第109回国会 法務委員会 第10号
昭和六十二年九月四日(金曜日)
    午前九時三十五分開議
出席委員
  委員長 大塚 雄司君
   理事 井出 正一君 理事 今枝 敬雄君
   理事 太田 誠一君 理事 熊川 次男君
   理事 保岡 興治君 理事 坂上 富男君
   理事 中村  巖君 理事 安倍 基雄君
      逢沢 一郎君    石渡 照久君
      臼井日出男君    小川  元君
      片岡 武司君    木部 佳昭君
      熊谷  弘君    佐藤 一郎君
      塩崎  潤君    渡海紀三朗君
      宮里 松正君    稲葉 誠一君
      小澤 克介君    山花 貞夫君
      橋本 文彦君    冬柴 鉄三君
      安藤  巖君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 遠藤  要君
 出席政府委員
        法務政務次官  工藤万砂美君
        法務大臣官房長 根來 泰周君
        法務省民事局長 千種 秀夫君
        法務省刑事局長 岡村 泰孝君
        法務省訟務局長 菊池 信男君
        法務省入国管理
        局長      小林 俊二君
 委員外の出席者
        議     員 坂上 富男君
        警察庁刑事局刑
        事企画課長   古川 定昭君
        警察庁刑事局鑑
        識課長     石川 重明君
        警察庁警備局外
        事課長     国枝 英郎君
        法務大臣官房審
        議官      佐藤 勲平君
        法務省入国管理
        局登録課長   黒木 忠正君
        最高裁判所事務
        総局家庭局長  早川 義郎君
        法務委員会調査
        室長      末永 秀夫君
    ―――――――――――――
委員の異動
九月二日
 辞任         補欠選任
  逢沢 一郎君     藤波 孝生君
  上村千一郎君     山中 貞則君
  冬柴 鉄三君     吉浦 忠治君
同日
 辞任         補欠選任
  藤波 孝生君     逢沢 一郎君
  山中 貞則君     上村千一郎君
  吉浦 忠治君     冬柴 鉄三君
同月四日
 辞任         補欠選任
  赤城 宗徳君     臼井日出男君
  稻葉  修君     石渡 照久君
  上村千一郎君     片岡 武司君
  加藤 紘一君     小川  元君
  佐藤 敬夫君     渡海紀三朗君
  丹羽 兵助君     熊谷  弘君
同日
 辞任         補欠選任
  石渡 照久君     稻葉  修君
  臼井日出男君     赤城 宗徳君
  小川  元君     加藤 紘一君
  片岡 武司君     上村千一郎君
  熊谷  弘君     丹羽 兵助君
  渡海紀三朗君     佐藤 敬夫君
    ―――――――――――――
九月二日
 下級裁判所の設立及び管轄区域に関する法律の
 一部を改正する法律案反対等に関する請願(安
 藤巖君紹介)(第一一五四号)
 同(安藤巖君紹介)(第一二七九号)
 刑事施設法案の廃案に関する請願(児玉健次君
 紹介)(第一二四五号)
 同(瀬長亀次郎君紹介)(第一二四六号)
 同外五件(中村巖君紹介)(第一二七七号)
 同(山花貞夫君紹介)(第一二七八号)
 刑事施設法案の早期成立に関する請願(谷垣禎
 一君紹介)(第一三四七号)
同月三日
 外国人登録法の抜本的改正に関する請願(草野
 厳君紹介)(第一三〇一号)
 同(冬柴鉄三君紹介)(第一三〇二号)
 同(安藤巖君紹介)(第一三三〇号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第一三三一号)
 同外二件(田並胤明君紹介)(第一三三二号)
 同(野間友一君紹介)(第一三三三号)
 同(藤田スミ君紹介)(第一三二四号)
 同(中村巖君紹介)(第一四四〇号)
 同(橋本文彦君紹介)(第一四四一号)
 同(伏木和雄君紹介)(第一四四二号)
 刑事施設法案反対に関する請願(辻第一君紹介
 )(第一三二九号)
 同(村上弘君紹介)(第一四三九号)
 刑事施設法案の廃案に関する請願(金子満広君
 紹介)(第一四三五号)
 同(経塚幸夫君紹介)(第一四三六号)
 同(中路雅弘君紹介)(第一四三七号)
 同(東中光雄君紹介)(第一四三八号)
は本委員会に付託された。
本日の会議に付した案件
 外国人登録法の一部を改正する法律案(坂上富
 男君外四名提出、衆法第八号)
 外国人登録法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、第百八回国会閣法第六二号)
     ――――◇―――――
○大塚委員長 これより会議を開きます。
 お諮りいたします。
 本日、最高裁判所早川家庭局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大塚委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
○大塚委員長 坂上富男君外四名提出、外国人登録法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。坂上富男君。
    ―――――――――――――
 外国人登録法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○坂上議員 それでは、外国人登録法の一部を改正する法律案について、提案の趣旨説明を申し上げたいと思います。
 外国人登録法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。
 現在、我が国には約八十五万人の在日外国人が生活しておりますが、そのうち、敗戦前、日本政府の植民地政策により渡航してきた者及びその子孫がほとんどであり、この人たちは現在、日本に生活の基盤を持ち在留しております。
 外国人登録法は、まさにこのような在日外国人を主たる対象とする法律でありますが、登録証明書の常時携帯義務及び切りかえ交付制度などによって、当事者の日常生活の隅々に至るまで、恒常的に取り締まりの対象とされております。また指紋押捺制度は、その人権を侵害し、人格を無視すること著しいものがあります。
 そのため、これらの点について法改正を求める切実な訴えが、当事者である在日外国人よりかされているのであります。
 そこで、外国人登録法に所要の改正をするものでありまして、その要点は次のとおりであります。
 まず第一に、法第一条の「目的」についてでありますが、現行法は「在留外国人の公正な管理に資すること」とありまするのを「在留外国人に関する行政の円滑化に資すること」と改めて、法の性格を根本的に改めることといたしております。
 第二に、在日外国人に課せられている指紋の押捺制度を廃止することといたしております。
 第三に、外国人登録証明書の常時携帯義務を廃止することといたしております。
 第四に、登録証明書の切りかえ交付制度については、新規登録の日に二十歳未満であった者を除き、廃止することといたしております。
 第五に、外国人登録原票の登録事項のうち、「職業」及び「勤務所又は事務所の名称及び所在地」を削除し、かつ当該事項の変更登録制度を廃止することといたしております。
 第六に、現行法で十六歳に満たない者に免除している各事項を、二十歳に満たない者に免除するように改めることといたしております。
 第七は、本法違反についての罰則をすべて廃止し、過料に処することといたしております。
 以上がこの法律案の趣旨でございます。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いを申し上げて、提案の趣旨説明といたします。ありがとうございました。
○大塚委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
     ――――◇―――――
○大塚委員長 内閣提出、外国人登録法の一部を改正する法律案及びただいま趣旨の説明を聴取いたしました坂上富男君外四名提出、外国人登録法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小澤克介君。
○小澤(克)委員 質問を開始する前に、本委員会の運営なんですが、定足数が足りていますでしょうか。それを御確認願って、もし足りなければ理事会等で御協議を願いたいと思います。――どうも定足数が足りないようですが、理事会で一応開くことが決まったということでございますので、もうじき定足数を満たすのであろうことを期待いたしまして、とりあえず質問に入ることにいたしますが、定足数を満たした上で会議を開くのが原則でございますので、このまま推移する場合には再度理事会の開催をお願いすることもあるかもしれません。
 そこで、ただいま提案趣旨説明のありました社会党案といいますか、坂上委員ほかの提案に係る改正案についてお尋ねいたします。
 この第一で、法律の目的を「在留外国人に関する行政の円滑化」というように改めるとなっておりますが、この趣旨、特に現在の在留外国人に対する「公正な管理に資する」というのどの違いを明確に御説明いただきたいと思います。
○坂上議員 法律というのはその目的によってすべてが決まるわけでございますが、しばしばこの委員会でも御指摘がありましたとおり、現行の外国人登録法は外国人その人を管理をする、こういう規定になっておるわけでございます。それから、日本人の基本台帳と言われる住民基本台帳については、その住民の書類の管理をする、こう書かれておるわけでございます。だから、日本人については書類を管理するというのが目的になっているのでありますが、外国人登録法では外国人そのものを管理をするということは、私はこれはいかがか、このことが指紋の押捺それから刑罰に通ずるのだろう、こう思っておるわけであります。でありまするから、外国人を管理するというよりも、いわば在留外国人に対する行政の円滑化を図るのがこの法律なんだ、その法律の範囲内においてこの規制をするのだ、これがやはり正しい目的でなかろうか、こう思っておるわけでございます。
 以上でございます。
○小澤(克)委員 大変よくわかりました。
 次に、本法案では指紋押捺制度を全廃する、こうなっているわけでございますが、これは特に今回内閣側から提出の改正案では指紋押捺を一回のみ残す、この違い及びその理由等について、簡単で結構でございますので、御説明を願いたいと思います。
○坂上議員 外国人登録法をめぐりまして指紋押捺反対、拒否の行動がここ二、三年大変顕著でありました。これらの人たちの心情を聞いてみますと、登録そのものは賛成だ、しかし押捺することは犯罪視するものであるから反対である、こうおっしゃっておるわけであります。これはなぜかといいますると、その人の同一性の確認ということが押捺の必要性だ、こう言われたわけでございまして、これは日本人の場合は旅券あるいは免許証、こういうものについては指紋押捺を求めていないわけであります。でありまするから、同一性の確認というのは指紋に限らない、指紋を必要としない、こういうふうな概念でございますので、私は、指紋押捺は廃止すべきである、こういうふうなことで提案をしておるわけでございます。
○小澤(克)委員 大変明快な御答弁で、よくわかりました。
 次に、この法案によりますと、外登証の常時携帯義務制度を廃止する、また、恐らくこれと密接な関連があろうかと思うのですが、登録証明書の五年ごとの切りかえ交付制度も廃止する、このようになっているわけでございます。これにつきまして現行法あるいは政府提案の改正法案との違い、またその理由について御説明を願いたいと思います。
○坂上議員 簡単に申し上げますが、現行法は「携帯」でございます。それから、私たちの改正案は「所持」でございます。携帯というのは、身に離さず持っておるということでございます。所持というのは、自分の支配圏にあるものを支配しておればこれを所持とするわけであります。いわば自分の生活圏内にあることまで携帯をしていなければならぬということになりますと、これは大変でございます。私は思うのです、常時携帯というと、うちの中で生活をするにも、寝るにもこれを持っていなければならぬのかという問題もあるわけでございまして、あくまでも常時携帯というのはその必要はない、所持をしておるということでいいのじゃなかろうか、こう思うわけであります。歩くことに証明書がなければ歩けないなんというようなのはまず前近化的な考え方だろう、私はこう思っておりまして、このことが基本的人権の侵害につながる、こう思っておるものでございますから、常時携帯は所持とすべきである、これが改正の目的でございます。
○小澤(克)委員 その点についてもう一つ伺いますが、所持というのは携帯とは違って何らか支配をしておればいい、こういうことだろうと思いますけれども、その際に警察官その他が「提示すべきことを命ずることができる。」というふうに変わっているわけでございます。これは具体的には、提示すべきことを命じた場合に、応ずる側としてはどのような行動が期待されているのでしょうか。
○坂上議員 その場で提示義務があるとするならば、刑罰規定があるものでありますから、所持していなければ場合によっては今まで現行犯逮捕されてきたわけであります。最近はこの改正問題が起きているせいか、そう直ちに現行犯逮捕ということはないようでございまして、これはいいことであろうと私は実は思っておるわけであります。そこで、今先生おっしゃいましたとおり、「命ずることができる。」というのは、後から見せてくださいよ、こういう概念でございまして、今直ちに出すということでなくして、これを何らかの方法によって確認ができる。例えば、みずから警察に持っていってくれればこれはありがたいのでしょうが、それだけを含んでいるわけではございませんで、あるいは警察官が見せてくださいよと言って自宅に行った場合、それに応じてもらう、こういうような趣旨でございます。
○小澤(克)委員 わかりました。自己の支配内にあるものを常識的な時間内に提示すればそれで足りる、こういうことだろうと思います。
 もう一つ、本法案では刑罰を廃止することにいたしまして、外登法の各種違反事例に対する刑罰を廃止して、十万円以下の過料に処するものとしております。これについては、この程度の罰則にとどめた理由を御説明を願います。
○坂上議員 これは行政法規でございまして、刑罰法規でございません。でありまするから、この目的を達する程度の過料、うっかりしておったとかあるいは故意でも過料を科することによりましてこの行政目的は達せられるのじゃなかろうか。あえてして逮捕、勾留あるいは裁判などというような非常な人権侵害に及ぶようなことまで必要性はないのじゃなかろうか、こんなふうに考えているからでございます。
○小澤(克)委員 最後でございますが、本法案では経過措置といたしまして、法改正前になされた各種違反につきましては刑の廃止として、施行後は処罰しない、こうなっております。これについては、どういうことからこの経過規定を定めたのか、御説明を願います。
