第107回国会 本会議 第12号
昭和六十一年十一月六日(木曜日)
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 議事日程 第七号
  昭和六十一年十一月六日
    午後二時開議
 第一 特定地域中小企業対策臨時措置法案(内閣提出)
 第二 中小企業信用保険法及び特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
 請員請暇の件
 昭和六十一年度一般会計補正予算(第1号)
 昭和六十一年度特別会計補正予算(特第1号)
 昭和六十一年度政府関係機関補正予算(機第1号)
 日程第一 特定地域中小企業対策臨時措置法案(内閣提出)
 日程第二 中小企業信用保険法及び特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    午後七時二分開議
○議長(原健三郎君) これより会議を開きます。
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 議員請暇の件
○議長(原健三郎君) 議員請暇の件につきお諮りいたします。
 有馬元治君から、十一月九日から十九日まで十一日間、木間章君、佐藤徳雄君、関山信之君、馬場昇君及び山下八洲夫君から、十一月十日から十九日まで十日間、斉藤斗志二君及び椎名素夫君から、十一月十三日から二十日まで八日間、北川正恭君から、十一月十三日から二十二日まで十日間、右いずれも海外旅行のため、請暇の申し出があります。これを許可するに御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも許可するに決しました。
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○谷垣禎一君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 昭和六十一年度一般会計補正予算(第1号)、昭和六十一年度特別会計補正予算(特第1号)、昭和六十一年度政府関係機関補正予算(機第1号)、右三案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
○議長(原健三郎君) 谷垣禎一君の動議に御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
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 昭和六十一年度一般会計補正予算(第1号)
 昭和六十一年度特別会計補正予算(特第1号)
 昭和六十一年度政府関係機関補正予算(機第1号)
○議長(原健三郎君) 昭和六十一年度一般会計補正予算(第1号)、昭和六十一年度特別会計補正予算(特第1号)、昭和六十一年度政府関係機関補正予算(機第1号)、右三案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。予算委員長砂田重民君。
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 昭和六十一年度一般会計補正予算(第1号)及び同報告書
 昭和六十一年度特別会計補正予算(特第1号)及び同報告書
 昭和六十一年度政府関係機関補正予算(機第1号)及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔砂田重民君登壇〕
○砂田重民君 ただいま議題となりました昭和六十一年度一般会計補正予算(第1号)外二案につきまして、予算委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 この補正予算三案は、去る十月三十一日本委員会に付託され、同日宮澤大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、一昨十一月四日から本六日まで三日間質疑を行い、本日質疑終了後、討論、採決をいたしたものであります。
 まず、補正予算の概要について申し上げます。
 一般会計につきましては、歳出において、公共事業関係費の追加、民間活力活用推進対策費、中小企業等特別対策費の計上、給与改善費、北洋漁業救済対策費、国民健康保険特別交付金、その他義務的経費の追加など、合計一兆四千三十五億円を追加計上いたしておりますが、他方、既定経費の節減のほか、国債費の減額、予備費の減額及び地方交付税交付金の減額により、一兆六千六百七十三億円の修正減少を行うことといたしております。
 歳入においては、租税及び印紙収入の減額、日本銀行納付金の減額、前年度剰余金の受け入れ、建設公債の追加発行などにより、二千六百三十八億円の修正減少となっております。
 この結果、昭和六十一年度補正後予算の総額は、歳入歳出とも、当初予算に対し二千六百三十八億円減少して、五十三兆八千二百四十八億円となります。
 特別会計につきましては、一般会計予算の補正等に関連して、国立学校特別会計、道路整備特別会計など十六特別会計について所要の補正を行うことといたしております。
 また、政府関係機関につきましては、国民金融公庫及び中小企業金融公庫について所要の補正を行うことといたしております。
 なお、一般会計及び特別会計において、内需を中心とした景気の拡大等を図るため、一般公共事業に係る国庫債務負担行為四千五百二十三億円を追加計上することといたしております。
 次に、質疑のうち、主なものについて概要を申し上げます。
