第112回国会 本会議 第18号
昭和六十三年四月二十二日(金曜日)
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 議事日程 第十六号
  昭和六十三年四月二十二日
    正午開議
 第 一 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第 二 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第 三 特定弔慰金等の支給の実施に関する法律案(内閣提出)
 第 四 港湾労働法案(内閣提出)
 第 五 児童扶養手当法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第 六 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第 七 戦傷病者戦没者遺族等援護法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第 八 公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第 九 農用地開発公団法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第 十 訪問販売等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第十一 大都市地域における優良宅地開発の促進に関する緊急措置法案(内閣提出)
 第十二 国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
 日程第一 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 特定弔慰金等の支給の実施に関する法律案(内閣提出)
 日程第四 港湾労働法案(内閣提出)
 日程第五 児童扶養手当法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第六 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第七 戦傷病者戦没者遺族等援護法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第八 公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第九 農用地開発公団法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第十 訪問販売等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第十一 大都市地域における優良宅地開発の促進に関する緊急措置法案(内閣提出)
 原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の趣旨説明及び質疑
    午後零時五分開議
○議長(原健三郎君) これより会議を開きます。
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 日程第一 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(原健三郎君) 日程第一、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。科学技術委員長大坪健一郎君。
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 核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔大坪健一郎君登壇〕
○大坪健一郎君 ただいま議題となりました核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、科学技術委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、核物質の防護に関する条約の実施に伴い、我が国における核燃料物質の防護について万全を期するため、特定核燃料物質を取り扱う事業者等に対して防護のための措置を義務づける等所要の措置を講ずるとともに、同条約の実施のための所要の改正を行おうとするものであります。
 その主な内容は、
 まず第一に、核物質を取り扱う原子力事業者に対し、核物質の防護のための区域の設定を初めとする核物質防護のために必要な措置を講ずる際の基準を明確にするとともに、各事業者の行う原子力活動の態様を踏まえ実効あるものとする必要から、事業者は核物質防護規定を定め、核物質の取り扱いを開始する前に、認可を受けなければならないものとすることとしております。
 また、各事業者に対し、核物質に関する業務を統一的に管理する者として、核物質防護管理者の選任を義務づける等の規制を行うこととしております。
 第二に、核物質の輸送を行う者に対し、核物質の防護措置の義務づけを明確化するとともに、原子力事業者に対しては、輸送に先立って、輸送の全行程における核物質の防護に関する責任体制の明確化を行い、内閣総理大臣の確認を受けなければならないものとする等所要の規定の整備を行うこととしております。
 第三に、核物質の防護に関する条約が処罰を求めている核物質を用いた犯罪に関し、所要の罰則の整備を図ることといたしております。
 本案は、去る三月十一日に提出され、同日本委員会に付託されました。
 委員会におきましては、同月二十二日伊藤国務大臣から提案理由の説明を聴取し、四月十二日から質疑に入りましたが、この間茨城県東海村に核防護の実情を視察し、また、参考人からの意見聴取を行う等慎重に審査を行い、同月十九日質疑を終了し、討論、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議を付したことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(原健三郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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 日程第二 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 特定弔慰金等の支給の実施に関する法律案(内閣提出)
