第108回国会 本会議 第13号
昭和六十二年四月二十二日(水曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第十三号
  昭和六十二年四月二十二日
    午前一時開議
 第一 予算委員長砂田重民君解任決議案(大出
    俊君外四名提出)
         (委員会審査省略要求案件)
 第二 大蔵大臣宮澤喜一君不信任決議案(大出
    俊君外四名提出)
         (委員会審査省略要求案件)
 第三 昭和六十二年度一般会計予算
 第四 昭和六十二年度特別会計予算
 第五 昭和六十二年度政府関係機関予算
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 本日の議事における発言時間は趣旨弁明につい
  ては十五分質疑答弁討論その他については十
  分とするの動議(藤波孝生君外五十七名提出
  )
 日程第一 予算委員長砂田重民君解任決議案
  (大出俊君外四名提出)
  質疑終局の動議(藤波孝生君外五十七名提出
  )
 日程第二 大蔵大臣宮澤喜一君不信任決議案
  (大出俊君外四名提出)
    午前一時二分開議
○副議長(多賀谷真稔君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 発言時間に関する動議
○副議長(多賀谷真稔君) 藤波孝生君外五十七名から、本日の議事における発言時間は趣旨弁明については十五分質疑答弁討論その他については十分とするの動議が提出されました。
 本動議は記名投票をもって採決いたします。
 本動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
○副議長(多賀谷真稔君) 速やかに投票してください。――速やかに投票してください。――投票をお急ぎ願います。――投票をお急ぎ願います。――投票をお急ぎ願います。
    〔投票継続〕
○副議長(多賀谷真稔君) 投票をお急ぎ願います。――投票をお急ぎ願います。――いまだに投票されない方は、なるべく速やかに投票されることを望みます。――いまだに投票されない方は、速やかに投票されることを望みます。
    〔投票継続〕
○副議長(多賀谷真稔君) 速やかに投票してください。――いまだに投票されない方は、速やかに投票してください。――投票をお急ぎ願います。
    〔投票継続〕
○副議長(多賀谷真稔君) 投票開始から既に一時間以上経過しておりますので、ただいまから十分以内に投票されるよう望みます。――時間もあとわずかでありますから、なるべく速やかに投票願います。――時間もあとわずかでありますから、速やかに投票願います。
    〔投票継続〕
○副議長(多賀谷真稔君) 時間もあとわずかでありますから、速やかに投票願います。投票されない方は、棄権とみなします。
    〔投票継続〕
○副議長(多賀谷真稔君) 制限時間が参りました。
 投票漏れはありませんか。――投票漏れはありませんか。(発言する者あり)投票をされない方は、棄権とみなしますので、速やかに投票してください。
    〔投票継続〕
○副議長(多賀谷真稔君) 制限の時間が参りましたので、投票箱閉鎖を命じます。開票。――議場開鎖。
 投票を計算させます。
    〔参事投票を計算〕
    〔発言する者あり〕
○副議長(多賀谷真稔君) 投票箱閉鎖の発言を取り消し、投票の続行を命じます。――議場閉鎖。
    〔投票継続〕
○副議長(多賀谷真稔君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。
 投票を計算させます。
    〔参事投票を計算〕
○副議長(多賀谷真稔君) この際、三時半まで暫時休憩いたします。
    午前三時五分休憩
     ――――◇―――――
    午前三時四十二分開議
○議長(原健三郎君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
     ――――◇―――――
○議長(原健三郎君) 先刻の投票に疑義があるとのことでありますので、改めて本動議につき記名投票をもって採決することといたします。
 藤波孝生君外五十七名提出の本日の議事における発言時間は趣旨弁明については十五分質疑答弁討論その他については十分とするの動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
○議長(原健三郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。
 投票を計算させます。
    〔参事投票を計算〕
○議長(原健三郎君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百七十四
  可とする者(白票)       二百八十
    〔拍手〕
  否とする者(青票)       百九十四
    〔拍手〕
○議長(原健三郎君) 右の結果、本日の議事における発言時間は、趣旨弁明については十五分、質疑、答弁、討論その他については十分とするに決しました。
    ―――――――――――――
 藤波孝生君外五十七名提出発言時間制限の動議を可とする議員の氏名
      阿部 文男君    逢沢 一郎君
      愛知 和男君    愛野興一郎君
      青木 正久君    赤城 宗徳君
      麻生 太郎君    天野 公義君
      甘利  明君    新井 将敬君
      有馬 元治君    粟屋 敏信君
      井出 正一君    井上 喜一君
      伊東 正義君    伊藤宗一郎君
      伊吹 文明君    池田 行彦君
      石井  一君    石川 要三君
      石破  茂君    石橋 一弥君
      石原慎太郎君    石渡 照久君
      糸山英太郎君    稲垣 実男君
      稻葉  修君    稲村 利幸君
      今井  勇君    今枝 敬雄君
      宇野 宗佑君    上草 義輝君
      上村千一郎君    魚住 汎英君
      臼井日出男君    内海 英男君
      浦野 烋興君    江口 一雄君
      江藤 隆美君    衛藤征士郎君
      榎本 和平君    遠藤 武彦君
      小川  元君    小此木彦三郎君
      小里 貞利君    小沢 一郎君
      小澤  潔君    小沢 辰男君
      小渡 三郎君    小渕 恵三君
      尾形 智矩君    尾身 幸次君
      越智 伊平君    越智 通雄君
      大石 千八君    大石 正光君
      大島 理森君    大塚 雄司君
      大坪健一郎君    大西 正男君
      大野  明君    大野 功統君
      大原 一三君    大村 襄治君
      太田 誠一君    岡島 正之君
      奥田 幹生君    奥野 誠亮君
      加藤 紘一君    加藤 卓二君
      加藤 六月君    鹿野 道彦君
      海部 俊樹君    柿澤 弘治君
      梶山 静六君    粕谷  茂君
      片岡 清一君    片岡 武司君
      金子 一義君    金子原二郎君
      亀井 静香君    亀井 善之君
      亀岡 高夫君    唐沢俊二郎君
      川崎 二郎君    瓦   力君
      木部 佳昭君    木村 守男君
      木村 義雄君    菊池福治郎君
      岸田 文武君    北川 石松君
      北川 正恭君    北口  博君
      北村 直人君    久間 章生君
      久野 忠治君    工藤  巖君
      鯨岡 兵輔君    熊谷  弘君
      熊川 次男君    倉成  正君
      栗原 祐幸君    小泉純一郎君
      小坂善太郎君    小坂徳三郎君
      小杉  隆君    小宮山重四郎君
      古賀  誠君    古賀 正浩君
      後藤田正晴君    河野 洋平君
      河本 敏夫君    高村 正彦君
      鴻池 祥肇君    近藤 鉄雄君
      近藤 元次君    左藤  恵君
      佐藤 一郎君    佐藤 静雄君
      佐藤 信二君    佐藤 敬夫君
      佐藤 文生君    佐藤 守良君
      斉藤斗志二君    坂本三十次君
      桜井  新君    櫻内 義雄君
      笹川  堯君    笹山 登生君
      志賀  節君    自見庄三郎君
      椎名 素夫君    塩川正十郎君
      塩崎  潤君    島村 宜伸君
      白川 勝彦君    杉浦 正健君
      杉山 憲夫君    鈴木 恒夫君
      砂田 重民君    関谷 勝嗣君
      田澤 吉郎君    田名部匡省君
      田中 龍夫君    田中 直紀君
      田原  隆君    田村  元君
      田村 良平君    高鳥  修君
      高橋 一郎君    高橋 辰夫君
      竹内 黎一君    竹下  登君
      竹中 修一君    武部  勤君
      武村 正義君    谷  洋一君
      谷垣 禎一君    谷川 和穗君
      玉生 孝久君    玉沢徳一郎君
      近岡理一郎君    津島 雄二君
      塚原 俊平君    月原 茂皓君
      戸井田三郎君    戸沢 政方君
      戸塚 進也君    渡海紀三朗君
      東家 嘉幸君    友納 武人君
      虎島 和夫君    中尾 栄一君
      中川 昭一君    中川 秀直君
      中島源太郎君    中島  衛君
      中曽根康弘君    中西 啓介君
      中村喜四郎君    中村正三郎君
      中村  靖君    中山 太郎君
      中山 利生君    中山 成彬君
      中山 正暉君    長野 祐也君
      二階 俊博君    二階堂 進君
      丹羽 兵助君    丹羽 雄哉君
      西岡 武夫君    西田  司君
      額賀福志郎君    野田  毅君
      野中 英二君    野中 広務君
      野呂田芳成君    羽田  孜君
      葉梨 信行君    橋本龍太郎君
      長谷川 峻君    畑 英次郎君
      鳩山 邦夫君    鳩山由紀夫君
      浜田 幸一君    浜田卓二郎君
      浜野  剛君    林  大幹君
      林  義郎君    原田  憲君
      原田昇左右君    東   力君
      平泉  渉君    平沼 赳夫君
      平林 鴻三君    深谷 隆司君
      吹田  ナ君    福島 譲二君
      藤尾 正行君    藤波 孝生君
      藤本 孝雄君    二田 孝治君
      船田  元君    古屋  亨君
      保利 耕輔君    穂積 良行君
      細田 吉藏君    堀内 光雄君
      堀之内久男君    前田 武志君
      増岡 博之君    町村 信孝君
      松田 岩夫君    松田 九郎君
      松永  光君    松野 幸泰君
      松本 十郎君    三原 朝彦君
      三塚  博君    箕輪  登君
      水野  清君    宮崎 茂一君
      宮里 松正君    宮澤 喜一君
      宮下 創平君    武藤 嘉文君
      村井  仁君    村岡 兼造君
      村上誠一郎君    村田敬次郎君
      村山 達雄君    持永 和見君
      粟山  明君    森   清君
      森  美秀君    森  喜朗君
      森下 元晴君    森田  一君
      谷津 義男君    保岡 興治君
      柳沢 伯夫君    山口 敏夫君
      山崎  拓君    山崎平八郎君
      山下 元利君    山下 徳夫君
      山村新治郎君    山本 幸雄君
      与謝野 馨君    若林 正俊君
      綿貫 民輔君    渡部 恒三君
      渡辺 栄一君    渡辺 紘三君
      渡辺 省一君    渡辺 秀央君
      渡辺美智雄君    佐藤 孝行君
 否とする議員の氏名
      阿部未喜男君    五十嵐広三君
      井上  泉君    井上 一成君
      井上 普方君    伊藤  茂君
      伊藤 忠治君    池端 清一君
      石橋 大吉君    石橋 政嗣君
      稲葉 誠一君    岩垂寿喜男君
      上田 卓三君    上田  哲君
      上田 利正君    上原 康助君
      江田 五月君    小川 国彦君
      小澤 克介君    小野 信一君
      緒方 克陽君    大出  俊君
      大原  亨君    岡田 利春君
      奥野 一雄君    加藤 万吉君
      角屋堅次郎君    金子 みつ君
      川崎 寛治君    川俣健二郎君
      河上 民雄君    河野  正君
      菅  直人君    木間  章君
      串原 義直君    小林 恒人君
      上坂  昇君    左近 正男君
      佐藤 観樹君    佐藤 敬治君
      佐藤 徳雄君    坂上 富男君
      沢田  広君    沢藤礼次郎君
      渋沢 利久君    嶋崎  譲君
      清水  勇君    城地 豊司君
      新村 勝雄君    新盛 辰雄君
      関山 信之君    田口 健二君
      田中 恒利君    田邊  誠君
      田並 胤明君    高沢 寅男君
      竹内  猛君    辻  一彦君
      戸田 菊雄君    土井たか子君
      中沢 健次君    中西 績介君
      中村  茂君    中村 正男君
      永井 孝信君    野坂 浩賢君
      馬場  昇君    浜西 鉄雄君
      早川  勝君    広瀬 秀吉君
      細谷 治嘉君    前島 秀行君
      松前  仰君    三野 優美君
      水田  稔君    武藤 山治君
      村山 喜一君    村山 富市君
      安井 吉典君    安田 修三君
      山口 鶴男君    山下八洲夫君
      山花 貞夫君    吉原 米治君
      渡部 行雄君    浅井 美幸君
      新井 彬之君    有島 重武君
      井上 和久君    池田 克也君
      石田幸四郎君    市川 雄一君
      遠藤 和良君    小川新一郎君
      大久保直彦君    大野  潔君
      大橋 敏雄君    近江巳記夫君
      長田 武士君    鍛冶  清君
      貝沼 次郎君    神崎 武法君
      木内 良明君    草川 昭三君
      草野  威君    小谷 輝二君
      権藤 恒夫君    斉藤  節君
      坂井 弘一君    坂口  力君
      柴田  弘君    鈴切 康雄君
      竹入 義勝君    竹内 勝彦君
      武田 一夫君    玉城 栄一君
      鳥居 一雄君    中村  巖君
      西中  清君    沼川 洋一君
      橋本 文彦君    春田 重昭君
      日笠 勝之君    平石磨作太郎君
      伏木 和雄君    伏屋 修治君
      藤原 房雄君    二見 伸明君
      冬柴 鐵三君    古川 雅司君
      正木 良明君    水谷  弘君
      宮地 正介君    森田 景一君
      森本 晃司君    矢追 秀彦君
      矢野 絢也君    薮仲 義彦君
      山田 英介君    吉井 光照君
      吉浦 忠治君    渡部 一郎君
      安倍 基雄君    阿部 昭吾君
      青山  丘君    伊藤 英成君
      小沢 貞孝君    大矢 卓史君
      岡田 正勝君    川端 達夫君
      河村  勝君    神田  厚君
      木下敬之助君    北橋 健治君
      小渕 正義君    田中 慶秋君
      滝沢 幸助君    玉置 一弥君
      塚田 延充君    塚本 三郎君
      中野 寛成君    永末 英一君
      楢崎弥之助君    西村 章三君
      林  保夫君    吉田 之久君
      米沢  隆君    和田 一仁君
      安藤  巖君    石井 郁子君
      岩佐 恵美君    浦井  洋君
      岡崎万寿秀君    金子 満広君
      経塚 幸夫君    工藤  晃君
      児玉 健次君    佐藤 祐弘君
      柴田 睦夫君    田中美智子君
      辻  第一君    寺前  巖君
      中路 雅弘君    中島 武敏君
      野間 友一君    東中 光雄君
      藤田 スミ君    藤原ひろ子君
      正森 成二君    松本 善明君
      村上  弘君    矢島 恒夫君
      山原健二郎君    多賀谷真稔君
    ―――――――――――――
○議長(原健三郎君) 日程第一は、提出者から委員会の審査省略の申し出があります。右申し出のとおり決するに御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 日程第一 予算委員長砂田重民君解任決議案
  (大出俊君外四名提出)
○議長(原健三郎君) 日程第一、予算委員長砂田重民君解任決議案を議題といたします。
 提出者の趣旨弁明を許します。稲葉誠一君。
    ―――――――――――――
 予算委員長砂田重民君解任決議案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔稲葉誠一君登壇〕
○稲葉誠一君 予算委員長砂田重民君解任決議案の趣旨の弁明をいたします。
 主文といいますか、
  本院は、予算委員長砂田重民君を解任する。
  右決議する。
    〔拍手〕
こういうことが決議でございます。
 その理由とするところを、以下述べさせていただきたいというふうに思います。
 ちょうど四月の十四日に、この本会議におきまして、三木武夫先生の在職五十年に及びます、それに関連をいたしまして祝賀がございまして、三木先生のごあいさつが配られておりましたが、それを見ておりましたときに、三木武夫先生が政治家として絶えず健全な議会政治の発展というものを心にかけていらっしゃったということを感じ入ったわけでございます。この予算案の強行採決というものを、この状態というものを三木武夫先生がごらんになったらどのようにお考えになるでございましょうか。私はそのことを胸にしみて感ずる次第でございます。(拍手)
 それは十四日でございましたが、十五日の日に、午後二時でございます、ちょうど質問の順番でいきますというと私の総括質問の順番でございましたので、私は予算委員会の部屋に入って待っておったのでございますが、そのときに、砂田重民委員長が後から来られまして、そこで一体何が行われたのかよくわかりません。よくわかりませんけれども、要するに、怒号といいますか、そういうふうな中でしゃべっておられたのですけれども、それが今度の予算案の採決であるということにはなかなか私どもにはわからなかったのであります。一般の我々が聞いても、予算の採決があったというふうにはとても考えられないような状態のもとに採決が行われてしまいました。
 そして、議事録その他いろいろ拝見し、そのときの状況等から見まして、これは、予算の議決が私には不存在であるというふうにしか考えられないのであります。(拍手)それは最初からないものなのであって、有効、無効の段階にまでいかないものであるというふうに考えざるを得ません。あのときの状況をごらんになっていたたくさんの方々は、これが日本の民主主義なのであろうか、これが議会政治というものの本当の姿なのであろうかということをまじめに考えられたに違いないと私は思います。(拍手)
 そこで、砂田重民さんを私も存じ上げておりまするが、非常に温厚な、知性豊かな立派な方でございまして、私も尊敬を申し上げておる方でございます。しかし、このときにおきまして、私ども議員の、予算委員の審議権というものを、国会議員の予算に対する審議権というものを一瞬にして奪ってしまったということについては、私は日本の議会政治というものの名前にかけてどうしても許すことができないのであります。(拍手)
 我々の持っておる権利、国会議員として一番大きな権利は、むしろ義務であるとも言えるかもわかりませんけれども、審議権であることは御案内のとおりでございますが、その予算という重要な、たくさんの問題がございます、その総括質問の中で、わずか二人の人が済んだだけで、各党の書記長三人の方はまだ問題が残っておるわけであります。一般質問については、まだだれもやっておらないのでありますが、そういう段階の中でいきなり審議権を奪ってしまうということは、これは暴挙以外の何物でもない、私は断じて許すことができないということを我々議会人として強く感ずるものでありまして、心ある皆様方は、そのことについて当然御理解をいただけるというふうに思う次第であります。
 私は、砂田さんから、予算委員長から、そのいわゆる不存在の、議決といいますか、とにかく不存在なのですから議決と言えないと思いますけれども、そのことをなぜやったかということについての御説明があるのだというふうに思っておりましたが、別の機会にしろ、全然と言っていいくらい我々に対してそれはありません。だから、何のために、どのような理由から我々の審議権というものを、国会議員の一番重要な権利である審議権を奪ったのかがわからないのであります。どうかそのことについては御自身の口から弁明をお願いをいたしたい、かように存ずる次第でございます。
 また、人はこういうふうに言うかもわかりません。それは、野党が審議について十分に協力をしなかった、だから予算を早く上げなければいけなかった、だからやったんだという人がいるかもわかりませんけれども、それは事実と違うわけであります。代表質問が終わった段階で、二月四日、そのときに一方的に大蔵大臣の予算の趣旨説明が行われました。これは後から二度目のやり直しがあったわけでありまして、このようなことは私は前代未聞だというふうに思うのでありまして、日本の国会の歴史の中に大きな汚点を残したものというふうに思います。このことを砂田さんは一方的にというか、強行をされてしまいました。これは、私はまた憲政の中に大きな汚点を残したのだというふうに思うわけです。あの温厚な砂田さんがどうしてこういうふうなことをやるのだろうか、だれかの指図によってやっておるのかもわからないということを、だれかの意を受けてやっておるのかもわからないということを私はしみじみ感ずる次第でございます。
 同時に、それだけではなくて、公聴会の日程の問題その他の問題、そして同時に、一番重要なものとして当然考えられてまいりまする、これは政省令にたくさん委任をいたしております、百二十一の政令、省令、それらのものがなければ――売上税の法案、これは大蔵委員会でやるのかもわかりませんけれども、同時に、それが予算の中の一番大きなウエートを占めるておるわけですから、当然予算委員長としては政省令を早くの段階において出させて、十分野党なり与党の皆さん方が審議をできるようにしていかなければならない重要な予算委員長としての私は義務があると思う。これを懈怠をしておるというところに、私は予算委員長砂田重民君の解任に賛成せざるを得ないのであります。
 同時に、皆さん方、この今度の予算案の中で、たくさんの問題を提案せざるを得ないのであります。たくさんの問題がまだまだ未解決のままになっておるわけでございます。例えば、私は十五日のときに質問の要項というものを提出をいたしました。予算委員の皆さん方には配られて、机の上にあったはずでありますけれども、それは今まで質問の出なかったことをたくさんといいますか、細かくポイントを挙げて皆さん方に説明をしようというので出しておいたわけです。
 私は、まず第一に、公約違反公約違反と言うけれども、公約というのは一体何を言うのか、本質論というものをはっきりさせなければいけない、こういうふうに考えておりましたし、同時に、外国に対しての公約というものが一体今の日本、独立国の主権国である日本にそういうものがあるのだろうかという疑問を私は持っておりましたので、そのことをお聞きしたいというふうに思っておりました。
 同時にまた、中曽根さんが国会の牛その他で言っておりますることは、政府の税調等を通じて言っておりますることは何かと言えば、これは、所得税なり法人税の大幅な減税をやるということを言っておられる。同時に、それは直接税、間接税の比率というものを、直間比率を直すということを言っておられる。となれば、大幅な減税をやるのに間接税を増強、ふやしていくということはここから出てくるではありませんか。だから私は、中曽根さんの言っておる大型間接税導入をしないという公約というものは、それは間違いであり、うそというか、言葉の非常に足りないものであるということを、それをそのまま国民に投げかけておるものであるというふうに感じておったのであります。その他たくさんの問題がございます。売上税の問題にいたしましても、例えば税額票の問題があります。あるいは一般消費税との違いの問題等たくさんの問題があるわけでありますが、こういう問題全体が全くまだまだ問題にされておらないわけであります。
 ですから、予算委員長としては、予算案が政府から出された以上、一体どこにその問題点があり、国民は一体何を聞きたがっておるかということを当然自分で判断をされて、そういうような形で、十分それが審議できるような方向に持っていかなければならない大きな責任が国民に対してあるというのが私の考え方でありまするが、そのこと自身が全くと言っていいくらいやられておらないで、いきなり審議権が抹消されてしまった。私は、たくさんの問題がある、その問題というものを、今後皆さん方の力をいただきながら、あらゆる機会に解明をしていかなければいけない、こういうふうに考えておる次第でございます。
 そういう中で、たくさんの問題があります。そこで問題は、私どもが大きな課題として考えておりますのは、売上税がこれだけ大きな国民の世論として反対が盛り上がっておる。盛り上がっておって、そして、これを廃案にしようということが自民党の中でも言われており、多くの、中小企業だけじゃなく、一般の方々から言われておる。現に、いろいろな形の選挙の中にもその影響があらわれておるではありませんか。皆さん方の中でも、それに反対している人がたくさんおられる。そうならば、予算委員長といたしましても、国民の意思がどこにあるか、自民党の中でもそういうような反対がたくさんあるということを率直に身に受けて、それを国民の前に明らかにするために、この売上税の法案というものを廃案にすることを、方向の示唆といいますか、そういう方面で努力をすることも、私は予算委員長の一つの国民に対する義務ではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。(拍手)
 こういうようないろいろな角度から物を考えてみまするというと、一番大きな原因は、何といいましても私どもの持つ審議権というものを奪ってしまったということ、これは、それよりもより大きな合理的な理由が仮にあるといたしましても――それはありません、仮にどうかといたしましても、我々国民の、国会議員の審議権というものを上回るものはないはずであります。それをこういうふうな形で奪ってしまった砂田委員長に対しては、私はどうしても解任をせざるを得ない、国民の名において解任をせざるを得ないものである、こういうふうに考えざるを得ないのでございます。
