第109回国会 社会労働委員会 第10号
昭和六十二年九月三日(木曜日)
    午前十時八分開議
出席委員
  委員長 堀内 光雄君
   理事 稲垣 実男君 理事 戸井田三郎君
   理事 長野 祐也君 理事 丹羽 雄哉君
   理事 浜田卓二郎君 理事 池端 清一君
   理事 沼川 洋一君 理事 田中 慶秋君
      粟屋 敏信君    伊吹 文明君
      小沢 辰男君    大野  明君
      大野 功統君    片岡 武司君
      木村 義雄君    古賀  誠君
      佐藤 静雄君    自見庄三郎君
      高橋 一郎君    戸沢 政方君
      中山 成彬君    野呂 昭彦君
      藤本 孝雄君    三原 朝彦君
      箕輪  登君    持永 和見君
      伊藤 忠治君    大原  亨君
      河野  正君    田邊  誠君
      永井 孝信君    村山 富市君
      新井 彬之君    大橋 敏雄君
     平石磨作太郎君    吉井 光照君
      塚田 延充君    児玉 健次君
      田中美智子君
 出席国務大臣
        厚 生 大 臣  斎藤 十朗君
        労 働 大 臣  平井 卓志君
 出席政府委員
        厚生大臣官房審
        議官       川崎 幸雄君
        厚生省保健医療
        局長       仲村 英一君
        労働大臣官房審
        議官       野崎 和昭君
        労働省労働基準
        局長       平賀 俊行君
        労働省労働基準
        局賃金福祉部長  若林 之矩君
 委員外の出席者
        社会労働委員会
        調査室長     石川 正暉君
    ―――――――――――――
九月二日
 看護婦の夜勤日数の制限等に関する請願(児玉
 健次君紹介)(第一一七三号)
 同外三件(金子みつ君紹介)(第一二六〇号)
 同外二件(中沢健次君紹介)(第一二六一号)
 同(村山富市君紹介)(第一二六二号)
 同(三野優美君紹介)(第一二六三号)
 国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法
 律案反対等に関する請願(安藤巖君紹介)(第
 一一七四号)
 同(石井郁子君紹介)(第一一七五号)
 同(岩佐恵美君紹介)(第一一七六号)
 同(浦井洋君紹介)(第一一七七号)
 同(岡崎万寿秀君紹介)(第一一七八号)
 同(金子満広君紹介)(第一一七九号)
 同(経塚幸夫君紹介)(第一一八〇号)
 同(工藤晃君紹介)(第一一八一号)
 同(児玉健次君紹介)(第一一八二号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第一一八三号)
 同(柴田睦夫君紹介)(第一一八四号)
 同(瀬長亀次郎君紹介)(第一一八五号)
 同(田中美智子君紹介)(第一一八六号)
 同(辻第一君紹介)(第一一八七号)
 同(寺前巖君紹介)(第一一八八号)
 同(中路雅弘君紹介)(第一一八九号)
 同(中島武敏君紹介)(第一一九〇号)
 同(野間友一君紹介)(第一一九一号)
 同(東中光雄君紹介)(第一一九二号)
 同(不破哲三君紹介)(第一一九三号)
 同(藤田スミ君紹介)(第一一九四号)
 同(藤原ひろ子君紹介)(第一一九五号)
 同(正森成二君紹介)(第一一九六号)
 同(松本善明君紹介)(第一一九七号)
 同(村上弘君紹介)(第一一九八号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第一一九九号)
 同(山原健二郎君紹介)(第一二〇〇号)
 同外九件(嶋崎譲君紹介)(第一二〇一号)
 同(田中恒利君紹介)(第一二〇二号)
 同外五件(田邊誠君紹介)(第一二〇三号)
 同(中沢健次君紹介)(第一二〇四号)
 同外九件(浜西鉄雄君紹介)(第一二〇五号)
 同外三件(村山喜一君紹介)(第一二〇六号)
 同(村山富市君紹介)(第一二〇七号)
 同(緒方克陽君紹介)(第一二五五号)
 同外三件(北橋健治君紹介)(第一二五六号)
 同(関山信之君紹介)(第一二五七号)
 同外十三件(辻一彦君紹介)(第一二五八号)
 同外一件(井上普方君紹介)(第一二八八号)
 同(小林恒人君紹介)(第一二八九号)
 同外十一件(辻一彦君紹介)(第一二九〇号)
 同(安井吉典君紹介)(第一二九一号)
 国立明石病院及び国立神戸病院の統合計画中止
 等に関する請願(永井孝信君紹介)(第一二〇
 八号)
 労働基準法の改悪反対、労働条件改善の促進に
 関する請願外一件(嶋崎譲君紹介)(第一二〇
 九号)
 労働時間週四十時間制の早期実現等に関する請
 願(嶋崎譲君紹介)(第一二一〇号)
 小規模障害者作業所の助成等に関する請願(谷
 垣禎一君紹介)(第一二五九号)
 労働基準法の改悪反対、週四十時間制の実現に
 関する請願(清水勇君紹介)(第一二八三号)
 同(田中恒利君紹介)(第一二八四号)
 同(安田修三君紹介)(第一二八五号)
 同(吉原米治君紹介)(第一二八六号)
 週四十時間制早期実現のため労働基準法の抜本
 改正に関する請願(矢追秀彦君紹介)(第一二
 八七号)
同月三日
 国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法
 律案反対等に関する請願外二件(伊藤茂君紹介
 )(第一三〇六号)
 同外一件(池端清一君紹介)(第一三〇七号)
 同外二件(大原亨君紹介)(第一三〇八号)
 同外二件(奥野一雄君紹介)(第一三〇九号)
 同(関山信之君紹介)(第一三一〇号)
 同外一件(田口健二君紹介)(第一三一一号)
 同(田中恒利君紹介)(第一三一二号)
 同(馬場昇君紹介)(第一三一三号)
 同外三件(永井孝信君紹介)(第一三一四号)
 同(浦井洋君紹介)(第一三九三号)
 同外二件(奥野一雄君紹介)(第一三九四号)
 同外四件(北橋健治君紹介)(第一三九五号)
 同外一件(辻一彦君紹介)(第一三九六号)
 同(寺前巖君紹介)(第一三九七号)
 同(戸田菊雄君紹介)(第一三九八号)
 同(藤田スミ君紹介)(第一三九九号)
 同(村上弘君紹介)(第一四〇〇号)
 同外一件(村山富市君紹介)(第一四〇一号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第一四〇二号)
 同(新村勝雄君紹介)(第一四七八号)
 同(田中恒利君紹介)(第一四七九号)
 同(山原健二郎君紹介)(第一五四二号)
 高齢者の就労対策の充実に関する請願(山下八
 洲夫君紹介)(第一三一五号)
 労働基準法の改悪反対、労働条件改善の促進に
 関する請願(池端清一君紹介)(第一三一六号
 )
 看護婦の夜勤日数の制限等に関する請願外三件
(池端清一君紹介)(第一三一七号)
 同外一件(沼川洋一君紹介)(第一四〇六号)
 同(児玉健次君紹介)(第一五四四号)
 労働基準法の改悪反対、週四十時間制の実現に
 関する請願(池端清一君紹介)(第一三一八号
 )
 同(川崎寛治君紹介)(第一三一九号)
 同(永井孝信君紹介)(第一三二〇号)
 同(村山富市君紹介)(第一四〇七号)
 はり、きゆうの健康保険方針の改正等に関する
 請願(春日一幸君紹介)(第一三六四号)
 国立鳴子病院の経営移譲反対等に関する請願
 (戸田菊雄君紹介)(第一三六五号)
 労働基準法の改悪反対等に関する請願(安藤巖
 君紹介)(第一三六六号)
 同(石井郁子君紹介)(第一三六七号)
 同(岩佐恵美君紹介)(第一三六八号)
 同(浦井洋君紹介)(第一三六九号)
 同(岡崎万寿秀君紹介)(第一三七〇号)
 同(金子満広君紹介)(第一三七一号)
 同(経塚幸夫君紹介)(第一三七二号)
 同(工藤晃君紹介)(第一三七三号)
 同(児玉健次君紹介)(第一三七四号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第一三七五号)
 同(柴田睦夫君紹介)(第一三七六号)
 同(瀬長亀次郎君紹介)(第一三七七号)
 同(田中美智子君紹介)(第一三七八号)
 同(辻第一君紹介)(第一三七九号)
 同(寺前巖君紹介)(第一三八〇号)
 同(中路雅弘君紹介)(第一三八一号)
 同(中島武敏君紹介)(第一三八二号)
 同(野間友一君紹介)(第一三八三号)
 同(東中光雄君紹介)(第一三八四号)
 同(不破哲三君紹介)(第一三八五号)
 同(藤田スミ君紹介)(第一三八六号)
 同(藤原ひろ子君紹介)(第一三八七号)
 同(正森成二君紹介)(第一三八八号)
 同(松本善明君紹介)(第一三八九号)
 同(村上弘君紹介)(第一二九〇号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第一三九一号)
 同(山原健二郎君紹介)(第一三九二号)
 同(児玉健次君紹介)(第一五四一号)
 国立明石病院及び国立神戸病院の統合計画中止
 等に関する請願外二件(永井孝信君紹介)(第
 一四〇三号)
 国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法
 律案の反対等に関する請願外四件(沼川洋一君
 紹介)(第一四〇四号)
 労働基準法改悪反対、労働条件の改善等に関す
 る請願(三野優美君紹介)(第一四〇五号)
 労働基準法改悪反対に関する請願(中路雅弘君
 紹介)(第一四七七号)
 保育所の国庫負担等に関する請願(村上弘君紹
 介)(第一四八〇号)
 国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法
 律案反対、国民医療の改善に関する請願(上田
 利正君紹介)(第一五三四号)
 国立療養所福井病院及び国立療養所敦賀病院の
 統廃合反対等に関する請願(辻一彦君紹介)(
 第一五三五号)
 国立中津病院の経営移譲反対等に関する請願
 (村山富市君紹介)(第一五三六号)
 労働基準法第三十四条改正に関する請願(山花
 貞夫君紹介)(第一五三七号)
 労働基準法の一部を改正する法律案に関する請
 願(山花貞夫君紹介)(第一五三八号)
 消費生活協同組合法の改悪反対に関する請願
 (加藤万吉君紹介)(第一五三九号)
 労働基準法の改正等に関する請願(児玉健次君
 紹介)(第一五四〇号)
 労働基準法の一部を改正する法律案反対等に関
 する請願(土井たか子君紹介)(第一五四三号
 )
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案
 (内閣提出第七号)
 国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法
 律案(内閣提出、第百七回国会閣法第一一号)
     ――――◇―――――
○堀内委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案にっきましては、去る八月二十五日、質疑を終局いたしております。
 この際、本案に対し、浜田卓二郎君から、修正案が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。浜田卓二郎君。
    ―――――――――――――
 勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案
  に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○浜田(卓)委員 ただいま議題となりました勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 修正の要旨は、「昭和六十三年一月一日」とされている施行期日を、「昭和六十三年四月一日」とするとともに、これに伴い、経過措置に関する規定について所要の修正を行うことであります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○堀内委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○堀内委員長 日本共産党・革新共同から討論の申し出がありますが、理事会において協議の結果、御遠慮願うことといたしましたので、さよう御了承願い、直ちに採決に入ります。
 勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、浜田卓二郎君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○堀内委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて、原案について採決をいたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○堀内委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○堀内委員長 この際、本案に対し、浜田卓二郎君外三名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合の四派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。池端清一君。
○池端委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
    勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。
 一 勤労者財産形成促進制度については、今後の高齢化社会の進展等社会経済情勢の変化に即応し、勤労者の生活の質的向上に資するよう制度全般の整備充実を図ること。
 二 企業内福利厚生に関する企業規模間格差の現状にかんがみ、特に、中小企業に対する制度の普及促進に努めること。
 三 財形持家融資については、貸付手続の簡素化等運用面の改善に努めること。
 四 財形持家融資業務が効果的に推進されるよう財形貯蓄取扱金融機関に対し必要な指導を行うこと。
 五 財形持家分譲融資により日本勤労者住宅協会が建設する財移住宅については、地方公務員にも分譲できるよう努力すること。
 六 勤労者の住宅取得を促進するため、土地対策の強化を図るとともに、諸制度の整合を図る等の積極的な施策を推進すること。
 七 勤労者財産形成給付金制度及び基金制度について、事業主がこれらを積極的に活用するよう、なお一層行政指導を行うとともに、当該事業場のなるべく多くの勤労者が給付金の支給を受けられるような方策について引き続き検討すること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○堀内委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 浜田卓二郎君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○堀内委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。
 この際、平井労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。平井労働大臣。
○平井国務大臣 ただいま決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存であります。
    ―――――――――――――
○堀内委員長 お諮りいたします。
 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
○堀内委員長 第百七回国会内閣提出、国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村山富市君。
