第111回国会 農林水産委員会 第1号
本国会召集日(昭和六十二年十一月二十七日)(
金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次
のとおりである。
  委員長 菊池福治郎君
   理事 笹山 登生君 理事 鈴木 宗男君
   理事 月原 茂皓君 理事 保利 耕輔君
   理事 松田 九郎君 理事 串原 義直君
   理事 水谷  弘君 理事 神田  厚君
      阿部 文男君    石破  茂君
      衛藤征士郎君    遠藤 武彦君
      大石 千八君    川崎 二郎君
      熊谷  弘君    小坂善太郎君
      近藤 元次君    杉浦 正健君
      田邉 國男君    玉沢徳一郎君
      中島  衛君    長谷川 峻君
      森下 元晴君    保岡 興治君
      柳沢 伯夫君    山崎平八郎君
      五十嵐広三君    石橋 大吉君
      田中 恒利君    竹内  猛君
      辻  一彦君    前島 秀行君
      武田 一夫君    玉城 栄一君
      藤原 房雄君    吉浦 忠治君
      佐々木良作者    藤田 スミ君
      山原健二郎君
―――――――――――――――――――――
昭和六十二年十二月八日(火曜日)
    午前十時一分開議
出席委員
  委員長 菊池福治郎君
   理事 笹山 登生君 理事 鈴木 宗男君
   理事 月原 茂皓君 理事 保利 耕輔君
   理事 松田 九郎君 理事 串原 義直君
   理事 水谷  弘君 理事 神田  厚君
      阿部 文男君    石破  茂君
      衛藤征士郎君    遠藤 武彦君
      大石 千八君    川崎 二郎君
      熊谷  弘君    小坂善太郎君
      近藤 元次君    杉浦 正健君
      田邉 國男君    武部  勤君
      玉沢徳一郎君    中島  衛君
      長谷川 峻君    保岡 興治君
      柳沢 伯夫君    山崎平八郎君
      五十嵐広三君    石橋 大吉君
      田中 恒利君    竹内  猛君
      辻  一彦君    前島 秀行君
      武田 一夫君    藤原 房雄君
      吉浦 忠治君    木下敬之助君
      和田 一仁君    山原健二郎君
 出席国務大臣
        農林水産大臣  佐藤  隆君
 出席政府委員
        農林水産大臣官
        房長      甕   滋君
        農林水産大臣官
        房総務審議官  吉國  隆君
        農林水産省経済
        局長      眞木 秀郎君
        農林水産省構造
        改善局長    鴻巣 健治君
        農林水産省農蚕
        園芸局長    浜口 義曠君
        農林水産省畜産
        局長      京谷 昭夫君
        農林水産省食品
        流通局長    谷野  陽君
        食糧庁長官   後藤 康夫君
        林野庁長官   田中 宏尚君
        水産庁長官   佐竹 五六君
        水産庁次長   木村 邦雄君
 委員外の出席者
        外務省経済局次
        長       池田 廸彦君
        外務省経済局国
        際機関第一課長 登 誠一郎君
        通商産業省基礎
        産業局鉄鋼業務
        課長      中尾 舜一君
        通商産業省機械
        情報産業局産業
        機械課長    桑原 茂樹君
        通商産業省機械
        情報産業局自動
        車課長     中川 勝弘君
        通商産業省生活
        産業局通商課長 水谷 四郎君
        農林水産委員会
        調査室長    羽多  實君
    ―――――――――――――
委員の異動
十二月一日
 辞任         補欠選任
  森下 元晴君     武部  勤君
同月四日
 辞任         補欠選任
  遠藤 武彦君     塩谷 一夫君
  吉浦 忠治君     正木 良明君
同日
 辞任         補欠選任
  塩谷 一夫君     遠藤 武彦君
  正木 良明君     吉浦 忠治君
同月八日
 辞任         補欠選任
  佐々木良作君     木下敬之助君
同日
 辞任         補欠選任
  木下敬之助君     和田 一仁君
同日
 辞任         補欠選任
  和田 一仁若     佐々木良作君
    ―――――――――――――
十一月二十七日
 本邦漁業者の漁業生産活動の確保に関する法律
 案(安井吉典君外十六名提出、第百八回国会衆
 法第一号)
十二月三日
 三陸沿岸漁業の振興策に関する請願(藤田スミ
 君紹介)(第三七号)
 第八次漁港整備長期計画樹立及び漁港関係事業
 予算確保に関する請願(戸塚進也君紹介)(第
 三八号)
 良質米奨励金の現行水準確保に関する請願(近
 藤元次君紹介)(第三九号)
同月七日
 鯨類調査捕獲の今漁期からの実施に関する請願
 (串原義直君紹介)(第一二四号)
 農林業における改良普及事業交付金の一般財源
 化反対に関する請願(串原義直君紹介)(第一
 二五号)
 同(清水勇君紹介)(第一二六号)
 同(中村茂君紹介)(第一二七号)
 同(井出正一君紹介)(第二六五号)
 同(小川元君紹介)(第二六六号)
 同(唐沢俊二郎君紹介)(第二六七号)
 同(小坂善太郎君紹介)(第二六八号)
 同(中島衛君紹介)(第二六九号)
 同(羽田孜君紹介)(第二七〇号)
 同(宮下創平君紹介)(第二七一号)
 同(村井仁君紹介)(第二七二号)
 同(若林正俊君紹介)(第二七三号)
同月八日
 米の輸入反対等に関する請願(藤田スミ君紹介
 )(第三三七号)
 同(山原健二郎君紹介)(第三三八号)
 漁業危機打開・経営再建に関する請願(山原健
 二郎君紹介)(第三三九号)
 農産物の市場開放反対等に関する請願(藤田ス
 ミ君紹介)(第三四〇号)
 農林水産関係普及事業等交付金の一般財源化反
 対に関する請願(工藤晃君紹介)(第三四一号
 )
 同(長田武士君紹介)(第三七九号)
 同(中村靖君紹介)(第三八〇号)
 三種沿岸漁業の振興策に関する請願(山原健二
 郎君紹介)(第三四二号)
 農林業における改良普及事業交付金の一般財源
 化反対に関する請願(小沢貞孝君紹介)(第三
 七八号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
十二月七日
 農業振興対策の強化に関する陳情書外六件(宮
 崎市宮田町一の一一宮崎県町村議会内上田勝外
 六名)(第三一号)
 農産物輸入自由化阻止に関する陳情書外十六件
 (大分市大手町三の一の一大分県議会内後藤利
 夫外二十五名)(三二号)
 農林水産業普及事業交付金制度の堅持に関する
 陳情書外六件(札幌市中央区北二条六北海道議
 会内藤井猛外六名)(第三三号)
 森林資源の確保と林業政策の確立に関する陳情
 書外十件(札幌市中央区北一条西二札幌市議会
 内吉野晃司外十名)(第三四号)
 農林漁業の振興に関する陳情書(高松市番町一
 の一〇の三七松田幸一外三名)(第三五号)
 韓国漁船の操業問題に関する陳情書外三件(札
 幌市中央区北二条西六北海道議会内藤井猛外三
 名)(第三六号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 閉会中審査に関する件
 農林水産業の振興に関する件
 農畜産物十二品目の市場開放問題に関する件
 請 願
 一 三陸沿岸漁業の振興策に関する請願(藤田
   スミ君紹介)(第三七号)
 二 第八次漁港整備長期計画樹立及び漁港関係
   事業予算確保に関する請願(戸塚進也君紹
   介)(第三八号)
 三 良質米奨励金の現行水準確保に関する請願
   (近藤元次君紹介)(第三九号)
 四 鯨類調査捕獲の今漁期からの実施に関する
   請願(串原義直君紹介)(第一二四号)
 五 農林業における改良普及事業交付金の一般
   財源化反対に関する請願(串原義直君紹介
   )(第一二五号)
 六 同(清水勇君紹介)(第一二六号)
 七 同(中村茂君紹介)(第一二七号)
 八 同(井出正一君紹介)(第二六五号)
 九 同(小川元君紹介)(第二六六号)
一〇 同(唐沢俊二郎君紹介)(第二六七号)
一一 同(小坂善太郎君紹介)(第二六八号)
一二 同(中島衛君紹介)(第二六九号)
一三 同(羽田孜君紹介)(第二七〇号)
一四 同(宮下創平君紹介)(第二七一号)
一五 同(村井仁君紹介)(第二七二号)
一六 同(若林正俊君紹介)(第二七三号)
 追加日程
一 米の輸入反対等に関する請願(藤山スミ君紹
  介)(第三三七号)
二 同(山原健二郎君紹介)(第三三八号)
三 漁業危機打開・経営再建に関する請願(山原
  健二郎君紹介)(第三三九号)
四 農産物の市場開放反対等に関する請願(藤田
  スミ君紹介)(第三四〇号)
五 農林水産関係普及事業等交付金の一般財源化
  反対に関する請願(工藤晃君紹介)(第三四
  一号)
六 同(長岡武士君紹介)(第三七九号)
七 同(中村靖君紹介)(第三八〇号)
八 三陸沿岸漁業の振興策に関する請願(山原健
  二郎君紹介)(第三四二号)
九 農林業における改良普及事業交付金の一般財
  源化反対に関する請願(小沢貞孝君紹介)(
  第三七八号)
     ――――◇―――――
○菊池委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求に関する件についてお諮りをいたします。
 農林水産業の実情を調査し、その振興を図るため
 農林水産業の振興に関する事項
 農林水産物に関する事項
 農林水産業団体に関する事項
 農林水産金融に関する事項
 農林漁業災害補償制度に関する事項について、本会期中調査をいたしたいと存じます。
 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存しますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菊池委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
○菊池委員長 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木宗男君。
○鈴木(宗)委員 我が国農業をめぐる内外の諸情勢が大変厳しいときに、農政通と言われる佐藤隆大臣が就任されましたことは大変うれしく、かつ大きな期待をするものでありますけれども、大臣就任早々、農産物十二品目の自由化の問題が出てきました。
 去る十二月一日からガット総会が開かれまして、その総会でのパネル報告の中身、そしてその報告を受けて日本政府はどのような基本方針で臨んだのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○眞木政府委員 お答え申し上げます。
 今回、十二月一日から第四十三回のガット総会が開かれたわけでございますが、この総会におきまして、今御指摘のございました農産物の十二品目問題についてのパネルの報告書が審議をされたわけでございます。このパネルの経過につきましては御案内のとおりでございますけれども、このパネル報告書が、まず日米両政府に内示をされまして、その後加盟国の間に配付をされたわけでございます。
 我が方といたしましては、このパネルの報告書の内容これ自身は、現在におきましてもまだ非公表ということでございますけれども、この内容について精査をいたしまして、よく検討したわけでございます。その結果、その内容につきまして、特に輸入数量の制限を一般的に廃止すべきだという原則に対しまして、国内で生産制限を行っておるといった場合の例外を定めた第十一条の規定が非常に関係があるわけでございますが、これの解釈につきまして、その中に、国内で生産制限をしておるものと、それから海外からの輸入を制限しておる産品について、それから同種の産品でなければならないといったような要件、あるいはまたその対象となる産品が保存性がきかないものである、ペリシャビリティーという、ちょっと言いにくい英語を使っておりますけれども、そういう解釈につきまして非常に妥当とは言えない部分がある。特にまたその中で、酪農品とでん粉に関してのパネル報告書の立論について大きな問題があるということで、これを受け入れられないという考え方になったわけでございます。さらにまた、パネルの中でのいわゆる国家貿易に関しますガットの関連条項の解釈は、ガットが制定された当時の経緯を十分踏まえているものではないということで、これについても厳密さを欠いており、不適当だという考え方に立ちました。しかし、他方で、乳製品及びでん粉以外の品目につきましてのパネルの判断につきましては、幾つかの問題はあると考えたわけでございますけれども、我が方としては、最終的にこれが締約国のコンセンサスがあるならば、それによって認められることとなることもやむを得ないという考え方に至ったわけでございます。
 このような考え方に基づきまして、この総会におきましては、我が国としてはこのパネル報告書の一部について強い異議があるということで、特に酪農及びでん粉、さらには国家貿易についての条項の解釈に係る部分を除いた部分についてこれを受け入れる用意がある、したがってその除く部分につきまして以外の部分ということでございますから、いわゆる部分採択ということになるわけですが、そういう形で用意があるという旨を鮮明にしたわけでございます。
 以上が、この総会におきます我が方の考え方なり対応と概要でございます。
○鈴木(宗)委員 今の局長の答弁はわかったのですけれども、漏れ伝え聞くところによると、ガット総会で波多野大使は、乳製品とでん粉を除く品目について、パネル報告の勧告を踏まえ適切な措置をとると言っております。これは何を意味しているのでしょうか。マスコミ等では八品目の自由化をもう認めたというふうに書いておりますけれども、ガット総会では八品目の自由化を約束したのでしょうか。
○眞木政府委員 今申し上げましたような考え方に即しまして、いわゆるでん粉と乳製品以外の部分、十品目残るわけでございますけれども、この中で落花生と雑豆については、我々としてはパネルの判断をよく研究してみましたけれども、これについてはガットとの整合性が説明できると考えているわけでございます。したがって、残る八品目の問題になるわけでございますけれども、これにつきましては、この勧告の内容に沿って適切な措置をとるということは、やはりガットの整合性を回復させるという意味で輸入数量制限を撤廃する。もちろん適切な措置というわけでございますから、この中にはあわせてガットの整合性のある国境措置及び国内対策も含めて数量制限の部分についてはこれを撤廃せざるを得ない、そういう考え方を他の部分、つまり乳製品とでん粉については受諾できないという部分とあわせて表明をした、こういうことでございます。
○鈴木(宗)委員 確認さしていただきますけれども、乳製品とでん粉を除いて残り十品目ありますね。その中でも雑豆と落花生については勧告における整合性の説明ができる、そのほかの八品目については自由化はやむなしということなんですね。
○眞木政府委員 総会における当方代表の意味はそういうことでございます。
 ただ、自由化をするということとあわせまして、国内措置等の意味も含ませて適切な措置ということを表明したわけでございます。
○鈴木(宗)委員 この期において、私も政治家として、十二品目を完全に自由化阻止なんということを言うこと自体がナンセンスであると思いますので、今の局長の答弁は答弁として聞いておきますけれども、しからば、その国内措置だとか国内対応というのは十分考えてそういった発言をしておるのかどうか。ただガットから総会でそういう勧告を受けた、もうこの期に及んでやむを得ないからのまざるを得ないんだという安易な考えでは農家は困ると思うのですよ。迷惑千万な話であります。きちっと踏まえるものは踏まえる、守るものは守るという判断の中でそういうことを言っておるのかどうか。これは大臣、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○佐藤国務大臣 今局長から御説明申し上げたような経緯でございます。その上に立って、パネル報告書の扱いが次回のガット理事会で継続審議されることになった、このことはもう御承知のとおりでございますけれども、今後の具体的な取り扱いについての姿勢、これをはっきりしておけ、こういうお言葉でございます。
 まだ決めてはおりませんけれども、私どもは次回理事会までに円滑な決着を図るため、米国との話し合いあるいは理事会対策を進めていかなければならぬ、こう思っております。しかし、いずれにしても国内農業への影響、国際的な経済関係に十分配慮して、真剣に検討してまいりたい、こう思っております。
○鈴木(宗)委員 その大臣の真剣にという言葉、よくわかるのでありますけれども、私も農家に生まれて農家に育って今日ある者として、農家の皆さん方は純枠に、大体農林水産省の言うとおりすべてのものに携わってきたと思うのですよ。ところが、言うとおりやってきたけれども、すべて最後には行政指導なり、あるいは農林水産省からの何がしかの指導によって、いわゆる経営困難といいますか、あるいは方針を変更せざるを得ないような状況に今来ているのが日本の農業の実情であるし、農家の実態なんですね。
 そういうことを考えた場合、具体的に、絶対守るべきものは守るのだ、あるいは外交交渉で受けた負担というかデメリット、これはもう政府や国が責任を持つんだということだけは明確にしておきたいと思うのです。特に外交交渉で、今まで水産問題なんかでもいろいろ圧力を受けたり漁獲量が減ったりしてきましたけれども、農産物では今回が初めてでありますから、それらに対するその対応というのは明確に、これはもう外交交渉で受けた結論であるから、政府、国が責任を持って対応するということだけは私ははっきりしてもらいたいと思うのですけれども、どうでしょうか。
○佐藤国務大臣 そのとおりに進めてまいりたい、こう思っております。
 特に、今局長からも申し上げましたように、二品目の酪農品及びでん粉、この扱いにつきましても、これが自由化は受け入れがたい、これはもうはっきりひとつ信念として貫き通さたければならぬ。米国との交渉では、この二品目について自由化が困難な事情であるということを引き続き十二分に説明をしてまいりたい、こう思っております。
○鈴木(宗)委員 大臣、今の乳製品とでん粉の断固自由化阻止、これもありがたいのですけれども、国内措置の面で、あるいは予算措置の面での質問を今私はしているのですけれども。
○佐藤国務大臣 八品目については、具体的にこれがどうあれがどうということはまだ詰めておりませんので、詰めの段階では当然のことながら、やはり予算措置等を含めて国内農業を守るという立場から、また経済事情も考えながらということで考えていかなければならぬ問題だと心得ております。
○鈴木(宗)委員 大臣の先ほど来の乳製品、でん粉は断固守るという姿勢は大変ありがたいのです。
 と同時に、私は今もう一つお願いしたいのは、乳製品やでん粉を守るがゆえに、今度ほかの品目の枠が大幅に拡大されたり、特にその中では雑豆だとか肉の調製品ですよ。肉の調製品なんかも、ちょっとこしょうを振りかけておったとか、何か形だけつくっておって、後で洗ってしまったら普通の肉と変わらぬという状況もあるわけですから、それらを厳密にチェックするとか、あるいは審査するとか、そういったことも踏まえて、さらに雑豆等の枠の拡大なんかも図らないという姿勢も必要なんですけれども、その点はどうでしょうか。
○佐藤国務大臣 国内対策が理解を得られなくて何が外交交渉が、こういうことになろうかと思いますので、真剣に努力をしてまいりたい、こう思っております。
○鈴木(宗)委員 大臣、国内対策のこともそうですけれども、いわゆる八品目の中にあるものの、外交交渉ですから相手のある話ですよ。そのやりとりの中で、例えば雑豆なんかの枠の拡大を言ってきた場合、これまた今大変な状況なんです、特に北海道の畑作農家なんというのは。ですから、そこらの枠の拡大はぎりぎりのところで抑えるとか、そういった姿勢についてはどうかということを聞いているのです。
○佐藤国務大臣 地域農業を考えるという意味で真剣であります。
○鈴木(宗)委員 大臣の真剣な答弁を聞いて、私も本当にちょっと今安堵しているところでありますけれども、どうかそれは本当に精神入れて、とにかく日本の農業を守るという観点から、これからも二月の理事会に向けて最大の努力をしていただきたいと、心からお願いをするものであります。
 さて、いわゆる自由貿易を強調してやまないアメリカが、今から三十二年前、当時の圧倒的な政治力だとか経済力を背景に、アメリカ自身が数多くのウェーバーを認め出しておりますね。そして今、日本に対して全面輸入自由化を要求してきている今のアメリカの姿というのは、自由貿易に名をかりた経済的覇権主義じゃないか、私はこう思っているのです。ですから、今度のニューラウンドなんかでアメリカのウエーバーに対して日本は黙っておるのかどうか。日本もやはり言うべきことは言うべきじゃないかと思っているのです。その点はどうでしょうか。
○眞木政府委員 ただいま御指摘がありましたように、アメリカは酪農品等につきましてガットに基づくウエーバー、自由化義務の免除ということを三十年以上前から取得をしております。これは形式的にはガット上合法ということでございますけれども、我が国が現在有しております輸入制限と実質的に同じ機能を持っているわけでございます。それにもかかわらずアメリカがこれらの同じような品目について我が国に輸入自由化を求めるというのは、公平性の観点からも大変大きな問題であると考えておるわけでございます。したがいまして、日米の二国間の話し合いあるいはまたガットの場におきましても我々はこの点を強く指摘をしておりまして、アメリカがこれに対して、これはニューラウンドの交渉のテーブルにのせるということは言っておるわけでございますけれども、我々は、アメリカのそういうウエーバー、あるいはまたECにおける輸入課徴金、そういった実質的に我々の持っておる輸入制限と同じような効果を持っておるものは、我々の輸入制限とあわせて同じ土俵の上で議論をしてみんなが納得できる新しいルールをつくるべきだというのが基本的主張でございます。それにもかかわらず、現在、それを先取りする形で我が国の輸入制限だけを攻撃するというのはまことに遺憾に存じておるわけでございまして、今回の総会におきましても、我が方の発言の中でアメリカのこのウエーバーの問題を指摘をして、さらにこの点について追及する姿勢を持っておるところでございます。
○鈴木(宗)委員 局長さん、農家の皆さん方がうっせきしているというか、いろいろな不満があるのですよ。だから、五分の土俵だと向こうが一方的に言っておりますけれども、実際は五分の土俵でないわけですね。ですから、アメリカのウェーバーに対してきちっとした日本の姿勢だけは次のニューラウンドで表明もしてもらいたいし、強く意見を言ってもらいたい、私はこのように思っております。
 もう時間もないものですから、これは最後、大臣にお願いいたしますけれども、とにかく乳製品、でん粉は絶対守る、そして雑豆だとか肉の調製品等の枠の拡大についても絶対農家の皆さん方に甚大な被害を与えるような措置はとらないという決意をいま一度表明してもらいたい、こう思っておりますけれども、どうでしょうか。
○佐藤国務大臣 先ほど申し上げましたように、地域農業を守るという観点から、特に、国際化をされてきているとは言いながら、諸外国における、アメリカ、EC等における理屈に合わない部分もありますので、そういうこともあわせ考えますと、我が方は、今までも主張してきたけれども、今後も粘り強く主張をしていく、こういうことでございます。とりわけ二品目につきましては、これは絶対に守る。従来とも、グローバルな言い方ではございますけれども、私自身が、守るべきは守るが譲るべきは譲る、絶対に守らなければならぬ部分もあるのだ、こういうことを言ってきた経緯もございますので、その方針を貫きたいと思っております。
○鈴木(宗)委員 大臣、その乳製品とでん粉はありがたいのですけれども、雑豆等についてはどうでしょうか。
○佐藤国務大臣 この対応の仕方についても同じ姿勢で臨みたいと思っております。
○鈴木(宗)委員 大臣、私は、今回のこの十二品目問題、単に経済問題として受けとめてません。これは経済問題から今、政治問題に移行しております。特に農民の中には大変な反米感情なんかが出てきています。私は、やはり自由主義陣営をともども栄えさせていくためには、こういった傾向というか世論の動きというのは気になりますし、将来の日本を考えれば心配なんです。そういった意味からも、農林水産省は挙げて頑張ってくれておりますけれども、外務省、次いで政府挙げて、これは日本農業の危機だという観点で、とにかく残された二月までのわずかな期間最高の努力をしてもらいたい、最高のまた政治力を結集していただきたい、このことをいま一度お願いして私の質問を終わります。
○佐藤国務大臣 我が省といたしましても、今まであるいは今まで以上に努力を積み重ねて最善を尽くしたいと思っておりますけれども、竹下内閣の責任においてもそうあらねばならないと考えております。
○鈴木(宗)委員 終わります。
○菊池委員長 月原茂皓君。
○月原委員 我が同僚の鈴木宗男議員の質問に続きまして、他の観点からこの問題を取り上げてみたいと思います。
 まずは、非常に厳しいときに農政通の佐藤大臣がこの問題を担当する大臣となられたことを大変御苦労であるとともに、我が日本にとって非常にいいことだ、私はこのように思っているわけであります。
 さて、今鈴木議員の質問に答えられましたが、この交渉の過程において、米国のウエーバーあるいはEC諸国の援助、農業の補助、そういうことについても農水省が毅然たる態度で、もちろん法的には土俵が少し異なるという点は言えるにしても、大きな観点からいって、公平性の原則からいって非常におかしいということを強く主張されたということでございますが、その点をもう一度確認しておきたいと思います。
○眞木政府委員 我が国が有しております輸入制限と同じような輸入制限的効果を有する措置が、例えばアメリカにおきましてはウエーバーというような形で、あるいはまたECにおける可変課徴金、可変輸入課徴金というような形でとられているわけでございます。特にアメリカのウェーバーにつきましては、自由化義務がこの三十年間全く、その中での例えば枠拡大といったような形での自由化努力がなされないまま今日まで推移しているということは、日本の輸入制限についてアメリカ側がこれを問題にするという立場から見れば甚だしく公平性を欠くということでございまして、これにつきましては、日米の二国間の場におきましても、あるいはガットにおきますウエーバーについてのワーキングパーティー、こういうところで日本が指摘する、あるいはまた今回の総会における我が方の演説におきましても指摘をしてまいったわけでございます。
 いずれにしろ、アメリカ側はこのニューラウンドにおける交渉のテーブルにはのせるというところまでしか言っておりませんけれども、我々としては、この問題は、我々の輸入制限が現在ここで厳しく問題にされているということを考えますときに、やはり将来の問題としてだけでも済まされない、しかしまた、新しいニューラウンドの交渉の場では、少なくともこの問題は公平性の観点からきちっと解決をしていかなければならない、このように考えているわけでございまして、引き続きこの点につきましては努力を重ねてまいりたい、このように考えております。
○月原委員 今回のガットの総会でこれを二月の理事会に延ばしたということでありますが、この延ばしたのはどういう理由によるのかのそして、この期間において我が国としては、今大臣が力強く申されておりましたが、国内の対策も十分考えていくと思いますが、具体的にどういうふうなテーマが考えられるのかということをお尋ねしたいと思います。
 特にここで私は思うのですが、単に物が入ってくるということでなくて、それに携わっている多くの方々がいる、そしてその関連産業がある、こういうような観点から六十三年度の予算案において緊急に考えなければならない多くの問題がある、私はこういうふうに思うわけであります。ですから、この二月に延ばしたということの意義、そして、その間において農水省としては何をやろうとしておるか、そういうことについてお尋ねしたいと思います。
○眞木政府委員 今回の総会におきます我が方の主張は、そもそも個々の品目はそれぞれ生産事情、需給事情等々異なるわけでございます。したがいまして、十二品目を一括して取り扱うということがそもそも不自然であるというような基本的な考えのもとにその内容を精査いたしまして、その立論なり結論に同意できない部分を削除した部分についてパネル報告書の採択に応ずるといった対応をしたわけでございますけれども、これにつきましては残念ながら他の諸国から、この部分採択という考え方につきまして、ガットの紛争処理手続上こういうものは前例になってはよくないというような意見が大勢を占めまして、支持を得ることができなかったわけでございます。我が方といたしましては、このような状況のもとで、酪農品、でん粉並びにいわゆる国家貿易の解釈を含んだ部分についての問題につきまして改めて本国政府とも連絡をとり検討したわけでございますが、時間的制約といったこともあり、結論を得るに至らなかったわけでございます。
 そういうことで、我が方から改めて本件を明年の第一回の理事会玄審議していただきたいということを要請いたしまして、これが受け入れられたということでございます。したがって、こういった状況を踏まえまして次回、大体二月ごろに予定されております来年の第一回理事会におきまして、国内の状況も踏まえながらアメリカとの交渉あるいはまた理事会の対応といったものについて速やかに検討し対応してまいりたいと考えているわけでございまして、ただいま御指摘のございました、それに伴ういろいろな必要となるかもしれない国内の措置等につきましても、そういうタイミングなりその詰めの状況を見ながら適切に対応していきたい、このように考えているところでございます。
○月原委員 これは、二月になったということは単に延ばしたという意味にもなるわけでありますから、時間的にこの問題の解決が先に延ばされたということになって、その関係に従事しておる方々のことを考えたときに、この期間というものは、ただ単に反発するということだけでなくて、その間において国際的な場において自分の意見が通るように努力するのだ、それはもちろんのことであります。しかし、万一のときにはこういうこともするのだということを、表に出すか出さないかは別にして、この間に積み上げておく必要があると私は思っているわけであります。
 そういう意味で大臣にお願いしておきたいのですが、予算措置等については、国の予算のシステムからいっても、この今の時期に性根を入れておかなければいかぬ問題であるな、私はこのように思うのですが、いかがでしょうか。
○佐藤国務大臣 私、就任早々、食べ物のことは特にみんなが関心を持ちやすいことでもございますし、この運びについて手順を間違えるとえらいことになってしまう、取り返しのつかないことになってしまう、したがって、時間をかけるべきは時間をかけ、手順を間違えないようにひとつやっていかなければならない、スタンドプレーはやりません、こういうことで地道に、実は耐えるところは耐え今日に至りました。
 そういう意味で、二月にガットの理事会、これまでの間、ただ時間を延ばしたということだけでなく、時間がある程度あるわけでありますから、その間に詰められるべき点は十二分に詰めなければならぬ、そして理解を仰ぐべき点は仰がなければならぬ、こういうことで考えておるわけでございます。
○月原委員 今心強い大臣の意見が述べられましたので私も安心をいたしましたが、この二カ月、来年の二月ということを考えた場合に、国内の農民も関係者も注目しておるとともに、諸外国からもただ単に日本は延ばしただけだと言われないように、この時間というものを大切に送っていただきたい、このことを、今のお話で十分わかりましたが、我が国のためにお願いしたい、このように思うわけであります。
 私、一つお願いをしておきたいのは、農業問題そのものは、ただ貿易の問題というほかに食糧の安定供給という問題とそれから安全性と申しますか、国内で農薬を使ういろいろな問題があると思いますが、そういう観点からも国民が国内に対しては非常に安心しておる、しかし諸外国については安心してないと言うとちょっと語弊があると私思うのですが、そういうふうな観点からもよく対処していただきたい。安定性とそれから安全性というような点もお願いしたいと思います。
 さて、そこで、この前私はアメリカの方に農業の視察で行かしていただきました。そして、その時期たまたまこの問題で眞木局長もアメリカでおられたわけでございますが、大変大きな交渉の最中であったわけであります。そのときに私が考えたのは、農業の問題だけを取り上げて、そして、日本は今まで自由貿易を享受してきた国じゃないか、だから自分の都合のいいところ、自由貿易というものを余り主張するのは好ましくないなというような感じを向こうは持っておるわけであります。今お話しのようにウエーバーの問題それからECにおけるいろいろな補助の問題、そういうようなことも十分農水省の方も主張された。しかし、私は、その狭い場ではなかなか難しいんじゃないか。特に、今までの日本としてよく使った手として、二国間貿易、自由になったらどうするんですか、あなたのところの商品がたくさん入るわけではないですよ、あなたのところにとって必ずしもメリットがあるわけではないですよ。これは実利的な方法としては大いに意味があるとは私は思うのですが、今回の場合は金額そのものが向こうにとってそう大きくないものだけに、この自由貿易というにしきの御旗をとりたい。現にリン長官あるいは向こうのスミス大使、こういう方々が同じように言われていることは、そういうふうな自分の国が得する損する話ではないんだ、この自由陣営が発展するための制度の議論を我々はしておるんだという立場に立っていたと私は思います。そういう意味において、農水省の方、なかなか厳しいところで、狭いところの、与えられた手段がほとんどないところで我が国のためにやられておるなという感を私は深くしたわけであります。
 そこで、全体にこういう交渉をする場合に、なぜこういうものの背景が出てきたんだということをまずトップクラスの人間には、交渉しておる個個の方は別として、大臣とかあるいは向こうの代表とかそういうアメリカの方々にそういうことを十分説明しておるのかどうか、そこに問題があるのではないかと私は思うわけであります。確かに日本の今日の繁栄というのは、自由貿易を享受した、そして米国を初めとする自由陣営の非常に大きな努力の上で我々は経済の発展のためにあらゆる力を尽くす己とができた非常に恵まれた環境にあったわけであります。これで今のところ大変大きな黒字になっておる。しかし、よくよく考えてみたら、黒字というのは自動車であり鉄であり家庭電化製品でありまた半導体である。これが米国との関係において言えばほとんど日本の黒字の部分を占めているわけであります。そうならば、この原因は一つはもちろん自由貿易という大きな背景があるにしても、しかしそれ以上に大きなのは黒字という問題がある、だからこの黒字をどういうふうにして減らしていくかということが一つの大きなことである。
 そして私は今思うのですが、私の周辺においても造船が大変大きな構造改善のための犠牲を強いられておる、これは経済の趨勢としてやむを得ないのかもしれない。しかし、日本は為替によって日米関係あるいは世界の関係をよくしなければならないということで、あれだけ急激な円高というものにあえて踏み切っているわけであります。そしてまた、これは政府としてはなかなか言えないのかもしれませんが、いろいろなものについての自主規制もある程度してきた、そしてまた資金の還流もやろうとしておる。金融についてもまた言えます。これも政府の方もまた言えないことかもしれませんが、米国の証券の問題あるいは株の問題、そういうことについて目に見えないところで日本がいろいろな努力をしておる。日本は今や甘ったれた国ではなくて、竹下総理の、世界に貢献する日本をつくるんだ、こういう姿勢に立って大いなる努力をしているわけであります。各省が個個のところで勝負するのではなくて、一応は今までの総決算、我々は世界の責任を負う国としてこういう考え方で立ち向かっておるんだ、そして今ここまで物事をやっておるんだ、もうしばらくたてばこういうふうな方向に持っていこうとしているんだ、こういうような基本的なものをまずたたき込んで、ホワイトハウスなり、いろいろなところへたたき込んで、そしてその後でこういういろいろな各論の議論がされるという姿勢がなければ、今後ますます一つ一つの物品をとらえて自由貿易というにしきの御旗で議論されたときに――軟着陸させんといかぬわけです。急激な変化というのは困るわけであります。
 特に、我々政治に携わるものとしては、みんなが朝から晩まで本当に力いっぱい仕事ができる、仕事をしなくて金をもらうんじゃなくて仕事をして自分が社会に貢献しているんだ、そしてそのお金で家庭が成り立っておるんだ、これが私は生きがいだと思うんです。何ぼ理論的に正しいものであっても、あしたに急に切りかえてしまって、おまえらちょっと遊んでおけ、こういうようなのは政治家のやることではない。これは政府の方に余り強く言うのはいかがかと私は思うのですが、そういうふうなことを考えた場合に、外務省の方に来ていただいておるわけですが、外務省だけに答えていただくには事が大きなことかもしれませんが、現在どういうふうな努力をしているのか、今私が申し上げたようなことを米国及びEC、そういうところにトータルとして日本の姿勢を説明しておるのかどうか。ただ単なる前川レポートを持っていってやりますよという話じゃなくて、現に多くの企業が円高で大変な犠牲を強いながらこの中を生き抜いておるわけでありますから、そういうふうな説明もしながら対処すべきだと私は思いますが、そういう努力をしておるのかどうか、それを説明していただきたいと思います。
○池田説明員 お答え申し上げます。
 まさに問題を正しい文脈の中に置かれた御指摘だと思います。十二品目、もちろんそれ一つをとりましても重要な問題でございますけれども、やはり問題は、自由貿易体制というものをこれからどういうふうに守っていくか、その中で日本としてどういう責任を分担していくか、そういう問題だと思っております。
 この点に関しましては、アメリカ及びECその他の国に対しまして、先生御指摘のように我が国は歴史に例のない急激な大幅な円高というものを甘受しておる、それに耐えて、それに適応していくためのあらゆる努力を尽くしておる。問題は確かにアメリカと日本との間に大幅な貿易不均衡というものがあるけれども、これは日本側だけの努力をもってしては絶対に解決できるものではない。問題は両方でやらなければだめだ。日本は決して責任を逃れようとは言わないけれども、日本だけに問題を全部転嫁するということは間違っておる。私どもの物の言い方としましては、物を輸出しろ、問題は輸出するな、こういう言い方でやっておるわけでございます。
 したがいまして、今後ともそういうマクロ経済の運営の問題、その中における自由主義陣営の結束の問題、それからさらに狭い文脈になりますと、例えば日本とアメリカとの二国間の健全な友好関係の発展、こういう点も今後とも強調してまいりたいと思います。それからさらに縮小いたしまして、農産物貿易の分野に関しましては、新ラウンドの中で、ガットをつくったときに農業というものはやはり特別であるという理念が立っておるわけでございます、それをこの際、新しいルールのもとにもう一度確立させよう、こういう姿勢でもって臨んでいるわけでございます。
 それから、もちろんこういうこともいたしますが、しかし当面のこの問題につきましては、それはそれなりにやはり今後とも農水省と緊密な連携を保ちまして、政府一丸となって強力に交渉してまいりたい、かように存じております。
○月原委員 時間が参りましたので、最後に大臣にお願いしておきたいと思いますが、今外務省の方からも答弁がありましたが、国務大臣として、そして今非常に厳しい環境にある日本、そしてこの日米関係というものについて、トータルとして日本はこういうことをなしておるということを内閣の方で既にまとめていると思いますが、速やかにそういうものをまとめて、そして米国と基本的な点においてはこうなんだ、そして個々の問題については少し時間をかせとかこういうふうにしていくんだ、こういうふうな総体の中でこういう問題を位置づけていくという努力、もうそれはされていると思いますが、その点についての有力な閣僚としての、国務大臣としての佐藤大臣の決意をお聞きして私の質問を終わりたいと思います。
○佐藤国務大臣 昔とは違いまして、外交は外交、内政は内政という時代は過ぎ去りました。外交と内政合わせて一本である、こういうことで、まずは国内の関係する皆さんに理解を仰ぎながら、それを頭の中に入れて外交を進めていく、ワンパッケージで進めていく。そして、いたずらな駆け引きは通らない、信義をもととして、二国間でもあるいはガットの場でも信義を尽くして、信を貫いて、そして前に進んでいかなければならぬ。
 今言われましたように、とにかくこのままでいいと思って宿る人はほとんどないと言ってもいいと私は思っております。しかし、どうすればいいんだと言われても、これは農業の持つ特殊な事情、食糧政策の持つ特別な環境、こういうことから考えますと、丁寧に取り運んでまいらなければならぬ。この基本的な考え方は、内閣においても当然のことながら理解をされておるわけでありますし、その方針に基づいて、外交関係につきましては外務省と相談をしながら、責任ある方針を貫いてまいりたい、こう思っております。
○月原委員 強い答弁、どうもありがとうございました。こういう立場で、我が国のためにこのしばらくの難しい時期ですが、乗り切っていただきたいと思います。終わります。
○菊池委員長 串原義直君。
○串原委員 去る十一月下旬でありますが、同僚議員とともに訪米の機会を得ました。その際、リン農務長官を初め、政府、議会の皆さんとアメリカのガットに提訴した農産物十二品目問題について率直な話し合いをいたしました。アメリカが提訴を取り下げて、日米二国間で話し合い解決を望むことが一番いいという立場で我々は話したわけでございますが、いずれも答えはノーでございました。私はそのアメリカ政府の姿勢に対して日米の将来のために強い不満と不信を覚えたものの一人であり、たまたま眞木経済局長も我々より少し早く訪米をいたしましてアメリカ側と交渉を続けたのでありますが、結局拒否をされて、ガット総会に持ち込まれたのであります。ガット総会では、アメリカの強い姿勢に押されまして、我が国は重荷を背負わされることになったわけであります。
 農民の怒りはかってないエネルギーとなりまして全国に広がりつつあります。また、生産者団体だけではなくて、消費者団体の多くも同様の態度であります。つまり、アメリカみずからは十九品目ですか、輸入制限品目を保留しなから、我が国のみに市場開放を要求することはまさに理不尽であると言うのであります。私もこれ以上食糧自給率の低下あるいは日本農業の荒廃につながる市場開放、自由化には反対であります。我が党は、全議員が十二品目自由化反対、こういう立場で署名をいたしまして、政府に提出をしてあるはずでございます。
 結論といたしまして、十二品目問題はガット総会での採決を、つまり十二月三日でありますが、延期をいたしまして、見送って来年二月の理事会で再審査ということになったわけであります。この一連の経過を振り返って、今担当の農林水産大臣としてどのような決意と感想をお持ちでありますか、お示しを願いたいのであります。
○佐藤国務大臣 私、就任する前から引き継がれておる問題でございますけれども、就任いたしまして、早速この十二品目問題の責任者ということで対応をいたしてまいりました。
 今までも非常に難しい問題だと思ってまいりましたし、国際化ということが進んでいる中に、やはり国内、我が家が一番大事である、我が家の中で理解を仰がなくて何が外交が、こういうこともあわせ考えながら、いかに国際化といえども、譲れるものは譲るが、譲れないものも、絶対に譲れないものもあるのだ、こういうことを自分に言い聞かせながら、難しいこの問題に対応をいたしてまいりました。
 今、若干の時間的余裕、余裕という言葉は使いたくございませんけれども、現実、おっしゃるように二月のガットの理事会、これまで時間がある。その中にあって最善を尽くして、ひとつ国内の関係方面の理解を得ながら、あわせて経済情勢というものも考えながら取り運んでまいりたい。しかし、これは手順を間違えると大変なことになりますから、手順を間違えずに丁寧に取り運んでまいりたい、こう思っております。
 いろいろ報道をされている中で、少しおまえは慎重過ぎるではないか、もっと発言をせよと言われますけれども、今日の国際化の中で、ここで話したことがすぐ世界じゅうに伝わります。そのことが我が国農政の発展あるいは国際的な理解を我が国が仰ぐためにプラスになるのかマイナスになるのか、いたずらな駆け引きではなくて、真剣に進める上において慎重にも慎重を期していかなければならぬ、このような感想を持っているところでございます。
○串原委員 大臣、重ねて伺いますが、我が家の了解を得ないで何が外交が、こういう表現がございましたが、私はそれに全く同感でございます。つまり、我が家の了解を得ないうちは、十二品目の問題、そうそう簡単には前進をしない、させない、こういう決意でありますか。
○佐藤国務大臣 させない、させるという表現になりますと、余りにもかたくなな表現になろうかなと私は思います。今日の国際化の中で、お互いが汗を流さなければならぬ点もありますし、日本に対する批判もあります。それも頭の中に入れながら、さはさりながら、我が国内の関係者の方々の理解を仰がなければ事を簡単に進めるわけにはまいらぬという異常な決意を申し上げているわけでございます。
○串原委員 では、次に進みますけれども、乳製品、でん粉は自由化できないけれども、あとの八品目は自由化の方向をほぼ決めてガットで説明をしたと伝えられるわけでありますが、その内容と、そのようになった経過について説明をしてもらいたい。そしてそのような決断をどなたがしたのですか、明らかにしてもらいたい。
