第112回国会 本会議 第19号
昭和六十三年四月二十六日(火曜日)
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 議事日程 第十七号
  昭和六十三年四月二十六日
    午後一時開議
 第一 国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第二 昭和六十二年度における私立学校教職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 第三 宅地建物取引業法及び積立式宅地建物販売業法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 第四 昭和六十三年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案(内閣提出)
 第五 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件
 第六 多極分散型国土形成促進法案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
 日程第一 国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 昭和六十二年度における私立学校教職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第三 宅地建物取引業法及び積立式宅地建物販売業法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院送付)
 日程第四 昭和六十三年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案(内閣提出)
 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 昭和六十二年度における国家公務員等共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第五 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件
 日程第六 多極分散型国土形成促進法案(内閣提出)
 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
    午後一時三十三分開議
○議長(原健三郎君) これより会議を開きます。
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 日程第一 国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
 日程第二 昭和六十二年度における私立学校教職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(原健三郎君) 日程第一、国立学校設置法の一部を改正する法律案、日程第二、昭和六十二年度における私立学校教職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。文教委員長中村靖君。
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 国立学校設置法の一部を改正する法律案及び同報告書
 昭和六十二年度における私立学校教職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔中村靖君登壇〕
○中村靖君 ただいま議題となりました両法律案について、文教委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 まず、国立学校設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案の主な内容は、
 第一に、国立大学共同利用機関との密接な連係協力のもとに教育研究を行う学部を置かない大学院のみの総合研究大学院大学を設置すること、
 第二に、三重大学に医療技術短期大学部を併設することとし、また、京都工芸繊維大学に併設されている工業短期大学部を廃止すること、
 第三に、臨時教育審議会の答申を踏まえ、大学入試センターの所掌事務を国公私立大学が共同して実施する試験に係る業務及び大学に関する情報の提供等に改めること、
 第四に、昭和四十八年度以後に設置された国立医科大学等に係る職員の定員を改めること
などであります。
 本案は、去る二月二日に本院に提出され、四月十四日の本会議において趣旨説明及び質疑が行われ、同日本委員会に付託されたものであります。
 本委員会におきましては、四月十五日中島文部大臣から提案理由の説明を聴取し、同月二十日質疑を行い、同日質疑終局の動議が提出され、本動議は可決されました。
 次いで、本案の施行期日を「公布の日」に改める修正案が提出され、採決の結果、本案は修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。
 次に、昭和六十二年度における私立学校教職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 本案は、私立学校教職員共済組合法の年金の額について、厚生年金及び国民年金における措置に倣い、昭和六十二年の対前年度消費者物価上昇率を基準として、昭和六十三年四月分以後の年金の額を改定しようとするものであります。
 本案は、去る三月二十五日本委員会に付託され、四月十三日中島文部大臣から提案理由の説明を聴取し、同月十五日及び二十日の両日質疑を行い、同日質疑を終了いたしました。
 次いで、四月二十二日本案の施行期日を「公布の日」に改める修正案が提出され、採決の結果、本案は修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(原健三郎君) 両案中、日程第一につき討論の通告があります。これを許します。嶋崎譲君。
    〔嶋崎譲君登壇〕
○嶋崎譲君 私は、日本社会党・護憲共同を代表し、ただいま議題となりました国立学校設置法一部改正案が本会議に議題として上程されたその手続が国会運営の慣行を無視した暴挙であることに抗議しつつ、反対の討論を行います。(拍手)
 本法案は、学部、学科の新増設部分は別として、今後の日本の学術研究のあり方、さらには受験地獄の元凶ともいうべき大学入試制度の改悪という重要な二つの提案を含んでおり、慎重審議を必要とするものであります。
 文教常任委員会では、法案の付託順に沿って審議を続けてまいりました。当委員会では、著作権法の一部改正案と本法案は審議入りの手続を済ませ、先議案件となっていたのであります。それにもかかわらず、最重要法案であるいわゆる教員の初任者研修にかかわる法案を文教委員会へ急遽付託し、その審議入りのため、文教委員会の理事会では、いまだ私学共済法の一部改正案、著作権法の一部改正案及び本法案が審議中なのに、付託順序を一方的に変更し、しかも、重要法案である本法案をその日のうちに採決しようという日程を押しつけてまいりました。我が党は、文部大臣による新たな臨教審関連法案の趣旨説明を後日に回して、今審議入りした本法案の質疑に入り、その後に行うようにすべきである旨の提案を行ったのであります。自民党理事は、法案審議の付託順序を変えた例が国会慣行としてもあるという点を持ち出し、慣行に反しないと主張しました。しかし、そのような場合は理事会の合意が成立した場合だけであって、我が党が重要法案としてきた反対法案の場合には皆無なのであります。つまり、少数野党の審議権を尊重する議会制民主主義に基づく委員会運営のあり方なのであります。