○村山(富)委員 国立病院の再編成に伴う特別措置法案の審議もいよいよきょうが最後になると言われておりますが、そういう意味で、これまで各委員から出された質問等と重複を避けながら、短時間ですからできるだけ確認をする意味で大臣にお伺いをしたいと思うのです。
 まず、冒頭に、大臣は提案説明の中で、国立医療機関にふさわしい役割を積極的に果たしていくために、六十一年を初年度として十年を目途に二百三十九施設数のうち七十四を統合または移譲による再編成を進めていく、こういう意味のことを述べられているわけですが、一体国立医療機関にふさわしい役割というのはどういうことを言うのか、この際まとめた形で御説明いただきたいと思うのです。
○斎藤国務大臣 本格化する長寿社会に向かって、その長寿社会にふさわしい社会的なシステムを構築してまいるということは、現下の非常に重要な課題であると考えております。長寿社会にあって国民ひとしく健康で豊かな長寿社会を送っていくということは、最もその願望とするところでありますし、そういう中でそれにふさわしい医療サービスの供給体制を整えてまいることが大変重要なことだと考えております。
 国立病院・療養所は、御承知のように、戦後昭和二十年代、戦中戦後の経緯を踏まえながら整備をされてまいりました。昭和二十年代には、全国の中で国立病院・療養所が占めるベッド数としては、全体の約三〇%を占めておったわけでございますし、その後、その他の公的医療機関等の整備が飛躍的に充実をされてまいりました。今日におきましては、国立病院・療養所の占めるベッド数は、全体の六%程度ということになってまいり、全体として医療の量的な体制というものは整備されてまいったと思うわけであります。そういう現状の中で、国立病院が今後将来に向かってどのような分野で役割を果たしていくかということが非常に大事なことであると考えております。
 そういう意味におきまして、今回の再編成は、これまで以上に広域を対象とした、そして高度、専門的な医療を担う、また臨床研究という分野、教育研修という分野、こういった分野を担って、言うならば、他の公的医療機関、民間医療機関等でなかなか担いにくい分野について、国立がその責任を果たしていくということにいたしてまいることがぜひとも必要ではないか、こういう考え方に立って、今回の再編成を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
○村山(富)委員 厚生省が出している説明書にも、今大臣から答弁がございましたように、広域を対象とした高度または専門医療、それから臨床研究、地域の医療従事者の生涯教育などの教育研修、こういうことを担う機能を持った病院にしていきたいということだと思うのです。
 そこで、お尋ねしたいのですが、これは先般も若干質疑がございましたが、今日、大学附属病院というのは、全国各県につくられていますね。この医科大学の附属病院というものは、今大臣が説明されたような高度、専門的な医療あるいは教育研修とか研究という分野を担って大きな役割を果たしていると思うのです。今言われた、これから国立病院が持とうとしている機能、それから各県に存在する大学病院が持っている機能とやや共通する面があると思うのですが、こういう問題については、今後機能分化についてどのように考えたらいいのか、見解をお聞きしたいと思うのです。
○仲村政府委員 御指摘のように、大学附属病院と高度、専門医療を担います国立病院とで機能の重複があり得るかということでございますと、一部そういう部分はあろうかと私どもは考えていますけれども、御承知のように、大学病院は基本的に学生の教育でございますとか研究でございますとか、そういうふうなことにあわせて診療を行っておる、いわば三位一体ということを大学の方々おっしゃっておりますけれども、そういう機能をやはり基本的にお持ちだろうと思います。ただ、私ども国立病院・療養所に関して申し上げれば、そういうふうな競合する部分と申しますか、そういう部分は、医療の場合にはいろいろすそ野と申しますか、そういう部分がございますので、当然あり得るわけでございますけれども、究極的には、やはり大学病院というのは研究教育ということでの主な機能をお持ちいただく。それと相輔弼するような形で、地域でどのような機能をそれぞれ担うかということで、今後私どもといたしましても、無用な重複は避けなければいけませんけれども、国立病院は、先ほど大臣からも御説明いただいたように、高度、専門医療を担うということで、それは地域の中でそれぞれの機能分担を図っていくということで考えていくべきだと考えております。
○村山(富)委員 時間がありませんから、これ以上申しませんけれども、大学病院がある、それから逓信病院がある、警察病院がある、各省いろいろそれぞれ関係の病院を持っているわけですね。したがって、単に国立、公立、それから一般私的病院といったような関係だけでなくて、そういう意味の病院もたくさん散在しているわけです。ですから、私は国全体の医療計画というものを考えた場合に、お互いに持つ機能というものをどういうふうに分化していき、そして資源を有効に活用しながら、全体として国民の医療を守っていくのかという、こういう全体構想があっていいのではないかというふうに思いますから、そういう点は今後ひとつ十分に検討していただきたいというふうに思うのです。
 それから、もう一つお伺いしますけれども、今各県で地域医療計画の策定をしているわけです。現に策定が済んでいる県もありますけれども、そういう県の資料を見ますと、例えば石川県の地域医療計画を見ますと、石川県立中央病院の持つ機能、役割として、一般医療は他の医療機関に委託をする、やってもらう、そして高度、専門医療は県立の中央病院が受け持つ、こういう内客の医療計画がつくられているわけです。そうしますと、国もそういう方針を持っておる県段階でも、その県が持つ医療計画の中に、県の中央病院というものは、国が持つと同じような性格の機能を持つようにしたい。これは明らかに重複するわけです。競合するわけです。こういう場合にどういうふうに調整していくのか等についてお尋ねしたいと思うのです。
○仲村政府委員 ただいま御指摘のように、地域医療計画をそれぞれの県で作成をいただいておりまして、現在八県で計画ができております。おっしゃるようなことで、それぞれの機能の位置づけをいただいておるわけでございますが、もちろん重複があってはいけないわけでございますので、それぞれの設置主体のもとで、それぞれの地域におきます実情に応じた機能分担をしていただくということが、おっしゃるように必要だと思います。
 例えば、ある地域の人工透析の機能をどういう医療機関で担っていただくかというふうなことをお考えいただく場合もございましょうし、あるいは国立病院の場合のように、医師の生涯教育の機能を担うというふうなことで地域医療研修センターのような機能も持つとか、それぞれの地域におきまして、それぞれ工夫をいただくということは、私どもとしても一番必要だと考えておりますし、その中で、先ほど申し上げたように、国立医療機関につきましては、高度、専門的な医療ということで、例えばこの地域にっきましては、循環器を中心にやりますとか、あるいは難病を中心にやりますとか、そのような機能の調整を今後とも図っていくことが必要であろうと考えております。
○村山(富)委員 今策定が済んでいる県と策定をしている県がありますね。例えば県が地域医療計画を策定するに当たって、現に存在している地域医療の中核としての役割、機能を果たしている国立病院が仮にあるとしますね。それを、策定する地域医療計画の中に、ここにある国立病院はこういう機能を果たしてもらうということを位置づけて県が医療計画をつくった、こうした場合に、たまたまその国立病院が国の方針では統合の対象になっておったという場合に、県の計画と国の方針とのそごが生まれてくる、食い違いが出てくる。こういう場合に、まず仮に県が要請をした場合に、その県の医療計画に基づいて国の統合、移譲を考え直す、あるいは考慮する、こういうことはあり得るのか、その調整は一体どうするのか。
○川崎(幸)政府委員 国立病院といえども各地域の医療計画と整合性がとれていなければいけないことはもちろんのことでございます。したがいまして、各都道府県の地域医療計画の策定に当たりましては、その整合性がとれるように、私どもと関係地方公共団体と十分調整をいたすようにしております。特に、今お話のございましたように、特定の病院を地域医療計画におきまして特に触れるといったような場合は、これは国立病院に限らず、病院の設置者と十分意見を調整して行うということになっております。国立病院につきましても、私どもと関係都道府県と十分意見の調整をやりまして、そこでは再編成ともそごが生じないように十分話し合いをいたしまして、計画を策定していただく、こういうふうにいたしたいと思います。
○村山(富)委員 そごを来さないように十分調整をしていくと言いますけれども、現に策定している医療計画がありますね。それから今作業を進めている県が多いのです、恐らくことしいっぱいぐらいにつくるんだと思いますけれどもね。その県がつくっている医療計画の考え方と、それから国が今度再編・統合しようとする考え方に違いがある、十分意見調整ができていないということを私は言いたいわけですよ。結果的にそういう違いが生まれてきた場合に、国はその県の医療計画を尊重して配慮するのか。その医療計画の中に位置づけられた国立病院が統合の対象になっておる、こうした場合に、それでは医療計画にそごを来す、狂うという場合に、国はその統合を県の意向を入れて考え直すことがあり得るのか、こう聞いておるわけです。
○川崎(幸)政府委員 私どもも、国立病院は国立病院の果たす役割というものを今回はっきり明確にいたしまして、また関係都道府県にも御説明申し上げております。また各都道府県は地域医療計画をお考えになる際に、当然国立病院のそういった役割というものを御勘案の上策定をしていただきたいというふうに申し上げておるわけでございます。しかし、具体的に計画をいろいろ御検討なさる、それから国立病院について何か具体的な位置づけをなさるようなことが起こります場合は、これは国立病院に限らず、もちろん国立病院もですけれども、病院の設置者である国と十分そこは意見を調整して、そこは食い違いのないような計画をつくっていただく、私どもも十分意見を交換して、そごが生じないようにさせていただきたいと思います。
○村山(富)委員 もうこれで時間をとるわけにはいきませんから、やはりそういうことのないようにしてくださいね。
 それから、大臣が去る委員会で民社党の田中議員の質問に対してこういう答弁をしているんですね。
 国立病院・療養所に対する国民の皆様方の信頼、そしてまたその期待というものに、その時代の変化に即応して、そのニーズにこたえていくという必要性があるわけでございます。そういう必要性に立って、今回の再編成というものを考えさせていただいたということでございます。
こういう答弁をされておりますね。だから、いろいろな多様な国民のニーズにこたえる、こういうわけですね。私は冒頭にこれからの国立病院が持つ機能について御説明を聞いたわけでありますが、国民の二ーズは、もちろん国立病院がそういう高度の専門医療を担当してもらう、研究開発をしてもらうということに対する期待もあると思いますよ。だけれども、やはり地域の中核病院としての役割も果たしてもらいたい、こういう期待もあると思うのです。現に国民の信頼と期待にこたえて、そういう機能を受け持って役割を果たしている国立病院がたくさんあるわけであります。こういう国立病院の持っている機能と、その地域の住民のニーズ、そうしたものに対して、今度はそれを切り捨てていこう、こういうのではそのニーズにこたえることにならないではないか。その点については、大臣、どういうふうにお考えですか。
○斎藤国務大臣 確かにいろいろなニーズがあり、そのニーズの中には地域の一般医療に対する国民の期待というものもあるわけでございます。そういう中で国立病院としてふさわしい二ーズのとらえ方、役目の果たし方という観点から見ますと、全体として申し上げるならば、高度または専門的な分野でその役目を果たしていくというのが優先的ではないかというふうに考えております。そして地域医療に対するニーズというものは、国立病院・療養所以外の公的な医療機関においても十分これを担っていただき得るものであるというふうに考えておるわけでございます。
○村山(富)委員 これはWHOなんかもプライマリーケアは最も必要な部分であり、最も大事にしなければならない分野であるというようなことを言っておりますね。私は、地域医療、基礎的な一般医療、それからそういう地域医療の中核となってやるような役割というものは、やはり当然その中核病院が持つべきだ、その中核病院は、やはり国立、公立の病院が当たるべきだというふうに思うのですけれども、さっき県の医療計画の話もしましたけれども、国も県もそういう地域の一般医療から撤退をしていく、こういう状況になった場合に、その地域の医療というものは一体だれが責任を持つのか、野放しになるのかということに対する不安もあると思うのです。これはWHOが言うまでもないことですけれども、そういう意味の機能というものは、やはり国立病院が持ってもいいのではないかという期待がありますよ。
 同時に、最近医療費がどんどんふえていく、これを抑制して適正化する必要があるということが今緊急の課題になっているわけです。にもかかわらず、差額ベッドはどんどん横行していく、薬剤の過剰投与が行われる、あるいは検査が余りにも乱用され過ぎるのではないか、こういったような医療に対するいろいろな問題点があるわけです。こういう医療のある意味では混乱している状態の中で、平均的な、標準的な、基準となるようなモデルを国立病院が示していく、こういう意味の機能もあるのではないか。そういう機能を持った病院を一般の病院に求めても無理ですから、やはり国立病院がそういう機能を果たして、国民全体の医療水準を守っていく、適正な医療を守っていくというような指導的役割を果たす役割があるのではないか、機能を持っていいのではないか、こういうように思うのですが、そういう点はどうでしょうか。
○仲村政府委員 国立病院の機能についてのお尋ねでございまして、私としては二つあるのではないかと思います。
 一つは、国立病院が全国にこれだけの数がございますので、その国立病院群として、今おっしゃったような医療の適正化と申しますか、効率的な質のいい医療を提供するのにどうしたらいいかという工夫をする横断的な面と、それから各地域におきます国立病院がおっしゃいますような中核的な機能を担う場合に、国立としてどのような機能を考えるべきか、この二点からおっしゃるようなことを考えるべきだと思います。
 先ほどもちょっと申し上げたように、大学病院と異なった観点から行います臨床研究でございますとか、あるいは生涯教育を担うための機能といたしましての地域医療研修センターと私ども申しておりますが、このような機能を、例えば地域の医師会等ともタイアップしながら、プライマリーケアをそういう方たちにお任せするけれども、その指導的、中核的な機能として国立病院が生涯教育等を担っていくというふうなことで行っていく部分がございますとか、いろいろのことで、私どもとしては、おっしゃいますようなモデル的な医療につきましても、国立病院が実施していくということは非常に重要な観点だと考えております。
 お尋ねの差額ベッドにつきましても、他の設置主体に率先いたしまして、現在国立医療機関は非常に低い割合、四%くらいの差額ベッドの率でございますが、そういうことでモデル的にやっていくということは非常に必要だと思うわけでございます。
 前回の委員会でもお尋ねがございましたけれども、国立療養所化学療法共同研究会、国療化研がかつての結核の化学療法につきまして非常に指導的と申しますか、先駆的な機能を果たしたという実例もございますので、私どももそのような過去の実績を振り返りながらも、将来国立病院が各地域医療の中で中核的機能を果たすにはどうしたらよいかということでさらに工夫していきたいと考えております。