○眞木政府委員 今回問題となっております品目十二品目のうち、雑豆と落花生を除く十品目につきましても、その報告書の内容を十分精査をいたしまして、その中でやはり酪農品、でん粉さらにはまた国家貿易に係る解釈については強い異論を有するということで、それを除いた部分については、若干問題点はあるにしろ、やはりこのパネルの法的判断を最終的に覆すといったことは困難であるという判断をいたしまして、酪農品、でん粉及び国家貿易の解釈に係る部分を除いた部分については採択されることもやむを得ないということをこの総会で発言をしたわけでございます。この総会における発言は、政府部内における調整を経まして総会への対処方針として最終的に決定された。この決定につきましては、通常のこういう場合の政府の中におきます決定の過程を経ましてそういう判断に至った、こういうことでございます。
○串原委員 まだ決定の段階ではないけれども、今の御答弁は、農林省も八品目自由化の方向やむなし、こういうことで了解したということですか。
○眞木政府委員 これにつきましては、こういう採択がされました場合にはパネルの報告書の勧告に沿いまして適切な措置をとるということでございます。したがって、輸入制限に係る措置につきましては、ガットとの整合性を回復させるという見地からやはりこれをやめるという方向で、あわせて適切なガットと整合性のある国境措置なりあるいはまた国内措置を講ずるという形で対応するということを認めたわけでございます。
○串原委員 つまりどういうことなんです。八品目は自由化やむなしということで腹を決めて説明をしたのか、自由化ということではないけれども枠の拡大というようなことも含めて対応するということなのか、完全な自由化方針やむを得ないということなのか、その辺を明確にしてもらいたい。
○眞木政府委員 報告書の内容が、ガットの現行の関係条文に照らして我々のとっている措置が八品目部分については整合性がないということを言っておりますので、それを回復させるということは、やはり輸入数量制限をやめる、自由化をするという意味でございます。
○串原委員 それでは伺いますけれども、今御答弁をいただきましたが、そうすると、来年二月のガット理事会までに関係団体との話し合いを含めてどのような段取りで進もうと考えておるのかお答えください。
○眞木政府委員 今回総会で我が方がそのような発言をし、部分採択を求めたわけでございますが、これが各国によって受け入れるところとはならず、結論として来年の二月理事会まで全体が持ち越しとなっている格好で現在推移しているわけでございます。したがって、今後必要に応じ、アメリカとの二国間協議あるいはまた二月に予定されている理事会への対応ということがあるわけでございまして、その過程の中で今御指摘になりました問題について国内的にもいろいろ手順なりそういうものを詰めました上で対応してまいりたいということでございます。自由化をするという、部分採択を提案した中でそういう残りの部分についての意思表明はいたしましたけれども、これをいつ具体的にどのようなことでやるかということについては一切まだ言明もしておりませんし、これからこういう問題については全体の問題の帰趨を見きわめつつ検討してまいる問題である、このように考えている次第でございます。
○串原委員 改めて確認しておきますが、そういたしますと、去る十二月初旬のガット総会では今御答弁のような説明をしたけれども、現在の段階ではその中身は決まっているわけではないので、今日の段階で私があなたに質問をして答えをいただくとするたらば、十二品目は自由化できないという立場でまだ事を進めている、こういう理解でいいのですか。
○眞木政府委員 総会の場で本報告書の扱いについて我が方がそういう今申し上げました形での方針なり考え方を明らかにしたわけでございますから、そういう事実が現在ここにあるということでございますので、それと全く異なる対応をするということはやはり問題であろうかと考えております。
○串原委員 大事なところですからいま一度伺います。
 八品目については自由化やむなしということはもう変更ないということですか、変更することはできないということなんですか。
○眞木政府委員 二月理事会における決定、本件の取り扱いがどうなるかという問題はあるわけでございますけれども、我が方としては、報告書に関する眼力、乳製品、でん粉及び国家貿易に関する解釈の部分については受け入れがたいけれどもその他の部分については受け入れるということを言っておるわけでございますから、やはりそれに拘束されるという面はあろうかと考えております。
○串原委員 では、大臣に伺います。
 八品目は自由化やむなしという立場で進めざるを得ないという意味の経済局長の答弁であった。そういたしますと、大臣は、先ほど御答弁になりましたように、国内の了解、我が家の了解という立場に立って大臣としては話し合いを進めていくということですか。
○佐藤国務大臣 先ほど来私も答弁申し上げましたとおり、ガットの場におけるあるいは日米間を含めて基本的な方針はもう申し上げたとおりでございます。しかし、その中で八品目についてどうするかということについてはこれからいろいろ検討したければならぬ。基本方針は経過的にもはっきりいたしております。しかし、具体的なことにつきましてはこれからやらねばならぬ、こういうことでございます。
○串原委員 改めて伺いますが、そういたしますと、八品目の問題についてはガットで説明をした経過があるのでこの路線を変更するわけにはいかないが、国内の了解、我が家の了解という表現でもよろしゅうございますが、これを進めるとするたらば、国内だけの予算を含めて今後の対策を具体的に立てながら関係団体、農業団体と話し合いをしていくということなんですか。
○佐藤国務大臣 外交上の問題もありますから、我が方は部分的採択ということで強い主張をいたしましたけれども、それが受け入れられなかった。中身をいろいろ見てまいりますと、八品目は譲らざるを得ない、二品目は断固として守らねばならぬ、ついては、このことについてさらに二国間において話し合いをしなければなりません。それが一つ残っております。もう一つは、あわせて国内の関係する皆さんに理解を仰がなければならぬ、こういうことでございます。
○串原委員 だから、重ねて伺いますけれども、ガットの総会のときにはそういう説明をしたけれどもまだ決まっていない、十二品目の問題が決着がついていないという立場であらゆる話し合い、国内の話し合いも二国間についても話し合いをしていくという立場であるかどうかということを私は確認しておこうと思いまして今質問しているわけでございます。そこのところはどうなんですか。
○眞木政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、二月の理事会までにこれを円滑に決着するべく最大限の努力をしていくわけでございまして、その間また二国間のアメリカとの話し合い等もいろいろやらねばならないかというような状況にあるわけでございます。したがって、この問題が最終的に決着をまだしていないということは御指摘のとおりでございますけれども、我が方の考え方としては、部分採択の主張の中でこの八品目についての我が方の意思決定をしたわけでございます。したがって、それをいつの時点で具体的な形でやるか、その場合に国内の手続、いろいろな方々に御説明をして国内対策等ともあわせてどのように持っていくかということについては今後速やかにいろいろと考えて詰めていかなければならない問題である、そのような考え方によるわけでございます。
○串原委員 外務省に伺いますけれども、今日までの対アメリカ外交というのは、私が理解するならば、外務省のお願い外交、こういう格好で押されてきたのではないか、こう思うのであります。単純に工業製品と農産物と同一視する誤り、これを強調していく外交姿勢に徹すべきではないか。
 時間がありませんから食糧の重要性についての議論はここでする時間がありませんけれども、例えばECのごとく譲れないものは譲らない、譲りません、こういう方針に我々は今こそ学ぶべきときではないのか、こういうふうに思うのであります。農産物外交に関する眼力、外務省としてもいささか姿勢を変える、軌道修正するといってもいいでしょう、変えるべきではないかと私は思う。いかがですか。
○池田説明員 お答え申し上はます。
 事は農業の問題であり、農産物の問題であり、食糧の問題であるわけでございます。したがいまして、事日米に限らず、例えばガットの場の農業交渉にいたしましても、農産物、農業問題がかかわりのある場面におきましては常に農林水産省と緊密な協議を重ねて、政府一体として対処方針を出して取り組んでいる次第でございます。したがいまして、その限りにおきまして対処方針の差というものはないとはっきりと申し上げられます。
 それから、私ども決して農業に詳しいとかそういうことを申し上げるつもりはございませんが、私どもなりにやはり食糧の安定的供給の確保の必要性、あるいは農業として必ずしも経済原理一本やりでは割り切れない側面が多々ある、こういう点は私どもなりに認識しておるつもりでございます。足りないというおしかりでございましたら甘んじて受けますが、その点につきましては今後とも政府部内の協議を従前以上に密接にいたしまして、誤りなきを期したいと思います。
○串原委員 重ねて外務省に伺いますが、このガット協定の条項を改廃する問題についてであります。
 一つは、ウエーバー条項なるものは特定国だけの都合のよろしい条項である。今回の国際情勢から見て、これは改むべきものではないのか。このことをあなた方の立場できちっと国際場裏で提起していく考えがあるのかどうかが一つ。
 いま一つは、食糧自給率の低い国、オリジナルカロリーが五〇%以下というような国は、単純に一般的な貿易という立場からだけで輸入拡大を求めていくような方向になるようなガットの仕組みというものはこの辺で改めていくべきときにあるのではないかと私は考えている者の一人であります。その辺についてあなた方は国際場裏でその立場に立って提起する考えはおありなのかどうか、お答えください。
○池田説明員 第一点のウエーバーの問題につきましては、既に大分前から、これはおかしい、大体義務免除というものは二十年三十年も続くというのはそもそも想定していなかった事態ではないのかというのは従前からも問題提起しております。これからもウルグアイ・ラウンドのコンテストでこの点は強く強く主張しようと思っております。
 それから第二の点、食糧自給率の低い国の取り扱い、この問題につきましても新ラウンド、農業交渉の枠の中で、そういう国に対する適当な妥当な考慮が払われてしかるべきである、こういう立場を正面から打ち出してまいりたいと思っております。
○串原委員 時間の都合で外務省にこれ以上伺うことはできませんが、ただいまお答えをいただきました二つの事項、心して対処してもらいたい。強く強く要請をしておきたいと思う次第であります。
 次に大臣に伺いますが、伝えられるところによりますと、一月中旬に訪米する竹下総理大臣のお土産に、つまり今議論になっておりますところの農産物十二品目あるいはその他の自由化問題をかばんに入れて訪米すると伝えられているのでありますが、私は、総理大臣が農産物自由化問題をかばんに入れて訪米することは賛成できない。総理の初めての訪米というものは、日本農業の実情からもうこれ以上自由化はできないのであります、こういう確固たる態度を表明する絶好のチャンスだと私は思っているのであります。その方針で農林大臣としてあなたは総理に進言するお考えがありますか、どうです。
○佐藤国務大臣 改めて進言をしなくても、私自身今までも総理に言ってきたところでございます。今前段お話のございました竹下訪米のお士産を持っていくのかどうか、このことにつきましては、もうお土産でどうのこうのという、過去には、いい悪いは別として、とにかくいろいろな評価がありました。しかし、そういうようなことで通る世の中ではない。私はこれをお土産とかなんとかという、決して言葉じりを申し上げるわけではございません。ただ、私自身は、お土産だとかなんとかではなくて、竹下初の訪米というものは、懸案の問題、同時に長きにわたるこれから先行きの日米の再構築、こういうことについて率直な意見の交換をしてこられるものと期待をいたしております。このことと、今言われておる二品目、八品目あるいは十二品目という問題がお土産になるかならないかという問題とは別である、さよう心得ております。
○串原委員 先ほど来議論、質疑をしておりますように、重大な時期だと私は理解しております。より一層腹を固めて対処してもらいたい。強く強く農林大臣に要請を改めてしておきますが、いま一つ、今にして断固たる方針を固めていないというと、来年三月の牛肉、オレンジの交渉に同じ轍を踏むことになりはしないか、私、今度の訪米の機会にそのことをいささか強く感じて帰ってまいりました。牛肉、オレンジ交渉に当たっては絶対に妥協しない、こういう決意がありますかどうか、大臣、この際所信を表明してください。
○佐藤国務大臣 牛肉、かんきつの問題について触れられたわけでございますけれども、今日までの経緯、その次元が十二品目と違うという認識をまず持っております。八八年以降に何とか結論を得たいというのが牛肉、かんきつの問題でございます。
 しかし、ちょっと砕いて言いますと、もう来年の四月からは牛肉、かんきつ、オレンジ関係は自由化することはもう決まっているんだというような声もアメリカ側からは耳に入ってまいります。そういうこともあわせ考えますと、既にこの問題は、牛肉、かんきつの問題は八八年以降何とか話し合って結論を得たいものだということで経過は明らかでございますから、これはこれなりに交渉を進めるために今準備を進めておるところである、こういうことでひとつ御理解をいただきたいと思います。
 なお、一体これが自由化できるのかどうか、そこだけはっきり言えや、こういう御指摘でございます。自由化は困難であると申し上げておきたいと思います。
○串原委員 いま一つ伺いたいと思いましたが、時間が参りましたからこれで終わることにいたしますが、大臣、改めて申し上げるようで恐縮でありますけれども、いささか重大な時期であるということを重ねて申し上げまして、一層決意を新たにした対処を希望いたしておきます。終わります。
○菊池委員長 竹内猛君。
○竹内(猛)委員 まず最初に、この厳しい農業情勢の中で佐藤農水大臣が就任されたことは大変適材適所だと思います。けれども、これは喜ぶわけにはいかない。なぜなら、先ほどからいろいろのお話があるように、毎日の新聞にも見られるように農業、農村、農民を取り巻く情勢というものは極めて厳しい情勢にあります。
 そういう中で、既に政府・自民党はガットの問題等々においても、今いろいろと質疑がありましたが、既に宇野外務大臣はもはや裁定の全面受諾以外に道はないと見定めて帰国をされたということ、あるいはまた石川農水省事務次官も形式よりも実態が問題なんだ、裁定受け入れやむなし、関係農民をどのように救済をするかということについて発言をされている。二品目以外は譲歩すべきだともう腹を決めているということは、明確にその辺から伝えられていることであります。先ほど来の質疑を聞いていても、まさに歯切れがよろしくない。特に、マスコミや特定の評論家を中心として農業の過保護論あるいは国際分業論、そしてそういうものが大変大きく宣伝をされている中で、今、日本の農業をこれからどういう方向に持っていくのかということは、佐藤農水大臣の大きなこれからの仕事になるが、この事態に対応して本当にガットの問題にしても、今後の食糧の自給にしても、あるいはまた農業が持っている緑や水や国土の保全あるいは消費者が望んでいるような安全にして新鮮で良質で一定の価格で確実に受け取ることができる、こういう食糧の自給力あるいは自給度の向上、こういうような観点に立って、農業の持っているところの社会的、経済的な役割というものを踏まえて農林水産大臣の決意をひとつ聞きたい。
○佐藤国務大臣 前回の委員会で就任後初めてここでごあいさつを申し上げました。その際も、厳しい状況の中で御指導をお願いしたい、こういうことを申し上げましたが、一口に言って大変な時期だなと私自身、そう思っております。そう思っているだけに、足らざる私ではございますけれども、御鞭撻をいただいて、その責任を果たしてまいりたい、こう思っております。
 基本的な農政に対する姿勢はこういうことでございます。食糧の安定供給、活力ある地域社会の維持、国土、自然環境の保全など農業の持つ重要な役割、おっしゃるとおりでございます。これを踏まえて新たな展望を開いていかなければならぬ、こう思っております。そして、農業と言えばもう担い手がない、希望がない、こういうこともささやかれておる現状にかんがみまして、そういうことのないよう、また消費者のニーズにもちゃんと対応して進めてまいりたい、こう思っております。
 もうよく言われておることでございますけれども、また私自身も就任早々そうだと思っておりますが、昨年十一月の農政審の方向、これはお互いがまずは理解をしておるところでございますけれども、さらに具体的にこれをどう進めて農業の生産性向上を図り、合理的な農産物価格の形成を目指して万全の施策を講じていくかということになりますと、やはり展望を開く、そしてお互いがどう汗を流していくか、先行きはこうなるのだということを農政審の答申をさらに具体的にした考え方、対応というものを示してまいらなければならぬなと決意をいたしておる次第でございます。
 以上率直に申し上げましたが、このような姿勢を貫いてまいりたい、こう思っております。
○竹内(猛)委員 姿勢については同感ですけれども、これをやるためには非常に厳しいことが多々ありますし、これを皮切りにして、きょうの時間では間に合わないけれども、これからしばしば提言もするし、また一緒に検討するべきものは検討したい、こういうふうに思います。
 そこで、外務省に伺いますが、一体、貿易黒字というものは今日の段階で幾らあって、八品目ないし十二品目、仮にこれが全面的にクロで輸入されたという場合には一体、日本の黒字というものはどの程度解消するのか、これが第一点。
 第二点は、そのことによって日本の農業がこうむる被害というものはその何十倍かの被害があるということを承知してもらわなければならない。
 第三点は、七四年通商法の三〇一条、不公正貿易の慣行に関する報復措置、これをやらなければ三〇一条の報復措置によって日本の鉱工業製品を輸入したい、こういうことをされることをおそれて、今自民党も政府も弱腰になっているのではないか、この三つの点についてはっきり答弁してもらいたい。
○池田説明員 お答え申し上げます。
 御案内のように、我が国、アメリカとの間だけをとらえてみましても、数百億ドルの黒字を持っているわけでございます。いわゆる十二品目の輸入実績は、八四年の数字でございますが約五百四十四億円と私、承知しております。仮に、全く仮にでございますが、自由化したといたしましてこれがどのくらいにふえるかというのは、正直に申し上げまして予測はいたしかねますが、そうすごくと申しますか大幅に、すなわち日本の黒字を大きく埋め合わせるほどの輸入量がふえるというふうには、品目の性質からいいまして思えません。また、それぞれ輸出国の競争力の問題もあると思いますが、これがお答えになっているかどうかわかりませんが、第一点でございます。
 第二点、十二品目の問題というのは、事十二品目だけにとどまらないで日本の農業全体にかかわる性質の問題だという御指摘だと存じますが、その点につきましてもそういう性格の問題である。つまり、これは氷山の一角であってその含むところははるかに大きい問題であるということを私どもとしても十分にわきまえまして、これまで交渉してまいりましたし、今後ともそういう姿勢を貫いてまいりたいと思っております。
 三番目、三〇一条の問題でございますが、これはぜひ御理解を賜りたいのでございますが、先ほども大臣の御答弁にもございましたが、この場で申し上げることは直ちに外国に伝わるわけでございます。したがいまして、仮に、まさに仮にでございますが、私どもが三〇一条の危険があると思う、そういうことを申し上げれば、それは直ちにアメリカ政府に対して、ははあ日本の政府はああいうことを思っているんだな、こういうふうに伝わるわけでございます。したがって、そういう危険があるとかないとかあるいはそれを恐れているとかいないとかということではなしに、私ども、一般論といたしましてアメリカのいわゆる三〇一条という、特にその実際の適用、これを背景に据えた交渉のやり方というものに対しては強い不満を持っておる、これだけ申し上げておきたいと思います。ありがとうございました。
○竹内(猛)委員 そこで問題は、仮にということで、十二品目あるいは八品目というものが全面的に輸入された場合においても貿易黒字というものに対してはいささかの変化もない、余りない、こういうことが明確になった。そこで今度は日本の農業が受ける、地域農業ですね、例えば北海道の酪農から始まって鹿児島のでん粉、その間におけるトマトあるいは果汁、オレンジ、あらゆる地域の生き延びてきた地域の特産物が片っ端がちこれによってつぶされていくということが明らかですね。せっかく意欲を持ってやろうとしたものがたたかれる。そういうことになってくると、日本の農業を守り発展をさせるという立場に立ったときには何としてもこの被害の方が大きいということは明らかだ。そうなれば三〇一条の報復手段としての鉱工業製品の輸出が妨げられる、こういうふうに予測をしなければならない。これは予測です。大臣、どうですか、これは。
○佐藤国務大臣 ちょっとそういう予測はいたしたくありません。
○竹内(猛)委員 その一番の大事なところにぴしっと答えられないというところが不満ですね。これが私は大変不満です。不満だけれども、その先の方へ行く。
 問題は残存十二品目じゃなくて米の開放にあるんだ。既にワシントンでの読売新聞の三浦特派員の伝えるところによると、全米精米業協会、RMAのスティーブン・ギャバート副理事長とのインタビューのことが報道されておりますが、その中で、日本のコメ生産は非常に非効率だ。日本農業の長期的利益にならない。食管法の変革で日本農業はより効率的になる。コメはアメリカの生産力から見て、最大でも日本市場全体の一〇%しか供給できないと言っています。それで、さらに三〇一条への提訴を考えている、これが本音ではないのか。これからの日本農業の根幹に大きな変化を加えるというのが、まず今度の八品目、十二品目を取り壊して、そして国家管理品目である米に及んでくる。つまり本城を落とすとするならば外堀を埋めろ、こういう格好になってくることは明確じゃないですか。その点はどうです、経済局長。
○眞木政府委員 今回の十二品目についての日米間のやりとりあるいはまたその報告書の内容等、アメリカ側が今後十二品目以外のいわゆる牛肉、かんきつあるいは米の問題についてどう関連づけておるか、アメリカ側としてはまたそれなりにいろいろ考えておるかと思われますけれども、これについて直接我々が、まあそういう状況にも十分配慮したがらいろいろと考えていかなければならないということでございまして、直接今これらについてのコメントは差し控えさせていただきたいと考えております。
○竹内(猛)委員 重要な問題はすべて差し控えることになってしまうと、これは議論としてはまことにかみ合わないですね。
○眞木政府委員 今の答弁で、そういう状況にも十分注意しているということを申し上げましたわけでございまして、我々がそれを無視しておるとかあるいはほうっておくということではございませんで、我々としても我々なりにそういういろんな状況を踏まえて万全の対処をすべく考えている、こういうことでございます。
○竹内(猛)委員 これは開かれたところでありますから、ここでいろいろ答弁するとそれが伝わってかえって外交上の不利になることは余り追及することもできませんが、外務省も農水大臣もここにおられるのですから、ここでともかく八品目、十二品目というようなものが大して貿易の帳じりに、黒字に影響を与えない。しかしながらこれがやられることによって日本の農業の根幹である伝統的な米にまで及んでくるということは、既に全米の米の商社が三〇一条に提訴をしようとしている、こういうことを考えてみてもこれはそのままじゃ済まないということだけは私はここで明らかにしておきたい。いずれこの問題については時間が迫ればそこへ行くだろう、こういうふうに考えざるを得ない。
 そこで、今度は次の問題は国内の農業に関連することで質問をしますが、農水省は海外の農業との関連を考えてこれからの農業というのは生産規模を拡大をする。水田すなわち土地利用型の農業は最低五ヘクタールからあるいは十ヘクタール、さらには二十ヘクタールぐらいの大型にしていこう。中核農家をつくっていこうということをしばしば公表します。畜産も多頭経営を進め、生産力を高め生産費を引き下げるという方向に考えている。そのための団地の形成、協業化、共同化あるいは土地の流動、こういうところに重点を置いているわけでありますが、このこと自体は別に反対をいたしませんけれども、そして一方においては農機具や肥料や農薬等の価格にも配慮したい、このようなことも言っておることで、それはそのとおりだと思うのです。したがって、従来価格政策を中心としたものが構造政策に転換をする。
 先般来この農林水産委員会が調査で長野や岐阜や富山等々を調査をいたしました。また私自身も別の委員の皆さんと、朝日農業賞をもらったところの宮城県の小豊室の生産協同組合の現地懇談会あるいはその他各地の多くの農村を回って、いろいろと生産者や消費者の話を聞いた中で、現在の農水省の考えているこの規模拡大の道も一つではあるけれども、それがすべてではない。やはり今農家が要求していることは、その地域の農業、伝統的な農業というものを足がかりにして農家所得というものを安定的にしたい、こういう考え方が強い。そういう中で高齢化社会がどんどん進み、労働力の女性化が進んでおるということが実情です。
 先般、食生活において日本型の食生活をやろう、こういうことを農水省も提案をしていらっしゃいました。私はそれは賛成ですが、そうだとするならば、日本型の農業生産構造というのがあってもよいではないか。つまり北海道から沖縄まで細長い国で、モンスーン地帯で湿地が多い。傾斜地も多い。そして大変精農で、立派な良質のものをつくる技術も進んでいる。そういうところで地域的にそれぞれの生産者が創意工夫をして立派な経営をしております。こういう経営というものがあるのですからこれをやはり生かしていかなければ、規模拡大、規模拡大とばかの一つ覚えのように言ったってそれはどうにもならぬじゃないかという面がある。例えて言えば十町歩の経営を一つつくるためには十六戸の農家が所有権か経営権か利用権を与えなければならない。それならばそれの賃貸料で食えるじゃないか、賃労働や何かで稼いだものとそれを貸したもので食えるじゃないかと言うけれども、そういう現状にはなっておらない。農家は自分の土地はやはり財産的価値として見ている。特に都市近郊にはそういう傾向が強い。生産力としてだけに見ない。そういう点からしてみて、今後の日本の農業の発展の方向というものについて規模拡大だけが中心ではないのだということについても、その見方というものがあるかないか。農家の所得というものをどういう形で構成をするのか。そして、十町歩あるいは二十町歩、こういうふうに水田が大型化にいった場合に水田から離れた農民、こういう者は一体どういうふうになっていくのか。この辺はどう考えられますか。
○鴻巣政府委員 私どもの考えでおります構造改善は、委員の御指摘のありましたように、西欧のような例えば十ヘクタールとか二十ヘクタールというものがきれいた構造が突如できるとか、そういうことにはならないと思っています。現に私どもの見て宿る限りにおいては、中核農家あるいはプロ農家と呼ばれますのも、東日本で大体、農作業の受委託も含めて五ヘクタール、西日本ですと二、三ヘクタールという程度でございまして、そういう人たちが集落の中で、集落を背景にして育っていくということが日本的な構造政策だろうと思っています。そういう意味で、これから兼業が進む、さらに高齢化が進む中で兼業農家あるいは老齢農家が離農していくということを期待しているわけでも希望しているわけでもなくて、その人々が自分の楽しみとか生きがいのために自分の持っている水田なり畑を自分で耕せる限りは耕して、その余の手に余る部分を中核農家なり生産組織なりに耕作を任せる、そういう形がもうぼつぼつ出てきていますし、これからそういう形がさらに一層広がっていくのだろうと思います。したがいまして、集落の中で農家の数は中世、近世以来今日までほとんど変わりませんし、これからも変わらないと思います。そういう中では、兼業農家などは他の世界、つまり第二次産業や第三次産業で所得を得ながらなおかつその村に住む、荒らしづくりをしないでその集落全体の農業をよくするという方向でみんなで考え合って、兼業農家や老齢農家の土地を大部分、中核農家なり生産組織が預って耕作をするということがとりもなおさず、裏から返せば中核農家などにとっての規模拡大になるということが日本型の構造政策であろうと思っておりまして、私どもはそういうところを今、構造改善事業あるいは基盤整備で進めているわけでございます。
 したがいまして、兼業農家とか高齢農家、特に兼業農家の場合に、安定的な所得といいますか、就業の確保を図ることは委員御指摘のとおりに大変大事だと思っていまして、今私どもが検討いたしておりますのは、農村地域工業導入促進法というのがございまして現在農村地域への工業の導入を進めておりますけれども、これから構造政策を推進し、はたまた就業機会の増大を図るためにこの法律を拡充することが必要ではないかという結論に最近到達しつつありまして、そのためにはまず、今は農村工業ですから当然導入対象企業は工業だけに限られておりますが、近く流通業、例えば卸売業とか道路貨物運送業とか倉庫業といった流通業にまで拡大をして、これに関連した所要の導入促進措置を講ずるという形で農村工業導入法の改正を検討いたしておりまして、成案を得次第次の通常国会に提案をして御審議を賜りたいと思っているところでございます。
○竹内(猛)委員 時間の関係からこういう議論を余り長くすることはできませんから、問題だけを提起して次にいきますけれども、農村工業導入法が前にできて、そして農村でそれぞれのことを進めてきたことはよくわかっています。これが成功しているところもあるし、問題が起こっているところもありますから、交通や輸送あるいは労働条件、こういうものを合わせていく必要があるが、今日のように九三%ぐらいまでが兼業農家になり、特に二種兼業が多くなってきた。そして、炭鉱を初めとして鉄鋼、造船多くの大型企業なり、日本の基本的な産業からUターンをする人たち、あるいはまた公務員でも民間でも定年で六十歳になると退職をしなければならない、しかし非常に元気である、こういう方々が農村で農業の仕事をする。あるいはまた若い者も農村に残ってやろうという場合にもいろいろありますが、そういう人たちの雇用問題というものを法律的にちゃんと裏づけをするくらいのことは必要じゃないのか。そして所得をともかく明らかにしていく。所得がはっきりしない、どれだけ働いてもなかなかうまくいかない、こういう点について所得政策というものをしっかりする必要があるのではないかということを提言したいと思います。
 農水省が時々いろいろな政策を発表するが、それが中途半端でいつでも変更しなければならないということでありまして、これについては、農家の方からしてみれば甚だ農政不信という声が出ております。例えて言えば、土地改良を一方で進める、そして土地改良が完成をして増産が始まると、今度は減反だ。まだ負担金が払い終わらないうちに今度は減反だという形になる。減反をするけれども、天候やあるいは技術やその他のことで努力をして米の生産が伸びればさらに今度は生産者がそれの超過分は負担しろ、こういうことでこれまた生産者のところにかぶさってくる。きょうあたりの新聞を見ても、七十七万ヘクタールの減反の上にさらに二・六万ないし五・四万ヘクタール上積みしなければならない。あるいは超過米が二百三十万トンになったから、米の始末についても生産者団体がやりなさい。これでは、農家は増産をする、米の価格は下がった、土地改良費は負担をしなければならない、減反を進められる、農政はちぐはぐじゃないか、こういうような農政に対して行政的な責任というものが問われております。佐藤農水大臣は、米の新潟のど真ん中で育って農業一本できたのだから、その気持ちはよくわかると思うが、これは一体いい方向だと思っているのか、やむを得ないと思っているのか、どうですか。
○佐藤国務大臣 いろいろ各般にわたって御意見の御開陳がございました。構造改善局長からも答えましたが、前段の点につきましては、表現を変えれば新しい第四次全国総合開発計画、これに基づいてそれぞれの地域の農村、農業の活性化を他のものとのバランスにおいてどう生かしていくか、こういうことになろうと思います。そういう意味で四全総も書いたものだけということにとどまらず、フォローアップを十分していかなければならぬ。そうでなければ農村はよくならない。おっしゃるように、農家の所得も上がらない。雇用の問題がまさにそこにある、こういうことで、定住と交流、こういうこと等も柱にしたがら打ち立てた四全総に徴して、私どももひとつ努力してまいりたい、こう思っております。
 後段、米のことについて触れられましたが、第一次、第二次の過剰状況というものを実は乗り越えてまいりました。第一次、第二次の過剰の時期とは違った数値ではございますけれども、多少なりとも過剰が――過剰という言葉は私余り使いたくございませんけれども、事実二百万トン以上、二百三十万トン程度のものがある。私は基本的には豊作は喜ばなければならぬ、こういう信念を持っております。常に訴えてまいりました。そして生産されたものが、食糧がとうといものであり、豊作というものはよかったなということにならなければならない。それが終わってみたら悪かった悪かったというような印象を与えるようであってはならぬ、こういうことで、それじゃどうするかということで、七十七万ヘクタール、この減反もお願いし、あるいは自主調整もお願いし、いろいろやってまいりましたけれども、ことしまた、今までとは違うけれどもやや余りぎみの状況にある。忘れてはならぬのは、やはり消費拡大、このことは古くて新しいことであるということについてお互いがもう少し食べれば何とかなるがなということも、私も言っておるところでございまして、また学校給食についても言えるわけでございますし、また調整保管的な立場からもやはり卸業者にもそういうことを考えてもらったらどうかなとかということについて、まずは農林省と関係諸団体と真剣に話し合った結果、そのことに基づいてひとつ対応策を進めてまいりたい、こういう考え方でおりますので、決して――他用途米の方もどの程度ふやすことができるか。わずかでもふやせば他用途米といえども米であるということでわかってもらえるかたと、いろいろな要素を積み重ねて、そして今日の厳しい状況を切り抜いていきたい、こう考えておるところでございます。
○竹内(猛)委員 あと三点ほど質問をしますが、一つの提案を僕はしたいと思うのですね。農家の所得、農業所得というものを確保するために、規模拡大ということは一つの道だ。これは水田農業においては規模拡大が道でありますが、それじゃ土地を離した音あるいは兼業の者は一体どうしたらいいのか、あるいはまた、山の中でどうにも規模の拡大ができないところは一体どうするかという問題を考えると、やはりあと三つ四つの問題があるんじゃないか。
 まずその一つは、伝統的な地域的な特産的な農業化軸にして、それにプラスアルファという総合的な所得を構成していくという道があるだろう。それから畜産やそういうものについては、これはもう多頭化の方向と資本投下、その場合には金利あるいは価格の問題があるだろう。それから山村地域においては、それは総理大臣も言っているように、「ふるさと創生論」だといったって何が「ふるさと創生論」か具体的なものがない。言葉があって中身がない。あるいは中身だってはっきりしてもらわなければどうしようもない。そういう「ふるさと創生論」というものがあるならば、そのふるさとというものをどういうぐあいに創生させみかということについで筋道と予算をつけて、なるほどこうだなと、わかりやすくしてもらわなければ困る。そういうことで、例えば長野県の調査をすれば、高冷地の野菜あるいは花卉、キノコ、こういうものが十年間の間に物すごく前進をしている。こういうところを見ると、ここらをやはりちゃんと押さえていく必要があるだろう。それから都市の近郊、施設園芸、こういうものについても手当てをして、そして万遺憾なきを期すというような方向というものをとっていかなければ、規模拡大だけが万能だ、中核農家、中核農家と、ばかの一つ覚えみたいにそんなことばかり言ったってどうしようもないじゃないか。そういう点で、やはり地域農業振興あるいはそういう意味における基盤整備、農道をつくるなりといったような問題についての努力を要請したいわけですけれども、これはいかがですか。
○鴻巣政府委員 今でも中核農家八十万戸ございますが、そのうちの半分は単作ですが、残りの半数は複合でございまして、米をやりながら野菜をやるとか、畜産をやりながら果樹もやるという形で中核農家自身も展開をいたしております。
 私どもが構造政策と言っておりますのは、地域にいろいろ多様に展開している中核農家の営農の実態を踏まえて、それぞれ多様な道を展開させるように支援するということでございまして、今お話しのように、複合経営化も農家所得を拡大していって一つの中核農家をつくる重要な道筋と考えております。したがいまして、規模の拡大あり、複合化あり、しかもその規模の拡大も所有権の取得化あり、借り入れあり、農作業の受委託あり、地域によって今まちまちになってきておりますが、そういう多様なものを開花させるために、私どもも今構造改善事業あるいは山村振興対策とか、昔は過疎対策といいましたけれども、今は定住といいますが、定住対策等で、今お話しのような地域特産品の育成とか、あるいは地場の野菜の加工とか、あるいは観光面での、都会から来た人々がそこに住んで山村なり農村に親しむ機会をつくり農業を体験するというような宿泊施設とかいうものもつくることを補助して差し上げるというようないろいろな多様なやり方をしています。恐らくそういうさまざまな手法、地域の実態に即していくことが私どものこれからの構造政策ではないかなと考えているところでございます。
○竹内(猛)委員 次に、畜産振興事業団の問題を質問します。
 畜産振興事業団に起きているあの汚職というものは、全国から一体あれはどうしたんだ、牛肉が安くならないというのも振興事業団の責任じゃないのかたというふうに言われる。大変、甚だ迷惑をしているわけですね。だから、あの問題が起こってから今日まで、およそその責任の所在がはっきりしない。だれも責任をとってやめた者もいないしやめさせもしない。あれだけの問題が起こっているのにほおかぶりをしているというのは一体どういうことだ、こういう声が強い。これは一体どうされるのか、そしてまた、ああいう仕組みがあれでいいと思っているのかどうなのか、この辺はどうですか。
○京谷政府委員 御指摘ございましたように、畜産振興事業団の幹部職員が収賄容疑で逮捕、起訴されるという不祥事件が発生をしておりますこと、農政をめぐる内外の諸情勢が大変厳しい折から、私ども大変遺憾な事態であると考えておるわけでございます。
 早速、大臣からもこのような事態に対処いたしまして、事業団理事長に対しまして職員の綱紀粛正を一層厳正に行っていくということとあわせまして、このような事態を再び繰り返すことのないよう効果的な防止措置を実施して信頼の回復に努めるように指示をしておりまして、畜産振興事業団におきましても、輸入牛肉業務改善対策委員会を設けまして、改善策について鋭意検討を進め、私どもこれを指導しておるという状況でございます。
 この責任問題につきましては、私ども大変重大なものと考えておりますけれども、通常監督責任を含めた関係者の処分は公判の推移を見て行われることが通例になっております。実は、本日初公判が行われる予定になっておりますので、その状況を踏まえ、必要な調査を行いまして、私どもとしても厳正な処分を行っていくように検討をしていきたいというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 長い間非常に問題意識されておりまして、そしてその仕組み等々についても十分に検討して、将来機能を回復して振興事業団が信頼されるような、そういう指導をしてもらいたいということを要望します。
 さて、山の問題に移りますが、さきの国会は林政国会と言われるほどに林業の問題を取り上げてきました。良質な木材をつくって緑と水と国土の保全をするために、あるいはまた観光資源として、山は国民にとって極めて大事な資源であります。財産であります。そういうような重要な山に対して林政審の答申あるいはいろいろな再建の方法も出ましたけれども、結局問題は、ついこの間この統廃合という問題が起こってきた、そして今各地域ではこの問題で非常に悩んでおりますし、特にまじめな林業で働く人々が働く意欲を失うというような、そういう気持ちもないわけではないという状況であります。やはり、国民に愛され、そして国民のために山をつくり、水をつくり、国土を守るための林業というものについては、何としても金と人がつぎ込まれなければならない。そういう中で、森林・林業、国有林の活性化、再建をめぐる自治体の決議は、全自治体の三分の一、千三百を超えております。営林署の廃止は、こうした世論にも反し、総理の言う「ふるさと創生」、国土の多極的開発からいっても、森林・林業、国有林の再建、活性化に向けて、大臣が答弁をしたように、それを踏まえてその実現のために努力をすべきであると思いますけれども、この点はいかがですか。これはひとつ大臣。
○佐藤国務大臣 林業の活性化についての基本的な考え方をこの際申し述べさせていただきたいと思います。
 我が国の林業、木材産業は、長く木材需要の停滞とこれに伴う価格の低迷など困難な状況にありましたが、最近の木材需要の回復傾向等明るい兆しも若干見え始めております。この中で代替材や外材との競合に耐え得るような林業、木材産業の一層の体質強化、活性化を図ることが強く求められております。このため、昨年十一月の林政審議会報告等も今引用されましたが、これを踏まえまして木材需要の拡大と木材産業の体質改善、造林、林道等林業生産基盤の整備、主産地形成等国産材を安定的に供給する体制の整備等諸施策を推進しているところでございまして、今後とも森林・林業の振興に向け、積極的に努力を積み重ねてまいりたい、かように思っております。
 残余は林野庁長官から答えさせます。
○竹内(猛)委員 いや、いいです。
 今の大臣の答弁をなお仲間がいろいろな角度からこれからも要請をすると思いますから、それを踏まえてひとつ実行してもらいたい。
 最後に、今度は畜産局に。これは、前の国会で私は何回か生乳取引の問題について質問をしました。それにこたえて、畜産局も現地調査をしたり文書を出したりしましたが、依然としてまだ文章が確実なものになっていない。五十年、六十年ごろのものはあるけれども、実際にこの取引が近代化していたい。お互いに乳を出す者、買う者、この間に近代的な契約ができないということは極めて不自然だ、何とか生乳連というものを生かして法律に基づいて運営ができるようにしてもらいたい、こういうことを重ねて要求します。いかがですか。
○京谷政府委員 生乳取引についての契約文書化の問題について重ねてお尋ねがあるわけでございますが、私どもも、種々調査を行いましていろいろ欠陥のある点を発見しております。そこで、去る十一月四日に乳業メーカー、それから指定生乳生産者団体、都道府県職員等を集めまして、意見を聞き、契約の当事者である指定生乳生産者届体あるいは乳業メーカーがこの適正な文書化に努力をしていくということで意見の一致を得まして、これを踏まえて改めて都道府県あるいは関係団体の指導に当たっております。今後ともこのための指導を強化してまいりたいと思っております。
 それからまた、生乳連の問題でございますが、御案内のとおり現在の不足払い法の体制のもとで、生乳取引の当事者というものは乳業メーカーと各都道府県に設置された指定生乳生産者団体であります。この組織的な背景としましては、全酪連あるいは全農という組織がございますし、また、それを包括した形で中央酪農会議という組織がございます。また、それと並立して御指摘の生乳連も存在しておりますけれども、基本はやはり関係者の間の意向というものがまず第一でございまして、それらを踏まえて私どもも適切な対処をしてまいりたいと考えております。
○竹内(猛)委員 時間が来たからこれで終わりますけれども、努力をしていることはよくわかりますから、その努力をさらに続けて、それぞれの団体の機能というものも活用して十分に生産者の気持ちを生かしてもらいたい。特に十二品目等々の問題が仮に開放されていくということになれば、一番被害を受けるのは酪農家でありますね。特に北海道を中心とした酪農家でありますから、そういうところに被害が及ばないようにするためには、絶対に生産者の立場を擁護していくということが大事だと思いますね。私たちは、別に生産者だけが問題ではなくて消費者の立場も考えなければいけませんが、そういう点で一層の努力を要求して、終わります。
○菊池委員長 五十嵐広三君。
○五十嵐委員 十二品目の御質問を申し上げたいと思いますが、その前に、いよいよ営林署の統廃合の問題が大詰めに来ておりますので、その点を一、二お伺いしておきたいというふうに思います。
 今の営林署の統廃合計画を当初お立てになられた当時の中川農林大臣は、国会の答弁で一営林署の廃止に当たっては地元の理解と納得を得てやりたい、こういうぐあいに何回かお答えになっておられるわけでありますが、現佐藤農水大臣もお考えは同じであろうというふうに思いますが、いかがですか。
○佐藤国務大臣 先ほど来もちょっと申し上げましたが、取り運びについては丁寧に運んでいきたいという私の基本的な考え方がございますので、元農林水産大臣の中川一郎先生のお考えは私も同感でございます。
○五十嵐委員 ぜひひとつ、大詰めのところで地元との話し合いがそれぞれ行われているようでありますから、今のお考えを体して林野庁は取り組んでいただきたいというふうに思います。
 それから、今までの地元との話し合いに基づく代替措置等の状況を見ますと、年月を経るに従って中身として非常に機能が失われてきている、あるいは規模が縮小するというような経過をたどっているようであって、地元としては非常に話が違う、こういう声も少なからずあるようであります。ぜひひとつ、これらにつきましては約束をしっかり守って、それらの代替措置等についても機能を失うことのないように十分に充実を図っていただきたい、こういうぐあいに思いますが、簡単でよろしゅうございます、いかがですか。
