第112回国会 運輸委員会 第5号
昭和六十三年三月二十五日(金曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 関谷 勝嗣君
   理事 小里 貞利君 理事 亀井 静香君
   理事 亀井 善之君 理事 二階 俊博君
   理事 吉原 米治君 理事 長田 武士君
   理事 河村  勝君
      魚住 汎英君    加藤 六月君
      佐藤 敬夫君    斉藤斗志二君
      杉浦 正健君    田中 直紀君
      津島 雄二君    平林 鴻三君
      穂積 良行君    増岡 博之君
      山村新治郎君    若林 正俊君
      小林 恒人君    左近 正男君
      新盛 辰雄君    戸田 菊雄君
      早川  勝君    浅井 美幸君
      西中  清君    中村 正雄君
      中路 雅弘君    中島 武敏君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 石原慎太郎君
 出席政府委員
        運輸政務次官  久間 章生君
        運輸省国際運
        輸・観光局長  中村  徹君
        運輸省地域交通
        局長      熊代  健君
        運輸省海上技術
        安全局長    間野  忠君
        運輸省海上技術
        安全局船員部長 野尻  豊君
        運輸省港湾局長 奥山 文雄君
        運輸省航空局長 林  淳司君
        海上保安庁次長 大塚 秀夫君
 委員外の出席者
        大蔵省主計局主
        計企画官    杉井  孝君
        大蔵省主計局主
        計官      田谷 廣明君
        大蔵省主計局主
        計官      武藤 敏郎君
        運輸委員会調査
        室長      荒尾  正君
    ─────────────
委員の異動
三月二十三日
 辞任         補欠選任
  新盛 辰雄君     沢藤礼次郎君
同日
 辞任         補欠選任
  沢藤礼次郎君     新盛 辰雄君
同月二十五日
 辞任         補欠選任
  鹿野 道彦君     杉浦 正健君
  北川 正恭君     佐藤 敬夫君
  鴻池 祥肇君     穂積 良行君
  増岡 博之君     斉藤斗志二君
  戸田 菊雄君     早川  勝君
  村上  弘君     中島 武敏君
同日
 辞任         補欠選任
  佐藤 敬夫君     北川 正恭君
  斉藤斗志二君     増岡 博之君
  杉浦 正健君     鹿野 道彦君
  穂積 良行君     鴻池 祥肇君
  早川  勝君     戸田 菊雄君
  中島 武敏君     村上  弘君
    ─────────────
三月二十四日
 国鉄清算事業団職員の雇用確保等に関する請願(緒方克陽君紹介)(第一一二〇号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
 港湾法の一部を改正する法律案(内閣提出第三二号)
 船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第六二号)
 船員法の一部を改正する法律案(内閣提出第六三号)
     ────◇─────
○関谷委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、港湾法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小林恒人君。
○小林委員 港湾法の質問に入る前に、昨夜来大変な問題になっております、報道もされておりますけれども、中国上海付近における鉄道事故に、日本の高知県からの高校生旅行者を中心にして巻き込まれたという報道がなされておりますが、けさほど来までのニュースを見ている範囲内では、なかなか連絡がふくそうしていて数字がつかめない、事故の実態が正確につかめない、こういう実情にあるようでありますし、あわせて、家族の皆さん方にしてみると安否を含めて大変御心配をされている模様でありますけれども、運輸省の側として、観光行政をつかさどってきている運輸大臣はどの程度までこの事故に関連をして把握をされているのかについて、一言だけ御質問申し上げておきたいと思っております。
○石原国務大臣 現在掌握している限りの事実関係について御報告申し上げます。
 日本交通公社の情報によりますと、三月二十四日十四時三十分ごろ、日本時間で十五時三十分ごろ、高知学芸高校の修学旅行の生徒が乗った列車が上海付近において他の列車と衝突をいたしました。事故の概要は、総数百九十三名のうち、死亡者が十二名、行方不明が十五名、これは何か中に救出に入りにくいので、車内の現況が確認されてないようでございますけれども、それで行方不明十五名、それから入院三十七名となっております。
 今般の事故については、私どもとしてもまことに遺憾でありまして、残念に思っております。亡くなられた方々に対しましては心より哀悼の意を表するとともに、負傷された方に対してはその一日も早い御回復を祈っております。
 本件の事故対策につきましては、主として外務省において対応しているところでございますが、本件旅行を手配した日本交通公社としても、事故後直ちに職員を現地に派遣するほか、御家族などが現地に渡航するためのチャーター便を仕立てるなど、応急対応体制に万全を期しているところでございます。
 運輸省としても、今後万全の対応を行うように十分指導してまいるつもりであります。
○小林委員 ありがとうございました。
 人命にかかわる事柄でもあり、国際化社会に向けて今後こういったことがないことを祈念するものでありますが、しかし、万一こういった事故に遭遇をした際の対応等については、縦割り行政という批判の的にならないような具体策を順次講じていただくことを希望しておきたいと思います。
 早速質問でございますが、非常に多様化する世相の中で、港湾一つをとってみても大変な角度からの物の見方があるように思われてなりません。ちなみに東京の新宿と渋谷とではどちらが発展性があるだろうか、こういう設問が出たと仮定をいたしますと、ある人は、都庁も移ってくるし、超高層ビル群もある、若者の町歌舞伎町などもあるので、新宿が将来の発展に大きな軸になっていくのではないか、こういう主張があるかと思えば、またある人は、拡張のスペースが残されている、また沿線の広がりが大きいから渋谷説を説いてやまない。議論が白熱化してなかなか決まらなかったけれども、結局最後は渋谷サイドに凱歌が上がった、こんな経験があります。
 そして、この決め手は一体那辺にあったのかといえば、文化性が高いから、こういう理由が軸をなしている、こんな議論をした経過がございます。確かに言われてみると、渋谷にはNHKもあるし、青山や原宿など文化の薫りが満ちている。そして、都市の発展には文化が物を言うという時代に入っていると思うわけです。都市のみならず経済も産業も企業も、生きがいや夢を持つ文化的要素が強力な牽引車になっていくのは間違いないのではないだろうか。今日、港湾を考える場合にも、こうした文化を念頭に入れねばという考えが一つございます。
 私は、戦後の港湾整備の時代的イメージというかその移り変わりを見るとき、十年ごとに大きな節を迎えているように思えてなりません。まず第一期の昭和二十年代、文字どおり戦災復興期で、埠頭の整備が急務でありました。第二期の昭和三十年代は、大量輸送大量生産の時代で、高度経済成長前期には臨海工業地帯の港の建設期であったと思います。続く第三期の昭和四十年代は、輸送革新への対応のためにコンテナ、フェリーターミナルの建設、こういったことが軸になってまいりましたし、第四期の昭和五十年代の調整期には、オイルショックの強力なパンチも加わりましたけれども、港湾環境の改善期で、このときには緑地、広場の整備へと進んでまいりました。そして、六十年代の第五期の今日では、安定成長期に入り、人間愛の復活ということで、総合的港湾環境の形成ということで港湾の整備が進もうとしているわけであります。
 このような背景の中で、運輸省の港湾政策においても六十年五月には「二十一世紀への港湾」を発表され、六十一年度を初年度とする第七次港湾整備五カ年計画にもその考え方が生かされてきていると思うわけであります。この間、民活法の制定、また民都市法、リゾート法の制定等々、種々の施策を盛り込んだ事業がここ数年のうちに大都市圏、地方圏を通じ、各地域でさまざまなプロジェクトが進行しつつあり、総合的港湾空間の整備は多様な形で着実な進展を見せている現状かと思うわけであります。
 港湾法の提案理由にもありましたように、これらの施策を一層進めるために、今回のNTT―A型無利子貸付制度の創設により、充実した港湾整備に資するということでありますが、まず最初にお尋ねしたいのは、新しい流れの中で、民活法等を中心とした運輸省関係の現状のプロジェクトはどのようになっているのか、また今後予定されているプロジェクトは全国でどれだけあるのだろうか、これから予定されているプロジェクトで大都市地域と地方圏ではどのような特徴があるのか、まずお伺いをしておきたいと思います。
○奥山(文)政府委員 港湾に対します深い洞察、先生のおっしゃるとおりでございまして、今二十一世紀へ向けて、港湾が社会のいろいろな需要にこたえていかなければならぬという状況にあることはおっしゃるとおりでございます。この民活プロジェクトにつきましてもその一環をなすものでございますが、お尋ねの現状について申し上げますと、全国の各地でプロジェクトの検討がなされているわけでございますが、現在計画中あるいは構想中のものもございますけれども、約五十のプロジェクトがございます。その中で既に七つの港におきましてはそのプロジェクトが具体化しておる状況にございます。
 もうちょっと具体的に申し上げますと、東京港につきましては港湾業務ビルの建設の予定があり、横浜港につきましては、既にもう御案内かと思いますが、国際会議場であるとか国際見本市場であるとかという計画が進んでおるわけでございます。さらに、大阪港につきましてはテレポートの計画が既に動き出しておる状況にございますし、北海道の釧路あるいは新潟の直江津におきましては旅客ターミナルといった施設につきまして、それぞれ民活法による特定施設の整備を中心といたしましたプロジェクトが動いているわけでございます。申し上げました横浜港につきましては、既に整備計画が民活法の手続により認定されておるという状況にございますし、その他のものにつきましても整備計画の認定の手続中でございまして、近日中には認定し得るものと考えている次第でございます。このほかに博多港であるとか香川県の与島港におきましては、財団法人である民間都市開発推進機構という民活の推進機構がございますが、これの活用を考えているプロジェクトが現在進められている段階にございます。
 次に、第二のお尋ねでございますが、今後さらに予定されておるプロジェクトはどうかということでございます。今申し上げました既に具体化されておる七港の港湾のプロジェクトのほかに、現段階で把握しておりますのは、六港におきまして新しいプロジェクトがさらに具体化されつつある状況にございます。
 もう少し具体的に申し上げますと、青森港であるとか塩釜港、清水港、八幡浜港などにおきまして民活法の適用による特定施設の整備が検討されておる状況にございます。つけ加えまして、大阪府の堺泉北港それから阪南港におきましては、先ほど申し上げました財団法人民間都市開発推進機構の活用が検討されておる状況にございます。
 さらに、これらのプロジェクトにおきまして大都市地域と地方とで民活プロジェクトの特徴、特性というものは何かあるかというお尋ねでございますが、概して申し上げますと、大都市周辺におきます。プロジェクトに関しましては、比較的でございますが、事業費が大規模であったり、またプロジェクトの内容も多彩なものがある、あるいは複合的なものがあるという状況でございます。さらに、横浜港の例で申し上げましたが、国際会議場であるとか国際見本市場、あるいは大阪港のテレポートというようなことでございますが、これにつきましては内容からいって大変国際色豊かなものになっておるというようないわば華やかな計画が概して多いように思います。
 一方、地万におきますプロジェクトにつきましては、これも概して申し上げることでございますが、必然性があるかもしれませんが、事業費は比較的小規模であるというようなことでございますけれども、例えば釧路港の例で申し上げますと、釧路港は名立たる水産基地でもあるというようなことがございますので、そういった特性を生かして、今はやりの言葉になっておりますが、フィッシャーマンズワーフというようなものを中心とするプロジェクトの推進が図られておるということがあったり、瀬戸大橋の開通を契機といたしまして遊覧船ターミナルなどを整備するというような、積極的な意欲を持っておる香川県の与島港のプロジェクトのようなものが出てまいっております。いずれにしましても、その地域の特性、特徴を最大限に活用する形で地域振興を図ろうとするというものが多いようでございます。それだけに関係者の皆様が知恵を絞ったり、いろいろな協力をし合ったりという面で御苦労をなさっておる点もなきにしもあらずでございますが、それなりの地域的な特性を持っておるのではないかと思っておる次第でございます。
○小林委員 国際社会に向けてそれぞれに検討していかなくてはいけない、あるいは地域の特性を十分に生かしていかなくてはいけない、この点については御説明の中でよくわかるわけでありますけれども、ただ、これだけが焦点になりますと、紛れもなく大都市はより拡充されていく、地方圏ではそれなりの活力しか生まれてこない、こういう現象を呈することになるのではないだろうか、こんな気がしてならないわけであります。民間活力の活用は大都市地域のみではなくて地方においてもできる限り推進をするという考え方についてはわかりましたけれども、内需振興のためというよりは、むしろ地域経済の活性化、地域発展の有力な手段としてこういった視点がより深度化をされていくということが大切ではないのかなという気がしてならないわけであります。
 地万におきましては民間活力というものを導入し得る分野は限られており、その基盤も弱いというのが現状であろうとは思いますけれども、そのために、基盤の弱い地方での地域振興のためには公共事業や財政を通ずる所得の再配分といったいわゆる官活を求める声も極めて強いと言わざるを得ません。公共事業に頼るな、もっと独自性のある地域活性化を、こういったかけ声は出しますけれども、ここは非常に難しい問題になっている、こんなことではないだろうかと思いますが、この点どのようにお考えでしょうか。
○奥山(文)政府委員 先ほども御説明申し上げましたけれども、やはり都市周辺と地方のプロジェクトの特性があらわれているというようなこともございますし、御指摘のとおりの面が懸念されるわけでございますが、いずれにしましても、地域の振興を図るためには地域の創意とか工夫というものを生かして、特色ある民活プロジェクトをつくり上げていかなければいけないということかと存ずる次第でございます。
 そのためにはやはり地域の、民間だけでなくいわゆる官と民が一体となって計画の推進に当たることが大変重要ではないかと思う次第でございます。このために、国とか港湾管理者というのは協力し合って、従来からプロジェクトの発掘であるとかあるいはマスタープランづくりなど、このプロジェクトの推進に関しましても先導的役割を果たしてきたわけでございますし、今後もその必要があることはそのとおりでございます。さらにそのプロジェクトを推進するためには、財政の面であるとか税制の面あるいは先生御指摘の公共事業による十分な支援措置を講ずるというような必要があると考えておるわけでございます。
 一方、民間事業者サイドには、官にない質の高い施設整備に関する資金力であるとかあるいは企画力、経営力というようなものがあるわけでございますから、そういった面を十分生かして推進することが必要ではないかというわけでございます。いずれにしましても、民間プロジェクトの円滑な推進、特に地万におきますこの推進のためにはこうした両者の相互の協力が不可欠ではないかと思う次第でございます。
○小林委員 四全総の中にもありますように、一点集中化傾向を是正して、二十一世紀に向けての国土の均衡ある発展を図っていくためには、地方中枢都市から豊山漁村地域に至るまでそれぞれの地域がその特性を生かして活性化する、同時に地域の核としての機能の配置を含め、適切な機能分担を行う多極分散型の国土を形成していくことが要請されているわけですね。しかし、地方民活について考えてみるとき、公共的事業への民間活力の導入は、施設の利用効率や他地域との競合性から、大都市地域に比較して採算のとりにくい場合が多いと思われるわけですけれども、この点についてはどのようにお考えでしょうか。
○奥山(文)政府委員 地方におきます民活プロジェクトの推進に関しましては採算がとりにくい面があるという点につきまして、一般的にはそのとおりかと存ずるわけでございますが、各地域の特性というものを先ほど釧路の例で御説明申し上げましたけれども、そのほか観光の面であるとかリゾートの面であるとか、いろいろな面があろうかと思いますが、そういった地域の特性を生かしたいわば個性の豊かな地域づくりということを目指した民活プロジェクトの推進というのが、四全総で言う多極分散型国土を形成する上で大きな役割を果たすものと考えておる次第でございます。
 この観点から、運輸省といたしましては、地域の特性を生かしつつ港湾を核といたしまして、港湾の場、空間を活用した民活プロジェクトを積極的に推進することとしてまいっておるわけでございます。しかしながら、御指摘のように地方におきますプロジェクトの採算性の確保というものは確かに容易でないものがあると思われますので、民活プロジェクトを支援する公共事業を初めとして財政の面、先ほどちょっと触れましたが、税制の面などバックアップシステムに係る諸制度を十分に活用して、円滑なプロジェクトの促進を図ってまいることが肝要かと存じておるところでございます。
○小林委員 多極分散型といういわゆる四全総で言っている用語の使い方というのは、私はちょっと違うのじゃないのかなという気がするのですよ。大都市圏において今後、港湾法に言う民間活力を活用してさらに発展計画を組み立てていく、こういうことと、地域圏における発展計画、活性化、こういった問題を考えてみた場合、多極分散というのはその地域特性に合わせるということだけが中軸ではないわけですよ。ただ私も、先ほど申し上げておりますように採算性という問題を度外視して何でもやれるというものではない。しかし、従来のように公共事業という形態で一方的に国の計画に基づいて、国の資金だけを頼りにしてやるというそれだけの考え方ではなしに、民間の活力というものをそこにどれだけ組み込ませていくのかという大事な課題があるわけですね。
 しかし、あくまでもこの四全総の中では一点集中しないように、多極分散型で均衡ある発展を図りたいというこの精神を生かしていくという視点に立つならば、ここはおのずから大都市圏における施策というものと地方圏における施策というものは、地域特性だけではなしに将来の国家展望の一つとして新しい視点が明示をされてこなくてはいけないのではないだろうか、この点が非常に今までの質問の中では見えにくいところのように、思えてなりません。
 だから、短絡的に北海道の釧路を例にとる、九州の長崎港を例にとるあるいは東京圏ともいえる横浜港あるいは東京湾内、こういったところと違う、違うという違いだけを指し示すのではなしに、ある意味では同レベルのものを九州にも四国にも北海道にも、あるいは差別用語と言われているけれども裏日本の側にもきちんとした基本的視点に立った活性化方針、こういったものが織り込まれた中でこういうものが出てこなければいけないんじゃないでしょうか。その点が非常に見えづらい、この法律だけでもってそんなことができるとは思いませんよ。思いませんけれども、もう少しここら辺を運輸省として――随分こんなにたくさん夢多いパンフレットが出ているわけですね。本当にこれ、すばらしいと思うのです。こういうぐあいになっていくためには今私が申し上げているような事柄というのは意外と大事なことなのじゃないでしょうか。いかがでしょう。
