第104回国会 農林水産委員会 第16号
昭和六十一年五月八日(木曜日)
    午前十時三十四分開議
出席委員
  委員長代理理事 島村 宜伸君
   理事 衛藤征士郎君 理事 近藤 元次君
   理事 串原 義直君 理事 田中 恒利君
   理事 武田 一夫君 理事 神田  厚君
      上草 義輝君    鍵田忠三郎君
      片岡 清一君    菊池福治郎君
      鈴木 宗男君    田邉 國男君
      月原 茂皓君    野呂田芳成君
      松田 九郎君    三池  信君
      山岡 謙蔵君    五十嵐広三君
      島田 琢郎君    新村 源雄君
      竹内  猛君    辻  一彦君
      和田 貞夫君    菅原喜重郎君
      津川 武一君    中林 佳子君
 出席国務大臣
        農林水産大臣  羽田  孜君
 出席政府委員
        外務省アジア局
        長       後藤 利雄君
        農林水産政務次
        官       保利 耕輔君
        農林水産大臣官
        房長      田中 宏尚君
        農林水産大臣官
        房審議官    眞木 秀郎君
        農林水産省経済
        局長      後藤 康夫君
        農林水産省構造
        改善局長    佐竹 五六君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    関谷 俊作君
        農林水産省畜産
        局長      大坪 敏男君
        食糧庁長官   石川  弘君
        林野庁長官   田中 恒寿君
        水産庁長官   佐野 宏哉君
 委員外の出席者
        科学技術庁原子
        力安全局原子力
        安全調査室長  今村  治君
        国土庁土地局土
        地利用調整課長 山崎 皓一君
        外務大臣官房領
        事移住部領事第
        二課長     本田  均君
        外務省国際連合
        局原子力課長  山田  広君
        大蔵省主計局主
        計官      竹内 克伸君
        厚生省生活衛生
        局食品保健課長 大澤  進君
        中小企業庁計画
        部金融課長   土居 征夫君
        海上保安庁警備
        救難部長    邊見 正和君
        労働省職業安定
        局雇用政策課長 井上 文彦君
        建設省都市局都
        市計画課長   伴   襄君
        農林水産委員会
        調査室長    羽多  實君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月八日
 辞任       補欠選任
  日野 市朗君   和田 貞夫君
  細谷 昭雄君   五十嵐広三君
同日
 辞任       補欠選任
  五十嵐広三君   細谷 昭雄君
  和田 貞夫君   日野 市朗君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 農林水産業の振興に関する件
     ――――◇―――――
○島村委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長が所用のため、その指名により私が委員長の職務を行います。
 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹内猛君。
○竹内(猛)委員 私は、農林省が先ほど公表した六十年度の農業白書及び五月六日に終了したところの東京サミットに関連し、さらに農業問題に関連をして農家負債の問題並びに鶏卵の需給安定の問題、この四点に向かって質問をします。
 まず最初に、過ぐる四月八日に発表した六十年度の農業白書は、海外からの市場開放の要求に対応する農業の体質を強化する、こういうところに重点が置かれており、我が国が世界一の食糧の輸入国であり、同時にまた、平和である限り、国内においては、ある物は生産過剰の状態にある、こういうことはどこの国にも見られない現象であり、同時に、さらに異常なものとしては、農家の後継者が、高卒がお医者さんの数よりも少ない、そして高齢者がどんどんふえる、女性の農業労働力がふえるというような極めて異常な状態であるという、こういう中で、八〇年代の長期展望に関連をして、私はしばしば本席上から、これを見直しをしたらどうだ、こういう提起をしましたところ、農林水産省の方でも、これに対して一定の会議を持っておるようでありますが、これは大体いつごろまでに結論を出そうとしているのか、その目標と日程についてまずお伺いしたい。
○田中(宏尚)政府委員 去年の暮れ以来、長期ビジョンについてのフォローアップ作業を行ってきたわけでございますけれども、このフォローアップ作業の結果を踏まえまして、先般、四月二十一日に農政審議会に対しまして、長期的視点からあすの農業のあるべき姿を展望するということで、二十一世紀へ向けての日本の農業のビジョンというものを策定していただきたいということをお願いしてあるわけでございます。
 今後のスケジュールにつきましては、まだそういう審議会での検討でございますので定かではないわけでございますけれども、水田利用再編対策の後の対策ということもございますし、いろいろと懸案事項がございますので、その基本的な考え方につきましては、おおむねことしの秋ということを目途にとりあえず取りまとめていただきたいというふうに我々としては考えておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 それでは、秋を目標にする、そういうことですが、これに関連をして、五月六日に終了した東京サミットは、さきに中曽根総理が経構研のいわゆる前川レポートを、七項目を持って訪米した、レーガン大統領との話し合いの中でこれは遮られたというか、採用されないような状態、こういうふうになっております。そこで、この農業問題、今度は東京においてやったところの会議においては農業問題に一歩踏み込んだということがいろいろ伝えられている。一体、この経構研という総理大臣の私的諮問機関というものがいろいろなことをする、それを一々あたかも正規の委員会の代表のような形で取り扱われるということは甚だ公私混同である、こういうふうに考えるわけでありますけれども、この辺は、農政を担当する農林大臣としては、このような扱いについてどういうふうに考えられるか、まず大臣の所見をお聞きしたい。
○羽田国務大臣 私的諮問機関、まさに総理大臣がいろいろと政策を進めていくに当たって、いろいろな各界の皆さん方あるいはまた専門の皆様方の御意見を伺おうということで伺う、そして、そういったものを念頭に置きながらいろいろな政策について一つの方向を総理が示されるということにあるというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、経構研の報告の内容の中に農業政策についても含まれたものでありまして、その指摘するところは、国際化時代にふさわしい農業政策の推進を提言をいたしております。政府としましては、こういった総理からの指針といいますか、方向を参考といたしまして経済構造調整を推進することとしまして、先般、経済構造調整推進要綱、こういったものを作成をいたしたところであります。私どもといたしましても、この推進要綱に基づきまして、国際化時代にふさわしい農業政策のあり方については、新しい農政の長期ビジョン、今竹内先生から御指摘のございました農政審におきまして、この長期ビジョンについて検討をいたしております。こういう中で、こういう問題も含めて、またこういう問題を参考にしながら、そういった指摘を参考にしながら検討を進めていってもらいたいというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 経構研の内容に関連をしては、農業は過保護であるとかいろいろな問題が出されている。こういうようなことを後追いのような形で、いろいろ問題が出れば、今度は閣議にかけたり、自民党の機関に相談をしたりする。こういう中曽根総理の物のやり方、例えば、教育についても教育臨調というものがあり、これも気に入った者だけを集めて相談をして、それをあたかも国の機関のように取り扱う、こういう公私混同というものについて、我々は極めてこれは遺憾にたえない。こういうことだけは申し上げておくし、同時に農業の問題に関連をしては、少なくとも農業が、日本のように、一面においては過剰があり、一面においては、穀物のように、大豆のように小麦のように、何としても国内で自給ができない、輸入をしなければならないというものがある、その中で労働力が後退をしていく、こういう前途に非常に暗いものがある状態の中で、依然として過保護であるという議論が続いている。
 田中官房長から先ほどお話があったけれども、ある新聞によると、やはり農林省が今進めている長期見通しの中でも経構研の提案をかなり参考にしていこう、こういうようなことが書いてあるけれども、本当かどうか、その点についてちょっと伺いたい。
○田中(宏尚)政府委員 農政審では二十一世紀に向けまして幅広い検討をしておりますので、先般公表されましたいわゆる前川レポートにつきましても、その検討の一つとして十分参考にさせていただきたいと思っております。
○竹内(猛)委員 その中では、これは東京サミットの中でも問題になっているように、農業が過保護である、だから開放しろ、こういう議論に尽きていると思うのですね。そうなると、現在十二品目がまだ問題になっているようですが、この十二品目をとってみた場合に、例えば牛肉にしてもそれからオレンジにしても、落花生にしてもそれから雑豆にしても、これは地域の特産物であって、日本全体のものではないわけなんですね。その地域においてはなくてはならないそういう特産物について、国内では、例えば和牛についても酪農についてもこれに補助金を出し、あるいはいろいろな努力をして推進をしている中で、一方においては開放する、こういう問題。しかも、国内においては既に輸入の中の二〇%、二百八十億ドルぐらいの輸入はしているはずなんです。にもかかわらず、この十二品目で、一体全部仮に開放したとしたら幾らの金額になるのか、そして、それが一体日本の七百億ドルと言われる貿易黒字を救うことができるのか、これは経済的な問題なのかそれとも精神的な問題なのか、あるいは気分的に自由化しなければおもしろくないという気分なのか。その辺はどうなのか、率直にその点について聞きたい。
○後藤(康)政府委員 お答えを申し上げます。
 牛肉、かんきつにつきましては二年前に米国との間で決着をいたしまして、四年間のアレンジメント、協定がございますので、現在問題になっておりますのは、雑豆、落花生等の十二品目でございます。
 農産物の自由化は、品目によってその程度には差があろうと思いますけれども、我が国の農業生産なり関係農家に大きな影響を及ぼすものというふうに私どもも考えておりますが、その影響の度合いにつきましては、輸入品と国産品との競合関係、それからまた、自由化をされまして外からある農産物の輸入が増大をいたしました場合に、消費の上で代替なり競合関係にあります産品へどういう波及効果が及ぶかというようなことがございます。また、我が国が輸入を増加をいたしました場合に、農産物の国際需給とか価格に影響を及ぼし、国際価格が上がるというような可能性もあるわけでございまして、いろいろな変動要因が考えられますので、定量的に把握をするということは非常に難しいというふうに考えております。したがいまして、十二品目を自由化した場合にその輸入額の増加がどのくらいになるかということにつきまして計測することは、率直に申しまして困難だというふうに考えております。
 十二品目の輸入額というものを御参考までに申し上げさせていただきますと、林産物、水産物は別にしまして、農産物で一九八四年に我が国が百八十六億ドル輸入しておりますが、そのうちの大体一・五%ぐらい。アメリカから七十七億ドルほど農産物を輸入しておりますが、大体一%程度という規模でございますので、今、七百億ドルという貿易黒字のお話が先生のお尋ねの中にございましたけれども、これが仮に相当、何倍かにふえたにいたしましても、七百億ドルというふうな数字との比較におきましては、とてもそれを消すというようなことになる筋合いのものではないというふうに私どもは考えております。
 アメリカの申しておりますのは、これは私どもと見解を異にしているわけでございますけれども、この十二品目の輸入割り当てというのがガット違反である、したがってこれを撤廃をすべきである、こういうことから我が国に対して自由化を要求をしてきておる、こういうことでございます。
○竹内(猛)委員 その金額の問題ではなくて、ガット違反である、だからけしからぬと。しかし、アメリカの国内の問題とすればやはり失業とかインフレとかそういうような問題が非常に問題になっているときに、日本の、しかも地域においては、これはその地域の特産物なんですね、あらゆる地域でどこでもできる米と違って特産物、そういう特産物までつぶしてなお輸入をしろということ、これは非常に無理な話なんです。この点については、国際通の農林大臣、どうですか、その辺の今の行き方についてひとつ所見を伺いたい。
○羽田国務大臣 今、先生御議論がありました中でありますけれども、アメリカ自身もやはり国境保護措置として、ガット加入時の例のあのウエーバー十三品目、これは酪農品ですとかピーナツですとか綿、こういったもの、また輸入制限品目の一品目、これは精製糖ですか、これがございます。また、例の食肉輸入法に基づくところの実質的な輸入制限措置、こういったものを講じておりますし、もちろんECにおきましても、共通農業政策のもとで、穀物、酪農品、食肉等の主要品目六十品目相当について、輸入課徴金、こういったものを徴収することによって域内の農業を守ろうということをやっておるわけでございます。こういったように、各国それぞれの事情に応じまして国境保護措置というものは講じております。
 そこで、今お話がありましたように地域農業についてどうだというのは、今申し上げたように、やはり各国とも地域の特産ですとかあるいはそれぞれの国の主要な農産物について国境保護措置をしておるということで、今先生から御指摘がありましたように、全体としては量はそんなに多くないけれども、地域にとって非常に地域経済というものを支えておる、あるいは農村社会というものを支えておる、こういうものについて私どもとしても各国の理解を得ようということで、今十二品目問題についても特にアメリカと話し合っておるということであります。
 ただ、アメリカとしては日本の主張する十二品目については、これはガット違反であるということを主張しておるわけでありますけれども、その背景は、今局長の方からもいろいろとお話ありましたけれども、いずれにしても貿易の収支が非常に不均衡であるという実情、これが一番の中心でありましょう。私どもが彼らといろいろ話しておりますと、日本と競争できるもの、なかなか電気製品とかいろいろなものが難しくなってきた、スケールメリットで競争するもの以外なかなか競争ができないのだ、比較的に優位なのは農産物であるなんという言い方をしておりますけれども、先ほど前段私がずっと申し上げましたようなことで、そういったものについて日本の地域経済というものをあれし、また社会の不安を呼び起こすことになるので、なかなか私たちとしてはあなた方のおっしゃるとおりにやるわけにいかないのですよという説明をずっと続けてきておるところであります。
○竹内(猛)委員 今の大臣の言われるように地域経済において極めて重要な役割をしているオレンジ、あるいは落花生などというのは千葉県、茨城県が中心になっているし、茨城県では特に自民党の議員がわざわざアメリカまで行って、落花生議員団までつくって頑張ってやっているのだ。しかも僕のところでは筑波落花生なんていう銘柄までつけてやろうとしているときに、アメリカでできる落花生じゃなくて中国あたりから入ってくる落花生まで自由化しろなんて余計なことを言う。トマトにしても台湾あたりから入ってくるのでしょう。そういうようなよその国のものまで入れてガットの問題でやろうなんて、大体肉だってそうじゃないですか。そういうようなことについては断固として地域経済を守るために頑張ってもらいたいと思うのですね。
 ヨーロッパはどうだ。確かに今度のサミットの中では農業はECの問題に問題が移っていた。先般眞木審議官から本委員会で話がありまして、ヨーロッパにおいては域内の農業を守るためには、輸入については輸入課徴金、輸出については輸出奨励金、こういうものを出してちゃんと農業を守っておる。アメリカ自体だって価格支持制度というものをつくって大体四兆ぐらいの金を使ってやっているじゃないですか。日本だって、それは国内においての農業を守るためには当然一定の保護をするのは当たり前の話なんだ。各国が無防備で裸で競争しようなんて、そんなばかなことに協力できるはずがないと思うのですね。この辺は断固として頑張ってもらいたいということを、これは大臣の言葉としてひとつ残しておいてもらいたい。
○羽田国務大臣 今十二品目問題が一番の当面の問題になっておりますけれども、この問題につきましては先般来、御案内のとおり局長あるいは審議官初め担当の皆さん方がアメリカに渡りまして話し、また向こうから来る人たちとも話し合っておりますし、また駐米日本大使もいろいろと御苦労いただいてくださっておるということでありまして、我が国の実情というものを十分訴えていきたいと思っております。
 ただ、先般来御議論ありますいろいろな議論、あるいは各界からのいろいろな指摘というのは、ただ日本農業は過保護だということだけでなくて、日本の食糧を安定して確保するためにも、あるいは日本農業を本当に足腰の強いものにするためにも、今のままでいいのですかといういろいろな指摘もあるんだということを私たちは踏まえなければいけないというふうに考えております。ですから、ただ過保護ということじゃなくて、今のままの構造でいいのですかというような指摘もあるのだということ、これも私ども新しい農業を進めていくためには念頭に置かなければいけないことじゃないかな、ともかくいろいろな指摘というものを私たち参考にしながらこれから農政審議会の中でも十分議論していただきたいと思っております。
○竹内(猛)委員 いろいろな意見を参考にすることは結構だが、国会においては五十五年の国内における食糧自給力強化に関する決議、自給力という言葉にはちょっと気に入らないところがあるのだけれども、力というのじゃなくて自給度という言葉が必要だと思うのですね。これはいろいろな議論でそうなったから……。それから五十七年の海外からの輸入についても一定の限度を設けてやるという二つの国会決議というものが厳然としてまだ生きているし、その目標に向かって農林水産省が計画を立てて進む、このことについてはぜひ進めてもらいたい、こういうふうに思うのです。
 ところで、一番心配している問題は、ポスト三期に関連してくるが、この前もこの委員会で辻委員から質問があったけれども、先般のある新聞の中に、リンというアメリカの農務長官が米を日本に、こういうことを言い出した。米はなるほど沖縄を除いては日本の国内すべてのところにできる一般的な農産物であり、しかもその金額は大きい。これについてポスト三期の問題、土地利用も含めて、食管制度については根幹を守ると言うけれども、一体どのように食糧問題を、米の問題を、これから季節にも入ったし考えられるのか、その点についてまず基本的なお考えを聞きたい。
○石川政府委員 前段にございました、何か外国から入れろというようなお話でございますが、これは再度私どもも、米が日本の食生活の中でも農政の中でも大変大事なことだということを説明もいたしておりますが、ああいう新聞記事が出ましたこともございまして、事務的にアメリカの政府関係者にもこういう記事が出たことも含めて話してございます。アメリカの方は、政府としまして日本に対して米の輸入を要請するというような事実はないということをはっきり言っております。御承知のような米の自給に関する国会決議もございまして、私どもは国内のもので自給していくという基本的考え方は変わっておりません。
 それからポスト二期との関連でございますが、やはりこれから日本の稲作を担っていただく方々が健全に育つような、そういう形で米の再生産を確保していきたいわけでございます。そういう意味で今持っております食糧管理制度の根幹の部分というのは維持をしていかなければいかぬと思っております。
 ただ、私ども大変心配をいたしますのは、時々生産者の中から、何かむしろ食管が桎梏であって、もっと自由にやった方がいいのだというような御意見もあるようでございますけれども、これは先ほど先生御指摘の外国との関係も含めまして考えました場合に、今の管理制度の基本となっておりますところは持っておりませんと、その外国との関係も維持ができないわけでございますので、ポスト三期の場合にもいろいろと考えていかなければならぬことは多いと思いますけれども、食糧管理制度の基本は維持していくつもりでございます。
○竹内(猛)委員 根幹という言葉についてやはり明らかにしておく必要がある。根幹というのは、必要な米は国が買い入れをする、これが第一点。それから生産者と消費者との間の二重価格制、これが第二点。第三点は、生産者の価格は生産費、所得を補償するという第三条、それから消費者価格については家計を脅かさないようにするということ。これが根幹だと思うのだけれども、間違いないかどうか。
○石川政府委員 今先生が御指摘の中で再生産を確保していくということ、これはどういう農家の再生産を確保するかという問題はあるわけでございますが、私どもは今後日本の稲作をしょっていただく方々の再生産を確保していくということが一つだと思います。それから消費者価格につきましては、消費者の方々の家計の安定を旨として定める、これも一つの大事なことだと思います。
 ただ、御指摘の二重価格という問題でございますが、これはコストの問題とかいろいろな問題を含めいろいろ議論があるわけでございますが、私どもは必ずしも売りと買いが逆転しておりますような逆ざや現象みたいなことが食管の根幹とは思っておりませんで、その点につきましては両者の米価が適正に定められておれば、それは食糧管理制度の根幹だと思います。
 もう一つ非常に大事な部分といたしまして、米を管理する中で、特に外国との関係におきまして責任を持って国が管理をしていくというところが大事な部分であろうかと思っております。
○竹内(猛)委員 そこで今度は、これは国土庁からも発表されたことでありますが、二〇〇〇年代になると農地が百万ヘクタール空白になる、こういうことが言われているし、それから農水省の方でも、特に五百五十万ヘクタールの土地の中で六十万はもう減反で第三期も押し通していく、さらに十万ヘクタールぐらいのものが加えられるであろう、こういうふうに言われていますね。そうなると、その土地というのは現在大体どういうところにあるかというと、山間僻地、急傾斜地、こういうところですね。非常に土質の悪いところにその土地がある。今は原野になったり草が生えたり、大変荒れておりますね。心も荒れておるけれども、土地も荒れておる。そういう土地を一体今後どのように活用するのか。あるいは今日まで三期やってきた、その三期の中でどのように使われたか、何が一体そこには成長したのか。これは、米以外に米と同じような、あるいは米にまさるようなものができたのかどうなのかということについては、しばしばこの場でも質問したが、もう一度その点についてお伺いをしたい。
○関谷政府委員 大体六十万ヘクタール基準でやっております現在の転作等の内容でございますが、今先生のお尋ねのございましたような、もちろん比較的転作率の低いところでは割合生産力の低い水田に傾斜して転作等しているというところもございますけれども、一般的にはかなり転作率の高いところなどもございますので、やはりこれからの農業の需要動向に応じた、その地域に適した作物をつくるということで、内容的には地域によってかなり作物の内容に違いがあるわけでございます。
 例えば、北海道のようなところでは飼料作物等、大豆、この辺が圧倒的に多いわけでございまして、これだけで約六万ヘクタールぐらいあるとか、それから東北では飼料作物、関東、東海、近畿等に参りますとかなり野菜作のウエートが高い、こういうような地域的な状況もございます。やはり転作の意味合いと申しますのは、いわゆるその土地を完全に遊ばせるということよりも、むしろそれぞれの地域の条件に適した、しかもできるだけ有利なものをつくっていく、こういうようなことがねらいでございますので、そういうような趣旨に沿ってこれからも対策を講じていかなければいけないし、ポスト三期においても、そういう意味合いにおける地域農業のいわば再編成と申しますか、そういう視点を重点に置いて考えていくべきものと思っております。
○竹内(猛)委員 これからの農業の場合には、やはり農家の所得というものを明らかにする、見やすくする、そして農家にそれならやろうという意欲を持たせなければいけない。そのためには安定ですね。安定的所得というものと過剰傾向、これをどういうぐあいに調整をするかということが一つの問題じゃないか、こういうふうに思うのです。そのときに、今言われるように地域特産物の話が出ましたが、ガットでいろいろ言っているところの地域特産物、これならやっていこう、伝統的にここではこういう土質でこういう気候でこれなら大丈夫だというものが今度は十二品目の中で起こされようとしているわけなんだから、これはどんなことがあっても守ってもらわなければ困る。それでなかったら今の関谷局長の理想と食い違ってくるわけだから。こういう点については極めて大事なものでありますね。特に必要であれば飼料作物などというものをもっとつくる必要があるのではないか。しかし、それは価格との関係でうまくいかない。えさ用の米をつくろうじゃないか、これもなかなか難しい。そういうことは知ってはおるけれども、やはりこれにつけてもなお工夫をして努力をする必要がある。
 そこで、やはりこれは極めて大事なポイントだと思いますが、六十万ヘクタール、これの活用ということについては、空間にしておくことは財政上もよくないし、それから農家自体の、農民の心を打ち砕いていく点でもよろしくない。そういう点で、この十二品目に関連をしてぜひがっちり地域の特産物を守るという形、官房で今作業をしている長期見通しの中にも地域特産物というものを一つ加えて、それと従来の米あるいはその他のもの等も加え、まあ、出稼ぎもあるだろう、公務員もいるだろうあるいは町の工場へ行っている者もいるだろう、こういうような総合所得で家計がやっていけるという形をとらなかったら地域社会はどうにもならない。その点については、これはぜひ官房長から答弁をしてもらおうかな。
○田中(宏尚)政府委員 これからの農業を考えます場合に、単なる個別経営としての規模拡大ではなくて、地域全体で農業をどう持っていくかという視点に立つことが先生御指摘のように必要でございまして、農家所得につきましても、単に農業所得だけじゃなくて、兼業なり、それから、ただいまお話のありました基幹作物のほかに地域特産物、こういうものを含めまして地域全体としての所得対策ということが必要かと思っております。
○竹内(猛)委員 先ほど来の話をしたけれども、食糧庁長官、米の問題については、これからの取り扱い、先ほどは根幹の話をしたが、需給関係から今後の水田利用の見通しというようなことについては一体どういうふうになっておるか、その点をちょっと……。
○石川政府委員 米の全体の需給でございますが、御承知のように、積み増し分を含めまして今大体一千万トンを少し超える千数十万トンオーダーでやってきたわけでございますが、単年度需給で申しますと、ほぼ一千万トン前後のものが今後考えられるわけでございます。長期見通しの線上で申しますと、まだ若干ずつ減ってきておるわけではございますが、幸いここ数年の動向は減り方が少なくなってきております。私ども、米の需要量がある程度の段階でいわば底支えされるような時期を期待しておりまして、そのためにも良質の米が供給できるようにあるいは需要が落ち込まないようないろいろな需要の拡大、これは他用途米等を含めましてやっておるわけでございます。そういう事態を想定いたしますと、今後のポスト三期の場合には、過去において積み増しをしてきました分については、需要が今の程度でございましてもやはり転換せざるを得ないということでございます。