○田中(宏尚)政府委員 過去、営林署の統廃合の際に代替措置ということで幾つかの事例があるわけでございますけれども、我々といたしましてはあくまでも当時の経緯というものを十分尊重しながらやってきておるつもりでございます。ただ、全体的に国有林野事業の事業なり要員規模が縮小するという過程にございますので、そういう代替措置につきましても趨勢としてはそういう趨勢にございますけれども、設置の趣旨なり機能というものが約束どおり十分に発揮できますよう今後とも心してまいりたいと思っております。
○五十嵐委員 何といっても営林署というのは国有林再建の拠点でありますから、どうか重視をし、地元の意見なんかも尊重し危がら進めていっていただきたい、このように要望を申し上げたいと思います。
 そこで、十二品目の問題でありますが、宇野外務大臣はこの前ガットから帰ってきて二日の日ですか竹下総理に報告をなさった。このとき、報ぜられるところでは、スイスの空は雲低く実にグルーミ一であった、こういう表現で御報告になっているようでありますが、しかしどうも経過を見ますと、ジュネーブで必ずしも我々が期待したような経過になっていないような気もするのであります。アメリカの通商代表部のヤイター代表とは一回ですか、四十分ぐらいお話をした。一日の総会の演説を終わると早々にお帰りになられる。しかし、二日の冒頭にこの十二品目については提案を見ているのでありますから、そのときにはもう大臣はいないわけです。あるいは二日、三日にかけての大詰めのときにもおらない。一体あれでいいのかなという感じがするのであります。しかも、僕が非常に心外に思ったのは、あの一日の総会で宇野大臣が行ったステートメントの記録を我々はいただいたのでありますが、その記録の中には十二品目の一言もないのですね。外務大臣が総会に行って、しかも十二品目問題で我が国農民はすべて心配して宇野大臣のジュネーブにおける活躍を期待している、その大臣が一番大事な総会で演説をして、その演説の中に十二品目について一言も出てこないというのはどういうわけですか。私はそれがわからない。まさかガットの四十周年のお祝いに行ったわけではないわけでありますから、この辺については本当は大臣に直接聞きたいわけですがそういうわけにもいかぬので、局長いかがですか。
○池田説明員 お答え申し上げます。
 大臣といたしましても十二品目問題の重要性にかんがみて、可能であれば自分でハンドルしたいという意向であったわけでございますが、一つには国会開会中であるという事情もございましたし、それから特にただいま先生御指摘のように大臣のいわば相手方でございます米国ヤイター通商代表も一日の午後早々には引き揚げてしまって、相手方もいないという事情もありました。そこで結局、御指摘のようにこの議題が総会士して正式に取り上げられる時点におきましては大臣はいなかったわけでございます。
 それから、大臣の総会演説の中での言及の問題につきましては、ことしの総会は若干特別でございまして、閣僚代表方には閣僚クラスとして特に新ラウンドの今後についての方向を与えていただきたい、こういう強い要請がございましたのでそれに従ったという経緯がございます。
 それにいたしましても、ヤイター代表との話し合いの経緯、それから東京におきまして政府部内で検討を経た結果発出されました訓令、この背景及びその趣旨につきましては大臣も十分に掌握し、その次第を総会の代表でございます我が方大使に十分に徹底させて、その上でジュネーブを離れた、こういう次第でございます。
○五十嵐委員 しかし、あのガットの総会を十二品目で世界じゅう見詰めているわけですから、それは我々だって同じこと。宇野大臣の背中を期待を込めてしっかり見詰めている中で、ガット総会の演説の中で、ウルグアイ・ラウンドの話はしましたよ、しかし、十二品目に関しては一言も言ってない。これは僕はやはりおかしいと思いますよ。この機会に非常に不満であると申し上げておきたいと思います。
 そこで、ガットの総会は終わった。当然、急いでアメリカに二国間の話し合いを申し入れなくてはいけないのでありますが、申し入れましたか。
○池田説明員 総会で決まりましたことは、この問題は来年の二月ごろに予定されておる次回の理事会において取り上げるということでございます。我が方の対応といたしましても来年の二月ごろの理事会を視野に入れましてこれから検討をして対処方針を固めていく、こういうように考えております。
○五十嵐委員 それもおかしいじゃないですか。来年の二月にガットの理事会がある、そこで決めようということにこの前だったことはお話のとおりだけれども、何といったってアメリカとの二国間の話を急いで、そこで決着をつけていかなければだめだということは、だれだってそう思っているわけです。今のお話を聞くと、これまた次長はただ来年二月の話だけして、日米間の協議については少しも触れない、おかしいですよ。
 そこで、佐藤大臣、竹下総理は一月の十二日に初訪米なされる。新聞紙上で見てみますと、その一日前、十一日には外務大臣が訪米する、こう伝えられているわけであります。しかし、我々が期待するのは、殊に今言いましたように日米の二国間の話を詰めていかなげればいかぬ。この前も大臣にお目にかかってお願い申し上げたのは、この間のガットの場合も、ガットの前の二国間協議についてできればぜひ佐藤大臣は出てほしい、この十二品目に関しては、従前前任の加藤農水大臣もこの問題で訪米してみずから二国間の交渉に当たったという経緯がないわけですね。私は、これだけの大問題、外務大臣はもちろんそうだけれども、ぜひ佐藤農水大臣は体を挺するような思いでひとつアメリカと話し合ってほしい、こういうぐあいに思うんですよ。そこで、竹下総理は十二日、外務大臣は十一日だそうだが、年内にもぜひひとつ佐藤大臣は国内の体制を急ぎ固めつつアメリカとの話し合いに訪米するべきじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○佐藤国務大臣 だんだんの話に出ておりますように、ガットの総会は十二品目については継続審議になった。そのことについて精力的にひとつ日米間で詰めなければならぬ。ガットの理事会側への対応もまた進めなければならぬ。同時に、これまた先ほど来申し上げておるように、国内対策というものも慎重にして真剣に検討しなければならぬ、そういうことをあわせてその検討の中でひとつ私が訪米するしないは決めなければならぬのではないか、こう思っております。先ほど言われるようにガットの総会を前にして、おまえが出かけていけ、こういうことを先生に率直に御指摘を受けたこともちゃんと承知しておりますし、また、そういう願望を込めての強い御激励をいただいたことも心にとめておきたいと思います。
○五十嵐委員 大臣、率直に、それは内閣の方針の中でお決めになることであろうと思うが、しかし、大臣としてはこの際やはりみずからもこの交渉に陣頭指揮、自分も時を見計らって、しかしなるべく早く訪米する、訪米したいというぐらいな気持ちは、これはみんな心配して見ているんだから、そのくらいの決意は見せてほしいですよ。
○佐藤国務大臣 一口で申し上げれば、私の心情を申し上げれば、気ははやれども全体を見ながら検討する中でそれのことは決めたい、こう思っております。
○五十嵐委員 そこで、農業基本法がある。その第十三条、ここには国内生産への重大な支障を回避するために、必要があるときは輸入の制限を行う、これは、行うことができるというのではなくて、行うものだという書き方だのでありますが、そういう定めがある。十二品目の対応に当たりましても、当然この基本法の精神を体して事に当たるべきが当然だと思うのですが、いかがですか。
○眞木政府委員 御指摘の農業基本法第十三条でございますが、これは一般的に輸入制限措置等がとられていない品目等につきまして、輸入急増、その結果第十一条に規定しております価格支持政策、価格政策ではなかなか対処し得ないというような場合に関税率の調整あるいは輸入制限の措置を講ずるべきものという規定があるわけでございます。
 我々もこの規定は十分承知をしておりますけれども、いずれにしろ、他方で我が方はガットという国際条約に加盟している立場でもございます。国内法とこの国際条約両方を考え合わせますときに、我々のとり得る措置はガット上整合性のとれ丈、例えば関税の問題等はその一例であろうかと思いますけれども、関税自身、率を決めること自身は各国の主権に属することでございますから、ガット上、バインドしてないものについてはいわば自由に決められるわけでございますけれども、そういう措置等、ガット上の整合性も考えながらどういう措置が可能かということについて検討してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
○五十嵐委員 ガットももちろん尊重しなくてはいけないが、しかし、農業基本法という我が国の農業の上での最も基礎になる法律というものがあって、そこの第十三条で明記されていることも当然十分に尊重しながら事に当たってほしい、こういうぐあいに思います。
 そこで、外務省の池田次長さん、最近の報道によると、宇野外務大臣が八品目について、ですから十二品目のうち二品目の灰色を除いて、その十品目のうちのいわゆる乳製品等、それからでん粉を除く八品目、これについて明年二月の理事会を待たず自主的に自由化に踏み切る方向を示唆したというような発言をしていると報ぜられている。これは私はおかしいと思う。さっきからいろいろ議論があるけれども、まさか外務省、そういう方針じゃないのでしょうね。
○池田説明員 この問題への取り組みにつきましては政府の方針というものがあるだけでございまして、外務省の方針、農水省の方針、そういったものはございません。最低限、農水省と外務省との間で完全な意思疎通を図って合意を見た形でもって政府の方針というものが決まっている次第でございます。その政府の方針は、先ほど来申し上げておりますように、この八品目については小委員会の報告の趣旨を踏まえてガット上適切な措置をとる、それに、尽きるわけでございます。
○五十嵐委員 つまり宇野外相のそういうような示唆をしたという発言というのは、報道はそう出ているけれども、しかし、恐らくそういう発言の内容でなかったのでないかというようなこと等も含めて、つまり政府としては別にそういう考え方を固めている、持っているというようなものではないということですね。
○池田説明員 政府の方針は先ほど申し上げたとおりでございます。
○五十嵐委員 いやいや、もう一遍簡単に言ってください、せっかく聞いたんだから。
○池田説明員 八品目につきましてはパネルの報告の趣旨を踏まえてガット上適切な措置をとる、以上でございます。
○五十嵐委員 そのことを申し上げているのでなくて、二月の理事会を待たずに自主的に自由化に二月以前に踏み切るというようなことを示唆したということについて聞いているのですよ。どうぞ。
○池田説明員 これからの対応につきましては、政府部内、特に農水省の中における検討を踏まえて適切な対処方針を打ち出していく、こういうことに尽きます。
○五十嵐委員 農水省、いかがですか、今のことですが。
○眞木政府委員 ガット総会における対応につきましては、今外務省の方から答弁があった趣旨の発言があったわけでございます。
 この内容につきましては、先ほどややこれを掘り下げた形で申し上げたわけでございますけれども、これから二月に予定されております理事会におきまして我々は最善の対応をしていかなければならない。その中で先ほど大臣が申し上げましたようないろいろな検討を深めた中で、この問題を具体的にどう扱うかということは、国内関係の方方とも十分に御相談を申し上げて決すべきもの、このように考えている次第でございます。
○五十嵐委員 今の外務省及び農水省のお話を聞くと、要するに二月の理事会以前に自由化に踏み切るというようなことはない、そうですね。
○眞木政府委員 二月に予定されている理事会に向けまして、我々が最善の対応をしなければならない。そういう中でどういうやり方があるか、いろいろな対応があろうかと思います。そういう中でこの問題の扱いを決めるということでございまして、今御質問がございましたように、二月まで決めたいとかいうことを含めまして、これからやはりそういう問題について検討するということでございます。ただ、今早期に云々というような話は、農林省としては全く承知をしていないところでございます。
○五十嵐委員 一番最後のそこのところを聞いているわけなのですよ。早期に、二月以前に自由化に踏み切るというようなことを一部示唆したというような報道があるが、しかし農水省はそんなことは関知してない。つまり、二月以前に自由化するような方針を農水省として持っているとか、そんな方針だとかいうようなことではないということですね。
○眞木政府委員 二月以前までに、二月以前と申しますか、理事会の前までにその決着を図るという対応め中でこの問題をどう扱うかということを決めなければならないということで、今後速やかに検討するということでございまして、我々としてはその点については何も決めていないということでございまして、したがって自主的に早期にやるという点については我々まだ関知をしていない、こういうことでございます。
○五十嵐委員 先ほどもそれぞれ先輩の皆さんからの御質問がありましたが、なかなか十二品目の及ぼす影響というのは、大変な影響を各地域に与えることは言うまでもありません。特にそれぞれ特化している農産物が多いわけでありまして、地域経済の受ける被害というものは、もしそれがストレートに受け入れられるというようなことになりますと、はかり知れないものがあると思うのであります。
 例えば、北海道なんかの場合も生乳、ジャガイモあるいは雑豆、肉用牛などはほぼ壊滅状態になろうと言われているわけで、北農中央会の調べによりますと、北海道の農業粗生産額のうち、十二品目関係で四二・七%ぐらいが失われるのではないか、こう推定をしております。関連産業の就業者を含めて、最悪の場合には約三十一万人が離農、失業に追い込まれるおそれがあるというようなことも表明しているようであります。一方、北海道大学農学部の天間教授によりますと、十二品目の自由化で失われる北海道の農業生産額は、約二四%程度、離農、失業は十七万人に及ぶだろうと言われているのでありますが、少なくとも数万人単位の失業者というものを、それでなくとも厳しい北海道がさらに受けるということについて、大変みんな心配をしているわけであります。
 竹下総理は「ふるさと創生論」を言うのでありますが、こういう状況になりますと、「ふるさと創生論」ではなくて「ふるさと喪失論」、人によりましては「ふるさと葬式論」になるのではないかという人さえもいるわけでありまして、地域経済に与える影響というのは大変なものがあろうというふうに思うわけであります。したがいまして、それらの決着については先ほど来それぞれお話がありましたように、当然国内で生産者の理解と納得というものを得る努力をしながら、国境措置あるいは国内対策両面にわたって十分な措置を緊急にとらなければならぬことになると思います。これらの対策につきましては既に種々御検討をいただいていると思いますが、これらのお考えについて、あるいは明年度の当初予算にこれらについて組み込む考えもあるかどうか、これらについてお答えいただきたいと思います。
○眞木政府委員 今回十二品目問題の最後の決着の形、それに我々としては最善の努力を払うつもりでございます。また、この間国内のそれぞれの十二品目にかかわる農業地域に与えます影響といったものも十分考えまして、そういう方々にも十分御説明をし納得をしていただく努力も続けながら、やはり必要な国境措置、国内措置といったものについて考えていかなければならないと考えているわけでございます。
 ただ、この問題の取り扱いにつきましては、先ほども申し上げましたように二月理事会の決着に向けての最善の対応という中で検討を続けていくわけでございます。したがって、その間どういう国内措置が必要かということとあわせて、そういうもののタイミング等についてもいろいろまたこれから詰めなければならないと考えておるわけでございまして、したがって予算が六十三年度当初からになるかどうかという点も踏まえまして、そういう点決しておくればせの対策ということにはならないように留意をしなから検討してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○五十嵐委員 農水大臣、乳製品とでん粉は自由化できない、こういう考え方を従来一貫しておとりいただいているわけであります。もちろんこれからの二国間の交渉あるいはガットの理事会等に臨む我が国の方針として、その方針というのは二品目を自由化するわけにはいかぬということ、それは一貫して貫くものと思うが、いかがですか。
○佐藤国務大臣 そのとおりであります。
○五十嵐委員 ガットの裁定案では国家貿易品目であってもガットが認めるものは輸入の制限であって禁止ではない。これは我々今まだそのパネルの裁定案全文というものを見ているわけではありませんから正確にはわからないのでありますが、しかし、伝え聞いているところでは、そういうようなことが述べられていると言われます。その論法でいきますと、心配なのは米についてであります。米についても一定の輸入が必要とされて、ガットで言うミニマムアクセスの設定であるとか公表であるとかを求める筋書きが出てくるのではないか、今回のパネル裁定案は米国の米自由化要求のシナリオに利用される懸念はないか、そういう点について私は非常に危機感を持っているわけであります。
 さっきお話がありましたように、きのうの全米精米業者協会の副会長の発言というようなものもあって、我々としては一層心配をしているのでありますが、大臣はそのような危機意識というものを持っておられるか。もちろん持っておられると思いますが、ぜひそういう点についての決意というようなものを伺いたいと思います。
○佐藤国務大臣 日米友好パートナーということで今日まで来ておりますし、これからもそういう形は維持していかなければならぬと考えるだけに、今おっしゃるような米の問題について十二品目関連がまた利用され、利用し合った形の中で米に影響を及ぼすのではないかという懸念は私自身は持ちたくございません。
○五十嵐委員 持ちたくございませんということと、危機感を持って、しかしそうはなってはならぬということで断固として対応していくということはまた少しで、私は今言うような大臣としての決意といいますか、お考えをお伺いしているわけです。それは持ちたくないのはだれだって持ちたくないけれども、持たざるを得ない状況になっているわけですから。
○佐藤国務大臣 危機感を持っているかというお尋ねでございましたので、私が危機感を持っているとか持っていないとかと言えば、すぐまた、よしそこが痛いならもっとさわってやれとか、いろいろだアクションが起きることも想定しますと、そういう危機感を持っておるかということに素直に答えるわけにはまいらぬ。米の自由化はいたしません。
○五十嵐委員 どうかひとつ断固として自由化拒否のそういうお考えを貫いていただきたいと思います。
 さて、農産物の自由化を日本に激しく迫りながら、実は米国自身がウエーバーで、例えば十二品目と重なっている面でいつでも四品目あるわけでありますが、多数の品目について防壁を固めている。あるいはECについても、六十品目にも及ぶ輸入課徴金などの規制を行っているわけであります。しかも、米国もECも膨大な輸出補助金をつけて切り込んできているというのが現状であります。ガットにおける今までの歴史的な経過、そういう中でのひずみであるとか、あるいは純粋な法律論はともかく、現実にそれぞれの国の間に、今言うようなウエーバー条項であるとか、ECのさまざまな課徴金であるとか、そういうことによる非常な不公平が現存している中で日本が十二品目の自由化を強く求められているということであって、それは生産者はもとより、我々が見てもそういうガットの現状における不公平さは納得がいかない、非常に遺憾に思うのであります。
 まして我が国は穀物の自給率が三十数%、世界の中でもいわば第一級の輸入大国になっているわけです。ガットの全体を見ると、どうも現状は輸出大国のメリットのところにはかり偏重してしまっているのではないか、一方で我が国のような輸入国の不利益が非常に目立つという不公正さを私ども痛感せざるを得ないわけであります。ガットの精神というのは、言うまでもありませんが、公平准通商の自由というところにあるわけでありまして、こういう不公平な現状は我が国として非常に納得がいかない。そういう中で十二品目を押しつけられることに対して理解ができないということになろうと思うのであります。これについての御見解を承りたいと思います。
○眞木政府委員 アメリカのウエーバーあるいはECの課徴金制度等、やはりそれぞれの国で農業につきましては一定の保護措置を講じており、我が国も実質的には輸入制限、ウエーバーと同じような内容でこれまで来ておるわけでございます。しかるに、そういう国々につきましては、例えばウエーバーの場合、三十年前以上にガット加入のときに、国内の農業調整法の規定による価格支持プログラムを実施するためとして義務免除をとって、その後三十数年間何らの自由化なり枠拡大努力の目立ったことをしておらないということで、やはり実態的に非常に不公平であるという点につきましては委員御指摘のとおりで、我々も非常にその点は問題であると考えておるわけでございます。
 したがって、この問題につきましては、やはり今交渉が始まっておりますニューラウンドで、そういうものも全部同じ土俵の上で公平な形で新しいルールをつくり、みんなが守れるようにするというのか一番の道であるということで、我々はそれを強く主張しておりまして、その間、現行の我々の持っておるこういう制度についてもやはりガットのニューラウンドにおけるニュールールづくりの中で話し合うのが一番いいということを主張しておるわけでございますけれども、これがなかなか入れられず、現行のルールに従っての裁定なり、そういうものを求められておるという実情にあるわけでございます。したがって、そういう中におきましては、我々としては実質的な公平性という見地からアメリカの制度についてもこれを指摘し、問題とせざるを得ないということで、日米二国間の話し合いあるいはまたガットの場においても、あらゆる機会をとらえてこめウエーバーの制度恒ついて問題を指摘し、不公平性が問題であるということを言い続けておるわけでございます。
 しかし、アメリカは現在のところこの問題、ウエーバーは現行ガットルールからいえば合法である、交渉のテーブルにのせる用意はあるということにとどまっておりまして、残念ながらすれ違いということでございます。しかし、実態としては、いかに農業の競争力にすぐれておる大輸出国と言われる国々もやはり弱い部門、農業については保護すべき部門を持っておるというのが現実でございまして、この点については我々もさらに一層努力をして、農業というものは工業と違って特殊性がある、そこをわきまえて農業についての本当に公平なルールというものをつくっていくべきであるという主張をさらに強めたい、このように考えておるところでございます。
○五十嵐委員 やはりそこのところが非常に大事なところだと我々思うわけであります。歴史的な経過からいって、当時としてはそういう三十五カ国ぐらいの国の中で、しかもマーシャル・プラン等のアメリカのそういう力の背景のもとにできたものではあるが、法律は悪法でも法律じゃないか、やむを得ぬではないかというそんな話もあるわけですが、やはりそういうやむを得ぬではないかという、不合理はあるが仕方がないじゃないかということでは、さっき言うガットの持つ公平な通商の自由というものの信頼性がむしろ弱められる、失われてくるというものであろうというふうに私は思うのです。本当に公平なガットというものの信頼性を高めるためには、むしろ我が国が無定見な全面受け入れをしてはだめだというふうに思います。それは新しいラウンドの話し合いでどうこうという話もあるが、しかしそういうことだけじゃなくて、今の十二品目問題における我が国の対応としてもそこは筋を通して、そのことの方がむしろガットの本来の信頼性というものを確保することになるのではないかというふうに思うんですが、この点について農水大臣の御所信をいただいて私の質問を終えたい、こういうぐあいに思います。
○佐藤国務大臣 おっしゃるように、ウエーバー品目についての公平性、これは公平性を欠いておるという強い認識を持っております。従来も主張してまいりましたが、この後も改まるまで主張し続けたければならぬ、かように考えております。
○五十嵐委員 どうもありがとうございました。
○菊池委員長 午後一時三十分から再開することとしまして、この際、休憩いたします。
    午後零時四十分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十三分開議
○菊池委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。田中恒利君。
○田中(恒)委員 午前中の当面の重要な課題について、一つは国有林の営林署統廃合の問題、いま一つは十二品目のガットをめぐる問題、この二つに絞って御質問をいたします。
 最初に、国有林営林署統廃合の問題でありますが、十月の二十三日に林野庁が八つの営林局十営林署の廃止と統合の具体的な案を提示をされました。その後、該当市町村を中心に森林組合などの間でこの問題について現地での話し合いがどの程度進んでおるのか、この公表以降の現地の反応はどうなのか、まずこの点について林野庁の長官から状況をお知らせいただきたいと思います。
○田中(宏尚)政府委員 ただいまお話ありましたように、十月二十三日に十署の統廃合につきまして提示いたしまして、その後十月三十日にその統廃合計画の細部説明ということを行っているわけでございます。これを契機といたしまして、それぞれの地域の自治体あるいは関係業界あるいは関係労働組合というところで熱心な御議論がされておりまして、それで我々といたしましては、細部についてのいろいろなこれからの扱いについて御説明すると同時に、それから担当者もいろいろなチャンネルで現地に派遣いたしまして地元の理解と協力というものをお願いしているわけでございますけれども、現時点では残念ながら、表向き積極的に賛成であるというようなことにはまだ立ち至っておりませんので、これからも粘り強くお話し合いを継続してまいりたいと考えている次第でございます。
○田中(恒)委員 私ども社会党は、この八営林局十営林署の全地区に関係議員を派遣をいたしまして、先般来二度三度、現地の状況を把握をしておるところでございます。私自身も四国四県の党の国会議員全員と一緒に高知県の安芸郡野根営林署へ参りました。高知営林局、高知県当局、野根営林署の所在する東洋町の町議会並びに森林組合など関係諸団体、皆さんに大変に御厄介をおかけいたしまして、つぶさに現地の状況を把握をして帰ったつもりでありますが、これらを含めて全体的に指摘されるのは、一つは、なぜ私の町の営林署がなくなるのか、この問題について理解されていないというか廃止の理由がわからない、こういうのが一つ。それから二番目は、やはり国有林のある地帯はそこの営林署というものの持っておる比重が大きいだけに、営林署がなくなると山が荒れる、そして寂しくなっていく、こういう住民の受けとめ方。こういう二つが、おおよそ理解されていない、納得してない、そしてそれどころか撤回をしてほしい、もとへ戻してほしい、こういう案は受け取るわけにはまいりません、こういう状態になっておる原因だと思うわけであります。
 この営林署を一割削減するという方針は、中川農林水産大臣が国会で一度、二度言明をされておりますね。正確に申し上げますと、昭和五十三年五月九日衆議院内閣委員会で、十カ年で一割の署を廃止するが無理やりにやるのではなく地元の意見を尊重するということを言っていらっしゃる。五十三年六月六日の参議院内閣委員会でも、営林署の統廃合に当たっては地元の理解と納得を得て実施するよう最善の努力をする、こういうことを言っていらっしゃるわけであります。つまり地元の理解と納得の上に営林署の統廃合は進める、こういうことを言明していらっしゃるわけであります。佐藤大臣もこの中川大臣の御意見に同じである、こういう答弁が先ほどあったわけでありますが、これは間違いございませんね。
○佐藤国務大臣 そのとおりでございます。
○田中(恒)委員 そういたしますと、現在現地では残念ながら営林署の廃止について納得をされておる状況にありません。今後どのような形で現地との接触を予定されておるのか、この点もお尋ねをしておきたいと思います。
○田中(宏尚)政府委員 従来からいろいろなチャンネルで現地と接触を図ってまいりましたけれども、先週までに担当部長をそれぞれの現地に派遣しまして、関係市町村なりあるいは地元業界あるいは労働組合の方々、こういう方々といろいろな話し合いの積み重ねをしてきているわけでございます。事柄の性格上、正面切って賛成であるとはなかなか、もちろん現段階で確たる感触を獲得したというところはないわけでございますけれども、これからもいろいろなチャンネルを通じまして、地元の方々に現在置かれております国有林の実情なり、それから統廃合を行った後のいろいろな改善策あるいは事後措置、こういうことを含めまして、粘り強く御理解をちょうだいできますよう、最善の努力を積み重ねてまいりたいと思っております。
○田中(恒)委員 漏れ承るところによると、農林水産省は十二月十八日の官報に廃止営林署名を告示していく、こういうことが伝えられておるわけでありますが、こういう計画で話し合いが進められつつある、こういうことですか。この十八日までに話し合いがつく見通しがついているわけですか。
○田中(宏尚)政府委員 六十二年度中に十カ所の統廃合を行うということで現在まで手続を進めてまいっておりまして、過去三回の統廃合の実績におきましても、三月一日に統廃合を行って、年度内にスムーズに行うということをやってきているわけでございます。それから、いろいろなこれからの事務的な手続等を考えあわせますと、十二月中旬には何とか告示をして具体的にスタートさせたいと思っているわけでございまして、その告示までの間にまだ残された日にちがございますので、全力を挙げてそういう地元の方々との接触を深めたいと思っております。
○田中(恒)委員 十八日までに――十八日という日程はどうも事務的な手続上の設定された日程のようでありますが、先ほど大臣の答弁あるいはこれまでのいろいろないきさつから見て、林野庁としては、林野庁の立場で現地に理解を求めるお話し合いを続行されるのでしょう。しかし、十八日までに話ができなかった場合には、つまり納得ができない場合には十八日の官報告示は延ばす、できない、こういうふうに理解してよろしいですか。
○田中(宏尚)政府委員 告示予定日までに何とか地元の御理解をちょうだいしたいと思っております。
○田中(恒)委員 しかし、なおできない場合には延ばさざるを得ない、こういうふうに答弁の補足が必要だと思いますが、大臣、どうですか。
○佐藤国務大臣 林野庁長官の答弁に補足させていただきます。
 徐々に地元の理解は得られつつあると理解をしておりまして、さらに最善を尽くせ、こう林野庁に対して言っておるところでございます。
○田中(恒)委員 私どもは、この営林署がなくなるということが国有林のこれからにとって決していいことではないという考え方に立っておりますから、実はこれは反対であります。撤回を求めております。恐らく、政府の方は今日の国有林財政の異常な状態を受けて、六十八年度二万人体制というものを想定しつつ、こういう計画、これは五十二年十二月末の行政改革に伴う措置ということになっておりますが、流れとしてはそういう大がかりな、山に働く人々を少なくしていく、こういう気運が流れておると思うのです。ですから、我我はこの案には残念ながら同調するわけにはまいりませんが、しかし、それにしても営林署をなくする、今度十でありますが、基準もどういう営林署をなくしていくかということがどうもはっきりしないわけであります。私どもが事前にいろいろお話を聞いた範囲では、一つは小さな営林署を廃止していく、それから同一市町村に二つあったりあるいは距離的に非常に近い地域の営林署を廃止していく、こういうことがこれまで三回の廃止の基準でもあったし、今度もそういう措置で臨む、こういうふうに聞いておったのですが、私が参りました高知の野根の営林署などは決してそんなに小さな営林署ではございません。今度統合される奈半利の営林署との間には四十四キロの距離がある。しかも、これは四国の山脈を越えて、峰を越えていかなければいけない、こういうことでありまして、営林署間がもっと近いところはたくさんございます。そう見ると、一体何を基準にしてやってきたのか、こういうことが私どもも正直言って理解できない。まして地域の住民の皆さんと話をしてみると、あの地域はほとんど国有林でありまして、四国でも循環鉄道のないところでありまして非常に立ちおくれておりますだけに、国有林を我々はこれまで百年かけて育ててきた、そして営林署があった、それをなくすということについて非常に住民の意識が燃え上がっております。そんな状況を見てまいりますと、理解をしてもらうといっても、一体なぜ私の町の営林署がなくなったのかということについて客観的になるほどという基準が、納得のいくものが出てこないとなかなか難しいのじゃないかと私は思うのですが、こういう点については、今後皆さんが説得をされる手法としてもあるいは持っておる基準についても、この際お示しをしておいていただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
○田中(宏尚)政府委員 今回の営林署の統廃合は、御承知のとおり昭和五十三年度から行っておるわけでございまして、そのころございました三百五十一の署の約一割ということで三十五署を行うということで、今回が第四次目の年次計画の実行になっておるわけでございます。したがいまして、全体で一割ということでスタートいたしましたので、これまでの統合の実績を勘案いたしまして、まず青森、熊本においては二営林署を行う、それから北海道、旭川、北見、秋田、大阪、高知、ここではそれぞれ一営林署を行うということで、全国的に一割というものをそれぞれの地域についてもおおむねそういうことで実行したいということでございます。そういう中で、それぞれの営林局なり営林支局内での具体的な署の選定に当たりましては、残念ながらきちんとした物差しで、しゃくし定規にはかれる話ではございませんので、我々の選定に当たっての一つの基準といたしましては、ただいま先生からもお話がありましたように、管理面積とか事業規模が比較的小さな営林署、それから同一市町村に所在する等所管の距離が比較的近いところをまず念頭に置きまして、さらに統廃合後の森林の適正な管理とか円滑な事業運営がきちんとできるかどうか、あるいは統廃合によるそれぞれの地域社会への影響がどうであるか、さらには統廃合後の代替措置、代替組織、そういうものをある程度つくれれば上手にいくかどうかというようなことのいろいろな因子を総合的に勘案いたしまして十カ所を選定させていただいたわけでございますけれども、現在、そういう中で代替措置とか廃止後の職員の配置をどうするかとかそういう具体的な詰めも行いまして、できるだけ地元の方々に大きな影響が及ばないようにいろいろな努力をしてみたいと考えておる段階でございます。
○田中(恒)委員 営林署がなくなると山が荒れて住民は大変不便になっていく、こういう心配が共通的にあると私は思うのです。これまで三回やって二十五営林署がなくなって統合しておりますね、その統合した営林署のその後の動向などを見てみても、現実にやはりその心配は的を射ていると私は思うのですね。答弁に時間が要りますから私の方で申し上げますが、第一、例えば五十三年のときに営林事業所というのですか、そういうものに代替をされておる、そのときには全国で百四名の人々がおりました。それが現在は六十四名になっております。五十六年、六十年、それぞれ一定の人を擁して代替の機関も設置しておりますが、年の経過とともにだんだん寂れてきておる。皆さん、そういうものを現実に知っております。ですから、私のところの営林署がなくなったら、だんだん実質的にはなくなっていくんだ、こういう心配もあるわけなんですよ。
 そういう問題もありますし、あるいはこれから後、改定経営計画に基づいて担当区の事業所あるいは種苗の事業所、こういったような山に結びついておる現地のさまざまな国の出先の第一線の事業所をこれから縮小していくわけでしょう。相当思い切って縮小していく計画が経営計画には載っておるわけですね。そういうことになっていくと、なかなか住民の皆さんに納得のいくといったって、はいそうですかという状態にはならぬ、こういう心配を私はいたしております。
 そういう意味で、今度の営林署の統廃合というものは、行政改革に基づく一割削減の計画ではこれが最後ということになっておるわけですね。これは間違いありませんね、これが最後、これでとまり、こういうことになるのですか。
○田中(宏尚)政府委員 五十三年度にスタートいたしました一割削減の三十五カ所というものにつきましては、今回をもって終わることは確かでございます。
○田中(恒)委員 今度の経営改善計画では営林署の統廃合というのはありませんね。
○田中(宏尚)政府委員 先般経営改善計画を大幅に見直しまして、要員の調整等行っているわけでございますけれども、今後の組織をどういうふうに持っていくかということにつきましては、営林署の統廃合につきましても今後におきます国有林野事業の経営改善の進捗状況なり、それから社会情勢の変化というような将来のいろいろな動きというものを見て、将来の時点で判断することになろうかと思っております。
○田中(恒)委員 私は、経営改善計画というものがこれからの新しい国有林の経営管理の重要な指標になって国有林の対策が進むのだと思いますが、その中に幾つかの特徴があります。
 例えば、これまで日本の森林、出づくりというのは人工林をつくってきた、こういうものから天然林施業ということが随所に言われておりますね。この天然林施業というものは、これまでのやり方とどういうところが変わるのでしょうか。世上、天然林施業というのは、買ったらほったらかしておればそれでいいんだ、こういう声もあるわけですね。いわゆる天然林施業の中で林業というものはどうたっていくのか、あるいは保育、間伐、あるいは見回り、あるいは現地の環境整備、こういうもろもろの林政上の課題は一体どういうふうにたっていくのか。単に営林署を減らして、人を減らして、そしてわずかな人で山を処理せよ、こういう突っぱねた考え方のもとに天然林施業というものが進められようとしているのじゃないか、こういう声も現実にあるし、実態は営林署統廃合などに見られるように非常に人を減らしていく、こういう方向になっている。
 人がいなければ山は生きてこない、これは理屈の第一歩でありますから、そういう意味では天然林施業なるものを林野庁はどういう概念で今後進めようとしておるのか、この点をひとつお示しいただきたいと思うのです。
○田中(宏尚)政府委員 先生から御指摘ありましたように、先般の経営改善計画の見直しで国有林につきましても天然林施業という新しい施業体系がかなり前向きに取り上げられているわけでございますけれども、御承知のとおり、国民の広葉樹資源に対します志向というものが高まってきていること、それからさらに森林の有する公益的機能という点からいいまして、広葉樹でございますとかあるいは天然林、こういうものについての機能の高度発揮というようなことが求められてきておりまして、国有林につきましてもこれから天然林施業というものを前面に出してまいりたいと考えているわけでございます。
 しかし、天然林施業というものは、ただいまお話がありましたように林業の手抜きになるということがあってはもちろん困るわけでございまして、天然林施業につきましては、立地条件によって天然の更新力を活用し得るという特性を踏まえまして、あくまでも技術合理性から見て適当と認められる場合、こういう場合に限りまして行うわけでございます。したがいまして、それに必要だ、場合によりましては植え込みでございますとかあるいは稚幼樹の刈り出してございますとか、こういう人工補整作業も当然ついてまいりますし、それから林道につきましても、複層林とかあるいは天然林施業でございますとか、こういうものにつきましてはむしろ伐採とか搬出、保育というものが、きめ細やかな継続的な仕事が出てまいりますので、林道なり作業道あるいは間伐林道等、こういうようなネットワークの整備につきましても十分意を用いて初めて十分な天然林施業ができると心得ているわけでございます。
○田中(恒)委員 今の長官の御答弁を一つ一つ細かく御質問したいことがありますが、時間がございません。ただ、申し上げておきたいことは、私どもが承知しておる範囲では、日本の林業施業の中では天然林施業についてはまだ長い経験の蓄積も不十分である。林野庁当局はこれまで地域施業計画というものをたしか五年ごとぐらいに持ってきておったと思いますが、そういったようなものが今度一遍に天然林施業に変わっていく。準備が十分なされていないのではないか、あるいは山づくりの技術の水準なり体系そのものもまだ未成熟ではないか、こういうことも聞きますし、またどうもそういうふうに私どもも感じます。それだけに、余り一遍にこれまでの出づくりの計画を複層林であるとか天然林であるとかという形で全体を一挙に切りかえていくことはちょっとむちゃじゃないか、こういうふうに思いますので、その辺は極めて弾力的に施業の方向づくりといったようなものに配慮をしていただきたい、このことを特に要望しておきたいと思います。
 そして焦点は、十営林署の統廃合につきましては、佐藤大臣もきょうここで改めて言明されたように、中川大臣の指摘をした、地域住民の、あるいは地方自治体、公共諸団体の理解と納得の上に立ってやるんだ、それをやらなければこの問題は進まだい、こういうふうに受けとめて国有林の当面の問題についての私の質疑を終えまして、十二品目の問題に移らせていただきたいと思います。
 あと二十分ほどしかありませんので要点だけ申し上げさせていただきますが、外務省にちょっとお尋ねします。
 私は、以前にこの委員会で日米農産物交渉、特に十二品目の問題についての我が方のスタンスという構えについて私なりの意見を申し上げたことを今思い出しておるわけでありますが、それは終始一貫して二国間協議、日米協議、ここに力を尽くされたのではなかろうかと思います。しかし、本来、農業貿易の問題は、ガットを中心とした各国――前の農林大臣がOECDへ行って日本の主張を言って、あのコメントの中に我が方の主張が相当入れられたという経緯がありますね。そしてガットでも、農業貿易については新ラウンドを目指して何らかの一つの統一した基準をつくらなければいけないという空気が出ておりますね。そういう意味では、なぜこのガット加盟国を中心とした各国――特に国家貿易についてガットが勧告をしたわけですが、この国家貿易に関する事項については、日本だけではなくてそれぞれの国に共通の問題を持っておったと私は思うのですよ。そういう国々との連携をもっと深めるべきであったと思うが、日米間の二国間協議に終始した感があります。この点については、今度の貿易交渉の一つの大きな反省点ではないかと私は思いますが、外務省はどういうふうにお考えでしょうか。
○登説明員 お答えいたします。
 ガットにおきましてある一国から他の加盟国に対して紛争が提起されましたときには、基本的にはまず二国間で解決を図るというのがガットの原則になっております。
 その二国間の解決が満足のいく形でなし得ませんでしたときに、ガットのパネル、小委員会ということに問題が進むわけでございまして、今回の十二品目問題も、そういう形でまず日本政府としてもアメリカとの間に二国間で円満に解決するということで努力したわけでございますが、それがうまくいきませんでしたのでガットのパネルという形になったわけでございます。問題がガットのパネルの問題になりまして以降は、いわゆるパネルの場で我が国は主張すべきことは主張し、ガットの論理、法理をできる限り駆使して、我が国の十二品目に係る農産物の輸入制限措置というのがガットと一致しているということを説明したわけでございます。
 その結果、御承知のようなパネルの裁定というのが出たわけでございますが、このパネルの裁定、つまり報告書をどう扱うかという点に関しまして、まさに先生も御指摘のとおり、これはアメリカだけの理解を得るのでは我が国の目的は達成されませんで、多くの関心国、また我が国と立場を同じにしている国も少なからずございます、そういう国の理解を得て、我が国が守らなければいけないことは当然守るという決意で農水省と外務省と一致して今まで本件に取り組んできたわけでございますし、今後とも今申し上げましたような基本的な方針に従って、つまり、できるだけ多くの関係国の理解を得つつ我が国の立場を十分守るべく頑張っていきたい、そういうふうに考えております。
○田中(恒)委員 私は、そういうふうな動きじゃなかったように思うんだな。最後まで日米二国間協議、ガット総会の寸前までその問題に全力を投入したようだ気がする。皆さん御苦労されたことはよく知っておりますよ。十カ国ぐらいが発言したというが、全部日本の主張がおかしいと言ったそうだが、私は、一カ国でも二カ国でも日本の主張と同じ考えの国がおると思うのだ。そういう者がなぜあのガット総会で言えなかったのか、それを言わすような日本の外交というものがあってしかるべきじゃないか、こう思いますよ。だから、あなたの言うのと私の言うのと、同じようなことを言われたけれども、今度のを実態論として見た限りにおいては、ガット加盟諸国に対する手の打ち方というものが非常におくれておった、私はこういう感じを持たざるを得ません。
 そこで、十二品目の及ぼす影響というのが非常に大きいと私どもは思う。この問題は単に地域農産物十二品目にとどまらずに、やはり日本の農産物全体の自由化、こういう方向につながっていくおそれがあるから非常に心配しておるわけであります。大臣は、先ほど串原委員の質問に対して、この後三月までに牛肉、オレンジが来ますね、この牛肉、オレンジの交渉とはこれは別だ。確かに別な形でしょう。しかし、実態としてはこの十二品目の大半が、国家貿易品目と目されるものを除いて大半が自由化される方向に動いておるわけですが、された場合にはオレンジ、牛肉の理論的根拠があるのかないのか。第一、豚肉・牛肉の調製品というのは、先ほどもお話があったように、色をつけたりにおいを出させたり形を変えれば、むしろ向こう側からすれば付加価値をたくさんつけてこっちに持ってくるという有利さがあるはずであって、実態は牛肉の自由化と一つも変わらない。そして、これは私どもの県でつくったピューレというものです。これはジュースですよ。どう見たって一〇〇%ジュースとほとんど変わらない。これが今度の輸入品目にあるんだ。これは、ミカン、リンゴ、ナシ、ブドウ、この産地にとっては決定的な果汁の自由化やオレンジの自由化と全然変わらない結果になるんですね。十二品目の中にこれがあるわけです。これは、升目に通すやつが一ミリと二ミリと、二ミリ以内と二ミリ以上と幾つか種類があって、二品目ぐらい関税の番号ではあるようですけれども、それが違うだけで全然変わらないのだ。そういう意味では、実態論としては十二品目の中の八品目、政府が認めざるを得たい、こう言ったというものが自由化をされた場合には、オレンジ、牛肉交渉というものに実質的には非常に大きな影響を与えるし、そうしたら、我が国政府がどういう理論的な根拠でこれをはね返していくかということについては非常に難しい局面に立ってきたと思うのです。国家貿易品目で脱粉などを守るという姿勢ですからこれは守ってもらわなければいけませんが、しかし、これとの関連だってやはり出てくる。こういう意味では、この十二品目というものが持つ意味が非常に大きい問題を持っておるところに心配をしておる最大の原因があるわけであります。
