第108回国会 文教委員会 第4号
昭和六十二年五月二十六日(火曜日)
    午後二時一分開議
出席委員
  委員長 愛知 和男君
   理事 北川 正恭君 理事 高村 正彦君
   理事 中村  靖君 理事 鳩山 邦夫君
   理事 町村 信孝君 理事 佐藤 徳雄君
   理事 鍛冶  清君 理事 林  保夫君
      逢沢 一郎君    青木 正久君
      井出 正一君    古賀 正浩君
      佐藤 敬夫君    斉藤斗志二君
      杉浦 正健君    谷川 和穗君
      渡海紀三朗君    松田 岩夫君
      渡辺 栄一君    江田 五月君
      沢藤礼次郎君    中西 績介君
      馬場  昇君    有島 重武君
      北橋 健治君    石井 郁子君
      山原健二郎君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 塩川正十郎君
 出席政府委員
        文部大臣官房長 古村 澄一君
        文部大臣官房総
        務審議官    川村 恒明君
        文部省初等中等
        教育局長    西崎 清久君
        文部省教育助成
        局長      加戸 守行君
        文部省高等教育
        局長      阿部 充夫君
        文部省高等教育
        局私学部長   坂元 弘直君
        文部省学術国際
        局長      植木  浩君
        文部省社会教育
        局長      澤田 道也君
        文部省体育局長 國分 正明君
 委員外の出席者
        文教委員会調査
        室長      高木 高明君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十六日
 辞任       補欠選任
  石井 郁子君   金子 満広君
同日
 辞任       補欠選任
  金子 満広君   石井 郁子君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 閉会中審査に関する件
 学校教育法及び私立学校法の一部を改正する法
 律案(内閣提出第四〇号)
 文教行政の基本施策に関する件
     ――――◇―――――
○愛知委員長 これより会議を開きます。
 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北橋健治君。
○北橋委員 民社党・民主連合の北橋でございます。
 冒頭にまず、先般の文教委員会で私が最初に取り上げました課題、すなわち臨教審第一次答申が最も重要な今後の改革の柱といたしました学歴社会の打破について、お伺いをいたします。
 臨教審答申は、学歴社会を打破する見地から、一つの施策としまして、指定校制度あるいは青田買い等の横行に対して自粛を求めるように明記をしておりました。そして、先般の委員会で私の方から文部大臣に対しまして、文教行政の見地から、大臣としても、この指定校制度等について産業界等に是正を求めていくように積極的な対処をお願いしたところでございますが、先般報道されたところによりますと、文部大臣が財界の首脳に会われたその会談の席上で、この問題についてお触れになられたということをお伺いしまして、心から敬意を表する次第でございます。
 そこで、大臣にお伺いしたいのでございますが、その財界首脳との話し合いにおいて、学歴社会打破の一環として、指定校制度等の改善について今後どのような改善が期待できるか、感触を持たれているか、お伺いをしたいと思います。
    〔委員長退席、鳩山(邦)委員長代理着席〕
○塩川国務大臣 この件につきましては、実は過日、日本経営者団体連盟の大槻会長が辞任されまして新しく鈴木さんが会長になられましたが、その鈴木さんと専務理事とが表敬ということで私の大臣室へお越しになりまして、来年度の就職もスムーズにいくように日経連としても協力したいというお話がございました。その中で、私の方から、昨年九月におとりになりました日経運のあの方針というものは非常に結構でございますので、今後これを定着していただいて、就職の機会を公平に大学を卒業する者に与えてやってほしいということ。二番目の問題として、ついては、現在大企業の中では依然として指定校制をとっておるところがある、これは企業側があえて閉鎖的にやっておるとは思わないけれども、指定校制の方が採用の場合有利だということでおやりになっておるのだろうけれども、学生の方から見ると、どの大学を出てもどの企業でも行ける、そういう道を開いてほしいという希望を皆持っておるので、学歴社会偏重の意味においてもぜひ御協力を願いたい。こういうことを申したのでありますが、それはもう趣旨はよくわかりました。ついては、まず第一点の昨年とりましたあの方針を堅持していきますということ。それから、近く開かれます各企業の採用責任者、つまり人事担当者が集まりました席で、ぜひ採用の学校を拡大してもらうように私から申します。ただし、その際に問題になりますのは、全国で千校からの大学がございますから、それ全部に対してということはなかなか会社としても難しいので、その点をどうするかということが私も心配になっておりますけれども、しかしその趣旨はよくわかりましたので、少しでもその趣旨に沿うように努力いたしましょう。こういうことでお別れした次第です。
○北橋委員 臨教審の答申でどんなにいいアイデアが出されましても、実際にそれが実現しませんと絵にかいたもちになってしまいます。その意味で、この問題について文部大臣が今後とも積極的に対処されますことを念願いたします。
 次に、女性の社会進出について、世間には文部大臣の真意が十分伝わっていないかと思いますけれども、週刊誌にそのことが掲載されまして話題になっております。きょうはその現物も持ってまいろうと思いましたけれども、国会の本屋さんでは既に売り切れでございまして、大変な反響でございます。私の地元でも、働きに出ている女性が非常に多い地域でございますので、文部大臣の発言についてはその真意をぜひ聞いていただきたい、そういう要望も私の方に来ておりました。
 大臣があの中で述べられておりますことは、一国会議員の立場でありましたらそれはそれで一つの見識として受けとめるわけでございますが、特に今文部省、臨教審が、生涯教育という観点から、教育を幅広く生涯のライフサイクルの中で新しい観点からとらえ直し、総合的な教育改革を推進されようとしておりますだけに、大臣の発言というのは非常に重みがあると思います。
 それで、文部大臣にお伺いいたしますけれども、女性の社会的な進出について、その点に関して非常に誤解を招いている節もあると思うのですけれども、大臣の真意としてはどういうところにあるのでしょうか、ぜひお聞かせいただきたいと思います。
○塩川国務大臣 私は、実際率直な気持ちで言ったのですけれども、親御さんが二人とも朝早くから出てしまって仕事が終わって帰ってくる、その間に子供が学校から帰ってくる、だれもいないということは子供にとりましては非常に寂しいだろう、こう思いまして、できれば――それは夫婦共稼ぎで働かなければならないような家庭もあるでしょう。あるいはそのお母さんが特異な能力を持っておられて、この能力が社会的に要請されておるという方もあると思います。しかし、小学校へ子供が行っておるその親御さんを対象に見ました場合に、五十数%お母さんが職業を持っておるというのは、私はちょっと多いなという感じが実はしておりました。かねてからしておったのです。そこで、まあ夫婦でしばらく子供のために辛抱して、子供を中心に家庭をやってやろうということであるならば、お母さんができるだけ家におってやるようにしていただきたい。例えばお勤めあるいはお仕事を持つにしたって、時間の配慮とかいろいろなことでそういうことができるならばそうしてやってほしい。だから、お母さんは家庭を大事にして家庭を守るようにしてほしいということを私が発言したのです。
 だからといって、お母さん方が家庭を守っておらないとは私は言いません。そんなことを言っておるのではございませんで、ちょうど学校へ行っておる子供を持っておる母親はできるだけ家庭に戻ってやってほしい。お母さんが働かなくても何とかその一家が食っていけるというのだったら、まあしばらく辛抱していただいて、子供が義務教育を終わってからでも結構ですから大いに社会に進出して能力を発揮していただき、また社会的貢献もしていただきたい、こういうことを申しておるわけであります。
○北橋委員 大臣の御趣旨はよくわかります。ただ、最近の経済環境の悪化に伴いまして、婦人が夫の収入だけでは家計をやりくりできないという現状はますます強まってきておりまして、そのために、子供のことを思うと後ろ髪が引かれるけれども、やむを得ず遅くまで働きに出ざるを得ないというパートの婦人、あるいは職業を持たれた婦人が少なくないわけでございます。そういった方々の気持ちを考えますと、もう少し表現の仕方がほかにあってよかったのではないかと思うのですけれども、大臣としては、子供のことを思いながらもなお生活のために働きに出ざるを得ない、そういった多くの御婦人方の気持ちは十二分に御理解をしての発言だったわけですね。
○塩川国務大臣 もちろんそうでございます。
○北橋委員 それでは、この問題については大臣の真意もわかりましまので、この辺でおきたいと思います。
 きょうは、信仰の問題と学校教育の問題にかかわることについて、文部省当局にお伺いをさせていただきたいと思います。
 たまたま私の手元にあります記録というのは兵庫県の高等学校の例でございますけれども、キリスト教の一派の中にエホバの証人という信者さんがいらっしゃいます。日本でも二、三十万人ぐらいはいらっしゃるのではないかという推定もありますけれども、実態はよくわかりません。そのエホバの証人という教えを信じている高校生が、学校の教育に関して今までに聞いたことがないようなトラブルというのでしょうか、学校と生徒さんとの間に考え方が合わないという事例が発生をいたしております。この点についてきょう文部省の対応をお伺いするわけでございますが、大臣もこういったケースは余りお耳にされたことがないと思いますので簡単に申し上げますと、エホバの神以外に崇拝する対象があってはならないというのが教えの基本でございまして、そのために、体育授業の格闘技、例えば柔道の時間には参加を拒否しているということ。あるいは国歌の斉唱や国旗の掲揚、あるいは校歌を斉唱するということに対しても拒否をするということもございます。また、生物の授業で進化論が出てまいりますと教科書を閉じてボイコットをする。世界史でも十字軍の遠征とかいった問題が出てまいりますと同様にその授業を聞かない。あるいは生徒会活動の選挙等においても、新しく崇拝する者をつくりかねないということで、一切そういった活動には参加をしないといった高校生が、兵庫県下のある高校で三人いらっしゃったわけです。
 それで、学校では非常に対応に苦慮されたわけでありますけれども、結論として、三月の卒業式のときには卒業留保という形で卒業証書を授与しない、こういう措置をとりまして、その後、家族、本人との精力的な話し合いの結果、卒業を認めたという経緯があると聞いておりますが、問題は、その間において文部省がどのようなアドバイスなり対応をされていたかということでございます。信仰と学校教育のかかわりについては非常に難しい問題がありますが、文部省の御見解をお伺いしたいと思います。
○西崎政府委員 先生御指摘のケースにつきましては私ども経緯を承知しておるわけでございますが、基本的な学校教育の姿といたしましては、公立高等学校を志願する生徒は公立高等学校における教育課程に従うという姿で教育を受けていただくというのが筋でございまして、やはり体育という必修の授業で行われる内容についてもあるいは学校教育等においても、学校が定めた教育課程に沿って教育を受けるというのが筋でございます。
 したがいまして、本件のケースについてのプロセスで私どもの方にも連絡がございましたが、やはり体育における格技の授業の意義とか学校行事の意義等を生徒諸君に粘り強く説得して、そして学校が定めた教育課程に従って教育を受けるように、これが学校のとるべき姿であり、私どももそういう基本的な指導をしておりますし、学校もそういう対応をした、こういう経緯がございます。
 このようなケースは関西において、かなり以前でございますが、同じようなケースがあったと私もちょっと聞いておりますが、その後しばらくなかったのでございます。今回、特に三人の生徒諸君を中心としてかなり強硬である、そういう場がだんだん広がりそうになってきたということで、学校が大変危機意識を持たれて、その点については基本的な路線で生徒諸君を説得、対応をしたというのが、先生おっしゃるような卒業の留保という姿になったわけでございます。結果としては、いろいろな話し合いの結果、卒業を認めたということで落着しておる、こういうふうに聞いておる次第でございます。
○北橋委員 この三人の生徒の行動をめぐって、学校並びに兵庫県の教育委員会、教育関係者は大変対応に苦慮されたというふうに聞いておるわけでございますが、その処分を決定するまでの間において、文部省は、具体的にその当該学校関係者あるいは教育委員会に対して何らかの指導あるいは指示を行ったことはあったでしょうか。
○西崎政府委員 私どもの方は、このケースが起きたときに、当初は新聞紙上で報道がされまして、直ちに電話連絡をとりまして、教育委員会なり学校側の対応の基本的な方針を聞いたわけでございます。その基本的方針において、今私が申し上げたような方針で対処したいからというふうな教育委員会の方の話でございましたので、その路線はその路線として、ぜひ粘り強く生徒諸君の理解を得られるようにやってほしい、こういうふうなことを係の方から申した経緯はございます。
○北橋委員 文部省当局と県の学校教育関係者との間で具体的にどういうやりとりがあったかは聞いておりませんが、私の承知しておるところは、具体的に現場の教育関係者が生徒たちに対してどういう指導を行うのか、事細かく聞いておられると聞いております。例えば現在の学校の対応で外部に対して説得力があるのかどうか、特別活動の達成度について量的に測定できるかどうか、補充指導を行うとしてもどのような指導を行う予定か、あるいは常識的に判断すると卒業認定については卒業式までに終わっているはずではないか、特別活動の目標が十分でないという合理的な理由は何か、指導中とあるが、どういう状況になると卒業を認定するのか、かなり細かく状況を把握されていると聞いております。そしてその関連で、本件については慎重に判断して結論を出してほしいというようなことを言われたやに聞いております。
 しかし、事実関係は調べようがございませんので、この点については、特に文部省がどう言ったかということは問いませんけれども、教育委員会あるいは学校関係者の間でよく相談をしてやってください、つまり現地任せにされたのでしょうか。それとも、慎重に判断して結論を出してくれと言われればかなり枠がはまるわけでありますから、行政指導とまではいかなくても、一定の判断を示されていたと理解していいのか。現地任せでないのかどうか。その辺ちょっと詳しくわかるように説明してください。
○西崎政府委員 学校における実際の教育指導、そしてその教育指導の評価、認定の問題は校長先生の権限でございまして、どの内容において認定をするかということにまで私どもがタッチするわけにいかないわけでございますが、文部省としての指導の内容としては、信仰の理由があるとしても、定められた授業の内容を生徒側が拒否することによってそれが放置されてしまうということは、基本的に学校教育の教育活動の運営として望ましくない、これが基本でございます。
 最初に申し上げましたように、学校教育活動に従うということで公立学校を志願し、そして入学を許可され、入ってきておるわけでございますから、その基本路線で、しかし体育の格技を拒否する生徒に強制的に格技をやらせるということはできない相談でございますから、その趣旨を理解して粘り強く説得をするべきである。そして、生徒にできるだけ教育活動に参加するように仕向けて、それをも含めて体育なら体育の認定なり卒業の認定に持っていくべきではないか。基本的な指導の方針はそこにあるわけでございまして、一々その体育、学校行事の評価のあり方、内容にまでは私ども立ち入っていないわけでございます。
○北橋委員 このエホバの証人の生徒たちが拒否した活動の中には、文部省の学習指導要領で定められた特別活動の授業を受けることを拒否したわけでございます。それだけに、文部省の内部においてこういった事案の発生に伴ってもう少し早い段階で具体的な対処方針をおつくりになられて、兵庫県の学校関係者の方に投げかけるということもできたのではないかと思うのです。
 といいますのは、その後の校長初め教育関係者のコメントを新聞等を通じて読んでみますと、我々もとことん粘り強く生徒並びに両親を説得したけれども、学習指導要領で定められた特別活動というのがあって、それに従わない以上卒業の認定をすることもできないし、また、せっかく入学してきた以上は卒業させてやりたいという中で非常に悩んでおられたわけであります。そういう現場の状況というのは逐一知っておられたわけでございまして、学校教育と信仰というのは今までに余り問題になったケースはないと私自身は思っておりますが、そういうときだけに、もう少し踏み込んだ何らかの客観的な基準というのでしょうか、指導方針をおつくりになられてはどうでしょうか。
○西崎政府委員 先生御指摘の点で、学校側が大変苦慮をし、いろいろな説得活動なり指導をしておることはよく承知しておるわけでございまして、そのような学校側の努力と、にもかかわらず一時卒業認定を留保せざるを得なかったという学校側の措置、これはこれとして私どもは是としておったわけでございます。しかしそれはそれとして、やはりせっかく学校に入学してきた子供たちの立場を考えれば、学校側として、卒業を留保すると同時に、何らかの措置がまた自後とれないかどうか検討していただくことが望ましいとは思っておったわけでございます。