 しかるに、教員の初任者研修にかかわる重要法案、これを優先的に審議し、五月初旬の連休前に、慎重審議もなしに可決しようとすることを意図し、私学共済法一部改正案の議了直後に、理事会での我が党の主張に耳を傾けず、理事会を決裂させ、委員長職権で委員会を開会し、緊急動議を提出し、その不当を糾弾する騒然たる中で、臨教審関連三法案の文部大臣による説明を強行したのであります。続いて本重要法案の質疑を開始し、しかも、我が党及び日本共産党欠席のまま、わずか三時間余りで委員会での採決を断行したものであります。このような経過の中で採決された本法案は、第一には、議了の手続から見て国会史上例を見ない暴挙であること、第二には、参考人意見聴取を絶対的要件とする本法案を短時間で、しかも反対党の質疑を省略し、多数に物を言わせて採決したことなど、国民の負託にこたえたとは断じて言えないのであります。(拍手)
 以下、本法案が慎重審議を要する内容のものであること、しかも、何ら問題点解決のための質疑が行われていないことを明らかにしたいと思います。
 まず、総合研究大学院の創設に関連し、以下の五点について疑義があります。
 その第一は、現在既に幾つかの大学に総合研究科、連合大学院などの新しい形態の大学院が設置されつつありますが、学部も修士課程も持たず、しかも、大学以外のところに博士課程だけの大学院を設置することは初めての試みであるという点であります。学校教育法によれば、大学は学術の中心とされ、その本来の目的、使命から、当然大学院課程を持つことを想定しており、大学院課程を有しない大学が学術の中心としては不十分であることを明らかにしているのであります。したがって、今回の総合大学院の新設は、学校教育法上の大学及び大学院制度から逸脱し、今後の日本の学術研究体制にとって問題性をはらんでいるのであります。
 第二には、総合大学院構想は、幾つかの県にまたがる国立大学共同研究機関の基礎の上に大学院を新設しようとしているのですが、このような大学院は、果たして名実ともに教育研究機関となり得るかどうかという点であります。共同研究機関は大学と異なり、特定のテーマによるプロジェクト研究を主としており、大学院学生が一定の期間参加して研究を行うことは有益であり、そのような研究参加は現在も行われております。大学から全く独立した大学院が独自の教育機能を持ち得るかどうか極めて疑問であります。
 第三には、この大学院では、共同利用機関は大学院の母体と言われながら、法律上は「緊密な連係及び協力」の関係とされているにすぎず、具体的には共同利用機関の一部のスタッフが別個の組織である大学院に併任されるものとされている点であります。共同利用機関の教員には教育公務員特例法は完全適用されず、不利益処分に関する条項は除外されているのですが、総合大学院は国立大学であるから教特法は完全適用されるということになるのであります。したがって、共同利用機関と総合研究大学院との双方を担当する教員は、教特法上矛盾した地位となり、教育公務員特例法上初めてのケースとなるのであります。
 第四には、今回の国立大学設置法がもし成立すれば、現行法制のもとでは、個別の総合研究大学院は法律事項でなく政令で措置されることになり、どのような大学院が必要かという判断は政府の恣意にゆだねられ、学術研究者の意向が反映しないおそれがあるのであります。
 第五には、この大学院の管理運営の問題があいまいであるという点であります。学長、副学長、参与会、教授会、研究科委員会、運営審議会など多岐にわたる機関のどれがどのような役割を持つか不明であります。この大学院は茨城県、東京都、静岡県、愛知県の四カ所に分散している共同研究機関を基礎とするだけに、本来の教授会を中心とする大学における自治と研究の自由が果たして守られるのかどうか疑問とせざるを得ないのであります。(拍手)
 以上のような五つの問題点は何ら明らかにされておりません。
 次いで、大学入試センター問題についても以下の諸点が不明のままであります。
 この改組のねらいは、臨教審の第一次答申を受けて、過去九回にわたって実施してきたいわゆる国公立大の共通一次入試にかわって、私立大学をも包含する新テストを昭和六十五年度から実施することにあります。この新テストには、どれだけ私大が参加するかが焦点となってきました。この際、私学全体が慎重な姿勢をとる理由は二つあります。第一には、国公立と同じ物差しを使うことによる大学序列化の心配であります。十年前共通一次がスタートしたとき、私学側は、画一的な国家統制のおそれのある共通試験は大学本来のあり方から避けるべきだと参加を見送ってまいりました。実際には、国公立の序列化がますます進行したことを目の前にして、私大の懸念はむしろ強まっております。第二には、私学経営への影響であります。受験科目などの負担が少しでも軽い大学に流れる最近の受験生の心理から、私立大学の試験のほかに新テストを課すならば受験生は逃げてしまうおそれがあるからです。
 大学入試改革の目的は、大学入試が高校以下の受験地獄を過熱させ、人間不在の教育をはびこらせている現状を改め、受験産業の肥大化に歯どめをかけることでなければなりません。この観点に立つとき、共通一次を強行しようとした昭和五十二年十一月十六日の衆議院文教委員会決議こそが改めて生かされなければなりません。
 この決議の第一は、共通一次の実施時期の問題であります。学校教育法では、高校は三年とするとしていることにかんがみ、実施時期は第三学年のなるべく遅い時期に実施し、後期中等教育の充実に配慮すべきだとしております。新テストは、共通一次よりも早い十二月に実施し、しかも各大学がそれ以前の七月に試験科目を指定することになっております。これでは第三学年の授業計画が立たず、後期中等教育軽視も甚だしいと言わなければなりません。
 第二には、決議では、二段階選抜方式の実施は避けるべきだとしているのに、二段階選抜方式のいわゆる新テストは、共通テストと個々の大学の入試とをさらにリンクさせ、共通一次よりも二段階選抜方式となっているのであります。
 第三には、決議では、共通一次テストは後期中等教育の到達度の判定試験とし、国公私立が全部参加できることに努力すべきだとしています。新テストは、以上のようなことから私大の参加がますます危ぶまれるのであります。
 以上のような三つの問題点について、文教委員会での質疑では何ら解決の方策は明らかでありません。
○議長(原健三郎君) 嶋崎君、申し合わせの時間が過ぎましたので、なるべく簡単に願います。
○嶋崎譲君(続) 新テストは、衆議院文教委員会の決議に沿わないばかりか、決議でおそれられたとおり、受験競争のさらなる激化、人間不在の教育をますます進行させるのであります。したがって、決議の趣旨に立ち戻り、大学入試改革を徹底的に見直し、新テストの実施はやめるべきであります。
 以上の理由により、本法案の成立に強く反対し、反対の討論を終わります。(拍手)
○議長(原健三郎君) これにて討論は終局いたしました。
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○議長(原健三郎君) これより採決に入ります。
 まず、日程第一につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。(拍手)
 次に、日程第二につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
