第112回国会 土地問題等に関する特別委員会 第3号
昭和六十三年四月十八日(月曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 小此木彦三郎君
   理事 石川 要三君 理事 大塚 雄司君
   理事 野田  毅君 理事 羽田  孜君
   理事 井上 普方君 理事 西村 章三君
      粟屋 敏信君    衛藤征士郎君
      加藤 六月君    木部 佳昭君
      北川 石松君    鯨岡 兵輔君
      小杉  隆君    近藤 元次君
      佐藤 守良君    椎名 素夫君
      田原  隆君    田村 良平君
      谷垣 禎一君    中川 秀直君
      野呂田芳成君    林  大幹君
      谷津 義男君    若林 正俊君
      小川 国彦君    小野 信一君
      加藤 万吉君    菅  直人君
      沢田  広君    中村  茂君
      草川 昭三君    小谷 輝二君
      中村  巖君    森田 景一君
      岡田 正勝君    辻  第一君
      中島 武敏君
 出席国務大臣
        農林水産大臣  佐藤  隆君
        建 設 大 臣 越智 伊平君
        自 治 大 臣 梶山 静六君
        国 務 大 臣 奥野 誠亮君
 出席政府委員
        内閣参事官
        兼内閣総理大臣
        官房会計課長  河原崎守彦君
        総務庁長官官房
        審議官
        兼内閣審議官  増島 俊之君
        国土政務次官  大原 一三君
        国土庁長官官房
        長       清水 達雄君
        国土庁長官官房
        水資源部長   大河原 満君
        国土庁計画・調
        整局長     長沢 哲夫君
        国土庁土地局長 片桐 久雄君
        国土庁大都市圏
        整備局長    北村廣太郎君
        国土庁地方振興
        局長      森  繁一君
        国土庁防災局長 三木 克彦君
        大蔵大臣官房審
        議官      瀧島 義光君
        大蔵大臣官房審
        議官      水谷 文彦君
        大蔵省主計局次
        長       篠沢 恭助君
        大蔵省理財局次
        長       藤田 弘志君
        大蔵省銀行局保
        険部長     宮本 英利君
        国税庁直税部長 伊藤 博行君
        文部大臣官房総
        務審議官    川村 恒明君
        文部省高等教育
        局長      阿部 充夫君
        厚生大臣官房総
        務審議官    黒木 武弘君
        厚生省健康政策
        局長      仲村 英一君
        農林水産大臣官
        房総務審議官  鶴岡 俊彦君
        農林水産大臣官
        房審議官    伊藤 礼史君
        農林水産省構造
        改善局長    松山 光治君
        農林水産省畜産
        局長      京谷 昭夫君
        通商産業大臣官
        房審議官    安藤 勝良君
        中小企業庁計画
        部長      田辺 俊彦君
        運輸大臣官房国
        有鉄道改革推進
        総括審議官   丹羽  晟君
        運輸省運輸政策
        局長      塩田 澄夫君
        運輸省航空局長 林  淳司君
        郵政省通信政策
        局長      塩谷  稔君
        建設大臣官房長 牧野  徹君
        建設大臣官房総
        務審議官    中嶋 計廣君
        建設大臣官房審
        議官
        兼内閣審議官  福本 英三君
        建設省都市局長 木内 啓介君
        建設省河川局長 萩原 兼脩君
        建設省道路局長 三谷  浩君
        建設省住宅局長 片山 正夫君
        自治大臣官房総
        務審議官    小林  実君
        自治大臣官房審
        議官      湯浅 利夫君
        自治省税務局長 渡辺  功君
 委員外の出席者
        警察庁刑事局保
        安部生活経済課
        長       泉  幸伸君
        経済企画庁総合
        計画局計画官  福田 美弘君
        外務大臣官房儀
        典官      松井 靖夫君
        参  考  人
        (日本国有鉄道
        清算事業団理事
        長)      杉浦 喬也君
        土地問題等に関
        する特別委員会
        調査室長    高戸 純夫君
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委員の異動
四月十八日
 辞任         補欠選任
  金子原二郎君     谷垣 禎一君
  若林 正俊君     谷津 義男君
同日
 辞任         補欠選任
  谷垣 禎一君     金子原二郎君
  谷津 義男君     若林 正俊君
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四月十四日
 政府機関などの地方移転促進に関する請願(井出正一君紹介)(第一五三七号)
 同(小川元君紹介)(第一五三八号)
 同(小沢貞孝君紹介)(第一五三九号)
 同(唐沢俊二郎君紹介)(第一五四〇号)
 同(小坂善太郎君紹介)(第一五四一号)
 同(中島衛君紹介)(第一五四二号)
 同(羽田孜君紹介)(第一五四三号)
 同(宮下創平君紹介)(第一五四四号)
 同(村井仁君紹介)(第一五四五号)
 同(若林正俊君紹介)(第一五四六号)
は本委員会に付託された。
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四月十三日
 地価高騰に対する抜本的抑制策に関する陳情書(大阪市東区大手前之町大阪府議会内西野陽外九名)(第四四号)
 土地基本法の早期制定に関する陳情書(大阪府門真市中町一の一門真市議会内野中義孝)(第四五号)
 政府機関等の地方移転促進に関する陳情書外一件(宇都宮市塙田一の一の二〇栃木県議会内神谷正二外十一名)(第四六号)
は本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 多極分散型国土形成促進法案(内閣提出第七八号)
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○小此木委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、多極分散型国土形成促進法案を議題といたします。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 本案審査のため、来る二十日、参考人として茨城県知事竹内藤男君、関西経済連合会会長宇野牧君、元内閣法制局長官林修三君、東京経済大学教授柴田徳衛君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小此木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 また、本案審査のため、本日、参考人として日本国有鉄道清算事業団理事長杉浦喬也君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○小此木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ─────────────
○小此木委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石川要三君。
○石川委員 四十分の時間でございますから、十問ぐらい質問したいと思っております。時間も余りないのでそのものずばりで質問をさせていただきますから、簡潔にひとつ御答弁をいただければありがたいと思います。
 まず第一に、今回のこの法律の内容を実は私もずっと通読したわけでございますが、どこを読んでみても、はっきり申し上げますと、努力規定といいますか訓示規定といいますか、そういうことでできているように感じられます。したがって、こういう法律はみんないいとこずくめといいますかそのとおりのことが書いてあるのですけれども、問題はこの実効をどう上げさせられるかということが一番難しい、こういうふうに思うわけであります。したがいましで、この法律を今日までまとめた過程は大変いろいろな多省庁にわたっておりますので、恐らく非常に御苦労があったと思いますが、そのまとめた後の、果たしてまとまった法律として提案した後の実効ということ、これが非常に問われているのではないか、こんなふうに思うわけです。
 しかも今日の土地問題というものは一口に言えば東京問題、このように言われておるわけでありますが、そのとおりでありまして、やはりその基本となるところは人口のあるいはまた諸機能の東京一点集中、こういうことにあるわけですが、この東京一点集中の原因は一体どういうことからそういうことになったのか、そしてまたその一極集中を是正する具体的な施策は何をやるべきか、こういう基本的なことにつきまして、それとまた同時に、この法律がそのために一体どのように役立つのか、こういうことにつきまして長官の御意見をまず承りたいと思います。
○奥野国務大臣 全国総合開発計画を作成すること四次にわたっておるわけでございますけれども、必ずしもそれがそのとおり実現したとは言い切れないと思うわけでございまして、何らかの手法を講じなければならない。そのためには、やはり基本的な国土づくりに関する法律をまとめ上げる必要があるじゃないかということで始まるわけでございまして、そのことは国土庁一庁でなし得るわざじゃございません。全省庁が努力していかなければならないことでございますので、御指摘ございましたように、自然努力義務に関する規定が多いじゃないか、そのとおりでございます。しかし、この規定を置くことによりまして、関係の省庁が、これを受けて立法をしましょうということを明らかにしてくれている役所も出てきているわけでございます。今後は、この法律が成立した暁には、これを基本にして国土庁も関係各省に物を言いやすくなるんじゃないかな、こう考えるわけでございまして、国土づくりを一層各方面から具体化させていくことができるんじゃないか、こう思っているわけでございまして、東京一極集中が何が原因になったかということでございますけれども、やはり効率をねらうならば、集中させることによって効率を上げていくことが一番やりやすいんじゃないか、私はこんな思いがするわけでございます。
 徳川の藩制時代から明治の改革が行われましたときにも、中央集権的な手法によりまして大きな改革を続けてきたと思います。やはり東京が世界の金融センターになりますと、ほうっておけば当然各金融機関、各企業が東京に立地を求めてまいりまして、そこに行けば自然世界の情報も得やすいわけでありますし、みずからの発展の方向も確保しやすいわけでございます。したがいまして、余りにも急速に世界の金融センターになってどんどんそれが発展してきたということが地価の暴騰ということでしっぺ返しを食らったような格好になっておるわけでございまして、ここで私たちがさらに思い切った手法を講じていかなければこれを打開できない。そんなことで、四全総に始まりこの法律におきまして東京一極集中を是正して、多極分散型の国土をつくるのだということを強く訴えることにしてまいったわけでございます。
○石川委員 大臣もお認めになっておりますように、国土庁の一役所だけではこの問題を実現することは極めて困難だ、各省庁の協調ということを強調されました。そのとおりだと思うのですが、少し皮肉なあるいは失礼な言い方かもしれませんが、過去の国土庁というものの全省庁の中の役割、位置づけといいますかそういうものを私なりに見ますと、どちらかというと盲腸的なというと大変失礼な言葉ですが、そういう感なきにしもあらず。行革審の中では将来統合の対象になっていたのじゃなかろうかなと思うのですが、今もうそのような時代ではなくなったように感じます。もし一回そういう統合対象の一つの局として指定されますと、それはなかなか払拭できないと思うのです。それは今後一体どのように考えていかれるのか。むしろこの狭い日本の国土を利用する国土庁というものはもう統合なんというものはとんでもない話で、これが二十一世紀あるいは二十二世紀にわたっても国土利用の大きな責任省庁として当然大きな比重を占めていかなければならない、私はこう思うのですけれども、逆な位置づけに今すべきだと思いますが、その辺をどういうふうに御判断されておりますか。
○奥野国務大臣 国土庁が生まれましたのは田中内閣のときの日本列島改造、そのためには国土づくりについての計画的なものを集めた機関をつくらなければならない、それが各省の強い抵抗を排除して国土庁が生まれてきた経緯であったわけでございます。各省はやはり各省平等縄張りを持っているということでございますので、役所をつくったからといって各省を国土庁が考えるように引っ張っていくということはなかなか困難を伴うことだと思います。必ずしも十分でなかったこともあって御指摘のような意見も生まれてきたのだろうと思います。
 今度この法律ができますと、自然だれかが中心になってそれらの政策が具体化するように努力していかなければならない。それは国土庁をおいてないのじゃないかな、こう思うわけでありまして、国土庁の出番が非常に多くなるのじゃないかな、そういうことから私は、国土庁がこの法律を基礎にして動きやすくなるのじゃないだろうかな、こう考えているところでございます。
○石川委員 大臣も私の意見と大体同じような意見でございまして大変ありがたく思うのですが、今まで私がそのような感を深めたその理由としては、国土庁のいろいろな計画というものがただ単に計画に終わってしまった。実効性がない。確かに知恵はあるけれども権限がない、金もない。どちらかあればまだしもですが両方ない。知恵だけは確かにあるというふうに思うのですが、権限というものをやはり付与しなければ、実際そういうふうに大臣が思ってあるいは考えていらっしゃってもそれはできないことでありますから、たまたま政治家として大変力のある奥野長官を迎えたのですから、これを契機にぜひひとつ百八十度の脱皮をしてそして指導性を発揮してもらう、指導性の強い役所であるという認識を国民の中に扶植してもらいたい、こんなふうに念願をいたします。
 例えばその例としましては、教育機関の分散などを見ましても、私の選挙区に八王子市という市がありますが、この八王子市の中に何と二十一校あるんですね、大学ばかりじゃありませんけれども、二十一校。そうすると、私も市長さんに聞きますと、二十一も大学初めいろいろな学校が来ると、学生はもう七万五千から八万人ぐらいになる。しかし買い物は、比較的若い者は、そう言っちゃ失礼ですが八王子の古臭いお店ではなかなか買わなくて、むしろ都心の方に向いている、交通の渋滞は大いに来す、得るところがないというんですね。そして反対にごみやし尿は非常にふえてくる。その処理に非常に市費がかかる。それからまた、もし二十一の学校が優良な宅地あるいは生産地であるならばそれなりの固定資産税が入ってくる。そういうことを考えますと、全くこれは大きな大学公害であるということで、今市議会の中でも、またもう一つふえるとなると大きな問題として議論されるということを聞いております。
 こういうことを考えますと、これは狭い国土の土地利用の中では、もうちょっと主管官庁である国土庁は、その配分においても、二十一も一カ所に集まるということ自体異常でありますから、そういうことのチェックあるいは発言権というものがないのか。一つの例でありますけれども、そのように感じて申し上げたわけでございます。ぜひひとつ、今後に御期待をするわけでございます。
 ところで、土地問題には長短の政策があるわけでありまして、短期的な政策につきましては昨年の暮れにいろいろと閣議決定、あるいは党の中でもいろいろと土地問題の短期の政策を考えて提案しましていろいろとやっておるわけでありますが、とかく最近はそれが何か、監視区域も設定されて幾らか熱が下がったというようなこともあるでしょう、何となく台風が過ぎ去ったという感も若干あるようで、これはとんでもない間違いだと思いますね。こういうような短期的な対策についても、今もう少し見直して対処しなければならないこともあると私は思うのです。監視区域を対象面積を引き下げてやったということは大変効果があったと思いますが、これは現在ではむしろ上がるところまで上がってしまったから、あれがなくても下がったのじゃないかと思うのですが、しかしそれが非常に大きな機能を発揮していることも私は認めていいと思うのです。ただ問題は、これは上がるときの一つのストップになる役割は大変顕著でありますけれども、逆に下がりかかったときに、じゃこれが一体解熱剤になるのかどうかというと、解熱剤にはならないと思うのですね。むしろ見方によれば、NHKのシリーズなんかを見ましても、高値安定の役割をしているということが言えるわけですね。ですから、こうなった場合に解熱剤になるような何かそういう見直し、あるいはまた別のことでもいいのですが、そういうものがないのかどうか、考えられないかどうか。この現在の指導価格というものの逆作用みたいなものがある、この点について、大臣以外の方で結構ですが、考えられないものかどうかお尋ねをいたします。
○奥野国務大臣 昨年の暮れから地価の高騰が鎮静化、下落に大きく方向が変わってきたと思います。いろいろな施策も効果があったと思いますけれども、やはり株式にしましても土地にしましても、上がり始めますといつまでも上がるように思い込んでしまうと思うのでございまして、それが土地転がし、転がすたびに値が上がっていったと思うのでございます。昨年の十一月以来、国会の土地問題に関する特別委員会等、土地国会の政治の課題として大きく取り上げられたことで、これはもうこれ以上上がらないな、政治が何かやってくれるなという期待感が生まれますと、おのずから買い控えが始まるわけであります。買い控えが始まりますと、土地転がしで持っておった土地、これは持っておっても買ってくれない。しかも融資が困難になってまいりますと投げていかなければならない。今そういう、今度は政治の力が大きな役割を果たした一番の適例になったのじゃないかな、私はこんな思いがしているわけでございます。
 また御指摘のように、このままでは高値安定になってしまうじゃないか、これも御承知のとおりでございまして、根本的には需給関係で地価が決まってくるのでしょうから、需要を分散させ、供給をふやすということだと思います。したがって、また監視区域で、指導価格につきましても時点修正を行って、今までよりも低い価格で指導するというふうに漸次切りかえていかなければならぬということでございまして、そういう意味の指導も行っておりますし、現に横浜市自身がそのことを公言もされているところでございます。
○石川委員 次に進みます。
 本法案の中で国の行政機関等の移転につきまして触れておりますが、この行政機関の移転につきましては、これは大変言うはやすくして難しい問題であることは御承知のとおりでありまして、もう既に一月二十二日に第一次のリストアップされたものが三十一機関出されておりますが、これを見ると、中には当然当初から予定されたものもあるし、それからまたビルの中に入っておって、三十一機関がどこかに分散されるといっても現実的にはそれだけの期待が持てないものも見受けられるわけであります。三十一を全部トータルいたしましても二十二万三千九百八十平方メートル、二十二ヘクタールですね。その中で例の六本木の陸上自衛隊、これが大体七万七千平米ありますから、これは玉突き的に、遠くへ行くわけじゃなくてただ二十三区の中に動くだけでありますから、これが果たして分散というふうにみなされるかどうか、これは一つの見方であります。これを差し引きますとわずかに十五ヘクタール、坪数にしますと、私なんか坪数の方がよくわかるのですが、四万五千ぐらいの坪数だと思います。国会周辺だけでも何万坪あるか知りませんけれども、本当にそんな大したものでもない。こうなると、分散、分散という太鼓をたたいている割には今のところは余り大した問題ではないという見方ができると思います。国民の中にはもっともっと大胆に、もっと大幅にやれという意見がかなりあると思うのですね。新聞などに出ております。中には教育機関もひっくるめて、東大も一緒にやったらどうだという意見もあるのですが、この行政機関の移転については国土庁長官はどういうふうなお考えで、これは第一次でしょうけれども、第二次、第三次、第四次とずっとやっていくのか、最終的には当面どの程度までが力量としてできるのか、それから教育機関等の移転等についてはどんなふうな御見解を持っているか、その辺をちょっとお尋ねしたいと思います。
○奥野国務大臣 今お示しをいただきました機関は、一省庁一機関で移転機関を決めるとすればどういうものがあるか、各省庁のそれぞれの考え方に基づいてお出しいただいただけのことでございまして、政府としてぜひこういうものを移転させてくれませんかという意図が入っていないわけでございます。政策を決めますためには、政府としての考え方を各省庁によく納得してもらいまして、それに基づいてまとめ上げていかなければならない。竹下内閣として政府関係機関の移転は一つの政策でございますので、各閣僚一致して政策にまとめ上げなければならないということを強く考えていただいているわけでございます。
 そういうことで四つの、カテゴリーを示したわけでございます。この四つのカテゴリーに属するものは原則として全部移転してもらうのだということを申し上げておるわけでございまして、同時に、そのためには例外をつくるとなかなか移転しにくいようでございます。したがいまして、地方支分部局でどうしても東京に残りたいなら東京だけの管轄にしたらいいのではないか。よその府県が入ってくるのは二十三区の外に出てもらう、こういう原則を貫こう、こう考えておるわけでございます。
