第109回国会 物価問題等に関する特別委員会 第4号
昭和六十二年十月十三日(火曜日)
    午前十時十分開議
出席委員
  委員長 村山 喜一君
   理事 青木 正久君 理事 伊吹 文明君
   理事 二階 俊博君 理事 浜田卓二郎君
   理事 牧野 隆守君 理事 伏屋 修治君
   理事 塚田 延充君
      熊川 次男君    小杉  隆君
      渡海紀三朗君    穂積 良行君
      奥野 一雄君    草川 昭三君
      森田 景一君    岩佐 恵美君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (経済企画庁長
        官)      近藤 鉄雄君
 委員外の出席者
        公正取引委員会
        委員長     梅澤 節男君
        公正取引委員会
        事務局審査部長 植木 邦之君
        警察庁刑事局保
        安部経済調査官 五十嵐忠行君
        総務庁長官官房
        審議官     新野  博君
        総務庁行政管理
        局管理官    畠中誠二郎君
        経済企画庁調整
        局長      横溝 雅夫君
        経済企画庁国民
        生活局長    海野 恒男君
        経済企画庁国民
        生活局審議官  西藤  冲君
        経済企画庁物価
        局長      冨金原俊二君
        国土庁土地局土
        地利用調整課長 鈴木 克之君
        国土庁大都市圏
        整備局計画課長 中野 和義君
        法務大臣官房参
        事官      田中 康久君
        法務省刑事局刑
        事課長     石川 達紘君
        大蔵省主税局税
        制第二課長   薄井 信明君
        大蔵省主税局税
        制第三課長   野村 興児君
        大蔵省証券局流
        通市場課長   松川 隆志君
        大蔵省証券局業
        務課長     内田 輝紀君
        大蔵省銀行局銀
        行課長     高橋 厚男君
        大蔵省銀行局中
        小金融課長   鏡味 徳房君
        国税庁直税部資
        料調査課長   細田 浩司君
        農林水産省畜産
        局牛乳乳製品課
        長       窪田  武君
        通商産業省産業
        政策局消費経済
        課長      北畠 多門君
        資源エネルギー
        庁石油部流通課
        長       鴇田 勝彦君
        運輸省運輸政策
        局技術安全課長 山本  孝君
        運輸省地域交通
        局鉄道業務課長 岩田 貞男君
        運輸省航空局監
        理部航空事業課
        長       圓藤 壽穂君
        労働省労働基準
        局賃金福祉部福
        祉課長     坂本 哲也君
        建設省建設経済
        局宅地開発課長 五十嵐健之君
        建設省都市局都
        市計画課長   伴   襄君
        建設省住宅局住
        宅・都市整備公
        団監理官    丸田 哲司君
        特別委員会第二
        調査室長    岩田  脩君
    ―――――――――――――
九月十八日
 一、物価問題等に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 物価問題等に関する件
     ――――◇―――――
○村山委員長 これより会議を開きます。
 この際、梅澤公正取引委員会委員長から発言を求められておりますので、これを許します。梅澤公正取引委員会委員長。
○梅澤説明員 委員長のお許しを得まして、一言ごあいさつを申し上げます。
 今般、公正取引委員会委員長を拝命いたしました梅澤節男でございます。
 今日、我が国を取り巻く経済環境の変化はまことに著しいものがございますが、このような折から本職を仰せつかりました責任の重大さを痛感し、新任務に全力を尽くす所存でございます。
 大変未熟な者でございますが、委員長、各委員の御鞭撻、御支援を賜りまして、その職責を果たしたいと存じております。何とぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
○村山委員長 物価問題等に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。奥野一雄君。
○奥野(一)委員 最初に、信用情報の関係についてお尋ねをしたいと思うのです。
 信用情報につきましては、大蔵省や通産省など関係省庁が対応するということになると思うのでありますが、これにプライバシー保護というようなものが加わってまいりますと、これは一省庁だけでは対応し切れないものが出てくると思うわけです。この消費者信用情報ということについて論議をいたしますと、どうしても今申し上げましたプライバシー問題というものは避けて通れないわけでございまして、これを一つ一つ細部にわたって意見の交換をするということになりますと、相当な時間を要すると思うわけでございますので、きょうは原則的な関係について若干お尋ねをしてみたいと思っているわけであります。
 御案内のとおり、最近はカード時代と言われるようになっておりまして、大変カードがはんらんをしているという状況でございます。五十八年当時、約五千七百万枚くらいのカード発行があったのが、六十一年度末あたりは大体一億枚くらいのカードが発行されておるというような状況でございます。そのほかに、カードを必要としない通信販売とかその他もございますから、まさに世の中はカード時代だ。各個人信用情報機関の持っております情報量なんかを見ておりましても、六十一年八月末現在で銀行系で約一千十万、クレジット系で約二千九百万、サラ金糸で約八百四十万、このくらいの情報量があるわけでありまして、今日ではもっともっとふえていると思っているわけであります。
 昨年の三月に、大蔵、通産の方で通達が出されておりますけれども、消費者側の方ではこれだけでは大変不十分でないか、こういう声が出ているわけでございまして、こうした信用取引の時代に対応いたしまして、今までのやり方でよいというふうに考えられておるか、あるいは何らかの立法措置が必要ではないかと私は考えておるわけでありますけれども、こういう状況に対応して、大蔵あるいは通産の方で今後どういう対応の仕方をされようとしているか、まずそこからひとつお尋ねをしておきたいと思います。
○鏡味説明員 ただいまの先生の御質問でございますけれども、御指摘ございましたように昨年の三月に関係機関の方へ通達を発しまして、個人の信用情報の取り扱いにつきましてはアメリカの法律がございますけれども、アメリカの法律に即したようなプライバシーが守られるような形での通達を発しまして、現在関係機関でその実効を期すように指導しているところでございます。
 この問題については、金融制度調査会の信用情報の専門の委員会でも御議論いただいたわけでございますけれども、現在のところ、その通達に基づく行政指導の実効が図られるように一層努力せよというような御提言をいただいておりまして、現在、通達を発したばかりでございますので、その実効の効き目を見ているところでございます。
○北畠説明員 ただいまの御質問について、通産省の方からお答えをいたしたいと思います。
 私ども通産省の関係では、先生御指摘のうちのいわゆる割賦販売法という法律がございまして、この法律に基づきましていろいろな規制を行っているわけでございますが、その中で先生の御指摘のいわゆる過剰与信の防止あるいは信用情報の整備の問題につきましては、昭和五十九年の割賦販売法の改正の際に、いわゆる過剰与信の防止、それから信用情報の適正な利用、それから信用情報の正確性の維持あるいはその目的外に使用してはいけない、こういうような訓示規定を設けまして、その後、私どもの方の関係では割賦販売審議会という審議会がございますので、こちらの方で検討をしていただきまして、最終的には先ほど鏡味中小金融課長の方から御説明がございましたように、私どもの方も、通産省といたしましても全く同じような趣旨の通達を信用情報センター等関係の機関の方に出しまして、現在その遵守状況を見守っている、こんなような状況でございます。
○奥野(一)委員 今、私がお尋ねをしたのは、これは後でまた触れていきますけれども、大蔵、通産の方から出された通達、これだけで完全にうまくいくという見通しがあるのか、したがって、今のような状況の中で立法措置を含めて何らかの対応策というのは考えているか、こういう意味でお尋ねをしたわけでありますが、その点のところは余り明確にお答えになっていないような感じがいたします。
 何か、実効が果たされるように見守っていきたいとか、働きかけをしている、こういうようなことでございますが、御案内のとおり、八五年の一月二十九日に公明党の竹入委員長が、中曽根総理の施政方針演説に対する質疑の中でこの点について触れられているわけでございまして、この場合、中曽根総理の方からのお答えでは、民間部門の方は非常に難しい、関係省庁に言って今検討している、こういうような御答弁であるし、それから行政機関の方は、これは後で総務庁の方にお尋ねしますけれども、政府の方で立法措置も含めて検討をしている、こういうお答えになっているわけであります。
 その後、プライバシーを守る中央会議の方が後藤田総務長官に対して要請もいたしておりますけれども、その中で後藤田長官のお答えでも、非常に難しい問題であるけれども大切な問題なので努力をしたい、こういうことを言われて、それから約二年ほど経過をしているわけでございます。各国の法制度の状況や何かについては一々申し上げるまでもないと思いますけれども、確かに我が国の現状とすれば今それぞれお答えがありましたように、例えば経企庁であれば、これは経企庁だと思うのでありますが、国民生活審議会で報告が出されておりますし、消費者政策部会、それから経企庁の国民生活局、通産などでそれぞれ出されているわけでありますけれども、先ほど申し上げましたように、今の大蔵、通産の通達ということはあくまでも業界の自主規制ということになっているわけでありまして、それだけで消費者個人のプライバシーというものが確実に守られるかということになると、私も大変疑問に思っているわけであります。
 事例を挙げればたくさんあるわけでありますけれども、今はそこのところは割愛をいたしまして、最初に申し上げましたような状況の中で、大蔵、通産が出された通達が十分うまくいくようにというような指導というのですか、見守っていくというようなことでございますけれども、先ほどから申し上げておりますように単なる行政指導ということで、しかもプライバシー保護についてはあくまでも業界の自主的な判断に任される、こういう形の中でこれからますます多様化していくであろうカード時代というものに対応し切れなくなっていくのではないか、こう思われるわけでございます。
 そういう面を含めて現行の指導体制の中で、業界もあるいは消費者も十分満足できるような、納得できるような体制というものをつくっていけるのかどうか。私は、やはり法的な措置というものにどうしても頼らざるを得ないという部面が出てくるのではないかと思っているわけでありますが、その辺のところをもう一遍お伺いしたい。
 それから総務庁の方では、政府機関の持っている個人情報データのプライバシー保護の関係について検討されているというふうに聞いているわけでありますが、その検討の状況とか今後の見通しですか、そういう問題についてお伺いをしたいと思います。
○鏡味説明員 ただいまの先生の御質問でございますけれども、先ほどちょっと申し上げましたように、アメリカではザ・フェア・クレジット・レポーティング・アクトという法律がございまして、個人信用情報の保護に関する法律が施行されているわけでございます。ただ、その背景にございますのは、アメリカの場合には二千にも及ぶ情報機関がございまして、それを一つ一つ行政的にチェックをしていくのは大変であるというような背景もあると思っておりまして、日本ではこの法律に盛り込まれている条項を通達の中に全部盛り込みまして、今情報機関は四つでございますので、そこに対して行政指導を行っているわけでございまして、この通達に基づく指導で実効が期していけるというふうに考えておりますけれども、当面そういった実効の期し方について私どもいろいろ見守りながら、努力を図ってまいりたいと考えております。
○北畠説明員 通産省の方からお答えをいたしたいと思いますが、現在、先ほど鏡味中小金融課長の御説明がございましたと同じでございます。私どもの通産省の関係では、いわゆる販売信用ということで、これに関係をしております信用情報機関というのは株式会社信用情報センター一社でございまして、私ども、一社に対する通達に基づきます、あるいは先ほど申し上げましたような割賦販売法という訓示規定がございますので、それを根っこにいたしまして通達の周知徹底を図っていくというようなことで、先生御指摘のプライバシー保護のために万全を期していきたい、こう考えているのが現在の考え方でございます。
 したがいまして、個別の案件とか消費者からの開示の請求等がございましたときには適切に対処するよう、日ごろからも指導しているつもりでございますが、今後もそういうようなことで対応してまいりたいと考えております。
○畠中説明員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、総務庁におきましては、行政機関が保有する個人情報の保護対策を検討しておるところでございます。すなわち、行政機関における個人情報対策につきましては、五十八年三月の臨調最終答申を踏まえまして、昨年十二月に閣議決定いたしました行革大綱の中で、「行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護の制度的方策については、法的措置を講ずる方向で、そのための具体的検討を行う」旨を決定したところでございます。現在、この方針のもとで、政府部内において鋭意検討を進めているところでございます。
 見通してございますが、行政機関における個人情報対策と申しますのは、行政の各分野に共通する個人情報の取り扱い、手続の基本を定めるというものでございます。また、統計情報とか医療及び教育情報の取り扱いなど、専門的見地から関係省庁で別途検討すべき分野もあるなど、広範にわたる検討が必要でございます。したがいまして、できるだけ速やかに成案を得たいというように努力しておるところでございますが、現時点ではその時期を申し上げられる段階でないことを御理解いただきたいと思います。
○奥野(一)委員 経済企画庁の方は国民生活センターですか、そういう組織があって、消費者保護ということに大変な力を入れていただいておるわけでありますが、そういう立場から経企庁の方としてはこの種のものについて、現行のような体制の中で十分消費者を保護することができる、あるいはプライバシーを保護することができるとお考えになっておられるか、やはり何らかの法的措置が必要でないかと思われているか、見解をちょっとお示しいただきたいと思うのです。
○海野説明員 経済社会の情報化の進展ということでいろいろな情報機器も発達してまいりますし、今後ますます個人情報の保護の問題が非常に重要な問題であろうかと思いまして、私ども国民生活審議会というのがございますが、その中に消費者政策部会というものがございまして、この消費者政策部会の中に個人情報に関します特別委員会というものを持っておりまして、この四月から発足させておりますが、名古屋大学の森嶌教授を座長にいたしまして、現在法的措置の必要性というものも含めまして個人情報の集積あるいは利用の状況につきまして、各信用機関以外にいろいろな機関が個人情報を収集しておるわけでございますが、その収集の状況と利用状況というものについて今ヒアリングを行っておるところでございまして、本制度の必要性というものを含めまして今検討中でございます。
○奥野(一)委員 ちょっと趣旨は違うと思いますが、私もよく商工委員会などでこの種のものについては早く手を打った方がいいだろう、例えば豊田商法だとか霊感商法だとかいろいろなもの、それとはちょっと違いますけれども、あの種のものは大変手おくれ。後で土地問題について若干やりますけれども、土地問題なんか手おくれという感だってあるわけです。やれるものについては、急いでやるということが必要だと思うのですね。
 各国の法制度は皆さん方の方が御案内のとおりでありますが、アメリカの方では公正信用報告法、これは一九七〇年に制定されております。西ドイツの方は連邦情報保護法ですか、これは一九七七年。イギリスでは消費者信用法とかデータ保護法とかいうものがあるわけでございます。そのほかに、御案内のとおり、OECDの方から八つの原則ということで勧告されておりまして、これに基づいて、昭和五十七年に行政管理庁がプライバシー保護対策案ということでOECDの勧告にのっとって、収集制限の原則だとか、利用制限の原則だとか、個人参加の原則、適正管理の原則、責任明確化の原則などに立脚した法律を制定する必要があるということを提言をしているわけですね。
 それから、先ほどから言われておりますように、例えば経企庁の方の国民生活審議会の消費者政策部会、これは六十年の四月に報告が出されているし、同じく経企庁国民生活局の消費者信用適正化研究会の報告、あるいは通産省の割賦販売関係、これらも報告の中では、プライバシー保護の見地から立法措置を含めた実効ある対策を講ずる必要がある、こういう旨の提言がされているわけでございます。したがって、私もいろいろ研究させてもらって非常に難しいという感じはいたしますが、しかし、諸外国でもやっているし、OECDの八原則なんか見ておりましても、あの程度のことだったらできるのじゃないだろうか、行管庁の方でも、五十七年にそういうものを受けて提言をしておられるということなんですから、やろうと思えばできるということではないかと思うのですね。したがって、難しいということでいつまでも手をつけないでおればこれはいつまでもできないということになりますので、やはり積極的に対応していく必要があるのではないか。
 中身について一つ一つやっていきますとこれは相当時間がかかりますから、そこまではきょうは申し上げません。きょうは、第一段階としてやらせていただきたいと思っているのですが、最低の場合でも、今の通産、大蔵の通達というのはあくまでも業者の自主的な判断に任せているわけで、消費者に対する保護というのはその中にはないわけでございます。そうすると今問題になっているのは、ブラックリストの関係が特に問題になっているわけで、この事例も挙げれば切りがないくらいあるわけでありますけれども、この通産、大蔵の通達だけでは、そういうものに対して回復していくという、そういう措置というのが全くないわけなんですね。したがって、最悪の場合であっても回復措置ができる、個人の権利を認める、そういう体制というものだけはきちっとしておく必要があるのではないか、それだけでもある程度きちんとした、個人の権限と言っていいのか、そういうものがあれば相当違ってくるのではないかと思うのですが、その部分だけでも何らかの形で急いでやる必要があると思われませんか。これは、各省庁の方からそれぞれお伺いしたいと思うのです。
○鏡味説明員 ただいま先生の御指摘がございましたOECDの八原則につきましては、昨年の三月、通達を発します際にも、今先生からいろいろ御紹介がございました各種の委員会の御提言も踏まえまして、通達の中に十分盛り込んでいるつもりでございます。
 例えば、先生が今挙げられました個人参加の原則の点に関しましては、個人から信用情報機関に対して収集されている情報の内容の開示請求があればそれに答えるとか、あるいは訂正請求があれば、それを調査の上必要があれば訂正する、その旨を本人にお知らせするとか、そういうことで通達の中に十分盛り込んでございまして、先ほど申しましたように、通達のプライバシー保護に関する部分はアメリカの法律にも大体のところのっとっているところでございまして、OECDの八原則については十分私どもは踏まえているというふうに考えております。
○北畠説明員 私ども通産省の関係も、通達を発出する際におきましてOECDの八原則を十分踏まえた形になるようにということで、割賦販売審議会の場におきましても御議論をいただいて今回の通達の発出、こういうことになったわけでございますし、さらに、その内容について大蔵省の方とも十分協議もしまして、大蔵省の関係の信用情報機関との間でいわゆる指導なり監督上のそごがあってはいけないということで十分協議をいたしまして、内容も、ほぼ同じような内容になっているわけでございます。
 したがいまして、私どもの方といたしましては、先生の御指摘がございますけれども、昨年の三月に通達を発出し、その後の状況について個別案件を含めて対応してまいっておるという状況でございますので、この状態で続けてまいりたい、こんなふうに考えております。
○奥野(一)委員 今のお答えでは、通達の中にそういうものが入っているから。私は、通達の骨子も承知をいたしております。しかし、それでうまく間違いなくいっているということについては、どんな確認の方法をとっておられますか。
○鏡味説明員 ただいまの御質問でございますけれども、関係の信用情報機関から定期的に報告も受けてございまして、その中で実際に御本人から開示請求があったのはどういうケースだとか、あるいは訂正をしたのはどういうケースだとかいうことも必要の都度聞いてございます。そういう形で通達の実効が上がるように努力しているところでございます。
○北畠説明員 私ども通産省の方も同趣旨の通達でございますので、ただいま大蔵省の方から御説明がありましたようなことで、定期的にチェックをするということなどによって対応しているような状況でございます。
○奥野(一)委員 そういう状況が間違いなく行われているということになれば、本来問題というのは出てこないということになるのですね。しかし、実際はそうでないのですよ。
 いろいろな事例なんかがあって、一つ一つ申し上げるのはきょう時間的にございませんけれども、例えば開示請求をやる、断られた。その断られた理由は何だということになったら、もう答えは返ってこない。うまく開示された人は、それはわかるわけですね。しかし、私はどうもおかしいということでやっても、いや、あなたの場合にはこういうことになっているからだめです、こう言われたら、その理由は何だと聞いたって、そこまでは答えないという仕組みになっているのですよ。だから、本人にすれば、どうしてそうなったのかがわからないということになるのですね。自分がいつの間にそういう状況に置かれたのかもわからない。そういうのが現実にあるから、やはり消費者団体の方ではこれはプライバシーの侵害ということになる。
 確かに行政の立場にすれば、業界を全く信用しないということはできないと思います。だから、当然業界の方については信用するということになるのでしょうけれども、それはあくまでも業界の判断でございまして、個人の方々が自分のデータに関してこうだああだということを言ったって、それは通らないという状況になっているのが実態だというふうに思うわけです。だから、そういう面からいったら、やはり個人の権利ということだけはひとつきちんとしておく必要があるのではないか、そこだけある程度きちんとしておきますといろいろな対応の仕方というものができるのではないか、こう思うのです。
 例えば、ブラックリストに載ったその中身が何だ、それについてもほとんどわからないというような実態が今非常に多い。皆さんの方でも御案内だと思いますが、日弁連だとかあるいは近畿の弁護士連合会の方からいろいろなデータが出ておりますから読まれたと思うのでありますけれども、あの内容を見ますと、今通産や大蔵省の方が考えているように、そう簡単にうまくいくという仕組みのものではないように思うわけです。ですから法律全体を、消費者信用情報規制法とかそういうようなものをつくり上げるということになりますと、プライバシー保護というものは非常に複雑であるし難しい面があるということは私も承知しております。しかし、最悪の場合であっても、今申し上げたように個人の権利というものを保護する。業界に対しては自主的な判断でやらせるというようなことだけでは、ちょっと片手落ちになっていくのではないか。
 だからそこのところは何らかの、単独立法というのはなかなか難しいと思うのです、個人の保護ということだけでは難しいと思うので、例えばそれぞれの関連する法律の中に、そういうようなものについて法律として盛り込む必要もやはりあるのではないか。その点だけ、もう一遍お尋ねをしておきたいと思うのです。
○海野説明員 先生御指摘の信用情報にかかわる問題が今非常に大きく問題になっていると思いますが、プライバシーにかかわる問題というのは単に信用情報だけでなくて、非常に広い意味で大変たくさんの分野で個人情報は収集され、いろいろな形で利用されている状況が現状だと思うのですが、そういった個別の分野での法律、それぞれの業法の中に、先生の御指摘のような個人の権利を保護するという条項を入れることがいいのか、全体に網をかぶせて新しい法律を制定して個人の権利の保護をすることがいいのか。経済社会の情報化というのが非常に進んでいる中でございますので、情報の問題というのは非常に複雑で、いろいろな分野で個人にかかわる情報を収集されておりますので、そういう個別の対応ということがいいのかあるいは全般的な対応がいいのか、そういったものも含めて現在、先ほど申しましたように国民生活審議会の中にあります個人情報の保護に関します特別委員会で検討を急いでおるところでございます。