○坂上議員 政府が提案しております外国人登録法の改正にいたしましてもそうなのでございますが、指紋押捺については一回ということになっておるわけであります。でありますから、自後この切りかえとかいろいろの関係することはもうなくなったわけでございます。しかも、今まで指紋を押してある人については、もう一回でそれ以後ない、こういうことになっておるわけでございますから、今までおまえがやるべきことをやらなかった、よってこれは処罰するぞというようなことはちょっとむごいのじゃなかろうか。もう刑が廃止になったわけでございますから、刑罰の上でも行政上の不利益を与えることにおいても、これはすべてその対象外とすべきである、こう私は考えているわけでございます。
 以上です。
○小澤(克)委員 大変明快な御答弁をありがとうございました。
 そこで次に、時間も余りありませんので、政府提案の法律案に関連いたしまして質問を続けたいと思います。
 せんだっての当委員会における私の質問におきまして、外登証の常時携帯義務の違反あるいは登録の各種申請の遅延形態での外登法違反について、警察庁あるいは自治省に対しまして、その運用については弾力的にお願いしたいという趣旨の御質問をいたしましたところ、極めて不十分といいますか、満足のいくものではございませんでしたが、警察庁からは警察庁なりに弾力的運用についてのある程度の御返答をいただきました。それからまた、自治省につきましては、特に手続遅延に対する告発は、これは自治体の首長の自主的な判断によるものであるということも明快な御答弁をいただいたわけでございます。そこで、これらの捜査の次に、警察官による処分というのが次の段階に予定されるわけでございます。
 そこで、お尋ねをしたいのですが、これら外登法違反事例に対する公訴権の運用につきましては、これまた十分各事案の個別事情を勘案の上、この法の制度目的といいますか、行政目的遂行のための担保にすぎないものであるということをよく勘案の上で、適切な公訴権の運用がなさるべきであると考えますが、いかがでしょうか。これは刑事局長さんでしょうか。
○岡村政府委員 ただいま御指摘のとおりでございまして、検察といたしましては、法の制度目的その他諸般の事情を考慮いたしまして、さらには個別の犯情等につきまして慎重に考慮いたしまして、適切な検察権の行使に努めているところでございますが、今後ともその方針には変わりはないものと思っております。
○小澤(克)委員 常時携帯義務違反につきましては、この違反だけで送検されるというのは、現在では恐らくほとんどないのではないか。他の犯罪類型と一緒に送検されるというのが実態ではなかろうかと思うのですけれども、そのほかの手続の遅延等については、これは機械的に告発がなされ、それに基づいて捜査機関が機械的にといいますか、捜査をし、そして送検をするということが十分考えられるわけでございます。
 それからまた、今回のこの政府提案の経過規定では、押捺義務違反者に対しても、法改正後にもかかわらず従来どおりということでございますので、これまた送検がなされるということが十分に考えられるわけでございます。特に経過規定に関しましては、法が変わったのだということを十分配慮願わなければならないかと思うのです。
 先般からの当委員会での議論を聞いておりますと、入管局長の方から、義務違反は義務違反であって、その事実は法が変わった役といえども消えないのだから、従来どおり処罰するのが当然であるというような御答弁があるわけですけれども、刑罰を科する理由を義務違反性に求めるというのは、これはもう前世紀の法理論でございまして、法益が侵害されたがゆえに刑罰を科される、そこに刑罰を科すことの合理性といいますか、本質を求めるのが現在での刑法理論の主流だろうと思います。したがいまして、これまでは五年ごとに指紋押捺を求められていたのが、それが必要でなくなった、そのようなことをしなくても法益が損なわれないというふうに社会の価値判断が変わって、それに基づいて法が変わったわけでございますので、従来の義務違反だからということで機械的に訴追をするということのないようにぜひ願いたいと思います。
 それからまた、手続の遅滞等については、こう言ってはなんですが、副検事さんあたりが機械的に略式の請求をするというようなことが間々あったのではないかと思いますので、その点についてもそのような機械的な運用をなさらないということを十分に御指導願いたいと思いますが、確認で再度御答弁をお願いいたします。
○岡村政府委員 今回の改正によりまして、指紋の押捺につきまして一部改正が行われることも事実でございますが、この法案が通れば、また経過規定が設けられることも事実でございます。そういった全体の趣旨を考えまして、個別の案件に応じまして、検察といたしましては適正妥当な起訴、不起訴の処分を決定するものと承知いたしております。
    〔委員長退席、井出委員長代理着席〕
○小澤(克)委員 せっかく大臣に御出席いただいておりますので、今の点につきまして大臣からも御答弁を願いたいと思います。
 すなわち、指紋押捺拒否者に対する経過規定の運用あるいはまた常時携帯義務違反あるいは各種申請の遅延に対する刑罰に関して、公訴権の運用においては、これは第一線の検事さんが実際には処分をすることになるわけでございますが、適切な御指導をいただけますかどうか、御答弁を願いたいと思います。
○遠藤国務大臣 先般も小澤委員にお答え申し上げておるとおり、かつて閣議において法務大臣と国家公安委員長である自治大臣とのお話がございまして、この外国人登録というのは、先ほどもお話に出たとおり処罰をするのが目的ではございませんので、登録の正確さと登録者の快適な生活を期していきたいということが我々としての希望でございます。そういうふうな点で、運用の面に当たっては柔軟な姿勢でやろうということが国家公安委員長からの御発言もあったと承知をいたしております。
 そのような点をわきまえておる検察当局は、これまでも個々の事案に対しては適切な処理を行っているところでございますが、今後ともそれぞれの事案に応じた適正な妥当な処理を行うものと信じております。
○小澤(克)委員 大変ありがとうございました。もう時間がございませんので、あと細い点を少しお尋ねしたいと思います。あるいは技術的なことにわたるかもしれませんが。
 今回の政府提案の改正案を拝見いたしますと、第四条の登録事項の十四番が現行法「在留資格」となっていて、入管法による在留資格と同一なわけでございますが、改正案では「在留の資格」というふうに言葉を改めまして、入管法による在留資格以外にその他の各種在留資格をも含めるように改まっております。そこで、現在の外登証には、この在留資格のところには入管法による在留資格のある者についてのみ記載があり、その余の者についてはこの在留資格の欄には記載がなく、備考欄にその他の在留資格が記載されているという実務の扱いとなっているというふうに聞いております。
 そういたしますと、この法案が仮に成立いたしますと、入管法によらないところの在留資格に基づいて在留している者については、これが記載事項の変更登録ということになって十四日以内に登録をしなければならないのか。あるいはこれは法律側の、制度側の変更であって、在留外国人の側に何らか変更があったわけではないので、そのような扱いにはならないのか。これは当然後者だとは思いますけれども、念のため確認をさせていただきたいと思います。
○小林(俊)政府委員 御指摘のように、今回の法改正によって登録事項である「在留資格」を「在留の資格」という用語に改めまして、協定永住者あるいは法一二六−二−六該当者につきまして在留の資格という欄にその旨を記載することになるわけでございます。しかしながら、このことは外国人の居住関係、身分関係に変更が生じたということではございませんで、登録事項が制度上変わったということによるものでございますから、個々の外国人に変更登録申請の義務を課するということは、事柄の性質上適当ではございません。こうした事項は市区町村または法務省当局で把握ができることでございますので、法改正の実施後におきましては市区町村の長が登録原票の記載を職権で書きかえるということにする予定でございます。
 また、登録証明書の記載につきましては、その法改正の施行後に個々の外国人が種々の申請のために市区町村の事務所に出頭した際に書きかえるという手続を考えているわけでございます。
○小澤(克)委員 それでは次に、細かい点でございますが、改正案の第十四条の五項によりますと、「第一項及び第三項の規定は、これらの規定により指紋を押したことのある者には適用しない。」すなわち一回だけということがここに明記されているわけでございますが、ここには継続して在留する者に限るという限定がなされておりません。そういたしますと、一たん日本に入国し、在留し、そして再入国等の手続でなく全くの出国をいたしまして、しばらくたってからまた入国をし、また在留の届け出をするといった場合には、これはその者に関して言えば、以前に第一項及び第三項によって既に指紋押捺していることになるわけでございますけれども、こういう場合にもこの適用除外が適用されるのでしょうか。
○小林(俊)政府委員 申すまでもなく、外国人は、一国の領土内に入りそこで在留している限りにおきまして、その国の主権に服するわけでございます。したがいまして、この外国人の登録による居住関係、身分関係の把握という必要も、その外国人がその国の領土内にある場合に限ることであることは、事の性質上当然でございます。外国人が一国の領域を離れますと、この適用の対象から外れるということもまた当然のことであろうかと存じます。したがいまして、ここに今度の改正法案で明記してございます、かつて指紋を押したことがあると申しますのは、個々の外国人の現在の在留に関連して行われた、登録の一環として行われた指紋の押捺を指しているのでございまして、個々の外国人が単純に出国をした場合におきましては、実際上の行政の取り扱いといたしましても、登録の閉鎖ということが行われるわけでございます。もしそういうことをいたしませんと、単純に出国した外国人が海外で死亡したような場合、これに関する届け出は一切我が国の当局には行われないことになりますので、外国人登録というものが永久にその個人については残るということで、行政上その他さまざまの不都合を生ずることになるわけでございます。
 しかしながら、この点は再入国許可を取りつけて海外に出国される外国人については適用されないわけでございます。と申しますのは、再入国許可を得て海外に出られた外国人が改めて我が国に入国する際には、入管法上も改めて在留資格あるいは在留期間の決定を受ける必要がないということが明記してございます。このことは、当該外国人の在留が継続しているという考え方のもとで行われている取り扱いでございます。
 そういうことで、その場合には改めて指紋の押捺を求めることはございませんけれども、単純に出国をした外国人につきましては、改めて入国をした際にはその間のインターバルのいかんにかかわらず、改めて指紋の押捺の義務が生ずるということになるわけでございます。
    〔井出委員長代理退席、委員長着席〕
○小澤(克)委員 入管当局の行政解釈としては恐らくそうだろうと予想しておりますが、これは罰則規定がございますので、これは罪刑法定主義にダイレクトにつながる問題なんです。この五項には継続して在留する者というふうに限定していない。したがって、かつて一度でも日本に在留し、そのために指紋押捺をした者は、そのことのゆえに再度の押捺を拒否した場合にこれに刑罰を科せるかどうかというのは、罪刑法定主義上極めて重大な疑問があると思います。刑事局長いかがでしょうか。
○岡村政府委員 ただいま入管局長が御説明したとおりであるというふうに思っております。
○小澤(克)委員 いや、入管局長が説明したのは、入管局としての行政解釈を説明したわけですよ。ところが、この文言上は継続して在留する者に限定されていないのですよ。そうすると、罪刑法定主義上、かつて在留し、そのために指紋押捺をした者が次に拒否した場合には、罰することができないのじゃないですか。刑事局長としての御見解をお尋ねしているのです。
○小林(俊)政府委員 刑事局長の答弁をいただく前に一言御説明申し上げたいと思いますが、その点は、今回の改正法案の審議の過程において部内において議論の対象となった点でございます。私どももその点につきましては決して見過ごしたわけではございませんで、検討をいたした経緯がございます。
 ただ、その結果が現在のような形になりましたにつきましては、そもそもその点に関するのみならず外国人登録法というものの登録の意味が、その外国人が現在在留しているその在留についての登録であるということが、その他の部分につきましても種々出てくるわけでございます。そのために、この部分だけについて今回その現在の在留についてという規定を設けますと、その他の点について、しからばその現在の在留について以外のものについても及ぶのかという疑問が生ずるというような結論が出ましたので、その他の面についての整合性の観点から、この点について改めて現在の在留についてという断り書きを入れなかったという経緯があるわけでございます。
○岡村政府委員 詳細はただいま入管局長が御説明したとおりでありまして、刑事局といたしましても、この罰則の規定につきまして構成要件上特に不明確な点があるというふうには考えられないというふうに思っております。
○小澤(克)委員 入管局長からは立法の経緯等が説明があったのですけれども、そんなことは聞いていないのでして、罪刑法定主義というのは立法の経緯がどうかなんというのじゃなくて、法律の適用を受ける側が、多義的な条文の場合に、そのことによって不利益を受けないようにということでございますので、今刑事局長のお答えですが、これが構成要件上不明確さがないということはどうしても言えませんよ。だって、継続して在留する者というふうに限ってないわけですから。この条文からは、素直に読めば、かつて一たびこの第一項もしくは第三項の規定によって指紋を押したことのある者には適用しない、すなわち指紋押捺をしなくていいというのが率直に読めるわけですよ。それにもかかわらずこれを罰することになれば、これは罪刑法定主義上極めて大きな問題が起きます。
 今のお答えは納得できません。この問題についてはちょっと留保させていただきます。十分な答えとは思うえません。
○小林(俊)政府委員 私どもの部内における法案審議の過程における解釈は、その点は法文の全体の構成上あるいは解釈上明確であるということでございます。したがって、刑事局長のお答えは、その点についての不明確さはないと考えでよいという前提に立つものと存じます。
○小澤(克)委員 文言上極めて不明確なんですよ。だめです、そんな答弁では。答えられないのならこのまま留保しますよ。留保します。委員長、今のは答弁になっておりません。留保させていただきます。
 一応これで終わります。時間が来ましたので、終わったというのじゃなく留保させていただきます。
○大塚委員長 ちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕
○大塚委員長 速記を起こして。
 坂上富男君。
○坂上委員 ちょっと関連をいたしまして、二点について御質問申し上げたいのでございます。
 最高裁判所家庭局からお見えをいただいておると思いますが、先日最高裁判所の離婚判決が出たわけでございますが、有責者から離婚を求めることができるという判例でございます。これが出てまいりますと、家事調停、家事審判にも大きな影響が出てくるわけであります。特に家事調停におきまして、いわば調停委員の先生方が大変またこの関係においていろいろと当事者に対する説得あるいは調停、そういうようなことが行われるわけでございますが、この判決を踏まえまして最高裁はどのような指導と方向を出される予定なのでございますか。
