第112回国会 本会議 第7号
昭和六十三年三月一日(火曜日)
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  昭和六十三年三月一日
    午後一時 本会議
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○本日の会議に付した案件
 梶山自治大臣の昭和六十三年度地方財政計画についての発言並びに地方税法及び国有資産等所在市町村交付金法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明並びに質疑
    午後一時九分開議
○議長(原健三郎君) これより会議を開きます。
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○議長(原健三郎君) 御報告いたすことがあります。
 永年在職議員として表彰された元議員小山長規君は、去る一月三十一日逝去されました。
 また、永年在職議員として表彰された元議員三池信君は、去る二月二十日逝去されました。
 まことに哀悼痛惜の至りにたえません。
 小山長規君に対する弔詞は、去る二月二十二日、三池信君に対する弔詞は、去る二月二十四日、議長においてそれぞれ贈呈いたしました。これを朗読いたします。
    〔総員起立〕
 衆議院は 多年憲政のために尽力し 特に院議をもつてその功労を表彰され さきに農林水産委員長予算委員長の要職につき またしばしば国務大臣の重任にあたられた正三位勲一等小山長規君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます
    …………………………………
 衆議院は 多年憲政のために尽力し 特に院議をもつてその功労を表彰され さきに本院運輸委員長大蔵委員長内閣委員長の要職につき また国務大臣の重任にあたられた参議院議員三池信君の長逝を哀悼し つつしんで弔詞をささげます
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 国務大臣の発言(昭和六十三年度地方財政計画について)並びに地方税法及び国有資産等所在市町村交付金法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(原健三郎君) この際、昭和六十三年度地方財政計画についての発言並びに内閣提出、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金法の一部を改正する法律案及び地方交付税法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。自治大臣梶山静六君。
    〔国務大臣梶山静六君登壇〕
○国務大臣(梶山静六君) 昭和六十三年度の地方財政計画の概要並びに地方税法及び国有資産等所在市町村交付金法の一部を改正する法律案及び地方交付税法の一部を改正する法律案の趣旨について御説明を申し上げます。
 昭和六十三年度の地方財政につきましては、巨額の借入金残高を抱えるなど引き続き厳しい状況にあることにかんがみ、おおむね国と同一の基調により、歳入面においては、地方債の抑制に努めるとともに、地方一般財源の所要額の確保を図り、歳出面においては、経費全般について節減合理化を図るとともに、個性豊かで魅力ある地域づくりを推進するため必要な地方単独事業費の確保に配意する等、限られた財源の重点的配分と経費支出の効率化に徹することを基本といたしております。
 以下、昭和六十三年度の地方財政計画の策定方針について御説明を申し上げます。
 第一に、土地の評価がえに伴う固定資産税及び都市計画税の負担調整措置を講ずるとともに、道府県たばこ消費税及び市町村たばこ消費税等の税率等の特例の適用期限の延長等を行うこととしております。
 第二に、国庫補助負担率の引き下げ等を行わない前提では収支が均衡する見通しとなり、地方財政の中期的な健全化を図る観点から、昭和六十三年度に一般会計が臨時特例交付金として交付税特別会計に繰り入れることを予定していた額について、昭和六十六年度以降の地方交付税総額に加算する等の措置を講ずることといたしております。
 また、国民健康保険制度の見直し並びに昭和六十一年度及び昭和六十二年度の国庫補助負担率の引き下げに伴う昭和六十三年度の地方財政への影響額を合わせた一兆七千二百五十九億円の財源不足につきましては、地方たばこ消費税の税率引き上げ措置の継続、地方交付税の増額及び建設地方債の増発によって補てんすることとし、地方財政の運営に支障が生ずることのないように措置しております。
 第三に、厳しい財政環境のもとにおいても、地方団体の創意工夫による個性豊かで魅力あるふるさとづくりや住民生活に身近な生活関連施設の整備等の積極的な推進を図るため地方単独事業費の確保に配意するとともに、福祉施策、教育、文化振興対策等の推進、過疎地域の振興等に対する所要の財政措置を講ずることといたしております。
 第四に、地方行財政運営の合理化と財政秩序の確立を図るため、定員管理の合理化及び一般行政経費等の抑制を行うとともに、国庫補助負担金について補助負担単価の適正化等の改善合理化を進めることといたしております。
 以上の方針のもとに、昭和六十三年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は五十七兆八千百九十八億円となり、前年度に比し三兆四千四百二億円、六・三%の増加となっております。
 次に、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 昭和六十三年度の地方税制の改正に当たりましては、最近における社会経済情勢等にかんがみ、住民負担の軽減及び合理化等を図ることをその基本といたしております。
 以下、その概要について御説明を申し上げます。
 第一に、地方税法の改正であります。
 まず、個人住民税について、優良住宅地の造成等に係る長期譲渡所得の軽減税率の引き下げ等を行うとともに、特別土地保有税について、三大都市圏の特定市の市街化区域における特例の適用期限の延長及び免税点の引き下げを行うことといたしております。また、固定資産税及び都市計画税について、土地の評価がえに伴い負担調整措置を講ずることとするとともに、道府県たばこ消費税、市町村たばこ消費税、自動車取得税及び軽油引取税の税率等の特例の適用期限の延長等を行うことといたしております。
 第二に、国有資産等所在市町村交付金法の改正でありますが、国有資産等の台帳価格の修正を行う場合の特例措置を引き続き講ずること等の改正を行うことといたしております。
 なお、これらの改正により、昭和六十三年度におきましては千九十五億円の減収となる見込みであります。
 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、昭和六十三年度分の地方交付税の総額につきましては、所得税、法人税及び酒税の三二%に相当する額に、国庫補助負担率の引き下げ及び国民健康保険制度の見直しに伴う地方の財源不足を補てんするための特例措置額二千二百七十五億円を加算すること等とした結果、十兆六千二百八十六億円となっております。
 また、昭和六十三年度の普通交付税の算定につきましては、地域振興に要する経費、公共施設の整備に要する経費、教職員定数の改善、私学助成等教育施策に要する経費、経常経費に係る国庫補助負担率の引き下げに伴う所要経費等の財源を措置するほか、国民健康保険制度の見直しその他制度の改正等に伴って必要となる経費の財源を措置するため、単位費用を改定すること等としております。
 以上が昭和六十三年度の地方財政計画の概要並びに地方税法及び国有資産等所在市町村交付金法の一部を改正する法律案及び地方交付税法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
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 国務大臣の発言(昭和六十三年度地方財政計画について)並びに地方税法及び国有資産等所在市町村交付金法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(原健三郎君) ただいまの地方財政計画についての発言及び二法律案の趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。中沢健次君。
    〔中沢健次君登壇〕
○中沢健次君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案並びに昭和六十三年度地方財政計画について、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 地方財政問題に入ります前に、昭和六十三年度予算案の修正問題についてお伺いをいたします。
 二十七日に我々野党四党は、共同して政府及び自民党に対し、六十三年度政府予算案に対する共同修正要求を行っておりますが、その回答期限が明日となっております。社会党を初め野党の共同要求の最重点は、新大型間接税導入をやめ、不公平税制の是正によって、六十三年度において一兆五千五百五十億円の所得減税、そして政策減税など一兆三千八百五十億円、合わせて二兆九千四百億円の減税を実施すべきであるという点であります。
 新大型間接税を導入しないということは、今国会冒頭から議論されていますように、国会決議、政府統一見解、自民党の選挙公約に照らして当然のことでありますが、竹下総理は、国会答弁を初めさまざまな場所で、国会決議や政府統一見解に必ずしも拘束されないかのごとき発言を繰り返しております。しかも、我が党議員の、竹下総理自身の新大型間接税の定義を示せという当然の要求に対しても、言を左右にし、いまだにお示しになっていません。野党への回答期限は明日でありますが、総理御自身、野党の修正要求に対しどのような所感をお持ちになっておられるのか。また、野党への回答に当たっては、当然総理自身の新大型間接税に関する定義を明確に示すべきであると考えますが、いかがお考えか、明快な答弁を求めます。(拍手)
 さて、総理は「ふるさと創生論」を提唱されていらっしゃいますが、私は、その名称はともかくとして、今最も求められているのは地域の経済社会の活性化であると考えます。したがいまして、総理が地域経済の活性化を真剣に追求するなら、政党の違いはあれ、最大限の支援を惜しみません。さきに全国市長会が発表いたしました全国の都市における人口増減調査によりますと、石炭、造船、鉄鋼など構造不況業種を抱える都市が軒並み高率の人口減少に陥っていることが明らかとなっております。特に都道府県別に見ますと、残念ながら私の出身の北海道が最も多く、ベストテンの中に第一位夕張市以下七市が入っており、北海道三十二市のうち二十五市において人口が減少しております。総理の「ふるさと創生」の御趣旨は結構でございますが、ふるさとの再生、再建を地元の自治体や住民、商工会議所などがどんなに頑張っても、地域社会の根幹的資源である人間がどんどんいなくなってはお手上げでないでしょうか。
