第108回国会 議院運営委員会 第15号
昭和六十二年四月二十一日(火曜日)
    午後八時四十分開議
出席委員
  委員長 越智 伊平君
   理事 石井  一君 理事 田名部匡省君
   理事 北口  博君 理事 糸山英太郎君
   理事 高村 正彦君 理事 清水  勇君
   理事 阿部未喜男君 理事 近江巳記夫君
   理事 中野 寛成君
      甘利  明君    井上 喜一君
      伊吹 文明君    江口 一雄君
      鴻池 祥肇君    谷垣 禎一君
      中山 成彬君    二田 孝治君
      三原 朝彦君    伊藤 忠治君
      山下八洲夫君    鳥居 一雄君
      日笠 勝之君    田中 慶秋君
      東中 光雄君
 委員外の出席者
        議     長 原 健三郎君
        副  議  長 多賀谷真稔君
        事 務 総 長 弥富啓之助君
    ―――――――――――――
委員の異動
四月二十日
 辞任         補欠選任
  井上 喜一君     前田 武志君
  中山 成彬君     熊谷  弘君
同月二十一日
 辞任         補欠選任
  熊谷  弘君     中山 成彬君
  前田 武志君     井上 喜一君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 本日の本会議の件
     ――――◇―――――
○越智委員長 これより会議を開きます。
 本日の本会議について御協議を願います。
 清水君。
○清水委員 実はさっき議運の理事会でも、るる情理を尽くしてきょうの本会議はやめるべきである、こういうふうに主張いたしました。改めてこの機会に私どもの真意を申し上げて、とりわけ与党の諸君の猛省を促したい、こう思います。
 御承知のように、十五日に、事もあろうに予算委員会が再開をされた翌日、やっと総括質問の一巡が終わった、だれが考えたって、そんな時期に予算委員会における予算案の強行採決があるなどと思えない。にもかかわらず、全くこれまでの憲政の常道を逸脱して強行採決を行う。しかも、採決をしたと称しているけれども、現実の問題として、後で議運の委員長が取り寄せた会議録を見ても、ほとんどこれらしい内容がない。第一、昭和六十二年度予算三案が採決をされたなどということは一言半句も出ていない。にもかかわらず、これを有効に成立をしているなどと虚偽の報告を議長に行って、直ちに本会議を開いて採決すベしなどというばかげたことを予算委員長が報告をする。だれが常識で考えたって、こんなことが許されていいはずはない。
 そこで理事会では、その会議録その他あの現場の状況をつぶさに検証をして、やはりこれは採決は有効に行われていない、こういうことが明らかになったけれども、しかし、議長、副議長等の切なる要望――確かに問題はある。野党の皆さんから一致をして予算委員会への差し戻しという強い主張もある。あるけれども、この際何とか事態を打開をするために与野党間で互譲の精神を発揮をして話し合ってもらえないか。大体人の面をたたいておいて互譲もないんですけれども、しかし、せっかく議長さんのお言葉でもあり、この際忍びがたきを忍んでという立場から、例えば昨日のごときも、四回にわたって、午前中から夕方にかけて、全部の野党とではありません、この点は共産党の皆さんに申し上げておかなければいけませんが、共産党を除く野党と自民党、いわゆる世に言う与野党国対委員長会談を開く。
 そうして、現実に二度、三度、四度と積み上げていく中で、やはり十二日の選挙結果を見ても、国民の大部分は売上税ノーという審判を下している、マル優廃止はいけないという審判を下している。そういう点に思いをいたして、この際謙虚に国民の声を聞くというのであれば、これは廃案以外にない、与野党間の話し合いとしてそのことを議論を通じて積み上げてきた。確かにそれ以外にはないでしょう、一たびはそういうことを事もあろうに竹下幹事長が明らかにする。まあそこまで言うんであれば、与党からやかましく要望のあった与野党書記長・幹事長会談に応じようではないか。そして、御承知のように夜九時からこれが開かれた。ところが、四回にわたって積み上げてきた国対委員長会談における一定の合意が全く踏みにじられて、まさにゼロに戻ってしまった。