○早川最高裁判所長官代理者 今回の大法廷判決の要旨は、一言で申しますと、有責配偶者からの請求であるとの一事をもって離婚請求が必ずしも絶対に許されないものではない、こういう趣旨かと思いますが、家事調停におきましても、今後はこの大法廷判決の判示するところを十分そしゃくして、その指示するところを指針として具体的に妥当な解決を目指す、こういうことになろうかと存じます。
 ただ、この判例の適用が直接問題となりますのは、有責配偶者の離婚請求の当否が直接問題となります離婚訴訟でございまして、当事者の合意を基盤とする家事調停がこれによってどの程度の影響を受けるかということになりますと、その点はいささか微妙なものがあるのではないか、かように考えております。
 と申しますのは、家事調停の実際におきましては既に破綻主義的な考え方が相当取り入れられている、こう言いますといささか言い過ぎになるかもしれませんが、有責配偶者からの離婚の申し立てでありましても、調停委員会の事情聴取であるとかあるいは調査官の調査によりまして、当該婚姻関係が既に回復しがたいほどに破綻している、しかも両当事者のためにも離婚の方向で話を進めた方がむしろよろしいのではないか、こう考えられるような場合につきましては、その方向での説得が行われている、これが調停での実情であろうかと存じます。
 ただ、相手方の精神的な苦痛であるとかあるいは経済的な不利益、こういうものに対しても十分な配慮が必要でございますが、こういったものは慰謝料であるとか財産分与といった離婚給付の面でカバーしていく、そういう形で調停が進められているわけでございます。そういう意味では、今回の大法廷判決によりまして家裁における家事調停の取り扱いが大きく変わるということはほとんどないのではないかと思われるわけでございます。
 ただ、相手方が調停での離婚をがえんじないような場合につきましては、それが将来訴訟になった場合にどういう判決を得るか、その辺が調停の進め方にも大きく影響するわけでございまして、そういう意味では、今回の判決が出ましたために離婚の方向での調停の進めやすさというものは出てくるのだろうと思います。ただ、その反面におきまして、経済的な不利益をこうむる、あるいは精神的な苦痛を受ける相手方の立場というものをさらに十分に配慮していく、そういう必要も出てくるわけで。ございます。
 そういう意味におきましては、今回の判例の趣旨というものを調停に十分生かす必要が出てくるわけでございまして、そのために家庭局といたしましても早速この大法廷の判決を全国の家裁に送付いたしまして、そして家裁から各裁判官あるいは調停委員への周知徹底を図っていただくことにしております。また、秋から冬にかけまして全国規模あるいは高裁単位で調停運営協議会等が行われますが、そういう機会を利用しましてこの判例を十分周知させ、また、各家裁単位で調停委員の研修会、研究会等が行われますが、そういう機会をも利用いたしまして判決内容を調停委員の方々に十分理解きした上で、しかも調停を進める上でどういう点に留意すべきか、そういった点をこれから検討してまいりたい、かように考えております。
○坂上委員 特に心配しておるのは女性でございます。ひとつ女性を泣かせることのないように、そうしてまた子供たちの養育の上に決して――慰謝料が三百数万円だ、こう言われています。子供の養育料も、決して生活できるような養育料でないわけであります。さらに、この判決が女性を不利に、そしてまた深刻にさせることのないように、特に話し合いの調停でございまするので、ひとつ特段の御配慮を賜りますことをお願いをいたしておきたい、こう思っておるわけであります。
 さて、今度もう一つでございますが、時間がありませんので、光華寮の法務大臣権限法の発動について御質問申し上げます。
 この間私が、権限法の第四条に該当するのかしないのかということをお聞きをいたしましたら、回答の限りでないという答弁、今回答の時期でない、こういうお話をいただいたわけであります。国会議員が当局に質問を申し上げているわけであります。適当な時期でないというのは、一体どういうことでございますか。ましてや国会開会中でございます。ましてや今最高裁判所に係属中でございます。何としても納得できないのであります。再質問をいたしましたゆえんはそこにあります。
 さてそこで、ひとつ明確に確認をしておきたいのでございますが、第四条の、国の利害に関係あり公益に関係あると思われる場合は、みずから申し出て、裁判所の許可を得て意見を表明できる、こういうふうに、第一国会、衆議院の司法委員会議事録六十六号に奥野さんが答弁しております。このことは、三権分立には、裁判の介入には当たらない、したがって、この条文は憲法違反でもありません、こういうふうにきちっとした答弁がなされているわけであります。このことを発動することが三権分立に違反し、裁判の介入に当たるかどうか、それから今度、みずから該当すると信ずるならば申し出することができるのじゃなかろうか、ただ許可は裁判所が許可をする、こういうことなんだろうと思うのですが、このことが第一回国会の六十六号に書かれてあるわけでございます。まずこれだけ、事務当局としての確認を求めておきたいと思います。
○菊池(信)政府委員 先生御指摘の点でございますが、制定当時の国会審議において、権限法による意見陳述について裁判に対する干渉になるのではないかという御議論が非常に強くございまして、その際、政府委員としてその点についてされております答弁は、裁判所の許可を得て行われるものであるということ、それから裁判所に対する参考意見にすぎないので特別の法的効果を持つものではない、そういう理由で三権分立の関係では問題がないのではないかという御答弁になっておるようでございます。(坂上委員「結論だけでいいのです。理由は私はわかっているのだから」と呼ぶ)
 その後、この条文の姿だけ見ますと、進んでやれるかどうかということについては制限ございませんけれども、運用上裁判所が機会をお与えになったときに限ってするというのが行政の自制という趣旨から適当であるということで、そういう運用がなされてきております。
○坂上委員 これは大臣が来たら申し上げますが、そこにはそういうことは書いてない。ちゃんと「法務総裁みずからが、裁判所の許可を得て述べることも禁ずる必要はない」、こうも言っております。それから今度、「もちろんそういうことが問題になっているということを法務庁で聞き知った場合には、進んで許可を求めにいくことがあると思いますが、多くは裁判所の方から意見を求められるようなことがあるのじゃないかというふうに思うのであります。」こう言っているのです。だから任意に申し出することも可能だと私たちの大先輩が言っておるわけであります。国会の答弁であります。
 運用といったって、この間の森林法の憲法違反だという運用だけなんだ。あと、今まで一度もこの点についての意見表明がなされたことはないわけであります。たった一つの実例なんだ。この間あったわけだ。これが見事に、日本政府の言っていることは採用に値しないということで、憲法違反だという森林法の判決をいただいたわけであります。だから、三権分立に違反しないのだ、行政も心配ないのだ、自由に意見を申し述べることができる、こう書いてあるわけです。運用がそうだ運用がそうだなんて、運用がそうだなんということを書いてありません、この六十六号には。
 大臣が来たらもう一度お話を申し上げまして――これについて事務当局の見解として承っておきまするけれども、よく六十六号をお読みくださって、ひとつお願いをしたい、こう思っております。
 さて今度、外国人登録法についての事務当局への質問でございます。
 入国管理局では指紋押捺廃止の方向で今後とも検討される用意があるのですか。いかがですか。
○小林(俊)政府委員 およそ制度というものは、その制度が実施されている時点におきます諸般の事情、諸情勢の推移を明確に認識の上、これに対応する妥当なあり方というものを確保する必要があるわけでございます。したがって、いかなる制度といえども未来永劫にわたって現在のあり方というものを再検討しないということはあり得ないわけでございまして、そういう意味においては、この外国人登録法も例外ではございません。したがって、外国人登録法に定めているすべての制度あるいは定めというものは、今後の状況の推移に応じてあり方を常にフォローするといいますか、あり方を常に検討するということは当然のことでございます。そういう意味において、その方向がいずれの方向であろうとも、現状に照らして不適当でないということを確保するための検討は続けるということは当然のことと存じます。
○坂上委員 もう一点。刑事局長さん、この法案が通りますと、十六歳の少年たちが届け出義務違反でやられるわけであります。
 ことしの初めでございましたか、尼崎で、池のところに行って、少年法を無視した捜査のやり方があったと私たちは現認してきたわけであります。この委員会でも指摘をいたしたわけでございます。
 私らが心配するのは、十六歳の少年たちが、いわばこの刑罰法規によって犯罪人としての捜査を受け、処断を受け、そのことによって子供の健全な育成が阻害されることを心配をしておるわけであります。今後、捜査当局とされまして、こういうふうな運営について一体どのようになさるのか、特に少年法との関係において御答弁いただきたいのでございます。
○岡村政府委員 検察といたしましては、少年法に従いまして少年事件の送致を受ければ、適切な意見を付して家庭裁判所に送致するということになるわけでございますが、その際、検察といたしましては、法の趣旨その他を考えまして、少年の保護の上において適切であると考えられる意見を付するようにするということであると思うのであります。したがいまして、少年法の精神にものっとりまして、適切な処遇意見を付して家庭裁判所に送致するということになると思います。
○坂上委員 じゃ、大臣が来るまで留保しておきます。
○大塚委員長 橋本文彦君。
○橋本(文)委員 私も大臣の答弁を聞いてから事務局に聞こうと思っておったものですから、今大変困っております。後で十分ぐらい時間がいただけるということなんですけれども、こういうのは本当に困るのです。
 この外国人登録法、昭和五十七年に改正されました。その前の五十六年、五十五年にも改正された。つまり五十五年、五十六年、五十七年と三年間連続で改正されてきた。五十七年には、これで外国人の方には大変負担が軽減するであろう、そういうふうに当局は鼻を高くしておったわけですけれども、それが五年もたたずにまた改正に追い込まれた。五十七年以降、我々は、指紋にかわるものはないのか、あるいは常時携帯義務は免除できないのか、こういう見解から一般質問をやってまいりました。しかし、そういうことは一切考えられない、また、指紋そのものが一回ということも考えられない、こういう答弁だった。
 ところが、今回の法律は、一回限りでございますよ、しかも運転免許証みたいなラミネート化したものであるから携帯に便利ですよ、だから非常に外国人の負担は軽減しましたよ――そうなんでしょうか。私は、この法案を読めば読むほど、これほど厳しく規制するものはないな、こう思っておるのです。だから、そのところを大臣に聞いて、それから具体的に事務当局に聞きたい、こう思っておったのです。本当は、今質問する気は全くないのですよ。まあ仕方がありませんので、大臣には後から聞きますけれども。
 今入管局長は、制度というものは常にその時代によって変わるべきものであるから、またこの外国人登録法が変わるかもしれぬというような示唆ある言葉を言いましたけれども、本当に入管局長は、指紋が一回限り、それが外国人にとっていわゆる有利になった、負担が軽減したと思っておるのですか。しかも、この法案を読むと、一回とは書いてあるけれども、指紋そのものを保管している市町村の不注意によってなくしてしまう、あるいは退色によって不鮮明になってしまう、そういう場合にはもう一度指紋を要求する。あるいは、指紋を押捺するときになかなかいい指紋がとれなければ、市町村ではそれを子としても、地方入管局の方では、これは不鮮明である、もう一度指紋のとり直し、あるいはここがずれている、これが不鮮明である、そういうような形でもってこの一回限りというものが、実はもう何十回となく要求されることが理論上できるわけです。何が一回限りだ、私はこう言いたい。
 また、常時携帯についても、運転免許証みたいなものだ、ラミネート化されたものであるから携帯に便利である、これはどういう発想でこうなったのでしょうか。昔は、犯罪者については額に入れ墨を彫ったそうです、腕に入れ墨を彫ったそうです。どこに行っても彼がどんな人間がわかるような仕組みをつくりました。現在、この近代国家におきましてはさすがにそこまで非人道的なことはできない。これほど人権無視はない、だからそれにかわるものとして運転免許証みたいなものを持たせよう、発想は何ら入れ墨と変わっていないと私は思わざるを得ない。
 そこで、質問に入りますけれども、五十七年の改正によりまして、これで外国人の負担が軽減する、ところがその後大量の押捺拒否が出てきた、これはたまらぬということで、何とかしなければならぬ、そういうことで今回のこの改正だろうと思うのです。本当に外国人の負担を軽減しようという発想がおありならば、この際十六歳という年齢をもっと引き上げるべきじゃなかったのかとか、本当の意味で指紋というものは必要なのか、そういう議論を我々にわかるようにしてもらいたかったと思います。
 入管局長にお尋ねしますけれども、入管局の中には指紋については異論を唱えている人もあるやに聞いております。しかし、この件については警察の方で何としても指紋が欲しい、そういう意見がございまして、その調整の結果、今回の一回限りというような法案になった、こう聞いておりますけれども、入管局の中に、指紋は必要ない、今回のこういう改正ならば指紋そのものは必要ないという意見はあったのでしょうか、なかったのでしょうか。
○小林(俊)政府委員 ただいまの御質問にお答えする前に、先ほどの私の答弁につきまして御質問あるいは御言及がございましたので、一言申し上げます。
 私がお答え申し上げましたのは、制度というものは、そのときの客観情勢、その制度にかかわる客観情勢に照らして、不適切なものでないように常にレビューと申しますか、検討を続ける必要があるということでありまして、指紋押捺制度そのものについて、現在の状況に照らして考えるならば、近い将来にこれが廃止を可能とするような状況が出てくるというふうな見通しを持っておるわけでは決してございません。再々申し上げておりますように、指紋押捺制度は外国人登録制度の正確性を維持するために不可欠であるということでございまして、外国人登録制度の正確性を脅かす潜在的なあるいは顕在的な要因が存在する限り、この必要性はあくまで将来とも存続し続けるわけでございます。そのような潜在的、顕在的な要因といたしましては、不法入国あるいは不法残留といったような事象が現在でも目に余るほどに生じておることがあるわけでございまして、こうした事象が将来大幅に緩和に向かわない限り、この問題についての先生の御指摘のような方向での変更あるいは修正ということは極めて困難であるというのが現時点におきます私どもの見通してございます。
