第109回国会 逓信委員会 第2号
昭和六十二年九月十六日(水曜日)
    午前十一時開議
出席委員
  委員長 深谷 隆司君
   理事 白川 勝彦君 理事 関谷 勝嗣君
   理事 田名部匡省君 理事 額賀福志郎君
   理事 吹田  ナ君 理事 田並 胤明君
   理事 木内 良明君 理事 木下敬之助君
      尾形 智矩君    川崎 二郎君
      久野 忠治君    園田 博之君
      虎島 和夫君    二田 孝治君
      穂積 良行君    宮崎 茂一君
      阿部未喜男君    伊藤 忠治君
      上田 利正君    松前  仰君
      竹内 勝彦君    春田 重昭君
      阿部 昭吾君    佐藤 祐弘君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 唐沢俊二郎君
 出席政府委員
        郵政大臣官房長 森本 哲夫君
        郵政省通信政策
        局長      塩谷  稔君
        郵政省電気通信
        局長      奥山 雄材君
        郵政省放送行政
        局長      成川 富彦君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局保
        安部保安課長  上野 治男君
        総務庁長官官房
        審議官     鈴木 昭雄君
        大蔵大臣官房参
        事官      沖津 武晴君
        資源エネルギー
        庁公益事業部計
        画課長     糟谷  晃君
        郵政大臣官房人
        事部長     白井  太君
        郵政省郵務局次
        長       佐々木伸虔君
        建設省道路局道
        路利用調査官  吉永 昌幸君
        参  考  人
        (日本放送協会
        理事)     尾西 清重君
        参  考  人
        (日本電信電話
        株式会社取締
        役)      岸田 俊輔君
        参  考  人
        (日本電信電話
        株式会社経営企
        画本部経営計画
        部長)     横田  剛君
        参  考  人
        (日本電信電話
        株式会社経営企
        画本部マーケ
        ティング企画部
        長)      井上 秀一君
        参  考  人
        (日本電信電話
        株式会社経理
        次長)     加島  修君
        参  考  人
         (日本電信電話
        株式会社電話事
        業サポート本部
        営業推進部長) 西脇 達也君
        参  考  人
        (日本電信電話
        株式会社電話事
        業サポート本部
        備推進部長)  村田 忠明君
        参  考  人
        (日本電信電話
        株式会社電話事
        業サポート本部
        災害対策室長) 藤井 一明君
        参  考  人
        (日本電信電話
        株式会社通信機
        器事業部長)  池田  勉君
        参  考  人
        (日本電信電話
        株式会社高度通
        信サービス事業
        本部専用回線事
        業部専用サービ
        ス部長)    中野 景夫君
        参  考  人
        (日本電信電話
        株式会社高度通
        信サービス事業
        本部画像・電信
        事業部長)   矢嶋 国男君
        逓信委員会調査
        室長      古田 和也君
    ―――――――――――――
委員の異動
八月二十八日
 辞任         補欠選任
  阿部未喜男君     武藤 山治君
同日
 辞任         補欠選任
  武藤 山治君     阿部未喜男君
九月二日
 辞任         補欠選任
  阿部未喜男君     堀  昌雄君
  伊藤 忠治君     武藤 山治君
同日
 辞任         補欠選任
  堀  昌雄君     阿部未喜男君
  武藤 山治君     伊藤 忠治君
同月九日
 辞任         補欠選任
  阿部末喜男君     武藤 山治君
同日
 辞任         補欠選任
  武藤 山治君     阿部未喜男君
同月十六日
 辞任         補欠選任
  鳥居 一雄君     竹内 勝彦君
同日
 辞任         補欠選任
  竹内 勝彦君     鳥居 一雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 閉会中審査に関する件
 逓信行政に関する件
     ――――◇―――――
○深谷委員長 これより会議を開きます。
 逓信行政に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○深谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、参考人の人選につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○深谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
○深谷委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤忠治君。
○伊藤(忠)委員 質問させていただきます。
 私は、まず初めに電気通信行政とISDNに関連をさせて質問をさせていただきたいと思うのです。
 高度情報化社会の進展にとって電気通信の占める役割というのは極めて重要であることは既に知られるところでございますが、今日、電気通信市場が自由化をされまして、データ通信やVANを中心に通信の高度化、情報化がまさに開花しようとしているわけでございます。しかし、文字どおり高度情報化社会を形成するためには、その中核的インフラストラクチャーでありますISDNの構築ではなかろうか、このように私は思っているわけでございます。最近、ISDNに関する国際標準が決定されたことによりまして、国際的にもインフラ構築は加速されていくのではないか、こう思われます。
 我が国では、NTTがINS構想のもとにその中心的な役割を果たしてこられたところでありますし、現在もこれの構築を目指してディジタルネットワークの建設を進めていると聞いております。この間、郵政省としましては、陰ひなたになって行政当局としてその指導に当たってこられたわけでございます。今後もISDN実現のためにNTTに求めるその役割、位置づけについては変わらない立場に立たれていると思うのでありますが、まずこの点についての基本的な態度といいますか、見解を伺いたい、かように思います。
○奥山(雄)政府委員 ただいま御指摘ございましたISDNの促進につきましては、国際的にも既に昭和五十九年度以降ほぼ標準的な方向が見定められておりますので、現在欧米先進諸国並びに日本におきまして、その一日も早い実現のために行政主管庁がそれぞれ多大の努力を重ねているところでございます。
 日本におきましては、既に五十九年九月からINS構想のもとにNTTが実験を行い、また昨年の十二月からは広域実験も開始しているようなことでございますけれども、これがやはりISDNといたしまして二十一世紀に向けて国民に定着をし開花するためには、まだ解決しなければならない課題はたくさんございます。したがいまして、郵政省といたしましては、今後ともISDNの中核をなします交換機のディジタル化、さらには中継線のみならず家庭に向けてのディジタル化促進といったようなものにつきまして、私どもの立場から最善の努力を傾けるつもりでございます。
○伊藤(忠)委員 そこで郵政省にお伺いします。忌憚のない見解をひとつ伺っておいた方がいいと思うのですが、三鷹の実験ですね。意気込んだ割には思うような成果がいま一上がってない、こういう評価もございます。ですから、郵政省はスタート以前の段階からずっと指導に当たられてきまして、一定の期間実験をやってみまして、なるほどこういう点が不十分なのではないか、こういう問題を残したのではないか、これからこの点に重点を置いて、商業化というのですか本格的サービススタートを行うわけですから、そのときにはこういう点に留意をすべきではないか、こういう忌憚のない総括的なものがございましたら、ひとつ伺っておいた方がいいんじゃないか、こう思いますが、どうでしょうか。
○奥山(雄)政府委員 五十九年の九月から三鷹・武蔵野地区においてNTTがINS構想のもとに実施いたしました実験につきましては、約二年半の実験期間を終えましてことしの三月に終了をしております。その間で出てまいりました問題といたしましては、御指摘のとおり幾つかございます。
 一つには、技術的な側面といたしましては、実用化に向けての大きな成果が得られたというふうに判断をしております。
 しかしながら、利用実態面について幾つかの問題が出てまいりました。一つには、実際にお使いいただきました端末、ISDN端末が使いづらいという問題でございます。ネットワーク側でISDNが完成いたしましても、それにつながる端末の機械の方が使いづらいのでは、仏つくって魂入れずということになりますので、私どもといたしましてはNTTと御相談申し上げながら、使いやすい端末の開発をさらにメーカーにも呼びかけて現在促進中でございます。
 それからもう一点は、三鷹・武蔵野という、地域が限定されておりましたために広域的な実験を行うことができなかったという問題がございます。まずISDNを利用するであろう企業にとりましては、本支店間というのは大体離れたところにあるわけでございますが、三鷹・武蔵野地区のような限定された地域では、この実験がそういう地域的な広がりを持った形で行い得なかったという不満が出てまいりましたので、昨年の十二月からNTTは、実用を前提といたしました広域実験といたしまして、東京、名古屋、大阪並びに筑波地区を含めた広域実験に着手をいたしております。
 それからもう一点、三点目の問題といたしましては、標準化の問題が出てまいりまして、当時INS構想に着手いたしました段階では、NTTはいわばNTT専用のインターフェース、Yインターフェースと言っておりましたけれども、Yというのは横須賀通研のYをとったらしいのです。けれども、そのYインターフェースという標準方式をとっておりましたところ、その後国際的な動向からやはりこれでは世界に孤立するということで、国際的な標準に合わせる必要があるということから、現在ではNTTにおいても国際的な標準であるIインターフェースに合わせる形で既に広域実験を開始しております。
 いずれにいたしましても、そういう実際の利用面に向かっての問題というのがこれからの克服すべき課題であろうというふうに考えております。
○伊藤(忠)委員 今もお話しございましたとおり、一口に言うならば、まだ一般の加入者が利用する段階までなかなか一挙には進まないということでしょうし、どうしたってこれは企業、ビジネスサイドの利用というところから発展をしていくことになるのではないか。しかもこの国際標準の関係でいえば、インターフェースの問題なりプロトコルの関係なり、こういうものをきちっと整合性を持たせて、端末機の開発にしても、これからの技術開発というのが全面的に、統一的に改革、技術発展を見なければなかなか実現をしないということであろうと思います。
 これは相当長期展望のもとに構築をされていくことになるわけですが、しかし高度情報化社会に貢献をするという立場で考えますと、この一連のISDN構築の過程で投資をされます全体の資金計画を見ましても、これは二十兆円とも三十兆円とも展望されているわけですが、日本の内需拡大というのですが、そういう経済活性化の面から見ましても極めて重要な施策でございますし、郵政当局としてもこういうネットワーク構築、インフラ建設がなるべく順調に発展をしていきますように、従来以上一層積極的な立場で御指導をいただきたい、かように私は考えているわけでございます。
 そこで、NTTの果たす役割、これはISDN計画の中でも主要な任務を果たさなければいけないということが今もお話しございましたが、会社法規定でも明らかになっておりますとおり、第一種通信事業者の中におきましても公共的な責務をより一層負っている事業者ではなかろうかと私は思っておるわけでございます。したがって、第一種事業者間の公正競争条件を確立する場合でもこの点が考慮されるということはむしろ当然ではなかろうか、こういう立場に立つわけでございます。クリームスキミング、よくこれが今日競争の過程で問題になるわけですが、そういうことにならないような適正な指導を郵政当局としても陰に陽に行われてしかるべきであると思いますし、まだこの競争そのものが緒についたばかりでございますから、短期間の経過を見まして将来を即断することはなかなか難しい点もございます。しかし、近い将来第二の国鉄になっていくようなことになるということでは非常に問題がございますので、この点のNTTの置かれた立場、果たす役割、我が国における電気通信行政の位置づけからしまして、こういう基本認識に立って今後郵政省が指導に当たられるという点について気構えがあるのではなかろうかと私は思っておるわけでございますが、この点について郵政省の見解を承りたい、かように思います。
○奥山(雄)政府委員 ISDNの構築は、NTT並びに新規参入事業者が公正な競争を確保する見地からも大変重要な課題であるというふうに私どもも認識をしております。現在、中継系新規参入三社、東京、大阪、名古屋でまだ商売を始めたばかりでございますが、最終的にこの新規参入者もさらに営業区域を拡大していく過程で、公平なイコールフッティングで競争をやるためにはやはり接続の問題が一つの大きなポイントになってまいりますし、この問題を最終的に解決するためには、市内網を構築しておられるNTT側において市内交換網のディジタル化、それから中継伝送路のディジタル化というものが急務であろうと思っております。そうした見地から、私どもも、NTTの責務を十分わきまえながら行政としてできることは最大限努力してまいりたいと思いますし、今後NTTと新規参入者が公正な競争を確保できるよう、このディジタル化促進についても鋭意努力してまいりたいというふうに考える次第でございます。
○伊藤(忠)委員 次に料金問題について、常々私が考えておりますことを述べさせていただいて郵政省の見解もいただきたいと思っております。
 現在料金というのはサービス別に決められていると言っても過言ではないと思いますが、大宗を占めます電話料金といいますのは、全国自動即時化の際に距離別時間差法によって規定されたと思うわけです。これがベースになって今日を迎えております。競争時代に入りまして遠近格差がクローズアップされているわけですが、今後ISDN化が進み、ディジタルネットが家庭の段階にまで及ぶということになれば、現行の料金体系あるいは現行制度では対応できなくなるのではないか、これは常識であろうと私は思います。
 つまり、距離と時間によって料金を決めるというのが電話料金の場合には基本になっておりますが、電話の通話というのはISDNが全体のネットが張られます段階では一部のサービスでございまして、光ファイバーに例をとればはっきりしておると思いますが、あらゆる端末が家庭でも利用できるということになれば、それはディジタルネットで全部フォローされていくことに有りますから、そういう関係になってくると思うのです。つまり、情報の使用量が料金計算の単位とならざるを得ないと私は思うわけです。
 INSのネットサービスの建設計画では、六十二年度末には東京、名古屋、大阪、このエリアではディジタルネットが完成をいたすと聞いております。六十三年度末には県庁所在地、さらに加えまして主要都市でも――主要都市の場合に直接そのエリアにディジタルネットが行っていない場合には他局収容方式であれば使用することが可能になるだろうと思うわけですが、ということになりますと、二十一世紀を展望して今からその検討を開始しなければならない、そういう性格のものではなかろうか、私はこのように思っているわけでございます。ですから、インフラの振興、その後追いで料金政策がついていくというようなことではかえって全体の混乱すらも招くことになりますから、早い段階から現在の料金のあり方、料金制度、仕組みの見直しについて検討をされる、そういうお気持ちがあるのかどうか、この認識について郵政省の見解を伺いたいと思います。
○奥山(雄)政府委員 ISDNの進展に伴いまして料金体系そのもののあり方が問われることは当然でございます。
 ただ、ISDNの進捗状況は、先ほどもお話がございましたが、私どもが承知している限りにおきましては、六十五年度中には政令指定都市レベルの主要都市の市内交換機がディジタル化されるというふうに聞いておりまして、最終的にこれが全国の電話局のディジタル化まで結びつくのは七十年代末というふうに承知をしておるところでございます。したがいまして、これから七十年代の末までは電話を中心といたしました既存のネットワーク、それからISDNの構築という二つが併存してまいりますので、その間の料金体系というものは、現在の電話料金の体系を前提としながら今後ISDNが完成した場合にどうするかということを検討していかなければならないという過渡的なものになろうかというふうに考えます。
 最終的にISDNが完成いたしました暁には、ただいま先生が御指摘になりましたように、確かに距離と時間をファクターにいたしました現在の方式では不十分であると私どもも思っております。しかしながら、現時点でこれを、ビットレート方式というのでしょうか、ビット、情報量に応じて課金するという情報量課金に直ちに踏み切るには、まだ既存のネットワークが圧倒的大部分を占めている段階では難しいであろうということでございますので、今後ISDNの全国的な広がりと並行しながらこの問題は検討してまいる所存でございます。
○伊藤(忠)委員 どのあたりから検討されるかというのは今郵政省がおっしゃったとおりだと私も思いますが、少なくとも県庁所在地、主要都市にネットがまあまあ張られるという、このあたりから本格的な検討、一定の方向性を出していかなければ将来のあり方についても影響するのではなかろうかと私は思うわけでございます。
 なぜかといいますと、今の三鷹の実験を見ましても、私は、一般の家庭がそんなに、ああ、あなたのところもやるか、私のところもやろうなんという、町内会に加入するような格好で面に広がるものじゃなかろうと思うので、やはりそれは企業を中心に大口ユーザーが点在をしながら面に広がっていくのであろう、こう思うのですね。そうしますと、県庁所在地というのは全国ネットの拠点になりますし、主要都市の段階にまで広がれば、これは全体に広がったと見てもいいのではないか、私はこのように思うわけでございますので、そのあたりから少なくとも本格的な検討というのが開始されてしかるべきじゃなかろうか、かように思うわけですが、どんなものでしょう。
○奥山(雄)政府委員 全国の主要都市の電話局の交換機がディジタル化された段階では確かにディジタル総合サービス、つまりISDNのサービスを受け得る環境だけは整備されたということは言えようかと思います。ただ、それが直ちに末端ユーザーの利用に結びつくかということになりますと、これは端末側の諸問題がございますので、端末まで含めてのISDNサービスが受けられる段階にはまだちょっと間があろうかと思います。しかし、いずれにいたしましても、行政といたしましてはそのような時点から料金体系のあり方というものは当然検討しなければならないと思いますし、ISDN体制下における料金体系のあり方というものは既に私どもといたしましても研究を始めているところでございます。
○伊藤(忠)委員 通産省、お見えいただいておりますか。――ちょっと伺います。
 我が国に電力会社は九社ございます。日本列島を九ブロックに分けまして各社の市場は地域独占になっていると思うのですが、どうでしょう。イエスかノーかで結構です。
○糟谷説明員 通産省の計画課長でございます。
 電力業界、電力会社の数は九電力プラス沖縄電力、十社体制でございます。
○伊藤(忠)委員 十社の独占になっていますね。この地域独占というのは電気事業法によって、あえて言いますが事実上保障されているものだと私は考えているのです。見解に間違いがございましたら指摘いただきたいと思います。
 なぜ事実上保障されているかといいますと、電気事業法第三条、許可の場合、同五条三号で過剰設備になるかどうかという判断が一つ、二つ目には新規参入が入ることによって共倒れの危険性があるかどうかという、この二つの大きな理由で新規参入業者を事実上認めないことになっているから、私は独占が事実上法的に保障されている、こう言っているわけです。すなわち新規事業者の参入を認めない仕組みになっているから独占が保障されている、このように断定してもおよそ間違いがない、こういうふうに私は理解をするのですが、その点どうですか。
○糟谷説明員 ただいま伊藤先生より、電力会社は事実上地域独占を保障されているのではないか、こういう御指摘でございます。
 電気事業法では、電気の供給というものを低廉かつ安定的にやるというところから許可制にかからしめているわけでございますけれども、許可の条件の中に今先生御指摘のように幾つかの基準がございます。そのうちの一つに、設備が過剰にならないこと、もう一つは経理的な基礎が十分あること、その他消費者の需要に適合するものであること、いろいろ条件がございますけれども、こういう許可の条件が規定されているわけでございます。
 そこで、設備が著しく過剰にならないことという意味でございますけれども、これも先生今御指摘になりましたように、電力の供給設備が過剰になるということは結局は電力会社の経営を苦しくさせ、場合によっては電気の安定供給に支障が出る危険があるというところが一つのメルクマールになろうかと思います。
 ただ、法律上は独占を当然に予定したものではございませんで、設備が著しく過剰でないことその他の許可の条件を満たせば、法律上は許可を受けることはできるわけでございますが、過去、そういう許可の申請というものはございませんし、いろいろ総合判断いたしますと、先生がおっしゃいましたように事実上現在の体制に新しい企業が入ってくるということはいろいろな面から見て非常に難しい面があることは否定はいたしませんけれども、法律上絶対に独占でなければいけないという体制にはなっていないということだけ申し上げさせていただきたいと思います。
○伊藤(忠)委員 いずれにしても法的には独占を保障するということになっていないわけですね。明文上そうなっていない、書類を持って申請においでください、通産省が判断をいたします、今日まで歴史的に見ましても一件もそういうものはなかったし、資料が提出され申請をいただければ、いろいろ審査をしまして判断をいたしましょう、こういうことなんですね。
 しかし私が事実上独占だというのは、これはコメンタールですか何ですかいただいたのですが、ここに書いてあるのですよ。過剰設備であるかないかという一つの判断が載っておるのです。
 これによりますと、「斑点灯地域に新たに配電用電気工作物を設置することは、ほとんどの場合に「著しく過剰」であると判断されるものと考えられ、結局「著しく過剰」とならないのは、未点灯地域等ごく例外的場合に限られる。」こういう判断ですよ。ですから、どんなに新たに電力会社をつくりたいという気持ちが出まして通産省に申請をしても、ほとんどこれは通らない。事実上の法的独占が保障されていると私が断定しますのもそういうことでございます。
 そこでお聞きしますけれども、法的独占ではない、こうおっしゃいましたから、特定の企業が自家発電を行いまして、近隣エリアの企業群や周辺の一般家庭に電力を供給する場合、これは決して過剰設備や共倒れの危険はないと思いますが、電気事業者として申請をすれば許可されますか。
○糟谷説明員 先生の御質問の件は、現実に今そういうものがあるかどうか存じませんけれども、そういう特定の目的で電気を供給したいということで許可申請が出てまいりますれば、私どもは、法律にのっとって厳正にその内容をチェックして、その上でケース・バイ・ケースで判断をさせていただきたいというふうに思っております。
○伊藤(忠)委員 時間があればこれを煮詰めたいと思っておるのですが、申請をしてください、判断するのは私どもの見解だ、こういくものですからあれなんですが、私が言っておりますのはこういうことなんですよ。
 自家発電と申しましたけれども、自分のところの会社の中の電気を供給しようということ、それから関連企業群です。これは大体特定のエリアにまとまっていますから特定の地域ですね、極めて狭い、そういう範囲で供給する。ところが隣近所に民家がございますね。企業はやはり社会とともに発展するのですから、一般の民家の利便もついでにできるならば図っていこうということで、そのエリアに所在をしています民家の皆さんも、私のところもという御要望があれば、これは別にそんなに設備費にお金がかかりませんから、では皆さん方にも供給いたしましょうということで極めて限られた地域の電力供給、そういうネットを張るという場合はこれは過剰設備には当たりませんし、巨大な独占を保障されておる電力会社が倒れるということはないと思うのですね。この点どうですか。
○糟谷説明員 大変難しい質問でございまして、明快なお答えができるかどうか自信ございませんけれども、電気事業法では一般電気事業者と卸電気事業者というふうに二つに分けておりまして、卸電気事業者というのは一般電気事業者に電力の卸をするというケースでございますので、先生御質問のケースといいますのは、一般電気事業の許可が受けられるかということであろうかと思います。その場合に、特定の地域の企業あるいは一般の消費者を対象として許可申請をしてきた場合に、これは必ずしも過剰ではないであろうし、あるいは経理的に大変な負担を負わせるものでもないであろう。それから、現在の九電力あるいは十電力会社に非常に大きな負担を与えるものではないのではないか、こういうお話でございます。
 これは一般論でございますのでなかなかお答えしにくいわけでございますけれども、そういう具体的な許可の申請が来た場合には、過剰設備ということももちろんポイントでございますが、そういう事業者が一般の消費者あるいは企業を対象として電力を供給する以上は、それはコスト的にも安くなおかつ良質の電気を安定、継続して販売できるものでなければいけないわけでございまして、一たん契約をした上で何かの問題が起こって供給が途絶するということは認められないわけでございます。したがって、そういう観点から、許可申請をした企業が本当に安定的な供給義務が果たせるかどうかという点についてのチェックをしなければいけないだろうと思いますし、それから設備の過剰につきましても、現在の九電力体制が持っております設備と新しく一般に販売したいという許可申請をしてくる電力会社の設備、この両方のバランスをどう考えるか、そういう点も過剰設備であるかどうかという判断のときにはやっていかなければならないということでございます。
 これは一般論でなかなかお答えしにくいので御勘弁いただきたいと思いますが、そういう具体的な話があれば、私ども内容をよく精査いたしましてケース・バイ・ケースで判断をしたい、こういうふうに考えております。
○伊藤(忠)委員 私がお聞きしましたのはこういうことがあるからです。電力産業界が電気通信分野に今乗り入れをされているわけです。電気通信分野は電力産業界には乗り入れがされてないわけです。相互乗り入れというのが今、はやっていまして、これは国鉄でも私鉄でも相互乗り入れをやることによって住民の利便、サービスというものが非常に向上しているというところにメリットがございまして、共倒れになるなんということであればこれは判断がございますけれども、地域独占されているところが万々の体制でありながら電気通信分野に、これは自由化されたというのでどんどん入ってくる。こちらが電力会社をつくりたいというので申請をしたら今言ったようなことでぼんぼんはねられるというのは片手落ちだ、こう思っているわけです。
