への取り組みが始まっておりますけれども、それまで何とか財源がつながっていけばこれだけでいいじゃないか、何となくこういう感じがするわけで、中曽根内閣のいわゆる行政改革を柱にした「増税なき財政再建」、こういうものがまさにこの法律によって壊されてしまっている、こういう感じを受けるわけでございます。
 そこで、中曽根内閣になってから、特に昭和五十六年からですか、行革が始まってまいりまして、この五年間にどういう成果を上げてこられたか、そして国としてどういう努力をされてきたのか、この辺についてお伺いをしていきたい、かように思います。
 本来でございますと、金額的な効果ももちろんでございますけれども、行政組織の中に行政改革の体質を定着をさせる、こういうことがなければいけないわけでございます。また、それが国民の行政に対するいろいろな新しい要求を吸収していく財源になるわけでございますから、これがない限りは、毎年毎年より以上のサービスをやっていこうということであれば増税せざるを得ない、あるいは今回のように歳出カットをやみくもにやらなければいけない、こういうことになるわけでございますが、まず、大蔵省の方から現在の行政改革の成果といいますか、取り組み等をどういうふうに把握をされ、効果についてどういう形で見ておられるのか、これについてお伺いしたいと思います。
○保田政府委員 行政の諸制度、それから各種の施策、その実際上の運営といったようなものについては、社会、経済情勢の変化に対応して簡素で効率的なものとすることが必要である。いずれにしましても、これらの諸制度、行政機関の定員、機構を含めまして、施策というものは、結局は国税あるいは地方税、さらには社会保険料といったもの、一言で言うと国民の最終的な負担にかかわるものでありますから、これはできるだけ安上がりに済む方がいい。国民の負担が過重になるということは、結局、働いても働いてもその非常に大きな部分が税あるいは社会保障負担という格好で吸い上げられるということになりますので、国民経済の活力をそぐことになる。そういうことからして、国民の負担は余り過重であってはいけない。施策とのバランスが必要でありますが、それが過重であってはならない。その点は、先進西欧諸国の負担が過重になり過ぎているといったようなことから見ても非常に明らかなことであります。
 したがって、そういう行政の制度、施策等もできるだけ簡素なものにしなければならない。そういうことから、まず国家行政組織の定員削減というものにつきましては、既に四十三年から累次の定員削減計画をつくりまして、この実行をしてまいりました。国家機関あるいは地方支分部局の整理統合といったようなことも含めて、これを実行してまいったわけであります。
 定員、機構以外の各種の施策、例えば社会保障でございますとか、文教でございますとか、あるいは農林、その他各般の施策についての行政改革的な観点からする見直しによって幾らお金が浮いたかということは、経費削減のうちのどの部分が行革に基づくものであるかという範囲を一義的に画することが非常に困難でございますので、行政改革により税源が幾ら節約されたかということを数字で一義的に申し上げることは非常に困難ではございますが、御承知おきのように、過去四年間、国の予算で言えば一般歳出が伸び率ゼロあるいはマイナスといったような状況下で予算編成ができたということに端的にあらわれているのではないか、こういうふうに考えております。
    〔堀之内委員長代理退席、笹山委員長代理着席〕
○玉置(一)委員 今、保田さんの方から、数字であらわすのは困難だというお話がございましたけれども、例えば大蔵省が出しておられます中期展望といいますか試算、これは一応仮定計算ということでございますけれども、今の制度をそのままにしてこうなりますという形で出ております。逆に考えていけば、今の制度ではこうなるということで、行政改革を織り込んだ制度の見直しをやった場合と当然差が出てくるわけですから、数字であらわれないことはない。
 例えば、人員削減、今一割カットでございますけれども、これは高齢者、勤続年数の長い方から出すのか、中堅から出すのか、入省間もない人から出すのかによって金額が変わってくるわけです。通常の場合平均賃金でやられますが、平均賃金でやった場合、あるいは退職者の補充をしないということであれば高齢の方からとった数字が出てくるわけです。今回の問題というのは、行政改革を効果としての数字で把握されてないということがいろいろなことを積極的に進めていく際の一つの障害になっているのではないか、こういう感じを受けるわけですが、その辺についてどのようにお考えになっているのか、なぜやらなかったのか、お伺いしたいと思います。
○保田政府委員 過去四年間、毎年度の予算編成におきまして一般歳出を伸び率ゼロに抑えたということでそういう全体の姿としての数字はあらわれておるわけでございますが、例えば社会保障でいいますと、健康保険の本人一割負担の導入とか、老人保健制度の導入並びに今回御提案申し上げております老人保健法の改正、年金制度の大改正といったこと、あるいは文教の分野で言いますと、義務教育費国庫負担金の見直しということがございますが、それらの数字を寄せ集めることは、できないことはないと思うのです。ただ、それらが行政改革なのかあるいはもうちょっと違った観点なのか。財政当局としては行政改革という観点にのみ立つのではなくて、国民から納めていただいた税金をむだなく効率的、合理的に使わなければならぬということで当然心がけていなければならぬ施策の合理化という観点からの削減なのか、行政改革なのか、もう少し広い財政当局としての見地からの削減なのか、その辺の見方が人によって一義的でないのではないか、こういうことで、行政改革によって幾ら金を浮かしたのか数字的にお答えすることがなかなか困難であると申し上げておるわけであります。
○玉置(一)委員 例えば予算査定の場合、総枠規制で今おっしゃったように歳出ゼロという形で抑えた場合に、本来の、大蔵省流に言いますと当然増、こういう経費がございます。当然増経費を抑えるためにどういう努力をしてきたか。こういうことが行われて初めてその枠の中に入るわけでございまして、その枠の中になぜ入ったかということを分析しておかなければ――それが今度は実績となってあらわれてくるわけです。抑え込んだなら抑え込んだ場合に、どういう形で、例えば無理やり圧縮して先ほどの話のように負担転嫁をしたのか、あるいは費目として削ってしまったのか、そして逆に考えていけば本来要らなかったのか、こういうものもあるわけですね。そういうような形で、抑え込んだときには抑え込んだという中身を分析しておかなければ、正しい予算編成はできないと思うのです。確かに、抑え込んだ総額がおっしゃるように行政改革だけではないと思います。まさに行政改革もありますし、また、一部負担をしてもらったというのもありますし、非常に厳しい時期だからやめてしまおうというのもあったと思います。そういうふうに分析をしてやっていくということが行政の体質を変えていくための一番のポイントだと思うのです。これからさらに行政サービスを拡大していく場合に要るもの、要らないものの類別、こういうものもそういう中から見分けが出てくると思うのですけれども、そういう意味で、大蔵省当局として各省にいろいろな概算要求の枠決めをされてやっておられますが、ただ総枠規制で大蔵としては予算編成さえできればいい、数字のつじつまが合えばいい、こういうように受け取れるのです。それはいかがでございますか。
○保田政府委員 大蔵省が毎年度の予算編成に際しまして、国の一般会計だけが圧縮されればいいといったような観点から予算編成を行うということはいたしておりません。先ほども申し上げましたが、国の施策によって国民が受けるサービスのレベルは、結局、国税、地方税、社会保障負担、この三つによって支えられることになるわけでありますから、我々は常に、大きく言いまして三つの国民負担をできるだけ低く抑えながら国民の要請される諸サービスを支えていかなければならない。したがって、国民全体の負担とサービスとの間にむだな負担があってはいけない、不合理な負担があってはいけない。そういう意味で、国民のサービスレベルを支えるに当たって必要な国民の負担に不合理なものがないようにいろいろ工夫をしておるということであります。
 一例を健康保険の本人負担にとりますと、あれは何も一般会計の負担を少なくするということだけのためにやったわけではありません。その当時の医療費の実態から見て、いろいろな意味での乱診乱療というふうなものがあるのではないか、それについてはその当時の本人負担がゼロであるという制度に問題があるのではないかというようなことから、あの一割負担を導入した。その結果としまして、国民健康保険の保険財政はその後がなり好転している。それは、一般会計の負担が小さくなるということだけじゃなくて、国民全体の医療負担がその分だけ節約されている、そういうことをねらっておるわけであります。
○玉置(一)委員 おっしゃることはよくわかるのです。ただ、我々から見て、いろいろな、例えばこういうことをやったら幾らかかる、あるいは幾ら削減できるという効果を絶えず把握することは大変重要なことだと思うのです。
 例えば、後でお話しするつもりだったのですけれども、中曽根さんがアメリカに行かれまして経済成長率を実質四%維持、確保したい、言葉としてはこれだけなんですけれども、その裏には、例えば金額的に一兆一千億を上期だけで伸ばそうという中身は、いろいろ積み重ねられてそういう数字が出ているわけです。だから、それぞれの数字は非常に重要な要素を持っておりまして、こういう数字をもとに経済界ではいろいろな動きが始まるわけですから、やはり国も今の経済体質に合わせたそれだけの分析力とそして逆に行動力を持っていかないと、昔から最後はええやというところがありますけれども、最初からええやでは困ると思うのです。より機敏な対応をしていくために、役所の体質もそういうふうに改めていかなければいけないと思うのですけれども、それは後でまたお話をしようと思います。
 補助金だけに限りまして、例えば補給金だとか国庫負担金あるいは交付金、委託費とかいろいろありますね、今回この補助金が、さっきもお話ししましたように、当初はやむを得ずという形で出てきて、これは一律削減だった。そのときには、一年限りだからということと、それから本来こういう一律削減的なことはやりたくなかったという話もありました。やりたくなかったらもうやらないだろうと思ったら、また出てきた。この一年間何をされてきたのか。例えば行政改革的な見方からいきますと、いろいろな観点から行政改革の手法があるわけですけれども、要は、むだがないか、そして統合メニュー化とかそういう方法、そしてある時期を見て、かなりたっているから削ろうじゃないかとか、いろいろな見方がありますけれども、この一年間まさに何もしないでこられて、去年うまくいったから延ばそう、こういう話なのか。非常に簡単なことですけれども、お聞きしたいと思います。
○竹下国務大臣 まず先ほど来の議論でございますが、行政改革で非常に数値の上でわかりやすい問題は、やはり電電、専売が民営化されて、それはいわゆる法人税に変わっていく面もございますが、株の売却収入が計上できたのは行革の一つの効果であろう。それから全般的に言えば、やはり行財政改革という範疇に入るのじゃないか。確かにある種の厳しい概算要求基準を設定して、その中で、原局でいろいろな内なる改革の、きれいごとを言えば知恵を出されまして、結果として、一番最初おっしゃっておった、現在の制度、施策をそのままに置いた仮定計算から、今度はそれを翌年度の当初予算ベースと比べてみると、数字でこれだけのものが圧縮できました、それは制度改正のものでこの程度のものがあり、いわばなくしてしまったのがこの程度あるとかいう説明はある程度できるのじゃないか。だから、いわゆる行財政改革の中でこれだけの工夫があり、当初の中期展望から比べてこれだけ圧縮されておりますということはある程度御議論をいただける素材になるであろうと思います。
 それから端的なただいまの質問でございますが、一年間は、言ってみれば急いでやりましたが、六十年度予算に当たっては合意に達しませんでした、したがってアバウト一割削減で、そのかわり一年間かけてあるべき姿を検討しますから一年の暫定措置にしてください、こう言って頼んで、それで一年間何をしたかということになりますと、閣僚協議会ができて、その下に、村長さんも市長さんも知事さんも入ってもらっていわゆる検討会というものができて、そこで検討会で、例えば社会保障の身近なものについては一応シンプルな二分の一ということにして、そのかわり裁量権も委譲していこうじゃないか。しかし、これは結果としては両論併記になりましたが、憲法二十五条に基づくいわゆる最低保障という角度からすれば生活保護だけは、三分の二と八割でいろいろな議論をして、去年どおりの七割で政策選択をいたしましたということで御審議をちょうだいしておるわけです。しかし、それに伴う地方財政計画に支障を来してはならぬから、不都合と言われるたばこも入れたりしてこのようなものをつくりましたというのが現状御審議をいただいておる土台である。だから一年間は、検討会は十二回でございますか、いろいろな苦心をして、事務事業の見直しと費用負担のあり方というようなことで、生活保護を除きおおよその合意をいただいたものを御提案をしておるのが実情でございます。
○玉置(一)委員 制度としてはいろいろできたと思いますけれども、どうも中身は余り動いでないような気がするわけでございます。そういう意味で、政府がいろいろな努力をされて方やむなしというところまで行ったという感じを我々も受けてないわけでございますから、当然、国民の目にも同じように映っていると思います。ただ、昨年くらいでございましたか、地方行革が非常に活発に始まってまいりまして、これがこれからどこまで進むか、これも非常に興味のあるところであります。交付金等も、かなり税率の見直しとかいう話も出ておりますし、地方財源への移管といいますか、こういう話もずっとあるわけですけれども、果たして地方の体質が行政改革できる体質がどうかという問題点もあるわけです。というのは、小さい村といいますか、例えば私が住んでいるような町になりますと、町の職員の顔を全部知っている。町の職員の顔を知っていてあなたやめなさいとは言えないんですね。知らないから言えるわけです。数字上何人カットしなければいけないとかいうような話はできますけれども、あいつとあいつはやめなければいけないとかいう話はなかなかできなくなる。ですから、逆に出先というか、地方に行くほどに行政改革というのは非常にやりにくいことではないかと思うわけです。
 そこで、自治省にお伺いをいたします。
 地方行革の全国的な動きがありますけれども、自治省として地方行革についてどういう取り組みをされているのか、そしてその目的、それから期待される効果、こういうものを含めて御説明をいただきたいと思います。
○濱田(一)説明員 地方公共団体におきましてはかねてより国に先駆けまして行政改革に取り組んできておるところでございます。したがいまして、相当の成果も上がってきておるところでございます。ただ、地方公共団体を取り巻く社会経済情勢あるいは財政事情といったようなものにつきましては依然として厳しい状況にありますし、今後もそういった状況が続くであろうということで、引き続き行政改革を強力に推進する必要があると考えているわけでございます。したがいまして、自治省におきましては昨年一月二十二日に地方公共団体における行政改革の指針といたしまして地方行革大綱を策定いたしまして、各地方公共団体において極力民間有識者等から成る委員会を設置するとともに、庁内に行政改革推進本部を設けて行政改革大綱を策定されるようお願いをいたしたところでございます。
 この進捗状況を見ますと、行革の推進体制につきましてはほとんどの団体で設置済みでございます。また、行政改革大綱につきましては、都道府県、指定都市のすべてが策定済みでございます。また、市区町村におきましては、三月二十日現在の暫定的な集計によりますと、八〇%を超える団体で策定済みでございます。これらの行政改革大綱に基づきまして、既に六十年度においてこの大綱に定めた事項を実施に移している団体も多くあるわけでございます。団体区分別に見ますと、その取り組み、若干ばらつきはございますが、全体として地方公共団体における行政改革については軌道に乗ってきていると考えております。
 それから、この行政改革についてどのような目標を持っているかということでございますが、行政改革大綱に沿って自主的、総合的な行政改革を推進をしていただいているところでありますけれども、これは、簡素で効率的な行政の実現によりまして、厳しい財政状況を克服し、人口の高齢化や国民の価値観の多様化といったような社会経済情勢の変化に対応しながら活力ある地域社会の形成、住民福祉の増進を図ってまいりたいということでございます。
 それで、具体的に各地方公共団体がどのような事項を取り上げ、どのように改革するかということになりますと、これはそれぞれの団体が自主的に検討し、大綱を策定しているということでございます。その効果ということにつきましては、これを金額で表示するということはなかなか困難でございますが、各団体におきまして事務事業の見直しとか、あるいは職員の定数の削減あるいは事務事業の民間委託といったようなことによりまして積極的に経費の節減合理化に努力をいたしているわけでありまして、相当の効果を上げているものと考えております。
 もとより、この地方公共団体の行政改革大綱というのは、おおむね三年間を策定期間として策定されておりますので、今後それぞれの団体がさらにその行政改革大綱の内容の実現に向けて着実な努力をしていかなければならないわけでございます。
    〔笹山委員長代理退席、委員長着席〕
○玉置(一)委員 今のお話にありましたように、要するにこうやるんだという姿勢論といいますか、こういうものが主体のようでございます。確かに姿勢も必要でございますけれども、例えば、今の地方財政の予算、総枠の中で何%くらいを目標に削減をする、そしてその余力をほかに回していくのだとか、こういうような目標の立て方、そしてその指導、こういうものが必要ではないか、こういうふうに思うわけでございます。それぞれ性質の異なった公共団体なり地方自治体があるわけでございまして、一律に物を見るというのは非常に難しいかと思いますけれども、少なくとも効果を出すためには目標を具体的に提示をしていかなければいけないと思います。これについて自治省、どういうふうにお考えになりますか。
○濱田(一)説明員 先生御指摘になりましたように、各地方公共団体の実情というものは非常にさまざまでございます。また、その取り組むべき課題というものもさまざまでありますので、これを全国的に一本の行政改革の目標として一つの具体的な数字をお示しするということはやはり困難でございます。これは、それぞれの団体がみずから具体的な目標を掲げて、そして自主的に取り組んでいただくということが大切であると私ども考えておりまして、行政改革大綱を現実に策定されたものを拝見いたしますと、その中に、事柄によっては具体的な目標を掲げているものも見られるわけでございます。ただ、具体的なその見直しの中で今後検討して結論を出していくというものもございますので、そういったものについては、抽象的な目標は掲げられておっても具体的な数値までは示されてないというものもございます。
○玉置(一)委員 わかりました。ぜひ各地方のレベルを合わせて、できるだけ強力に推し進めていただきたい。ラスパイレス指数とかいろいろ見てみますと、どうも地方の方が非常に高いし、財政比率が五十数%ということでだんだんと落ちてきておりまして、そういう状況から考えていきますと、やはり地方の行革を積極的に進めていくというのが大変重要なポイントになる、こういうふうに考えるわけでございまして、ぜひお願いをいたしたいと思います。
 第二交付税の話があるのですけれども、ちょっとその前に、まず中曽根総理がアメリカに行かれて日米首脳会談を行いました。その中でいろいろな反響が出てきている。これは果たしてどこまで行く前に打ち合わせをされて、そして発表されたかわかりませんけれども、いわゆる前川委員会ですか、これが非常に大きな評価を受けたというような話で、経済問題を中心にしていろいろな約束をされてきております。
 こういうものがあるわけでございますけれども、今まで、例えば減税問題についても、与野党の中で話し合いをして、六十一年度はやらないというような自民党の方針があるそうでございますが、我々の方はやっていただけるのではないかなと思っておりましたら、そのレーガンさんとの話の中で、特にレーガンさんが、アメリカ国内の景気回復は減税でやったんだ、こういう話をされて、中曽根さんも積極的に減税をやらなければいけない、こういう姿勢を示された。ところが、野党の方からやれ、やれと言ったときには全然そういう姿勢はなかったということで、きのう大分論議になりました。与野党の政審会長会ですか、その中でも大分論議されたようでございますけれども、こういうような問題が、今度は国と国との公式な約束ということになるわけでございます。
 そこで、きょう外務省に来ていただいておりますので、要点を整理する意味で、特に日米の首脳会談の中におきまして、日本とアメリカで、というよりもレーガンさんと中曽根さんで約束をされた内容の要点を簡単に御説明いただきたいと思います。
○池田説明員 御説明申し上げます。
 まず大項目、経済関係の大項目で整理いたしますと、中曽根総理、レーガン大統領の間で話題になりました項目としましては、東京サミット、それから自由貿易推進のための日米協力、それから二国間、日米間の経済問題、こういうふうに大きくくくれるだろうと思います。
 東京サミットにつきましては、先進国、途上国を問わず世界の各国に将来についての明るい展望と自信を与える、こういうサミットにいたしたいということで、両首脳の意見が一致されました。
 それから、自由貿易推進の問題につきましては、従来どおり日米協力してガット・新ラウンドを推進しようということで再確認されております。
 二国間の経済問題につきましては、これも大きく分けますと貿易の問題、それからただいま先生御指摘のございましたいわゆる前川委員会、略称をお許し願います。
 まず、貿易の問題につきましては、大統領の方から、実はアメリカの議会の中では非常に保護主義的傾向が強い、しかしながら、自分、つまり大統領でございますが、大統領としては保護主義の風潮に断固闘っていくんだ、こういうことを力強く述べられました。総理から、まことにそのとおりであるということで強く支持を表明されまして、あわせて日米間の貿易問題は両国の協議、話し合いで解決していかなければならない、どんなことがあっても自由貿易の拡大を阻害することがあってはならないとおっしゃられて、日本としては今までも市場アクセスの改善に努めてきたけれども、引続きこれを推進していきたい、努力してまいりたい、それから最近までの円ドルレートの進展、これも日米貿易関係の調整に貢献するであろう、こういうふうにおっしゃられて、この点両首脳の御意見が一致されました。
 また、いわゆる前川委員会の報告につきましては、総理の方から、この報告を踏まえられまして、今後我が国は経常収支不均衡を国際的に調和のとれるよう着実に縮小させること、これを国民的な目標として努力していく決意である、こういうふうに表明されました。そのため、我が国が内需主導型に経済構造を変えていくべくこの構造問題に取り組んでいきたいとおっしゃられて、レーガン大統領は、このアプローチを心から歓迎したい、こういうふうに申されております。
 概略を申し上げれば以上のとおりでございます。
○玉置(一)委員 今いろいろお話がありましたけれども、新聞によりますとかなりとっぴな感じで書いてあるわけですが、事前に打ち合わせをされた内容とそうでないものと類別するとどういうふうに分かれますか。
○池田説明員 最高の首脳レベルの会談でございますから、対処方針につきましては関係の省庁の知恵を出し合いまして調整をいたした上で臨んでおります。
○玉置(一)委員 それぞれ内需拡大の論議があったり、あるいは直接具体的な製品の例を挙げて話をされたりということでございまして、かなり細部にわたった話があった、こういうことで、どちらかというと、当初予定されてないところまで踏み込んだ形で会談が進んだのではないか、こういうように思うわけですけれども、その辺についてはいかがですか。
○池田説明員 レーガン大統領の方から若干の品目と申しますかあるいは分野と申しますか、言及があったことは事実でございます。ただ、特定の品目についてそれを非常に掘り下げて両首脳の間で御討議をされたということはないと承知いたしております。あくまでも首脳会談にふさわしい、全体としての流れをとらえていく上でたまたま言及があった、こういうのが事実でございます。
○玉置(一)委員 大蔵大臣にお聞きをいたしますけれども、この会談の中でレーガン大統領が減税をやりなさいと何となく勧めたような形で話が進んでおります。それともう一つは、貯蓄ですね、マル優についての提言というか、こういうのもあったというふうに聞いております。この二つについて、大蔵大臣としてこの会談の中身をお聞きになっていると思いますけれども、これを受けてどう対処されるのか、これについてお聞きしたいと思います。
○竹下国務大臣 レーガン大統領から、米国経済が継続的に上向いてきている一つの要因は減税にあったとの見方を示し、減税に対しては、政府の歳入はふえ、官民双方にプラスになったという所得減税の効用を説いたというようなことを私も新聞で見ております。
 大筋は今外務省から御報告があったとおりでございますが、この減税問題というのは、いわゆるレーガノミックスの最初の政策でして、それは、私が批判するわけじゃございませんが、批判する人によっては、それによって財政赤字がふえて、その後大変な、いわゆるグラム・ラドマン法まで国会で通るような環境にあったのではないかという批判もないわけじゃない。しかし、減税そのものは総理もやりたいとこう言っていらっしゃるわけですから、これはやはり税制調査会で、まさに所得税の方は減税の額とかそういうものが出るはずのものではもちろんございませんが、この辺にゆがみ、ひずみ、痛みがあるぞよという答申は恐らく比較的近い機会にいただけるのじゃないかなというふうに思っております。ただ、実施時期は、先ほどの御意見にもありましたように、私どもとしては、いわば六十二年度税制改正ということを念頭に置いておることは事実でございます。
 それから一方、幹事長・書記長会談等の申し合わせで年内に結論を出すということは、あるいは税制調査会の審議を横目でにらんでいろいろな議論をしようとお思いになっておるのかなと、これは私の予測でございます。
 いずれにせよ、税制調査会の答申を秋ちょうだいしてから実施に移す課題であろうと思いますから、基本的に私は、これは恐らくレーガン大統領のおっしゃったことに対して、中曽根総理は内需拡大の大きな柱として将来に向けての所得税減税というのが念頭にあるということは事実であろうと思っております。
 そうしてもう一つは、マル優の問題というのは、いわゆる前川レポートの提案の一つであって、したがって、私は今のところ国会の議論等も正確にみんな税制調査会に伝えているわけですから、まあわざわざ伝えなくてもわかっていると言えばそれまででございますけれども、私的諮問機関とはいえ総理の経構研でこんな意見が出たということは、やはり税制調査会にはお示しすべきものであろうなと、それは税制調査会に予断を与えるわけにはいきませんが、今までも税制調査会で、いわゆる利子配当課税のあり方、その中のマル優制度というようなのはいろいろ議論をちょうだいしているわけでございますから、その議論の中で消化していただける問題じゃないかなというふうに私なりに整理をして見ておるということでございます。
○玉置(一)委員 そういう意味で、ちょっと新しい、踏み込みのようなところがあったのではないかというふうに我々も理解しております。
 これを受けて東京サミットがどうなるか、こういう問題でございますが、この辺について外務省の方からお答えいただきたいと思います。
○池田説明員 東京サミットにつきましては、両首脳とも、議題は調整中である、その段階では、今でもそうでございますが、固まってはいないということを御承知の上でお話をなさいました。基本的には、先ほど申し上げましたように、まず今度の東京サミットの趣旨として、将来への明るい展望を開く、それから自信を与える、この二つが中心でございまして、そういうサミットにしたい、この基本目的について両首脳の意見が一致されました。
 それから、考えられる話題と申しますか、先ほど申し上げましたように厳密な議題という意味ではございませんが、話題ということでは、各国の経済政策の調整、調整といいますか整合性のとれた経済政策を各国が推進していかなければいけないという問題、それからもちろん平和と軍縮の推進、さらに、保護主義を抑え込んでいく上で新ラウンド交渉を推進することが非常に重要だ、こういうような話題になるのだろうという話があった由でございます。
 それから、こういうことで基本的な姿勢について首脳間でお話をされて理解が深まった、これは当然のことながら今後のサミット運営上非常によい影響が出るだろう、私どもとしてはかように考えております。
○玉置(一)委員 ありがとうございました。
 あとは大臣、交付税の話に移ります。
 時間がなくなってまいりましたので、ちょっと先ほどの話に戻りまして、補助金関係、従来から零細補助金の整理統合等の話がいろいろ出ておりますけれども、前回、昨年の地方公聴会の場合の意見を聞いても、地方公共団体に自由裁量を与えてよしという方と与えないでくださいという方と二通りに意見が分かれております。一つは、やはり地方が主体になって物事をやっていきたい、こういうことでよくわかるわけですけれども、もう一方の方は、ひもつきにしなければ本来地方行政が偏ってしまう場合がある、こういう言い方をされております。
 そういうことで考えていきますと、私たちが従来から提言をしております、いわゆる零細な補助金を一括してまとめて第二交付税とすべきだというようなことで地方に自由裁量を持たそうという考えにちょっと自信がなくなったところもあるのですけれども、大蔵省並びに自治省の御意見をお伺いしたいと思います。自治省からいきましょうかね。
○持永政府委員 地方に自由裁量を与えるかどうかという点について二つの意見があったということでございますが、これはやはり仕事の性格によると思うのでありまして、全国的に一律的といいましょうか、画一的にやるべき仕事、例えば生活保護とか義務教育とか、そういったぐいのものと、そうでなしに、地域地域の必要に応じてやってもいい、あるいはやらなくてもいいという種類の仕事もある。そういうふうに二つに分かれると思うわけでありまして、結局、どういう仕事が全国的に画一的にやるべきかどうかというその判断によっておのずから違ってくる面もあるのではなかろうかと思います。
 御指摘の第二交付税の問題でございますけれども、これは御承知と思いますが、アメリカ等では総合補助金とか包括補助金制度があるわけでありまして、従来から伺っております第二交付税制度というものも一つの御意見であるというふうに受けとめておるわけでございます。ただ、現在の国と地方の財政制度あるいは公共事業のあり方、国庫負担制度、財源配分、いろいろな問題に非常にかかわりの多い問題でもございますので、今直ちにということはなかなか難しい面もあろうと思いますが、やはり今後十分研究していかなければならない課題であろうというふうに考えておる次第でございます。
○保田政府委員 補助金、負担金についての考え方、それからそれらの弊害を排除するために地方公共団体に自主性を持たせるようなものでなければならないといったような一般論については、ただいま自治省当局から見解の表明がございました。その点について我々は特段の異論を差し挟むものではございません。
 ただ、実際には、画一的に国が補助金あるいは負担金で一定の行政レベルを支えるために必要と考えられる補助金なのかあるいはここから先は地方公共団体に自主的に財源を付与してお任せしたらいいのではないかという限界の部分、そこについて、補助金を執行する各行政当局と自治省並びに地方公共団体との間に若干の食い違いがあるというようなことではないかと思っております。
○玉置(一)委員 例年出てきます例の複合施設ですね、各省、例えば厚生省とか文部省とか自治省とか、自治省はないのかな、あるいは通産省、そういういろいろな各省にまたがる複合施設があります。例えば産業会館と公民館と図書館、こういうものが一緒になりますと、当然いろいろな省庁が入ってくるし、そこに福祉センター的なものがあれば三つの省庁が一緒になる、こういう形になるわけで、こういうのは個々にとってみれば、零細とは言わないと思いますけれども、しかしそれぞれの手続が必要であり、そして事務的な手続も、公租も相当かかるわけです。そういうものを一括にやった方が効率よくなるのではないか、こういうようにも思うわけでございまして、この間も大蔵省にお伺いしていましたら、その手続の簡素化というのも毎年毎年出ているわけですね、補助金行政というものについての手続の合理化。そして今のように複合の場合に、どこが窓口かというので、お互いの省庁が、例えば文部省がオーケーになれば通産省もオーケーしましょうというふうに相手に任せてしまう、こういうのもあるわけで、なかなかうまく進んでいかない、こういうことがよく言われております。
 ですから、大蔵大臣にお伺いしますけれども、いろいろな事務の合理化等も含めて補助金行政のあり方を検討していかなければいけないと思うのでございます。
 この辺について、例えば今申し上げましたように事務の簡素化がまず一番だろう。そして複合の場合に、どこかが主体になって動くような形をとらなければいけないと思います。昨年から出ておりました事務の簡素化の話がどういうふうに進んでいるのかということも踏まえてこれからの補助金行政のあり方についてお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○竹下国務大臣 簡素合理化について各省庁に執行面でさらに工夫していただこうというので、大蔵省といたしますならば補助金等適正化中央連絡会議というものをつくったわけです。直近におきましては、三月二十八日にこれを開催したというところでございます。したがって、今後とも事務手続の簡素合理化については各省庁と十分連絡をとりながらその推進を図っていくという基本的な考え方は持っておりますが、今御提案なすった複合施設の場合の主幹事みたいなものをどうするかというのもなるほど一つのお考えだ。具体的にどのようにしておるかは定かにしておりませんが、それは貴重な御提案だと思っております。
 今まで補助金等の性格、内容等を見ながら、提出部数の削減とか提出書類はまとめようじゃないかとかヒアリング回数を減そうじゃないかとかいうことは、一つ一つ推進しておられる。いつも言われますように、補助金の申請、交付の事務手続を金目に換算したらもらう補助金より多かったというようなことがあってはならない。一応、我が方としては補助金等適正化中央連絡会議というものがございますが、その会議を活用するのみならず、これからも手続の簡素合理化については進めていかなければならぬ課題だという点で問題意識は等しくいたしておるところであります。
○玉置(一)委員 終わります。
○小泉委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時一分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時八分開議
○小泉委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。簑輪幸代君。
○簑輪委員 補助金カットの一括法案について、昨日に引き続いて質問させていただきます。
 この法案の審議に当たっては、連合審査も開かれましたけれども、大蔵委員会においてこの法案に関する関係大臣の御出席もいただいて質疑をするということをお願いし、昨日文部大臣にお願いいたしましたところ御出席いただけず、本日は厚生大臣の御出席をお願いいたしましたけれどもまた御出席をいただけない。私は、この補助金カットの一括法案の重大性にかんがみ、このような審議が十分にできないという状態はまことに遺憾であるということを重ねて申し上げなければなりません。
 特にこの法案で重大な影響を受ける福祉、社会保障分野について、厚生大臣の御出席をいただき、質疑をするというのは当然のことではないかというふうに思います。前に連合審査で御質疑させていただいたときには厚生大臣の御出席をいただきましたけれども、そのときの答弁の状況もあり、そのとき質疑をしようと思っていたことができなくなったという経過もございます。したがって、真に十分な質疑を確保するという点からいたしましても、このような審議の進め方はどうしても納得できないということをまず最初に申し上げなければなりません。続いて、十分な質疑を保障していただくように、強く要求をしたいというふうに思います。
 そして、このような大臣の御出席をいただけなかったという点について、委員会運営に問題があると思いますが、委員長の御見解をお尋ねしたいと思います。
○小泉委員長 貴重な御意見だと思っております。
○簑輪委員 貴重な御意見とおっしゃるなら、それを十分に尊重していただいて今後の委員会運営にぜひとも反映していただきたいということを重ねて申し上げます。