○奥山(文)政府委員 先ほど来の私の説明、民活プロジェクトの内容につきましてるる御説明申し上げた関係から今お尋ねのようなことになったのかと思いますが、もちろん、港湾は民活プロジェクトだけで成り立っているわけではございませんで、輸送の根幹的施設でありますし、それから産業育成の非常に大切な場でもあるということでございます。そういう面で、それぞれの地域に港湾が果たす役割につきましては検討し、また、実際の施策も地域振興のために進めてまいっている面がございます。
 したがいまして、例えば輸送の施設で申し上げますと、今大変コンテナリゼーションが急速に進んでおる世の中でございますが、そういったコンテナリゼーションに対応する地域への分散というようなことも進めておるわけでございます。東京湾とか大阪湾に集中しておるという状況に対しまして、地方への分散が望ましいという結論を得て、そういう施策をとっているという面もございます。そういった面で、港湾が地域に対して果たす役割は大変多面的なものがありますので、あらゆる面を総合的に検討いたしまして地域の振興に役立てていきたい、こう考えている次第でございます。
○小林委員 地方民活は大都市圏と比較をして採算性の面で不利な場合が多いということについては、私もよく承知をしているつもりであります。広義のインセンティブの付与など、官側の条件整備のもとに民側の活力をうまく引き出すといった両者の緊密な連携が不可欠なんだと思うのですね。そのためには、地方公共団体の主導のもとに地域住民や企業がみずから発想する、工夫する、そして行動する中で、よりよい地域づくりのために官民一体となって推進していくということが民活プロジェクトを成功に導くかぎだと思うわけです。そして、地域の特性に応じた民活をどのように進めていくのかという課題の解決方法としては、官民一体となった地元の主体性によるものでなければだめだというぐあいに考えるわけですね。それゆえに、今後の民活事業の推進のための国のなすべき施策としては、地方において一般的な条件の整備を行うとともに、各地域が主体的に進める民活を側面から支援するということでなければならないと思うのです。その点どのようにお考えになっているのか。
○石原国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。港湾の民活プロジェクトに関しましては、従来国、港湾管理者、民間の諸団体が共同して調査を実施し、プロジェクトに地域の創意工夫というものを最大限に生かせるようにも努めてまいりましたし、今後とも、民活プロジェクトが円滑に推進できるように、各地域の主体性を尊重しながら、おっしゃるように、側面から所要の支援措置を運輸省としても国家としてもしていくべきだと思います。
 四全総は、別名地方きらきら政策とかいうそうでありまして、どこへ行っても地方が、東京とか大阪に似たのっぺりした中都市ではなくて、そのローカリティーを発揮して生き生きしているということが望ましいということでありまして、最低限の条件を整えるためにはやはり国が主導しなければならないかもしれませんけれども、それプラス大きなアルファというものはやはり地方の主体性によって加えられることで、地方が輝いてくるのではないかと思います。
○小林委員 わかりました。
 次に、今回のNTT―A型無利子貸付制度創設について、総論的な部分についてお尋ねをしておきたいと思います。
 まず第一に、今回の措置によって公共埠頭等整備事業と臨海部活性化事業が予定されているようでありますが、これら事業の創設の背景とねらいは何なのか。また、それぞれの事業の概要はどのようなものを考えているのか、この点についてお尋ねいたします。
○奥山(文)政府委員 最近におきます経済社会情勢というものを眺めてみますと、現下の非常に厳しい財政状況のもとにあるということが一つございます。その中にありまして、社会資本の整備の促進を図ることによって内需を拡大する、こういった要請にこたえる必要があるということでございます。それによりまして地域の活性化に資するということはもちろんでございますが、そういった課題が今緊急の問題となっておるわけでございます。
 港湾におきましても、いわゆる従来型の専用貸付制度であるとか、それから広く一般のコンテナ船への公共開放をねらった埠頭の整備が望まれておるわけでございます。そういった埠頭の現状を見ますと、大変混雑しておるような状況もございまして、より利便性の高い埠頭への改造というもの、あるいは臨海部におきまして整備するレジャー施設などとの一体的な整備などが港湾の利用者の立場から望まれているわけでございます。
 その場合に、港湾施設の整備を港湾管理者以外の者が行うということによって、そういった要請にこたえやすいというふうに思うわけでございまして、地方公共団体の出資等に係る法人が行う港湾整備のうち、これと特に密接に関連して行われる事業によって生ずる収益をもってその償還が可能なもの、そういうプロジェクトにつきまして、新たにこの無利子貸付制度を行い得るように措置するということでございます。これによりまして、港湾整備全体の一層の推進を図るのに大変役に立つのではないかというふうに考えたわけでございます。
 このようなねらいの中にありまして、昭和六十三年度の事業の内容につきましてちょっと触れさせていただきますと、お尋ねの公共埠頭等整備事業とそれから臨海部活性化事業を実施するという内容になっているわけでございますが、それぞれの概要につきましては次のとおりでございます。
 まず公共埠頭等の整備事業でございますが、これは、特に外国貿易に係りますコンテナ貨物が大変急速にふえている状況にございます。海運貨物全体はやや停滞ぎみでございますが、コンテナ貨物に限っていいますと、輸送合理化の関係等々ありまして大変ふえている現状にございますのと、それから、船舶の大型化等が大変続いておるという状況にございますので、それに対して緊急に施設の整備が必要な状況にございます。したがいまして、これに必要となる公共岸壁や臨港道路につきまして、それに附帯する荷さばき施設であるとか保管施設の運営事業や、これに関連して行われます土地造成事業による収益によりまして整備を進めようというものでございます。
 二番目の臨海部活性化事業でございますが、これは、臨海部におきまして最近、重厚長大型の産業というものが構造変化が急速に進んでおるわけでございますが、そういった場所におきまして、土地利用がやや不活性化しているというような場合に、水際線を利用しながら土地利用転換を誘導して地域の活性化を図る必要があると考えたわけでございます。そのために整備が必要となる観光船バースであるとか緑地、臨港道路などのいわゆる港湾施設につきまして、それに附帯するレジャー施設であるとかレストラン等の収益施設からの収益によりまして港湾施設の整備を進めようというわけでございます。いずれにいたしましても、このA型の直接の対象になる事業に密接に関係いたします関連事業の収益によって公共施設の整備を促進してまいる、そういった内容のものでございます。
○小林委員 港湾局長、別に言乗じりをとらえて物を言うつもりはありませんよ。ありませんけれども、今回の法案にも示されているように、NTTの財源を使ってより活性化をしていくという視点は、局長が冒頭におっしゃられているように財政事情が現下極めて厳しいなどというそんな暗いイメージじゃないのですよ。それから、活性化というのは、言葉の解説なんかするつもりは毛頭ございませんけれども、無から有を生ずるなどというものではなくて、現存する、しかし、それをさらに活力のあるものに生まれ変えさせていくという性格を持ったものなのですよ。そういう新しい提案をしようとしているときに、財政事情は現下まことに厳しい、運輸大臣、そのとおりですか。
○石原国務大臣 決して厳しくないことはないと思います。
○小林委員 金があり余ってどこかにほうり投げてやるという、そういう性格のものではないと思っているのです、国家財政というのは。しかし、NTT株が一体お幾らで売れたのか。これは経済大国だからこういうことができるのではありませんか。そういう意味では、それもしかし、国にとっては大切な財源である、そういったものを有効活用して、新しい施策を運輸省の側としては港湾というところに講じていこうではないかという、そういったところから発想してこういう法律が提案されてきているわけです。
 だとすれば、現下財政事情は厳しいということだけが前提条件ではなくて、貴重な財源をどのように二十一世紀に向けて使いながら新しい施策をなし得ていくのか、こういう視点でなければいけないのだろう。その点、財政事情が厳しいだけでは、例えば大都市圏では収益が上がる事業は幾らでもやれるが、地万では収益がなかなか上がりづらいからそれなりのことしかやれないということにつながっていく、こういう危惧の念を持つからしつこくこういった御質問を申し上げているわけです。私は、やはりこの均衡ある発展ということをあくまでも運輸省が所管をする施策の中できちっと積み上げていく積み上げ方式というものを大事にしていただきたいと思うのですが、もう一度御答弁願えますか。
○奥山(文)政府委員 財政事情が厳しいという表現を用いましたが、その面は私どもも予算に関係いたしまして実感を持っておるわけでございます。今、先生御指摘のように、確かにNTT株式売り払いの有効活用によって私どもが新しい港湾の姿に、二十一世紀に向かって変えていこうという政策を展開している中で、いわば従来型の公共事業ではなかなか対応し切れない部分があるわけでございますが、こういった資金を有効に活用することによりまして地域におきます大変多様にわたるいろいろな需要にこたえていける、それに民間の活力もそこに導入できていくというようなこともあるわけでございまして、そういう面では、港湾がこれから新しい政策を展開していく上におきまして大変大きな力を持っている面があるということもそのとおりでございます。
○小林委員 もう少しむだ遣いをせいなんということを私は申し上げているわけではありませんから、その点での視点だけは大事にしていただきたいことを申し添えておきたいと思っています。
 そこで、今回の措置での臨海部活性化事業は大企業優遇政策とはならないのかという危惧の念を持たざるを得ません。この点はいかがかということと、それからもう一つは、地元雇用対策についてどれほど有効なのかというこの二点についていかがですか。
○奥山(文)政府委員 このA型を適用する事業の中で、特に臨海部活性化事業は、先ほどちょっと触れましたが、造船、鉄鋼、木材などいわゆる重厚長大型の臨海部に立地した企業が所有しております不活性化したあるいは遊休化した土地利用の転換を図る、水際線を活用して地域の活性化を目指すものであるというようなことでございまして、その中には確かに大企業が所有する遊休地において行われる事業もあると考えられるわけでございます。しかし、この事業は目的的にいいますと、その大企業の経営環境を向上させるというのが直接の目的ではございませんで、あくまでその事業によりまして港湾の総合的な開発を進め、新しい空間を創造するというようなことを通じまして地域の活性化を図るということを目的にしているわけでございます。したがいまして、御指摘の大企業優遇政策につながるというふうには私どもは考えていないわけでございます。
 また、第二のお尋ねでございますが、この活性化事業は、御案内の重厚長大型の企業経営環境の悪化などによりまして人員整理などが余儀なくされている企業もあるわけでございます。そういった企業の有する遊休地を利用するというようなことから、またそれを利用転換をしまして新しい産業をそこに育成していく、例えばレジャー産業であるとかあるいはその他のさまざまな民間施設あるいは臨海部の活性化施設とでもいいましょうか、いわゆる民活型の施設の整備をするというようなことによりまして、地域の特性を生かして総合的な港湾空間をつくり上げていく、創造していくということでございますから、新しい地域の活性化につながると考えておるものでございます。これらのことからしまして、当然そこには企業としての活動、経営としての活動が行われるわけでございますから、さまざまな形で地元の雇用対策にも貢献できるのではないかと考えておる次第でございます。
○小林委員 今日の当該事業の港湾整備の仕組みの中での位置づけがどのようになっているのかということなんでございますけれども、今回のNTT―A型事業の実施によって現行の第七次港湾整備五カ年計画は変更が必要ではないのかなという気がいたしますが、この点はいかがですか。
○奥山(文)政府委員 港湾整備の方式といたしまして、一義的には港湾管理者が整備を実施するという立場にあるわけでございます。その場合に、いわゆる公共施設であります水域施設であるとか外郭施設というのがあるわけでございますが、これを国の補助とか負担というような形で整備するものがいわゆる公共事業というわけでございます。そのほかに、そういうハードな基本的な施設に加えまして、港湾の機能を増進するために必要な関連する荷さばきの施設とか保管施設というようなものは、いわば経営的に運営されるというようなことからしまして起債事業という形で整備しておるわけでございます。言葉で言いますと港湾機能施設整備事業という形でございます。そのほかに民間事業者が実施するものとして、民活法に基づく旅客ターミナルであるとかその他の特定施設を整備する民活事業がございます。そのほかに民間企業が自分で専用的に使う専用施設の整備事業がある。そういったさまざまな整備の体系が組み合わさって港湾の施設が形づくられていくことになっているわけでございます。
 ここにNTTのA型事業が、こういった体系の中で、それも第三セクターという民間事業者の能力を活用する形で事業が営まれるわけでございますが、このA型の対象となる事業は、従来型のいわゆる公共事業として実施される分野のものであるわけでございます。そのほかに、そういった整備された施設が完成後に港湾管理者の管理にゆだねられるということになっておるわけでございまして、このことから、このA型の対象事業というのは、結局は性格的な面では公共事業の分野に属する事業であるというふうに考えるわけでございます。
 したがいまして、現在施行されております第七次港湾整備五カ年計画につきましては、港湾整備事業の実施をする目標だとか港湾整備事業の量というようなものを定めておるわけでございます。そういう観点から見ますと、今回のAタイプ事業というのはこの公共事業の範疇であるのではないかと考えておるわけでございます。したがいまして、五カ年計画の枠内でこの事業を取り扱うことができるという性格のものであると考えておりますので、特に変更する必要はないのではないかと思っている次第でございます。
○小林委員 NTTの収益金を使っての事業にはAタイプ、Bタイプ、Cタイプと三つの形態があるようでありますが、この相違というのはもう少し明らかにしておく必要があると思うのですね。その意味では、当該事業は公共事業であるにもかかわらずNTT―B型事業で実施しない理由がちょっとわからないんですね。Aタイプというのは「収益回収型 収益性のある公共事業」こう明記されているわけです。Bタイプの場合は補助金償還型でいわゆる通常の公共事業。港湾というのはだれが考えても、今まではしけの親方が港湾整備をやってきたという歴史はありませんし、船主が港湾事業をやってきたという歴史もありませんし、国の責任において港湾整備をどのように推し進めていくのかという意味では運輸省港湾局は大変苦労されてきたんだと思うのです。その意味では、いわゆるNTT―A、B、C事業の相違がちょっと不明確なんですね。この点を含めてお答えをいただきたいと思います。
○奥山(文)政府委員 御指摘のように、このNTTの資金につきましてはA、B、Cと三つのタイプがあるわけでございます。ちょっとわかりにくいかと思いますので順序を変えて御説明申し上げます。
 まずBタイプの事業から御説明申し上げますと、これは、従来の公共事業の方式の中で国が補助することによって整備を進めるものがあるわけでございますが、それが一般的でございますが、その補助金に相当する部分に充当するものがBタイプでございます。貸し付けでございますからいずれ返してもらわなければいけませんけれども、この返す原資を将来改めてまた補助金で見てやるといいますか、充当することができるようにするという仕組みのものでございますから、事業の執行者である港湾管理者の負担にはならない形になるわけでございます。
 それに対しましてA型というのは、港湾管理者が施行するものでなくて、いわゆる港湾において第三セクターが例えば活性化事業というようなものを施行するという場合に、その事業計画の中に一般の人たちが利用するような港湾施設を含んで整備する。もちろんこの施設は公共施設でございますから第三セクターが排他的に使うというわけにまいらないわけで、一般の万に開放するというものでございます。その場合その公共施設は、第三セクターが行うプロジェクト、あるいはその運営に関してその公共施設が大変密接に関係があるという性格のものにつきましてこのA型を適用しようというものでございます。したがいまして、この公共施設そのものからは償還する原資が生めませんけれども、それに密接に関係する事業から償還していただくというようなものでございまして、一種の特例措置でございます。
 それからもう一つCタイプというのがございます。これはやはり第三セクターが行う事業でございますが、民活法に基づく特定施設、例えば旅客ターミナルなどがそれに該当しますが、そういったものを整備しようとする場合に、この旅客ターミナルはもちろんいわゆる公共事業の対象にならないものでございますが、そういったものを整備する場合に、その地域に対する経済効果であるとか役割というようなものから考えて適当だというふうに認められますと、日本開発銀行等を通じまして無利子貸し付けを行うことができるようにしてあるものでございます。もちろん、この償還財源としましては第三セクターの一般的な収益をもって充てるというものでございます。こういったことでございますので、いずれにしましても特例措置としてこれを進めようというわけでございます。
 以上です。
○小林委員 なぜこのタイプで提案されたのか、なぜB型事業ではないのかという意味がよくわかりませんが、それではこの事業そのものは事業者にとってどのようなメリットがあるのですか。
○奥山(文)政府委員 このAタイプ事業につきましては、先ほど来御説明しておりますように、いわゆる公共施設に対しまして無利子貸し付けを行うということでございますが、それによりまして、港湾に係ります社会資本の整備の促進が図れる、あるいはひいてはそのことが地域の活性化に資するということを目的としたものでございまして、そういう面から見ますと、当該事業を行う第三セクターに特段のメリットを与えるということを直接的には目的としているものではございません。
 しかしながら、この事業につきましては、公共施設としての港湾施設の整備とあわせまして、密接に関連いたします収益事業がその公共施設の整備によりまして非常に機能化していく、効率化していくという面から見まして、密接不可分なものとしてあるいは一体的に実施されるということからしまして、事業者の側にも結果としてメリットがあるのではないかと思うわけでございます。したがいまして、そのメリット分に関しまして償還金に充てていただくという仕組みでございます。
 以上でございます。
○小林委員 この事業で整備をした公共施設の管理主体はどうなるのかということですね。
 それからもう一つは、今回の措置でいわゆる北海道、沖縄、奄美などの特別措置法の改正がないわけですけれども、どのような理由からここには手をつけなくてよろしいのか、この二点について。
○奥山(文)政府委員 この事業におきまして対象となる施設はいわゆる公共施設でございまして、このために公共性を担保するという観点からしまして、整備後に、この公共施設の管理につきましては、その場が港湾であるということがございますので、港湾管理者が行う必要があるのではないかと考えておるわけでございます。したがいまして、この施設完成後、公共団体である港湾管理者が管理するということに相なるわけでございます。
 次に、この措置が北海道、沖縄、奄美の特別措置法に及ばないのはどういうわけだということでございますが、Bタイプ事業の場合には一般の補助金のシステムそのものが生きてくるということでございますので、従来の国の補助であるとかあるいは負担の制度と極めて連動した制度でございます。そのために補助とか負担の根拠法になっております、今申し上げました奄美群島振興開発特別措置法であるとか、沖縄振興開発特別措置法、北海道開発のためにする港湾工事に関する法律というようなものが一連の改正をすることとしたものでございます。
 しかし、今回のAタイプ事業につきましては、制度の上では第三セクターが施行するということ、それから国の補助あるいは負担と特に運動したものでない、Bタイプ事業の対象となるものは別途政令で定めるというようなこともございまして、そういう体系の違いから、このAタイプにつきましてはBタイプ事業と同様の措置をとる必要がないこととしたものでございます。