 ですから、法的には参入が可能なのですから、許可の判断をする場合にどういう判断をするかということがネックになって事実上は参入できないことになっているわけですが、これはおかしいと思う。ですから、参入は法的に可能なのだ、しかし、事実上原則自由じゃなくて針の穴のように非常に厳しくされておりまして、結局これが排除されることになっているということでは全く片手落ちなので、その点はっきり確認しておきたいのは、法的には参入は可能である、あとは許可の段階で厳密な審査があって、法の趣旨にこれが沿うものであれば当然オーケーになる、こういうことと考えてよろしいですね。
○糟谷説明員 ただいま先生のおっしゃったところで大筋結構だと思いますが、この電力会社の許可制と申しますのは、幾つか許可の条件がございますけれども、当然に、地域独占を前提とするあるいは地域独占を保障するといったものではございません。したがいまして、今先生がおっしゃいましたような許可の申請があれば、それが電気事業法の許可の条件に合致するかどうか一つ一つチェックをした上で判断を下すということでございますので、法律的に新規の許可は不可能な体制にはなっておりません。
○伊藤(忠)委員 郵政省にお聞きしたいのですが、既に電力業界が関連会社をつくりまして電気通信市場に参入がなされているわけです、その過程の会社もございますが。
 例えばTTNetを例に出しますけれども、これは特定のエリアで電話サービスをやるわけですね。具体的な質問を申し上げますが、大口ユーザーを対象に加入者獲得ということにどうしてもなると思うのですね。そのときに、全く同じ業務エリア内、サービス提供エリア内で個人の加入者がTTNetに入れてください、こう言ったときに、いや、私のところは大口ユーザーを対象にサービスを提供するのですから個人の皆さんに回線を引くことは、あるいは契約をすることはちょっと不都合でございますということになったら、これは事業法三十一条に言います不当差別に当たると思うのですが、どうですか。
○奥山(雄)政府委員 ただいまTTNetの例をお示しになられたわけでございますが、TTNetは関東エリアを営業区域といたしまして電気通信事業を行う会社でございますが、現在におきましては営業範囲を関東エリアにおいて専用線のサービスを行うというふうに限定をしております。したがって、TTNetが自己の営業区域として既に許可を得ている区域で、かつ、専用線のサービスについて申し込みがあった場合にサービスの提供を拒否することは許されない仕組みになっております。
○伊藤(忠)委員 専用線サービスの場合に限定をすればそういうことだろうと思いますね。実際そういう格好で、これもクリームスキミングと言えると思うのですね。つまり、もうかるところしかやらない、そうでないところは手をつけない。それでどんどん乗り入れをされたのでは、既成の電気通信第一種事業者、とりわけNTT、KDDはたまったものじゃないと思うのですね。現実にはそういう格好で、乗り入れをされている、相互乗り入れになってない、こういうことは非常に重要だと私は思います。
 郵政省としましては一定の要件を具備しておればよろしいとぽんと判こを押される。判こを押す場合には、今の通産省のように非常に厳しくやってもらいたいと私は思うのですね。通産省は非常に厳しいのですよ。法的にはできるんだけれども実際には排除するようなことになっているのですよ。郵政省というのはその点が非常にオープンでございまして、まあまあよかろうというので、むしろ促進の立場でやられる。ということでは結局、角を矯めて牛を殺すたぐいじゃなかろうか。私は、閉鎖的なことを続けていただきたい、そんなことを言っているんじゃない、ただ、いいことをやる場合に花が咲かないことに結果的になるのではないか、こういう点を憂えるものですから、今もその点を強調させていただいたわけでございます。
 話題は変わりますが、CATVの問題について質問をさせていただきます。
 CATVというのはアメリカに代表されるわけですけれども、アメリカの場合にはCATVの普及率が非常に目覚ましい勢いで伸びている。CATVの加入者が、聞くところによりますと三千万世帯、これは全世帯の三〇%を超えるというような勢いでございまして、それがそのまま日本にも当てはまるかといいますと、なかなかそうはいってないわけですが、しかし、我が国でも都市型CATVというのが逐次これは発展を見せていることは御承知のとおりでございます。それはもう、双方向性、こういうサービスが提供されるという点でぐんと弾みがついているわけです。
 そこで、建設省お見えですか。――建設省にお伺いしたいのですが、このCATVというのは、事業者がみずから回線を敷設しなければならない、こういうことがございまして、実際に敷設する場合には、電柱共架、道路占用許可などを得るのに随分と手続が複雑になっておると聞いております。電力会社や自治体など、ケース・バイ・ケースでしょうが、ざっと数えましても三十から五十カ所足を運ばないとケーブルあるいはライン敷設ができない。なおその上に、工事完了までには他の道路計画、工事計画との絡みがございましてさらに時間がかかる。聞くところによりますと、架空線の場合には一年間ぐらい、地下埋設の場合にはケースによっては三年ぐらいかかる、こういうことを私は専門家の皆さんにも聞くことが時々あるわけでございます。
 そこで、建設省に、この許可基準ですね、これは義務許可つまり特急扱いと、一般許可、鈍行扱い、こんな格好でランクが分けられておりまして、義務許可になれば速く作業が進みます。ところが、一般許可の場合にはどうしても後回しになる。CATV回線の場合には義務許可ではなくて一般許可に入っている。こういうことでありますと、CATV業者に聞きますと、これは一加入大体十五万ぐらいお金がかかるあれだと私、聞くのですが、やはり相当お金をかけてスタートさせなければいけないということになりますと、これが大変なネックになっているわけでありまして、建設省、どうですか、これは一般許可ではなくて義務許可にランクアップをする考え方はないのかどうか、その点を回答いただきたいと思います。
○吉永説明員 御説明申し上げます。
 CATV事業に係ります道路の占用につきましては、CATV事業者が占用許可にふなれなこともございまして、事業者から相談がなされた場合などは、道路管理者としてよく指導するように我が方も指導しておりまして、さらに、許可手続等につきましても迅速かつ適正な処理を図るように通達等でもちまして指導しているところでございます。
 しかしながら、CATV事業に係ります電線等につきましては、網的な敷設が必要とされるということから、設置を希望する時期や場所によりましては、道路管理上の理由から、希望する時期あるいは場所等につきまして許可ができないということも考えられます。具体的に申し上げますと、幹線道路を横断掘削するような場合におきましては、掘削工事を行うことによりまして交通渋滞等の要因ともなるということで、設置場所を変更したり他の事業者の工事との時期を合わせていただく、こういうふうなことを従来から電気、ガス等の公益事業者を初め御指導、御協力をお願いしているところでございます。CATV事業者についても同様に指導しまして、御協力を願っております。
 先生御指摘の道路法の三十六条の件でございますが、この道路法三十六条の占用許可のいわゆる義務許可の件でございますが、これは対象としている物件が土地収用法の第三条各号に掲げられております土地を収用しまたは使用することができる事業に係る物件ということを前提にしておりまして、現在のところCATV事業は土地収用法第三条に規定する収用適格事業ではないということから、CATV事業に係る物件を道路法三十六条に規定することは現在のところ考えておりません。
○伊藤(忠)委員 私は何としてもこれはランクアップしてほしいと思うのです。なぜかといいますと、一般許可に入るケースというのはCATVの回線のケースが一つですね。もう一つは有線放送ぐらいじゃないですか。あとはないと思うのですよ。ケーブル敷設の対象になるケースというのは、ほかには有線放送ぐらいしか見当たらないわけです。そうすると、有線放送の場合は私は別に区分けしてランクづけしようなんという気は毛頭ございませんが、CATVというのはこれからの高度情報化社会に、今も例を申し上げましたが、アメリカの発展ぶりですね、双方向性サービスが非常に受けまして、これから日本でも、これはもう既に団地だとか沿線でどんどん広がっておりますが、そういう格好でニューメディアとして高度情報化社会の非常に大きな部分を占めていくことになると思うのですね。
 そうすると、この回線敷設がおたくの判断でしょうが非常に手間取って、その結果思うようにこういうメディアが出現できないというところに問題がある、ネックになっている。だから、一般許可のランクから義務許可のランクに――恐らくCATVだけですよ、これが外されているものですからそうなるので、これを何としても義務許可にランクアップをしてほしいと強く要望しているわけでして、そうならぬですかね。いろいろな理屈はよろしい、わかっています。ランクアップしてほしい、こう思うのです。イエスかノーかでよろしい。
○吉永説明員 先生御指摘の点につきまして、我々も重々よく承知しているわけでございますが、道路法の三十六条につきましては旧道路法のときからの考え方がございまして、少なくとも収用適格事業ということで考えておりますので、この点につきましては現在のところ三十六条の対象にならないというふうに考えております。
○伊藤(忠)委員 そこで郵政省にお伺いしたいのですけれども、このCATV回線敷設サービスの順調な発展を期そうと思いますと、結局この隘路を何としても打開しなければいけない、私はこう思うわけです。それで、一つは今言いましたように、敷設する場合、建設省の対応がございます。これの改善をやらなければいけない。
 もう一つは、一種事業者から回線を借りることができるように、これはまたちょっと勉強不足なんですが、そういう理解が間違っておりましたら御指摘いただきたいのですけれども、有線テレビ放送法第三条の規定が障害になっていて、つまり自分で自前回線を敷かないことには営業が開始できないというこの法規制が障害になっているとするならば、その障害を取り除くということが必要なんじゃなかろうか。一種事業者から回線を借用可能な方法にこれを改めることが必要なんではないか、こう思うわけでございますが、問題としては非常に大きいと思います。大臣、ひとつ見解を、その辺の判断がございましたら――でないと、自前で持たなければいかぬということが法的には規制されており、一方へ持っていったらなかなか敷設できないということでは、現実にこれは頭を打ってこの隘路が打開できませんので、私はそのことを要望するわけですが、この点について大臣でも局長でも結構でございますから、郵政省の見解をひとつ伺いたい、こう思います。
○成川政府委員 先生からCATV普及促進のための力強い御支援の御発言をいただきましてありがとうございます。
 建設省との関係でございますが、従前ではなかなか道路占用の許可が得られずにケーブルの敷設ができなかった事例もございましたのですけれども、最近は関係者間で調整が行われました結果、現在ではCATVのケーブル敷設に対する道路占用許可は円滑に行われております。先ほど特急便というようなお話がございましたけれども、審査につきましてもできるだけ短い期間において審査していただくというようなことで協力をいただいております。今後とも、CATVの普及促進には土地空間の円滑な利用が不可欠でございますので、関係者間の理解を得ながらCATVの普及を図っていきたいというふうに思っております。
 それから、アメリカは大変普及しておりまして、現在、先生のお話で三千万というお話だったのですけれども、私どもの手元にある資料によりますと四八%ぐらいの普及率でございまして、四千三百万ぐらいいっているというような状況もございます。私どもも、今の状況ですとなかなかそれには及ばない状況でございますが、普及促進を図っていきたいというふうに考えているところでございます。
 それから第二点目の、第一種電気通信事業者に対して、回線を貸せるように法律を改正して、CATV事業者にやらせるようにしたらどうかというようなお話でございますが、近年注目されているいわゆる都市型CATVだけではなくてCATV全体がそうなんですが、地域に密着した草の根インフラとして利用していただいているわけでございます。全国的な網としてやるのではなくて地域に密着したサービス形態をとっているわけでございまして、それと同時に、地域住民に対して低廉な料金で、テレビジョン放送の再送信に加えまして、最近ではいろいろな専門情報を提供するというようなことで、いわゆる多チャンネルCATVが出てきているわけでございます。
 それで、CATVを実施する場合に、地域ニーズに合ったネットワークをCATV事業者みずから設置してやっていくということ、有線テレビジョン放送法自体もそういうことを想定してつくられているというふうに思いますが、そういうことで、地域ニーズに合ったネットワークをCATV事業者がみずから構築いたしまして、長年にわたり加入者を募りまして、加入者から投下資本を回収してやっていくということが最もふさわしいのじゃないかというふうに私ども考えているところでございます。
 また、高度情報社会の構築に当たりまして、脆弱性というものを克服していかなければならないわけでございますが、そのためにも多元的、多層的なネットワークということが要請されていくのではないかというふうに思います。また、有線テレビジョン放送事業者自体も、実態を見てみますと、みずから設置してみずからやっていきたいという計画をお持ちの方が多いわけでございまして、私どもは、一種電気通信事業者に回線を借りてというようなことは現在のところ考えておりません。
    〔委員長退席、白川委員長代理着席〕
○伊藤(忠)委員 そういう答弁をしなければいけないという郵政省の気持ちは、一点だけわかっておるのですよ。
 ところが、これは、私はこう思うのです。双方向性サービスですよ、これからのCATVが伸びていくというのは。一方通行の放送サービスだけではCATVというのはなかなか伸びないわけですよ。一番初めに局長とのやりとりでも明らかになっておりますように、これからはディジタルネットがどんどん敷かれてくる世の中ですよ。そうすると、CATVそのものも双方向性ということで、サービスとしてはこれが非常に重用されるということですから、通信と放送の融合なんというのは不可避なんです。これが一つあります。
 そこのところの切り分けを、今日時点、郵政省としてはという立場は私はよくわかりますから、そのことを私は踏み込んでどうのこうの言っているのじゃないのです。しかし、その法体系上どう整備をするかということは、そのことで時間がかかっておる間にインフラの方はどんどん進むわけですよ。そして、つまり自分が敷設をしなければ営業ができないというこの今の法規制、これが、申請をすればすぐ建設省もやってくれるようになりますと今おたくはおっしゃいましたけれども、自分で回線を持たなければできないというのは、どう考えてもこれからのディジタルネットワークの形成の過程では全く不経済、不合理、通産省が今申されました過剰設備の最たるものだと私も申し上げたい。
 そうでしょう。同軸広帯域を使わなければ双方向CATVとしての機能、サービスというのは充実できないわけなんですから、そうなれば、例えば団地を網羅するなんというような形になってくれば、セキュリティーサービスなりホームショッピング、バンキングシステムというような格好で、これは、センターへ駆け込んだら非常にいろいろなサービスが提供できるというところに双方向CATVの特徴もございます。そういうふうなものですから、あなたのおっしゃるような、どちらかというと次元の違う答弁をいただくと、私は、それでいいのかな、こう思うわけです。
 ですから将来を、少なくとも長期展望とは言いません、中期展望の中でも、法的な今の規制が解決されませんと、工事が長引くとかなんとかというそんな次元の話ではなくて、これは好むと好まざるとにかかわらず、双方向のCATVサービスというのはディジタルネットの関係から切っても切れないことになりますので、そこに加入していくということがなければ、やはり本来のサービスは花が咲かないと私は思うのです。そういうユーザーのニーズがどんどん広がってきたときに、自前の回線でなければ営業できないというように、こういう規制の仕方というのはいかにも古い、手かせ足かせでもっておもりをつけることになりはしないかという立場で私は申し上げていますので、どうでしょう、もう一遍見解を聞かせてください。
○成川政府委員 先ほどもお答えいたしましたように、CATVというのは地域社会に密着したサービス事業でございまして、全国的なレベルのものを必要としておりません。それから料金の問題にいたしましても、現在NTTでやっております料金は非常に高くて、新聞購読料並みの料金で三十何チャンネルのものを見れるというような状況にはなっていない状況でございます。
 それと、先ほども申し上げましたように、CATVをやりたいという計画をお持ちの方自体も、みずから設置してみずから運営したいということを思っている方が大部分でございます。
 それと、先ほども触れましたように、高度情報社会の構築を考えました場合に、その脆弱性というものを防止していかなければいかぬということになるわけでありますが、そういう点からも、多元的、多層的なネットワークを確保することが大切だというふうに思っているところでございます。
○伊藤(忠)委員 時間がありませんので残念ですけれども、どうもすれ違っておるように私は思うのですよ。おたくの言われるようなのは全然理由にならぬと思うのです。それは地域密着に決まっていますよ、どんな場合だって。地域に密着てきなければユーザーなんか拡大できないわけですし、それはやはりサービスメニューのような話でございます。しかし、回線を敷設するということがこれからの全体のネットが張られる中で一体どれほどの意味を持つのか。しかもそれは、非常にいいサービスで料金の安い、そういうラインというのが一種事業者の中でもし張られるとするならば、それを利用した方が安くつくという場合はあるでしょう。そのことを私は言っているわけですよ。
 ですから、今がこうだからこれでいいのだというような答弁をいただいても、私は納得できないわけですが、まあ結構でございます。きょうはこれ以上時間の関係でお話しできないのが残念ですけれども、今後また議論をさせていただきたい、こう思っております。
 最後になりますが、大蔵省、時間の関係で私の理解をずっと申し上げますので、イエスかノーかで結構でございますから、まとめてお答えをいただきたいと思います。
 NTT株式というのは総数が一千五百六十万株でございます。このうちの三分の一、すなわち五百二十万株を政府が保有されております。この配当益は、基盤技術整備の関係でそれに充当されていると私は理解をいたしております。
 株総数一千五百六十万株の二分の一に当たります七百八十万株を六十一年から六十四年、四回に分けて放出をされるということに計画がなっております。一回の平均は百九十五万株となります。そこで、法律上は、全株数の三分の二、つまり一千四十万株でありますが、それまでは売却可能となっております。したがって、六十一年から六十四年までに七百八十万株売却しましてもまだ二百六十万株、つまり六分の一が売却可能株として残ることになります。イエスかノーかということであります。
 二点目が、六十二年度売却数は何株になるのか、その時期はいつごろか、その方法はどうされるのか。
 それから、六十三年度以降は毎年、つまり六十三年と六十四年が残るわけですが、この二回の株放出の計画はどうなのか。
 次に、二百六十万株は六十五年度に放出をされるのかどうか。
 政府保有の三分の一は、日航のように一定の時期をにらんで放出をされるのか、将来とも政府の持ち株でいくのかどうか。政府の持ち株でいかれるとするならば、日航のように後記方式をとる考え方がおありなのかどうか。
 この点について御答弁をいただきたいと思います。
○沖津説明員 御説明さしていただきます。
 先生おっしゃいましたように、NTT株式全株で千五百六十万株ございます。NTT会社法四条におきまして、政府は三分の一以上の株式を常時保有することが義務づけられておりまして、具体的には産投特会で三分の一、五百二十万株の株式を保有しているところでございます。その配当は、産業投資特別会計の歳出に充てられるということでございます。
 それで、売却可能なものは、今申し上げた五百二十万株を除きました千四十万株ということでございます。大蔵省の方と郵政省の方とで御協議、御相談申し上げまして、会社法の附則の二条で定める期間内、すなわち会社のあり方を見直す期間内、六十四年度末まででございますが、それまでは政府保有株式割合は二分の一を下回らないものとしよう、こういう協議、約束がございます。でございますので、先生おっしゃいましたように、六十四年度末までに売却可能株式数は、最大限で、千五百六十万株の二分の一でありますところの七百八十万株ということでございます。このうち、昨年度、全体の八分の一に当たります百九十五万株を売却したところでございます。本年度も百九十五万株の売却を予定しているところでございます。
 しからば六十三、六十四年度はどうかという御質問がございましたが、それは同じく会社法の五条で定められておりますが、各年度の売却につきましては、国会の方で御審議をいただきましてその限度内ということになっておりますので、六十三年度あるいは六十四年度の売却というものは、国会の御審議を踏まえて行わせていただくということでございます。
 それで、六十五年以降の売却株式はどうなるかということでございますが、先生御指摘いただいたように、六十四年度末までに売却可能の株式数を仮に全部売り切ったといたしますと、千四十万株から七百八十万株を引きました二百六十万株が残っているということでございますが、それを六十五年以降どういうふうに売っていくかにつきましては、そのときの財政状況あるいは売却実績の状況等を踏まえて、各年度の予算で御審議いただいて売らせていただくということになろうかと存じます。
 それで、六十二年度の売り方でございますが、先ほど申し上げたように、百九十五万株の一括売却ということでこの秋に売るということでございます。関係者の間で最終的な詰めを行っているということでございます。
 大体そのようなことでございます。
○伊藤(忠)委員 終わります。
○白川委員長代理 上田利正君。
○上田(利)委員 九月十三日にマスコミが報道いたしております、宮城県警がデートクラブの電話回線を差し押さえをしたというこの問題につきまして、電気通信事業法に照らしての違法性についてまず最初に質問をいたしたいと思います。
 最初にNTTに質問をいたします。この新聞によりますと
  電話一本で売春をあっせんする「デートクラブ」の一掃作戦を進めている宮城県警防犯課と仙台中央署が、業者と客をつなぐ通信手段そのものを断ち切るために、仙台市内のマンションに事務所を構えている六業者の電話回線計十本を売春防止法違反(客の誘引)の疑いで差し押さえ、電話を止める強硬手段に踏み切っていたことが十二日、明らかになった。こういうことでございます。
 今月の二日と八日の二回にわたりまして、NTT仙台青葉通電話局は、このような行為、反社会的な許しがたい行為でございますけれども、このデートクラブを摘発しようとした宮城県警に協力をいたしまして、あるいは要請を受けまして、この電話回線の切断に立ち会ったということのようでございますが、NTTとしてそのような事実があったのかどうなのか。また事実があったとするならば、このような行動に出たことは我が国の電気通信事業運営の中では私の知る限りでは初めてだと思うのであります。それだけに非常に重大な問題だと思うわけでございまして、ここに至るまでのNTTの事実経過につきまして、詳細にまず説明を願いたいと存じます。
○岸田参考人 お答えいたします。
 そういう先生御指摘の事実はございました。
 その具体的な事情につきまして若干御説明申し上げますと、まず五月二日に、警察側、これは県警と仙台中央警察署でございますが、仙台の青葉通電話局に来訪されまして、警察側から、デートクラブを撲滅するためにはチラシに記載された電話番号の電話を利用停止するしかない、できるかどうか検討してみてくれというお話がございました。そのときは当社といたしましては、できるかどうかを検討するというふうにお答えをいたしました。重ねてこれにつきまして、六月二日でございますが、NTT側から県警本部に対しまして、電気通信事業法並びに電話サービス契約約款上、当該契約者の電話について利用停止をすることはできないという旨、回答いたしました。続きまして、六月二十四日に警察側から重ねて同趣旨の要請がございまして、これに対しましては、NTT側としては応じられない旨、答えております。
 九月の一日に至りまして、仙台中央警察署から仙台の青葉通電話局に対しまして、設備の差し押さえを執行する、その際NTTの責任者の立ち会いを要請する旨の御発言がございました。現実には令状は九月一日及び九月八日に執行されまして、私どもの仙台青葉通電話局の者が立ち会っております。
 以上でございます。
○上田(利)委員 その執行令状が裁判所から出まして、執行した、いわゆる電話を差し押さえた内容はどういうようになっていますか。
○岸田参考人 第一回目の九月一日の状況でございますが、契約者数が五、回線数六でございまして、押収いたしました設備は、端子に附属いたしますねじ二個を回線ごとに計十二個差し押さえをいたしております。
 それから九月の八日でございますが、第二回目でございますが、これは回線数が四個で、これに対応いたします端子に附属するねじを八個それぞれ押収されております。
○上田(利)委員 そうしますと、この差し押さえたのは電話でなくて、マスコミでも報道していますように、電話のいわゆる端子盤と言われる、電話局の自動交換機から加入者に電話回線を持っていきますけれども、そのマンションであるかどこであるかわかりませんけれども、そこに電話の端子盤を置きまして、通称MDFと言っておりますよね、分線盤とか言っております。それから各部屋とか各加入者に落としていく、一遍に束を持っていくわけにいかないからそういう形。そのMDFのあの装置の中の接続の端子がございますね、プラス・マイナスございますから二つになることは当たり前でございます。その二個を、一回線二個ずつですから、これを外す。外せば断絶になります。もう加入者の部屋とか事務所とかは電話は通じない、こういうことになるわけでございますけれども、そういう形で令状が執行されて、そして令状が執行されれば当然NTTはこれに従わなければならぬわけでありまして、それで、そういうことについて立ち会ったわけですが、立ち会わなければならない理由は何だったのですか。その程度のものに何で立ち会ったのか。
○岸田参考人 お答えをいたします。
 これは、当局の御要請でもございますし、かつ私どもの立場といたしましても、差し押さえ対象以外の回線をとめられる可能性があるかなということの確認をしなければいけない。それからまた、対象回線を選ばすためにほかの会社にも影響があるかどうか、その点も確認しなければならないという意味で立ち会いをいたしております。
○上田(利)委員 概略NTTの対応はわかりました。
 それで、監督官庁でございます郵政省にお尋ねをしたいと思いますが、電気通信事業法、この第三条と第四条、「検閲の禁止」「秘密の保護」という条文がございます。電気通信事業法の第三条「電気通信事業者の取扱中に係る通信は、検閲してはならない。」第四条「電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならない。」これは当然、憲法第二十一条の表現の自由、通信の秘密の中の「検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。」ということの中から、五十九年十二月二十五日に法律第八十六号で公布されました電気通信事業法の言うならば総則の中の非常に重要な部分として三条、四条が定められております。
 そして事業法第七条に「利用の公平」第八条に「重要通信の確保」という項目がありますが、「利用の公平」の中では「電気通信事業者は、電気通信役務の提供について、不当な差別的取扱いをしてはならない。」こうあります。さらに事業法三十四条では「第一種電気通信事業者は、正当な理由がなければ、その業務区域における電気通信役務の提供を拒んではならない。」このように規定がされてきております。