 ところで、自治省は、人口急減対策として交付税算定において若干の補正を行っておりますが、その趣旨はよいとしても、内容は、六十二年度においてもわずか三億円程度であり、極めて貧弱であります。今後の大幅な拡充が積極的に必要でないでしょうか。また、六十三年度において新しくふるさとづくり事業として一千五百億円の起債枠が措置されておりますが、財政力が貧困な自治体においては借金することもままならず、財政の硬直化は進む一方であります。地域の活性化は与野党共同で推進していかなければならない緊急課題であります。総理並びに自治大臣から、ぜひ具体的な対策をお示しいただきたいと考えます。(拍手)
 また、こうした状況で自治体が最も苦しんでおりますのは、国庫補助負担金のカットの問題であります。六十三年度限りという約束でありますが、先日の予算委員会においては、自治大臣は明快な御答弁をされましたが、大蔵大臣は地方に不安と不信を与えかねない答弁に終わっております。両大臣の御所見と、この際、ふるさとを大切にする総理から、地方に安心と展望を示していただきたいと思います。地方との約束は必ず守ると明言をしていただきたいと思います。
 さらに、半島振興法と過疎法に触れていきたいと存じます。
 両法は、過疎に苦しむ地方の活性化、下支えのための助成法でありますが、片や財政措置が明確でなく、一方は来年期限が切れようとしております。これは議員立法であり、従来から政党間で協議し、その強化、延長について話し合いが持たれてきた経緯がありますが、政府においては少々冷淡な姿勢も見受けるわけでございます。半島振興法についてはその財源措置の明確化が立法以来の課題であり、また過疎法については一千百五十七団体の要望は、起債対象事業の拡大を含めた強化、延長であります。社会党は早急に与党などとの協議に入りたいと考えておりますが、政府においてもぜひ温かい姿勢を過疎地域、半島地域に示していただきたいと存じますが、総理並びに国土庁長官、自治大臣の所見をお伺いをいたします。(拍手)
 さて、地方財政における地方債、借入金の六十三年度末残高は六十六兆九千六百七十七億円と、六十二年度に対し約三兆二千億円の増加となっております。このうち交付税特別会計借入金の残高は五兆九千百三十九億円であり、地方財政富裕論が意図的にささやかれる中で、地方財政の借金構造は何ら改善されず、公債費率が二〇%を超した地方団体が千を超えた事実を見ても、むしろ脆弱化が進んでいるのが現実でございます。
 こうした中で、国と地方の財政関係の根本にかかわる改悪が今国会で提案されようとしております。言うまでもございません、国民健康保険制度の問題でございます。具体的には自治体負担増の問題であります。これは、補助金カットの特例期間中においては国と地方の財政関係の根本にかかわる変更は行わないと決定をいたしました六十一年度地方財政対策に対する大蔵、自治両大臣の覚書の趣旨にも反するものと断言せざるを得ません。一部には、交付税で特例加算が行われるからよいではないかとする声もありますが、これは交付税の補助金化、タコ足的構造を深めるとともに、単年度ごとに協議が必要となり、各自治体は中期的、安定的見通しを欠く結果となります。
 自治大臣にお伺いいたしますが、一体、覚書の趣旨はどこにいったのでありましょうか。また、六十五年度以降の国保会計についてどのような展望をお持ちなのか、明確な答弁を求めたいと存じます。(拍手)
 ところで、六十三年度地方交付税額については、国税三税三十三兆四千四百十億円の法定税率三二%分十兆九千五十六億円となっておりますが、さまざまな操作が行われ、結局、交付総額は十兆六千二百八十六億円となっております。国保や補助金カット分の特例加算を加えても三税の三一・七八%と、法定税率を割り込んでおります。既に何回も議論されているとおり、地方交付税については、地方交付税法の趣旨に基づき、国会答弁において、二年度以上にわたり財源不足が一割程度以上発生した場合においては、制度改正または交付税率の変更を行うものとすることが確認をされております。ところが、五十年度以来、財源不足は毎年度発生しているにもかかわらず制度改正は放置をされ、五十九年度においては既往の借入金が折半とされ、しかも今後借り入れは行わないとされたにもかかわらず、財源不足に対しては相変わらず借り入れや起債で措置をされ、さらに六十年度からは国からの財政転嫁によって財源不足がつくられていることは、極めて遺憾と言わざるを得ません。この結果、地方財政計画並びに交付税は、昭和五十年代よりもより悪くなっております。
 例えば、昭和五十年度においては二兆円余の財源不足に対して一兆一千億円の交付税の増額が措置され、残りの一兆円が地方債とされました。昭和五十四年度においては実に四兆円の財源不足が発生いたしましたが、二兆四千億円が交付税で措置され、地方債は一兆六千億円でありました。交付税特別会計の借り入れがよいとは言いませんが、昭和五十九年度から今日まで財源不足のほとんどが地方債で措置され、しかも六十年度以降の財源不足のほとんどが、国からの財政転嫁によって発生したものであります。これでは我が国に地方交付税制度がないかのごとき状況であり、交付税率は昭和四十二年度以来据え置かれ、地方交付税法、地方財政計画の趣旨も全く死文化しております。地方財政計画は、国の地方財政への負担転嫁のためのものであるかのごとき状況でございます。そして昭和六十六年度からは交付税特別会計の借入金の償還が始まりますが、硬直化が急速に進んでいる地方財政にとってむやみな地方債の増発は、財政をむしばむばかりであります。私は、この際、交付税目の拡大と税率の引き上げを真剣に検討すべき時期であると考えますが、総理並びに自治大臣の所見をお伺いをいたしたいと思います。(拍手)
 さて、最後に、国と地方の事務の再配分についてお伺いをいたします。
 総理の一省庁一機関移転は結構であり、積極的に進めるべきでありますが、新聞報道等によりますと、各省の抵抗が激しく難航している、また、国土庁自身の所管機関すら難しいとされております。総理並びに国土庁長官の決意をぜひお伺いをしたいと存じます。
 また、緊要かつ肝心なのは、権限の地方移譲でございます。各省庁が握っている許可認可権は、微に入り細にわたるものであり、しかも縄張りに固執し、一向に離そうとはいたしません。しかも、一方においては、法律ができるたびに機関委任事務が自治体に押しつけられている現状であります。行革とはいっても、財政転嫁が行われているだけで、国と地方の間の行政の改善は何ら進んでおりません。竹下総理は、せめて一省庁一許認可及び一機関委任事務の廃止を提唱していただきたいと思いますが、いかがでありましょうか。総理の明確な答弁を求めまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣竹下登君登壇〕
○内閣総理大臣(竹下登君) お答えいたします。
 まず最初は、二十七日に要求をしたいわゆる共同修正要求への所感、こういうことでございます。
 私は、今、行政府の責任者でございますので、今次野党四党から共同修正要求をお出しいただいたことは十分承知しておりますが、政府として、すなわち提案を申し上げて御審議いただいておる立場からいたしますならば、今の予算は現状において最善の予算であると考えておりますので、十分御審議の上、一日も早い成立を心から期待をいたしておるところでございます。(拍手)
 次が、大型間接税の定義の問題でございます。
 予算委員会において貴党の委員から御質問がございまして、非常に理屈の上で批判を受けることも承知の上で私なりに考え方をまとめてみたいと思いますとお答えをいたしました。その後、私の発言等を振り返り勉強しておるところでございますので、御質問のあった委員に対して正確にお答えすべきであると思っておりますが、いましばらくの時間をちょうだいしたいと考えます。
 次が、ふるさとを守るための懸命の努力ということに対しては、私も心から評価をいたします。
 円高の急速な進展でございますとかによって、石炭、造船、鉄鋼、これらの産業が厳しい状況にあります。こうした産業に大きく依存しておる地域は、地域経済が停滞することとともに、雇用面にも影響が見られております。こうした状況に対処するために、特定地域中小企業対策臨時措置法でありますとか産業構造転換円滑化臨時措置法でありますとかに基づいて施策を推進しますほか、地方公共団体が行われます地域の実情に即した地域経済の活性化対策、これに一層の努力を重ねてまいります。
 補助金カット問題でございますが、暫定措置期間の終了後における国庫補助負担率の取り扱いにつきましては、補助負担率見直しの経緯、これまでの措置の性格等を踏まえまして、今後、諸般の情勢の推移、そうして、申すまでもなく国、地方の役割分担、財源配分のあり方、これらを勘案しながら適切に対処してまいる考え方であります。
 半島地域、これは豊かな自然環境に恵まれておりますものの、国土の幹線軸から遠く離れた地理的条件のもとにありまして、産業基盤等の面で相対的に低位にあることなどが大きな課題であると思います。したがって、国土政策上の重要な課題の一つであるとまずは認識をいたしております。このため、半島振興に関しては、法の趣旨を体して、そして国土の均衡ある発展を旨としてまいります。
 過疎地域については、人口減少鈍化の傾向がございますけれども、なお若年層の流出でございますとか雇用機会の不足など、多くの問題がございます。まさに国土の均衡ある発展を図るという観点から、これら課題の解決と地域の振興を図るための対策を積極的に自治体と相呼応して行ってまいる考え方であります。
 地方財源不足と交付税率の問題でございますが、この問題につきましては、地方交付税の特例措置等所要の措置を講じて今日までまいりました。そして今後の問題につきましては、それこそ重要な問題でございますので、現時点で地方交付税の対象税目の拡大でございますとか交付税率の引き上げを行う事態であるとは言いがたい、このように考えております。
 国の機関等の移転でございます。決意を表明しろ、こういうことでございました。国の機関等の移転について方針を決定したところでございますので、これに基づいてこの実現に向けて取り組んでいるところであって、いろいろな調整を行って着実に推進してまいりたい、このように考えます。