○村山(富)委員 これはこれまでの委員会の質疑の中でも各委員から指摘されていましたけれども、説明がありましたように、もちろん高度、専門的な医療とかあるいは臨床研究とかあるいは生涯教育とかあるいはまた不採算医療とかいろいろな部門がありますから、そういう部門を国立病院が担当していくということももちろん大事なことでしょう。しかし、同時にやはり医療費のむだをなくして資源を有効に活用する、そういう意味において地域におけるモデル的な、指導的な機能というものを国立病院が果たしていくあるいは公立病院が果たしていくという意味の役割というものはあってもいいのじゃないか。一般的な地域医療というものは、全部一般病院なら一般病院に任せてしまうというようなことではなくて、やはり地域住民の医療に対しては責任を持つという立場で、そういう機能も十分果たしていくということは、国立病院の役割としてあってもいいのではないかと思うし、国民の期待もある面ではそこにあるというふうに思うのですが、大臣、もう一遍どうですか。
○斎藤国務大臣 国立病院・療養所が地域の一般医療から完全に撤退してしまうということではないと思うわけでございます。
 ただ、何回も申し上げますような、高度または専門的な医療を担うということに優先的にアクセントをつけてまいる、こういうことであろうと思うわけでありまして、そしてまたそのように専門的または高度の医療の分野を担当しつつも、それは他の公的医療機関、民間医療機関における一般地域医療全体のかさ上げのために役立つような、そういう役割を果たしていくということも大事であり、また可能であろうと思っておりますし、また医療費の適正化というような面においても、模範的な立場をとっていくということも大変重要であるというふうに考えるわけでございます。
○村山(富)委員 そういう前提を踏まえて、私は具体的な問題について承りたいと思うのですが、大分県の中津市に国立中津病院があるわけです。この国立中津病院は移譲対象になっておるわけですね。国立中津病院が移譲対象になった根拠は一体何なのかということについて、お伺いしたいと思うのです。
○川崎(幸)政府委員 今お話のございました国立中津病院、今回の再編成計画におきましては移譲の対象施設になっております。この移譲になりました理由といたしましては、中津病院が病床数が現在二百二十五床と規模も小さく、診療機能あるいは立地条件等からいたしましても、これは地域の一般的な医療が中心となった病院である、今後におきましても、この中津病院を国が運営するよりは、むしろ地域の実態を踏まえました他の適当な経営主体に運営していただくことが望ましい、こういうような判断をいたしまして移譲という対象にいたしたわけでございます。
○村山(富)委員 いや、それだけの理由ではちょっと私は納得しかねるのです。厚生省の保健局が出しているこの資料を見ますと、「経営移譲を行う施設の選定基準」というのがありますね。この「選定基準」を見ますと、「近隣の医療機関の状況」それから「診療機能(病床数、一般的医療の占める比率、地元入院患者の占める比率)」「その他各施設ごとの特殊事情」こういう三つの項目があるわけです。この三つの項目の中で、今お話がありましたように、ややこの基準にどうかなと思うのは病床数ですね。二百五十床、これに三市四町三村で設立している中津伝染病隔離病床組合の伝染病棟がありますから、それを入れますと、二百八十床くらいになるんじゃないですか。ですから、基準が三百床としますと、もう三百床にはごく近いのですね。だから、これも余り根拠として該当する事項ではないのではないかなというふうな気もしますから、この「選定基準」から見ますと、中津病院がそういう対象になったことについては、私はどうも納得ができないわけです。
 そこで、いろいろ調べてみますと、外来患者の一日の平均の数が六十年は二百二十九・八人、六十一年が二百三十一・八人、六十二年度は四月から七月までが実績で、八月から三月までは見込みになっておりますが、その計算をしますと二百三十四・八人、年々増加しているわけですね。それだけ需要が高まっておるわけです。しかも、この中津の国立病院は、大分県の北部と福岡県の東部で六市十三町四村にまたがっており、その持つ人口は約四十万人ですね。この医療圏の圏域にはそれに対比するような医療機関はないのですよ。そういう意味で、現に文字どおりその地域の医療圏の中核病院としての役割を果たしておる。しかも経営は黒字だ。地域の住民に大変大きな期待を持たれて、その役割を果たして、しかもその地域の協力も得て、経営は黒字になっておる。なお一層整備充実をしてもらいたいという要請が強い。そういう病院をなぜわざわざ移譲の対象にしなければならぬのか、私はどうも理屈がわからないのですが、もう一遍御説明を願います。
○川崎(幸)政府委員 国立中津病院の状況は、今お話がございましたとおりでございます。
 現在、地域の医療につきまして大きな貢献をした、非常に有用な活動をしていると私どもも考えております。ただ、そういったようなことは、これらの地域の一般的な医療、地域の病院として非常に有用な病院である。しかし、これは国が直接運営するというよりは、むしろ地元の実態を踏まえた、地元との関係の深い適当な方がこれを運営なさるという方が適当であるというふうに私どもは考えたわけでございます。確かにこの国立中津病院というのは、経営の状況も御指摘のような状況で非常によろしゅうございます。したがいまして、こういった病院は、やはり地域の病院として残し、ただ、それを国が直接運営するのではなくて、どなたか他の適当な方に運営していただく方が望ましい、そういうふうに考えて、これは移譲という対象にいたしたわけでございます。
○村山(富)委員 それではお尋ねしますが、実態を踏まえた、地元に関係の深い、こういう説明がありましたね。移譲対象はどういうところを考えているわけですか。今あなたが説明したように、実態を踏まえた、地域に関係の深いというのは一体どういうものを対象に考えるのですか。
 同時に、重ねて聞きたいのですけれども、「十年を目途に」進めるとありますね。「十年を目途に」というのは漠然としていますけれども、大体いつごろ移譲をやる目途なのか。それから今申しましたように、あなたが説明されたような適当な移譲対象というものはどういうものが想定されるのか。もしわかれば御説明願いたいと思います。
○川崎(幸)政府委員 私どもが考えております移譲対象といたしましては、ただいま御審議いただいております特別措置法案の特別措置が適用の対象となります自治体あるいはいわゆる公的医療機関、こういったような方に経営をかわっていただくということが望ましいという期待を私どもはいたしておるわけでございます。
 ただ具体的に、この中津病院につきまして、いつどういう方に移譲するかというようなことは、まだ現段階では全く予定はございません。今後できるだけ地元の方々との話し合いを進めながら、適当な引受手が見つかりますよう私どもも最善の努力をしてまいりたいと思っております。
○村山(富)委員 いろいろ説明がありますけれども、地元に関係が深くて、そしてある意味では地元の実態も十分踏まえた、そして地域の住民、その医療圏に居住しておる皆さん方のニーズにこたえられるようなものが、今の国立病院より以上に果たしてあるんだろうかと考えてみますと、私はちょっと見当がつかないわけです。現にあなたは各県や地元の町村の協力もいただきたいと言っていますけれども、さる県議会で、ある議員の質問に答えて知事はこういうふうに言っていますよ。
 厚生省は、昭和六十一年一月に「国立病院・療養所の再編成計画」を発表いたしましたが、本県では国立中津病院が経営移譲の対象となっております。
 申すまでもなく、国立中津病院は病床数二百八十床、診療科十一科を有し、診療圏は、県北地域だけでなく隣接する福岡県をも含む当該地域における唯一の公的総合病院として地域住民の医療の確保になくてはならぬ医療機関であります。
 従いまして、県といたしましては、これまでも九州地方知事会を通じ、国の医療機関としてその存続と機能強化を要望してまいっておりますが、今後とも引き続き国に要望していく所存でございます。
明らかに知事は、国立病院として整備充実してもらいたい、こういう立場を堅持しておるわけです。それから先ほど申しましたように、関係市町村長あるいは議会等もそれぞれ全部反対の決議をしておる。そして中津の市長が会長になって「国立中津病院を守る会」というのまでつくられておる。同時に、その移譲に反対して充実強化を望む署名が行われていますが、その署名は現に十四万七千六百二十人も集まっておる。こうした現状を考えた場合に、その地域全体が知事を先頭に、市町村長も地域の住民もこぞって国立病院として残して充実強化をしてもらいたいというところに大衆のニーズがあるんですよ。そのニーズにこたえるのが国の責任ではないか。それを何もあえてわざわざ考えられもしないような相手方を探して移譲する必要がどこにあるのか。これは明らかに一般医療をもう国が責任を持たないといって投げ出すことになるのではないかというふうに言わざるを得ないじゃありませんか。どうですか、大臣。
○斎藤国務大臣 今回の国立病院・療養所の再編成の考え方、その趣旨につきましては、多くの皆様方から総論としては御賛成をいただけるものと思うわけでございますが、具体的地域の実態ということになりますと、いろいろな御意見があり、ただいま先生の御指摘のようなこともあることを十分承知をいたしております。
 しかしながら、先ほども申し上げますように、地域の一般医療という点にかんがみますると、国立病院・療養所でなければならないということではなく、他の公的医療機関においても十分これを担って果たしていただけるものと思うわけでございます。またそういうような果たし得る公的医療機関に移譲をしてまいるということに努力をいたしてまいりたいと思います。
 また、先ほど審議官が答弁をいたしました、より一層地域と密接な関係にあるというのは、現在はないわけでございますけれども、移譲した後に、そのような地域との一層の密接な関係が生まれてくるであろう、そういう医療機関ということを考えれば、地域のためには将来よりメリットが出てくるであろう、こう思うわけであります。そういうところを地元の皆様方と十分話し合いを積み重ねて、そして移譲先として決めさせていただいて、御理解をいただいてまいる、そういう努力を一層積み上げてまいらなければならない、こう考えております。
○村山(富)委員 大変苦しい無理な答弁をしておるようでありまして、私はどうも納得ができないのですけれども、これだけで時間をとるわけにまいりませんから、最後に申し上げておきたいと思うのです。
 今までの答弁では、なぜこういう機能と役割を果たして地域住民の期待も大変大きい今存在する病院をわざわざ国立病院から他に移譲しなければならぬのかということの理由は、私は本当に理解できません。わかりません。
 そこで、これからの問題について聞きたいのですけれども、今申しましたように、国立中津病院を守る会の会長は中津市長がいたしておりますが、そういう方々が陳情に来ております。この文書はきょう私のところに送ってきたのですけれども、大臣、あなたはその陳情者にお会いになってこういうお話をしておるわけです。これは要約ですから、完全にあなたの言ったことを言い尽くしているかどうか知りませんけれども、
  国立病院療養所の再編合理化の基本的考え方は、従来国立病院のベッド数のしめる割合が三〇%あったが、現在では六%であり民間病院が充実して来ている。したがって、今後国立病院は高度な医療や難病対策など開発すべき分野に当るべきであり、また行政改革で医師、看護婦等も総定員法により規制されている現在、一般診療は民間で実施すべきだとの趣旨である。
 国立中津病院の実状は良く理解出来ますので、地域住民のコンセンサスが必要であり、いづれにしても民間委託した方がよりよい診療が確保出来ると云うことでなければ経営移譲は出来難いことなので、強行突破はしない。特に中津は広い敷地を保有し、しかも黒字経営を維持しており、十年と期間もあるので、地元と協議し納得のいくかたちを探りたい。こういうように答弁しておるわけです。これは今までこの委員会で質問に対して答えられたあなたの考え方と余り変わりないと思うのですが、こういう考え方でこれからも取り組んでいくと理解していいかどうか。
 ちなみに申し上げておきますが、そういう方々が自民党の幹事長室で、これはなるかどうか知りませんが、新聞のうわさによると、次の総理・総裁が想定されておる竹下幹事長にもお会いしておるわけです。その幹事長がこう言っております。「幹事長の地元の国立病院の診療圏は約十万人であるが、国立中津病院は四十万人あり、影響が大きいので慎重に対処したい」、これが私はやはり常識だと思うのです。こういう考え方で対処をしてもらう必要があると思うのですが、大臣、あなたの考え方には変わりありませんか。
○斎藤国務大臣 ことしの二月二十四日に国立中津病院を守る会の皆様方がおいでになられまして、私がその皆様の御要望をお聞きいたしたことに対して、私から発言をいたしました点の趣旨がまとめられておりますが、おおむねこのような趣旨のことを申し上げました。まさに、移譲にいたしましても、また統合にいたしましても、一方的に強行突破をするというようなことができる性格のものではないわけでございますので、地元の皆様方との十分なお話し合いを積み重ね、大方のコンセンサスを得つつこれを進めていくという粘り強い努力を重ねてまいらなければならない、このように考えております。
○村山(富)委員 時間がありませんから、次にこの法案の内容について若干確認をしておきたいと思うのです。これは誤解されると困りますけれども、今まで議論もありましたし、大臣以下御答弁をいただきましたが、私はやはりどうもこの再編・統合の考え方には賛成しかねるということを前提にしておきますよ。
 そこで、お尋ねをしたいのですが、二十七年も国立病院の資産の譲渡等に関する特別措置法というものをこしらえてやられたわけですね。この二十七年当時の内容と今回の内容とは若干違いがあるわけです。二十七年の場合には移譲のみであって譲渡はなかったわけですね。今回譲渡を設けた理由は一体何なのかということを、まずお伺いします。
○川崎(幸)政府委員 お話しのように、二十七年当時は職員、施設ごとの移譲のみが対象でございましたけれども、今法案は移譲と譲渡の二種類がございます。
 これは、一つは、複数の施設を統合いたしまして使用されなくなった施設につきまして、やはり地元から後の医療を確保するためにそれを使用したいといったような御要望が出ることも十分想定されました。また移譲と申しましても、これは実際に勤務する職員の意向を尊重して行わなければなりませんので、移譲対象施設につきましても、施設のみが引き継がれることも想定されます。こういったようなことを考えまして、移譲のみならず譲渡というのも今回の対象にいたしたところでございます。
○村山(富)委員 次に、この法律案の中身を見ますと、割引譲渡の規定がありますね。国立病院等の資産の割引譲渡。自治体の場合には、移譲は無償、譲渡は五割引き。特例地域、恐らく僻地、離島をいうのでしょうけれども、移譲は無償、譲渡は七割引き。同時に、日赤、済生会、厚生連等の公的医療機関等に対しては、移譲は七割引き、譲渡の場合には三割五分引き、こういうふうに自治体と自治体以外の公的病院等に移譲あるいは譲渡する場合の割引率が違うのですけれども、これはどういう根拠ですか。
○川崎(幸)政府委員 現在御審議いただいております法案につきましては、再編成に伴います後の医療を確保することが大事だということで、国立病院等の資産を大幅に減額いたしまして、譲渡等の措置を講ずるということを内容といたしておるわけでございますが、移譲先につきましては、やはり公的な性格が強くて医療機関を安定的に経営していただけるような基盤を有するものが適当であるというふうに考えているわけでございます。こういったような見地から、移譲、譲渡の対象といたしましては、地方公共団体、そのほか日赤、済生会、厚生連といった医療法で言います公的医療機関のほか、さらに政令で定めることを予定しておりますのは、各種共済組合あるいは学校法人、社会福祉法人、県郡市医師会、こういったものを考えておるわけでございますが、こういった中でも、地方公共団体につきましては、その公共性の高さに着目いたしまして、割引率に差を設けだというのが趣旨でございます。