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 日程第三 宅地建物取引業法及び積立式宅地
  建物販売業法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、参議院送付)
○議長(原健三郎君) 日程第三、宅地建物取引業法及び積立式宅地建物販売業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。建設委員長中村喜四郎君。
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 宅地建物取引業法及び積立式宅地建物販売業法
  の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔中村喜四郎君登壇〕
○中村喜四郎君 ただいま議題となりました宅地建物取引業法及び積立式宅地建物販売業法の一部を改正する法律案につきまして、建設委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、最近における宅地及び建物の取引の実情にかんがみ、その公正を確保し、購入者等の利益の保護と不動産流通の円滑化を図るため、宅地建物取引業について、免許基準の強化、宅地建物取引主任者制度の改善、専属専任媒介契約制度の創設、事務所等以外の場所においてした買い受けの申し込みの撤回等を行うことができる期間の延長、手付金等の保全制度の拡充等の措置を講ずるとともに、積立式宅地建物販売業について、許可基準の強化等の措置を講じようとするものであります。
 本案は、去る四月十五日参議院から送付され、同日本委員会に付託されました。
 本委員会におきましては、四月二十日越智建設大臣から提案理由の説明を聴取し、四月二十二日質疑を終了、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対しましては、悪質な業者の排除等五項目の附帯決議が付されました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(原健三郎君) 採決いたします。
 本案は委員長報告のとおり決するに御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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○自見庄三郎君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
 日程第四とともに、内閣提出、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案及び昭和六十二年度における国家公務員等共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案の両案を追加して、三案を一括議題とし、委員長の報告を求め、その審議を進められることを望みます。
○議長(原健三郎君) 自見庄三郎君の動議に御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
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 日程第四 昭和六十三年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案(内閣提出)
 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
 昭和六十二年度における国家公務員等共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(原健三郎君) 日程第四、昭和六十三年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案、昭和六十二年度における国家公務員等共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案、右三案を一括して議題といたします。
 委員長の報告を求めます。大蔵委員長越智通雄君。
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 昭和六十三年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案及び同報告書
 国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
 昭和六十二年度における国家公務員等共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔越智通雄君登壇〕
○越智通雄君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 初めに、昭和六十三年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案について申し上げます。
 この法律案は、特例公債の発行等、昭和六十三年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置を定めようとするもので、その主な内容は、
 第一に、昭和六十三年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で特例公債を発行することができること、
 第二に、昭和六十三年度における国債の元金の償還に充てるべき資金の一般会計から国債整理基金特別会計への繰り入れについて、前年度と同様に停止すること、
 第三に、昭和六十三年度における一般会計から厚生保険特別会計健康勘定への繰り入れについて、健康保険法に規定する国庫補助額から六百五十億円を控除して繰り入れる等の措置を講ずること
であります。
 本案は、去る三月二十五日宮澤大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、四月十三日から質疑に入り、参考人から意見を聴取する等慎重に審査を行い、四月二十二日質疑を終了いたしましたところ、中村正三郎君外四名から、自由民主党提案による施行期日を「公布の日」に改めることとする修正案が提出されました。
 次いで、討論を行い、採決いたしました結果、本案は多数をもって修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。
 なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 次に、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 先般、国際復興開発銀行、いわゆる世界銀行において、我が国を含む一部の加盟国の出資額を増額する総務会決議が成立し、我が国の出資シェアは五・一九%から六・六九%に引き上げられることとなりました。
 これに基づき、この法律案は、政府が同行に対し、十一億七千九百六十万協定ドル、米ドル換算で約十四億ドル相当の範囲内において追加出資を行うことができるよう所要の措置を講ずるものであります。
 本案は、本日宮澤大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑に入り、質疑終了後、討論を行い、採決いたしましたところ、多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、昭和六十二年度における国家公務員等共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