 今申し上げましたように、こういう形でこの予算案というものを、中で一番大きな売上税というものを、皆さん方も反対をされておるのですから、その反対の意を受けてやるというのが私は予算委員会の正しい運営の方向でなければならないというふうに思います。所得税減税の問題でもそうですけれども、まだまだたくさんの問題が未解明であり、大きな疑問が出てまいるわけであります。そうした問題は、例えば法人税の帰着の問題があります。法人税の帰着の問題一つをとってみましても、そういうことはもっともっと解明をしなければならない義務を我々は負っておるというふうに考えるのであります。(拍手)
 私は、そういう中で砂田委員長が予算案に対して今言った審議権というものを全くと言っていいぐらい奪ってしまったということを第一の要素とし、そして第二の問題として、最初に申し上げましたように、政省令というものをもっともっときちんと整備をして、十分審議ができるようにしなければならない義務があるのに、その義務を果たさなかったということ、あるいは一方的に提案の説明をやってしまって、後からそれをやり直してしまった、二回もやっておるというような不始末をやってしまった。こういうような形で、絶えず独断といいまするか、専行といいまするか、そういう形で予算委員会というものを運営をしたこと、こういうようなことは今私は大変大きな問題であるというふうに考えるわけであります。そのことは決して小さな問題ではございません。国会議員として、予算委員長として、どうしても欠陥があるというふうに考えざるを得ないのであります。
 個人砂田重民さんに対して、私自身は尊敬を促し、恨みはございませんけれども、しかし同時に、そういう形でこの予算委員会が運営をされたということについては……
○議長(原健三郎君) 稲葉君、時間ですから、結論を急いでください。
○稲葉誠一君(続) 運営をされたということにつきましては、私はどうしても賛成ができないわけでございます。
 時間が参りましたので、お約束はお守りをいたしますが、今私が申し上げましたような趣旨におきまして、砂田重民さんは予算委員長として解任に値するものである、こういうふうに申し上げざるを得ないのでありまして、どうか満堂の皆様方の御賛意のほどをお願いを申し上げる次第でございます。かような見地をもちまして、私は砂田重民予算委員長解任決議案の趣旨の弁明をさせていただいた次第でございまして、御清聴のほどありがとうございました。(拍手)
○議長(原健三郎君) 質疑の通告があります。順次これを許します。小谷輝二君。
    〔小谷輝二君登壇〕
○小谷輝二君 私は公明党の小谷輝二でございます。
 ただいま趣旨弁明のありました砂田予算委員長解任決議案について、若干の質疑を行うものであります。
 さて、昨年の衆参同時選挙以来、政府・自民党は三百四議席の数のおごりをむき出しにし、思慮分別を失い、議会運営に対しても強圧的な態度をとり続けてまいりました。その端的な例が、昭和六十二年度予算案に盛り込まれました売上税導入であり、今回の強行採決であります。
 現在行われております第十一回統一地方選挙の前半戦では、全国の有権者が売上税ノーという厳粛な審判を下したのであります。今回の強行採決は、その売上税ノーという民意を平然と土足で踏みにじる暴挙であり、議会制民主主義を破壊するものであり、断じて許すわけにはまいりません。
 そこで、まず最初に、私は去る十五日の六十二年度予算案強行採決は無効であり、予算委員会に差し戻すべきであると主張するものであります。
 政府・自民党は、十五日に予算案を採決したと称しておりますが、これはやじと怒号で、速記録にも砂田委員長の発言は大半が聴取不能になっており、一体何が採決されたのか全く不明であります。また、このような形の採決が有効であるとするならば、我が国の議会制度は名ばかりと言っても過言ではありません。私は、先ほど趣旨弁明にもありましたように、予算案の採決は無効であり、直ちに予算委員会に差し戻すべきであると主張するものでありますが、稲葉議員の見解を再度伺いたいのであります。(拍手)
 第二点は、六十二年度予算案の性格であります。
 六十二年度予算案は、売上税導入、マル優廃止、防衛費のGNP一%突破、円高無策、福祉・教育切り捨てという、国民生活に二重苦、三重苦を押しつける内容であります。中でも、最大の問題は売上税導入、マル優廃止であります。これは、さきの衆参同時選挙における中曽根総理の公約に完全に違反するものであり、国民生活を圧迫し、円高不況に苦しむ中小零細企業に追い打ちをかける大衆増税以外の何物でもありません。
 売上税については、去る三月十三日の予算委員会における我が党の大久保書記長の質問によって、国民を欺く税制であることが明らかにされました。すなわち、中曽根総理がどのように言い逃れをしようとも、売上税は大型間接税であります。それは、国民から見れば、非課税品目を特定しても、それこそ揺りかごから墓場まで、一網打尽の大増税であることは明白であります。売上高一億円以下を非課税業者にしたといっても、複雑な流通機構の中で多くが課税業者にならざるを得ないのであります。さらに、売上税の政省令委任の数は実に百二十七項目にも上り、憲法第八十四条の租税法定主義からも問題があるのであります。
 稲葉議員は、六十二年度予算案をどのように見られているのか。また、売上税、マル優廃止についてどのような見解をお持ちなのか、お答えをいただきたいのであります。(拍手)
 第三点は、砂田委員長の職務権限についてであります。
 国会法第四十八条には「委員長は、委員会の議事を整理し、秩序を保持する。」と規定されております。私はこの「議事を整理し、秩序を保持する。」という点を問題にしたいのであります。
 去る十五日の状況は、本議題の提案者である稲葉議員の質疑が予定されていたにもかかわりませず、予算委員会再開冒頭で直ちに質疑を打ち切り、予算案採決を強行したものであります。私は砂田委員長のこの行為は、議会人として常識を逸脱した行為であると訴えたいのであります。良識ある自民党議員の中にも、このような暴挙に対し、憤りを込め、憲政史上に汚点を残すやり方に強く抗議する憂国の士があることは当然であります。このようなやり方が、国会法の「議事を整理し、秩序を保持する。」という委員長の責務に対し妥当なものかどうか、予算委員長として、民主主義のルールを守り、法律の尊厳と法の正義を実現する国会の精神、国会の権威を踏みにじっていないと言えるのかどうか。さらに私は、このような一切の発言を封じ、多数党の横暴による問答無用の強行採決は、議会制民主主義への重大な挑戦であると言わざるを得ないのであります。この点、当事者であります稲葉議員の御見解を伺いたいのであります。(拍手)
 もとより、予算は国政の基本的な方向を決定するものであって、法律案、条約等にも増して、国会で慎重に審議を尽くし、十分なる合意形成が必要であることは言うまでもありません。統一地方選後、予算委員会の実質審議が軌道に乗り、売上税の問題点もさらに究明されようとしており、また、現下の円高進行による不況の深刻化、内需拡大、日米半導体を初めとする貿易摩擦の激化等々、国民生活にかかわる緊急な課題が山積しており、予算の早期成立が望まれていたのであります。したがって、我々社会、公明、民社、社民連四党は、大多数の国民が反対をしている売上税導入を政府・自民党が撤回すれば、予算案の審議に協力することにやぶさかでないと主張してきたのであります。しかしながら、予算案成立の緊急性があるということで公約違反や議会政治のルールを無視する強行採決が正当であるという理由にはならないのであります。砂田委員長は、去る二月四日の公聴会日程の自民党単独議決の後、この収拾の際に、委員会理事会で陳謝されたばかりではありませんか。それにもかかわらず、今回の強行採決は全く許しがたいものであります。
 私は砂田予算委員長と同じく兵庫県の出身であります。砂田委員長が文部大臣当時から、先輩議員としてひそかに敬意を持ってきた者の一人でございます。その砂田委員長の解任決議案に対する質疑を行わなければならない事態に至ったことは、甚だ遺憾であります。砂田委員長がどうしてこのような事態をみずから進んで引き起こしたのか、不可解であります。稲葉議員はこの点どのように思われるのか、お伺いいたします。
 砂田委員長の長い政治生活に汚点を残し、国民に背を向ける行為は、政治家として失格であると言わなければなりません。私は、砂田予算委員長並びに政府・自民党に断固抗議するとともに、この過ちを悟り、国民に謝罪し、改めて予算委員会に差し戻し、徹底した審議を行うことこそ砂田委員長の名誉を回復し、また、自民党を救う唯一の道であると強く警告し、質問を終わります。
 どうもありがとうございました。(拍手)
    〔稲葉誠一君登壇〕
○稲葉誠一君 小谷議員の質問に対してお答えを申し上げます。
 最初のあの議決の問題、強行採決の問題でございますが、私も全く小谷議員と考え方が同じであります。私はそのもう一つ前の段階で、その議決そのものが不存在だというところに重点を置くわけですが、それが存在をしているとすれば無効である。聴取不能であるとか、何が実際にかかったのかわけがわからないということからいってもそれは無効であるということはもう当然過ぎるくらい当然でありまして、議会主義の本義に戻りますと、当然それは予算委員会に差し戻してそこで改めて審議をすべきものである、そこでさらに審議を詰めるのが常道である、かように考えておる次第でございまして、質問者の意見にそのまま私は賛成を申し上げる次第でございます。
 第二の質問でございますが、売上税その他マル優の問題等が、これが中曽根内閣の公約違反ではないかということや、この予算全体が国民の生活を苦しめる、そういうようなものでないかということでございますが、私も、大型間接税は導入をしないという公約がありますけれども、それは政治的な意味におきまして、当然過ぎるくらい当然に大型間接税は公約の違反である、こういうふうに考えるわけでございまして、そういう点については過去においても何回かいろいろ議論がありましたけれども、今後も予算委員会その他の委員会の中でさらに追及をしていかなければならない、そして、真実を出していかなければならない。国民は、だからそのことで中曽根さんがうそをついたのではないか、そういうことを強く思っているがゆえにこそ、そして同時に、売上税の経済的なあれもありますけれども、だからこそ、その後の県会、地方統一選挙その他におきまして、自由民主党に対して鉄槌を加えておるということになるのではないかというふうに私は理解をいたすものでございます。(拍手)
 もう一つの第三の質問は、これは当時私が質問者の席についておりました。順序からいえば私の順序でありましたので、私の考え方といいますか、感じといいますか、そういうふうなものを質問者はお聞きになられておるようでございますが、それは質問者も言われましたように、国会法の四十八条によって、予算委員長というのは非常に重要な委員長であります。ほかの委員長――どこもみんな重要ではありますけれども、特に予算委員長というのは、大臣の経験者をもって充てられているといいますか、こういうような経過もありまして、ほかの委員会よりもより一段高いと言っては語弊があるかもわかりませんけれども、そういうような扱いが現実にはされておるのは御案内のとおりであります。それだけに大きな責任を持っておるのでございまして、そして議事を整理し、秩序を保持しなければならないということは当然過ぎるくらい当然であるというふうに思うわけでございます。
 質問者は、強行採決をやって、その他の問題につきまして、それは砂田重民予算委員長みずからの意思でやられたというふうに考えられるのかどうかという御質問のようにお聞きをいたしたのでありますが、私も実はその点をいろいろ考えております。あの温厚な砂田さんが、個人としては非常に立派な方でございます、非常に知性のあふれた教養人でございます。その砂田重民さんが、これは恐らく、この予算というものをとにかく早く通さなければいけない、売上税もとにかく通さなければいけない、こういうような、官邸筋と申しますか何と申しますか、そういうところの影響を強く受けられまして、それを断り切れなくなって強行採決なりその他の方法に出たのではないかというふうに私も推測をいたす次第でございまして、これは私といたしましても非常に残念でならないところでございます。
 いろいろな考え方があるかと思いますが、そういうふうな中で、私は、砂田さんが予算委員長としてどうしても不適格であった、今回の場合は、個人として立派であっても、いろいろな今の経過をずっと見てきたときに非常に不適格であったというのでこの案を提出せざるを得なかった、私の苦衷もお察し願いたい、こういうふうに考える次第でございます。(拍手)
 いずれを申し上げましても、今私が小谷議員に対してお答えをいたしましたのがお答えの要点でございます。(拍手)
○議長(原健三郎君) 木下敬之助君。
    〔木下敬之助君登壇〕
○木下敬之助君 私は、民社党・民主連合を代表して、ただいま議題となりました予算委員長砂田重民君解任決議案に対し、質疑を行います。
 私は提案者と思いを同じくする者でございますが、与えられました質疑の機会に私の考えを申し述べ、提案者の御意見を求める次第であります。(拍手)
 私が砂田予算委員長の解任が当然であると考える第一の理由は、砂田予算委員長は、再三、予算委員会の運営は民主的に、理事会で理事の皆さんの同意を得て運営すると言っておきながら、今回の暴挙を行ったことであります。しかも、採決が行われたと言われていますが、当日の予算委員会は、テレビ等を通じて天下承知のとおりの大混乱でございました。あの混乱の中では、議題が何であるかもわからず、採決が行われたかどうかもわからず、ましてや賛否がどのようにして判断されたのかも全くわからない状態でありました。にもかかわらず、委員長がひとりよがりの判断で、あたかも六十二年度予算案が委員会で可決されたかのような報告をされましたことは、まさに議会制民主主義を逸脱したものであります。(拍手)この事実を端的に言うならば、砂田委員長が混乱をよいことに、御自分が考えていただけのことをまるで事実行われたかのように捏造して報告したものであると申し上げることができます。(拍手)
 この事実の何よりの証拠は、委員長の最も近くにいたはずの速記者でさえ聴取不能であり、速記録には
  これより会議を開きます。(「委員長、委員長」と呼び、離席する者、発言する者多く、聴取不能)……賛成の諸君の起立を求めます。(拍手、発言する者あり)起立多数。よって、可決すべきものと決しました。(拍手、発言する者多く、聴取不能)
  これにて散会いたします。
と記録されています。これが速記録のすべてでありまして、これでは何を採決したのかだれにもわかりようがありません。また、速記録によると、砂田委員長は起立多数との判断を下されているようでありますが、あのときは、黒山のように押しかけた人だかりの真ん中に座っておられた委員長からは、委員長席に詰めかけた議員の姿しか見ることができなかったことは、テレビ等で十分国民も承知のことであります。砂田委員長が起立多数と判断されたのは、ただそのようになるだろうと準備しておられたことを読み上げられただけのことで、事実は全くそのようにはなっておりませんでした。
 幾ら自民党が衆議院では三百四議席、予算委員会では五十人中三十人の多数を占めているからといって、事実を無視したありもしない捏造の採決、可決の報告をして、もって予算委員会における六十二年度予算案の審議を打ち切ってしまわれたことは、いかに自民党の政党としての判断方針に従ったものとはいえ、委員長の権限の範囲を大きく逸脱したものであり、到底許されるものではありません。(拍手)
 このような暴挙を行う委員長のもとでは、もはや正常な予算委員会の審議はできるはずもありません。よって、予算委員長砂田重民君の解任決議は当然であると考えます。この際、速やかに砂田委員長の解任を図るとともに、四月十五日の予算委員会の強行採決が無効であることを確認し、満を持して待機しておられます予算委員各位の審議を続けられることを求めます。
 次に、私がこの際申し上げておきたいことは、今回の六十二年度予算案に含まれている売上税についてであります。
 この売上税に国民の大多数が反対をしていることは総理もお認めになっておられるようですが、砂田委員長も十分承知のことと思います。岩手県における参議院議員補欠選挙や、さきに行われました統一地方選前半戦の結果を見ても歴然としています。また、新聞等の調査においても八二%の国民が反対を表明しているのであります。国民が売上税に対しこのように強く反対をしている最大の理由は、この売上税は、総理が昨年の衆参同日選挙の際に大型間接税は導入しないと明言公約したはずの大型間接税そのものであり、まさに公約違反であるということであります。このような自民党の三百四議席のおごりのなせる公約違反に対し、怒りの声を上げているのであります。
 総理は、これまでの予算委員会での審議の中で、大型間接税の定義を自分自身でつくり上げて「包括的、網羅的、多段階に縦横十文字に投網をかけるようなものである」などというあきれ返るような手前勝手な抽象的表現で、世界じゅうどこを探しても存在しないようなものだけに限定して、それと少しでも違えば大型間接税ではないなどと、まさに独裁者の発想としか思えないような、権力をかさに着た強弁を繰り返しています。(拍手)このような詭弁で国民が納得するはずがありません。当然のことながら、売上税が大型であるかそうでないか、公約違反であるかそうでないかを判断するのは国民であります。大多数の国民は、常識に照らして大型であると判断し、公約違反であると言っているのであります。
 中曽根総理は「国民や自民党が反対する大型間接税は導入しない」と国民に約束したではありませんか。約束したからには、国民の大半が反対していることが明確になった今、速やかに売上税を撤回すべきであります。また、この売上税は、その内容から見て、万が一導入されるようなことになれば、日本経済に及ぼす悪影響ははかり知れないものがあります。
 我々がこの売上税を天下の悪税と呼ぶ根拠と考えています幾つかの点を申し上げますと、第一に、売上税は物価を押し上げ、国民生活を圧迫することであります。第二に、価格転嫁ができないであろう弱小の企業は倒産に追い込まれることであり、価格転嫁できてもできなくても、いずれにしても内需拡大どころかますます景気が悪くなることは明らかであります。第三に、非課税事業者をつくりながら、弱小業者を真に救済する仕組みにはなっていなくて、かえって不利を招く点が多々あることであります。
 第四に、設置された五十一の非課税品目が、その基準が明確でないため混乱し、不公平と利権の温床となっていることであります。実は、私が三月二十四日に開かれました逓信委員会においてNHKの六十二年度予算案に関して質問をいたしました中で、財団法人日本相撲協会のNHKからの放送料収入について、売上税が導入された場合、これにかかるようになるのか、かからないのかと確認を求めましたところ、NHKの井上参考人は、財団法人に支払う交付金なり分担金は非課税になるであろうと答えました。ところが、大蔵省の森田説明員は、日本相撲協会、財団法人の収益事業に該当する収入については課税対象になると答えております。このように、解釈の仕方一つで課税となったり非課税となったりし得るあいまいなものがたくさんあるのであります。
 第五に、税額票等の扱いや計算がわかりにくく、ややこしく、納税コストがかかり過ぎるという点であります。
○議長(原健三郎君) 木下君、時間ですから、結論を急いでください。
○木下敬之助君(続) その他にもたくさんの問題点がある上、この売上税は、一たん導入されてしまうと税率の上昇に歯どめがかけにくく、簡単に税収増が図れるため、大増税への道を進むようになることは火を見るよりも明らかであります。このように欠陥だらけの売上税は、決して導入を許してはならないものであります。
 以上、申し述べてまいりましたような公約違反の天下の悪税売上税を含む六十二年度予算案を、国民の大半の反対の声を知りながら、自民党の数におごって一方的に採決、可決されたと主張される砂田予算委員長は、直ちに解任されてしかるべきであることを強く申し上げ、提案者の御意見を求めて、私の質疑を終わります。(拍手)
    〔稲葉誠一君登壇〕
○稲葉誠一君 木下議員から御意見を交えて御質問がございました。私も全くそのとおりでございまして、木下さんと思いを同じくするものでございます。
 まず、最初に言われましたように、砂田さんが民主的に運営するということで理事会にお話をしておりながら、それを自分で重要な決心をしたということを言われまして、そして、独断的にといいますか行動に出られたことは、私も先刻申し上げましたように、予算の説明のときから始まっておるわけでございます。そういうようなことから、あるいは公聴会の日程の設定等たくさんございますが、そのことは極めて重要なことでございまして、一見民主的にやるというふうなことを言いながら、それが民主的に行われていないというところに一つの大きな問題があるということを私は考える次第でございます。(拍手)
 それから、もう一つの一番大きな問題でもございますが、調書――調書でない、失礼申し上げました。そうじゃございませんで議事録でございますが、間違いまして失礼しました。議事録でございますが、速記録の中には、木下さんの言われたとおりでございまして、聴取不能であり、言われたことがよくわからないわけです。わからないのに拍手をしたり手を挙げたりなんかしておっても、これは採決にはならないわけでございまして、その速記録というものが一番大きな証拠でありますが、その証拠能力が著しく欠けておる。こういうことを考えますというと、その採決というものは行われなかった、あるいは行われたとしても極めて不完全なものであり、効力がない、だから当然予算委員会に差し戻して、そこで十分民主的に皆さん方から質問を受けるのが筋である、(拍手)こういうふうに私は考えておるのでございまして、木下議員の御意見といいますか御質問に全く同感でございます。
 そしてさらに、木下議員が言われましたこの売上税の持っておりまする各方面に与える影響、物価に与える影響、そして中小企業に与える問題、流通企業に与える影響の問題、あるいはたくさんの問題がございますが、そのとおりであります。これは天下の悪税であるということを私どもはよく知っておりまするからこそ、民社党の皆さんや公明党の皆さん方あるいは社民連の皆さん方と御一緒になって闘争本部をつくって、どんなことがあってもこの売上税というものをやめさせなければいけないというので、今全力を振るってやっておるところでございます。(拍手)そういうようなことで、おいおいその成果があらわれてまいりました。もう一歩のところまで行ったのでありまするけれども、自由民主党の諸君が売上税を廃案とすることについて何かためらいがあったのでございましょうか、同意をしてくれなかったので、廃案というところまではまだ行っておりませんけれども、これを廃案にするために、私どもは野党総力を挙げて、全力を挙げて努力し、この目的を達成するということをここにお約束を申し上げまして、私の答弁とさせていただく次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
  質疑終局の動議
○議長(原健三郎君) 藤波孝生君外五十七名から、質疑終局の動議が提出されました。
 本動議を採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 本動議に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
○議長(原健三郎君) いまだ投票されない方は、速やかにしてください。――速やかに投票願います。――速やかに投票願います。――速やかに投票願います。
    〔投票継続〕
○議長(原健三郎君) 急ぎ投票願います。――速やかに投票せられることを願います。
    〔投票継続〕
○議長(原健三郎君) 急いで投票してください。――速やかに投票願います。
    〔投票継続〕
○議長(原健三郎君) 投票を開始以来既に一時間余を経過いたしております。あと三十分以内に投票されるように望みます。
    〔投票継続〕
○議長(原健三郎君) あと二十分であります。いまだ投票されない方は、速やかに投票されるよう願います。
    〔投票継続〕
○議長(原健三郎君) ただいまから十分以内に投票されるように望みます。その時間内に投票されない方は、棄権とみなします。
    〔投票継続〕
○議長(原健三郎君) いまだ投票されない方は、速やかに時間内に投票されるよう願います。この時間内に投票されない方は、棄権とみなします。速やかに投票願います。――急いで投票願います。既に投票開始以来一時間半の時間が経過いたしております。――速やかに投票願います。――急ぎ投票願います。急ぎ投票願います。
    〔投票継続〕
○議長(原健三郎君) 投票をお急ぎ願います。――急いで投票願います。――投票開始以来既に二時間になんなんとしております。急いで投票願います。――投票を急いでください。――急いで投票願います。
    〔投票継続〕
○議長(原健三郎君) 後がつかえておるようでありますから、先の人は、速やかに投票願います。――後がつかえておりますので、先の方は、速やかに投票願います。
    〔投票継続〕
○議長(原健三郎君) 後がつかえておりますから、先の方は、速やかに投票願います。――先の人は、立ちどまらないように、投票願います――後がつかえておりますので、先の方は、立ちどまらないように、速やかに投票願います。――立ちどまらないように。ここは投票するところであります。――投票を急ぎお願い申し上げます。立ちどまらないように。後がつかえておりますから、立ちどまらないように、急いで投票願います。
    〔投票継続〕
○議長(原健三郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。
 投票を計算させます。
    〔参事投票を計算〕
○議長(原健三郎君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百七十二
  可とする者(白票)      二百八十二
    〔拍手〕
  否とする者(青票)        百九十
    〔拍手〕
○議長(原健三郎君) 右の結果、質疑は終局するに決しました。
    ―――――――――――――
 藤波孝生君外五十七名提出発言質疑終局の動議を可とする議員の氏名
      阿部 文男君    相沢 英之君
      逢沢 一郎君    愛知 和男君
      愛野興一郎君    青木 正久君
      赤城 宗徳君    麻生 太郎君
      天野 公義君    甘利  明君
      新井 将敬君    有馬 元治君
      粟屋 敏信君    井出 正一君
      井上 喜一君    伊東 正義君
      伊藤宗一郎君    伊吹 文明君
      池田 行彦君    石井  一君
      石川 要三君    石破  茂君
      石橋 一弥君    石原慎太郎君
      石渡 照久君    糸山英太郎君
      稲垣 実男君    稻葉  修君
      稲村 利幸君    今井  勇君
      今枝 敬雄君    宇野 宗佑君
      上草 義輝君    上村千一郎君
      魚住 汎英君    臼井日出男君
      内海 英男君    浦野 烋興君
      江口 一雄君    江藤 隆美君
      衛藤征士郎君    榎本 和平君
      遠藤 武彦君    小川  元君
      小此木彦三郎君    小里 貞利君
      小沢 一郎君    小澤  潔君
      小渡 三郎君    小渕 恵三君
      尾形 智矩君    尾身 幸次君
      越智 伊平君    越智 通雄君
      大石 千八君    大石 正光君
      大島 理森君    大塚 雄司君
      大坪健一郎君    大西 正男君
      大野  明君    大野 功統君
      大原 一三君    大村 襄治君
      太田 誠一君    岡島 正之君
      奥田 幹生君    奥野 誠亮君
      加藤 紘一君    加藤 卓二君
      加藤 六月君    鹿野 道彦君
      海部 俊樹君    柿澤 弘治君
      梶山 静六君    粕谷  茂君