○議長(原健三郎君) 日程第二、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、日程第三、特定弔慰金等の支給の実施に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。内閣委員会理事宮下創平君。
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 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
 特定弔慰金等の支給の実施に関する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔宮下創平君登壇〕
○宮下創平君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案の内容は、在外公館に勤務する外務公務員に支給する子女教育手当に加算される額の限度を、定額の「百分の二百」から「百分の二百五十」に改めようとするものであります。
 本案は、二月二日本委員会に付託され、四月十四日宇野外務大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑に入りましたが、質疑におきましては、外交実施体制、特に在外公館の整備強化、海外子女教育の充実、在日留学生に対する助成策、アフガニスタンの和平問題等、広範多岐にわたる質疑応答が行われました。その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 かくて、去る十九日質疑終了後、近岡理一郎君から施行期日に関する修正案が提出され、趣旨説明を聴取した後、採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって修正案のとおり修正議決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 次に、特定弔慰金等の支給の実施に関する法律案について申し上げます。
 本案は、人道的精神に基づき第百九回国会において本委員会提出法律案として決定し成立した、台湾住民である戦没者の遺族等に対する弔慰金等に関する法律の実施について必要な規定を定めようとするものであります。
 すなわち、台湾住民である日本の旧軍人もしくは旧軍属であった戦没者等の遺族及び戦傷病者で著しく重度の障害にある者に対し、昭和六十三年度から記名国債により一人当たり二百万円の弔慰金または見舞い金を支給することとし、その支給実施のための事務を日本赤十字社に委任すること等の規定を設けようとするものであります。
 本案は、二月十二日本委員会に付託され、四月二十一日小渕内閣官房長官から提案理由の説明を聴取し、質疑を行った後、直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(原健三郎君) 両案を一括して採決いたします。
 日程第二の委員長の報告は修正、第三の委員長の報告は可決であります。両案は委員長報告のとおり決するに御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり決しました。
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 日程第四 港湾労働法案(内閣提出)
 日程第五 児童扶養手当法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第六 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第七 戦傷病者戦没者遺族等援護法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(原健三郎君) 日程第四、港湾労働法案、日程第五、児童扶養手当法等の一部を改正する法律案、日程第六、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案、日程第七、戦傷病者戦没者遺族等援護法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案、右四案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。社会労働委員長稲垣実男君。
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 港湾労働法案及び同報告書
 児童扶養手当法等の一部を改正する法律案及び同報告書
 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
 戦傷病者戦没者遺族等援護法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔稲垣実男君登壇〕
○稲垣実男君 ただいま議題となりました四法案について、社会労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、港湾労働法案について申し上げます。
 本案は、港湾運送に必要な労働力の確保に資するとともに、港湾労働者の雇用の安定その他福祉の増進を図るため、港湾労働者の雇用の改善、能力の開発及び向上等に関する措置を講じようとするもので、その主な内容は、
 第一に、労働大臣は、港湾ごとに港湾雇用安定等計画を策定すること、
 第二に、港湾労働者の雇用の改善等について、事業主、国等関係者の責務に関する規定を設けるとともに、事業主は、雇用管理者を選任しなければならないこと、
 第三に、公共職業安定所長は、港湾労働者の雇用管理の改善を図る必要があると認められる事業主に対し、勧告を行うことができることとし、当該勧告を受けた事業主は、雇用管理に関する計画を作成すること、