 この法律案は、国家公務員等共済組合法の年金につきまして、厚生年金及び国民年金の改定措置に準じ、退職共済年金等の年金額を消費者物価指数の上昇率を基準として引き上げることとし、この改定を昭和六十三年四月分の給付から実施するほか、所要の措置を講ずるものであります。
 本案は、本日宮澤大蔵大臣から提案理由の説明を聴取した後、質疑に入り、質疑を終了いたしましたところ、中村正三郎君外四名から、自由民主党提案による施行期日を「公布の日」に改めることとする修正案が提出されました。
 次いで、採決いたしました結果、本案は全会一致をもって修正案のとおり修正議決すべきものと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(原健三郎君) これより採決に入ります。
 まず、日程第四につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
 次に、国際通貨基金及び国際復興開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
 次に、昭和六十二年度における国家公務員等共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律の一部を改正する法律案につき採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議はございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ────◇─────
 日程第五 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件
○議長(原健三郎君) 日程第五、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。外務委員長糸山英太郎君。
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 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
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    〔糸山英太郎君登壇〕
○糸山英太郎君 ただいま議題となりました在日米軍労務費特別協定の改正議定書につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本議定書は、日米両国を取り巻く最近の経済情勢の一層の変化により、在日米軍経費が著しく圧迫されている事態にかんがみ、在日米軍従業員の安定的な雇用の維持を図り、もって在日米軍の効果的な活動を確保するため、いわゆる在日米軍労務費特別協定を改正するものであります。
 本議定書は、在日米軍従業員に支給される退職手当等に要する経費の我が国による負担について、現行特別協定が費用の二分の一に相当する金額を限度としているところを、費用の全部または一部を負担することに改めること、及び本議定書は現行特別協定の効力の存続期間である昭和六十七年三月三十一日まで効力を有することを規定しております。
 本件は、三月十一日に提出され、三月三十一日本会議において趣旨説明が行われた後、同日外務委員会に付託されました。
 委員会におきましては、四月一日宇野外務大臣から提案理由の説明を聴取し、同十五日、二十日及び二十二日に質疑を行い、討論の後、引き続き採決を行いました結果、本件は多数をもって承認すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(原健三郎君) 討論の通告があります。順次これを許します。緒方克陽君。
    〔緒方克陽君登壇〕
○緒方克陽君 私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして、ただいま議題となっております在日米軍労務費特別協定の改定議定書に対し、反対の討論を行います。(拍手)
 この議定書は、昨年地位協定上の特例措置として締結された労務費の特別協定をわずか一年で改定しようというものであります。政府の無定見をはしなくも国民の前に示すとともに、この一月の竹下総理訪米の手土産として対米追随の象徴とされるなど、決して見過ごしにできぬ問題をはらんだ条約であります。
 しかるに政府は、この議定書の目的が日米安保体制の一層の強化にあることをひたすら隠ぺいし、ペルシャ湾の安全航行のための支援策との関係をも否定するばかりか、米国国防費の削減の肩がわりを日本がさせられているのではないかという疑念について真正面から答えないなど、その態度は決して許されるものではありません。
 また、この議定書の締結が基地従業員の雇用の安定につながると政府は繰り返し主張しておりますが、昨年六月に特別協定が発効した直後に沖縄の基地従業員の大量解雇の通告があったということについてどう説明をされるのでしょうか。雇用の安定に役立つと言うのなら、政府は責任を持ってそれを保証してもらわなければなりません。
 本来、基地従業員の労務費は、地位協定上は維持的経費に含まれ、これは全額米国側が持つものと規定をされているのであります。しかるに、昨年の特別協定で、労務費二百億円を米国に提供する道筋をつけたばかりか、一年後にはまたも二百億円を提供する改定議定書を締結するに至っては、到底納得できるものではありません。
 さらに、朝令暮改ともいうべきこの議定書が作成された直後、自民党のある幹部は、日本側が労務費の全額負担をするためにも、将来的には地位協定改定が必要である旨の発言を続けていることはゆゆしい限りであります。外務省首脳も、口を開けば、特別協定の有効期限が終了する一九九二年、昭和六十七年以降のことはわからないと逃げの一手であります。しかし、この一年の動きを見ただけでも、地位協定本体の改定の可能性を模索していることは明らかであると言わざるを得ません。米国国防費削減の肩がわりをさせられる地位協定の改定には断固反対をいたします。
 そもそも、思いやり予算の名のもとに地位協定を勝手にねじ曲げてきた政府の責任は重大であります。この思いやり予算の支出は、当初の一九七八年には六十二億円だったものが、十年後の今年、一九八八年には一千二百三億円と、実に十九倍にも達する急増ぶりであり、海上保安庁の予算総額をも凌駕するほどであります。また、この思いやり予算の三分の二、今や八百億円にも達する施設整備費が、多くの住民の反対する池子の米軍家族住宅の建設や三宅島のNLP基地建設に充てられ、さらに、米軍の世界戦略の中から発生した有事来援研究の中核とも言われる部隊装備の事前集積、いわゆるポンカスにまでも充てようとしております。国民の犠牲の上に立ち、何でも米国の言うなりになり、御機嫌取りをするような政策に対して、我々は座視するわけにはいきません。(拍手)
