第112回国会 逓信委員会 第2号
昭和六十三年三月二十三日(水曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 塚原 俊平君
   理事 小澤  潔君 理事 田名部匡省君
   理事 虎島 和夫君 理事 額賀福志郎君
   理事 牧野 隆守君 理事 田並 胤明君
   理事 木内 良明君 理事 木下敬之助君
      尾形 智矩君    亀岡 高夫君
      久野 忠治君    佐藤 守良君
      園田 博之君    谷垣 禎一君
      野中 広務君    深谷 隆司君
      二田 孝治君    穂積 良行君
      宮崎 茂一君    阿部未喜男君
      伊藤 忠治君    上田 利正君
      松前  仰君    鳥居 一雄君
      阿部 昭吾君    佐藤 祐弘君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 中山 正暉君
 出席政府委員
        郵政政務次官  白川 勝彦君
        郵政大臣官房長 森本 哲夫君
        郵政大臣官房人
        事部長     白井  太君
        郵政省郵務局長 田代  功君
        郵政省貯金局長 中村 泰三君
        郵政省簡易保険
        局長      相良 兼助君
        郵政省通信政策
        局長      塩谷  稔君
        郵政省電気通信
        局長      奥山 雄材君
        郵政省放送行政
        局長      成川 富彦君
 委員外の出席者
        防衛庁防衛局防
        衛課長     萩  次郎君
        防衛庁装備局通
        信課長     新貝 正勝君
        通商産業省機械
        情報産業局電気
        機器課長    横江 信義君
        運輸省海上技術
        安全局安全基準
        管理官     高野 恒利君
        郵政大臣官房首
        席監察官    加宮 由登君
        労働省労政局労
        働法規課長   渡邊  信君
        建設省道路局路
        政課長     小鷲  茂君
        参  考  人
        (日本電信電話
        株式会社常務取
        締役経営企画本
        部長)     草加 英資君
        参  考  人
        (日本電信電話
        株式会社取締役
        ネットワーク事
        業本部長)   宮津純一郎君
        参  考  人
        (日本電信電話
        株式会社電話事
        業サポート本部
        営業推進部長) 西脇 達也君
        参  考  人
        (日本電信電話
        株式会社理事労
        働部長)    朝原 雅邦君
        参  考  人
        (日本電信電話
        株式会社経理部
        次長)     水渡紀久雄君
        参  考  人
        (日本電信電話
        株式会社電話事
        業サポート本部
        設備推進部長) 村田 忠明君
        逓信委員会調査
        室長      辛島 一治君
    ─────────────
委員の異動
三月八日
 辞任         補欠選任
  野中 広務君     後藤田正晴君
  二田 孝治君     砂田 重民君
同日
 辞任         補欠選任
  後藤田正晴君     野中 広務君
  砂田 重民君     二田 孝治君
同月九日
 辞任         補欠選任
  阿部未喜男君     上田  哲君
  伊藤 忠治君     川崎 寛治君
  上田 利正君     辻  一彦君
  鳥居 一雄君     坂口  力君
同日
 辞任         補欠選任
  上田  哲君     阿部未喜男君
  川崎 寛治君     伊藤 忠治君
  辻  一彦君     上田 利正君
  坂口  力君     鳥居 一雄君
同月二十二日
 辞任         補欠選任
  園田 博之君     塩川正十郎君
  野中 広務君     丹羽 兵助君
  二田 孝治君     麻生 太郎君
  穂積 良行君     加藤 絋一君
  阿部未喜男君     城地 豊司君
  伊藤 忠治君     緒方 克陽君
  上田 利正君     伊藤  茂君
 鳥居 一雄君     平石磨作太郎君
同日
 辞任         補欠選任
  麻生 太郎君     二田 孝治君
  加藤 紘一君     穂積 良行君
  塩川正十郎君     園田 博之君
  丹羽 兵助君     野中 広務君
  伊藤  茂君     上田 利正君
  緒方 克陽君     伊藤 忠治君
  城地 豊司君     阿部未喜男君
 平石磨作太郎君     鳥居 一雄君
    ─────────────
三月十五日
 郵便法の一部を改正する法律案(内閣提出第四二号)
は本委員会に付託された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 通信・放送衛星機構法の一部を改正する法律案(内閣提出第一五号)
 逓信行政に関する件(郵政行政の基本施策)
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○塚原委員長 これより会議を開きます。
 逓信行政に関する件について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人の出席を求め、意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塚原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 なお、参考人の人選につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○塚原委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ─────────────
○塚原委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木内良明君。
○木内委員 過日の中山郵政大臣の前信表明を承りました。大臣御就任後初の本委員会における所信に対する一般質疑ということでこざいますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 各部面にわたるテーマについて何点か触れてまいりたいと思いますが、まず初めにパソコン通信の問題でございます。
 パソコンやワープロの出荷台数が近年大変に増大してきておる。一説ではこの出荷台数は既に一千万台に達しておりまして、現在なお大変な高い伸が率で推移してきている。こうした出荷台数のうち、現在約十万台見当がネットワークに接続され、通信に用いられているというのが推定されているところであります。昨年六月に報告されました電気通信審議会の予測によりますと、六十六年度には約三百六十万台のパソコンやワープロが通信に用いられるようになるという推測が行われているわけでありまして、恐らくこの分野におけるパソコンやワープロによる通信というものは今後級数的に拡大していくであろう、私はこう考えるわけであります。そこで、これに付随する問題点を何点かお聞きしたいわけであります。
 今まではそれぞれ独立して用いられていたパソコンやワープロが、申し上げたように今後ネットワークに接続されていく、電話、ファクシミリと並び基本的な通信手段として普及していくと思うわけでございますけれども、今日的な状況の認識、それから今申し上げた点、今後どのような普及をたどっていくのか、この点の大臣の認識あるいは御見解をまず初めに承りたいと思います。
○中山国務大臣 木内先生はもうパーソナルコンピューターのエキスパートだそうでございまして、私なども昭和一けたでございますので、ちょっと年をとり過ぎたかなと思うのですけれども、今からでも始めてみよう、木内先生のおうわさを聞きまして、これは勉強しなければいかぬなと思っております。特にこれからの子供の世界ではパーソナルコンピューターというのは大変普及率が高いようでございますから、今お話しのように電話とかファクシミリに続きまして画期的な伸びを示すのじゃないかという感覚でおります。
 そこで、パソコンによるネットワークの研究会などを郵政省でつくっておりまして、将来そういう面に急速な伸びを示すという電気通信審議会の予測もございますので、国会でもそういう面に御興味をお持ちの先生方にも御相談を申し上げながら、大いに普及させてまいりたいと思っております。
○木内委員 この問題意識につきましては大臣から今お話のあったとおりで、私もその点は高く評価させていただきたいと思います。
 今の答弁の中にございましたパソコン研究会、これは郵政大臣の諮問磯開化なるのでしょうか。このパソコン研究会の今日までの沿革それから人員、構成メンバー並びに研究テーマ、今後の研究会のあり方についていかなる見通しをお持ちか、局長の方から答弁をお願いいたします。
○奥山(雄)政府委員 パソコンネットワーク研究会は、電気通信局長の私的諮問機関といたしまして昨年十二月に発足させていただきました。この趣旨は、先ほど大臣から御答弁がこざいましたように、パソコン通信というものは電話、ファクシミリに続く第三の新しいジャンルの通信メディアであるということで、急速に普及が見込まれております。反面、非常に多岐にわたる問題が伏在しているということで、これが将来のパソコン通信の隘路になる可能性が非常に強いということで、そうした問題点を早いうちに先取りして研究し検討した上で、行政としてもこれらを解消した上でパソコン通信の健全な発達、普及に資したいというものでございます。
 具体的には専門委員会を設けて今やっておりますが、構成委員の方々は全部で十五名でございまして、非常に多岐にわたる方々でございまして、学者として御造詣の深い方はもちろんでございますし、それから実務家として実際にパソコン通信の事業を営んでおられる方、ベンチャービジネスのような方々あるいはマスコミ、ジャーナリズムのような方々、各界各層を網羅しております。
○木内委員 今十五名の構成メンバーということでありますけれども、申し上げたような意味合いからも、局長の諮問機関という位置づけでありましたが、例えば一般汎用を勘案してのユーザーの代表でございますとか、さらにまた新しい世代の感覚を取り入れるなど、ユーザーと提供する側との環境づくりに資するようにこうした構成面での配慮も今後要望いたしたいし、また各部面にわたる今後整備しなければならない課題もまだまだ山積しておりますので、精力的な協議というか審議をお願いしたいわけであります。
 以下、何点かについて具体的にお聞きしてまいりたいと思います。
 まずパソコン通信の普及促進に向けての課題の中で今一番ユーザーの方から問題提起のされておりますのが料金の問題です。料金は電話と同じ従来の通信料金体制というものが現在踏襲をされているわけでありますけれども、今後の普及拡大を見通してのパソコン通信用の安い料金を検討すべきであると私は思うのであります。既に業務用あるいは個人用に分けて料金のあり方というものも特例的な位置づけがあるいはあると思いますけれども、今後安い料金化を検討されてしかるべきではないかと思いますが、いかがですか。
○奥山(雄)政府委員 パソコン通信というものは、家庭、事務所におけるパーソナルコンピューターあるいはワープロと通信回線を結んでさまざまなメッセージのやりとりをしたり、お互いにそこで円卓会議のように会議も実際にできるというような今までの通信にはない特徴を持っております。また、電話のようにかかってきたらすぐ出なければならないということでもございませんし、蓄積しておいて必要なときに発信側も受信側も出したり入れたりすることができるという大変な利点もございますので、それだけに、現在のように主として電話回線を使う場合には電話線をつなぎっ放しにしておく関係上非常に電話料金がかさむという問題の御指摘も私どももたびたび伺っているところでございます。恐らく木内先生もお使いになってその請求書を見てびっくりされたのではないかと思いますが、そういう問題が今後のパソコン通信を普及させる上での一番のネックだろうと私どもも思っております。
 そこで、私どもも事業者の方といろいろ相談し、また指導もいたしておりますが、事業者側におきましてもそのことは強く意識しておりまして、最近やっとパソコン通信に使える安いネットワークというものについて関心が深まってまいっております。例えばNTTにおいてはDDX―Pというデータ通信網でございますが、これをパソコン通信に使う、あるいは特定の会社の名前を挙げていいかどうかわかりませんがインテックという日本の非常に有力なVAN会社がございます。インテックという会社は他社に先駆けてVANとしてパソコン通信に使い得る安い料金体系のネットを提供しているという事例もございますし、他のVAN事業者もこれは追随する傾向にございますので、ぜひともそうした方向を私どもとしても促進してまいりたいと思います。
○木内委員 今の局長の答弁はVAN会社におけるサービスあるいはNTTのDDXですか、今限定された利用面における料金のあり方について言及があったわけであります。私はそれに加えて申し上げるのは、一般ユーザーにおける料金の低廉化ということ、これもぜひ検討をしていただきたい。特に電話料金というものを一般的化下がるという努力は郵政省も今後されるだろうと思いますけれども、電話料金が一般的に下がってくる中でパソコン通信料金も下がってくるということも言えると思いますけれども、特に一般ユーザーにおけるパソコンの通信料金の問題というものにはとりわけ大きな関心を持っていただいて低廉化を目指していただきたい、こう思いますが、局長から改めてこの点もう一度答弁をお願いしたいと思います。
○奥山(雄)政府委員 ただいま御指摘ございましたように、電話料金の低廉化の問題は電電改革の本旨でもございますので、郵政省といたしましても今日までNTT初めNCCをも指導してまいったところでございます。二月十九日から遠距離料金の引き下げが行われたところでございますが、今後とも近距離あるいは夜間の割引等も含めた形で電話料金の水準全般が下がるように努力をし、また指導してまいりたいと思います。
○木内委員 次に操作性の問題なんですけれども、パソコン通信センターへのアクセスのあり方というものがセンターによってばらばらになっているんですね。先ほども大臣答弁があったように、それぞれのグループがあり、ネットワークがあり、今度はこのネット同士の通信というものが大きな広がりの中で特徴を持ってくる、こう思われるわけでありまして、今後大きな普及が考えられる中で利便性であるとか汎用性ということを考えますと、センターへのアクセスの仕方というもの、この統一が必要になってくると思うのですね。この点に精力的に取り組んでいかれるべきである、こう思いますけれども、どうでしょう。
○奥山(雄)政府委員 今おっしゃいました点がまさに一つの大きな問題点でございまして、パソコン通信の最近の非常に急速な発展のおかげでいろいろな事業者がそれぞれ独自のパソコンネットワークを提供しております。NECのPC―VAN、これが最大で二万五千人加入、テレスターが一万加入というようなところが大手でございます。そのほか富士通、インテックあるいはアスキー、NTT―PC等々、現在までここ二、三年で十二ぐらいのネットワークがあるやに聞いておりますが、ただいまいみじくもおっしゃいましたように、それぞれのセンターへのアクセスの仕方が全部違いますので、一つのネットワークに入った場合にその手順を覚えても他には通用しないという悩みがございます。これがパソコン通信を普及させる上に一つの隘路であることは間違いございません。
 ただ、先生も御承知のとおりパソコン通信というのは最近急速に普及し始めた通信手段でございますので、まだ成熟した状態に立ち至っておりませんし、技術開発もその途上にございます。そこで各社各様に一番いいという方法で今そのアクセスの技術開発をやっているわけでございますので、現時点で直ちにこれを統合するということは非常に難しいと思いますが、ソフトのメーカーあるいはそのパソコン通信事業者あるいは私ども行政も入りまして、できるだけ共通的な部分ぐらいは標準化できる方向に今後努力をしてみたいと思います。
○木内委員 今パソコン通信というものが十分な成熟を見ていない、したがってこうした問題については今後の課題である、こういう答弁だったと思います。
 そこでお聞きするわけでありますが、先ほどお話のありました局長の諮問機関、パソコンネットワーク研究会、ここの既にテーマになっているのか、あるいは今後重大な課題としてすべきであろうと思いますので、研究会におけるこの点の位置づけがどうなっているのかということが一点。
 それから、それぞれのソフトのメーカーでありますとか企業それぞれが独創性を持ってこの開発に取り組むということは当然のことなんですけれども、しかしながら汎用性、利便性ということを考えますと、仮に最低限といいますか基幹部分あるいはユーザーが最も接点を多く持つ部分、例えばこのパソコンキーボードを初めとする部面については統一化というものをするなり、あるいはネットワーク化の根幹部分についての整合性のある統一化というものを研究され、さらにまたこれを行政の面で積極的にコントロールをしていくということが大事なのではないかと思いますが、いかがですか。
○奥山(雄)政府委員 まずは前段のパソコン研究会における研究テーマでございますが、この中には制度面それから実務面における諸問題を洗いざらい取り上げることにしておりますので、ただいま御指摘ございました標準化の問題等も当然論議になっているところでございます。
 また、後段の標準化、最小限必要な部分だけでも積極的に標準化すべきではないかという御意見でございますが、実はここのところは非常に悩みであると同時に難しい点でございまして、余り早く標準化をしてしまいますと、技術の発展の芽を摘んで技術の発展の低い段階で標準化が行われてしまう、これは将来的に長い目で見て得策ではない。後からもっといい技術、方法が開発されたという場合にほぞの緒をかむこともございますので、今そういう成熟に向かっての過程でございますのでなかなか難しい点がございますが、私自身としても例えばワンタッチで済めば非常にいいんだがなと思うような点が多々ございますので、ひとつそのような実際のユーザーの方々の御意見を踏まえた上で十分結論を出させていただきたいと思います。
○木内委員 これは非常に困難な答弁であろうかと思いますけれども、標準化の時期、見通しでありますが、仮に出荷台数でございますとかネットワーク化されたグループの件数がどのくらいになったとか、あるいは利用度がこの程度まで計数的に伸びたときにこの導入といいますか標準化の具体的な動きをしようなどというめどはお持ちかどうか。特になければ結構ですけれども、今の答弁で十分ですけれども、ある程度のそうした物差しというものを我々も持っておく必要があるんじゃないか。実情に応じて、ユーザーの意見も聞いてということでありますけれども、その点、多少でも踏み込んだ答弁がもしできるならばお願いしたい、こう思います。
○奥山(雄)政府委員 繰り返しになって大変恐縮でございますが、現在急速に技術開発を各社各様にやっておりますし、大変ユニークな新しい技術も出てきておりますので、現時点でいつになったらこの標準化が行われるかということを日限を限って申し上げることは困難でございますので、ひとつ御理解を賜りたいと思います。
○木内委員 パソコン通信の問題点でもう一つ挙げられるのが正確さということの問題。今情報垂れ流しといいますか、送信したらしっ放しになってしまって正確に相手に届いているかどうかの保証がない、確認ができないというのが今のシステムなんですね。このためにビジネスでの利用に足踏みをしているという声も実は相当数私は聞いているわけでありまして、情報の送受を正確にするための通信制御手段、いわゆるプロトコルの導入ということが真剣に今検討され、導入のための準備が行われてしかるべきである、こう思うわけです。この点、いかがですか。
○奥山(雄)政府委員 パソコン通信の送り方には、お話がございましたように順次送り出していく無手順のものと、それからぜひ導入すべきであるという御意見のございましたプロトコルによる制御信号を入れたものと両方ございますが、ユーザー側の好みに両様ございまして、無手順で、多少正確ではなくてもいいから安い方がいい、こういうようなことを望まれる方もございます。それは冒頭に大臣が御答弁申し上げましたように、最初は趣味的なところから始まったパソコン通信でございますので、遊びでやっている分には多少不正確であってもいい、それより安い方がいいという方もいらっしゃることも事実でございます。ところが、資金移動を伴うようなあるいは非常に深刻な、真剣な討議等を行うようなメッセージのやりとりは、これは当然のことでございますが、制御信号の入った、プロトコルを備えたものでなければならないと思っております。そうした意味から、郵政省では推奨通信方式、推奨でございますので強制力はございませんが、推奨通信方式といたしましてJUST―PCというものを先年告示いたしまして、御利用いただくようにお勧めをしております。
 ただ、ユーザー側の御意向でございますので、なかなかその点の悩みがございまして、例えばJUST―PC、私どもの推奨通信方式をぜひ取り入れてほしいという要請をいたしましても、いや、私どものサークルはそんな厳密性は要求しないので、これでいいんだというようなことをおっしゃるところもございます。
 昨年爆発的に一時ブームを呼びました、俵万智さんの「サラダ記念日」というナウい短歌がございますが、みんなあの短歌になぞらえてお互いに「サラダ記念日」式の短歌のやりとりをしようというのが随分あるネットワークではやりました。そのときに、何とかかんとか七月六日はサラダ記念日、こういったような、あれ式のものをどんどんみんなインプットされたわけですけれども、これらが多少届かなかったとしても、世の中あるいは人命、財貨には余り影響しないということで、そういう方々は絶対もう無手順のままでいいんだということを言い張られますので、両様使い分けて今後進めてまいる必要があろうかと思っております。
○木内委員 今局長が大分「サラダ記念日」の例などを挙げられまして、趣味の領域、もっと極端に申し上げれば遊びの範囲という点では正確さはさほど必要としない、私もそう思うのです。ただ、申し上げたように、例えば小規模事業者においてこのパソコン通信を頻繁に使うようなケースが出てくるし、また、今後やはりパソコン通信の発展充実に伴って低廉なコストでもってこれが利用できるということになれば、事業者においてもこの利用というものはまたふえていくであろう、そのための積極的な対応というものが必要であるという意味から私は今申し上げているわけでありまして、この郵政省が推奨しているJUST―PC方式、これは決してパソコン通信を行う場合の義務ではない、これは当然それでいいわけです。必要があればJUST―PCを使えばいいわけであります。
 いわゆるプロトコルの問題というのは大変に難しいから余り申し上げませんけれども、しかし、今言われたこのJUST―PCを導入するなりあるいはこのプロトコルを利用の範囲に入れていくということになりますと、大変コストがかかってくる。いわば正確さ、利便性とコストというものの両立が非常に難しいのだ。したがって、郵政省としては、今高度情報通信化社会の脚光を浴びた省としましては、安くて正確で、そして便利だというものをもっと開発推進し、コストを低くしていく必要があるのではないか、この両立というものについてもっともっと積極的に取り組まれるべきであると思いますが、どうですか。
○奥山(雄)政府委員 御指摘のとおりでございます。私どももそういう認識で取り組んでまいりたいと思いますし、また、事業者の方におきましても、無手順であってもエラーを少なくするような方法をいろいろ開発しているようでございますし、また、プロトコルを導入する場合にもできるだけ通信料、電話料あるいは加入料等を安くすることが共通の願いでございますので、料金の低廉化に向かってあらゆる知恵を結集してまいりたいと思います。
○木内委員 大分局長の答弁も前向きになってまいりましたので、次のテーマに行きます。
 パソコンの国際性という問題、今後海外とパソコン通信を通じて自由に情報交換するような環境にさらになってくると思われるわけでありますけれども、今触れました我が国のプロトコルを国際的に整合させておく必要が今の段階から既にあるのではないかと私は思います。例えば文字の問題にしましても、日本の場合、これは漢字、平仮名八ビット、外国ですとアルファベットで七ビット、こうした差、溝をどう埋めていくか、あるいは国際間におけるネットとネットの連携というものにおける整合性というものが必要ではないか、こう思います。この点について郵政省は今どんな準備をされていますか。
○奥山(雄)政府委員 ネットワークとネットワークを結ばなければやはりグローバルなパソコン通信というものは発展しないと私ども思っております。国内的には、既にCCITTの勧告で四〇〇シリーズという標準の勧告が出ておりますので、これにのっとって私どもとしてもこれを導入する方向にはございます。
 ただ、問題は、国際的な広がりまで発展した場合どうなるかというところが、ただいままさしく御指摘がございました伝送コードとの関係で非常に問題がございまして、漢字が八ビットで日本では定着してしまっている、外国はアルファベットであるから七ビットということで、これもほとんど定着しているということでございますので、この両者を埋めるのは非常に難しいわけですが、結局結論的にはその間に介在をするコンピューターの中でいわゆるプロトコルを変換するという作業をやらざるを得ません。それによりましてまた金がかかるということにもなりますので、いかに安くして国際的な伝送コードの違いをプロトコル変換という形で解消していけるかというのが検討課題であろうと思っております。
 当委員会でパソコン通信が御審議されるのは恐らくこれが初めてだと思いますので、国会の場でもそういう国際的なパソコン通信の広がりについても御指摘、御議論をいただきましたことは、私どもにとっても非常に力強い御支援と受けとめております。
○木内委員 さらに、ビジネスに本格利用するためには、電子メールや未公開の電子会議の内容が保護される必要があると思います。ところが、現在のパソコン通信ではこうした問題について保護策というものが講じられていないのが現状です。昨年六月の刑法改正でも、データベースや電子メールの内容をハッカーなどがのぞき見をする行為については規制をされていないのが現状です。したがって、改めて電子メールなどの保護策を早急に打ち立てる必要があるのではないか。これが一点。
 それから、二点について局長から答弁をいただき、あわせて大臣に答弁を承りたいと思いますけれども、ハッカーによるデータの破壊でありますとか改ざんは対する具体的な保護策といいますか対抗策というものが極めて不十分、これは申し上げたとおりです。ID番号やパスワードが現状ではセキュリティー対策ということになっておりますけれども、これすら、努力はうかがえますけれども、今後のことを考えてまいりますと不十分であると言わざるを得ない。郵政省としては、ID番号やパスワードをより複雑化し、さらにハッカー対策等に有効な手だてを講ずる必要がある、この二点について局長から、さらに大臣から答弁をいただきたいと思います。
○奥山(雄)政府委員 まず私の方から御答弁申し上げたいと思いますが、秘密の保護につきましては、電気通信分野で申し上げますならば電気通信事業法の四条で通信に係る秘密は保護されておりますので、これで足りるというふうに私どもは考えております。
 しかしながら、ただいま御指摘がございましたようなハッカー等に対するセキュリティーの問題、これはまだパソコン通信においても非常に問題があるところでございますパスワードあるいはIDというようなものが通例のセキュリティー対策でございますし、またそれ以外には現在のところ強力、有効なものが見当たりませんが、さらにそれを高度な技術によって、例えば筆跡で本人を確認するような方法がとれないかどうか、あるいはパスワード、IDにしても、これを比較的頻繁に変えたらどうかといったようなこと等、さらには今開発中でございますが、ICカードを使ったらもっと安全性が確保されるのではないか等々幾つかの手段が考えられております。これも先ほど申し上げましたパソコン通信研究会の中で一つの大きなテーマとして今後取り上げていく予定でございますので、よろしく御指導を賜りたいと思います。
○中山国務大臣 御指摘のように、あれは何という題名の映画でございましたか、アメリカの高校生がアメリカの防空用のシステムの中に割り込んでいって米ソ戦争が危うく起こりかけたという実話に基づいた、高校生を主人公にした映画があったことを記憶いたしておりますが、今御指摘のように、そういうデータの破壊とかそんなものは七百億分の一秒でございましたか、ハッカーの場合は罪の意識がなしにそういうものに割り込めるという新しい科学の時代にどう対応していくかというのは、盗聴とかハッカーとか通信の秘密を侵すということに対応するためは、日本は平和国家でございますが、個人の権利からいろいろな国際関係もふえてくるときでございますので、そういう国際関係にも関連してくるところから、いかにその安全保障を確保するか、個人の通信の秘密を守るかということに対しましては万全を期す必要がある、御指摘のとおりだと思っております。
○木内委員 今何点かについて、限られたテーマでございますが、質疑をいたしたわけであります。今後このパソコン通信については私もぜひ重大な関心を持ってまいりたいし、また行政当局としても、郵政省としても適切かつ精力的な対応を要望いたしたい、こう思います。
 なお、これまで約三十分の審議の中で「サラダ記念日」が出、またアメリカの映画が出、この逓信委員会も大分間口の広い感覚を要求される委員会になった、こう思うわけでありまして、とりわけ、平素から感じていることでありますが、大臣の博覧強記には改めて思い知らされる思いがいたしております。
 パソコン通信はとりあえず以上にいたしまして、次にハイビジョンの普及の問題に入ってまいりたいと思います。
 ハイビジョンは、既に周知のように、従来のテレビが走査線五百二十五本であったところを千百二十五本の走査線を使って、画面にきめ細かく、また色彩豊かな美しい映像を映し出すという特徴を持っている。こう申し上げてはいるものの、実は私もかつてハイビジョンについては十分な認識がありませんでした。郵政省に連絡をとって、ハイビジョンはいかなる鮮明な画像と、しっかりした、何といいますか感覚的な前進が行われたのかということを確認したくて、二度にわたって見ました。これはなかなか立派なものでありまして、私は、このハイビジョンの今後の国民生活の中における位置づけというものはかなり大きなものになってくるであろう、こう実感したわけであります。
 そこでまず率直にお聞きするわけでありますが、このハイビジョンを国民の皆さんがもっと多くの接点を持ち、さらに身近に利用できるようになるということは郵政省の大きな目標だと思いますけれども、このための具体的な計画をどう立てておられるか、この点についてまずお聞きします。
○成川政府委員 先生お話しのございましたように、ハイビジョンは高画質、高音質が期待できる次世代のテレビとして大変すばらしいものとして期待されているものでございます。放送は対する国民の需要といいますが、多様化するニーズにこたえ得るものとしてその実現に向けて私ども努力していかなきゃならぬと同時に、内需拡大効果の面でも大変効果があるものですから、普及促進に努めてまいりたいと思っております。
 そのために解決しなければならない課題といたしましては、ハイビジョンのソフトの充実、あるいは今価格的にも大変高価でありますし大きなものでございますので、それを小型化していくといいますか薄型化していくというようなこととか、低廉化していかなきゃいかぬというような問題等等、技術開発をしていかなければならない面がございます。それと同時に、今先生お話がございましたように国民の理解の促進を図らなきゃいかぬというような問題を抱えているわけでございます。
 それらを解決するために私ども六十三年度予算でいろいろな具体的な施策を考えておりますが、一つといたしましては、高度映像都市構想ということで、その調査研究費を六十三年度予算に計上させていただいております。さらには、CATVのハイビジョン伝送システムの技術開発に関する調査研究、それからハイビジョン放送設備に対する開銀からの出資をいただきましてその整備を図っていきたいというようなことを考えております。それから、今国会にも提出させていただいておりますが、通信・放送衛星機構の法律を改正いたしまして、トラポンを通信・放送衛星機構は所有していただいて一般放送事業者は活用していただいてソフトの充実を図っていきたいということで、これは産投からの出資を六十三年度予算に計上しているところでございます。それから、テレトピア指定地域におけるハイビジョン施設整備事業に対する無利子融資でございますが、これにつきましては六十二年度から認められておりますが、六十三年度も引き続きこれを実施していきたいということでございます。
 特に申し上げますと、高度映像都市構想につきましては、先端的なモデル都市において都市空間、生活空間にハイビジョンを導入して都市の活性化を図ろうということで考えておるわけでございますが、できたら六十三年度中に十都市ぐらいを選定できるように持っていきたいと考えております。これは先ほど申し上げましたように六十三年度予算で調査研究費が認められているものでございます。
 それから、六十三年度予算には関連いたしませんが、普及促進策といたしましてソウル・オリンピックの生中継を、開会式と閉会式でございますが、全国に五十カ所二百台のテレビ受像機を置きまして皆さん方に見ていただいて理解を促進していきたいと考えております。
 そのほか、テレコム旬間あるいはハイビジョンウイーク等々を活用して一層国民の理解を促進いたしまして、その実用化に向けて努力していきたいと思っております。
 これらの諸課題を一つずつ段階的に解決をいたしまして、六十五年度に打ち上げられるBS3を使っての実用化に向けて、その実現に努力していきたいというふうは思っておるところでございます。
○木内委員 今後のタイムスケジュールについては何点かにわたって言及いただきました。一つは予算措置の面、ハイビジョンシティー構想、ソウル・オリンピック等々あったわけでありますが、その中で、ハイビジョンシティー構想について話をされましたので私もぜひお聞きしたいのです。
 これは、先端的なモデル都市において都市空間、生活空間にハイビジョンを先駆的に導入し、普及を図ろうとされる構想であり、試みである。川崎市などはハイビジョン都市宣言を行って既に名のりを上げている。さらに岐阜市なんかも希望している。六十三年度中にこのハイビジョンシティーの機能、選定方法を取りまとめて、今のお話にもありましたけれども十都市を指定する予定である、こういうことだと思います。
 そこで、お聞きするわけでありますが、この選定に当たっては、地域性、人口規模あるいは環境要件さらにまた自治体の姿勢、希望といったものを考慮して決めることになると思うわけでありますが、その基準がどういうことになっているのか、これが一点。
 それから、特に近年東京への機能集中というものが議論されているわけでありますけれども、地方都市の活性化につながるような選定方法をとることが必要ではないかと言われているが、これが申し上げたいこと。
 それから、私が率直な疑問として持ちますのは、ハイビジョンシティー構想という資料を手元は持っておりますけれども、これによって一体何がその都市にメリットになるのか、これがよくわからないんですね。ハイビジョンをただ見るだけなのか、あるいは通信機能なり生活環境の中にハイビジョンというものが重要な位置づけをされるような町づくりの骨組みになってくるのか。あるいはそこでハイビジョンを購入するときに、これは恐らくないでしょうけれども、税制上の特例措置がその都市では適用されるとか、イメージだけが先行しましてハイビジョン都市構想の実態が那辺にあるのかということがもう一つわからないわけでありまして、以上三点、手短にお願いします。
○成川政府委員 ハイビジョン都市構想については、先ほど先生からもお話がございましたように川崎を初めとして地方公共団体からも大変注目されておりまして、公共サービス等にハイビジョンを導入して活力ある、活気あふれる都市をつくりたいというようなことも聞いております。