 また、公団、事業団につきましても、首都高速道路公団のようなものは東京だけの機関のように考えてもいいと思うのでございますけれども、そうでない限りは全部二十三区の外に出てもらおうではないか、こういう考え方でだんだんと煮詰めているところでございまして、七月にはきちんとした姿で閣議決定しようと考えておるわけでございます。
 教育機関につきましても工業等立地制限法で、今八王子市に二十一大学が来たとおっしゃいましたように、どんどん東京から出ていっているわけでございます。東京二十三区から出ていってもらう、言いかえれば市街地地区から出ていってもらうということにしておるわけでございます。今日なお、東京大学がまず出ていったらいいではないかという方もたくさんいらっしゃるわけでございますけれども、今日の時点に立ちますと私はあえて東京大学を移転しろという必要はないけれども、東京大学の附置研究機関は移転したらいいのではないかということで、六本木にあります生産技術研究所、物性研究所、中野にあります海洋研究所というようなものはよりよい環境を求めて出ていった方がいいのではないか、こう何カ月来考えておるわけでございまして、大学自治の問題もございますので余り口走ることは避けていきたいと思ってまいったわけでございます。文部省の事務当局にも文部大臣にもお願い申し上げておりまして、その意思は十分大学側に伝わっておるわけでございまして、私は実現できるものと考えておるわけでございまして、首都機能一括移転に対応するような政府関係機関の移転にしたいものだなと願っておるところでございます。
○石川委員 私が特に強調したいのは、確かに二十三区から分散をされていることは、学校の例をとってみてもたくさん出ております。しかしそれがほとんど今の時点では二十三区からその周辺の多摩地区へ集結されているのですね。多摩地区だけで四十校が出ています。その中の半分が今一つの市に集中されているということ、これ自体は非常に大きな都市問題として、公害的な問題もあるようです。ですから、そういうときに国土の土地利用を主管する役所として――これは民間ベースにいくと思うのです。その条件に従えば、安いところを買って、そこへどんどん行く。これでは全くコマーシャルベースなのです。そこに何か行政的な役割が果たせなければおかしいのじゃないか。あなたの学校はもうちょっと遠くへ行きなさい。三多摩まで出るなら山梨の方へ行ったらいいじゃないか、長野へ行ったらいいじゃないか、こうやればいいのに八王子周辺にばっとやってしまうものですから、今の交通手段では生徒はだれも寄宿舎なんかへ入る人は少ないですね。ですからほとんど自動車で通う、電車で通う、一点集中の二十三区がどんどん拡大するだけなんです。
 実は私は青梅に住んでいるのですけれども、けさ私はおくれてはいかぬと思って七時にうちを出たのですが、ここへ着いたらもう九時半やっとです。理事会にやっと間に合う。まごまごすると質問の時間に入ってしまうかなと心配したのですが、年々歳々ひどくなる。それは何かというと、今のように一点集中で八王子のあたりにどんと大学がたくさん来ると、これはどうにもしようがない、にっちもさっちもいかないくらい渋滞を来す、これが非常にひどくなるわけです。ですから、そういうことを考えると、もっと国土庁がそういう点をやはり公的立場で、幾らそれは自由主義といえども多少の再配置の意向を指導してもいいのではないか。
 こういうことが、今度は学校のみならずいろいろな一般の事務所などの業務核都市をこれからさらにやろうとしているのですけれども、私は本当にまずこういうことをやられたら、かえって今よりも周辺が悪くなりはしないかという心配をしているのです。ですから、少なくとも教育機関なんかはもう一回り外へ出す、それができないものかどうか。そういう配分ということについての国土庁の指導性というものをもっと発揮すべきじゃないかと私は思うのですが、その点いかがですか。
○奥野国務大臣 今度の法律案の中ではできる限り地域社会を職住近接型に持っていく必要があるのではないかなという気持ちを込めておるわけでございます。そして、それぞれの地域社会をふるさとと感ずることのできるようなものに持っていきたいな。昔から首都改造計画の中でも業務核都市構想というのがあったわけでございまして、今度も立川、八王子は業務核都市と想定されておるわけでございます。そういうところが一つの中心になるんだ。そこに中心を置いて、そこへ周辺から人が集まってくる。そうすればおのずから職住近接の地域社会をつくれるのではないかな。今までは余りにも東京一点集中だった。それを東京は七つの副都心をつくって、そこに通ってもらう。ある程度重心をばらす。さらに首都圏全体でもまた中心を幾つもつくっていくという考え方をしておるわけでございまして、これからは世の中もだんだん変わっていくと私は思いますので、一時間も一時間半も電車の中に揺られながらやっとこさ通ってくるような企業で果たして真剣に企業のために働いてくれるかということになりますと、必ずしもそういかないのではないか。やはり人の便利なところに立地を求めていくというふうにも変わっていくのではないだろうか。人間の価値観も企業の管理方式もいろいろ変わっていく。ただ効率だけをねらいますと一点集中の方が効率を上げやすいと私は思うのですけれども、やはり豊かな生活を考えなければならない、余暇を利用していかなければならない。人の考え方も企業の考え方も変わっていきますと、やはり環境のよいところに立地というふうになっていきますと、今考えておりますような多核多圏域型の地域構造をとることが両々相まって意味を持ってくるのではないだろうかな、こう思っておるわけでございまして、石川さんがお考えいただきますような方向に私たちとしても努力をしていきたいと思っておるところでございます。
○石川委員 この行政機関の移転の跡地でございますけれども、これは貴重な都心の中の空間資産として私どもは大切にしなければいけないわけですが、この跡地についてはどのようなお考えでこの土地利用ということをお考えになっていらっしゃるのですか。
○奥野国務大臣 移転関係機関が全部決まった段階において跡地の利用をどうするかというふうに考えていきたいと思っておるわけでございます。やはり地域の環境改善に役立つように跡地というものは考えていかなければならないのではないかというように思っておるわけでございまして、ただ跡地ができたからそこに事務所を建てればいいんだ、住宅を建てればいいんだという考え方に立つべきではない、こう思っております。
○石川委員 かなりこれが進んでから一括して跡地については御検討されるということでございますが、今大臣の口からも、住宅とか事務所を余り簡単に考えてはいきたくない、こういう考えでありますけれども、私はもっと強く、これはせっかくの跡地はむしろ極端に言えば貴重な空間資産として公園等のそういう土地利用をすべきだ。単に、簡単に住宅などは考えませんよでは、失礼だけれどもまだちょっと弱い。是が非でもこれは空間資産としての土地利用、こういうことをもっと強調してやっていただけないものかどうかということを私はお尋ねするわけであります。
 それと同時に、跡地だけではない。例えば市街化区域の中の農地の宅地課税の強化などということもありますけれども、現在二十三区の中に、私はかなり数が多いなというふうに感じたのですが、千八百十三ヘクタール、市街化区域に農地があるそうでありますが、税制の面でいわゆる農地の追い出しといいますか、これは私はむしろ反対なんです。この千八百十三ヘクタールぐらいは、こんなのは二十三区の人口で割ればわずか一人当たりが二・一八平米です。現在東京の公園面積というのは都民一人当たり二・二平米ですから、加えても四・幾つかです。そうすると、これは先進都市のニューヨークあるいはロンドン、パリ、ボンなどの一人当たりの公園面積からすれば、まだまだこれでもけた違いなわけです。ですから、わずかこれぐらいの農地をさらに税金で押し出してそして宅地化しようという発想は、当面の立場からするといろいろと見方があるでしょう、需要と供給の関係もあるでしょう、しかし私は、もっともっと将来的な展望から見れば間違いだ、こういうふうに思うのです。ぜひひとつその点をもっと強くお考えをいただければありがたい、こんなふうに思うわけであります。
 今日、とにかく東京都圏、特に東京都の中でこれ以上人口が一人でもふえるということは、むしろ大変大きな都市公害としての問題を招来する、こういうことでありますから、根本的にはここから始まったのですから、いろいろな面でそういう過密を避けるためにも、今の跡地利用、それから市街化区域内の農地の土地利用、こういうものについては、はっきり言えばまず公園にしてやるというふうにひとつお考えできないものか。そして、その場合には当然自治体に、東京都にこういう土地を売却するわけであります。特に低廉に分譲してもらいたいと思いますが、しかし東京都だって財政の限界がありますから、果たしてそれが買い切れるかどうか。そうなった場合には、その買い切れない分は一体どうするのかという問題があります。片方は高く売らなければならぬ法律上のいろいろな制約もあるでしょう。そこいらの矛盾点があると思います。そこいらは先の先と言えばそれまでですけれども、長官はどんなふうな御認識をお持ちか、お聞かせをいただきたいと思う。
○奥野国務大臣 跡地についての御意見、私も大体似たような考え方を持っているのではないかなと思うのです。しかし、政府関係機関の移転で財政当局としては莫大な金を継ぎ足さなければならないようなことになったのでは困る、こういう気持ちを持っておられるわけであります。やはりそういう気持ちももっともなことでございますので、そういうことを考えながらお答え申し上げたものでございますので、大変御不満だったようでございますけれども、基本的には同じ考え方を持っているわけでございます。
 なお、市街化区域内の農地の問題につきましては、宅地並み課税問題をめぐりまして随分長い間もめてきた問題でございました。そして行き着いたところが、御承知のように、長期営農の意思を持っている農地については宅地並み課税をしないということでございました。その結果、長期営農の希望を持っている農地が全体の八五%になったわけでございまして、これは本当に長期営農の意思を持っているのだろうかなとみんな首をかしげておられるわけでございます。そこでこれはもうちょっと厳密に区分しなければならないのではないかなという意見が出てきておるわけでございまして、私は、ぜひこれをきっちり区分けをしてもらいたいな、本当に長期にわたって営農を続けていく土地はそれはそれでいいのではないか、緑地の役割を果たすのではないだろうかな、やはり今の東京は余りにも緑地が少な過ぎるのではないかな、こう思っておるわけでございます。
 生産緑地になりますと別途課税免除の恩典なども受けられるわけでございますけれども、反面、また転換する場合に大変苦労があるようでございます。そういう関係の調整をどうするかという問題がこれからの研究課題だと思いますけれども、私は、さしあたりは、長期営農の意思を本当に持っておられる限りにおいては、農地が市街化区域の中で残っていっても緑地的な役割を果たすことであって、それなりに意義を持つものだと考えているものでございます。
○石川委員 次に、あと五分しかございませんから簡単に申し上げます。
 この法案の五つの柱の一つとして、地方の振興開発、この点が大きな柱になっているわけであります。この多極分散型国土形成というのは、一口に言えば日本列島全体をでこぼこのない、過密もなければ過疎もない、こういう総合的な均衡のある国土づくりというものが念願でありますからそのとおりなんだと思うのですけれども、この法律を読んで、私の不勉強かもしれませんが、私の感じでは、本当に過疎になりつつあるところを具体的な一つの問題として、これの対策をもっとこの中に取り込めないのか。非常に訓示的な規定にはなっておりますけれども、ただ努めるとかだけでありまして、いろいろな法律が今までできていると思うのです。山村の過疎に対する法律とか、あるいはついこの間できました半島振興の問題もそうでしょう。そういういろいろな過去のたくさんの法律をつくったのですけれども、結果的には余り効果がなくて、むしろ依然として過疎は過疎だ、過密は過密になっている。こういうことで、残念ながら法律がありながら今日まで来た。今度は国土形成の法の中でそれをどういうふうにやろうとしておるのか、もっとそこにインパクトを持った内容を盛り込めなかったものかなと思うのです。
 地方の振興といっても、拠点的な開発、これは載っております。いろいろ具体的なことは載っておるのです。知事が構想を出すとかいろいろなことがあります。しかし、それは逆にすれば、地方が東京の一点集中と同じように、全国的に地方の県庁所在地とか、あるいはそういう特定の大きな都市だけが東京と同じように過度集中的になりつつある傾向があると思うのです。その隣はどすんと今度は谷間があって、それは過疎になっている、そういうところが現状あると思うのです。したがって、本当の過疎というところへ目を向けないと、ただ東京のミニ版が全国の地方に拡散されていく、こういうことになりはしないかと私は憂うるわけでありますから、そういう本当に過疎のところをどうするのかというお考えを聞かせていただきたいと思います。
○奥野国務大臣 振興拠点開発構想は、私は今までの国の行き方から百八十度転換した画期的な手法をとろうとしておるのだというふうに御理解いただきたいな、こう思うのでございます。また、そういう実りあるものに我々つくり上げていかなければならないな、こう思っておるわけでございます。
 今まではみんな国の方で方針を示しまして、こういう方向をとるなら国は援助をしてあげるんだよということでございました。いわゆるテクノポリス法にいたしましてもリゾート法にいたしましても、みんなそうであったわけでございます。今度は百八十度転換いたしまして、地方団体がそれぞれの地域の特性をどう生かすか、地域の方々がみんな創意工夫を尽くしてくださいよ、そして特色ある機能の集積をやっていく、その場合には国が早く実現できるように協力していきますよ、そのためには促進協議会をつくって、関係知事のみならず各省庁の関係者も入ってやりますよ、そして促進していきますよ、こういう手法をとろうとしておるわけでございます。
 私は、地方の発展を考えていきますならば、地方分権方式が一番大事だと思うのであります。しかし、今各省が持っております権限を一つでも地方に譲れと言ってもなかなか譲るものではございませんで、それをやろうとすると二、三年かかってしまってこの法律に間に合わなくなってしまうんだ、私はこう考えておるわけでございます。したがいまして、地方分権にかわる方向としてはどういうことだろうかな、やはり促進協議会の中に各省全部入れ込んで、そして府県知事にも言いたいことを言わせて、それが早く実るようにすることじゃないかな、こう思っておるわけでございまして、言いかえれば、今までは中央集権的な構想による地域開発だったと思うのでございますけれども、今度は地方分権的な構想による地域開発をとろうとしておるんだ、こういうように御理解いただきたいな、こう思っておるわけでございます。
 しかし、我々が努力してどこまで持っていけるかということでございますけれども、やはり地域発展はそれぞれの地域の皆さん方の責任だというふうに自覚してもらって、国に頼るばかりじゃなしに、みずからの地域で発展を図っていくのだという努力をしてもらうことが根本的に大切じゃないかな。それに沿って私たちが協力をしていこうというのが振興拠点開発方式であることを御理解賜りたいと思います。
○石川委員 時間が来ましたからこれで終わりますが、今長官が地方分権という言葉を使われましたけれども、私は、全く理想的な多極分散型の国土の形成には、これは地方の権限、ただ単に役所を移すなんというものよりも地方分権ということが大変必要だ。たまたま今長官もそれに触れられましたけれども、ぜひひとつ地方分権にこれからも努力をいただきたい。そしてまた、当面の問題として政府の行政機関を分散するには何といってもこれは他省庁の協力以外にないわけでありまして、いろいろな雑音が私どもの耳に入ってまいります。なかなか国土庁は苦労されておりますけれども、どうもほかの省庁が冷ややかだ。これでいけるのかというようなことも多々雑音として聞くわけでございますから、そういう点につきましても今後大いに努力されまして目的を達成されるように、実効を上げるように御努力をいただきたい。
 以上をもって私の質問を終わります。ありがとうございました。
○小此木委員長 次に、沢田広君。
○沢田委員 この法案がこの委員会で審議をされるということは、やはり土地との関連で審議をする、こういうふうに解釈してよろしいですか。
○奥野国務大臣 そう考えております。
○沢田委員 そうしますと、この法律ができれば見込みとして地価にどの程度影響する、東京の今のこの暴騰している状況あるいは近県の高騰がどの程度、何%程度おさまる、大臣はどの程度の勘でどのぐらい下がるんだろうかと思っておられますか。
○奥野国務大臣 現在東京一極集中の結果、東京の地価が高騰しているわけでございまして、地方の土地が高騰しているわけじゃございません。したがいまして、利用する土地は東京ばかりじゃないんだ、あっちにもこっちにもあるんだというふうに多極分散が実っていきますならば、おのずから東京の地価高騰はおさまっていくのじゃないだろうかな、こう思います。同時に私は、土地がないのじゃないのであってたくさんあるじゃないかということはだんだんと明らかになっていくのじゃないかな、こう思うわけでございまして、結果はやはり需給関係が決定的な要素になるのじゃないかな、こう思っておりますので、単に鎮静化だけじゃいけない、引き下げるのだ、また指導価格も時点修正で下げていくのだ、こういう努力をしていきますので、だんだんこの推移を見守りながら一層引き下げに向かって努力をしていきたい、こう思っております。
○沢田委員 これは要望ですが、きょうはとても項目が多いからそこまでいかないのですが、土地高騰の被害白書、今日の土地が高騰してどれだけの被害が社会的に経済的に、あるいは環境的に、家庭的に起きているか、一応調べてみるというつもりはございませんか。
○奥野国務大臣 精神的な問題が非常に大きいと思いますので、いろいろなことで議論はしておりますけれども、それを数字にあらわしていくということになりますと、到底不可能じゃないだろうかな、こう思っておるところでございます。
○沢田委員 数字であらわせというのじゃなくて、土地高騰によって起こっている現象、弱ったものだ、そういう大臣が考えることでも結構ですし、あるいはそれぞれの所管が考えることでも結構です。一応委員会だけでも結構ですから、安くします、安くしますということよりも、上がっていることによって起こっている今の被害の現状、それを政府でどう把握しているか、それを我々に示してほしい、こう思うのですが、お示しいただけますか。
○奥野国務大臣 土地高騰している結果、こういう弊害が起こっているということはいろいろ論じているわけでございますので、事務当局にもそれなりのものがあろうと思いますので、沢田先生のところへお届けするように申します。
○沢田委員 土地臨調が今進んでいるようでありますが、土地臨調とこの法案との関係は、大臣は今どういうお考えを持っておられますか。
○奥野国務大臣 土地臨調はこの法案を御承知いただいているわけでございますので、この上に立ってさらに進んで、私権の制限にわたるような問題などについて今後御進言いただけるものだ、こう思っておるわけでございます。
○沢田委員 この法案とは直接関係がないが、これからその答申に基づいて必要があればまた提案がある、こういうふうにかみ砕いてよろしいですか。
○奥野国務大臣 関係ないと言うとちょっと言い過ぎだと思うのでございますが、あるいは政府関係機関の移転、さきにも御提言いただきましたけれども、さらに進んだ御提言があるかもしれませんし、あるいはまた評価の一元化のことなどもいろいろお話しいただいておるわけでございますので、そういう新しい問題は今後の課題になっていくと思うわけでございます。
○沢田委員 この法律を実行するために要する予算、お金はどの程度かかると考えておられるのか、それからその実施の予定計画はどういうふうになっているのか、お答えいただきたいと思います。
○長沢政府委員 この法案は四全総の推進法、四全総の実施法という性格を持っております。四全総は、国、地方公共団体等の多様な主体の参加によりまして、それらの施策を総合的に推進していくということによって四全総が推進されるものでございますので、そのための予算というのもかなり膨大、多岐にわたるものでございます。四全総の中には、二〇〇〇年へかけて多極分散型国土を形成していくために約一千兆円の官民合わせた国土基盤投資を必要とする、こういう記述がございまして、その方向に沿って各省の予算が逐次組まれていくということになります。
○沢田委員 気の遠くなるような数字でありますが、一千兆円の中の一部分としてこれを実行に移す、こういうことですね。
○長沢政府委員 四全総の計画課題のうちでも特に早期に実現を図るべき重要施策について、本法は定めたものでございます。
○沢田委員 たくさんの課題を持っているのですが、一つは大臣に言っておくのですが、こういうものをやる場合には前提となるべき条件が、例えば一つのものを動かす、動かすのにはただ何かをほかへ持っていって事が済むというものではない。それは地球の歴史が交通によってナイルの川に始まったと言われるように、やはり交通というものをなくしてそういうものを勝手にどうしたってどうにもならないですね。今度は交通ができれば、そこには下水道もあれば、上水道もあれば、教育もなければならぬし、あるいはまた同時に住宅もなければならぬし、あるいはまたそれに伴う各種の医療だとかそういうものも必要になってくる。そうしますと、やはりこういうものを考える前提として、これから希望を集めたり、たくさん希望があるとかと言われますが、そういう条件の整備の上に、しかも職員の移動もあるわけですから、そういうことが当然考えられてこれは行われなければ、画竜点睛を欠くというか、かえってひずみを大きくしてしまう、こういうことになると思うのですが、その辺が法律の中には触れていないのでありますが、大臣はどういうふうな見解をお持ちになっておられますか。
○奥野国務大臣 この法律は、国土づくりについて心がけていかなければならない基本的な問題を取り上げまして、関係者の努力義務規定を置いているわけでございます。したがいまして、関係各省がそれぞれ立法化する、予算化するという場合には、当然沢田先生の考えておられるような配慮が必要になってくると思います。この法律そのものは、各般にわたる努力の方向を示しておるという基本法でございますので、具体的にそこまでのことには立ち入っていないというふうに御理解いただきたいと思います。
○沢田委員 だけれども、私の言うことは必要なことでしょう。各省から出てきているものの移動の表を見ますと、それぞれがどこに行くかは別として、そういう条件整備は必要なことだとは思っておられるでしょうね。それは行ってから考えることですか、行く前に考えなければならぬことですか、どちらですか。
