第109回国会 文教委員会 第2号
昭和六十二年八月十九日(水曜日)
    午前十時二分開議
出席委員
  委員長 愛知 和男君
   理事 北川 正恭君 理事 高村 正彦君
   理事 中村  靖君 理事 鳩山 邦夫君
   理事 町村 信孝君 理事 佐藤 徳雄君
   理事 鍛冶  清君 理事 林  保夫君
      逢沢 一郎君    青木 正久君
      井出 正一君    臼井日出男君
      遠藤 武彦君    北川 石松君
      古賀 正浩君    杉浦 正健君
      渡海紀三朗君    三原 朝彦君
      宮里 松正君    渡辺 栄一君
      江田 五月君    沢藤礼次郎君
      中西 績介君    馬場  昇君
      有島 重武君    池田 克也君
      小谷 輝二君    北橋 健治君
      石井 郁子君    山原健二郎君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 塩川正十郎君
 出席政府委員
        文部大臣官房長 古村 澄一君
        文部大臣官房総
        務審議官    川村 恒明君
        文部省初等中等
        教育局長    西崎 清久君
        文部省高等教育
        局長      阿部 充夫君
        文部省高等教育
        局私学部長   坂元 弘直君
        文部省学術国際
        局長      植木  浩君
委員外の出席者
       文教委員会調査
       室長       高木 高明君
    ―――――――――――――
委員の異動
八月十九日
 辞任         補欠選任
  佐藤 敬夫君     宮里 松正君
  斉藤斗志二君     三原 朝彦君
  谷川 和穗君     北川 石松君
  松田 岩夫君     遠藤 武彦君
  市川 雄一君     小谷 輝二君
同日
 辞任         補欠選任
  遠藤 武彦君     松田 岩夫君
  北川 石松君     臼井日出男君
  三原 朝彦君     斉藤斗志二君
  宮里 松正君     佐藤 敬夫君
  小谷 輝二君     池田 克也君
同日
 辞任         補欠選任
  臼井日出男君     谷川 和穗君
  池田 克也君     市川 雄一君
    ―――――――――――――
八月四日
 学校教育法及び教育職員免許法の一部を改正す
 る法律案(久保亘君外一名提出、参法第一号)
 (予)
 女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保
 に関する法律の一部を改正する法律案(山本正
 和君外一名提出、参法第二号)(予)
同月六日
 義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正
 する法律案(沢藤礼次郎君外一名提出、衆法第
 三号)
 学校教育法の一部を改正する法律案(佐藤徳雄
 君外一名提出、衆法第四号)
 学校教育法等の一部を改正する法律案(中西績
 介君外一名提出、衆法第五号)
 公立幼稚園の学級編制及び教職員定数の標準に
 関する法律案(中西績介君外一名提出、衆法第
 六号)
 公立の障害児教育諸学校の学級編制及び教職員
 定数の標準等に関する法律案(馬場昇君外一名
 提出、衆法第七号)
七月三十日
 大学審議会の設置反対に関する請願(五十嵐広
 三君紹介)(第七〇号)
 同外一件(石井郁子君紹介)(第七一号)
 同(沢藤礼次郎君紹介)(第七二号)
 同(中西績介君紹介)(第七三号)
 同外二件(石井郁子君紹介)(第八五号)
 九州大学の文系厚生センター等に関する請願
 (石井郁子君紹介)(第七四号)
 盲・ろう・養護学校寄宿舎における防火設備等
 の整備充実に関する請願(串原義直君紹介)(
 第一一六号)
 同(清水勇君紹介)(第一一七号)
 同(中村茂君紹介)(第一五七号)
八月四日
 河内飛鳥地域の遺跡保存に関する請願(石井郁
 子君紹介)(第一七三号)
 同(藤田スミ君紹介)(第一七四号)
 同(西村章三君紹介)(第二二九号)
 学校教育における珠算教育の強化に関する請願
 (丹羽雄哉君紹介)(第一七五号)
 盲・ろう・養護学校寄宿舎における防火設備等
 の整備充実に関する請願(井出正一君紹介)(
 第二二一号)
 同(小沢貞孝君紹介)(第二二二号)
 同(小坂善太郎君紹介)(第二二三号)
 同(中島衛君紹介)(第二二四号)
 同(羽田孜君紹介)(第二二五号)
 同(宮下創平君紹介)(第二二六号)
 同(村井仁君紹介)(第二二七号)
 同(若林正俊君紹介)(第二二八号)
 同(小川元君紹介)(第二八九号)
同月七日
 教育費の父母負担軽減等に関する請願(園田博
 之君紹介)(第三五五号)
 学校教育における珠算教育の強化に関する請願
 (友納武人君紹介)(第三五六号)
 河内飛鳥地域の遺跡保存に関する請願(井上一
 成君紹介)(第四二五号)
 同(上田卓三君紹介)(第四二六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
七月三十一日
 私学助成に関する陳情書(高知県土佐清水市天
 神町一一の二土佐清水市議会内岡林幹造)(第
 一〇号)
 義務教育費国庫負担制度改正反対に関する陳情
 書(福岡県豊前市大字吉木九五五豊前市議会内
 末吉充)(第一一号)
 大学審議会の設置反対に関する陳情書(大阪府
 吹田市山手町三の三の三五大岩正芳)(第一二
 号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 学校教育法及び私立学校法の一部を改正する法
 律案(内閣提出、第百八回国会閣法第四〇号)
     ――――◇―――――
○愛知委員長 これより会議を開きます。
 第百八回国会内閣提出、学校教育法及び私立学校法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。林保夫君。
○林(保)委員 大臣初め皆様、御苦労さまでございます。
 学校教育法及び私立学校法の一部を改正する法律案につきましては、さきの通常国会で二月十六日に本院に提出され、そしてまた大臣からも提案理由を五月二十六日に聞いておる、こういうことで長々審議という状況になっておりますだけに、私どもも気になりながら、臨教審の最終答申も出たことであり、ひとつしっかり審議して国民の負託にこたえなければならぬ、こういう決意でおりますことをまず表明いたします。
 実は昨日、政府は臨教審の答申を最大限尊重する、こういうことを御決定なさったようでございますが、閣議の内容につきましては新聞紙上で小さく実は出ております。この機会に大臣から、本日の審議にも大変重要な関係がありますし、先ほど申し上げましたように提案理由の御説明も五月でございますので、改めて、最終答申を受けてこの内容とする大学審議会の設置がどういう意義を持つのか、ひとつはっきりさせていただきたい。閣議の内容と同時に大学審議会の重要性でございますか、その辺をひとつ承りたいと思います。
○塩川国務大臣 従来の大学政策と申しますのは、要するに大学がやっておりますいろいろな習慣だとか制度というものには、文部省の方から一部行政指導的なことはやっておりますけれども、しかしそれに介入することを極力避けてきております。この方針は依然として変わらないと私は思うのでございます。そういうことでございますので、従来は国立大学の審議会というものが一つございまして、そのほかに実は私立学校の設置基準等を決めます。そういう私立大学を対象とした審議会、この二つがあったと思っております。これらはいずれも、一言で言いまして物的なお世話をする、審議をするというところでございまして、大学の政策的な考え方と申しましょうか、大学のあり方、制度そのものを考える、審議する場としては適当ではなかったと思うのであります。
 今回、臨教審から大学のあり方等について提言がなされたことを受けまして、かねてから文部省がずっと考えておりましたことに、国立、私立両方を通じまして大学のあり方というものを根本的に見直していきたいという気持ちを持っておりましたが、それとたまたま臨教審の答申とが符合いたしましたこと等がございまして、この際、大学の制度的なあり方、そういうものを中心として、いわゆるソフト面を扱うものとして大学審議会というものを設置し、そして、従来からございましたもの二つをあわせて、要するに物的な面と申しましょうか、えらい端的な分け方でございますが、そういうようなものは従来の二つの審議会を合併して一つのものにしてそこで扱う、こういうふうに決めさせていただいたということでございます。
○林(保)委員 それについての質問に入る前に、大臣、きのうの閣議の内容について、新聞に報道されている以上に詳しく御説明をいただきたいと思います。
○塩川国務大臣 閣議の席と申しますよりも、先生のおっしゃっているのは、要するに教育改革推進閣僚会議における問題だと思っております。それでよろしいのですか。
○林(保)委員 はい、結構ですが、閣議ではこれは取り上げなかったのでございますか。
○塩川国務大臣 システムからいいまして、閣議ではこういうことになっております。
 教育改革推進閣僚会議におきまして、これは全閣僚が参加しておりますので、そこで第四次答申の問題について議論をし、そこで一応は了解を得るということになります。そして、この対処方針、臨教審の答申に対し政府はどのように対処するかということにつきましては閣議で決める、こういうことになります。でございますから、閣議の席においては中身についての報告も私は省略させていただいたし、議論もございませんで、対処方針として「臨教審の答申を最大限に尊重し」ということになりまして、閣議の決定はこういうことになっております。
 教育改革に関する第四次答申に関する政府としての対処方針については、答申後与党とも連絡をとりつつ政府部内において協議した結果、本日閣議にお諮りすることになった次第であります。閣議決定の骨子は、同答申を「最大限に尊重しつつ、教育改革を効果的に推進することとし、これまでの三次にわたる答申を含め、」「総合的観点から所要の改革方策の検討、立案等を進め、逐次その実現を図るものとする。」ということ、これが閣議決定になっております。でございますから、今お尋ねの問題は、要するに教育改革推進閣僚会議においてどんな議論があったのかということになろうと思っております。
 そこで、申し上げますことは、私はこの第四次答申の主な骨子を申し上げました。まずその骨子については、第四次答申は五章から成っておりますので、その五章の中身について簡単に列挙して説明いたしました。
 この説明はよろしゅうございますか。(林(保)委員「結構です」と呼ぶ)この説明が終わりまして、以上が第四次答申の骨子でございますということで、私が話を切りました。そのときに各閣僚から質問がたくさん出てまいりました。
 その質問の一つは、大学改革を急げということでございます。まず、大学が社会的あるいは国家的なニーズにこたえるように、そしてまた開かれた大学となるように大学の改革を急ぐべきである、ということが一つの議論でございました。
 それから、もう一つの問題として、各省庁が設置しております高等教育機関、これは学校教育法に言いますところの高等教育機関ではございません。が、しかし、例えて申しますと、防衛大学校であるとか海上保安大学校であるとかというふうに、あるいは建設大学校というのもございますが、そのように各省庁が設置しております高等教育機関、これと国公立の大学との関係をもっと緊密にしてはどうか、そして、入学資格あるいは卒業した場合の資格というものもある程度お互いが交流し得るようにしたらどうだろう、こういう申し入れがございました。
 それから、義務教育に関しましての問題として、国旗・国歌というものをきちっと教科内容に組み込んで、これを教育の中身として充実さすべきである、という強い要求がございました。
 そういうことが主な議論でございまして、それ以外のことにつきまして、大体、第四次答申をこれは結構な答申であったということで関係閣僚会議は終了した、こういうことでございます。
 それを受けまして、後で開かれました閣議で正式に「最大限に尊重し」云々ということを、先ほど申しましたことが決定された、こういう次第になります。
○林(保)委員 考え方なり、ただいまお話しの教育改革推進閣僚会議と閣議との仕分けもよくわかりましたが、新聞報道では「閣議」というふうに一本になっているところもありまして、例えばこの閣議で、最終答申を踏まえて現在の教育改革推進本部を改組して、文部大臣を本部長とする教育改革実施本部を発足させ、こういうようなことが出ておりますが、改革の推進母体をどうするかという点について、閣議決定を踏まえられましてのこれからの方向を大臣に承りたいと思います。
○塩川国務大臣 それは、私が閣議が終わりましてから記者会見で申したことでございます。
 この臨教審は、御承知のように八月の二十日、あしたでございますが、あしたで任期満了いたすわけでございます。それを受けまして、実は三つの段階があるわけでございますけれども、臨教審が審議いたしましたその答申を、それを受けます行政機関としてのそれにふさわしいものをどうするかということでございます。それはまだ未調整でございますけれども、我々文部省側といたしましては、文部省の中に臨教審に相当する審議会をつくって、そこでその臨教審答申を受けよう、こういうように考えておるのでありますが、これは調整がまだ済んでおりませんので、調整ということは政府部内の調整が済んでおりませんので、まだこの段階では決定しておるとは申し上げられないと思います。
 次の問題として、これをバックアップして推進していく、これはまさに中曽根総理が言っておられますように、全国民的関心を持ったそういう大きい推進力をつくれということでございますので、内閣総理大臣を本部長といたしまして、副本部長に文部大臣、官房長官、そして自由民主党の政調会長、これが入り、そして本部委員に全閣僚並びに自由民主党の三役等主要な役員、これが入りましたもので、政府・自民党与党の合同した推進本部というものを設置いたします。これは、党におきましても内閣におきましてもほぼ決定をいたしまして合意を得ておるものでございまして、近く正式にその手続をいたすことになっております。
 三番目の段階として、この教育改革を推進実施していきます、これを実行していくのは文部省自身でございますので、それで、したがいまして文部省の中に教育改革推進実施本部というものをつくるわけでございます。したがいまして、このことにつきましては、私は昨日記者会見におきまして、文部大臣を長とする教育改革推進実施本部を文部省の中に設置する、それで第一回会合を二十一日に開く、こういうことを申したということでございます。
 したがいまして、これをもう一度要約いたしますと、臨教審に相当する委員会を文部省の中に設置し、あるいは文部省がどうなるかわかりませんが、とにかくそれに相当する推進審議会を設置する、それを受けまして、文部省の中では推進実施本部をつくります。一方、これを横からバックアップする団体としては、政府・与党一体となった教育改革推進本部というものを、これは政府・与党で一体となったものでつくりまして、これが推進のいわゆるサポートをしてやろう、こういう体制でございまして、三つになっておるということでございます。
○林(保)委員 言うまでもございませんが、臨教審は二十日に任期を終えてなくなる、こういうことになっておりまして、ポスト臨教審をどうやるかということについて、国民的な関心と言ってもいいくらい高くなっております。私どもの党も、こういうものができた以上は、内容にはいろいろございましょう、しかし、なお教育改革をやらなければいかぬという一点においても、我が党は教育臨調を一番に提唱してきて、そしてこの臨教審ができた、こういうぐあいにも解釈するぐらい、私どもも教育改革にはしっかり取り組まなければならぬという立場をとりました結果、ポスト臨教審においてはどうしても、この答申を、内容にはいろいろございましても、教育改革を推進して、政府がみずからこれを完成する機関を設けるべきである、これを実は答申後の党声明でも出しているようなところでございますが、ただいま大臣のおっしゃった教育改革推進本部、これは総理が本部長でございますか、そのこととこれは大体において一致するものでございましょうか、この点をひとつ明らかにさせていただきたいと思います、
○塩川国務大臣 これはスタイルとしては行政改革とよく似たものでございまして、行政改革は土光さんの臨時行政調査会というのができまして、それが任期満了になりましたら行政改革推進審議会というのができました。これは先ほどおっしゃるように、チェックをして推進するについての監視役をするというものでございまして、今大槻文平さんが会長をやっておられます。臨教審が解散いたしまして、それと同じようなものを、改革推進のための審議会、これを設置しよう、これにつきましては、行政改革は他の省庁に全部関係いたしておりますので、したがって行政改革推進審議会というのができておりますけれども、教育改革というのは、要するに臨教審から答申をもらいましたことを実行するのは文部省一省のことでございます、一つの省のことでございますので、したがって文部省の中にそういう推進審議会をつくりたい、こういうことでございます。この点は御理解していただいたと思います。
 そして一方、行政改革のときもそうでございましたが、教育改革を国民的視野においてどんどんと積極的に進めていく、バックアップさすという体制です、これが必要だということから、政府・与党の一体となった内閣総理大臣を本部長とする推進本部を設置した、こういうことになります。
 そして、文部省の中におきましては、教育改革を実行していくのに、各一局長だとか一課長とかいうことではなく、省を挙げて、いかなる項目であろうが、その改革に取り組んでいくに際しては全省を挙げてその体制をとるということから、推進実施本部というのをつくりまして、これの責任者が文部大臣、こういう体制である、こう御理解していただければいいと思います。
○林(保)委員 ありがとうございました。
 ただいまも、閣僚の皆さんが、大学改革を急げ、開かれた大学にしろ、そしてまた大臣は、先ほど、大学の政策的そしてまた制度的なあり方を検討しなければならぬのだ、こういう意気込みはよくわかったわけでございますが、これは後に譲るといたしまして、ただいまお話しになりました他省庁管掌の、例えば防衛大学、建設大学あるいは海上保安大学について、これからの検討になるとは思いますけれども、大臣、どのような御構想をお持ちでございましょうか、もう少し具体的に御説明いただきたいと思います。
○阿部(充)政府委員 先ほど大臣からお答え申し上げましたように、各省所管のいわゆる大学校でございますけれども、これは学校教育法上の大学ではないということで、少し大学とは性格を異にしておるわけでございます。しかしながら、こういった学校の中にはかなり内容的にも充実したものもあるというようなことから、これと大学との連携を図るということが一つの課題と従来からなっておったわけでございます。
 先般の臨時教育審議会のこれは第二次答申でございますけれども、これにおきましても、高等教育機関の多様化と各機関の連携の充実を図るという観点から、大学以外の高等教育機関、それと大学との間に単位互換制度をつくるとか、あるいは単位互換をさらに進めていわば単位の累積加算制度をつくるとか、さらには学位授与機関というようなものを設けまして、博士、修士の学位あるいは学士号等をこういった大学以外の高等教育機関の教育・研究の内容に応じて授与することができるような仕組みを考えるとか、そういう問題を検討すべきであるという御指摘を臨教審の第二次答申でいただいておるわけでございますので、そういった検討を、これから特に大学審議会が発足いたしましたならばそこの重要課題の一つとして御検討いただくということになろうかと思っておりますが、そういった大学以外の高等教育機関ということの中に先ほど申し上げましたような各省所管の大学校というようなものも当然含めて検討の対象になる、こういうふうに考えておるわけでございます。
○林(保)委員 これは前々から大変大事な問題でございまして、どういう手続を踏んでやるか、きょうはそこまで聞きたいのでございますけれども、ぜひひとつ積極的に前向きに取り組んでいただきまして、同じ名前の学校を出ていながら資格が違うというような形でいわゆる学歴社会の中で落ちこぼれになるようなことのないように、それなりの内容を充実させると同時に資格を与える、この辺でひとつよその省庁のを戻してもいいのではないですか、こういうようなことも言いたいわけでございますけれども、いろいろと御苦労があろうかと思いますが、よろしくお願いいたしたいと思います。