 次いで先生の御質問でございますが、入管局部内にはもちろんいろいろな意見があって、その意見の中で討議を重ねた末に、一つの結論に向かって、この法改正ということに至ったわけでございます。少なくとも警察庁に、あるいは警察庁を含めた各省庁に私どもが今回の法改正について協議を行う段階におきまして、この指紋押捺制度の廃止ということについて警察庁の意向を確認する、あるいは照会するというようなことは一切ございませんでした。したがいまして、入管局の意見として、指紋押捺制度の廃止ということが外部に提案されたことはかつてございません。
○橋本(文)委員 今のお話ですと、入管局として指紋はぜひ必要であるという見解のもとに臨んだ、それは私はちょっと信じられないのですけれども。入管局の中にもいろいろな声があると思います。具体的にその声を聞かしてください。
○黒木説明員 先ほど入管局長がお答えしましたように、私ども、法改正を考える場合はいろいろな角度からの検討をすることは、これは当然のことでございます。極端なことを申しますと、指紋ゼロから指紋百までと申しますか、そういうような検討をいたすわけでございまして、そういった中では当然のことながら、指紋ゼロということが可能であるかどうかという検討もいたしました。しかしながら、これまでたびたび御説明しておりますように、現在の情勢のもとにおいて、外国人登録の正確性を維持するために指紋制度はどうしても必要である、ただ、外国人の心情を考えてできるだけその数は減らしていこうというのが最終結論でございまして、今度の法改正もそういう趣旨から成り立っているということでございます。
○橋本(文)委員 課長、課長の下にいわゆる指導係というのがいますね、その指導係長という方が、いろいろな本に出ておりますけれども、もし今回のような、とは言ってないかもしれませんけれども、指紋というものは何回もとり直すことによってその存在理由があるのであって、一回限りであるならば指紋を押す必要は全く認められないとあなたの部下の指導係長が言っておるのですが、本当でしょうか。
○小林(俊)政府委員 ただいま先生御指摘の意見は、外国人登録関係の雑誌に掲載されたものとして私ども承知しておりますし、また、今回の審議の過程において言及された経緯もございます。その際、私の方からこれに関する解釈と申しますか、考え方を御説明いたしました。すなわち、私どもの承知する限りにおきましては、その意見は何らの手当ても講ずることなしに、すなわち五年ごとの押捺を何らの手当ても講ずることなしに廃止して、最初の一回だけにするならば、それは嫌がらせ以外の何物でもないという意見であると承知いたしております。確かに単に一回とっただけで、その後これを照合する何らの手当ても講じなければ、これは全くの気休めにすぎないということも大いにあり得るわけでございます。
 しかしながら、この点につきまして現在の改正法案は、必要が生じた場合等特別の事情のある場合には改めて指紋の押捺を命ずることができるという規定を設けております。これによって照合という機会が生ずるようにしてあるわけでございます。また、携帯を求められております登録証明書につきましては、転写という手段を講じて指紋が常に表示されているように現在の改正法案では規定をしようとしているわけでございます。こうした手当てを通じて指紋はあくまで照合の対象として今後とも確保されるわけでございまして、したがって、現在まで果たしてきた照合を通ずる同一人性確認の機能を今後とも有し続けるということになるわけでございます。こうした手当てを講ずるということを前提とした議論あるいは見解ではなかったというのが、先生御指摘の係官による意見の表明であったと私どもは承知しております。
○橋本(文)委員 先ほど局長は、入管局の見解として指紋は残すべきであるという見解を持っておった。ところが、あるいは報ずるところによりますと、入管局よりもむしろ警察庁の方が指紋を残すことに大変固執した、こういうようなことを言われておりますけれども、入管局長がそういう声を警察庁から聞いたことがあるのかないのか、また、聞いたとすればどういう意味で指紋に警察庁は固執しているのか、その辺を聞かせてください。
○小林(俊)政府委員 警察庁の考え方を私どもが御説明する立場にはございませんけれども、いずれにいたしましても、私どもといたしましては、警察庁にいかなる段階におきましても指紋の撤廃について協議をしたということはございません。
○橋本(文)委員 警察庁にお尋ねをいたします。
 今の質問いかがですか。
○国枝説明員 ただいま法務省の御答弁のとおりでございます。
○橋本(文)委員 警察庁に重ねてお尋ねいたします。
 警察庁はいかなる意味で指紋が必要であるとお考えでしょうか。
○国枝説明員 指紋制度につきましては、言うまでもなく法務省御所管の制度でございます。したがいまして、警察庁としていかがかということについてその見解を申し上げる立場には本来ないわけでありますが、せっかくの御質問でございますので考えておるところを若干申し上げますと、まず警察の責務、すなわち犯罪捜査あるいは職務質問その他警察各般の活動の現場におきまして、外国人につきましての身分関係等を確認する必要があるわけでございますが、かような場合におきまして、外国人登録そのものが正確なものである必要があるわけでございます。その正確な外国人登録というのを最終的に担保するのは指紋制度であろう、かように理解いたしております。
○橋本(文)委員 警察庁にお尋ねします。
 ことしの警察白書によりますと、警察庁はいわゆる指紋自動識別システムという大変な大型コンピューターを昭和五十七年十月に導入されたそうでございます。この指紋自動識別システムというものをちょっと説明してください。
○石川説明員 御案内のように指紋は個人識別の決め手となるものでございまして、犯罪捜査において極めて大きな価値を有するわけでございます。そのために、警察業務の状況状況に応じまして指紋照合ということを行うわけでございますが、膨大な資料と対照作業をする必要がございます。これには大変な人手と時間を要するということで、大変問題になったわけであります。
 そこで、警察庁といたしましてはコンピューターによる精度の高いパターン認識の技術を開発いたしまして、これを応用いたしまして指紋自動識別システムというシステムを整備いたすということで、現在それに着手、推進をしておるところでございます。これが御指摘のコンピューター化でございますが、犯罪現場に残された指紋から犯人を割り出す遺留指紋照合業務というのがございます。また、被疑者の身元や余罪を確認する業務があるわけでございますが、これがコンピューターの手助けによって非常に迅速化され効率化されるということでやっておる、そういうシステムでございます。
○橋本(文)委員 指紋といいましても、たくさんな指紋があろうかと思います。犯罪現場に残されたいわゆる遺留指紋、それはただ小指の指紋あるいは親指一指の指紋、全部の指紋がない場合もたくさんあると思います。そういう例えば一指の指紋でも犯人を割り出す、これができるのでしょうか。
○石川説明員 警察が保管しております指紋資料、被疑者指紋でございますが、それにつきましてはすべての指についてコンピューターに読み込みまして、それをコンピューターがデータとして記憶をしておるわけでございます。したがいまして、犯罪の現場から一指の指紋が遺留指紋として警察庁に照会されるといった状況におきましては、コンピューターを使って照合することができる状態になっております。
○橋本(文)委員 ちょっと今最後の発言がよく聞こえなかったのですが、できると言ったのですか。
○石川説明員 はい。
○橋本(文)委員 要するに、一指の指紋でも犯人が識別できる、そういう精度の高いものを今警察庁は持っておられるということですね。
 ところで、市町村に保管されておった指紋を警察があらゆる機会に閲覧しておったというようなことが裁判の事例でも出てきておるようでございますけれども、この点いかがですか。
○古川説明員 一般の犯罪事件の捜査におきまして、通常外国人登録法で登録された指紋を使用するということはないと聞いております。
○橋本(文)委員 法務省にも、大臣官房秘書課情報管理室に大型のコンピューターが導入されておるそうで。ございますし、また、近時東京入国管理局にもコンピューターが入っておる。これがあらゆる管理局にも配備されるのではないか。そうなると、法務大臣の官房秘書課でもってすべて掌握できるというときが間近に来ている、こう思うのです。今回のラミネート化に伴いまして指紋というものがいわゆる転写できるわけですけれども、こういう技術を持っている現況からすると、当然指紋というものも法務省は全部コンピューターに入れてくる、インプットする、このように考えられますが、そういうお考えはあるのかないのか。いかがでしょうか。
○黒木説明員 ただいまお尋ねのように、私ども外国人登録記録、すなわち国籍、氏名、生年月日等々の登録事項についてはコンピューター化いたしております。しかしながら、指紋は御承知のとおりこれは一つの紋様でございまして、現在のシステムでは、こういった紋様を法務省のコンピューターにインプットするというシステムは採用しておりません。
○橋本(文)委員 重ねてお尋ねいたします。
 現在のところは考えておりません。近い将来はどうなんでしょうか。絶対にこの外国人登録の際に採取した指紋についてはコンピューターには入れないと言えるのか、言えないのか。
○黒木説明員 絶対に未来永劫というふうに言われますと、そういうことはいたしませんと言う立場にはないのでございますけれども、現在のところ、少なくとも現在のところないしは近い将来においてそういう指紋をコンピューターにインプットするという計画はございません。
○橋本(文)委員 入管局長にお尋ねいたします。
 指紋というものが本当に一回限りで他に使わないというのであれば、それは本当に嫌がらせにしかすぎない、このようにさっき言われましたね、そういう指導係長の言葉をとりまして。今の黒木課長の話を聞いていますと、近い将来までは考えておりません。しかし、指紋をとったという以上は何らかの意味があるわけですから、法務省も大変なコンピューターを持っている現状ですから、それをコンピューターに入れないというのはどういうことなんですか。外人登録の他のものはすべてコンピューター化した。しかし、指紋についてはまだ考えておりません。そんなばかなことがありますかと私は言いたい。まして今、警察庁の方ではたとえ一指の指紋でもたちどころにその犯人がわかるというようなすばらしい精度のコンピューターが開発されている。それが法務省は私の方は関係ありませんというようなことは、私は考えられない。いかがですか。
○小林(俊)政府委員 コンピューターによる照合が行われなければ指紋をとった意味がないではないかというふうにも御質問の趣旨が受け取られましたけれども、コンピューターにインプットしなくても、もちろん指紋はその機能を十分に発揮するわけでございます。すなわち、現在の改正法案の中におきまして、特に事情のある場合、すなわち同一人性について疑問が生じた場合が最も重要な場合でございますけれども、そのような場合には改めて指紋押捺を命ずることができるわけでございます。実際に同じ指の同じ部分を同じ方法で押捺をしていただければ、前回の指紋と照合することは別にコンピューターを要することではございません。何らの専門的な訓練も要せずに、素人が肉眼で確認することは極めて容易でございます。したがいまして、その間における照合は現にこの改正法案が予定していることでございます。
 また、指紋を転写という方法によって登録証明書に表示することによって登録証明書の不正利用を抑止するというところに大きな機能を私どもは期待しているわけでございまして、そういったこともまたこのコンピューター化には関係がないことでございます。将来、未来永劫、指紋をコンピューターにインプットすることはないということを申し上げたのは、ただいまのような機能とは別の話でございまして、別途の観点からそういったことが、例えば二重登録を探り出すというようなことで将来考えられることがないとは限りません。しかし、いずれの場合にしても一つはっきり申し上げることができるのは、指紋というものをコンピューター化しようとしまいと、犯罪捜査に利用するということはないということでございます。
○橋本(文)委員 今、はしなくも局長の言葉が出ました。今回の制度の眼目である指紋一回限りというものが、今の言葉で全部覆りました。必要に応じて何回でも指紋は採取できる、ここに根本精神があるじゃありませんか。
 また後から大臣が来ましたら質問いたしますので、とりあえずこれで終わります。
○大塚委員長 安倍基雄君。
○安倍(基)委員 私としては三巡目の質問でございますので、大体主要点は既にお聞きしているところでございますけれども、過日参考人が出てきましていろいろな陳述をしたわけでございますが、それとの関連で、参考人の中の多くの意見が、定住外国人に対してはやはり特別に考えるべきだというのが異口同音に主張されたわけでございます。この点について当局はどうお考えになるのか。大臣がおられればまたその話もお聞きしたいと思いますけれども、その点についてお聞きしたいと思います。
○小林(俊)政府委員 外国人の在留管理に関連いたしまして、定住外国人というものについて配慮を払うべき側面というものが存在するのは事実でございます。こういう観点から、既に今回の審議を通じて御説明申し上げた点ではありますけれども、例えば永住許可の問題あるいは退去強制の問題等につきまして、永住者を中心とする、特に協定永住者を中心とする定住外国人について特別の配慮が払われているという事実はあるわけでございます。
 しかしながら、問題は、問題となっているその制度ごとに様相を異にしてくるわけでございまして、登録という観点から見ますれば、定住外国人につきまして、例えば定住とは申せない中期在留外国人と区別してこれに緩和した要件を適用するということは、制度の趣旨の上で適当ではないという結果にならざるを得ないわけでございます。例えば米国におきましてもグリーンカード、すなわち永住権を持っている外国人についてのみ必ず十指の指紋を採取しているといったこともそうした観点から言い得ることでございまして、結局、定住外国人の負担を緩和するといいましても、これを問題とする際適用される制度の趣旨によって考えざるを得ないというのは当然のことであろうかと存じます。
○安倍(基)委員 私は、例えば十六歳であれするのはどうだというような話もしたわけでございますけれども、こちらでだんだんと大きくなってきている者とぽっと外から入ってくる者とは、そういった年齢という問題についてまた一つの点をとらえましても、いろいろの点で特別な考慮を払ってしかるべきではないか。この前の参考人質問のときに話題に出たのですけれども、アメリカで指紋制度が強化されたのはメキシコからの大量入国というような話が背景にあると聞いております。そういったものとこちらで育っているというのとはやはり意味合いが違うわけでございまして、登録法上におけるいわば定住者に対する、永住者というか、その辺の概念をどういうぐあいにつくるかという問題はございますけれども、そういった特別の考え方ということは当然配慮されてしかるべきものではないかというのが私の考えでございます。この点の御見解を、法務大臣にもお聞きしたいとは思っておりますけれども、考慮できるものではないかな、これからの課題ではないかなと思いますが、いかがでございますか。