 ここで、前に続きまして、私は保育の問題についてお尋ねしたいと思います。
 今回の補助金カットに当たって、保育所も重大な影響を受けます。保育関係者がこの問題を非常に深刻に受けとめ、これでは十分な保育をしていくことが困難になるのではないかと大変恐れ、この補助金カットの法案をぜひ撤回するように強く求めているところです。もちろん、昨年補助金一割カットが出されたときにも、これは保育に重大な影響がある、しかし一年限りということならばことしは当然それが戻されるだろうと期待もしたわけですが、さらに補助率をカットしてそれを三年間続けていくということになりますと、事は非常に重大だというふうに思います。
 今、日本の社会では、働く婦人が年々ふえて、婦人の労働権という点から考えてみましても、保育所はまことに重要な役割を担わされており、今後ますます保育所の拡充が必要になってくると思うのです。その中で、特に公的保育の占める役割というものも非常に重大ではないかと思います。私は、国が子供の発達を保障する、そして子供を健やかに育てていくという点で負っている責任の重大性ということから考えてみましても、保育所というのは欠かすことができないものであるというふうに考えております。
 そこで、今日の時点における保育所の役割、意義をどのように認識しておられるのか、厚生大臣にお尋ねしたいところでございますが、厚生省の御見解を最初にお伺いいたします。
○坂本政府委員 保育所の意義についての認識のお尋ねでございます。
 保育所は、本来、児童福祉法に規定のある児童福祉施設でございまして、その法律の条文では、保護者の就労、病気などのために保育に欠けている児童を保育する施設であるということでございまして、そういった児童を心身ともに健やかに育成するために極めて重要な役割を果たしているものでございます。
 同時に保育所は、母親が就労に出るというような形での働く婦人のための育児環境を整備する、こういう面も機能として持っておるわけでございまして、特に今日婦人の就労がふえてくる、またその就労の形態もいろいろな態様をもって多様化してまいっておりますので、そういう状況に合わせまして保育所というものもそれに対応できるようにこの機能を充実していく必要があろうというふうに考えておる次第でございます。
○簑輪委員 厚生省の御見解を伺いましたけれども、せっかくでございますので大蔵大臣も、保育所の意義について御見解をぜひお述べいただきたいと思います。
○竹下国務大臣 戦後、最初、季節託児所から始まりまして、それから託児所となり、そして保育に欠ける子弟をお預かりする保育所としてなって、そして、幼保一元化とかいろいろな問題を今はらんでおるとはいえ、私は、本当に順調にその趣旨が施策の中へ浸透してきておる政策の一つだと思っております。
○簑輪委員 子供の健やかな成長と働く婦人の権利を保障するという二つの側面を持つこの保育所ですけれども、いかにその重要性を強調いたしましても、十分な予算措置、財政的裏づけがなければそれは実現困難なことではないかと思います。
 昨年、この保育所措置費の国庫負担を十分の八から十分の七に引き下げて、今度の法案ではさらに十分の五、半分にしてしまうという内容となっております。私は、これでは本当に児童憲章や児童福祉法、それから女子差別撤廃条約の目的や理念にかなう保育所というふうにはならないのではないかと思わざるを得ません。
 で、保育事業費総額の中で国庫負担の占める割合、それから父母負担の割合、それがどのように変化してきているのかということについて厚生省からお答えいただきたいと思います。
○坂本政府委員 保育費用総額に占める国庫負担額の割合と、それから保護者の負担の割合でございますが、昭和五十五年におきましては、国の負担の割合が四五・七%、保護者の負担の割合が四二・九%となっております。それから五十六年では、国が四二・五%、保護者が四六・八%、それから五十七年には、国が三九・一%、保護者が五一・一%、五十八年も同様の数字でございます。それから五十九年には、国が三八・四%、保護者が五二・〇%、六十年度は、国が三三・五%、保護者が五二・二%、六十一年度は、予算上の数字でございますが、国が二四・四五%、保護者が五一・一%となっております。
 なお、六十年度は国の負担率が従来の八割から七割に、また、六十一年度は五割という前提で計算をしておるわけでございます。
○簑輪委員 そうすると、ただいまお答えいただきました数字で、残された部分が自治体の負担ということになるわけですね。
○坂本政府委員 そのとおりでございます。
○簑輪委員 これを見ますと、五十五年以降今日まで国の負担は着実に減少し、そして保護者及び自治体の負担がふえてきているということが見てとれるわけです。そして、昨年の一割カットによって一段と国の負担は減り、さらに六十一年度見込みはまた一層負担が減るということになるわけです。
 結局のところ、全体で見ますと、国の負担を減らして、それを保護者とそれから地方自治体に押しつけてくるというやり方になっておりまして、負担率が変わらないときでさえもどんどんと下がってきているのに、負担率を下げるということになれば一層ひどい結果になることは当然のことだというふうに思います。
 五十五年までを見てみますと国庫負担の方がわずかながら多かったわけですけれども、六十年には父母負担が九・三%もふえてきているし、国負担は一二・二%減っている。六十一年では、父母負担は変わらなくて国負担がさらに九・一%削減されて二四%という段階にまで落ち込んできているわけです。結局これは総事業費の四分の一以下の負担になってしまうということになっております。
 この御報告いただいた分は、地方自治体の超過負担分というのは全く含まれていないものと理解してよろしいのですね。
○坂本政府委員 私どもの計算は、国の基準による保育事業費を前提にして数字を出しております。
 なお、先ほどの御答弁で、地方の負担については直接お尋ねがなかったのでお答えをいたしませんでしたが、五十五年度から五十九年度までにつきましては地方の負担の割合も下がっております。これは保護者負担率を除いたものを国と地方で、国八割、地方二割という割合で負担をするという形でございますので、五十九年までは地方の負担が下がっておる。ただ、六十年度と六十一年度は国と地方の負担割合が変わりましたので、その限りにおいてふえている、こういう数字になっております。
○簑輪委員 今御報告いただいた部分は全部、地方の超過負担を一切含めていない数字でございますが、それを実際の保育の現場で考えてみますと、地方自治体が随分超過負担をしているわけです。
 愛知県名古屋市の場合で見ると、総事業というか、超過負担も含めた事業で見ますと、国の負担は五・七%減って一五・三%、それから市の負担は六・二%ふえて六五・七%。岐阜市で見ますと、国の負担は六十年度比六・四%削減されて一一・九%、市の負担は六・三%ふえて六一・六%というふうにふえております。さらにまた大垣市で見ましても、国の負担というのは五十九年が二一・二九%、六十年が一八・二五%、六十一年は一二・七五%の見込みで着実に減ってきています。こうした現場の実態から見れば、国の負担というのは一〇%から一五%程度でありまして、その他は全都市町村負担と父母負担で賄われているということになるわけで、結局、国の責任というのは一体どうやって果たしていると言えるのだろうかと言わなければなりません。
 現に保育にかかる経費はふえているわけですから、市や保護者の負担というのも限界に来ているとでも言わなければならない。したがって、父母も保育料の滞納をするというケースも出てきていると聞いております。厚生省では全国の保育料の滞納の状況をどう把握しておられるのか、お聞きしたいと思います。
○坂本政府委員 特別に滞納の状況というものは把握をいたしておりません。
○簑輪委員 保育料が滞納されているという状況を御存じないのでしょうか。わかっているけれども調べないのでしょうか。
○坂本政府委員 今保育料の滞納があるということは私どもも想像はできますが、個々の市町村についてどういう状況になっているかということは直接把握いたしておりません。
○簑輪委員 自治省を通じて調べることはできるのでしょうか。そういう試みをされたこともありましょうか。それとも保育料の滞納の状況を調べる必要は全くないと認識しておられるのでしょうか。
○坂本政府委員 今まで特に調査ということを考えたことはございません。この問題は結局、市町村における保育料の徴収状況というものがどうなっているかということでございますけれども、その点については、私どもとしても一つの資料としてそういうものを持つということもこれは意味のあることではございますけれども、この問題について今の段階で個別に調査をするというところまで考えてはおりません。
○簑輪委員 保育料が非常に高くて払えないという悲鳴は私どもも随分よく聞いているのです。その中で地方自治体においては、国の徴収基準ではとてもじゃないけれども市民生活の実態に合わないために、少し軽減して実施しているというところがほとんどなんです。そういう状況から見ても、それでもなおかつ滞納があるという状況なのにもかかわらず、厚生省が一方的に国の保育料徴収基準を定めて、そしてそれがどういうふうな状況になっているのかは調べようともしない。仮に滞納があったとしてもそれは自治体が困るだけであって、国は定めた分だけがっちり取ればそれでよろしいというふうに考えているとしたら、まことに厚生行政というのは冷酷なものだと言わなければならないと思うのです。滞納がふえているという実態を把握すれば、この国の保育料徴収基準というものがいかに市民生活の実態に合っていないかということを十分理解することができるはずですし、そういう点での姿勢がないということはまことにゆゆしい事態だと思います。
 国保の問題でもそうですけれども、国保税、国保料がどんどん上がる中で滞納がふえてきている。したがって、厚生省としてはこの滞納をなくすために、どうやって取り立てるかというようなことをいろいろと考えたり、あるいはまた滞納している人には今度は保険証を交付しないということまで合法化するような法律さえ出してくるというような事態なんですね。これはもうとんでもないことだと思います。
 こうした国保の滞納と同様に、保育料の滞納ということを私はもう数年前から指摘しているわけです。竹下大蔵大臣の前の渡辺美智雄大蔵大臣のときにこの問題を指摘いたしました。保育料が暮らしの実態とかけ離れていかに高いものであるかということを指摘いたしました。そうしたら当時の渡辺美智雄大蔵大臣は、簑輪さんは保育料の滞納がたくさんあるとおっしゃいますけれども、国保税の滞納だっていっぱいあるんですという御答弁でございました。まさに自分たちの暮らしの中でぎりぎりのところで保育料も国保料も払えないという家庭がふえてきているという問題なんです。したがって、そこを正しく把握するということが、厚生省としては国庫負担率の問題についてどうあるべきかを考えるに当たって重要な要素ではないかと私は思うわけです。したがって、この際保育料の滞納状況というものをぜひ厚生省がつかむ努力をすべきだというふうに思いますが、その意思は全くないのでしょうか。
○坂本政府委員 直接に全国的調査をするという計画は今のところございません。ただ、各地方における滞納の状況がどうであろうかという点については何らかの形で私どもも把握をしてみるということは考えてみたいと思っております。
○簑輪委員 全国的な調査をされるということでないまでもその実態をつかむという努力をしなければ、厚生行政や保育行政を推し進めていくということはできないと私は思いますので、今のお言葉に従ってぜひ滞納状況の把握をされ、そしてその結果について御報告をいただきたいと思います。重ねて御答弁をいただきたいと思います。
○坂本政府委員 どういう方法で把握するかについては私どもの方でこれから考えさせていただきますけれども、実態の把握ということを検討いたしたいと思います。
○簑輪委員 ところで、保育所問題で大変問題になっておりますのが定員割れということだと思います。これだけ働く婦人がふえ、保育要求というのが渦巻いているはずなのに、定員割れが起こるというのはいささか理解できないところですけれども、その定員割れの原因というのは一体どういうようなことにあるのか。厚生省はどのようにお考えでしょうか。
○坂本政府委員 定員割れについての基本的な理由と申しますかこの原因は、やはり一つは、保育所の整備が従来に比べますと量的には進みまして、かなり全国的に全体としては普及をしてきたという事実がある一方で、児童の出生数が急激に減ってきたというもう一つの事情と重なって定員割れというものが出てきておるというふうに理解をいたしております。これは全国的に全体として見た場合でありますから、地域によって多少実情に差があるということは出てくるわけでございまして、一方において定員割れがある反面、また定員が足りないという場所もあることはあるわけでございます。
 そういうことで、重ねて申し上げますと、保育所の整備が進んで、量的には相当の定員の増になった。それから、一方においては児童の出生が減ってきたというのが大きな原因であろうと考えておるわけでございます。
○簑輪委員 今の厚生省の御答弁を伺いますと余り問題がないかのような感じがいたしますけれども、実際にお母さん方からのお話をいろいろ聞いてみますと、とても保育所というのは整備が進んで満ち足りているということではない。また、出生数の低下によって保育需要が減ったということではないというふうに思うのです。出生率の低下というのがあるとしても、それはほんの微々たるものであって、それが保育需要に重大な影響を及ぼすような性質のものではないというふうに思います。肝心なことは、子供の数がふえたか減ったかということではなくて、保育を要する子供の数がふえているのか、減ってきたのかということではないかというふうに思います。
 結局のところ、国連婦人十年の始まった七五年には、保育所が不足している、拡充しなければならないという政府の方針だったわけですが、その当時、出生数で見ると四十四万人ほど減ってきております。九百万人の乳幼児のうち措置されているのは百七十七万人という程度しかありません。行革の始まる以前の八一年四月一日では百九十二万人が措置されていたのに、十五万人も措置児が減ってきているわけですね。この間出生数が十五万人も減っているかというと、決してそうではなくて、八一年には百五十四万人から八四年には百五十万人で、わずか四万人しか子供は減っていない。また一方では、女子雇用者数というのは八一年には千三百九十一万人だったのに、八四年には千五百十八万人と、百二十七万人も働く婦人がふえているわけですね。だから、そういう点から考えてみると、出生数が減ったからそれが定員割れに影響しているというふうにはちょっと言えないのではないかというふうに思います。結局、働く婦人がふえたというそのことによって保育要求というのがふえているわけで、年々歳々保育要求は実際にはふえている。だけれども定員割れという形になってきているのは、その保育所の実態と保育要求とがかみ合っていない、別の原因で定員割れを起こしてきているというふうに言わなければならないと思うのです。
 そこで、私がさっき申し上げましたような保育料滞納ということにも見られるように、保育料が非常に高くなってきているということが、保育所へ預けたいと思う親の要求を抑え込んできているというふうに言えるのではないかと思うのです。それからまた、働く婦人の場合には、労働時間と通勤時間とを合わせた分が保育時間でなければなりません。また、産休明けの保育というものも当然必要です。そういう点から考えてみますと、今日産休明け保育をいつでもしてもらえる状況にはありませんし、また保育時間も婦人の労働時間とかみ合っていないという状況があります。結局のところ、保育所の実態というのは、要求とかみ合っていないために定員割れしてくるという実態ではないかと思わざるを得ませんが、その辺、厚生省としてはそれとの関係ではどのようにお考えでしょうか。
○坂本政府委員 定員割れの原因、私どもとしては、やはり大きな原因は先ほど申したような保育所の整備が進んだ一方で出生数が減少したというように思っております。
 ただ、これはマクロの問題でございまして、その他個別の事情としてはやはり保育所の保育時間の問題あるいは受け入れる年齢児の問題、こういったものはそれとは別にまた考えなければならない問題であるということは認識いたしております。
 したがって、個別の地域ごとに保育需要がどうなってきているかという点については、従来の状況に比べて、保育時間の問題あるいは乳児保育の問題、いろいろと保育需要が多様化しているということは明らかでございますので、そういった事情に私どもとしても対応できるようにいろいろと対策を進めようとしておる段階でございます。したがって、延長保育の拡大でありますとか、あるいは夜間保育の保育所の増加、あるいは乳児保育についてもその対象を拡大していく、こういったことについてはいろいろと努力をしていきたいと考えておる次第でございます。
○簑輪委員 今申し上げましたように、保育要求に見合った保育所というふうになっていないということが保育所の定員割れを起こしているというふうに私が指摘したわけですが、現に各地ではいろいろアンケートをやってみまして、もしそういう状況が保障されるならば子供を預けたいという親がいっぱいいるという報告があるわけですね。
 品川で公立保育園が三十七園あるけれども、充足率が九九%で、ほとんど定員割れがないというふうに言われているけれども、それは保育料が自治体の努力によって低く抑えられている、それから特例保育、長時間保育をやっている、朝七時半から夕方六時半まで保育をしている、それから産休明け保育をやっているというような努力の結果、この定員割れを起こしていないという実態をつくり上げているわけです。
 そうしてみると、全国各地の定員割れの実態を把握し、そしてその原因はどこにあるのかということを厚生省としてもきちんと把握をする必要があるのではないかというふうに思いますけれども、そういう点での実態調査、定員割れの事実とそれからその原因というものについての実態調査をされているのでしょうか。
○坂本政府委員 保育所の保育需要につきましては、毎年、保育所の施設整備に当たりまして都道府県から十分実情を聴取いたしまして、地域の保育需要に適切に対応できるように努めております。また、延長保育、夜間保育、乳児保育といった最近多様化してまいりました特別の保育需要につきましては、さらに都道府県との協議を通じまして毎年実情の把握に努めておるところでございます。そのようにしていろいろと把握いたしました実情に応じて、予算上の措置についてもできるだけ実情に見合った対策がとれるように私どもとしても努力をしておる状況でございます。
○簑輪委員 産休明け保育をやったり、それから夜間保育をやったりしますと、経費の面でも随分負担が多くなるだろうというふうに思うのですね。そういう点から考えますと、今回のように国の補助率が引き下げられるということになれば、その分自治体の負担率が大幅に上がって、産休明け保育や夜間保育を実施しようとする意欲を阻害するとか、あるいはそういう面で障害が生まれるとかいう点は、厚生省としてはお考えになりませんか。
○坂本政府委員 今回の補助率の改定は、たびたびお答えをしておりますように、国と地方の役割分担を見直して今後は地方の自主性を尊重するという形において、現在の機関委任事務を団体委任事務に改めていくということと相まって、国の負担割合、地方の負担割合というものをちょうど二分の一ずつとすることが適当であるという補助金問題検討会の御意見に基づいて国として決めたわけでございます。同時に、これによって国の補助金は確かに金額として減りますけれども、一方、地方に対しましては地方財政対策を通じて支障がないように措置を実施することにいたしておりますので、そういう意味において、各地方において保育の事業というものが後退するということはないと考えておる次第でございます。
○簑輪委員 事務分担の見直し、事務事業の見直しによって補助率を引き下げた、二分の一にしたという御答弁は再三にわたって聞いておりますけれども、私は、事務事業の見直しと国の負担率というものが論理必然のものであるというふうには思われないのです。これまでも老人福祉施設の場合に一部団体委任事務化されていながら十分の八の国の負担率というのがございましたし、これからも機関委任事務から団体委任事務に変更をしても、国の負担率が十分の八であったらおかしいとか間違っているとかということは必ずしも言えないのではないか。事務事業のあり方と経費の負担というものが論理必然で、これはこうでなければならないというふうには必ずしも言えないのではないかと私は思うのです。
 厚生省としては、補助金問題検討会で定められたからいたし方ないと思っておられるのか、それともそれが望ましいとお考えなのか。私は、厚生行政に携わる者として見た場合には、より充実した保育行政を実施していくためには、国庫負担率を引き下げるということは地方自治体に負担を押しつけ、地方の努力という点での財政的裏づけを欠くわけですから、心配があるのではないかと懸念されるのが当然だと思うのですけれども、その辺、児童家庭局長はどのようにお考えでしょうか。
○坂本政府委員 直接の補助金という形では確かに率が下がって、金額もその時点では減るわけでございますけれども、一方において地方財政対策を講じて、地方に対してその負担分については手当てをするという形でございますから、国と地方との関係においては何ら支障はないというように考えておるわけでございます。
 同時に、私どもとしては、補助率というものは国と地方の権限の配分とあわせて従来の率を変更するわけでありますけれども、保育の内容については、一方において多様化する保育需要に応じでできるだけ充実をしていくということを考えておりますので、補助金としての率が減ったことに伴って補助金の額は減る面がございますけれども、一方において乳児保育の問題、延長保育の問題といったようなところで保育内容を充実するという意味での保育関係予算の増額という点についても努力をいたしておるところでございます。
○簑輪委員 ちょっとおかしいと思うのですね。というのは、地方の方に財政的な裏づけがされているので心配はないということを再三おっしゃいますけれども、そうであるならば、例えばこの補助率がもっと切り下げられて二分の一が三分の一になり、四分の一になったとしても、それに見合う財源を地方の一般財源で保障していくというのならばそれで構わないというふうに果たして言えるものでしょうか。私は違うというふうに思うのですね。そういう意味できちっと国庫負担、国庫支出金としての位置づけが確保されてこそ国が責任を持っているということが言えるわけで、その点について私は今の厚生省の御答弁は納得できないというふうに申し上げたいと思います。
 この補助率の引き下げというのは一体何をねらっているのかというふうに私どもは思わざるを得ません。
 ある大学の教授が保母の研修会の講演の中でこんなことを言っているのですね。今度は十分の五まで補助率が下がる、そうすると、現在の保育所の七割はつぶれるだろうというふうに言っているわけです。その大学教授は、自分は大蔵省や厚生省の幹部をたくさん知っているからと言っているというふうに報道されております。こういうふうに見てみますと、大蔵省や厚生省の内部事情をよく御存じのこの大学の先生が、見通しとしては補助率を下げて半分にしてしまうと現在の保育所は七割もつぶれてしまう、あるいはまたつぶしてしまうということさえ考えているというふうに読み取れるわけですね。七割つぶれてしまったら大変なことになると思います。けれどもそうでないならば、やはり補助率がきちんと確保されないと、現実には地方自治体としてはもう上乗せ福祉といいますか、地方単独でのさまざまな努力というものが限界に来ているし、十分の八の補助率の段階でさえも地方自治体としては大変な苦労をして地方負担をやってきたわけですね。それが十分の五にされてしまったら従来の上乗せ福祉を維持することは到底できない。そして、それだけでは済まずに、新たに保育料を値上げせざるを得ないということはさんざん言われていることでもございます。そうすると当然定員割れを加速するというふうに私も思うわけで、この大学教授がこう述べられている点について厚生省としてはどうなのでしょうか。とんでもございません、どんなことがあっても保育所を七割つぶすなどということは絶対ありませんと断言できる性質のものでしょうか。それとも、ひょっとしたら心配だというふうに思っておられませんか。
○坂本政府委員 その大学の先生というのは私はどういう方かよく存じませんけれども、いろいろな御意見というのはありますから、そういうお考えを持つ方もおられるかと思います。しかし、この補助率の変更などによって今の保育所の七割がつぶれるというようなことはあり得ないことだと私どもは思っておりますし、それから保育所というものにつきましては、最初に申し上げましたとおり、児童福祉施設として非常に重要な機能を持っておるわけでございますから、私たちとしては保育所というものの維持充実ということにはこれからも万全の努力をしていきたいと考えておるわけでございます。
○簑輪委員 今度の補助率の引き下げと関連して、別の法律で児童福祉法の改正案として内閣委員会の方に二十四条の改正案が出されております。これによりますと、政令で定めるところによりというふうに案文があるわけですけれども、この政令で定めるところによりというふうになりますと一体どのような政令が定められるのか、それによっては保育内容ががらっと変わってしまうのではないかというふうに心配されるわけです。この政令というのは一体どんなことを予定しておられるのでしょうか。
○坂本政府委員 現在、保育所に児童を措置する場合の基準につきましては、児童福祉法で保護者の疾病、労働等という大きな理由について規定しているほかは、厚生省の通知によりまして、それを具体化いたしまして幾つかの該当する基準を示しておるわけでございます。市町村がそれを受けまして、それぞれの事項に該当するかどうかを判断して児童を措置するわけでございます。
 この基準につきましては、現在たしか七項目ぐらいだったと思いますけれども、今回仮に法律が通って政令を定める場合におきましても、私どもとしては基本については変えるという考えは持っておりません。したがって、現在示しておる基準の基本的な事項を政令で定め、各市町村ごとの実情に応じてさらにきめ細かい対応ができるように、あとは市町村ごとの具体的な規定というものを考えていただいて実際の措置が行われるように今検討しているところでございます。
○簑輪委員 政令で定める内容というのはおおむね決まっていると思うのですね。御答弁いただけないでしょうか。
○坂本政府委員 まだ法律もこれから御審議をいただく段階でございまして、その政令の内容を決めておる段階ではございません。しかし、現在厚生省の通知で決まっております保育所への措置の基準というものとの関連において、新しい政令で基本的事項として決めていくという考え方でこれから検討いたしたいと思っている段階でございます。
○簑輪委員 でも、法律と政令が一体となってこの保育の中身というものは明らかになってくるわけで、その点で政令案みたいなものがもうできていなくてはおかしいのではないかと思いますが、まだできてないのでしょうか。
○坂本政府委員 具体的に案として固まったところまではまだいっておりません。しかし、現在の厚生省の通知でこういう場合に措置する、その基準の基本は変わらないわけでございますから、あとは、私どもとしては基準を少し簡素化するような形にしたい。これは現在いろいろな行政改革の中で、特に今回は機関委任事務を団体委任事務にするということもありますので、国は基本的な事項を決めて、詳細についてはできるだけ地方団体が決めるという趣旨にのっとりまして案をつくっていきたい、こう考えておるわけでございます。
○簑輪委員 そうすると、その政令で措置基準とか最低基準、費用徴収ということについての基本が定められると理解してよろしいわけですね。
○坂本政府委員 今の政令は措置の際の政令でございますから、これは保育所に措置すべき児童の状態がどうあるかということについての政令上の基準でございます。
 最低基準につきましては、国として地方ごとにいろいろやっていただくにしても、どうしても必要な最低限というのは守っていかなければいけない、こういう形で決めてまいりたいと思っておりますけれども、これにつきましてもある程度簡素化しまして、地方の実情に見合った弾力的な運用ができるような方途も講じたいと思っておるわけでございます。
○簑輪委員 そうすると、政令はあくまで措置基準だけということになるわけですね、最低基準と費用徴収というのは別途厚生省が何らかの形で地方自治体に指示するということになるのでしょうか。
○坂本政府委員 最低基準につきましては厚生省令で決めるという考え方でございます。それから費用徴収の基準につきましては、厚生省の通知でいたしたいと思っております。
○簑輪委員 政令の範囲というのがいま一つはっきりいたしませんけれども、もう少しこの内容が明確にならないと、子供がどう措置されてどういう保育を受けるのかということが具体的にわかりにくいと思うのです。
 幾つかお尋ねしたいと思っておりますけれども、保育料について、例えばA、B階層からは保育料を徴収しない、また厚生省が定める保育料徴収基準額を超えて徴収してはならないというふうにされてきましたけれども、この基本は今後も維持されることになるのでしょうか。
○坂本政府委員 保育所の徴収金につきましては、先ほどの私の答弁はちょっと不正確だったかもしれませんが、保育所の費用徴収は団体委任の事務になるわけでございますので一応は地方公共団体が自主的に徴収できる、法律上はそうなるわけであります。ただ、国としては、できれば全国的になるべく同じような基準で徴収がなされるようにということで、一応基準としては、国の国庫負担の精算のための基準と、地方においてこれだけの徴収をしていただくという前提で国庫補助を出す、そういう意味での基準として通知をいたしたい、こういうふうに考えております。
 それから、六十一年度の保育所の徴収金の考え方でございますけれども、私どもとしては、できるだけ無理のない負担をお願いすると同時に公平の観点からいろいろとその見直しを行っておるわけでございますけれども、保育所の徴収金についてもそういう観点から、毎年見直しを行っておりますのと同様の趣旨で今回見直しを行っております。
 その際に、保育料の改定につきましては、実際に保育に当たる職員の人件費が上がる、食費等の物件費も上昇するというようなこともございますから、その上昇の程度に見合った改定をお願いするというようなことを考えております。また、保育料の負担の度合いについても、所得の階層によってはかなり重くなっているというような感じのところもございますので、その辺についてはある程度調整して、過重な負担にならないような配慮もいたしたいと思っておる次第でございます。
○簑輪委員 今お尋ねしたのは、A、B階層から保育料を徴収しないあるいは厚生省の基準を超えて徴収してはならないという基本を今後も維持されるのかどうかということです。
○坂本政府委員 私どもとしては、こちらの定める基準に従って徴収をしていただきたいと考えておるわけでございます。
○簑輪委員 いただきたいはいいのですけれども、実際に市町村が保育料を徴収するときに厚生省の定める基準を超えて徴収をするというようなことがあっても許されるのか、あるいはまたB階層からも保育料を徴収していくことがあっても厚生省としては何ら問題がないと考えているのかどうかということです。
○坂本政府委員 市町村の判断によって、各市町村の実情に応じて国の基準と違う保育料を徴収するということが全くできないことではないと思っております。余り大きな差ができるということは実態として必ずしも好ましいことではございませんけれども、多少基準から外れた――外れたという言葉はどうかと思いますが、具体的に基準と多少違う徴収ということは、行われても法律上問題になるということはないと思っております。
○簑輪委員 重ねてお尋ねいたしますけれども、従来は保育料徴収基準が非常に高いために自治体は軽減措置をとってきました。ですから、保育料徴収基準と離れた保育料を徴収しているわけです。それを超えた保育料はこれまでは許されなかったわけですが、それを超えて自治体が徴収しても何ら問題はないということになれば大変なことだと思うのです。そのことをお尋ねしているのです。
○坂本政府委員 国の決めた基準に対して、あるいはそれを上回る場合もあるし下回る場合もあると思います。これは、市町村ごとにそういう判断をされて、実態としてそれだけの徴収をすることについて市町村段階での決定がなされれば、それは私どもとしてはそれなりにしかるべき措置であると考えておるわけでございます。
○簑輪委員 今の御答弁を伺いますと、そうすると、自治体に保育料を決定する権限ができたがゆえに保育料が従来よりも大幅に上がって、厚生省が定める基準よりも高い保育料が徴収される危険があるということを初めて私は知ったわけです。
 こうなりますと、今日、国の補助率が下がってきていて自治体が大変負担の強化にあえぐわけですから、そうなれば保育料の値上げというのが、厚生省の徴収基準にもかかわらずそれを超えて高い保育料を定めるということだって十分あり得るわけだし、それも厚生省が認めていくということになると、まさに保育所解体ということを促進する道も開かれてくるというふうに指摘せざるを得ないと思うんですね。これはもう大変なことで、私は、こんなことがあったら子供たちを預けることが到底できなくなるし、国が保育所の重要性、役割を意義があると考えているとどれだけ言われても、それを担保する制度ができていないということから見れば、保育所というものが本当に大事にされているというふうには到底言えないと思います。こんなことはぜひ改めていただきたいと思います。少なくとも、国が定める保育料徴収基準なんというものは実態からかけ離れた高いものであるわけですから、それよりもさらに高い保育料の徴収が自治体でされるなんということは絶対にあってはならない。厚生省のそういう姿勢をきちっと示していただかないと、これはもう大変なこと、保育関係者が一体どういうことになるのかと恐怖を抱くような状況だと思うんですね。重ねて御答弁ください。
○坂本政府委員 私どもも極端なケースということは想定しておりませんので、全く国の基準どおりという金額よりは多少違った金額ということは地方によってあり得る、こう考えておる。それも、地方ごとに例えば条例等によって決めるということになりますれば、必ずしもその市町村の事務当局だけの考えで一方的に決められるわけのものではございませんので、各市町村の実情から離れた徴収額ということはないのではないかと考えております。
○簑輪委員 ないのではないかと考えていたとしても、そういう道が開かれているということでは危険があるわけでしょう。そうした場合に、例えば厚生省としては、そういう厚生省の徴収基準を超えて徴収をするということのないように厚生省が指導するという姿勢さえないのでしょうか。
○坂本政府委員 市町村が徴収する場合に、総額として国の示した基準に従った場合よりも多くを徴収してしまうということは、私は、国庫補助との関係でないというように思っております。したがって、個別の徴収金については、国の基準との多少の相違というのは現行法によりましても法律上問題ないということになっておるわけでございますから、これは私どもとしても、直接に国の基準どおりでなければ認められないということは言えないと思っておるわけでございます。
○簑輪委員 国の基準どおり取れなんということは私は少しも言っているわけじゃないので、それはどんなことがあっても最上限であって、それより下げるべきであるということで、よりよい保育、より負担の少ない保育ということを目指してこれまでも自治体が努力してきているわけですよね。ですけれども、こうやって補助金をカットし、さらにまた上乗せ福祉というのも困難になってくるという状況の中で、保育料の値上げというのは随分心配されるわけで、私は重ねて聞いているわけですけれども相変わらずの御答弁でございます。私は、こうした保育料の値上げが保育所の定員割れを起こし、ひいては保育所の解体につながるということを再々指摘しておりますだけに、この問題についてはもう厳しく、この保育料の引き下げという方向での厚生省の努力をどうしても強くしていただくように要求をしなければならないというように思うのです。
 補助率の引き下げがこのようにさまざまな影響をもたらすわけですので、どう考えても、国の補助率をもとに戻してほしいというふうに私は強く要求をしたいと思いますし、厚生省がそういう姿勢で保育行政担当者、現場からの声を十分踏まえて、この補助率のあり方についての論議に当たっては、補助率をもとに戻すようにという姿勢で臨んでほしいと思うわけですが、その辺いかがでしょうか。
○坂本政府委員 補助率の問題につきましては、保育所だけの問題ではなく、国の各施策全体について補助金問題検討会で御討議をいただき、また政府部内においても検討した結果の結論でございまして、私どもとして、これは今変えるということは考えないわけでございます。
○簑輪委員 最初に申し上げましたように、事務事業の見直しとそれから補助率というものは論理必然、連動するものではございませんで、補助率をもとに戻しながら、事務事業は地方自治体に団体委任事務として移し、地方の自主性を高めていくということが可能だと思うんですね。そういう道こそ地方自治体が真に求めているものであり、財政的裏づけのない補助率カットによって自主性が高まるなどということは、逆に言えば地方自治体がやむを得ず保育料の値上げその他さまざまな保育基準の切り下げ等も促進するということになるというふうに私は強く懸念をしているところです。