 それから、大臣も今触れられましたが、閣議か何かの席で皆さん、国旗と日の丸の問題について御発言が強かったというようなお話でございましたけれども、かつて質問をいたしましたように、文部省は通達を出していますよね。それでなおこういうような状態であるとすれば、新しい手としてどういうことを考えておられるのか、学習指導要領まで突っ込んでいろいろ御工夫があるのだろうかと思ったり、またそれまでいかなくてもいいのではないかというような感じもいたしますが、どの辺まで検討を踏まえておられるか、承りたいと思います。
○塩川国務大臣 これは私が答弁するよりも、やはり役人が答弁する方がはっきりしていいと思うのですが……。
○林(保)委員 それでは大臣、その質問は後にします。
 それより先に、これは大臣が最近おっしゃられたもので、大体そういうようなことではないかと私も思うものですが、実はここに「官界」の八月号を持ってきたわけです。大変大事な現職の大臣としての「教育の基本哲学不足を憂う」、こういう文章が出ておりまして、私も、なるほどこれは大事な問題だなということで二度も読みました。しかし、現職の大臣がここまで思っておられるのはよほど思っておられるのだな、こういうことから、この本にはいろいろと当たりさわりのあるようなところもあるように思いますが、大臣の基本哲学の不足というのは大体どういった点をポイントにしておられますか。国には国としての教育権があるのだ、統治権と同様にあるのだ、こういう辺からの発想だと思いますが、また同じように、いたいけな子供をちゃんと育てるという基本権だけは、やはり大人の責任と私は今言っておりますけれども、国としてもある、こういうことも事実かと思いますので、今井久夫さんとの対談でございますが、御所見をひとつ改めてお伺いしておきたいと思います。
○塩川国務大臣 私は文教関係には余り今まで関係しておりませんで、大臣になりまして初めてこういう仕事にかかわったのでございますが、しかし私は、この大臣任期中一貫して言っておりますことは、一国民という考えと一政治家という考えでずっと役所の中で物を言ってきておるつもりでございます。でございますから、事務的、行政的には私は非常に中立的な気持ちでおるわけでございますが、往々にして役所の習慣あるいは今までの考え方と行政的になじまない点も多々あると思います。しかし、私は教育につきましてこう考えております。
 教育権と申しましょうか、教育をなぜしなければならないかということは、それは一人一人の人格を高めて豊かな個性を持つ個人を育てていくということ、これは当然でございます。しかし同時に、国民が期待しておりますのは、やはり次代をしょって立つ青年を育成してほしい、こう念願しておると思うのです。したがいまして、義務教育というものは、そういう国民の一番グローバルで、しかも一番共通した願望を教育していくのが義務教育であろうと思っておりまして、義務教育、つまり小学校、中学校教育につきましては、私は国民としての基本を教えるところだと思っております。したがって、この教育につきましてはある程度画一的なことになってもやむを得ないのではないか。したがって基本はしっかりと十分なものを教える。しかし、高等教育以降になりましたら、これは国家としての将来の発展を担っていく重要な教育機関である、同時に義務教育よりももっとサービスの面も付加されたものになってくると思うのであります。したがいまして、高等教育においては相当自由な活動をさせてもいいのではないか、個性の尊重というのはまさにこの高等教育において花を吹かすべきであろうと私は思っておるのでございまして、そういう点におきまして、初等、中等の要するに義務教育というものと義務教育以外の教育につきましては考え方に多少の相違があるのは当然ではないか、そういう気持ちで今まで物を申してきておるということでございます。
○林(保)委員 大臣がおっしゃっている言葉じりをとらえるわけではないですが、文部省に対して、「政策を自ら考え、提案するという姿勢が欠けていることだね。何でも、審議会、懇談会、協力者会議というようなところにゆだねてしまっている。」それで今井さんが、「それらにおんぶしちゃって、文部省自身は、一種の管理業務だけをやってるような感じがするんですけどね。」大臣は、「家主行政なんだ。他の官庁が次々と政策官庁化しているのに、文部省だけが遅れている。」こういうようなお話で、その後にも、「役所全体が、政策的な配慮にウェイトを置こうとするのか、家主として家賃さえ集めとったらいいというのかこというようなお考えをここに表明しておられますけれども、言葉はいろいろ言い方はあると思いますが、臨教審の答申の中にも「政策官庁として」という言葉がある、これは私は文部省にとっては大変大きな恥辱ではないかと思うのですよ。本来政策官庁なんです。それができていなかった原因はどこにあるのかという問題もあると思いますし、現に政策官庁としてやっている面もあると私は思うのですが、ただ、それを生かすようにしなければ、今の政党政治優先で万事お伺いを立てなければ何もできないというようなことであれば、やはり家賃を集めるしかない、こういうことになると思いますが、その辺のバランスをどうやっていくかというのは大変大事な問題だと思いますので、大臣の貴重な御経験を踏まえられまして、家主なのかあるいは政策官庁としてどうやっていくかという辺の御示唆をこの機会にちょっと承っておきたいと思うのでございますが、お願いいたします。
○塩川国務大臣 私は、今でも率直に申しましてそういう感じを持っております。しかし、臨教審の答申が出たということ、このことが一つのきっかけになろうと思いますが、実は文部省の中でもかねてから、政策官庁へ転換すべきであるということを考えておる人が相当あると思います。特に若い人たちはそういうことを非常に強く考えておるのではなかろうかと思うのであります。ところがなかなかきっかけがなかったのではないかと思うのです。
 それでは、政策官庁になるということはどういうことなのかといいましたら、私が体験いたしましたことで、文部省は統計はあるのですけれども、情報が非常に少ないという役所なのであります。まず統計は情報ではありません。そうではなくして、未来に向かっての情報であるとかあるいは現在相互に交流されておる知識の交流あるいは研究の開発、こういうようなものは全部情報でございますが、情報の少ない役所だなということを私は感じております。でございますから、政策官庁へ脱皮する前にまず情報をどうして集めるか、そして情報をどのようにして誘導していくか、これが非常に大事なことなのではないかと思っております。その上に立って初めて政策というものが出てくると思うのでございまして、それは今文部省が一体となってやっていこうという方向に出てきておるように私は思っておるのでございます。
 私の所感で申し上げさせていただくと、そういうことでございます。
○林(保)委員 途中に挟みますけれども、先ほどの国旗・国歌の問題はどういう対応になるのでございましょうか、どなたでも結構でございますが、お答えいただけたらと思います。私はもう既に趣旨は徹底しておると思うのです。それが実行されないという問題、しかも通達を出しておる。これはほかの問題とも関連しますので承っておきたいと思います。
○川村政府委員 所管の局長がおりませんのであれでございますけれども、このたびの最終答申で、御指摘のように国旗・国歌の扱いにつきましての御指摘を、学校教育における位置づけを明確にすべきという御答申をいただいたわけでございます。
 そこで、現在ちょうど教育課程の改訂の作業が進められておりまして、教育課程審議会におきまして、これは小中高、学校教育全般にわたってでございますけれども、恐らく本年中にその答申が得られ、それに基づいて学習指導要領を告示し、それを実施していくという段取りになるわけでございますけれども、この国旗・国歌の扱いにつきまして、その学校教育における位置づけを明確にするため、学習指導要領にその点をきちんと書き、その扱いをこれから定めていくということに相なろうかと思っております。
○林(保)委員 私のあれでは、文部省はその問題ばかりでないのですが、これは突出した問題だと思いますので、いろいろと手を打たれていてもなおそれが実行されないところに問題があると思いますので、これからの改革推進本部そのほかの中においては、本当に実効ある対応を現場においてやるということでなければ教育効果はございませんので、要望しておきたいと思うのでございます。
 そういった中で、ただいま大臣がおっしゃっておられました御答弁と関連いたしまして承りたいのでございますが、私ども大学審議会法案を大事な問題として審議しなければならぬと考えるものですが、阿部局長ほか文部省の皆さんからはたびたび、早くやってくださいという御注文を受けましたね。そうですね。ところが大臣、ほかからはほとんど反対の陳情ばかりなんです。そこで、文部省に対する反対陳情が文書で何通来ているかをひとつお知らせいただきたいと思います。
○阿部(充)政府委員 きょう手元に持っておるデータは若干古いわけでございますけれども、文部省に送ってまいりましたのは、七月一日までの時点で八件でございます。なお、ほかでいろいろ声明を出したとかいうような情報等は新聞記事等で見ておりますけれども、文部省に直接送付されてまいりましたのは七月一日までの時点で八件ということでございます。
○林(保)委員 あとこれだけ追加が来ておるのですが、それ以前のデータで二十二件来ておりますので、三十件以上来ておると思います。文部省としてはこの内容を精査されたと思いますが、どういう御感想でございましょうか、事務当局の御見解をまず伺いたいと思います。
○阿部(充)政府委員 いろいろ要請文等があるわけでございますけれども、中身の大体の傾向といたしましては、この審議会の設置は大学の自治を破壊するのではないかという言い方が一つ、それから財界と国のための大学づくりを目指しているのではないか、勧告という審議会に対する強大な権限を与えているところが大きな問題である、臨教審の教育改革全体の突破口にしようとしている、そういうようなことを挙げて、反対であると言っているケースがほとんどであろうかと思っております。
○林(保)委員 私も詳細に、といっても中には飛ばし読みしたところもありますけれども、大体そんなところでございます。
 これは大臣に承りたいのでございますが、一つは大学自治の侵害、これが大学審議会とどう関連するのか。それから財界あるいは行政官庁、そしてまた言葉をかえて言えば、産学官協回路線という独特の言葉も出ておりましたり、学長専制体制をとるんだというようなこととか、意思決定機関である教授会の審議機関化を企図したものであるとか、固有名詞を挙げまして大臣に対する反対も出ておりますね。それから大学審議会設置に反対、これなんかは、大学の自治を破壊し、科学技術の軍事利用を促進し、SDIまでいくと出ておりますよ。国民の自由と民主主義を奪い、戦争への道のりにつながるというようなことまで出ております。言葉は平易じゃございません。一貫したような言葉になっておるとも思いますし、なおそれぞれの立場の違いを反映しての陳情だと思います。
 民意を大事にする民主制でございますので、これもまた考慮に入れていかなければならぬと思いますが、大臣と局長のお二人にこれについての反論、どういうふうにお考えになっているか。反論でなくても結構です、賛成なら賛成で結構です、承りたいと思います。
○塩川国務大臣 不幸にして私は、文部省へ来ております。そういう声明、抗議文を読んでおりませんのでわかりませんが、今お聞きいたしますと、日本人たくさんおるのですから、そういう硬直した人もまあおるだろうと思っておりますが、そんなのは世間に通用しない考えでございます。我々は意見があることは承りますけれども、しかしそれは国民の中のごくわずかで、まさに特殊な人だろうと思っております。
○阿部(充)政府委員 個々の点について幾つかお答えをさせていただきます。
 まず、最初に申し上げました大学の自治を破壊するという言い方に対しましては、この大学審議会というのは、あくまでこれからの大学のあり方を議論する審議会でございまして、個々の大学についてとやかく発言をするあるいは介入をするというようなものでは全くないわけでございますので、これも大変な誤解であると私どもは思っております。
 それから、第二点で申し上げました財界と国家のための大学づくりだというような物の言い方でございますけれども、大学というのは、大学の自主性を尊重し自治を尊重していくことは大切なことでございますけれども、これもまた一つの社会的な存在でございますので、そういった社会の方々の御意見というものを反映させていく、そういう御意見を伺った上で大学についての基本的な考え方をまとめていくというようなことも当然のことだろうと思っております。それをもって財界のための大学づくりだというような物の言い方というのは、これは極めておかしい話であろう、こう思っておるわけでございます。
 また、臨教審への突破口であるというような点につきましても、これは、臨教審で教育改革を進められました、私どもはその御方針を進めていく立場でございますから、そういう意味ではこれはむしろそのとおりで、私どもとしては、まず大学審議会をつくって、大学改革の問題をみんなで議論していこうというところから改革を進めるのは当然のことだと思っておるわけでございます。
 さらに、学長専制というようなお話が先生から出ましたけれども、これは恐らく学長のリーダーシップを大事にしようということが臨教審の答申の中にどこかに書かれておったと思いますけれども、そういう点をとらえての発言であろうかと思いますが、大学の仕組みというのは、学長を教官たちが選出をして、その大学の責任者として選ぶわけでございますから、そういった学長にある程度のリーダーシップを発揮していただくというのは当然のことであって、それをおかしいということは全くないのではないか、こんなふうに考えておるところでございます。
 このことがまた戦争につながるとかいうようなことになりますと、ちょっと論評の限りでないような意見であろうと思っております。
○林(保)委員 私どももこれを読みまして、本当に戦争につながらないためにということ、そしてまた、一億二千万ですか、国民みんなだれが聞いても、今の教育の現状は憂うべきであるという声がもう充満しておりますので、やり方についてはいろいろあると思うのです。しかし、だから変えなければならぬのだ、こういう立場で、私どもは今皆さんと意見を一致して頑張っておるような状況でございますだけに、しかしなお、今文部省が情報不足だと言われたけれども、大臣も情報不足ですね。それは大臣、ちょっと足りないと思いますよ。これだけ来ておるのですから、それが大臣の耳に入らない、見られないということであれば、これは一体どういうことなんだろう。こういう問題が一つと、それからこの反対の、これに賛成する者は、勝手に、自民党さんの数の力で採決すれば通るのだ、こういうことで多くの方は黙っておられるのかもしれませんが、しかしなお、これをぜひ通せというのが文部省だけに限られている。これは正確に言いますと、私も三、四カ所から電話をいただいたり手紙をいただいたりして、審議会法案を早く通せ、こういうことをいただいておりまして、じっと見ているのですけれども、大臣、これは余りにも少ないのですね。民主主義のバランスからいったらこんなに差がありますよ。ここらあたりに、私は、教育界の現状あるいはまた今回の臨教審の、あるいは文部省の意向の実態が実はあるのじゃないだろうか。私は、このことをむしろ、大臣の先ほどの家主論議でございましたか、あれと同じように大変憂えるものでございますが、大臣、そのことについてどのようにお考えになられますでしょうか。
○塩川国務大臣 その抗議文はだれあてに来ているのですか。私はそれは本当に見たことがございません。――ああ、見ておりません。だから、私は全く知らないことでございますので、関知しておりませんので、どうぞあしからず御了承いただきたい。
○林(保)委員 これだとすると、今の民主政治といいますか、まさに戦後四十年続けられてきた手法が大変いびつになっていると私は思います。同僚議員の皆さんに聞いても、たくさん来ている、来てないということはありましても、こんなに来ている。それじゃ大臣、お知りにならないので、どこから来ているかというのを私のノートにとっておるだけ申し上げてみます。割と早く来た順番に申し上げますと、愛知教育大学教員有志、中央大学商学部教授会、静岡大学教戦員有志、東京地区大学教職員組合連合、東京農工大学教職員組合、こういうふうになって、これを全部読むと三十幾つになる、四十近いと思います。昨日も文書及び電報が参りまして、当事者はやはり文部省及び大臣の方でございますのに、そこに行かないで、審議する我々のところにだけ来て、それを全然わからないと言うのは、これは大臣、本当にいびつですね。この辺もひとつ、教育の問題ばかりでなしに、ほかの問題としてもやはり考えなければならぬ問題かもしれないなという実感を深くするわけですが、大臣、どうお考えですか。
○塩川国務大臣 それはやはり、大臣に出すべきほどの書類じゃないということでございましょう。
○林(保)委員 ということは、議員は小物だから、ひとつそこらあたりを突っつけ、言葉を返しますとこういうことになるかと思います。しかし、ここらの意見は、やはり民主主義でございますので、声は声として聞いて、それなりの考え方を進めていかなければならぬと私は思います。この点は、これから私も文教の分野を担当するといたしますと、ほかの分野にもあることですけれども、大事にしながら継続して、これからの臨教審の答申を推進する上で考えていきたい、このように考えます。
 時間も迫りましたので、あと二つ。
 第一は、今回の大学審議会、臨教審の第二次答申でユニバーシティ・カウンシルという形で出てきて、そしてこれを二十人の委員の構成で、その下に、大学設置審議会と私立大学審議会を統合して大学設置・学校法人審議会を設置する、こういうようなことで御提議になっておりますが、ここで扱う問題について、この法律案では十分な説明ができておらないと思います。この後政令で細部を決められると思いますが、何と何と何を政令で決められるのか御答弁いただきたい、というのが第一でございます。
○阿部(充)政府委員 この審議会で御審議をいただきます事項としては、法律上、大学の基本に関する事項という表現で書いてございまして、これは政令で細目を決めるという仕組みはとっておりませんので、まさに大学の基本に関することを、その範囲に属することについて御審議をいただくということになるわけでございます。それ以外に政令で決める事項というのがございますが、政令で決めることを考えておりますのは、いわば手続的な事項と申しますか、そういうたぐいのものでございまして、委員の任期、それから特別委員、専門委員の設置とその職務、会長、副会長の設置とその勤務、部会の設置、審議会の議事手続、それから審議会の庶務を担当する事務部局、この六項目につきまして政令で定めるということを予定いたしております。
○林(保)委員 第二点は、過般御説明を文部省側から聞いておるわけですが、当初は、本来七月一日の発足で、予算もとっておる、早く審議してくれということで、今度は九月一日ということになっておるようでございますが、九月一日までこの審議を続けてみましても、予算はとっておりましても、参議院の手続もございますので、とても間に合いそうにないと思います。予算の額及びいつから発足させるか、この辺をひとつはっきり明らかにしていただきたい。
○阿部(充)政府委員 この大学審議会に関する予算でございますけれども、総額で二千八百四十二万五千円を計上いたしております。
 それから、この発足の時期でございますが、私ども、この大学改革というのは非常に重要なことでもございますし、十分関係者の御議論をいただきながら進めていくということを考えますと、とにかく可及的速やかにお願いをしたいというのが一点でございます。もう一つは、実務的な事柄といたしまして、大学設置審議会と私立大学審議会の統合ということがこの法案に一緒に書かれておるわけでございますけれども、こちらの方は新しい各種の認可に関する具体の仕事がございまして、九月からそれに入るということになっておりますので、そういう関係からも、七月一日が過ぎましたので、公布の日から施行ということでぜひお厚いしたいと思っておりますが、その公布ができるだけ早く行われますように御審議に御協力いただければ幸いだと思う次第でございます。
○林(保)委員 ありがとうございました。同僚議員にかわります。
○愛知委員長 北橋健治君。
○北橋委員 民社党・民主連合の北橋でございます。
 議題になっております学校教育法等の改正の質疑に入る前に、先ほど同僚の林委員の方からお尋ねをいたしました国歌・国旗の問題について重ねてちょっとお伺いをしたいと思います。
 といいますのは、さきの文教委員会におきまして、私の方から塩川文部大臣に対しまして、この問題について国民的合意を早急に得て、学校教育の現場において文部省の局長通知の趣旨が徹底されるように、臨教審という各界の有識者から構成される場において一定の方向づけを行うことが適切ではないか、大臣としてもその方向に沿って働きかける意思がありやなしやという質問をさせていただいたものでございます。結果としまして、臨教審の最終答申においてそのことが触れられたことに対しまして、私どもも非常に理解を示すものでございますが、問題は、先ほど林委員もお尋ねいたしましたように、今後の学校の教育現場における実施状況が本当にその趣旨にのっとってうまく運ぶかどうかということにかかっております。その意味で、今は局長通知という形で文部省としても一定の方向づけをなされた体制をとっておられるわけでございますが、今回の最終答申を受けまして、さらに踏み込んで学校の教育現場に対して一定の指導を行う方針があるかないか、お伺いをさせていただきたいと思います。質問通告になくて恐縮でございますが、お願いいたします。