○小林委員 次に、今回の改正の附則の各項について若干お尋ねをしておきたいと思います。
 まず第二十七項関係についてでございますけれども、一つ、事業主体の概要と当該事業の昭和六十三年度予算措置はどのようになっているのか。また六十四年以降はどのように考えているのかという件です。
○奥山(文)政府委員 この事業主体につきましては、地方公共団体の出資等に係る法人でなければならないわけでございます。具体的に言いますと、現在あります外費埠頭公社などの既存の法人とかあるいは新しく設立される第三セクターが想定されるわけでございます。
 この事業主体によりまして、予定しております当該事業の昭和六十三年度の予算につきましては、国費で三十九億九千五百万円を計上してございまして、昭和六十四年度以降につきましては、現段階ではまだプロジェクト等の関係もありまして未定ではございますが、昭和六十三年度の実績を踏まえながら積極的な予算の確保を進めてまいりたいと思っておるところでございます。
○小林委員 事業主体の概要と当該事業の昭和六十三年度の予算措置という意味では今ちょっとお伺いしましたけれども、もう一つ、貸付対象者を全額地方公共団体出資等法人の出資法人まで広げる理由についてお尋ねをしておきたいと思っております。また全額地方公共団体出資等法人には、港湾関係ではどのような法人があるのかということについてもあわせてお尋ねをしておきます。
○奥山(文)政府委員 この貸し付けが全額地方公共団体出資等法人が出資等を行う法人にまで可能なように措置した理由でございますが、地方公共団体の全額出資等の法人につきましては、その法人としての性格におきまして、ほぼ地方公共団体そのものと同じレベルの公共的性格を有しているというふうに考えたものでございます。このことはAタイプ事業に係ります他の立法例に倣ったものでもございます。
 また地方公共団体が全額出資等している法人につきましては、港湾関係では港務局、この例は全国に新居浜に現在は一カ所あるだけでございますが港務局。それから外費埠頭公社、全国に四カ所ございますがその公社。それから広域臨海環境整備センター、これは大阪湾の環境整備に係ります廃棄物処理を取り扱うセンターでございますが、そういったものがございます。
○小林委員 他の立法例に倣ったという言い方ですけれども、それでは、民活民活と言ってきたのだが、貸付対象者に純粋な民間事業者を含めない理由は一体何なんでしょう。貸付対象者を港湾管理者の出資等とせずに地方公共団体の出資等にした。立法例だといえばそれまでなんだと思いますけれども、民間活力と盛んに大きな声を出しておいて、用語のところは古い殻に閉じこもって、これも従来の立法例なんでございましょうか。
○奥山(文)政府委員 貸付対象者に民間事業者を含めない理由につきましては、いずれにしましても、行われる事業が公供的事業であるというようなことがございます。その事業主体としましては、地域の活性化等に一義的な責務とか役割を果たす地方公共団体の関与を求めるということが適当かということでございます。したがいまして、公的色彩の強い第三セクターが適格であると考えた次第でございます。こうした事業の性格にかんがみまして、純粋な民間事業者が事業主体となることは適当でないと考えた次第でございます。この点に関しましても、Aタイプ事業に係ります立法例に倣ったということも同様でございます。
 また、港湾管理者は港湾の管理運営に一義的な責任を有するものであって、貸付対象者の要件として港湾管理者の出資等を制度上求める考えがないということにつきましてのお尋ねにつきましては、この事業が必ずしも港湾管理者という、港湾を直接管理する立場の者だけが参画する内容よりも広い範囲の事業が計画される場合もあり得るということを考えまして、港湾管理者よりも広い範囲の所掌をつかさどる公共団体というふうにしたものでございます。
○小林委員 もう一つ、ちょっとわかりづらいのですが、出資と拠出というのはやはり違うのでしょうね。言葉の意味がちょっとわかりづらいのでこの点を御説明願えませんか。
○奥山(文)政府委員 出資といいますのは、出資をする者が出資金という一種の自分の資産を有して、配当とか、解散時におきましては財産の分配などに参画できる、あるいはその見返りを期待する金銭の給付があるということでございますが、拠出といいますのは、それに対しまして、出捐金と同じような概念かと存じますが、見返りを期待しない、いわば出し切りの金銭の給付のことと理解しております。
○小林委員 法律用語は大変難しいので、私ども改正案を読み下すのに大変苦労するのですけれども、あわせて、「国」という表現がありますね。「国」とは一体だれのことなんでしょうか。もし運輸大臣だとするならば、ここは「国」ではなくて、従来の立法例からしても「運輸大臣」と表現をしている例は幾つもあるわけですね。あえて「国」とした理由があるんだと思うのです。
 それからまた「当分の間、」というのは一体どれぐらいの期間を政府レベルでは基準にして設定されているのか、この点お伺いをいたします。
○奥山(文)政府委員 「国」という表現でございますが、無利子貸付金の貸付主体は国庫としての国の意味でございます。運輸大臣は、国の一つの機関の長としましてこの貸付事務を実行する主体でございます。港湾法五十五条の七などにもございますが、通常金銭の給付を行う場合の立法例におきまして、こういう場合に「国」という言葉を法律上の貸付主体としておるということがどざいますので、この表現に倣ったものでございます。
 またこの制度は、現下の経済情勢に緊急に対処するというようなことから、国債整理基金特別会計がございますが、この基金の円滑な運営に支障が生じない範囲におきまして当面売り払い収入実績の一部を活用する、それによりまして社会資本の整備の促進を図るという趣旨でございますために、この「当分の間、」の意味するところは、臨時的措置としての意味はございますが、いずれにしましても、NTTの無利子貸付制度が存在する間という意味で「当分の間、」と表現したものと理解しております。
○小林委員 難しいですね。国民にわかりやすい法律用語というのはないのかもしれませんけれども、しかし、あるときは「国」と表現をし、ある法律では「運輸大臣」と限定をする。しかし、責任を持たなくてはいけないところは運輸省なわけで、運輸省の最高責任者は運輸大臣なんですから、その点ではもう少し明記できる性格のものではないかな、私はそんな感じを持ちます。それはいいでしょう。
 貸付対象を一般公衆の利用に供する港湾施設に限定する理由は何ですか。
○奥山(文)政府委員 公共施設に限定する理由につきましては、港湾法の第二条に規定されているわけでございますが、港湾施設というものがかなり広範囲な施設を包含してございます。具体的にはいわゆる公共事業というものもございますし、それから民間の倉庫とか上屋、民間が経営するようなものまで含まれておる概念になっておるわけでございます。したがいまして、この貸付対象が公共施設を対象としているというものでございますので、ここは改めて港湾施設の範囲を限定する必要があったということでございます。
○小林委員 時間がだんだんなくなってまいりましたので少しまとめて御質問をいたしますので、簡潔にお答えをいただきたいのですが、貸付額を必要資金の一部としている意味、それから当該無利子貸付金の債権保全をどうするのか心配なんでありますけれども、問題はないのか、この二点についてお答えをください。
○奥山(文)政府委員 第一にお尋ねの、必要資金の一部としている理由につきましては、この貸し付けの割合が実際に行われております公共事業に対します国の補助であるとか負担に相当するものとすることになっておりまして、その他は港湾管理者が負担するというような形がございますが、そういうことでございますので、全部でないという趣旨のものでございます。
 それから債権保全につきましては、一般的には無利子貸付金につきましても国の債権管理に関する法律がございますが、これが当然適用されるわけでございます。そのほかに、お願いしておりますこの附則第二十九項による措置、管理等に当たって万全を期するという趣旨でございますとか、続きます附則第三十一項の政令で定める貸し付けの条件、そういった基準、担保の提供などによりまして、この保全に関しては万全を期したいと考えておる次第でございます。
○小林委員 債権保全という課題は非常に大事なんですが、今お話がありましたように、附則二十九項に関する部分の中でも記載をされているのですが、二十九項に関する規定を設けなければならなかった理由というのはまた別に存在をするのではないだろうか。国の債権の管理等に関する法律があるわけですね。なぜこの規定が必要なのかについても逆にお尋ねをしておきたいと思いますし、今回の措置の中で附則二十七項及び三十一項での政令で定める内容というのは、大綱どのようなものを考えているのかということについてお尋ねをしておきたいと思います。
○奥山(文)政府委員 附則第二十九項の規定でございますが、先ほど御説明申し上げましたように、この貸し付けの対象になる公共施設は、その償還に充てる原資の生み場所がそれに密接に関連しておる事業からというものでございます。そういった密接不可分なものであるという関係から、その関連事業が適正に遂行されることによって初めてこの事業の機能、効用が発揮されるという関係にございます。したがいまして、今回密接に関連いたします事業につきましても国が一体として関与する必要があると考えたものでございます。
 次に、附則第二十七項及び第三十一項の政令で定める予定の内容でございますが、附則第二十七項の政令で定める基準関係につきましては、適切な工事実施計画、関連事業実施計画を有し、これらの事業を的確に行う能力を有するものであることなどでございます。それから、同項の工事関係に関するものにつきましては、水域施設、外郭施設、係留施設、臨港交通施設、港湾環境整備施設などの港湾施設の工事であることが必要だということ、それから、当該施設が工事終了後港湾管理者の管理下に属するものであるということなどを定める予定でございます。
 それから、附則第三十一項に関するものにつきましては、貸し付けの条件の基準関係でございまして、償還方法は均等半年賦償還とすること、あるいは担保の提供を求めることなどを予定してございます。
○小林委員 施行期日ですけれども、「公布の日から施行する。」こうなっております。一体いつごろを予定しているのか。従来の立法例でいうと何年何月何日と記載したものも数多くございますが、あえて「公布の日から施行する。」という表現をされた理由についてお示しをいただけますか。
○奥山(文)政府委員 この事業を早期に着工し、かつ円滑な実施が図れるという観点からしますと、お願いしておりますこの改正法の早期の成立あるいは公布、施行が前提になるわけでございます。それがなければできないわけでございますが、これができるだけ早く成立するようにということを期待いたしまして、特に日にちを明記しなかったものでございます。
 また、この事業につきましては、この法が施行されました後実行までに、事務的な手続でございますが、実施計画につきましてのいろいろな手続がございますので、その承認が得られた後に実施が可能かと存じております。
○小林委員 いろいろお尋ねをしてまいりましたけれども、そろそろ時間でありますので、最後にトータルな意味で大臣の所見を求めておきたいと思うのですが、今後どんな立派な港湾整備をするにしても、実質的にはそのリーダーとなるすぐれた人材の確保、またその人材を育成するということが非常に重要なことだと思うわけです。その辺のことについてはどのように考えておられるのか。このことを通じて、立派な均衡ある港湾整備計画といったものが、従来から進めてこられたそれぞれの五カ年計画の延長線上にきちっと位置づけられることを期待しながら、大臣の決意のほどをお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○石原国務大臣 港湾は、これから従来の機能だけではなくて、もっと多岐にわたる多目的な利便を市民に供する場所として再開発されていかなくてはならないと思いますし、またそのための専門家といいましょうか、衆知を集め、人材も育てて、今までなかった新しいモデルビルディングを地域性も生かして行っていかなくてはならないと思います。
 決して役所とか技術屋さんだけではなくて、例えば、私きのうある雑誌で対談をいたしまして、漆原美代子さんという方、大変美人で、どういう方かと思ったら、アメリカの大学を出られた、しかも港湾審議会の委員をしていらっしゃるということで、いろいろおもしろい意見を聞きましたが、そういうふうに感覚の問題も含めていろいろな知恵を集めて、国民に評価してもらえる開発を行っていきたいと思っております。
○小林委員 終わります。
○関谷委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午前十一時二十九分休憩
     ────◇─────
    午後二時二十八分開議
○関谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。長田武士君。
○長田委員 先日提案理由の説明がありました港湾法の一部を改正する法律案につきまして、何点かお尋ねをいたします。
 昭和六十年五月に長期港湾整備政策といたしまして「二十一世紀への港湾」が策定されたわけであります。これに基づきまして現在、六十一年度を初年度といたしまして六十五年度までの第七次港湾整備計画が進行中でございます。この第七次計画の主要施策は、総合的な港湾空間あるいは港湾相互のネットワーキングの推進の実現に向けまして新たなパラダイムの形成を図るために、一つは物流基盤、第二番目には産業基盤、第三番目には生活基盤などが柱になっておるわけであります。
 そこで、まずお尋ねしたい点は、こうした港湾整備の政策目標が、このような港湾法の一部改正によりまして一体どのように変わっていくのか。また、今回Aタイプの無利子貸付制度はどの目標の位置づけを充実させようとしておるのか、この二点についてまずお尋ねをいたします。
○奥山(文)政府委員 お答えいたします。
 近年、国民の価値観が物質的な豊かさという価値観から精神的な豊かさへというように変化してきておりまして、大変豊かな状況になってきておるわけでございますが、港湾におきましても、ウオーターフロントの特性を生かしまして新しい生活空間の形成が求められているところでございます。したがいまして、今後の港湾整備につきましては、いわゆる本来型といいましょうか、物流であるとかあるいは生産に係る機能に加えまして、港湾が人の諸活動に係るいろいろな機能を具現できるような場として整備充実を図る必要があるということ、このことは私ども総合的な港湾空間の創造ということで言いあらわしておりますが、そういった空間の整備を図っていくという考えでございます。
 こうした中で、今回のAタイプの事業につきましては、港湾の総合的な機能、すなわち物流、産業、あるいは人の諸活動に係る諸機能といったものが総合的に調和よく港湾空間を形成するということにいたしまして、このことが地域にとっての活性化にも資するものというふうに考えて事業が行われるものであるという認識でございます。
○長田委員 それでは、第二問は運輸大臣にお尋ねいたします。
 昨年六月、四全総の目標は「安全でうるおいのある国土の上に、特色ある機能を有する多くの極が成立し、特定の地域への人口や経済機能、行政機能等諸機能の過度の集中がなく、地域間、国際間で相互に補完、触発しあいながら交流している多極分散型の国土を形成することを目標とする。」このようにうたい上げておるわけであります。こうした四全総の目標と港湾整備がどのような関係にあるのか、大臣率直な御意見をお聞かせ願いたいと思っております。
○石原国務大臣 けさの多極分散型国土開発計画に関する閣僚会議で初めて私目にした言葉ですけれども、業務核都市ですか、業務に関する核都市という構想が出てまいりまして、これは当面は東京のメガロポリスで、大宮とか八王子という町が候補に上っておりましたけれども、いわば海上における業務核都市というんでしょうか、つまり単に港の機能だけではなくて、そこに今、局長から御説明申し上げました幾つかの機能をあわせて備えさせることで、それがある限られた地域、かなり広範囲の地域の水における一つの基点になるというふうな発想がもとにあると私は思います。そういうことで、港の業務プラス幾つかのアルファを加えることで、そこに水際に臨んだ新しい有効な機能を備えた港湾ができるということで、そこがその地方の新しい中心になっていくということで、国土全体の多極分散が水面に関しても行われるということだと私は思っております。
○長田委員 今回予定されております第三セクターに対するAタイプの無利子の貸付制度、この創設の背景とねらい、どの辺にあるのか。それからまた公共埠頭整備事業及び臨海部の活性化事業については具体的にどのような事業を予定されていらっしゃるのか、この点について運輸省からお答えをいただきたいと思っております。
○奥山(文)政府委員 まず第三セクターにこの事業を適用するねらいでございますが、御案内の厳しい財政状況のもとにありまして、社会資本の整備の促進によりまして内需の拡大の要請にもこたえる、あるいは地域の活性化に資することということが大変必要な状況にあるわけでございます。このような状況におきましてこの事業を導入しこの資金を活用することによって社会資本、この場合は港湾の施設ということに相なりますが、社会資本の整備が促進できるということでございますので、目的にかなったものというふうに理解しているところでございます。
 また一方におきまして、港湾に対します諸要請が多様化する中で、先ほど御説明申し上げましたが、そういう中で第三セクターという、いわば大変幅の広い事業にかかわれるものが参入することによりましていろいろな要請にこたえられるという面もあるわけでございます。そういう意味で、港湾が地域社会におきましてより有用な働きができるということは言えると思うわけでございます。このようなことでございますので、地方公共団体の出資等に係る法人、いわゆる第三セクターが行う港湾の活性化のプロジェクトに関しまして、これと大変密接な関係にある公共事業を対象にいたしまして新たに無利子貸し付けを行い得るよう措置するわけでございますが、これによりまして港湾整備の一層の促進が図れるというように考えているわけでございます。
 このような事業の中で六十三年度二つほどの事業を考えているわけでございますが、その一つは公共埠頭整備事業でございます。これの中身を申し上げますと、御案内のように、外国貿易を中心といたしましてコンテナ貨物が大変増大している状況にございます。さらに船舶の大型化というものが依然として続いておる状況にございまして、これに対処するために緊急に公共埠頭の整備が必要になってまいっている状況がございます。これに対しまして岸壁や道路の整備を行うということでございまして、これに密接に関係する荷さばき施設であるとか保管施設などの運営的な事業、あるいはこれに関連して行われます土地造成事業などは収入が得られる事業でございますので、これによって公共施設の整備を図るという趣旨のものでございます。
 二つ目は臨海部活性化事業というものでございますが、これは最近、臨海部に立地しておる産業の構造変化がございますが、そのために水際線にやや不活性化している部分あるいは土地の遊休化している部分が見られる状況にございますが、そういった場合に水際線を利用しながら新しい土地利用転換を誘導していく必要がある。これによって地域の活性化を図るということが必要になってまいっておりますが、その場合に観光船バースだとかあるいは緑地あるいは臨港道路などの公共港湾施設によりまして、これに密接に関連いたしますレジャー施設であるとかあるいはレストラン等の収益施設などからの収益によりまして、先ほど申し上げました公共施設の整備を図っていくというものでございます。
○長田委員 今回の措置の中で今公共埠頭等の整備事業それから臨海部の活性化事業、この内容について御説明がございました。その程度の事業でどうでしょうか、返済というのは可能なんですか、利益が上がるのですか、ちょっと私は心配だなという感じがするので申し上げるのでございますけれども。
○奥山(文)政府委員 具体的な計画の内容につきましては、今申し上げましたA型の導入だけでなく、そのプロジェクトに見合った、例えば民活法であるとかあるいは民間都市開発推進機構のバックアップシステムを利用するとか、その他いわゆるレジャー法による支援をするとか、いろいろな支援措置、それに加えましてA型の導入以外の一般の公共事業のバックアップも当然考えなければならぬと思うわけでございますが、それぞれプロジェクトの内容に応じまして、御心配になっておる採算の問題につきましても十分やっていけるようなプロジェクトにまとめ上げていくということに相なろうかということでございます。