 時間がありませんから、私はそういう意味で最も具体的な、今私どもが当面しておるミカンの価格の大暴落の問題について、農林水産省は今どういう方策をお考えになっておるか。御承知のように、ことしのミカンは徹底的に価格が下がりました。恐らくこの十年来、これほど暴落をしたことはないと思います。細かいことはもう申し上げる時間がありませんが、このミカンの価格暴落について、当面政府がどういう考えで果樹農業振興法に基づく諸施策を行政的にもとろうとしておるのか、お示しをいただきたい。
○浜口政府委員 先生御指摘のミカンの価格の推移でございますが、本年におきまして表年である、それからことしの冬が、この前の冬でございますが、温暖であった等から、七月の時点で私ども申し上げましたように、生産が前年に比べまして大幅に上回ることが予想されたわけでございます。この点につきましては、先生今御指摘のとおりの六十年の果樹農業振興特別措置法の改正後初めての計画生産から計画出荷に至る一連の措置を講ずることとしたわけでございます。
 この点につきましては、生産出荷安定指針ということでございまして、これに基づきまして計画生産、計画出荷までのものを来年の二月までの期間で立てたわけでございます。この指針に基づきまして、全国各地におきまして生産者団体が、全因果樹生産出荷安定協議会を中心にいたしましてそれぞれの推進本部を設置いたしまして、摘果等を強力に推進をされたところでございます。
 この点につきましては、私どもといたしまして計画生産の推進につきまして予算を計上いたしまして助成を行ったところでございますが、この摘果におきましては、当初の着乗数が例年に比べまして極めて多かった等のことによりまして、果樹の肥大期にまた降雨があったというようなことがございまして、摘果による減産の効果が大幅に打ち消された結果になったところでございます。
 十月一日現在、統計情報部の予想収穫量といたしまして二百五十三万トンということでございまして、当初のこの指針に掲げました生産量二百二十万トンを三十三万トン上回っているという結果にたっております。その結果、十月までは値段がよろしかったわけでございますが、十一月につきましてはキロ九十円を切るといった数字になりました。これに対しまして、生産者団体も一樹一果の樹上放置あるいは一箱当たり千円以下の出荷調整等の対応を行ったところでございまして、十一月二十四日から以降百円の京浜市場の価格というものに上がってきております。この点に関連いたしまして、いわゆるわせミカンから普通ミカンになりまして、値段の上にも味の上にも改善が見られるということでございまして、今後この状況に関連いたしまして、先ほどの計画出荷あるいは計画生産といった点を行いながら対応していきたいというふうに考えるところでございます。
 なお、今先生御指摘のとおり、この点につきましては、現地におきまして既に果汁等の搾汁を行われております。そういった点につきましては、計画出荷とあわせまして果汁の生産、保管を実施することにつきまして、現在検討を進めているところでございます。
○田中(恒)委員 ことしは雨が多くて、非常に玉が大きくなって浮き皮になって、摘果は大分みんな一生懸命やったのですけれども、なかなか効果が出なくて品物がたくさん出荷されて価格が暴落をした。大体御承知のように、温州みかんの場合はキロ百円というのは生産費でありますが、この生産費の家族労働報酬はたしか五十円までなっていない、四十七、八円だと思います。ところが、現実には愛媛のミカンは比較的価格がいいわけですけれども、しかし九州などはキロ五十円とか六十円、こういう状態であります。荷づくりをして包装をする流通経費がキロ四十五、六円から五十円ぐらい要るわけですから、大体百五、六十円の相場が成り立たないと労賃がなくなるというのですが、現実に私どもの地域でも、今道路の上にミカンをいっぱい並べて、ミカン百姓を助けてください、キロ三十円という形でさばいておるわけです。しかも、今出荷のさなかですから、山からどんどんおりてくるわけですから、腐敗するわけですから。そこで、処置ないということで、御承知のように全国的に市場隔離、出荷はしないという処置が四日間とられましたね。しかし、とったけれども市場価格は上向きにはまだたっていない状況を維持しております。そういう処置を生産者はやっておるわけでありまして、目下のところはほとんど出た果実はジュースに搾っておるわけですね。ジュースに探らないと腐るわけですからね。ジュースに搾りますと、政府の加工果実の支持価格はたしか二十七、八円じゃないですか。私どもの県でもキロ三十円前後の保証価格でありますから、ですからジュースの量は非常に多くなってきておるわけであります。しかも、九州などは前年度の在庫を持ってジュース工場は四苦八苦、こういう状況になっておるわけであります。しかし、処置としてはジュースに搾って保管する以外手がないわけですから、それ以外は腐らす以外手がないのですから。せめてつくったものですから腐らすのではなくてジュースにして保管をさしていくという処置をやらなければいかぬと思うのです。そういう調整保管については、政府として、政府の統計の資料を見ましても五十八年も下回っておりますから、今度の場合は五十八年以来の大変深刻な事態になっております。それだけにひとつこの問題はできるだけ早くそういう方向に持っていっていただきたい。今実施の方向に向かって検討しておるということでありますが、今までの例からいえば、そういうことなしに、私は大臣の判断でやっていくという状況になっておるのだと思うのですが、大臣これはどうですか。調整保管。
○浜口政府委員 ただいまの先生のお話に関連をいたしまして先ほどお答え申し上げましたが、今申し上げましたように価格の低迷等につきましては十一月までかなりの低迷であったわけでございます。それに関連いたしまして、これも先生御指摘のとおりでございまして、愛媛県の真穴ミカンにつきましてはキロ二百三十円という質のいいものにつきましては高い値がついているという状況があらわれてきております。これもわせから普通温州にかわるといったようなところでございます。
 もう一つも先生御指摘のとおりでございまして、果汁につきましては、今申し上げましたような計画生産、計画出荷といったものと、今やっている途中でございますが、果汁等につきまして計画出荷とあわせて果汁の調整保管を実施することにつきまして現在検討を進めているところでございまして、できるだけ早くこの検討を進めていきたいと考えるものでございます。
○田中(恒)委員 そこで、もう時間がなくなりましたが、あと二、三分ですが、大臣、この農産物の輸入の自由化という方向がいろいろ言っても非常に厳しい現実の問題としてかぶさってきております。一方ではことしの温州ミカンなどに見られるような状況が出てきております。これをどういうふうにしていくか。特に新しい大臣になられて、日本の農政の責任者としてとられる施策の中に、いろいろ言ってもやはり一定の権限を持った需給調整機能を強めなければいけない。私どもの党の方では――米も生産調整、乳価も、余りつくるな、搾るな、こういう形ですね。養蚕もミカンも一切が御承知のように生産を縮小していくような方向を向いておるわけでありますが、それらを価格として安定させるためには市場などの仕組みも最も効果的にしなければいけませんが、全国的な需給調整というのが必要だと思います。
 ただ、その場合に決定的なのは、前も申し上げましたが、外国からこれだけ入ってくるものは別になっておる。これだけ外国のものが入り込んできましたら、外国の果物なり外国の畜産物なりを入れた国内の流通全体の需給調整をやらないと効果がない。だから、外国輸入の農畜産物を含めた全体的な需給調整というものについて思い切った政策を展開をしてもらいたいと思うのです。私は、果樹の問題で与党の皆さんにもいろいろ御心配をかけたとおり、今度の果振法の実質初年度の実施がこういう格好になって大変残念でありますけれども、需給調整機能をあの中に含み入れた、そしてその中に第五条で外国の果物の輸入によって日本の果実生産者が重大な影響を受けた場合の取り扱いの条文も全政党の同意で新しく追加をしましたね。しかし、その作業が進んでない今日、これだけ外国輸入の問題がやかましくなっておるときに、日本の農政は日本の農政の判断でそれらの立法に基づく具体的な施策を組み立てて進める段階に来ておると思うのです。この点について佐藤新農林水産大臣の御所見をひとつ承りたいわけであります。
○佐藤国務大臣 午前中にも申し上げたのでございますけれども、基本的な考え方として、生産をされたものが豊作であった、豊作を喜べない状況というのは残念なことである、やはり豊作を喜べるような形でなければならぬ、そういう意味において調整保管あるいは自主調整、いろんな形でいろんなセクションにおいて汗を流すことも必要でございましょうし、そういうようなことはぜひ検討を進めなければならぬ、こう思っております。
○田中(恒)委員 終わります。
○菊池委員長 辻一彦君。
○辻(一)委員 ガット総会の十品目の問題について幾つか伺いたいと思います。
 まず第一に、ガットの裁定が総会で一括採択を迫られたということは非常な押しつけであって、非常に遺憾であると思っております。
 十品目の裁定の不当性や受け入れの難しさあるいはその対応をどうするか等については、随分と各委員から論議がありましたのでそれらを割愛して、私はこれらの中で国家貿易品目の点について幾つか伺いたいと思います。
 まず第一に、ガット条項の上で、農産物の輸入制限が認められている要件というものは一体どういうものか、これについてちょっと簡潔にお伺いしたい。
○眞木政府委員 一般的に輸入制限を廃止すべきだということに対する例外として、ガットの規定の十一条というのがございまして、その規定に基づきまして輸入制限が合法であるというためには、それと同種の農業用品、まあこの場合農産品でいいかと思いますけれども、それの国内制限が行われておるということでございまして、その同種の産品であるかどうか。それから、生鮮品である場合はお互いがいいわけでございますけれども、加工しておるものにつきましては、その保存性がきかないものであることという、いわゆるペリシャビリティーの要項等がございます。
 また、それと並びまして、そういう輸入制限がなかった場合に、通常輸入と輸出の割合が想定されるその輸入の割合が、この輸入制限によってそれよりも低くなってはならないことといった要件があるわけでございまして、そういういろいろな個々の要件につきまして今回パネルがいろいろと判断をした、こういうことでございます。
○辻(一)委員 脱脂粉乳、練製品等の乳製品は、国家貿易品目として今まで認められてきたのですが、これが該当したい、クロという判定が案としては出されているのですが、その理由の一番の要点と、我が国はどういう点でこれに反論を加えたかという点、詳しくは要りませんので、ポイントだけちょっと伺いたい。
○眞木政府委員 乳製品につきましては、いわゆる国家貿易にかかわる議論と十一条に関する議論とが両方あるわけでございますが、加工品の要件の認定につきまして、パネル自身も一部につきましては保存のきかないものといったような要件充足を認めておりますけれども、その辺についての明確な根拠がないということで、酪農品についてはいわばガット上整合性がないということが一番強く出ていると思います。
 ほかにもいろいろと問題点がございます。
○辻(一)委員 新聞紙上でもいろいろ伺った内容でありますが、そこで国家貿易品目として我々が今まで考えて疑わなかった乳製品の裁定を、もしもガットが言うように受け入れるとすれば、第一に酪農が大打撃を受けるということは当然でありますし、同時に、次は国家貿易品目の最大の柱である米に及ぶことが当然考えられる。したがって、国家貿易品目である乳製品の裁定は断固として拒否すべきである。午前中も大臣からもよく聞いておりますが、私は米の関連から考えてもこの際は明確に拒否すべきだと思いますので、いま一度決意のほどをお伺いいたしたい。
○佐藤国務大臣 米、麦、乳製品等の国家貿易品目はいずれも我が国農業の基幹をなすものでございますし、今回のパネル報告における国家貿易に関する部分には重大な疑義がある、かように考えておりまして、この点はさらにガットの場においても今後とも関係国の理解を得られるように全力を尽くしたい、こう思っております。
○辻(一)委員 米を国家貿易品目として輸入をせず自給していくという方針は、これは国内はもちろんでありますが、国際的にも今まで認められておると私は確信をしておりますが、アメリカはたかたかそうではないようであります。
 私も九月二日から十八日までアメリカのカリフォルニア州の米とアーカンソー州の米を見に行って、米政府、農務省、また議会や通商代表部ともいろいろと接触をしてみました。その中で、このUSTRの代表部では、米の市場開放を求めるものが非常に強いということを実感をした。私は、もちろん日本はこれこれの理由によって米は輸入できないということを強く反論をしておきましたが、こういう要求は今後さらに高まる可能性があるというように思われます。
 特に今、アーカンソー州、カリフォルニア州等で現地を見ると、アメリカはほとんど米の在庫がない。二年ほど前に三百万トン台だった在庫が、中近東、特にインドやタイの干ばつによって、あるいはブラジルの不作によって米の輸出がふえて在庫がほとんどない。私が会った、アメリカの米の二一%を生産するアーカンソー最大のライスランドの会長、副会長あるいはカリフォルニアのFRC、ファマース・ライス・コオプレーティブ、カリフォルニアの米の四五%を押さえているといいますが、これらの役員に会っていろいろ聞きますと、在庫はゼロなんだと言っておるのですが、それは在庫は減っていることは事実であると思う。
 そういう点で、アメリカは三五%減反を、今現地の受けとめでは多分二〇%減反になるだろう、こういうふうに緩和をされるのじゃないか、こう言っておるのですね。東南アジア等の干ばつが何年も続くとはわからないわけであって、平生の状況に返れば、アメリカは減反緩和をやればその分は次からまた余ってくるということになる。そういう圧力が結局どこへと考えると、やはり中期的に見ても日本になお米の市場開放を求めてくる圧力は非常に強いものがこれから後もあるのじゃないか、こういうふうに思われる。その中で、米だけは、私は農相からも何回も聞いてはおりますが、そういう状況はありましてもこの自給の方針を堅持をして米の輸入はやらない、市場開放はできない、これはもう何としてもはっきりと、これから後も拒否をしていくべきだと思いますが、農政の最高責任者として一言これについての決意をお伺いいたしたい。
○佐藤国務大臣 一言で恐縮でございますが、米の自由化はやりません。
○辻(一)委員 言葉は簡潔で結構ですが、これはひとつぜひ頑張ってもらわなければならぬと思います。
 それから、既に同僚委員からいろいろ論議がありましたが、ウエーバー条項は、これは言うまでもありませんが、戦後アメリカの圧倒的な経済力を背景にして認められた、成立したものであって、三十何年たって今日、これをこのままに残して酪農製品のほとんどを輸入制限をしておきながら、他国に同じ品目、乳製品の自由化を強制するということは理解しがたいことではないか、非常に不公平だ、身勝手じゃないかという感じが私はいたしますが、我が国がこれからウエーバー条項の廃止をガットの場で強く要求するということは伺っておりましたが、ぜひひとつ強い態度で要求してほしい。
 同時に、これに関連してでありますが、食肉の輸入等は、アメリカは国内法である食肉輸入法によって、これを根拠として食肉と牛肉関係製品の輸入を制限しているのでありますが、ガット上の根拠はこれではないというふうに思いますが、これらについて政府はどういう見解を持っておるか、お伺いいたしたい。
○眞木政府委員 アメリカの食肉輸入法の規定は、牛肉あるいはその調製品等につきまして、過去の割合から算定をした割合、今では大体七%ぐらいだと思いますけれども、消費七%ぐらいを超える、その水準を超えた場合には輸入を禁止できる。それが一一〇%、正確に言うと七%の水準からさらに一割超えたらそこで輸入を禁止できるという規定でございます。
 これにつきましては、もし仮にそのまま輸入がどんどんふえましてその水準を超えますと輸入をストップするということになりまして、これはガット上問題が生じてくると考えております。したがって、アメリカ側も、こういうことが起こらないようにということでありましょうか、実質的には、輸出国の話を聞きますと、自主的に輸出制限をしているというように我々は観測をしているわけでございまして、やはりそういうことが発動し得る状態に置くということは、ウエーバーと並びまして問題点があると考えておる次第でございます。
○辻(一)委員 ウエーバーと並んで、この点はガットあるいはいろいろな国際的な場があると思いますが、ひとつ厳しく指摘をして、その不公平さを是正さすように努力をしていただきたいと思います。
 それから、今日国際的な農産物貿易における市場混乱の原因をどう考えるかということですが、これは私は、大量に輸出している国と、それから我が国のように大量に輸入している国とは責任の度合いが随分差があるのではないかと思いますが、これについてどう考えていらっしゃるか、お伺いいたしたい。
○眞木政府委員 世界の農産物、特に穀物を見ますと、八〇年代に入りましてから過剰基調でずっと推移をしておるということでございまして、そのために価格が大幅に低下をして、各地で農業不況といったものが起こっておるわけでございます。その要因といたしましては、八〇年代に入っての世界各国の景気の低迷、あるいはまた一部開発途上国におきます累積債務が増大をしたことによる購買力の低下といった、需要が伸び悩んでおるという問題が一つあろうかと思いますし、また中国あるいはインドネシア、インド等、これらの国々における食糧自給力が向上してきたということがあろうと思います。それに加えまして、やはりこれまで大輸出国と言われておりました米国等が、需要を非常に無視をしたような形でどんどん生産を伸ばしてきたということが原因と考えておるわけでございます。これを一層、こういう過剰に伴います世界市場の混乱に拍車を加えたのが、いわゆる補助金つき輸出が増大をしてきたことで、これによる混乱が大変現在の農業問題を深刻化させているということでございまして、それらの責任は、やはりこの大輸出国が需要を無視して増産し、それをまたさばくために過当な輸出競争、輸出補助金をつける、あるいは現物の在庫をボーナスというような形でこれにつけ加えるという形でそれらの在庫をさばいてくるをいうことが問題であると考えております。
 したがいまして、我々といたしましては、例えば今年のOECD等の閣僚会議等の席におきまして、これらの現在の農産物市場の混乱は、主としてこれら輸出国がその補助金つき競争等を通じ、需要を無視して生産を増大したことにあるのであって、まずこれらの国々が第一義的な責任を負うべきであるというごとの主張をしてまいりました。また、今新しいニューラウンドの交渉の場で、こういう問題を背景としてどう解決するかということを交渉を通じて各国がそれぞれ主張していくわけでございますが、我々といたしましては、やはりまず第一義的にこういう大輸出国、特に補助金つきでやっている国々がもう少し行儀よくきちっとそこを改めるべきであるということをやはり主張し、その実現に努めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○辻(一)委員 一九八五年における各国の主な価格支持費に対する支出を見ても、我が国が約六千億弱に対してアメリカが三兆五千億、ECが三兆七千億というように非常に多くの価格支持費を使っている。これは主として輸出補助金、これに該当するものに大体支出されているというふうに思われますが、こういうことをやめさすということが本当はこの国際的な農産物の過剰生産、市場の混乱を緩和をしていく非常に大事な点であると思いますが、こういう点を農相、より強くひとつこれからとも国際的に要求をしてもらいたいと思うのですが、この点いかがでしょう。
○佐藤国務大臣 承知いたしました。強く主張をいたしてまいります。
○辻(一)委員 通産省、見えておりますね。――ちょっとお伺いしたいのですが、これはアメリカも、工業製品であっても輸入品が国内のあるシェアを超えるようになると、いずれも輸入制限あるいは自主規制、いろいろのやり方がありますが、そういう形で規制をしていると思うのでありますが、そういう点でちょっと論議の参考に伺いたい。
 通産省に伺いたいのは、繊維それから鉄鋼、自動車、工作機械等々がどれぐらいアメリカの国内で輸入シェアがふえた場合に対象国に対して規制もしくは自主規制あるいは輸入制限をやっているか、この数字、シェアをちょっと簡単に伺いたいと思う。
○水谷説明員 御説明申し上げます。
 繊維でございますが、現在、繊維のアメリカにおきます輸入品のシェアは、衣料用それから産業用合わせまして一八・一%程度でございます。ただし衣料用に限りますと、約四八%という輸入品のシェアでございます。そのうち、輸入に占めます日本品のシェアは六・六%程度でございます。
 現在、アメリカにおきましては、MFA、繊維の多国間貿易取り決めに基づきまして約四十四カ国と数量の取り決めをいたしまして、輸出輸入の管理をいたしておるという状況でございます。
○辻(一)委員 それは繊維だけですが、私が言ったのは、自動車、鉄鋼、工作機械。
○中尾説明員 鉄鋼業関係についてお答え申し上げます。
 一九八四年十月から五年間にわたりまして各国は米国向けの鉄鋼輸出につきましての自主規制を行っているわけでございますが、自主規制を開始いたしました時点、一九八四年時点におきますところの米国内の消費に占めます輸入鋼材のシェアは当時二六・五%でございました。そのうち、我が国からの輸出でございますが、大体その四分の一の六・八%でございました。
○中川説明員 自動車は、御承知のように一九八一年から対米の乗用車輸出の自主規制を始めておりまして、当初三年間の予定でございましたが、その後、一年刻みで現在まで規制を続けております。
 規制を始めました八一年当時は、石油危機の影響で大型車が売れないということで、アメリカのビッグスリーの会社が非常に経営不振になりまして、日本の小型車がかなり売れるということで、日米関係全体を考えまして自主規制に踏み切ったわけでございます。ちなみに、その八一年の輸入車全体の占めます割合は二七・三%、日本から持っていった輸入車だけで見ますと二一・八%でございます。
○桑原説明員 工作機械について御説明いたします。
 工作機械につきましては、アメリカ側の要請によりましてことし一月から日本からの輸出の自主規制を行っております。アメリカ側から輸出自主規制の要請のあった時点でのアメリカにおける輸入のシェアにつきまして御説明いたしますと、代表的な品物であるNC旋盤、これにつきましてはアメリカの内需のうち約七九%が輸入でございましたけれども、うち日本が六六%を占めておりました。それから、もう一つの代表的な品種でございますマシニングセンターにつきましては、内需の八二%を輸入が占めておりましたが、うち七三%が日本からの輸入でございました。
○辻(一)委員 今通産から数字を聞きましたが、工作機械は七九とか八〇という非常に高いシェアを占めておったわけですが、繊維から自動車、鉄鋼等を見ると、一八%、二六%、二十数%というふうに、いずれも工業製品もアメリカの場合でも自国内で外国製品、輸入品が相当なシェアを占めるようになれば、これを法律による規制、あるいは対象国に話をして自主規制を求める、こういう形で、いずれにしても工業製品であっても規制をしているというのはこれは事実であるし、アメリカだけではない、これは恐らく世界の各国が国益と産業を守るためにやっていることではないかと思います。
 そこで、工業製品ですらそうであるならば、国民の命を支える食糧、こういうものが、我が国は昭和三十年代に八〇%台が十年前は四〇%になり、今三二%というように非常に低下をしている。もう言うまでもないことですが、これは穀物ベースでありますが、イタリアの八九、ドイツの九五、フランスの一六五、アメリカの一八五、あるいはカナダの二二二というように見れば、我が国の三二%というのは先進国の中で非常に低い。だから、我が国が全体として穀物について約七割を輸入している。シェア七割を占めているのですから、三割を自給する。言うならば、逆に言えば、我が国が自給するということは輸入を抑えるということですが、これは独立国家として、また一億二千万の人口を擁する島国の我が国として当然認められるべきものであると思いますが、これが非常に批判をされていると思いますが、これについて大臣、どのようにお考えになりますか。
○眞木政府委員 御案内のとおり、我が国は穀物ベースで見ましても三割そこそこという低い自給率になっておるわけでございまして、これは逆に言ってみれば世界最大の農産物純輸入国として世界の農産物貿易に貢献をしているということも言えるわけでございます。しかし、ただいま御指摘にありましたように、やはり日本の農業というものをきちっと守り育てていくためには、やはり食糧の安定供給という見地に立ちましても、一定規模の農業を健全に育てていく必要があるということで、このような主張はこれまでもずっとやってきておりましたし、ことしになりまして、OECDの閣僚理事会のコミュニケ等におきましても我我の主張が取り入れられた形で、今後農業改革を進めるに当たりましても、基本的には市場原理ができる限り生産にシグナルを与えるという方向は決まっておりますけれども、その中でこの食糧の安定供給、あるいはまた、環境、国土保全等の純粋に経済的ではない要因にも考慮を払うべきことということがコミュニケに入って、これがまたベニス・サミットでも裏打ちをされたということでございます。
 こういう状況を踏まえまして、現在ニューラウンドの農業交渉が始まっております。昨日、きょうとやはりジュネーブでこの農業交渉グループの乙とし最後の会合も開かれているところでございます。この中で、我々はさきに農産物貿易を律する原則というような形で日本提案の土台となるような考え方を示して、さらに詳細な提案を今検討しておるところでございます。その中で、我々は今申し上げました食糧の安定供給といった要素が今後の農業貿易を律する原則の中に適正に取り入れられるべきであるという主張をしておりまして、今後の交渉の中でこの食糧の安定供給確保といったそういう問題を含めて輸入国としての立場がきちんと守られるように主張し、交渉してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○辻(一)委員 政府はそういう努力をしてもらうことは大変大事なことである、大いに頑張ってほしいと思います。
 そこで、もう一歩踏み込んで、先ほどの串原委員からも指摘がありましたが、食糧自給率の非常に低い国、言うならば非常に輸入をしておる国、こういう国は世界では日本が第一でありますが、最低の自給率と輸入制限措置をガット条項の中で認めさすということ、言うならばガットは輸出国の権利は非常にいろいろと保障されているけれども、輸入国のこういう意味の問題、権利というものは非常に保障が薄いというか、小さいんじゃないかというように思いますが、もう一つガット条項の改定まで我が国は要求すべきじゃないかと思うのですが、これはいかがでしょうか。
○眞木政府委員 さきの質問のお答えの中で申し上げましたように、ニューラウンドにおける交渉において食糧の安定供給確保といった見地を取り入れてと申し上げましたのは、このニューラウンドで新しい農産物貿易のルールづくり、そのルールの中に我が国としてはそういう要素を織り込んでやるべきであるという主張でございまして、先生の御指摘の線に沿った対応だというふうに理解をしております。
○辻(一)委員 きのうの一部新聞によると、今言った新ラウンド農業交渉で日本案の提出は先に見送る、輸出国の反発を買うおそれありということで見送って来年度に行うというようになっておるのですが、いろいろな時期ですから、そのタイミングの判断というものは非常に大事であると思いますが、これはひとつ遠慮せずにぜひやってもらいたい、明確に我が国の立場ということを述べて、これから強く交渉してほしいと思います。その点、これは農林省とあわせて外務省の立場も非常に大事でありますが、これについての決意を、出ておられたらちょっとお伺いしたい。
○登説明員 食糧安定供給という概念を今度我が国が提案を考えておりますウルグアイ・ラウンドの農業交渉グループの提案の中に盛り込むということは、今農水省の方から御答弁があったとおりでございまして、その点については外務省も全く同じ考えでございます。
 今御指摘のございましたタイミングの点についてでございますけれども、今回のガット総会におきまして、出席いたしました宇野外務大臣からこういうような発言をされております。「農業交渉に関する日本提案を本年末までに提示できるよう努力していることをここで申し上げたいと思います。」ということを言いまして、その中身といたしまして、その基本的な考え方といたしまして、先ほどから御説明申し上げております「食糧の安定的供給の確保等のために必要とされる一定の輸入制限が、より明確に定義された条件のもとに認められるべきである。」というのが日本提案の中に入るという形、それを一つの骨として今提案の具体化に、作業に取り組んでおるところでございます。
 したがいまして、提案の時期につきましては、本年の交渉で一応各国が提案を出すということにたっております。したがいまして、先生も御指摘のとおりそれにおくれると出おくれたということにもなります。したがいまして、ガットの農業交渉グループはきょうとあしたで交渉を終わりますが、年末まではまだ提案は受け付ける状況でございます。年末までに必ず間に合うように提案を準備したいというふうに考えております。
○辻(一)委員 年末までといえば時間がそうないわけでありますから、これはぜひしっかりやってほしいと思います。この点で、ガットの場で、あるいは新農業ラウンドの場で歯どめをかけたいと、必ず日本農業の基本である米の自由化が迫られてくると私は思うのですが、これに対して何としてもひとつここで強力に発言をして、日本の主張をぜひ実現をさせてほしい。
 そういう点で、外務省も当然でありますが、これは農林大臣にまたひとつ頑張ってもらわなければいけない。この点について農相の御決意をひとつ聞かせていただきたい。
○佐藤国務大臣 先ほどから申し上げておるように、頑張りたいと思っておりますので、御了承いただきたいと思います。
○辻(一)委員 ひとつ迫力を持って頼みますよ。
 それから、いろいろな点で伺いたいことがありますが、外務省にせっかくですからもう一つ。
 日米友好は私は大変大事だと思っております。しかし、これだけ無理押しをアメリカが農産物でやってくると、我が国の農村におけるアメリカに対する感情は非常に変化をしていく懸念があるのですが、こういうこともひとつアメリカに篤と説明をしてもらって説得してもらわなくてはならないと思うのですが、この点、外務省の考えがあれば伺いたい。
○登説明員 今回の一連の交渉を通じまして、外務省といたしましては、いかに日本の農業が国内的に合理化等について努力をしているか、その努力にもかかわらずやはり困難な事情は依然存在するのだ、その困難な点については理解をしてほしいということは十分説明してまいりましたし、これからもさらに一層強くアメリカの理解を得るように説明していきたいと思っております。
 また、この点につきましては、政府のみならず、国会の皆様あるいは民間の方たちも、アメリカとのいろいろなセミナーその他の会議において、日本の農業問題について率直に意見交換をしておられるというふうに私どもも承知しておりますし、そういうことを通じて、官民の協力相まって、我が国の農業の実情についてより正しくアメリカのみならず世界の各国に理解してもらう、こういう努力が大変重要なことであるというふうに私どもは確信しておりまして、外務省といたしましても、今後とも誠心誠意その努力を続けていきたいというふうに考えております。
○辻(一)委員 外務大臣によくよくそれを伝えてもらうようにお願いします。
 限られた時間でありますので、あと私は山と海の問題について一、二点だけ質問したいと思います。
 さきに各委員からも質問がありましたように、今林野庁が進めている営林署の統廃合問題ですが、営林署は林政第一線の中核でありまして、統廃合によって林政機能の低下が非常に懸念をされます。私はこの統廃合には基本的には反対でありますが、しかし、今の状況の中で、やむなく統廃合がたされた場合に、特に機能低下をしないように配慮するということが大事だと思います。今まで、前にも、統廃合が起こって機能低下はしないように、また地元の要望を十分聞いてやる、こういうような答えがしばしば政府からなされていましたが、現状はかなり機能は低下していると思わざるを得ないのですが、どういうように把握されていらっしゃるかお伺いしたい。
○田中(宏尚)政府委員 従来から、営林署の統廃合の実施によりましても、事業実行を直接担当いたしております担当区事務所でございますとかあるいは各所の事業所、こういうようないわゆる現場組織につきましては存置してきておりますし、それから、個別案件に応じまして、その必要に応じて営林事務所等を設置するということで、少なくとも営林署の統廃合によって現場の機能が低下するということのないように努めてきたつもりでございますし、今後ともそういう方向で努めてまいりたいというふうに考えております。
○辻(一)委員 私は今余り多くのところを見ていないのですが、例えば、前回大阪営林局の中で敦賀の営林署が統廃合になりましたね。当時、五十七年に十五名いた署員が現在九名、そしてこれは補充をしないものだから、定年退職をするとだんだん数が減る。六十五年には五名か四名になって、補充をせずにそのままにいくというような行き方になっております。また、地元の要望を聞いたというのでありますが、例えば気比の松原という非常に有名な松林がありますが、ここで、最初は地元の要望を入れて担当区に三名の人員を配置しておった、しかしそれはしばらくであって今は一名にたっておるというように、人員の配置等々を見ても機能の低下はやはり争われないんじゃないかという感じがします。そういう点から、今林野庁長官は、機能低下しないようにしているしそのはずであると言われますが、実態はこういう点があるのですね。
 その点で、万やむなく統廃合がなされる場合には次の三点を十分配慮してほしいということで、それについての考え方を聞きたいと思うのです。
 第一は、これは今申し上げましたように、現実に現場における機能低下を来さないようにするということ。第二は、機能低下の一番大きな原因は、営林事務所では、契約であるとかいろいろな点で、採決権といいますか議決権を持っていない、決定権を持っていない、分任契約担当官あるいは分任支出負担行為担当官等がいないために、全くの中継ぎ的な役割で、いろいろな相談をしても結局は遠方の営林署まで行がたくてはならぬ、こういうことが起こっておりますが、こういう点から、現場の営林事務所の所長に、分任契約担当官、分任支出負担行為担当官の権限を与えることができないのか。こうすればかなり仕事が進みやすくなるのではないかと思うのです。三つ目は、この改善措置、機能低下を食いとめるためにいろいろな措置がこれからとられるとも思いますが、そういう場合に、既に統廃合された現場の事務所にも、それをさかのぼって、対策があるのならばひとつ一緒に講じてもらいたい。
 この三点についてどのように考えるか、お伺いいたしたい。
○田中(宏尚)政府委員 ただいま御例示ありました過去の事例につきましては、残念ながら、全国的に国有林の経営の改善、合理化というものが進んでおりまして、毎年自然退職が大体三千人ぐらいのところで新規採用二百人前後というようなことでございますので、そういう全体の趨勢として当該局たり当該署というものも定員が減っていっているということは、趨勢としては事実かと思います。
 ただ、要員の調整と同時に、その仕事のやり方の中身というものもいろいろと改善、合理化してきておりまして、例えば請負に出すとかあるいは民間のいろいろな労力を使うとかいうようなことで、仕事自体も見直しまして、少なくとも、国有林の仕事全体としてのサービスが低下するたりあるいは地元に迷惑をかけるということのないようにしてきているつもりでございますが、今後ともその辺につきましては十分意を用いてまいりたいと思っております。
 それからまた、契約担当等のことにつきましては、どの程度まで地元に権限を任せるかということはそれぞれの現場のいろいろな実情に応じて判断したいと思っておりますけれども、少なくとも営林事務所というような形で残してきたものにつきましては、その目的の達成に必要な範囲内で可能な限り、国有林野の使用でございますとか貸付契約の継続あるいは大林の許可でございますとか、それから跡地の検査、こういうものにつきましては、末端の営林事務所長の代決権というものを認めてきているわけでございます。それから、大きな契約関係につきましては、できるだけ地元サービスが低下しないように、当方の仕事のやり方のスピードであるとかあるいは簡略化ということも含めて何とか努力して、適切に対処してまいりたいと思っております。
 それから、いろいろとこれから改善していく場合の処置につきましては、統廃合の対象になりました署につきましても同じような処置として、適切にそれぞれ現場の実情に応じた処置は講じてまいりたいというふうに考えております。
○辻(一)委員 今大体は伺いましたが、今言った分任担当官の権限というものを現場の所長に委任しておくということは、実際難しいんですか。
○田中(宏尚)政府委員 その営林署なり営林事務所の所在なり性格にもよりますけれども、少なくとも営林署じゃなくて営林事務所という形になった以上、従来と全く同じように契約を担当するということは組織としても形態としても問題があろうかと思いますけれども、先ほど言いましたように現場と密接な関係のあるもの、しかも、そういう末端の事務所であっても十分こなし得るもの、こういうものについては代決をさせているわけでございますが、例えば大きな国有地の新しい売り渡してございますとかこういうものについては、むしろより広い段階であるいは高次な段階で判断なり契約をすることが適切な事例もございますので、一概に末端にさせることが地元サービスなり国有財産の適正な管理につながるとも言い切れないという点はひとつ御理解いただきたいと思います。
○辻(一)委員 要は、現場における機能が低下をしないように、ひとつあらゆる配慮をして努力をいただきたいと思います。
 最後に、捕鯨問題について大臣にお伺いをしたいと思います。
 調査捕鯨の実施について、当初水産庁は七月中に結論を出すということであったのですが、まだ結論が出てないようでありますが、どうたっておるのかということ。それから、この問題は衆参両院の農林水産委員会で、今年度漁期に必ず実施すべきだ、こういう点が決議をされております。佐藤農相のこれについての決意を最後に伺って、終わりたいと思います。
○佐竹政府委員 ちょっと経緯を先に御説明申し上げておきます。
 私ども、国会の決議をいただきまして、国際的な理解を得るという方途と、それから条約上の権利を行使する、これが両立する方法がないかということで、九月、十月、アメリカと交渉を構えたわけでございます。その結果といたしまして、これを両立させるためには一応ことしのIWC年次会議の勧告を受け入れることが妥当であろう、つまり、ことしの年次会議の科学小委員会で提起された疑問点が明らかになるまでは調査を延期せよという勧告でございますので、その疑問点のうち我が国の科学者から考えましてももっともな点についてはこれにこたえる必要があるということで、予備調査を計画いたしまして、頭数も当初の八百七十五頭から三百頭に減らしまして予備調査を計画し、これを条約上の手続に基づきまして、IWCの科学委員会の特別会議を十二月十五日から十七月までロンドンでやることになっておるわけでございます。この結果を待って調査を開始することにいたしたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○佐藤国務大臣 後段の部分についてお答えをいたします。
 菊池委員長を初めこの委員会でも大きな関心を持たれ、ことしの七月、衆参両院において決議をされた経緯も重々承知しております。調査捕鯨が早く実施できるように、結論を得るように、最大限の努力を重ねているところでございます。
○辻(一)委員 終わります。
○菊池委員長 藤原房雄君。
○藤原(房)委員 佐藤大臣には、就任後初めての委員会ということでございます。本来ならば大臣の所信を承りまして、またいろいろお話をしたいこともあったわけでございますが、今回はそういうことじゃございませんで、一般質疑といいますか緊急の問題、また当面する問題についてのお話ということでございます。しかしながら、今明年度の予算が、八月には概算要求がなされ、そしてまた着々とそういう予算の問題についても煮詰まってまいりまして、この二十三日には大蔵の原案がというスケジュールのようでございます。こういう段階でございますので、この予算のことについて大臣のお考えを一言お伺いしておきたいと思うのであります。
 御存じのとおり、かつては総予算の一割を占める農林省関係の予算という時代もありました。時代が大きく推移したとはいいながら、やはり農業の持つ重要性というのはいつの時代も変わらないだろうと思うわけであります。現在は八%から七%というように、年々総予算の中での農林予算のウエートが下がっておる。ただ比率だけで言っているのじゃございませんが、その中には、現在問題になっておりますように、補助金等についての見直しとか行財政改革の中でいろいろ問題になった点もございます。そういう是正をしなければならないことは是正をするといたしましても、国の内外から今農林漁業の問われているこういう重大な問題を抱えておりまして、それに対応してなさなければならない施策というのは多方面にわたっておると思うのであります。
 こういう非常に重大なときでございますので、まず一点につきましては、何しろ農林漁業には造詣の深い大臣でありますから、今度の大臣就任とともにお持ちにたっていらっしゃる抱負といいますか、この非常に緊迫した諸情勢の中にございますが、それにどう対処するといいますか、個々の問題は時間がございませんからあれですが、ひとつこの難局に対しての御決意と、それからその裏づけになります各種の施策に対しましての予算ということにつきまして是が非でもひとつまた、それらの大臣の所期の目的とするものが実現できるような予算措置が講じられるように御努力をいただきたいものだ、こういう気持ちでまず最初に大臣の所信をお伺いしておきたいと思います。
○佐藤国務大臣 我が国の農業をめぐる内外の厳しい諸情勢ということになると、決まり文句でございますが、今後の農政の推進に当たってはひとつ真剣な努力を積み重ねてまいりたい、こう思っております。もちろん食糧の安定供給あるいは活力ある地域社会の維持あるいは国土、自然環境の保全など、重要な役割を踏まえながら我が国農業に新たな展望を切り開く、そして担い手が明るい希望を持って農業に取り組めるように、流通関係の理解も得ながら消費者のニーズにもこたえながらひとつ対策を展開してまいりたい、こう思っております。もとより、昨年十一月の農政審の答申、この土台はありますが、さらにこれを敷衍いたしまして、具体的に展望が一つ一つ開けるような形、少なくとも一部に言われてきた猫の目農政と言われることのないようにひとつ努力をしてやってまいりたい、こう思っておるところでございます。
 経営規模の拡大、生産基盤の整備、こうしたことを積極的に進めなければなりませんし、一つ一つ言えば切りがございませんけれども、要約すれば、今おっしゃるように来年度予算、これに取り組む姿勢はどうなのか、こういうことでもまたございます。この予算編成を政府原案の決定を年末に控えまして、ただいま現在は私自身も十二品目問題やら就任早々落ちつくいとまもございませんけれども、当然のことだから二十三日に内示をされるであろう、あるいは年内に政府原案を決定しなければならぬ、こういう一つの流れになっておりますので、農林水産関係が何かこういつでもだんだんしぼんでいくというような印象を与えてきたことも事実でございますから、そういう印象を与えないように最大限の努力を払って予算編成に臨みたい、また、財政当局にもそういう意味では強い姿勢で臨んでまいりたい、こう思っております。
○藤原(房)委員 今まで農政に造詣の深い大臣からの御発言でありますから、私ども大きな期待をするとともに、また何としても内外から今厳しく問われておりますこういう時点でもございます。一生懸命農業に従事していらっしゃる方々が夢を壊さずにやっていけるようなそういう農政の確立、ともに力を合わせてやっていきたいものだ、こう思うわけであります。
 さて、大臣は就任して早々、これはきのうきょう始まったことじゃございませんが、去年の暮れからガットの問題は提起になっているわけでございまして、この問題にお取り組みになり、また何らかの決着を見なければならない立場になったわけでございますが、この国内的な諸問題、今取り組まなければならないことが大変にたくさんあるわけでありますが、どちらかというと漁業も林業も農業も諸外国から輸入圧力といいますか、また漁業規制というこういう形で国内の体制を変えなければならない、こういう非常に厳しいといいますか、まず国内的なことですといろいろスケジュールを組んで何年先にどうするが、何カ年計画、こういうことでできるのでしょうが、そうではなくて、貿易ということやそれからガットのようなこういう形で推し進められますと十分な国内的な対処というのは非常に難しいのじゃないか。また漁業規制、これも降ってわいたようにその話が出たのではないのかもしれませんが、そういう規制が現実行われるということになりますと国内的な対処というのは非常に難しい。こういう農林漁業全般にわたりまして諸外国から今大きな変革を迫られている、こういう中にありまして大臣としまして農林漁業の新しい道に対して基本的にどういうお考えでいらっしゃるのか、基本的なことだけで結構なんですけれども、お伺いしておきたいと思います。