○小林(俊)政府委員 制度の対象となる外国人の負担という観点からだけ考えるならば、定住外国人についてはなるべく負担を軽減したいという気持ちは自然のことであろうかと存じます。しかしながら、これもまた既に何回か御説明申し上げたことでございますが、制度のあり方というのは、その制度を必要とならしめている客観情勢と、それから制度の対象となっている人々の負担という両者のバランスを求めることにある、それがその制度のあり方を検討する際の基本的な立場であるということでございます。したがいまして、今の登録という観点だけに限って申し上げれば、その定住外国人をその他の中期在留外国人と区別するということは、事柄の内容上、性質上非常に難しい面があるわけでございます。
 と申しますのは、その登録の正確性の維持というのは、結局は不正規在留者を正規在留者と区別する、峻別するということにあるわけでございます。ところが、不正規在留者が成りかわって成り済まそうとするのは、中期在留外国人ではなくてまさに定住外国人でございますので、定住外国人が正規の在留者であるということを確認する手段を確保するということは、短期、中期の在留者以上に重要であるという面もあるわけでございまして、こうした側面を念頭に置いてその負担とのバランスを考えていくということをなさざるを得ないということになるわけでございます。
○安倍(基)委員 この辺は、私としてはやはり将来の課題ではないかなというぐあいに考えております。特に、この前民事の局長からも話がございましたように、日本はいわばアメリカのように生まれた途端に国籍を取得するという制度ではない、血統主義であるという面があるわけでございますから、そうすると、そういった考えがあるのであれば、逆にこういった協定永住者というものに対する権利というか人権というものを、通常の、いわば急にぽっと入ってくるという者と比較してやはり区別して考えていかなければいけないんじゃないかということでございますので、これはいささか今までも議論もあった話でございますけれども、時間もございませんから、この点は将来の課題と私は考えたいと思っております。
 この点ちょっと大臣の意見を聞きたいのですけれども、おられないから、これは事務的なお答えとしては承っておきますけれども、これからの我々の姿勢としてはやはりそう考えていきたいと思うわけでございます。政務次官いらっしゃいますが、いかがでございますか。
○工藤(万)政府委員 御指摘にございますように、問題によっていろいろ違ってくると思いますので、その点について担当者から答弁させていただきます。
○安倍(基)委員 何かそれは繰り返しになりますから、むしろ法務大臣が見えてからの方が話があれかと思いますが、もうじき見えると思いますので……。
 二番目に、今回のいろいろ参考人の陳述の中でも、ちょっと刑が重過ぎるんじゃないかという問題が大分論述されました。この点についてどうお考えになるかをちょっとお聞きしたいと思います。
○岡村政府委員 外人登録法に定めております罰則の法定刑でありますが、例えば指紋押捺等、十八条所定の行為につきましては「一年以下の懲役若しくは禁錮又は二十万円以下の罰金」となっております。また、外国人登録証明書の不携帯等の行為につき法定刑を定めております十八条の二では、「二十万円以下の罰金」というふうに規定しているところであります。これらの罰則がほかの行政罰則等と比べまして重いか軽いかということは、比較の対象をどこに置くかというような問題もありまして一概には言いがたい点もあるわけでございますが、他の行政罰則のうち例えば薬事法の関係を見てみますと、薬局開設者等の帳簿への記載義務違反等につきましても、「一年以下の懲役若しくは二十万円以下の罰金」あるいはこの併科ができるというような規定があるわけでございます。
 どういったものと比較して重い軽いを決めるかという点につきまして、先ほど来申しましたように難しい点があるわけでございますが、全体の行政罰則等の中で見まして、特に外人登録法関係の罰則が重いというふうには考えられないと思っております。
○安倍(基)委員 これは、ほかの国と比べてどんな感じがしましたかな。
○黒木説明員 ちょっと全般的な資料ではございませんで、登録証明書の携帯義務違反について今手元の資料を見てみますと、韓国の場合ですと二十万ウォンの罰金、それからタイですと百バーツ、マレーシアでは二年以下の禁錮または三千リンキットと申しますか、の罰金ないしはその併科。それからイギリスでは、これは直接の携帯ではなくて提示義務違反でございますが、提示義務違反につきましては六月以下の禁錮もしくは千ポンド以下の罰金というような、携帯義務だけにつきましても各国それぞれの事骨によりましていろんな罰則を定めておるようでございます。
○安倍(基)委員 私はこの前の参考人のときにも言ったのですけれども、これから東南アジアあたりから相当人が来て、こちらで働くという事案が十分想定される。これは、別にこういった人々に対する措置をどう考えるかという問題はあるかと思いますけれども、逆にそちらの方の管理が厳しくなる可能性もないではないと私は予想するのです。その問題についてのあれはあると思いますけれども、そうすると、逆に定住者というものについていわば何らかの特別的な考え方をしていかなくちゃいけなくなるのではないかと私は思うのです。この点、いささか押し問答のようになりますけれども、さっきのアメリカにおける措置ということを例に引いたこともございますけれども、私は何らかの区分というものを将来考えていかないとやれなくなるのではないかという気がいたします。
 もう時間もございませんからあれですけれども、大臣が来られる前に政務次官、ほとんど急な話で今までの経緯は聞いていらっしゃらないかもしれませんから、もう一度最後に当局の意見を聞いておきたいと思います。
○小林(俊)政府委員 定住者につきまして在留管理上特別の考慮を払うべき面があるということは先ほど申し上げたとおりでございまして、現にそのような取り扱いをなされている問題があるわけでございます。ただ、登録という問題に限って申し上げれば、定住者を短期在留者に比して要件を緩和するということを考えるのはなかなか難しいことでございます。しかしながら、考え方の根幹として、定住者について在留上の負担を軽減する、あるいは特別の取り扱いを認めるということは大いにあり得べきことだろうと私ども考えております。したがって、これはあくまで制度の内容、性質いかんにかかわることであるけれども、基本的には委員御指摘のような考え方というものは入国管理局にもあるということでございます。
○安倍(基)委員 時間も参りましたし、私自身三巡目の質問ですからこの辺で終わりたいと思いますが、最後に、今定住外国人というか永住外国人というか、特別の立場にある者についてはそれなりの考えもあり得るという御答弁をいただきましたので、私の質問を終わりたいと思います。
○大塚委員長 安藤巖君。
○安藤委員 私も大臣に質問申し上げたい点があるのです。そして、質問ももちろんそうでありますが、私どもが質問をし、そして答弁をしていただくというこの審議の内容をやはり大臣にもきちっと聞いておっていただきたいというふうに思うわけです。
 それでは、大臣がお見えになる前に、本当はこういうことも大臣に聞いておっていただきたいのですが、十四条五項によりますと、一号、二号、三号に該当する場合は市町村の長から指紋の押捺を命ぜられることになっておるわけですね。この市町村長の命ずるという行為はどういうような形式で行われるのか。口頭なのか文書なのかということをお尋ねします。
○小林(俊)政府委員 口頭でございます。
○安藤委員 そうしますと、そういう命令をその市町村の長みずから申請に出頭した人に対して言うのかあるいは係員が言うのか、どちらですか。
○小林(俊)政府委員 通常は、市町村の事務を担当する窓口の職員であろうかと存じます。
○安藤委員 そういう場合にトラブルが起きるのじゃないのかなという気がするのです。あなたは市長さんでもない、町長さんでもない、村長さんでもない、何の権限があって私に命令するんだ、こういうようなことが起こるのじゃないですか。
○小林(俊)政府委員 再押捺を求める事例につきましては、全国的に、地方的にばらつきがあっては混乱を生ずる原因となります。そこでそのような場合につきましては、この改正法に明記してございます事例を、さらに通達等で全国統一的な基準を明確にする予定でございます。そのような措置を通じてこの点についての全国的なばらつきが生じないように処理をするつもりでございますし、また、関係職員あるいは関係職員を指導する人々の研修等も通じて、この点についての趣旨の徹底を図る予定でございます。
 なお、ただいま口頭で窓口の職員が押捺を命ずるというふうに私申し上げましたが、若干その了解に食い違いがあったようでございまして、これは書面で行うということを考えているそうでございます。
○安藤委員 考えているそうでございますというのも実は納得がいかぬのです。本当に町長さんの命令なのかどうか、これは問題になると思いますよ。書面を考えておるということでございますが、例えば五項一号の指紋によらなければ同一性が確認できない場合というのがあるのですね。あなたはもう一度指紋を押していただいてそれを照合してみなければ確認できませんということを言うと思うのですが、確認できるのじゃないか、よく見てくれ、どうなんだ、こういうような争いが起こるのじゃないかという心配があるのです。そういう疑問が出されて争いがあっても、市町村長の命令だ、これが文書だ、従え、こうなるのですか。
○小林(俊)政府委員 若干答弁に混乱がございまして申しわけございません。この問題につきましてはまだ部内で決裁を下するという段階に達しておりませんので、したがって部内で検討中であるということでございましたので、ただいまのように書面で行うことを事務レベルでは検討中であるという、その説明を受けたわけでございます。一たん市区町村長が本局からの通達に従いまして、なおこの法律の枠内において書面による命令を行った場合におきましては、その命令はその場に関する限り最終的なものであるということは申し上げることができると思います。
○安藤委員 まだいろいろ詰めておられる過程だというふうにお伺いしたのですが、その辺のところもきっちりされてから法案は提出されるべきじゃないのかなと思うのです。今私がひょいと思っただけでもそういう疑問が出てくるのです。これは争いになりますよ。
 それから、二号は物理的な原因だということでわかるのですが、三号のイ「紛失し、又は滅失したとき。」これは先ほど来話がありましたが、御当人の責任でも何でもないのにこういうことでまた指紋の押捺を命ぜられる。本当にこれは紛失したのか減失したのか、どうなんだ、それをしっかりしてくれ、こういう争いになったときどうするのですか。
○黒木説明員 ただいまのお尋ねの紛失、減失、これも事実でございまして、それの証明というのは現実に紛失した、ないしは火災その他で焼失したということでございまして、この点について紛失というのはどういう場合があり得るかと申しますと、例えば居住地が変更されまして関西から関東へ引っ越してくるというような場合は、原票を関西の市町村から新しい関東の市町村へ郵送するということでございますが、郵送途中でそういう事故もあり得るだろうという意味の紛失でございますので、これは郵便の不着ということになるわけでございます。ただ、この場合、第三号の柱書きにございますように、原票はそういう形で紛失いたしましても、法務省保管の指紋原紙が紛失しておらなければ指紋押捺の義務を生じないわけでございます。このいずれもが紛失ないしは減失するという事態は、極めてまれな例ではないかというふうに考えております。
○安藤委員 火災とかなんとかの場合はわかるのです。それから、ないものを立証することはできないという大原則がある、これもわかるのですが、やはりきちっと説明をしてこういうことなんだということでなければならぬと思うのです。その辺のところもきちっと通達その他でやっておかなければならぬと思うのです。減失しておるとは思わない、紛失しておるとは思わない、一回押してあるからもういいではないか、こういうような争いが出てくると思うのです。
 それから、ロの場合、これもいろいろ議論がありましたけれども、指紋が棄損あるいは汚損もしくは色があせた、それで不鮮明になった。それで恐らく窓口の担当の方が、不鮮明です、こうです、いや不鮮明じゃないじゃないか、わかるじゃないですかというような争いになった場合、これはどうするのですか。
○黒木説明員 原則的に申しまして、現在の指紋制度のもとでは、その際に押した指紋が十分でないという場合はその場で押し直してもらうということでございますので、原票に押されている指紋そのものがもともと不鮮明であるという場合は理屈の上からはないわけでございます。現実には市町村の職員が不鮮明であるのを見落としてと申しますか、見逃して、そのままになっているという場合はあるのかもしれませんけれども、理屈から申しますと、その場合は再押捺を命じているはずでございますので、理屈上は不鮮明な指紋はもともとはないということでございます。あるとすれば、後日それが何がしかの作用によりまして不鮮明になったという場合があり得るだろうと思います。
○安藤委員 そういうことはないとおっしゃっても、ここにちゃんと条文にあって、その場合は命ずると、こうなっておるわけでしょう。それで、この命令に違反をしたら指紋押捺拒否、こうなるわけですよね。だから、この辺のところが重大な問題をはらんでいると思うのですよ。
 そこで、今お聞きいただきましたように、刑事局長にお尋ねしたいのですが、鮮明なのか不鮮明なのかという問題、本当に紛失したのかどうかという問題、それから指紋をもう一回押さなければ同一人性の確認ができないような状態にあるのかどうかという点については、これはすぐれて、具体的には市町村長ではなくて窓口の方の判断によると思うのです。ところが、その判断に基づいて市町村長が命ずる、そしてこれに違反をすれば法第十八条で一年以下の懲役もしくは禁錮、二十万以下の罰金、こうなってくるわけです。となると、先ほどもほかの問題で罪刑法定主義の関係で議論がありましたけれども、何かあやふやなことで、市町村長の命令ということだけで絞って、そして刑罰に処する、こういうようなことからすると、罪刑法定主義の立場からこれは大問題ではないかと思うのですが、どうでしょう。
○岡村政府委員 刑罰法規が不明確かどうかというような点につきましては、通常の判断能力を持っております一般人の理解において、具体的場合に当該行為がその適用を受けるものかどうかの判断を可能ならしめるような基準が読み取れるかどうかによって決すべきであるというのが最高裁の判例でございます。この基準に照らしましても、十四条の五項につきましては不明確とは言えないというふうに思われるのであります。すなわち、五項の各号の規定が具体的でございまして、これは明確であるというふうに考えられるのであります。ただ市町村の長が、この一号ないし三号に合理的に見まして明らかに当たらないような場合に命令を出すということは、これは問題であろうかと思います。そこはやはり市町村の長が一号ないし三号に係る理由に合理的に見て当たるという場合に指紋押捺を命じる、こういうことになるものと思っております。
○安藤委員 五項のそれぞれの号の規定は具体的で明確であるとおっしゃるのですが、先ほど来質問をしておりますように、決して具体的ではなく不明確だというふうに私は思います。
 時間がありませんから、次へ移ります。
 登録証明書をラミネート化して常時携帯義務、こういうことなんですが、常時携帯しているかどうかということを確認する。だから提示をさせる。その提示を求めた。警察官の場合が多いのですが、警察官がラミネート化されたその登録証明書の写真と、それから押してあるその指紋を見て、これはこの登録証明書に記載してある本人かどうかを確認するのですか、その場で。指紋照合をするのですか、本人にもう一遍押させて。そんなことやらないでしょう。となると、何のためにこのラミネート化された登録証明書に指紋を押させる必要があるのか、これはどうしてもわからないのです。