 それからハイビジョンシティー構想を具体的なものとしてどうしていくかということでございますが、これらにつきましては、ハイビジョンシティー懇談会といいますか、通称そう称しておりますがそれらを設けまして、その中で先生方、有識者の方々にいろいろと御意見を聞かせていただきながらやっていかなければいかぬと思いますが、そのためには、ハイビジョン都市構想の理念というものをまずつくり上げていかなければいかぬ。それと、推進方策をまず考えていかなければいかぬというふうに思っております。
 それといろんな都市が考えられると思うわけです。グルメ都市だとかレジャータウンとかいろんな都市が考えられるわけですが、モデルイメージをそれらの懇談会の中でつくり上げていっていただき、また都市構想につきましても具体的に十都市と決めているわけではございませんで、その選定方法等につきましても懇談会の中で御意見を聞かしていただきながら具体的なものにつくり上げていきたいというふうに現在考えているところでございます。
 そういうことで、まだこれといった具体的なものはでき上がっている状況ではございませんが、ハイビジョンを導入することによって活気あふれる都市をつくり上げていくことができるんじゃないか。それで、これらの構想がまとまりましたら、六十四年度に向けて税制あるいは財政措置を講じて実現に向けてやっていきたいというふうに考えているところでございます。
○木内委員 どうも私が申し上げたイメージの域を出ないようでありまして、要するに活気ある町づくりを目指すわけでしょう。そのために今懇談会等で協議をしている、そこに住む生活住民にとってどういうメリットがあるのかといった各点については今後構想をまとめていく段階である、こういうことでいいですか。――そうすると、その構想は六十四年度を待たずという今答弁でしたか、今年度中ですかに構想をコンクリートするというふうに聞きましたけれども、その発表はいつごろなんですか。
○成川政府委員 ちょっと舌足らずで誤解を与えたかもしれませんが、先ほど申し上げましたように、六十三年度予算で高度映像都市構想の調査研究費がついておりまして、六十三年度中に構想をまとめていただきたいというふうに考えておるところでございます。私どもとしましては、できたら六月あたりに中間報告をいただいて、再来年度ですか、六十四年度の予算措置等に反映できるようにしていただきたいと思っておりますが、最終的な報告として私ども期待しているのは、十月に報告を出していただければというふうに考えているところでございます。
○木内委員 中間報告が六月、最終報告が十月、そして六十四年度の予算にこれを反映してまいりたい、こういう明確な話でございますので了としたいと思います。
 それからハイビジョンの実用化に向けて今大変問題になっておりますのは価格の問題、まだ試作機段階でありますけれども一台五百万円もする。今後ハイビジョンが実用化されるためには、受像機の低コスト化、ハイビジョン用ソフトの充実、そしてハイビジョン放送の開始というもの、先ほどもBS3の話が出たわけでありますけれども、これが必要不可欠の条件である。特に価格の問題につきましては、今から皆さんの意識を聞いてみますと、私もハイビジョンを見てなかなかいいものだったよと皆さんに申し上げると、実用段階になったらぜひこれは手に入れたいと言うのです。だけれどもコストが五百万円じゃちょっと無理だなというような率直な皆さんの声があるわけでありまして、価格の面でやはり安くしなければならぬだろう。これは大分難しい面もあると思いますけれども、どう対応されていかれますか。例えば行く行くは幾らぐらいにしたいと……。
○成川政府委員 先生お話しございましたように、現在は手づくりでつくらざるを得ない状況なものですから、大変高価格になっておるわけでございます。これはLSI化が進みましてなおかつ大量生産ができるようになりますとかなり急速に価格は低廉化の方向に向かうんじゃないかというふうに私ども期待している。技術開発の面でもいろいろな支援策を講じて、できるだけ早くその価格を低廉で皆さんにお買いいただけるような状態に持っていきたいというふうに思っておりますが、私ども現在のところ考えておりますのは、できるだけ早く五十万円ぐらいになって国民の皆さん方に見ていただけるような状態に持っていければなというふうに思っているところでございます。
○木内委員 それから、現在の世界のテレビ標準方式についてでありますけれども、日本、北米などが採用するNTSC方式、西欧のPAL、東欧のSECAM、この三つがある。国際的に番組を交換する際方式変換が必要になってくる。今規格を統一する動きが出ているわけでありますけれども、なかなか各国の足並みがそろっていない現状だと聞いております。これに対して我が国政府としてはどう対応されるのか、簡単にお願いします。
○成川政府委員 現在のテレビの方式は、先生お話しございましたように、北米、カナダ、日本、韓国等々がNTSC方式ということで、東欧あるいは西欧はSECAMあるいはPAL方式、中国もPALでございますが、こういうようなことで世界的に統一された状態ではないわけでございます。そのために番組交流などをする際にはコンバーターを必要とするというようなことになっておりまして、ハイビジョンの時代におきましてはできるだけといいますか、国際的に統一規格でまとまることが望ましいというふうに考えておりまして、ITUのCCIRという場に私ども、カナダとアメリカと共同で、現在私どもが考えておりますハイビジョンの規格を提案したところであります。しかしながら、それを取り上げるというような勧告にまで至るというようなことはございませんで、現時点では統一的な規格ができていないわけでございます。
 CCIRの場でなお六十四年、五年に向けて統一的にしていくべく協議を続けるということでございますし、またECとの間におきましてもワーキンググループをつくりまして、先般も会合を開いたわけでございますが、意見交換をしてできるだけ世界的に同一の規格でできるように実現していきたいというふうに思っておるところでございます。番組の交流といいますか、世界的に同じ規格であれば非常にスムーズにいくわけでございまして、国際理解を促進する面でも役に立つわけでございますので、できるだけ統一規格が実現するように今後とも一層努力していきたいというふうに考えておるところでございます。
○木内委員 次に、郵政事業の今日までの歴史の中における特定局の問題についてお尋ねします。
 昨年度の郵政事業特別会計の収益は、報告によりますと当初予算を七百四十一億円上回る一兆三千九百九十七億円に達し、単年度において六十億円の黒字を計上することができた。これは五十六年一月以来実に七年間一度も値上げをせずに黒字を計上し続けることになり、五十五年に二千四百九十億もあった累積赤字をわずか十五億円に減少させることにもなっている。郵便貯金においては資金が百十六兆、簡易保険の契約高も百兆に達した、こういう現状であります。新商品の開発もさることながら、諸物価上昇やまた百年以上の郵貯非課税制度の撤廃など、こうした悪条件があったにもかかわらず、こうした成果を上げてこられたそれぞれの現場における関係各位に私は高い評価をまずするものであります。ほかの国営、公営事業の多くが慢性的な赤字体質で悩んでいるにもかかわらず、郵政事業においてこうした成績を上げることができた要因は幾つかあろうかと思いますけれども、それぞれが相乗効果を持ってこうした数字をもたらしたと思うわけであります。
 特に私が指摘したいのは、我が国における明治以来の民活導入ともいえる特定郵便局の存在が極めて大きい、こう思うわけであります。委託業務局である簡易郵便局を除く普通局、特定局二種の合計一万九千局のうち実に九割以上が特定局であります。まさしく特定のところにしかないのが普通局で、普通一般のところにあるのが特定局である、こう言われているわけでありまして、大都市はもとより地方におきましても特定局のネットワークは全国に張りめぐらされております。言ってみれば特定郵便局の存在を抜きにして郵政行政の歴史は語れない、こう言っても過言ではないわけであります。
 そこで、この特定郵便局に携わる局長を初め関係者の方々の生活であるとか給与の面であるとか待遇の面、それぞれに今なお改善すべき点が多い、私はこう痛感をしているわけであります。
 そこでまず、その一つであります外部登用の初任給についてお聞きをするわけでありますけれども、この制度は部外の多くのジャンルから多彩な人材を登用することを目的としており、常に郵政事業の最前線に活力を注ぎ込んできた源ともいえるものであります。しかしながら、近年ではその初任給を初めとして、申し上げたような待遇や環境面での課題のゆえに、特定局長に推薦しても敬遠されるケースが出てきている。この原因というのは一体どの辺にあるのか、ここが問題になるところであります。確かに、局長の職務は単に金額の多少によってはかられるものではないと思いますが、能力的にすぐれた者であれば民間においてそれ相応の報酬を受けているのもまた客観的な事実でありまして、郵政当局もそのあたりは留意をされているとは思いますけれども、新たに外部登用をされた者で、民間にいたときの収入と登用の際の基準額とのギャップが大きいものは、現在の制度の中では、本省まで上申させ基準額以上の査定をするなど、そうしたルールもある。しかし、これが大変に圧縮されたものであるということも聞いているわけであります。
 そこで、こうした選考任用制度による部外任用者について、待遇面で今後いかに改善をされていかれるおつもりなのか、もって、特定郵便局の今後のあり方というものにいかなる改善をしていかれるおつもりなのか、まずこの点、お尋ねします。
○白井(太)政府委員 先生ただいまお話しいただきましたように、特定郵便局長につきましては、いわゆる選考採用という制度をとっておりまして、大学、高校等の新卒者でなくて、部外でそれぞれ経験を積まれたような方を特定郵便局長としてお迎えできるような道を開いておるところでございますが、俗に言う中途採用でもございますので、どうしても給与の面で、初めから郵政省の職員として勤めておった人に比べて、給与を算定する場合に不利になっておったわけでございますけれども、それでは部外の有能な方を特定局長にお迎えするということがなかなか難しいということでありましたものですから、六十一年度、昨年度でございますが、一部給与についての制度の見直しを行いまして、場合によれば、学校を卒業してからずっと郵政部内に勤めておったような形で、部外での御経験というか、経験年数を給与をはじく場合に用いるようなことで多少制度を変えたわけでございます。
 ただ、それにいたしましても、部外でかなり高い給与を取られておられた方が特定郵便局長になったという場合には、やはり部外の場合の方が給与が高いという場合も、率直に言ってないわけではございません。したがいまして、給与が余り低いので有能な方を逃がしてしまったというようなことがあってはいけないので、できるだけ給与の改正というのには努めていかなければならぬと思いますが、他面、ほかの特定郵便局長さんとの給与のバランスというのも当然考えていかなければならぬということでもございますので、全体として特定郵便局長の給与のあり方という広い角度からこの問題を考えていきたいというふうに考えております。
○木内委員 後ほど触れるつもりでおりますけれども、地域社会における依怙依託となっていたり、あるいは大変信頼や人望を集めている方が特定局長さんになる、またそのために郵政業務も非常に円滑にいく、成績というものも充実をされてくる、こういう良循環があるわけですね。
 しかし、それにしては随分と責任が大きいだけで、報酬面でまだまだ不十分であるという指摘は、特定局長さんから私はよくお聞きするわけであります。それで今答弁のありました、特定局長の給与のあり方という総合的なとらえ方の中で今後改善、検討されていくということでありますので、ぜひこれは要望するところでありますけれども、昨年十月に制定された特定局長の新俸給表、こうした特定局長の職務の特性というものを、果たして十分に勘案されたものになっているのかどうか、またこの新俸給表作成のメリットが一体どこにあったのか、システムだけが異なって、実質こうした御苦労の多い特定局長の十分な努力に報いるものになっているのかどうか、この点いかがですか。
○白井(太)政府委員 特定郵便局長というのは、職務の特殊性ということで考えてみますと、規模の小さい郵便局ではあるにしても、そこの局の最高責任者であるということは紛れもない事実でございます。それから、普通郵便局などのケースの場合とどういう点が一番違うのかということになりますと、ある特定郵便局の長に任命されますと、基本的には異動というのをせずに、ずっと最後までそこの郵便局の局長を務めるというところが普通郵便局なんかの場合と違っておるわけでございます。普通郵便局の場合ですと、課長から局長になるとか、あるいは比較的規模の小さい郵便局から中規模、大規模の郵便局の長になるとか、あるいは郵政局の責任あるポストにつくとかいうことを経ましてだんだんと昇任をしていくという形をとるわけでございますけれども、特定郵便局長さんの場合はそういうことがなくて、ずっと、大げさに言いますと一生涯そこの郵便局で郵便局長として務めるというところが一番違っておるわけでございます。
 そういう点に着目いたしまして、特定郵便局長さんにふさわしい俸給表をつくるべきではないかということはかねてからの懸案であったわけでございますが、昨年、先生が御指摘のように、初めて特定郵便局長さんを念頭に置いた管理職の俸給表を独立させたところであります。ただ、率直に申し上げまして、昨年は特定郵便局長さんの俸給表を独立させるということにむしろ意味があったと私は思うわけでございまして、事実上今までの管理者の俸給表と特に変わったところが昨年出てきたということはないわけでございます。
 と申しますのは、なかなか給与の改正というのは、あるところに厚くしようと思うと、その分別のところが今度薄くなるというような宿命をどうしても持っておりまして、制度の切りかえの段階ではかなり思い切ったことをしようということは考えておりましても、実際問題としてはなかなかできないというような事情もございまして、とにかく俸給表を独立させるということだけを昨年は行ったということでございまして、今後は、先ほど申し上げましたような特定郵便局長としての職務の特殊性にふさわしい俸給表に少しずつ、これは多少時間がかかると思いますけれども、何年かをかけて、ふさわしい俸給表に直していきたいというふうに考えておるところでございます。
○木内委員 特定郵便局長の俸給のあり方に独立性を持たせるための新俸給表の作成であった、こういうことですね。
 何年かかけてこれを改善していくということでありますが、その具体的なスケジュールはどうなっておりますか。
○白井(太)政府委員 率直に申し上げまして、十年、十五年というような長い期間は考えておるわけではございませんが、民間の方々のいろいろなお話を伺ってみますと、やはり給与制度を直すときにはどうしても年数がかかる。その場合、民間の方々のお話ですと、大体五、六年は給与の制度を直すときにはかかるというようなお話を伺うことが多いわけでございまして、郵政省としてそういう期間をきちっとこの制度を見直していく上での期間として決めておるわけではございませんけれども、やはりその程度の年限というのはかかるのではないかなというふうに、これは私の個人的な見解とお受け取りいただきたいわけでございますけれども、そんな感じを持っておる次第でございます。
○木内委員 それから、家族の従事者の問題でありますけれども、特定局は、今申し上げたように、地縁性、人縁性を考えますと、職員は局区域内出身者や局長の夫人など家族職員を配置した方が本来の特性をより生かすことができる面がある、こう思います。特に夫婦で局員である場合、地域への浸透度は相乗効果を持って、言ってみれば非常にしっかりした足場を地域に刻み込める、こういう特徴、また効果があるわけですね。
 家族による職員の配置につきましては、諸般の理由により、その取り扱いは近年非常に厳しくなってきている。現在、局長の奥さんが局員で勤めている場合でも、主任職につけようとする場合、ほかの局への転勤を余儀なくされる。過去における、私は例外的だったのではないかと思いますけれども、ある種の事件のためにかえって特定局の特性を抑制させてしまうような今の行き方に変わりつつある。 これは再度洗い直し、検討する必要があるのではないか。この点、人事部長からまず答弁をいただきたい。
 それから、るる申し上げましたように、最後に大臣から、特定局が今日まで郵政の歴史の中で果たしてきた重要な役割、位置づけについての御認識を一言いただきたいと思います。
○白井(太)政府委員 いわゆる家族従事員の問題でございますが、いみじくも先生からただいまお話ございましたように、ちょうど十年前に私ども大変苦い経験をいたしております。家族従事員であるがゆえに非常に大きな犯罪になったのではないかという大変つらい経験を持っておりまして、そういうことを踏まえて、確かに家族従事員の問題についてはいろいろ慎重な取り扱いをするという方向で対処してきたところでございます。
 ただ、私どもとしては画一的にこうでなければならぬとか、このような数字の場合はだめだとかいいとか、そういうことを決めておるわけではございませんで、一口に申し上げますと、やはりケース・バイ・ケースで考えざるを得ないと思っております。相互チェックという面からすると確かにマイナスの面があるわけでございますけれども、他方、ただいま先生のお話にございましたように温かさとか地域とのつながり、あるいは局長と職員との連絡がしやすいとかいろいろな面でのメリットも確かにあるわけでございまして、その辺もあわせ考えながら、余り画一的な扱いではなくてケース・バイ・ケースで物事を考えていくということをしていきたいと思っている次第でございます。
○中山国務大臣 特定局に対する大変な御配慮の御質問をいただきました。一万九千ばかりの特定局、一日一兆円の国民総生産を稼いでおりまして、三百六十五日ですから三百六十五兆円の巨大な経済、動物にしたらその触手に当たるのが特定郵便局のような気がいたしておりますし、今も百十七兆円の郵便貯金と百一兆に及ぶ簡易保険の契約高を見てみますと、これに役割を占めました特定局の大きさというのを郵政省に参りまして特に痛感をいたしておるような気がいたします。特定局の局長さん、人事院で許された選考という制度とか局舎の借り入れという、日本の郵便局というものは日本の組織の中で特殊な知恵を出した組織ではないかという気で、特に局長さん方は地方の名士であり、今までは給与の問題よりも地域での名士としての、そういう人と人とのつながりの部分は、金ではない、名誉で誇りを持っていただいたことが今日までうまく来た理由だと私は思っております。日本の簡保の資金三十五兆円の中の三分の一は地方公共団体に行きまして、これが学校とか公民館その他公園とかそんなものに役に立つ財投に入っておりますし、また三分の一は中小企業金融公庫とか道路公団に回り、それからあとの三分の一が外債の資金に運用されているということでございますので、経済大国日本のそういう触手としての役割を今後とも果たしていただきたいという期待を郵政大臣としていたしておるものでございます。
 それから、つけ加えておきたいと思いますが、先ほどのハイビジョン、これは郵便局でもハイビジョン貯金というのを始めておりまして、五十万円ぐらいで売り出されたときにできるだけ買いやすいようにという郵便貯金も始めております。特に一九九〇年大阪で花の博覧会がございますので、ハイビジョンと花博というのは、花を世界に広げ、また花というものを本当に美しい画像で、高度映像化社会と申しますけれども、それの始まりに大変適切なのが花の博覧会ではないかと思っております。六十五年の末には放送が始まるということでございますが、できたら四月一日の花博開幕に合わせてくれないだろうかというお願いも事務当局に私はいたしておるようなことでございまして、このハイビジョン、特にテレマーケティングと申しますか、画像によって物を販売するというのはまだ日本の通信販売組織の中では一%でございます。アメリカあたりはもう一二%、ドイツで五%というところまで来ておりますので、その意味でもすばらしい映像による取引というのは大きく地方の活性化につながるのではないか。いわゆる「ふるさと小包」のようなその辺の特産品を今それぞれ地域によって交換をしていただくようなやりとりをしておりますが、そういう映像を通じてその辺の産品を全国に販売し、地方の活性化は大きく役に立つのがハイビジョンだと私は思っております。
○木内委員 以上で終わります。
○塚原委員長 木下敬之助君。
○木下委員 まず最初に、NTTに係る特例調停制度について二、三点確認しておきたいと思います。
 この制度は、NTTが電電公社から株式会社に移ることによってそれまでの公労法のスト全面禁止の適用からスト権を持つ労働三法の適用される民間会社になるという大きな労働環境の変化がある中での当分の間の経過措置でありまして、三年後には廃止という方向で検討する旨の参議院の附帯決議もなされている制度であります。この三年の期限も迫っていますので、早急な決着の必要がある問題であります。
 これはNTTの問題ですからこの委員会で取り上げていますが、たしかこの調停制度は労働省の所管だろうと思いますので、この見直しは労働省が責任を持ってやることになっている、この点をまず確認しておきたいと思います。
○渡邊説明員 NTTの特例調停制度は労働省所管の労働関係調整法で規定されております。したがいまして、その見直しも労働省で準備をするということになります。
○木下委員 労働省は廃止するという方向で現在見直していると思いますが、間違いありませんか。
○渡邊説明員 この特例調停制度につきましては施行の日から三年後に見直しを行うものとされております。労働省では、立法当時の総理答弁等も踏まえまして廃止する方向で検討することにしたいと考えております。
○木下委員 検討したいというのですが、現在見直しの最中でしょう。
○渡邊説明員 法律的には三年後ということですから、この四月一日以降検討に着手するということでございますが、その検討に向けまして現在準備を進めております。
○木下委員 三年後には廃止という方向で検討と、どこに点を打ってもいいので、三年後には廃止、その方向で検討するということなら、別に三年たたないうちに検討したら悪いということは書いてないと思うのですけれども、こういう大事な問題はどんどん早急にやったらいいと思います。もう間近な問題ですから細かいことは言いませんけれども……。
 この見直す際のポイントとしていろいろなことが言われておりまして、総理も経営状況とか労使関係、技術革新性、国民の世論、評価とか国民生活とかいろいろなことを挙げておられますが、私はこの特例調停制度というのは大変負担の重い制度だと思います。たしかストをするのに十日前に予告をする、この予告のときに規模等も、これは全部するかしないかはわからずに、労使の交渉もあるわけですから、いざというときにできるように相当広い範囲のことを設定してストの通告をすると思います。この十日で話し合いが労使間でつかないとストに突入することになるのでしょうが、この特例調停制度ということで労働大臣が判断なさるときに、そのストが行われると大変だということでスト禁止ということもあるでしょうけれども、事前に規模等で、その十日間で話がつかないときに、ストに全然突入しないままにこれを発動して、ストをさせないままで調停していくということが可能だと思います。しかも、この十五日の間に話がつかなかった場合に、そのままではいつでもストができるのかというとそうでもない。最初の設定等の仕方によれば、またもう一度十日前には予告しないとストに入れない。こういうことになりますと、その次のストに対しましてもう一度この時例制度を適用してストが十五日間できないように発動することもできる。こういうふうに、運用の仕方では本当に、単なる十五日に限らない重い制度でありますし、まして総理大臣の判断による五十日という緊急の場合をまた重ねて運用等をいたしますと、これは永久にストは行えないような枠をはめることが可能な、大変重たい制度だと思います。これは労働基本権として、とてもそういったことは許されるべきではありません。
 ですから、私は、この見直しに当たって諸事情を判断するとは言いながら、経営状況とか技術革新とかいろいろなことはあるでしょうが、事の重大さ、物を判断するときの比重というときに、この制度がいかに過酷な網をかぶせた形になっておるか。人間が住んでいくときに、刑務所のような、身近に塀があり、また個室等に入れられればもう外に出たくても出られないような厳重な網もありますけれども、幾らその町全体を自由に動けたとしても、その町の外に大きな網がかぶっているとしたらこれは大変な人権問題でございますから、民間の企業になったのですから、事の重大性を十分に判断して、どの問題をクリアできれば当然三年後は早急に廃止しなければならないかということを検討していただきたいと思います。
 労働省、せっかくですから、いろいろなポイントがございますが、どの点を重要視してこの問題を判断、決着をしようとなさっておるかをお答えいただきたいと思います。
○渡邊説明員 特例調停制度は労使関係にかかわる制度でございまして、見直しのポイントもこの労使関係がどういうふうになっているか、また将来どういったものになろうか、こういったことが中心になるのではないかと考えております。NTTは民営化されまして三年たつわけでございますが、この三年間、NTTの労使関係は大変安定的に推移していると認識をしておりまして、こういった実情を踏まえながら見直しの作業をしたいと思っております。
○木下委員 そこまで御理解があるのですから、答えはもう決まっていると思いますので、一日も早い廃止が望まれますが、どうですか。ぜひこの国会でやるべきだと考えますが、その点はどうお考えですか。
○渡邊説明員 一つの制度の存廃にかかわる事柄ですから、やはりいろいろな方面と折衝しなければならないという問題がございます。したがいまして、ここで確約することはまだできませんけれども、できるだけ速やかに結論を得たいと考えております。
○木下委員 労働省からわざわざ御苦労さまでした。
 それでは、先日お伺いいたしました郵政大臣の所信表明に沿って御質問いたします。
 まず、郵便事業についてお伺いいたします。今後の見通しと需要拡大策をどのように考えておられるのか、お伺いいたします。
○田代政府委員 郵便事業につきましては、最近堅実に需要が伸びておりまして、ここ一年間の数字をとりましても物数で八%、売り上げで五%といった伸びを示しております。これは郵便に対する国民の信頼が戻ってきた、それに加えて私どもの職員一同大変な努力をして営業に励んだ、そしてその裏にはいろいろなサービス改善をしてきた、いろいろなものが重なってこういう結果になってきたのだろうと思います。
 私どもとしてもこの傾向をこれからもなるべく長く維持して健全な経営を進めたいと考えておりますが、当面考えております需要拡大策と申しますのは、例えば「ふるさと小包」を今いろいろ実施しておりますが、これをもっと使いやすく魅力のある商品を開発するとか、それから現在小包を郵便局で預かりますと、その行方を追うのに大変時間がかかりますが、これをコンピューターに入れまして電子的な追跡システムを現在構築しておりますが、この秋にはこれも完成いたしまして、お客からの問い合わせには瞬時に答えができるといったことも考えたいと思います。また、これもちょっとまだ実現の見通しは立っておりませんが、小包を自動的に引き受ける方法、ポストに入れれば自動的に郵便局が預かれるといったことも考えられないかといったような知恵も現在検討いたしております。そのほか、今度の法律改正にもお願いいたしましたが、プリペイドカードなども発行してより利用しやすいようなことを考えております。いろいろ考えておりますが、要は早く確実に着くというのが郵便の基本でありますので、現在のこの郵便局のいいムードといいますか、確実に届くというこのムードをさらに一層推進することが基本だと考えております。
○木下委員 次に、為替貯金事業についてお伺いいたします。
 小口預貯金金利の自由化はまさしく間近に迫っている、こういう大臣の御認識のようですが、まさしく間近というのはいつごろのことを考えておられるのか、お伺いいたします。
○中山国務大臣 これはできるだけ早くしていただきたい。実は、ついせんだっても土曜閉庁を来年の二月から郵便局でもやろうという決断をしたわけでございますが、これも官民一体のムードをいやが上にも高めてまいりたいというそんな気持ちがありまして、一般の金融機関と歩調をともにしながら何としてもその自由化に向けて歩みを進めてまいりたいと思っておりますので、相手のあることでございますからできるだけ早くとこちらの希望を申し上げるにとどめたいと思います。
○木下委員 そういうことにお伺いいたしておきます。
 それでは、市場金利連動型郵便貯金を早急に導入したいとの意向のようですが、これの方はいつまでに導入するおつもりなのか。また、これはたしかMMCというのだと思いますが、この導入には法律改正の必要があると考えておられるのかどうか、この点もお伺いいたします。
○中村(泰)政府委員 預貯金金利の自由化につきましては、既に大口預金の自由化が相当の段階まで進んでおります。
 大口定期につきましては、昨年の四月から預入単位が一億円というところまで下がってきておりますし、この春からは五千万という預入単位は引き下げられる予定でございます。
 また、MMCにつきましても、既に昨年十月からは一千万の預入単位ということでございますので、この大口の預金の金利に引き続いて小口の金利の自由化を進めるという方針は決定しておりますので、大蔵当局と私どもも鋭意協議を進めているところでございます。その中では、小口の預貯金金利の自由化に当たりましては市場金利連動型で進めていこう、いわゆるMMCの導入から始めようということでは意見が一致をしているわけでございまして、私どもとすればこの秋以降できるだけ早く小口預貯金金利のMMC化ができるように提案をし、協議をしている段階でございますが、現段階におきましては具体的な成案を得る段階に至っておりません。
 小口の預貯金金利のMMC化を図る場合に、郵便貯金法の改正が必要かというお尋ねでございますが、MMC化をするということは、いわば利子のつけ方を市場金利、市場実勢を反映したものにしようという方法でございまして、特定の商品とかの改定が前提になるというものでもございませんし、そういった意味からは、郵便貯金の付利方法といいますか、利子をつける方法は政令によってできることになっておりますので、郵便貯金法の改正が前提になるものではございません。
○木下委員 次に、来年度に住宅積立郵便貯金及び進学積立郵便貯金の改善を図りたい、このようにも述べておられますが、これはそれぞれ具体的にどのように改善することを考えておられるのか、お伺いいたします。
○中村(泰)政府委員 住積の改善につきましては、五十万円まで積み立てをいたしますと住宅金融公庫から百七十五万円の割り増し貸し付けが得られるというものでございますが、現在の制度では住宅の建設及び購入という目的のためだけにしか利用ができないという目的の縛りがございます。それを私どもとすればリフォームにも、住宅の改善資金としても使えるように積み立てができるように目的の範囲を広げようというのが一点。それから、現在積立期間が三年、四年、五年の三種類しかございませんが、一年から五年までの間で預金者の希望する月単位で積立期間が設定できるように弾力化をしようというのが住宅積立貯金の改正の内容でございます。
 進学積立貯金につきましては五十三年の制度創設以来積立額五十四万円、それから国民金融公庫から貸し付けを受ける五十四万円というものが全然引き上げられておりませんで、今日の入学時の資金需要等考えましてそれを倍額に引き上げよう、百八万円まで積み立てることができることに改善をしたいというのが内容でございます。
○木下委員 次に、簡易保険・郵便年金事業についてお伺いいたします。時宜にかなった新商品の開発に努める、このようにも言われておりますが、これは具体的にどのようなものを考えておられるのか、お伺いいたします。
○相良政府委員 国の大変大きな課題であります高齢化社会、そのために保険・年金事業といたしましても精いっぱいの努力をしてまいるということでございますけれども、幸いにして昨年そのための商品の一環であります夫婦年金、夫婦保険を相次いで発売をいたしたわけでございます。おかげさまで夫婦年金は八万件、夫婦保険は二十万件を超えるというような好評裏に推移をしておるところでございますけれども、今後におきましては財形貯蓄制度の四月からの改正等に伴いまして、保険におきましてもそのための商品を非課税商品として提供いたす。さらに、本年秋を予定しておりますけれども、不幸にして寝たきりあるいは痴呆症状を呈するような老人の方のための介護の保険を発売いたしたいと考えております。また、今国会に改正をお願いをいたすわけでございますけれども、年金の一時払い等を内容といたします改善案をぜひとも早急に御審議をいただきたいと思っておるところでございます。またそのほか、サービスといたしましては、振替制度でありますとか特約制度等について改善を検討しておるところでございます。今後とも利用者の方のニーズに合いますそういう商品を開発してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○木下委員 その次に、大臣は郵政犯罪の防止について触れておられますが、この郵政犯罪というのは、部内で貴重品も扱っておりますが、部内での犯罪もたまにございます。それからまた現金輸送に近いようなものがございますから、部外からねらわれることもあります。二通り考えられますが、大臣はお取り上げになったときどちらに重点を置いて考えておられるのか、お伺いをいたします。
○加宮説明員 私ども司法警察権を与えられまして捜査の対象といたしております郵政犯罪の中には、ただいま先生のお話がございましたように郵政三事業に対して加えられます外からと内からの犯罪がございます。この犯罪は一時期四千件ほどございましたが、その後減少いたしておりまして、昨今では三千件前後実はあるわけでございますが、そのほとんどと申しますか、九五%までは部外から郵政事業に加えられるいわゆる部外者の犯罪でございまして、この中にはいろいろ新しいタイプの犯罪もございまして、私どもとしましても非常に捜査に難渋をしております。そういう意味では私ども監察としましては非常に仕事の中心となっておるわけでございますが、しかしながら、事業の信用を傷つけお客様の皆さんに御迷惑をおかけするという意味では、部内者による不正行為、犯罪というのが何と申しましても私どもの重点でございます。私ども監察の新年度の方針の中にもこれを最重点の方針として掲げておるところでございますが、その基本は、冒頭大臣が所信の中でも申し述べましたように、若干抽象的にはなりますけれども、職員の防犯意識の高揚と職場における管理体制の充実ということに尽きるのではないかというふうに思っております。
○木下委員 その職場の管理体制の一層の充実ということですが、何か新しいことを考えておられますか。
○加宮説明員 防犯につきましては、何と申しましても犯罪を犯す人の面、そういう意味では職員の面、職員の心の面、これが第一でございまして、今日不幸にも社会には遊興、ギャンブルそしてサラ金の普及というような犯罪の動機になるような現象もございますし、また、私どもの職場と申しますのが御承知のように毎日のように多額の現金を全国津々浦々でしかも比較的身近な形で取り扱っておりますために、それがある意味では犯罪の誘因となるという心配がございます。
 そういう意味でまず第一はやはり職員の教育訓練、さらには生活指導と申しますか、そういうことを徹底してまいるということ。その上で、仮にそういう職員が万一出来心と申しますか魔が差すと申しますか、そういうような気持ちになりましたときも、職場においてきちんと検査点検とか相互牽制体制とかそういうものが守られているような職場にするということが、非常に平凡ではございますが基本ではないかと思います。そういう意味で、私ども従来からいろいろ施策をしてまいっておるわけでございますが、従来からの施策にそれぞれ反省を加えつつ、今後とも部内者犯罪の一層の防止、根絶に努めてまいりたいと思っております。
○木下委員 次に、電気通信行政についてお伺いいたします。
 郵政省ではテレトピア計画やいわゆる民活法に基づく施設整備事業等の地域情報化施策を積極的に進めているようですが、これまでの民活法施設、テレコムリサーチパーク、テレコムプラザ及びテレポートについて、それぞれの現状とそれらをどのように評価しておられるのか、お伺いいたします。
○塩谷政府委員 お尋ねのテレコムリサーチパークというものでございますが、これは電気通信の研究開発を促進する施設でございます。まあ研究所みたいなものでございます。それからテレコムプラザは、電気通信高度化基盤施設と言っておりますが、いろいろニューメディアを一堂に集めて一般の方にも御利用いただくという普及施設でございます。それからテレポート、これは港でございまして、宇宙からの通信衛星あるいはそういったもののアンテナを設けました基地といいますかそういうものでございますが、いずれも郵政省所管の民活法の対象施設といたしまして、財政あるいは税制上のいろいろな支援措置を講じて整備促進を図っているところでございます。
 こういったプロジェクトは地元の民間企業あるいは経済団体、自治体などが主導してまとめました整備計画を私ども郵政大臣の認定を得て推進するものでございまして、テレコムリサーチパークが一プロジェクト、これは京都の精華町にございます。それからテレコムプラザは四プロジェクトございます。またテレポートにつきましては東京、大阪、横浜などで整備計画が進められているところでございます。