○長田委員 いろいろな要請が地方から出てくると私は思っておるのでありますけれども、そういう中で、事業計画とか収支決算の予想とか、そういう問題については相当厳密に審査するのでしょうね。
○奥山(文)政府委員 計画の実施に当たりまして、仰せのとおりの審査をしてまいりたいと思っておるところでございます。
○長田委員 それでは私、東京都の問題でちょっとお尋ねしたいのでありますけれども、現在東京都で東京港竹芝地区の再開発計画が進められておるのは御存じのとおりであります。これは昭和六十二年七月二十一日に創立総会が行われまして、そして竹芝地域開発株式会社を設立いたしました。埠頭の再開発を行いまして、そこに多目的ホールや商業施設等を整備しようとする計画であります。この計画は民活法によりまして進められておるわけでありますけれども、今回の改正案に沿って考えた場合、どのタイプの適用を受けることができるのか。また国としてどのような形でこの第三セクターを応援することが可能なのか、この点についてはどうでしょうか。
○奥山(文)政府委員 竹芝地区におきましては、御案内のとおり離島向けの貨客船埠頭の再開発を行うということで進めておるわけでございますが、この中にいわゆる公共施設として盛られておりますのは岸壁であるとか緑地等基本的な港湾施設でございますが、これにつきましては、港湾管理者である東京都が整備主体として進めているわけでございます。中に、民活法の特定施設である港湾業務ビルあるいは商業施設等を第三セクターである竹芝地域開発株式会社が整備することとなっておりまして、港湾機能の高度化を図るということでございます。
 こういうことでございますので、基本的な港湾施設は、第三セクターでございません東京都が整備することから、本プロジェクトにおきましては、Aタイプ以外の整備方式をとるということでございます。なお、港湾業務ビル等の整備に関しましてはいわゆるCタイプ、開銀からの融資による無利子貸し付けでございますが、これによってプロジェクトの推進を図りたいと考えておるところでございます。
○長田委員 この東京都の例のようにAタイプの融資対象となることは必ずしも容易ではないということを私は考えるのであります。
 そこで、Aタイプの適用事業とは一体どういうものを指すのか。私は、この点もうちょっと明確にしていただいた方がいいのじゃないかという感じがいたしております。例えば駐車場や緑地は対象になるのかどうか。また、上が公園で下が船客ターミナルというようなケースもありますね、そういう場合はどうなのか。さらに駐車場にしても、有料と無料の場合は当然扱いが変わってくるのじゃないか、私はこのように考えております。
 こうした点についてもっと具体的に説明していただきませんと、第三セクターといいましても、これはA、B、Cというタイプについてなかなかわかりにくい。そういう点がちょっと欠けているのじゃないかという感じがいたしております。この細目については今後政令等で当然記載されてくると考えておるわけでありますけれども、何が融資の対象となり何が対象にならないのか、そういう基準をことで明らかにする必要があるのではないか、私はこのように考えておりますが、どうでしょうか。
○奥山(文)政府委員 このAタイプの無利子貸し付けの対象施設につきましては、今審議をお願いしております法の附則第二十七項に基づきまして政令において別途決めるわけでございますが、内容的には、従来港湾管理者が整備する場合に国から補助だとか負担の対象として整備していた港湾施設、いわゆる公共事業の範疇に属するものでございますが、そういう施設に限定することとしております。
 したがいまして、具体的に言いますと港湾の基本的な施設に限定されるわけでございます。例えば泊地などの水域施設でございます。それから、防波堤などの外郭施設。岸壁などの係留施設でございます。それから道路などの臨港交通施設。あるいは緑地などの港湾環境整備施設、こういったものが対象になるわけでございます。これらはいずれも現在補助対象事業として採択されているものでございまして、この範囲に限るということでございます。したがいまして、今駐車場というお尋ねがございましたが、駐車場につきましてはこの範疇に現在も入っておらないわけでございまして、貸し付けの対象にはちょっとなりにくいということでございます。
○長田委員 それでは、この仕組みについてちょっとお尋ねをいたします。
 国債整理基金特会から一般会計に入りますね。それから産投特会に入りまして、そして各公共事業特会という形でずっとおりてくるわけです。Aタイプ、Bタイプについては公共事業特会から出てくるわけでありますけれども、Cタイプについては開銀から出ますね。そうすると、国としてはやはり利子補給をするとかそういう手当てはするのですかしないのですか、Cタイプの場合。
○奥山(文)政府委員 お尋ねのとおりNTTの貸付金には三つのタイプがございますが、今お尋ねの開銀からの貸し付けでございますが、これはいわゆるCタイプと称するものでございます。貸し付けの対象は民活事業に係るものでございますが、いずれも開銀から事業主体である第三セクターに貸し付けるものは無利子貸し付けでございますので、特に利子補給等の措置は講ずる必要がないかと存じます。
○長田委員 ところで、今回のAタイプの無利子貸付制度の措置はこれから何年ぐらい続けられる予定なんでしょうか。また、今後総額といたしましておよそどのぐらいの額を予定しておるのか、この点についてはどうでしょうか。
○奥山(文)政府委員 「当分の間、」という表現をとらせていただいておりますが、この意味するところは、臨時的措置としての無利子貸付制度でございますので、答えになっているかどうかわかりませんが、この制度が存在する間という意味という理解でございます。
 なお、港湾整備事業としてこのAタイプに相当する事業の規模がどの程度になるかということでございますが、六十三年度は先ほど二項目ほどの事業で御説明申し上げましたけれども、六十四年度以降の新しい事業につきましては、今後さらにプロジェクトの成熟を待って採択していくというようなことに相なろうかと思いますので、現段階では全体額を申し上げる資料を持ち合わせてないわけでございます。その都度、要請に応じて採択をしていくという形で、実績としてあらわれてくるということかと理解しております。
○長田委員 運輸大臣、今お聞きのとおり、この計画のある程度先の見通しといいますか、将来どのくらいまで続けるとかあるいは総規模としてはどのくらいを整備にお金をかけるとか、そういうものがある程度わかっていませんと、どうでしょうかね、総体的な二十一世紀の港湾づくりなんというのはちょっとできないんじゃないでしょうか。
    〔委員長退席、亀井(静)委員長代理着席〕
○石原国務大臣 もともと、これは相手側の要請に応じてこれを用立てて使うという基本の原理になっておりますから、それに売却益ももともと膨大なものだとはいえ限度があるものでございまして、二十一世紀へ向けての港湾の整備、新しい港湾空間の整備ということの一つの援軍という形で私たちはとらえておりますので、無期限に続き得るものでもございませんし、つまりこれによって新しい港湾の構想というものが軌道に乗っていけばそれにこしたことはないという姿勢でとらえております。
○長田委員 六十三年度はこうである、六十四年度以降はまだというような感じでは、余りにも展望がなさ過ぎるような感じがいたします。そういう点、どうかまた御検討いただければ大変ありがたいと思っております。
 今回の措置の中で、地方公共団体以外のものに対しまして、BタイプとしないでAタイプにした。これは御案内のとおり無利子貸し付け、これを行うとした理由はどういうところにあるのでしょうか。なお、地方のプロジェクトの場合は、むしろBタイプの補助金償還型の方を希望するという声も私はあるやに聞いております。この点についてはどうなんでしょうか。
○奥山(文)政府委員 公共施設の整備事業といいますのは、本来採算性が低いというか、あるいは一般の公共の用に供するという基本的な考え方に基づいて事業実施をしておるわけでございます。公共事業方式とかあるいはこれに非常に似通っておりますが、NTTのいわゆるB型事業の範疇、今申し上げたような事業はそういった範疇であると考えておるわけでございますが、第三セクターが臨海部の活性化あるいは地域の活性化をねらってプロジェクトを推進するという場合に、その公共施設を第三セクターがそのプロジェクトとあわせて緊急に整備したいという、そういう要請に対しまして的確にこたえる必要があるというような場面があるわけでございます。さらに、公共事業であっても、ある程度この無利子貸し付けというような助成措置を与えることによりまして、採算性の見込める事業については貸付方式を採用することが貴重な財源の有効活用にも資するというふうに考えられるところから、このA型事業を実施して、港湾施設整備の全体の促進を図っていこうと考えたものでございます。
 なお、確かに、地方におきましては収益を上げ得る関連事業というのは大変限定されるという、お尋ねのとおりであろうかと思います。今回のこのAタイプ事業につきましては、そういった場合には、やはり地域の活性化に資する事業であるということにつきまして、その地域の特性に応じたさまざまな創意工夫を凝らすことによりまして、魅力あるプロジェクトが形成されるというようなことになるのではないかと思っておるわけでございます。そういう意味で、地方の特色を生かした形でこのAタイプの事業もこなし得るもの、そういうプロジェクトもあるものと考えておるところでございます。
○長田委員 こうした限られた期間で、この制度の中で収益性が上がる、償還が可能である、そういうところは、私はどうも都市に集中するのではないか。したがって、人口の多いところ、そういうところでないと、どうも可能性が薄いように私は思います。そうしますと、収益性の上がらないいわゆる地方、そういう港湾はいつまでたっても依然として、うたっております港湾の空間の整備が立ちおくれてしまう、こういう結果になるような感じが私はいたしております。こうした点については、制度としてどうも不均衡であり、不公平であるというようなそしりが免れないような感じがするわけでありますけれども、こういう地万における港湾整備がどうしても立ちおくれてしまう、こういう手当てはどうされるのですか。
○奥山(文)政府委員 お尋ねのとおり、地方におきますこういった事業の採算性というものは、確かに困難な面もあろうかと思います。しかしながら、プロジェクトのつくり万というものが、いわゆる都市部におきますものとそれからいわゆる地方におきますものとはかなり違った内容になる、採算の面から見てもそうですし、それからその地域の特性を生かすという面から見てもそうだと思いますが、かなり違った内容のものになっていくのではないかと思っておるわけでどざいます。その場合に、採算性の面からとらえること、それからそのプロジェクトの性格からとらえることからしまして、やはりAタイプの適用だけじゃなくて、プロジェクトに関係いたします、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、諸制度をうまく活用してバックアップをしていくという形、それに加えまして、一般の公共事業のバックアップもそれ相応にしなければならない、そういう形でプロジェクトの構成が運営されていくというふうなことを期待しているわけでございます。
○長田委員 今回の措置の適用を受けて港湾整備をしたところ、現実は非常にうまくいかなかった、そういう点で借入金の返済ができない、こういうケースも私は当然あり得ると思いますね。私も元銀行員ですから、どうもそんなことばかり心配するわけであります。赤字でも予定どおり償還をさせるのか、あるいはこの改正案を見た限りでは、こうした点についてはどうも具体的な対応という点は余り明確になっていないのではないか、そういう点はどうなんでしょうか。
○奥山(文)政府委員 プロジェクトがつくられる段階で、当然採算性というものを十分チェックし、必要な助成措置をとるというようなことに相なりますので、御心配の向きがないようにしたいと思うわけでこぎいますが、仮にそういった場面がありますと、Aタイプの貸し付けに係りますいろいろな保証措置が必要になろうかと思うわけであります。そういう意味では、例えば担保の設定とかあるいは債務保証の設定とか、いろいろなことを考える必要があろうかと思うわけであります。
○長田委員 事実上倒産しちゃったら、どうするのですか。
○奥山(文)政府委員 倒産というような事態が起こらないようにしてまいりたいと思うわけでございますが、この貸付金の保全につきましての措置も一方とることによりまして、いわゆるAタイプの資金の回収不可能というようなことにはならないのではないかと思っておるわけでございます。
○長田委員 それはまた後で論ずることにしまして、今日まで港湾管理者が通常事業といたしまして水域施設、係留施設、臨港交通施設、港湾環境整備施設等の整備については国の補助金をもって整備をしてまいりました。これらの通常事業を今回のAタイプ無利子貸付制度ではいわゆる第三セクターに行わせる、こういう道が開かれたわけであります。そこで、港湾管理者と第三セクターの間で今後行政上の問題が出てくるんじゃないかなという心配を私はいたしております。この点はどうなんでしょうか。
○奥山(文)政府委員 港湾の空間を創造していく上で、民間事業者の能力を有効に活用していくという時代の要請がございますが、一方におきましてその対象となる事業の、これは公共事業でございます、この公共性から見まして、貸付対象者は極めて公的色彩の強い法人に限定するというようなことが必要かと思います。一方におきましていわゆる第三セクターは、プロジェクトの制定に当たりましてあらかじめ港湾計画との適合性等につきまして、この港湾計画は港湾管理者がつくるわけでございますが、この港湾計画への適合性につきまして港湾管理者の承認を得るという手続がございます。そのほかに、港湾施設の整備後におきましては、先ほどもちょっと御説明申し上げましたが、その公共施設が港湾管理者の管理下に属するという措置を予定しておりますので、こうしたことによりまして、第三セクターがAタイプ事業を実施したといたしましても、港湾管理者との間で行政上の問題が特に生じることはないのではないかと思う次第でございます。
○長田委員 港湾における民活事業を推進するに当たりまして、民活法等の資金面での施策体系はどうなっておるのか。また、今回の措置はその施策体系の中でどのような位置づけを行っておるのか、この点についてはどうでしょうか。
○奥山(文)政府委員 今回の事業は、Aタイプが対象にしておりますのはいわゆる公共施設、公共事業でございます。これは第三セクターが肩がわりして実施する形になりますが、できるものは公共施設でございますし、先ほど申し上げましたように港湾管理者という公共団体がこれを管理するということでございます。そのほかに、この第三セクターに対しましてはいろいろなバックアップシステムが働くことになっておりまして、これらの措置によりまして民間プロジェクトの推進が積極的に図られることになっておるわけでございます。
○長田委員 今後二十一世紀に向けまして港湾整備は多様な形で促進されていくわけであります。こうした状況下にありまして、民活を導入いたしまして新しい港湾整備が進められている中で、国の役割というのは非常に重大である、このように私は考えております。先ほどの御答弁にもありましたとおり、資金面の施策も非常に大事であります。しかし、人的な面での国の援助といいますかそういう点が非常に大事だろうというふうに私は考えておりますが、この点はどうでしょうか。
○奥山(文)政府委員 二十一世紀へ向けまして港湾が社会のさまざまなニーズにこたえまして大きな飛躍をしていくという場面でございます。したがいまして、臨海部の開発に係りますいろいろな知恵、工夫が必要になっているのも現実でございます。したがいまして、今お尋ねのとおり、これをこなし得る有能な人材の確保とか育成というのはぜひ必要なことでございます。そういうことでございますから、私ども運輸省といたしましても、これまでも港湾のいろいろな要請に対します組織づくりというようなもの、あるいはいろいろな機会をとらえての研修、啓蒙の場というものを設けまして港湾への理解を深めるとともに、人材の確保、育成を図ってまいっているところでございます。また、直接に港湾を管理いたします港湾管理者あるいは関係いたします民間の方々におきましても、海外との交流を図るなどによりまして新たなウオーターフロントの形成というものにつきましてのノーハウの蓄積を積極的に行っているところでございます。
 いずれにしましても、これからのこういったプロジェクトを進めるにつきましては、官民協力してプロジェクトの推進に当たらなければ実現が難しい面がございますので、そういった面の組織づくりも必要かと思いましてしかるべき組織を設立してあるということでもございます。これは、しかるべきと申し上げましたけれども、港湾空間高度化センターという大変ハイカラな名前のセンターもできておるということでございます。それから、私どもの内部の話で恐縮でございますが、港湾技術研究所という世界にも有数な技術センターがございますが、ここで新しい研修施設の充実を図るというようなこともやっておるわけでございます。今後とも、港湾の発展にとって必要な人材の確保であるとか技術の向上に努めてまいる所存でございます。
○長田委員 続きまして、港湾に関連する問題につきまして幾つかお尋ねをいたします。
 まず、海洋性レクリエーションに関する問題でございますが、最近における所得水準の向上や余暇時間の増大によりまして、ヨットやボートなどの海洋性レクリエーション活動の需要が非常にふえておる、そういう状況でございます。こうした中にありまして、全国のヨットやモーターボート等のプレジャーボートは相当数に上っておる状況のようでございます。そして、今後も愛好者は年々ふえる一方でございます。そういう状況下で、現在のプレジャーボートの数と全国のマリーナ施設の状況をお示しいただきたいと思っております。
○奥山(文)政府委員 現在、全国にありますプレジャーボートの数は、港湾局の推計も入りますが、約二十四万隻でございます。これを収容するマリーナは現在全国に約三百七十カ所ございます。このうち、港湾管理者等いわゆる地方公共団体が建設したり管理したりしているマリーナは、その一割に相当する三十七カ所でございます。なお、これらのマリーナにおきますプレジャーボートの収容能力は約四万五千隻でございます。マリーナ以外のプレジャーボートの保管状況は、内陸に保管しておるものが約五万隻あるようでございます。その他に水面占用保管というものがございまして、これはきちっと保管されているという意味でございますが、これが約二万八千隻あると推計されております。したがいまして、残りの十万隻以上のものは恐らく港湾あるいは河川、海岸などに放置されているのではないかと思っておるところでございます。
○長田委員 ただいまマリーナの施設や数をお聞きしたわけでありますけれども、今後増加が見込まれるヨットやモーターボート、このような状況ではとてもじゃないけれども対応できないという感を強くいたします。しかもマリーナ不足はますます深刻な状況のようでございます。こうした中にありまして、運輸省は今後マリーナの需要予測についてどのように考えていらっしゃるか、また対応をどう考えていらっしゃるか、この点についてお尋ねします。
○奥山(文)政府委員 お尋ねのとおり、国民生活の向上あるいは余暇時間の増大などを背景といたしまして、あるいは国民の海洋に対する意識の変化などによりまして海洋性レクリエーション需要は今後一層増大していくことが予想されております。それに伴いましてプレジャーボートの保有隻数も増加していくものと考えております。過去の増加傾向あるいは諸外国の例を参考にすることによって推計いたしますと、昭和七十五年までに少なくとも三十八万隻以上になるものと予測しているところでございます。最小の見積もりになろうかと思いますが、仮にこの三十八万隻になるといたしましても、保管率の状況が現状並みあるいは水域占用の状況も現状並みとして、さらに陸上輸送システムを開発するという考え方もあるようでございますから、そういったことによって内陸保管が推進されるといたしましても、今後新たに、これは少ない見積もりでございますが、約十七万隻分に相当するマリーナの整備が必要になろうかと思っているところでございます。