 客観的基準が文部省としてつくれないかという点なのでございますけれども、私どもでもし考えるとすれば、格技の授業を何時間ぐらい受けなかったらとか学校行事に何回ぐらい参加しなかったらとか、そういうふうな基準ができるかということになるわけでございますが、単位修了の認定が積み重なっての全体の総合的な卒業、学年の修了認定というのは、それぞれ担任なり教科担任あるいは学校長の裁量に属しております。例えば格技を実際に活動しない場合、見学というようなものがございますね。これは格技に限らないわけでございますが、体育の授業でいろいろな身体的故障があった場合に見学ということも間々あるわけでございまして、見学を何回やったら単位の修了が認定できないというふうな基準をつくることもまた難しい点があるわけでございます。信仰という点で先生ただいま御指摘のように大変難しい問題でございますが、一般的に言って、単位修了の認定について、裁量である以上は、私どもが客観的な基準をお示しすることはかえって何と申しますか裁量を縛るようになるということで、実情としてなかなか沿いにくいと思うわけでございます。
 信仰と教育活動の問題は大変難しい問題ではございますが、兵庫県あるいは大阪、奈良、こういう方々もおいでになるようでございますから、私どもも、今後機会を見まして、指導部課長会議等の席では今回のケースを一つの参考としていろいろと相談してまいりたいと思っております。
○北橋委員 そこで、ちょっと事実関係を確かめておきたいのでございますが、この兵庫県の高等学校の場合は結局は卒業できたと聞いておりますけれども、地域によっては卒業できずに退学といいますか、退校になってしまった例もあるやに聞いているのです。具体的にこういったケースは今までに大体どれぐらいあったのでしょうか、そしてまた学校側の措置というものもどういうふうになされていたのか、統一されていたのでしょうか。
○西崎政府委員 先生のお尋ねの点につきまして、他県の例でございますが、私どもも全体を調べて実態を把握しておるわけではございませんが、大体、今申し上げましたように大阪とか兵庫、それから奈良県等で、こういう信仰をお持ちの方が二けたあるいは三けたの数字でおられるということは聞いております。ただ、最初に先生御指摘の卒業を留保した例がないかどうか、これは聞いておりません。それから退学したケースもまだ承知しておりません。今回初めてのような気がするわけでございます。ちょっと年度がはっきりしておりませんけれども、過去にそういう格技を拒否している生徒が出ておるというふうなことが話題になったことは私どももちょっと聞いたことがあるのでございますけれども、こういうケースは私ども初めてでございます。
○北橋委員 結局文部省の基本的な考え方は、私の聞き間違いでなければ、卒業の認定についての裁量権は基本的に校長にある、そしてまた、現地の教育委員会とも十分協議をして慎重に対処してほしいということのようなんで、それはそれでわかるのですけれども、体育の授業を拒否するのも、いわゆる健康上の理由で拒否するのと違って、みずからの信仰の理由によって拒否をしているという極めて特異なケースであります。この場合は体育の授業、柔道、格技に対してボイコットするということですけれども、同じように思想、信条、信仰の理由から、このように学習指導要領に定められたことに対して学校側の説得になかなか応じようとしない、結果的には卒業の自分の首がかかってみて初めて納得したようでございますけれども、こういったケースに対する文部省の対応というのは現地任せという感じがしないでもありません。そういった意味で、信仰上の理由という極めて難しい問題であるだけに、今回のケースを踏まえて、文部省として真剣に何らかの形でその対応策というものを検討され、現場の教師の皆さん方とそれを突き合わせるような機会を近くぜひ設けてはどうかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○西崎政府委員 先生御指摘の点は新聞の報道で私も記事として見たわけでございますが、本件のケースについて学校長が卒業留保という形で措置した理由は、このような問題について全国の問題として、あるいは教育行政、文部省の問題として訴えを提起したかったからだというふうな校長の談話が載っておりました。私はその真偽のほどは確かめてないのですけれども、もしその校長の発言がそのとおりであれば、校長の考えは間違っていると思いますね。なぜならば、三人の生徒諸君を処分するかしないかは三人の生徒諸君の問題として校長は考えるべきであって、文部省なり全国的に訴えたいから三人の卒業留保を考えたなんという発言は、校長としてあるまじき発言だと私は思うわけでございます。まさかそういう発言を校長がしているとは思えないわけでございますが、先生の御発言の前提にそういう記事の内容がちょっとおありだったのじゃないかと思って、これはあえて申し上げたわけでございます。
 私どもの基本的な考え方としましては、学校教育は学習指導要領なり憲法、基本法に基づいて行われるべきものでございますから、信仰上の理由ということであっても、高等学校生徒がそこへ入学した以上は学校の方針に従って教育を受けてもらうべきである、これが基本でございます。
 その具体的な進級なり卒業なりの判定については、学校長がみずから課した教育課程の実施運営の問題、その成果の評価の問題として学校長が判断に当たるべきである、その際は、先ほど私が申し上げました学校教育の基本に従って、しかも生徒側の立場を考慮しつつやってほしい、こういうことでございまして、個々具体の処分の問題にまで私どもあるいは県教委がストレートにいろいろな形で指示、助言をすることは、県教委は直接の上司でございますからいろいろ指導しておったと思いますが、私どもの立場で個々具体の問題にまで立ち入るのは若干限度があると思いますが、先生の先ほど来のお話でございますので、指導部課長会議等で、こういう難しい問題が起きた、その点については各都道府県でも類似の問題が起きるかもしれないという前提で、いろいろケーススタディーのような形で相談をしてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。
○北橋委員 文部大臣にもぜひお願いをしておきますけれども、文部省の学習指導要領に基づく特別活動を信仰上の理由で拒否した実に新しいケースなんでございますけれども、こういった問題について、現場の教育関係者は対応に非常に苦慮しているということでございます。今後こういった事態がまた発生しかねない状況だと思いますので、文部省の方でもぜひとも善処をお願いしたいのですが、文部大臣、いかがでしょうか。
○塩川国務大臣 非常に難しい問題だと思います。片っ方では信教の自由ということも保障されておりますし、一方、義務教育はきちっと定めた課程を修めてもらいたい、この相克の間でどのようなことをするかということを、いろいろな例等を研究いたしまして、方針について間違いのないような対応策がとれるような、ある程度の考え方を整理するようにいたしたいと思います。
○北橋委員 よろしくお願い申し上げます。
 この点に関しては次の質問とも絡むのですが、国旗の掲揚、国歌の斉唱についても、それに密接に絡んでくる問題点がエホバの証人のケースにございました。
 文部省もこの点については御存じかもしれませんが、三人のエホバの証人の生徒さんに対して学校当局が、「信者生徒に対する指導」として、ことしの一月二十四日にアンケート調査のような、イエスかノーかという式の調査をしているわけです。これは非公式なことですし、関係者がここにいらっしゃるわけでもなく、取り上げるのもいかがなものかと内心思いますけれども、それをめぐってちょっと文部省の見解も聞いておきたいものですからお話し申し上げますと、「「ものみの塔」信者生徒に対する指導」として学校が行ったものの中の項目を見ますと、まず第一に「学校の指導方針に従いますか。」というのがあります。二番目に「次の事項について、どのように思っていますか。」というのがありまして、最初に国旗の掲揚をすることに反対しないか反対か、国歌を歌うとき起立し歌いますか否か、校歌を歌いますか歌いませんか、そういったことが全体の大体半分、過半数を占める項目で、指導と称し、意見を問いただしているところがあるわけです。
 これに直接関連しているかどうかわかりませんが、兵庫県の教職員組合の関係者の方から内々にいろいろな学校関係者に対して問い合わせがあったようなのでございますが、その中には「学校行事不参加を認定留保の主たる理由としているが、これは行き過ぎである。」とか、あるいは「「日の丸を掲げ、君が代を斉唱する式に参加したら認定しよう」というのは恫喝であり、人権侵害、職権乱用である。」教職員組合と学校当局の間にこういったやりとりがあったやに聞いております。事実関係は私はわかりません。わかりませんけれども、こういう形で日の丸、君が代の問題がたまたまこの高等学校の三人の生徒さんの処分をめぐる問題の中で浮かび上がってきているわけですけれども、こういったことは文部省は承知しておられましたでしょうか。そしてまた、三人の生徒さんを指導するに当たって、特にこれはイデオロギー的にコンセンサスがなかなか得られにくい現状にある日の丸、君が代の問題を表に出してきていることについて、学校関係者の間にそれを卒業認定の材料にするのはいかがなものかという論争があったやに聞いているのですけれども、その点どのようにお考えになるでしょうか。
○西崎政府委員 先生お話しのその三人の生徒諸君の問題として、体育の格技以外に学校行事への不参加という事由がある。その学校行事への不参加の理由として国旗、国歌の問題がかかわっているというところは私ども承知しておる次第でございます。
 ただ、今先生がお挙げになりましたクエスチョネアの問題です。その個々のやりとりなり、あるいはそのクエスチョネアがどういう経緯でいつ出されたものかについては、私どもちょっとつまびらかに承知しておりません。それから、組合との関係でのいろいろなプロセスのお話についても私どもは承知しておらないわけでございますが、国旗、国歌の扱いにつきましては、先生御案内のとおり、それぞれ小学校段階あるいは中学校、高等学校段階、学校行事等における例えば入学式、卒業式の扱い等を指導要領で書いておるわけでございまして、学校が国旗、国歌にかかわる事項について一つの方針を定めて、その実施について生徒諸君にも理解を求め、学校行事等を実施するということは、一つの学校方針として正しいというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○北橋委員 学校の方針として正しいということで、理解ができます。
 それで、この機会に国旗、国歌に関する文部省の対応について二、三聞いておきたいと思います。
 まず基本的なことから伺いますが、念のために聞きますけれども、現在の日の丸、君が代に関する法的な根拠というのはあるのですか。そしてまた、文部大臣も先般の委員会で、日の丸と君が代の問題については、国民の間にさらに理解が深まるように努力をされるというお話もございましたけれども、文部省としてはどういう法令的根拠をもって督励をされておられるか、それをまずお伺いします。
○西崎政府委員 先生お尋ねの点は二点あると思うわけでございますが、国旗、国歌自体の法的な根拠の問題、これは先生も御案内のとおり、日の丸につきましては大変古くからの意匠でございますけれども、明治三年の商船規則で、国旗が今の一つの規格として定められておるという点が一つの根拠として申し上げられようかと思います。
 それから国歌、君が代につきましては、御案内のとおり古今和歌集の内容から出てくるわけでございますが、具体的には、明治十三年の天長節で君が代を諸外国に公表し、明治二十六年に文部省が学校の祝日、大祭日の儀式に用いる歌詞、楽譜を選定し今日に至っている、こういう経緯でございます。
 それから第二点の、現在はどうかという点でございますが、現在国旗、国歌の扱いにつきましては、具体的には小中高等学校等の学習指導要領で、国旗、国歌についての学校行事等での扱い、それから教科につきまして、社会、音楽等の指導要領の内容として扱いが示されておるというのが学校教育上の扱いの根拠になっておる次第でございます。
○北橋委員 数年前に、文部省の局長通知ということで、日の丸、君が代の問題の趣旨を徹底するように指導されているというように聞いておりますけれども、そういうものを出されるということは国民の間にまだ十分定着しているとは言いがたい状況があるわけでございますが、この点に関してさきの委員会で文部省にお尋ねしたのは、例えば国民各界各層の教育関係者、有力な学識経験者の方々が論議をされる場、臨時教育審議会のような場において、国民的合意が必ずしも十二分に完全に得られたとは言いがたいこの問題について、一応の結論といいましょうか一定の方向づけをすることが望ましいのではないか、私はこういう趣旨で質問したわけでございます。そして文部大臣に対しまして、臨教審の答申において、この君が代、日の丸の問題について何らかの対処方針なり明確なる指針というものが出ることを期待をされますかと聞きましたところ、塩川大臣は、そのように期待をしておりますというお答えをいただいたやに記憶しておるわけでございますが、文部大臣、今どういうお気持ちでいらっしゃいますか。
○西崎政府委員 先に経緯を申し上げたいと思いますが、国旗、国歌の扱いにつきましては、先生お話しのとおり、昭和六十年の八月に、当時初中局長通知で、その趣旨、それから学校における扱いについて、さらに慫慂の意味での内容等が示されておるわけでございます。
 臨教審と申しますか、実は教育課程審議会でも、特別活動でございますが、学校行事もございますし、それから社会とか音楽とか教育課程自体の問題として、国旗、国歌の扱いをどうするかということが今議論になっておるところでございます。昨年の十月の中間まとめにおいても、国旗、国歌の問題はさらに検討しようというふうに出ておりますので、現在まだプロセスでございますが、臨教審と申しますよりは、教育の中身の問題として、もう既に教育課程審議会でいろいろ議論が取り上げられておりますので、先生御指摘の問題については、教育課程審の答申を待ってまた私どもがその内容に従った対応をしてまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
○北橋委員 教育課程審議会の中間の取りまとめの中にもそのことが挙がっておりますので、文部省事務当局の基本的な姿勢というのはそれでわかるわけでございますが、文部大臣がさきの委員会の答弁の中で言ったように、臨教審という各界の学識経験者が挙げて教育問題を論ずるという、これは教育政策史上かつてないすばらしいイベントだと私は思うのですけれども、こういったところでこの問題についても審議されることを大臣、今でも期待をされておりますでしょうか。残念ながら第三次答申においてはこの点に触れられておりません。どうでしょうか、大臣。
○塩川国務大臣 臨教審は臨教審の自主性で運営しておられますので討議もしておられることだと思っておりますが、しかし、私はやはり依然として今でも期待をいたしておりますし、また臨教審の委員の方々、専門委員の方々に、私がちょうど二月のころであったかと思いますが、私の日の丸と国歌について考えておりますことを「文部時報」に掲載し、これが広く委員の方々にも読んでいただけることを期待して出したということもございますので、その点は今でも気持ちは変わっておりません。
○北橋委員 局長のお答えになりました教育課程審議会の答申を待って措置をされるということについてなのですけれども、現場の校長先生なり教育関係者の方々の意見をたくさん聞きますと、はっきり言って、組合関係者の首脳の方との話し合いで、そういった学校行事の国旗あるいは国歌の問題になるといつももめるようなケースが頻繁にあるのだそうです。そのたびごとにけんけんがくがくの議論をするということが現場の実態ではないかと私は推察をしております。
 今もお話がございましたように、局長さんの通知が権威がないとは申しません。権威があるものだとは思いますけれども、大臣がさきの答弁でお答えになりましたように、ぜひともこの日本国において国歌並びに国旗の問題について国民的合意が得られるように努力をしたい、こういう姿勢で臨んでおられますし、それがなかなか教育現場の中では教育関係者の間で合意が得られずに、いつももめている問題であります。それだけに局長通知という形ではこの問題に対する対処方針としては十分とは言えないのではないかなと個人的に思っておりますので、局長さん、どうでしょうか、大臣がそういう臨教審で結論が出ることを期待されているというお話ございましたけれども、どのようにお感じになりますか。
○西崎政府委員 先生御指摘のようなケースが間々あり得るわけでございますし、事実起きておるわけでございますが、全体的な姿として、先生も御案内のとおりでございますが、国旗につきましては九十数%の学校におきまして、卒業式、入学式等でこれの掲揚が行われておるというふうに私どもは把握しておるわけでございます。確かに国歌につきましてはまだ数字として挙がってまいりますのはちょうど五割そこそこというところでございまして、これらにつきましてはなお学校側における御努力を願わなければならないというふうに思っておる次第でございます。
 局長通知の問題でございますけれども、私どもは通知を流しただけで事終われりということではございませんで、やはり学校教育において、国際社会において信頼される日本人の育成という意味での国旗、国歌に対する認識と理解ということは大変大事なことだという趣旨で、いろいろな機会、例えば指導部課長会議とか教育長協議会等におきましても私ども話に出して、なお地方における御指導を願っておるところでございますので、この点につきましては私ども今後十分またいろいろな機会に指導してまいりたいというふうに思っておりますし、あわせて、先ほどお答えしましたように、教育課程自体の扱いとしての問題は、教育課程審議会の答申が出た暁におきまして十分私ども役所としても対応をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○北橋委員 文部省当局のお考え方はよくわかりました。塩川文部大臣が先ほどお答えになりましたように、臨教審という選りすぐられた学識経験者の集まるその場において、一定の答えが出てくることを大臣同様私も強く希望するものでございます。臨教審の関係者と事務的な折衝をされるときには、きょうこういうやりとりがあったことをぜひともお伝えを願いたい、そのように思います。