 来月の米ソ首脳会談を前に核軍縮の機運が盛り上がる中で、米ソ間でアフガン和平合意も達成され、東西間の緊張緩和のムードがいやが上にも高まっております。このような国際潮流の中で、日本だけがなぜ米国のために防衛分担を飛躍的にふやさなければならないのでしょうか。ジャパン・バッシングを繰り返し、米国の高飛車な交渉態度の前に、建設事業、牛肉・オレンジ輸入が押し切られていくと同様に、軍事同盟、西側の一員、安保条約の効果的運用という数々の名のもとに我が国が軍事負担を増額させられていくいつもの図式に、多くの国民は腹立たしく思っております。スペインやギリシャ、フィリピンなどで反核政策をてこに米軍の撤退を求める動きがあるというのに、広島、長崎を経験した日本が、反核の姿勢をとるどころか核搭載の疑いをただすことさえもせず、米国の言いなりになるばかりで国民の不信を募らせ、米国の高官には世界一気前のいい国だなどと言われているではありませんか。
 今回の改定に至る措置は自主的判断によると説明をされますが、多くの国民は全くそうは思ってはおりません。戦後の日本を支えてきた平和外交を見失わず、本来的な自主的判断に立ち戻るよう強く要求して、私の反対討論といたします。(拍手)
○議長(原健三郎君) 甘利明君。
    〔甘利明君登壇〕
○甘利明君 自由民主党を代表して、ただいま議題となっております日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、賛成の討論を行います。(拍手)
 現在の国際社会においては、我が国が独力で国の安全を確保することは困難であり、我が国としては、従来から、みずから適切な規模の防衛力を保有するとともに、自由と民主主義という基本的価値観を共有する米国との間で安全保障体制を堅持してまいりました。このような我が国の選択が正しかったことは、我が国がこれまで他国から軍事的侵略を受けることなく、自由と民主主義に基づく体制のもとで繁栄を享受してきたことからも明らかであります。我が国としては、我が国の安全に不可欠な日米安保体制が円滑かつ効果的に機能するよう不断の努力を積み重ねていかなければならないものと私は考えます。特に、近年の日米両国の経済力の変化に伴い、国際の平和と安定のために我が国の果たすべき役割も増大しております。我が国の国力に見合った国際的貢献をいかに行っていくかは我が国自身が真剣に考えていかなければなりません。私は、日米安保体制を基盤とする日米協力関係が、我が国のみならずアジア・太平洋の平和と安定に果たしている大きな役割に改めて注目する必要があると考えます。
 このような観点からも、我が国として、日米安保体制が円滑に機能するために、我が国としてなし得る努力を行っていくことの重要性は、幾ら強調しても強調し過ぎるということはありません。我が国は、接受国として在日米軍のためにさまざまな施策を行っていますが、殊に重要なものは、在日米軍がその駐留の目的を円滑に達成することに対し、経費負担の面で協力をすることであります。
 本日、議題となっている労務費特別協定改正議定書は、日米両国を取り巻く経済情勢の一層の変化、すなわち、最近の為替変動の一層の進行に対応し、在日米軍従業員の安定的な雇用の維持を図り、もって日米安保体制の効果的運用を確保することに資するものであります。
 昨年、現行労務費特別協定の締結後、沖縄の海兵隊クラブで人員整理の問題が起こりました。この問題については、幸い、先日、米側が人員整理を撤回することにより解決したところでありますが、この問題が起こり、これが解決に至った経緯は、近時、在日米軍の財政事情が厳しさを増す中で、我が国が労務費特別協定改正の方針を明らかにしたことが、我が国の今後の在日米軍経費負担の具体的展望を示すことによって、在日米軍従業員の安定的雇用に貢献する効果があったことを示しているものと考えます。(拍手)
 以上申し述べましたように、本件労務費特別協定改正議定書は、重要な意義を有するものであり、私は、本件に心から賛意を表し、討論を終わります。(拍手)
○議長(原健三郎君) これにて討論は終局いたしました。
    ─────────────
○議長(原健三郎君) 採決いたします。
 本件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承認するに決しました。
     ────◇─────
 日程第六 多極分散型国土形成促進法案(内閣提出)
○議長(原健三郎君) 日程第六、多極分散型国土形成促進法案を議題といたします。
 委員長の報告を求めます。土地問題等に関する特別委員長小此木彦三郎君。
    ─────────────
 多極分散型国土形成促進法案及び同報告書
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
    〔小此木彦三郎君登壇〕
○小此木彦三郎君 ただいま議題となりました法律案につきまして、本委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
 本案は、人口及び行政、経済、文化等に関する機能が過度に集中している地域からこれらの機能の分散を図り、多極分散型国土の形成を促進することにより、住民が誇りと愛着を持つことのできる豊かで住みよい地域社会の実現に寄与しようとするものであり、その主な内容は次のとおりであります。
 第一は、国の行政機関等の移転等についてであります。国は、行政機関等の東京都区部からの移転のために必要な措置等を講ずるものとしております。
 第二は、地方の振興開発についてであります。国及び地方公共団体は、地方都市機能の増進、農山漁村、過疎地域の整備等に努めるとともに、地域特性に即した諸機能の集積を図るための振興拠点地域の開発整備を推進する等の措置を講ずるものとしております。
 第三は、大都市地域の秩序ある整備についてであります。国及び地方公共団体は、大都市機能の改善等に資する施策の推進に努めるとともに、東京都区部における人口及び諸機能の東京圏における適正な配置を図るための業務核都市の整備を推進する等の措置を講ずるものとしております。
 第四は、住宅等の供給の促進についてであります。国及び地方公共団体は、地域の特性に応じつつ住宅宅地の供給に関する施策の総合的な実施等に努めるものとしております。
 第五は、地域間の交流の促進についてであります。国は、総合的な高速交通施策の体系整備、情報の円滑な流通促進のための基盤整備及び地域間の交流機会の増大等に努めるものとしております。
 このほか、国は、地方公共団体等への権限の委任、公共事業の実施に関する適切な配慮等に努めるとともに、内閣総理大臣は、関係行政機関、関係地方公共団体等相互間の連絡調整を行うこと等により、多極分散型国土形成の促進に関する事業の円滑な実施に努めるものとしております。
 本案は、三月二十五日内閣から提出され、四月十二日本会議において趣旨の説明が行われた後、本委員会に付託されました。
 本委員会におきましては、同日奥野国土庁長官から提案理由の説明を聴取し、四月十八日政府に対する質疑、二十日には参考人の意見聴取、質疑を行い、昨二十五日内閣総理大臣に対する質疑を行った上、同日質疑を終了し、採決の結果、本案は原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
 なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
    ─────────────
○議長(原健三郎君) 採決いたします。
 本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○議長(原健三郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
     ────◇─────
 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する
  法律案(内閣提出)の趣旨説明