○佐藤国務大臣 おっしゃるように内外ともに厳しいという言葉を残念ながら言わざるを得ないわけでございます。農業の分野におきましても林業、水産業の分野におきましてもそういうことでややもすれば理屈ではいかがなものかと首をひねらざるを得ない、そうした意味での諸外国の風圧も実際のところ感じております。しかし、国際化の中で全部を敵に回すやり方はできませんけれども、ある程度の理解をしながらもやはり内政と国際的な国際化の方向というものと一致するように、そこに努力の必要性があろうかと思いまして、そういう両面についてあわせて努力をしていかなければならない。一方、第一線にある農林水産業者にいたしましても厳しさはわかっている、今のままではいけない、こうは思いながらもある程度の時間は必要だ、こういうことでもございますので、新しい展望をどう切り開いていくか、一つの展望を具体的に示しながら一つ一つ丁寧に運んでいかなければならない、こういう認識でございます。
○藤原(房)委員 そういう今大臣がお話しになりましたように、内政の諸問題の解決とそれから国際的な問題と一致点を見出して、それを進めていく努力をするということは大事なことだろう、私もそう思います。今までも漁業問題につきましても水産外交という言葉もございまして、確かに漁業規制につきましては強力な外交姿勢というのは必要であるということ、今はアメリカと二国間の問題につきましても、ガットの問題につきましても、日本の現状というものを十分に話し合うということ、こういうことからいいますと本当に農林大臣は外務大臣になったようなつもりで諸外国を駆け回ってそしてお話をしなければならない、そういう非常に重大なときを迎えているように感じてならないのでありますが、こういう問題については行動力のある大臣、各国を回ってお話し合いをして、こういうおつもりだろうと思うのでありますが、こういうことについてのお考えをお伺いしておきたいと思います。
○佐藤国務大臣 いろいろ御激励をいただきまして恐縮でございます。こういう時代だからあちこち駆けめぐって一生懸命やれ、こういうことでございます。しかし、また軽々に動くことによって全体がどうなるか、余りにも多くの問題を抱えておりますのでそこは腹据え、腰据えて、そししてじっくりかかっていかなければならない。責任は負わなければならぬのでありますから、そういう意味で慎重な構えをいたしておるところでございます。
○藤原(房)委員 外務省の方にお伺いしておきます。
 このたびのガットの問題につきましていろいろな立場でお話が言われているわけでありますが、統計全体を見ますと、アメリカの輸出農産物の二〇%以上を日本が買っておる、こういう形になっておるわけでありまして、またそれが年々ふえておるのが現状であります。こういう中にありまして、十二品め市場開放ということで日米友好関係に非常に悪影響といいますか、国民感情を非常に刺激するような形で強い要求をしてくる、こういう姿を見ますと、外務省としてまたそれぞれ担当当局として、日本の農業の現状というものについての訴えといいますか、今日までの現状をどういうふうに知らしめているのか。いろいろな話の中では、日本の農業の現状を知らな過ぎるのではないかという感じもするのです。過日は戦前を思わせるような北海道農民の激しい行動もございました。だれもああいうことをしたくてしているわけでは決してありません。本当にやむにやまれぬ、そういう気持ちだろうと思いますし、また札幌の領事館に押しかけるというような行動に出ることは、友好国として、今までも非常に親しみを感ずる国の第一はアメリカであったはずですし、今日も変わらないだろうと思うのでありますけれども、こういうことを見ますと、感情的な言い方になるかもしれませんが、今日までの外務省当局や農林省としての、特に一義的には外務省だと思いますが、日本の農業の現状についての訴えは一体どうだったのかという素朴な疑問が頭に浮かぶわけでありますが、外務省、どうでしょう。
○登説明員 我が国の農業の実情に関しましては、アメリカ政府と日本政府との十二品目の交渉を初めとするあらゆる交渉を通じて十分説明していることはもとよりでございます。それに加えまして、ワシントンにございます大使館、大使以下担当のスタッフ、さらには全米十数カ所にございます総領事館、総領事以下のスタッフを動員して、全米各地において我が国の直面します問題の現状、農業はその大きな一つのテーマでございますが、それらの問題についてあらゆる機会をとらえて十分説明に努めてきたつもりでございます。また、今後ともそのように努力するつもりでございます。
 我が国のかかる説明、特に農産物につきましては、日本はアメリカから六十億ドルという巨額な輸入を行っておって、世界の中でも最大の純農産物輸入国であるという事実については、多くのアメリカ人がその事実を理解するに至っているというふうに確信いたしております。アメリカの立場といたしましては、かかる日本の行っている努力、それから日本の農産物貿易の実情については十分理解しつつも、現在の国際社会に置かれた日本の立場、それから日本の抱えております経常収支あるいは貿易収支の問題等、それから日本の国力からすればもう少し輸入してくれてもいいのではないかというのがアメリカの、特に農民の切々たる訴えでございまして、私どものアメリカに説明しておりますところの実情は理解しつつも、アメリカと兄弟分になった日本、戦後四十数年を経てこれだけ成長して経済発展を遂げてきた日本であるからこそ、アメリカが現在貿易、特に輸出の伸び悩みというところで苦労しているわけでございます。皆さん御承知のとおりの巨額な貿易の赤字を抱えております。
 その原因はアメリカ自体にもございますが、その一つの解決策としては、やはりアメリカの輸出を伸ばしていくということでございまして、その努力の一端をやはり日本としても担ってくれないだろうかという、日本に対する切々たる訴えでございます。私どももそういうアメリカの気持ちを酌みつつ、他方日本としても最大限努力はしているし、日本としてもできないことはできないということをはっきりアメリカに説明しつつ理解を得るように努力している実情でございますし、今後とも一層そのような努力を続けていきたいというふうに思っております。
○藤原(房)委員 私もアメリカへ行ってシカゴの郊外の農家の方とお話をしました。日本に大豆その他輸出しておる、そういう農家の方ですから日本に対して悪い感じは持っておりませんでしたし、まあ立場によっていろいろ感じの持ち方はあるのだろうと思いますけれども、先ほども同僚委員の質問に答えましていろいろお話しございましたが、これはいろいろな立場の方々が日本の現状を訴えるということが大事で、外務省当局の話だけで物事が解決つくことじゃ決してないだろうと思います。いろいろな立場の人たちに対しましてそういう現状認識というものを与えることが大事なことだろうと思います。
 新聞や雑誌なんか読んでおりますと、先進国で日本ほど自給率の低い国はないわけで、そういうことでびっくりしたなんという方がいらっしゃったり、いろいろなお話を聞きますと、これはどうなっておるのかな、そういう感じがしないわけじゃありません。知的立場の方々でさえもそういう感じをお持ちになっているということ等を聞きますと、こちらが一生懸命やっておるその割には深刻さというのは余り受けとめていないのじゃないか、こういうことから、いろいろな立場で機会あるごとに訴えていく、話し合っていくということが大事なことだろう、しかし一義的には外務省がしっかりやっていただかなきゃならぬことでございます。やっております、やっておりますじゃなくて、今回のことを契機にしまして、またさらにいろいろな手だてをひとつ推し進めていただきたいものだと思います。
 特に、今御答弁ございましたけれども、やはり何といっても貿易収支のことが一番大きな問題だなと思うのです。十二品目をずっと見ますと、自由化したからといって米国の利益にならない、こういう品目もございますし、それ以上に、自由化によって他国からの輸入増大でアメリカが不利な立場に立たされるような品目もある、わけですね。こういうことを考えますと、貿易収支とか今お話しの――わからないわけじやありませんけれども、どうも米国の自由化を求める真意というのは一体どこにあるのか、ガットの精神にのっとって自由貿易の体制を確立するというその本意は本意としましても、これほどまでに過激に、そしてまた友好国とされる日本に対して急激な自由化を求めるその真意は一体どこにあるのか。こういうことを考えますと、素朴な疑問といいますか、アメリカはその奥底にもっと何かを考えておるのじゃないか、こう勘ぐらざるを得ない。今外務省の課長さんからお話があったのだけれども、自由化しましても自分の国に決してプラスばかりではないようなことに対して強力に押してくる、ここらあたりのことについては外務省は一体どういうふうにお受けとめにたっていらっしゃるのですか。
○登説明員 今の点に関しまして、私どももアメリカに対して率直に、これをもし仮に自由化しても必ずしもアメリカのものが入ってくるとは限らないというようなことも十分説明の上、二国間で何とか円満な解決を図ろうとしたわけでございますが、アメリカは、先生が今まさに御指摘されましたとおり、二国間の道を選ばずにガットのパネルで最終的に決着するという手段を選んだわけでございます。私どもが理解しておりますところでは、アメリカの真意と申しますのは、この十二品目の問題というのは既に長年にわたって日本と話し合いを続けてきた、ガット上の協議に入ってからも、たしか一九八三年からガットの枠内での二国間の話もしております。これだけ時間がたってきたので、これ以上アメリカとしても待つわけにいかないということが一つあるのだろうと思います。
 それからもう一つは、ガットにおきます紛争処理、いわゆるパネルを設置しての解決というのは、日本に関する限りは過去非常に少なかったわけでございます。これは世界各国が、日本との交渉はガットでシロクロを決着するということよりも、むしろ二国間で何とか妥協するという道を選んできたわけでございます。他方、各国間で見ますと、アメリカとECの関係あるいはアメリカとほかのヨーロッパの国、あるいはヨーロッパの国と途上国の間でも、多くの問題がガットの場に持ち込まれてパネルで結論を出すという形になっておりました。今回日本についてもパネルでという形になってきましたのは、日本の国際的な責任、増大しつつある日本の立場というものを、ガットの場でも、みんながひとしく貿易の真のパートナーとしてお互いにギブ・アンド・テークでいこうじゃないかということからガットの場に持ち込んできたのだというふうに私ども考えております。つまり、日本の責任に対する期待でございますが、そういう点も十分踏まえて問題の解決に当たる必要があるというふうに考えている次第でございます。
○藤原(房)委員 十二品目、いろいろありますけれども、これはもう今日までの歴史的な経過は御存じのとおり国家貿易品目として譲れないものが残っているわけで、全部で二十二ですか、この十二品目の中にもそういう重要なものが残っておるわけでありますから、今までの経緯はいろいろあろうかと思いますけれども、これを押してくるというそのことについて、しかも我が国の制限品目というのは、そういういろいろな農業の特殊事情等によってこういう制限品目になっておるわけでありますけれども、アメリカでは御存じのとおりウエーバー品目、それからそれぞれの国々でまた制限品目を設けておりますね。こういうことから考えますと、現在ニューラウンドでいろいろ検討されておるわけでありますけれども、我が国をいけにえといいますか非常に集中的に、今ニューラウンドの場でいろいろ検討されているにもかかわらず日本に他国に先駆けて自由化を迫る、現在の時点を考えますとこうしか考えられないわけですね。これはそれぞれの国の間での措置やいろいろなことを勘案してガットの場での討議の対象にする、こういう形をとるならいざ知らず、今までの既存のものはそのまま置いておいて日本に集中的に、こういう感じを持たせるような今回のこの動きというのは、どこから見ても日本に対する攻撃が中心であって、本当にガットの精神に基づいた方向の進め方ではないというような印象を強く受けるのですが、どうですか。
○登説明員 今の御指摘の点に関しましては、日本だけが集中的に非難の矢面に立っているというわけでは決してございません。先週行われましたガットの総会でも、過去一年間にガットの紛争処理案件として問題が提起された案件が数多く報告されております。その中にはアメリカのとっております措置、アメリカの税関の手数料の問題あるいはアメリカの石油税の問題等がガット違反であるというような結論も出ております。これはEC、ヨーロッパ諸国あるいはカナダ等の諸国がアメリカを訴えたものでございます。さらに逆に、ほかの国がECを訴えた案件についても幾つかパネルの、あるいはあるものは結論が出て、あるものはその進捗状況について報告されておりまして、ガットの場と申しますのは、かかるようにお互いに二国間で解決ができなかったものはガットの場に持ち込んで法的な判断を含めて決着をしようということでございますので、今回たまたま日本につきましては十二品目という非常に重要な、日本にとって大きな影響力のある問題が出たわけでございますが、これは先ほど申しましたように過去の経緯の延長として今回結論が出たということでございまして、別にこのことをもってして日本がねらい撃ちになったということでは決してないと思います。
 日本といたしましても、国際社会の一員として当然主張すべきことは主張しますが、他方責任を果たすということも必要でございますので、今回のパネルの裁定については非常に重大に受けとめておりまして、その問題については先ほどから外務省あるいは農水省の方から御答弁させていただいたとおりでございますが、私どもは、本件をもっていわゆるジャパンバッシングと申しますか日本袋たたきの一環である、そういうふうな形では決してとらえているわけではございません。確かに日本に対する物の見方というのが厳しいということは否定しがたいものがございますけれども、やはり国際社会でお互いにギブ・アンド・テークで物事を進めていく、そういう一環であるというふうに考えられておりまして、したがって今度の総会の場の雰囲気でも、これは多くの国が抱える一つの問題であるということでございまして、日本だけをみんなで特にたたこうというような雰囲気はなかったということは申し上げられると思います。
○藤原(房)委員 アメリカとの交渉の矢面に立って頑張っていらっしゃった農林省の眞木局長さんには心から敬意を表する次第でありますが、我々は新聞に出ている範囲内しかわからないので、きょう局長からまたいろいろお話を聞いたそういうことで判断する以外にないわけでありますが、日本の言い分というのはどうも感情的な問題が表に立っていて、論理性とか純法律的なそういうものが非常に薄いのじゃないかとか、こんなことを報じたマスコミもあるようであります。それは確かにいろいろな話の中でそういう感情的な面を強調した一面もあったろうと思いますが、日本が主張するには主張するきちっとした諭理性というのがもちろんあったろうと思います。それだけに、今回のパネルの裁定案に対しまして疑義を唱えた、その疑義を唱えた理由といいますか、疑義というものに対して眞木局長が何点か指摘をして何か記者会見でお話をなさったようにも承っておりますが、それらのことについてちょっとお伺いしておきたいと思います。
○眞木政府委員 初めにちょっと御了解をいただかなければいけないと思いますが、この報告書案につきましては、一応ガット上非公開という取り扱いになっておりまして、現在もその状態が続いているわけでございます。また、大変大部にわたる詳細なものでございますので、今回そういう点を踏まえまして、問題点だけをやや簡潔た形で御説明をさせていただきたいと考えております。
 十二品目のうち、我々は乳製品あるいはでん粉の部分について、報告書の内容について、その判断、法理の適用等についてこれを受け入れることができないということで、その部分については採択に賛成できないということを言っておるわけでございますが、これはいずれもガットの現行の第十一条の規定の適用にかかわる問題でございまして、輸入制限の対象品日と、それから国内で生産制限をしておる品目は同種の産品であるということ、それから生鮮品とそれにごく初期の加工を施した産品というものが対象になるわけでございます。
 後者の場合に、いわゆる保存性がないことといった要件があるわけでございます。ペリシャビリティーと申しておりますが、この二品目につきましては、まずそういうペリシャビリティーについての解釈が妥当でない。過去のいろいろなパネルのケース等も考え合わせるときに余りに解釈が狭過ぎるというような問題、あるいはまた取引、貿易の実態から離れて来る、形式判断でやっておるといったようなこと、それから同種の産品の要件につきましても、例えば生のミルクと粉乳、それが同種の産品であるか否かというような判断につきましても、これを消極的に解しておるということについては問題があるといったようなことについて異議を申し立てたわけでございます。
 また、あわせて国家貿易についての問題がございますけれども、これにつきましてのガットの関連条項の解釈はガットの制定経緯、ハバナ憲章にまで立ち上った経緯、これはやはりこの当時から現在のガットの条文に移ってきておる中におきまして、独占的な国家貿易といわゆる民間貿易とは別の法体系なり物の考え方で整理をされてきたという経緯に照らして、ガットの十一条の例外規定要件を国家貿易についてそのまま適用するのはおかしいのではないか、こういったような問題を我我は指摘をいたしまして、結果として乳製品とでん粉及び国家貿易に関する解釈は妥当ではない、受け入れることができないというような判断をしたわけでございます。
 また、いわゆる灰色というように巷間伝えられております雑豆、落花生につきましては、第十一条の規定の一つにミニマムアクセス要件というのがございまして、これはそういう現在実施しておる輸入制限が仮になかったと仮定をした場合に成立が期待できる輸入の割合、つまり輸入制限がなかった場合には、大体国内生産と輸入はどのくらいの割合になっているだろうということのその割合を一応決めまして、それよりも、輸入制限を新たに適用することによってその割合を下ってはならないというのがございます。これは実際の算定は輸入制限がなかったような時期の過去の一定期間の代表的な期間をとって算定するということになっておるわけでございますが、これら二品目についての輸入制限は、我が国がIMF八条国移行、昭和三十年代後半、三十八年、ガットでいえば十二条の適用がなくなった時代から、以前からずっと続いておりまして、そういう代表的な期間がなかなか算定できないというような問題で、パネルとしてはこういう点の立証を提訴を受けた我が国に対してゆだねるというような判断なり取り扱いをしております。しかしこれらの二品目につきましては、我々は雑豆等の場合にはほぼ同量、それから落花生の場合は、国内生産に対して倍近い数量の輸入があるというような状況にもありまして、この点は十分に要件は満たしておると考えておるわけでございます。
 その他の品目につきましては、いろいろな判断をいたしましたけれども、結論としてはガットのパネルの判断、いろいろ問題点はございますけれども、それを覆すのはちょっと困難であるという点から、全体的な結論といたしましては、乳製品及びでん粉並びに国家貿易に関する解釈の部分を除いた部分については、この判断を受け入れることもやむを得ないという姿勢で臨んだ、こういう経緯でございます。
○藤原(房)委員 今局長からお話ございましたが、何点がいろいろお述べになっていらっしゃって、これはこちらの方から提起した問題として、裁定案に対して、これから受け入れることのできないということの条件として何点か、十一条を中心としましてお述べになられたようでありますが、これは詳しく一つ一つお伺いする時間もないのです。今後の対応ということが大事なことになるのだと思いますが、今お述べにたったような視点からのお話、これはガットの場で容認されたわけではございませんで、これからいろいろな議論をしなければならないだろうと思います。こっちの方としては、法的な解釈としてこうあるべきだということであっても、今までの経緯や経過の中でどういうふうに判断するかということは、また別な観点になろうと思います。
 そういうことから今こういう議論をして、そして議論を積み重ねていく、論議をしていくことは大事なことなんですが、そこにトラクターを持って農業にいそしむ方がいらっしゃるという観点から見ますと、これは果たしてどういう結論になるのかということは非常に難しいことですね。農業というのは一年に一遍しか作がとれません。そういう中で合理化が迫られ、そして構造改善をしたければならぬという、他産業とは非常に違う一面もあるわけであります。加工業のように最新鋭の機械を入れたらすぐ生産性が上がるというようなことではございませんので、そういうことを考えますと、こちらの方の主張というものが今後どういう形で入れられるのかどうか、そしてまた容認されるのかどうか、その自信のほどといいますか、お述べになられたときの雰囲気といいますか、その後のいろんなお話の中での感触といいますか、そういうこと等もあわせてひとつお伺いをしておきたいと思います。
○眞木政府委員 御承知のように、今回ガットのパネルの報告書の問題につきましては、今御説明申し上げたような点を踏まえましていわゆる部分採択を求めたわけでございますけれども、これにつきましては他の国々が、やはり部分採択というのはガットの紛争処理手続上今後余りよくない先例になるというような理由から我々の方の考え方を支持することはなく、その後今申し上げましたような我々の対応を、そういう各国の意見等を踏まえてどうするかということで十分な時間がなかったということもあって、明年二月に予定されております次回の理事会に延ばしたということでございまして、この問題の解決、今のところそういうことで一応ペンディングと申しますか、そういう状態にたっております。したがって、今申し上げましたようなこういう状況を踏まえまして、今後二月予定の理事会に何とか円滑な解決を図るべく努力をしなければいけないと考えておるわけでございます。その間の時間を利用いたしまして、アメリカとのバイの話し合いもあろうかと思いますし、また総会へのいろいろな対応、最善の対応がどういうことがあるかということもあろうかと思います。
 こういう新しい状況を踏まえまして、できるだけ速やかに関係者で協議をいたしまして、この問題の解決に向かって努力してまいりたい。このように考えておるわけでございます。したがいまして、今の時点で二月の理事会に向けてどういう形でやっていくかということにつきましては、今総会も終わったところでございますし、しばらく時間をいただいてやはり速やかにかつ十分に検討して最善の努力を払っていくということで、現在のところこれ以上のことはお許しを願いたいと考えております。
○藤原(房)委員 大臣、ガットの場での論議というのは報告は公にできないということですから、これは隔靴掻痒といいますか、靴の上からかいているみたいたもので本当に難しいことたんですが、今お話のございましたように、非常に厳しい状況にあるということですね。農民の方々も国際化の中でやはり努力しなければならぬ、こういう気持ちにおいては人後に落ちないものだろうと思います。
 そういうことで、農林省としましてもいろいろな計画を立てて今日まで近代化の方向に進みつつあるわけですが、当初お話し申し上げたように、国内的なことでお考えになって、今まで計画をされていたものよりも何倍も速いスピードで、加速度で対応が迫られるという非常に厳しい状況にあると言わなければならないと思います。対外的な問題についてはさっき大臣の御決意にもありましたように、ひとつ強く日本の立場というものや、また今の日本の農業を守るための御努力を賜りたいと思いますが、国内的にもこれはたとえ外圧があるないにかかわらず、やはりいろいろ改革しなければならないのですけれども、そのスピードが大変なことだ。しかも国内的には今まで四全総の中で農業をどう位置づけるかとか、また八〇年代の農政の基本方向としてこれを推進するためにどうするかという農政審の答申や、また二十一世紀を目指してどうするかとか、農政審のいろいろな報告、学者、経験者の方々からいろいろな将来、未来を目指す進むべき道というものをお示しになられて、その方向でいろいろ計画を立てていらっしゃる。そのほか構造改善のように十年計画で、第何次ですか、進められておる。こういうことで、今日までこの日本の農業のあり方等についてはそれなりにいろいろ努力をしていらっしゃったわけでありますが、これを根本から変えなければならないような事態に立ち至るということになりますと、これは非常に重大な問題ですね。
 今、北海道の農民にお話ししますと、来年の営農計画をもうつくってどうしなければならぬ、畑作は同じものを何回も植えるわけにはいきませんから、輪作体系を組まなければならぬ、その輪作体系の中に、この十二品目でとても植えても採算の合わないものが出てきますと、これを変えなければならぬ。その計画を今もう立てて準備をしなければならぬ、農民はそういう立場に立たされているわけであります。机上の計画ならいざ知らず、実際お仕事をする方々にとりましてはこれは大変なことでして、そういうこと等も十分に御勘案の上で、当初大臣がお話しになっておりましたように希望の持てる、また後継者が喜んでやっていけるような農業のあり方というものについてできるだけひとつ御努力を賜りたい。
 特に農業は来年こうしますと言われて急に変えることのできない、急カーブのできない産業である、こういうことではほかの加工業とは違って非常に難しさがある。それから、私が申し上げるまでもなくもう十分に御存じのとおり、地域の産業として農業というのが非常に大きなウエートを占めております農山村、この地域産業に大きな影響を及ぼすということで地域の崩壊につながる。北海道でも、こんなことを試算するなんということはあってはならぬことなんですが、もろに荒波をかぶったらどうなるかということで、学者の試算によりますと二十万前後くらいの方々の失業者が出るかもしれないとか、町村によってはもう壊滅的な状況になるのではないか。根釧原野なんというのはもう草しか生えない、穀物は今まで何度植えても三年に一遍とれるかとれない、それでは酪農をやろうということで、あの三十年代に世界銀行のお金を借りて、そして根釧の酪農が始まったわけでありますが、ようやくそれが定着しつつあるかどうかというここに来てほかのものには変えられない。天北も同じですけれども、そういう北限といいますかぎりぎりのところで頑張っていらっしゃる方々がようやく基盤を築いてきたところで今こういうことになりますと、これは本当に今までの国の投資、また国民の努力、農民の営々として働いてきたものが水泡に帰すという、これは感情論かもしれませんけれども、そういう現状の中にあって非常に苦闘しておる。こういう日本農業の今日までの発展経過、大臣はよく御存じのことだろうと思いますが、これらの方々に希望を失わせることのないように内外ともにひとつぜひ対処をしていただきたい、こう思うわけであります。
 時間が過ぎたようでございますので、また委員会もこれだけではないだろうと思いますので、また次の機会にもいろいろ述べさせていただくことにしまして、この厳しい状況の中で働いております方々に対してひとつ大臣の特段の御努力を賜りたい、こういうことを申し上げ、大臣の御決意のほどをお伺いをしまして終わりたいと思います。
○佐藤国務大臣 先ほど来も申し上げたとおりでございますが、去年の十一月の農政審の報告、これは抽象的な将来を展望しての一つの取りまとめでございました。それを受けて例えば米流通研究会であるとかでいろんな具体的な将来展望、これを勉強しつつあります。米流通研はこの間その成果が発表されたところでございますし、さらに農政審の中では構造改革やら流通問題やらいろんなことにつきまして、各般にわたる問題につきまして小委員会を二つ設けまして、鋭意これがまた農政審報告を受けての勉強を続けているところでございます。そういう意味で将来展望のできる絵をかく、その中で先ほどお話ございましたように、急にハンドルを切れといったって切れない農政でございますので、将来展望を具体的に示しながら、そしてことしどうなる、来年どうなる、お互いがこのままではいけない、何とかひとつ汗を流して努力して展望を開こうというそこまでは合意を見ていると私も認識をいたしておりますので、そういう意味において丁寧に事を取り運んでまいりたい。難しい国際化の中でありましてその風圧は一段と加速をされておる現状ではございますが、このような考え方でいけば道は開けるものと信じながら努力を重ねてまいりたいと思います。したがって、この上ともひとつまた御協力をお願い申し上げたい、こう思います。
○菊池委員長 水谷弘君。
○水谷委員 本日はガットにおける十二品目の問題を中心に本委員会が開かれておるわけでございます。先ほどからその内容について局長並びに外務省そして大臣からいろいろお話を承っておりますので、概要はわかったわけでございますけれども、私の質問を進めていく中で重複することがあるかもしれませんが、ひとつそれは御容赦いただいて御答弁をいただきたいと存じます。
 冒頭、佐藤農林水産大臣、大変厳しいときだからこそ経験豊富だ、またこの難局を乗り越えられるお力を持った方として大臣に御就任をされたものと私は考えます。厳しい情勢でありますけれども、おっしゃっているように譲れないものは譲れない、譲るべきものは譲るというしっかりした精神はどこまでも貫き通して、農業の現場におられる方々が、これならば将来とも希望を持って取り組んでいけるな、こういう展望をぜひ切り開いていっていただきたい、このように私は思うわけであります。
 先ほど来の質疑の内容を伺っておりますと、ガットにおける十二品目、パネルの報告書の中身については、詳細な内容について報告はできないが、しかしその骨格については局長からるるお話があったわけであります。乳製品及びでん粉、そして国家貿易に関するもの、この十品目のうちそれらは譲ることはできないが、それ以外のものについては報告書の内容を受け入れ、そしてその上で今後の対応をしていく、ガット総会の公の場でそういう発言があったということでございますが、私が今申し上げたことについてはそのとおりであるかどうか、それに対して米国は一体どういう態度をとったのか、また現在どういう立場に立っているのか、それ以外の加盟諸国の対応はどうであったのか、改めてお答えをいただきたいと思います。
○眞木政府委員 ガット総会におきましての全体の対応の流れ等につきまして今御確認を求められたわけでございますが、おおむね先生がおっしゃったとおりの流れというふうに御理解いただいて差し支えないと思います。
 この間もう少し詳しくアメリカなり各国の対応ということでございますが、我が方からこのパネルの報告につきまして、乳製品及びでん粉に係る部分及び国家貿易に関する解釈に係る部分は法理的に受け入れることができない、その残りの部分については採択に応じ得るといういわゆる部分採択を主張したわけでございますけれども、これにつきましては多くの国がいずれも、この部分採択というのはガットの紛争処理手続尊重の観点から、今後の例ということもあって、やはり全体としてこれは採択すべきであるということで部分採択についての支持が得られたかったわけでございます。このほか、ウルグアイ・ラウンドが今始まっておるところでございますが、これに与える影響あるいはまた農業問題の重要性を言う国々がございまして、結論としてはこのパネルの報告を支持するということで、そのほどんどが輸出国の立場に立っての発言なり意見であったというように考えているわけでございます。
 こういうことで、その次の三日の段階におきまして、時間的にもいろいろと切迫をして十分な調整の時間がたかったということで、採択については次回に審議をするという要請をいたしましたけれども、これにつきましてはアメリカ側から非常に強い不満が表明をされましたが、反対ということではなくそのように決せられた、こういうことでございます。
○水谷委員 それで来年二月のガット理事会という一つの時期が明らかになってきているわけでありますけれども、先ほど局長の御答弁の中でそれまでに至る具体的な取り組みについて、まだ総会が終わった段階であるのでここで具体的にそのスケジュール、取り組みについては申し上げる時期ではないというお話がございました。細かいことは結構でございますけれども、外務省そして局長、二月までの間の基本的な取り組みについてお伺いをしておきたいと思います。
○登説明員 お答えいたします。
 基本的な考え方につきましては、我が国は農業貿易については基本的には一層の自由化が必要である、望ましいということを認めますが、同時に食糧の安定確保、その他の納経済的でないような要因についても十分の考慮が払われるべきであって、したがって我が国としては、今後の十二品目の取り扱いあるいはウルグアイ・ラウンドにおける農業交渉も含めてこのような我が国の立場は確保されねばならないということを確信いたしております。
 具体的にこれから二月の理事会までに、十二品目のパネルの報告の扱いについてどう対応していくかということに関しましては、今後アメリカその他の関係国とも鋭意協議を行いつつ、またガットの紛争処理手続というものにも考慮を払いつつ、我が国として二月の理事会において適切な対応を図るということが肝要であるというふうに考、えております。
○眞木政府委員 今後の対応でございますけれども、先ほどもお答え申したわけでございますが、今総会が終わった段階で、総会での今回の審議の状況等も踏まえまして、やはりもう一度二月の理事会に向けての円滑な決着ということにつきまして部内で十分検討し、それから方針を定めるということにならざるを得ないと考えております。その中には改めてまたアメリカといろいろ話し合いをするということもありましょうし、関係国との話し合いなりこちらからの働きかけということも含まれようと思います。また、いろいろな場合を想定しての国内への影響、それに関連するいろいろな対策の問題等も総合的に考慮をして、理事会に向かって何とか我が国農業に悪い影響が少ないように最善の努力を払っていくということでございまして、具体的にその内容についてどういう選択肢があってどうかということにつきましては、この時点でございますのでコメントは差し控えさせていただきたいと考えております。
○水谷委員 外務省にもう一度お伺いしますが、一般論として、先ほどお話がございました部分採択については、加盟国の間で今後の問題等もあり了承をすることができなかった、二月の理事会を想定した場合、一体どういう決着の形が一般的に――そういうことが一番いいとかそういうふうにしようと思っているとかではなくて、ではこの決着の仕方は一体どういうものがあるのですか、一般論で結構です。
○登説明員 ただいまの御質問は一般論としてということでございますので、一般論として御説明させていただきたいと思いますが、先ほど眞木局長から御説明がございましたように、私どもは部分採択というのが最も望ましいと考えてそれを試みたわけでございますが、それについては既に御説明しましたような理由から各国の賛同を得られなかった。しかし、本件問題、特に二品目の問題あるいは国家貿易の解釈に係る問題については、我が方はこのガットのパネルの結論あるいは立論ということに対して重大な疑義を感じるということを明確に述べておりまして、どういう点についてガットの各加盟国に、私どもは前回の総会の間でも我が国の立場について鋭意説明に努めたわけでございます。
 そういうことから、最終日におきまして我が方がその総会においては結論を出せたい、次回の理事会まで延期ということを述べために対して、アメリカ以外の国は一切黙っておりまして、そういう日本の態度はけしからぬとか、そういう発言も全然ございません。アメリカが強い不満を呈しましたけれども、結論としては二月まで延びたというのが現状でございます。
 したがいまして、この後二月に具体的にどういう対応があり得るのかということを申しますと、論理的な可能性としては、日本が採択をのむということ、それから他方、日本が拒否するということ、あるいはそこで結論が出ないでさらに延びるということが論理的にはあるわけでございます。私ども、現在どうすべきだということは、先ほどからも御説明させていただいておりますように、固まった考えがあるわけではございませんで、この総会を通じて展開された議論等を踏まえて、改めて慎重に情勢を判断した上で決定する必要があるというふうに考えております。
○水谷委員 重ねてお伺いします。
 ただいま三つあるということで、採択をのむか拒否するか、さらに延期するかという答弁があったわけでありますが、部分採択としてそれが認められるという可能性というのは考えられないことになるんでしょうか。
○登説明員 部分採択につきましては、日本の代表が提案いたしましたのに対して、部分採択ということが認められれば、各国とも都合の悪いところは外して都合のいいところだけ結論を了承する、そういう形の採択という前例ができてしまって、これを始めるとガットの紛争処理手続というのは大混乱に陥るというのが私どもの説得に対しての各国の、時間がございませんでしたので直前の段階でございましたけれども、各国土もそういう反応を示しておりましたし、また会議の場で実際に私ども日本の代表がそういう提案をしたときには、各国とも、約十カ国が発言いたしましたけれども、今申し上げましたような理由からそれは認められないということでございまして、残念ながら賛成をする国はございませんでした。したがいまして、私どもは今後の対応を考えるに当たっては、そういう事実関係というのは十分踏まえた上で対処することが必要だというふうに考えております。
○水谷委員 重ねて伺います。
 そうなりますと、先ほど来局長また外務省から日本側の最終的な総会における主張が明確にたったわけでありますが、その主張を実現する手だてというのは一体どういうふうになるわけですか。私が聞いているのは、実現できるとかできないとかと聞いているのではなくて、それを実現させるための手だてというのは一体何でございますか。二国間協議、そしてこの提訴取り下げ、そういう形が成立しなければ、いわゆる乳製品、でん粉、国家貿易に係るものについての我が国の主張は、あと残された、採択するか、拒否するか、延ばすかという、この中身だけでは実現ができないわけでありますが、どういう手だてでそれが実現になっていくわけでございましょうか。
○登説明員 そういう手だても含めまして、何が可能かということを含めまして現在鋭憲政府内部で検討中でございますので、具体的にどういう可能性があるということも、私どもまだ十分その点につきましては結論を出す検討が進んでおりませんので、この席で申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○佐藤国務大臣 一般論で言うとややもすれば誤解を招く解釈にもなりかねない、このことを今聞いておって私自身も感じていたところでございます。したがって、我が方の経済局長から答弁をさせます。
○眞木政府委員 先ほどから何回も同じことを申して恐縮でございますけれども、今後二月の理事会に向けて最善の対応はどういうことがあるべきかということを、あらゆる要素なりそういうものを考えて慎重に詰めたいと考えておりますので、今この時期に、一般的な形なりそういう形でもどうかということは、やはり誤解を招くおそれもございますので、そこのところはよろしく御了承を賜りたいと考えております。
○水谷委員 よくわかりました。外交交渉ですから、明らかにしていいことと、これからのスケジュールの中でそれこそ体を張っても押し通していかなければならないこと、いろいろある。私はそういうことはわかった上で伺っている次第でございますので、ぜひ先ほどからガット総会において主張されている、少なくともその点については最後まで全力でお取り組みをいただきたいし、また、必ずそうなっていかなければならないものと私も考えております。
 今、私どもも一歩譲った立場から質問をさせていただいているわけでして、御存じのとおり、公明党、衆参両院の国会議員の大多数が十二品目の残存輸入制限措置を守れということで、総理にも署名を添えて申し上げているところでございますし、先般の衆議院本会議の総理の所信を受けての矢野委員長の質問にも、これは重大な問題として我が党の委員長みずから政府の姿勢をただしているところでございますから、八品目は了承したなどというスタンスに私は立っておりません。しかしながら、現実に公の場でそのような主張があった以上、それ以外のものについては政府は受け入れざるを得ないという対応をされたと考えざるを得ないわけでございます。
 そこで、私は、これからの牛肉、オレンジ、さらにはRMAがまた再提訴の準備を進めている米問題、こういう一連の日米間の農産物貿易に関する我が国の政府の基本的な姿勢と、それから政府だけではなくて、私いつも委員会で申し上げておりますが、国民各界各層の国民的合意を形成した上でいわゆる対外的な交渉に臨むのと、国論が分断をしておって交渉に臨むのとでは、相手の受け入れ方は全く違うわけであります。そういう意味で、佐藤大臣、このガットの十二品目の問題を通じていろいろなことを学ばなければならない。また、我が国のこれからの対外貿易、農産物貿易に関する、例えば国内法の整備で必要なものがあるならば、それらも含めてガットの場で、あのガットはつるし上げの場だと言っていたってしようがないのであって、お互いに国際ルールという一つの土俵の上でかみ合った議論をしていくためには、それに耐え得る対応というのがどうしても必要になってくる。
 そういう意味で、先ほどいわゆる細かい報告の内容ではないがということでおっしゃいました農産物の定義、最低の輸入数量、さらには生産制限のあり方、これらについてあのパネルの報告書の中、全然わかっておらないわけでありますけれども、そこでいわゆるシロだクロだという議論の一つの基準になってきたことに対して、例えばかんきつ、牛肉はどうなのか、米はどうなのか、こういうふうないろいろな対応というものも本格的にそろえておかたければ、二国間の交渉によって物事を解決するのが基本的な原則でありますけれども、常にその二国間協議が決裂をし、それがガットの場に提訴される、そこでの報告、裁定を受けなければならないという一つの形が今後とも続いていくようなことがないとは言えない。そういう方向性に行くというおそれは多分にある。
 ではその場合に、それにたえ得る我が国の国内法におけるいろいろな対応とかそういうものについてまでも、僕は今度の十二品目問題で本当に政府は、また私たちもそうでありますけれども、政治にかかわる者、本気になってこれは対応していかなければならないのではないか。そうかといっていわゆる保護貿易的なものを前面に出すような方向性は逆方向であってそんなことはできないわけでありますけれども、少なくとも常にそうやって、いわゆる条文のこういう解釈によってこれはクロでありこれはシロであるという議論が起きてくるとするならば、そういうものに対する明確な対応をしておくべきである、私はそう考えるわけでありますが、局長並びに大臣、いかがでございましょう。
○眞木政府委員 御指摘の点はごもっともだと考えます。したがいまして、今回の輸入制限問題をめぐりますパネルにおきますいろいろな論点なりそういうもの、我々には同意できない点ももちろんあるわけでございますけれども、一つの結論として出ているという点も踏まえて、また同種の過去のパネルの報告書、そういうものも体系的によく精査をして、今後我々の進める施策、制度を維持していくといった場合の参考にすることは非常に重要だと考えるわけでございます。
 それに加えまして、きょうもいろいろの方々から御指摘を受けておりますように、例えばアメリカがウエーバーというものをもって実質的には我が国の輸入制限と同様の効果を持つ措置を講じておる、その不公平性といった問題もございます。そういう問題は、今始まっております新しいラウンドの場で各国が、公平で本当に運用可能な形での新しい農産物貿易のルールをつくるに際しまして、我が国が積極的に食糧の安全保障といった見地の要素も取り込みましたルールを提案して、その中でコンセンサスにより新しいルールをつくるということもあわせて重要だと考えるわけでございまして、その二つの視点に立って今後の対応に誤りなきを期してまいりたい、このように考えております。
○佐藤国務大臣 今眞木局長から申し上げたとおりでございますが、表現を変えれば、国際化の中で外交、内政、これが一つのものとして対応していかなければならない。特にこのたびの十二品目問題につきましては、二月の理事会まで継続審議という形になったわけでございますから、この間において二国間、米側と真剣にまた接触を重ねる。内容は、先ほど来御理解をいただいておりますように、どのようにと言われてもそれは申し上げる状況にはございませんけれども、とにかく二国間の話し合いも進めていく、またガット理事会側に対してもその対応について真剣に考えていく、こういうことで、しかもなおかつニューラウンドに向けてこれを参考に、今までの経験を参考にしながらわかりやすくしなければならぬな、こう思いますし、国内の体制はお互いがみんな自覚症状を持っているときでありますから、そういう意味で直すべきはどう直すことができるか、具体的な展望のもとに一つのレールを敷くことができれば幸いだな、またその責任が我々にあるな、こう思っておるところでございます。
○水谷委員 先ほど同僚の藤原委員から北海道の状況についてはるるお話がございました。今回灰色ということになっております千葉の落花生、これは輪作体系の中で地方の維持等に大変欠かせない品目となっている。さらにまた沖縄のパイナップルについては、私が申し上げるまでもございませんが、沖縄県全体で約二千ヘクタール、本島北部、離島などの酸性土壌地区で栽培をされているものであって、他の作物に転換することのできない千六百戸の農家の死活問題と言われているわけであります。さらには鹿児島におけるサツマイモ、これは三百年にわたる文化の伝統を育ててきた、こういうことになるわけでありまして、今さら申し上げるまでもありませんが、各品目すべてその地域の農業、地域の経済、地域社会に長い間大切な役割を果たしてきたものでありますから、これが今回の十二品目に関する対応によってその地域が、さらにまたその生産者が甚大な影響を受けることのないように万全の対応をしていかなければならないと考えるわけであります。今後の問題でございますので申し上げてだけおくわけでございます。
