第104回国会 商工委員会 第6号
昭和六十一年三月二十五日(火曜日)
    午前十時五分開議
出席委員
  委員長 野田  毅君
   理事 奥田 幹生君 理事 佐藤 信二君
   理事 野上  徹君 理事 与謝野 馨君
   理事 城地 豊司君 理事 和田 貞夫君
   理事 長田 武士君 理事 宮田 早苗君
      甘利  明君    尾身 幸次君
      越智 伊平君    奥田 敬和君
      加藤 卓二君    梶山 静六君
      粕谷  茂君    岸田 文武君
      高村 正彦君    椎名 素夫君
      辻  英雄君    仲村 正治君
      林  大幹君    原田昇左右君
      渡辺 秀央君    奥野 一雄君
      上西 和郎君    後藤  茂君
      中村 重光君    浜西 鉄雄君
      水田  稔君    元信  堯君
      横江 金夫君    木内 良明君
      草野  威君    福岡 康夫君
      青山  丘君    横手 文雄君
      工藤  晃君    野間 友一君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  渡辺美智雄君
 出席政府委員
        通商産業政務次
        官       田原  隆君
        通商産業大臣官
        房長      児玉 幸治君
        通商産業大臣官
        房総務審議官  鎌田 吉郎君
        通商産業大臣官
        房会計課長   植松  敏君
        通商産業省機械
        情報産業局長  杉山  弘君
        中小企業庁長官 木下 博生君
        中小企業庁指導
        部長      遠山 仁人君
        中小企業庁小規
        模企業部長   照山 正夫君
 委員外の出席者
        公正取引委員会
        事務局経済部国
        際課長     松宮  勲君
        科学技術庁研究
        調整局宇宙企画
        課長      石井 敏弘君
        法務大臣官房参
        事官      米澤 慶治君
        運輸省航空局監
        理部航空事業課
        長       黒野 匡彦君
        運輸省航空局技
        術部運航課長  赤尾 旺之君
        運輸省航空局技
        術部検査課長  加藤  晋君
        運輸省航空事故
        調査委員会事務
        局長      藤冨 久司君
        商工委員会調査
        室長      倉田 雅広君
    ―――――――――――――
委員の異動
三月六日
 辞任        補欠選任
  横江 金夫君    川崎 寛治君
  横手 文雄君    吉田 之久君
同日
 辞任        補欠選任
  川崎 寛治君    横江 金夫君
  吉田 之久君    横手 文雄君
同月七日
 辞任        補欠選任
  横江 金夫君    川俣健二郎君
  横手 文雄君    吉田 之久君
同日
 辞任       保補欠選任
  川俣健二郎君    横江 金夫君
  吉田 之久君    横手 文雄君
同月二十四日
 辞任        補欠選任
  奥田 敬和君    長谷川四郎君
  加藤 卓二君    原 健三郎君
  高村 正彦君    藤井 勝志君
  奥野 一雄君    中村 正男君
  横江 金夫君    兒玉 末男君
同月
 辞任        補欠選任
  長谷川四郎君    奥田 敬和君
  原 健三郎君    加藤 卓二君
  藤井 勝志君    高村 正彦君
  兒玉 末男君    横江 金夫君
  中村 正男君    奥野 一雄君
同月二十五日
 辞任        補欠選任
  水野  清君    越智 伊平君
  中村 重光君    元信  堯君
  渡辺 嘉藏君    上西 和郎君
同日
 辞任        補欠選任
  越智 伊平君    水野  清君
  上西 和郎君    渡辺 嘉藏君
  元信  堯君    中村 重光君
    ―――――――――――――
三月七日
 中小企業・下請企業に対する円高緊急対策に関
 する請願(亀岡高夫君紹介)(第九七七号)
 中・小規模企業の経営危機打開に関する請願
 (亀岡高夫君紹介)(第九七八号)
 中小企業の円高不況対策に関する請願(井出一
 太郎君紹介)(第一〇〇一号)
 同(田中秀征君紹介)(第一〇〇二号)
 同(宮下創平君紹介)(第一〇〇三号)
 同(若林正俊君紹介)(第一〇〇四号)
同月十三日
 柏市への大型店新規進出反対等に関する請願外
 一件(長田武士君紹介)(第一四〇八号)
同月十八日
 柏市への大型店新規進出反対等に関する請願
 (長田武士君紹介)(第一四七九号)
 同(長田武士君紹介)(第一五五九号)
同月二十日
 柏市への大型店新規進出反対等に関する請願
 (長田武士君紹介)(第一七五八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
三月十四日
 悪質商法規制立法に関する陳情書外五件(兵庫
 県議会議長上田勝信外十一名)(第八八号)
 大規模小売店の休業に関する陳情書(十都道府
 県議会議長会代表広島県議会議長木山徳郎外九
 名)(第八九号)
 ニット製品の輸入規制に関する陳情書(福島県
 伊達郡保原町議会議長松浦登)(第九〇号)
 韓国産紬の流入規制等に関する陳情書(鹿児島
 市議会議長上入来幸吉)(第九一号)
 工業再配置促進費補助金確保に関する陳情書
 (東北市議会議長会会長盛岡市議会議長千葉正
  )(第九二号)
 中小企業施策の拡充強化に関する陳情書外六件
 (富山市総曲輪二の一の三田中儀一郎外六名)
 (第九三号)
 中小企業に対する円高不況対策に関する陳情書
 外七件(大阪府東大阪市議会議長石井逸夫外七
 名)(第九四号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 航空機工業振興法の一部を改正する法律案(内
 閣提出第二九号)
 情報処理の促進に関する法律の一部を改正する
 法律案(内閣提出第四一号)
 中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成
 法の一部を改正する法律案(内閣提出第四二号
 )
     ――――◇―――――
○野田委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、航空機工業振興法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。奥野一雄君。
○奥野(一)委員 時間が余りございませんので、ごく簡単に質問をさせていただきたいと思います。後で私の方の航空機関係のベテランでございます水田委員の方から十分な時間をかけて質問をされるということになっておりますので、その前段ということで、二、三お尋ねをしてまいりたいというふうに思っております。
 最初に、この法律改正の動きということで一応調べてみたわけでありますが、昨年の四月ごろ、マスコミの中で報道されておったわけでございまして、これは、マスコミの報道がそのまま間違いなく通産省の考えであるかどうかということについては、マスコミの報道でございますから、出されたものが通産の考え方だ、こう一概に断定することはできないと思うわけでありますが、しかし、大体マスコミの報道ということについても、やはりある程度通産省の考え方というものを出しているのではないか、こう思われる面もあるわけであります。
 当時のマスコミの報道などを読んでおりますというと、通産省の考え方としては、航空機工業というものを自動車だとかあるいは鉄綱にかわる将来の日本の中核産業として位置づけて、その育成への基本体制というものを確立しよう、こういうことがこの航空機工業の振興ということについての考え方のようだ、こう受け取れるものもあるわけでありますが、そういう考え方というのですか、今航空機工業の振興法を出される、そういう立場の中で、日本の航空機工業をどういうような位置づけとして考えておられるのか、まずその辺のところからひとつお尋ねをしていきたいというふうに思います。
○田原政府委員 奥野委員の質問に対してお答えします。
 結論的に言いますと、資源に乏しい我が国が今後とも安定した成長を確保していくためには、技術立国を志向し、技術開発施策を積極的に進めていくことが適切であると考えます。同時に、我が国が世界経済の一割国家となったことにかんがみ、技術の国際交流を促進し、諸外国との国際分業を進展していくことが必要であると考えます。
 航空機の問題については、国際共同開発をすることによって、第一に、航空機工業が構造技術、材料技術、その他諸技術の分野で最先端の成果を駆使して機体、エンジンというシステムにまとめ上げる総合的工業でありますから、その発展のすそ野は非箱に広く、広範な技術波及効果をもたらすと思っております。また、知識集約度の高い産業でありますから、産業全般の高度化に資するということが言えます。
 第二に、しかるがゆえに、航空機開発については、技術面、資金面で膨大なリスクを伴う産業でありますから、国際共同方式で進めることが世界的傾向となっておるわけでありまして、我が国におきましてもYX、V二五〇〇、YXXの事例から見ても明らかなように、航空機の開発の推進は先端技術システムの開発の国際共同事業を中心に進むことを意味しております。
 次に、航空機の場合、安全性に万全を期した上に経済性が極限まで追求されるわけでありますから、正確性、信頼性が格段に高い技術が要求されるわけであります。この意味で、我が国産業の有する長所を発揮し得るとともに、共同事業に参加した我が国産業関係者が世界の最先端技術に接し得る、そしてその習得効果をも期待し得るということ等の利点があるわけであります。
 したがって、当省としては、航空機工業を今後二十一世紀に向けて発展すべき我が国の中心産業の一つとして位置づけるということでその振興を図ってまいる所存であります。そこで、それに必要な法改正をお願いしておるわけであります。
○奥野(一)委員 今言われておりますように、航空機産業というのはすそ野が広い、あるいはまた各技術の集積型だということについてはわかるわけですが、私が端的にお尋ねをしておきたいなと思っておりますのは、確かにそういう要素というのは航空機の場合に持っていると思うのです。ただ、航空機というものを考えてみました場合には、自動車産業とは置かれている立場は相当違うのじゃないか。自動車やなんかでありますと、大体今一世帯に一台くらいにまで普及するような状況になっておりますし、それぞれの個人個人が利用し得るという要素はあるわけですが、航空機の場合にはそうは簡単にいかない。確かに自家用機というものも今あることはあるわけでありますけれども、そう国民全体がこれを利用するということには当然ならないものだと思うのです。
 だから、そういうようなことを考えていった場合に、一体どの辺まで航空機が産業として発展を持続をしていけるのか、こういう面について若干の疑義を持っているわけでありまして、そういうような見通しなんかも含めて、航空機産業というものについてはこう発展をしていくのだから、そのためにこういうような助成の体制をとらなければならないのだ、そういう一つの道筋というものがあるのではないのか、こう思ったわけであります。そういう点についてお尋ねをしたわけでありますが、その辺のところをもうちょっと詳しく意見をお聞かせいただきたいと思うわけでございます。
○杉山(弘)政府委員 ただいま田原政務次官からお答え申し上げましたのは、いわば航空機産業を、私どもといたしましては自動車のような量的な意味での産業の中心として考えているということではなくて、質的な意味での産業の中心として考えているという趣旨から申し上げたわけでございます。量的な面におきましては、先生御案内のように、最近時点では我が国の航空機産業、宇宙も含めてでございますが、年商売上高はわずか六千億円をちょっと超えた程度でございます。
 これからどうなっていくかということについてでございますけれども、一つの具体的な試算ということで御紹介をいたしてみますと、日本航空宇宙工業会が航空機産業の長期展望というのをやっておりまして、これでまいりますと、西暦二〇〇〇年におきましては売上規模が約二兆円という見通してございます。したがいまして、二〇〇〇年で二兆円と申しますのは量的な意味におきましてはそう大した額ではないと思います。年間の伸び率にいたしましても約八%強でございます。伸び率自身はかなりなものがありますが、二〇〇〇年に二兆円の生産規模というものはそう大きなものではございませんで、むしろ我々としては、先ほど申し上げましたように量的な意味での中核的産業という意味ではなくて、技術先端的な面で各分野に極めて波及効果の高い産業、しかも、後ほどまたいろいろ御質問の中で申し上げますが、国際的な意味での共同開発を実施していくという意味で国際的な協力もできる、そういう産業として位置づけたい、いわば質的な意味での中核的産業として位置づけたい、こういう趣旨でございます。
○奥野(一)委員 今お答えがございましたように、これは技術的な集積ということで決して量的なことではない。その点についてもわかるわけですが、そういう場合に、これは後でもちょっと触れる部分に関係をしてくるわけですけれども、今実際に航空機の生産をしている大手あるいは下請関係なども含めて、どのくらいの数になっておるわけですか。
○杉山(弘)政府委員 今手元に正確な数字がございませんが、主要なところで申し上げますと航空機産業に参加しているメーカーの数は約二百ございますが、それの下請等々まで数えていきますともっと数は多くなるとは思いますが、今手元に数字がございませんので申しわけありません。
○奥野(一)委員 それで西暦二〇〇〇年には約二兆円くらいになるだろう、こういう見通したということなので、心配しておりますのは、相当多くの関連企業まで持つわけでありますが、成り立つかというと変でありますけれども、そういう点で見通しとして心配がないかということが一つあるわけなんです。それは、先ほど言いましたように、車なんかの場合でありますと、量的に相当な数が出るということは今日の車社会の中でははっきりしているわけでありまして、航空機の場合にはなかなかそう簡単にはいかないのではないか。
 これはついでにちょっとお尋ねしておきますけれども、資料などによりますと今我が国における航空機の需要、シェアというのは防衛需要比率が圧倒的に高い、こういうふうに言われているわけです。今回の法改正の場合には開発をする対象というのは「民間航空の用に供するもの」こう限定されているように思うわけであります。そういたしますと、今防衛関係の需要が非常に高いシェアを占めておって、かつ「民間航空の用に供するもの」と限定した場合に、先ほど質問しておりますように将来的にこの産業が成り立っていくのかどうか、そういう心配の点があるものですからお尋ねをしているわけなんですが、そういう見通しはどうなんですか。
○杉山(弘)政府委員 ただいま先生御指摘のように、現在の日本の航空機産業は防衛需要が主体でございまして、全体の売り上げの約八割近いものが防衛需要でございます。防衛需要につきましては、やはり我が国の防衛力の維持という観点から、これからもどうしても日本の航空機産業の実力をつけていく意味においては、かなりのものをそれに期待するということは当然でございますが、私どもといたしましては、今の八、二という防衛需要、一般民需の割合というものをもっと民間需要を広げていきたい、そのためには国際共同開発によりましてできるだけ世界のマーケットに広く売り込んでいけるような体制に持っていきたいということで考えているわけでございまして、先ほど御紹介申し上げました日本航空宇宙工業会の長期展望におきましては、民需と防衛需要との割合が二〇〇〇年に大体五〇、五〇くらいになっています。そういうことでこれからは民間需要にできるだけ力を入れていきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○奥野(一)委員 私、航空機関係は全く素人なものですから、いろいろなことを考えてうまくいくのかなという心配をさらにしているわけなんです。これは今のものとも全部関係してくるわけなんですが、共同開発をこれからされるということになるわけですね。共同開発をしていった場合に日本の持ち分というのがあると思います、持ち分というのですか果たすべき役割というのですか。ですから、共同開発によって得た利益というものは、その持ち分などによって当然限定されてくると思うのですね。そうすると、今の日本の技術の段階では共同開発の中ではそう大きなシェアを占めていないのじゃないか。そうすれば、売り上げの成果というものについても当然少ない配分になってくると思うのです。だから、そういう点などを考えていくと、今五〇、五〇のシェアということで民需、防衛について考えておられる、こういうことなんですけれども、民間の方でそれだけ伸びるという見通しはどういうところにあるのかということが一つあります。それと、先ほど言いましたように共同開発による利益配分というのですか、こういうものは一体どういうふうになっていくのか、その辺の見通しもちょっとお伺いしたいと思うのです。
○杉山(弘)政府委員 ただいま先生御指摘がございましたように、共同開発といっても日本の持ち分というのは非常に低いではないか、そういう持ち分のもとで民需の売り上げというのはそんなに大きく伸びるものか、こういう御質問かと思います。
 確かに、御案内のように、現在やっておりますV二五〇〇にしましても日本側の分担分は二三%でございますし、YXXにつきましては二五%でございますが、これは、その前にやりましたYXにつきましては一五%の持ち分であったのに比べますと若干上がっているわけでございますし、私ども、このV二五〇〇、YXXプロジェクトの先につきましても、できるだけ国際的なプロジェクトに参加をしていきたいと思っております。日本の航空機産業も、これまでの国際的な共同開発に参加するなど徐々に力もつけてきておりますし、それなりの評価もされてきておりまして、将来は、できることなら五〇、五〇というような完全な対等な意味での共同開発ができるような力をつけていきたいとも考えております。その過程におきましては、御指摘のような二〇%台の持ち分での共同開発もやむを得ないかと思いますが、この持ち分の比率というものを徐々に引き上げていくということで考えていきたいと思っておるところでございます。
○奥野(一)委員 民間の需要ということになりますと、これは外国のエアラインもあると思うのですが、国内の場合はどうなんですか。日本でこういうようなことを力を入れてやって、日航なり全日空あるいは東亜、近距離、まあ近距離あたりは小型ということになるのかもしれませんけれども、そういうところは現在は一体どのくらいのシェアを占めておられるのか、そして将来の見通しとしては、大体国内の場合くらいは相当なシェアを占めることができるという可能性が実際にはあるのかどうか、その辺が大変心配をされるところだと思うのですが、そういう見通しというのはきちんとお持ちになっておられますか。
○杉山(弘)政府委員 国内のエアラインとの関係をお尋ねでございますが、我が国の国内航空機輸送の需要というものはふえてはおりますが、残念ながらまだ世界的な航空需要に占めますウエートからいたしますと極めて少のうございます。そういう中で、既に日本が共同開発に参加をいたしてつくり上げましたボーイング767につきましては、日本国内のエアラインに二十数機納入をされるというような状況になっておりますし、今後開発をいたしてまいりますYXXについては、受注活動が本格化いたしますのはこれからでございますが、また開発しておりますV二五〇〇につきましても、搭載することを決めております航空機はまだA320という航空機だけでございますので、国内でのエアラインでの使用というものは残念ながらまだ確定はいたしておりませんけれども、A320についても国内のエアラインで今後採用が検討される過程にございますので、我々といたしましては、小そうございますけれどもやはり国内でまず使ってもらうということが必要かと考えておりまして、こういう面につきましても積極的なPR、売り込みを指導していきたいと考えているところでございます。
○奥野(一)委員 私が心配しますのは、最初に申し上げておりますように、航空機産業の発展については一定の限度というものがどうしてもある。自動車やなんかでありますと一家に二台なんということはあり得るわけでございます。しかし、航空機の場合にはそう簡単にはいかない。一定の限度というのがあるわけです。その中で、確かに、言われてきておりますように技術の集積だとかいうようなことについてはわかるわけです。あるいはまた、関連する企業ということを考えたら、相当すそ野が広い産業だということもわかるわけです。しかし、そういう将来に対するきちんとした見通しというものを立ててやっていきませんと、相当な助成やなんかもしてやったり、いろいろな手だてを講ずるわけでありまして、確かに今共同開発の波に乗りおくれれば二十一世紀まではこういう大きなプロジェクトやなんかもないのだということについてもわかるわけでありますけれども、それだけに慎重に扱っていただかなければならないのではないか、こういう心配があるからあえて申し上げているわけでございます。
 今共同開発をしておりますYXXなんかの場合、二五%の日本のシェアと言われておるわけでありますけれども、それではこれについて、例えば五〇ぐらいまで持っていけるだけの技術的な力というものが日本に備わっているのかどうか、このあたりの見通しというのはお持ちになっているわけですか。
○杉山(弘)政府委員 先ほども御答弁申し上げましたように、日本の航空機産業の実力というものは次第に認められてきておるとは思います。特に、精密加工技術を中心とした日本の加工技術のすぐれている点については各国が注目しているところかと存じます。
 ただ、先生御指摘のように、現在の二五%程度のシェアを今すぐ五〇%程度に持ち上げられるかということにつきましては、日本の航空機産業の国際的な実力はまだそこまで行っていないと思いますので、現在やっております二つのプロジェクトを中心にその次のプロジェクトではさらに比率を上げ、将来は完全な意味での対等なパートナーとなり得るように段階的に物事を進めていくべきではないかと思いますが、現時点では五〇、五〇の完全な対等なパートナーシップを握れるような実力にはないと申し上げざるを得ないと思います。
○奥野(一)委員 大体今の進みから見ますと、二十一世紀ごろまでは無理だということになると思うのです。
 時間の関係がありますから、ちょっとまた別な方をお尋ねしていきたいと思います。
 百五十席ぐらいの中型機については今のようなことだと思うのですが、百人乗り以下の小型機なんかについては、昨年のマスコミの報道によりますと、日本が将来主導権をとるような形で国際共同開発事業の実現をしたいという構想のようだ。例えばインドネシアとの飛行艇の共同開発とかあるいはコミューター機の開発ということなどが想定をされているように言われておるわけでありますが、この小型機なんかについて日本が主導的な立場をとるというような形での国際共同開発というようなものについてはお考えになっておられるかどうか。
○杉山(弘)政府委員 先ほど来の先生のお尋ねは、本格的な百五十人以上の大型のジェット機の開発ということでお尋ねがあったと思いました。それについては残念ながら完全なパートナーシップを今とれるような状況でないとお答え申し上げたわけでございますが、百人乗り以下の小型のコミュータークラス機になりますと、御案内のように、日本といたしましてはYS11を開発をした経験があるわけでございまして、こういった経験を生かしますと、むしろ日本が主導権を握りましてASEANの近隣各国との共同開発というようなことも考えられないわけではございませんで、現在二つのプロジェクトが具体的な進行過程にございます。
 一つは、中国との小型機の共同開発でございまして、これは昨年来中国側から申し入れがございまして、日本側もこれに応じようということでございまして、何度か討議を重ねましたところ、フィージビリティースタディーを近く実施をするということで大筋の合意を見ておりまして、現在その了解覚書の詳細について検討をいたしておるところでございます。
 また、インドネシアの件につきましては、まだ飛行機の共同開発というようなところまでの話には至っておりませんで、御案内のようにインドネシアにおきましては非常に島が多いわけでございまして、その島嶼間の輸送需要、それを航空機でやる場合ということで、今国際協力事業団が中心になりまして需要予測調査をやっております。この調査の結果を踏まえまして、それに応ずる飛行艇その他の小型機の開発ということが話題になってきました場合に、日本との共同開発の可能性ということが具体的に議論をされるのではないかと思いますが、少なくともこういった二つのプロジェクトにつきましては、日本といたしましては、ASEANの国々でもございますので積極的に取り組んでいきたいということで、私どもも応援をしているところでございます。
○奥野(一)委員 中型機なり大型機のそういう国際共同開発などによって、日本がどんどん将来的に技術を伸ばしていくという措置も確かに必要だというふうに思いますが、航空機産業全体のことを考えてみますと、やはり小型機などの開発というものも相当力を入れるべきではないのか、そういう感じを持つわけですね。私どもの北海道なんかでも、これからの一つの総合的な交通体系としてコミューター機などの導入ということについても力を入れようではないかという動きに実際にあるわけです。
 そういう点から考えて、この百人乗り以下の小型機の場合、今のお答えでありますとまだはっきりしたものに固まっていないような印象を受けるわけですが、これは見通しとしては十分大丈夫だというような見通しを持っているわけですか。あるいはこれからということになるわけですか。
○杉山(弘)政府委員 今具体的に話が進んでおりますうち、中国との百席以下のコミュータークラス機の共同開発につきましては、間もなく了解覚書がまとまり、そういたしますと直ちにフィージビリティースタディーに入るということになりますので、これについてはもうかなりの程度で進んできているというふうに考えております。
 インドネシアの方は、先ほども御説明いたしましたように、まだ島嶼間の需要予測調査という段階でございますので、それを踏まえての航空機の共同開発というのはその調査結果が出た後となりますので、まだちょっと熟度が足りないところかと思います。
○奥野(一)委員 時間の関係がありますのでちょっと先へ進ませてもらいますが、あと一つ、ちょっと今心配をしておりますのは、世界各国の場合、航空機産業というものが発達をしてきたという一つの経緯を見ますと、大体軍事目的による航空機、この開発が主導的な役割を果たしてきたのではないか、こう思われるのです。
 そこで、国際共同開発によるという場合に、特にYXXの場合には日本とアメリカ、V二五〇〇の場合には五カ国ということになるわけでありますけれども、日本の場合は先端技術が非常に進んでいるわけですね。そういうものが航空機産業の中に仮に生かされていくということになるわけでありますが、これが逆に今度は軍事目的の方に利用されていくという可能性というものはあるのではないか、そういうふうに思うのですね。その場合に、日本の場合にはこれは武器輸出三原則というのがあるわけでありまして、私どもはアメリカだってそれに該当するのじゃないか、こう思うのですが、アメリカの場合には別だ、今こうなっているようですね。ですが、それ以外のところにはもちろんだめだということになると思うのですね。民間航空の用に供することということで共同開発をしていくわけなんだけれども、日本の先端技術というのは世界的にやはり注目をされている技術だと思いますね。そういう場合に、それが逆に軍事目的に利用されるということは一体どういうことになるのかという心配があるわけですが、その辺はどうお考えになっておられるわけですか。
○杉山(弘)政府委員 これまでも我が国といたしましては、航空機開発に対する助成につきましては国会での御議論、附帯決議を踏まえまして、民間航空機の開発に限ってやってまいったわけでございますし、特にその点につきましては、これを明確にする必要があるということから、今回も航空機の定義の中に明示的に「民間航空の用に供するもの」に限るという限定をつけたわけでございます。したがいまして、今後この改正法案によりまして助成の対象となりますものは民間航空機だけに名実ともに限られるということになるわけでございます。
 御心配は、そういう航空機共同開発の場合に、日本の技術が軍用の航空機に転用されるおそれはないかということかと存じます。通常の場合でございますと、先生御指摘のように、軍用航空機の開発の技術が民間航空機の開発に利用されるということでございまして、逆のケースというのはそう多く考えられないかと思いますけれども、何か新しい材料でございますとか電子装置でございますとか、そういったものが民間用に開発され、それが転用されるというケースも全く考えられないというわけではないかと思いますけれども、あくまで民間用に開発したものでありまして、それがたまたま転用されるという場合がございましても、これは武器輸出三原則等との関係でいけば問題のないことかと思っておりますけれども、我々といたしましてはあくまで開発の対象は民間航空機である、そのための開発をやるのだという原則は崩すつもりはないわけでございます。
○奥野(一)委員 そういう言い方はわかるのですけれども、結果的に心配されるのは、それが軍事目的に利用されていく可能性というのはある。特に日本の場合には、御案内のとおり先端技術産業というのは世界各国から注目をされて、その中のものでは、やはりアメリカの方からでも軍事目的に利用したいということで技術の供与というのですか、これを求められている部分だってあるわけでして、そういう面の心配をするわけなんで、その歯どめというものは、国内的には民間の航空の用に供するものだというように限定はされているけれども、共同開発の場合にはそういう歯どめは恐らくきかないだろう、こういう心配をしているわけでございます。恐らくそれは国際的には歯どめをかけるということは不可能だろう、非常にそういう危険性があるということだけは指摘をしておきたいと思います。
 時間があればちょっと詰めたいと思ったのですが、時間がございませんから大急ぎであと一、二お尋ねをしておきたいと思うのですが、一つは技術者の養成システムというのですか、そういうものが航空機産業の場合に国内的に体系として形づくられているのかどうか、これが一つですね。
 それから関連をしますのでもう一つ聞いておきますが、航空機産業にとって大事なのは安全性ということだと思うのですね。安全性というものを常に念頭に置きながら、技術者というものは開発研究をしていっているだろうと思うのですね。その場合に、例えば航空機事故が発生をした場合には、通産省としてはどういうかかわりを持っておられるのか、その点をちょっとお尋ねしておきたいと思うのです。
○杉山(弘)政府委員 先生から二点お尋ねがあったと存じます。
 一つは、航空機開発に関する技術者、研究者の養成について特別の仕組みがあるのか、こういうお尋ねでございますが、これにつきましては、各大学に設けられております航空学科というところで学生を養成しているという以外に組織的な技術者、研究者の養成についての仕組みはございません。私どもで大学の航空学科を卒業いたしました学生の就職先を調べてみますと、残念ながら、航空機産業に就職をする学生の数というのは二〇%にも達していない状況でございます。その上、航空機産業の場合には、単に航空学科の卒業生というだけではなくて、エレクトロニクスなり材料なり、極めて広範な各分野の技術者が必要でございます。そういう点から考えますと、これはどちらが先かということになるわけでございますが、先ほど冒頭に先生のお尋ねのありましたように、できるだけ航空機産業の規模を膨らましていく、その中において実際に技術者に仕事を与え、将来に対する展望を与えていくということも必要であろうかと思います。
 また一方、そういった航空機産業の規模を広げていくためには優秀な技術者が必要だということになるわけでございますが、私どもやれますことは、何とかして航空機産業の規模を広げていく、そちらの方でございまして、そういう点につきまして、今回御提案申し上げているものの中で、国際的な共同開発について、こういう財政事情のもとではございますが、将来にわたりましても積極的な助成を続けていく、そういう形におきまして航空機産業の規模の拡大を図っていく、そういう中におきまして技術者、研究者というものが育っていく環境をつくっていく、そういう方向で努力をしたいと考えているわけでございます。
 それから第二点目でございますけれども、事故が起こった場合、通産省はそれについてどういうかかわり合いを持つかということでございます。現在の航空機事故の場合の事故調査に関しましては航空事故調査委員会というものがございまして、これは航空機のメーカー、それから運航いたしますエアライン、さらには関係行政機関から独立をして、極めて公正中立、客観的に事故の原因究明をする、こういう仕組みになっております。したがいまして、通産省といたしましては、現在は航空機事故の究明について組織的には何ら関与をいたしてないわけでございますが、むしろ私どもといたしましては、航空機の安全問題ということは、開発を進めていく上でも最重点の要請というふうに考えておりまして、航空機事故の原因究明等によりまして、製造面におきますいろいろな要請、建議等が出てまいります場合には、それに対して行政的な面からこれに反映していく。同時に、国際的な共同開発等を実施いたします場合でも、やはりまず安全性を第一に、それが十分確保された上で経済性を追求していくように、そういう面で指導をするという立場にあるというふうに考えておるわけでございます。
○奥野(一)委員 航空機産業を将来の日本の中核産業として育成をしたいということが今度の改正案の一つの主目的になっておるわけですね。この次の法案審議は情報処理ですか、この法案審議をやることになっているわけですが、そちらの方では技術者の養成やなんかということについては、やはりそれぞれ相当な力を入れているわけですね。日本の将来の中核産業にしたいというこの航空機産業の場合には、そういう技術者の養成やなんかの面については多少おくれているんでないかという印象を持つわけですね。やはり一つの産業を発展させていくという場合には、当然技術者の養成というのは必要不可欠のことだと思うのですね。どうもその辺のところが少し手落ちになっているのでないかという感じがするものですから今そういうお尋ねをしたわけなんですが、これは、やられるのであればどんどんやられた方がいいと私は思うのです。そういう面での配慮はやはりしてもらいたいと思うのです。
 それから事故調査の関係で、今公正なというようなことのお話もございましたけれども、日本の場合は運輸大臣の直属のような形になっているんじゃないですか。これはやはりまずいと私は思うのです。アメリカの場合には大統領直属でしょう。スタッフも三百人くらいもいるし、予算だって五十億円くらいかけているのだけれども、日本の場合は運輸大臣の直轄でもって、予算も四千万くらいで、一九七三年かに初めて常設の機関ができた。それまでの調査というと、何か利害関係者だけが集まって、適当にと言うと語弊がありますけれども、そういうような実態になっているわけです。
 これは、道産が入るのがいいか悪いかということは見方によってやはり違うと思うのですね。通産が入ればこれは利害関係者だというふうにとられる可能性もあるかもしれませんけれども、やはり事故を起こさないということのためには、事故調査の結果というものは正しく把握をして、次の技術開発にそれを生かすということでなければ何にもならぬと思うのですね。日本の今までの事故調査の場合には、どちらかというとパイロットミスというのが非常に多いのですよ。