 最後に、大蔵大臣にお尋ねしたいと思いますが、保育所の重要性を十分御理解いただけているというふうに御答弁いただきましたけれども、私は、やはりそうだとするならば、財政的措置をきちんととるということがどうしても必要だろうというふうに思うわけです。子供たちは両親にとってかけがえのないかわいい子供であるというだけでなく、すべての社会の宝として、国の宝として慈しみ、育てなければならない。したがって、国の責任というものは非常に重い。そういう点から考えまして、財政的な裏づけをきちっと保障する、国の補助率ももとに戻すという方向で御努力いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○竹下国務大臣 私も若いころ保育所長をしておりまして、保育所の実態はそれなりに理解しておりますが、これと財政問題につきまして、補助率をもとに返せということに対しましては、これはきょう、そういたしますとお答えするわけにはまいりません。
○簑輪委員 最後に、質問を終えるに当たりまして、きょう午前中に福井の本郷というところで私立の保育園が火事になって、三人の乳幼児が死亡したという報道を聞きました。ここは園長一人でやっていて、パートの二人は休んでいたという状況のもとでこうした悲惨な事件が起きたわけです。保育というのは、本当に子供の命を預かる大事な事業であるだけに万全を期さなければ、このような事件が起こってから悲しみをともにしてみたところでどうにもならないことだと思うのです。そういう点で、きちんとした財政的措置、制度上の措置を完備するということをぜひぜひやっていただきたいというふうに思います。こうした事件が繰り返されないように、私は、本当にすべての子供たちの悲痛な思いを込めて質問させていただいておりますし、この亡くなられた子供たちの親御さんたちの気持ちを思うにつけ、いたたまれない気持ちがいたします。保育所が、本当に子供の命を預けて安全で信頼できるところであるという条件をきちっとつくっていただくようにぜひお願いをしたいと思います。重ねて大臣の御所見を伺って、終わります。
○竹下国務大臣 御趣旨の点は十分私にもいたくわかったことでございます。
○簑輪委員 終わります。
○小泉委員長 戸田菊雄君。
    〔委員長退席、堀之内委員長代理着席〕
○戸田委員 本案件の質問には関係ないのでありますが、冒頭に、通産省、来ておられますね。撚糸工連の収賄事件で国会議員が取り調べられておるという話を聞いたのですが、わかりませんか。
○長田説明員 私、撚糸工連の担当課長ではございませんが、先ほどテレビで先生がおっしゃいましたようなことを拝見いたしました。
○戸田委員 大蔵大臣、連日御苦労さまでございます。大臣もこの点はお伺いになっていますか。
○竹下国務大臣 今私の方へも情報が入りまして、一時半に法務委員会で刑事局長から話があった、その前にテレビで流れておるということでございます。法務委員会においては容疑事実を申し述べられたではないかということでございます。
○戸田委員 それでは本題に入りますが、大蔵大臣、全く連日大変だろうと思います。
 まず第一点は、国の補助金等臨時特例措置に関する法案の趣旨の中で、「最近における財政状況、社会経済情勢の推移及び累次の臨時行政調査会の答申等の趣旨を踏まえ」云々、こうあるわけでありますが、この財政事情というのは六十一年度の予算の内容を指しているだろうと私は思うのですが、そういう理解のもとに質問をしてまいりたいと思います。
 六十一年度予算一般会計総額、これは既に採決されて通っていますから、五十四兆八百八十六億円。国債の利払いや償還の国債費で十一兆三千百九十五億円、対前年比、当初予算比で一〇・七%増。それから国債発行減額七千三百四十億円、これは予定よりもいかなかったのですね。しかしこれで、国債の利払い、償還費等では予算全体に占める割合が二〇・九%、なおかつ二〇%の大台を突破したという状況に相なっているわけであります。これは発行依存度と合わせますと四〇%を超えますね。それから一般歳出の場合には三十二兆五千八百四十二億円で、対前年比十二億円の減額、これは四年連続伸び率ゼロ等々の問題になっているわけであります。そういう状況から、六十五年度赤字国債脱却はやや絶望的ではないだろうかという気が私はいたしますが、この点の見解をひとつ。
 もう一つは、一般歳出四年連続伸び率ゼロ。そして四十四年以降、給与改善費を従前一%計上しておったのですが、ことしはこれの取りやめ七百八十億円。厚生年金国庫負担の一部三千四十億円、これが繰り延べ。政府管掌健康保険、大体これは黒字になっておりますけれども、これの国庫補助千三百億円の減額。それでいよいよ地方公共団体の補助金の補助率削減ということで、今回一兆一千七百億円を削減いたしました。
 こういう状況であります。若干のたばこの増収による補てんなり、あるいは地方債の九千三百億円見当の補てんなり等々はありましたけれども、こういう状況ですから、結局、今日まで進めてきたいわば「増税なき財政再建」こういう緊縮予算で今日まで乗り越えてきたんだけれども、どうにもならない、やりくりでもってこの削減とたばこ消費税の増税ということを急場しのぎでやった状況にあるのではないだろうか、こういう考えがいたします。
 そういう状況で税制の抜本見直し等々がやられてきているわけでありますが、結局は予算編成行き詰まり、そういう状況の中で今回の措置がとられた、こういう理解だと思うのですが、この辺についての大臣の見解をまず伺っておきたいと思います。
○竹下国務大臣 まず第一番目の、言ってみれば、いろいろな角度から見ても、六十五年度までの赤字公債依存体質脱却はもう既に不可能ではないか、こういう趣旨の御発言でございます。
 確かにこの努力目標の達成は容易ならざるものがあると私も思っております。しかし一方、目標を先に延ばすということになれば、それだけ特例公債の累増を招きまして、長期的には負担が増大する。それと同時に、もう一つ、これの旗をおろしましたということになりますと、実際問題として歳出増加圧力が強まって、今まで何のために一生懸命、対前年同額とか以下とかいう努力をしたかということが水泡に帰すおそれがある。したがって今この旗をおろすわけにはまいらない、こういうことでございます。
 したがって今度は、六十二年度以降どうなるか、こういうことになりますと、現段階で申し上げることは難しいわけでございますけれども、今後とも中期展望に示された巨額の要調整額をどういうふうにして解消していくかということを今までの体験に基づいてさらに努力を積み重ねていかなければならぬという考え方に立たざるを得ないわけでございます。
 一方、税制改革の問題もございますが、これはまずはゆがみ、ひずみ、重税感、そういう問題を解決するために税制調査会で精力的に進めていただいておるところであります。
 したがって、これからなお国会の問答等を通じながら国民のコンセンサスが那辺にあるかを見定めて、地道な努力を毎年毎年の予算編成でやっていかなければならぬ課題だ。今朝来もいろいろな提案も出ておりますが、今の場合で言えば、まさに六十二年度予算にどう対応していくか、大変毎日苦悩を重ねておるところでございます。予算編成を終わりましたときの率直な感じとして、やるべきことはこれ以上どんなものがあるだろうかという考えを持たないわけではございませんでしたが、もう一度また原点に返って努力を続けていかなければならぬと考えておるところでございます。この問題、容易じゃないと思っておりますが、これからもなお努力を続けていかなければならぬ課題だということでございます。
○戸田委員 大変な御努力をやっていることはよくわかるのです。
 そこで、今回の予算の審議に当たって大蔵省は三つの資料を出しておりますね。一つは「財政改革を進めるに当たっての基本的考え方」、「財政の中期展望」「中期的な財政事情の仮定計算例」、この三つの資料を出しておるのでありますが、この中身を見てみますと、名目成長率年六・五%、税収の伸び率七・一五%、赤字国債一兆三千百億円減額、これは六十五年度まで毎年これでいきますよ、こういうことです。
 一般歳出は伸び率ゼロでありまして、この一般歳出の伸びに基づいて要調整額というものがはじき出される。それを見ますると、例えば現行制度のもとにはじいたものでいきますと、六十二年度で三兆四千億円、六十三年度が四兆三千億円、六十四年度が六兆円、六十五年度、これはちょっと出てませんが、五%の伸びということで考えてみますと、六十二年度は三兆八千億円、六十三年度五兆円、六十四年度六兆一千億円、六十五年度が六兆八千億円。国債整理基金への定率繰り入れを六十二年度から全額入れておりまするから二兆三千億ないし二兆七千億ですね。だからこの点が主要な部分を占めるのだろうと思うのですが、いずれにしても、こういう要調整額が出てくる。
 そこで、どう要調整額を埋めるかという手段、手法、こういうものを考えますと、一つは歳出削減、一つは国債増発、三番目は増税、こういうことになるんじゃないか。この中でどういう手法をこれからとろうとしておるのか、あるいは全体抱き合わせていくのか等々の案があると思いますが、どういう方向でこれからやっていくのか。いずれにしても前途のこういった経済指標その他に基づいた財政計画の青写真というものをつくるべきじゃないか、私はこんなふうに考えるのですが、その辺の見解はどうでしょうか。
○竹下国務大臣 確かに御指摘なすったとおり現行の制度、施策をそのままの前提に置いて後年度負担推計でいきます場合、前提は今おっしゃったとおり六ないし七の中間値の名目成長率をとり、弾性値一・二を掛けたものを土台にしての前提があるわけでございますが、最終的にはおっしゃるとおり歳出削減でいくかあるいは増収措置を図るか、さらには公債を発行するかあるいはそれの組み合わせか、こういうことになるわけであります。
 元来、「増税なき財政再建」という理念は、安易に増税してはならぬよというかんぬきをはめて、その中で対応しなさい、これを続けてきたわけです、実際問題として。いろいろな制度間の財源の調整とか、最初御指摘なさったようないろいろなことをしながらそれを続けてきたということであります。
 そこで、年々その要調整額を減してきたものは、政策上いわゆる改革されたものもございましょう。しかしこれをきちんとした計画で出すということになると、いずれにせよ増税が何ぼ、仮に公債発行をゼロとすれば増税計画とかいうようなもので出していかなければならぬし、あるいは一方はこの歳出の削減計画というもので出していかなければならぬ。それはやはりいわゆる我々がテーブルの上での試算だけで、政治というものが生きておる限りにおいてはやはりできるものではない。結局、国会でたび重なる問答を続けながら、その中で国民の合意は那辺にあるかということを見定めながら毎年毎年努力していくしかない。
 それでは余りにもこの先の見通しが立たないというところで、若干でもいわば浮き彫りになったといたしますならば、電電株の売却益というものが、まだ売れたわけではございませんけれども、一応一定の前提に置いた値段でもってやや下敷きには置けるようになった。そういうようなものを毎年毎年積み重ねていくわけでありますから、経済計画全体が自由主義経済で流動的なもの、その一部である財政を見通していくというのは、いわゆる中期展望とか仮定計算とか、これは前提の置き方によっていろいろな作業ができますが、それ以上極めて正確ないわゆる財政計画というものは結局苦心してみてもなかなかできないものだということをつくづくと感じております。
○戸田委員 青写真のことについては触れられておらないようですが、後でちょっと触れていただきたいと思うのです。
 そこで、今回の臨時特例措置に基づいての財政効果についてですが、これを見ますと、今回の節減額は合計一兆二千百六十三億円、政令等措置によるものを含めますと一兆四千七百五十億円、六十年度比で大体八千三百五十七億円ということになります。これをずっと見ますと、大体補助率の引き下げだけで対処しているのですね、九千七十億円。非公共事業関係が六千百五十八億円、公共事業関係が二千九百十二億円、これは五十九年対比のものですが。
 検討委員会等の財源全般の検討内容については、一応制度その他についても十分な検討をやれ、こう言っているわけですね。これは調査室の資料を引用させてもらいますけれども、「行財政改革を推進するため、補助金等の整理合理化により一層積極的に取り組む必要があるが、その際、累次にわたる「臨調答申」及び「行革審意見」等で指摘されている補助事業の廃止・縮小これは制度の廃止縮小だろうと思う。それから「地方へ同化・定着した事務事業の一般財源措置への移行、補助率の総合的見直し、統合・メニュー化の推進、交付手続の簡素・合理化等」と明確になっている。
 今回は専ら補助率の削減なんですね。制度その他の総合的な見直しはやられておらない、こういうのが現在の状況だと思うのですが、どうも考えますと、勘ぐりかもしれませんけれども、一たんつかんだ縄張りは各省が放さない、中央の支配というものをあくまでも温存して、これだけに限定してやろうというような気風があるのじゃないのかという気がするのでありまするが、この辺の見解はどうでございますか。
○竹下国務大臣 しかし、今まで内なる改革というハイカラな言葉を使っておりますが、それぞれ各省で厳しい財政事情の中で改革されたというと、やはり健康保険法なんというのは大きな改革の一つであったと思うのであります。今度の場合も事務事業の見直しの中でいわば権限委譲とでも申しますか、そういうことに対してのコンセンサスは、閣僚会議のもとに置かれた検討会も含め、また各省との予算調整段階においてできてきたのではなかろうかと私は理解をしております。
 それは、私も平民――平民といいますかいわば役所勤めした経験がございませんので、平民的感覚の中で縦割り行政というものを全く意識しなかったことはないわけでございますけれども、いわば今回の措置に対しての各省の、お言葉をかりて言うならば縄張り根性とかいうようなものは、私自身は予算調整段階において感じなかったということでございます。
○戸田委員 通告の質問を一つだけ変えまして、最初に地方財政への影響についてちょっとお伺いして、その次に補助金の全容をお伺いしたいと思います。
 政府の提案内容は、補助率見直しによる地方財政への影響額は約一兆一千七百億円、経常経費関係で六千百億円、投資的経費関係で約五千六百億円。これに対して、地方たばこ消費税引き上げでもって千二百億円、地方交付税特例加算、これは国のたばこ消費税増収分だけ交付する、これが千二百億円、それから建設地方債の増発九千三百億円。こう見てまいりますと、たばこ消費税は六十一年度限りなんですね。ところが補助金の削減は三年間、六十三年までなんですよ。そうすると、六十二年、六十三年の財政補てんはどうするのかという疑問が一つございます。
 もう一つは、建設地方債増発九千三百億円というのはあくまで借金ですから、これはいずれ返さなければいけないという性格のものです。だから、そういうものについてのやりくりをどうするのか、これはどうしても明確な回答を得ておきませんとだめなんです。
 そして、昨年度は五千八百億で一年切りですよ、こうやってきた。ことしになったら三年間一兆一千七百億ずついきますよ。これは三年間でぴっちり終わるのか。この辺もあわせて、明確な見解を示していただきたいと思います。
○持永政府委員 まず、年度の問題と申しましょうか、補助金の方は三年でたばこは一年、この点の問題でございますが、御指摘のとおりに相なっておるわけでございます。
 たばこ消費税につきましては、今回臨時異例の措置ということでこういう措置をお願いしたわけでございますけれども、税制の抜本改革が行われるという前提もございまして、これの妨げにならないようにこれは一年限りにするということで措置をしたわけでございます。
 そこで、六十二年、六十三年はどうなるかということでございますが、これにつきましても、来年、再来年の税収等の見通しの問題もございますけれども、やはり何らかの補てん措置が必要であるというふうに考えております。その場合、具体的にどうするかということについては現段階ではお答え申し上げることができないわけでございますが、いずれにせよ、全体の収支を見ながら適切な補てん措置を講じていきたいというふうに考えておる次第でございます。
 二番目に、建設地方債九千三百億が借金だという御指摘でございます。これはまさにそのとおりでございまして、この財源の補てんをするにつきましては、でき得ることであれば地方税とか地方交付税とか、つまり返済の要らない財源で手当てをすることが望ましいわけでございますけれども、現在の財政状況のもとにおきましてはこれはなかなか難しいわけでございます。そういうことで建設地方債九千三百億円を発行することにしたわけでございますが、当然この償還の問題が将来出てまいるわけであります。
 これにつきましては、償還と関連いたしまして、一々申し上げますと大変時間がかかりますから簡単に申し上げますけれども、その一部につきましては将来国の一般会計の方から交付税特会に繰り入れをする、特例加算と言っておりますけれどもそういう形で財源措置をしていただくことにいたしておりますが、残りもまだあるわけでございます。その残りの部分につきましてはこれから長期にわたりまして返済していくわけでございますので、その毎年毎年の地方財政の収支を見ながら、この公債償還を含めて地方財政の運営が円滑にいきますように毎年度財源対策をとっていくということで考えているところでございます。
○戸田委員 申しわけないけれども、それは答弁になっていないですよ。私は二年間の補てん策をどうするのだと聞いているのです。あなたは、今それは言えませんと言う。そんなずさんなことで出してくるなんというのは全く不合理でしょう。たばこは一年ですよ。しかしこっちは三年ですよ。だから、初年度は補てんしたけれども、二年間はどうするのだ、これを明確に示してください。
 それからもう一つは、地方債九千三百億というのは結局地方の財政負担に転嫁したということでしょう。そうなりませんか。
○持永政府委員 確かに六十二年度、六十三年度の財源対策については、現時点におきましては明確にお答えすることができないわけでございまして、これは税制の抜本改正がどういう形になるかということとももちろん関連がございますし、六十二、六十三年度の全体の地方財政収支がどうなるかということにも関連がございますので、その時点で的確な対応をしていくということで御理解いただきたいと思います。
 それから九千三百億でございますが、先ほど具体的なことは省略いたしましたけれども、具体的に申し上げますと、九千三百億の地方債を発行しますうち、将来国の方から補てんをしていただくことが明確になっておりますものが全体で二千五百億円ございます。それから二千四百四十億円につきましては、確定ではございませんけれども一応将来措置をしていただくということで暫定的な約束のような形に相なっております。残り四千三百億ばかりが、確かに国が補てんするということが現時点で明確にされているわけではございませんが、これは先ほども申し上げましたようなことで毎年の全体の収支に絡む問題でございますので、その収支を見ながら、従来も地方財源が足りない場合には交付税の特例増額ということもいたしてまいっておるわけでございまして、そういった措置も含めて地方財政の運営にこのことによって支障が起こることのないように対応していかなければならない、こういうことで考えておる次第でございます。
○戸田委員 前段の問題については、結局は今後もやはり増税対策に逃げ込む、こういうことでしょう。政府税調が今検討している。中曽根総理が言うように、四月段階で大幅減税をやりましょう。巷間うわさされるところによると三兆円くらいやりますよ。しかし秋さかにいって財源を探すときにはまた三兆円くらい増税対策をとっていく、本格的に大減税か増税かということは六十二年度以降実行しましょう、こういうことの手順がちゃんと決まっているのじゃないですか。それでその際に、あわせてたばこ消費税をどうするかということも検討する、こういう腹づもりじゃないのですか。
○持永政府委員 税制改正の問題につきまして私詳細に承知しておりませんけれども、今御指摘ございましたような減税が先で増税が後というような趣旨で私は申し上げたわけではございませんで、率直に申し上げまして、全体の税制改正がどうなるかということもはっきりしませんし、収入支出の見込みもはっきりしないので、そういったことで申し上げたわけでございます。
 それからたばこ消費税の問題につきましても、間接税全般についていろいろ検討がなされると思いますので、その中の問題の一つとして取り上げられることはあり得るのではなかろうか、こう考えております。
○戸田委員 私も二十年間勉強させてもらっていますから、大体どういう回答が来るかわかるのですよ。恐らくそういうことで今後の税の全般的な見直しに逃げ込んでいく。
 この法律は三年間なんだから、明確に二年間の補てんの裏づけもして出してくるのが本来の筋道ですよ。それをやっていないのだから、本来ならこの辺で審議をとめるところですが、きょうはもう時間がありませんからそれはやめますけれども、いずれにしても、これらの問題について明快にひとつ検討していただきたい。今の御答弁は回答になっていません。その点をひとつお願いしておきたいと思います。
 次に進みますけれども、補助金の全容について若干質問してまいりたいと思うのです。
 これは大蔵省の資料で見ますと、大体補助金の主要なものは、社会保障関係費が三七・五%、文教及び科学振興費二三・八%、それから公共事業関係費二〇・二%、これで大体八一・五%いっておるのです。その他の経費についてはいろいろありまするけれども、ここでひとつ確かめておきたいのは削減の中身なんですが、これは災害復旧費が五四・六%削減ですね。文教施設費が九・一%、社会福祉費が四・九%、どうしても弱い方に削減が行っていると私は理解するわけです。もう少しこの辺は何か創意工夫をして、別な方向で均衡のとれた削減方式がとれないものかどうか、こう考えるのですが、その点が第一点です。
 それから、殊に農林水産関係費、その他事項経費でもってやられているのですが、これは六十年度は七千三百二十九億円、五・一%、今年度が七千百七十億円、マイナスが百五十九億円、割合にして二・二%減っている。それと食糧管理費、これが二・八%減っています。総体で五%ほど全体として引っ込んでいるのですね。一般会計予算の農水関係費を見ましても、大体八年ぐらい前までは総体予算の一〇%ぐらい確保されておったのです。ところが最近は、殊にここ四年間に大分減らされてまいりまして、三兆一千四百二十九億円が一般会計予算ですよ。これは対前年度比で四・八%減らされている。額にして千五百七十九億円です。防衛費はその分そっくりふえている格好なんです。必ずしもこの農水関係の予算の削減分が全部防衛費に行ったとは私は考えませんが、とにかくそれに匹敵するだけの額が削減をされている。
 今農家の経営というのは非常にひどい。大体これは国家食糧の問題にもかかわる問題でもありまするけれども、昭和三十五年に穀物消費量は大体二千六十八万トン、ところがその三年前の五七年、ここに来ますと三千七百八十二万トン、これは飼料その他も入っておりますけれども、そのくらい消費するわけでありまするが、自給率はわずか三〇%ですね。米を除いた穀物というのはわずかに四%です。イギリスとか西ドイツとかフランス、アメリカ等々を見ますると、イギリスは七七%、西独は九〇%、フランス一七〇%、アメリカ一六二%、いずれも一〇〇%を超えている、完全に自給体制をとっている。日本はとにかくいずれにしても三人に二人は外国の農産物で胃袋を満たしているという状況なんですよ。
 この間朝日にもちょっと出ておりましたけれども、現下の世界人口は四十五億だというのですが、それに対して二〇〇〇年になると六十一億ぐらいになるだろう、二〇五〇年になったらおおむね九十億を超えるのじゃないか、このままいけば、人口政策をやらなければ。すると、決定的に世界的な食糧というのは不足なんですね。今でも不足なんです。アジア、アラブその他の餓死状況を見たって、何億という餓死者が出ているのですから。そういうときに日本が、国家百年の大計である農業をこれほど粗末にしていいのか。確かに貿易立国ですから、工業その他の発展はもちろん必要ですよ。だけれども、余りにも産業間の偏差が多過ぎるんじゃないか、こういう気がいたします。
 殊に農家の今の経営実態というのは、専業農家といわれるのは六十万戸、大体五町歩以上、そういう人たちだって農業経営だけでは食えないのですよ。収入は四〇%そこそこですよ。農家の労働賃金は製造業の約四〇%にしかなってない。ですから、殊に東北の各単作農業県は大変なものだ。ビニールや何かの複合経営をやっていますけれども、採算に合うものは米と葉たばこだけで、あとはなし。こういうときにどんどん予算は減るわ、補助金も減ってくるわ。だから、宮城県のような場合は良質米奨励金は県内全体で百億ですよ、それが昨年一〇%カットされましたから十億円減っちゃった。実質は減収なんだ。そういう状況で、両面からどんどん削られてくる。これでは国家の、国民の一日も欠かせない食糧を確保するためには大変問題がある。こういう点について農水省、どういう見解をとっていますか。
○吉國政府委員 食糧の供給あるいは農家経済、そういった面から見て、農政なり必要な予算の確保が十分できているのかという御趣旨のお尋ねでございます。
 農産物の需給も、国内で実質食料消費支出が伸びないということで全体に過剰あるいは需給の緩和基調というものがございますし、また農業経営の規模拡大が十分なテンポで進まないというようなところから、農業経営の実情はなかなか厳しいというふうに見ておるわけでございまして、私どもといたしましては、基本的な国内におきます食糧の生産力というものを維持していくということを基本といたしまして、予算の効率的使用にも努め、また必要な予算の確保に努力をいたしまして、国民並びに農家の方々に安心していただけるような施策を今後とも進めるよう努力してまいる所存でございます。
○戸田委員 後でまたちょっと触れたいと思いますけれども、一応見解を聞いて、前へ進んでまいりたいと思います。
 それで、この補助金の簡素化をもう少し国民がわかりやすい方法でできないかどうかという気がするのであります。例えば交付の内容については、法律補助であるとか予算補助であるとか、あるいは定率補助であるか定額補助であるか、あるいは直接補助とか間接補助とか。それから補助金の中にも、負担金あり、交付金あり、補給金あり、委託費ありというようなぐあいに、非常に複雑化しているのですね。こういうものに対して、もう少し国民がわかりやすい簡明化した方式はとれないものでしょうか、どうでしょう。
○保田政府委員 一口に補助金等という言葉でくくっておりますけれども、いわゆる補助金というものの範囲は、使われるときどきの状況によりまして定義が非常にまちまちであるということは御指摘のとおりだと思うのでございますが、まあ非常に広義の意味で言いますと、国が国以外のものに対して交付する、いわば反対給付を必ずしも求めないような交付金ということで定義できるのではないかと思っております。
 現在あります補助金の中で、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律という法律に補助金等の定義がございますので、それを御参考までに申し上げますと、この法律の第二条に、先ほど申し上げましたが、「国が国以外の者に対して交付する次に掲げるもの」としまして、まず第一が「補助金」、それから第二が「負担金」、それから「利子補給金」、最後に最も幅広いものとして「その他相当の反対給付を受けない給付金であって政令で定めるもの」というふうに一応定義づけておりますので、広い意味ではこういうものが補助金かな、その中にはいろいろな態様のものが確かにおっしゃるとおり存在する、そういうふうに思っております。
○戸田委員 この間、この場でいろいろ参考人の意見を聞いた。補助金の機能は三つある、こういうことを言っておる。その一つは、政権党の政権を保持するために一つ補助金がありますよ。それからもう一つは、地方への再分配というか地方財政の調整機能、そういう機能がありますよ。それから政策誘導、そういう機能を果たします。この三つがあります。
 私は、現行の補助金の大別は七つぐらいだと考えておりますが、これは後で触れますけれども、次長、政権維持のために補助金があるというのはどういうことだと思いますか。
○保田政府委員 補助金というものは、その目的は政権維持のためにということではもちろんございません。存在する第一の目的は、国の施策を一定のレベルで維持するということ、第二には特定の施策を助長、奨励するために存在する、そういうふうに理解をしております。
○戸田委員 四十八年に、田中内閣のときだと思うのですが、中小零細企業に対する無担保、無保証融資をやった。マル経です。これなんか政権維持のための最たるものじゃないか。後で触れますけれどもそんなものもある。あるいは場合によっては非常に国民に歓迎されているからどうかと思うのだけれども、新幹線問題あるいは本四架橋問題とかね、こういうものも、国策だというけれども場合によっては何かそれに類しはしないかな。どうですか、見解。
○保田政府委員 補助金は、先ほど申し上げましたような目的のために存在する非常に重要な政策手段であると思っております。
 国の予算のうちで、人件費その他のものを除きますと一般歳出の中で広い意味での補助金というのは非常に大きなウエートを占めておりまして、予算の性格づけというのはまさにこの補助金、負担金の行方がこれを決するというようなものでございます。そういうものを含めました予算を我々大蔵省が中心となり、さらに内閣の総合調整の結果政府案としてまとめられまして、それが国会で御議論をいただいて、それを我々が執行しておる、こういうことでございます。
○戸田委員 全体を見まして、一見して法律補助の場合は制度を土台にしてこれは交付すべきもの、してもよろしいもの、二段階でやっておられるから、これは余り問題がないと私は思うのですよ。問題は予算補助なんですね。総額において全体で約十四兆何がしあるわけですけれども、そのうち八〇%以上は法律補助、あと予算補助の二〇%、これは三兆四千億何がしありますよ。ここが問題なんですね。だから、そういうものについて適正合理化、整合性を持った配分方式をやっていく必要があるだろうというような気がいたします。
 それからもう一つは税源の配分について、これは国と地方自治体の関係ですけれども、当初において、今地方自治体に対しては、所得、法人、酒税、三税の三二%、こうなっているのですね。ところが、地方の皆さんからいろいろ意見を聞きますと、殊に去年なんかは削減に絶対反対で、地方自治体の六団体が来まして大変なプレッシャーがかかったと思うのですが、そういう状態の中でもう少し、どっちみち地方で七十数%使うのですから、何も私は全部オールマイティーで地方にそれを下げてしまえと言うのじゃないのですが、せめて社会党がここまで主張してきたように四〇%税源配分、地方にやるということをやれば、もう少し簡素化した配分方式がとれるのではないだろうかというような気がするのですが、地方にもそういう声が非常に多い。この辺はどう考えますか。
○保田政府委員 予算の中に、いわば法律に根拠を置く法律補助と、それから単なる予算的な措置でなされる予算補助、そういう分類もございます。確かに法律補助は、国と地方との間の費用負担について、国が地方公共団体側に非常に過重な負担をおっかぶせることがないようにというようなことで、その補助率、負担率を法令にきちんと決めろというようなことも書いてございます。その面については、先生が御指摘のように特段問題もないし、その目的からいっても問題はないということだと思いますので、我々財政を預かる者も、法律補助について、非常に厳しいながらもある程度の財源を一生懸命かき集めて予算編成をしておるわけであります。
 予算補助というのは、どちらかといいますと法的な規制がないわけでありますから、むしろこれを所管する省庁にしてみると、いわば大蔵省に対して立場が弱いような感じをお持ちなのではないかと思います。したがって、毎年毎年の予算編成におきましても、我々は法律補助よりも予算補助を甘く査定するといいますか、そういうことで臨んだつもりはないわけでございまして、同じような厳しい基準で査定作業を続けておるということを申したいと思います。
 それから、地方に補助金以外の財源をたくさん与えてはどうかという御提案でございますけれども、これにつきましては、いわば国と地方との税財源の配分の問題でございますから、国と地方との間の大きな意味での機能分担、それから財源としての地方税、交付税、譲与税といったようなものともかかわります。国と地方との間の財政事情の推移といったようなこともございますので、はい、わかりましたというわけにはなかなかいかないのではないか。御提案の趣旨はよくわかりますけれども、この点につきましてはなお慎重な検討をさせていただきたいと思っております。
○戸田委員 私もそういう趣旨の質問をしているつもりですがね。地方交付税は三税による三二%、これは普通交付金ですわね。それから特別交付金というのがもう一つあって、これは若干さじかげんができるのでしょう。だから、税源配分のときの問題を四〇%程度にできないのか、こういう地方の声もあるから、そういう点で税源を配分する根本のときにそういう方式をとってはどうか。
 けさの読売を見ますとこういうことが言われておるのですね。「福祉・補助金抜本見直し 行革審小委の素案」ということが出まして、今後の税配分の問題については地方交付税の抜本的見直しを提唱いたします、抜本的見直しというのは結局、総税収の中で基準率幾らでいったらいいか、こういうような考え方にこれから検討し直そうかということを指摘されている。これは近く出るだろうと思うのですが、そういう点を含めてこの点の税源配分をどう考えるのか。これは大蔵省と、自治省が来ておりますから自治省の見解もひとつ聞かしてください。
○保田政府委員 毎年度の予算編成に際しましては、交付税の総額について、結局地方財政計画の策定を通じまして必要な交付税の額を措置させていただいております。基本的には所得税、法人税、酒税の三二%ということでございますが、五十九年度の地方財政対策の改正におきまして、地方の財源不足に対しましては交付税の特例加算と建設地方債の活用、この二つの手段で対応するということになっておるわけでございます。この基本税率の三二%と特例加算ということで毎年度毎年度の需要に対処していきたいというのが基本でございます。
○持永政府委員 毎年度これまでとってきた措置については、今大蔵省の方から御答弁があったようなことでございます。
 今後どうすべきかということでございますが、今御指摘がございましたようにもっと地方に税源を付与したらいいじゃないかという御議論はあるわけでございます。やはり基本は国と地方の間の役割分担をどうするか、それに伴って費用負担をどうするか、それに基づいて財源配分をどうするか、こういうつながりになってくるだろうと思います。
 そこで、今後の国と地方の役割分担のあり方について考えられますことは、あるいは私ども考えておりますことは、よく言われますように、住民に身近な仕事はなるべく地方に任じたらどうかというような趣旨の御提言が臨調なり地方制度調査会、そういうところであるわけでございます。そういう立場に立ってもっと地方に仕事を任せる、責任を持たせる、つまり費用負担を持たせるという前提に立てはそれに伴って当然のことながら税源配分も地方に厚くしなくてはならない、こういうことになります。ただ、地方税と交付税と両方ございますが、地方税の場合は極力普遍的な性格の税がよろしいわけですけれども、どうしても地域によって税源の偏在、財政力の偏在が出てまいりますので、地方税だけではおのずから限界がございますから、地方交付税とあわせて国、地方の財源配分を考えていく必要があるだろう、基本的にはそういうふうに考えております。
○戸田委員 大臣の見解はどうでございましょう。
○竹下国務大臣 結局、地方に税源配分をどうしていくか、これは古くて新しい議論でもございますが、私は、地方の独自の税源が可能な限り多くあった方が本来の地方自治じゃないかな、前々からそんな考えを持っております。しかし、私も田舎出でございますので、さはさりながら、そうなると税源の偏在が物すごい。そうすると、結局どこかで調整措置というものが行われなければいかぬ。それら苦心されて、昭和二十年代以来積み重ねてこられたものが今の交付税制度というものではないか。
 しかし、税制調査会で国税及び地方税のあり方についてということを根底に置いて、その安定的歳入を確保するための議論が年々行われておりますけれども、今回は抜本改正ということで、税制調査会の後半の課題としてはそういう問題も御議論をいただけるものではなかろうかというふうに、今の場合、税制調査会の審議の経過を見守っていこう。本来それは可能な限り多くあった方が本当はいいと私は思うのでございますけれども、何分いわゆる税源の偏在というのがどえらいものでございますから思うようになかなかいかぬものだなということをいつも感じております。
○戸田委員 もう一点は補助金の整理、これは何を基準にしていろいろ整理対象というものを生み出しているのかという内容をひとつ示してもらいたいと思うのです。