 それから、一省庁一許認可及び一機関委任事務廃止という新しい言葉でもっての権限移譲の問題が議論されました。住民に身近な事務は住民に身近な地方公共団体において処理できるよう、国、地方の役割分担について幅広い検討が必要であると考えております。政府は従来から、臨調答申などを踏まえまして機関委任事務の整理合理化等を推進してまいりました。今後とも、四全総や臨調答申等を踏まえて適切な対処をして、御要望の趣旨に沿うような努力をすべきであると考えております。
 以上でお答えを終わります。(拍手)
    〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕
○国務大臣(宮澤喜一君) 昭和六十一年度におきまして、補助金問題検討会の報告の趣旨などを踏まえまして、補助率の総合的見直しを行いました。また、六十二年度におきましては、経済環境がああいう状況でございましたので、公共事業の事業費を確保する必要がございまして、御理解を求めまして、公共事業に係る補助負担率の引き下げをやらせていただきました。これらはすべて六十三年度までの臨時特例と考えております。なお、その際、これに伴います地方財政に対する影響につきましては、所要の対策を講じまして、地方財政の運営に支障がないように全力を尽くしたつもりでございます。
 この期間終了後にどういたしますかにつきましては、できるだけ早急に検討を開始いたさなければならないと思っておりますが、これからの経済情勢の推移、国、地方の役割分担及び財源配分のあり方等勘案をいたしながら、関係省庁と協議いたしまして、できるだけ早く結論を出したいと思っておりますので、御理解をお願いいたしたいと存じます。(拍手)
    〔国務大臣梶山静六君登壇〕
○国務大臣(梶山静六君) お答えをいたします。
 まず第一問の不況地域対策につきましては、総理から御答弁があったとおりでございますが、いわゆる構造不況地域に対しましては、自治省といたしましても、かねてから地域経済活性化対策を推進してまいりましたところであり、不況地域の地方団体が緊急かつ計画的に実施をする地域経済活性化緊急プロジェクトに対し特別の財政措置を講じているところであります。
 なお、昭和六十二年度の地方交付税の算定上、炭鉱の閉山等による短期間の人口急減状況を反映する新しい措置を講じたところであります。今後、関係方面の意見等をも踏まえて、その充実方を検討してまいる所存でございます。
 次に、いわゆる補助率カットの問題でございますが、総理、大蔵大臣が御答弁になったとおりでございまして、地方自治団体の実情や要望等を体して適切に取り組んでまいりたいと思います。
 次に、半島地域の財源措置の明確化、過疎法の強化延長等でございますけれども、半島地域、過疎地域の振興は、国土の均衡ある発展を図る観点から重要な課題であると認識をいたし、半島振興に係る財源措置、現在の過疎地域振興特別措置法の期限後の過疎対策のあり方については、自治省としても、関係方面と連携を図りながら適切に対処をしてまいる所存でございます。
 次に、国保制度の見直しについてでございますけれども、今回の国民健康保険制度の見直しに当たっては、地方公共団体の代表者も参加をした国保問題懇談会の報告等を踏まえ、国保経営の厳しい状況にかんがみ、その経営の安定化のため暫定的な所要措置を講じようとするものであり、覚書の趣旨に反するものではないと考えております。
 同じく国保会計の展望についてでありますが、今回の見直しは二年間の暫定的な措置が中心であり、六十五年度以降の国保のあり方に関しては、医療保険制度の一元化の具体的な方策、保険料負担の水準のあり方、国と地方の役割分担などの基本的な問題について、なお幅広く検討を続けていくことが必要と考えております。
 なお、地方財源の不足と交付税率の引き上げについては、総理から御答弁のとおりでございますが、補足をいたしますと、御承知のとおり、昭和六十三年度においては通常収支は均衡しており、財源不足額のほとんどは六十三年度までの暫定措置とされているいわゆる補助金カットの措置によるものであること等を勘案すると、現行の税制等を前提とすれば、現時点においては地方交付税の対象税目の拡大や交付税率の引き上げを行うべき事態であるとは言いがたいものであると考えます。
 以上であります。(拍手)
    〔国務大臣奥野誠亮君登壇〕
○国務大臣(奥野誠亮君) 半島振興の問題につきましては、さきに十九の地域が対象地域として指定され、それらの地域につきまして関係道府県知事が半島振興計画を樹立いたしまして、内閣総理大臣の承認が与えられたところでございます。これからは、この半島振興計画に盛られました内容の実現を図ることが課題だと考えておるわけでございまして、関係省庁と連絡を密にしながら努力を払っていきたいと思います。
 過疎地域の問題につきましては、過疎地域振興特別措置法成立後十八年を経ておるわけでございまして、幸いにして人口減少も鈍化してまいりましたし、公共施設の整備も進み、居住条件の改善も図られてまいったところでございます。しかし、総理からもお話がございましたように、なお問題が幾多残っておるわけでございますので、六十四年度の失効後も、この対策の成果を踏まえまして、そして関係者が誇りと愛着を持って地域づくりに取り組んでいけるというような形、さらに国土保全の考え方も織り込んで対策をつくるべきだと考えておるわけでございます。
 政府関係機関の移転の問題につきましては、今各省庁から移転機関の選定をいただいておるところでございますので、政策として中身のあるものにしなければならない、こういう考え方で努力を続けてまいります。(拍手)
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○議長(原健三郎君) 田口健二君。
    〔田口健二君登壇〕
○田口健二君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 地方税は、住民サービスを担う自治体の財源でありながら国による多くの制限を受け、貧弱な税源に甘んじており、またそれゆえに減税が進まず、最近、個人住民税に対する負担感が強まっています。私は、税制改革を語る者は地方税改革に対する明確な方針を持つべきであると考えますが、その際当然に、国庫支出金等も含めて行政の最終支出の窓口である地方財政の拡充強化を、国の税源の地方への移譲を含めて検討、実現すべきであると考えます。例えば国と地方の財政の国民総生産に対する比率を見れば、国の一〇・五%に対し地方は一五・三%を占めております。国庫補助負担金を除いても、租税の実質的配分は、国の四六・九%に対し地方は五三・一%であります。ところが、国税と地方税の割合は六三対三七であります。国は、税源はたくさん持っておりますが、行政事務の多くを地方に押しつけており、しかも、地域住民の税金を吸い上げながら、それをひもつき補助金などであたかも地方に恩恵的に与えているかのポーズをとりつつ地方を支配をしているのであります。しかも、国民の租税負担率を見ると、昭和三十年に比べ、今日国税の負担率の増加は二割でありますが、地方税の負担率は七割も伸びております。
 私たちは地方税源の拡充を主張しておりますが、その第一歩は、国と地方の税源の再配分を行うことであります。しかし、昨年の中曽根内閣における税制改革においてもこうした観点は当初からありませんでした。総理は、税制の抜本的改革を主張されておられますが、こうした国と地方の財政的な矛盾をどのようにお考えになり、また、地方税拡充の方向についてどのような方針をお持ちであるのか、まずお伺いいたしたいと存じます。(拍手)
 昨年の税制改革は、地方交付税などの成立が九月になるなど、売上税問題によって地方税制度と地方財政に著しい混乱を与える結果に終わったのは周知のとおりであります。政府の税制改革は、税源の再配分が欠落していることは指摘をしたとおりでありますが、第二に、所得減税、法人減税における地方税、地方交付税の大幅減収に対する補てん措置の不明確、また第三に、交付税の恒常的不足、税源不均衡等の打開策の欠落、さらに第四に、社会保険診療報酬課税等の不公平の放置、そして第五に、国の非課税措置等の押しつけによる課税自主権、財政自主権の侵害などが顕著であります。シャウプ税制使節団報告で示され、その後逆行しつつも、あるべき姿として評価されてきた地方税財政自主権の確立は、最近においてますます否定されてきていると言えます。
 そこで、私は、当面する地方税改革の課題の幾つかについて具体的にただしたいと存じます。
 第一には、個人住民税については、基礎控除、配偶者控除、扶養控除の引き上げにより課税最低限を引き上げ、所得税との格差を是正するとともに、その課税について過年度課税を改め現年度課税とし、近い将来においては所得税と一本化し、総合課税の確立とあわせ国民の負担を軽くし、かつ、簡素でわかりやすい所得税体系を築くことが望ましいと思います。野党四党は、六十三年度政府予算案に対する共同修正要求において個人住民税の減税を要求しておりますが、その内容は、個人住民税減税の一年前倒しと所得税との課税最低限の格差の是正という極めて妥当かつ当然のものであり、総理は直ちにこれを受け入れるべきと考えますが、いかがでありましょうか。
 第二に、租税特別措置の是正の問題です。
 現在においては、国税の租税特別措置のはね返りだけでも約二千六百億円、地方税における租税特別措置と合わせると八千億円余りも存在いたします。また、外国税額控除制度や移転価格税制の不備によって、地方は大企業に対し莫大な税の還付を余儀なくされておりますが、これも国税の不公平是正という観点からだけではなく、地方の財政運営の安定の面からも早急な改善が求められております。今後どのような整理合理化計画を立て是正するか、示すべきであります。
 さらに、我々野党四党は、昨年来不公平税制の是正を要求してまいりましたが、何一つ手をつけられておりません。そればかりか、そうした税制の不備をついて元大蔵省事務次官ですら脱税をするありさまであります。これは、政府・与党の中にあっては税制の不備に対する認識が全体的に欠如している象徴であり、この際、不公平税制の徹底是正の議論を十分行うべきであります。昨年の税制改革協議会においては、十分な議論を行う、与野党合意で税制改革は進めるという約束であったにもかかわらず、自民党がマル優廃止を通したいがために議長への中間報告を強行し、協議を一方的に打ち切ってしまいました。総理は税制協の再開を望んでいるかに伺いますが、まず昨年の反省と政府統一見解問題の決着がけじめであり、それなしで再び野党に甘い声をかけるのは虫がよ過ぎます。不公平税制の是正をどうするのか、総理の明快な答弁を求めます。(拍手)また、この点については、大蔵大臣、自治大臣からもおのおのの所管からお答えをいただきたいと存じます。