○西崎政府委員 先生御指摘のとおり、このたびの臨教審の答申におきまして、国旗・国歌にかかわる学校教育上の取り扱いについて適正にこれを考えるべし、という内容で答申が出されたわけでございます。
 私どもといたしましては、現在教育課程審議会が進行中でございまして、教育課程審議会においても、学校教育における国旗・国歌の取り扱いについて適正にこれを行うことについて、議論が行われておる段階でございます。したがいまして、臨教審の答申の趣旨は、当然教育課程審議会における審議においても参考とされるわけでございますが、要は国旗・国歌に関する理解、そしてこれを尊重する態度というものが、学校教育においてより適正に、どういうふうに具体的に実施していくかということでございまして、この年末に答申が予定されているわけでございますが、その内容に従いまして私どもは学習指導要領をつくるわけでございますが、これが恐らく来年になるわけでございます。学習指導要領で国旗・国歌に関しまして適正に定めまして、その上で学校教育における扱いについての指導を文部省としてもより徹底してまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○北橋委員 それでは、文部省の今後の対応方針を私どもも見守らせていただきたいと思います。
 今回提案されました学校教育法等の一部改正案について質問をさせていただきますが、まず文部大臣に、現在の大学をどのように見ておられるか、大臣の大学観というものをお尋ねしたいと思うのですが、臨教審の議論、これは必ずしもオープンになっておりませんので、私どもも一人一人がどのような発言をされたかわからないのでございますが、審議経過のメモを見ますと、その中で、大学というのは今押しなべて非常に閉鎖的である、そして社会的対応が十分でない、その諸機能が硬直的であるという意見も少なくない、という指摘が臨教審でもなされたと聞いておるわけでございますが、大臣は今の大学というものを押しなべてどのように見ておられますか、お聞かせ願いたいと思います。
○塩川国務大臣 私は、日本が近代国家を築いてまいる過程におきまして、大学及び義務教育が果たした役割は非常に大きいと思っております。しかも日本人は勤勉で、学問の面においても勤勉である、したがいまして大学への進学率も他の先進諸国に比べて決して劣るものではなく、むしろ高い方であります。
 ところで、大学を見ます場合に、戦前においてもそうでございましたけれども、戦後は特に教育と学問研究ということが非常に高低差が激しくなってまいりました。
 そこで、これからの大学政策の中で一つ大事なことは、これは素人として聞いていただきたいのですが、非常に大事なことは教育と研究開発、学問のうんちくをきわめていく、そういう部門はある程度分離をして、しかし相互に絶えず交流をしながら密接な関係をとっていかなければならぬことは当然でございますが、そういうことを考えざるを得ないのではないか。最近におきまして文部省が始めました国立共同利用機関、私はあれは非常にいい制度だと思って喜んでおるのでございますが、あそこはまさに研究開発のところでございますし、そういう体制を大学の中においてでも考えてもらいたいと思っております。同時に、大学は教育を基本とする機関でございますから、そういう教育にその研究の成果が反映していくように、そしてまた、それによって教育の水準を高めていくように、そういうことをこれから大学の中でやっていただかなければならないのではないか、これが一つでございます。
 それからもう一つは、現在の国立大学、私立大学についても若干言えることだと思うのでございますが、その学部、カリキュラムの時代的変化が非常にテンポが鈍いと思っております。これは世の中、世間が特に経済、科学という面がものすごく進んでおるのにかかわらず、大学のこれに対するカリキュラムの対応、特に学部編成等につきまして非常におくれておる、この改革を急がなければならないのではないかということを私は思うのであります。
 それと、大学が非常に閉鎖的社会であるということは私はかねてから感じておることでございますが、これをもう少し開放的にしてもらうことによって大学自体に活力がついてくるのではないかということを私は考えておるところであります。
○北橋委員 私どもも今日の大学には多くの直すべき課題があると思っておりまして、そういった意味では、大学を時代の変化に対応して、そしてまた高等教育機関としてさらに発展せしめるように、ユニバーシティ・カウンシルというようなものをつくってそこで議論をするということについて深い理解を持つものでございます。ただ、その運営に当たりましては、私どもも幾つか注意しなくてはならない点があると思っておりますので、それらの諸点につきまして、順次御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、大臣にちょっとお伺いしたいのでございますけれども、いわゆる審議会をつくってそこで話を煮詰めていくという、そして今回は勧告権まで持たせる、非常に重要な機能を持った審議会をつくられるわけで、スクラップ・アンド・ビルドで創設される。私どもは、中曽根内閣の五年近い過去を振り返りまして、いろいろな指摘がありますけれども、その中で看過し得ないことは、重要な国政上の課題を審議会をつくってそこにおろす、そこで結論の出たものについて順次実施に移していくという方法で、それは国会軽視であるとかいろいろな指摘がありますけれども、一方においては隠れみのになっているのではないかという指摘が前々からありまして、中曽根総理が重要な問題についてどんどん審議会をつくられる、場合によっては私的諸問機関までつくられていった、こういった政治手法については懸念を持っておるものでございます。しかし、課題によっては、広く各界の有識者から意見を聴取してそこで一定の方向づけをするということも意義があることとは思いますけれども、行政の隠れみのになるのではないかというような指摘も多々ございますので、その辺について、いわゆる審議会をスクラップ・アンド・ビルドで今回つくることについて、そのような批判が出てこないように十分留意すべきだと思うのですが、大臣はその点についてどのようにお考えになっておられますでしょうか。
○塩川国務大臣 おっしゃる御意見に私も大方賛成でございまして、行政権限の中におきます行政の行使をいたします場合には多くの人の意見を聞く、その多くの意見の聞き方をある程度省略してやっていこうというのが審議会かなと私は勝手に思っておるのですが、審議会万能の行政をやってはいかぬ、やはり責任をきっちり明確にすべきだ、私はそう思っておるのでございますが、しかし、審議会をつくったら一応おっしゃるようにカモフラージュしてかっこいいですから、どうしてもこういう格好をとるんだなあと思っておるところです。
○北橋委員 その審議会の運営が国民の立場から見て合理的に運営されるようにするために、委員の人選でありますとかそういったいろいろなことが極めて重要になってくるわけでございますが、事務当局にお伺いしてまいりますが、新しい審議会の委員の人選についてでございます。
 これまでの文部省の審議会のメンバーについてお伺いしてみますと、大学についてでございますれば大学の関係者が圧倒的多数である、産業界あるいはジャーナリスト、労働界、そういったところからの委員が極めて少ない、このように聞いておるわけでございますが、そもそも今回こういう審議会を設けるという結論に至りましたのは、いわゆる大学の当事者、もちろんそれぞれの専門の分野においては世界的な権威者というのはたくさんいらっしゃるとは思うのですけれども、今日の時代の変化に対応して大学をさらに発展させていくという見地から見ますと、やはり各界から広く人選をすべきであると思っておるところでございます。その意味で、私どもは産業界、そして労働界から人をたくさん委員として人選をしていただきたい、そういう希望を強く持っておるわけでございます。もちろん産業界からの委員を入れるということについては世論の一部には反対する声があります。財界と国家が一体となって大学を乗っ取るようなものだ、そういう指摘もあるわけでございますが、今日、日本の勤労者、労働者というのは民間企業において多くの方がそこで生活をしている、その民間企業がこの激動する変化の中で生きていくためには、大学についても変わってもらわねばならぬところがたくさんあるわけです。ですから、いわゆるブルジョアとプロレタリアートという発想ではなくて、今や産業界の発言、意見というのは、まきにそこの職制・労働者全部を含めた民間企業が生きていくための切実な声として産業界はそれを代弁しているわけでございまして甘そういった意味では、一部の世論に屈することなく産業界からもたくさん人を入れて、新しい時代の変化に対応した大学のあり方を議論していただきたいと思っておるわけでございます。その点について文部省の見解をお伺いしたいと思います。
○塩川国務大臣 私は大学は国民のための大学だと思っておりますから、そういう観点に立てはおっしゃるように当然各界各層の人も入ってもらわなければならぬ、私はそう思います。しかし、事は大学の問題でございますので、やはり大学人というものの意見も聞く機会を十分に与えなければならない、そして国民の各層の意見も聞く、これがいい姿ではないかと私は思います。
○北橋委員 おっしゃるとおり国民各界各層から有識者を委員として選ぶということになると思いますけれども、重ねてお伺いするわけでございますが、例えば産業界から見ますと、ことしの求人情報を聞きましても、ハイテク部門、エレクトロニクス関係の求人というのは多いわけでございます。それからバイオテクノロジー関係、科学関係の知識を持った学生さんというのは非常に引く手あまたでございますが、いわゆる産業構造の転換によって、かつて日本の経済を支えてきた産業の方からは新しい求人情報は少ないという状況にございます。そういった意味から、先ほど大臣は、カリキュラムの編成についても時代の変化に対応して改革すべき点が多々あるという御指摘でございましたけれども、やはり産業界の意見というものが今まで十二分に大学の運営に伝わらなかったからこそこういったところに来る。実際そこで苦しんでいるのは、大学で一生懸命勉強して、そして卒業しよう、就職しようと思ったら、世の中が変わっていた、産業界は大分変わっていて、そのために自分の就職するところが四苦八苦で大変だ、こういうことになっているわけでございます。
 重ねてお伺いします。産業界から有識者を可能な限りたくさん入れていただきたいと思いますが、大臣の御見解をお伺いいたします。
○塩川国務大臣 当然配慮すべき問題だと思っております。
○北橋委員 産業界に加えまして、労働界からの人選についてお伺いいたします。
 政府のお考えでは、高等教育のあり方について非常に高い見識を持った方から選ばれると聞いておりますけれども、確かに労働組合のOBというのは大学を出ていらっしゃらない方も少なくないかもしれません。しかしながら、宮田義二さんに見られるように、大学は出ていらっしゃらないけれども、今日の高等教育について非常に高い識見を持っていらっしゃる労働界の有力なリーダーもたくさんいらっしゃるわけでございます。そういった意味で、文章をそのまま受けとめますと労働界のOBというのは余り今回の審議会の委員には入ってこれないような感じも受けるわけでございますけれども、しかし、今日労働組合は、ことしの秋には全民労連ということで、民間企業に働いている勤労者の大同団結が成就する歴史的な年になろうかというときでございます。そういった意味で、私は、労働界の発言というものはこれからの行政の運営その他、もろもろの社会的な意思決定において極めて重要な意義を有してくると信ずるものでございますが、労働界からも委員の人選をお考えになっていただけないものかどうか、お伺いをいたします。
○塩川国務大臣 せっかくのお尋ねでございますが、何々界からとかいうふうに縛ってしまいますとなかなか答えにくい問題だと思っております。私は、先ほど申しましたように国民各界各層から有識の方をお願いしたい、こう思っておりますが、御意見があったということは今も聞いておりますけれども、これに対してはなかなか、御返答することはちょっと差し控えさせていただきたいと思います。
○北橋委員 それでは組織について、「審議会は、大学に関し広くかつ高い識見を有する者」「二十人以内の委員で組織する。」というふうに法令上なっておりますけれども、労働界の代表の方もこれから除外するものではない。このまま読みますと何か、昔大学を出る機会がなかった、しかし今日社会的な有力なオピニオンリーダーとして活躍されていられる方々、こういう方々は果たしてこれに該当するのだろうかという気がしたものですからお尋ねしたわけでございます。決して労働界の代表というものを除外される考えはないですね。少なくともそれぐらいはお答えいただけませんか。
○塩川国務大臣 私は、何遍も同じことを繰り返して恐縮ですが、各界各層ということで御了解いただきたいと思います。
○北橋委員 それでは、そういう意見もあるということで、十二分に御参酌いただきますようにお願いを申し上げます。
 次に、審議会の議事の運営なんですけれども、大学の自治が脅かされるとか幾つか今後の審議会の運営あるいはその結論について不安や懸念を持っている向きも世の中にはたくさんあるわけでございます。そういった意味で、一定の結論を出していく場合に、議決の手続というのもこれまた慎重でなくてはならないと思うのですけれども、大学審議会の議決の手続、もちろんみんながみんなの委員の顔を立てて特に異論が出ないような文章になれば別ですけれども、これから時代の変化に対応して変革をしていく、改革をしていくためには、ある程度意見というものが、全会一致という形でしたらなかなかそううまくいかないのではないか。全会一致というものを前提にしておりますとなかなかこういった大学改革というものも難しいような気もいたしますが、この議決手続について何か今お考えになっていることがあればお聞かせ願いたいと思います。
○阿部(充)政府委員 議決手続につきましては政令事項でございますので、これから法案成立後直ちに検討するということになろうかと思っておりますが、従来の一般の文部省に置かれております審議会の議決手続の例で申しますれば、出席委員の過半数をもって決するというのが従来からの例でございます。
○北橋委員 それでは、法案が成立した場合に政令をつくられる場合も、従前の文部省の審議会の議事手続が踏まれる、そこに踏襲されると考えてよろしいでしょうか。
○阿部(充)政府委員 政令につきましてはこれから政府部内で内閣法制局等の審査も経てつくっていくわけでございますので、私の口からこうするということは言いがたいわけでございますけれども、先ほど申しました従来の例というのがございますので、現在のところそういうことを私どもの念頭には置いているということでございます。
○北橋委員 わかりました。
 それでは、事務局の構成についてお尋ねをいたしますけれども、文部省に審議会を設置するわけでございますから、当然文部省の官僚の方々が事務局を構成されると思いますが、今現在、高等教育のあり方を見ておりますと、例えば通産省や労働省におきましても、新しい情報化とかハイテク化の時代に対応して、既存の大学においてはうまくフィットできない、対応できない、そういう意味で高等教青機関をつくって、そこで人材を養成しているということがだんだんふえてきておるわけでございます。そういった意味から見ますと、産業構造の転換という問題になりますれば通産省でしょうし、あるいは雇用情勢の変化という面から見ると労働省ということになると思うのですが、その点臨教審については、委員あるいは専門委員に非常に幅広く人材を配しておりますので、その意味では文部省の事務当局だけでお考えになっているというものではなかったわけでございます。臨教審の答申を受けて審議会ができ、事務局が構成されるわけでございますが、そういった臨教審の議論が非常に幅広い各層から出てそれを集約されたという経緯を踏まえまして、今後事務局の構成はどのようになるのでしょうか。
○阿部(充)政府委員 この大学審議会につきましては、文部省の審議会としては若干異例になるかと思いますけれども、そのために大学審議会室というのをつくりまして、室長のもとに三名の職員を置いて、委員の方々の手助けをいたすというようなことを予定をいたしておるわけでございます。
 御指摘がございましたように、臨教審の場合には、そういうふうに置かれた機関で各省全部関係があるということから、それによって事務局職員の構成も行ったわけでございますが、今回の場合には大学審議会は大学に関することということで、まさに文部省の専管事項でもございます。そういうことで、文部省に置かれる審議会でもございますので、現在のところ審議会の職員は文部省内において対応するということで考えておるわけでございます。先生御指摘のような点も大変重要だと思っておりますが、それにつきましては、先ほど御質問がございましたように、委員の構成において、従来のように大学関係者だけに近いような形で構成するというのではなくて、相当多数、各界各層の方にお入りをいただいて構成をしていくということで、そういった各方面の御意見がこの審議会全体の審議に反映されるようにという配慮は、そちらの方面でさせていただきたいと思っておる次第でございます。
○北橋委員 先ほど大臣が質問にお答えになられまして、文部省は意外と情報が豊富でないという御指摘もあったわけでございますが、私は決してそんなことはないだろうと思っております。私の知人、先輩も文部省に勤めておりまして、本当に寝食を忘れて一生懸命、日本の教育界の発展のために頑張っておられます。そういった意味で、私は文部官僚に対しまして絶大なる信頼を置いておる一人でございます。ただ、今日の高等教育というのはいわゆる既存の文部行政におさまらないようなところも多々出てきている。今、例えば情報の問題でしたら通産、郵政が激しい戦いをしております。今度のココムの問題でしたら通産、外務がまた激しくやり合っております。しかし、それは一面マイナスだという指摘もありますけれども、既存の官庁の縦割り組織では対応し切れないような新しい時代の変化が起こっているわけでございまして、それはそれで非常に建設的ないい側面もあろうかと思っておるわけです。ですから、事務局の構成が文部省でやられるということは異存はございません。ございませんけれども、やはり産業政策の専門家というのは通産省にもいるわけでございます。雇用問題、新しい教育を受けて社会に旅立つ、巣立っていかれる方々の実際の戦場の環境というのは労働省が一番詳しい。そういった意味で、時代の変化に対応して総合的に大学のあり方をこれから議論されるに当たりまして、どうか通産、労働を初めとしましていろいろな省庁の方々との意見交換、情報交換というものを積極的にやっていただきたいと思うわけでございますが、いかがでしょうか。
○阿部(充)政府委員 大変重要な御指摘をいただいたと思いますので、心がけてまいりたいと思います。
○北橋委員 よろしくお願いを申し上げます。
 次に、大学審議会の議事録を公開してほしいという要望があるわけでございます。アメリカの場合は情報公開法という法律がある、あるいはサンシャイン法で政府、行政機関の情報というものがかなり国民に近いところにあると聞いておるわけであります。もちろんどんな制度にもプラス・マイナスがございまして、今アメリカのその情報公開制度が果たしてよかったのかという議論もかなり広範に出てきておるということでございまして、これがすべてパーフェクトな、ベストなものだとは私は思っておりません。しかしながら、今回審議会をつくることに対する強い懸念も一部にある、そういう中で、日本の国連を左右しかねないような重要な問題をこれから論議していくわけでございまして、どのような意見がそこで交換されているか、闘わされているかは国民の非常に知りたいところだと思うわけでございます。そういった意味におきまして、議事録をすべてオープンにすることは現在の審議会行政からして難しいだろうとは思うわけでございますが、何らかの形で、今現在、審議会でどのように意見が交換されているかが国民に伝達されるような工夫があってもいいのではないか。そのことが審議会行政あるいは委員の発言を拘束したり左右することにまで発展しないうまい方法があるのではないかなと思うわけでございますが、いかがでしょうか。