 この対応といたしまして、公共事業によるマリーナの積極的な整備ももちろんでございますが、民間のマリーナにつきましても、例えば、いわゆるリゾート法に指定されているようなところのマリーナにつきましては一定の助成措置がとれることになっておりますので、そういった面での助成を行うということが必要でありましょうし、それから純粋にその他の民間のマリーナの整備意欲も最近高まっているようでございますから、そういった事業に対しましてもこれを推進していくバックアップシステムが必要かなと考えているところでございます。
○長田委員 私は、マリーナ施設の増設は緊急な課題であると考えております。そういう点で、どうかひとつ、何年にはどのくらい整備をするとか年次計画をお立てになったらどうでしょうか。ただ漠然として数がふえる、ふえるということであったのでは、これは対応できないと思います。そうしませんと深刻なマリーナ不足は解決できないのではないか、私はこのように考えているところであります。
 運輸大臣は個人的にもとうした問題に大変関心が高いということを私も伺っておりますから、この点、もう少し整備ということで具体的なお考えはないのでしょうか。
○石原国務大臣 税制改革の中にも物品税の廃止もうたわれておりまして、特に小型船舶、プレジャーボートに関しては日本はもう世界に例のない高い物品税をユーザーが払っているわけでございますが、こういうものが解消されますとますますニーズが出てくると思います。
 それにこたえるマリーナですけれども、いろいろな形があると思います。私企業がやっているものもございますし、第三セクターがやっているものもございますし、また完全に地方公共団体がやっているものもございますが、いずれにしろ需要に追いつかないというのが現況でございます。例えば神奈川県の油壺などは、漁民が入り江の漁業権を放棄しまして、その代償に第三セクターに加わって、恐らく日本で一番繁盛している施設を経営しております。あるいはそれに倣った三崎の港は、漁港でございましたけれども市長が英断を下しまして、これからアメリカの幾つかの港のように大転換しようということで整備もしかけております。また個人的なことになりますが、私がちょっと関係しております鳥羽の先の五ケ所湾に、これは名古屋の私企業ですけれどもかなり思い切った投資をしまして、私はとても趣味の域を出ずに無理じゃないかと思って懸念しておりましたら、人口の多い後背地からかなり遠い、アクセスの不便なところでありますけれども、これがある年を経ますと非常に隆盛になってきて評価されております。
 ですから、マリーナもいろいろな方式での経営あるいは着工があると思いますが、いずれにしろその基本条件の港湾の整備その他は運輸省が側面から援助して行っていかなくてはならないと思います。おっしゃるように、そういった需要の増大が予測されるのに、年次計画で幾つどこにどういうものをつくっていくかという計画がまだまだ出てきておりませんので、かなりラフなものになっても、要するにともかくたたき台をつくらなければならないかなと思っております。
○長田委員 どうかひとつ前向きに検討していただきたいと思っております。
 次に、海上保安庁にお尋ねをいたします。
 マリーナの整備が進むとともにヨットやモーターボート等の海洋性レクリエーションがますます盛んになっておることは御存じのとおりであります。こうした海洋性レクリエーションにおけるところの交通安全対策は現在どのようになっておるのか、また今後の海の交通安全対策についてどのように考えていらっしゃるのか、この点についてお尋ねをいたします。
○大塚政府委員 海上保安庁では、従来から海上保安官による訪船指導、海難防止講習会の開催あるいは事故の際の救助活動等を通じてプレジャーボート等海洋レジャーの安全の確保に努めてまいりましたけれども、今後の海洋レジャーの進展に対応しまして、さらに当庁の巡視船艇の充実、航路標識、灯火の整備、安全パトロールの強化など必要な措置に努めてまいりたいと、考えております。
○長田委員 次は、また運輸省にお尋ねをするわけでありますけれども、港湾の再開発や海上利用の増加によりまして港湾の多角的利用が現在進んでおるわけであります。こうした中で小人数を乗せました海上タクシーの要望が非常に強いということを私も聞いております。
 そこで、伺うわけでありますけれども、現在このような海上タクシーは認可されておるのかどうか、今後認可されるおつもりがあるのかどうか、この点はどうでしょうか。
○熊代政府委員 お答えいたします。
 今御指摘の海上タクシーというのは俗称だと思います。いわゆる海上タクシーというのは総括的に言いますと小型の船舶を用いてお客を輸送するということだろうと思いますが、御承知のように、現在海上運送法で離島航路ですとか長距離フェリーですとかといったものは免許制度あるいは許可制度をとっているわけですが、小型の船舶につきましては、一応十三人以上、十三人未満ということで区切られておりまして、十三人未満のものについては小人数のもので輸送力も余りないということから、基本的には届け出でできるという形になっております。現在でも瀬戸内海を中心とした四国、中国あるいは九州あるいは沖縄といったようなところで届け出等によります海上タクシーというのが利用されております。現実にかなりの数があると思います。
○長田委員 次に、やはり法案に関連してお尋ねするわけでありますけれども、沖合人工島構想については現在どのようになっているのでしょうか。これについて運輸省の取り組みについてお示しをいただきたいと思っております。
○奥山(文)政府委員 人工島につきましては、新しい国土を創造するということ、それからその周辺の海域の総合的な利用の促進を図れるという観点から、昭和五十五年度から沖合人工島構想の調査を行っているところでございます。当初、基本的な技術的な調査でございましたが、それを終えた後に、六十一年度から全国の海域の中で五つの海域を選びましていわゆる実現可能性の調査を実施してきたところでございます。
 五つの海域、もうちょっと具体的に申し上げますと木更津、横須賀、清水、玉野、倉敷、下関の五海域でございます。これら人工島のプロジェクトは地域経済に及ぼす影響が大きい、あるいは民活プロジェクトとして進めるにつきましても極めて大規模なものであるというようなことのために、事業実施に先立ちまして計画の内容あるいはこれを進める事業制度、そういった面、それから採算性等につきまして、より詳細な検討が必要である、そういうふうに考えておるところでございます。
 このために、昭和六十三年度におきましては、こういった実現へ向けての具体的な調査検討を行うために沖合人工島事業化推進調査というふうに名を打っていますが、そういった調査を実施することとしてございます。今後これらの調査結果を早急にまとめまして、事業実施のために必要な予算の確保であるとかあるいはこれを進める事業制度の確立などにつきまして努力してまいりたいと思っておる段階でございます。
○長田委員 ただいまの答弁と関係するわけでありますけれども、浮体構造物について、私は今後大分課題が出てくるであろう、このように考えております。この浮体構造物につきましては、船舶か港湾施設か、法的な面では一応整備はされておるわけでありますけれども、今後さまざまなケースが出てくるように私は思います。例えば船のホテル、船の会議場あるいはイベント船、浮かぶ駐車場など、こうした移動可能なものについて、あるいは一定期間停泊する施設などにつきまして港湾法上どのような位置づけがあるのか、また、これらの施設は水面占用料あるいは施設係留使用料となってあらわれてくることが当然予想されるわけでありますけれども、こうした問題についてどのように対応されていくのでしょうか。
○奥山(文)政府委員 港湾には水面に港湾区域という区域が設定されておりまして、港湾管理者が区域内を管理しているということでございます。そこに浮体構造物を設置する場合には、法律上の説明でございますが、港湾法の規定によりまして、この水域の占用につきましての管理者の長の許可を受けなければいけないということになっておるわけでございます。許可の基準もその法律に書いてあるわけでございますが、ちょっと御説明申し上げますと、港湾の利用あるいは保全に支障を与えないものであること、あるいは港湾計画の遂行を著しく阻害しないものであることとか、そのほか港湾の開発発展に支障を与えるものでないことなどの許可の基準が盛られておるわけでござます。こういったことを勘案いたしまして、現実の許可、処分を行っておるところでございます。どちらかといえば港湾のお客様のような、主でない扱いになっておるというのが現実の取り扱いでございます。
 しかしながら最近におきまして、お尋ねのとおり水域の多目的利用の要請が増大しているということにかんがみまして、特にそこに浮体によるホテルであるとか駐車場であるとかというようなさまざまな要請がございます。そういった状況にかんがみまして、この場合の水域占用のあり方であるとかあるいは水域占用料の設定のあり方などにつきましては、従来の体系のままで必ずしも対応していけないのではないかということを私どもも考えているところでございます。したがいまして、この諸問題につきまして従来の制度の改変なども伴うということもありまして、今後学識経験者あるいは関係いたします港湾管理者を初めといたします地方公共団体などの意見も聞きまして、どうしていったらいいかということにつきまして早急に結論を出すように今努めておるところでございます。
    〔亀井(静)委員長代理退席、委員長着席〕
○長田委員 今後世界の趨勢といたしましては二十四時間体制で空港がだんだん発展していくという中で、日本も関西新国際空港は本格的な開業に向けて出発をしておるわけであります。そういう中にありまして、関西新国際空港は御案内のとおり海上空港であります。この関西新国際空港は現在港湾施設としての位置づけはなされていませんですね。今後アクセスや空港施設としての整備が進展するに伴いまして当然私は港湾施設の整備も行われなくてはいけないだろう、このように考えております。
 そこで、伺いたいんでありますけれども、その時点で港湾管理者はだれになるのか、これは私は問題だろうと思っております。御案内のとおり関西新国際空港は特殊法人であります。そして、港湾法の第二条及び第三十三条には港湾管理者になり得べき資格は地方公共団体に限定されております。そうした状況の中でこの港湾管理者は一体だれになるのか、この点についてはどうなんでしょうか。
○石原国務大臣 関西新国際空港には旅客アクセス施設やジェット燃料の受け入れ施設等相当規模の港湾の施設を整備することになっております。したがって、空港島周辺については、水域占用の許可等関連水域についての適切な管理運営を行うことができるようにするために港湾法の適用港湾とし、港湾区域を設定することが必要になるものと考えております。また、港湾区域を設定する場合には港湾管理者の設立が要件となりますが、現行の港湾法では、港湾管理者は地万公共団体が設立することとされておりますけれども、空港島に係る港湾についてはだれが港湾管理者を設立するのが適切であるか等大事な問題でございますが、港湾の位置づけに係る諸問題については、今後学識経験者や関係地方公共団体等の意見を聴取して、検討するつもりでございます。
○長田委員 それでは時間が参りましたので、最後に一点お尋ねをいたします。
 今、大臣も御答弁のとおり、特定地域に限って認めるという港湾法第五十五条、この運用で対応するというような御答弁ですね。あるいは沿岸市町村や大阪府が新たに港湾管理者を設定できるのかどうか、この点はどうなんでしょうか。
○奥山(文)政府委員 お尋ねの趣旨がちょっと私、違っているかもしれませんが、港湾管理者が港湾区域を設定して港湾管理者になるわけでございますが、今の五十五条かというお尋ねは多分――港湾管理者の設立のない、予定港湾区域を設定することができるようになっているわけでございます。これは、いわゆる五十六条港湾と私ども俗称しているわけでございますが、港湾管理者がいない、港湾の予定区域を地方公共団体の長である知事が公告することになってございまして、これは公告しているだけでございまして、そこに具体的な管理権が働かない港湾でございます。したがいまして、具体的に管理行為を発動するといたしますと、やはりそういった港湾ではなくて、港湾法に基づく港湾を設立するあるいは港湾管理者を設立するということが必要かと存ずるわけでございます。
○長田委員 以上で終わります。
○関谷委員長 河村勝君。
○河村委員 大蔵省から来ていただいていますね。この港湾法改正案の親法になる社会資本整備特別措置法について、立法趣旨と予算の配分に関して先にお尋ねをします。
 この特別措置法が昨年から既に動いておりますが、昨年は額も少なくて、まずまず試験的みたいなものでございましたが、ことしから、あと何年続くかは別としてかなり大きな額になってきました。そこで疑問に思うのは、この措置法二条の二号、いわゆるBタイプの貸し付けでありますが、これは要するに補助金の暫定的肩がわりですね。この貸し付けの要件として、「地方公共団体等が実施する公共的建設事業のうち、」これこれのものの「一定の区域の整備及び開発の事業の一環として一体的かつ緊急に実施する必要のあるもの」というふうに限定的に書いていますけれども、要は補助金を一時的に肩がわりするのですから、全体の公共事業に対する補助金の枠をNTTで膨らまして、それを後で補助金で返してやるということにすぎないから、特に枠を限ってお金をつける必要は全くないので、ただ金額を膨らまして、それをNTTの資金で埋めるというだけでよいので、特にこういうような限定的な法律をつくる必要はないのではないか。一体これはどういう趣旨でつくったのか、それを伺いたい。
○武藤説明員 このNTT株式の売り払い収入を財源といたします無利子貸し付けによります社会資本整備方策というものの目的は、財政改革路線というのを基本的に堅持しながら、内需拡大のために最大限の効果を発揮させるとともに、国民のニーズに沿った社会資本の整備を進めていこうという基本的な考えによるものでございます。
 したがいまして、確かに補助金の前倒しという側面を持っておるわけでございますけれども、このBタイプ事業につきましては、民間の投資誘発効果の高い事業に重点化するということで、対象事業といたしまして、地域の発展の核となるような面的開発事業などの一環として一体的に実施されるもの、かつ、これは緊急の制度でございますから、そういう整備を緊急に必要とするものということで制度の創設を図ったものでございます。
○河村委員 しかし、苦しい中で公共事業をやるとなれば、どれもこれも社会的なニーズの強いものから優先的にやっているわけでしょう。ですから、特にNTTの資金を貸し付ける対象でなくとも、みんな大体多かれ少なかれ同じ対象を持っているわけですね。全体のことを私も資料は持っていないけれども、運輸省のことしの予算の資料を見てみましても、例えばBタイプを使っているのは、一般空港の整備などにこれを貸し付けしているわけですね。これは別段NTTがあらわれたからこの計画が出てきたわけでなくて、既定計画に基づいてやっているわけでしょう。ですから、いろいろな理屈をつけてみても、要は公共事業の枠をNTTの資金の枠、例えば一兆円なら一兆円の枠だけ広げる、それを後で補助金で埋め合わせてやる、こういうことに尽きる、そうとしか見えないけれども、そうじゃないのですか。
○武藤説明員 もちろん、公共事業の総額をどのぐらいふやしていくかといいますことが内需拡大にとってポイントになることは御指摘のとおりでございます。ただ現在、社会資本の整備といいます場合に、工業団地の造成とかあるいはリゾート開発とかテクノポリスとかいろいろな面的開発事業がございますが、そういう地域発展の核となるような面的開発事業に重点的に投資をしてほしいという強い声がございます。もちろん、これは現在の公共事業におきましてもできることはできるわけでございますけれども、やはり各事業の進度調整を十分に図って、一体的に思い切った重点配分をしていくということになりますと、このNTTの無利子貸付制度というものが最も適しているのではないかというふうに考えているわけでございます。
○河村委員 そうすると、今度予算が配賦された事業は、NTTの資金が出現しなければできなかった事業である、こういうことになるのですか。
○武藤説明員 NTTによります事業は、いずれも従来の公共事業でございます。したがいまして、従来の公共事業予算においていずれもできることが前提となっております。問題は、そういう中で何を重点的にやっていくか、どういう国民のニーズがあるかということを考えまして、面的開発というところに着目してそれを重点実施していこう、こういう制度であるということでございます。
○河村委員 まあ趣旨はわかったことにしておきます。しかし、どっちみち国民的ニーズがない公共事業をやっているわけがないのだから、そう新しいものが出てくるわけもないのでしょうね。
 それともう一つ、AタイプとCタイプと分けてあるのですけれども、それで、Aの方は法定事業といいますから、法律をつくってその上で貸し付ける、片一方は開発銀行という差があるのですが、これは一応条件的に仕分けて書いてあるけれども、対象事業というのはAもCも大体同じものじゃないのですか。これは何か特に仕分ける意味があるのですか。
○武藤説明員 Aタイプはいわゆる公共事業でございますが、Cタイプは公共事業ではございません。その意味におきまして基本的に性格が異なるわけでございます。Cタイプの方は、いわゆる民活事業と我々申し上げておりますけれども、例えば施設費といいますか箱物といいますか、そういうものが通常想定されるわけでございますが、Aタイプの方は、道路なりあるいは公園なりといった従来の公共事業を関連する事業収益によって償還していこう、こういう考えでございます。
○河村委員 それならば、Cタイプの方を地方公共団体あるいはその出資団体の施行する事業に限定した意味はどういうわけですか。それは無理に限定しなくてもいいんじゃないですか。
○杉井説明員 先生御指摘のように、いわゆるCタイプにつきましては、日本開発銀行等を通じまして経済社会の基盤の充実に資する施設を対象といたしまして、第三セクターに対しましてその事業に要する費用の一部に無利子貸し付けを行っているところでございますが、この第三セクターを要件としておりますのは、公益性の高いという観点から第三セクターを一つの要件にしているところでございます。
○河村委員 それでは予算の配分のことを聞きますけれども、ことしの予算の総額は一兆三千億、その中でA型が千二百二十五億、B型が一兆七百七十五億、C型は千億、この枠ですね、これは間違いありませんね。
○武藤説明員 そのとおりでございます。
○河村委員 その中で、運輸省に対しては三十九億九千五百万円がA型に割り当てられて、B型が六百六十六億七千五百万円、こういうのが運輸省の割り当てになっている、これは間違いないですね。
○奥山(文)政府委員 そのとおりでございます。
○河村委員 この一兆三千億の予算を配分するときに、これは各省に枠を与えてその中でプランをつくらしているのか、それとも、各省でそれぞれこの立法趣旨に従ってプロジェクトの案をこしらえて積み上げて、それを査定してこの割り当てが決まったのか、その決め方、どういうふうになっていますか。
○武藤説明員 まず公共事業の方のA、B合わせて一兆二千億が先に決められたわけでございますが、この一兆二千億は、御承知のとおり六十二年度の補正によります公共事業の追加、その水準を六十三年度におきましても確保するという考え方から、補正追加と同額の一兆二千億をNNTによる無利子貸し付け制度でやろうという趣旨でございます。その一兆二千億のうち、収益回収型千二百二十五億、補助金型、いわゆるB型が一兆七百七十五億、このように割り振られましたのは、これは私どもが昨年の予算編成過程におきまして各省さんからいろいろ要望を承りまして、それを積み上げて、収益回収型におきましてはやはり収益で回収する以上、適切な事業であるかどうかということを厳密に検討する必要がございますので、そういう検討を踏まえて千二百二十五億と決めたものでございます。補助金型におきましても、面的、一体的、緊急という点から積み上げまして一兆七百七十五億というぐあいに決めたものでございます。
 公共事業でないC型、いわゆる民活事業の方の一千億につきましては、これは開銀等を通じて融資されるものでございますので、いわば枠の設定でございます。そういう意味で、もちろん関係各省庁の要望を踏まえつつでございますけれども、枠として一千億ということで設定をしたわけでございます。
○河村委員 そうすると、このC型の一千億はまだ各省別の枠はつくっていないので、これから一件一件査定をして決めていく、こういうことになるのですか。