○小林(俊)政府委員 この点も、今回の審議を通じて御説明申し上げた点と重複いたしますので恐縮でございますけれども、この登録証明書に指紋を表示する最大の理由は、登録証明書の不正利用を抑止するということでございまして、その間の機能は今日までの経験的な認識によって立証されております。
 なお、この照合という問題は、本人が、その写真等の本人の容貌との相違によって疑問が生じた際に、これを立証するために任意に押捺を行うという場合に有力な根拠となりますし、また、その登録証明書に関する諸認識あるいはこれに関する質問等を通じて十分な疑問の生じた際には、出入国管理法違反、すなわち密入国の疑いというようなことで刑事手続に移行することもあり得るわけでございまして、その際には強制的な指紋の採取ということが刑事訴訟法に基づいて行われるということもあり得るわけでございます。その際には、照合の対象として登録証明書の指紋は根拠となり、その照合の対象となることがあり得るわけでございます。
○安藤委員 登録証明書の常時携帯の関係は、この前の参考人のお話にもありましたけれども、ラミネート化することによって簡単に持ち歩きができるはずだ、だから、おふろへ行くのにも、たばこを買いに行くのにもいつも持って歩けるように、持ち歩きに非常に便利なことにしたんだ、サービスなんだというようなことだけれども、これはサービスどころではなくて逆に常時携帯義務を強化するものであるというようなお話もありましたが、常時携帯しているかどうかということで提示を求めて、見る。持っていればそれでいいのか、そういうことでしょう。本人かどうかという同一人性を確認する。持っているその本人が登録証明書に記載してある本人かどうかということを確認しなかったら、これは意味がないと思うのですよ。ところが、その場で指紋の照合をするわけじゃないし、この写真の横に指紋を転写して載せていくという意味がどうしてもわからないのですね。
 大臣がお見えになりましたし、時間も参りましたので……。
 これまで大臣にもいろいろ審議の経過をお聞きいただきました。それから、先回の御答弁では、個人的な見解だとおっしゃったのですが、指紋押捺というものはない方がいいと思っておるけれども、行政当局の方のガードがかたくて何ともならないんだというお話がありましたが、大臣としては、やはりこの指紋押捺はない方がいいんだというふうに思っておられるのかということと、いつまで大臣をやっておられるのかわかりませんが、とにかく指紋押捺を全廃するという方向で御努力いただけるのか、いただけぬのか、まず大臣にお尋ねします。
○遠藤国務大臣 お答え申し上げます。
 この法案の提出の責任者は法務大臣でございます。そのような点で、これが最上だ、こういうふうな考えで提出をいたし、御審議をちょうだいいたしているということでございますが、今日までの経緯を簡単に申し上げると、いろいろ先生方の御意見等も私なりに承知をいたしております。そういうような点で、今度の登録法は、強化していこうということではございませんので、何としても外国人登録者の要請に逐次こたえたい、こういうふうな点で一歩前進せしめたと自分で自分の法案を評価しているわけであります。そういうような点で、今ここでどうかと言われると、なかなか法務大臣として、提出者の私がこれはいい法案だとか、これはもっとこうすべきだということは残念ながら申し上げかねますけれども、やはり社会実情に合うところの改善に今後とも努力していかなければならぬ、こういうふうな点で、現時点ではなるほど改善されたなという御評価をちょうだいいたしたい、こう思います。
○安藤委員 これ以上大臣にお尋ねしても何ですからやめますが、最後に一つだけ登録課長にお尋ねしたいのですが、これはジュリスト八百二十六号、一九八四年、昭和五十九年の十二月一日号、ここで「外国人登録制度と指紋押捺問題」という題で座談会が行われておりまして、黒木登録課長もそこに出席をされて話をしておられるのです。詳しいことは省略しますが、終わりの方のところで
 昭和五七年の法改正で外国人の負担を軽減する大幅な改正をしたわけです。その際に、国会の審議の過程においては指紋制度についても慎重なくり返しの議論が行われまして、結局結論から申しますと、政府が提案しました外国人登録法改正法案は全会一致で可決されたということでして、基本的に申しますと現在の外国人登録法上の指紋押捺制度は、最近の承認を得ており、
こういうふうに言っておられるのですね。
 となると、昭和五十七年の法改正のときに全会一致で可決されたということは、基本的には全会一致という形で指紋押捺制度が承認を得ております、こういう格好になっておるのです。このときは御案内のように最初の登録が十四歳であったのを十六歳に年齢を引き上げた問題、それから切りかえは三年ごとであったのを五年ごとにする、ほかにもありますけれども、こういうような点で一部改正があるということで私どもも賛成をして、全会一致になったわけです。しかしこの話によりますと、「外国人登録法上の指紋押捺制度は、最近の承認を得ておりこういう格好になるのです。これはおかしいじゃないですか。
○黒木説明員 現行法がそういう形で承認された、そういう趣旨でございます。
○安藤委員 時間がありませんからやめますけれども、あなたの言っていることは違うのですよ。今後もいろいろまたきちんと議論をしたいと思います。
 これで終わります。
○大塚委員長 小澤克介君。
○小澤(克)委員 最初に御質問をした際に、指紋押捺拒否についての刑罰規定が罪刑法定主義上極めて問題があるということを御指摘したのですが、問題がないという結論だけのお答えで、その理由について何らの説明がなかったわけでございまして、極めて不十分であるということから質問を留保させていただいたわけでございます。
 もう一度、順を追ってお尋ねいたしますと、改正法の第十八条には罰則の規定がございます。その第八号には「第十四条の規定に違反して指紋の押なつをせず、又はこれを妨げた者」、これが「一年以下の懲役若しくは禁錮又は二十万円以下の罰金に処する。」こうなるわけでございます。したがいまして、この「第十四条の規定に違反して指紋の押なつをせず、又はこれを妨げた者」という構成要件が一義的に明白でなければ罪刑法定主義に違反をするわけでございます。
 そこで、この十四条の規定というものが不明確である。なぜかといいますと、十四条の第五項では、先ほど説明いたしましたが、「第一項及び第三項の規定は、これらの規定により指紋を押したことのある者には適用しない。」適用除外が定めてあるわけでございます。ここで言う「これらの規定により指紋を押したことのある者」の中には、一たん日本において在留手続をとり、その後出国して、そして再度入国するいわゆる再入国とは別に、全くの再度新規に入国するとした者についても、条文上はこの「これらの規定により指紋を押したことのある者」に含まれるわけでございます。日本語の解釈としては含まれる。もしそれを含めないというのであれば、何らか継続して在留する者というような限定がなければならないわけです。むしろこの条文を読みますと、第一項の規定はこれこれの者には適用しないとなっておりまして、その第一項には新規登録を含んでいるわけですね。十四条の第一項には第三条第一項というものが明記してあります。そういたしますと、新規登録の際にも指紋押捺を免除される、適用除外されることがむしろこの条文からは予定されている。そうでしょう。
 そういたしますと、新規の登録の際に既に指紋押捺をなされている者というのは、結局私が指摘したような再度入国者というような場合が普通は第一に想定されるわけでございます。そうすると、素直に読むと、再度入国した者については再度の新規登録の際にもはや指紋押捺は要らないと読むのが、十四条一項と関連いたしまして、この十四条五項の率直な理解といいますか、むしろそう読むのが文理解釈だろうと思うわけです。それにもかかわらず、私は再度の入国であって、前に入国した際に指紋を押しているから今回は指紋を押す必要がないとして拒否した場合に十八条によって処罰されるとすれば、これは罪刑法定主義に明らかに違反するではないか、こういう指摘をしたわけでございます。刑事局長、明確だとかいう結論だけではなくて、なぜそうおっしゃるのか、理由を明らかにしていただきたいと思います。
○岡村政府委員 入管局長も御説明したところでありますが、外国人が本邦の領域から出国いたしますと、それは我が国の主権の及ばない存在ということになるわけでございます。したがいまして、在留外国人の居住関係や身分関係を明らかにすることを目的といたします外国人登録法のいろいろな規定も、その外国人が本邦にいる間について規定しているということが、事柄の性質上当然と言えるわけであります。このことは、法の三条が本邦に入ったときに新規登録をしなければいけないと規定しているところでありまして、再入国の許可を受けて出国した者等についてはこの新規登録は要しないと、括弧書きで記載されているところであります。しかしながら、かつて本邦に在留し、登録をした者であるかどうかを問わないで、本邦に入ったときには新規登録をしなさいというのがこの三条の趣旨であります。
 この規定からいたしますれば、かつて本邦に在留し、登録をしていたかどうかを問わないで、一たん出国いたしました者が本邦に入りましたときは新規登録以降の新しい手続が開始されるということになるわけでございます。そういう意味におきまして、指紋の押捺等もそこから新しく生じるということになるわけでございまして、過去に指紋を押捺したかあるいは過去に登録があったかということは、そのことと切り離された問題として考えられるわけでございます。そういいましたことは、この法の三条その他の趣旨から見まして明確であるというふうに思うわけであります。
○小澤(克)委員 いや、明確でないのですよ。
 それでは今度は入管局長にお尋ねをいたしますが、十四条の第五項の本文は新規登録の際を排除しておりませんね、適用除外について。なぜですか。
○小林(俊)政府委員 第五項の趣旨は、新規登録の際に指紋押捺をしている者は改めて押捺を求められることはないということでございまして、私、質問の御趣旨を余りはっきり把握してなかったのかも存じませんが、そういうふうに存じます。
○小澤(克)委員 もう一度申し上げますと、五項の本文は、第一項及び第三項の規定はこれこれの者には適用しないという適用除外が書いてあるわけです。その第一項には新規登録が含まれるのです。なぜかといいますと、第十四条の一項には第三条一項というものが入っております。そうでしょう。おわかりですね。そうするとこの本文は、新規登録の際にも適用除外があるということを予定した条文になるのですよ。そうなるでしょう。第一項についてはこれこれの者には適用しない。第一項の中には新規登録が含まれます。そのことを指摘しているのです。なぜ第一項の中から新規登録を除外するということをしなかったのか。いかがでしょう。
○佐藤説明員 御説明いたします。
 今委員おっしゃるとおり、第五項では「第一項及び第三項の規定は、これらの規定により指紋を押したことのある者には適用しない。」と書いてありまして、第一項には、第三条第一項、第六条第一項云々というふうに挙げてあるわけでございます。もう一方、第三項には、同項ただし書きに規定する在留期間の更新、何々の申請をする場合には押さなければならない。いずれも指紋を押さなければならない場合をそれぞれ掲げてあるわけであります。全部を掲げてあるということであります。
 そこで、委員おっしゃるように、三条一項が外れてないということは文面上からはそのとおりでございますけれども、先ほど来入管局長また刑事局長も申されましたように、解釈上この部分は外れてくるというふうに考えるのが外国人登録法の体系から申して当然であるというふうに考えられると思っております。
○小澤(克)委員 だからおかしいのですよ。いいですか。字面上は排除されないのです。第五項の本文は、新規登録の際にも適用除外があり得るというふうになるわけです。論理的にそうならないと言うのですけれども、そういう論理的な解釈というのは当然にそうなるとは言い切れない。したがって、罪刑法定主義上明らかにおかしいでしょう。罪刑法定主義上、言葉の文言から構成要件が明確でなければいかぬわけですから。だめですよ、そういう答えでは。到底納得できません。字面上はそうなるといみじくもおっしゃったわけです。字面上含まれるのであれば、再度入国者が、おれは字面上含まれるのだから、過去において在留の申請の際に指紋を押しているからもはや押す必要はないと言って拒否した場合、字面に反して処罰できないでしょう。どうなんでしょう。
○岡村政府委員 先ほど来申し上げましたように、かつて本邦に在留していたかどうかを問わないで、一たん出国いたした者といいますか、外国から本邦に入国した者につきましては、三条で新規登録以下の手続が始まってくるという大前提があるわけでございます。そういう大前提をもとにいたしますれば、個々の解釈につきましては不明確ということは言えないというふうに思うわけであります。
○小澤(克)委員 字面上は含まれるとはっきりおっしゃったわけですよ。字面上は不明確なわけです。その他のいろいろな論理解釈からしてそうではないとおっしゃるのですけれども、字面上不明確であるということは、それ自体罪刑法定主義上重大な問題があります。欠陥法案ですよ。そうではありませんか。坂上委員の質問時間がありませんのでやめざるを得ないのですけれども、納得できません。そうでしょう。字面上含まれるということは、字面上不明確だということをいみじくもおっしゃったわけです。それ自体罪刑法定主義に反します。そう思いませんか。
○佐藤説明員 申し上げます。
 それはここに書いてある文字の上でそうなっておるということであって、実質的にそのような解釈が論理的に認められる、正しいというならば、それで特に反するということはないというふうに考えます。
 先ほどちょっと申し上げましたが、三条一項が外れるというのは当然の論理解釈だと申し上げるのは、当該在留に関して新規登録をした者については当然入るわけでありまして、委員御指摘の以前にいた場合だけが論理として外れてくるということをつけ加えさせていただきます。
○小澤(克)委員 最後のところは何かよくわかりませんでしたが、いずれにしても字面上はっきりしない。それ自体欠陥法案である。罪刑法定主義上重大な問題がある。むしろ罪刑法定主義に違反する。ひいては適正手続を定めた憲法にも違反するということを指摘いたしまして、とりあえず、時間が来ましたので、私の質問を終わらせていただきます。
○大塚委員長 坂上富男君。
○坂上委員 時間がありませんから急いでやりますので、手短にひとつ御答弁を賜りたいと思います。
 大臣、私が趣旨説明をしたのをお聞きのとおりでございまして、我が社会党の案というのは、この目的が、管理するというよりも行政の円滑化に資する、それから指紋押捺を廃止する、常時携帯を廃止する、それから切りかえ交付制度について二十歳未満であった者を除き廃止することとする、それから登録原票の中には職業、勤務場所、事務所の名称、所在地、こういうことを削除する、その他いろいろあるわけでございますが、大臣とされましては、さっきの答弁でほぼわかったような気もするのでございますが、最後の集約といたしまして、我が党の実とお比べをいただきましてどのように今後の外国人登録法の検討の問題を進めていかれるのか、まず一点お聞きしたいのであります。