 さて次に、臨教審の答申に関連して幾つかお伺いをさせていただきたいと思いますが、まず第一に、学校の入学を秋に持ってくるという秋季入学の問題であります。
 これについては、臨教審においても一つの言うならば目玉的な新しい改革として鳴り物入りで論議をされていたわけでありますが、三次答申の結論を見ますと、結論としては審議継続ということになりました。しかし、三次答申の文面をじっくり読んでまいりますと、その行間ににじみ出る今後の方向性としては、国際化の時代に対応して将来学校教育が秋季入学制に移行していくことは意義があるということを明確に言い切っておられますので、今後とも秋季入学の検討に当たっては移行することをかなり意義のあることだという考え方を前提にして論議されていかれるお考えでしょうか、文部省の対応をお伺いいたします。
○川村政府委員 ただいま御指摘がございましたように、臨教審としては、この第三次答申の段階で、秋季入学については教育上大きな意義があるというふうな考え方を示されておるわけでございます。ただ、先生御案内のとおりに、それはそうだけれども、さらにいろいろ具体的に検討しなければいかぬ問題があるから、なおこれは最終答申までじっくり審議をしよう、こういうことでございます。
 そこで、この九月入学がなぜ意義があるのかということでございますけれども、ただいま先生おっしゃいました国際化という点もございますが、臨教審でおっしゃっていることは生涯学習体系への移行というのでしょうか、つまり学校教育における夏休みの問題、夏休みに子供たちを学校から解放して、これを完全に家庭なり地域社会に戻そうやというふうな御論議が中心になっております。御指摘のような国際化の点もあるわけでございますけれども、そのほかにも幾つかのメリットと言われておる点があるわけでございます。
 ただ、この点につきましては、臨教審自体におかれても、そのメリットに伴って同時にそれの裏腹の問題がある。例えば生涯学習体系への移行ということを一つ取り上げても、実際にそれが、では今子供たちを学校から解放した場合に地域なり家庭での受け皿の問題があるのかという点を一つ挙げても、いろいろ問題があるのじゃないかというようなことをおっしゃっているわけでございます。
 私どもといたしましては、そういうふうな御論議を承りながら、私どもとしても、この問題について実際にもしやるとすればどういうふうなメリット、デメリットがあり、どういうふうな手順、段取りがあるのかということについて、なお臨教審の審議を見守りながら事務的に検討を進めておる、こういう段階でございます。
○北橋委員 臨教審の結論がまだ出ておりませんので何とも言いがたいのでございますけれども、塩川文部大臣としてはこの秋季入学について率直にどういった見地から見ておられますでしょうか。
○塩川国務大臣 私は、将来を見通しましたら当然週五日制になるであろうと思っております。そのことは時代の流れだと思っておりますが、ついてはそれを学校でどうこなしていくかということでございまして、それじゃ子供も週五日制にしてしまう……
○北橋委員 秋季入学でございます。申しわけございません。秋季入学、九月入学の件でございます。
○塩川国務大臣 どうも誤解をいたしました。九月入学でございますね。
 九月入学の点につきましては、まだ予算的な問題もあるし、それから社会的関連、特に就職の問題もございますし、また、日本は年度制をしいておりまして、年度が四月一日からということでいたしておりますし、そういう点から見て、私は、まだ当分の間、直ちに九月入学制に持っていくということは社会的条件が十分に煮詰まってきておらないように思っております。だから、国際化という要望だけで、日本の習慣という根本を無視して直ちに移行していくということはちょっと難しいのではないか。条件が熟してくれば秋入学でも可能だとは思いますけれども、その条件は煮詰まっておらないと見ております。
○北橋委員 秋季入学について、文部大臣としては余り積極的な見解をお持ちになっていらっしゃらないということでございますが、いずれにしましても、臨教審の答申をもう少し待って、さらに論議をさせていただきたいと思います。
 その次に、これは私ども民社党がかねがね政府に対して要望してきたことでございますが、これからの大学のあり方を考えましたときに、産学の実りある関係、産学協同の一層の推進が今後さらに重要になってくる。特に基礎応用研究段階において、日本がともすれば外国から技術シーズを輸入してくる。それでいい製品をつくって外貨を稼ぐ。それが今では日本の方から逆に技術を輸出せねばならない。外国から基礎応用段階での高度な技術のシーズを輸入することがこれから困難になってくる時代である。となりますと、基礎応用段階は非常にリスクが高く、研究費も非常に膨大に上りますので、産学一体となって、これから技術立国として日本が対処するためにも、この課題に積極的に前向きに対処していかなければならない、そういう見地から政府に強くお願いをしてきたところでございます。
 このたびの三次答申においては、そのことについて一歩踏み込んだ答申を出しているわけでございますが、その中で特に注目しますのは、企業側から寄附金等財政的な支援措置が大学に対してなされるように税制上もう少し配慮をせよ、そういった改善措置が提言されているわけで、私は率直にこれを歓迎をいたします。
 来年度の予算要求、具体的な文部省の対処方針として、こういった産学協同の一環である民間の方から資金が大学の方に行きやすい環境づくりに向けて、どういった具体的施策を考えておられるでしょうか。
○植木政府委員 大学が、本来の使命を踏まえつつその特色を生かしながら、今おっしゃいましたような企業あるいはその他の社会的な要請に対してこたえていくということは、大学の研究活動にも大変有益な刺激を与えることになるわけで、大変有意義なことではないかと考えております。
 文部省といたしましては、そういう観点から、学術研究の社会的協力という施策を近年積極的に進めてきておりまして、例えば今先生からお話がございました民間等からの奨学寄附金の受け入れも年々非常にふえてきておりますし、税制上も特別な措置が講じられております。また、受託研究とか受託研究員の受け入れ、こういったものも年々拡充をされてきております。
 特に昭和五十八年度からは、民間と大学との共同研究がよりやりやすいようにということで、民間等との共同研究制度というものを設けたわけでございますが、大学、産業界ともにこれに対する関心は非常に強うございまして、例えば五十八年度に発足したときはその研究プロジェクトの数が五十六件でございましたが、六十一年度には二百七十二件、こういう共同研究が行われておりまして、最近いろいろと話題になっております材料開発の問題であるとかバイオテクノロジーなど、広範な分野で実施をされておるわけでございます。なお、六十二年度におきましては、新たにこういった共同研究をする場を大学の中に設けようということで、三つの大学に共同研究センターを新設をするということになっております。
○北橋委員 結構な施策だと思いますけれども、私が特に関心を持っているのは税制上の措置なんです。特にアメリカの大学には政府の税制上の恩典の措置があるために、膨大な民間資金というものが研究室に流れるような仕組みがございます。それを使って大学の方でも相当思い切った研究開発を進めている。日本でも一応の寄附金控除の制度はありますけれども、資本金その他に係る制約というものがありまして、その額は極めて微々たるものだと聞いております。大学の研究開発に対して民間が資金を寄附するような場合に、アメリカ同様に思い切った税制上の恩典措置を与えてはどうかと思うのですが、いかがでしょうか。
○植木政府委員 先ほど申し上げました奨学寄附金ということで、民間等から国立大学に入ります研究費は、国に対する寄附金ということで全額損金に算入できるということで、大変これは活用されております。既にそういう制度になっております。
○北橋委員 制度はあるんですけれども、その算式の基準は複雑で、ちょっと私今記憶しておりませんけれども、企業の場合からですと、資本金とかの関係で全体として幾らまでと、幾つか上限が設定されているわけです。この上限を思い切って撤廃したらかなり金は集まる。先ほども局長の方からの御説明で、幾つかのプロジェクト方式で予算をつけるという方法でございますけれども、むしろこういった大きな産業構造の変化、国際化の進展する中で予算をつけるという方法は、やはりいろいろな面で、予算を出す以上は正確に使ってもらわなければいかぬということで、どうしても手続も厳密になりますし制約も出てくる。答申も指摘していますように、一般の今の寄附というのは手続が煩雑で、かつ制約があるということなんですが、これは予算をつけてプロジェクト方式で研究開発を進める場合も同様に言えることだと、多くの企業関係者から聞いております。その意味では税制上の措置というものが一番有効に機能するのではないかと思いますので、寄附金控除の上限を事実上撤廃するほどの思い切った税制改革の措置を来年度の予算要求でぜひ要求していただきたいのですが、いかがでしょうか。
○植木政府委員 奨学寄附金につきましては、私どもの知る限りでは、法人につきましては寄附金の全額が損金に算入をされ、税金はかかりません。その点は一般の寄附金に係る損金算入限度額とは別枠になっております。
○北橋委員 奨学寄附金と別に一般の研究開発ではどうでしょうか。奨学というのは、いわゆる学生に対する奨学金のことじゃないですか。
○植木政府委員 奨学寄附金といいますのは、民間等から国立大学に、今先生がおっしゃいましたような学生に対するスカラシップを出そうというような場合にももちろんこれで受け入れておりますし、さらに、先ほど来私が申し上げております大学の研究を大いに奨励しようということで、大学におきます学術研究活動を大いにエンカレッジしようという場合の寄附金もこれでございます。奨学寄附金のうちのかなりの部分がむしろ研究の方であるということで、先ほど来御説明いたしておりますように、免税等の取り扱いということで制度ができておるわけでございます。
○北橋委員 先日、この質問に先立って、企業関係者との懇談の席でそのことが要望があったものですから申し上げたのですけれども、もう一遍私の方で調査をし直しまして再度お願いをいたします。
 ただ、一般に言われていることは、特にアメリカから帰国された企業関係者の間から、日本ではアメリカのように企業から資金を大学の研究開発に送り込めればもっといいんだがなという要望を強く聞いておりましたので、また改めて質問させていただきます。
 次に、学校給食の問題についてお伺いいたしますが、これは行政改革の見地から、行革審等においても、民間の効率的な運用をもっと重視をして、学校給食の民営委託をもっと進めるようにという答申も既に出されておりまして、文部省もこれまで鋭意御努力をされてきたと思いますけれども、このたびの臨教審の第三次答申におきましてもそのことに言及されております。方法としては「民間委託」あるいは「共同調理場方式への転換など運営の合理化を一層推進し」とありますけれども、これは一定の年限を決めて、これぐらいまでに推進するというような何らかの目標をお持ちでしょうか。
 といいますのは、この問題につきましては、学校給食にかかわっておられる職員の方々の身分の問題とも絡みますし、特に自治体において合理化をしていく場合に、一体どれくらいまで民営化を進めればいいのか、当惑した表情でいつも現場の苦悩というものを語ってくれます。そういった意味で、今後の中長期的な目標を設定されるお考えはないかどうか、お伺いします。
○國分政府委員 学校給食業務の合理化の問題につきましては、ただいま先生御指摘のとおり、既に臨時行政調査会あるいは行革審、さらには先般の臨教審の三次答申においても触れているところでございます。
 私ども一昨年、六十年の一月に学校給食の合理化ということで各自治体に対して指導したわけでございますが、その中で、一つの例示といたしまして民間委託の問題、それからパートタイム職員の活用の問題、それから共同調理場方式というのを出したわけでございます。そのほかにもいろいろ合理化の方法はあろうかと思いますが、ただ、これを実施いたします際には、地域地域の実情に応じて、また同時に、学校教育の一環として学校給食が行われているということから、質の低下を招かないようにという留意事項を付して行っているところでございます。事柄が、それぞれの市町村の置かれた事情等が異なるわけでございますので、合理化を進めるに当たりましては、それぞれの実情を踏まえて合理化を図っていく必要があろうということでございまして、一律にいつまで、どういう形でということを示すことはなかなか難しかろうと思っているわけでございます。
 ただ、それぞれの自治体が合理化を行います際には、御指摘のように従事している調理員の問題もあるわけでございます。現実に既に民間委託等をしておりますときには、人員整理等を行わないで配置転換等によって円滑に移行するような努力を各自治体がやっているわけでございますので、私どもも、それぞれの自治体が実情を踏まえて、そしてまた無理なく行えるように、かつ、無理なくというだけでなくてその合理化の実が上がるように今後とも指導してまいりたい、こういうように考えております。
○北橋委員 具体的な目標は定めることが適切ではないというお考えでございますけれども、この臨教審の答申を見ますと、学校給食のいわゆる民営委託等合理化を進めながら、中長期的な課題として「現在の受益者負担の在り方についても検討を行っていく必要がある。」と明記されているわけです。これは将来はお母さんの手弁当を持ってくるということが行間にあるわけでしょうか。
○國分政府委員 私ども臨教審での御議論を漏れ承っているところによりますと、受益者負担の問題については弁当持参ということではなくて、現在食材料費については保護者負担になっているわけでございます。そして、それ以外の運営費、施設費、人件費等につきましては各自治体が持つ、これが学校給食法で定められた経費の区分になっているわけでございますが、その公費で賄っている部分についても、単に食材料費だけではなくて、何らかの形で保護者、受益者が負担するようにすべきではないかという御議論であったと承知いたしております。
○北橋委員 文部大臣に、この問題について一言御所見を伺いたいのでございます。
 行政改革の見地から、数年前からいろいろな公的事業について民営委託を進めるようにという方針が打ち出されまして、学校給食もその一環として民営化を進めるようにという方針が出ているところであります。今の御説明でもありましたように、地域の実情という抽象的な表現でありますけれども、私も現場でこれを推進するということはなかなか難しい問題があることも承知しております。にもかかわらず、限られた予算を少しでも有効に使っていくためには、行革審が答申をしているように、学校給食の民営委託といったことで予算をできるだけ食わないようにするという方針は堅持する必要がありますし、文部大臣としても強く地方に対して督励をしていただきたいわけでございますけれども、大臣の御見解をお伺いします。
○塩川国務大臣 私は、学校給食の現場は余り詳しく知りませんが、いろいろ私のところへ言ってくる話を聞きますと、もっとお母さんの味というものが給食に盛られるということが給食の大きい目的であると思うのでございますが、そういうようなものがだんだんと離れていっておるような感じがしてならぬのでございまして、そういう点を、委託の問題等いろいろありましょうけれども、給食の実効あらしめるということをしようとするならば、そういうお母さん方が、本当に手づくりであるいはボランティアで、もっと関与してもらうようにするのがその給食の目的を維持していくのにいいのではないか、私はこう思っております。
 お尋ねのように合理化していくのはもう当然でございますので、この点につきましては、集団的に消化し得るものはできるだけそういう方向で合理化を進めていきたいと思います。
○北橋委員 この点についてはわかりました。
 時間も限られてまいりましたけれども、大臣にちょっと御所見を承りたいことがございます。それは、臨教審の第二次答申あるいは教育課程審議会においてもかなり議論がされたことでございますが、週休二日制の問題でございます。この問題についてはいろいろな考え方があるでしょうけれども、総理府の世論調査等を見ますと、一般にはまだ十二分に二日制の導入についてコンセンサスを得られているとは言いがたい状況にありますが、子供たちの教育という観点から見ますと、欧米のように週休二日制を導入して、その分を社会的ないろいろな活動で情操教育をするとか、そういった方向も必要ではないかと思っております。いろいろな意見が交錯している問題でございますけれども、この週休二日制の問題、第二次答申で一応の議論の経過は紹介されており、コンセンサスは得られていないというものの、一歩踏み込んだ表現で二日制の検討がなされているわけでございますが、大臣はそれに対してどのように受けとめておられますか。
○塩川国務大臣 私は、週休二日制はもう時代の流れで、いずれこの実現を図っていかなきゃならぬと思っておりますが、それには児童を一週間で何時間のカリキュラムで勉強さすのがいいのかという問題もございますし、もし現行のままでやるとするならば、土曜日をどのようにして児童を有益に教育的効果があるような方法で指導していくかということ等ございまして、そういう点でまだいろいろ社会的条件として考えなければならないもの、あるいは学校の教育環境として整備していかなきゃならぬものがございます。しかしながら、現在政府は一部について五日制に踏み切ったのでございますから、これにおくれないように積極的に進めていかなきゃならないと思っております。