○奥野国務大臣 政府関係機関の移転先のことでございますか。(沢田委員「ええ、そうです」と呼ぶ)政府関係機関の移転の場合には、地方支分部局は交通の便利なところへ一括して移転してもらうようにしたい、こう考えておるわけでございます。その他の機関は適地、適地がそれぞれ違うだろうと思うのでございまして、できる限り各地域に分散立地できればいいがな、こうは思っておりますけれども、移転する機関の特性により場所が変わってくるのじゃないかな、こう考えておるわけでございます。地方支分部局を一括して移転する場合には、現在既に交通の便利なところを選ぶべきだな、こう思っておるわけでございますので、移転に当たってさらにそういう意味の経費が必要だというふうには考えていないわけでございます。
○沢田委員 そうすると、新しく例えば荒野の中にぽつんとつくるということではない、やはりある一定の社会資本が充実されている条件のところへ移転するというか、持っていくというか、そういうことがこの原点にあるのだ、新たにそういうものの予算を必要としないところであるというふうに、アバウトな話ですが、そういう発想であるというふうに解釈してよろしゅうございますか。
○奥野国務大臣 そのとおりでございまして、地方支分部局を移転する場合には、業務核都市のいずれかに移転して一つの核になって地域の発展に役立つだろう、その他の施設につきましてもやはり発展のための一つの核になっていくだろう、こう思っているところでございます。
○沢田委員 これは自治と大蔵の方にお伺いします。
 警察庁が関東管区警察局、総務庁が関東管区行政監察局、北海道開発庁が北海道東北開発公庫、防衛庁が、これは陸上自衛隊の一部ですか、それから科学技術庁が金属材料技術研究所、法務省が法務総合研究所、大蔵省が醸造試験所、印刷局研究所、税関研修所、全部読むのは大変ですが、これは一応議事録に載せておくという意味で申し上げておるわけでございます。文部省が東京外国語大学、東京外国語大学附置アジア・アフリカ言語文化研究所、宇宙科学研究所、国立極地研究所、厚生省が関東信越地方医務局、農林水産省が東海区水産研究所、通商産業省が石炭鉱害事業団、運輸省が新東京国際空港公団、郵政省が関東郵便局、労働省が産業安全研究所、建設省が本州四国連絡橋公団、自治省が自治大学校、以上が閣議に出された移転の候補であるということですが、大臣の方から聞いておきましょうか、これはそのとおりと解してよろしゅうございますか。
○奥野国務大臣 そのとおりでございます。
○沢田委員 大蔵と自治は、こういう移転計画に対して予算的な配慮、その時期、それから説得といいますか、いわゆるみずから範を示さなければなりませんので、それぞれ各省を、国土庁が説得するのかどうかわかりませんが、どういう順序でどういう計画で進めていくのか、大まかなものをひとつ御説明願いたいと思います。
○奥野国務大臣 先にちょっとお答えをしておきたいと思います。
 七月に正式に政府関係機関の移転を閣議決定いたしますが、その際には受け皿の問題も内容に入ってきましょうし、あるいは職員の処遇の問題もその内容に入ってくると思うのでございます。
 七月に閣議決定しようとしておりますのは、各省が移転関係で当然予算を必要とするわけでございます。予算は八月いっぱいに大蔵省に各省から提出することになっておりますので、それに間に合わせたい、そのためには七月中には閣議決定しておかなければいけないな、こういうことでございまして、これを受けて各省が予算をお考えになり大蔵省に要求される。したがって、六十四年度予算にはその内容が盛られてくるということになるわけでございます。今度の場合には、急なことでございますので、移転予算がないままに促進に当たっておるわけでございます。国土庁に若干の調査の予算を計上しておるにとどまっておるわけでございます。
○沢田委員 時間の関係でこれにかかわり合っていられないので、自治と大蔵の方は省略します。安心したかもしれませんが、とにかく省略いたします。
 続いて清算事業団と運輸省、ひとつお願いをいたします。
 清算事業団の今年度の決算見込み、これは想定です。それから、来年度のいわゆる収支見込み、以上について簡潔にお答えいただきたいし、それから土地の問題についてどの程度――今年度三千億と私は聞いていますが、どうなのかというのが一つ。それから清算事業の背負っておる利息は昨年度末で幾ら負債を負ったか、以上お答えください。
○杉浦参考人 六十二年度の決算でございますが、非常に変わった点でまいりますと、固定資産売却収入、これは土地の売却三千億を予定をいたしまして予算を組んだわけでありますが、これが約千三百億程度でございます。その他支出の方の減等々差し引きいたしまして、総額で大体予算の定める二兆六千億程度というふうに見込んでおりますが、今締めをやっておるところでございます。
 本年度の予算でございますが、債務償還の諸費一兆九千億何がし、また固定資産売却三千億等を含みまして、総規模二兆八千億程度になっております。
 それから、先生の今御指摘の次の点をちょっと私聞き漏らしましたが……。
○沢田委員 今年度の用地の払い下げの予算及び清算事業団が抱えている昨年度の利子の総額です。
○杉浦参考人 お答えいたします。
 本年度の土地売却の予算の予定額でございますが、昨年度同額の三千億を予定いたしております。
 それから、昨年の支払い利子に相当する金額でありますが、六十二年度の債務償還総経費一兆五千七百億前後でありますが、それのうちで、利子等で九千百億程度でございます。残り六千五百億が元金の償還、こういうことになっております。
○沢田委員 国土庁長官にお伺いするわけですが、このまま抑えていきますと、去年も千七百億売り上げ不足という形になった。今年度もこのままでいくと売り上げ不足になっていくことは必至だと思うのです。今も言われたように、両者合わせますと約一兆一千億ぐらいの利息が清算事業団に上積みされていくという形が続いていくわけであります。三年もたてば第二の清算事業団をつくらないとどうにもならないということになる、そういう心配も起きてくるわけです。これは、売るな、収入欠損は、じゃ、だれが補てんするのか、その辺をきちんと明確にしませんと、これは売ってはいけない、土地が値上がりするから待った、待ったけれども赤字は、じゃ、だれが負担するのか、それは自分で払え、これでいったらどうにもならないですね。それならば方式としては、売らない分の利子については国民が負うのか、国民が負うのなら赤字国債で処理をする以外にない。それではなくてJRでやるのだとすれば、JRは何でその金をつくるのか。それを明示しなければ、動くな、動かぬで汗かけといったってなかなかそうはいかないですよ。そういう形のものを国土庁としてはどういうふうに判断して、いつまでとめておいて、その赤字はだれが補てんするのか、その辺を国民にははっきりさせませんと、いつかは回って国民のツケにくるわけですから、その点をお聞かせいただきたいと思います。
○奥野国務大臣 清算事業団で清算し切れない残りが出てきました場合には国民全体が負担しなければならない、御指摘のとおりだと思います。そのためにはできる限り残りが少なくなるように清算事業団としても努力しておられるわけでございます。たまたま地価がこういうことになってきたものでございますので、よいところを公開入札にされますと高い値段がおのずからついてくる。土地の値段が一カ所でつきますと周辺の土地はみんなその値段になってしまうのであります。地価というものは物品販売のように一品一品の価格ではなくて、一つの地点に価格が決まりますと周辺の土地の価格はみんなそれに右へ倣えするわけでございますので、やはりこの際は慎重にしていただかなければならない。そういうことで、清算事業団も土地の入札に際しましては国土庁にも御相談いただいているわけでございます。同時に、公共の用に供されることが確実なものについては地方公共団体で随意で契約して譲渡するということも明らかにしていただいておるわけでございます。
 土地の処分がおくれればそれだけその部分についての利息が加算されることは当然ではございましょうけれども、しかし反面、今申し上げましたように随契で譲渡することのできるものもありますし、また地価の高騰はひいては国民全体に被害を及ぼすことでもございますので、両方にらみ合って御努力いただいているし、私たちもまたそういう意味で協力すべきものは協力すると同時に、地価の抑制を必要とする地域については安易な妥協も許されないじゃないかな、こんな気持ちでおるわけでございまして、御理解いただきたいと思います。
○沢田委員 清算事業団が昨年売り払った千三百億の総面積をお聞かせいただきます。
○杉浦参考人 お答えいたします。
 公開入札の件数が百十件二十ヘクタール、金額が二百億円であります。随意契約が二百五十件二百五十ヘクタール、金額で一千百億円。合計いたしまして、全体で三百六十件、面積が二百七十ヘクタール、金額が千三百億円、こういう数字でございます。
○沢田委員 清算事業団は、今大臣が答えられたように、抑制によって生み出された赤字の行方というものは、国の政策だからやむを得ない、やむを得ないから清算事業団で今後の分として背負っていかなければなるまいな、まさかどこかで負担してくれとも言いにくい、しかしそうなるとますます負担が重くなる、これは政府の方針に従ったのだから、その分は政府で持ってもらいたい、どちらの立場であなたは今行動しているのですか。
○杉浦参考人 昨年の閣議決定に沿って私ども今土地売却を一生懸命やっておるわけでありますが、長く続きますと、先生の御指摘のように債務償還計画に支障を来します。希望といたしましては、できるだけ早く私どもの仕事が正常化できるように環境整備をお願いしたい、このように思っておるところでございます。
 全体の最終の見通しといたしましては、先ほど国土庁長官が申し上げましたとおり、最終的に私どもの土地売却あるいは株式売却等の自己努力による限界を超えるものにつきましては全部国が負担する、こういうことになっておりますので、最終的な問題、これは利子の負担等も含めまして、最後は国で御面倒いただく、こういうふうに考えておるところでございますし、また私どもの方でなし得る手だてはできるだけやっていきたいと思うのでありますが、その一つといたしまして土地の売却という処分以外のやり方、そういう方法もないかなということで現在審議会で検討を続けておりまして、近々その結論を得たいというふうに思っておるところでございます。
○沢田委員 今の御発言の中で、清算事業団はそう思っておる、こういう自己の見解で述べられました。大蔵省は、その不足分を国が負うということについては承知をしているわけですか。これは単独の発言ですか、それとも大蔵省も了解している発言ですか。
○丹羽政府委員 先生のただいまの御質問の問題に関しましては、ことしの一月二十六日に閣議決定をいたしまして、私ども償還基本方針という題名で呼んでおりますけれども、清算事業団が負っております長期債務等の償還に関しての基本方針を定めてございます。そこの中で、ただいまの問題に関しましては、清算事業団が持っております土地などの処分、そういったものの自主財源を充ててもなお残る事業団の債務につきましては最終的には国において処理する、こういうことを原則として定めてございます。それで、最終的には国において処理するための、本格的な処理のために必要な財源、措置という問題が次に出てくるわけでございますが、それの手当てにつきましては、今清算事業団がやっております雇用対策とか土地の処分などの見通しがおおよそつくと考えられる段階で、歳入歳出の全般的見直しとあわせて検討、決定する、こういう形で閣議決定してございます。
○沢田委員 そうすると、待ってても安心なんですな。倒産にはならない。最後のツケは政府の方で持ってもらえる。これなら清算事業団はそのまま置いておいてもまくらを高くして寝ていられる。売らなければそれでいいや、あとは何とかなる、こういうことになりますから気分は非常に楽になる。ほかには問題は多いですけれども、この問題だけはそうなると思います。
 ただ、私の意見としては、自助努力というものを国民の前へ誠意を込めて出しながら、国民におんぶするという姿勢を幾らかでも少なくしていくという背景がないと、やはり今後もいろいろな問題を抱えてなかなか理解を得られないのではないかということで、これはもう答弁は要りません。
 国土庁も同じでありますが、ただそう安易にはいかない、やはり最善の努力をする、そういうこと。ただ、この表を見ますると、もう時間の関係がありますが、確かに今売ったところを見ますと、青森県であるとか福島県、米子市あるいは大分県、鹿児島、八戸、三沢、こういうところのものが売られているのでありまして、面積だけはべらぼうに多いけれども値段はちっとも、収入は上がってこない、こういう面もなきにしもあらずということでありまして、この辺は大変な分量を処分した割合に、言うならば経営的に見たら採算の悪いやり方をやっている、こういうことになるわけですね。その辺は国土庁長官もどちらを選択するか、これは選択の問題ですね、政治の問題ですから。どちらを選択するか、こういうことであろうと思いますので、適切な御配慮をお願いして次に行きます。
 続いて、時間の関係で順序が不同になりますけれども、規制区域、監視区域、これをもっと広げてほしいと市町村にも希望があるのですね。ということで、我々の地元でも首長さんからそういう希望があるわけです、監視区域を広げてほしいと。いわゆる隣にせり合ったところは必ずその被害を受ける、またその次が被害を受ける、こういう形で監視区域だけであってもその隣、隣が被害を受けていくという形になります。私は前から、大蔵でもそうですが、百キロ圏内というふうに今まで言ってきました。例えば水戸から前橋から宇都宮から、高崎も入りますが、大月からあるいは熱海から、あるいはこっちは成田からもっと、あるいはもう少し先までになるでしょうが、そういう交通範囲というものを考えないと、これからのものはできないだろうということを言ってきたわけですが、そのためにはその程度までの区域に対する総合利用計画というものを立てて、そこに監視区域、規制区域というものをつくらなくてはならぬ。意見になりますが、特に規制区域をつくってほしいというのは、私は緑地をつくるために必要だという判断なんです。いわゆる洪水地帯あるいは河川の遊水地帯、そういうところは今調整区域でやっていますが、皆底抜けですから。大臣も知らないでしょうけれども、建設省来ているから答えてもらっても結構です。
 建築許可申請の書類なんていうのは三年で没なんですよ。だから子供が一人いれば、家を、三年たてばまた申請すれば四条で許可になる。四条でどんどん何軒も家を建てていけるのですよ。そしてまた売るのですよ。そういう脱法行為が今の法律体系の中ではできるようになっている。子供が二人いれば三年たったらまた新しい建築許可。自分の農地をつぶして四条で家を建てて、そしてまた売れるんです。また三年たてば書類はみんな没なんです。だからこれは、大臣も国土を考えるならば、やはり建築基準法で出された建築許可申請書はせめて十年保存はしていて、同じ人間が同じ場所へ別なうちを建てていくなんということを許していくようなやり方を見逃しておくという手はない。建設省が来ているから答えてもらってもいいが、こっちは長官しか大臣がいないから、長官がそういう邪道を許してはいかぬ。そういうことによって四条で、四条でと農地をつぶさせていくという方法はいけないことだ。これは大臣が答えられなければひとつ建設省、こういうことについてどう考えているかお答えください。大体、答えようにも知らないんでしょう。
○福本政府委員 先生の、開発許可の問題であろうかと思います。調整区域における開発許可の問題でございますが、開発許可は、原則禁止しておるわけでございますが、農家の建物でございますとか分家ですとか、そういうのは開発許可を受けて建てられることになっておりまして、開発許可を受ければ建てられるということで、三年ごとの許可というような制度にはなっておりません。
○沢田委員 じゃ何年ですか。書類の保存期間が何年かを聞いているのだよ。
○福本政府委員 いや開発許可は一度受ければできるということで、ほかの法律でそういうような運用があるかはちょっと存じておりません。
○沢田委員 じゃ、ほかの法律ってなんですか。――いやいや、まあ、いいや、もう勘弁しよう。担当が違うということもあるだろうから答えができなかった。
 ただ、要すれば書類の保存期間というのは、カルテも同じですけれども、やはり新しい時代に対応した保存期間というものを考えていかなくちゃならぬ時期に来ている。大変分厚いものになるのですよ、図面までくっつくから。だから、そういうものをたくさん保存しておくということはおっくうになる。だから結果的には三年ぐらいで没にしてしまおうということになっているから、今度は再び来てもなかなか発見できない、こういうものがあるわけです。
 これは後で大臣に読んでおいてもらおうと思っているのですが、これは科学技術庁で出している。「都市の雨水を考える」ということで、大臣にとっていいこともあるし悪いこともある。要すれば今の国土の利用というものを考えた場合に、これは年限からいきますと四十三年から六十二年で出されているのでありますけれども、言うならば表面の流出量というものがどれだけ多くなっているか。蒸発分は、これも面積が減っていきますから違いますが、最後に地下の浸透分がどれだけになっているか。こういうように二〇%に四%減ってきていることにこの数字は出ております。しかし、市街化の区域だけで、区部だけを考えてみると必ずしもそうではない。私はいつも言っているのですが、日本の持っておる最大の財産は地下水である。世界にないもの、一つの大きな長所である。こういうものを大切に考えたいので、地下水の擁護のためにこの国土利用のあり方、そういうものをひとつ考えてほしいということを願っています。これは参考にお渡ししておきますから後で一見していただきたい、買うのもおっくうでしょうから。
 続いて、もうあと残された時間、大蔵省は私の委員会だから委員会で聞けばいいかもしれませんが、その前に自治省にちょっと聞いておきます。
 現在の土地価格で公共事業にどの程度の影響を与えているか。土地を買うのに、土地は買わないで内需拡大という方針はとっているけれども、やはりやらざるを得ない。そうすると今までの予算では恐らく今までの五分の一ぐらいしか用地買収はできないだろうと思うのです。だからその程度しかできないだろうと思うので、去年とことしと比べて、まあ東京が、近県が主体になりますけれども、全国一般にすれば伸びは案外あるかもしれませんよ、いわゆる暴騰地区を対象にしたらどの程度の割合で公共事業に影響があったか、お答えください。
○湯浅政府委員 東京都におきます用地取得の中で、六十二年度の決算はまだはっきりわかりませんけれども、六十一年度では事業費の約三分の一ぐらいが用地費になっております。六十年度も大体そういう傾向でございますので、最近では建設事業費の約三分の一ぐらいが用地費に当たるという結果になっていると思いますけれども、これが六十二年度でどのような影響を受けているかというのは、まだ計数的にもつかんでおりませんので、はっきり申し上げるわけにはいかないと思います。
○沢田委員 とにかくアバウトな話ですが、ここで三分の一事業量が減ったということは事実ですね。ですから、結果的にその被害を受けるものはだれかといったら、やはり国民であります。ですから、今日いかに地価を下げなければならないかということで、土地の引き下げを政府は、断行という言葉を使わなくてもいいですが、何としてもいろいろな手法を使って土地の価格を下げることに全力を注ぎます、そういうことを天下に表明してもらいたいと思うのですが、大臣いかがでしょう。
○奥野国務大臣 この国会におきましても、東京の地価をこのままにしておくと、自然、順次地方に波及していく、だから東京の地価を下げなければならないのだ、こういうことを言い続けておるわけでございますし、また不動産業者の中には土地を抱え込んで困っていらっしゃる方もおられると思うのですけれども、大蔵省に対しましては、今の仮需要に対して融資を厳しく禁止してきている、この融資の規制も厳しくとり続けてくださいよとお願いをしているわけでございます。
 根本的にはやはり需給関係だと思いますので、需要を分散させ、供給をふやす努力を続けておるわけでございます。同時にまた、監視区域の指導価格につきましても適当に時点修正をして、今までよりも低い価格で指導するというような方向に転じながらも引き下げに役立たせよう、こう考えておるわけでございます。ぜひ皆さん方の御協力を得まして、東京の地価をさらに引き下げるべく努力を続けていきたいと思っております。
○沢田委員 時間ですから農林の関係の要望だけしておきます。
 今、減反政策が続いております。近郊には減反で遊び地が非常に多いのです。これは私は農地法をぜひ変えてもらって、三千三百万の勤労者もせめて百坪くらいは耕作できる権限を与えてほしいのです。これは今まで一坪農園という名称だけしかありませんが、せめて百坪くらいはやって野菜とかその他は自分で、何もゴルフに行ったり山に行ったりするばかりが運動ではないのですから、自分の場所の近くで、週休二日制になればいや応なしにそういうものがあった方が国民生活も楽になるわけです。ですから、自分で野菜等をつくっていく力、そういうものをこれからは勤労者も自分のうちのそばでやれる、そういう一つの条件づくりを国土庁として考えてほしい。それがまた緑にもなるし地下への浸透もよくなるし、いろいろな分野においてプラスになると思うのです。
 農林省来ているのですが、農地法を頑固に守っていますが、そんなことをやったら農業がつぶれちゃいますよ。もっとみんなのいろいろな刺激を受けながら、そして雨風に耐えてこれから農業はやっていかないと、これは自分でだんだん滅亡しちゃう、そういう状況にありますから、もっと一般の勤労者も耕作すると野菜の供給がふえる。そうすると、もっといい物をつくらなければ売れなくなるのですから、そういう一つの競争もある面において必要になってくる。とれたってナスの一つや二つかもしれません。しかし、それでも週休二日制になってうちでごろごろしているよりはより健康的だと思うのです。
 時間の関係がありますから大蔵省は自分の委員会でやることにしまして省略をいたしますけれども、国土庁としてはこの農林の答えを聞いて、ぜひその点を改革をしてもらいたい。ひとつ農林のお答えをいただいて終わりたいと思います。