 前の日航機の墜落事故の場合だって、本来でありますと相模湾に尾翼の大部分のところが落ちているはずなんで、三カ月ぐらいたってから、去年の十一月ごろからですか何か捜索をやっているような状態でありますけれども、そういうようなものが完全に見つからないうちに一つの結論を出してしまうというようなやり方をやっておったり、あるいは昭和五十八年の三月に近距離航空のYS11が中標津空港に墜落をした事故があったわけでありますが、あのときにはパイロットが生きているわけで、そのパイロットはこれは機材に問題があるというようなことを言っておるわけですけれども、結果的にはあれは何かパイロットミスという形になってしまっている。もし機体に関係があるということであれば、あれは恐らくプロペラに問題があったんじゃないかと言われておったわけでありますけれども、それであればそれを徹底的に原因究明をして、次に開発をしていく場合の一つの参考資料に当然していくという体制がとられなければならないんでないかと思うのですね。
 そういう面で、これはどういう形がいいのかはわからないけれども、今まで起きている航空機事故で、それが機体や何かに関係をするという場合、運輸省あたりでは、そういう調査をした場合には、技術の一つの元締めである通産なら通産の方には何か連絡があったりして、それについて対応していくというような方法になっているわけですか。
○杉山(弘)政府委員 事故調査の過程におきまして運輸省から当省に直接コンタクトがあるということにはなっておりません。ただ、先生御指摘のように、我々といたしましても事故原因については重大な関心を持っております。調査報告がまとめられました段階で、次の製造面での配慮を要する事項がありましたら、それは十分に気をつけているつもりでございます。
○奥野(一)委員 将来の、これからの問題としても、今の事故調査の関係について、通産が調査メンバーに入るかどうかということについては、これは私もまだちょっと確信は持てないわけですけれども、しかし何らかの形で事故の原因究明ということについて通産もやはり知らなければならないだろう、こう思っているものですから、そういうことについては今の運輸大臣の直轄のような形になっている事故調査委員会、こういうものに対して通産としては、何らか働きかけのようなことをするという考え方はお持ちになっておらないのですか。
○杉山(弘)政府委員 安全性の面において通産省としても重大な関心を持つべきであるという御指摘は重々理解できるわけでございますが、現在の事故調査のための組織に通産省が参加をする必要があるかどうかという点につきましては、むしろ私どもといたしましては、先ほども申し上げましたように、関係行政機関を初め各種の利害関係者も離れて客観的、公平中立に事故原因の究明をするというシステム、そういう立場から、今の段階では通産省がそれに参加すべきであるという意見を持ってはいないということを申し上げておきたいと思います。
○奥野(一)委員 参加をするかしないかは、今私も言ったように、通産の場合に利害関係者というふうに見られた場合にはこれはうまくないという点はあると思うのですね。しかし、結果については的確に情報というものがなければ、ただパイロットミスであったとかなんとかという答えだけもらったってしようがないと思うのですね。日本の場合に、そういうような発表をする場合には余り明らかにならないのが通例のような感じがするものですから、実際に参加されなくても、技術者の立場というのですか、そういう開発をする立場から、やはり克明にそのことについての判断ができる材料というものがなければ、それは次の開発に生かしていけないと思うのですよ。そういうことについてはやられるというようなことはあるわけですか。
○杉山(弘)政府委員 直接事故原因の究明に通産省が今の段階では参加する意思がないということは申し上げたわけでございますが、御指摘のように、事故の原因が今後の生産の面にも反映されなければいけないという点は確かでございますから、私どもといたしましては、事故原因の究明の過程及びその結果については重大な関心を持って見守っていきたいと思いますし、必要な資料等につきましても許されるものについては入手し、いろいろ勉強していきたい、そういう気持ちを持っているということは申し上げておきたいと思います。
○奥野(一)委員 私は、航空機の場合には安全ということが一番大事である、宇宙産業の場合は特にそうだと思うのですね。相当安全面に力を入れているんだけれどもやはり事故が起きて、スペースシャトルなんかの問題でも起きるわけなんであって、開発する側にすれば最大の使命だということで安全対策についてはやらなければならぬと思うのですよ。今の政府の縄張り、縄張りという言い方は悪いと思うのですけれども、そういう中では外部に対して正確な資料や何かについての公表はなかなか難しいのではないか、こういう感じがしてならないわけなんですよ。ですから、その点については十分やっていただかなければならないと思うのです。本来でありますと、そういう基本的なことですから大臣にお尋ねしなければならないところですが、政務次官、今申し上げたことについてはどうでしょう。
○田原政府委員 奥野委員のおっしゃること、一々よくわかるわけでありますが、前段と後段に分けまして、委員会のメンバーの中に入るということについては、奥野委員も認められておるように疑問が相当ありますので、これについては慎重に検討しなければいかぬわけであります。
 安全性そのものについては、これは航空機の最大使命でありますから、当然得られるデータはできる限りキャッチして、次の技術の開発にそれを反映させるということが必要であるわけでありますから、通産省としましてもその辺は十分検討するわけでありまして、みんなそのように思っているわけでありますから、今後ともお説のようなことは十分取り入れさせていただいて考えていきたいと思います。
○奥野(一)委員 時間ですから、終わります。
○野田委員長 水田稔君。
○水田委員 大臣がおられないわけですが、私は、我が国の航空機産業の発展、さらに日本の空の安全ということについては執念を燃やしてやっていこう、こういう気持ちでおるわけです。したがってきょうの質問も、冒頭大臣に航空機産業に対する基本的な考え方を聞いて、ずっと論議を聞いていただきまして、最後にまた決意のほども聞きたいと思っておったわけですが、参議院との関係で来られぬということですから、私は非常に残念に思います。
 ただ、運営については理事会の方でそういう了解をしておるということですから質問をやりますけれども、大事な法案ですし、そういう点では今後の運営については委員長の方で、少なくとも大臣にちゃんと出席していただいて進めるということをやっていただくように、まず冒頭に要望しておきたいと思うわけです。したがって、質問の順序も変わってまいりますけれども、大臣が出席したところで大臣に対する質問をしたい、こういうことにさせていただきたいと思います。
 そこで最初に、先ほど奥野議員からもいろいろ質問いたしましたけれども、通産省として、我が国の航空工業の技術的な水準は欧米に比べてどういうところにあるのか、一般的にこの産業では何年のおくれという言い方をするわけですが、そういう点のおくれというのはどういうぐあいに判断されておるのか。あるいはまた、それを解消していくためには、先ほど来航空機産業というのは大変大事な産業だと言われておるのですが、何と何に力を入れれば欧米水準に負けないだけの技術的な産業として生育していくのか。そういう点をどういうぐあいに判断されておるのか、まずお伺いしたいと思うのです。
○杉山(弘)政府委員 ただいま御質問がございましたのは、日本の航空機産業が欧米に比べていわば何年ぐらいおくれているというのか、その辺の目安を示せ、こういうことでございますが、これは人によっていろいろ意見も違うようでありますし、技術の分野一つ一つをとってみますと、ある程度対等にいけている部分とそうでない部分がございますが、私ども、九〇年代になりますと何とかヨーロッパの航空機産業にはかなり近いラインまでいけるのかな、いきたいな、こう考えておるわけでございますが、世界の航空機産業をリードしております米国との関係で申しますと、どうしても十年ないしはそれ以上のギャップがあるのかなと、残念ながらそういうような感じを持っております。
 それで、どうしたらこのギャップを縮めることができるのかという御指摘でございました。これはなかなか難しいお答えになるわけでございますが、私どもといたしましては残念ながら、今のところは国際共同開発に参加をいたしまして、欧米の進んでおります航空機産業の技術等を吸収していくということに重点を置いていくべきではないか、そうすることによって今十年以上と言われております米国航空機産業とのギャップをできるだけ早く取り戻すということに努めたいと考えておるわけでございます。
○水田委員 局長、日本は戦後八年間にわたって飛行機を飛ばすこともつくることも禁じられておったわけですね。戦争末期の水準というのは、これは旅客機ではないわけですけれども、そんな十年ものあるいは八年もの兼はなかったわけですね。それから三十数年の歳月を経たわけですね。なおかつ十年のおくれというのは、これはいつまでたっても縮まらぬというのが、この三十年の実績としてそういうやはりコンプレックスを持って航空機産業というのをごらんになっておるというふうに私は思えるのですが、それはいかがですか。
○杉山(弘)政府委員 先生御指摘のように、戦後約七年にわたりまして航空機産業というものが禁止をされました。そのギャップはかなり大きいとは思いますが、同じような立場にございました西独の航空機産業というのがむしろかなり発展をしているというようなことを考えますと、その七年、八年の空白期間というものだけに帰するというわけにもいかないのかなという感じはするわけでございますが、いずれにいたしましても、これまでの間においてかなりの差をつけられたということは否めないわけでございます。
 その間にありまして、日本以外の各国では、いわゆるセキュリティーの問題から航空機産業に対する助成というものを相当強力にやってきた。それに対して日本は、YS11以来ようやく航空機の開発に政府としても力を入れてきたわけでございますが、その力の入れ方というものが足りなかったのではないかという反省ももちろん私どもにはあるわけでございます。そういう意味から、今回御提案をいたしておりますような国際共同開発という格好で、残念ではございますが、進んでおります欧米の航空機産業と一緒になって航空機の本格的な開発に取り組み、できるだけそのギャップを埋めるための努力をしたいというのが私どもの気持ちでございます。
○水田委員 YSのことを触れられましたけれども、YSという飛行機はもちろんエンジンはロールスロイスですが、飛行機としては技術的には一体どうだったのか。それからこれは生産をやめましたね。後継機の開発はやらなかった。それはどういうことなのか。そのことが今後の日本の航空機産業の発展との関係で、よかったあるいは反省すべきだった、そういう点をお持ちになったのか。そういうものがあって今度の法案につながってきておると思うのですが、そのYS11に対する評価というのはどういうぐあいにお考えになっていますか。
○杉山(弘)政府委員 YS11につきましての技術的な評価につきましては、我が田に水を引くわけではございませんが、かなり高い評価を与えられているのではないかというふうに考えます。つい最近もある航空会社の方とお話をしました段階で、YS11が生産を中止されたのは残念で、今でも生産されていれば使うのだけれども、こういうようなお話もあったわけでございます。
 技術的には私ども成功したと思っておりますが、残念ながら販売面その他におきまして全く経験が浅かったというようなこともございまして、全体としての日本航空機製造株式会社におきますYS11の量産事業というのは大きな赤字を出したわけでございまして、そういうようなこともありまして、この生産を中止する段階におきましてその次のプロジェクトに直ちに取り組めなかったという面で、先生おっしゃいますようなギャップが一つまたそこで生じたということは否めないことかなという感じはいたしております。
○水田委員 後でまた各国の航空機産業に対する補助の問題を伺いますが、百二十億の赤字であきらめたわけですね。それから各国の情勢を見ると、それどころの問題じゃないわけですね。そして今大変省エネの飛行機ということで見直されておるわけですね。あのまま生産を続けておれば、これは値段も非常に安い、今の価格からいえば大変安いもので、コミュータークラスには大変有効に使える飛行機であった、そういう点では反省もあるようですが、私は、航空機産業を日本の産業構造の中でどう位置づけていくかということでの重点の置きぐあいとその判断の誤りが、今日、日本の航空機工業の大きなおくれにもつながってきた、こういうふうに思わざるを得ないわけですが、その点についてはその程度でとどめます。
 それでは、先ほどこれも奥野議員からの質問でありましたように、航空機の事故というのを徹底的に究明していく、そのことがより安全な飛行機をつくるための指針になることはもう間違いないわけでありまして、残念なことに、昨年の八月十二日の日本航空のボーイング747の墜落事故、これは私は、あの飛行機は今でも危ないと思っているのです、あの事故だけじゃなくて。そういう点では徹底的に解明することが今後の日本の航空機産業の発展につながってくる、そういう気持ちでおるわけです。
 そこで一つは事故調査委員会の方へお伺いしたいのですが、近々中間報告的なものを出されるという報道もけさの新聞にあったわけですが、一体どういう程度のこれまでの調査、まあ概略で結構ですが、そしていつごろにその結論が出し得るのか、その点についてまず事故調査委員会にお伺いしたいと思うのです。
○藤冨説明員 昨年八月の日航機墜落事故につきましては、航空事故調査委員会におきまして鋭意事故原因の究明を進めているところでありまして、既に四回の経過報告を行いまして、そのときどきまでの主な調査経過、さらにはそのときまでに知り得た主要な事実について明らかにしてきたところでございます。
 これは、今までの状況で言いますと、現場でかなり長い時間残骸についての調査をやっておりますので、そういったところが中心となっているわけでございます。その後、機体残骸の詳細な調査を進めるとともに、操縦室用音声記録装置の記録あるいは関係者の口述等をさらに調査しているところでありますが、これらの事実調査によって知り得た事実を取りまとめました事実調査に関する報告書の案、これが間もなく作成されることになっておりますので、これについて関係者及び学識経験者の意見を聞くため、聴聞会の開催手続をとることとしているわけでございます。
 そこで、さらにこれからのお話も申し上げたいと存ずる次第でございますが、当委員会といたしましては、この聴聞会における御意見を踏まえまして、いろいろと知り得た事実について、その事実を認定いたします。それで、その認定した事実及びさらに必要な試験研究の結果等を総合的に解析することによりまして事故原因を究明するという手順を踏むことになるわけでございます。
○水田委員 私はこの調査で一つ疑問に思うのは、事故調査委員会というのは一体どういうぐあいにお考えになったのか、この墜落現場に二日目からボーイング社の職員が入って、そしてこれは本来我が国で起こった事故ですから、向こうがつくろうとどうしようと、我が国の権限によって事故調査の原因究明がされるべきなんです。そこへ入ってきて、そしていわゆる大阪空港におけるしりもち事故の圧力隔壁の修理のリベットの打ち方が間違っておった、そういうことを発表する、あるいは事故調査委員会が中間報告を何回かやられる中でも、全部隔壁破裂による機内圧力の噴出が垂直尾翼破壊に至ったメカニズムを示す、こういう方向ですべてがいかれているわけですね。
 本来言えば、予断を持たずに、できるだけ全部の破壊された部品が回収されて、一つずつをのけていって、そしてこれ以外にない、こういう結論に至るべきだと思うのです。例えば、これはないかもしれませんが、APUはまだ回収されておりませんね。世界の事故の中ではAPUのいわゆる燃料漏れによるベーパーが爆発した、そういう事故もあるわけですから、例えばそれが出てきていないのに、そんなことは全然頭に置かずに、これだけだこれだけだ、こういういわゆる金属疲労の問題だけをやるというのが一体いいのかどうか。そういう点では私はボーイング社のやり方は――まさにボーインク社はこの場合被告になる立場ですね。それが事故の二日目に入ってきて、入らしたというのは一体だれが入らしたのかそれも聞きたいのですが、そして事故原因を誘導するようなそういうけしからぬことをやっておる。それからまた事故調査委員会も、これは否定されておるようですが、実際には職員をボーイング社へ派遣して、これはどういう修理をしたのかというような事情聴取に行く。
 これは本当を言えば、残骸全部をできるだけ回収して、その中で我が国の技術者によって徹底的なチェックが一つずつ行われて、そしてこれは違う、これは違うということを明らかにしながら絞っていくべきものではないか。どうも圧力隔壁の金属疲労による破壊ということだけに焦点が、もちろん原因はそこにあるかもしれませんけれども、そういう点ではあり方に問題があるのじゃないか。
 それからもう一つは、これは先ほども奥野議員から質問しましたように、事故調査委員会が運輸大臣のいわゆる管下にあるということが、これも本当の意味で問題はないのか。総理直轄のものにして、そして権限を持ち、もっとたくさんの人と予算を持ってやるべきではないか、そういうぐあいに思うのですが、事故調査委員会の見解を、ボーイング社が入ったこと、あるいはまた事故調査を完全にやるための回収が現在どの程度行われておるのか、その点についてお答えをいただきたいと思うのです。
○藤冨説明員 最初にボーイング社の件でございますが、今回の日航機の事故につきましては、この事故機の製造国であります米国が、国際民間航空条約第十三付属書によりまして、製造国の立場から、我が国で行います事故調査に参加いたしております。この米国の事故調査を行いますのは、米国国家運輸安全委員会、通称NTSBと呼ばれておりますが、ここが事故調査の米国の代表として参加してきているわけでございます。それから、この事故調査に参加いたします場合、これも同じく条約の付属書によりまして、代表はしかるべきアドバイザーを指名することができるということになっておりまして、そのアドバイザーとしてたまたまボーイング社の社員も参っていたというのが実情でございます。
 それから次に、機体の残骸の回収の件でございますが、これにつきましては、相模湾における浮遊物の回収を初め、上野村におきます墜落現場での機体残骸の回収ということで、まだ完全に回収されたわけではございませんが、また逆の面で見ますと、回収された残骸もかなりあるわけでございます。私どもといたしましては、回収されない残骸がそのままなくてもよいと申し上げるわけではございませんが、これからその回収されていない残骸についていろいろな情報があり次第、その残骸の回収についての検討もいたしたいと考えているところでございますが、現在までのところかなりの残骸が回収されておりますので、まず現段階といたしましては、回収された残骸についてのいろいろな詳細調査を初め、さらには既に回収されております操縦室用の音声記録装置あるいは飛行記録装置の記録を総合的に解析していこうということで取り組んでいるところでございます。
○水田委員 それでは、アメリカから事故現場へ入ったのは、事故調査委員会がオブザーバーで来てくれというのを要請されたわけですか。
○藤冨説明員 参加につきましては製造国側からの要請で、それに対しまして我が国としては、参加することについては異議はないという形になっております。
○水田委員 なっておるというのではなくて、では、事故調査委員会がオーケーを出したということですか。
 それから、もう一つついでに言いますが、その場合、事故調査委員会が結論も出していないのに、予断を与えるようなああいう発表をすることが国際慣例上当然のことなんですか。
○藤冨説明員 お答えいたします。
 当事故調査委員会として了承しているということで御理解いただいて結構でございます。
 それから、先般の後部圧力隔壁についての修理ミスの問題につきましては、これ自体について、ボーイング社としても非常に好ましくないという自覚を持っているようでございまして、来日いたしました際に一方的にあの事実を公表した点については、遺憾の意を表明しているところでございます。
○水田委員 遺憾の意を向こうは表明したのかもしれませんけれども、我々国民の側から見ればあれは言いっ放しですよ。あれは国際法上、国際慣行上もけしからぬことだというようなことはどこも言っていないというのは本当に心外でかなわぬということだけ申し上げておきたいと思うのです。
 ただ、こういうことがあったでしょう。昭和四十一年にボーイングの727が東京湾へ着陸寸前に墜落した事故があったわけですね。そのときのボイスレコーダーを聞いてみると、あれはパイロットがパワーパワーと言っているのですね。ですから、僕らは一般的には、あれは規定のコースでなくて、天気が非常にいいものですから近回りをしておりていった、そしてエンジンレバーを絞って、沈みが大きいから、そのためにそれが間に合わなかったのかなと思っておったら、こういうことがあったのですね。第三エンジンの取りつけボルトが飛行中に折れたのではないかという疑いがあった。この鑑定を結局はボーイング社へ出しておるわけですね。ですから、自分のところはそれを認めれば大変な責任になる、そういう形で行われているわけです。場合によったらボーイング社が全責任を負わなきゃならぬ、法的には被告になるかもしれない、そこへ鑑定を出さなきゃならぬ、こういうことがあったわけですね。ですから、結局はこの場合もパイロットミスということにされたのではないですか。それは原因が明らかにならぬからね。事故調査委員会では、そういう点を今のところは問題として持っておられるんじゃないか。
 ですから私は、これまでのいろいろな事故なりあるいは今度の大変な事故で、空の安全ということが大変国民からは疑問を持たれているだけに、この問題は、大変金がかかるかもしれませんけれども、再現破壊試験をやるぐらいのことをやらなければ、今飛んでいる727のSRというのは全部危ない、こう見られても仕方がないんじゃないか、そういう気がするわけですが、事故調査委員会としては、今まで以上の予備費からの予算をもらっておられるようですけれども、こういう試験を徹底的にやるお考えはないですか。
○藤冨説明員 まず、念のためということで申し上げたいのでございますが、私ども、まだ事故原因が後部圧力隔壁だということは一切申し上げているわけではございません。現在のところ、残骸で見られる事実について、調査した結果をいろいろと経過的に御報告申し上げたという段階でございます。したがいまして、そういったいろいろの事実をつなぎ合わせて、破壊のプロセスがどうであるか、あるいは事故機の飛行特性がどうであったか、操縦性能の変化がどうであったかといったようなもろもろのことにつきましては、これからいろいろな試験研究も含めた解析を行っていくことになるわけでございます。したがいまして、先生のおっしゃられた、何か理由を決めつけてというようなことはございませんので、その点は御理解いただきたいと存じます。
 それから、今回の日航機の事故につきましては、事故の態様が極めて特異でございます。したがいまして、調査に当たりましては、事故機について、機体の破壊のプロセスあるいは飛行特性、操縦性能の変化等を解明するために、その基礎となる事実の認定とかあるいは解析の段階で各種の試験研究を行う必要がございます。現在、残骸部品の分解調査、機体後部復元調査を初めといたしまして、構造強度の調査、飛行性能計算等の試験研究を行っているところでございまして、先ほど申し上げたような破壊のプロセス等の解明のために必要な試験研究については、今後とも段階的にやってまいりたいと考えているところでございます。
○水田委員 私は、再現破壊試験はするのかしないのか、それは莫大な金が要ると思うのですが、部分的な試験はするということで、その点はどうなんですか。二億五千万ぐらいの予算では大した試験はできないと思う、大変な事故ですから、これは。
 それから、さっきも申し上げましたように単一の原因ではないかもわからない、複合かもわからない。すると、回収されない部分については再現試験か何かやらない限り、いろいろなことをやらない限りこれは出てこないと思う。めったにないことですが、APUの燃料漏れというようなこともかつてほかではあったことですから、それを否定するのなら、そのものを回収できなければそんなことはないとは言えないと思うのですね。それが事故調査委員会としては徹底的にやる一つの手段だろうと思うのです。どうなんですか。再現破壊試験というのは大変な金が要る。そのくらい要求したけれども金がもらえなかったというのですか。事故調査委員会として心構えとしてはそのくらいのものが必要ではないかと思うのですが、その点はいかがですか。
○藤冨説明員 当委員会といたしましては、地道に積み上げた調査をやっているわけでございます。したがいまして、その過程で破壊試験等を行うこともございますが、ただその場合、現在の段階におきましては部分的な構造強度についての調査が中心となって行っているということでございますが、個々の調査あるいは試験につきましても、その結果を見た上で次の段階を考えていくということになるわけでございます。
○水田委員 事故調査委員会はそういうあれはないのですが、航空局なりあるいは通産省も一緒に聞いていただいて答えていただきたいと思うのは、例えばイギリスのつくったコメットが空中爆発を二回も起こして、そして全員死亡した。そのときにイギリスでは、実際の飛行機を水槽の中で、大変な金がかかる、一つの飛行機をパアにするわけですから大変な金をかけて実験をやっている。そのことが、与圧式の旅客機で金属疲労によるものだ、それで金属疲労に対する対応策が考えられた。そのことが今日、与圧式の航空機の大きな発展につながったわけですね。
 ですから私は、今度の問題は大変だと思うのは、先ほども言いましたように747のSRというのは全部危ないと思うのですね。ですから、最初に航空局は尾翼のピンと何か二カ所ほどを点検しろと指令を出した。あのとき私は羽田へ行って日本航空の整備本部長に、あなた方が本当に乗客の安全を考えるのなら、今飛んでいるSRを全部とめて全機を点検すべきじゃないですか、こう言ったのです。その後、航空局が次々に指示を出して、結果的には全機の調査をやってみたら至るところに亀裂が入っておった。そして最近では、特に二階建てのSRについては大変な亀裂が入っておるということになるわけです。そういう点から見て、これは大変今危険な飛行機ではないかという気がするのです。そうしますと、設計思想というのはフェールセーフによる設計、整備もそういうシステムでやってきたというのが全部否定される、危険だ、こういうことになったわけですね。
 私、疑問に思うのは、例えば四つのエンジンから全部ハイドロをとっているわけですね。ですからこれは一の六乗分の一の確率で起こり得ないという形でできておる。しかしあれは四つのエンジンからですから、全部行っておっても最後のところでは、私はその中の一つでも、例えば一本エルロンヘ行っておれば、これはまた操縦士がエンジンとエルロンを使ってでも何とかできたのじゃないか。それが全部が尾翼のところへ集中的に行って、そこが飛んだから四本のあれが全部、それからハイドロプレッシャーゼロ、こういうボイスレコーダーに入っておるようなこと、これはまさにフェールセーフシステムの設計ではないという感じがするわけですね。そして日本航空でも、これは耐用年数は大体二十年ということで買い入れたけれども、全部の点検をやってみたら耐用年数は十二年くらいにしなければならぬじゃないかということになってきた。
 それで振り返って、今までの理論的な設計あるいは強度試験というものが、かつて千葉沖何百海里かで大型の貨物船が原因不明で折れて沈んだという事故が何回かあったのですね。これは確かに強度の計算はちゃんとしておるけれども、それ以上の力が加わってくる。ですから、今までの大きさのに加わる空気の全体のいろいろな形での力が、あの大きさによって違ったところへ、今までの計算以上の力がどこかに加わるということが、今日747のSRにあれだけのひび割れができてきておるということになれば、極端に言えば、今度の事故調査を徹底的にやれば、日本で今後設計するためには大変なデータを持つことになるわけですね。事故調査委員会は事故原因を究明すればいいのですが、そういう点では、航空局もあの飛行機の修理の後、耐空証明を出しておるわけですから、運輸大臣がこの飛行機は安全ですと言って飛ばしたのですから、日本航空は、政府に言うのなら、政府がこれは安全だと言って保証したから飛ばしたのが壊れたのですから私の責任は――まあそんなことは言いませんでしょうけれども、とも言えるようなこと。ですから逆に言えば、航空局もそういう点ではあの飛行機に対する見方を変えていかなければならぬじゃないか。ですからそういう点で、一つは事故調査委員会、一つは通産省に今後の技術発展のために、一つはいわゆる耐空証明を出しておる航空局としては一体どうこれを見て、出したという事実についてはどういう責任をお感じになっておるのか、お答えいただきたいと思うのです。
○加藤説明員 先生の今御指摘のございました耐空証明でございますが、この事故を起こしました機体につきましては、昭和五十三年に大阪国際空港におきましてしりもち事故を起こしております。その後、この事故の修理をいたしました。この件についてでございますが、この修理改造を行ったわけでございますが、これにつきましては、この機体の所有者であります日本航空が修理作業をボーイング社に委託をいたしました。そこで、運航者であります日本航空が修理改造検査の申請をいたしたわけでございます。
 私ども、この修理改造検査をいたしましたその具体的な内容と申しますのは、まず第一に、この作業をボーイング社に行わせるということがございましたので、日本航空に対して、この修理作業については十分監督を行う、ないしは検査を行うということをまず指示いたしました。それから、この修理計画の妥当性とか修理過程の管理の方法及びでき上がりました現状につきまして地上におきます機能試験それから飛行試験等を行いまして、確認の上に修理改造検査合格という判定をいたしております。したがいまして、運輸省といたしましては適正な検査を行ったというふうに考えております。
 なお、今先生御指摘のありました昨年の日本航空の事故の後、私ども運輸省といたしましては、日本航空に対して整備部門についての立入検査を行いまして、それに基づきまして九月に業務改善勧告を行いまして、特に747のSRの使用回数の多いものにつきましては総点検を指示いたしました。その総点検をいたしまして、現在まで六機について総点検を行っておりますが、先生先ほど御指摘のございましたように、各部において、特に与圧式構造について点検を命じたわけでございますが、特に機首部については、セクション41と呼んでおりますが、機首部につきまして比較的亀裂が多かったということが発見されております。これにつきまして私どもから、ボーイング747の製造国であります、当局であります。アメリカの連邦航空局に対して逐一この件につきましては報告をいたしておりまして、それに対する是正措置と申しますか、根本的な対策を求めているところであります。
 なお、私どもは747を運航いたします国といたしまして、その機体の状況について製造国については協力をいたしておるということでございます。
○杉山(弘)政府委員 先生御指摘の今回の事故につきまして原因が究明されまして、その過程におきまして今後の航空機の設計、製造面に生かすべき点がございましたら、私どもが現在手がけておりますボーイング社との共同開発によりますYXXの開発にもそれを反映するように努力をいたしていきたいと考えております。
○水田委員 耐空証明を出しておることについての責任についてはお答えがなかったわけです。これは、ああいう事故があれば、ミスがあれば製造したところが責任をとるということでは、航空局の耐空証明というものは全くあなた任せ、こういうことになるのですね。少なくともあれだけの方が亡くなった事故について、今後日本の空を飛ぶ飛行機は、どこの国がつくった飛行機であろうとも国民に対して、全く事故がゼロということはあり得ぬにしても、ああいう形での事故というものはまさに人為的なものですから、つくったところもさることながら、それを監督する官庁として航空局も例えばあの修理ミスが見抜けなかったというのは、耐空証明を出すセクションの人と予算と技術をそろえることができない今の体制に問題があるので、これは被害者からも訴訟まで起こされておる問題ですから、今後の問題としては金がかかろうとも国民の空の旅の安全ということではやらなければならぬことです。ですから、その点については一体どうお考えなのか。
 それから、事故調査委員会もまさに原因だけわかればいいのじゃなくて、将来の日本の空の安全ということについて原因を明らかにすることが、航空局の航空行政あるいはまたつくる側を監督しておる通産省の行政にも大変大きな財産を与えるわけですから、そういう点では引っ込み思案ではなくておれたちが――日本の空の安全のためにはこの問題は大変な一つの転機を与える、こういう事故だったのだから、そういう気持ちで僕はコメットの例も申し上げたのです。これは単に一国だけじゃなくて、世界の航空工業の技術的な発展のために寄与できる事故の調査だろうと思うのです。そういう点でコメットの問題も例に申し上げたのですが、御感想があれば聞かせていただきたいと思うのです。
○藤冨説明員 航空事故調査委員会の設置の目的はあくまでも航空事故の原因を究明するわけでございますけれども、その最終目的はあくまでも航空事故の防止に寄与することでございますので、私ども鋭意航空事故の原因究明に全力を傾注いたしまして、これからの航空事故防止に寄与したいと考えている次第でございます。
○加藤説明員 先生から先ほど御指摘のございました検査についてでございますが、同じような答弁で恐縮でございますが、当時の修理改造検査につきましては、先ほど申し上げましたように、修理改造計画の妥当性、それから修理改造過程の管理の方法につきまして、さらにはでき上がりました現状につきまして地上での機能試験、それから飛行試験を行っております。これをもちまして、これらを確認した上で私どもは合格というふうに判断をいたしましたが、ただ先ほども議論が出ましたように、ボーイング社から修理ミスをしてしまったという発表がございました。これも結果的には修理ミスというものが内在しておったわけでございますが、もちろん、先ほど来議論がございますように、これが事故の原因というような公式な判断はまだございませんけれども、少なくともそういったものがあったということから、日本航空のボーイング社の作業についての監督が多少十分でなかったというふうに私どもは感じております。
 したがいまして、今後の課題といたしましては、このように他の者に作業を委託するような場合につきましてはその監督検査体制を十分するように、万全を期すように指導していきたい、こう考えております。
○水田委員 航空局の試験では問題がないから耐空証明を出したということですが、現実にそれは見抜けなかったし、事故が起きてあれだけの人が死んだということに対して、航空局は全く責任はない、まああるとは言えませんでしょうが、その点に対する答えは全くないわけですね。それは何もないのならいいのですよ。あれだけのことにならずに少々の故障があったというぐらいのことならいいのですが、あれだけの事故が起こったのですから。それに対して、いや、飛んでよろしい、ですから会社もパイロットも安心して飛んでおったらああいうことになったわけです。ですから、今後起こってはならないし、やはり起こった事態について、ボーイング社だけでなくて、その耐空証明を出した官庁としては何らかの意思表示があってしかるべきじゃないか、こういうぐあいに私は思うわけです。