○奥野(一)委員 これは今経企庁の方の考え方ですね。経企庁の方として、プライバシー保護ということになりますと確かにいろいろな面で難しいことが出てくる。当面消費者信用情報ですか、信用情報なら信用情報に関する部分だけでもこの方々のプライバシーを守る、そういうものを早急につくる必要があるのではないか、これは私の意見です。
 一般的な個人情報、プライバシーまでということになれば、相当広範囲になって非常に難しい面もたくさんあるということは私もよくわかるわけでございますから、最低限でも信用情報に関する部分のプライバシー保護の、しかもそのうちの今申し上げましたように開示請求だとか訂正権とか、その程度のことだけは認めるという措置をとってやらないといろいろなトラブルが出るおそれもあるし、それからカード時代ということになってきて、これもよしあしもあると思うのですけれども、それが生活の基盤ということになってしまいますと、間違ってブラックリストに載っけられてしまってカードは一切使えない。しかも、今度は三団体間で交流をやっているわけですから、どこへ行ってもだめだということになるわけです。そうすると、生活そのものが破壊されてしまうというおそれだって出てくるわけでありまして、そういう面ではやはり個人のそういう権利というものは、必要最低限度のものは守るという立場でやらなければならない、そういうことになると思うので、その面について今法的措置が必要かどうかも含めて検討されているというのですか、そういうことなんですが、それができればどうなるのですか。通産、大蔵が所管する部分もその中に当然含まれていくということになるわけですか。
○海野説明員 先ほど申しましたように、単に信用情報だけでなくて広い分野での検討が我々のところでは必要であるという判断で現在あらゆる分野から、例えば電力会社もガス会社もあるいはNHKも個人の情報というのを集めてきているわけですね、リストがあるわけです。そういった情報を収集している分野というのはたくさんありますので、その中に当然個人情報を収集している金融機関等があるわけでして、そういったところから今現在ヒアリングをやっておりまして、どの程度の個人情報を集めているのか、それをどういうふうに利用しているのか、悪用するような余地がないのかどうかというようなことを来てもらっていろいろな説明を受けているところで、その後で先生方に今先生の御指摘のような個別の対応が必要なのか、あるいは全般的な意味での保護法みたいなものが必要なのか、そういったようなものを含めて今後対応のあり方というものを検討していただく、こういう段取りになっているところであります。
○奥野(一)委員 なかなか見通しは難しいのではないかと思いますが、それは大体いつごろをめどに今作業を進めていますか。
○海野説明員 めどは、まだいつまでということは確定的に申し上げられないのですが、先ほど総務庁の方からも御答弁がありましたように、公的部門が所有する個人情報についての保護措置というものについて現在いろいろ検討されておるということでありますので、その検討状況をもにらみつつ結論を出していきたいと思っておりますが、非常に分野が多いものですから大変な作業になってくると思いますので、確定したいつまでということは申し上げられない、ちょっと御勘弁をいただきたいと思うのです。
○奥野(一)委員 今の土地臨調なんというのは二カ月ですか、二カ月で答えを出したわけです。これは、土地が大変だということで大急ぎでやったのだろうと思うのですが、これだって大体六十年ごろから国の方でも、法的措置も含めて検討しなければならないということを実は総理も答弁されたり、遅くてもそのころから本格的な検討が始まっているはずだと思うのです。
 私は、全体的にやることは非常に難しいと思いますよ。それから、NHKであろうが電力会社であろうがガス会社であろうがそれぞれデータを持っていますが、当面問題になっているのはこれだ。これだけだったら、ピックアップしましてやろうと思えばできるのではないかな、そんなに難しくなくできるという感じを私は持っておるわけです。しかも全般的にやらなくても、先ほど言ったように開示請求権であるとかあるいは訂正権であるとか、例えばそういう面の保護措置だけでも一つきちっととれば大分対応が違ってくるのでないか、それだけだったら可能性はあるのでないか。
 これをまとめて一つの法律にするか、あるいはまとめて一つの法律にするということよりは、割賦販売法の中に法律として入れるか、銀行法ですか、あるいは貸金法なら貸金法とかそういうものの中に入れるとか、そういうような措置が当面でもとれれば、その部分だけでもこれは消費者にとっては相当な違いが出てくるのではないか。それだったら、そんなに長い検討期間を必要としないで対応していけるのではないか。だから、そういうものはそういうものでとりあえずやっておいて、これは総合的にまとめた方がいいかあるいは個々につくった方がいいかというのは、その後の検討で間に合うのではないか。やはり急ぐものは先に急いでやらないと、消費者団体の方だってプライバシー保護の団体の方だってそう納得しないことになるのではないか、こう思うのですが、その辺どうですか。
○海野説明員 先ほど大蔵、通産の担当者からの御説明がありましたように、現在政府としては、法律で個別でやるのでなくて、通達等による行政指導でまず対応できるのではないかという御判断のようでございまして、それの成果も見つつ、私どもの方としては全般的な対応をすべきか、一種の消費者基本法的なものでいくのか、あるいは個別でいくのか、どういう対応をするかというのはこれからのことでありまして、むしろ具体的に行政を担当しておる方々の判断では、通達、行政指導でその点については対応できるという御判断のようでありますので、まだその成果が十分出ているといいますか、結果がこれではだめだという結論が出たわけではなくて、これでいけるという判断で行政指導されておるというふうに先ほど御説明があったわけでございますので、その成果を見つつ、私どもの方としては先ほど申しましたように、法律制定の必要性といったものも含めてその具体的な検討を進めて、できるだけいい時期に結論を得たい、こういうふうに思っておるわけでございます。
○奥野(一)委員 経済企画庁の方は、一つにはこの消費者保護という立場があるわけです。そういう立場から、確かにそれは担当省である通産なり大蔵の方が、いや行政指導でうまくいく見通しがあるということだけを信用してもらっても困ると私は思うのです。信用するなという言い方ではないのですよ。経企庁としては消費者保護という基点にきちっと立って、これは今私が言ったように、個人の権限というのは行政指導の中には何もないわけでしょう。これは一方的と言われても仕方がないということになるのです。それは、業界の方でもまじめなというのですか、そういう業界の方々はきちんとやるかもしれない。しかし、行政指導というものでそんなにうまくいっているのであれば、土地問題だって出てこないわけでしょう。やろうと思えば、行政指導でやれる部分というのはたくさんあるわけですが、なぜこうなってくるかといういろいろな問題、豊田商事の問題でも霊感商法の問題でも、そのほかいろいろな問題がありますが、それは行政指導でやり切れない部分だってたくさん出てきているわけです。
 私は、今この中で一番問題にしているのは、先ほどからいろいろ言っておりますように、確かに業界指導ということでその業界指導の中身も私は知っておりますけれども、例えばそのとおり実行されていっていれば問題は出てきていないはずだ。しかし、現実に問題が出てきているということは、そうはいっていないところもあるということですね。それは、お互いに言い分があるのかもしれません。しかし、そういうのがあるのだから、一方においてそういう個人の情報というものを自主管理をして自由に使わせるのであれば、その情報源になっている情報の主体である個人が全然権限も何もないというのはやはり片手落ちだ、経企庁はそう思わなきゃいけないと私は思うのですね。そういう面で通産、大蔵などにも対応していくことが必要でないのかな、こう私は思うのです。だから、そっちの方でより関係省庁の方とも打ち合わせを十分していただきたい。
 きょうは、ちょっと私予定時間をオーバーしてしまっておりますので、これは商工委員会の方でもやらしていただければやれますので、この後また少し様子を見て次の商工委員会あたりで、それでは具体的にまたどんな問題が起きているかということも指摘をしながら、行政指導だけで必ずしもうまくいっていない、そういうことについて申し上げたいと思いますので、そういう面でこれからも対応していただきますようにお願いしたいと思います。
 時間の関係がありますので、次は航空運賃の関係で少しお尋ねをしたいと思うのです。
 前のこの委員会でも、航空運賃の関係については若干質問をさせていただきました。この前、北海道の四路線について千円程度の割引ということになるようでございまして、喜んでいいのかがっかりしていいのかというのが、今の北海道に住んで東京まで飛行機を利用している人力の感じでございます。
 そこで最初に、今度の航空運賃の改正ということで、北海道の中では一番ドル箱であります札幌−東京線、それからその次あたりにいいだろうと思っているのですが、函館−東京線というのがどうして除外されたのか、この理由をちょっと教えていただけませんか。
○圓藤説明員 今先生御指摘のとおり、現在東京−釧路、東京−帯広、東京−旭川、東京−女満別のいわゆる道東四路線につきましては、従来千歳経由の迂回ルートで運航されていたわけでございます。そのために特に運賃が割高になっておったわけでございますけれども、昭和五十九年になりまして三陸沖を抜けるルートを新設いたしました。そういうことによりまして時間、距離の短縮を図ったわけでございますが、そのときに運賃が変更されなかったために、さらに割高感を増幅しておるという状況にあるわけでございます。そういう状況でございましたので、私どもといたしましては、次の運賃の改定時に見直しを行うという方針でございましたけれども、これまでに運賃の改定の機会がございません。既にルートの変更をいたしましてから三年を経過していることもございますので、今般航空運賃問題懇談会の報告書の趣旨に沿いまして、経路の変更に伴います飛行時間の減少分ということに関連いたしまして運賃の見直しをすることとしたものでございます。
 なお、先生御指摘の東京−札幌あるいは東京−函館の線につきましては、相対的に見ますれば、今申し上げましたこれら道東四路線ほどには運賃は割高ではないというふうに承知しておるわけでございます。これは、例えばキロメーターあたりの運賃ということで見ましても、今の四路線につきましてはいずれも三十円を超えておる。札幌、函館につきましては、先生御指摘のように比較的高い水準にはございますけれども、それらと比べればそれほど割高ではないという状況にございます。また、飛行時間も、先ほどの四路線と違いまして短縮されるという状況もございません。そこで、今回の運賃値下げの対象とはしなかったものでございます。
 しかしながら、これも永久にこのままにしておくということではございませんで、北海道の路線を含みます全路線にかかわる航空運賃体系全般のあり方につきましては、今後、遠距離逓減を基本としながらも、路線の距離、使用の機材あるいは需要の動向等を勘案いたしまして、同じような態様の路線につきましては同じようなレベルの運賃が設定されるような、整合性のある運賃体系を目指すということを考えておるわけでございまして、今後、運賃の全面改定の機会がございますれば、そういう機会に逐次調整を図っていくという考えでございます。
○奥野(一)委員 いろいろなものを調べてみてちょっとわからないのですけれども、五十九年に三陸沖を抜けるルートを新設をして、今までの千歳迂回よりも時間、距離が短縮をされたということで、大体その分についての見直しということだと思うのですが、時間、距離についてはどの程度短縮になったのですか。
○圓藤説明員 約十分程度でございます。
○奥野(一)委員 十分千円ということになるわけですか。
 これはどちらの方にお聞きをすればいいのかということになるのですが、公共料金の決め方。それぞれの所管官庁が今決めていると思うのです。ハイタク関係であれば運輸省、あるいは電力料金も公共料金ということになれば、これは通産省が決めるということになるのですか。あるいは通信料金であれば郵政省、こういうことになると思うのですが、国全体として公共料金というものの決め方の基準というのですか、あるいは原則的なものというのはあるのでしょうか。公共料金はこういうふうにすべきだという何か指針みたいなのがありますかどうか。
○冨金原説明員 先生御承知のとおり、公共料金にもいろいろなものがございまして、これを一概に一言で決め方を説明するということはなかなか難しい面がございますけれども、例えば今御議論になっております航空運賃のようなものにつきましては、これは一つは企業経営をやっているわけでございますが、一方で需要の関係とか事業の性格から申しまして、どうしても競争制限的にならざるを得ない性格がございます。言えば地域独占的な性格みたいなものもあろうかと思いますが、そういった場合については、企業経営を行うという観点からは、コスト主義ということは当然配慮すべき性格のものでございますが、そのコストということにつきましても、徹底した企業の合理化とか効率化とか、そういったことを考えた上でのコストということを当然考えるべき性格のものであろうかと考えます。
 それから、事業経営でございますから、当然のことながら適正な利潤というものを考えて、これを算定の基準に入れるということも必要な視点であろうかと思います。
 同時に、産業政策あるいは経済政策的に見て、どういうふうにその事業を育成していく必要があるかというような観点をまた料金体系に入れますとか、あるいはこれは若干航空とは性格が違いますが、先般のオイルショックのようなときにはエネルギー節約という意味で、料金体系を考えるに当たってはそういったものを組み込んで料金を設定するところもございますし、あるいはシビルミニマム的な観点から料金体系を考える、配慮するということもあるわけでございます。
 また、全般的な物価がどういうふうになっているかという状況の中で、例えば物価が非常に上がるというようなときには、料金の申請に当たって、認可についてはそういった物価に対する配慮を十分考えて、タイミングとか幅とかそういったものについても、私どもとしてはしかるべき判断を加えて結論を下すというようなことをやっているわけでございまして、簡単に一口では申し上げかねるわけでございますが、今申し上げたようなことをそれぞれの事業の性格について考えながら、公共料金についての決定あるいは協議に応じているというのが実情でございます。
○奥野(一)委員 これも各省庁がそれぞれ現在やっているわけなんで、これはどうなんでしょう。今、日本の場合には自由経済ということになっていますね。だから、産業の場合には自由経済ですから原則競争体制ということだと思うのですね。その中で、今言われましたように、例えば産業政策上ある程度これは保護しなければならないというものについては、それなりの規制というのですか、料金なんかの認可制度だとか自由料金というものもありますけれども、大体公共料金と目されるものは認可とか許可とかそういう形になっておりますね。本来でありますと原則競争ということで、だから原則競争の方針がとられたのは今度のNTTに対する新規参入、これは原則競争の条件をとられて新規参入の方が料金が安い、こういう形になっている。あとの方は、ハイタクであれば同一地域同一運賃、こういう形になっている。航空の場合には日航が今度完全民営化ということになって、今までの政府の保護を受けない。これは、競争体制の中に入っていくということに当然なると思うのです。だから、今の航空会社の経営の状況とか利用の状況からいって、この前この委員会で申し上げましたけれども、伸びていっているわけですね。収益も伸びていっているし、利用客も物すごく伸びていっている。そういう中で、本来なら競争をやればもっと安い部分というものだって出てくるのではないかという気が一つします。
 それと、これは後で触れますけれども、割引運賃との関係が出てくる。こういう面で航空運賃というものも考えてもらわなければならないのではないか。先ほどお答えがありましたけれども、時間、距離が短縮になった、時間にして大体十分程度だ、こういうお話でございます。ということは、これは航空運賃の見直しということにはならないと思うのです。もし本来的に、例えばコストとかいろいろな面から今の航空運賃が適正であるかどうかということを見るのであれば、それは距離が短くなったり時間が短くなったりすれば、その分コストが下がるということは当然あります。しかし、それじゃほかの路線については一体どうなんだ。これは北海道だけじゃなくて、全部の路線についてどうなんだというふうに見直しをするのが本来の見直したと思うのですよ。だから、時間と距離が短縮になっただけですから、その分だけ安くしたということは、わざわざあの懇談会までつくってやるほどのものであったのかどうかという疑問も出てくるわけです。
 今、運賃の改定時には見直しをやらなければならないと言うのですが、運賃の改定時というのは一体どんなことで判断して決めるのですか。
○圓藤説明員 昭和五十七年に運賃改定をいたしましてから、もう五年ばかりたっておるわけでございます。その間、JALの事故の問題もございまして需要が非常に減ったという時期もございましたけれども、最近ではやや順調に伸びてきておる状況にあるわけでございます。
 次回の運賃の全面改定がいつかというのは、今現在申し上げるような段階ではございませんけれども、運賃改定ということがあり得るケースとして申し上げますれば、例えば燃油費といいますか、燃費等が非常に上がるというようなことで、非常にコスト増になる場合におきます運賃の改定ということももちろんございましょうし、それから、これはまだ各省庁で合意に達しておるわけでございませんが、あるいは今後そういう事態があるかどうか、仮定の話でございますが、例えば通行税が廃止されるというような事態がもしありますれば、それによる運賃の値下げということもあり得る話であろうと思います。ただ、どういう段階で運賃の全面改定をやるか、また、そういう段階をとらえまして、先ほど先生から御質問ございましたような、できるだけ合理的な運賃に直していくという努力を我々としてはしてまいりたい、かように存じておるわけでございます。
○奥野(一)委員 前のこの委員会でも私、割引運賃の関係について随分うるさく申し上げたのでありますけれども、航空運賃の場合には、基本運賃と割引運賃があるのですけれどもわからないのですね。ほかの運賃、JRなんかでも今盛んにやってますね、フルムーンとかの割引制度とかQきっぷとかやってます。それがJRに対する需要喚起をするとかということについては、わかるわけです。航空運賃の場合にも、答申だとか報告だとかの中身を見ますとそういう意味のことを書いています、需要喚起をするために割り引くというようなことを。しかし実際には、前回も申し上げてありますけれども、利用している人々の半数以上が、割引制度ということは一体どういうことなんだ、基本運賃というのは一体何なんだということだと思うのですね。
 普通であれば、基本運賃というのが大体収入の七割とか八割とか、そのくらいを占めておって、そして一割か二割が割引とか、西武が優勝をすれば西武デパートは大バーゲンをやるわけですが、あんなの年じゅうやっているわけじゃないのですよ。たまに大売り出しだの安売りデーだなんというのをやって、それでお客さんを集めようということだと思うのですね。しかし航空運賃の場合には、もう大半が割引を利用しているという運賃制度というのは一体どうなんだ。
 私、前回も申し上げましたけれども、では、基本運賃だけ利用している人力は、その割引の部分というのは全部負担しているという形になってしまう。まあ、それは大抵は往復割引というのは使うのでしょうけれども、今往復割引なんというのは割引のうちに入らぬですよ。大体そういうものだというふうに、これはもう観念的になっていますね。列車でもみんな往復の場合には、大体一割ぐらい割り引くのが当然だというようなことになってしまって、そんなものは割引に入らない。だけれども、そのほかのものはいろいろな割引があって、基本運賃というのはおかしいと、前回も随分説明を受けましたけれども、いまだに納得しないわけなんですね。
 この割引運賃が悪いとは言ってないのですよ。しかし、それだけ割り引いても経営ができるというのであれば、基本運賃の方をむしろ下げて、割引は特殊制度、特殊的なものということに本来すべきではないのかな、こう思うのです。ですから私は、現行のような航空運賃の状況になっている場合には、基本運賃の見直しというものを一回がっちりやって、その上で割引制度というものを考えるべきでないのか、こう思うのですね。そういう面というのはどうお考えになっているのですか。
○圓藤説明員 今先生御指摘のとおり、航空運賃の利用者数ということで見ますと、割引運賃の利用客の方が基本運賃の利用客よりも多くなっておるのは事実でございます。ちなみに数字を申し上げますと、普通運賃の利用客というのは二四%でございますので、圧倒的に割引運賃の利用客が多いということでございます。ただ、割引運賃の利用客の多くは、往復割引、回数割引あるいは小児割引といったような、いわば割り引いて当然といいますか、そういうものが大勢を占めているわけでございまして、数字で申し上げますと、例えば往復割引は三二・三%、団体割引は一八・九%、回数割引が六・五%、小児割引が三・〇%、この辺までは、航空といわずほかの交通機関でも、広く一般に割引運賃として認められているところでございまして、こういうものを含めますと、正確にここで足し算をしたわけではございませんけれども、いわば当然と思われるような割引を含めますと、恐らく八〇%を超えるような状況になっておるわけでございまして、先生がおっしゃるような割引運賃がほとんどだからといって、決して特殊な割引運賃を利用する方が大部分を占めている状態にはないということでございます。
 さらに、確かに先生おっしゃるとおり、最近新たな割引運賃が導入されてきております。例えば、熟年者の夫婦で旅行する場合の割引でありますとか、あるいは年末年始の家族の割引でありますとか、受験生割引でありますとか、そういったようないわば普通にないような新たな運賃割引が導入されている、あるいは検討されているという状況にはございますけれども、こういった割引運賃が適用される基本的な理由としましては、これは航空会社の方からみずから進んでそういうことの割引をすることによって需要を喚起して、収入の増大、輸送力の有効活用、そういうものに資するんだ、企業全体として増収になるんだという立場からそういうことを考えているわけでございまして、そういうことで決して割引運賃のために基本運賃をおろそかにしている、割引運賃ばかり熱を入れて基本運賃をおろそかにしているというわけではございません。あくまでも、先生御指摘のとおり基本運賃がベースでありまして、その基本運賃をどうするかということをまず我々としては考えていかなければいけないというスタンスにおいては、全く同感でございます。
○奥野(一)委員 航空会社の場合は私はよくわかりませんが、普通、物の値段とか何かを決める場合、これだけの値段で売れば収支が償う、こういうのが一つの基本でしょう。しかし、どうも売れない、だから多少利幅を仮に下げるか、あるいは赤字になってもここで一回安売りをやってやろう、そこでお客さんを呼んで、薄利多売のような感じでもって何とかやろう、こういう方法が一つありますね。ただ、それは全体を占めているわけではないですね。だから、今言われましたように、私は原則はやはり基本運賃だ、基本運賃というものを原則に考えなければだめでないのか、こう言っているのですね。
 そして、今需要を喚起するためにいろいろな割引制度、一つのサービスをやっているわけですね。そうすると、今は割引をやっていても航空会社というのはペイしている、採算が合っているということになるわけでしょう。いろいろな割引制度があって、半数は往復であろうが何であろうが使っているわけです。それでも収支が合うということになったら、では基本運賃は何だということになるのですよ。もしなくて、全部基本運賃で仮に利用しておったら、もうけ過ぎて笑いがとまらないということになってしまうんでないかという気もするわけです。だから、基本運賃というものを第一原則に考えて、基本運賃を引き下げて、それで割引率が今より上がっても今と変わらないということになるわけで、そういうことが原則的に考えられなければならないんではないのかな。
 そういうふうにどうも不思議なんですよね、この航空運賃だけに関しては。だから、基本運賃というものをもう一遍きちんと見直すということが必要でないのかな。先ほど言ったように、北海道の四路線をやったというのは私どもには運賃改定だと思われない。これは、うちの代表がたしか申し入れに行っているはずでございますけれども。単に時間、距離が短縮になっただけの修正措置だ、ほかのこととちょっと均衡上合わないというための修正であって、運賃そのものの見直しとは我々は受け取っていないのであって、基本運賃の見直しということについてはぜひ早急に検討していただくようにお願いをしておきたいと思います。
