第112回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第3号
昭和六十三年三月二十四日(木曜日)
    午前九時五十分開議
 出席委員
   委員長 稲葉 誠一君
   理事 高橋 辰夫君 理事 中村正三郎君
   理事 宮里 松正君 理事 上原 康助君
   理事 玉城 栄一君 理事 和田 一仁君
      北村 直人君    佐藤 静雄君
      鈴木 宗男君    武部  勤君
      近岡理一郎君    野中 広務君
      鳩山由紀夫君    渡辺 省一君
      前島 秀行君    小谷 輝二君
      藤原 房雄君    林  保夫君
      中路 雅弘君
 出席国務大臣
        外 務 大 臣 宇野 宗佑君
        国 務 大 臣
        (沖縄開発庁長
        官)      粕谷  茂君
 出席政府委員
        防衛施設庁総務
        部長      弘法堂 忠君
        防衛施設庁労務
        部長      山崎 博司君
        沖縄開発政務次
        官       岡野  裕君
        沖縄開発庁総務
        局長      勝又 博明君
        沖縄開発庁総務
        局会計課長  五郎丸日出昇君
        沖縄開発庁振興
        局長      塚越 則男君
        外務省北米局長 有馬 龍夫君
        外務省欧亜局長 長谷川和年君
 委員外の出席者
        防衛庁教育訓練
        局訓練課長   柳澤 協二君
        大蔵大臣官房参
        事官      林  正和君
        国税庁間税部酒
        税課長     久米 重治君
        農林水産省農蚕
        園芸局果樹花き
        課長      市之宮和彦君
        食糧庁管理部企
        画課長     日出 英輔君
        水産庁漁政部企
        画課長     上木 嘉郎君
        資源エネルギー
        庁公益事業部業
        務課長     清川 佑二君
        運輸大臣官房審
        議官      近藤 憲輔君
        運輸省国際運
        輸・観光局観光
        部旅行業課長  高野 富夫君
        運輸省港湾局計
        画課長     坂井 順行君
        運輸省航空局監
        理部航空事業課
        長       圓藤 壽穂君
        運輸省航空局飛
        行場部計画課長 堀井 修身君
        海上保安庁警備
        救難部警備第一
        課長      中島 健三君
        労働省職業能力
        開発局管理課長 清浦  寛君
        特別委員会第一
        調査室長    諸岡 昭二君
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委員の異動
三月二十四日
 辞任         補欠選任
  瀬長亀次郎君     中路 雅弘君
同日
 辞任         補欠選任
  中路 雅弘君     瀬長亀次郎君
    ─────────────
三月三日
 北方領土返還促進等に関する請願(高橋辰夫君外一名紹介)(第六九四号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
 沖縄及び北方問題に関する件
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○稲葉委員長 これより会議を開きます。
 沖縄及び北方問題に関する件について調査を進めます。
 まず、沖縄及び北方問題に関する政府の施策について、外務大臣から説明を求めます。宇野外務大臣。
○宇野国務大臣 沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、一言ごあいさつを申し上げます。
 まず北方領土問題について申し述べます。
 昭和三十一年の日ソ共同宣言による国交回復以来既に三十年余が過ぎた今日、我々の祖先が辛苦の上に開拓し、歴史的にも法的にも我が国の領土として全く疑いを挟む余地のない北方四島が、依然としてソ連の不法占拠のもとに置かれていることは、まことに遺憾であります。
 政府といたしましては、歯舞、色丹、国後、択捉の北方四島の一括返還を実現し、平和条約を締結することにより真の相互理解に基づく安定的関係を確立するとの確固たる基本方針にのっとり、ソ連との間に粘り強く交渉を重ねてまいりました。しかしながら、ソ連側はこの問題の解決をかたくなに拒み続け、いまだに平和条約が締結されておりません。
 本年後半にはシェワルナゼ外相の来日を得て日ソ外相間定期協議を開催したいと考えておりますが、右協議に際しましても、またそれ以外の機会にも北方領土問題は日ソ関係の発展の上で避けて通れない問題であることを主張し、ソ連にその解決を強く求めていく所存であります。
 私は、ゴルバチョフ政権が標榜しているペレストロイカ、新しい思考がソ連の対日政策、なかんずく北方領土問題に対するソ連の立場の変更につながり、ソ連が我が国の正当な主張に誠実に対応し、言葉ではなく行動でそれを示すことを強く求めるものであります。この問題の解決は、単に日ソ二国間のみならず、広くアジア・太平洋地域の情勢の健全化にも大きく貢献すると信ずるものであります。
 北方領土返還を求める国民世論が日ごとに高まりを見せていることは外交交渉に当たる者として誠に心強い限りであります。政府といたしましては、一昨年十月の決議を初めとする累次にわたる北方領土問題解決促進のための本委員会の決議の趣旨を踏まえて、全力を傾注してソ連との交渉を続けていく所存であります。
 次に、沖縄に関する事項について申し述べます。
 日米安保条約に基づき我が国に駐留する米軍の存在は、我が国の平和と安全、ひいては極東の平和と安全に寄与するものであります。日米安保条約の目的達成のためには、米軍施設、区域の円滑かつ安定的使用を確保することが極めて重要であると考えております。
 同時に、政府といたしましては、沖縄において米軍施設、区域の密度が高くその整理統合について強い要望があることを十分承知しており、これまでも米軍施設、区域の整理統合計画の実施について努力してまいったところであります。また、米軍の活動に伴う住民生活への影響についても、これを最小限にとどめるよう努力を払ってまいりました。
 政府といたしましては、安保条約の目的達成と地域住民の要望との調和を図りつつ、沖縄における諸課題の解決のため、今後ともさらに努力を払っていく所存であります。
 最後に、本委員会の委員の皆々様よりの引き続きましての御協力、御助言を賜りますよう切にお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。
○稲葉委員長 以上で説明の聴取は終わりました。
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○稲葉委員長 次に、沖縄開発庁長官に対し質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宮里松正君。
○宮里委員 それでは、さきに行われました粕谷沖縄開発庁長官の所信表明に対する質問を行いたいと思います。ちょっと風邪を引いておりまして、聞き取りにくい点があろうかと思いますけれども、御容赦を願いたいと思います。
 まず最初に、昨年秋に行われました海邦国体の成果についてお尋ねをしておきたいと思います。
 昨年は、沖縄県にとって復帰十五年目の記念すべき年でありましたが、その上、十月二十五日から同三十日までの六日間にわたっては、全国一巡の最後を飾る第四十二回国民体育大会秋季大会の海邦国体が「きらめく太陽 ひろがる友情」をテーマにして開催され、地元はこの海邦国体の期間中二重の喜びに沸き立ちましたことは御承知のとおりであります。
 この海邦国体において実施されました競技は三十一種目、これに参加した選手が全国から約二万人、使用された競技会場は沖縄市の主会場を初め県下三十四市町村に設けられた七十二カ所の競技場でありました。沖縄県は、昭和五十四年の三月に国体の誘致を決定いたしまして以来、九年余の年月をかけて競技会場の建設その他の準備をしてまいりました。それだけの時間的な余裕があったということ、政府の御支援によりまして、あるいは県民の御協力によりまして十分な準備態勢が整えられてきたというようなことなどもありまして、昨年の海邦国体は、会場の設営の面でも、あるいは選手、役員の受け入れ態勢の面でも十分に気が配られておりました。
 また、開会式から閉会式に至るまでの各種公式行事の運営の面でも、大会基準にのっとってわりかた整然と実施されたというふうに思います。おまけに、地元沖縄県の選手団が地元の利を生かして多くの種目で健闘し、男女ともに総合優勝を果たし、天皇、皇后の両杯を獲得したのでありますから、地元にとっては全く言うことがありません。
 沖縄県は、復帰後、政府の関係省庁や関係団体等の御協力のもとに、昭和四十七年には植樹祭を行い、昭和四十八年には復帰記念特別国体の若夏国体を実施し、また昭和五十年には復帰記念国際海洋博覧会を開催いたしました。昨年の海邦国体は、そのような経験と実績の上に立って開催されたものであります。そして昨年の海邦国体の終了によりまして、復帰後に予定されておりました大きな行事は一通り終了いたしました。この復帰後に予定されておりました最後の海邦国体を無事こなし、これを予想以上に成功させることができたことによりまして、地元沖縄県の人々は、やればできるという自信を深めたことと思います。
 そこで、私はこの際、沖縄開発庁が沖縄県と一緒になりまして二十一世紀へ向けた、例えば国際的なリゾート計画などを用意いたしまして、新しい県づくりの施策を積極的に展開し、海邦国体で示された沖縄県民の情熱とエネルギーをそれらに活用していくべきではないかと考えているわけであります。海邦国体の成果につきまして、粕谷長官の御所見を承っておきたいと思います。
○粕谷国務大臣 先生の御質問にお答えをさせていただきます。
 先生がおっしゃいましたように、昨年開催されました海邦国体は全く大成功裏に終了したというふうに、私どももはたからテレビなどを通じて見ておりまして痛感をいたしました。今日また、沖縄の担当大臣としてお役目を務めさせていただいておりまして、現地にも赴いてその実感を新たにしたわけでございます。これは今、宮里先生のお言葉にもありましたように県民の努力、これは言うまでもありませんけれども、同時にまた、社会資本の整備、その実績が両々相まって結実をした、それが大成功をおさめたゆえんではなかろうか、こんなふうにも思っております。
 今後、このような海邦国体の技術面、運営面の大成功をばねとして、沖縄県民の皆さんが自信を持って豊かな沖縄県づくりに励まれることを確信いたしている次第でございます。私どもといたしましても、沖縄の振興開発のために今まで以上に各般の施策を推進して、今後も全力を尽くしていきたいと思っております。
○宮里委員 海邦国体の成果の一つに、選手、役員を受け入れた民泊、民宿との海邦国体後の交流の面が語られております。私も何度かそういう方々のお話を承って、幾つかの事例を承知しておりますが、例えば宜野湾あたりで民泊をされた選手諸君は、今なお民泊の方々と文書などによる交流をしておりまして、何かしら国体を通して沖縄と全国の方々との心の交流が非常に盛んになってきた、こういうことが言われているところであります。
 これなども、この国体をしてよかったな、しかも復帰して十五年という節目に、長官が先ほど言われましたように、その間に社会経済も大変発展をしてまいりまして、地元の人々も心にある程度の余裕ができて、それがまた本土からお越しいただいた選手、役員の方々との温かい交流というふうになったと思うわけであります。これからもその実績を踏まえて、今沖縄県では県当局並びに関係団体等、何としてでもこの成果を次の県づくりにつなげていこう、こういう運動が起こっているところであります。その辺のことも踏まえられて、ひとつこれからの施策の展開にも役立てていただきたいと思います。
 次に、前回の委員会でも御質問を申し上げたのでありますが、海邦国体後の振興計画の推進についてお尋ねをいたしたいと思います。
 前回は主として、国体が終わると公共事業を初めとして国庫支出金が削減をされ、地元の経済が冷え込むのではないかという不安が県民の間にありました。したがって国体後も振興計画の推進については特段の御配慮をお願いしたい、こういう趣旨でお尋ねをしたわけであります。幸い六十三年度の予算は、県民のそのような不安などにも配慮をいただきましてかなり積極的なものを組んでいただきましたので、そのような懸念はある程度解消したかというふうに思います。その点、心から感謝を申し上げるところであります。
 ところで、沖縄開発庁は昭和四十七年以来、本土とのもろもろの格差を是正し、かつ経済社会の自立的発展の基礎条件を整備するという目標を掲げて沖縄県の振興開発計画を推進してこられました。この振興開発計画を推進するために、昭和四十七年度から昭和六十二年度までの十五年間に沖縄開発振興事業費として投入された国庫支出金は、産業投資特別会計への社会資本整備勘定分を含めて総額で二兆四千六百六十四億四千五百万円であります。
 その内訳は、公共事業関係では治山治水事業費が千三百億六千九百万円、道路整備事業費が八千六百八十四億三千万円、港湾漁港空港整備費が三千九百三十六億五千三百万円、住宅建設事業費が千七十七億五千八百万円、下水道環境衛生施設等の整備費が四千三十四億二千八百万円、農業基盤整備事業費が二千四百八十七億五千三百万円、林道工業用水施設等の整備費が四百六十二億一千九百万円、そして公共事業関係の推進調査費がそのほかに十二億三千百万円計上されまして、公共事業関係の合計が二兆一千九百九十五億四千百万円となっております。
 また、非公共事業関係では教育振興事業費が二千七十億一千九百万円、保健衛生事業費が百五十五億三千九百万円、農業振興事業費が四百四十三億四千六百万円、合わせて二千六百六十九億四百万円となっております。
 この事業項目別に支出された振興開発事業費の金額を見ますと、国がこの十五年の間に公共事業関係では道路、港湾、漁港、空港、下水道及び農業基盤の各整備事業に力点を置き、また非公共部門では教育の振興に特に力を入れてこられたことがだれの目にも一目瞭然であります。そして実際にも、道路、港湾、漁港、空港、下水道及び学校教育施設などは、この十五年の間に毎年目に見えて整備をされてまいりました。復帰前にはあらゆる面で軍事優先政策が貫かれておりました。道路も港湾も空港も上下水道も、米軍のための軍用道路、軍用港湾、軍用空港、軍用上下水道しかまともなものはなかったことを思いますと、実に目覚ましい発展ぶりであります。
 この十五年の間にはこれら社会資本が急速に整備されたばかりでなく、本土各地との間の航空路や自動電話網なども整備され、県民の生活が一段と便利になってまいりました。そして、最近は人口も百二十万台にふえてまいりましたし、県外からの観光入域者も二百三十万人台を維持するようになってまいりました。
 このように沖縄県は、昨年の海邦国体にも見られますように、二十一世紀の新しい時代の到来を間近に控え、ようやく将来にかすかな夢と希望が芽生えてきたような感じがいたします。そして、このかすかな夢と希望をただ夢と希望として終わらせるのではなく、これを現実の経済社会の繁栄に結実させていくためには引き続き道路、港湾、空港及び下水道などの社会資本の整備をさらに進めてまいりまして、その上で沖縄県の地域特性にマッチした、例えば国際的な海浜性リゾートでありますとかあるいは学術、文化の交流の面での施策でありますとかそういったものを積極的にこれからも推進していかなければならぬと考えているところであります。
 前回は国体後の不安に対する御配慮をお願いしたのでありますが、今回はそのような観点からさらに積極的な施策を展開していくべきではないだろうか、こう考えておりまして、その点に関します長官の御所見を賜れば幸いであります。
○粕谷国務大臣 今先生の御指摘になりましたように、私も就任早々沖縄を視察に行きましたときに、西表に渡りまして民宿に泊まりました。商売というか商いというか、そういうようなのりを越えた民泊には人間的な情愛、家庭の温かみ、そういう点で非常に親身な交流が行える、こういうふうにしみじみ感じまして、前段にありましたような、これからの沖縄にいろいろな海邦国体の経験を生かして民泊なども考えたらどうだというような御指摘については大変な共感を覚えております。
 それから、今海邦国体後の沖縄振興開発事業計画、それについての数字を挙げての大変克明な御指摘、御質問がありまして、一々ごもっともだなと思って拝聴しておりました。
 御承知のとおり、復帰以来十五年を経過したわけでございますが、その間に先生おっしゃいましたように約二兆五千億弱の国費が投入されてきたわけでございます。その間、社会資本整備の面では学校施設あるいは道路、港湾、空港等の交通通信施設、それからとみに最近は水の確保という点で上水道あるいはまた終末処理の下水道などの生活環境施設の整備、こういうものが大きく前進をしてきておるわけでございます。
 そんなことで、次第に本土と沖縄との格差は縮小はしてきている、こんなふうに思いますが、しかしながら生活産業基盤の面ではなお整備を要するものが数多くありますので、一層産業の振興、それから特に雇用問題、これをやはり重視しなければならぬだろう、こんなふうに思っております。それからまた水の確保は沖縄の農業、産業に欠かすことのできないことでございますので、こういったことを解決しなければならない、こういう課題を抱えながらこれから励んでいきたい、こんなふうに思っております。
 こうした中で、今後の沖縄の振興開発につきまして、本土との格差の是正を行うと同時に、自立的発展の基礎条件を整備してこれを四全総の開発計画の基本的方向につなげていく。そして、沖縄の地域の特性であります亜熱帯性、海洋性を生かして来るべき二十一世紀の社会にふさわしい国際交流拠点沖縄一そして国際的評価にたえられるリゾート基地の形成及び亜熱帯農業の振興等、特色のある産業の振興を図っていくということの必要性を痛感いたしております。これらに向かって沖縄開発庁といたしましては、以上のような考え方に立って今後とも沖縄の振興開発に積極的に取り組んでいきたい、こう思っております。
○宮里委員 海邦国体後の振興計画の進め方につきまして、今粕谷長官から大変力強い御所見を承ってまことにありがたいというふうに思っているところであります。
 特に、さきの国会で制定をされました全国保養地域整備法、これに基づきます国民保養の場としてのリゾート計画、今沖縄県はその準備をしている最中でありまして、寄り寄りこれから開発庁とも御相談をされながらその具体化をしていくのだというふうに思います。きょうは、その点につきましても先ほどの御決意の趣旨にのっとりまして、これからひとつ積極的に推進をしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 次に、昨年の四月十六日付の要請書に基づきまして沖縄県に国立の組踊の劇場をつくっていただきたいという要請があったはずであります。
 沖縄県には独特の歴史の中から生まれてまいりました伝統芸能がございまして、古典舞踊、古典音楽とともに伝統芸能の組踊というのがございます。この組踊というのは舞踊と音楽とせりふを組み合わせて物語の筋を運んでいくという非常に特色のある戯曲であります。昭和四十七年五月十五日復帰のその日に国指定の重要無形文化財に指定をいただきまして、今関係者はその伝承並びに発展のために努めているところであります。
 これはかなり長い歴史と伝統を持ったものでございまして、代々舞踊家の中の長老格といいますか非常に精練された方々がこれを引き継いでまいりまして、これを次の世代に伝承していく、こういう手法と伝統がつくられてまいりました。戦後、長老の方々が何名か他界をされまして、最近はこの世界でも世代交代が著しくなってまいっております。
 そこで、沖縄には多目的の劇場、集会場などはあるわけでございますが、この種の伝統的な古典でありますとか重要無形文化財というような形の芸能を伝承し発表するという専用の劇場がございません。ちなみに、国が重要無形文化財に指定したものは、雅楽、人形浄瑠璃、文楽、能楽、歌舞伎、そして今の組踊と義太夫節、さらには常磐津節の七つだそうであります。その五番目にこの組踊は指定を受けているわけであります。
 そこで、海邦国体も無事に終わり、これからはかなり落ちついた形で地元でも振興計画を進めていける、こういう形になってまいりましたので、この辺でひとつ長年の念願であります国立の組踊劇場をおつくり願いたい、こういう要望があるわけでございます。もとよりこれには相当の準備と想を練っていく期間も必要になろうかと思います。そしてまた、今東京で第二国立劇場が建設をされている最中でありまして、この種の文化事業に振り当てられる国費もある程度限度があるところでありますから、そう簡単に実現できる、そしてまた直ちにそれが実現できるというふうにも必ずしも思えないのでありますけれども、この辺でひとつしっかりとした考え方を示していただいて、あるいは県ともひとつじっくり御相談をいただいて、何らかの形でこれが実現できるようにお願いをしたいと思うのでありますが、長官の御所見をひとつ承っておきたいと思います。