 第三に、地方税独自の不公平税制が存在いたしますが、その象徴が社会保険診療報酬課税の非課税の問題であります。これはくどくは伺いません。所得税とは異なり、非課税という特異な状態をどうするのかという問題であり、政府税調においても再三問題になっているところであります。新聞など七業種に対する適正化が一昨年行われたと思ったら、六十三年度の改正案で再び経過措置の延長が行われようとしています。こんなことで税制改革ができるでしょうか。自治大臣の決意をお伺いをいたします。
 第四に、法人事業税について伺います。
 私は二つの問題に絞ってお尋ねをいたします。一つは税源の不均衡の問題であり、東京の法人事業税は伸びているのに地方においてはよくても横ばいという状態をどうするのか。また一つは、一昨年の政府税調はもとより、五十年代前半より提起されている事業税における外形標準課税の導入をどうするかという点であります。この際、自治大臣に改革の方向をお示しいただきたいと思います。
 今日、地方の財政状態は極めて困窮しており、地域存続の死活問題となっております。私の出身地長崎県においては、造船不況、高島鉱の閉山を初め炭鉱合理化などで情勢は日増しに悪化をしております。
 私は、ここでお許しをいただいて一言申し添えさせていただきます。
 この一年有半、炭鉱閉山という重圧の中で地域振興のために日夜骨身を削る思いで頑張ってこられました星野高島町長が、ついに過労のために倒れ、昨日逝去されました。大変痛ましいことでございます。このことはまさに国のエネルギー政策変更の犠牲者とも言えるのではないでしょうか。私は、ここに謹んで哀悼の意を表したいと存じます。
 長崎は過疎、離島を多く抱えております。税源の再配分、そして交付税の拡充は財政窮乏自治体全体の切実な要求であります。
 第五に、住民の負担減については、例えば固定資産税、都市計画税の軽減、また料理飲食税の免税点の引き上げ、娯楽施設利用税の国民の趣味の多様化に合致した軽減、適正化などの問題があります。私は、日本のこれからの道を考えるならば、日本の国民が文化活動や芸術、スポーツを本当に楽しみ、つくり出していくことは、ただ遊びではなく、立国の基本だと思います。総理はふるさとを強調されていますが、文化や芸術のないふるさとなど存在いたしません。国税ではありますが、演劇や音楽会にかけている入場税の収入はわずかに七十億円です。なぜこれが撤廃できないのでしょうか。アメリカがちょっと要求すれば巨額の兵器を購入し、逗子や三宅島に住民が要らないというものをつくろうとしているではありませんか。また、スポーツにおいても娯楽施設利用税という地方税があります。高齢化が進むとともに成人病や子供の体力が落ちていることが問題にされていますが、政府がスポーツに税金をかけているようでは国民の健康は維持できません。ギャンブルやマージャン、パチンコの税金をなくせとは言いません。総理が音頭をとり、大蔵大臣、自治大臣に指示するくらいの気持ちはないでしょうか。総理の所見をお伺いいたします。(拍手)
 第六に、土地税制について伺います。
 政府の六十三年度税制改正案では、買いかえ特例の見直しが入っております。私どもも前提としては賛成であります。しかし、なぜ事業用資産の買いかえ特例には手をつけないのでしょうか。その理由をお示しいただきたいと思います。また、今回は、祖父母や親から相続したものは一部特例を存続させていますが、本人が汗水流して築いたものや夫婦で協力して得たもので配偶者間で相続したものは除外されています。全部を廃止するか、指摘したケースも含めて金額の上限を定め存続させるかにすべきです。大蔵大臣の所見をお伺いをいたします。
 また、相続税についてでありますが、最高税率の引き下げなどは軽々しく行うべきではありませんが、小規模な住宅地や配偶者の負担については思い切って軽減する、そして富の平準化のために取るべきものは取るという姿勢が大切であり、国民を安心させるためにも今年の一月一日から直ちに実施すべきであると思いますが、あわせてお答えをいただきたいと思います。
 第七に、自治大臣に地方の具体的な要望についてお伺いをいたします。
 指定都市からは、大都市における特別とん税、日銀納付金の改善などが既に十年来要望されています。また、観光都市からは、清掃事業費等が重く、せめて料理飲食税の一部でも交付してほしいという切実な希望が示されています。この際ぜひ前向きな検討の姿勢をお示しいただきたいと思いますが、いかがでありましょうか。(拍手)
 以上、私は地方税を中心にして質問をしてまいりましたが、地方税源の拡充と個人住民税の大幅減税は、内需拡大、地域経済の活性化にとって緊急不可欠な課題と言えます。ぜひ野党の六十三年度予算案修正要求に誠意ある回答を示されるよう要望し、質問を終わらせていただきます。(拍手)
    〔内閣総理大臣竹下登君登壇〕
○内閣総理大臣(竹下登君) まず私に対する御質問は、税の割合から論じて国と地方との税源配分の問題についての御論及でございました。
 行政が総合的、効率的に行われるためには、国と地方がそれぞれの機能と責任を分かちながら相互に協力していくことが必要であることは申すまでもありません。国、地方間の税源配分のあり方、これは交付税や国庫支出金、そうして国と地方との行政事務配分のあり方、これら広範な問題としてこれをとらまえていかなければならない課題であります。したがって、慎重に検討すべき問題であると思います。
 そこで、地方税拡充への方向の御意見もございました。まさに国、地方を通ずる事務配分、地方団体間の財源調整、地方行財政全般のあり方とも関連する問題でございますので、それこそ御議論にもございました所得税制等抜本的改正の中で、税制調査会さらには地方制度調査会、これらの御意見を聞きながら対応すべき課題であると考えます。
 個人住民税の問題、これも簡素にしてわかりやすい所得税体系の中で位置づけよ、こういうことでございました。御承知のように、課税最低限の引き上げ等によって五千億円規模の個人住民税の減税を実施することとして、今御審議をいただいておるところでございます。したがいまして、抜本改正の一環として、各方面の意見を聞きながら検討すべき課題である、このように考えます。
 不公平税制問題につきましては、そもそも税改革論議がこれだけの議論を呈しておりますのも不公平感が存在しておるからにほかなりません。したがって、まさに国民の税に関する不公平感をぬぐい去って、所得、消費、資産の間で均衡がとれた安定的な税体系を構築することが大切である、このように考えております。
 それから、私を特に指名されまして入場税、スポーツの課税の御議論がございました。入場税は昭和六十年度改正において、これは軽減をいたしました。娯楽施設利用税というものは、娯楽性または奢侈性というものを総合的に勘案して課税しておる税目でございますので、単にそのスポーツ性だけを理由に課税対象から除外するということはいかがかと、こういう経過をたどって今日に来ておるわけであります。
 以上でお答えを終わります。(拍手)
    〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕
○国務大臣(宮澤喜一君) 税負担の公平ということは、税制に対する国民の理解と協力を確保する意味で不可欠のことと考えております。昨年の改正におきましても、有価証券譲渡益課税あるいは土地譲渡所得課税等につきまして強化、適正化を行ったところでございますが、今後ともいろいろ問題は残っておりますので、各方面の御議論等も考えながら、税制調査会におきまして引き続き検討をお願いしてまいりたいと思っております。御指摘の趣旨はよく理解をいたしております。
 なお、それにつきましていわゆる外国税額控除制度、外国で払いました税を控除するという制度につきまして御指摘がございましたが、これは優遇税制と申しますよりは、国際的な二重課税の防止、国際条約に基づくいわば国際的な制度でございますので、特に優遇税制とは考えておりません。ただ、御指摘になりましたように、最近どうも少しこの制度が、何と申しますか、控除が引き過ぎではないかという御指摘がありまして、私どももその点は問題があるように考えておりますので、問題点を是正するために制度を直さなければならないと考えておりまして、ただいま検討をいたしております。
 それから、事業用資産の買いかえにつきましては、これは昭和四十四年までは広くやっておりましたが、四十四年になりまして、ここからここへ、過密から過疎へ誘導するというような意味でのその誘導の役割を果たさせようと思いまして、そういうものに限りまして特例を認めて今日に及んでおります。ただ今回、六十一年度、六十二年度の改正のときに、そうではありましても資産課税はある程度強化したいということから、全額繰り延べませんで二割だけ課税をさせてもらおう、法人は昭和六十一年度から、個人は六十二年十月一日からでございますが、譲渡益の二割だけは課税をすることに改めることにいたしました。したがいまして、事業用資産の買いかえ特例がないわけではございません。
 それからもう一つ、最後に居住用財産の買いかえ特例でございますが、これはいい制度であったと思いましたが、どうも地価の上昇を伝染させるという指摘がありまして、今度改めまして軽減税率による課税を行うことにいたしました。ただ、その際、父母等から相続をいたしまして三十年以上住んでいたというようなところ、いわば二世代以上住んでいたところからよそへ行くというのは、いわば故郷の地と申しますか墳墓の地を離れる、よほどの事情があるであろうと考えましたので、この場合には買いかえ特例を存置しておこうというふうに判断をいたしたわけでございます。(拍手)
    〔国務大臣梶山静六君登壇〕
○国務大臣(梶山静六君) 田口議員にお答えを申し上げます。
 第一の税負担の公平、いわゆる祖特の問題でございますけれども、総理並びに大蔵大臣から答弁がございましたとおりでありますが、地方税の非課税等の特別措置については、個々の政策目的と税制の基本原則との調和を図り、課税の公平を重視する立場に立って整理合理化に鋭意努力をしてまいってきたところであり、今後とも絶えず見直しを行い、整理合理化に努めてまいる所存であります。
 次に、不公平税制の是正の具体的な問題でありますが、社会保険診療報酬に係る事業税の特例措置については、引き続き保健医療政策との関連を考慮しつつ、その見直しに努力をしてまいる所存でございます。なお、新聞業等七業種に係る事業税の経過措置については、その期限が到来するが、事業者の税負担の現況等にかんがみ、なお二年程度に限りこの措置を延長する必要があると考えたところでございます。