 それから事故調査委員会、これは答弁はよろしいです。例えばこういうことも十分御存じだろうと思うのですが、一九七七年にイギリスのダン・エア社のボーイング707がいわゆる着陸で進入降下中に突然右の水平尾翼が折れる、これは一番大事なところですから強度では一番強くしてあるところですね、それが折れる事故があったわけです。結局、イギリスでは大変な大規模な再現破壊試験を行って、事故原因が水平尾翼の構造けたの取りつけ部分の金属疲労ということを明らかにした。そうすると、今ボーイング747のSRで起こっておる、日本航空が二十年を十二年というように耐用年数を下げていかなければならぬというのと同じように、707の耐用年数は設計上甘さがあるということを指摘してやったのですが、ボーイング社はなかなか認めなかった、大論争になった、そういう事実も事故調査委員会は御存じだろうと思うのですね。ですから、そういうことも踏まえて、大変な事故ですから、ぜひ今後の空の旅の安全ということと、そういうことをちゃんと見つけるということが今後の航空機工業の発展のために大変役に立つことだということを私は申し上げて、私はこういう論争を実は大臣に聞いてもらいたかったのです。もちろんこれは運輸大臣がやらなければいかぬし、総理大臣が認めなければいけぬことですが、国務大臣としてやはり物を育ってもらいたい。だから、ここへおって聞いてもらいたい。単に事故調査委員会を責めるという気持ちじゃなくて、事実究明を金がかかってもやってほしい、そういう気持ちを訴えたかったわけでございます。
 航空局については、答えられぬなら答えられぬで、それは確かに今一方では訴えられておるわけですからここでそう変なことは言われぬかもしれませんが、官庁としてこの日本の空を飛んでよろしいというのは、航空はやかましいのですから、検査も厳しいしやかましいのに、あれについては飛ばしてあれだけの事故が起きた。原因はまだ明らかではないけれども、この原因と思われる部分を耐空証明を出す検査の中では見つけられなかった。それは今後ないように、今の責任は言えないのなら将来に向かってないようにするために、金の点が、人の点が、技術レベルの問題か、そういう点でそれができるようにするのならするということは答えてもらわないと、これから航空局の出した耐空証明を持った飛行機がまたぼろぼろ落ちるということになりかねぬですからね。将来問題だけでもいいですから答えてください。
○加藤説明員 先生御指摘の作につきましては、現在まだ事故の原因も確定はしておらない段階でございますけれども、今先生、将来の問題はいかがかという御質問でございますが、もちろん私ども運輸省といたしまして航空機の検査等については万全を期したい、こう考えております。
○水田委員 だから、やられたけれども結果的には起こったのだから、それはどの点が足りなかったという反省がなければ、将来にわたって今後厳重な検査をやれと言っても、人が足りなければできぬですね。あるいは、金をつけてもらわぬとできぬですわね。あるいは、技術レベルの高い人を航空局の中にちゃんと配置してもらわなければできぬわけですから、そういう点の努力はあるのかないのか。それを全く、予算はつかない、人も今のままで、そして今後はそういうことはないようにしますと言ったって信用できぬですよ。そのことを、心構えだけでも聞かせてほしい、こう申し上げたのです。
○加藤説明員 先生の御質問にお答えいたします。
 来年度予算におきまして、私ども、この事故の教訓と申しますか、これによりまして、私どもの方に整備の審査を行う整備審査官というものを昨年要求いたしまして、これが認められております。したがいまして、そういう形である程度の人員増というのは図られております。
○水田委員 何名ですか。
○加藤説明員 係長も入れまして四名でございます。
○水田委員 私のところへは、大臣は十一時二十七分には御出席というのですが、来られぬのですが……。
○野田委員長 水田君に申し上げますが、午前中の持ち時間があと五分ですか、せっかく法務省、科技庁、いろいろ出席要求をしておるので、見えていますから、もしよろしければ、大臣は本会議後の再開の中で見えますから……。
○水田委員 委員長、五分も午後に回してください。というのは、質問の都合がありますから。いずれにしたって、五分間で各省庁の皆さんに質問をするわけにいきませんから。
○野田委員長 わかりました。
 ちょっと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○野田委員長 速記を始めて。
 この際、暫時休憩いたします。
    午前十一時四十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時三十二分開議
○野田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。水田稔君。
○水田委員 参議院との関係で、本来ならば大臣に冒頭御質問申し上げて、午前中の事故調査の論議なんかもずっと聞いていただいて、最後にまた航空機産業に対する基本的な決意なども聞いていきたい、こういうぐあいに思っておりましたが、順序が狂いましたので、午後冒頭に大臣にお伺いいたします。
 日本の産業構造というのは、円高の問題もありますし、それから貿易収支の大変な黒字ということがずっと続いてきておるわけですね。そういう中で、開発途上国の追い上げ等を見てまいりますと、いやでも応でも日本の産業構造というのを変えていかなきゃならぬ、そういう時代を迎えておると思うのですね。そういう中で、今後の航空機工業といいますか産業を一体どういう位置づけにし発展させていこうと考えておられるか、基本的な考え方を大臣にお伺いしたいと思います。
 御参考までに申し上げますと、工業先進国と言われる国の中で、アメリカは別格といたしまして、昭和五十八年ですが、フランスでも航空機産業というのはGNP対比が一・四%、一兆五千七百億円、イギリスも一兆六千八百億円、西ドイツも一兆一千二百億円、日本の場合は航空機のみで見ると四千五百億円で、それはGNPの対比で言いますと〇・一六%、しかも民間航空はその中の二〇%にすぎない。工業先進国の中における日本の民間航空機産業というのは、全体のGNPは世界の一〇%といいながら、現実にはその中で本当に虫眼鏡で見なきゃならぬほど隅へ追いやられた産業なんです。
 午前中、局長に日本の航空機産業のおくれは一体どうかと聞いたら、日本はA300をつくってないのですからあれ以下でしょうし、アメリカに比べたら十年のおくれがある。戦後八年の空白があった、それに追いつけということで今までやってきた。なお今日十年のおくれというのは、全くそういう点では取り組みに基本的な問題があったんじゃないか。そして、例えば自動車や造船という中程度の産業というのはまさに開発途上国から遭い上げられてくるということを考えれば、これからの日本の産業構造の中で航空機産業をどう位置づけて、そしてそれをどういうぐあいに発展さすかということは極めて大事な政策課題であるというふうに私は思っておるのですが、午前中の論議を聞いておりますと、どうも実際には、言葉では大変大事だと言うのですが、内容的に見るとまだまだお粗末きわまりないと私は思うのです。そういう点について、取り組みの基本的な姿勢について大臣の御見解を伺いたい、こういうぐあいに思います。
○渡辺国務大臣 これだけの近代工業国家の中で日本が一番立ちおくれているのは宇宙産業とか航空機産業ではないか。かつて日本も零戦とかいろんなものを軍事予算で戦時中につくってアメリカに負けないような戦闘機を実は持っておった、これは事実なんです。航空機の開発というのは莫大な金がかかる。そのために惜しみなく金を使う軍事産業みたいなところが案外進んでいる。アメリカにしてもヨーロッパにしても大体私はそうじゃないかという気がするわけであります。しかし、日本の方は防衛機器、防衛庁の予算は非常に抑えぎみにやっておりますので、そこから得られるところは何もない。むしろ我々は民間分野にわいて外国と提携をして新しい航空機産業というものの開発を進めなければならぬ。だから私は大蔵大臣のときも非常にその点は理解がありまして、YXの予算などは、開発費は最優先でつけろと言って実はつけさせたわけであります。
 ところが、私はこの間ブラジルに行きまして、ブラジルでジェット旅客機で十人乗りぐらいのものを提供してもらって乗った。どこの産かというとブラジル産なんですね。インドネシアに行った。インドネシアでやはり二十人乗りぐらいの旅客機が島から島へ飛んでいるのですが、これはどこの産かというとインドネシア産なんですね。インドネシアでつくっている。これはもちろんアメリカなどと提携をしてやっておるわけでありますが、その点から見ると日本という国は非常に航空機産業についておくれている。これは莫大な金がかかるということが一つあるでしょう。
 それからもう一つは、この産業を栄えさせれば、先端技術が非常にたくさん必要なわけですから、そういう点においても大変いいことじゃないか。そしてまた、日本は先端技術のメッカになっているぐらいでありますから、コンピューターその他決して世界におくれはとらない。そういう点からも今後最重点でこの航空機産業の振興というものはやっていく必要がある。将来新しい貿易摩擦になるかどうかわかりませんけれども、非常に片手落ちといいますか、バランスのとれた産業の発達でないから、そういう意味でこの産業というものはもっと力を入れていく必要があるというふうに考えております。
○水田委員 大臣、日本を工業先進国と言うけれども、先端的にはまだまだおくれた部分というのはありますし、産業構造全体の中で大事な、今大臣も言われましたように大変高度な技術を開発して、そしてそれがほかの産業に技術移転をする。それからもう一つは、これから海外へ自動車なんかも電機等も出ていってやらなければならぬ、といいますと雇用が失われる。それを国内で吸収する産業というのはやはり伸ばさなければならぬ。それはいわゆる新素材とかハイテク産業というのが発展していくという見通しもありますけれども、そういう点で一番欠落しておるのは航空機産業ではなかったかと思うのです。
 大事に考えられて大蔵大臣のときに優先的に配慮していただいたというのですが、それは私も予算を見ていますからわかるのですが、大臣、YS11をやめたのですね。午前中、技術的にはどうなのかと言ったら、大変いい飛行機だ。私はいい飛行機だと思うのです。もちろんエンジンはロールスロイスですが、今でもあれば売れるのです。省エネのいい飛行機なんですね。やめたんです。これは百二十億円ですね。これは後でまた補助の関係も質問いたしますが、外国と比べてけた違いに日本の補助というのは少ないのですね。そういう中で百二十億円にびっくりしてやめたんですよ。だから、大臣が最重要課題として考えられると言うなら、その百二十億でびっくりせぬように、航空機産業というのは大変な金のかかるものであることは間違いない、しかし、これからの日本の産業構造の中の一つの柱として技術移転、そして雇用を拡大していく、そういう点では大事な産業としての御理解を、御答弁でもそれに近いことをいただいていますので、そのようにひとつぜひお願いをしたいということを申し上げておきたいと思います。
 それでは、午前の質問に続きまして、法務省おいでになっていますね。実は午前中、747の昨年の事故の問題について、いろいろ事故調査委員会なり航空局にお伺いしたのですが、航空機の安全を考えるときには真実が――ですから午前中にも、ボーイング社が、被告になるようなのが先に自分のところでごそごそやるのはけしからぬ話だ、こういう話もしたのですが、逆に言えば、パイロットが本当のことをしゃべるということは非常に大事なことなんですね。
 これは御承知とは思うのですが、アクシデントがある前にはその百倍ぐらいのインシデント、死人とかは出なかったけれども、そういう危なかったということがある。これは労災の場合も同じなわけですね。そういうことが起こってから原因究明をして、そしてそこで起こらないような対策を講ずるということと同時に、インシデントの段階で情報を吸収してそれに対応を講じていくということは、よりベターな方法なわけですね。
 ところが、これは日本の法体系の中で刑事責任の問題が常について回るわけですから、例えば去年のあの事故の場合も、事故調査委員会が事故究明をするということよりも、警察の方が刑事責任で物を押さえる、そして今、そこから航空機事故調査委員会が預かってきて原因究明をやっているということなんですね。それはどういうことかというと、日本の場合は航空法と航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律、そして刑法の過失罪によって刑事責任を問う、こういう司法制度になっているものですから、その建前が事故のあった現場でもそういう形になって起こっておるわけですね。ですから私は、事故が起こる前の段階でも、安全な航空機という立場からいえば、インシデントの情報を収集するということは、一つは法律上のたてりの問題と、もう一つは航空会社の社内的なそういうシステムということも必要だと思うのです。
 これは、日本と同じような法体系になっておるのはギリシャとイタリアだけと聞いておるわけですね。ですから、アメリカやその他の工業先進国と言われる国々の航空機事故の場合のパイロットの責任というのは、故意もしくは重過失という場合に限られて、事故調査委員会から司法関係へ報告が行く、こういうシステムになっているわけです。ですから、これはそう簡単に変えるわけにはいかぬだろうと思うのですが、昨年のあの事故というのは、そういう点では多くのことを日本の空の安全ということで教えられた事件だったと思うのです。たくさんの方が亡くなられた、そういう人たちの冥福のためにも、今後の日本の安全な飛行機をつくること、飛ばすこと、あるいは再び起こさないための予防措置としての制度上の問題、そういう点は検討すべき一つのチャンスを与えてくれたのではないだろうかと思うのですね。
 そういう点で、法務省として、現在の体系はそういうことだということはわかっておるのですが、一遍にはできぬにしても、少なくとも何らかのインシデントが十分吸収されて航空機の安全ということに生かされる検討というのはされてしかるべきじゃないかと思うのですが、御見解はいかがでしょうか。
○米澤説明員 お答えいたします。
 まず、委員御指摘のとおり、あのような惨事が再び起こらないようにいろいろな面から検討する必要があろうかと思いますが、私どもの所管の方は今御指摘のとおりでございまして、刑法なり航空危険罪なりの面から捜査をするという、現行法制度上はそうなっております。
 ところで、その事故調査委員会と我々の捜査との兼ね合いでございますが、事故調査委員会と申しますのは、私が言うまでもなく、当然のことながら、いろいろ事故原因を探られましてその結果を運輸行政なりいろいろな施策に活用される。他方私どもの捜査と申しますのは、御承知のように大きな過失があってそして多大の人命が損なわれた、そういうような場合に刑罰を科することによって再犯を阻止していく、つまり不幸な事態の発生を阻止していくという目的を持っているわけでございまして、事故調査委員会の事故の解明と捜査というものはそれぞれ目的を一にしておると思うのです。ただ手段としてそれぞれ違う経路をとりますけれども、本来的には我が国の総合的な施策の一環として捜査をする、こういうことになっておるわけでございます。
 これも御承知かと思いますが、運輸省と警察庁の方とで、事故調査委員会の調査と捜査官の捜査との総合調整をするために、たしか昭和五十年の八月一日付だったと思いますが合意が行われておりまして、例えば警察力を使いまして迅速に現場保存するという面から申しますと、事故調査委員会側から見ても捜査が非常に迅速に行われることは好ましいであろう、それから証拠物関係の保管につきましては、やはり証拠物を厳格に保管することになれておる捜査官側がやるのが好ましいであろうということの合意がありましたし、他方、パイロットとかあるいは事故に関係を有する人たちからの事情聴取あるいは現場における状況の検証、検分と申しますか、そういうものにつきましては、事故調査委員会と実際に捜査をいたします警察との間で事前にいろいろ御相談を申し上げて、双方に支障のないように調査なり捜査なりを進めていくということが五十年の八月一日付で協定されておるわけでございます。もちろんこれは警察庁のおやりになったことで法務省がとやかく言うことではございませんが、法務、検察もそれにのっとって、事故調査委員会の調査も十分に尊重しながら証拠物の保全あるいは証拠の収集をやってきておるわけでございます。
 したがいまして、現状認識といたしましては、私ども、捜査が事故調査委員会の事故の解明の支障になっているとは全く思っておりません。逆に持ちつ持たれつで、例えば専門的分野におきます事故原因の解明につきましては、事故調査委員会の調査結果を十分尊重させていただいておる、逆にそうした現場保存等々につきましては、捜査官の捜査活動の結果を事故調査委員会で御活用いただいておる、こういうことでございます。
 なお、委員が先ほど申されました刑法の体系の問題、つまり事故の場合に刑罰の方はまずおいておいて、事故調査委員会等々で事故の解明をして重大な過失または故意のある場合だけ刑事処罰の方へ持っていったらどうか、そういう法制度があるじゃないかというお話が今ございましたので、その点について申し上げますが、これは一般論として申し上げますと、御承知のように英米法関係は過失は原則として罰しないことに昔からなっておるわけでございまして、その法体系をとっております国からいいますと、今のような場合、刑事罰よりはむしろ事故調査委員会等々でいろいろな解明をいたしまして、例えば行政罰なり民事賠償等で解決する、そして将来の施策にその事故の解明結果を活用するということになっております。
 他方、先ほどのイタリアとギリシャとおっしゃいましたか、二つの国をお挙げになりましたが、大陸法系、つまりイタリアとギリシャを含む例えばフランスとかドイツ等では、やはり業務上過失致死傷事件というものは罰せられるわけでございまして、我が国とそう大差はないわけでございます。ただし、航空機事故の場合ほとんどその乗員が不幸にして死亡されるというようなこともございまして、刑事訴追されているケースがあるかとおっしゃられれば、なかなかこれは私も全部判例等を見ているわけではございません、わかりませんけれども、刑法の規定からいえば、フランスもドイツも一応業務上過失致死傷という規定を持っております。
 そこで、なお誤解をなさいませんように希望して付言いたしますが、英米法でも先ほどおっしゃいました重大な過失、これはどういうことかといいますと、例えば結果発生の認識のあるような状態のもとでミスを犯しまして、やはり果たせるかな結果を発生させたというような、我々の国でいいますと未必の故意なり認識ある過失と言っておりますが、そういう事例はやはり過失でも英米法では処罰されるわけでございます。
 さて、立法問題として業務上過失致死傷を余り問題にしない方がいいじゃないか、例えば航空機事故なり何なりに、こういう御意向かと思いますが、例えば鉱山の爆発事故とか、それからホテルの大規模火災とか、それから工場の大規模災害あるいは公害罪等の関係も見ていただきますとおわかりのとおり、結果が非常に悲惨でございまして、その場合に行政的な措置だけで足るのかどうか。やはり当該行為者がいて、過失が大きければ、例えば業務上の過失があれば、やはり刑事罰を科することを国民の皆さん、現段階では欲しておられるのではないかと思います。したがいまして、遠い将来のことをとやかく言ってもなんでございますが、一つの法制度として英米法にそういうものがあって、それが日本にとってプラスになるのかどうかということは、一般論として常に我々としても検討しておるところでございます。
 ただ、伝え聞くところによりますと、今回の事故につきましても、被害者の遺族の方々が近い将来告訴されるというようなことも伝え聞いておりますので、やはり国民の皆様から言えば、現在大規模災害について刑事処罰の対象から外せというような御意向はないように私としては伺っておるわけでございます。
○水田委員 法体系上はそうであることは間違いないと思いますが、航空機というのは国際的な運航をやっておるわけですから、つくったものも国際的に違う国でたくさん使われておる。そういう中で、その安全ということに対して、法体系の流れが違うということだけで大きく違うというのも考えものだなという気はするわけです。
 ただ、安全ということを考える場合に、これは工場の装置と一緒で飛行機もそうなのですが、人間にはうかつがあり得る、その前提で、その場合でも安全に働く、こういうシステムができておるわけですね。ですから、そういう意味で、例えば今度の場合はパイロットが亡くなっていますからあれですけれども、あるいはまさにパイロットも様子がどうなったかわからぬままに亡くなられた、本当に気の毒だと思うのですね。ですから、そういう点でいえばフェールセーフシステムというのが機能してない、あの設計は。設計に責任があると思うのですがね。だから、ともすると、わからぬ場合にパイロットミスというようなことですぐやられるわけですね。午前中の奥野さんの質問にもそれは出たわけですがね。そういう点を考えるべきじゃないか。
 これは航空局に先ほどもちょっと申し上げましたように、インシデントの場合のあれというのはやはり報告がしづらいわけですね。すればとにかく自分のミスのように言われるわけですから。いろいろな手だても今とっておるようですが、その点はいかがですか。そういう点を、パイロットがアクシデントじゃなくてインシデントを積極的に報告して事故防止に役立てるようなシステムについては何かお考えになっておるのか、今もそれは進めておるのかどうか、その点、お答えいただきたいと思います。
○赤尾説明員 お答えいたします。
 先生御指摘の件につきましては、まず事故につきましては、航空法によりまして事故の定義というのがございます。それに反して、安全に離発着できたというケースがございます。その中間を称して私どもは異常運航という言葉を使っております。欧米諸国で使っておりますインシデントは若干違うといいますか、それよりもむしろ範囲が広く考えております。
 それでは、どんな状態のときにこの異常運航報告をもらうかということについて若干御説明いたします。
 まず、運航開始後目的地を変更した場合とか、二番目に、出発地に引き返した、それから三番目に、管制上優先権を求めたもの、四番目に、事故ではないのですが、他機または物件と接触したという場合、五番目として、滑走路等から若干逸脱したような場合、また六番目に、滑走路をその航空機の着陸のために、異常があって閉鎖した場合等々を異常運航と申しております。
 この報告は、私どもの内部規定で、空港事務所あるいは空港出張所、こういうものから入手をするような仕組みになっております。このケースで得た情報を航空会社にフィードバックいたしまして、これについての安全対策はどうなのかということを逐一検討をいたします。会社でもいたしますし、我が方でも検討するわけです。それで、改善点があるならば運航規程等にこれを定め、あるいは改定をする、こういう仕組みになっております。
○水田委員 今言われたことは大体目に見えますね。滑走路を外れたとか閉鎖したとか、それはもう当然なことなんですが、それに至る前のミス、例えばモスクワでDC8が離陸して事故を起こしましたね。あれなんかもパイロットが、キャプテンがコーパイに、それは何だと、こう言っておるのね。あれは間違えて恐らくスポイラーを上げたのじゃないか。ギアアップを間違えて、あの飛行機の上がりかけて落ちたという姿から言うと、間違えてスポイラーを引っ張ったのじゃないか。例えばその場合に、もちろんパイロットミスで起こったのですが、それを起こらないようにするということであれば、そういうことが今までにも何回もあったかもわからぬ、こういうのですね、離陸のときじゃなくて。そういう間違いがないようないわゆる配置を考える。それは事故防止につながるわけですね。
 そういう意味での、いわゆる今我が国でやっておる以上にもう少し幅広い報告が、一つは会社の社内で報告され、そして航空局へもちゃんと報告され、そしてそれは責任を問われずに、社内においてあいつはもうミスばかりしておる、こういうことでやられるから、言うと損するから言わぬわけですね。それがわかっておれば対応策はできるわけですね。事故が起こってみて、ああこれは配置が悪かったというようなことも今まであるわけですから、そういうことをもう少しやっていくべきじゃないか、もう少し目を向けていくべきじゃないかと思うのです。その点いかがですか。
○赤尾説明員 お答えいたします。
 先生御指摘の件につきまして先ほど私が御説明いたしましたけれども、航空局サイドから得た情報、また航空会社内部でいろいろの報告、例えばセーフティーリポート、こういうような制度もございます。したがいまして、そういった情報は航空会社の中で、例えば一社の中で現在は処理されがちであるということが御指摘のとおり実態でございます。私どもはそういった各社の情報を取り集めまして、それで各社が共通に注意すべきものがございましたら、今後ともそれを運航規程などに反映するように処置をしてまいりたいと考えております。
○水田委員 それでは通産省の方へ返りますが、これは午前の奥野議員の質問でも、一体大学の航空学科を出たのはどこへ行っているんだと言ったら、二〇%しか航空関係へは行ってない。国全体で考えればこんな教育のむだな投資というのはないと思うのですね。そして、午前の答弁でありましたように十年のおくれがあるというのなら、そういう人たち、優秀な研究者がそういう部門へ携われたらもっと早く追いつくことができる。日本の科学者というのは優秀ですから、そういうことなんですが、主として八割というのはどういう部門へ、職種ですね、行っておるのかお伺いしたいのです。
 それからもう一つは、日本航空機製造というのはこれは廃止いたしましたね。ここでは大変優秀な研究者もおったわけです。私の知るところでは、これは木村秀政先生のまな弟子と言われる人が雇用促進事業団の訓練所へ行っておるという、現に私知った人なんですが、そういうもったいないことをしておるのですが、日本航空機製造におられた人でそういう設計のできる優秀な技術者というのは解散後どういうところへ、これは時間がありませんから簡単な答弁で結構ですが、お答えをいただきたいと思うのです。
○杉山(弘)政府委員 まず御質問の第一点の、航空学科に入学した大学生等がどういうところに就職しているかということでございますが、現在、国公立、私立大学合わせまして航空学科を置いておりますのは、私どもの調査では十大学ということになっておりますが、そのうち半分の五大学の卒業生について私ども調査をしましたところでは、宇宙、航空関係に従事をした人たちが一六%という比率を得ております。それから自動車関係が一八%、それからその二つ以外の機械関係、これが一五%、それから製造業以外の商社その他の民間企業、こういうところが一二%、官公庁、研究機関等が三九%、こういう数字になっております。卒業生の数はかなりございますが、残念ながら比率で見ますと製造業以外の民間企業に次いで低い率ということになっております。
 こういう点から見ますと、私どもやはり航空機産業を振興することによりまして全体としての事業の規模を拡大し、もっと優秀な方々に進んで就職をしていただける産業として育てていくということが必要なんではないかと考えておるわけでございます。
 それから、日本航空機製造を解散をいたしましたが、この従業員で優秀な技能を持った人たちがどうなっているかということでございますけれども、会社の解散に当たりましては、できるだけ個人の希望を尊重し再就職についてあっせんをするということで私たち努力をいたしまして、相当部分の方々が航空機関係の民間企業に一たん籍を置かれた上で、現在財団法人日本航空機エンジン協会及び財団法人日本航空機開発協会といったところでV二五〇〇及びYXXの開発に従事をしていらっしゃいますけれども、先生御指摘のように、中にはこういった航空機産業と全く無縁の職場で働いておられる方もあるわけでございますけれども、このあたりにつきましてはそれぞれの事情があってそうなったものと考えておりますが、大多数の方々は依然として航空機産業でその能力を発揮していただいているというふうに承知をいたしております。
○水田委員 それは行くのはそれぞれ事情がなければそんな変なところへ行かぬので、本職でやりたいとはみんな思っておるのです。そういうのが実態だと思うのですね。
 そこで、これは午前もちょっと聞きましたけれども、局長は十年のおくれがある、こう言うのですね。これは例えば航空学科がこれだけできておるというのもやはりそういう需要を見込んで、そういう分野でやりたいという若い者がたくさんおるというのは好ましいことなんですが、それらが十分受け入れできる条件をつくってない。ですからそれらが全部かかっておったら十年のおくれはもう半分くらい取り戻しておるかもしれぬわけですね。
 そこで、通産省としては、なぜそれだけのおくれが出てきたのか。戦後を振り返ってみても、例えばYS11であるとか、あるいはこれは輸送機でC1というのを、当時としては立派な飛行機、みんな当時のレベルでいけばそれほどおくれをとるべきものではなかったわけですし、それから小型で言えばスバルのFAとかあるいはMU2とかMU300とかあるいは新明和の飛行艇、これは四メーターの波、非常に波の高い中でも離着水のできるPS1ですか、それから例えば川重でやっておる西ドイツとの共同開発のヘリコプターのBK117、いずれをとってみてもそういう部門では割にいいものをやってきておるわけですね。それにもかかわらず今日それだけの大きなおくれが出てきたというのは一体何だろうか。いいものはつくっておるが、これは皆商業的には大赤字で困っておるわけですね。そういうことなど含めて、一体どういうことが原因で日本の航空機産業というのはこういうぐあいになってきたんだろうか、それはどういうぐあいに受けとめておられるのか、お伺いしたいと思うのです。
○杉山(弘)政府委員 我が国航空機産業の立ちおくれの原因につきましてはいろいろあろうかと存じますが、私どもまず、先ほどもお話の中に出てまいりましたが、戦後の航空機産業の再建のスタートがおくれたということも一つ要因として考えられると思いますし、また二番目には、航空機産業が国内で十分な市場を持たなかったというところもかなり大きな原因であろうかと思います。このあたりは自動車とか家電とか、今我が国産業が世界で大をなしている分野についてお考えをいただければ御理解をいただけるかと思うわけでございます。そういったこともございますけれども、やはり基本的には各方面の最新の技術を組み合わせ、エンジンとか機体とかいう極めて精巧な一つのシステムを組み上げる、そういう技術については残念ながら我が国産業全体としての実力が必ずしも十分でないという面もあるのではなかろうかと思います。
 こういったことに加えまして、先般も先生から御指摘がございましたけれども、航空機産業に対する政府の助成の仕方というものについても、欧米諸国との関係では必ずしも十分でなかったという御批判もあるのではないかと思いますけれども、いずれにいたしましても私ども、今の状態で決していいということを考えているわけではございませんので、何とかこの差を少しでも早く埋めたい。そのためには、実情に即して考えますと、国際的な航空機の共同開発においてできるだけ力を蓄えていくということが必要ではないか、そのための助成措置を組織的に講じていくということで今回の法律案を御提案をいたしている次第でございます。
○水田委員 例えば自動車が発展したのは、国内にこれだけのマーケットがあってそして大量生産できるということも、一つはコストを下げるということで外国へ出ていくことができる。日本も今は大分、例えば747なら世界で日本航空が最大のお客さんですね。市場がないことはないわけですね。航空会社も大分あります。小型機なんか、さっき大臣が触れましたように、私は本当に残念に思うのは、インドネシアやブラジル、ブラジルは戦闘機、まあ練習機ですが、アクロバットに使うそういうものまで輸出しておるということです。我が国はそういう国よりもっと技術が高いと自負しておりながら、まさにそういう点では政策のおくれというのがそれだけの差をつくってきたんではないかと思うのですね。ですからYS11の場合も、飛行機の性能という技術的な水準ということではなくて、むしろ市場調査なり販売というところに問題があった。その蓄積をその後に生かす方法を講じてないわけですから、そういう点は大きな反省としてぜひ持っていただきたいと思うのですね。
 それからもう一つ、これは通産省もお考えいただきたいし、航空局へお伺いしたいのですが、航空産業の発展というのはやはりインフラの整備というのができなければだめだと思うのですね。今の日本の空というのは、例えば成田へおりてくるためにはトンネルの中を抜けるような管制官の指示に従わなければならぬ。そうやらなければならぬような空ですね。あるいはコミューターをこれから導入しようと思っても、東京周辺、これは田舎同士もありますけれども、コミューターでも、大阪なりあるいは東京へというのが、今の定期航路以外でいえばそういうものが本当は需要としてあるわけです。そこには飛行機の需要も起こってくる、客も利用するわけですが、東京周辺を見たら、羽田も成田も小型はおろしてくれませんね。おりられるところといったら調布か龍ケ崎か桶川ですか、これはとてもじゃないが使いものにならぬ。そして米軍の飛行機がどんどん飛んでおるために定期航空さえ遠慮しておる。まして小型なんて飛ばせられぬ空の状況があるわけです。あるいは飛行場についてもそういうぐあいに必要のあるところにもなかなかできてない、そういう周辺整備が問題だと思います。
 それからもう一つ、今の日本の管制というのは一番優先が軍用でしょう、そして民間定期航路で、その他は隅へ追いやられておる。ですから、そういう小型機の不定期に飛ぶ飛行機についても支援体制、管制等についても相当の陣容を抱えてきちっと安全に飛べるようにするということが欠けておるのではないか。
 あるいはまた、例えばヘリの場合は最近若干行政上簡素化していこうということをやっておるようでありますけれども、例えばここへおりようと思えば、手続をする官庁というのは近くにはないわけですから、飛行場のあるところへ行かないと航務部というようなものはないわけですから、それでヘリコプターが作業するのはへんぴなところですね。飛行機の場合は軽飛行機でも飛行場はきちっと決まったところですが、そうじゃないところですから臨時の発着になる。臨時の離着陸をやる場所というのは手続が非常に煩雑ですね。最近どうなっておるのか知りませんが、私が聞いたときには、パイロットの経歴というのは全部その航空局に皆あるわけです。にもかかわらず、その経歴を全部書いたものまでつけて、こんな書類を出さぬと一回の臨時の離着陸もできないということです。
 今例えばヘリを火災の場合あるいはまた救急医療に使うという場合、一定のところへ事前に早くから臨時の離着陸の許可をとっておけばそこはいい。しかし実際には、救急車がそこの患者を連れに行く前に自動車で走らにゃいかぬ、これに一時間もかかる。これは実際には救急医療でヘリを使えば三十分以内なら心臓なら助かるというのでも、ヘリへ来るまでにとにかくおだぶつになるということになるわけですから、そういう点では、利用の仕方については大変厳しい制約があるところに、そういった小型機の利用についても伸びなかったということがあるのではないだろうか。それは一つはインフラが整備されることによって飛行機の需要が起こる、もしてそれはひいては我が国の航空産業の発展につながると思うのです。
 以上申し上げたことについて、航空局なり通産省からお答えをいただきたい、このように思います。
○赤尾説明員 お答えいたします。
 まず、小型機の利用につきまして私ども昨年意欲的に活動をしたつもりでございます。その一つといたしましては、コミューターサービスを促進するために、これに係る基準を改定をいたしました。コミューター航空、すなわち不定期航空事業として行うコミューター航空用の機材につきまして、従来五・七トン、これはおおむね十九人乗りでございましたのを欧米並みに六十席に拡大をいたしました。また輸送区間につきましても、一定の条件のもとに定期運送の旅客サービスのないところというのが従前のルールだったのですけれども、こういうのがあってもある一定の条件下ではよろしいというように改善をいたしました。
 また、ヘリコプターを使用してのコミューターサービスにつきましては、筑波の科学博のときに試行いたしまして、これを全国で使えるようなルールに新たに改定をいたしました。
 また、ヘリコプターの利用促進策につきましては、ヘリポートの設置基準を改定したり、これに伴いまして場外離着陸場の許可の基準を下げたり、あるいは申請書類につきましてはさきに、昨年の六月十五日に書類の通数を減らしております。