 まず、景気対策及び経済見通しについては、「昨年秋以降、急速に円高が進み、円高不況、デフレ傾向が著しくなり、また、大幅な貿易黒字のため、経済摩擦が生じ、生産調整、雇用調整を余儀なくされる業種も出てきたが、これに対する政府の対策はどうか」また、「政府の経済見通し、実質成長率四%を達成するのは、種々の指標から見て非常に厳しい状況にあるのではないか」との質疑に対し、政府から、「政府としては、補正予算においては、八年ぶりに一般公共事業に対し建設国債の発行を行ってまで景気対策を進めようとしており、来年度にわたってもさらに種々の施策を推進したいと考えている」また、「政府が三兆六千億円の総合経済対策を積極的に進めていくということを国民の方々に御理解をいただければ、投資、消費等に力を出してくれるものと考えられ、このたびの公定歩合の引き下げと相まって、相当の効果を経済に与えるものと期待しており、四%実現に向けてこれからもきめ細かい対策を講じていきたい旨の答弁がありました。
 また、税制改革について、「今回出された税制の抜本的見直しについての政府税制調査会の答申では、新型間接税の三類型、なかんずく日本型付加価値税が提案されているが、これは、首相の選挙中の公約やこれまでの答弁に反するものである。その大型間接税は採用しないと国民に明言すべきではないか」との趣旨の質疑に対し、政府から、「税制抜本改革の主なねらいは、税の増収をもくろむものではなく、ひずみやゆがみ、不公平感、重税感を直して正常化しようとするものである。今度の答申は、決めつける要素は少なく、国民や政党の選択に任せる姿勢が中心であると思われる。新型間接税がこれまでの発言に反するかどうかは具体案のでき方によるが、多段階、包括的、網羅的、普遍的といった投網式にならないよう、相当な限定性を持つものはどうかという余地が残っている。混合型もあり得るし、いろいろな選択がある。現在、自民党税調に公約に反しないよう注意深く検討することをお願いしており、議論の終局的なおさまりがどうなるか、国民各層の意思がどう反応するか、その世論の帰趨と最終的にでき上がったものを見て判断すべきだと考えている」旨の答弁がありました。
 以上のほか、財政再建問題、所得税等の年内減税問題、円ドル相場に関する日米共同発表、円高差益の還元、円高不況対策などの経済問題、米ソ首脳会談、米国中間選挙、対ソ外交、経済援助のあり方などの外交問題、SDI、いわゆる戦略防衛構想、「防衛計画の大綱」別表の見直しなどの防衛問題、地方財政対策、国際放送の充実策、その他国政の各般にわたって熱心な質疑応答が行われましたが、詳細は会議録により御承知願いたいと思います。
 かくて、本日質疑終了後、三案を一括して討論に付しましたところ、政府原案に対し、自由民主党を代表して今井勇君から賛成、日本社会党・護憲共同を代表して菅直人君から反対、公明党・国民会議を代表して長田武士君から反対、民社党・民主連合を代表して木下敬之助君から反対、日本共産党・革新共同を代表して寺前巖君から反対の意見が述べられました。
 討論終局後、引き続き採決を行いました結果、昭和六十一年度補正予算三案は、いずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(原健三郎君) 三案につき討論の通告があります。順次これを許します。菅直人君。
    〔菅直人君登壇〕
○菅直人君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となっております昭和六十一年度補正予算三案に対して、反対の立場から討論を行うものであります。(拍手)
 今回の補正予算は、対外経済摩擦の激化、そして、昨年来の急激な円高による景気の後退に対処するため、政府が九月十九日に決定した総合経済対策に基づいて提案されたものであると受けとめております。我々も、今日の経済状況において緊急に内需拡大につながる財政措置が必要だとする認識においては共通する考えを持っています。しかし、今回の補正予算とその裏づけとなる総合経済対策は、余りにも時期を失したものであり、かつ、その内容も不十分、不適切であって、反対するものであります。
 すなわち、昭和六十一年度当初予算の審議のときから、社会、公明、民社、社民連の野党四党は、内需の大幅拡大を柱とする修正要求を行ってきました。中曽根政府は、財政再建を理由に我々の要求に耳をかさず、緊縮型の予算を強行しました。そのため、貿易摩擦が激化する一方、急激な円高ショックが我が国を襲ってきました。こうした状況の中で、我々は円高対策の必要性を強く訴えてきたのであります。これに対し中曽根内閣は、一たんは円高対策を理由として、六月二日臨時国会を召集したにもかかわらず、その冒頭に解散に打って出るという暴挙を行い、そのために、本格的円高対策は今日まで行われず、政策転換の決定的なおくれを招いたものであります。
 この間、さらに進行した円高は、輸出関連の中小零細企業は言うに及ばず、製造業の基幹的部門である鉄鋼、造船、非鉄金属、炭鉱などにおいても極めて深刻な状況を招いています。さらに、比較的対応力を持つとされる電機、自動車関連企業も、円高の是正が進まない状況の中で、次々と工場の海外移転を計画し、実施に移し始めています。まさに産業の空洞化が急激に進行していると言えます。
 私は、産業構造の転換が長期的には避けられないとしても、このような急激な産業空洞化の進行は雇用状況の悪化を招くことになり、社会不安さえ起こしかねず、何としても避けねばならないと考えています。このように、中曽根内閣は、当初予算において内需拡大に力を入れなかつたという第一の誤りに加えて、個利個略的解散を行うために、円高対策に決定的なおくれをもたらすという第二の誤りを犯したものであり、その責任は重大であると言わざるを得ません。(拍手)