 さて、そこで夜十一時、遅い時間です、事態を心配をされた議長は、副議長や議運委員長とも相談をして、特に与党の猛省を促す必要がある、もっと誠実に野党との話し合いを進めさせなければならないという立場から、竹下幹事長、藤波国対委員長その他を呼んでるる、明朝から熱意を持って野党との話し合いを行い円満な解決を図りなさい、わかりました、拳々服膺して竹下さん以下が戻ったということを聞いているのであります。
 さて現実に、しからばけさの会合はどうであったか。何しろ官邸筋がやかましいのでなどと、まさに言語道断と言わなければならない。しかし、一たんは与野党の話し合いはそういう形で決裂をしたけれども、もしこのまま本会議を開会をする、伝えられるようにもし不測の事態でも起こったらどうなるか、このことを憂えられて議長、副議長等が再度話し合いを促した。与党の諸君でもうなずいている方がいるけれども、そういう中で、御承知のように議長あっせん案ともいうべきその原案をめぐって、せっかくの御努力の内容であるからというわけで野党四党打ちそろって真剣に検討している。
 ところが、事態の責任を最も重く見、この事態をどう打開をしなければならないかという責任を負うべき与党が、さっさと受諾をできませんから決裂にしてください、こういうことを言うなどということはこれは問題だと思うのです。私に言わしめれば、国民世論、つまり国民の多数が今や売上税をめぐって自民党に厳しい姿勢をとっている、反自民党のムードがほうはいと広がっている。だがしかし、衆議院の中には三百三という議席がある。野党の諸君が何を言っても、国民が何を言っても、いざとなれば数でこいというそういう数のおごりがそこに示されているのではないかと言わなければなりません。
 一たんそういう形で、自民党の拒否でもはやこれまでかと思われた。しかしなお議長さんを中心として、それでももしこのまま突入をしたらどうなるか、何とかこの際はということで議長も腹を固めて、そして最終的な考え方を示された。どうですか、自民党はこれを一たん受諾をしたんですよ、わかりましたと。野党も前向きに検討をしておりました。何しろ自民党が一たんけったものをまた受諾と言うんですから、その辺の真偽も確かめながら、しかし何とかしなければなるまいということで検討してきた。そうしたら、そこへまた実はお断りをすることにした。
 いいですか、議長は我が国国会、国権の最高機関の象徴ですよ、最高権威ですよ。これを一党の利害のために、あるいは中曽根総理、官邸の利害のためにその真摯な努力を踏みにじるなんというようなことがあっては断じてならない。そういうときに、事もあろうに話し合いがどうもこれ以上は進みそうもないので本会議を開きます、何を言うかと私は申し上げたい。
 我々は、もともと十五日の予算委員会の採決は有効に成立をしているとは認めておりません。だがしかし、政治的解決を図るという立場でさまざまな経過をたどってまいりましたが、それがまとまらなかった以上は、これはもう言うまでもなくもう一回もとへ戻ってこれを予算委員会に差し戻し、質疑を続行し、そうして国民の期待にこたえる、こういうことでなければならないはずであります。
 私は、一時間も二時間も本当はしゃべっていたい。だがしかし、各党の御主張もこれから生々しく展開をされるわけでありますから適当な時間でやめますけれども、いずれにしても、私は、こういう状況のもとで本会議を開くということは、まさに議会制民主主義を破壊をさせることになる。数がすべてであるという発想で、数さえあれば国民世論を否定し去る、まさにそこにファッショともいうべき危険性を感じざるを得ない。
 ですから、国民の信託にこたえていくためにも、この際は、きょうの本会議はこれを開会せず、そして、改めて議長のあっせんの精神に盛られているような、まさに話し合いを尽くして事態打開への展望を切り開く、今からでも遅くはない、これからでもその努力を続けるべきだろうと私は思います。したがって、本会議の開会には断固反対であるということを表明をいたします。(拍手)
○越智委員長 近江君。
○近江委員 十五日の強行採決、これはテレビをごらんになっておった国民の皆さんは、まさに数の暴力、ファッショ、本当に唖然としたわけであります。私どもも、選挙区へ帰りまして、あれが採決ですかと方々から言われるわけでございます。