      片岡 清一君    片岡 武司君
      金子 一義君    金子原二郎君
      亀井 静香君    亀井 善之君
      亀岡 高夫君    唐沢俊二郎君
      川崎 二郎君    瓦   力君
      木部 佳昭君    木村 守男君
      木村 義雄君    菊池福治郎君
      岸田 文武君    北川 石松君
      北川 正恭君    北口  博君
      北村 直人君    久間 章生君
      久野 忠治君    工藤  巖君
      鯨岡 兵輔君    熊谷  弘君
      熊川 次男君    倉成  正君
      栗原 祐幸君    小泉純一郎君
      小坂徳三郎君    小杉  隆君
      小宮山重四郎君    古賀  誠君
      古賀 正浩君    後藤田正晴君
      河野 洋平君    河本 敏夫君
      高村 正彦君    鴻池 祥肇君
      近藤 鉄雄君    近藤 元次君
      左藤  恵君    佐藤 一郎君
      佐藤 静雄君    佐藤 信二君
      佐藤 敬夫君    佐藤 文生君
      佐藤 守良君    斉藤斗志二君
      坂本三十次君    桜井  新君
      笹川  堯君    笹山 登生君
      志賀  節君    自見庄三郎君
      椎名 素夫君    塩川正十郎君
      塩崎  潤君    島村 宜伸君
      白川 勝彦君    杉浦 正健君
      杉山 憲夫君    鈴木 恒夫君
      鈴木 宗男君    砂田 重民君
      関谷 勝嗣君    田澤 吉郎君
      田名部匡省君    田中 龍夫君
      田中 直紀君    田邉 國男君
      田原  隆君    田村  元君
      田村 良平君    高鳥  修君
      高橋 一郎君    高橋 辰夫君
      竹内 黎一君    竹下  登君
      竹中 修一君    武部  勤君
      武村 正義君    谷  洋一君
      谷垣 禎一君    谷川 和穗君
      玉生 孝久君    玉沢徳一郎君
      近岡理一郎君    津島 雄二君
      塚原 俊平君    月原 茂皓君
      戸井田三郎君    戸沢 政方君
      戸塚 進也君    渡海紀三朗君
      東家 嘉幸君    友納 武人君
      虎島 和夫君    中尾 栄一君
      中川 昭一君    中川 秀直君
      中島源太郎君    中島  衛君
      中曽根康弘君    中西 啓介君
      中村喜四郎君    中村正三郎君
      中村  靖君    中山 太郎君
      中山 利生君    中山 成彬君
      中山 正暉君    長野 祐也君
      二階 俊博君    二階堂 進君
      丹羽 兵助君    丹羽 雄哉君
      西岡 武夫君    西田  司君
      額賀福志郎君    野田  毅君
      野中 英二君    野中 広務君
      野呂 昭彦君    野呂田芳成君
      羽田  孜君    葉梨 信行君
      橋本龍太郎君    長谷川 峻君
      畑 英次郎君    鳩山 邦夫君
      鳩山由紀夫君    浜田 幸一君
      浜田卓二郎君    浜野  剛君
      林  大幹君    林  義郎君
      原田  憲君    原田昇左右君
      東   力君    平泉  渉君
      平沼 赳夫君    平林 鴻三君
      深谷 隆司君    吹田  ナ君
      福島 譲二君    福永 健司君
      藤尾 正行君    藤波 孝生君
      藤本 孝雄君    二田 孝治君
      船田  元君    古屋  亨君
      保利 耕輔君    穂積 良行君
      細田 吉藏君    堀内 光雄君
      堀之内久男君    前田 武志君
      増岡 博之君    町村 信孝君
      松田 岩夫君    松田 九郎君
      松永  光君    松野 幸泰君
      松本 十郎君    三ツ林弥太郎君
      三原 朝彦君    三塚  博君
      水野  清君    宮崎 茂一君
      宮里 松正君    宮澤 喜一君
      宮下 創平君    武藤 嘉文君
      村井  仁君    村岡 兼造君
      村上誠一郎君    村田敬次郎君
      村山 達雄君    持永 和見君
      粟山  明君    森   清君
      森  美秀君    森  喜朗君
      森下 元晴君    森田  一君
      谷津 義男君    保岡 興治君
      柳沢 伯夫君    山口 敏夫君
      山崎  拓君    山崎平八郎君
      山下 元利君    山下 徳夫君
      山村新治郎君    山本 幸雄君
      与謝野 馨君    若林 正俊君
      綿貫 民輔君    渡部 恒三君
      渡辺 栄一君    渡辺 紘三君
      渡辺 省一君    渡辺 秀央君
      渡辺美智雄君    佐藤 孝行君
 否とする議員の氏名
      阿部未喜男君    五十嵐広三君
      井上  泉君    井上 普方君
      伊藤  茂君    池端 清一君
      石橋 大吉君    石橋 政嗣君
      稲葉 誠一君    岩垂寿喜男君
      上田 卓三君    上田  哲君
      上田 利正君    上原 康助君
      江田 五月君    小川 国彦君
      小澤 克介君    小野 信一君
      緒方 克陽君    大出  俊君
      大原  亨君    岡田 利春君
      奥野 一雄君    加藤 万吉君
      角屋堅次郎君    金子 みつ君
      川崎 寛治君    川俣健二郎君
      河上 民雄君    河野  正君
      菅  直人君    木間  章君
      串原 義直君    小林 恒人君
      上坂  昇君    左近 正男君
      佐藤 観樹君    佐藤 敬治君
      佐藤 徳雄君    坂上 富男君
      沢田  広君    沢藤礼次郎君
      渋沢 利久君    嶋崎  譲君
      清水  勇君    城地 豊司君
      新村 勝雄君    新盛 辰雄君
      関山 信之君    田口 健二君
      田中 恒利君    田邊  誠君
      田並 胤明君    高沢 寅男君
      竹内  猛君    辻  一彦君
      戸田 菊雄君    土井たか子君
      中沢 健次君    中西 績介君
      中村  茂君    中村 正男君
      永井 孝信君    野坂 浩賢君
      馬場  昇君    浜西 鉄雄君
      早川  勝君    広瀬 秀吉君
      細谷 治嘉君    前島 秀行君
      松前  仰君    三野 優美君
      水田  稔君    武藤 山治君
      村山 喜一君    村山 富市君
      安井 吉典君    安田 修三君
      山口 鶴男君    山下八洲夫君
      山花 貞夫君    吉原 米治君
      渡部 行雄君    浅井 美幸君
      新井 彬之君    有島 重武君
      井上 和久君    池田 克也君
      石田幸四郎君    市川 雄一君
      遠藤 和良君    小川新一郎君
      大久保直彦君    大野  潔君
      大橋 敏雄君    近江巳記夫君
      長田 武士君    鍛冶  清君
      貝沼 次郎君    神崎 武法君
      木内 良明君    草川 昭三君
      草野  威君    小谷 輝二君
      権藤 恒夫君    斉藤  節君
      坂井 弘一君    坂口  力君
      柴田  弘君    鈴切 康雄君
      竹入 義勝君    竹内 勝彦君
      武田 一夫君    玉城 栄一君
      鳥居 一雄君    中村  巖君
      西中  清君    沼川 洋一君
      橋本 文彦君    春田 重昭君
      日笠 勝之君    平石磨作太郎君
      伏木 和雄君    伏屋 修治君
      藤原 房雄君    二見 伸明君
      冬柴 鐵三君    古川 雅司君
      正木 良明君    水谷  弘君
      宮地 正介君    森田 景一君
      森本 晃司君    矢追 秀彦君
      矢野 絢也君    薮仲 義彦君
      山田 英介君    吉井 光照君
      吉浦 忠治君    渡部 一郎君
      安倍 基雄君    阿部 昭吾君
      青山  丘君    伊藤 英成君
      小沢 貞孝君    大矢 卓史君
      岡田 正勝君    川端 達夫君
      河村  勝君    神田  厚君
      木下敬之助君    北橋 健治君
      小渕 正義君    田中 慶秋君
      滝沢 幸助君    玉置 一弥君
      塚田 延充君    中野 寛成君
      永末 英一君    楢崎弥之助君
      西村 章三君    林  保夫君
      吉田 之久君    米沢  隆君
      和田 一仁君    安藤  巖君
      石井 郁子君    岩佐 恵美君
      浦井  洋君    岡崎万寿秀君
      金子 満広君    経塚 幸夫君
      工藤  晃君    児玉 健次君
      佐藤 祐弘君    柴田 睦夫君
      田中美智子君    辻  第一君
      寺前  巖君    中路 雅弘君
      中島 武敏君    野間 友一君
      東中 光雄君    藤田 スミ君
      藤原ひろ子君    正森 成二君
      松本 善明君    村上  弘君
      矢島 恒夫君    山原健二郎君
    ―――――――――――――
○議長(原健三郎君) この際、午後一時まで休憩いたします。
    午前七時五十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三分開議
○副議長(多賀谷真稔君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
 日程第一につき討論の通告があります。順次これを許します。吹田ナ君。
    〔吹田ナ君登壇〕
○吹田ナ君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております砂田予算委員長解任決議案、先ほど稲葉誠一君からその趣旨弁明がありましたが、これに対しまして反対の討論を行うものであります。(拍手)
 我が国を取り巻く世界の情勢は極めて厳しく、膨大な貿易赤字と財政赤字に苦しむアメリカにかわり、西ドイツとともに自由世界の経済のかじ取りを求められているのが我が国の立場であります。年間八百億ドル余の貿易黒字を生み、輸出志向型であった我が国の経済体質を抜本的に改め、内需の振興による消費の拡大を図り、均衡ある貿易体制に移行することにより極端な円高の是正など、国際通貨の安定を図ることが我が国の緊急の課題となっております。このような状況下にお盲まして、国家施策の根幹をなし、内外施策の基礎をなしているのが六十二年度予算であります。
 六十二年度予算は、去る一月二十六日に予算委員会に付託されましたのでありますが、歳入予算の中にわずか二%強の売上税による税収見込み額が入っているなどを理由に予算の反対を唱え、売上税を撤回しなければ予算の審議に応じないとして、かたくなに予算の審議を引き延ばしてきたのが野党各党であります。(拍手)そのために予算の審議がおくれ、ついに五十日間の暫定予算の編成を余儀なくされたのであります。これは、国内における与野党の意見の相違から、六十二年度予算の施行により内需の振興を図り、貿易不均衡の是正を行い、急激な円高による国際通貨の不安を解消しようという、世界に対する我が国の公約が野党により阻害されたのであります。(拍手)世界の期待を裏切り、我が国の国際信用が大きく傷つけられたのであります。
 さらに、今回の税制改正は、シャウプ税制以来三十有余年ぶりの大きな改正であります。これから二十一世紀を迎えるに当たり、高齢化社会の到来、国際責任の増大、財政需要の増加など、国の使命はますます重く、経済財政体質の改善を初め、税制の改正は避けて通れない時代の流れとなっておるのであります。(拍手)
 こうした情勢の中で、砂田予算委員長は、六十二年度予算の審議に当たり、常に与野党に公正、公平に対処され、最後の最後までまさに粉骨砕身を重ねられたのであります。(拍手)本来は、二月四日の予算審議開始以来四月十五日まで、日曜、祭日を除き正味五十九日間の審議日があったのにもかかわらず、この間に行われた実際の質疑は公聴会を除けばわずか四日間で、審議時間も自由民主党の三時間を入れましても十三時間二十分であります。
 稲葉君は、審議権を奪ったと言っておりますが、決してそういうことはないのでありまして、むしろこのようなわずかな時間しか審議していないということは、野党の諸君が予算審議の引き延ばしを図ったからということの紛れもない証左であります。(拍手)このような卑劣とも言える野党の態度にもかかわらず、砂田委員長は与野党の話し合いに熱意を示され、実に九十九回に及ぶ理事会を開会されました。特に、四月一日の午後の理事会のごときは、野党みずから理事会の開会を要求しておきながら、共産党を除く野党が理事会に出席せず、俗に言うすっぽかしを行ったのであります。こうした背信行為に対しては、我々の方から野党の不信任案を出したいと思うのであります。(拍手)しかるに砂田委員長は、そのすぐれた人柄で、その後においても与野党の話し合いに熱意を示され、野党理事の顔も立てられたのであります。
 かくして四月に入り、我々の説得にもかかわらず、野党は、売上税の撤回がなければ予算の成立を断固阻止するとの態度を鮮明にしてまいりました。けさほども、小谷君や木下君からは、この十五日の採決は議事録がないから無効であるとか、あるいはありもしない捏造というような言葉を選んでおられますが、国会役員としての予算委員長の立場からいたしましても、こうした権威を傷つけるような言葉を使うべきものではないと思うのでありますし、特に、無効であると言うのであれば、聞こえなかったと言うのであれば、なぜ聞こえるように装置してあったマイクが引きちぎられたのか、むしろその方が問題ではないか、このように思うわけであります。(拍手)
 政府・与党としては、内需の振興と対外公約の実現のために、やむを得ず、四月十五日に至り予算の質疑打ち切りの動議を提出したわけであります。委員長にその採決を求めたわけであります。砂田委員長は、かかる日本の置かれた立場に心を痛められ、採決後に、円高による不況の深刻化、内需拡大による国際公約の実行、雇用不安、貿易摩擦など、国難ともいうべき事態を憂慮し、国民生活の安定のためにも予算の早期成立を最優先に考え、動議のごとく決したと述べられております。そして砂田委員長は「この砂田重民の一身はどうなろうとも、中曽根内閣の命運がどうなろうとも、日本経済の運命の方が大事だ」、こう心境の一端を語っておるのであります。(拍手)まさに政治家はかくありたいものだと考えます。(拍手)この高潔無私、国会議員のかがみともいうべき砂田委員長の心境、心情を思うとき、胸に熱さを感じ、こうべが自然に下がるのであります。(拍手)
 砂田委員長は、まさに近代民主主義の時代に最もふさわしい議会人であり、まれに見る紳士的政治家であります。(拍手)五百十二名の本院議員の中に砂田重民先生にまさる高潔な人格者が果たして何人おるでありましょうか。(拍手)私には、砂田委員長に対する解任決議案なるものの提案の理由がわからないのであります。それどころか、むしろ提案している姿勢に対し憤りを感ずるものであります。(拍手)したがって、今からでも遅くはありません。もし野党に真の良識があるならば、この国家国民を思う憂国の予算委員長の解任決議案を直ちに撤回してもらいたい。(拍手)
 以上申し述べまして、砂田予算委員長解任決議案に対し、反対の討論といたします。(拍手)
○副議長(多賀谷真稔君) 菅直人君。
    〔菅直人君登壇〕
○菅直人君 私は、社会党・護憲共同を代表いたしまして、予算委員長砂田重民君解任決議案に対し、全面的に賛成の立場から討論を行うものであります。(拍手)
 まず冒頭に、今の反対討論の中で吹田議員の方からいろいろと話がありましたけれども、もし自民党の皆さんに一片たりとも良識があるならば、この解任決議案ではなくて、売上税法案そのものを撤回をしてからこの議場に入っていただきたい、そのことをまずもって申し上げたいと思います。(拍手)
 本国会におきます予算委員会は、その冒頭からまさに異常なる幕あけであったことは皆さんも御承知のとおりであります。本会議での代表質問を終えていよいよ予算委員会が始まるという段になりまして、与野党の理事会の合意がいまだ得られていないその段階で、既に砂田委員長は、予算委員会の開会を単独で強行するということを決定をいたしたわけであります。その後、予算委員会の正常化に当たって、砂田委員長は、みずから、今後はそういったことはやらない、議会制民主主義のルールにのっとってやるんだ、そういうことを釈明をし、そして野党、与党、予算委員会が正常化に戻ったわけであります。
 しかるに、四月の十五日のありさまは一体何というものでしょうか。四月十五日午後二時の予算委員会の開会に当たりまして、私も予算委員の一人として議場におりましたけれども、まさにあの予算委員会のありさまというのは、国民衆目の中で、全くこの委員会の開会というものを含めて一体何が行われたのかわからない。そういう中で、自民党の諸君は、予算案が予算委員会を通過をした、そのように言っているわけでありますけれども、このようなまさに一方的な主張を認める国民はただの一人もいないということを私は確信を持って申し上げたいと思います。(拍手)このように砂田予算委員長は、議会制民主主義のルールを守ると言いながら実際にはその全く反対の行動をとったものであって、その責任は極めて大きいと言わざるを得ないわけであります。
 私は、この四月十五日の予算委員会の中で、私自身委員長席からわずか一メートル前後のところにおりましたけれども、委員長が口をぱくぱくしているのは見えましたけれども、しかし一言たりとも、私の耳に何を委員長が言われているかは聞こえませんでした。そういったことからいいましても、自民党席にいた委員の諸君に委員長の発言が聞こえたとはとても思えないわけであります。そういった中でこうした委員会の採決が行われたということを、そしてまた、その委員会の議決が正当だということを自民党の諸君が主張されているようでありますけれども、これは全くの事実無根と、そのように言わざるを得ないところであります。(拍手)
 それでは、一体こうした状況がなぜ生まれてきたかということであります。私は、売上税を含む六十二年度予算案それ自体の提出に大きな問題がある。本来、新税を含めて大きな税制改革の場合には、当然ながら税制の改革なりあるいは新税の導入というものがこの国会の中で議論をされ、そして、それがもし成立をするならば、成立をした後にそれを財源とする予算案が組まれるのが、これはだれの目から見ても当然のルールだと言わなければなりません。(拍手)しかるに、今回の六十二年度の予算案というのは、まさにまだ導入もされていない、まさに成立もしていない予算に対しての財源を盛り込んでこの六十二年度予算案が提出をされている、そのこと自体がまさに異常だと言わざるを得ないわけであります。そういった意味で、売上税法案を完全に撤回をして、そして、六十二年度予算案からまさにこの売上税の痕跡をすら除かない限りは、六十二年度予算案に対してこの本会議を通すことはやるべきでないというのが私の考えてあります。(拍手)
 さて、今日統一地方選挙の後段が戦われております。ここにお集まりの諸君の地元でも多くの選挙が戦われ、全国民がその結果を注目をしているわけであります。四月の十二日、全国各地の知事選挙、さらには県議会議員選挙、政令指定都市の市長、市議選挙が行われたわけであります。その結果は今さら申し上げるまでもない。つまりは国民の大多数は売上税に対して明確に反対の意思を明らかにしたわけであります。(拍手)そのことについては、自民党の多くの諸君も、売上税に対する反対がこうした結果を招いたということを認めているはずであります。しかるに、なぜそうした国民の声に背を向けてまで本会議に対して強行採決で臨んでこようとするのか。私は、そこに現在の自民党の諸君の持っている、国民に対して背を向けている、そして政権が欲しさにきゅうきゅうとしているその体質があらわになっていると言わざるを得ないわけであります。
 すなわち、現在自民党の諸君は、中曽根政権の後にいわゆるニューリーダーと言われる三人の人たちが政権を争っていると言われております。本来ならば、自民党の中で既にここまで出てきている売上税撤回について、あるいは中曽根退陣論について大いにその声が伝わってもいいわけでありますけれども、今現実に行われていることは何でしょうか。中曽根総理から、最後まで私を支えてくれた人に次の政権をやってもらおうと思います、この甘いささやきの声に三人のニューリーダーの皆さんは惑わされているんじゃないでしょうか。(拍手)そして、自分の派閥の中から退陣論やあるいは撤回論が出てくることをニューリーダーみずからが抑え込んでいるというのは、まさに国民の声に背を向けて政権をとることにきゅうきゅうとしている、このように言って何が間違いでしょうか。このような形をとっている限り三人のニューリーダーの皆さんは永久にニューリーダーのままであって、リーダーになる国民の信頼は得られない、そのように思うのは私ひとりの思いではないと思います。(拍手)
 さて、今回の予算案の強行採決に当たりまして、もう一つ、四月の二十九日に中曽根総理が訪米をする、その訪米を前にして予算を衆議院で通過をさせたい、そのことがこの予算案強行採決の大きな理由と伝えられております。しかし、一体中曽根総理はアメリカに出かけてレーガン大統領と何を話そうというのでしょうか。
○副議長(多賀谷真稔君) 菅君、時間ですから、結論を急いでください。
○菅直人君(続) もし中曽根総理が日米摩擦問題についてレーガン大統領と話そうとするのであるとすれば、これほど不適任な総理大臣はいない。今レーガン大統領と中曽根総理が話をしたとして、一体この日米摩擦問題にどうした展開が開けるか。中曽根政権がスタートしてから五年余りであります。つまり中曽根政権は、その政権スタートのときから日米貿易摩擦問題はあったわけであります。
○副議長(多賀谷真稔君) 菅君、時間ですから、結論を急いでください。
○菅直人君(続) その貿易摩擦に対してやらなければならない最大の問題は、減税などを含めた内需拡大策であったわけであります。しかるに、中曽根総理はそうした内需拡大策について何一つとしてやろうとしなかったじゃないですか。そして、中曽根総理がやったことは、いわゆるレーガン大統領の軍事戦略、世界軍事戦略に悪乗りをすること、つまり就任直後にやったことは、まず日本列島不沈空母論であります。そしてさらには、他の予算はゼロシーリングにしながら、毎年毎年続いた防衛費の突出であります。そして、ついには六十二年度予算案の中では……
○副議長(多賀谷真稔君) 菅君、時間ですから、結論を急いでください。
○菅直人君(続) 国民の大半が支持をしているGNP比一%の枠をすら突破をしたじゃありませんか。そしてさらには、宇宙兵器と言われているSDIに対する研究開発参加、つまり中曽根総理大臣がやってきたことは……
○副議長(多賀谷真稔君) 菅君、制限の時間が過ぎましたから、発言を終わってください。
○菅直人君(続) 本来の経済問題を、内需拡大を含めた経済政策で対応することなく、一方的に軍事的な政策によって対応しようとしてきている。このような中曽根外交政治が今まさに大きく破綻をしたんじゃありませんか。そういう中で今さら中曽根総理がアメリカに出かけたとしても、そのレーガン大統領との話で一体何が前向きに前進する話があるか。例えばスーパーコンピューターを買い入れるとか、あるいはアメリカに工場を移している本田からアメリカ製のオートバイを買い入れるとか、たとえそういうことをやったとしても、今の日米摩擦に何らの好転を得ることはできないわけであります。
 皆さん、野党はこれまで一致をして、内需拡大こそ今必要だということを言って主張し続けてまいりました。
○副議長(多賀谷真稔君) 菅君、制限の時間が過ぎましたから、発言を終わってください。
○菅直人君(続) 大幅な減税、そしてさらには公共投資の積み増し、さらには財政再建計画そのものを見直していくこと、こういうことが必要であるということを何年となく、何度となく申し上げてきたわけであります。そうした野党の主張に耳を傾けず、そして、軍事戦略でもってこのような日米関係にいわば目くらましをやってきた、その破綻が今日の中曽根政治の実態ではないでしょうか。(拍手)そういった意味で、今や売上税にまさるとも劣らない大失政が、中曽根政治のこの日米問題を含む国際的な貿易問題、あるいは内需拡大問題にあらわれていると言わざるを得ないわけであります。(拍手、発言する者あり)
○副議長(多賀谷真稔君) 静粛に願います。
○菅直人君(続) 六十二年度予算案、この予算案を、この議場におられる皆さんはこのままで一体いいというふうに思っておられるのでしょうか。
○副議長(多賀谷真稔君) 菅君、制限の時間が過ぎましたから、発言を終わってくだきい。
○菅直人君(続) まさにこの六十二年度予算案の中身は従来の緊縮財政の延長上にあって、そしてまた、内需拡大のための政策としては全く不十分と言わざるを得ない。そういった意味で、既に大型の補正予算あるいは組み替えなどが言われている中にあって、本来売上税を撤回すると同時に、この六十二年度予算案それ自体も一度撤回をしてそれを組み直す必要がある、そのように私は考えるものであります。(拍手)
 そういったことを含めて、この六十二年度予算案の審議に当たって、まずは売上税撤回を行う、同時に、中曽根政権の基本的な政策の変更がなければ、それがないのならば、まさに中曽根政権下での六十二年度予算の成立はあきらめて、それにかわる政権をつくっていく必要があるのではないでしょうか。
○副議長(多賀谷真稔君) 菅君、制限の時間が参りましたから、発言の中止を命じます。
    〔菅直人君発言を継続〕
○副議長(多賀谷真稔君) 菅君、発言の中止を命じます。
    〔菅直人君発言を継続〕
○副議長(多賀谷真稔君) 菅君、発言の中止を命じます。
    〔菅直人君発言を継続〕
○副議長(多賀谷真稔君) 菅君、発言の中止を命じます。
    〔菅直人君発言を継続〕
○副議長(多賀谷真稔君) 菅君、発言の中止を命じます。
    〔菅直人君発言を継続〕
○副議長(多賀谷真稔君) 菅君、発言の中止を命じます。
    〔菅直人君発言を継続、降壇〕
○副議長(多賀谷真稔君) ただいまの時間超過は遺憾であります。今後注意されたいと存じます。
 玉置一弥君。
    〔玉置一弥君登壇〕
○玉置一弥君 私は、民社党・民主連合を代表して、ただいま議題となっております砂田予算委員長解任決議案に賛成の立場から討論を行うものであります。
 賛成の第一の、そして最大の理由は、今回の予算委員会での強行採決という暴挙に対する責任であります。これによって与野党の話し合いの慣行が破られ、力を頼む党利党略の予算委員会運営が強行されたことは、まさに言語道断でございます。この強行採決を見て、私はまず常任委員長の役目について考えてみました。
 政党政治の中で、特に議院内閣制の制度を持つ日本にとりまして、議会のそれぞれの議員がこの議場の中で、あるいはそれぞれの話し合いの場で自分たちの意見を主張することが政治に国民の民意を伝えることになります。一方では、議員の中からいわゆる行政側の代表、各大臣が生まれ、また衆議院の中から総理大臣が生まれる。こういう制度の中で……