 今回のデートクラブ、これは言うまでもなく売春防止法違反容疑といいますか、さらには反社会的な行為でありまして、これは警察当局において壊滅する、このことは私ども国民にとって、いわゆる社会の秩序を保つためにはどうしてもやってほしい問題であります。しかし、そのやった方法が――いわゆる電話回線、通信を媒体としてそれが違法行為をやっているわけでございます。チラシを配りいろいろな形をしながら、そして電話をかけさせてきて、そこからデートをさせる、言うならばそこに犯罪が発生をするあるいは発生が予想される。しかし、今日のいわゆる高度情報通信の時代の中では、電話を、NTTの電話あるいは一般、第一種の事業者の電話でもいいわけでございますけれども、それを引いて、その設置場所に電話は確かに電気通信事業者が設置をしますが、御案内のように転送電話というのがもう開発されておりまして、全然別のところへかかってきた電話を転送すれば、設置場所にはだれもいなくてもいわゆる転送先で指示をすることができる、どこどこへ来い、あそこへ来い、こういう形になるわけです。
 ですから、警察といたしましても、これを捜査をしながら検挙するあるいは逮捕するということがなかなか難しい状況に置かれてきておることは私自身も承知をしております。しかし、そのために、言うならば憲法二十一条あるいは電気通信事業法の三条、四条、これを犯すと思われるような形で捜査をやるべきでないと思うのであります。
 いわゆるこの電話回線を切断すればもうそのデートクラブの連絡は断ち切れるのだからいいわ、これはそのとおりであります。そのとおりです。すべてそういう形で物事がやられてきたら大変な状況になります。社会秩序の維持、反社会的な行為を撲滅するというこの行為、これは何人も否定はしませんし、これはやっていただかなければならぬ。しかし、そのことをやる手段として電気通信事業法が犯されていくということになりますと、これはまた社会秩序を乱していくことになるわけでございまして、今高度社会の中で、しかも成熟した社会の中でいわゆる電気通信というものが非常に大きなウエートを占めて、人間社会の中で一秒たりともこれは欠かすことができない、こういう状況にあるだけに、この問題は非常に重大だと思うのであります。郵政省として、電気通信事業法から照らして違法性についてどのように考えているのか、その見解をまずお尋ねしたいと思います。
○奥山(雄)政府委員 ただいまるる御説明ございましたように、電気通信事業法は電気通信役務の重要性にかんがみまして多大の保護規定を置いております。
 今回の案件につきましては、先ほどNTTの方からも御答弁がございましたように、まず警察の方で利用停止ができないかというお申し出がございました。それに対しましてNTTの方は、現在の電気通信事業法三十四条、先生も引用になられましたけれども、役務の提供義務を定めた規定並びにそれに基づくNTTの契約約款からしてそれはできないということで断っております。これは事業法の正確な、あるいは正当な執行であったというふうに私どもは判断をしております。
 ところが、その後、捜査機関からの要請に基づいて、裁判官の発する令状、具体的には捜索、差し押さえ許可状のようでございますが、刑事訴訟法に基づく令状によりまして今回の措置がとられたということでございますので、刑事訴訟法上適法な措置がとられた、それに対してNTTが立ち会ったということでございまして、電気通信事業法に定められておる、先ほど先生から引用のございました、例えば検閲の禁止とかあるいは通信の秘密を侵すことの禁止といったような条文とは直接かかわり合いのある問題ではなくて、いわば法益を異にする法体系において執行された案件であるというふうに私どもは認識しております。
○上田(利)委員 冒頭私も申し上げましたように、裁判官の執行する差し押さえ令状が出れば事業者として拒むことはできない、このことは承知をいたしております。しかし、郵政省が電気通信事業法を定めて利用者の権益を守っていこう、こういうことになっている、しかも、それが犯罪として成立しているのかしていないのかわからない段階で電気通信設備を差し押さえていく、この行為はかってないのであります。電話機そのものを差し押さえるということは今までも多々事例がございました。あるいは誘拐犯罪などの中で、通信の秘密はこれを守らにゃならぬと言いながらも、人命にかかわる問題点としては、これは郵政省あるいは当該NTTも加えながら、逆探知などということをしながら人命救助に当たっておるということはございますけれども、今回のデートクラブ問題は本当に事件として成っておるのかどうなのか、そういう中で電気通信役務を中断をしていくというこのことが、犯罪とは別に郵政省としてどうなのかということを実は私は聞いているのであります。
 令状が出れば、それはやるのは当たり前であります。その部分を主務官庁郵政省として、じゃ何でもかんでも出てくれば――例えば電話端子盤、MDFでございますけれども、これは電話局の中に全部ございます。これを全部差し押さえるという令状が来れば全部それに応じるのか。この間、十四日の夕刻、千代田電話局のディジタル交換機がトラブルを起こしたら、八千回線でもああいう混乱状態になるわけでございまして、あるいはNTT全体の電話について、これを差し押さえる令状が来れば全部それに応ずるのかという、今までの法体系の中になかったような事例である。しかも電気通信を媒体としていわゆる犯罪を行っているのだから、そのもとを断ち切ればいいわけなんでしょうけれども、しかし、そのことと電気通信役務を提供することの関係は非常に重大だと思うのです。もう一度郵政当局の考え方をお聞きしたいと思うのです。
○奥山(雄)政府委員 今回の件につきましては刑事訴訟法に基づく、つまり法に基づく正当な行為が行われて、それが結果的に電気通信役務の中断につながったというケースでございます。したがいまして、電気通信事業法が目指しております電気通信業務がいわば平穏、公然、善意、無過失に行われるような場合とは異質の法体系下において行われたものでございます。電気通信を所管いたします私どもあるいはそれを執行いたしますNTTといたしましては、電気通信事業法にのっとりまして電気通信役務が、サービスが十分に行われるように最大限の努力をするつもりでございますし、今後ともそのような方針で臨みたいと思います。
 しからば、もしお尋ねのようにどのような令状があってもそれに応ずるのかということでございますが、これは刑事訴訟法の中に非常に厳密な規定がございますので、個別具体的にその被疑者並びにその疑いのある物件についての記載事項が求められておりますので、それが果たして問題になっている被疑事項との関連において適正かどうかというのは裁判官の判断にゆだねられるという形になろうかと存ずる次第でございます。
○上田(利)委員 NTTにちょっと伺いますが、事業法の三十一条で制定されております電話サービス契約約款というのがございまして、その九十二条「利用停止」の項でございますが、九十二条の二項に「当社は、前項の規定により電話サービスの利用停止をするときは、あらかじめその理由、利用停止をする日及び期間を契約者に通知します。」こうあります。
 これはもちろん、法第三十四条の「第一種電気通信事業者は、正当な理由がなければ、その業務区域における電気通信役務の提供を拒んではならない。」ということとの関連で契約約款の九十二条第二項でこうありますけれども、今度の場合、MDFを切断して通話を停止したに当たって契約者、加入者にこのとおり通知をしたのかどうなのか、これが一つ。二番目に今も停止中であるとするならば加入権はどうなっているのか。三番目に基本料金はいただくことになるわけですか。例えば電話料金を滞納し、再三督促しても払わない場合については通話停止をやることができます。NTTがいわゆる通話停止をやっても、基本料金は使っていなくても当然いただくことになっておるはずでございますけれども、この場合基本料金はどうなるのか。この三つだけ明らかにしてもらいたいと思います。
○岸田参考人 お答えいたします。
 加入者に対します電話が不能になることにつきましての通知でございますけれども、これは事前はもちろんのことでございますが、事後につきましても、犯罪に関係をしておりますので相手先がなかなか捕まらないということで事実上の問題として連絡をいたしておりません。
 それから加入権の問題につきましては、特にこのことに関係いたしまして変化はないと考えております。
 それから基本料金の問題でございますけれども、電話サービス契約約款の第百十五条第二項三号におきまして、契約者の責めによらない理由によりサービスの利用ができない場合には契約者に支払いの義務がないというふうに規定をいたしております。今回の問題につきまして契約者に責任があるかどうかにつきましては現在の時点では明確でございませんので、当面とりあえず基本料金の請求は行わないことにいたしております。
○上田(利)委員 わかりました。私もここに契約約款の百十五条の条文を持っておりますけれども、こういうように非常に混乱をしてくるわけですね、この形でいきますと。一応、NTT側と郵政省の関係は概略わかりました。
 そこで、警察庁にお尋ねをしたいと思います。
 憲法第二十一条の問題は先ほど申し上げたとおりでございますが、先ほど申しましたように事業法の「検閲の禁止」、「秘密の保護」の第三条、第四条に、「電気通信事業者の取扱中に係る通信は、」云々、あるいは「係る通信の秘密はここうありますけれども、第二条の「定義」の中で、電気通信事業者とは電気通信事業を営む者であるということで、これは郵政省の認可を得た者ができるんだ、こうあります。電気通信事業とは何かということについては、二条の四号で、電気通信事業とは「電気通信役務を他人の需要に応ずるために提供する事業」こうあります。しからば電気通信役務とは何か。二条の三号で、電気通信役務とは「電気通信設備を用いて他人の通信を媒介し、その他電気通信設備を他人の通信の用に供することをいう。」こうあります。電気通信設備とは何ぞや、こうなりますと、二条の二号に、電気通信設備とは「電気通信を行うための機械、器具、線路その他の電気的設備をいう。」こうあるわけでございます。
 したがって、またもとへ戻りますが、第三条の「電気通信事業者の取扱中に係る通信は、検閲してはならない。」こういう三条に対しまして、いわゆる電気通信設備、機械や器具、線路その他のものを差し押さえたということは、これは電気通信事業者の取り扱い中に係る通信の検閲に該当すると思いますが、警察庁の見解をお聞きしたいと思います。
○上野説明員 お答えいたします。
 先生、現在のデートクラブという売春の実態と、それから、それがまさに電話のみによって要するに客集めをやっているということは御理解いただいていると思います。そういうことがありまして、今度の仙台のケースでいきますと、地元の母親ですとか教育団体等から、要するにデートクラブが世の中に蔓延し過ぎている、これを何とかならないか、もっと我々の子供の教育のことを考えてほしい、風俗環境の保持に努めてほしいという要望が繰り返し出ておりまして、私ども警察の任務というのは国民の権利を守ることでございます。今申しましたような風俗環境を守る、子供の教育を守るというのは、それは一つの国民の権利を守っているというふうに理解しております。
 そういう権利と、それからもう一つは通信の秘密という一つの自由、その辺の調和をどうあるべきかということは、私ども、もともと国民の権利を守るということから平素から考えておるわけでございますが、このケースにおいては公共の福祉にどちらの権利がより重要なのかという見地から考えてみて、やはり国民の、子供をいい子に育てたいという親の願いを達成してやる、これの方がより大事だという見地から、今回の捜索、差し押さえを実施したわけでございます。
 もちろん、そういう面がありましても、通信の秘密ということにかかわるおそれのある問題でございますから、私どもみだりにそれをしていいわけではない。他の任務のためにそれを乱用していいというふうに考えているわけじゃなくて、他に方法がないのか、この捜索をしなければこの事件の捜査が困難なのかどうかということを総合的に勘案いたしまして、今回のような差し押さえを実施するという結論を出した次第でございます。
○上田(利)委員 刑事訴訟法によりまして警察はこのような反社会的な犯罪を壊滅しようということでやったことは、先ほど私言ったとおりこれは最も重要なことでございます。しかし、刑事訴訟法二百十八条かどうかわかりませんけれども、刑事訴訟法上の差し押さえというのは証拠保全が目的でございますが、今回あの端子のビスを二つずつ取ったところで、それが何かのいわゆる証拠保存になるのかどうなのか。むしろ電話機を差し押さえていくというのが至当だと思うのです。最端末機でございます電話機がなければ電話をかけることはでき得ません。なのに、なぜ電気通信設備まで差し押さえを、今まで事例のないような形で持っていったのか。この点が実は私、疑問でございまして、この点についての警察庁の御見解を賜りたいと存じます。
○上野説明員 お答えいたします。
 先生の今の御質問の趣旨、よくわかるわけでございますが、実は私どもの今度の宮城県警におきましても、本年になりましてからこのデートクラブ関係で既に百件を超す事件を検挙しておるわけでございます。その中で、多くの場合は今申しましたように電話を専ら利用しております。それから捜査の場合も他の手段でもって――そういうようなデート嬢に対してあるビルの一室とかマンションの中から指令を出していくというのが多いわけですが、専ら電話のみを利用して出しておりますが、そういうことで、ほかの捜査の方法によってその本拠地を割り出し、そして犯人を捕まえるという形を従来してきておるわけでございます。
 しかし、悪質な業者の方はだんだん巧妙になってまいりますので、他の捜査手法を編み出してきました。ある事件の際に、捜査をしていきましたら、警察の裏をかくという意味で、途中から転送機を使って電話を他へ転送するもの、あるいは今問題になっております端子、端子函の中に、その端子をほかの電話につないでしまって、要するに私どもが知り得る方の電話の所在地と違う場所から指令を出しているという事実が出てきたわけでございます。そういう面がございまして、今回のケースにおきましては、端子がずっと入っておるあのケースを、何と言うのですか、端子函と申しますか、要するに全体がそれがどこにつながってどういう形になっているのか、転送機がどこに設置されているのかという事実を知りたいということがありまして、捜索、差し押さえを実施し、その場合につながっておりました端子の先端のねじの部分を押収したわけでございます。あとは、差し押さえしておりますが、現場にそのまま残しております。
○上田(利)委員 私が聞いている要旨とちょっと違う御答弁をいただいたように思うのですけれども、いわゆる端子盤、MDFというのがございます。このねじを取れば電話は不通になります。最終端末機の電話機を取っても電話はつながりません。それで、どこに電話が架設してあるかということは、端子函のねじを取らなくても、端子函を断絶しなくても、断絶する場合についてNTTが立ち会ったというのは、よそのものをやってしまっては困るからですね。必ずデートクラブということで申し込んだ上田何某なら何某という者のあの部屋だなということでそれを断ち切るわけですから、そうすれば端子函を断ち切らなくたってその設置してある部屋はわかるわけでございます。四カ所なり五カ所なりはわかるわけなんです。それをあえて端子函のねじを押収したというこのことがわからない。
 また、今保安課長は、その端子函に別の電話を接続するかもしれぬと言いますけれども、別の電話のいわゆる電話番号をつけたものをつなぐなどということはできません。電話局が、NTT側が番号を決めなければできぬわけですから。したがって、そういう形はあり得ない。ただ、その番号で全然別の部屋へ電話機を、当初NTTに申し込んだときの部屋だというところへ設置したものじゃなくて、その電話を取っちゃって、端子函のところからまた接続して別の部屋に持っていくという、こういう行為はございます。これはあります。しかし、それもテストしてみればすぐわかる問題でございまして、何も端子函まで、いわゆる今までやったことのない捜査方法でこのように電気通信設備を差し押さえた、ここが実は私どもとして問題視しておるところであります。
 もう一つは、仮に端子函をやっても、これは郵政省に聞いてもいいと思うのでございますが、その修理を申し込んできた場合については、これは当事者は、第一種事業者は拒否できないでしょう。
 それから、その場合に、差し押さえがしてある端子函があるから、全然別の形の中で、端子函を通じないで電話局の電柱から直接この復旧をさせるということもありましょうし、もう一つは、さらに別の電話を申し込んでくれば、犯罪として逮捕されていれば別ですが、そうでなければ幾らでも電話は別な場所にどんどんつけざるを得ない。そのたびに全部調べて令状を持っていって、そしてあそこもやっているようだ、こっちへ今度は移ったようだということでイタチごっこになって、これはどうにもならぬことになるのじゃないかと思うのです。
 新規開通ということになればNTTは少しは利益が上がるかもしれませんけれども、それを拒むことができない、こういう状況の中で、しかもデートクラブは仙台だけではなくて、聞くところによりますと、NHKの大河ドラマ「独眼竜」が放映をされまして、非常に観光ブームもあって全国から人が集まってくる、そしてそこのデートクラブの犯罪が多発してきている。これは東京にもたくさんございます。全国にもあることだ。そこまでそういうものが広げられるということになりましたら、電気通信事業というものの根幹が揺るがされていくということになるわけなんです。あるいは競馬のいわゆるのみ行為と言われておるようなものも全部電話でございます。電話、電気通信を媒体として行うものは全部そこで分断をしてしまうということになったら、これは大変なことになってまいりますし、電話事業者は本来の仕事はできなくなってしまう。あるいは通信の安全あるいは秘密、そういうものが守れなくなってくるというおそれがあるだけに、私としてはこの問題は、そういう観点から見ると、警察が少し早合点をして、その回線だけをやればもうできないわ、こう判断したのではないかと思うのですが、早合点だったと思うわけでございまして、この点もう一度、警察庁の見解を賜りたいと存じます。
○上野説明員 お答えいたします。
 私、電話について素人で十分な御説明ができないわけですが、今度の捜査をいたしました宮城県警の職員についても、この捜査をするに当たりまして、電話のシステムあるいは端子というのがどういう形になっているのかということを勉強したのだろうと思います。そういうことで今回勉強しまして、端子を取り除くのが一番いい方法だと考えたというふうに私報告を受けているところでございます。今後、この方法が本当によかったのかどうかということは、さらに私どもとしましてもいろいろ勉強してみなければいけないと思っております。
 したがいまして、私ども従来から、捜査を行う場合、他にその捜査の手法が、要するに他に方法がないのか、もっといい捜査の手法がないのかということが一つと、それからもう一つは、今直ちに速やかに捜索、差し押さえをしなければいけないのかどうか、証拠保全上どうなのかというようなこと、各種の問題を多角的に検討していきます。犯罪の態様、犯罪の程度ということもありますし、それによって関係者に及ぶ迷惑の度合いというのももちろん検討の対象になりますが、そういったものを総合的に検討いたしまして、最もいい捜査手法を考えていくというのが従来のケースでございます。
 このケースでもそういうふうに検討したものと理解しておりますが、今後この種の問題につきましてさらに検討を繰り返し、慎重かつ厳正な対処ができるように考えておる次第でございます。
○上田(利)委員 高度情報化社会の中ではさまざまな犯罪、コンピューターが出てまいりますとコンピューター犯罪も出てまいってきております。いわゆる付加価値通信網ということで今度VANなどが出ている、あるいはデータ通信、そうすると単に電話回線ということだけでなくて、そういうふうな高度の、発展していく電話の中ではさまざまな犯罪が出てくると思います。そのたびに電気通信設備を押収するようなことがあったら、これは社会にとっては大変なことになってくるわけです。今は端子函ということでビスを二つということでございますけれども、これも今までにないということで、やはり電気通信設備の途中の設備を中断したという、これが大きな問題だと思っておるわけでございます。
 もし通話を断ち切るならば、通話停止の執行をNTT側にやっても、これは事業法上できませんよと言う。通話停止は一番簡単なんですよ。そうでしょう、滞納の場合でも何でもできるのですから。それをあえてできないと言う、通話停止ができないものを、もっと上にいった、施設を切断するということは大変なことなんですよ。通話停止ができないものを今度は設備を切断していく、実はここに問題があるわけでございまして、この問題、我々としてもこれから警察に対しましても対応しなければならぬと思うわけでございます。
 最後に聞きますが、このようなデートクラブ、電話を媒体としてやる犯罪行為がいろいろございますけれども、宮城のようなことを全国でもやるつもりなんですか、これをお尋ねしたいと思います。
○上野説明員 警察といたしましては、国民の権利を守るということが大事な私どもの任務でございますから、そういう見地から、それぞれの捜査をする場合、どういう方法が一番いいとかということは、先ほどもお答えしましたように各種の犯罪の態様、被害の程度、あるいは関係者に及ぼすマイナスの影響、そういったことを総合的に勘案するわけでございます。
 したがいまして、今回のケースではこれが一番望ましいということを現地で判断したわけでございますが、今後同じようなケースが発生した場合、それぞれその場において判断をすることになると思いますが、やはりほかに捜査手段として本当に方法がないのかどうか、あるいは直ちに捜索、差し押さえをしなければ証拠等の散逸するおそれがあるという、真にやむを得ない事情があるのかどうかというようなことを総合的に勘案して、厳正にかつ慎重に対処するようにということは各県に対して繰り返し指示してきた次第でございますし、今後もそういう形の指示をしていくつもりでございます。
○上田(利)委員 警察庁の御答弁をいただきましたけれども、もう一度お尋ねしますが、このような方法が本当に証拠保存あるいは犯人逮捕に一番よかったと思っておるのかどうなのか。絶対そんなことはやらなくてもできます。むしろ通信の領域を侵してしまって、そちらの方の秩序が乱れてしまう。もっとやるべきことは私どもの判断としてもあると思うのでございますが、その見解を賜りたいと存じます。
○上野説明員 お答えいたします。
 世の中には悪質業者というのはたくさんおりますし、次々と新しい営業方法を編み出してまいります。そういう面で、先ほど先生イタチごっこになるのじゃないかということを言われましたが、確かに私どもの取り締まりと業者の営業方法というのはイタチごっこになっていくわけでございます。そういう面で次々と新しい営業方法が生まれるなら、我々も新しい捜査方法を編み出していかなければいけないと常に考えております。
 今回のケースにおきましては、宮城県警は今度の方法が一番適当な方法だと判断したわけでございますし、それはそれなりの理由があったと私どもは理解しております。しかし、今後同じような方法がいいのかどうかということにつきましては、また次に具体的なそれぞれのケースに照らし合わせてみなければ何とも申しかねるところでございますが、やはりその都度、前の方法に甘んじる、あるいは惰性に流れることなく、最もいい方法を次々と我々も工夫、開発していく努力をしていかなければいけない、こういうふうに考えている次第でございます。
○上田(利)委員 時間がございません。ほかの問題もと思いましたけれども、あと時間が残り少ないので、重要ですからこの問題で終わらしてもらいますけれども、今コードレスボンが出ております。これも事業法によって決められておりますから、コードレスボンを使うじゃないぞなんて、例えば警察の側から見れば、そんなコードレスボンなんというものを開発してもらっちゃ困る、これは自由にどこでも持ち回れる。あるいは自動車電話もこれからどんどん普及をされてまいります。あるいは転送電話ももっと高度になってまいります。これは社会の発展に伴ってNTTあるいは郵政省が技術開発をしながらそういうものを次々に出してくる、そうするとそれに伴っての犯罪が出てくるのであります。出てくるから、その根源を断つためには何でももとを断ち切ればいいよなんという、この安易な考え方で警察当局が対応するということは、絶対にその形では犯罪を壊滅することはできないと私どもは思うのであります。
 もっと簡単に申しますと、社会的に犯罪を犯しているあるいは反社会的な人間だと思った者については電話とかその他を架設しないという法律でもつくれば絶対にそんなことは警察がやらなくてもいいことになります。おまえ何をやるんだ、やってみたらこうだ、あるいは事実明らかにデートクラブだということになった電話だったら一発でそんなものは法的に撤去し未来永劫に設置ができないとか、あるいは暴力団ということが明らかであればそれについては電話は一切引かないとか、そういうことが今のこの社会の中で、あるいは電気通信事業法上からいってもでき得ないという中で犯罪が起こってきているわけでございますから、私はこのようなデートクラブの壊滅、これは地域住民やあるいは子供に大変な影響があったと思うだけに警察が全力を挙げてやった、このことについては非常に敬意を表しますけれども、いわゆる目的を達成するためには手段を選ばないということであってはならない、そういうことであってはならない、こう思うわけでございまして、このような形で捜査を行うことについては今回限りでひとつやめていただきたい、こう思うわけでございます。
 そのことを最後に申し上げまして、さらに警察庁がこのような巧妙な犯罪に対しまする科学的あるいは技術的な捜査体制をつくっていただき、それで国もそれに予算もつけたりして、そして陣容も整えでこのような反社会的な犯罪については壊滅をしていく、こういうことが必要ではないか、そのことの方がむしろ重要ではないか、こういうことを申し上げて、私の質問を終わります。
○白川委員長代理 午後一時二十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時五十四分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二十分開議
○深谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 逓信行政に関する件について調査を進めます。
 質疑を続行いたします。田並胤明君。
○田並委員 それでは総務庁、どうも御苦労さまでございます。六月に「郵政事業に関する行政監察結果に基づく勧告」が出されましたが、それについて二、三総務庁の方にお伺いをしたいのです。特にその中の郵便小包部門についての勧告が出されていますが、それを中心にしてお聞かせを願いたいと思うのです。
 まず、総務庁は郵便事業の行政監察に基づく勧告を行いましたが、その中で、今言った小包の関係について「郵便小包部門について、収支均衡の目標年度を定め、計画的に業務運営の効率化による経費の縮減等に努める必要があり、これが達成できない場合には、民間宅配サービスの動向等を踏まえ経営の在り方について抜本的に見直しを行う必要がある。」こういうことを勧告の中にうたっているのですが、その趣旨はどういうことを意味しているのか、まずお伺いをしたいと思うのです。
○鈴木説明員 ただいまお話しございました、本年六月に勧告をいたしておりますが、この勧告を行うに至った経緯といいますか趣旨でございますが、先生御案内のとおり、近年通信あるいは送達の手段相互間でいろいろ競争が激化しているとか、そういうような背景のもとに、郵政事業にとりましても経営環境がいろいろ厳しくなっている、そういう基本的な認識のもとにこのような監察を実施し、必要な勧告を行ったものでございます。
 特に、御指摘の郵便小包の部門でございますが、私どもの調査したところによりますと、近年小包部門の収支を見ますとかなり大きな赤字といいますか、支出の方が収入を大きく上回っているというような状況がございまして、このような状況で今後も経過いたしますと郵便事業全体の収支に大きな影響を与える、ひいては国民の負担の問題にも響いてくるおそれがある、こういうようなことを考えました。また私どもの調査によりますと、事業の効率化といいますか、宅配便等と比べまして若干効率面で及ばない点もあるというようなこともございましたので、先生今御紹介ありましたような勧告をいたした次第でございます。
○田並委員 それで総務庁の方は、まさか郵便小包について廃止だとか縮小というようなことを率直には言ってはいないだろうと思うのですよ。ところが新聞、マスコミ等で、勧告が出された翌日の新聞等を見ますと、いずれも、郵便小包、廃止を含めて抜本的な見直しと、あたかも小包がだめで、民間の宅配に全部任してしまって、郵便小包は廃止の運命をたどるのだ、こういうような感じで書かれているわけですね。あたかも廃止が勧告をされたような、一般の人がそういうふうに受け取られるような勧告の中身に実はなっているととられているわけですよ。総務庁としては廃止縮小を前面に打ち出したような内容の新聞発表をしたのかどうかということを聞きたいということと、もう一つは、総務庁の勧告では、民間の宅配便が大きく伸びているので、官業は民業を補完をすればいいという立場でこの小包の廃止縮小というのを将来的に意図をして出されたものなのかどうか。マスコミなんかを見た限りではどうもそういう感じがしてならないわけですよ。その辺の考え方について、マスコミに載ったのはそういう方向で、そういう趣旨で総務庁としては発表したのかどうか、その辺を聞かしてください。