○議長(原健三郎君) この際、内閣提出、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣瓦力君。
    〔国務大臣瓦力君登壇〕
○国務大臣(瓦力君) 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
 この法律案は、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部改正を内容としております。
 まず、防衛庁設置法の一部改正について御説明いたします。
 これは、自衛官の定数を、海上自衛隊二百九十五人、航空自衛隊二百二十四人、統合幕僚会議四人、計五百二十三人増加するものであります。これらの増員は、海上自衛隊については、艦艇、航空機の就役等に伴うものであり、航空自衛隊については、航空機の就役等に伴うものであります。また、統合幕僚会議については、日米防衛協力の推進等のためのものであります。
 次に、自衛隊法の一部改正について御説明いたします。
 第一に、航空自衛隊の効率的な隊務運営等を図るため、骨幹組織を整備するものであります。すなわち、航空自衛隊の飛行教育集団、輸送航空団、保安管制気象団及び術科教育本部を廃止し、新たに航空支援集団、航空教育集団及び航空開発実験集団を置くものであります。
 第二に、予備自衛官の員数を陸上自衛隊千人、海上自衛隊三百人、航空自衛隊二百人、計千五百人増加するものであります。これらの増員は、自衛隊の予備勢力を確保するためのものであります。
 以上が防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。(拍手)
     ────◇─────
 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する
  法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
○議長(原健三郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。広瀬秀吉君。
    〔広瀬秀吉君登壇〕
○広瀬秀吉君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案に対し、総理並びに関係大臣に御質問いたします。
 きょうは非常に緊急、差し迫った二つの問題がございますので、昨日政府に質問通告をいたした以外に、非常に緊急性の高い二つの問題をまずもって質問をさせていただくことをお許しいただきたいと思います。(拍手)
 一つは、いわゆる農畜産物輸入自由化の問題でございます。
 先般、輸入自由化十二品目、そのうち十品目自由化の方向ということで、八品目は自由化が決定をした。そして今取り残されてきた二つの、オレンジに代表されるかんきつ類、そしてまた牛肉の自由化にいよいよ踏み切る、こういうことが行われようとしております。しかも、きょうは農林水産大臣がアメリカに急遽飛んで、今月中にも二国間の妥結をしようという差し迫った状況にあるわけであります。
 このことに対して総理大臣に、これでは日本農業は崩壊をしてしまうのではないか、そしてまた日本の農民の生活は一体どうなるであろうか、また農業から吐き出される失業者というような大問題も解決をしなければならない、大変な事態だと私は思います。食糧はやはり手近で、地元の、国内の農民が自給をするということでなければ、本当の意味の安全保障はないと思うのであります。そういう見地に立って、「国民食糧の安定と安全な供給は国政の基本である。わが国は、すでに世界最大の食糧輸入国であり、これ以上の農畜産物の自由化は断じて容認できない。よって、政府は、当面の牛肉、オレンジを自由化しない立場を断固として貫くべきである。」これは先ほど自民党の皆さんにも呼びかけたのでありますが、自民党は残念ながら出られなかったのでありますが、野党五党、百三十数人の議員が集まりまして国会議員のこの点についての総決起集会の、ただいま読み上げましたのが、これが決議でございます。この趣旨を体して総理、外務大臣、農林水産大臣はいかに対処をされるのか、この点を明確にひとつお聞かせいただきたい。(拍手)
 第二の問題は、いわゆる奥野発言の問題でございます。
 靖国神社参拝の問題が、これがケ小平さんの発言によって振り回されている、こういう発言は、中国の指導者に対する非礼なことだけではありません。奥野国土庁長官の発言は、もう既に前にも憲法発言もございました。そういうようなことで、これはやはり日本国憲法を尊重する立場に立っていない、私はこう断ぜざるを得ないのであります。憲法第九十九条は、少なくとも天皇、摂政、国務大臣、国会議員、裁判官、あらゆる公務員は憲法を尊重し擁護する義務がある、私はこれに反するものではないかと思うのであります。したがって、このような憲法に対して弓を引くような国務大臣に対しては、憲法六十八条の規定に従って総理は罷免権を発動すべきであると思いますが、いかがでございますか。(拍手)
 さて、本来の議題に戻らせていただきます。
 今回提出されました法案の内容は、先ほど防衛庁長官から説明があったとおりでありますから、この問題の具体的な数字などを挙げる議論を抜きにいたします。いずれにしても、我が国の軍事力増強であることに間違いはございません。
 既に政府は、戦争放棄、戦力不保持の世界に誇るべき平和憲法を持ち、世界唯一の悲惨な原爆被爆体験を持つ国家として、平和国家日本の象徴ともいうべき防衛費の対GNP比一%枠を六十二年度から撤廃し、六十三年度においてはさらに大きく一・〇一三%と、二年続いて防衛費を大きく突出させ、憲法無視ともいうべき歯どめなき軍事大国化への道を歩み始めたのであります。それのみならず、他国に脅威を与えず、専守防衛に徹するというのが国防の基本方針でありますが、この基本方針を逸脱するかのごとき洋上防衛、あるいはOTHレーダー、イージス艦の導入へ向けて予算措置を講じたことは、日本国憲法の真精神に照らして断じて認められません。これらの点について、竹下総理の憲法遵守を定めた第九十九条の規定を基本にした率直な見解を求めます。
 次に、総理にお伺いしたい点は、防衛論議において欠くことのできない今日的国際情勢についてであります。
 既に先刻御承知のとおり、第二次大戦後今日に至るまで、米ソの二大超大国の両極体制が、時にコールドに、時にホットに対立と抗争を繰り返しながら国際情勢を形づくってまいりました。その結果、米ソの軍備拡張競争、抑止力理論を軸にした核兵器、核弾頭装備ミサイルのとめどもなき開発と蓄積、配備が行われてまいりました。ところが、氷炭相入れずと見られてまいりました米ソの間に、昨年十二月八日、INF全廃条約が締結されるに至ったのであります。それは、なるほど米ソの保有する核ミサイルの数%程度にすぎないかもしれません。しかしながら、少なくとも中距離核ミサイルはまさにグローバル・ゼロになったのであります。私は、すべての核兵器廃絶を切望する立場から、その第一歩としてこれを高く評価するものであります。しかも米ソは、さらに百尺竿頭一歩を進め、ICBMなどの戦略核兵器削減を目指して、近くモスクワで首脳会談が開かれる見通しになっております。
 総理、事はまことに重大であります。世界人類の生き残りがかかっているのであります。世界唯一の原爆被爆国家の総理として、画期的なINF全廃条約調印をどう評価されるのか、御所見を表明していただくとともに、次なる戦略核ミサイル縮減交渉に対して、日本国総理としてその成功に向けて何をなし得るか、いかなる貢献をなすべきか、核戦争に勝者は絶対にあり得ない、人類共減という惨たんたる結果だけしかないとの見地に立って、総理のお考えを示していただきたいのであります。