○松山政府委員 都市の住民がいろいろな形で農地を使いたい、こういう新しいニーズが出ておるわけでございまして、そういったニーズにどのようにこたえていくか、私どもにとって大変重要な検討課題であるというふうには考えております。ただ、今農地法との関係のお話があったわけでございますが、御案内のように農地法の場合には農業の生産性を高めていく、こういう大目的のために、農業に精進する者によりまして効率的に利用されるようにしていくということが基本でございます。そういう観点から一定の最低面積を決めておるということがあるわけでございますし、かつまた四十五年にそれを引き上げたという経緯も実はございます。そういう構造改善を進めていかなければならないというような農政の基本課題との関係をどのように調整するか、あるいは一律に取得面積を引き下げましたときに投機目的の取得であるとかそういったものとの関係をどうするかというある意味では非常にややこしい話もあるわけでございます。
 今の農地法の運用におきまして、地域によりましてある程度弾力的な扱いをしておるものもございますし、市民農園の関係もございます。したがいまして、今先生のおっしゃられましたようなニーズの実態がどういうことかというようなことも考えながら、これからまた勉強させてもらいたいというふうに思っております。
○沢田委員 では、とにかく善処を求めて終わります。
 どうもありがとうございました。
○小此木委員長 次に、小野信一君。
○小野委員 三全総は定住圏構想というサブタイトルがついておりましたし、四全総は多極分散型国土の形成という副題がついておりました。しかし、第一から第四までの全国総合開発計画の立法の精神、目的は国土の均衡ある発展だった、私はそう考えるのですが、大臣、いかがですか。
○奥野国務大臣 たしか第一次全国総合開発計画の中にも、目標を国土の均衡ある発展に置いておったように思います。おっしゃるとおり、すべてそのような見地で進められているものだと心得ております。
○小野委員 大臣も四つの総合開発計画の目的は国土の均衡ある発展だと御理解をいただきました。三全総が定住圏構想であり、四全総が多極分散型というサブタイトルになぜ変わらなければならなかったとお考えになりますか。
○奥野国務大臣 第三次全国総合開発計画をつくりますときには石油ショックの後でございまして、エネルギー資源を初めいろいろな資源の有限性が顕在化した時代でございましたから、経済発展というよりも人間を取り巻く総合的な環境を整備していくという点に重点を置くべきだ、それが定住圏構想につながってきたように思うわけでございます。
 今度第四次の全国総合開発計画をつくりますときには日本は非常な経済躍進を遂げまして、東京が世界の金融センターになってきた。その結果、外国の企業がどんどん東京目がけて押しかけてくるものでございますから、東京の地価の高騰まで引き起こしてしまった。それを避けるためには一極集中を是正することに主眼を置かなければならないということで、今御指摘のようなサブタイトルになってきた、こう思います。
○小野委員 私は三全総を読んでみまして、日本国土の変化を促進する四つの要素を知ることができました。一つは技術革新、第二は高齢化、第三に都市化であり、第四に国際化、この四つがこれからの日本の国土の変化の要素である、こう書いておりました。
 そこで、私は、技術革新と高齢化は三全総の予想どおり、計画どおり進展したと考えます。問題は、都市化と国際化が三全総が考えた以上に大きな流れとして早くしかも深く進行したために、三全総が四全総に、サブタイトルを変えなければならなかった要素ではないだろうか、そう感ずるわけでございます。その意味で三全総は、失敗という言葉を私は使いませんけれども、変化に対応できなかった要素、見通しが違ったのではないだろうか、そういう感じを持つわけですけれども、局長、いかがです。
○長沢政府委員 基本的に、先生のおっしゃるとおり昭和五十年代の後半、三全総期間の後半に至りまして、情報化、都市化あるいは産業構造の変化を受けた都市的な産業の成長、それから国際化、これが急速に進展したために東京一極集中が再び強まった、これが四全総策定に至った大きな動機になっているというふうに考えます。
○小野委員 均衡ある国土の形成といいますけれども、均衡しなければならないもの、あるいは均衡させなければならないもの、これらは国土の上にいろいろな要素としてあるのだろうと思います。これは無数という言葉が適当なほどたくさんの要素があるのだろうと思いますけれども、その中で、国政として均衡させなければならないと考える要素は幾つかあると思うのですけれども、大臣あるいは局長が均衡させなければならない要素と考える二、三のものを御指摘願いたいと思います。
○長沢政府委員 「均衡」の目指しているところは、約三十八万平方キロの我が国土がバランスよく利用されるということであります。したがいまして、まず人口が適正に配置されていること。それから産業が適正に配置されていること。それから主なものを挙ければ、各種の文化、サービスや国際交流機能、情報機能、そういった都市が持つ都市機能、これがまた適正に配置されているということが重要だと考えます。
○小野委員 私は均衡しなければならない最大の要素は、所得ではないだろうか、こう考えるものです。所得が格差があるために、所得の高い東京に人口が他の地域から流出する、こういうことですから、基本的には所得の均衡が国土の均衡ある発展の最大の要素ではないだろうか、そのために総合開発計画がつくられるのじゃないだろうか、私はそう思うのですが、いかがですか。
○長沢政府委員 結果として配置されている機能のバランスを申し上げたわけでございますが、そういう各種機能の配置を決める原因になるものとして、所得要因あるいは所得の地域格差というものは、大きなファクターになっているというふうに私も考えます。
○小野委員 そういう前段の要素を頭に置きながら、今回の法律を眺めてみます。
 例えば、四全総でその立法精神のとおり国土がつくられる、多極分散型国土の形成促進法がその具体化を立法の精神どおり実現させる、そういう前提に立って日本の国土がどうなるのだろうか、こう見ましても、四全総とこの法律から、私は、こういう国土がつくられるのだというイメージを描くことができない、余りにも漠然としておってできないのです。大臣は、この法律が一〇〇%完成した場合に日本がどういう国土になるのだというイメージを描くことがおできになるでしょうか。
○奥野国務大臣 この法律に盛られております努力義務規定、それが守られてまいりますと、国土全域にわたりまして、例えば四全総の中には全国一日交通圏などという言葉があるわけでございますけれども、交通体系が整備されていく、情報や通信についても地域格差がなくなっていくということになっていきますと、どこで企業が立地いたしましても相応な成果を挙げることができるようになってまいりますので、地価が高いわ、過密であるわというような東京に必ずしも立地する必要はなくなるということにもなってくるわけでございますので、かなり変わった姿になっていくのじゃないだろうか。
 これは一つの例で申し上げただけのことでございますけれども、いろいろなことを抽象的にうたっておりますので、それを基礎にして具体的なものを頭になかなか描きにくいわけでございますけれども、私は、それぞれの規定を基礎にして、国土庁としても各省と連絡をとりながら、それぞれの規定が具体化していくように努力をしていかなければならない。そのことによって多極分散型の国土をつくることが可能だ、こう思っているところでございます。
○小野委員 次に進みますけれども、東京への過度の人口集中の是正を考える前に、当然なぜ東京に金融、業務、情報などが驚異的に集中したのか、そのメカニズムを明らかにすることが第一条件だろうと思います。だれもがそう考えているだろうと思います。ただ、東京への人口の集中、経済の集中は必然性が非常に高いのじゃないだろうか。マーケットシステムといいますか市場システムを、自然が、人間が、その流れに従って東京を大都市化したのだろう、こう思います。したがって、人口の分散、経済の分散ということになりますと、この必然性、マーケットシステムの流れとは逆な方向に経済なり人口を持っていくということになりますから、大変な大きな力が必要になってくる、私はそう考えます。そのことは、ある意味では人工的に市場原理をつくり出す、こういうことなんだろうと思います。したがって、口で言うほど優しいものではないのじゃないだろうか、そういう実感を持ちます。したがって、第一に、なぜ東京にこれだけの金融、業務、情報が集まったのだろうか。そのことに対する見解を、局長にお尋ねいたします。
○長沢政府委員 東京一極集中が進んでおります大きな原因は、まず第一に国際化、情報化が急速に進展したこと。これに伴いまして、世界のGNPの一割を占めるという大きな経済力を背景にいたしまして、東京が世界の金融センター、情報センターとして急成長を始めた。他方、地方では大きな産業構造の変化の影響を受けまして、雇用問題等、構造不況問題がいろいろ深刻化する。そのために東京へ集まらなければ仕事ができないというような状況が現出した、こういったことが大きな原因で進んでいるというふうに考えております。
○小野委員 ただいまの答弁によりますと、東京への一極集中化の原因は金融の自由化、国際化、あるいは東京が世界の経済の三大金融センターになったということ。それに加えて、情報化、ソフト化の時代になって東京に本社機能が集中的に集まった、こういうことだと理解いたします。
 ただ私は四全総を読んでみましても、あるいはこの法律を読ませていただきましても、東京集中化の一つの原因は、行財政権の集中ということがその背景にあるのじゃないだろうか。この行財政権の集中が東京の肥大化をもたらしたのだという認識がもしないとすれば、分散することができない。むしろますます肥大化していくのじゃないだろうか、こういう気がしてなりませんけれども、東京の肥大化、一点集中の最大の要因は行財政権の東京集中にあるのだ、そういう認識には立てないものでしょうか。
○奥野国務大臣 世の中が複雑になってまいりますと、どうしても交通整理が必要になってくる。そういう意味で中央省庁が経済や金融につきまして許可権限等を持たざるを得なくなる。それが御指摘になりましたような、中央集権的な行財政の方向が東京一極集中を助長しているのだとおっしゃっているとするならば、全く同感でございます。でありますだけに、今後の運営につきまして、今度の法律の中にも、中央の持っております権限をでき得る限り地方団体や国の出先機関の長に譲るような努力をしなければならないという規定を置かせていただいているところでございます。
○小野委員 局長、四全総にはこの行財政集中化が東京一極集中の背景にあるのだということすら分析しておらないのですけれども、この問題はどういう理由でそうなったとお考えになりますか。
○長沢政府委員 四全総で、要因分析の中であるいは明示されてないかもしれませんけれども、背景事情の考え方としては、私、先ほど言い落としましたけれども、行政機能を含む首都機能が東京にあることが東京一極集中のバックグラウンドの一つとして作用していることは事実でございます。やはり四全総でも、独立性の強い政府機関の移転等あるいは遷都問題等、東京に立法、司法、行政が集中していることに伴う問題解決の方向は示しておるわけでございまして、今回の法案もその趣旨に沿って政府機関移転等の章を設けているところでございます。
○小野委員 次に進みます。
 国土の不均衡な発展の一つに、資産保有者と非保有者との間の格差が大きくなったことを私は第一に指摘したいと思います。要するに、金余り、超低金利のもとで大量の資金が土地投機に流れ込み、東京の地価が急上昇を始めました。こうした地価の高騰は、土地所有者に固定資産税あるいは相続税などの負担を増加させていることは事実でありますけれども、私はそれ以上に、土地所有者と非土地所有者、とりわけ都市における土地所有者と非所有者との格差を修復不可能なまでに拡大したのではないだろうか、こう考えます。この問題は当然政治の最大の課題であります。したがって、国土の均衡ある発展を図るという法律の立法の精神が最大で最終目的であるとするならば、この問題にメスを入れることなしには不可能だろうと私は思います。この都市における土地の所有者と非所有者との格差の拡大、これをどういう形で解決しようとするのか。方向だけでもお考えを示していただきたいと思います。
○奥野国務大臣 自由な経済活動を許している国でございますので、その活動のあり方によって巨額の富を生むこともできるし、大変な失敗を起こすこともあり得るわけでございます。今御指摘になっているのは、土地を持っているだけで莫大な富を得ているじゃないか。まさに不労所得の甚だしいものだという意味合いでおっしゃっているのだ、こう思います。もしこれが譲渡されて、譲渡所得が顕在化しますとかなりな所得課税が行われるわけでございますし、それがなければ、相続の際には当然その評価額のもとに相続税が課されるわけでございまして、そういうことを通じてある程度均衡化が行われるわけでございます。
 しかし、いずれにいたしましても、今の地価暴騰は短期間に大変な高騰をしているわけでございますので、社会的不公正という気持ちを国民の間に強く植えつけた、こう思っているわけでございます。それだけに、私たちも一生懸命地価の鎮静化に努力を続けてきたわけでございますし、政治の最大の課題にお取り上げいただいたわけでございます。
 したがいまして、税制についてはそれ以上なかなか難しいのじゃないかな、こんな感じがいたします。顕在化しないのに評価して、ある程度の税を徴収するという仕組みはなかなか難しいのじゃないか、こう思うわけでございますけれども、今不公平をどう是正するかという課税のあり方が税制改革の一番大きな課題になっているのはこういうところにも原因を持っているのじゃないかな、こう思っておるわけでございます。今直ちに私が一言でこうやればいいんだと言い切るわけにはまいりませんけれども、やはり政治の課題として今後も十分留意していかなければならない大事な点だ、こう思っております。
○小野委員 この問題を真剣に調査研究して、政治家としての、あるいは国政としての任務を果たしていただきたいことを御要望申し上げておきます。
 最近の我が国の産業構造の変化は注目すべきものがある、そう私は感じております。
 第一は、だれもが知っておることでありますけれども、サービス部門のウエートが急激に高まっております。例えば経済審議会の新たな分類方法によって見ますと、七〇年から八五年までにGDP構成比の推移は、知識・サービス生産部門が一七・六%から二六・四%へと一〇%近くも比重を高めております。それに対して、物財生産部門は五一・七%から四一・四%へと、これは約一〇%近くも比重を下げております。知識・サービス生産部門の比重増大は物財生産部門の後退と表裏の関係にあるのだなということをこの数字は示しておると思います。したがって、この産業構造の変化を今回の法律は活用しながら均衡ある国土の発展を図るのでなければ、効率的に予算を活用するということにはならないのではないだろうか、そう私は考えます。
 したがって、産業構造の変化と多極分散型国土づくりとをどのように結びつけて所期の目的を達しようとするのか、それに対する考え方をお尋ねいたします。
○長沢政府委員 四全総では、おっしゃるような産業構造変化の方向に対応しつつ、地方に各種の産業集積、技術集積を高めていく、こういう考え方をとっております。
 また、この四全総を受けた今回の法案におきましても、地方振興拠点地域整備という新しい制度を創設いたしておりまして、これは各種の国際交流機能、情報機能あるいは産業機能、そうした高度の機能集積を各地域につくっていく、これを中心とした構想でございます。そうした機能集積を図るに当たっては、おっしゃるような産業構造変化の方向をむしろ活用して、これを進めていく、こういう考え方をとっているところでございます。
○小野委員 よくわかりませんけれども、政治経済の流れとして産業構造の変化を活用するというのか利用しながら国土の均衡ある発展を図るということが最も素直な政策だと私は考えますので、その点も十分検討しておっていただきたい、こう思います。
 次に、我が国の経済課題の一つに内需の拡大があります。これは、これまただれもが認めておるところであります。昨年の六兆円の補正予算も本年度の公共投資額約二〇%の伸びの確保も、この目的達成のための一つの手段だろうと私は理解しております。だとするならば、この促進法、これもまた内需拡大の方向と相反するものであってはならない、やはり同じ方向でなければならないだろうと思います。
 そこで、現在の政策課題である内需の拡大とこの促進法とはどういう関係になるのでしょうか。どのように結びつけてこの法律がつくられたのでしょうか、考え方をお尋ねいたします。
○長沢政府委員 我が国の大幅な経常収支の黒字不均衡を直すためにも、また世界経済の調和ある発展を図るためにも、おっしゃるように内需の拡大を図るあるいは内需中心の経済成長を維持するということが極めて重要な課題であることは先生おっしゃるとおりであります。四全総は、この内需主導による中成長が維持される、そういう経済の姿を前提に二十一世紀に向けての国土づくりの指針を示しておるわけでございまして、この四全総の実施法的性格を持つ本法案の施策は、もとより内需拡大のための施策と方向を一にするものである。具体的に言えば、大都市の秩序ある整備につきましても、あるいは地方の振興拠点地域の整備にいたしましても、それぞれ力を合わせてインフラ整備その他各種の経済振興、地域振興を図るわけですから、これはそのまままた我が国経済の内需の拡大につながっていくと考えているわけでございます。
○小野委員 日本の経済を考える場合に、GNPはアメリカに次いで世界第二位、国民一人当たりの所得はアメリカを抜いて世界第一位、日本人の持っておる外国での資産は世界最高、まさに経済大国日本でございます。しかしその反面、先進国と比較して国民生活の方は、労働時間は三割以上も長い、一生働いて退職金をもってしても家を一軒持つことができない都市の労働者、アメリカの二倍高い食料費、年金で生活のできないお年寄りの皆さん、こうなってまいりますと、日本は経済大国なんだ、自分自身が世界一高い所得をいただいて豊かな生活をしておるなどと実感を持っている日本人は一人もおらないことも、これまた周知の事実でございます。当然、この経済大国と国民生活の乖離の解消が、政治の最大の課題であると同時にこれらの法律の一つの目的だろうと思うのです。ということは、今までの国の政策は生産あるいはビジネス中心であったけれども、これからは生活にかかわる領域も大切にしなければならないのだ、こういう感じで、あるいは政策方向もこれまた一致しているだろうと思います。私は、日本の政治、経済のこの格差の解消、生活領域の向上という目的に対する政策は、世界の日本への大きな期待であるとも思います。
 したがって、そういう観点でこの促進法を見た場合に、特に受け皿の方の問題として、この生活という観点から見た整備が軽視されてはいないだろうか、東京から移す、東京の方の政策課題が最大の課題、第一義になっておって、受け皿としての都市の方の生活環境の整備が弱いのじゃないだろうか、そういう感じがするのですけれども、つくった局長、いかがですか。そういう感じはございませんか。
○長沢政府委員 為替レートで換算した名目的な生活水準と、我々も含めまして国民が実際に感じている生活の豊かさとの間に乖離があるという点は、私も同感でございます。
 その原因としていろいろなことを指摘されているわけですが、その中で特にしばしば言われますのは、社会資本の整備水準が諸外国に比べてなお低いこと、あるいは住宅問題等に代表される大都市問題、これが生活環境の悪さをもたらしておりまして、豊かさとゆとりを感じさせない理由になるということが言われるわけでございます。
 こうした状況を直していくというのが四全総のねらいでもあり、また本法案のねらいでもありまして、各地方の地域の特性を生かした魅力ある地域づくりを進めまして、住民が誇りと愛着の持てる豊かで住みよい地域社会を実現していく、これが法律の目的条項にも書かれているわけでございます。こうした地域振興を基軸にいたしまして、あわせて住宅難等の大都市問題も解決していこう、秩序ある整備を図っていこう、これがこの法案の骨子でございますので、おっしゃるように大都市からの追い出し偏重という形にはなっていないと考えております。
○小野委員 大臣、今議論の中で出てまいりましたのは、四全総、それから言葉としては出てまいりませんでしたけれども、前川レポート二つ、それから宮崎レポート、それから今回の促進法、五つ挙げました。どう考えてみましても、これらの五つの法律あるいは開発計画を総合的に関連づけて説明を受けたことが私はございません。これらの関連について内部でどのように処理をして、どのように意識統一をして今回の法案が出てきたのか、その点の御意見をお聞かせいただきたいと思います。
○奥野国務大臣 この法律をつくるに当たりましては、全国を見た場合には東京一極集中になっているよ、しかし都道府県単位で見た場合にも都道府県庁所在地一点集中になっているところが多いのだよ、全国土をくまなく国民に適切に利用されてそれぞれの地域社会を我がふるさとと愛着を持って感ぜられるようなものにしていかなければならないのだよと強く申してまいりました。そういう意味合いにおいて、東京につきましても政府関係機関の移転を図るわけでございますけれども、都道府県においても県内を見て、それぞれの機関を適切に分散配置してそれを核にして地域の発展が図れるようにしていかなければならないよ、こういうことを申してまいったわけでございます。
 そして、条文的には、それぞれの都市についてそれぞれの地域がいろいろな機能を集積しながら発展の核になっていかなければならないというようなことも書いてあると思います。また、農山漁村についてもそれなりの整備を図らなければならないと書いてあります。さらにまた、ぽつぽつ一軒家しか残らないような地域、やはり国土の保全を考えてまいりますとその地に将来とも住みついてもらわなければならない、山崩れが起こっておってもだれもわからないというような国土にしてはならないわけでございますので、集落形成を行ってそこを安住の地と決めてもらうような方向をとらなければいけないのだよ、こういうこともうたっておるわけでございます。大は過密の東京から小は山村の一軒家まで頭に置いてこの規定を置いたわけでございまして、またその一軒家がぽつりぽつりあるようなところについては、ある程度集落形成にお手伝いをしなければならない。その地域においても、道路整備なり簡易水道の整備なり、ある程度の文化的な生活を送れるような政策をしていかなければならない。そうなってまいりますと、自治省にお世話を願わなければならない。ふるさとづくり地方債などの構想もあるようでございますので、そういう点を頭に置いて政策をつくってください、具体策をつくりましょう、こういう話になっておるわけでございまして、私なりに国土全域を頭に描きながらそれぞれこういう国土づくりをするのだという希望を持って、法律の要所要所にはその根拠を置いたつもりでございます。