 今までいろいろと論議をされてきた対象を整理してみますと、一つは、地方の財政力の格差調整とかそういう機能がありましょう。それから一つは、国民的レベルの事業に対して経費を一部負担する、あるいは本来国が行うべき事業を府県、市町村に肩がわりをさせるというような場合に負担をする、あるいは全国を通じて一定の行政水準の確保、そういう意味合いにおいてこれはひとつ考えようじゃないか、あるいは特定政策の奨励、こういうものに一部経費を出そうじゃないか、景気浮揚その他についてもそれに入るかと思いますが、そういう問題。あるいは特定産業の保護強化、こういう問題についても考えようではないか、あるいは特定の民間団体、芸能とかいろいろありますけれども、そういう問題についても、やはり地方の文化発展のために若干は国としても総合的に考えていこう等々の問題があると思うのですが、その辺はどういう見解を持っておりますか。
○保田政府委員 先ほども申し上げましたが、補助金は、とにかく本来一定の行政水準を維持する、それから特定の施策の奨励等のための政策手段として、政策遂行の上で重要な機能を担うものであるというふうに考えておるわけでございます。
 先ほど先生の御質問の後段の部分で、いろいろな行政施策、例えば産業奨励であるとか民間団体に対する云々といったようなことをおっしゃいましたけれども、これらはいずれも先ほど申し上げました補助金の二つの存在理由のうちの行政の目的あるいは特定の施策の奨励という特定の目的が違うということだけでございまして、いずれにせよ、先ほど申し上げましたような二つの目的を果たすために補助金というのは存在するということではなかろうかと思います。
 しかしながら、補助金というものにつきましては、過去非常に長い間いろいろな批判がございました。一番の問題は、ややもすると中央官庁が補助金を盾にいろいろ地方公共団体等の行政に介入をし過ぎるのではないかといったような意味で、地方公共団体等の自主性を損なうのではないか、あるいは財政資金の効率的使用を阻害するのではないかといったようなこと、さらには既得権化あるいは惰性的運用といったような御指摘がございますので、これについては今後とも不断の見直しが必要である。
 特に補助金の財源というものは、先ほど申し上げましたように、国民の納める税金が主体でございますし、また国の予算、特に一般歳出の中に占めるウエートも非常に大きいわけでございます。財政改革が非常に緊急の国民的課題であるといったような状況のもとでは、この補助金、負担金等の見直しはより一層重要であるというふうに考えておりますので、臨調の答申あるいは行革審の意見、財政審の報告、さらには昨年末いただきました補助金問題検討会の報告といったようなところで御指摘を受けております地方へ同化定着した事務事業の一般財源化でございますとか、不要不急の補助事業の廃止縮小あるいは零細補助金の廃止あるいは統合メニュー化といったような方向で、さらに努力を続けなければならない、こういうふうに考えております。
○戸田委員 建設省、来ておられると思うのですが、特殊法人の資料をいただきましたが、これを見ますと、日本道路公団あり、首都高速道路公団あり、阪神高速道路公団あり、本州四国連絡橋公団等々があるわけですね。これらをもし、日本道路公団なら日本道路公団に一本化、一元化するということをやった場合には、経営形態において円滑な運営がむしろ促進されるのかどうか、あるいは経済効率の部面でより効率化が発揮できるのか。それから雇用問題。それぞれ資料をいただいておりますが、各公団の正式職員そのほか関連事業等もあるだろうと思うのですが、そういう雇用政策は確保されるかどうか、この辺の見解はどう考えておられますか。
○萩原政府委員 お答えいたします。
 日本道路公団は、御承知のように、現在高速自動車国道あるいはごく一部の一般有料道路を建造し、またそれの維持管理を行っている公団でございます。一方、首都高速道路公団は、首都圏におきます都市内高速道路の建設並びに維持管理を行っておりますし、阪神高速道路公団は、阪神圏の同じような仕事をやっております。また、本州四国連絡橋公団は、本州と四国の連絡橋を建設し、かつそれの維持管理をやることを目的といたしまして設立された公団でございます。
 このおのおのの公団を、もし全部まとめてしまったらどうだろうかという御設定でございますけれども、これらの各公団はいずれもかなり機能が違っております。今申し上げましたように、都市間高速道路としての高速自動車国道とそれから都市内高速道路としての都市高速道路は機能的にも非常に違っておりますので、いろいろな経営のやり方であるとか、あるいは出資とかそういう資金の構成の問題でございますとか、いろいろな問題が大変異なっておりますので、それを一緒にした場合の経営上の問題はかなり複雑多岐になってしまうのではないか。かえって不効率になるのではないだろうかというふうに私ども考えておりますし、また経済面でも、そのようなことをいたしました場合にはいろいろなトラブルが出てくるおそれがあるのではないかというふうに考えております。
 また、雇用面でございますけれども、首都高速道路公団、阪神高速道路公団などはエリアが固定をいたしております。一方において、日本道路公団は全国に事業を展開いたしておりまして、事業の建設の状況によりまして、また建設が終わったところはすぐそれを維持管理の事務所に変更するとか、かなり大きな人事異動を行っておりますので、これを同じ企業体の中で行うということになりますといろいろな問題が出てくると存じます。
 また、専門技術的にもいろいろな違った分野がございますので、そこら辺について、定量的にどういうことになるということはなかなか算定できませんけれども、定性的に申し上げますと、これを一緒にするということは、以上のように大変問題が起こって、かえって不効率になるのではないかというふうに私ども認識をいたしている次第であります。
○戸田委員 例えば、今スパイクタイヤの粉じん等の公害が大分問題になっている。環境庁を中心に関係六省庁がいろいろな会議をやってこの対策をとっています。建設省も、道路の構造その他、一つの研究開発をやろうということになっている。実際に使って現地管理をしている者と机上プランでやる者とどうも少しずれがあるような気がするのですね。そういった研究開発一つとらえてみましても、非常に緩慢、そういう点が出てきておりますね。だからこういう面の促進のためにも――私も、それは明確にこうだ、右、左という決定はまだできかねますけれども、そういう点を専門屋からいろいろ聞いて、できればこれは統合方式でやる、そういう運営方式というものはできないものかどうかなというようなことを考えて伺ったのですが、そういう一つの欠点が出てきておりますよ。この点の考え方をひとつ聞かせてもらいたい。
 それからもう一つは、非常に整合性に欠ける。例えば本四連絡橋に対して補助金を六十四億強、今回六十一年度、交付していますよ。ところが、この本四架橋の負債分、借金は、片や国鉄に参りますと、これは旧国鉄が本四架橋の負債分まで全部処理をしなさいということになっている。こういう不整合な状態が各所に出てきている。こういった問題についてはどういう見解を持っていますか。
○萩原政府委員 まず最初のスパイクタイヤの問題についてちょっと御説明させていただきます。
 先生御指摘のように、スパイクタイヤによる粉じん公害というのは環境面で非常に大きな問題になっておりまして、ことし仙台では規制をやっていただきました。四月中の粉じん量の結果はまだ出てないようでございます。したがって、定量的には申し上げられませんが、定性的には非常に改善をされたというふうに報告をされております。私どもといたしましては、このような一つのトライアル、試行をぜひ教訓とされまして、このスパイクタイヤの無用な着用を今後できるだけ規制をしていただきたいというふうに道路管理者側から考えております。
 また先生、組織面でこういう問題に対して少しく劣るのではないかというお話でございますが、これは組織面といいますよりむしろ――例えば二、三年前に東京に大雪が降りまして、首都高を一週間以上とめてしまったことがございます。ここら辺が例えば日本道路公団の北国での対応から見れば余りにも甘いのではないかというような御指摘があろうかと存じますが、あれは組織というものではなくて、いわゆる地方性でございますね。常に雪の降るところにはそれだけの対応がしてございますが、めったに雪の降らないところはやはりどうしてもその対応がおくれるということによるものでございまして、これは組織面の問題ではなかろうと思います。
 またスパイクタイヤに戻りますが、現在我々は土木研究所その他で舗装の研究をいろいろやってまいりました。そして現実に実験室内でやりますと、摩耗量が四割ぐらい減るという結果がデータとして出ておりますが、これを実際現場で施工いたしますと、なかなか実験室のようにうまく施工ができないということで、結果としては一割がそのくらいしか摩耗量を減らすことができないというのが現実の姿でございまして、やはりタイヤの方の改善あるいはその着用についての改善をやっていただきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
 なお、後半の本四公団の補助金の問題でございますが、これは先生御指摘のように鉄道についての補助金でございまして、道路については、補助金は出させていただいておりません。私の立場上、鉄道についてはちょっと御答弁いたしかねますので、御理解いただきたいと存じます。
○戸田委員 スパイクタイヤの関係で、道路構造の改善はできますよと言う業者がいるのですよ。私の知っている研究開発機関がありまして、これでやれば摩耗しませんということでできているのだけれども、それを建設省とかなんかに持っていくと、既存の業者の方を優先して、採用してくれないと言う。いずれこのスパイクタイヤについていろいろと質問してまいりたいと思っていますが、そういう意見もあるということ。
 確かに本四架橋の問題でもあるけれども、国鉄関係は別ですから、これは別途また機会を見てやりたい、こういうことにいたしたいと思っております。建設省関係は結構でございます。ありがとうございました。
 それから農林省関係、おられると思うのですが、農産物価格補給金の種目別事項でいろいろ資料をいただきました。総額において千六十七億五千五百万円、こういうことで補給金はやっていますが、さっきも農家の実情というものを言ったように、大変苦境な状況に立っている。だからそういう点については、今回の畜産価格の改定だってこれは下げているわけでしょう。これは現地へ行きますとわかりますように、ほとんどが採算がとれない、牛にしても鶏にしても豚にしてもだめだ、そういう状況になっている。それから、外国からの輸入に押されて大変な状況になっているわけです。それも今回は引き上げをしない。今度、七月に米価の問題が来ますけれども、おおむね農林省の意向を聞いたら、これもここ二年間連続豊作だから、いろいろ計算してみるとむしろ下げなくちゃいけない、こう言っている。良質米ももっと下げなくちゃいけない、こう言っている。たばこも、どうも減反政策でいかなければいけないよ、こうなっている。そうすると、農政のやりくりは全くできない状況になってくるのじゃないかという気がしますね。
 だから、いろいろな農家の人たちが、全く塗炭の苦しみの中で鋭意努力をして、そして複合経営でもってビニールハウスや果物やなんかを全部つくっている。しかし、豊作になるとこれは全部買いたたかれちゃって、だめなんです。だから宮城県の白石農協等は、独自でもって基金制度をつくって、値崩れしたときにはそれを補てんをしてやる、上がったときには一定の基金の積立金をいただく、こういう経営をしている。それは農林省本庁でもやってはおりますけれども、千七百何がしてはとっても追いつかない。だから私は、こういう点はもっと考えて補助金をふやす、正常な予算をふやす、そういうことで対処していっていただきたいと思うのですが、この辺の見解はどうですか。
○吉國政府委員 農産物の価格政策なり、そのための補助金についてのお尋ねでございます。
 価格政策につきましては、御存じのように農産物それぞれの事情がございますが、全体に価格変動も豊凶の影響等を受けましてございますし、また生産事情も変わってまいるということで、価格安定の基本的な考え方としましては、生産事情、需給事情等を総合的に考慮をいたしまして、再生産の確保を旨として決定をするというような考え方をとっておるわけでございます。
 近年の状況としましては、農産物の生産性が、徐々にではありますが着実に向上してまいってきている、一方で多くの農産物につきまして需給緩和ないし供給過剰基調があるという実情にあるわけでございまして、こういった状況のもとで、価格はどちらかといえば抑制的に決定してまいっておるという状況になっておるわけでございます。
 一方でまた、食料、消費支出の伸びが鈍化しているという状況のもとで、消費者の価格意識も高まってきておりまして、そこら辺も考えなければなりませんし、私どもといたしましては、やはり農業経営の問題、先生から御指摘のございましたようになかなか厳しいわけでございますが、基本的には農業生産の規模拡大、また生産性の向上といった形でこれを実現していくということが本来の政策の方向であろうというふうに考えておるわけでございまして、私どもの予算の使い方といたしましても、そういった生産性の向上に連なる重要な施策について特に万全を期していくというような考え方で今後とも運用してまいりたいと考えておる次第でございます。
○戸田委員 それから漁業関係ですけれども、これは漁業近代化資金利子補給等補助金、こういうことで、幾つかの問題について総額において八十五億三千二百万円、こういうものを補給金、補助金といったもので補てんをしておるのですけれども、殊にことしは北米のサケ・マス交渉、これはけしからぬと思うのですけれども、公海ですらそれはとっちゃだめだ、こういうことなんですね。まあ、これもようやく決着がついたようですけれども。それから日ソ交渉ですね、従前六十万トン、これが今度十五万トンになる。今盛んに、漁業区域をどうするか、禁漁区をどうつくるか、いろいろやっておられるようですが、そういうことで少なくとも東北と北海道は大変な痛手を受けている。そういう痛手を受けている者に対して、例えば宮城県の場合は、遠洋漁業その他北洋全部含めまして一万人の雇用の供給をやっている。非常に多い。だから船の事故なんかあって、遭難その他があると必ず宮城県人が入っている、こういう状況。北海道もそうです。青森もそうです。
 だからそういう点を考えますと、もう少しこういった問題について、円高の緊急の中小企業対策じゃないけれども、通産省はそれを立法措置でやった、そのぐらいの特別融資なりあるいは補助金の交付なり、あるいは借金の利子ぐらいの補給をやるとか、そういうものは緊急課題じゃないかという気がするのですが、農林省はどう考えておりますか。
○鷲野説明員 お答え申し上げます。
 世界的に二百海里体制が定着しております中で、我が国の漁業は国際規制の影響を非常に受けております。これまでも国際規制の影響を受けます漁業者等に対しましては、共補償資金につきまして農林漁業金融公庫からの長期低利の融資、あるいは不要漁船の処理または共補償の負担軽減のための助成、あるいは国際規制関連経営安定資金制度というものがございまして、これを随時発動する等々の施策をその都度とってきているところでございます。
 今回、日ソ漁業交渉等の決着に伴いまして影響を受ける漁業者等に対する対策につきましては、早急に内容を検討してまいりたい、かように考えております。
○戸田委員 時間がなくなってきましたから大車輪で質問をしてまいりますので、簡単にあれしてください。
 厚生省、これは資料をいただきましたから内容は結構です。保健所数は八百四十九カ所、予算額は、五十九年度が三百十八億、六十年度が三百二十六億、それから六十一年度が三百三十億、だんだん少しはふえておりますけれども、この内容については病院を含めて職員数もいただきましたから結構ですが、これは間違いありませんね。確認だけしておきます。
○多田説明員 そのとおりでございます。
○戸田委員 もう一点は、最近、日本の医療というのは、大体開業医が八割を占める、あとは勤務医、こういうことになっているんですね、ところが最近、いろいろあるでしょうけれども、開業医が倒産しているものが大分出てきている、こういう話を聞きます。
 それから、いろいろお医者さんに話を聞きましても、我々の経営というものは専ら芸者さんが借りぎぬを借りているようなものだ、いつまでたっても借金がなくならない、こういうことでこぼしている。一体、倒産とかなんとかはどうして出ますかね。その見解をちょっと教えてください。
○多田説明員 ただいま先生御指摘のとおり、最近倒産件数もやや増加の傾向でございます。五十四年ぐらいまでは年間二十件足らずといったようなケースでございましたが、五十五年以降、大体三十件から四十件、多いときは五十件台といったような状況で推移しております。
○戸田委員 医療金融公庫は、私もこの間担当の方に来ていただいていろいろな内容を勉強しました。よくやっているのですが、特例の債務、自己能力以上に大量投資してしまったというような失敗も中にはあるようですけれども、ああいう点についても若干の利子とか、あるいは融資期間とか返済期間とか等々の問題についてはもう少し緩和政策をとったらどうかなという気がするのですけれども、そういう点はどうですか。
○多田説明員 御指摘のように、融資条件についてできるだけ実態に合うように改定を図ってきておるところでございますが、特に六十一年度の予算におきましては、経営安定のために必要な資金という資金を新たに今融資ができるように対応したところでございまして、地域でどうしても必要な医療機関の経営が非常に不如意になったという場合に、知事の意見書を添えていただいて融資をしていくといったような対応を図っておるところでございます。
○戸田委員 厚生省ありがとうございました。
 通産省ですが、さっきちょっと触れましたけれども、マル経の問題で、これは四十八年度に制度化された無担保、無保証、小企業等経営改善資金融資制度というようなものなんですが、この取り扱いは、商工会議所に申し込みをして融資推薦書をいただく、商工会議所で持っている審査会メンバーというもので推薦の可否を決めてもらって、国民金融公庫から融資をしていただく、こういう仕組みなんですね。
 ところが、さっきも言ったように当時の権力に迎合するようなものでないとやらないのです。イデオロギーでそういうものをやってはいかぬと思うのです。やはりこれを一般に開放すべきだ。殊に四十九年度は三百億、これは一千二百億円の融資を国がやっておる。実際は二千億になっているのですが、そのうち補助金が二百八十億円やっている。それから経営指導員として四十九年二千五百人、これを一万人にする、人件費その他を全部持ちますよ、こういうことですね。そして五十三年度は五千百億円まで融資増額をされた。これを今後一兆円にしていくというのです。
 そういう中で、例えばサービス業に対しては五人以内のもの、あるいは工場では二十人以内の従業員のいる製造業等々、全くの零細地場産業に対してそういうものをやっている。だから、こういうものであれば政府が融資をして補助金を出してやっているのですから、こういうものは全部一般の該当者に開放をする。これは、この場合は三年前に言って検討することになっておったのですが、まだその検討結果は出てない、こういう状況ですから、ぜひひとつこの機会に改善策を図っていただきたい。通産省の考えと、大蔵省、ひとつお願いします。
○新関説明員 先生のお話でございますが、マル経の制度は、商工会議所、商工会が実施しております経営改善普及事業を金融面から補完するということでございまして、経営改善普及事業の実効性を確保するために、小企業者の経営改善を行うに当たって必要とする小口の資金を融資するという政策目的で創設されたものでございます。
 この経営指導という面に関しましては、商工会議所あるいは商工会は長年の経験を持っておりますし、全国にくまなく広い窓口を有しておりまして、数多くの小企業者等の指導を経営指導という格好で行っております。
 その門戸は、商工会なり会議所の会員であろうと非会員であろうとその別なく広く開かれておりまして、指導を受けて、そういう指導を受けた経営改善の内容につきまして経営改善措置をしようという企業者に対して金融面から補完するということで、広く門戸は開かれているということで、現在のところ、私どもはこの経営改善貸し付け、いわゆるマル経資金を利用される方々にとりまして特に不都合はないものというふうに考えております。
○保田政府委員 ただいま通産省当局から御説明をされたとおりだと我々は考えております。税金あるいはその他の公的な資金を財源とする融資制度でございますから、その融資は公平に行われなければならない、これはまことに当然のことでございますし、今後とも通産省当局の指導に期待をしたいと思っております。
○戸田委員 時間がなくなりましたので、文部省に若干項目的に聞いておきたいのであります。
 いろいろあるのですけれども、時間がないからきょうはやめますけれども、体協に対する補助があるんですよ。これはオリンピック出場の際でしたけれども、アメリカが不参加というので日本もと、政府なんか文部省がこれに圧力を加えて、そういうことをやるならば補助金をぶった切るぞ等々のことがあった。そういう事態は思わしくないですね。こういう問題について、今後どういう取り扱いをやっていくか。
 それから最近、学校給食の民営委託がどんどんと行われている。経営そのものの中に子供の健康なり栄養の問題なり、あるいは保健衛生、こういったものにもかかわるのですが、こういう点はどういうチェックをやっているのか、その辺の問題をひとつ。
 それから最近、地方自治体では各般の文化、地方の文化ということでいろいろやっている。宮城県なんかもバッハ会館といって、中新田という伊藤宗一郎防衛庁長官が出たところでありまするけれども、そういうところへつくった。ずっと地方文化、こういうものに対して、私は積極的な国の援助姿勢が必要だろうという気がいたします。
 それから古典芸能とか演劇等文化活動の問題。これなんかも例えば最近ちょっと耳にすると、友禅などの京都織物ですね、こういうものは非常に手数がかかってあれなんだけれども、もう耐え切れない、コストの問題というような話も聞きます。仙台なんかにも仙台平とか堤焼とかいろいろありますけれども、そういったものは、国の文化財保護という角度でもう少し積極的にやっていただきたいなという気がいたします。
 それから最近、サークル関係、演劇とか芸能、その他いろいろやられる。これは税制の問題もあるのですけれども、そういう問題について料金制を、カンパ程度でやるんだけれども、どうもこの辺に対する冷遇措置が目立つようだ。だから、こういった問題についてもできるだけ保護育成の立場でやっていく必要があるんではないだろうかという気がいたしますが、時間がありませんから、項目的にひとつ簡単にお答え願いたいと思います。
○戸村説明員 日本体育協会の運営のあり方に関連する問題だろうと思うのでございますが、体協というのは、地方の四十七の体協と四十一の競技団体によって組織されている団体でございまして、その運営につきまして、それぞれの事業ごとに専門委員会が設置されて、公正にしかも適切な事業の執行ができるような形になっておるわけでございます。そういう点で、いわゆる自主性を尊重しながら、私どもといたしましては必要に応じまして指導とか助言を行ってきておるということでございます。
○戸田委員 今までの各省の補助金、負担金、委託費その他いろいろございますが、そういう保護政策を前向きにやっていくべきではないかと思います。最後に大臣の見解としてはどうでございましょうか。
○竹下国務大臣 法律補助は別としまして、恐らくかなりの部分がいわゆる予算補助であろうと思ったのでございますが、お聞きしておって、各省もそれぞれ乏しい予算の中でいろいろな目配りをしておられるなという印象を強くいたしたところでございます。
○戸田委員 終わります。ありがとうございました。
○堀之内委員長代理 沢田広君。
○沢田委員 時間の関係で、また若干速くなるかもわかりませんけれども、お許しをいただきたいと存じます。
 最初に大臣に、今日までの連合審査を通じ、補助金の一括一律削減という措置に伴いましての次のような見解に対し、お答えをいただきたい、こういうふうに思います。
 一つは、留保財源比率の引き下げ、交付税率の引き下げ、義務教育費国庫負担法による二分の一国庫負担率の引き下げ及び負担対象の縮小など、国と地方との間の基本的な財政の調整及び負担関係については――これまでは主語であます。一律的引き下げはしないということはもとよりでありますが、財政力の差異を理由とする新たな財政調整措置、いわゆる削減というようなことは行わない、この三年間を経過すればその後は当然そういう方向になるのだ、こういう趣旨と理解をいたしますが、お答えをいただきたいと思います。
    〔堀之内委員長代理退席、中西(啓)委員長代理着席〕
○竹下国務大臣 一律法ではなく一括法と申しておりますが、今回の補助率の引き下げは今後三年間の暫定措置でありまして、この暫定措置の期間内においては国、地方間の財政関係を基本的に変更するような補助率の引き下げは行わないこととしております。
 なお、地方交付税及び留保財源率の問題につきましては慎重に検討さるべき問題と考えますが、正確を期するために、交付税率の引き下げの問題につきましては、地方交付税率の変更は国と地方との間の基本的財源配分にかかわる問題であります。地方税、地方譲与税、国、地方の機能分担、費用負担のあり方、これらを総合的に勘案して、国と地方の財政状況をも踏まえて慎重に検討されるべきものであると基本的に考えております。
 次の、留保財源率の引き下げ問題につきましては、臨調の第三次答申においても、既存財源の一層の均てん化を図る立場から検討する必要があるとの指摘がなされておることは事実でございます。地方団体間の財源の一層の均てん化を図ることは必要であって、留保財源のあり方についても慎重に検討すべきものと考えておるところでございます。
 以上でございます。
○沢田委員 続いて、税制の抜本的な見直しに当たっては、地方財政における既往の借入金、今四十三兆円くらいの借金を持っておりますが、またこの一律削減によって一兆円有余の借金をするということになりますので、その償還財源の保障はもとより、地方財政の自立化を進めるため、所得課税の地方への配分強化等税源の保障、国の補助金の地方への移管、地方交付税の基本税目の拡大と総額の安定的確保を図るように努力してもらいたい、こういう期待を含めて質問をいたします。
○竹下国務大臣 地方財政に対しましては、その円滑な運営に支障を生ずることのないよう、その暫定措置が終了する以後においては、地方財政の既往の借入金償還財源や行政水準の維持充実に配慮して、安定的地方財政の確立を図ってまいる所存であります。
○沢田委員 続いて、厚生年金等から一般会計が借り入れをいたしております国庫負担の繰り延べに係る元金、利息の返済については、その返済計画を来年度予算編成のときまでに明らかにしてもらいたい、こういうふうに思いますが、いかがでありましょうか。
○竹下国務大臣 先日の連合審査会でも御説明したところでございますが、厚生年金の国庫負担の減額分につきましては、行革関連特例法の規定を勘案し、御審議いただいている法案においても従来と同様に、年金財政の安定が損なわれることのないよう、特例期間経過後において、国の財政状況を勘案しつつ、積立金運用収入を含む年金国庫負担金の減額分を繰り入れるものとする旨規定をし、法律上その基本的考え方を明らかにしているところであります。
 ただ、返済の期間、方式など具体的内容につきましては今後の財政状況を勘案する必要がありまして現時点で明らかにできないと申し上げましたが、この点につきましては来年度予算編成時においても、あるいは残念ながら同様の事情にあるかとも思われますので、御要望に応じることは非常に困難であるということを御理解いただきたいと思うわけであります。
 いずれにせよ政府としては、国の財政改革をさらに一層強力に推進するなどの誠意を持った対処をいたすことによりまして一般会計が特例公債依存体質から脱却した後において、行革関連特例法及び今回の措置による年金国庫負担金の減額分につき、積立金運用収入を含め、できる限り速やかな繰り入れに着手する所存でございます。
 なお、その際、年金財政の運営に支障を来すことがないよう、計画的に繰り戻しを行うという基本的な考えでございます。
○沢田委員 以上は、今日まで続いてまいりました連合審査を行った結果としての確認的な質問を行ったわけであります。
 あとはまた野口委員の方から、総理を含めて質問をいたしますので、お答えをいただくようにいたしたいと思います。
 徐々に進めますが、今現在出されておりますこの補助金の関係で言えば、法律の補助は、このまま言えば五十八年十二兆四千七十四億、五十九年が十二兆八百三十二億、六十年が十一兆九千八百五十三億。保田さん、この数字間違いないかな。まあそういうように思いますが、九百七十九億の減である。それから予算補助は三百六十五億の減、これは千円単位になっているかもしれないけれども、合計して千三百四十四億結果的にマイナスになった。前の数字で結果的に毎年度ずつだんだん下がってきている、こういうことであります。
 今回項目は三百項目以上に及ぶので、それぞれ全部挙げるのも大変なくらいなんですが、消防だとか情報処理だとか日本商工会議所、新技術開発事業団、水産会、こういうようなところは、事業報告をもらって、それから決算報告をいただきました。その中で二、三私の方から申し上げて、またお答えをいただいてまいりたいと思うのです。
 例えば、ここに刑務作業協力事業部というのがあるのでありますが、その中で見ますと流動資産の合計は三十億である。そういうことの中で、結果的に国に納めている分、国庫納入金が三十五億八千百十六万円、こういうことですが、そういうところにあえて国庫の補助金を出さなければならない理由はあるのかどうか。これが一つです。
 それからもう一つ、これは水産会であります。これは二つばかりまとめますが、水産会にはたくさんな委託を行っております。その中でちょっとおもしろい、まあおもしろいと言うと恐縮でありますが、「水産政治力結集の促進」というのがありまして、「昭和四十六年十一月に結成された水産政策推進議員協議会が一昨年の参・衆両院の選挙を契機として、昭和五十九年五月に刷新強化され、総勢百七十四名の自由民主党国会議員を擁することとなった。本会は、関係団体を通じて水産関係議員の加入促進方の働きかけを行うとともに、七月十九日赤坂プリンス・ホテルで開かれた同協議会総会」云々とあります。また、八月三日のプリンスホテルには、ここではあえて名前は挙げないでおきますが、それぞれ有名な方の御出席をいただいておる。そして、そこに出ている補助金、委託料は、漁業経営安定対策の推進、それから中小漁業経営調査委託事業、さらに漁業経営条件調査委託事業、それから水産業総合研究補助事業、中小漁業乗組員就業動態調査委託事業、こういう名目でそれぞれに委託費が出ておる。では、今度はその委託された事業の結果はどういうふうに出ているのかなというふうにも見ました。しかし、具体的な数字的なものは出ておりません。
 私、前の参考人のときも述べましたが、こういう同列の補助金を言うならば政治色を持って幾つかの名目に分けて出していくということは極めて誤解を招くあり方ではないのかというふうに思われても仕方がないのじゃないか。別に社会党が入ってないからといって恨みを言うわけじゃないのでありますが、こういう形で果たして補助金というものの実態なんだと言えるのだろうかという気がするわけです。こういうふうに大日本水産会の、しかもこれは社団法人で政治団体ではないのです。社団法人としての事業報告の中に載っているのですから、若干問題があるのじゃなかろうかということなんです。前の方は別として、とりあえずこれの方からお答えをいただきたい。
○鶴岡政府委員 農林省の委託事業につきましては、国が行う事業についての委託費のほかに、調査研究でありますとか試験研究につきまして、それぞれの必要性から委託費を計上しているところでございます。水産関係につきましては、今先生御指摘がありましたように、大日本水産会を調査の窓口として、さらにそこを通じていろんな専門委員会を設けながら各種の調査をやっているところでございます。いずれも極めてまじめな調査でございまして、私どもその成果を行政の参考にしているところでございます。
○沢田委員 まじめであると思われていることは結構ですが、自民党の政権下にあるにせよ、これにせめて野党も入れてもいいのじゃないのか。そういう形が補助金が色つきだと言われたりあるいは政治汚職の温床だと言われたりするもとになるので、効果があると言うならば、全野党を含めて今日の日本の水産業界をどうするかということを考えていくのが筋なのじゃないんでしょうか。
○鶴岡政府委員 大日本水産会は社団法人になっておりまして、その構成員は全漁連を初め各種の漁業団体で構成しておりまして、そういう調査をやります場合にも、それぞれ委員会を設けて、しかも、それぞれ専門の機関を通じてやっております。特にそれに政治色が入るというのではなくて、極めて純粋な立場から、漁業をめぐる情勢に対してどう対処していくのか、そういう純粋な行政的あるいは経済的な立場から調査をやっておるものでございまして、特に政治色が入っていると私どもは理解しておりません。
○沢田委員 ここではその問題が主題ではないから、まあそうは言えないにしてもそういうことは偏在的な誤解を生ずることもあり得るから、今後はそういうことは是正するように注意しましょう、そう言って帰った方がより素直ですよ。そういうことを強弁すると、さらに政治資金規正法の届け出などを調べたくなるんだよ。そういうことで、日本の水産というものは今危機的なときにあるのだから、全野党でやるようなことにならなければいかぬ。それがサゼスチョンかな。指導はできないでしょうが、そういう耳打ちくらいは可能だろうと思うのです。こういうことをやることによってかえって誤解を生じ、補助金というものの本体がどこにあるのだろう、こういう誤解を招くのだと思う。もう一回あなた出てきて、もっと素直な気持ちで答えなさいよ。
○鶴岡政府委員 私ども、極めて厳正な立場からいろいろ調査その他に当たっているつもりでございますけれども、なお一層今後もそういうふうに努めていきたいと思っております。
○沢田委員 そういうふうに素直にやっていただければ、これだけが全部だというふうには言わないのです。
 続いて、これまた本論、後戻りますが、資料を大変たくさんもらったからあっちこっちの団体にも及ぶかもわかりませんが、会計検査院に来ていただいておりますので、二、三会計検査院の方にお伺いをいたしておきたいと思います。
 一つは海外援助、マルコス問題が出まして、前に私は、五十二年でありますが、二国間援助、それからアジア開発銀行のあり方等については注意をしなければならないというので、私もフィリピンまで電話をかけてみた。その中身をなかなか公表しない、こういうようなことで会計検査院に答弁をしてもらったら、手が及びません、こういう答えであったわけでありますが、この間のどなたかの質問のときには、会計検査院もこれから努力をしたいと非常に前向きのお答えがありました。調子を合わせたのじゃないだろうと思うので、もう一回念のため、これらの疑惑解消、海外援助についての資金の行方等について、使途について調査する意向はあるのかないのかお答えをいただきたいと思います。
○疋田会計検査院説明員 お答えいたします。
 私ども会計検査院といたしましては、政府が行っております海外援助に対します検査の重要性につきましては痛感いたしているところでございます。そこで、先般も院内におきまして官房、局間の応援体制を整備いたしまして、海外援助に対する検査スタッフの充実強化を図ったところでございます。このスタッフを中心といたしまして、既往の援助につきまして手持ちの資料の整理あるいは再検討、各種情報の収集、分析、こういったことを行っているところでございます。さらに、このスタッフを活用いたしまして検査手法の開発に努めることによりまして、海外援助実施省庁などに対します国内での検査の充実を図りますとともに、あわせて援助の効果が発現しているかどうか、こういうような観点から、旅費予算の増額に努めまして、援助先諸国の事業実施現場にも赴きまして、事業が計画どおり実施されているかどうか、あるいは完成した施設などが有効に機能しているかどうか、こういった点についても十分な調査を行いたいと考えております。
○沢田委員 大臣、こういう調査に当たって、特に今国民の注視を非常に受けているフィリピンばかりじゃなくて、タイもベトナムもあるいはその他の国々もあると思うのですが、そういう国々に向けてやはり疑惑などが生じてはいけませんので、それに対応する措置は考慮してほしい。例えば会計検査院の方で要請があった場合にはこたえていただけるかどうか、その点確認をしておきたい。人員もふやさなくちゃならぬかもわかりませんので、行革に反するのかどうかわかりませんが、いよいよ国鉄職員もうんと余っちゃっているようですから、どうぞお使いいただいて、そういうところに充当していただきたい。この国鉄職員の分は例示として申し上げたので、そうしろと言っているわけじゃありません。念のため申し上げておきますが、お答えいただきたい。