 航空会社だって、これから競争になるわけでしょう。競争ということになって、どんどん激しくなっていくわけでございますから、そういう面でやはり競争の原則もある程度取り入れてもらわなければならない。ある雑誌なんかの書いているのを見ますと、随分いろいろなことを言われていますね。事前運賃だとか十人以上の団体だとか三割引きだとか、乗客の多い時期には高くし閑散期にはもうどんどん割引。これは国際路線のことについて書いていますが、国際路線については触れませんけれども、アメリカの四倍くらいの料金だということに日本の場合はなっているわけであって、その辺のところなんかあるのですけれども、それはきょうは特に触れません。
 先ほどちょっと触れられました通行税、これは前にも申し上げまして、当時運輸省では、六十二年度で航空運賃に入っている一〇%の通行税廃止の方針を固めているということがございまして、これについてお尋ねをしたことがございます。そのときには、撤廃されればその分が原則的には運賃が安くなる、こう思っていいのですかというようなことを聞いて、そういうお答えがあったのですけれども、今この通行税についてはどうお考えになっているか。これは前回でありますと、売上税そのものが通っていれば当然通行税というのはその時点でなくなっておったと思うのですが、売上税は御案内のとおりの状況になっていますから。今、運輸省の方では通行税はどのようにお考えになっているか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○圓藤説明員 先生御案内のとおり、今日では航空機は広く国民各層に利用されている状況にございます。ある意味では、不可欠な交通手段だと言っても言い過ぎでないほど利用されているという実態がございます。そういう実態を考えまして、運輸省といたしましては、六十三年度の税制改正の要望におきましても昨年同様廃止の要望を行っているところでございまして、今後、関係各省庁あるいは関係各方面の方々と十分御相談を申し上げていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○奥野(一)委員 今、運輸省の方としては、廃止の方向でこれは進めているわけですか。
○圓藤説明員 六十三年度の税制改正要望の中に、廃止の要望をさせていただいているところでございます。
○奥野(一)委員 廃止になればこれは一〇%、航空運賃は下がるということにつながっていくというふうに考えていいですか。
○圓藤説明員 まだ廃止になるかどうか、十分御相談しなければならない問題でございますけれども、仮に廃止になったといたしますれば、その分はできるだけ運賃値下げということで還元をしてまいりたい、そういう方向が正しいだろうというふうに考えておるわけでございます。
○奥野(一)委員 それは、なぜそういうふうに申し上げたかといいますと、今でも通行税一〇%は一たん一般会計に入って、空港特会の方に行くわけでしょう。ところが丸々行っているわけではないわけで、一般会計の方に半分以上も残っている。これは、通行税を負担している人からいえばおかしいということですね。それは目的税でないと言うかもしれないけれども、通行税というのは目的税のような感じがするわけですね。高速道路を走る、料金取られる。それは道路の償還財源とか何かになるわけであって、だから通行税の場合だって、何でそれじゃ一般会計に半分以上も残しておくのだということになるわけですね。それは通行税が廃止になったら、これは本来全部航空運賃の割引ということになるべきだ。これは、一〇%安くなるということになれば若干やはり違ってきますから、いや、運輸省さん、よくやったということになりますので、これはぜひそういうふうにしてもらいたいと思うのです。
 そこで、運輸省の方にもう一つありますけれどもそれは後にして、大蔵省の方に今の通行税の問題、これは運輸省の方で、六十三年度の税制対策の中で要請をしているというようなお話でございますが、大蔵省の方としてはこれはどうなんですか。廃止をされるという考え方をお持ちですか。
○野村説明員 お答えいたします。
 通行税のまず基本的な考え方を申し述べさせていただきますと、通行税は御存じのとおり、サービス消費に対しまして課税いたします消費税体系の一環といたしまして持っているものでございます。通常より質の高い輸送サービス、その消費に着目いたしまして負担を求めている、こういう租税であるわけでございますが、他の入場税とかそういった同種の消費税との間でのバランス、こういったものもとれているのじゃないか、そういう合理的な税ではないか、こういうふうに思っているわけでございます。
 目を海外に転じましても、主要国を見ましても輸送サービス、こういったものの担税力といったものに着目いたしましてそれぞれ課税が行われておる。例えばアメリカを見ますと、航空旅客の運賃に対しまして航空券税というものも課されておりますし、欧州諸国においても、同様に輸送サービスに着目いたしまして課税が行われておる、こういう実情にございます。
 なお、今後我が国の実情を考えてみますと、経済のサービス化とか消費のサービス化、こういうようなことも言われておるわけでございまして、経済のそういう変化、伸展といった中で運輸とか通信、こういったものも含めまして各種サービスに対する課税のあり方、これもいろいろ幅広く検討していかなければならないな、こういうふうに思っているわけでございます。
 ただいま先生から御指摘ございました撤廃してはどうか、こういう御意見でございますけれども、今三点ほど申しましたが、そういった諸事情もございますし、また一方、現下の非常に厳しい財政事情といったものもございます。こういったことをいろいろ考えてみますと、撤廃というのはなかなか難しい、ないしは適当ではない、ないしはそういうことができるような状況ではないのじゃないか、こういうふうに私どもは考えているわけでございます。
○奥野(一)委員 そうすると、大蔵省の方としてはこの通行税は何に使うのですか。それで、どうしてもこれはやめられないとか、かけるのが妥当だという根拠になる考え方、あったらちょっとお示しください。
○野村説明員 この通行税は、特定な財源ということで使用することになっておりません、いわゆる一般財源でございますので、例えば先ほど例示的に申しましたけれども入場税、こういったものは別に入場施設の関係に予算的に使うということにはなっていないわけでございます。いわゆる一般財源という形で国庫に納められるわけでございます。
○奥野(一)委員 そうすると、国全体としての一般財源が足りないからこれはまだ残しておかなければならない、こういうことですか。
○野村説明員 ただいま御説明しましたように、一般的な財源事情のみならず、本来この通行税の持っている基本的な性格、消費税としての性格、こういったものを総合的に勘案いたしますと、現段階で直ちにこれを廃止することについては適当ではなかろう、こういうふうに申しているわけでございます。
○奥野(一)委員 ちょっと今のお答えではわからないのですね。私はそんな難しいことを今聞いているのではなくて、一般財源だということですから、一般財源ということであれば国の収入全体の中でしょう、普通の人の所得税とかなんとかというようなこともこれは一般財源だと思いますけれども。そういう中で、国の一般財源が足りないからこれはやめるわけにはいかないのだ、こういうのであればまたそれなりのやり方があると思うのですけれども、それを聞いているのです。
○野村説明員 財源上の理由はもちろんでございますけれども、現在、先ほど申しましたように消費というものは非常に多様化してきているわけでございますが、こういった消費の課税というものについて、現に入場税とか通行税とかという形で課税している。これは消費税全般の中で考えてみた場合に、やはり担税力を求めるという観点からいえば、適当なものであるというふうに思っているわけでございます。
○奥野(一)委員 それじゃ、その議論はこの次にまたやりましょう。それは私と大分見解の違う点がございます。今それをやっていれば時間がなくなりますから、いつかの機会にまたやりますけれども、大分私の考え方と違っている面がございます。当初、通行税などというのができたときには、ぜいたくと言うとちょっと語弊がありますけれども、そういう一つの考え方があったろうと思うのです。航空機が発達した当時などというのは、私も一番最初に航空路線が出たときに乗ったことがありますけれども、率直に言ってそのころは、いわゆる庶民階級という人力の利用というのはごく少なかった。今はもう普通ですよ、完全に大衆化されてしまった。大衆化されたときに、いや消費の動向からいってそれはかけるのが当然だという考え方が妥当かどうかということ、そういう点については見解の相違がありますが、きょうはそのことを今議論する時間がございませんから、いつかの時点にまたそれはやらせてもらいます。
 それから次に、運輸省の方の関係でもう一点聞いておぎたいのですが、これもコストの関係からなかなか難しいということなんですが、地方空港対策。航空機というのは、非常に便利な乗り物だというふうに思われるのですが、私から言えば非常に不便な乗り物だ、こう思っているのです。それは全部東京なら東京中心、北海道で言えば札幌中心ということで、大体ダイヤが組まれています。だから、例えばきょう十時からこの委員会があるといったって、私はきょう北海道から来れないですね。間に合わないのです。どうしても前の晩に出てこなければ間に合わない。それから、きょう終わってきょう帰れない。最終便だったら、途中で委員会を抜け出さないと北海道に帰れないということになるわけです。それは、函館空港に駐機をしている飛行機がないからということなんですね。もしそれがあれば、きょうの委員会があっても悠々日帰りができる、こういうことになるわけなんです。
 だから、過疎地から東京なんかに上京してこられる方々というのは、むだな金と言うと怒られますけれども、前の晩に出てきて泊まって、きょうまた帰れないから泊まって、東京に二泊もしなければならない。金持ちの東京にだけはどんどん金を落としていくということになっているわけなんですよ。これは航空会社自体がやられることですから、そう簡単にはいかないと思うのですけれども、先日も五月の二十二日に商工委員会でも、経企庁長官にもちょっと申し上げるだけは申し上げました。全体の経済対策とか地方の活性化ということを考える場合、そういう面もやはり考慮に入れるべきでないのか。できるできないということは、これは民間の航空会社がやることですから、すぐそう簡単にはいかないけれども、指導方針としてはそういう面も配慮をしてもらえば大変助かるわけなんですよ。
 今のところは、まだ東京線というのは全日空一つですけれども、仮に来年日航が入ってくるとか、そうすると函館空港では四社使うことになるのですよ、日航、全日空、東亜国内航空、エアーニッポンだかというものと。そうすれば、その四社でもって何とかできないか。もちろん駐機場を置けば、整備士も要るとかいろいろなものでかかるということは私も理解しているわけですけれども、しかしそういうこともやはりやってもらわないと、何か飛行機というと大変便利なようだけれども、そのために余計な出費をむしろ地方の方に押しつけているという結果になっているのではないか。そのことが地方の経済の低迷を招いているなんて、そんな大きなことは言いませんけれども、やはりそういう面だってあると思うのですね。だからそういう面について、方針として運輸省としてはどういうふうに考えられているか、その点だけちょっとお聞きしたいと思います。
○圓藤説明員 先生御指摘の点につきましての、航空機のナイトステイといいますか、航空機が夜そこでステイをするということをするかどうかという問題だと思いますけれども、そういうナイトステイをするかどうかという問題につきましては、空港発着路線の規模、これはもちろん路線数でありますとか便数でありますとか、そういう規模が大きいかどうか、あるいはビジネス路線としての性格を有するか、あるいは観光路線としての性格を有するかという路線の性格、そういうことに応じまして、例えば非常に便数が多くて、しかもビジネス路線としての性格を持っているということでありますれば、これはできるだけナイトステイを認めるという方向でやるべきだろうと思います。
 ただ、ナイトステイをいたしますと、それに伴いますコストも非常に高くなるということも事実でございまして、乗務員とか整備員等の駐在者の費用をどうするか、あるいは機材、乗員繰りが可能かどうか、あるいはどれくらいそういう増収効果が期待できるか、そういったものを総合的に勘案をいたしまして、問題は航空企業が経営判断の問題として実施されている状況にございます。ただ、先生御指摘の点につきましては、私どもも十分理解できるところでございますので、もちろんその便数が多くて、そういう路線の性格からいってもビジネス路線であるというようなものにつきましては、我々としましても、コストの面はございますけれども、行政指導といいますか、そういう方向でやるべきだろうというふうな指導はしてまいりたい、かように存じておるわけでございます。
○奥野(一)委員 もう時間がちょっと足りなくなってきましたので、その点はそういう方向でできる限り御指導をいただくように要望しておきたいと思うのです。
 そして、この関係ではひとつ大蔵省の方に物品税の関係で、北海道ではもう今朝晩ストーブをつけなければならない状況になってきています。これは北海道の消費者団体の方からも、ストーブに一五%もの物品税がかかっていると。大蔵省の方の答えも出ていますけれども、いや、北海道でストーブが必要なら、沖縄、九州はクーラーが必要なんだからというような何か答弁がここに載っていますが、不思議だというのは、同じストーブでありましてもポータブルの小さいものは税金がかかっていません。それから、業務用の物すごく大きいものも税金がかかっていない。ちょうど北海道の我々の家庭が使うものだけには一五%の物品税がかかる。あと、バイクなんかだったら、二百五十ccを超えるものは一〇%、以下は五%。バイクとストーブというのと、それはどっちも生活上必要だということかもしれませんけれども、ストーブというのは北海道ではこれから半年、長い地域だと十カ月は使わなければならない生活必需品でございますので、これはどうなんですか、見直しをするとかなんとかということはないのですか。
○薄井説明員 物品税についての御質問でございますが、御存じのように現在八十五の品目を選びまして、物品税というものをかけさせていただいているわけでございますが、その一品一品につきまして、先生御指摘のようにそれぞれのお立場から、現在の消費状況なりあるいは相対的な関係からいっておかしいのではないかといったような御指摘をいただいている面があることは事実でございます。
 私どもその辺は、例えば家電製品なら家電製品としてバランスをとった税率体系なり免税点の体系なりをとっているつもりでございますが、どうしてもそういう御指摘があるということは否めないと思います。そういった観点から過日私ども、むしろ一般的な消費、物の購買、こういったものに五%なら五%という税率で税金をおかけした方が、どちらかというといいのではないかというような考え方もお示ししたわけですが、やはり御理解を得られず、現状のままになっているような実情にございます。こういう一品一品について、的確にこれしかないという形を求めるということはなかなか難しいということは、御指摘のとおりだと思います。
○奥野(一)委員 同じものに全部同じ税率でかかっているのであれば、不満があったってそれはそれなりに納得することもある。今言ったようにストーブについては、発熱量が毎時一万五千キロカロリー以上の業務用ストーブは税金がかからない。それから、ポータブルのような小さいものほかからない。同じストーブでどうしてこういう差が出てくるのだという疑問が出てくるのが一つですね。それから、生活必需品ということから考えたら、バイクなんかの場合は一〇%とか五%とか安くなっていて、ストーブはなぜ一五%もかけなければならないのか、こういう疑問が出てくるということなんですよ。だから、全部にかけろなんて言ったら、かかっていないものの方から文句が出てきますから、それだったらほかの物品と比べて、生活必需品という点から考えていったらほかの物品税並みにすべきではないのか、一〇%とか五%とかそういうふうにすべきでないのかというのが私の言い方なんですよ。そういう点で少し検討してもらいたいと思うのですね。
○薄井説明員 御指摘の点は私どももわかる点はあるのですが、今の大きなものについて課税しないのはなぜかという点にだけお答え申し上げますと、実は物品税と申しますのは、個人の消費、物を買ってそれを消費する、例えばたんすを買うとか机を買うとかテレビを買う、その個人の消費、消費力に税金を求めていくという考え方でございまして、業務用のものにつきましては外していくという考え方がございます。今御指摘の一万五千キロカロリーですか、こういった大きなものにつきましては通常は業務用であろうという考え方から、ここは課税の対象に入っておりません。もし、その種のものも今後一般的に家庭でお使いになるということであれば、これはバランス上課税を拡大していくのが筋かと思っております。
○奥野(一)委員 もう時間がなくなりましたので、大急ぎで地価対策の関係について、これもいずれはじっくり時間をかけてやらなければならないものだというふうにも思っておりますが、きのう出されましたこの答申を読んでみましても、これだけではちょっとまだわからぬという面がございます。そこできょうは、原則的なことだけちょっと聞いておきたいのですが、まず総務庁の方に、この答申で本当に地価抑制ができると考えているかどうか、これが一つですね。それから、政府は本気で地価抑制というものを含めた土地対策をやる気があるのかどうか、これは大変失礼ですけれども、その二つ、お答えいただきたいと思います。
○新野説明員 まず今回、昨日脚案内のように、「当面の地価等土地対策に関する答申」というものを政府に提出いたしております。これは当面の対策に関する答申でございまして、ねらいがまず何よりも投機的土地取引の排除ということと、現行の制度、施策の最大限の活用、こういうことにポイントを置いておりますから、ある意味で委員のおっしゃる本格的な検討課題というものについては触れてない点があるかと思いますが、それは「今後の検討課題」のところで八点を挙げましていろいろ検討することになっておる、あくまでその当面の対策としての限界はあるという考えでございますが、さはさりながら、今の地価の急騰状況にかんがみますれば、そうした問題について早くやるべきもの、ないしはすぐに着手すべきもの、こういうものについてはぜひ早くやっていただきたい、こういう気持ちで答申をいたしておるわけでございます。
 政府の方といたしましても、昨年末に地価対策閣僚会議等つくりまして、かつ非常な事態であるという認識のもとに、ことしの七月六日に行革審の方に諮問があったわけでございまして、聞くところによりますと、昨日の答申を受けてこの十六日には実施方針を策定するということのようでございますので、行革審の答申を尊重されて対策に向かわれるものと、行革審の方の立場としては期待をしておる次第でございます。
○奥野(一)委員 もうあと何分もございませんので……。これは、今までだってやる気があればできたと思うのですね、これは現行法の中にだってあるわけですから。それを今日まで発動したことはない。規制なら規制ということについて一回も発動したことがない。
 そこで、簡単に聞いておきたいのは、規制区域を例えば指定をするという場合、まず何を基準にして指定区域というものを設定するのか、これが一つ。
 それから、今日まで発動しなかった理由というのは一体何だ。これは東京なんかの場合には、こんなような状況になって手おくれだという声だって既にあるわけですね。だけれども、今まで国土利用計画法の中には十二条、十三条というのがあっても一回も発動してこなかった、その理由は何であったのだろうか。
 時間がないから、ちょっとまとめて申し上げます。
 国公有地、これは今度の答申でも抑えろ、こうなっておるわけです。この異常な高騰が鎮静化するまでは抑えなさい、こういう言い方になっておるのです。そうするとこの場合、例えば今土地が一万円のものが十万円になった、異常だからここで抑えろ、この抑えるというのは、十万円に上がったのでその場は抑えておいて、これが十万円から上がらなかったら売れ、こういうことなのか、いや、十万円のやつが下がってきた、だから売ってもいい、こういう判断なのか、この辺のところがこれを見ただけではわからないのですね。私は、例えば汐留なんかだって仮にあそこが鎮静化しても、売ったらまたそれがきっかけになって上がるだろうという感じがしてならないのです。だから、その辺のところは一体どういうふうにしていくのかなということがあるのです。
 それから、地価凍結ということを言っていますけれども、これと今と関連しますが、どこで一体この地価の凍結をするのかという基準というのはあるのか。
 それから、金融機関とか不動産業に対して指導強化ということになっておりますけれども、どんな指導をしていくのか、あるいはチェック体制というのはとるのか、罰則ということやなんかについては考えているのかどうか。
 それから、首都機能の分散等がありますが、きょうは時間的に余り議論をしている暇はありませんので、今日までの検討の状況だけ若干教えていただきたい。
 以上だけひとつまとめまして……。
○鈴木説明員 まず規制区域の指定の具体的な基準でございますが、これは国土利用計画法の第十二条におきまして、「土地の投機的取引が相当範囲にわたり集中して行われ、又は行われるおそれがあり、」かつ「地価が急激に上昇し、又は上昇するおそれがある」ことというふうに規定されておるわけでございますが、この要件の該当性につきましては、当該地域における従来からの地価の趨勢、土地取引の状況、社会経済情勢など、地域の実態に即しまして総合的に判断されるべきものであるというふうに考えております。今までこの規制区域につきましては一度も発動をしたことがないのでございますが、今回の東京の都心部から発しました地価上昇につきまして、この規制区域の発動がなされるべきではないかということで、事務レベルとしてはいろいろと検討がなされたところでございます。
 ただ、先ほどの国土利用計画法の十二条の規定に直ちに当てはまるかどうかということにつきましていろいろと議論がされたのでございますが、規制区域の発動の問題と並行いたしましてもう一つ、現在の届け出、勧告制をベースにいたしまして小口の取引を規制する方法もあるのではないかということで、関係地方公共団体におかれましては、むしろそちらの方を中心に地価高騰に対処してまいりたいということになりまして、私どもといたしましても、このような自治体の判断を尊重したところでございます。
 そこで、御案内のように昨年の十二月に、国土利用計画法の改正に先んじまして東京都におかれましては条例を制定いたしまして、小口取引規制をやってまいったという経緯がございます。
 それから、規制区域の指定がなされました場合の地価のいわゆる凍結の基準ということでございます。これにつきましては、国土利用計画法に基づきまして一応の基準があるのでございますが、これに先立ちまして、国土利用計画法が制定されました際の国会での論議があるわけでございます。それによりますと、規制区域の指定がなされました時点における地価相場の七割ないし八割程度に、価格をピンどめすることが適当ではないかという議論がなされております。現実に規制区域が発動されました場合には、それらの国会での論議も十分踏まえまして、相当な価格水準に価格を凍結するというよりは、それ以上の価格によります土地の取引を認めないというのが法律の建前でございます。
 あと、不動産業界、それから金融業界に対します指導につきましては、これはそれぞれ所管省庁でございます建設省、それから大蔵省を通じまして所要の指導を要請いたしておりまして、私どもの要請にこたえてそれぞれしかるべく指導が行われてまいってきているところでございます。
○中野説明員 首都機能の移転の問題について、今までの検討状況等を御説明させていただきます。
 首都機能の移転再配置につきましては、昭和五十二年の三全総におきまして今後の検討課題として提示されまして、自来調査を進めてまいっているところでございます。これまで首都機能の現状あるいは移転再配置の基本課題、移転形式などに関しまして検討を進めておりまして、このうちの一部につきましては昭和五十八年に発表したところでございます。
 移転再配置の形式について申し上げますれば、首都機能を一括して新首都に移転するいわゆる遷都と言われるものと、それから首都機能の一部を東京大都市圏の内外に移転するもの、いわゆる展分都と言われるものがあるわけでございます。このうち、展分都の一部でございます政府機関の一部の移転につきましては、特に東京都区部に現在ございます地方支分部局あるいは研究機関などのように、業務上国会との関連が比較的薄いものにつきましては、東京の都区部外に移転することが可能かどうかにつきまして検討を進めているところでございまして、今回のいわゆる新行革審の答申の中におきましても、「地方支分部局、附属機関等の政府機関の移転再配置を促進するための政府における移転再配置推進体制の整備」が提言されております。今後、関係行政機関の密接な協力関係のもとにその推進体制をつくりまして、この移転再配置について実現を図っていきたいと考えております。
 ただ、いわゆる遷都問題につきましては、この新行革審答申におきましても、今後の検討事項の中で首都機能の分散方策を検討することとして報告されたわけでございますが、この問題は先ごろ決定されました四全総の中におきましても、国民生活に重要な影響を与えるものであると同時に、国土政策の観点のみではなかなか決定し得ない面も含んでおりますので、今後政治・行政機能あるいは経済機能とのかかわり方を踏まえまして、国民的議論のもとに検討していく必要があるものと考えております。