○小野委員 お願いをいたしておきますけれども、これらの四つ挙げました法律あるいは総合開発計画の関連性あるいは系統性というのですか、それについて私は十分国民が納得できるように整理されておるなという感じを持つことはできません。むしろそれ以上に、屋上屋を重ねているんじゃないだろうか、あるいは命令系統というのでしょうか、そういう系統性が非常に混乱しているなという感じの方を強く持つものですから、それらに対する配慮を十分行っておっていただきたいと思います。
 新前川レポート第二章第一項を読んでみますと、「内需拡大」という項がございまして、そこで第一に「住宅」、二番目に「社会資本整備」、第三に「土地対策」、第四に「構造調整促進のための設備投資」、第五に「消費」という順で取り扱われております。そして第五項に「地域経済への対応」として地方問題が取り上げられております。要するに、全国的な問題と東京一極集中の問題と地方の問題がここで関連づけられております。
 私は、この役所の地方分散に当たって心配なのは、社会資本の整備と住宅問題でございます。新前川レポートによりますと、社会資本の整備については生活環境の形成、これは一部民活も使いますけれども、基本的には公的資金を確保して生活環境を形成するとはっきりうたっております。さらに、生活環境、生活そのもの、つまり居住そのものについては良質な住宅ストックの形成を責任を持って行う、こう強調いたしております。問題は、この実現を促進法でも確実に実行することになるのかならないのか。ということは、宮崎レポートにはこのようにはっきり書いておりません。新前川レポートよりも後に出てきた宮崎レポートは非常に後退をいたしております。促進法も、私は、より後退するのではないか、そう心配するのでお聞きするわけですけれども、それらの点に対する、改めて新前川レポートと宮崎レポートの違い、後退を絶対させない、こういう意気込みで取り組んでいただきたいと思うのですが、お考えをお聞きしたいと思います。
○奥野国務大臣 今おっしゃったようなことも前提には当然あるわけでございます。したがいまして、今度の多極分散型の国土形成につきましても、国や地方団体や民間、あわせ加えまして、ともに力を合わせていかなきゃならないのだということを指摘していることもそういう配慮でございます。同時に、住宅をつくるにつきましてはそれなりに必要な土地を確保していかなきゃならないわけでございますけれども、やはり交通のことも配慮しなけりゃならない。したがって、宅地開発と鉄道とが一体になってやっていくというような規定も設けておるわけでございます。この規定を受けまして、建設省と運輸省とは次の通常国会に必ず法律を出します、こう言うてくれておるわけでございまして、それなりにある程度地域の指定はしなきゃならないでしょう、監視区域の指定も必要になってくるでしょう、鉄道を敷設する者に対しては先買い権を与えていかなきゃならないでしょう。そういう形で運輸省と建設省とが一緒になって法律をつくります、次の国会には必ず提出しますという約束をしていただいているわけでございます。それも今度のこの法律が機縁になってそういう立法に具体化が始まったわけでございまして、おっしゃっているようなことを頭に置きながら立法に当たっておるわけでございます。
○小野委員 要望いたしておきますけれども、新前川レポートの言う生活環境の整備、特に住宅の建設は公的資金をもって行う、こういう水準から後退しないように、どうしてもビジネスなり経済の方が優先いたしまして生活環境の方がその後についていくというようなことのないように、我が国の経済社会の実態に照らして過ちを二度と繰り返さないようなことでこの促進法を実施していっていただきたいことを要望いたしておきます。
 そこで、四全総もこの促進法も、全国にたくさんの極をつくることによって一極集中を是正すべきだ、こう書いております。その極となるのは、その領域では理論的には東京よりも東京以上の強力な機能を有するものでなければその極は東京に吸収されてしまうだろうと私は思います。そこで、極という説明、非常に難しい、意味のわからない言葉でありますけれども、現在の日本の地域あるいは都市の中で四全総なりこの促進法が、これは私どもは極と考えますよ、こういう都市なり地域がありましたならば、その具体的な例をもって、この法律がつくる極はこのようなものですよと説明していただきたいのですけれども、いかがですか。
○長沢政府委員 四全総でもこの法律でも、多極分散型国土の形成ということで極という言葉を使っているわけですが、四全総における極というのは、東京一極の反対概念として東京以外にたくさんの極ができる国土を想定する、そういう意味の極でございます。これを定義的に申せば、特色ある機能が相当程度集積いたしまして、ある程度広範囲な圏域の中心となる都市地域、これを極というふうに呼んでいるというふうに考えております。
○小野委員 よくわからぬのですけれども、そうすると、極とは一極集中の反対の概念ですから、東京へ行こうとする人口に歯どめをかけることのできる都市、そう考えていいんですか。
○長沢政府委員 東京に対して大勢で対抗できるような多くの極を考えているわけでございまして、したがいまして、都市でいえば名古屋圏、関西圏、これも大きな極でありますし、それから札幌、仙台、広島、福岡といった地方中枢都市と呼ばれる都市、これもそれに次いで大きな極でありますし、それから県庁所在都市のような地方中核都市、さらに県内の定住圏の中心となるような地方中心都市、それから農山漁村の周囲にあるような地方中小都市、それなりにそれぞれの都市が、大極、中極、小極とありますけれども、それなりに極であるというふうに考えております。
○小野委員 要するに、東京の次にあるのが、大阪、名古屋、京都があるだろう、次の広域中核都市というのですか、札幌、仙台、広島、福岡があるだろうと思います。その次に県庁の所在地がその下にあって、その下に普通都市というんですか都市があるのだろうと思います。要するに都市の階層順序がピラミッド型にでき上がっておるわけです。問題は、現在のこの都市のピラミッド型、都市の組み合わせでは東京への人口の集中を阻止できなかったんでしょう。だから新しい極をつくるということではないんでしょうか。あるいはそれらの都市が極だとすれば、それらの都市を強化することによって東京への集中を阻止する、歯どめをかけるということだと思うのですけれども、もう少しその極という意味を具体的に、だれもがわかるように説明願えないものでしょうか。
○長沢政府委員 人口規模に着目すれば、先生おっしゃったように、ピラミッド型のヒエラルキーの体系になるのですが、必ずしも上下関係として考えているわけではございませんけれども、都市のジャンルとしては、四全総の中で使われている言葉を引用すれば、東京圏、関西圏、名古屋圏を別とすれば、あとは地方中枢都市、地方中核都市、地方中心都市、地方中小都市と、この四つのジャンルが使われておりまして、それは先ほど申し上げましたように、いわゆる札幌、仙台、広島、福岡といったブロック中心都市が中枢都市です。それから県庁所在都市等が地方中核都市でありまして、さらに、県内の規模からいって二番都市、三番都市が地方中心都市、それから、農山漁村の周辺に幾つもあるようなのが地方中小都市、こういうふうに呼ばれております。
 先ほど先生がおっしゃいましたように、現在の産業構造の変化の方向というのは、一口で言うと都市型産業の方向へ、あるいはサービス産業、情報産業、そういった非常に都市機能が大事な要素をなす産業の構造の方向へ変化しております。こういう産業構造変化の方向を活用しつつ機能集積を図っていくという考え方に立ちますと、やはりそういった都市の機能を高めていくということを中心に地域の振興を考えざるを得ない。その意味で、各規模の都市に着目して、それを充実強化していこうということが基本的な考え方になっているのでございます。
○小野委員 まだよく理解することができませんけれども、質問を続けます。
 大阪、名古屋、京都、これらは特徴を持った非常に大きな極と言える都市であろうと私は思います。問題は、この下にある札幌、仙台、広島、福岡ですけれども、これはただいま広域中核都市という規定づけをいたしました。私は、この広域中核都市の特徴は、政府の上位出先機関を含めた中央の代理機能の集中立地がこれらの都市の根幹部分をなしておる、そう考えますけれども、いかがですか。
○長沢政府委員 おっしゃられるような都市はブロックの中心都市でもありますから、重要な機能を担った都市でございますので、例えば、東京からの移転を考える場合にも、大きな受け皿として重要な候補になり得る都市だというふうに考えます。
○小野委員 よくわかりませんけれども、東京あるいは政府の出先機関、地方の上位の部分が集中しておるのがこれらの都市だろうと私は思います。それがこれらの都市の特徴だろうと思います。その特徴の上に商業、サービス業が発展したのがこの広域中核都市の特徴であり、加えて、大型公共施設がつくられて、地方的というか、東北地方であるとか中国地方という意味の大きな地方の中核都市として発展したのだろうと思います。これらが法律で言う極の根幹部分だ、そういうことが言えますか。
○長沢政府委員 重要な極と考えておりますが、それだけではないというふうに御理解を願いたいと思います。
○小野委員 東京一点集中の是正が四全総の焦点の一つで、東京から地方圏への人口移動が純流出になり、昭和七十五年には三千三百万人程度になるというゴールを示しております。この法律もまた同じでございます。その実現の具体策として、第一に工業の分散、再配置政策の継続、二番目に、業務上独立性が比較的高い中央省庁の一部部局、地方支分部局等の政府機関の移転再配置、三番目に、新たに設置する全国的文化研究施設の東京外への立地、そして四、五と続いております。
 四全総の目標は、その結果、東京圏の人口は現在の傾向を延長すると七十五年には三千五百万人台になるが、政府の介入によって二百万人少ない三千三百万人に抑える、こう書いてあります。ところが、幾つかの東京の立地する必要性の薄い官庁だけを選択的に移転する場合には、その性格からして、関連組織が希薄で東京からの人口移転効果が乏しくなるだろう、私はそう思います。ちなみに、筑波研究学園都市は、昭和三十七年に、東京に立地する必要のない政府の研究機関の移転の場所として計画されましたけれども、東京からの人口移転効果は約三万人程度だと言われております。
 そこで、この法律、促進法が進める行政機関の移転等によって人口移転が起こった場合に、自然にほうっておいた場合の人口よりも二百万人少ないのだ、こういう見通しは、この政府機関の移転と人口的にどのような関係があるのですか、計算してありますか。
○奥野国務大臣 四全総に書かれているのは御指摘のとおりでございます。自然増がかなり大きい。何といいましても若い世帯が多いわけでございますので自然増が多い、これを抑制するわけにはいかない。同時に、社会増も今すぐこれを減らすことはできないだろう。しかし、計画期間の後半においてはむしろ減らす方向に持っていきたい。その結果は、御指摘になりましたように、三千三百万人と想定しているわけでございます。
 政府関係機関によって幾ら減らせるかということになりますと、首都機能一括移転の場合でも三十万ないし六十万と計算されているようでございますから、それだけに大きな数字を望むことはできないと思います。そうなりますと、どうしても東京へ来る社会増の人間を、各地域に核をつくることによってそちらに分散吸収していきたいというのが、私は、この根本の考え方だと思うわけでございます。
 そういう意味において、東京圏に相応するような極を関西圏にもつくるんだ、名古屋圏にもつくるんだ、そのためには関西圏でも成田に相当する国際空港をつくるんだ、これは二十四時間オープンしていくんだ、日本で初めての二十四時間オープンの国際空港ができるんだ、こういうことになっているわけでございますし、単にそれだけじゃなしに、今おっしゃいましたような地方中枢都市ブロック機関の多い地域につきましても、それなりにいろいろな中枢的な機能を持たせるように努力していきたい、こう考えているわけでございます。
 そういう立法はこれまでもたくさんあるわけでございます。たくさんあるわけでございますが、これからもさらに一層この考え方に沿ってやっていこうじゃないかということでございまして、例えば東京から事務所や事業所を地方に移す問題につきましても、新産・工特の立法もございますし、あるいはテクノポリス法もございますし、あるいはまた、今度いわゆる頭脳立地法が通産省で提案されているわけでございますけれども、頭脳的な役割を果たしている施設を東京から地方へ持っていく、そういう受け皿についてはそれなりの援助もしていくというような努力もしているわけでございます。今までそれなりの努力をしているけれども、さらにこれからもその努力を継続し、さらにいろいろなアイデアを加えていこうということでございまして、そういう意味の基本法だと御理解いただきたいのでございます。
○小野委員 最後に、私は、我が国の都市というものは、東京を頂点として、先ほど局長がおっしゃっておりましたけれども、広域中核都市、県域中核都市、そしてその下の一般都市というピラミッド型に構成されておるだろうと思います。この順序は何によってもたらされたのだろうか、何によって規定されているのだろうか、そう考えてみますと、私は、この序列は主として東京の代理機能の集積状況によって規定されているのじゃないだろうか、そう考えざるを得ません。その都市が独自に持っている機能で階層、序列が一つ上がったとか、こういうことは大変難しいなと私は思うのです。したがって、今度の促進法で考えが実行され、四全総が実行されたとしても、この都市の順序、階層を変えるということは大変難しいのじゃないだろうか、こういう気がしてなりません。変えることができないとすれば、東京への人口の集中を阻止するのは大変難しいのじゃないだろうか、そういう気がしてならないわけでございます。
 したがって、これらの問題をもう少し私どもがわかるように整理して教えていただきたい。今の都市構造の中での都市以外に、東京集中を抑えるために新しい都市をつくっていくのか、あるいはこの都市の順序に政府が政策介入することによって大きくして、東京への集中をそこで抑えてしまうということなのか、その辺を整理していただきたいような気がするのですけれども、最後に答弁をいただいて終わりたいと思います。
○奥野国務大臣 今までは、地方の方でこういう地域開発をやるならば国はそれなりに援助していこうという手法でございました。今度の場合には、地方の特性を生かして、みんなが創意工夫を尽くして発展策を模索しなさいよ、それが適切なものであるならば中央各省が援助をしますよという構想をとっておるわけでございます。
 例えて申し上げますと、福岡と熊本の間に国際交流の拠点を持ちたいな、東南アジアなどを考えた場合にはそれにふさわしい地域だ、かつては唐との間での交流も盛んであったしというような考え方もあるようでございまして、どういう案が出てくるかわかりませんけれども、そういう拠点を一つつくりたいんだということで、できますならば、それなりに援助をしていくべきではないかなと思っております。また、仙台を中心にいたしまして、東北大学などですぐれた研究もあるようでございますが、研究学園的ないろいろな施設を集積させたいなとお考えになっておるようでございます。あるいは北海道で札幌の地区で申し上げますと、人工臓器などの研究が北大を中心にしてかなり進んでおるようでございますので、そういうような人工臓器をつくる一つの基本的な地域にしたいなというお考えもあるようでございます。
 これらの考え方がどうまとまってくるかわかりませんけれども、まとまってくるならばやはりそれぞれの特色を生かせるような方向をとりたいなということでございまして、今までとは違いまして、この方向でやるのなら中央から援助するというのではなくて、地域、地域がそれぞれの特色をどう生かすかということを工夫してもらう、そしてさらに、それが望ましいものでありますならば国が努力をいたします、そのためには地方分権ということになりまして、すぐ立法措置をとれないから、促進協議会の中に知事や各政府機関の代表も入ってもらって、そこでその計画を論じて促進を図れるようにしようじゃないかということを、促進協議会という形において盛り込んでおるわけでございます。
○小野委員 終わります。
○小此木委員長 午後一時二十分に委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二十五分休憩
     ────◇─────
    午後一時二十一分開議
○小此木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。菅直人君。
○菅委員 この多極分散型国土形成促進法案という名前がついておるわけですが、まず、事実関係をちょっと一、二確認しておきたいと思います。
 さきの議論にもありましたが、この法案のねらい、具体的に、例えば東京圏の人口が現在が何人で将来を何人にするつもりか、まずお答えをいただきたいと思います。
○長沢政府委員 多極分散型国土形成促進法案は四全総推進法でございまして、その四全総には人口の目標が掲げられております。それによりますと、東京圏、統計上一都三県をとっておりますが、現在の東京圏の人口は約三千万、これが現在の社会増の趨勢をそのまま延長いたしますと、西暦二〇〇〇年には三千五百万にふえてしまう。これを各種の抑制措置あるいは地方振興を図ることによりまして三千三百万に抑えよう、これが東京圏に関する人口の目標になっております。
○菅委員 大臣、分散という言葉は日本語で言うとどういう意味ですか。
○奥野国務大臣 一極集中をなるたけ多方面に立地してもらうという考え方だろうと思います。
○菅委員 辞書にはそういうふうには書いてないのですね。辞書には、ばらばらに分かれることとか、分かれ散ることと書いてあるのです。
 今、人口を聞いてみました。一極集中だから分散させる。三千万の人間があちこちに分かれていって、東京は二千万になった。ほかのところがだんだんふえて、二千万になった。これなら確かに分け散らすことですね。三千万が三千三百万になる。分散というのは不当表示じゃないですか。いかがですか。
○奥野国務大臣 言葉は、その中に盛られている内容によっていろいろに解釈が決まってくるものだ、菅さんがお調べになった辞書は、私はどういう辞書か知りませんけれども、この法律に使っております分散という言葉は、今私が申し上げたような意味合いで使っているつもりでございます。
○菅委員 岩波書店の辞書とか新潮社の辞書という、ごく一般に使われている辞書、あるいは広辞苑も見てみました。つまり、日本国民が分散という言葉を聞けば、何かばらばらになるんだなというイメージを持つのがごく自然なんではないんですか。そういうふうなイメージを持たしておいて、実際にはばらばらになるどころか、ますます集中する、その度合いを少し抑える。では、集中抑制法とでもした方がいいんじゃないですか。
 では、もう一つ聞きます。この法律が成果を上げたとして、東京の地価は、例えばこの二年前くらいまでに抑えることが、いわゆる下げることができますか、大臣。
○奥野国務大臣 自由な経済社会をねらっておるわけでございますので、決して社会主義社会に変えようという意図は毛頭ございません。したがいまして、いろんな誘導政策を通じまして、できる限り今の地価を下げるように努力していきたいと考えておるところでございます。
○菅委員 結局下げられるという見通しはないわけですね。これは、総理も本会議で答えられてましたけれども、例えば大体の国民的コンセンサスとして、百平米くらいの床面積を通勤一時間くらいのところに年収の五倍程度で取得をする、そのことはこれがやれれば可能になりますか。大臣、どうですか。
○奥野国務大臣 東京の場合には、多心型の都市構造にしていきたい、そのために一点集中を避けて七つの副都心をつくりたいと考えておるわけでございますし、首都圏につきましては幾つもの業務核都市をつくっていきたい、そこに二十三区の事務所、営業所等の業務機能を移していきたい、そういうことを通じまして多圏域型の地域構造にしていきたい、こう考えておるわけでございます。そういう手法を講ずれば職住近接が可能じゃないかな、一時間以内のところに住まいを持てることが一層可能になっていくんじゃないかな、こう考えておるわけでございます。一点集中のままで銀座のど真ん中にマイホームを持てと言われても不可能なことは言うまでもないことだと思うのでございますが、今申し上げますように中心をあちらこちらにつくることによってそこに通うのであれば、近いところに住まいを持つことが可能になっていくじゃないか、こういう発想をとっているわけでございます。
○菅委員 実際には、業務核都市と呼ばれるところで予定されているのをいろいろと聞きますと、いわゆる三多摩あるいは神奈川、埼玉、特にせんだって発表された公示価格によっても、この一年間一番地価の値上がりが激しい地域、その近くの住宅を例えば土地で言って二百平米あるいは百五十平米買おうと思っても、もう既にとても年収の五倍じゃ買えないような地域ですよね。ですから、七つに東京の機能を周辺に分けたら、確かにそれよりさらに一時間先のところで可能なところが一部出るかもしれませんが、先ほど石川委員も質問されておりましたが、八王子とかあるいは私の地元でもあります立川なんというのはそういう状況はもうはるかに超えた状況が現実に出ているわけですよ。
 だから、そういう意味でこの法律というのは、私はこの法律が悪いとかいいというよりは、本来、土地の値上がりの中でこういった委員会が生まれ、あるいは奥野国土庁長官が土地の特命大臣として任命を受けられた、その目標は何であったかということを取り違えているんじゃないかということなんです。つまり、先ほど大臣も言われましたけれども、豊かな生活、もっと言えば居住生活あるいは公園を含めた都市環境、そういうものをいかにつくるか、そのために余りにも上がり過ぎた土地の値段を抑制し、あるいは下げなければいけない。つまり、地価の鎮静化、鎮静化と、国土庁から出された公示価格のこの資料の中にもいろいろ書かれております。あるいは奥野大臣がいろいろとしゃべっておられるのを聞いていても、皆さんのおかげで地価の鎮静化に成功しました、あとはこの法律をやれば万々歳ですというような言い方をされている。しかし、一つ何か抜け落ちているんじゃないですか。つまり、二十一世紀になっても東京圏には三千三百万人、全人口の四分の一が住んでいるのですよ。その三千三百万人が先ほど言ったように年収の五倍くらいでまあまあの住宅が持てる、そのためには値段も下がる、そういう展望だからこの法律を通してくれと言われるのなら私は大賛成です。しかし、その目標はいつの間にかどこかへ行って、いや、そういうことはなかなか難しい。銀座の真ん中に家を建てろなんて私は言ってません。通勤一時間と言っているんです。人口が減るわけでもない。私はそういう意味で、この国土形成促進法案それ自体がいい、悪いと言う前に、ぜひ大臣に、これはこれとして、大都市に生活をしている人あるいは将来生活をするであろう人を見通した中で、快適な住居環境をつくるための抜本的な政策をまさに法案の形なりなんなりで出していただきたいと思いますが、いかがですか。