○遠藤国務大臣 先ほども申し上げたとおり、この法案は法務大臣の責任のもとに提出させていただき、御審議をちょうだいいたしているので、この趣旨は従来の法案よりも改善せしめていこうということでぎりぎりの線だと御理解をちょうだいいたしたいと思いますが、先ほど先生の提出された改正法案の趣旨説明を拝聴いたしておって、確かに今登録を受けている多数の方々といいましょうか、私のところに要請のある方々の声をそのまま法案にあらわされたな、こういうふうな感を深めております。
 そういうような点で、現時点において、現社会においては今の法案が最良じゃないかな、しかし、社会情勢がこれから一日一日変化してきます、そういうような際に、今の先生の御提出の法案などもやはり大きく検討するべきときが来るのではないか、こういうふうな感を深めております。
○坂上委員 これに加えてもう一点。いわゆる外国人登録法の不備をついて、皆様方が、登録はするんだ、だけれども指紋押捺は嫌なんだ、これはもう犯罪人の処遇じゃないか、こういう悲壮な叫びで、時には逮捕され、時には拘留され、時には裁判も受けてきたわけでございます。いわゆる刑事罰の不利益を受けたわけです。それから今も行政罰の不利益を受けています、指紋押捺の拒否者についても。これはどうですか。この法律が成立をいたしましたら、出入国等に対する不利益、こういうようなものは、刑罰の方は皆さんの方は従前の例によると書いてあるのですが、行政罰まで、行政罰といいましょうか、行政上の取り扱いもやはり今言ったような不利益の取り扱いをするのですか。この条文を見ている限りは不利益の取り扱いをすべき根拠は失うと思うのですが、いかがですか。簡単でいいです、一言。
○遠藤国務大臣 これまた何回かお話を申し上げておりますけれども、その事件事件によっての扱い方になろうと思いますけれども、大きく申し上げると、先ほども申し上げたとおり、さきの法務大臣と国家公安委員長との閣議においての意見の開陳、そのような点で、運用面や何かにおいてもっと弾力的なというような両大臣の話が出ておる、そういうような点をやはり常に身につけ、そして対応していくという姿勢をとるべきではないか、こう思います。先生のおっしゃるとおり、行政罰はない方がいいじゃないか、そこまでは私としてはどうかと思いますが、とにかくさきの両大臣の閣議での弾力のある運用ということで進めさせていただきたい、こう思っております。
○坂上委員 行政罰と言ったものだから、あるいは大臣は誤解を受けたかもしれません。その答弁は、それはそれで結構です。
 行政上の不利益、例えば指紋押捺しない人は出国するともう帰ってこれない、こういう事態があるわけです。こういう不利益は、この法案が通ったらもうこの不利益を与える根拠がなくなるのだから、行政上の取り扱いにおいて不利益を与えないように要請をしたい、こういう意味での質問なんでございます。これは時間がありませんから、後で、別のときに一緒に答えてください。
 さっき最高裁判所からお聞きをしたわけですが、最高裁の離婚判決、今度は人権相談の中で法務省の方も、離婚問題についてこの判決要旨をもとにいたしましていろいろな人権相談が行われると思うのでございますが、法務大臣とされましては、この判決に対する所感をひとつ述べていただきまして、これについて法務省の人権擁護の行政の中にどういうふうに生かされるつもりなのか、お聞きをしたい。
 それから二番目。例の光華寮の問題でございますが、この間私に御答弁いただきましたあの文書の答弁、大変不満でございます。私は、政治責任の回避である、こう言っておるわけであります。
 そこで大臣、さっき事務当局との話し合いの中でこのような回答がなされました。一つは、これは三権分立に対する行政権の介入には当たらない、こういう国会答弁があるということ。それから、大臣みずからが利害関係ありと思うならば裁判所に申し出をすることはできる。ただし、ここだけが違った。運用面においては、最高裁から言ってこない限りは私らの方はやらないという運用であります。じゃ、その運用は幾つあったかといえば、森林法一件でしかなかったわけでございます。こんなのは運用上の慣行にはならぬと思うのでございます。そんなことを言って責任回避をするからやはり問題が大きくなるのでございまして、大臣、まずこの問題は、第四条によるところの、国の利害に関係する等の条文にこの裁判はやはり該当するのじゃないか、まずこの確認をしておかなければならないのだったらならないと言ってくださいよ。当たるのだったら当たると言ってくださいよ。だけれども、これは今答弁は求めません、私は再質問を出しておりまするから。本当にこの問題は、閣議の中においてきちんとけんけんがくがくたる議論を再度御検討の上にしていただきたい、こう思っておるわけでございます。
 大臣、これに対する御努力をいただけるのかどうか、まずお聞きをいたしまして、私はいわゆる文書質問をしておりまするから、今直ちにお答えというのは無理でございましょうから、十分ひとつ関係当局と御相談ください。このことについて内閣官房長官を呼んでいるのですが、内閣官房長官はどっちを大事と思っておられるか、御出頭がありません。そんなこともあわせて、もう最後でございます、御答弁をいただきたいと思います。
○遠藤国務大臣 この第四条の問題については、さきにもお答えをいたしており、かつまた、先生の質問書に対して閣議決定での答弁書が出されておることは先生御理解願っておると思いますが、さらに重ねて質問書が提出されたということでございますので、先生のただいまのもろもろの御意見を承知しながら閣議において承認したい、こう思いますので、御了承をちょうだいいたしたいと思います。
 さらに、先ほどの指紋押捺の問題に関しましては、私どもとしては、行政罰といいましょうか、そういうもので不利益を与えるという考えは毛ほども持っておりませんけれども、とにかく先生は一度だけの指紋ということでございますので、やはり日本の法の秩序保持と申しましょうか、日本においでの方には日本の法を尊重していただきたい、我々もできる限り皆さん方の生活環境をよくしていきたい、そのような考えで進めておるわけでありまして、将来は将来として、もろもろ検討し、改善すべき点は改善していかなければならぬ、こう思っております。どうぞそのような点で御理解をちょうだいしたいと思います。
○坂上委員 最高裁判所の離婚判決に対応する法務省の態度は。
○遠藤国務大臣 法務省としての対応は、先生から運用の面においては一つだけというようなお話もございましたけれども、法務省としては、先般お答え申し上げたように、現実に裁判所から意見の開陳を求められた際に改めて検討するというのが現在の姿勢でございますので……
○坂上委員 最高裁判所の離婚判決に対する御所感を求めているのです。
○遠藤国務大臣 離婚問題については、これは、最高裁のあれを法務大臣がいいとか悪いとかと言うようなこともどうかな、こう感じておりますけれども、一つは法の解釈の問題でもある、こう承知をいたしております。
○坂上委員 時間だそうですから、一応終わります。
○大塚委員長 橋本文彦君。
○橋本(文)委員 大臣、きょうは、まず大臣に対しまして質問いたしまして、大臣からの答弁を待って事務局にまた質問する、こういうふうに考えておったものですから、前後反対になりましていささか意気消沈しております。
 大臣は先ほど、今回の外国人登録法の改正は自分としては最良のものであると考えておる、こう言いました。私は、それは本心ではないと思っております。
 そこで、今大臣も、たった一回の指紋なんだからということを言いました。しかし、この法案をよく見ますと一回しゃないのです。市町村長から、指紋の原紙をなくしたり登録原票をなくしますと、なくなったからまた指紋を押してくださいと言われる、あるいは不鮮明になったからまた押してくださいと言われる、色がさめてしまったから押してくださいと言われる。それを拒否すると刑罰が待っております。
 しかも、同僚議員の質問では、今回のはいわゆる黒色インキではなくて無色の特殊なインキである、ですから外国人の負担は大変軽減されております、こう言われる。しかし、その無色のインキの化学的な特性がわからない。五年もつかもしれない、十年もつかもしれない、はたまた二年、三年で色がさめるかもしれない。そうしたらば、今回一回限りという、そういう大きな自信を持って言うようなものじゃないと思う。
 その点大変不満に思っておりますし、従来から指摘していますように、今回のラミネート化によって、顔写真によるいわゆる同一性確認も十分できるんじゃないか。まして、指紋照会というものもそうそう具体的には行われておらないと思うのですがね。運転免許証ならいざ知らず、運転免許証類似のカードで、顔写真が載っかっておって、その隣に指紋がある。これは持つ人にとっては、従来の手帳型よりももっと厳しい心理的な抑圧というか、嫌悪感があるんだと思うのです。今までは手帳だったから指紋は見られない。しかし、ラミネートカードです。いつでもそのカードを見れば自分の顔の横に載っかっている。これほど不快感のあるものはないと思うのです。
 大臣は、外国人の心情も考慮して今回の改正を行ったと何回も繰り返し言っておりますけれども、私は逆に、外国人の神経を逆なでしておるのが今回の改正ではないか、こう思っております。
 そこで、大臣にお尋ねしますけれども、五十七年の改正で十四歳から十六歳に引き上げられました。本当に外国人の心情を考慮するならば、十六歳の年齢をさらに引き上げるべきではなかったか、こう思うのです。いかがでしょうか。
○遠藤国務大臣 我々としては、一歩前進といいましょうか、改善したという気持ちで提出させていただいておるのですが、先生から逆なでしたようだというようなお話でございます。指紋の問題は、ただ単に本人の顔写真と指紋を並べてということでございますが、これは本人としては多少不快感は持たれるかもしれませんけれども、そういうことをしておいてよその人に悪用させないというような点も多分に考えられるのではないかな、私はむしろさような点も考え、それから運転免許証と同じような方法でということで、入管局長から既にお答えしているように、指紋の部分についてはケースに入れて、顔写真は見えてもその部分は不透明にしておくということで、ケースから抜いて見せればまた別でございますけれども、一見その部分は見えないような処置を講じていこうということも御理解をいただきたいと思います。そういうようなことでございますので、その点はひとつ御理解をちょうだいいたしたいと思います。
 さらに、年齢の問題でございますけれども、年齢の問題においても私どもとしてもいろいろ、一体十六歳がいいのか、十二歳から十四歳――十六歳ということに対して、さきの法案をつくるときに社会党さんなり共産党さんからも十六歳ということで御了解をちょうだいいたした、そういうふうな経緯も多少事務当局として考えたことではなかったかな、こう思います。この点は私どもとしても、十六歳が最上だ、こう申し上げることはどうかなと思いますけれども、十六歳として私が提出いたしておりますので、十六歳が最上だ、こういうふうに申し上げておきたいと思います。皆さんの今日までの質問の中でも、いろいろ年齢問題や何かについても御議論もございましたので、いずれこれもさらに改善の方向で努力してまいりたいと思いますけれども、現時点では十六歳が最良だ、こういうふうな気持ちでおりますので、御理解願いたいと思います。
○橋本(文)委員 大臣、簡単で結構でございます。
 法務省の大臣官房秘書課に情報管理室というのがあります。そこに大型コンピューターが入っております。そこでは外国人登録記録が処理されております。具体的に、在留外国人の年齢別構成だとかあるいは職業別構成、いろいろな要素の組み合わせによる統計の作成が可能になっておる、こうなっております。そして、「在留外国人の実態を総合的、多角的に把握することができるようになった。」こういうことが「出入国管理」という本で出ておりますけれども、今回の指紋は市町村がとってそれを入国管理局でラミネート化する、そういう手続があるわけです。そういうわけで指紋そのものも非常にコンピューター化に乗りやすいと思うのですが、大臣は、この指紋のコンピューター化という点についてどうお考えですか。――打ち合わせなしにしてくださいね。
○遠藤国務大臣 今先生のお話でコンピューターの問題が出たので、私もびっくりして、今入管局長にそういうふうなことを法務省として考えているのかということでただしたわけでございますが、法務省としては指紋のコンピューター化ということは考えておらないそうでございます。
○橋本(文)委員 現在指紋の押捺を拒否している人たちは、相変わらず裁判の場になる可能性があるわけでございます。今回の改正によりまして、やはり指紋押捺拒否者は出ると思います。従来ですと、五年の切りかえごとに指紋不押捺という問題でいわゆる刑事事件に進展する場合がありますけれども、今回の改正は、指紋を拒否した場合に、法務省令によって一年ないし五年未満の間に再度押捺をするか確認をする、そういうことが決められております。従来は少なくとも五年間は問題なかった。今度は、法務省令によると一年という短期間でもって不押捺という問題になる場合もある。法務省令による問題、大臣、いかがに考えておりますか。
○遠藤国務大臣 この問題は、今度の登録法というのは御承知のとおり改善して一歩前進せしめようという趣旨でございますので、一年ないし五年以内に云々というお話がございますけれども、まだ登録のされてない方が、日本の、法治国家の法律であるので、ここでやりたい、やろうという方も、ある日数がたてば考えてこられるのじゃないか、そういうような点を恐らく法務省として配慮して、何年置きかに指紋はどうですかということで勧めていくというように御理解をちょうだいいたしたい、こう思います。
○橋本(文)委員 あきれました。要するに、現在は五年間さらに指紋押捺するチャンスはなかったわけです。それが今回法務省令によって、もし一年と決められた場合には、一年ごとに指紋を押せ押せと来るわけですよ。それを拒否すると一年以下の懲役が待っているわけです。つまり、刑罰の強制によっていや応なく指紋を押捺せざるを得ないような状況をつくるのであって、大臣がおっしゃるように、ああそろそろ指紋を押したくなったなというような状況にはならないと思います。本来ならば、法務省令の具体的な案をこの法案に盛るべきである、決して法務省令で定めることではないと私は思っております。
 時間が来ましたので、いろいろな意味におきまして、今回の改正は決して外国人の負担軽減には結びつくものではなくて、逆に規制強化であるということを強く主張して、質問を終わります。
○大塚委員長 これにて両案中、内閣提出、外国人登録法の一部を改正する法律案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○大塚委員長 これより内閣提出、外国人登録法の一部を改正する法律案について討論に入ります。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。坂上富男君。
○坂上委員 委員長、社会党のものも同時にやるのですか。別々ですか。一事不再議で、これが通ればもうこれで終わりにしちゃうのか。そういうことですか。――それならなお申し上げますが、三分だそうでございますから、私は、日本社会党並びに護憲共同を代表いたしまして、反対の討論を三分間させていただきたいと思います。