○阿部(充)政府委員 審議会の議事録を公開するかどうかという問題につきましては、これは先生御承知のように、審議会ができまして審議会自体でどうするかということを論議して決めていただくという性格のことであろうと思っております。ただ、一般的に申しますと、議事録がそれぞれそのまま公開されることになりますと、やはり委員の自由な発言等について心理的な制約が出てくるおそれ等もあるということから、一般的には公開をされていないというのが実態であろうと思っております。事柄としては、先ほど申し上げましたように発足後に審議会でその点については御議論いただきたいと思っております。
 なお、それとは別に、やはり審議会の議論の方向についてできるだけ国民に知っていただく必要があるということは御指摘のとおりだと思っております。どういうやり方でできるかは別といたしまして、ある節目、節目ぐらいには、何らかの形での意見のある程度のまとまりが出た段階で公表して一般の方々の御意見をさらに徴するとか、そういうたぐいの方法についてはこれからいろいろと検討してまいりたいと思っております。
○北橋委員 確かに、審議会の委員の先生方が発言をする場合にそれが即国民に全部筒抜けになっているという状況は、御指摘のとおりいろいろと難しい問題が派生するおそれはあると思います。そういった一面は理解できるのですが、国民の利害が激しくぶつかり合うような、例えば米価を決めるときには米価審議会で議論されるわけです。これは利害が真っ向からぶつかる問題でもありますので、かなり激しい議論が闘わされるわけです。私も米価審議会に過去九回、民社党本部の政策審議会の事務局におりましたので詰めておったのですが、そのときに食糧庁のお役人の方も大変だなと思ったのですけれども、記者クラブが二つございまして、そこで二時間置きぐらいに、大体こういう議論があったということをレクチャーされるわけです。もちろんだれが言ったかということは全然わかりません。それは問わないという不文律があります。しかし、その食糧庁の方のレクチャーを聞いておりますと、どういう議論が今米価審議会で、利害がぶつかるところで審議されておるかということは大体手にとるようにわかるわけでございます。ああいった形も今現在、審議会の中でとられているわけです。それも激しく利害がぶつかる場で、委員の発言もかなり周りを気にしながらだと私は察しておったわけでございますけれども、そういう知恵もなされておる。もちろん食糧庁の方も大変な御苦労だと思いますし、それがベストかどうかはわかりませんが、何らかの形で、そういうものもあるのだということを踏まえて、国民に少しでも議論の中身が伝わるような工夫をしていただきたいのですが、大臣いかがでしょうか。
○塩川国務大臣 この大学審議会の審議の内容と米審の審議内容とは大分違うと思います。米審はまさにそのときの利害がもろに計算で出てくるものでございますから、これはもう農民の方々の関心が高い。その意味においてああいう報道をしておるのだと思いますが、大学審議会の審議内容は、一つの事柄についてある程度結論めいたことが出てきた段階で、実はこういう議論の過程を経てこういう結論になったということを、何か政府の広報を通じて概要を説明する。ただ結論だけということになれば、何でこんなになったのかわけわからぬと、こうおっしゃるのは当然だと思う。国民に対するサービスと言ったら語弊がございますが、親切に中身を大体こういうことだということを説明する必要、私はその程度のことでいいのではないかなと思っております。
 先ほども局長が言っておりますように、この問題の公開の仕方についてはぜひひとつ大学審議会にお任せしてやっていただきたい、こう思いますが、私の意見を求められたので、今そんな感じを申し上げたことでございますが、御了解いただきたいと思います。
○北橋委員 大臣の御方針は承りました。しかし、一つの意見として聞いていただきたいのですけれども、アメリカの民主主義というのは非常に基盤がしっかりしているという感を私はこの間ワシントンに行きまして持ったのですが、やはり情報というものが非常に公開されている。もちろんそれにはデメリット、マイナスあるいは時間のロスもあるかもしれません。しかし、それを克服しながらアメリカの民主主義というのは発展してきているわけです。そういった意味で、アメリカのウォーターゲート事件を契機として情報公開法ができた経緯があるわけでございますが、日本の行政というのはかなり閉鎖的ではないかという指摘は、国民各界にかなりあるのではないかと私は思うわけでございます。
 そういった意味で、ぜひ今後、議事録の扱いあるいは中身の議論の伝達につきましては、いろいろな御意見が文部省にもあろうかと思いますけれども、そういった世論、国民のための審議会でございますので、特に国民が大学のあり方については非常に関心を持っておりますだけに、どうかいろいろと知恵を絞って改善をしていただきたいと御要望を申し上げておきたいと思います。
 続きますが、今度の審議会には勧告権というものが付与されているわけでございますが、この端的な理由をお伺いいたします。
○阿部(充)政府委員 勧告権でございますけれども、このたびの大学審議会は、大学を中心とする高等教育の基本的なあり方について御議論いただくという意味で、大変重要な役割を持っている審議会であると考えておるわけでございます。また臨時教育審議会が、大学を含めまして教育改革全般についての御議論をいただきまして、その中で大学改革という問題について非常に多岐にわたる御提言を出されておるわけでございますけれども、それぞれの御提言自体は比較的方向性を示したというにとどまるようなところが多くて、臨教審の答申の中で少し異例な形だと思いますが、大学審議会で具体化についての議論をするようにというように、大学審議会に審議をゆだねたというような形をとっておるわけでございます。そういった大学審議会が大変重要な役割を果たしているということから、こういう審議会について、文部大臣からの諮問にこたえるというばかりではなくて、やはりみずから大学問題について検討をし、これについて意見を述べるということができるようにすべきであろうということでございます。
 それで、この意見の述べ方でございますけれども、この意見の述べ方につきましては、法令用語として勧告、建議あるいはただ意見を述べる、いろいろな形の書き方があるわけでございまして、要すればいずれもその審議会の意見を相手方に述べるというにとどまるわけで、相手方の拘束をするという性格のものではないわけでございます。ただ、法令上の用語としてのニュアンスとしては、勧告という言葉が一番強いニュアンスのものだということになっておるわけでございまして、大学審議会の重要な位置づけにかんがみまして、臨教審答申自体も勧告という形で意見を述べることができるようにするようにということも言われておりますので、それを受けまして、「勧告することができる。」という規定をこの法律に書かせていただいたというわけでございます。
○北橋委員 文教行政については、これまで文部省が一貫して責任を持って対処されてきたわけでございますが、あえて審議会をつくってそこに非常に勧告権が付与されているということから類推しますと、文部省としてはやや不本意ではないですか。勧告ぐらいでも、それを受けて文部省が主体性を持って、責任を持ってそこで一定の方針を出すという方が、私は文部省のお立場から見れば筋が通っているんじゃないかなという気がするのですが、その辺はどうでしょうか。
○阿部(充)政府委員 もちろん文部省の立場といたしましては、重要な事項につきましては文部省の側から積極的に提案をし、それについて御審議をいただくという形をとるように努力をいたしたいと思っておりますが、ただ、審議会の側から自主的にそういうことをやり得るという道を開いておくということも、これもまた大事なことであろうということでございまして、じんぜんとして勧告が出てくるのを待っているというようなことは毛頭考えておりませんので、文部省の方で大事なことについては諮問をしていくという形で基本的には対応していきたいと考えております。
○北橋委員 わかりました。
 次に、この審議会は、大学への助言あるいは援助というものを目的とするというように聞いております。助言はわかるのですが、援助というのはどういうことを意味しておられるのでしょうか、お伺いします。
○阿部(充)政府委員 今回の法案で御審議をいただいております内容としては、助言、援助ということは法律上規定しておらないわけでございます。この助言、援助というのは臨教審の答申の中に出てきた言葉でございまして、要するに大学に対してこの大学審議会が助言、援助をするというような形で出ておるわけでございます。
 ただ、このことは、大学審議会が審議会として文部省に置かれ、形式的には文部大臣と審議会という関係でだけ存在をする、そういうものであるということから、これがあたかも直接大学に対して助言をしたり援助をしたりするということと誤解されては困るということもございますので、今回の法律の条文からは省いてあるわけでございます。
 もちろん、この審議会が何かを建議される、あるいは答申をされるということが文部大臣の方へ出てまいりますと、その段階でそれが各大学に具体の助言というような形の効果は出てくるということはあり得ることだろうと思っておるわけでございます。
 なお、援助という言葉についてでございますけれども、この援助という言葉は、法律上はいろいろな意味があるようでございますけれども、助言と全く同じような意味に受け取っているケースもございますし、財政的な援助というふうに受け取っているケースもあるわけでございます。ここで、臨教審の答申で言われました助言、援助というのは、いわば両方とも助言に近い言葉であろう、こういうふうに理解をいたしております。
○北橋委員 大学の教授、特に理工系の教授にお会いしてお話を聞きますと、国から予算はいただいておるものの、非常にお金がかかる。そのために、学生と一緒になって研究する場合に非常に支障がある、そういうふうなお話も伺っておるところでございまして、やはり大学のあり方を議論すると同時に、大学の研究が時代に適応してもっと活発に、思い切って研究室が研究できるような助成というのは今後ますます重要になってくると思うわけです。
 そういった意味で、臨教審において大学審議会がいわゆる援助ということを言葉に入れたということに対して、私もそれは非常にいい方向であると思っておったのですけれども、この審議会の議論の中で、そういった大学への援助というものについてもかなり突っ込んで議論されていくと理解してよろしいのでしょうか、私はやはりそれが必要だと思うのですけれども。
○阿部(充)政府委員 大学審議会の議論は「大学に関する基本的事項」について御議論をいただくわけでございますので、そういった中で、具体の国としての財政的な援助の問題等につきまして議論が及んでくるということは当然あり得ることだと思っております。
○北橋委員 その点、ぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。
 残り時間が少なくなってしまったわけでございますが、以下、情報化という新しい時代の流れの中で、既存の大学が必ずしもうまく適応していないのではないかという声を私、多々聞いておりますので、その点について文部省のお考えを聞かせていただきたいと思います。
 電機労連という電機産業に働く勤労者の労働組合の連合会がございますが、そこで専門的なシンクタンクに依頼して、今日の円高がどのように海外進出を誘発し、それによって国内の雇用がどれだけ相対的に縮小したのか調査をした結果がございます。これについては私は極めて重要な、緊要な課題だと思っておりますので、機会を改めまして詳しく文部省に対応をお伺いしたいわけでございます。
 きょうはその皮切りといたしまして、今の電機労連の調査にも見られますように、このような円高がずっと続いていくことによって国内の雇用は相当に減る、二〇%近く雇用が昨年よりも減っているという試算が出ております。その分は何とかほかの分野に進出をして新しい仕事を起こしてそこで飯を食っていく、そういうことを真剣に考えねばならないという、非常にせっぱ詰まった状況に今日本のハイテク産業が置かれているわけです。電機産業に働く勤労者の数というのは、大手企業のみならず中小関連を含めますと膨大な数に上るわけでございまして、この人たちの雇用にかかわる極めて重要な課題だと思っております。その点、今日までの既存の大学というものが新しいニューメディア、情報化の時代の中でどのように対応してきたのかについては、非常に消極的ではなかったのかという現場からの意見も私は多々聞いておりますので、その点について大臣にまずお伺いしたいと思います。
 今ソフトウェアクライシスという言葉がございまして、ハードの機器をつくっている分野は順調に来ているわけですが、ソフトの部門につきましては将来相当人材が不足する。つまりコンピューターはあってもそれを動かす人材が少ない、それをソフトウェアクライシスと呼んでいるわけでございますが、そういう状況がこのまま行きますと、近い将来破綻するのではないかということが広く言われております。私も、情報関係の人材というのはかなり不足しているのではないかというのは産業界からも多々聞いております。これから大学等でこういった情報化の時代に対応して人材育成に今後真剣に取り組んでいく必要があろうかと思いますが、大臣はその辺の時代の変化についてどのようにお考えでしょうか。
○塩川国務大臣 私が最近聞きましたのでは、ソフトウエア関係の技術者が現在で五十万人足らぬということを言っておりました。そして、十年後においてはそれが現在の大学のあり方で推移するならば約百万人不足になってくるであろう、拡大されていくであろう、こういうある権威ある研究所の報告を読んだことがございました。それだけに私はこの隠そういう社会的要請にこたえていくようにやはり大学も対応してもらいたい、こういうことを強く願っておるところであります。
○北橋委員 現在も、既存の大学でソフトウエアの関係の教育をするとこうが少ないということで、通産省や労働省も情報大学校とかハイテクカレッジの構想を文部省と連絡をとり合いながら進めておると聞いておるわけでございますが、事務当局にお伺いいたします。
 本来ならば、既存の大学でもっと積極的にリーダーシップをとって、情報関係の教育というのはこうあるべきものだという範を示していただきたいと思っておるわけです。実際そういう方向で御努力されているとは思いますけれども、実際には他の官庁で、このままでは時間が間に合わない、もう待ったなしだから、どんどん進めようという構想が進んでいる状況だと私は聞いているのですが、今後文部省としてはそういった面で強力にこういった方向で進めていくお考えがあるかどうか、お伺いいたします。
○阿部(充)政府委員 最近の情報化の進展に伴いまして、情報関係技術者の養成ということが大事なことになっているということは御指摘のとおりでございます。特に大学関係につきましては、一つはハード、ソフトを含めまして専門的な技術者の養成という面で、既存の学部・学科を改組・転換をするとか、あるいは新しく学部・学科を設けるというようないろいろな形での拡充に努めてきておるわけでございます。
 数字的に申し上げますと、昭和五十年には大学関係でそういった情報技術者の養成は一学年の学部の定員で三千名程度でございました。それが昭和六十年まで十年かかって六千名まで伸びたわけで、十年間で二倍になったわけでございます。六十年から六十二年、今年度までの間に一万二千名ということで、最初二倍になるのに十年かかりましたけれども、今度は現在時点では二年間で二倍までふやしてきているというようなことで、各大学とも鋭意御努力をいただいてきておるわけでございます。
 また、情報関係以外の一般の学部・学科の学生につきましても、これは現在の社会に生きていくためには情報についての必要な知識を授けておく必要があるだろうということで、一般学生に対する教育につきましても各大学で逐次配慮をいたしてきておるわけでございます。通産省、労働省でいろいろな御努力をいただいておることも承知しておりますが、それとの十分な連携をとりながら、文部省といたしましては、大学、短大、高専、それから専修学校、全体を通じて、それぞれのレベルに応じた情報関係の人材の養成に一層の努力をいたしてまいりたいと存じます。
○北橋委員 時間が参りましたので、あと一点だけ文部大臣にお伺いして終わらせていただきます。
 これは先ほどの大学審議会の委員に労働界の代表をぜひ入れていただきたいということにも関連するわけですが、臨教審の議論でも出ていましたけれども、社会人がもう一度、大学、高等教育機関で教育を受けたいという、職業能力の再開発の要請が非常に強まってきております。現在もそういう方向に向けて文部省も御努力されているわけでございますが、大学に入る場合に、一年生には入ることは可能でも、一般的な教育課程というよりは、むしろ二年生以降の編入学というものが期待されておる。これは臨教審の審議経過メモでもそれが指摘されているわけでございます。そういった意味で、就学構造の変化に伴いまして、社会人の職業能力再開発の要請が強まっている。これに大学審議会においてもぜひその方向づけをしていただきたいと思っておるのでございますが、大臣はそういった点についてどういう御所見をお持ちでしょうか。それをお伺いして質問を終わらせていただきます。
○塩川国務大臣 臨教審の答申の中で一つの大きい柱が、全生涯学習体制をしけということでございまして、その一環として、当然先ほどおっしゃったようなことは私は考慮していかなければならないだろう。要するにそれは、一つは大学がいろいろ多様化をしていくことだと思うのでございまして、そういう点についても当然今度のこの大学審議会において御相談していただく問題であろうと思っております。
○北橋委員 ありがとうございました。終わります。
○愛知委員長 山原健二郎君。
○山原委員 けさから質疑、答弁を聞いておりまして、いよいよ大学審議会の設置というものが重大な内容を持っておることがひしひしと迫ってまいりました。我々が教育を語るときには、やはり日本国憲法と教育基本法を基礎にして語り合うべきであると思います。だから、今までもこの文教委員会においては常に教育基本法あるいはそのもととなっております憲法に立ち返りつつ論議が行われてきたわけですね。ところが、きょう聞いておりますと、何か憲法も教育基本法もどこかへ吹っ飛んでしまったかのごとき感じを抱くわけでございまして、その点私は非常に憂慮しながら聞いておりました。
 ところで、冒頭に阿部局長は、きのうの閣議で出されたいわゆる防衛大学も一般大学と同列にという要請に対しまして、さも当たり前であるがごとく、これは設置される大学審議会の重要な課題の一つである、こういうふうにおっしゃったわけですね。大学審議会というのは、もともと臨教審の答申に基づいて設置されるとあなた方は説明していますでしょう。臨教審は少なくとも言葉の上では、教育基本法の精神にのっとりということですね。このことの矛盾は全く感じないのかどうか、最初に伺っておきたいのです。
○阿部(充)政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、臨時教育審議会の答申におきまして、高等教育機関の多様化と連携の強化を図っていくという見地から、大学と大学以外の高等教育機関との間の例えば単位互換の問題であるとか単位の累積加算制の問題、あるいはそれらを認定した上で行う学位等の授与に関する問題であるとか、そういう点についての改革を検討すべきだという御提案をいただいておるということでございまして、そういった中での各省所管の大学枝につきましても、当然大学以外の高等教育機関の一つとして検討の対象になるものが内容的にあり得るであろうということを申し上げておるわけでございます。
○山原委員 防衛大学を例にとりますと、これは教授も含めて全部自衛官なんですね。そして、これは各種学校になっているわけです。そうなってくると、あなたのおっしゃることは、まず学校教育法を変えるわけでしょう。しかも単位の互換ということになってきますと、これは明らかに軍学の協同の推進ということに行くわけですね。しかもそういうものが今度できる大学審議会の重要な課題の一つである、こういうふうになりますと、早くもこの大学審議会というものが非常に危険な内容を持っておるということを露呈したのではないかと思います。これは後で大学の自治の問題等も時間があればやりたいと思いますけれども、そういう単純な答弁をここでされたら困るのですよ。私はこの委員会で十九人の文部大臣には会っております。けれども、これほど憲法、教育基本法なんか全く関係ないかのごとき発言が次々続いてくることについて、きょうはちょっと意外な感じがしていることを最初に申し上げておきたいと思うのです。文部省自体だってそうでしょう。今まであなたの今答弁したようなことは文部省は言ってないのです。
 私はここに「教育基本法の解説」、これはかつての文部省の調査局長の辻田さんと東京大学教授の田中二郎さんが監修したものですが、この中に学問の自由についてどれほど多くの言葉を割いているか。一行だけ読んでみますと、例えば「国家及び国策の名においていかに学問の自由が侵害されたことであろうか。」という戦前のあの苦い経験のもとに、学問の自由、それを保障する大学の自治というものが確立されたのが戦後大学の基本的な理念なんです。このことをしっかり踏まえておかないと、文部省自体がもうすっかり変わっている。