 私も予算の理事をいたしておりまして、今まで予算審議というのは、少ないときで八十時間、大体百時間であります。今回は、我が党の大久保書記長の約二時間、野党全体でわずか十時間足らずであります。何ら審議が尽くされてない中でこの十五日に強行採決をする。また、あのときの状態も、ここで議事録を取り寄せてみますと、
     午後二時一分開講
 ○砂田委員長 これより会議を開きます。(「委員長、委員長」と呼び、離席する者、発言する者多く、聴取不能)……賛成の諸君の起立を求めます。(拍手、発言する者あり)起立多数。よって、可決すべきものと決しました。(拍手、発言する者多く、聴取不能)
 これにて散会いたします。
 午後二時四分散会
これは一体何ですか。何の主語もない。こういうむちゃな採決がございました。我々議運の理事会におきましても、これは絶対に無効である。ところが、与党の諸君は、いわゆる砂田委員長の報告をお聞きになって、意見はまさに平行であった。行き詰まっておりました。
 そこで、我々野党といたしましては、議長の方に強硬にその非を申し入れに行ったわけでございます。与党の方はまたそれなりの報告に行ったようでございますが、そういう中で、議長の方から越智委員長に対しまして、ひとつ与野党が互譲の精神を持ってよく話し合ってもらいたい、そういうことで我々としてはその論議を尽くしてまいりました。
 ところが、この議運という場も非常に大事な場でありますが、ぜひ党と党の間に戻してもらいたい、そういうことで、我々としては各党のそういう折衝に上げたわけでございます。その中で、議長から互譲の精神でということもございまして、まあ忍びがたきを忍び今日までお互いに折衝をしてきたわけでございます。ところが、昨日のこの件を見ましても、与野党の国対委員長で交わした約束というものが、書記長・幹事長会談におきまして、最も大事なポイントにおいて半ばほご同然、そういうような点がある。
 そういうようなこともございまして、きょうはきょうでまた、それは議長、副議長、議運委員長、総長等も、努力は非常に多とするわけでございますけれども、しかしながら、あと一歩、与党もそういう方向でと。ところがどでん返しのそういう中で、だめである、こういうことで考えてみますと、これはもう本当に数を背景とした全くファッショ以外の何物でもない。議長がおっしゃったような互譲の精神の一かけらもない。こういう中で急選議運の理事会、そして委員会、これは結局何を意味するか。今も提示されましたように、本会議を開きたい、私は、とんでもない、一体何を言うのか。物事は、行き詰まった場合にはもとへ戻るというのが世の常でございます。
 私が先ほど申し上げましたように、この理事会におきましても、完全にこれは無効である、こんな採決を認めて日本の民主主義、議会制民主主義というものが果たして存在するのか。国民に幾ら政治を信頼せよと言っても、第一、売上税、マル優税制廃止等これは全く公約違反である。世論調査を見ましても、八割あるいは七五%という人が反対であり、公約違反である。こういう法案を出してきている。徹底審議をするのは当然でございます。しかもそれを、わずかな審議時間しかないのに強行採決をする。耐えに耐えて今日まで我々は相談に乗ってきた。それを行き詰まったからということで、いきなりまた本会議で数で決しよう、これは絶対に認めるわけにはまいりません。
 したがいまして、行き詰まったときにはもとへ戻す、予算委員会へ戻すということを私は強く主張いたします。したがいまして、本日の本会議開催は絶対認めることはできません。断固反対をいたします。(拍手)
○越智委員長 中野君。
○中野委員 日本の民主主義は一体どこへ行ったのか、自民党に一片たりとも民主政治への良心は残っているのか、国民みんなが今まさに怒っている、そう思うのであります。
 先ほど来聞いておりますと、審議を拒否した、それは野党であるかのごとき御発言もありました。今日の最大の政治問題である売上税について、本会議における所信表明演説において売上税のウの字も触れなかったのは一体だれなんですか。歳入の大きな根幹をなす部分について、予算審議に入れというその前にそれに関連する法律を出さなかったのは一体だれなんですか。審議をしろと言っても、審議をできる状況にどうしてあったと言えるのでしょうか。