 その場合大事だと思っておりますのは、転換する先の作物の生産性の問題もございますけれども、やはり米の生産性そのものが上がってまいりませんと、米の生産性が上がってまいりまして米につきましてかなり効率的な生産ができますれば、それに応じてその他作物との関係もいわば均衡がとれてくる。米を非常にコストの高い状態でつくっておいて、なおかつそれと均衡がとれるようにということになりますと、その他作物についてもいろいろと手厚く援助をしないとできぬということがございますので、ポスト三期で大事なことの一つは、米の生産性が上がるようなことを今後きちっと考えていかなければいかぬということと、それに応じて、先ほど申しました積み増し分につきまして、今の需給状況を頭に置きますればさらに転作面積をふやさざるを得ないわけでございまして、その分について、これは他用途の拡大というようなことも頭に置きながら今後いろいろと考えていく必要があろうかということで検討いたしておるところでございます。
○竹内(猛)委員 内需優先ということが最近言われ、民活という言葉があらわれてきた。そこで、生活する上においては衣食住ということがありますが、着るものはどうにか間に合っている。食うものも平和である限りどうにかなる。住む方が実は問題ですね。私は、前に建設委員会にいたころに、今の都市整備公団の総裁といろいろ質疑をする中で、日本には住宅が一千万戸足りない、三百六十万戸は建てかえをしなければならない、こういうことが言われている。五十何万かの建設業者、五百万の建設労働者、五十兆近い大きな産業だというような話もありました。
 そこで、国土庁が先般、二十一世紀になると大体百万ヘクタールの土地があくだろう。それから農林省の方でも、かなりの土地に対しての空白ができることも認めている。ところが、実際首都圏、三大都市圏を見ると、私のところは、東京を中心としますが、五十キロ、六十キロ圏の中で、現在三全総が総括されて四全総が実施をされようとしておりますが、横浜、八王子、浦和、土浦、千葉というように五つの拠点を結ぶような外郭のそれができている。そういう中で東京に通勤をしようとしても、交通の方はかなり便利にはなった、高速道路もできて便利になったが、土地の利用というものが依然として古い形の利用の形態にしかなっていない。
 四十三年に都市計画法ができて、四十九年には国土利用計画法ができた。それから構造改善局が担当している土地改良の法律によって農地という形になっているから簡単に転用できないということでこれは抑えている。この三つの呼吸が合わなければ、せっかく四全総で通勤距離の近いところに住宅団地をつくろうとしてもできない。あるいは、農地であるという原簿がありながら現在は草が生えて灌木の林になっているようなところもある。こういうような土地利用の形態について、最近は緩和をする、考えるというようなことを言い出したが、実際それは本当にやる気があるのかないのか。民活をするなら、やはり農地は農地としてちゃんとそこに作物をつくり、肥培管理をする、遊ばせておいて虫が飛んだり草が生えるようなそういうことはよろしくない。この点についてはそれぞれの担当省庁から考え方を述べてもらいたい。
○佐竹政府委員 特に三大都市圏等の土地利用に関しましては、ただいま先生御指摘のございましたように、私どもの所管しております農振法、それから建設省の所管しております都市計画法、さらにまた私どもの所管しております土地改良法、この三つの法律の運用がぴったり一致していなければならないことは御指摘のとおりでございまして、常日ごろから関係省庁とよく連絡協議しているところでございます。
 具体的な問題といたしましては、まず農用地区域内における耕作放棄地につきましては、これを放置いたしますことは国土の有効利用、食糧自給力の強化の観点から非常に問題であると考えておりますので、集落ごとにやる気のある農家に利用権が集積するように、ソフト、ハード両方面において事業を進めているところでございます。一方、御指摘のございましたような根強い宅地需要があることも現実でございまして、人口の動向、交通網の整備状況等を考慮いたしまして、都市化の確実だと認められる適地については随時見直しを行いまして市街化区域に編入するように措置しているところでございます。その際、主として客観的な条件によって判断しているわけでございますが、地元の意向も一つの判断の重要な要素になろうか、かように考えている次第でございます。
○伴説明員 お答え申し上げます。
 都市計画の方は線引きという形で市街化区域を設定いたしております。線引き制度につきましても、都市への急激な人口の集中に対応しまして無秩序な市街化の防止に大きく寄与していると思いますが、先生御指摘のとおり現下の根強い住宅宅地需要に十分対応し切れないという面も見受けられるわけでございます。そこで、線引き見直しが実態に即して弾力的に適切に行われますように、実は五十七年でございますけれども、線引き制度の運用改善の通達を出しまして、人口保留フレーム方式と言っておりますが、将来増加が予想されます人口枠だけをあらかじめ保留しておきまして、その範囲内ならば開発事業の見通しが立った時点で随時市街化区域に編入できるというような制度をいたしまして、これを各県に指示いたしております。
 現在線引きの見直しが三十五道府県で完了しておりまして、特に見直しのおくれているところだとか、あるいは先生御指摘のような人口増の著しいあるいは宅地需要の高い大都市圏の都市計画区域を中心にいたしまして緊急ヒアリングを行いまして、線引き見直しの早期完了と、今申し上げました保留フレームの早期解除というようなことを指導いたしております。
 それで、先生お話しの調整区域内の耕作放棄地というのでしょうか、そういう農地のことでございますけれども、これも単に農地として利用が見込まれないということだけを理由に市街化区域に入れるということはできないと思いますが、当該土地の規模だとか市街化区域との位置関係、あるいは道路等の公共施設の整備の見通し、そういったもので市街化を図ることが適当だと判断されるか、あるいは区画整理事業等によってここは計画的な整備が確実である、見通しが立っているといったようなところにつきまして、線引きの見直しとかあるいは先ほど申しました保留フレームの解除というような形で市街化区域に設定できると考えております。いずれにしても、それについても地元の合意形成ということがこれまた前提だと思っております。
○山崎説明員 先生御案内のように国土利用計画に関しましては国土利用計画法という法律がございまして、ここにおきまして、国土につきまして都市地域であるとか農業地域、森林地域、自然公園地域、自然保全地域と五つの地域区分を行いますとともに、都市計画法とか農業振興地域の整備に関する法律とか、こういった各種の法律の土地計画制度と相まちまして合理的な土地利用が進められていることになっているわけでございます。
 ただ、確かに具体的な問題として御指摘のようにいろいろな問題が生じていることはあろうかと思います。特に都市近郊等におきましてはいろいろな土地利用が競合しております関係でそういったことが生じがちかと思っております。しかし、いずれにいたしましても、限りある国土を合理的かつ適切に利用するためには合理的な事業を進めることが必要と思われますので、私ども、関係省庁とも協力しながら、こういった制度の趣旨に沿いましたより適切な運用を図ってまいりたい、かように考えているところでございます。
○竹内(猛)委員 ここで答弁を求めるわけじゃありませんが、一つの例を挙げておきますと、私の近くで言うと、特に学園都市というのは人口を二十二万に想定して、現在は十五万の人口であります。それから土浦市は二十五万の人口にしろという指示があっても現在十三万に満たない。県南を二百万の人口にしよう。これは東京へ片道大体一時間から一時間二十分で通勤できるところですから、そういうところに高速道路ができたりあるいは複々線をつくるような、そういう手だてができたりしている中で、土地の利用計画は著しくおくれている、地元も余り熱心じゃないというところに対する指導というものはやはりしてもらわなければいけない。逆にまた、筑波郡の伊奈村という村、今は町になりましたが、そこの村長は、都市計画法は憲法違反だからこれに従わない、土地は勝手に使ってもよろしいという形で、あっちにも住宅こっちにも住宅。これは非常に道路やあるいは下水のやり場に困って、あるいは託児所にも困っておるところもある。その後、計画、線引きをしたようなところもあります。もう一つは、市街化を指定をされたけれども、何としても農業をやりたいという農家がまとまって除外をしてくれというところもある。こういうようにいろいろなところがあるから、地元の要求に従えということだけではなくて、やはり調査をして、それでそれに応じて適切な指導をしていくというのがこの三省に必要なことじゃないのかということで、これはぜひそういうふうにしてもらいたいということを、これは要望しておきます。
 そこで、時間も来ておりますから、また例の養鶏に入るわけですが、この養鶏問題で私たちは三党で法律を出して、価格と需給の安定ということについて要望してきました。しかし、どうもそれは無理だ、こういうことで今のところ法律にはなっておりませんが、しかし、畜産局のかなり厳しい通達が出たために、一定の調査が行われた。行われたが、一千万羽のやみ養鶏というか、つまり規格外の羽数が出ている。そして、四月十八日の新聞では、これは価格がやがて下がるであろう、こういうことで、せっかくある程度まで持ち直した価格が下がってきた。ところが、きのうの新聞によると、全国で卵価急落という形で価格が急に落ちる。なぜかというとえつけですね、ひなが一〇%ぐらいふえている。こうなると、この秋になると養鶏の経営者に倒産をするのが出てくるのじゃないかという心配がある。こういうように、行政の限界というものがあるじゃないかということで非常に心配をしている。努力はわかるけれども、努力の限界というものがあるじゃないか。これについてはどうですか。
○大坪(敏)政府委員 まず最近の卵価の状況とえつけの状況について御説明申し上げますと、確かに卵価は昨年の六月以降は回復いたしまして、本年に入りましても、大体キログラム当たり三百円という高い水準を維持してまいったわけでございますが、五月に入りまして価格が下がってきておるのは事実でございます。ただ、この点につきましては、先生御案内のように、通常五月ないし七月は例年価格が下がる時期でございます。そういった意味で、私どもはこの価格の低下は通常の季節変動ではないかというふうに見ているわけでございます。ちなみに五月の価格でございますが、対前年同月比で見ますとなお高い数値にあることもまた事実であるわけでございます。
 一方、採卵鶏のひなのえつけについてでございますが、高い卵価、さらには相次ぐ配合飼料価格の値下げ等もございまして、昨年の七月以降ことしの初めにかけましては、各月対前年比一〇五%という増加が見られたわけでございますが、ことしに入りまして、私ども、先生御案内のような全国需給調整協議会なり全国の畜産課長会議等におきまして、将来の過剰生産のことも考えましてえつけの抑制の指導をしたわけでございます。その結果と言えるかどうか必ずしもはっきりいたしませんが、三月には、対前年を下回るようなえつけの数値となっておるわけでございます。
 そこで、鶏の、鶏卵の生産調整の進め方でございますが、先生御案内のように、現在の仕組みは、生産者なり生産者団体、さらには関係業界の代表者も加わりまして、かつ行政も参加いたしまして、全国、地域、県、市町村の各段階に鶏卵の需給調整会議を開きまして、この場を中心といたしまして飼養羽数の把握なり羽数の調整等の実施を行う、そういうことを通じまして鶏卵の生産調整を行っているわけでございますし、さらにまた生産者団体で構成いたします日本養鶏協会におきましても、鶏卵需給安定のための委員会を中央、地域、県の段階に設けまして、行政サイドの計画生産と連携を保ちながら自主的に計画生産を推進している、そういう状況にあるわけでございます。
 先生からは、法制化の問題等々、かねがね御提言をいただいているわけでございますが、私ども、現状から見ますれば、現在やっておりますように、あくまでも生産者による自主的な調整活動を行うことを基本としながら、行政側がこれを指導、支援をしていくという形の方が現実に即して適当ではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
 現在、先ほど先生から御指摘ございましたように、昨年の七月に出しました通達をもとにいたしまして各般の努力をいたしているわけでございますし、このような基本的な考えに立ちまして関係方面の意見も聞きながら、かつ公平、適切な計画生産が推進されるように私どもなりに引き続き努力していきたい、かように考えておるわけでございます。
○竹内(猛)委員 あと、ちょっと時間がないようですから、数点にわたって後藤局長の方に要請をして、これに対する対応をしてもらいたい。
 第一は、アウトサイダーの対策ですね。やみが一千万羽近く出たのですから、これをどうするかという問題。その次には、緊急時に対する対策としては、今の値段は定期的なものであると言われるけれども、これは構造的なものになりつつあると思いますから、これについての対応をしてもらいたい。そこで、社会党が出した法案が気に入らないならば、現在の養鶏振興法に対する手入れをする意思があるかないか、これが三つ目だ。それからその次に、新しい飼育羽数の枠ですね、つまり従来から決めたもののほかに一千万羽というのが出た、さらに調査をすればもう少し出るだろう、これは一体どういうふうな処置をするのかという問題ですね。それから緊急対策のお金の問題。それから卵価及び飼料安定基金に関する問題。これは入っても入らなくてもいい、こういうものだから、それから除外をすると言ったところで、除外をされても痛くもかゆくもない、そういうことではだめだから、全部が入って同じような立場で事をやっていくというようなことにしなければいけないと思うのですね。この六点を要請をしておきます。
 最後に、経済局長に一つ質問しますが、きのう本委員会で中金法の改正のときに農家負債の問題が出ておりました。これについて、意外に農家の負債の問題については軽微なものだというふうにお考えになっているのかどうかわかりませんが、固定負債というものが非常にふえてきた。各農協が、農協だけでは対応できなくて、別に民法上の組織をつくってこれに対応していこうというような動きがあっちこっちに出ている。こういう状態のときに、固定負債処理という問題について農水省としてどのように考えているのか、まず基本的にお伺いしたい。
○後藤(康)政府委員 お答え申し上げます。
 固定化負債の問題につきましては、これは全国平均の数字で見ます限りは、非常にそれが、特にこの一、二年深刻化しているという形にはなっておりません。ただ私どもも、地域で申しますれば日本の一番北の方と一番南の方、それからまた生産分野で申しますと主として畜産関係をやっておられる方々の中にかなり大きな負債を抱えておる方がおられるということについては認識をいたしております。
 私どもとしましても今まで、畜産局の方で酪農なり肉用牛につきましての負債整理関係の資金、それから私どもで直接予算を担当しております公庫の融資枠におきましても、ことしも自作農維持資金の再建整備資金というものの枠の増大も図るというようなことで対応いたしておりますが、同時に系統の中におきましても、今御指摘ございましたように特にそういう固定化債権を多く抱えている組合の問題もございます。昨日の当委員会でも参考人の森本理事長がお触れになりましたように、中金、信連、協会、全中含めましてこういった固定化負債が生じないような未然防止策と申しますか、経営指導なり貸付審査体制というような問題も含めての対応、それからまた既に発生をしておりますところについてどういう対応をしていくかということについて系統の内部でも今検討を始めておるところでございます。系統ともこれから十分相談をしながら、私ども必要な努力はやっていくつもりでございます。
○竹内(猛)委員 昨日、本委員会で津川委員から岩手県の安代町の負債の実態が話をされた。聞いてみると、いやそういうところもあるけれどもいいところもあるんだという話もありまして、私は今晩からあしたにかけて岩手の現地調査をします。そういうことですから、帰ってきてから話をした方がいいからここでは申し上げませんが、負債処理の問題は一つの局の問題ではないです。金というのは農業における血液ですから、その血液が動脈硬化をしてしまってどうにも動かなくなったときには人間は死んでしまう、日本の農業が血液の面から重病になってしまうのではないか、こういうおそれなしとしない。そこで、省内にもぜひこの農家負債に対する一つの連絡機関みたいなものをつくってもらって、これに対して、畜産局の責任が大きいと思いますが、責任という言葉はちょっと悪いけれども、窓口が大きいと思いますが、畜産局、経済局、水産にもあるでしょう。ともかく農家負債という問題に対して十分に対応できるような窓口をつくってほしい、このことを大臣にもともに要求しておきたいと思います。これはいかがですか。
○田中(宏尚)政府委員 金融そのものにつきましては、今お話しありましたように畜産であるとか水産であるとかいろいろなところにまたがりますので一括して経済局で処理しておりますけれども、事柄の重大性もございますので、常日ごろ経済局が中心になりまして官房とも相談しながら全省的に取り組んでおりますので、今後ともそういう姿勢で臨んでまいりたいと思っております。
○竹内(猛)委員 終わります。
○島村委員長代理 武田一夫君。
○武田委員 最初に大臣にちょっとお尋ねします。
 東京サミットの東京経済宣言の中で農業保護政策の見直しを求めるという一項目が採択されました。この影響について率直に大臣はどういうふうに考えているか、そのお考えをまず聞きたいなと思うのですが、いかがでしょうか。
○羽田国務大臣 今回のサミットの経済宣言に農業のコミュニケが盛られた背景には、国際的な農産物の過剰あるいは輸出競争の激化、また農産物価格の低迷などがありまして、当面の問題の焦点は輸出補助金のあり方、これにあるというふうに理解をいたしております。
 このような背景から見まして今回の経済宣言に盛られました内容は、まず第一は補助金によって国内の非効率な生産、これを増大してしまっておる、余剰分を輸出することによって世界的な過剰を生み出してしまっているという輸出国の問題であるというふうに理解をいたしております。しかしながら輸入国でございます我が国としても、農業構造の改善ですとかあるいは市場アクセスの改善などとも関連する問題と受けとめておりまして、生産性向上を通じて我が国農業の体質強化を図っていくことが必要であろうというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、今回の宣言では、OECDの作業を通じまして検討を進めることということになっておりますので、我が国としても積極的にこれに参加いたしまして、我が国の農業の実情が十分反映されるように対応してまいりたいというふうに考えておるところであります。
○武田委員 今OECDの話が出ましたけれども、今後経済協力開発機構の中での議論が注目されるというふうに思います。その動向の次第では日本の価格支持政策とかあるいは輸入規制の見直しというような問題にまで波及をするのじゃないか、そういう心配もされます。こういうことになると、外からまた市場開放の圧力が強くなるとか、国内にあっては今までもございました財界等からの食管制度を初めとするいわゆる各種支持政策の見直しの声というものに弾みをつけてしまうのではないか、こういうことで、今後こうした問題に対する対応をひとつ十分にしておかなければならぬというふうに思うわけでありますが、この件については大臣はいかが取り計らおうと考えておられるか、お聞きしたいと思います。
○羽田国務大臣 私どもといたしましても、こういった声というものが例えば日本の市場開放ですとかそういったものにつながってくる、そういったことに対して、先ほどから議論しておりますように地域経済にどんな影響を与えるのかという問題もございますので、常にこの動きというものを注意深く見守ると同時に、先ほど申し上げましたように我が国の状況というものをきちんと各国に理解していただくように説明をしていく努力がこれから必要であろうと思っております。それと同時に、そういった事態に対して対応できるように本当に足腰の強い農業をつくり上げていく、この体制というものを私たちみずからやっていかなければいけないというふうに考えております。
○武田委員 次に、きょうは科学技術庁、外務省にも来ていただいておりますが、ソ連の原発事故に関してちょっとお尋ねをしたいと思うのであります。
 ソ連の原発の大規模な事故の発生、それによって各国への放射能の影響があらわれている。特に最近日本の国内にその影響があちこちにあらわれてきまして日増しに地域も拡大されている。そういうことで非常なショックと同時に不安に駆られているわけであります。人体に影響のない放射能である、沃素131というのも人体に影響ないというような話でありますけれども、科学技術庁あるいは気象庁にも随分問い合わせがあって相当苦労したようであります。
 そこで最初に、この状況がなかなか正確にわからぬので困っているのですが、現状の正確な把握というのをされているのかどうか。現在のところつかんでいる、今後放射能を含んだ面やちりがどのくらい続くのか、あるいはピークが終わったものかどうかということが一つの大きな問題であると思うのですが、この件について科学技術庁と外務省からひとつその状況を聞かせていただきたい、こう思います。
○今村説明員 お答えいたします。
 ソ連のチュルノブイル原子力発電所事故の報道の後、御承知かと思いますけれども直ちに四月二十九日から関係各省庁、自治体等の協力のもとに全国的な放射能調査を実施してきております。
 放射能調査結果については、五月三日夕方ごろまでは当該発電所に由来すると思われる影響は認められなかったわけでございますが、五月三日以降採取した浮遊じん、雨水等の核種分析の結果、沃素131等の放射性物質が検出されております。このため、五月四日でございますが、放射能対策本部会合を開催いたしまして、さらに放射能調査体制を強化し、現在、空間線量率の測定、それから雨水、浮遊じん、水道水、牛乳、野菜、こういったものの調査を実施しているところでございます。
 現在までの調査結果は、先生もおっしゃいましたように健康上問題になるレベルではないと考えております。
 今後の放射能レベルの見通してございますけれども、残念なことに当該原子力発電所の事故の状況がつまびらかでないために、現時点で今後どうなるかというのを推測するのは非常に困難でございます。このため、こういった放射能対策につきましては、当分の間、現在行っている調査を継続していく考えでございまして、今後の調査結果いかんによっては当然のことながら適宜放射能対策本部の会合をまた開催して、適切な対策を講じてまいるということを考えております。
○山田説明員 外務省といたしましては、この事故の報道が実は四月二十九日にあったわけでございますけれども、それ以降、大使館等を総動員いたしまして事故情報の収集ということに全力を挙げております。多くの場合は、実はソ連政府の発表がごく限られたものでございまして、五月六日にソ連政府が発表しました内容が最も至近のものとしてはあるわけでございますが、これに基づきますと、四月二十六日に事故が発生し、火災、爆発を伴ったというようなことでございますが、実は、肝心かなめのどの程度の放射能物質が空中に放出されたかということと事故の実際の性格、規模等については発表がございませんで、今こういう点についての情報収集に全力を挙げているところでございます。
 大まかに申し上げれば以上のようなことでございます。
○武田委員 これは気象庁なんかも大変悩んでいると思うのですが、せめて各国の汚染の状況だけでも通報し合う体制があればなというのが率直なる心情だと思うのです。放射能予報というのは風任せなんというのでは、これは全然影響ないとかいってもその不安は大きいわけです。ましてや現地にいた日本人の方々が帰ってこられたら体内にも反応があったというようなことでありますから、これはそういう向こうの国の状況もあるのかもしらぬけれども、何かもっと積極的な対応ができなかったのか。ある人は、これは対岸の火事と見ておったのじゃないか、というのは、科学技術庁のある専門官は、これは一過性だと思っていたというようなことも言っておるわけです。これは予想以上にしつこい汚染の状況が日本にやってくるということでありますから、今後これがどういうふうになるかということは大変な問題じゃないか、こう思うのです。
 そこで、外務省にちょっと尋ねますが、専門家二人をソ連等に派遣したということを聞いておりますが、これはどういう目的でやって、その専門家からの報告が何か届いてないものかどうか、その点ひとつお聞きしたい。
○本田説明員 お答えいたします。
 今お話にありました日本人専門家の派遣の目的でございますけれども、これはソ連、東欧諸国及び一部西欧諸国の在留邦人が今回の事件の健康面への影響ということにつきまして非常に不安を持っているという状況でございますので、こういう状況を踏まえまして、外務省の方で科学技術庁の方にお願いしまして、これら邦人に対する健康上の指導及び助言を行うことを目的としまして専門家の派遣を行ったということでございます。
 それから、専門家からの報告でございますけれども、私どもが在ソ連日本大使館から受けた報告によりますと、派遣された専門家の方から現地の在留邦人に対する説明会を行いまして、私どもがモスクワからサンプルとして取り寄せました牛乳、飲料水等の日本国内での分析の結果というものを現地に派遣された専門家の方からわかりやすく説明いたしまして、これらのモスクワの汚染状況が現在の時点では日常生活を送る上で不安や心配を持つ必要はないものであるということを専門家の方からモスクワの在留邦人に説明をいたしましたという報告が参っております。
 それから、ポーランドの方でございますけれども、これは、在ポーランド日本大使館から外務省に入った報告によりますと、今モスクワについて御説明したのとほぼ同趣旨の説明をポーランドに派遣された専門家が行ったという報告が入っております。
 いずれにしましても、今回の日本からの専門家の派遣によりまして、説明会の結果、在留邦人の不安が非常に解消された。その意味で説明会は非常に有意義であったという報告を私ども受けております。
 以上でございます。
○武田委員 そういう報告があったということですが、それでは農林水産省に尋ねます。
 聞くところによると、ソ連、東欧地区から輸入している食料品が何種類かあるというふうに聞いておりますが、それはどういうもので、どこからどのくらいの数量が日本に来ているのか、そして、それは今余り身体に影響がないとかなんとか言うのですが、今後安全に処理されてくるものかどうかという問題をひとつ最初に聞いておきたいと思うのです。
○後藤(康)政府委員 お答えを申し上げます。
 ソ連、東欧諸国からの輸入農水産物について見ますと、八五年の実績で、ソ連からの輸入は水産物が中心でございまして、鯨肉七千トン、タラの卵五千トン、カニの一千トン等が主なものでございます。また、東欧諸国からは、飼料用のライ麦がポーランドから五万九千トン、チェコから五千トン、麦芽がチェコから二万七千トン、ポーランドから三千トン、脱脂粉乳がポーランドから一万トン、チェコ九千トン、ホップがチェコ一千トン等が主な輸入農産物でございます。
 これらの今後の安全性ということでございますけれども、これはいずれにいたしましても、科学技術庁なり厚生省とも今後御相談をし、連携をとりながらウォッチをしていくということになろうかと思いますが、水産物の場合はかなり海水の中におりますものでございますから、当然こういった放射能の影響というものは希釈されるであろうというふうに思っております。農産物につきましては、先ほど申し上げましたように、専門の省庁とも連携をとりながら、今後輸入されるものにつきましてのフォローを十分にやってまいるということではないかと思っております。
○武田委員 そのポーランド、チェコから輸入している脱脂粉乳というのは、何か聞くところによると学校給食用に限ってということなんですが、これはちょっと確認しておきたいのですけれども、どうですか。
○後藤(康)政府委員 ほとんどが飼料用のものというふうに承知をしております。
○武田委員 そこで、この影響によってソ連の穀物生産の減少というのが見通されている。そのことによって、最近では、六日にシカゴ穀物市場ではソ連が穀物を買いあさるのではないかといううわさまで流れて、一時小麦が急騰した、そしてまたトウモロコシもそれに合わせて上昇した、ちょっと一時のそういううわさでありますけれども、現実問題として今後そういうことがあるとした場合、何か新聞等の報道によると、一〇%ぐらいの減少の見込み、そうすると、小麦の輸入の問題というようなことによって、穀物市場、特に日本への影響もあるのじゃないかという心配をしているわけでありますが、その点はいかがですか。
○後藤(康)政府委員 このソ連の原子力発電所の事故が農産物に与える影響につきましては、十分な情報が得られませんで、まだ明らかではございません。