○奥野(一)委員 時間が来たのでやめますが、今私申し上げた点につきましてはもっともっと詰めなければならない点があるわけでございますが、時間の関係でひとつこの次に譲らせていただきまして、きょうはこれで終わらせていただきます。
○村山委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時五十三分休憩。
     ――――◇―――――
    午後一時開議
○村山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。草川昭三君。
○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三であります。
 まず最初に、土地の問題を長官にお伺いをしたいと思います。
 土地問題については、連日新聞報道でもいろいろとなされておるわけでありますが、今日のこの地価高騰というのは首都圏から地方都市にも波及をしておる、こういう段階で昨日、臨時行政改革推進審議会、ここが土地対策検討委員会の答申案を総理に提出をいたしました。私ども野党といたしましても、特に公明党の場合は、社会党と共同をいたしまして緊急土地対策を発表しておるところであります。これは長官の方も御存じになっておられると思うのでありますけれども、経企庁として経済審議会等で建議をしておみえになりまして、特に中長期的な土地対策についての問題提起をしておみえになります。きのうの答申案を見ますと、どちらかというと中長期的というよりも現状のなすべき問題点というのが出ておるわけで、そういう意味で、私はロングランで見るならば経企庁の建議の方がらしきものではないか、こう思うのでございますが、長官から昨日の答申案に対する評価、あるいはまた経企庁の要望というのがその中に盛り込まれているのかどうか、お伺いしたいと思います。
○近藤国務大臣 実は、本日閣議がございました。その閣議の席上でも総務庁長官から、昨日発表になりました行革審の土地対策中間答申の報告がございました。これをめぐって二、三の閣僚から発言があったわけでございますが、ポイントは、このことで中長期的な日本の土地問題が解決するということではないのであって、何といっても先生の御指摘のございました首都圏を中心とする地価の暴騰ぶりは異常なものであるので、当面これを鎮静化しなければならない、こういうためのいわば緊急的な答申であって、これも実は建設大臣から御質問があったわけでありますが、もう中曽根内閣は一カ月足らずでございますけれども、一体その間にやるのかどうかと、こういう質問も実はあったわけでございますが、総理御自身は、これを踏まえて政府がどういうようなその対策をまとめるか、十六日政府・与党の連絡会議において大綱を決めたい、まとめたい、こういうお話でございました。それを見た上で、少なくとも一カ月足らずであってもできるものはやっていく、できるだけのことはしていきたい、こういうのが総理のお話でございますし、私どもの共通した決心でございます。
 そんなことでございますので、さしあたって当面何といっても地価暴騰に対する施策というのは一部に見られる土地取引の抑制である、こういうことでありまして、そのために国土利用計画法を運用することによって監視区域を指定する、また規制区域も指定する準備に踏み込んでいく、こういうことでございますし、一方において不動産業者に対して指導する、また金融機関に対しても自重を求める、こういうようなことがさしあたってのものでございます。ただやはり、中長期的に緊急答申の中にも最終的には需給関係のバランスが基本なのであって、そういう意味で供給がもっとふえるような、例えばよく言われておりますけれども市街化区域内農地の問題だとか、またその他税制等の配慮についても触れているわけでございますので、私は、当面の措置としては非常に大事なことを答申していただいている、かように考えております。
 しかし、私ども経済企画庁として、実は先生御指摘のございました経済審議会の議論の中でも、特にいわゆる経済構造調整指針の中にも土地問題を取り上げでございますが、私たち経済企画庁として国民生活に責任ある官庁として、今国民生活の中で最も大事なものはいわゆる衣食住と言いますけれども、衣食は足りても住がおくれておる、こういうことで積極的に経済官庁として土地問題を取り上げるように、先般七月にも地価問題に対する提言をしたわけでございますが、今般「首都圏における地価対策」ということで問題を絞りまして提言をして、それを先ほど申しました行革審の土地対策特別委員会ですか、それに御報告申し上げた、こういう経緯でございます。
○草川委員 今長官から若干の感想が出たわけでありますが、確かに経済企画庁は、サラリーマンの住宅購入が三千万円クラスあるいは通勤圏約何時間という試算を出しておみえになりまして、非常に国民生活を守る立場から住居問題について提言をしておりますが、これは今回の場合には余り生かされているとは思えません。そういう意味では今回は中間答申案でありますから、今後さらに経企庁の提案というものが反映するように努力をしていただきたい、強く要望しておきたいというように思うわけであります。
 そこで、今度総務庁にお伺いをいたしますが、今回の答申は、十二年間国土利用計画法に定められていながら一度も発動されたことのない規制区域指定の問題が触れられておりまして、特に必要な場合は総理による指示を明記をしておるというように私ども聞いておるわけであります。これは、従来国と地方自治体とが責任をなすり合うというような問題もあったわけでありますが、そういうことを回避した一歩前進だと思っても差し支えがない、こう思うわけでありますけれども、問題は総理、首相がこの制度の発動をする手順というものがあるわけであります。
 総理大臣は、まず国土利用計画審議会の確認を得ないとこの問題についての発動ができない、こういうことになるわけでありますが、この審議会の委員は関係業界の方々がたくさんお見えになるわけでありますから、いわゆる総理が発動する理由として、土地の投機的取引と地価の高騰が国民生活に非常に大きな影響を与えるという場合に限って確認ということがとれるわけでありますが、業界代表がそれを認めるということはおのずから自分の非を認めることになるわけでありますから、そう簡単に私は確認がとれない現状が生まれてくるのではないかと思うのです。だから言葉としては、総理の発動というのは非常に立派なようですけれども、実際やってみたらうまくいかないのではないか、こう思うのですが、その間についてどのような議論がなされたのかお伺いをしたい、こう思います。
○新野説明員 昨日行われました答申につきましては、当面の地価の鎮静化を図りますために、現行の制度、施策の最大限の活用ということによりまして可能な限りの対策をとるということで、政府に提言をいたしたものでございます。
 それで御案内の十三条でございますが、この十三条では、内閣総理大臣は、国の立場から特に必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、規制等についての指示をすることができる。それで、その二項におきまして、その指示された措置を知事が講じないときに、正当な理由がないことについて国土利用計画審議会の確認を受ける、こういう形になっておりますので、一応指示という段階が一つあり、それでその指示に従わない場合の実効措置という場合に、国土利用計画審議会というのが関与するわけでございます。
 それで行革審といたしましては、今回の提言に当たりまして、規制区域の指定について国土利用計画法に従った発動を求めたものでございまして、国土利用計画法第十三条第二項に規定するような場合がございますれば、当然にその規定に従った手続がとられることを前提としておるものでございます。したがいまして、そのような場合におきましては、国土利用計画法第十三条第二項に定めるところに従いまして国土利用計画審議会の確認を得ることは、当然に必要なことであると考えておる次第でございます。
 特にこのような規定ができましたゆえんは、やはり内閣総理大臣が知事にかわって規制区域の指定等を行うということは通常の事態ではございませんで、特に慎重かつ公正を期する必要があるという形で、学識経験者で構成される国土利用計画審議会という、いわば第三者機関の客観的かつ公正な判断を求めるという法の仕組みになっているはずでございまして、現行の法制を最大限に活用するというのが今回の提言の趣旨でございます。
○草川委員 趣旨はよくわかったのですが、これはその事態になりませんとわかりませんし、どういうメンバーがそのときに選出をされておるかという問題もあるわけであります。私が、きのうの答申を見て反発的に思ったのは、言葉では非常に立派なようですけれども、本当にそれがうまく稼働するかどうか。もちろんそれ以前に、各都道府県が消化をしていただければそれでいいのでございますけれども、そういう問題が危惧されるわけでございますので一言申し上げておきたい、こういうふうに思うわけでございます。
 そこで、今度は具体的に、この提言の中にもあるのですけれども、地価急騰の黒子とも称すべきものは実は金融機関だ。先ほども長官から金融機関の話が出ましたけれども、要するに急騰に便乗した過剰融資をしたのが大きな原因ではないかというので、大蔵省も、あるいは銀行協会等もことしの七月でございますか、自粛宣言をしておるようでございますが、実態は、具体的に私今から申し上げますけれども、ファイナンス会社を通じて相当大規模な融資が現存しているわけであります。
 そこで、とりあえず大蔵省にお伺いしますが、全国の銀行の不動産向けの貸出残高を、アバウトで結構でございますから、五十二年、五十五年、六十年あるいは六十二年以降、注釈した数字を報告していただきたい、こう思います。
 ちょっと私が言いますから、確認だけしてくれればいいです。これは、大蔵省銀行局というより日本銀行の経済統計月報でございますけれども、昭和五十一年三月末には七兆三千億ですね。これが五十六年三月末になりますと十兆一千六百五十七億になります。六十年三月末には十七兆四千八百十二億になります。六十二年になりますと、一月で二十八兆円、二月で二十八兆九千億、三月で三十兆二千億、それで四月になりますと多少横ばいになりますが三十兆五百六十三億、五月でまたふえまして三十兆七千四百十八億、六月末で三十一兆七千七百二十六億、七月末になりますと三十二兆五千九百八十四億、こういう数字が出ておるわけであります。これはもう自粛宣言ところではなくて、現実にはふえてきておる。ここに私は問題があると思うのでございますが、どのように銀行局の方はお考えになっておられるのか、お伺いしたいと思います。
○高橋説明員 大蔵省といたしましては、金融機関の土地関連融資につきましては、金融機関の公共性でございますとか、あるいは先ほど来先生も御指摘のような地価問題の社会的重要性ということにかんがみまして、かねてから厳正かつ適正な運用ということで指導をしてきているわけでございます。今、先生御指摘いただきましたように、最近も不動産向け貸付残高が伸びているわけでございまして、そこで七月以降特別ヒアリングというのを実施いたしまして、個別の融資案件にまで踏み込んで、あるいは審査体制でありますとか融資実行後のフォローアップ体制の強化という点につきまして深度ある指導を強力に進めているということで、こうした金融機関の公共性という使命を果たしていくような方向で厳正な指導をしてきているわけでございます。
 それで、今、七月末までの数字が日銀統計で発表されているわけでございますが、この特別ヒアリングの効果といたしまして、各金融機関とも審査体制の確立強化あるいは事後のフォローアップ体制というものを整備してきておりますので、金融機関によります投機助長的な融資というものは、その後一切生じてないというふうに私どもは考えている次第でございます。
○草川委員 実は、昭和六十一年四月十六日付で銀行局長通達というのがあります。「いやしくも投機的な土地取引の助長等の社会的批判を招かないよう十分配慮する」ことを要請した四月十六日付銀行局長の通達があるわけです。同様に六十一年十二月十九日にも、「土地保有の目的その他に関し厳正な審査を行い、有効かつ適切な土地利用が図られないまま短期間に当該土地の転売を行う等の投機的な土地取引等に係る融資については、これを厳に慎むこと。」これも銀行局長通達が出ておるわけです。にもかかわらず今私が申し上げたように、六十一年十二月末には二十七兆八千億、それが三十二兆五千億とふえてきておるわけです。いかに銀行局長通達が金融機関によって無視されておるか、こういう事実を私は申し上げたいわけであります。
 そこで、実は私の手元にもたくさんの俗に言う地上げ屋内な企業がございますが、名前を挙げるのはいかがなものかと思いますので、A社、B社、C社という違う会社の例を申し上げます。A社の場合は、資本金わずか四千万円、昭和五十九年に設立であります。従業員十一名です。年収百三十億、二十社の金融機関から七百三十億円の短期借り入れを行っております。この七百三十億というのは大変な金ですね。資本金四千万円、年収入が百三十億、これが七百三十億の金を借りられるわけです。いかに銀行局長の通達が無視されておるかという具体的な事例であります。例えばB社という会社があります。これは資本金一億二千万、昭和五十一年十二月に設立された会社であります。年間二百十九億の売り上げがあります。年商の二・五倍に匹敵する五百七十一億がいわゆる都市銀行を初めとする銀行から借り入れられているわけです。いかに過大な融資が行われているかという実例であります。続いてC社という、これも地上げ屋を申し上げますと、この会社は資本金わずか二千万です。昭和五十三年に設立された会社であります。年間大体六十八億の経常売り上げをしておりまして、十五億の利益を上げている会社でありますが、これも長短合わせまして二百八十億の融資を受けているわけであります。
 こういう例は、私ども、企業の詳しい内容も全部持っておりますから、大蔵省が見せてくれと言うならばいつでも見せますけれども、これはどう考えたっておかしいですね。こういう実情については長官、どう思われますか、お答え願いたいと思うのですね。
○近藤国務大臣 先生の御指摘の事例、私も初めて伺ったわけでございますが、確かに最初の例でいいますと四千万の資本金ですか、それが何百億という借り入れを、いかに土地を担保にしてかではありますけれどもできるということは、極めて常識的に考えても行き過ぎではないかな、こういうふうに私も思いますので、やはり銀行局長通達もそういうことがないように通達したものであると考えておりますが、なお一層の趣旨の徹底を図るべきである、かように考えている次第でございます。
○草川委員 長官、時間ですから結構ですから。
 じゃ、銀行局にもう一回お伺いをいたします。私が今A社、B社、C社の例を挙げて、銀行局の通達が昨年から出ておりますが、いかに無視されておるかという事情がおわかりだと思うのですが、改めてどのような御見解が、お伺いしたいと思います。
○高橋説明員 先生も御承知のように、銀行の土地に対する融資あるいは不動産に対する融資、基本的には内需振興あるいは民活、住宅の振興等々の政策上必要な融資であろうと思っております。金融が大幅に緩和されておりまして、内需の振興を図っていくときに銀行がそういう融資をするのは、非常に必要な融資であろうかと思います。ただ、それがそういう内需振興でありますとか住宅地の造成とかそういう事業に向かわないで、投機的な取引あるいは投機を助長するような取引に向かってしまう、そういうことでありますと国民経済的にもマイナスでありますし、公共的な責務を果たすべき銀行としても不適切である、こういうことであろうかと思います。
 そこで、金融機関が土地融資をいたしますときに、個別に具体的に投機助長というものは慎んでほしいということを、かねて先ほど先生の御指摘にありましたように、銀行局長通達ということで指導をしてきているわけでございます。指導してきて、銀行としてはそれを守ってきてくれていると判断しているわけでございますが、やはり個別案件を見ますと、営業の一線までその銀行の意思というものが十分伝わっていなかったというような事例もあります。あるいは、その通達を守っていくという体制が十分でなかったというようなことも見受けられたわけでございます。
 そうした反省に基づきまして、先ほど申し上げましたように、七月以降そうした機構、体制づくり、あるいは融資後のフォローアップの体制づくりということにつきまして厳正な指導を行って、そういう体制をつくるよう指導をしている状況でございます。
○草川委員 時間がありませんから言うつもりはなかったのですが、今の答弁があるから申し上げますと、ある会社ですけれどもこういう例があるのですよ。
 これは港区の赤坂なんですが、六十年の三月に、約二百六十平米の土地に百四十七平米の住宅があるのですけれども、七億円で購入しておるのです。わずか二カ月後に十四億円で売却をしておるのです、六十年の三月から六十年の五月の間に。わずか二カ月の間に倍になるお金を今言う金融機関が貸しているのですよ、しかも一流の都市銀行。だから、これはもっと細かいことを言えば随分ひどい話がありますけれども、これは一つの事例として申し上げるわけです。
 練馬区の場合も、これは百七十坪の土地を約三億円で購入して、二カ月後にこれは一億でございますけれども四億円で売却をしておる、こういう金が非常に簡単に金融機関から融資をされるところに問題があるわけでございますので、今当局の方もいろいろな御答弁をなさっておられますけれども、ひとつ真剣にやりませんと、最初に長官が申し上げられましたように国民生活の破壊になるわけですから、その点は厳重な審査が行われるようひとつ指導していただきたい、こう思います。
 二番目に、住宅は終わりましてタテホ問題を行いたいと思います。
 このタテホ化学のインサイダー取引等の問題につきましては、いろいろと新聞等にも出ておるわけでございますが、改めて私どもは不公正な取引の防止それから投資家保護という立場から、タテホ化学の今回の事件というものを見直してみる必要があるのではないか、こう思うわけでございまして、今問題提起をするわけであります。
 このタテホ化学の財テク問題の投資の失敗等、約二百億円の損失を出したということ等の事実については避けておきます。
 そこで、まず私が大蔵省に対して申し上げたいのは、いわゆるインサイダー取引の防止という問題について阪神相互銀行に近畿財務局長が口頭で注意をした、いわゆる灰色だという判断があるわけでございますが、口頭で注意をしたというのだが、その程度のことで本当に厳正な投資家保護あるいは不公正な取引を防止するということができるのかどうか、その点についてお伺いをしたい、こう思います。
○松川説明員 先生御指摘のタテホのインサイダー問題でございますが、この件につきましては、このタテホのインサイダー問題がうわさされた九月三日以降大阪の証券取引所の方で厳正に調査を実施したわけでございます。
 これにつきましては、調査結果につきましてはその後取引所の方から発表したわけでございますが、その結果、インサイダー取引という具体的な確証は得られなかったが、幾つか誤解を受けるようなあるいは疑惑を招くような行為があったということでございました。これにつきまして大阪証券取引所の方からも、後日阪神相互とタテホ株式会社に対し厳正な注意を行うこととしておりますが、これに先立ちまして近畿財務局の方から注意をしたわけでございます。
 それで、この問題につきまして法律の方の問題でございますが、証取法五十八条という規定がございまして、これはアメリカの法律をかなり模範としている規定でございますが、この規定について適用問題を我々といたしましても検討したわけでございます。米国におきましては、確かに判例等でいろいろと積み重ねがあるわけでございますが、我が国の場合においては規定の構成要件が極めて抽象的である等、我が国においてこの規定を活用して刑罰的な対応をすることはなかなか難しいのではないかということで、これについては今回は現段階の事実関係においてはちょっと困難じゃないかと考えている次第でございます。
○草川委員 罪刑法定主義というのですか、具体的に違反が明らかでないとなかなか告発しづらいということを言いたいのではないかと思うのですが、今も答弁の中にありましたように、アメリカのSEC、証券取引委員会というのはほとんどこれと同じ法律だと我々も聞いておるわけですが、今の答弁にもあったように非常に幾つかの判例の積み重ねがあるわけです。ロッキード事件でもそうですね。向こうのロッキードの会社の株主の立場から考えれば、なぜ海外にバックマージンを払うのか、まあバックマージンというのですか、わいろを払わなければいけないのか、その金があるならばアメリカの株主に払うべきだ、こういう主張からあれは始まったわけでしょう。だから、日本でも大蔵省証券局が投資家保護という立場、本当に証券の民主化というものの立場を貫いていくならば、この条文、五十八条の一「有価証券の売買その他の取引について、不正の手段、計画又は技巧をなすこと」だけでも私は十分やれると思うのです。何だと、親会社、メーンバンクに連絡をした、そのことだけで売るとは何事だと、簡単にこれは灰色ではなくて明らかにインサイダーだ、五十八条違反だ、私は告発をすべきではないかと思うのです。そういう中で告発をして、もし最終的に公判維持ができるかできぬかわかりませんが、そういう事態になれば積み重ねをして新しい法改正をしていくべきですよ。
 抵当証券だってそうでしょう。抵当証券でもあれだけの事件があったから、我々が国会で抵当証券問題を議論したら大蔵省は嫌がっていた、法務省も嫌がっていたけれども、ついに新しい法律ができたじゃないですか。そういう積み重ねがない限りは、五十八条をなぶるということでは手ぬるいと私は思うのです。そもそも大蔵省証券局の考え方は、株主を保護するという姿勢ではない。株主というのは、本当にお金持ちが会社をつくるという意識がまだ残っておるのではないか。今日のように大衆投資家が非常にふえてくる、日本の金融事情も変わってくる、あるいはまた一般の銀行から預金が証券界の方にシフトしてくるというような段階になれば、もっと投資家保護という立場から、早目にいけないものはいけないとクイックアクションをとっていただきたい。だから逆に、不足する法体系があるならばそれを補完する、こういう姿勢があってしかるべきではないか、私はこういう感じがするわけです。
 そういう点について、一歩譲ってこの五十八条をどのように改善するのか、あるいはその手順はどのような形で行われるのかお伺いしたい、こう思います。
○松川説明員 先生御指摘の問題でございますが、証取法五十八条につきましては、ただいま申し上げましたように構成要件が非常に抽象的である。我が国の場合には罪刑法定主義ということでございますので、やはり一般国民に対して非常に違法であるということがはっきりわかるような構成要件をつくっていく必要があるのではないかというふうな意見も学者の方々からありまして、このあたりについて五十八条自体を改正するか、あるいは五十八条の特別規定というような形でインサイダー問題についての特別の規定を設けるか、このあたりを今後検討していかなければいけないと思っております。
 それから、あと、学説等をいろいろ見ますと、これに基づきまして民事的な請求もできるような規定をつくるべきではないか、あるいはその五十八条自体をそういう刑事罰と同様に民事的な損害賠償請求もできるような規定にすべきではないか、こういうような意見もありますので、この点についても今後検討していかなければいけないのではないかというふうに考えております。
 それで、改正問題につきましては、この問題のみならず国際的に、最近アメリカとかイギリス等でインサイダー取引の規定の改正、あるいはアメリカにおいては現在上院の委員会でこれが審議されておりますが、インサイダー取引の定義化を図る動きがございまして、こうした国際的な動き、あるいは今回のタテホ化学事件等あわせ考えまして、証券取引審議会でこの問題を審議するために特別部会を設けるということを考えております。恐らく、十月十九日に証券取引審議会を開きまして、そこで特別部会の設置をしまして早急に審議をして、早ければ来年の通常国会に間に合うようなペースで改正案をまとめ上げていきたいというふうに考えております。
○草川委員 今、一つの方向が出たわけですが、あわせてこのタテホが債券先物に財テクで投資をしたということについて、ちょっとお伺いしたいわけです。
 タテホは、ワラント債いわゆる外債というのですか、新しい債券を発行しておるわけですが、それにはこういう場合はかくかくしかじかといういろいろな条件があると思うのです。本来ならば設備投資に使うというような趣旨だと私は思うのですが、そういう条件に違反をして海外先物に、財テクに利用したのではないかという疑いがあるわけですが、その点はどのように調査をなされたのか、お伺いしたいと思います。
○内田説明員 御指摘の点についてお答えいたします。