 しかも、私はちょっとこれは最後に申し上げようと思ったのですけれども、大学の自治の破壊の歴史を見てみますと、私はこう思っております。学問、研究の自由の発展というのは、本質的に国家権力による干渉、抑圧とは相入れないものである、これが世界の学問、研究に対する規定だと私は思っているのです。ところが、戦前の姿を思い起こしてみますと、一八九二年に東京帝国大学の久米邦武さんが大学から追われました。これはいわゆる古代史の研究の中からあの神道を批判したということで大学を追われていくわけです。そして一九〇五年には、日露戦争における政府の外交政策を批判したということで、戸水寛人さんら東京帝国大学教授七名が休職処分を受けるわけです。それから一九一四年になりますと、京都帝国大学におきまして沢柳総長が、人事の一掃ということで文科、医科、理工系七名の教授を辞任させるという事件が起こりまして、これに対しては反対の運動が起こりまして、ついに沢柳総長は退陣を迫られるという事件が起こっています。一九二〇年、ちょうど六十七年前になりますけれども、御承知の森戸辰男さんの事件が起こっておりまして、彼は東京大学の経済学部の教授で、クロポトキンの社会思想の研究、これが国体に反し、国家存立の基礎を侵害するということで休職になり、裁判の結果三カ月の禁錮ということになっています。
 こういうふうに追っていきますと、一九二八年には河上肇あるいは平野義太郎、向坂、石浜、佐々などという各大学の教授が退職を迫られる。一九三一年、これは中国に対する侵略が始まったときに滝川事件が起こっているわけです。滝川事件というのは、御承知のように、犯罪が発生するのは社会が悪いということを言ったことですね。それから、姦通罪は男女平等にすべきであると言ったことが、犯罪として、危険思想として追われている、そして休職処分を受け、この休戦処分に反対した五名の教授がまた解任をされるという事態が起こって、一九三五年に美濃部達吉氏の天皇機関説。私はあのときのことを覚えているのです。天皇機関説というのは学説としては当時の主流であったわけです。しかも政府公認の理論であったわけです。これがひっかかってくるわけですね。そして矢内原忠雄さんの辞任、一九三八年には御承知のように河合栄治郎さん、この人は文部省に協力してきた人です。自由主義者です。左傾した学生をいわゆる思想善導してきた人ですね。この人がまた追われていく。そして一九三九年には早稲田大学の津田左右吉博士が辞任、そして書物の発禁。私は一例を挙げたわけですけれども、こういう歴史を戦前においてたどって、そしてわだつみの悲劇にまでいくわけですね。
 大学というものの自由、学問の自由がいささかでも侵害されるときは、それは際限なく広がっていって、国そのものが誤る方向へ行ったというこの歴史の経過を見ましたときに、大学の自治、学問の自由、これは守りますと口ではおっしゃいます、それから塩川文部大臣も、過去の百年の歴史の中で大学の自治や学問の自由というものを言わなかった政府はないということもこの間おっしゃっておりましたけれども、口でおっしゃっても、こういう現実の歴史があるということを考えますと、ここで私はこのことを本当に考えなければならぬと思うわけでございます。
 そして、先ほども例えば今度は文部省は政策官庁に脱皮するという言葉が出てきていましたね。これは臨教審の中にある言葉ではありますけれども、これは明らかに臨教審の逸脱なんです。教育基本法はどう書いてあります。行政官庁の任務は明記しておるわけですね。教育基本法第十条は、何遍読んでもここに、「教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない。」これが文部省に与えられた大きな任務なんです。その文部省が今度は政策官庁に脱皮していくという言葉が使われるわけですが、私はこのことについても大きな危惧の念を持ちまして、このまま大学審議会が設置されれば悔いを千載に残すということすら感じております。だから、そういう意味でこれから質問していきたいと思います。
 第一は、わずか二十名の審議委員で、大学は国公立大学、短大は今数を調べておりませんが、国公立大学だけで四百五十八校ありますよ。それをわずか二十人の審議会が基本的なものを含めてすべてを差配していくことができるなどという法律は、私は考えることもできませんね。これが大学の自由あるいは学問の自由に介入しない、関係はないなどということはまさに乱暴な理論であって、わずか二十名による大学審議会の設置そのものが本当に乱暴な法案の提出だと言わざるを得ないのでありまして、そのことを最初に申し上げておきたいと思います。
 それからもう一つは、先ほどの林先生の質問にもありましたが、各方面から反対の決議や要請書が来ているわけでございまして、これは私は当然だと思うのです。私はずっと今まで来ました数字を調べてみますと、短大を含めまして三十五大学、この中には十二の大学、二十三の学部教授会が含まれております。この名前を挙げる時間がありませんから省略いたしますけれども、そのほかに、例えばきのうは各党に対して憲法学者の要請がございました。これは八十数名の著名な憲法学者が名を連ねまして、この法案に対する違憲性を心配をして持ってこられたわけでございます。恐らくこれは文部省へも行っておるのではないかと思います。また最近、九州九大学の元学長三十一名の方が訴えを出されているわけでございまして、正規の機関でも決議がなされております。これを無視して法案の審議をするということは、不誠実なやり方でございます。これらの方々は必ずしもすべて革新とか進歩の人ばかりではありません、純粋な学者として、この大学審議会法案に対して危惧を持っているということに対して、私たちは真摯にこれを受けとめる姿勢がなくして、何が大学人の意見を聞いた、国民の意見を聞いたなどということが言えるでしょうか。一番衝にあるこの人たちの意見を本当に謙虚に聞く耳を持つことが今大事ではないかというふうに思うわけです。
 それからもう一つは、これは委員長にお願いしたいわけですが、今度の審議に当たりまして、二日間、十時間という意見が自民党の方から出されました。法律の成立を急ぐ気持ちはわからぬではありません、国会というのは絶えず動いていますから。けれども、そんな拙速でいいのかということはお互いに考える必要があると思うのです。筑波大学のときにどれだけこの文教委員会が審議をしたかというと、衆議院だけで十二日間やっています。その時間が五十五時間です。しかもあのときは、筑波大学というのは東京教育大学が移転をするに当たって発展的に筑波大学にいくという、一つの大学の問題であったわけですね。それでも五十五時間の審議をしているのです。今度の場合は、この大学審議会は臨教審のように三年間の期限があるわけじゃありませんから、恒久的な組織として置かれるわけですね。しかも大学のすべてを取り扱うものでございますから、これがどういう中身を持っているか、これがどういうふうな審議をしていくのか、あるいはどういう構成なのかということを尋ねるのは国会議員の責務でございまして、これを拙速でやるなどということはいささかもできない課題だと思っておるわけでございます。このことを申し上げておきたいと思いますが、この点について私は本当に率直に塩川文部大臣の御見解を伺っておきたい。そして、愛知委員長に対しましても、やはりこの審議は本当に議を尽くすところまで審議をすべきであるというこの気持ちに対しまして、愛知委員長の御見解もこの際冒頭に伺っておきたいのであります。
○塩川国務大臣 私、お聞きいたしておりまして、ちょうど六十年、七十年前のお話が出てまいりました。その当時と今とは日本の制度、法制が全く違う時代でございまして、そういうお話は骨とう品として僕らもよく聞いておりますけれども、しかし現在の時代は相当違ってきております。したがって、学問の自由、学園の自治のあり方というものも、先ほどおっしゃった六十年、七十年前とは隔世の感があるのではないか、こう思っておりまして、やはり現代に即応した体制をとる必要があると思う次第であります。
○愛知委員長 私に対して御意見がございました。承らせていただきましたが、委員会の運営につきましては、私が独断でやるのではなくて、理事会がございまして、そこで十分御協議の上、委員会の運営をしてまいりたいと思いますので、今後ともそういう方針でやらせていただきます。
○山原委員 骨とう品的考えだとおっしゃいましたね。でも文部大臣、これはかって文部省が出したものですよ。これは「ナチス−ドイツ及び従来の日本においては、国家及び国策の名において」ということが書かれている。文部省自身が書いているんですね。あなたもヨーロッパへ行かれると思いますが、ナチス・ドイツのあの行為に対して今なおヨーロッパ諸国民はその追及の手を緩めていない、そういう問題なんですね。だからそういう意味では、骨とう品などとおっしゃって過去の問題にしていくということは正しくないと思います。これは時間の関係で、今これ以上申し上げません。
    〔委員長退席、中村(靖)委員長代理着席〕
 それで、まずこの大学審議会をめぐりましての幾つかの課題について質問をしたいと思いますが、大学改革協議会の問題ですね。去る七月二十九日の質問のときにも他の議員から質問がございました。文部大臣の私的諮問機関として大学改革に関する研究協議会が設置されておりますが、六十一年の文部大臣裁定によりますと、その中(6)として「大学審議会(仮称)の構想の具体化について研究協議を行う」としており、また文部省から出されたものを見ると、六十一年五月から六十二年六月まで行った研究協議の中には、「大学審議会(仮称)の創設について」となっています。七月二十九日の論議の中で阿部局長は、大したことをやっていない、臨教審の報告をして了承しただけであると答えて、その内容は公表されませんでした。これは江田さんに対して、「法案の大綱をその場で御説明を申し上げて、ああ、わかりましたということでございますから、それ以上格別のものはないわけでございます。」これが局長の答弁なんですね。ところが衆議院文教調査室の資料によりますと、ここへ持ってきておりますが、「本法案は、昭和六十一年四月二十三日の臨時教育審議会の第二次答申が出されたのを受け、文部省に設置された「大学改革に関する研究協議協力者会議」(座長石川忠雄慶応義塾塾長、昭和六十一年五月二十七日発足)におけるその構想の具体化等の検討を経て、昭和六十二年二月十六日本院に提出されたものである。」こうなっています。
 これは、あなたがこの間御答弁なさった、報告して了承したという程度のものではなくて、大学審議会の「具体化等の検討を経てここうなっているわけでございますが、この点は事実を明らかにしていただきたいのですが、いかがでしょうか。
○阿部(充)政府委員 日にち等は十分記憶をいたしておりませんけれども、前回の委員会でもお答え申し上げましたように、大学審議会の問題につきましては、臨教審の答申が出まして以後、この答申の内容の説明ということで十分大学改革協議会には御説明を申し上げておったわけでございますので、その次御審議をいただいたわけでございますけれども、それにつきましては、法案としてこういうことを考えているという御説明をし、御了解をいただいたということでございます。
○山原委員 違うじゃないですか。それじゃ、これは調査室の間違いですか。大学審議会の創設に当たり「具体化等の検討を経て」いるわけでしょう。九回も会を持って、そういう重大な大学審議会の中身について討議しているわけでしょう。単にあなたが説明して、よくわかりましただけじゃないのじゃないですか。
○阿部(充)政府委員 大学改革協議会が九回にわたって御議論をいただいたというのは、いろいろな内容についての御議論をいただいておるわけでございまして、七月二十四日には大学院の問題とそれから大学審議会の問題をお諮りをいたしました。大学審議会につきましては、先ほど申し上げましたように、文部省の原案をお話をし、御了解をいただいたということでございます。
○山原委員 これはまじめに答弁していただかないと、最後の日にどうなったということを聞いているのじゃなくて、この大学改革協議会が大学審の問題について論議をしたことはあるわけでしょう、それを聞いているのです。七月二十九日の答弁では、事前大学審議会のようなものだともおっしゃっていますね、プレ大学審議会ということをおっしゃっているのです。そして、研究協議事項を見ますと、一、大学改革の推進に関する基本的事項。二、大学教育の改革と充実。三、大学院の改革と充実。四、高等教育の多様化。五、大学と社会の連携の推進方策。六、大学審議会の構想の具体化。その他大学改革に関する事項。となっておりまして、大学審議会を先取りして、ほとんどその内容を審議しているではありませんか。これが大学審議会に引き継がれるというならば、この審議の内容というものはもう少し丁寧に説明していただかなければなりませんが、あなたのおっしゃるような、もう最後によくわかりましたで終わっているのですか。
○阿部(充)政府委員 大学改革協議会というのは、先生のただいまのお話にもございましたように、いろいろな項目について議論をするということを予定してスタートしたものでございます。そういった中で、そのうちの一つの項目として、七月二十四日に大学審議会の問題について御説明し、御了解をいただいたわけでございまして、それ以外の日につきましては他の項目についての御論議をいただいているわけでございまして、決して内容をいいかげんにお答えしているつもりはないわけでございます。
○山原委員 この事前大学審議会のメンバーを見ますと、飯島宗一臨時教育審議会第四部会長、石川忠雄臨時教育審議会会長代理、内田健三臨時教育審議会委員など、臨教審のそうそうたるメンバーが入っておりますね。そして、ここで臨時教育審議会の答申の具体化を検討したということになっておりまして、こういうことになりますと、この内容については当然出していただきたい、これはいかがですか。この前もその要求がありましたが、それに対して何かメモがあるとおっしゃったわけですが、私はメモなのか何かよくわかりませんけれども、当然議事録があるものと思っているわけでございますが、これは出せませんか。この審議に当たってこの中身は重大ですから、提出をしていただきたい、いかがですか。
○阿部(充)政府委員 前回、社会党の委員の先生にお答えを申し上げましたように、この改革協議会はいわば私的な非公式な機関でございますので、その中で御議論いただいたことにつきましても、必ずしも十分な議事録というような形では整理をいたしておらないわけでございます。
 ただ、前回にもお答えいたしましたように、ある時期にはこれまでの議論をまとめたいと考えておりますので、まとめた段階におきましては、その結論と申しますか、まとめをお配りさせていただきたい、こういうふうにお答えしているところでございます。
○山原委員 なぜこの審議中に出せませんか。大学審議会は七月一日に発足する予定だったのでしょう。あれからもうずっと日がたっていますよ。たまたま国会の状態がこういうふうになったからで、七月一日発足の予定だったでしょう。しかも、この間ここで論議されましてから、あれは七月二十九日ですよね、あれから二十日たっていますよ。それでもなおここへ出さないと言うのですか。しかも、この中でどういう大事なことが論議されているかといいますと、例えば一般と専門教育については、大学の多様化を図るために、一般教育中心の大学、専門教育中心の大学など弾力的に取り扱い、一般教育と専門教育の区別をなくしていくという方向が検討されております。教員についても、専門何名、一般教養何名というやり方ではなく、一学科何名でくくっていくということも論議されております。大学審議会でこれから一般教養と専門教育をどうするかということは論議されるかもしれませんが、既にこの改革協議会で論議され、そのレールが敷かれていると言っても間違いではありません。こういうことが論議されています。さらに、大学審議会についても具体的に話し合っております。大学審議会のやることは法人化の問題だ、こういうのですね。これは将来の課題であるとしているのでありますけれども、今は大学の設置基準の弾力化によって大学の多様化を図るが、将来は法人化についても審議をするということも論議されているわけですね。
 それから、大学改革協議会は大学の評価についてどのような審議をしたのかということも私は聞いておりますが、これについてお答えができますか。大学改革協議会は大学の評価についてどういう論議をしたか、簡単にお答えをいただきたい。
○阿部(充)政府委員 先生のおっしゃっているのがどういう資料に基づいてお話しになっているのか、私どもには皆目見当がつかないわけでございます。ただ、事柄だけこの機会に申し上げておきますと、大学改革協議会ではいろいろなことについて、大学審議会ができるまですべてただ待っているというのではなくて、やはり関係者の間でできるだけの議論はしておこうということでスタートした協議会でございますので、そこでいろいろな議論は今まで出ておったと思います。ただ、それが、それぞれ具体にまとめるような形でなされておるという形にまではまだ至っておらないわけでございます。
 臨時教育審議会の第二次答申におきましては、御承知のように、各般の御指摘がありました上で、特に緊急を要する事項として、大学院の充実強化の問題と、それから大学設置基準の大綱化、弾力化の問題と、そして三番目に大学審議会の設置の問題、この三つの問題が緊急を要する事項であるという御指摘が臨教審答申の中であるわけでございますので、大学改革協議会におきましては、その三つのことにつきまして今までフリートーキングをしてきていただいた、そのうち大学審議会に関しましては先ほど来お答えしたような状況であるということでございます。
○山原委員 山原がどんな資料で言っておるかわからぬから検討のしようがないとおっしゃるなら、今出してください。この審議中に出してください。あれからもう何カ月もたっておるのです。七月から八月、何カ月と言いません、もう随分たっていますね。出せないはずないでしょう。
○阿部(充)政府委員 前回以来お答えいたしておりますように、まとめをある時期でつくりたいと思っておりますので、つくりました段階で御提出するということでございます。協議会の方のまとめが現在の段階でまだできておりませんので、その点は御了解をいただきたいと思います。
○山原委員 ここは国会ですよ。国会に対して、七月一日発足予定の審議会、そのためにあなた方は私的諮問機関をつくって論議をされた、それがこの論議をしているさなかに出せないなんというものじゃないでしょう。
 もうちょっとこのことにはこだわりたいと思いますが、大学の評価についてはこういう論議がなされています。事実でなかったら資料を出してくださいよ。大学設置基準の弾力化ができれば教育水準が下がるという問題が出てくる。そこで水準を向上させるためにはどうするかというと、大学評価の問題が出てくる。その評価をどこがやるかということですね。そうすると、文部省がやるか、自主的な大学機関がやるか、例えば関係者でつくっておられる大学基準協会がやるか。つまり大学審議会では人数が少なくて評価し切れない、ですから大学審議会で検討して答申を出して、基準協会がやるか文部省がやるか結論を出すということも論議されております。
 これは重大な内容ですね。第一に、大学設置基準の弾力化を図れば大学の水準が低下するということを既に見越しているという問題が含まれております。決して大学を活性化するというものではありません。そうしておいて大学の評価を行って、おまえの大学は何をやっているのだというやり方ですね。ましてそれを文部省がやるということになれば、これはまさに統制もいいところでございまして、学問の自由、大学の自治を私は言いましたけれども、そんなものがあったものじゃありません。
 大学改革協議会の議事録を出していただかなければ私はこれ以上論議できないと思いますが、これはどうして出せないのですか。あれから一カ月以上、もう二カ月近くたって、しかもわざわざ社民連の江田五月議員も請求をされて、あれから二十日たっていますよ。それほど出せないものがあるのですか。これは出していただかないと責任ある論議ができないのですよ、これが国会というところです。どうですか、私はこれは引き下がりませんよ。
○阿部(充)政府委員 前回、江田先生にも御説明を申し上げまして、ある程度まとめができた段階でお配りするということで御了解をいただいたものと私どもは考えておるわけでございます。なお、そのまとめが、あれ以来大学改革協議会も十分に回数を重ねるだけの期間がございませんので、まだまとまりができていないということでお答えしているわけでございます。
○山原委員 なぜ、この重大な審議をしておる国会の場に出せないのですか。それほど秘密の内容があるわけじゃないでしょう。そうして私たちにいただいて、みんな各党の議員がこれを論議する、これが国会です。これが衆議院文教委員会の歴史ですよ。そんなことができなくて、何で審議ができますか。しかも、これはあなたが否定してもだめですよ。あなたは大学基準協会で行なってもいいというお考えを持っておられたかもしれません。しかし、現に文部省でやるべきであるというお考えを持っておられる方もいるわけですね。しかも既に、臨教審第四部会におきまして、大学の評価について、文部省が七月の二十七日にヒアリングをやっています。こういう経過を考えますと、今私が請求をしておりますところのメモと申しましょうか、まとめといいましょうか、これはこの審議中に出していただかないと、精密な論議ができないということを申し上げたいと思います。