○鈴木説明員 今マスコミの報道ぶりについてお話がございましたが、私どもの勧告の趣旨は、あくまでも先ほど申し上げましたように業務の効率化等による経費の縮減、そのような努力を踏まえて、目標年度を定めて収支均衡を図るというところが私どもの本旨でございます。こういうようなことを踏まえまして、全国あまねく公平にサービスを行う、こういう郵政事業、その本来の目的を達成するというようなところが勧告の趣旨でございまして、本委員会のような公の場で私どものこういうような趣旨を述べさせていただくということは非常にありがたいと思っております。
○田並委員 勧告の中では、郵便小包の収支についておおむね三百億近い赤字が出ている、こういう指摘をされていますね。仮にこれが事実としても、赤字を解消しない限り、目標年次を定めて収支の均衡に至らない場合には縮小もしくは廃止だ、こういうふうに受け取れるんですね、勧告の中身というのは。ところが郵便事業というのは、御案内のとおり総合原価主義ですから、例えば三種とか四種、これは新聞の郵送については非常に低廉になっているし、あるいは盲人用の点字印刷物については無料でもってやるという、そういう政策料金もこういう郵便事業の中にはあるわけですね。つまり国民の文化なり福祉の向上に資する、こういう立場も郵便事業の中にはあるわけですよ。したがって、小包だけ引っこ抜いたりあるいは三種だけ、四種だけ引っこ抜いていった場合に、例えば今度の場合は小包だけですが、政策料金になっている三種とか四種まで取り上げられてこれもどうなんだと言われたら、これは郵便事業の持つ公共性、つまり福祉だとか文化の向上に一定の役割を果たすというこの事業の公共性までなくなっていってしまうのではないだろうか。ということは、公の事業ですからね。
 だからといって赤字が出ていいということには確かにならないのです。一生懸命やっているから黒字になっているのですけれども、ところがどうも勧告の中身というのは、郵政省が今日まで一生懸命やってきたその努力に対して、こういう点はいいからどんどん伸ばしてください、これはちょっと問題だからこの辺は少しこういうふうにしたらいいんじゃないかとか、こういう建設的な、郵便事業そのものが発展をするような視点でもって物事をとらえないで、どうもここは赤字だから、官業が民業を圧迫してしまってはしょうがないのだから、補完物なんだからもう役目は終わったんじゃないか、こういう書き方をされますと、最初言いましたように郵便事業の持つ公共性というものをまるっきり切り捨ててしまう、こういう感じの勧告の中身といいますか、そういう考え方が貫かれているんではないかということで心配をしているわけです。
 したがって、あまねく公平に郵便サービスを提供しなければならないし、また国民の皆さんも受ける権利があるわけですから、小包の赤字というのはどの部分が、山間僻地なんかの郵便小包が赤字なのかどうかわかりませんが、今「ふるさと小包」ということでもって年々、かつて最盛時には二億個ぐらいいっていたのが一億三千万個ぐらいに減って、ここのところへ来てまた一億七千万個ぐらいに回復をしている、こういう努力をして民間といい競争関係に入っていると思うのです。そういうやさきにこういう勧告が出されますと、現場の職員にしたって利用している人にしたって大変なショックを受けるわけですよ。そういう意味で、こういう郵便事業の持つ一面では公共性、企業性と同時に公共性というのがあるはずでありますから、この辺を勧告の中ではどういうふうにしんしゃくをされて、考慮の中に入れて勧告をされたのか、その辺をお伺いしたいと思います。
○鈴木説明員 先生今御指摘なさいました公共性の問題等につきましても、私どもとしても十分勘案しているつもりでございます。勧告の冒頭の前書きのところを見ていただければわかりますとおり、明治四年に郵便事業が発足して以来、国民生活あるいは産業経済の部面につきましても大きな役割を果たしている、これは私どもとしても積極的に評価しているところでございます。ただ一つ、郵便事業あるいは小包部門もそうだと思いますが、一つの事業体でございますので、なるべく効率的な経営を行う、これもまた事業としての一つのあり方ではないかと思います。いろいろそのような誤解等をお招きするようなことがあってまことに恐縮でございますが、私どもとしては、あくまで、監察という観点からはそういう積極面あるいはいろいろ問題のある面、両方相まって客観的に評価しているつもりでございます。
 ただ、勧告ということになりますと、将来に向かっての改善の方向とかあるいは改善の方策等について申し上げるわけでございますので、そのような現行の業務のあり方について将来直していくという方向にどうしても力点がかかるということで、そういう誤解も招くかもしれませんが、私どもとして、監察といたしましては全般的に業績を評価したつもりでございますし、その上に立って、私どもの調査結果に基づきまして将来に向かっての指摘をさせていただいていると考えております。
○田並委員 総務庁の方にお願いをしておきたいのは、これから簡易保険、年金の監査が行われますね、監査は今やっていらっしゃるのですか。そういう中で、それはある時点をとらえて、一年なり一年半たった後、今度は勧告という格好で出されるのでしょうが、その間に、郵便事業にしても簡易保険事業にしても貯金事業にしても、とにかく今競争時代ですから、生き残るためのいろいろな施策を郵政省は郵政省でやる、組合は組合で協力をする、こういう格好で来ているわけです。
 例えば、勧告の中に小包も含めて深夜勤を入れたらどうだとかなんとか具体的に出ていますが、現実にそれは行われているわけですね。ですから、監査を実施した時期と勧告を出した時期の時間差というのがかなりあると思うのです。その辺のことも、もちろんある時点をとらえて監察をして勧告を出すわけですから、ちょっと時代おくれみたいなものがあるいは出てくるかもしれませんが、そういう監査を実施した以降勧告を出すまでの間の事業の具体的な取り組み状況等についても十分しんしゃくをした上で勧告の中に盛り込まないと、これを見て、あれ、深夜勤なんかもう始まっているじゃないか、あるいは内外の相互応援なんか行われているじゃないか、総務庁は何を言っているのだろうなというとらえ方を我々しますので、その辺の時間差というものも十分考えてやるべきだろうと思います。
 貯金はもう終わっているようですから、これから行われる保険、年金の監査に当たっても、今言った企業性はもちろん必要でありますが、それと同時に、あまねく公平にという公共性ですね、しかもそれぞれの事業を通して地域の社会経済の発展のために大きな貢献をしているというそういう性格も十分踏まえて、前のときも私総務庁には言ったと思うのですが、その辺のところを十分判断の中に入れて監査の方も実施してほしい。少なくとも縮小再生産になるような形での勧告なんか絶対出さぬでほしい。
 今度の小包部門については、現場の人なんか本当に大変ですよ。今まで一生懸命「ふるさと小包」でも何でもやって、小包が落ち込んだ、民間に負けてはならない、もちろん圧迫してはいけないのですけれども、とにかくいい競争関係で持っていけば、国民へのサービスが相当プラスになるのじゃないかということで、これが出されたのが努力をしている最中ですからね。それだけに、総務庁の勧告というのは大きな影響を持つということについても御理解を願った上で、これからの簡易保険、年金の監査に当たっては十分配慮をしてやってほしい、このことを申し上げておきたいと思います。
 次は、総務庁の方はそれで結構なのですが、省として今回の郵便小包に関する勧告をどのように受けとめられているのか、郵務局の方にお伺いをしたいと思います。
○佐々木説明員 お答えいたします。
 今回の勧告は、郵便小包につきまして、目標年度を定め、計画的に収支均衡を達成するようにということでございまして、これが万が一達成できない場合には経営の抜本的な見直しを言わんとしたものと我々は受けとめております。ただ郵便小包は、不採算地域にもサービスを提供するのと、民間に類似のサービスが最近出てきておりますけれども、やはり極めて公共性が高いものと思っております。そういった前提に立ちまして、より一層事業運営の効率化、合理化を一方で図りながら、一方では郵便小包の利用増を図りまして、国民の期待にこたえてまいりたいというふうに考えております。
○田並委員 次長の答弁でよろしいのですが、もう一回明確にお答えを願いたいのは、国の事業である郵便小包について採算面だけを強調して廃止をするというようなことは、先ほど申し上げましたように公共性の放棄だし、サービスの切り捨てになるわけですね。したがって、こういうことは国民の皆さんも望むところではないと思うのですよ。したがって、郵政省としては廃止というようなことをいささかも考えておらないんだということを明確にお答え願いたいのです。
○唐沢国務大臣 今、田並先生から郵政事業のあり方についていろいろ心配をされて御質問をいただきましたが、早速、記事が出ましたときに山下総務庁長官に廃止とあるがと言いましたら、そんなことは言っておらない、おれは絶対そういうことは考えていないし、役所に帰ったら徹底するということを言っておられました。そのとおり山下長官も徹底されたわけでございますが、おっしゃるように郵政事業というものは国民のためにある事業であると私は考えております。郵政事業というのは、先生よく御存じだと思いますが、なかなか難しい点もございます。これは辺地、離島あまねく平等な、しかもできるだけのサービスをさせていただくという公共性があります。しかし、それだからといって効率経営でなくていいということではございませんので、それはやはり先生のおっしゃるように企業性も必要である。総務庁が指摘をされたのはその点に配意せよということだと私は考えておるわけでございます。
 それからさらに、やたらに我々が一生懸命努力をするのもいいのですが、民営を圧迫するということがあってはならないという三つの大きな命題を抱えながらやる事業でございます。郵便小包でも、遅かったとか壊れたとか苦情もございましたけれども、最近は、お手紙や何かいろいろいただきましても、よくなったというのが非常に多いわけで、役所の中でも郵便局は二番目にサービスがよくなったようでございます。
 時々私、休会中地方へ参りまして寄っておりますが、各特定局でもそれぞれの産地のものを積極的に扱って、観光客もわざわざ自分で買って持って帰らないで、郵便局を利用して「ふるさと小包」を非常に利用される、大分周知徹底してきたのではないか。それからまた「ふるさと小包」で一番売れているというのか扱い量が多いのは山形のサクランボですけれども、今まで余り食べる機会がなかった、世の中にこんなうまいものがあるのかということを我々に教えてくれてありがたいと言われた方もありまして、確かにあれは毎年毎年倍増しておるわけでございますね。
 ですから、先生おっしゃるように、縮小再生産ということではなくて、できるだけ効率的にはやりますが、積極的な経営に努めさせていただいて、そして国民の皆様にできるだけのサービスをし、健全な郵政事業の発展を目指してまいりたいと考えております。
○田並委員 大臣の決意を聞いたので、恐らく利用者も現場の職員の方も安心をすると思うのです。
 郵務局の方にちょっと聞きたいのですが、勧告の中で、先ほど次長言われたように、目標年度を定めて収支均衡を図れ、こういうふうに言われているわけですが、郵政省としては今後どういう見通しを立てて収支均衡を図る具体的な方策を考えられているのか、聞かしてください。
○佐々木説明員 郵便小包は、近年サービス改善をいろいろやりまして、また集荷ということも始めました。そういったことを始めまして、全職員一丸となった経営努力をいろいろやっておりまして、おかげさまで利用増に弾みがついた状況になっております。昭和五十九年度に増勢に転じまして、対前年度比が六%でございます。その次の年度が対前年度比七%、次が八%というふうに年々利用増に弾みがついておりますし、また昭和六十二年度、本年度の四月から七月をとってまいりますと、おかげさまで対前年度比一八%増というふうに順調に増加しております。こういった増加状況を今後続けていけば、年平均七、八%程度の利用増ということになりますと、昭和六十五年度には約二億三千万個程度にはなるということでございまして、おのずから収支均衡は必ずとれるというふうに考えております。
○田並委員 そこで、今次長言われたように、確かに郵便小包、落ちていたですね。五十四年が一番ピークで一億九千九百万個、五十八年が一番最低で一億三千三百万個、昨年度一億六千三百万個に盛り返して、本年度は四月から七月までの間で前年度対比一八%、この調子でいけば、営業努力によってかなり勢いが盛り返されると思うのです。今言った五年後ぐらいには何とか収支均衡が保てるように持っていきたいんだ、こういうお考えのようですが、それに合ったような、利用者が実際に利用できるような今後のサービスというのをどういうふうに考えられているのか。利用者に対するサービスですね、数ではそうなっているんだけれども、さらにそれを伸ばすための努力をサービス面として郵政省はどのように考えているのか、その点もあったら聞かしておいてください。
○佐々木説明員 郵便小包につきますサービスの改善でございますけれども、要はお客様のニーズに合ったサービスということにポイントがあるのじゃないかと思っております。
 まず第一に、現在もやっておりますけれども、親切、丁寧、迅速なサービスをする、これをさらに徹底させるということが第一点でございます。第二点としましては、集荷体制が現在十分に整っているとは言えませんので、電話一本で集荷体制が全国的にできるように、近々できるように行いたいということでございます。
 次に、小包の追跡システム。小包が現在どういう状態になっているかということは、お客様からの問い合わせでもわからない場合が多いものですから、そういった追跡システムをできるだけ早く導入したいということが第三点でございます。それからそのほかに、小包取次店の大幅な拡大とか、それから袋型の「ゆうパック」の販売とか、そういったようなことを考えてまいりたいと思っております。
○田並委員 それでは、この点の最後の質問になりますが、先ほど大臣の方から、利用者に対してもあるいは現場の職員に対しても、とにかく小包をそのまま存続をして一生懸命やっていくんだ、こういう決意のほどが聞かされたのですが、現場の方に対してはどういう――一回勧告が出て、なくなっちゃうんじゃないかということで、もうそういう不安があったわけです。そういう不安があったと思いますし、さらに大口利用者で定期的に使われている人も、郵政省も小包がなくなるんじゃ、ではぼつぼつほかも考えようかなんという、そういう心配を持った人たちもいるらしいですよ。そういうところに対して、郵政省としてはどういうふうに具体的な方法で職場なり利用者に対して、いや、そんなことはないんだ、そういう周知の徹底をしたのか。
○佐々木説明員 今回の勧告の本来の趣旨は、先ほどから御説明がありましたように、これまでの省のサービス改善や営業努力につきまして一定の評価をいただいたものと思っておりますし、その上でなお一層努力を傾注してまいりたいと思っております。
 ただ、しかしながら、今回の勧告、新聞にああいうふうに報道されたものでございますから、先生御指摘のように、職員の間には廃止されるのじゃないかということで非常に不安を持った者がたくさんおるということも事実でございますし、大口の利用者の方からも廃止するのではないかというようなお話もございました。
 この点につきましては、省はその不安を除去いたしますために、まず、部内職員向けに対しましては、郵務局長名で郵便小包の廃止はあり得ない旨の職員への掲示をいたしまして、省の考え方を徹底をしておりますし、それから、その後各種会議等を通じましてもそういった点を周知をいたしております。
 また、大口の利用者の方につきましては、郵便局の管理者が大口の方のところにお伺いするときとか、例えば今回夏の定期異動のときに新たに就任した管理者がごあいさつに行くときに、そういった小包の廃止といったようなことはあり得ないんだというようなことを御説明して、安心をしていただいておるようなところでございます。
○田並委員 総務庁の方もまだいるようですが、六月に出した勧告が中でも外でもこれほど大きな波紋を広げているんですよ。ですから、それは総務庁が発表したのをマスコミが廃止縮小という方向に大きく書かれたので、あるいは原因がそういうところにあるのかもしれませんけれども、そういう意味では、職場に働いている人にとっては、小包がなくなるということははっきり申し上げて人が要らなくなるということなんですよ。働く場所がなくなるということなんですよ。雇用の問題にまで影響してくるわけですね。もちろん、総務庁の方は、一生懸命やりなさいよ、もっと伸びるようにやりなさい、そういう善意でもってあるいは出したのかもしれませんが、勧告というのはそういうように敏感に反映いたしますので、これからもひとつ適切な勧告と、あわせて郵政省の方も、小包を何としても守って国民の皆さんへのサービスの向上に努めるように、そしてよってもって雇用の安定と労働条件の確保、そういうところに意を配してやっていってもらいたい、このようにお願いをしておきたいと思うのです。それでは総務庁、どうもありがとうございました。次の質問に入ります。
 次は、労務政策の問題でございます。
 今郵政三事業を取り巻く環境というのは、私が申し上げるまでもなくまさにもう競争の時代です。大変激変をする社会経済状況や多様化する国民のニーズに適切に対応しなければ、郵政事業といえども生き残ることは恐らくできなくなってしまうのじゃないだろうか、このように思うのです。この中で、郵政事業というのは御案内のとおり労働集約型の事業ですから、郵政事業の労使関係というのは良好であればあるほどよい、相互の信頼関係が確立をされればされるほどよいという、これに尽きるだろうと思うのですね。従来のような権力的な労務管理といいましょうか、労使関係のあり方というのでしょうか、それから、競争に打ちかつための営業時代にふさわしい、新しい時代の新しい労使関係の確立が今こそ重要だろう、このように思うのです。
 ここ数年、労使双方ともこういう事業を取り巻く厳しい環境というのをお互いが認識をして、労使の協議によって、先ほど申し上げた例えば深夜勤の導入であるとか、あるいは内外相互応援だとか、現場における事業拡大のための営業活動だとか、こういうのが労使双方とも真剣に現場で行われています。そういう血のにじむような努力によって、六十一年度の決算に見られるように三事業とも大変すばらしい成果を上げ得たのじゃないだろうか、私はこのように思うのですね。
 省の方も、従来の労務政策を一歩踏み出しまして、六十年の十月だったでしょうか、活力ある郵便局づくりというのを目指して、今日的な管理者の意識というか、共通の認識というのでしょうか、これを出しましたね。これは私中身を読ましてもらうと、従来の方針から脱皮をして、現場管理者も今の事業を取り巻く厳しい環境を乗り切るために、新たな発想とそれに伴う実践を職員と一緒になってやってくれ、こういう意味のことが書かれております。しかし、どうも現場段階へ行きますと、これは労使関係というのは相対ですから、一方があって片方があるので、一方が変わらないのにこっちが変わるわけにいかないというようなことで、ぎくしゃくした面がまだ部分的には多分に残っていると思うのです。ただ、こういう場合であっても、省の方から一歩踏み出して労使の正常関係というものをつくり出す努力をしてほしい、このように思うのです。
 この「活力ある郵便局づくりをめざして」という表題で新しい労務管理の指針が出されましたけれども、これを出したその背景なり目的というのを、簡単でいいですからもう一回ひとつこの場所で明らかにしてもらいたいと思うのです。
○白井説明員 お答えを申し上げます。
 ただいま先生がおっしゃいましたように、私どもの事業を取り巻く環境というのが年々厳しくなっておりまして、またその上に、臨時行政調査会でありますとかあるいはそれに引き続く臨時行政改革推進審議会の審議とか、あるいは各次にわたります答申にも見られておりますように、私どものような公共部門に対する国民の目というのが大変厳しくなっているというような状況に立ち至っておりまして、そうした世の中の情勢の変化に的確に対応いたし、また弾力的に対応していくということが私どもの事業の将来にとっては大変重要になってきたという認識をいたしております。そのような認識の上に立ちまして、まず管理者というのが、特にこの労使関係の問題などを中心にいたしましてどのような理念あるいはどのような行動基準を持つべきかということを管理者に示しまして、その実践を訴えるというような目的でもって御指摘の指針を一昨年の十月に発出した次第でございます。
○田並委員 そこで、先ほど申し上げましたように、こういう新しい労務管理の指針が出ました。現場段階では恐らく、今までの労務管理とは変わってきた、要するに競争時代、営業時代と言われるような時代に対応した労務管理のあり方ということですから、従来とちょっとパターンが変わったので、なかなかそれについていけない管理者がいると同時に、現場の職員もいると思うのですね。それらがぎくしゃくして部分的にはいろいろと問題が出ているようでありますが、先ほど言ったように、やはり郵政省は一歩踏み出していかなければいかぬ、それで正常な労使関係、新しい時代にマッチをした新しい労使関係というものをつくっていかなければいけないということを私は言いたいわけですよ。
 そこで、労使双方にそれぞれチェックをしたり調整をしたり指導する機関が各レベルにおいてあるわけですから、それはそれなりにやっているにしても、どうも管理者の方で、これは今までの長い労使関係の中の積み上げですから、そう一朝一夕にがらっと変わるようなことはないと思うのですね。その積み上げで、いろいろ紆余曲折があって、試行錯誤しながらさらによりよい労使関係になっていくのでしょうが、今の過渡期の段階で、どうしても現場でぶつかる場面というのがまだあるような感じですね。それはどっちがいいとか悪いとかじゃなくて、指導する側の方により責任があるのではないか。したがって、現場の管理者に対してこの新しい労務管理の指針というのがどの程度周知徹底をされているのかということをお聞きをしたいということ。
 もう一つは、時間がありませんのでまとめてお伺いをいたしますが、先ほど来言っているように、業務の方は営業時代、労務管理の方だけはどうも古い殻に閉じこもった形で労使関係を律してはいけないというので今度の新しい方針が出たと思うのですが、それをさらに進めて、今言ったように三事業とも大変厳しい競争関係にあるわけですから、労務管理の姿勢というのを、従来の形からとにかく業務を積極的に進める方向での労使関係のあり方に切りかえていく必要が一つはあるのじゃないか。それと、もちろんこれはもう言い古されていることですが、真の意味の労使対等の原則というものをそれぞれつくるべきである。
 それともう一つは、せっかく新しい労務管理の指針が出ても、現場管理者の権限というのがどの程度まで認められているのだろうか。要するに、現場で話し合いをするときに、双方で言いっ放し、聞きっ放しという形で、まあそれは意思疎通ができるだけでも当時のことを思えばよくなったとは思うのですが、それ以上に、各レベルに郵政省としても、地方の管理者を信用して一定程度の権限を委譲して、事実上の労使でもって話し合いができる、協議ができる、こういうようなところまでやっていかなくてはいけないんじゃないだろうか。前みたいに敵対関係のような状態でわあわあわあわあやるんじゃなくて、今みたいに、具体的に郵政事業をどう発展をさせる、それで雇用と労働条件を守っていくかという基本的な認識に立って今の組合運動というのは進められているわけですから、そういう意味では、具体的な制度、政策の要求をしたり、こうすればもっと事業はよくなるんじゃないかという、こういう立場での要求もするような組合になっているわけですから、もっと信頼をして、現場段階で十分な協議、具体的に決定できるようなそういう方向というものをつくり上げていく必要があるのではないだろうか、私はこういう気がするのです。
 したがって、各レベルにおける事実上の労使合意に向けたルールづくりであるとかあるいは各レベルにふさわしい権限の委譲を行って、責任と実効のある労使協議体制の確立をするべきではないか。もしお互いに労使間でもって現場段階で行き過ぎがあれば、それはそれでチェックをしたり調整をしたり指導するという機関をそれぞれが設けてきちっと整理をしていけばいいんじゃないだろうか、こういう気がするわけであります。
 人事の公平性についてはもちろんのことでありまして、大変確立をされてきたことについては評価をいたしますし、これからもぜひ進めてほしいということを申し上げて、新しい時代における新しい労務管理のあり方として、郵政省のもう一歩踏み込んだ形での考え方があればお聞かせを願いたい。
○白井説明員 お答えを申し上げます。
 先生から各般にわたりましての御指摘がございましたが、先ほど申し上げましたいわゆる郵便局に活力を持たせるための新たな指針につきましては、何よりも管理者がその真意というのを本当に理解をいたしましてこれを消化するということが必要でありまして、私どもとしては、いろいろな機会にその徹底に今まで努めてきたつもりでありますけれども、今後はむしろその実践に向けまして、さらに一層その定着のための努力を払っていきたいと考えております。
 それから、労使関係のあり方の問題でありますが、これも先ほどのお答えと多少ダブるわけでありますけれども、私どもの事業の発展のためには、労使の相互信頼と理解というのが全く不可欠でございます。それとあわせまして、これも先生からも御指摘がございましたように、事業が今日置かれている厳しい状況につきまして労使が共通の認識を持つということも大変大切であろうかと考えております。特に、現場の機関と言われます第一線の郵便局段階におきましてそのような環境が整うということが私どもの仕事にとりましては極めて重要なことでございまして、そのような考え方に基づきまして、過去の経験を一つ一つ積み重ねまして、労使の出会いに関しますルールというものを今日までつくり上げてまいったわけであります。
 ただ、この問題につきましては、労使がそれぞれその立場を異にするということもお互いに理解をし合う必要があると考えておるところでございまして、労働組合はもちろん組合員の勤務条件の維持向上というのを第一の大きな目標にいたしておりますし、他方省側は、事業につきましてその経営責任を負うという立場を持っておるわけでございます。またその上に、双方の組織というのが大変大きくございますので、意思疎通あるいは労使の出会いという場合の場も極めて多段階あるいは多地域にわたっておりまして、そのようなことを背景にして意思疎通を円滑に、また効果的に行うためには、やはりそのやり方について一つのルールが必要であろうということで、労使話し合いまして今日のようなルールあるいは仕組みというのができ上がってきております。
 問題は、こうした仕組みについて新たに見直していくということももちろん必要でございますが、それとあわせまして、そのような仕組みができ上がっておるあるいは仕組みの基礎となっておる考え方、つまり労使の意思疎通の重要性ということを、話し合いの衝に当たる当事者が本当に理解をしてやっていくかどうかというのが極めて重要であろうかと思っておりますので、そのようなことにつきまして、ただいまの先生の御指摘のお考えなども十分踏まえて、これから新たな時代に向けて私どもの仕事に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○田並委員 時間が来て申しわけないのですが、最後に、大臣の方で新しい時代の新しい労使関係のあり方についてもしお考えがあったら聞かしてください。
○唐沢国務大臣 郵政職員はまず第一に国家公務員でございます。それで、国民の皆様にできるだけのサービスをしなければいけない。それから、事業をいたしておりますから、激しい競争場裏また厳しい環境に置かれております。その上に、郵政事業は非常にマンパワーに依存する事業でございますので、いかなる省庁、またいろいろな民間の機関よりも労使関係が大事だ、先生のおっしゃるとおりだと思っております。そういう郵政事業の変革期に当たりまして、先生から新しい労務管理、また労使関係について貴重な御提言をいただいたことは本当に意義深いことだと私は思っております。