 評価ということになりますが、こういった民活法の対象施設の整備は、これからの地域の情報通信の拠点といたしまして、よく言われます中央地方間の情報格差を是正いたしまして、地域社会の活性化を促進するものでございます。また、こういう施設整備にいろいろ投資することによって地域経済の振興にも資するということで、私どもいろいろな地域の需要というものを承りながら整備の促進を図ってまいりたいと考えております。
○木下委員 これからの施設としてマルチメディアタワーを考えているようですが、これは何を目的としたどういうものであるのか、お伺いいたします。
○奥山(雄)政府委員 最近における電波に対する需要の増大は著しいところでございますが、特に大都市近郊では需要に見合った電波の利用を行い得る余地が次第に逼迫しております。
 マルチメディアタワーといいますのは、そうした大都市地域並びにその周辺、さらには地方における情報化の進展から、電波の需要の一層の拡大を目的といたしまして、さまざまな無線のアンテナを一つに集合しようというのが基本的発想でございます。例えば自動車電話あるいはポケットベルあるいはマイクロウェーブ、場合によっては放送関係の無線局、防災行政無線等々何でもいいわけですけれども、そうしたそれぞれの事業者がそれぞれに無線を立て、あるいは土地を確保することは非常に困難でございますので、それを一カ所にまとめて共同の利益に資するものでございます。これも先ほど通信政策局長がお答え申し上げましたテレコムリサーチパーク、テレコムプラザ等々と同様、やはり民活法の対象として今回税制上の特例措置あるいはNTTの無利子融資等を講ずる道が開かれることになっておるところでございます。
○木下委員 次に衛星放送に関してお伺いいたします。
 まず、現在衛星放送の受信世帯数はどうなっていますか。最新の数字をお聞かせください。
○成川政府委員 私どもが承知しております二月末現在の数字で申し上げますと、約五十二万七千世帯が衛星放送を受信している状況でございます。内訳を申し上げますと、個別受信が十七万七千世帯で、共同受信が三十四万八千世帯、再送信という形でやっておるのは一千五百世帯ということになっております。
○木下委員 それは予想とかいろいろなことから、かなり順調な伸びですか。どういう御感想ですか。
○成川政府委員 昨年の七月にNHKが独自放送を始めた当時はたしか十四、五万だったと記憶しておりますので、それからいたしますとかなり急速な伸びを示していると私ども感じております。
○木下委員 NHKの問題については、また別の機会に詳しくいろいろと聞いてみたいと思います。きょうは特に郵政省と関係のある部分を点々と衛星放送に関して御質問いたします。
 先日BS2bにトラブルが発生したような報道がございましたけれども、あれはどういうことでございますか。今後の衛星放送に影響はないのか、お伺いをいたします。
○塩谷政府委員 衛星のトラブル、先生方に大変御心配をかけて申しわけなく思っておりますが、BS2bにつきましては、これは御承知のとおり昭和六十一年十二月の末から二チャンネルの試験放送を順調に実施してきているところでございまして、昨年の末にBS2bでテレメトリーデータ、これは衛星の内部の状態を示すものでございまして、そういうテレメトリーデータが受信不能となる現象が発生しました。これは衛星内部の電子機器でありますテレメトリーデータを送ってくるテレメトリーエンコーダーという機器を、それまで使用しておりましたA系からもう一つのB系、いわば予備系に切りかえたところでございます。
 それから、今月の初めでございますが、BS2bにおきまして、衛星の軌道制御などに使用します二次推進系の遮断弁という部分があるのでございますが、その遮断弁付近のヒーターのサーモスタットの動作が不安定になったということで、その周辺の温度が通常のときよりも上がるという傾向が見られたわけでございます。それで三月六日にこの温度制御を、サーモスタットの自動制御から地上からの遠隔操作による手作業の制御に切りかえて運用を始めたわけでございます。
 こういう二つの異常を生じた装置でございますけれども、これは電波を送信いたします中継器のようないわば衛星放送に直接影響を及ぼす機器ではございませんで、また、この後B系のテレメトリーエンコーダーが正常に作動いたしておりますし、二次推進系の遮断弁付近の温度制御も順調に実施されているということで、結果的にはNHKが実施しております二チャンネル放送への支障はないと判断しているところでございます。
○木下委員 NTTが独自の衛星を打ち上げ、通信に使用していく、こういう報道も見ましたが、これについて郵政省はどのように考えておられますか。通信・放送衛星の将来計画に何か狂いが生ずるようなことはないのか、お伺いをいたします。
○塩谷政府委員 せんだって打ち上げました通信衛星はさくら三号でございますが、寿命が七年ということでございます。したがいまして、昭和七十年ごろになりますとこのさくら三号の後継衛星の打ち上げが必要になるわけでございまして、目下NTTにおきましてはその開発の進め方を検討中であるというふうに承っておりまして、まだ方針は決めるに至っていない状況やに聞いております。
 それで、このさくら三号の後継衛星の開発につきまして、これは非常に大きな問題でもございますので、内閣総理大臣の諮問機関でございます宇宙開発委員会におきます宇宙開発政策大綱という、これは宇宙技術の発展などに応じて五十九年に第一回の政策大綱を発表いたしまして、その後の状況に合わせて見直しをしようというところにあるわけでございますけれども、そういった政策大綱の見直し審議の場面を通じまして、国がどういう関与をしていくか、国の関与の必要性あるいは通信衛星の開発に対するNTTの役割などについて検討していく所存でございます。目下の予定ではこの大綱は六十三年度末に出される予定でございまして、いろいろその辺に向けまして、今先生おっしゃったようなこれからの通信衛星のあり方というような問題を議論していくことになろうかと思っております。
○木下委員 今後の衛星放送、ハイビジョンの普及、方針、施策についてどのように考えておられるか、お伺いをいたします。
○成川政府委員 衛星放送は全国を一波でカバーできるということから、同時に多数の受信者に放送できるものでございまして、また周波数帯が広く利用できることからいろいろな放送メディアが実現し得るわけで、例えばハイビジョン等々の、地上放送で実現できなかった新しい放送サービスを可能とする画期的なメディアというふうに私ども考えております。多様化、高度化する国民のニーズにもこたえ得るものでございますので、その普及促進には努力していかなければいかぬというふうに考えておるところでございます。
 一方、ハイビジョンにつきましては、御承知のとおり現行のテレビジョンに比べまして走査線の数が倍余りでございますし、また送れる情報量が五倍というふうなことから、大変きめ細かい臨場感あふれる画面を送出することができますし、またCD、コンパクトディスク並みの音質が期待できるというようなことから、次代のテレビとして大変期待されているものでございます。
 私どもといたしましては、これの普及促進に努めて、六十五年度に打ち上げられますBS3を使いまして、本格実用化を図っていきたいというふうに考えているところでございます。先ほどもちょっと触れましたが、高度化、多様化する国民のニーズにもこたえられますし、内需拡大にも寄与するという観点から、今後とも普及促進に向けて、長期的な観点からいろいろな普及支援策を講じていきたいというふうに考えております。
○木下委員 衛星放送とかハイビジョンに力を入れるというのは大変結構なことだと思っております。
 しかし、さきに行われましたカルガリー・オリンピックのときに、NHKの放送がこの衛星放送の中継が中心だった、こういったことに世間の批判が大分ありましたようですが、この点について郵政省はどう考えておられますか、お伺いいたします。
○成川政府委員 NHKのカルガリー・オリンピック放送につきまして、視聴者からいろいろと批判があったということは私どもも聞いて承知しているところでございます。
 NHKによりますと、総合テレビでのオリンピック放送時間は約七十一時間でございまして、そのうち生中継でやりましたのが十二時間というふうに聞いております。視聴者の要望も大変強かったということから、室内競技を中心に関心の高い種目についてはできるだけ生中継をするように努めたというふうにNHKから聞いているところでございます。
 放送番組の編集につきましては、先生御案内のとおり、放送法の規定によりましてNHKがみずからの判断で行うべきものではございますけれども、NHKにおきましても公共放送としての立場があるわけでございますので、視聴者のニーズに的確にこたえる放送を行うように努めてもらいたい、そういう観点から御批判等を受けないような形でやっていただきたいというふうに私どもも考えているところでございます。
○木下委員 これはNHKがと今言われましたけれども、私はかなり郵政省にも大きな責任があると思っております。
 と申しますのは、今現在のNHKの衛星放送は試験放送ということですね。 ですから、試験放送ということで郵政省としては一定の枠やら指針やらを決めて許可を与えておると思います。その許可の中で、今NHKがやっていることですから、おのずと衛星放送にどれだけお金がかかって、それが今郵政省として衛星放送を試験放送として許可しくいる範囲なのかどうなのかという判断が当然あってしかるべきだと思います。
 ですから、カルガリーのオリンピックは相当なお金を出して買って放送をしております。そのどの部分がどれだけ衛星放送で行われたか。これは今お金を取っているわけではありません、先ほど申しました五十二万。ある意味ではNHKのお金というものはみんなの受信料で賄われております。この配分をそれに幾らかけてもいい、NHKの自由だというのは、衛星放送を許可しておる郵政省の言う言葉ではないと私は思いますが、どうですか、どういうおつもりで今試験放送をなさっているのですか。
○成川政府委員 先生御指摘ございましたように、現在衛星放送は試験放送という形でやっておりますが、これにつきましては放送衛星の継続性、安定性といいますか、そういうこと、あるいは衛星放送受信者の普及状態等々まだ見詰めなければならないところがかなりございますものですから、試験放送という形でNHKにやっていただいているところでございます。
 私どもといたしましては、衛星放送をできるだけ早く普及したいという観点、それは国民の高度化、多様化する放送に対するニーズにこたえるためにも必要であるというようなことで、NHKの収支予算等に対する郵政大臣の意見にも、効率という観点に配意するとともに普及発達に努めてほしいということを要望しているところでございます。したがいまして、効率的という観点からしますと、できるだけ経費はかけずに普及発達に努めるというのは、なかなか難しい話かもしれませんが、そういう観点でおのずとその辺は考えてもらいたいと思っております。
 先ほど公共放送としての役割ということを申し上げましたけれども、公共放送として視聴者のニーズ等な踏まえまして、適切に適正な範囲内でやっていただきたいというふうに御要望しているところでございます。
○木下委員 経費をかけずにできるだけ普及してほしいと言いますが、じゃ一体どういう形での衛星放送の普及を郵政省は期待しているのですか。今これが有料になるのだろうか、ならないのだろうかということが非常に大きな関心を持たれております。その中で、郵政省は今できるだけ経費はかけずに普及してほしい、しかしNHKの方がこういうオリンピックなんかを一定のお金で買って、その配分をどちらでするかもNHKの自由で、これは経費をかけたことになるのかかけたことにならないのかをNHKの自由にさせておいて、普及した後の姿も郵政省としてはこれといったお考えもなく、普及が果たされればどちらでもいいとお考えなんですか。
○成川政府委員 お金をかけずにということではなくて、効率的に実施してほしいということでNHKに大臣の意見書で求めているところでございまして、それはある程度必要な経費は要るわけでございますので、それは当然使っていただかなければならぬと思っております。
 それと本放送への移行の時期でございますが、先ほども申し上げましたように現在実験放送でやっているわけでございますが、受信機の普及状況とか視聴者の要望、それからBS3が後継機として考えられているわけですが、それへの継続性といいますか、そういうもろもろの要素を考え、あるいはNHKの意向等も勘案して本放送にしていきたいと思っております。
 現在試験放送ですからかなり安くできているわけでございますが、本放送になりますと、いろいろと外国からの番組の購入等々につきましてもそれに見合った経費を必要とするわけでございます。そのためは、まず第一にはNHKの効率化によってやっていただかなければいかぬとは思いますが、将来的には状況に応じて受信料体系全般を検討する中で考えていかなければならない課題というふうに考えております。
○木下委員 本放送のことを私は聞いたんじゃなくて、あなたが普及を望んでおると言うから、その普及は有料のもので期待しておるのか有料じゃないものを期待しておるのかということを聞きたかったのです。
 今のお話を聞いておりますと、余り明確には言われませんが、そのお金を先で取るようになる可能性もあるし、それを取るも取らないもNHKが決めることだ、こういうふうにもとれたのですが、今の試験放送の免許を与えて普及を願っておる郵政省は、その先有料になるかならないかもNHK任せなんですか。幾らかは何か明確な、今普及しようとしてしかもこれだけお金をかけてやっておる、これは明確にかかっていますよ、普及のために。そういう形の中で普及していって、その結果有料になるかならないか、どちらでもいい感じで今のNHKのやるのを眺めておるというのが郵政省の姿勢ですか。もっと明確なものがあっていいんじゃないですか。
○成川政府委員 ただいま申し上げましたように、いろいろな要素を考えまして考えているわけでございますが、受信料を取るか取らぬかという問題と本放送として免許することとは別の次元でございまして、本放送になったからといって直ちに受信料を、衛星放送受信料というような特別なものですが、難視聴の部分につきましては本放送になれば料金という問題が、現在の地上でやっております受信料と同じ料金が取られるということになるわけですが、私どもといたしましては、総合的、全般的に考えまして、その衛星受信料というものを取るのかどうかということも含めまして、受信料全体の中で考えていきたいということでございます。だから、NHK任せにしておるということではなくて、NHKの意向等も一つの要素として考えながら総合的に検討していきたいということでございます。
○木下委員 私が今申し上げている質問は、カルガリー・オリンピックのときに衛星放送がかなり中心でみんなの批判があった。これは自分たちでお金を出しておるじゃないか、そのお金でカルガリー・オリンピックの放送権を買って、それの中での配分がほんの少数の人たちの衛星放送の方に比重を大きくしたということ、これに対する批判があった。そのことはお認めで、そして、将来の本放送になることそのものには料金は関係なくてやっていく、料金を取るか取らないかはその先、全体で考えることで、本放送になるかならないかは料金ではない、私は、NHKがカルガリー・オリンピック等で衛星放送にどうするかとか、そういう内部の配分はNHKの問題だとお答えになりましたから、これは内部の問題にしていていいのですか、今の試験放送の中で衛星放送をどんどん宣伝していく、これが将来有料になるかならないのかがわからない中でこういう普及の仕方をしていて、それをどういう配分にするのかはNHKの自由だ、こういうことで本当にいいのですか、そういうことをもう一遍聞いておるのです。
○成川政府委員 放送番組の編集のことにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、放送事業者の自由にといいますか、考えにゆだねられておるところでございまして、それに幾ら使えとかというようなことは私どもは差し控えさせていただきたいというふうに思つております。
 それで、ちょっと前に話が戻って恐縮なんですが、試験放送の段階で料金を取るということはあり得ないわけでございますが、本放送になったからといって直ちに受信料を取るとか取らぬとかということに結びつくものではないということでお答え申し上げたつもりですので、さっきちょっと誤解といいますか、私のしゃべり方が悪くて違ったふうに受け取られたら訂正させていただきたいと思っております。
 結論から申し上げますと、公共放送としてNHK自身が考えていただきまして、普及促進という立場から適切な範囲内で費用をかけて、効率的に普及発達に努めてほしいというのが私どもの要望でございます。
○木下委員 私、もう一遍はっきり言います。もうきょうは時間がなくなりますから、またこの次の機会に話させていただきたいと思いますが、今試験放送なんでしょう。だから、これが本放送になってその番組編成はNHKの自由だというのならわかりますが、試験放送で許可していて、本放送になったらどういう形になるのか、有料なのかそうじゃないのかも明確でない中で、現在国民から指摘があるように、過大な投資をしているという批判なわけでしょう、衛星放送にあんなにカルガリー・オリンピックのあれをやれば。だから、それが番組編成だけだという見方は、試験放送としてやっておる中にそんなに国民から批判を受けるようなお金のかかった番組編成をするということは、やはり郵政省として一言あってもしかるべきだと私は思います。もうそれ以上は何も答えぬでしょうから、あと時間もありませんから、次のことに参ります。
 電気通信分野における国際社会への貢献として「米国、EC諸国等先進各国との二国間定期政策協議を初め、国際電気通信連合等各種国際会議への積極的な参加を通じて、標準化など国際協調を図る」こういった考えも述べておられますが、これは具体的にどういうことを考えておられるのか、お伺いいたします。
○塩谷政府委員 国際化という視点は、これからそれなしでは済まされない大変重要なポイントでございますが、先生のお尋ねの点、具体的に申し上げますと、まず二国間の定期政策協議をやっております国はアメリカ、イギリス、カナダ、西ドイツ、フランス、ECでございます。この場でそれぞれお互い自分の国の高度情報社会の構築ですとか電気通信の標準化政策あるいは技術開発政策などについて情報、意見の交換をやっておるところでございます。
 それからITU、国際電気通信連合の場でございますが、そこでは電気通信技術の国際標準化活動、電波、静止衛星の軌道の有効利用の調整、あるいはこれも重要な問題でございますが、開発途上国に対する技術協力などを行っておりまして、我が国はITUのあらゆる活動に協力しているところでございます。
 もうちょっと細かいあれになりますけれども、国際会議におきまして技術的に高度な内容の提案をしているということですとか国際会議におきます調整の役割ですとか、あるいは技術協力への専門家を派遣したりセミナーを開催したりして貢献をしているところでございます。
○木下委員 標準化等も考えておるようですが、これは何か差し迫って標準化の必要を感じているものがございますか。
○塩谷政府委員 標準化ということにつきましては、これはいろいろ通信が世界的に広がっているということで、その重要性が高まっているわけでございますけれども、ISDN、これからのいろいろな情報、電話ですとかファクシミリ、文字、音声、みんな一緒に運んでしまう、そういうISDN網ですとか、あるいはOSI、これはいろいろな通信システムがみんなつながるように、そしてネットワークが広がるという、そういう開放型のシステム間相互接続、これをOSIと言っておりますが、そういう関連につきましての標準化、一種の通信方式のやり方ですが、操作の手順ですとかそういうものを共通したものにして、お互い孤立したネットワークでなくて広がるネットワークづくりをやっていく、こういう標準化作業の国際標準化を早急に行う必要があるということでございまして、国際電気通信連合の内部組織でございます国際電信電話諮問委員会、CCITTなどで国際標準化活動へ貢献しているところでございます。
 それから、日本の国内の標準化につきましても、推奨通信方式、これをみんながやっていただければよろしいということでお勧めする通信方式の充実、あるいは民間で標準化を進めておる機関でございます電信電話技術委員会などに対して支援を行っておりますけれども、なおこの標準化の時期あるいは重要度につきまして、現在、電気通信技術審議会において審議しているところでございます。
    〔委員長退席、田名部委員長代理着席〕
○木下委員 大臣はまた、国際問題として、開発途上国の電気通信の整備に積極的に協力していくとも述べておられますが、この点、具体的にどういったことをなさるおつもりか、お伺いいたします。
○塩谷政府委員 先生おっしゃいますとおり、このポイントもまた大変重要でございまして、開発途上国、これは私ども従来から専門家の派遣あるいは研修員の受け入れなど、国際協力を実施してきているところでございます。それから、通信あるいは放送のプロジェクトが具体化しつつある国に対しまして、調査団を派遣して助言などをしているところでございます。
 それから、今のISDNも、アジア全体におきまして先進諸国に負けず劣らずこれをつくることが必要でございますので、アジア地域におけるサービス総合ディジタル網構築のために国際共同研究をやっていこうということで六十一年度から実施しておりまして、六十三年度も引き続き実施していく予定でおります。
 それから、六十三年度新たな施策として、開発途上国の電気通信分野の人材養成を図るために、コンピューターの端末を利用した自主訓練システム、CAIと言っておりますが、これはコンピューターを使って勉強していただく、コンピューターで現地でやっていただけますので、そういう勉強のマニュアルみたいなものを送れば自然と技術が身につく、そういう自主訓練システムを開発予定でございます。こういったことを通じまして、国際協力をさらに推進してまいりたいと考えております。
○木下委員 時間も大分来ましたので、最後に電気通信事業法の見直しについて一、二点お伺いしたいと思います。
 電気通信事業法では、附則第二条に「政府は、この法律の施行の日から三年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」と明確に書いてありますが、大臣は「必要な措置について検討してまいる」とだけしかお述べになっておられません。検討するというだけと措置を講ずるのとでは大変大きな開きがあると思いますが、どのようになさるおつもりか、お伺いをいたしたい。
○奥山(雄)政府委員 事業法附則二条はただいまお読み上げになったとおりの表現になっております。施行状況の検討は私ども昨年の秋から既に着手いたしまして、三月末を目途に精力的に作業を進めてまいりました。電気通信審議会にも講ずべき措置等について諮問いたしまして、去る三月十八日に講ずべき措置について具体的な提言がございました。所信の中で検討すると表現されておりますのは、この所信表明が行われました時期が三月十八日以前でございましたのでそういう表現にとどめさせていただいておりますが、三月十八日の答申を受けまして、私どもといたしましては法律改正は現時点では行う必要がないという考えでございます。
 その他、法律以外の事項といたしまして講ずべき措置が多々答申の中にも盛られておりますので、現在私どもはこれをつぶさに検討いたしまして、省令で措置すべきものあるいは指導通達等を出すべきもの、運用上で措置すべきもの、場合によっては立法措置を次期通常国会以降検討すべきもの等々振り分けまして、具体的に検討してまいるという運びになっております。
○木下委員 電気通信事業はおけるNTTと新規参入各社との公正な競争ということが言われますが、大臣はこの公正な競争ということについてどのようなお考えを持っておられるのか、お伺いいたしたいと思います。公正といっても、ただ全く同じ条件であれば公正なのか、いろいろ言われておりますので、どうぞその点を踏まえて御答弁をいただきたいと思います。
○中山国務大臣 NTTという五兆七千億円の売り上げのある日本一の会社でございます。それを、電気通信関係の自由化ということで新規参入を認めたわけでございますが、第一種が三十三社、第二種が五百社を超えるということでございまして、かなり実力に差があるものですから、その辺を新規参入の方々に育成を願うような基盤をつくるということで、今その見直しの話は関しましても、新規参入の方々が三年という日時をあっという間に過ごされておるものですから、もう少し余裕を持って見直しを行って、新規参入の方々が立派に育っていかれて、NTTという大きな基盤を持つ、六十年の四月までは電電公社という国家の一つの機関でありましたものが民営化されたわけでございますので、その公正な両立ができますような育成を郵政省がいたしたい、そんなふうに考えております。
○木下委員 それでは最後に、電波行政の新しい問題として不要電波問題について触れておられますが、これは現在どういったことが問題になっておるのか、そしてまた、こういう電波を出す方と受ける方のどちらに対策をする責任があると考えておられるのか、お伺いいたします。
○奥山(雄)政府委員 近年のエレクトロニクス技術の発展あるいは電子機器の普及に伴いまして、不要電波を発射しやすい機器が社会の各層は非常に普及しております。また一方、LSIとかICといったような電波の影響を受けやすい機器の方も非常に普及しておりますので、それらが相乗効果を起こしまして、最近非常に大きな問題を起こしております。
 具体的な問題といたしまして、例えば突然旋盤が動き出して人命に損傷を与えた例とか、あるいは列車の制御無線に影響を与えた例といったものが報告されております。これは放置しておけないということで、郵政省といたしまして昨年以来、不要電波問題に関する協議会を設けました。その中で関係のメーカーあるいは学識経験者、ユーザーの方々に非常に幅広くお集まりいただきまして現在その対策を検討しておりますが、受ける側、出す側どちらの規制をというお尋ねでございますが、これはやはり両方の側に責任があるものと私ども思っております。ただ、出す方につきましては、電波法等の規定によりましてある一定の規制が既にでき上がっておりますが、電波を受ける側、受けやすい機器が普及しているにもかかわらず、受ける側についての状況がほとんど把握されておりませんので、これからまずその障害の実態を詳細に把握すると同時に、その障害の因果関係の把握あるいは測定方法等について精力的に研究を進めてまいりたいと思っております。
○木下委員 終わります。
○田名部委員長代理 松前仰君。
○松前委員 いろいろな省庁の方をお呼びいたしたものですから、最初にそちらの関係の質問をやらせていただきたいと思います。
    〔田名部委員長代理退席、委員長着席〕
 最初に、全世界的な海上における遭難・安全制度、GMDSSというのがありますけれども、これについて御質問させてもらいたいと思います。
 これは国際海事機関、IMOがITUと一緒になって新しい遭難・安全制度の確立のシステムをつくるのだということでずっと今作業が進められておるわけでございますが、これは衛星通信、ディジタル通信という通信技術を駆使するということで郵政省とも非常にかかわり合いが深いわけで、この間お話を伺いましたら、海上保安庁と一緒になって検討なさっておるということでございましたので、この辺について御質問させてもらいたいと思います。
 これについてはSOLAS条約でいろいろなことが書いてはございますけれども、そのほかに国際電気通信条約ですね、この改正が必要だということで、この辺についてもう既に郵政省の方で国際的に活動なさっておられて、去年の十二月ですか、主管庁会議が開かれて改正された。周波数の分配とか通信の手続というものについて改正されたということを聞いておりますが、郵政省はこれについてどういう検討結果に基づいてこの国際会議に臨み、どのように主張したのか、簡単にお答えいただきたいと思います。
○奥山(雄)政府委員 GMDSS、グローバルマリタイムディストレスアンドセーフティーシステムですか、というのは、その名前のとおり、全世界的に新しい通信技術を駆使していかなる海域にいても遭難警報が陸上の関係機関あるいは付近航行中の船舶と通信ができることを目指した画期的な制度でございますので、私どもといたしましてもその導入につきましては前向きに作業を進めてきております。
 先ほどお話がございましたように、昨年秋の国際会議におきまして周波数あるいは運用手順等につきまして国際的な合意がなされました。その結果、さらに若干の今後の手続がございますが、一九九〇年の早い段階に導入することが決定されておりますので、郵政省といたしましてはその円滑な導入に向けて努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○松前委員 このシステムについては海上保安庁がシステム的な検討をされておると思っておったのでございますが、いろいろお話を伺いますと、郵政省もこのシステムにおきましては検討を非常に深くなされておるということでございました。
 そこで、今関係の方々からいろいろ問題点が起こってきておるわけなんですが、新しいシステム、確かに画期的なシステムであって、これが非常にうまく運用されれば確かに将来の遭難についてまんべんなくカバーできて非常にいいシステムということになろうかと思うのでございますけれども、しかし現場の感じというのは私どもが考えたのとは大分違うわけでございます。
 例えば、今五百キロヘルツの遭難通信、こういうものがあるわけでございますけれども、この遭難通信をやめてしまうというような形で今進行しているということを聞いております。そうなると、これは今現場で働いております人たちの話から聞きますと、この五百キロヘルツというのは非常に融通性のあるシステムである。それは単純でございましてどんどん応答が即応できる、即応システムといいますか、それに内容も場合によっては自由に変えていかれるというような格好であるわけでありまして、非常にきめ細かい対応がこの五百キロヘルツではできるということなんです。
 このシステムを変えて全部衛星とかコンピューターとか、どういうシステムか私もよくわかりませんけれども、地上で全部管理するというような体制になるようでございますが、地上に全部持っていってそれで総括的に管理するとなりますと、コンピューターも駆使するのでしょうがいろいろな介在が入ってくるわけです。そういうシステムに変わるとなると融通性がきかなくなるのじゃないか、そういう点が大変心配されておるのでございますけれども、五百キロヘルツの、従来方式の問題点というのは一体何なのでしょうか。その辺ちょっとお答えいただきたいと思います。
○奥山(雄)政府委員 伝統的に五百キロヘルツの無線電信というのが長い間遭難通信の主流とされてまいったことは事実でございます。また、電話ではいわゆる二一八二というのが定着しておりますが、これらは今日のような全世界あらゆる海域に、我が国もそうでございますが世界各国の船舶が行き交うような状態になった場合には、やはり現在の電波法の建前上あるいは国際条約の建前上さまざまな制約がございますし、また五百キロヘルツというものの性格上、電信特有の使いづらさというものがあることも事実でございます。
 そうした伝統的な、いわゆるある特定の人たちに限定された範囲内のものがこれをウオッチして遭難救助活動を行うというシステムよりも、やはり陸上と海上とをグローバルにといいましょうか、網羅的に糾合いたしまして、いつでもどこにいてもだれかが必ずキャッチできるというシステムを、現在開発されつつある技術も含めて、これを総動員しようというものでございます。
○松前委員 SOLAS条約の改正がことしの十月から十一月にあるわけでございますけれども、これに臨む態度、いろいろ運輸省の方にも陳情が行っているのじゃないかと私は思いますけれども、運輸省の方いらっしゃいましたら、これに対する態度をちょっとお答えいただきたいと思います。
○高野説明員 先ほど郵政省の方からも御答弁いただきましたのと同様の趣旨になるわけでございますが、現在の船舶遭難・安全通信につきましては、モールス信号による船と船との間の通信を中心としたシステムでございまして、GMDSSは衛星通信技術等を駆使いたしまして、遭難・安全通信を世界のいかなる場所からも陸上の捜索救助機関確通報させることができるようにするとともに自動化を実現しようとするもので、海上安全及び捜索救助活動の有効性を向上させるものとして企画されております。
 GMDSSはIMO、国際海事機関でございますが、十数年来検討されておりまして、今秋の条約改正会議にて正式に導入が決定される運びとなっておりますが、運輸省といたしましては、先ほど申し上げましたGMDSSの目的と趣旨が的確に実現されるように対処していきたいと考えております。
○松前委員 いろいろなことが問題点として挙がっておるのです。恐らく御承知だと思うのですけれども、国際会議の中ですらこの新しいシステムというのは検証されてないということですね。要するに、今のシステムと同じくらい頼りになるかどうかという検証がなされておらない。また、この新しい技術が本当にうまく遭難救助に役立つかどうか、そういう検証もきちっとされておらないというようなこと、その他もろもろ国際会議の中でも問題になっている。ちょっと考えてみてもいろいろな問題点があるのです。
 例えば、衛星を使うとなれば衛星のトラブルのときどうだろうか。それから衛星でも、私何を使うかよくわからないのですが、COSPAS/SARSATというのですか、そういうソ連とアメリカのを使うらしいのでございますけれども、これは極軌道衛星ですね。そうするとこれは見える時間というのは六時間に一回ぐらいしか見えないのじゃないか、そんな感じがするのです。そんな問題もある。そうなると即時に遭難救助体制に入ろうといったって時間がたたなければ遭難救助できなくなるとか、いろいろな問題点があるわけですよ。五百キロヘルツだったら即座にできる。ただし近い、距離が到達しないというのだけれども――時間がないですからいろいろな問題点を申し上げますと、距離が遠くなければいかぬ、そういうことには絶対ならない。なぜかというと近い船しか救助できないですね、早く救助するには。救助というのは早くやらなければいかぬ。
 もう一つは、救助というのは、なれたシステムでぱんぱんできなければならないということです。緊急の場合ですから今までやってきたなれた方法でぱんとできなければいけない。それが救助の第一歩だと思う。そうなると先ほど申し上げましたようにハードの問題もいろいろ心配があるし、それから使い勝手、これについても全然検証がされていない、テストもほとんどやっていないというようなことで、使う方の人にとってみればこれは非常に心配なんです。
 ですから、時間がありませんのでここで私が言いたいのは、テストというもの、検証というものをしっかりやってもらいたいということと、もう一つは、五百キロヘルツシステムはなくすという方向で今行っているのですか、これはなくすのじゃなくて残してほしい。それをきちっと残しておかないと、新しいシステムにばっと移ってしまったときに遭難救助体制に入って全然使えなくなってしまったということでは困るので、この五百キロヘルツシステムというのを残すということをSOLAS条約改正のときの国際会議で主張してもらいたい、そういうことなんです。その辺どうですか。運輸省の方、御意見を伺いたい。
○高野説明員 GMDSSで使用されます機器の信用性について不安があるということで御質問がなされたと思いますが、GMDSSで使用されます設備は、インマルサットの通信設備またはVHFとかMFの通信設備等の、既に実用化されて現在その有効性が確認されているものが大部分でございまして、新たに導入されようとしているものは衛星系のEPIRB、それからレーダートランスポンダーでございますが、この新設備の有効性につきましては、各国における実証実験が既になされておりまして、IMO等におきまして分析されて国際的にもその有効性が十分に確認されているものでございます。
○松前委員 運輸省の方、世界的にヨーロッパとかそっちの方で恐らく実験して検証されたと思うのですね。これは立派ですよ、ヨーロッパの方はそれをもとにしてやっているんだから。日本はやらないでしょう。日本はどうしてやらないのか。だから今、日本の船にタッチされる方々は非常に心配だと言っているわけですよ。日本でそれを率先してやっていればこんなことは起こらなかった。ところが、外国が言ってくるからしようがないやという形で今やっているというのが非常に問題があるということなんです。
 ですから、これから一九八八年、ことしの秋ですか、SOLAS条約の改正がありますからね。十分現場の人たちの意見を酌み取って、それでこの改正に当たって主張するべきところはきちっと主張して、これは恐らく国際的にも私がさっき言ったことはみんな賛成するんじゃないかと思いますので、十分現場の意見を酌み取ってやっていただきたい、そのようにお願いしたいと思います。答弁は必要ないですから、よろしくお願いしたいと思います。運輸省の方、これで結構でございます。ありがとうございました。