○村山(富)委員 いろいろ説明しなくて質問だけに答えてください、時間がないですから。
 公共性の強さにかんがみて、それは自治体の方がその他の公的医療機関よりも公共性は強いかもしれません。しかし果たしている役割と任務は同じです。現に二十七年の場合を見ますと、割引率は全く同じになっているわけですよ。二十七年のときは同じであって、今回は公共性が強くなったということは根拠にならぬと思うのだけれども、これはどうも納得できませんね。検討する必要があるのじゃないですか。お互いにその地域の公的な役割を果たすわけですから。しかも地域の要請に十分こたえ得るような機能を持って経営も安定できるような状況を想定してやるというのですから。そうなれば、自治体病院がやろうと日赤がやろうと同じ機能を持つわけじゃないですか。それに譲渡、移譲の条件に差をつけるなどということは、私はやっぱりどうも納得しかねます。これ以上もう言いませんけれども、その点だけを指摘しておきます。
 それからもう一つは、この中身を見ますと、法案の第二条に「当該医療機関の職員が、当該資産の譲渡を受けて経営する医療機関の職員となることを伴うもののうち、政令で定める要件に該当するもの」というのがありますね。この「政令で定める要件」というのはどういうことを内容とするわけですか。
○川崎(幸)政府委員 移譲と申しますのは、職員とそれから建物を一緒に譲渡する場合でございますけれども、そういった場合に職員がどの程度引き継がれたらこれが対象になるかということを政令で定める予定でございますけれども、現在、二分の一以上を引き継いでいただいたら、この対象になるというふうに予定いたしております。
○村山(富)委員 統合の対象になっておる医療機関の職員、それから移譲の対象になっておる医療機関の職員の数はどれくらいありますか。
○川崎(幸)政府委員 統合、移譲含めまして、既に設立を見ております国立精神・神経センターの職員も含めまして約一万九千人でございます。
○村山(富)委員 そうすると、その一万九千人の職員が働いておる職場が統合あるいは移譲の対象になっておるというふうに考えていいのですね。そうしますと、今、仮に移譲の場合には、二分の一以上の職員がその医療機関について一緒に移譲されたという場合にこれは移譲になる、こう言っていましたね。そうしますと、統合された場合にはどうなりますか。統合された場合には、統合された医療機関で働いている職員はどういうふうになるのですか。
○川崎(幸)政府委員 統合された場合には、基本的には新しく統合された施設に勤務していただくことにしております。
○村山(富)委員 そうすると、一万九千人該当する職員がある。そうすると、今厚生省が計画しておる統合、移譲等を考えた場合に、どの程度の職員が移譲として残るというふうに想定されますか。
○川崎(幸)政府委員 御質問は移譲の場合だろうと思いますけれども、移譲のケースでございますと、これは移譲の対象施設が、移譲という作業が具体化した際に、その対象とか内容とかによりましていろいろな場合が出てこようかと思いますけれども、そういった段階で具体的に個々の職員の意向を聞きまして、それを尊重して対処いたしたいと思います。現段階で、移譲の場合にどの程度の職員が国立から新しい施設へ移るかというようなことは、私どもは見込みを立てておりません。
○村山(富)委員 それはちゃんと十年後を想定して計画を立てて、そして移譲しようというときに、一番肝心な、大事なそこで働く職員がどういうふうになっていくかわからぬというふうなことでは余りに無責任過ぎるじゃありませんか。しかも、仮に移譲された場合に、半分行くとしますと、Aという医療機関に百人おった、五十人採った、その五十人の中で医師、看護婦、事務職員、現業職員、いろいろおるでしょう。一体どういう職員が半分採用されて、あと半分残るのかというようなことだって皆目わからないでしょう。その場合に、その残った五十人なら五十人の職員はどういうふうに配置して身分を保障していくのかということ等についてはどういうふうにお考えですか。
○川崎(幸)政府委員 御指摘のように、どの職種がどれぐらい新しい経営主体に移るかということは想定しておりません。したがいまして、国立医療機関に残ることを希望した職員につきましては、職種は問わず他の国立医療機関に勤務していただくというふうに考えております。
○村山(富)委員 いや、他の医療機関に配置されたって、医療全体の総定員は定員法があるでしょう。同時に、各医療機関にはそれぞれの機能によって、基準によって人員が配置されているわけですよ。だから、加わっていく人間は余剰になるわけでしょう。それを入れるために、また仕事をふやしていくというなら別ですよ。だけれども、受け皿は同じだ。こうなってまいりますと、今の受け皿に必要な配置基準に基づいて人間はそれぞれ張りつけられているわけですから、余剰になるわけでしょう。そういう問題も起こるでしょう。
 同時に、例えば佐渡島とか離島の場合には、どこかにかわれといったってかわるところがないでしょう、通勤するところが。家庭の事情があったりして行けないということだってあるでしょう。そういう一番大事な職員の身分やらあるいは職員の持っているいろいろな労働条件やらがどうなっていくのか、さっぱり見当もつかない、わからないというようなことでは問題になりませんよ。民間企業だってどこだって、そういうような場合には、まず第一に、そこで働いている労働者の身分がちゃんと保障される、雇用も保障されるということを前提にして計画を進めていきますよ。
 大臣、これはやはりもう少し慎重にやってもらわなければ困る。どうですか。
○斎藤国務大臣 移譲先につきましても、その後医療にふさわしい移譲先を十分な話し合いを積み重ねながら決めてまいるということを申し上げているわけでございますので、その移譲を受けるべき医療機関がどのように決まってくるかということによって、内容が変わってまいると思います。その医療機関の意向、また現在おられる職員の皆さんの希望、これもあると思います。全員の方がその新しい移譲されるべき医療機関に移りたいということであれば、できるだけそのような努力をいたさなければなりませんし、またある方はそちらへは移りたくないというお話であれば、できるだけ他の国立医療機関に配置がえをして、国立医療機関における職員としてなお働いていただくという努力をしなければいけないと思います。そのようなことで、その実態といいましょうか、その固有のケースに沿って働いている職員の方々の身分保障が十分配慮されるように努力をしなければならないと考えております。今、そのような計画がないのはおかしいではないかというお話でございますが、それがまさに画一的に今決めて、それを推し進めていこうということを考えておるのではないという逆の証明にしていただきたいと思うわけでございます。
○村山(富)委員 いやいや、それはいろいろ言うたって納得しませんけれども、これだけ申し上げておきます。まず、本人の希望を最大限に尊重する。それからいかなる場合も、その身分と雇用は保障するということだけ約束できますか。
○斎藤国務大臣 希望を十分尊重して、そして身分の保障を十分確保していくということに最大限の努力を払ってまいります。
○村山(富)委員 もう時間がなくなりましたから、これでやめますけれども、今までいろいろ議論をした経過の中でも、いろいろな観点から考えて、やはり相当無理があるように私は思うのです。したがって、この再編・統合計画は決して強行はしない、あくまでも地元の関係者の理解と納得を得てやっていく、どうしても理解と納得が得られなくてできない場合には、国立病院として維持存続していく、こういうことについては間違いないですね。
○斎藤国務大臣 見切り発車をしてやっていくというような性格のものではないということをたびたび申し上げてまいりました。まさに話し合いを十分に重ね、大方のコンセンサスを得られるまで努力をいたしてまいる。その大方のコンセンサスが得られるまでは、これまでの国立病院・療養所はこれまでどおり存続をしていくということも当然であると思っております。
○村山(富)委員 これで終わります。
○堀内委員長 沼川洋一君。
○沼川委員 まず最初に、これは国立病院にも関連する問題でございますので、ぜひ大臣にお尋ねをいたしたいと思います。
 現在、B型肝炎が大きな社会問題になっておりますが、厚生省では、来年度予算要求の中で、国立病院・療養所の医療従事者を対象にしまして、ワクチン接種の予算要求をされておるようでございます。これはちょっと内容を見ますと、国立で一万四千人、予算総額が三億一千万、療養所で一万七千人、予算が三億六千万、合計三万一千人を対象に六億七千万の予算要求となっております。このB型肝炎につきまして、現在国内で三百万人のキャリアがいると言われておりますし、家族も含めると約一千万人いるんじゃないか、こういうことも言われておるわけでございます。このワクチン接種が一人二万円と相当高額でございます。これは健康保険が適用されないということで、この予算に組まれた以外の一般の人にとっては非常に大きな問題でもございます。
 実は、一昨日、大蔵委員会でこの問題が取り上げられまして、結局、保険が適用されないということであれば、医療費控除という形で検討されないか、こういう論議がございまして、大蔵大臣も、しばらく時間をかしてほしい、そういう答弁があったそうでございます。もともと健康とか人間の命を守るという分野は厚生省の分野でございますので、健保が適用されないという現状を踏まえて、ぜひひとつ厚生省から、大臣が、大蔵省に対して医療費控除ができるように申し入れをしていただきたい、このように思うのですが、いかがでしょうか。
○斎藤国務大臣 B型肝炎の予防対策といたしましては、正しい知識の普及とともにワクチンの接種が重要であると考えております。ただ、医療費控除の問題につきましては、B型肝炎のワクチンは、肝炎の予防のために用いられるものでありまして、一般的には、疾病の予防にかかわる費用については、医療費控除の対象とすることは難しいという現状になっております。しかし、御提案でもございますし、また医療費というものがいわゆる治療の医療費と今考えられておるわけでございますけれども、予防に関する費用、要するに予防医学ということを今後重視していかなければならない、そうして健康を守り、増進をしていかなければならないという、これから将来へ向かって考えるときに、予防に関する費用についても、税制面においてどのようにか配慮をしていく必要性があるのではないかと考えております。そういったような考え方を持ちまして、関係当局とも相談をいたしてみたいと思っております。
○沼川委員 大臣もよく御承知のように、健康保険の中で、特に国保がちょっとこれは引き受けかねる、そういうことからなかなか適用されないという背景もございますし、この問題は、ここで国保にやれというのも無理だということを前提にしまして、それならば医療費控除という形で今御答弁いただきましたので、ぜひそういう方向で強く要請をいただきたいと思います。
 それから、今回のこの国立病院・療養所の再編の問題でございますけれども、何回もこの委員会で指摘してまいりましたように、国立病院が今後のあり方として、高度、専門医療という分野に役割分担を明確にして進むという方向自体、これは私も決して否定するものではないわけでございますが、何回もこの委員会でも問題が出ておりますように、この法案は、一口で言うならば、総論賛成である、各論反対である、そういうふうに言えるのではなかろうかと思います。したがいまして、はっきり申し上げますと、この計画は国民的理解が得られているとは決して言えないのではないか。したがいまして、これは厚生省がねらいとする成果を上げるために、このような国民の声を無視して一方的に進めるようなことがあるならば、早晩この計画は破綻して、地域医療は混乱し、目的の国立病院の整備そのものも壊れるのではないか、こういう心配がございます。何回も出ておりますけれども、これを進めるに当たって、仮に通ったとしても、よほどこの問題を重視してやらなければいけないと思いますが、いかがでしょうか。
    〔委員長退席、浜田(卓)委員長代理着席〕
○斎藤国務大臣 先生も御指摘をいただきましたように、今回の国立病院・療養所の再編成についての趣旨につきましては、総論としてかなり多くの方々に御理解をいただけておるものと思っております。しかしながら、各論となり、また現実の問題となりますと、それぞれ地域の事情等あるわけでございまして、そういった地域の事情を踏まえて、その具体的対象の地方自治体初め関係者の皆様方に十分御理解をいただけるように努力を積み上げていく、そうすることによって大方のコンセンサスを得ながらこれを実施し、そして最終的には統合なり移譲を終わった後に、昔よりもよかった、国立病院の時代よりもよかったと言っていただけるような再編成を進めていくように努力をいたしたいと思っております。
○沼川委員 現実に進めていくに当たりまして、今も申し上げたように、地域住民の理解と協力がなかったらできるものではないと思うわけでございます。そのためには、何回も申し上げますように、十分な話し合いが前提にならなければならぬということは当然なことでありますが、そういう面から見ますと、今回の計画は単なるデスクプラン的な色彩をどうしても強く感じるわけでございます。いわゆる現実的配慮をどのように加味していくか、そして納得させていくか、こういう点で非常に努力に欠けているのじゃないかと思います。
 例えば、この前もこれは申し上げましたように、過疎医療と言われる離島とか僻地における国立病院・療養所の取り扱い、まだかなり距離が離れている施設の問題等が指摘されておりました。我が党の中村議員が指摘しました東京の例ですと、立川と王子が統合されるようですけれども、随分距離がございます。ほかにもこういう例がたくさんあるわけですね。ですから、統合問題に当たっては、地域の実情がそれぞれ違うわけですから、画一的じゃなくて、それぞれの実情をよく承知した上で対応していくという姿勢がどうも欠けているのじゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○斎藤国務大臣 この再編計画を発表をし、その方向で進みつつあるわけでございますが、まだ月日も浅いわけでございまして、これまでの努力が十分であったというふうには思っておりません。今後とも、今先生がおっしゃられるような観点に立って、十分な話し合いを積み重ねていくという努力を一層強力にやってまいりたいと考えております。
○沼川委員 今回の再編成でございますけれども、国立病院・療養所の今後に向けてのいわば大きな方針の転換でもあるわけです。
 一方、これは各県で進められております地域医療計画との整合性という問題で先般も質問をいたしました。厚生省の答弁では、十分にその辺は連携をとりながら考えておりますということですけれども、実際に各地域のいろいろな問題を拾い上げてみますと、この前の新潟県みたいな例がございます。ベッド数がむしろ足りないところが撤退して多いところに移るとか、そういうのがまだ相当あるような資料もございます。したがいまして、この辺について非常に地元では不安があるのじゃないかと思うわけです。
 さらにまた、ナショナルホスピタルとしての国立医療機関が地域の医療の中で本当に頼れる国立にならなければ何も意味がないわけでございまして、そのために地域サイドにおいても、積極的に国立に対する連携と協力関係を求めていくような国の誠意を期待したいわけでございます。率直に言って、これまでの国立医療機関がこれにこたえてきたかというと、決してこれは十分とは言えないと思うわけでございますが、今回の再編成で描いている国立病院・療養所の姿というのは、こういう観点で見た場合、どういう姿を考えていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。