 実は参議院の委員会で、あるとき御質問を受けたのです。郵政大臣は郵政省の一番大きな財産は何だと思うかというので、私何と答えたらいいか迷ったわけです。貯金も百兆を超させていただいたから、じゃ百兆を超す貯金なのか、また保険も運用できる金額が三十兆を超えましたし、これかなと思ったのですが、やはり郵政省に対する信頼ではないかと思ったのです。しかし、郵政省に対する信頼、これを維持していただいているのは郵政省の職員の皆様だと思うから、郵政省の最大の財産は人材でありますと答えたら、質問された先生がそれで当たりだとおっしゃったわけでございまして、そういう意味で非常に大事なわけでございます。
 そこで、いろいろ先生が提案されまして、事務当局は即答はできないかと思いますが、私は各地へ行きますと必ず特定局へ寄らせていただくのです。だから、権限委譲とかなんとかという難しいことはよくわかりませんけれども、第一線の声がびんびん本省にも届くようなそういう組織でなければならないと思っております。いずれにいたしましても、意見交換を十分に尽くしまして、風通しのいい、また信頼関係をできるだけ樹立してまいりたいと考えております。どうもありがとうございました。
○田並委員 終わります。
○深谷委員長 春田重昭君。
○春田委員 昭和六十年の四月に日本電信電話が公社から株式会社へ移行し、民営化されたわけでございます。そして後を追うように、昭和六十年六月にNCCの新規参入会社、いわゆる新電電三社でございますが、これが事業認可されたわけでございまして、第一種電気通信事業はまさに自由競争の時代に入ったと言えると思うのであります。
 そこで、専用線サービスの問題、市外電話サービス、自動車電話、ポケットベル等について、NTTといわゆる新電電三社の自由競争といいますか、熾烈な競争が展開されようとしているわけでございまして、こういった問題につきまして、限られた時間でございますけれども若干お尋ねしてまいりたい、こう思っているわけでございます。
 まず最初に大臣にお伺いいたしますけれども、新電電三社が昨年の八月から企業向けの専用線のサービスを開始した、さらにことしの九月四日から一般家庭向けを含んだ市外電話サービスを開始したわけでございます。こういったことにつきまして、新聞報道等では、NTTは営業収益面でかなり危機感を持っているように書かれておりますけれども、郵政省の御見解をまずお伺いしたいと思うのです。
○奥山(雄)政府委員 大臣から総括的なお答えがあるかと存じますけれども、その前に、私の方から数字的なデータを含めて申し上げたいと思います。
 ただいま御指摘がございましたように、昨年の八月から十一月にかけまして、新電電三社が東京、大阪、名古屋を対象エリアといたしまして専用線サービスを開始し、またことしの九月四日から、電話サービスを同様な地域を対象として始めたところでございます。その後の専用線の今日までの推移等から判断いたしまして、私どもが現在持っている数字はそれしかないわけでございますが、NTTと新電電三社の実際の競争状態はどうかということを申し上げますと、新電電が六十一年度中に確保をいたしました専用線サービスの回線数は七百回線でございます。それに対しましてNTTが現在保有しております専用線の契約数は五十八万回線でございますので、〇・一%でございます。また専用線の売り上げ対比で見てまいりますと、新電電の三社が六十一年度中に確保いたしました売上高は七億円でございますが、NTTの専用線サービスの売上高二千八百億円に比べますと〇・二五%という状況でございますので、少なくとも現時点で見る限りにおきましては、NTTと新電電三社の間で熾烈な競争が行われているという状態にはほど遠いものというふうに判断をしております。
 むしろ私どもは、電気通信事業法の精神にのっとりまして、三NCC並びにNTTが相互に切磋琢磨いたしまして日本全体の電気通信の市場を拡大することを期待しているわけでございますので、同じパイを食い合うのではなくて、四社でさらにより高度の、そしてより良質のサービスを提供することによって、ともに日本の電気通信の市場を拡大していくことを私どもとしては強く期待をしたいと思います。
○唐沢国務大臣 ただいま奥山局長が御答弁したとおりでございまして、これは少し先を見なければなりませんけれども、我々はできるだけ安い、できるだけよいサービスをということを念願いたしまして御承知のような電気通信改革をいたしたわけでございます。そういう意味で、私は、目的は達成されつつあるのではないか、このように考えております。
○春田委員 それでは、本日は参考人としてNTTの方に御出席いただいておりますので、この点につきましてNTTの御見解をお伺いしたいと思います。
○井上参考人 井上でございます。
 新規参入者の方々が入りましていよいよ本格的に競争が始まったわけでございますが、まだ何分、一番大きな収入を占めております電話が始まったばかりでございまして、その影響については今後慎重に見ていかなければいかぬというふうに思っております。
 我々としましては、電話についても専用線についてもそうでございますが、いわゆる太平洋のベルトといいますか、東名阪という非常に大きな分野にまず入ってこられまして、なかなか活発な事業展開をされているということで、先ほど郵政省さんの方からもお話がございましたように、全国ベースで見ますと具体的にあのような数字でございますが、東名阪そのものという部分についてはかなり競争が展開しているというふうに感じておりますが、今後さらにいろいろな形で我々自身経営改善をしっかりしていかないとおかしくなるのじゃないかということで、頑張っていこうというふうに考えております。
○春田委員 郵政省の方から御説明いただきたいと思いますが、NTTの六十一年度決算が六十年度と比較した場合どういう結果になったのか、簡単にひとつ御説明いただきたいと思います。
○奥山(雄)政府委員 NTTの六十一年度の決算状況を六十年度との対比で申し上げますと、まず、収益につきましては五兆三千九百八十四億円で、対前年度五・一%の増でございます。また、費用五兆四百四億円につきましては対前年度四・六%の増、経常利益三千五百七十九億円でございますが、これは対前年度に比較いたしまして一三・二%の増でございまして、一〇%の安定配当を確保しておりますので、民営化後の経営状況はおおむね順調に推移しているというふうに判断をしております。
○春田委員 そこで、局長からも御答弁がございましたように、昨年の八月から始まりました企業向けの専用線サービス部門におきまして、NTTと新電電三社を比較した場合、二千七百五十二億円がNTTでございまして、新電電三社が半年間でございますけれども七億円である、〇・三%でございますから一年通しても〇・六%であるということで、巨人と小人みたいなそういった比較じゃなかろうかと思っているわけでございます。
 そういったことで、市外電話のサービスが始まりまして、マスコミでは、NTTは大変な危機感を抱いている、したがって、一部では市内電話の値上げの話が出ているわけでございますが、しかし、今お話があったように、NTTの六十一年度決算を見ても、専用線サービスの面でもそう影響はないし、むしろNTTの収益は対前年度で上がっていっている、いわゆるパイが広がっているという結果になっているわけでございます。したがって、市外電話サービスがこれからどんな形で移行していくのか見通しがまだつかないわけでございますけれども、専用線サービスのこの例からいけば、そう大きくNTTも危惧することはないのではないか、私はこう思うわけでございます。
 そこで、NTTの市外電話サービスにつきまして、東名阪の今までの事業収益というのは大体どれくらいあったのか、それに対して新電電三社はどれぐらいの収益があると見ているのか、これをお答えいただきたいと思います。
○奥山(雄)政府委員 新電電が現在営業を開始しております東京−大阪−名古屋で申し上げますと、新電電が事業計画といたしまして売上高を想定しておりますものを合計いたしますと、約七十億円程度でございます。ただ三社は、九月四日の営業開始時には、いわゆるこれはマスコミ向けかと存じますけれども、三社合計すると百二十億円くらいになるような数字を言っていたようでございますが、計画として掲げておりますのは七十億円程度でございます。
 一方、NTTの東京−大阪−名古屋間における電話の収入は約八千億円程度と言われております。NCCが初年度七十億円仮に確保したといたしまして、向こう数年後にどれくらいの規模になるかということを想定いたしますと、大体数百億円になるのではないかというふうに想定されます。それで、その時点ではさらにNTTの東京−大阪−名古屋の売上高も伸びていると思われますので、東京−大阪−名古屋間の今のNCCの参入している地域をとりましても、まだNCCとNTTとの間で激烈な競争状態にはなっていないというふうに判断をしております。
○春田委員 ただいま説明があったように、NTTの東名阪の事業収入は大体約八千億円くらいと言われておるわけでございます。新電電三社の事業計画としては七十億円でございますから、一%に満たないわけでございます。
 そこで本題に移りますが、NTTがかねてから主張いたしております遠近格差の是正の問題でございます。
 市内電話料金を値上げして市外電話料金を下げるというような話が二部出ておりますけれども、これについてどうお考えになっておりますか。
○井上参考人 お答えいたします。
 我々民営化されまして、従来独占時代にはいわゆるどんぶり勘定といいますか、いろいろなサービスを一つ一つのサービスじゃなくていわゆるどんぶりで経営がうまくいけばいいというような形で料金を決めていただいていたわけでございますが、いろいろ競争になってきますと、これからいわゆる市外系に競争が入ってくるということになりますと、それぞれの分野でしっかりした形で経営がされていかないと経営全体としてもなかなかうまくいかないということで、いわば競争にふさわしいような料金というものについても模索していかなければいかぬということで、いろいろ社内的には勉強しております。
 ただ、先生の御質問にありましたように、市外を下げて市内を上げるというばったんこみたいな話をストレートにいろいろ検討しているわけではございませんで、経営全体をどういうふうになるかということを踏まえて検討しておる。ただ、全体的なコストの方向としましては、市外系というのは、技術革新効果とかいうことでコストが単位当たり非常に安くなっていく傾向がございますが、市内の方はなかなかそういうふうな方向にならないものですから、そのあたりどういうふうにやったらいいか、それからまた、利用者の方の地域の社会経済の広域化という問題、いろいろございまして、そういう面も含めまして将来どういうふうに持っていったらいいかなということについては研究を続けておるところでございます。
○春田委員 その研究は大体いつごろ結論が出る予定なんですか。
○井上参考人 研究でございますので常にこれは進めておるわけでございますが、当面一番力を入れているのは、何といっても経営改善をどういうふうに持っていくかということで、その傾向等を見ながら、また競争の影響を見ながら、本当にこの部分を直したらいいというものを早く営業で出していきたいということで、時期的な問題については今ここでこうだということはなかなか御明言できないのでございますが、常に研究を続けていきたいと考えております。
○春田委員 今まで市外電話、市内電話のコスト計算というのが国会の方にはアバウトしか出てないわけでございまして、具体的な資料は一切公表されてませんし提出もされてないわけでありますが、これは過去昭和五十九年でございますか国会の中でも質問されまして、真藤総裁が六十一年の秋くらいまでには何とか国会に提出をする云々の話があったやに聞いているわけでございますが、その辺どうでしょうか。
○井上参考人 先生御存じのように電気通信はいろいろな設備を市外も市内も共有している部分がたくさんあります。したがって、コスト計算をやる場合にはそういうものをきちっと張りつけていかなければならぬということで、そのために会計方式の整備だとか、それから国会でもお話ししたかと思いますが、ATOMICSということでトラフィックの測定装置、こういうものも配備しまして、逐次データの収集をしてきておりまして、それに基づいて社内的にはいろいろ試算、研究をしております。おりますが、対外的に御理解いただくためにはああいう会計の整理といいますか、コストの計算自身電気通信事業会計規則にのっとった扱いのものでございますので、そういうものについてもきちっと関係方面と意識を合わせながら御理解いただいて整備していきたいということで、今若干、時期的にまだまだおくれておりますが、そういうような状況で進めております。
○春田委員 五十九年の時点で、要するに六十一年の秋くらいに大体出せそうだということで来ていたのに、もう六十二年の私なんですよ。それから、一切国会で公表されないで、あたかも市内の通話料金は非常に赤字である、それだけが先行いたしましてPRされている。これでは私たちは真摯な検討ができないわけでございまして、そういった面でもいつごろまでに出せるのか、この場ではっきりと御答弁いただきたいのです。
○井上参考人 ただいま御説明しましたように、今鋭意やっておりますが、何分膨大な設備の部分でございますので、具体的にこうだというのはなかなか今言えないのでございますが、いわゆるATOMICSのデータ等も逐次整備されてきておりますので、できるだけ早い段階で対外的にも納得できるようなものということで研究を続けていきたいというふうに思っています。
○春田委員 答弁に不満でございますけれども、いずれにいたしましても、値上げの直前になって資料を提供してそれを認めさせようというようなやり方は決して好ましい状況ではございませんので、これは五十九年の国会答弁でそういう形で出ているわけですから、早急にひとつ提出をしていただきたい、こう思っているわけでございます。
 ところで、ちょっと後先になりますけれども、企業向けの専用線サービスにおいてNTTは新電電三社と競合している地域は下げている。全体的に平均一〇%下がっているわけでございますが、競合していない地域は値下げの率が非常に低いし、値下げしてない地域もあるわけでございます。これでは公平ではないといったような批判もあるわけでございますが、これは認可した郵政省の方からお答えいただきたいと思うのです。
○奥山(雄)政府委員 昨年八月以降新電電三社が専用線サービスを始めました後、その後の状況の推移を私ども見守っておりましたが、NTTの方から、自己の専用線サービスの料金体系のひずみを是正することを含めて値下げを図りたいというお申し出がございまして、郵政省といたしましては、料金水準が下がることは、先ほど大臣も申し上げましたように、事業法制定の趣旨にも沿うわけでございますのでこれを認めることにしたわけでございます。
 その際、三百六十キロから七百五十キロといったちょうどNCC三社が参入している地域、NCC三社の営業メリットが一番多い地域の値下げ幅が大きいという御指摘かと存じますが、無論それ以遠の二千五百キロまでも値下げはしております。なぜこの地域が値下げ幅が大きくなったかと申しますと、これはこれまでの専用線のサービスが必ずしもコスト対応になっていなかったということが問題になりまして、電気通信審議会等の中での御議論にもありました結果、それらを踏まえまして、むしろ今後の料金体系のひずみを逐次直していく一環といたしまして、三百六十キロ以遠七百五十キロ未満までのところのひずみを是正することが急務であろうということで、その部分の中だるみ是正というのでしょうか、是正措置を講じたためにあのような改正措置になったわけでございます。
○春田委員 ところで大臣、市内の電話料金でございますが、先進諸国と比較して日本の市内電話料金というのは高いとお思いになりますか、安いとお思いになりますか。
○奥山(雄)政府委員 電気通信料金の高い安いの問題は、為替相場の変動の問題もありますので一概に単純に断定はできませんが、現時点での為替相場をもとに比較いたしてみますと、市内料金につきましては、三分程度までであればおおむねNTTの方が安いということが言えようかと思いますが、逆に三分を超えると、例えばアメリカであればニューヨーク電話会社あるいは西ドイツ、フランス等よりも高くなるという傾向にございます。また一方、割引の方法等もそれぞれの国で異なっておりまして、我が国では、市内料金につきましては夜間あるいは深夜の割引措置を行っておりませんけれども、先ほど申し上げました三つの国あるいはイギリス等においては、そういう夜間あるいは深夜の割引措置も講じているといったような体系の違いもございます。
 また市外料金につきましては、これはよく言われますとおり、五十八年以降是正されました結果、現在一対四〇にはなっておりますけれども、諸外国の遠近格差に比べると、まだ日本の方が一般的に言って割高になっているということが言えようかと存じます。
○春田委員 確かに単純に比較はできませんけれども、一般的には、市内料金は先進諸国と比較した場合日本のNTTは非常に高いのではないかという声があるわけでございます。そういった面で、私は、今NTTがいわゆる新電電三社が市外電話サービスをやり出して大変厳しい状況になるからということで値上げを含めていろいろ検討されているやに聞いているわけでございますけれども、これは先ほど、専用サービスで全体のパイが広がってNTTそのものの収益も上がっているわけですから、そういった方式で、市内の電話料金は上げないでほしい、むしろ下げる方向で検討すべきであろう、私はこう思っておるわけでございます。大臣、六十四年まで市内電話料金は上げないという話がNTTから出ていると聞いているのですが、その点どうでしょうか。
○奥山(雄)政府委員 ただいま御指摘がございました六十四年云々という点につきましては、私が推測いたしますところ、多分こういうことではないかと思います。
 いわゆる電電改革三法の国会審議の過程で、ただいまも御質疑がございました市内料金の引き上げの見返りに長距離料金を引き下げるというようなことがあるのではないかという御質疑が相次ぎまして、当時の真藤総裁は五年間くらいは、経済情勢に例えば世界大恐慌といったような激変がない限り料金を上げるつもりはございませんという趣旨の答弁を何度かなさっております。そのことが一般的に五年間は料金の値上げはないという発言であるというふうにとられていると私どもとしては承知をしているところでございます。
○春田委員 最後に、大臣にお伺いします。
 いずれにいたしましても、NTTというのは三十数万の大臣人の会社でございまして、現在までもいろいろ合理化、そして営業努力をやってこられまして、NTTそのものも相当な御努力をなさっておりますけれども、私はまだまだ合理化や営業努力の余地はあると思うのです。そういった面で、市内の電話料金を値上げするという安易な考え方を持たないで、内部努力をしていくべきであろうと私は思っておるわけでございまして、大臣の御見解をいただきたい。
○唐沢国務大臣 おかげさまで九月四日から新電電の電話サービスが開始されまして、約二〇%今までより安い料金で国民の皆様に電話サービスを提供させていただいております。その結果、今先生言われましたようにNTTさんも大分危機感を持っておられるようでございますが、しかし、NTTは公社時代からの人的、物的、技術的な蓄積も持っておられるわけでございます。今までも事業部制をとったり、また最近は経営に大変尽力もされまして順調な成績も上げてきておられるわけでありますが、これからもさらに経営努力を行って、制度改善の趣旨に沿って料金全般を安くしていただくことを私どもは期待いたしております。特に、市内の電話料金につきましては、国民生活や社会経済活動に深くかかわっておりますので、先生言われますようにこれを軽々しく値上げするということはやるべきではない、このように考えております。
○春田委員 市外電話のサービスが東名阪で始まったわけでございますけれども、東京−大阪間、東京−名古屋間というのは料金がほぼ一緒なんですね。これは、公正取引委員会が専用線サービスのときに、新電電三社にも料金サービスの差異を認めるべきである、こういった見解を出したわけでございますが、これに抵触いたしませんか。
○奥山(雄)政府委員 今回サービスインいたしました電話サービスにつきましては、先生御案内のとおり、新電電三社は、例えば東京−大阪間で見ますと三分間で三百円ということで足並みがそろっておりますけれども、課金単位あるいは料金の距離区分等につきましては、三社それぞれが創意工夫を凝らしまして、お客様にそれぞれの経営理念からいって一番いいと思う方法、体系をつくり上げているわけでございますので、私どもは、公取に対しては胸を張って国民の需要にマッチした料金体系ができたものだというふうに申し上げることができるのではないかとむしろ思っております。
○春田委員 新電電はNTTに比べて二〇%安いということを相当宣伝しておりますが、かける時間や距離によって必ずしもそうでもない、NTTが安い地域もあるわけですね。そういったNTTが安い地域というのはどういった条件で安いのか、これを御説明いただきたい。
○奥山(雄)政府委員 今度設定されました新電電三社の料金体系全般をNTTの料金体系と比較してみますと、NTTの方が有利だと思われる要素は大体三点に絞られようかと思います。
 第一点は、これはおおむね三十キロ未満程度の近距離の市外通話でございます。この点につきましては、新電電三社とももう競争する気がございませんといいますか、自分たちで努力をしてお客様をとる気持ちも余りないようでございますので、これが第一点でございます。
 第二点は、NTTの市内網に接続するためのポイント、接続地点、POIと言っておりますけれども、ポイント・オブ・インターフェース、これを新電電三社大体十カ所程度ずつ東京−大阪間に設けております。そのPOI、接続地点と実際におかけになる先との距離が長くなればなるほどNTTの回線を利用する距離区分が長くなりますので、そういうふうにPOIから遠距離の通話地域についてはNTTの方が有利な場合が多いということでございます。
    〔委員長退席、関谷委員長代理着席〕
 第三点は、非常に短い時分の場合でございまして、おおむね三十秒未満程度でございますと東京−大阪においてもNTTの方が安い、三十秒を超しますと新電電三社の方が安い、大体以上三点でございます。
○春田委員 そういった面で新電電三社はかなり過大広告みたいな宣伝をしておりますので、NTTも負けないでこういった安い点は宣伝すべきであろう、私はこう思っておるわけであります。
 さらに、どこの会社がどの地域までカバーしているのか、それから料金体系はどう違うのか、一般家庭の方にはなかなかわかりにくいのですね。そういった点で各社が共同して早見表というのをつくってもいいのではないか、そういったサービスもやってもいいのではないか、そういったことを郵政省としては指導してもいいのではないか、こう思いますが、どうでしょうか。
○奥山(雄)政府委員 まことにごもっともな御指摘でございまして、新電電三社が創意工夫を凝らずの余り、料金区分あるいは課金単位あるいは距離区分をまちまちにしたためにかえってわかりにくくなっているという面が確かにございます。そのような状態を受けまして私どもも、新電電三社には、お客様の利便を図る見地から、できるだけわかりやすい料金表をつくるようにという指導をしております。ただその際、余り顧みて他を言うことになりますとこれはまた公正取引上何か問題があるのだそうでございまして、ちょうど金利の比較表を出すのが問題になるのと同様な問題があるのだそうでございますので、なかなか微妙な点はございますが、新電電三社ともお客様にわかりやすく、かつ比較しやすいようなものを現行の公正取引に違反しない範囲内でつくってまいると申しておりますので、先生方の方におかれましてもよろしくお願い申し上げたいと思います。
○春田委員 次の問題に入っていきたいと思います。
 新電電のサービス地域でありながら新電電を利用できないところがあるということで、実は大変な問題が起こってきたわけでございます。この割合とその理由について、ひとつ簡単にお述べいただきたいと思っております。
○奥山(雄)政府委員 ただいま御指摘ございました新電電三社の営業区域になっているにもかかわらず新しいサービスを受けられないという問題が確かにございます。
 これは、新電電三社がサービスを提供いたしますためには、いや応なしにNTTのネットワークと接続をしなければなりません。その際にNTTの交換機にかかわる問題がございまして、IDつまり利用者識別番号、これを識別する装置が付加できていない交換機につきましてはこのようなサービスを受けることができません。現在、このようなエリア内にいる加入者であって新電電のサービスを受けられない者のパーセンテージは三〇%弱というふうに把握をしております。
○春田委員 これは私の勘違いかもしれませんけれども、私がもらった資料の中には、今局長がおっしゃった加入者の識別信号が送り出せないノンlD局が全体の五四%であると出ております。さらに、送り出し可能でありますID局であっても、クロスバー交換機であれば外づけのユニットが必要なんですね。これにも加入者の制限がある。最大六千回線である。こういったことでこれが約二四%ある。したがって、完全に送り出せる電子交換機のID局は残り二二%しかないので今回の大きな問題になっている。国会周辺のこの五〇八も実際はできない、こういう形になっているのですね。そういうことで、九月四日そういった形で市外電話サービスが始まったわけでございますが、これは直前にわかったことであって、それまではほとんど知らされなかったことでございます。これは一体どういう原因なのか、どこに責任があるのか、どうお考えになっておりますか。
○奥山(雄)政府委員 先生がお挙げになりました数字は正しい数字でございます。これは交換機別にそのパーセンテージをとりますと確かに五四%がID送出不可交換機でございます。これを人口カバレージに直しますと三〇%弱ということになるわけでございます。
 このような問題があることは私ども並びにNTT、新電電三社とも事前にわかっていたところでございます。ただ、どの程度の申し込みがあるのか、一つ把握できなかったということと、それからそれぞれの交換機別にどの程度のID送出のキャパシティーがあるのかというようなことの調査が、サービス開始直前まで全貌が把握できなかったために、大きな問題として取り上げられるに至ったのはそのサービス開始直前であったのでございます。この点、私どもも大変遺憾であったと思っております。
 したがいまして、今後この問題は、私どもといたしましてはお客様の期待におこたえすることが何よりも急務だと考えまして、NTT並びに新電電三社とたび重なる打ち合わせを行いまして、NTTに対しましてはID送出機能の付加工事をできるだけ早急に急ぐこと、さらに抜本的には、先ほど先生がおっしゃいました現在では二二%しかない交換機のディジタル化、これの促進を図っていくように要請をし、NTTにおかれましても現在前向きに対処をしておられるところでございます。
○春田委員 NTTと新電電でお互い責任のなすり合いをしているみたいでございますが、これは、郵政省がNTTも新電電も指導監督する立場にあるわけでございますから、郵政省として責任を感じてそういった電話回線が不能にならないような対策をとっていただきたい、こう思っているわけでございます。したがって、ノンID局とクロスバー交換機のID局を早急に電子交換機にかえる以外にないわけでございますけれども、これをかえるにはどのくらいの費用と年月がかかるのか、これをお答えいただきたいと思います。
○奥山(雄)政府委員 現在使われております旧式の交換機あるいはクロスバーの交換機、これを全部ディジタルの交換機にかえていくのには若干の時間がかかろうかと思います。NTTの現時点での計画では年間数百万端子を切りかえていくということでございます。
 しからば、それに要する費用はいかがかということでございます。これは技術の革新、技術の進歩というものが急速に進んでおりますので、果たして、現在のペースどおりに数百万端子ずつディジタル化していった場合にどの程度の費用がかかるかということを正確に把握することは困難でございますが、現時点での単価を想定してこれを積算いたしてみますと、大体二兆円以上、三兆円くらいかかるのではないか、これは全くの腰だめの数字でございますが、一応そういうふうに想定されるわけでございます。
 なお、最終的にこれが全部ディジタル化されますのは七十年代末になるわけでございますけれども、NTTの方におかれましても、重点的にこれを整備するという観点から、例えば東名阪、次いで政令指定都市、次いで県庁所在地等の主要都市というふうに、需要の多いところからディジタル化を図っていく計画であるというふうに承知をしております。