 次に、ニューラウンドの問題でございますけれども、先ほどの問題と関連をして私の考え方を申し上げてちょっと御意見をいただきたいと存じますが、先ほど来からウエーバー、いわゆる義務免除、それから輸入制限、さらには食肉規制のアメリカが持っております輸入制限措置、これらについていろいろな議論がございました。私は、先ほど来からもおっしゃっておりますように、食糧の安定供給の確保または農業が持つ経済外的機能、そういうものを主軸にしたOECD閣僚理事会における共同コミュニケ、さらにはベネチア・サミットに指ける合意、こういう一連の国際的なコンセンサスづくりが本年ずっと行われてきたわけであります。そういう意味では私は方向性としては大変望ましい方向が出てきているな、こう考えておりますが、ガットの場での議論というのはどうしても食糧生産国が中心になった議論にたってくる、我が国のように世界一の食糧輸入国という立場を配慮した上でのその国における農業に対する配慮というのはやはり少数派で、これは大変に厳しいものがあるな、こう考えるわけであります。
 ECの共通農業政策さらには課徴金制度、アメリカの各種の規制、細かくここで申し上げる必要もないわけでありますけれども、そういうものをそれぞれの各国が持っているということは、農産物についてはそういうことが必要なんだという意味からそういうものを持っているわけでございまして、ウルグアイ・ラウンドとは別に、十二品目問題は先ほどお話しのように既に三、四年間の経過があって二国間の協議が決裂をして、そしてガット提訴という形になってはきたものの、今回我が国が指摘をされている品目と同じものをアメリカも持っているわけであります。そういう意味ではこの十二品目問題と切り離して、本当に将来あるべき農産物貿易の姿というものをフリーハンドでしっかりと検討ができるような、そして各国が、現状どうしても持たざるを得ないのはなぜ持たざるを得ないのか、持たざるを得ない理由をお互いにそこで明確にさせながら、そして新しい農産物貿易のルールというものをまずしっかりとつくっていけますように、ニューラウンドにおける御努力をいただきたい。
 ここでウエーバーがあるではないか、ウエーバーはもうやめた方がいいという論理はなさらないと思いますけれども、ウェーバーはウェーバーで持っていて結構だと思うのです。だから我が国もそれに準ずるようなものも持たなければいかぬのだという議論が成立をしていくべきだと私は思う。それが新しいラウンドにおける農産物貿易の一つの方向性を煮詰める上での大事なスタンスではないかと考えるわけであります。農産物の持つ特殊性というのはもう生産国であればあるほどよく知っているはずでありますから、そういう意味では、どうかそういう点に立脚をしてやっていただきたいし、日本のこのニューラウンドに対する提案内容については、どうかひとつ本当に各界各層の知恵と衆知を集めて、そして本当にすばらしい提案であるという各国の同意と賛同が得られるような説得性のある提案を、もう一生懸命取り組んでおられるとは思いますけれども、ぜひやっていっていただきたい。これをお願いしたいわけでありますが、いかがでございましょうか。
○眞木政府委員 この点につきましては、我々も日本の輸入国としての立場というものをきちんと真ん中に置きまして、食糧の安定的供給といったような見地をきちんと取り入れた形で進めていかなければならない。
 御指摘がございましたように、ガットの場では非常に大輸出国の声が大きいという問題がございます。日本のようだ単独の大輸入国というのはそうございませんで、ECも大輸入国であるとともに、今や過剰生産のもとで大輸出国という両面性を持ったブロックになっております。その中で、日本の考え方には一定の範囲で同意を示しつつも、全く同じような動き方はできない。そのほか北欧の諸国、スイスあるいは限られた数の東欧諸国といったものが我が国と同様の立場だと思いますけれども、全体の輸入国のグループになりますと、また開発途上国といった国々がたくさん入ってまいります。このような中で我々としては、輸入国さらにはもちろん輸出国側にも我々の考えておることを十分説明しなから進めていかなければならないということで、今回の総会におきましても外務大臣のニューラウンドについての演説の中で、特にこの農産物貿易の問題につきましてその考え方を明確に示しまして、一層の農業貿易の自由化達成を目指しつつも、その際、食糧の安定的供給の確保等のために必要とされる一定の輸入制限はより明確に定義された条件のもとに認めるものであるということを説明しております。
 私見でございますけれども、仮にアメリカがウエーバーを外す、外さざるを得ないということになれば、やはりこの一定の条件のもとでの輸入制限に頼らざるを得ないという感じを持っておるわけでございまして、これは我が国だけの問題ではなくて、御指摘がありましたようにあらゆる国が農業のある部門については一定の保護を必要とするという現実は今後続くものである、そのように考えているわけでございます。
○水谷委員 先般同僚議員と訪米の機会がございまして、USTRそれからリン農務長官といろいろ議論を重ねてきたわけであります。今後の二国間交渉のいろいろな話がずっと交わされたわけでありますが、非常に厳しいものがあるわけで、そこをこれから交渉なさる担当の眞木局長を初め農林水産大臣また外務大臣、総理、本当にこれは容易ではない。それを何とか解決をしていかれる、これからのその御努力を私は心からお願いを申し上げたい、こう思うわけであります。
 その際、実は牛肉、かんきつの話になりました。そのときにリン農務長官はこんな趣旨のことを言っておられました。八八年三月期限切れとなるこの牛肉、かんきつの協定というものは、当時のブロック農務長官が枠交渉はこれが最後だ、そういうふうに表明している、このことは正本側もよくわかっているはずだという趣旨の話をしておられたわけであります。それは前々からの米側の主張である牛肉、かんきつ完全自由化、そういう主張に沿った話であるわけでございまして今さら驚くことではないわけでありますが、我が国の基本は完全自由化はできない、こういう基本的な考え方に今も立ち、将来も立つ、こういう交渉のスタンスで臨まれると私は考えております。牛肉、かんきつについての完全自由化は日本は認められたい、こういう基本的な考え方に立つと思っておりますが、先のことで恐縮でございますけれども、先と言っても来年、再来年の話ではないわけでございまして、大臣、いかがでございましょう。
○佐藤国務大臣 アメリカ側の一部で、八八年四月以降は牛肉、かんきつを日本は自由化することになっているのだというような言葉も漏れ伝わってきておった事実もございました。しかし我が方は、今日までの経緯は記録で明らかでございます。一九八八年度以降の牛肉、かんきつの輸入については、正式の二国間協議をいずれ早い段階で開始するということが合意をされて今日に至っております。そういうことで、今後とも牛肉、かんきつをめぐる我が国農業の実情等について相手国に十分説明をし、理解を求めていくという考え方であります。
 いずれにせよ、輸入自由化は困難と考えております。その姿勢は貫きます。
○水谷委員 それでぜひひとつ対応をしていっていただきたいと考えます。
 先ほどからもお話がありまして、どうも日本に対するアメリカの十二品目攻勢、これがストーリーの一つとして牛肉、オレンジ、さらには米ではないか、こちらがそんなことを考える被害者意識みたいに立つことはまことによろしくないことではあります。しかし、十二品目自由化をしても約一億ドル、そのことだけでアメリカが言ってくるのでは決してない。いろいろな話の中に、我々は自由主義という旗を高く掲げていきたいんだ、米国の利害のために十二品目の自由化を求めているのではない、そういうお話をアメリカ側はなさいます。しかし、それをどういうふうに割り引きして考えても、やはりこれはアメリカの日本に対する一つの戦略として、農産物貿易における重大な戦略のストーリーとして我々は感じざるを得ないわけであります。
 そういう意味で、アメリカが日本に対してどんな要求をしても、この部分だけは絶対だめなんだぞということは、将来の日本農業の骨格等も全部含めて国民合意を形成し、政府の一貫した主張として明確なものを持っていたければ、強くいろいろな角度から押せば押すだけ何とか日本も対応せざるを得なくなってくるのではないのかというような感触すら与えてはならない。今大臣が牛肉、オレンジについては自由化は困難である、こういうふうに明確におっしゃいました。困難であると同時に自由化はできない、しない、そういう基本姿勢ぐらいは持っていかなければならぬだろうし、国家貿易の品目である米、これについては、先ほどから米どころの大臣としては本当にそんなこと何度も開くんじゃないというお顔をされながら答えておいでになりますが、しかし、これは日本に対する要求というのは、伝えられているものが余りにも過剰に伝わってきているのかどうかわかりませんが、RMAが再提訴をする、スーパー三〇一条項の発動をまた打ち出してくる、こういうふうな状況の中で、決して我々は軽々にその事態をとらえておくわけにはいかない。重大な問題としてこれはとらえておかなければならぬ。そういう意味で、やはり農産物貿易、それから我が国の農業の基本について国内において国民が本当に合意を形成していけるような、農水省として、政府としての格段の対応というのは、こういう問題を振り返ってみますと本当に大切だな、こういうふうに考えるわけであります。
 これは申し上げておくだけにいたしますが、どうかひとつ、今後次から次と農家の皆さん方が政府に期待し、そして佐藤農林水産大臣に頼るしがたい、こういう気持ちで今後の農水省のその対応を見守っておられると思うのです。十二品目が、いつの間にか十二が八つだめになっちゃった、さてこの次はどうなるんだという、農業者の皆さん方、国内の皆さん方の心の中にそういう形でのいわゆる農業に対する希望を失っていくような方向性が出たのではこれは大変だ。やはりおれたちは将来展望に立って農業の担い手としてこれはしっかり取り組んでいくぞ、そういう希望ある方向性というものを政府は責任を持って出していかなければならない、こういうふうに私は考えるわけでございますので、今回のこの十二品目の最終的な着陸、それを本当にもう腹を決めてやっていただくことと同時に、この一連の問題から学ばれる大きないろいろな問題については、農水省、政府が徹底してお取り組みをいただいて、将来の問題として決してこれがむだにならないようにお取り組みをしていっていただきたい、このことを申し上げておくわけでございます。
 次に、先ほどほかの委員も触れられましたけれども、調査捕鯨の予備調査のことについてでございます。
 内容については、先ほど水産庁長官から経過等についてはお話がございましたので、詳しく申し上げはいたしませんけれども、大臣、先ほど御答弁がございましたが、これはいわゆる国際的な理解を得ることと、それから締約国としての主権を行使すること、この両方、双方が合致するような形での解決を見たいということで今日まで我が国はいろいろな対応をし、それこそ現場の皆さん方にしてみれば譲りに譲って、もうこれ以上譲れないところまで来ている。十五、十六、十七日、その科学委員会の特別会合が開かれて、そこでメンバーのレビューの手続をとることになっているわけでありますが、その内容が日本側にとって、いわゆる予備調査計画を認めるという方向が出てこなければ、出てこない場合に日本がやった場合は、それはPM修正法の表明が必ずあるのですよ、こういうふうなアメリカの見解のようでございます。
 しかし、日本も一方的に、ただやみくもに主張をしているのではなく、あの調査捕鯨計画から今度はその前段の予備調査計画まで我々は提出をし、そしてやっているわけでありますから、これで理解を得られなかったらその結果に従うんだなどということでは、これはもう全くすべての権利を放棄したことになってしまう。これから開かれる会合に対して、竹下総理じゃありませんが、予見を与えるようなことを言うことはどうかと思いますけれども、しかし、今漁業者の皆さん方、捕鯨にかかわる皆さん方としてはもうぎりぎりだ、ぎりぎり待ちに待ち、待っているよ、何とかこれだけやるから、そういうふうなことで待たされてきたのですから、この結果は尊重しなければいけませんけれども、我が国の意思としてはやらしていただく意思でございますよ、こういうことで大臣ひとつ方向性を明確にしていただけないかな、こう思うわけでございますが、いかがでしょうか。
○佐藤国務大臣 砕いた言い方をして恐縮でございますけれども、私が就任いたしましてからオーストラリアの第一次産業大臣がお見えになりまして、陳情等も含め懇談をした経過がございます。その際も、オーストラリアがこの捕鯨問題についてアメリカと似たような形をとっておる、考え方を持っておるということを承知しながらも、格別の御理解をひとつ賜りたい、こういうことを逆に私からその席で、私の部屋で陳情申し上げた経緯がございます。オーストラリアの第一次産業大臣は、その担当は私ではございません、こういうことでございましたから、私は、あなたが担当でないということを承知して、担当でたいから応援団になっていただきたい、こういうことで謹んで陳情申し上げた経緯がございます。
 ことほどさように、これから行われる交渉にいたしましても異常な決意を持って望むことにいたしておりまして、そして、私自身といたしましては水産庁を督励いたしておる、こういうことでございますので、御了承いただきたいと思います。
○水谷委員 一生懸命お取り組みをしておられるお話でございましたので、ぜひひとつさらに頑張っていただきたいとお願いをしておきます。
 次に、きょうの新聞等にも出ておりますけれども、先ほど大臣もおっしゃっていましたが、豊作が続いて本当は皆さん方が喜んでくださるのが当たり前でございますが、豊作また豊作、さて過剰をどうするか、こういうことで本当に大変な問題が後から後から出てきて問題提起がされているわけであります。「生産調整だと三十万トン 減反五万ヘクタールを追加」こういう新聞報道がされているわけでございます。新聞の報道によりますと、「大蔵、農林水産両省の間で七日決まった。」それは「第三次過剰米の発生防止のため、六十三年産米について三十万トン分の生産調整、需要拡大を行うこと」ということで報道されておりますが、これは事実でございますか。
○後藤政府委員 ただいま御指摘のございました記事につきましては、若干その取り運びなりあるいは内容について十分正確さを持っていたい点がございます。私の方から若干御説明をさしていただきます。
 本年から七十七万ヘクタールというふうに転作等目標面積を拡大いたしまして、関係者挙げての取り組みによりましてこれが達成が図られたところでございますけれども、最近におきます米需給の動向、昨年の秋ぐらいからまた米の消費の落ち込みのテンポが少し大きくなったというようなこともございまして、ことしも作況は、地域によってまだら模様でございますが、一〇二というふうなことで、今後の見通しは三度の過剰処理が懸念される事態にたっているということがあるわけでございますけれども、何分にも七十七万ヘクタールに拡大をしました初年度でございます。これまで需給ギャップが拡大をいたしますと、転作等目標面積の期中改定というようなことにすぐなったわけでございますが、今回はいろいろ難しい条件がございます。そのために私ども、この需給均衡を図りますためには消費、流通、生産、いろいろな段階であらゆる努力を緊急にやる。そしてそれにつきましては、今、農林、大蔵両省が合意をして何か団体にそういうことを言ったということでございますけれども、そうではございませんで、私ども、生産者団体とひざを突き合わせまして、どうしたらいいかということにつきましていろいろな議論を重ね、また、生産者団体にもひとつ主体的な御議論をお願いしたいということでやってまいったところでございます。
 私どもの考え方は、七十七万ヘクタールの水田農業確立対策を引き続いて実施をする、そしてその外側と申しますか外枠で、今申しましたような消費、流通、生産、各般にわたる取り組みをやってまいるというふうなことで、昨日生産者団体の方も長い議論の結果を一応集約をいたしましたので、それを踏まえて今私どもの方で、米の需給の均衡を図りますための緊急対策の大枠というようなものにつきまして、関係方面と御相談をしておるところでございます。
○水谷委員 長官、報道が数字も挙がって非常に事細かくぴっと出ているものですから、読者、国民はこれを見れば、こういうことがもう決まったのかなという感じになるのは私だけじゃないと思うのです。
 それで、その消費、流通、生産、今明確に私は伺うつもりはございませんけれども、その中でいろいろ検討されている方向性、そういうものについては伺うことはできませんか。
○後藤政府委員 ただいま私ども検討をいたしておりますのは、水田農業確立対策の前期の三年間のフレームをつくりましたときに比べまして、明年の十月末の持ち越し在庫が計画よりも六十万トン程度オーバーしそうだという状況を踏まえまして、緊急に六十三年度におきまして三十万トン程度の需給ギャップの縮小を多様な形でやってまいりたいということでございまして、一つは、学校給食の拡大あるいはまた他用途利用米の需要拡大等によります需要の拡大でございます。
 それから二番目には、この持ち越し在庫が計画を上回りました要因をいろいろ分析をし、論議をいたしてまいりますと、やはり四年連続の豊作気配でございますとか、あるいはまた売り渡し価格が近く下がるのではないかということで、民間在庫といいますか、特に販売業者在庫が一年前に比べて少なくなっているというようなこともございます。そういった点につきましても、やはり許可業者としての適正な在庫の保有といいますか、適正な在庫水準の復元と申しますか、そういうふうなこともお願いをしてまいりたいというふうに思っております。
 それから、他用途利用米というのは五十九年から発足をいたしておりまして、たまたま連年豊作でございますので問題が生じておりませんけれども、これもことし三十五万トンに拡大をして生産をいたしております。これは主食用の米に比べまして安い価格で原材料用の米を供給するということでございますが、米は豊凶の変動を免れません。もし不作になりました場合には、主食用で集荷をした米を他用途に転用するということは、経済的にだれかが負担をしないとできないことになるわけでございまして、やはり他用途利用米の安定供給ということを考えますためには、他用途利用米についても在庫保有ということを考えてもいいじゃないかというようなことがあるわけでございます。
 そういった需要拡大なり在庫の調整ないし増勢ということをやりまして、そのほか、生産者、団体等の消費拡大、これは、運動として生産者、団体も本格的に取り組もうという決意を昨日固められたわけでございますが、これのうち、需給計画上どの程度のものが米の消費の純増として見込めるかということにつきましては、いろいろ判定の基準というようなことを考えてまいらなきゃいかぬと思いますが、そういった消費拡大。あるいはまた、今の他用途米をやっておりますけれども、なおかつ、せんべい、あられのたぐいでございますとかあるいは米の粉の調製品というようなものが、円高が進行しておりまして、そういう中で結構入ってきております。一方で転作を官民挙げて汗をかいて拡大をし、青刈りもふえているというような状況がありながら、片方で二次加工品が入ってくるということであれば、むしろ価格条件いかんによってはもっと需要の拡大が図れる分野もあるんじゃないか。そういうふうな米の生産というようなことも考え、そういった手だてをすべて尽くしまして、さらにこの三十万トンのギャップが埋め切らない分につきましては転作というようなことに一層取り組んでいただくということで、総合的に三十万トンの需給ギャップを六十三年度に縮小を図りたい。こういうことをあらまし考えまして、現在、いろいろな関係方面との調整及び細部の詰めに入っているところでございます。
○水谷委員 長官、まことに恐縮ですが、先ほどの七十七万ヘクタールの転作面積は、水田農業確立対策の前期三年、面積原則固定というふうに私どもは考えておりますし、これ以上の転作というのはそれこそ何をつくっていいか、本当に何をつくっても過剰であるという状況の中で、今日七十七万ですら大変な苦労をされて定着をいただいているわけです。ですから、先ほど長官のお話を伺っていて、七十七万の外で、外枠というのは転作がさらにふえるのではない、違う手法でということかなと伺っておりましたところ、いろいろな手だてをしても転作面積はやはり必要であるという今の御答弁であったと思いますが、そういうことですね。
○浜口政府委員 今の点でございますが、先ほど来食糧庁長官がお答え申し上げでおりますように、水田農業確立対策におきましては、転作等の七十七万の目標面積につきまして、稲作転作を通ずる生産性の向上あるいは地域輪作農法の確立等を目的とする水田農業確立対策を実施してまいりまして、関係者挙げての取り組みにより、この面積の達成が図られたところでございます。そういう意味におきまして、この面積につきまして、先ほど長官が申し上げましたように、この水田農業確立対策の中におきますところの面積のヘクタールの形は七十七万ヘクタールということで考えていきたい、こういうことでございます。
 それのほかに、現在直面しております三十万トンの需給ギャップというものにつきまして、先ほど来お話を申し上げておりますような形で、一つの米需給均衡化対策というような形で、学校給食の拡大であるとか、あるいは他用途利用米の需要拡大等による利用拡大であるとか、あるいは販売者等の在庫の復元等々在庫の調整のほか、生産者、団体が消費拡大、需要のための価格条件を倣えた米の生産に努め、これらにより、不足する場合において転作を行うという考えに立っているところでございます。
    〔委員長退席、松田(九)委員長代理着席〕
○水谷委員 御丁寧な答弁で恐縮でございますが、何ということはない、要するに転作は必要なんでしょう。七十七万で終わらないわけですよ。そういうことですね。そういう答弁なんですよ。表現は違いますけれども、水田農業確立対策事業というか、そういうふうに区切れば、それはその枠の外ということになりますよ。いわゆる過剰を起こさないための対策として転作はやはり必要になってくるわけです。
 ですから私は、せっかくそうやって他用途利用米の用途の拡大、さらには、他用途利用米の安定在庫保有、さらには、現在持っておられる許可業者の方々の適正在庫、また消費拡大のために生産者、団体が頑張っておられる、また学校給食を拡大する、こういう消費拡大、いわゆる生産調整以外で過剰を回避するための施策を一生懸命考えておられるこの姿勢は私も非常に大切であり、それはそのとおりだ、そう思います。消費拡大に向けてもっと本格的な取り組みをすることが攻めの政策であって、やむを得ずどうしてもこれだけまだ転作が必要でございますと言われている転作の面積は、十四万トン分の米を他の作物にということになって五万ヘクタールということになってくると、もう八十万を超す水田の転作面積になってしまって、全体の二八・五にも達する、これはもう本当にどうにもならぬ、こういう声が生産者の皆さん方から深刻に伝わってくるわけでございます。私どもも前の加藤農林水産大臣にも、七十七万は固定ですね、そういう考え方でいきますよという合意があり、農家の方々もことしはそういう覚悟でおられたわけです。また、豊作だから転作してもらわなければだめなんだ、現場はこうは簡単にはいかないのですよ。
 ですから、多少いろいろお金がかかるかもしれないが、この過剰処理のための知恵を私どももどんどん提案をさしていただきますが、もっと本格的に取り組んでいただいて、ぎりぎりまで取り組んでもそれでもかということで了解が得られるようにやるべきではないのか。十四万トン分五万ヘクタールか、またこんなに八十二万ヘクタールにもなっちゃうのかと、これを見て僕はびっくりしちゃったわけだ。これは大変だと思いますよ。簡単にできることだろうとは思っておりませんけれでも、どうか本気になって取り組んでいただきたいと思うわけであります。それにはおいしいお米を食べたいという消費者が、本当においしいお米が食べられるような流通の抜本的な改革をもっともっと図っていっていただきたい。
 この前の委員会でも御質問をし、当時まだ検討の段階でありましたが、低農薬米、それから有機肥料を使ったお米についての新たな流通の道を食糧庁は一生懸命工夫し検討し、それを開かれているわけであります。と同じように、米が不足をする事態を考えて、食管制度の根幹というものがあるのでありましょうけれども、しかし、流通におては本当にでき得る限りそこに消費者ニーズが反映されるように思い切った流通の対策というものを講じて――やはりおいしいお米は食べちゃいますよ。私カリフォルニアで向こうの米を食べましたけれども、正直言って決してうまいとは思いません。私の主観ですから何を言っても構わぬわけでありますが、決しておいしいとは思いませんでやはり我が国の良質米、特に佐藤農林水産大臣のところのコシヒカリ、ササニシキとか、またそれ以外の各地の良質米、本当においしいですよ。こういうおいしいお米が消費者の手元にそのニーズにこたえられる形で適正に届けられていくような方法が実現されていけば、茶わん一ぱい余計に食べてもらえば、よく議論がありますが、生産調整しなくても済むのだ、こういう話であります。ですから、いわゆる良質、うまい米で、そして価格も、本当に消費着が納得できる価格に努力を重ねて近づけていけば、米の消費というのはまずそこで一番先に伸びていくであろう。そのための努力をやはり徹底して検討をしていっていただきたいな、これがまず第一番であります。
 次に他用途利用、いわゆる多目的の米の消費の問題でありますけれども、やはり主食以外に米の利用方法というものを、これは当然これだけ米過剰という状況がある中ですから、いわゆる他用途に米が利用される道というのはもっとスピーディーに、もっと勢いを持って拡大をしていかなければならない。アルコール用とかいろいろな加工用にどんどんその使途が広がってきておりますけれども、価格面でやはりいろいろな問題がある。そうであるならば、その生産性、いわゆる多収穫の品種、これが定着をし、開発が定着をするまでの間、やはりある程度価格補償政策というか、そういうものも導入したとしても、他用途に米が利用される方向を、財政的負担が多少あったとしても、そういう方向に向かっていかなければならないのではないのか、こういうふうに考えます。
 それから、最近注目を集めているものの中に玄米の超微粒粉食化といういろいろな研究、またそれに関する発表、そういうものが行われているわけでございまして、この粒食、今までの御飯として食べる粒食ではなくて、いわゆる玄米の超微粒粉食化というのは他用途に利用するというところに特典があり、さらに、加工が非常に簡単で栄養価も高い、こういう研究、そして試験的にいろいろな方面でこれが今使われ始めているわけでございますけれども、こういうものが定着をしていくことによって米の消費拡大というのも相当スピードを持って進んでいくと私は考えるわけであります。
 そのほかに、今、土地国会と言われて特別委員会で土地問題がいろいろな議論になってまいりました。市街化区域内の農地の問題やら首都近郊の水田の利用拡大とか、いわゆる都市的利用としての議論がその委員会等においても行われたわけでありますが、私はちょっとスタンスを変えます。都市近郊の農地であっても、その自然的条件、いわゆる都市近郊の水田というのは、特にその都市の都市的機能を果たすために、そのバックにあってその都市を守っている、いわゆる貯水機能とか洪水調節機能とか、また自然環境の保全とかという意味では、都市近郊の水田というのは大切にしていかなければならない。しかしながら山間とか、もう農業しかやれないという地域に比べれば、その水田は稲作に使うよりもほかの目的に使ったとしても、雇用問題とか環境問題等々においてはいろいろな手だてはできる。
 そういう意味から、私は現場を実際に見ておりませんけれども、資料に基づいて申し上げれば、神戸の農業公園、これは全部が水田であるわけでは決してございませんが、構造改善事業で十億円の費用を投じて、七年がかりで昭和五十九年に完成したそうでございます。その公園の広さも大変広いわけでございまして、敷地が三十一ヘクタール、そのほかにブドウ団地とかナシ団地とかがある。こういう水田の農業公園としての利用方法、いわゆる稲作中心の水田利用ではない。現実に現在過剰にたっているわけでございますから、今の転作面積の配分を決して私は一律とは言いません。八要素とも十要素とも言われているその要素を出しながら、非常に厳格にといいますか、その地域の特性を評価した上で転作面積の配分をやっておられるのは知っておりますけれども、しかし、押しなべてそれは現場へ行きますともう一律になっちゃうのです。ほとんどそうなっちゃう。そういう意味では、やはり都市近郊の水田に対する特別な考え方というものをある程度出していっていただく時期が来たのではないのかな。
 先般、集落整備法、いわゆる集落地域の整備について都市的手法を入れて、そこを農業とそれから都市の発展と整合性のとれたものとして整備をしようという集落地域に対する整備法も成立をしております。そういうものも含め、都市近郊の水田の他用途の利用というものも本格的に考えていくべきではないか。山村とかそれこそ東北の単作地帯とか、そういう地域はほかにつくるものもなければ雇用の機会もないわけでして、そういう地域が同じく転作面積を背負わなければならぬような形は、私は改めていかなければいかぬと思っているわけであります。そういうことを申し上げて、まず具体的に、今後他用途利用米として、加工用米原材料としていろいろな方向で芽を出していきたい、こういう方向に進んでいきたい、その方向について、長官、お答えをいただけませんか。
○後藤政府委員 お答えを申し上げます。
 他用途利用米につきましては着実な取り組みが見られておりまして、ことしも、昨年二十七万トンでございましたけれども、約三十五万トンに拡大をいたしまして、これは従来他用途利用米の需要先でございましたところの需要拡大と、新たにモチ米製品用のものも加えまして、また、酒造用でアルコール添加に代替するものというものを入れまして三十五万トン程度に拡大をいたしたところでございます。
 私ども、米の消費拡大、主食用につきましても、御案内のとおり、ことしの生産者米価の引き下げで財政負担の軽減になりました分の八割を使いまして、売り渡し価格を三・四%この十二月から引き下げております。これが主食用の消費の拡大なり回復につながるということを私ども心から期待しているわけでございますが、そのほかにやはり加工需要の開発ということがこれに劣らず大切だと思っております。そういう意味におきまして、今後におきましても、主食用以外の需要分野で一定の価格であればさらに需要の拡大が見込めるというようなところは、いわばシラミつぶしにその可能性を探求していきたいというふうに思っております。幸い、最近純水酒でございますとか本吟醸といいまして、お米をうんと削り込みまして、心白の部分をつくって醸造したお酒だとか、こういう本物志向のお酒の需要もふえております。そういったところへもう少し他用途利用米の供給を伸ばしていく、あるいはまた包装米飯とか、それからおもちというのは冬しか食べないという観念がございますけれども、包装もちで夏場の需要開発のために新規の製品を開発するというようなところにも他用途利用米を使えないかなということを含めまして、いろいろ取り組んでいきたいというふうに思っております。
○水谷委員 先ほど申し上げた農業公園等の問題、それから都市的な利用の問題等の水田の他用途の利用、ほかの利用の方向への取り組みについて、構造改善局長ですか、お伺いしたい。
○浜口政府委員 水田の転作の関連でございますので、私の方からお答えさせていただきたいと思います。
 先生御指摘の神戸におきます農業公園、あるいは福岡市におきますタウン農業事業というものが、現実に各地域の知恵の発揮等によりまして行われておるわけでございます。この点に関連いたしまして、市街化区域等の水田につきまして、稲作転作を通ずる生産性の向上等の水田農業の体質強化をねらいとする今回の水田農業確立対策の趣旨、あるいは線引き政策との整合性等を配慮いたしまして、転作目標面積の傾斜配分等々につきまして市街化区域等について我々考えているわけでございますが、この場合の都市近郊農業の特性を生かしつつ転作等が円滑に推進されることが重要だというふうに考えております。
 先生御指摘の、この農業公園あるいは観光農業等につきましても、このような考え方に基づきまして、市街化区域内のレクリエーション農園と申しましょうか、あるいは都市緑化作物への転換等につきましては転作等として取り扱いまして、転作助成金の基本額の交付を行うほか、近代化資金の活用の道も開いているところでございます。この結果に基づきまして、六十二年度におきまして私ども把握しております面積といたしましては、市街化区域内の中で約二百四十ヘクタールの水田でレクリエーション農園、都市緑化作物への転換が見込まれているところでございます。
○水谷委員 長官、先ほど申し上げた玄米の超微粒粉食化についてはどういう御見解でございますか。
○後藤政府委員 失礼を申し上げました。水谷先生、この点大変御関心をお持ちであるということをかねて私も承っております。
 私ども食糧庁で、米の新製品開発用のお米を無償交付をして研究に役立てるということをやっておりますが、指話のございました玄米の超微粒粉につきましては、六十年度、六十一年度、私どもの方で持っております米を無償交付をいたしまして、基礎研究なり実用試験をやっていただきまして、現在小麦粉を原料といたします製品、パンだとかめんだとかあるいはクッキー、クッキーなどはなかなかいいという評判も得ているようでございますが、練り製品等に一定程度混入し得るという成果を得ておりまして、この研究を行いました企業におきましては、その実用化のために製パン企業等に供給をいたしまして、今試験的な製造販売に取り組んでいるというふうに聞いております。またこの企業としては、一定の広範な利用が可能であるという成果が得られれば、生産者団体との間で他用途利用米というようなことについても原材料の供給の道としてお話し合いをしたいという意向も持っておられるやに聞いております。現在の試験的な製造販売の今後の成果を私ども期待しておりますけれども、それを見ながら考えさせていただきたいと思っております。
○水谷委員 それでは、予定しておりました質問は以上でございます。
 最後に大臣、先ほども申し上げましたけれども、これから二国間の交渉に本格的に取り組まれるわけでございます。その交渉にひとつ総力を挙げて、英知を絞ってお願いをしたいと思いますが、もう一つ、やはりアメリカだけではなく、関係国に対する我が国の立場を深く理解していただくための粘り強い交渉も積極的に進めていっていただきたい。いずれにしても、この十二品目問題は、これからの我が国の農業にとって重大な問題であります。この解決を誤ったら我が国の農業は重大な危機を迎えるわけでございますので、どうかしっかりとお取り組みをいただきたい。このことを最後に重ねて申し上げて、質問を終わります。
○松田(九)委員長代理 神田厚君。
○神田委員 佐藤隆大臣には、大変農政の環境の厳しい折での御就任、御苦労さまでございます。また、特に眞木経済局長におきましては、対米折衝やガット総会でのお仕事、まことに御苦労さまでございました。きょうも長時間にわたりましての質疑でお疲れでございましょうが、現下の問題につきまして絞って御質問をさせていただきたいと思うのであります。また、多少重複する問題があるかと思うのでありますが、政党の立場からの主張もございますので、御容赦をいただきたいと思います。
 まず、ガット問題でありますが、ガットの裁定延期ということになりまして、今後二国間での協議を中心として非常に厳しい対応が迫られるわけであります。まず、本日の新聞報道によりますと、昨日帰国をしました眞木経済局長は、このガットの問題について記者会見の中でいろいろとお話をしているようでありますが、ガット総会での問題点といいますか日本側の主な主張というのはどういうことだったのでありますか、簡単にまとめて。
○眞木政府委員 今回の農産物十二品目についてのパネルの報告書につきまして、これの採択問題が議論されたわけでございます。この報告書の内容につきましては、日米両政府に内示がありまして以来その内容について精査をしていろいろ考えたわけでございますが、この中におきまして、一般的に数量制限を廃止するというガット上の義務の例外を定めておりますガットの第十一条第二項(C)の規定によります解釈につきまして、特に国内で生産制限をしている品目と対外的に輸入制限をしている品目とが同種の産品でなければならないという要件、あるいはまたそういう産品につきまして保存がきかないものである、いわゆるペリシャビリティーについての解釈の問題、こういう問題について我々はガット報告書の内容につきまして異議を有する、妥当とは言えないという判断をいたしたわけでございます。
 特に、この中で酪農品、乳製品とでん粉につきましての立論には大きな問題があり、受け入れることができないと考えたわけでございます。また、パネルの国家貿易についてのガットの関連条項の解釈につきましても、ガットの条文が制定されました経緯を無視したものであり、また条文の解釈としても厳密さを欠くという意味で不適当であると考えたわけでございます。他方、乳製品及びでん粉以外の品目についてのパネルの判断につきましても幾つかの問題があると考えたわけでございますが、我が方としては、これらについてはその判断を覆すのは難しいということで、これは最終的に認めることもやむを得ないというような結論を得たわけでございます。
 以上のような判断に立ちまして、我が国といたしましては、このパネルの報告書の一部について強い異論を有しているということから、その中で乳製品、でん粉及び国家貿易に関する部分を除いた部分について採択に応じる用意があるということを表明したわけでございます。そもそも本件十二品目は、それぞれ生産事情なり需給事情、制度が違うわけでございますので、十二品目を一括して取り扱う必然性は必ずしもないということから部分採択の主張を行ったわけでございます。しかしながら、この部分採択につきましてはすべての国から、ガットの紛争処理手続上今後悪い先例を残すことにもなるということで、残念ながらそれに対する支持が得られたかったということで、その対応につきましては、時間切れということもございまして、改めて二月の理事会に引き続き審議を願うということで今回は終わったわけでございます。これにつきましてアメリカ側は強い不満を表明いたしましたけれども、反対する国はなく、そのような決定となった次第でございます。
○神田委員 この記者会見で、局長は感想として「米国を含め大変厳しい関係国の環境にあり、今後の対応についてはこれまでの経過を含めて検討し直すことが必要だ」と述べたというふうに書かれております。この新たな対応策を「経過を含めて検討し直す」ということはどういうことなのかをお尋ねしたいと思います。同時に、米国からは「日本のパネル裁定拒否には深く失望した。米国としては好まざる措置をとらざるを得なくなるかもしれない」、こういう指摘があったというふうに言われておりますけれども、この二点についてお答えをいただきたいのであります。
 一つは、「経過を含めて検討し直す」、この対応の問題については具体的にどういうことを考えなければならないのか。もう一つは、米国が「好まざる措置をとらざるを得なくなるかもしれない」と言ったニュアンスはどの程度のニュアンスというふうに受けとめたのか、この点いかがでございますか。
○眞木政府委員 前半の感想なり印象でございますけれども、我々としては、十二品目それぞれ別別の品目ごとに事情があるということで、本来ならそれ一つ一つについてパネルができても不自然ではない。それを十二を一つに束ねてやるということについて、それぞれの品目について判断をして部分的に採択するということは可能だと考えて主張したわけでございますが、それは支持が得られなかったということでございます。したがって、この点が非常に難しくなったなという率直な感想を交えて、改めて今後の対応を考え直してみなければならないという意味で申し上げた点でございます。
 それから、後半の質問の点につきましてはちょっと御質問の意味がはっきりしなかったのでございますが、アメリカ側の今後の対応についての件だと思いますけれども、アメリカ側はこの件について、会議の席におきまして審議が先に延びたということについて強い失望は表明いたしましたけれども、あえて反対したわけではございません。そういうことで先送りになった、この点につきまして、ガットの通常の手続の場合でございますと、検討が十分にできないということで審議を一回先送りにするのはそれほど不自然なことではございませんで、今回も我々の十二品目問題と同様に審議されましたアメリカとカナダの間の二つのパネル審査の結果についても、米加それぞれが主張いたしまして、また次回理事会送りとなっておるということもございます。したがって、我々としてはこの点について、アメリカ側は先送りになった、これを日本側が採択を拒否したという表現を使って発言をいたしましたけれども、この点については、こういうガットの一般的慣行にも照らしまして、これをけしからぬということで日本に対して対応するということはあり得べからざることだと考えているわけでございます。
○神田委員 ちょっと質問の趣旨が伝わらなかったのですが、要するにアメリカ代表は、こういうことであるならば、工業製品の輸入制限とかそういう報復措置をとらざるを得ないかもしれない、「好まざる措置」というのはそういうことを意味したことではなかったのですか。
○眞木政府委員 要するに、多国間でのガットにおける紛争処理手続といったものが今回アメリカが希望したような形で進まなかったということに対して、そういうことになればバイラテラリズム、まあ、二国間の関係でもって望ましくない方向で処理しなければならないということを言ったわけでございます。このバイラテラリズムというのは、逆にもう一つの言葉で言いかえればユニラテラリズム、一方的行為ということにもとれますので、そういう場合に一定の、アメリカが自分の国のいろいろな制度、法令、そういうものを採用してやるということを合意させておるというようにもとれるということは御指摘のとおりかと思います。
○神田委員 問題がそういうふうに発展していくことはまさに好ましくないことでありますから、どうしても今度は二国間での協議の問題に移るわけでありますが、そこで一つは、二品目を守って八品目の自由化を受け入れるという決定をして総会に臨んで、そのような日本の意思を表明したわけですね。この時点でそういう戦略、戦術といいますか、日本国のそういうものが最終的には受け入れられなかったということになるわけでありますけれども、同時に二品目を守って八品目を自由化するという決断は、意思決定は、これは非常に大きな問題を含んだものでありますけれども、それはどのような形でそういう意思の決定がされたのか、その辺をお聞かせいただきたい。
○眞木政府委員 このガットの報告書の内容について我々がこの内容をよく検討してどのような判断を下したかということは、さきの質問にお答えする形で申し上げたところでございます。その結果、酪農品なりでん粉及び国家貿易に関する部分については我々はパネルの判断を受け入れることはできない、しかしその他の部分につきましては、問題はありますけれども、いわゆる法理、その適用の問題等々考え合わせますときに、これを覆すことは難しいということで、あくまでガットパネルの法的判断に即した形で我々が検討を行い、そのような結論を得てこれを総会で発言した、つまり政府の対処方針としてそのように決定し、そういう意思表明をした、こういう経緯でございます。
○神田委員 この問題は、一つはやはり農林水産省なり外務省の判断の甘さがあったと思うのですね。八品目全部を自由化せざるを得ないような状況であるということに気がつくのが遅かったというか、もしもそういう最終判断をするならば、パネルの検討段階あるいはもう少し前の段階で、自由化せざるを得ない状況であるという前提に立った問題の処理の仕方あるいは国内対策、こういうものについて検討なり、あるいは具体的な措置なりがとられたければいけなかった。ところが総会にパネルが出て、内示されて、総会になって、どうしてもだめだから、二品目を守るために八品目は自由化だということでは、これは非常に納得ができないといいますか、筋が通らない非常に手おくれな判断だ、非常に農政において手おくれだということを指摘せざるを得ないわけでありますけれども、その点はどうでありますか。
○眞木政府委員 ガットの三回にわたります審議におきましては、我々の主張というものをパネリストに対しても十分に説明し、全力を挙げて対応したということでございます。したがってそのパネルの審議の結果が出る前にあらかじめ今申されたような形での対応、我々が今回総会でとったような対応をとって準備をしておけという御趣旨かと思いますけれども、我々はやはり審議に全力を尽くし、その結果を見守り、それによってその内容を判断し、受け入れられるものと受け入れられ低いものとを判断したということでございます。
 また、その間、御案内のとおり、アメリカとの間ではできる限り二国間による現実的な解決を目指して交渉を続けてまいりました。この間我々としては、最大限アメリカと折り合える線はどういうことかということをいろいろと何回もの話し合いの中でやってきたわけでございます。しかし、アメリカ側があくまでもガットの慣行に即さない、つまり二国間で合意があえばガットの提訴は取り下げるという態度に出ずに、あくまでこの問題をガットパネルにかけるということを強硬に主張し続けたということもございまして現在のようだ状況になったわけでございまして、手おくれとおっしゃいますけれども、我々が最初からそういうことで手をこまねいていたというわけではないことを御了解願いたいと思います。
○神田委員 いわゆる空気としては非常に厳しい裁定が出るだろう、こういうふうなことはわかっていたわけでありますから、それに対する対応が必ずしも十分でなかったというふうに私は思っているわけであります。その辺のところは今後の交渉に生かしてもらいたいのであります。
 十二月四日の毎日新聞に、二品目で米国と合意がある、自民党首脳がそのように、十二品目問題で二品目、つまり練乳・粉乳、でん粉等の二品目では米国と二国間協議で当面は自由化を回避できる事実上の合意が出されている、こういう話が米側と大体ついている、こんな報道がされておりまして、米国もウエーバー規定を活用、日本が二品目について自由化しなくても報復措置や補償要求はしないだろう、こういうふうに述べたと伝えられておりますが、大臣、この点はお聞き及んでおるでしょうか。