 第四に、事業主が港湾運送の業務に従事させるために日雇い労働者を雇い入れるときは、原則として公共職業安定所の紹介によらなければならないこととするほか、港湾労働者の雇用に関する届け出等所要の措置を講ずること、
 第五に、港湾労働者の雇用の安定等を図ることを目的として設立された公益法人を港湾労働者雇用安定センターとして指定することとし、これが港湾労働者の雇用管理に関する相談援助及び訓練等の業務を行うとともに、企業外に確保する労働者を常用労働者として雇用し、労働者派遣を行う体制を整備すること、
 第六に、現行の港湾労働法は廃止すること
等であります。
 本案は、去る四月十四日付託となり、同日中村労働大臣から提案理由の説明を聴取し、同月十九日の委員会において質疑を終了いたしましたところ、労働者派遣に係る事業主の努力義務及び法施行後の見直し等について、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合より四党共同の修正案が提出され、採決の結果、本案は修正案のとおり修正議決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 次に、児童扶養手当法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、母子家庭、心身障害者及び老人等の福祉の向上を図るため、児童扶養手当の額を児童一人の場合月額三万三千九百円から三万四千円に引き上げるほか、特別児童扶養手当、障害児福祉手当、特別障害者手当及び老齢福祉年金等の額の引き上げ並びに拠出制国民年金、厚生年金保険について、昭和六十三年度において特例として年金額の改定を行うとともに年金福祉事業団の住宅融資制度の拡充等を行おうとするものであります。
 本案は、去る三月二十三日付託となり、四月十四日藤本厚生大臣から提案理由の説明を聴取し、同月二十一日の委員会において質疑を終了いたしましたところ、自由民主党より、施行期日についての修正案が提出され、採決の結果、本案は修正案のとおり全会一致をもって修正議決すべきものと決した次第であります。
 次に、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、原子爆弾被爆者の福祉の向上を図るため、医療特別手当の額を月額十一万千六百円から十一万二千円に引き上げるとともに、特別手当、原子爆弾小頭症手当、健康管理手当及び保健手当の額をそれぞれ引き上げようとするものであります。
 本案は、去る三月二十三日付託となり、四月十四日藤本厚生大臣から提案理由の説明を聴取し、同月二十一日の委員会において質疑を終了いたしましたところ、自由民主党より施行期日についての修正案が、また、日本共産党・革新共同より被爆者年金の支給等を内容とする修正案が提出され、採決の結果、日本共産党・革新共同提出の修正案は否決され、本案は自由民主党提出の修正案のとおり全会一致をもって修正議決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 最後に、戦傷病者戦没者遺族等援護法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、戦傷病者戦没者遺族等の処遇の改善を図るため、障害年金、遺族年金等の額を恩給法の改正に準じてそれぞれ引き上げるとともに、戦没者の父母等に対し、改めて特別給付金として額面七十五万円、五年償還の無利子の国債を支給しようとするものであります。
 本案は、去る三月二十三日付託となり、四月十四日藤本厚生大臣から提案理由の説明を聴取し、同月二十一日の委員会において質疑を終了いたしましたところ、自由民主党より、施行期日についての修正案が提出され、採決の結果、本案は修正案のとおり全会一致をもって修正議決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(原健三郎君) これより採決に入ります。
 まず、日程第四につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
 次に、日程第五ないし第七の三案を一括して採決いたします。
 三案の委員長の報告はいずれも修正であります。三案は委員長報告のとおり決するに御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
○議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、三案とも委員長報告のとおり決しました。
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 日程第八 公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(原健三郎君) 日程第八、公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。地方行政委員長松本十郎君。
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 公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔松本十郎君登壇〕
○松本十郎君 ただいま議題となりました公有地の拡大の推進に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、最近の地方公共団体等における土地需要に即応し、地域の秩序ある整備を推進するため、土地開発公社の業務範囲を拡大する等所要の措置を講じようとするものであります。