○春田委員 いずれにいたしましても、完全に電子交換機、DEXに切りかえるのは十数年かかるわけでございまして、その間の過渡的な方法としては、そういった耐用年数が来てから変えるのではなくして、耐用年数が来なくても積極的に取りかえていく必要があるのではなかろうかと私は思っているわけでございます。
 そこで、NTTの株式の売却によります売却益を公共事業等にいろいろな投資をしていくわけでございますが、NTTの株式の売却益を交換機の取りかえの事業にもそういった形で無利子融資等ができないものかどうか、この点どうお考えになっていますか。
○奥山(雄)政府委員 大変貴重な御指摘であろうかと思います。ディジタル交換機への切りかえの促進ということは、NCCとNTTとの公正な競争の見地からも、あるいは将来の高度情報社会に向かってのISDN化の促進のためにも、私どもとしては非常に重要な課題だと思っております。ただ、それを有償償却といいましょうか、耐用年数の来ないものまで繰り上げて前倒しをして取りかえるということにつきましては、NTTの経営に与える影響等もございますので、なかなかこの点については難しい面もあろうかと存じます。
 ただ、そのような事態を少しでも善処するために、ただいま御指摘がございましたようなNTT株式の売却収益をこれに使えないかということ、私どもも一つの検討課題として認識しております。しかしながら、つい先般成立いたしましたNTT株式売却益の使途を決めますところのいわゆる社会資本整備促進に関する特別措置法でございますか、これにおきましては、第三セクターでないとこの売却益を利用できないという仕組みになっておりますので、現行法のままではこれができないスキームになっております。ただ、貴重な御指摘でもございますし、私どもとしても重要な問題であると考えておりますので、この問題につきましては、なおいい方法がないかどうか真剣に検討してみたいと思っております。
○春田委員 ひとつ前向きに検討していただきたいと思っておるわけでございます。
 その他かなりの問題につきまして質問をしたかったわけでございますが、時間がございませんので、最後に取りまとめて御質問いたします。
 いずれにいたしましても、NTTが民営化されまして順調にスタートしているわけでございます。そして新電電三社もいよいよそういった形で専用線サービス、そして市外電話サービス、それから自動車電話等、またポケットベル等、いろいろな新規参入会社がどんどん名のりを上げてきているわけでございまして、自由競争の時代に入っているわけでございます。
 外国の例えばアメリカの例でいけば、ATTが要するにああいう形で民営化になって、NCCがかなり競争して、三、四年で三割ないし四割のATTの料金が下がったという例もあるわけでございます。我が国の場合も、そういったことで料金が下がるということは国民にとって非常に好ましい状況でございます。しかし、ここで考えなければならないのは、アメリカではNCCの中で一部そういった形でついていけないということで撤退する企業もあると聞いているわけでございます。日本の場合も、NTTはカリバーであって新電電三社は小人であるといった表現もされるように、本当に巨人と小人でございますから、せっかく新電電三社がそういった形で誕生いたしましても、それに追随するようにNTTが料金を下げていって新電電が撤退をしたならば本当の競争にならない、最終的にはまたNTTが独占していくわけでございますから、決してこれは国民にとっては好ましいことではないので、そういった点で、郵政省は十分ひとつ指導監督して手綱さばきをやっていただきたいなと私は思っているわけでございます。
 最後にちょっとだけ大臣、今郵政省はこういった通信分野で相当広がってきたということで、現在の郵政省というのは昭和二十四年からずっと今日までなってきたけれども、この際、イメージアップのなめに要するに省名変更をしようじゃないかという検討もされているやに聞いているわけでございますが、この点どこまで進んでいるのか、また大臣のお考えはどうなのか、お尋ねして終わりたいと思っているわけでございます。
○唐沢国務大臣 郵政事業も非常な転換期に来ておりまして、先生方の御支援をいただいて、ことしの六月から郵便貯金資金の自主運用も開始することができたわけでございます。また一方、電気通信行政というのは、高度情報社会を迎えます上で大変先端的な役割を果たす行政でございます。データ通信とかCATVとか宇宙通信、ハイビジョン等さまざまなニューメディアの普及、実現にもこれから努めてまいらなければなりません。
 そういう現代でございますので、一部に、このような郵政省の積極的な行政展開を見て、郵政省という名前が実体に合わないのではないかというような声も聞かれるわけでございます。しかし、名前だけ変えて済むものではございませんで、名は体をあらわすということでやはり実体の方が重要なわけでございまして、我々郵政省もCI委員会で郵政省とか各事業のイメージアップにつながるいろいろなことを今検討をいたしておりますが、将来の郵政省の組織像を含めて、それとともに検討していくべき問題だろうと思っております。
 いずれにいたしましても、こういう問題は国民の皆様がどういうふうにお考えになっているかということを我々は察知しなければいけませんし、それよりも何よりも、国民を代表し、しかも専門的な知識をお持ちの逓信委員会の先生の御意見を十分拝聴して検討していくべき問題だと考えております。
○春田委員 省名変更は一般公募も含めてひとつ検討していただきたいと思っているわけでございます。
 なお、自動車電話、またポケットベル、第二KDDの問題につきましては、時間がございませんのでまた次の機会に質問させていただきたいと思っております。
 終わります。
○関谷委員長代理 竹内勝彦君。
○竹内(勝)委員 若干の質問をさせていただきますが、今我が党の同僚議員からNTTそれからNCCといった関連でるる質問がございましたから、できるだけ重複を避けますので、答弁も重複は避けていただいて簡潔に御答弁いただきたいと思います。というのは、ほかにもちょっといろいろな問題がございますので、よろしくお願いしたいと思います。
 まず、去る一昨日九月十四日午後四時ごろでございますが、NTT千代田電話局管内の二一二局と二一七局の局番の約八千加入の電話が約二時間以上不通となりました。この事故は、ディジタル電子交換機の本体と市外回線をつなぐ、中継する信号調整用の同期端局装置の不良、そういうようなことも報じられておりますが、ソフト上の問題があったのか。この関係のソフト開発というのはどのような体制で行われておるのか。まず、その原因とその状況、それから今後の課題としてどういうふうに考えておるのか、最初にNTTにお伺いしておきたいと思います。
○藤井参考人 御説明申し上げます。
 まず、この事故につきましては、御利用者の皆様に大変御迷惑をかけたことをおわび申し上げます。
 事故の概要でございますが、事故が発生いたしましたのは九月十四日十五時四十二分でございます。直りましたのが十八時六分でございますから、二時間二十四分御迷惑をおかけしたわけであります。
 影響がありました範囲は、千代田電話局に約二十種類の局番がございますが、先生御案内のように二一二局、二一七局の二つの局番のお客様に御迷惑をおかけいたしました。これは、先生も今御案内のように、電子交換機そのものではございませんで、それに付随しております交換機と交換機をつなぎます同期端局装置と我々呼んでおる装置でございます。これは交換機から出た回線をディジタル信号に乗せるために使う機械でございますが、これが故障になったわけでございます。ここに入っております約八千のお客様に御迷惑をかけました。同期端局装置を通っております回線、この交換機につながっております五〇%ぐらいの回線がつながっておりますが、市外も入っておりますが、市内回線が大部分を占めておりましたために相当御迷惑をおかけしたわけでございます。
 故障の原因でございますが、この同期端局装置にはその朝若干小さな事故がございまして、朝からその事故の探索をいろいろやっておりました。ところが、これは現用と予備という二つの装置を持っておりますが、バックアップとして現用回線ではない方のところにどうも誤りがあるようだというのがわかってまいりまして、それを直そうということでいろいろやっておりましたところが、現在使用しております現用回線の方のデータを壊してしまった。壊してしまったといいますと、これはメモリーがなくなってしまうとか、ほかのものに書きかわってしまうとかいうようなことで、いずれにしろ正常でなくなったということが故障の原因でございました。
 こういうことでございまして、今後これらについては操作のパターンをいろいろ徹底いたしまして、データを入れますときの入念なチェックを行いますとともに、もし万一間違っても大きな事故に至らないようなフェールセーフ機能といいますか、そういうようなものを現在研究中でございまして、それを早急に取り入れていきたいというように考えておりますので、御理解いただきたいと思っております。
 以上で終わります。
○竹内(勝)委員 それでは、先ほどのNCCの関連のことで若干お伺いしておきます。
 まず、九月四日三社がこういう形でスタートいたしました。これで、今も質問がございまして、いろいろな問題点が明らかになってきた。それは、国民がNCCの方を利用しようとしても、ディジタル交換機でなかったならば、今までのクロスバー交換機ならば利用する範囲が非常に狭められて、つまり簡単に言うと、公正な競争という中での商売ができない状況ですね。
 そういう中で、今後のことをお伺いしておきますが、今後仙台なり広島おり福岡なり北海道、こういうものがNCCとしては考えられると思うのです。そういうものに対応できるのはやはり東名阪と同じような形なのか。キャパシティーでいって三〇%、あるいはその交換機でいきますと五十数%、これが利用できないというのでは公正な競争条件ではなくなってしまうんですね。そういう意味で、さらに広がっていったエリアにおいてはどんなふうになっておるのか、それからどういうように対応していこうとしておるのか、まずNTT、御答弁ください。
○井上参考人 お答えいたします。
 先生今御指摘ありましたように、いわゆるID方式とノーID方式とございまして、交換機の種別によってIDを使えないサービスという形のものがございますが、これは東名阪については加入数比率で大体三割がそうなっております。これについては今現在できるだけそういうものを解消していこうということで、例えばほかの方の国際通信だとかファクシミリにもそういうものを使っておりますが、そういうものをできるだけ流用していこうとか、それから、従来そういう局であっても満杯まで使えないようになっているところがございましたが、そういうところも設備を増強しまして満杯まで使えるようにしようとか、さらにはIDをクロスバー交換機につけていこうとか、さらにはディジタル化を進めていこうとかいう形で今現在進めておるわけでございます。
 その他の局に今度新しく出てくるエリアでございますが、これらについては今現在ではIDの出る比率が若干少ないのじゃないかというふうに我々も見ております。これらについても、今東名阪でやっているのと同じような考え方でできるだけ問題を解消していこうという努力をしていきたいということで進めております。(竹内(勝)委員「どれくらいの比率か」と呼ぶ)具体的な数字につきましては、交換局別に、全国でございますので、まだ把握中でございます。
○竹内(勝)委員 それでは、この際はっきりさせておきますが、仙台なり北海道なり日本のエリアすべてにわたって今後伸びていくことが考えられますので、これをぜひ明らかにしてもらいたい。ぜひその資料を提出いただきたいと思いますが、御答弁ください。
○井上参考人 全国的な問題でございまして、ちょっと時間がかかりますが、一応調査を進めたいと思っております。(竹内(勝)委員「どれくらい」と呼ぶ)時間的には今ここでちょっと答えられないので、できるだけ早目に努力はいたしたいと思っております。
○竹内(勝)委員 NTTとしても、自分が巨象だ、NCCはアリなんだというような考えで、本委員会におきましても何回か論議を行いましたけれども、今回のこのクロスバー交換機がこうなっている、IDがこうなっているというようなことを隠しておいたというようなことを言う人がいますが、私はそうとってないのです。決してそんな考えはないと思います。真藤社長も、それから本委員会において中曽根総理も、公正な競争、共存共栄、これをどうしても守っていくということをちゃんと答弁されておるわけでございますので、ぜひひとつ今の資料というものはできるだけ早く、いつまでというようなことを言うのは本当に申しわけないかもしれませんが、そんな二年も三年もかかるようなものじゃないから、それだけもうはっきりさせておきます。
 そこで、郵政省にお伺いしたいのは、どうでしょう、何か国会の周辺もあるいはいろいろなところが申し込んでもこのNCCがつながらないんだというような状況でございますので、ひとつその状況、実態というものを明らかにした方がいいんじゃないでしょうか。東名阪だけでいいですから、この東名阪を明らかにしてもらうのと、それから今後の電子交換機に切りかえていく、つまりIDがちゃんと働くようにしていくという形にどう持っていくかスケジュールを、これは郵政省としてNTTからスケジュールを確認しておく、きちっと提出してもらっておくというようにしておいた方がいいのではないか。この二点郵政省にお伺いしますが、御答弁いただきたいと思います。
○奥山(雄)政府委員 お尋ねのございました、東名阪におけるNCCサービスのエリアでありながら交換機の側の事情によってNCCのサービスを受けられないものの数を申し上げますと、交換機数でとらえられることになるわけですが、交換機数で申し上げまして、IDの送出ができるものに二種類ございまして、電子交換機はこれは全く問題ございません。これが五百七十ユニットで二二%、それからID送出がついているクロスバーの交換機が六百三十ユニットで二四%でございまして、この合計千二百ユニット、四六%はIDの送出が可能でございます。残りの一千四百十ユニット、これがパーセンテージにいたしますと五四%に相当いたしますけれども、これがID送出不可能でございます。また、問題といたしましては、この際あえて申し上げておきますと、IDを出せるクロスバー交換機につきましても、IDの登録数に一定のキャパシティー上の制約があるということも事実でございます。これらを人口の割合で申し上げますと、三〇%弱が新電電のサービスを受けられないという状態でございます。
 それから、今後のスケジュールでございますが、これは私どもの方からもNTTにも要請申し上げましたし、新電電三社の社長さんそろって真藤社長にも要請に行かれたと承っております。NTTにおいても前向きに受けとめていまして、私どもの要請にも積極的にこたえていただいておるところでございまして、ID登録数の制限の問題につきましてはNCC分への割り当てをふやすという配慮、それからさらにID送出機能の増設工事というものを現在鋭意急いでやっているようでございます。しかし、これを抜本的に全国津々浦々まで完全に解消するためには、交換機の全ディジタル化ということが必須になってまいります。これは現在の交換機の耐用年数その他の事情からいきまして、七十年代後半になろうかと思います。しかしその間、少なくとも私どもは、NCCとNTTとの間で、今後NCCがサービスを拡大する過程で今回のような国民のひんしゅくを買うようなことにならないような措置だけは極力講じてまいりたいというふうに考えております。
○竹内(勝)委員 じゃNTT、今郵政省が何か要望しているようですね。これまた、これは大事なことだからいつごろ御返事いただけますか。
○井上参考人 先ほどもちょっと御説明しましたように、郵政省からIDの問題をできるだけ早急に解決するようにということで、できるもの、例えば先ほど郵政省さんの方から御説明ありましたように流用の問題だとか設備の増強の問題、それからID装置の増強、それから場所によってはディジタル化の促進、こういうものについて今積極的に取り組んでいる最中でございます。
○竹内(勝)委員 だから、いつということを答えてください。いつ郵政に答えてくれるのか。
○井上参考人 いつといいますと……
○竹内(勝)委員 私の質問にちゃんと答えなければいかぬ。郵政が今要望しているんだから、真藤社長にも言っているわけだから、そのスケジュールを出してもらわなければならぬ、それをいつ答えるのか。
○奥山(雄)政府委員 ちょっと私の説明が不十分で先生に御迷惑をかけたかと存じますが、私どもの方からは、今回の東京、大阪、名古屋の地域に当面は限りまして、まずこれについての措置をNTTに要望したところでございます。それに対しましてNTTとしては、当面先ほど申し上げましたように、NCCの登録数の配分の増加という配慮とそれから工事の促進をするということ、それからさらに、一部については、五〇八のような需要の多い地域についてはディジタル交換機に取りかえていくといったようなことで万全を期していきたいという、現時点での御返事はいただいているところでございます。
○竹内(勝)委員 何回も同じことを言わなければいかぬのかね。ですから、今のは回答があった、ほかのはないわけですから、その回答をいつやってくれるか。
○井上参考人 御回答申し上げます。
 郵政省から今当面の問題として伺っている問題を受けておりまして、それについてうちとしては御回答申し上げている段階でございます。
○竹内(勝)委員 それじゃ郵政にもう一度言っておきます。郵政、今パーセントで答弁いただきましたが、これは具体的に、例えば千代田区で何局がだめなのかというようなものがはっきりしているわけですから、これを公表すべきじゃないですか、こう言っているのですから、その分だけ答えてください。全部答える必要ないですから、公表するのかしないのか、それを答えてください。
○奥山(雄)政府委員 これは私どもの方といたしましても隠ぺいすべきものではないと思っておりますので、必要に応じまして何局と何局がID送出ができないということは既に申し上げているところでもございます。マスコミ等に対しても、問い合わせがあった場合には申し上げているところでございます。
○竹内(勝)委員 それじゃぜひそういうことで、NCCがちゃんとスムーズに進んでいけるようにお願いしたいと思います。
 では、ちょっと時間があれですのでNTTさん、もう結構です。次の問題に移ります。
 そこで、まず有線ラジオ放送に関する問題をお伺いしておきたいと思います。まず、先般、我が党の同僚議員からも質問がございましたが、無届けの大阪有線放送と、放送事業者に同意を得ないで再送信を行っていれば、これは有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律の五条違反、またチャンネル貸しをすることによって一斉に同報的なサービスを提供する、電気通信事業法九条の許可を得てないで行っている場合であればこれは電気通信事業法違反である。そういうわけで、この業務の実態について調査する、こういう約束を郵政省はされていますね。それで調査をしたのか、具体的にどのように行ったのか、まだ行っている最中ならばいつまでに調査が終わるのか、その点を簡潔に御答弁ください。
○奥山(雄)政府委員 本年の五月に御指摘をいただきました後、直ちに私どもといたしましては、地方の電気通信監理局を通じまして調査をし情報を集めるように指示をしたところでございます。地方の電気通信監理局におきましても、足を運んでそれぞれ努力をしたところでございますが、現時点におきましては、電気通信事業法違反であるという確証を得るまでの調査には立ち至っていないというのが実情でございます。
○竹内(勝)委員 調査は終わったのですか、それともまだこれから続けて、いつごろ調査は終わるのですか、もう一度御答弁を願います。
○奥山(雄)政府委員 これは、現在もなお調査を続行中でございます。地方の関係者の会議をやる際にも、先般も重ねてまた地方にお願いをしたところでございます。ただ、これらは司法権のない私どもの行う情報収集活動並びに調査でございますので、その違法行為が行われている実態そのものを的確に把握することは非常に困難な実情にございます。したがいまして、いつまでにこの調査を完了するかということを明確に申し上げるには至らないということを御理解賜りたいと思います。
○竹内(勝)委員 これはもう長い経過のものでございますから、そんなことを言っていたらだめだね。ぜひ積極的にお願いして、この調査の結果を明らかにしていただきたい。
 それから、大阪有線放送グループが全国的に同軸ケーブルを張り、ネットワークを張りめぐらしているが、現在郵政省として、全国的に有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律による届け出が出され、受理しているのか、あるいはそれはそうなっておればどこどこか。それからまた、本委員会で五十八年十二月に同法の改正を行いましたね。その改正以後は届け出に関してはどうなっておるのか、御答弁いただきたいと思います。
○成川政府委員 有線ラジオ放送設備と業務の届け出につきましては、放送所の放送区域を単位として行われているところでございますが、大阪有線グループからはこれら放送所を結ぶ連絡線につきましては現在届け出が出されてない状況にございます。郵政省としても、大阪有線グループの放送所が一部連絡線によって接続されていることは事実として承知しているところでございます。先生お話しのように、有線電気通信法の所定の変更届が必要でございますが、現在のところは出されていない状況にございます。連絡線を設置する場合は道路占用許可が必要でございますので、これらの許可を得た上で変更届を出すように今後とも十分指導していきたいというふうに思っております。
○竹内(勝)委員 届け出が出されてない、それはそのまま。ところが大変な張りめぐらし方で、どんどん進出して違法業者がはびこっておる。したがいまして、もう一度確認しておきますが、これは当たり前のことで、届け出が出されていない業者であればそれは違法業者ということですね。そして、大阪有線放送グループのほかにこの違法業者はどんなものがありますか。
○成川政府委員 現在、有線音楽放送施設として届けられておりますのは九百施設でございますが、そのうち六百八十が道路占用許可、電柱所有者の許可承諾等を得ていないいわゆる違法施設でございます。それで、違法施設中に大阪有線放送とその系列に属するものが約六百でございまして、残り約八十がそれ以外の団体に所属しているもの、あるいはいずれの団体にも所属していないものでございます。
○竹内(勝)委員 その残りの八十の主なもの、一つか二つで結構でございます、掲げてください。
○成川政府委員 音放に関する団体としては四種類ぐらいございますが、そのうち日本有線放送連盟系、大有系、大阪有線放送でございますけれども、それらに加盟するものが十二社ばかりございまして、そのうち先ほど申し上げました六百ぐらいが届け出しておりませんし、それから全国有線音楽放送協会という社団法人がございますが、これにつきましても若干違法施設を所有している状況にございます。あと東京音楽放送協同組合もございます。これにつきましても若干違法施設があるようでございます。
○竹内(勝)委員 その全国有線音楽放送協会の中のどんなのがありますか。
○成川政府委員 具体的な会社名につきましては遠慮させていただきます。
○竹内(勝)委員 では、ここで明らかにならないならば、ぜひこちらに資料を提出してください。それはできますか。
○成川政府委員 後でお届けさせていただきます。
○竹内(勝)委員 そこで、もう一つの確認でございますが、有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律の第二条に「一区域内」とございますが、「一区域内」というその範囲はどういうものか、その単位の定義はどんなものなのか伺っておきたいと思います。
○成川政府委員 有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律第二条に規定する「一区域内」の定義でございますが、これは有線ラジオ放送所を中心といたしまして線路を展開して有線ラジオ放送の業務が行われる区域、したがいまして、放送所を中心として線路を展開してそれが聞こえる範囲内の区域になるというふうに思います。
○竹内(勝)委員 それでは、次の問題に移らしていただきます。
 まず、去る五月関西文化学術研究都市建設促進法が成立いたしました。その中核施設として期待される国際電気通信基礎技術研究所、ATRも、この第三クラスターの京都府相楽郡精華町、木津町に建設の着工が近く予定されていると伺っておりますけれども、その経過をお伺いしておくのと、この国際電気通信基礎技術研究所がテレコムリサーチパーク計画、この認定を去る七月に郵政大臣より受けた、こう聞いておりますけれども、この計画はどんなものなのか、何の認定を受けたのか、あわせて御答弁願いたいと思います。
○塩谷政府委員 お尋ねのATRのテレコムリサーチパーク計画でございますが、これは国際電気通信基礎技術研究所を略称してATR。テレコムリサーチパークというのは電気通信の研究開発の促進の拠点施設でございまして、研究施設とそれから共同利用施設、両方から成るものでございます。
 それで、先生おっしゃいますとおりこの七月に、ATRの研究施設整備計画を私どもの民活法の特定施設の一つとして、いわゆるテレコムリサーチパーク整備計画として認定いたしたわけでございます。
 この施設の整備は既にこの七月に着工されておりまして、予定といたしましては再来年、六十四年の一月に完成して、六十四年の四月から運営開始する予定でございます。
○竹内(勝)委員 そこで、このテレコムリサーチパーク計画というものの中身に関してお伺いしているのですけれども、このテレコムリサーチパークの整備促進の支援措置として、まず税制上の特例措置、それと財政、金融上の優遇措置があるように伺っておりますけれども、それはどんな中身でございますか。
○塩谷政府委員 財政上、金融上の優遇措置でございますが、これは今申し上げましたように民活法に基づく整備計画の認定を受けましたプロジェクトについて全般的にバックアップ措置ということで認められているものでございますが、具体的に申し上げますと、まず税制措置といたしましては、国税関係で建物等の特別償却がございます。それから、地方税の関係では固定資産税、不動産取得税、特別土地保有税及び事業所税について優遇措置をする、これは課税標準などについて特例をするというようなことでございます。
 それから、二番目は補助金でございまして、六十二年度は補正も含めまして約七億円、この民活法施設全体についてこの補正も含めました補助金が認められている。この中で、このATRも申請してくれば補助金がもらえるということでございます。
 それから無利子融資制度、これはATRが京都府そのほか大阪、奈良からもお金をもらって、いわゆる官民の一体となった第三セクターの認定を受けますと無利子融資の対象にもなるわけでございますが、この無利子融資につきまして六十二年度の補正で五百八十億円認められておりますので、この中でまた無利子融資が受けられるということでございます。
 また、そのほか財投関係で日本開発銀行からの出融資を受ける、こういったことが財政上、金融上の優遇措置の中身でございます。
○竹内(勝)委員 今の財政金融上の優遇措置の中で、私のいただいた資料の中にはNTT株式の売り払い収入の活用による無利子融資制度の適用、これがございますね。この適用を受けるに当たって郵政省としてどのような形で行うのか、幾らぐらいの予算を考えておるのか、明らかにできませんか。
○塩谷政府委員 竹内先生今おっしゃいましたように、この無利子融資制度というのは、NTTの株が予算上評価していたものより上回って売れたということで、それを余裕があるということで民活関係の施策に向けるものでございますけれども、この最初の制度が六十二年度補正予算で認められまして、この枠が民活関係五百八十億円となっております。この内数ということで、五百八十億円が総体でございますので、テレコムリサーチパークを含めていろいろこれの融資を受けたいということで名のりを上げて、そこから回してもらうということになるわけでございます。
 それで、今申し上げましたようにこの仕組みは、日本開発銀行から行われるわけでございますけれども、手順等につきまして目下大蔵省を中心に関係機関において取り運び中でございます。具体的な融資額は、ATR等からの具体的な融資申請を待って行うという予定にしております。
○竹内(勝)委員 では日本開発銀行、今御答弁ございましたが、この出融資に関しては幾らぐらいなのか。さらに、基盤技術研究促進センターからATRへ出融資がされているわけでございますが、これは郵政省と通産省とが共管しているため、この出融資に関してはスムーズにいってないとも聞いておるのですが、どんな状況になっておりますか。