○粕谷国務大臣 御指摘のように、沖縄の貴重な伝統芸能を継承して発展をさせるということは重要な課題であります。中でも重要無形文化財にされております組踊につきましては、この伝承者のお年がだんだんと高齢化されてきているということも加えて、このような中で沖縄県において国立組踊劇場の設置要望があることは理解をできるところであります。
 この件につきましては、文部大臣から過日お話を承りました。現在、今お話しになりましたように国立第二劇場の建設を控えておりますなど、種々の困難な問題を抱えているようでございます。しかしそれはそれとして、当庁としては今後文部省と引き続いて御相談をさせていただいたり、関係者との御相談をさせていただいたりして、ぜひ積極的に取り組まさせていただきたい、こういうような気持ちでおります。
○宮里委員 粕谷長官の組踊劇場の設置に対します前向きの姿勢を承って、大変ありがたく思います。ぜひひとつこれから、そう急いでもできないのでありましょうけれども、一つの方向を出しておいていただきたいと思います。
 次に、岡野政務次官にひとつお伺いをしておきたいと思います。
 岡野政務次官は、大変政務に熱心な方でありまして、毎回こうしてお座りでありますけれども、なかなかその御高見を承る機会がありません。政務次官は沖縄と非常にゆかりの深い方でありまして、そしてまた非常に該博な方でありまして、これまでしばしば沖縄現地を訪問され、御視察をされたと聞いております。
 そこで、先ほどから粕谷長官と質疑をしたわけでありますが、昨年の海邦国体あるいはその後の振興計画の進め方あるいはまた今の沖縄の現状を踏まえて、沖縄は振興計画等によるてこ入れをしながら将来どう進んでいくべきかといったようなことなどを含めまして、ひとつ視察の御感想あるいは御所見なども承れれば幸いでございます。ひとつよろしくお願いをいたします。
○岡野政府委員 政務次官の私に御質疑をいただきまして答弁のチャンスをつくっていただきました。宮里先生本当にありがとうございました。
 先生がおっしゃいますように、昨年の秋この仕事につかせていただきまして以来、三回ほど沖縄に参上することができました。と申しましても、私は役人生活が長かったものですから、在官当時から勘定いたしますれば何十回行っておりますか、そんなことでございますが、その沖縄にお邪魔をするたびに思いますのは、やはり沖縄の経済あるいは生活面におきますところの進歩が非常にはっきり出ているのではないかな。道路が非常に立派になりました。名護から沖縄まで結んだ高規格の幹線道路を今度は南風原まで延ばそうじゃないか、こんな予算も今できているわけで、また御審議をいただいているわけであります。
 港も立派になりましたし、空港も整備されました。上下水道しかりであります。教育施設、学校校舎等々もよくなったな。また立派なビルディングが非常に目につくようになりましたし、総じて思いますのは、沖縄県民の皆さんのお顔がうんと明るくなったなということを身をもって体感をしているところであります。
 先生もお話しになりましたし大臣からもお話がありました海邦国体、東京から千七百キロも離れているところであれだけ大きな成果をおさめたということは、県民百二十万の皆さんが本当にこれで自信を深められたのではないかな。
 私は、役人以来引き続いて通信だとか放送という仕事をしてまいりましたので、南北大東島で人工衛星のおかげでビデオではなくて生でちゃんとテレビが見れるようになった、よかったな、あるいは二月以降先島も、離島間の通信もちょうど那覇から名護に電話をかける料金と全く同じ三十円ということになりましたので、これもNTTもいいことをしてくれたものだな、こう思っているわけであります。
 さりとは申しましても、政務次官に発令をいただき、現地をお訪ねを申し、また事務局の立派な皆さんから現状の報告をつぶさに受けますと、やはりまだまだやらなければいかぬことが数多いな。県民所得をつかまえてみましても、全国平均から見ても、十五年前は六〇%でありましたものが七四・五%になった、まことに立派だな、先輩の皆さんのおかげだなと思うのではありますが、私の田舎の東北よりもまだ劣っている、最下位だということであります。特に大臣もお話しになりました雇用関係では、まことに残念でありますが、失業率は全国から比べますと約二倍の数値になっているということであります。
 ということでありますならば、やはりこれから産業基盤というものを十分整備をし、その上に立って雇用対策を中心に沖縄が経済的にも自立体制ができるような基礎づくりをすることが私どもに課せられた仕事ではないかな。農水産関係についても、立地条件を考えましても本当にこれから多くなすべきことがあろうと思います。組踊のお話がありましたけれども、沖縄は伝統に輝く立派な文化遺産というものも持っておりますので、これに新しい着物を着せなければいかぬのではないか。それから、在来の産業を栄えさせると同時に、やはり付加価値の大きい新しい産業も導入していったりなどなどと、現地に参り勉強しますればするほど、私ども任重いものがあるなということを痛感している今日であります。
 幸いにいたしまして、積年にわたって御指導いただいております大臣、粕谷先生のもとで働かせていただける。粉骨砕身、一生懸命頑張りまして、今後の沖縄の発展のために努力してまいろう。指針も、第二次振興計画あるいはまたその後期の展望と戦略というような提言もいただいてありますので、これからも先生の御指導を賜りたい、このように思っているところであります。よろしくお願いいたします。
○宮里委員 大変ありがとうございました。長官並びに政務次官の御答弁をいただいて、私も非常に力強く思っているところであります。
 確かに、復帰十五年の間に長官並びに政務次官が御指摘されましたように、社会資本の整備の面で格段の進歩があります。復帰前に比べると、ややオーバーな言い方をいたしますと隔世の感すらするわけであります。
 例えば現地の人たちの生活実感からいたしましても、今新車を乗り回しているのは沖縄の青年たちでありまして、GIたちはおんぼろの車をやっこらやっこら転がしているという状態。これなどを見ても、復帰してこの十五年の間に沖縄がすばらしくよくなったな、十五年前に県民が総力を結集して復帰を実現してよかったな、こういうことを私はしばしば実感として持つわけであります。しかしながら、これは復帰前が余りにも惨めだった、そしてまたすべての面に軍事優先の政策が貫かれておって、アメリカのキャンプと自分たちの生活を比較しながら慨嘆をしておったところから今を見るからそのような感慨もわいてくるのであります。本土各地に比べますと、今なお格差というのは歴然としたものがあるわけであります。
 例えば、陸上交通一つをとってみましても、沖縄には鉄道がございませんので、すべては道路運送、バスあるいは自家用車に頼らざるを得ません。それも、先ほど御指摘いたしましたように、八千億余りの巨額を投じて復帰後道路を整備してまいりましたが、今なお都市間交通といいますか市街地の交通は渋滞も甚だしい状況でございまして、これからも道路の整備を続けていかなければならぬ、こういうことをつくづくと痛感するところであります。
 幸い、昨年の海邦国体に合わせて開通をいたしました自動車道の南端から空港までの高規格道路も計画をしていただきました。そしてまた、国道五十八号線の嘉手納地域の渋滞緩和のためのバイパスなどにつきましても位置づけをしていただきました。それからさらに、例えば読谷から西海岸を国道五十八号に並進をさせまして、安謝、泊の港をまたぎ、そして那覇港を越えて、空港を経て、糸満あたりまでの道路の整備も必要になってこようかというふうに思います。
 実はこの西海岸湾岸道路というのは、昭和五十年の海洋博の関連道路計画といたしまして、当時県と建設省の道路局との間でしばしば議論をしてきたところであります。今その一部が北の端で嘉手納のバイパスという形で実現をするわけでありますけれども、これも今後ひとつ引き続き御検討願っておきたいというふうに思います。
 それから自動車道の関連で申しますと、北の方は宜野座から名護の許田に行く道、これはもともとは名護岳の裏を通って本部半島を貫くといったような構想もありました。これから後も、これを真っすぐ、例えば大宜味の塩屋ないしは国頭の奥間あたりまで背骨を一本ぶっ通してまいりまして、その端で西と東に道路を振ってまいりまして、東の方の東村の地域、名護市の久志地域等々の開発効果が大いに期待できるところであります。
 新リゾート法に基づきますリゾート計画が沖縄本島では北部で進められているように思います。そうなってまいりますと、今でも例えば海洋博記念公園の年何回かの行事のときにも道路が渋滞をいたしまして、ふだん二時間で来るところを六時間もかかるような状況でありますから、このようなところもひとつ御検討を願っておきたいというふうに思います。
 それから、沖縄全体としては、離島でありますから、港湾整備をすることはもちろん緊急の課題であります。そして、これには相当の巨額の国費が投ぜられておりまして、かなりその整備がなされてまいりました。ただ一方、沖縄本島の東にあります南北両大東は港がございません。非常に地元の人たちに不便を与えております。前回もこの点は御指摘をしたところでありますが、絶海の中に島が二つ切り立った形で浮かんでいるというのが南北の両大東島であります。今農水省の水産庁漁港部の方で漁港整備の準備を進めているようでありますけれども、これは漁港だけではどうしても位置づけがしにくいというふうに思います。漁港に一般港湾そしてあそこは優良な漁場にもなっているわけでありますから、避難港を兼ねた形で計画を進めていただくと私はちゃんとしたものができるのだろうというふうに思います。
 これらのことにつきましては、具体的になってまいりましたので長官にお答えいただくのはちょっと大変だと思いますので、振興局長の方にひとつ御答弁を願いたいと思います。
○塚越政府委員 ただいま道路関係の御質問、それから南大東の漁港についての御質問がございました。
 御指摘のように、沖縄の場合には鉄道がございませんので、道路の整備ということは県民の生活、産業の振興に大変大きな意味を持ってくるわけでございます。こういうことから、私どもこれまで道路の整備に努めてまいりましたが、その結果整備率等を見ます限りは大変よくなってきたと思いますけれども、なお道路網の密度でございますとか体系的な道路網の整備というところでまだまだやっていかなければならないことは多いのではないかというふうに考えております。先生の御指摘の点を踏まえまして、これからそういった点に力を入れて検討してまいりたいというふうに考えております。
 それから、南大東の漁港の関係でございますが、南大東の水産振興のために漁港の整備が必要であるということを考えておりまして、第四種漁港としての漁港指定を行いまして、第八次漁港整備計画、これは昭和六十三年から六十八年までのものでございますけれども、その中で前進根拠地及び避難港としての機能を持つ漁港として整備を進めることとしております。
 南大東島は海底から屹立した隆起孤礁ということでございまして、しかも台風の常襲地帯でございます。大変厳しい自然条件のもとにあるわけでございますので、開発庁としましては、六十一年から六十二年にかけまして、沖縄特定開発事業推進調査費によりまして、南大東島における漁港整備計画樹立のための調査を行っております。六十三年度は沖縄県が建設に関する技術的調査を行うという予定でございます。
 簡単に申しますと、以上のようなことでございます。
○宮里委員 時間も残り少なくなってまいりましたので、多少急いでまいらなければなりませんが、道路関係につきまして振興局長にもう一言だけお尋ねをしておきたいと思います。
 前年度の予算の中には浜比嘉の架橋が予算化されまして実現することになりました。これは大変ありがとうございました。
 次に、屋我地大橋は復帰前に米軍予算などでつくられたものでありますけれども、当時としてはなかなか画期的なものでございましたが、今から見ますともう橋げたが非常に老朽化もしてまいりましたし、そして構造そのものがまた非常に小さい、貧弱なものでございました。現在の交通体系ではもう対応できなくなってまいりました。そこで、これをできるだけ急いでひとつかけかえをしてほしいという要請があることは御承知のとおりだというように思います。一方また、今帰仁とその屋我地を結ぶ運天港の根っこの方、ワルミと言われるところでございますが、これに対する架橋も要請をされているところであります。
 地元の皆さんのお話を伺っておりますと、まず最初に屋我地大橋のかけかえをやっていただいて、その上でひとつワルミの方もお願いをいたしたい、こういう御要請を承っているわけでありますが、これに関します局長の御所見をひとつ承っておきたいと思います。
○塚越政府委員 屋我地大橋につきましては、御指摘のように老朽化が著しくて、また幅員狭小、しかも歩道が設置されていないということでございますので、早期に改築を行う必要があると考えております。事業着手に向けて努力をしてまいりたいと考えております。
 それからワルミ架橋でございますが、これにつきましては、地域振興のための関連施策経済効果、それから取りつけ道路を含めた路線の位置づけ等につきまして沖縄県で調査を行っているところでございます。この結果を踏まえて、また屋我地大橋との関連もございますが、そういうところをにらみながら事業化に向けて検討を進めてまいりたいと考えております。
○宮里委員 次に、総務局長にお尋ねをしておきたいと思います。
 昨年、補正で自由貿易地域の予算が計上されました。そして直ちに着工をされ、今つち音も高く建物が建築されつつあるところであります。これはもとより復帰のときにつくりました沖縄独特の制度でありまして、そしてまたこれからの国際化に向けて沖縄地域の経済の活性化等々に大いに役立つだろうと期待をされているものであります。長い間かかってやっと実現にこぎつけたわけでありますが、この将来に若干問題がないわけでもありません。
 もともと自由貿易地域というのは、関税等が高いときには非常に機能しやすいわけでありますが、今の世界、国際貿易というのは次第次第に関税等が低減をされてくる傾向にあるわけであります。そしてまたその地域の労務賃金などが低いときにはこれまたかなり有効に使えるわけでありますが、それも先進国並みになってまいりますと、若干工夫していただかないとなかなかうまくいかぬというところもあるわけであります。したがって、一応制度として発足をすることになったわけでありまして、そして大体四十二、三社ぐらいの企業が今ノミネートされているということも聞いているわけであります。今後ともひとつこれを発展させていくためにいろいろと御指導、御助言等々いただきたいと思うのでありますが、これに対する御見解をお聞かせ願いたいというふうに思います。
○勝又政府委員 沖縄に沖縄振興開発特別措置法に規定します自由貿易地域を設置することによりまして、当該地域に貿易に関連します県内外の企業立地が促進され、これによりまして県内における雇用機会が増大する、あるいは企業活動が活発化するなどによりまして、県経済の発展に大いに寄与するものであろうというふうに期待しておるわけでございます。私ども沖縄開発庁といたしましても、県の御当局あるいは県の経済界の御努力等によりましてその機能が十分発揮されるよう見守ってまいりたいと思っております。
 ただ、今先生御指摘の現行制度の機能の拡充ということにつきまして、県内においてもいろいろ御意見があることは承知しておるわけでございます。しかし、この自由貿易地域制度と申しますのは、先生も御指摘になりましたように、関税法に規定している保税制度と企業立地のための税制上の優遇措置というものを組み合わせた制度としてあるわけでございまして、そういうような制度のもとに現在自由貿易地域制度が間もなく発足しよう、こういう時期でございます。
 したがいまして、御指摘の件につきましては、まず現行制度によりまして自由貿易地域制度の設置を行い、その運営状況を見た上でなお検討すべき課題があればその時期に検討するということで、当分成功への努力を見守っていきたい、かように考えておるわけでございます。
○宮里委員 次に、パインの自由化対策について農林省にお伺いをいたします。
 御承知のように、昨年農産物十二品目につきましてアメリカ側からガットへの提訴があり、ことし二月上旬に、そのうち沖縄のパインを含めまして十品目ほどクロの判定が出た。そこで政府としても、これ以上日米間の二国間協議を続けてもなかなからちが明かぬ、一部を除きましてパインなどは自由化へ踏み切る、こういう閣議決定がなされたところであります。
 ところが、沖縄パインは一九五〇年代以降当時の占領軍が沖縄本島中南部の農地を接収してそこに米軍基地を建設した、その代償措置として北部山間地を開いて始めたのがこの沖縄のパインの始まりであります。そしてまた軍用地に土地をとられ農業ができなくなった、その軍用地周辺の農民が八重山の裏石垣に移住をいたしましてそこでパインをつくり出したのが八重山のパインの始まりであります。
 したがいまして、農産物につきましても自由貿易体制というのが原則でありますから、東南アジア地域から自由化を要求されても、これは沖縄の県民大衆にとっても何ら驚くに足らないごく当たり前のことである、こういうふうに自然に受けとめられるわけでありますが、基地のために農地を取り上げてその代償措置としてみずからつくり出したはずのアメリカが、沖縄農民を相手にパインの自由化を求めてきた、ここに沖縄現地は大変な怒りを覚えているわけであります。したがいまして今なお自由化阻止の旗がおりておりませんで、なかなか条件闘争にまでこない、これが実情であります。
 しかし、そうはいいましても既に国と国との間で方針が決まって自由化に踏み切ったわけでありますから、これから後はこの自由化に伴うその国内対策あるいは国境対策等々をしていかなければならぬ、私はこう思います。
 そこで、農林省御当局に、今回のこの農産物のうち特にパインの自由化につきまして今後どのような対策を考えておられるのか、今またその内容がほぼ固まってきたかどうか、そのことについてまずお伺いをいたしたいと思います。
○市之宮説明員 お答えを申し上げます。
 パイナップルの調製品等につきましてはガットに適合する措置に移行することになるわけでございますけれども、私どもといたしましては、沖縄農業の将来に禍根を残すことがないよう関係各方面から御意見を十分に伺う等手順を踏みながら、所要かつ適切な措置につきまして最大の努力を傾注してまいりたい、このように考えているところでございます。
○宮里委員 まだ具体的な形では対策が固まっていない、こういうことだと思いますが、どうせ自由化に踏み切ったわけでありますから、その実施までの間には生産農家あるいは工場等が困らないように、実施時期等を決定するに当たりましてもひとつ十分な猶予期間を置かれ、そして生産農家に対する価格の安定対策あるいは国境対策、それから生産向上のための助成措置等々、さらにはまた工場側に対しましても産業が滅びていかないように、持続していけるように、しっかりとした対策をとっていただきたいと思います。
 時間がありませんので次の問題に移りたいと思います。
 新石垣空港の建設計画につきましては前回の委員会でも御質問申し上げたところでありますが、そのときには、最終的にはこの新石垣空港の建設は現石垣空港が既に手狭になり、ある意味では危険状態になっている、千五百メートルの滑走路を暫定許可という形でジェット機を就航させている、しかも一日十二ないし十三便、もはや飽和状態になってきている、そして既にその滑走路が狭いためにといいますかオーバーランの事故なども起こってきている、こういう事実を踏まえて、運輸省当局には新石垣空港の建設の必要性というものについて確認をしていただいたのでありますが、その点まだ変わりがないかどうか、もう少し御答弁を願いたい。
○堀井説明員 お答えをいたします。
 先生御指摘のように、石垣島には県が設置管理をいたしております第三種空港の石垣空港というのがございますけれども、滑走路延長千五百メーターでございます。したがいまして、本来的に申し上げますとジェット機を就航させるには標準的な延長の長さではございません。そんなこともございますが、ただ航空需要が非常に大きいということもございまして、現在ジェット機の中でも一番小型のボーイング737というジェット機が就航してございますが、これを就航させるために例えば滑走路にグルービングをいたしますとか、あるいは空港施設についていろいろな配慮をする、あるいは運航に当たってはかなりの制約を加える、このようなことで安全を確保しながら運航しておるのが現状でございます。
 一方で、現在の需要でございますけれども、現石垣空港の六十一年度の実績を見てまいりますと七十万を超えておる、特に那覇路線については六十万を超えるというような数字でございまして、全国の第三種空港中乗降客数では第一位でございますし、またその利用率につきましても上位にランクをされるというようなことで、御指摘のように非常に混雑と申しましょうか望ましいというような状態にはないと思っております。
 そのようなことからできるだけ早く本格的なジェット空港、中型ないしはそれ以上のジェット機が就航できる空港がぜひとも必要だというふうに私ども考えてございまして、できるだけ早く建設を進めなければならないという従来の考えに変わりはございません。
○宮里委員 最近環境保護に関する国際組織、略してIUCNと言っておりますけれども、総会で、この新石垣空港の候補地になっております白保地域での建設を見直したらどうかといったような決議などもあります。そしてそこの種の保存委員会の事務局長をしておりますスティーブン・エドワーズという人などもお招きいたしまして、日本環境会議が先般石垣市でシンポジウムを開催する予定にしておりました。
 ところがそこへ新石垣空港の建設がいつまでたっても実現しないことにいら立った賛成促進派の市民の方々が参りました。新聞の報道によりますと約千人ほど参りまして、自分たちもそのシンポジウムに参加をさせて意見を述べさせてくれ、こういう要請をしたようであります。そこでこのシンポジウムは、平穏に学際的なシンポジウムができないと、新聞報道によりますとそのような形で中止になったようであります。