 本案は、去る三月八日当委員会に付託され、四月十二日梶山自治大臣から提案理由の説明を聴取、十九日質疑に入り、本改正のねらい、追加業務の対象を都道府県等の土地開発公社に限定することの妥当性、長期保有土地の活用策、代替地としての農地取得についての農地法上の制限の緩和等について質疑応答が行われましたが、討論、採決の結果、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(原健三郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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 日程第九 農用地開発公団法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(原健三郎君) 日程第九、農用地開発公団法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。農林水産委員長菊池福治郎君。
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 農用地開発公団法の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
    〔菊池福治郎君登壇〕
○菊池福治郎君 ただいま議題となりました農用地開発公団法の一部を改正する法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、最近における農業及びこれをめぐる諸情勢の推移にかんがみ、農業の生産性の向上と農業構造の改善の促進に資するよう、農用地開発公団を農用地整備公団に改称し、現行の農畜産物の濃密生産団地の建設の業務にかえ、農用地の整備及び保全の業務を行うことができる制度を創設する等のほか、公団が、当分の間、日本電信電話株式会社の株式の売り払い収入を原資とする収益回収型の無利子貸付制度を活用して、土地改良施設の整備及びこれに要する資金の貸し付けの業務を行うことができるようにしようとするものであります。
 委員会におきましては、四月十三日佐藤農林水産大臣から提案理由の説明を聴取し、四月十九日質疑を行いました。同日質疑を終局し、日本共産党・革新共同から反対討論が行われた後、採決いたしました結果、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(原健三郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ────◇─────
 日程第十 訪問販売等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(原健三郎君) 日程第十、訪問販売等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。商工委員長渡辺秀央君。
    ─────────────
 訪問販売等に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
    〔渡辺秀央君登壇〕
○渡辺秀央君 ただいま議題となりました訪問販売等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、商工委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、訪問販売等の現状にかんがみ、これらの取引の公正及び購入者等の利益の保護をさらに図ろうとするものであります。
 その主な内容は、
 第一に、訪問販売、通信販売及び連鎖販売取引に係る規制対象に役務の提供等を追加するとともに、営業所等において行われる取引であっても、営業所等以外の場所において呼びとめて営業所等に同行させて行うもの等については、訪問販売として規制の対象とすること、
 さらに、連鎖販売取引については、いわゆるマルチまがい商法を規制するため、その定義に、物品の販売事業で受託販売または販売のあっせんをする者と取引をするもの等を追加すること、
 第二に、訪問販売におけるクーリングオフ制度を拡充し、契約書面等による本制度についての告知を義務づけるとともに、本制度を現金一括取引にも適用すること、
 第三に、訪問販売業者等の禁止行為を定めるとともに、これらの者が本法の規定に違反した場合における主務大臣の指示、業務停止命令等について定めること、
 第四に、販売業者が売買契約に基づかないで商品を一方的に送付する商法により送付された商品について、販売業者がその返還を請求することができないこととなる期間を短縮すること
等であります。
 本案は、四月十二日当委員会に付託され、同日田村通商産業大臣から提案理由の説明を聴取し、参考人から意見を聴取する等慎重な審査を重ね、四月二十日質疑を終了いたしましたところ、日本共産党・革新共同より商品等の指定制度の撤廃等の修正案が、また、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合の四派共同によりクーリングオフ期間を延長する修正案がそれぞれ提出され、採決の結果、日本共産党・革新共同の修正案は否決され、本案は全会一致をもって四派共同提案の修正案のとおり修正議決すべきものと議決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(原健三郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ────◇─────
 日程第十一 大都市地域における優良宅地開発の促進に関する緊急措置法案(内閣提出)
○議長(原健三郎君) 日程第十一、大都市地域における優良宅地開発の促進に関する緊急措置法案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。建設委員長中村喜四郎君。
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 大都市地域における優良宅地開発の促進に関する緊急措置法案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
    〔中村喜四郎君登壇〕
○中村喜四郎君 ただいま議題となりました大都市地域における優良宅地開発の促進に関する緊急措置法案につきまして、建設委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、大都市地域において著しい住宅地需要が存していることにかんがみ、優良な宅地開発を緊急に促進することにより、良質な住宅地の円滑な供給を図るため、三大都市圏の既成市街地、近郊整備地帯等の区域における一定の宅地開発事業について、建設大臣による優良認定制度を創設するとともに、課税の特例、関連公共施設の整備の促進、必要な資金の確保等の措置を講じようとするものであります。