○竹下国務大臣 いわゆる海外援助のあり方、そのフォローアップをどうしていくかというようなことを、今外務省が中心でいろいろお考えいただいているさなかでございますので、その際会計検査院等にそのような必要性が生じたとしたならば、これは十分御協議申し上げなければならない課題だというふうに私も思っております。
○沢田委員 そこで、これは大分古い資料になりますが、五十七年のころでありますが、タイで非常に難民が多かった。ベトナム、ラオス、カンボジアなどの一時受け入れ数はタイが最大であって、当時の数字で五十八万人、こう言われておる。今はもっと、これの倍以上になっているだろうと思うのです。これは五十七年のころであります。そのときにタイの被災民向け援助を継続して、援助額は七九年が約九千万ドル、八〇年が一億ドル、八一年が八千百万ドル、これが行われている我が国の援助であります。これについて、その結果がどういうふうになったかということを今急に答弁できなければこの終わるころまでで結構ですが、答弁できるかどうか。これは外務省等でお答えいただきたい。
 それから二国間援助で行った難民・被災民用貯水池等、タカオ、メカそれからフェイクキエンの各ダム、それからパナトニコム貯水池の引き渡しについてどういうことになっているか。これは二国間援助であります。必要ならこっちの資料をお渡しをいたします。
 それから続いて、天然ガスの分離プラントの建設、円借款が百五十億円、それから輸銀で百九十億円の協力が行われておりますが、その後それはどのようになったかということです。それからシャム湾の南側の方で、これも輸出用のLNGのいわゆる活用ということで、この金額は今のところ不明でありますが、これも供与されていると言われております。LNGの最大の需要国は日本であり、年間千六百万トン輸入しておるが、このプロジェクトに対して日本が一応入っている、こういうことで幾つかの商社も挙げられております。ただ、これは今の段階では、公表してこうだ、こういうふうに言うべき段階ではありませんし、それは一応後でということにいたしておきます。
 それから、投資累計額は我が国は約八千万ドルになってきており、外国資本の約三〇%を占めるまでになっておるというようなことなんでありまして、知らない点もあったかと思いますが、その点について何らかの情報を外務省等は得ているかどうか、あるいはそういう点の確認というものは行っているのかどうか、その点だけとりあえずお答えをいただきたい。あと細かい内部の答弁は追ってで結構です。
○太田説明員 お答えいたします。
 ただいま先生御質問のタイにおきます我が国のいろいろな援助の実情等につきまして、私今手持ちの資料がございませんので、早速調べまして御報告させていただきたいと思います。
○沢田委員 また話ががらりとかわりますが、今補助金という言葉になっておりますが、これはさっきの質問よりも、交付金、補助金、委託費、それから負担金、それぞれの解釈をひとつきちっとちょっと言ってみてくれませんか。
○保田政府委員 簡潔に申し上げます。
 まず補助金ですが、特定の事務事業を補助するために交付する金銭。経費の性質は、奨励、助成的な給付金である。
 それから第二が負担金、国に一定の義務または責任のある事務事業について義務的に負担する給付金。原則として法律上国の負担が明記されている。
 交付金、特定の目的を持って交付する金銭を広く指す。義務負担的性格のものが多いが、中には助成する目的で交付する補助金的性格のものもある。
 補給金、一定の経費について不足を生ずる場合にその不足を補うために給付する金銭。補給金には、利子差額を補給する利子補給金と収支差等について補給するその他の補給金という区分がある。
 最後に委託費ですが、国の事務事業等を他の機関または特定の者に行わせる場合に、その反対給付として支出する金銭。
 以上であります。
○沢田委員 一回これを聞いただけでわかった人は恐らくいないだろうと思うのですね。だれかに聞いてみましょうか、もう一回同じことが言えるかどうか。ちょっとだれか言えますか。――まあかわいそうですからこれ以上は言いません。恐らく言えないだろうと思うから言わないのであります。
 そこで、それほど不分明な点が多いということなんです。例えば、東京の日本商工会議所の予算を見ますとこういうふうに組まれている。交付金という款がある。項のところに委託費と補助金がある。これはどういうことかなということになるわけだ。金額は四千二百四十七億くらいかもわかりませんが、それで交付金の下に委託費があって補助金があるという形は、こういうのは指導をしているのですか。
○保田政府委員 特段の指導をさせていただいておりません。
○沢田委員 だから間違いが起きやすいのであって、結果的には交付金というものの法律上の制約条件、それから委託費としての権利と義務、補助金としての権利と義務、こういうものが極めてあいまいなままに使われていくことによって誤解が生じやすい、こういうことだと思うのです。それはひとつ明確化をしてもらって、適正に指導をしてもらうということをお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○保田政府委員 必ずしも実態を知悉しているわけではございませんが、いずれにいたしましても国民の税金を財源として交付される委託費が、その目的外あるいは非効率な使用ということがないように、予算の執行に当たる関係省庁とよく相談をさせていただきたいと思います。
○沢田委員 そういうことを言っているのじゃなくて、その解釈をはっきりさせて予算編成の組み方にそれぞれの責任を持たせる、こういうことの指導をやってほしい、こういうことを言っているわけですが、その点はいかがですか。
○保田政府委員 予算上、補助金とか負担金、交付金、委託費といったようなものの科目の整理が実定法との関係で必ずしも十分ではないという点につきましては、御指摘のとおりでございます。このような事態に至りましたのは、これまでの長い間の沿革といったようなこともございますので、それらを研究しまして幅広く勉強させていただきたい。しかし何分、各省庁非常に広範にわたるものでもございますし、項目も非常に多いものですから、なおお時間をちょうだいさせていただきたいというふうに思います。
○沢田委員 そんなに周知徹底に時間がかかりますか。解釈を徹底しろ、こういうだけのことなんです。あなたがわからないのでは話にならないけれども、わかっているのだから、交付金はどうだ、補助金というのはこういうものだ、そういうものだからこういう問題に対応した措置を講じろ、そういうこと。そんなに時間がかかりますか、優秀なエリートの集まっているあなた方がこの程度の問題で。
○保田政府委員 関係各省庁の担当者に違いを周知徹底させ、それぞれの目的に応じた措置をお願いするということは非常に簡単だと思うのですが、これを受ける団体等ということになりますと、なかなか難しい面もあるのではないかなと思います。
○沢田委員 では、簡単な方だけではやれる、こういうことでいいですか。
○保田政府委員 関係各省庁の予算担当者の間では、もはやその必要もないくらいよく周知徹底しているものと考えております。
○沢田委員 防衛庁おいでをいただいておりますが、五十四年からもう約八年、まあ七年になるのですが、隊友会というので就職あっせん業、あっせん業と言ってはいけないでしょうけれどもやっておる。自衛隊も優秀になったんだと中曽根さんなんかは言っているわけですから、そういうところにまで、金額は四億くらいじゃなかったかと思うのですが、その金額を払って、補助金も八年も続けて、就職のあっせんをしなければ就職先が見つからないような状態であるのかどうか。あるいはだんだんよくなったから金額は減らしていけましたというのか。だんだんふえているようにすら思えるのですが、それはどうも実態と合わないのじゃないかというふうに思います。これは大蔵省としてはどういう判断で組んだか、防衛庁としてはどういう判断でいるのか、ひとつお答えをいただきたい。
○鈴木説明員 お答えいたします。
 今、先生お尋ねの隊友会に対します退職予定自衛官の就職援護業務費補助金ということでございますが、これは五十四年度から計上して交付しているものでございます。これは自衛隊の精強性を維持するという大きな目的のもとに、現在、隊員は若年定年制、非常に若い年齢で退職を余儀なくされる、あるいは一部の隊員につきましては短任期制といいまして二年ないし三年くらいの期間で退職するというようなことがございますので、防衛庁といたしましては、この者が自衛隊をやめましてからもとにかく生活に不安がないように一生懸命就職援護の無料の紹介事業をやるということで、隊友会に対しまして先ほどお話ししましたように補助金を交付しているということでございます。
 私どもといたしましては、五十四年以降援護本部を設置いたしまして、現在七支部の体制で行っておりますが、現在におきましても当初のころに入りました隊員で今退職する者が非常に多くなっておりますので、そういう状況を勘案いたしましてもさらにこの事業を継続する必要があると考えているところでございます。
○沢田委員 これは逆な差別じゃないかとさえ思うのです。皆さんは、優秀な隊員を送り出しているのだ、落後者を出しているとは思っていないでしょう。自信を持って立派な人を送っていると思っているでしょう。ちょっと答えてください。
○鈴木説明員 お答えいたします。
 私どもは隊員に非常に資質の高い者を多く求めていろいろとやっておるわけでございますけれども、政策として行っております補助事業という観点からいたしましても、十二分に資質の高い者を再就職援護ということでそれぞれ民間にあっせんして出しているということでございます。基本的には、なるべく多く優秀な者に自衛隊に入隊していただいて、なおかつ円滑に再就職していただく、そういうことでやっていただいているわけでございます。
○沢田委員 そういう人は一人もいない。とすれば、倒産した会社の人たちは職業安定所へ行ってみずから職を見つけるわけであります。そして、自分に合った職業につく。自衛隊の人については、特にお上の力で補助金をもらい、あっせんしてもらう。これは職業安定法からいっても若干問題はなくはないのでしょうけれども、しかも今は、皆さんが言ったように優秀だ、非常にまじめに働く、こういう評価をされて、供給不足というか、需要にこたえるということになっているのじゃないかと思うのです。そういうところを行革じゃないけれどももらい得だという発想でいると仮定したならば、それはみずからを卑しめるものに通ずるのではないかと私は思うのです。自衛隊の人自身差別され、世の中の一般水準より特別な待遇を受けなければ就職できないのだ、こういうことをみずから認めていくことにつながる。正々堂々と試験を受けても入れます、一般社会に出せるのですという自信があってしかるべきじゃないかと思うのです。だから、こういうものをもらってはかえって迷惑だ、自衛隊の名誉を傷つけるものだ、そういうことでお断りしていくのが筋道じゃないか。八年たっても同じようにもらい得だといった、言葉は悪いですけれども、何かそれでうまい汁を吸おうなんという気持ちを起こしているのでは、とても国防を論ぜられる条件にないのじゃないかという気もしないでもないのですが、いかがですか。
○鈴木説明員 お答えいたします。
 同じようなことを御答弁申し上げて大変恐縮でございますが、自衛隊員は比較的若い年代で退職を余儀なくされるということ、自衛隊で行っているさまざまな事業そのものが、必ずしも民間会社で直ちにあすから役に立つということでもないというような特殊事情がいろいろございまして、人事政策の一環といたしまして援護関係のものにつきましては非常に重視しているということでございます。
 それから、職業安定法に絡みましてお尋ねがございましたけれども、これは職安法三十三条の労働大臣の許可を正規に受けてやっておりまして疑義はございませんので、よろしくお願いいたしたいということでございます。
○沢田委員 私のところにも一人来ておりますよ。非常にまじめによくやっていると思います。今、こういう行政改革や財政再建の途次でもあるから、もし誇りあらばみずから辞退をして、一般大衆とともに痛みを分かち合い、同じ苦しみの中に立ち上がる、そういう条件で対応してもらうことを期待します。だから、なるべくそういう方向で努力するぐらいのことは考えてもいいのじゃないかと思うのです。もう一回、同じことを答弁しないで、少しはそういう立場で一般社会に認知してもらいたいし、認知されてその中で歩んでいくということをあなたは心がけとして表明すべきだと思うのです。加藤大臣だったらそんな不名誉なことは言わないで、ちゃんと答えるだろうと思いますよ。あなたもそのつもりになって答えてください、ただ守るだけがすべてではないのですから。
○鈴木説明員 私ども、重ねてで恐縮でございますが、必要最小限度の予算を各年度計上いたしまして、その効率的な執行、むだのないように一生懸命従来とも努めておるわけでございますが、今後ともそのようにやっていきたいと思っているところでございます。
○沢田委員 ちっとも前進しないようであります。それだけかたいのかもわかりませんが、大臣、これは官僚に答弁させていてもしようがないですから、こういう厳しい状況の中にあって、一般の倒産会社も非常に多くて職員も泣いている、労働者も泣いているという実情との均衡、援助しなければならぬ理由と必要性、そういうものを考え合わせて対応してもらいたい、こういうふうに思いますが、これは大臣からお答えをいただきたいと思います。
○竹下国務大臣 具体的な業務内容について私は定かにいたしておりませんが、恐らく年々の予算削減の中で必要最小限の仕事に厳しく対応しておられるのではなかろうか。一般論以上には私も知識が不足しておるものですから、あるいは十分御期待に沿うお答えにはならなかったと思いますが、そのように考えます。
○沢田委員 年々そういう努力をしてもらうということで、次に参ります。
 細かいことで大変恐縮ですが、北方領土問題対策協会の関係です。これは職員八人で昭和四十四年から継続されております。ほかのことも言いますと、日本科学技術情報センターというのが、昭和三十二年からでありますが、三百二十七名の人を抱えております。新技術開発事業団は昭和四十四年からで八十一人、宇宙開発事業団は四十四年からで九百三十一人、海洋科学センターは四十六年からで百四十六人、原子力研究所は四十四年からで二千五百四十八人、動力炉・核燃料開発事業団は四十四年からで千六百八十七人、さらに北方領土の問題で言うと北方領土復帰期成同盟という団体もある。
 そこで、二つ問題なのですが、補助金はこういうふうに一律に減らしても、人的補助は行わないというのが基本じゃないかと思うのです。補助金というのは、あくまでも事業補助であって団体の経営補助ではない。その事業の目的に対応して補助するものである。私は今までもこういうふうに位置づけていたつもりです。だから、その事業に補助するものであって人件費に補助するものではない、こういうふうに第一義的には考えております。もし国家公務員は減らしたけれどもこういう補助団体の人数をふやして補助していくということになれば何にもならない、頭隠してしり隠さずということになってしまうのであって、結果的には全体として行革にも通じていっていない、こういうことにもなると思うのであります。それで、今の二点についてお答えいただきたい。
    〔中西(啓)委員長代理退席、笹山委員長代理着席〕
○保田政府委員 補助金あるいは委託費等の使途の中に人件費が含まれているかどうかということでございますが、特定の施策を奨励するあるいは研究をしてもらうための金、そういうものを出すわけですが、その際に、人そのものが調査あるいは研究のために非常に基本的なものであるというような場合には、その人件費を含めて補助対象とする、委託費とするということは恐らくあり得ることであろうと思います。
 それから、行政改革との関連において、国家公務員の定数減をそういうところでいわば抜け道にするのじゃないかという点ですが、公務員の定員を減らしてそういうところの定数をふやすというような単純なことは、恐らく各省庁ともやっていないと思います。それぞれの目的を効率的に施行するために直轄でやった方がいいかあるいは委託ないし補助先でやった方がいいか、その点はよく考えながらやってくれているものと思います。
○沢田委員 今答弁の中には、補助と委託と両方答えているから、どっちかに当たるだろうという意味でそう答えたのだろうと思いますが、委託の場合はあり得ると思うのです。委託は、委託契約をすれば、その委託契約の内容に応じた人件費を組みあるいは諸経費を組んで契約するということは当然あり得ることなんです。補助の場合は、通常は組まない。この議論はまた別な機会にやりましょう。しかし、私はそれが至当であろうと思う。地方団体等も、随分補助金で食べていた人たちがいた。補助金は何のためかということで、財政の硬直化を来し、それが今日見直される段階を迎えているわけですから、そういう意味においてはやはり事業補助に徹すべきであると私は思います。そして、一般の会員の費用で人件費は賄う、こういう筋道は立ててもらいたいというふうに私は思います。
 北方領土問題も大変大切なことだけれども、違ったものが二つある。何とかこれは一緒にならないものなのかな、こういう気もいたします。ほかにもたくさんこれに似たものもあるわけですが、そういう点は気がついていましたか。それとも、それぞれ別の目的であるから、片一方は賛成で、片一方は反対かなにかで、両方に出しているなんてことはまさかやってないだろうと思うのですね。そうなると、同じ目的のところ二カ所に出すということはやや妥当性を欠く。大蔵省は忙しいからそこまではとてもチェックが及ばないというのならこれまた別な立場ですが、それはいかがでしょう。
○保田政府委員 申しわけございませんが、担当でございませんし、急な御質問なのでここで即答はちょっといたしかねます。
○沢田委員 補助金のいきさつは全部あなたの頭の中に入っているものだろう、こういうふうに思いましてきょうお伺いをいたしました。優秀なあなたにも、頭に入ってない点があったのかなということで私もやや安心をいたしました。
 しかし、話は別として、こういう問題についてはなるべくチェックするように願って、次へ行きたいと思います。時間の関係で若干急ぎますので、お許しをいただきたいと思います。
 一つは、地方財政計画を見るのに、私の年来の主張なんでありますが、地方団体に貸借対照表、損益計算書をつくれ、これは能力の問題もありましょうから、十万都市以上で結構だと思いますが、そしてある程度試算をする。そうなると、交付金と補助金とそれから委託金、こういうような項目は歴然と明確化されてくるわけであります。当然そこに債務と債権というものが伴いますから、そういう意味においては、各自治体に貸借対照表をつくってもらう、当面は試算でもいいと思うのでありますが、そういう点について自治省は考える用意はないかどうか。
 念のためですが、例えば、うんと土地を売り飛ばしちゃって仕事をしたように見える首長、議会、あるいは土地をたくさん購入して、余り仕事はできなかったけれども、次の時代に備える用意をした首長、あるいはいろいろな分野において借金もうんと増大させたというような首長、その住民の意向に従っていろいろ形態はあると思うのです。どういう形態の首長を選ぶかはそこの住民が選ぶものだと思いますので、そういうものを明らかにしていくためには今のどんぶり勘定ではだめなんであって、しかも一般会計から特別会計、特別会計からまた一般会計、こういうような行き来をして、起債を膨大に組んで、予算を膨らませて人件費率を下げてみたり、あるいは特別会計の中に人件費を隠してみたりというような形で運営をしていく仕組みは改めて、一応貸借対照表の中にすべてを網羅する、そういう試算を進めてみる時期に来ているのではないか。そしてその中から新しい地方自治体のあり方というものを求めて財政措置も講ずるべきではないのか、こういうふうに思いますが、いかがでしょう。
○濱田(一)説明員 地方公共団体の会計方式は、国の会計方式と同様にいわゆる公会計方式、現金を中心といたしました単式の会計を採用いたしまして現在に至っておるわけでございます。これは質、量ともに大変膨大な地方公共団体の歳出歳入の流れを一体的に把握しよう、そしてこれを明確に表示し得るようにするということで、そういった利点に基づきまして行われているものでございます。
 一方、昭和二十七年に制定されました地方公営企業法の適用を受ける地方公営企業につきましては、地方公営企業が独立採算性を採用しているということから考えまして、その営業活動の結果を一体的に把握するように複式経理による発生主義をとっておるわけでございます。
 そこで、地方公共団体における会計方式についてどうあるべきかということは、昭和三十八年の財務会計制度の改正の際に議論がなされたわけでございますが、非常に膨大な地方公共団体の一般会計につきまして複式簿記を採用するということにつきましては、事務手続が複雑化する、かえって経費がかかるといったようなデメリットも一面考えられるということでございまして、そのまま現行の現金主義が採用されてまいっておるわけでございます。
 公会計につきましては、企業の場合と違いまして収益性ということがやはり最終の目標となっていないわけでございます。一定の行政目的を達成するための予算中心で運用されているというようなこともございまして、そういったことで現在の仕組みがとられておるわけでございまして、今、貸借対照表あるいは損益計算書といったようなものを各地方団体につくっていただくということは困難であろうと思っておるわけでございます。
 それから、第二点の財産の増減等の把握といったようなものをきちっとしていくべきであるという御指摘でございますが、昭和三十八年の財務会計制度の改正の際に、それまでは予算の添付書類として財産表というのをつくっておりました。これは財産の現況について表示をするというものであったわけでございますが、その改正の際に、決算に添付する書類ということで、財産に関する調書というのを決算の附属書類として新たに加えたわけでございます。この中では、前年度の財産の状況と当該会計年度中の増減を示しまして、さらにその年度の末の状況というものを示すようにいたして、少しでもそういった状況の把握ができるようにということに努めたところでございます。
○沢田委員 あなたは現状で話されたが、それでは、例えば予算外義務負担の議決をしたりなんかした場合に、債務というものは帳簿の中ではどういうふうに表現されますか、言ってみてください。
○濱田(一)説明員 債務負担行為につきましては、まず予算の段階で予算に出てまいります。それから決算の段階では、債務負担行為の現況について調書がつくられることになっております。
○沢田委員 結果的には、決算の段階とかといいますが、市民が見てわかる措置ではないのですね。私が今言おうとしていることは、十月一日には財政事情報告を行わなければならぬということになっておりますが、少なくともそのときぐらいには、その時点の、九月末、第二・四半期末の貸借対照表を出すことによって――市町村はどの程度の借金を持っているのか、あるいは債権を持っているのか、電話債券だって何だってそれは財産台帳に載るだけでしょう。備品だって備品台帳に載るだけでしょう。ちっとも資産台帳に載ってこないでしょう。あるいは、十万円で区切っているのか、一万円で区切っているのか、二十万円で区切っているのか、減価償却もしていないでしょう。そういうことであるから、結果的には使えるテーブルを二年ぐらいでかえてみたり、あるいは違ったやり方をやってみたりということで、どんぶり勘定の中で操作をしている。予算が残っているから使ってしまえ式の発想しか残ってこなくなるということだと思うのです。
 あなたは頑張るだろうと思うのですが、どこで制度をつくっていったらいいのかな。煩雑になると言うが、私は一番簡単になると思うんだね。今までもう資産の関係は管理課があり、いろいろたくさんあったものが、そこで全部集約されてしまう。言うならば企画財政部というか、何かそういうところにおいてはすべての財産がそこで集約される、そういう長所を私は見逃してはならないと思うのです。それで、市長もそれを見れば、今度はこれ以上借金しない方がいいとかどうかという判断もすぐつくということになるので、資産と借入金との関係、あるいは一般消費と借入金との関係、こういうものも明らかにされると思うのです。
 きょうはこれ以上はやりません。これは大臣に聞いてもちょっとどうなのかわかりませんが、考え方としてそういうものを、私、全部一度にやれと言っているのじゃない、試験的に十万以上の都市の幾つかでもいいからそれを進めてみるようにやってみないか。どういう結果が出るか、その上でまた判断するとして、ただ嫌だというのではなくて、それが一歩前進につながるかどうか。あるいは十なり二十なり三十なりの市で、各都道府県一つずつでもいいが、やってみるということ、試行錯誤かもしれぬが、それをやってみるという気持ちはありませんか。どうしても頑固に頑張り切ってしまうつもりですか、それをお答えください。
○濱田(一)説明員 先ほど申し上げましたとおりでございますが、確かにこの複式経理のメリットがあることも事実でございますが、また一面、複式簿記の採用というようなことになりますと、事務手続も複雑化して経費がかかるといったような問題や、また職員のこれに対する習熟の問題とかそういった問題、あるいは地方の会計というものは国の会計と非常に密接な関係がございます。国も現金主義をとっておるというような問題もございまして、やはりこの問題につきましては、なお今後とも勉強させていただく問題であろうと考えております。
○沢田委員 この時間であとは詰められませんが、発表しろとまで言わないのですよ。発表しろとまで言わないが、試行錯誤かもしれぬがどこかでそういうテストをやってみてくれ、ただ煩雑だから嫌だと言っているのではこれは今の時代に合っていかないと私は思うのです。だから、これは自治大臣か何かに言ってやらないとだめなのかもしらぬが、大蔵大臣からでも、これは所管が違うのでしょうけれども、若干話し合って事務当局で進めてみてくれませんか。大蔵大臣よりも主計局の方で進めてもらう方がいいのです。かえってその自治体をはっきり判断できる材料がそれを出してもらえば全部出る。我々だって、それぞれの会社の貸借対照表と損益計算書を見ればその会社がいい会社か悪い会社がわかるのですから。そういうような意味においてそれを出してもらう。今の一般予算の決算報告を出してもらったってわかりませんよ。あなたにだってわからないだろうと思う。だから、何の陳情があろうと貸借対照表を見ればさっとわかるという方向は、私は大いに業務の簡素化につながると思っているのです。その点、お答えいただいて、どこから指導してもらうのか、大蔵省が偉いと言っているのではないけれども、一応窓口としてお答えいただきたい。
○保田政府委員 地方団体の予算なり決算の方式については、やはり担当しております自治省当局の見解を尊重すべきではないか、こういうふうに考えております。
○沢田委員 官僚はこれだから嫌ですね。どうも情けないです。大臣、少し知恵のあるところでお答えいただけますか。
○竹下国務大臣 いわゆる公的部門の会計のあり方、こういうことになろうかと思うのですが、私も素人でわかりませんが、今自治省の方からのお答えの中でも勉強してみますというお答えがありましたので、なるほど勉強されるのだな、こういう感じを持ちました。
○沢田委員 じゃ、勉強して、次にするときには幾つかでも進められるように、頑固な頭ではかりいるのが能じゃありませんので、ひとつ弾力的に対応していただきたい。私の方も、質問なんかも随分弾力的に対応しているつもりなんですよ。
 続いて防衛庁、環境庁それから法務省にお伺いいたしますが、これは極めて簡潔な問題であります。
 この間、高裁民事十五部で厚木基地訴訟の判決がありました。これをどう受けとめておられるか、その点、簡単にコメントしていただきたいと思います、法務、環境、防衛。
○大藤説明員 お答えを申し上げます。
 先生がただいま御指摘になられました東京高等裁判所の判決におきましては、おおよそ国の主張が認められまして、私どもといたしましては適切な御判断をいただいたものと考えております。
○浜田(康)説明員 お答えいたします。
 先般の判決につきましては、環境庁としてはコメントをする立場にないことを御理解をいただきたいと思います。
 ただ、環境庁といたしましては、判決の内容いかんにかかわりませず、厚木飛行場周辺におきまして現在防衛庁が実施しておられます住宅防音工事に対する助成、あるいは移転補償といったような対策を今後とも促進をしていただく必要があるのではないかというふうに考えているところでございます。
○吉岡説明員 防衛施設庁といたしまして、本判決は、国側の本件飛行場の重要性及び基地周辺対策の努力の主張が認められた結果というふうに考えております。防衛施設庁としては、今後とも基地周辺の生活環境の整備改善等に一層努力をしていきたいと考えております。
○沢田委員 極めて不満な回答でありますが、司法の判決ですから、私の方もこれ以上中身に入ろうとは思いません。
 ただ、防衛庁としても、答弁がもっと謙虚であってほしかったなと思うんですね。ああいう住民の生活環境を無視しても最高の公共という立場、いわゆる武士が農民や一般の庶民を切る、そういうような立場で物を判断しないで、裁判はああいうふうになったけれども、我々行政の分野においては十分住民の生活を守る立場から対応したい、こういう気持ちで受けとめてもらいたかったと思うのです。余り図に乗ることはやめた方がいいということを私は忠告してこの問題は終わりたいと思いますが、中曽根さんの、さんはつけなくてもいいかと思うが、オーバーラン問題の発言と同じように、防衛庁も、法務も同じでありますが、やはり三権分立の建前から、その結果には我々も従うものでありますけれども、その中身というものはもっと謙虚なものでなければならない、住民の生活あるいは公害、そういうことで生活を著しく傷つけるということに対してもう少し謙虚である必要がある、こういうふうに思いますので、これは大蔵大臣にもひとつ何らかの機会にはそういう点をお伝えいただくことをお願いして、次に入ります。
 次の問題は、大変時間がなくなってきたので、一つ簡単な例を出して大臣に聞くのですが、大臣は故郷が山陰の方でありますから、山もあり谷もあり田んぼもありと、こういうことだと思うのです。我々首都圏にいる者は、二百坪の土地を買いますと大体今相場は坪六十五万か七十万、百万ぐらい、例えば東北新幹線あたりの沿線の買った値段はその程度の金額、それで現在ほぼ坪百万ぐらい、こういうふうに言われております。大蔵省の査定は恐らくその半分ぐらいにはなるだろうと思う。もし二百坪の土地を持っているとすると一億ということになるわけですね。
 相続をする場合には二千万が基礎控除であります。例えば北海道でこの二千万を適用すると、土地の評価価額は、北海道の代議士さんがいたら申しわけないですけれども、山を二つぐらい持って、田んぼも畑も含めても、公示価格は二千万ぐらいにしかならないのじゃないか。まあ場所にもよるでしょうけれども、いずれにしてもそういう違いがある。ようやく退職金で買った一般の、ここにいる人たちもややそれに属する人たちでありますが、その人たちが死んだら、今度は子供はそれを切り売りしなければ――切り売りはできないから、結果的には全部売って立ち退かなければ、相続税が納められない。さもなければ相当な負担をしょって毎月月賦で払っていかなければならない。自分のせいじゃない。当時買ったときには三十万ぐらいで買った。まあ安く買ったわけなんですが、それが時とともに変わってそうなった場合に果たして政治は正しい者の味方なのかな、こういう疑問にぶつかるわけですね。自分は立ち退かなければ相続税が納められない。そういうことのアンバランスというものが今日は存在をする。
 私は、不労所得という論も一つは持っている一人です。ですから、それならそれなりに全部割切ってしまえばそれはそれでいいのかもわかりません。次の代は次の代で稼げばいいんだ、一代で終わりで財産は全部なし、こういうふうに割り切ればいいのですが、お医者さんやその他の部分には法人法をつくって相続を残してやるという一方の政治もある。とすれば、一般のサラリーマンが営々と三十何年勤めた退職金で買った土地の相続をするときには、売り払って移動しなければならぬ、立ち退いて田舎へ行かなければだめだ、そういう相続税は余りにも無情なのではないのか。これは年金の方にも関係しますけれども、まず相続税について基礎控除が一律というのは若干不公正になるのではないか。土地評価価額にある程度スライドする、こういう手法を取り入れるべきではないのかな、こういうふうに思います。これは突然かもわかりませんから明快にはお答えがいただけないかもしれませんが、そういうアンバランスがあるということはおわかりいただけるだろうと思うんですね。だから、また土地評価額にある程度スライドするというのも一つの方法である。絶対にそれを採用しろという意味じゃありませんが、そういう方法もあるということを考えて御検討いただく用意はあるかどうか、きょうの段階ではその程度じゃないかなというふうな気がいたしますので、これは大臣からお答えいただきたいと思います。
○竹下国務大臣 相続のときの、いわゆる財産取得のときにおける時価による評価というものが、これは土地であろうと何であろうと、すべての財産を通じて共通の尺度として相続税そのものが規定されておる。
 そこで、その土地に対する問題は、昭和五十八年度税割改正において、小規模な居住用または事業用の宅地について、通常の方法によって評価した価額から三〇%または四〇%の減額を行う措置が講ぜられておる。日本の相続税というのは、「西郷南洲児孫のために美田を買わず」というのが大体精神じゃないかな、これは私の政治的発言でございますが、したがって、学校へ上げてみんなが努力するところまでは親の責任であるが、後はそのそれぞれの者がやはりきちんと努力をして、その努力と報酬というものが一致していくべきであるというような思想があるような気がします。
 したがって、この問題は、結局総理も一遍相続税問題について予算委員会でもお答えがあったことがございますので、今後の、いわゆる後段の税制調査会で相続税の抜本見直しということを審議していただこうという手はずになっておるというところまでが私のお答えの能力の限界、こういうことであります。
○沢田委員 もう時間の関係で最後になりました。
 続いて今度は、現在民間賃金の春闘の結果はいろいろありますが、積水化学の一万三千六百円、それからあとは東急電鉄の一万二千五百円、伊勢丹も一万三千六百六十円ですね。それからあとは、我々と話が近いところでは、たばこが一万一千円、日本電信電話が一万三千五十円ということです。公共企業体については、今の段階ではお答えできる限界はあるかと思うのでありますが、こういうふうな春闘相場が出て、この金額は国家公務員にも影響してくることでありますが、原則的には差別はつけない、そしてできるだけ民間の賃金との均衡を図る、こういうことで大臣はお考えいただけるかどうか、お答えいただきたいと思います。
    〔笹山委員長代理退席、委員長着席〕
○竹下国務大臣 従来の慣例からいたしましても、まず有額回答の問題から始まるわけでございます。各公企体当局の申し入れがあればということになりますが、これは、公共企業体等給与関係閣僚会議において検討していくことから手始めに物が進んでいくわけでございますが、御趣旨の点は十分に踏まえて対応してまいりたいと考えております。
○沢田委員 極めて気持ちは温かいお答えをいただいたわけでありますが、もしその場合は、そのように取り計らっていただきたいと思います。
 なお、人事院の勧告の時期を迎えているわけでありますが、人事院においても、五%前あるいは後というそれぞれの判断はあると思うのですが、今の大蔵大臣の答弁を聞きつつどのように現在考えておられるか、当面の進行状況及びその考えについてお答えをいただければと思います。
○小堀説明員 お答え申し上げます。
 国家公務員の給与につきましては、先生十分前々から御承知のとおりでございまして、官民の均衡を図るということを基本としてやってまいっております。本年につきましても従前どおりの方針に基づきまして必要な作業を取り進めているところでございます。
○沢田委員 これから総理大臣が来るとレーガンさんの話との関係がまた議題になると思うのですが、もう一回、百八十円ではどうもまだ日本の黒字は減らない、これ以上減らないとすれば、もう少し公定歩合を下げる必要が出る、そしてもっと円高にする必要性があるというふうに言われるのじゃないか、私は今そのこともひとつ気になることなんであります。
 もう一つは、三五%の課税もこれだけ下がったら三〇%ぐらいに下げないと、預金しても余りにも効果が薄くなり過ぎてしまうということで、四・五、三・幾つ、比率ですから、それだけさらに下がっていくということにはなりますが、そういう意味においては三〇%ぐらいに当面下げてもいいのではなかろうかと思います。そういう意味で、まず円高の問題、それから利子課税の問題についてお答えいただきたい。
○竹下国務大臣 きょう例えば終わり値が百七十七円六十五銭、こういう状態でございます。いわば公定歩合の操作は、申し上げるまでもなく日本銀行の専権事項でありますが、我々も国際会議において、インフレの鎮静しておるということは、確かに利下げの環境が整っておるということは合意しておることでありますから、恐らく物価の動向でございますとか、経済情勢あるいは為替相場の動向などを見ながら適切な対応をされるであろうということがお答えの限界であろうと思っております。