○北橋委員 そうしますと、今後、週休二日制の議論に当たっては大臣としては前向きといいますか積極的に検討を進めるということでございますが、例えば昭和六十七年ごろに、五年後でございますけれども、五年ぐらいたったときに一つのめどを立てて導入するとか、何かそういうためどをお持ちになっていらっしゃいますか。
○塩川国務大臣 そういう具体的なものは持っておりませんけれども、六十七年でございますと、六十七年、六十八年ごろになりましたら児童の数もうんと少のうなりまして、それだけに教員の余裕も出てまいろうと思いますし、環境としては一歩やりやすい状況にはなっていくであろうと思います。しかし、これは年次を立てていつからそのように踏み切るというような性質のものではなくして、まだその前段となるものを基本的に検討し整備していく必要があると思っております。
○北橋委員 わかりました。
 もう一点、臨教審に関連して奨学金制度についてお伺いをいたします。
 私は学生時代に奨学金はいただけなかったのですが、これは窓口に行きますと親の収入が一つの基準になっております。私の父は教員でございまして、いわゆる給与所得者でございますから、収入は一〇〇%税務署に把握されております。ところが、クラスメートで私以上に裕福な生活をしている人たちは、中小企業のオーナーあるいは農業者という方々は、収入の面で本当に僕よりも生活水準がどうなんだろうかと思うような方が多額の奨学金を交付されている事例もありまして、かねがねこの制度というのは困ったものだなと思っておりました。社会的な給付全般について言えることでありますけれども、所得の把握が公平でないという指摘もありまして、この奨学金を交付する際にもそういった意味での不公平が出ていることはないかどうか、そういった点にどのように留意をされて窓口で対応されているかどうか、文部省の見解をお伺いします。
○阿部政府委員 ただいま先生のお話にもございましたように、所得を正確に把握をする、公平に把握するというのはなかなか難しいことでございます。税制がどうかということを私どもの立場からはちょっと判断しかねておりますけれども、ただ、給与所得者についてしかるべき配慮が必要ではなかろうかという観点から、奨学金の支給に当たります家計の基準を考えます場合には、親が給与所得者の場合には給与所得控除という制度を特に設けてございまして、これによってできる限りのバランスをとりたい、こう考えておるところでございます。具体に申し上げますと、昭和六十二年度では二百四十六万円分を親の所得から控除をしてバランスをとるようにしようというような努力をしておるわけでございます。
 この点につきましては、生活実態等を踏まえながら、昭和五十九年度に大幅に引き上げを行いまして、以後今日まで、毎年諸般の状況を見ながら若干ずつ引き上げをしてきているということで、その辺のバランスを図るための努力はこういう仕組みでやっておるわけでございますが、最初に申し上げましたように、大変把握が難しい問題でございますので、今後とも研究をしながら対応をしてまいりたい、かように存じます。
○北橋委員 ぜひその研究を進めていただきたいと思います。
 奨学金の問題については、臨教審答申でも今後さらに拡充せよという方向づけが打ち出されているわけでございますが、現状を見ますと、日本の奨学金の支給年額あるいは受給者の学生に対する割合は、欧米先進国に比べると極めて低い水準にとどまっています。例えば国公立は年間三十四万円、そして学生のうち交付を受けているのは約一割ということでございます。
 文部省にお尋ねしますけれども、今の大学生が大体どれぐらい年間生活費がかかっているかどうか、何か調べたようなデータはございますか。
○阿部政府委員 私どもといたしましては、一年置き、隔年に学生の経済状況を調べるということで、学生生活調査というものを行っておるわけでございます。最新のデータは昭和五十九年度のものでございますけれども、それによりますと、学生生活費、これは学費と生活費と両方加えたものでございますが、国公私立平均をいたしまして年額で百三十二万円、それから、その中から下宿の学生だけを特に取り出して計算いたしますと百五十九万円、これが学生の国公私立平均の生活費の姿でございます。
○北橋委員 東京の学生さんは家賃も高いですからもっとかかっているんじゃないかと思いますけれども、月に十万円は軽くかかる。それを親が仕送りするというのも大変でございます。そういったことで、現在の国公立三十四万、私立四十九万という水準はほんの一部しか手当てをしていない。しかもそれは全体の約一割しか達していないという現状であります。
 私は思うのですけれども、大学生が親のすねをかじるとか、あるいはアルバイトで貴重な時間を生活費を稼ぐために使っているという現状は極めて好ましくないと考えておりまして、できることならば奨学金制度を抜本的に改革をして、百五十万ぐらいかかるんだったら、思い切ってそれを低利融資も含めて貸与してはどうか。そして、自分の生活費のために親に必要以上に苦労をかけたり、あるいはアルバイト等で貴重な時間を使わなくていいように措置をして、専ら勉学にいそしめるような環境を整えてはどうかと思うわけであります。
 今のような奨学金制度の事業を拡充するといいましても、全体の一割しか交付されていない。このままの発想でいきますと、思うような抜本的な拡充というのは期待できないのではないかと思いますけれども、どうでしょうか、思い切って希望者には貸し付ける、その分必ず返してもらう、こういう制度の方がすんなり行くのではないか。むしろ上げっ放しのものだったりあるいは無利子とか、そういう恩典のために予算がかかっているということになるのなら、それをすべて有利子化をしても、そういった方向の方が大学生が十二分に勉強するためには将来的にいいと思うのですけれども、文部大臣、どのようにお考えになりますか。
○阿部政府委員 ちょっと先に経緯を御説明さしていただきたいと思います。
 御指摘のようなお考えというのも一つの大事なことであろうと思っております。そういう意味で、昭和五十九年度に育英制度の改正を行いまして、従来無利子貸与制度だけであったわけでございますけれども、これにさらに加えまして有利子貸与制度というものを新たに設けることにいたしました。これは、利子補給等をいたしましてできるだけ低利の融資をするという考え方でございますが、それによりまして昭和六十年度以降貸与人員も一学年について一万一千人増員をいたしましたので、完成年次までで約四万人余りの貸与人員の増等も行ったわけでございます。さらに今年度は、大変財政厳しい中でございますけれども、貸与月額の増額も、大学生の場合に年額四万八千円の増額というようなことも行っておりまして、できる限りの方途を講じながら育英奨学制度の充実に努めているということをまず御報告させていただきます。
○塩川国務大臣 いつだったか忘れましたが、最近でございますが、英国の新聞記者で世界各国の教育事情を調べておる記者がおりまして、それが私に面会に来ました。女性の記者でございますが、そのときに彼女が言いましたのは、日本の大学生は入学と同時に全部アルバイトを探し回って、自分が勉強しようという態勢よりもアルバイトに走っているじゃないか、これはどういうことなんだということを聞いておりました。私はやはりそういう傾向が非常に強いのは残念に思うのです。
 おっしゃるように、奨学資金制度がしいておりますのに、余りしち面倒くさくて、ぐたぐた言ってややこしいので、それだったら自分で働いてアルバイトで手っ取り早く稼いだ方がいい。私は、そういうところにもやはりこれが非常に問題を検討するところがあるのではないかと思うたりいたしまして、奨学資金制度を検討する必要があるだろうとは思っておりますが、私らの現状ではまだそこまでなかなか手が回らないというのが状況でございますが、御指摘でございますし、阿部局長も答えておりますので、そういうことについて今後一層の勉強をし、努力をしていきます。
○北橋委員 すぐに制度改革はなかなか難しいかもしれませんけれども、学生のうちの一割しか給付がない。しかも生活費のうちに占める奨学金の額というのはほんの微々たるものである。そして、奨学金制度の本来の趣旨というものが学生全般から見ると極めて不満足なものになっていることは明らかでありまして、この際、全部上げてしまうという方式あるいは無利子という制度でお金を使うのではなくて、有利子でもいいから希望する人にはできるだけ多額の奨学金が交付され、そしてそれを卒業して就職したときにはみんなで返す、そういった思い切った革命的な制度改革がぜひとも必要であると私は思いますので、御検討いただきたいと思います。
 残された時間、限られてまいりましたが、最後に地元の問題で恐縮でございますけれども、私学振興にかかわる問題で文部省の御見解をただしたいと思います。
 大臣の所信表明にもございましたように、日本の教育の世界において私学の果たしている役割は高く評価されねばなりませんが、その中で、一部の私学の中には、関係者の間において、本当にこのようなままでいいんだろうかと疑問に思うようなことも間々ございます。
 私の地元の北九州市に福原学園という私学がございまして、これは非常に伝統のある名門校であると私は理解しておりますが、実は補助金の不正事件が明るみに出た関係で、文部省は、昭和五十九年の末に前理事長の辞職勧告を行いまして、今新しい理事長の体制が誕生して、その体制下において福原学園のいわゆる正常化というものが進められたわけでございますけれども、この二年近い新しい理事長の体制のもとにおける福原学園の正常化の状況を見ると、いろいろな面で非常に好ましくないことを多々耳にするわけでございます、
 例えば、高校の進学説明会を開催したときに、ホテルで高級万年筆あるいは昼食そして足代まで渡して説明会を行ったとか、あるいは文部省に対して学生数の水増し報告を行ってそれがばれて陳謝をするとか、あるいは理事長の就任して以来一つの大きな使命でありますが、私学助成金の再取得のためにいろいろと努力をするということを二年間ほとんどされていない、そういうことがあるわけでございます。こういった福原学園の現状を見ますと、そこに勤めていらっしゃる教職員の方々あるいはOBの方々、そして現在の学生の方々にとっては本当に察するに余りあるものがあると思います。
 福原学園の前理事長の首を切ったのは文部省の一つの判断でもあったわけでございまして、その後、この新しい理事長のもとにおいて文部省の期待するような正常化が進んでいるとお考えかどうか、端的にお伺いしたいと思います。
○坂元政府委員 福原学園につきましては、先生御指摘のような経緯で私ども補助金等をカットしているわけですが、ちょっと経緯について、御承知だと思いますけれども簡単に念のために申し上げますと、昭和五十七年度に、過去六カ年間の学内食堂の売上利益金の一部を別途経理で経理しておって、脱税事件が発覚したわけでございます。私どもとしましては、問題の重要性にかんがみまして、その責任を明確化すること、経理を適正に処理すること、それから内部監査機能の強化を行うことを指導をいたしました。同時に、日本私学振興財団も、昭和五十六年度までの過去五年間の私立大学等経常費補助金の交付額の二五%を返還させたところでございます。
 その改善がまだ達成されてない昭和五十九年に至りまして、新たな不祥事件が判明したわけでございます。それは、福原学園が持っております大学、短大の一つでございます九州女子短期大学につきまして、学生数を過小に虚偽報告いたしまして、これは先生御承知かと思いますが、当時入学定員の三・〇倍以上、三・○倍を超える水増しをしているものについては補助金の対象にしていなかったわけでございますが、福原学園は三・〇倍をはるかに超えるにもかかわらず、三・〇倍以内、言いかえれば二・九倍とかそういう虚偽の報告をいたしまして、昭和五十七年度までの過去六年間に経常費補助金を不正に受領していたということでございます。しかも、不正に虚偽の報告をして学生数をごまかしたということの当然の論理的帰結でございますが、そのごまかした学生数にかかわる納入金、学納金につきましては、これまた学校法人の会計に計上することなく、別途経理で経理しておった。約三十億でございます。先ほど先生が申されました学生数をごまかして文部省に陳謝したというのは新体制ではございません。新体制ではなくて、前の福原体制において、そういう極めて遺憾な学生数をごまかして補助金を詐取したということでございます。
 このような事件を受けまして、私ども早速学校法人の責任者に文部省に来ていただきまして、私どもとしては、前述のような極めて悪質な不適正な運営の状況につきまして厳重に注意を喚起するとともに、改めて五項目にわたりまして指導を行いまして、私学としての責任ある自覚に立って自主的かつ自律的に改善を図ることを求めたところでございます。
 その内容は第一点は運営体制の刷新等、言いかえればこれは責任の所在を明確にしていただきたい、そして不適正な運営体制を適正なものにしていただきたいということでございます。
 それから、二番目は経理の適正処理、学生数の適正報告、ごく当然のことでありますが、こういうものを求めました。
 三番目は教育研究条件の改善、この事件が発覚いたしましてから福原学園について詳細に私どもで調べてみますと、大学設置基準に定める専任教員がかなり不足しておったというような事態が発覚いたしましたので、そういう意味で教育研究条件を改善されたいということ。
 それから、第四点は教授会の適正な運営、これは九州女子大学と九州女子短期大学、大学と短期大学で変則的に単一の教授会を設置して運営しておったという事態も判明いたしましたので、それぞれの大学あるいは学部、それから短期大学ごとに教授会を構成し、適正に運営していただきたいという指摘でございます。
 それから、五番目に内部監査機能を強化してもらいたい。
 こういう五点につきまして、私学としての責任ある自覚に立って自主的かつ自律的に改善を図るように求めたところでございます。
 また、日本私立学校振興財団も、このような事件が明らかになりましたので、過去五年間にわたりましての経常費補助金の交付決定を取り消しまして全額返還させるとともに、制裁措置として、今後五年間日本私学振興財団から経常費助成を出さないということを明確に福原学園に申し渡したところでございます。
 これを受けまして、福原学園の方といたしましては、まず責任の所在を明らかにすること、運営体制の刷新等の問題につきましては一昨年、六十年の三月末に理事長以下全理事が辞任いたしまして、そして、この辞任に当たる際に、前理事長も今の理事長とも話し合って、四月一日付で松尾四郎現理事長以下、新しい理事が就任して今日に至っているところでございます。
 それから、経理の適正処理等につきましては、学生納付金等の別途経理分については正規の学校会計に繰り入れております。さらに、予算に準拠した財政運営体制と不正のない経理執行体制の確立を図ることによって、経理の適正処理の実現を目指して現在努力しているところでございます。
 それから、教育研究条件の改善につきましては、設置基準に照らして不足している専任教員のうち、九州女子短期大学については充足をされましたが、九州共立大学、それから九州女子大学につきましては設置基準に照らして専任教員がなお不足しておるということで、現在速やかに充足するようにという指導を続けているところでございます。
 教授会の適正な運営につきましては、私どもの指導に基づいた運営に改めたというふうに聞いております。ただ問題は、教学関係の規程等がかなり未整備なものがございまして、それについては早急に整備するように現在指導しているところでございます。
 それから、内部監査機能の強化につきましては、六十年四月新理事会の発足とともに全監事の交代を行いまして、二名の監事のうち一名を、公認会計士でありますが、常勤監事といたしまして、常時会計処理の監査を行うということで、内部監査の充実強化に努めているところでございます。
 以上が学園の改善状況でございますが、ただ、前理事長でございます福原軍造氏が、伝え聞くところによりますと、不祥事件の責任をとって辞任したわけでございますが、辞任して間もなく、学校法人の経営権の返還を要求して、現理事長等の役員退陣を現理事会に対して迫る諸活動を行っておる。さらに、同窓会等とかそれからその他教職員等と現理事会との不協和音が若干ございまして、そんなようなこともございまして、現理事体制に対しましても、全体として必ずしも学校の教職員あるいは同窓生全員が信頼をしているというような状況下ではないというふうに聞いているところでございます。
 ただ、私どもとしましては、学校法人の経営体制、不祥事件等を起こしまして責任の所在を明確にしていただきたいというような場合を除きまして、学校の経営が若干教職員の間でぎくしゃくしておる、あるいは同窓生との間でややぎくしゃくしておるというような事柄自体につきましては、文部省が細かく口を出して、ああしろ、こうしろと言うべきものではない、あくまでその程度のことは学校法人が自主的に、自律的に改善に取り組んでいくべき筋合いのものであるという立場に立ちまして、現在、福原学園のそういう一連の動きにつきましては、関心を持ってその推移を見守っているところでございます。
 ただ、五項目の点につきましては、五項目を完全に満たすように、私ども今も鋭意現理事体制に対して指導しているところでございます。
○北橋委員 わかりました。
 しかし、学内における信頼関係はずたずたであります。しかも、県の主催による公聴会においても、驚くべきことに、この新しい理事長は終始黙秘権を行使するということで、県がせっかくあっせんに乗り出してもそれに耳をかそうとしないということで、事実上、私は、多くの方々から聞いている限り、現在の執行部の今のあり方では学園の正常化は難しいのではないかと思っておりますので、ぜひとも文部省としましても調査をしていただきたい。そのことをお願い申し上げまして、時間が参りましたので終わらせていただきます。ありがとうございました。
○鳩山(邦)委員長代理 石井郁子君。
○石井(郁)委員 まず大臣に、文部行政の基本姿勢にかかわりますので、女性の社会進出についての発言に関して質問をいたします。
 去る十六日、京都での文部省主催教育改革推進懇談会でこのような発言がされました。男女同権は建前で、本当は家庭に戻った方がよい、仕事に出るにしても子供が成年になってからにしてほしい、という発言でございますけれども、私は極めて重大な内容の発言だと考えております。