 次に大型空港、例えば羽田、成田、大阪等の利用でございますけれども、三十五年後半になりましてジェット時代を迎え、さらに四十年代に入りまして公共の足として航空機が非常に利用されることになりました。これらの大空港におきましては、小型機とのニアミスの発生等もありまして、まず小型機の規制を羽田空港においては昭和四十四年、大阪空港につきましては四十六年にいたしまして、あわせて民間機の発着枠というのも昭和四十六年に設定いたしました。先生御指摘のとおり、以前は小型機も利用できておりましたのですけれども、こういった公共を優先するために、今は大変御不便をかけているというのが実態でございますが、こういった点もさらに検討をしてまいりたいと思っております。
 最後の御質問でございますが、場外離着陸の申請にかかる手続、これにつきまして、添付書類については若干の通数とかそういったものを少なくするような緩和を行いました。なお、救急医療等であるときに緊急に使うような場合、こういうケースが当然想像されますので、これを包括許可という形で私どもは許可をしております。東京航空局管内及び大阪航空局管内合わせて、ある一つの会社の例ですけれども、二百カ所ぐらい既に包括的に許可をしております。したがいまして、こういった緊急活動にその種の緊急医療の事業者は支障がないというふうに聞いております。
 なお、その包括許可の基準でございますけれども、以前は最高期間三カ月だったのですが、それを一年に緩和をいたしました。また、こういう包括でないところに急に飛びたいというような場合、確かに御指摘のとおり書面による申請は必要でございます。できるだけそれを迅速に処理をいたしたいと思っております。
 なお、飛行計画については、ヘリコプターあるいは普通の事業用航空機を問わず、書面あるいは電話での受け付けをやっております。
 以上であります。
○水田委員 時間が大分経過しましたので、そういうインフラの点ではむだな――むだと言ったらおかしいのですが、だれが見てもこんなものにまでつけぬでもいいじゃないかというのはできるだけ落としてほしいと思います。
 それからコミューターを考える場合に、ただ運航上の規制を緩めるということでなくて、整備で言えば、例えば大阪の場合だったら伊丹へおりることはできぬですね。そうすると八尾です。八尾にはどういう安全施設がしてあるのか。あそこもいわゆる伊丹に対するファイナルのあれになりますから、あそこは三千フィートですか、規制されていますね。そういう点では本当は使い勝手がよくないわけです。東京の場合は、さっき言ったように、東京へ向かってコミューターで来たいというのはいっぱいあるだろうと思うのです。田舎の飛行場はどれもみんな整備されていますから、今使えます。しかし東京へ入ることができぬということでは、そういう点では有効にコミューターが機能しない。これは本当を言えば、航空局が今のローカル空港整備と同時に、コミューターなら東京、大阪周辺をどうするのかということも含めた検討があってしかるべきじゃないか。政策というのはそういうものであってほしい。そのことが航空産業の発展につながると私は思いますので、そのことをお願いして、これは答弁結構でございます。
 それから次は通産省に……。
 我が国は戦後、旅客機というのはYS11、これをつくって、その後我が国独自ではやっていないわけです。そこから国際共同開発、こういうことでYX・ボーイング767、これは一五%つくっております。つくっているところは翼の辺とか胴体の一部とか、その部分については、アメリカでつくったより日本の方がいいかもわからぬです。しかしこれは、飛行機をつくるという点で言えばまさに下請であることは間違いないと思うのですね。YXXについてはこれはまさにプルパートナーだ、こう通産省は言っておられますが、二五%です。ボーインクが五一%。それは株式とは違うけれども、やはり向こうの下請的なものであることはもう間違いない、そういうぐあいに思うのです。
 そしてこれはフルパートナーと言うのなら、例えば、大事なことは、販売とそれから需要家のニーズがどういうものかという調査、そういうものが我が方ヘノーハウとして入ってこなければフルパートナーとは言えぬわけですが、そういう点では販売についてどういう責任を負うのか。
 あるいはまた、これはボーイングの名前を使うのだと思いますが、のれん代を請求されておる、こういうことですが、その点は一体どうなっておるのか。
 それから、ついでにこれも質問いたしますが、エンジンのV二五〇〇というのは五カ国共同開発で進められておる。これは、日本の開発負担分は二三%。これは五カ国ですから、それにしても、共同開発をやった場合の技術的な成果といいますか、そこで新しく開発された技術については、その帰属は一体どうなるのか。
 以上まとめて質問いたしましたがお答えをいただきたい、こういうぐあいに思います。
○杉山(弘)政府委員 三点のお尋ねがございましたので、お答えを申し上げます。
 まず最初に、YXXについてもフルパートナーと言っているけれども、二五%の参加比率であって本当にフルパートナーと言えるのか、こういうお話でございますが、御案内のようにYXの場合には開発段階への参加でございまして、YXXの場合には、開発のみならず、生産、さらには販売、プロダクトサポートといった全過程を通じてこれに参加をする、こういうことでございまして、二五%の参加比率に応じてリスクの負担をするということでございますので、YXXの場合は、YXの場合に比べると格段に我が方の主体的な参加というものが実現できたのではないかと考えております。
 また、その過程においてエアラインヘの販売等についての情報はこちら側に通じるのか、こういうようなお話でございますが、そういう情報については、私どもの参加をいたしております航空機会社の方にすべて渡されるというふうに了解をいたしております。
 それから、のれん代というものが一体どうなっているのか、こういうようなお話でございますが、YXXの場合には、具体的にのれん代という形での金銭の授受の話というものはございませんが、ただ先ほど申し上げましたように、全過程を通じまして二五%のリスクを負担する、そういたしますと、利益が上がりました場合にも二五%相当分を日本側が取るということになるわけでございますが、この点につきましては、特にエアラインに対する販売その他日本の航空機産業はまだ十分実力がないところ、ボーイングについてはその点について過去のノーハウの蓄積等があるので、そういうものの総体の成果として出てまいります利益について、日本側がすべて二五%相当を取得するということについては必ずしも妥当ではないんじゃないか、こういうような話が出ていることは事実でございますが、このあたりはどういうことになるのか。これは、主として参加をいたします日本側航空機業界とボーイングとの間の契約によってこれから決まってくるものというふうに考えております。
 それから、三番目の御質問といたしまして、V二五〇〇の場合にシェアは二三%ということになっているけれども、一体その研究成果である技術の帰属についてはどうなるのか、こういう御質問でございますが、これは契約上極めて明確に処理されておりまして、五カ国の共同開発でございますが、参加をいたしました当事者がそれぞれ単独で開発いたしましたものにつきましては当事者に帰属をいたします。それから、共同で開発いたしましたものにつきましては開発参加者の間の共有になる。単独の開発成果として開発をいたしました当事者に帰属する工業所有権等につきましては、エンジン全体を完成するために必要な限度におきましては、他の参加者にもこれを無償で提供するということが契約上決められております。したがって、我が国が単独で開発しましたものは我が国参加者の所有に属しますが、他のパートナーから全体を完成するために必要だと言われればそれは無償で提供する、また逆に、他の参加者が単独で開発したものにつきましても、日本側として全体を完成するために必要であるということであればその開示を要求できる、こういうことになっているわけでございます。
○水田委員 そこで、共同開発というのはなぜするのですか、どういう理由で共同開発をされるのですか。
○杉山(弘)政府委員 国際的な共同開発をいたす理由でございますが、御案内のように、最近のジェット機の開発というようなことになってまいりますと極めて多額の資金を必要といたしまして、現在私どもが参加をいたしております二つのプロジェクトにつきましても、V二五〇〇でも総開発費は約四千億円、YXXに至りましては七千二百億円程度というふうに見込まれております。仮にこういったものを単独でやるということになりますと、事業が成功いたしました場合にはよろしいわけですが、一たん失敗いたしました場合に、日本の航空機産業は、先ほど先生からも御指摘のございましたように、まだ売上高でもわずか四千億円台というところが、四千億なり七千億以上の金をかけて、これはもう失敗は許されないわけでございます。
 したがいまして、こういうリスクの大きさを考えますと、どうしても我が国一国だけではやれないということになってまいりますし、また、開発しました成果というのは国際市場において販売しなければならない、そういった場合に、やはり各国と提携をしていくということが販売面でも有利ではないか、こういった理由から、私ども、これからの本格的な航空機及びエンジン等の開発については国際共同開発を志向すべきもの、こういうふうに考えているわけでございます。
○水田委員 言われるとおりだと思うのです。まさに共同開発というのは、一つは資金が膨大にかかるということ、リスクが非常に大きいということだと思うのですね。
 そこで、我が国が、戦後平和条約が結ばれて以来今日まで営々として、たくさんの研究者も養成しながら航空機工業の発展に努力してきた。十年のおくれはあるとはいいながら、先ほど至言いましたように小型なり中型については、その時代においてはある程度技術的に水準としては外国に負けないだけのものをつくってきた。ですから、まさにある程度の技術的な水準に達してきたわけですね。そこから先に、我が国で飛行機がつくれる、国産化を進めていく、そういう技術を持った上で、今言われたように、資金が膨大にかかる、あるいはリスクが大きいということで共同開発をやる、これは普通の考え方なんですね。
 これまでの振興法というのは、大きな柱としては国産化を目指して、その中の方法としては現実にYXもやってきたし、YXXもそのたてりの中でやってきたわけですね。今度の場合は、国産化は全く論外にして主流は国際共同。さっきから言いましたように、YXの場合も一五%、それから今度の場合も二五%というのは、まさに国産化技術があって、それで本当に技術では負けぬ、リスクとそれから資金がかかるから一緒にやろうじゃないか、これなら本当の意味でのフルパートナーになると思うのですね。そういう点で私は、これまでの戦後三十年以上にわたり営々として努力をしてきた日本の研究者、そして飛行機の産業に携わっている人たち全体が考えておることとは違った方向へ国の施策、方向が行くのではないか、それを心配するわけですね。むしろ国産化を柱として、そしてその一つの方法としては、中小型ではさっき言いましたようにブラジルやインドネシアでさえ国産機をつくっておる。日本よりはずっと、まだ開発途上国と言われる国々がやっておるのに、工業先進国と威張っておる日本がもう国産化を放棄して共同開発で大きいところへぶら下がっていこう、いつまでも下請をやろうということは何としても私はうなずけぬわけです。ですからこの点は後で理事さんの方からも要求として出して、ぜひそういったてりにしてもらわなければいけない、こういうぐあいに思っておるのですが、なぜ国産化を除くのか。これまでの航空機産業を一生懸命やってきた多くの先人に対して大変相済まぬじゃないか、私はそういう気がするわけです。その点はいかがでしょうか。
○杉山(弘)政府委員 今回の改正法案におきまして目的を改正いたしまして、国際共同開発を推進するということにいたしたわけでございますが、その理由につきましては、先ほど来の御答弁の中で申し上げておりますように、本格的なジェット旅客機の開発ということになってきますと、リスク、国際的な市場性等の観点からやはり共同開発を志向せざるを得ない。この点については御理解をいただいているわけでございますが、今やっておりますV二五〇〇にいたしましてもYXXにいたしましても、もしこのプロジェクトに乗りおくれるということになりますと、我が国航空機業界が本格的なジェット旅客機の開発に参加するチャンスを失するということで参加をしたわけでございますし、それはそれなりに御理解をいただけることかと思います。
 私ども、小型機等につきまして国産化を全く断念したわけではないわけでございますし、これまでも日本の航空機メーカーが、例えば三菱重工のMUクラスの飛行機でございますとか、富士重工がFAというような小型機を開発いたしております。本来は、こういったものも含めて国が全部助成するという格好に持っていければ私どもとしても非常に幸いだと思うわけでございますけれども、残念ながら財政上の制約その他がありましてどうしても重点を志向せざるを得ない。そういうことから考えますと、この際どちらに重点を置くかということになりますれば、やはり国際的な共同開発によります本格的なジェット旅客機の開発に重点を置かざるを得ないということも御理解をいただけるのかなという感じもするわけでございます。
 それからあと一つは、蛇足になりますし、あるいはそんなことは気にすることはないというおしかりを受けるかもしれませんけれども、国産化という響きが、最近問題になっております対外経済摩擦の観点から申しますと、日本は全部自前でつくってそれを世界市場に売り込みにかかる、またターゲティングポリシーをとっている、こういう国際的な批判を招きかねないというようなこともあわせて考えまして、今回の改正案では助成の対象は国際的な共同開発についてこれを行うということにいたしまして、その観点から目的も改正させていただいた、こういう次第でございます。
○水田委員 私は、ジェット旅客機の開発について今時期的に共同開発に乗らなければ乗りおくれるとか、あるいはリスクが大きいからとか、そのとおりだと思うのです。だからといって国産化の一つの旗印を、長い歴史があるわけで、そういう目標に向かってみんな努力してきたのをぱっと外すわけですよ。それでそれしかない。それは少なくとも今のままでいけばやはり下請的な形にならざるを得ぬ。だから目標としては、例えば小型を一々補助せいということは私は言いません、今まで自前でやっておるのですから。しかし国内でつくる場合、国内の共同開発ということもあるわけですね。そういう点でいえば、今やっていることをとやかく言おうとは私は思いません。それはそれなりに努力をすべきで、そして本当にフルパートナーになるような、技術レベルを高めるようなことをやってもらえばいいのですが、国内でも国内共同開発ということはあり得るわけですから、そういうことが、その技術を持つことが国際共同開発の中で発言力を強めていくことになる。そういう意味で、法律のたてりとしては今の答弁では極めて不十分です。
 それで続いて言いますと、これは新聞報道されまして微妙なあれですから細かい点はいいのですが、例えば日中共同開発の問題が出ております。これは私は、亡くなられた田中六助通産大臣以来ずっと歴代通産大臣に、日中共同開発をやるべきじゃないですかという話をしてきたわけです。それが日の目を見かけたので大変関心を持っておるわけです。この場合はコミューターですから、YS11を少し小型にするものですから、技術的には日本のレベルで十分やれる。もちろんエンジンはどうなるかは別として、そういう点ではまさにフルパートナーでやれる共同開発。そういう点からも、やはり国産化という旗印を掲げた中でいろいろな形の共同開発が国内、国外を通じて行われるのだということをやはり法律のたてりとしては通していくべきじゃないか、それが正しいのじゃないかと思うのですが、日中共同開発を含めて、その点を再度御答弁いただきたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 先ほどの御答弁を補足させていただきますが、私どもも、国際共同開発に対しまして重点的に助成を行うことによりまして、現在の二つのプロジェクトでは先生御指摘のように二五%、二三%という低い参加比率でございますけれども、これを将来は五〇%に持っていくような実力をつけるステップにしたい。また、この国際共同開発に参加をしている過程におきまして日本の航空機工業の技術レベルがアップしてまいりますと、そこにおのずからまた小型機につきましても自力で国産化ができる能力もついてくる、こういうふうに考えているわけでございます。
 ただ、国際的な共同開発と申しますと、先ほど来御説明しております二つのプロジェクトに限りませんで、先生御指摘の日中でのコミュータークラスについての共同開発、さらにはインドネシアとの共同開発の事前段階である航空輸送に対する状況調査といったようなものも進んでいるわけでございます。この中で日中共同開発につきましてはかなり熟度が進んでおりまして、百席以下のクラスのコミューター機の共同開発についてフィージビリティースタディーを実施しようというところまで大筋の合意はできておりまして、現にそのための了解覚書の細目の詰めに入っているところでございます。幸いこの百席以下のコミュータークラス機につきましては、先生からも御評価をいただいておりますが、YS11の開発成果、開発経験というものが十分に利用できるわけでございまして、こういうものにつきましては私どもこれからも、日中に限りませんで、進んで各国との共同開発に乗り出していきたい、かように考えている次第でございます。
○水田委員 幾ら聞いても、局長は法律を出しておるわけですから、そうだということを言われぬので、最後に大臣にこの点は聞きたいと思います。
 そこで、YS11の後継機では、いわゆるスピードがジェットまで及びもつかぬわけです、プロペラを持っておるだけ。との直径を短くしてある、こういうATPエンジンの開発が今行われているのですが、これは一体いつごろ実用化できるのか。そういう点も私は、今後日本が独特な一つの航空機の分野で、この開発が早くいけば、本当言えばYS11のエンジンそのままで、プロペラだけ強度を持ったものでやれば早くそれが国際商品としてできておったと思うのです。そういう点がどれもこれもちぐはぐになっておるわけですね。
 それからATPエンジンの開発については、もう時間がありませんから簡単に、いつごろをめどにやっておるということだけでもお答えいただきたいと思うのです。
○杉山(弘)政府委員 先生御指摘のATPエンジンにつきましては、アメリカ、フランス等で積極的な開発が行われております。これの実用化の時期につきましては、比較的早いのではないか、一九九〇年代の前半にも実用化できるのではないかという意見もございますし、いややはり二〇〇〇年以降になるんだ、そう簡単なものではないという意見もありまして、今のところ必ずしもその実用化の時期について自信を持っていつごろと申し上げるほどの知識はないわけでございますが、いずれにいたしましても、既存のジェットエンジンに比べますと、相当の燃費効率の向上にもなりますし、これからの新しいエンジンの代表的なものになる可能性もございますので、我が国といたしましてもそれについての基礎的な研究を今から積んでおきまして、またこれにつきましても、国際的な共同開発の話が持ち上がりました場合には相当の力を持ってこれに参加できるようにしたいということで、今業界と寄り寄り相談をいたしておりまして、そのための体制づくりを進めているところでございます。
○水田委員 これは理論的にはわかったことで、一つは高速回転の強度の問題と効率のいい翼型の問題ですから、そういう点では金のかけようによって年数を短縮することはできると思いますから、答弁は結構ですが、そういう意味での努力を願いたいと思うのです。
 それから科学技術庁、せっかくおいでいただいておりますので、時間がないものですから申しわけありませんが、STOLについて、これは「飛鳥」が岐阜でこの間試験飛行を行ったということですが、この「飛鳥」でやっておる実験というのは我が国の民間航空のどういう部門を担当するのか、あるいは技術的にはどういうところで役に立つということでやっておられるのか、その点をお答えいただきたいと思います。
○石井説明員 お答えいたします。
 ただいま先生御質問の科学技術庁の航空宇宙技術研究所で開発しておりますファンジェットSTOL機でございますけれども、これは短距離離着陸性と低騒音性にすぐれましたものでございまして、これに必要な技術の実現を図っていくというようなことを目的といたしまして、昭和五十二年度から実験機の開発、飛行実験といったものを中核といたしまして総合的な研究を推進しておるというものでございます。
 この実験機「飛鳥」は、技術的に申しますとUSB方式の高揚力技術といったようなもの、これは翼の上面にエンジンの排気ジェットを噴き出して揚力をつけるといったような技術でございます。こういったものとか、あるいは安全性とか飛行性の向上をより可能とするようなコンピューター飛行制御技術でございますとか、あるいは高精度の操縦のためのフライ・バイ・ワイヤ、電気式操縦システムといったような技術とか、あるいは機体の軽量化につながります複合材の適応技術、あるいは低騒音化の技術、こういったもろもろの各種新技術の実証を行うというようなことを目的といたしまして自主技術により開発を進めてきた、そういった実験機でございます。
 この「飛島」は、先ほどの先生御指摘のとおり、昨年の十月に初飛行に成功いたしまして、その後メーカー段階で飛行試験を進めてきておりますけれども、基本的な耐空性の確認が行われたという段階に至りまして、近く航空宇宙技術研究所にこれが引き渡されるという状態に相なっております。この引き渡しを受けました後に、航空宇宙技術研究所におきましては、約三年間にわたります飛行実験を行いまして、先ほど来申し上げておりますような各種新技術の実証というようなものをやっていこうという計画でございます。
 それで、この研究開発によって得られました各種新技術といいますのは、将来型の民間航空機に広く適用できるものでありまして、我が国の航空技術全般にわたりましてその技術基盤を向上せしめるというようなことに寄与していくのではないか。また、先ほど来お話のございます今後の航空機の国際共同開発というような場合におきましても、我が国が対等の立場で参画していく、こういったことのための技術的な基盤の形成に資するものである、かように存じておる次第でございます。
○水田委員 せっかく来ていただいて申しわけないのですが、本当は時間があれば、この問題もう少し論争したいのですが、改めてまたどこか、科学技術委員会など行かしていただいて論争させていただきたいと思います。
 時間が本当になくなりましたので、まとめてちょっと二つほど。
 一つは、我が国のプロジェクトというのはYS11から767、それから7J7、それとV二五〇〇、ずっとこう来ているわけです。大体一九九〇年までにそれぞれが終わるということですが、その後のプロジェクトはどういう構想を持っておられるのかということ。
 それからもう一つは、この法律では新しい指定開発促進機関をつくるということですが、現在YXXの開発は、日本の開発主体というのは日本航空機開発協会、V二五〇〇は財団法人の日本航空機エンジン協会が行っておる。一体この法律で開発促進機関というのは新しくつくるのか、あるいは二つあるのを、現在あるものをまとめてやるのか、それはどういう体制でやられるのか。それから、そういうぐあいにやるのであれば、これは完全な民間法人でやろうというようなことですが、監督なりあるいは政府資金を投入するということですから、むしろ特別認可法人でやった方がいいんじゃないかという考え方もあるわけですが、御見解を伺いたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 まず現在手がけておりますYXX及びV二五〇〇以後のプロジェクトについての考えはいかがか、こういうお尋ねでございます。
 法律改正が国会を通過し成立をいたしますと、私どもその中で開発指針というものをお示しするということになっておりますので、具体的には今後その開発指針の中でこれを明らかにしていくということになるわけでございまして、まだ今の段階で必ずしも構想は固まっておるわけではございませんが、例えばということで申し上げてみますと、先ほど来先生から御指摘のありました新しいエンジン、いわゆるATPというようなものが航空機用エンジンの開発の対象となり得るのではなかろうかという感じもいたしておりますし、また機体の方といたしましては、現在ございますボーイング747の後継機としての大型ジェット輸送機ないしはそのエンジンといったものが、これからの国際共同開発の新しいプロジェクトとなり得る可能性があると思いますけれども、いずれにいたしましてもこの問題につきましては、法律が通りました後でいろいろ私どもさらに詳細な調査を重ねまして、ある程度の成案ができましたところで審議会等の御意見も聞きまして開発指針の中に盛り込んでまいりたい、かように考えております。
 それから助成金の交付というような業務を、この御提案申し上げております法律の中では、民間の民法に基づきます財団法人を指定して、そこに行わせるということになっておるわけでございます。先生御指摘のありました、現在ございます日本航空機開発協会及び日本航空機エンジン協会、いずれも財団法人ではございますが、むしろ開発行為それ自身を対象にいたしておる、いわばこれからの助成対象になる主体でございますので、これに助成業務を行わせるということはいかがかと考えます。また、民間の業界団体では御案内の日本航空宇宙工業会というのがございますが、これは残念ながら社団法人でございまして、しかも航空機業界に属する企業が会員になっておるわけでございますから、そういうところは法律上の要件として、まず財団法人でないということでこれはだめでございます。
 法律の御審議をお願いしておる中でこういうことを申し上げるのも極めて恐縮でございますが、予算上は新しい予算が七月から実施ということになっておりますので、なるべく早く法律をお通しいただき、この指定をやらなければいけないということでございまして、私どもできれば既存の法人の中から指定をしたいと考えておりましたが、どうも既存の法人の中にはこの指定の対象になり得るようなものがないのじゃなかろうか。そういうことになってまいりますと、結局新しく財団法人をつくっていくということになるのかなということでございまして、今どちらかといいますと新設された新しい財団法人を指定するという方向で考えておる次第でございます。
 それからそういう助成業務についてはむしろ特別認可法人でやらせるべきではなかったかという御指摘、まことにごもっともだと存じます。実は御案内のように、私ども、予算要求の段階では特別認可法人を設立いたしましてそこにやらせるという構想でスタートしたわけでございますが、これも御案内のように、現在の行財政改革の中では特別認可法人といえども新設は認められず、スクラップ・アンド・ビルドでないといかぬ、こういうことでございまして、残念ながら私どもといたしましてはスクラップの対象にするような特別認可法人がないということになりましたので、関係各省と御相談をいたしまして、民法上の財団法人を指定し、通産大臣が厳重な監督をするということでそこに仕事をやらせるということにしたわけでございますので、御批判として先生がおっしゃるような特別認可法人にやらせるべきだということは私どもも十分頭にあったわけでございますが、今申し上げましたような過程を経まして現在のような構想になったということで、この点は御了解をいただきたいと思うわけでございます。
○水田委員 もう時間が大分オーバーいたしましたが、最後に大臣にお伺いいたしたいのです。
 ずっと御論議を聞いていただきましたように、一つは、日本の航空機産業がおくれてきたのはいわば外国に比べて、例えばアメリカは日本の百倍ですし、イギリスやフランスや西ドイツも五倍から十倍やっておるわけです。百二十億のYX11の赤字にびっくりして手を引いたわけですが、大臣も言われたように大変大事な産業として考えるなら、そういう点では思い切った金もかけようという構えがなければなかなか進まぬと思いますし、それから、論議の中で申し上げましたように国産化の技術、例えば科学技術庁がやっておる国産化の技術というのもその部門でやっておるわけでございますから、そういう点では国産化を目指すその中での一つの方法として共同開発がある、そういうぐあいにぜひ進めていただきたいと思うのです。冒頭に大臣から大事な産業と考えておるという御答弁があったのですが、私の質疑を聞いていただいて、航空機産業を将来どうやっていくかという決意のほどを伺って質問を終わりたいと思いますので、ひとつお答えいただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 水田議員が非常に飛行機のことに詳しいので、今経歴を調べてみたところが専門家でございますので、私は大変感銘深く応答を承っておったわけでございます。
 共同化は、もちろん日本だけでは一つはお金がまずない、それから実は政府自身にも金がないというようなことで、借入金で、しかも共同でやるということに結局落ちついたわけでございます。しかし、飛行機産業が非常におくれている、これは事実でありまして、戦後日本が飛行機の研究それ自体も禁止されておったというようなこともございますが、これはやはり何が何でも追いついていかなければなりませんから、将来はやはり日本が単独でできるぐらいに育てていく。最初から大学に入るわけにいかないので、とりあえず小学生みたいなものでありますが、順序を追って充実をしてまいりたいと考えております。
○水田委員 終わります。
○野田委員長 福岡康夫君。
○福岡委員 まず冒頭に渡辺通産大臣にお尋ねいたしたいわけでございますが、現行法と改正法案についての新旧対照表を見ますと、ほとんどが改正になっております。
    〔委員長退席、佐藤(信)委員長代理着席〕
また、法の一番中心となる目的、この部分についても全く変わった対照が示されておるわけでございますが、私そういう総合的なものから素人といたしまして素朴に考えてみまして、これは改正法案でなくて新規立法として法律案を提示すべきではなかったか、かように考えますが、この点について、大臣、いかがお考えでございましょうか。
○渡辺国務大臣 まあ物は考えようでございますが、この法律案の最も重要な点は航空機工業の振興を図るという点にあるわけでありまして、その点は同じわけであります。航空機工業振興法という法律名を維持するということ、航空機工業振興に本格的に取り組むという姿勢を示すのには、全く別な法律にするよりもこの方がいいのじゃないかということで、そう難しく考えた理屈があってやったわけじゃありません。もともと土台があるからその土台を生かしてやった方がいい、前の法律をやめてまた別にということもいかがなものかということで改正案ということにしたのでございます。
○福岡委員 やはり法の一番根本となるのは目的でございますが、現行法では航空機の国産化促進となっておるわけでございます。そして、現行法における内容につきましてはまさに日本航空機製造株式会社の処理が中心になっておるわけでございます。ところが、この改正案の法の目的は、中心は航空機の国際共同開発の促進となっておる。これは全く目的が違ってきております。また、片やプロペラ、片やエンジンと、総合的に法の目的に沿って法律体系は推進すべきだと思います。その点において素朴に、素人の考えとして、どうも新法の方がよかったのではないか、私はこういうように考えておるわけでございますが、いかがでございましょうか。
○渡辺国務大臣 これは法律論議の話ですから私のような素人が答弁するのはいかがか、むしろ法制局にでも答弁してもらったらいいのかもしれませんが、ただ、航空機産業を振興するという点については同じなんですね。中身については確かにその国産化の話が共同開発とか、それからいろいろの違った点もそれはたくさんございます。ございますが、共同開発といっても、今も御議論がありましたが、将来はやはり航空機産業を振興するという点では一致でございますし、共同の仕方というのもいろいろあるわけでございますから、あなたの言うようにすっきりすればそれはよかったのかもしれませんが、実はこれに類似したような最近の立法例はないわけじゃないのです。法律名とか全条文の改正があるにかかわらず一部改正法の形式をとったものに、最近では風俗営業等取締法の一部を改正する法律というのもあるそうでございます。これは本当に考え方の違いでございますから、どちらが正しいのかそれはよくわかりませんが、ただ政府としては、そういう前例もあるし、法制局でも認めてもらっておるから、現行法を大幅に手直しして提案をしたということでございます。
 委細については担当者から説明をさせます。
○杉山(弘)政府委員 ただいま大臣からも申し上げましたように、先生御指摘のように従来の国産化から共同開発というふうに変わったと申しましても、これは航空機工業を振興するという最終目的を達成するためのいわば振興手段が変わったということでございまして、航空機工業振興という現在の航空機工業振興法の法目的、それ自身は大きくは変わっていないと思うわけでございますし、またその改正方式につきましても、大臣から具体的な例で御説明申し上げましたように、同様の立法例もございまして、法制局とも十分御相談をいたした上御提出をいたしたものでございます。
○福岡委員 私の知る限りの知識の中においては、新旧対照しております比較表を見てほとんどの条文が改正になっておりますし、全く目的が違っておる。最後の目的は同じだから、その実効確保の手段としてはどうでもいいというのはおかしな議論でございまして、やはり法の目的に沿って法律体系はきちっとするのが行政機関の務めではないか、こういうように考えておるわけでございます。私の言わんとするところはそこでございまして、通産当局と内閣法制局との間においてどういう点で問題点があったのか、この点について政府委員の御見解をお示し願いたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 法律の改正形式といたしまして、一部改正法の形式にいたしますか、全部改正の形式にいたしますか。私どもは、当初から一部改正の方式でお願いをしたいということで案を内閣法制局に持ち込みまして、内閣法制局とも十分協議の上、先ほど御説明申し上げましたように、最近の立法例等に照らしましても一部改正法で十分いける、むしろ一部改正法でいっていい、こういうことで御了解をいただいて御提出を申し上げたものでございまして、その議論の過程におきまして特に私どもと内閣法制局との間で大きな見解の差があったということではございません。
○福岡委員 政府委員の方でそういう御答弁をされておりますが、これは本当にまれに見る改正法案でございます。これは目的は全く違うし、それから法案そのものも全部条文的に、新旧対照表を御提示になっておりますが、全く違うわけでございます。私、素人の考えでございますが、素朴に考えてみて、どう考えてみても新規立法でいくのが筋ではなかったかと理解しております。私の聞くところによりますと、内閣法制局と通産省との間でもその点についての問題点があったかのように聞いておるわけでございます。今の政府委員の答弁によりますと、全く内閣法制局は素通りして御承認を得たかのような発言をされておりますが、間違いございませんか。
○杉山(弘)政府委員 法改正の形式につきまして一切議論がなかったというわけではございませんが、若干の議論の経緯を経まして、当初私どもが原案として法制局にお持ちした一部改正でよろしいということで最終的に法制局の御了解も得て提出の運びになったわけでございます。
○福岡委員 どういう点が問題になったのか、ひとつ御披露願いたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 どういう点と申しましても、法形式の問題でございますので、先生御指摘のように、方法としては、全部改正でやるか、私ども今御提出しているような格好で一部改正でやるかという二つでございますので、どちらの方がいいか、どちらでやっていいかという点でございまして、私ども原案では、繰り返し申し上げているように、一部改正の方式でお願いをしたいということで法制局に持ち込みまして、法制局では全部改正にすべきか一部改正にすべきかという両方のサイドからいろいろ御検討をいただき、最終的には私ども御提案を申し上げたような格好での一部改正方式で出すことに問題はない、こういうふうに御了解をいただいたと承知をいたしております。