 穀物につきましても、今お話のございましたような小麦は一〇%というような情報もございますし、また別の情報では、衛生上廃棄されなければならないような穀物の数量というのは百万トンに満たないのではないかというような情報もございまして、さまざまの情報がございます。また、この事故の影響によりまして、シカゴの穀物相場も先月の二十八日ぐらいから高騰、下落が見られまして、やや不安定な状態にございまして、今後の推移を慎重に見守る必要があると思っておりますけれども、いずれにいたしましても、我が国は、穀物につきましては主としてアメリカ、カナダ、豪州等から輸入をしております。また、現在世界の穀物需給を見ますと、非常な供給過剰の状態にございます。小麦、粗粒穀物、米、合計いたしまして世界の生産が大体十六億トンぐらいでございますけれども、在庫は、八五―八六年度末の期末在庫は一年前に比べまして三割増の三億一千四百万トンぐらいになるだろうというようなことがアメリカの農務省の需給予測にもあらわれておりますので、輸入量の確保につきましては、少なくとも当面問題を生ずるようなことはないというふうに考えておるところでございます。
○武田委員 それから、国内で検査されな汚染の状況を見ると、野菜とかそれから水、原乳というものだったのですが、きのうは一つ水道の水から検出された。それから、きょうの新聞ですからきのうの報告では、千葉市内で市販の牛乳パックから検出されたということで、厚生省、来ていると思うのですが、これはどういうことなのか、今後、このままストップすればいいですが、また何回か来ることによってこういうことがあれば、これはちょっと調査をして適切な対応をしておかぬと困るのじゃないかという不安が私、してきまして、この点についてどういう把握をしているか、お聞きしておきたいのでございます。
○大澤説明員 御承知のように、放射能による汚染で野菜あるいは水、牛乳等が汚染された状況が把握されているわけでございますが、これらに対する対策は、既に御説明があったかと思いますが、内閣の放射能対策本部、ここに関係各省、厚生省も入って対策を立て、必要な施策を実施しているわけでございます。今までのところの調査では直ちに健康に問題はない、こういう状況は御承知かと思いますが、今後どういう推移をするかということで、先生御指摘のように国民一般が心配しているところでございます。
 そこで私どもも、現在までのこの間のレベルというものの実態と、そういう健康上の影響のガイドラインというのもございますが、それらとの比較検討をしたところ相当の差があるわけでございまして、そういうことから、今後その汚染状況がどういうぐあいに進むかいかんにかかるわけでございますが、相当の差があるというようなことで、さらにこれらのものに対する汚染の状況の実態の把握に努めながら監視していくというところではないかと思います。
 ただ、いずれにしましても汚染されているという実態があるわけでございまして、一部の水についてはその指標を若干超えているということもありますので、天水などを利用している地域に対してはろ過するような指導をしたり、あるいは野菜については直ちに指標のレベルを超えてはおりませんが、念のために洗うように、こういう状況で今のところは十分ではないかと思っておりますが、今後とも汚染の状況を把握しながら、健康の問題にかかわることでございますので、十分に監視してまいりたいと思います。
○武田委員 大臣、これは農林水産省としては一番被害を受ける、また一番体に関係ある部門を担当しているわけですね。ずっといろいろと聞いたり勉強したりニュースを聞くと、やはりどうも少しまだ、それは心配はなくても、国民に与える心理的影響が非常に大きいし、何となく気味が悪い、不安だというものを解消するための全体としての努力がまだまだ足らぬような気がするのです。
 ですから、今後大臣から各省庁の長官、大臣等にひとつ要望していただいて、この対応にはもっとやはり力を入れてほしい。特に今後梅雨に入ります。沖縄はもう入ったわけです。だんだん上がってくるわけですから、そういう状況を踏まえて、今後あちこちでまたそういうことで不安を与えることがあってはならぬと思うだけに、この点について大臣から、この対応についての各省庁のしっかりとした取り組みの中で、総合的に、こうしたことから事故がないように国民の健康と生命の安全というものに最大の努力を尽くしていただきたい、こう思うのですが、大臣としての御決意をひとつ聞かせてください。
○羽田国務大臣 私ども、今お話しのとおり、まさに食糧を安定して供給すると同時に安全な食糧を供給しなければならないその務めがございます。その意味で今度のこの事故につきましても重大な関心を持っておりまして、今お話がございました対策本部、これと十分連絡をとりながら、私どもとしても牛乳ですとかあるいは野菜ですとかその他のものにつきまして連日実は調査をして、ともかく安全の確認というものをいたしております。その意味では、今日現在の私どもの調査の結果では、先ほどございました一つの指標、これと比較いたしましても十分安全が確認されておりまして、今不安はないということは申し上げることができると思います。
 しかし、今先生が御指摘ございましたように、これから梅雨に入ったり何かして、しかもまだ放射能がどうも漏れているとかいろいろなことが新聞等の報道にもありますので、国民の皆さんは非常に不安であるというふうに思っております。そのために我々は常に安全を確認する体制というものは今後ともとっていかなければいけないということで、関係省庁と十分連絡をとっていきたいと思います。
 なお、先ごろの閣議におきましても、科学技術庁長官の方からもこの報告があり、また総理からも、安全に対しては十分な対策をひとつとるようにという指示があったところでございますので、我々もただ農林水産省というだけでなくて、関係省庁ともどもにこの問題についてきちんとウォッチングをしていきたいというふうに考えております。
○武田委員 終わります。
○島村委員長代理 神田厚君。
○神田委員 漁業問題で御質問を申し上げたいと思うわけでありますが、まず最初に、日ソの漁業交渉の問題であります。
 今回の日ソ漁業交渉が、大臣の訪ソなどの結果、ようやく四月二十六日に最終決着となったわけでありますが、結果は十五万トンの漁獲割当量、スケトウダラは昨年の二割の約五万トンと、実に厳しいものとなっているわけであります。
 そこで、まずお伺いしたいのは、なぜこのように厳しい結果となったのか、また、このように交渉が長期化した理由は一体どこにあるのか、お答えをいただきたいと思うのであります。
○羽田国務大臣 今回の日ソ漁業委員会におきます協議は、ソ連側が大幅な操業規制の強化につきまして一貫して極めて厳しい姿勢を示したために、協議は大変難航したということであります。今回のこのようなソ連側の主張の背景といたしまして、二つの大きな理由があるというふうに私ども認識しております。
 その一つは、ソ連水域におきますところの資源保護、この問題でございます。ソ連水域における資源保護、特に大陸棚資源の保護を図ろうとするソ連側の態度は実は大変かたいものがございまして、カメンツェフ漁業大臣は、第二十七回のソ連党大会でも資源の合理的利用の問題が取り上げられたというふうに述べておりまして、また、ムラホフスキー国家農工委員会議長とお会いしたときにも、この資源保護の問題というのが非常に強く述べられたということがございます。そして、この問題につきましては、日本に対して規制するというだけではなくて、自国の漁民、漁業者に対してもこれは非常に厳しく取り締まっていくものである、その点について理解してほしいという話があったところであります。
 なお、二つ目の問題は、いわゆる漁獲実績の格差というものが大きくあったというふうに言えるんじゃなかろうかと思っております。そうしてもう一つ、食糧政策の観点から水産物の供給向上、これを目指しておるということもございまして、ソ連側は日ソ間の漁獲実績の格差、この解消に極めて厳しい姿勢を示したということが言えると思います。
 今回のソ連側の主張の背景には以上の問題があったと考えておりますけれども、基本的には、二百海里水域内の漁業資源に対して沿岸国が主権的な権利というものを行使する帰結であったというふうに私ども理解しなければいけないというふうに思っております。
○神田委員 答弁にありましたように、ソ連側の資源に対する考え方、これが変わったということでありますが、二百海里時代に入りまして、自分の国の資源を大切にするというのは、これはそういう傾向が今後も強まるだろうと思うわけであります。我が国におきましても、今後はそういうような方向で政策を変えていかなければならないと思うわけでありますが、外国の資源に固執するばかりでは漁業の将来は安定をしない、こういうことで、政府におきましてもマリノベーション構想あるいはフォーラム21というようなものを発足させるなど、日本の二百海里内の漁業振興を進めているようでありますが、このように漁業環境が変われば、現在の漁業法など漁業制度を見直さなければならないのではないか、こういうふうに考えております。
 また、先ほどの答弁には触れられてなかったのでありますが、今回の交渉が難航した原因の一つに日本漁船の違反操業の問題があったというふうに聞いております。漁業の許可制度等も、日本の漁場が拡大をしていく時代の制度のままで、漁場が縮小するときには、一面違反を助長するというような傾向に働いていった面があるわけでありまして、許可の適格性の問題それから承継の問題など、これらも見直さなければならないのではないか、こういうふうに思っておりまして、漁業制度全体を抜本的に見直す時期が来たのではないかというふうに思っておりますが、この点も含めて御答弁をいただきたいと思います。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘のマリノベーションとかマリノフォーラム21、そういう政策が展開をされていくということと漁業制度との関係を一体どういうふうに考えるかということでありますが、私どもも、確かにこの問題は検討を要する問題であるというふうに思っておりますけれども、十分足が地についた検討をいたしますためにはそれなりの経験の蓄積が必要なのではないかというふうに思っておりまして、そういう意味では、今先生が例に挙げられましたような政策の展開というのはようやく緒についた段階でございます。そういう意味で、そういうことをやっていって、その中で調査検討が深まってきて、経験も蓄積をされ、それを踏まえて漁業制度の見直しということに進むのかどうかということを検討する、そういう段取りになるべきものではないかというふうに思っております。
 それから、違反問題がソ連との交渉を難しくした要素になっておるのではないかという御指摘でございますが、この点につきましては、私どももソ連側から相当違反問題をやかましく指摘をされました。確かにそういう実感を持っております。私どもとしては、従来から取り締まりについてはそれなりに努力をしてまいったつもりではおりますが、さらに、こういうこともございますので、このまま放置しておけば日ソ漁業関係に重大な悪影響を及ぼしかねないというふうに考えまして、この十二日にも関係の漁業者を集めまして指導会議を催して、日本漁船に対する違反操業という関係国の非難を根絶するよう徹底的な指導を行いたいというふうに思っているところでございます。
○神田委員 本格的な二百海里の時代ということで、我が国の周辺海域の漁業振興という方向の政策がとられつつあるわけでありますが、このときに問題になりますのは、現在の制度のままでは外国から締め出された漁業者、乗組員が沿岸の漁業振興というものについて何ら恩恵を受けられない状況にある、こういうことであります。沿岸、沖合に従事する人だけが二百海里の漁業振興の政策の中で利益を得て、遠洋漁業の従事者は依然として減船、離職を続けなければならない、こういう状況が変わらないわけであります。この際、そういう意味で二百海里内の漁業資源をふやし、その分については遠洋漁業従事者の就労の場をつくっていくというような政策も考えていかなければならないというふうに思うわけでありますが、その辺につきましてはどういうふうに考えるのか。
 例えば、遠洋でとれないものがだんだん多くなりまして輸入がふえていく、こういう輸入の問題等にも、減船あるいは離職者等を中小の漁業者の団体などの輸入業者の中に割り当てて、そういうものを取り扱わせるというような形での救済といいますか、生きる道を探してやるというようなことも政策として非常に幅広く展開をしていかなければならないというふうに考えるわけでありますが、その辺のところはどういうふうにお考えですか。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 漁業離職者の再就職の問題でございますが、例えば、一番最近の例で見ますと、五十九年の暮れに行いました北転船の減船ですが、あの場合に漁臨法を適用されました減船離職者が九百名ほどいたわけでございます。それがことしの二月一日の段階で調べてみますと、うち七百二名が就職をしておるわけでありますけれども、この就職した七百二名のうち九〇%強が漁業に再就職をしているというふうな実態になっておりまして、現実問題としても、減船離職者の再就職の先というのはまた漁業であるという場合が多いようになっております。
 私どもといたしましては、今、沿岸漁業の振興のために沿岸漁場の整備、開発でございますとか、栽培漁業の振興ですとかいうことを一生懸命やっておるわけでありますが、そういうことによりまして活力ある漁村の形成を図っていくことが漁村の就業機会をふやしていくということになり、今申し上げましたように、何といっても減船離職者が漁業に就職したがっているという現実とかみ合えば、それなりに離職者対策としても効果があるということになる、そういうことを期待しておるわけであります。
 それから、輸入割り当ての問題でございます。これは私ども、現実に漁業者の団体に輸入割り当てをしているという実例はございますけれども、相手国から水産物を輸入することによって相手国の水域における漁獲割り当てを確保する、そういう手段として輸入割り当てを漁業者に割り当てているというケースがございますが、今先生がお尋ねのように、漁業者あるいは漁業者の団体が全くのインポーターとして貿易業務に新規参入をする、そのために輸入割り当てを用意してやる、そういうやり方をするというのはいろいろな事情から考えて私どもとしてはちゅうちょせざるを得ないと感じておるわけでございます。
○神田委員 農林水産大臣に全日本海員組合が四月十五日に「日ソ漁業交渉妥結に伴う北洋漁業の救済措置について」という要望書を出しております。この問題で、これはきょう質問通告していませんでしたが、離職船員の代替職場というような問題も提案をしておりまして、その中で「調査船・監視船への雇用の拡大」「官庁港湾船艇への雇用の拡大」「合弁事業船への雇用の拡大」「共同漁業権の取得の実現」「資格取得教育の実施と内航・リーファー分野への雇用の拡大」「離職船員の再就職促進を図るため、運輸・労働両省所管の職業安定所の機能充実強化」というようなことで具体的な提案もしておりますが、この辺のところについてはどういうふうな形でお受けとめになられておるのでしょうか。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 政府の調査船とか監視船とかそういう船に民間の減船で要らなくなった船を使って、それを離職すべかりし乗組員の皆さん方の就業機会として役立てるというアイデアは従来からもございまして、現に水産庁が用船をいたして使っております。その種の船の中には、先生御指摘のようなケースのものが相当含まれておるわけであります。そういう意味で、私どももそういうアイデアについては肯定的に考えておりますが、何しろ従来からもそういうことでかなり無理してやってきておりますので、これ以上新しくそういう手法を拡大してどうこうということになりますと、これはちょっと無理なように思っております。
 それから、離職者の求職活動を助長するためのいろいろなアイデアにつきましては、私どもとしては、現実にこなし得るものは現在の漁臨法の枠組みの中にそれぞれ入れているつもりでございますが、なお子細に検討いたしまして、現在の漁臨法の枠組みの外でもやれそうなことがあるようでございましたら、これはまた労働省なり運輸省なりと御相談をするにはやぶさかでないという気持ちでおります。
○神田委員 ひとつ前向きにしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 そこで、時間がありませんので大臣にお伺いいたしますが、この救済措置の問題ですが、現在どういうふうな形でこれらが検討されているのか。四月二十五日に角道事務次官を中心とした対策本部といいますか、そういうものがつくられたと聞いておりますが、減船を余儀なくされる離職船員に対し離職者救済特別給付金の支給、あるいは今もちょっと答弁がありましたが、北洋漁業の減船離職船員に対する国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法、漁臨法の適用等の問題について、現在どの程度の検討が進んでおるのか、どういうふうな考え方をお持ちでありますか。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 減船対策の中には、ただいま先生が言及なさいました漁臨法のようにレディーメードの仕掛けができておって、所管の運輸省なり労働省なりがそれを発動していただければ一応そのレディーメードの対策は動くということになっておるものと、それから、減船者に対してどの程度の救済のための交付金を支出するかというような、必ずしもレディーメードのものがあるとは言いがたい分野と、二通りあるわけでございます。
 それで、幸か不幸か、大体レディーメードのものがある分野というのはむしろ農林水産省以外の各省が抱えておられる。例えば今の離職者対策の場合でいえば、漁臨法は運輸省、労働省が所管しておる、あるいは水産加工業者の皆さん方に倒産関連の保証制度の枠を使っていただこうということにすれば、それは中小企業信用保険法は通産省が所管しておられるというふうになっておるわけでございます。それぞれ関係の各省にそういうことはお願いをいたしまして、それぞれの省も前向きに御検討いただいて、それぞれまたお金の絡む話でございますから関係の各省が大蔵省とも相談をしてくださっている、そういう状態にあるものであります。
 それから、本体をなします減船者に対してしからばどういう交付金を出してどういうふうにやるかということにつきましては、これはまず日ソ交渉の妥結結果に即して漁業者の皆さん方御自身が一体どういう身の振り方を決断なさるのであるか、これは皆さん方お仲間内でのいろいろ御相談があって、何隻ぐらい減船をして、減船をするとすれば、だれの持っている何とか丸とだれの持っている何とか丸を減船するのであるということを決めていただくプロセスがございまして、そういうことを見ながら、私どもがそれを踏まえて財政当局と協議をするという段取りになります。それで、今回の場合、率直に申しまして事態が大変深刻でございますので、漁業者の皆さん方の間の今申し上げたような御相談の過程というのもある程度時間がかかるように一応伺っておりますので、私どもとしては、そういう御相談の進みぐあいを見ながら、おくれないように財政当局と話を詰めていきたいと思っております。
○神田委員 ただいま答弁がありましたが、例えば底刺し鋼あるいははえ縄漁などは漁臨法の適用を受けない、したがって失業保険ももらえないというような状況があるわけであります。そういうところは、これはまた午後の質疑で詰めさせてもらいたいと思っております。
 最後に大臣に、この救済措置、補償問題等について政府として万全の対策をとっていただきたいと思うのでありますが、御答弁をいただきたいと思います。
○羽田国務大臣 今度の状況というのは、まさに国際規制によって起こっている現象でございます、そういう意味で、私どもは、そこで減船する人たちあるいは漁業から離職しなければならない人たち、この立場を十分考慮しながら万全な対策を期してまいりたい、かように考えております。
○神田委員 終わります。
○島村委員長代理 中林佳子君。
○中林委員 私は、東京サミットでの農業問題について質問をいたします。
 まず初めに大臣に、農水大臣として今回の東京サミットの結果についてどのように受けとめていらっしゃるのかお伺いしたいわけですが、中曽根首相は、仕事師本位の極めて充実したサミットであったとサミット後の記者会見で述べているわけです。しかし、果たして本当にそうであったのか、我が国の農民にとってどんな仕事をやってくれたのか、農水大臣としてその辺をどのように受けとめられているのかが第一点。
 それからもう一点は、アメリカのレーガン大統領が、これも記者会見で表明されておりましたように、今回のサミットは自分が出席した中で最も成功したサミットであった、我々のすべての目的が達せられたと手放しの評価をしておりますが、我が国にとって農業関係の成果とは具体的にどのようなものであったのか、この二点について所具をお伺いしたいと思います。
○羽田国務大臣 今度のサミットでございますけれども、農業問題というのは、これはいろいろと報道されておりますように、当初からこの農業問題というのはテーマになるということじゃありません。ただ、フランスのミッテラン大統領が前回のサミットのときにも話しておりますように、やはりサミットというのは、そのときどきの問題あるいは世界にいろいろと大きな影響を及ぼす問題、こういった問題についてもっと自由濶達にともかくお互いに話し合おうじゃないかという実は提起があったことはもう御案内のとおりであります。そういう中で、案外予測されてなかったような問題についても議論が深められたという点があるのじゃなかろうかと思っております。その中で、農業問題についても、当初は予定がなかったようでありますけれども、議論がなされ、そこで経済宣言の中にも農業問題についてのコミュニケ、これが盛られたということはもう御案内のとおりであります。
 この中で議論されたのは、議論されたといいますか、発表された中を見ましてあれしますることは、国際的な農産物の過剰という問題、それから輸出競争が激化しているという問題、それから農産物価格の低迷などがあって、いわゆる輸出補助のあり方について議論がされたというふうに考えるところであります。ですから、これはそれぞれが農業生産国であって、そしてその農業生産国が、輸出の仕方についてどうも幾つかの国は輸出補助金、こういったものをつけながら輸出されておる、そういったことによって自由な農産物貿易が阻害されているんじゃないかということが一番の大きな問題であったというふうに私は受けとめております。ただ、こういった中で、輸入国であります我が国といたしましても、農業構造の改善ですとか、市場アクセスの改善などの関連する問題と受けとめておりまして、これから生産性向上を通じて我が国農業の体質強化、これを図っていくことが大変重要じゃないかなというふうに考えておるところであります。
 いずれにいたしましても、今回の宣言の中で最後に述べられておりますように、OECDの作業を通じて検討を進めていこうということになっておりますから、我が国としても、我が国の農業の実情というものがそういった議論の中で十分反映されるように対応していきたいというふうに考えておるところであります。
○中林委員 大臣はいろいろとその中で、こういう話であった、むしろ農産物の輸出の問題であるということを先ほどからの御答弁でも強調されておりますけれども、この経済宣言の中身を見る限りではそういうことはなかなか読み取れない。むしろ、市場開放の問題を含めて、構造改善など我が国の農業にかなり――かなりといいますか、決定的な影響を及ぼすような中身だと私どもは読み取っております。中曽根首相がやったと言われる仕事とレーガン大統領が言う達成された目標というのは、今農水大臣がおっしゃったこととは全く違って、農業問題について言うならば、文字どおり日本農業つぶしの促進、こういう一言に尽きると思うのです。
 七日付の日本農業新聞でも「日本農業にまた重い政策課題が背負わされる結果となった。」といみじくも述べております。七日付のほかの新聞を見ますと、農水省は、経済宣言に言う保護政策憂慮のくだりについて、米国やECの問題で、今大臣もお話しになったのはそういうことがあるのかと思いましたけれども、対岸の火事と受けとめていると報じられたものがございますけれども、大臣もやはりそのように受けとめていらっしゃるわけですか。
○羽田国務大臣 これはやはり率直に受けとめなければいけないと思うのですけれども、今度の場合には、生産が大きくて輸出、要するに農産物輸出国、こういう中で今いろいろと議論された、補助金によってどんどん増産される、そういったことが世界のいろいろな食糧の過剰というものを招いてしまっているのだ、こういった問題について考えなければいけないとか、あるいはそれぞれの国が、やはり輸出補助金というものが相当大きくなってしまって、財政負担というものに耐えられないというような状況、こういったことを是正しなければいけないじゃないかということでみんなが合意したといいますか、議論し合ったということじゃなかろうかと思っております。
 ただ、構造上の問題という話を敷衍していきますと、生産を刺激する、刺激することによって生産過剰というのが現実に出てきておるわけでありますから、そういったものの中で、その対岸の火というふうにただ受けとめていることは私どもはでき得ないであろうというふうには私も考えております。ただ、要するに輸入国に対してどうのこうのという議論でなかったということだけはやはり素直に受けとめておいた方がいいのじゃないかと思います。
○中林委員 素直に読み取らなければならないというこの全文ですけれども、素直に読み取っても、それが補助金の問題で言うならば、対輸出補助金だけに限ったものでは決して言ってないわけですね。そうすると、補助金全体を言うならば、日本の農業にとっても非常に大きな影響を及ぼすし、対岸の火事とは受けとめてはいないとおっしゃるが、対岸の火事なんというものじゃない。これはすべて参加した七カ国がそれによっていわば国際的な公約のもとでこれから歩んでいく、そういう意味では、本当にこのサミットの結果が非常に重要な日本農業つぶしの一つの方向を決めるものになるということで、私は極めて遺憾に思っております。
 これから今回の東京サミットで具体的になりました我が国の農業に波及する問題について質問するわけですが、まず第一点は、サミット史上初めて本格的に盛り込まれたという、重要な農産物について「余剰が存在する際には、世界需要に照らして、政策を再編成し、農業生産構造を調整するための行動が必要である」、こういう指摘であります。さきの中曽根・レーガン会談で問題になりました首相の私的諮問機関である経済構造調整研究会の報告と全く同じような内容を今回のサミット経済宣言にも盛り込んでおります。
 経構研報告では、農産物の一層の輸入拡大、農家の選別化につながる構造政策の推進、市場メカニズムに基づく価格政策の見直しなどを掲げて、食管制度の根本的見直しまで要求しております。今回のサミット宣言でも、農業生産構造の調整だとか補助金及び農業保護政策の見直しまで迫っておって、表現こそ違う内容ですけれども、日本農業つぶしという点では経構研の報告と全く同じ内容になっております。
 さきの日米会談の際に中曽根首相は、これは国際公約ではない、決意表明だ、こういう言いわけをされました。しかし、今回の宣言によって、少なくとも農業問題については、経構研報告を国際公約に格上げしたものと言わざるを得ません。しかも念入りにも、各国の経済政策を相互に監視し合う監視機構まで設置して、対日包囲網をつくり上げることまで宣言してしまったわけです。
 農水大臣も、四月二十四日の参議院補助金特別委員会で経構研報告について、農政審において農政の長期ビジョン作成の参考にする、こう答弁されているわけですが、事農業問題については、サミット宣言でこの構造調整を公約してしまった以上、農政審の参考ということではなくして、事実上農業の構造調整を行うという結論が先に出てしまったのではないのか、こういうふうに思うわけですけれども、大臣、どうですか。
○羽田国務大臣 ちょっとそういう結びつけ方をしていると、よその国はどう思うのですかね。
 実際に今度の宣言というものに盛られた内容というものは、第一義的には、補助金によって国内の非効率な生産を増大して、余剰分を輸出することによって世界的な過剰を生み出してしまう、そういう意味で、間違いなく輸出国の問題というふうに私どもは理解をいたしておるわけでございます。しかしながら、先ほども申し上げたように、輸入国である我が国としても、農業構造の改善、市場のアクセスの改善とも関連する問題と受けとめておりまして、生産性向上を通じて我が国農業の体質強化を図っていく必要がある、こういうことは将来に向かってやっていかなければいけないのじゃないかと私どもは思っております。