 次は防衛庁の関係です。OTHレーダー、またまた持ち出すのですが、今の運輸省の関係のものとも関連があるのでございますけれども、今の遭難システム等についても短波帯を使うというようなこともあるわけであります。システムが複雑でよくわからないのでありますが、その短波帯を使うとなればOTHレーダーの妨害は当然出てくるであろうということでございます。ですから、そこの点についてちょっと御質問させていただきたい。
 郵政省、OTHレーダーの妨害、OTHレーダーと限定はできないのかもしれないけれども、らしきものの妨害というのは現状はどうなっておりますでしょうか。
○奥山(雄)政府委員 広く短波帯に妨害を与える、いわゆるウッドペッカーノイズというものがOTHレーダーによるものかどうかは私どもも確認できておりません。したがいまして、OTHレーダーによる障害の現況はどうかという御質問に対しましてはお答えしかねるわけでございますが、ウッドペッカーノイズそのものの現状ということでございますと、昭和五十六年ごろから混信の申告がございまして、先生も以前実物をここでお示しになりましたけれども、ファクシミリが真っ黒になっているような事例も現実にございました。
 その後、やはり今日に至るまで同様なノイズは出たり消えたりといいましょうか、発生しておりまして、これまでの調査結果を分析いたしますと、電波の到来方向からいたしましてソ連邦の方向であると推定されますために、五十九年と六十一年、二回にわたりまして混信排除の協力要請をしてきたところでございます。また、一昨年六月にバンクーバーで世界通信大臣会議がございまして、当時の郵政大臣が出席されました。その席でも、ウッドペッカーノイズについては国際協調によって関係各国共同でこれを排除しようではないかというようなことを呼びかけたりしたところでございます。
 しかし、いずれにいたしましても、ソ連の方からは前回の照会に対しましては、自分の方はきちんとした、いわゆるITUの条約並びに規則にのっとった運用をしているという回答でございまして、また、二回目のこちらからの問いかけに対しましては今のところまだ返事をいただいておりません。
○松前委員 外国との問題も非常に厳しいものがあるのですが、我が国でOTHレーダーの予算、調査費が計上されているということなんでございますけれども、今郵政省の方からお話がありましたように、郵政省の方も非常に苦労している。OTHレーダーかどうかわからないと言うけれども、これは技術者の専門家の論文にも出ていますから、あれは明らかにOTHレーダーということになるわけなんですけれども、こういうような問題が起こっている中で防衛庁はこのOTHレーダーを配置しようという考えを持っている。しかも、これをどこに置くかということについては、いろいろうわさで聞けば硫黄島あたりである、そしてそれを全部北側に向けるというのですから、日本全土がこの電波の妨害を受ける中に入ってしまうということなんでございます。
 防衛庁、こういうように郵政省が苦労している中で防衛庁はこれを一体どういうふうに受けとめていらっしゃるか。
○萩説明員 防衛庁で現在調査をしておりますOTHレーダーは、先生御存じのとおり六十二年度は六百万円ということでアメリカにおけるOTHレーダーの開発状況の調査などを実施いたしました。それから六十三年度は、硫黄島におきます地殻変動とか地熱、こういったものの調査のために三千六百万ほどの予算をお願いしておるところでございます。
 それで、昨年アメリカに調査団を派遣しまして、アメリカ側の実情を調査いたしました。アメリカでは現在、東海岸、東方に向けて三基、太平洋岸の西の方に向けて三基、南方に向けて四基、それからアラスカに二基、計十二基、これは空軍型といっておりますが、これの計画を持っておりまして、逐次配備を進めております。海軍型が現在プロトタイプの実験中でございますが、調査団はそれら現在使用しているOTHレーダーについて調査をいたしました。
 その結果、米側からの調査の結果によりますと、現在までのところアメリカにおいて民間からは電波干渉に関する苦情というものはまだ出ていないということを聞いております。それから、調査チームが直接通常の短波受信機を持って実験をいたしました。その際、いわゆるウッドペッカーノイズというものは発生をしておりません。
 いずれにいたしましても、OTHレーダーを実際にどこに置くか、あるいは実際に導入するかどうか、まだこれからの問題でございますが、それに際しては郵政省とも十分協議をいたしまして、民間に被害が及ばないように注意をしてまいりたいと思っております。
○松前委員 アメリカの調査でいろいろ妨害がないというようなことがわかったという話でございますけれども、アメリカの電波事情というのを御存じないからそう言っていらっしゃると思うのでございますが、十分調べてもらったらいいと思いますね。
 それから、妨害のない、ウッドペッカーノイズの起こらないOTHレーダーというものが大体存在するならば、その原理を教えてもらいたいのですね。防衛庁としては明らかにしてもらいたい。じゃないと、これを納得する人はほとんどいないです、妨害のないOTHレーダーというのは。民間に妨害を与えないというお話でございますけれども、この電波については、軍事ですから、その周波数がわかってしまうといけないから周波数がどんどん逃げていく、あちこち移動するという性格のものでございますから、いろいろなところに妨害を与えるという性格もございます。
 いろいろなことがございまして、このOTHレーダー、とにかく日本はさらに非常識なんですね。アメリカより非常識でありまして、硫黄島から北へ向けて、しかも日本全土を覆うようなこういうシステムをつくろうと考えているというのはとんでもないことでございまして、これは電波行政上もびっくりするようなことをやっているので、防衛庁としては考え直していただきたい、こういうものはつくってもらいたくない、そのように思う次第でございます。
 これについては、民間から言わせればこのOTHレーダーの周波数を公開しなさい、こういうことなんですが、防衛庁さんはこれができたときにはちゃんと周波数を公開して日本の電波法の規則にのっとって運用されますか。
○奥山(雄)政府委員 電波法の解釈の問題でございますので、私の方から答弁をさせていただきたいと思います。
 自衛隊が使用されます無線設備のうち、レーダーと移動体以外のものは電波法二十六条、先ほど先生がおっしゃいました周波数の公開の規定が適用されますが、レーダーと移動体の無線設備を使用する場合には自衛隊法百十二条第一項が適用されるものと考えております。つまり、第百十二条第一項は、電波法の規定にかかわらず、同法の規定のうち、無線局の免許云々に関するものは、「自衛隊がそのレーダー及び移動体の無線設備を使用する場合については、適用しない。」こういうことになっておりますので、私どもは第二十六条の規定は排除されるものと考えております。
○松前委員 今のは自衛隊法でしたか、だから前も私は指摘したのですけれども、それは向こう側からの一方的なもので、郵政省の方は逆にあっちの方にこういうことが書いてあると言うことは、たしか一つも電波法に書いてないはずです。ですからここに矛盾が起こっているのですね、法律上に。そういう点がありますので、この矛盾を利用するということはけしからぬことですから、これはまた将来ただすことにいたしまして、OTHレーダー、もっともっとやりたいのですけれども、時間がございませんのでこれで終わらせてもらいたいと思います。ありがとうございました。
 それから通産省いらっしゃっておりますか。――これはお呼びするほどじゃないのですが、今、高品位テレビジョンにかわるものとしてEDTVというのがあるのでしょうか。これは郵政省の方、どういう計画になっておりますか、教えていただきたいと思います。
○成川政府委員 EDTVでございますが、これにつきましては現行テレビジョン方式を送信側と受信側を一体となって改良することによって画質の改善を図るものでございます。現在、電気通信技術審議会にかけまして審議をしていただいておりますが、六十三年度中には報告をいただけるのじゃないかと私どもは期待しているところでございます。
○松前委員 今審議中ということなんで余り多くは申せないような感じになってしまいました。これを導入しようということになっていないから何も言えないけれども、導入しようとした意図といいますか、これは一体何でしょうか。
○成川政府委員 最近テレビの大型化といいますか、大型テレビに対する一般の視聴者の需要がかなり出てきておりますし、また一方、高画質のテレビに対する視聴者のニーズも大変増大しております。ゴーストを解消してほしいというような期待もかなり高いと考えております。
 EDTVは現行テレビと両立性がある中でこれらの視聴者のニーズにこたえるものでございますし、また放送事業者も、送信側の措置が必要でございますが、放送事業者もEDTV開発あるいは導入に熱心でございまして、現在いろいろな施策といいますか、EDTVの愛称を求めたりなどして国民に対する理解を求めているような状況もうかがわれるところでございます。従来のテレビでも従来どおりの画質が得られて、両立性があるもので、EDTVですとより高い画質、良質な画質が得られるということでございまして、視聴者の選択の幅が広がるという観点から、視聴者のニーズにもこたえられるものじゃないかという観点から、私ども早期に実用化を図りたいというととで電気通信技術審議会に現在諮問いたしまして検討していただいているような次第でございます。
○松前委員 通産省の方にちょっとお聞きしますけれども、このEDTVに通産省は恐らく関係があるのじゃないかと思ってお呼びしたのですが、通産省としてはこのEDTVが導入された方がいいのか悪いのかということについてちょっと……。
○横江説明員 最近、衛星放送が始まっております。去年の七月からNHKの方で二十四時間体制ということで始まっておりまして、これには新しいチューナーとアンテナが要るということでございますけれども、実は私も楽しんでおりまして、消費者、視聴者の立場からいいますと、新しい技術を活用したいい画質あるいはいい音質の放送が行われるということは、消費者の選択の幅が広まるという意味では大変結構なことではないだろうかと思っております。基本的にどのような放送の方式を受けるか、あるいはどんな受信機を買うかということは消費者の選択にお任せする問題だと思いますし、私たちといたしましても、消費者の選択の幅が広まるという意味では、新しい放送の準備が整っていくということは期待をして見守っているところでございます。
○松前委員 確かにそういうことなんですが、通産省の方はよくおわかりと思いますけれども、今例えばワープロが一年ごとに中身がよくなって、そしてどんどん商品化されて出てきて、去年のものは全然価値がないくらいになってしまうような出方をしていますね。それで企業が活性化されるという話であるわけなんですが、ユーザーにとってはとんでもないことになってしまっているわけです。本当に迷惑千万で、前に買ったものがすぐ陳腐化してしまう。こんなことがあるわけですよ。
 今少し反省の色が出ているのかどうかわかりませんが、多少は出ているのだと思うけれども、こういうものが出るならば最初から、恐らくEDTVだったら究極のシステムがあろうと思うのですね。そういうものをきちっと提供してやるような形にしていかないと、市民は本当にむだ遣いしてしまう。何回も何回もむだ遣いすることになるので、ワープロの例で本当に私も懲りたわけです。そういうことで、これが導入されることになったらぜひとも、業界の方に指導することができるのかどうか知りませんけれども、そういうようなムードをつくっていただきたいなということでございます、ユーザーが損しないように。
 もう一つは、これが導入されるというのは私は実は余り感心はしてないのです、やって結構なんですけれども。というのは、今までも既にたくさんの受信者が、テレビを持っている人がほぼ一〇〇%近くになっている。こういう状況の中でこれを入れていくということになると、これは市民のためにやっているのじゃないというようにしか感じられないのですね。どこかの企業さんのためにやっているような感じです。それでもいいですけれども、そんなことで、通産省は指導はできないと思いますが、ムードづくりぐらいは、今までのワープロの反省を出していただいて、それでこれからこういう新しいものが出てきたときにそれを反省の材料としてやっていくような方向づけをしていただきたいな、ちょっとその辺のお考えを伺いたいと思うのです。
○横江説明員 今先生ワープロの例をお話しになりました。商品を広くとりますといろいろな問題があった事例もあったかと思います。放送に関しましては郵政省さんの方で基本的に放送方式を確立されるということでございまして、ワープロのような状況とはちょっと違って、もう少し統一がとれた格好に仕上がってくるのじゃないかと思っております。いずれにいたしましても、先生の御意見も体しまして事に当たりたいと思っております。
○松前委員 郵政省にお聞きしたいのですが、先ほど画質が同等と言われましたけれども、これは技術的に本当にそうなのでありましょうか。画質は従来の受像機で前と全く同じものが出てくるのでありましょうか。
○成川政府委員 技術的なことにつきましては電気通信技術審議会の方で審議していただいておりますが、私ども余り深い知識ではないのですが、聞くところによりますと、従来のテレビでも従来どおりの画面が得られるというふうに聞いております。
 先生もう既に御案内だと思いますが、EDTVですと画面のちらつきがなくなりまして、解像度も大変向上して鮮明な画像が得られますし、ゴーストがかなり消去できるというような観点から、高画質の要望に対してこたえることになるのじゃないかというふうに思っておりまして、そういう観点から私ども、視聴者のニーズに対応してできるだけ早く実用化を図りたいということで、電気通信技術審議会に現在かけているところでございます。
○松前委員 技術的にはちょっと問題があるようにも聞いておりますが、その辺はきちっと調べていただいて、しっかり対応するようにしてもらわないと困ると思うのです。
 このEDTV、高品位テレビ、何というのですか、今のNHKがやろうとしているあれとの関係があって、なかなかこっちを表に出すわけにもいかないと思うのですけれども、ちょっと何か隠密行動的なところがあって、なかなか表に出てこないですね。だから、これはやはりちゃんと、きちっと市民にわかるように、これは私が聞いているところによると、地上放送はみんなこれになってしまうという話ですね。そういうことを計画している、計画というか、そういうことを頭の中に置いてやっているというから、これは変わるとなればやはり大きな問題ですね。受像機を買いかえろというんだったらもっと大きな問題だけれども、たまたまコンパチビリティーがあるということですからそれはよかったわけです。しかし画質が悪くなるとなるとこれは問題ですから、損失になりますから、その損失分はユーザーに何らかの格好で返してもらわなければ困るということになりますので、還元等の問題もありますので、これからしっかり電気通信技術審議会の行き方を見守っていただきたいな。見守るわけにはいかないと思いますが、審議会の皆さんにきちっとした議論を十分尽くすようにおっしゃっていただきたいな、そのように思っております。
 さて、新しい情報化時代に向けまして大臣は積極的に取り組んでいただけるということで、国際化、二国間の話し合い等によって国際通信もどんどんやるという話で、非常にいいことであると思っておりますけれども、これから非常に問題が山積してくるだろうと思うのですね。それはいろいろな問題があるわけでございますが、これからその辺についてちょっと郵政省の方に質問やら意見やらを述べて、答えは恐らく無理だろうと思いますけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思っておる次第でございます。
 アメリカの電波事情なのでございますが、ウエスチングハウス・エレクトリックという企業、これはいい例だからここに出ているわけなんですが、企業の地方分散ということを企業が考えた。日本でもそういう話が出ておりますからますます似たようなことが起こるのじゃないかと思っておりますが、地方分散の企業にしよう。
 そうしますと、どうしてもネットワークを使って情報交換をしなければいけないということでございまして、それでネットワークを使おうと思っていろいろ交渉をしておったら、ウエスチングハウスとしては、データを使いたいからディジタルネットワークが欲しいよということでAT&Tに提案をしておったということなんですが、AT&Tはディジタルネットワークは嫌だ、逆に提案してきたのは、アナログでどうだ、こういうことを言ってきた。アナログでどうだと言ってきたものですから、これはウエスチングハウスの意図に合いませんものですから、それじゃウエスチングハウスが自分でやっちゃおうやということになって、WESDIN、ウエスディンとでも言うのでしょうか、そういうようなシステムを自前でつくり上げるということになった。
 AT&Tは使うのをやめよう、MCIを使おうということになったようですね。そこと組み合わせてやろう。AT&Tは分割されて、地域の電話会社があるわけなんでありますけれども、その地域の電話会社も使うのをやめようということで、MCIからマイクロ波を使ってダイレクトにウエスチングハウスの方に引いていく、こういうシステムをつくり上げておるそうなんでありますけれども、十二ギガ、十八ギガというところを使った。そういうシステムはいいのですが、ここでマイクロ波を自由に使わせろということになって、それで空きチャンネルがないかということだけでもって免許を取れるようなシステムにアメリカはなっているのだそうですね。そういうことでウエスチングハウスは電波を使うことができる、無線従事者も必要ないということですね。
 こんなシステムになっているそうでありまして、アメリカとしては非常に自由に電波を使えるような方向になってきているということなんです。恐らく郵政省の方は十分御承知だと思います。私がこんなくどくど言う必要もないと思うのですけれども、こういうシステムになっているということなんで、郵政省も恐らく情報は十分知っているでしょうから検討されていると思うのですけれども、郵政省としては日本の電波法やら電波利用を将来大体どういうふうに持っていこうか、こういうものを参考にして自由化していこうかというようなことを少しでもお考えになっていらっしゃるかどうか、その辺をちょっとお伺いしたいと思います。
○奥山(雄)政府委員 ただいまお示しになりましたウエスチングハウス社の事例は私、初耳でございますので、またよく研究させていただきますが、我が国におきましても、電波の利用をできるだけ広く開放したいという基本的な考え方につきましてはアメリカに劣るものではございません。これは六十年四月の電電改革のとき以来一貫してそういう政策をとっております。
 具体的に申し上げますと、それまで電波の利用というのは、特に公衆マイクロウエーブにつきましてはNTTに極力利用させて、それが利用できない場合に限って他のユーザーにも利用させるという非常に限定的な利用方針をとってきたところ、免許方針をとってきたところでございますが、その後の電気通信の自由化と歩調を合わせまして、私どもは、NTTのみならず他の事業者にも、あるいは自営マイクロにつきましても広く利用していただきたいという気持ちでございます。
 ただ、御承知のとおり電波というものは無秩序に利用するわけにまいりませんので、既にこれだけ高密度に利用されている日本の社会においては一定の整理をする必要があるということから、昨年の十一月に基幹通信網に関するあり方を論議していただくための調査会を設けております。その中で電波の基幹通信網の長期的な展望を御審議いただいておりますが、一言で申し上げますと、これまでNTTあるいはそれに準ずるような大きな企業である、公益事業である電力会社とかガス会社に限定的に利用されていたマイクロを、私どもとしてももっと広く世の中に御活用いただきたいというのが基本でございますので、恐らく先生が描いておられるような方向でこの調査会の結論も出るものと期待をしております。
○松前委員 初耳というのはちょっと問題がございます。担当者の方は恐らく一生懸命勉強されて、これをいつ報告しようか、虎視たんたんねらっていらっしゃると思うのでありますけれども、これは将来の問題として非常に大きな問題なんで、例えば割り当てのやり方も、郵政省がチャンネルプランを握ろう、こういう話もありますけれども、このやり方は、あいているところを探して、あいていたら使わしてくださいと申請して、それで許可される、こういうことであります。
 それで、その周波数は公開しないというのですね。そうなると一体何が頼りでちゃんとやっているかということになると、アメリカの社会ですから恐らく市民の声というものが非常に強く上がってくるんでしょう。問題点がありましたら市民が、これはだめじゃないか、やめさせろということで、訴訟とかそういうもので解決をしてくるんだろうと思うのですね。自由化の方向へ持っていきますとそういう社会システム自体も体制が整えられていなければいけない、市民の声がしっかりとこういう行政に反映できていかなければならないというシステムになっていくわけですね。
 ちなみに申し上げますと、政府関係の電波の割り当て、連邦政府の方はNTIAというようなシステムだそうですけれども、民間はFCCですね。NTIAの方は年間七万件の免許申請が来ているというのですね。七万件免許を発行する。七万もですよ。それで三千件の再免許取り消しをやるというのです。再免許取り消しをやることができる。日本はほとんどそれができないということになるんですね。何でこんな取り消しができるかというと、これはやはり訴訟といいますか法治国家といいますか、これがきちっとなっているということになろうと思うのですけれども、市民というものが言論の自由といいますか、非常に意見を言うことができるようなシステムができ上がっておるということなんでございます。そういう点で郵政省もこれから自由化の方向へ、本当に自由にどんどん開放してやっていこうということになれば、市民というものを重要視していかないときちっとした電波行政もできていかないんじゃないか、そういうように感じるわけです。
 アメリカの例は非常に私も参考になって、これがいいかどうかということはこれからの議論ですから、参考になっておるわけなんですけれども、その市民というようなものを重要視していくというような姿勢ですね、これは今からでも郵政省にどうしても欲しいと思っておるわけなんです。その辺について、私いろいろ意見はありますけれども、どういうようにお考えになっておるか、お聞かせいただきたいと思います。
○奥山(雄)政府委員 アメリカの事例をお示しいただきましたけれども、確かにアメリカは訴訟の国でございますので、またローヤーの国ですから、何でも弁護士に持ち込むということで係争事件を引き起こすことが非常に多いわけでございますが、果たしてアメリカのように何でも訴訟に持ち込んで解決することがいいのかどうかということになりますと、日本の精神的風土並びに経費負担の面から見て必ずしも適当ではないんではないかという面もあると思っております。
 しかしながら基本的に、ただいま松前委員が御指摘になりましたように、今後ユーザーの利益を最大限に尊重する形で電波の開放を行えという点につきましては全くそのとおりでございますので、前通常国会において成立させていただきました電波法の一部改正の中に電波有効利用促進センターの設立という一項目がございますが、これはまさにそうした新しい電波の開放体制に即した市民のあるいはユーザーの相談窓口、あるいは照会の窓口としての機能を果たさせようということでございまして、つい先週の十七日に発足いたしました。大臣もこれは非常に大事なことであるからということで直接発起の際のパーティーに出席して激励をしていただいたところでございますので、先生がお示しになりましたような方向で今後とも努力をしたいと思います。
○松前委員 今おっしゃいましたように、アメリカばかり私申し上げましたけれども、イギリスとフランスあたりは全然違うことを言っていまして、イギリスあたりは、今一般企業に無線を開放する、免許を与えるというところまで来たようですが、そのほかはまだだめらしいのです。フランスは全然違うのです。もう御承知のように、そんなことはとんでもない、とにかく電電公社みたいな一元化が一番いいんだというようなことを言っているわけですね。
 国際化ということで、国際化の情報交換とかいうことをもっと進めようということになると、こうやってイギリスとかフランスとかアメリカを見ていますと、全部考えが違う。二国間協議というようなことでやるにしても、これはそれぞれみんな違う態度で臨まなければいかぬ。日本が一番バラエティーに富むような態度をとらなければいかぬということになってしまうわけですね。
 ですからこういう点で、簡単には事はいかないぞ、これから物すごくたくさん問題点を抱えながらこの郵政行政をやっていかなければならないということですから、その辺については郵政省としてはいろいろ勉強をうんとして、しっかり頑張ってやってもらいたいと思っておるわけなんです。それにはどうも郵政省は弱過ぎる、電波行政は弱過ぎるんじゃないか、私はそう言いたいですね。予算にしても非常に少ない。とにかく電波行政、これからこういう自由化のことが来てしまった、これは大変重要な問題になってまいりますから、大臣、ぜひともその辺の体制強化というものをお願いしたいと思うのですけれども、その辺ちょっと……。
○中山国務大臣 先生はみずから工学博士でいらっしゃいますし、「宇宙船「地球号」への提言」という御著書もあるようでございます。日本の郵政省としてこれからの電気通信体制というもの、三大大陸と申しますか、アメリカ、ヨーロッパ、それからまた極東の日本が広い太平洋地域における電気通信の責任を負うためにはどういうような考え方をしたらいいのかというのは、本当に開け行く電気通信の時代だけに基本的な考え方を示すことが大変重要なことであると思っておりますので、先生の先ほどからの御意見を体しながら郵政省としてもしっかりした考え方をひとつ樹立してまいりたい。それぞれの国にいろいろな伝統があるようでございますので、かつての閉鎖的な電気通信体制をとっておりました、短波放送受信機さえも持たせなかった時代からまだ四十二年しかたっておりませんから、自由化の体制にどういうふうに適応していくかということは、これからオープンな情報システムをどう確立するかということの重要な基本になると思います。その点でひとつ留意してまいりたいと思います。
○松前委員 それで、郵政省の電波行政の体制強化ということをぜひともお願いしたいと思うのですが、もう一つ、強化をなぜしなければいかぬかというと、自由化等になりますと、先ほどお話をしましたように、いろいろ訴訟とまでいかないけれども、そういう市民レベルからの声というものを非常に重要視しなければいけないということになってまいりますので、放送法との関係がありますけれども、放送法と電波法、こういうものが同じような考え方になっていくような感じもいたします。仕事もたくさん出てきますので、ぜひとも郵政省の電波行政をしっかりしていただくようにお願いしたいと思います。
 このレポートは、もう皆さん御承知と思いますけれども、日経コミュニケーションという雑誌ですからそこらにある雑誌でございまして、その中に出ているのは、日本の郵政省も英国と同じようなことを考えている、こう書いてあるのですね。だから先ほどから全部知っているのじゃないかと思って御質問申し上げておったわけでございます。担当者は恐らく知っていると思いますから、よく聞いていただいて、将来のこういう状況に対して間違いのないよう対処していただきたい、そのように思います。よろしくお願いします。
 最後に、通信衛星のことについてお伺いしたいと思いますが、さくら三号aは一応打ち上がっておるわけでございますけれども、これが打ち上がってしばらくいたしましたら、NTTがこれを後継の衛星には使えないということを言っておる。理由は何か、コストが高過ぎるということなんですね。JC・SATとかSCCの総合費用に比べてさくら三号というのは本当にすごい高いのですか。その辺のデータがないのですけれども、簡単に教えてください。
○塩谷政府委員 お尋ねの件でございますが、総合的に打ち上げあるいは製作費用をJC・SAT、SCCなどと比べますと、さくらa及びbの開発費、打ち上げ費は約六百六十億でございまして、JC・SAT、SCCの経費もほぼ同様である。ただ、トランスポンダー、中継器でございますが、これの数がJC・SAT、SCCの方がさくら三号よりも倍近くございまして、単価といいますか中継器一台当たりの値段はしたがってさくら三号の方が高くついている、こういう勘定になります。
○松前委員 国の方で一生懸命やった衛星を本当はNTTに使ってもらいたかったのでしょうけれども、やはりNTTのように大きなところになりますと、そういうちょっとでも高いようなことになればすぐ逃げていくということですね。これは当然なことでありまして、自由化という方向へ向けても安い方を選択するということはありますので、これは当然でございます。恐らく郵政省としてもこの辺は頭を痛めているのじゃないかと思うのですが、こういう事態が放送衛星の場合にも起こったとしたらどうされるのですか。通信・放送衛星機構で、郵政省が今度機構法の改正ということで、トランスポンダー一個持ってやろうというお話がございますね。ああいうの使いたくないよ、あんなものは高いからやめたい、こういう話が出てきたらそれはそれでいいとお考えになりますか。
○塩谷政府委員 放送衛星についてでございますが、目下のスケジュールといたしましては、先生御存じのとおりでございますが、放送衛星三号a、bを昭和六十五年から六十六年にかけて上げる、そしてその六十六年に上げる予定の放送衛星三号bについて、予備のトランスポンダーを一部機構に持ってもらってハイビジョンの普及推進に当たるということでございます。
 放送衛星三号に目下NHKと並んで民間の衛星会社、放送を衛星でやることを専門にしております会社が名のりを上げる予定でございますが、実のところ三号以降の放送衛星をどういうふうにしていくかということについては今のところ具体的な計画といいますか突っ込んだ議論が行われておらない現状でございます。放送衛星につきましては、その経費分担ということについて、開発と実用、その開発を国が持ち実用面でNHKが持ってきたということで、いろいろNHKも負担があるというような議論もありまして、三号以降どういうふうはその負担を持っていくかというようなことも大きな検討課題であります。したがいまして、今意識に上っております検討課題に加えて、先生がおっしゃいました通信衛星の外国製あるいは民間衛星との経費比較の観点でどうかという新たな問題もやはり検討しなければいかぬと思っております。
 それからもう一つ、ちょっとつけ加えさせていただきますが、撤退というふうに一部新聞報道では伝えられておりますけれども、私ども、NTTとしてはまだ方針として撤退すると決めたことはないというふうに聞いております。
○松前委員 では一言だけ答えていただきたいのですが、もし撤退と決めたらもう仕方かない、これでいいわけですね。
○塩谷政府委員 通信衛星三号の後の次世代通信衛星をどうするかということについても、これはいわば通信衛星についての今までやってきました路線、開発と実用ということで国とNTTなど大口のユーザーが持ってきたという経緯、それから、NTTが今まで自主開発ということに通研の技術、能力の総力を挙げていろいろ協力をしてきた、そのノーハウの蓄積というものもあります。ただ、経済性、効率性というNTTの要望も先生おっしゃるとおり無視できないわけですので、そういう要素を勘案して、次世代衛星をどうするかということは今宇宙開発委員会の宇宙政策大綱の中で検討していることでございます。目下の予定としては来年の三月に第二回の見直しということでその結論が出るように予定されておるわけでございますけれども、そういった中でその辺の問題もあわせて検討していく予定にしております。
○松前委員 自由競争の時代に入ってきたということで、何でもかんでも自由化という格好になってきております。それがいいか悪いかは別といたしましても、こういう問題については、もう開発の時期はほぼ完了してきているわけですから、これから実用化の方向ですから、そういうところまで国がいつまでもNTTを縛っていくという格好になってはまずいので、自分で資金をきちっと持てるようなものならば、衛星だって、NTT独自でやるというならばそれだっていいじゃないか、こういうふうに私は思っておるのですが、それをまだこれから縛ろうとおっしゃるわけなんですかね。ずっと宇宙開発委員会でやるということは縛っていこうというわけですね。それは、どういう意味で宇宙開発委員会でNTTが使えということを決めるのですか。
○塩谷政府委員 縛るという表現を端的に言いかえますと、今までのやり方でしかならないということになるかと思いますけれども、まだその辺について結論がどう出たわけではなくて、NTTの安いコストの衛星を使いたいという、これは会社としてもっともな要望でございますので、その点もあわせて考えていくということでございます。
○松前委員 衛星をつくり始めた時代とはもう様子が変わっておりますので、最初のつくり始めた時代と同じ考え方でいつまでもいくわけにいかぬのですから、その辺はやはり融通性を働かせてこれから対処していっていただきたい、やはり時代の変化に即して郵政省もどんどん対応してもらいたい、そのように思いますのでよろしくお願いしたいと思います。
 以上で終わります。
○塚原委員長 午後一時四十分に再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後一時八分休憩
     ────◇─────
    午後一時四十五分開議
○塚原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。佐藤祐弘君。
○佐藤(祐)委員 大臣は所信でも電気通信事業について非常に重視して述べられております。きょうは電話問題その他をお聞きしてまいりたいと思います。
 まず最初に電話料金の問題でお尋ねをいたします。
 民営化の前後からたびたび料金体系の抜本的な改定を検討しているということを表明されてまいりました。現在の料金体系は市内は安く市外は高いというものでありまして、現行の三分十円の市内料金についても値上げの可能性といいますか、そういうことを真藤社長も示唆されていたという経緯があると思います。国会の場におきましても、民営化法案審議の際に、私の質問に対しまして真藤当時総裁はこうおっしゃっております。「私どもがその問題で根拠のある数字で世の中にいろいろ御相談し、また政府筋にも御相談できるようになるのには、あと二年かかります。」これは八四年の逓信委員会ですが、料金を「上げるといたしましてもいろんな考え方がございます。三年くらいの先に考えることでございます」こう答弁があったわけであります。それから三年半たったわけですが、根拠のある数字というのは示されていない、これはどうなったのかということと、市内料金を含む料金体系について現在どのような検討をされておるか、その二点についてまずお答えいただきたい。
○草加参考人 お答えいたします。
 NTTが民営になりましてから、現行通話料金の最重要課題は遠近格差の是正であるというふうに受けとめております。そのために遠近格差是正を標傍いたしまして、昨年とことしの二月に二度にわたって値下げを実施したわけでございます。
 今先生御質問のように、それでは料金体系はどのように考えておるか、またはそれの根拠であるコストについてどのように計算しているかという御質問でございますが、私どもといたしましては、今後とも遠近格差の是正を進めていくということを考えておりまして、このためには、まずできるだけ収益を増大し、コストを削減いたしまして、その中で料金体系全般にわたりまして是正を図る、その中でも遠距離を含む市外通話料金の値下げと現行市内料金の三分十円をできるだけ長く据え置く、このような基本方針を持って検討しているところでございます。
 また、市内、市外のコストを含む調査でございますが、これにつきましては前々から真藤が申し上げておりますように、ATOMICSという機械を入れまして市内、市外のトラフィックを調査いたしております。これも大分精度が上がってまいりまして、現在調査資料が刻々と出ておりますが、これを使いまして、どのような形で市内、市外を分計していくかということにつきまして、さらに精度を高めて世の中に問うていきたい、このように考えておりまして、現在鋭意検討しているところでございます。
○佐藤(祐)委員 遠近格差の是正を進めていく、そして市内の三分十円についても長く据え置く、これは結構なことでありますから、ぜひそういう方向でやっていただきたいと思います。
 ところで、市内料金そのものについてなんですが、これまで日本の市内料金は世界一安いというふうに言われてきておったわけです。真藤社長も私の質問に対する答弁で、市内料金は幸いにして世界一安うございます、こう明言をされておりました。この市内料金そのものについてきょうは幾つかお聞きしていきたいと思っているわけですが、NTT及び郵政省は、現在も日本の市内料金は世界一安い、そういう認識に立っておられるのかどうか、その点が一つと、それから遠近格差ですね。今おっしゃった遠近格差は大変大きいようです。世界一大きいというふうに言われておりますが、主な国と比べてどういう数字になっているか、その二点をお聞きします。