 そこで、新石垣空港は、前回も指摘いたしましたように現在の石垣空港がもうどうにもならない、極端な言い方をすると暫定許可という形で今綱渡りをするような気持ちで石垣空港は運航している、こういう状況であります。そこで一日も早く白保に新石垣空港をつくってちゃんと基準に合った安全性の確保された空港を確保していきたい、そしてまた本格的な空港をつくることによって石垣地域の地域振興を図ってまいりたい、こういうのが石垣市民を初め八重山郡民の長年の念願である。
 そこで、運輸省にも新石垣空港建設の必要性について重ねて確認を願ったところでありますが、開発庁ひとつ、今予定をしております白保の建設予定地というものは県と石垣市が長い年月をかけ石垣地域をつぶさに調査をし、ここ以外にないんだ、最終的な案を出し、地元の漁民を含め九十数%、ほとんどの人の了解をとって行政上の手続を積み上げられて今日に至ったはずである。よそから来て、その場所にはアオサンゴがあるからそれを保護するために計画を考え直したらどうかというようなことは、私は地元に対しては非常に僣越だろうと思うのです。民主主義の世の中、地元の人たちが総意を結集してここでいこう、こういう結論を出しているわけです。本来ならば素直にそれを受け入れてその計画を進めるのが建前であろうと思います。
 そして、確かに滑走路の建設予定地の南側、一番近いところで七、八十メートル、中心地域から遠いところで百五十メートルのところにアオサンゴの群生がある。それはまた相当年月のたった、相当発達した、よそでちょっと見られないものです。しかし、そこはアオサンゴだけである。滑走路になる地域、ほかの地域に比べてそれ以外の別にすぐれた産業があるわけでもありません。そこで、開発庁はこれまで県と接触してこられて、果たして建設予定地が変更可能なものなのかどうか。またそこで、現在の白保地域以外に適地があると考えられるかどうか。その点についてこれまで接触した過程でのお話をお聞かせ願いたいと思うわけでございます。
○塚越政府委員 空港の建設地点の選定につきましては、設置管理者である県が第一義的に判断されることでございますが、県としては非常にいろいろな問題を考慮した上で現在の予定地である白保海上を選定したというふうに私どもも理解しております。
 詳しく申し述べることは時間の関係でできませんけれども、まず現空港の拡張でございますが、これにつきましては市街地に大変近接しているということで、現在でも騒音問題がございますし、また空港の早期移転ということが地元住民が暫定ジェット化を容認する上での条件となっていたこともございます。また、七十ヘクタールほどの用地確保が必要でございますが、これが周辺の土地利用の現況から困難でございますし、また国指定の歴史的文化遺跡でありますフルスト原遺跡というものが破壊されるという問題もございます。こうしたことから、現在の空港を拡張するということはできないというふうに私どもも判断いたします。
 それから、現空港のある位置で多少方向を振るという考え方でございますが、これはフルスト原遺跡を回避できますし、また進入表面が市街地の真上になることを避けられるということはございますけれども、住宅団地などが新たに騒音影響の範囲に入ること、また、周辺の土地利用でもさらに多くの農地がつぶれるというような問題、八重山保健所などの公共用の建物の移転が必要であるという問題、こういったことからますます問題は大きくなるというふうに考えられます。
 また、そのほかのものとして白保海上、白保陸上、宮良川、富崎野といったような地点を候補地として選んで検討したようでございますけれども、いずれの点につきましても、新たに空港用地として必要な区域、面積約百十ヘクタールのものが必要でございますけれども、大部分は農地として土地改良事業が終了または計画されている区域でございます。空港を建設する場合には、陸地であります場合にはどうしても三十戸から五十戸の農家に影響があるわけでございますが、こうした農家の転業というようなことはなかなか難しゅうございますし、島内に代替地を確保することも難しいという問題がございます。
 そのほか白保陸上案では騒音問題あるいは墓地移転の問題がございますし、富崎野というところでは観音崎歴史公園計画との競合あるいは道路、海底送電線、水道ポンプ場のつけかえ、移設というような複雑な問題を抱えることになります。
 以上のように、陸上の四候補地については空域条件、土地利用条件、騒音等生活環境への影響、工事中の現空港の機能維持面への影響などの面からいろいろ検討を行った結果なかなか難しいということになりまして、総合的に見て白保海上案が他の候補地に比べて優位であるという結論を出したというふうに聞いております。
 以上でございます。
○宮里委員 時間がなくなりましたので、最後に一言だけ。
 この新石垣空港の問題につきましては、昨年の八月運輸省、建設省、沖縄開発庁、そして環境庁、それに沖縄県当局が加わりまして五者の間で一定の協議をなし、県の当初の計画を変更して、先ほど指摘しましたアオサンゴから約五百メーターずらすことによって計画を進めていく、こういう協議もなされたはずであります。したがいまして、その線に沿ってこれから関係当局の御協力をいただいて鋭意推進をされて地元の期待にこたえられるよう、最後に御要望を申し上げて私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○稲葉委員長 上原康助君。
○上原委員 粕谷長官初め開発庁の皆さん、関係者の皆さん、大変御苦労さんです。きょうは質問が多岐にわたりますので、私の方もできるだけ要領よくお尋ねをいたしますが、大臣初め答弁者の方々の誠意ある御答弁を要望して、お尋ねに入りたいと思います。
 そこで、まず粕谷長官に改めて所信をお尋ねしたいわけですが、沖縄開発庁長官に御就任以来既に現地も御視察をなされ、またせんだってこれからの沖縄施策に対する所信でも、特に二次振計後期に入り今後より沖縄の振興開発に政府としても力を傾注をしていきたいということが明らかになったわけです。これまでも何代かの長官にその都度お尋ねしてきているわけですが、おおむね一次振計あるいは二次振計のその基本に沿ってもちろん政策や行政を進めていかれることは理解するわけですが、沖縄担当の大臣に責任者として就任なされて、特にこの点に力を入れてみたい、これこれの課題については自分の在任中に実現したい、あるいは方向づけたいという、いわゆる目玉的な施策があっていいんじゃないかという感を私は受けるわけですね。もちろんそういうことを逐次進めてこられた歴代の大臣も多いわけですが、粕谷長官は何を実行なさって、そしてまた何を二次振計後期から、恐らく三次振計ということは当然私は続くものと期待をし、またそうならざるを得ないと見ているわけですが、そういう重要課題について、ぜひもう少し具体的にお聞かせいただければありがたいと存じます。
○粕谷国務大臣 先生御承知のとおり、ざっくばらんのところ閣僚の任期というのは普通一年ぐらいです。その間に、沖縄が抱えておる大きな悩み事、問題がいろいろあろうと思うのですが、それを一気かせいにこの一年間で解消するなんということはとても望めるべきことではないと思っております。
 私も就任してまだ五カ月足らずでございますので、本来東京っ子でございますから全く沖縄に――担当大臣として就任しまして以来四回沖縄に渡っております。また一方で北海道も私担当しておりますので、そちらの地域にも行かなければならぬ。こういう中で、閣議のある日、また国会のある日を避けたりして行かさせていただいております。
 痛切に感じますことは、沖縄は離島の集まりで形成されている県でございますから、本島のように大きい島はまた本島自体の交通網の整備ということもあろうと思うのですが、沖縄県全体で考えた場合には水路、空路といったものをできるだけ開発しなければいかぬのじゃないだろうかというようなことを痛感をしております。なろうことなら、私の任期中に空路一つでも地元の御要望にこたえられるようなことができたらなというようなことを考えております。
○上原委員 空路一つというと東京――宮古直行便ですね。後で聞きますが、このことを念頭に置いて今御答弁いただいたのかどうか聞かせてください。
○粕谷国務大臣 まだ具体的には私がこれこれというようなことを申し上げる段階にはありません。しかし、先生御指摘の空路も一つの懸案事項であるということは言えると思います。
○上原委員 そこで、離島県である沖縄の二十一世紀に向けた振興開発というと、今大臣御指摘のように交通網をどう整備をしていくかあるいは県内域の道路整備等々が、もちろん海上輸送、水路を含めてのことですが、あると思うのです。
 そこで、四全総における沖縄地方開発整備の基本的方向というのがある程度明らかにされております。二十一世紀への、昭和で言うと七十五年、西暦で言うと二〇〇〇年でしょうが、その国土づくりの指針となる第四次全国総合開発計画が昨年六月に閣議決定をされ、その中で、今も大変問題になってきているわけですが、大臣は東京の御出身ですから東京一極集中ということに、それでいいんじゃないかというお立場もあるいはあるかもしれませんが、やはり多極分散型の国土形成を目標とした一極集中の是正というのは国民の今期待しているところですね。
 四全総に対する批判などもいろいろあって中途で若干軌道修正というかされて、多極分散型国土の形成目標というのが四全総で明らかにされてきたわけですが、その中で沖縄も三全総に引き続き特に一ブロックとして位置づけられたということ。沖縄は「我が国の南西端に位置するという地理的特性を生かした東南アジアをはじめとする諸外国との交流拠点の形成、豊かな亜熱帯・海洋性自然と特有の伝統文化」これも後ほどお尋ねしますが、「伝統文化と歴史的蓄積を活用した国際的規模の観光・保養地域の形成等により地域の特性を十分に活用した産業・文化を振興し、特色ある地域として自立的発展を図る。」このように四全総の中で沖縄地域を一ブロックとして位置づけてあるわけですね。
 そこで、これを基本概念としてとらえて、これからの開発あるいは整備の方向の可能性は非常に大きいと私は思うわけですが、今私が指摘をしたことあるいはこの四全総で沖縄の位置づけがこのようになされているということはまさに二次振計後期の課題であり、さらには二次振計後期で達成できないものはそれを第三次振計として引き継いでいくという構想を一応方向づけたものと私は理解をするわけです。この点についての大臣の所見を改めてお聞かせをいただきたいと存じます。
○粕谷国務大臣 お尋ねは今後の沖縄の振興開発についてどう考えるかというようなことであろうかと思いますが、このことにつきましては、さきに沖縄振興開発審議会から提言をされました「第二次沖縄振興開発計画後期の展望と戦略」これを踏まえまして、来るべき二十一世紀社会にふさわしい国際交流拠点及び国際的評価にたえ得るリゾート基地の形成並びに亜熱帯農業の振興等特色ある産業の振興を図ることが必要である、こんなふうに考えております。
 それから、沖縄開発庁としましては、このための基盤整備といたしまして、水資源の安定確保、交通通信体系、農業生産基盤等の整備拡充等の振興方策の展開を図ってまいりたいというふうに思っております。さらに海邦国体後、沖縄の経済が落ち込むことのないよう県当局、民間経済界等の御努力を期待するとともに、沖縄開発庁といたしましても今後の沖縄の振興開発に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。
 さらに、第三次沖縄振興開発計画の必要性についてでございますが、第二次振計の後期がまだ四年余を残しておる時点でありますので、第三次振計の必要性の有無につきましては今即座に判断するというのは時期尚早ではなかろうかと思っております。
○上原委員 逐次具体的な中でその必要性をもっと明らかにしていきたいわけです。
 そこで、二次振計後期の具体的プロジェクトについてこれまでも何回か開発庁当局で明らかにはしてきたわけですが、先ほどもありましたが、海邦国体が済んで、いよいよこの二次振計後期の主要プロジェクトというものを具体化していかなければならぬという段階にあるわけです。改めて六十三年以降後期のプロジェクトはどういうものを特定をしておられるのか、もう一度明らかにしていただきたいと思います。
○塚越政府委員 お答え申し上げます。
 第二次沖縄振興開発計画後期以降におきましても、引き続き格差の是正と自立的発展の基礎条件の整備を積極的に進めるという考え方でございまして、具体的プロジェクトといたしましては、かねてから御説明しておりますけれども、中城湾港の新港地区の整備、新石垣空港の整備、首里城正殿の復元等、国営沖縄記念公園首里城地区の整備、それから六十二年度に芽出しをしましたものとして北西部河川総合開発事業、宮古地区の国営かんがい排水事業それから那覇新都心地区開発整備事業、さらに六十三年度に新たに整備に着手することとしております那覇空港自動車道の整備等がございます。
 さらに今後とも農林水産業の生産基盤の整備、水資源の開発、教育の振興、道路、空港、港湾等交通関係施設の整備、住宅、公園上下水道等生活環境施設の整備、保健衛生対策の促進といったようなことに努力をしてまいりたいと考えております。
○上原委員 今お述べになったのは、大体これまでも後期プロジェクトとして六十年以降あるいは六十年代に入っての課題ですよ。新しく出てきたのが、俗に言う上之屋の開放によって、それを含む那覇新都市計画あるいは那覇空港までの自動車道の延長というようなことが最近の大きなプロジェクトとして出てきているわけですが、それ以外は大体既存の計画なんです。ですから、それだけでは後期の主要プロジェクトとして物足りないのではないかというのが現在私たちが受ける印象なんです。まずそのことをちょっと指摘をしておきたいと思います。
 そこで、今振興局長がお答えになったことと関連させながら、冒頭指摘をしました四全総においては、特に交流ネットワーク構想計画というものが強調されておるわけですね。「地域相互の分担と連携関係の深化を図ることを基本とする交流ネットワーク構想の推進により多極分散型国土の形成を目指す。」交通網については、高速交通体系の全国展開により地方中枢あるいは中核都市等全国の主要都市間の連絡を密にし、あるいは強化をしていく。そういう意味で青函トンネルとか瀬戸大橋その他いろいろ、この日本列島はまさに陸続きに今なろうとしているわけです。
 そうなりますと、この日本列島は、沖縄以外は全国主要都市間ではもう既に日帰り可能な交通圏になりつつあると見て差し支えないと思うのですね。また、地方都市においても国際交流機能の強化を図りつつある、千歳が国際空港になっていく、あるいは大阪新空港ができると、これもまた飛躍的に国際化されていくでありましょう。だんだん離島県である沖縄が、日本列島、四国を含めての関係から取り残されていく可能性が強くなりつつあるわけですね。ですから、そういうことも想定をして、やはり二次振計後期のプロジェクトなり二十一世紀に向けてどういうふうに沖縄の位置づけをしていくかということは極めて重大な政治選択課題、政策課題だと見ていいと私は思うのですね。
 そういうことをまず開発庁としても、もちろんこれは沖縄県なり私たち地元の者がもっと努力をしなければいかぬ点は否定はいたしませんが、少なくとも沖縄開発庁としては、格差の是正とか基礎的条件の整備、そういった単なる延長線上ではなくして、日本列島がどう変化をしてきているのか、そのことを想定をしたプロジェクトというものを考えないと、これは格差是正どころかだんだん格差が拡大をしていくということになりはしないか、こういう懸念を持つわけです。
 そこで、そのためにはやはり沖縄本島を日本の本州、まあ本州という言い方はどうか知らぬが、いわゆる那覇市を東京都に例えて、一つの圏域あるいは国としての位置づけをした上での開発構想があってしかるべきじゃないのか、こう思うわけですね。その意味で、例えば高規格幹線道路をどうもっと整備をしていくのか、あるいはコミューター時代と言われて、小型機の空港整備というもの、離島県、離島がたくさんありますから、それをどういうふうな位置づけをしていくかという点、こういうことなどを、もちろん漁港であるとか港湾であるとかそういう総合交流ネットワークの沖縄の二十一世紀に向けた振興開発構想というものを、この際地元ともよく協議の上で策定をしていくべきだと私は思うわけですが、これらの点についてはいかようにお考えになっておられるのかという点。
 それとこの小型機用空港整備というのはさほどまだ進んではいないようですが、しかし、運輸省が四全総の方針に沿って進めていこうとするそのコミューター整備事業にただ乗っけるということではなくして、沖縄の場合、やはり沖振法で高率補助ということも当然この件にも導入していくべきだと私は思うのですが、こういった点をあわせてひとつお答えをいただきたいと存じます。
○塚越政府委員 先生から御指摘いただきましたように、沖縄は大変数多くの離島で構成されておりますし、また本土から遠距離にあるという地理的特性がございます。そういった地理的特性を克服するためにどうしても交通網の整備ということが不可欠であるというふうに私どもも認識しております。そこで、これまでもその整備を積極的に進めてきたわけでございますが、なおその整備は十分とは言えない状況にございます。
 まず、陸上交通の面でございますが、道路整備の水準、これは舗装率とかそういったことでございますが、そういった水準は改善をされてきましたけれども、やはりなお道路網密度が少ない、それから体系的な道路網の整備がおくれているということで、計画的な道路整備を引き続き進めていくということが大事なことだろうというふうに考えております。
 海上交通の面でございますが、貨物量の増大、コンテナ化等、輸送形態の変化、船舶の大型化といったような時代の変化というものもございます。そういったものにも追いついて、それに即した港湾の施設整備を進めていかなければならないということで、安定的、効率的な海上交通ネットワークの確立を図っていく必要があるというふうに考えております。
 それから、航空輸送の面でございますが、沖縄における航空輸送が沖縄―本土間はもちろん、離島相互間の重要な交通機関となっているわけでございますので、那覇空港の整備を進めるとともに、離島の振興、住民生活の安定向上を図るための離島空港の整備を引き続き推進する必要があるというふうに考えております。
 コミューターの問題でございますけれども、コミューターというのはどの範囲のものを考えるかという問題がございますが、沖縄に限らず各県の離島の航空の場合には、これを離島空港ということで整備をするということで進んできているようでございまして、沖縄の場合にも、滑走路が短い、例えば千メートル以内のものにつきましても離島空港といいますか第三種空港として整備を進めてきているというようなことになっております。この点はまた運輸省の方のお考えもあろうかと思いますが、そういうことでやらせてきていただいているということで、補助率につきましても第三種空港の補助率をもって事業を実施してきているというのが実情でございます。
 以上のようなことでございまして、沖縄の経済発展に伴いまして輸送需要も着実に増大しておりますし、産業振興のための基盤整備が必要でありますし、こういったことを考えますと、今後とも陸海空にまたがる交通体系の整備を質的にも量的にも積極的に進める必要があるというふうに考えております。
 以上でございます。
○粕谷国務大臣 局長の答弁で大体趣旨は尽くされておりますけれども、今、上原先生の御質問を聞いておりまして、全く私、そのとおりだなというふうに感じました。
 技術革新のテンポというのは、日進月歩なんというのじゃなくて時進日歩というくらいに速まってきております。そういう中で、沖縄の県民の生活を守るという大前提のもとに振興開発をやっていくためには、その間合いを間違えたら大変なことになっていってしまうのではないだろうか。沖縄県が時代に取り残されていくというようなことになっては大変なことになるだろう、こういうことを思いまして、事務当局にも命じまして、ぜひそういう前提のもとに開発庁として何をなすべきかということをもう一度深刻に考える、こういうことを気持ちを新たにしましたので、私の決意の一端をこの機会に発言をさせていただいておきます。
○堀井説明員 先生から御質問ございましたコミューター関連につきまして運輸省の考え方をちょっと御紹介をさせていただきたいと思いますが、御案内のように地域航空の発達を図るというような観点で、六十三年度予算案におきましてコミューター空港に対します新しい制度が創設されるというようなことでお願いをしておるわけであります。
 このコミューター空港と申しますのはどのような概念かというのでございますけれども、施設的には八百ないし千メーターくらいの滑走路を持つ、そして二地点間輸送に供する空港というようなイメージでございますが、これに対しまして整備費の四〇%を無利子貸付をする、財源はNTTの株の売却収入、これを財源としておるわけでありまして、償還時に同額を国が補助するというような制度でございます。ただ、沖縄地区を含めましたいわゆる離島の小型機用の空港につきましては、航空輸送が離島の生活にとっても不可欠であるという観点で、従来どおり空港整備法の第三種空港として整備をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○上原委員 それは沖振法、特措法があるわけですから、そういうことでぜひ御努力いただきたいと思います。
 そこで、大臣から力強い御発言があったわけですが、ぜひひとつ、関係者が十分御検討いただいて、私がこれからもう少し具体的なことを指摘をしますが、やっていただきたいと思うのです。
 そこで、空港整備の問題が出ましたので、これももう何回かお尋ねしたことではありますが、これから、久米島空港とかいろいろありますね、既に着手、あるいは空港を逐次整備をしていこうというのはどことどこですか。ひとつもう一遍明らかにしてください、離島空港。