○福岡委員 今いろいろお話を聞いておっても、通産省内部においても、内閣法制局との対話の時点においても、一部改正か新法かというのはやはり問題があったかのような御発言の示唆がございます。やはりあったのではないかと私は思います。根本的にそういう問題については、私なりの素人の考えといたしましては、やはりこれは新法で提示すべき問題であったのではないかと考えておりますので、私の発言として御披露させていただきたいと思います。
 次いで、現行法における日本航空機製造株式会社についてお伺いいたしますが、この航空機会社が製造したYS11の機数、販売した機数は幾らになっておるのか、この点について御答弁願いたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 日本航空機製造が製造、販売したYS11は合計百八十機でございます。
○福岡委員 製造したのが百八十機。では、販売したのは幾らか。国内に販売したのと国外に販売したのは幾らになっておるのか、この点についてお話し願いたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 百八十機の引き渡し先でございますが、国内では百四機引き渡されております。そのうち、全日本空輸初め航空会社につきましては七十四機が引き渡されておりますし、防衛庁を初めといたします官需に対しましては三十機が引き渡されております。
 百八十機から国内向けに引き渡された百四機を引いた七十六機が海外のエアラインに売られておるわけでございます。その各国別の、主な地域別の内訳もございますが、とりあえず以上お答え申し上げます。
○福岡委員 国外の内訳をお示し願いたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 国内の民間需要でございますが、全日本空輸に対して三十八機、東亜国内航空向けに三十一機、南西航空向けに五機、合計七十四機が引き渡されております。それから、国内の官庁用需要として引き渡されたものでございますが、防衛庁に対しては合計二十三機、運輸省航空局に対して三機、海上保安庁に対して二機、航空大学に対して二機という内訳になっております。
 欄外につきましては、北米向けが二十七機でございます。それから南米向けが十七機でございます。東南アジアについては十九機、欧州が八機、アフリカが五機、合計七十六機ということになります。
○福岡委員 東南アジア向けの場合の販売先をお示し願いたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 東南アジア向けではフィリピナス・オリエント航空に対して四機、フィリピン航空局に対して一機、大韓航空に対して八機、中華航空に対して二機、ボーラック航空、これはインドネシアの航空会社のようでございますが、これに対して二機、同じくインドネシアの航空会社ベリダ航空に対して二機、以上のような内訳になっております。
○福岡委員 アフリカについてはいかがでございましょうか。
○杉山(弘)政府委員 アフリカは、エア・アフリカ航空に対して二機、アリマンタシオン、これはザイールの航空会社のようでございますが。一機、それからガボンに対して二機、合計五機でございます。
○福岡委員 この販売方法につきましては経済援助か何か特別な、YS11の場合後発メーカーでございますので、他の外国の企業との競争関係において日本政府として特別の援助を行ったかどうか、その点はいかがでございましょうか。
○杉山(弘)政府委員 海外に引き渡します場合に、輸出保険等既存の制度の利用をしたことはございますが、この販売のために特別の援助をしたということにつきましては、その事実はないというふうに考えております。ただ、台湾向けの二機に対しましては、政府借款の対象になったという事実はあるようでございます。
○福岡委員 政府借款の場合に、どういう方法をおとりになりましたでしょうか。
○杉山(弘)政府委員 政府借款で供与をいたしました資金によって、その一部がYS11の購入代金に振り充てられたものというふうに理解をいたしておりますが、それ以上の詳細な点については、今ちょっと資料がないのでお答えできない状況でございます。
○福岡委員 私、今この点をお聞きしました理由は、やはり後発メーカーが他の競争力のある企業と競争するためには、何らかの援助対策が行われて初めて競争関係に入ってくるのではないかと思うわけでございます。そこで、いろいろYS11の場合に、どういう形で先進企業との競争を、やはり後発の企業が競争する場合、これは非常に難しいことでございます。今でこそYS11は優秀であった、こういう形になっておりますが、YS11ができた時点においては、やはり他の外国の飛行機製造会社に比べまして信用力のないものでございますので、当然これに対する政府の援助対策も何かあったのではないか、なければならないのではなかったか、こういう点でいろいろお聞きしたわけでございます。
 今回の場合の法の改正で共同開発されていく上においても、やはり何らかのいろいろな対策をお講じになるおつもりがあるのかどうか。製造は優秀なものができる、できても売れなければだめです。売るためには、やはり後発の企業の先進企業との競争関係に対する問題についての政府援助の施策について何かおありになってこの改正法案をお出しになったのかどうか。その点はいかがでございましょうか。
○杉山(弘)政府委員 先生の、開発、生産面だけではなくて販売面についても政府の助成がないとなかなか難しいのではないかという御指摘、ごもっともかと存じますけれども、一方、航空機の販売等につきましては、民間航空機貿易に関する協定という国際約束がございまして、国の航空機の販売に対します支援措置についての制限が定められておるわけでございます。したがいまして、これに触れないような格好、ないしはこれが認めるような段階での支援ということしかできないわけでございます。
 今国際共同開発をやっておりますV二五〇〇のジェットエンジンにいたしましても、YXXにいたしましても、実際の引き渡しが行われますのはさらに数年後になります。今回は、とりあえず共同開発に対する支援措置につきまして御提案を申し上げているわけでございますが、さらに生産面、販売面等について政府として何らかの対応をすることがあるかどうかという点につきましては、私どもの一つの検討課題かと存じておりまして、これにつきましては、航空機・機械工業審議会等で改めてまた御検討をいただくということを考えておるわけでございます。今具体的に提案申し上げるようなところまで詰まっておるないわけでございますが、一つの重要な課題と考えておりますので、今後早急に検討を続けていきまして成案を得ていきたいと考えておるわけでございます。
○福岡委員 今なぜ急に航空機工業振興法の一部の改正なのか。国際共同開発をするためというなら既にYXでやっておるのではないか。新しい金の出し方にするというのであれば、既に今までも補助金を出してこられておるのですから必要がないわけでございます。この点についていかにお考えになっておられますか。
○杉山(弘)政府委員 V二五〇〇にいたしましてもYXXにいたしましても、これまで政府が補助金を出してその開発を支援をいたしてきております。そういう意味におきまして、今回改めて新しく支援措置を講ずるというものでないことは御指摘のとおりでございます。
 ただ、今回こういう法律案の改正をお願いをいたしておりますゆえんは、両事業ともこれから本格的な開発を迎えることになりますので、その段階におきましては、従来の助成方式によりますと政府が支出をいたします補助金額が急速に増大をしてまいりまして、昨今の財政事情のもとでは、補助金方式による助成の継続ということが難しくなってきております。
 そういうことで、今回は、開発費の一部につきましては従来と同様補助金の交付ということを続けますが、それ以外の開発費につきましては、むしろ借入金に対します利子補給という方式を採用したいと考えておるわけでございます。
 また、それと同時に、今までのように一つ一つのプロジェクトに対して政府として助成するかどうかを決めるということではなくて、国際的な共同開発プロジェクトとして適当なものがこの二つ以外にもこれから出てくる場合には、それに対しても政府として継続的に助成をしていくという仕組みをつくり上げる必要があるであろうということでございまして、現在進んでおります二つのプロジェクトが成功いたしました場合には、従来の補助金適正化法によります収益納付の限度を超えて、すなわち、政府から交付される金額を超えても事業者から一定の納付金を出していただき、それを積み立てておきまして、新しいプロジェクトが出てまいりました場合の助成原資ということで、いわゆる回転基金構想というものをつくりまして、二つのプロジェクト以外にもこれから新しく出てくる国際航空機共同開発事業に対しまして政府として支援措置を講ずるという姿勢をはっきりしたい。
 この二つの目的から、今回航空機工業振興法の改正をいたしまして、御提案をしているような内容の支援措置を講ずるようにしたいということで、法案の御審議をお願いをしているわけでございます。
○福岡委員 現行法の柱である日本航空機製造株式会社はいつ解散されておりますか。
○杉山(弘)政府委員 日本航空機製造株式会社につきましては、昭和五十七年に解散をいたしております。
○福岡委員 それであるならば、今回の一部改正でついでに廃止手続をとるというのは余りにも怠慢ではないかと思うのですが、いかがでございますか。
○杉山(弘)政府委員 御指摘まことにごもっともでございまして、本来、五十七年に日本航空機製造株式会社が解散をした段階で関係規定を削除するというのが筋でございますけれども、その時点におきましては、まず日本航空機製造株式会社の解散と、それに伴う、例えば社員の再就職のあっせん等、これに全力を傾注いたしました。私どもといたしましては、この日本航空機製造株式会社を解散をして、それにかわって何らかの航空機工業振興策を講ずる必要性については忘れていたわけではないわけでございますが、今申し上げましたような仕事に追われておりまして、本来のその後を受けた航空機工業の振興の具体策の成案を得るのに若干の時間がかかったわけでございます。今回その成案を得ましたので、日本航空機製造株式会社に関します規定の削除、これは全く形式的なものでございまして、いわば抜け殻が残っているという形のものだったわけでございますが、これもこの際きれいな形にしたいということで、その関係部分の規定の削除とあわせて御提案をいたしているということでございます。
○福岡委員 この法律条文では型式証明という言葉が出ております。これはどういうものでございますか。具体的に御説明願いたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 甚だ恐縮でございますが、この法律上という……(福岡委員「法律上じゃなくて流れの中で」と呼ぶ)開発事業の過程におきましては、実際に試作をして地上試験を行い、さらには例えばエンジンの場合でございますと実際に航空機に積んで試験をし、実用に伏せるという見込みがつきましたところで、これは運輸省の方の管轄になるわけでございますが、航空法に基づきます型式証明というものを取得して、それで初めて実用が認められるということになるわけでございますので、その型式証明のことをお尋ねかと存じますが。
○福岡委員 その場合、これが予定時期に間に合わない、また開発したが需要が伸びないなど不確定要素が裏目に出た場合、次のプロジェクトに参加できない事態が起こるのではないか。その場合、基金が間に合わない。プロジェクトに参加できないとするようなことがあれば諸外国との共同開発もできません。我が国の航空技術もまたおくれてくるということになります。そういうようなときに一般会計から補助金を出してくれることとなるのか。この法案を作成するに当たってどのような協議をされたのか、御説明願えればと思います。
○杉山(弘)政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、今回御提案申し上げております私どもの構想では、現在やっております事業からの収益を次の新しいプロジェクトの資金に充てるということになっているわけでございますが、先生の御懸念は、現在のプロジェクトが成功すればいいけれども、不成功に終わった場合には基金に入れる金が少なくなり、その分についてどういう扱いをするのか、十分な扱いができないと次のプロジェクトの助成ができなくなるのではないか、こういうお尋ねかと存じます。
 現在やっております二つのプロジェクトにつきましては、かなり綿密な市場調査等を経てやっておりますので、私どもといたしましてはまず成功するのではないかと思っておりますが、やはり失敗するというようなケースももちろん考えられるわけでございまして、そういう場合には納付金の額が少なくなり、次のプロジェクトに充てる資金が足りなくなって助成が不十分になり得るという事態も予想されないわけではございませんが、その際に新しいプロジェクトとして国としてぜひ助成しなければならないプロジェクトが出てまいるということを前提に考えますと、私どもとしてはそのための資金については財政当局にお願いをしてぜひ必要なものは出していただきたい、こういうことでやっていくつもりでございます。基本的には、国がこの二つのプロジェクトに限らず次のプロジェクトに対しても妥当なものがあればそれを助成するということは、今回御提案申し上げておりますスキームの中でも明示されているわけでございますので、財政当局としても私どもの説明に対しては十分耳を傾けていただけるのではないかというふうに考えているわけでございます。
○福岡委員 次に、少し法案の内容について御質問したいと思うわけでございます。
 本改正法案の第三条第二項を見ますと「開発指針に定める事項は、次のとおりとする。」とあって一号から四号まで抽象的文言がずっと列挙されておりますが、これをちょっともう少しわかりやすく具体的に御説明願いたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 開発指針で定めるべき事項についてのお尋ねというふうに理解をいたしますが、ここで一号から四号まで並べてございますが、この一号の「航空機工業及び国際共同開発の動向」ということにつきましては、この開発指針を定める段階で世界的に見た航空機工業及び国際共同開発、実際にどういう方向で行われているかという具体的な業界の動き及び国際共同開発の動きといったものを記述をするわけでございます。
 そうした中で二番目に、我が国として「国際共同開発の対象とすべき航空機等の種類」としてどんなものがあり得るかということでございまして、例えて申しますと今進んでおりますYXX計画、これは百五十席クラスのジェット旅客機ということになるわけでございますし、V二五〇〇エンジンにつきましては百五十席クラスの航空機に搭載できるジェットエンジンということになりますが、そういった我が国として国際共同開発の対象として考えていくべき航空機等の種類を書くことになるかと思います。
 また、三番目の「国際共同開発により達成すべき技術上の目標」ということにつきましては、例えばエンジンの場合でございますと推力としてどの程度のものを考えるとか、それからそこには新しい方式としてどういうものを採用するとかといったような技術上の目標というものを掲げることになろうかと思うわけでございますが、これにつきましては法案が成立し次第私ども案を固めまして、審議会の御意見を聞いて具体的に定めてまいりたいと思っております。
○福岡委員 次の第四条でございますが、開発指針を改定する場合とは具体的にはどういう場合を事務当局はお考えなのか、お示し願いたいと思うのです。
○杉山(弘)政府委員 開発指針を定めました場合、それを定めた場合の一定の経済的な状況というのがあろうかと思いますが、そういったものが変わってまいりますと、当然開発指針の中身も変えざるを得ないということになるわけでございます。具体的にどういうものが予想されるかというのを今から想定するのは甚だ困難でございますが、過去の例で申しますと、例えば第一次、第二次のオイルショックというような事態が生じて燃料価格が高騰したというような事態をお考えいただきますと、そういう場合にはできるだけ燃費効率のいいエンジン、旅客機の開発ということが必要になってまいるでしょうから、そういう点からそれまで掲げておりました、先ほど御説明いたしました技術上の目標等についても再検討をし、必要があればこれを改めていく、こういうことでこの変更の条文を置いたわけでございます。
○福岡委員 これは大事なところでございますが、第六条の第二項でございます。指定開発促進機関に交付金を決定する場合の通産大臣がつける条件内容、これはどういうものでございますか。
○杉山(弘)政府委員 六条二項によりまして交付金の交付決定を行います場合に付することが予想されますような具体的な条件ということにつきまして、具体的に例を挙げて申し上げてみますと、例えば開発事業者から当年度においてはこういう事業計画で開発をしたい、それに必要な資金の一部を助成金として交付してほしいという要求がありました際に、その事業計画が何らかの理由によりまして翌年度にずれ込むというようなことになりました場合には、その事業に充てるべき補助金については当該年度においては交付をしない、二重交付はしないというようなことを例えば条件としてつけることがあろうかと思いますが、これは、これからの交付申請の内容等を見ました上、それに限らずそのときどきの必要に応じて考えられる条件をつけておきたいと思うわけでございますが、例えばということで御説明をいたしますと、今のような事業計画の時期が変わった場合の交付金の交付の方法といったようなことを条件に付することがあろうかと思うわけでございます。
○福岡委員 第十一条の問題でございますが、これは、本商工委員会で先般審議いたしました基盤技術円滑化法案とどのように関係してくるのか。本条の研究施設は幾つあって代表的なものは何か。今までどれくらい使用されてきたのか。それから国際共同開発の場合のみでなく、国産機をメーカーがつくる場合も使用することができるのかどうか。この点いかがでございますか。
○杉山(弘)政府委員 国有施設の廉価使用の問題につきましては、御指摘のように基盤技術研究円滑化法の中にもあるわけでございますが、これは、業種の定めなく一般的に必要な基盤技術の研究の際には国有施設の廉価使用ができるということで、いわば一般法だというふうに我々考えております。それに対しまして航空機工業振興法申の同種の規定は、航空機工業の技術向上のために必要な場合には国有施設の廉価使用を認めるということで、いわば特別法の関係にあるもの、したがって、航空機工業の関係者が国有施設の廉価使用を希望される場合には、航空機工業振興法の十一条に基づいて申請をされるということになろうかと思います。この規定は、先生御案内のように現行法の中にもございまして、現行法では、政令で対象になる施設が十二施設というふうに特定をされておりまして、我々はこれからも従来と同じような十二の研究所の施設を対象に考えていきたいと考えておるわけでございます。
 それからもう一つは、国際共同開発に限らず、いわば狭い意味での国産化という場合に必要な場合にもできるのかというお尋ねでございますが、私どもとしましては、この表現にありますように、航空機工業の技術の向上のため必要がある場合ということでございますので、当然入り得るものというふうに理解をしておるわけでございます。
○福岡委員 次に第十三条についてお尋ねしたいのですが、指定開発促進機関の取扱業務範囲は、これによりますと交付金の管理運用面にとどまるのか、また、航空機・機械工業審議会航空機工業部会の中間報告にある任務を今後負うことができるのか。開発促進機関の個数、既存の法人を指定するのかどうか。指定機関の六十一年度の予算規模、職員数、職員の資格や能力、基本財産としての資本の集め方、外国の企業からも集めるのであるのか。この点について個々にお答え願いたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 まず第一の御質問でございますが、第十二条によります指定開発促進機関の業務でございますが、これにつきましては、御提案申し上げております法律の規定から御理解いただけると思いますけれども、交付金の管理運用といった業務を通産大臣の指定を受けた財団法人が実施することになるわけでございます。航空機・機械工業審議会航空機工業部会の中間報告にありますような情報収集業務でございますとか研究者、技術者の招請、派遣業務といったようなものにつきましては、審議会の答申は、これを一体として設立する特別認可法人に行わせるということを考えておりましたために書いてあるわけでございます。
    〔佐藤(信)委員長代理退席、委員長着席〕
 法律上の要件といたしましては、こういった仕事もあわせて行わなければならないということではないわけでございますけれども、私ども、できましたならば、この指定開発促進機関におきまして航空機の国際共同開発に関します情報収集提供事業とか研究者の招請、技術者の派遣業務というものも行っていただく方が望ましいというふうには考えているわけでございますが、実際にこの機関がやっていただけるかどうかというのは、これからの問題になろうと思うわけでございます。
 ところで、この指定開発促進機関というものは一つになるのか二つ以上もあり得るのかということでございますが、法律上の規定といたしましては一つに限定するという制限的な規定は置いてないわけでございますが、指定するに当たりましては、その指定をすることによって航空機の国際共同開発支援業務について混乱を生じないように円滑に行われることが必要であるということになっております。それで、全体として基金の資金量が極めて膨大なものになり、その助成対象になります共同開発計画が非常に多くなってくるといってとを考えればまた別でございますけれども、現在のように二つとか限られた数に限定されている場合につきましては、このための指定機関の指定の個数を二つ以上にするということは、その必要もないし、かえって混乱を招くことになろうかと思いますので、当面私どもとしては指定は一つにしていきたいというふうに考えております。
 それから、指定機関の六十一年度の予算等の規模について説明をしろという御要望でございます。この指定機関につきましては、できれば大体既存の財団法人の中から適当なものがあれば指定をいたしたいと私ども考えておりましたが、現在までの検討の過程におきましては既存の財団法人の中には適当なものがないのではないかという印象でございまして、そうなってまいりますと、新しく財団法人を設立して、その設立された財団法人を指定するという方向で考えざるを得ないのかなということになっておりますが、まだその辺の具体的な動きは、法案を御審議いただいているさなかでもございますので、むしろこれからの課題と考えております。現時点におきまして、予算規模、人員等につきましてはお答えできるような状態になっておりませんので、その点につきましては御了解を賜りたいと思います。
○福岡委員 次に、方向を変えまして、本法案と独禁法との関連についてお尋ねしたいのでございます。
 民間航空機の国際共同開発事業を行うといっても、実施方法は資本を出し合って合弁会社をつくって開発を進めるといったスキームになると存じますが、その場合独禁法によって公正取引委員会に届け出することになるのかどうか、その点についてお尋ねしたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 御指摘の独禁法第六条第二項との関係によりまして、国際共同開発の場合で国際契約が締結されるということになりますと、これは届け出を必要とすることになろうかと思うわけでございます。現に進行中でございますが、ジェットエンジンV二五〇〇の開発に関しましては、参加五カ国の共同出資の合弁会社が設立を既にされておりまして、この合弁会社の設立に際しましては、当該契約が独禁法六条二項によりまして届け出を必要とするということになりましたので、既にこの点につきましては公正取引委員会に届け出をいたしておるところでございます。
 YXXにつきましては、共同出資会社の設立というようなことはこれからの問題になろうかと思いますが、その過程におきまして同様の契約が結ばれます場合には、独禁法六条二項に基づきまして公正取引委員会に届け出ることになろうかと存じます。
○福岡委員 公正取引委員会にお尋ねいたしますが、ただいま通産省の政府委員からの御答弁がありましたような事態が起こった場合、どういうような場合に独禁法第六条一項に抵触するおそれと判断されるのか、お示し願いたいと思います。
○松宮説明員 お答えさせていただきます。
 独占禁止法第六条第一項は、先生御案内のように、不当な取引制限とかあるいは不公正な取引方法を当該国際契約が含む場合にはこれは締結してはいけないという趣旨でございまして、その第一項の実効性を担保するために、第二項によりまして、当該事業者が契約を締結した場合に三十日以内に私ども公正取引委員会にお届けいただくという規定が準備されております。
 したがいまして、私どもはただいま申し上げました第一項の観点から、例えばただいま機情局長から御説明がございましたような、さきに提出をいただいておりますV二五〇〇のプロジェクトに即して申し上げますと、当該プロジェクトが競争制限効果を有するのかどうか、あるいは当該プロジェクトに参加している企業に特段の制限的な効果を負わせるような内容になっていないかどうかというような観点から審査をさせていただいているわけでございまして、仮に今度のYXXプロジェクトにつきましても、契約が締結され私どもの方にお届けがなされた段階では、ただいま申したような趣旨から審査をさせていただくという考えでございます。
○福岡委員 通産省にお尋ねいたしますが、独禁法第六条一項に抵触するおそれがあると公取側から指摘したときは、相手企業と再交渉するよう企業を指導することとなるのかどうか。いかがでございましょうか。
○杉山(弘)政府委員 公正取引委員会に届け出ました契約の内容が、今お答えありましたようなことで独禁法の規定に抵触するというようなことになりました場合には、公正取引委員会によります排除措置の対象になるのは先生御承知のとおりでございますが、ただ、具体的な問題として考えてみますと、この航空機の国際共同開発は、やはり先ほど来御答弁申し上げておりますように、極めて膨大な資金を必要とするリスクの高い事業であるというようなこと、それから開発されました航空機というものは、もう今や各国の国境を越えて国際市場で販売をされている、そういうような状態を考えますと、共同出資によって国際的な共同開発をやるということ、そのこと自体が直ちに独禁法に触れるようなことになるのかどうかということになりますと、私どもは多くの場合は、そういう実情を考えていただきますと、対象にならなくて済むのではないかと考えております。
 ただ、この点については、あくまでももしそういう独禁法の規定に触れるような事態になりました場合には排除措置の対象になるわけでございますから、触れないように契約内容を修正する、そういう方向で私ども指導するのはこれは当然のことであるというふうに考えております。
○福岡委員 まさに私、その点を指摘したいわけでございます。
 先ほどの政府委員の御答弁の中に、独禁法違反のおそれがあれば排除措置を受ける。排除措置を受けるまで待つよりも、そういうおそれが出た場合には、やはり政府の同じ機関といたしまして、産業政策の面から、また独禁政策の面から、いろいろの面から考えてみまして、独禁行政上好ましくなければ産業行政といたしましてその違反が出る前に企業の指導を行わないと、その排除措置を待ってしまうと、企業はたまったものじゃございません。この点をひとつ十分留意いたしまして、世界経済の流通の分野においてのそういう問題点が起きれば、積極的に産業行政機関といたしまして介入されることをお願いしたいと思います。
 次に、現在我が国はATP機の研究にどのように対応しようかということが、現在我々のやはり関心を持っているところでございますが、最近欧米諸国では二十一世紀の主流機と予想されておるのがATP機です。この問題について通産省当局としてはどのような御見解、対応をされるのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 御指摘のATP、アドバンスト・ターボプロップ・エンジンでございますが、これは現在のジェットエンジンに比べまして二五%以上燃料消費効率がいいエンジンというふうに言われておりまして、米国の航空宇宙局NASA、それからフランスでは国立め航空宇宙研究局等の国立の試験研究機関等も研究に関与をいたしておりますし、またエンジンメーカーの中には独自でこの開発を進めているところもあるわけでございます。
 これがいつごろから実用になり得るかということについてはいろいろ説もあるわけでございますが、先ほど申し上げましたように燃費効率の点から考えましても、現在のジェットエンジンにかわる新しいエンジンになることは間違いないという感じでございますので、これにつきまして我が国といたしましてもできるだけ対応をする必要があるということで、我が国のエンジンメーカーを中心にそれに備えて今から基礎的な研究をやっておきたい、そしてその上で日本側も実力をつけて適当なパートナーがあればこれを国際共同開発の対象として考えていったらどうか、こういう考え方のもとに今国内のエンジンメーカーとの間でその具体的な推進方策についてお話し合いをしている段階でございます。
○福岡委員 次に科学技術庁にお尋ねいたしますが、航空機というのは御承知のように国内幹線用の航空機とか、国内の主要都市を結ぶ中距離用航空機とか、それからヘリコプターとか、いろいろ各航空路線に応じての機能で、普通のエンジンの開発研究をいろいろ進めていく方向で科学技術庁はどういう指導を行っておるのか。国内航空機メーカーに技術提供する役割をどのように進められておるのか。こういう問題点について総合科学技術行政的に見て航空機の促進についてどういうお考えを持っておられるのか、お尋ねしたいと思います。
○石井説明員 お答えいたします。
 科学技術庁には航空宇宙技術研究所という研究所がございますが、この研究所におきましては航空・電子等技術審議会、こういった審議会の答申、こういったものも踏まえながら、航空分野におきます自主技術の確立を図っていくということを目指しまして、その基礎的、先行的な研究をやっていくということで従来から進めてきておるところでございます。
 過去には、航空機用エンジンにつきまして、昭和四十年代の初期に垂直離着陸機用のリフトエンジンといたしましてJR100Hエンジン、あるいは昭和四十六年には通産省で行っておられます大型工業技術研究開発制度、いわゆる大プロ、これの一環といたしましてFJR710ファンジェットエンジンの研究開発に参画した、さらにはこのファンジェットエンジンをもとにいたしまして、今回STOL機「飛鳥」というものを飛ばしましたが、これのエンジンに持っていったというような形で、従来から航空機エンジンの基礎研究あるいは先行的な研究というような各種のものをやってきておるわけでございまして、このような研究開発を通じまして得られた成果といったようなものを航空機メーカーその他への普及に努めてきておるとともに、あるいは民間からの各種の委託に応じまして試験研究に応じていく、あるいは民間との積極的な共同研究をやっていくというようなことを従来からやってきており、今後ともそのような方向でやっていって、我が国の航空技術基盤の確立に努めてまいりたい。かようにいたしまして、我が国航空機メーカー等へも、技術的な基盤が確立されるようそれなりの基礎的な面で大いに努力をさせていただきたいし、かつ従来もやってきたということでございます。
○福岡委員 私の聞き及ぶところによりますと、科学技術庁はかつてSTOLエンジンの開発を手がけられたと聞いておりますが、その後のエンジンの開発研究のプロジェクトはどのような予定になっておるのか、お示し願いたいと思います。
○石井説明員 お答えいたします。
 ただいま先生御指摘のSTOL機用エンジンでございますが、これは、先ほど来申しました通産省の大型プロジェクトで開発いたしましたFJR710エンジンを原型といたしまして、STOL機に搭載できるよう所要の設計変更あるいは安全性向上を目的といたしました技術試験等を行いまして、これをSTOL機に搭載し得るようにした、このような形で開発を行ったわけでございますが、今後航空宇宙技術研究所、あるいは我が国の航空機関係でのエンジンというものにつきましては先ほど申しました航空・電子等技術審議会、こういった場におきまして従来から御審議をいただき、答申等もいただいておるわけでございまして、このような答申を踏まえまして、二十一世紀を目指しました新技術の研究開発というようなことで、省エネルギー性あるいは環境適合性、さらには安全性を兼ね備えました航空機技術ということの確立のために、その推進方策というようなものを科学技術庁といたしましても十分検討してきておるわけでございまして、このような観点から、御指摘の航空機用エンジンにつきましては、航空宇宙技術研究所におきまして、特に省エネルギー性にすぐれた高効率、高性能エシジン開発に必要な基礎的、先行的な研究を進めるというようなことでやっておりまして、具体的には先ほど話の出ておりましたATPエンジンあるいは可変形状エンジンを初めといたします超高バイパス比エンジンといったようなものの研究開発、先行的、基礎的な研究を進めるとともに、これらに関連いたします試験研究設備の計画的な整備を図り、我が国航空技術基盤の確立に努めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○福岡委員 次に、運輸省にお尋ねいたしますが、我が国では航空会社の国際線及び国内線の旅客と貨物の運賃、料金は認可料金になっておる。これはどういうように決められておるのか、御説明願いたいと思います。
○黒野説明員 先生御指摘のとおり、国内運賃につきましては運輸大臣の認可制になってやります。
 この趣旨は両面がございまして、一つは、利用者に対しまして割高な運賃あるいは不公平な運賃でないように、一方事業者に対しましては安全で安定した輸送を提供できるように企業の維持を図る、この両面からそのような制度が設けられております。
○福岡委員 ただいまの御答弁で運輸大臣の認可を要するとのことでございますが、認可制度を航空法が採用している趣旨、これはどういう点でございますか。
○黒野説明員 航空運送といいますのはやはり公共的な使命がかなりございまして、利用者にとって適正な運賃を保証する必要がございます。一方、安全面あるいは企業の安定という観点、そちらの面からも適正な運賃を保証する必要がある。その両面の要請からこのような認可制をとっておるわけでございます。
○福岡委員 アメリカでは、一九七七年カーター政権の発足とともに航空企業に対する規制緩和政策がとられて、自由競争の時代に入っておると聞いております。航空運賃は市場原理に基づいて市場の動き次第、各航空会社によって自由に決めることができるとのことでございますが、我が国も将来アメリカと同じ政策をとることの適否について運輸省の御見解をお示し願いたいと思います。
○黒野説明員 自由競争によりまして運賃が設定されるというのは、一つの理想としては私どもも評価したいと思っております。
 ただ、アメリカの場合は、運賃の自由化のほかに新規参入あるいは路線の拡大、まとめて言いますと輸送力の増強あるいは減少についての自由、これをあわせて認めております。両者あわせて完全な自由化を実施しているわけでございます。この点が我が国と非常に事情を異にしておりまして、アメリカの場合には、広大な市場あるいは多数の航空事業者、多くのパイロットさらには能力に十分余裕のある空港、そういうものを背景にいたしまして、正しい意味での自由競争を目指すことができるという環境にあるわけでございます。具体的に申し上げれば、運賃が高いあるいはサービスが悪い事業者が運航している路線につきましては、それに対抗して運賃の安い事業者が自由に参入して運賃の高い事業者を駆逐することができる、かような環境にあるわけでございます。