 私は、少なくともこの問題と関連して、我が国の非核三原則の厳正な運用が今日こそ確保されるべきであると思います。すなわち、核兵器はこれをつくらず、持たず、持ち込ませず、この原則は厳粛な国是であります。今や核持ち込ませずの原則は事前協議という隠れみのによってなし崩し的に米国によって打ち破られていることは明白であります。日米安保のもと、相互信頼の美名のもとに我が国の独立と主体性を放棄し、米国の申し出がなければ核持ち込みなしとする態度は、まことに遺憾のきわみであり、日米の真の友好を確保する道では断じてないでありましょう。少なくとも核搭載と常識的に考えられるロサンゼルス級原子力潜水艦、スプルーアンス級の駆逐艦、空母エンタープライズなどの寄港及び母港化はニュージーランドのロンギ首相並みにこれを拒否する、このくらいのことを日本の態度としてとるべきではないでしょうか。総理及び外務大臣にお伺いいたします。
 次に、八年間続いたソ連のアフガニスタン侵入による戦争状態、数百万の難民のパキスタンへの流入などアフガニスタンの不幸な紛争状態が今月十四日、アフガニスタン、パキスタン、ソ連、米国、関係諸国間において和平合意が調印されました。侵入したソ連車も今後短期間のうちに撤退する見通しになりましたことは大きな地域紛争の一つが解決されたことであり、喜ばしい限りであります。いまだ難民帰還問題、政府軍対反政府ゲリラの戦いなど、なお不安材料は多いが、米ソ両国の協力と国連事務総長の解決への真摯な努力は、これから先のイラン・イラク戦争あるいはベトナム・カンボジア紛争解決などについて大きな示唆を与えるものと思います。それだけではなく、ソ連ゴルバチョフ書記長のペレストロイカを基軸にした外交戦略の大転換、革命は輸出せず、民族の自主権尊重という国際社会の道義と正義を容認をする、このような外交姿勢への変換が事態打開の底流にあったと思うのでありますが、総理及び外務大臣の所見はいかがでありますか。
 総理、かくのごとく、今世界はソ連のペレストロイカ、グラスノスチ政策の着実な進行過程にあり、外交政策への反映として、米ソを頂点とする東西の軍事的対決の時代から政治経済重視、特に国民生活向上に向けて相互信頼、相互依存への大きな流れへと変化を見せ始めていると考えるのは私の楽観に過ぎるでありましょうか。アメリカにおいては、強いアメリカを標榜し、対立するソ連に対して圧倒的軍事的優位を確立するため必死の努力を惜しまなかったレーガン大統領が、任期切れを前にして財政赤字と貿易赤字という双子の赤字に悩まされ、円高・ドル安、そして四千億ドルを超えると言われる世界一の対外債務国に転落し、強いアメリカの象徴であった軍事予算の削減を断行せざるを得なくなったのであります。一方、ソ連のゴルバチョフ政権の国際戦略の転換も、せんじ詰めればとどまることなき軍事増強、軍事費への国家資源配分をこれ以上増大させることが、生活向上を願う国民の熾烈な要求と相入れない限界に達したことを深刻に認識したからにほかならないと確信するのであります。アフガン撤兵もINF合意も、ここに大きな誘因があったと見て差し支えないでありましょう。
 もちろん東西間に、米ソの間にはいまだ根強い相互不信があるでしょう。したがって、今直ちに第三の新デタント時代に入ったと手放しの楽観はできないでありましょうが、少なくともこのような平和志向への国際的な大きな流れは大事にしたいものであります。日ソ外交の積極的展開が今こそダイナミックに行われるべきではないでしょうか。
○議長(原健三郎君) 広瀬君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
○広瀬秀吉君(続) 政府は、我が国は西側陣営の一員であり、日米安保条約のもとにある、こう主張するでありましょうが、平和憲法のもとに生きている日本が余りにも米国一辺倒の立場に固執し、この歴史の流れに逆行するようなことがあってはならないと思います。米国の要求に唯々諾々とこれ従い、軍備増強を急ぐ必要はないと思いますが、総理、いかがでございましょうか。
 かつて福田元総理は全方位外交の展開を言われましたが、一つの高邁な識見であると存じます。「ふるさと創生」を掲げられ、豊かな人間愛と優しい心を持つ竹下総理であります。近く第三回国連軍縮特別総会が開かれますが、総理みずから進んで出席され、日本国憲法の平和主義理念をひっ提げて、核兵器廃絶とグローバルな世界的大軍縮、世界平和実現によってすべての人類の人間らしい豊かな生活を保障する大経綸を訴えられる気持ちはありませんか。
○議長(原健三郎君) 広瀬君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
○広瀬秀吉君(続) まさに絶好のチャンスであり、日本国総理のステーツマンシップの発揚これにすぐるものはないと思います。
 次に、総理にお尋ねしたい点は、世界的な経済大国となった日本として国際社会におけるそれなりの役割を果たす、これはあくまで軍事的なコミットメントであってはならない、こういうことを申し上げます。
○議長(原健三郎君) 広瀬君、制限の時間になりましたから、結論を急いでください。
○広瀬秀吉君(続) 次に、防衛庁長官にお伺いいたします。
 防衛庁長官はいわゆる装備、武器、弾薬の事前集積、ポンカスを進め、有事立法の準備を第一段、第二段の報告まで終えているこれらの問題、さらに、かつて日本の軍国主義下において行った国家総動員法にかわるような有事立法、こういういわゆる非常事態特別措置法案などを国会にいつ提出する気持ちがあるのか、お伺いいたします。
 最後に、総理にお伺いしたい点は、朝鮮民主主義人民共和国との関係正常化及び国交樹立についてであります。
○議長(原健三郎君) 広瀬君、制限の時間が過ぎましたから、発言を終わってください。
○広瀬秀吉君(続) 戦後四十三年を経た今日、一衣帯水の隣国朝鮮民主主義人民共和国との関係について、日本国政府は一体どのように考えているのか。朝鮮半島の南半分の韓国との間に余りにも差別があり過ぎると思います。朝鮮民主主義人民共和国に対して敵対政策をやめて、速やかに関係正常化を図ることが、すべての日本の平和とアジアの平和を守るゆえんではないかと思いますが、この点について最後にお尋ねをし、誠意ある答弁を求めて、私の質問を終わる次第であります。(拍手)
    〔内閣総理大臣竹下登君登壇〕
○内閣総理大臣(竹下登君) 本案に対する質疑に入る前に、二つの問題に対する御質問がありました。それから基本的な考え方をまず申し述べます。
 いわゆる牛肉・かんきつ問題であります。
 依然として自由化をめぐる日米両国の立場には隔たりがございます。本問題につきましては、農林水産大臣が本日再訪米をいたしまして、生産の存立を守るとの基本的立場に立って、速やかに二国問の話し合いによる解決が図られるよう最大限努力してまいる所存であります。(拍手)
 次は、いわゆる奥野国土庁長官の発言についてであります。
 御指摘の奥野国土庁長官の発言が中国の新聞などの批判的反応を招くという事態、それそのものは遺憾であります。政府としては、現在においても、日中共同声明の中で述べられている過去の歴史に対する認識にいささかの変化もないということを改めて確認したいと存じます。
 なお、靖国神社公式参拝問題に関する政府の立場は、既にたびたび明らかにしておるところでありますが、公式参拝の実施を願う国民や遺族の感情を尊重することは政治を行う者の当然の責務であるが、他方、国際関係を重視し、近隣諸国の国民感情にも適切に配慮しなければならないという立場でございます。
 さて、本論に入った御質問にお答えをいたします。