○塩谷政府委員 テレコムリサーチパークに対しての開銀からのいわゆる一般財投としての出資あるいは融資でございますが、六十二年度としてはこの関係で財投から十三億、枠が用意されております。ただ、現在までのところこの融資を受けているという実績はございません。それで、私どもまだことしそれが出てくることも期待しまして、また来年度もこのリサーチパークの整備について引き続きこういう出資、融資の枠を確保していこうということで、来年度に向けての財政投融資の要求を行う予定にしておるところでございます。
 それから二番目のお尋ねの、基盤技術研究促進センターからATRに出融資が行われているわけでございますけれども、この点について私ども郵政省と通産省との間で資金配分がなるべく円滑にいけるようにいろいろ調整を行いまして、ついせんだってでございますが、この辺について話し合いがついております。新規プロジェクト、新しくその年度に出融資するもの、これは私ども所管の電気通信と、それから通産省所管の工業関係、こういうものの両分野で半々にしていこうということ。それから、引き続いて行いますプロジェクト、例えば六十一年度に新たに認めたもので、二年、三年と計画が進んで続いていくプロジェクト、これは九〇%を両分野で半々にしまして、残りの一〇%はそれぞれの分野の研究進捗に合わせていわば調整額ということで話し合いがついておりますので、今までちょっといろいろな内部的なあれで御迷惑をおかけした向きもなかったわけではないのでございますが、これからなるべくスムーズにいくように努力したいと思っております。
○竹内(勝)委員 それから、郵政省の来年度予算の概算要求で高度映像化推進に関する調査研究、その中での高度映像地域、これを全国に十カ所の地域指定をしようとしているような動きがあるようでございますが、具体的にはどんなものなのか。それから、全国といってもなんですが、関西方面からの名のり上げはあるのか、あればどこなのか、そういった面もあわせて御答弁いただきたいと思います。
○成川政府委員 来年度概算要求の中で二百万円の調査研究費を要求しているところでございますが、そのねらいといたしましては、高度情報社会を構築していくためにはヒューマンコミュニケーションというものの充実が不可欠でございます。そのためには、具体性に富んだあるいは多彩な表現方法による幅広い情報が提供できるハイビジョン等の高度映像メディアの果たす役割が極めて大きいのじゃないかというふうに私ども考えております。そこで、来るべき高度情報社会における高度映像メディアのあり方、あるいはいかにして高度映像化の推進をしていくかということについて検討していくことが必要じゃないかと思っておりまして、その関係で予算を要求しているところでございます。
 それで、今後実施する予定の調査研究の中で、高度映像地域の将来イメージとか、あるいは高度映像メディアのあり方、あるいは高度映像モデル地域の選定基準等を検討していきまして、具体的な基準等ができましたら皆さん方の、地方の御意見等も伺いながら決めていくということで、来年度は調査研究をしていくということでございまして、具体的な地域をどこにするかというようなところは来年度の調査の中で決めていくという話でございます。
○竹内(勝)委員 もう一点、テレトピアに関してお伺いしておきます。
 同じく関西学園都市の構想の中にございます田辺町、精華町、木津町を対象にしましてテレトピア指定地域の計画を伺っておりますけれども、この構築システムはどのようなものがあり、それぞれのシステムの特徴はどうなっているのか。それから、事業主体は未定のようでございますが、今後どのように考えておるのか、あわせて御答弁いただきたいと思います。
○塩谷政府委員 お尋ねの三町のテレトピア計画の推進につきましては、竹内先生初め地元の先生方に大変お力添えをいただいてありがたく思っております。
 この関係の構築システムでございますが、タイプといたしましては研究学園型、コミュニティータウン型、国際交流型、こういったタイプを目指しておりまして、システムとして予定しておりますのは技術情報データベースシステム、文献情報データベースシステム、教養・文化講座ネットワークシステム、それから第四にコミュニティー連携一体化システムと、いずれも文化都市、学園都市にふさわしいデータベースあるいはネットワークあるいはコミュニティーのシステムを予定されておられるわけでございまして、目下まだ事業主体が未定でございますけれども、地元関係三町がいろいろ今後の推進方策について民間のシンクタンクに調査研究を委託して、関係三町から成るテレトピア検討会を設置するというようなこと、あるいは計画実施に当たっての具体的な諸課題について地域の実態に合った方向を見出すということで、今一生懸命頑張ってもらっておるわけでございますので、私ども、この辺についてこれからの進みぐあいを大いに注目していきたいと思っております。
○竹内(勝)委員 それでは時間ですので、最後に大臣に、この関西学園都市に関して一言御所見をお伺いしておきますが、関西文化学術研究都市という形で、もう十年前、本委員会でもいろいろと論議が行われました。十年前の昭和五十二年に地元京都で構想が生まれ、そしてその後、関西復権のそういう願いを込めてのナショナルプロジェクト、そういったものを求める声が高まり、このテレトピアなり、あるいは今のテレコムリサーチパークなり、それから第二国会図書館、これをニューメディアを駆使した、今までのものとは全く違う大きく発展した、そういったものをやっていこうということで進められておるわけでございます。ところが、今の出融資の問題に関しても通産省との共管ということがございまして、郵政大臣としてぜひスムーズにこの問題に取り組んでいただきたいと思いますので、大臣としての御決意、御所見をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。元気よくいい答弁をしてください。
○唐沢国務大臣 電気通信につきましては、やはり基礎技術の研究というものは非常に重要でございますので、我々もATRについてできるだけの御支援をさせていただきたいと考えております。
 それから、先生も御存じのように、ことしの総理の施政方針演説にありまして、諸外国から来る人が関西の非常に古い伝統的な文化遺産を見学して、それからすぐ隣に時代の最先端を行く先端技術の工場や研究所を見て非常にこれに驚く。私は、これからの日本のありようの一つの行くべき姿、道を示しておるのではないかと考えております。そういう意味で、これはちょっと電気通信から離れますけれども、国際日本文化研究センターですか、あれもいろいろ検討の結果、やはり京都以外にないということで京都に設置することになりました。
 関西、また京都、こういうところには昔からの文化遺産があって、そこに新しい基盤技術と申しますか、先端技術の研究のセンターを置くということは、私は国土の均衡ある発展の中でもやはり非常に重要なことだと考えておりまして、まあ郵政大臣としては直接はATRでございますが、国務大臣としてこれは日本国の将来のために総合的に大いに力を入れていくべき問題である、このように考えております。
○竹内(勝)委員 終わります。ありがとうございました。
○関谷委員長代理 木下敬之助君。
○木下委員 質問申し上げます。
 この国会でさきに成立いたしました昭和六十二年度の補正予算で、郵政省が要求されました無利子融資制度を適用した対象事業とは何であるのか、お伺いいたします。
○塩谷政府委員 六十二年の補正で要求しました無利子融資制度の対象事業でございますが、幾つかございまして、まずテレトピア事業関係では、地域ビデオテックス事業、それから地域データ通信事業、地域CATV事業、ハイビジョン整備事業、コミュニティー型移動無線電話、以上でございます。そのほか、通信ケーブル地中化事業、民活法施設整備事業がございます。
 以上でございます。
○木下委員 そのような六十二年度補正予算で要求した対象項目は、六十三年度概算でも要求しておられますか。
○塩谷政府委員 ただいま申し上げました各事業のうち、通信ケーブル地中化事業以外はすべて六十三年度概算でも要求しております。
○木下委員 その通信ケーブルの分はどうして六十三年度概算からは外されたのですか。どういった理由でしょうか。
○塩谷政府委員 この通信ケーブルの地中化事業でございますが、これは今度できました法律によりますと、分類といたしましてはいわゆる民活事業に入るというふうに分類されると思うのでございますが、この民活事業というのは、新法で公共的建設事業とは別ないわゆる民活事業という分け方になると思うのでございます。この民活事業で無利子融資を受けることができるのは、地方公共団体の出資または拠出に係る法人、いわゆる第三セクター、この第三セクターが行う事業に限るというふうに整理されたわけでございます。
 ところが、この通信ケーブルの地中化事業はNTTを初め民間企業が行うものでございまして、新法の定める無利子融資の対象としては今申し上げましたように第三セクターを事業主体と予定しているもので、これに該当しないということで六十三年度の概算要求については要求してない、こういう次第でございます。
○木下委員 それでは、六十三年度概算で要求した無利子融資対象の項目はどういったものでありますか。また、それぞれ具体的内容、規模等はどうなっていますか、お伺いいたします。
○塩谷政府委員 六十三年度の概算要求で無利子融資の対象として要求しております項目とその内容、規模について、この規模につきましては、融資をしてもらいたいという要求規模についての数字を申し上げたいと思います。
 まずテレトピア事業でございますが、これは地域ビデオテックス事業、地域データ通信事業、地域CATV事業、ハイビジョン整備事業、コミュニティー型移動無線電話という事業でございまして、これは全体で五百五十六億円でございます。
 それから第二に、民活法施設の整備事業がございまして、これの関係では民活法の二号施設、これは前にお答え申し上げましたテレコムリサーチパークの整備事業でございます。それから民活法の四号施設、これはテレコムプラザといいまして、電気通信設備を展示して、ごらんになったりあるいはそこでいろいろいじったりしてそういうものについての理解を深める、こういうような展示と共同利用、それから研究の施設が一緒になっておるものでございます。これが四号施設のテレコムプラザ整備事業。それから民活法の七号施設といいまして、これはテレポートという、大都市の港湾地区などで衛星を利用して集中的な高度通信をやろうというようなものでございます。これらについては、民活法施設整備事業関係百一億円を要求しております。これは実は補正などで要求の認められたものと同様でございます。
 それで、六十三年度新規に要求しているものにつきまして三つほどございまして、詳細は後ほどあるいはまたお尋ねがあった際にお答えいたしたいと思いますが、地域電波利用基盤整備事業二百十二億円、それから地域ISDN整備事業百六億円、それから三番目に特定開発地域における電気通信施設整備事業五十三億円、以上の三つが六十三年度の概算で新たに登場したものでございます。
○木下委員 それでは、新たな部分の中身も少し聞いてみたいと思いますが、地域電波利用基盤整備事業としてマルチメディア・タワーの整備等を考えておられるようでございますが、これはどのような事業ですか。この目的、事業内容、効果についてお伺いいたします。
○奥山(雄)政府委員 ただいま通政局長から答弁申し上げましたように、マルチメディア・タワーも地域情報通信基盤整備のための事業の一環でございます。電波の特性といたしまして、移動系の情報通信サービスの提供に最適であるという特性がございます。かつまた、情報通信基盤の整備には地方の情報通信基盤の整備が急務でございますので、そうした観点に着目いたしましてこのマルチメディア・タワーというものを構想した次第でございます。
 これは、端的に申し上げますと、MCAとかポケットベルとか自動車電話といったようないわゆる移動体の無線、あるいは固定地点間のマイクロウエーブの無線局、あるいはFM、テレビジョンといった放送波を利用するところの無線局といったような、いずれにいたしましても無線を利用する事業の共同のアンテナをある地域に設置いたしまして、またそれに附帯する建物もつくりましてこれら事業者の便に供したいということでございます。これによりまして効果は、これまで情報通信基盤整備に立ちおくれておりました地方の都市において、無線を利用した早急な整備が図られるものというふうに期待をしております。
○木下委員 次に、地域ISDN整備事業について基本的な考え方をお伺いいたします。
○奥山(雄)政府委員 これも先ほどのマルチメディア・タワーと同じように、地域における情報インフラの整備の観点から構想しているものでございまして、この場合は、これからの高度情報社会実現のための基本的なインフラになりますところのISDN、ディジタル通信を、中央幹線、中継伝送路のみならず、地域においても整備をする観点からこのような考え方を取り入れたわけでございまして、地域幹線部分につきましては大体第一種電気通信事業者が整備をすると思いますが、例えば工業団地とか流通団地といったような地域におけるISDN整備事業というものはどうしても立ちおくれぎみでございますので、それらを前もって先取りして整備するという観点から、無利子融資によってこれらの事業の立ち上がりを支援したいということを考えている次第でございます。
○木下委員 電気通信施設整備事業について一つお伺いしたいのですが、NTT株式売却益による無利子融資の制度を、都市の再開発や遊休地の活用事業といったプロジェクトの際にあわせて行う電気通信整備事業に適用できるのかできないのか、こういったことをお伺いいたします。
○塩谷政府委員 私ども、電気通信基盤施設といいますか、いわゆる電気通信のインフラストラクチャーは、これまでの在来の伝統的な道路、下水道といった社会資本に続いて、これから時代の主流を占める新しい社会資本であるというふうに考えているところでございます。木下先生もせんだっての予算委員会でその辺について論旨を展開されておられたわけでございますけれども、こういった電気通信整備事業は新しい社会資本という観点からいろいろ活用といいますか、事業の対象が広がってくるだろうということでございまして、今日埋立地あるいは人工島、ニュータウン、リゾート地、いろいろ土地開発あるいは工場跡地などの大規模遊休地の有効利用を目的として都市再開発の構想が出ているわけでございます。これはある意味で一つのチャンスでございまして、こういったところは、高度な情報通信機能を提供するために、例えば光ファイバーといった電気通信設備を整備する、道路や何かと同じように最初からその土地にはめ込んでつくってしまうのはいいことじゃないかと思うわけでございます。
 そうした観点で、私ども六十三年度の予算要求については、特定開発地域、これが埋立地等新規造成地域でございますが、そこにおける電気通信施設の整備事業についてこの株式売却収入による無利子融資を要求していこう、そのほか税制上の優遇措置もあわせてやっていこうというふうに考えているところでございます。
○木下委員 こういう時期で、内需拡大ということを中心に私も予算委員会で申し上げたのですが、一つの投資がまた新しい投資を生むようなことにぜひやりたい。そういう意味で情報通信基盤整備は大事なことだろうと思いますので、どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。
 この無利子融資の制度を今回テレトピア事業に対し用いるということも聞きましたが、これはどのような効果を期待されておられるのかお伺いいたします。
○塩谷政府委員 テレトピア事業に対しての無利子融資制度の活用でございますが、テレトピア構想というのは、あるいは御存じのことと思いますけれども、CATVあるいはキャプテンなどをモデル都市に集中的に導入しまして、地域社会の形成発展あるいは都会と地域との情報化の均衡ある発展というようなことを考えておりまして、私どもこの無利子融資もテレトピア計画の遂行に当たりまして大きな力を発揮するということで、今申し上げましたCATVあるいはキャプテン、いろいろなシステムについて活用していきたいと思っております。
 テレトピア推進支援措置はどういうものがあるかというのは、この際ちょっと付言して申し上げておきますと、基盤技術研究促進センターからの出資ですとか日本開発銀行からの融資などがあるわけでございますが、これに並んで、第三セクターという条件がございますけれども、テレトピア計画の推進法人が第三セクターの場合には無利子融資の助成措置ができるということで、これについての内需拡大効果もいろいろ大きいものがあろうということで、私ども強力に推進してまいりたいと考えております。
○木下委員 この無利子融資の制度で民活法施設整備事業に対して融資することになっておるようですが、郵政省における民活法対象施設プロジェクトの概要とその見通しについてお伺いいたします。
○塩谷政府委員 民活法の対象施設でございますが、私ども所管しておりますのは三つございまして、研究開発促進施設としてのテレコムリサーチパーク、それから高度化基盤施設と言っておりますテレコムプラザ、それに衛星基地としてのテレポート、この三種類ございます。
 まず、テレコムリサーチパークでございますが、この七月にATRの整備計画が第一号の整備計画として認定されまして、現在この研究所施設が京都府の精華町で建設工事が行われておりまして、六十四年の一月に完工する予定になっております。それから、二番目のテレコムプラザでございますが、現在山口あるいは富山などといったところから数プロジェクトの認定申請が出されておりまして、目下審査中でございます。このプロジェクトはいずれも年度内に整備事業に着手して、六十四年度内にはすべて完工、運営される予定というふうに承っております。それからテレポートについてでございますが、これはまだ法改正が行われたばかりでございますので、現在これについて基本指針の策定方取り運び中でございます。
 こういったわけで、私どもさらにこの民活法施設について、要件緩和などを含めました税制の面での優遇税制を要求しておるところでございますので、これが実現すれば、さらにこういったところについての施設整備が進むのではないかというふうに考えております。
○木下委員 次に、本年四月に出されました放送政策懇談会の報告書について、その概要と主なポイントはどういうことであるのかお伺いいたします。
○成川政府委員 本年四月に放送政策懇談会から報告を受けましたが、その報告の中で、今後の放送政策のあり方について大変幅広く分析をしていただいておりまして、報告の中で貴重な提言を数多く行っていただいているところでございます。
 その概要といいますか、基本的な点を申し上げますと、現在NHKと民放は二本立てでやっておりますが、この二本立て体制を検討して、今後ともこの体制を維持する必要があるということを一点として言っております。それから第二点目としましては、メディアの特性に応じた規律の必要性を指摘しておりまして、ニューメディアの普及発展のための道筋を示していただいているところでございます。三点目といたしましては、民放テレビ全国四波化を現在進めておるところでございますが、それらの基幹的なメディアの普及のための具体的な方策につきまして検討を加えていただいております。
 概要と言えるかどうかわかりませんが、基本的な点は以上のとおりでございます。
○木下委員 そのような今回の放送政策懇の報告書を踏まえた放送法、電波法の改正は、次期通常国会に提出される予定であるのか、どのように考えておられるのかお伺いいたします。
○成川政府委員 ただいまお話し申し上げました放送政策懇談会の報告を踏まえまして、あり方について現在検討しているところでございます。検討結果によりまして放送法制の見直しが必要ということになれば、法改正を御提案させていただくことになりますので、そのときはよろしくお願いします。
○木下委員 よろしくはそのときに私も考えることにして、どういったところか、今放送法、電波法を改正する場合に重要であると考えておられる点がございましたら、ポイントをお伺いいたしたいのですが……。
○成川政府委員 先ほど申し上げましたように、現在報告書を受けましていろいろと検討を加えているところでございまして、改正の内容につきましてはまだ固まっておりませんし、改正するかどうかも先ほど申し上げましたように決めている段階ではございません。したがいまして、内容につきましては申し上げる段階でないということで御了承いただきたいと思います。
○木下委員 それでは、通信・放送衛星機構法の改正の方、こちらは次期通常国会で考えておられるのじゃないかと思いますが、その主な改正内容をどのように考えておられるのかお伺いいたします。
○塩谷政府委員 私の方からとりあえずお答え申し上げておきます。
 通信・放送衛星機構法の改正でございますが、これは主としてハイビジョン関係、ハイビジョンの普及促進について考えているわけでございます。いろいろ新たな産業の開発あるいは内需拡大効果が大きいということでハイビジョンに取り組んでおるところでございますが、このBS3、放送衛星三号でハイビジョンの普及促進の基盤整備を行うために、次の国会で通信・放送衛星機構法を御審議いただけたらというつもりでございます。
 主な内容でございますが、まず第一はハイビジョン放送の施設の整備事業、それからハイビジョン放送の受信機の配備事業、それからハイビジョンライブラリー事業、こういったものを放送衛星機構の新たな業務として追加したいということが一点。それから、この業務と放送衛星三号の二部のトランスポンダーを保有する、そしてこれを放送事業者にリースする、こういった事業に関しまして通信・放送衛星機構法の所要の改正を行いたい、以上二点が主な改正内容でございます。
○木下委員 それでは、その通信・放送衛星についてもう少しお伺いいたしますが、BS3bの免許の割り当て方針はもう決まっておりますか、お伺いいたしたいと思います。
○成川政府委員 BS3aにつきましてまずちょっとお話しさせていただきたいと思いますが、BS3につきましては、NHKのテレビジョン放送の難視聴解消などを目的とするBS2の放送サービスを引き継ぐとともに、増大かつ多様化する放送事業に対処していきたいと思っておりまして、BS3aにつきましてはNHK二チャンネルと一般放送事業者一チャンネルの放送を現在考えておるところでございます。
 BS3bの使用方法についてでございますが、これにつきましてはハイビジョンの普及促進を図る観点から現在検討中でございます。
○木下委員 このBS3bでは、機構法を改正して予備チャンネルを機構側がリースするという考えがあるようですが、ここではどういう放送をなさるつもりですか、郵政省のお考えをお伺いいたします。
○成川政府委員 今お尋ねのように、通信・放送衛星機構がBS3の予備機、BS3bでございますけれども、トランスポンダーの一部を保有いたしまして、その予備の機能を前提としてそれを放送事業者にリースする事業を行うことにつきまして、産業投資特別会計からの出資を予算要求中でございます。
 具体的な使い方につきましては、先ほど申し上げましたように3bの免許の方針を検討中ということでございますが、ハイビジョンの普及促進を図る観点から関係機関と検討しているところでございます。使い方についてはまだ決まったわけではございません。
○木下委員 では、先ほど言われましたハイビジョンの方、BS3でどういう割り当てを考えておられるわけですか。BS3のどれを当てるとか、かなり進んだ考えを持っておられるのですか、ハイビジョンについてお伺いします。
○成川政府委員 ただいま申し上げましたように、3bにつきましては放送衛星機構にトランスポンダーの一部を保有してもらって放送事業者にリースするという形でハイビジョンの放送をやってもらうというふうに考えておりますが、どういう使い方をするかということにつきましては、先ほど申し上げましたように関係機関と検討中でございます。
 それから、NHKあるいは民間の放送事業者が使いますBS3aにつきましては、一部ハイビジョンに使うことも考えられるのじゃないかというふうに考えられますが、現在のところ固まっているわけではございません。
○木下委員 最後に、民放テレビ全国四局化ということでお伺いしたいと思いますが、その前に、民放テレビの第十四次割り当ての免許申請件数と本放送の実施見通しはどうなっているのか、お伺いいたします。
○成川政府委員 六十一年の一月に割り当てました七地区の申請件数はかなりの数に上っております。合計で千二百八十二件ということになっておりまして、各地区の状況を申し上げますと、青森が百十一件、秋田が二十一件、岩手が二百四十件、山形が百五十九件、富山が六十二件、石川が二百九十六件、長崎三百九十三件という、かなりの数に上っている状況にございます。既に開局へ向けて話し合いが進んでいる地区もございますし、そのような状況からいたしますと、早ければ来年度中にも開局可能な地区が出てくる見通してございますが、かなりの局についてそういうことが可能かといいますと、そういう状況にはなっておりません。
○木下委員 それでは、先ほど話の出ました民放四局化を考えておられるようですが、この実現のための郵政省の方策をお伺いいたします。
○成川政府委員 先ほど六十一年の一月ですか、昨年の一月に出した七地区について申し上げましたが、それらを早急に免許に持っていくように努力していかなければならないということが第一かと思います。これからのことでございますが、全国各地域の受信機会の平等を実現するために、全国各地域で最低四の放送が可能となることが目標でございまして、それに鋭意取り組んでおるわけでございますが、具体的には周波数事情とか放送事業存立の基盤たる経済力あるいは放送需要等を勘案しながら対処していかなければならないというふうに思います。今後新たに周波数の割り当てを行う地域につきましては、必要と認める場合にはその地域の実情に合った具体的な方策を検討していかなければならないのではないかというふうに思います。
    〔関谷委員長代理退席、委員長着席〕
○木下委員 この民放四局化というのは本当にいいことだと思うのです。四局になるのがいいとかいうよりも、民放が四波見られるということがいいと思うのです。それはかなりその地域における切実な要求で、ちょうど県境なんかだと、余り無理をしなくともほかの分が見られたりしてかなり有利な地域もあるのですが、見えないところは、新聞に出ておるテレビ欄なんか見て、見たいテレビがあっても自分の地域ではやってないということで、これはぜひともたくさんのものが見られるようにして、日本のどの地域でも文化を享受できるようにしていただきたいと思っております。
 しかし一方、民放が経営ということを考えたときに、民放の将来展望というのは決して明るくない。特に、現在二局とか三局しかないような地域はなおさらに厳しいところが多いと思うのです。そういう中で、そういった経営のことも考え、なおかつ地域の人がたくさんのものを見たいという要望にこたえていくのには、私は相互乗り入れというのをどんどんやれば、どうせ県境では見えているのですし、かなり大きなアンテナを立てればだんだん見えてくるようになるわけですから、放送する方も、そうなれば見えている地域の事情を全く無視した中身の放送をするより、幾らかそこにも親しみのある放送ができるという形で、最初からエリアを広げて相互乗り入れ、こういうことも考えられるのじゃないか。また、一局に二つ許可したってこれもちっとも構わないのじゃないかと私は思うのであります。いろいろなテレビ番組を見たいという地域の人の希望と、その地域で民放がやっていけるということを両立できる方法を早急に考えて、郵政省の方針となされることを期待いたしたいと思います。どのようにお考えでございますか、お伺いいたします。
○成川政府委員 今、先生おっしゃるように、受信機会の平等を図っていくということが非常に大切でございまして、そのために全国各地域において最低四の放送が可能となるような目標を立てて現在取り組んでおるわけでございます。
 その一つの方策として相互乗り入れ方式もあり得るのじゃないかと思いますが、これにも全然問題がないわけじゃございません。新規に放送事業を行いたいという者の道を閉ざすことになるというような問題とか、社会的、文化的、経済的な状況がかなり違っているような場合に隣接地域を併合することが適当かどうかといった、いろいろと検討すべき問題点もあるというふうに考えます。しかしながら、受信機会の平等を実現するための方策についていろいろと考えていかなければいけないと思いますので、地域の実情をよく見まして多角的な検討をしていきたいというふうに思います。
○木下委員 確かに、テレビの番組をつけて県知事さんが何かしゃべったという話でも、隣の県知事さんの話だったりして誤解が生まれたりしてとか、これは起こり得ると思います。思いますけれども、それはそれで、しかし承知の上で番組を見ればいいのですから、積極的にいろいろなことを考えていただきたいと思います。