○副議長(多賀谷真稔君) 静粛に願います。
○玉置一弥君(続) 政党の主張をそれぞれ行政の中、政治の中に取り入れていこうとすれば、やはり一方、議会の側の役員としての常任委員長の役目は大変大きなものであります。それぞれの立場に立った責任を果たす、このことができなければ、議会制民主主義は崩壊につながる、私はこのように考えるのでございます。そういう意味において、今回の暴挙はまさに議会制民主主義の崩壊につながるおそれが非常に大きい、こういうことで私は砂田委員長の責任の大きさを感じるのでございます。(拍手)
 しかし一部に、野党は中曽根総理訪米前に予算案の衆議院の通過を阻む魂胆であり、これに対抗せざるを得なかったという意見があるように聞きますが、これは邪推にほかならないのであります。
○副議長(多賀谷真稔君) 静粛に願います。
○玉置一弥君(続) そのことは、去る十五日の四野党書記長合意で天下に明らかにしているごとく、我々は、いたずらに予算案の成立を妨げるどころか、むしろ円高不況、内需拡大のため、六十二年度予算は早期成立を期すと決めていることからして明らかであります。ただ、予算案に組み込まれている売上税が国民の大部分が反対をしているため、撤回をするように言っているのであります。
 今回の売上税導入については、大きく分けると四つの問題点があります。
 その第一は、昨年の衆参同日選挙における「国民や自民党員が反対する大型間接税と称するものは絶対に導入しない」という公約に違反をしているからであります。新聞の調査によれば、八五%近くの国民が売上税に反対している事実を謙虚に受けとめるべきであります。その第二は、構造不況、円高不況に加え増税不況という三重苦が日本の経済と国民生活により大きな影響を与えることであります。その第三は、売上税そのものの制度に問題点が多いことです。大型間接税でないという理由をつけるために、理由なく非課税品目をふやしたこと、事業者に非課税、課税の選択ができるようにしたこと、納税のための事務量が膨大なこと等、挙げれば切りがないことであります。その第四は、一度導入されれば安易に増税につながり、行財政改革や不公平税制是正がおざなりになる危険があることであります。
 売上税の導入は、アメリカ政府の代表でさえ公然と指摘したごとく、国内の消費を一段と冷え込ませ、最大の政策課題である内需拡大に逆行するものであります。国内での失業率が三%を超えようとし、各企業が一層の円高の進行で立て直しが図りにくくなってきている現状で……(発言する者あり)
○副議長(多賀谷真稔君) 静粛に願います、
○玉置一弥君(続) 内需拡大がただでさえ難しい状況であります。このような予算案では、内需拡大はおろか、日米の経済摩擦解消にも役立たないことは、政府みずからが認めているところであります。すなわち、政府みずからが、この予算が通ったらすぐ大型補正なと思い切った総合経済対策をやらなければならないと言っているではありませんか。そのような欠陥予算であれば、出直してすっきりしたものにせよというのは我々の当然の要求であります。政府・与党がつまらぬメンツにこだわっていると、日本の議会制民主主義も日本の経済も、そして日米の関係も、取り返しのつかない事態になることを政府・与党に対して改めて警告するものであります。
 さきの、前段の統一地方選挙は、売上税導入を課題として争われ、自民党は手痛い結果となったことは皆さん御承知のことと思います。これは、売上税導入に対する国民の反対の意思表示であり、この民意を国政に反映させるのが議会の役目であります。私は、この選挙の結果を見て、政府・与党の良識ある人たちが動き出して、売上税導入反対やマル優の廃止反対に大きな力を与えてくれるとひそかに期待したときもありましたが、残念ながら、そこまでの動きには至りませんでした。
 また、最近の円高の状況は……
○副議長(多賀谷真稔君) 発言を続けてください。
○玉置一弥君(続) また、最近の円高の状況は、政府、日銀の努力にかかわらず一段と悪化の方向に進行しています。
○副議長(多賀谷真稔君) 発言を続けてください。
○玉置一弥君(続) これは、中曽根政治が国の内外から信頼されなくなり、行政の調整機能が働かなくなってきているからであります。内需拡大の具体策を米国やEC諸国から求められている現在、一日も早くその内容を予算に組み込む必要があります。
 いずれにせよ、このような形で予算委員会の審議が一方的に打ち切られた結果、国民生活に重大な影響を持つ予算案の審議が極めて不十分な形で断ち切られ、特に、税制改革はもとより、財政再建、内需拡大、行政改革、土地と住宅問題、教育改革、福祉、農業、日米摩擦、外交、防衛など多くの究明すべき問題点を残したままこれが成立しようとしていることは、極めて遺憾であると言わざるを得ません。
 ところで、今回の混乱した国会の原因は、国民をだまして売上税導入を推し進めようとした中曽根内閣にあるが、国民全体に大きな影響を及ぼす税制改革を行うには余りにも早急過ぎたのであります。そもそも、現行税制に対する不公平感やひずみ、ゆがみについては、私たちも従来から訴えていたところであります。税制改革を行うことにはやぶさかではありませんが、現行税制に対する問題点を浮き彫りにして、それを整理し、将来の国民の負担や各種制度の成熟度合いを考慮して、国民のコンセンサスが得られる十分な時間を費やして検討を進めていかなければならないのであります。また、実施に当たっては、国民に負担感が残らない好況な時期を選んで実施する必要があります。そのような面から考えると、今回の税制改正は一度白紙撤回し、国民とともに考えるために出直すべきであります。
○副議長(多賀谷真稔君) 発言を続けてください。
○玉置一弥君(続) さて、砂田予算委員長解任に賛成する第二の理由は、今日までの予算委員会の異例な運営に対する砂田委員長の責任であります。
○副議長(多賀谷真稔君) 発言を続けてください。
○玉置一弥君(続) 特に、これまで再三にわたって予算委員会を混乱に陥れ、二度にわたって陳謝をし、そのたびに反省をし、今後は野党と十分話し合いの上で予算委員会を運営していくと約束をしながら……(発言する者あり)
○副議長(多賀谷真稔君) 静粛に願います。
○玉置一弥君(続) それをことごとくほごにしてきたことは、全く我々野党をばかにし、自民党の強圧によって野党との約束をことごとくねじ曲げてきたことは、予算委員会の議事運営の総責任者として、公正な運営をしなければならない委員長としてまことに不適任であり、その職を汚したと言わざるを得ません。(拍手)このような予算委員長では、残念ながら我々は解任を求めざるを得ないのであります。予算委員会という極めて重要な委員会をこのように暴力と無秩序に任せて、相互不信の場に化した責任は、いかに強調してもし過ぎないほど重大であります。その罪はまさに万死に値すると言わざるを得ません。私は、もとより砂田委員長個人に対して何ら偏見を持っているものではありません。その党利党略の手だてに用いた議事運営を厳しく糾弾し、砂田委員長解任決議案に賛成をするものであります。
 最後に、売上税反対のために各地元で反対の意思表示をされております自民党の先生方に対しまして、今回のこの予算案、もともとの原因が、先ほどから話が出ておりますように、六十二年度予算案の中に売上税の言葉が入っているからでございます。この売上税反対を地元で表明をされております自民党の先生方は、ぜひともこの東京においても反対のための御協力を賜りますように心からお願いを申し上げまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
○副議長(多賀谷真稔君) 伊藤忠治君。
    〔伊藤忠治君登壇〕
○伊藤忠治君 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となりました砂田予算委員長に対する解任決議案に対し、賛成討論を行うものであります。(拍手)
 まず最初に、私は、去る十五日の予算委員会の強行採決が全く不当、不法、不存在であることを明らかにしたいのであります。
 砂田委員長、胸に手を当てて当時の状況を思い起こしてもらえばよくわかることであります。あなたは着席と同時に、テーブルにしがみつきながらぼそぼそと発言をされましたけれども、その一言半句たりとも、至近距離にいた私にさえ全然聞こえなかったのであります。頼りにしたいマイクも、既にそのときには卓上にはなかったのであります。
 速記者は、抗議のため詰め寄る議員、それを阻もうとする大勢の議員の板挟みに遭って自席を守るのが精いっぱいであり、記録しようにも到底できる状態ではなかったのであります。何の案件で採決を諮り、その結果がどうであったのか、このことの発言もなければ、確認も一切なされていないのであります。これが、あなたが行われた強行採決と紛糾三分間のすべての状況なのであります。これが、あなたの至近距離にいた私の現場からの証言であります。にもかかわらず、その後、時を経ずして速記録が配付をされました。一体これはどういうことなのでありましょうか。
 私は、これら一連の議事運営を絶対認めることはできないのであります。委員会で十分審議を尽くし、野党や国民に対し理解が得られるよう議事運営に最大限の努力を傾注するのが委員長の責務であると思います。にもかかわらず強行採決を行ったあなたの行為は、まさに言語道断であります。
 次いで問題にしたいのは、稲葉議員も触れられましたように、今次予算委員会の審議が自民党や中曽根内閣の手によって制限をされたり、阻まれたりしてきたことであります。
 一月二十六日、中曽根総理は施政方針演説の中に売上税のウの字も入れず、わざと国民の耳目をそらそうとこそくな手段に出たために、野党や国民の反発を買い、議会の空白を招いたのであります。二月四日の予算委員会も、まさにそうであります。税制改革関連法案が出そろっておらず、税制改革の全貌について内閣自体がつまびらかにできない不十分な態勢の中にありながら、単独で委員会を強行開会し、一方的に議事運営を決しようとしたのであります。紛糾するのはまことに当然であります。結果的には与野党の対立を高じさせ、国会に空白状態をつくり出したのであります。これこそ力を背景にした強権運営、対決姿勢と言わず何でありましょうか。
 ところが、あなたたちはこれら一連の国会運営を歪曲して、国民には野党が審議拒否するからこうなると盛んに訴えました。しかし、その結果はどうでありましょうか。先般の統一地方選の結果が明らかに示したとおり、国民は売上税やマル優廃止に反対であることをきっぱりと示し、今日の事態を招来せしめた責任がだれにあったのかをはっきりと審判したのであります。(拍手)答えは既に出されました。委員長、あなたは直ちに責任をとって辞任されることを要求するものであります。
 私は、声を大にして次のことを訴えたいと思います。
 なぜこのような異常事態になったのか。それは、もとをただせば中曽根総理が同日選挙でうそをついたことにあり、事態混乱のすべての原因はここに存在するのであります。そして第二は、それぞれの閣僚が総理のやり方に不満や批判を持ちながらも、結局はなせるすべを放棄して、総理のやり方を土盛りしてきたことであります。その責任は同罪であり、決して免れることはできないと考えるのであります。さらに第三は、ニューリーダーと言われる人たちの責任であります。国民の批判が極限状態に達した今日、事態を招来せしめた責任はひとり中曽根総理だけにあるのではなく、ニューリーダーもまた同罪であると言わなければなりません。なぜなら、同日選挙で中曽根総理を持ち上げ、総理以上に有権者に対して幻想を振りまき、うそで固めた選挙を勝利に導いたのはニューリーダーなのであります。この責任は極めて重大であると言わざるを得ません。
 あなたたちは、売上税の導入やマル優制度を廃止することによって国民の暮らしがよくなると本当に考えておられるのか。内需が拡大し、円高不況の経済状況が活性化できると本気で考えておられるのか。もしそうであるなら、堂々と審議を尽くして反論をいただきたい。委員会や本会議での議論を通じ、国民に対して解明をなされるがよい。そのことを国民は望んでいるにもかかわらず、審議を一方的に打ち切り、多数を頼んで強行採決に及ぶというのは一体どういうことなのでありましょう。ここに中曽根内閣強権政治の本質を見るのであります。国民の圧倒的多数は、売上税の導入やマル優制度の廃止を決して望んでいないのであります。
○副議長(多賀谷真稔君) 伊藤君、制限の時間になりましたから、結論を急いでください。
○伊藤忠治君(続) 望んでいるのは、一日も早い大幅減税の実施であり、内需拡大、円高不況からの脱却であります。国民の圧倒的多数は、防衛費の一%突破や軍事大国路線を望んでいるのではありません。望んでいるのは、福祉や教育の充実、公共投資の拡大なのであります。国民の圧倒的多数は、国家秘密法の制定を決して望んでいるのではありません。彼らが望んでいるのは、民主的権利の充実であり、地方政治の民主化であり、人が人とし生ける平等で差別のない、真心が通じ合うやさしい社会なのであります。
 政治には民主主義を、暮らしには経済の安定を今日ほど国民から求められているときはありません。この負託にこたえるのがまさに国会に課せられた任務であると確信をするものであります。そのためには、この異常事態を惹起せしめた諸問題を解決することであり、その第一は、量大課題である売上税の導入とマル優制度の廃止を白紙撤回することであります。
○副議長(多賀谷真稔君) 伊藤君、制限の時間になりましたから、結論を急いでください。
○伊藤忠治君(続) 第二は、違法、不当な強行採決を行った砂田委員長が速やかにその責任をとって辞任し、予算委員会を強行採決以前の状態に復元することであります。私は、以上のことを心底から要求し、賛成討論を終わるものであります。(拍手)
○副議長(多賀谷真稔君) 寺前巖君。
    〔寺前巖君登壇〕
○寺前巖君 私は、日本共産党・革新共同を代表し、砂田重民予算委員長解任決議案に対し、その提案理由には賛成できない点もありますが、解任そのものに賛成の討論を行います。(拍手)
 解任すべき第一の理由は、去る十五日衆議院予算委員会における六十二年度予算案の質疑打ち切り、採決と称する暴挙に、委員長として中心的役割を果たしたことであります。予算委員会における予算の強行については、一九五二年、八一年に次ぐ三度目であります。また、本会議においては初めてのことをやろうとしているのであります。十五日の事態は、私自身委員長のすぐ近くにいましたが、委員長の発言は何も聞こえませんでした。まさに採決が有効、無効どころでなく、そもそも存在していないのであります。予算委員長砂田重民君が、かかる実態を無視し、有効な採決などと称して虚偽の報告を議長に提出したことは、それ自体議会制民主主義を破壊する暴挙であり、予算委員長の資格なしと断ぜざるを得ないのであります。
 しかも、今回の予算委員会における暴挙は、一斉地方選挙前半戦の結果に示された国民の意思を真っ向から踏みにじったものであります。売上税が紛れもない大型間接税であり公約違反であることは、二月三日の本会議における我が党の不破委員長の代表質問での指摘に中曽根首相が何らの反論もできなかったほど明白であります。国民の声を尊重すると言うなら、売上税等の大増税法案はもちろん、売上税導入を前提としている予算案は直ちに撤回をし、根本的に編成し直すべきであります。ところが自民党は、昨年の同時選挙で大型間接税はやりませんなどとうその公約で国民を欺いて得た虚構の多数議席に依拠して、予算委員会の強行採決の暴挙に打って出たのであります。まさに無反省のきわみ、国民世論への重大な挑戦と言わざるを得ません。かかる暴挙の指揮を予算委員会で行った砂田君の責任は極めて重大であります。
 しかも砂田君は、強行した後の記者会見で、予算案の早期成立は国益上最優先課題だなどと言って開き直っております。しかし、国民がはっきりノーと言っている売上税導入やマル優廃止を前提とした予算、対米公約の実行が第一で、世論調査でも国民の多数が反対している一%枠をも突破する大軍拡予算、円高不況に塗炭の苦しみに陥っている中小企業、農林漁業に背を向けた大企業本位の予算の早期成立がどうして国益につながるのでしょうか。むしろ国民の真の利益に反することは明白ではありませんか。しかも、見逃すことのできないのは、中曽根首相の訪米日程に合わせて本会議採決なるものを強行しようとしていることであります。日本国民の声より対米関係を重視する、恐るべき根深い対米従属性を示したもので、絶対に容認することはできません。
 予算委員長砂田重民君を解任すべき第二の理由は、たび重なる不当きわまりない非民主的運営の強行であります。
 そもそも、予算委員会における審議のおくれ自体も、売上税導入、マル優廃止という重大な公約違反を強行しようとしたことに起因しており、その責任は政府・自民党自身が負うべきものであります。特に自民党と委員長は、売上税、マル優廃止の本質、軍拡のための財源づくり、対米公約の実行、大企業減税の保証というその真の動機が国会論戦で明らかになることを恐れ、徹底した審議を尽くそうとせず、予算委員会の大半の日程が残されているまま、質疑打ち切り、採決なるものを強引に運んだのであります。大体、今国会、中曽根首相自身、施政方針演説で売上税のウも言いませんでした。これで本会議の代表質問が五日間もストップし、中曽根首相はわずか十秒ほどの前代未聞の補足説明をさせられましたが、ここに売上税隠しの姿勢がはっきりと示されました。
 次いで、砂田委員長は、売上税の法案すら出されていない中で、二月四日自民党単独による趣旨説明を強行しました。野党には予算の趣旨説明を聞かせなくてもよいとする、前代未聞のことであります。さらに、予算委員会での審議に入るや、予算の歳入の骨格であり、とりわけ公約違反かどうかにかかわる売上税の全容が示されないままに、委員会運営をしようとしました。こうした民主主義の破壊は、予算採決の条件に必要な公聴会についても、自民党単独で日程を設定するという暴挙に打って出てきました。こうした一連の事態は、予算委員長の責任であり、断じて許すまじき行為であります。
 砂田君解任の第三の理由は、我が党の総括質疑第一順位者である金子書記局長の質問を、公聴会の前どころか一斉地方選挙の前半戦が終了するまで封殺し続けてきたことであります。
 社会、公明、民社三党は、金子書記局長の質問に対し、質問内容や質問時間に制限を加えるという、国会にあってはならない全く理不尽な横やりを入れてきました。砂田君はこれを口実にして、我が党の予算委員会を開会し審議権を保障せよとの繰り返しの要求を拒否し続け、委員会を開会しませんでした。さらに砂田君は、一斉地方選挙前半戦の期間中、政治休戦などと称して予算委員会を中断するという暴挙さえ行ってきたのであります。
 我が党金子質問の妨害がいかに理不尽な横暴なものであるかは、マスコミからも「常軌逸した主張」「共産の審議権拘束 民主主義にもとる」と指摘されているとおりであります。また、この間の政治休戦は、県知事選挙への影響を考えて、国会の場での対決を避けて休戦にするという取引が自民党竹下幹事長から持ち込まれたものであることを、民社党塚本委員長の岐阜での演説でも明らかにされているとおりであります。このような中での砂田君の予算委員会運営は、まさに議会制民主主義の乱暴な破壊であり、国会史上重大な汚点を残したものと言わざるを得ません。(拍手)
 以上、我が党は、そもそも存在しない予算委員会の採決によって、売上税の問題、軍事費増強の問題、核兵器持ち込み密約問題、円高、産業空洞化の問題などなど、国民の生活と安全にかかわり、予算案そのものにも直接かかわる重要問題の徹底した審議を全く封殺した砂田君の責任を重ねて追及し、予算委員長解任決議案に賛成することを強く表明して、討論を終わるものであります。(拍手)
○副議長(多賀谷真稔君) 嶋崎譲君。
    〔嶋崎譲君登壇〕
○嶋崎譲君 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となりました予算委員長砂田重民君解任決議案に対し、賛成の討論を行うものであります。
 砂田さん、私は長い間文教委員会で砂田さんとともに教育を語ってまいりました。文部大臣としての砂田重民さんは私の尊敬する文化人でありましたし、また、見識のある政治家であると今日まで信頼をいたしてまいりました。ところが、残念なことに、今回の予算委員長としての今日まで行われましたたびたびの強行採決には、非常にお気の毒な立場だなとつくづく思ったのであります。それは、たまたま中曽根派に所属されていたこと、また、今次国会は国会の重要なポストがすべて中曽根派に独占され、その中曽根派によってすべて国会を多数で牛耳ろうとする、そのおとりとされたからではないかと思います。(拍手)その意味で、意に反しての行動とはいえ、砂田委員長のとられた一連の行動に対しては、断固としてこれを糾弾し、解任を要求するものであります。(拍手)
 稲葉誠一君が提出しました予算委員長砂田重民君解任決議案の理由に、「自民党が単独強行採決を打つたことは、議会制民主主義を否定するものであり、これに加担した予算委員長は、公正であるべき委員長としては不適格である。ことに、予算委員長は、先に自民党単独で趣旨説明をし、また、公聴会を決めるなど断じてゆるしがたい。」と述べております。この理由はそのまま私の賛成の理由でもあります。
 さて、これらの理由の中で、第一に、今日まで予算の説明が単独で行われ、そして、改めてやり直しが行われました。そしてまた同時に、予算委員会でのあの暴挙とも言われる強行採決が行われました。これら一連の行動に対して、自民党の諸君や政府・与党は、我が党や野党があたかも審議妨害をするがゆえに今日のような事態ができたと一方的な宣伝をいたしております。ところが皆さん、憲法八十四条にはこう書いてあります。「あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。」と明記しております。この租税法定主義という考え方は、今日まで政府・与党が法案を提出しないまま予算委員会を行ってきたのとは違う、今回の場合には重大な意味を持っていたのであります。
 既に戦後四十年にわたる基本的な税制の根本的、抜本的改正という、そのような新たな租税制度の問題を提起するならば、予算委員会に当たっては一定の、この条文で言う「法律又は法律の定める条件によることを必要とする。」ということを肝に銘じて、最低の手続を直ちにとらなければならなかったのであります。ところが皆さん、法律が出てきたのはいつでしょう。二月の中旬以降ではありませんか。そして、その二月中旬以降に出てきた法律では、多くの政令、省令の委任事項を決めて、それについての大綱すら今日まで出ていないのであります。したがいまして、租税の場合には、法律があっても、政省令とセットになることによってどのような仕組みの税制になり、国民の諸階層にどのような影響が来るか、これらについて審議を行うに必要な素材がなければならないのであります。それが今日に至るも提出されておりません。このような暴挙を一方で行いながら言論の発動を封じてきた数々の今日までの行動に対して、その責任が予算委員長にあるという意味で、解任の決議に全面的に賛成するものであります。(拍手)
 特に、皆さん、アメリカのレーガン大統領が税制改正に当たって行った公聴会の経験と今度我が国で行われました税制改正をめぐる公聴会とを比較すると、いかに我が国の公聴会の運用が非民主的であるかは明らかであります。
 アメリカでは、税制改正を行うに当たって、アメリカの下院と上院の持っているそれぞれの院の性格を検討した上で、下院の場合にはすべての国民諸階層、業界の意見をいかに聞くかという手続をとったのであります。下院に来たときには、小売、巨大企業、大リーグ、ホテル、モーテルに至るまで国民諸階層の公述人を千人も呼んだのであります。千人ですよ。そしてでき上がった議事録は、何と九百ページに及ぶ膨大な議事録を国民の世論の成果としてつくり上げたのであります。上院の方はどうでしょう。上院の場合には、制度というものを中心にして、この制度を行うに当たっての制度論という観点からは専門家の意見を聞く必要があるということで、経理や会社法や学者や、そういう一連の専門家を九百名公述人として呼んでいるのであります。そして、つくられた議事録は千ページに及ぶものであります。
 一年半の討議の中で国民千人の公述を聞き、そして、それを議事録にまとめ上げた一年半のこの経験に比べて、中曽根さんは、昨年の衆参ダブル選挙のときには大型間接税の導入はやらないと言い、その後十二月まで何と六カ月。世界の各国が、六〇年代のヨーロッパのEC型付加価値税を討議するときには、三年、五年、六年とかけて討議した、国民の生活と財産と極めて深い関係のある税制の変更に当たってはそれだけ慎重さを持っているのです。ところが、我が国はダブル選挙のときにはやらないと言って、その後政府税調を隠れみのにし、自民党税調が裏で――政府税調のあり方は今や本来の政府税調のあり方ではありません。まさに自民党の主導のもとに、大蔵官僚の主導のもとに、何と六カ月間で、国民の意見も聞かずに一方的に六十二年度予算案に税収の制度として導入しようとしたのであります。
 皆さん、こういう一連の行動から、今度開かれた公聴会は――昨年、皆さんにもお世話にはなりましたが、国鉄の分割・民営法案をめぐって我が党が代案を出したときに、公聴会のあり方として、これは単に東京や中央だけの問題じゃなくて、分割される地方と密接な関係があるから地方公聴会という性格の委員派遣制度というものを実施しよう、自民党の理事の諸君はそれを認めていただいて、全国にわたって地方公聴会を行いました。我が党は、今度の予算委員会に当たって、六十二年度予算に当たっての公聴会は、中央公聴会だけではなくて、もっと地方の意見を聞くためのせめて地方公聴会をも行うべきことを提案してきたのであります。それも無視し、そうして、何と十二人のうち六人は自民党のひもつきではありませんか。六人の意見を聞いて、これが国民の意見を聞いたといって、公聴会で国民の意見を聞いたとは何とお粗末なことではありませんか。先進諸国の経験に学んで、民主主義国家らしく、もっと国民に責任を持った手続、運用を行うべきであります。
 その根本的な誤りはどこにあるか。税制度を根本的に変えるときには、先に税制度の改正を法律で行った上で、次に予算に組み入れるというのが常識であります。中曽根内閣の手法はどうでしょう。法律と予算とをセットに一緒に出してきて、まさに今のような公聴会の運営で、どうして国民の意見を聞いて抜本的な税制改正を行うことになるでありましょうか。まさにファッショと言われても文句が言えないような運用の仕方と言わざるを得ません。(拍手)
 こうして私が砂田重民君解任決議案に賛成する第一の理由は、議会制民主主義の本質に外れたこのような運用によって行われたこと、この点を第一の解任賛成の理由といたします。
 さて、第二番目には、同じく民主主義と密接不可分でありますが……
○副議長(多賀谷真稔君) 嶋崎君、制限の時間になりましたから、結論を急いでください。
○嶋崎譲君(続) 今日の中曽根総理が、自民党総裁として統一地方選挙の前半にどこからも呼ばれることのない総理というのは、自民党の総裁と言えるでしょうか。今や総裁としては自民党の指導力を失い、そして、今や国民の期待にもこたえることもできないまま、ただ数の多さだけであたかも国民の意見を反映するがごとく今日の予算案を断行し、強行採決をやろうとしているのであります。皆さん、たくさんの方々が述べられたように、もう既に今日までの統一地方選挙前半の結果は、国民が売上税やマル優廃止にノーと出たことは確実であります。(拍手)
○副議長(多賀谷真稔君) 嶋崎君、制限の時間になりましたから、結論を急いでください。
○嶋崎譲君(続) このような国民の世論に背を向けて予算案の強行採決を予算委員会で行い、本会議でも断行しようとすることは、議会制民主主義の本旨に根本的にもとるものとして断固として糾弾をしたいと思います。
 さて皆さん、第三の理由、今我が国は大変な円高不況の局面を迎えております。今の我が国の経済は、戦後我が国の経済ではいまだかつて経験したことのない大きな転換の局面を迎えております。
○副議長(多賀谷真稔君) 制限の時間を過ぎましたから、発言を終わってください。
○嶋崎譲君(続) 経常収支の黒字がGNP比四%を超えるというのは、世界の歴史では第一次世界大戦後のイギリスと、第二次世界大戦後のアメリカと、今日の日本であります。今やこのような経常黒字に基づく円高不況が日本の経済を大変な事態に追い込んでいるのです。