○杉井説明員 Cタイプにつきましては、先生御指摘のようにこれから開銀等の融資を通じて出てくるものでございますから、これらの金融機関の個別の審査それから実行上の融資というようなことで事業別の内訳が決まっていくということでございますので、あらかじめ各省庁ごとに金額が決まっているわけではございません。
○河村委員 Aタイプの三十九億九千五百万というのは、これは具体的にすべてプロジェクト別に予算が確定しているのですか。
○奥山(文)政府委員 運輸省が港湾整備のためにいただいておる予算といたしましては三十九億九千五百万でございますが、これは六十三年度におきましては、この事業の対象といたしまして二つの事業を予定してございます。一つは公共埠頭等の整備事業でございますし、もう一つは臨海部の活性化事業と名を打っているものでございます。
 もうちょっと具体的に申し上げますと、この公共埠頭等の整備事業につきましては、御案内のとおり、最近の海上輸送の近代化に伴いましてコンテナ輸送というものが大変増大しておる状況にございます。海運貨物総体といたしましては伸び悩みでございますが、このコンテナに限って見ますと大変な増大を続けておるということでございまして、そういったこと、それから、それに対応する船舶も大変大型化してきているということでございます。我が国の港湾におきましては、これに対応するための施設がまだ欠如しておるという状況もございまして、これらの要請に急遽対応するという必要からこのコンテナを対象にする公共岸壁を整備したい、あるいはそれに関します臨港道路を整備するというものでこざいます。これに密接に関係いたします第三セクターが行う事業といたしましては、これに付随いたします荷さばき施設等々でございます。
 それからもう一つの臨海部の活性化事業でございますが、これは、最近の港湾に立地いたします産業の構造変化が急激でございますが、そういった中で土地利用の不活性化が見られる場所がどざいますが、そういったところの土地利用転換を積極的に図っていく必要がございます。それによりまして地域の活性化を図るということでございますが、その場合にその転換事業を行う第三セクターに対しまして、一連の計画と密接に関係のある公共施設として、例えば観光船バースであるとかあるいは緑地、臨港道路などが必要になってくるわけでございますが、そういったものは公共施設でございますので、そういうものを対象にA型事業を適用するということを考えておるわけでございます。もちろん、土地利用転換を図るにつきましての諸施設の整備、運営に係ります費用からこの公共施設の償還金を生むという内容でございます。
○河村委員 説明はわかったけれども、私が聞いたのは、この三十九億九千五百万円はそれを貸し付ける一つ一つのプロジェクトは確定しているのかと聞いたので、それに対する返事がないのだけれども、あるのかないのか、それだけで結構です。
○奥山(文)政府委員 具体的なプロジェクトの内容につきましては、現段階ではプロジェクトの検討をさらに進めておる段階でございまして、詰めた内容につきましてはまだ私ども伺っておらないところもございまして、この場での仕分けは現段階ではできていないところでございます。
○河村委員 それにしては三十九億九千五百万円なんて端数まで決まっているというのは腑に落ちないけれども、こういうことで運輸、大蔵両省において合意しているということですか。
○武藤説明員 公共事業予算の執行のやり方でございますけれども、予算編成時におきましてはもちろん事業を想定して積み上げるわけでございますが、いざ実際にそれを執行するという段階になりますと改めて実施計画の協議という制度がございます。それは、現場で具体的に図面を起こしたときにいろいろな経費に変更が生ずるわけでございまして、改めてその相談にあずかるという制度がございます、NTTに限らないであらゆる公共事業予算共通なのでございますけれども。いろいろ細かい数字が出ておりますが、また実施計画の段階ではもう一度つくり直すということで、大枠はもちろん変わらないわけでございますけれども、そういう事情がございます。
○河村委員 時間がないので余り詳しく聞けないのですけれども、例えば横浜のみなとみらい計画の中でAタイプの貸し付けをやるようなところがあるように運輸省の資料には書いてありますが、どんなものをやるのですか。代表的なものをちょっと言ってください。
○奥山(文)政府委員 六十三年度の事業につきましては先ほど申し上げました二重業を考えておるわけでございますが、これは横浜は対象になっておりません。
○河村委員 C型はすべてこれからだということでありますが、運輸省が六十三年度予算の資料として私どもに配付されたものではC型について異様に膨大な項目が挙がっていますが、具体的に六十三年度で取り上げるものは一体何なのですか。
○奥山(文)政府委員 お尋ねの六十三年度分につきましてのCタイプの貸付事業につきましては、具体的に申し上げますと、民活法に基づきます特定施設であります国際会議場施設あるいは国際見本市場施設、それから港湾業務用施設、それから旅客ターミナル施設、テレポートなどでございます。さらに、新たに追加されます港湾文化交流施設、臨海部活性化施設などの整備事業もございます。また、いわゆる民都市法に基づきます特定民間都市開発事業を対象としても適用されることとなってございます。いずれにしましても、民間の発意に基づきまして行われる民活事業の性格がございますから、個別プロジェクトの予算はまだ具体化していないところでございます。いずれにしましても、事業者の申請によって額が決められていくということに相なろうかと思っておるところでございます。
○河村委員 決められると言っても、一千億の国全体の枠の中でどれだけとれるのかまだわからぬで話を進めて、決着はどうなるのですか。これは大蔵省と運輸省との関係になるけれども、今たくさん並べましたが、そうしたものは大体実施可能という予定のもとにプランを進めているのですか。
○奥山(文)政府委員 総額が一千億ということでございますが、私どもといたしましては、できるだけ事業化を具体化していきまして、乗りおくれのないようにしてまいりたいと思っておるところでございます。
○河村委員 見ておりますと、どうも無理に対象をこしらえているような感じの方が多くて、せっかくNTTの資金を活用してこれを生かして使おうというのであれば、もっと将来に向かって魅力のあるものがあってしかるべきだという気がするのですよ。
 それで運輸大臣、これは特別措置法の要件にはまるかどうか、ちょっと怪しいので、やろうとすれば立法措置が必要かもしれませんが、あなた年金客船構想というのを御存じでしょう。年金を使うか使わないかは別にして、今こういう海運不況で非常に暗い時期に、そして、海洋国家日本としてクイーンエリザベスのような豪華客船をつくって、それを動かしてやろうというのが基本的な構想でありますね。今まで年金という頭がついていたものですから、どうも運輸省も自分のところの所管でないみたいにして逃げている嫌いがありました。
 ですけれども、今具体的に総理府で、運輸省が逃げるものでやむなく内政審議室で一千万の調査費をつけて、それで今フィージビリティースタディーをやっているのですよ、交通公社に対して。これが三月いっぱいぐらいに出てくるでしょう。これは採算可能性ありやということなんです。一方、超党派の議員連盟で海事振興連盟というのがありましょう。ここでは超党派でこの推進のための小委員会をつくって今検討しているのです。これを運輸大臣にぜひ推進してほしいと思っているのですけれども、いかがです。
○石原国務大臣 いわゆる年金客船とか、また修学旅行のための客船という構想もほかにございまして、豪華客船だけではなくて、もう少し副次的な目的も加えた客船の構想があるやに聞いておりますけれども、これにNTTの株の売却益を活用する、その対象になるかどうかということは制度の解釈、運用の問題でございまして、運輸省の所管ではございませんので答弁は差し控えさせていただきます。
 それから、豪華客船の構想は私も大変興味がございますが、予算で調査費がついて、三月いっぱいには調査の結果が出るようでございますので、それをまた踏まえて考えさせていただきたいと思います。
○河村委員 今度の運輸省の予算でも計画造船の頃の中に旅客船があって、それで商船三井でつくる四万トンぐらいの船があるようですが、あれは研修旅行とか社員招待慰安旅行とかいうような種類のものを対象にしているので、いわゆる豪華客船ではないのですね。本当の意味でのクルーザーではないのですね。
 ですけれども、どうせ今やるなら、第三セクターをつくって運営は民間に任せるにしても、少なくとも国が事実上持ってそれでやるというのが一番望ましいので、その場合に一番ガンになるのはやはり建設費です。新幹線みたいなものですから建造費に利子がかかったのではとてもできない。そういう意味で、NTTがいつまで続くかわからぬというような話でしたけれども、多分六十五年までは続くでしょうから、それまでの間にとにかくやったらいいと思うのですね。大蔵省、この法律の趣旨はちょっと外れるけれども、そのままじゃだめでしょうな、やはり立法措置が必要かな、どうです。
○田谷説明員 お尋ねの年金客船の構想につきましては、私どもも従来からお話を承っておりますし、また御質問にございましたように現在、内閣の内政審議室におきまして、豪華客船の現状とか見通しあるいはその事業の採算可能性といったようなことにつきまして所要の調査を行っているというふうに聞いております。したがいまして、現時点におきましてはその調査の結果を見ませんと、この場でNTTの無利子貸付制度の対象になるとかならないとか申し上げられないという段階でございますので、何とぞ御勘弁を願いたいと思います。
○河村委員 少なくとも、この法律にぴったりはまらなくとも、そうすれば法律をつくって超党派で、まだちょっとほかの方々に約束はしていないけれども、超党派で協力し得るテーマですから、ぜひひとつ推進してほしいということをお願いします。終わります。
○関谷委員長 中路雅弘君。
○中路委員 法案に入る前に、一問だけ大臣に要望をして、お尋ねしたいのです。
 昨日の中国での高知の高校生の修学旅行百九十三名を含めた急行列車の衝突の惨事ですけれども、昼のテレビを見ていますと二十六名の死亡者ということも報道されています。遺族の方や家族の方々に心からお悔やみとお見舞いを申し上げますが、運輸省も、これまで海外旅行については海外旅行倍増計画とかいうキャンペーン、そしてとりわけ日中青少年の旅行財団は運輸省の認可でありますし、関係も非常に大きいわけです。今後、事故の遺族の特に補償問題等が起こってくると思います。外務省が直接当たられると思いますけれども、こうした関連の省庁でもありますので、政府として十分の対策を講じていただきたい。実は私も、テレビに出てくる子供さんの名前の中に両親をよく存じている方も先ほども出てきました。この遺族の対策等について政府としてぜひ十分な対策を講じてほしい。
 それから、特に運輸省の所管ですが、海外旅行が今急増しているわけですから、新聞等を見ますと潜りの旅行業者の横行も問題になっています。こうした業者の規制や海外旅行の安全の確保についても十分な対策をとられるように要望したいと思いますが、一言最初に大臣にお聞きをしたいと思います。
○石原国務大臣 きょうの閣議の後も関係大臣が総理大臣とちょっと協議しまして、政府としても事後処理のために最善の策を尽くすつもりでございます。また海外旅行の安全を期するために、関係の業者にも従来以上の十分な配慮をするように督励するつもりでございます。
○中路委員 法案について何点かお聞きをしますけれども、この法案は、NTTの株の売り払い収益による無利子貸付制度を活用して港湾整備事業を行うわけです。つまりNTT株の政府持ち分を売り払ってそれを財源にしているわけです。我が党はNTTの民営化には反対し、NTTを公企業の形態に戻すことを主張しているわけですが、政府は、昭和六十年の国債整理基金特会法によってNTT売却益を国の負債である国債の償還に充てることにしていましたが、昨年、社会資本整備特別措置法を成立させて、この国債償還に充てることになっていたものを放棄して、こうしたところに流用するということになったわけです。運輸省は、運輸省といいますか政府の施策ですから大臣にお聞きしますけれども、こうした財源のつくり方、これを港湾整備事業に充てるということについてどのようにお考えですか。
○石原国務大臣 これは本来ならば大蔵大臣が答弁されるべき問題ではないかと思いますが、御質問いただきましたので運輸省の見解を申しますけれども、確かにNTTの売却益は国民の共有の大変大事な財産、資産でございまして、国民共有の負債である国債の償還に充てることと制度的には確立されておることは存じております。
 ただ一方、政府としては、現下の経済情勢のもとで社会資本の充実というものが緊急の要務でもございまして、そのために当面、国債整理基金の円滑な運営に支障を生じない範囲でこの売り払い収入実績の一部を活用して港湾等の社会資本の整備促進に充てるのは時宜を得た措置であると思っております。
○中路委員 このNTTのA型というのは無利子貸し付けの収益回収型であるわけですね。そもそも、公共事業というのは収益が上がらないものであるわけですし、だから公共事業なんだと思うのですけれども、この収益回収型で公共事業をやるというのに無理があるのじゃないかと思うのです。また公共事業の性格が薄れてくる。公共事業であるならこのNTTのA型、収益回収型を使う必要はないのではないか、無理があるのではないかと考えるのですが、いかがですか。
○奥山(文)政府委員 お答えいたします。
 公共施設の整備につきましては、お尋ねのとおり本来採算性ということに関しては大変低いということでございますが、そういう面では基本的には、このA型対象事業も公共事業方式あるいはNTTのいわゆるB型の範疇に入るのではないかと考えられますが、一般的にはそうでございますけれども、今回対象にしておりますのは、例えば地域の活性化を図るために港湾の場で第三セクターがある一定の事業を行うということに関しまして、それにいわば密接に関係がある港湾施設の整備を図ることがその第三セクターの事業の効率化にも役に立つ、もちろん公共施設でございますから、特定の者にだけ利するものではございませんが、第三セクターの効率化にも役に立つという面を強調いたしまして、そういった整備要請に的確にこたえる必要があるということが一つございます。
 それから、公共事業であっても、ある程度それにいろいろな助成方式を与えることによりまして採算性を見込める事業につきましては、貸付方式を採用するということによりまして貴重な財源の有効活用にも資するのではないかというふうに考えるところでございます。したがいまして、このAタイプ事業を導入することによりまして、港湾施設の整備の促進を全体として図るという面も配慮いたしまして、今回の措置を採用したわけでこざいます。もちろん、無理のあるプロジェクトにつきましては計画の段階でセレクトされるということかと存じます。したがいまして、無理のない形で進めることが可能であるというふうに考えておるところでございます。
○中路委員 事業の内容が公共埠頭の整備事業と臨海部の活性化事業、この二つになっていますけれども、先ほども御答弁がありました六十三年度の予算で三十九億九千五百万ですか計上されていますが、公共埠頭等の整備事業と臨海部の活性化事業、この二つの割合は予算的にはどういうふうになっていますか。
○奥山(文)政府委員 お尋ねのとおり、六十三年度予算は三十九億九千五百万円を計上しているところでございます。これによります事業は、仰せのとおり二つの事業を考えておるところでございますが、この事業の中でA型の対象となる施設は公共施設でございます。したがいまして、一般の公共施設の取り扱いと同じ手続でこの事業の実施につながっていくということでございます。したがいまして、予算の成立後、事業内容につきましては財政当局の承認、これは手続規定の話でございますが、そういう手続規定を踏んで確定していかなければいけないことになってございます。そういう意味で、極めて事務的な話で恐縮でございますが、現段階でこの割合というところまで御説明することがちょっと難しい状況にございますので、御理解いただきたいと思う次第でございます。
○中路委員 しかし、二つの中で公共埠頭整備事業の方が、予算的に言えばそちらの方が大部分を占めるんじゃないですか。
○奥山(文)政府委員 A型を適用する事業といたしましては、お尋ねのとおり、公共埠頭整備の方が多くなると考えております。
○中路委員 もう一つの臨海部活性化事業ですが、大体今、一応どんなところを予定されていますか。詰められたあれじゃないと思いますけれども、一応対象になってきている箇所を二、三例示していただけますか。
○奥山(文)政府委員 臨海部活性化事業といたしまして、現在、産業構造の変化などによりまして土地利用転換を図る必要が生じている地区というのが港湾地帯には割に多く存在する状況にございます。全国で私ども把握しておりますのは四十港、七十地区においてそういった活性化事業の推進が必要ではないかというふうに考えておるところでございます。それぞれの地区におきまして、地域の創意工夫によりまして地域の特性に応じたプロジェクトが検討されているところでございます。
 六十三年度においてどの港を対象にするかというお尋ねでございますが、現在、申し上げましたように、それぞれの地域におきましてプロジェクトの導入に努力しておるところでございまして、その中から六十三年度に本事業の対象として実施していく考えでございます。
○中路委員 今お話しの地域でやはり産業構造の調整等、とりわけ企業城下町とか言われるところで今深刻な地域経済の問題、事態が起きている。こうしたところの活性化事業、そういうことは念頭に置いて考えられると思いますが、例えば具体的に例示で挙げますけれども、新日鉄がある岩手県の釜石市、こういったところも一応対象として今のお考えですと予定になるわけですか。
○奥山(文)政府委員 釜石の鉄鋼産業の跡地利用に関しましても、先ほど申し上げました調査対象の一つとして検討している段階でございます。
○中路委員 今検討の対象の一つに挙げられました釜石市も、先日塩釜の東北ドックとあわせて出かけてまいりましたけれども、御存じのように、新日鉄のいわゆる文字どおり城下町ですから、十万近い人口があったのが、今半分までいきませんけれども五万七千を割っている状況です。新日鉄に関連している住民が人口の約七割を超えている。新日鉄はことしの二月に、来年三月で全面的に高炉をとめるということが発表されていまして、町でも大変深刻な問題になっています。この合理化計画が地域経済に大きな影響を及ぼすことは言をまたないわけですけれども、建設省等もそうですが、運輸省として、こうした事態に置かれているところに優先的に公共事業を配分するというような形での支援の対策が必要だと思います。今釜石の例を挙げましたけれども、どのような対策をお考えなのかということをまず聞きたいと思います。
○奥山(文)政府委員 先ほど御説明申し上げました民活事業の検討のほかに、釜石港におきましては、湾内の静穏度を向上させまして船舶の利用の安全性を確保するというために事業を実施しておるわけでございますが、そのほかに津波常襲地帯におきます津波対策を行って、背後地の人命財産を守るということを目的にいたしまして、昭和五十三年度より湾の口に大防波堤の整備を図ってきているところでございます。この防波堤は我が国でも有数の防波堤でございまして、でき上がりますとその高さにおいては日本一というようなものとなるわけでございますが、そういったものの整備が地域経済の活性化に果たす役割というものを私ども十分理解しておりまして、事業の配分につきましても特段の配慮をしているところでございます。
○中路委員 今お話しにもなりましたけれども、私も市からの要望もこのときいただいたのですが、運輸省にも要望されていると思います。津波の常襲地帯ですから、釜石港の湾口の防波堤建設事業、これについての大幅な予算の確保について重点的にやってほしいという強い要望があるということも聞いております。今お話がありましたように、こうした点については十分な努力をしていただきたいということを特にお願いしておきたいと思いますが、今回のNTTのA型、これは例えば釜石を対象にされた場合にどういう形で具体化になりますか。
○奥山(文)政府委員 釜石について申し上げますと、いわゆるウオーターフロント部におきまして、水面をうまく利用しながら背後の土地利用転換を図っていくという計画につきまして現在地元の方で検討中でございます。なお、これにはいろいろな考え方あるいは開発の協力があるようでございますが、こういった地元のあるいは地域的な創意によりまして立派な計画にまとまることを期待している段階でございます。これがまとまりますと、それを実際に施行するいわゆる施行母体である第三セクターが結成されなければなりませんが、そういった手続を経まして具体的な計画の申請という形になるわけでございますが、上がってくることによりましてこのプロジェクトが具体化に向かって動くということに相なるわけでございます。