 当委員会でも取り上げられておりますけれども、まず、この内容について、事の重大性を大臣はどのように認識しておられますか。
○塩川国務大臣 重大性とおっしゃいますけれども、私は自分で当然のことを言ったと思っておりまして、私の気持ちを率直に申し上げた次第です。
○石井(郁)委員 私は、大臣の発言として重大な意味を持つという点で考えているわけですけれども、この教育改革推進懇談会は公的な場だということですが、そういう場での発言ですからもちろん公的な発言と見てよろしいわけですね。
○塩川国務大臣 私は私の立場で、あの当時、どういう立場でしょうかね、文部大臣塩川正十郎だと思います。
○石井(郁)委員 公的な発言だということをお認めになられたわけですけれども、そういたしましと、大臣はこういう文書を御存じでしょうか。婦人問題企画推進本部が出されております「西暦二〇〇〇年に向けての新国内行動計画」がございますが、この文書はごらんになっていますでしょうか。
○塩川国務大臣 私はその本が出ておることは承知しておりまして、読んだけれども、中身は今若干もうろうとしております。
    〔鳩山(邦)委員長代理退席、委員長着席〕
○石井(郁)委員 中身が重要なんですが、この中身と先ほどの大臣の発言とは基本的に矛盾しておりまして、その御認識がおありかどうかを私はお尋ねしているわけです。
 この点では、文部省としても課題はやはりあると思うのですが、最初にまず、この新国内行動計画の内容についてちょっと御説明いたしますと、私は三点あると思います。
 一つは、政府として婦人問題に対する一連の取り組みがあったわけですね。国際婦人年世界会議後、総理府に婦人問題企画推進本部が設けられております。そして昭和五十二年に国内行動計画が決定されておりまして、女子差別撤廃条約の批准は御存じのとおりです。それを受けまして、昭和六十一年、今後は、国連婦人の十年ナイロビ世界会議、ここの「決定事項の国内施策への取り入れ及び女子差別撤廃条約の実施に伴う施策、その他婦人に関する施策について総合的かつ効果的な対策の推進を図る」、だから、政府としてこういう取り組みをしているということを閣僚といたしましてどう考えておられるのかということがまず第一点です。
 それから、この「西暦二〇〇〇年に向けての新国内行動計画」はこの五月に政府文書となったと思うのですけれども、この中には、これからの基本的な方向につきましては、男女平等をめぐる意識変革が大事だというふうに書かれております。「改めて男女平等をめぐる我が国社会の意識を問い直す必要がある。」ということで、三つ述べられているわけですが、その一つに、固定的性別役割分担意識を直す必要がある。これは、男女の役割を固定的にとらえる社会一般の意識が非常に根強い、つまり男は仕事、女は家庭に、そういうものを是正していかなければならないというのがこれの一つの基本的な方向なんです。その中ではもちろん、だからあらゆる分野で婦人が参加していくことを保障する、男女平等を確保するということですが、その中には、育児についてもこれは男女共同の仕事だということもここにはちゃんと位置づけられているわけです。
 三点目には、そういうこととして、総理府だけとか労働省だけではなくて、関係省庁としてこういう問題に取り組むという点で、文部省にも目標と施策が課せられているわけですね。例えば学校教育では「学校教育活動全体を通じて、男女平等と男女の相互協力・理解を進めるよう配慮する。」それから家庭科教育の問題では、「男女が協力して家庭生活を築いていく」、それから「すべての生徒が主体的に自己の進路を選択する能力を伸長し、」「すべての生徒が」というのはこの中に女子生徒も入っていると思います。
 そういう点で、大臣の発言は、この新国内行動計画と真っ向から矛盾するといいますか対立するということになると思うのですが、いかがでしょうか。
○塩川国務大臣 私は、別にちっとも対立しないと思っております。
○石井(郁)委員 だれが見ても対立すると思うのですけれども、どうですか。
○澤田(道)政府委員 行動計画については、事務的に私どもフォローしておりますので、若干補足をいたしますと、例えば「育児期における条件整備の充実」という項目は、やはり行動計画の中にございまして、「育児休業制度の普及促進」とかあるいは「女子再雇用制度の普及促進」、これはやはり育児時代については、権利の関係は別として、育児の方について配慮すべき条項が入っているということでございますので、就業と育児とをどう調和するかというのは各家庭が慎重に判断すべきことであるということについては、この行動計画は否定しているものではないと思っております。
○石井(郁)委員 大臣に改めて伺いますが、どうして対立しないというふうにお考えになりますか。
○塩川国務大臣 私は、それはちっとも否定しておりません。肯定しております。だけど、石井さんもお子たちがあったでしょう。恐らくあったと思うのですよね。小さいときにあなたのお子たちに、学校から帰って親がおった方がいいか悪いか聞いてごらん、「おった方がいい」と言うのは当たり前ですよ。それで、親の中で「お父さんがおった方がいいかお母さんがおった方がいいか、どちらがいいか」と言ったら、「お母さんの方がいい」と言うのは当たり前の話ですよ。それを一回子供に聞いて、子供の気持ちを酌んでやってくれたらどうだろうということを私は言っておるのでございまして、行動計画に違反しろとか男女雇用均等法を否認しろ、そんなことは一言も言っておりませんから。
○石井(郁)委員 子供に聞いてみたらどうかというのはもう繰り返し聞いておるのですけれども、その点では私は後で議論したいと思っているわけです。
 今は性別、役割分担、固定的な役割分担、男は仕事、女は家庭、そのことを見直していく時期に来ている。そういう流れの中で、大臣が、女は家庭に戻るべきだ、こう発言されたわけですから、これはこの精神と違うというふうに私は申し上げているわけです。だれが見てもそうじゃないでしょうか。
○塩川国務大臣 それは、長いこと人間の歴史がありまして、日本人の生活の中でも、やはり家庭というものの考え方があり、行動指針が出たからあしたからようかんをかみそりで切ったようにぴしゃっとこうやる、というわけにいかないでしょう、現実の問題として見た場合に。その考えからいくならば、親ができるだけおってやってくれた方が子供のためにいい、しかもそれにはお母さんだ。だったら、お母さんはできるだけ、できるだけと私は言っておるのですよ、絶対家庭へ帰れなんて言っていませんからね。できるだけ家庭に帰って、子供が学校から「ただいま」と言って帰ってきたときには、お母さんが「御苦労さん」と言ってやったら、子供は随分と違ってくるよ、こういうことを言っておるのです。温かい家庭というのはそういうところだと思います。
○石井(郁)委員 温かい家庭がどういうものかも後で議論したいと思うのですが、こういう新国内行動計画、この施策を内閣として遂行していくということですから、関係閣僚の大臣としてどうなんですか、本当にやる気があるのですかないのですか。
○塩川国務大臣 だから、私はそれを認めていると言っているじゃないですか。ですから、育児が済んで、育児というか子供が学校へ上がって成長してくれば、お母さんもどんどんと社会的に出てもらったらいいと私は思いますよ。それは私たちも大いに歓迎することであるし、そういう社会こそ私は本当にいいと思います。だから、そちらの方はどんどん出てやってください。しかし、子供が一番大事なとき、学校へ行って神経も非常に敏感なときなんです、こういうときは、できるだけお母さんが一緒におってやってくれた方が温かいではないかということ、これは私は人情として否定できないと思います。
○石井(郁)委員 文部省の中でも、これはセミナーなんですけれども、国立婦人教育会館で実は家庭教育研究セミナーを開催しまして、母親が働くことと家庭教育とはどういう関係にあるのか、こういう調査もいろいろ行っております。例えばこれを見ましても、子供たちに聞いているわけです。これは中学生ですけれども、「男は仕事、女は家庭という考えをどう思いますか」、こういう役割意識の調査というのは、世論調査もありますし、いろいろありますけれども、大体この十年来、こういう固定的な役割意識というものはだんだん変わってきています。そういう中で、中学生たちも、この役割意識につきましては、それが「もっともだ」と思う者はもう二〇%弱なんですね。これは母親が働いている家庭の子供ですけれども、そういう家庭の子供はやはり「母親が働く方がいい」というふうに大体答えているわけです。そういうことがありますし、現実に働く婦人が大変ふえているのはもうずっと御存じのとおりです。
 大臣は、子供が小さいうちは家にいてやったらいい、大きくなったら出たらどうかと大変気楽におっしゃいますけれども、それでは日本の社会で、子育てを終わった三十代後半から四十代の婦人が気楽に仕事につけるような職場はありますでしょうか。
○塩川国務大臣 それは努力だと思います。例えば今パートの仕事が非常に多いですね。あなた御存じだと思うのですけれども、六歳から十五歳までの間の、小学校へ行っている人の――ちょっと静かに聞いてくださいよ、こっちは答弁しているのですからね。その間のお母さんの平均の有職者率は五十数%だというのですよ。そのうち雇用関係を持っておるのが三五、六%ですか、あと十何%、約二〇%近くはパートタイマーなんです、有職といいましても。パートタイマーのお母さんなんかでも時間でいろいろ考えられるでしょう。例えば午前中のちょっと忙しいとき、あるいは午後の忙しいときにやって、子供が帰ってくる時分に家に帰れるような配慮をお母さん自身がやろう。あるいはパートを雇う方とも話をすれば、幾らでもそういう話はつけられるのではないか。やはり努力をする必要があると私は思うのです。それは相手方のある話ですからそううまいこといくかどうかわかりませんけれども、そういうことなんかでも努力をされて、一時間でも多く子供のそばにおってもらうようにしたらということを私は念願して言っておるのです。
○石井(郁)委員 パートで働く場はないとは言いません。しかし、圧倒的な婦人たちが今のパートの現状に満足しているでしょうか。このことも婦人にぜひ聞いていただきたいと思うのです。決して満足はしていないと思います。だから、本当に婦人が能力を生かす、そして職業選択ができる、そういう点では決して甘いものではないということについても、文部大臣としてもっと正確な認識をしていただきたいと思うわけです。
 大臣は子供の気持ちを聞いてやってほしいということを繰り返されますので、そちらの方に話を移しますけれども、これも大臣がそうお考えでありまして、一体、本当に圧倒的な子供のどういう声をどこでお聞きになったのでしょうか。
○塩川国務大臣 私の周辺の人が皆そう言っておりますから。私自身もそう思っておりますし。私は子供が三人ありまして育ててまいりましたが、私が家におっても、やはり子供は「お母さんは……」と言いますから、それは今でも同じだと思います。
○石井(郁)委員 そういう話になりますと、大臣の周辺の子供、そして私の周辺の子供もいろいろ聞いておりますし、先ほどのお話のように私の子供もあります。そういう点では、大臣が思い込んでおられるような、家に帰ってだれもいないとか、お母さんがいてほしいとかいうのは、正確な子供の声ではないのですね。幼児期や小学校の低学年くらいにはそういうこともあるかもしれません。しかし、子供もそういう意識は変わってまいりますし、だんだんと働く母親について、また社会について、子供なりに考えて対応していくということは十分あるわけですね。それが一つ。
 それからもう一つは、家に帰って母親がいないと寂しいのではというところから出発すること自身もおかしいわけですね。子供はどうして家に帰らなければいけないのですか。子供は子供の仲間で、そういう集団の中で育つということがもっと保障される必要があるわけです。だから、ずっと言っておりますように、学童保育の充実だとかそういう社会的な施設が必要だ。そういう点は全く大臣のお考えにないわけですね。家に帰るものだと頭から思っていらっしゃるわけです。そういう点でもこれは全然合わない。
 それからもう一つは、私たちは、婦人が働き続けるに当たって、子供たちのことを決してほうっておるわけではないわけで、施設が不十分な中で大変いろいろとつらい思いをしながら働いている、そういう現状もあります。働く婦人がふえていく中で、それと家庭教育や子供の関係についてのいろいろな研究、実証的なデータ、そういうものもあります。どのデータを見ましても、大臣がおっしゃるようなデータを私はまだ見ておりません。子供たちはむしろ働く母親に誇りを感じているとか、共働きの家と母親が家にいる家庭とでは発達上の差があるだろうか、人格や精神面での差があるだろうか、それも見られないという結論に大体なっているわけです。これは、先ほどちょっと御紹介いたしました国立婦人教育会館が行っている母親の就業と家庭教育に関する調査の中でもそうです。こういういろいろな調査がございますので、大臣がやはりもっと今の実情とそれからこういう調査なども見ていただいた上で発言をしていただかないと、思い込みだけで言われては大変根拠がないことですし困ると私は思うのですね。そういう点でもっと働く婦人の現状、それから子供たちの実態、そういうものもやはり認識をしていただきたいと思うわけです。
 もう一つは、最近の育児の問題でも、母親が育児をするものだということも大臣は何か頭から思い込まれているわけですけれども、子育てにもっと父親が参加する、この父親参加ということももう世界的な動きになっておりますね。ここにはいろいろな年輩の方々や各年代の方がおられると思いますけれども、三十代、四十代のお父さんたちも大変頑張って子育てに参加をしておられる方もふえてきているわけです。今の日本では残念ながら労働時間が大変長かったりして父親が育児に参加できませんけれども、本来男女共同で家庭生活を守るのがやはり筋ではないかということですね。
 だから、そういう動きの中で、大臣の発言というのは極めて逆行するというか逆戻りをする、せっかく政府としてここまで施策を強めようとしてきた中で、逆行させるものだというふうに思うわけです。再度大臣の見解を伺います。
○塩川国務大臣 石井さん、あなたと話しておったって、私は人間の本当の心情というか本性から話しておるし、あなたのは理論で話しておられる。だって、六つや七つの子供が、うちの母親の働いていることに誇りを持っているなんて、そんなこと感じるでしょうか。私はそんなことはないと思いますよ。だって、そういう家庭一つにしましても、私らなんかもずっとほかの家庭にもよく行きますけれども、「お父さん、ごはん……」とは言わないですよ。「お母さん、ごはん……」と要求しますよ。やはり人情というものは、人間が生活を営んでおる間は、世の中が変わったから、どうしたからといって、そんなに変わるものじゃないのです。しかし、よく聞いてください。やはりこれからの、豊かさを求め、そしてより文化的で、よりいい社会をつくるというためには、先ほどあなたがいろいろとくどくどとおっしゃった婦人の行動計画とか、そういうものを逐次実行していかなきゃならぬということは私はよくわかる。これは全面的に肯定しているんですよ。しかし、そこには一挙に行くものではない。だから段階的に、私は一応子育ての済んだ御婦人の方はどんどんと社会に参加してもらったらいい、しかし子育ての間の人はできるだけ子供と過ごすことを考えてやっていただきたい。これもだんだんとそういう児童生徒、そういう子供たちを社会的に保育する体制が整ってくれば、それは十分可能な話なんですよね。そこへ一挙になかなか行かないのです。学校から帰ってきたら集団にほうり込んだらいいとおっしゃるが、そんなことは、子供は遊んでいるときは一生懸命、一緒に遊んでいますが、家に帰ったらいかぬ、それは暴論ですよ。だから私は、そういうことは人間の自然の中にやはり営んでもらいたい。しかし、よりいい社会を目指しての努力、これはもう大いにしなきゃならぬ、こういうことを私は申しておるので、だから京都で発言しましたのも、できるだけお母さんは子供と一緒におってやってもらいたい、そのためにはできるだけ家庭へ帰ってほしいということを言ったのであって、そんなに、婦人の行動計画と結びついてこれがどうのこうの、この政策を、男女同権を、雇用均等法を否定する、そんなこと私はちっとも言っておりませんから。
○石井(郁)委員 やっぱり大臣はわかっていらっしゃらないと思うのですね。母親が家にいてやってほしいということを、これは家にいるかいないかは本人が決めることでありまして、その女性自身が決めることではないでしょうか。どうして大臣がその人たちに、いてやってほしいとかいなさいとか言えるのですか。
○塩川国務大臣 私は「ほしい」と言っているのです。「おれ」なんて言っていませんよ。
○石井(郁)委員 これは重大なんですよ。一議員の発言というより大臣の発言なんですよ。大臣が、いてほしいという発言というのはどういうことですか。
○塩川国務大臣 いや、だから希望的発言です。
○石井(郁)委員 まだ発言中ですから、ちゃんと節度を守って言ってほしいと思うのです。――だから私は、これは大臣の発言として到底認められないということなんです。それぞれがどういう生き方をするのか、どういう選択をするのか、まさにこれこそが自由に属するものでありますし、またむしろ、今の日本では、本当に働きたいと思っても働き続けられないという、その現状こそが今問題になっているわけです。その施策をするべき文部大臣、文部省として、そこはむしろ何もしない、そういうことにこの発言がなるのではありませんか。もっと文部大臣としての責任ある答弁をお願いします。
○塩川国務大臣 責任ある発言をいたします。私は、人間の感情というものはそうかみ殺してできるものではなし、しかし、いい社会を目指すためにはやはりその努力をしなければならぬということを言っておるんです。