○川崎(幸)政府委員 国立病院・療養所が地域で本当に頼りになる医療機関になるというためには、今回の再編成で申し上げておりますように、国立医療機関として果たすべき役割というものを明確にして、その機能の充実を図っていこうということでございます。国立医療機関が果たすべき役割としましては、高度あるいは専門的な医療を実施すると申し上げておるところでございますけれども、さらに地域の医療従事者の教育研修あるいは地域での医療機材の共同利用、こういったものも実施していく考えでございます。こういったものを通じまして、地域との密接な連携を図って、地域の期待にこたえられるような国立医療機関にしていきたいというふうに考えております。
○沼川委員 今回の再編成で国立病院・療養所が今後より広域を対象とする高度、専門医療を担えるように個別病院の強化を図っていく、こうされておるわけでございますが、私は単に個々の病院がこれにふさわしいものとして整備をされるとしましても、これだけで果たして国立に値するかどうか、これは若干問題だとは思うわけでございます。国立の国立たるゆえんのものとして、国立病院の連携あるいはネットワーク化が今後の重要な課題であると考えるわけでございますが、特にこれからの社会はますます情報化が進むことは明らかでございまして、オンライン化の積極的な導入などによりまして、国立としての総合的な力を高めていきますとともに、このノーハウというのを地域の医療機関にも利用できるようなシステムづくり、これが非常に重要な課題になってくると思いますけれども、この点いかがでしょうか。
○仲村政府委員 先ほどもちょっと触れたわけでございますが、おっしゃるとおりに、私どもの国立医療機関が国立全体といたしましてネットワークを組んで、難病の治療研究でございますとか、画像診断についていろいろな分野で研究をするということも非常に必要なことだと考えておりますし、ただいまございましたような地域の医療機関との提携も、例えばオンライン化を図ることも考えられましょうし、画像診断で相互に利用し合うということもあり得るわけでございますので、私どもも今後国立病院の機能をそういう面でも強化を図ってまいりたいと思うわけでございます。情報化の時代でございますので、医療費の適正化とか効率のよい医療ということでの国立病院が研究的な先駆的な診療をやるということも必要でございますし、地域の医療機関と機能連携をするということも非常に重要でございますが、その技術的な問題といたしましては、例えば情報化の内容でございますとかいろいろ工夫をして、今後ともできるだけ高度なあるいは中核的な機能を保持してまいりたいと考えております。
○沼川委員 私どもは今回のこの再編成の計画に当たりまして、何回もこの委員会でも指摘されますように、これは行革の一環としてスタートしておるだけに、やはり医療費削減の財政対策じゃないか。これは何回も指摘したわけでございますが、そのたびごとに厚生省では、決してそういうものではありません、あくまでもこれは国立らしい機能を果たしていくための充実強化を図るものだ、こういう答弁が繰り返しなされてきたわけでございますが、私はこの再編成を進めるに当たって、これは相当膨大な資金が必要ではないか、こう思うのです。スクラップ・アンド・ビルドということで相当おやりになるということですが、とてもそれだけで実現できる問題ではございません。そういう点考えますと、将来財政的に破綻するような心配がないかどうか、この辺はいかがでしょうか。
○川崎(幸)政府委員 たびたび申し上げておりますように、今回の再編成計画といいますものは、国立病院、療養所を国立にふさわしい役割が果たせるように整備をしてまいりたい、単に財政対策のために行うものでないということは申し上げてきたところでございますが、御指摘のように、その再編成の際には種々の施設整備等も伴います。しかしながら、医療施設は逐次その内容の充実を継続してまいらなければならないものであるということも、これは御承知のところでございますけれども、そういった医療施設でございますので、長期的に見ますと、現状のままの形で整備を続けていくよりは、この際、再編成によりまして、統合すべきものは統合するし、移譲すべきものは移譲して、国立にふさわしい医療機関として整備していくことが効率的な整備であろうと考えておるわけでございます。
    〔浜田(卓)委員長代理退席、委員長着席〕
○沼川委員 時間が余りございませんので、次の問題に移りたいと思います。
 今回のこの再編成、これは二十一世紀に向けてのものである、そう言いながら、果たしてそれにふさわしいビジョンであるかどうか、どうもこの辺にひっかかるわけですよ。例えば国立だけが役割分担を明確にしということですけれども、地域にはやはり公私立医療機関の中に高度、専門医療を現に行っている病院もあるわけです。だから、何も国立だけを特別にしなくて、その辺を含めたもっと総合的ビジョン、こういう対応がどうも十分詰められていないのではないかという気がいたします。また、ただ単に施設の統合、国立の切り捨て的な感じがどうもぬぐい去れない気がするわけでございます。再編成ということは非常に結構なことです。その再編成という美名のもとに、過去にも行われてまいりましたような単なる施設の数減らしに終わってしまうおそれが多分にあるというところに強い反対もあるわけですが、今後さらに国立のあり方について精力的な検討がまだまだ必要ではないかと私は思います。再編成を行えば、いかにも立派な病院になるような幻想を国民に抱かせて、先ほど大臣が御答弁なされましたように、昔よりよかった、そう言えるのだったら結構なんですが、ただ、いかにもよくなるという幻想だけを抱かせて、結局はその努力が行われないとするならば、今後国立はますます国民から見離されてしまう、こういう点も心配するわけでございます。ですから、これだけ反対が強く、国民を騒がせておる問題であるだけに、一過性の打ち上げ花火に終わってしまったのでは、結果的には国民を裏切ることになるわけです。そういう意味で、厚生行政の責任者であります大臣として御答弁いただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 今回の国立病院・療養所の再編成が、まさに国立医療機関としてふさわしい任務を果たしていけるように、こういう考え方に立って多くの皆様方に御理解を十分得つつ進めていかなければならないことである。そして、そうすることによって国立病院・療養所が今以上に国民の皆様方の信頼と期待にこたえられるような、そういう医療機関に前進をさせてまいるということが必要であります。これは今御指摘のように、今回の再編成を行うということだけではなくて、それに付随した国立医療機関の充実ということをいっときも忘れることなく図ってまいる、こういう必要性があると考えております。
○沼川委員 それから、先ほど職員の問題がいろいろ指摘されておりました。確かにこれは職員の理解と協力が前提にないと、この再編は進みません。大臣は御答弁の中で、だからこそ画一的にやらないで、今いろいろと検討しているんだとおっしゃいましたけれども、例えば技術職員の場合は幾らかまた進め方もあると思いますが、そうでない方もたくさんいらっしゃるわけです。そういう内容にもっと踏み込んで、もうちょっと具体的な計画を示していないところに、やはりその中から理解を求めることができないのじゃないか、こう思っておりますけれども、いかがでしょうか。
○斎藤国務大臣 この再編計画を実行してまいります場合に、働いておられる職員の方々の身分を安定させ、生活に不安を持たせないということは非常に重要なことであると考えております。
 統合をいたします場合には、原則として統合後の医療機関に移っていただくわけでございますけれども、御希望によって他の医療機関、他の国立病院等に勤務したいという方については、できるだけ配慮をいたしたいと考えております。
 また、移譲いたします場合には、移譲先へ移られる、もしくは移らずに他の国立病院で働きたい、いろいろな御希望があろうと思います。そういう御希望にもできるだけ十分こたえていけるように努力をいたしてまいりたい、こんなふうに考えております。
○沼川委員 今もまた大臣いろいろ御答弁されたわけでございますが、はっきり申し上げて、その点に不安があるということはしっかり頭に入れて取り組んでいがなければ、これは実現できないのじゃないかと思います。これは厳にあえて御指摘申し上げておきます。
 それから、これまた先ほど問題になったことでありますが、統合に伴って移譲あるいは譲渡、こういう問題を見ましても、自治体に対しては無償、その他のいわば公共医療機関に対しては七割とか譲渡にいろいろと条件が違っている。私も先ほどの村山先生と同じ意見ですが、国が撤退するというのですから、要は、その後も国がきちっとした責任を持って、より以上の後医療を確保できるような対応がなされたら、地域住民の不安はなくなると思うのです。問題は、それがないところにいろいろと不安があり、国のこういう施策に対する強い反発があるわけでございますので、もっと現地の実情に合った形でぜひひとつ御配慮いただきたいと思います。この辺について御答弁は要りません。
 またさらに、統合に伴う施設等の後利用については、施設が比較的新しいものがあるわけですね。私のところの熊本の三角病院なんかまだ新しい病院なんですね。そういう利用及び活用が図られないまま財産のむだ遣いのようなことが起きないように、これはあらゆる工夫を凝らしながら対応していくことが必要である、このように私は考えるわけでございますが、この点につきまして、本当に遺漏のないように地域の実情に応じた対策というのをしっかり考えるべきだ、こう思いますけれども、いかがでしょうか。
○川崎(幸)政府委員 全く御指摘のとおりでございまして、再編成を具体的に進めます場合には、統合に伴います施設等の後の利用については、地元の自治体等と十分話し合いながら、地域の実情に合いました有効な活用を図っていくということが必要であろうと思います。御指摘の御趣旨を踏まえまして進めてまいりたいというふうに考えております。
○沼川委員 今回のこの再編成でございますけれども、これは我が国の医療供給体制に極めて重大な影響をもたらすことは間違いございませんし、地域住民にとりましても、これはもう大変な不安と動揺を与えているということは、何回も申し上げましたとおりでございます。したがいまして、この地域住民に対する対応につきましては、その声をやはりもっと真摯に受けとめて、地域医療にいささかも重大な支障がないようにしなければならないことは当然でございますけれども、国立病院にはそれぞれに非常に長い歴史がございますし、どの病院を見ましても、完全にこれは地域の医療機関の中核として地域の中心拠点となっているところばかりでございます。
 そういうふうに、国民生活に非常に密着した問題でございますだけに、これを進めるに当たって、私はむしろ厚生省だけの問題ではないのではないか、これは政府全体の問題としてのそういう取り組みがなければ、この実現はとてもじゃないけれども不可能だ、こういうふうに考えますが、大臣の御所見をお聞かせください。
○斎藤国務大臣 国民の医療ニーズに適切に対応するためには、公的医療機関、民間医療機関を含めた医療施設相互間の連携を密にし、それぞれの医療施設が果たしている機能が十分発揮されるよう地域医療のシステム化を図ることが肝要であると考えております。
 このような考え方に基づきまして、現在各都道府県におきまして、地域の実情に即した地域医療計画の作成、推進が図られているところでありますが、再編成の実施に当たりましては、地域医療計画との整合性を図りながら進めていくことがまず必要であるというふうに考えております。
 また、御指摘のように、再編成を進めるに当たりましては、政府部内におきまして予算、定員の問題を初めといたしまして、養護学校等の問題など各省にまたがる問題も数多くあるわけでございますので、関係各省と緊密な連絡をとってやらなければならないと考えております。
○沼川委員 前回も指摘いたしましたけれども、いかに地域住民がこの問題に対して不安があり反対の声が強いかという一つの一番いい例が、地方自治体の九割を超える二千九百九十八の市町村議会が国立病院・療養所の存続を求めて反対の決議を行っている。これは何としても一つの住民反対の事実でございます。
 そこで、これらのそれぞれの地方議会に対して、理解が求められていないという前提に立って、今後国から出かけていってでも話をする、納得を得る、こういう努力をなさるのかどうか、お尋ねしておきたいと思います。
○斎藤国務大臣 先ほどから申しますように、今回の再編成の趣旨については大方御理解をいただけるものと思うわけでありますけれども、具体的事例になりますと、それぞれの地域の問題があり、具体的に統合がどのような姿になるのか、後医療を必要とするならば後医療がどうなるのか、また移譲する場合には、どんな先にどういう形で移譲されるのかというような点において非常に御不安をお持ちであるということを十分理解をいたしております。でありますがゆえに、具体的な地域における地方自治体初め関係者の皆様方に十分な話し合いをさせていただき、御理解をいただき、そして進めていくという姿勢が最も大事であるというふうに考えております。
 また、今回御審議をいただいておりますこの特別措置法を成立させていただきますならば、移譲先やら後医療の問題等についても相当円滑に進んで、そうすることによっていろいろな不安も解消されてくることになっていくのではないかというふうに考えております。先生御指摘のように、私ども全力を挙げて地元の皆様方に御理解を得るよう一層努力をいたしてまいります。
○沼川委員 最後に一言お尋ねをしておきたいと思います。
 御案内のように、国民医療費の総額が厚生省の六十二年度の推計で十八兆円と言われております。これが二十一世紀に向かって、昭和七十五年には十八兆円が四十四兆七千億になる、こう言われております。現在この十八兆の中で既に三兆六千億が国庫負担だ、四十四兆七千億になった場合の国庫負担が九兆六千億になる、厚生省の資料を見ますと、こういう数字がいろいろと出ております。
 最近、国の財政問題もあって、医療費の削減というのが国の至上命令といいますか大きな課題であることも事実でございます。したがいまして、今回のこの国立病院の統廃合が、ただ単に何としてでも医療費を削減しなければならぬ、そのためには統合をやらなきゃならぬ、言ってみれば、統合というのはそのために掲げた一つのものであって、本来のねらいは医療費削減にあるのじゃないか、こういう声が国民の間にはございます。これは何回も議論しましたので、決してそうじゃない、ちゃんとした国立の役割分担、機能を整備強化して、医療の中心拠点として本来ふさわしい国立病院にしていくということを何回も申されておるわけでございますが、くどいようでございますが、最近の一連の国の対応を見ますと、老人保健法の改正にしてしかり、健康保険法の改正にしてしかり、医療法の改正にしてもしかり、その根底に流れているのはみんな医療費削減であり、国の財政が厳しいからということを理由に進めてこられた中の一環じゃないか、こういう点の国の医療政策に対する不信感が根強く国民の間にあることも事実でございます。
 最後にその点、もう一点だけお尋ねして、終わりたいと思います。
○斎藤国務大臣 今回の国立病院・療養所の再編成が赤字対策やら医療費の抑制ではないということを何回か申し上げてまいっております。事実、これも何度も申し上げておりますように、今日本全体の中で六%を占める国立病院・療養所のベッド数でありますので、この再編成だけで全体の医療費が抑制されるとは思えないことも御理解をいただけることと思うわけでございます。それよりも今回の国立病院・療養所の再編成をもって国立医療機関にふさわしい、そして国民の皆様方に一層信頼、期待をされるような国立病院につくり変えていこう、こういう意気込みでやっていることを御理解をいただきたいと思います。
 また、医療費全体の問題につきましては、確かに高齢化が非常に速いスピードで進む中で、今後とも医療費の増大というものは避けて通れないものであろうと考えております。しかしながら、そういう長寿社会に向かって、その長寿社会にふさわしい医療供給サービス体制、また良質な医療を供給するという観点からの見直しなり改革というものは、一日も怠ることはできない、そしてそうすることによって、結果として医療費が適正なところにおさまってくるということが一番いいことである、このような考え方に立って私どもは日々努力をさせていただいておるところでございます。