○副議長(多賀谷真稔君) 嶋崎君、制限の時間が過ぎましたから、発言を終わってください。
○嶋崎譲君(続) 今や失業率は三%を超え、いまだかつてない雇用、社会問題になろうとしている、こういう情勢の中で、大蔵大臣や政府側の売上税に対する答弁は、あたかも売上税が日本経済の成長にプラスになるかのごときことしか述べていないのであります。
○副議長(多賀谷真稔君) 嶋崎君、制限の時間が過ぎましたから、発言を終わってください。
○嶋崎譲君(続) こんなばかばかしいことはありません。
 皆さん、こんな俳句がはやっているのです。「売上税お江戸と地元で二枚舌」、「売上税お江戸と地元で二枚舌」。自民党の諸君、こんなにお江戸と地元で違う非民主的な税制の党の態度をとりながら、しかも、この税制の導入が我が国の経済を大変な不況にさらすという重大な局面を迎えていることに対して、何ら理解することなしに今日まで事を進めているのであります。
○副議長(多賀谷真稔君) 嶋崎君、制限の時間が参りましたから、発言の中止を命じます。
    〔嶋崎譲君発言を継続〕
○副議長(多賀谷真稔君) 嶋崎君、発言の中止を命じます。
    〔嶋崎譲君発言を継続、降壇〕
○副議長(多賀谷真稔君) 池田克也君。
    〔池田克也君登壇〕
○池田克也君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました砂田重民予算委員長解任決議案に対し、賛成の討論を行うものであります。(拍手)
 私は、今ここで討論をされた嶋崎氏とともに砂田委員長と、文部大臣とそして文教委員として親しく我が国の文教政策を議論した問であります。砂田氏につきましては、その端正な風貌といい、そして趣味豊かな教養人として心から尊敬をする人物の一人であります。しかるに、今国会のあなたは全く別人のごとく振る舞われたのであります。
 私は、予算委員会の理事の一員として、一月二十六日からあの強行採決が行われた四月の十五日まで約三カ月間、ほぼ毎日そのけいがいに接し、日々活動をしながら、むしろあなたをこれほど苦しめたのが一体何だったのか、砂田委員長を苦しめたのは中曽根総理ではなかったか、そして売上税の導入ではなかったか、このことを今この壇上から悲しい気持ちで申し上げざるを得ないのであります。(拍手)人を憎むよりもその行為を、その位置を憎まなければならないと私は考えます。
 今、この四月二十二日は、我が国の憲政史上極めて重要な意義を持つ日であると考えます。国民がこれほど強く反対をし、そしてまた選挙戦のさなかであり、徹夜の審議をして売上税の導入について決着をつけなければならない。今、この本会議こそ、庶民の力が政治に反映されるか否か、その極めて重要な一日であると私は断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 ことしの国会は異例ずくめであったと言われます。一月二十六日の総理の施政方針演説に売上税のウの字もなかった。このことに端を発しまして、五日間国会が空転をいたしました。そして、二月三日の予算委員会理事会、砂田委員長の決心という言葉がありました。二月四日予算委員会は単独強行開会され、予算案の趣旨説明が行われました。空転の後、二月十九日提案理由の趣旨説明のやり直し、まことに異例なことが行われました。政省令の骨子、これも大変大きな問題でございましたが、政府は渋々ながら提出をいたしました。三月三日には与党の質疑が開始され、三月四日野党の第一弾の質問の後に、砂田委員長は公聴会の日時指定をいたしました。まことにこれは遺憾なことでございまして、紛糾いたしました。そして、一たんこのように与党単独で決定した公聴会の日程を、政府はこれを撤回をいたしました。そして、ようやく審議が軌道に乗りかかり、法案の提出があり、政省令の骨子も不十分ながら整い、三月の十九、二十日と公述人の意見陳述を聴取いたしました。私ども、この売上税の問題を含む予算の審議にまじめに取り組む野党としては、ようやく材料を得たのであります。
 そして、選挙を終えた四月の十三日、さてこれから本格的な審議に入ろうとしたのであります。そうしたやさき、一日だけ審議をいたしまして、十五日、突如、御承知のとおり予算委員会が強行開会され、まことに我が国憲政史上に一大汚点を残すあの採決が行われたのであります。そのことは、この壇上から既にるると述べられておりますので、繰り返すことを避けますが、議事録を見ても、いつどのように質疑打ち切りの動議が出されたのか、また、委員長がおとりになった起立採決、全員が既に立っておりました、どこでどう起立採決がカウントされたか、私にはわかりません。有効か否か、まことに疑問の残るこうした状況でございました。この間に、我々野党の質問は、我が党の大久保書記長の二時間余を初め、合計わずか十時間のみ、総括質疑の大部分、一般質疑のすべて、さらに分科会での質疑を一切行わなかった予算審議でありました。
 昨年の七月には、新たなる選挙によりまして、新たなる議員を本院は迎えておりました。そして、地域におきまして数多くの問題を今日抱えております。円高の不況、日米経済摩擦、大学入試の大混乱、さまざまな問題が今国内外に山積しているときに、分科会審議こそは、細かな問題に立ち入って、国民がみずからの生活と重ね合わせて、今政府の施策を、聞きたいことを聞き出す重要な分科会審議であったはずであります。この審議を一切行わずして強行採決に移ったことは、これを暴挙と言わずして何を暴挙と言うのでありましょうか。(拍手)
 この原因は、中曽根総理の政治姿勢にあったのであります。しかしながら、総理の意を受けて予算委員長としての指揮をおとりになったのは、砂田委員長、あなた自身でありました。極めて重大な責任であったはずでありますし、私も予算委員会のメンバーの一人として、強行採決の前に、あるいはまた、二月三日理事会においてあなたが決心を発表される前に、重ねて再考を何度も何度も促したことを砂田委員長御自身がよく御記憶になっていることと思います。
 振り返ってみますと、こうした砂田委員長の三つのとが、二月三日における予算委員会の協議の打ち切り、そして、明くる二月四日単独強行予算委員会の開会、そして、六十二年度予算案の趣旨説明の強行、この一番目の出発点、大きなボタンのかけ違いがあったと私は思っております。さらに一月たって三月四日でありました。野党第一党の質問の直後、昼食の時期に、公聴会の一方的決定が三月十三、十四日と行われました。これまた公聴会につきまして非常に重要な位置づけを行っていた理事会協議。しかもあなたは、二月十九日におきまして委員会活動を正常化するに当たり、理事間の協議を尊重すると明言をされていたにもかかわらず一方的な決定をなさったこと、そして四月十五日単独強行開会のボタンを押したこと、この三つは、幾らあなたの人柄に照らしてもまことに残念なことだ。情状酌量の余地はなかったかといろいろ考えても、なおかつあなたに今解任決議案を差し上げ、それに賛成せざるを得ない、その私の苦衷を十分に御理解をいただきたいのであります。(拍手)
 まず、問題となった二月三日の予算委員会理事会でありました。この日は代表質問の二日目でございました。いわゆる形式的に考えるならば、代表質問が終わった段階で、公聴会は形式的なものだ、このように言われておりました。そして、六日間のいわゆる総括質疑が終わってその後に行われる、そうした状況が今日までの慣例であるというふうに伝えられました。しかしながら、昭和四十九年以前は、公聴会は必ずしもそうした姿ではなかったということでもありました。しかも、昨年の総選挙におきまして、与野党の議席差は百に及び、もし強行採決が行われるならばこれをどうして阻止するか、公聴会を重要視し、そこにおけるところの公述人の意見というもの、しかも、今回は売上税法という、あらゆる業種に、あらゆる暮らし向きの人々に直接利害関係をもたらすであろうこうした法の改正が含まれておりました。したがって、私たちは、公聴会におきまして非常に重要な意見が出てくるであろう、しかも、それは東京のみならず地方における公聴会の実施も当然行ってしかるべきものである、このように強く主張をしたのであります。しかしながら、こうした状況も無視されて今日に参りました。
 この当時の状況から考えるならば、予算案は提出されておらず、政省令もなく、また……
○副議長(多賀谷真稔君) 池田君、制限の時間になりましたから、結論を急いでください。
○池田克也君(続) 中央省庁の官房長を招いて、売上税への協力を政府は強く要求をしておりました。また、大蔵省のパンフレットが配られておりまして、これにはあたかも売上税が導入されたかのごとき表現で約三十万部、百四十万部と言われる部数が広く国民の手に渡ろうとしておりました。
 私たちは、理事会におきましてこの三つの点を指摘をいたしまして、調査をしてほしい、また、中央官庁の官房長にどのような指示をなさったのか、その事実関係はどうだったのか、それを強く要求したのでありますが、その答えは余り丁寧な答えは出されずに、振り払うような形でそのことは無視され、委員長の決心が打ち出されたのであります。
○副議長(多賀谷真稔君) 池田君、制限の時間になりましたから、結論を急いでください。
○池田克也君(続) 私どもは大変な重要な時期に国民の負託を受け、多くの反対の意見の中でこの審査をしていかなければならない。この責務を考えたときに、私ども野党が特に資料を要求していることについては十二分にそれを出すべきである、このことを重ねて委員長にも要求をしたわけでありますが、数々の事情はあったにせよ、結論としては政省令はずっと後になってようやく渋々出てきたのであります。
 我が党の大久保書記長が予算委員会におきまして指摘をいたしましたように、税額控除票というものが出てまいりました。この税額控除票のこの控えはかなり長期間にわたって保存することが義務づけられますが、一体それは何年であるのか、政省令を見なければ明確になっていないのが今日の時点であります。
○副議長(多賀谷真稔君) 池田君、制限の時間が過ぎましたから、発言を終わってください。
○池田克也君(続) しかも、この税額控除票を保存することを怠れば二十万円の罰金が科せられるという罰則が加わっている、こうした状況でございました。政省令が明確でなしにどうして審議が進められるか。私どもはまじめに考えれば考えるほど政省令の存在を重要視し、あるいは公聴会における広範な利害関係者の公述を必要とする、このように強く主張してきたのであります。
 慣例からいうならば、もっと早く、確かに予算案は早く審議しなければなりません。けれども、私たちは、今この置かれている立場を考えるならば、慎重にかつ丁寧に審議し、新税の導入に関しては租税法定主義でやる、すべてが法律で定められなければならないという憲法八十四条の規定を尊重するならば、少なくともすべての政省令がそろうまでは断じて進めない、こうした決意を強く持っていたのであります。
○副議長(多賀谷真稔君) 池田君、制限の時間が過ぎましたから、発言を終わってください。
○池田克也君(続) 今度の予算審議における我々野党の進め方は決して無謀ではない。むしろ丁寧に説明しなかったことが、資料を十分に出さなかった政府側がとがを責められるべきであり、その中心者たるべき予算委員長が解任の決議案を出されてもいたし方のない事態だと私は深く確信を持つのであります。
 以上るると申し上げました。申し上げたいことは山々ありますが、時間が短く、十分に意を尽くせないのが残念であります。砂田委員長の解任決議案に賛成の表明をいたしまして、私の討論といたします。(拍手)
○副議長(多賀谷真稔君) 楢崎弥之助君。
    〔楢崎弥之助君登壇〕
○楢崎弥之助君 私は、民社党・民主連合を代表し、予算委員長砂田重民君解任決議案について、賛成の討論を行わんとするものであります。
 冒頭明確にしておきますが、私の発言中、発言を妨害するような雑音が入ったときには、その雑音が消えるまで黙っておりますから、副議長においては、どうぞしかと心得ておいていただきたいと存じます。
 私は、砂田委員長に個人的には何の恨みつらみもありません。むしろアピアランスはジェントルマンにして風貌は優美、悲しいかな天は二物を与えず、政治家として信念のなさを悲しく思うものであります。(拍手)また、新しい議員がたくさんおられますから、私はここで新しい議員の方が知られない幾つかの事実を明確にいたしたいと思います。
 もともと、この砂田さんの不信任案が上程されましたのは、砂田さんが属する派閥の長である中曽根康弘氏という名の総理大臣が非常にうそをつかれる、そこからすべてが始まった。この中曽根康弘さんのうそつきの常習犯的な事実をずっと過去にさかのぼって明らかにいたしたいと思います。
 名前は申しませんが、今中曽根内閣の重要閣僚、かつて十何年前に防衛庁長官をされた方、その人が、当時私は外交、防衛を勉強しておりましたから、私に会いたいという連絡がありました。私は、二人で会うのは誤解を受けるから会わないと言いました。そうしたら、新聞記者を同席させたらいいかとおっしゃいましたから、それならいいだろうということでお会いをいたしました。恐らく、防衛問題に対するお話でしたからそういう話をしたのだと思いますが、それは全部忘れました。
 しかし、私の頭の中に今も鮮明に残っておるのは、その方が何と言われたか。中曽根康弘という政治家は信用のできない政治家である、与野党を通じて一番信用のできない政治家である、朝言ったことと夜言ったことが違うのだ、だから、もしその人が総理大臣になるような情勢になったら、私は体を張ってでも阻止するとおっしゃった。それだけが鮮明に頭に残っております。ところが今、ニューリーダーのお一人を守っておられるから、そのために協力しておられるのでしょう。これは私が言っているのじゃありません。だから、朝言ったことと夜言ったことが違う。頭が東向くときはしっぽは西。風見鶏と言うのはそのためです。今度の統一地方選挙で地方にお呼びがなかったから、風見鶏変わって閑古鳥になってしまった。
 まず第一番に、どんなに中曽根総理が昔うそを言われたか、たくさんありますが、時間がございますから一つずつ明らかにしたいと思います。
 私は、昭和四十二年にベトナムに参りました。そのときに、ちょうど米軍の空襲があっておった。ハノイに行きました。そのときに、亡くなられたホー・チ・ミン大統領が、今ベトナム人民を殺し、また破壊し尽くす、燃やし尽くす、この武器はポール爆弾とナパーム弾です、そのナパーム弾が日本でつくられております、ホー・チ・ミン大統領はそうおっしゃいました。それで、私は、まさかそういうことはないと思って調べてみました。そうしたら、そういう事実があったのであります。
 私は、昭和四十六年二月二十七日予算委員会においてこの問題を取り上げた。時の防衛庁長官は中曽根康弘総理であります。最初こう質問をした。まさか、燃やし尽くす、破壊し尽くす、そういうナパーム弾を日本の自衛隊が持っておることはないでしょうねとまず聞いた。そうしたら、そういう事実はありません。あの方は、御承知のとおり、背が高くて手を大きく振って多かれる方です。最初の答弁のときには、ありません、持っているわけがありませんと、大きく手を振って答弁席に来られた。だけれども、私は本当に持ちませんかと念を押した。そうしたら、防衛庁の役人が走って行って何か耳打ちしておった。そうしたら、また中曽根防衛庁長官は手を挙げて、訂正をいたします、六発使用しました。
 最初は持っていないと言ったのに、六発使用しました。本当に六発だけですかと言ったら、また防衛庁長官に役人が走って行って何か耳打ちした。中曽根さんは手を挙げて、委員長、そのときの委員長は亡くなられた中野四郎さんです。訂正します、六回使用しました。六発が六回になった。そうして、その六回は展示演習のためにやって、弾は五十発使った。六発が五十発になった。もう訂正しないでしょうねと言った。そうしたところが、顔面蒼白になった。そして、汗がたらたら出てきた。二月二十七日ですから真冬ですよ。真冬に汗が出るというのは脂汗でしょう。ガマのあぶらじゃあるまいし、脂汗です。そして、ぐあいが悪くなって、中野委員長が、長官がぐあいが悪いようだから医務室へやりたい、いいかと言われたから、それは人道問題だからいいですと言った。
 そして、その次出てきたのは何です。官房長が何と言った。結局六千発ナパーム弾を持っています。最初持たぬと言ったのが、六発、五十発、六千発、そのうちの四千発はアメリカに返し、二千発、今自衛隊は持っております。議事録を見なさいうそだと思うなら議事録を。そして、ついに中曽根さんは医務室に運ばれたのですよ。自分でうそを言ったから、そうなったんだ。
    〔副議長退席、議長着席〕
 その次に、あの方は、皆さんも御承知のとおり大変饒舌であります。饒舌でしょう。そして、言葉をもてあそぶのが大変お上手なんです、好きなんです。そうして、定義というものもまた好きなんだ、あの人は。自分で定義をつくる人だ。今度も大型間接税で自分が定義をつくって言ったでしょう。多段階的で包括的で網羅的で、縦横十文字に投網をかけるですか、自分でつくって、そういうものが世の中にあるわけないのに、そういうことをやったでしょう。
 ところが、この人は定義をつくるのが好きなんです。一例を挙げましょうか。昭和五十八年の二月十九日ですよ、予算委員会で社会党の岩垂議員が質問をした。非核三原則は国是でしょうと質問した。そうしたら、あの方は素直じゃないんですよ、素直じゃない。何と言ったか。国是という言葉がどういうことを意味するか、その定義にもよると思いますが、まずこうやりましたね。そしてさらに、そういうことはないでしょうと岩垂君が言ったら、今度は中曽根さんは何と言ったか。ただいま申し上げましたように、国是という言葉の定義がどういう意味か、必ずしもはっきりしてないと思いますが、ともかく政府も非核三原則を守り、国会におきましても決議があります、そういう重要な政策である、そう言っただけで、国是とは言わなかったのです。
 そこで私は、過去の昭和五十一年四月二十七日、核兵器の不拡散条約に関する件、衆議院外務委員会の決議です。次に昭和五十三年五月二十三日……
○議長(原健三郎君) 楢崎君、制限の時間になりましたから、結論を急いでください。
○楢崎弥之助君(続) 続いて五十六年一月二十六日、鈴木総理大臣の施政方針演説。次いで五十六年六月五日、核軍縮に関する決議、これは衆議院外務委員会であります。そうして五十七年五月二十七日、……
○議長(原健三郎君) 楢崎君、制限の時間になりましたから、結論を急いでください。
○楢崎弥之助君(続) 第二回国連軍縮特別総会に関する件、衆議院本会議。五十三年五月三十日に園田外務大臣が非核三原則を国是として、次のように国連軍縮総会で述べておるのですね。「あえてこれを持たず、作らず、持ち込ませず、という非核三原則を国是として堅持しております。」こう言っているんですよ。
 それで、いろんなやりとりがありました。とうとう中曽根総理大臣は最後に何と言ったか。中曽根さんは何と言ったか。法制局長官の話によりますと……
○議長(原健三郎君) 楢崎君、制限の時間が過ぎましたから、発言を終わってください。
○楢崎弥之助君(続) 五十三年の五月の決議にあるそうです、したがって、私の考えを訂正する。訂正したんだ。続いて、新しいところに行きましょうか、新しいところに。
 六十一年の五月二十一日に野党との党首会談で何と言ったか。白さも白し富士の白雪だと言った。解散などは全然考えておらぬとおっしゃった。
○議長(原健三郎君) 楢崎君、発言の中止を命じます。(拍手、発言する者多し)楢崎君の降壇を命じます。
    〔楢崎弥之助君発言を継続〕
○議長(原健三郎君) 楢崎君の発言の中止を命じます。――楢崎君に降壇を命じます。
    〔楢崎弥之助君発言を継続〕
○議長(原健三郎君) 静粛に願います。――楢崎君、発言を中止して、速やかに降壇をせられることを望みます。――発言を中止して、降壇を命じます。
    〔楢崎弥之助君降壇〕
○議長(原健三郎君) これにて討論は終局いたしました。
○議長(原健三郎君) 本決議案につき採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行います。
 本決議案に賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参されることを望みます。――議場閉鎖。
 氏名点呼を命じます。
    〔参事氏名を点呼〕
    〔各員投票〕
○議長(原健三郎君) 投票される方は、急ぎ投票願います。――投票の意思があるなら、速やかに投票願います。急いで投票願います。――投票権は尊重いたしたいと存じますから、速やかに投票願います。速やかに投票しなければ投票の意思なしと認めますから、急いでやってください、急いで。後がつかえますから、先頭の方は、速やかに投票してください。――立ちどまらないで、投票してください。立ちどまらないように。――投票した人は、降壇願います。そんなところは立ちどまるところじゃないから。後がつかえておりますから、先の人は、降壇願います。投票して、投票の済んだ人は、降壇。あなた、降壇してください。投票したら、降壇してください。――後がつかえておりますから、先の人は、速やかに投票して、降壇してください。投票が済んでからそこにとどまるということはありませんから。――投票の済んだ人は、早く降壇してください。後がつかえて投票できません。――先頭の方は、速やかに降壇願います。後がつかえております。
    〔投票継続〕
○議長(原健三郎君) 各党の議場内交渉係の方は、降壇を促す等整理に御協力を願います。速やかに投票願います。ここは立ちどまるところではない。演壇において速やかに投票して、降壇願います。
    〔投票継続〕
○議長(原健三郎君) 降壇してください。早く投票して、早く降壇。
    〔投票継続〕
○議長(原健三郎君) 後がつかえておりますから、先の方は、速やかに投票して、急いで降壇願います。――各自の投票権は尊重いたしたいと思います。だから速やかに投票願います。――投票の意思があるのですか、ないのですか。あれば、速やかに投票願います。
    〔投票継続〕
○議長(原健三郎君) 投票の済んだ方は、速やかに降壇願います。
    〔投票継続〕
○議長(原健三郎君) 投票開始以来既に一時間が経過しました。速やかに投票願います。――投票の意思のある方は、速やかに投票してください。
    〔投票継続〕
○議長(原健三郎君) 投票開始から既に二時間が経過いたしました。よって、あと三十分以内で投票を願います。――投票の意思のある方は、あと三十分以内で速やかに投票願います。――投票権は尊重いたしたく存じますので、速やかに投票願います。
    〔投票継続〕
○議長(原健三郎君) 投票の意思のある方は、この際、急ぎ投票願います。
    〔投票継続〕
○議長(原健三郎君) 投票開始から既に二時間半も経過いたしました。よって、急ぎ投票願います。そして、投票を完了いたしたく存じます。投票の意思のある方は、急ぎ御投票願います。
    〔投票継続〕
○議長(原健三郎君) 先頭の方は、立ちどまらずに、速やかに投票願います。後がつかえておりますから、どうぞ。
    〔投票継続〕
○議長(原健三郎君) 投票開始以来、既に二時間半以上も経過しました。投票の意思のある方は、速やかに投票願います。
    〔投票継続〕
○議長(原健三郎君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開票。――議場開鎖。
 投票を計算させます。
    〔参事投票を計算〕
○議長(原健三郎君) 投票の結果を事務総長から報告させます。
    〔事務総長報告〕
 投票総数 四百七十二
  可とする者(白票)       百八十四
    〔拍手〕
  否とする者(青票)      二百八十八
    〔拍手〕
○議長(原健三郎君) 右の結果、予算委員長砂田重民君解任決議案は否決されました。(拍手)
    ―――――――――――――
 大出俊君外四名提出予算委員長砂田重民君解任決議案を可とする議員の氏名
      井上 一成君    井上 普方君
      伊藤 忠治君    池端 清一君
      石橋 大吉君    石橋 政嗣君
      岩垂寿喜男君    上田 卓三君
      上田  哲君    上田 利正君
      上原 康助君    江田 五月君
      小川 国彦君    小澤 克介君
      小野 信一君    緒方 克陽君
      大原  亨君    岡田 利春君
      奥野 一雄君    加藤 万吉君
      角屋堅次郎君    金子 みつ君
      川崎 寛治君    川俣健二郎君
      河上 民雄君    河野  正君
      菅  直人君    木間  章君
      串原 義直君    小林 恒人君
      上坂  昇君    左近 正男君
      佐藤 観樹君    佐藤 敬治君
      佐藤 徳雄君    坂上 富男君
      沢田  広君    沢藤礼次郎君
      渋沢 利久君    嶋崎  譲君
      城地 豊司君    新村 勝雄君
      新盛 辰雄君    関山 信之君
      田口 健二君    田中 恒利君
      田邊  誠君    田並 胤明君
      高沢 寅男君    辻  一彦君
      戸田 菊雄君    土井たか子君
      中沢 健次君    中西 績介君
      中村  茂君    中村 正男君
      永井 孝信君    野口 幸一君
      馬場  昇君    浜西 鉄雄君
      早川  勝君    広瀬 秀吉君
      細谷 治嘉君    堀  昌雄君
      前島 秀行君    松前  仰君
      三野 優美君    水田  稔君
      武藤 山治君    村山 喜一君
      村山 富市君    安井 吉典君
      安田 修三君    山下八洲夫君
      山花 貞夫君    吉原 米治君
      渡部 行雄君    浅井 美幸君
      新井 彬之君    有島 重武君
      井上 和久君    池田 克也君
      石田幸四郎君    市川 雄一君
      遠藤 和良君    小川新一郎君
      大久保直彦君    大野  潔君
      大橋 敏雄君    近江巳記夫君
      長田 武士君    鍛冶  清君
      貝沼 次郎君    神崎 武法君
      木内 良明君    草川 昭三君
      草野  威君    小谷 輝二君
      権藤 恒夫君    斉藤  節君
      坂井 弘一君    坂口  力君
      柴田  弘君    鈴切 康雄君
      竹入 義勝君    竹内 勝彦君
      武田 一夫君    玉城 栄一君
      鳥居 一雄君    中村  巖君
      西中  清君    沼川 洋一君
      橋本 文彦君    春田 重昭君
      日笠 勝之君    平石磨作太郎君
      伏木 和雄君    伏屋 修治君
      藤原 房雄君    二見 伸明君
      冬柴 鐵三君    古川 雅司君
      正木 良明君    水谷  弘君
      宮地 正介君    森田 景一君
      森本 晃司君    矢追 秀彦君
      矢野 絢也君    薮仲 義彦君
      山田 英介君    吉井 光照君
      吉浦 忠治君    渡部 一郎君
      安倍 基雄君    阿部 昭吾君
      青山  丘君    伊藤 英成君
      小沢 貞孝君    大矢 卓史君
      岡田 正勝君    川端 達夫君
      神田  厚君    木下敬之助君
      北橋 健治君    小渕 正義君
      田中 慶秋君    滝沢 幸助君
      玉置 一弥君    塚田 延充君
      塚本 三郎君    中野 寛成君
      永末 英一君    楢崎弥之助君
      西村 章三君    林  保夫君
      吉田 之久君    米沢  隆君
      和田 一仁君    安藤  巖君
      石井 郁子君    岩佐 恵美君
      浦井  洋君    岡崎万寿秀君
      金子 満広君    経塚 幸夫君
      工藤  晃君    児玉 健次君
      佐藤 祐弘君    柴田 睦夫君