 それに対しまして我が国は環境がなかなか厳しゅうございまして、まず市場は狭隘でございますし、特に空港、これは空港の能力のほかに環境問題等もございまして、なかなか自由に輸送力の増強をすることができないという状態でございまして、制度的な面は別にいたしましても、事実工事業者の寡占の状態にあるわけでございます。このような中で仮に運賃だけを自由にしたとなりますと、どうしても利用者にとって不利な方に作用するのではないかというのが我々の危惧しているところでございまして、現にアメリカにおきましても、競争状態にないローカルの路線では、この自由化政策の結果運賃が上がったという批判もございまして、その点も考えた上で我が国としての対応を考える必要があるのではないか、かように考えております。
○福岡委員 次に、航空憲法の廃止によるダブルトラックの問題についてお伺いしたいと思うわけでございます。
 運輸省は、昨年暮れの運輸政策審議会答申に基づいて新航空政策を採用されようとしておると聞き及んでおりますが、国内航空路線の五十九年度旅客数上位二十路線を見てみますと、単独会社運航路線が七路線ありますが、そのうち広島−東京間は第二位の高需要路線であると私は理解しております。私としては、競争原理導入によって利用者のサービスの向上を図ることが、二社に競合運航させることが妥当であると考えます。ところで、広島空港の場合、東亜国内航空及び日本航空が既に一月末に広島−東京間について乗り入れをしたいと運輸省に文書で申し入れておると聞いております。運輸省は広島空港のダブルトラッキングについてどのようなお考えを持っておられるのか、お聞きしたいと思います。
○黒野説明員 先生御指摘のとおり、現在私ども、運輸政策審議会という場におきまして新しい航空政策につきましていろいろ御議論をいただいているところでございます。その議論の一つの大きな柱が国内線におきます競争原理のより積極的な導入ということでございまして、先ほど御答弁申し上げましたとおり、国内の環境は必ずしも自由競争を目指すような状態にはございませんが、その制約の中におきましても、なるべく競争原理を導入してサービスの向上あるいはコストの削減を図りたいと考えて、そのような方向での検討を今進めているところでございます。
 したがいまして、今この場で私が具体的に広島空港について申し上げるのは若干フライングではございますが、あえて申し上げますと、東京−広島間というのはまさに先生御指摘のとおり非常に需要の多い路線でございまして、本来であればダブルトラックの対象になってしかるべき路線かと私は思います。ただ、これはもう先生も御案内のとおり、広島空港の環境問題あるいは空港自体の狭さ、さらには東京の空港の制約、この点から見て残念ながら直ちにここにダブルトラックを導入するというのがなかなか難しい状況にございまして、これからの重要な課題として我々は取り組んでまいりたい、かように考えております。
○福岡委員 ただいまの御答弁を聞いておりますと前向きの姿勢がうかがわれるわけでございますが、この場合、東亜国内航空及び日本航空のどちらか、または両方ともお認めになることを意識しての示唆なのか、その点いかがでございましょうか。
○黒野説明員 実際に新たな企業を入れる段階におきます輸送需要あるいは空港の状況を見て判断する必要があると思います。したがいまして、今の時点で東亜、日航のいずれかかあるいは双方かという答弁は、申しわけございませんが差し控えさせていただきたいと思います。
○福岡委員 単数か複数か、複数ということは全く考えられないのか、その点いかがでございますか。
○黒野説明員 その時点での輸送量、今全日空が一社でございますが、これを複数にしようという判断をするときの輸送量に応じまして、新たに参入する事業者を単数と限るのかあるいは複数にするのか決めることになろうかと思っております。
○福岡委員 私の方でこの点でお聞きしたいのは、ボーイング767の場合は御承知のように騒音調査は済んでおります。しかし日本航空、東亜国内航空が入ってくるとするならば、運輸省はどのような機種の航空機を使ってこの騒音調査を考えておるのか、また実際に就航を認めるのはいつごろになるのか、そういう状況は私の方としては知りたいと思うわけでございますが、そういう点についていかがでございますか。
○黒野説明員 先ほどもお答え申し上げましたが、広島空港は市街地に隣接しておりまして、この空港に新しい機材を乗り入れる場合には騒音対策ということに十分配慮が要るかと思っております。したがいまして、乗り入れる空港がいずれであれ、空港の能力が許す範囲においてそのときにおける最も騒音の少ない機材を当然選択することになろうかと思いますし、仮にTDAが入るといたしますれば、その時点でTDAが導入しようとしております低騒音機で騒音調査をするということになろうかと思います。
○福岡委員 最初の御答弁のときに、騒音調査、それから飛行場の問題、そういうものがあるのでいろいろ考えたいということがありましたが、運輸省当局として、そういう騒音調査をやる用意があるのか、そういう申し入れについての対応はいつごろからお考えになるのか、その点についての御見解もお聞きできないだろうか。見通しで結構でございます。
○黒野説明員 現在の広島空港の能力、それから羽田空港の能力から見まして、近い将来、現在の広島空港のままでダブルトラックをするというのは、率直に申し上げてなかなか困難ではないかと思っております。
 御参考のために、全日空が先ごろ東京−広島便の増便を行いましたが、その際におきましてもかなり前広に、ボーイング767の低騒音性を地域住民の方々に御理解いただくようにテスト飛行なり説明会なりを開いておりまして、仮に新たな企業が乗り入れる可能性が出てまいりましたときには、相当前広にそのような働きかけをする必要があろうかと思っております。
○福岡委員 今御答弁がありましたように、全日空としては増便しておるわけでございます。すると、運輸省の政策といたしましては航空憲法を廃止いたしまして両方の競合ということについて積極的に取り組む姿勢を示されておるので、その点について東亜国内航空なり日本航空との競合ができないこともなかったのじゃないでしょうか。騒音問題、それから飛行場が狭いとか言われておりますが、今あなたが答弁したように、ごく最近増便しておるわけでございます。こういう点いかがでございますか。
○黒野説明員 先ほど御答弁申し上げましたとおり、先ごろ一便増使いたしております。そのときに私どもも、まさに今先生がおっしゃいましたように、全日空ではない別の企業を入れるかどうかということも選択肢として検討いたしました。その結果といたしまして、ボーイング社についてかなり地域の方々に低騒音化ということで認知をいただき、この機ならばまあまあ我慢できるであろうという御納得をいただいているという客観的な状況を背景といたしまして、さらに地方公共団体からもそういう方向での御熱心な要望もありまして、かつ早期の処理という点から考えまして増便を実施した次第でございます。
○福岡委員 運輸政策審議会の中間答申はいつ出ておりますか。
○黒野説明員 昨年の十二月でございます。
○福岡委員 その中間答申の中にダブルトラック線化という問題点はありますか、ないですか。
○黒野説明員 中間答申の要点を申し上げますと、国内線につきましてはより積極的に競争原理を導入すべきである、ただその具体的な進め方につきましては最終答申までの間に検討しようではないか、かような内容になっておりまして、現在、ことしの六月ごろをめどに最終的な審議を進めている段階でございます。
○福岡委員 中間答申でそういう点が示されておりますので、やはりその増便の場合にダブルトラック線化の問題も検討してよかったのじゃないか、そういうように私は考えるわけでございますが、その点いかがですか。
○黒野説明員 御指摘のとおりでございまして、私どもも一つの選択肢としてそういう手段も考えました。その結果、先ほども御答弁申し上げましたとおり、今の段階で選択するとすれば、現在入っている全日空が767をもって増便する方が地域住民及び空港周辺の住民の方々にとってもメリットがある、かように判断した結果でございます。
○福岡委員 この問題、いろいろ討議してみたところで食い違いがありますが、まず第一に、広島空港といたしましてもやはりダブルトラック線化、私はその必要性は総合的にあるのではないか、これを地元の方は待っておるのじゃないか、そういう形がございますので、ひとつ前向きにその節は御検討願いたい、これを御要望いたしまして、次の問題に入らせていただきます。
 現在、電力、ガス会社の円高差益の還元が問題になっておりますが、円高による国際線運賃及び燃料費減による差益はどのように利用者に還元されるのか、その点お伺いしたいと思うのです。
○黒野説明員 日本航空を例にとりまして御説明さしていただきますと、まず直接に円高のメリットを受けますのは外貨建ての経費でございます。これは外国におきます事務所経費あるいは外国におきまして調達する燃油費等でございます。ところが、日本航空の場合外国でも商売をしておりまして、外貨建ての収入がございます。これは具体的に申し上げれば外国における航空券の販売収入でございます。この外貨建ての経費と外貨建ての収入の比率がほぼそれぞれ全体の三割を占めておりまして、結果におきまして円高による収入面のマイナスと支出面の削減とが相殺し合いまして、この面での円高差益はほとんどないというのが実情でございます。
 一方、国内で調達いたします燃油費、これが本来ならば円高の効果を受ける面かと思います。これにつきましては、毎年の燃油費の価格を国内の燃油事業者との交渉で決定されておりまして、円高さらには原油安の効果がどの程度価格面に反映されて全体としてのコスト削減をもたらすかということにつきましては、交渉事でございましてなかなか見通しが困難だというのが率直なところでございまして、現在のところ、我々といたしましては六十年度の決算を見てみたい、かように考えております。ただ、いずれにいたしましても、国内の調達原油のコストに占めるウエートは一割程度でございまして、余り多くを期待できないというのが率直なところでございます。
○福岡委員 時間が参りましたので、最後に運輸省当局にお尋ねいたしますが、IATAに参加している航空会社の運賃協定は独禁法の適用除外となっておりますが、航空法第百十一条ただし書きに該当の場合は適用されるとなっております。不当に運賃または料金を引き下げる場合はいかになるのか。国際航空運賃決定に当たってのIATAの役割、IATAに参加していない大韓航空やソビエトのアエロフロート等の調整はどうなるのか、今後の対策について最後にお尋ねしたいと思います。
○黒野説明員 航空会社が不当に運賃を下げる場合という御質問でございますが、不当の場合に二種。類あろうかと思います。
 一つは、正規の手続をとらずに運賃を下げる場合、これは当然航空法の運賃認可の規定に違反しておりますし、あるいはこれを仮にIATAが協定をして、協定の認可を得ないまま実施いたしますれば、協定の認可の違反ということで法律違反になります。
 一方、仮に安くする運賃申請を出してきたという場合でございますが、その場合に、その内容が不当であればこれは当然却下することになるわけでございますが、運賃引き下げの場合には、不当という観点につきましてはなるべく弾力的に解釈すべきであろう、かように考えております。
 なお、IATAの面でございますが、IATAにおきまして国際航空運賃を決定するに当たりましては、IATA未加入の航空会社との調整は一切行われておりません。したがいまして、IATA未加入の航空会社が行う運賃の申請に対しましては、運輸省は当該申請が仮にそのIATAの協定内容と同じであればそのまま認可いたしますし、仮に異なる場合には個別に審査をいたしまして処理をする、かような形になります。
○福岡委員 ただいまの御発言から見ますと、弾力的に運用するということでございますか。
○黒野説明員 先生の御質問の、その不当なという意味が難しいところでございまして、法律論から申し上げれば、不当なものはすべて却下いたします。ただ、不当でないか不当かという判断につきまして、運賃を下げるという場合には、上げる場合に比べれば当然利用者のメリットになるわけでございますが、この点につきましては弾力的な態度で臨むのがしかるべきだ、かように考えております。
○福岡委員 私がお聞きしたいのは、不当性の問題をどの基準でどういうように考えていくのか、そういう点を運輸省当局は煮詰められておるのかどうか。国内の分野じゃないです。国際分野でございます。その点についての御見解をお聞きしたいのです。
○黒野説明員 運賃の認可の根拠規定は航空法の百五条にございまして、これは国内の航空事業者に対しまして、国際、国内両方に同じ基準になっております。その中に具体的な認可基準がございまして、申し上げてみますと、「特定の旅客又は荷主に対し、不当な差別的取扱をするものでないこと。」あるいは「旅客又は荷主が当該事業を利用することを著しく困難にするおそれがないものであること。」さらには「他の航空運送事業者との間に、不当な競争をひき起すこととなるおそれがないものであること。」等五つの基準が決まっておりまして、これに従いまして我々としては処理いたしております。
○福岡委員 今御指摘しました私の質問に対しての基準的資料というものを本当に運輸省当局として整備されておるのかどうか。整備されておらないならば、これをきっかけにできるだけ整備して、不当性の基準をどうするのか、もう少し煮詰めていただきたい、かように思いますが、この点についていかがですか。
○黒野説明員 私ども、今御説明申し上げました航空法の認可基準に従って処理いたしておりまして、つい最近の運賃改定は五十七年の一月でございました。四年余り改定しておりませんが、具体的にその運賃改定の中身についてどの程度の値上げにするかというのは、当該申請者の経営状態あるいは各種経費の上昇の状況等を勘案して決めるものでございまして、今申し上げたより以上にブレークダウンした基準というのはなかなかつくりにくいというのが実情でございます。
○福岡委員 この国際運賃の設定に当たりましては、そういう国際線的な一つの要素、いろいろの問題点、国際運賃の設定に当たりましての経済摩擦というようなものに十分留意していただくことを運輸省当局にお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。
○野田委員長 宮田早苗君。
○宮田委員 航空機工業振興法に対して賛成という立場で質問をするわけですが、今日、一部改正ということでこの法律案が出されております。当然なこととは思いますが、遅いという気持ちをむしろ持っておるわけでございます。
 なぜかと言いますと、日本の現状は、御存じのとおり、二次産業、三次産業、ほとんどの産業が世界の水準以上にあるわけでございます。特に、機械工業におきましては各分野のトップと言っていいほどの水準にある、こういう認識を持っておるわけでございます。にもかかわらず、航空機工業に関しては依然としてこういう状態でございますだけに、まず、現状をどのように認識をなさっておいでになるか、その辺をお聞きをいたします。
○杉山(弘)政府委員 日本の航空機工業の現状についてお尋ねでございますが、昭和五十九年におきます航空機工業の売上高は約五千四百億円ということでございます。国内におきます他の機械産業、例えば、自動車は二十五兆円の売り上げを持っておりますし、家電が十一兆円、電子計算機も三兆円という売り上げがございますので、この航空機工業の五千四百億円という売り上げは、これらに比べましてもいかにも小そうございます。まして国際的な比較をいたしますと、アメリカの航空機工業の売上高に対しましては二十一分の一ということでございますし、英国、フランス、ヨーロッパ諸国の航空機工業との関係では三分の一から五分の一というところでございまして、極めて差がついているところでございます。
 ただ、これまで日本の航空機工業はYS11の開発に成功いたしましたし、また小型機ではMU2、MU300というような機種も生み出しておりますし、最近ではYX・ボーイング社の開発にも参加をし、こういった過程で、我が国の航空機工業の実力の向上ということも次第に世界各国の航空機工業界から注目されているところでございます。既に御案内のように、現在ではV二五〇〇、YXXの両計画に日本として参加をしているわけでございますが、こういった幾つかのステップを経て、できるだけ早く世界の航空機産業と太刀打ちできるようなところまで育てていきたいというのが私どもの考え方でございます。
○宮田委員 我が国の航空機工業は、世界の市場におきまして、競争力、信頼性とかあるいはまた販売力とかアフターケア、こういう問題についてどのようにお考えか、ひとつ聞かせていただきたいと思います。
    〔委員長退席、奥田(幹)委員長代理着席〕
○杉山(弘)政府委員 先ほども若干御答弁を申し上げたわけでございますけれども、我が国の航空機工業は、先進国の中で見ますと極めて見劣りがするわけでございます。これまで国際共同開発には幾つか参加をしてきたわけでございますけれども、やはり、技術力はもちろんのことでございますが、販売の面、さらにはアフターサービス、いわゆるプロダクトサポート、そういった面におきましてもこれまで経験が不十分でございまして、先進国の航空機工業に対しましてはこういった面での見劣りがするということもまた事実でございます。
 現在我が国が参加をいたしておりますV二五〇〇、YXXの両計画につきましては、開発のみならず、生産、販売、プロダクトサポート、そういった面でも日本側がリスクを負担するという格好で、初めての経験ですが参加をいたしておりますので、こういった経験を踏まえまして、これまで立ちおくれておりました技術力、販売力、さらにはプログクトサポートといった面につきましても、先進国のすぐれたどころを吸収し、一日も早く彼我の差を埋めるようにしたいというのが私どもの考え方でございます。
○宮田委員 振興法についてお聞きするわけでございますが、まず、航空機工業振興法は昭和三十三年に制定されたわけでございますが、以来、いかなる施策が展開をされ、いかなる効果がもたらされておるか、お聞きしたいわけでございます。
 かつてYS11を百八十機製造しておるわけでございますが、それの成果と実情について、もう一つは、YX計画でボーイング社の胴体部分を日本が請け負ったということになっておりますが、その成果がどうなっておるか、お聞きをいたします。
○杉山(弘)政府委員 まず最初にYS11の成果でございますが、御案内のように、昭和三十四年に特殊法人日本航空機製造株式会社を設立をいたしまして、YS11の開発、生産を実施をいたしました。昭和三十九年から引き渡しが始まりまして、以降十年にわたりまして百八十機を量産し、国内初め各国のお得意先に引き渡したわけでございます。
 技術的にはすぐれた航空機との評価を得たわけでございますけれども、販売面での経験が足りなかったことがございまして、この日本航空機製造株式会社全体としての収支バランスは、当時といたしましては膨大な赤字を出すことになりました。そのために、昭和五十七年には日本航空機製造株式会社が解散をすることになったわけでございますが、ここで日本の航空機産業といたしましては、初めて自前で航空機をつくり上げるという貴重な経験をいたしたわけでございます。
 ただ、残念ながらこれはプロペラ機でございまして、今のジェット機の時代になりましてジェット機が主流となってきますと、ジェット機に対する製造経験を積まなければいけないということになるわけでございますが、これにつきましては、YS11の開発の後に、YX計画ということでボーイング社の共同開発に参加をいたしました。これも初めての国際的なジェット旅客機の開発に参加をした経験ということになるわけでございますが、残念ながらあくまでも開発段階への参加でございまして、生産とか販売とかプロダクトサポートとかいうものは全部ボーイングに任せたということでございます。
 先生御指摘のように、開発段階のみならず、以降の生産、アフターサービスを通じて販売力等を養いませんと、真の航空機工業としての自立ができないわけでございますが、この経験から、現在やっておりますYXX及びV二五〇〇の開発計画の中に参加をし、二五%、二三%という低い参加比率ではございますが、生産からアフターサービスまでの全過程においてリスクを負い参加をするということになりました。これはまた日本の航空機工業にとって貴重な経験になるのではないかと考えておる次第でございます。
○宮田委員 YS11の問題について関連してお聞きしますが、百八十機製造されて、性能が非常によいんだということを聞いておるわけでございますが、その証明としていまだに現役で就航しておる機数が相当あるんじゃないかと思いますが、その辺はどうなっておりますか、お聞きしたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 御指摘のように、百八十機引き渡しましたうち、まだ現在百五十九機が就航をいたしておりまして、そういう意味では技術的に使用者の方から高く評価をされている航空機であると考えております。
○宮田委員 大臣にちょっとお聞きするわけでございますが、我が国において航空機工業を振興する必要性について、この改正の趣旨等によってその方向は理解できるわけでございますが、具体的にその必要性についてお考えがございましたら御説明願いたいと思います。
○渡辺国務大臣 先ほどもお答えいたしましたが、常識的に言っても、日本がこれだけの高度工業国家で、ブラジルやインドネシアでさえジェット旅客機を生産している。フランス、イギリス、イタリアももちろんである。非常に戦後立ちおくれておって、特に戦争したということがあって航空機の研究すらも連合軍からストップかけられておったためにおくれてしまった。ですから、非常にでこぼこな産業構造になっている。そういう点からも、私は宇宙産業、航空産業というのはやるべきだという意見であります。しかしながら、莫大な金がかかるということですから、みんなが少しずつ危険負担という意味で共同開発もこれはやむなしということだろうと思います。
 航空機はますます先端技術を必要とする産業ですから、そういう意味で非常に広範な技術が要求され、特にコンピューターのごときは日本は得意中の得意ですから、外国へ売ってみんな使っているのを、今度国内で生産してそれを使えるということにもなりますし、いろいろな面で非常にメリットが多いんじゃないか。私は専門家じゃありませんから具体的にどこの部分がどうということはわかりませんけれども、我々政治家として常識的に考えて、やはり日本の航空産業はほかから見てけた外れに少ないということはむしろ恥ずかしい、もっと力を入れていく必要があるという考えでございます。
○宮田委員 関連して大臣にもう一度お聞きしますが、おっしゃることについては同感でございます。しかし何といいましても、本来貿易摩擦の元凶は日本の飛行機の性能がよろしいからというふうな指摘があってもいいような日本の技術力というのはあると思います。それがこういう関係で振興することによって貿易摩擦に輪をかけるように非常に航空機産業が発達をする。発展をするんじゃないか、発展しなければならぬと思いますが、その辺について調整というものを今のうちに考えておかなければいかぬと思いますが、その点のお考えはどうですか。
○渡辺国務大臣 これは時代が変われば産業の構造もおのずから変わってくる。何といったって、日本ではもう鉄といったら宮田さん御承知のとおり今でも世界最大ですよ、鉄王国でやってきたわけですから。しかしその鉄も今のような状況になると、世界じゅうの需要が七億トンだそうですが、それが八億トンにも九億トンにもなるというふうには考えられないし、発展途上国が追い上げてくる。似たような現象が国内の既存の産業にはたくさんあるわけです。繊維しかり、その他いろいろございますね。しかしそういうものは、ある程度長い目で見れば発展途上国には譲らざるを得ない運命に私はあると思うのです。
 そうかといって、日本は貿易国家で食っていかなければ、資源がないのですから豊かな暮らしができるわけがない。ですから、やはり発展途上国と競合しないような新しい技術を伴う産業を興す。それはアメリカとは競争になるかもしらぬですよ、栄えていけば。しかし、これは三年、五年の話じゃありませんからね、開発に十何年もかかるだろうと言われているわけですから。そういう長い歴史の中で産業構造調整というようなことが、これは好むと好まざるとにかかわらず、大きな目で見れば日本が繁栄を持続するためにはやっていかなければならないことである。そう思っても、お先真っ暗では困るわけですから、衰退するまで衰退してしまって、新しいものは何もないというのじゃ困る。ですから、やはり次の世代を担う産業の一つとしてはどうしても育成をしていかなければならない分野である、そう思っております。
○宮田委員 我が国の航空機工業を振興する上での政府の今後の基本方針はどういう形態をおとりになるか。例えばアメリカ型、つまりNASA、国防省中心で開発する方法とか、あるいはまた欧州型といいますか、民間が開発して政府がそれを支援するという方法、もう一つは国営会社で発足する、こういう方法に分けることができると思いますが、我が国がとろうとしております方法はどれをお考えになっておるか、お聞きします。
○渡辺国務大臣 これは、アメリカのような莫大な軍事費を持ってやる国と、日本のように極めて抑制的に防衛費を抑えていくという国とではおのずから違うと思うのです。したがって、やはり民間型でやらざるを得ない。私は、これは常識的にもそういうことにならざるを得ないのじゃないか、そう思っております。
○宮田委員 この改正案について、特に国際共同開発の促進を趣旨とするということでございますが、この理由についてもう一遍明らかにしてもらいたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 御提案申し上げております航空機工業振興法の改正の中で、私どもは、航空機工業の振興のために国際共同開発に対して支援をするということを明確にうたっているわけでございます。
 この国際共同開発を支援すると申しますのは、やはり最近の航空機の開発の状況を見ておりますと、世界市場を相手にした新しい航空機なりエンジンの開発ということになりますと、非常に膨大なリスクを冒すことになりまして、現在我が国が参加しておりますジェットエンジンV二五〇〇の開発費につきましては約四千億円、YXXにつきましては約七千二百億円というふうに見積もられておりまして、先ほども御説明申し上げました日本の航空機産業の一年間の売り上げが五千四百億という規模から考えますと、この開発費の大きさというのはどの程度大きなものかということは御推察いただけるものと思います。こういった大きなリスクを冒すだけの力がまだ日本の航空機産業にはないということでございます。
 それと同時に、開発の成果というものはやはり国際市場において売っていかなければいけない。そういう場合に、我が国だけの開発ということになりますと販売面でいかがなものであろうか。むしろ共同開発をして、共同開発の相手国にまたその得意とする市場で売ってもらうということが、開発の成果である機体なりエンジンなりを世界市場で売っていく上で有利ではないか。こういうことから考えまして、国際共同開発というのはこれからの我が国航空機産業の進むべき方向ではないか。こういったものにできるだけ重点的に応援をしていく、こういうことで航空機の国際共同開発等につきまして助成をするということを明らかにした次第でございます。
○宮田委員 航空機工業の振興の手段といたしましては、今おっしゃったことで十分というふうに思っておいでになるか、もう一度お聞きします。
○杉山(弘)政府委員 先生御指摘のように、日本の航空機工業の振興の手段としてこれだけで十分かどうかということでございます。私ども国際共同開発に限らず、広い意味での国産化、自前の開発ということについてもできれば応援をしたいと考えておるわけでございますけれども、昨今の財政事情のもとではなかなかそこまで手が回らないというのが実情でございます。
 また、現在御提案いたしておりますのは開発段階の助成だけでございますが、そのほかに例えば販売面等で何か政府としてお手伝いすることはできないかということにつきましても検討する必要があろうかと思っておりますが、この問題につきましては、本改正案を成立させていただきました後、航空機・機械工業審議会におきましては、開発段階に対する助成に引き続いての検討課題ということで、引き続き御討議をいただくことになっておりますので、その結果等も踏まえまして、また政府として何かやるべきことがあれば具体的な御提案も申し上げたいと考えているところでございます。
○宮田委員 本法にございます計画が軌道に乗るためにはいろいろな経過を踏まえなければならぬと思うわけです。例えば試験はいつごろになるか、営業はいつごろからできるか、さらに販売力はどのくらいになるものか、さらには生産の数、これはどのくらいになるか、そして採算に乗るのはいつごろと考えられるか、また何機製造すれば採算に乗るかということについて、御説明ができればしていただきたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 まずジェットエンジンV二五〇〇の方から申し上げたいと思いますが、かなりこれは開発の段階が進んでおりまして、昭和六十三年度、八八年度には第一号機のユーザーへの引き渡しを行いたいと考えております。
 その後の採算の状況ということになりますと、これはお客様への引き渡しのテンポがどうなっていくか、その他いろいろ不確定な要因があるわけでございますが、一定の前提を置いて私ども試算をいたしてみますと、初号機の引き渡しをいたしましてから四、五年たちますと、単年度の収支ではプラスになり得るのではないかと思います。ただ、それまでに投下をいたしました開発費が膨大なものになっておりますので、累積で考えますと、収支採算がとれまして全体として累積収支でプラスになってまいりますのは、むしろ二〇〇〇年ごろというかなり先のことになるのではないかと思います。V二五〇〇の場合には、約四千台ぐらい売りますと収支がほほ累積でとんとんになるということかと思います。
 それからYXXにつきましては、初号機引き渡しについて現時点でまだ確定的なことは申し上げられませんけれども、私どもといたしましては、六十六年度には引き渡しができるような格好で開発を進めていきたいと考えております。
 単年度収支につきましては、やはりV二五〇〇と同様に初号機の引き渡しから四、五年たちました段階でプラスになり得るのかなというふうに考えておりますが、累積収支では、やはり生産の段階がエンジンほど進んではおりませんので、二〇〇四、五年ということでエンジンよりは四、五年おくれたところでとんとんになって、以後はプラスになっていくということでございまして、またそれまでにできれば六百機ぐらい売っていきたい、六百機ぐらい売らないと収支がとんとんにならないというふうに考えております。
○宮田委員 現在の航空会社、例えば日本航空とか全日空、これとの関係についてどうお考えになっておるか。さらにPR、こういう問題についてとか、また日本の航空会社との販売計画、こういう問題についてはどういうことになっておるかお聞きします。
○杉山(弘)政府委員 日本が開発に参加いたしました成果でありますV二五〇〇エンジンなりYXXなりにつきましては、私どもできれば日本のエアラインにもぜひお使いをいただきたいと思っているわけでございますが、現時点では以下に申し上げますような事情がございますので、日本のエアラインとの間ではまだ具体的な御注文をいただいてない状況にございます。
 まずエンジンの方でございますが、今V二五〇〇エンジンの搭載を決めておりますのはエアバスの320だけでございまして、これにつきましては日本のエアラインはまだ導入を決めておりません。ただ、全日空につきましては百五十人クラスの新機種の導入というのは会社としての経営上検討の課題になっているようでございますから、その対象の一つにはA320というのも入ってくるはずでございますので、私どもとしてはぜひ全日空にはA320を使っていただき、そういたしますと、このV二五〇〇エンジンも使っていただけるということになるので、そういう期待をいたしておるわけでございます。また、メーカーの方はエアラインに対しましてそういう面でのいろいろなPR等働きかけを行っている状況にあるというふうに承知をいたしております。
 YXXの方はまだエンジンほど開発の段階が進展をいたしておりませんので、現段階では受注をいただくような状況にはなっておりません。明年の夏以降本格的な受注活動を開始するような予定かと承知をいたしておりますので、それに備えまして、やはり日本の関係企業から国内のエアラインに対しましていろいろ御説明、PR等もしている状況にあるわけでございます。
○宮田委員 本計画に日本の航空機メーカーが参加すると思われるわけでございますが、どういったところが参加するものか、その辺わかっていますならばお聞かせ願いたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 この現在進行中の二つのプロジェクトにつきましては、既に先生も御案内と思いますけれども、日本の主要な機体メーカー及びエンジンメーカー、具体的に社名を申し上げてみますと、三菱重工、川崎重工業、石川島播磨、富士重工業といった会社が参加をいたしておるわけでございますが、こういった開発はこれらの会社だけでできるというものではございませんで、やはりこの開発を実現いたしますためには、材料関係の企業の協力、さらには部品関係の参加といったようなことも必要になってくるわけでございまして、かなり幅広い分野の企業が、直接、間接の差はございますけれども、このスキームに参加をしていただけるものというふうに期待をいたしております。
○宮田委員 法案において指定されます財団法人についてお聞きするわけでございますが、まず最初に、本法案において財団法人として指定機関を設立することになっておるわけでございますが、具体的にはいかなるものであるか、お聞きします。
○杉山(弘)政府委員 この指定法人につきましては、私ども、できれば既存の財団法人の中で適当なものがあれば指定をしたいという気持ちでいろいろと調査をいたしてみましたが、現在のところ既存の財団法人では適当なものはなかなか見当たらないというのが実情でございます。そうなってまいりますと、仕事をお願いするということになりますと、やはりこの際新しい財団法人をおつくり願って、そこに仕事をお願いするという方向になるのかなということを考えておりまして、まだ法案が国会で御審議をいただいておる中でございますが、七月から新しい方式で助成をやっていかなければならないという差し迫った事情もございますものですから、内々関係方面と新しい財団法人の設立につきましていろいろとお打ち合わせをしている段階でございます。まだ具体的な成案を得るには至っておらない状況でございます。
○宮田委員 新しい財団を設立されるということでございますが、その事務また業務の範囲、さらに監査とか監督はどのように行われるか、もう一つは中期的な財政計画はあるかどうか、また収益の見通し、この問題についてお聞かせ願いたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 指定をいたしました開発促進機関にお願いをいたします業務につきましては、法律上明確に規定をされておりまして、政府からの交付金の受け入れ、そしてそれを管理いたしまして、民間の開発主体から申請がありました場合には助成金という形で交付をいたします。助成金を交付いたします際には、開発に成功した場合には一定の納付金を納めていただくということになりますので、その次には、納付金が納付されました場合それを基金として管理していくというような仕事もございますが、そういう仕事をお願いするつもりでおります。
 こういった仕事は、本来国または国に準ずるような団体がやるのが筋だというようなこともございますので、民間の財団法人にお願いするとなりますと、それなりの政府としての指揮監督ということが必要になろうかと思います。これに対しましては、実際に財団法人が助成金の交付の仕事をおやりいただく場合には年度ごとに事業計画をお出しいただく、また実際の仕事を行う上での業務規程というものについても政府の認可を受けていただく、また各年度の収支決算、事業報告等につきましても通産大臣に御提出をいただいて承認を必要とする、こういうようなことを考えているわけでございます。