 なお、私がこの前申し上げましたのは、まさに経構研の方で一つの提言をなさっておる、こういったものについて今ちょうど我が方でも農政審をやっておるところでありますから、そういう農政審の議論の中でこういった提言というものも参考にしながら一つの長期ビジョンというものを考えていかなければいけない、ともかく、農政審でこれから長期ビジョンをつくっていくに当たっては、やはりいろいろな分野の人たちの声というものを参考にして、そして、そういう中で本当の日本のこれからのあり得べき農業の姿、農村の姿というものをつくり上げていくということでありますから、経構研の御提案というものについても私どもは当然検討してもよろしいのではないかというふうに考えておるところであります。
 ただ、いずれにしましても、経構研と今度のサミットでの宣言というものをそのように結びつけられることは、私はむしろ、非常に難しい問題を起こしてくるんじゃないかなとさえ思います。
○中林委員 中身を見れば全く同じですし、それから、経構研に基づいて、政府と自民党でつくられております経済構造調整推進会議、経済対策閣僚会議、これで経済構造調整推進要綱というものが五月一日に発表になりましたね。これは、サミットまでにということを言われてそういうことになって、言葉は確かにこの推進会議が出してきた要綱の農業部門に見られるところはぼかしてはおりますけれども、しかし、サミットまでにそれを急がせたということは、経構研の報告をこれに公約としてまで結びつけたということで、極めて遺憾だと思います。
 もう一つ今度の中で大きな問題は新ラウンドの問題なんですが、九月の閣僚会議において貿易の一層の自由化の方向で決定的な前進が図られるよう努力する、このようにうたわれておりますけれども、農業関係者は、この宣言に沿って日本の農産物市場開放に一層拍車をかけられると大変心配しております。フランスの抵抗で新ラウンドの九月開始ということは合意ができなかったものの、我が国の中曽根首相は、日本農業がどうなるかも顧みずに九月開始やそれから新ラウンド推進を強調した、このように聞いておりますが、農水大臣はこの新ラウンド推進についてどのような立場をおとりになりますか。
○羽田国務大臣 農産物につきましては、残存輸入制限のほか、ウエーバーによる輸入数量制限、輸入課徴金など、各国ともそれぞれの国の実情に応じましてさまざまな国境保護措置というものを講じておることはもう御案内のとおりでございます。現下の国際的な農産物の過剰などを背景とし、輸出補助金をめぐる紛争も今日激化しております。このような状況の中で、ガットの貿易委員会におきましては、新ラウンドに向けて、これら農産物貿易に影響を与えるすべての措置を対象に新しいルールの策定の作業が行われることになっております。ですからこれは、ウエーバーですとかそういったものも全部含めて議論をするということであります。そういう中で我が国としても、既に昨年七月のアクションプログラムにおきまして決定しているとおり、ガットにおけるこのようなルールの策定作業に積極的に参加いたしまして、本作業及び新ラウンド交渉の進捗を図るということにいたしております。これはもう別に今度の宣言がどうということではなくて、我々もかねてから申し上げているとおりであります。
 農業分野の新ラウンドの交渉につきましては厳しいものというふうに私どもは考えておりますけれども、私ども農林水産省としましては、農産物の世界最大の純輸入国という我が国の立場や、食糧の安全保障あるいは地域経済に及ぼす影響、こういったものの中で、農業というものは非常に大きいのだということ、これを強調しながら、農業の特殊性というものを踏まえて新しいルールづくりというものをしてまいりたい、そのために最善の努力をささげていきたいというふうに考えております。
○中林委員 時間が参りましたので終わりますけれども、農家の方々は、一体どこの首相かと言うくらい、今度の経済宣言では怒り心頭に発した声を私自身聞いております。新ラウンドの問題も、これは過去から計画はされていたものだと言われますけれども、農業問題でサミット宣言にこれだけ強く盛り込まれたのは今回が初めてです。本当に内需拡大だとかをやっていく方向は第一次産業の振興以外にない、このように農業関係者も言っているわけですね。ですから私は、一層の市場開放を呼び起こしたり、あるいは構造政策を一層進めたり、そういう方向を示した今回のサミット宣言を、日本の農業を守るという立場から大臣が拒否されるよう強く要望いたしまして、質問を終わります。
○島村委員長代理 午後二時から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時四十分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時開議
○島村委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。松田九郎君。
○松田委員 大臣が出席をされていないし、さらに委員の出席が大変少のうございまして、大変大事なことを今から私は言おうと思っておるのに聞いてもらえないのが残念です。これを前置きしておきます。
 そこで、大臣のかわりに保利政務次官が見えておりますが、きょうは基本的問題についてかなり突っ込んで御意見を伺おうと思っておるのですが、政務次官は農林大臣のそれこそ副大臣ですから、びしっと的確にお答えができるかどうか、ひとつ責任ある答弁をおれはやるんだという自信のほどをまず冒頭にお聞かせをお願いしたいと思います。専ら副大臣に尋ねることになりますから。
○保利政府委員 政務次官として大臣を補佐をするというのが私の役目だと心得ております。先生御承知のとおりまだ十分とは申せませんけれども、できる限り誠心誠意お答えを申し上げるということが大臣をお助けすることだと思いますので、そういう意味ででき得る限りお答えを努めてまいりたい、このように考えております。
○松田委員 時間が大変少のうございますので、以下本員の質問については、政務次官を初め政府委員においては余りPR的にあるいは逃げ的に長広舌の答弁をされぬように、ノー・イエス式でいいですから、やるならやる、やれないならやれない、この問題についてはこういう見通しだ、こういたしましたと、そういうふうないわゆる一問一答式の答弁をぜひお願いをしておきたいと思います。
 ところでまず第一の問題ですが、東京サミットが御承知のとおり成功裏に終わりました。この東京サミットにおいて東京経済宣言なるものを発表し閉会したことは、皆さん方が御承知のとおりであります。今回のサミットにおいては初めて農業問題が取り上げられ、日本農業と最も関連の深い新ラウンドが九月のガットで決定的に前進を見るよう努力するとうたわれております。これによって輸出補助金や輸入制限措置の撤廃を求める米国を中心に、市場開放の圧力が今後強まることは必至と我々は予測しなければなりません。
 ところで、農業貿易政策の作業を推進するさきのOECDの場においても、日本の農業助成が消費者に経済的不利益をもたらしているとその改善を指摘しているのであるが、今後、今回のサミットを踏まえてどのような開放の圧力を日本に加えてくるのか、ひとつ局長よりも政務次官に、その点についてお考えを、あるいは現状の認識について答弁をお願いしたいと思います。
○保利政府委員 御承知のとおり、サミットは終了いたしまして、極めて成功裏に各国の首脳が話し合いを行ったと存じます。その中で、先生御指摘の農業の問題についても経済宣言の中で指摘をされたところでございますが、現在、農業をめぐる世界の情勢は、単に日本の問題としてだけではなくて、アメリカとヨーロッパあるいは多角的にいろいろと問題が起こっておるのが現状だと存じます。その中で、日本に対して市場開放の要求というものは、現在行われております十二品目の交渉等々極めて強いものがございまして、特にアメリカからの要求というものは、先生御承知のとおり全面自由化をしろというきつい要求が来ておるわけでございます。
 今後ともこういった自由化に対する要求は、強まりこそすれ弱まるということはないのではないかと思いますが、私どもとしては、日本の農業を守っていかなければならない、あるいは細かいと思われるものであっても地域の特産に関係するものというようなものはこれをきちっと守っていかなければならないという気持ちで、今後の交渉に対処していく覚悟であります。
○松田委員 ただいまの政務次官の答弁で必ずしも満足するものではありませんが、また別の機会にこの基本的問題についてはお考えを承ることにして、続いてサミットに関連をする問題でありますが、御承知のとおりに各国に救いを求めた円高是正、このいわゆる安定は、今回決め手を欠いたものに終わったものと判断をされる向きがある。このため為替相場は今後ともいわゆる乱高の道をたどることは必至であり、為替相場の変動は農業とも大きくかかわり合いがあることは否めません。
 ところで、農業の輸入生産資材、輸入農産物などは直接農家の経営に影響があります。この点について当局の所見は一体どういうことなのか。また、円高は農産物の輸入の増加に拍車がかかり、ひいては国産価格安を招き、農家の経営経済のいわゆる圧迫に通ずるものと思考されるのだが、これは政務次官よりもひとつ農政局長か。――政府の役人は見渡したところ政務次官一人しか来ていない、委員長。
○島村委員長代理 水産庁長官。
○松田委員 いやいや、私は農政局長に聞きたいと言っておる。
○島村委員長代理 農政局長はいない。
○松田委員 だから、農政局長おらなければ答弁のできる者だれかおるか。おらぬなら、委員会は委員長しばらくとめてもらわなければいかぬ。政務次官に聞くよりも事務的なことがあるのだから、局長クラスが来ておらぬと。だれもそこに政府委員がいないじゃないか。水産長官に尋ぬるかだれに尋ぬるかは質問者の権限に属することだ。しばらくこれは委員会をひとつとめてもらいたい。そうでなければ集めろ。質問続けられぬ。だれもいないじゃないか。こんなぶざまな委員会があるのかね。
○島村委員長代理 松田委員、今急遽構造改善局長を呼びますから……
○松田委員 いや、それは委員長ちょっと御発言中だけれども、今呼ぶからって、この問題を順序を立てて、やっぱり関連性があることだから、このことについて責任ある当事者の答弁がなければ先に進まれない。飛び飛びやるのはいけない。だからしばらく時間をひとつストップしておいてもらわなければ、私の持ち時間が限られておるわけだ。
○島村委員長代理 今電話を入れて、すぐ来ますから、ちょっと待ってください。
○松田委員 おれの時間は限られておるんだから、まだ山ほどあっておるんだ、こっちは。横着者だよ、政府委員は。
○島村委員長代理 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○島村委員長代理 速記を起こしてください。松田君。
○松田委員 官房長、また二度言わなければいかぬのだな。――ちょっと委員長、官房長は見えたけれども、あとの構造改善局長なり経済局長なりは。役人がたくさんおるでしょう、それぞれの所管の責任者が。やはり来てもらわなければ……。
 ちょっとその前に、委員長、改めて発言を正式にします。
 官房長、この大事な常任委員会に所管の大臣が見えていない、それからあなたも今来た、あと主要なそれぞれの責任者、局長クラスが全員いない。これはどこに行っておったのですか、それから聞きます。
○田中(宏尚)政府委員 大臣はきょう午後、参議院の農林水産委員会で当省所管の特定生物系機構の法案審査に当たっておりまして、そちらに出席しているわけでございます。それから、あと関係局長でございますけれども、我々の若干の事務的なミスがあったかと思いますけれども、水産庁主体の御質問というふうに我々聞いてしまっておったものですから、それぞれの局長は現在役所にいると思いますので、先生御指名の局長を大至急集めますので、しばらくの間御容赦いただきたいと思います。
○松田委員 参議院の農林水産委員会に大臣は行っておる。そうすると、衆議院の農林水産委員会とどっちが審議は優先してやられるのですか。私は駆け出しでわからぬから、ひとつこれは政務次官にお尋ねします。
○保利政府委員 衆議院も参議院も院の独自性というのを持っておりまして、その関係で、どちらが上どちらが下ということは全くないものと私は了解をいたしております。
○松田委員 保利政務次官、あなたとここでとやかく談論をし合おうという気は全くないけれども、今のお話では全く了解しにくいんですね。少なくとも物理的に、同時刻に同じ委員会が開催をされるという時点では、理事会で、こういうことで大臣、さらにこの局長はどうしても委員会に出席をされない、言うなればきょうの場合は、官房長も大臣も経済局長も構造改善局長も、さらにその他の連中も全部出席されませんが、それでもいいから委員会を開けという理事会の決定であったのか、あるいはそれを了解済みでどこかへ行っておったものか。
 今官房長の説明を聞いておると、主としてきょうは水産関係の質問のように聞いておったものだからだれも来ていない。そんな一々政府委員に、おれは今度は何を質問するぞと言って、それこそ質問と答弁を用意しておって八百長式なことをするような衆議院ではないはずだ。何が飛び出すかわからない。特に農林水産委員会だから、一番大事な、むしろ水よりも農の方が、ウエートとしては、分野としては、事項としては、件数としては多いはずだ。その農の方が来ておらぬ。
 だから、これはなかなかもって質問しにくいが、それならばまず水産の方から、一応大幅に大局的に事情を勘案をして、質問を続けさせてもらう。
 そこで、水産庁長官にお聞きをしたいのだけれども、日ソ漁業交渉というものが、大変な、いわゆる前代未聞というか、それこそどうにもならぬような結末を見ておることはもう御高承のとおりである。昨日も北洋漁業関係者というものは、かつてない規模の熱気と波乱の中で、九段会館に何千名と集まって、いわゆる危機突破の大会を開いておる。今後の対応策についても、我々としてはかなり真剣に取り組むべき重大時期に直面をしておる。
 そこで、これは先般来の農林水産委員会においても本員が述べたとおりでもありますが、モスコーにおける対ソビエトとの漁業交渉というものが、最近ややもすれば、いわゆる政府の最高の指導者、責任者のレベルにおいて話し合いがなされていない、交渉がなされていないという経緯があることを私たちは大変残念に思っておる。今回は、最終段階において羽田農林大臣が飛び出したけれども、時既に遅しというか、状況はどうにもならない膠着状態に実は陥っていた。だから結論的には、今回は何らの前進をも見ないままに、不承不承の、いわゆる一〇〇%後退の中の日ソ漁業交渉の結末を見ておる、私はこういうことが言えると思うわけであります。
 きのう、ある会合で、かつて日ソ漁業交渉に、いわゆる百日交渉という別名までもとって粘り強く対ソの漁業交渉をされた鈴木前総理の苦心談というか、当時の思い出話というか、そういうものを聞いたときに、実は自分は腹を切るつもりで農林大臣としての職務権限のすべてをかけてじっくりと対ソ交渉をやった。しかしそれでも十分でないと思うので、最終的には政府の総力を挙げて、言うなれば日本の総力を挙げてこの問題には取り組むのだという意気込みを示すために、時の官房長官、園田官房長官にも最終段階にはモスコーまで飛んできてもらって、実は二人で交渉した経緯がある。言うなれば、こちら側が大臣クラスをぶっつければ向こうも大臣クラス、水産庁長官をぶっつければ水産庁長官クラスがある。非常におもしろいというか、含蓄のある話を鈴木先生から聞いたのですが、最終段階の交渉に、自分は供は全然連れずに、実は通訳と自分だけでイシコフ漁業相と村々で話をしたことがある。それで急転直下解決を見た。そういう話をきのう実は鈴木前総理から私どもは聞きました。
 私は、そういう考え方は全く貴重な考え方だと思う。昨年来の日ソ漁業交渉の経緯を見てみると、海洋漁業部長が首席全権みたいになって行っておる。それでいいのか。少なくとも水産庁長官が出かけると同時に、さらに農林大臣が乗り込んで国連を賭してやるべきではないかという意見を、本員は当時の委員会においても意見を申し述べておる。幸いというか、去年は水産庁長官も最終的には乗り込んだけれども、最近のいわゆる国対国の外交交渉の中で、どうもそこら辺の大きなポイントというか、大事なところが欠けておるように思う。
 だから、そういうことについて、羽田農林大臣から直接、所管大臣としての決意というか考えというか、そういうものを聞かねばいかぬと思って実はここに出席をお願いしたのだけれども、今言ったように、参議院の審議が優先だというのでしはうか、ここに見えていない。だから、かわって保利政務次官に、そういう国連を賭した問題点の中で、最高責任者としてはこれにどのように対応されておろうかということを聞いておるわけだけれども、私は、失礼だけれども、政務次官ではそういう重大なる、国対国の最高の交渉問題についての御見解をお聞きするわけにいかぬだろうと思う。だから私は、きょうはそういうことについて政務次官のお答えを聞くのは適当ではないと思う。大臣ならば聞きたい。
 だから、事務的な問題として水産庁長官に、ここ一、二年来の一連の対ソビエト漁業交渉における経緯というか、私は大変不満足であるが、それらを含みとしてひとつ御答弁をお願いしたいのであります。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 ソ連の漁業大臣がイシコフから現在のカメンツエフにかわりましたのは、一九七九年の初めでございます。それで、イシコフ漁業大臣のころは、鈴木前大臣も中川前大臣も、大臣同士でイシコフ漁業大臣としばしば折衝なさったことは先生御指摘のとおりでございます。
 それで、カメンツェフ大臣になりまして、まず一番最初のときが一九七九年……(松田委員「済まぬが簡単に言ってください」と呼ぶ)
 私ども、先生の御指摘の問題点は十分わかっております。それで、私どもとしても交渉のレベルを問題の難しさにふさわしいレベルに上げるということはいろいろ努力しているつもりでありまして、去年の一月の末には佐藤前大臣に訪ソをお願いいたしましたし、それから今回の場合も羽田大臣に訪ソをお願いをいたしました。それぞれ先生御指摘のような問題意識を私どもも持っておるから、そういうことをお願いしたわけであります。
 ただ、残念ながら大臣レベルの交渉がなかなかやりにくくなっていることは事実でございまして、その点もう一段の工夫を必要とするというふうに思っております。
○松田委員 長官、大臣レベルの交渉が最近やりにくくなっておるという今の結びですね、それはどういう物理的な問題ですか。
○佐野(宏)政府委員 一つは、カメンツェフになりましてから、率直に申しましてカメンツェフ大臣の交渉のスタイルということがあると思います。それは、できるだけ事務当局に任せっきりにするようにしたいということで、カメンツェフ大臣はイシコフ大臣の当時と比べると際立って相違があるように思っております。
 それからもう一つは、日ソ漁業協力協定の場合も日ソ地先沖合漁業協定の場合も、それぞれ日ソ漁業委員会あるいは日ソ漁業合同委員会でこの問題を審議することになっております。ですから、一たん日ソ漁業委員会の双方の代表が発令をしてしまいますと、問題の難しさがもう一段上のレベルの難しさであるということになっても、先方も今さら大臣みずから日ソ漁業委員会の代表になって来るというわけにはなかなかいかない、そういう技術的な問題もございます。
○松田委員 それでは先を急ぎますから、今の問題について、きのうの九段会館におけるあの血気盛んな、白熱した、血を絞るような北洋漁業関係者の大会が開かれたことについて御承知かどうか。同時に、それを受けて長官としては、今後この対北洋漁業問題を中心にどのように対応策をされようと考えておるか。もう仕方がない、こんなことになったのだからということでは問題は解決しないと思うが、ひとつ簡略にそこら辺の決意のほどをお聞かせを願いたい。
○佐野(宏)政府委員 今回の日ソ漁業交渉の決着に伴う後始末の問題は、従来の、例えば昨年の場合のカニ、ツブ、エビに比べますと一段と規模の大きな問題でございまして、地域経済に及ぼす影響も重大な問題があると思っております。
 したがいまして、私どもとしては、従来からやっておりました水産庁の世帯の中で切り盛りいたしております減船者に対する救済対策のほかに、もう少し広範な地域経済に及ぼす影響まで取り込んだような対策が必要であると考えておりまして、その点につきましては、先般大臣の御発意で関係閣僚会議を急遽開催いたしまして、内閣全体として取り組むという姿勢で対策の検討に入っていただくということを大臣から各大臣にお願いしたところでございます。それから、与党におかれましてもそれにふさわしい体制をおつくりをいただいておるところでございまして、こういう事態の深刻さにふさわしい決意を持って対策に臨んでまいりたいと考えております。
○松田委員 長官、続いて今の問題に関連をしますが、二百海里問題についてきのう大会でかなり厳しい要求があっておるわけですけれども、二百海里についてはどのような考えを持っておりますか。もうああだこうだという段階を過ぎておるわけだ。これを実施し得るかどうか。
 業界の不統一、足並みのふぞろいというものはあろうけれども、政治は、より比較多数のものを、どうしてもいかぬという場合には救済をするという方向でなければ決着を見ない。一握りの権力者、一握りの資本家階級の水産業を今後ともに従来のとおり規制をしていくか救済をするかということよりも、もう今や夜逃げ寸前、倒産寸前の零細なる一本釣り漁民を中心とした二百海里問題というものを、当然政府としても決断を下すべき時期に来ておると思うが、これについて一言あなたの見解を聞きたい。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 最近の西日本水域における韓国漁船の操業実態を見ておりますと、ただいま先生が提起されておられるような問題について決断をするべき時期に到達をしておるというふうに私どもも思っております。
 ただ問題は、すぐれて外交問題であるという側面がございますので、私ども視野の狭い魚屋だけの判断で決めさせていただけるかどうかというところが難しいところでございます。
○松田委員 今の長官の説明で了解したわけでは全くない。これはまた機会あるごとに今後もひとつお願いなり質問をしていかなければと思います。
 そこで、急ぎますから、林野庁長官、見えておるか。おらぬならすぐここへ呼んでくれなければ困る、これは大事なことじゃけん。
 何を言いたいかというと、今回の雪害だ。激甚補償その他の問題についてどのような見通しを立てておるか、そこら辺について一言聞きたいわけです。
 次に、外務省見えておるかな。それから海上保安庁だれか来ておるかな。――海上保安庁と外務省にお聞きをしたいのだが、韓国密漁船問題について、これまた最近盛んに関係漁民の方から実は全国的な問題点として大きく取り上げられ、その非が鳴らされておる。
 先般も我々長崎県選出国会議員は、関係漁民、漁協長の大会に呼び寄せられて、おまえたち地元の国会議員がぐずたれだから何にもできぬじゃないか、一つも拿捕しに行かぬじゃないか、こういうことでつるし上げを食らった。そこで私は、その意見というものは意見として聞きおくけれども、少なくともそんなことを国会議員レベルだけで言っても始まらぬから、これはひとつ海上保安庁長官も水産庁長官も外務省アジア局も来てもらわなければいかぬ、それで大会やり直したといって、大会をやり直させてまたこれを翌日にやらせた。その結果どうなったか。
 取り締まりの海上保安庁長官も大変反省をされたというかやる気を出したというか知らぬが、その翌日まず一隻を初めて野母崎で捕まえたわけだ、百九十九トン。四月十八日に三重県沖で徳成号というのを捕まえた。私がそういう問題をやったのはたしか三月二十七日ではなかったかな。ところが海上保安庁がやる気を出したおかげで、三月二十八日に第七十七徳洋号、約二百トンというのを長崎県の野母崎沖で捕まえた。続いて四月一日には春ぼう号、十九トンをまた捕まえた。四月二十一日は野母崎沖で第五十一硼淋丸、百十九トンを捕まえた。やろうと思えばどんどんこうして捕まえられるわけだけれども、何で今まで一隻も捕まえなかったのか。
 少なくとも海上保安庁は、やる気がないというか、トラブルを避けようというか、外交交渉上問題が起こったらいかぬというか、そういうことはかり先に考えて、後生大事、我が身大事にやっているから、捕まえられるようなこういう密漁船も今まで野放しで捕まえておらぬのじゃと思うのだけれども、やろうと思えば直ちに――この問題があって私が海上保安庁長官に、あなたは捕まえる意思があるのかないのか、捕まえぬのならおれが委員会のたびに呼び出して、おまえさんらまずどうするかということからかからなければいかぬぞ、こう言うたら、やりますと言うた途端に実効が上がりました。効果歴然たるものだよ。
 そこで、この問題について、海上保安庁長官はどうしてもきょう来れぬということで、警備救難部長、あなたはこれをいまからまだ捕まえる意思があるのかどうか。もう四隻捕まえたけん、またこれでしばらくよかばいと思って安心しておるのじゃないか。そこら辺、ひとつ今後の取り組みの姿勢。それからまた、韓国船が三重県の方に行っていることは知っておるな。三重県の方はどないすっとか。その辺はどういうふうなことをやっておるか。韓国密漁船を取り締まることについての海上保安庁の今後の取り組みの姿勢、これをきょうはひとつ明確に聞いておきたい。
 それから、ニューリーダーの一角である外務省、ニューリーダーばかりでは困る。ぴしゃっと外交ルートの問題はけじめをつけて、権威を持ってやってくれなければ。韓国が誠意を持って密漁船退治を、自国の問題だからやろうとすればこれは絶対取り締まれるんだ。かつて全斗煥大統領が来日をされた折には、前後三カ月にわたって一件も韓国密漁船の事犯というものは、日本近海、いわゆる対馬海峡、五島灘、三重県はもちろん日本海においても起こっていない。それは、厳重に処断をするという韓国水産部の強硬な取り締まりの姿勢があったから、韓国の密漁船は一隻もはびこらなかった。そういう事例からして、外務省はひとつ強硬な日本側の取り締まりというものを大使の訓令を通じて実はやるべきだが、外務省はどういうふうにしておるか。そこについて外務省が今取り組んでおること、そのことについてお聞かせを願いたい。
 以上二点、てきぱきとやってくれ。
○邊見説明員 お答えいたします。
 ただいま先生が申された点につきまして、海上保安庁が従来韓国漁船を検挙しました事例をちょっと申し上げますと、五十五年は十四隻、五十六年二十五隻、五十七年十六隻、五十八年二十二隻、五十九年三十八隻、六十年は四十四隻検挙してございます。(松田委員「あなたは長崎県近海のゼロを言っておらぬ、それはよそのところだ、詭弁を言うな」と呼ぶ)
 そして、今後の韓国漁船の取り締まりにつきましても、海上保安庁といたしましては、近隣部署の巡視艇等を派遣いたしまして、早朝あるいは夜間そういったところを重点に特別警戒をやるつもりでおりまして、今後外国漁船の侵犯操業等については万全の体制で臨むつもりでおります。
○松田委員 あなた大抵捕まえた数字を挙げたばってん、それはどこで捕まえたか。北海道で捕まえたか、あるいは千葉県沖で捕まえたか三重県沖で捕まえたか知らぬが、おれの関知する限り、いわゆる五島灘沖とか橘沖とか長崎沖とか、一番韓国に一衣帯水の近距離にあるところの領海侵犯の漁船は一隻も捕まえていないことはおれがよく知っている。あなたの今の発言は普遍的な問題だろう。どうか。
○邊見説明員 これは、先ほど申し上げた数字は韓国漁船の日本周辺海域における侵犯操業でございまして……
○松田委員 そういう答弁をしなければ非常に間違った印象を受ける。それであなたはいい。今からどしどし取り締まれよ。
○後藤(利)政府委員 お答えいたします。
 今先生御指摘の韓国漁船の不法操業につきましては、水産庁、海上保安庁より随時報告を受けまして、その都度また関連漁業の皆様からもいろいろ陳情を受けておりまして、その実態の深刻さを十分私ども承知しております。
 それを踏まえまして、私どもとしては、従来より外交ルートあるいは先生御案内の日韓漁業協定下の共同委員会等の場を通じまして、韓国に対して事態の現状とそれからその早急の改善を今まで何回も話してきております。
 ただいま御指摘のように、日韓は非常に友好な関係にございますけれども、友好であるということは物申すにおいて遠慮してはいかぬということで、友好であるということはむしろ何でもずばりと言うことであるというふうに私は認識しておりまして、私どもは韓国との関係においてはそのようにしてきたつもりでございます。そこで、最近でも、今先生も御指摘のように、つい最近三月になりましてからも、水産庁長官から在京韓国代理大使への抗議、それから私ども外務省からも、三月になりましてからも再三にわたりまして、この問題の深刻性というものは単に漁業の問題ということではなくて、日韓関係の政治的な問題になっているという点について十分な指摘をしておりまして、実効ある、かつ具体的な措置をとるように強力に申してきております。