      瀬長亀次郎君    田中美智子君
      辻  第一君    寺前  巖君
      中路 雅弘君    中島 武敏君
      野間 友一君    東中 光雄君
      藤田 スミ君    藤原ひろ子君
      正森 成二君    村上  弘君
      矢島 恒夫君    山原健二郎君
 否とする議員の氏名
      阿部 文男君    相沢 英之君
      逢沢 一郎君    愛知 和男君
      愛野興一郎君    青木 正久君
      赤城 宗徳君    麻生 太郎君
      天野 光晴君    甘利  明君
      新井 将敬君    有馬 元治君
      粟屋 敏信君    井出 正一君
      井上 喜一君    伊東 正義君
      伊藤宗一郎君    伊吹 文明君
      池田 行彦君    石井  一君
      石川 要三君    石破  茂君
      石橋 一弥君    石原慎太郎君
      石渡 照久君    糸山英太郎君
      稲垣 実男君    稻葉  修君
      稲村 利幸君    今井  勇君
      今枝 敬雄君    宇野 宗佑君
      上草 義輝君    上村千一郎君
      魚住 汎英君    臼井日出男君
      内海 英男君    浦野 烋興君
      江口 一雄君    江崎 真澄君
      江藤 隆美君    衛藤征士郎君
      榎本 和平君    遠藤 武彦君
      小川  元君    小此木彦三郎君
      小里 貞利君    小沢 一郎君
      小澤  潔君    小沢 辰男君
      小渡 三郎君    小渕 恵三君
      尾形 智矩君    尾身 幸次君
      越智 伊平君    越智 通雄君
      大石 千八君    大石 正光君
      大島 理森君    大塚 雄司君
      大坪健一郎君    大西 正男君
      大野  明君    大野 功統君
      大原 一三君    大村 襄治君
      太田 誠一君    岡島 正之君
      奥田 幹生君    奥野 誠亮君
      加藤 紘一君    加藤 卓二君
      加藤 六月君    鹿野 道彦君
      海部 俊樹君    柿澤 弘治君
      梶山 静六君    粕谷  茂君
      片岡 清一君    片岡 武司君
      金子 一義君    金子原二郎君
      金丸  信君    亀井 静香君
      亀井 善之君    亀岡 高夫君
      唐沢俊二郎君    川崎 二郎君
      瓦   力君    木部 佳昭君
      木村 守男君    木村 義雄君
      菊池福治郎君    岸田 文武君
      北川 石松君    北口  博君
      北村 直人君    久間 章生君
      久野 忠治君    工藤  巖君
      鯨岡 兵輔君    熊谷  弘君
      熊川 次男君    倉成  正君
      栗原 祐幸君    小泉純一郎君
      小坂徳三郎君    小杉  隆君
      小宮山重四郎君    古賀  誠君
      古賀 正浩君    後藤田正晴君
      河野 洋平君    河本 敏夫君
      高村 正彦君    鴻池 祥肇君
      近藤 鉄雄君    近藤 元次君
      佐藤 一郎君    佐藤 静雄君
      佐藤 信二君    佐藤 敬夫君
      佐藤 文生君    佐藤 守良君
      斉藤斗志二君    齋藤 邦吉君
      坂本三十次君    桜井  新君
      櫻内 義雄君    笹川  堯君
      笹山 登生君    志賀  節君
      自見庄三郎君    椎名 素夫君
      塩川正十郎君    塩崎  潤君
      塩谷 一夫君    島村 宜伸君
      白川 勝彦君    杉浦 正健君
      杉山 憲夫君    鈴木 恒夫君
      鈴木 宗男君    砂田 重民君
      関谷 勝嗣君    田澤 吉郎君
      田名部匡省君    田中 龍夫君
      田中 直紀君    田邉 國男君
      田原  隆君    田村 良平君
      高鳥  修君    高橋 一郎君
      高橋 辰夫君    竹内 黎一君
      竹下  登君    竹中 修一君
      武部  勤君    武村 正義君
      谷  洋一君    谷垣 禎一君
      谷川 和穗君    玉生 孝久君
      玉沢徳一郎君    近岡理一郎君
      津島 雄二君    塚原 俊平君
      月原 茂皓君    戸井田三郎君
      戸沢 政方君    戸塚 進也君
      渡海紀三朗君    東家 嘉幸君
      虎島 和夫君    中川 昭一君
      中川 秀直君    中島源太郎君
      中島  衛君    中曽根康弘君
      中西 啓介君    中村喜四郎君
      中村正三郎君    中村  靖君
      中山 太郎君    中山 利生君
      中山 成彬君    中山 正暉君
      長野 祐也君    二階 俊博君
      二階堂 進君    丹羽 兵助君
      丹羽 雄哉君    西岡 武夫君
      西田  司君    額賀福志郎君
      野田  毅君    野中 英二君
      野中 広務君    野呂 昭彦君
      野呂田芳成君    羽田  孜君
      葉梨 信行君    橋本龍太郎君
      長谷川 峻君    畑 英次郎君
      鳩山 邦夫君    鳩山由紀夫君
      浜田 幸一君    浜田卓二郎君
      浜野  剛君    林  大幹君
      林  義郎君    原田  憲君
      原田昇左右君    東   力君
      平泉  渉君    平沼 赳夫君
      平林 鴻三君    深谷 隆司君
      吹田  ナ君    福島 譲二君
      福田  一君    藤尾 正行君
      藤波 孝生君    藤本 孝雄君
      二田 孝治君    船田  元君
      古屋  亨君    保利 耕輔君
      穂積 良行君    細田 吉藏君
      堀内 光雄君    堀之内久男君
      前田 武志君    牧野 隆守君
      増岡 博之君    町村 信孝君
      松田 岩夫君    松田 九郎君
      松永  光君    松野 幸泰君
      松野 頼三君    松本 十郎君
      三ツ林弥太郎君    三原 朝彦君
      三塚  博君    箕輪  登君
      水野  清君    宮崎 茂一君
      宮里 松正君    宮澤 喜一君
      宮下 創平君    武藤 嘉文君
      村井  仁君    村岡 兼造君
      村上誠一郎君    村田敬次郎君
      村山 達雄君    持永 和見君
      粟山  明君    森   清君
      森  美秀君    森  喜朗君
      森下 元晴君    森田  一君
      森山 欽司君    谷津 義男君
      保岡 興治君    柳沢 伯夫君
      山口 敏夫君    山崎  拓君
      山崎平八郎君    山下 元利君
      山下 徳夫君    山中 貞則君
      山村新治郎君    山本 幸雄君
      与謝野 馨君    若林 正俊君
      綿貫 民輔君    渡部 恒三君
      渡辺 栄一君    渡辺 紘三君
      渡辺 省一君    渡辺 秀央君
      渡辺美智雄君    佐藤 孝行君
    ―――――――――――――
○議長(原健三郎君) この際、午後八時まで休憩いたします。
    午後六時十三分休憩
     ――――◇―――――
    午後八時二分開議
○副議長(多賀谷真稔君) 休憩前に引き続き会議を開きます。
     ――――◇―――――
○副議長(多賀谷真稔君) 日程第二は、提出者から委員会の審査省略の申し出があります。右申し出のとおり決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(多賀谷真稔君) 御異議なしと認めます。
    ―――――――――――――
 日程第二 大蔵大臣宮澤喜一君不信任決議案
  (大山俊君外四名提出)
○副議長(多賀谷真稔君) 日程第二、大蔵大臣宮澤喜一君不信任決議案を議題といたします。
 提出者の趣旨弁明を許します。沼川洋一君。
    ―――――――――――――
 大蔵大臣宮澤喜一君不信任決議案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
    〔沼川洋一君登壇〕
○沼川洋一君 私は、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合を代表いたしまして、ただいま議題となりました大蔵大臣宮澤喜一君不信任決議案の提案の趣旨並びにその理由を御説明申し上げます。(拍手)
 まず、案文を朗読いたします。
    大蔵大臣宮澤喜一君不信任決議案
  本院は、大蔵大臣宮澤喜一君を信任せず。
  右決議する。
    〔拍手〕
 理由を申し述べます。
 内閣の行為については、言うまでもなく各閣僚は連帯責任を有しております。ところで、売上税等について、国民は大多数が反対を表明しており、さきの統一地方選挙前半の選挙戦においても、明白に反対であることの審判を下しています。したがって、民意を尊重する立場に立つならば、政府は、直ちに売上税、マル優廃止を撤回し、予算案の組み替えを行うべきであります。そのことが予算の早期成立を確保するものであるにもかかわらず、逆に自民党による予算案の強行採決に加担したことは、まことに言語道断であります。これが大臣として不適格であり、不信任をする理由であります。
 以上が本決議案を提出する理由でありますが、これより若干の説明を補足いたします。
 宮澤喜一君は、大蔵大臣就任後、中曽根総理とともに売上税導入、マル優廃止の先頭に立ってきました。あえて言うまでもなく、この売上税導入、マル優廃止は、昨年の衆参同時選挙における中曽根首相の公約に完全に違反するものであります。各マスコミ等の世論調査で、大多数の国民が公約違反であると表明したことは当然と言わねばなりません。売上税導入、マル優廃止は公約違反でないとする中曽根総理や大蔵大臣宮澤喜一君の発言が、どれほど国民の政治に対する信頼を失墜せしめたかはかり知れないのであります。私は、公約違反の売上税導入、マル優廃止を今国会に提案し、政治不信を高めたこの事実だけをもってしても、大蔵大臣宮澤喜一君の責任は極めて重大であると言わなければならないのであります。(拍手)
 それに加えて宮澤喜一君は、今回、昭和六十二年度予算案の強行採決に加担し、売上税導入、マル優廃止を決定づけようとしたのであります。
 既に国会論戦の中で明らかにされてまいりましたように、売上税は妥協の余地のない悪税であります。売上税が導入されれば、家計は、すべての商品、サービスの価格上昇という形で大きな負担を強いられるのであります。しかも、それは高額所得者も低所得者も、お年寄り、身障者、生活保護世帯も、同じような負担を強いられる不公平を拡大することは避けられないのであります。また、中小零細企業は、我が国の複雑な流通機構の中で、結局、課税業者を選択せざるを得なくなり、消費者へ転嫁できない場合、売上税をみずから負担せざるを得ず、経営を圧迫されることは目に見えているのであります。中小零細企業ばかりでなく、構造不況業種などでは、大企業といえども危機感を組めているのであります。さらに、薄く広くといううたい文句で売上税が導入されるならば、安易な増税への道をたどり、日本はやがて重税国家となることは必至と言わなければなりません。
 問題は、そればかりではありません。目下の我が国の国内外政策における最大の焦点は、国際社会との協調であり、内需の拡大であります。ところが、売上税の導入は、国民生活を圧迫することによって民間消費を萎縮させ、国際的要請に明らかに逆行するものであります。一方、マル優廃止は、社会保障政策や住宅政策の不備からみずからの生活を守ろうとする庶民の努力を踏みにじるものであります。マル優の不正利用者がいるからこれを廃止するというのであれば、政治ではありません。まずやるべきことは、マル優の限度額管理の徹底のはずであります。さきの統一地方選挙の前半戦では、このような多くの問題を持つ売上税導入、マル優廃止に対する国民の憤激のマグマが日本列島全土に噴き上げ、売上税導入、マル優廃止に完全にノーという審判が下されたのであります。(拍手)
 民主政治の根本は、民意を正確に政治に反映することであります。大蔵大臣という立場にある宮澤喜一君は、民意を尊重し、直接の税制改革の責任者として勇気を持って売上税導入、マル優廃止法案を撤回し、六十二年度予算からこれにかかわる歳入を削除すべきなのであります。それにもかかわらず、大蔵大臣宮澤喜一君は、売上税導入、マル優廃止に反対する国民の願いを一蹴し、それに全く逆行する予算案の強行採決に加担したのであります。しかも、予算委員会の強行採決後、あなたは与党の決心に敬意を表すると発言をされておられます。まさに三百四議席のおごりであり、国民の声を無視した発言と言わねばなりません。
 宮澤喜一君は、大蔵大臣就任前、総務会長としての立場で中曽根総理が強行しようとしていた衆参同時選挙に抵抗をされました。また、中曽根内閣の緊縮財政を批判し、積極財政への転換を主張されていたのであります。私は、これらの宮澤喜一君の行動には共鳴した一人でありましたが、中曽根内閣の国民を愚弄するにも等しいやり方の一翼を担う宮澤喜一君の政治行動は、到底容認することはできないのであります。(拍手)
 ニューリーダーの一人と言われる宮澤喜一君が、売上税導入、マル優廃止を中曽根内閣の時代に処理することのメリットを計算に入れていたとしたら、私は、いつの日にか必ずや国民の総反撃を食うであろうことを忠告しておきたいのであります。
 以上、売上税に関して宮澤喜一君の責任を申し述べましたが、重ねて申し上げます。今や売上税粉砕の声は日本列島に渦巻いております。まさにあなたの態度は国民に対する挑戦でしかありません。
 次に私は、売上税、マル優問題の責任とあわせ、宮澤喜一君が中曽根内閣の大蔵大臣として円高是正に成果を上げることができず、しかも、積極財政への転換をちゅうちょし、さらに、いまだに六十五年度赤字国債脱却を掲げ、我が国経済の混乱を深めさせている責任を指摘せざるを得ないのであります。
 宮澤喜一君は、大蔵大臣に就任以来、円高是正のために努力されてきていることは理解するものであります。しかし、現実は一向に円高・ドル安は是正されておらず、今や一ドル百三十円台への突入さえ懸念されているのであります。二月のパリ合意では、日本政府は一ドル百五十円割れを防ぐことを念頭に置いたはずであります。御承知のとおり、さきにワシントンで開かれたG7では、我が国のみ内需拡大、市場開放の約束をさせられるなど、一層厳しい状況に追い込まれているのであります。パリ合意から一月余りの間に一層の円高を余儀なくされ、しかも、他の先進国から厳しい注文を甘受せざるを得なかった責任は、やはり重大と言わなければなりません。
 このように、我が国をめぐる経済環境は、かつてない厳しい状況に直面しているのでありますが、六十二年度予算は、我々の再三の積極財政への転換を求める要求にもかかわらず、緊縮財政を続けているのであります。すなわち、一般歳出の伸び率を五年連続ゼロ、一般会計公共事業費をマイナスにしているのであります。予算の成立がおくれている今、政府・自民党は総合経済対策の作成を準備していますが、これは予算が内需拡大に不十分なものであることをみずから暴露するものであります。
 本来ならば、財政運営の責任者である大蔵大臣は、今日の事態を乗り切るために、積極財政への転換を明確にし、財政法の精神に照らし六十二年度予算を撤回し、再提出すべきなのであります。完全に破綻した六十五年度赤字国債脱却をいまだに掲げ、我が国の財政運営にみずから足かせをはめ、さらに積極財政への転換をもあいまいにして、我が国経済を深刻な事態に陥れている宮澤喜一君の責任は、断じて見逃すことができないのであります。(拍手)
 このような理由から、宮澤喜一君は到底信任し得ず、本案を提出する次第であります。
 以上申し上げまして、私の提案理由の説明を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
○副議長(多賀谷真稔君) 質疑の通告があります。順次これを許します。早川勝君。
    〔早川勝君登壇〕
○早川勝君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました宮澤大蔵大臣不信任決議案に対し、提案者に質問をいたします。
 我が国の経済、社会が内外の両面から大きな変革を迫られていることは言うまでもありません。とりわけ、円高不況と貿易摩擦に対する対策は、緊急にして抜本的な施策が求められております。もはやその場しのぎの糊塗策では、問題の解決をますます困難にするだけでなく、内外の不信、不満を一層助長するという逆効果をもたらす局面を迎えているのであります。
 為替レートは、この一年半の間に一ドル二百四十円から一ドル百四十円と急激な円高基調をたどっており、それに伴って企業における雇用調整、海外への企業立地が進み、その結果、雇用情勢は失業者百八十六万人、失業率も三%という深刻な事態を招いており、いわゆる円高倒産も昨年は六百二十三件と過去最高の数字を示し、これらは今後悪化こそすれ、改善の気配は見られないのであります。
 その一方では、低金利のもとで企業における金余り現象が起き、株式投機、大都市の土地投機がブームを呼ぶという異常、いびつな経済現象に拍車がかかり、今や実物経済の裏打ちのない、いわば虚構の金融国家への道を進んでいると考えられます。それに加えて、財政も税制も的確な対応策を講じ得ず、いたずらに混迷と先行きの不透明さを増幅しているにすぎません。
 かかる状況を見るとき、大蔵大臣の責任は極めて重大であるにもかかわらず、今なお積極的な政策転換を図ろうとしないのでは、不信任もやむなしと言わざるを得ないのであります。(拍手)
 以下、提案者に具体的にお尋ねいたします。
 まず第一に、シャウプ税制以来の大改革と喧伝されている割には、その手続、内容のいずれの点でも大きな欠陥を抱えていることに対する大蔵大臣の責任であります。
 今回の税制改革について、政府は、改革の理念は公平、公正、簡素、選択、活力であり、改革の内容は働き盛りの中堅サラリーマンのための所得減税、企業活動の活性化のための法人減税、減税財源確保のための売上税の導入、現行非課税貯蓄、マル優制度の廃止がその柱であるとしています。ところで、これらはシャウプ税制に匹敵するような改革と言えるのかどうか、大きな疑問を持たざるを得ないのであります。宮澤大蔵大臣は、シャウプ税制改革当時、大蔵省でつぶさに、直接にかかわっておられてよく御存じのとおり、シャウプ勧告は、公平負担の原則に立って直接税中心の税体系を確立し、地方財政を重視することを大きな柱に据えておりました。それに比べますと、今回の改革は、こそくな手段を弄した、国民をないがしろにしたやり方であり、その内容と断ぜざるを得ないのであります。
 政府は、一昨年九月に総理大臣から税制調査会に税制改革の諮問が行われて以来の時間をかけたと言われますが、改革の全体像が国民の前に明らかになったのはことしになってからであり、わずか四カ月前であります。これでは国民主権の改革とは到底言えず、中曽根内閣独善の改革と指弾されても当然であります。今回の改革の理念をシャウプ税制のそれと比較するとき、雲泥の差がある上に、改革への取り組みも民主的でないと考えるものでありますが、大蔵大臣の対処の仕方は適切なものであったとお考えかどうか、お聞かせいただきたいのであります。
 第二の点といたしましては、改革の内容についての問題であります。
 政府は、所得減税のために売上税を導入する、減税財源確保のための新税の創設と言っておりますが、そのねらいは、サラリーマン層の所得税の実質減税にあるのではなく、減税は売上税を新設するためのいわば口実であり、先導役にしかすぎないのであります。いわば減税の背中に背負われた売上税という赤子が、やがて急成長して減税を押しつぶすのは確実であります。このようなごまかしの増減税同額という税制改革を認めることはできない、これが過日行われた地方選挙前段の結果にあらわれた国民の意思であります。
 また、減税の対象、その恩恵は高額所得層と大企業に集中する一方で、増税は中小所得層、家計を預かる主婦、年金で生活する老人に集中するのであります。公平の原則に反し、今我が国の税制改革で特に求められている内需拡大のための施策に欠かせない個人消費増大の減税に真っ向から対立する大衆の増税策がとられようとしているのであります。活力を国民に与える改革どころか、将来の生活不安を高める不公平の拡大をもたらすのが四兆五千億円という政府の減税であり増税であります。今回の税制改革のねらいである究極の大増税を隠した諸法案を国会に提出し、早期成立を求める大蔵大臣の姿勢について、提案者の所感をお聞かせいただきたいのであります。
 第三に伺いたいのは、売上税問題についてであります。
 提案者も提案説明の中で、売上税については中曽根総理の公約違反は明白であり、売上税の導入によって生じる国民生活、企業経営の影響について触れられましたが、いずれも御指摘のとおりであります。特に、ここに重ねて指摘しておかなければならないことは、税金のわかる政治家である大蔵大臣が何ゆえに売上税問題に対して毅然たる態度で臨み、明快な答弁をされないのかという点であります。
 中曽根総理は、大型間接税に関して「多段階、包括的、網羅的、普遍的で大規模な消費税を投網にかけるようなやり方はしない」と答弁し、今回の売上税はその意味からして大型間接税でないと詭弁を弄していますが、だれが見ても、どう考えても、売上税は大規模な消費税であり、大型間接税であります。税金を知り、税金を語る者ならば、そして気骨のある政治家ならば、総理、売上税は大型間接税そのものだよと直言し、進言しなければならないのであります。まして、税制改革の責任者である大蔵大臣のそれが使命の一つでもあると考えます。それをしない大蔵大臣は、責任を放棄したに等しいのであります。売上税の非課税取引、非課税品目一つを見ても、七から四十三、四十四、そして五十一とふえ、国民にとって極めてわかりにくい税金となってきており、税金に対する不信を一層深めているこの責任の大半は大蔵大臣にあると思いますが、提案者の御意見を伺いたいのであります。
 第四点は、財政再建についての問題であります。
 提案者も指摘されましたように、政府の掲げている六十五年度赤字国債脱却の目標は事実上破綻したにもかかわらず、それに固執しているがためにかえって財政再建の展望は立たず、それに加えて経済状況もますます悪化していることは、冒頭に触れた円高傾向、高失業化、さらに経済の投機化によってマネーサプライも危険水準に近づいていることで明らかであります。今や財政再建路線を抜本的に見直す段階を迎えていることは、衆目の一致して認め、また、その必要性を説いているところであります。
 自民党政府のもとで特例国債が発行されて今年度で十二年目を迎えておりますが、その間、特例国債脱却目標年次は五十五年度、五十七年度、五十九年度、六十五年度と回転してきて、今なお達成できていないのは、これまでの政策運営が基本的に誤っている結果であり、その証左であると考えざるを得ないのであります。六十八年度への脱却目標年次の延長が伝えられておりますが、今こそ過去の財政運営の限界と反省に立った宮澤財政を国民は期待している。それにもかかわらず、依然として展望なき財政政策、予算編成を踏襲していることは、今日の事態ではもはや許されないのであります。
○副議長(多賀谷真稔君) 早川君、時間ですから、結論を急いでください。
○早川勝君(続) 財政政策の前提にあるのは、第一に国民生活の安定と向上であり、第二に経済の安定的成長であり、現在緊急に求められているのは雇用の確保、貿易摩擦解消のための内需拡大への転換を進めることであります。
○副議長(多賀谷真稔君) 早川君、時間ですから、結論を急いでください。
○早川勝君(続) 財政至上主義ともいうべき発想に立って、財政再建なき増税路線への転換を行おうとしている財政政策の最高責任者である大蔵大臣の現状認識とその方針を危惧するものですが、提案者の見解を承りたいのであります。
 以上、大蔵大臣の不信任決議案の趣旨弁明に関して申し上げました諸点につき、提案者の明快な答弁をお願いして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔沼川洋一君登壇〕
○沼川洋一君 早川議員にお答えをいたします。
 まず第一点は、税制の改革に当たっての大蔵大臣の対処の仕方が適切であったかどうか、こういう御質問であったわけですが、一口に申し上げますと、国民無視の非民主的なやり方である、私はこのように思うわけであります。すなわち、税制改革というのは、国民にとりまして最も重要な政策決定に際し、本来、まずすべての情報と政策の意図を国民の前にあらかじめフェアに公開、提示しなければならなかったと私は思っております。改革の進展の見取り図を何ら示すことなく、自民党税制調査会と大蔵省の密室の中での協議に終始したというのが問題でございます。
 また、もう一点は、余りにも拙速なものであったということでございます。これは外国の例でもわかりますように、例えばイギリスの場合でございますが、付加価値税の導入に三年間準備期間を要しております。また、アメリカの税制改革におきましても、実施の三年前、八百ページにわたる詳細な財政省レポートを公表し、それをたたき台にして徹底的に審議いたしております。政府・自民党では百八十時間審議したと言いますが、外国に比べて、余りにも、そのやり方は国民のコンセンサスを得ることなく、強引にやったという点は、まことに私は国民無視である、こう言わざるを得ません。(拍手)
 二番目のお尋ねでございますが、政府の言う増減税同額はまやかしであり、かかる税制改革法案を国会に提出した大蔵大臣の姿勢についてどう思うか、こういうことでございますが、今回の税制改革は、はっきり申し上げて、初めに売上税ありき、いわば所得減税のための財源確保として売上税を導入するというのはごまかしにしかすぎません。このように考えております。
 さらに第三点として、売上税問題で国民の税金への不信を深めさせた大蔵大臣の責任についてでございますが、売上税は、中曽根総理の公約違反の批判を免れるために、非課税項目や非課税事業者などを設定したことから大変複雑になっております。また、そこから新たな問題が生ずることになりました。すなわち、早川議員が御指摘になりましたように、非課税項目の数の増加、そして、缶詰など非課税と言われるものの輸送、包装に売上税がかかるため価格が上昇すること、そして、非課税事業者が取引の中間に入った場合に、税額票を発行できないため取引から除外される等の問題がございます。
 さらに売上税法案は、六十七条中税法の根幹にかかわる税額計算方法など百二十七項目を政省令にゆだねられ、租税法律主義に反し、欠陥法案と私は言わねばならないと思います。この売上税の複雑さと中曽根総理の公約違反を初めとする国民をないがしろにした税制改革の推し進め方に対し、国民は税金そして政治に対する不信を募らせておるわけでございます。その責任は直轄大臣として私は大きいと思うものでございます。
 第四点でございますが、財政再建について御質問をいただきました。
 我が国は、対外経済摩擦の激化と円高不況という問題を抱えておりまして、厳しい経済運営を迫られております。内外から内需主導の積極財政への転換が強く求められております。我が国の経済、財政が依然として先行きが不透明であるのは、政府が景気対策と財政再建を対立的にとらえ、財政の帳じり合わせに固執し、所得減税、公共投資の拡充など、実効ある内需拡大を怠るとともに、本来的な行政改革を徹底しないことによるものでありまして、その責任は極めて重大であると私は考えております。