 それで、税の問題になりますと、利子率が低下して所得が減少すればその率そのものもそれに応じた税率が適用されることになりますから納税額も小さくなりますので、源泉分離税率というものを他の所得と離して、個別の所得に対してどういうふうなことが適当かといった見地から定められたものでありますので、一定元本から生ずる所得の大小といったようなもので変更を議論するという筋合いのものではないではなかろうかと思っております。ただ、これもいわゆる一般的に利子配当所得の課税のあり方ということについては税調で御論議いただく課題になっております。
 それから、今おっしゃいました、最近の低金利時代において、あとわずかしか普通預金の金利がないじゃないか、そうすると、なくなりますと事によっては預け賃を出さなければいかぬ時代が来るじゃないかというような議論も恐らく金融当局では十分いろいろな議論をされておると思っております。
○沢田委員 時間にあと四分くらいですから言いっ放しになりますが、国鉄関係で実は会計検査院から指摘をされております上越線あるいは高崎線等の問題についても、その取り扱い等について若干ただしたい点もあったのでありますが、その点は、私にそういう気持ちがあったということで、十分中身はわかると思いますので、それ以上は詰めないことにいたします。
 それからなお生命保険の方で大蔵省大変お骨折りをいただいて各業界に御通知いただきましたが、願わくは二年以内の場合の仮契約方法、いわゆる契約をしてしまってから出さないという方法だけは避けてもらえるような措置を期待して、詰めてもらいたい。その間は仮契約ですよというような言い方をして、そしていわゆる告知義務の違反にならぬように対応してもらいたいということをお願いしておきたいと思います。
 なお、建設省の関係で、直轄事業負担金についてはぜひひとつ見直しをしてもらいたいという要望があった、せめて維持管理の関係についてはそういうことが望ましい、こういうことであります。
 あと、内需の構造変換については後の委員が質問すると思いますので、二分前でありますが、一応以上で終わりにして、若干の余裕を置くことにしたいと思います。以上で終わります。どうもありがとうございました。
○小泉委員長 これより内閣総理大臣に対する質疑を行います。野口幸一君。
○野口委員 質問に入ります前に、本日の夕刊を読ませていただきますと、まことに残念な記事が載っております。撚糸工連の汚職が政界に波及をいたしまして、現職の国会議員の取り調べが行われたと伝えられておるわけでありますが、その経緯と背景、並びに今日までの状況についてお聞かせをいただきたい。
○岡村政府委員 お尋ねの件でございますが、撚糸工連の一連の事件を捜査いたしておりました過程で横手文雄議員に対します受託収賄事件の容疑が認められましたので、本日、東京地検特捜部におきまして、横手議員に任意出頭を求めて取り調べをいたしますとともに、関係箇所数カ所につきまして捜索をいたしたわけでございます。
 犯罪の容疑でございますが、第三次設備廃棄事業に関しまして、その早期実施と買い上げ価格を高くしてもらいたい、こういう趣旨で国会で質問をするよう請託いたしまして、その謝礼といたしまして質問の前後に百万円単位の全員を受領した、こういうことでございます。
○野口委員 そこで、一つだけお答えをいただきたいのでありますが、政治家に対する収賄関係の適用につきましては、御案内のように職務権限という問題が非常に厚い壁になっているわけであります。今回の事件に対しまして取り調べのありました議員にいわゆる職務権限が存在をしていたと判断をされます。そのゆえんをお聞かせいただきたい。
○岡村政府委員 ただいま申し上げましたように、国会で質問をするよう請託いたしましてその謝礼として全員を贈った、こういうことでございまして、国会議員の職務関係ということになりますといろいろございますが、委員会で質問をする、国政調査に関しまして、あるいは議案に関しまして質問をする、あるいは議案に関しまして採決する、こういった事柄が一般的には国会議員の職務権限であるというふうに言えると思うのでございます。
○野口委員 この事件につきまして総理、どのようにお感じになりますか。
○中曽根内閣総理大臣 撚糸工連の事件につきましては、いろいろ世の中を騒がせたことで、公務員につきましてそのような容疑者が出まして甚だ遺憾に存じておったところでございますが、国会の議員の中からこのような容疑を受ける事態が出現しましたことは、甚だ遺憾でございまして、政治倫理の上からも我々としては大いに将来戒めといたしたいと思っておるところでございます。
○野口委員 いずれにいたしましても、報道によれば今後まだまだ疑惑のある方がいらっしゃるようでございまして、明快な結論が得られるように、総理の方からもこの問題の早期解決をぜひ明らかにして進めていただきたいとお願いをいたします。
 本題に入らせていただきます。
 実は、本日総理に質問をさせていただくことになりまして、総理の人柄を少しく勉強させていただくために研究をさせていただきました。非常に多感な感情の持ち主であるように伺いますが、静なるときの俳句を読ませていただきますと、
  柿一つ青空にある郷にすむ
  おくれもの一筋悲し秋の風
非常に情感のこもった名句だと思います。
 もう少しページをめくっていきますと、
  夏雲に心のかげりふとよぎり
  青嵐心の壁を吹き切れず
こういう心の複雑な部分を句に託しておられる部分もあるわけです。
 現在の心境は非常に複雑であろうと思いますが、二、三日前、もうちょっと前だったと思いますが、句を引用してのお話がございました。
 菊作り菊見る人はよその人そのことを引用して今後の政界の問題点についてお話しになっているようでございます。いずれにいたしましても、私はこれをどうこうと言うのじゃなくて、総理の心境を見るのに俳句を見るのが一番正しいな、こう思ったのであります。
 それはさておきまして、今、私は静と動の二つずつの俳句を引用いたしまして、今恐らく総理は動の方、いわゆる後段の
 青嵐心の壁を吹き切れず
というところにあるのじゃないかと思っておるわけでありますが、いかがですか。
○中曽根内閣総理大臣 私は、アメリカへ立つときに新聞記者に聞かれまして、
 旅立てり桜らんまんに送られてという俳句を詠みました。帰ってきて見ましたらもう若葉になっておりまして、世の中というのは移りが早いものだ、諸行無常であるわい、そう思ったわけであります。
○野口委員 私の好きな句は、
 検事論告峻烈胸に赤い羽根
 という句であります。これは字余りの句でありますけれども、検事の論告が非常に鋭く突き進んでいるさなかにあって、その検事の姿を見たときに、胸に共同募金の赤い羽根をつけていた。心の中にその人柄を知ることができた。論告は非常に鋭いけれども、人間的には非常に温かいものを持っている。
 検事論告峻烈胸に赤い羽根というのが私の好きな句なんです。総理に求めたい心境というのは実はここなのであります。一国の総理としていろいろなお立場から御発言があるのでありますけれども、何か冷たさが先立ちまして、温かみがちょっと欠けている昨今の姿勢ではないか。胸に赤い羽根じゃなくて、黒いバラがついているような気がしてならないわけであります。そういった気持ちを持ちながらここ数日のニュースを見ていたわけであります。
 大変お忙しい日程で訪米をされまして、日米会談を終えられまして、御苦労さまでございます。日米会談の行われました目的は一体何だったのですか。
○中曽根内閣総理大臣 日米間には経済問題でいろいろないきさつがございます。これらの経済問題に関する話し合いをしておこうということと、国際経済の問題が絡んでまいりまして、円ドルの関係とかあるいは金利の関係とか、そういう国際経済との絡みにおける日米経済問題がございます。それに絡んで発展途上国や債務国問題の処理、いわゆるベーカー発言というものに対する考え方等々話し合いました。
 それから大事なことは、東京サミットを前にいたしまして、東京サミットをどういうふうにうまく成功させるかという点についてレーガン大統領の協力を求めてきたということでございます。
○野口委員 そこで総理にお尋ねいたしますが、今の訪米の目的を達成するためと申しましょうか、いわゆる世上言われる前川レポート、経済構造調整研究会の報告書なるもの、これは総理の私的研究機関であるものが調査研究をいたされまして出されたものでありますが、これを会談のベースにして、今後の経済構造のあり方、世界経済の中にある日本経済等についてお話し合いをなされたと聞きますが、事実でございますか。
    〔委員長退席、中西(啓)委員長代理着席〕
○中曽根内閣総理大臣 話の中の一部にそれが出ましたことも事実でございます。
○野口委員 新聞の伝えるところによりますと、それは一部じゃなくて、随分話のいわゆるベースになっていた、こう書かれているのであります。もしもそれをベースとしてお話しになっているとするならば、当然アメリカ側の反応もあるわけでありまして、これもまた報道によりますと、非常にたくさんの反応が出てきているわけであります。これだけやってもらえば最高だということから、本当にやれるのかいというのやら、あるいはまた、要は実行だ、本当に実行できるのか、決意ばかりで中身がないじゃないか、手順や見通しは全く立っていないじゃないかというような批判も含めまして、非常に大きな反響があったと言われているのであります。
 いずれにいたしましても、経済構造調整研究会のレポートというものは、今、日米会談においてそれを持ち出されたということは、その内容そのものがすなわち国際公約につながっていくと解されますが、総理はどうお考えですか。
○中曽根内閣総理大臣 前川リポートがベースであったというようなことはございません。私は、自分で話の内容を用意していきまして、そして、キャンプデービッドのローレルという会議場で話しましたことも、あるいはアスペンという大統領の個人ロッジで話したこともちゃんといろいろ用意していったわけでありますが、大体、今自分の手元にたまたま持っておるこのメモに従って自分で話していったわけです。
 それで、このメモを今も見てわかりますが、皇太子の訪米ができなかったことに対するこちらの釈明と申しますか、お世話をかけました、あるいは天皇のお言葉とか、あるいはさらに、今まで二人でいろいろ協力してきたけれども今後も大筋は二人でよく話して、細則やら細かいことは各省両方の責任者に任せよう、我々は大筋だけを話して、細かいことは下に任せる、そういった今までのやり方をやっていこう、そういうようなことから始まって、平和と米ソ会談の問題、これは、第二回ゴルバチョフ会談をぜひおやりなさい、そういう話をかなりやりましたし、それから、世界経済の運営の問題、これは、積極的な政策協調と構造改革の時代に世界の先進国がみんな入ってきた、昨年の秋以来の通貨調整あるいは金利の協調的低下あるいはベーカー提案による債務国に対する協力、そういういろんな面を見ると、今まで以上に政策協調ということが成功してきたし、これからますますそういう時代に入ってくる。あるいは構造改革にしても、アメリカは赤字の克服について特別のグラム・ラドマン法という法律までつくって出てきておる、我が国も、今度は構造改革という面で前川リポートという研究が出ている、ヨーロッパも、失業問題からかんがみて労働関係、産業調整という面に強く出てきておる。そういう意味において、構造改革、積極的な政策調整と構造改革をやっていくべきだ。東京サミットというものは、こういう形でリードしていくべきだと自分は思っている、そういうことからいろいろその点に対する話をし、その中で前川リポートの話を一部した。
 既に大使を派遣して大体我々の考えの基本は話してあるから中身はそう申し上げる必要はないと思うが、我々としては、五百億ドルもある黒字を毎年続けていくというわけにはいかない。したがって、これが均衡がとれた状態にいく必要がある。
   〔中西(啓一委員長代理退席、堀之内委員長代理着席〕
 そのために前川リポートというものは、内容はかなり貴重なものである、政府・与党を挙げてあれを点検して、そして政策としてこれを練り上げて実行していきたい。しかし、全部できる、すぐできるというものではない。今やれるものと、中期的にかかわるものと、それから長期的にかかわるものと、幾つかに仕分けをしなければいかぬ。そういう意味の工程管理表もつくってやりたい。中には政府の審議会にかけなければならぬものもある。そういう意味で、すぐの成果というものは期待されても困る。特に今の黒字の問題には、Jカーブの問題もあるし、石油の値段がぐっと下がってきておる、そのために黒字が非常にふえておるという面もあるのであって、日本だけの責めに帰すべからざる理由もある。そういう話もしまして、前川リポートに関する部分はそういうふうに話をした。新聞を読むと、何か義務を背負ったような、荷物をしょわされて帰ったような記事が書いてありますが、そういうことではございません。
 それから、経済成長については、我々はこの四月八日に緊急政策を出した。そして、今の石油の値下げや、これらの繰り上げとか、そういういろいろな面をやれば、ことしは大体四%の経済成長は可能であると自分は思っている、そういう自分の予想を申し上げた。そういうような程度でありまして、これを責任を持ってやりますとか、そういうようなことを言ったものではございません。
    〔堀之内委員長代理退席、上田(卓)委員長代理着席〕
 あとはいろいろな、東京サミットの話とか、それから日本の防衛問題についても例の五カ年計画、我々はこれを実行していくつもりである、そういう話もしました。あと、アジアとか朝鮮、フィリピンの問題、そういうような問題を話した、そういうことでありまして、新聞面は、日本が何か大きな責任を背負って帰ったように書かれ過ぎている、そう私は思った次第であります。私は、国会で今まで皆さんにあれを報告したとき、あるいは党の首脳部と政府・与党首脳会議で言ったと同じペースの話をしてきたわけであります。
○野口委員 私がお尋ねしようと思っていることを先もってお話しになりました。確かに、そういう点では先を読むことのお上手な総理であります。
 しかし、新聞の書かれていることはオーバーだ、あるいはまた事実と違うということでございますけれども、一紙が書いているならともかくも、ほとんどの新聞がそれを書かれているのでありまして、その意味では案外本音の話をしてこられたのではないだろうかという気がするわけであります。
 特に心配なのは、この前川レポートなるものの中身でありますけれども、これは閣議にでもお話しになりましたでしょうか。
○中曽根内閣総理大臣 前川リポートは、いわゆる国家行政組織法八条における八条機関とは違う私的研究会でありますから、今までの行革の臨調の答申とか、あるいは地方制度調査会の答申とか、あるいは今度出てくるような臨教審の答申とか、ああいう八条機関と違うわけです。八条機関の場合は、答申を尊重すると書いてあります。
    〔上田(卓)委員長代理退席、坂口委員長代理着席〕
 しかし、前川研究会、私の私的研究会ですから、皆さんの意見を聞いて、それを参考にして、我々が政策を練り上げる参考にする、そういうもので、一致した八条機関の答申とは性格が違うわけです。
 ですから、我々は、あれを受けまして、政府・与党の経済対策会議を開きまして、そしてこの答申を評価する。そして我々は、この答申を検討した上で、政府・与党でこれを推進する。ついては推進の本部もつくる。これは官房長官を中心にしてつくるということで決まったわけです。それと同時に、今度はそれを推進するための工程管理表みたいなものをつくる。そしてこれを実行していく。中には政府の審議会にかける必要のものもありましょうし、政府与党で十分協議してやらなければできない問題もございます。そういう意味の決定は先般行ったわけであります。
○野口委員 そういたしますと、仮に総理の今言われたことを信頼いたしますならば、単なる総理の私的な諮問機関で出てきた結論なので、現在の段階では総理自身の個人的なお考えだ、こう解していいわけですか。
○中曽根内閣総理大臣 私がお願いをして、意見を聞いて、そしてそれに対する意見が出ました。ですから、私は十九回の会合の中で十八回まで出ておるわけです。みんな一人一人お聞きしたわけです。
    〔坂口委員長代理退席、中村(正三郎)委員長代理着席〕
 それで、まとまった意見というものが出てきましたから読んでみたら、これはなかなか立派ないいものである。そういうふうに評価をしましたから、したがって、政府与党の会議にそれを持ち出しまして、こういう私的意見が出てきておる、しかし中身は非常に時宜に適しておる、現在の日本をめぐる貿易環境、国際環境から見ると、こういうことをやっていくことが日本が危地を脱する一つの大事な手段になる、そういうふうに考えまして、政府与党で相談して、これを参考にして政策を練ろう、そういうことを決めまして、まず評価はした。そして検討して、政策を練る、そしてそれをやるための、推進するための機関をつくる、それは官房長官を中心につくる、そして工程管理表をつくりながら逐次それを実現していく、そういう方向を決めたということであります。
○野口委員 いずれにしても、そうすると個人的な意見ではなくてある程度いわゆる内閣でもお話しになっている、あるいは閣議の中でお話しにならなくとも、党にも一定の御相談をなさってというか、あるいはまたその中身をお知らせになっているとするならば、この前川レポートなるものの存在は総理自身の考えというよりも内閣自体の考えとして受け取ることができるのですか。そこまで進んでおるのですか。
○中曽根内閣総理大臣 まず貴重な意見として、これを参考にしていく、そしてそれを参考にして、政府として与党と一体になって政策を練り上げていく、練り上げていくための貴重な時宜に適した意見として我々はこれを用いる、そういうことでありまして、そういう政府の、あるいは政府・与党の決定がありましたならば、重要な参考資料として格上げされてきておる、そういうふうに思います。
○野口委員 中身は先ほども総理のおっしゃったようにまだいろいろ検討しなければならない問題だとか、物によっては法律も改正しなければならないしあるいはまた国会でいろいろと議論をしなければならない問題もあるにもかかわらず、そういう未成熟のものを持ち出されてアメリカとのいわば経済問題の話し合いに使われるということはいささか早過ぎたのじゃないでしょうか。そういう気がするのですけれども、総理はそうお思いになりませんか。
○中曽根内閣総理大臣 これはアクションプログラムの場合でもそうでありまして、大体の方向、方針を決定して、それを今度は具体化するというのは、アクションプログラムをまず三カ月以内にやろう、また長期にかかるものは三年以内にやろう、そういうふうに決めた、大体それと同じ、やや似た、準じた手法を行っておるのでありまして、別に越権であるとか行政府としてそれはやり過ぎであるというものではありません。
○野口委員 やり過ぎでないとおっしゃるわけでありますけれども、中身を読ませていただきますと、私も勉強不足でありますが、しかし、レポートそのものはまだ項目だけが書かれてありまして、具体的な内容というのは余り書かれていないのであります。しかし、例えばこの問題は非常に大きな影響を及ぼすものでございまして、特に経済構造を変えていくということになりますと、これは一年や二年の問題ではなくて、数年、場合によっては十年以上かかるものもあるかと思います。こういうものを、中で私どもにまだお示しになってもいない段階でよその国の元首との話し合いの中に引き出されてお話しになるということについて、私は余り賛成をいたしかねるといいますか、私どもの内政のいたずらなる撹乱にも通じるんじゃないだろうかと思うのであります。
 特に一番心配いたしておりますのは、私どもは農業県でございますので、私どもにも一番反響があったのですが、このことからすぐさま考えられるのは、いわゆる農産物の輸入拡大等に飛躍をした中にありまして、日本の農業の構造が大きく変革されていく、つまり国際分業論というものがなお一層進むのではないか。日本の農業は一体どうなっていくのだろうかというようなこと、これは一つの例でありますけれども非常に心配をして、アメリカとどんな相談をしてきたのだろうかということを私どもすぐさま電話で聞かれました。
 私も実は知りませんので、そのことに大した御返事はいたさなかったわけでありますけれども、新聞で見る限りにおいては、この内容も相当前から総理が、すなわちアメリカへ行かれる前から大使館等を通じてアメリカ側にお示しになっておられまして、アメリカ側もこの中身をよく読んで、こういうことを日本がやってくれるのならばまことに結構だ、このことについては全面賛成だと言っておるわけであります。そうなりますと、総理が好むと好まざるとにかかわらず、これはアメリカの政府が知っておりますし、こういう考え方で日本が進むのだということを一たんお示しになったとするならば、これは当然アメリカとしてもその実施について期待をかけてくるでありましょう。その期待をかけられてくる部分についてはやはり責任が伴うのではないだろうか。単なる総理の放言あるいはアメリカにおけるところの話の中の一つの過程であったというだけでは済まされないのではないだろうか。これは私どもがアメリカに行ってしゃべっているのではございませんで、中曽根総理という日本の総理大臣が来てしゃべっておられる中身に関連するレポートでありますから、軽々に私どもがしゃべっていると同じようなものではない、そういう非常に重たいものであろうと思います。
 その中に書かれているものを今度国内的に持って帰ってみますと、まだまだ私どもも知り得ないあるいはまた審議も研究もしていない部分まで相当進んで書かれているわけであります。先ほども総理がおっしゃいましたように時代に先んじて物事を考えていくことはもちろん大切なことでありますし、また、今日の国際情勢から考えまして、単に経済問題だけではなくしてあらゆるものを国際的な感覚のもとで考えなければならない時代でございますから、そのことを先んじてお考えになることは当然でありますけれども、それが日米会談というような中で引用されてまいりますと、総理が先ほど御否定になりましたけれども、少なくともこれは対外的に公約をしてきた、こう解されてもやむを得ないのではないだろうかと思うのです。
 そのことについて、きょう、きのうの新聞を見ると相当反響がございまして、総理もお読みになったと思いますけれども、総理の所属の自由民主党の方々初め相当の方々からいろいろな批判の声が出ていることも事実であります。これについて総理、一体どうお考えでございましょうか。先ほど来の話と同じですか。
○中曽根内閣総理大臣 農業の問題につきましては、特に向こうから日本の農業について発言があったわけではありません。あそこに書いてあるところは、構造改善、生産性の向上等を通じて行う、そうして輸入量を拡大するように努力していく、しかし合理化も行う、そういうようなことで、要するに生産性の向上や構造改革ということが非常に重要であるという点が特に書かれておるわけであります。
 けさの新聞に、何か米の輸入自由化という記事が出ていましたけれども、そんなことはもちろん我々はやるはずはありません。また、そんな話も出たことでもございません。
 そういうことで、農業につきましては、私が前から申し上げるように、農は国のもとであり生命産業である、工業とは違う性格を持っている。どの国でも自分の農業というものについては特別に社会性とかそのほかの問題もいろいろ考えてやっておる。ECもそうであるし、アメリカだってウエーバー条項というのを持っているのですから、そういう点は我々も十分わきまえて、国際経済と調和した形で日本の農業というものも考えていかなければならぬが、しかし、食糧の安全保障とかそういうような面についても我々は我々の国益を考えなければならない、そういう立場は堅持してきておるところであります。
 しかし、毎年五百億ドル、六百億ドル、ことしは石油が安くなりますからある報告では七百億ドルくらいになるだろうと言われている状況で、そういう大きなお金が日本にだけたまって、外国はそのかわりその分だけはないわけです、どこかがたまればどこかがなくなるわけですから。OPECが一番ためてやったときはたしか三百億ドルか四百億ドルですからね。あのときでも世界じゅうは大騒ぎになったわけです。OPECという場合はサウジアラビアもあればクウェートもあれば、いろいろな国が集まってそうでしょう。今度の場合は日本一国だけで五百億ドル、六百億ドルというようなものがこのままたまっていったら、世界じゅうから袋だたきに遭うことはもう目の前に明らかです。そうなればアメリカやヨーロッパから保護主義が翕然として起こって、日本品不買同盟とか日本をボイコットせよという声が起こって、一挙に日本はやられる危険が出てきつつある。そういう危機を前にして政治家として何をなすべきかということを考えてああいう研究会に意見をつくってもらったわけなので、私は日本が危機を脱するためにはああいう方向は正しい方向であると考えており、自由民主党もそういう方向は正しい方向だというので、政府・与党でこれを政策として練り上げようということを決めていただいたわけなんです。野党の皆さんも日本の置かれている現況をお考えいただいて、じんぜん日をむなしゅうして現状に甘んじておるとひどい仕打ちが次に出てくるということを考えなくてはならぬ、そう思って御協力を願いたいと思うわけなのでございます。
    〔中村(正三郎)委員長代理退席、堀之内委員長代理着席〕
○野口委員 どうも総理自身は非常に自信に満ちたお話でございますけれども、そうは言ってみましても、経済構造の変革というのはなかなか簡単にいくものではありません。特に心配いたしますのは、今政府が取り組んでおられるいわゆる内需拡大型経済、内需拡大を志向していこうというものと、輸入志向をさらに高めていこうというもの、その接点が政策面でどのようにあらわれてくるのか、この一つを見ましてもなかなか難しいのではないだろうかと思うわけであります。
 そういった点で、総理は具体的に、内需拡大を進めていこう、また輸入をふやそう、この相矛盾するとも言うべき二つの接点をどういうぐあいにお考えでございますか。
○中曽根内閣総理大臣 私はアメリカにも言いましたけれども、アメリカの輸出が伸びないでそして日本からアメリカへの輸出が伸びたのは、アメリカの高い金利、それからアメリカの高いドル、これが原因であって、日本やヨーロッパからアメリカへ輸出が伸びたというよりもむしろアメリカに吸引されたんだ、世界じゅうから吸い込まれていったんだ、だから台湾からも韓国からも日本からもカナダからもヨーロッパからもアメリカへ吸い込まれて物が入ったのであって、積極的な自主的努力よりも、アメリカ自体の高い金利と高いドルのせいでそういう現象が起きたんだ、そこまで実は言っておるのであります。
 アメリカのドルが修正されて、最近はアメリカのドルが弱くなった。そして、日本の円が強くなり、マルクが強くなった。その結果、輸出がとまってきた。私は例証して言いましたが、現に三月の日本の統計を見ると、数量ベースでは対前年二%落ちてきている。それから円ベースでは昨年に比べて一六%落ちておる。しかし、ドルベースでは二一%上がっておる。それはJカーブの効果であります。要するに日本の円が強くなったために、ドルも、売り値も高くしなければならなくてそういう形になりましたからね。そういうJカーブの効果で、三月はドルベースでは二一%上がっているけれども、円ベースでは一六%も下がっているし、数量も二%下がっている。こういう傾向で行けば秋までには変化は出てくる、私はそういうことも言ったわけです。その上、我々は緊急政策を四月八日にやりまして、これがGNPを〇・七%引き上げる効果を持っていると我々の専門家は言っている、そういうことも言いまして、また、石油が下落する、実質賃金は上がるであろう、そのほかいろいろな政策に我々は今後も努力する、そういう形によって秋までには潮の変わり目が出てくると私は思う、そういうことを申し上げたのであります。
○野口委員 秋まで待てば黒字の減少が顕著に見られる、こういうことでございますか。
○中曽根内閣総理大臣 黒字というドルベースのものはそう急に変わるわけにいかぬ、今言ったJカーブの問題がありますから。しかし、実際の輸出の数量ベースあるいは円ベース、こういうものは変わり目が出てくる、私はそういうふうに申し上げた意味を言ったわけであります。
○野口委員 それでは話を少し変えまして、円高問題でございます。
 現在は約百八十円程度を上下しておりますけれども、現水準に、それは百八十円を言うわけでありますけれども、当面安定させたい、こういうことをアメリカの大統領に言われたと伝えられているわけであります。その真偽はいかがですか。
○中曽根内閣総理大臣 私は昨年のG5の結果について満足しておる。アメリカも満足しておるでしょう。それで世界経済の変わり目が出てきておる。しかし、その後日本の円は急に強くなって、三〇%、この変化が急激過ぎる。シャープという言葉を使いましたが、急激過ぎる。そのために我が国の中小企業は今実に四苦八苦で、それと同時に韓国、台湾、香港から日本に今殺到して入ってきている。現に台湾、韓国が非常に景気がいいのは、これは日本に入ってくるからです。それは彼らがドルにリンクしているからです。三〇%向こうは安くなっているわけですから。かつて日本品がアメリカに入って困ったような現象が今我々のところへ韓国、台湾、香港から入って起きている。歴史は繰り返すものですなということを私は言っておいたのです。
 そういうわけで、日本の中小企業は苦労しておるが、しかし、我々も懸命な政策をやっておる。そこで余り急激な変化は好まない。そこで円ドル問題というものは、私はこういう表現を使いましたけれども、アラウンド・カレント・レベル、大体今くらいのレベルというものが適当ではないかと思う、そういうことを言ったわけです。先方はそれに対してイエスともノーとも言いませんでした。聞いていたということであります。
○野口委員 そうすると、言葉じりをとって失礼でありますけれども、百八十円前後、百八十円といたしましょうか、百八十円程度の現在の円相場というのはほぼアメリカと合意を見た――それは合意するものでもありませんけれども、ほぼその辺のところには意思が通じている、合意と見てもいい、こう解釈してよろしゅうございますか。
○中曽根内閣総理大臣 私はレーガン大統領と二人で話して――向こうはレーガン大統領、こっちは私、二人でほとんど話したわけです。向こうの方はそれにイエスとかノーとか返事をしなかった、私は一方的にそういうことを言った、そういうことで終わっております。
○野口委員 さらにお聞きいたします。
 これに関連いたしまして、この話し合いといいますか考え方というのは、私、つまりアメリカにおける中曽根さんの話ですけれども、私だけの問題ではなくて、私を含めたこれからずっと歴代の内閣が考えなければならない課題だということで、これはおもしろおかしく書いてあるわけですが、次の後継者は安倍だと言って指し示されたということでございますね。隣にももう一人おられますので気を悪くされるといかぬのですけれども、政策継続性を問われたときに、総理の言われました本当の返事はどういう返事をなされたのか、お伺いしたい。
○中曽根内閣総理大臣 私は、ボン・サミットでありましたか、去年でありましたか、いろいろコーヒーブレークとか休憩時間等で立ち話や何かをやるときに自民党の話が出ますから、そのときにも竹下さんがそばにいたものですから、自民党は人材雲のごとくで、私の次に総理大臣になる候補者は幾らでもおる、ここにいるミスター竹下も有力な候補者の一人である、こういうことを言っております。本人が聞いているから間違いないと思います。そのときそういう話をした。
 おとといは、今度アメリカの議員を呼びまして大使館で――実によく来たのです。二十一人も来まして、みんな税の問題と予算の問題で一番白熱しているときで、そのときに共和党のドール院内総務とかあるいは副総務のシンプソンさんとか野党の方のバードさんとか、ともかく幹部が全部、二十一人も来てくれました。それで、ドールさんは議会で忙しくて来れないというのが少しおくれて来たものですから、よく来てくれましたねと言ったら、いや、二時まで休憩にして来た、そう言っておりました。
 そういうわけで、よく来ていただいていろいろな話をしたわけです。その中で前川報告の話も出て、これは時間がかかるんだろう、その場合これをずっと続けてやれるかという話があったのです。ですから私は、そのときに、いや、自民党は永遠である、私がやめた場合でも我が党には後継者は雲のごとくおる、そこにいる外務大臣の安倍さんも有力な後継者の一人である、そう言ったというのが真相でございます。(「もう一人忘れるな」と呼ぶ者あり)
○野口委員 もう一人忘れるなとおっしゃっていますから、つけ加えておきます。新聞論調と少しく違うわけでありますけれども、新聞にはもう少し熱っぽく安倍さんの方を指さして後継者はこれだと言ったと言われているわけでありますが、それは別にいたしまして……。
 残念なことに、実はリビアヘのアメリカの報復攻撃が行われたのであります。総理、訪米中に、このことについてはお知りになっていたと言われているのですけれども、お知りになっておりましたか。
○中曽根内閣総理大臣 リビアの問題は、ちょうどキャンプ・デービッドで私と大統領と夫人のナンシーさんと三人で食事をしているときにいろんな話が出まして、その中でひょっと大統領が、この間のドイツのベルリンの事件については確実な証拠をアメリカは持っておる、それはリビアのトリポリでしたか、それと東ベルリンのリビアの人民代表部、つまり大使館ですね、その関係のいろんな具体的な資料を持っておる、やる前の晩の資料、終わった後の資料もちゃんと握っておる、間違いない、そういうこともあるので近い将来適当な必要な措置をとる可能性がある、そういうような話をちょっとしました。私は、いつやるとか何をやるということはわかりませんでしたから、それはそのままに聞き流しておいたわけであります。
 それで、そういう話が別の席で、シュルツさんと安倍外務大臣がやはり食事をしておって、それと似たような話を外務大臣も聞いたと後で言っておりました。
 私は帰りの飛行機の中で新聞記者の皆さんに、ぶら下がりで、事前通知を受けたか、そういう話がありましたから、正式なそういう通知というものは受けてない。情勢がよくわかりませんでしたから、そういう通知という類のものは受けてない。しかし、話の間にそういうことは出たことは事実であります。しかしそれは事前通知というような性格のものではない。ですから、状況がわからなかったから記者諸君にはそういう程度の答えをしたということで、今から考えると記者諸君をはぐらかしてちょっと済まなかったな、そういう気もいたします。
○野口委員 それでは、今回のこのリビア攻撃について総理はどのようなお考えでございますか、御感想を承りたい。
○中曽根内閣総理大臣 この問題については官房長官からけさほど話をいたしまして、あれと同じであります。
 まず第一に、テロという問題は、許すべきではない。特に無事の市民を傷つけるようなテロについては、何回かのサミットにおきましてもこれを非難し、これを根絶するための国際協力をうたってきているし、また専門家が、それをいかに防止するかということで各国とも協力し合って検討もしてきたわけであります。そういう意味において、無事の市民を傷つけるようなああいう残虐なテロ行為は断じて糾弾すべきであり、許すべきでない、国際協力によってこれを根絶する方法を講ずべきであると私は考えております。
 今回の事件につきましては、アメリカ側は今のような、確実な証拠を持っておると言っておりますが、我々はそれをまだ、証拠を確認したわけでもありません。しかし、自衛権の発動としてやむを得ずああいう行為をやったとアメリカ側は言い、確実な証拠を持っていると言う以上は、それ相当のしかるべき理由も持っておるのであろうという意味において、アメリカのその立場あるいはアメリカの理由というものは、それはそれなりのものであろうと考えております。
 しかし、これらの問題が拡大することは防がなければならぬ。できるだけ早期にこれが話し合いによって平和裏解決されることを我々は希望し、かつまた、そういう方向に努力していきたいと思っておるわけであります。
○野口委員 総理に最後にお尋ねいたしますが、先刻中国の外務大臣がお越しになりましたときお会いになっておりますね。その際にもお話があったのかもわかりませんが、いわゆる靖国神社問題でありますけれども、国民や外国の賓客が参拝できるようなものを考えなくてはならぬというようなことで幹事長が御発表になっております。その具体的な構想はどのようなものでありますか。
○中曽根内閣総理大臣 私はまだ白紙であって、私がどうこうするという意見は言ってはいないのです。しかし、私のところにいろいろな考えを持ってくる人がいるわけです。その中の一つには、広島、長崎の戦災者とかあるいは自衛隊の公務殉職者とかあるいは警察官で強盗にやられた方々とか、あるいはこの間学生諸君で強盗を捕まえようとして殉ぜられた方とか、そういう公的な、社会的に公共的に亡くなられた方々、あるいは場合によっては戦災で亡くなられた方々、そういう方々をみんなで追悼する場所がこの際あったらいい、そういう場所ならば外国の元首も来て花をささげられるだろう、そういうことを言う者もあるわけです。また、野党の中にはそういうことを主張される方もあることを私は知っております。