 これに対する韓国側の認識というものは、遺憾の表明は常にあるわけでございますが、事態の深刻さにつきましては、先生の御叱正等もございまして最近非常に顕著によくなってきているという気がいたします。不法操業が判明した韓国漁船につきましては、漁業許可の取り消しというものを従来から行うということになっておりますけれども、最近それを徹底するとか、あるいは指導船の増強とか、水産漁業協同組合の船名の表示とかというものについて非常に罰則を強化するというような形で、韓国もかなりこの問題については認識を深めてきております。もちろんこれで今先生の御指摘に百点というわけにまいりませんけれども、このように再三御叱正、あるいはきょうの審議等も早速私どもまた韓国側に伝えまして、何とかこれについての一層の改善に最善の努力をしたい、かように考えております。御理解をいただきたいと思います。
○松田委員 今のお話、大体了解します。ひとつぜひ外務省も一体となって、水産庁あるいは海上保安庁、三位一体でなければなかなか密漁船問題については成果が上がらないというように私は思うので、今後も格段の御配意方をぜひお願いしたい、そう思います。
 経済局長見えましたか。経済局長に今から質問しますから、しゃんとして答えてもらわぬと……。
 ところで、今回のサミットに関連をする問題でありますが――同じことを言わなくちゃいかぬな。これはあなたがおらぬので、同じことを言うんだよ。御承知のとおり、各国に救いを求めた今回のいわゆる円高の是正、安定は、決め手を欠いたものと私どもは判断をしておる。このため、為替相場は今後ともいわゆる乱高の道をたどることは必至であり、為替相場の変動は農業にも大きくかかわりがある。農業の輸入生産資材、輸入農産物などは直接農家の経営に影響する。この点について当局はどのようにお考えになっておるか。また、円高は農産物輸入の増加に拍車がかかり、ひいては国産価格安を招いて農家の経営経済の圧迫に通ずることになると思うが、一体局長はどう考えておるか。私の言わんとすることはわかりますか。わかるな。だからそのことについて……。
○後藤(康)政府委員 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、円高になりますと内外の価格差というのは拡大をいたします。しかしながら、基本的な農産物でございます米麦、これは食管制度で国が輸入について規制なり判断をすることになっておりますし、重要な畜産物につきましては畜産振興事業団、あるいはまた蚕糸につきましては生糸の一元輸入というふうなことで、国境でいろいろな措置をとっております。そういう意味で、国内の価格支持制度と結びつきました国境措置のございますものにつきましては、直ちに円高たよる内外価格差の増大が国内にはね返らないという仕組みになっております。
 もちろん、そうでない産品につきまして……(松田委員「局長、大体私はわかっておるから簡単に言ってくれ、時間がない」と呼ぶ)もちろん、それ以外の産品につきまして、内外価格差の増大というようなことから農政全体にいろいろな議論が及ぶということはあり得ようかというふうに思っておりますが、これにつきましては、国会でのたびたびの御議論なり御決議を踏まえて私どもはやってまいる。ただ、円高で逆に飼料価格が下がるというような農業のコスト面でのプラスの面もあるということも、あわせて申し上げておきたいと思います。
○松田委員 続いて、経済局長でいいと思うのだけれども、今回のサミットの農業論議は、農産物輸出国同士の紛争に巻き込まれたような形で、今後の日本の農産物貿易政策に大きな影響を及ぼすと思うが、この際、米欧は農産物輸出では完全な競争相手であるが、日本は農産物輸入の大国である。ECは、米国から飼料穀物の輸入をいわゆるその地域内大麦の増産で代替をし、ここ六、七年輸入を減らしている。八四年には日本が一国だけで飼料穀物を千五百三十万トンも輸入しておるのですね。ところがECは全体で三百五十万トンしか実は輸入をしていない。小麦もまた日本が三百四十万トンを輸入しておるのに対し、ECは百五十万トンである。日本はいわゆる米穀以外の農業の基幹である穀物を輸入に依存しており、サミット参加先進七カ国中、農産物についても最も門戸を開放していると言っても過言でない。
 このような現状の中で、日米農産物十二品目交渉がこの間なされたが、それが不調に終わっているやに実は認識をしておる。そのいわゆる不調に終わっていることと相まって、今後この問題については、日本としては、経済局長としては、あるいは農林大臣があれば農林大臣に聞きたかったのだけれども、所管の局長として、この交渉が不調に終わっていることについて、今後の対応、どこにネックがあるのか、そこら辺を簡略にひとつお聞かせを願いたい。
○後藤(康)政府委員 お答え申し上げます。
 十二品目の問題につきましてはアメリカ側と協議を重ねておりますが、アメリカ側は、この十二の品目につきましての完全自由化あるいはそのためのスケジュールを少なくとも示せという立場を非常に強くとっておりました。私どもの方はそのようなお約束をするわけにはまいらないということで、前回の決着を頭に置いた部分自由化なり枠の拡大なり、そういうことで国内事情が許す限りでのアクセス改善の努力はするけれども、そのような完全自由化のお約束はできないというところの対立て今日まで来ておるわけでございます。
 私どもといたしましては、今までやってまいりました方針、それからまた、ただいま先生からお話がございましたように日本はアメリカの最大の農産物のお得意先でございます、そういうことも含めて、アメリカ側に十分国内事情を説明しながら、粘り強く折衝をこれからも続けていきたい、こういうふうに考えております。
○松田委員 林野庁長官、来たかな。来ておらぬのなら、官房長、あなたに聞きます。基本的問題はまた別のときにやるよ、このサミットの問題とあわせていろいろあるから。しかし、これは全く納得しない。
 さっき言った、この間のいわゆる豪雪の問題、特に奈良県とか和歌山県とか、そのほか東北地方もありますね。大体被害は二百億を超しておると推定をされるが、近く政令で、いわゆる激甚法その他の適用問題について閣議決定がなされると思うんだが、その見込み、確たるものがあると思うが、確たるものがあるということと同時に、閣議決定がいつごろ具体的な発効を見るような段取りになるのか、それについてお答えを願いたい。
○田中(宏尚)政府委員 今冬の雪害につきましては、今、先生御指摘がありましたように二百億を超える被害になっておりまして、激甚災の指定要件には達しておると我々思っておりまして、具体的な市町村のピックアップなりそういうことについて現在準備作業を進めておるところでございます。
 それから、閣議でいつ正式に決定するかということでございますけれども、我々としましても被害を受けた皆様方の苦衷というものを察しまして、できるだけ早くということで、でき得れば来週中にでもということで準備作業を進めておりますけれども、いろいろな省にもまたがる仕事でございますので、確たる日取りにつきましては現段階ではまだ残念ながらセットできていない点を御理解いただきたいと思います。
○松田委員 きょうはまだまだ本質的問題について、農林大臣じきじきにサミット問題に関連をして今後の農政のあり方についていろいろと所要の御意見等を実は承りたかったのですが、大臣が、参議院の農林水産委員会が優先するというお考えでしょう、実はこちらに、衆議院の方に御出席がない。本員としては大変残念である、このことは明確に申し上げておきます。
 先ほど政務次官は、自主的に判断をすることだと、どっちに出るかは。どちらが従でありどちらが主であるということでないというふうなおっしゃり方ですから、まあ答えはそれでいいでしょうけれども、我々衆議院側から言えば、衆議院が先議すべきものである、優先することである。同じ時間に物理的に不可能な委員会が主要な問題点を取り上げて論議されること自体について、私は、今後の議事運営等については問題がありはしないか、その不満を委員長にもひとつ申し上げて、今後きょうのようなぶざまなこういう政府委員の出席でないように、ひとつお願いをしておきます。
 また改めて、私の基本的な問題については質問をする機会を与えていただきたいと思います。
 きょうは同僚の鈴木議員から、関連する問題点について質問したい旨の意向が理事の方に申し出てあるようでございますから、私は以上でひとまず終わることにします。ありがとうございました。
○島村委員長代理 鈴木宗男君。
○鈴木(宗)委員 私は気が弱いものですから、ささやかに質問をさせていただきます。
 最初に水産庁長官にお尋ねをしたいと思います。
 難航を重ねた日ソ地先沖合漁業協定、四月二十六日に正式調印されたわけでありますけれども、その結果というものは大変厳しい、また愕然とする結果でありました。漁獲量が六十万トンから十五万トン、さらには許可隻数なんかも去年の五千六百二十三隻がことしは千六百隻。痛手というよりは、私の選挙区の根室あるいは紋別、さらには選挙区外でありますけれども稚内なんかは、まさに街の灯が消える、このくらいの大変な影響であります。長官は再三モスクワに行って、さらにまた経済局長時代から外交交渉にはなれておるわけでありますけれども、なぜソ連がこんなに厳しく、さらに年々厳しい条件を出してくるのか、交渉に当たった者としてその感じ方を私はお聞きしたいと思います。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 先生御承知のように、従来から、一九八〇年代に入ってからでございますが、日ソ間の漁獲量の間には大幅な差がございました。大体、日本の方がソ連の倍ぐらいとっているという状態が続いておったわけでございます。これに対して、従来からソ連側は日本水域におけるソ連漁船の操業条件の緩和ということを毎年やかましく要求してまいりました。もしその要求を入れられないのであれば日本の着底トロールを禁止するとか、そういうことは従来から言っておったわけでございます。ただ、従来の場合には、そういうことを言っておりながらも、最後の土壇場になると何となしにそうひどいことにならずに済んでおったわけであります。
 今回の場合は最後のどん詰まりまでソ連側がそういう態度を貫徹してきたというところが従来と大変違うところでございまして、私どもとしては、その背景には、ゴルバチョフ書記長の就任以来、ソ連の新体制はやはり魚の動物性たんぱく質の供給をふやしたいということについて大変熱心でありますし、それからまた、従来の旧体制当時のようにややダラ幹的なところがなくなって、決めたことは最後まで貫徹するということで、日本が三十万トン以上とっておるのにソ連側が十五万トンしかとってない、そういうことはとても新体制のもとでは許されないということが基本にあったように存じます。それともう一つは、ソ連水域の漁業を振興するということになりますと、ソ連の二百海里水域内での漁業資源を保護するためには何が必要であるかを考えますと、日本の着底漁具に対する姿勢が改めてきつくならざるを得ない。そういう背景の中でこのような交渉経過をたどったものであろうと考えております。
○鈴木(宗)委員 今の長官のお話を聞いておりますと、私は年々交渉というのは厳しくなると思うのですけれども、日ソ交渉は毎年単年度の交渉なり協定ですね。これを何とか五年間ぐらいのサイクルの協定にできないのか。例えば、アメリカとの農産物で牛肉とかオレンジは四年の協定ですよね。日ソの無関係だけは毎年毎年。ですから、出漁がおくれる、すぐ救済だ、いや補償だとなってしまう。今度五月十二日からサケ・マス交渉も始まるわけですけれども、交渉を三年とか五年というような提案はできないのですか。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。元来、先生よく御承知のように協定本体自体が一年ごとであったわけです。これは、長年日本の漁業者が先生が今言及なさっておりますような願望を持ち続けておりまして、ようやく山村大臣のときにその問題についてソ連側も肯定的な態度を取り出した。それで日ソ地先沖合漁業協定という話が進んだわけでありますが、いろいろやってみましたけれども、協定を長期化するというのが精いっぱいで、中身の操業条件まで長期的に決めるところまではどうしてもいかなかった。だから、上の協定自体は長期化したのですが、毎年の操業条件自体は日ソ漁業委員会で年ごとに決める、そういうことでやむを得ず今のような仕組みにしてしまったわけであります。
 それから、今回も漁期が三カ月もおくれましたので、今回の交渉の際も途中の段階で私どもの方から、せめて三百六十五日分決められないか、翌年の三月まで決めるとかそういうやり方ができないかという話をしたのですが、これもソ連側の峻拒するところでございまして、どうもそういうことを論争して日にちを使うわけにはいかないということで、問題提起はいたしましたが引っ込めざるを得なかったというような経緯でございます。
○鈴木(宗)委員 長官、相手のある話ですからこれは長官に何ぼお願いしてもだめなんですけれども、一応地先沖合協定も終わった、今度日ソ交渉も無事終わったら、また何がしかの機会に、例えばもし外務大臣がソ連に行くような機会があったときにでも、そういったことの働きかけといいますか呼びかけはぜひともやってもらいたいと僕は思います。
 時間がないものですから、次にちょっと北洋漁業の救済についてお尋ねをしたいと思いますけれども、外交交渉の結果、そのために受けたダメージといますか影響あるいは損害、これは政府、国が責任を持って補償をするというのが政治でないかと私は思っているのですけれども、政務次官はその点いかがお考えですか。
○保利政府委員 日ソ漁業交渉の結果によりましてできましたことから派生してまいりますいろいろな問題に対する対策というものは、国が日ソ漁業交渉をやってまいりましたのでありますから、国が責任を持ってこれに対処していくということは必要なことであろう、このように私は存じております。漁業交渉からくるところの影響というものを今把握に努めながら、できるだけ対策を急いでまいりたい、このように考えておるところであります。
○鈴木(宗)委員 政務次官、その対策を講じるのはありがたいのですけれども、基本的受けとめ方の姿勢として、漁民は漁がしたい、仕事がしたいと言っているのです。しかし、ソ連という国と日本という国が外交交渉した結果、漁に出れなくなりました、仕事ができなくなりましたということが今回発生しているのですね。その場合、漁がしたくてもできない、それは国の交渉によって出た結果なんです。その人たちに対する基本的姿勢とすれば、要望どおりその打撃は国で面倒を見るというのは私は当然でないかと思っているのです。私はそれに対する基本的な姿勢をお聞きしたいのです。
○佐野(宏)政府委員 ただいま先生の提起されました問題でございますが、何と申しましても現状は二百海里体制下にある時代でございますから、そういう意味では、外国の二百海里の中で起こることにつきまして日本国政府が一体どこまでその責任を負えるかということになりますと、やはり二百海里時代というのはそこはおのずと限度がある。
 したがって、二百海里時代で操業できなくなるという事態に陥った、その結果生じた経済的損失は丸ごと政府が面倒を見てしかるべきものであるということを、まずイデオロギー的にそういうイデオロギーを認めろというふうにおっしゃられましても、そこはちょっと二百海里というのはそういうことはなかなか無理な時代であるという点はひとつお許しをいただきたいと思います。
○鈴木(宗)委員 長官、しからばそういった長官の考えが業界なり漁業者に徹底しているかというと、徹底していませんね。
 それともう一つ、国が許認可をしている以上、僕は国に責任があると思うのですよ。国が許認可をしてないならば関係ないと言ってもいいけれども、国が許認可をして、いつからいつまで出なさい、こうしなさい、漁業区域はこうですと言っている場合、国で決められたことができない場合は、それは僕は今の答弁はちょっと納得できないのですけれども……。
○佐野(宏)政府委員 まず前段につきましては、私どもいろいろな機会に率直に私どもの考え方を申し上げてきたつもりではございますが、つい情にほだされて余り歯切れがよくなくで、誤解を生みがちなところが発言の中にあったとすれば、今後は気をつけてまいりたいと存じます。
 それから後段につきましては、政府が許可しておるということ等の関係でございますが、これは日本国政府として大臣許可でございますとか大臣承認でございますとかいろいろなことをやっておりますが、同時に、日ソ漁業協定、あるいはほかの国もそうでございますが、二百海里の入漁協定を締結いたします際には、沿岸国の許可証がなければ、その沿岸国、当該国の水域の中では操業をしてはならないということを日本の国内法上も決めておるわけでございます。そういう意味では、先様の御都合次第によってはいつチャラになってしまうかもわからないものであるということは、日本の国内法上の制度としても二百海里時代に入ってしまうとそういうものになってしまっておるわけでありまして、その点は公海漁業自由の時代の許可とかそういうものとはおのずと性格が異なったものになってしまっておる。なってしまった過程は、関係の漁業者としてはなかなか得心しがたい過程であるということはよくわかりますが、そういう性格が異なってきておるという点は否定しがたい事実でございますので、その点は申し上げたいと思います。
○鈴木(宗)委員 せっかく大蔵省の竹内主計官が来てくれていますので、また減船だとか救済についてはどうしても財源が必要なんです。今も僕が長官に言った話とも重なるわけでありますけれども、財政再建中だから、お金がないから補償ができないだとか救済できないという姿勢というのは、政治が存在しないことになると僕は思うのです。ここで委員会をやっているということはやはり政治があるのです。政治があったというためには、やはり困った人、弱い人に何がしかのことをしてやる。ああ、政治の恩恵があったな、また頑張って国家に貢献しようという意欲を持たせるためには、大蔵省あるいは政府・自民党が責任を持って救済措置をとるというのはもう当然のことだ、私はこう考えているのですけれども、その点、大蔵省、今回の北洋漁業対策、業界とも詰まっておりませんからまだ細かい話は出ませんが、基本的な姿勢として大蔵省は精いっぱいやってもらえるのか、それをただ財政再建中だという言葉で逃げ切るのか、その点、主計官からちょっと答弁をいただきます。
○竹内説明員 現地の事情が大変厳しい条件下に置かれて大変御苦労されておられるということはよく理解しているつもりでございます。
    〔島村委員長代理退席、近藤(元)委員長代理着席〕
 今回の交渉の結果に伴います影響に対してどういう対応が可能かという点につきましては、水産庁とこれからよく御相談をしまして対処してまいりたいと思います。もちろん、財政事情が非常にきつい、ますますきつくなっているということも事実でございます。財政事情がこうだからということだけで申し上げるつもりはございませんけれども、そういう条件の中で、また現地の方の御事情もよくお伺いしながら水産庁とよくよく御相談してまいりたいと思っております。
○鈴木(宗)委員 主計官、重ねてお願いしますけれども、もう百十日、漁に出てないのですね。そして根室とか紋別なんというのはまさに本当に殺伐とした町です。僕ら、もう現地に二回も三回も行って悲痛な声を聞くのですね。そのたびに胸の締めつけられる思いなんですけれども、私はお金がないのもわかるし財政再建中もわかるし、また、無理な要求に対してそれをイエスと言うのも政治でないと思っているんですけれども、とにかく心ある措置だけはしてもらいたい、このことだけは強くお願いをしておきます。
 最後に、時間がないものですから、官房長にお願いしますけれども、これから二百海里時代、外交交渉がまただんだん厳しくなってくるという中で、養殖事業だとか栽培事業、これを目いっぱいやっていくしかないと思うのですね。そのためにはどうしてもお金が必要なんです。今の水産関係の予算というのは大体三千億くらいですか。農林省全体が三兆一千億ですね。その中で一割しかないというのは、これはお粗末なんですね。
 これは、主計官がきょう来ておりますが、来年は例えば水産関係の予算というのは、シーリングだとか枠じゃなく、二百海里時代で厳しいのだから、大変だから、十分補償もできないというならばやはり働ける環境をつくるのも大事なことなんですから、そのためには大幅な水産予算の枠の拡大、これを強く希望するものですけれども、特に概算要求、もう既にいろいろな動きがあるわけですから、その点は官房長どんな考えか、お願いします。
○田中(宏尚)政府委員 ここのところ非常に厳しい予算の中で、水産関係につきましては我々としてはできるだけの重点配分というのはしてきたつもりでございますけれども、何といいましてもまず大蔵省から総枠を幾ら取ってくるかということが肝要でございまして、取ってきた中で、こういう事情でございますし、それからただいま先生がおっしゃっておりましたようにつくり育てる漁業ということがこれからの本命と思っておりますので、できるだけ全省的な調整をいたしまして水産予算の充実に努めてまいりたいと思っております。
○鈴木(宗)委員 主計官、今の質問に対して大蔵省としてはどんな考えですか。官房長は今大蔵省に陳情したわけですから、総枠をいかに取っていくかという、それを受けて大蔵省、責任者としてお願いします。
○竹内説明員 ちょっとお答え申し上げにくいのでございますけれども、これからまた六十二年度予算編成に向けまして、シーリングの問題から概算要求、秋の折衝、詰めということになっていくわけでございます。全体の予算編成の大枠の中で、それぞれ政府部内の各分野にどういう需要があってというようなことを詰めてまいるわけでございますが、水産の置かれておる状況についての御指摘のようなことは、私どもなりによく理解できるところでございます。全体の中でどういう枝ぶりができますか、毎年毎年の予算編成でございますけれども、農水省ともよく御相談しなければいけませんし、それから一般の世論の動向等も私どもなりに十分理解しなくてはいけないと思います。そういう観点で努力をしてまいりたいと思います。
○鈴木(宗)委員 政務次官並びに官房長、さらに水産庁長官、さらに主計官、とにかく北洋漁業の救済、そして来年度予算に対して水産に日の当たる枠を取ってもらえるように再度お願いをいたしまして、質問を終わらせてもらいます。ありがとうございました。
○近藤(元)委員長代理 和田貞夫君。
○和田(貞)委員 まず食糧庁長官にお尋ねしたいのは、臨時行政調査会の答申で食糧管理の見直しということが盛られておることと、あわせて日米の経済摩擦を受けて農業の市場開放ということで、将来的に国民の主食である米の問題については、もうこの食管制度も古いことだから、形式的には食管制度があるということは是認しながらも、食管制度を投げ捨てようというような考えに立った今日的な食糧行政じゃないかという気がしてならないわけでございます。この点についての基本的な考え方について、まずお答え願いたいと思います。
○石川政府委員 行革審の中でも食管論議がございまして、私も小委員会でいろいろ御説明しながら、またいろいろ委員の方ともお話ししたわけでございます。
 今、米に関しましていろいろと御議論がある中で、生産者にとって米というのは御承知のように農業生産の約三分の一でございますし、それから消費者にとりましても必要カロリーの約三分の一を米からとっておる、これが生産者にとっても消費者にとっても非常に安定的に、片っ方は供給し、片っ方はこれを消費しているという関係は大変重大なことでございます。そういう意味では、米の管理の仕方について、よく言います全量管理というのを将来どうするのだというところの御議論はございましたけれども、米の生産なり流通、消費を全く自由な流通のもとに置きまして、戦前にありましたように、一年間でお米の値段が倍、半分に変わるとか、そういういろいろな事情について、それで結構なんだという御意見は実は余りなかったわけでございます。むしろ今まで行われております全量管理のあり方ということについて、もう少し米の商品的な特徴とかそういうものを十分考えながら、ある意味の弾力的な運用はできないかというような御議論でございました。
 それから、諸外国との関係で申しましても、米に関しても自由な貿易というようなお話もよくあるわけでございますけれども、国民の主食として、あるいは日本の農業の中核としての米を全く自由な貿易のもとに置くというようなことは、御承知の五十九年の国会決議もそういうことがないようにという御決議でございますし、外国の方も日本のそういう事情というのは重々承知をいたしておるわけでございます。私どもはそういう意味で、食糧管理をいたしております大事なところ、要するに生産者にとっては今後本当に米を担っていただかなければいかぬような方々の再生産を確保していくというようなこと、それから消費者にとってはいつも米の値段が振れて歩くということじゃなくて安定的に供給ができるということ、それを確保いたしますために、外国との関係を食管法で一応遮断をしながら運用をするという、この大事なところは今後ともきちっと守っていきたいと考えておるわけでございます。
○和田(貞)委員 私は、食管制度についての国民的な消費者としての意識というのが非常に大事だと思うのです。
 朝日新聞でいろいろな不正規流通の事件の記事を見たり、あるいは二月十七日だったと思いますが、NHKで米の問題についての放映があったわけですね、それを見てみますと、一体どこに矛先を向けているのかということを私なりに考えますと、どうも食糧管理法という法律はあの米の不足した昭和十七年にできた法律であって、今どき食管法ということを振りかざしておる、ここに問題があるかのごとく矛先を向けた報道がなされたりしておるような気がしてならないわけです。
 町では、特に消費地では、クリーニング屋の店先で米を売ったり、酒屋さんで米を売ったり、全く知事の許可のない店舗で米が売りさばかれておる、どこへ行っても米が買えるという意識が消費者にある中にさらにそのような報道がされるということになりますと、国民自身が、消費者自身が食糧管理法という法律があること自体、わからない、知らない、そういうようなことになっておることは、今長官の言われた食管制度を守っていかなければならないという立場に立つならば、非常に大きな問題であろうと私は思うわけであります。
 したがって、食糧庁としては、そうである限りにおきましては、食糧管理法という法律がある、食糧管理制度というものは厳然として、国民の主食を国が責任を持って守っていかなければならぬという施策を行政面を通じて消費者に十二分にわかりやすいように、消費者が十分熟知できるような、不正規流通の問題についても国民がこれを解決していくという形になるような日常の行政が非常に大事じゃなかろうか、私はこういうように思うのです。私は、今日の食糧庁のとっておる措置というものについて、特にやみの流通、いわゆる不正規の流通についての対処の仕方というのは非常に手ぬるいというような気がしてならないわけでありますが、そのこととあわせてひとつお答え願いたいと思います。
○石川政府委員 新聞でのいろいろな報道とか、それからNHKでやりましたニュース等、私どももああいう取材の段階から実はいろいろ申し上げているわけでございまして、例えばあの種の報道の中で、日本国じゅうが全部ああいう形で米が動いていてというような感じで受け取られるようなことがないようにということで、あの種の流通があることもまた事実でございますけれども、大半の米の流通というのは適正な形で行われているというようなこともお話をしているわけでございますが、どちらかというと、そういう興味本位といいますか、非常に問題のある形だけが出てまいりまして、そういう意味の制度として果たしております大変大事な点というのがどうしても漏れているということを私どもも残念に思っております。
 よく、食管制度なきに等しいというお話があるわけでございますが、価格の面等でございますれば、例えば一〇八の豊作と一〇四の豊作が連年続きまして、もし制度運営というようなことがございませんとすれば当然米の価格が暴落しているはずでございますけれども、実は価格の水準というのはきちっと守られているというようなことを考えましても、流通の一部の不正行為でいわば食管というものがないに等しいということは決してないわけでございます。
 私ども五十六年の制度改正の中で、当時守ることがほとんど不可能でございましたああいう配給通帳といったような制度とかそういうものを外しますと同時に、販売に関しましては御承知のような許可制をとったわけでございます。その際にとりましたことは、一つは、許可制の運用が非常に閉鎖的になっているためにやみが行われるということではまずいということで、いろいろと新規に店舗展開をして本当に必要なところには店舗を設置しようということをやりますと同時に、その後のことではございますが、先生もかつて御指摘になりましたような卸、小売間につきましてももっと競争するような体質をつくらなければいかぬということで、これは昨年でございますが、複数結びつきというようなことも始めたわけでございます。