○沼川委員 時間が参りましたので、終わりたいと思いますが、一言で申し上げますと、今回の計画は、国立の機能、役割分担そのものは決して否定するわけではありませんけれども、これを進める大前提であるところの地域住民の理解が十分得られてない、そういう面で努力が非常に欠けている、いろいろな面で内客を見ますと、不安を持たれるのは当然だと思います。そういうことからこの法案に私どもは反対であるということを申し上げて、私の質問を終わります。
○堀内委員長 田中慶秋君。
○田中(慶)委員 今回提案されております国立病院の統廃合問題についてでありますけれども、何回か指摘を申し上げたように、この法案は行革関連法案の一環として位置づけられ、臨調答申の中での国立病院の整理統廃合の問題以外の何物でもないと思います。私は、医療や福祉というものは、ただ行政改革だからという形で、健康あるいは福祉というものがそんな形で位置づけられては困ると思うのです。国民の生命財産というのはもっと大切なものであろうと思っているわけであります。今回の法案についても、三十七の県、二千九百九十八の市町村が反対をしている。それはやはり今申し上げたような理由からだと私は思います。
 同時に、昭和二十七年に国立病院のそれぞれ整備あるいはまた医療圏の確保という問題を含めながら移譲計画をされても、六十の移譲計画で進んだのはわずか十、さらにまた六十一年度のパイロット計画においても、そのことは遅々として余り進まないであろう、こんなことを考えたときに、厚生省内部でもさまざまな議論をされたということも承っておりますが、こういう一連の中で、現答申のプログラムがどのような形で考えられているのか、どのような形でこの進行をこれからされていくのか、私は大変疑問であります。この辺について御答弁をいただきたいわけであります。
○斎藤国務大臣 行政改革は、行政の簡素化ということのみならず、時代に適応した、また将来を見据えた国民のニーズをいかに行政の中でこなしていくかという観点からも行政改革を行わなければならないわけでありますが、今回の国立病院・療養所の再編成というものも、そういった観点からとらえられる行政改革の一つであろうと思うわけでございます。厚生省といたしましては、これまで、今後来るべき長寿社会に向かって揺るぎない社会保障制度を確立いたしてまいるために、老人医療、また医療保険制度、年金、こういった問題について、その制度の基本にかかわる改革を幾つか行わせていただいてまいりました。また社会福祉の分野等におきましても、機関委任を行うというようなことを行ったり、いろいろと行政改革の線に沿って実行いたしてまいりました。また厚生省の機構等についても、衛生三局の改革を行ったりもいたしてまいりました。今後とも中長期的な観点に立って、医療保険、年金の改革を進めていかなければならないというふうに考えておるところでございます。
○田中(慶)委員 先ほどから申し上げているように、厚生行政というのは単なる行政改革の中でスクラップ・アンド・ビルドという形ではまいらぬと思うのです。少なくとも、それは福祉という問題や生命財産という問題に大変な影響力のあるものですから、そういう点では大臣のおっしゃられることはよくわかりますけれども、国民のニーズというのは、これだけ反対されていると、今大臣が言っているニーズに本当にこたえることになるのかどうか、いささか疑問であるわけです。
 そういう中で、例えば今度の再編成計画、一たんこういう機構ができてしまいますと、これをもとに戻したりあるいはまた手直しするということは大変難しいと思います。特に厚生行政というのは、そういう点で、今おっしゃられたように、高齢化社会が進む中で時代に即応した厚生行政をしていきたいという大臣の考え方はわかりますけれども、一回決めてしまうと、そのことにどうしても行政というのはとらわれがちであります。そんなことを考えたときに、全般的にこれからの体系づくりというものが一番必要であろう。ですから、福祉の問題、医療の問題等々を含めて一つの機構ができてしまうと、そのことだけにとらわれて、なかなか現実には、これからの二十一世紀、まさしく高齢化社会が来るときに、本当の医療はどうあるべきか、国民負担がどうあるのか、役割分担をどうするのか、こういうことを含めて、財源を中心にこんなことを考えないで、やはり厚生省というのは、全般的に国民の福祉や医療や生命ということを基本的に考えていただきたい、私は今回の統廃合問題を考えながら、こんなふうに考えているわけであります。
 再度大臣の答弁をお伺いしたい。
○斎藤国務大臣 厚生省の行政機構の問題であるというふうに思いますが、先生御指摘のように、常にその必要に応じて見直しを行い、時代の変化や行政需要に即応した機動的、弾力的な対応が必要であるというふうに考えております。厚生省といたしましても、昭和五十七年に老人保健部というものを創設させていただきました。また昭和五十九年には衛生部局を再編成いたしまして、保健と医療の総合化、政策立案機能の強化を図ってまいったところでございます。今おっしゃられますように、その時代のニーズに対応するような行政機構の見直しというものは、常に念頭に置いてやってまいらなければならないと考えております。来年度におきましても、厚生省の機構等について、現状から将来に向けて必要な改革を行うべく、現在鋭意検討させていただいておるところでございます。
○田中(慶)委員 いつも私はこの一連の問題を考えて心配なのは、法律ができてしまうと、法律のひとり歩きというのが絶えず議論になるわけであります。今回の国立病院の統廃合問題についても、これで法律ができてしまうとひとり歩きするのではないかという心配がある。
 先ほど来あるいはまた今日までの質疑の中で、大臣としての考え方はわかるわけでありますが、そういう中で一番心配しているのは、地域の実情はどうなっているのか、住民の意思はどうなっているのか、職場環境はどうなっているのか、こういうことを含めて国立病院の統廃合というものが一方的に行われるものではないと私は信じているわけであります。この辺について、私は明確に大臣の口から、心配は要らないよ、無理は絶対しない、地域や住民の意思や、そこに働いている人たちの意思というものを完全に尊重するということを断言していただきたい。
○斎藤国務大臣 私どもが考えております、そして実施してまいろうといたしております国立病院・療養所の再編成計画と、そして現在御審議をいただいております法律、それはそれぞれのものであるというふうに考えております。現在御審議をいただいておりますこの特別措置法が可決、成立をさしていただきましたからといって、再編成計画全体についてお墨つきをいただいたというものではないということは十分理解をし、また私も今まで申し上げておるところでございます。
 ただ、この特別措置法を成立させていただきますならば、この再編成計画を実行していくために、地域の医療を十分に確保していくという意味において大きな役割を果たしていただける。またこれを実行します場合に、地域の皆様方がいろいろ不安を持たれる、その不安を解消していくための医療の確保というものに明るい展望が出てまいる、こういうことになろうと思うわけでございます。あくまでも再編計画を実行いたしてまいりますためには、地域の皆様方とのお話し合いを十分積み重ね、そしてできるだけの御理解を得ながらこの計画を進めてまいる、これが一番の基本であるというふうに考えております。
○田中(慶)委員 ぜひその精神を忘れないでほしい、これは要望しておきたいと思います。
 そこで、実は私もかねてから指摘をしておきましたけれども、医療という中で、都道府県の地域医療計画というものが――今回の政府の整理統合計画に無理強いがあってはならない、差があってはならないと思うのです、はっきり申し上げて。地域医療計画がこれから現実に、昨年までですか、できたのは五県だったですね、今七県ですか、こんな形であるわけですけれども、これから地域医療計画が策定されるときに、今回の国立病院の位置づけなりそういうものを明確にマップの中にちゃんと落として、そしてそのことが地域医療計画のベッド数やあるいはまたそれぞれの中枢的な役割を果たせるように十分配慮していかなければいけないであろう、私はこんなふうに考えているわけです。その考え方は、今でも厚生省の中にそういう指導的な役割が必要であろう、私はこんなふうに思っているわけです。
 ただ、出せという形だけではなくして、国立病院の現在の役割、位置づけ、そういうこと等々含めて全体的にする必要があるのではないか、こんなふうに思いますけれども、御答弁をお願いしたい。
○斎藤国務大臣 国立病院・療養所の担うべき役割ということを何回か申し上げておりますが、その役割というのは、全体の地域医療の中でどういった分野を分担をしていくか、そして他の医療機関との連携、役割分担を図りつついくということでなければならないことは当然であります。
 各都道府県におきまして策定をしていただいております地域医療計画の中には、この国立病院・療養所の考え方というものを十分御理解をいただき、これを取り入れていただきながら整合性のあるものとして地域医療計画が作成されていくよう私どもも十分な努力をし、調整を行ってまいらなければならないと考えております。
○田中(慶)委員 そこで、今回の国立病院統廃合問題等の中で、今後の後医療の問題で地方移譲、譲渡、こういうことが大きなポイントになっているわけであります。しかし、今回のこれらの後医療の問題が、要は厚生省が幾ら立派な計画を立て、幾らマスタープランをつくったところで受け皿がなければ何にもならないわけであります。まさしく厚生省のプランそのものが、現実問題として過去にも昭和二十七年、このような形で経験されているわけでありますから、そこにやはり幾つかの問題点があったのだと思うのです。
 それは、地方自治体の医療そのものが、現在自治体病院は赤字なんです。ですから、さらに移譲や譲渡に協力してくれといっても、先ほどの二千九百九十八というこの例を見ても、余り積極的ではない。あるいはまた日赤を初めとする公的医療機関においても、現在の割引率からして十分ではない。きょう修正案は出ましたけれども、やはりこういう一連のきめの細かさがないのではないか。本来ならばスクラップ・アンド・ビルド、そしてまた全体的な医療、皆さんが言われているように、その地区で本当に喜ばれるような医療体系をつくるということであるならば、もっと民間の人たちもこれに参加できるようなことが必要であろう。そして詰めていくと、必ず財政問題、大蔵当局の問題、みずからつくった計画が、最後は国有財産の払い下げだから、こんな形の中でそこに大きなハードルができてくるわけでございます。そういう点では、今回のこの計画もまた同じようなことの繰り返しになりはせぬか、こういう心配があるのですけれども、その辺はどうです。
○川崎(幸)政府委員 特別措置の内容につきまして、先生の御意見、非常に現実に即した考え方につきましては、私どもも大変理解できるところでございます。実際、今後の展望を考えた場合に、その期待性といった観点から見ましても、先生の御指摘はなるほどごもっともと思われるところもございます。私どもといたしましても、今後十分先生のそういった現実に即したお考え方を踏まえまして進めさせていただきたいと思います。
○田中(慶)委員 大臣、ぜひこれだけは心していただきたい。あなた、はっきり言って大蔵省の下請をやっているのじゃないですからね。厚生省という立派な省を預かっているのですから、国民の医療や福祉、こういう大切なことを預かっているわけですから、それはむしろ皆さん方の正しい考え方で、将来の医療がこうあるんだという信念があるならば、大蔵省をねじ伏せてもそのことはちゃんと皆さん方の信念を通すべきだ、私はそう思うのです。
 ですから、今回の整理統合、あなたはかねてから財源対策の一環ではない、こういうことを主張されていたわけですけれども、国民はそう思ってない。行革の一環、こんな形の中で財源が、医療費がかさむから、赤字を一般財源を含めて補てんをしなければいけないから、こんな形で今回の整理統合といいますか、統廃合計画が進められているんだろう、それはどうしても払拭できないことだ、こんなふうに思うのです。それははっきり言って、あなたたちのPRも悪い。そうでしょう。皆さんが、地元の人も、その病院も、数字的に見てマスタープランでしか追ってないから、こういう問題が出ているわけです。地元がどういう状態になっているのか、その病院がどうなっているのか等々を含めて、こういうものはやはりきめの細かさが必要であろう、こんなふうに思うのです。ですから、あくまでも皆さんが毅然たる態度で、おれたちは大蔵省の下請じゃない、厚生省として、あなたがおっしゃるように、財源ではないんだ、本当に国民の医療を真剣に考えているんだ、こういうことであるならば、もう一回この辺についてあなたの毅然たる答弁をちょうだいしたい。
○斎藤国務大臣 今回の国立病院・療養所の再編成が、まさに国立医療機関の赤字対策や財政対策でないということはしばしば申し上げてまいっておるところでございます。そして国立病院・療養所が国民の皆様方の一層の期待と信頼にこたえられるように、そして今後、将来にわたっての日本の医療供給体制の中で、国立病院にふさわしい分野を担当できるように、そういう国立病院・療養所に再編成をしてまいりたいという意気込みでやらしていただいております。そのために必要な財源、また日々の国立病院・療養所の整備充実というような点についての財源、こういったものについては十分確保いたしてまいる、こういう覚悟でございます。
○田中(慶)委員 時間もあとわずかであります。例えば、今回も移譲、譲渡しても、それぞれ補助をできるということしか書いてないね。それだったら、補助をできるという形じゃなくして、少なくとも補助率を明確にするとか、あるいはまたはっきりとそういうことも含めてちゃんと明確にする必要があると思うのです。
 今大臣は、これからの医療を考えて、充実すべきは充実する、補てんすべきは補てんする、助成すべきは助成するということを言われております。そういう点で、私は今回一番問題なのは、地方自治体も民間も全然見向きもしないような離島や山間僻地の医療というものが、今回この再編成計画に入っているということはどうしても納得がいかないわけです。国民の医療、こういうことにかんがみて、むしろ国がみずから十分に医師の確保や、あるいはまたそれぞれの施設の充実を図られるべきであろう、こんなことを主張しておきたいと思います。どうかその辺について最後のまとめとしての決断をお示しをいただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 その前に、離島や僻地の国立病院・療養所の問題でございますが、離島や僻地の医療を確保するということは非常に重大なことであると考えております。しかしながら、国立病院・療養所それ自体がやらなければならないかどうかということについては、異なる意見を持たせていただくわけでありまして、できるならば、地域の自治体がこれに責任を持っていただくということがいいのではないか。そして厚生省といたしましては、その離島や僻地の医療が十分確保できるように支援体制を強化することが必要でなかろうかというふうに考ております。
 今回のこの国立病院再編成が、まさに先生がおっしゃっていただくように、国民の皆様のために、国民の医療を向上するために、そしてその中で国立病院・療養所が果たしていく役割を十分に発揮していけるように、こういう観点からぜひとも進めさせていただきたい。そしてその進めていく過程においては、関係の皆様方とも十分話し合いを積み重ね、コンセンサスを得ながら進めていくということといたしたいと思っております。
○田中(慶)委員 時間が参りましたので、私の質問はこれで終わりますけれども、あくまでも今度の再編計画というのは、私どもは大変無理があると思っております。そしてまた山間僻地の問題等々含めて、まさしく国立病院としての役割は、大臣とは考え方を異にしております。