 今回の補正予算は、おくればせながら我々が主張してきた内需拡大の方向に政府が方針転換をしようとしていると見ることができます。しかし、その中身は、以下の点で全く不十分であります。
 その第一は、我々が内需拡大の最大の柱として主張してきた所得税減税、政策減税が全く盛り込まれていないということであります。
 三月四日の与野党幹事長・書記長会談での合意を受けて、十月十六日には、本年中の減税を実施すると明確に約束されているわけでありますから、それを忠実に実行するのが与党と政府の責任ある態度であると考えます。そして、本年中に減税を実施するのであれば、与党及び政府は、補正予算に減税案を組み入れなければならないとの四野党の要求を受け入れるのが本筋であります。しかるに、補正予算での措置にかわる与野党合意を実施するための方策を明らかにしないまま、自民党は野党の要求を受け入れず、政府は減税案を補正予算に組み入れなかったのはまことに遺憾であると言わざるを得ません。(拍手)現在、本年中の減税実施に向けての与野党の話し合いはさらに継続中であります。内需拡大の大きな柱が個人消費の拡大であり、そのかなめとなるのが減税であることを十分考慮に入れて、公党間の約束が責任を持って実行されんことを強く要請するものであります。
 また、中曽根総理は、選挙中大型間接税を導入しないという公約をされました。選挙中の公約をないがしろにすることは、民主主義の信頼を失わしめるものであります。我々は大型間接税導入に強く反対することを改めて表明するものであります。(拍手)
 反対理由の第二は、公共投資を内需拡大につなげるための土地政策が全く抜け落ちているということであります。
 最近の首都圏を中心とする地価の高騰は、公共事業においても、また個人の住宅取得においても、大半の費用が土地代金に消えるという結果になっており、内需に対する波及効果は著しく小さいものとなっています。今日の地価の高騰は、まじめに働くサラリーマンにとって、幾ら長期のローンを組んでも土地つきの住宅取得が不可能になったことを意味します。宮澤大蔵大臣は資産倍増論を唱えられているようですが、狭い土地に家を持つ人にとって、地価が倍になり、数字の上で資産が倍増したからといって、生活の質は全く変わるものではありません。中曽根総理は無責任に民活を叫び、都心の地価高騰をもたらし、その買いかえ需要が郊外の地価を急激に押し上げています。公共事業費や住宅投資を効果的内需拡大につなげる上でも、抜本的地価政策を欠いた今回の総合経済政策とそれに基づく補正予算は全く不十分で、反対であります。
 反対理由の第三は、昭和六十五年度特例国債依存からの脱却という今では全く不可能な目標が足かせとなって、無理に無理を重ねた結果、非常にゆがんだ財政運営が続けられ、矛盾が拡大しているということであります。
 景気の後退によって、税収は国税で一兆一千二百億円の減額補正がされておりますが、その景気の後退を招いた大きな原因は、内需拡大を怠った政府の財政運営にあると言えます。また、その税収減などの歳入不足分を賄うため、四千五百億円余りの地方交付税交付金を減額補正し、地方に負担を転嫁する措置をとり、さらに、本来ならば減税に回すべき四千四百億円の前年度剰余金を補正予算の歳入に受け入れる措置を実施していますが、これらの措置は政府の財政運営のゆがみを象徴するものであります。内需拡大を目指したはずの補正予算が、税収減によって結局は二千六百億円余りの減額補正になってしまっているのは、政策的失敗と言わざるを得ません。
 以上、本補正予算に反対する主な理由を述べまして、私の反対の討論を終わります。(拍手)
○議長(原健三郎君) 今井勇君。
    〔今井勇君登壇〕
○今井勇君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております昭和六十一年度補正予算三案に対し、賛成の討論を行います。(拍手)
 戦後、廃墟の中から立ち上がり、国民のたゆまざる努力により、今日、自由主義諸国の中で第二の経済大国となった我が国にとって、今や世界経済の動向は、国内経済と表裏一体をなす極めて重要なものとなっております。先進諸国は、依然として米国の財政赤字、各国の大幅な対外不均衡、西欧諸国の厳しい雇用情勢等の課題を抱えており、他方、国内においては、諸外国から内需の拡大による早急なる対外不均衡の是正を求められており、同時に、昨年後半から始まった急激な円高は、製造業を初め中小企業に大きな影響を与え、一刻も放置できない状況となっております。
 このような経済情勢の中で、内需を中心とした景気の浮揚を図り、雇用の安定を確保し、あわせて対外収支の均衡を図るには、九月十九日に政府が決定した公共投資を柱とする総額三兆六千億円を超える総合経済対策を着実に実施することが何よりも緊要であると考えるものであります。今回の補正予算は、この総合経済対策を実施するために公共事業費等を追加するほか、人事院勧告の実施に伴う給与費の追加など、予算成立後に生じたやむを得ざる事由に基づき、特に緊要となった事項等について所要の措置を講じようとするものであります。
 以下、本補正予算に賛成する理由を申し上げます。
 その第一は、災害復旧事業費及び一般公共事業費の追加であります。
 災害復旧事業につきましては、本年も台風十号を初めとして多くの自然災害が発生し、幾多のとうとい人命や貴重な財産が失われましたことはまことに痛ましい限りでありまして、被災地の方々には衷心よりお見舞いを申し上げる次第でありますが、初年度の復旧進度を昨年度と同様に従来より速めるなど万全を期することとし、四千百六十億円を計上いたしております。また、これとは別に、一般公共事業費として千三百三十億円を計上いたしておりますが、これに国庫債務負担行為分及び地方自治体負担分を加えた一般公共事業の事業規模は八千五百億円となり、災害復旧費をも加えた公共事業の追加総事業規模は一兆四千億に達するものであります。