 そういう形で既存の許可業者が一生懸命御商売をしていただくということと裏腹に、今度はどうしても言うことを聞いてくださらぬ方については厳しく当たらなければいかぬということで、実は五十六年以来かなり行政的な指導を繰り返しまして、数でいいますと大変多い数でございますが、大体九割を超えます方々は中止をしていただいた、あるいはやめていただいたということでございますが、残念ながら関西の方では比較的、いわば商売は自由だというお気持ちの方が強いせいか、世に言う不正規流通の約四割はあの地域に集中をいたしております。私ども、そういうことで片側での正規の方々の活動が活発になることによっていわば商売の面で勝っていくという面と、それから、そのために行政としても適切な指導を行いまして不正規でやっていらっしゃる方を逐次排除していくということをやったわけでございますが、だんだん核心に触れてまいりますと、いわば十分指導もわかっているけれどもやめないというような方々をどうするかということに問題は大体煮結まってきております。そういう意味で私どもは、生産の場においてもそういうことが行われておりましたのが実は八郎潟の問題でございますが、これについてはいろいろな関係方面とも相談しながら厳しい措置をとってまいったわけでございます。
 販売の面におきましても、いろいろと我々の行政指導、これはもちろん関西の場合大阪府に相当やっていただいているわけでございますが、そういうお話し合いをしてもなおかつどうしてもそういう行為がやめられない、特に最近は、そういうことに関連した方々の中から、単に食管法に違反するというだけではなくて、証票を偽造するとか、いろいろと消費者の方々が現実の姿として非常に不適切なものを買わされるというような場合も出てまいっておりますので、より厳しい方向に行政としても対応せざるを得ない、そのように思っている次第でございます。
○和田(貞)委員 食管法というのはもともと生産者を守る、消費者を守る、そのために国が介在するということに尽きると思うわけです。したがって、自分たちを守ってくれる制度であるということであれば、生産者もやみのルートに流していくというようなことがおさまっていくであろうし、消費者もまた正規の流通によっていい米が安価に食卓に供せられるということであれば、わざわざやみルートの方から米を買うというようなことはないと私は思うのですね。そこらに問題があるから生産地においても消費地においてもこういう問題が出てきておるのじゃないか。
 したがって、これにつきましては、国の施策として食管制度を徹底的に守っていくということであるならば、そのことを断ち切るということを大上段に構えてやらぬ限り、生産者の方も消費者の方も国の制度というものを、形式的には食管制度というものは必要だ、守るんだ、維持していくんだということを言ったところで、この法律を破られていくということが幾らたっても後を絶たないのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。
 今長官の方から言われたいわゆる検査証の偽造問題につきましても、やはり警察に任じておくということだけではなくて、追跡調査をやってその源を断ち切るというところまで食糧庁としては取り組む必要があるのじゃないか、こういうように思うわけでございますが、この検査証の偽造事件について現況というものを御報告いただき、食糧庁としてはどういうように対処していったか、これからどのように取り組んでいこうとしておるのか、このことをお聞かせ願いたいと思います。
○石川政府委員 この種のにせの検査票せんを偽造しましたという事案につきましては、実は昨年三重の方でそういう事案を私どもが見つけました。明らかに偽造しましたものを使って商売をしておったということでございまして、これはまず私どもが調べました上で三重の警察の方に告発をいたしまして、この案件につきましては現在警察の手で処理をされているわけでございます。これは、御承知のように食糧管理法に反するというよりも刑法の事案でございますから、そういう手続をとったわけでございます。
 御指摘の兵庫の案件は、実は本年の一月でございますけれども、神戸の弁護士会長さんから新潟の食糧事務所長に対しまして、五十九年産と六十年産の四枚の票せんにつきまして、それが真正なものかどうかという照会がございました。調べてみますと、いずれもこれは真正なものではないということがわかりまして、ここで私どもが事実を探知したわけでございます。
 そこで、これは警察に任せているということではございませんで、私どもは兵庫の食糧事務所と新潟の食糧事務所を使いまして、どういう形でこの票せんを使った米が流れたかということを調べたわけでございますが、問題となりましたものは、兵庫県下のある正規に許可を受けております業者が同じく兵庫県下の許可業者から購入をしまして、それを大阪府下のこれはまた正規の許可業者に販売した米であるということがわかったわけでございます。これは当初流されたわけでございますが、最終的にこれを受け取りました小売業者が、品質が大変悪い、どうも本物ではないのではないかといってもとの方に返してまいりました。そこで、いわば一種の民事的な形と申しますか、金の面で解決するというような話からもめごとになりまして、いわば訴訟になるというような過程で弁護士さんが調べたということでございました。
 私どもそういう意味で、もとをただすために、最初にその米を購入しました業者を詳しく調べておりますけれども、この人たちの今まで弁明しておるところによりますと、実は電話で注文取りがあって注文したところ、名古屋があるいは岐阜のナンバーのトラックで運んできて、これを一定の場所で自分のところに積みかえをした、現金で支払ったということであって、相手方はわからないということの一点張りでございます、今のところは。
 私どもはそういうことでは納得ができませんので、事柄の重要性にかんがみまして、警察庁とも御相談をした上で、これは刑法事案でございますので、警察の面からも調べていただくということで、現在調査が進行中でございます。これから先のことにつきましてはさらに調査を進めてまた御報告できるかと思いますが、現在までに御報告できるのはそのようなことでございます。
 私どもとすれば、現に三重にも一つあったことでございまして、よく言われる、この種の米がいわば流通におけるいろいろなすき間を埋めているんだというような話もございますけれども、現実はこういう姿で非常に粗悪なものを偽って流すということで、この種の米には大変問題があるということを関係者にも十分流しております。特に今回の場合は正規に許可を有しております者がかかわっておりますので、その業務の運営の仕方その他についてもさらに詳しく調べました上で、業務のあり方について適切な指導あるいは処分をする必要があろうかと考えております。
○和田(貞)委員 B業者も小売業者であるし、A業者も小売業者である。小売業者間の取引をやっておるのだから明らかに食管法の違反なんですね。ですから、それは食管法の違反として厳重な処分をするということを具体にやっていかぬといけないと思います。
 それから、やはり検査証がにせであるということは、公文書をまさに偽造しておる、検査員の判も偽造している、公文書偽造であり公印の偽造であるということで、やはりそのものを扱ったということについては、食糧庁は、民事問題で争っておるあるいは警察が介入したというだけでなくて、やはり食管法を大事にしなくてはならぬあなたの方が、公文書を偽造されておる、公印を偽造されておる、そのことについてやはり統括をする、そういう姿勢が必要じゃないかなという気がするのですが、どうですか。
○石川政府委員 先ほど申し上げましたように、三重の事案につきましては告発をいたしているわけでございます。現在はだれといった偽造した者を特定ができない状態でございますので、現在警察等と一緒になりまして調査をいたしております。そういう事実が判明した場合には、これは現に小売業者の一人が告発はいたしておりますが、行政庁としてもやるべき立場にある場合には当然やらなければいかぬと思っております。
○和田(貞)委員 きょうも本会議で通産関係のまがい商法取り締まりの法律が議決されて参議院へ送付されたわけなんですが、悪いことをしようという者は、悪徳な取引をするという者は、どんなことをしてでもやはりくぐり抜けようとするのですね。だからそこを具体に、だれが、どんな方法で、どういうようなことをやっておるがために不正規流通があるんだという、そこでだれがということが見つからぬでも、どういう手段で、どういう方法で、だれに、ここまでつかんでおれば、そこらをやはり厳重にやっていくということで初めて不正規流通にかかわっておる多くのそういう悪徳業者を締め出すことができるし、正規の業者を守っていくことができるし、消費者も生産者もやはり食管制度は必要であるということが意識されていくと思うのです。そのことが私は大事な問題ではなかろうかと思うのです。
 大阪というところは、豊田商事があらわれてみたり、ベルギーダイヤがあらわれてみたり、また米の不正規流通も関西が中心だということで悪名が高いわけなんです。しかし、まじめにやっておる正規の業者はそうじゃないわけなんです。まじめにやっている者が、仮に自分たちの同僚の中にそのような者があっても、それを厳重にやはり取り締まってくれ、許可されておる業者が悪いことをするならばその許可を取り消してくれても構わないという考え方を持って、知事やあるいは本庁の方にも、日米連を通じましてそのことを陳情申し上げたり要請申し上げたりしているわけなんです。あなたの方がやはり大なたを振るってこのことをやってもらわないと、しかも標準価格米は正規の流通業者しか扱えないわけですね、マージンも少ないわけなんです。やみの業者はマージンの多いものばかりやっておるのですから、肝心な底辺の国民の食生活を守るために、標準価格米を低いマージンでも正規の業者であるがために商いの一つにやっておるというまじめな業者の立場に立ってもらわないと、何をしているのかわからぬということになるわけです。
 確かに先ほど長官が申されましたように、大阪でもかつては不正規の流通にタッチしておる業者が散在しておった。それも、新規参入をさせることによってそのことがおさまるだろうという希望を持って、既存の業者は新規参入を許した。けれども依然として変わらない。新規参入を許して正規の業者にしておるのだけれども、依然として不正規流通にタッチしておる業者があって、そのようなことをやっておるという姿が今この事件の中でもあるわけなんです。だからやはりまじめにやっておる米の小売業者を守っていく、そのことをやり遂げてもらうことで、消費地においては消費者がやはり食管制度というものがあるんだからそういうところで米を買うことは間違いなんだという意識が高まっていくのじゃないかと私は思うのです。そのようなことについて、具体にどういうようにしていくかということをお聞かせ願いたい。
○石川政府委員 先ほど申しましたように、五十六年改正後におきまして、かってほとんど野方図にやっておりました地域でもどんどんそういう形で整理をしてまいりまして、たしか四十七都道府県の中で今そういうものが若干でもあるのは十数県ぐらいになってきております。それほど各県におきましてはそういう問題がだんだんなくなってきたわけでございますが、残念ながら大体四割くらいが関西に集中してあるわけでございますので、特にあの地域につきましては、まず行政指導のいわば密度を上げていく。これは都道府県と我々の事務所が一体となってやるわけでございますが、これは私どももよくこれだけやっているなと思うくらい回数を重ねることと、それからもう一つは何と申しましても流れてまいります根元と申しますか、源泉を断つということでございまして、そういう意味では供給先を綿密に調べて、供給先をいろいろな形で指導して押さえてくる、そういうことをしましたことが、逆に申しますと非常に問題のあるような米を横から持ってくるというようなことになったのかもしれませんけれども、そういうことを今後も繰り返してまいりたいと思います。
 その上で、やはりどうしてもそういう指導では処理ができないというものにつきましては、何度も申し上げておりますように、これは私どもだけというわけにはまいりませんが、関係の各当局ともよく相談しました上で、現在よりもさらに厳しい措置をとらざるを得ないのではないか、幾つかの事案について私ども調査もいたしております。そういうものが決して適切なものではないし、消費者のためにも決していいものではないということをはっきりさせました上で、さらに厳しい措置をとるように考えていきたいと思っております。
○和田(貞)委員 長官は、今もそうでございますが、従来からもそういう不正規な流通の業者については断固とした措置をとるということを繰り返されておるわけです。私が申し上げましたように、正規の業者は、自分たちの仲間からそういう犠牲者が出てもいい、少なくとも大阪のそういう小売業者は、組合を通じて、日米連を通して厳重にひとつ処分をしてくれということを言っておる。いまだに告発をしたということはないですね。許可を取っておらない酒屋さんで米を売っておるということが現実にあるにもかかわらず、それを放置しておる。クリーニング屋さんの取り次ぎの窓口に米が並べられておっても、それを放置しておる。そういうようなことで断固とした措置だというように言えますか。どうですか。
○石川政府委員 これは、告発の当事者としましては、第一義的な許可権限者は、大阪の場合、府でございますが、そういう行政庁が告発すれば足りるというものではございませんで、告発した後、どういう形になってどうなって、それがどういうような処分の姿になるかということをきちっと考えなければいかぬわけでございますが、そのためには、関係いたします当局とも十分話し合いをし、それが最終的にそういう望ましい姿で処分ができるというところまで詰めてやらなければいかぬわけでございます。そのために私ども、そういうことの可能性も含めて、行政的にはやれるところまでやったということにいたしませんと、御承知のようにこの種の告発というのは、第一義的には行政庁の行政指導で行き着くところまで行って、それでなおかつということになろうかと思いますので、これはいろいろな立場の違いもございまして、どこがその行き着くところかということで、幾つかの事案についてよく相談をしながらやっているわけでございます。決して手ぬるいことをしているわけではございませんで、御承知のように八郎潟の事案等については告発という措置をとったわけでございます。
 大都市におけるその種のもので、どういうものがいわば告発をし、最終的にそういうことをするのに値をするかどうか。といいますのは、私どもが指導いたしておりますとやめてくれる者も実はいるわけでございますので、行政庁としてはできるだけ行政指導の範囲でやろうと思いますが、これはどうやってもその種の手法ではうまくいかぬということになれば、そういう措置をするつもりでございます。
○和田(貞)委員 許可を受けた業者がそのようなことをやれば、これは当然許可をした県知事が正規の業者に対しまして処分するなり処置をするわけですが、今私が申し上げているように、牛乳屋さんが米を売っておる、何々米穀店という領収証ではなくて、米代七千百五十円ということで何々牛乳店という領収証を消費者に渡している。これまた許可を取ってないお酒屋さんでございますけれども、お酒屋さんが米十キロ五千百五十円という領収証を、牛乳屋さんの領収証で、酒屋さんの領収証で、クリーニング屋さんの領収証で、米を売っているという証拠を消費者に渡して、歴然としたそういう業をやっておる人があるわけですね。これは食糧庁としてこのまま放置するというようなことではどうなんですか。
○石川政府委員 今おっしゃいましたような取次販売みたいなものは、我々の経験からしますと、行政指導で大体実はやめてくれているのが多いわけでございます。行政指導でやめない者というのはもう少し悪質の度の強い者でございまして、今御指摘のような事案がございますれば、私ども大阪府とも十分連絡をいたしまして、そういう取次販売的なもので違法行為をやっている者は行政指導でやめさせられるのではないかと思っております。
 現に、私どもがむしろ困っておりますのは、もう少し組織的にかつ大量にやっている者でございまして、そういう者についてはどうも行政指導の範囲では実はなかなかとめられない、今までも一生懸命やった経験がございますが、とめられないということでございますので、さらに強い手段が要るのではなかろうかと思っております。
○和田(貞)委員 それは、出先の大阪食糧事務所がそれらの店舗に対しては具体的に警告を出しておるのです。販売をやめなさい、販売を中止しなさいと出しておるのです。しかし、その警告を聞かないで依然として販売をしている。依然として店舗に米が積まれている。警告をしておるにもかかわらずそれを聞かないということになれば、そういう具体性というものはよりあるのだから、そこからさらに追跡をして、あなたのところは米を売ったらいかぬにもかかわらず、この米はどこから仕入れたのだということで仕入れた先を追跡をして、どこから持ってきたのだということができるじゃないですか。極めて具体性がある。
 警告をしておるのです。警告をしておるにもかかわらず聞かないで依然としてあるということは、そのことによって正規の米屋さんが困っておるのです。まじめに商売をやっている米屋さんが困っておるにもかかわらず、警告をしっ放しで、依然として食糧管理法違反をやっていることを黙認しておるというのは、食糧管理法を守る、食糧管理制度を守るというあなたの立場としては少しおかしいのじゃないか。これよりもさらに進んでいくというようなことが必要じゃないかと思うのですが、どうですか。
○石川政府委員 今申し上げていますのは、そういう場合にはどこがそこにお米を提供しているのかということを調べて、それは提供する者がいなくなれば売りようがないわけでございますから、そういうものも調べる。それでよく調べてみますと、実は持ってきたのは正規の米屋さんで、兄弟が酒屋をやっているから持っていったというのもあるわけでございます。
 そういうことも含めて粘り強くやっていますが、どうも関西、特に大阪あたりではそういうものがなかなかやめられない方が何人かいらっしゃる。それはほかの県とはけた違いに多いわけでございます。あの地域にすれば、商売というのは何でも自由にやれるのだというお気持ちの強い方が多いと思いますが、そういうものの中で、最近ありましたように、いろいろないかがわしいものが出てきて、消費者の方々も、そんなところで買ったら決していいお米ではない、少し安いようなことを言っても決していいものではないということがどんどんおわかりになってきたと思うのです。
 東京の例で申しますと、東京都は正規のお米屋さん以外から買った場合に、内容の品質なんかは保証ができませんとか、そういうことも含めましていろいろなPR活動をいたしております。そういう結果、警察ざたということではなくて、消費者サイドからそういういかがわしいところで買った米については信用ができぬのだ、値段は安いように思っても信用ができぬのだという形で、そういう商売がやりにくくなるというやり方もやっていただいているわけです。
 私は大阪にも同じようなことをお願いをするわけでございますが、事商売のことで、世に言う警察さだと申しますか、そういうことをするのは、いわばどうやってもどうしようもないときにやる手段と考えておりまして、それは警察庁の方といたしましても、ただ警察へ何でも持ってくればいいという形ではないわけでございますので、その辺が大阪の場合、非常に地域の人たちの物の考え方、そういうものと警察行政との間で、そういうのが余りいろいろな形であちこちにある状態ではむしろやりにくいのであって、行政庁でできるだけのことをしてくれ。そのできるだけのことということについては、私どもも大阪府と協力しながらかなりの程度のことはやっておるつもりでございます。
○和田(貞)委員 それは確かに今御指摘のあったように、東京都の方ではこういうビラを出してやっておられるということ、これも消費者の啓蒙のために必要でしょう。しかし、消費者としては自分の近くのクリーニング屋さんで米を買えるといえば、それを越して正規の米屋さんに買いに行かなくてもそれで事済むのだから、日常の生活活動の中で近いところで米を買うということを繰り返していくと、これが結果的には消費者に、食管制度というものがあるのかないのかわからない、食糧管理法というのがあるということも認識をしないということに普遍的に蔓延していくということになると、あなたの方が言われておる食管制度というのはやはり守っていかなくてはならないのだということと消費者との意識が大きなギャップが生じてくる。結果的にはそのことによって食管制度というものがあいまいもことして放置されていく。
 実はそのようなことになってもいいのだというような考え方が食糧庁としてはおありじゃないかということを私は冒頭申し上げたわけです。そうでないとするならば、やはりこのようなことが一日も早くなくなる、正規の業者が安心して商売ができる、そのことを通じて、底辺の生活をなさっておられる国民の主食を確保するという社会的な任務を、マージンが少なくてもやるという意識が生まれてくるんじゃなかろうか、私はそういうように思うわけであります。
 そのことを繰り返しておってもどうかと思うわけでございますが、せっかく次官も来ておられるわけでございますし、このことは、私は、食管制度を守っていくという立場に立つならば非常に大事なことで、国民の意識として守らなければ、法律があってもその法律が無視されておってはどうにもならぬ、苦痛を感じないというようなことでは、いかに制度を守っていく、法律を守っていくという行政府としての考え方があってもこれはどうにもならぬわけであります。時間の関係もございますが、ぜひともひとつ、食糧庁の長官から今までいろいろとお聞きしましたけれども、政府として、次官の方からこの問題についての今後の対処の決意を述べてもらいたい。
○保利政府委員 食管制度は国民の主食でございます米を政府が責任を持って管理をする、そしてその需給及び価格の調整、流通の規制を行うことによりまして、生産者に対してはその再生産を確保し、また消費者に対しては家計の安定を図るという重要な役割があるわけでございまして、先生御指摘の流通の分野において仮に不正規な形での流通が行われ、それによってこの食管制度がむしばまれていくというような状態があってはならないことと私は考えておりますので、先生御指摘のあった点についてはよく食糧庁と今後協議をしてまいりたいと思っております。
 そして、政府といたしましては、従来から経済事情や米の需給事情の変化に即応いたしまして必要な見直しを行ってはまいりましたが、今後とも食管制度の基本は維持をする、状況の変化に応じて必要な運営面での改正は行っていかなければならないと思いますけれども、基本はあくまでも守っていきたい、そのために流通関係についてもきちっとしたルートを確立をするという気持ちでありますことをお答えとして申し上げさせていただきます。
○和田(貞)委員 ぜひともひとつ正規の業者に、地域で、やみ業者の中で、販路が食い荒らされても社会的な貢献をしておるのだというそういう役割をより自負させるために、そういう業者の方々の意見、団体の意見も十分聞きながらひとつ対応してもらいたいということを最後に申し述べまして、質問を終わりたいと思います。
○近藤(元)委員長代理 五十嵐広三君。
○五十嵐委員 ことしの日ソ漁業交渉は大変な結果になったわけであります。北海道の漁業者あるいはこれに関連するさまざまな仕事をしている皆さんが大変な苦境に陥っているというのはもう御承知のとおりであります。この前、羽田農水大臣、佐野水産庁長官も北海道においでいただきまして、それぞれ水産基地をお回りになってつぶさに実情も御視察になったようであります。したがいまして、そういう緊迫した状況あるいはそういう中からの救済に対する血の出るような声というものは肌身に感じて聞いてきておられると思うのですが、まず佐野長官、この間行かれて御苦労さまでしたが、若干その印象をお伺いしたいと思います。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 まず最初に、ちょっと所用がございまして遅参いたしましたことをお許しいただきたいと存じます。
 先般、羽田大臣のお供をいたしまして北海道の現地を視察させていただきました。殊に、私がねて事態を承知はしておったつもりでございますが、稚内の港で係船中の底びき船がずらっと並んでおりまして、そこに稚内だけではなくて宗谷管内から漁業関係者の皆さんが、あの日二千名を超したでしょうか、大勢お集まりになっておられました。皆さんの大変思い詰められたような沈痛なお顔を拝見いたしまして、私自身、身を切られるような思いがいたしました。また、市役所で関係の皆さんからいろいろ各論にわたる御陳情がございました。いろいろお話を伺っておりますと、影響の及ぶ範囲が商店街の皆さんとか水産物の輸送に従事しておられるトラック業者の皆さんとか、非常に広範多岐にわたるということについて、改めてなるほどこういうものだろうかということを実感したような次第でございます。ごく短時間ではございましたが、直接皮膚で感じる機会を得られましたことは大変有益であったと思っております。
○五十嵐委員 これは報道関係のことでありますから、一応この機会に佐野長官に確かめておきたいと思うのですが、ソ連側は来年以降着底トロール船の全面禁止を打ち出してくるということが報ぜられているのでありますけれども、そういうことでしょうか。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 先方はそういう考え方でございます。
○五十嵐委員 そのようなことになりますと北海道の水産基地は全く壊滅するという状況になるわけでありますから、この際全力を挙げて各面からの対策を講じていただくよう心から要望いたしたいのであります。それぞれの自治体あるいは業界などから連日要請が相次いでいるのであろうと思いますが、余り時間をかけておりましても困るわけで、五十二年のときの経過等から見れば、もうそろそろ総合的、基本的な方策というものができ上がらなければならぬ時期ではないかと思うわけです。
 そこで、この間来関係閣僚会議等も持って、あるいはまた水産庁内部でも対策本部をお持ちになられて鋭意取り組んでいるのはよく承知しているのでありますが、この際五十二年の折のように閣議了解ということでまず基本的な方針を総合的に決めていく、もちろん、個々の細かい具体的なことはそれから後にそれぞれ展開をしていくことになろうと思うのですが、大づかみの流れとしては閣議了解を経て入っていくというようなことだろうと思うのです。流れとしてはそういう流れと心得てよろしゅうございますか。
○佐野(宏)政府委員 今のところそこら辺の形式について余り深く考えてみたわけではございませんが、先般の関係閣僚会議を開催していただきましたことからもお酌み取りいただけますように、今回の講ずべき対策は決して農林水産省の守備範囲にとどまるものではなくて、内閣のほとんどの省庁にまたがるような非常に範囲の広いものであるという認識のもとに、関係各省の御協力をいただきながら対策を決めていくべきものというふうに考えて取り組んでおるわけでございまして、事態の重大性にかんがみまして、私どもとしては決して悠長に構えられる事態ではないということで、急いで方針を固めてまいりたいと考えております。
○五十嵐委員 関係十一省がにわたる閣僚会議をお持ちになってやっているわけでしょうから、本当に広範な作業であろうと思うのですが、何にしても基本的なところで大筋をぱしっと決めておいて、それから各省の作業に入っていくということであろうと思うのです。そういう総合的な基本的な方策を決めていくという考えでよろしゅうございますか。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 今回の対策の中で、分野によりましては一応レディーメードの対策が決まっておるものもございます。例えば離職者対策としてどういうことをやるかにつきましては、俗称漁臨法と呼ばれる法律がございまして、その中に一応体系的に対策が盛り込まれております。それから、水産加工関係の中小企業者の、こういう事態に直面した中での信用力をいかにして補完していくかという問題につきましては、中小企業信用保険法の中で倒産関連の保証措置について規定がございますから、それを使っていくということで通産省と御相談をしておるところでございます。
 ただ、そういうふうにおおむね定型化されております対策が決まっておるものにつきましては割に早く対策を決められるわけでございますが、今回の場合、今先生のお話のような形ですんなりといくかどうかということについて必ずしもはっきりしたお答えのしにくいものは、例えば地域経済に対する影響、例えば自治体財政に及ぼす影響だとか、そういう問題をどうするかというようなことは、お仕着せといいますかレディーメードの適当な対策が決まっているわけではございませんので、こういう分野についてはある程度検討に時間を要するのではないかと考えております。