 そういう意味を含めて、たまたまこういう行革だからやるという形じゃなくして、少なくとも医療、福祉というものを守るために、今回の計画は大変無理がある、こんなことを御指摘を申し上げながら、これは私ども民社党、反対をさせていただきたいと考えております。
 以上で終わります。
○堀内委員長 田中美智子君。
○田中(美)委員 今までの委員会でも、また当委員会でも、大臣は、しばしば地元の関係機関、また職員団体等の御理解をいただくための話し合いを十分にやって進めるということを言われました。この言葉について疑うわけではありませんが、口はただ、言うのはただだからという観点から、ちょっとお伺いしたいのです。
 共産党・革新共同の議員団は、今までに八道府県のこういう病院・療養所を手分けしまして調査してまいりました。その結論ですけれども、ここで共通しておりましたことは、全日本国立医療労働組合、略して全医労と言っておりますが、この労働組合に全部問い合わせましたところが、例えばそれぞれ名前が書いてありますが、「統合病院の機能等について(案)」というこういう紙切れですね。これをそこの病院の院長からもらっただけだというのですね。それでびっくりいたしまして、この全医労の方や支部の方たちがその地方の医務局にこれはどういうことなんだと聞きに行った。ところが具体性が全くないということです。それで、じゃ医務局の方から来てくれるか、大臣がおっしゃるように、本庁の方から組合に十分な御理解をいただくように話し合いがあったか、一度もないというのですね。これでは今大臣の言われているお言葉というのは、これからということなんでしょうか。こういうことを改善して、きちっと全医労に対して一致ができるようなところまでの話し合いを十分にしていただけるのかどうか、具体的、簡潔にお願いいたします。
○川崎(幸)政府委員 今後再編成の作業を具体的に進めていく際には、必要に応じて職員団体に対しましても説明をし、話し合いをしていくつもりでございます。
○田中(美)委員 私、大臣に聞いているのです。
 それで、全医労という労働組合はきちっとあるわけですから、やはり固有名詞を使って、この全医労にちゃんと話をするのだ、理解を求める努力をするのだ、大臣、お答えください。私は大臣に聞いているのです。
○斎藤国務大臣 これまで再編計画を決めてはおりまするけれども、特に一昨年発表いたしました第一次ともいうべき八カ所につきましても、現在三カ所ないし四カ所程度が若干動きかけておるという状況であります。それぞれの具体的事例を考えますと、それが実行し終わるまでを一〇〇とすれば、八〇%まで進んでいるようなところはまだないわけでありまして、二割ぐらい進んだかなというのがその三つないし四つぐらいということであります。
    〔委員長退席、浜田(卓)委員長代理着席〕
 でありますから、そういう道のりの中でのお話し合いをその道のりに応じて行っていくということでございますので、まさにこれからだんだんと五合目まで行き、七合目まで行きという段階に即応して、全医労の皆様も含めて十分なお話し合いをしてまいりたいと思っております。
○田中(美)委員 もう一つ、指針にありますように、管理者というのは病院長だというように思いますが、この病院長も調査の結果、やはり紙切れ一つが送られてきただけだというのですね。その後具体的にこういうことをやるんだというようなことは何も話がない。たまたまある病院長は、県庁に行きましたら、そこで何か図面ができていて、こういうのがあるよというのを見せられたというのでびっくりしているということですね。それからある院長は、あなたの病院では、こういう高度医療をするように将来したいと思いますよ、こういう話はされたけれども、療養所が統合されて入ってくるという話は全然聞いてないというのですね。それからこういう案ができる前、これを送ってくる前に、病院長に対して事前の相談も意見具申の要求も何にもないというのですね。それで新聞などに次々と第三地点、例えばこれは田辺・白浜の案なんですが、第三地点の土地が買われた、これを調印した、こういうことが新聞に載るわけです。しかし病院長はそういうスケジュールは全く聞いてないというのですね。これで十分な御理解や計画をお話ししたということにはならないでしょう。こういうことがないようにきちっと話ができるのですか。大臣、一言でいいですから、できるかできないか、やるかどうか。
○斎藤国務大臣 いろいろなお話し合いの過程でございますので、いろいろな意見交換をいたしておると思います。ただ、病院長としても、こういうふうに決まったといって公におっしゃるという段階でないというような問題もいろいろあるのだろうと思います。でありますので、公的、私的いろいろな場面を通じて意見交換をし、十分な話し合いをしていくということであろうと思います。
○田中(美)委員 大臣も一遍病院長に聞いてみたらいいのですよ。意見交換しているだろうと思います、だめですよ、上に座っているだけでは。現状は聞いていないのですよ。ですから、ほとんどの病院長が言っているのは、厚生省本省と地方医務局と直接話し合えないのはまことに残念だ、私たちが行ったところの八道府県の院長はそういうふうに言っているのです。あるところの院長は現代の七不思議であると言っているのです。厚生省のこの統廃合を進めていく上の基本指針に、管理者及び職員団体、労働組合、今の場合は主に全医労に対してですが、計画の円滑な遂行に双方の協力が得られるようにこれをやると言っているのに、この段階になっても、こうやって院長自身が話し合うことさえできないのが残念だ、現代の七不思議だと言っているのですね。
 こんなめちゃくちゃな、自分たちで決めておいて、これをやるぞと言って、話し合いもしないでばっと進めていく。これはファッショ的なやり方だと地域の人たちも思います。もちろん労働者も思いますし、院長だってそういうファッショ的という言葉は使っておりませんが、不思議だとまで言っているのですね。だから、先ほどから出ておりますように、全国の地方自治体二千九百九十八が反対決議をしている。中身が何もわからないわけですからね。バラ色のを出しても、全然桃色も何もわからないわけですからね。これではだめなので、今後とも十分に話し合いを進めていくと言っておられるわけですから、これは納得して話し合いが進むまでは、見切り発車はしないと言われたわけですから、見切り発車は絶対に許せないと私は思います。
 それで、もう一つ申し上げたいことなんですけれども、院長がこのように何も知らされていないわけですから、そこに働く労働者は、労働組合の方たちは、我々の身分はどうなるのだという形で団交しようと思っても、団交する相手が何も知らないのです。自分たちの生首は飛ばされないのだろうかとか、差別はされないのだろうかとか、自分たちの意見が尊重されるのだろうかとか、いろいろな嫌がらせや何かをされて、実際にはみずからやめていかなければならないようにされるのじゃないだろうか、こういう心配が満ちあふれているわけですね。ですから、毎回この委員会に傍聴者がいっぱいになるということは、いかに心配をしているかということなんです。その人たちは一体だれと話し合ったらいいのか。医務局にこちらから行ったってろくな話はない。院長と幾ら話し合っても、院長は何も知らない、何も知らされていない。こんなことでは、十分な双方の御理解を得てからやるんだということにはならないでしょう。ですから、みんなに計画を明らかにし、地域にも院長にも労働組合にも職員団体にもみんなに理解をさせて、その上でこれがいいかどうかというふうな話し合いを進めない限りは、実行には移せないものではないですか。それをきちっとやる保証がありますか。大臣、言ってください。
○斎藤国務大臣 十分なお話し合いをさせていただきながら、具体的ケースの計画を煮詰めてやってまいりますということを申し上げておりますことは、裏返して言えば、今計画がコンクリートされていて、それを全部お見せをして、そしてこうですよということにはなかなかならないということでもあるわけでございます。でありますので、御指摘のような点については、そのお話し合いが進み、計画がだんだん煮詰まるに従って、その段階に応じて、その段階に即して必要なお話し合いが進んでいく、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○田中(美)委員 それは大臣、今までの現状から見ましたら、全く院長も知らなければ、そこで働く人たちもわからない、地方の住民もわからない、議会もわからない、それから国会もわからないのですね。国会議員自体が、この法案に賛成するのか反対するのかといったって、それ以前の問題なんですね。どんなことになるのかわからない。まさに白紙委任してくれ、そして賛成してくれ、そうしながらやっていきますよ、大臣、こういうことを言っているのですね。こんなむちゃなことはないと思います。ですから、私はこの法案には絶対に賛成することができません。これは断固撤回して、もう一度顔を洗って出直してほしい、こういうふうに思います。
    〔浜田(卓)委員長代理退席、委員長着席〕
 それで、最後に一言、地元がどうなっているかということのほんの一つの事例です。これは田辺、白浜の調査に行きましたが、そのときの事例です。この中に高度の総合的診療というのをやるというふうに書いてあるのですね。それでずっと調査しまして、町長さんなんかにも聞いたのですね。これには十九診療科と書いてある、これができるというのですね。院長さんにこれでできるかと言ったら、院長さんは何も聞かされていないけれども、十九診療科なんというのはとても今の状態ではできっこありませんよ、少なくとも三十五人から五十人の医者がいなければできませんと。今十九人しかいないのですからね。これをふやす保証がない限りはできません、こう言っているわけですね。院長が言っている。それから白浜町の片田という町長さんも、この計画では十九診療科になっているけれども、医者は今十九人だから五、六十人いなければできませんよ、こんなことはとてもだめだ、こういうふうに言っているのです。それでいろいろ患者会の方にも、地域の方にも、議員の方にも聞きました。みんなこういうことを言っているのです。
 それで、最後に私たちは記者会見をしたのです。これがまたおもしろかったので、ちょっと。私がおもしろかったのです、大臣はおもしろくないかもしれないですけれども。記者会見をしたら、小さな町ですけれども一般紙の記者が八名来てくれました。そして私たちが調査をしてこんなふうだったということを話したわけです。そうしたら、わあっと新聞記者が笑うのですね。自分たちも随分バラ色の話を聞かされたけれども、さっぱりわからない、これは欺瞞だ、インチキだ、これは新聞記者ですよ。私たちは逆に新聞記者に要請されるように、国会で徹底的にやってくれと新聞記者にあおられまして、どっちの記者会見なのかわからないような状態になったのです。そういうふうに地元の新聞記者までもが、これは欺瞞だ、インチキだ、国会議員、もっと頑張ってやれということを言っている。ですから、それほど地域はこれには反対しているのです。こういう状態を大臣は十分に御存じなくて、ただ今後お話し合いしていけば、お互い今までも話し合っているだろう、今後もより一層進めていきますというのは、口はただだから言うだけ、白紙委任で強行していく、こういうことが隠されているのではないかと私は非常に心配をするわけです。
 そして新聞記者と別れる最後に、おかしな新聞記者会見になったのですけれども、こう言いました。大臣、ちゃんと聞いていてください、ここはおもしろいところですから。十九人の医者がいるから十九診療科目になったのだな、これはごろ合わせだ、はっはっはっと新聞記者は笑ったのです。いかにこの計画があほらしいか、まともに話をすることにもならない。これは私の方がびっくりしました、新聞記者がそういうことを言うわけですから。これはついての大臣のお答えを聞かせてください。
○斎藤国務大臣 お話し合いが進む中で計画がだんだんに固まってまいります。そうしたならば、その計画を実行するための必要なマンパワーは確保しなければならないと考えております。
○田中(美)委員 これは絶対にできません。どんなことがあったって、もう町ぐるみ、県ぐるみ、労働者ぐるみで反対になりますからね。こんなことを強行したって絶対にこれは成功できないということを強く申し上げて、撤回することをもう一度申し上げて、きっちり、一分過ぎましたが、私の質問を終わります。
○堀内委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○堀内委員長 この際、本案に対し、稲垣実男君から修正案が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。稲垣実男君。
    ―――――――――――――
 国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法
  律案に対する修正案
    〔六号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○稲垣委員 ただいま議題となりました国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 修正の要旨は、地方公共団体以外の公的医療機関の開設者等に対する資産の割引率を、移譲の場合は七割から九割に、譲渡の場合は三割五分から四割五分に、それぞれ引き上げることであります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○堀内委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 この際、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。斎藤厚生大臣。
○斎藤国務大臣 国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案に対する修正案については、政府としてはやむを得ないものと考えます。
    ―――――――――――――
○堀内委員長 これより本案及び修正案を一括して討論に付します。
 討論の申し出がありますので、順次これを許します。野呂昭彦君。
○野呂委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案及びこれに対して我が党が提出した修正案につきまして、修正案及び修正案を除く原案に賛成の意を表するものであります。
 近年、我が国の医療を取り巻く環境は大きく変化してきており、公私医療機関の整備が進んだ結果、マクロ的に見れば、我が国の医療機関の量的な確保はほぼ達成されつつあると言えます。
 このような情勢の変化を踏まえ、国立病院・療養所については、今後国立医療機関にふさわしい役割を積極的に果たしていくことが必要であります。
 そのためには、再編成を進めていくことが必要でありますが、政府原案は、国立病院・療養所の再編成の円滑な実施を図るとともに、再編成に伴う地域の医療を引き続き確保するために、国立病院等の用に供されている資産の割引等の措置を講じようとするものであり、その趣旨については評価できるものであります。
 しかしながら、地域の医療の担い手である公的医療機関の開設者等の現状を踏まえると、次の点について所要の修正を行うことが必要であると考えます。
 すなわち、地方公共団体以外の日赤、厚生連等の公的医療機関の開設者に対する資産の割引率を、移譲の場合には七割引きから九割引きに、譲渡の場合には三割五分引きから四割五分引きに、それぞれ引き上げることであります。
 これによってさらに本法案の目的の達成に資するものと考えるものであり、私どもといたしましては、この修正案及び修正都分を除く原案に賛意を表するものであります。
 これをもちまして私の討論を終わります。(拍手)
○堀内委員長 池端清一君。