 近くは、あの十五日、予算委員会において、きちっと予算委員会の理事会で決められたそのときの順序に基づいて次の発言者が発言席に着き、委員長に発言を求めているにもかかわらず、それを無視し、強行採決に及んだのは一体だれなんですか。我々がいかに発言をしようと思っても発言できない状態に置いてしまう。しかも、予算委員会における強行採決のその前提条件として、公聴会をセットする。その公聴会をセットしなければ審議をさせない、委員長席にも着かないと言ったのは一体だれなんですか。
 このようにして、たび重なる野党の審議権を妨害するような行動をとった自民党の責任は極めて重大でありますし、これは言いわけがきかない。国民大多数の皆さんもそのことを十二分に認識しているからこそ、先般来の選挙における結果となってあらわれたのではありませんか。売上税に反対だ、マル優廃止に反対だというその怒りだけではなくて、三百四議席のおごり、公約違反に対する、すなわち政策以前の問題、現在の自民党政治そのものに対する怒りがあの国民の明確な審判になってあらわれたのではありませんか。きょうここで本会議をやろうなどという提案、これはまさに今日までの罪悪に対してなおそれを積み重ねようとする極めてけしからぬ行動であることを改めて申し上げなければなりません。
 しかも、あの十五日における予算委員会の強行採決。その後我々が抗議をした。そして議長さんはこれに対して、野党に対してではないのです、自民党の幹事長、国対委員長に対して話し合いをしなさい。すなわち、そのことは、あの予算委員会におけるやり方が余りにもひどいという前提があったればこそ、自民党に対して話し合いをしなさい、互譲の精神を持ちなさい、それが議長さんの明確な御意思であったわけであります。
 我々もまた、十六日、十七日、自民党さんから十五日にあれだけ、言うならば人の面を張り倒しておいて謝りもしないで、さあ話し合いをしましょうとにっこり笑って手を差し伸べられたって握手ができるものか、そういう気持ちを持ちながらも、しかしながら、議長さんのせっかくの御配慮の中で我々はそれにおこたえしなければならないということで、まず国対副委員長会談に応じ、国対委員長会談に応じ、そして話し合いを詰めるために何回その会合を繰り返したことでしょうか。皆さんはそのときにどれだけの前向きの姿勢をとられたのですか。腹の底から誠意を持って、互譲の精神を持って話し合いをしょうというお気持ちがどこにあったのですか。今日に至れば、そのお気持ちさえみじんもなかったとしか我々は判断できないではありませんか。
 しかも、昨日のあの話し合いにしたってそうであります。国対委員長会談を四回も五回も積み重ね、しかも、念には念を押し、そして我々も譲るべきは譲り、それこそ耐えるべきところは耐え、耐えがたいところを耐えて、あえて話し合いに応じていった。その中で、せっかく幹事長から前向きにお答えをしたいとおっしゃるから、しかも、その中身について具体的な項目まで書いて、文章まで示して、これについての前向きな御返事がいただけるかと言えば、自民党さんの方からは、これについては前向きのお答えが期待していただけるとおっしゃるから、書記長・幹事長会談を開いた。開いたら、国対委員長会談を開く前よりもっと悪い回答じゃないですか。
 まさにそれは、書記長・幹事長会談に野党を引っ張り込みさえすればいいという、そこには策略としか思えない行為が行われたではありませんか。国民をだまして公約違反を平気でやるんですから、そういうようなだまし討ちをすることは平気なのかもしれませんけれども、我々は承服しがたい。
 しかも皆さん、きょうだってこれだけの話し合いが尽くされ、これまたきのうの深夜に議長を煩わせて、十五日の議長さんの御配慮によるあの通告、その精神が十分に生かされた状態になっていないということで、昨日再度これまた自民党に対して話し合いの要請があったのではありませんか。その話し合いの要請の中で、一つも具体的な中身を詰めた話になっていかない。書記長・幹事長会談を開いたって、結局もう一回開いてくれ、皆さんがそうおっしゃるならば何かまた別の方法を考えてまいりますとおっしゃった自民党代表が、昨日と何ら変わらない返事、むしろ、そこに出席をした担当者に言わせれば、また後退した回答が来た、こういう話ではありませんか。何のために話し合いをやっているのですか。後退する回答ではなくて、前進した回答があって初めてそれは互譲の精神にのっとった態度というものではありませんか。結局は、またまた強行採決という暴挙を繰り返すための準備行動としか国民の目には映らないでしょうし、我々はまさにそのことを認めるわけにはまいりません。