 それから減船対策の本体になります減船のやむなきに立ち至ります漁業者自体に対してどういう手当てをするかという問題があるわけでございますが、この点につきましては、まず漁業者の皆さん方自体がこういう妥結結果を踏まえてどういう身の振り方をなさるかということについて、漁業者の皆さん方御自身のお考えもございますし、それから業界の中での御相談もございますし、そういうことを踏まえていかなければ具体的に対策を固めにくい、そういう分野の問題もございます。
 したがいまして、対策の全貌が決まっていく手順ということになりますと、今申し上げましたような分類のどの分類に属する対策であるかということによっていろいろ遅い早いが出てくるということは御理解をいただかなければいけないのではないかと思っております。
○五十嵐委員 余り時間をいただいていないものですから、長官、ひとつ直截に御返事いただきたいと思うのですが、五十二年の閣議了解のときには「日ソ漁業交渉に伴う救済対策の基本方針」として、例えば「第一 漁業者救済対策」、五項目にわたっている。「第二 離職者の雇用対策」、これが二項目。「第三 不要漁船対策」、二項目。「第四 水産加工等関連産業対策」、三項目にわたる。そして「第五 その他」ということで、今言う細々したことはそれは時間かかりますよ、それは業界の方でまとまってくるのを見ていなければだめなこともあろうと思いますし、さまざまあろう。あるいはまた早くできるものもあろうと思うが、しかし、今のように、五十二年にやったように政府が全体としてこの緊急事態にどういうぐあいに対処していくのかということの腰構えぐらいはひとつ出していかなければならぬのじゃないですか。
 ですから、それは十一省にもわたる格好で作業しているんだから、当然やるとすれば五十二年のように閣議了解のような形式を経て基本的な方針だけは出して、後は全力を挙げてなるべく早く各省でまとめていくということになるべきだということを、僕はさっきから言っているのはそのことを言っているのですよ。だから余り余分なことは要りませんから、そういう流れでいくのが常識ではないかと私は思う。この前も長官とお話ししたときに、水産庁の内部で対策本部をつくっているということであったが、しかし、それは省内だけではうまくないのじゃないか、やはり各省にまたがることなんだからそういう格好でやるべきじゃないかと僕は言ったことがあるのですが、ちょっと消極的な御発言であったけれども、しかし、間もなくできた、私はよかったと思っているのです。だからこの際、これはみんな水産基地の人たちが必死の思いで見ているのですからね、長官、ひとつすぱっと答えてくださいよ。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 各論の詰めの前の段階で今先生がおっしゃいましたような項目別の柱書きがまず固まっていく、そういう段階を経てそれから先各論に進んでいくということ、それは先生のおっしゃるとおりだろうと思っております。私どももそういう心づもりでおります。
○五十嵐委員 つまり、なるべく早い時点に総合的な政府としての北洋漁業危機救済に関する基本方針を立てるということですね。
○佐野(宏)政府委員 各論の詰めの遅い早いについては御容赦をいただけるとして、そうであることは先生の今おっしゃったとおりでございます。
○五十嵐委員 もちろんそれはそんな遅くなるものではないというように思うのですが、五十二年のときは一月もかかっていないですね。あれは二十日間か二十何日間くらいだったと思うのだけれども、今回の場合もそういう流れから言うともうそろそろ詰めに入っていいのではないかというように思うのですが、どうなんですか。五月の中かそのくらいまでにはもう決めていかなければどうもならぬと思うのですが、どうですか。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 実はきょうの午前中も委員長席に座っておられる近藤先生を初めとする与党の先生方から全く同様の趣旨の督励をいただいたところでございますから、そう悠長にやれる事態でないということは肝に銘じております。
○五十嵐委員 それはもう本当に政党の立場なんというのも全然関係のない話で、与党も野党もない、一緒になって、あるいは政府も民間も力を挙げてこの危機を突破せにゃいかぬのですから、どうか、そういうつもりで僕も聞いているし、お答えもそういただきたいというふうに思うのです。もちろん今月中にはそういうものはきちっと、閣議了解になるかならないんだかは今ちょっと申しがたいという点があったからそこはそう聞きませんが、私は当然そういう格好になるべきだとは思うのですが、時期としては、急がなければいかぬというのは、今月いっぱい、何ぼ遅くったって今月中くらいには方針は出していかなければいかぬというふうに、お心づもりとしてはお考えと受けとめていいですか。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 全力を挙げて急ぎます。
○五十嵐委員 それでは少し中に入っていきたいというふうに思いますが、何といってもかなめなのは減船に対する交付金の問題であろうというふうに思うわけであります。
 北海道機船漁業協同組合連合会が最近の調査によって出してまいりましたけれども、要望額としてこういう内訳になっていました。減船者に対する補償措置額は、さまざまな借入金、これは制度資金、特別融資、あるいは短期資金、つまり各組合の運転資金等、市中金融機関、あるいは建造資金。それから買掛金では燃油、漁網、修繕費、その他。あるいはまた必要経費等について、ひっくるめて大体五億八千百万円、こういう金額が出てきておりました。相当なものだなという感じがいたすわけでありますが、なかなか当面厳しい事情でありますから思うような措置は困難だというふうには思います。しかし水産庁としては、大蔵省の非常に厳しい壁はあろうとは思いますが、もちろんこの額のことはいろいろ努力をしていくとして、今回交付金が必要だろうというお考えには変わりはないだろうというふうに思うのですが、いかがですか。
○佐野(宏)政府委員 減船のやむなきに至る漁業者に対してどういう措置を講ずるかということを検討をいたしますためには、私どもとしては、まずその関係の業界の中で減船の方針を調整をしていただいて、減船の隻数は幾らである、具体的にどの方とどの方がおやめになるということが決まりまして、それを踏まえて現地調査とかそういう手順を踏んでから固まっていく、そういう手順があるものでございますから、私どもとしてできるだけ急ぐつもりでございますが、具体的にどの程度のことができるかということについてお答えができるためにはもう少し時間をいただかなければならないと思っているわけです。
○五十嵐委員 しかも、五十二年のときと違いまして業界の体質そのものが非常に弱くなってきている。とても共補償などということの余力というものがない状況になってきているわけでありますから、それだけに当時とはまた異なった御配慮が必要ではないかと思うのであります。
 それは、一方では財政上大変な状況だということもあるが、しかし他方、今のような状況が実態としてあるということもお含みをいただくべきではなかろうかというふうに思うわけであります。額のことや何かはもっと先のことで、時間をかけて詰めていかなければいかぬというふうにも思うが、しかし、去年のカニ、エビ、ツブのように六カ月以上もかかったということではこれまた大変なことでありますから、そんなことはないと思うが、それにしても若干時間的な作業が要るのだろうというふうに思います。しかし、この場合農水省として、交付金はやむを得ないだろう、あるいはそういう考え方で今大蔵省と交渉しているということであろうというふうに思うのですが、そういうぐあいに考えていいですね。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 減船のやむなきに至る漁業者に対してどういう対策を講ずるかということが決まる過程がどういう段取りになるかということは先ほど申し上げたとおりでございまして、今の段階では減船隻数もまだ決まっておらないような状態でございますから、今の段階で減船対策について予断めいたことを申し上げるというのはちょっと早過ぎるように私は思いますので、その点、十分関係の漁業者の実情を踏まえた上で適切に対処するつもりであるということで御容赦をいただきたいと思う次第でございます。
○五十嵐委員 それから、先ほど言及いただいておりました漁臨法の適用についてであります。
 減船乗組員に対する漁臨法の適用については、お話のように作業を進めておられるのだろうというふうに思うのでありますが、たしかこれは四省間協議であったと思うのですけれども、労働省お見えになっておられましたか、どんな作業の状況になっているかちょっと御報告ください。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 先生御指摘の四省の協議を今やっておるところでございます。
○井上説明員 漁臨法の関係でございますが、日ソ漁業交渉によりまして影響を受けますのは底刺し網と沖合底びき漁業でございますが、沖合底びき漁業につきましては既に漁臨法の適用を特定業種として指定してございます。底刺し網、はえ縄漁業につきましては、その減船の状況等を関係省庁と十分に打ち合わせて、できるだけ早急に特定業種として指定するよう、影響があればしたいと考えております。
○五十嵐委員 今何と言いましたか。一番おしまいのところ、影響があればしたいということですか。一番最後のところ、ちょっと聞き逃がしたのだが……。
○井上説明員 お答えいたします。
 減船の状況を十分把握して指定したいと考えております。
○五十嵐委員 しかし、減船の状況もほぼこういう、何といっても減船しないで済めば一番いいことなのでありますが、そうはならない漁業交渉の結果ということになっておるわけでありますから、ひとつ早急に対策を進めていただきたい、こんなふうに思います。
 そこで佐野長官、いつも問題になることでありますが、韓国の大型漁船の問題なんであります。五月の初めころで、やはり武蔵堆なんかを中心にして日本海海域で約十隻くらい一千トンクラスのものがいるわけですね。一方で大変な状況で締め出されてきて、しかも自国の二百海里内では韓国船がいいところを食いちぎっているということではやはりどうにもならぬですよ。今年の十月末に政府間協定の期限が来るということになるわけでありますから、当然この機会に明確に韓国に対する二百海里適用を決めて、そのもとで両国の協定を持つべきではないかというふうに思うのですが、いかがですか。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 韓国の漁船の北海道周辺における操業につきまして、北海道の漁業者の皆さん方が今先生御指摘のような問題意識を持って眺めておるということは、漁業者の気持ちとしては全く当然のことであると思います。それから西日本の方につきましても、最近の韓国漁船の操業実態を眺めてみますと大変ゆゆしき事態になっておりまして、これは現状のままで放置しておいていいものかどうかということになってきているように私どもも思っております。そういう意味では私どもの事態の認識も先生とほとんど変わらないのだろうと思っておりますが、ただ問題は、本件は同時にすぐれて外交問題でございますので、果たして漁業側の物の見方だけで決めていいものかどうかというところが難しいところであって、漁業の話としては私どもの認識も先生の今おっしゃっている御高説とほとんど違わないのではないかと思っております。
○五十嵐委員 もう何年間も、七年も八年も常に問題になりながら、大きな不満を持ち、時には本当にエキサイトしてトラブル寸前というようなことさえもあったわけでありますし、こういう状況の中でありますから、ぜひひとつ決意を込めて、必ず今言うような方向で御解決を期待したいと思うわけであります。
 残存漁業者についての国際規制関連経営安定資金の適用でありますが、今、道単で十四億の枠で四月末で七億くらい出ているようでありますけれども、ぜひひとつこの安定資金の適用についてお願いを申し上げたいというふうに思いますが、これはお見通しはいかがですか。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 この経営安定資金の発動につきましては、今回の協議の妥結結果に対して業者の皆さん方がどういうふうに対応なさるのであるか、あるいは出漁遅延等によって経営への影響がどの程度のものであったか、そういうことを見きわめた上で、それでさてどうするかということにならざるを得ない、そういう手順がございますので、その点をひとつ御理解をいただきたいと思う次第でございます。
○五十嵐委員 長官、さっきから手順手順、手順はよくわかりますが、しかし、ここは手順のお話を伺うよりは、事柄が事柄ですから、少し血の通った話をやはりしてもらいたいところで、ぜひひとつそういうようなお答えを賜りたいと思います。
 加工業ですが、これが大変な打撃を受けているのは御承知のとおりであります。そこで、今、道は四月十一日、約三十億の枠を設定してつなぎ資金を出しているわけであります。しかし、この間私どもも実は稚内に社会党の調査団で入っていろいろお話をお聞きしたのでありますが、実際には四月末で、北海道全体でいいましても三十億の枠のうち貸し出しているのは三億しかないのですよ。借りたいのはやまやまなんだけれども、それは担保余力がないあるいは保証余力がない、とってもどうにもならぬということで、今までも目いっぱい借りているわけですから、なかなかこういう枠だけをつくられても実際には使いようがないという、非常に皆さんの悲痛なお話があった。これは言うまでもないのですが、この際、中小企業信用保険法の倒産関連による特別措置、これは保険法の第二条第四項第二号ですか、これに基づく告示をいただいて、そして信用力といいますか保証を受けるということがこの際一番有効ではないかというふうに思うわけであります。もちろん、これにつきましても鋭意協議中であろうというふうに思うのでありますが、これにつきまして、この際通産省の方からでもお伺いしますか。
○土居説明員 水産加工業者を初めとします関連中小企業者関係につきましての信用補完の特枠の設定の問題につきましては、水産庁からもかなり早くから御連絡をいただきまして、関係自治体、関係団体等のお話も伺いながら、既に財政当局との協議に入っておるところでございまして、早急に指定にこぎつけたいということでございます。
○五十嵐委員 ぜひひとつこの告示を得て、事業活動の制限の指定になりますと、現在の無担保無保証の三百万あるいは無担保有保証の千万あるいは有担保有保証の七千万、これがそのまま別枠で同額が保証を受けられるということになるわけでありますから、このことが現地にしてみると非常に期待の大きいものであろうというふうに思うので、ぜひひとつ鋭意努力をしてほしいと思うのです。中小企業庁には、既に道から四月の下旬にはいろいろな資料等とあわせて要請が行っているわけですね。そうですね。この告示は政令でしたか。
○土居説明員 通産大臣の官報告示でございます。
○五十嵐委員 それでは、これは通産省といたしましては状況はよく把握しておられるのでしょうから、ぜひひとつ取り急いで、これが告示についてお願いを申し上げておきたい、こういうぐあいに思う次第であります。
 加工業者ももう現地ではどうもならないものだから、この際、設備廃棄事業でもしようか、間引きをしようかということで、そんな要請もぼつぼつ出てきていますね。非常に大変なことであろうというふうに思うのですが、これらにつきましても、今いろいろ御意見をいただくのには少し早いというふうに思いますけれども、そういう声も上がってきているということを一応この機会にお伝えしておきたい、こんなふうに思います。
 時間が来たようでありますが、佐野長官、こういうことで、日本の漁業についての厳しい大きな転換期を迎えたということであろうというふうに思うのですが、既に漁業白書等でも新しい漁業政策については見受けられるのではありますが、しかしこの際、水産庁として、新しいこういう厳しい実態の中で日本漁業をどういうぐあいに誘導していこうとするのか、そのことについて、残りの時間でひとつ御抱負をこの機会にお伺いしたいというふうに思います。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 今度の日ソ漁業委員会の妥結結果もそうでございますし、それから先般の日米加漁業委員会の特別会議、こういうものの結果をずっと通して見ますと、二百海里時代に入りましてからかなりたつわけでございますが、ここで二百海里時代の中でもさらに一歩新しい段階に今や突入しつつある、そういう感じを深くするわけでございます。
 私どもとして、二百海里時代が到来いたしまして以来、日本の二百海里内での沿岸漁業を中心とした振興がこれからの重要な政策課題であるという認識のもとで、いろいろ努力をしてまいったつもりではございますが、ここで改めて、その二百海里時代の中でもさらに一つの期を画す段階になりますと、当然、遠洋漁業自体の再編成をしていかなければなりませんが、同時に、その遠洋漁業の再編成ということは我が国の漁業全体の再編成につながる問題でございますから、そういう意味で、私どもも今後の水産政策を、我が国の二百海里周辺水域の漁業振興を中心に据えてもう一度体系的に見直していくべき時期に来ておるというふうに考えておる次第でございます。
○五十嵐委員 ありがとうございました。
    〔近藤(元)委員長代理退席、衛藤委員長代理着席〕
○衛藤委員長代理 神田厚君。
○神田委員 午前中に引き続きまして、漁業問題をお伺いしたいと思うのであります。
 午前中の質疑の中で、減船離職者等の対策につきましても全力を尽くしてその救済措置を講ずるという大臣の御答弁がございまして、関係者はほっとしているわけでありますが、引き続き交渉の経過なども含めまして質疑を続行したいと思います。
 先ほどお話がありましたように、韓国漁船の問題等々もあるわけでありますが、韓国漁船の操業の実態といいますか、それらにつきましてはどういうふうに把握をしておりますか。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 韓国漁船の違反操業は、昨年の前半ぐらいまではかなり違反件数が減少してきておりまして、韓国側の真剣な取り組みを私どももそれなりに評価いたしておったわけでございますが、残念ながら、昨年末からことしにかけて再び違反件数が増加をしてきております。殊に三月には、長崎県、熊本県あたりの水域で領海深く侵入してきて、とんでもない場所で操業するというような事態が起こっております。
 私どもとしてもこういう事態の成り行きを大変心配をいたしておりまして、日韓漁業共同委員会の席上はもちろん、先々月も私が韓国の臨時代理大使を招致いたしまして厳重に抗議する等の措置をとったわけでございますが、ともかく昨年の暮れ以降の韓国漁船の違反というのは、まことにゆゆしき事態であるというふうに認識をいたしております。
○神田委員 今回の交渉が、我が国の周辺海域はこれを守る、ソ連海域の操業はいわば犠牲にする、こういう姿勢で交渉に臨んだわけでありますから、我が国の周辺海域をもっと大切にしなければならないということであります。それにもかかわらず、このように韓国漁船等の無法な操業がされているという状況は改善をされなければならないというふうに思うわけでありまして、政府といたしましても、それらについて責任のある行政的な措置あるいは韓国に対する外交的な措置をきちんととるように要望したいというふうに思っております。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 私どもも全く先生御指摘のとおりに認識をいたしております。したがいまして、ことしに入りましてからもいろいろな機会に韓国側に厳重に申し入れをしてまいったところでございますが、今後とも仰せのような方向でさらに努力をいたすつもりでございます。
○神田委員 漁業交渉の結果、双方とも十五万トン、こうなったわけでありますが、魚種別に見ますと、我が方が一番ねらいとするスケトウが約五万トン、ソ連側が欲しているイワシ、サバが約十万トン、こういうふうになっております。この点から見ますと日本側が非常に不平等な扱いを受けたというふうに考えられるわけですが、この点はどういうふうに理解をしておられるのか。
 さらに、千六百隻の許可枠となっておりますが、許可隻数だけでも昨年の実績を二百隻下回る、こういうことであります。この千六百隻も十五万トンのクォータでは全般は操業できない、こういうふうに言われておりますけれども、少なくとも洋底の昨年実績百七十八隻の約半分、底刺し百十隻のほとんどは減船をしなければならないというふうに考えられますが、政府としましては減船の規模をどの程度になると現段階で考えておられますか。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 まず最初にお尋ねのございましたスケソウダラ対イワシ、サバという関係でございますが、実はソ連二百海里水域で操業しております我が国の漁業種類というのは実に多様でございまして、その中でイカ釣りあるいはサンマというのも重要な漁業種類でございます。したがいまして、その十五万トンの魚種別組成をどういうふうにつくるかというときに、やはり底びき偏重型で魚種別組成をつくっていくというわけにもまいりませんので、そこはソ連水域で操業しておりますそれぞれの日本側の漁業種類のバランスということも尊重せざるを得ませんので、そういうことを考えましてあのような魚種別組成に落ちついたわけでございまして、そういう意味では特にソ連にしてやられた結果であるというふうには考えておらないところでございます。
 それから、減船規模についての御下問でございますが、確かにベルキナ以北の禁漁でございますとか三角水域の禁漁、それから東サハリンでの着底トロールの禁止、こういうことによりまして沖合底びきが重大な影響を受ける漁業種類であるということは論をまたないところでございます。それから底刺し網につきましても、これは漁法を丸ごと禁止されたわけでございますから、これも重大な打撃を受けた漁業種類であることは間違いないわけでございます。ただ、これを減船隻数に翻訳して幾らぐらいの減船隻数になるというふうに考えるかということにつきましては、これはまず第一義的には漁業者の皆様方が関係業界の内部でいろいろ御相談をいただいて身の振り方を御判断いただくべき問題でありまして、私どもとしてはそういう業界の内部での御判断の成熟の度合いに合わせて対策を考えていく、そういうことにならざるを得ないものでございますので、今の段階で減船隻数について予断めいたことを申し上げるというのはちょっと難しいのでございます。
○神田委員 そうしますと、減船問題で大体そういうふうな見通しがつくというのはいつごろになりますか。
○佐野(宏)政府委員 これはおくれればおくれるほど困るわけでございますから、関係者の皆さんでできるだけ早くコンセンサスをつくっていただくことが望ましいわけでございますが、一方リアリズムの見地から見ますと、関係者の間の利害が相当込み入って錯綜しておりますから、若干の時間はかかるものと覚悟をしておかなければなるまいと思っております。
○神田委員 次に、減船交付金の問題でありますが、日ソ漁業交渉に伴う減船は、昨年もカニ、ツブ、エビで経験しているわけであります。今回も基本的に同様の方式で補償を行わなければならないと考えておりますが、政府の方としてはどういうふうに考えておりますか。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 減船を余儀なくされる漁業者に対して講ずべき対策の具体的な内容を固めていくためには、関係の地方公共団体あるいは関係業界、そういうところで減船方針の調整をしていただきまして、それで隻数とか対象者が固まっていく、それを踏まえて現地調査をやってと、そういう手順がございますので、現在の段階でどういうことがやれるようになるというふうに思うかということについては、ちょっと予断にわたるようなことを申し上げにくいわけでございますけれども、減船に至った経過なりあるいは関係漁業の実態、そういうものを十分勘案をして適切に対処してまいりたいと考えておるところでございます。
○神田委員 答弁が明らかではないんですが、昨年のような形で補償ができないというふうなことなんでしょうか。私はやはり、状況といたしましては同じような状況であるわけでありますから、昨年のような方式で補償をすべきだというふうに考えておりますが、再度御答弁をいただきたいと思います。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 昨年のカニ、ツブ、エビの先例を踏襲するというのは確かに一つの考え方であろうと存じますが、ただ、率直に事態を申し上げますと、どうもこの問題に発言権を持っておられる方が、どなたもカニ、ツブ、エビを先例としないというふうに皆さんおっしゃっておるというような事態でございますので、その中で、財政当局との協議も煮詰まっておらない段階で予断にわたることを申し上げるというのはちょっと私には難しいということでございます。
○神田委員 いろいろな時期的な問題もあるのでありましょうが、やはり補償に万全を尽くしていただきたいと強く要望しておきたいと思います。
 次に、離職者対策であります。減船の規模にもよりますが、二千名を超える漁業離職者が予想される、こういうふうに言われております。そこで、この方々への補償問題でありますが、去年二月の日ソ交渉で減船したカニ、ツブ、エビ関係の交付金は、ことしの三月に一年以上もたって支払われております。しかも実費弁償ということで、乗組員に対する退職金相当分は昨年の十二月までに支払われた退職金に限って補償され、ことしに入ってまた交付金が交付されてから支払われた退職金は補償の対象になっていない、こういう現状があります。
 現場では船主は、救済金が幾らもらえるかわからないうちは乗組員に対しまして退職金は払えない、こういうふうに言っておりまして、救済金の額が確定した三月には、その算出の基礎は去年の十二月までに支払われた退職金相当額、こういうふうに決めておるわけでありまして、これでは退職金をもらえなかった乗組員が相当出るのは当然の結果だというふうに考えられますけれども、政府はこのような実態を把握をしているのか。どう対処するのか。
 今回の場合はもっと環境が悪いのでありまして、洋底、底刺しなどはほとんどことしの一月から操業しておらず、船主の方も経営的に非常に苦しい状況にあるわけであります。このときに、政府の交付金の額が決まらない前に退職金を支払えと言ってもこれはなかなか言うとおりにはいかないわけでありまして、去年の轍を踏まないためにも、前広に労務費相当額の救済金については労使双方に知らせ、退職金が支払われないというようなことがないようにしなければならないと思うのでありますが、いかがでありましょうか。
 また、政府も道県も、交付金の申請が出てきたときに、労務費の部分が入っているのかどうか、落ちこぼれはないか、また適切に支払われたかどうかチェックをしなければならないと思いますが、いかに対処をするのか。
 さらに、今離職して退職金が出るのは来年の三月というのではとても待ち切れるものではないわけでありまして、早期支払いをするためにどういう指導をしていくのか、この点につきまして御答弁をいただきたいと思います。
○佐野(宏)政府委員 まず、原則論でありますが、先ほど申し上げましたように、現在の段階ではいかなる対策が減船漁業者に講じられるかということについて予断にわたる話を申し上げにくい段階でございますので、その点はまずお断りをしなければならないのでございますが、いずれにしても、乗組員が不利益をこうむることのないよう対処をするということは、私ども何をするに当たっても念頭に置いて考えてまいるつもりでおります。
 それで昨年のカニ、ツブ、エビの場合は、申請のあった者につきましては、カニ、ツブ、エビ漁業減船漁業者救済費交付金交付要領、これの定めるところに基づきまして、国及び道県において、適正な申請が行われているかどうか、これを審査をした上で交付金を支払ったわけでございまして、そういう意味では、国や道県が労務費が適切に支払われているかどうかをチェックするという機能は果たされていたものというふうに考えております。
 それから、早期支払いの問題でございますが、この点は、そもそも退職金をどういうふうに払うかということは労働協約なり就業規則なりによって決まっているべき性質のものでございますから、そういう意味では、交付金を交付するんだからああしろこうしろと言って政府がそこに口を出すということは、これはちょっと事柄の性質としてしにくい問題であるということを御理解をいただきたいと思う次第でございます。