○塚越政府委員 久米島につきましては、六十三年度に新規事業としてお願いをしているところでございますが、そのほか五次空整で一応考えられておりますところは、伊平屋空港それから南大東空港というふうに承知をいたしております。
○上原委員 伊平屋と南大東については場所とかそういう選定なども既に決定をしているわけですか。六十四年度以降予算化していくのかどうか、その点を含めてひとつお聞かせください。
○塚越政府委員 現在、県において基本計画を準備中でございますけれども、今後どういう予算措置をお願いするかにつきましては、計画の作業の進捗状況とか熟度とかいろいろなことがございますので、今のところは何とも申し上げられないところでございます。
○上原委員 その点は運輸省も積極的によく御相談をしてやっていきますね。
○堀井説明員 お答えをいたします。
 久米島は当然入っているわけですが、伊平屋、南大東につきましては、五カ年計画これは六十五年までの計画でございますが、その中に入っておるわけでございます。
 いつ予算措置をしていくかという問題でございますが、これにつきましては、基本的には空港計画がどの程度詰まってくるか、つまり、今先生が御指摘になりましたように、場所をどこにするか、どのような空港の規模にし、ある程度の基本計画を固めるというようなこと、あるいはそれに伴います事業費がどの程度になるか等々、予算措置に当たりまして私どももいろいろな採択の視点と申しましょうか、そういうものを持っておりますので、今後県の方から要求が上がってくれば、いろいろと検討をしてまいりたいというふうに思っております。
○上原委員 南大東にしましても伊平屋島にしても、これは地元の長い間の願望というか非常な夢ですから、恐らくいろいろ問題があるとは私は思いません。したがって、ぜひ開発庁としても運輸省としても早目に実現する方向で御検討を進めてもらいたいし、また、南大東村なり伊平屋村なり、あるいは県当局に対しても、基本計画を促進することを私どもも強く要望していきたいと思いますので、特段のお力添えを賜りたいと思います。
 そこで、交通網の整備のことでもう少しお尋ねなり私の考え方なども含めて、問題点を提起をしておきたいと思うのです。
 御承知のように、三月十三日から青函トンネルが開通をいたしましたね。これなども三十年前までは、まさかああいう津軽海峡を掘ってトンネルができて、北海道まで汽車が走るなんてだれも思わなかったはずです。もう陸続きになっちゃった。本州、北海道、四国、九州、関門トンネルでもうつないでおる。今度みんな陸路になってしまって、また、この四月の十日には瀬戸大橋が開通するわけでしょう。だから冒頭聞いたように、粕谷長官にも、沖縄までトンネルを掘ったり橋をかけるぐらいの夢を持ったらどうかと言うんだ。これは皆笑うかもしらぬが、あと百年ぐらいすると、場合によっては本当につなぐかもしれませんよ。
 どれだけの財投をしておるかというと、青函トンネルは、私が建設省からいただいた資料では六千八百九十億、本四架橋三ルート合計で五十七年度価格で三兆三千六百億です。本当にお金というのは大切だな、大事なものだなと思うのですが、あの青函トンネルで約七千億ですよ、二十四年の歳月をかけて。いろいろの関連を入れると一兆円前後になると言われております。この本四架橋にしても三兆三千六百億なんだが、やはり関連でいろいろなのを込めると四兆二、三千億前後。
 そうしますと、復帰してこの十五年で、確かに沖縄振興には二兆円前後の政府の財政措置がなされてきてはいるわけですが、こういう大プロジェクトの面からすると、私はまだまだやってもいいのじゃないかという感じがするわけですよ。一キロ掘るのに七十億から七十八億もかかっておる。沖縄に地下道一つもないじゃないですか、正直言って。そういうことをぜひ政府全体として私は認識をしていただきたいと思うのですよ。これはもう一日圏になっていますよ、東京を起点にしますと、北海道まで、四国まで、九州まで。沖縄も飛行機に乗ると一日圏であるというふうに理解できないわけでもないんだが、しかし足が地に着いているというのと空を飛ぶというのと違います。後で飛行機運賃の問題も話しますが。
 そういった大きなロマンを、ひとつ夢を持った二次振計後期、三次振計に向けた沖縄の開発、開発というよりはやはり地域住民の生活の快適さ、地域に住んでいる住民が生活をエンジョイできる、あるいは快適である、安定性がある、住んでよいということがやはりこれからの産業経済というか経済開発、環境問題を含めての政策選択でなければいけないと思うのですね。どうもそういうことがいま少し、私たちの努力もさることながら、全体として欠落をしてきたのじゃないのか、こういう感じがするわけです。
 そこで、そういった交通網を整備していく上で、さっき振興局長からもいろいろお答えもありましたが、具体的な課題としてお尋ねするわけですが、六十二年度より着手しているいわゆる嘉手納バイパスの問題がどうなっているのか。これは皆さんよくおわかりのように、混雑度は四月の連休から夏場にかけて、特に夏休みとか何かイベントとか祝祭日が続くと、実に十キロないし十二、三キロの交通渋滞は嘉手納ロータリーをネックにしてあるわけで、これは今後どのようにやっていかれようとするのかということが一つ。
 あるいは国道第二・五十八号線構想というものとの関連性はどうなるのか。既に那覇大橋から宜野湾バイパス、今指摘をした嘉手納バイパス等々を連結していくと、行く行くは国道第二・五十八号線構想を具体化していかなければいけないと思うのですが、この点はどのようにお考えなのか。
 また、昨年の十月にたしか北部振興道路整備促進期成会からいろいろ要望が出されておると思うのですが、恩納村仲泊から国頭村の辺戸岬までの道路整備の問題とか、名護―本部間の新設道路、いわゆる北伸道との直結、連結のようですが、こういう問題。
 また、今帰仁の古宇利島の架橋問題がどうなっていくのか。さっき伊平屋島の空港の整備は六十五年度までに着手をしていきたいというお答えがあったわけですが、伊是名と伊平屋間の架橋の問題もたしか出ていると思うのです。ですからこういうものを、今までは既存のことだけを非常に強調しているわけですが、それは大事、でもこれは余り強調しないでもこれから年次ごとに一つ一つ完成していくわけで、新しいものを計画して、それを二次振計後期から、さっき言ったような大きな夢を描いて継続性を持たす。沖縄だけが本当に過疎県――過疎県にはならないと思うのですが、離島県として取り残される。それではいかぬと思うので、沖縄本島を東京というか本州に見立てて、北海道を結んだ、四国を結んだ、明石大橋も今度はやろうと言う。これらなんかもっと大きな二十一世紀に向けたプロジェクトだ。このくらいのことをやるなら、八重山まで橋をかけるくらいの気持ちでやらぬとどうにもならないのですよね。
 今私が指摘をしたものについてこれからどう進めていかれようとするのか、ひとつお答えをいただきたいと存じます。
○塚越政府委員 まず、嘉手納ロータリーの関係でございますが、国道五十八号の嘉手納バイパスでございます。沖縄本島中南部の交通混雑を解消するために計画されました西海岸道路の一環としての事業でございますが、特に中南部―北部間の最大の険路となっております嘉手納地区の交通混雑の解消を図るということが目的でございますが、六十二年度に御指摘のように事業化を図ったところでございまして、現在具体的な路線を決めるための作業を行っているところでございます。早期に路線の決定を行って、地元の協力を得ながら用地買収等に着手をしたいというふうに考えております。
 それから、西海岸道路のお話でございますけれども、西海岸の臨海部開発計画等に対応します交通基盤といたしまして、また混雑の著しい一般国道五十八号の交通混雑解消の抜本的な方策といたしまして、西海岸道路の整備を図る必要があるというふうに私ども考えております。現在、宜野湾バイパス、それから小禄バイパスの整備の推進を図っているところでございまして、嘉手納バイパスについても、先ほど申しましたように、事業採択をいたしました。残る区間につきましても必要な調査を進めていきまして、早期に事業化が図れるように努力をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、いろいろ御指摘のございました点でございますが、沖縄自動車道につながる北部の幹線道路でございます。北部につきましては、現在五十八号の名護バイパス、伊差川バイパス等のバイパス事業、それから防災対策等を実施しているところでございます。沖縄自動車道につながる北部の幹線道路につきましては、今後の本島北部の振興開発の観点を踏まえまして、長期的な道路網整備の一環としてその必要性を検討してまいりたいというふうに考えております。
 その他屋我地大橋あるいはワルミ架橋等の問題につきましては、けさ方もお答えを申し上げましたが、さらに古宇利島への架橋の話、いろいろ要望が出ていることは承知をいたしておりますけれども、まず屋我地大橋あるいはワルミ架橋の方を先行させるということが必要かというふうに考えておりまして、今後いろいろ地元の御意見なども伺いながら検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○上原委員 政府が何かプロジェクトをお考えになる場合、すぐ経済効果の問題とか投資効果を言いますよね、あるいは受益者負担云々、これも一つの考え方で、私は全く否定はしません。だから、青函トンネルだって経済効果、投資効果からいうと採算とれるはずがないのだよ。年間三十億ぐらい出ると言っている。出ないかもしれませんよ。四国の連結だってそうなんだよ、三兆三千六百億。明石大橋だってそうだろうと思う。だから沖縄だけにそういう概念が、理屈が通ることがあってはいかぬですよ。我々はそれはまた容認できない。
 確かに古宇利島の架橋の問題なんかは、相当勾配の問題もあるでしょうし、あそこは運天港という非常に良港なんで、その出入りのいろんなこととの関連性もあって技術的にも云々言う人もおりますけれども、しかしこういう大プロジェクト、四国を見てごらんよ、二十一世紀の架け橋をというものを見てごらん、これからするとできない話じゃないのです。だから、そういう点は既に前例があるわけだからひとつやってもらいたいし、同時に糸満バイパス、これは絶対必要ですね。それと豊見城一帯、一日橋周辺の交通渋滞をどう解消するかという、これは南部戦跡との関連で非常に問題になってくる。
 一方の今私が指摘をした、僕は嘉手納に住んでいるから嘉手納ロータリーだけを言うんじゃないが、これは海洋博記念公園とか北部へ観光に行く、あるいは経済面からしても動脈なんですね。一方の南部、そういうことをぜひひとつこの交通網の具体的な整備としてこれからやっていただきたいということを強く要望をしておきたいと思います。さっき八重山で橋をかけるというのは、例えばそれぐらいの考えでということであって、自然を破壊してまで橋だけをかけるというような立場はとっておりませんので、そこは誤解のないようにひとつお聞き取りを願いたいと思います。
 次に、今後の沖縄の経済の活性化ということを考えた場合に、航空運賃問題に私はどうしてもこだわらざるを得ないのですよ。私なんかいつも飛行機しか利用していないから、航空運賃というのは本当に骨身にしみますね。どうも納得のいかないのは、御承知のように、今本土―沖縄間の航空運賃は往復割引制度を利用しても六万七千四百円ですね。この料金水準は昭和五十七年以来ずっと続いているのです。ところが、航空運賃はたしか昭和五十五年、五十七年にそれぞれ値上げされましたね。その主な理由は、燃料費のコストの増大だったと思うのです。この二回の値上げにより本土―沖縄間の往復はたしか五万四千二百円が六万七千四百円になって、アップ率にして何と二四・三五%、上げ幅にして一万三千二百円の値上げとなったわけですね。
 ところが御承知のように、昭和六十年九月のプラザ合意以降、円高・ドル安が進んで、六十年九月当時は一ドル二百四十円であったものが現在は一ドル百三十円内外、最近は百二十五、六円になっているのじゃないですか。また、航空燃料も原油価格の安値安定の状況が続いておりますね。航空運賃を上げた当時と比べて円高・ドル安あるいは燃料費の下落により相当の差益が生じていると私は思うのです、国内線にしても、国際線はもちろんのこと。だからこの差益は、もう指摘するまでもなく、航空会社の企業努力によるものもあるでしょうが、国際経済情勢の変化に伴って、今までの二回の料金値上げの理由からするとやはり利用者に還元してしかるべきだと私は思うのですが、なぜそういうことが全くなされないのか不思議でたまらぬ。
 電力、ガス料金は、円高になって、通産省の指導で料金の値下げが既に行われましたね。航空運賃は、恐らく巨額の差益が生じていると思うのですが、どうして利用者に還元しないのか、その理由、運輸省はこの航空運賃問題について、航空会社に一体どのような指導、助言なりあるいは私が今指摘をしたことについてお考えなのか、ぜひ明らかにしていただきたい。これがまず一点です。
○圓藤説明員 お答えいたします。
 先生御指摘のように、航空企業につきましては昨今の円高に伴いまして燃油費が相当低減しておる、そういうメリットを受けておるということは事実でございます。ただ、先生も先ほどおっしゃいましたように、一方に航空運賃というのは五十七年以降六年間にわたりまして据え置かれておるところでございます。むしろ国際航空運賃につきましては、日本発の運賃を値下げをしておるという状況にあるわけでございます。燃油費の低減した部分の数多くはこの間におきます、六年間でございますから一般的な人件費の上昇もございますし物件費の上昇もございます、それから競争促進によります機材費あるいは機械化の費用、そういったようなコストアップ要因というのも多々あるわけでございまして、そういったような一般的な費用増に振り向けられているわけでございます。
 航空企業というのは一見華やかに見えるわけでございますけれども、実態は非常に企業収益は悪うございまして、六十一年度の航空企業の経常利益で申しますと、三社合計で二百四億円という非常に低い水準でございます。利益率は一・四%ということで、先ほど御指摘になられました電力とかガスと比べますとこれは格段の相違がございまして、例えば電力でございますと、一兆円を超えるような経常利益を上げており、利益率も一〇%を超えるような利益率を上げておることから見ますと、非常に航空企業は収益が悪いということを御認識いただきたいと思います。
 六十一年度の航空企業の経常利益は、今二百億円くらいの水準であると申しましたけれども、円高が始まりますプラザ合意以前の五十九年の水準を比べますとむしろ悪化しておるという状況にあるわけでございます。もちろん六十二年度、ごく最近になりまして非常に需要が伸びてきたこともございまして、六十二年度の決算は少しいいのではないかというような状況が想定されるわけでございますけれども、これとてもせいぜい五十九年度の水準まで回復するのが精いっぱいだという見込みになっておるわけでございまして、本格的な運賃の値下げにはほど遠い状況にあるわけでございます。
 我々としましては、外国発と日本発との間に生じております国際航空運賃の方向別格差を是正するための日本発運賃の値下げとか、国内の基本運賃の値下げには至りませんけれども、いろいろな割引制度の拡充という施策をとっておるところでございまして、そういう面で円高差益の還元も我々としては一生懸命努めてきたつもりでございます。そういうことで御理解をいただきたいと思います。
○上原委員 何か航空会社の擁護論で納得しかねるのですが、事情はいろいろあるでしょうが、しかしこれだけの円高差益、原油の安値安定等々からすると、もっと行政指導というか、航空会社にいろいろと経営努力をやることを運輸省はやるべきじゃないかということを強く指摘をしておきたいと思います。
 そこで、そういうふうにそれじゃ企業経営もなかなか厳しいような状況であるならば、航空運賃には主要幹線において一〇%の通行税が課せられている。この通行税の問題は、大蔵も来ておると思うので、大蔵はみんな取る方だからなかなか廃止なんて首を縦に振らぬかもしらぬが、そういう考え方はいけないですね。通行税が設けられた当時は、航空機の利用者は高額所得者あるいは非常にぜいたくな乗り物だったという観念というか、そういう考えから恐らく一〇%の通行税を課したと思うのだが、今日は草履履き、げた履き、ジーパン、トレーニングシャツをつけても飛行機に乗るという時代なんです、国内的には。だから、どうしてもこれは考えてもらわなければいかないと思うのです。この運賃を差益ということで還元できないとするならば、通行税の分を安くしたってかなり違う。この件はどのように思うのか。
 特に、沖縄は本土とは違って飛行機しか利用できないわけです。九〇%以上は飛行機を、現在は九五%は飛行機を利用していると言われているわけですから、私はこの通行税は速やかに撤廃すべきだと思うのですが、運輸省のお考えと税務当局のお考えをぜひ聞かしていただきたいと思います。
○圓藤説明員 先生御指摘のとおり、航空機の利用が大衆化してまいったという実態がございます。そういう実態にかんがみまして、運輸省といたしましては六十三年度の税制改正要求としてその廃止を要求してきたところでございますが、まだ関係方面の御理解を得るに至っていないところでございます。今後とも運輸省といたしましては通行税の廃止に向けて必要な取り組みを行ってまいりたいと考えておるわけでございます。
○上原委員 運輸省は賛成なんですね。
○圓藤説明員 ただいま申し上げましたとおり、運輸省としては廃止の要求をしております。
○上原委員 私の手違いで、大蔵を呼んであると思ったら来ていないようです。これは政治の話ですよ、大臣。
 今私が指摘したように、本来ならあれだけの円高・ドル安になって原油も安くなっている。だから航空運賃についても、何年か上げていないという理由はあるにしても、電気やガスが、これは企業形態が違うので同格には扱えないかもしれませんが、しかし国際線にしても国内線にしてももうかっていることは間違いないのです。差益があることは間違いない。それが直接還元できないとするならば、せめて通行税とか、ほかにもありますね、公租公課負担の問題、こういうことについては、例えば航空機燃料税とか着陸料、夜間照明料、航行援助施設利用料、こういうものを航空会社としてはそれなりに運賃値下げとか差益還元できない理由にしているわけだから、こういうことについてはこの際よく検討して、廃止すべきものは廃止をする、あるいは下げるべきものは下げていくということをやらぬといけないと思うのです。
 運輸省は廃止の要求をしている、これは政治の話ですから、同じ東京出身の運輸大臣と協力して大蔵大臣を説得してやったらどうですか。これは粕谷大臣からお答えください。
○粕谷国務大臣 私は航空行政のことは素人でございますので、そういう観点から物を言うのでないことを前提にさせていただきたいと思います。
 先般も、先生もお聞きになっていた席だったと思いますが、衆議院の予算委員会でも外国の航空運賃などを引き合いに出して、日本の航空運賃が非常に高いではないか、それから円高メリットが一つも還元されていないではないかというようなことが御質問の中でしばしば出ました。沖縄の担当大臣として、沖縄をもっと大衆の身近なものとして感じていただいて、沖縄にしばしば足を向けていただく、また沖縄の人も本土の方へやってこられるようにするためには、このことは聞き漏らすことのできないことだと思って、その当時拝聴しておりました。ただいまも先生の御指摘の点は十分肝に銘じて伺わせていただいております。
○上原委員 そこで運輸省、今粕谷長官も関心を持っておられるようだから、運輸大臣も国際は下げるということをこの間予算委員会で約束しましたから、私がきょう指摘したようなこともぜひ御検討いただきたい。通行税については廃止ということだったのですが、その他の私が今指摘した公租公課負担の問題等、例えばさっき言った航空機燃料税とか着陸料とか夜間照明料とか航行援助施設利用料とか、この種のものについてどうお考えなのか、これも改善すべきではないですか。
○圓藤説明員 先生御指摘のとおり、航空の運賃に占めますいわゆる公租公課というのは非常に高うございまして、二八・四%というような水準になっておるわけでございます。このうち通行税が運賃の一〇%かかっているというのは先生御指摘のとおりでございますが、その他の公租公課、いわゆる着陸料などにつきましては、これは我が国の場合非常に空港整備がおくれてございます。現在関西空港でありますとか、成田の二期工事でありますとか、羽田の沖合展開でありますとか、いろいろな地方空港の整備とか、そういったような空港整備が非常におくれておりまして、その空港整備を鋭意やっておるわけでございまして、そのために主として受益者負担という考え方に基づいて進めていかなければならないという事情にございます。
 そういうことで、ある程度の水準の着陸料等の負担を求めるということはやむを得ないことではないかというふうに考えておるわけでございまして、着陸料等につきましても運賃と同じようにこの数年間は据え置かれておるという状況にございます。先生の御指摘もございましたので、今後とも十分検討してまいりたいと考えております。
○上原委員 何かこれらについては少し消極的なようですが、そうはいきませんよ、これは。ひとつぜひ積極的に御検討をいただきたいと思います。
 そこで、私がなぜこの航空運賃問題をたびたび指摘するかというと、沖縄の場合は観光産業というのは県経済の大きなウエートを占めているのは御案内のとおりですね。今円高・ドル安になったものだから、全部海外にむしろ足を伸ばすという状況が出ているわけで、北海道もいらっしゃるのだが、青函トンネルができたら、今度沖縄へ行くよりは北海道へ青函トンネルを通って行きましょう、四国がみんな結ばれると、沖縄へ行くのが、みんな四国の橋を見に行こうよとなると、これは観光の面においてもますます影響を受けますよ、時流のあれでムードというのはありますから。で、運賃は高い、これでは行かないと思うのです。