○奥野国務大臣 菅さんと私の将来の見通しについては大きな違いがあるんじゃないかなという感じがいたしました。どんどん世の中は変わっていくんじゃないか。私が若いころには国産品愛好、貿易立国でしたよ。今はどうして黒字を減らすかということですよ。しかも内需拡大が国の内外から求められているわけでございます。これから先、一時間も一時間半も満員電車の中に揺られ続けて、何が何でも企業の利益を上げることだということで東京一点集中に駆けつけてくるだろうかと私は思うのでございまして、これだけ地価が上がったんなら土地を売り払ってもっと環境のいいところへ工業立地を変えていこう、そして従業員も豊かな生活を楽しめるようなところから通えるようにしてあげなければいけない。私はだんだん変わっていくと思うのでございまして、そういう意味で中心を幾つも置こうじゃないか、そこへ通えるならマイホームも持てるじゃないか、そういう手法を今度の法律に置いておるわけでございます。したがって、一点集中を多極分散に持っていこう、こう考えているわけでございまして、多極分散は首都構造改造計画から七副都心、また幾つかの業務核都市を設けたわけでございますけれども、何も東京だけじゃないのだ、国際的な役割を果たせるような町を関西にもつくりたいのだ、あるいは仙台方面にもつくりたいのだというようなことも考え、いろいろな手法を講じながら、それぞれの地域において活力ある地域社会が成り立つような努力をしていきたいというのがこの法律のねらいであることも御理解を得ておきたいと思います。
○菅委員 どうもすれ違いになるのですけれども、一番最初に申し上げたはずです。あるいは最初に事務局から答弁をいただいたはずですね。今の大臣の話を聞いていると、私ももろ手を挙げて大変賛成したくなる。ですから、東京の三千万の人間が二十一世紀までにもっとゆっくり住めるように、東京圏以外のあちこちにまで出ていくのだという前提に立ってこの法律が進められるといって、それが実現性があるならもろ手を挙げて賛成したくなります。しかし四全総の見通しは、三千万の人口が、いろいろ理屈はありますけれども、三千三百万にまだふえる。いいですか、大臣、これは私が言っているのじゃないですよ。大臣のところの局長が言っているのですよ、あるいは四全総そのものが言っているのですよ。少なくとも二十一世紀までには今大臣が言われたようにはならないとわざわざ言っているのですよ。
 ですから、大臣に申し上げたいのは、私はこの法律が悪いと言っているのではないのです。大臣が今イメージされているように、東京にばかりまさに集中する必要はない、そういう社会になってほしいと私も思っています。しかし、同時に世界の趨勢とかいろいろな流れを見ると、都市化の流れというのはなかなかとまらないのです。ですから、こういう法律が多少できたからといって、東京圏三千万の人口が二十一世紀までに二千万とか千五百万になる見通しはないと国土庁も認めているし、私もそうだろうと思うのです。そうではなくて、逆に言えば、三千万の人間がいても、あるいは三千三百万の人間が住んでいても、快適に住める大都市というものをつくるということをもう一方で考えないと、今一番矛盾が山積しているのは大都市の地価高騰による矛盾なのですから、絵にかいたもちになりますよ。そこに住んでいる人は三千万、三千三百万、同じように苦労しなさい、これから入る人は入らなくてもいいようにしましょうというのでは、この一年間の議論というのは全然目標が違っているのじゃないですかと言っているのです。いかがですか。
○奥野国務大臣 東京の地価を引き下げたい、現在の地価の高騰は東京一極高騰と考えてもいいくらいの状態でございます。したがいまして、東京の果たしている役割を大阪圏でも名古屋圏でも果たしてもらうというようなことにしてまいりますと、土地がたくさんあるわけでございますので、自然、需給関係からも無理に高い土地を買う必要はなくなる、下げることができるのではないか、今度の多極分散型の国土をつくるということは東京の地価対策にもなっていくのではないか、こう考えておるわけでございまして、これからも高値安定じゃなくて、なお一段と下がるような努力をしていきたい、こう考えておるところでございます。
 なお、三千三百万の問題が多少菅さんに誤解を与えているようでございますけれども、四全総で、東京圏は自然増が多い、自然増を抑えるというわけにはいかない、しかし社会増は抑えなければならない、一遍に減らすわけにはいかないので、最初はやはりふえていくだろう、後半で減らせるだろう、したがって、社会増をゼロと置いた場合に三千万が三千三百万になるのだ、一億二千万の人口が一億三千万になるのだということだと私は聞いておるわけでございますけれども、多少その間に行き違いがあったのじゃないかな、こう思います。
○菅委員 この議論はこれ以上やっても並行線のようですからやめますが、今大臣も少なくとも認められたように、それが社会増であるか自然増であるかということを抜きにしても、国土庁の見通しからして、少なくとも二十一世紀までに東京圏の人口は減らない、ふえるのだということがあれば、それに対する対策なり政策というものも同じように必要ではないか、そのことは念を入れて私は申し上げておきたいと思います。
 少し内容に入りますが、この中に業務核都市、いわゆる東京周辺に業務核都市をつくるのだという考え方が出ています。これには八王子とか横浜とかが含まれていますが、立川では現在、基地跡地の利用を含めて、建設省あるいは大蔵省も交えて新しい町づくりの計画が進んでいるわけです。この業務核都市というものの性格と、その一つのイグザンプルとしての立川という町を業務核都市というふうに想定されているのかどうか。いるとすれば、その方向でどういう計画を持っておられるのか、その点を伺いたいと思います。
○北村政府委員 立川を私どもで業務核都市と位置づけましたのは、多地区における立川の占める枢要な地位でございます。これを東京のベッドタウン化、あるいは東京の単なる後背地というような形で位置づけたくはない、やはり多摩は一つの大きな都市圏であるという認識のもとに立ちまして、おのずから自律的な業務機能と、それから非常に大事な点でございますが、東京都というのは大震災が繰り返し参りまして、非常に脆弱性を持った大都市でございます。その場合、やはり後背地としての立川の占める位置というのは非常に大事でございまして、たまたま立川飛行場跡地という絶好の防災基地がございますので、これを非常に大きな防災基地と位置づけ、同時に、多摩経済圏の業務の中心であるという形で位置づけまして、その両面から整備を図ろうというのが中核でございます。
○菅委員 例えば、現在の竹下内閣の目玉として進められようとしているいろいろな行政機関の移転といったこともこの業務核都市というものの中に設置をする、そういう計画ですか。
○北村政府委員 今回、移転対象として考えております国の機関には、全国を対象といたします機関と、関東ブロック、関東地区を対象といたします機関の二種類がございます。大別いたしまして、関東ブロックを対象としております機関につきましては、私どものただいまの考えとしては、業務核都市を移転の重要な一つの場所として考えているわけでございます。
○菅委員 この問題はこれからいろいろな推移があると思いますので、きょうは基本的な考え方、今の話ですと、関東を対象にした行政機関については、東京二十三区以外の周辺に移すことも考慮中だという答弁だったので、一応それを踏まえて今後の推移を見守っていきたいと思います。
 次に、この間、この委員会や他の委員会で私も土地税制のことについていろいろ質問を繰り返しました。その中で、最近東京の市長会から、たしか大蔵省、自治省、建設省に請願が出ていると思います。この内容は、いわゆる農地を借り上げて固定資産税を減免して、そこをグラウンドにしたり公園にしたりして使っている、そのところを地主さんが返してくれと言ってきている。どうするのだと言ったら、もう一回農地に戻すのだ、なぜそんなことをするのかと言ったら、相続税を払うのに農地の方が有利だからそうするのだ、そういうことで非常に困っている。まず、こういう要請があったことを知っておられますか。
○木内政府委員 東京都の市長会の会長よりそういう要請を受けております。
○菅委員 それに対して、これはどこに答えてもらうのがいいのか微妙ですが、相続税の直接の担当である大蔵省、大蔵大臣にもちゃんと言ってあるはずですが、どういう見解ですか。
○瀧島政府委員 お答えいたします。
 ただいま御指摘のような土地を利用しておられる地方公共団体あるいはその周辺の住民の方々にとりましては、そうした土地が今までと同じように利用され続けていくための措置をとってほしいというお気持ちを持たれるのは当然だと思います。ただ、相続税の立場に立ちますと、相続される財産、これは不動産、有価証券、もろもろのものがございますが、それ全体を足しまして、それに累進税率を適用するということで富の一点集中を抑止するという立場で制度が組み立てられているわけでございます。したがいまして、相続した土地がどのような目的に利用されているのかということと関係なく、一応その持つ客観的な価値に従って課税を行うというのが制度の趣旨でございます。御指摘のようなことをやりますと、やはり土地の利用形態にはさまざまなものがあり、これが公共性が強くて税金をまけるということであれば、あれもまける、もう収拾がつかなくなってくるということが考えられます。
 いずれにしましても、相続税につきましては政府及び与党の税制調査会で御検討が進められており、五十年以来の改正が行われようとしておりますので、それが実現した暁には負担もかなり軽減されるということになろうかと思います。
○菅委員 このあたりは自治大臣にもぜひ聞いておいていただきたいのですが、つまり、先般来この土地税制についていろいろな議論があるわけですが、今のは相続税です。しかし、固定資産税も絡んでいるのです。固定資産税の方は自治体ですから自治体の権限でまけているわけですね。しかし、相続税の方は自治体に権限がありませんから、農地を借り上げてもそれが更地になれば今の答弁のように更地の分の税金を取ります。結果的に自治体が自分のところじゃなかなか公有地がふえないから、公有地に公園とかサッカー場が十分つくれればいいけれども、足らないから余り使ってなさそうな農地を頼んで借りて、固定資産税はまけましょう、そうやっていたわけです。そうしたらどんどん返してくれと言われてどんどん返さざるを得なくなって、それで困ってしまって東京都の市長会がそういう請願、いわゆる、何とかしてくれ、場合によったら特別に認めてくれとかいろいろなことが入っているので、今の大蔵省のような返事になっているわけです。
 そこで、私はひとつ提案をしてみたい。これは以前も提案をしましたが、まず大蔵省にも聞きたいし、あと自治大臣にも聞きたいのですが、地方自治体が公有地を拡大するということはこれからの都市をつくっていく上で非常に重要だと思うのです。しかし、お金で買えといっても金がなかったり、あるいはもっと高い値段でほかから買い上げられてしまう。そこで、土地に関する相続税を地方税にする、その上で土地に関する相続税については物納制度、現在も物納制度はあるわけですが、現在は物納するよりも売ってお金で払った方が有利ですから事実上物納する人はいないわけですけれども、お金で払うよりも物で払った方が有利なように制度を仕組んで、地方税化と物納の組み合わせによって長期的に自治体に土地が集まってくる、こういうことをやるべきだと思いますが、まず大蔵省の見解を聞いておきたいと思います。
○瀧島政府委員 相続財産につきましての統計を見ますと全体の三分の二が土地でございます。したがいまして、土地の相続税がみんな地方税ということになりますと、国税につきましては大変な影響が出てくる、そんなことで、今提起されました問題についての私の反論ということにするわけにはいかないと思いますが、いずれにしましても、すべての財産を一つの金額でまとめましてそれに累進税率を適用するという、先ほど申し上げました相続税の趣旨からいたしますれば、土地の分だけを地方税にということはいかがかと思います。やはり税には税の理念、適正公平な課税、具体的にはこの場合、富の過度の集中を抑止するという理念を実現するためには、そういった課税資産の分割というのは問題であろうと思います。確かに、これにより御意見の中に盛られておりましたような効果が土地政策の観点からプラスのものとしてある程度期待できるにしても、それによって失われるものが非常に大きいのではないかというのが大蔵省の考えでございます。
    〔委員長退席、野田委員長代理着席〕
○菅委員 これは自治省にとっても大変プラスだと思うのですけれども、自治大臣にもぜひ見解を聞きたいと思います。
○梶山国務大臣 この質問要旨が出たのを見まして、これは大変すばらしく地方自治体にいいのかなと思って、実は自治省の中で検討してみたのですが、どうも公平さという点で欠ける点がある、そういう感じがいたします。
 相続税は、御案内のとおり相続または遺贈により取得した物権、債権等の財産の価額合計額を課税価格として、これから債務等を控除して課税する仕組みになっておりますが、この課税対象財産のうち土地のみを他の財産と区別し、相続税とは別に地方税として課税することは相続財産全体に関する課税が行われないことになり、相続財産の構成いかんによって租税負担に差を生じかねず、その結果、負担の公平が確保できないというおそれが十分にありますので、自治体としては何でも財源が入ればいいということでございますが、なかなかそうもまいりません。
 それからこれは決して抜本対策にはなりませんけれども、公有地の拡大ということで、公園、広場等の財源対策としては所要の地方債措置を講じながら公有地の拡大には努めてまいりたいと思いますが、果たして地主さんがどういう選択をするかという問題はまた別個な問題でございますので、検討してまいりたいと思っております。
○菅委員 まるっきり大蔵省の見解を写してきたような見解を自治大臣から聞いたのでは大変残念なんですが、私は別に地方財源のプラスになるからやれと言っているのではないのですよ、大臣。先ほど言いましたように自治体は非常に困っているのですよ、公有地がとても確保できなくて。いろいろな計画を立ててみたってほとんど土地が手に入らないのです。ですから自治体というのは企業とかと違って移らないのですから、自分の自治体の中の土地が相続税の対象になる場合に何らかのやり方で物納を奨励して、それを自治体の土地にしていくというやり方をとったらどうかと申し上げておるわけで、必ずしも財政的な面で言っているわけではないのです。
 それからもう一つ、これは奥野大臣も含めてになりますが、またいろいろな言葉が出てきました。適正とか公平とか、土地も他のものと一緒なんだとか、大蔵省はいつもこういう言い方をします。しかし実際の税制を見ると、土地をかなり分けた税制を現実にもとっているし、特にこの委員会あるいはこの間の事情からいえば、それぞれ事情はあるかもしれないけれども、土地政策として土地税制をどのように活用するかということを一生懸命議論してきたわけです。その議論が一つも頭に入ってなくて、大蔵省は相変わらず税の原則ということだけしか言わないわけですね。何度も出ましたけれども、そういう中で土地の値段を大蔵省国税庁は路線価という形で決める、そして自治省、自治体は固定資産税評価額という形で決める、国土庁は公示価格を認定する、そして実勢価格はそれを超えてまた存在する。これは他の審議会などからもあるいは与党の委員の方からも、一物四価はおかしいじゃないか、これは何とかすべきじゃないかということが出ていて、私も何度か言いました。もう一度自治大臣から、この問題についてのより前向きな見解を伺えればと思います。
○梶山国務大臣 価格の統一についてはいろいろな仕組みの違いがございますから一挙にできませんけれども、検討はしていかなければならないと思います。
 それから先ほどの相続税の問題でございますが、なるほど公有地の拡大という意味、それから土地政策上の問題、その観点からのみ光を当てればそういうことができるかもしれませんが、皆さん方が今税制その他に求める公平、平等、簡素というものと全く逆行する方向が、今この分野だけでとれるかどうか、こういうこともこれあり、なかなか委員御指摘のような政策を大胆に取り入れることは現実として検討を要することではないかという気がいたします。
○菅委員 大臣、逆行なんか何にもしないですよ。税金をまけろと言っているんじゃないのですよ。国税を地方税にしろと言っているのです。何も土地を持っている人に税金を払わすなと言っているんじゃないのですよ。
 それから、これはきょうのメーンの議題じゃありませんが、質問じゃありませんから聞いておいていただいていいですが、例の東京都の都市計画税のときに、二百平米以下は半分にすると言い、そしてそれ以上は今のままだとしたら、自治大臣は何と答えられたか。不均一課税はけしからぬと答えられたのですね。不均一といったって、資産をたくさん持っている人に税金を少したくさんというか、たくさん払ってもらいましょう、資産が少ない人には半分程度都市計画税はまけましょうという案を出したら、それは不均一でけしからぬと言う。現実の税制を見てください。土地をたくさん持っている人ほどいろいろな形で税制は優遇しているわけですよ。だから、公平ということを考えたら今の土地税制ではおかしいんじゃないですかということを一応申し上げて、この一物四価の問題、大蔵省どうですか。
○伊藤(博)政府委員 お答え申し上げます。
 委員御指摘の一物四価という点でございますけれども、私どもが担当しております相続税の関係、今さら申し上げるまでもございませんが、先ほど私どもの審議官から申し上げましたように、土地を含めましてあらゆる財産を課税対象にいたしております。その場合の土地につきましても他の資産と同様な扱いをする必要がある、それは何が最も適正かということで、現在相続税法は相続時における時価ということを基準にして考えております。しからば土地における時価とは何だろうか。確かに経済実態的にはいろいろな価格があろうかと思います。特定の土地をとりましても、それを求める人あるいは手離そうとする人、いろいろな立場によって相当な値幅がございます。私どもの相続税の評価における土地についての評価の考え方は、相続によって取得した人が仮に売り急ぎ等を行った場合におきましても酷にならない、言うなればある程度幅のある時価の中で若干かた目に見るというのが、いわば相続税課税ということの目的から来る必然的な答えではないか、結論ではないかということで、そういう観点で評価しております。
 ただ、そうは言いましても、国土庁等でやっておられます公示価格等とかけ離れていいというものでもございません。両者の関係を念頭に置きながら、しかし我々の評価額が課税目的であるということも念頭に置いて評価してきておるつもりでございます。
    〔野田委員長代理退席、委員長着席〕
○菅委員 ここは長官、土地特命大臣として、まさに今の回答はこの場所で何回も聞かれたと思うのです。最近土地臨調ではやはり一本化すべきだということを盛り込むということが報道されています。つまり役所ごとじゃできない仕事です。役所ごとではああいう答弁しか返ってこないのです。役所を超えた権限としてこれをやれるのは、まさに閣僚会議であり、あるいは特命大臣である奥野大臣がこれをやるべきだということで進められなければ、いつもああいう役所ごとの議論がその都度出てくるに終わってしまう。いかがですか、この問題。
○奥野国務大臣 大切な問題でありますので、これからも検討を続けていきたいと思います。
 私が官界にありましたときに、固定資産税の評価と相続税の評価と一本化できないかということがございました。ひとときは固定資産税の評価の何倍という倍数でいこうということになったわけでございますけれども、地域によってはそうはいかないな、固定資産税は継続的に課税していきますし、しかも今は三年ごとの評価になっているわけでございます。相続税はその都度起こってくる問題でございますので、余り時価とかけ離れた評価はできないなということになりまして、部分的には恐らく倍数を使っておられるんじゃないかなと思うけれども、必ずしもそうもいかないな、そこで公示価格の問題が起こってきたわけでございまして、公示価格は公示価格としてまた別な性格を持っているわけでございますから、これらの関連をお互いに利用し合いながら、どう簡便にしていくかという問題が一つあると思うのであります。
 一足飛びに一本化ということを考えるのか、あるいは少なくとも相互に利用し合うことによって相互の手数をできる限り省いていくことにするのかなという、そういう方法もあるのだろうと思います。いずれにいたしましても大切な課題でございますので、まじめに検討を続けていかなければならないと考えております。
○菅委員 大変消極的なんで、私はこれ以上この問題だけを言えませんが、つまり一元化することの持つ意味は、単に数字が合うというだけではなくて、政策が連動するということなんですよ。ですから、それぞれの省庁が独自にやるのであれば、率を変えればいいわけです。別に率まで変えるなと言っているわけじゃないのですよ。金額そのものの認定までばらばらにしておいて、せんだってもここで井上委員の方から、土地買収のときと売却のときの矛盾の指摘がありましたけれども、つまり公的地価認定を一本化しろと言っているのであって、そのことが持つ意味は、単に価格がどうであるという以上に政策の連動性が出るということなんですよ。きょうはこの問題はこれ以上しませんが、ぜひ奥野大臣にもその点を十分念頭に入れていただきたい。
 時間が短くなりましたが、この今回の法案にしろ何にしろそうですが、日本における都市計画というものは基本的に非常に弱いのではないか。ヨーロッパの、特に西ドイツなどでは地区詳細計画と呼ばれるような、非常に地域の細かいところまで計画を立てて、それに沿って土地利用をする。逆に言えば、日本のやり方ですと、単に規制をかぶせて、この規制の条件に違反する場合はやってはいけませんよ、しかし条件に違反しなければいいですよ、何もつくらなくてもそれは勝手ですよ。ですから、何もつくらないのも自由、つくるときにかろうじてそういう条件が用途指定とかであるだけ。そうではなくて、この地域はこういう町づくりにしようじゃないか、その意見はいろいろな住民の意見を聞いてそういう計画を立てて、例えば大多数の人の賛成が得られた場合、まあ一部に少数の反対があったとしても、ある程度の手続でもって決まった場合はそれを実行できるというそういう都市計画。これは別に大きな、何といいましょうか道路をどうこうしろとかいうような大きなものは今でも都市計画決定がありますが、そうではなくて、ある意味では街区ごとの都市計画というものが下から積み上がってくるというそういうものがないと、特に東京のような既成の市街地ができたところを再開発しようとする場合にはやれないのじゃないかと思いますが、建設大臣、いかがですか。この都市計画のあり方について、もっと積極的な都市計画というものを可能にするような方向に叱糟励して、大臣在任中にいろいろなことを考えられたらいいんじゃないかと思いますが、いかがですか。