 本案は、去る三月十五日本委員会に付託され、四月十五日越智建設大臣から提案理由の説明を聴取し、四月二十日質疑を終了、討論、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対しては、大都市地域における住宅宅地対策を積極的かつ強力に促進すること等四項目の附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(原健三郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立]
○議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ────◇─────
○自見庄三郎君 日程第十二は延期されることを望みます。
○議長(原健三郎君) 自見庄三郎君の動議に御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決しました。
     ────◇─────
 原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の趣旨説明
○議長(原健三郎君) 原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件につき、趣旨の説明を求めます。外務大臣宇野宗佑君。
    〔国務大臣宇野宗佑君登壇〕
○国務大臣(宇野宗佑君) 昨年十一月四日に東京において署名いたしました原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、趣旨の御説明を申し上げます。
 日米両国間には、昭和四十三年に締結されました現行の原子力協定がございますが、我が国は、米国より供給を受けている核燃料の再処理を行うに当たって必要とされる米国の同意を円滑に取得することに多大の関心を有しておりました。他方、米国においては、昭和五十三年に核不拡散法が成立いたしました。このような事情のもとに、政府は、昭和五十七年以来、現行の日米原子力協定を改定するために米国政府との間で交渉を行った結果、昭和六十二年十一月四日に東京において、我が方倉成外務大臣と先方マンスフィールド駐日大使との間でこの協定に署名を行うに至った次第であります。
 この協定は、専門家及び情報の交換、核物質等の供給並びに役務の提供等についての両政府間の協力について規定するとともに、協力が平和的利用に限定されることを確保するため国際原子力機関の保障措置が適用されること、核物質の適切な防護の措置が維持されること、核物質を利用した活動などを両政府間の同意に係らしめることなどについて規定しているものであります。また、このような同意については、この協定の実施取極において一定の条件のもとにあるものについては一括して与えることが定められております。
 この協定の締結は、日米間の原子力協力のために新しい枠組みを提供し、我が国にとり必要不可欠な長期的に安定した米国との協力を確保するためのものであり、今後の我が国の原子力の平和的利用の一層の促進及び核拡散防止への我が国の貢献に資するものと考えております。
 右を御勘案の上、この協定の締結につき御承認を得られますよう格別の御配慮を得たい次第でございます。
 以上が、原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の趣旨であります。(拍手)
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 原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の趣旨説明に対する質疑
○議長(原健三郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。河上民雄君。
    〔河上民雄君登壇〕
○河上民雄君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま趣旨説明のございました日米原子力協定について、総理大臣並びに関係大臣に質問いたします。
 第一に指摘すべきことは、この日米原子力協定に対するアメリカ議会における審議に見られる根強い反対であります。
 アメリカ議会では、さきに本協定に対する不承認の決議案が出され、同決議案は少差で否決されたものの、九十日後のいわば自然成立の期限はまだ来ていないのであります。もしこの間にアメリカ議会で新しい意思表示がなされた場合は、再交渉という事態もあり得るわけであります。何ゆえにそのような不安定な段階で政府は本協定を本院に急いで提出したのか。また、アメリカ国内における本協定反対の声を、そして、アメリカ議会において本協定の審議が紛糾した経緯を政府はどのように受けとめておられるのか伺いたいのでございます。
 第二に、日米原子力新協定では、包括同意に基づくプルトニウムなど核物質の移送はすべて空輸に限定されるよう定められておりますが、空輸に伴う危険、また、その危険に対する住民の不安を政府はどのように考えているのか。
 米国核管理研究所がレーガン大統領に提出した報告書によりますと、一個六・八一キログラムのプルトニウムを入れた容器四十個をボーイング747に積載し、少なくとも年間四十回日本に空輸される予定と言われております。これがもし事実とすれば、年間を通してほぼ毎週一回空輸されることになるのであります。万一、その輸送機が墜落した場合、それは決して絶無とは言えないのでありますが、もし墜落事故でも起きたら、それによる放射能汚染の影響ははかり知れず、それこそチェルノブイリ原発事故の比ではない大惨事が全世界を襲う危険性が極めて高く、この空輸には大きな危険が伴っていることを指摘しなければなりません。移送中の核物質の安全はどのようにして確保できるのか、政府の説明を求めます。