 したがって、観光振興という面からも、やはり航空運賃問題は、値下げできなければ値上げは絶対やってはいかぬ。料金調整とかそういうものがあるならば、やはり通行税を廃止するとか、今私が言った公租公課負担の問題を是正していく、それでならしていく、調整をしていくといったことをやってもらわぬといかないと思いますので、この点は重ねて大臣の決意をお伺いしておきたいと思います。
○粕谷国務大臣 魅力ある沖縄ということで皆さんに注目をしていただき、またおいでをいただくということは大切なことだと思いますが、いかに魅力ある沖縄をつくり上げても、そこへ足を伸ばしていただく交通手段に経済的な負担を非常に感じるということだったら、これは議論以前の問題だろう、こんなふうに私は思いまして先ほどから伺っておりました。
 ただ、私、今の立場で余り実現性もないようなことについて不用意なことを申し上げることは、かえって誠意のないお答えになるかと思って、むしろその点を自重しながらお話はいたしておりますが、気持ちは上原先生と同じぐらい重大な関心を持ってこの事柄に私は今のお話を伺わせていただいております。
○上原委員 人柄ですから慎重なこともいいですが、たまにはいいんじゃないですか、脱線発言も大いにやってもらって。政治をおもしろくしたのがいいですよ。お気持ちを私も理解しますので、ぜひ御努力を賜りたいと思います。
 そこで、航空運賃問題が出て、さっき飛行場整備の問題等もお尋ねしたのですが、ちょっと前後するかもしれませんが、冒頭出た東京―宮古直行便の件ですね。一月二十九日でしたか、運輸省は七月からの羽田空港の新滑走路の供用に伴う路線の拡充について発表した。そこに東京―宮古直行便も含めると思って期待をしておったのですが、そうはならなかった、残念でしたが。しかし、地元からの強い要望もあって、今後検討の上、ぜひ実現を図りたいと沖縄開発庁も大変努力をしているようであります。また、地元紙によると、粕谷長官が実現にハッパをかけて、小林事務次官なんか、私たちは大臣にしりをたたかれて動きっ放しだと、このことについては大変熱を入れているようであります。これは「霞が関異聞」というところに長官のこの活躍ぶりが載っているのですよ。
 そこで、問題は、今後の残り枠の中で東京―沖縄直行便の優先順位を決めていくようですが、その場合に九月にもこれが決定を見て、早ければ来春と言わずお正月からでも羽田から宮古空港に一便が飛べるというような期待が非常に持たれつつあるわけですが、この点について、大臣のお考えなり、また運輸省としてぜひ実現をしてもらいたいと思うのですが、どのような御計画なのか、お聞かせをいただきたいと存じます。
○圓藤説明員 先生御指摘のとおり、ことしの七月から増便するのは約十便程度でございまして、今度の羽田の沖合展開に伴いまして二万回ほど年間発着能力が増す、それ全体で大体一日二十五便程度ということでございますので、まだ十五便程度残っておるわけでございます。そこで、宮古―東京の直行便につきましては地元から非常に強い御要望があるということは十分私ども承知しておりまして、地元の要望にぜひともこたえていかなければいけない、我々も強く認識しておるところでございます。
 そういう中におきまして、現在本島と離島との開発のあり方でありますとかあるいは沖縄全体の航空路線網のあり方とか、なお勉強する問題も残されておるわけでございますけれども、そういう勉強を経まして、できるだけ早い機会に東京―宮古直行便を開設をするように努力してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○上原委員 粕谷長官、冒頭、大臣在任中に何かこう県民なり国民の記憶に残るものを、私が政治家ならそうしますね、私が大臣なら、どこの何かになったら一つ二つは必ずつくるな、正直に申し上げて。だから、本当なら九月に実現して、来春と言わずにあなたが大臣の間にこれの一便に乗って行ったらいいですよ、宮古まで、玉城先生も一緒に。どうですか、実現なさいますね。
○粕谷国務大臣 そのぐらいの意欲を持ってやります。
○上原委員 期待しておきます。
 次に進みます。
 次は、沖縄電力の問題についてお尋ねをさせていただきたいと思います。民営移行のことですが、これは今国会中に法案を御提出なさるのですか、どうなっていますか。まずそのあたりから聞かせてください。
○清川説明員 お答え申し上げます。
 この沖縄電力の民営化に関しましては、昨年十二月に行革大綱というところで「民営移行のための諸条件を早急に整備し、それが整い次第速やかに完全民営化を行う」こういうことになっておりまして、私どももできるだけ早期の民営化が実現されるようにということで関係省庁とお話をしているのでございますが、法案につきましてはまだ検討中ということで提出は定まっていない状態でございます。
○上原委員 目下検討しなければいかない事項はどういうことなんですか。
○清川説明員 民営化という場合には、政府の所有している株式を売却してしまう、こういうことと、それから特殊法人であることをやめて、法律による法人の監督、規制、こういったものを原則的に廃止するという、この二つが内容となるわけでございます。
 したがいまして、まず特殊法人としての規制を外すということを考え、そういう法案を提出するに際しましては、政府保有株式の売却の見通しを立てるということが必要でございますが、現在のところまだ適当な、売却の実現につきまして関係省庁にお願いしている、こういう段階でございます。
○上原委員 そこで、きょうは時間の都合もありますから、これはまだ今国会に法案を提出するかどうかも検討中であるというなら深くは議論しませんが、今もありましたように、まず我々の認識は、沖縄電力というのは米国統治時代はREPCといって、琉球電力公社だったですね、これは。それから復帰の時点で電力公社が所有している諸資産を日本政府が買い上げた形で沖縄電力になった。したがって、あれはもうガリオア資金でできた県民共有の財産だと私たちは認識しているわけです。
 民営移行には、私個人としても、我が党としても反対じゃありませんけれども、しかし、民営移行をする話が出たのは、特殊法人で余り赤字経営だからという臨調行革路線で指摘があって、いろいろ問題が出て、相当の赤字があったことも一時期事実なんですが、円高あるいは原油が安値安定に移行したというようなことで現在は黒字になって、今は沖縄の企業の中であれはトップですよ、この年度の決算では。しかし、移行するに当たって考えなければいかないことは、沖縄開発庁も通産もぜひ理解していただきたいわけですが、どう安定した電力を県民に供給するかということ、安定供給ですね、一つは。
 それと、今までは沖縄の電力料金というのは、九電に比べて割高なんです。一年に二回値上げしたこともあった。たしか昭和五十七年でしたか。間違っておったら訂正をします。七年か、五、六年か。そういうふうに現在は変わっている。ですから、安定供給と同時に、電力料金コストは県民が納得し、国内の電力料金水準を上回らないことですね、低廉コストであるということ、この二つが絶対条件です。
 同時に、県民共有の財産という立場からすると、政府保有の株、約千五百六十九万株あるようですが、この九九・九九%は政府保有なんですね。だから、これを売却するということでしょうが、その場合に、やはり地元への優先割り当て株というものの比率がどうなるかというのが一番の関心事であり、また大事なポイントなんだと思うのですね。私たちとしては、やはりどう見ても最低六割以上の県民への株の割り当てをやらないと、これは共有財産として――一般入札とか株の売却をしますと、これは大手の電力会社であるとか金融機関であるとか全部買い占めちゃったら、沖縄の方はもう買い切れない。そうなると、電力会社の役職員にしても全部株をたくさん持っている方が支配をするのは、これまた株式の常道ですね。これまで延々四十年近く積み上げてきた県民共有財産としては全部召し取られるということです、変な言い方だが。こうなってはいかぬという基本があるということです。
 少なくとも今私が指摘をしたことについては十分お考えになって、これから民営移行をするあるいは法案を出して国会で議論をする、この沖特なのかあるいはもう商工あたりに持っていくのだと思うのですが、いかがお考えなのか、通産とこれもまた大臣の御見解もぜひお聞かせをいただきたいと思います。
○清川説明員 お答え申し上げます。
 この沖縄電力につきましては、復帰の時点で琉球電力公社から沖縄電力に姿を変えて電力会社として発足したわけでございますが、先生仰せのとおり、電力会社、公益事業としてまず電力の安定的な供給それから料金の水準、こういった点が非常に大きな問題でございまして、これが県民の生活、産業活動にとって重要でございますから、これは民営化ということにかかわりなく公益事業者として努めていかなければいけないことではございますが、なお一層努力していかなければいけない問題でございます。
 このようなこともございまして、ちょっと過去にさかのぼりますが、民営化の一つの環境をつくっていくということで、一昨年の暮れになりますけれども、そういった見地から経営体質を強化するということを決定したことがございます。つまり、配当負担の軽減ということのために二分の一の資本の無償減資をいたしまして、その相当額の約七十四億円を沖電の資本準備金に組み入れまして、これによって企業体力を強化するとか、あるいは業務の効率化など民営化のために社内体制を整備していくというようなことを決めまして実施に移しているわけでございまして、今後とも会社の合理化努力、こういったものにつきまして注意を払ってまいりまして、安定していくようにというふうに心がけてまいりたいと思います。
 それから、県民の財産というお話でございますが、沖縄電力というものは沖縄県だけを供給区域とする電力会社でございまして、地場に密着した公益事業者ということ、あるいは先ほどのお話のように県民の皆様の生活やあるいは産業活動に非常に密着しているということで、なるたけ多く地元に株式が売却されるようにというお話でございます。こういう問題につきまして、地元の方からできるだけ多くの株式を地元に売却してほしい、こういう要望があることはよく承知しておりまして、私どもとしても、このような地元の要望を勘案しながら適当な売却が実現されるよう関係各省にお願いしながら進めてまいりたいと思います。
○勝又政府委員 沖電の民営化につきましては、現在資源エネルギー庁が主管官庁として検討中でございます。その辺、当然ただいまのエネルギー庁の御答弁にもございましたように、株式売却の方法あるいはその前提となる民営化後の株主構成のあり方についても御検討中であるわけでございまして、沖縄開発庁といたしましては十分な関心を持ちながらもその結論を待ちたい、かように考えております。
○上原委員 関心を持つことはいいですが、大臣、これは通産任せにするといけませんよ。だから、きょうはほかにもいろいろ聞きたいこともあるのですが、さっき言いましたように深追いはしません。
 問題は、沖縄の特例的な株価設定をやらなければいかぬということですね、大臣。NTT株の売却というのは一定の基準をつくって売却されていったわけだが、沖縄特有の電力会社であったその歴史的経過からしても、ああいうのをただ前例としてはいかない。今後もあれは沖縄県域だけしか対象にしないわけで、そういう意味でこの点についても私は相当の政治的な御配慮というものが必要になってくると思うので、どうぞ、通産大臣、大蔵大臣とも既に御協議、事務レベルかもしれませんが、県当局あるいは沖縄電力も入れてやっていると思うのですが、この点について大臣の御決意をぜひ明らかにしていただきたいと思います。
○清川説明員 先ほど一言お答えが抜けましたので、大変失礼いたしました。株価の設定それから売り方の問題があるわけでございます。
 先生御承知のとおり、この問題につきましては国の財産であるという重要なポイントがございますものですから、これはこれで慎重に考えなければいけないわけでございます。また、繰り返しになりますが、この沖縄電力というものが沖縄県を中心とした沖縄県にとって大切な会社でございますから、そういったこともよく関係のところに御説明しながらいろいろ進めていきたいということで、努力は続けてまいりたいと思います。
○粕谷国務大臣 所管のエネ庁からこの電力会社の創立以来の経緯が説明されましたし、営業範囲も説明されまして、沖縄県に最も密着した企業である、株の売却についてはできるだけ沖縄の地域の方々にお買い求めをいただくというような具体的な表現まで述べております。私はその所管ではありませんが、沖縄を受け持つ担当大臣として、議員おっしゃるように、少なくとも沖縄県民に不利になるようなことは絶対にさせたくない、こういう気持ちでおります。
○上原委員 ひとつその方向で関係省庁と御努力の上で、慎重の上にも慎重を期して民営化をするようにやっていただくことを重ねて要望しておきたいと思います。
 次に、第一一徳丸の件で一、二点お尋ねをしておきたいと思います。これは、経過を言いますと長くなりますから、結論的にお尋ねをします。
 まず、三月十四日第十一管区海上保安本部が、七月二十三日に発生した第一一徳丸事件については自衛隊機の過失往来妨害罪であるということで那覇地方検察庁へ書類送検をしたわけなんですが、結論を出すまで八カ月以上かかっていますね。これだけかかった理由は何なのか。私は海上保安庁の御努力については評価をすることにやぶさかではありませんが、しかし非常に不安もある。長い時間がかかった理由と、限りなくクロである、自衛隊機の行為に間違いないと私たちも思うわけですが、改めて海上保安庁の御見解をこの際公式の場で明らかにしておいていただきたいと存じます。
○中島説明員 お答えいたします。
 先生御指摘の本件につきましては、昨年七月事件発生以来約八カ月を要したわけでございますけれども、どうして長引いたのかということを申し上げますと、本事件は陸上における一般の刑事事件と異なりまして現場が海上であったわけでございまして、事件の痕跡も残りにくかったわけでございますし、また物的証拠も小さな金属片が二個あっただけだったわけでございます。このため関係者の証言とか状況証拠の収集等を十分に行う必要があったということのためやや長引いた結果になったわけでございますけれども、いずれにしましてもそういう必要な捜査を踏まえて、このたび当該沖縄南部の訓練空域で空対空ミサイル射撃訓練を実施しておりました航空自衛隊の南混団所属の自衛隊員につきまして過失往来妨害罪の容疑があるということで認めまして、那覇地検の方に送検したものでございます。
○上原委員 そこでいま一つ疑問なことは、通常事件送致をする場合は、容疑があるという場合は一般の場合でも氏名を特定いたしますよね。なぜ今度は氏名を特定してないのですか。事件送致をしたのはパイロットなんですか。これは別に隠し立てをする必要もないと思うのですが、その点をぜひ明確にしてもらいたいと思います。
○中島説明員 本件につきましては、先ほども申し上げましたように、那覇地検に既に送致しておるところでございまして、捜査結果の詳細については発言を差し控えさせていただきたいと考えております。
○上原委員 何か防衛庁が怖いみたいなことを言ったら困りますよ。
 防衛庁にお尋ねしますが、防衛庁は事件が書類送検されたことについてはどういう認識を持っておられるのですか。
○柳澤説明員 お答えいたします。
 防衛庁といたしましても、十一管区の捜査にできる限り協力して今日まで来たわけでございますが、送致いたされた内容について私ども必ずしも承知しておりませんので、その一々についてコメントすべき立場にはないわけでございますが、またこれから検察、那覇地検の方でさらにいろいろ御調査が続くわけでございます。引き続き私どもは真相解明という観点でこれにできるだけ御協力していきたいと考えておるところでございます。
○上原委員 あなた、送致された内容について知らない、本当に内容を知っていないのですか。これだけの事件を送致されても、防衛本庁はその内容も見ないでやっているわけですか。内容を知らぬとは何事ですか。そんな答弁ありますか、あなた。まだしらばっくれるの。沖縄現地では皆さん恐らく内容は知らないでも、地元新聞は見るでしょう。「ひどいことだ やっぱり自衛隊機か 見せつけた軍事優先 軍事訓練に新たな怒り」これは漁業関係者も、県民は大ショックですよ、今まで隠しに隠して。限りなくクロだと。しかも、過失往来妨害罪の疑いがあるということで事件送致されても、その内容についてわからぬからコメントできないとはどういう意味なんだ。もう一遍お答えください。
○柳澤説明員 多少舌足らずであったかもしれないとは存じますが、自衛隊員を被疑者として送致されたという事実は承知しております。ただ、どういう事実認定に基づき、どういう因果関係判断に基づいて海保がそういう御判断をされたかというその内容を私どもは必ずしも承知しておりませんということでございます。
○上原委員 私はよく理解できませんがね。そうしますと、防衛庁としては今後どういうふうに対処していくというのですか。
○柳澤説明員 本件は、問題として私どもの訓練との関連で調べられている件でございまして、私どもも今までいろいろ独自の調査といったことも内部的に行ってまいりましたし、それから海上保安庁の方にも嘱託を受けて鑑定をするとか、関係者の事情聴取に積極的に応じていくとかいう形で御協力はしてまいったわけでございますが、そういう形で今後検察当局に対してさらにできるだけ御協力をしていきたいということを考えておるわけでございます。
○上原委員 そこで、もう一遍海上保安庁にお尋ねしますが、海上保安庁としては相当の確信があって事件送致をしたと思うのです。そのお立場には変わりないですね。
○中島説明員 刑法第百二十九条第一項の過失往来妨害罪の容疑があるということで送致したということでございます。
○上原委員 今後検察庁がどういうふうなことをやるか、もちろん第三者が推測はできてもわからないわけですが、防衛庁、もし起訴されたという場合にはどういう責任をとるのですか。起訴された隊員並びに隊員だけでなくして責任者はどういうふうにやるのか。その点だけは明らかにしてください。
○柳澤説明員 起訴の段階ということになりますと、当事者は自衛隊法に基づきまして休職の処分、休職の扱いを受けまして、これは起訴の段階ということになりますとまだ司法判断が確定しているわけではございませんので、非常に制度的な話で恐縮ですが、いわゆる制度的な問題としては、司法的な判断が確定するまで行政府としての責任といったことは差し控えるような手順になっておるわけでございます。
○上原委員 あくまでも何か否認を続けたいような感じを持ちますが、問題は、これはうやむやにはできませんよ。またこれだけの県民の反発というか反応があったことを、仮に海上保安庁も書類送検したということで、一応メンツが立つ、防衛庁は確証がないから何とか日にちがたてば県民感情も和らぐ、薄らぐ、忘れるだろうという安易な気持ちかもしれません。一方、検察庁はいろいろやってみたけれども起訴するまでには至らなかった、いわゆる三位合作でうやむやにされるというならば、これは政治不信だけでなくして、防衛庁に対する不信、海上保安庁に対する不信あるいは検察当局に対する不信、より以上に深刻な県民感情になるということを十分受けとめて、この問題にそれぞれ対処をしていかれることを強く要求をしておきます。
 次は、外務省、せっかく北米局長に先ほどから来ていただいて、今までは来なかったのですが、私がこの間からどうしたのかと言ったら来ていただいて、きょうは来ていただいたことは感謝します。答弁はまたあれではいけませんので。
 曲技飛行問題、この間予算の分科会でも聞いたのですが、この間の答弁では私はこの件は納得がいかないのです。しかも、私が三月九日に予算委員会で聞いたら、まるで僕の質問をあざ笑うかのように、翌十日は嘉手納飛行場でF15がアクロバット飛行をやっているわけですね。私も二、三日連休でしたから自宅におったのですが、相変わらず激しい轟音、爆音で傍若無人にアクロバット飛行をやっています。
 そこで、横田や厚木においては正式のルートを通して、そのような飛行を禁止するということをやっておきながら、沖縄だけは使用目的が違うのだとこの間あなたはおっしゃった。それは復帰の条件と違いますよ。私は七〇年から国会にいるのだから、あのころこういう問題を政府、歴代の外務省条約局長やそのほかとうんと議論した。きょう条約論争をしようと思いません。これは政治や姿勢の問題。だから、早目に米側と協議の上でこのような傍若無人なアクロバット飛行はやめさせるということをやっていただきたい、このことについて改めてお答えを願いたいと思います。
○有馬政府委員 先般、先生が、沖縄が返還した際には本土並みであったのだからということをおっしゃられまして、確かに厚木と横田につきましては二十五年前、二十四年前にそれぞれの取り決めがございまして、騒音についてはアクロバット、いわゆる曲技を含む飛行訓練についての約束といったものがございますが、その他の米軍の施設、区域、すなわち嘉手納、岩国、三沢におきましては米軍が周辺住民の方々の懸念、御関心を念頭に置いて自主的な規制を行っているということでございます。
 一方におきまして、私ども嘉手納基地周辺で曲技飛行の騒音について強い懸念、御不満が表明されていることはよく承知しておりまして、米側にもこの委員会だけではなくてほかの場面でも機会あるごとにそれを申しております。他方、米軍は安保条約及びそれら関連の諸取り決めに基づいて我が国に駐留しておりまして、例えば今取り上げられました曲技の訓練は戦闘機の操縦士にとりましては必須の技能だと聞いておりますけれども、その技能の維持のために訓練をしなければならないということがございましてそれが行われているということで、その二つの側面を何らかの形で調和をとらしていきたいということでございますが、一つ一つの施設、区域の使用の態様が日米安保条約の関連取り決めを含めまして目的に沿っているのであれば、その施設、区域一つ一つの使用の態様すべてが同じでなければならないとは私どもは考えていない次第でございます。