 したがって、幹事長はどういう動機でどういうことを言われたか、私、まだ聞いておりませんけれども、そういうアイデアというものがあることは知っておるし、また、その考え方もよく聞いてみた上で研究してみたい。
 ただ、靖国神社というものはやはり日本国民には特別の霊場ですね。戦争で犠牲になって、出征された方々が大部分ですから、しかも、それらは国のために自分の一身を犠牲にして戦ってくだすった方々でありますから、そういう特別の因縁を持っておる靖国神社というものをないがしろにしてはいけない、そういう気持ちもまた非常に私にはあります。
 そういう意味において、こういうものはどういうふうにやったらいいのかな、国民の間には、一面においては靖国神社を非常に尊崇して大事にしていこうという気持ちと、一面においては自衛隊や警察官やあるいはこの間亡くなられた学生さんみたいに公のために犠牲になられた方々を何とか弔い、追悼し、慰める場所が欲しいなという気持ちもあります。そういう問題を政治家としてどういうふうに取り扱っていいか、国民の皆さんの御意見も聞いて、そして処理していったらいいのではないか、そう思っております。
○野口委員 まだもうちょっと時間があるようですから、総理済みません、もう一つであります。
 今回のサミットの協議項目はまだ決まっておらないようでありますけれども、私はこのサミットで、アジアの問題、特に朝鮮半島や北方領土問題あるいはカンボジア問題などのいわゆるアジア問題というのを当然議題にすべきではないかと思うのですが、総理はサミットの議題としてこのようなことに御関心はございませんでしょうか。
○中曽根内閣総理大臣 サミットの議題は、我々の個人代表が集まりまして大体下話をするのです。それで、私の方は手島外務審議官がそれになっておりまして、彼は今晩かあしたくらい、最後の四回目の会議に出席して準備をするということで、そこで大体の議題が固まってくるだろうと思います。
 今まで地域問題というものの中に取り上げられたものがあるのです。例えばイラン・イラク戦争をどうしてやめようか。あのアラビア湾の平和をどうして維持しようかとか、アフガニスタンをどうしようとか、そういうような地域問題を取り上げられることがある。そういう場合に、東京でやるわけですから、朝鮮半島の平和と安定というものは無視できないでしょう。あるいは場合によっては、フィリピンがああいう状況ですから出ないとも限らぬ。あるいはカンボジアの問題もアジア人としては関心の問題ですね。そういう意味におきまして、大体補助者たちがどんな話し合いをするか。また、そのときのサミットの雰囲気でいろんなものが飛び出しできますから、どういうふうになるか。しかし、全体のバランスを考えながらやらなければいけない問題である。日本としては、朝鮮半島の平和と安定というような問題やフィリピンの問題というのは当面の問題として大きな関心を持っている問題であろう、そう思います。
○野口委員 大蔵大臣にこの際お聞きをいたしますが、本日まで補助金の一括削減、まあ法案の名前はそういう名前ではありませんが、これに関する審議を続けてまいりまして、最終的に以下二点、実はお聞きをして、はっきりとした御返答をいただきたいと思うので、読み上げますので、ひとつお願いをいたしたい。
 一つ、国庫補助負担金に係る特別措置の三年間継続にかんがみ、当該補助負担金に係る自治体の負担増加額については、一般財源で必ず補てんすることとし、その具体的措置を予算編成時に明示するということでございます。
 なお、今回の特例措置は、あくまで三年間限りの臨時的措置であり、特例期間後は共済追加費用を初めとし従前の負担率に戻してもらいたい。
 二つ目、同特例措置に伴い発行されました地方債の元利償還については、調整債を除いて、交付税の基準財政需要額に一〇〇%算入してもらいたい。
 この二点でございます。大臣からの御答弁をいただきたい。
○竹下国務大臣 私も正確を期するために、整理いたしましたのを読み上げます。
 六十一年度の地方財源不足は、補助率の見直しによる影響額等を織り込んだ上で、一兆一千七百億円と見込まれるが、これについては建設地方債を活用するほか、国、地方のたばこ消費税の引き上げによって補てんし、地方行財政の運営に支障が生じないよう措置することとしております。
 六十二年度以降についても、各年度の地方財政収支見通しに基づき所要の地方財政対策を講じ、地方行財政の運営に支障が生じないよう対処してまいりたい。このように考えます。
 そして、今回の補助率の見直しは、六十一年度以降の補助率のあり方についての補助金問題検討会の報告の趣旨等を踏まえ、政策分野の特性に配慮しつつ、事務事業の見直しに努めながら補助率の総合的見直しを行ったものであります。
 したがって、六十年度の措置のように、補助率のあり方を一年かけて検討するための暫定措置といったものとは基本的な性格を異にいたすと考えております。
 こうした経緯や今回の措置の性格を踏まえ、六十四年度以降の取り扱いについては、今後の諸情勢の推移、国と地方の財政状況等を勘案しながら、その時点において適切に対処すべき問題である、このように考えております。
 さて、いわゆる基準財政需要額算入の問題でありますが、今回の補助率の引き下げ等に伴う地方負担の増に対しましては、それに対して発行される地方債の元利償還については、調整債を除き、交付税の基準財政需要額に全額算入されるものと承っております。
○野口委員 ありがとうございました。
 私の質問は終わります。
○堀之内委員長代理 坂口力君。
○坂口委員 中曽根総理には日米首脳会談に御出席いただきまして、お疲れのことと存じます。お帰り早々の総理に対して幾つかの質問をさせていただきたいと思います。
 先ほども議論がございましたが、総理がアメリカに行っておみえになります間に大きなニュースが飛び込んでまいりました。内外ともに大きなニュースができてしまったわけでございますが、とりわけ先ほど議論のありました米国のリビアへの攻撃のニュースが非常に大きく伝えられたわけでございます。先ほどもそれに対するお答えがあったわけでございますが、レーガン大統領との間のフレンドリートークという言葉が書かれておりますけれども、レーガン大統領とのお話し合いの中ではっきりとしたそういうお話はなかったにいたしましても、何かそうしたことが起こるのではないかというような雰囲気みたいなものがあったのかどうか。新聞によって伝えられるところによりますと、アメリカがこれを決定されたのは九日というふうになっておりますが、もしそういうことがあったといたしましたら、そのことについてひとつお答えをいただきたい。これが一つです。
 もう一つは、こういう不幸なことができ上がったわけでございますが、日本はこれを傍観をしていていいのだろうか、日本の果たすべき役割というのはないのであろうか、そんな思いもするわけでございますので、それに対する総理のお考えをひとつお聞きをしたいと思います。
○中曽根内閣総理大臣 私がアメリカにおりますときに、アメリカのテレビや新聞等を見ますと、テロに対する反感と申しますか、対策をやるべしという空気が非常に濃厚でありました。でありますから、官房長官か外務大臣の話の中にも、非常に緊張した空気があったと言っておったのはそのとおりであります。しかし、直接リビアの国内に攻撃を行うというようなことはあるとは考えておりませんでした。しかし、既に前に一回やっておりますね。そういうことはありますけれども、こういうふうなことが我々がいる間にあろうとは思っておりませんでした。
 それで、レーガン大統領との話のときに今申し上げたような話があったということですが、いつやるとかどういう方法でやるとか、そういうような話はなかったわけですから、近い将来何かやるかもしれぬ、そういう気はしておりましたが、領域内に対する直接攻撃があるかどうかというようなことは必ずしも判然とはしていなかった、そういうことであります。
 また、これに対してどういう措置をとるかということでございますが、ともかく国際テロという問題については歴代サミットにおきましてもかなり関心を呼んだ問題で、いろいろ議論もあったわけでございます。それで、国際的協力でこれを根絶しようという点においては意見は一致しておる、各国が協力しようという。それで、専門家の話し合いも既に行われたという過去もございます。引き続いてその延長線におきましてこれは行う。一国だけでこれはやれるものではないし、大体ヨーロッパの世界で行われている部分が多いわけでありますから、でありまするから、ヨーロッパの皆様方の御意見をよく聞きつつ、我々が気がついたことも積極的に協力していく、そういうことではないかと思うのであります。
○坂口委員 この国際テロということに対しまして、私もこれはぜひなくさなければならない問題だと思いますが、一方におきまして、アメリカがまた攻撃を加えるというようなことも、これもまた繰り返してはならないことであるというふうに思うわけであります。折しも日本は重要なサミットを前にしているわけでございますから、国際テロというようなことにつきましてはとりわけ神経をとがらさなければならないときでありますし、最も警戒をしなければならないときではないかと思うわけであります。そうしたやさきに起こりましたことでありますだけに、お互いにそうしたテロと爆撃とを交互に繰り返すというようなことがありましてはこれは一大事であります。したがいまして、重要な時期を日本が目前にしておりますだけに、日本は率先をして何らかの手を差し伸べるべきではないか、そんな思いがいたしまして今お聞きをしたわけでございます。もしつけ加えていただくことがございましたら、ひとつお願いをいたします。
○中曽根内閣総理大臣 サミット構成国の中におきましても、今度の問題一つ見ても若干意見が分かれておるわけです。それを一つの意見の方向でまとめていくということは、東京サミットの場合でもかなり難しい課題が含まれていると思います。テロを憎むという点においてはみんな一致しているし、テロを根絶したいという点においてもみんな一致しているわけでありますから、それを物が前進するように、この不幸な事態が解消するように我々は努力すべきであると思いまして、日本だけが突出していろいろなことをやるということは、会議をまとめるという立場から見ますというと必ずしも得策ではない。よく反応を見守りつつ、どういう案が適当であるかということを慎重に考えていきたいと思っておる次第です。
○坂口委員 それでは次の問題に移らせていただきますが、今回の日米首脳会談によりまして、世界の中曽根総理、外交の中曽根総理としての立場を高められたという評価もございますし、一方においてはまだこの反面で、外圧に弱い中曽根総理という言葉も聞かれないわけではないわけでございます。
 これは、先ほど靖国神社のお話が出ましたが、昨年の八月十五日に国内におきましてはいろいろと公式参拝につきましては反対意見がございましたが、そこを公式参拝という形で踏み切られました。しかし、その後中国からのいろいろの話がございまして、それ以降考え方を変えられるというようなこともございました。そんなこともありまして、変えられるのならばあれほど国内において反対意見があったのにという声も多かったわけでございます。
 今回もう一つよく似た話で問題になっておりますのは、国内におきましては内需拡大についてどうしても減税をやるべきだという声が高いわけでございますが、しかしそれに対しましては、今年度じゅうの減税ということにつきましては明確な答弁が出ていないわけでございます。ことしの予算委員会で社会党の岡田議員が御質問になりまして、たしかサミットで税制問題を中心にして、それから税制サミットみたいな形のことが考えられるかというような御質問ではなかったかと思いますが、そのときに総理は、そういう考え方がどうして起こるかということを私は不思議に思うというような、かなりはっきりとした否定の言葉を言われたこともございます。先日来の日米首脳会談におけるいろいろのお話し合いの中で、はっきりとした税制問題が出たわけではないようでございますが、しかしやんわりとした形で減税の問題がレーガン大統領から持ち出されたというようなニュースも伝わっているわけであります。そうしたことで、総理のお考えが若干変わるのではないかというような雰囲気もあるわけでございますが、そうしたことも含めましてひとつお答えをいただけたらと思います。
○中曽根内閣総理大臣 先般の日米会談において減税の問題がレーガン大統領から出された、要請されたということは全くありません。それは明確にいたしておきます。私が前川報告に関する話をしましたときに、あの中に減税という問題が込められておる、そういう話は私がした記憶はあります。
 それから所得税、法人税等の減税問題については、ここで何回も申し上げているように、既に政府税調に諮問もし、そしてこの四月に中間報告をいただいて、減税をどうしたらいいかということをまず第一にお答えいただき、それから秋にそれに対する財源問題に関する報告をいただいて、そうして包括的、一体として次にその減税問題の大綱と申しますか法案づくりに入りたい、こう申し上げて、スケジュールはもう既に決まっておるわけです。その路線を行きたいと思っておるのです。ただ、先般来与野党で相談いたしました今年度分の問題については、与野党の話し合いを見守っております、こういうふうに申し上げているので、これはもう一貫して変わってないところでございます。
 靖国神社の問題につきましては、これはあのとき官房長官の談話を出しましたが、あの考えは変わってないと前から申し上げているとおりであり、戦争でともかく国のために殉じられた皆さん方を心から追悼する、全国民、相当の国民がこれを要望しておられる、そういう要望もよくかみしめて、念頭に置いて、そして、そういう戦没者の追悼の中心施設が靖国神社である、そういうことから中心施設である靖国神社で追悼し、平和をまた誓う、そういうことで、そして今までと違うやり方で、いわゆる神社神道の形式というものから離れたやり方でやらしていただいた、この考えは変わっていない、前から申し上げているとおりです。ただ、その後我々が気がついていなかった問題が中に入っておって、それで国際的に不協和音が出てきたことは事実であります。したがって、日本はやはり国際関係を重要視していかなければ生きていけない国でもありますから、そういう点についてはいろいろ慎重にも考えておるということは否定いたしません。
 ただし、あの靖国神社に対する参拝というものは、何か制度化した問題ではないのであります。大体ケース・バイ・ケースでやるというような考えが基本的にあるので、これは制度として制度化した問題ではないのであります。そういう意味におきまして、慎重に対処しているということなのであります。
○坂口委員 これも先ほどの野口議員が触れられました例の経済構造調整研究会の問題でございます。私は野口議員と考え方を一にいたしておりまして、私もこれはここでもう少しはっきりさせてもらいたいというふうに思っていた一人でございます。
 総理の新聞発表を拝見をいたしますと、「私は、このため日本が構造調整という画期的な施策に取り組み、日本経済を輸出ではなく、内需に依存し、輸入、とりわけ製品輸入が相当に増大することにつながるような経済構造に変えていく必要があると考えています。先ごろ、私の私的諮問委員会が、この点に関し多くの貴重な勧告を盛り込んだ報告書を作成しました。これらの勧告を政策化していくため、政府として近く作業計画を策定する推進本部を設置する予定でおります。」こういうふうに発表になっております。
 それからレーガン大統領の方も、「首相は、日本がとるべきいくつかの大変重要な転換の概要を示した最近の大事な報告書について、私に説明されました。首相は、基本的な政策転換を実施する決意であり、私は、日本の経済を今後、世界経済の要請と、より調和のとれたものへと導いていく、との首相の揺ぎないコミットメントを称賛しました。」こういうふうに書かれておりまして、総理の御発言の中にもそれからレーガン大統領の中にも、レーガン大統領の場合には、前川レポートでありますとかあるいは経済構造調整研究会の報告書だとかいうような言葉は入っておりませんが、読みまして十分それと読み取れる表現で書かれているわけでございます。
 したがいまして、先ほどの答弁で、必ずしも前川レポートというものを下敷きにしたと申しますか前提にした話ではなかったというような御発言もありましたけれども、これを見せていただきます限りは、これはかなり濃厚にこのレポートを中心にしたお話し合いではなかったか、そう感じるわけでございますが、まずその点につきまして、いかがでございますか。
○中曽根内閣総理大臣 私は前から議会でも申し上げておりますように、日本が五百億ドル、六百億ドルという多額の黒字を累積していったら世界じゅうから村八分になる、とてもこれを続けているわけにはいかない、何とかこの貿易のバランスを回復するようなことをしなければもう世界じゅうからつまはじきになる、マージャンで勝ち続けている人間についてはもう寄ってくる人がいなくなるのと同じになりますよ、そういうふうに私は比喩で申し上げてきたわけであります。それは今でも私はそういう考えを持っております。
 やはり日本の運命を考えてみますと、貿易国家で、加工貿易で生きていく日本が、日本品不買同盟とかあるいはアメリカにおける保護主義法案で大変なものが出てくるということになると、日本の輸出はぴたっととめられてしまって大変な不況が日本に来るし、失業も参ります。そういう保護主義法案が一回通れば、これを直すには何年かかるかわからない。一回通ってしまえば、そういう法案を直すためには二年、三年、五年とかかるかもしれません。そのことを考えれば、今のうちに日本でやるべきことをやって、そしてバランスのとれた形で国民経済を運営する方が国家のためである、国民のためである、そういうふうに私は信じておりますから、こういうときには政治家として、それはある程度毀誉褒貶は浴びても、正しいと思ったことを、国のためにこれはやらなければならぬと思ったことはやらなければいかぬ。太平洋戦争だって同じことです。ああいうふうに漂流して政治家が責任をおっつけ合って、だれかが何かするだろうといううちにああいう滝つぼに落ちて悲劇に陥ったと同じことです。日本は今、ああいう軍事的な問題じゃないですが、経済的にそういう立場に、滝つぼに陥ろうとしている危険性があると私は考えている。したがって、これはもう我々政治家として先が見えている情勢でありますから、必死になって阻止しなければいけない、私はそう信じておるのです。
 そういう意味で今日本は歴史的転換点に来ている。政府声明にもそういうふうに入れてあります。また、日本の国際環境というものは危機的状況にあるということも、この間の政府声明、官房長官談話に入れてあります。それは国民の皆さんに知っていただきたいからであって、そういうことが予見されているときに自分たちだけ安穏に済ませばいいというわけで逃げていたら、これは政治家ではないと私は信じておるからそういうことを申し上げている。したがって、今言った前段のことは、前川報告にかかわらず私自体が信じて実行しなければならぬ責任感を持って感じていることを申し上げておるのであります。
 そして前川報告というものが出てきたから、その内容は、これは政府・与党でも相談をして、そしてこれは貴重な、時宜を得た報告であると評価した。政府・与党で評価したわけであります。それを今度は政策づけを政府・与党でやっていこう、そういう過程を決めて、そしてそのスケジュールを大体先ほど申し上げたように言っておるわけであります。
 そういうことでございますから、今読んだ内容は、大体それに近いことの応答がありました。私が言ったこととレーガン大統領の言ったこととは、大体それに近い。全部そのとおりとは言いませんけれども、大体それに近い応答はありました。これは私の信念であり、日本のためにこれをやらなければいかぬと思っておるからそう申し上げたので、正直に申し上げる次第です。
○坂口委員 私は、総理のそのお考えが間違いだとか、私はそれに反対をしているとかいうことを申し上げているわけではさらさらないのです。むしろ私は総理のそのお考えに賛成をしたい気持ちの方が強いわけでございます。また、先ほど私が読みましたのは、これは総理の新聞発表とそれからレーガン大統領の新聞発表でありますから、これは大体そのとおりのはずでありまして、これは当然総理と大統領がおっしゃったことをお読みを申し上げたわけであります。
 ただ、私が今ここで指摘したいのは、政府が先日、総合経済対策というものをお決めになりました。そのレーガン大統領とのお話の中で総合経済対策が前面に出てこのお話があったのなら、話はわかります。私は手順のことを申し上げている。ところがこの総合経済対策の話は、我々は新聞、マスコミを通じて知るだけでありますから、それは多少出たのかもしれませんし、全く出なかったのかもわからない。少なくとも我々がマスコミを通じて知る限りにおきましては、その総合経済対策のソの字も出てきていない。そのことよりも私的諮問機関でありますところの前川レポートの方が前面に出てきていることに対して、私はなぜかという疑問を持つわけでございます。
 なぜなら、この総合経済対策は政府が決定されたものであります。前川レポートにつきましては政府が決定されたものでもないし、そしてまた、これは国会にかけられたものでもないわけであります。ですから総理のそのお考えは、私はそのことについてとやかく申し上げるつもりはありません。しかしながら、日本の中で決定されていないものを前面に出して、そしてあたかもそのことをこれからアメリカと二国間で協調してやっていきましょうという話の中身にすることにはいささか問題がありはしないか。それを言うためにはまだ日本の国の中で詰めなければならない点が多かったのではないか。例えば先ほどの農業問題もしかりであります。あるいはまた金融上の問題もしかりでありますし、いろいろな問題がございましょう。中小企業の問題もあろうか。その内容のことではなくて、その手順について私は今申し上げているわけでございます。いかがでございますか。
○中曽根内閣総理大臣 総合経済対策のことをよく説明しておるのです。さっき申し上げたようにGNPを〇・七%押し上げる力がある。それはなぜかと言えば、先ほど一部しか申し上げませんでしたけれども、例えば電力代あるいはガス代の差益を還元する、約一兆円これで還元する、あるいは公共事業の前倒しをやる云々という話をしまして、それによって〇・七%程度GNPを押し上げる力がある。そのほか石油の値段が云々で、大体一バレル一ドル下がればそれで十二億ドル日本は外国へ、アラブへ出す石油代が助かる。それは結局は家計に響き、物価安定に響き、そして次の段階には景気を上げる力になってくる、そういうような話も実はしておるわけであります。
 ですから、今我々が景気を押し上げるための努力をいろいろ申し上げた。しかもまだ、円が三〇%も上がったために、台湾、韓国等から今殺到して、我が中小企業は困っておるという、さっき申し上げたように一時のアメリカが日本品に困ったような現象が今日本に起きて困っているんだという話も実は申し上げて、これはやっているわけです。そして、そのほかに前川レポートというものが出てきたから、これに取り組んでいきたい、そういうことを申し上げたわけなんです。
○坂口委員 この前川レポートなるものを私も読ませていただきました。そういたしますと、その中には、例えばマル優問題なんかもどうしても解決をしなければならない問題としまして出てくるわけですね。この税制、金融の問題の中でも、マル優にかかわる税制等につきましてははっきりとこうすべきだということがこの中に書かれているわけであります。
 この委員会におきましてもあるいは予算委員会におきましても、例えば税制問題につきまして我々が質問をいたしましたときに、総理大臣もそれから竹下大蔵大臣も、これは政府税調で現在詰めていることでございます、したがいまして、それに余り大きな影響を与えることはぐあいが思うございますから現在はこれ以上のことは言えません、こういうことで、今までこの国会におきましても、これは議論として進んでいかなかったわけですね。ところが、前川レポートにおきましては、マル優問題につきましても明確な線をここに出しているわけであります。
 このレポートが外国との間に出まして、これにのっとって二国間でいろいろとこれから協議をし、そして実行されていく、やっていくんだということになれば、例えばマル優問題を一つとりますと、これはもう国際舞台の中で歩き始めている。政府税調の結論が一方で出ていないのにこの問題は歩き出すということになりはしないか、私はそういうことを申し上げているわけであります。
○中曽根内閣総理大臣 その点は、先ほど申し上げましたように、この内容についてはこれから短期、中期、長期の工程管理表をつくって党と取り組んでいく、中には審議会を経なければならぬものもある、そう申し上げているので、税の問題はまさに今税調でやっており、税関係の審議会でやっていただく問題であります。そういうことはちゃんと今申し上げたとおりなのであります。
○坂口委員 政府税調で現在やられていることでありますから、その政府税調を縛るような発言はこの国会の中では困ると一方では言っておきながら、対外的におきましてはそれを縛るような発言はいかがなものか、こういうことを私は申し上げているわけでありまして、この点につきまして、もう一度御答弁をいただきたい。
○中曽根内閣総理大臣 別に政府税調を練る、そういう力は持っていないと思います。それは八条機関でもないのですし、私的研究機関ですから。
 でありまするから、その意見にそういうものがあったということは、これは税調の方へこういう資料が来ていますという参考資料としては出すでしょう。それは今ここにおける国会の御議論をその都度大蔵省が政府税調にそのままお伝えしておると同じことで、判断は政府税調があらゆる資料を集めて最終的に判断を決め、出てきたものを今度は政府がまたそれを検討する、そういうちゃんとした段階があるのでありまして、ああいうものが出てきたから、いわんやあれは八条機関でない私的研究会でございますから、したがって、当然それは政府税調に一つの資料として届けられる、そういうものだとお考え願いたいと思います。
○坂口委員 時間が参りましたからこれでやめますが、私的諮問機関の話だからなぜそのことが優先されたのかということを私はお聞きをしているわけであります。これが正式の政府税調での結論を外国で出されたのなら、それは話がわかります。しかし、私的諮問機関のことだからとおっしゃる、その私的諮問機関の話を政府税調の結論よりも優先をして出されたというふうに我々は受け取らざるを得ないわけであります。だから、なぜそうなったのですかということを私は申し上げているわけでございますが、そのことについて総理のお話は大体わかりました。
 大蔵大臣、何かございましたら一言つけ加えてください、終わりにしますから。
○竹下国務大臣 前川レポートというのはきちんとしたレポートがありまして、その一部にマル優問題の御意見が述べられておる。これらは、きょうも申しましたように、こちらから報告するまでもなく税調の委員の皆様方は関心を持っていらっしゃると思いますが、私どもとしてはこれは政府税調に報告して参考にしていただくべきものであろう。あくまでも政府がこの抜本策を諮問しておって御答申をいただこうとしておるのは政府税調そのものでございますから、それに対して予見めいた影響を与えるとかいう、事ほどさように、また政府税調の先生もプライドを持っていらっしゃいますから、別に心配をいたしておりません。
○坂口委員 私が質問したのとは若干違いますけれども、もう時間が過ぎてしまいましたから、うまくはぐらされましたけれどもこれで終わりにいたします。ありがとうございました。
○堀之内委員長代理 安倍基雄君。
○安倍(基)委員 補助金法案、国民にとって非常に大切な法案でございますが、実は私はびっくりしたのは、私が質問するときにほとんどの議員がいないわけです。なぜかと申しますと、これはいわゆる解散風に吹かされている。この問題につきまして、ほかにきょうは大勢おりますけれども、これはやはり非常に基本的な問題であると私は思うので、これをひとつお聞きしたいと思います。
 まず総理にお伺いしますけれども、現在ダブル選挙ということが非常に言われております。これは総理の予算委員会における答弁で、先例があるというお話でございましたけれども、実は五十五年の選挙は不信任案が成立したという状況のもとに行われたわけであります。この場合、六十九条で総辞職か解散かのいずれかという事態でございますが、もし今回、いわゆる政治的判断で解散が行われて同時選挙が行われるとするならば、これは初めてのケースになるというぐあいに理解すべきと思いますけれども、総理はいかがお考えになられますか。
○中曽根内閣総理大臣 私は解散は考えていないと前から申し上げているのですから、それに尽きます。憲法上の御疑念は、法制局長官からお答えをいたさせます。
○安倍(基)委員 法制局長官には法務委員会でいろいろお聞きしましたから。
 それでは申しますが、この前も実は法務委員会で官房長官にお聞きしたら、解散は考えてないというお話をされました。しかし、それは非常に逃げ口上でございまして、じゃ総理、ここで国民に向かって、天地神明に誓って解散を考えていないと言えますか。
○中曽根内閣総理大臣 前から申し上げているとおりであります。
○安倍(基)委員 私は今の発言を、本当に国家国民に対して、そしていわば神明に誓って発言したものと解釈いたしますが、よろしゅうございますね。
○中曽根内閣総理大臣 憲法上、第七条によりまして政府は天皇に対する助言と承認によって、国事として解散ということが行われる。憲法上政府が持っておる重要な機能、これをみずから縛るような発言はしないのが正しいと私は思っておる。しかし、私は政治的に見ていて解散は考えておりませんと前から申し上げているとおりであります。
○安倍(基)委員 そういう御答弁でございますけれども、しかし、解散を考えていないから私の問いに対して答える必要はないということはないわけだ。
 私は次のことをお聞きします。
 いわば最初のケースとして、国会というのは非常に先例を重んじますから、万が一同時選挙を行ったと仮定いたしますと、これは仮定の問題ですから答えられませんというのは答えになりませんよ。そのときには、もしそれで勝ては、大義名分を求めて三年ごとに選挙をするという先例が生まれる可能性があるのです。その可能性が皆無とお思いになりますか、いかがでございますか。
○中曽根内閣総理大臣 勝敗は時の運です。
○安倍(基)委員 勝敗は時の運などという言い方でこれを逃げるということは、非常にひきょうである。つまり、ダブルであれば有利であるとか不利であるとか、そういう議論が行われること自体非常に国民を愚弄しているものである。一度この先例が開かれますと必ずそれに対して二回、三回と、中曽根内閣でこういうことをやったじゃないかという話になるのです。五十五年の場合には、これは不信任案が成立した場合ですから先例にならない。勝敗は時の運という口上で逃げては困る。
 私が聞いておりますのは、一回そういうことが行われれば、将来そういうことが先例となって繰り返されるおそれがあるとお思いか、ないとお思いか。
○中曽根内閣総理大臣 それはそのときの総理大臣の性格や政治情勢にかかってくると思います。
○安倍(基)委員 これはある意味からいって非常に重大な問題なんですよ。つまりダブルで勝った、その次もダブルでやろう、そういう動きに必ずなる。その場合に政治的な情勢、いわば大義名分とおっしゃいますけれども、大義名分をどこかから探してくる。そういうことになりますと憲政史上、非常に憲政をゆがめることになると思うのです。総理は、自分がもしここでダブルをやれば一つの先例になるぞ、この先例が果たして日本の民主主義の発展の上にいいのかどうか、その点をもっと考えていただきたい。そのときの総理の判断によりますとかということではない。国会というものは一回先例を開くとそれが続けられる可能性があるわけです。私は、いやしくもそういう可能性のあるこういったダブルの場合に、非常に重大な責任を総理は背負うと思うのです。
 総理は、勝敗は時の運とかそのときの総理大臣の判断だとおっしゃいますけれども、今回ダブルが行われそうだという話は、前回の勝利ということが頭の中にあるわけです。これは考えていないとおっしゃるけれども、さっき天地神明に誓うかと言ったら最後にはぐらかされた。だから私はこの問いを言っているわけです。この問題は決して軽い問題ではない。私は、その点についてもう一遍総理のお考えをお聞きしたい。
○中曽根内閣総理大臣 柳の下にドジョウがそういるものですかね。後世のためにも憲法の解釈のためにも、後世のそういう重要な機能を縛るというようなことを言う越権なことは私はできないと思うのです。
○安倍(基)委員 ここで、総理のいわば権利が本当に憲法に十分与えられた権利であるのかどうか。もし総理が神聖な権利とおっしゃるならば、神聖であるだけに本当の意味のいわば国民に訴えるものがなくてはならない。そこが問題なのですね。
 私は神聖な権利とおっしゃるのについてまだいろいろ議論があるのです。私はその辺は法律について十分勉強しております。私がジュリストに今度のことを投稿いたしましたら、今月末の憲法特集に載せてくれるそうですから、それをよく読んでいただけばいいのであります。総理、これははぐらかさないで、ここでもしダブルをやるとなれば、これは一つの先例になるのです。その先例がいいかどうか、これは後世の――菜根譚というのがございますね。これにこういった言葉がございます。「道徳に棲守する者は、一時に寂莫たり。権勢に依阿する者は、万古に凄涼たり。達人は物外の物を見、身後の身を思う。むしろ一時の寂莫を受くるも、万古の凄涼をとることなかれ。」これは、総理が今非常に活躍しておられる、いわば名宰相としての評価を受けつつあるという過程もあると思います。しかし、これから十年、十五年後、中曽根総理がこういう先例を開いた、これによって憲政が乱されたという批判が必ず起こる。ダブル選挙、総理の権限があるとおっしゃるけれども、もしその権限があればそれなりの良識を持って行動しなければならない。
 イギリスの場合に、イギリスと日本の制度の違いはまた言います。イギリスの場合でも成文法はありませんけれども、「憲法上の習律」という言葉がございまして、本当の意味の大義名分のない解散をしてはならないという慣習法が成立しているのです。日本の場合、総理に権限があるとおっしゃるけれども、本当の意味でその運用を良識を持って行使せねばならない。良識を失ったときは民主主義は滅びるというわけでございます。総理がもしダブルをやったとするならば、これは何年後かには必ずそれが繰り返されます。それは両院制度を否定すると同時に大義名分を無理につくるという結果を生じる。ここはまさに総理の正念場だと思いますよ。
 私がさっき、解散しないと天地神明に誓って言っておりますかと言ったら、それははぐらかされた。後の選挙は次の総理の判断でございますとおっしゃいました。しかし、一つ先例をつくるということがどのくらい重要であるかということを本当に考えていただきたい。この点、もう一度総理の御答弁をお願いします。
    〔堀之内委員長代理退席、野口委員長代
    理着席〕
○中曽根内閣総理大臣 どういうふうにやるか決めたわけでも何でもないわけですけれども、法制局長官に前に聞きましたら、仮に万一同時選挙をやった場合でも、その場合に参議院の皆さんは議席でまだ残っておる、やる時期にもちろんよりますけれども。任期満了までの間にやった場合、その場合にはそれは参議院議員として残っておるので、それは普通の選挙、解散をやったときと同じ状況で参議院はあるわけです。参議院の改選議員が議席を失格して、ないということではないのです。その場合でもちゃんと法的には参議院の皆さんは、改選の場合でも任期満了の時期までは任期として議員として残っておるわけなんです。ですから、同時選挙だろうがそうでなかろうが、今のような注意をやってやる場合においては、参議院は依然として少しも変わってない状況で残っておるわけなんです。
 そういう意味で、法制局の話を聞きましたら、変わっておりません、何かそのとき改選議員の議席がなくなってしまって参議院議員が欠落しているのではないかという誤った印象をお持ちの方が非常にあるそうでございますが、そういうことはないのだということを聞きました。だからといって、今私が解散しようと考えているわけじゃありません。法制局長官からそういう説明を受けたということを申し上げているのです。しかし、今のあなたの御議論は御議論として承っておきたいと思います。
○安倍(基)委員 時間が短いですから……。
 私は何も参議院の緊急集会の問題、これは違憲の問題があるのですけれども、それを主として論議しているのじゃないのです。大義名分を探し出して、三年ごとに選挙をしようということが生じてくれば憲政上非常にこれはゆゆしき問題である、それを言っているのです。その点で悪い先例になるのではないか、その懸念が少しでもあるならばここはよほど慎重にしなければならないということを言っているのです。大義名分を探し出しながら、有利、不利ということが念頭にあって三年ごとの選挙になったら日本の民主主義はどうなるのだろうということでございます。
 しかも、イギリスの場合キングが絶対権を持って、それを議会が制約しているということでございますから、その場合、キングの権限は日本より強いわけでございますけれども、任期五年を解散しながら四年でいっている。現在の日本の状況は、吉田首相の突然解散以来あたかも立法府が行政の従属的存在になっているのです。これは日本の国家構造にとって非常に大事な問題なのですよ。繰り返して申しますけれども、参議院の違憲論を言っているのじゃないのです。大義名分を探し出しながらダブルに持っていくという態勢になったときに、日本の民主政治は非常に問題になると思うのでございます。そこです。そこを答えてください。