○越智国務大臣 お説のように、都市計画法を制定いたしましていろいろやっております。建設省としても地区計画等いろいろの手法を持ってやっておりますが、民主主義が徹底いたしまして今なかなか難しいのが事実であります。でございますから、先ほど来いろいろお話がございましたが、東京都内も小さい農地等は合わせて、でき得れば逆線引きしていくとか、あるいはでき得れば御協力をいただいて、都市計画の目的に沿うように今の農地も公園にするとか宅地にするとか、そういうことをやっていきたい。先生のお説の精神はよくわかりますから、そういう方向で進めたいと思いますが、先ほど申し上げましたように民主主義が徹底して今なかなか難しいというのが実情でございますが、今後大いに強力に進めてまいりたい、かように思う次第であります。
○菅委員 越智大臣、全体としては前向きな回答をいただいたと思うのですが、気になる言葉は、民主主義が徹底したから難しいという言葉なんですよ。これは私は違うと思うのですよ。つまり、土地問題を議論すると私権制限という言葉が出てきます。私権制限というと、何か国とか市長さんが勝手に決めてばっと線を引くとか、あるいはかつての後藤新平さんが都市計画を立てたとか、そういうイメージが多いのですよ。しかし、ヨーロッパの例とか日本の例の一部を見ても、必ずしもそうじゃないのですよ。特に街区計画なんというのは、とても大臣や市長やそういう人ができるのじゃなくて、まさにそこに生活をしている人の中から計画を練り上げていくわけです。
 今でも再開発計画とか区画整理事業とかいろいろなやり方がありますが、よく例に出されるのは神戸の真野地区というところはそういう一つの市民運動が起きた。そういう市民運動の中で出た計画を市がサポートして、最終的にはそういう行政の仕事にも乗っけていった。ですから、民主主義が徹底している方があるいはできやすい面もあるわけです。
 もっと言えば、国の計画とか市全体の計画となればみんなが物を言うのですけれども、隣に大きな農地がある、ここも計画に入れていいのかと言ったら、いやこれはおれの土地じゃないから余り勝手なこと言っちゃいけないとか、隣に工場がある、音がうるさいときには文句を言うけれども、この土地をこういうように使ったらいいじゃないかと思っても、どうもこんなことは言っても意味がないんじゃないかと思ってだれも言わない。まだ民主主義が徹底してないのですよ。つまり、国土であり、町というのは共同体なんですから、逆にそういうことも大いに言えばいいのですよ。言ってどうなるかというのはルールをつくることなんです。そのルールのつくり方が都市計画法であったりそこにおける地区計画であったり、あるいはヨーロッパ、西ドイツにおけるBプランのプランニングの組み立てなんですよ。
 建設省でもこういった西ドイツの計画なんかもよく勉強されていると思いますが、どういう点が日本に導入するのが難しいのですか。
○木内政府委員 先生御承知のように、勉強だけでなく現に地区計画というふうな形で、先生の御趣旨の西ドイツのBプランに相当するような計画を導入しつつありまして、現在二百八十カ所以上の地区計画ができているわけでございます。ただ、全般的に、都市全体にわたって詳細ということになりますと、日本では西ドイツ等に比べましてダイナミックに土地利用の変動がなされておりますし、また都市自体の基盤が十分でないということで、場合によっては土地の利用を硬直化させるようなこともあるのではないかということで、現在は市街地開発事業が行われたところとかスプロールが生じそうなところだとかあるいは都市としていい町並みを保存しておこうとかいうふうなところを重点的に絞りまして、そういうところから地区詳細計画を導入しようとして努力しておるところでございます。
○菅委員 そろそろ時間になりましたので最後にしますが、今建設省から地区計画という形で導入をしているんだという話がありました。それは私も承知しています。ただ、何度も繰り返しになりますけれども、日本の計画というのは規制主義なんですよ。これは大臣なり専門家の皆さんはもっとわかるでしょうけれども、こうやっちゃいけないという主義なんです。建ぺい率は何%を超えちゃいけない、容積率は何%を超えちゃいけない、つまりノーと言う権限はあるのです。こういうやり方をやりなさい、あるいはこういうやり方をやろうじゃないかというふうな意見が出てきて、それが組み立って実行されるための手法、ノーハウが蓄積されてないのですよ。
 これはきょうは議論はしませんけれども、農地なんかでもなかなか集約が難しいとか、いろいろ手だてをやるけれども、結局なかなかうまくいかない。大都市においてもいろいろな計画を立ててもうまくいかないし、あるいは立てること自体そういうふうな地域でなかなかできないのですね。ですから私は、原則自由、例外規制という規制型の都市計画から、本当に計画を立てて推進するために何かの住民参加の手続があったり、あるいは区分所有法みたいに、地権者の七割くらいが賛成すればあとの三割の反対がたとえあってもやらざるを得ないとか、そういう手続をもっと何らかの形でつくり上げていく必要があるのじゃないかということを思って申し上げたわけです。
 時間になりましたので、そういったことで、どうか大臣、地価が鎮静化したから目的が終わったなんて言わないで、全人口の四分の一の東京圏の人たちが、まさに大臣が言われるように豊かな生活が送れるように一層頑張っていただくことをお願いして質問を終わりたいと思います。
○小此木委員長 次に、草川昭三君。
○草川委員 草川昭三でございます。
 まず最初に長官に、決意表明というわけではございませんけれども、この法案についての取り組み姿勢についてお伺いをしたいわけでございます。
 過日の本会議で竹下総理はこの法律について、四全総を裏づけるもので地域振興の基本法だ、重大な決意で臨むとおっしゃられました。首相は、四全総は多極分散型国土の形成を促進するため公共投資の地方圏への適切な配分の確保、公共投資云々ということを言っておみえになりまして、また、地方への権限移譲問題等については臨調答申を踏まえて適切に対応したい、この法案が成立することによって地域の活性化に大きな効果があるだろうという非常に強い決意を述べておられるわけであります。
 これに並行いたしまして、これは本来は経済企画庁にも総理府にも聞かなければいけないことでございますけれども、いわゆる行革審というものが一方では進められておりますし、それから新経済五カ年計画というのもそれぞれ部会答申をなさっておみえになるわけであります。そういう意味でこれらの提案等とこの多極分散の実施法のあり方というものの整合性、このような点について長官はどのようにお考えになっておられるのかまずお伺いをしたい、こう思う次第であります。
○奥野国務大臣 今お挙げになりました機関の向かっている方向は同じじゃないだろうかな、こう思います。
 これまでは経済の効率性を求め続けてきたと思うのでございます。そのためには、一点集中の方が効率を上げるのに適しておると私は思います。しかしこれだけの経済力を持った今日になりますと、やはり物の豊かさよりも心の豊かさといいましょうか、ゆとりある生活を楽しむといいましょうか、そういう社会を実現していかなければならないということになってきているのじゃないかなと思います。そういう意味において、国土づくりは東京一極集中じゃなくて多極分散型の国土づくりをしたいんだ、こう言っておるわけでございますし、行革審のねらっておる点もあるいは経済審のねらっておる点もその方向は同じじゃないだろうかなと考えているところでございます。
○草川委員 当然のことながら国づくりがあり、それぞれの中長期のプランがある、あるいはまた、新しい行革をしようという立場からの御提案でありますから、ねらっている方向は同じであることは間違いないと思います。しかし現実の問題は、今も、午前中の議論の中にも出たようでございますが、若干土地が鎮静化したということでどこかに行政府として緩みがあるのではないだろうか。昨年、この土地特別委員会ができたときには、私率直に言ってもっと熱気のある感じがしたわけでありますが、年が明けてみると金融機関等の融資も落ちついた、そんなことが反映して鎮静化だというようなことで、何となく行政府が安心をしておるような気がしてなりません。
 しかし、例えばこれは現実の具体的な問題でありますけれども、駐車料金の話です。これは本当に手っ取り早い、私どもの目の前の話でありますけれども、東京都は今月まとめました都内の月決め有料駐車場、大体千カ所だそうでございますが、これにいろいろと調査をいたしまして、たしか七百六十六カ所についての報告を得たと言っておりますけれども、これによりますと、東京二十三区で平均して一万九千四百円、二十三区中の中心部の十二区では平均料金が二万円を超えている。特に先年来から問題になっている、情報中心都市として非常に都心部の地価高騰が言われておりますけれども、港区の浜松町のビルの地下の駐車場では一カ月間八万円の駐車料金ということが言われておるわけであります。月に八万円の駐車料金、当然そこを利用していろいろな営業活動をするわけでありますから、それだけコストが上がることは言うまでもありません。一カ月、いかに車の駐車場所をとると申し上げましても、八万円というのは常識的にいかがなものかと思うのでございますが、そういう問題が現実的に残っておるわけでありますが、長官、どのようにお考えになられるのか、お伺いしたいと思います。
○奥野国務大臣 昨年の土地国会のころと今とを比べると、熱気がうせているじゃないかという御指摘がございました。あの当時はとにかくいろいろな立法その他の手当てを講じようということで模索をし続けておったわけでございまして、一応関係各省それぞれが予算化し、法律化してきているものでございますので、気持ちの上では多少落ちつきがあって、草川さんにそういう考え方を与えたのではないかなと思います。
 しかし、私たちは東京の地価、このままでは高値安定になってしまい、自然、バランス上地方の土地が上がっていくのだから、これを下げなければならない、したがって、融資の面においても従来の姿勢を崩さないようにお願いしますよと言い続けておるわけでございます。今御指摘になりました駐車料の問題も地価高騰のなせるわざだ、こう思うわけでございますので、そういうことを聞くにつけまして、なお一層地価を下げていかなければならない。
 本来、監視区域の指定というものは、先手を打って地価を上げさせない、そういう効果をねらったものだと考えるわけでありますけれども、この点につきましても、指導価格、時点修正によってだんだん下げていこう、そして地価の引き下げに役立たせる、少なくともそれを阻止しない、そういう工夫をしていかなければならない、こうも考えているわけでございますので、これからも従前どおり努力を続けていきたいと考えているわけでございます。
○草川委員 考え方、決意はそれで結構でございますが、具体的に都心部における駐車料金が八万円にまで来ておるということについて、どのようにお考えになられますか。再度質問します。
○奥野国務大臣 全体的に八万円ではないのだろうと思うのでございますけれども、とにかく地価が上がり過ぎて駐車料がまた高騰し過ぎたのだな、とにかく一層地価を引き下げる努力を払わなきゃならないな、そういう刺激に私は受けとめておったわけでございます。
○草川委員 こういう一つ一つの社会的な現象面にも、せっかく東京都がこういう調査をしたわけでありますから、今のお話をもっと進めていただいて強い関心を持っていただく、随所でそれがまた、長官の発言の中で、鎮静化していない、もっとこういう問題については我々も積極的に取り組むというような姿勢が出ることが、一番最初に私が申し上げましたように、もっと活気のある、土地対策について熱心な関心というのが従来どおり続いているということの表明になるのではないだろうか、こんなつもりでこの八万円の駐車料金についての見解を求めたわけであります。
 それで、今土地臨調の方から、これはまだ全く御審議なさっている途中でございますので、たしか六月ですか、正式な発表になるというので、ただいまのところは公式な見解が求められませんけれども、新聞紙上等においては、土地を引き下げるということについて大胆な御発言があるようであります。当然と言えば当然でありますけれども、そういう姿勢に対して今の法律だけでこたえることができるかどうか。やはり新しい法律をつくって、本当に引き下げるというようなもっと具体的なアクションを起こさなければならないと思うのでございますが、ただいまのところは長官としてはこの法案だけで臨まれるつもりなのか。さらに第二、第三弾の提案というのが国土庁の方から打ち出されるものかどうか、お伺いをしたいと思います。
○奥野国務大臣 既に関係各省からいろいろな法律が国会に提案されておるわけでございます。また、この法律を受けて、関係各省で立法化していただくのもあるわけでございます。要は、できる限り需要を分散させて供給をふやしていくことじゃないだろうかな、こう考えているわけでございます。
 いずれにしましても、行革審からまた新しい答申が出てくるわけでございましょうから、それを受けましてさらに必要な手法は工夫していかなければならないと思っております。
○草川委員 ここで経済企画庁にお伺いしますが、経済審議会の地域・産業部会で広域経済圏の育成を図るという部会での結論が出ておるように聞いております。全体会議の報告にはなっておりませんけれども、東京の一極集中を是正する、地方の中枢都市を核に広域経済圏の育成を図るというような提案が出ておるわけでございますが、これは具体的に、どのようなところまで考えられて部会で議論が出ておるのか、いま少し詳しく説明を願いたい、こう思います。
○福田説明員 経済審議会におきましては、昨年十一月に内閣総理大臣から新しい長期経済計画の策定について諮問を受けまして、現在、審議検討が進められているところでございます。
 先般、同審議会地域・産業部会の報告が取りまとめられましたが、地域経済社会の均衡ある発展のための主要方策といたしましては、一つは今後都市型産業の発展が期待できる中枢都市を核とした広域経済圏を戦略的に育成すること等によって地域の活性化を図ることが重要であり、このため研究開発や人材育成を中心とした新たな地域産業政策への転換及び地方都市の居住環境の整備等、魅力ある地域づくりが必要であるとしております。
 また、東京問題への対応といたしましては、東京の国際金融・情報センターとしての役割にも配慮した東京圏の居住環境の整備とともに、業務核都市の育成、整備と都心部の整備が重要であり、さらに東京圏一極集中の是正のため、基本的には東京からの諸機能の思い切った分散が必要であるとしているところでございます。
○草川委員 経済審議会の部会の中でも、当初遷都問題というのが議論になったと聞いておりますが、この部会報告の中では遷都問題というのはその表現が消えて、当面は展都ということで対処しよう、こういうことのようでございます。遷都というのはどこかで行き詰まり、現実的な問題ではないという議論があったやにお伺いしますが、その点について、いま一度詳しく説明を願いたいと思います。
○福田説明員 お答え申し上げます。
 いわゆる遷都問題につきましては、地域・産業部会の報告において取り上げられているところでございます。地域・産業部会の報告におきましては、この問題につきまして、「抜本的には長期的視点に立って東京に現存する行政機能等の思い切った地方移転を行うことが必要であると考えられる。」としておりまして、「そのため、幅広く国民的規模での議論を尽くしつつ、東京からの行政機能の地方移転の計画について検討を急ぐ必要がある。また、これと併せて立法機能についても地方への移転計画の検討が望まれる。」としているところでございます。
○草川委員 これはまた後ほど長官にも、一省庁一機関の分散等の問題でお伺いをしたいと思うのでございます。
 ここで、総理府が来ておみえになると思いますので、いわゆる官邸の建てかえ計画と、その後の官邸建設についての情報集中の問題とか、いろいろな問題が含まれるわけでございますが、新しい官邸の建設計画がどのような形で進行しているのか、お伺いをしたいと思います。
○河原崎政府委員 お答えをいたします。
 新しい総理大臣官邸の整備につきましては、昨年の五月十五日に閣議了解がなされたところでございますが、これに基づきまして、新しい官邸に備えるべきもろもろの部屋の機能や規模等を内容とします基本計画について検討いたしますとともに、新官邸の予定地内に立地しておりますサイエンスビルの移転、あるいは千代田区道、あるいはその下に埋設されております上下水道のつけかえ等、もろもろの問題について関係方面と調整をいたしておるところでございます。
 なお、今お触れになりました情報通信問題も私ども大変重要な問題だと思っておりまして、官邸整備検討委員会の下に関係各省の専門家から成る研究会をつくりまして、研究を進めておるところでございます。
○草川委員 その中で情報通信関係が一番おくれておると聞いておりますが、その点はどうでしょうか。
○河原崎政府委員 新しい官邸にいたしますためには、先ほど申しました諸室等も新しい機能を持ったものでなければならない、あるいはレセプションホール等も新しい機能を持ったものでなければならないと思いますが、同時に、御指摘のように官邸通信に関しましては、特に緊急時の情報というものをどういうふうに扱ったらいいかというあたりが大変重要な問題であるというふうに認識しておりまして、この辺を中心に研究を進めておるところでございます。
○草川委員 私がこの問題を今ここでひょこっと取り上げましたのは、結局政府の基本的な姿勢というものがわからぬわけです。例えば遷都の問題も、先ほど来経済審議会の方でも消えたという状況でございますね。ところが、一方では一省庁一機関の分散というのは一生懸命やりますよと言いながらも、肝心の官邸機能というもの――今の建物が古いから新しいものにしろ、これは当たり前のことですから、私はそのことの議論をしているのではなくて、新しい官邸機能というものは情報通信を最大限に駆使をして、いわゆる新しいハイテクの技術を駆使し、各省庁の情報も官邸に結集をして、いわゆる危機管理というものも考えられておられる。事実そういうことから整備検討委員会というのが今までずっとやっておみえになったわけであります。そして、いろいろな計画をなすっておみえになるという話が各省庁にも流れていく。
 ところが、一方では各省庁一機関外へ出ろという指示が出る。当然、各省庁の末端でも、政府というのはどういうお考えを持っておみえになるのか。いわゆる官邸機能というものを一方ではどんどん結集をしようと言いながら、各省庁一機関外へ出ろということになると、その出る機関というのは、中枢機能とは関係のない機関が出るということに受けとめざるを得ないという問題点があるのではないだろうか。それは整合性が甚だ不十分ではないだろうか、私は、思い切って官邸整備計画というものを多極分散と同じ次元でもう一度見直すべきではないだろうかという考え方を持っておるのですが、その点はどうお考えになられるか、これは長官からお伺いしたいと思います。
○奥野国務大臣 首都機能一括移転の問題は国民全体で十分論議を熟させていただいて、その経過を見守った上で政府としては結論を出すべきであろう、こう考えておるわけでございます。
 自民党の首都機能移転に関する調査会では、三年間検討して結論を出そうじゃないかと言っておられるわけでございます。仮に首都機能一括移転の問題が決まりましても、それについていく必要のない政府関係機関は、この際一括して移転してもらおうじゃないかということを考えているわけでございまして、それを四つのカテゴリーに分類しているわけでございます。四つのカテゴリーに属するものは、原則として例外なく二十三区の外に出てもらうようにしようじゃないかということでございます。一省庁一機関というよりも、今申し上げますように四つの原則に当てはまるものは例外なく二十三区の外に出すようにしようじゃないかということでございまして、これは首都機能一括移転とは並行して進めることのできる問題ではないだろうかな、こう思っておるわけでございます。
 少なくとも東京の過密を救うためには、単に民間のいろいろな施設を移転してもらうだけじゃなしに、政府みずから率先して実行しなければならない、それが政府関係機関の移転ではございますけれども、首都機能一括移転ということになりますと、やはり国民全体の論議が熟さなければ結論は出せないのじゃないだろうかな。それにかわるものとして、今申し上げましたように四つのカテゴリーに属するものは原則として例外なく二十三区の外に移転してもらうようにしようということで進めておるわけでございます。
○草川委員 それの具体的な問題で、三月末までに第二次移転候補について各省庁から意見を求めた結果、移転候補は八機関にとどまっておるという新聞報道もあるわけです。それは各省庁にしてみれば、効率が低下するという意味での根強い抵抗もあると思うのでございますけれども、果たして四月中に分散の第二次案というのが発表できるかどうか、まとめることができるかどうか、そして、これは本来は総理にお伺いをしなければいけないのですけれども、最終的には総理みずからの強い決意表明がなければ、今長官のお答えになられたようなこともできないのではないかと私は思うのです。
 そういう点について、原局である国土庁の長官の基本的なお考えはどのようなものでしょうか。
○奥野国務大臣 四つのカテゴリーを示しましても、その中にはいろいろな種類のものがあるわけでございます。これをさらに細かく移転方針を具体化させていかなければならないわけでございます。
 私は、東京だけを管轄する地方支分部局は東京に立地していいだろう、それ以外のものは全部二十三区の外に移転してもらいたいと考えているわけでございます。それに際しまして、対象の大半が東京都内にある事象なんだ、それは残しておいてもいいじゃありませんかという意見が一つございます。そういう例外を認めると全体が動かなくなるわけだから、例外は認めない。どうしてもという場合には、東京だけの管轄と、それ以外の地域を管轄していくのとを分けなければならないだろうということになってくるだろうと思うのであります。もちろんこれは行政改革の方針に従っていくわけでございますから、そのために一つの機関が二つになることを認めるわけじゃありませんけれども、一つの機関は二つに割るけれども、別に他の、その県だけの機関を廃止すれば結果はふえないことになるわけでございますので、そういう手法もとれるわけでございます。
 やはり一つの例外をつくりますと、全体の移転がなかなか困難になると思うのでございまして、今そういうことを事務的に詰めてもらっているわけでございまして、全閣僚は竹下内閣の政策としてしっかりしたものにしなければならないということで強く認識していただいております。