 皆さん、しようがないから、らちが明かないから、議長さんは思いあぐねて、今度はみずから副議長さんともども調停にお立ちになったのでしょう。その議長さんを信頼し、議長さんにしたのは一体だれなんですか。その議長をみんなで守り、そして議長を守ることは、すなわち日本の議会制民主主議を守ることです。日本の議会制民主主義の本拠地がこの場所なんです。このテーブルなんです。このテーブルにおける話し合いが壊れるということは、日本の議会制民主主義が壊れるということです。そのことをゆめゆめ忘れていただいては困るのであります。
 先ほど来指摘されたけれども、その議長さんがせっかく御提示なさった案について、まずは認めない、それからしばらくたったら認めます、また認めない、これを繰り返す。だれが責任者で、だれが話し合いをまとめているのかさっぱりわからない。一体どうなっているのですか。どうなっているのですかと聞けば、数が多いからなかなか調整がつかないのです、話がまとまらないのです。だったら、自民党さんから国民の皆さんに向かってはっきり言ってください。大きくなりました、次は減らしてくださいと、自民党の方から国民の皆さんにお願いすべきです。大きくなり過ぎた、話し合いがつかない、調整がつかない、にっちもさっちもいかない、時間がかかる、そんな言いわけは、まさに我々に対するどころか、国民に対して極めて失礼です。
 我々は、そういうような今日までのやり方を認めるわけにはいきませんし、まして、議長が副議長ともどもに再度にわたって話し合いをしなさい、またみずから調停にもお出ましになる、そういう状態の中で、まさに心血を振り絞っていろいろな工夫をなさっていただいて、我々はこれを前向きに論議をしよう、中身については必ずしも我々の意に十分沿うとは言いがたい、しかしながら、そこはまさに互譲の精神、話し合いの精神を守っていかなければならぬ、そのことを考えながら、常に話し合いに応ずる姿勢を保って今日に来たではありませんか。しかるにそれを、野党がまだ協議をしている最中に、自民党の方からこれはだめです。そして、だめならば改めてもう一度話し合いをしたい、そういうお申し入れがあるのではなくて、これで打ち切って議運理事会を開いて、本会議を開こうなどというその姿勢はまさに言語道断であります。
 皆さん、議会制民主主義って何ですか、民主主義って何ですか。話し合いをすること、国民の意思を尊重すること、国民の意思を大切にして、その国民の意思に沿った政治を行っていくこと、国民のために政治をやることではないのですか。自民党のために、総理大臣のメンツを守るためにそういうものが壊されていいのですか。私たちはまさに今その重大な岐路に立っている。
 自民党の皆さんに申し上げたい。どうぞお願いでありますから、議会政治を守り、国民の暮らしを守るための一片の良心をもう一回取り戻してください。そして現在のこの開かれた会議で、本会議を開くなどということを、しかも、数の力で押し切ろうなどという行動は即座にやめていただきたい、心から主張して、終わります。(拍手)
○越智委員長 東中君。
○東中委員 昭和六十二年度一般会計予算、昭和六十二年度特別会計予算、昭和六十一年度政府関係機関予算、いわゆる総予算三案を日程に入れた本会議を今強行開会しようとしている。これは絶対に許されないことだと思います。
 第一、この前提になっているのは、四月十五日の予算委員会のいわゆる採決なるものであります。翻ってみますと、戦後国会のすべての歴史の中で、予算が予算委員会でいわゆる強行採決されたというのは、今度が三度目であります。第一回目は一九五二年です。これが強行された後いわゆるサンフランシスコ条約が発効するという歴史の一つの節目になった。その次が、一九八一年の鈴木内閣のときの予算の強行でした。その後の鈴木訪米で、鈴木・レーガン会談で日米の軍事同盟体制というとんでもない歴史的な一つの曲がり角になった。今度はその三度目ですが、この後、中曽根総理はアメリカを訪ねようとしておるという状態が迫っておって、今、強行採決が問題になっておる。これは大変な一つの問題を象徴しておると思うわけであります。