○上原委員 そんな弁解は有馬局長らしくないですよ。これはもう絶対納得しかねますね。もしそうであるならまた別の場で、これまでどういう論議をやってきたのか、沖縄返還のときに本土並み返還とは一体何なのかということを、しかし、非核三原則についても、前大臣や条約局長が言ったのをくるくる変えるような政府だからなかなかつかまらぬかもしらぬが、これは県民感情から絶対納得できません。早急に曲技飛行をやめさせるようにやってください。今に落ちて恐らく大問題になりますよ。
 最後に、駐労問題について、労務部長もせっかくいらしていただいたのでお尋ねします。
 もう時間ですから簡単に申し上げますが、例の三百三名の大量解雇の件についていまだに米側からの公式な回答がないと聞いているのですが、どうなっているかということ、これは非常に問題ですね。六十三年度予算でこれだけの駐労経費を計上しておきながら、それと、この米軍機関紙星条旗によると、三月十一日付だったかと思うのですが、在韓米軍で基地労務者の新たな解雇問題が発生しているというようなことがあります。これは八九年の米国防予算の削減等によって即在日米軍にも関連をしてくるのじゃないか、あるいは兵隊もシビリアンもカットする、削減するという計画を既に出していますね。
 この二点について、特に前段においては三月三十一日の解雇というものはないのでしょうが、今後新たなそういう件が懸念されるのかどうか、されるとするならば、どのような対策をお考えなのか、あわせてお聞かせいただきたいと存じます。
○山崎政府委員 本問題につきましていまだ決着には至りませんで、そのために関係の従業員あるいは御家族の方々に多大の御心配、御不安をおかけしていること、まことに申しわけなく思っております。
 この問題については、先生も先刻御承知のように、当初米側の方から昨年の九月三十日付で人員整理をする旨の通告がございましたが、人員整理回避のための日米間の話し合いを進める過程におきまして、昨年九月の半ばでございましたが、この問題については当面、本年の三月末日まで人員整理を一時的に撤回いたしまして、日米双方でクラブの財政再建策について検討するということで今日に至っておるわけでございます。
 当然、米側におきましては現地の海兵隊、在日米軍、さらにはワシントンの海兵隊本部、こういったところがそれぞれに緊密に調整をとりながらクラブの赤字対策といったものをやってきているわけでございまして、既に管理部門の合理化であるとかあるいは提供する食費の値上げであるとかあるいは収益性の薄いサービスをカットするとか、こういった合理策をとっているわけでございますが、これも昨年の検討開始以降、再々にわたるいわゆる円高・ドル安の一層の進行、こういう事情もございまして、いまだ結論を見るに至っておりませんけれども、そのような事情でございますのでいましばらくの時間的な猶予はいただきたい、このように考えております。
 しかし、この問題については、実は栗原・ワインバーガーあるいは瓦・カールッチといったようなそれぞれの最高責任者、防衛庁長官と米国防長官との会談の場でも取り上げられておりまして、日米双方が協力し合って人員整理を出すことなく解決しようということで努力している最中でございますので、私どもといたしましても人員整理といったような最悪の事態は避けられるものと期待している次第でございます。
 また在韓米軍の問題については、私ども新聞等で承知しておりますけれども、この問題についても実は本年の一月瓦防衛庁長官が訪米した際、在日従業員の雇用の安定について申し入れをいたしているわけでございます。それについて同長官も、その方向で努力するということを約束しておりますので、私どもとしては先生の御懸念のようなことは現状ではないのではないか、このように考えております。
 なお、最後に付言いたしますけれども、私ども、在日米軍の方からそのような人員整理の計画があるということは承知いたしておりません。
○上原委員 終わります。
○稲葉委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時五十二分休憩
     ────◇─────
    午後一時三十四分開議
○稲葉委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。玉城栄一君。
○玉城委員 大臣に、一昨日我が党の申し入れに大変御配慮いただきまして心より感謝します。ありがとうございました。
 午前中も沖縄の振興開発の問題についていろいろ質疑が交わされたわけでありますが、その質疑を踏まえまして、私は基本的な点を大臣にお伺いしておきたいのです。
 午前中の質疑の中で、大臣、三次振計の問題につきまして、今二次振計後期、これからやろうという段階で、今の段階で三次振計議論するのは時期尚早ではないかというような趣旨のお話があったわけでありますが、それはそれとして理解できるわけですが、ただやはりこれはこれからの沖縄の振興ということで非常に大事な問題だと私は思いますので、大臣にもう一回お伺いしておきたいわけです、個人的な見解で結構ですが。
 今さら申し上げるまでもなく、沖縄が本土復期したのは昭和四十七年ですね。これは戦後二十七年の空白の期間があったわけです。御承知のとおり、四十七年復帰のときには沖縄は県民所得にしまして本土水準の約三分の一くらい、今おかげさまで十五年たって七五%くらいきていますけれども、やはり二十七年の空白というものは、しかもその前の第二次大戦の打撃というのは、沖縄に限らず日本全体がそうだったわけですが、特に沖縄の場合は唯一の地上戦が展開されたという、まさに壊滅的な打撃ですね。そして二十七年間というのは、本土から施政権が分離されて米軍の軍事施政権下に置かれた、これはさまざまな制約があったわけです。ですから、何といってもやはり物理的にもいろいろな面でも格差が大きいわけです。
 それで、四十七年復帰したときに、いわゆる本土並み水準に引き上げよう、格差是正しよう、経済の自立できる基盤整備をしょうということで一次振計をつくった。しかし、それでも足りない。今二次振計に入って後期だということですが、満十五年を経過してみますと、県民所得が向上してきていますけれども、まだまだやはり四十七都道府県の最下位である。失業率にしましてもいわゆる二倍。
 これから亜熱帯沖縄の地理的な特性を生かした農漁業、水産業も振興していこう、あるいは午前中もありました四全総の国際交流の拠点というような位置づけ、そういうものを考えますと、沖縄が四十七年に復帰した、この二十七年の空白。そして二十一世紀は昭和七十五年、復帰後二十八年でしょうか、これからも、復帰して空白の二十七、八年というのは必要ではないか。その間、やはりどうしても国の手当てをしていかないと本当の意味の本土並み水準にはいかないのではないか。したがいまして、その二十一世紀の入り口までは、二次振計が終わったにしても三次振計というものはやはり考えていく必要があるのではないか。そういうようなことは前の河本長官もおっしゃっておられたんです。どうでしょうか、大臣、個人的な見解で結構ですけれども、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○粕谷国務大臣 先生おっしゃいますように、個人的には行政の継続ということを考えて、途中でまだ完成のできない事業も積み残されていくだろう、こう思いますから、第三次振計というものはやはり考えられていくことじゃなかろうか、こんなふうに私は思っております。
 ただ、今の時点では開発庁としては、二次振計の後期がまだ四年余りありますから、これを全きを期するという方向にあるものですから、先ほど上原先生の御質問に対しましては、時期をもう少し先に行ってからというような意味でお答えをさせていただいたわけでございます。
○玉城委員 ですから、そういう振興開発ということも含めまして、新しく国際化という時代の流れ、あるいは急速に我が国は高齢化に入ってくる。大臣も何回も足を運ばれて御存じのとおり沖縄も全国一の長寿県になりますし、今もお感じになると思うのですが、冬場でも沖縄のホテルは満杯になっておりまして、本土の東北あたりの方がツアーでたくさん来ているわけですね。それはやはり暖かいということもありますし、そういうことで、これから日本の急速な高齢化というもの、いろいろ年金問題もありますけれども、そういう長寿県であり、厚生省の発表ではいろんなそういう病気の問題も少ないとかありますので、そういう高齢化社会のかぎを握る地域として沖縄は一つのポイントになるだろう、そういうような感じもしまして、やはり三次振計というものはまた新しい発想も入れて今後考えていただきたいな、こういう感じでおります。
 それで、実は一昨日、もうこれは長官のお考えもぜひお伺いしたいのですが、この沖縄の農業問題で、我が党の書記長の大久保さんが団長で三日間にわたってパインの産地あるいはキビ問題あるいは亜熱帯産業問題等、調査を踏まえて、大臣に申し入れさせていただいた、現地からの要請団も加わって。パインの問題につきましては、私も農水委員でありますので、農水省とはよくこの問題をこれまで議論もしてきております。農水省としては、今プロジェクトをつくって具体的にどうするかということを検討中である、そういうことでありますが、やはり沖縄開発庁を担当される大臣とされて、今さらこのパインが自由化されていくとどういう打撃を、これは私が申し上げるまでもなく大臣がよく御存じのとおりでありますので、私たちの申し入れも踏まえて、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○粕谷国務大臣 御承知のとおり、パイナップルは沖縄の本島の北部、それから八重山地域に重要な農産物として耕作されております。このガットの自由化問題以来大変な沖縄の方々の関心事でありまして、その缶詰等については今後自由化が進められていくだろう、こういうふうに考えられます。
 私どもがぜひこうあってほしいなと思いますことは、この際、沖縄農業に不測の悪影響を与えるようなことのないように、所要かつ適切な国内措置及び国境措置を確保してほしい。このことについては現在主務官庁であります農水省が中心になって検討をしてくださっております。私はこの問題については、就任以来、沖縄に訪れました際に生産地を視察して関係者の御意見なども伺わさせていただいてまいりました。
 パイン産業に関する申し入れの諸点につきましては、十分念頭に置きながら、今後農水省を初め関係の省庁とも沖縄の担当大臣としてぜひ御相談をさせていただきたい、こういうふうに思っております。
 サトウキビにつきましては、生産性の向上とコストの低減を図る、そしてなおかつ品質のよいものを生産をしていくということが基本的な課題であろうかと思います。このため、生産基盤の整備と地力づくりの推進を初め優良品種の育成と普及、収穫作業を主体とした機械化、これはなかなか難しいようでございますが、根っこの方が曲がっているので、いろいろ聞きましたらそういうことだそうでございますが、進めていくことが重要である、こういうふうに承知いたしております。
 沖縄開発庁といたしましては、特に生産基盤の整備を重点的な課題として取り組んでいきたいと思っております。今後とも申し入れをいただきました諸点につきましては念頭に置きまして、農水省などとの連携を密にいたしまして、関連施策の拡充に努めてまいりたいと思います。
○玉城委員 その申し入れ書にも書いてありますけれども、それは今さら申し上げるまでもないのですが、とにかく沖縄のパインの缶詰ですね、一缶当たり三号缶で百二、三十円、輸入、フィリピンとか台湾とかマレーシアとかあの辺から入ってくるものが八十円、九十円、大体四、五十円の価格差があるわけですね。だから、原料段階でその差を何とか補てんしていかないとこれはもうどうしようもないわけですから、その補てん制度については、やはり立法措置も含めてきちっとこれが成り立つまでは国が面倒を見るべきであるという主張も入っているわけでありますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。
 もう一つは、これは局長さんで結構ですが、これは比較の問題ですけれども、沖縄本島の比較で、離島もたくさんありますが、その北部、中部と南部、いわゆる島尻地域を比べますと、北部の場合は海洋博に皇太子もいらっしゃって、あるいは去年はまた国体で中部の方で、メーン会場へ皇太子もいらっしゃって、南部の方がどうも陰に隠れている。そういうことを地域の方がおっしゃるし、そういう目で見ると、何かやはり南部開発がおくれているなということで、我々は地域で、いや、これから二十一世紀に向けてむしろ南部が主役なんだ、島尻地域ですね、こういうことも言いながら、励ましながらやっているわけですが、やはり見ますと、局長さんさっきおっしゃった道路網がまだ未整備ですね。午前中も上原先生おっしゃっていましたけれども、どうですか、申し入れにありましたことについて具体的に開発庁の考え方をちょっとおっしゃっていただきたいと思います。
○塚越政府委員 先日ちょうだいいたしました申し入れにおいて御指摘がありましたように、島尻地域は那覇市を中心とする都市化の影響を受けて道路混雑が著しい状況にございます。このため、沖縄開発庁としましても、小禄バイパスあるいは那覇東バイパス等の事業を鋭意進めてきているところでございますが、六十三年度からは新たに那覇空港自動車道の一部を南風原道路として着手することとしております。今後、関連事業の熟度等を勘案しながら西海岸道路の整備を図りますほか、申し入れの趣旨をも踏まえながら、地域の道路ネットワークの中で必要な道路の整備について検討してまいりたいと思っております。
 一つ一つの道路のお話でございますが、まず沖縄の高規格道路でございますけれども、これは先ほどもちょっと触れましたが、六十三年度におきまして、沖縄自動車道と南風原町間を結ぶ区間、南風原道路約五キロについて事業化することといたしております。今後とも全線にわたって早期に整備が図られるように鋭意努力してまいりたいと考えております。
 それから那覇の東バイパスでございますが、国道五十八号から一日橋の間の国道三百二十九号のバイパス事業でございますけれども、国道三百二十九号の交通混雑の緩和を図ることを目的としまして、明治橋から那覇大橋までの区間を漫湖局改としまして整備を昭和五十七年度から、那覇大橋から一日橋の間を那覇東バイパスとして昭和六十年度からそれぞれ事業に着手しているわけでございます。今後とも、全線にわたって早期に供用が図られるよう、鋭意努力をしてまいりたいと思います。
 南風原バイパスでございますが、西原町と那覇市の間のバイパスとして調査を進めてきたところでありますが、先ほども申しましたように、南風原町域の延長約五キロにつきまして、高規格幹線道路那覇空港自動車道の一環として位置づけておりまして、六十三年度から事業化が図られる予定でございます。残りの与那原町周辺区間につきましては、諸開発の構想を踏まえながら、地元関係機関とも調整を図って今後とも調査を進めてまいりたいと思っております。
 西海岸道路は、けさの御質問でもお答えを申し上げましたが、人口、産業の集積が高いところで慢性的な交通渋滞が起こっているところがございますので、そういうところにつきまして、特に那覇市から糸満市の間の国道三百三十一号線について交通容量の増大を図るための施策が必要であると考えております。そこで、バイパス整備について現在調査をしておりますし、関係機関との調整を図っているところでございまして、早期に事業化が図られるように努めてまいりたいと思っております。
 南部振興開発道路それから新横断道路でございますが、これにつきましては、本島南部地域の振興開発の必要性を踏まえて、長期的な道路網整備の一環としてその必要性を検討してまいりたいと思っております。
 国道三百三十一号の拡幅整備でございますが、これもまた島尻地域の社会、経済、産業活動を支える重要な役割を果たしている道路でございますので、今後豊見城、糸満地区を初めとする交通混雑が著しい箇所について、バイパス建設を含めた交通容量を増大するための施策について早期に事業化が図られるように調査等を促進してまいりたいと考えております。
 それから、地方道那覇具志頭線の国道への格上げでございますが、御指摘のように本島島尻地域を横断する重要な路線でございます。国道昇格につきましては、今後の課題として建設省とも協議してまいりたいというふうに考えております。
○玉城委員 次は、労働省の方に伺いたいのですが、これは昨年の八月の沖特委員会でも御要望申し上げたわけでありますが、沖縄は失業率が高い、その中でも特に若年失業者が多い。したがって、雇用促進事業団が五十三年から実施しております職業訓練短期大学校をぜひ沖縄に設置してもらえないかという要望に対して、労働省から、前向きに検討しますという御答弁をいただいたわけですが、その後どういうふうになっているのか、お伺いします。
○清浦説明員 お答えいたします。
 現在、我が国の産業におきましては、ME化を中心といたしまして技術革新の進展が著しいわけでございます。これらの技術の変化に対応できるような技能者を養成していかなければならないということでございますが、こういったために労働省としましては、昭和五十三年以来高等学校卒業者を対象にいたしまして高度な技能者を養成するということで職業訓練短期大学校を全国的に計画的に設置しているところでございます。現在、六十二年度までに十四校を設置、運営しているところでございます。
 沖縄県につきましては、先生おっしゃいましたように、若年者の失業率が高いということ等特別な事情がございますので、こういった状況に対応しまして職業訓練短期大学校の設置は極めて有効というふうに考えているところでございます。六十三年度予算に調査費を計上しているところでございます。
 予算が成立次第、沖縄県の方と雇用促進事業団と協議をしながら沖縄訓練短期大学校の新設に向けまして、例えば用地の、設置場所の選定あるいは学生、定員をどうするかというようなこと、それから、こういった技術革新に対応しましてどういった訓練科目を置くかというようなことを沖縄県、雇用促進事業団とも協議しながら進めてまいりたい、検討しましてこういったことを詰めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○玉城委員 それは六十三年度で調査費が計上された。新設は、六十三年度ででき上がるのですか、六十四年度ででき上がるのですか、どうですか。
○清浦説明員 先ほども申し上げましたように、いろいろな条件がございます。土地の選定等から入るわけでございますが、こういった調査の後、条件が整いますれば二年間かかって建設をするということが通常の形でございます。
○玉城委員 次は、運輸省の方に伺いたいのですが、例の中城湾港のマリンタウン構想の現状と今後の見通しについてお伺いいたします。
○坂井説明員 お答えいたします。
 現在、運輸省におきましては、六十年度から地方の港湾におきまして海域の利用と一体となった周辺の町づくりをもって地域の活性化を図るという観点から、いわゆるマリンタウンプロジェクト調査というものを実施しておりまして、全国で六十一年、六十二年合わせまして約十三カ所やっております。その中に、先生の今御指摘の中城湾港を対象にして現在調査をやっておるわけでございます。場所は中城の南部地域でございますが、二カ年の予定で調査を現在しております。その成果を待って、私どもといたしましては、関係機関とよく調整をした上でできるだけ早い機会に事業に着手しようというつもりで調査をしております。
○玉城委員 先ほどちょっと申し上げましたように、沖縄本島の南部地域はこれから振興しなくてはならぬという地域でありますので、地域住民も期待しておりますので、ぜひよろしく推進をしていただきたいと思います。
 次に水産庁、例の糸満マリノベーション構想の現状と今後の見通しをお伺いいたします。
○上木説明員 お答え申し上げます。
 二百海里体制が定着いたしまして、我が国の周辺水域での漁場の高度利用の必要性が高まっておりますし、また、さまざまな技術革新の進展が見られておるわけでございまして、こういう状況のもとで、水産庁といたしましては、水産業を核といたしました沿岸・沖合域の総合的な整備開発を進める構想といたしまして、マリノベーション構想というものを六十年度から推進すべく、全国各地域におきましてケーススタディーを実施していただいておるわけでございます。
 沖縄県におきましては、糸満市を中心といたしまして那覇市、豊見城村それから渡嘉敷村、この二市二村を対象にいたしまして本年度、調査検討を実施中でございます。
 構想の柱といたしましては、沖縄の南部地域の特性を生かしまして黒潮とサンゴ礁を活用した海洋牧場の整備、それから流通試験研究等の拠点となる糸満漁港を中心とした水産都市の整備、三つ目にはサンゴ礁など美しい海を活用したレクリエーション拠点の整備の三本の柱を中心とした構想の検討作業が進められておるというふうに承知しておりまして、間もなくこの検討の結果がまとめられるものと思います。
 水産庁といたしましては、沖縄県の特色を十分生かされた立派な構想が策定されますよう指導助言に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○玉城委員 歴史的に、今の糸満マリノベーション地域、糸満市を中核として漁業の中心地域でありますので、ぜひ今の構想を実現するようにお願いしておきたいと思います。
 次に運輸省、国際コンベンションシティーについて、これは沖縄県も指定申請をしているわけですが、どうでしょうか、現状と今後の見通しについてお伺いします。
○高野説明員 お答えいたします。
 国際コンベンションシティーの整備の考え方について最初にちょっと触れさせていただきますけれども、国際コンベンションの実施に必要な宿泊施設等のハード面の体制、そしてコンベンションの誘致、受け入れを推進していくためのソフト面の体制などの基礎的な条件が整っている都市を国際コンンベンションシティーとして指定いたしまして、当該都市を諸外国に積極的に宣伝することなどによりましてコンベンションの振興を図りまして、そういうことによりまして国際相互理解の増進、地域の活性化及び地方都市の国際化を推進しようという考え方でございます。