 ワラント債に限らず、通常、社債を発行いたします場合には関係者で適債基準を、御承知のところだと思いますが定めておりまして、例えば純資産規模が一定以上のものであるとか、あるいは支払い費用に対して受取利息の方が多い、何倍以上あるとかいったようないわゆる適債基準が設定されておりまして、その一定の基準をパスした場合にのみ社債の発行が認められるわけでございます。その基本的趣旨は、要するに投資家の保護に万全を期し得るような発行体に限って社債の発行を認めている、あるいはそれと同時に、既存の株主の権利を侵害するおそれのないような発行に限って認めているというのが、基本的な関係者の自主ルールになっております。それに違反しない限りは発行を認めていくということになるわけでございますが、その際に、社債の発行により調達した資金を何に使うか、この資金使途につきましてはやはりヒアリングを行っておりますが、必ずしも資金使途については絶対の要件にはなっておりません。ただし、今御指摘のように資金使途につきましては、通常は長期の資金調達ということで、やはり設備投資資金というものが中心になってきているわけでございます。
 今回のタテホ化学のワラント債の資金使途につきましては、このワラント債はドル建てで六十一年の二月と六十二年の五月、二回にわたって発行されておるわけでございますが、前者につきましては設備投資と借入金の返済、それから後者につきましては設備投資資金及び企業買収資金、いわゆる投融資関係の資金、こういうことでヒアリングを行っておりまして、事実といたしましてはそのとおりに実行されたというふうに聞いております。
 ただし、一言つけ加えさせていただきますと、このタテホ化学の場合に限らず一般に、例えば転換社債もそうでございますが、社債を発行したその発行かわり金が財テク資金に使われているのではないかという御指摘が一般的によくあるわけでございますが、率直に申しまして金に色がついているわけでございませんので、仮に社債発行による調達資金が設備投資等に使われるといたしましても、余った資金が別途流れるということは、これは皆無ではないと思っております。ただ、そこまで行政当局としてはなかなかフォローしがたいというのが実態であると考えております。
○草川委員 その問題は確かに、おっしゃるように一つの会社というもので資金を運用するわけですから、流用するところまでの責任は持てないということになるかもわかりませんが、いわゆる道義的な問題を私は言いたいわけであります。
 それと同時に、いわゆる証券会社が顧客に対してどのような親切なアドバイスをしておるのか。今現金三百万円を持っていけば先物取引では一億円の商いができる、こういう条件ですよね。しかも乱高下が激しいわけです。そういう中で私は、債券先物を昔の――昔というよりも従前どおりの、農林省、通産省所管の先物取引市場の業界が本来ならば行うべきではないか、こういう趣旨の問題提起をしたことがあるのでございますけれども、実際上は今大蔵省所管のもとに、兆からさらに京という段階にまで先物取引市場というのは広がってきておるわけでありまして、日本の関係業者の中にはなじまない点が多いのではないか。そういう証券業界としてのモラルも、顧客にもっと親切に相談に乗るべきではないだろうかという問題があるわけであります。きょうは時間がございませんので、その点は避けます。
 ひとつ、きょうは法務省刑事局に来ていただいておりますので、タテホ化学工業のいわゆるインサイダー取引疑惑について検察当局はどのような関心を持っているのか、それから二番目に、同社の小林元常務の脱税容疑事件について告発があった旨報じられているけれども、その受理、処理状況はどうなっているのか、あわせてお伺いしたい、こう思います。
○石川説明員 タテホ化学の捜査に着手したかどうか、あるいはそういった関心を持っているかという御質問でございますが、事が捜査に関する問題でございますので、関心を持っているとも捜査しているとも申し上げかねるわけでございます。
 二番目の小林元常務に対する関係では、去る十月五日に所得税法違反で大阪国税局から神戸地検の方に告発がなされておりまして、現在捜査中でございます。
○草川委員 では今度は、海外先物について同様な根底があるわけですからお伺いをしたいと思うのでございますが、経済企画庁の方に最近海外先物についての苦情はどのように寄せられているのか、簡潔にお答えを願いたいと思います。
○西藤説明員 私どもの把握しております国民生活センターに寄せられました海外先物取引に関します相談件数でございますが、これは件数で言いますと、五十九年度二百七件、六十年度四百六十六件、六十一年度六百四十九件と増加しております。六十一年度の六百四十九件は、全相談件数の約八%に当たります。ただ、六十二年度に入りまして、昨日までのところでは百五十五件というふうにやや減少しております。
 それから契約金額につきましては、五十九年度約四億円、六十年度十四億、六十一年度二十一億ということになっておりますが、今年度に入りまして約三億ということになっております。
 以上でございます。
○草川委員 相談件数なり被害というのですか金額も大分ふえておるというのが、経企庁からの答弁でございます。
 この際、警察庁にお伺いをしたいわけでございますが、最近の海外先物取引事犯の取り締まり状況あるいはまた手口等についてお伺いをしたいわけであります。
 かく言う私は、赤坂宿舎に住んでおるのです。過日、質問の準備で宿舎でレクチャーをやっておりましたら電話がかかりまして、草川さんのお宅ですかと言うのです。お宅というほどのうちじゃないんだけれども、こう言ったら、あなたひとつ油を買いませんか、こういう話で、油とは何だと言ったら海外先物だ、こう言うわけです。宿舎の電話番号がどうしてわかるのか。これは私の推察でありますが、私がたまたまデパートでワイシャツを買ってあて先を宿舎にしたので、そのデパートの名簿が先物取引業者に行った以外にはわからぬわけですね、だれにも言ってないわけですから。にもかかわらず、そういうところへ名簿が行って油を買えとかどうのこうの言い、一たん電話を切りまして、今度こっちから電話をかけると言って改めて電話をかけて、私も人が悪いので、実はおばあちゃんの遺産が三千万円ほど入ったのでどうだろう、こう言ったら、今晩夕飯をごちそうするから今から車で迎えに行きますと言うので、私実はやめた例があるのですが、そのように手口が最近は豊田商事事件絡みよりは相当巧妙になったやに聞くのですが、警察庁どのようにお考えになるのかお答えを願いたい、こう思います。
○五十嵐(忠)説明員 海外先物取引をめぐる事犯につきましては、この種事犯が一般国民の資産形成志向に巧みにつけ込みまして多大な被害を与えるという現状にかんがみ、全国警察の取り締まり最重点課題の一つとして積極的に取り組んでまいったところであります。この結果、昨年一月からこれまでに二十七事件について検挙または検挙に着手しており、これらの事件に係る被害は、被害者数で約一万一千五百人、被害総額約二百五十九億円に上っております。
 警察でこれまで検挙した事件の手口を見ますと、勧誘時に業者が電話帳などをもとに無差別に電話をかけ、会社や一般家庭を軒並みに訪問して強引に取引に誘い込むもの、あるいは先物取引であることを隠しまして、有利な預貯金のようなものであるとか、客を信用させるために豊田商事とうちは違うから大丈夫だとか、あるいは国が取引の仲介をしており絶対安全だなどと言って、うそを言って契約をとるもの、それから、資金不足の客や解約を迫る客には損計算にして仕切るわけですが、弁護士が介入したり警察に訴えるような様子があると、念書を作成して一部を返還する約束をするわけですが、最終的には返還しないといったもの、あるいは売買報告書等を顧客に送り、市場へ確実につないでいるように言って安心させるわけですが、実際は向かい玉を建てるなどにより客殺しを図り、預かった保証金等を取り込むもの、こういった手口など非常に悪質巧妙なものがほとんどであります。
○草川委員 では、今後警察としてどういうように今のような問題点を取り締まられるのか、お伺いしたいと思います。
○五十嵐(忠)説明員 海外先物取引などを初めとするいわゆる先物取引をめぐる事犯というのは、悪質商法の源流とも言えるものであるというふうに考えております。こうしたことから、先物取引に係る悪質業者を厳しく取り締まることは、他の悪質商法事犯全体に大きな効果を及ぼすものと考えられるため、警察といたしましては、今後ともこの種事犯に対し徹底した取り締まりを行うとともに、関係機関、団体との連携のもと、その実態について効果的な広報を行うなどによりまして、一般国民の被害の未然防止、拡大防止に努めてまいる所存であります。
○草川委員 農水省もお見えになりますが、時間がないので、これはちょっと話を聞くだけ聞いておってください。
 今、警察庁の方からも答弁がありましたし、私が今事例を申し上げた海外先物業者の中には、農水省が許可をしている商品取引所の取引員が現にオーナーになっているのですよ。我々が調べますと、そういう会社があるわけであります。また、かつて悪質な海外先物業者で既に逮捕されたことがある人の支配下にある取引員が行っている例があるわけであります。でございますから、ひとつ海外先物についても、自分たちの許可している取引員がそういうところに出資をし、現に支配をしておるということがないように厳重に対応を立てていただぎたいということを、これは農水省答弁結構でございますので申し上げて、次に移りたい、こういうふうに思います。
 そこで、農水省にあわせてお伺いをしたいわけでございます。
 牛乳の取引の問題でございますけれども、私は八月二十二日に質問主意書で、いわゆる大手の雪印、森永等のメーカーと全国の酪農家の団体であるところの指定団体との間の取引の総件数というものを具体的に明らかにしてもらいたい、あるいは八月二十五日の物持でも、大手三社との契約件数は何件かという質問をしておるのでございますが、その点の答弁がまだ出ておりませんので、具体的にお答えを願いたい、こう思います。
○窪田説明員 生乳に係る取引につきましては、それぞれ各メーカーが県段階におきまして県の指定団体と取引をやっているところでございまして、全乳業メーカーと指定団体との間の契約はおおむね、県ごとでございますが八百件ということになっております。
○草川委員 だから、それは大手三社との間が八百件ですか。
○窪田説明員 全乳業メーカーとの間でございます。
○草川委員 その全乳業メーカーはわかっておるので、大手三社との件数は今持ってみえるのか持ってみえないのか、明らかにしてください。
○窪田説明員 現在ちょっと手元にございません。
○草川委員 現在手元にないということは、本当にないのか、あって、きょう持ってきていないのか。私ども、何回かこれ言っているわけですね。八月二十二日でも言っており、八月二十五日の物特でも言っておるわけです。だから、三社と全国の指定団体との契約件数があるかないかということだけは、はっきりしておいてください。あれば、それは後で持ってきてください。
○窪田説明員 調べてございます。
○草川委員 それから二番目に、総取引件数のうち、今八百件だと言われましたけれども、いわゆる模範契約の例に基づく文書化というのは現在何件ありますか。細かい数字でなくてもいいのですよ。模範契約の例というのはありますね。この前、北海道の場合は基本契約という答弁だった。だから、模範契約に基づく文書化というのは何件ございますか。
○窪田説明員 完全に模範契約自体に合致しているという件数を正確には調べておりませんが、数はほとんど少ないと思います。
○草川委員 数が少ないということは、実は法律違反なんだということを我々は言いたいわけです。いわゆる酪振法という法律にあり、牛乳の取引については一元的にお百姓さんから集めてきて、県段階で一元的にメーカーと交渉して渡すわけですから、農水省としては、模範契約でこういう契約でやりなさいよと言っている。ところが大手がなかなかそれに従わないので、実は今農水省が言っておみえになるように、そういう例というのは具体的にはないわけですよ。だから、我々はその例を示せと言うが、農水省はなかなか出てこない、これのやりとりを半年間私と農水省はやっておるわけですよ。だから、唯一、最大の原因というのは、何といっても大手乳業メーカーに問題があるわけですよ。そこを私はぜひ農水省も真剣に考えてもらいたい、こう思うのです。きょうはこの程度でやめます。
 そこで問題は、九月の十八日に私が質問書を出しましたね。そのときに、松本楼というところで三月十一日、ことしの話ですよ、六十二年の三月十一日、松本楼で生産者団体と複数のメーカーが六十二年の生乳取引に関して会合を持った、この事実を認めるかと言ったら、それは認めたわけですね。その席上に農水省はいたかいないのか、それをお伺い。したいと思います。
○窪田説明員 本年三月十一日の乳業メーカーと生産者団体の社団法人でございます中央酪農会議との会合に、畜産局担当官が出席したのは事実でございます。
○草川委員 出席の事実だけをきょうは確認しておきます。
 そこで公取にお伺いしますが、雪印、森永等の大手乳業メーカーがいわゆる牛乳の脂肪率というのですけれども、乳脂肪率のグレード変更、三・二%から三・五%にアップするわけでありますが、それに伴う取引価格体系について話し合いを行ったと、今の松本楼会談のことを言うのですが、聞きますけれども、こういうような行為は独占禁止法に違反することにならないのかなるのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
○植木説明員 お答えいたします。
 御指摘の点でございますが、具体的な事実関係を把握しておりませんので、独占禁止法に違反するかどうかという点について意見を述べることは差し控えさせていただきたいのでございますが、一般論として申し上げますと、事業者が他の事業者と一緒になりまして、共同して価格や取引条件等について決定をいたしまして、それが一定の取引分野の競争を実質的に制限するということになりますと、独占禁止法違反の問題が生じると考えます。
○草川委員 今の答弁を私ども非常に大切にして、今後の生乳取引の問題についてまた繰り返し農水省に問題提起をしていきたい、こういうふうに思います。牛乳の問題は終わります。
 あと七分ぐらいしか時間がございませんが、一つ最後の問題として、これはもう真剣に通産省も、それからきょうは運輸省という形で呼んだのですが、本来ならば自治省等について意見を聞いてもらいたいことがあるのです。それは、ごく簡単に言いますと、公共投資が行われます。道路が拡幅される、あるいは地下鉄工事が始まります。道路に既存のガソリンスタンドがあります。そうすると、例えば地下鉄工事が始まる、国道が拡幅されますと、従来の既存のガソリンスタンドの構造規格を変更しなければいかぬ場合があります。いわゆる十メーターという消防法の規定がありまして、新しいタンクに切りかえなければいけない。そこで、当然のことながら、昔からガソリンスタンドは営業しておりますから、いわゆる事業主に補償請求をします。例えば国道なら国に、あるいは地下鉄ならば都道府県に請求すると、それは実は最高裁の判決がございまして、五十八年の二月十八日、最高裁は、そういうガソリンスタンドはみずからがその消防法に適合する工事をすべきであると言って、国の補償義務を免責しておるわけですね。補償が行われない、こういうわけですよ。
 だから、その地下鉄工事が始まる沿道のガソリンスタンドの業界は非常に困っておるわけです。全部自分でつくりかえをしなければいけない。私その話を聞いたときに、そんなばかなことないじゃないか、こういうことを言ったのでございますが、ひとつその点についてまず通産省に、これは具体的には名古屋の地下鉄工事に伴う話でございますが、給油所について補償請求が出されたという話、通産省どのように陳情を受けているのか、まずこの点だけ簡潔に答弁を願いたいと思います。
○鴇田説明員 ただいま先生御指摘になられました件につきましては、名古屋市の一部の給油所経営者から我が方に対しまして、地中に埋設しておりますガソリンタンクについて移転を余儀なくされておるわけでございますが、これについての補償が出ないということで大変困っておるという意味の陳情といいますか要望、どういう形で解決できるのかといった点についての陳情は出ております。
○草川委員 そこで今度、私も今いろいろと、最高裁の判決があるものですから運輸省に聞きたいわけでございますが、名古屋市のその地下鉄建設に伴って消防法令の規定によりガソリンスタンドのタンクの移転を余儀なくされた場合に、その移転補償が行われてないと聞くけれども、まずその点について地下鉄等に関係する運輸省はどのような御見解が、お伺いしたいと思うのです。
○岩田説明員 お答え申し上げます。
 本件に関しまして、当事者でございます名古屋市、直接には交通局でございますけれども、どのような状態であるかということを照会いたしましたところ、既に先生から今お話がございましたように、道路設置、何か地下道をつくったというように聞いております、それに関しまして、消防法令の規定によってガソリンスタンドの移転をやらなければならなくなったことにつきまして、移転補償に関して何か係争がございまして最高裁まで争われたそうでございますけれども、五十八年二月、今先生がおっしゃった件でございますけれども、その最高裁判決によりまして、それは、タンクの移転は危険物の取り扱いに内在する責務であって、道路側による移転補償の必要はないという内容だったと聞いております。で、この判決にのっとりまして、同市としても判決の趣旨に従っているということでございました。
○草川委員 最高裁の判決は、道路法第七十条の第一項の解釈に関するものであり、地下鉄建設に当たっての補償の取り扱いについては道路の場合と異なってもいいのではないか、こう思うのですが、その点はどのような御判断ですか。
○岩田説明員 名古屋市において、あるいは同様な立場にあります地下鉄を有している市町村もそうだと思いますけれども、特に名古屋市におきましては法律関係者、法律専門家、弁護士さんであると思いますけれども、弁護士さん寺とも相談しまして、最高裁判決の趣旨をどう解釈するのかということを検討したようでございます。そうしましたところ、この最高裁の判決というのは、道路法第七十条の解釈としてのみでなく、消防法令上、危険物の取り扱い自体に内在するその取扱者の責務を明らかにした判決であると判断しておるということでございます。したがいまして名古屋市は、この判決の趣旨に則しまして補償の有無を判断しておりまして、名古屋市、御案内のように公的な団体、公共団体でございますので、そのような立場を考えれば、運輸省としても同市にこれと異なる措置を求めることは少し難しいというように考えております。
○草川委員 今の答弁はぜひ通産省聞いておっていただいて、スタンドに関係する省庁として真剣に考えていただきたいのでございます。
 最後の質問になりますが、これは通産省ではありません、運輸省でありますが、地下鉄工事が何といっても後からなされた、ガソリンスタンドは昔から営業しておった、こういう事実があるわけでありますが、同工事に伴う周辺地目あるいは施設の損壊等については、損失補償を行うべきではないだろうかということが一歩下がっても当然のことながら出てくるわけでございますが、その点はどのような御判断が、お伺いしたいと思います。
○岩田説明員 お答え申し上げます。
 当然今のお話ございましたように、地下鉄工事に伴いまして、後から地下鉄工事が始まるわけでございまして、仮に周辺の地目に変化があったとかあるいは施設が壊れたというようなことがあった場合におきましては当然異なる対応がなされるものでありまして、このような場合におきましては当事者間で十分お話し合いを行って円満に解決していっていただきたいと思っております。
○草川委員 これできょうの質問は終わりますが、ぜひ通産省にお願いをしたいわけですが、事の経過はこれでおわかりだと思うのです。それで、唯一救われるのは、地下鉄工事が後からなされた場合の、最後の、施設の損壊等周辺地目、こういうものに変更があった場合ということが一つだけ残ったわけですね。これは唯一のよりどころになっておるわけです。今さら最高裁の判例についてどうのこうの申し上げるつもりはございませんが、これはあくまでも道路法に基づく判決ではないか。でございますから、これからガソリンスタンドを葉となす者は、そもそもガソリンスタンドというのは道路に面するところでないと営業ができないわけです。ところが、その道路というのはこれからどんどん公共投資によって拡幅されていく、あるいは地下鉄ができる、あるいは地下道ができるという場合も随分予想されるわけでありますから、これらスタンドを業とする者にとっては非常に心配な問題なのですね。だからこの心配な問題を少しみんなで知恵を出し合って業界の方々が安心して営業ができるように考えませんと、これはまさしく国政の場での議論になると思うので、よく今後の御検討を願いたいということを強く要望して、ちょうど時間になったと思うので終わりたい、こう思います。
○村山委員長 次に、塚田延充君。
○塚田委員 私は土地、住宅問題に集中してこの四十分間の質疑時間を生かさせてほしいと思いますので、当初質疑予告をいたしました通産省及び公取の関係の方はお引き取り願って結構かと存じます。
 それではまず、昨日新行革審の土地対策検討委員会から中間答申が出されましたが、総務庁はこの中間答申に対しましてどのような受けとめ方をされ、この実行についてどのような決意で臨もうとしているのか、見解をお伺いしたいと思います。
○新野説明員 このたびの十二日の答申につきましては、現在の投機的な土地取引の排除ということを中心に現行制度の最大限の活用という枠内で答申をいたしたものでございます。現在の地価の上昇過程から見まして、いろいろ基本的な検討点もございますが、当面取り得べき、政府で着手していただきたいものを中心にまとめたものでございます。
 政府の方におきましても、承りますところによりますと、この十六日には何らかの実施方針を閣議決定される運びと聞いておりますので、そうした形で答申の趣旨が織り込まれ実行に移されることを行革審としても期待しているところでございます。
○塚田委員 このたびの地価狂乱問題につきましては、各党の対策案はもちろん、各界各層からさまざまな意見が出されていることは御承知のとおりでございます。そんな中で、今度の土地対策検討委員会の中間答申は、いわば集大成みたいな位置づけになるべきはずでございました。しかしながら、私も読ませてもらいましたけれども、総花的であり、言うなれば序論中の序論で終わっているのではないか、こんな感じがして残念でならないわけでございます。とにかく、今大切なことは、もう論議することはとっくに過ぎておる。何をやるべきかということでございます。そしてとにかく中間答申が出されたわけでございます。
 そこで、国土庁にお尋ねしたいわけでございますが、この中間答申を分析、検討されて四つに分類していただきたい。まず第一は、すぐに実行に移すべきであり、かつ実行が可能なもの、二番目に、立法措置などを伴うであろうから次の国会においてそれらの立法面の措置を行うべき事項、三番目に、すぐ実行は無理だけれども実施に向けて鋭意検討すべき事項、そして四番目に、答申には盛られているけれども社会慣習その他の状況から推して絵にかいたもちに終わって実施不能じゃなかろうかと考えられるもの、これらに分析して概説をお願いしたいと思います。
○鈴木説明員 新行革審の中間答申における国土庁の所管事項といたしましては、まず「土地取引の適正化」のための措置といたしまして、「監視区域制度の機動的運用」「規制区域の指定」「地価の動向、土地取引の状況の監視の強化」「不動産業者に対する指導の徹底」などが指摘されておるところでございます。
 これらのうち、「監視区域制度」につきましては、監視区域の拡大や届け出面積の引き下げなどにつきまして現在関係地方公共団体において積極的な対応がなされておるところでございまして、国土庁といたしましても、今後ともその積極的な活用の指導に努めてまいりたいと考えております。
 次に「規制区域の指定」でございますが、監視区域の指定によります土地取引規制を行いました後においてもなお投機的な取引が集中し地価が高騰しているという地域におきましては規制区域の指定を行うべく、関係地方団体との緊密な連携と協力のもとに所要の検討、準備を行うこととしておるところでございます。
 地価の動向、土地取引の状況に対する監視の強化につきましては、引き続きその強化を図ってまいりますとともに、「不動産業者に対する指導の徹底」につきましては、建設省とも協力しながら今後とも厳正に対処してまいりたいと考えております。
 次に、「土地取引の適正化」にあわせまして、供給対策としての「大規模開発プロジェクトの推進等」「都市・産業機能の分散促進」が指摘されておるところでございます。
 これらのうち、「都心部・東京湾臨海部等における大規模開発プロジェクトの推進」につきましては、現在関係省庁などによります連絡体制が整備されておりまして、今後とも鋭意その検討を進めてまいりたいと考えております。
 また、「地方支分部局、附属機関等の政府機関の移転再配置」につきましては、審議会の答申を踏まえましてその推進体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
 それから業務核都市などの整備の点でございますが、それぞれの都市について育成すべき機能や整備構想などの調査を実施いたしますとともに、具体的な育成方策を検討、実施してきたところでございますが、今後とも関係省庁と連携をとりまして育成、整備を推進してまいりたいと考えております。
 以上のように、国土庁といたしましては、新行革審の御答申の趣旨に沿いまして速やかに実施、検討など所要の措置を講じてまいりたい、かように考えております。
○塚田委員 土地の価格、特に大都市圏、その中でも東京首都圏における値上がり状況というのは、俗に言う異常という言葉をもう超えておる。だから新聞などマスコミに躍っている活字というのは、高騰とかなんかじゃなくて、狂騰とか狂乱というふうに「狂」という字がつけられているような状況にあるわけであり、これらの対策というのは全く急を要するにもかかわらず、今ごろ序の口の議論もしくは対策を検討しているようでは全く行政の怠慢であるということで、国民の側は非常な歯ぎしりをしてその対応を見守っているところでございます。