 これら公共事業費の追加措置は、公定歩合の引き下げ等の金融緩和措置による効果と相まって、内需の拡大、景気の持続的拡大等に大きく寄与するものとして高く評価するものでありますが、これら措置の効果を最大限に引き出し、確かなものとするためには、早急な実施とともに、執行に当たっては円高不況地域等に重点的に配分するなど、きめ細かな配慮を払うことが肝要であります。
 理由の第二は、中小企業対策費の追加であります。
 昨年来よりの円高等内外の経済環境の急激な変化による影響は、中小企業、とりわけ輸出関連企業に集中し、売り上げ減少の拡大、在庫の積み増し等影響の度合いが高まっており、こうした状況を反映して、一部では雇用調整の動きも見られる事態となっております。本補正予算においては、特に深刻かつ集中的な影響を受けている地域の中小企業に対し、構造転換等を支援するための特別融資制度を創設するとともに、昨年十二月以降数次にわたって講じてまいりました各種の中小企業特別調整対策を拡充、延長するための種々のきめ細かな措置を講ずることとして、このための経費が計上されております。これにより、中小企業が現下の厳しい状況に対応し得る環境の整備が一段と進むものと高く評価いたすものであります。
 理由の第三は、財政再建路線の堅持についてであります。
 本補正予算は、歳出面において可能な限り既定経費の節減に努めるとともに、予備費の減額、さらには、普通国債償還財源の予算繰り入れを行わないことによる国債費の減額を行い、また、歳入面においては、臨時異例の措置として前年度純剰余金の不足財源への充当を行うなど、税収及び税外収入が当初見通しより一兆二千五百三十三億円減額したにもかかわらず、歳入歳出両面にわたり最大限の努力を行い、特例公債の増発を回避し、財政再建路線を堅持した政府の姿勢は高く評価すべきものであります。
 理由の第四は、公務員の給与改善に必要な経費を計上したことであります。
 本年度は、八月に行われた人事院勧告どおり、公務員給与を四月にさかのぼり二・三一%引き上げることとしており、六年ぶりにアップ率、実施時期ともに完全実施したということであります。今回の措置は、極めて厳しい財政事情にもかかわらず、公務員が生活の安定を通じて職務に専念することを期待して行ったものでありまして、公務員各位も、政府の意とするところに沿って国民への奉仕に一層努力を傾注されんことを切に望むものであります。(拍手)
 以上、四点にわたり補正予算に対する賛成の理由を申し述べましたが、膨大な貿易黒字を減らし、内需振興を図りながら、内外需の均衡ある経済体制を整えるためには、なお多くの時間を要することは言うまでもありません。国際社会の中で経済大国として生きていくためには、輸出志向型の経済構造を転換し、産業の高度化、生産の国際分業化を図りながら諸外国との信頼を基調とした政策が不可欠であり、また、このような産業構造の転換を基調とした我が国の経済政策に対し、諸外国の期待と関心が強いことは、さきの東京サミットあるいはその後の七カ国蔵相・中央銀行総裁会議等一連の国際会議を見ても明らかであります。
 政府におかれましても、かかる見地に立って中長期的な政策を推進せられ、我が国経済がさらに発展できるよう、この際、特に注意を喚起して、賛成の討論といたします。(拍手)
○議長(原健三郎君) 橋本文彦君。
    〔橋本文彦君登壇〕
○橋本文彦君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました昭和六十一年度補正予算三案について、反対の討論を行うものであります。(拍手)最初に、私は、補正予算案の提出を今日まで遷延し、円高不況の様相を深めさせた政府・自民党の責任について申し上げざるを得ないのであります。
 我々は、本年の通常国会以来、再三にわたって景気の後退を指摘し、補正予算の早期提出を初め景気対策の実施を迫ってまいりました。ところが、政府・自民党は、長期的な円高メリットを強調し、景気の拡大基調を主張するのみでありました。しかも、衆参同日選挙を強行し、長期の政治空白をつくり、総合経済対策も九月十九日までおくらせてしまったのであります。
 我が国経済は、対外的には経済摩擦の拡大が懸念される一方で、国内的には著しい円高の影響が産業全般へ広がりつつあります。中小企業の円高倒産は増加の一途をたどり、失業雇用不安も次第に高まりつつある実情にあります。私は、円高による景気後退の事実を認めず、景気を著しく後退させ、事態をますます深刻化させた政府・自民党の責任をまず厳しく追及するものであります。(拍手)
 今回の補正予算によって、法人税収を中心に一兆七千億円もの税収の減額修正を余儀なくされたのも、政府が実効ある内需拡大策を怠った結果にほかならないのであります。ようやくのことで提出された補正予算案でありますが、その内容については、景気浮揚効果を初め多くの問題点を指摘せざるを得ないのであります。
 以下、本補正予算案に反対する主な理由を申し述べます。
 第一は、本補正予算案に所得税減税及び政策減税が盛り込まれていないことであります。
 公明党は、本年度当初予算の審議に当たって、円高不況を防ぐとともに経済摩擦の緩和を図るために、強力な内需の拡大策の実施を訴えてまいりました。そして、その具体策として所得税、住民税の大幅減税、住宅、パートなどの政策減税を強く主張し、予算案の修正を迫ったのであります。残念ながら、政府・自民党は、私どもの要求に謙虚に耳を傾けようとしなかったのであります。しかし、共産党を除く四野党の粘り強い要求の結果、三月四日の与野党幹事長・書記長会談において、六十一年中の所得税減税、政策減税の実施が確約され、第百四通常国会中に成案を得ることが合意されたのであります。