 第五点は、積極財政への転換についてでございます。
 今月七日政府・自民党が決定した総合経済対策の基本方針を見ますと、一つには公共事業の前倒し、二番目に大型補正予算の早期編成等が中心になっております。総合経済対策は、このところ繰り返し作成されておりますが、実効性のない項目の寄せ集め、内容であるために実績が上がっていないのは御存じのとおりでございます。これが本予算が内需に極めて不十分であることを証明していることになります。
 事実、予算は、毎年の予算編成で公共事業などの概算要求基準を前年よりも削減して、マイナスシーリングを採用しましたところの緊縮型であります。このような超緊縮型の予算では、景気浮揚効果が期待できないことは言うまでもありません。円高不況の克服は到底不可能であろうと私は考えます。対外経済摩擦の緩和もますます困難になります。さらに、国民の生活設計に対する不安も増幅すると言わなければなりません。したがって、内需拡大にはほど遠い六十二年度予算案を組み替えて、ちゅうちょすることなく、持論の積極財政へ転換すべきであります。ところが、それを怠っているその責任は私は大きいという観点から、不信任決議案を先ほど提案し、御説明を申し上げたような次第でございます。
 以上でございます。(拍手)
○副議長(多賀谷真稔君) 吉田之久君。
    〔吉田之久君登壇〕
○吉田之久君 私は、民社党・民主連合を代表いたしまして、ただいま提出されました大蔵大臣宮澤喜一君の不信任決議案に関し、若干の質問をいたします。
 私は、個人的にはかねてから宮澤喜一氏には深い敬意を表してまいった一人であります。その穏やかな人格と豊かな見識、すぐれた国際感覚、緻密な経済理論、すべてにおいて期待された政治家宮澤喜一氏が今厳しい世論の集中砲火を浴びておられるということは、一体何に起因するのでありましょうか。それは、宮澤氏が大蔵大臣就任以来、中曽根総理の完全なイエスマンになり終わってしまわれたことにほかならないと思うのであります。
 国民は、今諸悪の根源ともいうべき売上税の導入に血道を上げるべき立場に立たされておられる宮澤氏のことを極めて残念に思っております。売上税は、言うまでもなく、消費を低迷させ、物価の高騰を招き、内需の沈滞をもたらす天下の悪税でありまして、このような売上税に、みずからの信念に背いてその責任を果たさなければならない宮澤氏の心中、そしてまた、行動の軌跡というものに対しまして、私どもは首をかしげざるを得ないのであります。この点につきまして沼川議員はいかにお考えでございましょうか。
 宮澤氏が自民党総務会長時代、中曽根総理のたくらむ衆参同日選挙に断固として反対の意思を表明されました勇気に、当時私どもは心から拍手を送ったものでありますけれども、その勇気と決断は今どこへ行ってしまったのでありましょう。あるいは最も間違ったところに注がれているのではないかということを嘆かざるを得ないのであります。
 さらに、この際申し述べなければならないことは、我が国の現行税制の不公平、不公正についてであります。
 たしか昨年の予算委員会において、私は宮澤大蔵大臣に、クロヨンとかトーゴーサンとか言われるこの税徴収の不公平の現状をあなたはお認めになりますかと伺いましたときに、税徴収の担当大臣としてはまことに言いにくいことではあるけれども、現実にはそのような実態であることを認めざるを得ませんと答えられたのであります。現実に対してみずから率直にその事実を認められたことはよいといたしましても、それならばなぜ、何をおいてもまずその不公平、不公正を是正することから出発なさらないのでありましょうか。このことを中途半端に放置したまま、その上に売上税なるものをおっかぶせようとすることは、不公平税制の是正を永久に放棄することに通ずるものでありまして、大蔵大臣としては、まず今果たすべき責任を果たされなければならないと思うのであります。
 基本を守らずして次の行動に入ることは、いずれの場合にも極めて危険でありまして、特に、国民の重大な権利義務にかかわる税の問題でありますだけに、このようないいかげんなことは国家の根幹にかかわる問題であると思います。正直者や勤勉なサラリーマンだけがばかを見るような税の現状に痛烈なメスを入れるべき責任が今大蔵大臣にあると思うのに、事もあろうに庶民を苦しめる売上税導入に専念されているということはいかがでありましょう。
 かつて宮澤氏の師と仰がれた元首相池田勇人氏は、寛容と忍耐という言葉を政治信条となされました。しかも、この言葉は、今は亡き大平首相やあるいは現大蔵大臣宮澤喜一氏らの進言によってもたらされたものと聞いております。にもかかわらず、今偏狭と焦燥の中に一気がせいに売上税を中央突破させようとしております。このごうごうたる国民の非難あるいは国外からも浴びせられておりますこの非難の現状にこたえ、宮澤氏はみずから売上税撤回の決断をなさるべきであると思うのでございますけれども、提案者はいかがお考えでございましょう。(拍手)
 ある人は、直接税はその都度痛みのわかる胃潰瘍のようなものである、それに比べて売上税のごとき間接税はその都度痛みを感じさせず、そして、ついに死に至らしめる胃がんのようなものであると評しております。私はまさにこの売上税は胃がんであると思います。幸い早期発見されたわけであります。直ちに摘出しなければなりません。その痕跡も残さず摘出することによって、全身に転移することが防げると思うのであります。(拍手)
 この売上税が直ちに撤回されることをかたく期待いたしまして、私の質問にかえさしていただきます。(拍手)
    〔沼川洋一君登壇〕
○沼川洋一君 民社党の吉田議員の御質問にお答えをいたします。
 第一点の宮澤大蔵大臣の政治姿勢について、先生いろいろと御意見をお述べになっての御質問でございますが、宮澤大蔵大臣の抜群の国際感覚、綿密な財政理論に大きな期待と尊敬を抱いておる者の一人でございます。それだけに、これだけ財政通と言われるその政治家である宮澤大蔵大臣が、なぜこれほど国民の強い反対のある売上税に対して毅然たる態度で臨み、明確な姿勢を示されないのか。先生も御指摘されましたように、私もまことに疑問に思います。
 これは、新聞紙上あるいは巷間いろいろと伝えられるところによりますと、御自分の将来の遠大な目標のために、売上税の批判の泥は現総理の中曽根総理にかぶせて、御自分の御意見をおっしゃらないのではないか、こういうことが言われておりますが、これがもし事実であるとすれば、ニューリーダーとして将来日本の国をしょって立つ人材として待望されておる宮澤先生に、私はまことに残念に思うわけでございます。どうかひとつ、そういう意味でも、本当に勇気があり気骨のある政治家であるならば、いまだに売上税は大型間接税ではない、このようにおっしゃっております中曽根総理に、あなたは、やはり売上税は大型間接税ですよ、公約違反ですと、こう進言し、忠言をすべき立場にいらっしゃるのが宮澤大蔵大臣じゃないかと思います。それだけに、先生も御指摘になったとおり、私も非常に残念に思うわけでございます。
 また、もう一つの質問は、今いろいろと消費を低迷させ、物価の高騰を招き、内需の沈滞をもたらすこの売上税でございますが、どうかひとつ、財政を担当する最高責任者であります宮澤大蔵大臣が、やはりまず売上税を撤回する、そして、外国からも指摘されております日本の財政再建、内需拡大に全力を注ぐ、積極財政をとられる。御自分の持論である、今こそそういう大きな転換をしていただきたい。そういう行動をとられるならば、いつかは必ず日本の国民の中から宮澤総理待望諭が出てくるのじゃないか、私はこのように思うわけでございます。(拍手)
○副議長(多賀谷真稔君) 工藤晃君。
    〔工藤晃君登壇〕
○工藤晃君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、ただいま提案のあった大蔵大臣宮澤喜一君の不信任決議案について、提案者に質問します。
 今日、売上税導入、マル優廃止は中曽根首相、自民党の重大な公約違反である、国民をペテンにかけるものである、これらを直ちに撤回せよ、これは国民の怒りの声、国民の連動であり、全国が沸き返っているのであります。そして、それが国民の圧倒的多数の声であることは、既にこれまでの一斉地方選挙の結果にはっきりあらわれたのであります。ところが、自民党・中曽根内閣がこの民の声に背き、挑戦し、民主主義の前提も議会制民主主義もじゅうりんしてまでこのような国民生活破壊の悪税を押し通そうとしていることは、断じて許せません。(拍手)
 そこで、提案者にお尋ねします。
 宮澤大蔵大臣は、売上税導入、マル優廃止などの悪税の諸法案と、それを組み込んだ政府予算案を企画、立案し、提出した責任者であり、また、それらをあくまでも強行しようとしている責任者でもあり、このように国民に対する重大な挑戦、民主主義の重大なじゅうりんという点で宮澤大蔵大臣の責任は極めて重大だと考えますが、いかがでしょうか。しかも、宮澤大蔵大臣は、売上税が昨年の同時選挙で自民党が絶対にやらないと公約した大型間接税であるにもかかわらず、そして、それは原則としてすべての消費を課税対象とし、すべての取引の段階で課税する付加価値税であり、世界じゅうにこれ以上大型の間接税がないにもかかわらず、本会議、予算委員会などでは驚くべき詭弁を駆使して、大型間接税に当たらないなどと国民を欺き通そうとしていることは、極めて重大であります。
 売上税で二兆九千億円、マル優廃止で一兆六千億円、合計四兆五千億円の増税。一方、所得減税は二兆七千億円、しかも、これは金持ち減税のねらいが強いのでありますが、それをさておいても、大蔵省の数字によっても一般国民にとって一兆八千億円の大増税であります。また、私が予算委員会で追及したように、売上税の税額が政府の数字よりも二兆円以上多い。政府はそれを隠している疑いが極めて大きいのでありますが、そうであるならば四兆円規模の大増税であります。それにもかかわらず宮澤大蔵大臣は、予算委員会、大蔵委員会などでの答弁で、今回のいわゆる税制改革でサラリーマンは減税になる、国民は減税になるとの大うそを振りまいてきたのであります。大増税の実体を減税に見せかける手品のために、法人税減税はサラリーマン、勤労者に還元されるといった、企業家の皆さんからもそんなことするはずがないと否定されているような珍説、珍論さえも持ち出しております。
 宮澤大臣は、予算委員会での答弁で、法人税の減税が空中にとまっているということにならざるを得ないなどと言っております。利潤を常に最大にしようとしている大企業や資本主義的企業を、宮澤大臣は慈善事業目的の団体と間違えているのではないでしょうか。すべてのこれらの企業は、税引き後の利益を大きくすること、内部蓄積を大きくすることを最大の動機としていることは明白であります。トヨタも松下も一兆円を超える余裕資金を持って、そして財テクをしている。これが空中にとどまっているのでしょうか。年二十三兆円も海外への投資が行われている、これも空中にとどまっているのでしょうか。こんな初歩的なことさえもごまかそうとすることはとんでもないことであります。国民にこのような大うその計算を示し、この税制改革で国民の皆さんは必ず得をしますと言うのは、まさに豊田商事並みの悪徳商法であり、一私企業ではない政府がそれをやるのだから一層悪質だと考えますが、いかがでしょうか。
 政府予算案は、また、政府みずからが定めたGNP一%の枠さえも撤廃して、文字どおり天井知らずの大軍拡を推し進める極めて危険な強行突破を図っている点でも、国民は絶対に認めることのできないものであります。しかも、中曽根内閣の軍拡はアメリカへの誓約の実行であり、アメリカの有事の際の我が国の参戦態勢づくりを進めるものであります。このことは、ワインバーガー米国防長官がこの予算案決定直後、すべての点で歓迎する、誓約以上のことをやってくれたと称賛したことからも明らかであります。
 そこで伺います。宮澤大蔵大臣は、GNP一%枠突破の予算案の責任者としても、平和と憲法の擁護を願う国民に対する重大な挑戦としてその責任が強く問われなければならないと考えますが、いかがでしょうか。
 さらに、中曽根内閣が国民大多数の声に背いて大型間接税である売上税導入を強行しようとしている動機の一つは、明らかにこの対米公約の軍拡のためであります。四月十四日、予算委員会での我が党の金子書記局長のこの点についての追及に対し、宮澤大臣は、減税、増税同額で、中立てゼロでありますと否定しました。しかし、政府税調の抜本見通し答申も、将来この税制の導入で財政上の要請に応じられると述べているではありませんか。中曽根首相もまた、この導入は、減税のためだけではなしに、将来の財源のため必要であるということを認めているではありませんか。さらに、二月二十五日、竹下幹事長は、国防のための財源として必要だということを認めているではありませんか。さて、将来の財源として何が問題か。六年前と比べ、軍事費は四六・六%、後年度負担と合算した実質規模で六三・三%という伸び、これに対して社会保障関係費は一四・二%、文教費は一・九%の伸びにとどめられ、中小企業対策費に至っては二一・一%減という実績を見れば、軍事費確保の目的は明らかであり、宮澤大臣の否定の弁は全く空虚な言い逃れにすぎないのであります。
 さらに、この間の急激かつ異常な円高を招いた点でも、宮澤大蔵大臣の責任が問われなければなりません。一昨年秋のプラザ合意以来の急激かつ異常な円高で日本経済はどうなったでしょうか。円高倒産は、前回の円高時と比べ三倍の勢いでふえ続けており、輸出関連産地中小企業は、休業、廃業、倒産が多発し、人員整理が急ピッチで進んでおります。企業城下町における住民生活の破壊は極めて深刻となってまいりました。また、既に世界の大企業になった我が国の少数の大企業は、一斉にこの異常円高に便乗して、海外直接投資の拡大、部品などの調達先のアジア諸国への切りかえ、そして労働者、中小企業に驚くべき犠牲を強いる新合理化計画の強行などで、日本の産業の空洞化と大量失業時代を推し進めております。今、日本経済と国民生活はかつてない深刻な危機に直面したのであります。宮澤大蔵大臣は、本年二月にパリ、この四月にワシントンに赴き、それぞれG5及びG7の会議に臨みました。本来、我が国大蔵大臣がこれらの会議で果たすべき役割は、円高の重圧に苦しんでいる国民生活と国民経済の実情に基づき、この異常な円高に終止符を打ち、適正なレートに戻すため、断固とした態度を貫くことであります。
○副議長(多賀谷真稔君) 工藤君、時間ですから、結論を急いでください。
○工藤晃君(続) アメリカ・レーガン政権の大軍拡による財政の巨額な赤字、アメリカ多国籍企業の海外戦略による巨額の貿易赤字に起因するアメリカの対外不均衡問題を専ら日本へのしわ寄せでしのごうとしている、これがアメリカのやり口ではありませんか。
 そこで伺います。宮澤大臣は、ひたすらアメリカの圧力に迎合し、当時の為替レートはいわゆるファンダメンタルズを反映しているといった異常円高の容認の合意に加わり、その結果一層の円高を招いたと考えますが、いかがでしょうか。
○副議長(多賀谷真稔君) 工藤君、時間ですから、結論を急いでください。
○工藤晃君(続) 今日の円レートは国内の産業を破壊するレートであります。これを招いたのは中曽根内閣の大失政でありますが、宮澤・ベーカー会談やG5、G7の出席者である宮澤大蔵大臣の責任が特別重いことは言うまでもありません。
 私は、売上税、マル優廃止など圧倒的多数の国民が反対する悪税の強行、GNP一%枠突破の政府予算案、異常円高を招いたことなどで、宮澤大蔵大臣の責任について質問しました。
○副議長(多賀谷真稔君) 工藤君、制限の時間が過ぎましたから、発言を終わってください。
○工藤晃君(続) 日本共産党・革新共同は、大蔵大臣宮澤喜一君をその職にとどめておくことはできないと主張し、私の質問を終わるものであります。(拍手)
    〔沼川洋一君登壇〕
○沼川洋一君 共産党の工藤議員の御質問にお答えいたします。
 まず第一点でございますが、先生が申されたとおり、国民の声を無視してこの売上税を導入した総理の責任はもちろんのことでございますが、財政の最高責任者である宮澤大蔵大臣の責任も、先生おっしゃるとおりだと私も思っております。
 それから第二点の問題でございますが、中低所得者の増税隠し、高額所得者や法人税の優遇についていろいろと述べられたわけでございます。確かに、政府は法人税減税による家計への影響を含めた計算を論拠にしておりますが、法人税の負担と国民生活の結びつきについては、これは定説がないと私は思っております。しかも、構造不況業種などは法人税の恩恵を受けることができません。一方では売上税を転嫁できないという状況下にございまして、この政府の論拠は先生の御指摘のとおり、私は欺瞞に満ちたものであると言わざるを得ないと思っております。(拍手)
 それから最後の、円高不況についての御指摘がいろいろとございました。確かに、今日この円高不況を招いた責任は、やはりたどっていけば一昨年のG5に起因いたしております。その最高責任者である大蔵大臣の責任はやはり大きいのじゃないか、先生の御指摘のとおりでございます。(拍手)
○副議長(多賀谷真稔君) 小渕正義君。
    〔小渕正義君登壇〕
○小渕正義君 私は、民社党・民主連合を代表いたしまして、ただいま上程されております宮澤大蔵大臣の不信任案につきまして、積極的な立場からの質疑を行うものであります。これは、積極的立場というのは賛成であります。
 先ほど来より論じられておりますように、我が国の内政上の最大の課題は売上税導入の問題であります。今日国会がこのように混乱しているその最大の要因も、この売上税導入であることには間違いございません。このような大きな問題を安易に導入しようとしてきたところに、今日のこのような混乱があるわけでありまして、そういう立場から、当面の責任者の立場での大蔵大臣の責任は、極めてこれは大きいものがあろうかと思うのであります。
 その上になお私が申し上げたいのは、昨年の七月の同日選挙で、中曽根首相は、大型間接税は導入しない、マル優制度は廃止しないという公約をなされました。それが今日、この売上税という大型間接税の導入によりまして、中曽根首相はうそをついた、公約違反である、全国民の中で完全にそのようなレッテルを張られたということであります。要するに、中曽根首相にまでうそをついたと言わせざるを得ないような状況に追い込んだのも、まさにこの売上税導入の問題でありまして、今日、中曽根内閣が、急激な内閣支持率の低下によりまして、しかも、四月十二日の第一次の地方自治体統一選挙において自民党が惨たんたる状況に追い込まれた、そうして、政治不信を招いている今日の状態をつくり上げたその最大の要因も、まさにこの売上税導入の問題でございまして、そういう立場から考えますならば、まさにこれは、宮澤大蔵大臣のその責任は万死に値すると言っても過言ではないというふうに思うのであります。
 また、いろいろ報道されるところによりますならば、自民党の党内にさえ、この売上税問題に対する厳しい批判があり、このような安易な手法でこのような大きな問題を導入しようとしたその宮澤大蔵大臣に対して、厳しい批判があるとさえ伝えられております。まさにそういう意味におきまして、私は、自民党の声なき声を代表して、この宮澤大蔵大臣の不信任案に積極的に賛成するものであります。このような点について提案者はいかがお考えなのか、この点をお尋ねいたします。
 次に、売上税の導入についての問題でございますが、皆さんいろいろ論じられておりますように、今日我が国に求められるのは、積極的な経済政策の運営でございます。しかるに、まさにこれに、時代に逆行するがごとき、今日このような売上税の導入を図ろうとしているわけでありまして、しかも、予算委員会等で宮澤大蔵大臣の答弁の中には、安易にこの五%が価格に転嫁できるかのごときことを再三にわたって言明なさっているわけであります。しかるに、今日の我が国の経済の実態は、御承知のように、九〇%を占める中小企業の皆さん方にとりましては、この売上税導入によりまして五%が安易に価格に転嫁できるような、そういう実情ではございません。
 まさにそういう意味において、私は、経済担当大臣としての宮澤大蔵大臣、果たして我が国のそういう経済の実態を本当に御承知なのかどうか、この点極めて遺憾に思うところでございまして、そういう意味からも、経済閣僚としての宮澤大蔵大臣の今日出されている不信任案については、これはまさに適切だ、かように思う次第でございます。この点に対しても提案者はどのようなお考えなのか、お尋ねいたします。
 なお、先ほど来論じられておりますが、今日急激な円高の中で、今我が国が百四十円台のレートに入ったわけでありますが、宮澤大蔵大臣がアメリカに行けば、結果的には円がまた高くなってくる。今回訪米されましたけれども、結果的にはなおまたそのために円がかえって高くなる。まさにこのような円高不況に対する適切な処置を欠いていると言っても過言でないと思うわけでありまして、このような立場からも、今日のこのような我が国の経済の実態の中における大蔵大臣としての責任は極めて重大ではないか、かように考えるわけでありまして、この点に対しても提案者の御所見をお伺いしたいと思うのであります。
 次に、最後でありますが、今回のこの売上税導入問題をめぐりまして、今日この国会がこのような状態に陥っているわけであります。しかも、あの四月十五日、自民党の一方的な強硬手段によりまして、予算委員会が強行採決されたわけであります。まさにこの手法は問答無用、目的のためには手段を選ばぬ、このような発想の中でやられているわけでありまして、このことは、今日社会の大きな問題となっております、あの過激派の諸君が目的のためには手段を選ばぬ、あの発想と心理的には何ら変わらないものであることを私は申し上げたいわけでございまして、このような問題がまさに我が国の民主政治を危うくするものであります。こういう立場からも、提案者においてはどのようにお考えなのか。
 以上三点をお尋ねいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔沼川洋一君登壇〕
○沼川洋一君 小渕議員の御質問にお答えいたします。
 第一点でございますが、売上税導入について、公約違反である中曽根総理の責任をいろいろと追及された上で、やはり財政の最高責任者である大蔵大臣の責任は当然だと、こう御指摘されましたが、私も全く同感でございます。
 第二点でございますが、この売上税の導入に当たって、例えば五%の価格転嫁等の問題について具体的な事例を引いての御質問でございましたが、私も提案理由の中で申し上げましたように、宮澤大蔵大臣は財政通でございます。こういった方が、この売上税が導入されると日本経済にどういう影響が起こるか御存じないことはないと私は思っております。それだけに、やはり今後一日も早くこの売上税を撤回し、積極財政を展開し、円高不況を克服されていく先頭に立たれることをこいねがう者の一人でございます。
 円高不況についてもいろいろお述べになった先生の御指摘、私も全く同感であることを申し上げまして、御答弁といたします。(拍手)
○副議長(多賀谷真稔君) これにて質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○副議長(多賀谷真稔君) 討論の通告があります。順次これを許します。中村正三郎君。
    〔中村正三郎君登壇〕
○中村正三郎君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました大蔵大臣不信任決議案に対し、反対の討論を行うものであります。(拍手)
 申すまでもなく、宮澤大蔵大臣は、我が国財政金融政策の責任者であり、今日我が国が直面している内外の極めて多難な諸情勢に対処し、内需を中心とした経済の持続的成長を確保するため、各種財政金融政策の機動的、弾力的実施、為替相場の安定等に最大限の努力を払うとともに、財政改革の推進、税制全般にわたる抜本的見直し等に全力を挙げて取り組んでおられることは御承知のとおりであります。(拍手)
 宮澤大蔵大臣は、高適な識見、理念と誠実な人柄の持ち主であり、それに裏打ちされた確固たる信念と粘り強さによって、我が国が当面する今日の難局を克服するため日夜懸命の努力を重ねておられることは、国民のひとしく認めるところであります。(拍手)この重大な時期にあって、同大臣に対し不信任決議案が提出されましたことは、我々の全く理解できないところであり、極めて遺憾に思う次第であります。(拍手)
 さて、本決議案における不信任の理由は、売上税及びマル優廃止を撤回せず、予算案の組み替えを行わないこととのことでありますが、売上税の創設、利子課税制度の改革は、所得税、法人税の思い切った減税とあわせ、抜本的税制改革の一環として提案されたものであります。今回の税制改革は、戦後四十年にわたる社会経済情勢の変化等を踏まえ、公平、公正等の基本理念のもとに税制全般にわたる根本的見直しを行うことにより、国民の理解と信頼に裏づけされた望ましい税制の確立を目指すものであり、関係委員会における充実した審議の上にぜひとも実現されなければならない課題であると考えます。大蔵大臣が、所得税減税、法人税減税を行うとともに、売上税の創設、利子課税等の見直しを含む税制改革に努力されることは当然であり、何ら不信任の理由とはならないものであります。
 昨今、我が国経済は、急速な円高の進行等により、雇用情勢等を含め極めて深刻な状態にあります。政府に対して緊急な対応が求められているところであります。そのためにも、最も重要なことは六十二年度予算案の早期成立であります。(拍手)六十二年度予算案においては、厳しい財政事情のもとにありながら、公共事業の事業費について前年度の伸び率を上回る五・二%の伸びを確保するほか、三十万人雇用開発プログラム等雇用対策の大幅な拡充を図るなど、経済情勢に適切に対処するため最大限の努力を払っているところであります。この六十二年度予算の一日も早い成立を図ることこそが、まさに国民の信にこたえることであり、予算の組み替えは行うべきではありません。
 我が国経済が当面する厳しい状況を真剣に考えるならば、今こそ宮澤大蔵大臣の果たすべき役割、責務はまことに重大であり、国民の大きな期待を担っているところであります。同大臣を信頼し、支持こそすれ、不信任などは到底考えられないことであります。(拍手)このような重大な時期にあって大蔵大臣の不信任決議案が提出されたことはまことに遺憾であり、断固反対を表明するとともに、提案者に対し強く反省を求めて、反対討論を終わります。(拍手)
○副議長(多賀谷真稔君) 中村正男君。
    〔中村正男君登壇〕
○中村正男君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま提案されております大蔵大臣宮澤喜一君の不信任決議案に賛成の立場で討論を行うものであります。
 宮澤大蔵大臣、少し前の話でありますが、新聞報道によりますと、あなたは、一昨年十月四日に開かれました、あなたが主宰者である宏池会研修会で次のような発言をしています。それは「国民の創意と創造を育て、花開かせていくには、政治はできるだけ余計な権力を振るわない方がよい」これが事実とすれば、まさにすばらしい政治姿勢を示す言葉ではありませんか。また、昨年四月六日、今度は自民党の総務会長として政府の進めてきた総合経済政策を批判、経済状況の認識不十分と、中曽根首相の経済運営に対し手厳しい見解を示しています。さらにこのとき、同じく、急激な円高についても「先が見えないので、国内的にも心配な状況だ。この辺で円の水準はいいんだということで、日本自身の判断で介入してもいいのではないのか」と述べています。逆介入の必要性を強調し、一ドル百八十円程度での安定を念頭に置いて、政府の対応を強く求める自信に満ちた発言をあわせてしているのであります。
 こんな宮澤さんに、国民は、中曽根貧乏経済政策からの脱却、円高に歯どめをかけ、貿易摩擦の解消を大きく期待し、宮澤株はいやが上にも上昇していたのであります。暴漢に襲われてもなお立ち向かっていったあの宮澤さんの気骨にも、国民は大きな拍手を送ったのであります。そして、昨年七月の第三次中曽根内閣の誕生で、あなたは大蔵大臣に就任した。中曽根首相と違って財政に明るく、国際経済に精通している宮澤さんなら、持論である積極財政論を展開し、行革一辺倒の経済財政路線の軌道修正が推し進められるものと、国内外から大きく注目されていたのであります。このときがあなたの一番光り輝いていた頂点であったのです。しかし、ニューリーダー二人衆に祭り上げられ、次の政権をねらうあなたは、事なかれ主義に終始し、ただひたすら中曽根路線の忠実なしもべに甘んじ、積極財政論者の面影は消え、究極の悪税売上税の導入丁マル優廃止の推進張本人と化し、国民の期待を一気に裏切る態度に変貌したのであります。(拍手)