○中路委員 このNTTのA型というのは収益回収型なんで、現地でも当初いろいろ大きな構想を考えたようですけれども、収益回収型ですから、事業をやって果たしてうまくいくかどうかという不安もあって、見通しがなかなか立たないという話も出ているわけですね。だから、このプロジェクトについていろいろ模索しているような状況だと思います。結局こうした地域、観光開発や今具体化されている飼料基地などありますけれども、地元の雇用にどれだけ役立つかということも疑問ですし、雇用に役立つ公共事業を優先的に配分して地方の財政困難も解消するというためには、こういった地域は予算をつけても今度は裏負担がないと実際には消化できないということが大変多いわけですね。自治省とも関連してくるわけですけれども、その点で事業だけこう持っていくというのではこうした深刻な、今経済の落ち込んだ地域ではかえって消化もできないということがあるわけですから、こうした事業を持っていく場合にどういう措置が必要かということをやっぱり十分考えていかなきゃいけない、その点は何かお考えありますか。
○奥山(文)政府委員 この活性化事業につきましては、確かに都市周辺とそれから地方との事情の違いがあろうかと思います。採算の面からいいますと、都市周辺が一般論としては有利になるということが考えられるわけでございますし、その反対が地方というようなことに相なろうかと思いますが、それぞれ地域の特性というものを創意工夫を凝らしまして、実施可能な、実現可能なプロジェクトとしてまとめるということがまず必要かと思います。
 その際、Aタイプ事業の導入だけではなくて、例えばこのAタイプ事業以外の公共事業によるバックアップというようなことも必要な場合もありましょうし、あるいは民間活力の導入などによります支援措置というものも必要になる場合もあろうかと思いますが、いずれにいたしましても、そういったいろいろな今とり得る支援措置というものを総合的にうまく適用することによりまして、その目的を達成することにしなければならないのかなと思っているところでございます。もちろん、この事業の収益性につきましては事前に計画の段階で十分に配慮して進めることを考えておりまして、そういう意味で、このNTT―A型タイプの事業はやはり地方においても成り立ち得るものであるというふうに考えておるところでございます。
○中路委員 私は、例に釜石を挙げましたけれども、実際に実態を見ても、今御答弁をお聞きしても、結局この法改正によるNTT株の無利子融資というのは、やはり大都市などの収益の上がるところ、こういうところは実現性があるのかと思いますけれども、地方、とりわけ企業城下町と言われているようなところはどれだけ地方経済の活性化に役立つのかということは大変疑問を感ぜざるを得ないわけです。こういう点でもこうした公共事業、法案全体を見ますとこれに収益回収型のこうしたものを入れるというところに大変無理があるのではないかということを痛感するわけです。
 時間が近づいていますので、私は二、三質問をいたしましたけれども、この法案について一言見解を述べておきたいと思うのです。
 一つは、最初にお話ししました財源の問題でありますけれども、ここに充てられる財源は、NTT株売り払い収益によるNTT―Aタイプの無利子の貸し付けを活用するものです。政府は、このNTT株売り払い収益を、先ほど大臣の答弁にもありましたけれども、国の負債である国債償還の財源に充てるという法的措置をしながら、また別の法律をつくってこれを放棄をして、今度のこうした港湾整備事業等公共事業に流用するわけですね。
 また、港湾整備事業に第三セクター等を通じて民間が参加するということによって、港湾施設の使用、運営、管理等がこれまで以上に大手海運業者やあるいは大企業の影響力が強められる、営利本位となるという心配も大変強まっていると思うのです。港湾法の本来の目的が失われるということもあるわけですから、私は、この法案には反対だという見解を述べて、質疑を終わりたいと思います。
○関谷委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ─────────────
○関谷委員長 これより討論に入るのでありますが、先ほどの理事会の協議により、討論は御遠慮願うことになりましたので、さよう御了承願います。
 これより採決に入ります。
 港湾法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○関谷委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○関谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ─────────────
    〔報告書は附録に掲載〕
     ────◇─────
○関谷委員長 次に、内閣提出、船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び船員法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
 順次趣旨の説明を聴取いたします。石原運輸大臣。
    ─────────────
 船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案船員法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○石原国務大臣 ただいま議題となりました船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 船員の雇用の促進に関する特別措置法は、海上企業をめぐる経済事情及び国際環境の変化等により離職を余儀なくされる船員の数が増大していること等の状況にかんがみ、船員の雇用の促進に関して必要な措置を講ずることにより、船員の職業及び生活の安定を図るため、昭和五十二年十二月に制定されたものであります。
 現在、この法律の附則第二項の規定に基づいて、事業規模の縮小等に伴い相当数の離職者が発生している一般外航海運業、近海海運業、内航海運業、はしけ運送業、船舶製造・修理業の五業種に係る離職船員の再就職を促進するため、昭和六十三年六月三十日までに離職する者に対し就職促進給付金の支給に関する特別の措置を講じております。
 しかし、これらの業種については、海上荷動き量の低迷とこれに伴う船腹過剰、日本船の国際競争力の低下等の事情に加え、近年における急激かつ大幅な円高や国内の産業構造の転換の影響を受けて、引き続き事業規模の縮小等が見込まれ、これに伴って今後も離職船員が相当数発生することが予想される状況にあります。したがいまして、この就職促進給付金の支給に関する特別の措置の対象となる者の離職日に関する期限を、特定不況業種関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法の期限の延長に合わせて、昭和七十年六月三十日まで延長する必要があります。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
 次に、船員法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 近年、労働時間の短縮が、国民生活の向上、労働者の福祉の増進の観点のみならず、国際経済情勢を背景として、経済構造調整、内需拡大の観点からも重要な課題となっております。
 一方、船員法の労働時間に関する規定は、航海中、停泊中等の別に応じて細かく定められておりますが、昭和二十二年の法制定後四十年余が経過し、その間における技術革新の進展を背景とする船舶の運航形態の変化、船内の就労体制の変化等により、これらの規定と労働の実態との間で乖離を生じている面がございます。
 このような状況を踏まえ、昨年の九月以来船員中央労働委員会におきまして船員法の労働時間及び休日並びに有給休暇に関する規定の見直しについて検討をいただいておりましたが、本年一月同委員会より答申をいただきましたので、この答申に沿いまして、この法律案を提案するものであります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、すべての海員について、一日当たりの労働時間を八時間以内とするとともに、一週間当たりの労働時間を、船舶の航行区域、航路等を勘案して船舶の区分に応じ一年以下の範囲内で定める基準労働期間について平均四十時間以内とすることを目標とすることといたしております。ただし、当分の間は、四十八時間以下の範囲内で政令で定め、船員労働の特殊性、船員の福祉、船員の労働時間の動向等の事情を考慮して、段階的に短縮を図ることとしております。
 第二に、船舶所有者が海員に与えるべき休日は、基準労働期間について一週間当たり平均一日以上とすることとしております。
 第三に、海員の労働時間及び休日に関する基準を達成するため、船舶所有者は、海員の労働時間が一週間において四十時間を超える場合または海員に一週間において休日を与えることができない場合には、その補償としての休日を、基準労働期間以内に与えなければならないこととしております。
 第四に、沿海区域または平水区域を航行区域とする内航船舶に乗り組む船員の有給休暇の日数を、連続した船舶における勤務一年について十二日から十五日に引き上げることとしております。なお、この引き上げにつきましては、所要の経過措置を設けることとしております。
 第五に、有給休暇の付与の基礎となる勤務につきましては、勤務形態の多様化に対応し、船舶における勤務に加え、これに準ずる一定の勤務につきましてもその対象とすることとしております。
 なお、この法律の施行期日は、周知に必要な期間等を考慮し、昭和六十四年四月一日としております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。ありがとうございました。
○関谷委員長 以上で両案の趣旨の説明は終わりました。
    ─────────────
○関谷委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。魚住汎英君。
○魚住委員 今回提案をされました船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案並びに船員法の一部を改正する法律案についてお尋ねをいたしたいと思います。
 お疲れの中で大変恐縮であります。手短にやりますので、簡潔にお答えいただきたいと思います。
 外航海運業は厳しい経営環境の中に置かれておることは皆さん方御承知のとおりであります。今提案理由の説明があった中におきましても、大臣よりいろいろとお話がありましたとおりでありますが、まず最初にお伺いをいたしたいことは、今日まで日本が経済的に発展をしてまいりました。その間における海運業が果たした役割というのは大変なものであったと思いますし、また今後とも、日本の国の状況からかんがみまして、海運業というものをただ一時の経済的な要因から位置づけを全くなくしてしまう、こういうようなことではいけないのじゃないか、このように考えるわけでございます。
 まず最初に、大臣におかれまして、海運業の日本の国における位置づけ、過去においてもそうでありましたが、将来における位置づけ等をぜひひとつお尋ねをいたし、その後質問に入りたいと思います。
○石原国務大臣 我が国の外航海運は、国の経済と国民生活にとってのまさに生命線ともいうべき役割を果たしてまいりましたし、またこれからも、これを決して、いかなる事情にあっても失うことはできないと思っております。我が国の外航海運は円高の影響等によって今日非常に深刻な状態にございます。またこのために経営の大幅な減量、合理化の努力を懸命に行っているところでどざいます。運輸省としましても、海運企業の自主的な努力が実を結ぶように、その環境整備のためにこれからも渾身努力するつもりでございます。
○魚住委員 外国におきましても恐らく今日の海運不況というのは同じような角度で物事が進んでおる、このように思うわけでありますが、仄聞するところによれば、外国におきましては種々の助成措置というものを国自体で行っておる。とりわけ、今お話がございましたように、海運というのは国の命運を制する一部分を持っておる、こういうような性格からしましても、ぜひひとつ、国を挙げて海運の必要性というものをしっかり認識をした上に立った施策というものをやっていくべきだ、私はそのように考えるわけであります。
 ちなみに、アメリカ等におきましては相当の助成策というのが今日も行われておる。また今日、海運不況という形になりました最大の原因は御承知のとおり円高不況、こういうことになるので、国際競争力が低下をしてきたことが最大の原因であるわけでありますけれども、そういうことであれば、やはり外国も同じように押しなべてこういう形になろうかと思います。その間に至ります経緯はそれぞれの国の立法によってそれぞれ違うわけでありますから、日本は、例えば日本国籍の船は日本船員しか乗せない、こういうような一つのルールがあるがゆえに国際競争力が落ちていっておる、こういうような経緯であるわけであります。
 しかし、そういうような基本的な決め事というものはあるけれども、その中においても、やはり外国と同じような形での日本の海運業に対する将来の基本的な考え方、例えば先ほど申し上げたようなアメリカの例等、またほかの外国等の例等があるわけでありますが、そういうようなことについて、大臣御存じの範囲内で結構でありますがお答えをいただき、なおかつ、将来ともに日本の今おっしゃった位置づけに対して、具体的ないわゆる施策等、救済策なりなんなりというようなものをお持ちであれば、お示しをいただきたいと思います。
○石原国務大臣 詳しくは担当の局長からお話しいたしますが、委員が今御指摘のアメリカの助成などは、これまた日本と大分事情が違いまして、アメリカの世界戦略といいましょうか、そういうものが背景にあって、万が一のときのための必要要員の確保といいましょうか、そういうものが背景にあるわけでございます。日本の場合にはちょっとそこを異にしますので、なかなかそういった形の助成というのは難しいと思います。
 それから例のフラッギングアウトの問題あるいは日本船への外国船員の混乗の問題、それぞれ非常に大事な問題でございますけれども、単に海運界の問題だけでは済まずに、日本の労働界に与える影響などもこざいまして、これからも慎重に、しかし、大事な問題としてとらえて検討したいと思っております。詳しくは局長からお話しいたします。
○中村(徹)政府委員 御質問の、アメリカにつきましては船員費の補助という形で運航差額補助、ODSと言っておりますけれども、そういうことが行われております。
 それから、西欧諸国で最近の動きといたしまして、発展途上国との間の船員費の格差が非常に大きくなってきているということから、自国船籍の海外流出、いわゆるフラッギングアウトというのがふえつつあるわけでございますので、これに対する新たな対応策として、最近、オフショアレジストリーあるいは国際船舶登録制度と呼ばれます新船舶登録制度というのを欧州諸国が設けつつあるわけでございます。我が国にそのままの形で適用されるかどうかということについては問題があるかと思いますけれども、やはりそういう船員費が発展途上国に比べまして非常に大きいということからフラッギングアウトの傾向が日本においても顕著になってまいっておりますので、今後このような欧州諸国の制度を参考にしながら検討を進めていかなければいけない、かように考えております。
○魚住委員 そのような前提をもとにして、現在の外航海運業界の経営環境、御承知のとおり大変厳しいものである。よってもっていろいろな施策がされ、今回の法律の提案も、雇用関係においては、御承知のとおり他の法律との並びもありますし、今日的な社会の要求でもある。これはもう私どもも認識するわけでありますし、また船員法の一部を改正する法律案についても同じようなものでございますけれども、それらに対して離職をする人たちの数の増大というもので、十年間の推移を見た場合に約半分くらいに減ってしまっておる。船舶の不況もぎることながら、コスト高ということから、それを原因として雇用の面が大変な状況になってきておる。
 しかしながら、船員というのは非常に特別な仕事であるということは、もう皆さん方御承知のとおりでありますが、新しい職業訓練なり、また離職についてのリードなり、また言うならば同列会社における救済措置なり、いろんな形での対応が進んでおるようでありますけれども、基本的に、船員というものが何かを教えて一朝有事の場合にまたすぐ船員になれるという形にはならない、私はそう認識しておるものでありますけれども、その辺についてはどうお考えですか。
 仮に、今の状況からして、離職を勧めて他の仕事につく。けれども、ある期間が過ぎていって、日本の国の状況が今のような状況でなくなってしまった場合、そのときにはどういうような形で対応をするか、こういうようなことも当然国であるならば一つ考えておかなければならない。しかしながら、船員という仕事については、先ほど申し上げたとおり、大変特殊な仕事である。その間に時期が過ぎていった。そして熟練した、練達の船員がいなくなった、こういうようなことになってくれば、ただ船籍の問題だけではなくて、非常に日本の国にも大きな問題があると思う。ですから、それについては現実的な今の対応策ではなくて、十分将来を見たものもやはり当然考えておかなければならない。その辺については、どれくらいのパーセントで、パーセントというのは非常に難しいあれですけれども、どれくらいの位置づけでお考えかというのをお尋ねいたしたいと思います。
○野尻政府委員 ただいま先生が御指摘になられましたように、最近の外航海運業界における不況によりましてどんどん船員の数が減ってきております。例えば昨年の四月一日現在で外航二団体に所属している船員が一万八千人余でありますけれども、この二年間に一万一千人ぐらいまで減っていくのではないか、こういうことでありまして、こういう形でどんどん船員が減っていくということが将来、日本商船隊の担い手である船員の不足ということになりはしないかということは、私どももまた同じような懸念を抱いているものであります。
 例えば商船大学あるいは商船高専卒業生の推移を見ましても、五十五年あるいは五十六年当時にはざっと二百人近くの人が外航海運界に就職しておりましたけれども、六十二年、つまり昨年の卒業生については、合わせてわずか十八名といった人数であります。こういうような状況で今後推移してまいりますと、新しい船員あるいはフレッシュマンが外航海運業界に就職しないということによりまして、外航海運業界における活性化を妨げることになろうかと思いますし、あるいはまた海技の伝承という面からもあるいは後継者養成という面からも大変問題が起きようかと思います。確かに、海運業界におきましては、非常に苦しい立場でありますし、今後の見通しについても確たる見通しもできていないというところでありますので、新規採用の手控えというのはやむを得ないかと思いますけれども、しかし、長期的な視野に立って、業界の方々にとりましても計画的に船員を採用してほしいというように念願しておる次第でございます。
○魚住委員 いずれにしても実情がそういうようなことであるというのは、これはあなたたちも私たちも知っておる。その必要性もわかっておる。されど今日的な運営もちゃんとしていかなければならぬ。これは大変な苦しみの中にあることは十分知った上でいろいろとお伺いをしておるわけでありますけれども、北米の定期船と日本船が、例えば国際競争力が非常に落ちた。しかし、依然として日本は日本人だけしか乗せない船を運航しておる。こういうことにおいて、いわゆる用船コストというものが、対比すると約七対一くらいのコストなんですね。そういうことからしても、今後アメリカと競争もしなければいかぬ、ほかの国とも競争しなければならぬというふうなことになってくると、じゃあその対応はどうしておるんだ、こういうことになってくるわけですが、その辺はどうですか。
○野尻政府委員 今、先生がおっしゃっていることは、恐らく外国の船員を雇った場合に日本の船員との間でコスト差があるという御指摘だろうと思います。確かに、日本船主協会の会長のお話によりますと、例えば東南アジア船員だけを雇用した場合に、二十四名船で三十五万ドル程度、日本人船員十五名でも百八十万ドル程度かかるということで、その差五倍あるいは六倍の開きがあるということは私ども十分承知しております。今後こういった国際競争力が非常に弱まっている日本船をどういう形で回復していくか。東南アジアの船員を日本船に乗せるというのも一つの方法であろうかと思います。