 我が国の憲法が平和主義を基調としておりますことは言うまでもありませんが、我が憲法の平和主義は、決して無防備、無抵抗を定めたものではありません。したがって、自衛のための必要最小限度の防衛力を保持するということは、憲法の平和主義に何ら反するものではありません。我が国は、従来よりこの憲法の精神にのっとり、専守防衛に徹した自衛のための必要最小限の防衛力整備を行ってきておりまして、今回の防衛二法改正案、そして既に通過させていただきました昭和六十三年度予算もまさにその一環をなすものであります。したがって、憲法尊重擁護義務を規定した憲法第九十九条に反するという御指摘は全く当たらないと考えております。
 さて、INF条約の評価でございます。
 米ソ首脳会談において条約が署名され、交渉開始以来米国が提案し、我が国も主張してまいったINFのグローバルな全廃が実現されましたことは、これは心から歓迎するところであります。本件条約は、既存の核兵器を初めて削減するものでありまして、核軍縮のまさに第一歩として高く評価をいたします。
 さて、続いて行われております戦略核削減問題であります。
 米ソ両国は戦略核の半減を目指して交渉を進めているところでありまして、困難な問題も残されておりますが、我が国としては、均衡のとれた戦略核の大幅削減に向けて交渉が進展することを期待し、西側諸国の一員として米国の努力を支持してまいる考え方であります。
 非核三原則の問題であります。
 歴代内閣によって堅持されてきたものでありまして、今後とも堅持してまいる方針であります。したがって、ニュージーランドの核政策についてコメントすべき立場にはございませんが、日米安保条約上いかなる核兵器の持ち込みも事前協議の対象であり、核兵器持ち込みについての事前協議が行われない以上、米国による核兵器の持ち込みがないということに全く疑いを持つものではありません。
 さて、アフガン問題と東西問題についての御意見がありました。
 今次ジュネーブ合意に基づきまして、国際社会が長らく求めてまいりましたソ連軍のアフガニスタンからの撤退がようやく実現の運びとなりましたことは、東西関係の安定、当該地域の平和に資するものであると評価をいたすものであります。ゴルバチョフ政権は、その成立後、対外政策面においてもアフガニスタンからの撤兵合意など、従来とは異なるダイナミックな政策を展開しております。我が国としても、ソ連の体制、政策に不変の部分があることは十分認識しつつも、ソ連の政策のうち、肯定的な面は正当に評価し、かつ、我が国の基本的利益を踏まえてソ連の動向を注視しながら対応をすべきものと考えております。
 したがって、東西関係、これは米ソ関係を軸といたします東西関係の全般がさらに建設的な方向に進むことによりまして、東西関係の一局面たる日ソ関係にもそれが好ましい影響となってあらわれることを期待をいたしております。ソ連は我が国の隣国であります。我が国としては、日ソ双方の努力により、日ソ関係改善を行っていくことを希望します。今後の対ソ関係については、北方四島一括返還などの基本方針はこれを堅持しながら、両国間の政治対話の一層の強化拡大を図ってまいります。
 さて、軍備増強問題、米国からの要求についてであります。
 現下の国際社会の平和と安全が、依然として力の均衡によって維持されておることは冷厳なる事実であります。我が国の防衛力整備は、あくまでも我が国の自主的判断に基づいて憲法及び基本的防衛政策を踏まえ、我が国が平時から保有すべき防衛力の水準を定めました「防衛計画の大綱」に従って進めているものであります。米国の要求により軍備増強を急いでおるという指摘は当たりません。あくまでも自主的なものであります。
 さて、国連軍縮特別総会の件についてのお尋ねがありました。大変重要な会議であるとの認識を持っております。
 本件特別総会において具体的にさればどのような提案を行うか、これは平和と軍縮への国民の願いを踏まえまして、我が国の政策を十分説明すべきものであると考えます。 
「世界に貢献する日本」ということについてお触れになりました。
 施政方針演説でも強調いたしましたとおり、我が国は国際秩序の主要な担い手の一人として「世界に貢献する日本」との姿勢を確立して、日本の豊かさと活力を世界に生かしていくことが必要であると考えます。特に、我が国政府開発援助は、開発途上国の経済社会開発、民生の安定、福祉の向上に資するものでありまして、平和国家としての立場を堅持する我が国としては、それこそ世界の平和と繁栄に積極的に貢献していく上で極めて重要な施策であります。
 最後に、北朝鮮と我が国の関係についてお考えがありました。
 我が国は、韓国との友好協力関係を大前提としながら、その前提のもとで北朝鮮とは経済、文化などの分野における民間レベルの交流を積み重ねていくことを基本的方針としております。現在、政府は対北朝鮮措置のもとで、北朝鮮との人的交流に制限を課しておりますが、これはテロ行為に毅然たる姿勢を示す、テロ行為の再発を防止するとの趣旨によるものであります。したがって、さきに述べた基本的方針に変更があるわけではございません。
 以上、私のお答えを終わります。(拍手)
    〔国務大臣宇野宗佑君登壇〕
○国務大臣(宇野宗佑君) 私に対する御質問は三問ございましたが、牛肉・オレンジに関しましては総理がお答えになられましたとおりでございます。つけ加えることはございません。
 また、非核三原則を初めとする核問題に関しましても、総理の明快な御答弁がございましたので、重複を避けたいと存じます。
 さらには、アフガニスタンのソ連軍撤退に関しましても、総理から所見が申し述べられました。そして、ゴルバチョフ新政策についての、ダイナミックなそうした政策に対する日本の対応も総理からお話がございました。これにつけ加えることはございません。
 以上でございます。(拍手)
    〔国務大臣瓦力君登壇〕
○国務大臣(瓦力君) 私に対します質問は、若干聞き取りにくい部分がございましたが、有事来援並びにポンカスの問題でなかったかと存じます。
 有事来援研究についてでございますが、この研究はあくまで、我が国に対する武力攻撃がなされた場合の我が国防衛のための米軍の時宜を得た来援が得られるかどうか、このことについて研究するものでございます。さきの日米防衛首脳会談では、ポンカスを含め、具体的な研究内容について話し合ったわけではございませんで、この点につきましては今後日米間で検討していく問題でございます。したがって、事前集積を行うか否か、また、いかなる地域に事前集積を行うかということにつきましてはお答えできる段階ではございません。
 次に、有事法制の問題について御質問がございまして、非常事態特別措置法を引用されまして御質問でございましたが、有事の際の自衛隊の行動にかかわる有事法制の研究は、研究開始当初から明らかにしてまいりましたとおり、そもそも近い将来に国会提出を予定した立法準備ではございません。法制化の問題について防衛庁といたしましては、一般的には、従来の研究において指摘した問題について法制が整備されることが望ましいと考えておりますが、高度の政治判断にかかわるものであり、国会における御審議、国民世論の動向等を踏まえて慎重に検討してまいりたいと考えております。現在進めております有事法制の研究は、現行憲法の範囲内で行うものでございまして、かつ、近い将来に国会提出を予定した立法準備ではない、このことは研究開始当初から明らかにしてまいったとおりでございます。(拍手)
○議長(原健三郎君) これにて質疑は終了いたしました。
     ────◇─────
○議長(原健三郎君) 本日は、これにて散会いたします。
    午後二時五十九分散会