 今、日本の国民は三つの政治不信に怒りを持っています。第一は、これだけの経済大国になったと言われておるのに、何ゆえ私たちは豊かな暮らしができないのか。二つ目は、これだけ円高が急速に進んでいるのに、何ゆえ内需拡大ができないのか。そして三つ目は、円高、貿易摩擦のあらしが吹きすさぶ中で、雇用不安がこれだけ大きく広がっているのに、何ゆえ勤労者は黙っていなければならないのか。心の底から怒りに燃えているのであります。
 中曽根内閣の五年間を日本経済のパフォーマンスで見ると、実質GNPは二二%伸び、経常収支黒字幅は六倍、労働生産性は二一%伸びているということになっておりますが、国民生活は実質賃金でわずか六・三%の伸び、実質個人消費支出は一・六%の伸びにとどまり、完全失業者は実に二十五万人も増大しています。国民の期待する内需拡大の経済政策、財政運営ができなかった。これだけでも大蔵大臣として失格であります。
 あなたは、本年二月のパリG5からの帰国報告では、一ドル百五十円台半ばであたかも落ちつくかのような報告をいたしましたが、一カ月経ずして簡単に百五十円を大幅に割ってしまったことは、国会での報告が国民を欺く重大な誤りであったと指摘せざるを得ません。(拍手)急速開かれた先日のワシントンG5、G7でも、英文三十三行の簡単な共同声明の中で、実に九行にもわたって日本の内需拡大策のおくれ、経済運営の失敗を指摘されるに至っております。今や宮澤大蔵大臣の存在は、日本の国民、とりわけ輸出関連産業に働く勤労者や中小企業の皆さんからは無能大臣、円高不況貧乏大臣として映り、非難ごうごうの声となっているのであります。
 しかし、あなたは気の毒な立場にあることも事実であります。五年間にわたる中曽根経済政策の失政を一身に集め、閣外に去ってうまく身をかわした竹下前大蔵大臣の罪と罰まで背負う形になったことは同情できないことはありません。(拍手)それがゆえに、あなたに残されていた最後の道は、次の政権をみずから求めるのであれば、潔く勇気を持って売上税を撤回し、国民の皆さんとともに、すべての国民が信頼できる民主的な税制改革のための討議の場をみずからがつくることであったと考えます。あなたは、あなたの信念で何ゆえそれを実行しなかったのですか。
 四月十二日に投票が行われた前半の統一自治体選挙で、まさに国民は売上税導入に反対、マル優廃止に反対という明確な意思表示をしています。にもかかわらず、その三日後に六十二年度予算案を予算委員会で強行採決という暴挙に出たことは、まさに天を恐れぬ、主権者である国民の声をじゅうりんする態度であり、断じて許すことはできません。(拍手)
 竹下幹事長は、慎重に、謙虚に売上税は大蔵委員会で審議をと言っていますが、国民のだれが信用すると思っているのですか。慎重に、謙虚にと言いながら、大蔵委員会で再び強行採決することは目に見えています。(拍手)今や、宮澤大蔵大臣と中曽根内閣に残された道は、国民に深々とわびると同時に、今直ちに退陣することと、売上税は痕跡を残さず完全に消え去るのみであります。
 さて、宮澤大蔵大臣、私は、自民党の派閥の中ではあなたの率いる宏池会が一番まともな派閥と思っていました。(拍手、発言する者あり)宮澤大蔵大臣の後見人である鈴木前総理の退陣したときのことを今思い起こしています。表面上は日米外交関係のつまずきとなっていますが、あのとき、五十七年十月段階で六兆円を超える歳入欠陥が確実となり、経済財政政策のつまずきが本当の退陣の原因であったと言われています。しかも、当時の河本経済企画庁長官と渡辺大蔵大臣の判断の違いから生じたこの問題を潔く鈴木前総理が責任をとられたのであります。中曽根総理、あなたこそ鈴木前総理のこの潔い態度を見習い、今日までの経済財政政策の失敗の責任をとり、今すぐ辞任すべきであります。
 また、中曽根総理のために、国民いじめの売上税大臣として……
○副議長(多賀谷真稔君) 中村君、時間ですから、結論を急いでください。
○中村正男君(続) 国民の皆さんから汚名を着せられた宮澤大蔵大臣、あなたも、政権禅譲を願う余り、今日まで中曽根総理にすり寄り、すべてをかけたことがあなた自身の墓穴を掘ったことをあなた自身が率直に認め、中曽根政権と潔く決別されることを期待し、私の不信任決議案の賛成討論といたします。(拍手)
○副議長(多賀谷真稔君) 斉藤節君。
    〔斉藤節君登壇〕
○斉藤節君 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、ただいま提案のありました大蔵大臣宮澤喜一君の不信任案に対する賛成の討論を行うものであります。(拍手)
 宮澤大蔵大臣は、去る四月十五日、衆議院予算委員会において、野党議員の猛烈な反対の中で行われた昭和六十二年度予算案の強行採決に加担したのであります。中曽根総理の公約違反である売上税をごり押ししていることは、統一地方選挙によって明らかとなった国民の審判を踏みにじるものであり、かかる暴挙は断じて許されるわけにはいかないのであります。
 現在、日本は円高で厳しい状況に直面しており、積極財政で内外から要請の強い内需拡大に全力を尽くすべきであります。にもかかわらず、大蔵大臣は、内需拡大に逆行し、国民が反対する売上税導入、マル優廃止を盛り込んだ超緊縮型の六十二年度予算案を編成しました。国民の期待は裏切られ、さらに、その予算案の強行採決で国民の反感は絶頂に達しております。このような財政運営では、担当大臣として不適格と言わざるを得ないのであります。
 以下、項目を追って宮澤大蔵大臣不信任案賛成の理由を述べてまいります。
 まず第一に、国民生活を圧迫する売上税導入並びにマル優廃止の税制改革を強行したことであります。
 この税制が実施されれば、低所得者ほど所得税減税も帳消しとなるばかりではなく、かえって増税となることであります。特に、高齢者などの所得のない人々には所得税減税の恩恵はなく、増税のみになり、生活が非常に圧迫されることは明らかであります。結局、売上税は所得の少ない人ほど税負担率が重く、不公平がますます拡大することになるのであります。また、売上税の導入は、中曽根総理の公約違反でもあり、さきの統一地方選挙での国民の審判でも明らかなように、国民が反対する売上税導入、マル優廃止を盛り込んだ税制改革を強行することは、国民に対する重大な背信行為であります。
 第二には、積極財政への転換を明確にせず、緊縮財政に固執したことであります。
 六十二年度予算案は、最大の課題である円高不況に積極的な取り組みを見せず、売上税の導入、マル優廃止など大衆増税をもくろむのみならず、防衛力増強を目指し、防衛費のGNP比一%枠の突破を強行したのであります。このようなことは断じて許されるものではありません。またさらに、事実上破綻した六十五年赤字国債脱却という政府目標に固執し、一般歳出の伸びを五年間連続ゼロに抑え、一般会計公共事業費をマイナスにするなど、円高不況克服のためには極めて不十分なものになっているのであります。その上、殊さらに国民が反対する売上税を導入し、これを予算に盛り込み、そのために長期暫定予算を編成せざるを得ないような事態に至らしめた責任は重大であると言わなければなりません。しかも、予算案を強行採決という異常手段を弄し、国民の審判を踏みにじったことは、議会制民主主義政治に対する重大なる暴挙と断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 第三に、円高不況対策を怠り、不況を深刻化させたことであります。
 円高の著しい進行と政府・自民党の経済政策の誤りによって、我が国の景気は一段と後退し、円高不況は深刻な事態となっております。既に発表されているように、完全失業率は今年一月三%台に乗り、失業者数は百八十二万人に達したのであります。構造不況業種と言われる鉄鋼、造船などの製造業では大規模な雇用調整が行われ、これらの業種の従事者並びにその家族に多大な不安を与えているのであります。また、円高倒産は、三月下旬に円が一ドル百五十円台を突破したのを背景に、鉄鋼、電機メーカーなどの輸出関連製造業を中心として多発しております。三月の倒産件数は、負債額一千万円以上のものだけでも七十件を超え、過去三番目のありがたくない高水準になったのであります。円高不況対策を怠ったために雇用不安が拡大するなど、国民生活を不安に陥れた責任は重大であります。
 第四に、著しい円高に歯どめできなかったことであります。
 一昨年九月のプラザ合意からの急激な円高は、大蔵大臣に就任した昨年七月の一ドル百六十円台からさらに進み、昨今では百四十円台を突破するような情勢となってきております。円相場安定のため、昨年九月のベーカー米国財務長官との会談以来、十月の日米蔵相共同声明、今年二月パリで行われたG7、そして四月にワシントンで行われたG7などいわゆる通貨外交を行ってきたにもかかわらず、何ら円高の歯どめとはなっていないのであります。そればかりではなく、ワシントンでのG7の共同声明は、円高・ドル安の是正に対して新たな対策は盛り込まれていないという事実であります。さらに問題なことは、日本だけが内需拡大、市場開放の約束までもさせられ、一層厳しい状況を招いたことの責任をどのようにとろうとしておられるのでありましょうか。私は到底とることはできないものと思うのであります。第五には、閣僚の中で最も国際人と言われる宮澤大蔵大臣によって、拡大する貿易黒字に欧米の批判がますます増幅され、国際社会における我が国の孤立化が深刻な事態を引き起こしているということであります。
 大蔵省の貿易統計速報では、日本の貿易黒字は八百九十七億ドルと、これまで最高であった前年度の五百二十六億ドルより七〇%も増加していることが明らかとなったのであります。六十一年度政府見通しては、貿易収支の黒字幅を当初五百六十億ドルと予測していたのが、今年一月、九百四十億ドルへと慌てて上方修正するなど、見込みがはるかに超過したのであります。しかし、これには貿易統計に含まれている運賃、保険料などは貿易収支の統計からは除かれているため、国際収支の貿易黒字は一千億ドルになるものと見られているのであります。円高を誘導したにもかかわらず、貿易黒字は改善されるどころか、かえって増大しているのであります。現在の経済摩擦、半導体問題などは、この巨大な貿易黒字が背景にあり、日本を取り巻く環境を一層厳しく悪化させ、我が国の国際的信用を低下せしめた責任は極めて重大であります。
 以上述べましたように、我が国の今日置かれている状況を招来せしめた責任と、この状況を改善していくためには、宮澤喜一大蔵大臣がその席についていることは到底容認し得ないのであります。よって、不信任案に対する賛成の討論といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(多賀谷真稔君) 沢田広君。
    〔沢田広君登壇〕
○沢田広君 私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、大蔵大臣宮澤喜一君不信任の決議案に対しまして、賛成の意見を述べるものであります。
 今回のこの提案は、極めて高い次元のとらえ方によって大臣の不信任というものを提出せざるを得なくなった。私も大蔵委員をやっておりますけれども、売上税の法案の審議の段階にはまだ至っておりません。しかしながら、これを出さなければならない社会的な、国民的な背景というものを考えたときには、このまま予算は強引に通してしまいます、後のことについても、議長のあっせんについて行政府が横やりを入れてこれをつぶす、こういうやり方がまかり通ったのでは、日本の民主主義の危機につながる。そのためには、やはりこの売上税で国民の世論を二分というよりもまあ三分の一論ぐらいな程度しかありませんけれども、その売上税に対して国民の世論はノーと返事をした。ミスター売上税と称するものは中曽根総理でありましょう。悪税売上税と称するものも中曽根総理でありましょう。しかし、その衝に当たっている大蔵大臣がその責任を負わなければ、日本の民主主義というものは成り立っていかない。そういう立場に立って、事の是非とかあるいは事の内容のてにをはとかあるいは派閥の力関係とか、そういうものにかかわりなくこれは宮澤大蔵大臣が出処進退を明らかにして国民の期待にこたえていく、こういうことが正しいあり方だというふうに思うわけであります。
 で、今座っているいすは、針のむしろという言葉がありますけれども、果たして針のむしろであるのかあるいは三百議席を負ったおごりのいすであるのか、この結果はまだわかりません。しかし、少なくとも今日これから審議が行われようとしている問題に対する頂門の一針として宮澤大蔵大臣は今現在受けとめていかなければならない、こういうふうに考えることと思うのであります。ですから、あなたがこれで足となるかあるいは非となるかはわかりませんけれども、この段階において出されているということの意味をひとつ国民的な意味であるというふうにとらえていただかなければならぬ、こういうふうに思います。
 あと、細かい点については他党の人たちから言われております。だから多くは申し上げません。大蔵大臣として、ここではやめていく、やめるということが中曽根総理に対するいわゆる意見の具申でもあるし、国民に対する売上税に対する回答でもある、こういうふうに判断をしていただいて、その対応に誤りなきを期していただきたい。
 私は、政治家宮澤喜一が悪税宮澤喜一として生涯に悪名をとどめるか、ここで花を吹かせて、ああ宮澤喜一は立派な政治家であった、こういうふうに将来に勇名をとどろかしてここにおやめになられるか、その瞬間にあるものであろうと存じております。でき得るならばこの採決は行わないで、宮澤大蔵大臣が、ここは私がやめてぜひひとつ国民の理解を求めたい、こういう対応をすることがやはり政治的な解決の方法である、こういうふうに私は考えるわけであります。どうしてもそういうお言葉がもし議長なり総理に出されないとすればやむなく採決をしますが、あしたの日まで時間はあるようでありますから、十分にひとつお考えをいただきまして、善処さかることを心から期待をしてやまない次第であります。
 中曽根総理も、これからの議長のあっせんを翻すとかあるいは横やりを入れてねじ曲げるとか、こういうやり方は、議会の権威をこれから維持していくためによくないことだと思うのです。これは宮澤大蔵大臣とは直接関係ありませんが、ぜひこの国会の権威を守っていくという立場において、もう一回議長のあっせんを政府の方から進んで取り上げてそれに対応していく、そういう姿勢を出していただくことが宮澤大蔵大臣を助ける道にもつながるわけでありますから、ぜひその点も御勘案をいただきまして、当面の意見として宮澤大臣の退任を強く求めて、私の賛成の討論にかえようとする次第であります。どうかよろしく御賛成のほどをお願いいたします。(拍手)
○副議長(多賀谷真稔君) 青山丘君。
    〔青山丘君登壇〕
○青山丘君 私は、民社党・民主連合を代表いたしまして、ただいま議題となっております宮澤大蔵大臣の不信任決議案に対し、賛成の討論を行うものであります。(拍手)
 現在一ドル約百四十二円、円高の一段の進行は、我が国経済と産業にとって極めて重大な打撃を与える事態となりました。このままでは一層の経営危機と雇用の悪化を招くことになってまいります。このような憂慮すべき経済局面を迎えたのは、中曽根内閣が緊縮型の財政運営に固執してきたからであります。積極的な内需拡大策に転換する努力を怠ってきたからであり、過度な貿易依存体質を放置してきたからであります。とりわけ大蔵大臣の責任は重く、さきのG5、G7の場において、現在の円レートが日本経済の適正なファンダメンタルズを反映したものと言えるのでしょうか。実情と余りにも大きくかけ離れているにもかかわらず容認してしまった大蔵大臣は、その責任を問われるものであります。
 半年前、一ドル百六十二円を超えて百五十円台に突入したときに、日本は、アメリカを追い越してスイスとともに世界一の金持ちの国になったと言われました。今日百四十二円では、形の上ではなるほどそうなっていくかもしれません。しかし、それはあくまで計算の上であって、国民の生活実感はどうでしょうか。食料品、土地、住宅の価格は大変高い。通勤電車で疲れ果て、交通渋滞に苦しみ、その住まいはヨーロッパの人たちからラビットハウスと軽べつされてきました。しかも、戦後我が国を支えてきた基幹産業は、円高のために今塗炭の苦しみに遭い、失業者が増大しております。一体どこにその生活実感があると言えるでしょうか。
 適正な円レートに是正する努力をまさに求めなければならないときであります。未曾有の円高を招き、我が国経済の困難な状況を見ますと、政府は、直ちに実力相応の円レート適正化に向けて最大限の努力をしていくべきときであります。そのためには、まず売上税の導入等の増税を撤回して大幅減税を先行させるとともに、建設国債の発行を含む積極的な財政運営を進めるべきであります。そして、国際公約でもある内需拡大政策を断行すべきであります。
 全日本労働総同盟が去る四月十四日、傘下の組合員の意識調査をまとめて発表いたしました。一ドル百五十円を割るという状況の中で、円高問題について九三・五%というほとんどの組合員が強い関心を寄せております。こうした中で五七%の組合員は労働条件が悪くなっている、こうしております。具体的には残業規制、出向、人員の削減、さらに円高の差益は十分に消費者に還元されておりません。七八・三%の組合員はその不満を述べているのであります。次に、今回の税制改革への評価でありますが、八二・六%のサラリーマンが増税になると悲鳴を上げております。売上税の導入は中曽根内閣の公約違反と思っており、逆に今回の税制改革で税負担が軽くなると考えている人はわずかに一・五%であります。
 勤労者は一体政府に何を望んでいるのでしょうか。その第一は内需拡大策の推進、五七。五%であり、第二はクロヨン税制の是正と所得税減税の実現、四六・四%であります。そして行革の徹模、土地税制の改革などが挙げられております。しかし、まことに残念ながら、今政府は逆の方向に進もうといたしております。その最たるものが売上税であります。
 さきの衆参同日選挙の前に中曽根総理は、衆参同日選挙はやらないと言明いたしておりました。しかし、選挙に打って出て、大きく自民党は勝ちました。その選挙の後で、だまされた野党が愚かであったと新聞に出ておりました。そして選挙中に、「大型間接税は導入しない。私の顔がうそをつくような顔に見えますか」、「国民と自民党員が反対する大型間接税は導入しない」とも言っておられます。しかし、こうしてもし予算が通過した後、売上税を強行して導入された後に、だまされた国民が愚かであったと言われては、民主主義も社会正義も成り立ちません。政治上の取引で使われるうそは、政治の問題として時には片づけら光ることがあります。しかし、国民に約束をしたことは守られなければなりません。こんなにひどい公約違反がかつてあったでしょうか。おごりであり、変心と言わざるを得ないのであります。
 一政党の絶対多数はいけない、このことが今国民の心の中に大きく広がっております。「信なくば立たず」。二千五百年前、中国の孔子の言葉に、人に憎むべき五つがあると言われております。盗賊などはそのたぐいではないとも言われておりますが、人に憎むべき五つがある。その第三番目に、言論が虚偽でありながら自由自在。総理の発言に強い不信感を持つものであります。
 さて、そのうそから生まれた売上税でありますが、多くの反対の論点があります。その境一は、内需拡大に逆行することであります。日本は国際公約とも一言える内需を拡大すべきときであります。世界から今、日本の役割として求められている内需を逆に売上税は落とし込むものであって、そして、輸入をとめて輸出を暴発させるものでもあります。第二は、物価を押し上げるものであり、家計が圧迫されてまいります。最大の大衆課税であり、さらに便乗値上げが出てまいるでしょう。価格に転嫁されますが、その際、弱い者へしわ寄せされてきます。中小企業者、商店経営者もまたその被害者になるでありましょう。第三は、増税減税同額は減税ではありません。予算はすべて国民福祉のためのものでおって、目的税とすることもなじまないものであります。さらに、今回の売上税は納めるのに大変厄介なものであり、非課税品目があって複雑になってまいります。今回の税制改正の理念である簡素にもそぐわないものであります。
 税制改正の理念を公平、簡素、活力、選択、国際化とうたってこられましたが、非課税品日があって、むしろ不公平感が拡大しております。さらに、中小企業は日本経済の活九源であり、むしろ経済の活力を奪うものでもあります。このように、税制改正の基本理念に大きく逸脱した売上税は直ちに撤回されることを強く要求いたします。税の自然増収を図り、税の不公平を正し、歳出カットに努力をして財源を確保していただきたい。行政改革はまだこれからであります。行革をだめにする売上税は早期に撤回すべきであります。
 以上、私は、意見も申し添え、宮澤大蔵大臣不信任決議案に賛成の討論を終わるものであります。(拍手)
○副議長(多賀谷真稔君) 正森成二君。
    〔正森成二君登壇〕
○正森成二君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、ただいま提案されております大蔵大臣宮澤喜一君の不信任決議案に賛成の討論を行うものであります。
 不信任の第一の理由は、宮澤大蔵大臣が、今日国民が怒り心頭に発し、異常な国会の状況をつくり出している根源、公約違反の売上税導入、マル優廃止の二大増税案と、それを組み込んだ政府予算案を企画、立案し提出した張本人だからであります。
 自民党は、同時選挙では、国民に大型間接税とマル優廃止はやらないと大うそをついて三百四議席をかすめ取った上、さきの地方選挙では、党として売上税創設を公約に明記しておきながら、大多数の候補者が売上税反対を叫び、竹下幹事長はこれを不間に付すと言い、二度にわたって国民を欺いたのであります。しかし、今度は国民はだまされず、自民党は大敗北を喫しました。今や、自民党の公約違反に怒り、売上税導入に反対する国民の声は、天の声、地の声となっております。宮澤大蔵大臣は、この国民の声を尊重し、直ちに売上税法を撤回し、予算案の組み替えを行うべきが当然であります。
 ところが、大蔵大臣宮澤喜一君は、逆に居直り、虚構の多数議席である自民党の単独での予算強行採決に加担したのであります。これは国民世論への重大な挑戦であり、断じて許すことはできません。(拍手)しかも、大蔵大臣宮澤喜一君は、売上税なるものが自民党が同時選挙で否定した大型間接税そのものであるにもかかわらず、本会議、予算委員会等であれこれの詭弁を駆使して、大型間接税に当たらないなどと依然として国民を欺き、また、今次税制改正で九割以上の国民が増税になる真実を隠して、国民すべてが減税になるとうそをつくため、法人税減税がすべて国民に還元されるという、実体的にも学説的にも成り立たない天下の珍説、珍論を持ち出し、国会と国民をペテンにかけるに至っては、言語道断と言わなければなりません。(拍手)
 売上税導入を初めとする大増税計画の本当のねらいが、予算委員会総括質問で我が党の金子書記局長が指摘したように、どう弁明しようと、第一に、GNP一%枠突破に象徴される大軍拡のための財源づくりにあり、第二に、大企業への大幅減税の財源づくり、そして第三に、マル優廃止が対米公約に基づくものであることは今や明白であります。こうした反国民的な大増税計画をあくまで擁護、推進する張本人大蔵大臣宮澤喜一君をもはや一日たりともその職にとどめておくことはできないのであります。(拍手)
 第二に、この間の急激かつ異常な円高を推進した責任についてであります。
 大蔵大臣宮澤喜一君は、一昨年九月のプラザ合意を受けて、この間、本年二月にパリ、この四月にはワシントンに赴き、それぞれG5及びG7の会議に臨みました。本来、我が国大蔵大臣がこれらの会議でなすべきことは、円高の重圧に呻吟し、塗炭の苦しみにあえいでいる我が国中小企業の実情をおもんぱかって、この異常な円高に終止符を打ち、これを是正して正常な為替レートに戻すため、全力を挙げて奮闘することであります。しかるに、大蔵大臣宮澤喜一君は、これらの会議で何らこのような努力を行うことなく、あまつさえ、当時の為替レートがいわゆるファンダメンタルズの周辺にあるとしてこれを容認し、その結果、さらに一層の円高に拍車をかける推進者になったのであります。(拍手)
 こうして、プラザ合意前日の九月二十日には一ドル二百四十二円であった円レートは、今日実に百円以上円高の一ドル百四十円台に達しました。民同機関の調査によれば、このプラザ合意以来の一年半で、円高による倒産は、前回円高局面に比べ実に二・五倍の高水準に達しているのであります。しかも、これらの円高倒産のうち、資本金百万円以上一千万円以下の中小企業が半数を占めています、強大な競争力を持つ我が国大企業でさえ生き抜くことは並み大抵ではないという状況を生み出している一ドル百四十円という異常円高のもとで、この異常な円高を容認するという大蔵大臣宮澤喜一君の姿勢は、我が国中小企業に死ねと言うに等しいと言わざるを得ないのであります。(拍手)
 閣内にある田村通産大臣さえ、さきのワシントンでのG7終了直後の四月十日の閣議で、「一ドル百四十円では中小零細企業には残酷で耐えられない。G7は国辱的だ。宮澤蔵相に御苦労さんと言う気になれない。大蔵官僚の頭には大蔵省があって日本国はない」などと発言したと報道されています。このことは、大蔵大臣宮澤喜一君の姿勢がいかに国民の気持ちと利益からかけ離れた反国民的なものであるかを中曽根内閣の閣僚みずからが裏書きしたと言わざるを得ないのであります。(拍手)この屈辱の財政金融政策を立案、推進している張本人大蔵大臣宮澤喜一君は、恥を知るならば深くみずから職を去るべきであります。
 第三の理由は、大軍拡と財界奉仕、福祉切り捨ての反国民的な政府予算案を作成し、それを自民党とはかって、今やまさに強行成立させようとしていることであります。
 この予算案の特徴の第一は、政府みずからが定めたGNP一%の枠をさえ撤廃して、文字どおり天井知らずの大軍拡を推し進める第一歩としていることであります。しかもこの大軍拡は、中曽根内閣の対米公約を実行し、アメリカ有事の際の我が国の参戦態勢づくりを進めるものであります。
 予算案の特徴の第二は、財界奉仕と我が国経済の空洞化をもたらす産業構造調整を促進しようとしていることであります。厳しい財政危機にもかかわらず、東京湾横断道路、関西国際空港などの大規模プロジェクトなど大企業のための大盤振る舞いを盛り込むとともに、経済協力費の増額、輸出保険の貿易保険への改組、拡大などにより、我が国大企業の海外進出を促進しつつ、他方、農業や石炭産業、中小企業など我が国の自主的経済基盤にかかわる分野に対しては、冷酷にも減反や閉山、事業転換を押しつけるものとなっております。これは、対米公約をてことして我が国経済基盤の根本を掘り崩すものであり、断じて認められないものであります。(拍手)
 第三の特徴は、国民生活犠牲をさらに推し進めていることであります。社会保障関係費は、軍事費の半分以下のわずか二・六%の伸びに抑え込まれ、当然増経費のうち五千四百五十億円もが、ばっさりと削り取られております。まさに福祉切り捨ての第二ラウンドを本格化させる冷酷な予算であります。深刻な円高不況のもとで、国民の購買力を大幅に引き上げる内需拡大が求められているにもかかわらず、この予算はこれに逆行し、国民の消費を冷却するもので、速やかに撤回すべきものであります。
 このように国民の要求を真っ向から踏みにじり、大企業、財界の要望と対米従属の予算を編成した大蔵大臣宮澤喜一君の責任は極めて重大であり、もはや大蔵大臣としての資格に値しないと断ぜざるを得ないのであります。(拍手)主たる者の第一の要件は、廉恥の精神であり、恥を知ることであります。もし大蔵大臣宮澤喜一君が国土をもってみずから任じ、恥というものを知るならば、みずから潔く大蔵大臣の職を辞し、その罪を天下国民に謝すべきであります。
 私は、このことを強く指摘し、大蔵大臣宮澤喜一君に対する不信任決議案に対し全面的に賛成することを表明して、討論を終わります。(拍手)
○副議長(多賀谷真稔君) これにて討論は終局いたしました。
     ――――◇―――――
○副議長(多賀谷真稔君) 本日は時間の関係上この程度にとどめ、明二十三日午前十時三十分から本会議を開き、本日の議事を継続することといたします。
 本日は、これにて延会いたします。
    午後十時二分延会
     ――――◇―――――