 次に、税源の不均衡是正の問題でございますが、全体論といたしましては、地方税が充実をされ、地方の自主財源が充実されなければならないことは御説のとおりでございますが、自治体によりまして税源、地方税は千差万別でもございますので、どの税をどうやればいわゆる地方自治体の均衡が保てるかという大変な問題がございます。具体的な御指摘をちょうだいしました地方団体間における法人事業税収入の格差を是正するためには、基本的には企業の地方分散を進めることが肝要でございます。なお、社会経済情勢の変化に即応して税源帰属の適正化を図るため、法人事業税の分割基準のあり方については検討を進めているところであります。
 次に、事業税の外形標準課税の導入問題についてでありますけれども、事業税の外形標準課税の導入問題は、事業税の性格の明確化とその税収の安定的確保とを図る見地から導入することが望ましいとの考え方がある一方、企業関係税、間接税等の税制全般とも関連をする問題であることから、慎重に検討すべきとの意見もこれあり、税制調査会等において長期にわたり検討されてきたところであります。この問題につきましては、今後とも税制改革の検討課題の一つとして引き続き検討を進める必要があると考えているところであります。
 最後でございますが、指定・観光都市等の税源の充実についてでありますが、特別とん税は国税であるが、その税率については海運業界における総体的な税負担の状況等をもあわせて慎重に検討することが必要であるというふうに承知をいたしております。なお、日銀納付金の問題については、税収の安定性の確保を図る見地から今後とも改善されるように努力をしてまいる所存であります。観光都市の税財源の充実については、従来からも努力を重ねてきましたけれども、今後とも個々の税目にとらわれることなく、御説のとおり地方行政、税財政制度の全般を通じ総合的な見地からの検討が必要であるというふうに考えております。
 以上です。(拍手)
    ─────────────
○議長(原健三郎君) 冬柴鉄三君。
    〔議長退席、副議長着席〕
    〔冬柴鉄三君登壇〕
○冬柴鉄三君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま趣旨説明のありました昭和六十三年度地方財政計画、地方税法及び国有資産等所在市町村交付金法の一部を改正する法律案並びに地方交付税法の一部を改正する法律案につき、総理並びに関係各大臣に質問をいたします。
 総理は、国政担当を目指す総裁選に臨む政策として「ふるさと創生論」を掲げて総理に就任されました。総理の「私のふるさと創生論 素晴らしい国・日本」を拝見しますと、「まず国のほうが発想を変えなければならない。一つの基準や前例にあわせて地方の計画を審査するのではなく、個性ある計画、独自の特色を持った地域開発のほうを優先的に取り上げる姿勢にならなければならない。」と述べられております。この表現から、私には、総理の考えておられる地域の開発や振興というものはあくまでも国が主体であって、独創的な計画があれば国から金をつけてあげようという従来どおりの中央集権を是認する思想がうかがわれてなりません。しかし、憲法が宣明する地方自治の本旨という思想はそうではないと思います。地域政策は、地域固有の歴史、習俗、人情等を重んじ、住民の知恵で、住民の手により、住民のために行うものでなければならないと考えます。このためにも「ふるさと創生」は、まさに権限、財源の地方移譲を思い切って実施することから始められなければならないと考えるのですが、総理の御見解をお伺いいたします。
 特に竹下内閣は、大きな施策として東京二十三区内にある政府関係機関の移転を進めようとしておられます。私は、その施策の方向を評価するものの、中央省庁から独立性の高い機関のみを地方に移転することにより、人口、産業の分散に多大な効果があるとは考えられないのであります。今日の東京一極集中が進んでいる真の原因を考えたとき、それは許認可などの各種権限、財源を中央政府が握っている点にあると思います。そうとすれば、権限、財源の分権なくして真の均衡ある国土の発展はあり得ないと信じますが、いかがでありましょうか。
 ところで、昭和六十三年度予算案は、これまでの財政再建の推進に加え、内需の拡大を図る積極型予算に転換したものであると言われていて、いわば二兎を追う形の予算となっております。しかし、その内容を見ると、公共事業関係費が六十三年度は約七兆三千億円となっており、六十二年度の最終予算よりも約五千億円以上も下回ったものとなっております。このように内需拡大の柱である公共事業費が前年度比マイナスでは、内需拡大の足を引っ張りかねません。しかも、国民生活面の最重要課題である福祉、教育、農業、中小企業振興等の予算は厳しく抑制されたものとなっております。この際、内需拡大という当面の目標を果たすために、立ちおくれている生活関連施設整備に主眼を置いた公共事業費の増額をすべきではないかと思うのでありますが、御見解をお伺いします。
 次に、地方財政についてお伺いします。
 これまで国庫補助と保険料で運営されてきた国民健康保険会計について、国の負担の一部を都道府県と市町村にも負担を義務づける改正を行おうとしております。現行の国庫負担補助率は、長い経緯を経て合理的根拠を模索し、決定されてきたものであります。今回の措置は、これまでの経緯などを捨象し、ただ負担のみを地方に転嫁しようとする点に真意があるように思われてなりません。これはまた六十年度以降とり続けてきた国庫補助率の削減と同質のもので、二年間の暫定措置とはいえ、この措置により今後抜本改正の際地方に負担を負わせる道を開くその第一歩ではないかとすら憂慮するものです。もしそうであるならば、これは地方財政法第二条第二項の「国は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこない、又は地方公共団体に負担を転嫁するような施策を行つてはならない。」との規定の精神に反すると考えますが、いかがでしょう。御見解を伺います。
 また、地方財政は、毎年の国庫補助率の削減と地方単独事業の増大を強いられており、このための財源措置としては、交付税の特例加算によって一部は補てんされるものの、大部分は地方債の増発で対処しております。これは最終的には地方の負担増を招くものであり、いわば負担の先送りにすぎません。地方財政の根本的解決を図るためには、国と地方の役割分担の明確化及び補助金の徹底的見直し、また地方財源充実のための地方税の増強を図る国、地方間の税源配分の適正化を進めるべきでありますが、これらの点について今後どのように取り組まれるのか、御見解をお伺いいたします。
 次に、税制改革についてお伺いします。
 政府は、昭和五十四年の財政再建は一般消費税導入によらないとする国会決議、及び昭和六十年二月の大型間接税を導入しないとする中曽根総理答弁と同内閣の政府統一見解、並びに第百八国会における売上税の審議未了、廃案という厳然たる事実、この存在に背を向けて、今再び税制の抜本改革、なかんずく大型間接税導入に異常な執念を燃やしています。
 しかし、憲法第六十六条第三項は「内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。」と定めていて、政府委員の答弁であれ、前内閣の閣僚答弁であれ、その誠実な執行を現在の内閣に対し求めているのであり、いわんや時の総理が国会で政府統一見解として述べた事項は、内閣の更迭があったことを理由に後の内閣がその執行の責めを免れるものではありません。行政の継続性、安定性、信頼性の観点から見ても、当然過ぎる自明の理であります。しかるに、中曽根内閣の政府統一見解を守ると一言言おうとしない竹下内閣の政治姿勢に対し、国民はひとしくいら立ちを感じています。しかし、国民の理解と協力が不可欠の税制改革を論ずる前提として、まず竹下内閣においても、中曽根内閣が示した政府統一見解に拘束され、これを守ると言明されることがすべての始まりであり、必須の要件であるはずです。その上に立って広く国民の意を徴し、その合意形成に着手すべき順序であると信じます。この点についてのお答えをいただきたいと思います。
 政府税制調査会の地方公聴会での大多数の声は、大型間接税導入抜きの不公平税制是正であり、また、所得税、住民税の減税をこの税制改革に先行させることの熱烈な要求であります。したがって、不公平税制の是正をまず手がけるべきであると思うのですが、いかがでしょうか。昨年の減税は本格的なものではなく、道半ばであると思うのです。私ども公明党初め野党三党は、所得税、住民税を含む二兆九千四百億円の減税を主張しておりますが、これについての総理の見解を伺いたいのであります。
 最後に、土地問題についてお伺いします。
 最近の地価の状況を見ると、東京は高値安定、地方は狂騰の余波を受けてなお上昇を続けております。金融引き締めで一時下がったかに見えたのもつかの間、数カ月後には狂乱の再現が起こるとも言われております。地価はこれ以上絶対に上昇させてはなりません。その防止のためにも金融施策等各種施策を緩めてはならないと考えます。今後地価を安定させ、さらに引き下げるためには、何といっても宅地の大量供給が最も重要であると考えるのです。この点についてどのように対処なされるのか、お伺いしたいのであります。
 現在、三大都市圏内の市街化区域内農地は四万四千ヘクタールでありますが、そのうち宅地並み課税が実施されているのはわずか十五%にすぎません。残りの八五%に当たる三万七千ヘクタールは宅地並み課税が猶予されております。このため、七十平方メートルの宅地を持っているサラリーマンの納める税金と、七千平方メートルの農地を持っている農家の税金とが同額であるという驚くべき事態が行われているのであります。これでは農地は放出されず、少ない宅地はますます値上がりするばかりであり、サラリーマンは永久に大都市圏で家を持つことはできません。したがって、住宅事情の深刻な三大都市圏内の市街化区域内農地に対しては、長期営農を行う意思が確定的に認められる農地に限って宅地並み課税を猶予し、その他は課税の強化を図るべきであります。この点に対しても総理の御見解をお伺いします。
 以上、当面する諸課題について質問をいたしましたが、総理並びに自治大臣の率直な御答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣竹下登君登壇〕
○内閣総理大臣(竹下登君) お答えをいたします。
 まず、歴史とか文化とか伝統とか、そういう地域の特性を生かした魅力ある地域づくりが重要である、私もそのとおりであると考えます。そこで、それに関して行財政改革という点からいろいろ、今日まで権限移譲でありますとか、臨調答申等を踏まえて行ってまいりました。問題は、国と地方との機能分担のあり方、こういうところに基本を置きまして、多様な財政需要の増大という問題につきましては地方財源の確保と安定、こういうことを基調として適切に対策を講じてまいる考え方でございます。