○佐藤国務大臣 責任ある立場の方々がいろいろな推測、また願望を込めて発言をされるそのことについて私から一々論評するわけにはまいりません。そういう事実があったかどうかということについては、交渉の経緯は、外交交渉でございますので一々その都度その都度つまびらかにするわけにはまいらないという御理解をいただきながら進めてきた。しかし結果として、先ほど来神田委員おっしゃるように、結果として少し甘かったのではないかと言われれば、それはやはりその評価は甘んじて受けなければならない。しかし、全力を尽くして進めた結果がかようになったということで、不満はあるけれども、また今後の対応に引き続き全力を尽くしたい。相当我が方も粘りに粘った結果がこのような状態になってきた。しかし、おっしゃられるように、二品目を守るために八品目を譲ったのか、こういうことでございますけれども、二品目守るために八品目を譲ったのではございません。八品目に対する対応を一品目ずつ考えていけば、そこにおのずから譲れるものと譲れたいものがあるという判断から、二品目は頑として守らなければならぬ、こういうようなことであのような結果になった、こういうことでございますので、御理解賜れば幸いでございます。
○神田委員 私どももアメリカに行っていろいろアメリカの要人と会談をしましても、安易にアメリカが二品目を受け入れるような状況じゃないということは肌身に感じて帰ってきております。したがって、交渉に当たってはよりぎりぎりの交渉が進むのだろうと思うのでありますが、この二品目の問題はちょっとおいておきましても、例えば八品目の問題で個々の品目において対応策を立てていくということで、あるいは関税の引き上げとかそういうふうなことを考えているかもしれませんけれども、そもそもそういうものが受け入れられる――これはこちらで勝手にやることですからそれはやるぞと言って宣言をしてやればあるいはできないことではないかもしれませんけれども、そういう国境措置を撤廃しるというのがアメリカの原則的な主張でありますから、そんなふうなものではやはり対応し切れない問題だというところを私どもは非常に心配をするわけであります。
 したがって、この最終的な二国間協議に、つまり二月までの交渉の留保を得たわけでありますから、ここにおいて大臣は不退転の決意でこの問題について当たるべきだというふうに考えまして、竹下訪米がありますから、その前に精力的な話し合いを、交渉を重ねて、最終的には竹下総理に同行して、この問題についてもやはり農林水産省として日本農業を守る立場において堂々の論議をしてくるべきだというふうに考えますが、お考えいかがでありますか。
○佐藤国務大臣 あらゆる場合を想定し、またあらゆる角度から引き続き検討してそのようなことは決めたい、こう思っております。今は白紙であります。
○神田委員 そういう意味では、交渉の具体的な段階に入ったならば渡米する決意はございますか。
○佐藤国務大臣 きょうも、実は午前中も申し上げたわけでございますけれども、もう気ははやれども全体を見ながら、こういう気持ちであります、こういうことでございます。
○神田委員 このガットの問題は、やはりアメリカが非常に今理不尽になっている、すべてのことでそうですね。自分の国ではたばこを吸わない運動、つまり禁煙運動が徹底されている中で、日本に対しましてたばこの輸入を要求したり、あるいは葉たばこの輸入を拡大せよというふうなことを言ったりしている。また、アメリカは従来鯨の問題でも、鯨は大変重要な工業製品でもあったわけでありますが、世界の鯨をとりまくっておきながら、今度は日本に対して鯨をとるなどいうようなことを言ったり、とにかくめちゃめちゃなことを言っております。そして日本との関係では農産物の関係だけでなくて、それに今度は国防も絡める、工業製品の問題も絡めてくる、こんなことを考えますと、非常に理不尽なことを言っております。これに対しては、私は外務省はもっときちんとした外交をすべきだという持論を持っておりますけれども、竹下内閣にかわりまして今度はもう日本も言うことを言わしてもらう、守るところは守るという決意で当たらなければならない。特に、農政の部分についてはその点についての重大な決意でこの問題に当たっていただきたいと思うのでありますが、大臣の決意をお聞かせいただきたいと思います。
○佐藤国務大臣 今までの過去何年間にわたってのこの種の問題についての交渉の進め方等々、いろいろ私にも感慨がございます。しかし、それをここで申し上げるわけにはまいりません。今日までの経緯を頭の中に入れながら、これがずるずるいったらどうなるかという心配を各方面に国内で与えていることも事実でございますし、そういう意味において守るべきは守る、これに徹して新たな立場で竹下内閣として対応をしている、異常な決意をしておるところでございます。
○神田委員 そこで、鯨の問題でありますが、これはもう超党派のいわゆる調査捕鯨、予備調査の実現を要求しているわけでありますが、非常に水産庁長官初め努力をなさって、最終的に縮小したから何とか捕鯨の灯を消さないということで努力をしているようであります。やはり先ほど言ったように、日本のそういう主張を通す意味においても、この予備調査捕鯨はぜひとも実現しなければならない、こういう問題だと私は思っております。
 時間もありませんので、大臣の方からこの問題についての、これはやはり決断を持って、決意を持ってやらなければならないものだろうと私は思っておりますので、その点お聞かせいただきたいと思うのであります。
○佐藤国務大臣 当委員会の菊池委員長を初め皆さんが重大な関心を指持ちになっておることは既に承知しておりますし、ことし七月の決議、これも十分承知しておりますし、おっしゃるように不退転の決意で今水産庁を督励いたしておるところでございます。
○神田委員 水産庁長官にはこの問題で非常に長い間苦悩していただいたわけでありますが、ひとつ水産庁としての決断を持って、勇断を持った予備調査実現の結論を得たいと思うのでありますが、御決意のほどをお聞かせいただきます。
○佐竹政府委員 ただいま大臣から御答弁申し上げたとおりでございます。大臣の御指示に従って、私ども全力を挙げて実現を期するつもりでございます。
○神田委員 次に、林業問題でありますが、六十二年度中に十営林署の統廃合を行おうとしているわけでありますけれども、これは問題が非常にたくさんあるわけでありまして、地域におきまして営林署が重要な役割を果たしているわけでありますが、この統廃合を合理的な理由もなく画一的に行うということであっては非常に問題だというふうに考えております。
 そこで、この統廃合問題につきまして、林野庁といたしましては今回の十営林署を選定した基準は一体どこにあったのか。さらに、今後この営林署の統廃合問題をどのように、この後も続けていくつもりなのかどうか等々の問題についてお聞かせいただきたいと思います。
○田中(宏尚)政府委員 営林署の統廃合につきましては、昭和五十二年の閣議決定に従いまして、当時三百五十一ありました営林署のうちの一割の三十五を統廃合するということで進んできたわけでございます。今回第四回目になるわけでございますけれども、トータルとして一割ということからこれまでの統廃合の実績を勘案いたしまして、青森局それから熊本局、ここにおきましては二営林署を選定する、それからあと北海道、旭川、北見、秋田、大阪、高知、ここではそれぞれ一営林署を統廃合するという全体の大枠の中で、それぞれの局単位での具体的な営林署の選定に当たりましては、一つは管理面積なりあるいは事業規模が比較的小さい営林署、二つ目に同一市町村に所在する等比較的所管の距離の近いところ、こういうことを念頭におきまして、さらに統廃合後の森林の管理がうまくいくかどうか、あるいは統廃合することによるその地域への社会的影響がどうかというようなことを総合的に勘案いたしまして選定したわけでございます。
 これからの統廃合の扱いでございますけれども、五十二年に立てました一割削減というものは今回の三十五ということで全部終わるわけでございますけれども、国有林全体の経営改善というものを現在進めているわけでございます。この経営改善の進捗状況なり、それからこれからの地域社会経済の動き、こういうことを見まして、将来の問題として今後の問題は検討してまいりたいというふうに考えております。
○神田委員 営林署は地域に非常に密着した、また現場としての、現業部門としての非常に大きな役割を持っておりますから、そういう意味ではひとつ慎重な対応をお願いしたい、こういうふうに思っております。
 最後に、時間がありませんのでちょっと大臣に感想を聞きたいのでありますが、私どもアメリカへ行ってガットの問題やいろいろな問題で農業問題の意見交換をします。私はどうも、レーガン政権の農政の失敗というものを日本とかそういう弱いところに押しつけてきている。アメリカ農業が相当ひどい状況になっておりますけれども、やはりこれはアメリカのレーガン政権の農政の失敗だというふうに思っております。そういう意味では我々は堂々とそれに受け答えをしていかなければならないし、そういう決意でもって臨んでいただきたいと思うのであります。
 また、シュルツ国務長官の部屋を訪ねましたときにマーシャル・プランが刻字されている。それでアメリカの議会の議員といろいろ話し合いをしますと、アメリカは、日本その他にマーシャル・プランでいろいろ助けてやったじゃないか。率直な話、今アメリカがこういう経済不況の中で、財政赤字、貿易赤字の中で苦しんでいるときに、日本を初め余裕のある国が少しアメリカを助けてくれてもいいのではないか、率直にその腹の内を話すわけであります。私は、そういう意味でこの日米交渉が現在非常に感情的な問題になっておりますけれども、少し角度を変えて、日本としてできることを、アメリカが日本にマーシャル・プランをやったように日本が今度はアメリカに対してそういうものが一体できるのかどうか、そういう形で考え方を変えていかなければならない。角度を変えた交渉といいますか、そういうものが必要になってきたのではないかというふうに思っておりますが、その辺の御感想はいかがでございますか。
○佐藤国務大臣 感想を率直に申し上げたいと思います。
 アメリカの農産物についての我が国への問題点等々、レーガン大統領の農政の失敗ではないか、こういうことでございますが、私からアメリカの大統領が失敗したというような言い方はできません。しかし、あらゆる国々において農業政策の難しさ、食糧政策の難しさ、こういうものについて頭を抱えておる。これは日本においてもしかりでありますし、どんな国においても、特に食べ物のことになりますと、非常に難しい問題をそれぞれ歴史的な経過の中でいろいろ考えられ議論をされておる、こういうことでございます。これをどうほぐして、どうわかりやすく、例えばアメリカにおかれても我が国においても、いろいろな国々に招いてこれを進めていくか、そこに難しい問題があるわけでございます。しかし、難しくても自由開放体制の流れはあるわけでございますし、その流れに沿って、そして我々が譲るべきものと譲ることのできないものと、これを明確にしていかなければならない。
 今まで農林水産省も歴代責任者は一生懸命にやってこられました。しかしごく一部であっても、何か一枚ずつカードを出していく、そして交渉に当たってきたではないかという批判も事実私は耳にしたことがございました。そしてそういう批判の中で信頼というものを失ってきたのではないか、そこが問題だぞという原点にかかわるような指摘も私自身聞いたことがございます。そういう意味では、この竹下内閣においてアメリカが今パートナーシップをどう発揮するか、我が国がどう発揮するか、いずれにしてもパートナーでございますから、そういう意味で持ちつ持たれつということでしっかりやっていかなければならない、そのときにマーシャル・ブランのような形のものを焼き直す提案が具体的にどうなっていくか、いろいろございましょう。神田委員の御見識は御見識といたしまして、やはりこうした問題について信頼の上にさらに信頼を築かなければ、この両国の政策について整合性を持つわけにはまいらぬという原点だけはしかと踏まえておかなければならぬな、こんな感想を持っております。
○神田委員 終わります。
○松田(九)委員長代理 木下敬之助君。
○木下委員 皆さんいろいろと御論議されておりまして、私も私の立場からお話し申し上げたいと思います。
 まず最初に、ただいま神田先生からも御質問のありました営林署の統廃合のことをちょっと御質問申し上げます。
 ただいま神田先生からも、林野事業は大変重要なことであって、いろいろと改善もしていかなければならないことは承知はいたしておるが、一体今回の十営林署を統廃合する、これは何を基準にやったのかという質問がございました。前段の部分はようございますから、後半に基準となるような、小さいところとか同一市町村とか幾つか言われましたので、これを項目だけもう一度ひとつはっきりとおっしゃっていただけますか。
○田中(宏尚)政府委員 生き物の組織の統廃合でございますので、定規できちっとはかって割り切るということはなかなか難しいわけでございますけれども、我々といたしまして選定の過程で用いました基準といたしましては、一つは管理面積でございますとかあるいは事業規模、こういうものが比較的小さい営林署、それからもう一つは、同一市町村に二つあるとかいうようなことで両署間の距離が比較的近いというようなものをまず念頭に置きまして、このほかに、統廃合した後の管理がうまくいくかどうかとか、あるいは統廃合される署の社会的影響というものがどういうふうになるかというようなことを総合的に判断いたしまして最終的な選定に当たったわけでございます。
○木下委員 個別のことに入って恐縮なんですが、ちょっと私の地元の佐伯市の営林署の廃止でかなりいろいろと問題になっているんですね。実は地元の方の雑誌なんかにもかなりおもしろおかしく、推測記事といえば推測記事、おもしろいのが載っていますから、よろしければ後ほどごらんになってください、私、中の登場人物等まで挙げてまで質問するつもりはありませんけれども。
 ただいま言われましたような基準は私はきょう初めてお伺いいたしましたけれども、考えてみればわかることで、地元でもちょうど今言われたようなことで、何となくおかしいんじゃないかという気持ちを強く持っておるようです。これはまずは小さいと言われましたけれども、佐伯営林署の管理面積、事業規模、立地条件等からも、県下の各営林署と比較しても統廃合の理由は見当たらない、こんなふうに言っております。大きさを今ここで具体的にお伺いはいたしませんけれども、どう考えても大きさは小さいはずがない。それから距離にしても、これは大分市と一緒ということでございますがかなり離れています。一時間半ぐらいは車でかかります。ほかには三十分ぐらいで行けるところもあるじゃないか、こういったことを言われておりまして、私は決してあそこじゃなくてここがいいと言っておるわけじゃないのですが、公平公正にやっていただけるはずで、特にただいまも基準として距離が近いということを言われたのなら、この佐伯はまた全然当たらない。うまくいくかどうか、やった後どうなるかというのは、これはそういったことをきちっとやったときにうまくいくかどうかでございます。
 社会的な影響ということを言われるのならば、現在この佐伯市は国の特定不況地域指定を受けておりまして、大分の県南地域と言われております。不況業種が今までたくさんあって苦労しておる県南地域の営林署廃止というのは、本当に不況に追い打ちをかけるもので地域としては大変問題である、こういうふうに言っておるのですが、この佐伯をただいまのような基準で選ばれたときにどんなふうにお考えになっているのか、どうしてこの佐伯がそういう基準の中に入るのかということをお伺いいたしたいと思います。
    〔松田(九)委員長代理退席、委員長着席〕
○田中(宏尚)政府委員 まず、熊本管内全体で考えますれば、大分県ではこれまで営林署の統廃合を実施してないという事情が一つあるわけでございます。そういう中で佐伯営林署を選定したわけでございますけれども、管理面積でございますとかあるいは伐採量、これをそれぞれとってみますれば管内の平均以下であるというような事情も事実としてあるわけでございます。もちろん、ここより小さいのも所在するわけでございますけれども、ただいま先生からも話がありましたように社会的な影響という点も一方で考慮いたしますと、いろいろなそういう地域指定を受けておりますが、人口の増減率というようなものも、過疎であるとかそういう点から考えてみますと、佐伯の場合には人口が若干ふえるというようなことで、ああいう地域の中では、比較的影響というものをその後のいろいろな手当てのしようによりましては遮断できるのじゃないかという感じで、全体を総合的に眺めて最終的な判断に至ったわけでございます。
○木下委員 廃止すれば地域にとっては大変大きなデメリットがありますからその対策を十分考えていかなければなりませんので、人口が幾らかふえているような傾向もあるので手当てをすれば何とかなるということも含めての御決断でございますなら、一応、この佐伯を廃止したらどういったことがデメリットとして起こるだろうと予測なさり、そしてどういう対策をやろうとされておられるのかもお伺いしておきたいと思います。
○田中(宏尚)政府委員 まず基本的には、現業部門といいますか、担当区でございますとかこういうものは従来どおりの形で存続させるということで、現業的な仕事につきましては従来からマイナスになるということは避けようと思っております。
 それからもう一つは、先生からもお話がありましたように距離の問題というものもございますので、従来の佐伯営林署のありましたところに営林事務所という形で、必要最小限といいますか、地元サービスの低下にならなくて済むような形での組織というものを代替組織として置くというようなことは現在検討しておるわけでございます。
○木下委員 こういうのは廃止されるのは嫌ですから、ましてや政治的に幾らか影響の大きい議員がそこのためにどんどんやるというのは、これは地域のためにはやって当たり前のことであるけれども、そればかりしていても正しい政治はできませんから、私はどこをどうしろということは申しませんが、ただいま言われましたいろいろな論理の中で随分矛盾が多いと思うのですね。距離が遠い分を克服するために営林事務所を設置するんだ、こういうふうに言われますけれども、統廃合して合理化をやっていこうとするときの基準に、そんなものをつくらなくてもいいところをしようとか、そういったのはないのですか。だから選択してみて、かなり距離は遠いけれども、まあいろいろな事情でそこがいいだろう、社会的影響、どんなことが起こるかなんというのも、地域の反対運動みたいなことまで含めて社会的影響と考えて、そういう影響の少ないところにしておいて、こういうデメリットがあるから、では事業所を出す。そうすると、結果としては、事業所を出せばそれはいろいろなことはうまくいくかもしれませんけれども、大前提でありました合理化して、統合して、改善していこうということの基準には、そうやればどういう成果があるのかという意味では私はおかしな選択ではないかと思うのですが、どう思われますか。
○田中(宏尚)政府委員 御承知のとおり今回全体として十カ所統廃合するわけでございますけれども、このうちの二カ所につきましては、営林事務所というような代替組織は置かずに今後ともやっていけるというところでございますが、その他の地域につきましては、いろいろそれぞれの地域の実情もあるわけでございますし、それから、国有林の地元との密着した仕事というものをやっていくに当たりまして、従来のような管理機能なりすべてを持った組織としての営林署でなくても、営林事務所というような簡素な形で十分サービスもやっていけるというような地域がございますので、そういうことを含めまして今回の措置を出しているわけでございます。
○木下委員 そういう営林事務所をたくさん出さなければならぬということは、だんだん距離的にもそういうのを出さないとやれないようなところが統廃合の対象になってきておるのだというふうに思います。しかし、全国を見渡したときには、そういうものを出さなくてもっと実質的にやれるところがありはしないかという、本当にこの統廃合をやっていく目的というものをきちっと持った基準で全国的に見て選択をされて、先ほどの言葉の中で、いろいろな県はやったけれども、大分県はやってないから今度のに入ったという言葉も言われました。そのこと自体も大きな問題のある選択の仕方だと私は思うのですね。やはり林業の発達している県もあればそうじゃないところもあるでしょうし、そういう中で合理的に全国をやっていこうとするときに、一県一つずつ廃止しようとかいう大方針を決定してするといったらそれはそれで一つのやり方でしょうけれども、合理化をしていろいろな改善をしていこうというときに、一県一つ、あそこやってないからというので、十分にやっておって廃止する必要もないようなところをすればこれはやったという名目だけで意味がないし、ましてそんな中で、そういう営林事務所を出して相当なものを残さなければやれないようなところをやったのでは全体の計画として本当に進んでいるとも思えないし、地元の雑誌で批判されておるのを読んだ人は、本当にこれは随分変な基準で選択をして、こんなことやっていて将来大丈夫かなという気持ちを持ったのじゃないかと私は思います。どうですか、数字合わせでやるということに関しては一つの方針ですか、大分県はやってないから今度やっているのだというのは。ちょっとその点をお伺いしておきます。
○田中(宏尚)政府委員 冒頭申し上げましたように、昭和五十二年に全体で三十五行うということで今まで二十五やってまいりまして、全体の一割削減、今回が最後の十になるわけでございます。このやり方については、もちろんいろいろなやり方もあるわけでございますし、それから、それぞれの地域のいろいろな事情があるわけでございます。そういう中で、国有林野事業の今後、それから地元への影響をできるだけ緩和する、そういう両方を念頭に置きまして、我々といたしましては全国的な視野に立ちまして客観的に選定したというふうに思っている次第でございます。
○木下委員 先ほど大分県は前やってないしというのは、あれは言わずもがなのことをおっしゃったということですか。
○田中(宏尚)政府委員 一つの事実をお話しした次第でございます。
○木下委員 その一つの事実でございますけれども、熊本の方で言われていることは、やはり熊本も前の統合になっていない。過去三回、九州で長崎、鹿児島、宮崎と三県、それぞれ各一署ずつ統廃合があって、今回その他やってないということで熊本、大分。この熊本営林署、これはブロックの中心的な営林署ですね。九州全体の中心にあるようなものをどうしてしなければならなかったのか。まさに大分県はやってなかったという一つの事実と言われますけれども、九州においてはやってなかったところ二つが出てきた。これは一つの事実ととるよりは、そういったことで数字合わせでつじつまを合わせているのじゃないかとみんなとっておりますよとお伝え申し上げますが、どうですか。そういう感想を持たれませんか。
○田中(宏尚)政府委員 こういう行政改革というそれぞれの地域にとっては好ましくないといいますか、少なくとも表面上積極的に賛成のできる話ではないという性格を物事の性格上持っているわけでございまして、地域にしてみますといろいろな議論があろうかと思っております。
 それから、熊本につきましては、ただいまお話ありました県庁所在地ではございますけれども、あそこには熊本営林局そのものもあるというようなこともございまして、その局と署が重層するという形も一つの問題として従来から指摘もされてきたということもございまして、あそこも選定の対象にさせていただいたという次第でございます。
○木下委員 この熊本の方では、そういう県庁所在地に今まであったから、職員の皆さんも子弟の教育や生活環境も非常によかった。そんなところがなくなると、全体の平均として子弟の生活環境等も低下するんだ、労働条件も低下する、こういった声も出ておることをお伝えいたしておきます。
 過去に三回なさっておられるのですが、過去の三回の営林署統廃合によって、国有林野事業の経営改善にどのくらい貢献をしたと見ておられるのか、お伺いいたします。
○田中(宏尚)政府委員 こういう組織の統廃合という性格から申し上げまして、その効果というもののすべてが直ちに目に見える形あるいは計測できる形で出てくるという性格ではございませんけれども、長期的に見ますれば、少なくとも管理部門の簡素化によります業務運営の効率化でございますとか、あるいは間接経費の節減ということにつきましては相当の効果を上げているものと思っております。
○木下委員 この本年度の統廃合が終了した後、経営改善のためにまたさらに統廃合を実施するというような計画はあるのですか。今後につきましては、国有林野事業をやっていくためには、管理、経営の第一線の現場の組織も含めた組織機構のあり方というのは大変大きなかぎを握っていくと思われますので、将来の国有林野事業の組織のあり方についてどのような基本的な考え方を持っておられるのか、こういった点も含めてお話しをいただきたいと思います。
○田中(宏尚)政府委員 今年度、国有林野事業の経営改善計画というものを大幅に見直しまして今取り組んでいるわけでございますけれども、これで昭和六十八年までに要員規模を二万人までに縮小するということが一つの基本になっているわけでございます。それに関連いたしまして、将来の組織芝いうものをどうするかということでございますけれども、こういう経営改善計画に基づく要員調整でございますとか、あるいは仕事の中身の切りかえ、こういうことの進捗状況なり、それからその時点での社会情勢の移り変わりというものを総合的に見てまいりませんと、どういう組織をどう持っていくかということがなかなか決めにくい状況にございますので、現時点では今後どういう数で、どういうところで統廃合するというような方針は決定いたしておりません。
○木下委員 地元の声もお伝えいたしましたので、精いっぱい皆さんの要望も入れて公平に、また前向きにいろいろなことを検討して積極的に林野事業推進のために頑張っていただきたいと思います。
 林業全体のことについてちょっとお尋ねをいたしておきますが、ことし木材価格が乱高下いたしまして、随分高くなっていい面もあるのですが、木材不況とかたり長く言われていました。日本林業の発展にとって、こんなに上がったり下がったり、また高くて日本材が使えないような状態が起こるというのは余り好ましくないと思います。木材の価格安定というものが、日本材を安定して使ってもらうために必要だと思います。そういった点で政府はどのように考えておられますか、お伺いをいたします。
○田中(宏尚)政府委員 ことしの夏先から木材価格が若干上がったわけでございますけれども、先生御承知のとおり、ここのところ長い間木材価格が低迷してきたわけでございます。そういう中で、ことしの公共投資の拡大でございますとかあるいは低金利でございますとか、そういういろいろな事情が重なりまして若干の回復を見たわけでございますけれども、ここのところまた十一月中下旬に入りまして、西の方から木材価格がだれぎみという状況にあるわけでございます。我々といたしましては、ただいま先生からも御指摘がありましたように、安定的に推移するということが林業者にとりましても消費者にとりましても一番必要なわけでございまして、少なくともこういう乱高下ということは避けて、一定のあるべき姿で安定してもらいたいということが我々としても共通の願いでございます。
○木下委員 日本林業を発展させるためには日本材の需要の拡大を図らなくてはなりません。需要拡大のための積極的施策を早急に実施すべきであると考えますが、今後どのような施策を実施していくお考えか。例えば需要拡大のための専用機関もしくは第三セクター的なものに対する助成、またはそういったものを新設する考えはないかどうか、お伺いいたします。
○田中(宏尚)政府委員 木材産業なりあるいは林業の今後を考える場合には、何といいましても需要拡大ということが緊要でございます。そのために政府といたしまして従来から林業関係の活性化五カ年計画というものでいろいろな手だてを講じてきているわけでございますけれども、当面は何士いいましても国民の方々に木のよさを知っていただくということが必要でございますので、ただいま先生から御指摘がありましたように一定の機関で、これは全国で中央需要拡大協議会というような組織もつくってございますので、ここで官民挙げて一般国民に対する木のPRということに努めておりますし、今後ともこの運動を強化してまいりたいと考えております。
○木下委員 よろしくお願いいたします。
 次に、農産物輸入制限十二品目問題についてお伺いいたします。
 先週行われましたガットの総会の決着は、来年二月にあると思われます最初の理事会まで延びた、こういうことでしょうが、政府としては今後どのような決着を望むということで交渉に当たるのか、お伺いをいたします。
 また、今後の対米交渉は具体的にどういうスケジュールで行われますか、決まっているものがあればお伺いしたいと思います。
○眞木政府委員 今回のガット総会におきまして、このパネル報告書の扱いにつきまして次回のガット理事会で継続審議されるということになったのは御指摘のとおりでございます。今回の総会の各国の反応ぶり等その総会の状況等を踏まえ、来年二月に予定をされております理事会までに円滑な決着を図るべく、米国との話し合い等も含めまして最善の対応をするということで速やかに検討を深めて対応してまいりたい。ただ、この問題、引き続き継続をしておる問題でもございますし、交渉にかかわる事項でございますので、その内容等についてはコメントを差し控えさせていただきたいと考えております。
 いずれにいたしましても、国内農業への影響の問題、きょういろいろと御指摘があったところでございます。そういう問題も踏まえ、また国際的な全体的な経済関係、友好関係というものにも十分配慮しながら真剣に検討してまいりたい、このように考えております。
○木下委員 コメントを差し控えたいと言われますけれども、どうですか、ここでそれを言えば、それはそれでまたそれが伝われば交渉の一つのイソパクトにもなるでしょうから、日本としてはこういう形での決着を望んでいるんだというのは、まだ大分ありますから、一遍ぐらい言われたらどうですか。
○眞木政府委員 この問題につきましては、やはり農林水産省あるいはまた関係省庁等と十分協議をした上で対応すべきものでございまして、私一個人の立場であれこれ申し上げるのは差し控えた方がいいか、このように考えております。
○木下委員 いろいろな人がいろいろなことを言っても、そのときの時点で本当にそれを一生懸命やろうと思っておられるなら言われてもいいんじゃないかと思うのですけれども……。
 それではこの農産物ガット勧告問題、それからまた我が国農業に対する政府の考えということで、少し質疑をさせていただきたいと思います。
 アメリカの輸入制限品目、これはウエーバーによるもの二十七品目、これなんか向こうの方は十四品目と言っておるそうですが、それから通商拡大法によるもの三品目、食肉輸入法によるもの二品目、その中には今言われておる日本の十二品目と同じものが、脱脂粉乳、プロセスチーズその他糖類、落花生など六品目ぐらいあると聞いておるのですが、この数字に間違いはないでしょうか。
 このように、アメリカにおいてさえ輸入制限を実施している農産物を日本にのみ市場開放がされるのは不平等であると考えますが、どうですか。
○眞木政府委員 御指摘のように、乳製品あるいは落花生等につきましてアメリカがウエーバーという自由化義務免除のもとに輸入制限を行っておる、それと同様のもの、同様の効果を持つ輸入制限についてアメリカが我々に対して提訴しておる、こういう事実がございます。これにつきましてはきょうもいろいろな質問にお答えしたわけでございますけれども、アメリカがそういうウェーバーを持ちながら我が国に対してこういう要求をするのは我々としてはまことに遺憾なことであるということで考えておりますし、また今後新ラウンドにおきましては、こういうアメリカのウエーバーあるいはまたECの輸入課徴金制度等同じような輸入制限的効果を持つものは、同じ公平な土俵の上に立って、新しいみんなが納得できるルールでもってみんなが守っていけるという形にするのが本筋であると考えております。その間我々としては、アメリカが形式的には合法だと言っておりながらこういう制度を持っていることについては事あるごとに指摘をして反省を促してまいりたい、このように考えている次第であります。
○木下委員 今言われている我が国のこの十二品目ですね、これが自由化されるとどんな影響が出るのか、どういった数字でつかんでおられるのかをお伺いしたいと思います。北大教授が、牛肉、バレイショ、雑豆が自由化された場合、生産額二四%減、雇用十六万四千人減、こんな試算を出しておられるのも聞いておりますが、政府としてはどういう数字を持って、どんな影響が出ると考えておられるのか、お伺いいたします。
○浜口政府委員 先生御質問の十二品目のうち、雑豆、落花生を除く部門等の問題につきましては関係各局にまたがるものですから、私の方の農蚕園芸局の所管の果汁、フルーツピューレ、ペースト、パイナップル調製品等についてまず簡単に御説明をします。
 先生御案内のように、非かんきつ果汁あるいはパイナップル調製品につきましての生産県は、重重申し上げる必要もないと思いますけれども、その非かんきつ果汁の一番大きなものといたしましてリンゴを挙げられようかと思いますけれども、この場合、青森県あるいは長野県というところの主な生産になっております。また、パイナップルは沖縄県、ここでの特産ということでございまして、その地域におきます主要農作物の一つということでございます。
 仮にこれら果実の加工品の輸入の自由化を実施した場合、その影響については具体的にどういうふうな姿になるかということは予想するのはなかなか難しい問題ではございますけれども、内外の価格差が具体的な問題としてあるわけでございまして、それによって輸入が増大をしていくだろう、輸入が増大すれば地域の果樹栽培農家に影響を及ぼす、こういう図式になるということであります。そういう意味でございまして、それぞれ具体的にどの程度の予測、具体的に先ほど挙げられましたような金額は幾らというようなことは今申し上げられません。
○木下委員 今いろいろ交渉して、特にでん粉とか粉乳、練乳等、こんなものは絶対に自由化するわけにいかないということで交渉しているのだと思いますが、交渉のときに、もしこんなものを自由化すると日本はこんなになるんだ、だからこれはできないんだということを言ってほしいわけですが、そういうときはどういうふうに言っておるのですか。このでん粉についてはどうなるとか、粉乳、練乳についてはこうなるからできないんだ、どういう表現でアメリカとの交渉に当たっておるのですか。
○谷野政府委員 先ほど来経済局長から御答弁申し上げておりますように、ガットのパネルの審査は、ガットのいわば法規的な解釈の問題として議論をされておるわけでございます。かような場合には、我が国の農業に対する影響というものはそのような理屈の中では出てこないということになるわけでございますが、しかしながら、私どもといたしましては、二国間交渉あるいはガットの場合でも、いわば周辺的な事情といたしまして我が国農業に対する影響、国内の地域の問題というようなこともそれなりに話はいたしておるわけでございます。
 ただいま御質問がございましたでん粉につきましては、全国的な数字から申しますと農業における比重は必ずしも高くないわけでございますけれども、そのほとんどが、バレイショにつきましては北海道、それからカンショにつきましては南九州、特に今鹿児島県に集中をいたしておるわけでございます。そのでん粉原料用の芋の総販売収入は四百四十億程度ということでございます。これが自由化の問題、これはいろいろな形がございますし、その後におきます諸措置等々の関係もございますので、将来の見通しを計数的に見通すことは大変困難でございますけれども、現実の問題といたしまして内外の価格差がなかり大きいわけでございまして、この対応の内容いかんによりましては、南九州あるいは北海道の地域農業に、あるいはそれを通じまして地域の経済に相当の影響を及ぼすことが懸念をされるということになろうかと思っております。
○木下委員 やはり計算できるものはできるだけ計算して、説得力のある交渉をしていただきたいと思います。
 近年の各国の農業関係予算を見ますと、米国、ECは農業関係予算を増額させております。一九八〇年と一九八六年を比較してみましても、アメリカ一・六九倍、EC一・九四倍、それに比べて日本は〇・八三倍と減額されております。こういう状態であるにもかかわらず日本農業に対する批判がこれほど大きくなっているというのはやはり問題であるし、またアメリカ、ECは小麦の補助金つき輸出さえ実施しているのでありますから、農産物貿易外交に当たっては日本農業の立場をもっと強く主張してもいいのではないか、こう考えますが、どうですか。
○眞木政府委員 この点につきましては、バイの場合はもちろんでございますけれども、マルチの場、いわゆるOECDあるいはガットの場におきましても、世界最大の農産物純輸入国としての日本が世界貿易、農産物貿易に非常に大きく貢献をしておること、またアクセス改善の問題につきましても、多角的な交渉の結果のみならず自主的ないわゆるアクションプログラム等によっても努力をしておる、この間にあって、輸入が大変ふえて自給率が非常に下がっておる日本の農業を一定の範囲内で、食糧安全保障あるいはまた環境、国土保全の見地からきちっとつかまえるべきである、こういう主張をつとに行っておりまして、この点につきましては、去る五月のOECD閣僚理事会のコミュニケにおきましてもそういう趣旨の文章が取り入れられ、その後のベニス・サミットでも裏づけられたところでございます。
 また、今交渉が始まっておりますニューラウンドの場におきましても、我が国といたしましてはこういう点を取り入れた形での新しい農産物貿易ルールづくりといったものを行うべくただいま提案の準備をしておるということでございまして、御指摘の点につきましては我々も十分頭に入れてそういう立場をきちんと主張して、また国際的なルールというものをつくる場合にはそれが取り入れられるように努力をしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○木下委員 今言われている十二品目のほかにも牛肉やかんきつ、こういったものもアメリカがガット提訴するんじゃないか、こういった声も聞かれますし、そのほかの品目についてもいろいろ問題が起こってくると思います。これまでの農産物輸入自由化の拡大の過程を振り返ってみますと、農水省がずっと絶対に農産物輸入はさせないということで言われる。その決意でやっておるということで、また、今回もそうですが交渉の過程等については話せない、そういうことを言いなから、結局終わってみると幾つか開放させられていった。どうも農水省の言ってきたことと最終的に下した政府の決断といつも食い違っているような感じもしますし、農産物開放に対する農政の歴史を考えてみると、ほとんどが外圧に屈して市場開放を余儀なくされてきた、こういうポーズをいつもとっておるように思います。これを見ていますと、とにかく農産物自由化阻止のため全力を尽くしたがだめだったということしかなくて、これは農政をきちっと指導してきたというふうにとれないのです。
 だから私も、私の郷里で農業を一生懸命やっておる若い人たちと、この問題について初当選しました八年も前から一生懸命話し合ってまいりました。その人たちが言うのに、結局木下さん、私たちはこれ以上枠を広げるなどか自由化絶対するなとかいうだけを言っておるんじゃないのだ、とにかく将来どうなるのかということをきちっと教えてくれたらそれに対応して頑張るんだ、こう言いますよ。私たちは、大丈夫だと言うからやっておると広げられる、こういった形でずるずるされるのが一番困るんだ、とにかくこの品目については必ずこれだけのものを日本でつくるという自給率等を明確にしてくれて、政府が守ると言ったものは守ってくれさえすれば、それが将来幾ら少なくても自分たちはそれに合わせてやるんだ、こういう悲痛な声を聞いてまいっております。そんな意味で、これまでどうだったんですか。本当に自由化させないという見通しがあってやってきたけれどもだめだったのか、それとも見通しが甘いからじゃなくて、ずるずるこんなふうになるのはわかっていてたってきたのか、この辺ちょっと言いにくいですけれども、ぜひとも本音を教えていただきたいと思います。
○眞木政府委員 農産物貿易、海外からいろいろな要請がございます。その中で我々は、基本的に国際化の時代の中での経済大国としての日本の立場、そこから必然的に必要となってまいります友好的な関係を維持発展させるという見地、その中におきまして国内の農業をいかに健全に発展させていくか、その調和の中でこの問題を考える。我々は主として、政府の中では日本の農業をどうきちっと守っていくかというサイドに立って対応してきたところでございます。この間、日本が経済大国となる過程の中で、我が国としては許される範囲の中で市場アクセスの改善にも努めてまいっているわけでございます。その中で、これまでも大臣が申されておりますように、きちんと守るべきは守るという立場に立って対応してきたわけでございまして、初めから何もしないとかするとか、そういうようなことを全部について言ってきたということは一つとしてないかと考えております。
 今回の十二品目の問題については、これがガットの輸入制限にかかわる規定との整合性が問題とされた。いわばかなり法的な判断に立っての問題でございます。したがって、我々はパネルの中ではあらゆる情報あるいは資料等を使いまして全力を挙げて対応してきたということでございまして、その点について一定の予断を持ってやってきたわけではなくて、我々の主張をできる限り通すために努力をしてきたということでございまして、今後の問題についてこれはこう、あれはああするというふうにきちっとはっきりしろと先生がおっしゃるのも一つの御意見ではありますし、我々もできればそうしたいという気持ちもあるわけでございますけれども、このように現在流動的にいつも周囲の状況が変わる社会の中では、我々としてどの程度そういうことができるかということについてはおのずから限度もあろうかと考えております。しかし、そういう気持ちについては、我々もできる限り将来の明確な方向は示す必要があろうと考えております。そういう中で今我々といたしましては、新ラウンドが始まっているわけでございますから、その中での新しい農産物貿易のルールづくりといったものを中心に据えまして、そこで今後国ごとのいろいろな摩擦というものがなく全部が納得して守れるルール、その中に日本の食糧の安全保障といったような見地もきちっと組み込まれているものをつくることがまず第一に重要である、このように考えている次第でございます。
○木下委員 時間が参りましたので、大臣にはまだ一言もお答えいただいておりませんから、できれば今後の農業についてどういう決意で施政に当たっておられるかを一日お話しいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○佐藤国務大臣 段々の御指摘がございました。特に最後の部分で、担い手として農業を一生懸命にやろうとする連中が、一体どうなるんだということで不安に思っておる、これにどうこたえるのか、実は私そのことを一番気にしながら就任をいたしました。そういうわけで、生産者団体あるいは行政の立場にある農林水産省、この信頼関係がなければいけませんから、信頼をもとにして新しい展望を築いて、三年後、五年後はこうなるんだ、だから一緒に汗をかく部分はこうだ、あなた方はこうやってくれ、おれたちはこうやるぞということをわかりやすく説明したければ、現状の不満というよりも将来に向けての不安があったのでは日本の食糧政策の前進はない。幸い去年の十一月農政審の答申も出されました。これがまた大方の御理解をいただいていると認識しております。そのことに基づいてこれをさらに具体的に将来展望としてどう説明をしていくか、こういうことについて新たな展望を開くレールを敷くことができればな、そんな意欲を持ちながら就任をいたした次第でございます。率直な言い方をして恐縮でございますが、決して気張って物を言うわけじゃございませんけれども、そこが一番農政不信につながりやすい、いやつながっておると言われても弁解の余地はないのではないかな、だから、そこに焦点を当ててひとつ最善の努力をしてみたい、こう思っておるところでございます。
○木下委員 どうぞよろしくお願いいたします。
○菊池委員長 山原健二郎君。
○山原委員 大分遅くなりましたが、お願いしたいと思います。
 日本農業の存亡の危機という言葉が使われる深刻かつ重大な局面を迎えて、きょうは朝から質疑が行われているわけですが、この質疑を聞きながらいろいろなことを感じております。一つは、竹下内閣が生まれて最初にぶつかる重大な問題ですね。竹下内閣が日本の農業つぶしの内閣になるか否かが問われている問題でもあると思います。そういう意味で今日の事態が極めて重大であるということですね。しかもアメリカ側の姿勢は、こちらが一歩譲歩すれば二歩、三歩と踏み込んでくるということですね。そして、それに対して国際的な協調あるいは信頼関係という言葉がしばしば使われるわけですけれども、その信頼とは何か。これは不合理があるときには信頼は得られないわけでして、不合理に対して譲歩して二国間あるいは多国間の信頼がかち取れるということはないわけで、必ず主権国家としての対等、平等の立場が貫かれない限り日本の農業を守ることができない事態を迎えておるというふうに思います。
 そういう意味で、今度ガットのパネル裁定の採択に対しまして、先送りはされましたけれども、日本政府がこの裁定の十品目中八品目の自由化受け入れをガット総会の場で表明をしたということは、これはもう全く腹の中を見せてしまったということですね。そういう意味でこの適切な措置を講ずるということが、きょうの質問の中でそれは自由化を表明したものである、自由化を意味するものであるということが出てきたことは非常に重大だと思います。現地においては、もう憤りと不安が渦巻いているわけですね。この実態をどう踏まえて我々が論議するかということが今問われておると思います。結局今までの情報によりますと、同本政府が不満としたでん粉あるいは乳製品等についても、大幅な譲歩、自由化受け入れ姿勢を示したもとで日米交渉にゆだねる結果となった、米国に日本政府の足元を全く見透かされてしまったのが現状ではないかと思います。したがって、理不尽な自由化要求になぜ大幅な譲歩をしたのか。十二品目は自由化できないとの立場をあくまで貫くべきではなかったか。八品目自由化受け入れ表明はまず撤回をしてかからなければ、それだけの決意を持たなければ今後の展望を見出すことはできないのではないかというふうに考えますが、この点について大臣の見解をまず伺っておきたいのであります。
○佐藤国務大臣 八品目の自由化容認は撤回すべきではないかというお問いかけでございます。
 これらの品目についてはパネル報告を慎重に検討した結果、問題点はあるもののパネルの法的判断を最終的に覆すのは困難であるとの判断に達し、酪農品、でん粉及び国家貿易に関する部分を除いて採択されることを求めた発言の中で、パネルの判断を踏まえ、ガット上適正な措置をとる用意がある旨明らかにいたしたところでございます。