 まず、さっき大臣の御答弁の中に、前に社会党、共産党が十六歳を了解したような御答弁があったわけでございますが、社会党に関する限り絶対に、共産党さんもそうだろうと思うのですが、了解したようなことは全くありませんので、ひとつ誤解のないように明確に指摘だけしておきたいと思います。
 さて、私の反対理由は、私がけさ方提案をいたしました外国人登録法の社会党案に実体的にも全く相反する状況でありますので、そういう観点においてこの問題に反対をしたいと思っておるわけであります。
 まず一つは、法第一条でございます。
 外国人登録法政府法案は、あくまでも外国人を管理するというやり方でございます。たとえ外国人であろうと日本人が管理するなどというおこがましいことは、これはしてはならぬと思っておるわけであります。しかも、日本人のいわゆる住民登録法によりますと、これは書類を管理する、こう書いてあるわけです。でありまするから、私は、外国人登録法も強いてするならば登録に関する書類を管理するとお書きになってしかるべきだろう、こう思っておるわけであります。人を管理することには大変な冒涜がある、私はこう思っておるわけでありまして、何としても在留外国人に関する行政の円滑化に資するものでなければならぬ、こう思っておるわけであります。人を管理する発想の中から刑罰規定が出てくるのであります。十六歳の子供に登録義務を課するということになるわけであります。しかも、常時携帯をしなさいという概念になるわけであります。
 私は恐れます。法律は一たんできますとひとり歩きをすることであります、警察は警察独自の権限で。私たちは必要以上に乱用を戒め、ここで繰り返し繰り返し御質問を申し上げ、答弁を求めました。しかし、一たんこれが生きますと必ずひとり歩きをいたしまして、人権の侵害が行われるのではなかろうかということを、今までの経験に照らして私は危惧するものであります。
 そんなようなことで、私は一つ一つを申し上げることはできませんが、まず指紋押捺を廃止すべきであります。外国人登録証の常時携帯義務を廃止すべきであります。それから刑罰をもって臨むべきでありませんで、せいぜい過料をもってこれに対応すべきである。こんな観点から、何といたしましてもこれについて承認するわけにまいりません。私は、本当に人権擁護の立場においてもこれについて真っ向から反対をいたすわけであります。
 法務というものは、論議を通じ、実情を尊重いたしまして運営なされるべきが法務委員会の運営だろうと私は思うのであります。大臣は、現状から見て政府案が最も適切であるという御判断のようでございます。私たちの社会党の案こそ現状から見て最も適切かつ実情に合った案だ、私はこう思っておるわけでございまして、政府案について強く反対をいたしまして、私の反対意見といたしたいと思います。
 以上です。
○大塚委員長 中村巖君。
○中村(巖)委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま審議されました外国人登録法の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行うものであります。
 現行の外国人登録法は、一年以上本邦に在留する外国人に対し登録を要求し、十六歳以上の者については登録あるいは五年ごとの切りかえ、確認に際し指紋の押捺を義務づけるとともに、登録証を常に携帯しなければならないとしております。
 我が党は、かねてから、現行外国人登録法上の指紋押捺制度、常時携帯制度は廃止すべきであると主張し、政府に対し強くこれを求めてきたところであります。ところが、今回政府提案の改正案は、指紋について回数は一回とするものの、必ず押捺せしめるものとして指紋押捺制度をなお維持し、常時携帯制度の廃止については一顧だにしないというものとなっているのであります。かくては、多くの在留外国人の願い、我が党の主張を無視するものと言わざるを得ず、我々としては断固として反対せざるを得ません。
 以下、今回の法案に反対する理由を若干詳しく述べます。
 反対の理由の第一は、指紋制度を残すことであります。
 今日の国際化の諸状況、在留外国人の四分の三が古くから日本に在留する在日韓国・朝鮮人あるいはその二世、三世、四世であることからすれば、これらの方に対し、名誉感情、プライバシー等を傷つけ、基本的人権を侵害する疑いさえある指紋押捺義務を押しつけて差別をするということは、到底許されるべきではありません。政府当局は、指紋は本人の同一性を確認するため欠くべからざるものと主張しておりますが、今や指紋が同一性確認に役立っていないこと、指紋以外に同一性確認の方法があることは明らかとなっております。
 理由の第二は、今回カード化するものの、外国人登録証の常時携帯義務を存置する点であります。
 これを存置すれば、取り締まり当局は常に外国人に対し登録証の提示を求め、自宅近辺の買い物に出ている場合でも、不携帯となれば処罰を求めることが可能となります。それゆえに外国人は常時携帯について脅威を感じていなければならず、一方では、きちっと登録してあればいついかなるときも携帯していなければならないなどという必要はないはずであります。のみならず、カードに指紋を転写し、これを常時携帯させることは、携帯者に著しい不快感を与えるものと言うべきであります。
 第三に、今回の改正後にも、改正前に指紋押捺を拒否していた者、その多くはそれ以前に一回以上指紋を押捺している者でありますが、これらの者をなお処罰しようとする点であります。
 改正法によれば、既に一回以上指紋を採取されている者についてはもはや指紋は要らないというのでありますから、既押捺者である拒否者について法秩序維持といった抽象的名目でなお処罰し、あるいは行政上の不利益を及ぼそうとすることは、到底容認できるものではありません。
 さらに、今回の改正によって登録証が入管局により発行されることとなり、これが入管局による外国人管理を強化することになりはしないか、カード化の結果として携帯義務違反を安易に取り締まることになりはしないか、登録事務の窓口である地方自治体を締めつけるものではないか等の疑問もあり、これらもまた問題であります。
 そのほかにも多くの問題があり、さきに述べたとおり、我々としてはこの法案に対しては強く反対するものであります。
○大塚委員長 安倍基雄君。
○安倍(基)委員 私は、民社党・民主連合を代表して、本委員会で審議の行われました外国人登録法の一部を改正する法律案について、賛成の立場から討論するものであります。
 我々は、現在の指紋押捺制度を含む制度が外国人の人権、特に我が国に永住する外国人、戦時中の特殊事情により日本に永住を余儀なくされることとなった人々の人権を尊重しないものであるという認識を持っております。この面において、今回の改正は我々の要望するものには遠く及ばないものでありますが、少なくとも一歩前進であると評価しております。
 特に、ソウル・オリンピックを目前に控え、日韓関係の一層の前進が必要となっているときに、従来の法制のもとで大きなトラブルが生じ、両国の関係に大きな亀裂をもたらしている現状において本法を成立せしめることは、アジアの平和、安定のために必要であると考えております。指紋押捺の回数が一回で済むようにしたこと、ラミネートカード型の証明書にしたこと等が改善と見られるわけでありますが、我々はこれにはさらに改善をすべき点が多々あると考えます。我が国で生まれ育った定住外国人に対しても、今回の改正でも十六歳という低い年齢で指紋押捺義務を課していること、証明書の常時携帯義務についても依然として厳格であること等々、定住外国人ないしは協定永住者に対する配慮がいまだ不十分であることなどは、我々としては特に納得のできないところであります。
 我が党としては、これら諸点について引き続きさらに改善が行われること、また新法の適用についても人権を尊重する精神のもとに行われることを前提として、本案を少なくとも一歩前進であると評価して賛成するものであります。
 以上をもって私の賛成討論を終わります。
○大塚委員長 安藤巖君。
○安藤委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、外国人登録法の一部を改正する法律案に対する反対討論を行います。
 本改正案は、指紋押捺制度の廃止を求める国内外の世論に背を向けて、指紋押捺を一回限りにするとしながら、一方で押捺拒否者に対しては確認期間を短縮するとするなど制裁措置を新たに設けて、一層の管理強化を図るという重大な改悪を行おうとするものであり、到底賛成するわけにはまいりません。
 我が党は、従来指紋押捺制度の廃止を主張し、前回、一九八二年の外登法改正時に同趣旨の修正案を提出し、抜本的改正を求めてきたところであります。我が党が提案をした指紋押捺制度廃止を含む抜本的改正案は、今や多くの国民の一致した世論となっています。この国民の声に背を向けて、政府は、国際的批判に対しては八六年の中曽根・全斗換会談で一回限りにするとの合意でかわしつつ、指紋押捺制度の根幹は断国崩さずとの姿勢を貫いているのであります。今回の改正では何ら問題の解決にならないばかりか、今後新たに押捺を強制される現在十六歳未満の在日外国人子弟や新たに入国する外国人にとっては、一層問題が大きくなるものと予想されるのであります。
 ちなみに、約八十五万人の外国人登録者中、十六歳未満の者は約二十万人で四分の一弱を占めます。これらの者を含め、本改正案施行後の指紋押捺件数は年間五万六千ないし五万八千件となる見込みですから、問題は深刻であります。
 政府は、憲法第十二条、国際人権規約B規約第七条の趣旨を踏まえ、指紋押捺制度を廃止する改正案をこそ提出すべきであったのであります。現に、法務省が従来、外国人の同一人性の維持を担保するためには、ある期間を置いて二度三度と押させなければ意味がないなどと主張してきた点は、本改正案でみずから崩さざるを得なくなってきたではありませんか。本改正案が、指紋は一回で十分であり、かつ全員の指紋が必要とする警察の立場を反映したものとのマスコミの報道で明らかなように、指紋押捺制度は治安対策、犯罪捜査のためのものとの批判を免れないのであります。
 次に、本改正案の内容について、主要な問題点を指摘します。
 第一は、押捺拒否者に対し確認期間を短縮して不押捺罪を積み重ねざせ、処罰を加重して、ついには国外に追放するとのおどしをかけ、何が何でも押捺させようとしている点であります。このような制裁措置は断じて許せません。とりわけ十六歳に達した少年少女に指紋押捺を強制し、拒否者に対して厳しい制裁を加えることは言語道断であります。
 第二に、経過措置で、改正法成立前の押捺拒否者について、そのほとんどが既に過去数回にわたって指紋押捺に応じており、今回の改正でその行為は免訴となるにもかかわらず、改正後も引き続き処罰するとしている点は、刑事法の原則に反するものであり、極めて不当な規定と言わざるを得ません。
 第三に、同一人性の確認が指紋によらなければならないとか、採取してあった指紋が薄れたなど、当局側の一方的判断で再押捺を命じることができるとする点も問題であります。
 第四に、登録証明書を冊子型からラミネートカード型に転換する点であります。登録証のカード化は、一つ、表に顔写真と転写された指紋が掲載され不快感を与えること、二つ、裏面の記載欄が少ないため、記載事項の変更がたび重なった場合、欄がすぐ満杯となり、切りかえ手続をとらされることになること、三つ、登録証の作成が市町村から地方入管局に移され、より一層入管による直接管理が強まることなど、関係者からの批判も強く、問題点が多いのであります。
 以上述べてきましたように、政府は、外国人、特に戦前強制的に日本に連行された朝鮮人とその子孫を治安対象としてとらえる基本的姿勢を何ら改めようとせず、内外人平等の原則や基本的人権の尊重という、憲法と国際人権規約などで定められた民主的立場に立とうとしないで、小手先の批判かわしに終始していると言わざるを得ません。
 指紋押捺制度の廃止は、我が党はもとより、日弁連、全国市町村議会なども主張する国民世論となっており、本改正案はこの世論に挑戦するものと断ぜざるを得ず、強く反対することを表明し、討論を終わります。
○大塚委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○大塚委員長 内閣提出、外国人登録法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○大塚委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○大塚委員長 次に、ただいま可決いたしました内閣提出、外国人登録法の一部を改正する法律案に対し、今枝敬雄君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同の五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者から趣旨の説明を求めます。今枝敬雄君。
○今枝委員 私は、提案者を代表して、ただいま議題となりました附帯決議案の趣旨について御説明を申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    外国人登録法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の諸点について格段の努力をなすべきである。
 一 出入国管理行政をとりまく今後の内外の諸情勢の推移を踏まえ、多年にわたり本邦に在留する外国人の立場を配慮する等、外国人登録制度のあり方について検討すること。
 二 同一人性の確認の手段について、指紋押捺制度に代わる制度の開発に努めること。
 三 指紋押捺拒否者に対しては、制度改正の趣旨を踏まえ、人道的見地に立った柔軟な対応を行うこと。
 四 外国人登録証明書の常時携帯・提示義務違反等に関する規定の運用に当たっては、濫用にわたることのないよう、常識的弾力的に行うこと。
 本案の趣旨については、委員会の質問の過程において既に明らかになっておりますので、その説明を省略いたします。
 何とぞ本附帯決議案に御賛同あらんことをお願いをいたします。
○大塚委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 直ちに採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○大塚委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、遠藤法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。遠藤法務大臣。
○遠藤国務大臣 ただいま外国人登録法の一部を改正する法律案については、皆さん方に御熱心に御審議をちょうだいいたし、御可決いただきましたことを心から御礼申し上げます。
 なおまた、ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして今後とも努力を重ねていく所存でございます。ありがとうございました。
    ―――――――――――――
○大塚委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大塚委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○大塚委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時二十七分散会
     ――――◇―――――