 次が、生活関連公共事業費の増額についてでございますが、御承知のように二〇%増、こういう公共事業費。したがって、今後は物価の動向を注視しながら円滑な事業実施を図ることが肝要であって、そうして事業別配分、いわゆる生活環境の問題につきましては、下水道、公園、国民生活の安全確保に関します治山治水、これらに重点的に配慮してまいったことであります。
 次は、継続性、安定性等からして、今日までの経緯を踏まえての御質問でございました。
 前総理の発言は、これはまさに内閣の考え方を国民に明らかにしたものでありまして、重要な意味を持つものであることは十分認識をいたしております。こうした考え方に基づいて売上税法案を提出いたしましたが、御指摘のようにさまざまの批判があり、結果として廃案となりました。こうした経緯全部を踏まえて、国民の理解を得られるような税制の確立という観点に立って、今まさに国会での議論等を踏まえて幅広く各方面の御意見を伺いながら成案を得るべく努力中である、これが素直なお答えであると思うのであります。
 次が、不公平税制の問題でございます。
 そもそもこれだけ税議論が盛んになってまいりましたのは、国民の間にいわゆる税制の不公平感が存在するからでございましょう。したがって、国民の理解と協力を確保するという前提を考えてみますと、まさに不公平感をぬぐい去って、そこで所得、消費、資産等の間で均衡のとれた安定的な税体系を構築する、このことが最も大切なことであると考えております。
 次は、減税問題にもお触れになりました。
 昨年九月の税制改正、これは税制改革協議会の議を経て、そして幹事長・書記長会談等で大筋を決めたものでございます。これは総顕一兆五千四百億円に上る所得減税をそれによって実施をいたしてまいりました。そうして六十三年度に行われます住民税減税を含めますと総額二兆円、いわばこれがいわゆる勤労所得に関するところの理想像ということからいえば、御指摘のそれに近づこうという努力をしながらも十分なものではない、こういうお考えは私にもわかります。しかし、税制というものは、なかんずく減税というものはその財源というものを確保して初めて実施できるものであります。例えば、この財源が公債依存というようなことになれば、今日の受益を子、孫の代にツケ回すということになるわけであります。したがって、まさに現実的な財源確保というものと相まって減税問題が議論されていくことが好ましい姿であると思います。
 さて、土地関連融資でございますが、これはおっしゃいますとおり緊急土地対策要綱等を踏まえて今後ともこの問題については一層厳正に対応してまいる所存であります。宅地大量供給等につき政府も努力をしてまいりました。そして地方公共団体にも開発抑制方針の転換などをお願いしなければならないと思っております。
 そして最後に、宅地並み課税の強化問題に対して御意見がございましたが、これにつきましては、昨年十月閣議決定されました緊急土地対策要綱を踏まえて地方団体を指導したところでありまして、この方針によりこの制度の厳正な運用が図られるものと期待をいたしておるところであります。
 以上でお答えを終わります。(拍手)
    〔国務大臣梶山静六君登壇〕
○国務大臣(梶山静六君) 冬柴議員にお答えを申し上げます。
 私に対する質問は二点でございまして、まず第一に国保制度の見直しについてであります。
 今回の国民健康保険制度の見直しに当たっては、地方公共団体の代表者も参加をいたしております国保問題懇談会の報告等を踏まえるとともに、それに伴う地方財政への影響額については所要の措置を講ずることといたしており、今回の措置が地方財政法第二条等に抵触するものとは考えておりません。
 第二には、地方行財政基盤の充実についてであります。
 議員御指摘のとおり、地方財政は巨額の借入金残高を抱えるなど極めて厳しい状況に置かれており、今後財政の健全化を図っていくためには、国、地方を通ずる行財政の守備範囲の見直し、補助金の問題も含めた行財政運営の効率化等により地方歳出の節減合理化を図るとともに、地方税、地方交付税等の地方一般財源の着実な充実を図っていくことが基本的に何よりも必要でございます。
 以上でお答えを終わります。(拍手)
    ─────────────
○副議長(多賀谷真稔君) 北橋健治君。
    〔北橋健治君登壇〕
○北橋健治君 私は、民社党・民主連合を代表いたしまして、ただいま議題となっております昭和六十三年度地方財政計画、地方税法等の一部を改正する法律案並びに地方交付税法の一部を改正する法律案に対しまして、総理並びに関係大臣に質問を行います。
 地方自治法施行後四十年を経た今日、地方行財政をめぐる環境は一層厳しさを増しております。すなわち、我が国社会を取り巻く国際化、情報化等の波は、人口、産業の東京、大都市圏への異常な集中を生み、それ以外の地域との間に著しい経済、所得格差を生じせしめております。また、鉄鋼や造船業など構造不況業種を抱える地域や輸出産地においては、依然として雇用不安が渦巻き、将来への自力発展の展望を持ち得ないという厳しい状況下にあります。また、今後の本格的な高齢化社会の到来を控え、財政需要の著しい増大が予想されるにもかかわらず、現在公債費負担比率が二〇%を超える団体が全地方団体の三一・四%に及ぶなど、今日地方財政は国以上に深刻な借金財政に苦悩しているのであります。
 このような現状を一日も早く打開し、二十一世紀に向けた国土の均衡ある発展と豊かな地域社会づくりのための基盤を確立することこそ、今日の地方行財政に課せられた最大の課題であります。それはまた「ふるさと創生」を政治の基本理念とされる竹下内閣の使命でもありましょう。
 私は、かかる視点に立って、以下、今日の地方行財政制度の抜本的な改革を訴えるものであります。
 そのためにまず必要なことは、国に偏った権限、財政の思い切った地方移譲を図ることであります。国が行政指導や補助金交付によって地方を指導育成するという姿勢は、かつて地方行財政の基盤が脆弱であった時代の遺物にほかなりません。国が地方に十分な権限と財源を与え、地方がみずからの責任と力でその発展を模索し、地方団体が相互に競い合うようになって初めて地域社会に真の活力が生まれてくるものと私は信じます。
 このため改革すべき第一は、外交や防衛あるいはナショナルミニマムとして統一した処理を必要とする事務など、国として必要な事務以外は原則として地方に移譲することとし、速やかに地方分権推進のための具体的スケジュールを明示するよう求めます。地方分権の推進は、これまで我が会派のみならず臨時行政調査会等においても再三指摘されてきた目標であります。しかし、政府はいつもこれをお題目にとどめ、みずから具体的な実行計画を打ち出さずに今日に至っていることは遺憾であります。今こそ自治体の行政能力を信頼し、一定の金と力を与えない限り、総理の言われる「ふるさと創生」もまたかけ声倒れに終わるのではないでしょうか。総理の御決意を伺います。
 第二に、国の補助金行政をこの際根本的に見直せということであります。
 義務教育国庫負担金など国と地方が共同の責任に基づいて事業を行うものは別として、各省庁から縦割りでばらばらに交付されている補助金は、地方の自主性を妨げているだけでなく、その申請事務や陳情などに膨大な手間と人員を必要とするなど、まさしく税金のむだ遣いの典型であります。また、地方においても国の補助金に頼り切っている地域と、みずからの知恵と創意により活路を開こうとしている地域との格差は歴然としつつあります。かかる現状にかんがみ、少なくとも十年以上経過した奨励的補助金は全廃し、地方一般財源化を図るとともに、公共施設補助金など各省庁がばらばらに交付している類似の補助金については、臨調最終答申が指摘しているように、根本的な総合補助金に改めるべきだと考えますが、総理並びに大蔵、自治両大臣の見解を求めます。
 第三は、総理が大蔵大臣であられた当時の昭和六十年度以来続けられている国の補助率削減措置の今後の取り扱いであります。
 この問題に関しては、さきの本院予算委員会において、自治大臣は暫定措置だから原則として廃止されるべきだと明言しておられるのに対し、大蔵省内部では、残念なことに、六十五年度赤字国債発行ゼロの財政再建目標達成のためには、補助率カットの継続は不可欠だとの声もあるやに聞いております。補助率カットはあくまで暫定措置であることは、国と地方のみならず、国会における政府の約束事であり、その継続は断じて容認できません。この点に関し、総理並びに大蔵大臣の明快なる答弁を求めます。
 第四は、地方団体間の財政力格差の是正に資するよう新たな調整システムの導入を検討してはどうかということであります。
 今後の地方財政の方向として、地方の自主財源の強化が必要でありますが、その際常に問題となるのは、自主財源強化によって拡大する地方団体間の財政力格差を今後いかに是正していくかということであります。地方交付税のみでは、国の財政事情などからおのずから限界があります。したがって、一定の基準に基づき財政力の豊かな地方団体が一定額を拠出し、それを財政力の乏しい団体に交付するという、地方自主財源の中での財政調整システムの導入がどうしても必要になってくるのではないでしょうか。総理並びに自治大臣の御所見を伺いたいと思います。
 次に、地方税改正の問題についてであります。
 税制改革は、今や国政の最重要課題として位置づけられ、論議されております。その過程の中で私が感ずることは、政府内部の税制改革の論議においては、国税と地方税の税源配分の見直しという重要な視点が忘れられ、しかも、国税中心の論議の中で地方税はそれに準じた扱いとされていることなど、政府が地方税制度の見直しに正面から取り組んでいないのではないかということであります。
 地方税制度には、応益課税としての住民税の税率構造のあり方を初め、個人住民税における翌年度課税の問題、外形標準課税導入の問題、資産課税としての固定資産税のあり方、都道府県と市町村との税源配分の見直しなどなど、解決すべき重要課題が山積しております。したがって、私は今後の税制改革においてこれら地方税の問題が真剣に検討され、改革がなされることを期待するものでありますが、特に次の諸点について総理並びに自治大臣の御見解を求めます。
 その第一は、当面の措置として、来年度は特に中高年齢層の負担軽減に配慮し、累進税率構造の緩和や扶養控除等の三控除の引き上げにより約三千億円の個人住民税の減税を行うとともに、将来は個人住民税の税率構造の単一税率化を検討すべきではないかということであります。地方税においては、所得再配分の機能よりも応益課税としての機能がより強く求められております。また、各地方の自主財源の強化を図るとすれば、最も普遍性の高い個人住民税にそれを求めていかねばなりません。さらに、住民税の翌年度課税の現状は、定年退職者や離職者などに著しい負担感を生じせしめております。かかる事情を考慮するとき、個人住民税の税率構造の単一税率化は当然の検討課題と考えますが、いかがでありましょうか。