 ところが、政府・自民党は、六十二年度の税制の抜本改正を理由に、与野党間の合意を踏みにじり続けたのであります。再三にわたる与野党間の折衝によって、十月十六日の与野党国会対策委員長会談においては、六十一年中の所得税減税及び政策減税の実施が改めて確認されたのであります。ここまで円高不況の様相が広がっている事態を見るにつけ、本年度前半における大幅減税が必要であったことを痛感するものでありますが、政府・自民党が与野党間の合意を尊重するというのであれば、少なくとも本補正予算案に所得税減税及び政策減税が盛り込まれるのが筋であったのであります。議会制民主政治のもとにあっては、公党間の約束はあくまでも尊重されるべきであり、政府・自民党の態度は極めて遺憾であると言わざるを得ません。現在、与野党の政調・政審会長の間で、六十一年中の所得税減税及び政策減税の実施に向けて努力がなされております。私は、この際、政府・自民党に対し、与野党間の合意をあくまでも尊重するよう強く要求するものであります。(拍手)
 反対する理由の第二は、円高不況を防ぐために思い切った内需拡大策が必要であるにもかかわらず、本補正予算案では極めて中途半端な対策しか講じられていないことであります。
 本補正予算案では、景気浮揚を図る上で重要な一般公共事業関係費の追加はわずかに千三百三十億円にとどめられ、一般公共事業の大半は六十二年度予算の先食いである国庫債務負担行為とされているのであります。財政投融資や地方単独事業の追加措置を織り込んではいるものの、景気対策が著しくおくれ、事態が深刻化している現段階においては、この程度の一般公共事業の追加では、さきに述べた所得税減税及び政策減税の見送りとあわせて、景気浮揚効果はほとんどないと言わざるを得ないのであります。民間金融機関では、今回の補正予算による実質GNPの押し上げ効果はわずかに〇・四%にすぎないと試算しているほどであります。結局、本年度の実質経済成長率は二%台に落ち込むことは必至と見なければならず、内需の拡大がかけ声倒れに終わるならば、対外経済摩擦の緩和も困難であると言わなければなりません。
 現在、我が国は、欧米先進国から見て著しくおくれている社会資本の整備が急務となっております。私は、長期的展望に立って、特に住宅、住環境の整備に積極的に取り組むべきであり、この方向に沿って本補正予算案においても、建設国債を財源として大幅に社会資本整備のための一般公共事業費を追加すべきであると思うのであります。政府の消極的な経済財政運営が著しい円高不況を招き、対外経済摩擦の引き金となったことは明らかであります。私は、この事実を厳しく反省し、思い切った積極財政に転換するよう強く主張するものであります。
 反対する第三の理由は、円高不況の様相が徐々に広まりつつある中で、苦境に立たされている中小企業や雇用不安に対する強力な対策が欠けていることであります。
 負債総額一千万円以上の円高倒産は、昨年の十一月以来既に四百三十件を超え、倒産企業の従業員は一万二千三百人を数えるに至っており、この傾向はますます増加の度合いを強めております。雇用不安は大手企業にまで広がっているのが実情であります。中小企業を円高不況から守るためには、本補正予算でとられている不況地域の中小企業対策や信用補完制度の充実はもとより、既往債務の金利の一層の引き下げや償還期間の延長、中小企業向け官公需の拡大、下請代金支払遅延等防止法等の強化が必要であります。また、失業雇用に対処するために、特に不況業種、不況地域の失業の予防、雇用の確保、離職者対策の充実が急務であります。その中でも、とりわけ中高年齢者に対するきめ細かな配慮が重要であります。
 今回の急激な円高のきっかけは昨年のG5の合意によるもので、政策的にもたらされたものであり、また、円高不況の広がりも政府の景気対策のおくれにあります。それだけに、私は、政府が責任を持って強力な中小企業対策や失業雇用対策を講ずるよう要求するものであります。
 反対する理由の第四は、本補正予算案において、老人医療費の一部負担を大幅に引き上げる老人保健法改正案の施行を十二月一日と決定づけている点であります。
 今日の段階では、健康の維持増進、疾病の予防という老人保健法の目的が十分に成果を上げているとは言いがたい実情にあります。こうした中で、老人医療費の一部負担を大幅に引き上げ、また、国保財政の赤字を他の保険者にしわ寄せしようとすることは、到底納得できるものではありません。まず、健康相談、健康診査等の保健事業の充実を図るべきであります。
 以上、補正予算三案に反対する主な理由を申し上げましたが、最後に、当面する厳しい経済情勢を克服するために、第二弾、第三弾の内需拡大策の実施を要望し、反対の討論を終わります。(拍手)
○議長(原健三郎君) 北橋健治君。
    〔北橋健治君登壇〕
○北橋健治君 私は、民社党・民主連合を代表して、ただいま議題となっております昭和六十一年度補正予算三案に対し、反対討論を行うものであります。
 昨年来の急激かつ大幅な円高により、我が国経済は極めて深刻な円高不況に見舞われております。異常ともいうべきこの円高に伴い、企業の円高倒産件数は、円高の始まった昨年十月以来一年間で過去最高水準の四百二十九件にも達し、また、大幅な減益を余儀なくされた企業は、製造業全体の八割にも及んでいます。とりわけ、造船業界などでは、大幅な血のにじむような人員合理化、設備廃棄を迫られ、また、鉄鋼業界では、かつてない労働者の臨時休業あるいは高炉の一部休止計画の検討というように、かつてない深刻な経営不振に陥っております。また、これらの不況業種の立地する地域では、関連中小企業群を含めた極度の経営不振による雇用不安が日増しに強まっているのが現実であります。