 指定の状況についてでございますが、これまでに全国三十七都市から指定申請が出されております。先生御指摘のように沖縄の方からは那覇市を含む四都市が合体いたしまして申請が出されておるところでございますが、現在これらの都市につきまして審査を行っているところでございまして、今年度末を目途に指定を行いたいと考えております。
○玉城委員 国際コンベンションシティーですから、それは今の沖縄県は最もふさわしいと思います。受け皿もできているわけです。コンベンションホール等もでき上がっておりますし、東南アジアとの関係、中国との関係、台湾とか太平洋諸地域、非常に適していると思いますので、ぜひ指定をしていただくように要望しておきます。
 それから次は運輸省の方に、沖縄県の久米島は昨年の七月までは久米島―渡名喜島―那覇間に毎日二隻運航していたフェリーが、以来高速船にかわって一隻はフェリーが減らされたわけですね。高速船はそれなりに機能を発揮しているわけですが、この二隻のフェリー体制であったときと、一隻フェリーが減らされたために島じゅうが今大変混乱状況にあるということを聞きまして、私たちも現地に行きましていろいろ関係者に話を聞きました。日常雑貨や生鮮食品の入荷や野菜などの農産物や魚介類の出荷に大きな打撃を受ける結果になって、このままでは島の経済、住民生活の崩壊につながりかねない状況に追い込まれている。そのために去る一月には現地では農協、漁協、商工会、学校、老人会、婦人会などの五十七団体が参加して久米島フェリー二隻体制早期実現の総決起大会が持たれているわけです。
 この久米島は、沖縄では一番最初にウリミバエが撲滅されて農家の生産意欲も、Uターンして帰った若い方々が最近向こうで施設栽培に非常に意欲的に取り組んでいるというような地域です。サヤインゲンなど野菜の東京出荷がふえております。ところが、フェリーが一隻減らされたためにそのフェリーに積み込むために農家は夜から収穫集荷を強いられたり、また間に合わずに積み残しも出ている。その日のうちに東京に運ばなければ、鮮度が勝負の野菜にとっては大変な打撃になる。
 あるいはまたクルマエビとかマグロなど魚介類も積み残しもあり、また時間に追われて貨物取り扱いが雑になり、商品価値を損なうものも出ている。商工業者にとってもまたしかりですね。それから、建築資材などもスムーズに入らない等々久米島全体の経済活動や日常生活に大きな打撃が出ております。実情はもっと深刻です。そこでぜひもとどおり二隻やってもらいたいという要望なんですね。どうでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○近藤説明員 お答えいたします。
 若干経緯を含めて御説明させていただきますが、ただいま先生のお話にもございましたように、久米島フェリーは昭和五十七年からフェリー二隻体制で運航しておったわけでございますが、そのうちの一隻が船齢十三年を超えている、老朽化しましたために、地元関係自治体等々と十分協議をした上で、昨年の八月でございますが、当該老朽フェリーを高速船に代替いたしまして、自来フェリー一隻高速船一隻という運航体制で今日までまいってきておるわけでございます。
 老朽フェリーをなぜ高速船にしたかという理由でございますが、これは利用者の利便の向上さらには観光客誘致という観点から、地元からかねてから高速船の導入の要望が強くあったこともありますし、また、フェリー一隻にいたしましても沖縄本島と久米島を一日一往復するということによりまして、従来と同じ輸送能力を維持できるというふうに考えていたということのようでございます。
 その結果でございますが、高速船につきましては、これの導入によりまして旅客需要が大きく喚起されまして、旅客輸送が大幅に増加をいたしております。しかし、今お話しございましたように、フェリーが一隻体制になりましたものですから、輸送能力は変わらなかったわけですが、どうしても運航ダイヤを変えざるを得なかったということで、地元の農水産物の出荷とか日用品、生活用品の運搬等に対して非常に不便を生じてきたということで、地元から従前どおりのダイヤを確保できるような体制にしてほしいという要望が出てきておりまして、この点は我々も十分承知をいたしております。
 今後、フェリー二隻体制に戻すことにつきましては、このような御意向も十分踏まえまして産業振興の観点からよく検討してまいりたいというふうに思っております。
○玉城委員 産業振興の点からよく検討したいということは、この要望の従来どおりフェリー二隻体制に持っていくようにしていきたいという意味に受け取ってよろしゅうございますか。
○近藤説明員 そのような要望も十分踏まえまして検討してまいりたいと思っております。
○玉城委員 どうぞ、結構でございます。
 それから次は、今度は沖縄開発庁の方に伺いたいわけですが、沖縄の伝統産業の泡盛産業の現状について一応御説明いただきたいと思います。
○勝又政府委員 第一に、泡盛は沖縄県におきます伝統ある重要な地場産業でございますが、その製造業者の多くは中小零細企業でございまして、経営基盤は脆弱である、かように認識しております。
 それから第二点でございますが、泡盛の製造業界では、泡盛の主たる原料でありますタイ国産の破砕精米、これが現行の食管制度のもとで国産米と同様にその価格が扱われておりまして、極めて不利益であるということで、政府売却価格を引き下げてほしいという要請があるというふうに承知しております。
 それから第三点でございますが、泡盛業界には以上述べたようないろいろな問題が存するわけでございますが、今後の業界の発展のためには企業の近代化、合理化あるいは消費者のニーズに沿った製品の開発さらには品質向上など業界の努力も期待しなければならぬ、かように思っておるところでございます。
○玉城委員 今三点にわたっておっしゃいましたけれども、一点目の零細企業である、これは四十七社ですね。そのうち、現在、零細業者で赤字の業者というのは何社くらいあるのですか。
○勝又政府委員 お答えいたします。
 手元にございます資料は、沖縄県酒造組合連合会が取りまとめたものでございまして、それに基づきましてお答え申し上げますと、六十一年度現在で四十六工場となっておりますが、そのうち黒字が三十二、低収益ないしは赤字企業が十四、かようになっております。
○玉城委員 重ねてお伺いいたしますが、沖縄の泡盛産業については今後も保護育成あるいは発展せしめる方向として開発庁は考えていらっしゃるのかどうか、その辺いかがでしょうか。
○勝又政府委員 お答えいたします。
 先ほど申しましたように、泡盛は沖縄の重要な伝統産業でございます。しかも、その泡盛自体の品質は極めて高いという評価も得ておるわけでございます。そのようなことから、泡盛業界が今後ともますます沖縄において発展されることを心から望んでおるところでございます。
○玉城委員 次は大蔵省の方にお伺いしたいのですが、例の十一月のガット、我が国は酒税改正勧告を受けて、政府としては酒税改正の基本方針を決めていらっしゃいますね。それをちょっと御説明いただけますか。
○林説明員 日本の酒税制度につきましてはかねてから日本とECとの間の懸案事項でございまして、昨年の初めにガットにこの問題を解決するための小委員会、パネルが設置されました。
 そこで本件につきまして審議が行われてきたわけでございますが、先生御指摘のように、昨年十一月ガットから我が国の酒税制度に関しまして、一つはウイスキーの級別制度が内外差別的である、二番目に我が国でとっております従価税制度等も結果として内外差別的であるという指摘がございまして、このほかしょうちゅうにつきましては、しょうちゅうを含む蒸留酒は直接競合する産品である、にもかかわらずしょうちゅうには他の蒸留酒に比べて低い税金が課されていることは国内産品に保護的になっているということで、これらの点についてガットの規定に適合するよう直してほしいという勧告がございました。
 酒税につきましては、こうしたガットの勧告も踏まえまして、先生御案内のように、一月に六十三年度の税制改正要綱におきまして税制全体の抜本的改革の一環として改正を行うこととするけれども、その中においては従価税の廃止、ウイスキーの特級、一級、二級の一本化ということに含めまして、しょうちゅうの税率の引き上げ等による蒸留酒間の税率格差の是正、縮小というものを内容とした酒税改正の基本方針を決定したところでございます。
 したがいまして、今回の酒税改正におきましては、泡盛を含みますしょうちゅうの乙類につきまして負担の引き上げをお願いせざるを得ない状況にございます。具体的にはこの方針にのっとりまして税制調査会での御審議、御答申を受けて検討してまいりたいと考えております。
○玉城委員 今もおっしゃいましたように、泡盛を含めてしょうちゅう乙類の税率を引き上げざるを得ない、こう決めていらっしゃるわけですね。それは皆さん方としては税率をどれぐらい引き上げる予定なんですか。
○林説明員 具体的にはこれから税制調査会の御審議を受けてその御答申を待って検討してまいることになるわけでございますが、先生御案内のとおり、EC諸国におきましては蒸留酒に対する税率というのは基本的にはアルコール度数を基礎にしております。もとより私どもはそうした考え方はとっておりませんが、そうした中でできるだけ実情も踏まえましてEC側も説得していかなければいけないと思っております。具体的には今後税制調査会の審議を待ちたいと思っております。
○玉城委員 いずれにしてもしょうちゅうの税率は引き上げざるを得ない。泡盛はしょうちゅうの乙類ということで具体的に上げ幅はこれから調整もするということですが、伝えられるところによりますと、現在の税率の二倍ぐらいは引き上げられるのではないかということで、沖縄泡盛業界の方々がそれを大体試算して、非常に強い要請があるわけです。例えば、伝えられるように税率が今の二倍ぐらいになった場合は、泡盛業界に全体として九億弱の増税がかかってくる。さっきも開発庁から話がありましたように、現状でも赤字企業、零細企業である。そういう中で九億の増税分は企業内吸収は無理だというのです。企業内吸収が無理なら、その増税分を販売価格に転嫁しなくちゃならぬわけでしょう。
 ところが、さっきもおっしゃったようにウイスキーの税率は特級、一級、二級を一本化してしまうというから、特級ウイスキーとかは下がるわけです。それを比較しますと、沖縄の泡盛業界の方々の試算ですけれども、紺碧の七年物七百二十ミリリットル、四合、アルコール四三%、現在二千七百円が二千八百二十一円になる。国産ウイスキー、特級サントリーオールド、現在三千三十円のものが二千四百十五円。したがって、紺碧の七年物が二千八百二十一円ですから、泡盛の方が四百六円高くなるわけです。
 輸入ウイスキー、例えばジョニ赤、現在三千百五十円が今度税率改正によって引き下げられますと二千四百三十六円、七百十四円安くなる。いわゆる泡盛と逆転現象が起こるわけです。価格に転嫁もできないだろうということになると、沖縄の泡盛業界全体として四億八千万強の赤字をさらに抱える、これでは壊滅的な打撃を受ける、こういうことをおっしゃっているわけです。それは税率がどうなるか、一応伝えられるように二倍ということでの計算ですけれども、その辺国税庁はどういうふうにお考えですか。
○久米説明員 お答えいたします。
 泡盛業界では、現在検討されております税制改正により、その内容によっては多大な影響を受ける場合もあるとして、沖縄県酒類製造業連絡協議会並びに日本酒造組合中央会の中に本格焼酎等製造業対策特別委員会泡盛部会を設けまして諸対策を検討しております。そして、これに必要な対策措置がとられるよう関係省庁に要望越してきているところでございます。
 当庁といたしましては、泡盛業界の所管官庁として業界の振興発展を願う立場から、酒税法の改正作業の動向を注意深く見守りながら泡盛業界等の意向を十分しんしゃくいたしまして、また関係当局とも密接な連絡をとりながら真剣にその対策について検討をしているところでございます。
○玉城委員 現在の税率でも、泡盛業界は零細でもあるし脆弱な経営基盤の中で、どれぐらい上がるか今後の問題でしょうけれども、いずれにしても税率が上がる。となると、上がった分は企業内吸収も無理だし販売価格に転嫁できない。そうすると、これは我々素人が見ても大変な状況になる。五百年の伝統ある沖縄の泡盛産業ですから、しかも沖縄は今失業率等も非常に高い、いわゆる地場産業が非常に少ないわけですからね。
 開発庁もおっしゃいましたように、育てなくちゃならぬ、発展させなくてはならぬということから、今真剣にいろいろな諸対策をやっているということですが、今度は具体的に、泡盛の原料は御存じのとおりタイの砕米を使っているわけです。私いろいろこの間から数字を申し上げて恐縮ですが、これは四十七年からですが、時間がかかりますから五十七年からとりますと、トン当たり政府がタイから輸入している砕米の価格は六万二千二百七十四円。ところが、泡盛業界に皆さん方が売り渡す価格はなんとその二・一倍の十三万三百円。六万八千二十六円のいわゆる売買差益を政府は五十七年時点で取っていらっしゃるのです。トン当たりですよ。今度は五十八年で、政府がタイから買うときの価格が五万八千七百三十二円。それを泡盛業界に売るときには二・三倍の十三万三千六百円。政府が取っているその売買差益は七万四千八百六十八円。
 五十九年も政府が買うのはトン当たり六万三千八百九十三円で、業界に売る場合は二・一倍の十三万六千八百円。差益が七万二千九百七円。六十年がトン当たり輸入価格、買い入れ価格が五万四千百五十九円で、業界に売る場合には三倍の十五万七百円。その差九万六千五百四十一円。六十一年、政府の輸入価格はトン当たり二万八千八百九円、五倍の十五万七百円で売る。そしてその差益が十二万一千八百九十一円。これに多少の手数料とか保管料も入るかもしれません。これは五十七年からでトン当たりですから、例えば、六十二年からの数字はわかりませんので、六十一年まで、六十一年時点だけでも政府の売買差益、中間であなた方が確保しているものは十三億か十四億ぐらいになるのでしょう。大体十三億余になりますよ。それを四十七年から六十二年までトータルしますと、すごい莫大な売買差益を政府は取っているというのですか、国税庁の方、それはどうでしょうか。
○日出説明員 御説明申し上げます。
 先生も御存じのとおり、泡盛の原料米でございますが、これはタイ砕米を輸入して使っているわけでございます。米につきましては、先生も御案内のとおり、国内の自給原則というのがあるわけでございますけれども、泡盛は沖縄の地場産業でありますし、泡盛独特の風味あるいは製造技術上の面で国内産米ではどうも泡盛の製造が不可能だということを言われておりますので、こういった国内の自給原則の中での特例的なタイ砕米の輸入、こういうようなことをやっておるわけでございます。ただ、タイ砕米の売り渡し価格につきましては、本土のしょうちゅう業者の方々が使っております原料米、今ですと政府を通じませんいわゆる他用途利用米の価格とのある種のバランスをとるということで、この価格に少しずつ近づけていくということをやってきているわけでございます。
 ちなみに、今申し上げますと、本土のしょうちゅう業者の方々が原料米として使っております他用途利用米、十五万九千円でございますが、沖縄の方に売り渡しておりますタイ砕米の売り渡し価格は、それよりも安い十五万七百円ということで、私どもとしては双方の価格バランスを考慮をして価格設定をやっているというようなやり方をしておるわけでございます。沖縄につきましては、こういった原料米のほかに主食用の経過もございますが、いずれにしましても原価で物事をやるという食管のルールではなくて、工業用でございますればこういったバランス、主食用であればやはり消費者の家計安定ということで、売り渡し価格を別な理論で決めておるということでひとつ御理解いただきたいと思っております。
○玉城委員 そういうことはちゃんと前から説明を聞いて知っています。国税庁はそういう差益があるということはちゃんと知っていますか。こういうことを伺っているのです。
○久米説明員 当庁といたしましては、食管の制度上いろいろ難しい問題があることは存じ上げておりますけれども、泡盛が沖縄県の伝統的な酒類であり、重要な地場産業であるということから見て、そのタイ破砕米について低廉な価格となるように業界が要望しておるということを十分存じ上げておりますので、今後ともその業界要望が実現するように関係当局に働きかけるなど引き続き努力してまいりたいと考えております。
○玉城委員 いわゆる沖縄の泡盛産業については、皆さん方としては酒造業界を管轄してまさかつぶすという考えはないわけでしょう。先ほどから具体的にいろいろな意見も聞いて、成り立つようにしたい、こういうことですし、先ほど開発庁の沖縄の泡盛産業の現状について三点にわたってお話をしたその二番目だったでしょうか、業界としても使う原料米の価格の値下げの要望があるというような話をちょっとおっしゃっていましたが、そういうことも含めて、国税庁は、今後もし税率がアップするということは、そういう皆さん方の原料米の売り渡し価格を引き下げるということも含めて考えていらっしゃるということですね。
○久米説明員 お答えいたします。
 泡盛業界からいろいろな要望が出ておりますが、その中に原料米の価格を引き下げてほしいという要望があることは、十分存じ上げております。我々といたしましては、泡盛業界の要望をすべて真剣に検討してまいりたいと考えております。
○玉城委員 ということは、そういう原料米の価格を成り立つように下げるということも含めて今後はやっていきたいということですから、これは食糧庁が管轄でタイから輸入して、またおたくの方が売っているわけですね。今そういうお答えですが、食糧庁はどうなんですか。
○日出説明員 税率の関係がどういうふうになるかとか、その他研究したい問題もいろいろございます。そういう意味で、そういった事情が明らかになりますときには、これについて真剣に検討したいと思っております。
○玉城委員 税率の話はそれは国税庁がやることであって、いずれにしましてもこれは最初の話に戻りますが、沖縄の泡盛産業というものは数少ない沖縄の地場産業で、五百年という伝統ある産業です。皆さんも泡盛を飲んで御存じのとおりです。それが今危機に瀕しているわけです。今のガット勧告によって、基本方針として政府は酒税法の改正をやる。そうなりますと、今でさえ厳しいのにさらにアップする。アップした増税分はいわゆる企業内吸収は無理だ。その競争品であるウイスキーは下がってきて、さっき申し上げたように逆転現象が出て泡盛の方の値段が上がる。だから転嫁もできない。となると、さっきの計算からすると四億八千万は業界全体として赤字を抱えるということになると、ただでさえ零細なのにつぶれるのはだれが見ても当たり前です。
 ところが、政府は今まで泡盛の原料であるタイ砕米についてはこんなに安い価格で買って五倍とかなんとかで売って、その差益は莫大でしょう。六十一年だけでも十三億三千六百万か九百万、一年間で売買差益を政府は持っていらっしゃるわけです。ですから、もし仮に増税するとなると、その原料価格はちゃんと下げて売ってくれというのは当たり前です。業界が言わなくとも、我々も当然だと思うのです。むしろ、税率が上がらなくとも、何で政府はそんなに高く売りつけているのかという疑問が起きてくるわけです。もう一回、この点非常に重要ですから、国税庁ちょっと確認しておきたいと私は思うのです。いかがですか。
○久米説明員 お答えいたします。
 先ほども申しましたように、泡盛業界は今次の税法改正に当たりましてそういう対策を必要とある場合には、こういうことをしてくれということで、例えば他酒類との税率格差の維持、それから税率を小幅な引き上げにしてほしい、あるいは原料米の価格を引き下げてほしい、あるいは泡盛古酒共同製成資金制度の継続と個別企業への融資を拡大してほしいとか、あるいは泡盛産業基金の創設をしてほしいとか、いろいろな要望を出してきております。私どもといたしましては、これらの要望をすべて真剣に検討いたしまして、今後泡盛業界が税制改正後も維持発展できるように努力してまいりたいと考えております。
○玉城委員 では最後に、これはやはり大臣、大臣にお鉢が回って恐縮なんですが、議論をお聞きになって、また大臣のお耳にも入っていることと思いますが、そういうことで今の泡盛業界というのは非常に危機に瀕しているわけです。私もお酒は多少好きな方ですから飲みますけれども、これは業界だけの問題でなくて、県民の問題になってきているわけです。ですから、これは今後どんどん合理化もしなければならぬし、本土市場にもどんどん消費拡大、品質改良もしなければならぬという点もたくさんあります。
 特に沖縄は伝統的に、ああいう亜熱帯地域ですから、やはり食べ物とか、沖縄の人は豚の料理が好きですから、そういうものと泡盛が合うわけです。それがつぶれるということになると百二十万の県民は大変な反発が、まだそういう危機感は具体的な内容がわからないですから全県民は持っていませんけれども、例えば、今申し上げましたように政府が莫大な売買差益を取って売っているということも余り知らないわけですよ。ですから、今回のこういうガットの勧告で政府が税率を上げようと言うから、これは大変なことだ、そういうときにはぜめて原料米の価格を下げるべきだ、これはだんだん世論は高まってくると思うのですよ。長官とされて、この泡盛産業を守って育てるという立場から、ひとつ御所見をお伺いしておきたいと思います。
○粕谷国務大臣 このガットの問題以後、蒸留酒のしょうちゅうとか泡盛の税率の引き上げという問題は、閣議でも決定したばかりでございます。しかし、今先生御指摘のように、一方でタイの破砕米を安く仕入れて、その仕入れた破砕米を原料として扱う泡盛業界に差し上げるときには大変高い値段で差し上げる、これはだれが聞いても余りすきっとした話ではないな。それは確かに制度上あるいは法規上いろいろと問題があるのだろうとは思います。そこへ持ってきて今度は、商いをしようと思ったら税率を上げられてしまうということになると、往復びんたという、適当な言葉でないかもしれませんが、そういうようなことを泡盛業界の方が感じられるのは無理からぬことだ、私はこういうふうに思っております。