○石井(郁)委員 ですから感情はさまざまでありまして、大臣がどういう感情を持とうと。しかし、今よくわかりました。大変やっぱり古い世代のお考えだということもよくわかります。そんな感情で今文部大臣は施策を進めておられるのですか。違うでしょう。だからその辺をはっきり区別をしていただきたいと思いますね。大臣のそういう感情の発言が、結局文部行政の施策を一層後退させる、そういうことにつながるわけです。
 それから、大臣の発言としてはやっぱり社会的な意味があるわけですね。影響力があるわけです。私たちはそのことを問題にしたいと思います。ですから当然この「週刊新潮」も書かれているわけですね。発言としてはやっぱりどんどんひとり歩きするわけですよ。
 そういう点で、文部大臣として本当に、こういう発言を今後繰り返されないというふうにお約束していただきたいと思います。
○塩川国務大臣 私は、そういう制約は受けられません。
○石井(郁)委員 大変、私はやはり大臣の資格を疑いますね。非常に文部大臣としてのやっぱり資格が問われると思います。
 しかし、時間がありませんのでこの件については以上で終わりますけれども、子供と婦人の現状につきましては、文部省としてもっと認識を深めていただきたい。
 最後に文部省にも伺っておきたいと思いますが、大臣の発言については文部省としてはどういう見解をお持ちですか。
○澤田(道)政府委員 大臣の希望的発言が世の中の家庭で真剣に考えられることを期待しながら、行動計画についてはきちんと事務的にフォローしていきたいと考えております。
○石井(郁)委員 そういう文部当局の発言では大変困ると思うのですね。これ以上ちょっと時間もありませんので、また機会を改めたいと思います。
 次に、もういろいろ出ておりますが、私も学校給食について簡単に質問します。先ほど来学校給食をめぐっていろいろと議論もありましたけれども、主として業務のあり方などが今取り上げられておるようですけれども、私は中学校給食について伺いたいと思います。
 中学校の完全給食は、生徒数に比較をいたしまして現在約六〇%の実施率です。地域によりまして大変アンバランスがあって、一〇〇%の県もあれば一〇%会もある。もちろん給食の形態はいろいろですけれども、完全給食になるともっと低いと思うわけです。こう見ますと、大変遅々とした歩みだと思われます。しかし、中学校給食についてはこの普及に親も子供たちも大変要求が強いと思います。学校給食法の目的に沿って、文部省として一〇〇%普及への努力をもっとすべきではないかと思うのですが、その点の見解を伺いたいと思います。
○國分政府委員 中学校におきます学校給食の状況につきましては、御指摘のとおり、小学校に比べますと普及がおくれておるわけでございます。現在、完全給食で申しますと五九・二%、約六〇%という状況にあり、これが昭和五十年に五五・二ということで、年々少しずつはふえておりますけれども、歩みが遅いということが言えようかと思います。
 私ども、学校給食は、学校教育の一環として、正しい食習慣の形成でございますとか好ましい人間関係の育成という観点から大きな意義を持っておる、かように考えておりますので、今後とも中学校における学校給食の普及について努力をしてまいりたい、かように考えております。
○石井(郁)委員 そういう御答弁をいただいたのですけれども、中学校につきましては、生徒の非行の問題とか今いろいろありまして、現場でも給食の実施について二の足を踏むところもあるというふうに聞いておるわけですけれども、もっと中学校らしい、食堂方式だとかいろいろなことが考えられるのではないかと思うわけですね。その辺も含めて、計画的な整備ということでいいますと、もう少し具体的にお考えになられているかどうか、伺いたいと思います。
○國分政府委員 中学校の学校給食につきましては、お尋ねの中にもあったかと思いますが、普及の状況が地域的にかなり格差がございます。一般的に申しまして、大都市ないしはその周辺においてその実施状況が大変低いという傾向があるわけでございます。
 御案内のとおり、学校給食は戦後二十一年に始まりましたが、当時は小学校から始まったわけでございます。学校給食法が昭和二十九年に制定されましたが、中学校は三十一年から実施するというように、小学校に比べますと若干後発したという事情もありますけれども、大都市周辺においてそういう低い状況にございますので、最終的には設置者でございます市町村の責任において学校給食が行われるわけでございますので、未実施の市町村の今後ともの努力に期待してまいりたいというふうに思っております。
○石井(郁)委員 次に、英語の週三時間問題について質問したいと思います。
 これは中学校の週三時間問題ですが、英語は以前は四時間でありましたから、四時間にしてほしい、そういう運動は三時間実施のときからも大変世論としてありましたし、この運動は今も引き続いてあると思います。先日、私も国会で要請を受けております。そういう点で、英語の週三時間問題を取り上げるわけです。
 まず、週三時間が実施されて六年目だと思いますが、この実情について、今現場の中では一層この三時間を強制する、ゆとりの時間を振りかえて四時間にするなどということは許されないという点で、大変厳しいという声を聞くのですけれども、これが文部省の方針でしょうか。
○西崎政府委員 現行指導要領の制定当時の全体の一週間の授業時数が、精選という観点で削減されましたので、各教科の削減があり、したがって、英語につきましても一週間三時間という指導要領が定められ、その後の経緯といたしましては、やはり指導要領に従った一週間の授業時数、各教科・科目の授業時数を守ってやっていただくというのが趣旨でございますから、公立学校等すべて三時間で実施していただくということで推移してきておるのが現状でございます。
○石井(郁)委員 文部省としましては、三時間で進めておりまして、それで現在学習指導要領の英語教育の目的が達せられているというふうに考えておられるのでしょうか。
○西崎政府委員 学校教育において、それぞれの教科・科目の目標が定められておるわけでございまして、その目標に従った内容、そしてそれをこなすに必要な時間数、こういうような学習指導要領の定めになっておるわけでございます。
 先生の御質疑の趣旨として、現在日本が置かれている国際化社会という一つの立場、そういう点から、今後外国語教育を一層重視するというような前提もおありかと思うわけでございます。そういう意味では、今後、学校教育における英語の重視、そして英語授業時数の取り扱いについては十分検討する必要があるというふうにも思うわけでございますが、具体的には、今教育課程審議会でいろいろ検討している最中でございますので、私どもとしては、教育課程審議会の最終的な答申をいただいた後、授業時数あるいはその内容、目標等につきましても適切な対応をしてまいりたい、こういうふうに思っている次第でございます。
○石井(郁)委員 先に教育課程審議会のことが出ましたので、それではその点で伺います。
 教育課程審議会の中間報告では、確かに三から四ということが出されておりますね。しかし、教育課程審議会の答申が出され、そして学習指導要領に移され、それが実施されるとしたら、昭和六十八年ぐらいになるのじゃないでしょうか。だから、一つは、それまでずっとこの三時間を強制していくのかという問題ですね。現場でのもっと弾力的な運用を文部省としてはとられるおつもりがあるのかどうか。ちょっと結論になりますけれども、伺いたいと思います。
○西崎政府委員 英語の授業時数について教育課程審議会もまだ最終的な内容は確定していないわけでありまして、中間報告で示されておりますのは三時間ないし四時間、先生御案内かと思いますが、三年生で若干、波形などで示されておるような一つのパターンで英語も取り扱われておるわけでございます。したがいまして、仮に学校の取り扱いで三時間なり四時間なり弾力的な扱いが行われるとした場合、それでは四時間の扱いはどうかという点ですが、実際の新しい指導要領の実施は、教科書の編集、検定、採択というふうな諸手続が必要でございますから、そうむちゃくちゃに早くはできないわけでございます。やはり新しい指導要領ができるとすればそれの趣旨に沿った移行措置というものも必要でございます。その移行措置の期間において、どれだけ新しい指導要領の趣旨に従った実際の学校教育における扱いができるかという点については今後の問題でございまして、私どもとしては、新しい指導要領の完全実施の問題、それから移行措置における新しい指導要領の趣旨をどういうふうに生かすかという問題等をいろいろと検討しながら進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○石井(郁)委員 大体三から四というかそういう方向に進みつつあるというふうに受けとめられるわけですけれども、ただ問題は、中学生が本当に今教育を受けているわけですからね、そして三時間のために英語が嫌いになったり勉強がわからなくなったりしているという問題があるわけですから、今の子供たちを本当に救うということが大事ですね。
 そういう点で私、聞きますと、現場では非常に三時間の縛りがきつい、だから、もっと現場の実情あるいは生徒たちの実情に合わせて、その辺では以前のようなゆとりの使い方だとか、現場の自主的な時間の運用については文部省はもっとお考えになってはどうか。そういうお考えはあるでしょうか。
○西崎政府委員 やはり学習指導要領は学校教育の一つの守るべき基準でございまして、学習指導要領に定められました授業時数等は、やはり学習指導要領の趣旨に従って基準として学校では守っていただくということが私は必要だと思っております。
 ただ、英語教育の充実という点は時間数の問題だけではなくて、やはり中身の問題があるわけでございまして、中身の問題としては教える先生の問題もある、そういう意味では英語の先生で、聞くこと、話すことについてあるいは書くことについての英語教育の充実をするとすれば、ネーティブスピーカーの充実も必要であるというようなこともあるわけでありますから、私どもは時間数の問題だけでとらえないで、やはりことしの予算で全体の、これは交付税措置になるわけでございますが、研修費等は予算でございますけれども、諸外国からネーティブスピーカーに大勢来ていただく、そして中高への配置等都道府県にも御努力いただいて、英語教育自体の充実をしていきたいというふうにも思っているわけでございますので、時間数だけの問題ではなくて、先生方も含めた英語教育の充実は現時点においても着々と進めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○石井(郁)委員 もちろんそういうこともあると思いますけれども、時間数そのものが現場ではやはり大変重要だ。週三時間になりましてから、いろいろな学校の行事や何かで時には週二時間になってしまう、そうすると、英語というのはやはり続けているということが大事ですから、もう非常に間があいてしまって、子供たちの理解に非常に困難だということがあるわけですね。ですから、どうしてもやはり四時間が必要だ、あるいは特に中学三年生になったら四時間が必要だとか、いろいろ生徒たちの実態に応じてあると思うのですけれども、それをどうしても三時間の枠におさめる、そういう強力な文部省の指導だけはすべきでないというふうに思うわけですね。その辺で、強制をやめてほしいという現場の声にぜひともこたえるべきだというふうに考えるわけです。
 それから、これは先日の広島の方々のお訴えなんですけれども、広島では、この週三時間が困るという運動の中で、四時間にしてほしいという請願が市議会で採択されています。しかし市議会では、国の方針が、国が三時間と言っている以上はどうにもならないというふうに答えているわけですね。ですからやはり、いろいろその地域の実情、学校の実情に応じてその辺はやれるようにすべきだということを、重ねて文部省の見解を伺いたいと思います。
○西崎政府委員 先生のお話ではございますが、やはり国の基準として定められております学習指導要領は、英語だけでなくて各教科・科目ございますし、道徳もあるし、特別活動もあるわけでございます。それらをひっくるめて全体的な一つの教育活動の基準として示されておるわけでございますので、私どもとしてはやはり、英語の授業時数は、中学校なら中学校の全体の授業時数の一環として、基準として守っていただきたいというふうに思っておる次第でございます。
○石井(郁)委員 何かまたもとへ戻るのですけれども、しかし教育課程審議会の答申等、今後の指導要領の改定の中では三から四という幅ができそうだ、こういうことと今とっている方針とがこれもまた食い違うわけですね。だから、今からでもやはりやれることはやるべきだというふうに、普通に考えてもそうではないかと私は思うわけですね。
 子供たちの実態については言うまでもないと思うのですけれども、三時間になったために一層塾通いがふえているという問題があるし、先生にも親にも子供たちにもこれはもう大変な不評を買っているわけです。ですから私は、そういう方向で教育課程審議会が考えられているのですから、今からすぐにでもやはり何らかの弾力的なというか、柔軟な対応をすべきだというふうに考えるわけですね。
 英語がこれだけの、臨教審を含めて国際社会の中の日本とか国際化とか、文部省を挙げてそういうことを言っておられるわけですから、そういう中で、この三時間になったために一層日本人の英語の話学力が低下している。これは実施になりまして六年目。これもある大学の先生の話ですけれども、大学生がこの三時間で育ってきているわけですね。やはり非常に差が出てきておる、英語の力が落ちているということが実感として言われております。それはやはり日本人全体の問題にひいてはなっていくわけですから、今からすぐにでも、やがて是正されるというのなら、今すぐからでも是正すべきだという点で、文部省の見解をぜひとも確立してほしいというように思います。
○西崎政府委員 教育課程審議会におきましては、中学校の授業時数の問題、それから中学校の教育課程のあり方につきましては、やはり選択と申しますか、能力、適性、進度に応ずる個性を重視し、選択的な要素をいろいろと加味しようというふうな一つの方針がおありでありまして、これは英語のみならず、三年生については幅を持った授業時数を示すというふうなことがあるわけでございます。したがいまして、仮に英語が三時間ないし四時間というふうになりました場合にも、これは選択の問題として示されるであろうというふうに私どもは予測されるわけでございますが、そのような一つの方向というのが、現時点における英語教育の重視という方向で教育課程審議会がいろいろ検討されているということは私どもも承知しておりますし、それはそれで結構なことだと思うわけでございます。しかし、現時点において、それでは英語だけ授業時数の枠を外すということとはこれはまた別の問題でございまして、全体の学習指導要領の今の姿からして、英語につきまして重視することは、授業時数の問題だけでなくて、全体の英語教育をどういうふうに充実していくかという問題としてとらえ、それぞれの学校教育において、先生方の面あるいは設備の面、生徒のいろいろなドリルの面等において、あるいは個別指導の問題もございますが、そういう方向で現時点におけるできるだけの努力をすべきであるというふうに考えておる次第でございます。
○石井(郁)委員 時間がありませんので、次の問題に移ります。
 初任者研修制度の問題です。初任者研修制度は、ことしから予算の裏づけを持って試行が始められているわけです。きょうは時間もありませんので、私は二つの問題に絞って質問します。
 一つは、この初任者研修制度は、新任教師に対してマンツーマンで指導教員がその研修指導に当たるということですけれども、この指導教員の身分といいますか権限といいますか、そういう問題について、文部省のモデル案によりますと、「指導教員は、関係学校の教頭、教諭または非常勤講師の中から、当該関係学校の校長の意見を聴いて、当該関係学校を所管する教育委員会が命ずる。」というふうにあります。四月から始まったところなんですけれども、この指導教員がいろいろな形で命ぜられているのではないかと想像されるのですけれども、これは文部省モデル案ですから、今試行されている都府県、どういう形で指導教員が決められているか、ちょっと内訳を教えていただきたいと思います。
○加戸政府委員 本年から三十六の都府県、指定都市におきまして、初任者研修の試行を開始いただいているところでございます。文部省で一応お示ししましたモデル案は、参考としてお流ししたわけでございます。
 ただいまの御質問の、指導教員の命課方法でございますけれども、各都道府県段階におきまして、あるいは指定都市段階において、必ずしも文部省のモデルどおりではございません。しかし、多くの県が文部省のモデル案によりました教育委員会が命課をするという方法をとっておりますけれども、一部の府県におきましては、校長が命課をし都道府県教育委員会に報告をする、あるいは校長が都道府県教育委員会と協議の上、任命するといったような態様もございまして、そういった方法が約四分の一ぐらいの都府県にございます。
○石井(郁)委員 指導教員は教育委員会の任命ということですけれども、任命ということではこれまでどういうケースがあるのでしょうか。例えば主任制度などもそうなのかもしれませんけれども、その点ちょっと教えていただきたい。
 それから、任命ということで、例えばこの初任者研修の場合の教員の身分と権限ですね、それについて文部省はどのように考えておられますか。
○加戸政府委員 御承知のように、都道府県教育委員会あるいは指定都市の教育委員会が任命権を有しているわけでございまして、現在その任命権行使の態様といたしましては、それぞれ校長、教頭あるいは教諭といった具体的な身分についての発令、あるいは校務分掌といたしましては、市町村の教育委員会がそれぞれ、主任を命ずるといった具体的な職務内容の命課というものを行っているわけでございます。
 ただいまの初任者研修の試行につきましては、都道府県教育委員会ではなくて市町村教育委員会が命課をするということでございまして、職務の分担といたしまして、学校においてどのような仕事をしていただくかという命令を市町村教育委員会から出しているケースでございます。
 なお、先ほど申し上げましたように、学校長自身が命課をしているケースもございます。これは、市町村教育委員会からの授権を受けて、校長先生がそのような具体的な命課の方法をとるということでございます。