 雇用情勢も悪化の一途をたどっており、本年九月の失業率は二・八%と高水準を記録し、構造失業時代に突入したと言われるほど、雇用問題は一段と深刻の度を加速しているのであります。またさらに、今後海外直接生産が増大しますと、国内雇用の縮小、産業の空洞化が進み、事態が重大化することを国民はひとしく危惧しているところであります。
 昨年来の政府による円高誘導策は、このように国民経済の存立基盤を大きく揺るがし、産業の地盤沈下を加速しただけではありません。我が国の貿易黒字は依然として増大を続けており、対外経済摩擦は一向に解消に向かっていないのが現実であります。通貨調整によりJカーブ効果が当初は働くため、貿易収支の是正に一定のタイムラグが必要なことは私も十分承知しております。しかしながら、今年度の経常黒字が過去最高の八百億ドルにも達すると見込まれる現状では、中曽根内閣の為替レート一本やりの対外経済調整は、明らかに政策的整合性を失ったものと断ぜざるを得ません。(拍手)
 私は、今日の深刻な円高不況は、対外不均衡是正のためと称して現下の行き過ぎた円高を放置し、内需拡大の強力な展開を軽視してきた政府の経済財政運営に最大の原因があると言わざるを得ません。これまで中曽根内閣の経済運営は、財源が乏しいから思い切った手を打たない、手を打たないからなお一層の財源不足に陥るという悪循環を繰り返してきており、この政策路線を今後とも踏襲する限り、貿易摩擦の解消も「増税なき財政再建」も、そして四%台の経済成長もすべて達成できないという、八方ふさがりに行き着くことは明白であります。(拍手)本年度一兆三千億円という巨額な歳入欠陥が発生したことを見ても、政府の消極的なこれまでの経済財政運営の失敗が、事実として国民の前に明らかになっているのであります。
 今回の補正予算の編成に際し、我が党が上述の認識にかんがみ政府に強く要求したことは、急激かつ異常な円高によって未曾有の経済危機に陥っている地域並びに各産業を救済するとともに、勤労者の生活を守り、同時に、内需拡大に最も効果的な大幅な減税を実現することでありました。このため、我が党は、大幅な所得税減税、法人税減税の実現、建設国債の発行による公共投資の拡大などを柱とした積極的な経済財政運営を断行することにより、内需主導の実質五%程度の成長が十分達成でき、同時に、税の自然増収が確保され、今日課題となっている貿易摩擦の解消、「増税なき財政再建」が可能になることを強調し、具体的な提言を行ってきたところであります。
 とりわけ、我々は、二兆三千億円の所得税減税の断行が個人消費の拡大に不可欠との立場から、その実現を強く要求してきたところであります。しかるに中曽根内閣は、私どもの減税要求を拒否し続けており、我々はこれに対して強い憤りを禁じ得ないのであります。大幅な所得税減税を見送り、公共投資拡大のための建設国債も小幅にとどめた今回の補正予算案では、到底政府の国際公約である実質四%成長は達成不可能であり、円高不況、雇用不安も一段と高まり、貿易摩擦の激化も避けられないものと言わざるを得ないのであります。にもかかわらず、総理が今なお四%経済成長達成に自信を示され、国内景気もいずれは回復に向かうと楽観的な見通しを公言されていることは、円高不況に苦悩する勤労大衆には到底納得できないのであります。
 私は、今回の補正予算の内容では、仮に不況地域への予算の傾斜配分を行ったとしても、景気の浮揚効果はほとんど期待できず、国民に明るい展望を保証できないものと言わざるを得ません。むしろ、年末を間近に控え、資金繰りで走り回る中小企業者や再就職先を求め会社回りをする労働者、また、いつ希望退職者として肩をたたかれるかという不安を持つ勤労者など、苦痛に満ちた国民の皆様の顔が目に浮かぶのであります。政治は、そのような勤労大衆に温かい手を差し伸べることに原点があると信じます。それゆえに、かつてない厳しい環境に置かれた不況地域、不況産業に働く勤労者に明るい展望を切り開くことが到底期待できない今回の補正予算には賛同することができません。
 同時に、この際私は、政府が現下の円高不況を乗り切り、雇用の安定を図るため、これまでの消極的な、そして民間任せの姿勢を改め、万全の措置を強力に講ずるよう強く求めるものであります。
 ある県を例にとりますと、造船不況対策として、県全体の予算として乏しい財源の中から二十三億円余を計上しました。しかし、政府がそれに対して助成した予算は、何とそのうちわずか一%にすぎない、その実例を私は聞いております。これは政府の円高不況に取り組む消極的な姿勢を端的に示すものであり、私はまことに残念でなりません。円高の直撃を受けている産業、地域の雇用を守るため、公共投資の思い切った重点配分、成長産業の積極的誘致による雇用機会の創出に向けて、政府は、今こそ自治体と一体となって、強力な産業、雇用政策を推進することを要請いたします。
 また、現下の行き過ぎた円高の是正も急務であります。対外経済摩擦を解決するいわば切り札として、中曽根内閣が昨年秋、円高誘導に踏み切って以来、ちょうど一年余が経過しました。その結果、国内経済は危機に瀕し、貿易摩擦はさらに激化しております。政府は、一体いつまで為替レート一本やりの対外経済調整を続けるのでしょうか。一ドル百五十円台という異常な円高の水準は、我が国輸出産業には到底耐えがたいものであり、企業内の労使による苦渋に満ちた合理化努力では対応し切れないのが事実であります。今日の急激かつ大幅な円高は、対外経済調整対策として政府が誘導してきたものであり、その是正は政府みずから責任を持って行うべきであります。