 しかも、暫定予算五十日を組んだ後で四月十五日に強行採決という異常な事態になった。これは、今までのそれぞれの強行採決と比べても特別に異常であります。八一年の場合で言うならば、ちゃんと分科会までいっています。締めくくり総括までいっています。ところが、今度の場合はどうだろうか。そもそも長い期間かかっておりながら、実際にはさっぱり総括質問さえやられていない。一巡をやっとやっただけで、そしてその先は何もやられないままだ。予算の理事会では、その後総括質問を終わり、一般質問をやり、集中審議をやり、そして分科会をやり、締めくくり総括をやるんだということを自民党から提起したことさえあった。しかし、そういうものを全部なしにして、ほんとやってしまった。これは全く前例のない異常な採決であった。
 なぜこういうことになったのか。それは言うまでもなしに、昨年の同時選挙で大型間接税は絶対やらぬ、こう言ってあれほど公約した総理・総裁が、三百議席を超したという議席を背景にして、今度はそれを売上税という形で文字どおりの大型間接税を出してきた。これに対する国民の批判が圧倒的に強い。それはやらないということを公約にして議席をとったら、今度はそれと全く反対のことをやってくる、こういうことになれば、その選挙はうそとペテンでやったことになる。だから、結局その議席自体が虚構のものになってくる。それを背景にして強行採決をやってくる。これは断じて許せない。それは非常にぐあい悪いことだということを中曽根総理自身が知っているから、施政方針演説で売上税のウの字も言えなかった。だから、言え生言われてとうとう五日間たって言った。これが予算がおくれた一つの原因でもあるわけです。
 そして、予算委員会に入ろうと思ったら関連の法案がさっぱりないということで、出てきた関連法案を見てみたら、今度は政省令に任すということがいっぱい書いてある。何とあの六十七条の売上税法案の中で、百七個も政省令に任すと書いてある。これを政省令に任したのでは、租税法律主義の原則からいってもおかしい。それを出せということで審議ができないのは当たり前なんです。審議をやらなかったのではなしに、できないようにしてきた。
 そしてやっと入ったと思ったら、今度は共産党の質問の前になると開会をしない。あるいは自民党の委員長は開会をあえてしない。総理大臣も出てこない。(発言する者あり)
○越智委員長 お静かに願います。
○東中委員 そういう中でそれをやらなかった。そして、話し合いをしたのが御承知のような政治休戦、テト休戦と称して選挙中は審議をしなかったでしょう。総予算の審議を選挙があるからと言って一切しない。自民党の委員長がやろうとしない。そういうことをして、そして十二日に判決があった、国民の審判があった。自民党の売上税に対して、断固とした国民のノーの審判があった。それは認めるでしょう。完全な敗北をしたでしょう。公約違反は許されないという国民の審判がおりた。その後の十五日になったら、強行採決をやった。何も審議ができない。これは、その内容を追及されること自身があなた方にとってはぐあいが悪いから強行採決をしたと言うよりほかにない。
 しかも、強行採決だと称しているけれども、先ほどの発言にもありましたように、あれは幸いにして今テレビで全部出ている。私もよく見ました。現場にもおって見た。委員長が何を言うたのかさっぱりわからぬでしょう。そして、委員長が座る前から、自民党の諸君は全部立っておったじゃないですか。座っておった人は一人しかおらなかったですよ。初めから立っておった。それで何が採決ですか。起立採決なんてどうしてできますか。初めから全部立っているじゃないですか。しかも席を離れているじゃないですか。ああいうものを国民が見ているのです。そして、質疑打ち切りの採決と本案についての採決があったなどということを予算委員長が言うておる。これは、そういう発言をすること自体が……(発言する者あり)不規則発言をやめる。不規則発言を制止しなさい。こんなばかなことがありますか。
○越智委員長 お静かに願います。