 第二は、事業税における外形標準課税導入の問題であります。
 個々の住民が重い税負担を負わされているのに対し、企業は赤字であるからといって、ひとしく行政サービスを享受しながら、負担の極めて軽い法人住民税均等割しか納めなくてもよいという現状は、税負担の均衡を欠いております。企業は、黒字であれ赤字であれひとしく公共サービスを受けていることから見れば、そのサービスに応じた負担は当然あってしかるべきであります。外形標準課税の問題は、現在間接税の見直しの中で論議されているようでありますが、間接税とは切り離し、地方税の応益課税としての性格から真剣に論議すべき課題であります。したがって、我が会派は、会計監査人の監査が義務づけられている資本金五億円以上の企業を対象として外形標準課税の導入を検討してはどうかと考えますが、御所見をお伺いします。
 第三は、地方自治体の裁量権の範囲での地方税決定について、これを住民の直接請求の対象とすべきではないかということであります。
 地方の自主財源が幾ら強化されても、それが住民の福祉向上に向かわず、地方公務員の高額な給与や退職金、定員増などにむだに使われたのでは全く意味がありません。このような事態を防止するためには、地方税の使途を住民が厳しくチェックし得る体制が不可欠であり、それこそ住民自治の基本でもあります。この観点から、地方自治法を改正し、地方税の賦課徴収及び分担金等に関する条例の制定、改廃については、住民の直接請求を認める措置を検討すべきだと思いますが、御所見をお伺いします。
 最後に、私は、昨今の円高不況で苦悩する地方の実情の一端を申し上げ、政府に特段の配慮を求めるものであります。
 急激かつ異常な水準の円高を乗り切るため、今、産業界は生き残りをかけた合理化に労使を挙げて取り組み、まさに血のにじむようなコスト削減に努力しております。この間、輸出関連企業の立地する地方都市は深刻な雇用不安に見舞われ、とりわけ関連中小企業の受けている打撃は、まことに甚大であります。昨年来の内需喚起策で東京、大都市圏を中心に景気回復の兆しがややあるとはいえ、地方における雇用情勢は今後さらに厳しさを増すことが憂慮されているのが実態であります。しかるに、今、政府内部では、昨今景気は回復しつつあるとの楽観的な見通しのもとに、例えば公共投資の前倒し計画を再検討するなど内需拡大の手綱を緩める姿勢に傾斜しつつあることは、まことに遺憾であります。
 政府は、円高不況に苦しむ地方団体の実情を直視し、その救済を図るため、公共投資の一層の重点配分並びに大幅な前倒し執行を図るとともに、緊急雇用安定地域の指定の継続、拡大を急ぐなど、不況打開に向けてあらゆる施策の機動的実施に万全を期すよう強く要望いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣竹下登君登壇〕
○内閣総理大臣(竹下登君) まず、「ふるさと創生」とは、住民に身近な事務は住民に身近な地方公共団体において処理できるような、そういう国と地方間の役割分担というものが基礎にあるべきだ、考え方は私も同感であります。したがいまして、これから多極分散型国土の形成等、これを考えてみますと、ますます役割分担についての検討が必要になってまいります。政府は、従来とも臨調答申を踏まえて、行革大綱に沿って機関委任事務の整理合理化、これらを進めてきておりますが、今後は一層四全総や臨調答申を踏まえて対応していくべきである、このように考えております。
 補助金行政の見直し、この問題につきましては、貴党で種々今までも御議論をいただいております。終期の設定、類似目的の補助金等の統合メニュー化、これらを行ってまいりましたが、今後とも積極的に推進してまいります。
 それから、補助率カットの継続、御指摘のように、私が大蔵大臣時代、ずっとこれを引き続いてやってきたことは事実であります。したがって、それぞれ毎年毎年議論してまいりました補助負担率の見直しの経緯、そうして、これまでとった措置の性格、これらを踏まえまして、国、地方の役割分担、財源配分のあり方、こうしたことを勘案して対応していくべきであると考えております。
 それから、地方団体間の財政調整問題でございますが、この地方団体間の財政力格差の調整はだれしも必要と認めております。財政力の強い団体の財源の一部を財政力の弱い団体に交付する調整システム、こうなりますと、地方団体の財政運営の自主性、自立性の幅を狭めますほかに、徴税努力、特に税源培養の意欲を低下さしていくという問題点もあろう、このように考えております。
 それから、昨年九月の税制改正、これが六十三年度にはまさに五千億円規模の個人住民税減税を実施することになるわけです。御説のとおり、応能主義的な税から応益主義的な税としてのお考え方、それは私にも理解ができるところであります。したがって、抜本的税制改革の一環として、今のような御意見を拝聴しながら、成案を得るべく努力すべきものである、このように考えます。
 以上でお答えを終わります。(拍手)
    〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕
○国務大臣(宮澤喜一君) 補助金の問題について御指摘がございましたが、補助金の整理合理化は、行財政改革推進のためにもぜひ必要なことでございます。例えば種類によりましては、その補助金に終期を設定するといったようなことも今後とも進めてまいりたいと考えております。
 なおまた、地方公共団体の自主性の発揮あるいは財政資金の効率的な使用といったような意味で、類似目的の補助金はなるべく統合して、いわばメニュー化しようということも政府としても従来行ってまいったところでございますが、今後ともいろいろ工夫をいたしまして、御指摘の趣旨を踏まえまして、補助金の整理合理化を図ってまいりたいと思います。
 それから、昭和六十一年度及び六十二年度に行いました地方に対する補助率の引き下げにつきましては、六十三年度をもって特例期間が終わるわけでございますが、先ほどもお答え申し上げましたが、この据置期間後にできるだけ早急に検討を開始いたしまして、今後の情勢の推移あるいは国、地方の役割分担、財源配分等々、各要素を勘案いたしながら、関係省庁とできるだけ早く協議をいたしたいと考えております。(拍手)
    〔国務大臣梶山静六君登壇〕
○国務大臣(梶山静六君) 北橋議員にお答えを申し上げます。
 まず、補助金の整理合理化の問題でございますけれども、総理並びに大蔵大臣から御答弁がありましたが、地方一般財源化及び総合補助金化についての御提言の趣旨については基本的に賛成であり、事業の実績、効果等を随時検討し、補助金の整理合理化、総合補助金化等に努めるべきものと考えております。
 次に、地方団体間の財政調整、いわゆる逆交付税の構想でございますけれども、ただいま総理から御答弁があったことですべてでございます。
 次に、税制改革についての幾つかの御提言でございますが、まず、個人住民税の単一税率化の問題でございますが、個人住民税の単一税率化は、負担能力に応じた負担を求める観点からすれば、問題があると思われます。そして、税率構造のあり方については、税制調査会の審議を踏まえて適切に対処してまいる所存でございます。
 次に、事業税の外形標準課税の導入問題でございますが、これは先ほどもお答えしたとおり、事業税の外形標準課税の導入問題は、事業税の性格の明確化とその税収の安定的確保とを図る見地からは、導入することが望ましいという考えがある一方、企業関係税、間接税等税制全般とも関連する問題であることから、慎重に検討すべきものという意見もあり、税制調査会において検討されているところであります。この問題については、今後における税制改正の検討課題の一つとして、引き続き検討を進めてまいる必要があると考えているところであります。
 次に、地方税等に関する条例改廃請求についてであります。
 昭和二十三年の地方自治法の一部改正の際、その当時、減税を内容とする条例制定の直接請求が頻発し、地方公共団体の財政的基礎を危うくするおそれがあると見られたことから、地方税の賦課徴収等については直接請求の対象から除外をされたことは御高承のとおりであります。そのような経緯にもかんがみ、条例の制定改廃請求において地方税の賦課徴収等を対象として認めることについては、慎重に検討すべきものと思料されます。
 以上です。(拍手)
    ─────────────
○副議長(多賀谷真稔君) 経塚幸夫君。
    〔経塚幸夫君登壇〕
○経塚幸夫君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、昭和六十三年度地方交付税法改正案等に関連をしまして、総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 まず最初に、参議院大阪選挙区補欠選挙の結果に関連をして総理にお尋ねをいたします。
 選挙の結果の最大の特徴は、自民党公認候補が、直間比率の見直し、間接税は広く浅く課税すべきという新大型間接税導入を公約として掲げて敗れたことであります。(拍手)これは、大阪府民がいかなる形の新大型間接税導入にも絶対に反対であるという意思を明確に示したものであります。同時に、我が党を排除し、密室協議で事を進めようとする税制協議会などの政治手法にも、ノーの審判を下したものであります。
 総理、これは大阪府民だけではなく、国民の声であります。総理は、この結果をどう受けとめておられるのか。政府・与党首脳は、税制が敗因ではないなどと言っておられますが、これは真実を覆わんとするものであります。国民の声に耳を傾けるというのであれば、密室協議の舞台となる税制協は直ちに解散、直間比率の見直し、すなわち新大型間接税の導入を断念すべきでありますが、明確な答弁を求めるものであります。もし、あえて強行するなら、国会を解散して国民に信を問うべきだと思いますが、総理の改めての答弁を求めるものであります。(拍手)
 次に、今、地方自治体の多くは、住民の利益に奉仕する自治体として、その役割を果たせるかどうか、重大な岐路に立たされておるのであります。それは、政府が「戦後政治の総決算」と称して国庫負担金、補助金の削減、住民サービスを切り捨てる地方行革大綱の一方的押しつけなど地方自治に介入、民主的諸制度の改悪を強行してきたからであります。総理は、一月の日米首脳会談ではレーガン大統領が満足を表明するほどの軍拡努力を約束してきたのでありますが、この道が住民に負担と危険を押しつけ、地方自治をも否定、自治体を安保、日米軍事同盟優先の国家体制の下請機関に変質させるものであることは、中曽根政治の五年間で余りにも明らかではありませんか。