○中曽根内閣総理大臣 一つの御議論として承っておきます。
○安倍(基)委員 承っているという話でございますけれども、これは将来中曽根総理が評価を受けるときに、この総理は本当の意味で憲政を守った男であったのか、三選をねらうとか自民党の多数を得ようと思ってダブルへ持っていったのかという話になるのです。一年、二年の間は、おれは自民党の元老になれる、あるいは三選できるというお考えかもしれないけれども、必ず五年、十年先に、憲政を乱した総理ということになるのです。この点をよく考えていただきたいと思うのでございます。いかがでございますか。
○中曽根内閣総理大臣 御議論として承っておきます。
○安倍(基)委員 これは、議論として承っているのが私は本当の意味で……(「時間だ」と呼ぶ者あり)少しは時間を超過しても……(「時間は時間だよ」と呼ぶ者あり)
 この解散権論を言い出すと長いのでございますけれども、私の意見を言いますと、これは戦前の憲法の思想なのですよ。戦前の憲法は天皇が統治権を総撹し、一段上にいたわけです。そこで、いつでも国会を解散できた。それでも閣僚は同じでございますから、閣内不一致だったらできなかったわけです。その意味では、むしろ戦前の方が歯どめがあった。戦後は象徴天皇ですよ。七条は国事行為なのです。天皇は国政に関する機能を持っていないのです。よく読むとそうなっているのです。でございますから、三条における内閣の助言と承認、七条も同じでございますけれども、これはあくまでも国事行為、形式行為に対する助言と承認なのです。国政についての助言と承認とは書いてないのです。
 時間もございませんから総理にお伺いしますけれども、保利書簡というのがございます。これはかつての保利茂議長が書かれたわけでございますけれども、これが非常に私と同じような議論をしている。権限を行使できる場合は限るべきである、それが正しい見解である。つまり、総理に権限があるというけれども、その判断権、決定権を全面的にゆだねたのか。ここで言っているのでございますけれども、西独においては象徴大統領である。その場合に内閣不信任案の可決が解散権の要件になっている。行政府と立法府が完全に対立したとき、機能が麻痺したとき、そこで初めて解散権が生まれる、象徴大統領のもとにおける政治形態はそうなるのです。ところが、戦前の日本あるいはイギリス、この場合においてはキングあるいは天皇が権限を総撹しているのです。それを部分的にいわば国会が制限している。それとこれとは違うのです。今の総理の考え方は、戦前よりもむしろ解散権が強いみたいな形になっている。これはまさに吉田内閣の突然解散以来のゆがんだ形になっているのです。
 本当に日本の民主制度が発展するためには悪しき先例をつくってはならない、この点を私は本当に強調したい。何も自民党が勝つ、民社党が勝つ、社会党が勝つという一時の有利不利の問題ではない。(「公明党がない」と呼ぶ者あり)公明党が勝つ。我が一番の友党をちょっとあれしまして、申しわけございませんでした。本当にこの点をもう一度よく考えていただきたい。大宰相として本当に中曽根総理が将来評価を受けるか受けないかということは一時の勝敗ではないのです。しかも、いわば総理の権限が全く侵すべからざるような解散権を持っているというような考えは、それは民主主義じゃない。これはどうしても良識を持ったものでなくてはいけないわけです。
 いささか次の人の時間を食いましたからこの辺でやめますけれども、最後にひとつ。
 私の言った意味が十分おわかりか。単に意見として聞いたではなくて、本当の意味でダブル選挙というものが問題である。例えば朝日新聞なども、同時選挙は許してはならないことであると何回も繰り返して言っているのです。これはまさに正論ですが、いろいろ新聞社が、そこに新聞社がいるから語弊があるけれども、マスコミがあおり立てている。これはまさに長い目で見たら日本の民主主義を乱すものだと思います。
 時間もございませんから、総理の最後の御感想と、解散について天地神明に誓ってやらないかどうか。
    〔野口委員長代理退席、堀之内委員長代理着席〕
○中曽根内閣総理大臣 保利書簡というものは、解散権は乱用してはいけない、慎重にやるべきであるということをおっしゃっておるので、第七条による政府の解散を否定しているものではないのです。よくお読みいただけばわかると思うのです。したがって、政局が非常に重大であるとか重大法案について国民の信を問うとか、第七条で許されている場合は保利さんも認めておったのでございます。ただ、乱用してはいかぬ、そういうことをおっしゃっておると私は伺っております。
○安倍(基)委員 時間ですけれども、これは大事な話ですから。
 保利さんは限定しているのです。予算案や重要法案が否決されたときあるいは審議が長期間ストップしたときと、いろいろ問題を限定しているのです。それが一つのボンサンスであるということでございます。この点よく……(「時間を守るのも民主主義だ」と呼ぶ者あり)これも申しわけなかった。本当によく考えていただきたい。
 これで私の質問は終わります。
○堀之内委員長代理 簑輪幸代君。
    〔堀之内委員長代理退席、委員長着席〕
○簑輪委員 撚糸工連事件についてお伺いしますが、本日、横手代議士が受託収賄の容疑で取り調べと捜索、差し押さえがあったという報道があり、先ほど容疑事実の概要も刑事局長から答弁されました。
 この事件については、贈収賄とともに政治資金規正法あるいは公職選挙法違反の問題もあるという指摘もされてきております。さらに、横手代議士にとどまらず、多数の政治家がこの撚糸工連事件にかかわっているというふうにも言われ、今後の捜査の進展が注目されるところであります。捜査当局として、このような受託収賄罪はもちろんのこと、収賄罪、政治資金規制法違反、公職選挙法違反等の容疑も含めて、徹底した厳正な捜査を行い、この汚職事件の全容、真相を国民に明らかにすべきであると考えます。
 そこで、捜査当局のこの事件に対する姿勢をお伺いしたいと思います。
○岡村政府委員 現在、検察当局におきましては鋭意捜査中でございまして、事案の実態を解明いたしまして、法律に従いまして適正な処理を行うものと思っております。
○簑輪委員 いやしくもうやむやにされることのないように徹底した捜査を強く求めたいと思います。
 総理大臣にお伺いいたします。
 総理は、先ほどこの事件について、まことに遺憾であり、政治倫理の上からも戒めとしたいというふうに述べられました。しかし、この撚糸工連の事件は、これにとどまらず、今後の進展ということが予測されます。捜査の進展によって、仮にさらに政府の高官あるいは与党議員にも捜査の手が及ぶという事態になったとしても、総理は、万が一にも指揮権発動など、捜査に介入するなどということは絶対にせずに、厳正な捜査を見守るという態度を堅持されるべきだと思いますが、その点についての総理の姿勢をお伺いしたいと思います。
○中曽根内閣総理大臣 議員や与党の議員を侮辱するようなことは、私は慎むべきである、もちろん捜査というものは厳正に行わるべきものであると思います。
○簑輪委員 いえ、私は与党の議員を侮辱したのではなく、万が一にもそのような事態に立ち至ったときにも総理・総裁として厳正な態度をとるようにということを求めただけでございますので、その点について総理が厳正な捜査を見守るという姿勢を堅持される、それが私がお尋ねした点でございます。決してそのような侮辱とかいうことではなく、いろいろと問題が指摘されているときだけに、疑惑を解明する総理の姿勢、重ねてお伺いしたいと思います。
○中曽根内閣総理大臣 司法当局の厳正な捜査というものを支持いたします。
○簑輪委員 そこで、アメリカのリビア爆撃についてお尋ねいたします。
 我が党は、いかなるものであれ、テロ行為には断固反対でございます。しかし、アメリカのテロ防止を口実にしたリビア本国への爆撃は、一方的な戦争行為であり、国際法上も自衛権の行使と言えない最悪の力の論理、武力支配の論理であり、どのような口実であろうとも絶対に容認できません。
 そこで、お伺いいたしますけれども、総理は首脳会談で、レーガン大統領から近いうちにリビア攻撃の可能性があるという情報提供を受けていたという報道もあります。総理が、このリビア爆撃についての情報を受け、どのような態度でレーガン大統領に意見を述べられ、あるいは意思表示をされたのか、お答えいただきたいと思います。
○中曽根内閣総理大臣 先ほど申し上げましたように、事前通知というようなそういう正式の話ではなくして、食事の最中に、リビアの行ったベルリンのディスコ爆破事件、あの事件については、事前、事後において我々は正確な証拠を握っておる、間違いない証拠を握っておる、しかも、いろいろこういうような問題がさらに伸びていく危険性を十分持っておる、そういう点から見て自分たちもこのまま放置できない、したがって、近い将来適当な措置をとる可能性がある、そういう話があったわけです。私は、いつやるとか何をやるとかということまでは言っておりません。ただ、先方は、確実なそういう証拠を握ってやっている、考えているということでありますから、それはそのまま聞き逃しておいた、食事の間の話であった、そういうことであります。
○簑輪委員 近いうちにリビアに対して適当な措置をとるということのみならず、リビア攻撃の可能性があるとの情報提供を受けていたというふうに後藤田官房長官が述べられたという報道がありますが、それは違うのでしょうか。
○中曽根内閣総理大臣 攻撃をするということは、そのときは聞いておりません。
○簑輪委員 総理はその席で、爆撃をするというふうに理解をされたのでしょうか、戦闘行動に入るだろうというふうに理解をされたのでしょうか、それとも、そうではないのでしょうか。
○中曽根内閣総理大臣 今申し上げたように、いつ、どういう行動をとるのか、それはわかりませんでした。
○簑輪委員 もちろんわからないけれども、そういう可能性があるというふうに理解を――諸般の情勢から見て、先ほど総理も答弁されましたように一度既にアメリカはリビアを爆撃しておりますので、そういう可能性があるということも当然予測されるわけですが、そう理解されたのではなく、皆目見当がつかないというふうに理解されたのでしょうか。
○中曽根内閣総理大臣 何をするかわからない、そういう状態でありまして、攻撃をするということを明確に意識したということではありません。
○簑輪委員 ちょっとそれは、今までのさまざまの日米間の関係、それからまたレーガン大統領と中曽根総理との関係等々から考えてみて、さっぱりわからないということは到底理解できないわけでございますが、私は、仮にそうであったとしたら、政治家として中曽根総理はひょっとしたら爆撃が行われるのではないかと思われるのが自然だと思いますが、そうではなかったのですか。
○中曽根内閣総理大臣 そのときは奥さんも一緒に三人で和やかな食事をして、それでいろいろよもやまの話をしているときでありますから、そういう殺伐な話ではなかったように思います。
○簑輪委員 それで、先ほどの論議の中でもございましたけれども、中曽根総理はこのアメリカのリビア爆撃について、アメリカが自衛権の発動であると述べているアメリカの立場、アメリカの理由はそうであるということを述べられましたけれども、同時に、拡大することは防がなければならないという御答弁がございました。といたしますと、今回のアメリカのリビア爆撃は容認し、今後これが拡大しないようにしなければならないというお考えなのでしょうか。
○中曽根内閣総理大臣 アメリカの側は、ともかくテロでしばしばやられておる、それで、この間はベルリンにおいてああいうディスコが爆破されて、無辜の市民まで巻き添えを食らって非常な被害を受けておる、ああいうことが続発しては困る、これはもう我々だってそう思いますね。無辜の市民がああいうふうに重傷を負ったり死んだりするということは極力避けなければならない。それでアメリカ側は、そういうことを起こしたのはどうもリビア政府であって、それが東ドイツのリビアの代表部との間で緊密な連絡が行われて、その爆破が起こる前それからその後においても確実な証拠を握っているという発表をしておりましたね。そういうような情勢のもとにああいうことが行われたということを見ると、これがまた連続して次にいろいろ行われる、アメリカの大使館がねらわれるとか、そういうような次のああいうテロ事件が起きるという危険性を非常に感じて、そういう意味でアメリカが自衛権を行使してやったとアメリカ側が言っておる。そういうことを言うアメリカ側の理由は、やはりそういう理由はアメリカは持つのか、持っているのだろう、またアメリカにはアメリカの立場があるであろう、そういうふうに私は考えたということであります。
○簑輪委員 私が今お聞きいたしましたのは、アメリカがそう言ったとしても、我が国総理大臣としての中曽根総理が、このアメリカのリビア爆撃が自衛権の行使として認められるという立場に立つのかそうでないのか、そのことをお尋ねしたいわけです。
○中曽根内閣総理大臣 これは、アメリカが確実に握っているという証拠が果たしてそういうものであるかどうか、私はまだ見たわけではありません。したがいまして、論評は避けておるわけであります。いずれそういう証拠が出てくれば、それはそれで我々も判定がついていくだろうと思いますが、しかし一応ベルリンにおいてああいう悲劇が起きて、あれだけの惨害を受けておるということは既に我々が知っておることでありますから、アメリカがそれほど確実な証拠を持ってやったと言う以上は、アメリカにはそういうアメリカの考えがあるんだろう、理由もあるんだろう、そういうふうに想像はしておるわけであります。
○簑輪委員 西ベルリンの爆弾テロについては、その真偽は別として、リビアのマンスール外相は、国連事務総長あての書簡で公式に事件への関与を否定しています。真偽はわかりませんが、そういう事態の中でアメリカの言い分を丸のみしてそれをそのまま認めていくということは、到底一国の総理の見識ある態度というべきではないと思います。
 自衛権の行使については、言うまでもなく急迫不正の侵害があること、他の手段によることができないこと、必要かつ相当な限度の反撃にとどまることの三要件、厳しい条件がついています。今回口実となっているテロ防止については、国際法にのっとって犯人の逮捕、処罰を行い、これに関与した政府の責任を厳正に問うのが国際的なルールであると思います。
 無辜の民を傷つけるテロ行為と総理はおっしゃいました。同時に、今度のアメリカのリビア爆撃は無辜の民を傷つけるものでもあるわけです。既に被害が明らかにもされておりますし、そういった面から考えましても、我が国のとるべき態度としては、私は、中曽根総理がレーガン大統領に対して、地中海の平和と世界の平和を脅かす戦争行為は即刻全面的に中止するよう強く申し入れるべきだと思うのです。
 今回のアメリカの行為をそのまま支持しているのはイギリスぐらいなもので、他の諸国は批判をしている。あるいはこの問題について論評をしないという態度をとっているわけですが、特にアラブ諸国は、親米派と言われる国も含めて今回のアメリカの行動を非難しています。レーガン大統領の今回の爆撃をそのまま日本政府が認めていくというような態度が世界に認められるとするならば、アラブ諸国からは日本は非友好国とみなされるということも考えられるわけです。
 そういう事実を踏まえて、私は、総理がレーガン大統領に率直に物を言うことのできる立場として行っておられるわけですから、ぜひともレーガン大統領にこのような戦争行為の即時全面中止を申し入れていくべきだと思いますが、いかがですか。
○中曽根内閣総理大臣 こういう事件が拡大したり、あるいは再発することはできるだけ避けるべきである、我々はこれが拡大することを望まない、それははっきり官房長官談話でも言っておるところでございます。
○簑輪委員 総理が直接レーガン大統領にその意思を表明されるという点はいかがですか。
○中曽根内閣総理大臣 政府の態度は官房長官が発表しております。
○簑輪委員 そうはいいましても、総理は直接に政府の態度、我が国の態度をレーガン大統領に物を言うことがしばしばあるわけですから、今回のような重要な問題点についてはぜひとも緊急にそういう態度をおとりいただきたいと思いますが、いかがですか。
○中曽根内閣総理大臣 大物官房長官で結構です。
○簑輪委員 総理のただいまの答弁は、私はまことに誠実でないと思います。私は、極めて遺憾であること、そして我が国がこういう問題に対して世界の国々から孤立し非難されることのないように厳しい態度をとるべきであることを強く申し上げて、質問を終わります。
○小泉委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○小泉委員長 この際、本案に対し、堀之内久男君外三名から、自由民主党・新自由国民連合の提案による修正案が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。中西啓介君。
    ―――――――――――――
 国の補助金等の臨時特例等に関する法律案に対
  する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○中西(啓)委員 ただいま議題となりました国の補助金等の臨時特例等に関する法律案に対する修正案につきまして、提案の趣旨及びその内容を御説明申し上げます。
 御承知のとおり、附則で定められているこの法律の施行期日は、原案では「昭和六十一年四月一日」とされておりますが、既にその期日を経過いたしておりますので、これを「公布の日」に改めるとともに、所要の規定の整備を行うこととするものであります。
 以上が本修正案の提案の趣旨及びその内容であります。
 何とぞ、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○小泉委員長 これにて修正案の趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○小泉委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。笹山登生君。
○笹山委員 私は、自由民主党・新自由国民連合を代表し、国の補助金等の臨時特例等に関する法律案及び同法案に対する修正案に賛成の意見を述べるものであります。
 現下の我が国財政は、巨額の公債残高を抱えながらも、なお多額の公債発行に依存せざるを得ないという状態を続けております。
 このような財政状態をこのまま放置するならば、今後の社会、経済の急激な変化に財政が適切かつ柔軟に対応することがますます困難となるばかりでなく、後代の国民は、多額の公債の元利払いのための負担のみを負うというまことに憂慮すべき事態に立ち至ることは必至であります。したがって、今後ともさらなる財政改革への努力に加え、徹底した歳入歳出構造の見直しの推進がぜひとも必要であると考える次第であります。
 しかも、これらの財政改革推進のためには、特に一般歳出の四割を超える補助金等の見直しを図ることが避けて通ることのできない課題となってまいります。
 もちろん補助金等の見直しによる整理合理化は、行政領域の見直しをも伴うものであるがゆえに、極めて困難な側面を持っていることはよく承知しております。しかし、困難がゆえにこそ、その努力までをも放棄するというわけにはいかないのであります。
 先般成立いたしました昭和六十一年度予算における補助金等の総額は、前年度当初比三千二百十一億円減と、五十九年度、六十年度に引き続き三年連続の減額を達成いたしております。しかも、この三千二百十一億円の減額は、真にやむを得ない増加要素を織り込みつつもなおかつ達成されたものであることから、私は、この点を特に高く評価するものであります。
 なお、本法律案は、このような補助金等の整理合理化の中核をなす諸施策を措置するもので、六十一年度予算と一体不可分の重要な法案となるものであります。
 また、本案に盛り込まれている各措置は、累次の臨調答申等の趣旨を踏まえ、事務事業の見直しを積極的に進めながら補助率の総合的見直し等を行うこととしたものであります。さらには、地方財政の円滑な運営に支障を生ずることのないよう、別途、財政金融上の措置を講じることにより、万全を期していることもあわせ考えれば、現下の厳しい財政状況等の中にあって政府のなされるこのような努力と英断に対し、深く敬意を覚えるものですらあります。
 なお、施行期日を公布の日に改める等の修正案についても、事の性質上当然の措置であると考えるものであります。
 今日の我が国社会、経済の著しい変化の中で、行政は広範多岐にわたる課題に対する適切な対応が迫られているにもかかわらず、国と地方の財政はいずれも厳しい環境下に置かれております。このようなことから、今後とも国、地方を通じる行財政改革を着実に進めていくことが、財政が国民の多様なニーズに対応するためにも喫緊の重要課題であることは申し上げるまでもありません。
 その意味で、政府が国民各位の理解と協力を得て行財政改革に引き続き積極的に取り組み、補助金等を含めた歳出全般にわたる節減合理化を一層推進することにより、限られた財源の中での財政資金の一層の効率化と行政運営の能率化を図られることを切望いたし、本法律案及び修正案に対する賛成討論を終わります。(拍手)
○小泉委員長 伊藤茂君。
○伊藤(茂)委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、国の補助金等の臨時特例等に関する法律案に対し反対の討論をいたします。
 反対の第一の理由は、政府が国会で表明してきたことをみずから踏みにじっている点であります。
 昨年、繰り返し一年限りと表明されたのに、今回はさらに二倍の金額の補助金の削減、しかも三年にわたるという内容を持ち出して、しかも反省の色がないのであります。政治の基礎は信頼、信用でありますが、この法律案は、政府みずからこれを突き崩していると言わなければなりません。
 反対の第二の理由は、政府が国と地方との関係、財政の将来展望を持たないままにこのような不当な法律案を提案をしたことであります。
 昨年の一括削減法案によって、地方財政、特に福祉や教育の面で深刻な問題が発生していることが本委員会及び連合審査会を通じて明らかにされました。また、この法案によって、地方財政は債務の累積、公債費の増大など構造的に悪化することも重大なことであります。これは自治権に対する抑圧、侵害であり、今、時代の要求となっている分権型社会への展望に逆行するものであります。
 反対の第三の理由は、このような政策によって福祉を初め戦後四十年築き上げてきた諸制度そのものを突き崩す危険性を持っていることであります。
 生活保護法を初め社会福祉諸制度は、憲法の規定と精神に基づいて、国の責任を基本にしてつくられてきたのでありますが、それを政府自身が否定しようとしていると言わなければなり史せん。さらに今、福祉型社会が大きな社会目標になっているにもかかわらず、住民の希望と参加のもとに地域社会を建設する道を妨害をすることになるのであります。
 今日、内外の経済社会条件が大きく変動している中で、二十一世紀に向けた我が国の設計図を明確にすることが強く求められているにもかかわらず、この法律案に示される政府の態度は、社会の将来への発展展望のないことをみずから証明するものと言わざるを得ません。
 以上の理由から本法案に強く反対し、討論を終わります。(拍手)
○小泉委員長 矢追秀彦君。
○矢追委員 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、国の補助金等の臨時特例等に関する法律案及び同法律案に対する修正案に対し、反対の立場から討論を行います。
 反対する第一の理由は、六十年度における補助金カット一括法は一年限りの措置であると言いながら、今回再び一括化した特例法案を提出し、しかも三年間の特例措置とした点であります。
 一年限りの措置ということは、六十一年度以降はもとの補助率に復元するものだとだれしも考えることは至極当然のことであります。それにもかかわらず、政府は再び、しかも三年間の暫定期間の特例法を提出し、多くの反対を押し切ってこれを成立させようとしていることは、国民を欺瞞し、国と地方の信頼関係を大きく損ない、将来に禍根を残すものであると言わざるを得ません。私は、このような政府の姿勢を絶対容認することができません。厳しく反省を求めるものであります。
 第二に、地方財政への影響額が極めて多額に上っている点であります。
 今回の補助率の引き下げによる地方財政への影響額は一兆一千七百億円と、六十年度における五千八百億円と比較いたしまして実に倍増しております。しかも、三年間の特例措置でありまして、年々これがふえていくことは十分に予想されるところであります。
 地方財政にとりましてこれだけの負担増になりながら、政府は、交付税の特例加算と建設地方債の増発で面倒を見ているから完全に補てんされ、負担増にはならないとの答弁に昨年来終始されているのでありますが、個々の自治体にとりましては、予算も満足に組めず、結局は住民に対する負担の増加を来すという、まことに憂慮すべき大きな問題となることが心配されるのであります。
 経過についていろいろ問題がありましたたばこ消費税の引き上げ措置も六十一年度限りのものであります。今後の地方財政対策については、そのときどきの諸情勢を勘案して適切な措置を講じると言われておりますが、これでは、地方団体は将来に対する見通しも立たず、不安を感ずるばかりで、まことに遺憾な姿勢であります。
 第三の理由は、今回の措置は、地方間の格差を拡大するおそれがあるということであります。
 本来国が負担すべき福祉、教育を中心に大幅なカットが行われることに伴いまして、それでなくても苦しい地方自治体の財政危機を一段と助長し、さらには、都道府県より市町村の方がより負担増が多くなっております。これによりまして地域格差がますます拡大していく傾向をもたらすことが懸念されます。これでは、全国にバランスのとれた行政サービスを住民が等しく受けることができず、平等の精神に反する結果となるのであります。
 第四は、国と地方との役割分担の基本的ルールを決めることを避けて通り、国の財政事情を理由に、ただ補助率だけを下げていくやり方には非常に問題があるということであります。
 補助金問題検討会報告においても、補助率のあり方については、個々の補助率について何ら具体的な提言がなされておらず、わずかに生活保護について両論併記の形での意見が報告されている程度で、すべて今後の検討にゆだねられていると言って過言ではありません。これでは、昨年一年の間に国と地方との役割分担、費用負担のあり方を検討すると約束した政府の言葉は一体何であったのでしょうか。私は、深い失望と大きな憤りを感ぜざるを得ません。
 最後に、昨年私どもがその提出のあり方について数多くの疑点を指摘したにもかかわらず、今回再びこのような一括法案を提出した政府の姿勢について反省を促すとともに、国民本位の、また、地方の自主性と自律性を尊重した真の行財政改革、補助金等の整理合理化を推進し、今後、いやしくも国の責任を地方に押しつけたり、単なる地方への財政負担の転嫁となるような措置をとることのないよう強く要求して、私の反対討論を終わります(拍手)
○小泉委員長 玉置一弥君。
○玉置(一)委員 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となっております国の補助金等の臨時特例等に関する法律案及び同修正案に対し、反対の討論を行うものであります。
 反対の第一の理由は、一律補助率のカットは六十年度限りの暫定措置とするべきとの国会の意思を踏みにじり、補助率カットの対象を拡大し、しかも、三年間の暫定措置として補助率カットを強行したことであります。これは政府の国会軽視のあらわれであり、断じて認めるわけにはいきません。
 第二は、補助率カットにより、国が本来一般会計で負担すべきものを地方公共団体の借金に肩がわりさせたことであります。国の財政政策の失敗を地方公共団体にしわ寄せする政府の姿勢はまことに遺憾であります。
 第三は、地方への負担の転嫁にとどまらず、補助率カットの穴埋めとしてたばこ消費税の増税という形で国民にも負担を転嫁したことであります。
 補助率を単にカットするだけでは、国、地方合わせた公費の負担は変わらず、行革に逆行する措置であります。十分な行革を行わず、負担を国民に転嫁することは言語道断であり、断じて認めるわけにはまいりません。また、税調の審議終了後、予算のつじつま合わせのためにたばこ消費税の増税を決めたことは、税調をないがしろにするものであり、問題であります。
 第四は、補助率カットに伴う地方財政対策は十分措置したと言いながら、それは今年度についてのみであって、来年度以降、十分な財政措置を行う保障が全くないということであります。
 第五は、補助率カットに対する地方財政対策として、建設地方債の元利償還を地方交付税で措置する傾向が強まるに伴い、地方団体固有の財源である地方交付税が国庫補助金的性格を強め、それだけ地方独自の施策の範囲を狭めてしまうことになるということであります。
 最後に、過疎地など投資的事業に一〇〇%近い地方債の充当が認められている地域では、経常経費に充てる一般財源が乏しく、経常経費部門の事業に支障を来すおそれがあり、地域間の格差を拡大することになるということであります。
 以上、反対の理由を述べ、私の反対討論を終わります。(拍手)
○小泉委員長 正森成二君。
○正森委員 私は、日本共産党・革新共同を代表し、ただいま議題となりましたいわゆる補助金削減一括法案及び自由民主党・新自由国民連合提出の修正案に対し、反対の討論を行います。
 反対理由の第一は、昨年の一括法の二倍にも上る国庫負担、補助率引き下げ等による地方負担増が地方の独自財源を食いつぶし、国民生活に重大な打撃を与えるからです。
 本法案は、生活保護法、老人福祉法、児童福祉法、義務教育国庫負担法など社会保障、福祉、教育、国民生活密着型公共事業など四十八本、四十九事項の法律を一括し、昨年の六千四百億円の二倍に当たる一兆二千八百億円もの国庫負担、補助率カットを予定しております。
 政府は、口を開けば、国と地方との負担区分の調整で、国民には直接影響なしなどと述べておりますが、これはとんでもないうそであります。審議で明らかになったように、昨年の一括法以来特に進行している生活保護などでの適正実施の名による非人道的な受給制限の強化、保育料値上げや保育所の閉鎖、老人ホーム入所料などの値上げ、教育条件悪化など、国庫負担削減の一方で国民負担と地方負担が激増するという傾向が本法案により一層拍車がかかることは必至であります。
 同時に、これらの措置は、憲法を初めこれらに基づいて築かれてきた各分野の制度、施策の原理原則を真っ向からじゅうりんするもので、断じて容認できないのであります。
 第二に、万全の措置を講じたという財源措置が、およそその名に値しないばかりか、地方財政の危機を一層深めるからであります。
 一年限りという二千四百億円のたばこ消費税引き上げは、国民への負担転嫁そのものであります。また、一兆四百億円の地方債増発による財源措置も、将来その元利償還に必要な経費の半分にも満たない額を国が手当てするだけで、残りは完全に地方みずからの持ち出しになることが明らかです。この点は、自治自身、地方財政の圧迫要因となり、地方財政の健全性と逆行することは事実と認めているところであります。
 第三に、本法案が制度全面改悪のてことされることが確実だからであります。
 今回は三年間の暫定措置であるとし、特例期間後、五十九年度時点のもとの姿に戻るかのような印象も与えておりますが、一連の経過や制度、施策の根本見直しを声高に叫ぶ政府のやり方及び大蔵大臣の答弁から見て、三年後もカットが継続され、さらなる制度改悪のてことされるであろうことが十分予想されます。
 第四に、本法案が、住民サービス切り捨てと住民負担増、地方自治じゅうりんの地方行革大綱全面実施の強要や、裁判抜き代執行導入法案などとともに、政府による地方自治破壊攻撃の中核をなすからであります。
 第五に、広範多岐にわたる多数の法律を一括提出、審議した問題であります。
 既に述べたように、本法案による措置対象は、いずれもが長年にわたって血のにじむような国民の声と闘いを反映し、関係委員会での慎重な審議の上に築かれてきた制度、施策ばかりであります。これら各分野の制度改悪を一括提出し、一本の法律で一挙に片づけようとする一括処理方式は、議会制民主主義を形骸化するもので、断じて容認できません。
 最後に、昨年の一括法をさらにエスカレートした重大な内容を持つ本法案は政府の臨調行革路線の一環であり、軍拡、大企業擁護の政策によって生じた財政赤字のツケを全く責任のない国民と地方自治体に一方的に転嫁し、押しつけるもので、政府の反国民的な行革路線を一層新たな段階に押し上げようとするものにほかなりません。
 日本共産党・革新共同は、このような本法案に断固反対し、行財政改革を国民本位の方向に根本的に転換するよう強く要求し、私の反対討論を終わります。(拍手)
○小泉委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○小泉委員長 これより国の補助金等の臨時特例等に関する法律案について採決に入ります。
 まず、堀之内久男君外三名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○小泉委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決された修正部分を除く原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○小泉委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○小泉委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、中村正三郎君外三名から、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。上田卓三君。
○上田(卓)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、案文を朗読いたします。
    国の補助金等の臨時特例等に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について十分配慮すべきである。
 一 今回の措置は、国庫補助金等に係る三年間の暫定措置であることに鑑み、六十二年度以降においても地方の行財政運営に支障を生じないよう万全の措置を講ずることとし、その具体的措置を予算編成時ごとに明示すること。
   この間においては、義務教育費国庫負担法による二分の一国庫負担率の引下げなど、国・地方間の財政関係を基本的に変更するような補助率の引下げは行わないこと。
 二 年金国庫負担金の繰延べに係る元利の返済に当たっては、その返済を計画的かつ、速やかに行うよう措置すること。
 三 生活保護については、社会保障における根幹的制度であることを踏まえ、公平公正な執行を図るものとすること。
   また、高齢化社会の到来に備え、在宅福祉についても、その充実に努めること。
 四 国庫負担金及び補助金の整理に当たっては、国・地方公共団体との行政責任を明確にし、一般財源化する場合は、適切にして、十分な財源の措置を講ずること。
   また、奨励補助金の整理については、適宜見直しを行い措置すること。
   なお、地方公共団体に対する国庫補助金等については、予算書上の区分の明確化に努めること。
 五 地域振興と地域格差の是正を図るため、公共事業の長期計画の着実な進捗に努めるものとすること。
 六 今後の税財政制度の検討に当たっては、六十六年度以降における既往の借入金償還財源の確保はもとより、地方財政の自主性を尊重し、財源の国と地方との均衡を図り、安定的地方財政の確立を図ること。
 七 法律の改廃に当たっては、立法の趣旨と制定の経過を踏まえ、国会審議のあり方について、十分配慮すること。
 八 補助金行政に伴う種々の問題点については、引き続きその解消に努めること。
以上であります。
 よろしく御賛成いただきますようお願い申し上げます。
○小泉委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○小泉委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 本附帯決議に対し、政府より発言を求められておりますので、これを許します。竹下大蔵大臣。
○竹下国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、政府といたしましても、御趣旨を踏まえまして、配意してまいりたいと存じます。
 ありがとうございました。
    ―――――――――――――
○小泉委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小泉委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○小泉委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後七時三十九分散会
     ――――◇―――――