○神田委員 ただ、現場の実情はそういうふうな形で、退職金は非常に少ない、しかもか有り期間が過ぎてから支払われている、生活が非常に大変だ、こういうことで、何とかやはりもう少しスムーズに退職金が支払われるようにしてほしい。また退職金の支払われ方も、いわゆるもっと充実した形で退職金を支払ってもらいたいと強い要望があるわけでありますから、国が交付をするからといって退職金にいろいろ注文をつけたり干渉したりするのは好ましくないという、そういう考え方ではなくて、早期支払いができ、しかも充実した退職金が支払えるように国としてきちんと行政をすべきだというふうに考えているわけであります。
○佐野(宏)政府委員 今の問題につきましては、私どもも全日海の執行部の皆さん方からいろいろお話は伺っております。それで、全日海の執行部の皆さん方から私どもが伺っておりますお話の中で一番苦情が多いのは、船主側が誠実に団体交渉に応じないということがそもそも問題があるという、そういう苦情が大変多いわけでございます。私どもとしても、そういうことであればこれは大変けしからぬことでございますので、私どもも関係の業界団体を通じて、誠意を持って団体交渉に応じるようにという指導は十分やってまいりたい。その中で、具体的にどういうふうにするかということは団体交渉の場で労働組合がしかるべく労働者側の御主張を展開をしていただく、そういうことではないかと思っているわけでございます。
○神田委員 それは船主と雇用者との問題だけではなくて、つまり船主にしてみても先行きどういうふうになるかわからない、どういうふうな金がどういうふうに来るのかわからないということでは、交渉にも応じられないというようなことでもあるわけでありますから、その辺のところを、先ほど私どもが要望した形によって、政府の方で少し強力な指導をしていただきたい。そういう問題について、早期に退職金が充実して支払われるように政府の方で努力をしてほしい、こういうことでありますので、その点を強く要望しておきます。
 時間がありませんので次に進みますが、次は、底刺し網離職者の失業保険問題であります。
 午前中にもちょっと触れましたが、今後、底刺し網漁業の大量減船が行われるのはこの交渉の結果明らかでありますが、これらの離職者には船員保険法による失業保険金が支払われない、こういうことであります。どのような経過でこういうことになっているのか。また、これらの離職者は減船後直ちに生活に困るということでもありますので、どのように対処をなさるのか。そのところをお聞かせをいただきたいと思うのであります。
 あわせまして、失業保険が適用されない漁船員はいわゆる漁臨法で救済される仕組みにもなっておりますが、底刺し網、はえ縄漁はこれらの法律の対象業種になっていないということで、水産庁も、所管の運輸及び労働両省に対しまして政令を改正して追加指定をするように要請をするというふうなことで御努力を願っているようでありますが、このように保険の谷間に置かれている漁船員を救済するために、特に水産庁として、労働、運輸両省に対しまして強く追加指定の働きかけをしていただきたいと思うわけであります。その点もあわせて御答弁をいただきたい。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 まず第一点は船員保険法の関係でございますが、船員保険法に基づく失業保険は通年雇用の漁船乗組員等に対して給付されるということになっておりまして、底刺し網漁船の乗組員のような期間雇用者には適用されないという仕組みになっていることに由来するものでございます。
 それで、私ども水産庁といたしましては、底刺し網漁船の減船に伴う離職者につきましては、職業転換給付金の支給等、その他就職指導とか職業訓練とか、漁臨法に基づく措置が講じられるように運輸省及び労働省に御相談を持ちかけているところでございますが、減船隻数あるいは減船離職者数等減船の計画が明らかになり次第、漁臨法の対象業種にするように関係政省令の改正等についてお願いをするようにしたいと思っておるところでございます。
○神田委員 極めて大事な問題でありますので、その点をひとつよろしくお願いをしたいと思います。
 次に、寄港問題でありますが、今回の交渉で、ソ連漁船は本年に限り茨城県日立港に寄港を認めるということになっております。また、この寄港問題につきましてはいろいろ問題もありまして、ソ連側が持ち出す交渉の一つの口実等にもなっているようでありますが、これらに対しまして、対外的に約束をしたことでありますから、政府は責任を持ちまして環境を整えなければならないというふうに考えますが、どのように考えておりますか。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 ソ連漁船の寄港に当たりましては、乗組員の安全確保、これが私どもも最重点であると考えておりまして、必要な警備態勢等につきましては、地元の治安警備対策についても政府として万全を期する必要があると考えておりまして、所管する各省庁と十分連絡をとっているところでございます。
 現在、地元において寄港受け入れ態勢を整えているところであり、今後とも関係省庁と連絡をとって円滑なソ連漁船の寄港が実現できるよう対処してまいる所存でございます。
○神田委員 次に、中層トロールの開発問題でありますが、ソ連側は交渉におきまして着底トロールの禁止を求め、今年は東樺太水域ではその漁法の禁止ということになったわけでありますが、来年はその水域が広がるということが必至である状況であります。このため、中層トロールの開発を急ぎ、来漁期に間に合うように普及しなければならないと考えますが、水産庁の態勢はどうなっているのか、今後どのように対処するのか、簡単にお答えを願いたいと思います。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたします。
 私ども、海洋水産資源開発センターというのがございますが、そこで今年度、特に中層びき漁法によるスケトウダラの新漁場開発調査、これを新たに実施することにしております。また、これと並行して、中層ひきの漁具、漁法等の新技術開発について関係団体と協議して取り組んでまいりたいと思っておるところでございます。
○神田委員 最後に、捕鯨問題でありますが、我が国の商業捕鯨は、米国での裁判の結果にもよりますが、一九八八年までに終了する、こういうことであります。捕鯨関係者は、資源量とか我が国における捕鯨産業の重要性から、その後も調査捕鯨あるいは生存捕鯨、こういう形で捕鯨を続けたいと強く望んでおります。そこで、米国におきますところの裁判の見通しはどうなのか、いつごろ判決が出る見通しか。また、政府として今後の捕鯨の継続についてどのように対処をする考えを持っているのか。
 さらに、政府が商業捕鯨からの撤退を決めたのは、米国が、撤退しなければ二百海里以内の漁獲割り当て量を大幅に削減する、こういうふうに迫ったからであると言われておりますが、その後、米国は、同じ二百海里以内のクォータの削減をてこにして北米系サケ・マスの混獲規制を迫り、我が国サケ・マス漁業は漁場の縮減を余儀なくされているのであります。このように、米国の要求に全面的に従ってきたにもかかわらず、クォータは昨年の九十万トンからことしは五十二万トンと大幅に減少しております。これに対しまして、我が国として何らの打つ手がない、対抗手段がないということでは、まことに残念であります。このような状況に対しまして、政府としてはどのように考えているのか。
 私どもは、米国のそういうやり方に対しまして対抗法を成立させて、それで米国との交渉を持ったらどうだというような意見もあるわけでありますが、対抗法等の問題につきましてもあわせて御答弁をいただきたいと思います。
○佐野(宏)政府委員 お答えいたしおす。
 まず、アメリカの最高裁におきます捕鯨訴訟の問題でございますが、これは四月三十日に口頭弁論が行われたところでございますが、判決の出るタイミングということになりますと、ちょっと私ども外側にいてはよくわからない、何とも申し上げにくい問題でございます。
 それから、今後の捕鯨の継続についてでございますが、まず包括的評価というのをやることになっているわけでありますから、私どもとしては商業捕鯨再開のため、今後ともIWCにおける資源調査について十分協力をして、その資源調査を通じてモラトリアムの不当性を主張して、その見直しを関係各国に働きかけていくということをまず基本にしたいと考えております。
 それから一方、我が国の沿岸の小型捕鯨については、モラトリアムとの関係では生存捕鯨として認知をしてもらって、その存続を図るということをまた考えていきたいと思っております。こういうことで、何らかの形で我が国の捕鯨が存続し得るように今後とも努力をしてまいりたいと考えております。
 次に、アメリカの二百海里内での漁獲割り当ての問題でございますが、これは先生御指摘のように、捕鯨問題でアメリカに対して譲歩をいたしましたのは、基本的にはパックウッド・マグナソン修正法の発動を免れたいと考えたからであります。確かにパックウッド・マグナソン修正法の発動がなくても、アメリカの国内漁業が進展をしていくのにつれまして、外国の漁船に対する漁獲割り当てが縮小をしていくということ自体は避けられないことでございまして、そういう意味では、漁獲割り当てが縮小していくということ自体は、パックウッド・マグナソン修正法を回避できたからといって防げるという性質のものではないわけでありまして、これはこれでやむを得ないといえばやむを得ないことではないかというふうに思っております。
 ただ、この分野について、私どもとしてはそれとは別にいろいろな形でアメリカ側に働きかけまして、対日漁獲割り当てが縮小することをできるだけ防ぐように努力をしてきているところでございまして、本年のところも日本に対する漁獲割り当てのシェアというのは、一応従来の実績よりは高いものを確保される方向で今動いているところであります。
 それから、最後に対抗立法の問題でございますが、これは、沿岸国、母川国の最近の我が国に対して突きつけてまいります要求の中には大変とんでもないものもございまして、そういうものをはね返すためにこの種の立法措置が欲しいという漁業関係者の御意向は私どももよく承知しておりますし、理解できるところでございます。それからまた、現実に最近の日米のサケ・マス交渉の経過などでも、こういう立法措置の動きが交渉にある種のインパクトを与えてきたということは事実であろうと思います。
 そこで、具体的にそれではこういう法律を本当に制定するかどうかということになりますと、これはどうも漁業交渉自体に及ぼす効果のほかに、ほかにも総合的に勘案をしなければならない問題がいろいろあるように存じております。
○神田委員 時間が来ましたので、最後に一言政務次官にお願いしたいのでありますが、過日、私ども党大会をやりました。この党大会で、農林水産漁業問題ではすべて漁業問題に質疑が集中をした。つまり、それだけ全国の人たちが漁業に対しまして大変な危機感を持っておるということであります。例えば沿岸の漁業につきましては、資源の調査をもっと徹底的にしたらどうかというようなことを初めとしまして、大変意見がたくさん出ました。
 今こそ漁業問題は、農林水産省といたしましても腰を据えてしっかりとしたものをつくっていかなければならない時期だと考えておりますが、一言、副大臣の決意をお聞きしたいと思います。
○保利政府委員 今、日ソ交渉、日米交渉から来るところのいろいろな問題、私どもとしましては遠洋漁業が非常に大きな転換点に差しかかっておるというふうに認識をいたします。そしてまた、日本人が伝統的に食べてまいりました魚、それによって補給してきたところのたんぱく、こういったものを将来の子孫に残していくために、ここでしっかり漁業政策について考えていかなければならないのじゃないかという認識を持っております。
 したがいまして、この漁業の問題につきましては農林水産行政の中で大きな柱として取り扱っていかなければならないし、また、これは農林水産省だけではなくて政府全体として取り組んでいく問題ではないか、このように考えております。
○神田委員 終わります。
○衛藤委員長代理 中林佳子君。
○中林委員 私は、国営農地開発事業について質問いたします。
 島根県内で現在農水省が進めている三つの俗に言う開パイ事業について具体的にお聞きしたいと思うのですが、この三つの事業の当初の見通しと現在の計画を比べてみますと、益田開パイ、これは当初七十六億円で、期間としては昭和四十九年から五十八年までということになっておりましたけれども、金額が二百二十一億円に膨れ上がり、期間も昭和四十九年から完成を一応六十三年までに置いております。それから、横田の開パイですが、これは当初五十八億円、これも昭和四十九年に始まって五十五年で完成のはずでしたけれども、これが現在、二百一億円に膨れ上がって四十九年から六十七年までかかるという見通しになっております。それから、大邑開パイですが、当初百三十五億円で、昭和五十四年から始まって六十三年完成予定でありましたけれども、現在の計画は百七十四億七千万円、五十四年から昭和七十年までかかるというふうになっております。
 益田、横田の両開パイは、既に事業費が三倍増ということになっておりますし、工期も当初の見積もりより、益田で五年、横田で十二年、大目で七年と大幅延長されております。問題は、益田は当初の開発農地面積を大幅に縮小せざるを得なくなっていることだとか、横田、大目の場合も近年の予算のつきぐあいから考えると、さらに工期及び事業費がかかるだろうということなんです。
 そこで、財投金利が建設期間中もかかってくる特会事業である益田についてまずお伺いしますが、益田開パイは農地造成七百十九ヘクタール、区画整理二百六十六ヘクタールという目標が出されているわけですが、昭和六十年度末の事業達成面積が一体どのくらいか、また昭和六十三年度末に事業完了を目指すということですが、この目標どおり達成されるのかどうか、お伺いします。
○佐竹政府委員 益田地区につきましては、昭和六十年度時点で造成面積は約三百八十ヘクタール、それから区画整理済み面積が百八十ヘクタールでございます。六十二年度の完了を目標といたしまして現在事業を進めておるわけでございますが、完了時の予定造成面積は、現在、計画変更の作業中でございまして、県、市、土地改良区等と打ち合わせている段階でございますので、はっきりと幾らというふうには申し上げられないわけでございますけれども、大体縮小を見込んでいるところでございます。
○中林委員 私、昨年現地へ行って、既に入植されている生産農家の方々と懇談していろいろと要望をお聞きしたわけですけれども、その中で口をそろえて言われたことは、造成費が反当幾らになるかという不安です。入植者の場合は、この造成費のほかに土地代も必要でありますし、その上に諸経費や施設費など莫大な資金が必要とされているわけです。とりわけ造成費が幾らになるかで営農を果たして続けられるかどうかが決まると現地の人たちは言っております。
 当初、この事業が始まったころは、一般会計の事業ということもあって反当約十二万円の造成費と言われて、入植を決意したりあるいは増反を望んだ人たちは、これが二倍ないし三倍にもはね上がるようではとてもやっていけないというふうに訴えています。
 この事業着手に際して地権者の同意を得る際に、開発農地の縮小を図る場合は再度同意をとり直す必要がある、今そういうことをやっていらっしゃるというふうに答弁があったわけですが、現在、農地造成に関しては反当どのくらいの造成費を見込み、うち農民負担分または県負担を含めた地元負担分はどれくらいになるとお考えですか。
○佐竹政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、現在、最終的な受益面積、総事業費等の確定について検討しておる段階でございますので、現在のところでは十アール当たり負担金が幾らであるということは明確には申し上げられないわけでございます。
 ただ、先ほど先生から御指摘ございましたように、当初は年償還額で一万二千円ということで、十アール当たり十二万円ということで御同意をいただいたことは事実でございますが、これをかなり大幅に上回ることになることが想定されるわけでございます。
○中林委員 現在は最終面積を検討している段階で、造成費が出せないと言われるのは、私は農民に対して極めて無責任だと言わざるを得ないと思うのですね。あと三年ぐらいで事業が完了して、農民も造成費を分割払いさせられるというのに、その見通しが出せないというのでは、農民は一層不安を感じ、生産意欲も減退していくというふうに思います。しかも、私は地元の事務所に行ってお聞きしたわけですが、当初の面積が七百十九ヘクタールに対して、大体四百ヘクタールぐらいしか造成できないだろうと言われているわけですから、それからはじき出せば大体の見当は出るはずなんですね。
 局長は当初の造成費をかなり上回るだろうとおっしゃいましたけれども、試算をされないものですから、私が独自に試算をしてみました。
 この事業は昭和五十三年から特別会計に切りかえられており、総事業費の大半がこの特別会計になってからのものですので、その負担区分は、農地造成の場合、国が七四%、県が一五%、農民一一%となっています。そして、農地造成と区画整理の各事業費配分については、当初の農水省試算で八五対一五となっていることから考えて、農地造成の面積が縮小されたことを考慮して七〇対三〇と設定し、かつ財投金利は七%で試算しますと、総事業費二百二十億円に農民負担〇・一一と〇・七〇を掛け、そして四百ヘクタールで割って、そして金利増を五〇%見込んでやっております。金利七%で、複利で計算すると本当は十年間で一〇〇%増加になるとは思いますけれども、少なく見込んで、金利増を五〇%と見込みますと、反当六十三・五万円、こういう結果になるわけですね。ですから、ざっと計算しても六十万ないし七十万の数値が出てくるわけです。こういう試算の仕方もできると思うのですけれども、いかがですか。
○佐竹政府委員 現在、先ほどお答えしたような作業を進めている段階でございますので、具体的な数字については何とも申し上げられないわけでございますが、いずれにいたしましても、最終的には計画変更の手続を要するわけでございまして、一人一人の受益農家の方々の御同意をいただかなければ事業は完結しないわけでございます。
 したがいまして、私どもは事業費及び受益面積を確定する作業と並行いたしまして、そのそれぞれの負担割合につきましても関係地方団体等と御相談申し上げるわけでございます。制度的に申し上げますと、これは国は県から徴収し、県が条例で地元負担の償還のやり方を決めることになっているわけでございますので、その辺を今後事業費及び受益面積確定と並行して進めていく。
 いずれにいたしましても、最終的には御同意をいただかなければいけないわけでございますから、農家に御納得いただける水準の負担にいたしたい、かように考えておるわけでございます。
○中林委員 数字を示されないというのは、示せば農家の非常な反発を食らうということがあるからだというふうに思いますけれども、私が正規の手続の試算をやってみたら六十三万五千円になったわけです。これは低く見積もってそうですからね。金利が若干下がっているかもわかりませんけれども、現地では土地代と造成費を含めると百万を超える、こういうふうにうわさされているのですが、それをいみじくもこの計算は実証したというふうに思います。
 農家の方々は、土地代を込めて十アール当たり五十万を超えたらとても営農は続けられないと言っているわけですね。その上に、いろいろな経費だとか設備費だとか機械代だとか、そういうのが必要ですから、二ヘクタールぐらいの営農規模であっても三千万も四千万もかかるんじゃないかと言われているのですよ。こんなことでは採算とれないですよ。最終的には農家の方々に御同意いただかなければできない仕事だというふうにおっしゃいますけれども、当初の十二万で納得してもう既に入植して、そこで生産している人がいるんですよ。もう引き返せないですよ。変更手続をして、最終的には同意を得なければと言うのですけれども、今さら引き返せないですよ。
 ですから私は、国営事業というからには、やはり入植した農民が営農見通しを立て、借金返済のめどがつくまで、国が責任を持ってやるべきだ、農民負担の軽減措置をとるべきだと思いますけれども、そのお考えはありますか。
○佐竹政府委員 繰り返しになりますけれども、御同意をいただくためには、その経営の実態から見て、農家の負担される償還額が農家のお立場から見てもリーズナブルなものでなければ同意をしていただけないわけでございますので、そういうことについて国、県、それから市町村が集まって今後御相談してまいりたい。六十三年で若干――すぐに来る時間でございます、そう時間があるわけではございませんけれども、最終的な事業費の確定と同時にその辺のめどもつけたい、それから計画変更の手続にかかりたいというのが私どもの考え方でございますので、そのようなことでお答えといたしたいと思います。
○中林委員 それならば、農家の方々の同意を得られる反当金額、造成費は幾らぐらいだとお考えですか。
○佐竹政府委員 私ども、一つの事業の目安といたしまして、全体の事業費に対する効果が、これは妥当投資額とその事業費を比較いたしまして、これが一以上であるということと、それからもう一つ、農家の年々の償還額がその所得の四〇%を超えないということを一つのめどにしておりますので、その辺を大体の目安といたしまして今後の検討を進めてまいりたい、かように考えております。
○中林委員 私がお尋ねしているのは益田開パイについてのお話でございまして、もう実際に農家の人たちは、何も言ってくれない、計算もしてくれないうわさによればたくさんかかるということで大変不安を抱いているわけですね。それについてそういう数字をお示しになっても、だれ一人納得できません。相談してやるというふうにおっしゃいますけれども、国が何かしようということはあるわけですか。県と、それからこの場合は市でございますけれども、そこに何かの対策を押しつけていくわけですか。
○佐竹政府委員 もちろんこれは将来の問題でございますけれども、通例の場合には、基幹的な道路とかその地域全体に受益メリットのある工種等につきましては、地元市町村等が負担していただいている例は全国各地で見られるところでございますので、そういうことを念頭に置いて今後相談してまいりたい、かように考えているわけでございます。
○中林委員 国としてはやらない、市町村とか県に対してはそれなりの負担をやらせるというふうにしか受けとめられません。国の事業ですから、私は全く無責任きわまりないというふうに思います。
 横田の地域では、一般会計ということもありますが、反当十八万円ぐらいが農家負担になるという試算をもう既にはじいております。よく聞いてみますと、農家負担分の利子については、ここは国の指導があるのかもわかりませんが、町や県が持つ方向で検討されているというふうに聞いております。益田の場合は、利子といっても財投金利であって、市や県レベルでは非常に負担が重いわけなんですね。少なくとも農民負担分の利子補給ぐらい国として検討すべきであるというふうに思います。
 ここに現に県からの要望書が出てきているわけですが、この中に、国営農地開発事業に対して、「営農開始から安定年次に至るまでの育成期間における営農維持資金(利率三・五%、五年据置、十五年償還、貸付限度額二千万円)を創設すること。」こういう要望も出てきております。これは本当に農民負担が多くならないように、営農の見通しがきちっと立つように、国としても十分負担軽減策をとっていただくよう、ぜひ地元とも話をしていただきたいというふうに思います。
 私は実はこの地元で、農民負担をふやすということで耳を疑うような話を聞いたわけです。会計検査院が検査に入るということで、これは一斉に全国的にやられたことに右へ倣えしているわけですが、造成農地が遊んでいたのでは指摘を受けかねないと、いわば会計検査院対策として遊休地を耕作することまでやっている。こんな費用まで造成費に盛り込まれたのではたまったものではない。これは事実そこの現地の農家の人たちが、そういうふうにやっていたという話なものですから、事実関係をぜひ調査していただいて、この分の費用まで造成費にはね返り、農家負担がふやされないようにしていただきたいと思いますけれども、いかがですか。
○佐竹政府委員 農用地造成でございますので、事業実施期間中におきましても造成工事が完了した農地は営農できるわけでございまして、そういう農地についてはできるだけ耕作をやっていただきたいということは、一般論として私ども常に指導しているところでございますし、またそれは御理解いただけるだろうと思います。
 御指摘のような耕作がどのような状況でなされたかは、現在確認しておりませんので、私どもも確認いたしたいと思います。それを事業費に云々というようなことにつきましては、その確認の作業の過程ではっきりさせていきたい、かように考えているわけでございます。
○中林委員 地元の人たちがそういう話も聞き、目の前でやっているのを見ているわけですから、事実関係をぜひ調べていただいて改善方をよろしくお願いいたします。
 以上、益田開パイ事業をめぐる諸問題を質問しましたけれども、このような問題は、ほかの二つの国営開パイ事業でも同様の問題があります。
 横田の開パイの場合、すべて自分の土地を換地あるいは増反して営農する方法なので、土地代はそんなにかからないわけですが、造成費を現時点で試算してみますと、十アール当たり二十五万円となります。しかも現地では、六百四十九ヘクタールの計画は既に断念して、四百二十ヘクタールに目標が下げられていると聞いております。これで試算しますと、ダム建設費も含めて反当三十八万円となります。作付作物が野菜中心であることや、土壌づくりに数年必要であることを考えると、やはり営農意欲はわいてこない、このように言っております。一
 そこでお聞きしますけれども、この横田開パイの目標面積は幾らなのか、また、この事業の一環でやられている特会事業のダム建設計画は、対象農地面積を幾らに設定しているのか、その二点についてお願いします。
○佐竹政府委員 本地区の計画内容につきましては、現在計画変更のための見直し作業を行っているところでございます。できるだけ早くその手続が行われるようにいたしたいと考えておるわけでございます。したがいまして、計画変更面積につきまして地方公共団体それから土地改良区等と打ち合わせを始めた段階でございます。最終完了面積は、本地区につきましても現在確定をいたしておりませんけれども、確かに御指摘のようにかなりな減少傾向にあるということは私どもも見通しておるわけでございます。ダムのかんがい面積につきましても同様でございますので、できるだけ早く計画変更の手続に移れるようにいたしたい、かように考えておるわけでございます。
○中林委員 ダムは、当初の面積の水利を確保するためのダムが今もう建設に着工されているのですが、それでやられているのですか。そうじゃないでしょう。ダムはもう既に、当初は九十万七千トンの計画が七十九万トンに減らされているわけですね。これはもう面積が減るということを前提にやられていることですね。
○佐竹政府委員 もちろん、ダムの容量を決定いたしますのには、受益面積についても技術的に一応の見通しを立ててやらなければならないわけでございますので、その意味では受益面積の減少を織り込んで容量等を決定しているわけでございます。
○中林委員 だから、下がった面積でやっているわけですね。
○佐竹政府委員 さようでございます。
○中林委員 時間が参りましたので、最後に政務次官にお尋ねして質問を終わりたいと思うのですが、今、私の島根県内の国営開発事業についてだけでも、面積も工期も随分変わってきているわけです。その背景には、農産物の輸入の問題だとか構造改善政策の推進だとか農家の借金がふえるとか、農業の事情がいろいろ変わってきているところに大きく起因するわけですが、私は、少なくとも農用地造成促進ということが国がやっていく国営事業であるならば、造成した農地に農民が安心して進出できる、そういう農政にどうしてもしなければいけないと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
○保利政府委員 農林水産行政は、いついかなるときでも、どういう事態があっても、国民に対して食糧を安定的に供給をするということを一つの目的にしておると思います。
 その食糧を生産する生産基盤を整備するということが、構造改善局が中心になって行っておりますこの基盤整備事業であると思いますので、経済状態の変化その他、諸般の状況等によりましていろいろと様子が変わってくるところもございますけれども、しかし、この生産基盤をきちんと整備していくことは日本の農業にとって非常に欠くことのできない大事な問題だと思いますし、同時に、それが農民に対して意欲を持たせる一つの大事なポイントになっていると思いますので、先生御指摘のようないろいろな事項につきましては、できるだけ十分な対策をとりながらこの構造改善事業というものは進めていかなければならない、私はそのように考えております。
○中林委員 終わります。
○衛藤委員長代理 次回は、来る十四日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時四十分散会