 アメリカ議会では、上空を通過すると見られていたアラスカ州の住民と知事並びに選出議員の強い反対から、アラスカ州の上空を飛ぶ案を撤回し、空輸のルートを海上のみに限定する苦心の策を提示することによってのみ、ようやく不承認案を否決に持ち込んだのであります。それでは、我が国の場合、空輸による移送のルートはどうなるのか、その到着点はどこになるのか、何としても我々は知らなくてはなりません。日本の空港は、諸条件から見て青森県の三沢空港しか考えられないのであります。青森県の下北半島の六ケ所村では、現在、日本の核燃料サイクル三施設の計画が進められております。もし、この空輸計画と六ケ所村施設建設計画が結合する場合の付近の住民の不安は、まことに深刻であります。そのほか米軍基地も存在する青森県に、本協定に対する強い不安と反対運動が起こっているのは当然と言わなくてはなりません。もちろん、政府は、条約は締結されただけでまだ何一つ具体的な案は決まっていない、全く白紙であると言うに違いありません。しかし、日本政府は、この新協定の批准を本院に求めるに当たって、少なくともアメリカ並みに具体的なルートを日本国民に示す責任があると思います。もし政府が三沢ではないと言うならば、東海村に近い成田空港であるのか、明らかにしていただきたいと思います。
 第三に、新協定は、これまでの個別同意方式にかえて包括同意方式を取り入れ、我が国の核燃料サイクルについて長期的、安定的運用に道を開いたというのでありますが、他方、アメリカの安全保障の面から一方的停止権を認めており、果たして双務的協定と言えるのか疑問とするところであります。
 そもそも日本政府は、現行協定を改正することなく、現行協定のままで包括同意方式を導入したかったのに、アメリカ政府に押し切られたのではないでしょうか。その上、またしてもアメリカの協定の傘の下にしっかりと縛りつけられていると言わざるを得ないと思うのですが、説明を求めます。(拍手)
 第四に、再処理によってつくり出される大量のプルトニウムは、現在イギリス、フランスに預けてあるのでありますが、いずれ日本はこれを引き取る義務があります。一般には二十五、六トンとも言われておりますが、その量は何年までにどのくらいに達するのか。我が国で再処理が開始されれば、その量はさらにどのくらいになるのか。我が国の電力事情からして、そんなに大量のプルトニウムは断じて不必要であります。ごく微量で巨大な爆発力を持ち、かつ原子爆弾に比較的簡単に転用できるプルトニウムを将来どのように位置づけるか、明確にしていただきたいのであります。(拍手)
 第五に、本協定では、核物質の防護の必要上、秘密保護、従事者の信頼性の確認が強く求められておりますが、そのことが原子力基本法の三原則、自主、民主、公開の原則を損なうことになりはしないか、我々の深く憂慮するところであります。
 また、プルトニウムがいかに危険なものか、国民に知らせる責任が政府にあると思います。周知のとおり、一九四五年の広島型はウラン爆弾であり、長崎型がプルトニウム爆弾であることは御承知のとおりであります。少量のプルトニウムがあのような惨害をもたらすことを人類最初に経験した日本国民こそ、最も正確な情報を知る権利があると思うのでありますが、いかがでしょうか。
 第六に、一九七九年のスリーマイル島事故、特に二年前のチェルノブイリ事故以降、世界的にこれまでの原発推進政策に対する反省、また、原発そのものに反対する世論が強まっていることは御承知のとおりであります。既にデンマーク、オーストリア、イタリア、西ドイツなどで原発中止、また、一定の時期を示してそれに向けて原発からの撤退の方針が示されておりますが、日本政府の原発推進政策はこの世界的潮流に逆行するものではないのか。伊藤科学技術庁長官は、日本原子力産業会議の年次大会で、OECD原子力機関で原発推進のために日本政府として正式に提案すると述べておられるのでありますが、何を具体的に提案しようとしているのか伺いたいのであります。ヨーロッパで反原発のうねりが高まっているこのとき、日本が原発推進の旗振りをすることは、世界の反発を買うだけに終わるおそれがあります。
 この際、以上の観点に立ちまして、今後の原子力政策について政府の基本的な考えをただしておきたいと思います。
 一、将来の電力需給の見通しからしても、原発をこれ以上ふやす段階は既に過ぎているのではないか。二、日本の原発の安全性について、政府並びに関係者から、ソ連やアメリカと違って日本は大丈夫だと自信にあふれる説明がしばしばなされるのでありますが、果たしてそうでしょうか。これは傲慢というべきではないでしょうか。三、万一事故が起きたとき、その補償について政府や企業にその用意はあるのか。また、事故の際、これを鎮静化し被害の拡大を防止するなど、的確に処理するマニュアルは確立しているのか。チェルノブイリ事故のような大事故が不幸にして発生したとき、国際的にも国内的にもその補償を行う基準はまだ確立していないのであります。四、原発推進にはこれまで多額の開発費が投入されておりますが、それに比して核廃棄物の処理、また一九九〇年代には現実課題となることは間違いない原子炉の廃炉対策など、事後処理については余りにも無策、無方針と言わざるを得ないのであります。政府のお考えを伺いたいのでございます。
 勝海舟は、明治時代の足尾銅山鉱毒事件につきまして、足尾鉱毒反対を国会で叫び続けた田中正造代議士を支持して、次のように述べております。「徳川の世でも鉱山はあった。文明開化はすべて大仕掛だ。だが、後始末がそうなっていない」。今、核エネルギー巨大産業の本格的開始を前にして、この勝海舟の鋭い指摘に謙虚に耳を傾けてほしいものであります。
 以上のことをお伺いいたしまして、本協定に対する私の質問を終わりたいと思います。(拍手)
    〔内閣総理大臣竹下登君登壇〕
○内閣総理大臣(竹下登君) まず、私がお答えすべき問題は日本の原子力政策の基本、こういうことであろうかと思います。
 海外におけるチェルノブイル事故等の受けとめ方、これは国情によって違いがございますが、米国、フランス、英国、西ドイツなどの経済規模の大きな先進諸国におきましては、今後とも原子力の開発利用を推進するという方針には変更がないものであると承知をいたしております。
 資源に乏しい我が国におきまして、エネルギーの安定的供給を確保するため、安全の確保をもとより大前提としつつ、引き続き着実に原子力開発利用を推進してまいりたい、このように考えております。