○草加参考人 お答えいたします。
 まず、市内通話料金でございますが、市内通話料金の三分十円、三分をとらえてみますと、現在でも先進諸国よりも安いということは言えると思います。ただ、数年前に比べまして、いわゆる円高の影響もございまして名目の比較をいたしますとかなり近づいてきたことは事実でございますが、今でも三分間を比較いたしますと安いということは明言できると思います。ただ、これを五分とか六分で比較いたしますと、諸外国は必ずしも三分ではございませんで、五分、六分、七分というところをとっておりますので、ここで比較いたしますと、例えばドイツ、フランスというところは五分、六分で十七、八円でございますから、結局私の方の三分が二倍の六分になりまして二十円になる。このようなことで、確かにここらを比較いたしますと先進諸国の方が安いということは言えると思います。ただ、私どもといたしましては、通話の過半数は三分で終わるということを勘案いたしますと、三分という時間で料金を決めるということが現時点では一番納得いける形ではないか、このように思っておるところでございます。
 次に、遠近格差について御紹介させていただきますと、日本はこの間の二月十九日の値下げによりまして一対三六ということになったわけでございますが、アメリカはAT&Tの料金でいきますと一対一二、イギリスが一対四、それから西ドイツが一対一五、フランスが一対一三というふうに、我が国の遠近格差は諸外国、先進国に比べましていまだ高いということが言えると思います。
○奥山(雄)政府委員 ただいまNTTの方からお答えがございましたところと多少重複いたしますが、まず市内の通話料の国際比較でございますけれども、これもやはり単位料金、日本でいえば十円でございますが、単位料金が幾らかということが国によりましてまず違っております。それから、単位料金でかけられる分数というものがまた異なっておりますので、なかなか同じレベルで比較することは難しい面もございますが、概括的に申し上げますならば、最近の急激な円高等の影響もございまして、日本の市内料金につきましては分数によって高くなったり安くなったりするものがあるということでございます。
 例えば、アメリカのニューヨーク電話会社の例でございますが、これは三月一日の為替レートでございますのでそれで御了解賜りたいのですが、これで換算いたしますと、四分を超えますと日本の方が高くアメリカの方が安いということになります。それから、西ドイツの場合も、やはり四分を超えて八分までですと西ドイツの方が安い。逆に四分以内であると日本の方が安い。それから、フランスの場合も同様、四分以内ですと日本が安くて、四分を超えて七分までですと今度は逆にフランスが安い。しかし、それを超えるとまたフランスの方が高くなる時分があるというふうに、若干でこぼこがございます。
 それと、もう一つ特徴的な点で申し上げますと、日本の市内には御承知のとおり夜間の割引制がございませんが、アメリカ、イギリス、西ドイツ、フランスといった主要な国におきましては市内料金についても夜間の割引制があるという特徴がございます。
 それから、市外通話の比較につきましてはNTTからお答えがあったとおりでございます。
○佐藤(祐)委員 私もいろいろ調べたのですが、今の答弁にもありましたように、確かに三分以内は日本が安いですね。三分を超えますと大体高いです。かなり高くなるのです。一時間という単位なんかで見てみますと、フランスにしてもその他にしても半額くらいになるということですね。詳しい数字も持ってきておりますけれども、これはまた後で触れることもあるかと思います。ですから、市内料金が日本は世界一安い、専門家であるNTTからそう言われると、そうかなと多くの人は思い込んでしまうと思うのですが、ここはやはり公平に議論を進めていく上でもよく実態を調べることが大事だというふうに私は思うのですね。総じて世界一安いとは言えないという結論に私はなるのです。
 それとまた、いろいろ加入者の便宜を図るといいますか、いろいろな制度がつくられておるわけですね。例えば、アメリカのニューヨークテレホンの場合には非測定制度という料金制度があるのですが、これはどういうものか郵政省は御存じでしょうか。
○奥山(雄)政府委員 アメリカではいろいろな会社がそれぞれ創意工夫を凝らしていろいろなサービスをし、また加入の形態をとっております。今御指摘ございました非測定制と申しますのは、回線使用料が非測定制の場合七・四四ドル、それと加入料と合わせて、日本円に計算しますと千二百九十円ぐらいになるようでございますが、回線使用料の中には通話料の四ドル分、日本円に換算して五百十五円程度が含まれているということでございます。つまり、これは何を意味するかと申し上げますと、通話料が四ドル以内の場合にはこれ以上の料金がかからないということ、それから平日の昼間、時間無制限で十・二セント、十三円、それから夜間、土曜日、日曜日、祝日には三五%から六〇%程度の割引があるといったような種類のものだというふうに承知をしております。
○佐藤(祐)委員 アメリカにはいろいろな電話会社が千四百以上あるのですか、私がニューヨークを選びましたのは、東京と比較する上で非常に似ているのですね。大体カバーする範囲も一緒だ、二十三区とほぼ同面積、それと大都市でありますから、そういうことで今お尋ねしたのですが、ニューヨーク電話会社の場合には三種類の料金制度がありまして、加入者が自由にそれを選択できるということになっているわけですね。
 そのうちの一つが非測定制度、通話を測定しない制度という意味合いになるわけです。非測定制度は、一定の月額、七・二五ドルを払います。今の百三十円レートでいいますと九百四十円くらいにしかならないと思います。これは今四ドル分ということを答弁でおっしゃいましたが、それはちょっとわかりにくいので、こういうことなんですね。
    〔委員長退席、額賀委員長代理着席〕
 これは平日の日中ですが、一通話十セント。これは時間は無制限なんですよ。これは非常に大事なところなんですけれども、一通話が十セントで十五分でも三十分でも五時間でも無制限にかけられるという制度である。それが夜間とか土曜、日曜、祝日になりますと最高六割までの割引があるのです。ですから、平日の日中だけでなくて、そういう日祭日も使いますと、四十通話じゃなくて五十通話、六十通話もかけられるということですね、一通話十セントとして。六十通話かけても、時間無制限でかけられるということになっておるわけですね。それを超えた分だけ通話料を払うという仕掛けです。ですから、ニューヨークの場合は一般家庭のほとんどがこの非測定制度を選んでいるということになるのです。大学生なんかの子供を持っている人はお感じでしょうが、このごろ長電話が物すごいですよ、そういうのはすべてこれでカバーされるというような制度。
 測定制度というのは、若干月額が安くなるかわりに一通話の時間が無制限ではない、いろいろあるわけです。
 三番目の基本料制度というのは、基本料が三・四五ドルとうんと安いのですね。それはそのたびに通話料を加算する。この電話はどういう人が選ぶかといいますと、余りこちらから電話をしない、専ら電話を受けるというふうなケースがあるのですね、そういう家庭の場合にはこの料金制度を選択する。つまり、加入者が自分に一番有利な料金制度を選択することができる、そういう配慮も行われておるということですね。こういった点はこれまでの日本の体系の中にはないわけです。ですから、私はぜひ国民の利便を図るという観点でこういうことも検討していただきたいなというふうに思っております。
 それから、市内料金がどんなに日本と対照的に違うかという問題ですが、夜間に割引制度があるということは今奥山局長の答弁でありました。これがなかなかよく考えられたものなんですね。具体例で言った方がわかりやすいと思います。イギリスの場合にはピーク時と標準時と閑散時と三段階に分かれているわけですね。閑散時の使用についてはうんと安くなっているわけです。西ドイツの場合もいわばピーク時と閑散時の二種類、フランスが、これは大変おもしろいのですが、赤の時間帯、白の時間帯、青の時間帯というふうにある、三色旗とおそろいですね。さらに、夜の青の時間帯というのがあるのです。夜の青の時間帯というのは本当に安いのです。大体、早朝が青で日中は赤とか白になりまして、十一時半から翌朝六時までは夜の青の時間帯というので、単位料金十八円ぐらいになるのですが、三分どころか十八分かけられる。深夜の長電話なんというのもこれでは割合安い負担で済むというふうになっておるわけです。
 確かに、三分以内というところだけで見ますと安いということですが、三分を超えますと大体は日本の方がはるかに高くなっていく。もっとも、イギリスの場合のピーク時というのはかなり高いようです。しかし、イギリスの場合も閑散時、夜の時間帯で見ますと、やはり日本よりも安いのです。一時間通話したとき、日本の場合は二百円ですが、百八円ぐらいで済むというようになっておるわけです。ほかのフランス、西ドイツの場合はピーク時、閑散時ともに大体日本よりはるかに安いということができます。
 フランスで一番安い夜の青の時間帯というのをちょっと紹介しておきますと、基本は十八円なんですが、ですから三分まではやはり日本の方が安いですね。それを超えますと、例えば切りのいいところで、三十分かけますと日本だと百円かかるのですが三十五円で済むのです。一時間ですと二百円のところが七十一円で済むということになっておるわけです。
 要するに、それだけ電話事業というのは通話量のピークというか、そういうところに合わせて設備をつくらなければならぬということですね。トラフィックが一番多いところに合わせて設備をつくる。しかし、それも賄い切れなくて、きのうでしたか不通状態が東京都内でも起きたということもありますが、それだけにピークに集中しないように閑散時に低料金を設定することがトラフィックの誘導効果を持つ、平準化に役立つというようなこともあって、これはなかなか考えられた制度だ。国民の利便を図るということと同時に、トラフィックの平準化、過大な設備投資を抑制する効果があるという点で、これは大いに研究していただく必要があるのではないかと思っておるわけです。
 それで、今のお話で、三分というのは現時点では妥当なものだというふうに考えておられるという答弁でありましたが、しかし、これはこのところ相当変わってきているのじゃないですか。昔は、電話というのはできるだけ早く切れということを教えられて、私たちもそうしてきたわけですが、最近は電話が交際の場といいますか、そういうふうに変わってきているわけです。小さな子供までも平気で電話を使うというか、そういう時代なわけです。
    〔額賀委員長代理退席、委員長着席〕
 これはNTTの調査の資料に基づいて出したのでありますが、こういうのが出ているのです。主婦の平均通話時間は一回当たり十三・四分、三分よりもはるかに多いですね。二十代の主婦の場合はもっと多くて二十分、若い人ほど多いのですよ。高校生、大学生すべて出ております。NTTの調査で出ておるのです。大学生になりますと平均で二十八分だ。女子は三十五分というふうになりまして、長電話というのは一体どのくらいだというアンケートに対して、平均で百六十六分という答えが返ってきたというのです。確かに大学生というのは夜十時、十一時過ぎから深夜にかけて長電話をするのですね。平均で百六十六分で最長が五時間一分、五時間以上電話したというのは非常に例外的なケースでしょうが、これもNTTさんの調査で具体的に出ているわけです。「NTTレポート」です。「大学生のテレコミュニケーション」、こういう中で読ませていただきますと、サンプル調査ですが、その中でも出ている。
 ですから、三分が非常にいいのだというのはちょっと実態に合わなくなっているのではないかと言わなければならぬと私は思うのですね。もっとも三分以内で終わるというのも一つだけ例がありました。それは夫婦間の電話だそうです。きょうは帰りがおくれるからなとか、食事の用意をしておけよ、その一言二言で終わる。三分以内というのはそれだけだというのです。こういう状況でありますから、もっと合理的な、生活実態に合った電話料金体系、一般的に市内料金の問題にしましても、先ほど三分十円というのはできるだけ長く据え置きたいということがありまして、それはそれでいいと思うのですが、さらに国民の利便を図っていくという立場からの検討をぜひやってもらわなければならぬと思っております。
 それでお尋ねしたいのは、先ほどの遠近格差をできるだけなくしていくということで、値下げもやりましたという御答弁がありましたが、私のこれまでの感じでは、民営化された後どうも値下げがそれ以前に比べて少ないのじゃないかというふうに思っているのです。NTTの財務の成績からいいまして、利用者への還元をもっとやっていただいていいのではないかと思っているのですが、どんなものでしょうか。
○草加参考人 お答えいたします。
 先生からたくさんの御指摘があったわけでございますが、諸外国のいろいろな便利な制度をもっと採用するように検討したらどうかというお話でございます。これは当然でございまして、私どもも独占でやっておりましたころは単一の料金体系というものをとっておったわけでございますが、これからは競争の中でいろいろな形でいろいろな角度から取り入れていかないといけない。たまたま最近TTNetが料金を決めました際にも、我我とはまた違う体系または大口割引の体系、こういうものをとっておるわけでございますし、こういうこともどんどん出てまいりますから、これらを参考にしながら、また国民皆様の御要望を伺っていきながらこういう方向を検討しなければいけない、このように思っているわけでございます。
 ただ、一つ言えることは、料金問題は個々をとらえますと確かに諸外国と比べて劣っている面もございますが、また諸外国もそれをやるためにいろいろと別の面での手当てをしているところもございますので、総合的に考えていかなければならないということはひとつ御理解いただきたい、このように思うわけでございます。
 それから三分につきましては、今おっしゃったように、御家庭でお使いになる利用というものは確かにかなり長電話をしていただきまして、私どもも収益をいただいておるわけでございますが、全体の通話を事務用、住宅総合で見ますと、市内の平均は百四十四秒ということでございまして、六十秒までに終わる通話が大体五二%、それから三分までに終わる通話が大体九〇%ということでございまして、大宗はまだ三分で便利にお使いいただいている向きも多いわけでございますので、一概に例えばフランスとかドイツのように五分とか七分という形をとることがいいかどうか、これらも含めまして今後の検討課題であろうかというふうに考えております。
 それから、最後に御質問いただきました料金の値下げのベースが遅いではないかというお話でございますが、大体私ども公社時代に一年半平均で値下げを実施してまいりました。NTT、民営化になりましてから六十一年七月と六十三年二月と二度値下げをさせていただいたわけでございますが、大体今のところ同じようなペースで値下げを実現させていただいておるというふうに認識しております。しかし、これがいいとは毛頭思っておりませんので、今後とも冒頭に申し上げましたように収益の改善、コストの徹底的な改善を図りまして経常利益をできるだけ多く上げて、それを原資として値下げをできるだけ進めていきたい、このように思っております。
○佐藤(祐)委員 市内料金の問題でもう一つ加えて言っておきますと、今事務所用などを含めてという数字でおっしゃったのですが、この問題も考え方が一つ参考になると思うので申し上げておきます。
 フランスの場合は、一昨年十月ですが、料金改定があったのです。その際に、住宅用ですね、一軒で二台電話を持っている家、結構このごろふえてきていますね、住宅でも。それ以上、三台、四台というのは余りないと思うのですが、二回線以下の加入者の基本料金は引き下げたのです。逆に三回線以上の加入者、これは料金を引き上げるということをやっているわけですね。やはりこれは一つの哲学だろうと思うのです。
 それからまた、やはり住宅用、一般利用者用について特別に配意をするというのは私は大事なことだというふうに思うのです。その点でもう一つ例を申し上げておきますと、西ドイツですが、ここは加入者に単位料金で二十度数までは無料になっているのです。それから、特に低所得者についてはさらにプラス三十度数、ここまで無料にする。合わせて低所得者は五十度数まで無料になるということがやられているわけです。日本の場合には福祉電話という制度、これは自治体の方の努力でやられているのがありますけれども、そうではなくて、電話会社なり公社なり形態は違うのですけれども、そこの主体的な方針とか考え方としてそういうことがやられている。こういうのも十分考えていく必要があることだろう。住宅用で考えますと、先ほども申し上げましたように通話時間は全体に大変長くなっているのです、奥さんも子供も。おやじがきょう帰り遅いよという電話だけが二分以内、そういうのが実態ですから、そこを区別して考えていくことが大事だというふうに申し上げておきたいと思います。
 それから、今御答弁いただいた値下げのケースですが、ことし二月十九日の値下げ、これによる減収見込み、それから六十一年七月の土曜日の料金値下げによる減収、これは大体どんなものですか。
○草加参考人 お答えいたします。
 この二月十九日に値下げいたしましたケースが二つございまして、一つは三百二十キロを超える通話料の値下げ、一つは離島通話料の改善値下げでございます。遠距離につきましては平年度ベースで七百億円、それから離島につきましては百億円、計八百億でございます。ただ、下がることによりまして通話が喚起されまして収入が上がりますので、実際に経営に響く金額といたしましては、百億戻るということで七百億円でございます。
 それから一昨年の七月に実施いたしました土曜日料金の値下げは、実際に響く料金といたしましては、名目で五百億円下がりますが、これが若干戻りますので四百五十億くらいの減収というふうに考えております。
○佐藤(祐)委員 それで、公社時代とテンポ変わらずやっているという御答弁だったのですが、これも若干違うんじゃないかなと思うのですね。公社時代は、五年間をとりますと五十五年、五十六年、五十八年、五十九年と、五十七年だけなかったのですが、毎年遠距離料金あるいは夜間割引制度の拡大などをやってこられておるわけです。一年半の周期というのには必ずしも当たらないというふうに思うのです。ですからそういう点でも、回数もやはり少ないと思いますし、今額をお聞きしましたが、公社時代のは大体千五百億から千四百億くらいの還元をやってきておられるわけです。それから見ますとこの二回は半分程度ということで、私はどうも民営化後の方がサービス還元のテンポが遅くなっているというように思うのですね。それは率直な話、NCCとの関係があるのじゃないかと思うのですが、そういうことを指摘する新聞報道もあったんですね。
 といいますのは、ことし二月の値下げに際して、一〇%の値下げだったわけですが、三百二十キロ超の通話料ですね、当初議論の段階では一七・五%とか二五%値下げ案も出ていて、NTT社内では一七・二五%ですかね、それが一番支持が多かったというようなことも報道されているわけですね。それがどういうわけか低い値下げにとどまった、このあたりは一体どういう、NCCへの考慮などが働いているのかどうか。
○草加参考人 お答えいたします。
 今回の値下げを実施するに当たりましては、私どもも事前にいろいろと検討いたしまして、今先生御指摘のような、当然検討案といたしましてはいろいろな案を考えたわけでございます。また、それが財務的にもつかどうかということも含めまして幾つかの案を検討いたしました。これらにつきまして、それぞれ国民の皆様方にどのように受け入れられるかということも含めまして関係方面のいろいろな御意見も伺って、私どもが主体的に一〇%値下げということを決めさせていただきました。当然NCCに対する配慮もございましたが、これだけではございませんで、いろいろ財務的な面、料金体系全般の問題として決めさせていただいたわけでございます。それをもとに郵政大臣の認可を受けた、このようなことでございます。
○佐藤(祐)委員 先ほどのことを正確にしておきます。実行されたのは一〇%ですが、過程で出たのは一七・五%案と二五%値下げ案ですね。多い方はいずれも否決されて結局最終的に一〇%になったということです。
 今、NCCへの考慮も若干あるというふうな御答弁でした。私は、かなりこれがあるのじゃないかなという気がするのです。それではやはり国民の利便の側から見ますと、NCCに配慮するために、つまりNCCの経営が成り立つようにするためにNTT側が一七・五%値下げできるところを一〇%しか値下げしないというようなことでは、ちょっとこれは筋が違うのじゃないか、話が違ってくるのじゃないかというふうに私は思うのです。そうではなくて最大限国民に利益を還元していくということが大事だと思います。
 二年前の逓信委員会で今の副社長をなさっておられる児島常務にお聞きしたときに、こういうことをおっしゃっていたのです。
 大体三千数百億の税引き前の利益があれば社会的責任が果たせるであろう、それから社内的にも安定的な運営ができるだろうというふうに考えておりますので、三千数百億以上の利益を得て、これを値下げに回したいという定性的な考え方は持っております。
と言われておるわけです。
 それで、NTTの六十二年度の税引き前利益は四千四百九十億ですね。六十三年度の事業計画でも、先ほどのような値下げを見込んだ上で四千五百億の利益を見込んでおられるということだと思うのです。私は、三千数百億という児島副社長が言われた数字はちょっと過大じゃないかという気もしているのですが、いずれにしましても、児島副社長の答弁によりましても三千数百億を超えた分は国民に還元していくのだ、値下げに回していくのだということでありましたから、やはりそういう方向を中心にやっていただきたい、NCCへの配慮を先行させるのではなくて。そう考えますが、その点考え方の問題としてどうですか。
○草加参考人 お答えいたします。
 先ほどNCCへの配慮ということは、それも入っておるということを申し上げたのでございまして、もちろん財務的な問題その他あらゆることを考慮して今回の値下げが一番適切であるというふうに判断したということをもう一回言わせていただきます。
 それから、今先生御指摘の六十二年度の経常利益の見込みそれから六十三年度の計画、御指摘の数字のとおりでございます。これはこの逓信委員会で児島副社長が答弁しましたように、値下げにできるだけ回していくということは基本方針としては変わってございませんが、これをどのような形でどのような時期に実施するかということは、冒頭から先生が御指摘のように、料金体系全体の問題としてとらえて、それらを十分に検討した上で関係方面の御理解を得ながら実施していきたい、このように思っているところでございます。
○佐藤(祐)委員 料金体系を検討してということでありますが、はっきりしていることは、冒頭に言われた遠近格差の是正ということでこの間もやってきているわけですね。私はこの際、六十三年度四千五百億円の見込みでありますから、ぜひサービスに還元をしていただきたいわけですが、これまで、昭和五十五年からとりまして六回の値下げなんですが、この一つの特徴は、六十キロ未満は一回もなかったということなんです。いろいろな比較をしてみますと六十キロ未満も決して安くはないのですよ。ですから、六十キロ未満のところも対象に入れて値下げの検討をやっていただきたいということと、冒頭いろいろ例を挙げて申しましたが、市内料金の割引制度、幾らか段階をつけて割引制度を採用していく。この段階のつけ方も先ほど紹介したようにいろいろありますが、おおむね各国共通して言えることは、土曜日と日曜日、祝日、これをうんと安くしているというのと、平日の、早いところはフランスの場合は午後六時から安くなるとか、いろいろな違いがあるのですが、夜間は安くする、そういう方向でぜひ国民へのサービス還元、利便を図るということを要望したいのですが、どうでしょうか。
○草加参考人 お答えいたします。
 最近認可申請をいたしましたINSネットサービス、ISDNでございますが、これが将来の主流になっていくサービスでございまして、通話、非通話、かなり高度な使い方ができるネットワークサービスになると思います。これが近々サービスを開始する予定でございますが、これが急速に伸びてまいりますと、一体通話の料金体系はどうあるべきか、それから通話でない非電話の料金体系はどうなるか。将来は非電話の方がウエートがかなり高くなってまいると思いますので、これらをあわせて将来を展望した形で料金体系の是正というものを私ども進めていきたい、このように思っております。そのためにもちろん値下げのスピードをおくらすということではございませんが、将来あるべき料金体系というものを見据えながら、今先生の御指摘のように国民に便利ないろいろな制度を検討して料金体系というものを是正していきたい、このように考えているところでございます。
○佐藤(祐)委員 夜間割引その他、あるいは西ドイツでやっているような二十度数までは無料だとか低所得者層にはプラス三十度数だとか、そういったきめ細かいサービスをぜひ推進していただきたい。ですから、市内料金については値上げということは頭から捨ててしまう、どう安くしていくかというのが課題だということを私は申し上げておきたいと思います。
 次、番号案内の問題。番号案内についても有料化というようなことが言われてきておったのですが、これについてはどう考えていますか。
○草加参考人 お答えいたします。
 番号案内については、現在まで電話料金全体の中で賄うという観点から無料にしてまいったわけでございますが、近年、これらの通話の利用実態を調査いたしましたところ、約二割のお客様が利用全体の八割を占めてきておるというような利用の偏在がわかってまいりまして、負担の公平という面からこれらは何らかの是正を図りたい、このように考えております。
 それから、ここ数年、先ほど先生いろいろ御指摘の諸外国、先進国におきましてほぼ全部有料化が終わっておる、または進んでおるというようなことでございますし、これらにつきましては、番号案内のあり方について幅広く検討いたしておるところでございまして、具体的には関係方面の御納得を得ながら進めていきたい、このように考えております。
    〔委員長退席、小澤(潔)委員長代理着席〕
○佐藤(祐)委員 特定の人が利用している利用の偏在ということが言われました。どうもそういう実態もあるようではありますが、しかし、そういう人のために全体の加入者が逆に不利益を受けるというのも、これはつじつまの合わない話だなということもあるのですね。
 それから、実態の面からいいますと、この前私がここでも質問したのですが、ぜひとも必要にしておられる方、視力障害者の方がいらっしゃる。それから、最近電話帳が分冊になりましたね。東京二十三区で、僕は足立に住んでいますが、足立の方の分しか来ないということになりますね。要望があれば出しますということでありますが、しかしそういうことはしないのですよ、一般には。各家庭には自分の区の分しか来てない。そうしますと、世田谷にかけたい、目黒にかけたいというときには、やはりこれは一〇四で尋ねたい、尋ねるということになるわけですね。そういう実態もありますから、私はこの問題は十分慎重でなければならぬということを申し上げておきたいと思うのです。
 この問題で一つ、考え方の問題としてお聞きをしておきたいのですが、その電話番号の、どう言いますか、周知義務といいますか、これはやはり私は事業者にあるのじゃないかというふうに思うのですね。電話番号というのは自分では選べないわけですよ。おれはこうするぞ、それで、友人、知人に全部連絡するというわけにはいかないのですね。これは、NTTの方で決められるということでありますから、やはりNTTの側で電話番号を、だれそれは、郵政大臣のところは何番だとかいうものをだんだん周知しなければならない。電話帳を出しておられるということもそういうことですね。理念としてはそういうことだというふうに思うのですね。
 そういう観点でいいましても、サービスはずっと歴史も長いのですが、やはり一般加入者に対する番号案内サービスというものは必要不可欠なものだ、せっかくこれまで無料で、そういう多くの国民の利用に供するということで無料で続けてきた制度でありますから、これは一般加入者に負担がかぶさることがないように引き続きやっていただきたい、周知義務という観点からいいましても、そういうことでやるべきであるというふうに考えますが、どう思いますか。
○草加参考人 お答えいたします。
 この番号案内につきましては、私ども毎年約三千億円の経費をかけております。御指摘のように無料でございますので、収入は一切入っておりません。そうしますと、先ほどの先生のお言葉でございますが、負担の公平という面からいきますと、多く利用する方に持っていただかないと、ほとんど利用しない方はその多く利用する方の犠牲で料金を、その三千億を負担している、こういうことになるのではなかろうか。また、先ほど申し上げましたように先進国もほとんど有料化を実現させておりますが、これらを実現することによりまして、この番号案内の経費を一般に負担することを避けまして、先ほど先生がいろいろ御指摘の新しい便利なサービスに振り向けることができるのではなかろうか、このようなことも考えられますので、今ここで結論を出すわけではございませんが、今後そういうことも勘案しながらこの問題については取り組ませていただきたい、このように思っております。
○佐藤(祐)委員 確かに矛盾がある点は私も感ずるのですね。一部の利用者が八割も使っておる、その数字が正確であるとしましてです。そういう矛盾のある面は感ずるのですが、同時に、そのために一般の加入者が不利益を受けるというのも不都合だということもあると思うのです。それから、諸外国の例も話されましたが、しかし、それも一律でもないですね、諸外国の場合も。例えば住宅用電話には月何回までは番号問い合わせが無料という制度をつくっておるところもあるのですが、全部有料じゃありませんからね。それから、電子電話帳的なものですか、そういうものを使って無料で検索ができるというシステム開発をしている国もあるわけですね。ですから、外国は皆有料になっておるというふうにおっしゃると、これもやはり正確でないと思いますので、そこは申し上げておきたいと思います。
    〔小澤(潔)委員長代理退席、委員長着席〕
 この問題の最後に大臣にお聞きをしたいのですが、電電公社の民営化につきましては非常に大きな議論がありました。その際、民営化というものは、民営化と競争によって国民が利益を受けるのだということが、政府の公約といいますか、強調されたことです。当時の奥田郵政大臣は、委員会で、「今回の法案を成案化いたしますれば、新電電も新しい競争原理の中で安い料金、料金値下げという形で必ず国民利用者に報いてくれるということを確信いたしております。」こういうふうに言っておられるのです。
 まあNTTはいろいろ努力もあって四千五百億円という利益を上げられるという状態で来ているわけでありますが、その場合にも、先ほど言いましたように、副社長答弁で三千数百億円を上回る分は基本的にできる限り値下げで還元するということであったわけです。それで、民営化後も二度若干の値下げをしてきておられるわけですが、以前に比べますと、私が具体的に申し上げましたように額も半分ですし回数も少なくなっておると思うのですね。それと同時に、今、市内料金の問題をきょうは中心にお話ししました。お聞きいただいたと思いますが、この市内料金につきましても、従来はいつ値上げになるかというような心配の議論が多かったのですが、こうやって改めて見ていくと、値上げではなくてむしろ市内料金体系の中でもどうよりサービスをしていくかということの方があるべき姿だろうというふうに思うのですね。そういう点で、所管の大臣としまして国民の利便が一層よくなるような方向で対処していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○中山国務大臣 私も、真藤社長にお目にかかりますたびに、ひとつ国民の利便にかなうような方式でできるだけ利益を還元していただぎたいというお願いをしておりまして、先般の三百二十キロ以遠の料金の値下げ、それから特に沖縄が、かつての第二次世界大戦の中で陸上戦闘のありましたのは沖縄だけでございますから、当然沖縄には特別の配慮をという言葉が耳についておりますので、遠隔地の中でも沖縄には特別の御配慮を願いたいということを申したわけでございます。
 特に先ほどからお話のありましたように、新規参入がいずれ本当に公正な競争を堂々とできるような配慮も同時にしていかないと、これが長い月で見た場合には国民の不利益につながっていくようになってはぐあいが悪い、特に自由化という形をとっております中ではその配慮が必要だということから、そんな雰囲気もお話をいたしておるわけでございまして、先般もお目にかかりましたときにもまたひとつよろしくお願いしますということは申し上げてございますし、単位料金区域というのが五百六十七でございましたでしょうか、東京が十一区に分かれておりますが、今の隣接区域へかけた場合の点なども考えまして、これからどういうふうな配慮をしていただけますやらわかりませんけれども、私といたしましては、なお一層新規参入の企業との公正な競争を、後ろに目を配りながらと申しますか、ますます国民のために配慮をし、そして民営化されましたその生き生きとした企業を守り立てつつ料金の値下げにつながるような結果になってもらいたいと願望いたしております。
○佐藤(祐)委員 次に、NTTの方に通信衛星について。けさも若干ここで議論があったのですが、NTTさん御本人から……。
 新聞報道がありまして、NTTがコスト高を主な理由はCS4からおりて独自の衛星を開発、保有したいという意向がある、こういう要望を宇宙開発委員会に提出したという報道があったわけですね。まずこれは事実かどうか、事実とすれば非常に大きな影響のある問題だと思いますのでお聞きしたいと思います。
○宮津参考人 お答え申し上げます。
 次期の宇宙衛星については宇宙開発委員会でいろいろ議論されておると聞いておりまして、去年の暮れだったと思いますけれども、そこからヒアリングということで意見があったら言うてくれというお話がございました。正式なものではないというふうにお聞きしているのですが、正式な意見ということじゃなくて、実は私どもといたしましてはまだ意見を固める段階に至っておりませんで、中でいろいろ議論している最中でございますが、そういう機会がございましたものですから、こういうことは申し上げました。
 一つは、サービスが多様化していく関係で、将来ともにこれから通信衛星というのはいろいろ使っていかなければいけないんではないかと思っていますということが一点でございます。それから二点目としては、新規の通信業者も衛星を打ち上げたりいろいろしておりまして、我々としてこれからそういうものを使って、国産の衛星ということもありますし、使っていくというようなことになりますと、いわゆる経済化というのでしょうか、衛星をいいものを安く上げてほしいという希望がございますということは申し上げました。あと開発の期間をなるべく短くしてくれとか、そういうようなこともありますが、NTTが何か、今おっしゃいました、報道にありましたような手を引くとかなんとかいうようなことを何も申し上げておりません。
○佐藤(祐)委員 CS4からおりるというようなことは言っていないということですね。そうですか。そのあたりがちょっと午前中のやりとりでもはっきりしなかったのですが。
 では郵政省にお聞きしますが、CS4は当然打ち上げる前提でいろいろなことが進んでいるのだと思うのですが、NTTはその中でもCS4の最も大きなユーザーですね。今そこまでは言ってないという答弁であったわけですが、仮にNTTがおりるというようなことになりますと、これはCS4計画そのものが成り立たなくなるといいますか、そういう事態にもなりかねないと思うのですが、郵政省の方ではそのNTTの対応を含めてどういうように見通しを持っておられますか。
○塩谷政府委員 先生おっしゃいますように、この間打ち上げましたCS3におきまして、いろいろユーザーがおりますけれどもNTTが最大のユーザーであるということは事実でございます。現在のCS3の形態というのがそのまま仮にCS4に移行するということになれば、当然そこでもNTTが大きなユーザーであろう。そこでNTTがおりるということになるとCS4は一体どうなるのかというお尋ねでございますが、実は今NTTの内部でもいろいろ議論されておられると承りましたし、いろいろ今までの自主開発路線ということで来ましたCS2、3ということの状況に加えまして、民間業者が外国の衛星も買って打ち上げるということでもありますし、いろいろなニーズに応じた衛星にアプローチしやすい状況もあるわけでございます。
 そういう状況で、じゃこれからどうなっていくのかということ、これは時間的には今のCS3が七年ほど寿命がございますので、七十年以降のCS4をどうするかという問題になろうかと思いますが、この問題につきましては、今申し上げました、国のこれまでやってきました自主開発路線とそれからNTTを含めたユーザーの安い、使いよい衛星をという要望、この辺を考え合わせて、そういう通信衛星も含めた宇宙開発政策をどうするかということを宇宙開発委員会で新たな宇宙開発政策大綱という形で検討していると承っております。その検討結果を待ちたいと考えております。