 委員長、中村先生に今おかわりになっておられますけれども、ぜひこの場所で、出せないのか出せるのか。後でまた馬場先生の質問もあるわけですから、出していただきたい。いかがでしょうか、お諮りいただきたいのです。
○中村(靖)委員長代理 委員長として申し上げますが、今山原先生の御指摘の点については、後刻理事会で御相談をさせていただきたいと思っております。
○山原委員 私はこの問題で質問しようとしていますから、ちょっと論議してください。
○中村(靖)委員長代理 この点については理事会で御相談をしたいと思いますので、質問を続行願いたいと思います。――山原先生、いかがですか。質疑を続行していただいて、その間に理事で協議をしていただいて……
○山原委員 私、理事会をやっていただいて、その間ちょっと保留して、もう一つ、これに加えてこの問題を基礎にしての質問がありますから、だからちょっと委員長、お諮りいただきまして、何か方策を立ててください。お願いします。
○中村(靖)委員長代理 いかがでしょうか。この問題、ちょっと保留していただいて、理事間で協議を続行しますから、別の問題について山原委員から質疑を続けていただいて、その間に相談をさせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。できればぜひそうしていただきたいと思いますが……
○山原委員 ちょっとこれが引っかかるのですね。どうしても引っかかる。――ちょっと休憩をとってくれますか。どうしても出せないものかどうかお聞きしたいのですよ。審議中に出さなければ何の役にも立たぬじゃないですか、何があったって。済んだ後で出してきたって何の役にも立たない。(発言する者あり)
○中村(靖)委員長代理 それではちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕
    〔中村(靖)委員長代理退席、委員長着席〕
○愛知委員長 速記を始めて。
 山原健二郎君。
○山原委員 今の要求資料といいますか、私は恐らく議事録はつくっていないだろうと思います。けれども、どんなことが論議されて大学審議会に、しかもプレ大学審議会とおっしゃるわけですからね、事前大学審議会とおっしゃるわけでしょう。だから、そこでどういうことが論議されたかというこの資料は、審議中に提出をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。そうでなければ、参議院へ中身がわからずに送るなんてことできないでしょう。実際衆議院として本当にそんなことはできないわけで、審議が終わった後で出てきたら、これはもうけんかが過ぎて棒を担ぐようなものでして、そういう意味ではこれは本当に文部省に誠実な対応を要求します。
 どうですか、この審議中にまとめといいますか、資料を出していただけますか。私の方は私の調べた限りのことを先ほど申し上げたわけでして、それに対して阿部局長は、あなたは何を根拠にして言っているかわからぬから検討のしようがない。大変な侮辱の言葉ですよ。それだけでも私は引っ込めないんですよ。山原は何か捏造してうそ偽りをここで言っているということになるでしょう。そうおっしゃるならば、その資料を出していただかなければ私はうそを言ったことになる。この点いいですか、審議中に出していただけますか。
○阿部(充)政府委員 先ほど来お答えしておりますように、私的な諮問機関での非公式な論議のようなものでございますので、細かい資料という形でつくっておりませんが、簡単なものについて早急に整理をするようによく検討させていただきたいと思います。
○山原委員 整理をして、この審議が終わるまでに出せますかね。それならば私は質問の時間を多少留保しておきます。それが出たらすぐ見て――馬場先生の質問もあるわけですね、まだ発言通告者三名もたしか終わっていません。そういう点から考えますと、今おっしゃったようなものがどのようなものかわかりませんけれども、少なくとも私がうそを言ったことを私自身は立証しなければなりませんからね。その点で、審議の終わるまでに出せるようでしたら私は最後の時間を少し留保して質問は続けたいと思いますが、それでよろしいですか。
○阿部(充)政府委員 今整理をさせておりますので、できるだけ間に合わせるように努力したいと思います。
○山原委員 その言葉を信用したいと思います。
 それで、文部省学術国際局では「教育改革大綱(仮称)に盛りこむべき事項」という文書を作成しております。これを見ますと「法律改正等制度改正を要する事項」、これは臨教審の答申を受けて「法律改正をやるもの」、それから「主として予算措置により対応をはかるもの」、三番目に「行政運営上の工夫・改善により対応をはかるもの」というふうに一覧表をつくっておられますね。これを見ますと、臨教審答申の実施というものは文部省では既にその具体化を進めております、こう見る以外にないと思うのですね。そうしますと、臨教審答申に基づく大学審議会では一体何を審議するのかということも既に文部省では検討しておると思うのです。その意味で、今言いました改革協議会の報告と同時に、文部省でどのように具体化を進めようとしておるのか、これを提出していただきたいのですが、それもできますか。
○阿部(充)政府委員 御質問の意味がよくわからないわけでございますけれども、大学審議会をつくって、これから諸般の大学改革に関する事項について御検討いただくことを予定しておるわけでございます。大学審議会に何をどういうふうに諮問をしていくかというようなことは現在検討中でございまして、国会の御論議の状況なども踏まえながら検討していきたいと思っておりますので、どういう形の諮問にするかというところまではまだ固めておらないわけでございます。
○山原委員 「教育改革大綱(仮称)に盛りこむべき事項」、学術国際局、これはあるのですか。
○植木(浩)政府委員 私どもの方でも臨教審の答申に関係をいたしましてどういう施策を進めるかいろいろ検討いたしておりますが、今おっしゃったような資料が私どもの方でつくっているのかどうかちょっとつまびらかにいたしておりません。
○山原委員 何か私が全部つくったみたいですね。ごらんになってください。私がこんなものをつくるはずがないです。どうぞ見てください。これは置いておきますから。
 質問を続けます。
 政令委任の件について、これもいままで質問がございましたが、委員の人選、構成についてもお聞きしたいのですが、次の内容について伺いたいと思います。
 大学審議会委員の任期は、例えば二年とか三年とか区切るのかどうかという問題です。それから専門委員は置くのか。置くとすれば人数はどれくらいか。専門委員の任命はどうするのか。会長、副会長は委員の互選なのか、それとも文部大臣の指名による任命なのか。さらに、部会は置くのか。置くとすればどういう部会を置くのか。部会の人数はそれぞれ何名か。次に、この審議会は公開なのか非公開なのか。議事録は作成するのか。審議内容は国民に報告されるのか。審議会の事務局はどのようなメンバーで構成されるのか。各省庁から事務局に派遣されるのか、それとも大学人が事務局を担当するのか。これらは既に検討されておりますでしょうか。
○阿部(充)政府委員 御指摘のことが非常に多岐にわたりましたので、あるいは漏れがあったらまたお教えをいただきたいと思います。
 まず委員の任期につきましては、これは二年と定めたいというふうに考えております。いずれも前もってお断り申し上げておきますが、これから政府として政令をつくっていくということになりますので、私どもの念頭にある腹案ということで御理解をいただきたいと思いますが、委員の任期は二年と考えております。
 特別委員、専門委員を置くことができるということにいたしたいと思っておりますが、これは文部大臣任命でございます。その人数等は、それぞれの審議の内容がどうなるかによりまして伸び縮みをする性格のものでございますので、何名と決め込んでいるわけではございません。
 それから会長、副会長はそれぞれ置くわけでございますが、委員の互選という形になるであろうと思っております。
 部会につきましては、審議会で定めるところによって部会を置くというふうに考えております。非常に多岐にわたる事項の議論をいたすわけでございますので、能率的な議論をしていただくために部会というものを設けたいと思っておりますが、具体にどういう部会にするかということは、審議会がスタートした時点で審議会の中で御議論をいただいて決めていっていただきたい、こういうふうに考えておるところでございます。
 それから事務局でございますけれども、これは高等教育局の企画課の中に大学審議会室という室を置きまして、企画課長が当面兼務をするということになっておりますが、そのほかに職員が三名置かれましてこの大学審議会に関するお手伝いの仕事をさせていただく、こういうようなことを予定しておるわけでございます。
○山原委員 これはほとんど政令ですか。
○阿部(充)政府委員 庶務を担当する人間の数などというのは別でございますけれども、あとは大体全部政令事項であろうと思っております。
○山原委員 次に、臨教審の答申とこの大学審議会の法案の関係ですが、先日の委員会で文部大臣は、臨教審と文部省がたまたま一致して本法案を提出した、こういうふうに御答弁されたわけですね。法案の提案理由説明によりますとそうはなっておりません。文部省が以前から考えておったものとたまたま臨教審の出してきたものとが一つになってこの法案ができたんだというのが大臣答弁の趣旨だと思いますが、法案では「第二次答申を踏まえこういうふうになっておりまして、この点ちょっと説明していただきたいのですが、いかがですか。
○阿部(充)政府委員 大学改革につきましては、文部省としてもかねてからいろいろな課題があるということを考えており、これの検討をしなければならないという課題意識を持っておったわけでございますでまた、それの検討をするに当たりましては関係者による広く英知を結集するような形での審議会等が必要ではなかろうか。現在文部省には大学設置審議会と私立大学審議会がございますけれども、この審議会はいずれも現実の大学の設置の認可をオーケーとするかバツとするかというような生々しい具体の問題を検討するものでございまして、大局的な見地から将来の大学政策を検討するというようなものでないということで、こういう問題、大学改革について検討していただく場が必要ではなかろうかという問題意識も持っておったわけでございます。そこへ、臨時教育審議会の方でも御検討いただいた結果、大学審議会、ユニバーシティ・カウンシル、こう言っておりましたけれども、こういうものを設けて審議してはどうかという御提案があったということで、それを契機にしてこの法案を提出させていただいたということでございますので、大臣からお答えをしたとおりであろうかと思っております。
○山原委員 第二次答申に基づいてこの法案が提出されたということは間違いないのですか。何かあいまいになって、課題意識としては持っておったけれども、それがたまたま臨教審のユニバーシティ・カウンシルが出て、そしてできたんだ、法案そのものは臨教審の第二次答申に基づいて出された。そこの基礎のところがはっきりしないとこれから質問できませんが、これは間違いないのですね。提案理由説明のとおりに解釈してよろしいですか。
○阿部(充)政府委員 大臣からの提案理由では第二次答申を踏まえてこういう法案を提出させていただいたということでございますので、それはそのとおり間違いないわけでございます。
○山原委員 これまで、高等教育のあり方について臨教審答申が第一次から第三次答申まで触れております。これも相当な量のものですね。さらに具体的に提起しておりますが、これまで内閣総理大臣及び文部大臣が臨教審答申については最大限に尊重する、こう答申に対して述べておりますから、この審議会も臨教審の答申の具体化を図ると言ってもいいものだと思います。その点、そういう理解でよろしいでしょうか。
○阿部(充)政府委員 大学改革についてはいろいろな課題があると思っておりますので、臨教審答申にかかわるものだけがすべてであるというわけではないと思います。ただ、臨教審答申で指摘されている事項について検討し、その問題についての解決を図っていくということは文部省の、政府の責務でございますから、大学審議会においてもその点についての御審議をいただくということになるわけでございます。
○山原委員 今度出ました臨教審最終答申は、単なるこれまでの延長線だけのものではなくて、大学のあり方の根本問題について重大な変更を盛り込んでおります。
 例えば教授の任期制の問題についてでございますけれども、臨教審第二次答申は、「大学の内外を含めた研究者の流動性の確保については、今後本審議会としてさらに審議することとしているが、その拡大を図り、研究者の処遇を弾力化し、一部に短期任用制、契約任用制を導入するなどの積極的な措置を検討する。」こうなっています。また第三次答申では、「大学教員が安定した条件下でその任務に専念し、かつ積極的に活動を高め、資質を発展せしめることは重要であるが、一部に任期制を導入し各大学がそれを採択し得る道を開き、不断に活力を新たにする必要がある。また、契約任用制についてもその実現について検討する。ことに、助手、講師層の若い教員においては、その流動性を保ち、多くの者に機会を与えるよう配慮することが必要であり、また助教授、教授についても任期制、契約任用制を併用し得る措置を考慮すべきである。」こう言っておりましたね。ところが、最終答申ではこうなっています。「人事の閉鎖性を排除し、その流動性を促すべく、教員に任期制を導入し得る道を開く。」こういうふうに全教員を対象としまして、しかも全くストレートに、単刀直入に任期制の導入を言っております。一部に任期制を導入するのか、または全教員にするのか、ここの点では意味が随分違ってまいりまして、これは大学にとっては重大な問題になるわけでございますが、この点についてはどういうふうな解釈しておりますか。
○阿部(充)政府委員 臨教審の第四次答申のこの項目は、いわばこれまでの答申を要約したものであろうかと思っておりますので、そういう意味からはかなり簡略に書いてありますので、若干表現が違っている部分があるかと思います。第三次答申の方で、この任期制については、先生が先ほど読み上げられましたように触れておりますので、私どもといたしましては、この第三次答申というのを中心に今後の検討をしていくべき事柄であろう、こういうふうに思っておるところでございます。
○山原委員 任期制については後で触れたいと思います。
 第二次答申では、大学審議会の創設について、「我が国の高等教育の在り方を基本的に審議し、大学に必要な助言や援助を提供し、文部大臣に対する勧告権をもつ恒常的な機関として「ユニバーシティ・カウンシル(大学審議会−仮称)」を創設する。」としております。ところがこの法案では、「大学に必要な助言や援助を提供しこという部分がなくなっております。
 この点について臨教審の飯島第四部会長は、懇談会の席上で、これはいわば臨教審と我が党との懇談会の席上でありますが、飯島第四部会長の説明によれば、私立大学などの反対もあり、これは私立大学側が助言、援助ということで大学に介入されることを嫌がりまして、そういう反対があったという意味ですね。反対ということもありましたので法案に盛らなかった、そういうことなのであるとおっしゃっておられます。
 ところが、先日七月二十九日の審議でも取り上げられましたが、その局長答弁では、大学審議会は個別の大学に援助、助言を行うというのではなく、間接的に文部省を通じて行うものだという説明でございます。先ほど局長は、大学審議会は個別の大学に助言、援助するということはあり得ないから法案からのけたんだ、こうおっしゃったのですね。これは飯島さんの、私立大学の反対があってのけたんだとおっしゃることと随分意味が違いますね。これはどうなんですか。
○阿部(充)政府委員 飯島先生の御発言というのを私は承知しておりませんので、それについて説明することは大変困難でございますが、私どもが考えておりますのは、かねて何回もお答え申し上げておりますように、大学審議会というのは、文部大臣に対して答申をしあるいは場合によって勧告をする、そういう機関でございますので、こういう審議会が直接各大学についてこれに指導するとか助言をするとかいうようなことはあり得ないことである、こう思っておるわけでございます。そういう点から、助言、援助というような用語が入りますと、これがあたかも個別にそういうことをやるかのごとく誤解をされるおそれがあるということもございまして、法律上の用語からは省いておるわけでございます。あるいはそういう点が、飯島先生の言われる私立大学関係者等でそういうことをやるのではないかというような疑問があったという趣旨であるのかもしれないと思うのでございますけれども、私どもとしてはそういう考え方でこの助言、援助については省いているということでございます。
○山原委員 そういう事の経過がありながら法案が出たわけですね。この中には助言、援助という言葉は消えている。ところが、八月七日になりまして最終答申が出ました。そうすると、この最終答申には、「大学に必要な助言や援助を提供しこと、また念を押すように臨教審が指摘をしております。これはどういう意味なのか。一方では、あなたの方は、そんなことはあり得ない、間接的に大学審の答申や勧告を受けて文部省が援助、助言をするんだ、こういうふうにおっしゃるわけですね。これは、臨教審が知らなくてこういうものを書いたのか。臨教審の答申を見れば、明らかに「大学に必要な助言や援助を提供しことなっておりまして、大学審議会が直接個別の大学に介入できる道を開いているわけです。それを文部省は別に解釈したにすぎない、そして法文からこれを削除した、こういうことになっているのでございますけれども、ここのところははっきりさせておかなければなりませんね。少なくともこの委員会に臨教審の役員を呼んで、文部省の解釈のとおりなのか。臨教審の言葉どおり読めば各大学に助言、援助ができるということになりますからね。その辺はどう我々は解釈したらいいのですか。ちっともわからないのですよ。臨教審の文言を見れば、明確に各大学に介入できるということが書いてあります。ところが文部省は、いや間接的だ、こうおっしゃる。これはどこで統一すればいいのですか。我々は審議する場合にどっちだということの立場に立って論議すればいいのか、これは非常に重大な問題であります。これはだれに聞いていいかわかりませんね。文部省は文部省の勝手な解釈をしている、臨教審は臨教審で言葉に書いてあるとおりですと言えば、これは将来大問題になってくるわけです。この点はどうすればいいのですか。
○阿部(充)政府委員 ただいま御審議をいただいております法律の条文におきまして、この審議会の権限は、文部大臣の諮問に対して答申をすること、それから場合によって文部大臣に対して勧告をすること、この二点に限定をして書いてあるわけでございますので、法律上もこの審議会が直接大学に対して助言をするというようなことはあり得ないということは、法律の条文からはっきりしていると考えております。
○山原委員 法律の条文と言ったって、最大限に尊重するという臨教審の答申は、明確に助言、援助を各大学にできる中身になっているわけです。それをあなた方が勝手に解釈して法文から消したというだけですね。その点は臨教審との意見の調整その他はできているのですか。
○阿部(充)政府委員 先ほど来申し上げておりますように、この助言、援助につきましては、審議会が直接にそういうことを行うことはあり得ないことで、したがって、審議会がある方針を出す、それが一つの答申というような形で出ますと、それを各大学が読んで参考にするというような意味での助言、援助という趣旨のものと解釈するということで、この点につきましては、この法案を作成いたしました段階で、当時の臨教審の責任者にはお話を申し上げ、それで結構だと思うという御返事を非公式なものでございますけれどもいただいておりますので、私どもとしてはそごはないというふうに考えております。
○山原委員 随分あいまいなことをやるものですね。法案ができたのはもう六カ月前ですね。臨教審の最終答申が出たのは八月七日です。その八月七日の最終答申に、あり得ないとあなた方が解釈しておることをなぜ臨教審が明確に書いたのかこれは七不思議の一つですね。非公式に話し合いをして関係者がよかったなんという、そんなあいまいなことで、これから先、恒久的な大学審議会を設置されるわけですけれども、そこらのところはどこかで明確にしておかないと、これは大変な混乱が起こるわけですね。単に私的に話し合って、了解しました、局長のおっしゃるとおりです、などということで終わるべき問題ではないわけなんですね。これはどこで確認をしたらいいですか。私は衆議院の一議員として、ここのところはどうなっているのか。あり得ないとあなた方はおっしゃる。そのことを知っておりながら、なおかつ最終答申で、八月七日に、まさにずばり介入できる文言になっているわけですからね。この点をどこかで否定をするか何かしなければ、臨教審はあすは任期が切れるわけですけれども、そういうふうに解釈するならば、あの文言を消すか何かしなければ、最大限に尊重する臨教審の答申の中にはかくも明確に書かれているではないかといったときに、文部省、どうするのですか。