 その対応のおくれの中で、この土地狂乱の原因、理由としていろいろなことが指摘されているわけでございますが、その中で、金融機関によります無節操とも思われる不動産融資に批判が集中していることは、大蔵省も承知のはずでございます。そして、この件につきましては、先ほど草川委員の方から質疑がなされたわけでございますけれども、そのとおり、昭和六十一年四月十六日に、銀行局長通達第八百号で、土地関連融資の自粛、半年ごとにその実行状況を報告しろというような通達を出しておりますし、十二月十九日にも、その報告期間を六十三年三月まで延長するというような追い打ちをかけているわけでございます。しかしながら、先ほどの質疑でおわかりのとおり、ほとんどその効力を発揮されておらない。
 そこで大蔵省にお伺いしたいのですけれども、私は、六カ月に一度の報告ではなまぬるい、時々刻々騒がれているあれであり、値上がりしておる、こういう状況ですから、これは一週間単位くらいに金融機関から報告を求めるべきであろう。さらには、それでもまだなまぬるい。土地関連融資については、全案件について、金融機関が融資を決定せんとするときにはその都度報告をさせる、このくらいの処置が必要かと思いますが、銀行局の御見解をお尋ねいたします。
○高橋説明員 今先生の御指摘の点でございますが、金融機関の土地関連融資につきましては、今先生御指摘のように、昨年四月、十二月、指導いたしておりまして、投機を助長するような融資を自粛するようにという指導をしてきているわけでございますが、さらに本年の七月以降、東京等地価高騰の著しい地域を特に重点を置きまして、個別の融資案件にまで踏み込んで、先ほども御答弁申し上げましたが、審査体制でありますとかあるいは融資実行後のフォローアップ体制の強化確立というような仕組みづくりというところにまで踏み込んだ指導をしてきているわけでございます。このような特別ヒアリングの実施を通じまして、金融機関の土地関連融資の厳正化につきましては、その趣旨が着実に生かされてきているというふうに考えております。
 そこで、今先生御指摘の、個別の案件ごとに届け出を義務づけてはどうかという点でございますが、金融機関の個別の融資につきまして、これは当然のことながら金融機関自身の厳正な経営上の判断において決定すべきであるという原則、これは言うまでもないことでございますし、さらに、融資案件ごとの実情、貸付け先の実態でございますとかあるいは事業計画の内容、あるいは融資対象の土地の概要、地価の水準等々、このような融資案件ごとの実情につきましては、これは最もよく把握し得るのは金融機関自身の融資あるいは審査の担当部門であることは言うまでもないわけでございます。したがいまして、私どもは、不適正な融資、投機を助長するような融資、これを厳に排除するために、こうした第一線の審査、管理というものがいかに的確に行われるかということに重点を置いて指導しておりますし、またそういう仕組みづくりというのは最も効果的な対応策であるというふうに考えているわけでございます。大蔵省といたしましては、こうした観点から、特別ヒアリングを通じまして金融機関に対する指導を一層厳しく推進してまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○塚田委員 現在の土地の狂乱状況というのは、言うなれば国民に対する犯罪行為に近いくらい国民が大変な被害に遭っておる。そういう厳しい環境を考えた場合、大蔵当局としてはもう少し厳正、機敏に、だから取引の自由であるとか、金融機関の自助努力といいましょうか、自浄作用、これに期待するのはいいかしらぬが、もう少し厳しく指導しなければ前と同じようになまぬるいということになって、国民から大きな失望の声が上がってくるのじゃないかと思います。それで、個別案件審査するのは別としても、半年に一回というのは僕はなまぬるいと思いますから、この通達、一カ月に一回ずつ報告すべきであるというふうに通達し直すよう私は強く勧告したいのですが、それについていかがお考えでしょう。これはやればできるはずです。
○高橋説明員 ただいま御答弁申し上げましたように、投機的な融資、投機を助長するような融資というものを排除する最も的確な有効な方法は、やはりいかに個別案件ごとに審査あるいはその後のフォローアップ体制というものをつくっていくかということにあろうかと存じます。
 御承知のように、土地に対する融資そのものは、金融機関が今ぜひとも進めていかなければいけない融資であろうかと存じます。内需振興でありますとか民間活力の活用あるいは住宅の振興という観点から、土地融資そのものはなお金融機関が伸ばしていかなければならない融資であろうかと思います。問題は、そういうところに向かわないで投機的なところに向かってしまう土地融資、投機を助長するようなところに向かってしまう土地融資、こういうものを厳に排除していかなければいけないというところにあるわけでございまして、そうだといたしますと、個別に銀行がいかに的確にそれを判断していくか、こういう仕組みづくりというものが最も大事であろうかと存じます。
 私ども、先ほど申し上げております七月以降特別ヒアリングで最も重点を置いておりますのは、そういう仕組みづくりということでございまして、今その仕組みづくりというものが着実に効果を上げつつあるところであると判断をいたしております。したがいまして、今六カ月ごとに報告を求めておりますが、この報告期日をより頻度を多くすることによって何か効果が期待できるということではなくて、やはり当面その仕組みづくりの効果というものがいかに発揮されていくか、特別ヒアリングを通じて引き続き監視をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○塚田委員 ただいまの御答弁のような大蔵省の御努力に対しまして、国民の名において、ぜひ実効を上げていただきたいとただお願いするのみでございます。
 さて、土地の価格というのは、本来は経済原則にのっとり需要と供給の関係で決まると考えてもいいんじゃないかと思います。その供給の増大のためには、市街化区域と調整区域の線引きの見直しを初めいろいろ提言されているわけでございますけれども、現在の狂乱状況が、特に東京首都圏において、その都心部においてオフィス需要などによって抜き差しならぬ状況に陥っていることを考えますと、この東京最都心部の土地の高度利用、これを誘導するような政策というのが一方では必要ではなかろうか。そして、これが言うなれば空間の利用という意味において土地の供給を増すことにもつながる、このように考えられます。
 ところが、現在東京二十三区内の法律上の容積率に対する充足率は三九%にすぎないと言われております。現在でも高度利用地区におきましては最低容積率を設定するとともに、都市計画の一つである地区計画において容積率の最低限度を定めることができることとなっておりますので、この制度の活用などによって、土地の有効利用を図る必要のある地域、繰り返しますが、港区、千代田区、中央区などのような都心部において、この容積率の最低限度を特別に設けて、そしていわゆる空間利用の活性化を図る。これは、別に言えば、高さを制限する、逆制限する、そのくらいの考え方をとれないであろうか。この案につきましては非常に難しい問題、両刃の剣になる面もありますけれども、この特別状況下でございますから、限られた地域においては伝家の宝刀を振るってもいいのではないかという気がするのです。これにつきまして見解をお伺いしたいと思います。
○伴説明員 お答え申し上げます。
 土地の高度利用を促進するために最低限の大きさあるいは高さを決めましてそれ以上に義務づけるという制度は、先生御指摘のとおり現に都市計画制度にもございます。一つは、高さの最低限度を決める最低限高度地区というのがございます。それから、今先生からお話がありましたように、容積率の最低限度を決めております、建物のボリュームの最低を決める高度利用地区がございます。
 これらの制度につきましては、一般的にどの市街地にも広く適用するといろいろ問題がございます。これは特殊な制度でございまして、一定以上の大きなビルをつくれ、こういう制度になりますので、零細権利者がたくさん存在するといったようなところはなかなか、例えば高度利用地区にしましても、最低の建築面積を確保する、二百平米以上ということになっております。現在二十三区内で二百平米未満の土地所有者が七四%にも上りますので、そういう零細権利者が多いところにはなかなか適用できないというようなこと。それから、せっかく大きなビルをつくっても、自分だけで使いまして、あと貸しビルとか何かにしますときに空室が出ましてその経済的リスクを負うというようなことがあっても困る。したがって、ある程度のポテンシャルのある地域でないと困るというようなことがございます。
 そこで、一般的に広く適用するというのは難しいのですけれども、我々の考えとしましては、例えば都市の防災性の強化のために、避難地とか避難路の周辺といったところにつきましては、ある程度かたいビルが高く建つということが必要でございますので、そういったところで適用するとか、あるいは都市再開発方針といいましてマスタープランを設けておりまして、その中で特に再開発を促進する地区は再開発促進地区ということで指定しております。東京の二十三区ですと、四千五百ヘクタールほど、百五十二地区、面積にして八・〇%の地区を特に都市再開発を促進する地区というふうに指定しておりますので、そういったところは民活を適切に誘導しまして、その経済的なポテンシャルが高いものですから、そういったところで大いに高度利用地区制度を積極的に活用しようということで、先生御指摘のとおりなるべくそういったところに、限られたものになるかもしれませんが、大いに活用したいというふうに考えております。
○塚田委員 次に、住宅問題について勤労者の立場からお伺いしてみたいと思うのです。
 今のように地価が高くなっていくとマイホームはますます遠くなりにけり、この遠くなりにけりというのは、距離が遠くなるというよりも、もう手が届かないところに行ってしまったという抽象的な意味で遠くなったというふうにも解釈していただいて結構かと思います。
 そんな中で、かつて千葉ニュータウン計画というものを建設省が企画いたしまして、かなり大々的なものを建設まで入ったわけですけれども、その際には鉄道路線計画など実は三つの路線を考えていたようでございます。新幹線、そして千葉高速鉄道というのですか、それと県営鉄道というのがあるけれども、結果的には一本しかできておらぬということもあって、交通の便が悪いということがあり、このニュータウン計画は当初計画から比べますとかなりしぼんでしまっておる。なぜこのようにしぼんでしまったのか。私は、交通事情にも大きな原因があったと思うのですが、建設省としてのこの問題に対する御回答をいただきたいと思います。
○五十嵐(健)説明員 お答え申し上げます。
 千葉ニュータウンは、現在、計画では十七万六千人ということで千九百三十三ヘクタールの予定で事業を推進しております。現在までのところ二〇%程度、人口からまいりますと約三万一千人といったところの推捗状況でございます。
 先生今御指摘の当初の計画とずれた理由を何と考えるかという点でございますが、千葉ニュータウンについては、御案内のように、一つは土地の取得に関しまして非常に時間がかかってしまったという原因がございます。それからもう一つ、先生御指摘の鉄道の計画のずれといったのが生じている点がございます。あと一つは、経済がかなり変わりまして、最近は非常に宅地の需要が出ておりますけれども、この数年間は比較的冷え込んでいたというような事情がございます。そういった事情がいろいろございまして計画と実績との間にずれが生じたというように理解しております。
○塚田委員 現在勤労者が自分の持ち家を持つためには、最新のデータによりますと、日本では年収の約六・三倍の金額をかけなければ土地つきの一戸住宅は持てない。東京ですと十一倍以上必要である。これが、現在の狂乱状況ですから、さらに十五倍とかそこら出さなければ買えない。すなわち、この夢を断念せざるを得ないという状況にまで追い込まれていると思うのです。しかし、それでは夢も希望もなくなった国民に対して我々政治が何をなすことができるのか、この辺からこの問題にアプローチしなければいけないと思います。
 そこで、私は、いわゆる大規模なニュータウン計画を今までとはちょっと変わった形で国家として構想すべきではなかろうか、このように提案するものでございます。
 それは、千葉ニュータウンのような三十キロ圏、五十キロ圏ではなくて、まだ土地がかなり余裕があり地価も非常に安い、都心部から百キロとか百二十キロ圏、例えば富士山ろくであるとか赤城山ろく、筑波山ろくというところには人口三十万でも五十万でもニュータウンを受け入れるだけの土地の余裕があると私は踏んでおります。しかしながら、そんなところにニュータウンをつくっても、都心に勤めるのに二時間もかかる、二時間半もかかるのでは使い物にならない。千葉ニュータウンの教訓を生かさなければいけない。となると、そこに近代技術を駆使して超高速鉄道をやって、百二十キロであっても高速ならば三十分とか四十五分で都心に達することができるかもしれない。このくらいの考え方でいわゆるニューベッドタウン構想というものを考えるべきときに来たのではなかろうかと思います。
 そうなる場合のポイントとしては、いわゆる高速輸送機関がかぎになると思います。そこで運輸省にお伺いいたしますが、話題となっているリニアモーターカーの開発状況が今どうなっておるのか。そして、特に商業ベースの運行がいつぐらいから始まると考えられるのか。そういう現実の路線について既に免許申請などが出ておるのか出ていないのか。それについてどのように対処するのか。さらに、本日のニュースによりますと、日本の某総合商社が日本よりも場合によっては進んでいるかもしれないと言われるドイツのリニアモーターカーの技術をこちらに持ってきてすぐにでもそれを商業ベースに乗せたい、このような構想もあるようですけれども、それについて運輸省はどのように把握されているか、お答えいただきたいと思います。
○山本説明員 お答えいたします。
 まず、我が国におきますリニアモーターカー・システムの開発状況でございます。リニアモーターカーと呼ばれております鉄道につきましては、現在二通り開発が進められております。高速輸送を目的といたしますリニアモーターカーにつきましては、国鉄の試験研究にかかわります業務を承継いたしました財団法人の鉄道総合技術研究所が進めております超電導磁気浮上方式というものと日本航空株式会社の業務を承継いたしております株式会社HSSTが進めております常電導磁気浮上方式によるものがございます。それぞれ開発中でございます。
 このうち、超電導磁気浮上方式につきましては、国鉄において昭和三十七年に基礎研究を開始して以来、その後開発段階に応じまして現在宮崎実験線を用いた各種の実験を実施中でございます。現在のところ将来の営業用車両の原型と申せますプロトタイプ車両による走行試験を行っておりまして、今後数年程度の期間をかけて、これは距離でございますが、五十キロメートル程度までの短距離路線での実用化を目指し技術開発を行っているところでございます。さらに本年度からは長距離路線ということでございまして、長距離路線に適応するための高速分岐装置及び変電所の制御装置等の開発に着手したところでございまして、これらの装置が開発された後にさらに宮崎実験線において実験を引き続き行うこととしております。
 一方、HSSTにつきましては、昭和四十九年に基礎研究が開始されまして、川崎の東扇島試験線におきます浮上走行の実施等研究開発が進められまして、要素技術の確立を見まして、その成果といたしまして筑波科学博等におきまして低速でのデモンストレーション走行を行っております。今後実用化を目標とした車両の開発が予定されております。
 いずれにいたしましても、両方式とも、実用化に当たりましては、今後技術的な各種の試験を積み重ね、それを通しまして安全性と信頼性等についての実証を行っていくとともに、経済性の検討も進めていく必要があると考えております。
 以上でございます。
○塚田委員 私が御提言申し上げました百ないし百二十キロ圏にそういう三十万ないし五十万という大ベッドタウンをそういう新規輸送機関と結びつけて建設するということにつきまして、国土庁はいかがお考えでしょうか。
○中野説明員 お答えいたします。
 現在東京を含めます一都七県は首都圏ということで首都圏整備が行われておるわけでございますが、この一都七県のうち、特に一都三県と茨城県南部を含めますおおむね六十キロ圏の圏域が東京との社会的、経済的な結びつきが非常に強い地域でございます。私どもここを東京大都市圏というふうに称しているわけでございますが、この中で約三千万人の方々が居住されておるわけでございます。現在東京都区部に七百七十万人の方が通勤通学されておるわけでございますが、そのうち約三百万人が東京都区部外、この東京大都市圏の中から流入出しているわけでございます。
 東京圏の整備を考えました場合に、東京都心部に依存しているという一極依存構造を改善するということがやはり大事な事柄であるということで、現在首都圏整備の課題といたしましては、いわゆる多核多圏型の圏域構造につくりかえようということで、おおむね五十キロから六十キロ圏の中にいわゆる業務核都市というものを育てまして、ここに東京の都心部に必ずしも立地する必要のない業務機能を育てていこうということで、そういう圏域構造を考えておるわけでございますが、これはとりもなおさず通勤問題あるいは住宅問題の解決にも非常に役立つものと理解しているところでございます。
 百キロあるいは百二十キロ圏域でのベッドタウンをつくったらという先生の御提案につきましては、このような一極依存構造の改善という面から見て、より集中を助長することであってはいけないという点、あるいは周辺のいわゆる自立的な都市圏づくりの上でベッドタウン化することが地域の都市づくりにどのような影響を与えるかという点も含めまして、今後検討する必要があるテーマと思っております。
○塚田委員 私が今御提案申し上げた件は、発想を逆転すればそのまま遷都、展都、分都にもつながるということを御認識いただきたいと思います。
 それではまた土地問題に戻りまして、最近の地価高騰の背景に地上げ屋とか土地転がしの介在が問題視されておりますけれども、こうした事象は土地の所有権が転々と移転してもその中間の登記をせずになされていると思われます。登記制度を所管する法務省として、中間省略登記をどのように考えているか。またその実態をどのように掌握しているか。そして、これは民法との関係があるかもしれぬけれども、場合によっては民法を変えてでも、この土地転がしを防止、抑制する一つの手段として、所有権が移転した場合には必ず登記することを義務づけるような方法に変えることができないか。総括して法務省の御見解を求めます。
○田中説明員 それではお答えいたします。
 まず中間省略登記の構造からお話ししますと、中間省略登記といいますのは、例えばAが所有しているときに、Bに所有権が移転し、それからさらにCが買ったという場合に、Aから直接にCに登記をする、そういうのを中間省略登記と申しているわけでございますけれども、私ども今登記の現場では中間省略登記というのは認めておりません。といいますのは、登記というのは、現在の所有者を表示するだけでは足りず、いわば途中の経過がどうだったかということを公示する必要があるということでございまして、中間省略登記だということがわかれば登記の現場では却下する建前で今通達を出しておりまして、その通達を変える考えはございません。
 ただ、登記の手続といいますのは、登記官というのは形式的に書類が整っていればそれに従って登記を処理しなければいけないという構造になっております。そのために、出された申請の書類から見て中間省略であるということが判断されれば却下をいたしますけれども、判断されない場合についてはやはり受理せざるを得ない。そういう意味では、登記所が現在中間省略登記を受けているのではないかという御指摘が先生からございましたけれども、私どもの方ではその実態は把握できない状況にございます。
 ただ、私の考えが当たっているかどうかわかりませんけれども、今まで私どもが聞いているところでは、中間省略登記をいたしますと、一番最後に買った人がだれにお金を払うかという問題がございまして、その中間者に払ってしまっても登記をもらえない場合があるということから、一般的には中間省略登記は今まで余り行われていなかったというふうに聞いております。ただ、今回のように税制の方でいわば中間の利得を吸い上げるとか登録免許税を高くするとかいうことになるとその中間省略登記がふえるということも予想されますので、先ほど申しましたように、私どもとしてもこの中間省略登記は原則的にだめだという姿勢は崩すつもりはございません。
 それから、先生が御指摘のように、売買があって所有権が移転したら必ず登記をするような構造にできないかという御指摘でございます。これは我が国の民法の構造とも絡んでおります。といいますのは、我が国の民法の構造は、売買契約があればそれに従って所有権は移転する、登記をするかしないかは買った人の勝手だ、ただ、買った人が登記をしなければ第三者に所有権を対抗できないということになっておりまして、例えば自分が代金を払って買っていながら登記をしていなければ、もとの所有者、登記上の名義人が第三者に勝手に転売してしまう、それが刑法上詐欺罪になるかどうかは別にいたしまして、第三者が買って登記してしまえばその第三者の方が勝つという構造になっている。そういう意味では、登記をするかどうかは現在の民法の規定上は当事者の任意に任されているという構造でございまして、その構造を変えることは民法の大改正ということになりますので、そう簡単にはできることではないだろうと思っております。したがいまして、先生の御指摘のように売買契約をしたら登記を必ず一定期間内にしなければいけないという罰則を設けることについては、やはり民法との関係がございますのでそう簡単には結論が出ないことではないかと考えております。
○塚田委員 企画庁長官がお戻りになりましたので、一つ、二つ御見解をお伺いしたいと思います。
 土地につきましては、よく私有権の制限もやむを得ないのじゃなかろうかとか、または公共財であるとかいうような言われ方をするわけですけれども、これは近藤長官個人の立場もしくは政治家の立場で結構でございますが、そもそも本来土地はだれのものなのか、これについて長官のお考えを御披瀝いただきたいと思います。
○近藤国務大臣 土地はだれのものかというお尋ねでございますけれども、土地の所有というものは憲法上も財産権として認められているものではございますが、ほかの商品と土地は違いまして、何丁目何番地はそこしかないわけでございます。ほかの商品でしたら幾らでもほかに生産できるけれども、土地というのはある意味ではもうそこしかない。そういう意味では非常に個性のある商品、物品でございますから、これを利用する場合におのずから社会的観点からの配慮がなされるべきであると私は考えております。
 したがいまして、個人の所有する土地はもちろん個人のものではございますが、社会的、公共的観点から、土地の所有権は個人であっても利用権についてはおのずからの規制といいますか配慮といいますか考慮が所有者の側においてもまた社会の側においてもなされるべきものではないか、再生産不可能な商品でございますからおのずからそういった一つの枠組みというものがあってしかるべきではないか、かように考えるわけであります。
○塚田委員 経済原則によれば、あらゆるものは価格を持っているはずでございます。言うなれば一物一価というのが原則でございますけれども、この土地の場合、国家が管理しておるような立場からすると一物四価と言われておりますけれども、一物四価というのはどういうことなんですか。どういう矛盾があると考えておるか。また、それを是正する必要があるとお考えかどうか。これは企画庁長官としてのお答えを求めたいと思います。
○近藤国務大臣 今先生の御指摘のとおり、土地に対しては、端的に言って、固定資産税評価額から、相続税評価額から、さらにはいわゆる土地取引の指標となる地価公示の公示価格、さらに都道府県がやっております地価調査に基づいて発表される地価、いろいろございますから、一物四価ではないか、場合によればもっとあるかもわからない、こういうことでございますが、課税上の評価というのは、相続税なり、また固定資産税なり、それぞれの目的で決められている評価額でございますので、そういった評価額もいわゆる一般の売買価格から無縁ではない。一応売買価格を基礎にして引き出されているものであってもそれなりの社会的、行政的目的から決められた価格でございますので、私どもは見方、考え方、行政目的によって土地の価格というものが多少変わってくることはやむを得ない面もあるというふうに考えておりますが、しかし、一般の国民の側から見ると、何かよくわからない、こういう面もございますので、その間の調整といいますか整合性等については国民の皆さんにわかる形で整理していく必要があるのではないか、かように考えております。
○塚田委員 時間が参りました。質疑すべきことをたくさん積み残してしまったわけですが、これにつきましては次の機会に譲りたいと思うのですが、この土地問題というのは今や国家的な最大かつ緊急の政治課題そのものだと思います。そこで、この緊急性にかんがみまして、十一月に予定されております臨時国会というものをこの土地問題を集中的に審議するいわば土地国会と位置づけて解決のために知恵を絞ったらいかがかということを私たち野党が提案しておりますが、近藤長官は、閣僚として、土地国会を開くべきであるという我々野党側の提案に対してどのような感触を持たれておるかお聞きして、質問を終わりたいと思います。