○佐藤(祐)委員 次に、NTTのテレホンサービスについてお伺いします。
 NTTがファミコンゲームの任天堂とタイアップしてテレホンアドベンチャーというテレホンサービスをやっている。実際の仕事はNTTの子会社のNTTアドがやっているようでありますが、これはどんなものですか。なぜまた任天堂と共同してファミコンのゲームソフトづくりなどをやっておられるのですか。
○西脇参考人 お答え申し上げます。
 ただいま先生のお話にございましたファミコンゲームでございますが、任天堂の方からこういう企画があるんだがというお話がございまして、それがNTTアドに持ち込まれたわけでございますが、NTTアドは代理店としまして、その任天堂が企画されたものをテレホンサービスの必要なものにつきましては私どもの方にこれだけこのポイントに回線が要るということで申し込んでこられたものでございます。
 今のゲームそのものの内容についてでございますが、ゲームそのものは普通のファミコンゲームでございますが、電話を使って電話でヒントを聞きながら進めていくというところが一つの特徴でございます。
○佐藤(祐)委員 御存じない方も多いかと思いますのでちょっと紹介しますが、「アイドルホットライン」というので「キミだけに贈る恋愛マニュアル 中山美穂のトキメキハイスクール」こういうものなんですよ。随分あちこちに広告が出ておりまして大宣伝して大発売をされているわけです。これは今ちょっと答弁にあったのですが、このゲームを最後までやっていくには途中で十回電話をかけなきゃならぬようになっているわけです。電話をかけて中山美穂がいろいろしゃべるのですね。そのシナリオも持ってきております。実際にダイヤルして私も聞いてみたのですが、ちょっと甘い声でいろいろ言うのですよ。まあそれはやめておきましょう。
 それで、とにかく私が思いますのは、十カ所電話をかけないと――中山美穂の言葉の中に次に進むヒントが出てくるわけです、わかりやすく言うと。これが札幌へ二回、東京二回、横浜二回、大阪二回、福岡二回、これだけの電話をかけなければ進行しない、終わらないという仕掛けになっているのです。いかに増収になるからといって子供にそういう長距離電話をかけさせるやり方はけしからぬというふうに私は思っているのですが、NTTはこれによって幾ら増収があるというふうに見込んでいますか。
○西脇参考人 ただいま先生札幌、福岡、大阪とおっしゃいましたが、そのほか東京、横浜もございます。(佐藤(祐)委員「それも言いましたよ」と呼ぶ)それは失礼いたしました。
 これは、実際にゲームを解いていく場合に非常に難しい部分がございまして、その部分は実は考えれば解ける部分でもあるのですが、余り長時間考えているわけにもいかない場合にはヒントをということでやるようになっております。これは、このゲームの筋書きに沿って組み立てられておりますから、私どもとして、それが一体どのような場所でどれだけの増収になるかということを明確に承知をしておるものではございません。
○佐藤(祐)委員 増収見込みは幾らになっておるのですか。
○西脇参考人 増収見込みは立てておりません。
○佐藤(祐)委員 そういういいかげんなことを言ったら困るのです。これは東京総支社が各電報電話局にあてた文書があり、そこにはっきり出ているのです。「各電報電話局第二営業担当課長殿、試験担当課長殿、電話運用担当課長殿」というもので「任天堂テレホンアドベンチャー テレホンサービスの実施について」というのがあるのです。「テレホンサービスについては、増収政策の一環として積極的に普及拡大並びに利用促進を図っているところですが、この度、新しい形のテレホンサービスを任天堂とNTTアドが実施することになりました。サービス開始に当たっては、関係部門と十分な検討を行ってきたところですが、」云々と趣旨が説明してあって、そして「テレホンサービスの概要」として「ファミリーコンピューター用のディスクソフトの中にテレホンサービス番号を入力しておき、ゲーム(高校を舞台にしたラブロマンス)の進行に合わせて、全国に指定した十カ所のテレコールポイントに電話をかけながらゲームを進行させていくものです。」というふうにやり方も説明してあるわけです。
 そして、これによるテレコールポイントは、東京二、関東二、関西二、北海道二、九州二の十カ所と「ダイヤル通話料の収入見込み」というのもありまして、「四十億円」こういう数字がはっきり印刷されたものがあるのです。こういう事実があるのにそういういいかげんな答弁をするのですか。
○西脇参考人 お答えいたします。
 ただいま先生のお示しになりました文書は、たしか社内のある支社から電話局等に対して連絡文書として流したものであろうかと思います。その中に御指摘の収入見込み額云々というのが確かにございますが、これは単にどのくらいソフトが売れて、それから任天堂は公称千円くらい電話料がかかるだろうといっておるものですから掛け算をするとこうなりますと書いてあるだけでありまして、私どもとしてそれを事業計画等できちんと収入見込みとして上げておるものではございません。
○佐藤(祐)委員 さっきは収入見込みを出してないと言いながら、ここでははっきりと「ダイヤル通話料の収入見込み」「四十億円」、それで百万本売れて何回電話をかけるからどうだというふうにも書いてあるのです。
 だから、私はこれは問題だと思うのです。皆さんに考えてもらいたい、これから子供がこんなゲームをやるために北海道へ電話します、ああいいよいいよという親がどれだけいますか。そんな子供を唆すような増収商法はやるべきではないということを強く言っておきたいと思います。大臣、どう思いますか。
○中山国務大臣 その中身によると思います。これからの電気通信、電話、テレコミュニケーションというものは、子供たちの時代が来ましたらますますISDN化して大きな需要を呼ぶものと思いますが、ただし、その中に今お話のありましたような、先生が中身をお読みになりませんでしたので大変残念に思っておりますけれども、むしろ中身を知りたいと思うのです。その中身によると思います。中身が建設的また子供の情操を豊かにしたり子供の知識をふやしたりするようなものであれば、遠距離にかける電話、近距離にかける電話、そういうものに対する子供たちの意識というものを高めるでございましょうし、そして意識を高めながら知識を高めるという結果を生むようなものなら結構でございますが、子供を堕落させるようなものでは、私ども教育的な感覚からいいましても好ましくないものだと思っております。
○佐藤(祐)委員 中身はいろいろありますけれども、それは紹介する時間がありませんから省略しますが、北海道の札幌へ電話して、勉強になるような札幌の何かを聞くということではないですね。ただ、タレントがずっとあちこち渡り歩いて、何とか言ってごめんねとか、そんなことを言うのを聞くだけなんです。それだけで大阪へかけたり福岡へかけたりしなければならぬというのです。これはもうこれでやめます。全くこういうものはやめてもらいたい、そういうことを強く言っておきます。NTTどうも御足労でした。
 それから最後になりますが、前回の委員会で問題になりました簡易保険の問題です。これについて私も若干お聞きをしておきたいのです。
 二月に東京国税局が、簡保の集金人の方のいわゆる脱税だというので八百二十九人から三億六千万円の追徴課税をしたということがありました。これは私は非常に大事な重要な問題だというふうに思うのです。
 それで前回の委員会でもやりとりがあったわけですが、問題は、集金人の方が郵便局から、座間であったり松戸であったり千葉であったりするわけですが、一様に共通しておりますことは、税金のことは心配しなくていいのだというふうに言われて集金をやってきた、それが突然税金を払えということになったので、大変びっくりして困っておられる、こういう事態なんです。
 前回保険局長は、調査をしたが具体的事実については確認できていないというような答弁をなさったのですが、何をどう調べられたのか、何が確認できなかったのか、お答えいただきます。簡潔にお願いします。
○相良政府委員 昨年の六月に、東京の大森郵便局の払い込み団体について某紙に報ぜられました。そういうこともございまして、その後一部の新聞にも続報がございましたので、関係します局に関東郵政局を通じましてそれぞれの事実について確認をいたしたわけであります。特に、先生がおっしゃいましたように、郵便局サイドにおきまして税金を納める必要がないとかそのたぐいのお話を申し上げたということであればゆゆしいことでございますので、その点について特は調査をいたしましたけれども、関連各局におきましてそのような事実はないという報告を受けておるわけでございます。
○佐藤(祐)委員 結局、後から問題になってあわてて言った覚えはないというふうに、それは皆そう言っているわけです。関東郵政局に、相模原と座間の郵便局管内で集金をやっておられた方が要望書を持っていかれた。去年の十二月十五日です。それから、千葉の柏郵便局に要望に行かれた人たちもいるのですね。その人たちは集金人御本人なんですよ。当事者なんですね。だから、言っているはずはないという報告になっておっても、実際には集金人の人たちは皆そう言われたのだと言って、何とかしてもらわなければならぬということで交渉にも行っているのですね。だから、いつまでもそういう言い方ではこれは済まぬ問題だというふうに私は思うのですよ。
 きょうはもう時間がなくなりましたので詳しくやれませんが、しかもどこか一つの局で起きたというのなら、ある一部の地域で起きたというのならまた違うことがあるかしれませんが、今回関東一円で起きているのですよ、同じようなことが。これは、結局郵便局が同じような方針でそういうことをやっていたということしか考えられないわけです。私は、保険局長の答弁ですが、それでは問題は済まない、重ねて調査をしてもらいたいということを要望したいと思うのですね。
 ちょっと時間がなくなっちゃったので私の方で言いますけれども、こういう問題が起きている地域、郵政から資料をいただきました。松戸とか座間とか相模原とか、特に今度の問題で集金人の方が税金問題でいろいろ困った地域ですね。そうしますと、大体団体保険というのは、この前の答弁でも全国で三五%くらいだった。それが五〇%超えているのですね。異様に団体保険の比率が高いのです。こういう問題がどうして起きているか、この点どう考えておりますか。
○相良政府委員 全国の平均をとってみますと、ボランティアで、つまり報酬なしで集金をされている払込団体が約七割という数字になるわけでありまして、今お話のありました相模原、座間両局で見ますと、大体六六%程度、つまり三分の二が対価を得て集金をしておる団体である。なぜこの両局が高いのかというお尋ねでございますが、何もこの両局だけではございませんで、北海道にしても仙台にしましても、大都市周辺における特にベッドタウンの各局においては似たような状況になっておるということでございます。
○佐藤(祐)委員 ちょっとお話が違うのです。全契約数に占める団体保険の比率のことです、私が言いましたのは。それが全国平均は三五%というふうに答弁をされたわけです。今回いろいろ問題が起きている地域、資料をいただきましたところが、六割を超えているというところも大変多いのですね。これはやはり団体保険のやり方に大変問題があるということですが、ちょっときょう時間がなくなりましたので、その詳しい問題提起はまた次回にでも譲ります。
 ただ、大臣にもちょっと聞いていただいて解決を図るといいますか、していただきたい問題というのはあるのですね。郵政省からまず答えてもらっていいのですが、集金人というのは本来は団体から委嘱するという建前ですね。そうでしょう。ところが、千葉と神奈川で集金の人たちに直接聞きました。二十九人の方に会って聞き取り調査をしたのですが、そのうちの十九人の方が郵便局から直接頼まれたと言っているのですね。しかも保険課長が面接をして採用するというふうな、そういうケースもあるのですね。現にあるのです、これは。千葉の別の例では、信用のある会社に勤めている人か公務員の奥さんかどちらかでないと採用しないという基準を設けてやっているところもあるのですね。明らかに、局が集金人をじかに採用するという、本来の姿としてはおかしいようなことが起きているわけです。きょうはもうその一点に絞ってお聞きしておきます。
 大臣、集金人の方が、これは婦人が多いのですよ。税金のことは心配要らないと郵便局から言われますと、国の機関が言うんだからそうだろうというふうに思い込んじゃうのも私は無理がないと思うのですね。そういうことでやってこなかったら、突然さかのぼって申告せよ、それで追徴金を取られたという事態が起きたということですね。これは問題が御本人だけにとどまらないのですよ。夫がいる、夫の扶養家族になっているということがあるわけでしょう。そうしますと、夫のここ数年の申告もうそだったということになるのですよ。会社でその点を詰問されて、その夫の方も修正申告で追徴金を払わなければならぬという事例がたくさん起きているのですね。これは経済的な問題だけじゃなくて、夫が、何だ、おまえは所得を隠した、うそをついていたじゃないかというふうにその勤め先で言われて名誉が傷つくというような事態まで起きているのですね。
 だから、今回の問題というのは相当深刻な、影響も大きい問題なんですね。保険局長は、そう言った覚えはなかったというふうな答弁だけで済まさずに、とにかく大事な郵政事業の中でいわばそれを下から支えているような集金の方に大変迷惑が起きている事態が起きたわけですから、そういう責任は私はあると思うのですね。それで、しかるべき救済策といいますか、夫の名誉回復とかそういうことが必要だと思うのですが、責任あるかないかということを含めてちょっとはっきり答弁してもらいたい。
○相良政府委員 もともと払込団体制度というのは、郵政省サイドにとりましては集金の簡素化、さらには契約の維持という点に効果があるということでやっておるわけでありますし、また一方加入者の方々から見れば、七%の割引料を大変有効に使うことができるという、両方にメリットのあるそういうシステムでございます。そして、団体の組成、その他維持につきましては郵便局も、そのように両方にメリットがあるわけでございますから、団体に協力も申し上げるし、お手伝いをするということもあるわけであります。そういうことで、ただし私どもと団体の関係は、団体を代表される方との関係になっておりまして、その団体内部におけるところの七%をどのようにお使いになるかとか、あるいはどういう方に集金を委嘱されるかということについては、直接私どもの方でどうこう申し上げるということにはないわけであります。
 それから、扶養手当のことのお話がございますが、扶養手当はいろんな会社によって支給規定があるいは違うかもしれませんけれども、おおむね扶養手当の支給を受ける方が実際に幾らぐらい所得があるかということの申告を求めておるというふうに理解をいたしております。したがって、この点については納税等との関係はないというふうに理解をしておるわけであります。
○佐藤(祐)委員 今の答弁はもう私の方は反論がすべてにあるような答弁ですが、もう時間が来ましたので後に譲って、きょうのところは終わります。
○塚原委員長 上田利正君。
○上田(利)委員 外国から大量のダイレクトメール等の通常郵便物が日本に差し出されている、この問題を最初に質問したいと思います。
 最近のマスコミの情報によりますと、我が国の商社などが香港やシンガポールに郵便物を大量に貨物で運びまして日本に逆に差し出しをしている、こういう報道がございました。今日、国内郵便の封書につきましては六十円でございますけれども、最近の円レート、香港ドルで見まして二十二円で香港から郵便物を日本に届けることができる。シンガポールからは一通大体三十三円で配達がされるという。例えば五万通を、これを国内で出しますと三百万円かかるわけでありますけれども、香港から出しますとこれが百十万円、実に百九十万円が国内で郵便を出すよりも外国である香港から出した方が安い、こういうことのようでございます。郵政省としてこの事実は、そういう事実があるのかどうなのか、それをまず伺います。
○田代政府委員 遺憾ながら、そのような事実はございます。
○上田(利)委員 それで、日本の郵便が何でこんなに高いのですか。ここをちょっとお聞きをしたいのですが。
○田代政府委員 日本が高過ぎるのかほかの国が安過ぎるのか、議論いろいろございますが、各国それぞれの国の郵便料金は自分の国での取扱経費が主でございまして、それぞれの国の取扱経費ですとかあるいは物価水準などに基づいて郵便料金を決めております。したがって、それを反映いたしまして国際郵便の値段も高い安いが出てまいります。したがって、香港とかシンガポールといった東南アジアの諸国は日本は比べますと国際郵便が大変安い、こういうことになっております。
○上田(利)委員 論争はしませんけれども、我が国の物価が高過ぎる。香港の郵便料金で見れば大体三倍近いわけでございますから、経済大国だ、日本は金持ちだといって、金持ちの国の郵便が高いということが、これが許されるかどうかということもありますけれども、いずれにしてもきょうは論争は避けます。
 そこで、このような郵便物につきまして調べましたら、万国郵便条約というのがございまして、この二十三条にこうあるのですね。こういうものが大量に外国から日本に配達せよということで来た場合は、差し出し元へこれを返すということ。それから二つ目は、国内郵便料を、本人の了承を得ればいわゆる差額料を取って国内で配達をする。もう一つは、どうにもむにやむにゃしているような場合については、これは廃棄処分に、焼却するかどうか知りませんけれども、廃棄処分をすることができる。大体こういう三つに、この間見ましたら条約には書いてあるわけでございますが、そのとおりでしょうか。
○田代政府委員 結論から申し上げますとそのとおりでございますが、若干説明させていただきますと、万国郵便条約の二十三条で、ある国の居住者が外国から自国あてに当該外国で定める低い料金、それの利益を受ける目的で、例えば日本なら日本に差し出す、あるいはそういった目的の有無にかかわらず大量の通常郵便物を差し出した場合、こういった場合には、受け取った方の郵政庁はこれを引き受ける義務あるいは配達する義務がない、したがって、これを返すかあるいは国内の料金を取って配達する権利がある、こういった条約になってございます。
 この条約の趣旨は、本来自分の国の郵便局に国内の郵便として差し出されるべきものが、先ほどの、国によって郵便料金が違うことを利用して外国で差し出されるケースがございますので、こういった各国間の郵便の秩序を維持しようという趣旨からの条約でございます。
○上田(利)委員 時間が限られておりますから二、三、一遍は聞きます。
 六十二年、昨年の四月からことしの二月まででいいのでございますけれども、こういうふうな該当する郵便物が何件あり、大体何通ぐらいあるかというのが一つ。それから二つ目は、そういうものについてどういう方法で郵政省としては発見するのか、外国から来た大量の郵便物をどこでどういうふうにして発見するのか、これが二つ目。それから三つ目は、大量とか多数という言葉が使われておりますけれども、大量とか多数というのはその基準はあるのか、一万通以上が大量なのか、十万通なのか、これが三つ目。それから四つ目は、我々もそうでございますが、一般の人たちももう海外旅行が非常に多いわけでございますが、海外へ行きまして、支持者であるとかあるいは知人であるとか友人であるとか、そういう者に千通とか二千通出した場合にも多数というふうな形で二十三条に抵触するのかどうなのかというのが四つ目。この四点についてまず要点だけお答え願いたいと思います。
○田代政府委員 まず第一点の、どれぐらいの件数、物数があるかという御質問でございますが、六十二年の四月からことしの二月までの間の数字で申し上げますと、合計二十四件で約五十一万通発見いたしております。
 第二点の、どのようにしてこれがわかるかという点でありますが、これは大量にまとめて到着いたしますので、外国から、航空ですと、新東京国際空港にあります郵便局は着いた時点で、同一差出人から同じ形状の、つまり差出人の住所、氏名を見ますと、同一差出人から同じ形の郵便が大量に到着いたしますためにこれがわかる、こういうことでございます。
 それから第三点の、大量とはどれぐらいかということでございますが、条約上はこの大量を何通かというのは各国の郵政庁は任されておりまして、日本ではこれを三千通として運用いたしております。なお外国の例を申し上げますと、西ドイツでは五百とかフランスでは千とか、いろいろでございます。
 それから四番目は、個人が外国へ旅行して日本の友人に出す場合にも当てはまるかという御質問でございますが、これは条約上は当てはまります。つまり料金を安くするのが目的であろうとなかろうと、大量の場合にはそういう配達する義務を負わないという条約になっております。ただ、個人で、つまり日本の友だちに三千通もまとめてお出しになるケースというのは極めてまれなケースだと思っております。大部分は企業のDMが中心でございます。
○上田(利)委員 それで、実際に海外から発送されておりますDMは、ちまたでは一千万通とかいろいろ言われておるのですが、全部発見はでき得ないと思うのでございますが、その辺はどんな状況になってございますか。
○田代政府委員 これは郵便物でございますので、封をしてある郵便は私ども勝手にあげるわけにはいきません。したがって、先ほど申し上げましたように、大量に同一差出人が出しますとどかっとまとまって参りますので、これはしかも、日本の住所、氏名を書いてあったりしますから、こういったものは外観でわかります。
 それから物によっては開封という外国郵便がございます。開封の場合ですと、これは条約なり郵便法に適合しているかどうかを中を見ていいことになっておりますので、これは場合によっては見させていただきます。そういたしますと今のようなケースも出てまいります。
 私ども、したがって、成田の空港郵便局で毎日到着いたします郵袋を見ながらそういった条約違反のものを見つけておりますが、先ほど申し上げましたように、年間五十一万通程度発見しております。これは果たして氷山の一角なのかどうか、私は確たる自信はございませんが、それほど見逃しているとは思いません。ただ、業者の方がさらに手の込んだやり方で、毎日少しずつ分けて出されるとか、もしそういうことをやられますと、なかなか私どもはそういうことはわかりませんが、今のところは一千万のオーダーではないと思っております。
○上田(利)委員 今業者の方が利口になりまして、波状攻撃ではございませんけれども、二千通とか三千通とか常時出して、そして日本へ送りつけて配達してもらっている、こういうケースが多いと聞いているのです。
 いずれにいたしましてもこれは大きな問題があるわけでございますから、今後郵政省としても検討され、二十三条違反、これは絶滅をしてもらわなければなりませんけれども、次の段階で国際郵便の法の改定の問題、料金改定の問題がございますけれども、できるだけやはり国際競争に打ちかてるような郵便料金に我が国もしていかなければならぬと思いますから、この点だけは強く要望して、お答えはいいです。
 次に、実はラジオ第一放送の中で、朝六時五十分から五分間でございますけれども「おはようラジオセンター」という番組がございまして「私たちのことば」というのがございます。最近私それを聞いておりましたところ、要旨、こういうふうなものがございました。私は視覚障害者であるけれども、近くに盲学校などを含めて視覚障害者施設が四つほどある。そこに私住んでおるのだ。しかし郵便ポストがなくて不便をしておる。この近くに点字図書館があって、そしてそこにはほとんど毎日というくらい郵便局員が来てくれるので、もし郵便ポストがなくても、出すならば、そこの点字団書館へ行って事務員に頼んでおいて、郵便局のおじさんが来たらこれを持っていってくれ、こういうことをやったらどうかと言われておるのだけれども、点字郵便でございますけれども、やはりこれが見られるのではないかということで抵抗感がある。だから、自分で投函できるようなそういう施設を早く設置してもらいたい。実はこういう要旨のラジオの内容でございました。これは二月の下旬でございましたけれども。
    〔委員長退席、牧野委員長代理着席〕
 そこでお聞きするのでございますけれども、第一に郵便ポスト、いわゆる投函するときに、今の我が国の郵便ポストはいわゆる地域内と地域外という形になっておりますよね。それに、その下に点字でそれが識別できるような形のポストもございますけれども、そういうようなポストは今どのくらいあるのか。全国のポストの総数が十五万本とか、こう言われておるわけです。そのうちどのくらい点字板をつけまして、地域内と地域外、こういうふうなものがどういうふうになっているのかということがお尋ねの一つ。
 それから二つ目は、五、六年前でございましたけれども、名古屋市内の郵便局で、実は視覚障害者にも郵便の収集時刻を――郵便ポストの下にちゃんとまた収集に何時に来ます、何時に来ます、こういうのが書いてございます。それを、やはり視覚障害者にも利便をということの中で結局点字で表示板をしたというニュースを本を読んだことがあるわけでございますけれども、非常にこれは結構なことでございます。ポストをつくったらこのような点字ポストを全部やっていただきたいわけでございますけれども、それが今どんなような全国的な状況になっておるのか。私の選挙区の山梨にはどのくらいあるか、ちょっとわかりましたら、この二点をお尋ねしたいと思います。
○田代政府委員 まずポストの数でございますが、全国十五万本のうち、もともと大部分は口が一つでございまして、大都市の郵便物の多いところには差し出し口を二つつけたポストを置いておりますが、このポストは全国で二万九千本ございます。この二万九千本の口が二つあるポストにつきましては、三年ほど前から点字で自局内とか他県という文字を入り口の下の方につけまして、この二万九千本については全部作業が終わりました。山梨県にはこの二つの口のポストは百十本程度ございまして、これはいずれも点字の表示をいたしております。
 それから名古屋の例でございますが、取り集め時刻のところに点字を置きますケースは、これは実は字がたくさんございまして、かなり小さな字でございますために、名古屋の例でも大変手間がかかりましてお金もかかったということで、名古屋で実施してはみましたけれども、その後まだ全国的に広げてはおりません。
○上田(利)委員 要望しておきますけれども、やはり名古屋のこの例は非常にいい。私もボランティアをいろいろ、あるいは福祉の関係もやってきまして、これは早急に、予算はかかるでしょうけれども、やはり視覚障害者にも公平にできるようなこれをぜひ全国的に検討して、早くやってもらいたいというのが一つ。
 これは、山梨の要望のございました盲学校の近くの、いわゆる視覚障害施設があるところにポストがないというのですけれども、ぜひ山梨の現地、甲府郵便局と打ち合わせをしまして、早急につけてもらいたいと思いますが、その点だけひとつお答え願いたいと思います。
○田代政府委員 取り集め時刻を点字で表示する件につきましては、相当本数も多うございますので、目の不自由な方の御利用の多そうなところから順次手はずをしていくことになると思いますが、きょうせっかくの御意見でございますので、私ども持ち帰りまして、早速その方向で検討に入りたいと思います。
 第二点の、冒頭例な挙げられました山梨の施設の周辺でございますが、ポストがちょっと遠いような話でございましたので、これもできるだけ早い機会にポストを設置したいと思います。
○上田(利)委員 ありがとうございました。ひとつ早急に設置をお願いします。
 次は、電気通信事業関係で質問したいのでございますが、三年前に、御案内のように六十年四月に我が国の電気通信産業分野事業は法的な独占から開放されまして、公正競争体制に入ってきておるわけでございますけれども、国民、利用者に低廉で良質な多様なサービスを提供していく、こういうことを目的に電電公社がNTTに三年前になりました。民営化されました。
 事業法制定の際に、移行後三年以内に民営移行の状況を検討するということで、この事業法附則の第二条にこれがあるわけでございますけれども、ちょうどその時期が参りました。山梨は間もなく桃の花が咲きまして、桃の時期になりますし、秋になりましたらクリがたくさんなるのですが、桃クリ三年、こういうことが言われておりまして、あるいは石の上にも三年というようなことが言われますけれども、歴史的な我が国の通信事業、百年間の官営といいますか独占体制から民営ということになった。画期的なものでありまして、そして三年を経ようとしておるわけでございますが、この三年を振り返りまして、その総括と申しますか、そういうものを以下二、三点郵政省に聞きたいのでございます。
 その一つは、民間移行の所期の目的は着実に実践されているかどうか、実践されていると思っているかどうか、これが一つでございます。
 二つ目は、新規参入業者、NCCでございますけれども、あるいは今までの百年の歴史を持ちますNTT、すなわち電気通信事業者全体を総括いたしまして、この三年間の成果、評価できる部分はどんな点が成果と言えるところであるのか、あるいは評価できなくて、問題点がまだ残っておる、まだまだこういう点は問題点がある、こういう点についてひとつ郵政のお考え方をお聞きしたいと思います。
○奥山(雄)政府委員 二点お尋ねがございました。
 まず第一点の、施行後三年の評価でございますけれども、この間に電電革改が目指しました新規参入が相次ぎまして、現在既に第一種事業で三十三社、第二種に至っては五百社は及ぶ新しい事業者が誕生しておりますので、その意味では、一言で申し上げまして市場は非常に活性化していて、そうした意味における所期の成果をおさめ得たと考えております。また、民営化されたことに伴いまして、NTTにおかれましても、組織の改革さらにはさまざまな営業活動の充実等を通じて経営成績も非常に向上し、体質も強化されつつありますので、その点も大いに評価していいだろうと思っております。
 また、NTT、NCCを通じて総括的にどういうメリットがあり、また逆に問題点があったかという後段のお尋ねでございますが、先ほど申し上げましたように、一口に言いまして競争原理の導入という面では大変、大いに効果が既に出ていると思いますし、中継系のみならず地域系、あるいは衛星系、あるいは自動車電話、ポケットベル、あるいは東京湾マリネットのようなユニークなもの等も含めまして非常に多彩なメニューが出現しております。また、メリットの一環といたしまして、NTT、NCCを問わず料金が低廉化の傾向にあるということも国民へのメリットの還元という意味で非常に意義が大きいと思っております。
 ただ、他方問題点としてクローズアップしてまいりましたのは、NCCがサービスを開始いたしましてまだ非常に日が浅いこともありまして、ほとんど経営の実績としてはNCC側に見るべきものがない、つまり市場の規模で申し上げますと九九・九%がNTTの独占市場であるということでございます。そのことと、もう一つはNCCが中継系のみならず自動車電話、ポケットベル等も含めて十全なサービスを行うためには、いや応なしに市内網を独占しているNTTと接続をしなければならないということで、NTTに依存をする面が非常に多いということで、接続の問題、IDの問題等思いがけない問題が生じていることも事実でございます。
    〔牧野委員長代理退席、委員長着席〕
○上田(利)委員 電気通信審議会の答申は予定どおりと申しますか三月の十八日に出てまいりました。本委員会の中でも、出るか出ないかというような御論議がございましたけれども、三月十八日に出ました。この答申を受けまして郵政省は、答申が出れば郵政省としての態度を明確に表明しますよ、それも三月中にやりますよ、局長からもこういう答弁はこの前の本委員会の中でございました。三月十八日に出たものですから、郵政省としての態度表明というものをまずひとつお聞かせを願いたいと思うのです。
○奥山(雄)政府委員 御指摘ございましたように三月十八日に郵政省の方から諮問しておりました電気通信事業法附則二条に基づく施行状況の検討についての結論が大臣あて提出されました。それでその中で、結論的に申し上げまして、現時点では電気通信事業法の改正の必要はない、ただし社会経済の動向あるいは技術発展の動向等を十分見きわめて、今後とも法の施行状況については適時適切に検討していく必要があるという御答申をいただいたところでございます。それに先立ちまして、三月十日に電気通信審議会の事業部会から中間報告ということでその結論部分の報告をいただきましたので、郵政省といたしましてはそれを受けまして、今国会における電気通信事業法の見直しにつきましては法律の改正は行わないという態度表明をさせていただきました。また改めて、きょうこの場でもその点を確認させていただきたいと思います。
○上田(利)委員 そこで、本国会では事業法の改正はない、しかし改正はないけれども郵政省として講ずるべき措置についてはやってまいりますよ、逐次内容等についてもこれを実現をしていきたい、いく、こういうようなことを言っておられますけれども、そういう内容はございましょうか。
○奥山(雄)政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、今国会に法改正は提案をしないことに決定させていただきましたけれども、電気通信審議会の御答申の中でも、今後講ずべき措置につきましては具体的に数多く指摘されております。大きな項目でネットワークの高度化あるいは有効、公正な競争基盤の整備等々八項目、さらにその内訳の項目では二十数項目ございます。これらは省令改正を要するものあるいは指導通達を出すべきものあるいは運用でやるもの、場合によっては後刻法改正にも及ぶようなものも含まれているかもしれませんので、これらを子細に分析いたしまして、適切に処理をしてまいりたいというふうに考えております。
○上田(利)委員 まだほかにもいろいろと聞きたいのでございますけれども、時間の関係、もう時間が余りございません。それでもう一つだけ郵政にちょっと聞いておきたいのでございます。
 NCCの長距離系、いわゆる三社、これが専用線を六十一年の十月ですか、これをサービスいたしまして、さらに市外回線サービスも昨年の九月に行われましたけれども、これが専用線にいたしましてもあるいは市外通話サービスにいたしましても東名阪中心でございまして、サービスをした時点から専用線の場合は一年半ばかりたっておる、市外回線、市外サービスの方はまだまだ半年ちょっとでございますけれども、そういう中で、サービスした時点と今日ではどんなふうにその事業が伸びているのか、この点をまずお聞きをしたいと思うのです。
 もう一つは、これらのNCC三社につきましては資本系列が二百社とか三百社とかいうことで、そういう各社が集まりまして会社を設立しているわけでございまして、どうも聞くところによりますと、専用線サービスなどは自分たちの系列の、今までNTTが独占しておりましたからNTTの専用線を使っておったけれども、今度は自分の専用線をやりましたから、その資本系列の二百、三百の各社が支店その他を含めて専用線を使っているのが大半だ、あまねく公平にという、いわゆる民間にしたあるいは会社を多様にした趣旨からはちょっと努力目標が足らないのじゃないかというような声が国民の中にあるようにも聞いておりますが、この二点についてちょっとお尋ねをしたいと思うのです。
○奥山(雄)政府委員 まず前段のNCC三社の専用線並びに電話の収入の状況でございますが、六十一年の秋以降開始いたしました専用線につきましては、六十一年度の営業実績は三社合計で六億六千万円でございます。また六十二年度につきましては今途中でございますので、中間的に上半期分だけ把握しておりますが、十九・六億円ということでございます。約二十億円でございますので、前年度に比べますと三倍ぐらいの伸びになっております。ただしNTTの専用線の収入は大体二千八百億円ぐらいかと存じますので、これに比較いたしますとまだ微々たるものということでございます。それと同時にぜひ申し上げておきたいのは、新電電三社はそういう実績を上げておりますけれども、NTTの専用線の部分を食っているという結果は出ておりませんで、むしろNTTとNCCと両方でパイを大きくしたという実績が残っております。
 それから長距離系の東京―名古屋―大阪における電話サービスの実績でございますが、これはまだ昨年の九月からサービスを開始したばかりでございまして、半年分の経営実績も報告されておりませんのでちょっと把握できませんが、新電電三社の社長が開始時点で自分たちの目標として、今年度中、六十二年度中に上げたいと言いましたのが合計しますと大体百十億円から百二十億円程度でございますから、まあうまくいけばその程度の実績が上がるのではないかな、これは推測でございます。
 それから後段のNCCにおける専用線の顧客が系列会社に偏っているのではないかという御指摘でございますが、これは、各社の顧客の獲得状況というものは私ども行政の立場から把握する手だてがございませんので、私どもとしてはちょっとわからない状態でございます。
○上田(利)委員 時間がございませんから以上で郵政省に関する質問は終わりまして、NTT来ておりますね。――時間がございませんが、お尋ねをしたいと思います。
 一つは、NTTの六十三年度の事業計画はどうなっているのか。これは法に基づきまして郵政大臣に認可申請をすることになっておりますが、これはもう出されておりますか。