 このため我が党が提案したターゲットゾーンの設定構想などに政府が消極的な姿勢を示し、通貨調整に今なお積極的に取り組まないことは極めて遺憾であります。国内産業の存立を危うくする現下の行き過ぎた円高を是正するため、中曽根内閣の今後の英断を強く要請するものであります。政治家は、常に国民にあすへの希望にあふれたビジョンを示し、その実現に邁進せねばなりません。このたびの補正予算三案が、景気回復という緊要の国民的課題について何ら国民に明確な展望を示していないことを最後に指摘しまして、私の反対討論を終わります。(拍手)
○議長(原健三郎君) 石井郁子君。
    〔石井郁子君登壇〕
○石井郁子君 私は、日本共産党・革新共同を代表し、政府提出の昭和六十一年度補正予算に対する反対討論を行います。(拍手)
 平和、軍縮と国民生活向上は、今や国民の切実な願いとなっております。ところが、昭和六十一年度当初予算は、軍事費の突出と財界奉仕をあらわにし、その負担と犠牲のすべてを国民に押しつける最悪の予算であり、当然のことながら我が党は反対しました。本補正予算は、この当初予算の性格をそのまま貫いた、反国民的なものとなっています。
 以下、具体的に反対の理由を述べます。
 第一の理由は、レーガン政権の核戦略を補完する歯どめなき大軍拡を推し進め、国民生活に犠牲を強要する補正予算となっていることです。
 レイキャビクにおける米ソ首脳会談は、レーガン大統領がSDIに固執したため物別れに終わり、平和を願う全世界の人々の失望を招きました。しかし、だからこそ核兵器廃絶の声を一層高めなければなりません。ところが政府は、宇宙にまで核軍拡を広げるSDIへの参加を決定しました。これは許しがたい世界世論への挑戦と言わなければなりません。(拍手)
 補正予算は、多額の歳入欠陥のため、四千五百二十億円の経費削減を余儀なくされ、軍事費も三百五十三億円減額修正しております。しかし、これは円高と原油値下がりによって当然返すべき差益のほんの一部にすぎず、戦闘機や軍艦のボルト一本、油一滴すら削減するものではありません。軍事費を対前年比六・五八%増と超突出させた六十一年度大軍拡予算の性格はそのまま貫かれているのです。他方、当初予算で大幅に削減された福祉、教育、農業予算は、健康保険本人一割負担の押しつけなどによって浮かした社会保険国庫負担の六百四億円の削減、私学助成費十二億円の削減などに見られるように、一層刈り込まれています。殊に老人医療再改悪のごり押しは、福祉切り捨ての第二ラウンドへの突入を意味しており、重大であります。このような大軍拡、国民生活犠牲を決して容認することはできません。(拍手)
 反対理由の第二は、異常円高を当然視し、それを是正する対策を何ら盛っていないばかりか、レーガン政権の言いなりになって、円高をてこに中小企業、農業、石炭産業を切り捨てようとしていることです。
 一兆二千五百億円を超える歳入欠陥は、円高不況による税収の大幅な落ち込みによることは明らかです。しかも、異常な円高による深刻な不況は、政府がつくり出したいわば政治災害ではありませんか。したがって、当然補正予算で救済策をとり、円高を招いた根源にメスを入れるべきであります。ところが、補正予算は、中小企業が切実に願っている円高融資の金利をせめて三%に引き下げてほしいという要求にすらこたえておりません。しかも、政府の調査でも一ドル百五十円、百六十円という異常円高が続けば中小企業は壊滅的打撃を受けることがはっきりしているにもかかわらず、補正予算提出と同時に、政府はアメリカとの間で今の水準を維持することを合意しました。これは、まさに円高をてこに中小企業の切り捨てを図るものであり、断じて許すことはできません。
 異常円高を是正するためには、アメリカの核軍拡による財政赤字と多国籍企業の海外進出によるアメリカ産業の空洞化が招いた赤字体質を改めるようアメリカに要求し、同時に、我が国においては、大企業の異常に強い競争力の源になっている低賃金、長時間・超過密労働、下請いじめの構造を改める手だてを尽くすことであります。日米双方の根源にメスを入れず、アメリカの言いなりになっていたのでは、国民の被害は増大するばかりです。経済構造調整と称して農業、石炭産業の切り捨てを盛り込んだ前川リポートの実施を対米公約とした中曽根内閣の姿勢は、その典型と言わなければなりません。食糧、エネルギーを輸入に依存することは、我が国の自立的経済の基礎を崩壊させることであります。私は、国民の利益を守る立場から、中曽根内閣の姿勢が根本的に誤っていることを強く指摘したいと思います。(拍手)
 反対理由の第三は、内需拡大を唱えながら、大企業奉仕を拡大し、実際は内需をますます冷え込ませるものとなっていることであります。
 内需拡大の決め手は、内需の六割を占める個人消費を盛り上げることであり、国民の購買力を高める対策をとることであります。ところが、補正予算は、まず所得減税を全く盛り込んでおりません。しかも、我が党の正森議員の追及で明らかにされたことですが、中曽根内閣は、公約違反の大型間接税の導入、マル優廃止をもくろみ、大増税路線を突き進もうとしております。
 また、円高差益の還元は、政府主導で行える電力、ガス料金の引き下げすら見送っております。失業率は三%を超えようとしている重大な事態にもかかわらず、雇用対策は皆無です。それどころか、政府は、国鉄解体による失業増大の先頭を切り、大企業が円高対策を理由として部品輸入、海外投資を進める一方、国内で人減らし合理化を強行し、失業をふやしているのを放置しております。これでは、内需の拡大は望みようがないではありませんか。(拍手)おまけに政府は、税収の落ち込みによる地方交付税交付金の減額分をそっくり自治体に借金させ、地方財政を苦境に立たせています。