 また、中期的な財政計画についてのお尋ね、納付金の納付の見通しというようなことについてのお尋ねもあったわけでございますけれども、助成金を交付いたしました民間の事業主体からの納付金の納付は、YXXにつきましては一九九五年ごろから、すなわち七十年ごろから始まるというふうに考えておりますし、V二五〇〇につきましてはそれより少し早目の一九九三年ごろから、六十八年ごろから納付が始まるのではないかと思います。
 本格的な納付が行われますのは、先ほど申し上げましたように、各プロジェクトにおきまして累積の収支が黒に転ずるようになりますと本格的な納付金の納付が行われるようなことになってまいりまして、YXXにつきましては二〇〇五年ぐらい、またV二五〇〇につきましては二〇〇〇年ぐらいということになるわけでございます。
 納付金の金額につきましては販売台数、販売機数によって変わってまいりますので、先ほど申し上げましたエンジンにつきまして四千台、YXXにつきまして六百機というようなものが売れてまいりますと、少なくとも政府から助成金として交付をいたしました金額は戻ってくることになると思いますし、それ以上売れました場合にはむしろ政府から交付をした助成金の額を超えて納付金が納付をされるということになるわけでございますが、これは果たしてそのもくろみどおりにいくかどうか、今後の販売努力、販売促進の結果ということになると思いますので、今の段階で具体的な数字として幾らぐらいになるかということを申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思うわけでございます。
○宮田委員 航空機工業を振興していくためには、機体やエンジンとあわせてその関連機器、部品や素材をも振興していくことが必要である、御存じのとおりでありまして、その方策についてお考えがありましたらひとつお聞かせ願いたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 御指摘のように、機体、エンジンだけではなくて、素材とか部品とかといったものについても開発努力をしなければ日本の航空機工業の振興にならないというのはおっしゃるとおりでございまして、私どもそういう観点から、今回の改定法の中におきましても関連の部品、素材も対象にし得るということにいたしておるわけでございます。こういったものにつきましては現段階で具体的なプロジェクトがあるわけではございませんが、新しいものがこれから出てまいりますれば、その過程におきましてこのスキームの対象にするというようなこともあるいは考えていく必要があるのではないかと思います。
 そういった問題を離れまして、やはり部品、素材関係の振興ということは重要であると考えておりまして、私ども昨年の十月に社団法人日本航空宇宙工業会にコア・テクノロジーセンターというものを設置いたしました。このセンターには部品、素材関連のメーカーを中心といたしまして六十四社の御参加をいただいておりまして、ここを中心といたしまして海外におきます部品、素材に関する技術動向の調査分析、さらには国際的な規格の調査、国際規格の整備、その他データバンクの整備等々を通じまして、日本におきましても部品、素材産業の振興を図る一助にいたしたいということで既に発足をいたしておりますが、こういったこと等をも通じまして部品、素材産業の振興にも力を入れていきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○宮田委員 航空機工業によって育成される技術を広く他の産業分野にも役立てていく工夫を行う必要があると思うのですが、この点について何かありましたらお聞かせ願いたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 航空機産業は、素材それから空力技術、エレクトロニクス技術その他各般の最先端の技術を結集して、エンジンとか機体とかという一つのシステムにまとめ上げていく産業でございます。したがいまして、この航空機産業にとって必要とされる技術というのは、そのまま他の分野でも利用が可能な先端的な技術ということになるわけでございまして、これはおのずから他産業にも利用されていくというふうに考えるわけでございますが、そのPR等の仕事といいますのは、まずもって実際に開発をした航空機産業に属する各企業がやっていただけるものと思うわけでございます。
 ただ、あるいは組織的にこういうことをもっとやるべきではないかという御意見もあろうかと思いますけれども、こういったことにつきましては、私ども先ほどの航空宇宙工業会等の団体を通じましても広く各方面への周知徹底、PR等もやっておりますし、これまで以上に開発の成果が各方面で利用されますように政府としても積極的に力を入れていきたい、かように考えている次第でございます。
○宮田委員 現在進行中のYXXそれからV二五〇〇、この計画を推進することは我が国航空機工業にとっていかなる意味を持っておるのか、その辺をひとつお聞かせ願いたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 先ほども御答弁の中で申し上げたわけでございますけれども、この二つのプロジェクトへの参加といいますのは、我が国の航空機工業にとりまして、これまでは単に開発段階への参加ということにとどまっておりましたのを、開発の段階にとどまらず、その後の生産、販売、プロダクトサポート、各分野を通じて全体としてリスクシェアをするという、いわばフルパートナーということで参加をした初めてのプロジェクトでございまして、今まで日本の航空機産業が海外のそれと比べて立ちおくれておりました販売面のノーハウ、さらにはプロダクトサポートのノーハウ、こういったものについても海外の航空機工業のそれに触れることができるわけでございますので、この経験というものは、これからの国際共同開発に参加をする場合にはもちろんのこと、我が国があるいは独自で小型機等の開発に乗り出す場合にも大いに参考になる、いい経験を積むことができる過程ではないか、かように理解をいたしております。
○宮田委員 最近、各地方においてコミューターやヘリコプター輸送に対する関心が非常に高まりつつあるわけでございます。これらの関心を具現するためには、輸送コストあるいは運航が可能でかつ安全な機材の存在が前提になると考えられます。そのためには、YXX、V二五〇〇のような大型の機材の開発に力を入れるのみならず、国内輸送にも必要な小型機の開発にも力を入れるべきと考えますが、この辺についてお考えがありましたら聞かせていただきたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 御指摘のコミュータークラスの飛行機による旅客輸送の需要につきましては、例えばアメリカで申しますと、一九七八年にいわゆるデレギュレーションが行われて以来、毎年一五%程度の極めて高い伸びを示しております。また、我が国におきましても、昨今は各地方においてコミューター輸送への関心が高まっておりますので、こういうものを目標に小型機の開発にも力を入れるべきではないかという御指摘、まことにごもっともであろうかと思うわけでございます。
 ただ、この小型機の開発につきましては、欧米のメーカーのみならず、例えばインドネシアとかブラジルとかといった国々も機材の開発に乗り出しておりまして、競争相手がかなり多うございます。我が国の航空機産業といたしましても、これまでもこういった分野について幾つかの実績も残しております。また、これからもその開発に積極的に取り組んでいくことは重要だとは思いますけれども、実際の開発をやるということになりますと、市場予測を初めといたしまして開発すべき機材の決定その他いろいろ問題もございますので、力を入れるべきことは当然ではございますが、必ずしもすべてが成功するというわけでもございませんので、そのあたりにつきましては慎重な判断が必要な面もあるということもあわせて申し添えさせていただきたいと思うわけでございます。
○宮田委員 最後でございますが、大臣、要望を含めてお考えをお聞きしたいわけです。
 この提案理由の中にございますように、航空機工業といいますのはあらゆる分野の先端技術の集積の上に成り立つ、こういう工業でございますし、関連産業も極めて広い。さらに産業基盤の強化とか産業技術の水準の向上に非常に大きく役立つ。当然なことと思いますが、それだけに今日各産業の方々の期待が非常に大きいというふうに認識しておりますだけに、この法律が決まりますならば、この振興を大いにやってほしい。ただ決まったということだけでなしに、柔軟な姿勢によってこの振興が大いに上がるように努力してほしいということを要望し、あわせて大臣の所見をお伺いして終わらせていただきたいと思います。
○渡辺国務大臣 全く御趣旨大賛成でございますので、趣旨に沿いまして鞭撻をしてまいります。
○宮田委員 終わります。
○奥田(幹)委員長代理 工藤晃君。
○工藤(晃)委員 これまでの法律で航空機国産化という目的がうたわれて、今度は航空機の国際共同開発を促進するという目的が大きく出てきたわけなので、実際に国際共同開発の実態がこれまでどうで、今後どのような内容になると期待できるのか、ここのところが一つ検討されなければならないと思います。
 まず、さきのYX、具体的にB767の米国との共同開発の実態がどのようなものであったのか。この商工委員会調査室の「問題点」の四十八ページを見ますと、「我が国の分担率は一五%程度にとどまり、事業の責任と主導権は、殆どボーイング社が有していたといわれる。」ということですが、B767の国際共同開発、日本はボーイング社に対して下請的存在にとどまっていたのではないだろうか。その点いかがでしょうか。
○杉山(弘)政府委員 お尋ねのYX・ボーイング767の開発の実情でございますけれども、先生御指摘のように、我が国の航空機産業は一五%の参加率をもちましてこの開発に参加をいたしました。したがいまして、我が国の航空機産業が関与をいたしましたのは767の開発段階だけでございまして、その後の生産、販売、プロダクトサポートというものにつきましては、ボーイングがみずからの手で実施をしたわけでございます。御指摘の商工調査室の資料の記述というものも、そのあたりを指して書かれたものというふうに理解をいたしております。
 ただ、一五%という低い参加率にとどまったということから、下請的なものではないかという御指摘もあわせてございましたのですけれども、我が国の航空機産業は、767の胴体、フェアリング、さらには主翼のリブといった分担部位の設計、開発をやるだけではなくて、ボーイング社と共同で機体全体の設計、さらには機体なり翼の形状なりにかかわりますいわゆる空力設計作業というものの一部も分担をしたわけでございまして、単なる下請というような御批判は必ずしも当たらないのではないか、こう考えておるところでございます。
○工藤(晃)委員 我が党も、商工部会としまして三菱重工の名古屋工場へ行って調査いたしました。
 そこで、またこれはいただいた資料から見まして、例えば三菱重工の場合も、開発で一番問題になるのはやはり設計だと思いますが、パネルですね、三菱重工の場合六部分、それからドアが五つの部分ですが、ドアについて言うと、基本設計も詳細設計もともにボーイングがやっているということになっています。それから、パネルについては。基本設計はボーイングでありますが、詳細設計、製造図面は三菱重工である。ただし、この製造図面というのはすべて発行後にボーイング社に承認され、ボーイング社の図面として発行されるということで、これらの製造は、資材調達から始まって品質管理まですべてボーイング社に対して保証の責任がありますし、三菱重工が設計した図面に従って製造した製品は設計上の瑕疵がないことというような品質保証もしなければならないということで、やはり飛行機全体の設計思想とか基本設計とか、こういう部分についても実際はボーイング社がやって、多くの部分の詳細設計までやって、それからごく部分的に日本が詳細設計をやっているというのが事実でありますので、下請的というのをどこまで下請的ととるかによって説明の仕方は違うかとは思いますが、これが実態であるという、こういう資料をいただいております。今言った事実は間違いないでしょうか。
○杉山(弘)政府委員 先生御指摘のとおりかと存じます。
○工藤(晃)委員 それから、通産省の機械情報産業局のYX開発計画、最初の説明書によりますと、YXの受注は現在既に三百一機で極めて好調だということでありましたけれども、結果的には、五年間で五百機生産を見込んだ生産計画が三倍の十五年かかる見通しで、月産八・五機と見ていた当初予想に比べて四分の一以下のベースになっている。最近、月産二機が三機になったというようなこともありますが、そういうふうにして、この販売計画も見込みがかなり変わってきましたし、一方ではボーイング社から二〇%の値引きを要求されたというような話もあるわけなので、少なくともYX開発計画で、これを通じて我が国航空機工業における大型機の設計、製作技術が向上するといううたい文句というのは、結果としてはかなりそういうことにならなかったのじゃないかと思いますが、今度のYXXの開発については、もっと本当の意味での日本の本格的な大型機製作での独自の力がつくような、そういう保証があるのか、そこについて少し説明していただきたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 先ほど先生から、三菱重工とボーインクとの契約の実態の詳細についてお話がございました。事実でございますと御答弁を申し上げたわけでございますが、つけ加えさせていただきますならば、先ほども申し上げましたように、YXの場合には、我が国の三菱重工その他企業が開発段階に参加をいたしまして、その後の生産、販売、プロダクトサポートの分野につきましては一切リスクのシェアをしなかった。したがいまして、ボーイングはそこに責任を持つということから、あるいはやむを得なかったというような事情もあるということは御了解をいただけるかと存ずるわけでございます。
 それから、YXの場合につきましては、受注が伸び悩んで生産のロットも当初予定には達していないというようなお話がございました。確かに競合機種でございますエアバスに押されておりまして、これまでのところ、ボーイング767の受注につきましては若干伸びが鈍っているということは事実でございますけれども、最近は、国内におきまして全日空がこれを採用するということを決めていただきましたので、この辺から、また、受注面におきましてもできるだけ競合機種に対して引けをとらないようにしたいということで、日本の関係各社も一生懸命やっているところでございます。
 現在、その次にYXXの共同開発をやっているわけでございますが、これについては、YXの場合と違いまして、先ほども御説明を申し上げたわけでございますが、単なる開発段階から、生産、販売、プロダクトサポート、全過程を通じていわゆるフルパートナーとして参加をしているわけでございますし、また、その参加比率につきましても、YXの場合の一五%から、二五%というふうに参加比率も上がってきておりますので、こういうことを通じまして、YXのとき以上に日本の航空機工業につきまして有益な成果が得られることになるのではないかというふうに考えている次第でございます。
○工藤(晃)委員 そこで、もう少しYXX開発の経過について伺いたいわけでありますが、そもそも八〇年八月の航空機・機械工業審議会で、そのときは百三十席クラスまたはそれよりも大型のものを国際共同開発する方向で積極的に取り組むことが必要という答申が出されて、八一年度から政府補助金がつけられた。八一年、八二年、八三年、八四年、八五年、それで八六年なんですが、その間随分いろいろなことがあったと思います。
 その一つは、ヨーロッパのメーカーからもいろいろ共同開発の提案があったということですが、どうして結局またボーイング社に行ってしまったのかということが一つの質問です。
 それからもう一つ、八四年三月十六日、ボーインク社との了解覚書が行われたのですが、ことしの三月、第二次覚書ということにこぎつけた。このいきさつを見ても、いろいろ聞いてみますと、この第二次覚書段階でも、では本格開発にいつ、どう着手するかということにはなっていなくて、こう書いてあります。今後「プログラム成立の可能性が見極められた段階で本格開発に着手する。」とりあえず来年の六、七月ごろまで研究開発をやりましょう、その上で改めてどのように共同開発をやっていくか、あるいはそこで本格開発が決まるのかどうか協議しようということになっているというのが通産省からいただいた書類その他から見られるわけでありますが、結局まだどこがもめてこのようにボーイング社との間の覚書がこの程度の段階にとどまっているのか、その点について具体的に説明していただきたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 まず、YXXについてヨーロッパのメーカーからもパートナーとして参加しないかという申し入れがあったにもかかわらず、なぜボーイングを選んだのかということでございますが、これにつきましては、YXXの開発に際しヨーロッパのメーカーを含めて三社から共同開発のオファーがございました。一つは、現在共同開発をやっております相手のボーイングでございます。残りの二つはヨーロッパのエアバスインダストリーとアメリカのマクダネル・ダグラス社の合計三社でございます。マクダネル・ダグラス社のD三三〇〇計画と申しますのは、途中でオランダのフォッカーが脱退をいたしましたので、計画自身が中断ということになってしまいました。したがいまして、我が国としては選択の余地はボーイングにするかエアバスにするか、こういうことになったわけでございます。
 そこで、ボーイングを選んだ理由ということになるわけでございますが、これは日本側の航空機メーカーの意向がボーイングと結びたいということで強かったわけでございまして、その背景には、ボーイング社のこれまで開発しました機種がいずれも世界のエアラインから大量の注文を得ている、そういう意味でボーイングと結びますと事業の成功度を高めることができるというふうに日本側メーカーとしては判断したということが一つあろうかと思うわけでございます。特に、具体的に百五十席クラスの飛行機ということになってまいりますと、ボーイングは御案内のボーイング727で大量の販売実績を有しているわけでございまして、また、米国内におきます市場というのが世界の航空機市場で非常にウエートが高いわけでございますけれども、この百五十席クラスの旅客機につきましては、旅客機全体の場合に比べますとはるかに米国市場でのウエートが高くなっている。そういう意味からもボーイングと結んだ方が事業の成功性が強い、こういう判断でボーイングと提携をすることになったものと理解をいたしているわけでございます。
 ところで、お尋ねの第二点は、ボーイングをパートナーとして選びながら本格開発が延び延びになっており、第二次の了解覚書も相当延びているけれども、その理由は何かということでございますが、私どもの理解では、このYXXの競合機種としてエアバスA320というのがあるわけでございまして、これは予想以上に早く本格開発に乗り出しまして、これまでかなり世界各国のエアラインからの受注もいたしております。したがいまして、スタートの段階で若干水があけられたという感じは否めないわけでございます。
 ただ、百五十席クラスの旅客機の場合には、二〇〇〇年ごろまでに代替需要が約三千機ぐらいあるというふうに言われておりますので、エアバスA320以外にも当然進出の余地はあるわけでございます。そういう観点から、ボーイング及び日本の航空機メーカーといたしましては、エアバスA320との関係でもっと特色のある航空機を売り出したい、こういうことでその辺の検討に時間がかかっている、第二次の覚書の締結が延びている、こういうふうに理解をしているわけでございます。
○工藤(晃)委員 第二次の覚書はもう締結されたと思うのですが、恐らく第三次ということだろうと思います。
 B737の改良か新型開発かということがいろいろ問題になって、それから収入の傾斜配分でボーインク社が高いのれん代を出しなさいと言っていることでもめているということが伝えられておりまして、特に今お話がありましたように、相当新しい要素を持ったものをつくるとするならば、エンジンも今問題になっているV二五〇〇みたいなものではなしにプロップファンエンジンの採用なんかも考えているということで、これらはどういう飛行機をつくろうかというイメージがまだほとんど具体的になっていない段階である。それから日本が一体どこを分担するか、二五%ということはあるのですが、これもまた決まってないし、そもそも飛行機の全体像がないわけですから。それから収入をどう分配するかということが決まってない。そういう点だと考えますがいかがでしょうか。時間も余りありませんのでイエスかノーかで答えてください。
    〔奥田(幹)委員長代理退席、委員長着席〕
○杉山(弘)政府委員 先生御指摘のようないろいろな問題があったことは事実でございます。分担部位につきましては、日本といたしましては今回は尾翼ないしはコックピット関係をというオファーをいたしておるわけでございます。
 また、利益配分につきましても、参加比率に応じて配分するというのでは不適当ではないかというような問題がボーイング社から提起をされました。これは日本側の参加各社との間の契約になるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、日本側としても今回初めて生産以降の過程にもフルパートナーとして参加をするということになりますと、全体を通じての利益配分について二五%をそのまま要求してこれを通すことも実際問題としてはなかなか難しいのかと思いまして、その辺の問題はこれから早急に鋭意詰めていくということになろうかと思うわけでございます。
○工藤(晃)委員 そういうことで、今の答弁でも結局YXXもかなりボーイング社に振り回されてなかなか決まらないということが明らかになったと思うのです。
 ところで、YXX開発に対しましては、もう既に五十六会計年度から補助金が出されております。これは大臣もちょっと考えていただきたいのですが、この補助金の出し方を見ると、補助金がずっと出ているのですが繰越額が大変多く、各年度出ております。例えば五十八年度ですと補助金が二十二億五千万円、繰越額は十五億八千百万円、言ってみると、出される補助金に対しまして繰越額が七〇・三%。五十九年度について言うと、出されたものに対して九七・二%も繰越額があるということを見ると、ともかく繰越額が出るというのは使いようがなかったのですが、にもかかわらずこういう補助金の出し方が延々とされている、こういう補助金のあり方。補助金を出すのがいいのか悪いのかという議論は別として、そういうことはまたあるとして、仮に出すべきであるとしても、こういう出し方を延々とやってきたことには、かなり問題があるのじゃないかと非常に強く感じるわけなんです。それは今後法改正で、ある意味では大規模な助成をするということから、これもどうしても一層問題にせざるを得ない。
 それで、特に民間輸送機開発費補助金交付要綱という通産省のを私は見ましたけれども、これも結局費目は何かというと、企画開発費、設計費、試験費ということになっております。ところが、企画開発費にしろ設計費にしろ、さっき言ったボーイングの今度の新しいのがどういうイメージの飛行機をつくるかがさっぱり明らかにならない段階で、日本が何をどう設計するのか企画するのかわからないままにともかく補助金が出され、しかし、結果的には使われずに繰り越しが行われているということです。それからまた、財団法人民間輸送機開発協会の事業報告を五十六年度、五十七年度、五十八年度、五十九年度ずっと見ましたけれども、例えば五十九年度の設計作業でこういうことをやりましたというふうに書いてあるのは、前年度の五十八年度と全く同文なのが載っているのです。これならわざわざ新しい報告を書かなくてもいいようなのに、これは読むと時間がなくなるからもう読みませんけれども、ともかく全く同文のことが書いてあるということを見ると、YXXに対するこれまでの補助金の出し方、出すべきであったかなかったかという議論とは別に、出し方そのものがどうしてこういうだらしないことになってきたのか。それで、実際に一体何をやってきたのか。まだ何をつくるか決まらないので、一体何を企画してきたのかということが疑問にならざるを得ない。こういう補助金の出し方というのは、ここで政府の責任としても検討しなければならないのじゃないかと思いますが、これは大臣の御意見も伺いたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 御指摘のように、五十六年度以降毎年の予算につきましてかなりの額の繰り越しが出ておりますが、これにつきましてはそれぞれ理由のあることでございます。主たる理由は、先ほど先生からも御指摘のございましたような、ボーイングとの間の第一次の了解覚書の締結交渉に時間がかかったこと、さらには市場調査の結果、本格開発の暗期を一年程度先に繰り延べるというようになったこと等に伴うものでございます。
 もちろん、こういった事柄が当初から予見をされておりましたならば、それに必要な予算というのは要求をしなかったわけでございますけれども、私ども関係者といたしましては、なるべく早くこの開発を進めたいという気持ちもございますので、順調にいった場合に予算が足りなくなるということがあってはこれまた大変なことになりますので、一応想定される限りにおいては事が順調に運ぶという前提でいろいろ予算要求をしておりましたので、その見込みが違いました段階で繰り越しということで後年度に延ばさざるを得なかったわけでございますけれども、大体これまでのところは一年おくれということで予算の消化もしてきているというふうに考えております。
 また、予算の内容については、ごく簡単な設計、企画、調査ということではないか、一体何をやっているのかということにつきましては、これは予算を使ってやりましたことにつきまして私ども詳細に御説明を申し上げることができるわけでございますけれども、余りに細部にわたりますので一々については申し上げるのを控えさせていただきますけれども、例えば、先生、御指摘のように、どういう航空機をつくるか決まってない段階で設計というようなことはあり得ないのじゃないかということでございますが、むしろ五十六年度に出しました予算の中では、どういう相手とパートナーを組むかは別といたしまして、百五十席クラスの今後の航空機につきまして、我が国独自の設計思想によります大体のイメージというものを持っていた方が相手を設定する際にいいのじゃないかというようなこともありまして、そういった設計もやっているわけでございますので、一概にどういう航空機を開発するか決まらない段階で設計の必要はないということも言えないのではないかと思います。詳細につきましては、いろいろ御説明する用意はございます。
○工藤(晃)委員 時間がないから局長の答弁はなるべく簡潔に。それでは、大臣の答弁は後でもう一つの補助金の問題のところであわせて伺いたいと思います。
 いろいろ言いわけされましたけれども、ともかく連続して一年、二年、三年、四年、ずっと、恐らく六十年度もそうでしょうけれども、繰り越し繰り越しで出していて、お金はどんどん出てくる。一方、生活保護の補助まで削るような時代にこういうことだけ悠然とやっているというのは信じられないことですから、これはやはり反省していただかなければならない、こう思います。
 次に、エンジンの問題について伺います。
 エンジンは、私も石川島播磨重工の田無、瑞穂の工場を見ていろいろ感じるところがあったのですが、時間が余りないので一つだけ聞きたい点があります。V二五〇〇の開発についても幾つかの段階があって、その前身は工技院の大型プロということで民間用のエンジンを航空技研とともにつくった、それを英国に持っていって高空状態での実験をやったところが案外よかったというので、ロールスロイスの方からいろいろ話があって、日英でのXJB計画ということになってきた。これは五〇対五〇ということです。
 それで、それが今度はいつの間にかプラット・アンド・ホイットニーが入ってきて、結果としてプラット・アンド・ホイットニーが三〇%、ロールスロイスが三〇%、日本が二三%、その他MTU、フィアット、それぞれ西ドイツ、イタリアとの共同開発ということになっていったのですが、例えば二等最初の段階では独自に全部のジェットエンジンをつくったけれども、フィフティー・フィフティーの段階では開発の分担はファンと低圧圧縮機、それから低圧タービンを受け持った。それで今度のV二五〇〇の開発になりますと、もっとその分担分野は減って、ファンと低圧圧縮機、そのほか高圧圧縮機、高圧タービンのごく一部分ということは受け持つわけですが、もはや五〇%でもなくて二三%になる。それで、XJBの計画ができたときに、機械情報産業局航空機武器課長――武器課長なんておられるんですね、畠山さんが、通産ジャーナルに「XJB開発事業が、日英五〇対五〇という対等のシェアで行われることの意義は極めて深い。」ということを書いていたのですが、この経過を見ても、いろいろ理屈はわかりますよ、アメリカのマーケットに売るためにはこの方がいいのだとかなんとか、また局長はさんざんお答えになるだろうと思うのですが、それは予想しておりますから省いていただきたい。
 結果として、やはり独自の計画というのが主体にならなくて国際共同開発、それで、この国際共同開発もイギリスとのフィフティー・フィフティーということで進まないで結局二三%に落ちていって、ごく一部分しか分担できないことになる、そういう方向へ進んでいる。今度の法改正はそういう方向をますます強めることになるのではないかということを心配しているわけなんです。
 もっと念のために言っておきますと、我が党も日本の航空機の平和的な独自な発展ということを求めますし、そういう立場で独自なものがつくられながら、あるいは国際共同開発といったっていつもアメリカが相手というのではなしにヨーロッパとも一緒にやるとか、そういうことがいつもつぶされてアメリカ主導になっていくというやり方は、結局国際共同開発というのはそういう方向になっていっているのではないか、結果を見てそう判断せざるを得ないのですが、この点について今の段階で考える必要があるのじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○杉山(弘)政府委員 ジェットエンジンについて、当初のロールスとの五〇対五〇から現在のように二三%までシェアが下がり、五カ国共同開発になって、むしろ五〇、五〇というような格好で開発を継続すべきではなかったか、あるいはそういう御趣旨の御質問かと伺ったわけでございますけれども、この詳細については省かせていただきますけれども、むしろ五〇、五〇という形でなくて五カ国の共同開発になりました結果といたしまして、かなり開発された成果のエンジンの市場性というものについては二カ国の共同開発の場合より確実性が高まった、それだけリスクが少なくなったという判断ができるのではないかと思うわけでございます。またそれと同時に、この五カ国の共同開発になりましたものですから、高水準の技術が導入されましたし、一〇%以上の燃費の効率とか推力の向上が図られるというような点でもメリットが出てきたと思うわけでございます。
 ただ、私どもこれで満足を決していたしておるわけではございませんで、将来は、できますならば我々五〇%のシェアを持って、対等の立場で共同開発をするということが最終的な目標になろうかと思いまして、そのための一つの過程としてはこういう過程を通るのもやむを得ないのではなかろうかと考えているわけでございます。
○工藤(晃)委員 その過程がだんだんだんだん下がっていく過程だから心配しているわけでありますが、次に、V二五〇〇に関係してのやはり補助金の出し方で、最初はXJB計画で出され、五十八会計年度から変わっていくわけなんですが、これを見ても、特に五十六年度からずっとやはり繰り越しが大変多いわけであります。
 それで、例えば五十八年度に至っては補助金が四十七億円、繰越額が五十四億七千五百万円といって繰り越しの方が大きいというぐあいですが、これも理屈はもう知っています、なぜそうなったか。設計変更があったからとかそれは十分聞いておりますから、そういう理屈でなしに、ともかく出される補助金が、繰り越しがどんどん出ながらなおも多く出されていくという、こういうやはりだらしないやり方というのは反省の必要があるのじゃないかと思いますが、その点について、今後も助成を続ける以上政府としては考えていただきたい。この点は通産大臣、お願いいたします。
○渡辺国務大臣 工藤さん、わかって聞いているんだろうと思いますがね。わかって聞いていらっしゃると思うのですよ。わからないで聞いている質問じゃありませんから。
 御承知のとおり予算というのは、もうこれは国会が終わるとすぐ来年の予算編成作業が始まりまして、それで八月にはもう概算要求を出すのですよ。中身も大体詰めてあるわけです。そうすると、一年半、二年近い見通しのものを出すということは、まして産業界に関するようなものはなかなかぴたっと見通せない。したがって、設計変更があったりなんか、こういう問題がありますと、どうしてもその分が余るという問題がある。ところがシーリングがあるものですから、その次の年になってそいつを不用額にしてしまうと、後で急に作業が進んだときに実際はお金が足らないという話になる。したがって、これはどこの役所も欲張り、まあ欲張りと言ってはなんですが、やはりそこは、これはわかりやすく言えば一種の枠取りなんですよ。だけれども、むだに使ってしまうわけじゃもちろんないわけですから、だから私はこれはやむを得ないのじゃないかと思うのです。
 それから、経済協力なんかも実際はしょっちゅうこういう問題があるのです。協力案件で組みましても相手に金がないという場合に、執行されないで余るという問題がございます。やはり支出は支出の権限をそれでおさめるということが予算ですから、それ以上使っちゃいけませんよ、それ以内でやってくれという約束を国民の代表と政府はやるわけなんでして、ですからこれらの点は確かにあなたのおっしゃるようにぴしゃっぴしゃっと合えばそれは一番いいのです。いいのですけれども、それらの事情もよく御承知だと思いますから、御了解を賜りたいと思います。
○工藤(晃)委員 いや、私は了解できないのは、今行政改革だ、補助金削減だということが一番言われていて、現にそれこそ福祉関係の補助金も、八割出したものを今度は五割しか出さないとか、そういうことをやったり、そういうことで福祉が大変脅かされているということは一方どんどん進みながらも、こういう大きな企業が関係する補助金に関して言いますと、それこそ使い切れないのにまだどんどん出すという、そしてもし万一足りなかった場合を御心配する。心配する方向を少し変えなければいけないのではないかという立場から聞いておりますので、了解できないわけであります。
 これに加えて、そういう航空機助成の補助金の出し方がそういうルーズなことであったのに加えて、私はぜひこれは考えていただきたいのは、確かにこの政策ではこの補助をやる、あの政策ではこの補助をやるというけれども、結果において非常に限られた企業にいろいろな補助金や委託金が集まってしまうという事実で、ここで問題になる例えば三菱重工の場合、これは読み上げたら時間がなくてどうしようもないのですが、例えばちょうど一九八〇年度からずっと見ると、補助金の種類でも十六種類を受け取っている。委託費の種類で十八種類を受け取っている。八〇年度から八六年度に、合わせると三百八十六億三千二百万円という補助金や委託金を結局こういう多くの名目で一つの会社に集中してくるわけですね。川崎重工についても石川島播磨重工についても同様のことが言えまして、三社合わせると、八〇年度から八六年度に八百七億を超える補助金、委託金が結果として集まっている。