○阿部(充)政府委員 臨教審の第四次答申は、これまでの答申の中身を要約して掲げたという形であそこの部分は掲げてあるわけでございますので、そういう意味で、前の文章がそのまま載っているということはあるだろうと思います。ただ、私どもは、あの助言、援助という言葉の解釈として、これは直接やることでないということで文部省は解釈をし、法案をつくるということで、それについては非公式ながらお話し合いをして、臨教審の幹部から御了解をいただいているということを申し上げておるわけでございまして、そういう意味でのそごはないというふうに申し上げているわけでございます。
○山原委員 そごはないとおっしゃるけれども、後の質問に出てくるかもしれませんけれども、これは本当にわからぬですね。あり得ないというふうにあなた方は解釈して、法律には書きませんでした。ところがあなたは、別のところでは、あり得るものだから法律に書きませんでしたという言葉も出てきているのです。これは別のことですけれども、この間の答弁でありますけれども、例えば情報収集とかそういうことについては、大学審議会は当然あり得ることですから法文には書きませんでしたというのが出てくるのですね。それから、こっちの方はあり得ないことだから法文に書きませんでした、こうおっしゃる。ところが、そのことは法案ができますときにもう既に論議されているわけでしょう、それは半年前ですね。ところが、今になってまた臨教審は最終答申で、一番重要な最終答申でこの文言がずばり入ってきておるということですね。法律案をつくるときに向こうは了解したとあなたが言うならば、この言葉は出てこなかったはずでしょう。あるいは助言、援助については文部省を通じてやりますとかいうふうな言葉になったはずでしょう。それが、大学審議会が直接介入できる文言をなぜ最終段階で知っておりながら出てきたのか。これはもう不思議千万ですね。ここのところはやはり明確にしないと私どもは困りますね。いかがですか、臨教審の答申はこれからも生きていくわけですからね。
○塩川国務大臣 先ほど来議論を聞いていますと、山原さんもちょっと何かこの文言にこだわっておられるように思うのでございますが、臨教審で言っております。その趣旨を受けまして、文部省が法案として提出したものでございまして、臨教審の答申を審議していただくよりも法案を率直に審議していただく方がわかりやすいと思うのでございまして、どうぞ法案に書いてありますとおりいたすということで御了解いただきたいと思います。
○山原委員 あいまいなことですね。臨教審の答申を最大限に尊重すると、もう三年前から言っていらっしゃるわけですから、私こだわっているわけですよ。幾ら法案に消したって、臨教審の答申は生きていくわけですからね。大学審議会によって受け継がれるわけですから、臨教審の答申をまともに読めば、大学審議会は各個別の大学に助言、援助を与えることができる、こう解釈できます。法律にはないだけです。法律にそんなことはできませんよと書いてあれば別ですけれども、法律にはないだけです。こだわるのが当たり前なんですよ。
 これもあいまいな状態でまことに残念ですが、もう時間の関係もありますので。
 この大学審議会の審議内容は、大学の設置基準、学位に関する事項及び大学の基本的事項についてとなっております。ところで、今国会の予算委員会で、私の質問に対して阿部局長は、「基本的事項」とはこう言っています、「大学の教育研究組織のあり方」、「修業年限や入学資格の問題、あるいは教職員の制度、あるいは設置に関するシステム、あるいは学位の問題、教育課程の問題等々、いろいろな分野にわたると考えております。」と答弁をしておりますね。それから臨教審第二次答申におきましては、一、大学に関する調査研究。二、大学に必要な情報の収集、提供。三、大学制度の基本に関する事項。四、大学の計画的整備と見直し。五、専門分野に応じた人材の養成計画。六、大学の教育の内容、方法の検討。七、大学評価システムの開発等の事項を扱うとしております。
 こういうことで臨教審が答申をしてまいりますね。臨教審が直接各学校に介入できないという解釈をあなた方しているのだけれども、これはあいまいなままです。けれども、もう一つあなた方は間接的に文部省がやるんだ、こう言うわけですね。答申を受けてあるいは勧告を受けて文部省がこれらをやるということになりますと、例えば専門分野に応じた人材の養成、大学教育の内容、方法、大学評価システム、これはもともと大学の個別の自治に関する問題でしょう。これについては、例えば文部省設置法によりますと、その第五条によりまして、文部省の所掌事項というものがあるわけです。文部省の所掌事項にないものまで大学審が答申をしたり勧告をしたりするときには、文部省は間接に助言、援助を各大学に与えていくのか、この点はどうですか。
○阿部(充)政府委員 いろいろお話がございましたけれども、例えば大学教育の内容と方法に関する事項ということになりました場合に、これはそれぞれの大学の中の具体の教育の内容や教育の方法をどうしろこうしろというようなことを言うのではなくて、例えば学校教育法あるいは大学設置基準というものの中に大学教育についての枠組みが決まっておるわけでございます。例えば、大学においては夜間において授業を行うことができるというような教育の方法を法律上決めておるわけでございますので、そういった仕組みの問題というのが法律上の制度としてあるわけでございますし、あるいはまた大学設置基準におきましては、大学における修得単位数についての規定がございまして、一般教育で三十六単位とか、専門教育と合わせて全部で百二十四単位とかいろいろ決まっておるわけでございます。そういった枠組みをどういうふうにしていくかということの議論をこの審議会でやっていただき、必要に応じて、必要が出れば現在の大学設置基準を変えるとかいうようなことを考えていくというのがこの審議会の検討の中身でございますので、個々の大学の教育内容に首を突っ込んで、個々の大学のどれがいいとか悪いとかいうようなことを言うたぐいのものでは全くないわけでございます。各大学は、そういった基準なり仕組みなりの範囲内でそれぞれの大学で自主的にどういう内容の教育を行っていくかカリキュラムをどう組んでいくかということを決めていくというのは、現状でもそうでございますし、今後ともそうであると思っております。
○山原委員 例えば大学審議会が、個別大学のカリキュラムの問題、あるいは参与会を置けとか副学長を置けとか、あるいは学部・学科の統廃合であるとかというようなことを答申をしたり勧告をしたりした場合に、あなたの御意見では、大学審議会が直接個別にはあり得ないことだ、こうおっしゃる。間接的に文部省がやりますということを言っているわけですね。そうすると、これは、今御承知のように学校教育法あるいは教育公務員特例法では、「学生の入学、退学、転学、留学、休学、進学の課程の修了及び卒業は、教授会の議を経て、学長が、これを定める。」とし、また教官の身分については大学管理機構が行うとしている。そうしますと、臨教審が第二次答申で挙げております審議項目なるものは、本来大学の自治に、今の言葉によっても出てくるわけですが、これについても助言、援助ができる、間接的に援助、助言ができるということになりますと、これは学校教育法あるいは教特法を変えなければならぬということも出てくるのではないかと推察されるわけですが、そういうことまで考えているのでしょうか。
○阿部(充)政府委員 大学についてのいろいろな仕組みを考えてまいります場合に、それが法律上の仕組みとして考えなければならないかあるいは省令上の仕組みとして考えなければならないかということは、その事柄の性格によって決まってくるわけでございますので、そういう意味では法律改正に及ぶというようなこともあり得ようかと思っております。
 ただ、私どもが考えております中身と申しますか基本的な考え方としては、かねてお答えしておりますように、大学の自主性、大学の自治というものを尊重していくという態度はもちろん持った上での対応ということで考えておるわけでございますので、その点は御懸念のないようにお願いをしたいと思います。
○山原委員 そうしますと、文部省設置法による第五条の文部省の所掌事項以外は、ちょっと今の御答弁ではわかりにくかったのですが、やれない、やらないというふうに理解していいですか。あるいは勧告や答申によっては所掌事項を変える場合もあるというふうに理解していいのか。ちょっと今の答弁が聞きにくかったものですから、もう一回お答えいただきたいのです。
○阿部(充)政府委員 文部省の所掌事項といたしましては、例えば大学教育の振興に関して企画をすることというようなことがございますので、大学についての制度、仕組み、その基本的なあり方等について検討し、ある方針を出していくというようなことは当然すべて文部省の所掌事項でございますので、それをはみ出すようなことはあり得ないわけですし、またそんなたぐいのものではないわけでございます。
○山原委員 もう一つ、任期制の問題ですね。この点については先ほどちょっとお聞きはしましたけれども、この導入ですね。これが行われる場合には大体法文上の改変が行われるのかどうか、これはいかがですか。
○阿部(充)政府委員 この問題につきましては、まだ法律上の十分な検討をいたしておりませんし、具体にどういう中身のものになってくるかということによって法律上どういう措置が必要かということは考えていかなければいけないと思っておりますので、現段階ではちょっとお答えがしにくいわけでございます。
 ただ、もちろん臨教審が言っておりますのは国立学校についてだけではなくて国・公・私を通じての大学改革についての意見でございますので、そういうもの全体を含めてどういう対応をするのかということにつきましては、議論を重ねた上での問題ということになろうかと思います。
○山原委員 私は、大学自治の問題について、この前三月二十五日の文教委員会において塩川文部大臣はこういうことを言っておられます。「もう一つ大事なのは大学の運営そのものなんでございまして、今日の教授会を中心にして何もかもそれが決定していくということでは前へなかなか進まない。つまり学長、学部長、こういうリーダーシップをどうしてつくっていくかこういう答弁をされているわけでございまして、この点は非常に重要な中身を持っております。
 非常に簡単に常識的におっしゃったように思われますけれども、例えば前へ進まないとか、また今大学の閉鎖性であるとか、大学に活気がないとか、それから時代の要請にこたえていないとか、すべて抽象的ですね。今まで大学に対するいろいろな注文や国民の批判があることは事実でしょう。しかし、それらはなぜ起こったかということがまず検討されなければならぬ問題であって、それをいきなり閉鎖的であるとか、例えば大学の改革の問題についてはいろいろな意見が出ているわけですね。地方自治体も、この地方大学にこういう学部を設定してもらいたい、こういう学科をつくってもらいたいというような陳情なども随分たくさんあるわけです。ところがなかなか聞かれない。自主的なしかも民主的な改革なんて、今の予算面からの締めつけもありますし、文部省もなかなか聞かない。こういうことで、改革というのはなかなかできない状態に置かれておる実態もあるわけですね。それを、閉鎖的である、あるいは具体的な実証なしに今の大学はだめだという印象をまき散らすような風潮があるのですね。やはりこれは解決できない問題ではなくて、それなりに解決できる問題なんです。それをいきなり大学審議会という二十名の構成によってやっていくのだということ、これはまさに前代未聞でして、これについては賛同することはもちろんできませんし、私は、この大学審議会というのは本当にこれから慎重に論議をしていく必要があると思います。だから、これを短時間で切り上げて採決をやるなんという事態ではまだないわけです。まさに審議の緒についたばかりですから、これから本当の審議が行われるべきであって、私も聞きたいことがいっぱいあるわけですけれども、先ほどのまとめが出てくる時間、それを多少は質問したいと考えておりますので、その意味で、持ち時間があと十五分程度あるかもしれませんが、その時間を留保いたしまして、今の質問はこれで閉じておきたいと思いますので、委員長、よろしくお願いします。
○愛知委員長 午後二時十五分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後一時十七分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時二十五分開議
○愛知委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。馬場昇君。
○馬場委員 大学改革協議会の問題につきましては、既に我が会派の江田委員が七月二十九日の本委員会で質問をいたしておりますし、きょうも先ほど山原委員も質問をしたわけでございますけれども、これは非常に重要な問題だと私も思うわけでございます。
 これは、六十一年五月に、臨教審の第二次答申を受けた後、この委員会で阿部局長も申しておられますように、大学審議会ができるまで待っておれないからこの大学改革協議会でいろいろの大学の問題を議論したんだ、こういう答弁もあっておりますし、そして、この改革協議会の議論をまとめてそれを文書にしてメモのような形で大学審議会にお伝えします、こういうこと答弁されておるわけでございまして、さらに伝え聞くところによりますと、このメンバーの大部分がひょっとしたら大学審議会のメンバーに横滑りするのではないか、こういううわささえあるわけでございます。そういたしますと、この大学審議会の審議の方向というものを位置づけてしまうような重要な協議会ではないかと私は思いますし、本委員会で大学審議会の法律を審議するに当たっては、ここでどういうことが議論されたのか、このことを知るということは実に重大な問題でございます。
 この問題につきまして、我が会派の江田委員が質問をしましたところ、議事録はないんだ、しかし要旨というようなものはあります、こういうふうなことをおっしゃったわけで、それではそれをこの委員会に出しなさいということを言いましたが、まだまとまっておりません、こういう答弁でございました。江田委員が質問いたしましてから既に二十日間経過しておるわけでございますし、それがまだきょうの委員会まで出てこないというのは、文部省がこの国会審議というものに協力していない、あるいは審議権というものを軽く見ておる、こう言ってもいいのではないかと私は思うのです。だから私は、先ほど山原委員もおっしゃいましたけれども、この協議会の要旨メモをこの委員会に出してもらわなければ本当の審議はできない、こう思います。江田委員もそう言いましたし、山原委員もそう言ったわけですが、私も全く同感でございますので、ぜひその協議会の論議の要旨を審議の資料として出していただきたいということを重ねて要望したいと思いますが、いかがですか。
○阿部(充)政府委員 大学改革協議会につきまして、大学審議会が発足するのをただ待っておらずに事前にいろいろと議論をしておきたいということでスタートをしてやってまいったということはそのとおりでございますが、先生のお話にございました委員がそのまま移行するかどうかということは、委員の問題についてはこれから検討するわけでございますので、必ずしもそういうわけではないということでお答えをしておきたいと思います。
 ただ、そういう形で非公式な会合ということで、いわば特に御結論をいただくというたぐいの――先ほど申しました大学審議会の法案についての御了解をいただく、あるいは大学院の設備の充実の予算要求について、昨年度の夏の概算要求で出しましてそれを計上したということがございますが、そういった中身について、予算要求が目の前に迫っているようなことについて御議論をいただき、御理解をいただくというようなことはございますけれども、それ以外の部分につきましては、いわばフリートーキングのような形でやってまいりました。
 そういうことでございますので、内容的にまとまったものというのはないわけでございますが、それぞれの会合でどんなことを議論をしたかという、議論の項目程度のものは先刻用意をいたしましたので、委員長の御了解をいただければお配りをさせていただきたいと思います。
○馬場委員 委員長、それを配ってください。
○愛知委員長 どうぞ配ってください。
○馬場委員 ちょっと見てみますと、「現状と課題について自由討議」、ほとんど「自由討議」「協議」、これは項目だけじゃないですか。こんなものだったら一時間くらいだ。そうして阿部さん、あなたは「毎回の議論の」と言っているのですよ。「議論の要旨のようなものはもちろんまとめております。」こういう答弁を江田委員にやっているでしょう。これが議論の要旨ですか。項目だけじゃないですか。こんなのを見たって審議の参考にも何にもならないですよ。目次を見るようなものですよ。少なくともこれは、文部大臣の私的な諮問機関として発足いたしまして、担当があなたのところの高等教育局でしょう。そして企画課が担当しているのでしょう。
 じゃ、この一回目の会合にはだれが出たのか。あなたが出たのかだれが出たのか。そういう出た人が議論の要旨をまとめておるという答弁を、あなたはこの前、我が会派の江田委員にやっているのですから、そいつを出してください。
○阿部(充)政府委員 議論は、先ほど来申し上げておりますように、あるいは前回の際に江田委員にもお答え申し上げましたように、いわばフリートーキングのような形で議論を続けておりますので、これをできるだけ近々のうちにまとめて、大学審議会がスタートした時点ではそれに間に合うようにまとめて、それを大学審議会の方にもお伝えをしたい。まとまりました際には、国会の先生方にもお配りをさせていただきますとお答えをしたわけでございまして、中身として内容のあるものをまとめていくのには、やはり協議会での御了解を得ながらまとめていくという作業が必要でございます。現段階、そこまでのものができ上がっておりませんということはかねてから申し上げておるとおりでございます。したがいまして、どの会議でどんなことについて議論をしたのかという項目だけをお配りさせていただいたわけでございます。
○馬場委員 これは先ほどからもお話があっているように、大学審議会というのは、あなた方がこの法律を出したときには七月一日から発足でしょう。そうしたら、七月一日から発足したならば、今まで一年間ずっとやってきた協議会の、あなたが言ったようなまとめというものを出すはずだったんでしょう。これでは本当にどういうやつを議論したかという、あなたもここではっきり言っておるじゃないですか。「毎回の議論の要旨のようなものはもちろんまとめております。」と。それを出してもらわなければ困るわけです。それを文章にするのが、江田さんが言ってからもう二十日たっておるじゃないですか。それならば、第一回のときにはだれが出たのか、その責任者を出して一つずつここで説明しなさいよ。第一回目にはこうだった、私が出まして、大体要旨のようなものをまとめたのはこういうぐあいにまとめてあります。第二回目は私が出ました、こういう議論があって、こういう要旨をまとめてあります、それを一つ一つ言いなさい。
○阿部(充)政府委員 前にお答えいたしましたのは、それぞれの会議の席での御議論の中身の非常にアバウトなものをメモにしてあるということでございまして、それを一つのそういう議論があったという形で正規のものとして協議会の外部へお話をするのには、協議会の了解も得ておりませんし、そういう形で整理をするのは、むしろ、先ほど来申し上げましたように、できるだけ早い時期にこれまでの議論の結果をまとめという形でつくって、協議会の了解を得てお配りするという方がいいというふうに考えておるわけでございます。ひとつ御理解をいただきたいと思います。
○馬場委員 了解はできないし、秘密ですか、ここで議論しているのは。公開をしてはならないという議論なんですか。秘密会でも何でもないでしょう。そして、あなたは江田委員の質問に対して、毎回の議事録ですよ、「毎回の議論の要旨のようなものはもちろんまとめております。」こういう答弁をきちんとやっておるじゃないですか。そのまとめたやつを出しなさい。出さなければ審議できませんよ。
 やっぱりこれは出してもらわなければ、ちょっと審議の基本にかかわる問題ですからね。だから、そういう点でぜひ出してもらうように、委員長からも取り計らってください。
○愛知委員長 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○愛知委員長 速記を始めてください。
 暫時休憩いたします。
    午後二時四十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後三時八分開議
○愛知委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。馬場昇君。