 そういったことをお願いいたしまして、私の質問を終わります。
○深谷委員長 佐藤祐弘君。
○佐藤(祐)委員 放送政策懇の問題でお聞きをしていきます。
 今も同僚議員から若干の質疑が行われましたが、私は、このニューメディア時代における放送に関する懇談会、これは正式名称ですが、これは中波だけの時代からテレビジョン、FMあるいは衛星放送、さらにCATVへとニューメディアがどんどん発展していっているという中で、放送制度のあり方について検討するということですから当然放送法改正ということになっていくのではないかというふうに考えておるのですが、その点、さっきは次の国会に出すかどうかはまだ未定だというようなお答えだったような気がしますが、その関連についてはどうでしょうか。
○成川政府委員 先ほどお答え申し上げましたように放送政策懇談会の答申といいますか報告を受けまして、それらの中身について今鋭意勉強させていただいているところでございます。それらの検討の結果、法改正が必要ということになれば法案を提出させていただきたいということになるわけでございますが、それを参考にして勉強させていただいているところでございます。
○佐藤(祐)委員 大臣にお聞きをしたいのですが、私は、今のようにどんどん発展してきまして、しかし現在の放送法は昭和二十五年ですかつくられたもので、その後手直し手直ししてきているのですが、これだけ多様に発展してきますと何らかの改正が必要になってきているのじゃないかという点は、大臣はどのように考えていらっしゃるか。
 同時に、その場合に、放送法というのは今の法律の中で非常に大事な言論法といいますかですから、改正を検討するという場合には相当慎重、多角的にやる必要があるのじゃないかと私は思うのです。放送政策懇の方で一定の専門家といいますか御意見を聞かれたわけですが、同時に、広く国民各層の意見を聞くといいますか、そういうことも必要じゃないかというふうに私は思っておるのですが、大臣の御所見を。
○唐沢国務大臣 確かに、今言われましたように放送法は昭和二十五年にできました。それから何年置きかに改正をしてきた。のりとはさみで改正してきたようなものでございますが、今もちょっとお話がありましたが、このような時代に今の放送法でいいかどうかという問題はあろうかと思います。そういうことで放送政策懇談会でいろいろな先生の御意見を拝聴いたしたわけでございます。
 今までも放送に関するいろいろな原則がありました。マスメディア集中排除の原則、県域放送の原則、それぞれ非常に意味のある原則だったと思います。最も重要なのは番組編集自由の原則ですか、非常に大事なものだと思いますけれども、これからは衛星放送の時代になるわけです。また、ハイビジョンのような第三のテレビも出てくるわけでございます。また国際的には、国際放送がいずれテレビの時代になるかもしれない。こういうときに、今までと同じ原則を墨守していていいのかどうか。今、木下先生が相互乗り入れの話をされましたけれども、一つの県を越えて、あるいはもっと大きなブロックで考えていった方がいい場合もあろうかと思います。そういう意味で私は、ここで見直すべき時期だと思いますが、確かにこれは慎重にやらせていただかなければいけない、同時にそうしなければいけない、このように考えております。
○佐藤(祐)委員 これは逓信委員会としても非常に大きな事業になると私は思うのです。そういう意味でも十分議論をされていかなければならぬと思うのです。
 それで、以前の臨時放送関係法制調査会というのは、昭和三十七年にたしか郵政大臣が諮問されて、答申が昭和三十九年に出ている。このとき、放送法の抜本改正というので相当な作業が行われたわけです。そのときのことを参考に調べてみたのですが、今回の場合よりもっと濃密な作業をやっておられます。今回は二年間で二十回の審議が行われたということです。それも、関係者の方にお聞きしますと、一回の審議は大体二時間程度で、第八回目までは専ら現状説明を受けるということで、実質的な審議は十回程度だったということです。その点、以前のものを見てみますと、回数が多ければいいというわけではありませんが、非常にいろいろな角度から検討されていまして、臨時放送関係法制調査会、臨放調と言われたわけですけれども、期間は二年間だったのですが、五十七回本会議をやったのです。今回は二十回です。それ以外に小委員会も盛んに開き、また、今私が大臣に質問したのもその点があるのですが、公聴会を全国の七大都市で開いています。それ以外に地方視察、これは委員の方が直接いろいろなところへ行っておられるわけです。これは十二カ所で行っているということで、今回と状況は違うということはありますが、状況が違うという点でいいますと、当時よりはむしろ今回の方が検討すべき諸課題は多いということではないかと思うのです。
 今、大臣もおっしゃったように、マスメディアの集中排除の原則をどうするかとか、四局体制ということを言われていますが地域間格差の解消、あるいは今度の報告書を拝見しますと、新たな財源方式として有料方式の導入といった問題提起もありますし、いろいろ大事な問題点があるのです。それだけに私は十分な事前の準備も必要だと思いますし、私たちがいろいろ研究していく上でも、放送政策懇はある程度議論したわけですから、その議論をさらに煮詰めていくというか発展させるという上でも、放送政策懇の議事録をぜひ私は公開していただきたいと思うのです。少なくとも本委員会に提出していただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○成川政府委員 放送政策懇談会では、有識者の方々に自由に発言をしていただこう、自由な発言を確保するというために、懇談会として議事を非公開とすることを決めたという経緯がございます。したがいまして、会議録や関連資料につきましては公開することは差し控えさせていただきたいというふうに思います。
 なお、意見交換をやった結果は報告書という形で先生のお手元にも届いているかと思いますが、公開されているところでございます。
○佐藤(祐)委員 どうもこのごろ非公開が多くて、そういう秘密主義的なやり方はどうかと私は思うのです。それで、逓信委員会では当然そういう問題を主に議論しなければならぬわけですから、その討議の役に立つものはむしろ積極的にどんどん出すというように郵政省の姿勢について私は望みたい。
 そこで、自由に発言するために非公開ということですが、別に議論の中身は非公開ということではないのです。これはだれがどう言ったということを知られるのが困るというようなことでしょう。これも私に言わせれば、基本的には、委員ともあろう人ですから責任を持った発言をすればいいわけで、どこに公開されても一向に差し支えないと思うのです。名前が出たのじゃまずいというのであれば、あの懇談会のときに郵政省が各委員に配付した会議録があるでしょう。あれは発言者名は出ていないが議論の中身はわかるものなんですね。これなら出しても差し支えないのじゃないですか。
○成川政府委員 懇談会として議事は非公開にするということを決めておられるわけでございまして、私どもとしては公開は差し控えさせていただきたいと思います。したがいまして、会議録等については公開を差し控えさせていただきたいと思います。
○佐藤(祐)委員 どうもちょっとおかしいと思うのです。
 そうしますと、議論の中身ではなくて、毎回の懇談会で郵政省として配付されたレポート、資料がありますが、これは問題をいろいろ検討して考えていく上での基礎的なものなんですけれども、これは当然出していただいていいと思いますが、どうですか。
○成川政府委員 ただいまの点につきましても、懇談会として非公開ということで決めておられますので、私どもとしては公開するわけにはまいりません。
○佐藤(祐)委員 あなた、それはおかしいですよ。これは懇談会の議論の非公開の問題とは違うのです。この重大な、これからの放送行政をどうするか、放送法令をどうしていくのかということで各委員の先生に意見を出してもらうための討議資料、たたき台として事前資料として出しているのです。これは郵政省が出しているのです。懇談会がつくったものじゃないのです。そんなものまで出せないというばかな話はないですよ。
 委員長、これは出すように取り計らってください。こんなばかな話はないですよ。懇談会の議論の中身をまとめたものじゃないのです。
 私が最後に今申し上げたのは、委員の先生に考えてもらう上で郵政省が資料を出したのです。そんな公開できないようなおかしなことが書いてある資料が出たのですか。そんなことではないでしょう。それは少なくとも出すべきです。どうですか。
○成川政府委員 たびたび同じ答弁を繰り返して恐縮でございますが、公開いたすつもりはございません。
○佐藤(祐)委員 これは全く問題だと私は思うのです。どうも秘密主義が横行していて密室でいろいろな議論がされる、郵政省が出した資料も出せないなんて、こんなばかな話はないし、そんな資料まで非公開なんということは懇談会では決めていません。決めていますか。郵政省が配付した資料も非公開にしましょうなんということを決めましたか。どうしてそんな無理な答弁をしてそれを隠さなければならぬのですか。逓信委員がいろいろ勉強する上で、今後の放送制度を考える上で役に立つものじゃないのですか。そういうのはどんどん出すのが本当じゃないですか。逓信委員会をそっちのけにしておいて、自分たちで何かつくってこれは後で認めろということだけなんですか、やり方は。今の、郵政が配った資料を出せないというのは私はどうも納得いかないですね。それはどういう論拠ですか。会議でも決めてないのですよ。
○成川政府委員 非公開を前提として取り組んでおられるというようなことから、資料等についてお出し申し上げられないということを申し上げたのですが、意見交換をした結果は報告書という形で出ておりますので、その中身を読んでいただければ議論の経過というのはある程度おわかりいただけるんじゃないかというふうに思います。
○佐藤(祐)委員 どうもこの点は納得できません。国会にさえ、逓信委員会にさえそういうものは出せないというのはおかしな話ですよ。
 これは委員長、私は三つの要望を出しました。最初の、議論の中身は個人名も出るから非公開、それから次の、会議録も何か非公開、これは議論に直接かかわるから非公開と決められておるのならということで百歩譲っても、最後に、郵政が出した資料があるんですよ。これは勉強になるものだから出しているわけでしょう。予断と偏見を与えるために出しているものじゃないでしょう。これは当然出してもらいたいと私は思うのです。委員長、これは出すように取り計らっていただきたい。
○深谷委員長 ただいまの佐藤委員の発言については、後ほど理事会で取り計らうことにいたします。
○佐藤(祐)委員 私、この問題をいろいろ言っておりますのも、今度本当に放送法改正という作業に入るとするとこれは非常に大事な作業だと思うからこう言っているわけですよ。
 さきに臨放調のこともちょっとお話ししましたが、きょうここに答申書と資料編というのを持ってきたのですが、相当大部なものですね。この中には、例えば資料編の方にはこういうことまであるわけですね。海外調査報告とか、各方面の意見を聴取しているわけです。それにはNHKの意見、日本民間放送連盟の意見、日刊紙八十七社の意見、そのほか放送三者共闘会議の意見とか関係する労働組合の意見、そういうものも詳細に意見を聞いて、そして慎重に検討するということがやられたわけです。また、非常に民主性を裏づけるものの一つですが、そのときには少数意見がありました。少数意見もちゃんと答申書にプリントして出されているのですね。いろいろな意見が当然あるわけですから、やはり民主的な討議を保障して、できるだけ多方面から意見を聞くというようなことが私は必要だと思うのです。
 ですから、今度の放送政策懇談会の場合は、今聞いておりましてもごく少数の人たちが協議をされた、資料も出せないというようなことでありまして、しかも臨放調のあれと比較してみましても非常にスケールが小さいですね。内容を見ましてもそうなんです。そういうことから、この放送政策懇の報告が出たからもうそれで事前の議論が尽くされたということには到底ならないと私は思うのですね。これで国民の意見は聞きましたということにはならない、そのことを指摘しておきたいと思います。
 具体的に二、三お聞きしておきたいのですが、今この報告書の中で、マスメディアの集中排除原則についても見直し緩和ということが言われております。これについての意見はまた別にしまして、それとの関連もあって、民放の多局化の方策として、支店方式とか中継局方式、一社二波方式などが提起されているわけですが、これは具体的にどんなことでしょう、説明をしていただきたい。
○成川政府委員 一社二波方式というのは、一社にテレビ放送なりラジオ放送なりを二波、波を割り当てるということと思います。
 それから支店方式というのは、キー局といいますか、いわゆるキー局が東京あたりにあるわけですが、それの支店という形で県域の放送局を認めたらどうかというような御意見だと思います。
 中継局は、その親局の番組をそのまま変更を加えないで流すという形の局でございます。
○佐藤(祐)委員 詳細は十分にはわかりませんけれども、中継局と支店とでどう違うかとか、支店の場合にオリジナルが若干はあるのかとか、どうも言葉だけでは定かでないところもありますけれども、何か全体としては、地方で力のあるローカルをつくるのはどうも難しいから東京のを流してしまえ、私はそれがどうも前面に出てきているような気がするんですね。そういうことを勉強する上でもいろいろ資料を出してほしいということを言っているんですが、そうしますと、地域性をもっと重視するということが一方で言われていながら、果たしてその方向に沿ったものかどうかという疑問が大変あるんですね。そういう問題もありますし、この懇談会の活動のあり方として、そういう問題を提起する場合に当該地の人たちの意見、それを受ける側の住民とか自治体とかあるいはその放送マスメディア関係の人たちの意見を聞くということをしてないのでしょう。どうですか。
○成川政府委員 二十回の審議の中では、そういう場は設けていないようでございます。
○佐藤(祐)委員 やはり地方の格差をどうするか、これは地域の人たちにとっては最大関心事ですよ、ある意味では。それが十分意見も聞かれてなくて、一方的に支店方式だとか中継局方式だというのが非常に権威あるものとして提起をされているわけですね。大臣さっきうなずいておられた。けれども、少数の人たちのこういう議論だけではなくて、国民の意見を聞く、少なくとも地域の放送の充実の問題ではその地域の人たちの意見を聞くということをやらなければならぬと思うのですね。大臣、そういうことはこれから当然やっていただけますね。
○唐沢国務大臣 昭和二十五年にできました放送法は、先生方にいろいろ御研究をいただいて逐次改正をしてきたわけですけれども、先ほど申し上げましたように、国際放送の時代になる、衛星放送の時代になる、第三のテレビと言われるハイビジョンも出てくるということで、ここでやはり全面的に見直しと申しますか考え直す必要があるんじゃないかということを皆さんからも御指摘をいただいておりまして、そういうことで放送政策懇談会の先生方の御意見を承ったわけです。
 さっき木下委員も言われましたけれども、確かにどこの地方でもたくさんのテレビが見られるということは大変いいことなんですが、ただ県域で区切っておって果たして採算ベースに乗るかどうか、四局ができるかどうか、健全経営ができるか、こういう問題もあるわけですね。だから、ローカルのいろいろなニュースも流していかなければいけないが、早くどこの地域でもたくさんのテレビが見られるようにする必要があるんじゃないかということで、従来から言っております県域放送の原則を見直すべきではないか。それから、番組編集自由の原則というのは国内的にはあくまでも守っていかなければなりませんけれども、またマスメディア集中排除の原則、これも物によってはあるいは考えていかなければいけないのじゃないか。いろいろこういう問題があるわけでございます。
 しかし、広く意見を聞けということでございますが、国民を代表されるのはやはり国会の先生方で、その中で一番専門的知識を有しておられるのは逓信委員会の先生でございますから、先生方の御意見をよく拝聴いたしまして、よく御相談をさせていただきたい、このように考えております。
○佐藤(祐)委員 私は、最後の方はちょっと違うと思うのですね。それはそうですよ、逓信委員会はそれをやるわけですが、ここでやればすべていいというものではなくて、だからいろいろな委員会でも地方公聴会というのをやるわけですね。現にやっているわけです。逓信でもやりました。この問題は特に大きな問題ですから、以前の臨放調なんかを参考にしますと、臨放調自体が七大都市での公聴会というのもやっているわけですし、今回はさらに、各地にどれだけ民放をふやすとかCATVをどうするとか、いろいろなことがふくそうして出てきているわけですね。それだけに、ぜひとも広く国民の意見を聞く、地域の人たちの意見を聞くことを含めてそういうことをやるべきだというふうに考えるのですが、これは再度大臣。
○成川政府委員 先生の御意見も踏まえ、関係の向きとも相談しながら取り組んでいきたいというふうに思います。
○佐藤(祐)委員 それでは、この関係は時間の関係もありましてやめて、次に移ります。
 きょうはNHKとNTTに来ていただいておりますが、いずれも障害者対策についてお聞きするためであります。
 一九八一年は国際障害者年で、八三年から国連障害者の十年が始まっております。ことしは中間年ということで、日本でも後半期の重点計画といったものも示されているところでありますが、その意義とかは詳しく言うまでもないと思います。大事な点は、スローガンの「完全参加と平等」ということに端的に示されているわけでありまして、障害者に対する偏見、差別意識、そういうものをこの社会からなくしていく、そして、一般市民と同様に障害者の方が社会の一員として種々の分野で活動できるようにすべきだということだと思うわけです。
 こういう点で、まずNHKからお聞きしますが、NHKがいろいろ努力しておられる点は私も承知しております。しかし、具体的な問題で一つ提起がありました。視覚障害者の方からの提起でお聞きをしたいわけですが、ことしに入ってNHKに視覚障害者の方から、ラジオの教育番組「続基礎英語」とか「英会話」とかありますね、これについて点字のテキストを発行してほしいという要望が出されたと思います。また全視協、全日本視力障害者協議会の方からも同じ要望が出されていると思いますが、NHKとしてはどう考え、どう対応しようとしておられますか。
○尾西参考人 NHKのテキストは、放送の普及発展を図るべく、講座番組等の補完的な役割として使っております。これらのテキストは、NHKの編集により、関連団体であります株式会社日本放送出版協会の手によって発行、販売されているわけでございます。
 現在の社会状況といたしましては、生涯教育に対するニーズが大変高くなっている。盲人の方からも点字のテキストを望む声が寄せられていることは御指摘のとおりでございます。しかし、その一部であるといたしましても、毎回のテキストを点字化するということには相当の経費と専門能力というものが必要でございます。私どもは、既に地方でボランティア活動によって利用度の高い例えば英語などにつきまして点字化し、それを利用しておられるということは聞いております。できればこういった活動が全国的に組織化されて、そしてその中でNHKに応分の協力を求められるというような場合にはそれなりの対応もあろうかと存じております。
 いずれにしても、先生御指摘のようにこれは今後の検討課題として私どもは重要に考えておりまして、研究させていただきたいと思っております。
○佐藤(祐)委員 重要課題として検討するということで、ぜひそれは検討していただきたいなと思います。
 というのも、これは愛媛の方なんですが、盲学校の先生で、御自身も全盲なんですね。英語の勉強をしておられるわけですよ。ところが、テキストが点字でないというので大変苦労しておられた。これが点字にした「続基礎英語」です。これだけのものになるのですね。一カ月分ですね。毎月出ておりますから。これはお聞きしますとなかなか大変で、テキストが発売されますと、まず高知にいる娘さんが全部テープに吹き込むそうですよ。視覚障害者だから目では読めないわけですから、テープに吹き込まれて送ってこられる。それでその先生が点訳するのですね。息子さんがあて名書きをして奥さんが郵便局へ持っていくというようなことでやっておられるわけです。
 これはもとは、松山盲学校というところがあるのですが、そこで一年学校でやったのです。どうも大変だというので息切れしてしまったのですね。しかし、必要性、要望は大変あるのです。この先生が、岡井さんと言うのですが、それなら自分がやろうというので、全くボランティアの気持ちで買って出てやってこられた。三年続けてこられたんだけれども、さすがにちょっと大変だ、これ以上自分一人では難しいというので、NHKさん何とかならぬでしょうかという要請に行かれたのですよ。
 簡単に言うとそういう経過なんですが、個人でこういうふうにやっておられても要望が大変ありまして、今百部以上出ているそうです。いろんな学校関係とか頼っているのですね。費用と能力がというお話があったんだけれども、大NHKがやる気になればそれは大したことないと私は思うのですね。現在、一人の方が家族の協力でともかく間に合うようにつくっておられるわけですよ。百部以上を盲人の方の要望に応じて配付しておられるわけです。だから、今の答えを聞いていてもNHKは冷たいと私は思うのだ。こういう要望にもっと温かくこたえていくということをぜひしてもらいたいと思うのですね。少なくとも、いろいろ大変だというようなことが先に立つのじゃなくて、それにまずこたえるという姿勢が障害者対策の問題では大事だと思う。そういう姿勢に立って、どうですか。
○尾西参考人 NHKとしましては、別に障害者に冷たいという気持ちは毛頭ございませんで、この十年間にわたって社会福祉番組は常に拡充してまいりました。ただ、前にもこういった点字テキスト化というようなことを試みたことがございまして、そういった経験も十分踏まえた上で、研究課題として考えてまいりたいと申し上げたわけでございます。
○佐藤(祐)委員 では、ぜひ十分検討して促進されるよう要望しておきます。
 では、NTTにお聞きします。
 同じ視覚障害者の方から何点か要望が出ていると思います。私もこの間御一緒に行きました。
 一つは、一〇四、番号案内の問題ですね。これは視覚障害者に限った問題ではなくて、この一〇四を有料化しようということにはこれは非常に国民の間で批判が強くて、私どももちろん反対でありますが、きょうはその問題は主ではありません。特に、視覚障害者の方の場合は電話帳が見れないわけですから、頼りは一〇四なんですね。そういうことから、有料化になるんじゃないかという話がいろいろ出ますたびに大変心配しておられるわけです。民営化になればサービスがよくなるというような宣伝があったわけでありますし、政府もそれは公約してきたのですね。委員会の答弁でも、本会議の答弁でもそうでした。だから、やはり視覚障害者の方にこういう不安を与えないように、一〇四の有料化、これはしないようにしていただきたい、こう強く要望しておられるのですが、どうでしょう。
○西脇参考人 お答えいたします。
 電話番号案内の問題につきましてはたびたび本委員会でもお話が出ておりますが、実際の御利用の状況からいたしますと非常に御利用に偏りがあるということもございまして、私どもとしては、これが経営上の問題として非常に大きな問題だということで各方面から検討いたしております。まだ結論が出たわけではございませんが、そういう検討の中で、今先生のお話ございました視覚障害の方の問題につきましてもあわせて検討さしていただいてまいりたいと思います。
○佐藤(祐)委員 ちょっと意味不明のところがありましたが、視覚障害者については特別な検討をするという意味合いですか、最後の答弁は。
○西脇参考人 ちょっと私の言葉が足らなかったかもしれませんが、番号案内の問題につきましてはいろいろな角度から経営問題として検討いたしておりますので、そういう中でただいまの問題につきましてもあわせて検討させていただいておるということでございます。
○佐藤(祐)委員 一〇四の利用に偏りがあるということをこのところずっと言われておりますが、だからといって一般の利用者が負担を強いられるというのは、私は筋が通らないというふうに思っております。特に、視覚障害者の場合は電話帳が利用できないわけですから、そういうことは十分考慮されなければならぬ、不安がないようにしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 それから次には、やはり障害者の方から、点字ファクスを開発してほしいという要望がありました。これは、今既に文章を点字に変換するプリンターの研究開発は相当進んでいるというように聞いているわけです。ですから、あとは、電話回線を通じて伝送されてきますね、それをつなぐということをすれば可能じゃないかというふうに考えるのですが、その点が一つです。
 それからもう一点は、カード電話機ですね。これも視覚障害者の方がもう使っておられるのですが、残り度数が出ますよね、ところが見えないということで不便を感じておられるわけです。何とか音声表示ができないか。このごろ自動販売機とか銀行の預金機などでも音声表示が相当ふえてきているんですね。郵政省もたしかCDは音声をずっと一〇〇%にしていくという方針だと聞いていますが、これも強い要望なんです。毎度数ごとにというのは不必要だろうと私は思うのですが、いつなくなるかがかけている方は心配なんですね。だから、今でも普通の公衆電話でも最後にはプーと鳴るわけですが、もっと前に、適当な時期に何種類かのブザーが鳴るとかということは可能じゃないかと思うのですが、どうでしょうか。
○池田参考人 お答え申し上げます。
 NTTでは、体の御不自由な方に便利に電話を使っていただきますために、御存じのようにシルバーシリーズというのを開発して使っていただいているのでございますが、今先生御指摘のファクスにつきましては、その点字の印刷物を電気信号にかえるという部分が、現実的な有効な手法がちょっと見つかっていないということで、残念ながら現時点では開発ができていないのでございますけれども、この分野の技術は非常に日進月歩でございますので、私どももそういった動向をよく見て、具体的な実現の可能性がないかどうか、これからも研究させていただきたい、そういうふうに考えます。
 それから二点目の、公衆電話の残度数の表示でございますけれども、確かに技術的には不可能な技術じゃないというふうに考えます。それがどれくらいの経費でどういうふうに実現できるか、そういった面も含めて、これも検討させていただきたいというふうに思います。一々細かい数字を出すのはなかなか大変だと思いますが、先生おっしゃったように、幾つかの節目で出すというのは、それよりは少しは実現性があるんじゃないだろうかという気もいたしますので、勉強させていただきたい、そういうふうに思います。
○佐藤(祐)委員 最後にもう一問。
 これも要望で出ていたのですが、料金の請求書でしたか、点字の請求書を送っていただきたい、あるいは電話で知らせてほしいという要望がありまして、これは相当の地域ではもう既にNTTさんが実施しておられるということですが、まだそうなっていないところもあるようなんです。早く全面的にやっていただきたいというのが視覚障害者の方の要望ですが、この点の対応はいかがですか。
○西脇参考人 ただいまの点につきましては、先生御指摘のとおり、相当多くの地方で点字の請求書をつくりまして、正規の請求書を同封してお送りしております用地元の御要望によりましてやっておりますので、順次地域も広がってきておりますが、今後も地元の御要望を伺いながら努力をいたしたいと思います。
○佐藤(祐)委員 終わります。
○深谷委員長 これにて本日の質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
○深谷委員長 この際、申し上げます。
 本委員会に参考送付されました陳情書は、旭川逓信病院の存続に関する陳情書一件であります。念のため御報告申し上げます。
     ――――◇―――――
○深谷委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。
 逓信行政に関する件
 郵政事業に関する件
 郵政監察に関する件
 電気通信に関する件
 電波監理及び放送に関する件
以上の各件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○深谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。本日はこれにて散会いたします。
    午後四時四十八分散会