 それで、しかも個々の出し方を見ると、今みたいに使い切れなくてもなお出るような、こういうやり方があるわけなので、航空機に補助金を出すか出さないかということとともに、一つの企業に余りにも補助金が集まっていき過ぎる、こういうような問題についてもっともっと検討をしないと、財政の使い方の公平さという点で大変問題が出ていると思うわけです。
 これは今言った三菱重工、川崎重工、石川島播磨三社について、例えば防衛庁の主要装備品調達額でも、三菱、川崎、石川島が上位から一、二、三社ということで、これだけで主要装備品調達額の五六%を占めるというぐあいで、補助金もこの三社にみんな集まってくる。それからいわゆる防衛の調達もこういうふうにこの三社に集まってくる。こういうことになってくると、余りにも少数のところに恩典が集中し過ぎるのではないか。こういう問題があるので、このことを強く指摘して、それで時間がだんだん少なくなってきたので、もう一つ次の質問に移りたいと思います。
 それは、今度できるこの指定開発促進機関について伺いたいわけでありますけれども、今度のこの指定開発促進機関というのは民法三十四条に基づいてつくられる公益法人でありますので、当然営利事業をやっている方あるいは営利会社の役員も理事になったり役員になったりすることができるのではないかという点ですが、その点いかがでしょうか。
○杉山(弘)政府委員 これまでの公益法人の役員につきましては、別に法律上営利会社の役員をしているからできないというものではないかと思いますし、今回お願いをしておりますのは、単に要件として民法三十四条に基づく財団法人ということを考えておりますので、その場合の指定の欠格事由というのは法定してございますけれども、その中には、先生御指摘のような営利事業の役員をしているというがために指定できないということにはなっていないわけでございます。
○工藤(晃)委員 そうしますと、今度財団法人の指定機関ができます。それによって見ますと、業務規程は第十四条に書いてありますが、第十四条の第二項ですか、その一に「開発助成金の交付の対象となる国際共同開発の事業の選定の基準に関する事項」、どういう国際共同開発の事業を選ぶのか、その基準もこの業務規程で決められる。「一の国際共同開発の事業に対する開発助成金の交付の期間に関する事項」五年間か十年間があるいは十五年間か、こういうことについても決める。それから「開発助成金の交付の申請及び決定の手続並びに交付の決定に際し付すべき条件に関する事項」、こういうもとは国から来るお金を、だれにどのようにして渡すかという一番大事な基準はこの財団法人が決める。もちろん大臣の認可を受けるということがありますから、全く無条件だということは私言っておりませんけれども、そこで問題になるのは、営利事業を営んでいる者もこの役員になれる、そこで、助成を受ける側と何らかの利害関係を持つ人が役員になって、そして国から来るお金をどこにどう流すかという業務規程もここでつくって、そして結果において、この財団法人というのは、この資金を多く受け取りたいと考えている企業と関連を持った役員の構成、それはいろいろカムフラージュすれば、これはフィリピンを見たってカムフラージュだらけですからね、直接じゃないかもしれないが、何らかの関係のあった者がこれをつくって、そして国からお金を受け取ってどんどん流す、こういう格好になる可能性が非常に大きいのではないかと考えますが、この点いかがでしょうか。
○杉山(弘)政府委員 先生御指摘の点につきましては、法律の十二条の三項で、指定の申請がございます際の指定の基準というのがございまして、そこの三項の第三号で、役員の構成が「助成業務の公正な遂行に支障を及ぼすおそれがないものであること。」という基準はあるわけでございます。この場合の役員の構成が公正な業務の遂行に支障を及ぼさないというところが具体的なケースについて問題になるわけでございますので、その役員の中に一人助成対象になる企業の役員が兼務という格好で入っていたからこの十三条三項三号の要件に該当するというのは、余りにも窮屈な考え方なのではないか。あるいは役員のうちの大多数がそういう補助対象の事業を行っている企業の役員で占められるという場合には、もちろんこの基準の発動というのがされるかと思いますけれども、一人でもいたらいかぬということには必ずしもならないのではないかと思います。
○工藤(晃)委員 これはますます重大だと思うのですね。それで、実際補助事業を受ける企業というのは非常に少数であって、三菱重工であり川崎重工業であり石川島播磨とかあるいは富士重工である。ですから、二十人なら二十人の役員の中で、これら四社の代表が四名入っただけでも大変な話なんだけれども、二十分の四だからこれは五分の一だ、大したことないというようなことですから、今の説明を聞いたらますます今言った十三条の三項の三号ですかの規定というのは、まさに補助金を受け取る人の代表が堂々と入ってこの機関がつくられるということを今局長は見事に説明されたと判断せざるを得ませんが、それでよろしいでしょうか。
○杉山(弘)政府委員 十二条三項三号の規定の考え方については先ほど御答弁をしたとおりでございますが、またあえて御説明申し上げますが、もし先生の御心配のような、この指定された法人が何らの監督、規制もなしに補助金、助成金の交付事業を行うということになりますと、あるいは御心配のような事態が起こる可能性もございますが、むしろそういう点につきましては、この法律上も通商産業大臣が毎年度の事業計画につきましては認可をいたしますし、さらに事業計画を具体的に実施する業務規程についても認可をする、毎年度の収支決算、事業報告については届け出ていただいて認可をする、こういうように必要な監督もやることになっておりますので、役員の中に対象企業の役員が一人二人入っていたからといって、直ちにそれは指定すべきでないということには必ずしもならないんじゃないかと思うわけでございます。
○工藤(晃)委員 これは大変大事な問題でありまして、これまでの日本航空機開発協会、日本航空機エンジン協会は大体株式会社みたいになっていく。そしてこの指定機関を通じてお金が流れるようになる。例えば国会なんかでこのお金の使い方を追及しようとすると、今度は民間、私企業間の契約だからこの資料は一切出さないといって、どう使われたかが問題にされなくなってしまう。また、国からストレートにこれらの開発事業体に渡されているときにはもう少し資料が出るのですが、それが出なくなるということが一つあります。
 それから、民法でも五十七条に特別代理人ということがありまして、法人と役員と利益が相反するときにはその特別代理人をつくらなければいけないという規定があるぐらいに、少しそういうことを防ぐようなことがあるのですが、今の説明を聞く限り、みずからお金を受け取ろうとするものと、ばらまこうとする方とが一致してしまうようになる、そのおそれが非常にあるわけなので、もう時間がなくなりましたのでこれが最後ですが、大臣として、そういうことが絶対起こらないような保証がどこにあるのか、その点についてだけ答弁を求めて、私の質問を終わります。
○渡辺国務大臣 それは、もちろん監督するのですから、おかしなことが起こらないように十分に監督をいたします。
 それから、ちょっとお考え違いをしているんじゃないかと思いますが、これはお金を貸すわけですからね、貸した金は成功すればその貸した以上に返してもらうということになっておるのであって、大企業に補助金をどんどんやっているということにはならない、私はそう思っておるわけでございます。これは中小企業に請け負わせるといっても、それは難しいのです。飛行機のような大型プロジェクトはどこの国だって大企業がやって、アメリカなどは一兆円近い補助金を出して飛行機の開発をやっている。こういうようなことと比べますと、世界じゅうの競争であるということも御認識をいただきたいと存じます。
○工藤(晃)委員 これをもって終わります。
○野田委員長 後藤茂君。
○後藤委員 もう既に同僚議員が詳細に問題点の指摘と、それから、これからのこの法運営に関して幾つかの不安な点あるいは強化すべき点について指摘がされておりますので、なるべく重複を避けて二、三点確認をしておきたいと思うわけです。
 一つは、この法案の提出のあり方でございますが、先ほど来局長の答弁を聞いておりましても、航空機工業振興法という本法が一部改正という形になるわけです。それで、この航空機工業振興法を通産六法で見てみますと、本法は第一条に目的、第二条に定義それから第三章のところに助成がありまして、あとは日本航空機製造株式会社の規定になっているわけですね。これは航空機工業振興法という名がつけられておりますけれども、いわば日本航空機製造株式会社法と呼んでもいい法体系になっているわけです。ところが、四年前にこの株式会社は商法の手続に基づいて清算をしている。あのときにも私どもは強く、この株式会社は残してさらにもっと振興、前進させていくべきじゃないかという指摘はした経験があるわけでありますけれども、四年前にもう実体がなくなってしまっておる。その実体がなくなってしまったままで今日まで放置されておった。今回一部改正という形で出ておりますけれども、この株式会社の規定のところをとってしまいますと、ほとんどこの実体というものはないのですね。同僚議員の皆さん方が強く指摘しておりますのは、大臣も答弁の中でお答えいただいておりますけれども、やはり我が国の、世界的にもそうですが、航空機工業というものは壮大なナショナルプロジェクトであろうと私は思うのです。同時に、国際協力も進めていきながらその技術の前進を図っていかなければならない。こういたしますと、一部改正のようなこういうちまちました枠組みではなくて、もう少し航空機工業振興という基本的な展望を持った構想を法体系化した法律を出すべきではなかったんだろうかな。この法案をずっと読んでみまして、先ほど来の答弁を聞いておりますと、その答弁されておる趣旨からはどうもこの法律というものが、余りにも小さなといいますか、意気込みがもうひとつ感じ取られない法律になっているような気がするわけです。大臣には後からまたお聞きいたしますが、局長、その点はいかがでしょうか。
 それからもう一点、理事会の方でも附帯決議の中で国産化の問題についてどう取り扱うかということについては議論をしていただいているようでありますけれども、国際協力の問題だけが入って国産化が抜けてしまっているわけですね。これもそれぞれの委員の皆さん方がその点を心配して、これからどういうように進めていくんだということについて指摘をしているわけですから、この国産化の問題が簡単に抜け落ちてしまっておる、簡単ではないでしょうけれども、その経緯についてもう一度確認の意味でお聞きしておきたいと思います。
○杉山(弘)政府委員 まず御質問の第一点は、日本航空機製造株式会社が解散された段階で、もうこの法律としては実体がなくなっているんだから、この際長期的な展望を含めて、より抜本的な、いわば新法を制定するくらいの気持ちで改正を考えるべきではなかったかという御質問でございます。
 先生御案内と思いますが、この法律は最初三十三年にできたわけでございまして、そのときには国有試験研究施設の廉価使用、それから航空機工業審議会の設置という二つの法律事項だけでできておりました。その後、日本航空機製造株式会社を設立する必要が生じましたので、翌三十四年に日本航空機製造株式会社に関する部分が入ったわけでございまして、五十七年にこの会社が解散しました段階では、いわば制定当時の形に戻っておったわけでございます。本来でございますと、その段階で今後の航空機工業振興のための基本的な考え方を十分検討した上で、会社の解散とあわせて法律改正をして長期的な展望を示すべきではなかったかという御批判は、当然あり得ることだと思います。
 言いわけになるようでございますが、当時は会社の解散及び従業員の再就職等々、当面の問題の処理に追われておりまして、長期的な展望を何とかつくりたいという気持ちはあったわけでございますが、具体的な成案を得るに至らなかった、それがおくればせながら最近になってまとまってまいりましたので改正をした、こういう次第でございますので、その点何とぞ御了解をいただきたいと思うわけでございます。
 もう一点は、この改正の中で、従来の目的とされていた国産化というものが外されて、国際共同開発だけが脚光を浴びるようになってしまったという点についての御指摘でございますが、私どもは、この法律の目的が日本の航空機工業の振興にあるという点については変わっていないと思うわけでございます。ただ、その手段、措置と申しますかその部分が、従来の国産化を推進するということから国際共同開発に対して助成を行うということに変わったことでありまして、いわば経路が違っただけで最終的な到達地点は同じである、こういうことで考えておるわけでございます。もちろん私どもの気持ちといたしまして、国産化に対しても国際共同開発と同様の助成をし、これを進めていきたいという点については全く同じでございますけれども、残念ながら現時点におきましては財政的な面からその余裕もない。ただ、国際共同開発について重点的に助成をすることによって、ひいては航空機工業の技術力の向上等によって国産化のための力もついてくる、間接的な効果ではありますがそういうこともねらえるのではないかということで御提案を申し上げているわけでございますので、御了解をいただきたいと存じます。
○後藤委員 そういたしますと、この法律では、一般通産行政の中で今の税制なり融資制度なりこういうものでは進めていくけれども、この法律では消えてしまった国産化の促進ということに対する助成といいますか振興策というものは読めるのですか読めないのですか。ただ試験研究機関の廉価使用等、こういうところは読めるようですけれども、ほかは一般通産行政の中で取り上げていくんだ。この法律としては共同開発が重点であり、そのための資金のスキームをつくった法律なんだということだけなのか、その辺のかかわりをお聞かせいただきたい。
○杉山(弘)政府委員 国有試験研究施設の廉価使用等を除きますと、この法案の助成手段の唯一最大のものは、回転基金によります国際共同開発事業に対する助成金の交付でございまして、それにつきましては、繰り返すようでございますが、現下の財政事情等にかんがみまして国産のものは対象にはしない。それ以外の一般的な助成手段、先生おっしゃいますような税制の問題とかあるいは金融の問題とか、こういうものを通じては国産化の問題についても私どもこれからも積極的に取り組んでまいるつもりでございますので、御指摘のとおりというふうに御理解いただいて結構かと思います。
○後藤委員 その辺に、けさほど来ずっと議論しておる委員の皆さん方の質問と答弁の中での乖離があると思うのですね。技術立国としてこれからも発展をしていかなければならぬというときに、非常にすそ野の広い、しかも波及効果の高い、知識集約型とはいえなお労働集約型でもあるこの産業をぜひひとつ前進、発展をさせていきたい。ところが、今YXXあるいはV二五〇〇の共同開発だけに財政の枠組みを考え過ぎて、それだけのためのスキームづくりになってしまっているのではないか。しかも、最近の産構審の答申等を見ましても、あるいはいろいろなエコノミストや経済専門家の論文等を見ましても、産業構造なり経済構造の急激な変化が今進んでいるわけでしょう。したがって、YXXあるいはV二五〇〇等もこれはうまく離陸してくれればいいですけれども、途中でまた新たな大型のプロジェクト等が出てきた場合に一体どうなるのだろうか、こういう不安も実はこの法案を勉強さしてもらって考えさせられているわけなんです。
 それで、どうも先ほど来の答弁で、十年ぐらいもしくは十五年ぐらい日本は航空機工業に対してはおくれをとった。それはなぜかといえば、やはりしつかりしたこういうプロジェクト開発に対する通産行政といいますか産業政策というものの位置づけが明確になっていなかったのではないだろうか。今もまたその辺がびくついている面があるのじゃないだろうか。国産化というものを余り強く出すと、貿易摩擦なり、あるいは日本が自動車から家電からあらゆる先端技術にかかわる機械等についてはすべて世界の市場を独占していくというような、貿易摩擦との関連において非難なり指摘を受けるのではないか、こういうことに余りにも配慮し過ぎていて、この程度と言ったら大変失礼ですけれども、どうも将来を見通した法体系になっていないような気がするわけです。大臣、いかがでしょうか。
○渡辺国務大臣 理想的なことをおっしゃると、本当にそれはいろいろ私は率直にあろうかと存じます。しかし、共同開発を実行していくという上においては十分これで対応できる。まして、大多数の皆さん方がやはりこの法案についてはその趣旨は賛成をなさっていただいておるというようなことですから、手続上の問題その他いろいろございまして、改正案にしては大幅過ぎるじゃないかという御指摘なんですよ。先ほども同じような御質問がありました。それはやはり一つの御意見だと思います、手続論については。しかし、いろいろこれでいけると航空の振興という点では全く一致しているというようなことから、局長が先ほどるる説明したとおり改正案という形で山さしていただいたものですから、これにてひとつ、趣旨が賛成なわけですから、御賛同いただければありがたい、そう思っておるわけでございます。
○後藤委員 趣旨が賛成であるということと、それから法案の中身についてちょっと頼りないじゃないかということをこれはもうどの議員も皆指摘しているわけですから、この点はひとつ十分に踏まえていただきたいと思うのです。
 それから、大臣が先ほど来の答弁の中でも、例えばブラジルあるいはインドネシア、こういうところも努力しながら国産機の開発そしてまたそれを就航させてきているということがあるわけです。先ほどの局長の答弁の中では、共同開発についてのスキームづくりはしてあるけれども、一般のそういった小型機であるとかあるいはヘリであるとか、こういうようなものについては一般の通産行政の中で努力していくという形になるのですが、この辺もちょっとこれからの航空機工業の振興の立場に立って、非常にリスキーな産業であるだけに、それでいいのだろうか、もう少し法律でこれに対して重点的な施策を講じてやるべきではないだろうかという気がするわけです。この点、局長いかがでしょうか。
○杉山(弘)政府委員 重ねてお答えをすることになりましてまことに恐縮でございますが、この法律上、国産化というものに対しても助成をすべきだという趣旨、気持ちにおきましては私どもも変わらないわけでございますけれども、残念ながら、現在のいろいろな事情にかんがみますと、そこまで特に助成金の交付といったことを広げるということが難しいという情勢にございますので、この点につきましては、残念ながら今回は見送らざるを得ないということでございます。それ以外の一般的な金融、税制面の助成手段におきましては、私どもこれまで以上に国産化の問題について積極的に取り組んでまいりたいと考えておりますので、その点でぜひ御了解をいただきたいと思います。
○後藤委員 指定開発促進機関、これがこの法律の中心部分を占めているわけですけれども、これは国からの巨額の交付金を管理し、あるいはまた対象プロジェクトの進展を常時把握していきながら効率的な運用を行っていく、納付にも厳格にしていかなければならない、そういう役割を一応持っているわけですね。そういたしますと、この指定開発促進機関にかかわる規定、条文、これをずっと読んでみますと、なぜ特認法人にしていかないんだろう、これにもし役員人事を入れれば特認法人と全く変わらないように思うわけです。先ほど大臣は、これは補助金をやるのじゃなしに、回転資金を交付して、そして成功したら返してくるのだからとおっしゃますけれども、これまた大変監督なりあるいは監査なりというものが厳しくされなければならぬ。そのために条文の中におきましても、例えば解任命令とか役員及び職員の公務員たる性格というところまであって、「法令により公務に従事する職員とみなす。」というところまできているなら、私はむしろ特認法人の方がこの法律の規定からいって正しいのではないかという気がするわけです。いや、そうじゃなしに、これからはこういう方向がいいんだということになれば、この種の特認法人はたくさんあるわけですから、そうしたら通産関係だけじゃなしに、こういう特認法人というものは皆民間の法人に切りかえてしまった方がいいのかということにもなるわけです。行革の問題もあるでしょうけれども、なかなか特認法人をつくるというのは難しいという背景は知っておりますけれども、しかし、必要なものは必要なものとして、こういう特認法人としてやっていく方がよりベターではないだろうか、撚工連等の問題もございましたけれども、私はそういう気がするわけです。大臣、いかがでしょうか。
○杉山(弘)政府委員 先生の御指摘につきましては、私どもも基本的には同じように考えておりまして、昨年の予算編成の段階では、この業務を特別認可法人を新設してそこにやらせるということを構想していたわけでございますが、最近の御案内の行政改革によりまして、既存の特殊法人、特別認可法人もできるだけ民間法人化をするということで、通産省関係につきましては今国会に法案を提出をしてお願いもしているわけでございますが、そういう状況にございます。したがいまし特別認可法人を新設する場合には、それに見合うものを一つスクラップをしなければいけない、こういうようなルールができ上がっておりまして、残念ながら、そのルールに従ってスクラップをするようなものが当省所管の特別認可法人では見当たらなかったということもございまして、やむを得ず、今御提案申し上げているような構想に切りかえたわけでございます。したがいまして、その限りにおきましては民法上の法人でございますが、必要な最小限度の部分につきましては、政府が監督をして遺憾なきを期するということにしているわけでございます。そういう意味では、初めての試みかと存じますけれども、実際の運用面におきましては問題が起きないように我々としても十分心配りをしていきたいと考えております。
○後藤委員 これはひとつ要望として、これからこの交付金の交付等の仕事でありますけれども、また回転基金を納付させていく。しかし、これから大きなプロジェクトを進めていくためには、私は出資ということだって必要になる場合があるだろうと思うのです。その場合には特認法人の方がやりいいといいますか、当然そうやるべきだと思うのです。冒頭に私が申し上げたのは、どうもYXXあるいはV二五〇〇等々だけが念頭に置かれて、それの共同開発だけのためのスキームづくりをどうするかということに余りにもとらわれ過ぎているからこういう形になっているのではないか。行革の問題で特認法人がつくりにくい背景というものはわかりますけれども、しかし、これからの航空機工業というものは、これまでの産業の中におきましても将来展望を非常に持った、しかも積極的に進めていかなければならぬ産業であるとすれば、それの枠組みというものはもっと大胆に、積極的に提起をしていくという姿勢が必要だということを強く指摘しておきたいわけです。
 それから、これは簡単で結構でございますけれども、欧米の方をともすれば向きがちでありますけれども、やはりNICS等発展途上国なりあるいは東南アジア等の航空機工業に対する技術協力あるいは援助、あるいはまた共同開発、こういうものについても、先ほど来指摘をいたしておりますけれども、どうもここからはもう一つ読み取りにくい面があるわけです。これは大臣、そういったNICS等を中心といたしますこれの開発協力、援助等についての積極的姿勢と、それから、もう皆さん方おそろいになられましたので、まだたくさん詰めておきたいことがあるわけですけれども、これで質問を終わりたいと思うのですが、先ほど来申し上げておきましたように、航空機工業というものに対して、こういうおっかなびっくりのような形、あるいはいろいろな国際経済環境というものを配慮しながらの法律づくりというものもわからぬではないですけれども、もっと大胆に踏み込んでいって、我が国の航空機産業というものはすそ野が非常に広がっていくわけです、単に航空機だけじゃなしに宇宙開発であるとかあらゆる技術の面に波及効果も高いわけですから、そういうことに対して、この程度の法律ではなくて、早急にもっと充実した航空機工業の振興のための法体系づくりというものを、これから二十一世紀に向かっての提起をぜひしていただきたいということを要望しておきたい。
 大臣、最後にその点についてのお答えをいただきまして、私、時間が若干まだあったのじゃないかと思うのですけれども、我が同僚議員の水田議員がうんちくを傾けてやられましたので、大分食い込んでいるようですから、これで終わりたいと思います。大臣、いかがでしょう。
○渡辺国務大臣 航空機産業に対する応援団といたしまして、大変ありがたく御趣旨を承りました。そういうような趣旨も踏まえまして、今後ともいろいろと航空機の振興については努力をしてまいりたいと存じます。
○後藤委員 終わります。
○野田委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○野田委員長 これより討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。奥田幹生君。
○奥田(幹)委員 私は、自由民主党・新自由国民連合を代表して、航空機工業振興法の一部を改正する法律案に賛成の討論を行うものであります。
 我が国は、戦後、国民のたゆまぬ努力によって、技術の向上と産業構造の高度化を図りながら経済発展を遂げてまいりました。今後におきましても、資源のない我が国が世界各国と調和を図りながら安定的な発展を維持していくためには、技術立国としての中長期的な発展基盤の確立を図っていくことが重要となっております。
 航空機工業は、御承知のように、広範な分野の先端産業の集積の上に成り立つ総合的工業であり、関連する産業は極めて広範囲にわたると同時に、その発展は、一国の産業基盤の強化及び産業技術の向上に大きく寄与するものであります。諸外国におきましても、航空機工業を産業技術水準の向上と産業発展を促す産業として位置づけ、国が積極的な振興策を実施しております。
 我が国も、航空機工業振興法のもとで、航空機等の開発を積極的に進め、成果を上げてきておりますが、近年、航空機等の開発に要する膨大な技術的、資金的リスクを分散させる必要から、国際共同開発方式が航空機等の開発の世界的な趨勢となっております。我が国としても、国際共同開発に積極的に参画し、諸外国との間における先端技術分野における交流を図っていくことこそが最も適切な方策であり、その円滑な促進を図ることが必要となっております。
 その意味で、我が国として望ましい国際共同開発の方向づけを行い、その促進を図ろうとする本改正は極めて妥当なものであります。
 また、我が国は、当面の重要な国際共同開発プロジェクトとして、YXX計画及びV二五〇〇計画に取り組んでおります。この両プロジェクトは、今後の我が国の航空機工業の発展を左右しかねない重要なものであり、その円滑な推進は、国際的責務を果たしていく上でも極めて重要であります。
 航空機等の開発には、近年膨大な資金が必要となってきており、この両プロジェクトについても、開発の本格化に伴い資金需要の増大が見込まれておりますが、現下の財政事情のもとでは、従来の補助金による助成方式では対応が困難な状態にあるわけであります。
 今回の改正は、こうした状況下で、当面のYXX及びV二五〇〇の両プロジェクトを初め、それにつながる今後の国際共同開発の円滑な促進を図るために、いわゆる開発資金の回転基金化という新しい助成方式を導入しようとするものでありまして、まことに時宜を得たものであります。私は、これらの措置によって、我が国の航空機工業の振興が図られ、産業技術の向上に資するものと期待し、本法案に賛成するものであります。
 以上です。(拍手)
○野田委員長 野間友一君。
○野間委員 私は、日本共産党・革新共同を代表し、航空機工業振興法の一部改正案に対する反対討論を行います。
 反対する第一の理由は、国際共同開発と言われるものの中身が、アメリカ大企業の経営戦略を下請的に補完し、対米従属を拡大するものだからであります。
 現に、民間航空機YXX計画、ジェットエンジンV二五〇〇計画が、ボーイング社、プラット・アンド・ホイットニー社の経営戦略の変更によって、開発機種、仕様、搭載エンジンなどがくるくる変わり、その都度日本側も開発の中断、延期、大幅変更を余儀なくされた経過からも明白であります。
 反対する第二の理由は、支援措置の内容が、大企業奉仕と産官の癒着を拡大するものだからであります。
 改正案は、通産大臣指定の助成機関を創設し、これまでの補助金に加えて、国の利子補給による無利子融資制度を導入するとしています。新たな機関の創設は、助成金の流れを一段と複雑化し、使途を国民の目から覆い隠したり、高級官僚天下りの危険も持っています。
 我が党は、日本の航空機工業の平和的で自主的な発展を求めております。しかし、日米安保体制下では、それらが阻害されておる上に、今回の改正案で、国際共同開発の名のもと、対米依存の方向が一層強まることは明白であります。
 以上の理由により本改正案に反対することを述べ、討論を終わります。(拍手)
○野田委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○野田委員長 これより採決に入ります。
 航空機工業振興法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○野田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○野田委員長 この際、本案に対し、佐藤信二君外三名から、自由民主党・新自由国民連合、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・国民連合四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。城地豊司君。
○城地委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    航空機工業振興法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、本法施行に当たり、我が国航空機工業の振興が我が国産業経済の発展に重要な意義をもつものであることにかんがみ、航空機等の国際共同開発の促進を図るとともに、国産化についても必要な支援措置を講ずる等適切に対処すべきである。
以上であります。
 附帯決議案の内容につきましては、審議の経過及び案文によって御理解いただけると存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
○野田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 本動議について採決いたします。
 佐藤信二君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○野田委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡辺通商産業大臣。
○渡辺国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして今後行政を進めてまいりたいと存じます。(拍手)
    ―――――――――――――
○野田委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○野田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
○野田委員長 次に、内閣提出、情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案並びに中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 これより両案についてそれぞれ趣旨の説明を聴取いたします。渡辺通商産業大臣。
    ―――――――――――――
 情報処理の促進に関する法律の一部を改正する
  法律案
 中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成
  法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○渡辺国務大臣 情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 本法に基づき情報処理振興事業協会が設立された昭和四十五年以来、我が国の情報化は広範かつ急速な進展を見せ、今や電子計算機の実働台数は十八万台を超えるとともに、その増加スピードには目をみはるものがあります。
 このような情報化の進展に伴い、ソフトウエアに対する需要も急速に増大しておりますが、その供給体制はいまだ脆弱で、需給ギャップは深刻化してきております。
 ソフトウエアの需給ギャップが深刻化する中で、情報処理振興事業協会の中核的業務として行っている汎用プログラムの開発等の業務に対する期待はますます高まっており、その一層の充実を図り、従来にも増して高い品質と信頼性を有するプログラムを供給していくことが要請されております。
 このような状況にかんがみ、情報処理振興事業協会が行う汎用プログラムの開発等の業務をより積極的に展開することとし、この業務に必要な資金について出資を受けることができることとするため、この法律案を提出した次第であります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 情報処理振興事業協会が特定プログラムの開発等の業務に必要な資金について出資を受けることができることとし、これに伴い、同協会の資本金、利益及び損失の処理、出資者原簿、解散等に関する規定を整備することとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
 次に、中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 近年、経済社会のあらゆる面で情報化が著しく進展しております。特に、産業分野におきましては、大企業を中心として、企業内の各部門ごとの情報化からそれらの統合化、さらには企業間情報ネットワーク化という新しい段階に入りつつあります。
 このような中で、中小企業の情報化は、知識・人材不足、資金力不足等から大きく立ちおくれているのが現状であります。もし、これをこのまま放置すれば、大企業と中小企業との情報化格差により、両者の経営力格差は一層拡大するおそれが大きいと考えられます。
 このため、電子計算機を利用して行う経営管理に関する中小企業指導事業の実施体制を整備するとともに、プログラムを中小企業設備近代化資金の貸付事業の対象に追加することにより、人材、資金の両面から中小企業の情報化を支援、促進すべく、本法律案を提案することとした次第であります。
 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
 まず、中小企業指導法についてであります。
 第一に、都道府県知事が、民法第三十四条の規定により設立された法人であること等、一定の要件に該当する者を当該都道府県に一を限って指定し、その指定法人に、当該都道府県の行う中小企業指導事業のうち、電子計算機を利用した中小企業者の経営管理に関し経営の診断・指導を行う事業など特定指導事業を行わせることができることとしております。
 第二に、指定法人が行う特定指導事業に対し、都道府県がその経費を補助する場合に、その補助する経費の一部を、国が都道府県に対して補助することができることとしております。
 次に、中小企業近代化資金等助成法についてであります。
 情報処理に係る費用のうち、ソフトウエアに係るものの割合が近年増大していることにかんがみ、中小企業設備近代化資金の貸付事業の対象にプログラムを追加し、当該貸付事業を行う都道府県に対し、国が助成できることとしております。
 以上が、本法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○野田委員長 これにて両案の趣旨説明は終わりました。
 両案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
 次回は、明二十六日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後七時三十九分散会
     ――――◇―――――