○馬場委員 今理事の打合会があったようでございますが、私は資料が出ないと審議はできないということで、資料を出せという要求をして理事の皆さん方にお話していただいたわけですが、今お話を聞きますと、残念ながら資料は今のところ出てこないようでございますが、一応こういうことを資料として書いて出しなさいと私が言っているのだというようなことで、もう少し具体的に、例えば一つについて質問をしてみたいと思うのです。
 例えば今「大学改革協議会の審議の概要」というメモが出ましたね。これはもう国語を知っておる人の普通の常識で言えば、こんな内容では概要とは言わないですね。それを文部省がこういうことをやるのだから、推して知るべしです。
 「第一回」と書いてあるところをやりますが、まず「大学改革の推進について」と書いてあって、「現状と課題について自由討議」、その下に*印をして、「専科大学(仮称)制度の具体化についての検討は、大学設置審議会高等専門学校分科会に託すこととし、その検討結果を受けて、改めて大学改革協議会で議論することとされた。」と出ておるわけでございます。ここで「専科大学(仮称)」というのが出ておるのですね。こういうのをもう突っ込んで議論をしておるわけですね。専科大学というのをつくるんだ、この制度の具体化についても検討は大学設置審議会高等専門学校分科会に託することとする、何の権限で専科大学を設置するということを決めて、その具体的な方法はこの分科会に託することとするとしたのか知らぬが、それで「その検討結果を受けて、改めて大学改革協議会で議論することとされた。」こういうぐあいになっておりますが、まとめて言うと、もう大学審議会というのは発足しているわけですよ。専科大学なんかをつくると決めて、そして具体的に高等専門学校分科会にそれを託する、そういうことになっている。あとの部分についてはそういうことは余り詳しく書いてありませんけれども、この概要を見るにつけ、九回ですか行われておりますが、もう既に大学審議会として実質上一年前に発足しておる。ただ、今度の法律というのを出して、これは、法的に裏づけをするとかあるいは権威をつけるとかあるいは権限が無制限ですから今後あらゆる問題をここで審議して出すとか、そういう審議会になるのであって、実質当面はもう発足して、あとは法的に権威づけるだけだ、こういう運営に今なっている。だから、そのことを詳しくここで議論しなければ本当の大学審議会の設置の意図がわからない。こういうことですので、例えば専科大学とは何だ、大学設置審議会高等専門学校分科会にこれを託したのですから、託してどういう議論になったのか。その検討結果が出たわけですから、それを大学改革協議会で議論するとなったのですから、それを大学改革協議会でどう議論したのか。既にこれはもうまとめをして、そして次の大学審議会に意見を出すということになっているのですから、終わっているはずだ。七月一日に大学審議会は発足するという予定だったのだから、当然スケジュール的にも終わっていなければならぬ。
 そこで私は、第一項目に限り申し上げますと、この専科大学というのはどういうことだ。そして、その大学設置審議会高等専門学校分科会に託したら、分科会はどういう意見を出したのか。その検討結果を受けて大学改革協議会はどう議論したのか。これを説明してください。
○阿部(充)政府委員 大学改革協議会が発足いたしました際に、臨教審の答申の中でいわゆる高等教育に関係のある事項について種々御説明を申し上げたわけでございますが、臨教審の第二次答申におきまして、現在の高等専門学校制度につきまして、これは工業とそれから商船の分野に限られておるわけでございますけれども、この分野を他の分野にも広げたらどうかという提言が臨教審の提言にございます。そしてあわせて、今の高等専門学校という名称を専科大学と改めてはどうかこういう提言が臨教審の第二次答申にあるわけでございます。その問題が、この大学改革全体の中の一つの項目としてこの大学改革協議会に御説明をしたときにあったわけでございますけれども、その点につきましては、高等専門学校分科会という専門の分科会が現在存在をいたしておりますので、そちらの方で議論をしてもらったらいいのではないかというお話になったわけでございまして、これをどちらに振り分けるという権限が大学改革協議会にあるとかどうとかということではないわけでございますが、事実上の御議論として、それは高専分科会の方で先に議論してもらったらいいのではないかということに相なりました。高等専門学校分科会で現在御議論をいただいている最中でございますが、一つは高専の分野の拡大の問題というのは検討に値することであろうけれども、名称の問題についてどうするかというのは議論が種々ございまして、いまだに結論を得ていないということで、高等専門学校分科会としてはまだ結論を出しておらないわけでございます。したがいまして、この点につきましては、大学改革協議会の方に話がフィードバックされてきておるというところまで行っておらないという状況でございます。
○馬場委員 実際、大学改革協議会というのは、これは文部大臣の私的諮問機関でしょう。私的諮問機関が、今度は大学設置審議会高等専門学校分科会、これは公的機関ですよね、そこでそうした議論をする。この協議会というのは、七月一日に審議会が発足すればもうそれに引き継いでやめるわけですから、今いろいろ議論をお聞きしました専科大学の問題等々につきまして、これは一にかかって、今答弁なさったようなことは今度の大学審議会で議論する問題ですし、そういうことになっておるわけですよ。今度は、大学審議会のいろいろな審議事項という中にたくさんございますね。大学の「基本的事項」ということで、大学制度、大学院制度、学位制度とかあるいは大学の計画的整備の見直しとか、専門分野に応じた人材の養成計画とか、その他大学評価システムの開発とか、大学教育の内容、方法、大学と外部との連携・協力、こういうことを今度の大学審議会で議論しようということを計画しておられる。これはみんな一緒、ほとんどその中に含まれておるわけです。そういう中で、今委員長のせっかくのお計らいで、理事さん方の御苦労をお願いして、一番目の中身にちょっと入った。ところが、今私が言いました項目を一つずつ、今みたいにして質疑のやりとりなんかしたら大変なことになる。そういう中で、この大学改革協議会で議論することは、これは私的諮問機関を一年前に文部大臣がつくられたときに、この研究協議事項はこういうことだ、大学改革の推進に関する基本的事項、大学教育の改革と充実、大学院改革と充実、高等教育の多様化、大学と社会の連携の推進など、それから大学審議会構想の具体化、その他大学改革に関する事項、大学評価の問題等々あるわけですが、これを一つ一つどうして議論したのか、今どうなっているのかということを、今局長と私がやりとりしたようなことで全部質問したら、それこそ私の持ち時間なんかなくなってしまう。
 そこで、これについてそういう時間もないわけですから、やはり資料として、さっき言いましたようにちゃんとあると言っているのだから、「毎回の議論の要旨のようなものはもちろんまとめております。」と言うから、それを出さなければ、今言ったような議論をしておったらいつまでかかるかわかりませんから、私はそういう議論の仕方は貴重な時間だし制限された時間でやりたくない。だから、改めてそのまとめておるものを出してもらいたい。無制限でやれと言うならやりますよ。だから私は、やはりまとめを出してもらわなければ効率的な審議はできないということを改めて申し上げておきたいと思います。
○愛知委員長 ちょっと速記をとめてください。
    〔速記中止〕
○愛知委員長 速記を始めてください。
 馬場昇君。
○馬場委員 私が質問しているのは、この国会の審議権に対して、委員の審議権に対して文部省が協力をしていない、そういう国会軽視の問題ですよ、簡単に言いますと。そういうことで例えば、質問したら答弁する、どれだけやっても時間が足らないじゃないですか。また、質問して答弁できるのだったら資料で出せるはずなんですよ、審議のために委員が資料を出せと言っているのですから。そしてまた、まとめてあるという答弁はもうしているのですから。答弁はできるという問題、まとめてあるという問題、それを私が審議のために必要なんだ、出してくれと言うのだから、国会の審議権に対して文部省が協力するのは当たり前じゃないですか。そういう問題ですから、私が、質問者が、その資料はまとめてあるから、秘密でないんだから、答弁できるんだから出しなさいと言うんだから、出せばいいじゃないですか。
○塩川国務大臣 先ほどからの議論を聞いておりまして、資料を要求されるのもごもっともだと私は思うのです。決してそれは無理な要求だと私は思っておりません。しかし、一方から言いましたら、これはあくまでも文部大臣の私的諮問機関として発足したものでございますので、速記を入れて記録をしておるとか、そういうものは一切ないわけでございます。私的諮問機関としての性格上そういうものでございまして、でございますから、その当時出席をしておる担当の課長あるいは審議官、局長、そういう者がメモをとって、そのメモを整理しながら一つのものとしてまとめようという段階で、今各担当の者が持っておるのはそのメモとして持っておる、こう言っておるのでございます。そこで、当然これは急がなければなりません。整理を急がなければなりませんが、しかし、今の段階ではそれはまだメモの程度であって、これを早急に取りまとめて報告し得るような形態のものにすると先ほど局長が言っておるのでございまして、この点は了解してやっていただきたい。
 ということは、なぜかと申しまして、たとえ大学審の設置が皆さん方の御協力によりまして無事できるといたしまして発足いたしましても、発足当初には、今までの文部省の一つの考え方として、何も大学協議会の考えではございませんが、要するに文部省が今まで内部で議論してきたものを経過として説明する資料は当然必要になってくるわけであります。その資料はどこからつくるかといいましたら、大学改革協議会等において議論されたものなりあるいは文部省自体で今まで検討してきたもの等をまとめて、やはり大学審の発足当初にそれは報告しなければならぬだろうと思うのであります。その資料が、すなわち今厳しく追求しておられます資料と同一のものであるべきであると思うのでございます。したがいまして、その資料は当然その時点までには作成しなければならぬものでございますから、その大学審の第一回が開かれるその一刻も前に委員の皆さん方のところへ、お手元にお届けするようにいたしたい、こういうことでございますので、これは私が確約いたしますので、どうぞそういう点御了解いただいて、ひとつ真意をお酌み取り願いたいと思います。
○馬場委員 問題は、文部大臣がせっかく質問もしないのに手を挙げてやったからよほどいい話をするんだろうと思ったら、文部大臣は、審議会が審議をなさるまで一文部省は我が会派の江田委員が言ってからでも二十日たっているんですよ。そうして文部大臣が、今あなたの部下に国会が審議しようとするときにそのまとめがなければ審議できないと言っているんだから、まとめさせてすぐ出しますと、あなたがそれを言うんじゃないかと思ったら、そう言わないじゃないですか。あなたの気持ちは、いい悪いの評価は別として、今言われた気持ちはわかるのですよ。しかし、それでは国会の審議権――私はそんなことを了解して国会軽視のそしりを受けたくない。だから少なくとも、文部省の文部大臣の意見はわかったのですけれども、この国会の意思としてそういう資料を出せ、審議ができない、そういうことを、国会の委員会の意思というものを理事会で話してきてくださいと私は言っているわけですから、それをもう一遍話してください。
○愛知委員長 ちょっと速記をとめて。
    〔速記中止〕
○愛知委員長 速記を始めて。
 暫時休憩します。
    午後三時三十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後五時二十一分開議
○愛知委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。馬場昇君。
○馬場委員 大学改革協議会のまとめの資料について誠心誠意出していただきたいということで要求して、理事さん方が国会審議権という立場で議論していただいたわけでございますけれども、報告を受けますと、残念ながら今資料を出すことができないというようなことの報告を受けたわけでございます。
 この大学審議会というのは、大学だけの問題ではなしに、これはやはり日本の教育全般、憲法、教育基本法の根幹にかかわる問題でございますし、さらに学問・研究の自由、大学の自治、こういう基本問題を含んでいるわけでございます。
 委員長も御存じかもしれませんが、かつて本委員会で筑波大学法案を議論したことがあります。この一つの筑波大学をつくるのにこの委員会で実は五十五時間審議をしたわけでございます。今放送大学ができておりますけれども、これを審議するのに実は三年間かかったわけでございます。そういうこの委員会審議の先例もあるわけでございまして、私はいろいろ状況も薄々察知をしておりますけれども、我が党は、こういう大切な問題ですからすべての委員が全部発言をしたい、そういう要求をしておるわけでございます。さらに、こういう法律案に対しては、当然中の当然として参考人を呼んで、専門家の意見なり国民の意見を聞くのは当然でありますし、さらには、全国できるだけ多い地域で公聴会も開いて国民の意見を聞く、こういうことも必要だということもこの委員会の審議の中で申し上げてきておるわけでございます。それがまだ十時間の審議にも満たないというのが今日の状況でございますから、私は、そういう先例もあり、大切な問題でございますから、さらにさらに審議を続行していかなければならぬ、当然そうあるべきだと思いますし、我が党もあと二名の質問者が残っておるわけであります。次回の委員会は二十一日でございますけれども、私の質問の前にこの資料ができ上がることがどうしても不可能であれば、次回の我が党の質問者が質問する前に、二十一日になりますけれども、そこに資料を出していただく、そういうことが約束ができますと、それにかかわる部分は同僚議員に譲るといたしまして、私が予定しております質問を続行してもいい、こういうような考え方を持っておるわけでございます。
 このことはやはり、この審議をするに当たって、大学改革協議会の議論というのはそれを知ってやるということは、国会の審議権を持っておる者として絶対に必要であるわけでございます。そういう意味におきまして、やはり国会の審議権の名において、学問、教育、研究の良心、私の人間としての良心においてこれは必要だというぐあいに思うわけでございますので、その辺について委員長の見解があれば聞かせていただくし、あくまでも資料の要求を続けたいということを申し上げるわけでございます。委員長、どうですか。
○愛知委員長 委員会の運営につきましては理事会の協議をもとに行ってまいりました。ぜひ質問を続行していただきたいと思います。
○馬場委員 私は、さっき言いましたような、譲歩といえば譲歩ですけれども、二十一日の冒頭提出するということであれば質問続行ということもあり得るという話をさっきしたのですけれども、それさえ約束できずに続行しろと言われても、資料が出なければ質問はできません。
○愛知委員長 文部省、答えてください。
○阿部(充)政府委員 大学改革協議会でございますけれども、これはたびたびお答えしておりますが、文部大臣の私的諮問機関としてフリーに御議論をいただくということで今日までやってまいりました。したがいまして、外部に公表できるような形での資料の取りまとめというのは現在までやっておりませんし、またそういう手続もしておらないわけでございますので、現段階で提出ということにつきましてはいたしかねるわけでございます。
 ただ、先ほど大臣からもお答えいたしましたように、大学審議会創設の暁にはこの大学改革協議会の議論を大学審議会に取り次いでいくという必要もございますので、できるだけ早く改革協議会としての取りまとめは行いたいと思っておりますし、それができ上がりました段階では、もちろん委員の先生方にもお配りをし、御報告をさせていただきたい、こう考えておるところでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○馬場委員 資料が出なければ質問できません。出してください。委員長、出すように頑張ってください。――何回でも言いますように、資料が出なければ、あるいはさっき言ったような条件が満たされなければ、これは国会議員の良心ですよ、国会の審議権ですよ、そういう名において私は質問できない、こういうことをさっきから申し上げておるわけでございます。それに対して委員長がどう取り計らうか……。
○町村委員 動議を提出いたします。(発言する者あり)
 本案に対する質疑はこれにて終局されんことを望みます。(発言する者あり)
○愛知委員長 町村信孝君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。(発言する者あり)
    〔賛成者起立〕
○愛知委員長 起立多数。よって、本案に対する質疑は終局いたしました。(発言する者あり)
    ―――――――――――――
○愛知委員長 この際、本案に対し、高村正彦君から修正案が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。高村正彦君。
    ―――――――――――――
 学校教育法及び私立学校法の一部を改正する法
  律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○高村委員 ただいま議題となっております学校教育法及び私立学校法の一部を改正する法律案に対する修正案について御説明申し上げます。
 案文は既にお手元に配付されておりますので、朗読を省略させていただきます。
 修正案の趣旨は、本法律案の施行期日は既に経過しておりますので、これを「公布の日」から施行することとするものであります。
 何とぞ委員各位の御賛成をお願いいたします。
○愛知委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○愛知委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。
 第百八回国会内閣提出、学校教育法及び私立学校法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 まず、高村正彦君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○愛知委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○愛知委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○愛知委員長 ただいま修正議決いたしました本案に対し、鳩山邦夫君外二名から、自由民主党、公明党・国民会議、民社党・民主連合の三党共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。鍛冶清君。
○鍛冶委員 私は、提出者を代表いたしまして、ただいまの法律案に対する附帯決議案について御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
  学校教育法及び私立学校法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について特段の配慮を行うべきである。
  高等教育改革を積極的に推進するため、大学審議会の活動状況を勘案し、その審議体制・運営等について、同審議会発足後一定期間を経た後、検討を行うこと。
以上でございます。
 その趣旨につきましては、本案の質疑応答を通じて明らかであると存じますので、案文の朗読をもって趣旨説明にかえさせていただきます。
 何とぞ御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
○愛知委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○愛知委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。
 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。塩川文部大臣。
○塩川国務大臣 ただいまの決議につきましては、その趣旨を十分に留意いたしまして対処してまいる所存でございます。
    ―――――――――――――
○愛知委員長 なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○愛知委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○愛知委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時三十五分散会
     ――――◇―――――