 その他、米の議会における問題でございますとか、空輸の問題等々、具体的な事例をお挙げになっての御質問でございますが、担当大臣からお答えをすることといたします。(拍手)
    〔国務大臣宇野宗佑君登壇〕
○国務大臣(宇野宗佑君) 私に対しましては二問ございます。
 一番目は、米議会の動向でございますが、他国の議会の審議に関しまして立ち入った意見は差し控えたいと思います。しかし、その経緯に関しましては御説明申し上げます。
 仰せのとおりに、批判しまた反対する人たちもたくさんおられましたが、三月の二十一日に米議会の上院本会議において、この協定の不承認を求める決議案が出されました。この決議案は大差で否決されております。間もなく審議を了するものである、かように認識いたしております。
 二番目は、一方的停止権。この協定は双務協定と言えるのかという御質問でございますが、御指摘の点はこの実施取極の第三条に関するものである、このように思われますが、この第三条は、いずれの一方の当事国政府も、一定の要件のもとに第一条において与える同意、すなわち包括同意を停止することができる旨規定いたしておるところでございますから、双務的な規定ぶりとなっております。また、この条項のみならず、協定並びにすべての実施取極は、全体にわたりまして双務的な性格の規定ぶりとなっていることを申し上げておきます。
 いずれにいたしましても、日米の信頼関係が基本的な問題であります。こうした問題の取極の実施に当たりましても、そうした信頼関係を前提といたしまして行う次第であります。(拍手)
    〔国務大臣伊藤宗一郎君登壇〕
○国務大臣(伊藤宗一郎君) お答えいたします。
 まず最初に、プルトニウム空輸の安全確保方策に関する御質問でございました。
 我が国が英国及びフランスに委託をしております使用済み燃料の再処理により得られますプルトニウムは、我が国の貴重なエネルギー資源であり、これを我が国に持ち帰り核燃料として利用していくことは重要な課題でございます。我が国においては、動力炉・核燃料開発事業団がプルトニウム航空輸送用の輸送容器の開発を進めており、これまでの研究開発によりまして、万一航空機事故が発生した際にも安全を確保し得るような輸送容器が開発できるとの見通しを得たところでございます。また、過去において、船舶によって安全に我が国にプルトニウムを持ち帰った実績を有しております。いずれにいたしましても、我が国及び関係国の法令に従い、安全の確保を大前提に、かつ十分な核物質防護措置を講じながらプルトニウムの輸送を実施してまいる所存であります。
 次に、その輸送の経路でございますが、輸送経路につきましては、北極を経由して出発する国と日本以外のいかなる国の上空も通過しない、この経路をノンストップで飛行することが近い将来に可能になると米国政府が判断していると承知をしております。我が国といたしましても、このような可能性について確認を行っているところであり、この確認が得られれば、このような輸送経路を最優先に検討していくことになるものと考えております。
 なお、国内着陸空港につきましては、今後関係省庁が協力して検討していく課題であり、現在のところ未定でございます。
 次に、再処理により得られるプルトニウムの量でございますが、海外再処理により得られる核分裂性のプルトニウムの量は二十五トン程度と見込んでおります。国内については、動燃事業団の東海再処理工場におきまして、運転開始以来約二トンの核分裂性プルトニウムを回収しております。また、一九九〇年代半ばごろの運転開始を目途に建設準備が進められております日本原燃サービス株式会社の再処理工場につきましては、本格操業時に毎年、核分裂性のプルトニウムが四ないし五トン程度得られる見込みでございます。
 次に、そのプルトニウム利用の必要性及び利用計画でございますが、先ほど総理からも御答弁がございましたように、エネルギー資源に乏しい我が国にとりまして、使用済み燃料を再処理し、これにより得られるプルトニウムを利用していくことは、ウラン資源の有効利用を図り、我が国のエネルギー供給における対外依存度を低減する観点から重要な課題でございます。海外及び国内における再処理により得られるプルトニウムは、これまで動燃事業団が開発を行っている高速増殖炉及び新型転換炉において利用するほか、現在の原子力発電の主流である軽水炉の燃料として利用していく方針でございます。
 次に、原子力基本法の公開の原則との関係に関して御質問がございましたが、いわゆる公開の原則は、原子力の平和利用を確保するとともに、原子力の安全性についての国民の理解を深め、原子力開発利用の促進に寄与するものであります。しかしながら、公開の原則の適用に当たって、財産権の保護、核不拡散等の観点から、ノーハウ等の商業機密、核不拡散上あるいは核物質防護上機微な情報等については従来から慎重に対処をしているところであります。プルトニウム輸送に関する情報については、それがすべて公開されてしまいますとかえって核物質防護の実効を図る上で問題となり、ひいては原子力の平和利用が担保されないということにもなりかねません。したがいまして、このような観点から、プルトニウム輸送に関する情報の公開を制限することは公開の原則に反するものではございません。
 原子力損害が発生した場合の補償でございますが、海外の主要国におきましても所要の措置が講じられているところでございますが、我が国におきましては、万一原子力損害が発生した場合の備えとして原子力損害の賠償に関する法律が制定をされております。この法律におきましては、原子力事業者の無過失無限責任が定められておりますとともに、原子力事業者に対して責任保険等の賠償措置が義務づけられております。さらに、国も必要な場合には原子力事業者に対して援助を行うものとされており、これをもって被害者の保護に万全を期すことと相なっております。
 放射性廃棄物の処理、処分の問題でございますが、この処分を適切かつ確実に行うことは原子力の開発利用を進めていく上での重要な課題でございます。このため政府としては、昨年六月に原子力委員会が策定をした原子力開発利用長期計画に沿いまして所要の施策を積極的に推進しているところであります。すなわち、原子力発電所等で発生する低レベル放射性廃棄物は現在原子力発電所等の敷地内において安全に保管をしており、これらについて最終的な処分を行うため、現在青森県六ケ所村における陸地処分計画の推進等を図っているところであります。また、再処理工場で発生する高レベル放射性廃棄物は、安定な形態にガラス固化し、三十年ないし五十年の間貯蔵した後、地下数百メートルより深い地層中に処分することを基本方針にしており、現在このための研究開発を動燃事業団を中心に計画的かつ体系的に推進しているところであります。