 いずれにいたしましても、理論的に申し上げますれば、指導教員の命課の形態といたしましては、当該学校の教員にその学校における新任教員の指導に当たるようにという職務内容を付加したものと考えておるわけでございます。
○石井(郁)委員 現在のところ、実際その当該学校のどういう教員が指導教員として命ぜられているケースが多いか、その辺までも文部省はつかんでおられるでしょうか。
○加戸政府委員 具体的な状況はまだ全部は把握いたしておりませんが、多くの都道府県におきましては、当該学校におきます経験豊富な、かつ指導力豊かな教員ということでございまして、例えて申し上げれば、主任クラスの教員が比較的多いように承知をいたしております。また一部の県におきましては、教頭先生を充てる場合もございますし、あるいはもう少し経験年数の短い教員を充てているケースもございます。さらに、これもまた一部の地域でございますけれども、いわゆる非常勤講師として採用されました退職教員による具体的な指導のケースも若干あるようでございます。
○石井(郁)委員 もう一点。教育委員会の任命ということで、主任制度とは異なる点が何かあるのでしょうか、あるいは同じような性質のものなのかどうか、その点もちょっと伺っておきたいと思います。
○加戸政府委員 主任の職務といたしましては、学校の中におきます業務の連絡指導に当たられるいわゆるチーフ的な立場の方でございまして、研修との関連で申しますと、研修主任という制度を設けられている学校もございます。あるいは教務主任がそういった内容も兼ねられている場合もございますけれども、今回の指導教員の命課といいますものは、当該初任者、いわゆる新任教員の個に即しまして具体的に指導を行うということでございまして、今あります主任の、学校の中での校務分掌体制の中で取りまとめをし連絡指導をする性格とは必ずしも一致はいたしません。しかしながら、当然指導教員でございますので、個に即した指導を行うと同時に、学校の中におきます研修体制あるいは校内の研修の調整といったような役割も果たすわけでございますから、主任的な要素も職務内容としては持ち得るだろうと思います。しかしながら、性質的に申し上げますれば、主任そのものであるというケース、あるいは主任職といいますか連絡調整というよりも、むしろ個別的な指導のウエートの方が高いというようなケースもあろうかと思います。これは、学校におきます具体的な指導の態様によって異なるものと理解しております。
○石井(郁)委員 いろいろ伺ってきたのですけれども、実は問題にしたいのは、教育委員会が命ずるということで、指導教員と新任教員の間に、指導教員が職務権限的なものをやはり持つのではないかという心配が大変あるわけですね。そう考えられるわけです。そういう点が一つと、私どもは、研修ということの中に、教員と教員の間にそういう特別な指導と被指導といいますか、あるいは職務的な権限を持ち込むということが本来なじまないというふうに考えているわけですが、その点で、そういうものになっていくのではないかということですね。
 だから、指導教員は学校の校務分掌の一環として、その学校の中で集団的に検討されてだれかが任に当たるということぐらいでいいのではないか。なぜ教育委員会が命じなければいけないのか。こういう点ではまだ非常に問題が残ると思うのですね。その辺で、そういう指導教員の職務権限的なものが考えられているのかどうか、伺っておきたいと思います。
○加戸政府委員 この初任者研修の試行は、まさに教員の資質向上の主要な眼目点といたしまして、重要施策として取り組んでいるわけでございます。そして、だれかが具体的な責任者となって、その初任者研修の中核的な存在として指導していただく、こういう立場でその仕事を分担していただくわけでございますし、またそれは、単なる当該学校の教員の研修をするということだけではなくて、当該都道府県内に採用されました教員として、その当該都道府県内のどこの学校へ勤務しても通用する教員として立派に育ってほしいという願いが込められているわけでございます。
 そういった視点に立ちまして、具体的な学校におきます先輩教員として後輩の指導に当たっていただく仕事分担を市町村教育委員会に命じていただくということでございまして、今先生がおっしゃいましたように、特定の先生がついてやるのかどうかという御疑問もございますけれども、私どもの立場といたしますれば、いわゆる校内の全校体制の中におきます研修も必要でありますと同時に、だれか中核になる具体的な先生が直接に新任教員の指導をしていただくということに、今回の試行の最重要的な価値を認めているわけでございまして、そういった趣旨に沿いまして、責任を持って先輩として後輩を育成する、あるいはアドバイザーとして立派に育てていただく、そういうお助けをしていただく重要な立場にある仕事と理解いたしております。
○石井(郁)委員 そういう意味でしたら、別にあえて指導教員として教育委員会が発令しなくても、いろいろなことでできるわけですね、学校には当然若い先生と先輩の先生がおられるわけですからね。なぜあえて特定の指導教員を一人つけなければいけないのか、そういう問題になるわけです。
 私が伺ったのは、指導教員による職務的な権限というか、それが一体あるのですかないのですかということを伺ったわけです。その点を端的にお答えいただきたいと思います。
○加戸政府委員 学校の教員は、本来児童生徒の授業に当たるわけでございますけれども、指導教員としての仕事をしていただくためには、本来のそういった仕事よりもはるかに付加されます、例えば今の試行でございますと、年間七十日程度の個別的な指導という形でいわゆる新任教員の指導に携わっていただくわけでございますから、大きな職務内容の変更になるわけでございます。その意味におきまして、教育委員会が学校長の意見を聞いて判断するのが適切であろうと考えているわけでございます。
 それから、具体的な命課をされました教員は、職務として新任教員の指導に当たる義務を負うわけでございまして、その意味におきましては、いわゆる学校の校務分掌の一つといたしまして初任者研修に当たっていただくということでございます。
○石井(郁)委員 もう既に試行の実態というか、これが集約されて発表されてもおりますので、いろいろ問題もあると思うのですね。新任の教員に一人の教師がつくということで、先生の先生がいるということで、子供がかえって新任の教師に不信を持つということも言われております。それから、学校全体の集団から隔離されているというか、マン・ツー・マンですから、一対一で研修が行われているということで、他の教師全体からすると一体何が行われているのか一向にはっきりしないという点もありますし、新任の教師にとってもいろいろな不安の中で職場からいわば隔離されて研修が行われているということもありますし、この初任者研修は実態で大変問題があると言われていると思います。
 そういう点では、私どもは、マン・ツー・マンというこの研修のあり方も含めて、もちろん初任者教員に対する研修が必要でないとは私も考えておりません。だから、本当に教師の力量を上げていくためにはどんな研修やどんな学校、教師の集団がいいのか、あるいは親との関係がいいのかという点については、今後一層考えていきたいし、文部省でも、もっと実態をつかんだ上で、本当に現場の教師の声といいますかそういうことを受けとめて、この初任者研修の指導に当たっていただきたいということを最後に申し上げまして、時間が来ましたので質問を終わります。
○愛知委員長 山原健二郎君。
○山原委員 これは申し上げるつもりはなかったのですが、石井さんと文部大臣との婦人の問題をめぐっての先ほどの討論を聞いておりまして、一言申し上げたいと思うのですが、どうしてもかみ合わない点があるわけですね。私は、文部大臣のおっしゃる、子供に「お母さんがおった方がよかろう」と言えば、子供は「その方がいい」と言うというようなことも、それは間違いではないと思います。けれども、御承知のように、日本の婦人の地位というものが諸外国に比べて随分おくれている部分があることもこれは事実なんです。
 だから私は、私の今生活しておるところは高知市ですが、その高知市内の今は真ん中になっておりますけれども、上町村、小高坂村というのが明治時代にございまして、ちょうど自由民権運動のときに、この二つの村で初めて婦人の参政権が与えられたことがあるのです。これは片岡健吉、最初のころの衆議院議長をした人ですけれども、そういう人たちの運動がございまして、世界で初めて婦人が選挙権を持ったという歴史があるのです。
    〔委員長退席、高村委員長代理着席〕
そのときに、楠瀬喜多という婦人がおりまして、これは民権ばあさんと呼ばれておりますが、何遍も政府に交渉しまして、婦人が選挙権を持たぬのはけしからぬじゃないかということで、かち取ったことがあります。けれども、その後自由民権運動があのような挫折をしたり、あるいは激しい弾圧などもございまして、ついに婦人参政権は得られずに、婦人の地位はそれから向上することなく、婦人は家庭へ帰れ、このスローガンのもとに長い長い歴史を歩んできまして、戦後初めて日本の婦人は選挙権を得たわけです。戦後初めて男女賃金の同一化という闘いがありまして、一つ一つから取ってきたわけです。
 でも、やはりおくれているんですね。これはよその国へ行ったらわかりますように、国会議員だってどこの国でもほとんど三分の一は婦人なんです。それに比べますと、やはり立ちおくれた部分があるわけです。それをどう民主的に解決していくかという立場に立たされているのが文部大臣ではなかろうかと私は思うのです。これは憲法にも性別によって差別されないという条項がございます。教育基本法には御承知のように民主的で平和的な人間を育成するという大目標があるわけですね。
 そうしますと、文部大臣の任務は何かというと、やはりこの国のおくれた部分を少しでも民主的に改善をしていく、これが大臣に与えられた任務ではなかろうか。ここのところで論議をしていけばかみ合う面も出てくると私は思いますけれども、心情的、人情的、こう言われますと、確かにそういうものもあるわけですから、そこのところで問題が混乱をしてしまう。そして、今度の文部大臣の発言について、多くの婦人の皆さんだけでなく、男性の皆さんからも批判が出るのも当然だと私は思います。そういう点では、文部大臣の任務とは何か、この社会を民主的に前進させていく、そして婦人のおくれた地位を改善していくんだ、解決していくんだ、そういう構えで、今後、どの場所へ行かれましても、御発言をしていただくことが妥当なのではないかというふうに私は思いますので、最初にそのことを申し上げたいと思います。
 老婆心のごときことを申して大変恐縮でございますけれども、先ほど聞いておりましてそのことを痛感しましたので、最初に申し上げておきたいと思います。時間がありましたらまた御発言いただきたいと思いますが、きょうは時間がありませんので。
 そこで、最初に、文部大臣の諮問機関である学術審議会が文書を発表されておりまして、二十二の国立大学にある七十一の附置研究所すべてについて五段階評価を行いまして、中には「組織全体として改変すべきもの」というような、スクラップを指示するがごとき文書を出しております。これは一九八三年から八四年にかけまして研究所等検討小委員会をつくって、それが評価をしたと言われておるのでございますが、この検討委員会のメンバーはどういう人たちによって構成されておりますか、まずお伺いしたいのです。
○植木政府委員 学術審議会の研究所等検討専門小委員会の委員でございますが、学術審議会の委員が五名、そのほかに専門委員が四名で構成された小委員会を設置したわけでございます。
○山原委員 五名のわずかな委員によって、七十一の長い歴史を持つ附置研究所の内容を評価すること自体が私は無謀なやり方だと思うのですよ。その内容自体を見ましても、研究所設立の意図、趣旨から見て現在も妥当であるか。妥当と言いがたい場合、別研究の目的を持っているか。それは妥当か。あるいは研究所の現状から見て設置形態は妥当か。また研究所の流動性はどうか。人事は交流が適切に行われているか。所外との交流は適切に行われているか。また研究所の規模、組織、運営は妥当か。こういうものなんですね。
 それで、コメントがつけられておりますが、それを見ますと、例えば東京大学の社会科学研究所につきましては、「日本の社会科学研究の縮図の観。研究部門の構成が全く無体系で、講座の総花的集合と化している。国際交流の実績に乏しい。研究所としてのアクティビティは低い。」こういうふうに書かれております。これは五段階で最悪ですね、A1となっております。それからもう一つA1、これは東京大学の新聞研究所ですが、どういうふうなコメントがついているかといいますと、「大学の附置研究所としては存在理由なく、現状の研究組織程度ならば、文学部に合併吸収するのがもっとも自然で有効な方向であろう。」というふうな評価がなされているわけでございますけれども、行政機関の一つとしてこういう評価をし、しかもいわば勝手に改組等を押しつけることは、まことに大きな問題だと思うのでございます。これはまさに研究内容への評価であり、行政機関がやるのはまさに国家統制につながるのではないかと思うのですけれども、こういうことは全く正しいやり方ではないと私は思います。
 そして、今おっしゃいました五名の委員、それからさらに四名の専門委員あるいは担当科学官三名、これを全部合わせましても、例えば文科系の方は梅棹忠夫さんお一人なんですね。あとの方は全部理科系といいましょうか、そういう自然科学系の人たちなんでしょう。たった一人の人が文科系、社会科学系で、それで五段階評価をするというやり方が果たして正しいのか。文部省としてまさか正しいとは思っておらないと私は思いますが、この点はどうでしょうか。
○植木政府委員 学術審議会におきまして昭和五十五年十一月に文部大臣から諮問がございました。「学術研究体制の改善のための基本的施策について」、学術審議会で審議が始まったわけでございます。昭和五十九年二月に答申が出たわけでございますが、学術審議会におきます審議の過程におきまして、研究体制の整備ということについていろいろな議論、御検討をいただいたわけでございます。そういうわけで、その過程におきまして、個別の研究所につきましてもいろいろな議論が行われたと承知はいたしておるわけでございますが、今先生がおっしゃったような、個別の研究所について学術審議会としての意見をまとめたというようなものはないわけでございます。
○山原委員 現実の問題として、例えば一、二の例を挙げますと、九州大学の生産科学研究所では三年前から所員会議でA1ランクだと言われまして、文部省から指示されたと言われております。また群馬大学内分泌研究所について、ことしA1ないしはA2である、そういうランクだと言われておるということを私はお聞きしているわけですが、こういう事実はないのでしょうか。
○植木政府委員 先ほど申し上げましたように、学術審議会の途中におきましていろいろ特別の研究所につきましても討議、議論はあったと承知しておりますが、学術審議会としての個別の研究所についての意見をまとめたものはないと承知しております。
○山原委員 ないということでございますから、それならそれで、こういうことがあって、またそれに基づいて文部省が指導するということになりますと、研究評価、研究所整備の臨教審答申の先取りではないかというふうな感じが私はまさにしますし、また、行政当局のあり方は研究所の自主的な改革を援助するのが本来の目的であろうと思うのです。そういう点で、今そういうまとまったものがないとおっしゃいましたから、あれば本委員会に提出をしていただいてそういうことがないようにしていただきたいという発言をしようと思っておったのでございますけれども、そういうものはないとおっしゃられるのですからそれでいいわけですが、そういう点では十分に慎重な態度をとってもらいたいということを申し上げたいのですが、よろしいでしょうか。
○植木政府委員 先ほども申し上げました学術審議会で「学術研究体制の改善のための基本的施策について」という答申がございまして、研究所の体制の整備についても指摘があるわけでございます。
 文部省といたしましては、この学術審議会から指摘、答申を受けました点等を踏まえて、研究所に対していろいろ指導を行ったりあるいは御相談に応じたりということをいたしておるわけでございます。
○山原委員 それならば私は申し上げたいのですけれども、今おっしゃったように、五名の方々によって構成されている審議委員、そういうわずかな人によって、附置研究所というものが、財政的にも苦しい中でいろいろ苦労をしてやっているものに対する五段階の評価、しかも改組を求めるというようなやり方、そういうやり方は正しくないということを申し上げておきたいと思うのです。きょうは時間がございませんからこの問題はこれでおきますけれども、これは指摘にとどめておきたいと思います。
 それから、もう一つの問題は、今度五月十九日の各紙が報道いたしました国立大学の寄附講座、いわゆる冠講座の開設の問題でございますけれども、文部省は、新聞によりますと、国立大学にも企業などの民間寄附で一〇〇%賄う寄附講座を開設できるように、十九日までに国立学校設置法施行規則を変えたと報じております。同時に、東京大学の寄附講座要項なるものが掲載をされておるのでございますが、文部省が寄附講座開設に踏み切った理由は何でしょうか、簡明に答えていただきたい。
○阿部政府委員 御質問にございましたように、このたび関係の省令を改正いたしまして、各大学の判断によっていわゆる寄附講座を設けることができるようにという根拠規定を置くことにいたしたわけでございます。
 これは申し上げるまでもないことでございますけれども、国立大学における教育研究の内容を豊富にし多様なものにしていく、そして生き生きとした教育研究活動が行われるようにしたいというねらいに基づくものでございまして、こういうものを設けることによりまして大学と社会の適切な連携が一層緊密になってくるであろう、あるいは外部資金の導入等によって効果的にこれを活用した教育研究活動ができるであろう、さらには各大学の自主的あるいは弾力的な運用というものがいろんな面でやりやすくなってくるであろうというようなこと等を踏まえまして、これは大学関係者からもかねてからいろいろ要望があったところでございますけれども、昨年の四月に臨時教育審議会からもそういう御指摘がございました。そういったような御指摘を踏まえまして、このたびそういうことを制度化いたしまして、各大学の判断によってこれができるようにという仕組みをとった次第でございます。