○山原委員 確認をいたしておきますが、現在拒否していると言われる二品目につきましては、今後の対米交渉あるいはガット理事会におきましても自由化を拒否する姿勢を貫かれるのかどうか、いかがでしょう。
○佐藤国務大臣 今朝来申し上げておりますように、今おっしゃる二品目については自由化は困難である、かように考えております。
○山原委員 困難であるということと拒絶を貫くかどうかということとは少し違うと思うのですね。その点はいかがでしょうか。
○佐藤国務大臣 解釈は御自由でございますが、困難であると考えております。
○山原委員 拒否するということと困難であるというのは随分私は違うと解釈して、そこで伺いたいのですが、この二品目と、それから灰色と言われている二品目、いわば四品目ですが、これについては輸入枠の拡大などはしないということを言えますか。
○眞木政府委員 いわゆる灰色ということになっております雑豆、落花生の問題につきましては、これはガットの十一条にかかわる要件の一つのミニマムアクセス要件の立証の問題でございます。我々は、この二品目については、現在の輸入と国内生産の割合とを考えますときに、この点十分ミニマムアクセス要件は満たしておるというふうに考えております。
 また、その他の二品目を加えました輸入枠をどうするかこうするかといった問題は、ガットの場での議論は、あくまでこれら十二品目全体について第三者によりますパネル小委員会が現行条文に対比して整合性があるかどうかという議論、そこでの議論でございまして、我々は、その二品目、乳製品とでん粉についてはその法的判断に疑義がある、受け入れられないとして、そこを除いて採択を求めたわけでございまして、委員御指摘のように自由化は困るからどうだこうだというような形での議論はガットの場では表立つではできない、これはバイのときにはそういういろいろな議論ができようかと思いますけれども、ガット総会ではあくまでその報告書の法的判断の問題についてこちらとしてその二品目については異議があるということで、それを除いての部分採択を国家貿易の解釈に加えまして言ったという事情でございます。したがって、その輸入枠の拡大云々の話というような、そういう文脈と申しますかコンテキストというのはガットの総会の場での議論とかそういうものとは直接関連がない、このように御理解願いたいと思います。
○山原委員 私は十分理解できないのです。拒否しておる。しかも一つは灰色だ。十二品目のうちの合わせて四品目、これは輸入の枠拡大などはしないという決意、そういう拒否なのかどうかということをお伺いしているわけですが、日本国の主体性において、その点はいかがですか。
 それからもう一つ。今二品目についても大幅な譲歩、自由化受け入れの姿勢を示したという日本政府の態度というのは、大幅な譲歩というのはどういう意味ですか。
○佐藤国務大臣 お言葉でございますが、二品目について大幅な譲歩をした、示したということはございません。
○山原委員 輸入枠の問題は。
○眞木政府委員 雑豆、落花生の輸入枠の問題でございますが、どういう経緯なり文脈でそういう問題が言われたかということがちょっとよくわかりませんのでお答えしにくいわけでございますけれども、通常は、年々その需給事情に即して必要な部門を輸入するということで対応してきておる、こういうことでございます。
○山原委員 次に、この八品目自由化の影響がどう出るのかという認識の問題です。
 これは先ほども質問がありましたが、ちょっと私は聞き漏らしたのですが、この辺はどういうふうに判断しておられますか。
    〔委員長退席、保利委員長代理着席〕
○浜口政府委員 先生御質問の八品目の自由化の場合の地域農業、経済に及ぼす影響いかんという問題でございます。この点につきましては各局にわたるものでございますので、私の農蚕園芸局に関連いたします果汁、フルーツピューレ、ペーストあるいはバイ缶につきまして私の方からお答えを申し上げたいと思います。
 この果汁と申しますのは非かんきつ果汁でございますけれども、この場合とパイナップル調製品につきましてそれぞれのもののうち、例えば非かんきつ果汁におきまして主だものといたしましてリンゴ果汁ということが挙げられるわけでございますが、それにつきましては、御案内のとおり青森あるいは長野両県における主要な作物の一つというふうに考えられます。また、パイナップルは御案内のとおり沖縄県の特産品でございます。仮にこれらの果実加工品の輸入の自由化を実施した場合、その影響については具体的に予測することにつきましては困難なものの、その内外価格差から輸入が増大する、地域の果樹栽培農家に影響を及ぼすことが懸念されるということでございます。
○山原委員 これは大変大事なところでございまして、日本農業全体にどういう影響が出てくるか。あるいは地域産業、関連産業、地域経済に及ぼす影響を十分論議されての自由化の問題だと思うのです。例えば農家戸数あるいは家族を含めた人数あるいは影響額、さらに加工業だと関連産業への影響、労働者の数あるいは影響額あるいは失業を強いられる人数、これは当然その正確な影響評価、これをしておくべきものであると私は思うのです。だから、大臣も国内のことを踏まえて事に当たる、日本の農業にどういう影響が出てくるかということを踏まえて当たる、こういうことをおっしゃったわけです。そういう答弁をされておるわけでございまして、ここのところがあいまいであって、自由化した場合にどういう影響が日本の農業に出てくるかというこの算定なくして、どうして自由化などという結論が出てくるのかということを私は不思議に思うのです。
 私の党の下田参議院議長が試算しているものがございますが、主として加工用の生産に限って見ても二十七万戸、七千二百六十億円の影響が出てくる。また先ほどちょっと出ましたが北海道農協中央会、この試算では、離農、失業者、北海道内において七十二万中四三%の三十一万人というような数字が出ているのですね。確かにその影響の計算は困難だとは思いますけれども、その背景なしに日本の地域産業がどうなるかという、これなしに自由化などということを容認する決定が出されるはずがないでしょう。そんな無責任なことでは外交交渉やったって私はだめだと思うのですが、その点はどうなのでしょうか。
○眞木政府委員 この点につきましては先ほどもお答え申し上げましたが、今回のパネル報告書の内容については、日本農業への影響、そういうものも関連要素としてもちろんあるわけでございますけれども、あくまでガットの条文との整合性という見地からの法的判断と、その法的判断が正しいかどうかという観点からの議論でございまして、例えば二国間で円満に解決を図るという場合には、そういう十二品目にかかるそれぞれの産品の事情といったものも真っ正面に置いての議論になろうかと思われますけれども、今回のガットにおける議論というものは、それぞれの品目にかかわる制度なり措置がガット上整合性を持つかどうかという点についての議論が行われ、その結果がパネル報告書として出てきたわけでございます。それについて、我々は内容を精査して今言われました乳製品及びでん粉並びに同家貿易に係る解釈は受け入れられたいという判断をしたわけでございます。したがって、その結果として残りの部分については、このガットの勧告の報告書を踏まえて適切な措置をとるということでございまして、それはやはりガットの条文に対する整合性の回復という措置とあわせて必要な国境措置、これにかわるべき国境措置及び国内措置、そういうものをすべて含む措置というふうに御理解願えればありがたいと思います。
○山原委員 そういう日本の農業水及ぼす影響、農民に及ぼす影響、外務省の答弁ならそういうことになり得るかもしれませんけれども、実際に農水省として日本の農業がどうなるかという観点を抜きにして問題を進めることはできないと私は思うのです。
 例えば沖縄の場合にパインの例が出ましたけれども、この点についてちょっと伺いたいのですが、私も十月の下旬に沖縄のパインの状況を見てまいりました。千六百戸の沖縄の北部あるいは離島、ここでつくっておられるわけでございますけれども、これがどういう影響が出てくるのかということ、十年前に沖縄へ参りましたときはもうパイン工場がたくさんありました。今度行ってみますと、はや既にたくさんの工場がつぶれています。わずかに残っているところがある程度でして、沖縄のパイン農民は非常に大きな不安を抱いております。そして今度はミカンに切りかえる。私はミカンの木も見ましたけれども、本土の方におきましてミカン生産というのも過剰になったり、それから非常に手が加えられているわけで、果たして沖縄でミカンがこれからどんな展望が持てるのかということを実際に見まして暗たんたる気持ちになったのでございますけれども、この沖縄のパイン農業は一体どうなるのか。しかも北部、離島で転職などできるはずはありませんし、生易しいことではありません。つまり、パイン農家や関連産業を営む人たちが、長く生活してきたその地で生きていくすべを奪うことにもなりかねないのが今度の自由化容認の中身でございます。
 御承知のように、沖縄では米軍に土地を奪われておりますし、そして今度はまた米国によって、今度の提訴に基づいてみずからの生計が奪われる、こういうことになってくるわけでして、全く理不尽なやり方です。それになぜ同調しなければならぬのかということを考えるわけでございます。沖縄のこの困難な状況というのを大臣御承知でしょうか。
○浜口政府委員 御質問の沖縄のパインについて、先生御指摘のとおりこのセンサスの数字によりましても千五百十戸の農家が沖縄のパインに従事をしているわけでございます。パイナップルの粗生産額もあわせて申し上げますと、先生御案内のとおりでございまして、粗生産額二十二億円でございます。沖縄全農業のウエートといたしましては全体で二%という数字ではございますけれども、それぞれの地域、例えば東村とかあるいは国頭村等におきましてのウエートは高いということを重々我々承知をしているわけでございます。関係農家の数字は今申し上げましたけれども、この農家におきまして、今先生はミカンのというお話をされましたけれども、既に円高の問題等々のこともございまして、農林水産省農蚕園芸局といたしましては、ことしの予算の中におきましてこの亜熱帯地域におきます唯一の果樹、パインの果樹といったものの意味合いを深く考えておりまして、従来の缶詰というものから果汁のもの、あるいは地域におきまして生果の生産が行われているわけでございますけれども、そういったものにいたしまして将来伸ばしていこうというような意味におきまして、各種の予算を計上させていただきまして対策を講じているところでございます。
○山原委員 この沖縄の場合砂糖がああいう状態、そしてパインがああいう状態、今回の自由化が行われましたならば、私はもう本当に地元の人がお考えになっておるように壊滅的な打撃を受けるというふうに思うわけです。沖縄は、沖縄振興開発特別措置法に基づきまして内閣総理大臣みずからが決定した沖縄振興開発計画というのがございます。これは昭和五十七年八月五日に決定した第二次沖縄振興開発計画の中で、パイン農業及びその加工業についてちゃんと述べていますね。これは農水省は御承知だと思います。パイナップルについては「需要の動向に応じた生産の振興を図る」と書いておりますし、自由化で壊滅に追いやることと生産の振興ということは両立しないわけです。加工業につきましても、パインの「加工業の健全な発展を図るため、企業の合併を含めた合理化及び加工副産物の高度利用を促進する。」こういうふうに書かれておりまして、とにかく、いわゆる加工業の健全な発達というようなことが出ているわけですね。そういう法律に基づきました内閣総理大臣の決定みずからが今度の自由化によって覆るのではないかということも言われているわけですが、この点についてはどうお考えでしょうか。
○浜口政府委員 先生御質問のパインの問題につきましては、六十二年度の予算におきまして、繰り返すような形になりますが、果汁工場の新設等等の対策あるいは具体的な中央果実基金のもとに基金を設けまして、果汁に関連する価格対策を遂行する等々の施策を新規の予算として計上しておりまして、そういう形の上で従来から行われておりますパイン缶詰というものに対応いたしまして、それを果汁の中の一つの特別な果汁ということで、将来発展する見込みということからパイナップルのジュースということを中心にこの施策をことしの予算から実施しているところでございます。
○山原委員 パインだけでなくて、他の品目の場合も自由化による影響は大きいと思うのですね。これはいろいろ出ておりますからここで挙げる必要はないと思いますが、プロセスチーズの場合にいたしましても、国内生産量、生乳換算で七十八万トン、酪農家数が八万二千戸、これらが多くの借金を抱えて、その負債の返済に四苦八苦してあえいでいるという酪農家の経営の実態はもちろん農水省よく御承知と思います。また牛肉、鳥肉の調製品、これなども肉用牛飼養農家数が二十八万七千戸というわけですけれども、これにも影響が出てくるでしょうし、その他非かんきつ果汁の問題などを含めましてどういう影響が出てくるか。全中の資料もあるわけでございますけれども、とにかくただならぬ事態であることはおわかりだと思います。
 そしてこの自由化の容認が、政府みずからが決定している農業基本法に照らしましても、その精神に逆行するものであるというふうに言わざるを得ません。御承知のように、後で決議案も出るわけですが、農業基本法の第十三条、農産物の輸入によってこれと競争関係長ある農産物の価格が著しく低落しまたは低落するおそれがあり、その結果、その生産に重大な支障を与える場合で、必要な価格安定対策をもってしても事態の克服が困難と認められるときは、国は「関税率の調整、輸入の制限その他必要な施策を講ずるものとする。」こう規定しているわけでございまして、講ずることができるではなくて「講ずるものとする。」という義務的規定になっていることを忘れてはならぬと思います。そういう点から考えまして、今回の自由化容認は政府による農業基本法の精神に反する結果になりはしないかと思うのですが、この点は御検討になっておりますか。
○眞木政府委員 農業基本法十三条におきましては、第十一条の価格政策との関連で、普通輸入制限等を行っていたいような品目を想定して、それの輸入が急増した場合の緊急措置といったような形で規定が行われているわけでございます。その中で、例示に出されております関税率の調整等につきましては、これは必要に応じ、例えばガットで譲許していない、バインドされていない税率につきましては、我が国としてそれの調整というものはガット上問題なく行えるわけでございますけれども、輸入の制限措置ということになりますと、今回いろいろと争われておりますような問題を含めまして、やはりそれがきちっとガット上の整合性がとれたものでなければならないということは、我々が農業基本法という国内法とともにガットという国際条約にも加盟をしておるという実態から照らしまして、そのところはやはり十分に注意をして十三条といったものを考えなければならない、そのように考えておるところでございます。
○山原委員 次に、米国のいわゆるウエーバーについてでございます。
 これはまさに特権的なものであるわけでございますが、日本の国内法にも根拠を持った輸入制限措置を攻撃するなどということをこういう特権を持っておる政府ができるのかという問題、この点についても、当然この大国主義的な特権に対して批判を加える必要があるわけでございまして、これは一九五五年一月のガット総会でウエーバー取得の要求が出ましたときにも既に大きな批判が出ているわけですね。そして、みずからはウェーバーを行使して多くの農産物品目について輸入制限をしながら、日本に対しては輸入制限措置を攻撃するという米国のやり方については、日本政府としても批判をしてきたところですね。
 昭和五十七年四月二十二日の衆議院の農水委員会におきまして、佐野経済局長がこう答えています。これは我が党の寺前議員の質問に対して、「アメリカは大きな口をきけた義理か」という厳しい言葉を引きながら「アメリカが取得しておりますウエーバーというのがいかに理不尽なものであって、そういうものを棚上げにして日本の輸入制限をいたけだかに攻撃するというのは道理に合わないし、公正な態度ではない」と述べておるわけでございますが、この考え方は現在の農水省もお持ちになっておられるのですか。
○眞木政府委員 アメリカが有しております酪農品等のウエーバーにつきましては、事実上我が国が今問題となっております輸入制限と、形式的には向こうが合法ということでございますが、実質的には同じような効果を持つ機能を有しておるわけでございます。そういう事情にもかかわらずアメリカが我が国に、これら十二品目のうち幾つかは向こうのウエーバー品目と一緒になっておるわけでございますけれども、こういうことを言ってくるのはまことに問題であると考えておるわけでございます。したがいまして、この問題につきましては一貫をして、今佐野元局長の言を引用されましたけれども、引き続き我々も機会あるごとにこの問題をアメリカ側に提起いたしております。アメリカ側はこの問題につきましてはニューラウンドの交渉のテーブルにのせる用意があると言っておるわけでございますけれども、我々は、そういうことであるならば我々の問題も一緒にテーブルにのせるのが筋だと考えておりますし、それまでの間もアメリカ側に対してはウエーバーの問題について、例えばガットにおけるウエーバーに関するワーキングパーティー等の場におきまして事あるごとに指摘をし、反省を促してまいりたい、このように考えておるところでございます。
    〔保利委員長代理退席、委員長着席〕
○山原委員 アメリカの要求は理不尽であるという態度が変わらなければ、こういう今回の要求に対しては自由化を容認すべきではないということがなぜ出てこないのか。しかも十二品目問題が、パネル審議に際しては単に品目ごとの是非に限定せず、米国のウエーバーの取得とその行使という問題を含めまして、この問題をめぐる事情についても審議すべきことを日本が強く主張し、それは正式にパネルの審議事項として採用されておったはずでございますが、今回のパネル裁定ではその点はどうなっているのでしょうか。
○眞木政府委員 このパネルが発足をいたしましたとき、いわゆる付託事項につきましては我々が強く、やはり今委員御指摘の、アメリカにおいてはウエーバーといったものを持っておる、そういう実質的な公平性の問題、そういうものを関連要素として審議すべきであるということを強硬に主張いたしまして、いろいろやりとりがあったわけでございます。結果的にはそういう問題もメイ・コンシダー、考慮することができるというようなタームス・オブ・リファランスになったわけでございますが、実際の結果といたしまして、パネルの報告書の内容につきましては、そういう関連要素は余り考慮されず、やはりガットの条文の法的解釈といったようなものに重点が置かれておるというのが現実でございまして、この点については我々も非常に残念に思っておるところでございます。したがいまして、こういう点につきましての問題は、今回の部分採択を求める我々の総会の発言の中におきましても、アメリカのウエーバーというものを特に引用いたしまして、その実質的公平性に問題があるというようなところも改めて指摘をいたした、そういう状況にたっております。
○山原委員 これはパネル裁定が、このウエーバ一の問題については検討も何らの判断を示してもいないということになりますと、正式な議題となった審議事項についてまともに検討がたされていないで、そして一方に対してだけは裁定を下すという、そのパネル自体の裁定の不十分さあるいは不当性、不公平性、これに対して日本政府としては強く主張して、そういう事態の中で同意することはできないんだということがなぜできないのか。みずから主張して正式の議題、審議事項の中に入れておきながら、一方は何ら審議していない。一方では我が国に対して強硬な裁定を出すというこの不当性について堂々と主張し、そんな不公平な取り扱いについては納得することはできません、まずこれが最初の態度じゃないですか。八品目を自由化しますという態度が出てくること自体が私は納得できないんですよ。いかがですか。
○眞木政府委員 パネルの内容の主要部分をなします個々の品目についての条文の適用解釈、そういう問題がやはり主体となって判断がされるということは、パネルの性質上これはそういうものであろうかと考えるわけでございます。
 ただ、今御指摘がありました、いわゆる付託事項の中の関連要素としての問題について我々が強く主張したということを申し上げたわけでございますが、これはいろいろなやりとりの末、いわゆるメイ・コンシダー、メイ、できるということになっておりまして、しなければならないというところまでの付託事項としては入らなかったという経緯がございます。そういうことも踏まえて、これはいわば法的判断は必要的な事項でございますけれども、その部分、関連要素の判断についてはこれは任意的判断事項ということで、パネリストの判断がやはりそういうことであれば、それはだめだからそこをもって直ちに反対をするということもなかなかできがたいという事情があったという点についても御了解をいただきたいと思います。
 それから今メイ・コンシダーと申し上げましたが、メイ・テーク・インツー・アカウント、考慮に入れることができるというような付託事項の原文でございます。
○山原委員 日本の農業を本当に守るという立場からやるならば、日本政府としては相当に強硬な姿勢が必要なんですね。単にむちゃを通して強硬だということではなくて、やはりこういう問題については本当に対等、平等といいますか、そういう立場が貫かれなければ、みずから日本政府が主張して審議事項に入れているものを彼らがやらないというんだったら、我が方に対するこういう強制についても受け入れることはできませんというのがまず最初の仕事じゃないかと思うのですね。それをなぜ八品目についてはやります、あとの四品目につきましても何となくまだ本当にきっぱりと拒絶した態度に見えない、あいまいさがあるわけでしょう。そういう姿勢が一歩下がり、二歩下がる。もう鯨のときも一緒ですね。みんな各党一致して鯨の問題でやってもなかなかいかない。そういう問題として考えましたときに、どうも納得ができない。
 それからもう一つは、先進国のそれぞれの国におきましても、いわゆる農産物輸入制限措置というものはやっているわけですね。そういうことを考えますと、本当に今日の日本の置かれている事態というのは何だろうというふうに考えられるわけでございまして、特に日本だけが責められるいわれはない。しかも、それが直接日本の地域農業をつぶす結果になるということになってきますと、これは本当に許しがたいことでございますし、国境保護は世界の常識でございまして、農産物と工業製品を同列国並べて単純な自由化を求めるということも全く現実にそぐわないことはもう重々皆さんは御承知のことであるわけです。そういう点から考えまして、こういう状態の中でこの自由化をのむのは私は非常におかしいと思います。いわばおなかの中を見せてしまったというような拙劣な結果にだったのではないかと思いますと、いかにも残念至極でございまして、けさから各委員が申しておられますように、やはりここで姿勢をぐっと締め直すということが必要ではありませんかということを申し上げているんです。
 それからもう一つは、国家貿易品目についてお伺いをしたいと思うのですが、これはパネル裁定の持っているもう一つの重大な問題点であると思います。
 日本が国家貿易品目としてガットに通報している農産物は、食管法の対象である米、麦初め牛肉、脱粉、乳製品、バター、生糸、七品目でございますが、これら国家貿易品目の貿易管理のために必要な輸入制限等の措置は、ガット十一条の輸入数量制限廃止の原則の例外として容認されるというのが日本のとってきた見解であったわけでございます。この考え方が米、麦、牛肉、乳製品等の輸入制限の根拠となっているわけです。ところが、今回のパネル裁定では、脱粉、乳製品ですね、日本の国家貿易品目である脱粉等の輸入制限をクロとしたわけでしょう。こういう判定は、明らかに国家貿易品目といえども輸入数量制限の一般的禁止の適用を受けるとの判断を示していると言わなければなりません。つまり、パネル裁定をのむということは、この後に続く牛肉、さらには米さえも自由化の対象となり得るということを論理上認めることになりかねない重大な問題が含まれていると思うのでございますが、この点はいかがでしょうか。
○眞木政府委員 今回のパネル報告書におきます国家貿易に関してのガット関連条項の解釈につきましては、ガットの条文がつくられましたその制定の経緯をよく取り入れていないということでありまして、また条文の解釈上も厳密さを欠いているというような判断を我々はいたしておるわけでございます。したがって、この部分については、我々はその解釈を受け入れることができないという点をはっきりさせて総会での態度を表明したわけでございます。
 国家貿易に関する問題につきましては、今回十二品目の中の乳製品等の問題がかかわっておるわけでございますけれども、これにつきましては、この十二品目の問題ということで十分我々の主張が通るべく努力をしたいと考えておるわけでございます。ただ、これも全体の問題としての部分採択という中での発言ということでそういう異議を唱えておるわけでございますが、結果については、また次回理事会においてこの問題を検討するということにたっておることは御案内のとおりでございます。
○山原委員 牛肉また米の自由化に結びつきかねない危険性を持ったパネル裁定だということであるわけです。我が方がそれを拒否するかどうかは別にして、そういうふうにクロだと裁定すること自体が、論理上やはり牛肉、米につながってくる可能性を持っているわけでございまして、そういう点では絶対に妥協できないものではないか、今までの政府の主張から申しまして。だから、そういうガット裁定については、これはまず最初に容認できないという立場を全体として表明すべきであると思うのですよ。それはそれで文句をつけておいて、文句はつけたけれども一方では八品目については自由化を容認する、そういう態度でなくして、そういう裁定を下したその不公正なやり方に対して日本政府としては絶対妥協できないんだということがなぜ先行しなかったのかですね。
○眞木政府委員 先ほどからも申し上げておりますように、この問題は日米間でいろいろ話し合いをした結果、結果的にはその一致を見るに至らず、アメリカ側がガットにおける紛争処理手続、第三者によるパネル小委員会の法的な判断にゆだねるということで今日まで推移をしてきたわけでございます。したがって、その中の問題につきまして、我々がよくその報告書の内容、その前にパネルの三回にわたる審査においては、我々は我々なりの主張を十分一生懸命やってきたわけでございますけれども、その結果としての報告書の中のいろいろな部分、これを十分精査した結果、乳製品あるいはでん粉に関する部分、あるいはまた今申し上げました国家貿易に関する解釈についての部分というものは、我々としては受け入れることができないという判断に達したわけでございます。先生いろいろ御指摘がありますけれども、法的判断の枠内で、あくまで法的な解釈なりそれが正しいかどうかという観点から我々が反駁すべきものは反駁するということでございまして、単に日本の国内事情が困るからどうだこうだという議論は、このガットのパネル審査を取り扱う場面においてはなかなかできがたい面もあるという点は御認識いただきたいと思うわけでございます。
○山原委員 ちょっと局長に伺っておきたいのですが、今度の政府のとられた態度によりまして日本農業は深刻な打撃を受けると思っておるのですか、受けないと思っておるのですか、大したことはないと思っておられるのですか、その辺をちょっと伺っておきたいのです。あなたのおっしゃることはわかりますよ。ガットの場におけるいろいろな問題、わからぬことはありませんけれども、しかしこれはもうとにかく一番重要な問題ですからね。その辺をどういう受け取り方をされておるのでしょうか。
○眞木政府委員 各十二品目は、それぞれの地域に果たしておる役割、その重要性については十分認識をしておるつもりでございまして、これまでそういう認識のもとに対米交渉あるいはまたガットの場での関連事項の説明等について尽くしてきたわけでございます。
 ただ、今申し上げましたような状況でございます。したがって、我々がこの乳製品、でん粉、それから国家貿易の解釈に係る部分以外の部分についてのガットの裁定を受け入れるといった場合に、我々はこの報告書の趣旨に即して適切な措置をとるという表現をしておるわけでございます。したがいまして、これについては、対外的には現在の制度をガットと整合性のあるものに改めるということとあわせまして、必要なこれにかわるべき国境措置あるいはまた国内的な措置というものもその中に含めて我々考えておるわけでございまして、そういうことを全体から、やはり国内農業への影響というものをそれぞれ十分吟味いたしまして適切な措置をと石という意味に解していただければ幸いかと存じます。
○山原委員 私が簡単に納得できないのは、今御承知のように、国内対策に言及されたわけですけれども、そもそも臨調路線が続いておりますね。それから、産業構造調整の名の省とに国内農業は過保護であるとかそういう非難、あるいは競争力強化と自助努力を強調しまして農業補助金に大なたを振るってきた。そういう政府のやり方を見ておりますと、これはどうなるのか。激変緩和の意味での若干の一時的な措置はとられるかもしれませんね。けれども、この補助金になたを振るってきた今までの農業政策から見まして、この路線を歩む以上、日本の農民は本当に救われないのじゃないか、私はそういう心配をしております。そういう路線を本当に転換をしていくかということがこれから問題になってくると思うのですが、その点はどうなんでしょうか。過保護だとか、随分農業攻撃をやってきましたね。また、それを許してきましたね。その点はどうですか。
○眞木政府委員 今後の農政全体の進め方につきましては、御案内のとおり、農政審議会の報告を踏まえまして適切な措置をとっていくということでございまして、この間、この十二品目といったような問題が対外的な関係の中で出てきたということでございます。まだ今この案件自身全体が前回の総会で決定がされず、次に送られたわけでございます。したがって、その間、我々としてはアメリカとの交渉も含めまして理事会対策に全力を尽くすということでございまして、そういう国内の問題も含めましてこれから最善の方策は何かということを速やかに検討するという段階でございます。したがって、今後国内対策等々の問題につきましても、この検討の中の一環としてじっくりと検討して遺漏なきを期するというのが考え方でございます。
○山原委員 今までの答弁を聞いておりまして、自由化による日本農業への影響は深刻であり、そしてそれに対する対応ということが言われますけれども、本来は、国内の問題を整備して交渉に当たると言われてきた立場からいえば、そういうことまで配慮されてどういう手が打てるのかということまでなければならぬわけですね。また、どういう影響が出てくるのかということの精査したものがあるのが当たり前だと思うのですけれども、私はそういうことは余りお考えになっていないという感じがしてなりません。
 それで、今度の問題について私は結論的に申し上げたいのですが、米国の要求は理不尽きわまるものであるということは、きょうの質問、各党とも一致した見解であろうと思います。それから、各国の農産物輸入制限措置の実態からいいましても、農産物の国境保護は世界の常識であるということですね。しかも、今回のパネル裁定は牛肉、米の自由化に直結しかねない重大な問題点をはらんでおるということ。これだけ重大な理不尽な裁定に対してなぜ八品目もの自由化容認表明を行ったのか、なぜ妥協のない姿勢をこの際貫けなかったのかということですね。
 それはいろいろ問題があると思うのですけれども、やはり私は日米安保体制の問題があると思うのです。政治的、経済的、しかも軍事的にアメリカに追随する政策が今濃厚になっております。それからもう一つは、日本の大企業がその利益を優先してさまざまだ農業攻撃、農業つぶしの理論を展開しまして産業構造調整路線というものを出してきているわけですね。こういう今の農政あるいは政府の政策を根本的に転換することなくして、最初に言いました日本農業が存亡の危機に立っておると言われるこの事態を乗り切ることはできないのではないかということを感じておりまして、そういう意味で本当にこの事態をどう深刻に受けとめるかということが農水省にとっても非常に大事にたってきたと思います。最初に言いましたように、水もココムも捕鯨も何を見てもまるでアメリカの五十一州かのごとき態度で出てくることに対して、これは譲歩すればするほど次々とやられることはもう目に見えております。はや既にきょうの新聞なども、御承知のように全米精米業協会副理事長の発言も出ておりますように、次々ときている。この段階でどうするかということが今政府は問われていると思うのですね。言うならば、日本の国会も問われておるというふうに感じるわけでございまして、この点についての相当腹の据わった御決意を私は佐藤農水大臣にお伺いをしておきたいのですが、いかがでしょうか。
○佐藤国務大臣 極めて広範に及ぶ御見解を指示しになりまして承りました。その中で、この十二品目に関する部分、また、痛手を受ける深刻な事態ではないか、それをほっておくのか、こういう意味の御意見も先ほど来ございました。さらに、冒頭には八品目の自由化容認、この問題を撤回せよ、こういう御質問がございました。同じことを二度は答えないで御理解を賜りたいと思いますが、いずれにいたしましても、昨年十一月の農政審の方向づけ、これは大方の皆さんが理解をしているところでありまして、さらにこれを具体的にどうしていくか、将来展望を設定して、そしてお互いがどのように汗をかきながら将来の日本農政の再構築をやっていくか、食糧の安定供給体制を守っていくか、こういうことについて真剣な努力をこの上とも重ねてまいらなければならぬと思います。
 国家貿易品目、米麦を初めいろいろございます。そのことについても触れられましたが、そういう国家貿易品目があればこそ部分拒否、こういうことをとってはどうかなということで強くなにしましたが、先ほど来局長が申し上げておりますように、ガットの場においてはとにかくそれを容認できないような状況の中で継続審議ということで、二月の理事会まで若干の時間ではございますが時間を与えられた。その間に、それぞれの品目にかかわるいろいろなことを想定しながらそういう方々が生きていけるようにどのような国内措置をとるか、あるい値その他の方法をどうとるか、極めて深刻な事態でございますので真剣に取り組んでまいりたい、こう思っておるわけでございます。
○山原委員 大臣がさまざまな努力をされることは当然だと思います。ただ、一つだけ、大臣になられてきょうが一番最初の農林水産委員会だと思うのですけれども、本当にただごとならぬ日本農業の重大な局面であるということの認識は恐らくだれよりも強く持っておられると思いますが、その点はぜひ確認させていただきたいのです、いかがでしょうか。
○佐藤国務大臣 ただたらぬ事態がずっと続いてきたと思っております。それだけに、いろいろな方々がいろいろな心配をされて今日に至っております。経緯はそのように受けとめております。しかし、私が就任いたしまして最初に取り組まなければならない問題が十二品目である、これがまたガットの場でどうなるか、そしてこの結果がニューラウンドにつながってどうなっていくか、極めて重大な時点であるという認識はおっしゃるとおりでございます。
○山原委員 ぜひ国家主権というものを守る立場で貫いてほしいと思うのです。
 もう少し時間がございますのでもう一つ御質問申し上げたいのですが、それはハウス栽培用の電力の問題でございます。
 今回、来年の一月から各電力会社が電気料金制度の改定を政府に申請をしております。今農民の間から、ハウス栽培用の電力を農事用として認めて料金引き下げをしてほしいという強い要求が出されておりまして、農林水産省、通産省にも要請がだされていると聞いております。私の方から簡単に御説明申し上げますと、電力加温設備のあるハウス栽培め実態を見てみますと、九電力管内で一万四千三百七十一ヘクタール、これは野菜、花卉、果樹のハウス栽培面積三万九千八十七ヘクタールの三六・八%に及んでおりまして、ここで六十五万トンの野菜、百二十八万本の花、五万二千トンの果樹が生産されまして国民に供給されております。ところが、北海道、東北、東京、関西、四国、九州の六電力会社は、かんがい排水用の電力しか農事用と認めていないのでございまして、ハウス栽培農家は高い単価の低圧電力料金を適用されております。電気を使わない春から秋の八カ月間も毎月基本料金の半額を徴収されておりまして、農事用と認められますと、電気未使用期間は料金はかからなくなるわけでございまして、この要求が出るのは当然のことでございます。
 それで、どのくらい取られ過ぎているかという調査がなされておりますが、これは全国で年間四十八億九千五百万円、こういう試算が出ております。例えば私の県などはその数字の中に出ておりますが、年間三億九千四百万、約四億円近い額でこの電気料金が払われているわけでございまして、これは余りにも高い。これが肥料代あるいは農薬代に匹敵するぐらいのものになっておるという数字が出ておるわけです。農事用として認められれば農民の負担がこれだけ軽くなるわけでございまして、今減反、転作の問題と絡めまして非常に大きな要求となっているわけでございますが、農林省はこの点についてコスト低減努力を強調しているわけですけれども、この点をどう理解しているのでしょうか、御承知でしょうか、伺いたいのです。
○浜口政府委員 農業の生産性を向上させるために、今先生の御指摘のように生産コストの低減を図ることが重要であり、とりわけ農業生産資材等につきまして適切な価格で安定的かつ円滑に供給させることが必要であるというふうに考えております。
 これまで農林水産省といたしましても、電力料金の改変に当たりましては、その都度農事用の電力の優遇措置の拡充につきまして通産省に要請を行ってきたところでございます。今回、原油価格の低下及び円高に伴う差益還元の一環といたしまして、料金の改定が来年一月以降の改定として申請が出されているということでございまして、この関連といたしまして、従来どおりの価格の改定ということにつきまして、農林省といたしましても通産省に要求をしているところでございます。今お話しのハウス栽培用の電力につきましては、農業者の方々から農事用電力を適用して電力料金を引き下げるべきであるという御意見もあり、多くの陳情を受けているところでございます。私どもも、そういうことも含めまして、引き続き通産省に働きかけていきたいというふうに考えております。
○山原委員 局長の今の答弁でよくわかりました。このハウス用電力は、冬の夜間という電力需要の下限の時期に使用されるわけでございますから、電力の負荷平準化にも役立つというふうに思われますので、ぜひ実態をお調べいただいて、適切な検討をお願いしたいと思います。よろしいですか。
○浜口政府委員 ただいまお答えいたしましたように、本件につきましては通産省所管ということでございますが、先ほどの考え方に立ちまして、いろいろな場面を通じまして要請をしていきたい、そういうふうに考えております。
○山原委員 終わります。
     ――――◇―――――
○菊池委員長 この際、笹山登生君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同の共同提案による農畜産物十二品目の市場開放問題に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。串原義直君。
○串原委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同を代表して、農畜産物十二品目の市場開放問題に関する件(案)の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    農畜産物十二品目の市場開放問題に関する件(案)
  最近、米国をはじめとする諸外国からの農産物市場開放要求は、農畜産物需給の不均衡、農業所得の低迷等深刻な事態に直面している我が国農業の現状の中で、一段と厳しさを増している。
  我が国は、今日まで国際協調を求めてすでに出来うる限りの農産物市場開放措置を講じてきたところであり、その結果、世界最大の農産物純輸入国となり世界の農産物市場の安定に大きく寄与する一方、食料自給率は先進国の中で最低の水準にまで低下している。
  かかる状況の下で、農産物市場開放問題への対応を誤れば、農業の健全な発展、地域社会の維持、国土と同然環境の保全、ひいては国民生活の安全保障にも重大な影響が及ぶこと必至である。
  米国のウェーバー品目等諸外国の輸入制限が示すように、各国の農畜産物の輸入制限は、農業のもつ特殊性に起因するものである。
  今次ガット総会において、米国からガット提訴された我が国の輸入制限十二品目に関する裁定案が提出され、ガット裁定は先送りとなったものの、誠に重大な事態に立ち至っている。
  よって政府は、農畜産物十二品目問題の処理に当たっては、去る百二回国会の本委員会における決議等の趣旨に従い、我が国農業の基本的役割を踏まえ、農業者が犠牲となることのないよう決然たる態度で対処すべきである。
  右決議する。
 以上の決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じて委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
○菊池委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 笹山登生君外四名提出の動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○菊池委員長 起立総員。よって、本動議のごとく決しました。
 この際、ただいまの決議につきまして、佐藤農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。佐藤農林水産大臣。
○佐藤国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その趣旨に従い、今後、鋭意努力をいたしてまいります。(拍手)
○菊池委員長 ただいまの決議の議長に対する報告及び関係当局への参考送付の取り扱いにつきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菊池委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
     ――――◇―――――
○菊池委員長 次に、請願審査に入ります。
 今国会において、本委員会に付託になりました請願は全部で二十五件であります。
 本日の請願日程第一から第一六までの各請願及び本日付託になりました米の輸入反対等に関する請願第三三七号及び同第三三八号、漁業危機打開・経営再建に関する請願第三三九号、農産物の市場開放反対等に関する請願第三四〇号、農林水産関係普及事業等交付金の一般財源化反対に関する請願第三四一号、同第三七九号及び同第三八〇号、三陸沿岸漁業の振興策に関する請願第三四二号並びに農林業における改良普及事業交付金の一般財源化反対に関する請願第三七八号の各請願を日程に追加し、一括して議題といたします。
 まず、審査の方法についてお諮りいたします。
 各請願の内容につきましては、請願文書表等によりまして既に御承知のことと存じますし、まだ、理事会におきましても慎重に御検討願いましたので、この際、各請願についての紹介議員からの説明は省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菊池委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 これより採決いたします。
 本日の請願日程及び追加いたしました請願中
 第八次漁港整備長期計画樹立及び漁港関係事業
  予算確保に関する請願一件
 鯨類調査捕獲の今漁期からの実施に関する請願
  一件
 農林業における改良普及事業交付金の一般財源
  化反対に関する請願十三作
 農林水産関係普及事業等交付金の一般財源化反
  対に関する請願三件以上の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菊池委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 ただいま議決いたしました各請願の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菊池委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○菊池委員長 また、本委員会に参考送付されました陳情書は、農業振興対策の強化に関する陳情書の外五件でありますので、この際、御報告申し上げます。
     ――――◇―――――
○菊池委員長 閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。
 第百八回国会、安井吉典君外十六名提出、本邦
  漁業者の漁業生産活動の確保に関する法律案及び
 農林水産業の振興に関する件
 農林水産物に関する件
 農林水産業団体に関する件
 農林水産金融に関する件
 農林漁業災害補償制度に関する件以上の各案件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菊池委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次に、閉会中審査におきまして、委員会に参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その人選及び出席日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菊池委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次に、閉会中の委員派遣に関する件についてお諮りいたします。
 閉会中審査案件が付託になり、その調査のため委員を派遣する必要が生じました場合には、議長に対し、承認の申請を行うこととし、派遣の目的、派遣委員、派遣期間、派遣地、その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○菊池委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後七時五十分散会