 原子炉の廃炉の問題でありますが、その対策でございますが、これも原子力開発利用長期計画におきまして、敷地を原子力発電所用地として引き続き有効に利用することが重要でございまして、運転終了後できるだけ早い時期に解体撤去することを原則とすることに方針を示しております。この方針に沿いまして日本原子力研究所において所要の技術開発を行うとともに、動力試験炉による解体実地試験を進めているところであります。また国際的にも、OECD原子力機関の原子炉廃止措置に関する協力計画に参加するとともに、米国との間でも研究協力を実施しているところであります。今後は、これらの成果等を踏まえまして所要の対策を講じてまいる所存であります。
 次に、私の発言につきましての御質問でございましたが、これにつきましては、原子力開発利用を進めるに当たりましては、安全の確保に万全を期し、国民の理解と協力のもとに行うことが大前提であります。しかしながら、去る二月に四国電力伊方発電所で行われました出力調整運転試験が、あたかもソ連のチェルノブイル原子力発電所事故の引き金となった実験と同じものであるという誤解が一部の方々に生じた等の経験にかんがみ、国民の立場に立った懇切丁寧な広報活動を強化することにより、原子力についての国民の理解をより一層深めることの必要性を痛感した次第であります。このため、その一環としてパブリックアクセプタンスに関して国際レベルで情報交換を行うことの重要性にかんがみ、OECD原子力機関等の場においても、原子力につきましての正確な情報の提供等パブリックアクセプタンスの促進に資する事業を強化するよう働きかけてまいる所存でございます。終わります。(拍手)
    〔国務大臣田村元君登壇〕
○国務大臣(田村元君) まず、電力需給見通しから見まして、原子力発電所をふやす必要があるかとの御質問にお答えを申し上げます。
 今後の電力需要は、内需を中心とした安定的な経済成長に伴って着実に増加するものと見込まれております。六十一年から七十年までの平均伸び率が二・三%でございますが、こうした電力需要の増加に対応し、安定供給の確保、供給コストの低減を図るため、各電源の特性を踏まえたバランスのとれた電源構成を目指して電源開発を進める必要がございます。原子力発電は、供給の安定性、経済性、環境への影響等から考えてすぐれた電源であることから、今後とも安全性の確保に万全を期しつつ着実な開発を進めることといたしております。
 次に、日本の原子力発電の安全性の問題についてでございますが、原子力発電所につきましては、原子炉等規制法及び電気事業法に基づきまして、設計、建設、運転の各段階においてそれぞれ厳重な安全規制が実施されております。また、故障、トラブル等の発生件数は近年極めて低水準となり、国際的に見ましてもすぐれた安全実績を示しておりまして、我が国の原子力発電所の安全性に問題はないものと考えております。当省といたしましては、通産省といたしましては、原子力発電のなお一層の安全性の向上のための不断の取り組みが重要と考えておりまして、安全第一を旨として、人為ミス防止のための措置の研究、国際的な規制情報交換の充実等の各種施策を推進しているところでございます。
 第三に、原子力発電所の防災対策については、災害対策基本法に基づきまして、国、地方公共団体、電気事業者がそれぞれの役割分担のもとに防災計画の策定などの措置を講じております。あり得ることではございませんが、万が一原子力発電所に重大な事故が発生した場合には、電気事業者は防災業務計画に基づきまして速やかに緊急時の体制に移行するとともに、運転上の適切な措置による事故拡大防止、緊急時の要員以外の者の避難誘導、応急的な医療等緊急時対策を講じることとしております。また、このため、平常時から防護マスク等防災用の資機材の整備、防災教育の徹底等を図っております。さらに、国としても平素から事故の発生、拡大防止措置等につきまして電気事業者を指導監督いたしますとともに、緊急時において専門家を現地へ派遣するなど、電気事業者の活動の支援を行うことといたしております。
 第四に、原子力発電政策をめぐる最近の国際的動向につきましては、チェルノブイル事故以来、スウェーデンなど一部ヨーロッパの諸国において原子力開発政策の見直しが行われていることは事実でございます。しかしながら、アメリカ、フランス、英国、西ドイツ等の経済規模の大きな先進諸国におきましては、今後とも原子力の開発利用を推進するという方針には変更がないものと承知しております。資源に乏しい我が国におきましては、エネルギーの安定的供給を確保するために、安全の確保を大前提としつつ、引き続き着実に原子力開発利用を推進してまいる所存でございます。
 第五に、原子炉廃止措置対策につきましては、総合エネルギー調査会原子力部会において慎重な検討が行われてきたところでありますが、その報告、これは昭和六十年の七月でございますが、報告によりますと、安全性の確保等の観点から、運転終了後五年から十年間の密閉管理後、三年から四年かけて解体撤去する密閉管理・解体撤去方式が望ましいとされております。原子炉廃止措置の技術につきましては、既存技術により十分対応可能でありますけれども、原子炉廃止措置が具体的日程となる昭和七十年代に向けて、安全性の一層の向上等を図るため、レーザーを用いた炉内構造物の切断等重要な原子炉廃止措置技術について一層の機能向上を目指して技術開発を進めているところでございます。いずれにいたしましても、誤解のないように、政府におきましても電気事業者におきましても地方公共団体におきましても、十分の広報活動、いわゆるPR活動をする必要があることは申すまでもございません。(拍手)
○議長(原健三郎君) これにて質疑は終了いたしました。
     ────◇─────
○議長(原健三郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時十二分散会