○山原委員 臨教審答申は民間活力の導入ということがあるわけで、第三次答申で、高等教育に対する公財政支出が日本は大変不十分だということを指摘しておりますね。しかし同時に、臨教審は指摘しながら、資金の多元的導入を提唱しまして、また社会人の任用の拡大を言ったわけですが、今局長がおっしゃったように、早くもそれを具現化するというのが今度のものではないか。しかもその内容は、大学教育のあり方をまかり間違えば抜本的に変えるとともに、学術研究が国民のためではなく、国家と大企業のために従属するという重大な事態を招きかねない危険性をはらんでおると私は思うのです。そのことについて少しお尋ねをしたいと思います。
 今度の施行規則の改正と東京大学の寄附講座要項はまことに我々にとっては唐突なものでございまして、法的にも疑義があります。
 まず第一番に、設置法施行規則改正では、「寄附講座に係る経費は、国立学校特別会計法第十七条の規定により国立大学の学長に経理を委任された金額をもって支弁するものとする。」としております。ところが、同会計十七条は、「国立学校における奨学を目的とする寄附金を受けた場合において、必要があるときは、文部大臣は、当該寄附金に相当する金額を国立学校の長に交付し、その経理を委任することができる。」こうなっておるわけでございます。この「奨学を目的とする寄附」とは一体どういうものなのかということが問題になってきますが、これはどうお考えですか。
○阿部政府委員 国立学校の特別会計制度の中の経理の一つの仕方といたしまして、奨学寄附金という制度があるわけでございます。この奨学寄附金と申しますのは、民間等から国立大学に寄附を受けました場合に、それを、寄附の目的は大体のものが学術研究の振興に資するとか教育の振興に資するとかあるいは中には学生に対する奨学金の支給に使ってもらうとか、いろんな中身のものがございますが、それを一括して学術の振興に資するという意味で、奨学寄附金と言っておるわけでございます。それを全部国の会計に組み入れましてまた別途歳出を組んでという、技術的に大変難しいことをしないで、その部分につきましては、歳入として入ってきました寄附金を各大学の学長にそのまま委任をいたしましてそこで経理ができるようにするという、大学の経理の弾力的な運用の一つの制度として従来からあるものでございます。
○山原委員 これは法の性格をゆがめるものではないかと思うのです。これまでの奨学を目的とする寄附というのは、ただ学問の奨励、研究の奨励という寄附でございまして、特定の目的、また見返りを想定しないものであったわけです。ですから、国立学校特別会計に繰り入れて国立学校の長に経理委任をしておったわけですね。ところが今度の規則改正で、東大の寄付講座要項を見ますと、「「寄付講座」とは、個人又は団体の寄付による基金をもってその基礎的経費を賄うものとして置かれる講座をいい、」奨学寄附金の目的が寄附講座設立を目的としていることですね。これは目的がそういうふうになってきたわけです。しかも「前項にいう「基礎的経費」には、おおむね、次に掲げる経費が含まれるものとする。」といたしまして、「(1)寄付講座教官の人件費及び旅費(2)寄付講座における教育研究に必要な経費」という特定の目的にしているわけでございます。そうしますと、設置法の施行規則の改正によりまして、逆に国立学校特別会計法の中身がここで変わってくるわけです。規則改正によって法の精神といいますか法の中身が変更されるということは、これは全くとんでもないことだと私は思います。幾ら弾力化だといっても、今までの法律を利用しながら規則改正によって法の中身が変わってくるなどということは、やってはならないことだと思うのですが、あえてそれをされたわけですね。
○阿部政府委員 奨学寄附金の制度は、そういう研究その他の目的に使ってほしいということで各寄附者から寄附がされまして、それを委任経理として使っておる、従来からもそれは教育研究面での運営費等にも使い、人件費等にも使っておるものでございまして、私どもは格段法律に違反しているとは思っておりません。
○山原委員 特別会計法によって、文部大臣が必要のある場合には学長に渡して、学長にその権限を委任していったわけでしょう。それが今度は相当違いますわね。特定の目的にこれを使っていくということでございますから、そういう点から見ましても、もちろんこれまでも奨学寄附金制度はあったわけですが、それがここで変わってくるわけですね。
 それから、時間がありませんから次へ移りますけれども、文部大臣裁定というのが出ておりますね。ここへ持ってきておりますが、ここには外国人の任用問題がうたわれております。奨学寄附金が外国のどの国から、あるいはどの国の何々会社から幾らというふうなことが今御説明できますか。
○阿部政府委員 奨学寄附金という形で外国あるいは外国人から寄附をちょうだいして、委任経理で措置をしているというケースは、従来からも何件かあるわけでございます。具体には、昭和六十年度の数字で申しますと国立学校全体で七十九件、金額にいたしまして一億二千八百万円は、外国からの寄附として国立大学がいただいて、教育研究に役立てているという経緯はございます。
○山原委員 これからは、施行規則の改正によりまして、外国からの寄附講座もできるというふうに解釈してよろしいですか。
○阿部政府委員 制度的にはそういうことを禁じておるということではございませんので、例えばある国から、その国の何々文学の講座を何年間寄附したいというようなケースはあり得ることだろうと思います。
○山原委員 今、私は、東京大学の先端技術研究所に対しましてNTTから五年期限で一億五千万円、新日鉄、NEC、CSKから三年期限で寄附講座開設の申し込みがあると聞いております。この後の方は約九千万円、こう言われておりますが、まかり間違えば、冠講座ですから、NTT講座、新日鉄講座、NEC講座というふうなことになり、さらには外国企業の寄附講座が開設できるとなりまして、それも冠講座ということになれば、例えばフォード講座あるいはロッキード講座とかいうようなことになってまいりますと、まさにこれは企業大学という方向に向かう可能性がありますね。いわば国鉄の分割・民営と似たような大学の分割・民営じゃないかということまで考えられるわけですが、この寄附講座における講座内容、研究内容はどのようにして決めるのですか。お金を出している民間企業が最も強い権限を持つのではないでしょうか。
    〔高村委員長代理退席、委員長着席〕
○阿部政府委員 大学でどういう講座をつくるかつくらないかということは大学が判断をすることであり、その内容等をどうするかも当然大学の自主的判断によることでございます。大学の自治の観点からいいまして、外部によって動かされるという性格のものではないと思っております。
 なお、先ほど冠講座についての名称についてのお話がございましたけれども、これまでも例えば、施設等の寄附を受けました場合には、最近では例えば名古屋大学の豊田講堂でございますとか富山大学の黒田講堂でございますとか、あるいは奨学寄附金の例で申しますれば、これも東京大学で例がございますけれども、日本証券の奨学財団の助成金であるとか、そういうような形で、寄附をしていただいた方の御好意に報いるという意味での冠を冠するというようなケースは、従来からもあるわけでございます。
 文部省といたしましては、冠をつけるつけないについて特段の指示等をする考えはございませんけれども、各大学の自主的な御判断に任せるべきことだ、こう考えております。
○山原委員 この講座の人事権はどこにありますか。
○阿部政府委員 大学の人事でございますから、大学の人事権のもとで処理されることでございます。
○山原委員 これは例えば三年とか五年とか期限を切ってやっているわけでしょう。その身分がどうなるか、客員教授あるいは非常勤講師とかいうようなことになってきますと、いろいろな問題が起こりますね。その辺のことも文部省としては検討されておりますか。
○阿部政府委員 身分は、日本人の場合には非常勤の教員、いわば非常勤講師のような格好のものになると思いますので、そういう形で年次を区切っての採用ということになってくると思います。客員教授というような名前は、これは呼称としてそういう呼び方をしてもいいということを制度で認めておりますけれども、そういう地位があるわけではないわけでございます。
 なお、外国人をこれに迎えるというような場合には、外国人との勤務契約という公務員法上の制度がございまして、今外国人教師等の採用も行っておりますけれども、それと同じような関係での契約によって採用するということに形式的にはなってこようかと思っております。
 そういう意味で、これまで行われておる仕組みで実施ができますので、特別に新しい仕組みをつくるわけではないわけでございますから、特に任用上の問題等はないと考えております。
○山原委員 もう時間がございませんので、この客員教授は学生の指導に当たるかという点が一つです。
 それからもう一つは、寄附講座では学生の取得単位に換算されるかどうかということを伺っておきたいのです。
 それからもう一つは、これまでの奨学寄附金の場合は文部省との事前協議はなかったわけですね。ところが、今回の寄附講座設置については、「事前に文部省と必要な協議を行うものとする。」と定めております。これは文部大臣裁定の中の「その他」のところに書かれておりまして、結局、あなたは今大学が自主的にすべて決めるのだということをおっしゃいましたけれども、この条項、「事前に文部省と必要な協議を行うものとする。」という文部大臣裁定から見ますと、大学の自主的設置というよりも、文部省がやはり介入する道をちゃんと開いているのじゃないかということが考えられる点ですね。これが一つ。
 それからもう一つは、そういうことから考えますと、国からの統制、また民間からお金を出した、その出した企業からの介入を受けるという事態が起こるのは当然のことでございまして、このことによって、結局、大学またそれを構成する国家公務員が特定の企業の利益につながる行為、すなわち特定の企業の研究に協力するということ自体が、考えようによりますと、「すべて公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない。」という憲法十五条に抵触するのではないかというふうに私は考えるわけです。その点につきまして、結局、大学の自主性あるいは大学の持っている計画的発展が阻害されまして、金で企業のいわば持ち物、下請あるいは食い物にされるのではないか、またそれは憲法上重大な問題をはらんでおるのではないかということを指摘しておきたいと思うのです。
 そういう意味では、今回の寄附講座の開設は私は直ちにやめるべきだと思うのです。また、文部省としても、今までの経緯から申しましても慎重な態度をとるべきだと考えておるわけでございますが、この点についての見解を伺っておきたいのです。
○阿部政府委員 いろいろ御質問がございましたけれども、もちろん非常勤の教員として採用されるわけでございますから、その方々が講義等を行い単位の認定等を行うということはあり得ることでございまして、これはそういうことがあるということでございます。
 事前に文部省と協議ということを指導いたしましたのは、初めての制度でございますので、これにいろいろの難しい問題等も出てくる可能性もございますから、文部省が監督をしてどうこうという考え方ではなくて、この運用をスムーズに進めるためにはいろいろ相談をしながら進めた方がいいであろうということで、初めての制度なるがゆえに考えたということでございますので、これはひとつ誤解のないように御理解を賜りたいと思うわけでございます。
 なお、この制度を設けました趣旨につきましては、最初に申し上げましたので繰り返しませんけれども、とにかくこれの運用、設置するかしないか、どう運用するかということは、各大学が各大学の自主的判断によって考えて実施をするということでございますので、私どもとしては大学を信頼して対応していきたい、こう思っております。
○山原委員 意見がございますけれども、時間がまいりましたので、これでおきます。
     ――――◇―――――
○愛知委員長 内閣提出、学校教育法及び私立学校法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。塩川文部大臣。
    ―――――――――――――
 学校教育法及び私立学校法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○塩川国務大臣 このたび、政府から提出いたしました学校教育法及び私立学校法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 今日、さまざまな新しい時代の要請の高まりにこたえて、大学を中心とする高等教育の改革を推進することは、我が国の将来を築く上で極めて重要な課題となっております。
 そこで、臨時教育審議会の第二次答申を踏まえ、大学関係者を初め、広く各界の英知を結集して、大学等の高等教育の改革を積極的に推進するため、高等教育に関する基本的事項を調査審議する機関として、新たに大学審議会を文部省に設置しようとするものであります。
 また、関連して、既設の大学設置審議会及び私立大学審議会を再編統合し、これまで大学設置審議会の所掌とされた大学等の設置の基準及び学位に関する事項につきましては大学審議会の所掌とするとともに、私立大学等の設置認可及びこれに伴う学校法人に関する寄附行為の認可を総合的に調査審議する等の機関として、大学設置・学校法人審議会を文部省に設置しようとするものであります。
 次に、法律案の内容について御説明いたします。
 第一に、大学審議会につきましては、文部大臣の諮問に応じ、学校教育法によりその権限とされた事項及び大学に関する基本的事項等を調査審議して答申するとともに、必要に応じ文部大臣に勧告することをその所掌事務とし、文部大臣が内閣の承認を経て任命する二十人以内の委員で組織することといたしております。
 第二に、大学設置・学校法人審議会につきましては、学校教育法、私立学校法及び私立学校振興助成法によりその権限とされた事項を調査審議して答申するとともに、必要に応じ文部大臣に建議することをその所掌事務とし、大学関係者及び学識経験者のうちから文部大臣が任命する六十五人以内の委員で組織することといたしております。
 また、同審議会に、大学設置分科会及び学校法人分科会を置くことといたしております。
 さらに、学校法人分科会につきましては、実質的に現在の私立大学審議会の任務を引き継ぐこととし、その組織につきましても、私立学校法の趣旨目的である私立学校の自主性に配慮し、現在の私立大学審議会と同様となるよう、組織の基準及び委員候補者の私学団体による推薦について私立学校法に定めることとしております。
 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださるようお願い申し上げます。(拍手)
○愛知委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
○愛知委員長 この際、御報告いたします。
 本会期中、当委員会に付託されました請願は百二十五件であります。各請願の取り扱いにつきましては、理事会において慎重に検討いたしましたが、委員会での採否の決定は保留することになりましたので、御了承願います。
 なお、本会期中、当委員会に参考送付された陳情書は、私学助成に関する陳情書外四件であります。
     ――――◇―――――
○愛知委員長 閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。
 まず、内閣提出、学校教育法及び私立学校法の一部を改正する法律案につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○愛知委員長 起立多数。よって、本案は、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに決しました。
 次に、
 第百七回国会、馬場昇君外一名提出、義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案並びに文教行政の基本施策に関する件
 学校教育に関する件
 社会教育に関する件
 体育に関する件
 学術研究及び宗教に関する件
 国際文化交流に関する件及び文化財保護に関する件
以上の各案件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○愛知委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次に、閉会中審査案件が付託されました場合の諸件についてお諮りいたします。
 まず、閉会中、参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合、その人選及び日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○愛知委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次に、閉会中、委員派遣を行う必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣承認申請を行うこととし、派遣委員、派遣期間、派遣地その他、所要の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○愛知委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後五時九分散会
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