○池端委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、政府提案の国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案並びに自由民主党提出の修正案に対し、いずれも反対の立場から討論を行うものであります。
 まず、最初に申し上げたいことは、今回の再編成計画は、国民がひとしく医療を受ける権利を侵害し、国民の共有財産である国立病院・療養所を売り渡し、地域医療を大幅に後退させるものであって、断じて容認することはできないということであります。
 国立病院・療養所は、昭和二十年の発足以来、国民医療の確保に大きな役割を果たし、長年にわたって地域に親しまれ、国民医療機関として地域住民にその存在が深く定着し、まさにその地域の住民にとってはかけがえのない医療機関として活用されてきたのであります。厚生省の資料によっても、ベッドの利用率も平均すると他の医療機関より高くなっております。これらのことを無視して、国立医療の役割を放棄し、地域一般医療を地方公共団体や私的医療機関に押しつけることは、まさに地域医療切り捨て以外の何物でもないと言わざるを得ないのであります。とりわけ離島、僻地、過疎地に所在する多くの施設が経営移譲や統廃合の対象に挙げられているのでありますが、これらの施設はいずれも地域住民の日常生活に欠かすことのできない命と暮らしのよりどころであることをいま一度政府はしっかりと受けとめてもらいたいと思うのであります。
 政府は、「国の財政状況は長期にわたる厳しい状態にあり、財源を国庫に求めるには限度がある。」と、その基本方針でうたっていますが、今回の統廃合の対象になっている病院・療養所に対しては、既に多額の整備費が投入されており、財政投融資からの借入残高も現在五千三百九十二億円にも上っているのであります。整備したばかりの施設を統廃合し、また不当な値段で譲渡する、これはまさに国民の共有財産である国立病院・療養所のたたき売りと言っても決して言い過ぎではないと思うのであります。そしてまた、膨大な借入金で新たな土地を購入し、病院を建築することは、これこそ税金のむだ遣いであり、これは真の行財政改革にも逆行するやり方と言わざるを得ないのであります。
 次に、職員の皆さん方の身分や労働条件の問題であります。経営移譲の場合、職員は移譲先に移行が前提になっていますが、職員の身分や雇用を初めとする労働条件についての規定が全く欠落していることは極めて大きな問題であり、国立医療機関で働く職員を無視するものであると言わざるを得ません。経営移譲対象の三十四の施設には約四千五百人の職員がおり、国家公務員の身分を含めて重大な労働条件の変更を強いることになりますし、また職員の移行を伴わない譲渡の場合であっても、離島、僻地勤務者等の転勤困難の職員は、事実上国家公務員としての身分を維持できず、職を失うという事態すらも想定されるのであります。この点からも、この再編成計画はまことに乱暴な計画と言わなければなりません。
 今回の再編成計画に対して、例えば北海道の場合、北海道議会を初め全道二百十二市町村議会すべてが統廃合反対の決議をしておりますし、全国的にも九割以上の地方議会、二千九百九十八の議会が国立医療の存続、拡充を求める決議を行っています。政府・厚生省は、この厳然たる事実をぜひ直視してほしいと思うのであります。
 高度先進医療の充実を図ることはもとより重要であります。しかし、国立病院・療養所が国民の期待にこたえる地域医療のかなめとして果たしてきた役割を、これからも維持し、さらに一層の充実を図ることは国の責任であります。国民の健康を守るという国の最も基本的な責任を果たすために、この法案の撤回を重ねて強く求め、私の反対討論を終わります。(拍手)
○堀内委員長 吉井光照君。
○吉井委員 私は、公明党・国民会議を代表し、国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案の原案並びに修正案に対し、反対の立場から討論を行うものであります。
 私は、今の国立病院等のあり方を見直し、その役割分担を明確にし、国立医療機関にふさわしい整備充実を図っていくという目的そのものを決して否定するものではありませんが、その計画を急ぐ余り、最も大切な地域住民の理解が得られていないところに大きな問題があります。この国立病院が今日まで地域医療の中核として果たしてきた役割は大きく、今回の再編成は、地域住民にとってなぜこの際統廃合するのか非常に強い疑問があり、また同時に、地域医療の後退ということでの大きな不安を持っています。また余りにも唐突な感じであり、国の医療政策に対して根強い不信感があることも事実であります。しかるに、今回の国の計画は、このような地域の実情を無視して、定められた画一的基準で物事を推し進めようとするものであり、デスクブラン的な色彩を強く感じるものであります。地域住民の声を十分聞くことなく、国の一方的な都合だけで再編成を進めることには無理があり、もし強引に進めるようなことがあれば、早晩破綻を来すことは明らかであることを私は強く主張しておきたいと思います。
 以下、反対の理由を申し述べます。
 一、地方自治体の九割を超える二千九百九十八の市町村議会が国立病院・療養所の存続を求め、反対の決議を行っていること。
 二、国立病院・療養所とも病床利用率は九割と高く、地域医療の拠点となっている施設が多いこと。
 三、経営移譲の引受手として地方自治体等を考えているが、国管理でさえ支え切れなかった財政負担に対処できる見通しかないこと。
 四、医療過疎と言われる離島や僻地における国立病院・療養所の取り扱いなど具体的な対応に欠けていること。
 五、今回の再編成は地域医療計画との調整を無視して成り立たない。この点についての十分な整合性が図られていないこと。
 六、経営移譲、譲渡の際の職員の処遇についての具体策がないこと。
 七、国民医療の確保の視点から、単に国立病院についてのみ役割分担を図るというのは片手落ちであり、公私医療機関を含めた総合的なビジョンがないこと。
 以上が反対の主な理由でありますが、この法案は、行政改革がそのスタートであり、医療費削減を目指す国の財政対策がそのねらいであることは明らかであります。したがって、国立病院の見直しを理由に地域医療を切り捨てるものであり、我が党としては反対であることを強く主張し、私の反対討論を終わります。(拍手)
○堀内委員長 田中慶秋君。
○田中(慶)委員 私は、民社党・民主連合を代表して、政府提案の国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案及び自民党提案による同法修正案に反対の立場から討論を行うものであります。
 政府は、今回の国立病院・療養所の再編合理化は、近年における疾病構造の変化、医学技術の進歩等による医養内容の高度化、多様化、また公私の医療機関の整備充実といった情勢の変化を踏まえ、適切かつ効率的な医療供給体制の確立という国民的課題の中で、今後国立病院・療養所が国立医療機関にふさわしい役割を積極的に果たしていくために行うものであると位置づけておられます。我が党もこの趣旨には全面的に賛成のものでありますが、今回の法案は残念ながらその趣旨を満足させる内容になっているものではないと考えられるものであります。
 以下、反対の理由を申し上げます。
 まず第一は、国立病院を計画的にどのように整備していくのか明らかにしないままこの法案を提案したことであります。再編成後の機能類型では、ナショナルセンターは対象疾患ごとに一カ所、基幹施設はブロックごとに一カ所など機能別に数の基準が設定されたものの、これらの基準をどのように充足させていくのか、そのビジョンが全く明らかになっていないわけであります。基準を満たすめどが立たないのでは、基準を示す意味がありません。政府は、この法案が成立する前に、新設を含めた再編成後の国立病院等の整備計画をまず国民の前に明らかにすべきであろうと思います。
 第二は、この法案は、行政改革の名のもとに国の歳出削減の観点から提案されたものであると考えざるを得ない点であります。中曽根内閣は、行政改革は財政再建、すなわち歳出削減であるという誤った認識のもとに政策を推進し、当面する財政事情によって福祉の後退、国民負担の増加を安易に進めてまいりました。多くの赤字を抱える国立病院を地方公共団体等に移譲、譲渡しようとするものであり、この一環にほかならないものと思います。
 これに関連して、第三に、地方公共団体等への経営移譲が円滑に進むとは考えられず、むしろいたずらに混乱を招くおそれが強いという点であります。国立病院の現在の経営状況からして、経営主体がかわったといっても経営がよくなるとは考えられないのであります。これらについては移譲後の運営費を補助するというものでありますが、法律上の規定は「補助することができる。」とされており、補助の対象も補助率も何ら明らかにされておらず、効果は期待できないという点も明確にしておかなければいけないと思います。
 以上、主な理由を申し上げましたが、これ以外にも離島や山間僻地への助成措置の充実、地域保健医療計画との関係、医療関係者の定員の確保などについて対策が不十分なままこの法律を成立させるべきではないと考えるものであります。
 なお、自民党提出の修正案につきましては、国立病院等の資産等の割引譲渡について充実を図ろうとするものであり、一歩前進と評価をし、提案された自民党に対し深く敬意を表するものでありますけれども、なお地方公共団体に対する条件に照らして不十分であり、政府原案を大幅に修正するものではないとの観点から、これらについても賛成するわけにはまいりません。
 最後に、我が党は行政改革については積極的に推進する立場をとっており、この法案がいわゆる行革関連法案の一環として提案されたことに遺憾の意を表明するものであります。国民のための行政体制づくりでなければいけませんし、今後とも医療という面から努力をしていくことを申し添えて、私の討論を終わります。(拍手)
○堀内委員長 児玉健次君。
○児玉委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、ただいま議題となりました国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案及び自民党提出の修正案に対し反対の討論を行います。
 本法案は、戦後国立病院・療養所が全国で展開してきた地域における基本的、一般的医療は他にゆだね、より広域を対象とる高度、専門医療に重点を移すと称して、現在ある二百五十三施設の約三分の一を統廃合しようとするものです。
 現在、国民が国立病院・療養所に期待し、求めているのは、かつて国民病と言われた結核との闘いで国立病院・療養所が残した巨大な足跡に示されるように、国立医療機関が地域医療に責任を負い、医療における総合性、一貫性を確保することにあります。これこそが全体の奉仕者としての国立病院・療養所のあるべき姿ではないでしょうか。
 病院の生き残りが声高に論議され、医療機関が特殊診療機能の強化に向けて血眼になっているとき、国立病院の重点を高度、専門医療に移すことは、厚生省自身が病院のサバイバル競争をあおり立てることにつながります。また、離島、僻地の医療過疎化、大都市への医療機関の過度の集中が深刻な社会問題になっているとき、この計画は厚生省自身がこれに拍車をかけるものと言わなければなりません。
 本来、国が責任を負わなければならない離島、僻地などの地域医療を真っ先に切り捨てていこうとする本法案のねらいは何か。それは言うまでもなく、医療に対する国の支出を減らし軍備拡張の財源を生み出すためです。このような政府・自民党の不当なやり方を国民は決して許しません。
 本法案は、国民のために献身的に努力してきた国立病院・療養所の職員の国家公務員としての身分保障について何ら触れておりません。私たちは、本委員会における審議の中で、国立病院・療養所の望ましいあり方について、厚生省が関係する職員、職員団体と十分に協議することを強く要求し、一定の回答を得ましたが、この協議の重要性を私は改めて強調するものです。
 国立病院・療養所の統廃合計画に対して、既に全国の九割を超える地方議会で反対の決議、意見書が採択され、多数の国民が反対運動に立ち上がっています。この声に政府・自民党は謙虚に耳を傾けるべきです。本日、自民党が提出した修正案は、統廃合計画の促進を意図するものであって、受け入れることはできません。
 日本共産党・革新共同は、本法案が撤回されるべきであることを要求し、今後とも国民と手を携えてよりよい医療実現のため奮闘する決意を述べて、反対討論を終わります。(拍手)
○堀内委員長 これにて討論は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○堀内委員長 国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。
 まず、稲垣実男君提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○堀内委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○堀内委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○堀内委員長 この際、本案に対し、長野祐也君から附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。長野祐也君。
○長野委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
    国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。
 一 国立病院・療養所の再編成の実施に当たつては、自治体をはじめ地元関係者の意向を尊重し十分話し合いのうえ進めるとともに、地域保健医療計画と整合を図るように努めること。
 二 離島、辺地等については、その特殊性にかんがみ、必要な医療の確保が図られるよう、国の助成措置の充実、医師の確保と定着に努力するとともに、そこに所在する国立病院・療養所を再編成の対象とするに当っては慎重に対処すること。
 三 再編成対象施設に併設されている養護学校等については、児童の教育に支障が生じないよう十分配慮すること。
 四 国立病院・療養所が、今後、国立にふさわしい役割を十分に果たしていけるよう医療スタッフ及び施設整備の確保に努めること。
 五 再編成の実施に当たっては、現在働いている職員の処遇等について十分配慮すること。
 六 国立病院・療養所の統合に伴う施設等の後利用については、本法による措置のほか、地域の実情に応じ適切に運用し、住民福祉の増進のために活用できるよう配慮すること。以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○堀内委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。長野祐也君提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○堀内委員長 起立多数。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。
 この際、斎藤厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。斎藤厚生大臣。
○斎藤国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、努力いたす所存でございます。
    ―――――――――――――
○堀内委員長 お諮りいたします。
 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○堀内委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時五十二分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
     ――――◇―――――