 憲法では、国民主権とともに地方自治の本旨が明文化されております。憲法を尊重し擁護する義務を負う政府は、当然、住民本位の地方自治発展に資することを国策の基本にすべきであると考えますが、総理の基本姿勢を問うものであります。
 さて、当面する幾つかの問題についてお伺いをいたします。
 第一は、地方財政対策の問題でありますが、今日地方財政を危機に陥れた最大の原因は、財政保障の責任を果たしてこなかった政府にあることは明白であります。地方財政は六十三年度も一兆円を超す財源不足が見込まれており、交付税率の引き上げあるいは財政制度の改正を行わなければならないと交付税法にも定められておりますが、なぜ行わないのか。さらに、財源不足の原因が国庫負担金、補助金カットにある以上、六十三年度に補助負担率をもとに戻さない限り、これまた違法になることは政府答弁でも明らかではありませんか。補助金カットをもとに戻すのか、それとも違法行為を続けるのか、総理並びに自治大臣のはっきりした答弁を求めるものであります。(拍手)
 第二は、国庫補助負担金カットの問題であります。
 生活保護、保育所、障害者、老人ホームなどの福祉事業を初めとする国庫負担金、補助金の削減額は、この四年間で地方財政計画上の実額だけでも実に四兆九千七百億円にも上っているのであります。特に重大なことは、憲法二十五条で保障された国民の生存権を侵害する事態が相次いでいることであります。老人ホームを例に挙げるならば、厚生省資料によっても、国庫負担は四年間で七五・三%から四四・四%へと実に三一%も引き下げられております。このため、地方の負担は二・四倍、お年寄りの費用負担も十万八千八百円から二十三万六百円と二・一倍、七年前と比べれば何と四・五倍にも達しているのであります。国庫負担金の削減について中曽根前総理は、国民に影響がないなどと答弁を続けてまいりました。しかし今、わずかな年金を頼りに日々を過ごしている老人ホームのお年寄りから、こんなに入所費を値上げされたのでは、老後の生きがいどころか葬式代も残せないとの声が上がっておるではありませんか。
 また、総理は所信表明で「物の豊かさだけでなく心の豊かさを重視する」とも強調されましたが、老後に肩身の狭い思いをさせておいて何が「心の豊かさ」と言えるでありましょうか。国民の生存権と地方自治の本旨を定めた憲法、並びに国は地方公共団体に負担を転嫁する施策を行ってはならないと規定する地方財政法にも反する国庫負担金、補助金の削減は直ちにやめるべきであります。あわせて総理の明快な答弁を求めるものであります。
 総理はまた、大蔵大臣当時、この国庫負担金削減について一年限りの約束をほごにしたばかりか、三年間と延長したのであります。その理由について、税制改正との平仄も大体合ってくるなということで三年とさせていただいた、また、現在の制度、施策のもとにおいてはそのまま続いていくんだろうな、こうも答えておるのであります。これは、秋にも新大型間接税の導入を強行しようとする総理の意図と一致することはもとより、国庫負担金をもとに戻すなら新大型間接税の導入を認めよと、国庫負担金問題を大増税の人質にしようとするものではありませんか。そうでないというなら、新大型間接税も導入せず、補助金カットももとに戻すと言明をすべきであります。総理の答弁を求めるものであります。
 第三は、国民健康保険制度の問題であります。
 今回の改悪案は、単に地方への負担転嫁にとどまらず、国保料の大幅引き上げとともに医療を受ける権利そのものを奪おうとするものであり、断じて容認できないものであります。国民健康保険法はもとより、地方財政法においても国の責任が第一義的に明文化されております。ところが、政府はこの責務を果たさないばかりか、国庫負担率は六十一年度決算では四四・五%と、五十六年度の五八%から一三・五%も引き下げられ、その額は実に七千億円と保険料を二八%も引き下げられる額に相当しておるのであります。地方財政の危機打開のためにも、国民皆保険制度と国民の医療を受ける権利を守るためにも、新たな負担増を押しつける国保改正案は撤回、国庫負担率をもとに戻すべきでありますが、総理の答弁を求めるものであります。(拍手)
 第四に、国有地の払い下げの問題であります。
 異常な地価高騰で地方自治体の公共事業費も土地代に食われ、抜本的な地価対策とあわせて国有地を自治体の公共事業にどう役立てていくか、政府の責任が問われておる問題であります。生徒数千七百人と大阪府下で二番目と言われております過大校を抱える東大阪市では、公務員宿舎跡地に分離校を建設する計画を立てたのであります。ところが、政府は時価でなければ払い下げに応じないと言い、市は、時価なら坪百万、通常校の約四倍、これでは応じられないと今暗礁に乗り上げておるのであります。
 政府は、地方団体の考え方は最大限尊重と答弁をされましたが、言っていることとやっておることとが全く違うではありませんか。政府は、国の財政も大変ということを理由としておりますが、貧しくとも子供の教育と未来のためには身を割いても尽くすのが世の親の常ではありませんか。この際、国公有地の払い下げに当たっては減額特例を適用して価格を抑えるとともに、公共目的と地方公共団体をあくまで優先をさせ、そのための法的措置も講ずるべきであると考えますが、総理並びに大蔵大臣の答弁を求めます。
 土地の値上がりは固定資産税の増税となり、東京では家賃を一挙に六倍に上げると通告をされたなど、住民の悲痛な訴えが相次いでおります。評価がえは凍結をし、生存権的財産である勤労市民の土地家屋については一定の範囲で非課税とし、すべての納税者に受益の及ぶ基礎控除方式をとり、また、相続税についても直ちに減税を行うべきであると考えますが、自治、大蔵両大臣の答弁を求めるものであります。
 特に、負担が増大をしている所得税、住民税の課税最低限につきましては、二百一万五千円であった昭和五十二年当時と比べてみましても、物価は五割以上も上がっており、生計費非課税の原則を守るというなら三百万円以上にするのが当然ではございませんか。課税最低限の引き上げはもとより、所得税、住民税の大幅減税を実施すべきであると考えますが、大蔵、自治両大臣の答弁を求めるものであります。(拍手)
 最後に、日本共産党・革新共同は、軍事費を削減し、福祉、教育優先で八兆円の真の内需拡大と地方財政再建をと予算の組み替えを要求したのであります。この道こそ、国民の暮らしと地方自治はもとより、核兵器廃絶、軍縮への歴史的転換に貢献をする最も確かな保障であることを申し添えまして、質問を終わります。(拍手)
    〔内閣総理大臣竹下登君登壇〕
○内閣総理大臣(竹下登君) まず最初に、大阪参議院補欠選挙の結果についての問題でございます。
 自民党公認候補の敗北は残念であります。しかし、選挙というものは、敗北ならば敗北の事実は謙虚に受けとめ、今後国民の支持と理解を得るための努力をさらにしなければならないという新しい起点に立つのが政党のあるべき姿であると考えます。したがって、直間比率の見直し、また国会でお決めになった税制協議会の否定、そうした考え方は全く私のとらざるところであります。
 次に、地方自治の問題については、安保、軍事同盟の下請機関的な考え方などという御指摘がありましたが、そういう考えはありません。民主政治の基盤であり、内政のかなめが地方自治である、このように考えております。
 次に、補助金問題をめぐっての御意見でございました。再三お答えしておりますように、今日までの経緯、これまでの措置の性格等を踏まえてこれから検討してまいります。
 さらに、国保制度の改正につきましては、これは国と地方とが協力して取り組むという基本姿勢に基づくものでありまして、撤回する考えはありません。
 次に、国公有地の減額特例の適用等の問題でありますが、法律の規定の範囲内で極力学校等の公共的用途への処分には今日も当たってきております。
 以上でお答えを終わります。(拍手)
    〔国務大臣梶山静六君登壇〕
○国務大臣(梶山静六君) 私に対する質問は、地方財源不足と交付税率を引き上げればどうかという問題でございますが、ただいま総理が答弁されましたように、最近の地方財政収支については、例えば昭和六十三年度においては通常収支は均衡しており、財源不足額のほとんどは六十三年度までの暫定措置とされている国庫補助負担率の引き下げ措置によるものであること等を勘案しますと、六十四年度以降普通交付税の総額が引き続き著しく不足し、地方交付税法第六条の三第二項に該当するものとは必ずしも言えないので、現時点では、恒久的な地方行財政制度の改正や交付税率の引き上げ等を行うべき事態にあるとは言いがたいものというふうに思料いたしております。
 次に、固定資産税の評価がえの凍結、基礎控除方式の導入についてでございますけれども、固定資産税については、三年に一度、資産価値の変動を勘案した評価額の見直しをすることにより、その評価の均衡と負担の公平が図られるものであり、昭和六十三年度において評価額の見直しを行わないとすることは、評価の不均衡と負担の不公平を生ずることになり、適当ではないと考えているところであります。基礎控除の制度を導入することについては、資産価値に応じて課税される固定資産税にあってはなじみがたいものであると考えております。
 次に、個人住民税の大幅減税の問題でございますが、昨年九月の税制改正で、昭和六十三年度においては五千億円規模の個人住民税の減税を実施するといたしております。個人住民税減税については、税制調査会での審議の状況を踏まえつつ、抜本的税制改正の一環として、各方面の御意見を拝聴しながら検討を進めてまいる所存であります。
 以上です。(拍手)
    〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕
○国務大臣(宮澤喜一君) 相続税と所得税のことについてお尋ねがございましたが、相続税は昭和五十年に改めただけでございますので改正をいたしたいと思っておりますが、これは抜本改正の一環としてお願いをいたしたいと思っております。所得税は六十二年度に一兆五千四百億円の減税になるわけでございますが、その住民税分は六十三年度でございますので、合わせますと二兆円を超えることになります。その次の段階につきましては、やはり抜本改正の一環として検討いたしたいと思っております。
 それから、国有財産の払い下げは財政法の規定によらなければなりませんが、地方公共団体等に対しまして学校あるいは公営住宅等一定の公共の用に供します場合には、国有財産特別措置法の規定を活用することができます。それによりまして減額譲渡ができますので、今後ともそういうことで優遇措置をとることにいたしたいと思います。
○副議長(多賀谷真稔君) これにて質疑は終了いたしました。
     ────◇─────
○副議長(多賀谷真稔君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後三時十八分散会