 その一方、九月に決定された総合経済対策の一環として、民間活力の名のもとに新たな財界奉仕が盛り込まれております。ことしの百四国会において、大規模プロジェクトを進める大企業を助成するためのいわゆる民活法が強引に成立させられたばかりですが、補正予算は、さらに新たな補助を行うため三十三億円の民活推進対策費を追加しています。内需拡大に名をかりたこのような大企業奉仕はどうしても認めるわけにはまいりません。あわせて、国債の五千四百九十億円の増発は、前回の円高のときにアメリカと財界の圧力に屈して国債を大量に発行し、今日の財政破綻のもとをつくった道を再び進むものであることを申し述べておきます。
 最後に、私は、今政治に求められているのは、異常な円高に苦しむ中小零細業者を初め、福祉や教育の充実、大幅賃上げ、核兵器廃絶を願う国民の声にこたえ、平和と国民生活向上の方向に政治を根本的に転換することだと確信します。このことを改めて強調し、反対討論を終わります。(拍手)
○議長(原健三郎君) これにて討論は終局いたしました。
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○議長(原健三郎君) 三案を一括して採決いたします。
 三案の委員長の報告はいずれも可決であります。三案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(原健三郎君) 起立多数。よって、三案とも委員長報告のとおり可決いたしました。(拍手)
     ────◇─────
 日程第一 特定地域中小企業対策臨時措置法案(内閣提出)
 日程第二 中小企業信用保険法及び特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(原健三郎君) 日程第一、特定地域中小企業対策臨時措置法案、日程第二、中小企業信用保険法及び特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。商工委員長佐藤信二君。
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 特定地域中小企業対策臨時措置法案及び同報告書
 中小企業信用保険法及び特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
    〔佐藤信二君登壇〕
○佐藤信二君 ただいま議題となりました両法案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 両案は、円高の一層の進展と長期化する構造不況、北洋漁業規制の強化等、最近の経済環境の著しい変化により、その経営に支障を生じている中小企業の実情、とりわけ輸出型産地、企業城下町等の特定の地域の深刻な状況にかんがみ、中小企業対策について特段の措置を講じようとするものであります。
 まず、特定地域中小企業対策臨時措置法案について申し上げます。
 本案は、昭和六十三年六月に廃止期限が到来する特定業種関連地域中小企業対策臨時措置法を吸収し、特定の地域において事業活動に著しい支障が生じている中小企業者に対し、新たな経済的環境への適応を円滑にするための措置を講じようとするものでありまして、その主な内容は、
 第一に、円高等により地域経済全体が大きな影響を受けており、その地域の相当数の中小企業者の事業活動に著しい支障が生じていると認められる地域を特定地域として指定すること、
 第二に、特定地域内の事業活動に支障を生じている中小企業者は、新分野への進出に関する事業等、新たな経済的環境への適応措置に関する計画を作成し、都道府県知事の承認を受けることができることとし、承認を受けた中小企業者に対して金融、税制上の特例措置を講ずること、
 第三に、特定地域における工場の新増設の円滑な推進のため、財政上の措置、金融、税制上の特例措置を講ずること
等であります。
 次に、中小企業信用保険法及び特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、円高等による新たな資金需要に対し、信用保証面での支援措置を講じようとするものでありまして、その内容は、国際経済関連保証及び倒産関連保証に係る無担保保険の付保限度額の別枠を、特例措置としてそれぞれ一千万円増額することであります。
 両案は、去る十月三十一日当委員会に付託され、十一月四日田村通商産業大臣から提案理由の説明を聴取し、昨五日審査を行い、質疑を終了いたしましたところ、特定地域中小企業対策臨時措置法案に対し、日本共産党・革新共同から修正案が提出され、修正案について内閣の意見を聴取した後、採決の結果、同修正案は否決され、両案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、特定地域中小企業対策臨時措置法案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(原健三郎君) 両案を一括して採決いたします。
 両案は委員長報告のとおり決するに御異議ございませんか。
    〔異議なしにと呼ぶ者あり〕
○議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
     ────◇─────
○議長(原健三郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後八時四分散会