○草加参考人 お答えいたします。
 六十三年度事業計画は二月二十六日金曜日に郵政大臣に認可申請をいたしました。
○上田(利)委員 それで、六十三年度の収支計画の内容につきまして概略明らかにしてもらいたいというのが一つです。
 二つ目は、NCC各社はもちろんでございますけれども、社会的にも大変な影響がございます、あるいは本委員会でも再三問題になっておりますいわゆる発信者の識別信号送出機能、いわゆるIDでございます。このID化が非常にNTTはおくれている、もっとやらなければ参入した会社は公正競争ができぬじゃないか、こういうことの中で問題が出てきておるわけでございますけれども、これらにつきましてID化の状況についても含めて明らかにしてもらいたいと思います。
○草加参考人 お答えいたします。
 まず、六十三年度の収支計画でございますが、収益を五兆七千三百二十億円、費用五兆二千八百二十億円を見込んでおりまして、経常利益は四千五百億円でございます。
 それから、ID化の問題でございますが、先生御指摘のようにNCCが参入してまいりまして、お客の識別のID装置が不足ということで私どもが御迷惑をおかけしたことをおわびいたしたいと思います。その後、これらの反省に基づきまして急ピッチでID化を進めてまいりました。ID化には二つの方法がございまして、一つは今のクロスバー交換機にかわってディジタル交換機を入れかえること、もう一つは現在のクロスバーにID機能を付与すること、この二つがございますが、この二つを経済的に交互に取り入れまして、まず一つは、東京二十三区内、名古屋市内、大阪市内においてはことしの九月までにID化を完了する。それから、三十三区外の都下、横浜、京都、神戸及びその他接続点のあります中心の都市の市内につきましては六十三年度末を目途にID化をする。それから、その他の地域につきましては、促進をいたしましてなるべく率を高めていきたい。今後拡大予定の接続点の各市内は、できるだけNCCの事業者の方が要望するところを中心にディジタル化を図っていきたい、このように考えているところでございます。
○上田(利)委員 そうしますと、NCCの参入区域のディジタル化が行われてきておりますが、この率はどんなふうになりましょうか。
○草加参考人 お答えいたします。
 今年度末、すなわちこの三月の終わりでNCCの営業地域におきますID送出可能端子数の率は八一%でございます。それから、六十三年度末、一年後でございますが、このときには九一%にいたしたい。このうち、先ほど申し上げました接続点の設置都市、中心都市でございますが、ここにつきましては九九%にいたしたい、このように思っております。
○上田(利)委員 今聞いていまして、問題のございましたID化問題をNTTが参入各社の期待にこたえるように努力をされておる、本当に結構でございます。さらに一層努力することを要望いたしたいと思います。
 そこで、もう一つ問題でございますけれども、先ほど申しましたようにNTTが民営化しまして三年になりましたけれども、その間に実は二万三千人もの要員減を行っております。単年度ベースで見ますと、八千人くらい職員が減っている。今までの企業の中でこんなに減った企業はないと思うのであります。しかも、これは労使一体となってやってきている、ほほ笑ましいことかどうか、私よくわかりませんけれども。そして一応関連会社などに二千五百人くらいが雇用されてきておりますから、雇用創出の面では二千五百人くらいが創出されて、それで二万三千人が減っているからプラスマイナス二万人くらいが減ってきている。各参入NCCも、これは新しい会社ですからみんなある程度雇用創出は出ておると思うわけでございますけれども、しかし、NTT全体といいますか、電気通信事業全体として見ますと、これが雇用創出でなくて雇用減になってしまっている、人が減ってきてしまっている。ですから、労働市場では問題があるわけでございます。問題があるわけでございますけれども、しかしそういう状況になっておるわけですが、なぜこんなに急いで要員を減らさなければならぬのか。NTTは九九%の市場をやって大きいのですから、ゆっくりしていればいいのだ、もう人も減らさなくてもいいのだと思うのだけれども、その人の減った分の人件費はどのくらいになるのか、それだけお尋ねをしたい。
○草加参考人 お答えいたします。
 企業が経営の効率化に取り組み、財務基盤を安定させて事業の健全な発展を期していくことが、結果的には雇用の安定につながっていると私どもは考えているわけでございます。今先生御指摘のように、まず数を申し上げますと、この三年間で二万三千人、退職者から新規採用者を引いた数が二万三千人でございます。このような形で実質的な要員が減っているわけでございますが、この人件費は三年間で積算いたしますと、約三千億円ということになるわけでございます。私どもは経営の効率化を図りながら企業の体質を強化し、さらに料金値下げを実施していくという観点から、このことは結果的に先ほど申し上げましたように雇用の安定につながるというふうに考えておりまして、これを実施しているわけでございます。よろしくお願いいたします。
○上田(利)委員 わかりました。そういう面で非常に努力しながら通話料金の引き下げの問題やら、いろいろな形で経営の効率化などを図っている点、一応敬意を表したいと思います。
 もう時間が参りましてあれなのですが、一つだけ、一分でいいのですが、お尋ねしたいのでございます。
 今日、電電公社からNTTになりまして、いわゆる債券などで拡充計画をやりまして、そしてその債券などの負債が、有利子負債と申しますか、これがあると聞いておりますけれども、これが今どのくらいあるのか、借金が。そしてどんなふうに返しているのか、それを簡単にお聞きをしたい。
○草加参考人 お答えいたします。
 六十一年度末の有利子負債残高は四兆六千百四十一億円でございます。しがたいまして、年間の支払い利息は三千三百十六億円でございます。この数字は、民営化以前から有利子負債の削減をすることにいたしまして、平均大体毎年二千億の借り減らしをしてまいりました。したがいまして、今年度末でこれがさらに二千億減りまして四兆四千億になる予定でございますし、今後とも平均二千億円の借り減らしをしていきたい、このように考えているところでございます。
○上田(利)委員 時間が来ました。ただ、この負債は四兆四千億もあって、毎年二千億だということになりますと、全部返すのにまだ二十年かかりますね、ざっと計算すれば。えらい大変な借金があるということだけはよくわかりました。
 質問を終わります。
○塚原委員長 鳥居一雄君。
○鳥居委員 まず、事業法につきまして伺ってまいりたいと思います。
 昭和六十年四月、民営化ができ上がりました。その前の年に、新しい電気通信政策に基づく論議をこの逓信委員会の中でいたしました。逓信委員のメンバー、我々が、そういう意味ではこの体制の生みの親であり、育ての親である、こういう自負を持っておりますし、同時にまた、この論議の中でさまざまな問題点を実は積み残したまま今日を迎えたと思います。
 事業法が発動いたしましてちょうど三年になり、この三年は見直し条項の三年でもありますし、また同時に五年後には会社法の見直しという時期を迎えるわけでありますから、三月十日、今回の事業法の見直しに関してはその必要はないという立場をおとりになりましたけれども、しかし、新しい体制として出発したこの秩序、これは守り育てられなければならないものだと思うわけです。三年後の今日におきまして、一体競争状況というのはどういうふうに評価をされているのか、また、競争状態をどうとらえていらっしゃるのか、まず伺いたいと思います。
 通信興業新聞という業界紙がございます。その社説によりますと「六十年四月以来、一種事業と二種事業の存立、競争事業者の参入、NTTの経営形態の変更、政府による株式放出など、民営化をベースとした自由化、競争化は確実に促進され、制度改革時に想定された諸条件は十分に達成されつつある」、こういう報道があります。
 郵政省の評価、御認識を伺いたいと思います。
○奥山(雄)政府委員 いわゆる電電改革三法の御審議に当たりましては当委員会で日夜を分かたず大変御熱心な御議論をいただきまして、その結果六十年四月一日から無事新電電も船出をすることができましたし、その後今日まで三年間に新しい事業者も続々誕生しております。ただいま鳥居先生が引用されましたとおり、一口で申し上げまして、この三年間に一種事業、二種事業を問わず非常に多彩で数多い事業者が出現したという意味におきまして、電気通信事業法の目指しました競争原理の導入というものは着実に実現しつつあるというふうに見ております。
 それからまた、第二点といたしまして、NTTの料金の引き下げ、それからNCCによる低廉な料金によるサービスの開始等、これもまた電電改革の成果だというふうに私ども認識をしております。
 また、NTTとNCCとの有効、公正な競争を実現するために、行政の立場から税制上、財政上の新しい支援措置を講じておりまして、予算あるいは税制で国会においてもお認めいただいておりますことも、これも私どもの立場からいたしますとNTT、NCCを問わず大変力強い支援手段になっているというふうに考えております。
○鳥居委員 公正取引委員会の情報通信分野競争政策研究会、この研究会が意見を取りまとめました。
 改革後三年近く経過し、NCCの相当数の新規参入があり、いずれの企業もサービスの多様化、低廉化に努めている状況にある。一方、NTTは経営の効率化の推進、事業の多角化、一部の料金引き下げ、サービスの多様化等競争時代に対応した動きを見せている、こういうふうに指摘をいたしております。
 これは全電通新聞であります。本年二月二十日付。「競争が着実に進んでいる論拠として、@NCCが参入している首都圏と大阪圏のシェアは一五%。ANCCとの契約加入者は二七〇万人に達している。B移動体通信事業は、二〇%のシェアがNCCに移っている地域もある、」こういうふうに、この三年間の中で競争状態が確実に進みつつある、こういう御指摘でございます。
 郵政省の言う競争状態にあるという御認識、これは一体どういう状態を指すのか。第一段階、第二段階、第三段階と進む過程の中で必要な措置を講じたい、こういうような国会での御発言がございましたけれども、この第一段階、第二段階というのは何を指すのか、伺いたいと思います。
○奥山(雄)政府委員 先ほど、電電改革の趣旨は着実に実現しつつあると申し上げましたけれども、市場の実態という面からとらえてみますと、現在時点では依然としてNTTの圧倒的な独占市場であるという事態は変わっておりません。そこが今日時点における私どもの一つの着眼点でもあり問題点でございます。ただいま先生が公取の研究会の報告書あるいは全電通の新聞の引用をされましたけれども、これらの中の分析と、私どもが実際の行政をお預かりしている立場で事実に即して見た結果の判断とは若干の違いがあることも否めません。
 それは、確かに新電電三社を初めNCC第一種で三十三社、第二種で五百社も誕生しておりますけれども、実際の経営実績という面からまいりますと、九九・九%がまだNTTの独占市場であるということ、それから、特に市内網をNTTが独占しているということから来る、新規事業者の好むと好まざるとにかかわらずNTTへ依存しなければサービスができないという決定的な要素がございます。これがアメリカの場合と根本的に違う点でございます。
 そうした状況を考え合わせますと、現時点では、既存の枠組み、この国会において御審議をいただきお認めいただきました既存の法制の枠組みを変えることは、むしろせっかく芽生えかけた新規参入者の芽を摘むゆえんであるし、混乱を来すだけであるということから、大多数の意見は法律改正の必要はないということでございます。
 しからば、それで手をこまねいていてあと何もしないかということでございますが、これは審議会の御報告にもありますように、当面直ちに講ずべき措置と多少中長期的に根本的に今後検討を加えていくべきものと、二つにグループ分けされております。第一段階、第二段階という御指摘ございましたが、私ども、第一段階といたしましてまず直ちに講じなければなりませんのは、やはりNTTとNCCとの公平な競争、有効な競争を実現する、その基盤を実現する見地から、やはりディジタル化の促進、これは非常に大きな課題であろうと思いますし、また同様な意味から内部相互補助の防止といったようなことも急を要する問題であろうと思います。他面また放送と通信との境界、領域が非常にあいまいになりつつあるというようなこともございますが、こうした問題はやはり現行法制の基本にかかわる問題でございますので少し中長期的に検討させていただきたいというふうに考えております。
    〔委員長退席、小澤(潔)委員長代理着席〕
○鳥居委員 そうすると、現在第一段階の中にあるという御認識ですか。
○奥山(雄)政府委員 とりあえず事業法の改正は見送らせていただきましたので、次は講ずべき具体的な措置につきまして、省令で処理すべきもの、あるいは通達でやるべきもの、あるいは指導でやるべきもの、あるいは来年度の概算要求に盛り込むべきもの、あるいは来年の税制要求に織り込むべきもの、あるいは次の通常国会に向けて立法措置を要するもの等々、いろいろ出てくると思いますので、それに着手したのが現在の段階でございます。
○鳥居委員 そうすると、第二段階というのはどういう状況ですか。
○奥山(雄)政府委員 第二段階と申しますのは、特にいつから第二段階という一つのエポックがあるわけではございませんが、審議会の御答申にもございますように、市場の実態とそれから技術発展の動向、さらには競争の実現状況等を見ながら適宜適切に社会経済動向の進運におくれないように検討しろということでございますので、これは当面の措置を私ども講じました後、社会動向、経済動向の実勢と乖離することのないように常時見直してまいりたいと思っておりますし、また先生御承知のとおり、二年後にはNTT会社法の見直しということもございますので、そうしたこともひとつ念頭に置かなければならない時期であろうかと思います。
○鳥居委員 しつこいようですけれども、そうすると第三段階はどういう状況ですか。第二と第三段階とではやはり区切りがないんでしょうか。
○奥山(雄)政府委員 事業法の見直しというのは経過規定的に附則に置かれましたけれども、今後は一般の法律と同機様に常時見直し、常時検討ということが私どもに課せられた課題だろうと思っておりますので、いつからいつまでを一段階、次が第二フェーズ、第三フェーズというふうにやっていくのではなくて、やはり今後は、基本法であります電気通信事業法と電気通信事業の市場並びに社会経済動向の進運とあわせて常態的に常に検討していくということでございまして、別に期限を限っていつから第二段階、第三段階に入るというような検討は今後はなくなるのではないかと考えております。
○鳥居委員 ちょっとよくわからないですね。競争状態の進展というのを、つまり有効な競争状態をつくり上げるために規制がありまた需給調整があるんだ、こういう御説明だと思うのですね。これは出発の当初から言われていますとおり、象とアリという市場である。どこまでいっても象とアリなんだ。アリの方は、クリームスキミングという形で制度の枠組みをつくった段階からアリの存在を認めた。これは象と象になるということが想定されるのでしょうか。象とアリという形、あるいは表現が悪いのかもしれませんけれども鯨と金魚でしょうか。金魚がコイぐらいの大きさになったとしても鯨とは本質的に違う。しかも鯨であり、象の方にはあまねく公平な、非常に公共性の強い市内回線網という――内部相互補助の防止に努めるという言われ方をしましたけれども、これは電気通信市場の中には依然として内部相互補助というのがなければならない形できているわけですね。独占下にありましたが、今日なお存在している。そういう意味からいって、この象の存在を金縛りにすることが公共の福祉に役立つのか、これはちょっと違う議論だと私は思うのです。今の電気通信体制といいますか秩序と申しますか、これはこの中で効率化、活性化を図っていかなければならないんだ、しかも過渡期であることは間違いありませんが、過渡期を経てどういうイメージになるのか、こういうふうに考えてみたときに、NTTの果たすべき将来に向けての役割というのは依然として変わらない責任があり、また役割があるんだろうと思うのです。その点どうなんでしょうか。
○奥山(雄)政府委員 これは先発のアメリカの例を見ましても、あるいはイギリスの例を見ましても、確かに既存の電気通信事業者と新規の事業者との間の規模の格差というものが簡単に埋まるとは思っておりません。ただ、私どもが申し上げておりますのは、既存のNTTと新しい事業者等が公平な基盤で競争ができるようにするという、そのよって立つところが不公平では困る、それを是正したいというのが本旨でございまして、その具体的な例がたびたび議論されております、例えばIDの問題でありディジタル化の問題であるわけです。内部相互補助もそうでございます。そうした諸条件、環境整備を行った上で両者ともよって立つ土台は一緒になったというのが次の局面だろうと思います。
 その段階でどうなるかは今後の推移を見守らないとわかりませんが、少なくとも言えますことは、明治以来築き上げられましたNTTの全国的な基幹ネットワークというものは、国民の貴重な財産ではぐくまれたものでございますので、NTTは今後とも基幹通信事業者として健全に日本の電気通信の市場で存立をしてもらわなければならない、これをこいねがわない者は世の中にはいないと思います。
    〔小澤(潔)委員長代理退席、委員長着席〕
○鳥居委員 三年半前の議論の中で、金縛りである、許認可が非常に多い、競争状態を迎えて不必要なものをどんどん除去していくべきである、そういう位置づけをしたと思います。発足当時、いわゆる許認可事項というのが、許可、認可、届け出、登録、提出、これが七十七項目ありました。省令、政令で定めるとする項目が四十一項目、これで始まりましたけれども、その後緩和された項目は幾つありますか。
○奥山(雄)政府委員 もともと電気通信事業法が制定されます際に、許認可を含むもろもろの行政的な関与あるいは規制につきましては大幅に緩和したところでございます。それが当時の時点で適当であるという御結論で国会でも御承認をいただいたところでございますので、現時点では私どもはその法制上の枠組みを堅持しております。
 例えて申し上げますと、公社時代には主要な料金は法定制でございましたけれども、現在では事業者の意思を尊重するという見地から認可制になっておりますし、またその料金の中でも利用頻度の少ないものあるいは手数料的なもの等は認可を不要にしているものもございますので、現時点では、市場の実態に照らし合わせましても現行の法的な枠組みは堅持されるべきものと私どもは考えております。
○鳥居委員 確かに法定制から許認可に移ったとはいえ、非常に規制色の強いものであることは、依然として実態において変わりがない。
 公取はこういうふうに指摘しています。「競争原理導入の趣旨をいかすためには、事業者が創意工夫を最大限に発揮できるよう、原則自由、例外規制という競争政策の基本原則に立脚しつつ、規制は必要最小限にとどめられるべきである。」これはもうもっともなことだと思うわけです。確かに事業法案の提案理由の中には、電気通信の健全な発展を図る必要があるとして、電気通信事業に競争原理を導入することによってその効率化、活性化を推進するのだ、こういう大義名分が基盤にあるわけですから、やはり原則自由になるような方向づけというのを目指すべきである、私はこう思います。
 例えば現状におきまして、NCCの方の料金にしたって、マイクロウェーブによる回線の設定をするNCCが一定の料金を決めようとする、それから、光ファイバーによって回線を設定しネットワークをつくる場合の専用線の料金が同じに規制される。本来、競争原理が働けばコストに基づいて料金というのは設定されてしかるべきです。マイクロウェーブと光ファイバーケーブルと利用者の料金が同じだというのは、余りにも現実の問題としておかしいのじゃないだろうか、こう思うのですが、どうですか。
○奥山(雄)政府委員 原則自由、例外規制ということを申されましたけれども、これは私どもが考えますのに、やはり電気通信事業の一つは、公益性、公共性というものを常に念頭に置いておかなければいけないということでございます。その意味で、他の公益事業、電力事業、ガス事業、運送事業と同様に参入規制が行われ、料金の認可が行われております。私どもは電気通信事業の社会資本としての重要性にかんがみ、むしろ電気、ガスにも劣らないくらいの公共性があると見ていればこそ、こうした一種の公的なコントロールが必要であるというふうに考えております。
 また、直ちに料金その他の規制を緩和すれば競争原理によって妥当な競争が実現するかということでございますが、これは現在の電気通信の市場におきましてはまず期待できないというのが私どもの見方でございます。これはビール業界にいたしましてもその他の業界、航空会社等でもそうでございますが、これらは競争会社が現に存在していて、それが独占にならないようにするということがその検討のポイントでございますけれども、逆に電気通信事業の場合は、今まで独占であって全く競争会社がいなかったところに競争事業者を育てようというのが電電改革の趣旨でございますから、何はともあれ現時点ではやはり適切な行政上の関与が必要であると思っておりますし、料金にいたしましても、認可制というものの適切な発動によって現に料金水準は下がってきているということを一つ付言させていただきたいと思います。
○鳥居委員 一定期間、過渡期に料金政策がある。これはもう過渡的な時期のやむを得ない状況だと思うのです。しかし、それじゃ効率化による料金を引き下げた形で利用者の利便を図るという実からいきますと、例えばNCCに対しては料金を二割方安く設定をして、NTTに対しては料金の値下げを認めない、こういう方式を固定化していくことになりませんか。NTTとしては、競争に勝つためにはNCC並みの効率化を図ろう、そうすると、市外網の中で料金はほぼ変わらない、これは値下げを努力しなければならない、努力をしてくる。そうすると、その段階で行政指導によってまたNCCの方の値引きをやる、こういう政策がいつまで続くのかという問題なんです。ですから、先ほども第一段階、第二段階の説明を聞きました。そういう拘束が半永久的に続くのではないのか、こういう心配があるのです。いかがですか。
○奥山(雄)政府委員 先生にぜひとも御理解賜りたいと思いますのは、やはりNTTは法的な独占のもとに百年間かかって築き上げたネットワークというものを、現にそのままそっくり引き継いでおります。技術的開発力もそうですし、陣容もそうでございますし、資産もそうでございます。また、加入者債券制度という一種の強制的な制度で今日のネットワークが築かれてNTTに引き継がれているということも、否定できない事実でございます。ところが、新規参入者の方は全くゼロからの出発でございまして、すべてこれらをみずからの負担において新たに投資をし出費をしなければならないという、その意味では非常に不利な立場にございます。先ほどNCC三社が専用線で六億六千万円の実績を上げたと言いましたけれども、反面投資額は百六十億円ぐらいだったかと記憶しておりますので、その意味では、何はともあれ現時点では両者が公平に競争できる基盤を整備することが最先決であるということで、私どもとしましては今それに当面全力の投球をしたいということでございます。
○鳥居委員 料金のあり方につきまして、民間の電気通信サービス料金問題研究会がレポートをいたしました。これは武蔵大学の前学長の岡茂男さんをチーフにいたしまして、五人の学者のメンバーの皆さんの料金のあり方についての報告書です。
 これによりますと、総括原価方式というのは問題がある、こういう指摘をされています。つまり、完全に競争が働く、そういう時代になった料金というのはコスト主義でいくべきである。つまり、料金につきましては電気通信審議会におきまして昭和六十年の三月第一回目の答申がありました。六十一年の一月にさらに具体化した答申がございました。要約いたしますと、適正な原価に適正な報酬を加えた総括原価主義をとるべきである、こういう答申であったと思います。これはさまざまな規制と調整のある中ではこういう形でいくべきであろうけれども、しかし有効な競争が働くようになった場合にはコスト主義、原価主義でいくべきである、こういう主張ですが、どうお考えですか。
○奥山(雄)政府委員 電気通信事業の料金算定の基礎になる考え方につきましてはいろいろな御意見がございますが、私どもが諸外国の例をも参照し現時点で一番適当であると思っておりますのは、先ほど先生が引用されました審議会の御答申の料金算定要領に基づく手法であろうと思っております。これはやはりコストプラス適正報酬ということで、その適正報酬の幅の中で事業者が一定の利益の幅を選択し得る余地があるということで、これは大変妙味のある制度でございますし、現時点では私どもこれは非常に有効に作用しておるというふうに考えております。諸外国の方が、むしろいろいろトライアルしてみておりますけれどもいろいろな問題点があって、日本の制度が逆に非常に参考になるという声も私ども外国から来た人から昨今よく耳にいたしますので、もちろん今後ともよりよき料金算定制度については研究してまいりたいと思いますけれども、現時点では現行のレートベース方式というのはすぐれているというふうに考えております。
○鳥居委員 将来を展望してコスト主義という方法が一番いいのではないか、こういう意見ですから、ひとつ御検討願いたいと思います。
 それから、先ほども議論にございましたディジタル交換機に加入者回線交換機を更改をしていく問題がございます。これは、現在の交換機が耐用年数十九年という中で進められているわけでありますけれども、この更改についてはNTT独自の計画にまつしかない、こういう形で今日まで進んできていると思います。これは電気通信政策としてISDNの進展を図っていこうという、そういうものがない状況なわけですね。ですから、このディジタル化の進展を各国と比較をしてみますと、我が国の場合韓国よりもシェアが低い、こういう状況だと思いますが、間違いありませんか。
○奥山(雄)政府委員 御指摘のとおり、我が国におけるディジタル化は大変おくれておりまして、欧米先進国はもとより途上国にも劣っている場合が多いということでございます。
○鳥居委員 私の手元に東京千代田区、これのどんな状況か調べた資料がございます。郵政省もこの資料をお持ちだと思うのですが、千代田区の二一四局から五九六局までの間に二十幾つかの交換機がございます。ID登録ができないというものが何%くらいになっているか、掌握されていますか。
○奥山(雄)政府委員 御指摘のございました千代田電話局に使用されているものの比率は私存じ上げませんが、新電電三社が参入いたしました東京―名古屋―大阪ではID登録できないものが当初五四%ございました。
○鳥居委員 これは要するにディジタル交換機への更改を何とかして急がなければならない、こういう課題だと思うのですね。ですから、現在更改時期が到来したものについてはアナログ交換機というよりもディジタル交換機にかえていこう、こういう積極的な取り組みがありますけれども、さらにこの要請にこたえる形の政策をとっていこう。しかも、例えばそれを実現させるためには、NTT株の売却益の一部がこれに無利子融資の形で充てられることも一つの方法だろうと私は思うわけです。しかし、これをもし例えば議員立法で進める、あるいは郵政省がこの法案作成に当たるなんという形になりますと、またNTTに対して規制が加わるだろう、こんな心配をするのですけれども、そういうことはありませんか。
○奥山(雄)政府委員 ディジタル化の推進は私どものやはり最優先課題の一つであるというふうに認識をしております。NTTの方も意欲的にこれに取り組んでおられますが、行政としても当然支援すべきものは支援すべきであるという考えで、六十三年度、初めて税制改正の中でディジタル化を促進するための優遇措置が講じられる運びになっております。これが一つの大きな進歩であろうと思います。
 しかしまた、さらにこれに加えて、ディジタル化を促進するために御指摘のございましたようなNTTの株式の無利子融資というのも一つの有効な政策手段でないかというふうに私どもも考えておりますが、これはNTT、NCCを問わず、あくまでも日本の将来の、二十一世紀に向かっての基幹通信網を完備するための、一日も早く完成させるための措置でございますので、これによってNTTの手を縛るための立法というようなことは考えておりません。
○鳥居委員 この十八日の答申を見せていただきました。十八日の電気通信審議会の答申の主たる答申は「電気通信事業法附則第二条に基づき講じるべき措置、方策の在り方について」、その答申でありますが、もう一つ「データ通信の今後の発展方策」というのがございました。この中で今後とるべき方策、その中にNTTのデータ通信事業本部の分離が、これを根拠にして行われようとしている、私はこう見えました。それで、地域分割なんというのはこれはあるはずがないと思いますし、データ通信事業本部の分割というのは、データ部門を分割するに当たっては非常に大事な条件がいろいろあるわけですね。ですから、一つの表現としては円滑な分離。郵政省、この円滑な分離というのをどういうふうにお考えですか。
○奥山(雄)政府委員 同じく三月十八日に電気通信審議会からデータ通信の発展方策についての御答申をいただきました。これはもともとデータ通信の発展方策全般を諮問申し上げたのでございますが、その中にNTTのデ本の分離に関する記述も織り込まれております。これは、この答申が契機になってその問題が起きたということではございませんで、臨調の答申の中で既に指摘されている事項でございます。それを受けましてNTTにおかれましては具体的に検討を重ねてこられまして、このほど具体的にいよいよデータ通信の事業本部を分離する意思を近く決定されるように聞いております。
 この答申の中では、ただいまもお話がございましたが、もし一定の条件が整えばデータ通信の分離も一つの有効な政策手段であるというふうに書かれております。その一定の条件が整えばという中に、NTTから分離されるデータ通信本部と他の民間の一般のデータ通信事業者との公正な競争が実現できることといったような趣旨のことが書かれておりますので、私どもは、この分離はもちろんNTTが株主総会という最高の意思決定機関で決めることでございますが、NTTの株主総会でそれが議決されましたならば、円滑に進むように意思疎通を図ってまいりたいというふうに考えます。
○鳥居委員 分離でありますから、当分の間一〇〇%出資会社であろうと思うのですね。それからまた、今日までの巨大なノーハウ、ソフトの蓄積というのがありますから、これは人事交流を図れるような形、やはりこれを保証しなければならないだろうと思うのですね。それからもう一つは、今日まで、働く皆さんの側に立ちますと共済年金という大きな社会の中でその保障がありました。ですから、その保障が受けられる、適用が受けられる、こんなことも円滑な移行ということの非常に大事な条件になってくると思います。いかがですか。
○奥山(雄)政府委員 ただいま二、三点お述べになりました点もやはり一つの検討すべき点であろうと思っております。また他方、先ほども申し上げました、六千人、二千億円という巨大なVAN事業者が生まれるわけでございますから、その分離された会社と民間のデータ通信事業者とが公正な競争ができるようにするということも行政の課題でございますので、それら両方の条件を私どもは十分勘案いたしまして、円滑にこれが作業が進むように諸準備を進めてまいりたいと思います。
○鳥居委員 次のテーマは、有線音楽放送の正常化の問題につきまして伺ってまいりたいと思います。
 昨年の逓信委員会におきまして、電気通信事業法の違反の疑いが非常に濃い、こういう事例を提示をいたしました。具体的な事例であるのでぜひ調査をしたい、こういうお考えが披瀝されました。この大阪有線グループの違反行為に対しましては、全国で膨大な数の告発件数が現にありますし、有罪判決が現にありますし、特に六十年四月十日、郵政省が大阪有線放送三社を有ラ法違反で告発いたしまして、六十年八月二十日、大阪有線の宇野元忠社長と株式会社有線の辻俊二社長が逮捕され、有罪判決が出ております。また、大阪有線三社ともに業務停止処分というのもございました。国会は参考人として、五十九年五月十五日、召喚を決定いたしましたけれども、このときにも拒否ということでそのままの状況になっている、そういう対象であります。調査の結果を聞かせていただきたいと思います。
○奥山(雄)政府委員 大阪有線による電気通信事業法違反の疑いについての御指摘を受けまして、私ども本省のみならず地方の電気通信監理局にも号令をかけまして、つぶさに実情を調べるように指導をいたしました。しかしながら、残念ながら現時点までに電気通信事業法違反であるということを確認するまでの事例を発見するに至っておりません。これが単に放送形態でなくて、例えばファクシミリで本支店間の通信のやりとりをしているというようなものがあるのではないかというようなうわさも耳にして、実際にそうした店に職員が伺ったりもしてみたのですけれども、もちろん強制捜査権はございませんので、あるいはそれを察知してそういうことをやめているのかどうかわかりませんが、遺憾ながら、まだ現時点では私ども法違反ということを確認するまでに至っておりません。
 なお、今後とも御指摘の点につきましては、地方の監理局とも十分連携をとりながら調査をしてまいりたいというふうに考えております。
○鳥居委員 同軸ケーブルで全国主要都市のネットワークが全部ほぼ終わった、関門間ではマイクロウェーブ回線を設定して、しかも電波法上規定された免許申請の手続を怠っている、こういう新しい事実関係がございます。郵政省を通じて申請の有無を調べました。申請は出されていない、こういうことでございます。これは、設置場所は北九州市の門司区風師二の七の十七、ここにパラボナアンテナが設置されている、こういう、事実関係でありますからひとつぜひ調べていただきたいと思います。
 きょう建設省においでいただいているのですが、十数年にわたって道路占用料というのが不払いでずっと今日までこの業者が来ていますね。これをある段階で占用料を三分の一にカットをして、過去八年にさかのぼって占用料を納めなさい、三分の一にしてやるから納めなさい、こういう形で手を差し伸べたと聞いておりますけれども、事実関係はどうなっていますか。
○小鷲説明員 占用料の前提になります道路の占用許可自体を正常化しようということで、六十年の夏以降努力してまいっておりますが、その際に、正常化の前提といたしまして、過去の占用料についてはきちっと納めるということを前提条件にいたしまして折衝いたしております。先生今おっしゃったのは、三分の一にまけてやるから過去の分も払え、こういうことをしたかどうかということでございますが、そういうことはいたしておりません。私どもといたしましては、それぞれの時点で取るべき占用料金を過去にさかのぼって取る、つまり他の方からいただいたと同じ料金をこの社からも取る、こういうことをいたしております。
○鳥居委員 いずれにしても、この東京電力管内で道路占用料を払うべき電信柱が七十万本あるという調査が出ております。これは、まじめに頑張ってきた有線放送の業界に殴り込みをかけた不法業者がいて、ここ十数年来この問題は逓信委員会の中であらゆる角度から論議をされてきた重要な問題です。郵政省の中に、もし法の不備があるならばどの点をどういうふうに対策を講ずればいいのか、こういうことを協議する機関さえない。これはおかしいのじゃないかと思うのです。どうなんですか、今後本気になって法律の整備なりをやっていこうという姿勢があるのでしょうか。
○成川政府委員 昭和五十八年に有線ラジオ放送業務の運用の規正に関する法律を改正していただきまして、道路占用許可等を受けないで有線ラジオ放送の業務を行っている者に対して厳正な措置を講ずることができるようにしていただきまして、現在、その関係で先ほど先生のお話もございましたように告発等をして正常化を図っているところでございます。
 この改正法に基づきまして、私どもは建設省とも十分連携をとりまして、大阪有線放送社等、違法の業務を行っていることに対しまして業務停止命令を行いまして、これに従わないために告発をしたところでございます。現在裁判係属中、進行中である面もございます。
 違法状態の内容を見ましても、基本的には道路の占用について許可を受けていないという、いわば不法占用の問題が大きいわけでございまして、現在、六十年に行った業務停止処分の対象となった放送所に関係する建設省等の道路管理者において道路不法占用の正常化が進められていると、先ほどちょっとお話がございましたけれども、聞いているところでございます。今後とも私どもといたしましては、建設省等関係のところと十分連携をとりながら違法状態の是正に取り組んでいきたいというふうに思っております。省内の関係部局、さっき電気通信局のことがございましたけれども、十分連携をとりながら違法の是正に努力していきたいというふうに考えております。
○鳥居委員 それで、不法業者を野放し状態にして十数年というのは、これはもうまことにもってゆゆしき問題だと思うのですよ。しかもこれが、営業努力か、いずれにしても公的機関との間で契約がじゃんじゃんでき上がりつつある。郵便局で契約したのが四十三局ある。こんなことも実は私の手元の資料は言っております。公的機関がこの不法業者との契約をする、これについて何らかの手が打てないものですか。今のこの話は、道路の占用料を払わない、払うなんという小さな話じゃありませんよ、これは。監督の衝にある郵政省として、業界の一定の秩序というものは監督官庁の郵政省に責任があるでしょう。法律が不備だったら直さなければならないはずです。研究もしないのでしょうか。今後どういう取り組みをしていくのですか。もう一度ひとつ聞かせていただきたいと思います。