 ただ、この問題につきましては、先ほど大臣からも答弁されましたように、単に船員だけにとどまることではなくて、日本全体の労働政策にまたがることでもありますので、私どもとしましては、そういった各般の立場から検討すべき事項であろうかと思っております。現在、海運造船合理化審議会におきましては、フラッギングアウト対策の一環といたしまして鋭意審議を進めているところであります。私どもは、そういった海造審における審議を見ながら、今後の対応について検討してまいりたいというように考えております。
○魚住委員 国際競争力の低下も、また船員の再就職及び国を維持していくための要員の確保も、それぞれの立場で皆さん方、十二分にお考えでやっておられる、私はそう認識はしておりますけれども、この法律ができましたのは昭和二十二年だ。それから今日まで随分時代の経過があるわけでありますけれども、その間にいろいろと労使間でお話し合いがなされたと思うわけであります。今回このように法律改正をされるに至るまでの経緯というものについて、恐らくいろいろと問題提起が両サイドからあったと思います。その問題提起があった分野について、できればお知らせをいただきたい。
 なお、船主協会の会長さんのコメント等をいろいろ勉強させていただきますと、今の日本船には日本人しか乗せない。また人間の制限等についても、今のままでいくならばどうしてもコストが合わない。けれども何とかして船自体は、いわゆる国策ではないのですが、国策としてでも、そういう位置づけをいただいて船は運航していかなければならぬ。こういうことでマルシップという提案をされて、今のような二十二名という形ではなくて、日本人を六名乗せたならばやっていけるような方法はないのか、こういうような御提言をいつか読んだことがあります。そういう万法は今後の方法として考えられないかどうか、お答えをいただきたい。
○野尻政府委員 今、先生の御指摘の点は、日本船であって外国の船会社に貸し渡しをした、こういう形の船舶についての運用の問題であろうかと思います。
 従来、我が国におきます外国人労働力に対する対応につきましては、労働大臣の閣議における発言におきまして、原則、外国人労働力の受け入れを禁止するということにしております。ただ船員につきましては、この閣議了解が形式的には適用にならないということで、従来から船員局長の国会発言という形でこの閣議了解を準用するということでまいっているわけであります。ただ、日本の船舶であっても、外国に貸し渡した場合には船員の配案権は外国の船会社に渡るわけでありまして、そういう意味で、そういった閣議了解ないしそれに準拠した船員局長の発言は適用にならないということでまいっているわけであります。
 今御指摘の相浦会長のお話は、そういう観点から、外国に貸し渡す方式、いわゆるマルシップ方式の場合にはそういった行政指導のらち外であるので、外国人船員を乗せる道があるのではないかということであろうかと思います。ただ、外国人船員を乗せるといたしましても、一方で船舶職員法という海員資格制度がございまして、その限界がございます。ただ、そういった貸し渡し方式の場合につきましては船舶職員法による特例措置を講ずる道があると我々は考えております。そういう意味で、現在、海上安全船員教育審議会というところでこの特例措置をいかにすべきかということについて別途審議しておりますので、その審議経過を見ながら今後の対策を考えていきたいというように考えております。
○魚住委員 局長、今いろいろ論議をされた場所というのは船員中央労働委員会という機関ですね。そこで今日まで、この法案ができ上がるまでにいろいろ論議をされた問題点があったはずですね。それと、今お答えになったものとの関連性を聞きたいわけなんですよ。どういう点が問題になって、しかしながら、されど満点でないけれども今回はこのような法案でいこう、こういうことになったのだと思うのですけれども、いかがでしょう。
○野尻政府委員 実は、今回御提案申し上げて御審議いただいておる法律は、船員の雇用に関する法律それから船員法の改正と二つございます。今私が御答弁申し上げましたのはその法律とは関係のないことで、いわば日本船の国際競争力を強化するためにはどうしたらいいか、その観点につきましては海運造船合理化審議会あるいは海上安全船員教育審議会においてそれぞれ審議をしていると申し上げました。
 今、先生の御質問の趣旨は、船員法改正について船員中央労働委員会でどういう審議をされたかということだろうと思います。したがいまして、問題が全く違うことでありますが、せっかくの御質問でありますので、船員法改正につきまして船員中央労働委員会でどういうような審議をしたかということについて御説明申し上げたいと思います。
 船員法は、先ほど先生の御質問の中にありましたように昭和二十二年に制定されまして四十数年たっております。この間に何回か法律改正をしておりますけれども、労働時間を初めとします船員の労働条件についての根本的な改正というのは今回が初めてという意味で、私どもは画期的な事業であるというように自負しているところであります。
 今回の船員法改正につきましては、昨年九月十八日に船員中央労働委員会にお諮りいたしまして、その答申に基づいて今回この国会に改正案を提案したわけであります。この労働委員会の審議に当たりまして大きな議論を呼びましたのはざっと四つございました。
 一つは、法律上週の平均労働時間をどのようにするかということであります。現在の法体系を変えて、将来週の平均労働時間をどのような目標値に持っていったらいいかということが第一点であります。
 第二点は、現行船員法の労働時間あるいは休日、定員に関する規定について適用除外とされております七百トン未満の沿海区域あるいは平水区域を航行区域とする内航船について、適用の見直しを行うべきかどうかといった点が第二点であります。
 第三点は、現行の船員法七十条におきまして甲板部員六名を乗せなければならないという規定がございますけれども、こういった制度につきまして見直しを行うべきかどうかといったことが第三点の問題でありました。
 さらに第四点は、沿海区域あるいは平水区域を航行区域とするいわゆる内航船につきまして、有給休暇の日数を増加させるべきかどうかといった点であります。
 以上申し上げました四つの問題のうち、第一と第四、つまり週の労働時間の目標値をどうするかということ、あるいは内航船についての有給休暇の増加をすべきかすべきでないかということにつきましては、労働委員会で結論をいただきまして、今回の法律案に盛り込んでいるわけであります。ちなみに、週平均労働時間につきましては、将来目標値は四十時間とする、ただ、経過措置といたしまして当分の間は四十八時間から四十時間の間で政令で定める、こういうようなことにしておりますし、それから内航船につきましての有給日数につきましては、一定の経過措置を置きながら、将来的には十二日から十五日まで引き上げるということにしておるわけであります。
 なお、残りの第二と第三の問題、つまり七百トン未満の船に対する本法の適用の問題、あるいはまた船員法七十条の甲板部員の定員の問題等につきましては、なお今後三年程度かけて船員中央労働委員会で審議すべきものというような御答申をいただいております。
○魚住委員 別の問題ではない。僕が聞きたかったのは、船員法の改正については中央労働委員会で適正なる労働時間についての論議があった、その中にも今後の日本の海運業の存亡をかけたということについての論議はなかったか、こういうようなことを僕は聞きたかったわけですよ。
 日本というのは御承知のとおりの島国であり、海運というのは非常に大切なものだというのは先ほど来お話があったとおり。僕もあなたたちも認識は変わらないわけです。そういう中において、使用者側だとか労働側だとか、そういうようなことではなくて、やはり業態としての海運業、こういうようなものをしっかり守っていこうという論議はそういうところではしないものですか、そういう論議はどこでするのですか。
○野尻政府委員 私の答弁がちょっと的確でなかったことをおわび申し上げます。
 船員中央労働委員会につきましては、実は私どもの方で船員法に基づく労働時間、休日及び有給休暇についてどうしたらいいかという具体的な形で御諮問申し上げましたので、中央労働委員会における審議は専らそういった観点からの審議に終始いたしました。ただ、先生御指摘の日本の海運業を今後どうしたらいいかといった大きな観点からの問題につきましては、先ほど申し上げました海運造船合理化審議会において現在鋭意検討しているというように私どもは考えております。
○魚住委員 経営者側は経営者側、労働者側は労働者側、こういうようなことでそれなりに自分たちのあれをしっかり守ろう、こういうことで努力をされておることはよくわかったわけであります。ではそれぞれに、雇用の面から雇用を促進していく、離職をした人たちに対する対応はどういうようなことをしてくれ、また休みについてはどういうようなことをしてくれ、この範疇に入らないものについてはどういうようなことで、こういうのが必ずあるはずですね。例えば今あなたがおっしゃった四項目の中で、時間については将来四十時間を一つのめどとする、また七百トン以上のものについて、こういうことでありますが、では七百トン未満のものはどうするんだ、また近海の漁船だとか一杯船主だとかいうのはどうするんだ、そういうものもありましょうし、いろいろなケースがあると思うのです。そういう中においてもとりわけ七百トン未満の一杯船主や何かについての論議というのはこの委員会の中ではなかったのですか。
○野尻政府委員 まさに先生御指摘のように、七百トン未満の船についてどうするかということは大激論でありました。一時は、船員中央労働委員会ではこの問題のために答申が得られないのではないかということを私ども危惧したほどであります。
 どうしてそういう問題が起きたかと申し上げますと、現在の法律の体系では七百トン以上の船舶については本法で規定しておりまして、七百トン未満の船舶については別途省令で定めるという形になっております。労働側委員からは、こういった形で本来船員の基本的な労働条件である労働時間の法制について、七百トン未満の船を省令で定めておくのは不適当ではないか、この際法律事項に引き上げるべきではないかという強い主張がされました。ただ、現在の法律と省令ではかなり規定ぶりが違うものがございます。細かいことを言いますと切りがありませんので省略させていただきますが、そういった法律と省令との間で規定ぶりが違うのに、わずか半年ぐらいの審議の中で一挙に七百トン未満の船を法律まで引き上げるということについては問題があろうということで、特に使用者側委員からの難色が示されました。
 今回一番問題になりますのは、そのことも重要でありますけれども、船員の週の労働時間をどうしたらいいかということがいわば国家的な課題になってきているわけであります。一般の労働者につきましては既に労働基準法の改正が成立いたしまして、この四月からは将来週四十時間労働に移行するということが既に法律として決定し、施行されるという段階になっているときに、船員がそれに既に一年おくれているという段階で、今申し上げました適用船舶の問題でさらに法律改正をおくらせるということはいかがなものかということで、最終的には労働委員会の公益委員の先生方の御意見に従いまして、とりあえず、まずは週の労働時間について明確に打ち出すということを第一にし、そして今申されました適用範囲の問題を含めていろいろな問題については継続的に審議することでどうかということで、労使ともこれに納得いたしまして今日に至ったという次第でございます。
○魚住委員 七百トン以下についても恐らくそういう議論があったでありましょうし、また皆さん方においても問題意識は持っておられるというのはわかりました。
 さて、そういう状況の中で、十年前と比べると内航船関係は余り減少してないのですけれども外航船関係は半分になってしまった。そういうことについて、半分に対して転職なりまた再就職なりいろいろな方法を講じてやらなければならぬ。そのために皆さん方いろいろと今日まで御努力をいただいたと思うのですが、その御努力の跡なり、また今後のそういうものに対する対応なりをお聞かせいただきたい。
○野尻政府委員 先ほどもお話し申し上げましたように、外航海運界において経営環境は非常に悪化している。外航船員も大幅に減少しておりますし、さらにまた、日本船の国際競争力を強めるためには余剰船員を調整していかなければいけないということで、昨年労使間の合意によりまして雇用調整が実施に移されております。これは二年計画で実施するということになっておりまして、私が先ほど答弁申し上げましたように、日本船主協会のお話によりますと、外航二団体の所属船員につきましては、昨年の四月現在一万八千人おりましたのを来年の三月には一万一千人にまで縮小するという計画が進められているわけであります。
 こういった緊急事態に対応するために、運輸省におきましては六十三年度予算においてこの緊急雇用対策を最重点事項ということで取り上げております。例えば予算を御説明申し上げますと、一般会計からこの雇用対策に投ずる予算は五億一千二百万円でありまして、六十二年度の予算が八千三百万円でありましたから実に六倍といった増額になっております。また厚生省におきましては、厚生省所管の船員保険特別会計からも同じく船員の雇用対策事業を重点に行うということで、六十三年度予算は十二億一千四百万円でありまして、六十二年度の六億八千五百万円に比べますと倍近くの増額ということで、現在予算に計上し予算委員会において御審議をいただいているわけであります。そのほか、この国会で議題とされております船員の雇用の促進に関する特別措置法に基づく就職促進給付金の支給についての措置も七年間延長するといったようなことも、その対策の一環として考えているわけであります。
 こういった諸般の対策の中で私どもの具体的な施策といたしましては、まず海上職域を確保するという観点から、例えば外国船などに日本人船員を配乗させるとか、あるいはそのために必要な教育訓練を行う、あるいはまた海上職域ではもう就職できないような方々については陸上職域へ転換させるということで、そのために必要な各種の助成制度を設ける、あるいは公共職業安定所との間で連携強化を図る、また陸上へ転換するために必要な訓練を行うというような各般の対策を講じようと考えております。
○魚住委員 大変難しい経済状況の中で、社会構造変革の時代だと今言われるように、何も海運業だけがそうであるとは私は思っておりません。すべてのものが今までのルールのとおりにはいかないような社会になってきた、そういう認識に基づいて皆さん方それぞれの立場で御苦労いただいているわけでありますけれども、そういう中におきまして、自分たちの生活が成り立っていくようにだけはどうにかしていかなければならぬ。そのためには、理想は持ちながらでも、将来に対する望みは持ちながらでもきょうの飯を食っていかなければならぬ。そういうようなことからすれば、何らかの救済措置というものは必ずできているはずでございます。何かありましたらお知らせをいただきたいと思います。
○野尻政府委員 今、先生がおっしゃったように、今回の外航海運の不況の一環としまして相当の人数の方々が失業される、離職されるという事態の中にあって、私どもとしましては、まず第一にそういう方々に対して生活の安定を図るという必要があろうかと思います。今回お諮りしております船員の雇用の促進に関する特別措置法の改正案につきましてもその一環でありまして、例えば失業保険金については特別延長をするとか、それでもなおかつ就職できない方に対しては各種の給付金で援護するというような形で、一方で生活の安定を図ると同時に、一方では各種の訓練を通じて腕に新しい職、就職できるような資格を付与するということで、陸上職域あるいはまた海上職域にあっせん申し上げるというような形で何とか離職する船員を保護していきたい、あるいは援護してまいりたいと考えております。
○魚住委員 離職された人の就職促進給付金の六十三年度予算はどれくらいありますか。
○野尻政府委員 ざっと三億五千万余りでございます。
○魚住委員 やっとがつくということは十分でないということですか。
○野尻政府委員 失礼しました。ざっとと申し上げました。
 なお、ちなみに五十一年から昨年までの金額が五億余りだったと思いますので、単年度で三億五千万というのは相当の金額だと私どもは理解しております。
○魚住委員 最近年をとってきたものですからちょっと耳の方が老化してまいりまして申しわけないと思います。ざっととやっというのは随分違います。
 何せ職業訓練を受け、新しい社会に適応していくだけの能力ができていくまでにはかなりの時間がかかるのですね。船員というのは特殊な勤務だということはもう御承知のとおりでありますし、長い間家を離れて勤務をしていかなければならない。大変特殊なわけであります。そういうことにかんがみ、先ほどお話がありましたように、例えば商船大学の卒業者が十八名であった、昔は二百名であった、それぐらいの減少率ですべてのものが減ってきておる、こういうようなことから考えて、やはり当然現在の職員さんの年齢というのは高齢化していくばかりだ、こう思うのですが、このようなことでは、先ほども申し上げたように日本の国自体の存立も危うい、こう考えるわけですが、将来の日本の船員の確保という観点から運輸省はどう考えておられるかというのを大臣にひとつお伺いいたしたい。
○石原国務大臣 いずれの世界においてもやはり新しい要員というものが十分に補充し確保されなければその世界が衰退するわけでありまして、まして海運という、時代が多少どういうふうに変わろうとも国家社会にとって本当にバイタルなものを担当する職員が老化していくということは大変不安でございます。ですから、そういう要員の確保に多角的にいろいろ努力をしておりますけれども、一方では海運そのものが現況の中で非常に呻吟しているということで、非常に魅力がないというわけじゃないのでしょうけれども、困難な職場という印象を与えがちになっておりますし、ですから基本的には、海員の確保のためにも海運というものにできる限りのてこ入れをして、この間もナショナルミニマムについての御質問もありましたけれども、最低限のものは手をとにかく尽くして確保するという努力をこれからも続けていきたいと思っております。
○魚住委員 もう時間が参りましたので、いずれにしましても、昭和二十二年以来今回の改正、多とするところであります。しかしながら、この法律が提案されいつしか議決されるでありましょうが、それで問題なしとするわけではないわけであります。いろいろと申し上げました中で、海運業というのはぜひ必要なものであるということについては、今おっしゃったようにナショナルミニマムとしてどれだけ支えていくかということをしっかり考える時代が私は来ておるのだと思うのです。さりとて、そういう話をしますと日本の国はお金がないんだ、こういうような話になるんですが、荷物の量はふえていく、競争力は下がっていく、さりとて、日本の置かれた国の状況というのは海洋国家であるし島国である、こういうこと、それらのものを調整しながらいろいろと皆さん方に御努力をいただかなければいかぬわけですが、まずその目標に向けての第一歩が今回の法案の提案だったと思うわけであります。
 いろいろと申したいことはたくさんあるわけでありますが、時間が来ましたのでこの辺でやめておきますけれども、どうぞひとつ、有能な石原大臣のもとでありますから、それぞれの基本というもの、今私が最も申し上げたかったことは、日本というのは外国に船籍を移してそこで外国人の船員を乗せて、それで運航すればいいんだということではないんだ、やはり日本人がいつでも、一朝有事にはちゃんとしたものが国家国民のために確保できていく、そういう姿というものが基本なんだ、こういうようなことを私は考えるわけでありますが、恐らく大臣もそうだと思う。ですから、そのことについてだけ一言答弁をいただいて、質問を終わりたいと思います。
○石原国務大臣 食糧に関しまして食糧安保論というのがございます。つまり外国から自由化して輸入するのも結構だけれども自給率等をどこまで確保しなければ国家の安危にかかわるかという議論がよくありますが、私は、船員の確保の問題もそれに通じるものがあると思っております。そういう意味で、私たちは知恵を尽くして、努力を尽くして、日本の海運というものをこれからもしっかりと支えていきたいと思っております。
○魚住委員 ありがとうございました。
○関谷委員長 次回は、来る四月一日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時十五分散会