○近藤国務大臣 実はけさの閣議におきましても、いわゆる行革審の土地臨調中間答申なるものの発表が総務庁長官からございまして、一、二の閣僚から、この答申を踏まえてどうするんだ、中曽根内閣というのはあと一カ月足らずの寿命でございますが、その中で結論を出すのか、それとも答申は答申として実際の仕事は次の内閣にゆだねるのかという質問がございまして、この十六日に予定しております政府・与党の連絡会議におきまして政府・与党としての基本方針を出す、こういうことでございますし、その中でも、一カ月以内に、その後からもう二週間くらいしかありませんが、できることがあればやりたい、こういうのが総理のお考えでございます。
 土地問題が最大の当面の政治課題だという御指摘につきましては、私、全く賛成でございまして、立法府の国会においてもこの問題について大いに御審議をしていただく必要があると思うのでございますが、私はただいま行政府の立場でございますので、立法府においてこの次の臨時国会でどういう御審議を行われるかは立法府がお決めになることでございますが、緊急な課題であって早急に取り組んでいただかなければならない課題であるということは、その信念においては私は人後に落ちないつもりでございます。
○塚田委員 終わります。
○村山委員長 次に、岩佐恵美君。
○岩佐委員 東京都心に端を発した地価の暴騰は、首都圏全体さらには全国の大都市圏に広がり、労働者、サラリーマンのマイホームの夢を完全に打ち砕いております。都市再開発地域では地上げ屋が脅迫、暴力ざたで長く生活してきた市民を追い立て、今や都心の夜はゴーストタウン化しています。お年寄りの場合、長いことそこに住んでおられて急に新しいところに行かれるとなじめなくて命を縮める、そういう事態もあちこちで発生をしているわけでございます。地価高騰のため自治体にとっても大変です。学校、社会福祉施設、公園、生活道路などの用地取得は絶望的になっています。さらに、これまで自治体に子供の遊び場、小公園用地などを貸していた地主が、相続税が払えない、そういうことでもうこの土地を返してくださいということで、こうした用地もどんどんと消えていっている、そういう実態もあります。また雑木林、三多摩には平地でかなり雑木林がございましたけれども、こういう大都市圏に残された貴重な緑も、また相続税問題あるいは土地の買いあさり、こういう中で急速に消えていっているわけであります。
 今日の地価の高騰、これは国民の生活権を根底から揺るがす世紀の大悪政ではないかと私たちは思うわけでございます。今日の地価高騰を招いた最大の原因、これはいろいろなところで指摘をされておりますけれども、中曽根内閣のいわゆる民活路線、民間活力の導入、それから東京一点集中、こういうようなことであると言えると思います。臨調や行革審あるいは新行革審が打ち出した方針を今までそのまま取り上げて、東京における内外の大資本グループのオフィスビル拡張の要求に応じて、都市再開発を促進するための規制緩和、東京湾臨海部の再開発、埋め立てなど大規模プロジェクトの推進、さらには国公有地の有効活用、こう称して、大企業への売却、次々とこうしたことが実施をされてきました。そういう中で、東京二十三区だけで再開発促進地区が合計二百五十八地区、面積でいいますと約八千七百ヘクタール、東京丸の内、大手町のオフィス街八十五ヘクタールが百以上もつくられる、東京湾岸に幾つもの国際会議場、これが競い合う、こういうような計画の乱立となり、短期間に狂乱地価を出現させた、こういうことが言えると思います。ここにメスを入れない限り、こうした地価の問題を解決することができないと思います。
 しかし、きのうの臨時行政審議会の報告、答申は、今日の狂乱地価、これをつくり出した真の原因と責任の解明、これを避けて、投機的土地取引の規制といいながら何ら有効な具体的な対策を打ち出していない、そして大規模プロジェクト、これを推進しなさいということで、いわゆる地価の一層の高騰に拍車をかける、そういう結果を引き起こすような内容となっているわけで、これは全く国民の期待を裏切るものだと言わざるを得ないわけであります。
 今日の事態を招いた政府の責任、それから今後の対策、これについてまず大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○近藤国務大臣 今、先生からいろいろお話がございましたが、私は現在の最大の政治課題の一つが土地問題である、私たち衣食住と言いますけれども、衣食は相当足りましたが、住が足りないというのが特に大都市で仕事をしていらっしゃいます国民の皆さんの共通したお気持ちでもございまして、経済企画庁は国民生活の主管官庁でございますから、国民生活という観点からこの土地問題を考えてみよう、こういうことで、先般も物価局を中心といたしまして地価問題についての中間報告を出しました。また先般も、行革審の土地問題の特別委員会において、平均的なサラリーマンがどのくらいの値段だったら住宅の取得が可能なのか、こういうことからの発想で土地対策についての提言をいたしました経緯もあるわけでございます。
 事の本質は、ただ大都会における土地の需要と供給のアンバランスでございますから、これを解消しない限り最終的、根本的解決はない、私はかように考えておりまして、先生も御指摘がございました一極集中ではいかぬ、こういうお話でございますが、まさに私どもも、東京一極集中という経済のありようは間違いじゃないか、こういうことで努力をしてまいったつもりでございまして、中曽根内閣になってからこれが激化したという認識は私どもは必ずしも持ちませんが、そういう体制でこれまでとうとうと来たので、これを何とか今後直していきたい、四全総の発想もそうしたことであると私どもは理解しておるわけであります。
 ただ、そうは言っても、これまでの流れがそうでございますから、大勢の方々が東京周辺に住んでいらっしゃる、中心周辺に住んでいらっしゃるので、この方々たちのためにはやはりさしあたっては当面土地の供給をふやす、こういうことが臨海地域の土地造成等を初めとする供給対策でもございますし、こういう形の供給対策を進めていかなければならないし、また当面、先生御指摘ございましたような、いわば中に入った地上げ屋といいますか、そういった形の不動産の投機的な取引が、これも極端に特定の地域の地価を上げているということもございますから、これに対しては当面の規制を行っていく、こういうことで、今回の行革審の土地問題に関する中間答申も、当面緊急の措置として、そうした投機を抑制する、また規制地域を設けて地価値上げを抑える、さらには金融機関の方々の慎重な配慮もお願いする等々の答申を示したものであって、これはそれなりの十分な意味のある答申である、かように理解をいたした次第でございます。
○岩佐委員 政府の責任については、私どもだけじゃなくて、政府の内部でも大臣やらあるいは自民党の議員の方からこういう民活路線が地価の高騰を招いたんだというようなことも指摘をされているわけで、ちょっときょうは時間がありませんのでそのことの議論はまた別の機会に譲りたいと思いますけれども、しかし、用地を確保したからといって地価が下がるというものではないという、これも専門の経済学者の皆さんも指摘をしているところであります。私どもは、大企業が保有している土地については放出をすべきだという立場を取っているわけでありますけれども、そういう点必ずしも、じゃそういうもの、いろいろな供給があるからといって、それが地価が下がるということにはならないと思います。きょうはそういう意味で後で具体的に議論をさせていただきたいというふうに思っています。
 昨日の答申の中で規制区域指定について触れられているわけでありますけれども、この答申の趣旨について総務庁から御説明いただきたいと思います。
○新野説明員 昨日行われました答申におきましては、「当面の地価等土地対策」につきまして、現行の制度、施策の最大限活用を基本といたしまして緊急に講ずべき対策を提言いたしております。
 土地取引に係る規制につきましては、現行の国土利用計画法の最大限の活用を図ることといたしまして、監視区域制度については機動的な実施を図る、また、規制区域制度につきましても、その発動を前提といたしまして速やかな準備を提言しているところでございます。
○岩佐委員 昨日のNHKのテレビでも、後藤田官房長官、この規制区域の指定につきまして実施をしなければならないというような発言をしているわけでありますけれども、近藤長官、今の答申を受けて、この規制区域の指定について、けさ閣議が行われたということでありますけれども、閣議でどういう方向だったのか、また近藤長官自身この問題についてどうお考えなのか、お聞きしたいと思います。
○近藤国務大臣 けさの閣議では、規制区域をどうするだとか監視区域をどうというような具体的なことじゃなしに、この中間答申に盛られているものを一体いつやるのか、こういうことで質問が建設大臣を中心にあったわけでございます。
 私は、規制区域の指定というのは、これは暴騰するような地域の地価をここで抑えるためには必要な措置ではありますが、しかし、言ってみれば緊急避難的な措置でございまして、やはりそういうふうに地価が暴騰しないようないろいろな条件を整えることの方が大事で、その間いわば緊急避難的に抑えておこう、こういう措置であると考えておりますので、これにすべて依存するというわけにはいかない、いろいろやった上での配慮や対策が同時にきちっと行われないといけない。規制区域の指定のうちはいいのだけれども、外してしまったらまた上がってしまうようなことになったら元も子もないわけでございますので、そういう総合的な対策をするという前提で規制区域の指定というものが必要である、かように考える次第でございます。
○岩佐委員 要するに、一言で言えば、おやりになるということですね。
○近藤国務大臣 そうでございます。
○岩佐委員 金融機関の土地関連の融資についてお伺いをしていきたいと思います。
 金融機関は、今までこの委員会で議論がありましたが、一九八五年七月三十一日、八六年四月十六日、八六年十二月十九日、過去三回にわたって自粛通達が出されているわけであります。しかし、この通達が出ているにもかかわらず、土地投機はどんどん行われて地価高騰が起こっているということであります。今大蔵省は、この答申に基づいて具体的にどういう行動をしておられるのか、どういうチェックをしているのか、説明をいただきたいと思います。
○高橋説明員 金融機関の土地関連融資についてでございますが、先生今御指摘いただきましたように、昨年も通達を発出いたしまして金融機関の公共的責務というものを果たし得るようにかねてより指導してきたわけでございますが、なお地価の高騰が続いているという情勢、あるいは政府を挙げてこの土地高騰に対応していこうという情勢にかんがみまして、本年の七月以降特別ヒアリングというものを開始しております。
 特別ヒアリングと申しますのは、東京等地価の高騰の著しい地域に主たる営業地域を置くような金融機関を対象といたしまして、個々の融資の中身に立ち入りまして、融資の仕組みでありますとか、融資決定に至る仕組みでありますとか、融資後のフォローアップ体制でありますとか、先ほど来先生もおっしゃったような通達を遵守していく体制づくりというものがいかに行われているかということをヒアリングし、また指導してきたわけでございます。
 この特別ヒアリングの効果というものが着実に現在上がりつつあるかと判断をいたしておりますが、昨日いただきました答申の御提案にもかんがみまして、さらに一段とこの特別ヒアリングを強力に推進していきながら、そういうふうにしてつくってまいりました仕組みづくりがいかに個別融資の中に生きていくかということを今後とも引き続き特別ヒアリングのプロセスを通じて十分把握しながら指導をしていきたいと考えている次第でございます。
○岩佐委員 適正な土地取引が行われるように行政指導をしていくというような通達の中身になっているわけでありますが、一体この適正な土地取引の基準があるのでしょうか。この点について昨日の答申では、「監視区域内の届出対象土地取引に係る不勧告通知の確認等の効果的な基準の設定、各金融機関における審査体制の確立等について指導を行う。」そんな指摘がされているわけでありますけれども、この点、大蔵省としてどういうふうにされていくのか。
○高橋説明員 特別ヒアリングを通じまして現に排除すべきあるいは慎んでいただくべき不適正な融資ということで考えておりますのは、一つは、有効かつ適切な土地利用が図られないまま短期間に当該土地の転売を行う等の投機的な土地取引に係る融資、もう一つは、著しく適正を欠く価格による土地取引に係る融資という点でございます。さらに、値上がり後の転売を期待し、有効な土地利用を図ることなく土地の保有を続ける者に対し、借りかえや利息の元加を行う等の投機的土地取引を助長する融資、こういうような大きく三つの類型に分けまして、これはいずれも国土庁とよく御相談をした上での判断でございますが、土地取引というものの類型をそういうものと理解をいたしまして、不適切な融資の自粛というものを指導している次第でございます。昨日いただきました答申をいかに今後の特別ヒアリングなり指導なりに生かしていくかということにつきましては、ただいま鋭意検討をしているところでございます。
○岩佐委員 今価格の問題も言われましたけれども、別に基準があるわけじゃない。そういう意味では大蔵省としてもなかなか指導しにくい状態にあるだろうというふうに思います。その点、国土庁、これをどういうふうにしていかれるのですか。
○鈴木説明員 土地の投機的な取引でございますが、有効かつ適正な土地利用が図られないまま将来他に転売したりあるいはその転売差益を享受するといったことを目的として行われるものをいうものというふうに考えております。例えば住宅であるとかビルの建設といったような具体的な土地利用が行われることがないまま短期に転売されるといったようなものはその典型的な例であると考えております。
 次に、土地の取引価格が著しく適正を欠く価格かどうかといった基準でございますが、これにつきましては、国土法によります土地取引規制の価格審査におきまして採用しておる基準があるわけでございます。融資の場合におきましても、基本的には同様の考え方が妥当するものというふうに考えております。具体的には、地価公示法によります公示価格などを基準といたしまして、これに一定の時点の修正をし、さらに土地の品等の格差などによります補正を行いまして判断をしておるところでございます。
○岩佐委員 通達に基づいて半期ごとに融資の報告をとっているということでありますけれども、建設業者、不動産業者向けの土地関連融資の状況を金融の各業態ごとにちょっとお示しをいただきたいと思います。
○高橋説明員 ただいま手元にございますのは日本銀行の経済統計月報による資料でございます。御指摘は、不動産業向け、建設業向け貸出残高ということでございますので、六十二年三月の数字がここに、ございますので、申し上げます。
 都市銀行は、不動産業向けが十三兆三千九百二十五億円でございます。建設業向けが七兆二千百七十一億、合計二十兆六千九十六億でございます。信託銀行は、不動産業向けが七兆五千三百二億円、建設業向けが一兆一千九百二十一億、合計八兆七千二百二十三億でございます。長期信用銀行は、不動産業向けが四兆一千四百三億、建設業向けが六千三百七十三億、合計四兆七千七百七十六億。地方銀行は、不動産業向けが五兆二千三百五十二億、建設業向けが五兆七千五百七十三億、合計十兆九千九百二十五億円でございます。
○岩佐委員 不動産業向けの金融機関の融資というのが全体で三十兆円を超える。それから建設業向けが十四兆八千億。全体で四十五兆円ということになっているわけであります。このいわゆる個別金融機関ごとの土地関連融資、これを明らかにしていただきたいと思います。
○高橋説明員 ただいま申し上げましたのは業態ごとの数字でございますが、個別、例えば何々銀行幾らというような数字というものをもし今先生がおっしゃるのでございましたら、当局といたしましては、行政上各金融機関ごとの各種の計数は徴しているところでございますが、これらの計数は広く一般に公開あるいは公表することを予定して徴しているものではございませんで、当局がこうした数字を明らかにすることは、行政に対する信頼を失わしめ、自後の行政運営に支障を生ぜしめるおそれがあると判断できるものでございます。従来からもこのような個別金融機関ごとの計数の公表は差し控えさせていただいているところでございますので、御理解をいただきたいと思います。
○岩佐委員 大蔵省がそういう姿勢だから、国民に銀行が、金融機関が信用を失うような事態を引き起こしているのだということが言えると思うのです。
 委員長、ちょっと私の調べた資料をお配りをさせていただきたいと思います。
 これは、私自身が調べた各銀行別の貸付残高であります。見ていただいておわかりのように、個別銀行全部わかるわけであります。有価証券報告書を見ればわかるのです。秘密にも何にもなっているわけではないのです。
 それで、第一勧業銀行の例えば五十九年三月、貸出先数は三千八百四十七件、残高は五千五百九十七億であります。それが六十二年三月になりますと、五千九百八十に貸出先数はふえます。一・五五倍であります。そして貸付残高も一兆五千九百億円を超える。まさに二・八四倍になっているわけであります。富士銀行、六千二百八十三億五千四百万円、それが六十二年の三月になりますと一兆七千六百三十七億六千八百万円、二・八一倍であります。住友銀行、六千五百十二億三千九百万円、それが一兆六千六百四十一億一千三百万円、二・五六倍。三菱銀行、五千七百十億一千百万円が一兆五千三百六十七億二千四百万円、二・六九倍であります。三和銀行、六千六百五十八億五千万円が一兆五千三十一億九千七百万円、二・二六倍であります。それから東海銀行が四千四百四十億四千三百万円から七千九百八十二億一千百万円、一・八〇倍。三井銀行、四千四百八億九千四百万円が二・六三倍。あとはちょっと見ていただきたい。太陽神戸銀行、東京銀行、協和銀行、大和銀行、埼玉銀行、北海道拓殖銀行、ずっとこれを見ていただきまして、二・三〇倍、三・五八倍、二・〇五倍、一・七三倍、一・七五倍、一・七〇倍ということであります。
 それから信託銀行につきましても、三菱信託から始まって住友、三井、安田、東洋、中央、日本ということで、これらも五十九年から六十二年三月まで大変ふえております。それから長期信用銀行についても同じであります。
 大蔵省の出された資料と信託銀行について少し数字が違うわけでありますけれども、これは、大蔵省の数字には信託銀行には全国銀行信託勘定が含まれている。そういうことで、私どもの数字にはそれが抜けているのでこのトータルが違うということになっているわけであります。
 このように個別に見るとこれだけのひどい実態がリアルに明らかになるわけであります。大臣、こういう点、私どもが調べたってわかるようなことを、業界の行政に対する信用を失うからこれは出せないんだというようなことで済まされる問題ではないというふうに思いますけれども、公表することが国民の監視を強めるということにもなるわけですから、ぜひ促進をすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○近藤国務大臣 大蔵省の銀行課長が申しましたように、大蔵省が行政職務上いろいろ知り得た個別企業の情報を一般に公表することはやはり行政の円滑化の点から慎重でなければならない、かように思いますが、先生おっしゃるように、一般に公表されております有価証券報告書ですか、そこから数字を拾うことはそれは当然のことでございますし、これは公表したものでございますので、先生御苦労さまでございました。
○岩佐委員 御苦労さまでしたじゃなくて、政府がやっていただきたいのです。
○近藤国務大臣 大変私も参考にさせていただきますが、ただ、最近のまさに内需振興というのは、やはりいろいろ住宅であり、ビルであり、公共施設でございますから、各金融機関もそうした土地やさらには建設業界に対しての融資の額もシェアもふえること自体は、まさに内需拡大の最近の経済パフォーマンスというものを考えると、そういったパフォーマンスを銀行の貸し出しという形であらわしているというふうな理解もできると思うわけでございますが、ただ、先生御指摘のような、余り質のよくないような土地転がし的なものに対する融資というのがあるとすれば、これは厳重に自粛してもらう必要がある。かように考えております。
○岩佐委員 大臣、歯切れが悪いのですね。私が調べてもすぐわかるようなものを、やはり必要なときに必要な措置をとるということで、おやりになると一言言っていただければそれで済むわけで、時間の節約にもなりますので、ぜひそうしていただきたいというふうに思います。
 土地の担保の評価、これは通常固定資産税評価台帳や路線価の七〇%というような銀行の内部規定によって評価されているというふうに聞いているわけでありますけれども、根抵当権の設定はどういう基準で行われているのでしょうか。
○高橋説明員 個別の銀行が担保を評価するあるいは根抵当権をどのような基準で設定するかということは、それぞれの銀行が経営判断として自主的に決めているものであると承知しております。
○岩佐委員 今の資料の一番最後についているのですが、港区浜松町一丁目百三の十三、三十六・三六平方メートルの土地のことでありますけれども、この土地は三筆に分かれていて、百三の十五、百二の三十三、この三つになります。この合計が百七十・四七平方メートル。この土地を東海観光株式会社が六十一年から六十二年にかけて買収をしているわけです。これに太陽神戸銀行が八十億四千万円の根抵当権を設定しています。実に一坪当たり一億五千五百万円の極度額になるわけであります。ここは汐留再開発の隣接地域であります。今一番大きな問題になっているところの一つであります。こうした都市再開発を当て込んだ大企業の土地投機、これを大手銀行が過大な根抵当を設定して支える、これは大問題だと思います。これは是正をされるべきだと思いますが、この点はいかがでしょうか。
○高橋説明員 個別銀行の個別融資に関する御質問でございますので、この場でお答えをするのは差し控えさせていただきたいと思います。
○岩佐委員 個別銀行の個別融資ということでありますが、一般論としてこういう事態があった場合は大問題になるのじゃありませんか。
○高橋説明員 一般論といたしまして、先ほども御答弁申し上げましたように、銀行がみずからの債権を保全するために担保をどのように評価しどのように根抵当権を設定するかということは、銀行の経営判断として個別に判断して行われるべきものというふうに判断しております。
○岩佐委員 そういうことだからどんどんと地価がつり上がるということになるのじゃありませんか。だから行政指導を七月から行ってそういう面もいろいろと是正をしているというふうに理解しているのですけれども、その点はどうなんですか。
○高橋説明員 先ほど近藤長官からもお話がございましたように、銀行の土地融資あるいは不動産融資そのものは、現在内需振興でありますとか住宅振興、あるいは民間活力の活用等々、ぜひ伸ばさなければならない融資であろうと判断しております。それが投機的な融資に、投機を助長するような形で向かうということは、国民経済的にも大きなマイナスになることでもあり、公共機関としての銀行の責務を果たすために自粛すべきであるというふうに考えております。したがいまして、私どもの指導は、銀行が個別融資をいたしますときにどのような基準でその融資を判断し、その融資後のフォローアップをどのような基準で行っていくかという仕組みつくり、これに重点を置いて指導をしている次第でございます。
○岩佐委員 近藤長官、今大蔵省が七月からいろいろ特別ヒアリングを行っている。ところがこの太陽神戸銀行の融資は、八月の七日に二十五億の根抵当権が設定されていることになるわけです。今のようなことではちっとも展望がないわけですね。幾ら答申が出たって、政府が気張ったって、今の大蔵省の姿勢ではどうにもならない、私はそういうふうに思うわけであります。
 次に、時間が限られてきているのでまとめて近藤長官からお話をいただきたいと思いますけれども、西新宿八丁目の場合をちょっと示したいと思います。これは土地転がしの例であります。
○村山委員長 時間がありませんので、要点をまとめてください。
○岩佐委員 この土地転がしについては、このようにフジタ工業、フォレスト企画、公保、武富士、共立エステートという格好で転がされています。一八一−二〇七の例の場合には、最初は五十八年四月十六日に初穂、それから仮登記が地産トーカン株式会社、五月十日に行われ、七月一日にフジタ工業が正式に登記して、九月十八日にフォレスト企画、それから六十年九月十七日に公保、六十一年十一月十九日に武富士、こういうふうに転がされているわけであります。この中で「真正な登記名義の回復」という言葉が出てくるわけでありますけれども、これについてちょっとお伺いをしたいと思います。
○田中説明員 私の方からお答えいたします。
 真正なる登記名義の回復といいますのは、例えばAからBへ所有権の移転登記がされましたときに、AとBとの間の登記はされておりますけれどもBの所有権は間違いだった、本当はAの所有だったという場合の登記の回復の手続でございます。一般的には、そういう場合にはAからBへの所有権移転は無効でございますから、その登記を抹消しましてA名義の登記に戻すというのが本則でございますけれども、例えば民法の規定の中に、虚偽表示による無効の場合には善意の第三者に対抗できない、それから詐欺による取り消しの場合にも善意の第三者に対抗できないという規定がございまして、その場合に、例えばそのAとBの所有権移転の間にBが抵当権をつけているというような事案がございます。そうしますと、その抵当権者は善意でございますと抹消に対しては不服申し立てができるということになりますので、その抵当権を残したままもとに戻す方策としてはどうするかという登記技術的な問題がございまして、そういう場合にこういう真正なる登記名義の回復という手続でBからAへ所有権を移転するということが行われているわけでございます。