○成川政府委員 先ほどもお答えしたとおりでございますが、建設省等関係機関とも十分な連携をとりながら、違法状態をできるだけ早く是正していくということが肝要だというふうに思っています。契約しているところに対しまして取引をするなというような通達を出したらどうかというようなお話も一部の方々からあるようでございますが、私どもといたしましては、業務停止処分の対象となった放送所に関係するところにつきまして建設省等道路管理者との間で正常化が確認されているわけでございますので、すべてが違法状態として通達するということは若干困難だと思いますが、個別の問題につきましては個別に対応していきたいというふうに思っております。
○鳥居委員 道路占用料の問題については十分な時間がなくて議論できない、大変残念なんですが、これは非常に問題があると思うのです。幾らだったら払えるのか、不法業者との間にそういう話し合いもあったと聞いております。五十八年の段階ですか、その占用料決定の単価を三分の一に切り下げた。それでさかのぼること八年とした。国道部分だけであるにせよ、五千数百万円で追認をしていく、合法業者としての追認をする、こういう形はまことに残念なことだと思います。次回に議論を十分にしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 では、申し合わせの時間ですから以上で質疑を終わります。ありがとうございました。
○塚原委員長 田並胤明君。
○田並委員 まず、大臣の御就任を心からお祝い申し上げる次第でございます。大臣は、私、逓信委員になってから三人目の大臣でございます。
 それで、今までの大臣も非常に尊敬をする方々ばかりだったのですが、ある大臣は、郵政事業が一般会計からお金をたくさんいただいて運営をしていると思ったら、郵政事業特別会計ですべてを自前で賄っている、大変立派な省だというので感心をしたというお話がございました。ところがその大臣、残念ながら、例えば郵便貯金事業が非常に重要だということを御認識されながら、御退任をされましたら全銀協の総会に出て、定額郵便貯金をつぶせ、こういう決起集会に出られたのですね。これは私もちょっと唖然としたわけでございますが、それはよって立つ政治的な基盤があるので多分そうされたんだろうと心の中では納得をしながら、しかもその行動についてはいささか批判的な気持ちを持ったのが一つでございます。
 それからもう一人の大臣は、昨年のマル優廃止のときに、私は体を張ってでも郵貯のマル優の廃止については阻止をしてまいります、このように言われたのですが、残念ながら閣議の中で御賛成をされた。これまた閣僚でございますので、まさか総理大臣に立ち向かうわけにもいかないということもあってそういうことをされたのでしょうが、そういうことがお二人の大臣でございました。
 しかし、これは決して批判をしているのじゃなくて、先ほど言ったように、政治的な基盤のよってしかるべきところでそういう態度をとられたんだろうということで納得はするわけでありますが、どうぞ郵政大臣におかれましては、特に郵貯の関係で、小口金利の自由化だとか、いろいろ郵貯を取り巻く環境が四月一日のマル優廃止によって厳しくなります。そういう意味では、せっかく大臣になられたわけでありますから、大臣退任後においても、この郵政三事業なり、あるいは通信、放送の大変重要な行政でございますので、ぜひひとつ以降においても大いは頑張っていただきたい。このことをまずもってお願いをしておく次第でございます。
 そこで質問でございますが、第一点目は労使関係の問題についてお伺いをさせてもらいます。
 事業は人なりと申しますが、特に郵政事業は、大臣も所信の中で申されておりましたように、労働集約型の事業で、人の和といいましょうか、あるいは人力を活用するような施策が非常に重要である、特に公平で、しかも正しい、明るい労使関係の確立を図るために一層の努力をする、こういう所信がございました。まことにそのとおりだと思うのです。そして三事業の現況についても、大臣所信の中で申し述べられましたように、大変厳しい競争関係の中にあるにもかかわらず、社会経済情勢の変化だとか、国民のニーズを的確にとらえられて、施策を実施する中で三事業とも非常に順調に推移をされている、こういうごあいさつがありましたが、その努力に対してはまことに敬意を表したい、このように思うのです。
 このように事業が順調に推移してきた要因の大きな一つとして、ここ数年の労使関係の改善が挙げられるのではないだろうか。労使双方が努力してきているそのことについても大いに歓迎をするべきことであろう。先ほど申し上げましたように、三事業とも人力に依存する度合いが非常に強いものですから、そういう意味では労働組合の存在、協力というのは欠かすことのできない重要な問題であろう。そういう観点から見ても、ここ数年の労使間の関係改善は目覚ましいものがあり、大いに歓迎したいと思うのです。もちろん郵政省の中には複数の労働組合があることは承知しておりますし、それぞれ全逓あるいは全郵政にしても、現在の事業の状態からして、近い将来には一事業所一労働組合ということで、それぞれ今までのしがらみを乗り越えて、何とかひとつ戦線統一に向けても努力をしよう、こういう端緒についているという話も聞いておりますので、これまた大変結構なことだろう、このように思うのです。
 特にこの事業の順調に推移した中の一つのケースとして、例えば郵便事業では五十九年の二月に深夜勤の導入をいたしました。これを導入することによって郵便物の全国翌配体制というものが確立をされるきっかけになった、このように思いますし、あるいは簡易保険だとか、あるいは郵便貯金についても競争相手があるわけでありますから、当然何とかそれに伍して簡保、貯金の事業を発展させようということで変形勤務を導入したわけですね。要するに集金業務が、共働きの家庭が非常に多くなっている関係上どうしても変形勤務で、出勤時間をおくらせて帰る時間をおくらせる。夕方七時ごろまで仕事をやって集金業務をする、こういうふうな変形勤務も導入されたようでありますが、これらも労働組合のそれぞれ積極的な対応と相まって、労使間で十分協議をされてこれが実施に移された。これはまさに国民のニーズに的確に対応した施策の一つとして、これも評価ができるだろうと思うのです。
 そこで、今後省の方としては、厳しい環境の中で打ちかつために事業を一層活性化させようというので、昭和六十三年度を初年度とする三カ年の事業活性化計画をつくったようでありますが、これを具体的に推進するためにも労使関係の一層の改善が重要だと思うのです。今日までの労使関係の改善にさらにプラスをして、ぜひひとつその改善を強力に進めてほしい、このように私は考えます。労使関係というのは、大臣御承知のとおり、労使対等の原則に基づいてお互いの信頼関係の確立というものが基礎になければこれはできません。したがって省の労使関係の基本的な姿勢をまずお聞きするとともに、全郵政、全逓とありますが、全逓に対しての考え方、評価、これについてまずお伺いをしたいと思うのです。
○白井(太)政府委員 お答えを申し上げます。
 先生まさに御指摘のように、郵政事業には現在三十一万弱の職員が携わっておりまして、このような事業の中におきまして労使関係が安定しているかどうかということは、事業の成否をまさに左右する一番の大きなかぎであるという認識を持っております。これも先生お話しのように、最近数年間においては幸い労使関係というのが安定しておる状況の中で、まずまず事業の方が円滑に推移をしておるということは大変ありがたいことだと思っておりまして、この点各種の施策について労働組合がいろいろと前向きの姿勢で事業の発展に貢献をされているということについては、私も高く評価をいたしたいというふうに思っております。
 特に、全逓労働組合との関係につきましては、こうした労使関係あるいは労働関係の問題について昨年の年末の段階でも幾つかの意見が省の方に対して出された経緯がございまして、労使関係のあり方についても再三再四労働組合の方と話し合いをいたしまして、私の方も私の方の立場で率直なことを申し上げたつもりでございまして、その点についてはかなり双方が今後のあり方について了解点に達することができたというふうに理解をいたしております。
 そのような状況の中で、これも先生ただいま御指摘になりましたように、私どもの事業をこれからますます伸ばしていこう、発展させていこうということのためにどういう課題を乗り越えていかなければならないのかということを、私どもとして労働組合にも積極的にお示しをいたしまして、こうしたものについて今後前向きに取り組んでいく必要がある、ぜひ組合の方の理解と協力を願いたいということをお話をしたわけであります。基本的には労働組合もそういう方向で行くべきだという御理解をされておるというふうに私ども受け取っておるわけでございまして、これから活性化計画というものについての具体的な中身を本当に詰めていかなければならぬわけでありますが、詰める段階におきましても十分労働組合の理解が得られるということが何にも増して大事なことでありますので、その辺を十分頭に入れまして労働組合との話し合いをしていきたいというふうに考えているところでございます。
○田並委員 そこで、何か大臣の所信がございますか、労使関係のあり方について。
○中山国務大臣 最初に、三代にわたる大臣のお話がございまして、大変恐縮をいたしております。
 官民協調で国家体制を保っていくことが大事でございますが、私は政治家としては、私は書を書きますときの落款に使っておりますのは「明哲保身」。よく日本では保身の術と申しますが、これは中国人から言わせますと中国の言葉を半分だけとったそうでございまして、哲学を明らかにして身を保つ、「明哲保身」というのが本当の保身の術だそうでございますので、その意味で自分なりの哲学を保ちながら政治家としての身を保ってまいりたいと思います。
 今労使関係のお話もございましたが、私も現場を年末年始歩かせていただきましたが、大変気持ちよく対応していただきました。かつては大臣が職場を歩きましても、あいさつをしない人、そっぽを向く人、罵声を浴びせる人、そういう環境があったそうでございます。それが全くありませんで、大変温かい声をかけてもらいましたり、御承知のように十二階建てのあの役所の中に郵政省一本で入っているわけでございますが、一般会計の方は大変少のうございますが、特別会計の方々も、年末、予算のときに歩きましたら、大変皆さん立って拍手で迎えてくださって、だれ一人罵声を浴びせる人もなくて、私なんかどっらかというと自民党の右の方だと言われている者でございますが、にもかかわらず大変好意的な対応をしていただいたことは印象に残っておりますし、全逓の皆さんやら全郵政の皆さんやらからも、大臣室にお越しをいただいていろいろと話し合ってきておるところでございます。
 世の中には対立するものが、七つの対立があるといいます。戦争と平和、生と死、それから富と貧、美と醜、不妊と多産、それからもう一つは働く者と使う者という立場があるわけでございます。この働く者と使う者という立場の場合は、こういう国家的な事業をしている者には、これは労使同じ立場であるというのが原則だ、国民の公僕であるわけでございますから。その辺は組合の方々にも御認識をいただき、そして二万四千の郵便局、三十一万の組合員の方々、そういう方々が和気あいあいと国民の、竹下内閣、さわやか行政サービスなんて言っておりますが、さわやかな行政サービスをしていただくような労使協調の時代をつくってまいりたい、かように考えております。
○田並委員 ぜひひとつ、今後の事業の活性化計画を進める上でも、労使間で十分な協議をして、先ほど言った労使対等、お互いの信頼関係を基礎として一層の事業の進展のための努力をされるように要望しておきたいと思うのです。
 私も大変不徳のいたすところがありまして、昨年の暮れにある局へ行きましたら、職場の人には大変歓迎されたのですが管理者の方から少しそっぽを向かれて、これはどういうことなんだろうなというふうに思ったことがあります。これは余談でございますから別に問題にするつもりはございませんが、というようなこともありました。ぜひひとつ、大臣も人事部長もそういう決意ならば、下部の方まできちっと指導徹底をしていただくようによろしくお願いをしておきたいと思うのです。
 そこで二点目の、今全逓が進めている制度政策活動に対する評価の問題でありますが、全逓は昭和五十八年ごろから、事業の社会的有用性を高め、あわせて雇用確保と労働条件の維持改善を図る、要するに全体として郵政事業三十万人体制、郵便十四万人体制、これを何とか雇用として確保したい、雇用を確保するためには事業の発展もなければならぬというようなことで、いろいろな研究をして、特に三事業が一体で、しかも全国ネットワークで公共的な使命というものをきちっと認識をした上で事業活性化をするためにはどうあるべきかということを、独自に制度政策活動というのでいろいろな研究をし、その成果を内外に発表し、また郵政省にも具体的な政策提示を行っていると思うのですね。先ほど言った貯金、保険なんかの変形勤務というのは、どちらかというと全逓側が政策提起をして出したという経過があるわけですね。過去にはちょっと考えられないことなんですが、いずれにしてもそういう活動を続けてきているわけですね。恐らく省の方にも数多くの政策課題の提起をしていると思います。
 もちろんこれは、郵政省が管理運営事項、持っているわけですから、どういう政策を選択をするかというのは郵政省の独自の判断でしょうし、また決定だと思うのです。ただ、そういう労働組合が、これからの事業の活性化を図りながら国民のニーズにこたえて社会的有用性を高めて、その中でいかに雇用を確保するか、これは当然の仕事だと思うのです。そういう政策提示に対してぜひ省の方としても謙虚に耳を傾けて、受け入れるべきものは受け入れて、ひとつ政策を実行に移す、こういう態度も必要ではないだろうか、このように思いますので、これらの全逓が進めております制度政策活動に対する物の考え方と、政策提示を受けた場合の郵政省の対応の仕方、これについてぜひひとつ御意見をお聞かせを願いたいと思います。
○白井(太)政府委員 まさに私ども郵政事業に働く者にとりましては、事業の成否というのが結局は私どもそこに働く職員の将来を左右することになるわけでありまして、そういう意味からも、事業が発展していくということはほかならず職員、我々のためでもありますし、労働組合の方々にとってみればこれは組合員の方々のためでもあるわけでありまして、そういう観点から労働組合の方がいわゆる制度とか政策に絡むような問題についてもいろいろ前向きの御意見を寄せられるということは、それはそれで大変私はありがたいことだし、評価すべきことだというふうに思っております。
 先生もまさにおっしゃいましたように、労働組合と私どもというのは確かに立場の違いはございますので、実際に政策を実行に移すとかあるいは政策について最終的な責任を負うとかいうようなことにつきましては、省がそういう責めを負うということは当然のことでありますから、そういう立場の違いということはもちろんあります。しかし、今申し上げたような観点から、この事業の将来に向けていろいろ制度絡みのお話でありますとか政策絡みのことについて労働組合としてもいろいろな希望とか意見が十分あり得るわけでありまして、そういうものに対して私どもとしても謙虚に耳を傾けて、取り入れるものはもちろん取り入れていかなければなりませんし、急いでやるものは急いでやるということをやっていきたいというふうに考えておるところでございます。
○田並委員 そういうことで、ひとつ今後とも郵政省の方としても謙虚に耳を傾けて、受け入れるべきものは受け入れて、政策実施をお願いをしたい、このように思います。
 そこで、先ほど人事部長の方から最初の回答の中で出ておりました昨年の秋の労使関係の改善交渉について、労使双方で一定の理解を得るところに至ったというお話がございましたが、ぜひその概要についてお聞かせを願いたいということと、もう一つは、その中で、いろいろな話し合いの経過の中で労労、労働組合と労働組合に対しては厳正中立の方針を守っていくんだ、こういうお話があったようでございますし、さらにもう一つは、具体的に各郵政局及び各郵便局の段階までこの交渉内容の徹底した指導を図る、このようなことが言われているようでありますが、これらは具体的にどのように行われ、今日各職場ではどのような認識をされておるのかということについてお聞かせを願いたいと思うのです。
○白井(太)政府委員 多少お答えが長くなるかと思いますが、お許しをいただきたいと思います。
 まず、労使関係につきまして、昨年の年末交渉における経緯でございますけれども、先ほども若干触れさせていただきましたように、労使関係の問題につきましては、全逓労働組合の方から労使関係のあり方についで年末交渉の中でいろいろ話し合いをしたいということの申し入れがございまして、昨年秋、再三再四にわたりまして私も出席をする形で労使関係のあり方について議論、協議を重ねてまいりました。そして最終的に年末交渉を落着させたのが十一月二十一日でございましたけれども、その前、二十日から二十一日にかけましてはまさに徹夜で細かな話し合いも詰めたところでございまして、二十一日の昼ごろやっと最終的に了解点に達したということでございます。
 その議論の中では、私どもも率直に省としての立場を、組合としては必ずしも歓迎できないような言葉もあったかと思いますけれども、申し上げることはすべて申し上げたつもりでございまして、それから私の方も、労働組合の言われることについては、私としては謙虚にお聞きしたつもりでございます。そして組合の方のお話を十分承った上で、省としてできないものはできない、できるものはどういうものがあるかということで省としての見解を申し上げ、その点はついて組合の方が了解をされたという形になっております。
 骨子は、これも当たり前といえば当たり前のことでございますけれども、あえてまとめますと三点に要約できるように思います。
 一つは、労使関係が正しく安定した状況にあるということが事業の発展にとっても必須不可欠のことである、労使は立場の違いはあるけれども、しかし事業の発展ということを一つの労使の共通の目標として、これから双方お互いに努力をしていこうではないかということが第一点目でございます。
 それから第二点目は、これは先生もただいまちょっとお触れになったわけでありますが、労使の相互の立場を尊重して不介入の原則を貫いていくという、いわば労使あるいは労労の問題については中立的な立場を堅持していくことが必要だということを確認をいたしたわけでございます。
 それから三つ目は、これも労使の立場は異なりますけれども、しかし担うべき役割というのはそれぞれが持っておるわけで、双方がその役割というのを分担し合いながら、社会は役立つような事業あるいは事業の発展というのを目指していこうじゃないかというような点、これが第三点目でございますが、これらの点について私どもの方で基本的な考え方を申し上げて、組合が了解をされたということで年末交渉を最終的に終了したような次第でございます。
 それで、それを受けまして、実はこうした労使関係についての考え方というのは、私ども職員数にしても三十一万人近い職員数になりますし、正式の郵便局というものだけをとりましても二万数千という大変多くの職場があるわけでございますので、そういう考え方というのが郵政省金体にきちっと行き渡らなければならないということが、当然のことでありますけれどもあるわけでありますので、十一月二十一日に労働組合との最終的な話し合いが終わりました直後、すぐ地方に連絡をとりまして、一週間も置かないうちだったかと記憶しておりますが、労務関係の責任者に急遽集まってもらいまして、年末の交渉の経過などをかなり細かく、またその考え方が十分理解してもらえるように、会議を持って浸透を図ったところでございまして、考え方については十分郵政局の方にも伝わったというふうに思っております。
 なお、今度は郵政局の方はそれを受けまして、年末は大変忙しい時期でございますから、年末のときにそういう会議を持つというようなことはできなかったところもあるいはあったようでありますけれども、年末から年明けにかけましてこういう考え方について浸透を図るようにしたところでございまして、少なくとも考え方については私どもとしては十分伝わったものというふうに理解しております。先ほどの先生のお話のように何か失礼なことがあったとすると、その点大変私どもとして十分でなかった点があるのかもしれませんが、考え方としてはそういうことでございます。
 それから、労使関係の問題あるいは労働組合と労働組合との問題について省が厳正中立な立場をとる、堅持するということは、先ほど申し上げた年末交渉をまとめるに当たっての三本柱の一本でございまして、この点については当然のことながら地方にもそういう考え方の浸透を図ったつもりでございますので、考え方としては各郵政局、各郵便局もよく理解をいたしておるというふうに考えております。
 ただ、職場の数も多い、職員の数も多いということから、時々そういう厳正中立な態度ではないのではないかというようなお話も出ないわけではございません。たまには出てくることもございますけれども、これは考え方の中に誤解があれば誤解を解くということをしなければなりませんし、もし間違って理解をしておるというようなところがあるとすれば、間違いをすぐ直さなければいかぬということで対処をしておるつもりでございます。
 以上が先生の御質問に対するお答えでございます。
○田並委員 とにかく長い歴史的な経過があるわけですからいろいろな屈折もあるでしょうし、あるいは現場の管理者によってはとらえ方の違いもあるだろうと思うのです。しかし、労使は相対の問題ですから、全逓側にも一半の責任があると思うし、郵政省側はそれ以上にまた責任があるんだという自覚のもとに、十一月二十一日に労使関係の改善について了解点に達したものについてはそれぞれが一層の責任を持って下部の方をぜひ指導してもらって、正常な労使関係を、あるいは一層労使関係が改善されるように努力をしていただきたい、このようにお願いをしておきたいと思います。
 先ほど言ったのは、決して失礼なことがあったのではなくて、私の不徳のいたすところでそうなったのですから、決してお気にされないようにひとつ……
 次に、労働時間の短縮の問題についてお伺いをいたします。
 先般郵政省の方では、来年の二月を目途に貯金、保険の窓口について毎週土曜日を閉庁する、こういう方針を決められて発表されました。このことは国内外の労働時間短縮の要請にこたえてこれを推進するという立場から大いに歓迎をしたいと思いますし、評価ができると思います。
 そこで、これは貯金、保険の職場が一応対象になって、ほかの共通であるとかあるいは郵便、集配、こういう部門についてはまだこれが具体的に適用にならないわけでございますが、ぜひひとつ、これを一刻も早く郵政省に働くすべての人、全職場に拡大をして、週四十時間、週休二日制といっても、郵便だとかあるいは集配の職場の場合には土曜、日曜が休めるということではございません、平日に二日とるということになるのでしょうが、いずれにしても週に二回の休暇がとれる、こういう方向を推進してもらいたいと思いますが、その実施時期。
 それともう一つは、労働時間短縮を進める場合には必ず、効率化もいろいろあると思いますが、要員措置もしなければならないと思うのですよ。そこで、条件整備はどのように考えられているのか。
 それと三つ目は、要員問題そのものというのはあるいは管理運営事項かもしれませんが、労働時間短縮に関係する要員措置というのは当然労働条件の範疇に入るのではないかと思うのです。したがって、この要員措置についても労使間の協議を十分して、具体的ないろいろな意見を出し合いながらひとつ円満にこれが解決されるようにするべきではないか、このように考えますので、時間の関係で三つ一遍に言ってしまいましたが、以上お聞かせを願いたいと思います。
○白井(太)政府委員 貯金、保険の窓口を閉めることにつきましては、厳密に申し上げますと、私ども、六十四年二月実施を目途に具体的な検討に入るという表現をさせていただいておりますが、もちろん格段の条件がなければそういう方向で検討を進めたいということでございます。
 これは冒頭に申し上げておかなければなりませんけれども、貯金、保険の窓口を土曜日に閉めるということが、即その日から週休二日制が完全に実施されるというところまでは実は考えていないわけでございまして、どうしてもそういうものは、方向としてはそういう方向ではあるわけですが、多少段階を踏んで実施していかざるを得ないというふうに考えておるところでございます。
 特に、先生もお話しございましたように、貯金、保険の窓口の仕事に携わる職員の場合と、それから特に郵便の仕事に携わる人の場合とでは、窓口を閉める閉めないの違いなどもありまして大変な条件の違いがございます。その辺が私どもにとりましては大変頭の痛いところでございますけれども、率直に申し上げまして、ある仕事に携わる職員の場合は勤務時間が短くなったり休みが多くなるけれども、ほかの部署に携わる職員については勤務時間も短くならないとか週休も多くならないというようなことは、これはどうしても避けなければならないと思っております。同じ職場に働く者でありますから、どういう部署に働く人であろうと同じような勤務時間、同じようなお休みというのをとれるようにするということでなければならないというふうに思っております。
 そういうようなこともありまして、方向としては週休をふやすとか勤務時間を短くするというのは政府としても考えておる大きな方向であると思っておりますし、もう既に昨年の秋には労働基準法も改正されまして一週四十時間というのが基本的な勤務時間として法律に定められたわけでありますので、もはや私どもはこの問題は避けて通るわけにはいかないというふうに考えております。
 そこで、実は私どもは、どのようにして勤務時間を短縮したりあるいは週休二日制を拡大していくのかということになるわけでありますが、私どもが休みを多くとるためにそれが国民の皆さんに対する負担の増加ということになるのは大変問題があると考えております。それでは結局何のことはない、私どもが事業の伸びる芽を摘んでしまうということになりかねないと思っておりまして、ここは何としても広い意味での効率化施策というものを実施することによって、そういう必要な要員というのは何としてでも生み出すという努力をしなければならないというふうに考えております。
 そこで、どういう効率化をしなければならぬのかということについても、実は郵政省の中で、関係のところで再三再四打ち合わせをいたしまして、こういうようなことをやる、ああいうこともやるというようないわばメニューのようなものをそろえたところでございまして、そういうものを実施すれば休みをふやすということもできるし、勤務時間を短くするということもできるというところまで省の中の意識統一はいたしたところでございます。
 したがいまして、私どもとしては、一週間ばかり前だったと思いますけれども、関係の労働組合に対しても実ははっきりそういうことを申し上げまして、この点について組合の理解と協力がどうしても欲しい、省としては週休の問題等につきましてはもう取引も駆け引きも何にもない、ただこの効率化の施策をどうしてもやって、そして休みをふやすとか勤務時間を短くするということをせざるを得ないので、何としてもこれは組合に理解してもらわないと困るということを私の方からお話をしたところでございます。労働組合の方も、基本的にはその方向を了解する、そういうような方向で問題に対応しなければならぬということは組合としてもわかっているという御返事もいただいているところでございまして、各論に入るとなかなか難しい問題が確かに山ほどあろうかと思いますけれども、労使の懸命な努力をすれば必ず解決できると私は思っております。
 それがどのくらいの期間かということになりますと、今の時点でどのくらいということは申し上げるまで材料が整っておりませんが、少なくとも、先ほど申し述べましたように労働基準法が改正されていずれは一週四十時間というのが実現されることになると思いますので、そのときに私ども郵政事業がとてもそれに追っついていかないというようなことは絶対にないようにしなければならないというふうに考えておるところでございます。
 それで、あとはそういう効率化施策等をめぐりましていろいろ労働組合との話し合いというのが問題になってくるわけでございますけれども、先生も御案内のように、労使の話し合いにつきましては団体交渉のほか、労使間の協議ということについて労働組合との間できちっとしたルールもでき上がっておりまして、このルールの運用についても相当な経験を積んでおると私ども理解しております。そういうようなルールにもよくのっとりまして、本当に忌憚のない意思疎通というのを十分に図って、私どもの立場からしますと週休二日制の円滑な実現というものを目指してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○田並委員 ぜひひとつそういうことで労使間の協議なり交渉を十二分にやっていただきまして、効率化計画効率化計画と言うのですが、中身はよくわかりませんけれども、人をうんと減らしたり、過酷な労働条件にならないように、その辺も配慮してやってほしいと思うのです。
 今手元にあるのですが、人事院が最近調査をした内容で、週休二日制から始まって週休一日制のところまで外国の例を全部調べてあるのです。この調査は四十カ国なのですが、三十一カ国が既に完全週休二日制に入っているのですね。例えば隔週土曜日が休みだという国が一つ、これは日本も入るのでしょうか、ポーランドと、日本が四週六休試行ということで。あと、週休一日半というのがイタリア、マレーシア、香港、シンガポール、韓国、週休一日がアラブ首長国連邦、イスラエルと中国ということで、四十カ国をずっと見ると三十一カ国が既に完全週休二日制に入っているわけです、世界的な趨勢として。
 また、同じような先進国と言われているアメリカが既に一九四五年昭和二十年、イギリスが一九五六年昭和三十一年、西ドイツが一九五九年昭和三十四年、フランスが一九六六年昭和四十一年、もう既に二十年以上も前から完全週休二日制に入っている。経済大国になった日本がこの時期に週休二日制というのは非常に遅いわけでありますが、いろいろな事情があっておくれてきていることはわかりますので、ぜひひとつそういう国際的な趨勢、あるいは経済審議会、閣議決定、これらはとにかく週休二日制、労働時間の短縮を進めょうじゃないか、こういう方向が出ておって、それのトップを切るような形で郵政省が来年の二月からとにかく毎週土曜日は休みにしよう、こういうふうに打ち出したわけでありますから、これの推進が非常に期待をされておりますので、それの完全な実施とあわせてほかの職場についても早期に実施ができるように、ひとつ強く要請をしておきたいと思うのです。
 もう時間がございませんので最後になります。第七次の定員削減計画、これは六十一年の八月一日に閣議決定されました。この中で郵政省の場合は三カ年ですか、五年間で五%を目途に人員削減をする。郵政省の場合には具体的には一万五千六百二名の削減目標が閣議決定をされているわけです。
 そこで、特に郵政省の場合は、先ほど申し上げましたように、確かに国家公務員ではありますが、特別会計によって、自前でもって人件費等を出しているわけですね。しかも活性化計画によって事業の拡大再生産をひとつやろう、今こういう努力をしている最中でありまして、郵政事業としてこのとおり実施をすることには少し問題があるのではないか。もちろん、閣議決定の中でも事業の状態に応じていろいろと協議をするものだというふうになっておりますので、その部分については当然第六次のときにも郵政省としては協議をされて理解を得ていただいているという話を聞いておりますから、まことに結構なことでございますが、これをそのとおりやるということになりますと郵政事業全体の三十万人体制というのは崩れていくような気がするのですね。だから、逆にその三十万なら三十万の体制の中でさらに事業を発展をさせるという方策を当然考えるべきではないか、このように思いますので、ぜひひとつそのことを聞かせていただいて質問を終わりたいと思います。
○白井(太)政府委員 六十二年度から五カ年での第七次定員削減計画がもう既に緒についておるというのは先生のお話のとおりでございます。定員の五%の削減というのがその内容になっておりまして、私ども郵政省のような事業を行っておる部門につきましても基本的にはその方向で削減を行うということで進められてきております。ただ、これはもう先生も御案内のとおりでございますけれども、定員削減計画で五%の要員を削減をするということはそれはそれとしてあるわけでございますが、他方また、事業の事務量というか仕事の量がふえたものについては、またそのふえたものに見合うだけの要員を確保するように努めているところでございまして、削減計画に盛られている数字がそのまま純粋に全部減になるというものではございません。一方に減る要素はあるわけですが、他方において仕事がふえるものについてはやはりふえる仕事に見合う要員をできるだけ確保するということをしなければいけないわけでございまして、実はプラスとマイナスを一緒にいろいろやってきておるところでございます。
 ただ、これは先生にはおしかりを受けるかもしれませんが、私ども職員数が非常に多いということから全体の予算の中に占めます人件費の割合というのも大変大きなものになっておりまして、やはりできるだけこの人件費を抑制するというのがまた事業を将来発展させていく上でのかぎにもなるという側面もございます。ある意味ではできるだけ人がふえるのを抑えるとか、あるいはもし余分なものがあるとすれば少しでも減らしていくということは絶えずやっていかなければならぬという宿命のようなものがございますので、その辺も十分頭に入れていかなければならぬ。しかし、仕事が円滑に回っていかなければならない、あるいは国民の皆さんに対するサービスに遺漏があってはいけないというような面もございますので、それらをいろいろとあわせて問題のないようにやっていかなければならぬというふうに考えているところでございます。
○田並委員 終わります。
○塚原委員長 これにて大臣の所信表明に対する質疑は終わりました。
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○塚原委員長 次に、通信・放送衛星機構法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 政府より趣旨の説明を聴取いたします。中山郵政大臣。
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 通信・放送衛星機構法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
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○中山国務大臣 通信・放送衛星機構法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、最近における無線通信技術の進歩に対処して、宇宙における無線通信の普及発達等を図るため、通信・放送衛星機構が産業投資特別会計の出資を受けて行う業務等に関し所要の規定の整備を行うとともに、あわせて、通信・放送衛星機構の役員の任期を改める等所要の改正を行おうとするものであります。
 次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。
 第一は、通信衛星の定義を、無線通信を受信してその再送信を行うための無線設備及びこれに附属する設備のみを搭載する人工衛星であって、固定地点からの無線通信を受信して固定地点へその再送信を行うための無線設備を主として搭載するものに改めることといたしております。
 第二は、通信・放送衛星機構の理事及び監事の任期を三年から二年に改めることといたしております。
 第三は、通信・放送衛星機構は、その所有に係る放送衛星について通信・放送衛星機構の行う業務のうち政府から衛星所有資金に充てるべきものとしてされた出資に係るものに係る経理であって、当該所有に係る部分については、その他の経理と区分し、特別の勘定を設けて整理するとともに、この勘定において利益を生じたときは、政令で定めるところにより、これを国庫に納付するものとしております。
 なお、この法律の施行期日は、区分経理等に関する規定については、昭和六十三年十月一日から、通信・放送衛星機構の役員の任期等に関する規定については、公布の日からとしております。
 以上がこの法律案を提出いたしました理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
 ありがとうございました。
○塚原委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 次回は、明二十四日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時二十八分散会