○東中委員 だから、あれは採決の事実はない。それを、予算委員長が採決があったという報告をしたとしても――私たちはその報告は見ておらぬけれども、報告をしたとしてもそれは虚偽事実の報告にしかすぎぬから、当然議長の方で差し戻して、審議をちゃんとやりなさい――大体総予算について総括質問を三分の一ほどやって、あと一切の審議なしというようなことは前例がないのです。しかも、公約違反の問題が問題になっておるのでしょう。その公約違反の問題を撤回せいという要求を全野党が出しているわけですよ。それなのに、それについてはただ理不尽に、しないと言っているだけでしょう。あれは大型間接税でないと総理が言っているけれども、だれがそんなことを信じますか。まただますのかということになっているじゃありませんか。
 だから、こういうことは意見が合わなければ多数で決めるのだというその多数の構成が、そもそも公約したことで多数をとって、その公約に反したことをやって多数で決するということは、これはもうそれ自体が許されない、そういう論理構成になるから……(発言する者あり)
○越智委員長 お静かに願います。
○東中委員 議会制民主主義を本当に考えるなら、どうしたってこれの採決をやり直すべきだ。差し戻して審議をやるべきです。そして売上税とマル優廃止を撤回すべきなんです。
 それを、虚構の報告に基づいて、しかも今度は本会議を強行する。こんなことは許されません。これを許したのでは議会制民主主義は全くなくなる。断じてこれは許せない。だから、ただ何となしに有効である、委員長が報告してきたからそれはそのまま信ずるんだ、これはいけません。国民みんなが見ておって、何もやっていないということを知っているんだから。何を諮ったのだか何もわからない、速記録にも何も出てこない、しかしあえてやるのだ、これは許せません。こういうのをファッショと言うのです。
 だから私は、虚構の数による暴力のやり方、これに対しては断じて許すわけにはいかぬ。それを話し合いによって何かの政治的解決をつける、そういうことはやるべきでない。きのう、きょうの経過を見まして、私たちはまことに遺憾だと言わざるを得ない。議長、副議長も含め、そして議運の委員長まで含めて、一部の党派の間で――それは仮に大部分であったとしても、全部でないから一部である。その中で密室で話し合いをして何の取引をやろうというのか。私たちは断じて許せないと思う。それは日本の議会に汚点を残すものだと思う。(発言する者あり)
○越智委員長 お静かに願います。
 結論を急いでください。
○東中委員 ですから、密室による協議がどのように進んでおったのか、どのように進まなかったのか、そのことを明らかにすることさえあなた方はできないのでしょう。結論だけじゃないですか。そういうことをこの日本の国会でやることは許されない。そういう態度を改めるべきだ。謙虚に改める、そして態度で示す。そのためには、本日の本会議は開かない、そして予算委員会に総予算三案は差し戻す、その上で公約違反の売上税、マル優廃止は撤回をする、これは当然のことであります。あえてそれを撤回しないと言うなら、ここまで国民が反対しているものをなぜ撤回しないのか。
 それについては、私たちは三つのねらいがあるように思えて仕方がない。一つは、何としても軍拡をやろうとしている、その財源づくりだ。もう一つは、財界から要求されて大企業への減税をやっていこう、これでしょう。もう一つは、マル優廃止に基づく前川リポートによるアメリカに対する公約です。そういうことから、これくらい反対があっても何が何でもやるのだ、中曽根内閣の言っていることはそういうことに帰着する。それは、国民の九九%の人たちが断じて許さないことだと言っている。その結果が、あのような欺瞞に満ちた売上税反対というような公約でないことを言って、前半選挙で自民党が大敗するという結果になった。
 その点謙虚に考えて撤回することを要求して、私の発言を終わります。(拍手)
○田名部委員 時間の問題もありますので、これにて発言の終局を求め……(発言する者多く、聴取不能)
○越智委員長 田名部君の動議に賛成の諸君の……(発言する者多く、聴取不能)挙手多数。よって、さよう決定いたしました。
 石井一君。
○石井(一)委員 本日の本会議は、午後九時四十分より……(発言する者多く、聴取不能)
○越智委員長 ただいまの石井君の動議に賛成の諸君の……(発言する者多く、聴取不能)挙手多数。よって、石井君の動議……(聴取不能)決定……(聴取不能)本日の……(聴取不能)
   〔委員長退場〕
    午後九時二十五分