 私自身が直接の衝に当たる者ではありませんけれども、地場産業として沖縄に大変なじんでいる泡盛、私も先般古酒をごちそうになりまして、とてもこれはおいしいなと思って飲みましたが、何とか業界が栄えていくようにという念願を込めてこれからもいろいろと行動していきたい、こういうふうに思っております。
○玉城委員 以上です。
○稲葉委員長 中路雅弘君。
○中路委員 瀬長議員にかわりましてきょうは御質問したいのですが、最初に、先ほどの御質問にもありましたけれども、久米島航路のフェリー運航体制に関する問題について御質問したいと思います。
 久米島の兼城港から那覇航路のフェリーの運航体制が変更になりまして、従来の二隻体制からフェリー一隻・高速艇一隻のピストン輸送体制に変更されたわけですが、高速艇の導入は地元の要望もあったようで、観光面では、輸送時間も早まり、また非常に好評も得ているようです。しかし一方で、従来からの貨物輸送にかわり得るものではないわけですし、フェリーを二隻から一隻にしたことで地元の生産農家や商工業者あるいは地元住民の生活、経済に非常に大きな影響が今生まれているのが実態でありまして、我が党としましても昨年末、調査に基づいて十二月四日に沖縄総合事務局へ申し入れも行っております。
 二隻体制の復活については地元でも強く要望されているところでありますが、最初に、久米島―那覇航路のフェリー運航体制を従来の二隻からフェリー一隻・高速艇一隻のピストン輸送体制に変更された理由について、簡潔に明らかにしていただきたい。
○近藤説明員 先ほど玉城先生のお尋ねに対してもお答え申し上げましたように、従来フェリー二隻体制で運航しておりましたもののうち、一隻が大変老朽化いたしましたために、これをどうするかということを地元でいろいろ検討されたようでございます。そして、あわせて地元から高速艇の導入に対して非常に強い要望がなされてあったということもございまして、地元の関係自治体あるいは関係の事業者等々が、輸送需要の動向、運航回数の設定、寄港地の見直しを含めまして十分協議を行った上で関係者の合意を見て、フェリー一隻・高速艇一隻体制に移行するというふうに私ども承知をいたしておるわけでございます。
○中路委員 今お話ありました関係者の合意という点は後でもう少し御質問したいと思いますけれども、こうしたフェリー体制の変更に伴って地元の産業に与える影響については事前にどういう検討を行っておられたのか。この点、私、大変疑問なんです。
 先ほども一部ありましたけれども、このフェリー運航体制の変更で農家の方は大変なんですね。サヤインゲンとかニガウリ、こういう野菜作物の出荷を早朝の早い便に間に合わせるために深夜まで選別・出荷の作業を余儀なくされてくるわけです。今まで九時半だったのが八時半、まあ九時に若干調整されましたけれども、間に合わなければ船便の運賃の三・五倍を払って飛行機便で輸送するか、次の日の便まで積み残すしかない。野菜農家の健康上からも経済的負担の面からも極めて大きな影響がこの事業計画の当初から発生しているわけです。
 沖縄総合事務局は、地元農民のこうした影響に対する不満が出ているわけですから、昨年末、出発時間を九時に変更するという調停案を提示されましたけれども、根本的に問題は全く解決されていない。地元の産業にも逆に大きな影響を与えているわけですね。ピストン輸送で午後に帰ってくるわけですから、従来実施している久米島港を起点にした場合と違って、今度は午後、夕方戻ってくるわけですから、久米島の商工業関係にこれが非常に大きな影響を与えています。こうした問題についてどのような意見が出されているのか、皆さんの方で把握されているとすれば内容をお聞かせ願いたい。
○近藤説明員 今お話のございましたように、運航ダイヤが変わることによりましていろいろな支障が生じているということで、これをもとの両方からの朝出発のダイヤに戻すためにはやはり二隻体制に戻してもらいたい、こういう御要望が出されていると聞いておりまして、その点私ども十分承知をいたしております。
○中路委員 農家のお話をしましたけれども、今お話ししましたように逆に今度は商工業者にとっては、朝、那覇を出航してくるのが変わるわけですから、朝、久米島を出た船が引き返してくるわけですから、五時ごろに帰ってくるわけですね。だから、これは具志川の商工会等、私たちに話された意見ですけれども、那覇からの商品の到着がおくれて即日販売は不可能になって、入荷から販売まで今までの二倍の日数を要するとか、あるいは鮮度が悪くなる、客足にも影響する、ひいては売り上げに大きな打撃を与える。商品が売れ残れば在庫保管のための設備が必要になってくる。あるいは商品の到着がおくれると、勤務時間後になると人件費もふえてくる。労働強化にもなる。従業員や家族の健康上の問題も出る。農家にとっても、商工業者、住民にとっても本当に大きな打撃になっているわけですね。
 商工業者への影響はフェリーの出発起点を那覇にしなければ根本的に解決しないわけです。農家への影響というのはあくまでフェリーの出発点を久米島にしなければいけない、これが前提なのですね。したがって、この体制を崩したということになると、根本的にこうした大きな影響、ピストン輸送をやるからいいのだということと全く違う事態が今この久米島の問題では起きているということをよく知っていただきたいと思うのですね。
 離島航路整備法第一条で「離島航路事業に関する国の特別の助成措置を定めることにより、離島航路の維持及び改善を図り、もつて民生の安定及び向上に資することを目的とする。」だから、経済的にこの方が安上がりとか効率とかというのじゃなくて、離島対策というのはあくまでも離島の民生安定に資していくということがこの整備法の趣旨なのですね。
 私はこの点で、先ほどもお話がありましたけれども、特に久米島ではウリミバエとかこうしたものが根絶した後のサヤインゲン、ニガウリ、これは新聞で見ましたけれども、サトウキビ以後の最も有望な作物と言われて注目されているのですね。新聞に出ていましたけれども、昭和五十七年に五トン、六百二十二万円の出荷からスタートして六十一年には百八十七トン、二億四千万円の出荷になっているということですね。これが大きな打撃を受ける。
 離島振興のための政府の施策というのは、船の経済性というだけではなくて離島の産業振興を何よりも優先することが当然だと私は思うのです。産業振興を基本姿勢にするということになれば、運輸省としてこうした地元の要望を聞いてフェリーの運航体制を二隻体制に戻すことが当然だと思いますが、これは関係会社と協議して二隻体制に戻すということについて至急検討していただきたいと思いますが、いかがですか。
○近藤説明員 ただいまここで結論めいたことを申し上げるわけにはまいりませんが、いずれにいたしましても実情をよく調査いたしまして、要望等も十分踏まえまして、よく検討してまいりたいと思います。
○中路委員 この問題で、先ほど関係者の合意という話があったので、御存じないかもしれないので私は取り上げますけれども、昭和五十六年八月に久米島海運、この会社の営業権を現在の久米島フェリー株式会社に譲渡する際に、営業権譲渡に関する覚書というのがあります。この中で、久米島の三つの村長や関係者と協議をして、沖縄総合事務局運輸部長も入っているわけですが、これからの運航事業計画変更の許可申請を行う場合は全員の同意を得なければこれを許可しないものとするという合意書があります。
 お尋ねしますけれども、例えばこの中で中心の具志川村の村長はこれに同意を与えていますか。
○近藤説明員 お答えいたします。
 具体的な、例えば具志川の村長が同意を与えているかどうかということにつきましては私つまびらかにしておりませんので、答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○中路委員 さっき関係者の同意を得てというお話があったから私はあえて取り上げるのですが、全く同意を得ていないのです。
 文書を持ってきているのですが、これは具志川村長の野村さんが、事業計画変更の件についてということでこのフェリー会社の社長に出した文書です。六十二年六月二十九日「貴社から申請のありましたこの件について、村内各種団体との会合を重ね検討してきましたが、結論として現状のフェリー二隻での運航が最も好ましいと意見が一致いたしましたので、この事業計画変更には同意できません。」という文書が出ているのです。これはこうした運航計画を変更する際の協定に全く反することなのですね。これは村長の判こが押してある不同意書なのです。
 今、運輸省は御存じなくて、同意したのだろうということで許可をする。これはけしからぬと私は思うのです。この覚書に全く反するわけです。先ほどの産業への影響という件等もありますけれども、まず同意をしていないのですから、二隻体制、原状へ、白紙に戻すということは当然じゃないですか。
○近藤説明員 具体的な認可手続等は当時沖縄の総合事務局の方で行われたわけでございますが、いずれにいたしましても先ほど来お話のございましたような御要望の趣旨、実情等は十分踏まえまして、フェリー二隻体制に戻すことにつきまして今後検討してまいりたいと思います。
○中路委員 私が今言っているのは、この運航計画変更の許可申請がその手続に基づいて行われていない。沖縄の総合事務局からどういう報告が来ているかわかりませんけれども、今の御答弁をそのまま受け取れば、皆さんの方は承知しなかったということになるかもしれませんが、この協定と全く反することですから、これは事実なので調査をしていただいて、関係自治体が同意を与えていないのですからこの運航計画は一度白紙に戻す、もし調査をしていただいて確認していただければその措置はとっていただけますか。
○近藤説明員 その辺の実情も十分調査させていただきたいと思います。
○中路委員 大臣、今やりとりをお聞きになったと思いますけれども、この運航計画の変更が、先ほど同僚の玉城委員もお話しになっていましたけれども、産業と農業に大変な影響を与えているのですね。その事情がわからなければ、二隻で両方から朝出発してむだじゃないか、それよりも一隻で往復した方が効率的だと普通考えるのですが、そのことが経済に大変な影響を与えているということで、もとに戻してほしいという強い要望が地元からあるということ。
 もう一つ、私が今取り上げましたようにこれが手続に従ってやられていない。地元の自治体の同意が得られていない。事業計画の変更に同意できませんという文書が出されているわけですね。この譲渡に対する同意が全く得られていないということでもあります。沖縄の第二次振興開発計画の第三章を見ますと、十一項で離島振興について「離島の振興に当たっては、離島のもつ不利性を克服しつつ、離島の特性と住民の創意を生かして産業の振興等を進める」と述べているわけですから、こうした趣旨に基づいて久米島フェリーの二隻体制の復活が早期に実現できるように努力していただきたいということを重ねてお願いしたいわけですが、大臣、いかがですか。
○粕谷国務大臣 率直に言いまして、私は今のお話、質疑のやりとりを聞いておりまして、深い話のところは初めて聞いたというような状況でございますから、一応事務当局から答弁をさせます。
○塚越政府委員 久米島航路におけるフェリーの二隻運航体制につきましては、地元から強い要望があることは承知をいたしております。沖縄開発庁といたしましては、離島の産業振興という観点から所管の官庁であります運輸省とよく連絡を密にしながら対処してまいりたいというふうに考えております。
○中路委員 重ねて私は、一つは地元の生活、経済の発展、離島の振興という立場から大きな影響を与える、離島の発展を阻害しかねない問題だというお話をしましたけれども、もう一つは、先ほどお話ししましたようにこうした運航計画の変更の際、関係者についての名前が全部挙がっています。この中には沖縄県の商工部長も入っていますし、総合事務局の運輸部長もこの協議のメンバーなんです。その協議で関係者全員が同意していないということが明らかなのです。特に地元の関係の村長が同意していないわけですから、文書を出しているわけですから、この譲渡する際の覚書の中で、事業計画の変更申請を行う場合には第一番に読み上げました具志川村長、それからずっと名前が挙がっていまして、これらの人たちと協議をして全員の同意を得なければ許可しないものとするという覚書が交わされているわけですが、その筆頭の村長が同意をしていないわけですから、この点も含めてひとつ改めて検討し直してほしい、もとへ戻してほしい、こういう要望なんです。
○粕谷国務大臣 ただいま振興局長から詳しく事情を聞きました。運輸省の方から、諸般の手続は総合事務局が一切やった、こういう答弁がありましたのを私も聞いておりまして、多分振興局長が知っているのかなと思っておりましたところ、これは確かにそういう経過をたどっておるのでございますが、運輸省の監督のもとにやっている事務だそうでございますので、したがってまだ私どものところへ報告はないわけでございます。ですから、三村が合意をしたのかどうかという問題を含めて、少し時間をおかしいただきまして私どもに事実関係を聴取する余裕をお与えいただきたい、こう思います。
○中路委員 ぜひ調査もしていただきたいと思います。文書だけ言っておきますと、昭和六十二年六月二十九日付で具志川村長野村時雄さんから久米島フェリー株式会社の社長に、事業計画変更における件ということで、六十二年五月七日付で貴社から申請のありました件について、村内各種団体と会合を重ね検討してきましたが結論としてフェリー二隻体制での運航、現状維持が最も好ましいと意見が一致しましたので、貴社の事業計画変更に同意できませんという文書が出ていますので、これも含めてひとつ調査もお願いしたいと思います。
 もう一点の質問ですけれども、これも先ほど御質問がありましたし、私も去年現地で十一管区海上保安本部長にもお会いしました。それから、航空自衛隊の南西航空混成団にも行って事情を聞きましたし、漁協の幹部の皆さんとも懇談してきた問題ですが、第一一徳丸の被弾事件の問題です。
 八カ月たったわけですけれども、三月十四日に第十一管区海上保安本部が、現場で空対空の射撃訓練をしていた航空自衛隊南西航空混成団のパイロットを過失往来妨害罪の容疑で那覇地検に書類送検されましたけれども、先ほど来捜査結果に差し支えるとかいろいろな事由で公表されていないのですが、私は、どういう捜査をやられたのかということは、書類送検をしたその理由と根拠だけは県民に明らかにさるべきじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○中島説明員 本件につきましては、先生御質問のように去る三月十四日、事件発生当時沖縄南部訓練区域で空対空ミサイル射撃訓練を実施しておりました自衛隊員につきまして、刑法第百二十九条第一項に定めます過失往来妨害罪の容疑があるということで那覇地検に送致したわけでございますけれども、この具体的な捜査結果につきましては、先ほどの上原先生の質問でもお答えいたしましたとおり、現在那覇地検の方に送っておりまして、那覇地検の方で取り扱っておられるものでございますので、発言を差し控えさせていただきたいと思います。
○中路委員 三月十五日付の沖縄タイムスを見ますと、過失往来妨害罪の容疑で那覇地検に書類送検した件について、「当時現場上空にF4EJ四機以外航空機がなく、回収した金属片の鑑定結果やパイロットおよび第一一徳丸の乗組員の事情聴取などから爆発した物体がF4EJの、ミサイルと断定した」と報道しているわけです。新聞もこういう報道をされているわけなので、調査の内容を私は今答弁がありましたからあえて聞きませんけれども、どういう調査や取り調べを行われたかということは新聞等でも出ているわけですから、この点は明らかにしておいていただきたい。
○中島説明員 先ほども申し上げましたように、捜査の内容について特に詳しく御説明することはできませんけれども、概略申し上げますと、昨年十月防衛庁の方から鑑定書の送付を受けたわけでございますけれども、そういった鑑定結果の検討だとか第一一徳丸の乗組員とか僚船の方々からの事情聴取とか航空自衛隊員の事情聴取、それから事件現場等の実況見分等を行ったわけでございます。
○中路委員 時間の関係でその点はとどめます。
 防衛庁はお見えになっていますか。この事件の関連性ということと直接の有無は別にしまして、私この問題で漁協の幹部の皆さんと懇談した際に強く要請があったのですが、例えば一例ですけれども、自衛隊が演習する際に演習通報というのを関係部門に流されているわけですが、今回の事件のあった沖縄南方について見ると、演習期間が六十二年五月六日から六十三年三月三十一日まで、日曜日及び祭日を除くという通報になっているのです。いわゆる年間のトータル通報なんです。漁船はこれではいつ訓練があるかわからないと言うのです。年間のトータル通報ですから、少なくも漁船として注意をしようがないという意見なんです。漁業関係者は命の保証がない中で操業しなければならないということで、昨年の事件発生以後沖縄県漁連からは演習通報は演習のたびに通報してほしいという要望を強く出されているはずです。
 しかし、防衛庁はこうした事故の再発防止の対策すら全く漁協とも話もしないじゃないかという不満が強く出ているわけです。訓練空域や海域下で安心して操業できないという漁業者のこういう要望に基づいてもう少し真剣にこたえるべきではないかと私は思うのです。一例で挙げましたけれども、演習通報のその都度通報もたまにあるそうですけれども、こうした年間通報というのはやめて、やはり演習をやるときには関係者に通報するというぐらいはやるべきだと思うのですが、いかがですか。
○柳澤説明員 お答えいたします。
 私ども、航空自衛隊が沖縄の米軍の訓練空域を使用して行います訓練につきましては、先生御指摘のように、年間一回という形でございましたが、官報の公示やらあるいはノータムとか水路通報等の発出を関係機関にお願いするとかあるいは水産庁の方にも御通知するというような形で一応の公示手段をとってきたわけでございます。
 今度の事件の関連についてはまた別といたしまして、現実に今回の件の中で、これは別の機会にも御指摘をいただいたわけでございますが、現に操業しておった漁船の方々がミサイルの射撃訓練が行われていたことを御存じなかったということもあったわけでありまして、私どもも、別の機会での御指摘も踏まえまして、実は、毎日のように飛行訓練等は実施しておるものでございますから、特にミサイルの実射訓練といったようなものにつきましてはさらにできるだけきめの細かい通報をするという方向で水産庁の方とも相談をしておるところでございます。
○中路委員 漁業関係者がその後も全く話がないというのです。今そういうことを検討しているとすれば、そういう問題についても関係者と話をして、どういう通報の仕方が漁業者にとっても安全な操業にいいのか、そういう話を十分やるべきだということを強く特に要望しておきたいと私は思うのです。
 時間も参りましたのでもう一点ですが、この一徳丸の被弾事件で、至近距離で爆発したのは自衛隊が発射したミサイルだという結論ですね。これはもうさまざまの状況や証言から極めて明白でありますし、海上保安庁も確信を持って書類送検されたのだと思いますが、しかし航空自衛隊が今日に至っても我々が持っている資料では自衛隊との関連性は考えにくいとかいう関与を否定しようという態度をとっているのは極めて遺憾だと私は思うのです。
 現地のマスコミにも、当時現場で演習していたのは自衛隊機だけだから、もし自衛隊機でないとすれば人工衛星の燃えかすかUFOしか考えられないと報道しているところです。県民だれもが感ずる疑問に対して何ら答えようとしていない。そしてみずからの関連性のみ否定しているというのは、この態度は私たちは断じて容認できないと思うのです。素直にこういう点は明らかにし、自衛隊と関連性がないと言うならば、県民が納得いくような説明をすべきではないかと思うのですが、防衛庁の考えはいかがですか。
○柳澤説明員 報道等によりまして、航空自衛隊あるいは一部防衛庁の方の談話等というような形で関連性がないように思う旨の報道もなされておりますが、私どもも捜査に協力する立場でいろいろ海保の方に御協力申し上げてきたところでございますが、一方で私どもも独自に防衛庁としてのいろいろ因果関係面での調査はしてきております。その上での、あくまで私ども限りの調査でございますが、因果関係について自衛隊の訓練との関係を断定するだけの状況がないという感じがあることも事実でございます。
 ただ、その一々について申し上げますことは、これは今那覇地検の方で捜査されている途上の問題でもございますので、とりあえず私どもとしましては、地検の今後の調査に御協力をしまして真相究明が早くなされるようにしていきたいと考えているところでございます。
○中路委員 これで終わりますが、海上保安庁の本部長が努力をされたのですが、お会いしたときはまだ結果がわからない、それから、防衛庁に鑑定を依頼したと言うから、防衛庁に鑑定依頼して結果が出てくるかということも私は言ったのですが、去年の十月十九日、第十一管区海上保安本部が防衛庁に依頼した金属片の鑑定の問題でも保安庁自身が後で言っているのです。ミサイルで使われている七千点の部品のうち五百か六百くらいだけの金属片と照合して、使用されていないというのが出てきている、これは疑問だということで海上保安庁も鑑定結果への疑問を取り上げているわけです。こうした形で防衛庁自身が独自に調査をしたということが大変不備なものだし、多くの疑問が関係者からも出されているところなんです。私は、この問題について素直に県民が納得いくような、自衛隊、防衛庁としても見解を明らかにすべきだということを重ねて要望して質問を終わりたいと思います。
○稲葉委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後三時七分散会