 先ほど申しましたように、それは一種の中間省略的な登記でございまして、本来は抹消するのが原則でございます。そういうことで、原則的には法務省といたしましては真正なる登記名義の回復というのは余り認めたくないのでございます。実はこれは沿革がございまして、裁判所の判決では大正八年からこういう登記を認めるということが出ておりましたけれども、裁判所がそういう判断をしましても登記所の方でこれを認め出したのは実は昭和三十六年、ようやく判決によるそういうものでも認めようかという話になり、それから三十九年になってから登記の申請でも認めるような格好になったわけでございます。
 以上でございます。
○岩佐委員 この真正な登記名義の回復というのは、言ってみればアクシデントが起こったときに利用される、そういうもので、だから税制上の措置があると聞いているわけでありますけれども、大蔵省、その点ちょっと説明してください。
○細田説明員 税制上の措置というふうに先生あれでございますけれども、今の御指摘はそういうふうな登記があった場合に課税当局としてどういうふうに対応しているか、こういうことから私どもの方からお答えいたします。
 税務の立場からしますればすべての登記が正確に行われるということが望ましいわけでございますが、現実には正確に行われない場合もあり得るということで、御指摘の真正なる登記名義の回復のための登記、これがあった場合には、登記の背後にある不動産取引の実態を解明する、その実態に応じた課税に努めておるというところでございます。
 具体的に申しますれば、不動産の所有権移転登記が全くの誤りに基づくものであるというふうな場合には、当初からその所有権移転はなかったことになりますから、特に課税関係は生じないということでございます。逆に、その真正なる登記名義の回復登記が、実際は不動産の譲渡などによります所有権の移転があったにもかかわらずその事実を隠ぺいするなどのために行われたような場合には、その実態に応じて課税を行うということになります。
○岩佐委員 時間がなくなりましたのではしょって質問しますが、悪用されればチェックできるのかというと、現在できない状況にあるわけであります。
 この例は、フォレスト企画から公保へ、公保から武富士へと土地が移転されるときにこの方法が使われています。まさに不正な手段を用いた税逃れであるというふうに言わざるを得ない事態であります。しかも、その裏に、この一覧表を見ていただいてもおわかりいただけるように、安田信託銀行が絡んでいる、あるいは千代田生命が絡んでいる、三井生命が絡んでいるということで、大手の保険会社が絡んでいるというふうに指摘をせざるを得ないわけであります。しかも、この武富士というのは有名なサラ金の業者でございます。
 このように、生保だとかサラ金だとか、そういう業者絡みで土地の転売、転がしが行われる、しかも登記の上で不可解なそういう手段が用いられる、こういう状況が生まれているわけであります。ですから、大蔵省が先ほどからいろいろと対策を講じていると言っても、なまぬるいという同僚議員の指摘がずっと繰り返されているわけでありますが、具体的にこれ一つとってみても非常になまぬるいと言わざるを得ないわけであります。
 そこで、こうした事実を踏まえてどう対処をしていかれるのか、最後に大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
○近藤国務大臣 先生からいろいろ御指摘ございましたが、昨今のような異常な地価騰貴を何としても鎮静をする必要がある、こういうことで大蔵省も銀行局長通達をして、そうしたことにあずかるような融資については厳重に自粛するように、こういうことを言っているわけでございます。
 先生の資料、今来たばかりで詳しいことはわかりませんが、先生のお話のようなことだとすれば問題ではございますので、なお一層大蔵省としてこのような土地に関連する融資については厳重に自粛を関係者に求めるようにさらに私としても要請をいたしたい、かように考えております。
○岩佐委員 済みません、時間がなくなりまして、関係省庁お呼びしてあるところ、自治省などお呼びしてあるところあるのですが、きょうの質問はこれで終わらせていただきたいと思います。
 最後でありますが、今大臣から大変前向きな答弁をいただいたのですが、この具体的事実についてぜひ調査をしていただきたい、このことをお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○近藤国務大臣 個別の事業の実態についていろいろ取り上げもことにつきましては必ずしも好ましいものではない面もございますが、あえて先生からこうして具体的な数字に基づいての御指摘がございましたので、この問題については検討をさせたいと思います。
○岩佐委員 終わります。ありがとうございました。
○村山委員長 次に、牧野隆守君。
○牧野委員 きょうの委員会は国会閉会中の特別の日でございますが、長官はこの次の新内閣におきまして留任されるか、また重要閣僚になられるかわかりませんが、少なくとも中曽根内閣の重要経済閣僚とされまして大変御活躍になり、国民の生活の安定のために大変な御努力をなされたことにまずもって心から敬意を表させていただく次第でございます。
 しかしながら、長官も非常に残念だろうと思うわけでございますが、最近の土地の値上がりは実は御承知のとおりでございまして、私どもも非常に現在の情勢の変化を心配いたしているところでございます。ただいま政府、また我が自由民主党内部におきましても緊急の土地対策につきまして連日論議が行われており、過日土地臨調の中間報告がなされたわけでございますが、これはあくまで当面の対策でございまして、これらによって国民の皆さんが大丈夫だなというような、御安心をいただけるようなところまではまだ行っておりません。そういう点で、まだ中間報告の段階でございまして、これから私どもは政府とも十分協議いたしまして諸般の対策を講じなければならないと思っております。
 そういう状況にございますので、きょう私が質問させていただきますのは、確かに今回の土地価格の上昇は、前のオイルショックのときに、諸悪の根源は商社だ、こういうことを言われて大騒ぎしたわけですが、今回の犯人はだれかということはわかりませんが、金貸しと不動産屋かな、こんな感じでございます。しかし、何らかの緊急措置を含めて恒久対策を我々は講ずる責任があるわけです。前のときと違いまして今一番気になりますのは、政府の施策よろしきを得まして、特に中産階級の皆さん、勤労者、サラリーマンの皆さんが、自分の生活は中の上ぐらいに位置するかな、これでまじめに働いておればいずれ家も持てる、こういう気持ちでおられたわけでございますが、最近の情勢を見ますと、もうこれは一生涯働いても家を持つことができない。現に政府で働いている若い官僚の諸君も、公務員宿舎へ行ってみますと、実際は本当にウサギ小屋でございまして、その玄関は普通の家の勝手口と同じ、こんなことで政策ができるのかいなと個人的に私自身非常に心配しているわけでございまして、国民生活の安定、向上を責任とする経済企画庁におきましては、今回の土地問題と関連いたしまして、サラリーマンの皆さんに一生涯、一生懸命まじめに定年まで働いたら、必ず家が持てる、お子さんが二人くらいになりまして、中学、高校に行くということになったら、やはりマンションであれば三LDKくらいの部屋は自分として持てる、ちょっと遠いところだったら、狭いながらも例えば五十坪のところへちゃんと小さいながら家を建てることができるという、こういう安心感、これを経済企画庁としてははっきり政策目標として出すべきではないか。そういう観点から我々も努力いたしますが、今回の土地問題に対処するあり方としまして、そういうきちっとした目標を立てて、これについてはどうするか、こういう手段を講じますよと高らかに国民の皆さんの前に宣言をしていただいて、そのために政府、関係各省、全力を挙げてやっていただかなければならない。長官の最後のお仕事とされまして、ぜひ有終の美を飾っていただきたい。そのために今度の土地問題に対して具体的に、特に私のお願いでございますが、こういう考え方から経済企画庁として格段の努力をしていただきたい。長官のお気持ちを拝聴させていただきたいと思います。
○近藤国務大臣 経済企画庁は、我が国経済の運営に責任を持っている官庁でございますが、同時に物価の安定そして国民生活の安定向上というものを主管している役所でございますので、その国民の生活に最も重大なのは物価であり、そして今や土地の値段だ、こういうことでございますから、先般来物価局を中心として土地問題に取り組んでもらいまして、七月には地価問題に関する中間報告をまとめてもらいまして、先般は、ここでもたびたびお話し申し上げておりますように、行革審の土地問題特別調査会に経済企画庁としては、首都圏で平均的サラリーマンが自分の力で持てる土地というのはどれくらいの値段のものかなという、こういう考え方から一つの政策提言をまとめて御報告させていただいたような次第でございます。
 同時に、実は国民生活審議会の中に住生活特別部会というのをつくっていただきまして、ここで日本建築学会の会長芦原先生を部会長にお願いをいたしまして、どうしたら国民の住生活の改善向上、充実ができるかということについて実はこの八月以来真剣に御審議を賜っておりまして、この住生活特別部会におきましても、住宅対策に対しての緊急提言を近々中にまとめていただく。そして、いよいよこれから予算の時期に入りますし、また来年の税制改正をどうするか、こういった議論が党の内外、そして政府の内部においても行われるわけでございますので、中曽根内閣、私どもの内閣としてはもう十月の初めに退陣することになってございますが、どなたが新しい内閣を組織され、どなたが経済閣僚になり経企庁長官になっても、この問題には真剣に取り組んでいただけるような体制だけはきちっとしてまいりたい、こういうことで今努力をしている次第でございます。
○牧野委員 私が特にサラリーマンの皆さんの住宅問題、特に大都市における住宅問題を心配いたしますのは、今持っておられる方は、確かに土地も値上がりいたしまして、相続税をどうするとか、あるいは固定資産税をどうするとか、これも非常な問題でございますが、それ以上に、いわゆる持つことが不可能だという方々、特にサラリーマンの皆さんは余り政治的にも大きな声を出されません。本当に声なき声でありますし、こういう方々が戦後の日本をこれだけ強く、またすばらしい国にした。大きな貢献をなされた方々でございまして、こういう方々が生涯家を持てない。奥さんや子供に、もう家は間借りで小さいところ、まあ自動車くらい買って土曜、日曜にちょっと近くのファミリーレストランに行って御飯を食べてそれで我慢しろということでまた自分のところに帰ってくる。こういう状態が長く続きますと、やはり階級意識と申しますか、長い間にそういうことが当然出てくるわけでございます。やっとここまですばらしい国家にした我々としまして、将来の後継者を国内において階級意識を持つような形に追い込むということは政治として絶対に許されないことではないか。単なる杞憂であればありがたいわけですが、今の情勢を見ますとそういうことは考えられないわけでございまして、きょうはそういう心配を持ちながら、今の住宅政策がどの程度まで考えておられるか、これをしばらく御質問をさしていただきたいと思います。
 その前に、経済企画庁が発表されたかどうか知りませんが、過日新聞等に出ました、昭和五十八年くらいまでは大体三千五百万円くらいお金を用意できれば何とか家を持つことができた。もちろんこれは会社の場合は会社からお金を借りる、あるいは労働省が進めておられる財形貯蓄を利用される等々のことで、企画庁の説明によると、昭和五十八年くらいまでは大体三千万円から三千五百万円までの資金が調達できれば小さいながら我が家を持つことができた、こういう説明をいただいたわけですが、そのとき、どういう所得形成の中で、例えば家は坪四十万円なら四十万円と決まるわけですから、そうすると残りの分が土地代になるわけで、そういう計算からいくと、じゃ五十坪なら五十坪とした場合に、一坪の価格、一平米の価格はどれくらいになるのか。新聞記事によりますと、何か十五、六万円から二十万円というような数字が出ておりました。これは単なる計算だろうと思いますが、そこの御説明をひとつ賜りたいと思うのです。
○冨金原説明員 先ほど大臣も申し上げましたように、私どもの問題意識も先生と全く一緒でございまして、まじめに働いたサラリーマンが家を持てるようにというふうに考えた場合の土地政策は必要であろうという観点でいろいろ検討を進めたわけでございますが、一つの試算といたしまして、四十歳代の前半の中堅の勤労者が通勤可能距離で家を持てるための計算をしたらどういうことになるかという試算をしたわけでございます。
 結論から申し上げますと、今、先生がちょっと御指摘になりましたように、こういった人たちが購入可能な住宅の値段というのは大体三千万円程度ではないかということでございますが、これは年収が四十一歳から四十五歳くらいの人は約五百八十八万、ざっと六百万でございますが、この年収で実際に、借り入れはできるわけでございますが、返済ができるというものを計算いたしますと、この人たちの貯金が年収の大体一・五倍くらいでございます。したがって、金融機関では大体三・五倍くらい貸してくれるということで計算ができるわけでございますが、要するに六百万で貯金と借り入れの三・五倍を足しますと大体五倍、つまり年収の五倍くらいの家ならば、決して楽ではないのでございますが、返済もしていけるだろう、そういう試算をいたしたわけでございます。そうしますと、六百万の五倍ですから三千万程度という計算が出てまいります。
 その年収でどれくらいの家を持つかということでございますが、一応建設省の住宅の長期計画というのがございまして、家族四人で都市における誘導居住水準、誘導と申しますのは、今は難しいわけですが将来の目的としてこれくらいの広さの家を持ちたいという目標がございますが、これが大体延べ面積で九十一平方メートルくらいだ。敷地をどれぐらい見るかということでございますが、大体百二十平米くらいという計算をいたしまして、そういう敷地に家を建てる。建築費が大体千二百四十万円くらいですか、残りが土地代に充て得ることになるわけでございますが、それを一平米当たりに割り直してみますと、大体十四、五万という計算が一応出てくるわけでございます。
 以上が試算の根拠でございます。
○牧野委員 建設省の方にお伺いしたいのですが、建設省、今住宅公団で積極的にいろんな住宅を建設されているわけですが、現実に今経済企画庁が言っているようなそういう形で住宅公団は住宅を供給できるかどうか、できないとすればどこに問題点があるか、概略だけでいいですが、またそうできるように、どういう問題点があって、どういうところを検討中かということをひとつ御説明いただきたい。
○丸田説明員 御質問、全部お答えちょっとできかねるのでございますが、住宅公団の六十一年度の新規の分譲住宅でございますが、これは集合住宅でございます。これは全国平均しておりますので、ちょっと首都圏なんかの場合には違ってまいりますが、六十一年、集合住宅約三千万、専用面積が九十五平米、ちょっとこれは全国平均でございますので、首都圏なんかはもっと小さくなります。ちなみに申しますと、六十年度が、全部平均でございますが、約九十平米で二千九百万、これが集合住宅の分譲即金価格でございます。
○牧野委員 では、その場合に、住宅公団の場合その敷地についてはいろいろ手配をして土地価格も当然その中に入っていると思うわけですが、この住宅政策については、今回の中間報告等でも、例えば公共用地の利用だとかこういうことが強く言われているわけですが、土地が高くなったわけですから、安くしろという方法と、うんと住宅を建てて需給関係を緩和することによって間接的に土地の値段を下げるということもこれは当然考えられるわけで、今後住宅公団として、政府の公共用地、こういうところをどんどん確保してそこに建物を建てて安く供給するというような考え方、これから議論されるのかどうかわかりませんが、そういうことは住宅公団に対する建設省の政策として考えておられるかどうか、お伺いしたいと思います。
○丸田説明員 住宅公団も賃貸住宅、分譲もいたしておりますが、現在一番苦労しておりますといいますかネックは、土地の取得でございます。今回の行革審等の旧国鉄用地とか国公有地の転売禁止といったようなこともございますが、住宅公団としましてはその辺のところも大分当てにしている部分もありていに申し上げてあるわけでございますが、住宅公団のために建設省として土地の取得について特に力を入れるというような施策はとっておりませんが、全般的な施策の中で、住宅公団としては良質な低廉な住宅を供給するというのが目的でございますので、多方面からそういう目的を少しでも成就できるようにいろいろと努めておるというのが実情でございます。
○牧野委員 今度は労働省にお伺いしたいのですが、例の財形貯蓄、勤労者の持ち家制度というもの、これはドイツで施行されまして、私が在勤中にちょうど同僚であった労働省出向の適正一等書記官が、これはいい制度だ、ぜひ日本でやらにゃいけないということで非常に御苦労になってつくられた大変すばらしい制度であるわけです。ところが、それがうまくいっているかどうかということをお伺いしますと、相当の金額が集まっているのだけれども、住宅に対する融資というのは非常に少ない、こういうことを聞いたわけですが、その実情をひとつ御説明いただきたいと思うのです。
○坂本説明員 ただいまの御質問の件ですが、勤労者財産形成の貯蓄の方は非常に順調に伸びておりまして、預金残高で大体十二兆円程度ございますが、これに対しまして住宅用の融資、これにつきましては、昭和六十一年度で申しますと大体一万五千件程度、これまでの累積で見ましても四万八千戸程度でございまして、貯蓄残高に占める融資の比率と申しますのは大体三%程度ということになっております。
○牧野委員 今わずか三%というりょうりょうたる実情でございますが、これについてはまだそれぞれ個人の立場から見まして預金の金額が少ない。例えば十倍までは貸せる、こういうことですから、三百万円たまれば三千万円は融資していただける。今までのベース、五十八年度ベースであれば、借入金額は相当の金額になりますが、何とか家は持つことができたわけですね。普通の場合に、家族の協力もあるだろうし、遺産相続もあるだろうし、それくらいの貯金もあるだろうし、何とかこの制度で家を持とうとすれば持つことができる。その場合に会社等も持ち家制度のいろんな融資制度をとっておりますから、あれやこれやすれば家を持つことができる、こう私は考えるわけですが、なぜ少ないかというのは、個人の貯蓄額がまだ極めて少ないということが理由なんでしょうか。少ない理由を説明してください。そして、それに対してどういうことを考えておられるか、それもあわせて御返事いただきたいと思います。
○坂本説明員 確かに財形の住宅融資制度というのは、公的な融資制度としては、私どもとしては改善にずっと取り組んできておるわけでございますけれども、これまで利用が少なかった理由といたしまして、一つは金利が必ずしも低いということはこれまでのところなかったというようなことですとか、手続が住宅金融公庫などに比べまして若干煩瑣なところがある。それから事業主を通じて勤労者に貸すというような転貸制度というのを原則にしているというようなことですとか、それから先ほど先生御指摘のように貯蓄の残高が必ずしもまだ成熟し切っていないということもございまして、それとPRも必ずしも十分ではなかったということがいろいろあったのだろうと思っております。
 私どもとしましても、その勤労者の財形制度の大きな柱と申しますのはまさに勤労者の持ち家取得の促進でございますので、これをできるだけ支援するために、ことしも通常国会及び前回の臨時国会で財産形成法を二度にわたって改正をお願いいたしまして、住宅融資の要件の緩和ですとか、それから融資できる金額の最高限の引き上げですとか、そういうことでいろいろ改善に取り組んでおりますし、また融資枠も、予算的にも今年度は雇用促進事業団分だけでも三万戸、三千億円ということで確保いたしておりまして、現在いろいろPRに力を入れてこの利用促進を図っているところでございます。
○牧野委員 今答弁にございましたように、金利が高いとかあるいは手続が煩瑣だとか、また、各省から説明を受けますと、各省間の権限調整がなかなかうまくいかない、みんな気持ちはあるんですが、その調整が十二分にいかない。あなたはどこに住んでいるんだ、公務員宿舎だ、少しは家族のことを考えたらどうだと、そういう政策を担当する方々が、それはもう世の中に勤労者はいっぱいおられるわけで、そういう立場に立って、大蔵省であろうが国土庁であろうが建設省であろうがあるいは労働省であろうが、みんなのためになるんだ、こういう気持ちで十二分な調整がどうも必要じゃないかというのも実は私の受けた印象でございます。
 したがって、長官にこの際お願いをいたしたいわけですが、先ほど私が申し上げましたとおり大変な政治問題でございまして、関係各省いろんな意見があろうかと思いますが、やはりそこは大乗的見地からどこかできちっと調整をしていただかなきゃならない。これは長官に閣僚としてぜひそういうことをはっきりしていただきたい。そして、経済企画庁として、先ほど申しましたとおり、例えば具体的に一平米大体十五万円か二十万円と、そこまでの数字を出していいかどうか、これは政府の御判断にお任せしますが、四十歳前後のときには皆さん家を持てますよ、大体年収これくらいで平均的なサラリーマンで必ず家が持てます、こういうようにはっきりその政策目標を明言していただいて、安心していただける、そのために政府各省一致協力してこの問題に対処する、こういうようにぜひその活動をお願いいたしたいわけですが、長官の御返事を賜りまして、私の質問を終わらしていただきたいと思います。
○近藤国務大臣 いわゆる勤労者財産形成貯蓄制度というのは、先生の御指摘にもございましたように、かつて日本大使館のボンのレーバーアタッシェだった適正さんが考えられて、実は私個人的なことでございますが、家内のおやじが労働大臣時代に適正さんが官房長でおられたわけでして、そして今国会議員になっている大坪君が国際労働課長をしておられました。私は大臣秘書官をしておりまして、そこでいろいろ労働省の幹部と相談をして野原労働大臣時代に実は国会の御承認をいただいた法案でございまして、私としても大変に強い関心を持っている制度でございます。
 今先生の御質問を受けて労働省の御発言があったわけでございますが、住宅融資額が三%ということで、これはいささかちょっと額としては低いではないか。今やこれだけ住宅ブームになっておりまして、公庫融資やまた一般の金融機関も積極的な住宅融資をしている。低金利の状況の中でやっていて、八月などは住宅新築件数が今の率でいうと百八十万戸を超えるぐらいの大変高いピッチで進んでいる中で、せっかくの勤労者財産形成貯蓄の住宅に対する融資利用額が三%では一体どうなっているのかという気持ちを今承って率直に感じたわけでございます。
 先生の御指摘もございましたように、せっかくのいい制度がなぜもっと適切に活用できないかということについて、労働省は労働省として、また関係者それぞれいろいろ考えてのことだと思いますが、なお労働省側から説明もございましたような点につきましても政府として積極的に取り組んでまいる必要がある、かように考える次第でございます。
 私は最近日本経済の国民化または国民生活化という言葉を使っておるわけでございますが、世界に冠たるこれだけの経済力でございますし、日本の貿易収支の黒字、昨年一つ考えてみても一千億ドルですから、一千億ドルというのは円でいうと十五兆円ですね、十四兆円、十五兆円、これくらいの商品を日本の経済は生産をして、そしていわば海外に吐き出しているわけですね。それだけ余裕があって、その結果が今貿易収支、貿易摩擦であり、アメリカのジャパン・バッシングになっているということを考えますと、十五兆円という金を外へ押し出さないで国内で使ったらどうか。日本の住宅投資が大体十五兆くらいのものですね。その貿易黒字を外へ持っていかないで国内に戻して、そして住宅や関連施設にそれをつくりかえるといいますか、そういうように日本の資源を再活用することができたら日本の住宅投資というのは一挙に倍増するわけでございますから、大変なことであって、まさに今日本国はそういう時期に来ている。衣食住といいますか、衣食は走って、まさに住及びその関連の社会資本の整備に全力を挙げ、日本経済の力をそのためにいかに還元するか、まさに私の言う日本経済の国民生活化であり、国民化を図る時期だと思いますので、国会の内外、または行政関係だけじゃなしに、国民の総力を挙げて取り組むべきまさに現下最大の課題だと思いますので、そういうふうに物の流れ、お金の流れが向くように、私も、経済企画庁長官としてはあとわずかでございますが、今後ともこういう経験を踏まえてひとつまた先生方と一緒に御協力しながら取り組んでまいりたいと考える次第でございます。
○牧野委員 どうもありがとうございました。これで質問を終わらせていただきます。
○村山委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時八分散会