 しかし、やはりできる限り納得してもらって問題は解決していきたいなと思っておりますので、今は事務的にできる限り話を詰めてもらおう、そしてやはりこの機関とこの機関とは移転させてくださいよということを具体的に示してもらおう、こう考えておるところでございます。
○草川委員 ですから、先ほど官邸計画を私が質問したのも、官邸計画が従来の、昨年の中曽根内閣の考え方で延長されるならば、出ていく機関は嫌だと言うと私は思うのですよ、これは私の想像ですけれども。だから、官邸は官邸で、とりあえず当面非常に古くなったからレセプションルーム等についてはやりましょう、しかし中枢機能の問題はちょっと棚上げしようじゃないか、そして思い切って先ほど来のお話があるようなことを考えようじゃないかという指針があるならば、わかった、一機関出るようにしようじゃないかということにはね返ってくるのではないだろうか。あれはあれ、これはこれと言われれば、出る機関は物すごく抵抗しますよ。だから、出る機関が抵抗するならば、最後は総理が、文句を言うなという言い方をされるかどうかは別ですが、強い指導力をそこで発揮しないとそれは実施されないのではないだろうか。そのことについての見解を問う、こういうことを申し上げておるのです。もう一度私の意見に対してお答え願いたいと思うのです。
○奥野国務大臣 近く事務的に、関係各省で、移転してもらいたいというふうに考えておる機関はこれこれですよということを示すことにしておるわけでございます。それを中心にして、意見があれば意見を伺うわけでございますけれども、最終的には閣僚の決意に従って各省をまとめていただかなければならない、こう思っておるところでございます。
○草川委員 この問題は少し押し問答になりますので、次に移ります。
 地価高騰というのは、実は在日外国大使館の方々にも大変な影響力を与えているということが各委員会でも問題提起になっておりますし、公明党の場合も外務省に申し出をしたりいろいろな行動を起こしておるわけでございますが、大使館の方々が、六十二年の十二月二十二日、三十一カ国の方が集まられて、政府に対していろいろな要望を出しておみえになります。また、現実に、昨年の八月にウガンダの大使館の方々が、維持費が高くつくということで中国の大使館に行かれまして、そこで双方の業務をなされる、こういう話もあるわけであります。ある国は、政府に対して非常に安い土地の提供あるいは建物の提供をしてもらいたい、こういう要望がある一方、他のある国は、自己所有地の一部の売却を進めたい、こういうお話もあるわけでありまして、売却の問題については、東京都との関係とか国土法の関係だとか、いろいろなお話が現実に出ておるようでございます。もしこれも売却が行われるとするならば地価高騰にもつながるわけでありますし、さりとてその場合の対応はどうしたらいいのか、模索をしておみえになると思うのでございますけれども、これは言うまでもございませんが、東京の地価、家賃が非常に高いということが原因でこういう問題が出ておるわけでございます。外務省、儀典官ですか、どういう現状になっておるのかお答えを願いたい、こう思います。
○松井説明員 お答え申し上げます。
 大使館の問題でございますが、所有地の処分を含めて、大使館の維持運営というのは各派遣国の意思と考え方がまず前提でございます。そういった前提を置きました上でお話し申し上げますと、最近の地価の、家賃の高騰が、確かに一部の外国公館の運営に非常に大きな負担になっているということは事実でございまして、御指摘の、政府に対する一部大使館からの要望というものも、こうした事情を背景とし、反映しているものだというふうに、私どもとしては感想めいたものとしては持っております。
 また他方、今御指摘になりました大使館所有地の一部売却の問題につきましては、先ほどの土地建物を持っていない公館も含めまして、東京における外交活動というのは外国にとって非常に重要なものになっておりまして、こうした中で大使館の建物の拡充等の必要性とそのための資金の捻出の必要性、そういったものも含めて、現在の東京の土地の事情を背景として、こうした売却ということの一因になっているのではないかというふうに推察されます。
○草川委員 過去の例を含めて外務省にお伺いをしたいわけですが、大使館の方々が土地建物等を売却したというような例があったのかないのか。もしあったとするならば、その場合に、一部で言われるように、これはウィーン条約との関連も出てくるわけでございますけれども、「国又は地方公共団体のすべての賦課金及び租税を免除される。」というのがウィーン条約の二十三条にあるわけでございますが、売却益に対する課税ということは現実にあり得るのかどうか。私の今の質問は国税局にお伺いをします。
 また、外務省にお伺いをするわけでございますが、外務省には、過去売却をした例がありや否や、その場合の課税はどのようになされたのかという経過をまず外務省にお伺いをします。
○松井説明員 お答え申し上げます。
 過去において在日公館を売却するという理由で税の免除が要請され、これに対して、国際礼譲それから相互主義等の観点から、国税当局において税を免除する取り扱いを行ったことがあると承知しております。
○草川委員 国税の答弁を願いたいと思います。
○伊藤(博)政府委員 お答え申し上げます。
 外国政府が我が国におきまして取得する所得、その中で通常の政府機能の範疇に含まれる行為に基づく所得、これにつきましては、相互主義を前提にいたしまして国際的な礼譲として免税とするという取り扱いにしております。
 御質問の大使館の土地の場合に、それぞれのケースによってそれがどういう所得になるのかというのは極めて個別性が強いものでございますから、各論としては、ケース、ケースによるというふうに申し上げざるを得ませんけれども、一般論としては今申し上げたとおりでございます。
○草川委員 一般論としての御答弁がございましたが、ここで長官にお伺いしますが、そういうことでございます。いろいろな背景があるわけですから、いろいろな国の大使館の中には売却というのが進むのじゃないだろうか、こう思います。しかも、都心に残された有数な土地でございますし、私どもが若干知り得た範囲内では、各大使館を訪れる民間デベロッパーというのでしょうか、開発行為をする方々が各大使館に対してかなりいろいろなプランを示しておみえになる。それに乗られるとは申し上げませんが、関心を持ってみえる方も若干あるようでございます。そういうようなことが進むと、土地政策についても問題でございますし、また、一番最初に外務省から御答弁があったように、現実に土地の高騰という被害を受けておみえになるわけです。そのあたりを、長官、どのようにお考えになられるのか、お伺いしたいと思います。
○奥野国務大臣 一つは、被害を受けておられる方々について何か面倒を見たいという外務大臣の御希望も伺っております。したがいまして、政府関係機関の移転の問題が決着がつきました場合には、その跡地の中でそういう御希望に対応できることの可能性を見つけたいな、こんな思いをしておるところでございます。
 もう一つの売却の問題につきましては、一等地の売却は避けてもらいたいのは本心でございますけれども、既に売買の話が進んでおるわけでございます。しかし、公示価格と照らしましていかにも高い。したがいまして、東京都は引き下げの行政指導をしているわけであります。行政指導をしているわけでございますけれども、なかなか決着がついておりません。しかし、決着がつかない場合には正式に土地利用審査委員会を開いて正式の勧告をしてもらおう、こう考えておるわけでございます。外国の大使館の側では、もうちょっと待ってください、本国の指示を求めているからということで、待てる期限までは待った方がいいと思うのでございますけれども、期限までに片づかない場合には正式の勧告措置をとってもらおうと思っております。
 同時に、私は事務当局に対しましては、買い受けようとする企業にも申し入れておきなさいということを言っておるわけでございまして、数社ございます。私は、もし協力をしない企業があるならばそういう企業の名前は公にしますよ、こう言い切っております。同時に、やはりお金がなければ買えないわけでございまして、融資する機関があるはずでございます。その融資する機関が、勧告しておるようなものに融資するということはあり得ないのではないかな。大蔵省があれだけ特別ヒアリングまでやってくれておって、しかもこれだけ強い姿勢を政府としてとっておるときに、そういうところに力をかすような金融機関があるならば不穏当きわまるものではないか、あり得ないではないか、こう私は思っておるところでございまして、私としては、外国政府といえども日本の法令に協力しなければならないことは当然ではないか。今おっしゃいました条約の中にもそのことはうたわれておるはずでございます。日本の法令を遵守すると考えておればこそ制裁措置をとらないのだと私は考えておるわけでございます。これは裏腹の権利と義務の関係ではないかと思っておるわけでございまして、最後まで勧告に応じてもらえるような態勢はとり続けていきたいなという強い決意を持っているわけでございます。
○草川委員 長官の非常に筋の通った基本的な御答弁をいただきました。そういう姿勢が土地の鎮静化につながると思います。しかしこれはやはり外交問題でもございまして、よほど相手側に理解をしていただかないと、トラブルの原因、外交問題にも発展するわけであります。ぜひ今のようなことになるには、関係当局の方々のあらゆる範囲内における理解を十分された上にそのような処置がなされることを強く望んでおきたい、こういうように思うわけであります。
 そこで、また次の問題に移りますけれども、これは文部省にも来ていただいております。
 これは本会議でも公明党の方からの質問にもあるわけでありますが、地方分散で最も効果的な方策というのは大学の地方分散ではないだろうかという考え方がございます。
 例えば、東京都都心にあります東京大学の場合は百二十九ヘクタール、広大なキャンパスがあるわけです。しかし、都心になければならない理由というのは今日的にはないわけでありまして、昔の旧制高校みたいに地方でも一向に差し支えがない、かえって情熱というものはあったのではないかというように言う方もいるわけであります。アメリカでも有名大学がボストンあるいはカリフォルニア等に分散をしているわけであります。
 私どもが調べた範囲内では、東京二十三区内に所在をする国立大学だけでも二百六十九・八ヘクタールある。これらすべてを移転することは無理があるとしても、例えば国立大学の大きなところだけは積極的に出ていくという方向があってもいいと私は思うのでございますが、文部省の見解を問いたいと思います。
○阿部政府委員 お答えをいたします。
 今回の国の機関の移転の問題につきましては、文部省といたしましても真剣に重要な課題だと受けとめておるつもりでございまして、特に都区内所在の全部の国立大学に対しまして、その移転の可能性について真剣に検討してほしいということを依頼をいたしておるところでございます。その中で東京外国語大学とそれの附置の研究所でございますアジア・アフリカ言語文化研究所、これにつきましては既に移転という方向を打ち出しつつあるところでございます。
 もとより大学の敷地のあり方につきましては、教育研究等のあり方とかかわりがかなり深い問題でもございますので、やはり基本的には大学の自主的な判断を尊重するということが必要であろうと思っておりますけれども、そういった事情も踏まえながら、今年一月の閣議決定の方針に沿いまして都区内所在の国立大学に対しては引き続き検討を促しているところでございます。
○草川委員 もう少し一歩突っ込んだ提案というのですか議論をしてみたいのですが、例えば東京大学の演習林というのがあります。これは各地にかなり膨大な演習林があります。それぞれこの演習林なり試験地というのですか、各大学、各学部の教授の方々が熱心な御研究をなすっておみえになるわけですが、例えば東京都内の田無の試験地、これは田無の緑町にございますが、九・一ヘクタールあります。約三千坪あるわけであります。駅から少し離れたところの一等地でございまして、周辺は住宅地にもなっているわけです。あの田無の目の前、駅の近くに三千坪の試験地が本当に今今日的な条件の中で必要かどうかということを考えてみますと、私いささか疑問に感ずるわけでございますが、その点は文部省はどのようにお考えになられますか。
○阿部政府委員 東京大学の田無の試験地でございますけれども、これは林木育種の関係とかいったたぐいの学生の実習それから教官の研究に利用しておるものでございまして、大学当局の方では、植物の栽培上かなり頻繁に現地の観察が必要であるとか、あるいは都市環境と生物の関係の研究等もしているというようないろいろな事情等もございます。
 ただ文部省といたしましては、国立大学の演習林全体のあり方につきまして、この東京大学の問題も含めてなお検討すべき余地があるのではないかと考えておりまして、こういったことから、関係の大学に対して演習林、農場等のあり方について検討してくれという要請を現在しておるところでありまして、今回のこの件についても、先ほどの国立大学の移転の問題の一環という絡みもございますので、あわせて検討を促しているところでございます。
○草川委員 検討の促進をぜひお願いしたいし、これは長官の方も東大の三つの研究所について文部大臣にも何か働きかけをされておられるよう聞いておるわけでございます。
 これは、私の地元にも大きな演習林がありまして、それなりの地域の環境保全のためにも役立っておることは事実なんです。しかし、今日の国土政策というのですか土地利用という面から考えれば、私は少し考えていただいてもいいのではないだろうかという感じを持っております。そして臨教審の中でも、香山先生がこういう意見を言っておみえになるのです。「国立大学の研究所などの中には、沢山の予算を持っていて、しかも長い年月に大変な資料の蓄積を持っていながら、学問研究の生産性の全く低いところがある。」云々がございまして、「その研究所の人以外はあまり利用できないようにしている。私は国立大学の研究施設というのは、基本的に国公私立大学を問わない全大学の共同利用機関といった施設に変えさせていく必要があると思うんです。」こういうことを香山さんは言っておみえになるのです。私は、そういう提案は今日的な御発言ではないだろうかと思うのです。ですから、従来の学者先生方のセクトにとらえられた研究機関が続く限りは私は今の答弁が進まないと思うのです。この点について長官の方から、私の提言についての御意見を賜りたいと思います。
○奥野国務大臣 演習林の問題は政府関係機関の移転とは別問題だと思うのですけれども、草川さんのお考えには賛成でございますし、いろいろな研究機関も、文部省はできる限り大学の附属機関から共同利用の研究機関に次々に衣がえしておるようでございますので、同じような方向を考えているものだと思っております。
○草川委員 ここで少し、昨年の土地国会で問題提起をしたことの不十分な点がございますので、いわゆる土地転がしあるいは当時の政府系金融機関の土地問題に対する融資態度が非常にずさんであるということを問題提起したことがあるわけであります。
 具体的には、当時の話でございますが、政府系金融機関でございました農林中金、そして農林中金の出資会社であるところの協住不動産サービス、この問題を取り上げました。これは新宿の土地、いわゆる最上恒産の問題等でいろいろな関係があったわけでございますけれども、たまたまこの協住不動産サービスの営業部長で衛藤さんという方がおみえになりまして、私は土地国会の後の物価問題特別委員会で、この衛藤営業部長というのが五十九年の十二月二十日に、地上げ資金を融資した先の最上恒産から個人名義で三億円を借りた、これは千駄ケ谷五丁目の地上げをめぐって最上と協住不動産サービスとの間で九十億の融資契約が結ばれる直前のことでございますけれども、その三億円借りたものの返済は融資の返済金から差し引いて清算をしたのではないか、問題があるのではないかということを提言したことがあるわけであります。ところが、そのときは、個別案件だから答えるわけにはいかないということで終わっておるわけでございますが、その後の報道によりますと、警察庁はこの衛藤氏の周辺の問題等について捜査をしたというような報道もあるわけでございますが、その点についての警察庁の取り組みの現状について御報告を願いたい、こう思います。
○泉説明員 お尋ねの事案につきましては、最上恒産に係ります国土利用計画法等の違反事件の捜査とあわせて警視庁において所要の捜査を進めておりまして、三月二十五日、御指摘の事案に関しまして詐欺罪の容疑で関係箇所を捜索を行うといたしておるところでございます。
○草川委員 今警察庁の方から三月二十五日にそういう捜査をしたということでございますが、農林省にお伺いをいたしますけれども、この衛藤潤営業部長の処分はどのようになされたのか、お伺いをしたいと思います。
○伊藤(礼)政府委員 お答えいたします。
 協同住宅ローンは、御指摘の部長につきまして、個人的な問題により当委員会でも先生の御指摘を受けるなどの社会的批判を招き、同社の信用を傷つけることとなったので、社則に照らして解雇したというふうに聞いております。
○草川委員 その解雇した日付は何日でございましょうか。
○伊藤(礼)政府委員 三月二十四日と聞いております。
○草川委員 少なくともこの問題を私どもが提起したのは昨年の十月から十一月ごろの委員会にかけてやっておるわけであります。私はそのときにこの借用証の写しを農水省に見せて、これは全く本当の借用証でございますけれども、十万円の収入印紙が張ってあるのですが、本当のメモ書き程度でございますが、「金三億円也 金利年八・四%返済期限 早坂社長殿が千駄谷五丁目二〇―八他の土地を買戻しされる時 五十九年十二月二十日早坂太吉社長殿」という写しを見せて、もっと早く処分をしなさいよ、おかしいじゃないですかということをこの場でも申し上げたことがあるわけであります。ところが、処分をされたのがことしの三月二十四日でございまして、たまたま三月二十五日、翌日警視庁の方が捜査をした、それまで何を調べられておったのか、私はおかしいということを農水省にもかねがね言ってきたわけです。
 こんなのは普通の民間会社だったら、私どもが国会でこんな三億円という金を一枚の借用証で借りて、しかも返済は取引の融資金の返済額で調整をする、そんなことは通るわけがないと言って私は怒ったことがあるわけであります。しかもこの三億円というのは一体今どうなっておるかというと、この衛藤部長の背任逃れとも見られるわけでありますけれども、最上恒産に三億円返しに行ったわけですね、本人が現金を集めて。そうしたら、最上の方は三億円要らぬ、これは済んだことだから要らぬ、こう言っておるわけですよ。今三億円宙に浮いているのですよ。三億円どこにあるかといったら法務省に供託されておるのです。こんなことが長い間許されて、ようやくことしの三月二十四日に処分をされるという態度が、これは直接は協住不動産という会社でございますけれども、これは明らかに農林中金の全額というのですか、全面的な出資会社でございまして、直接のダミーでございますから、私は農水省の態度というのは非常におっかなびっくりのような気がしてなりません。私どももこの人がその金をどこへ使ったのか、マンションを購入したという方もおみえになりますけれども、どうしてもいま一歩その背景がつかめませんけれども、政府系金融機関であった農林中金の態度に私は非常に強い不満を持つものでございますが、いま一度農水省の答弁をお願いしたい、こう思います。
○伊藤(礼)政府委員 先生御指摘の三億円の借り入れ等の件は元部長の個人的行為でございまして、協同住宅ローンとは関係ないというふうに私ども聞いておりますが、さらにこれ以上のことは関係企業の具体的取引にかかわることでございますので、この場ではコメントは差し控えさせていただきたいと思います。しかし、農林中金を通じまして、私どもいろいろ中身につきまして細かく事情を聞いているということは申し添えておきたいと思います。
○草川委員 調べられて個人的な犯罪だったらもっと早く私は処分のアクションを起こされておかしくないと思うのです。個人のものなのかあるいはぐるみの問題なのか、あるいはまたその指導機関であるところの農林中金にもその問題が及ぶことがあったのではないだろうか、だからこそ非常に長期間かかり警視庁が捜査をするという前日にようやく処分を決めたのではないかという疑いを私は持つものでございますが、これも一つの問題として提起をして次に問題を進めておきたいと思うわけであります。
 そこで、今問題が起きておりますのは、実は先ほど長官が、土地の鎮静化については銀行の融資がとまったということもあるのではないだろうか、もう今から融資をしないだろうというようなお話もございましたが、時期的に若干それはずれがございますけれども、生命保険会社が建設会社に巨額の貸し付けをした。その建設会社が関係する会社にその金を流すわけでございますが、たまたまそこで七百億という金額が出てくるのでございますが、殺人事件が絡んでいる、こういう問題がございまして、我々にとりましても非常に重大な関心を持っておるわけでございますが、大蔵省として、生命保険会社のかかる融資態度についてどのような指導をしておみえになるのか、お伺いをしたいと思います。
○宮本(英)政府委員 御指摘の件につきましては、私ども、行政の立場から種々事情聴取するなど、必要な報告を受けているところでございますけれども、特定の金融機関の個別の具体的な事案につきましての御答弁は、従来から御容赦お願い申し上げておるところでございますので、差し控えさせていただきたいと存じますが、この生命保険会社の資金というものは、契約者に対する保険金等の支払いに充てられるものでありますので、生命保険各社は、これを極力安全かつ有利に運用する責任を負っているわけでございます。また同時に、この資金の性格や事業の公共性にかんがみますれば、融資等によるその運用は、社会の公益を損なうこととならないよう十分配慮することも極めて重要であると考えておるところでございます。したがいまして、当局といたしましては、そのような観点から、土地関連融資につきましては生命保険業界に対しましても、一昨年来、再三にわたって銀行局長通達を発するなどして指導しておりますほか、特に昨年七月以降は、土地関連融資の多い主要な生命保険会社に対しまして、個別案件にまで踏み込んだいわゆる特別ヒアリングというふうなことを実施するなどいたしまして、実需に基づかない投機的な土地取引に係る融資等は厳にこれを慎むよう指導してまいっているところでございまして、現在、着実にその効果も上がってきておるというふうに考えておる次第でございます。
 今後とも草川委員の御指摘の御趣旨を踏まえまして、この生命保険会社が公共性のある免許機関として、いやしくも社会的な批判を受けるような融資を行うことのないよう、極力指導に努めてまいりたいというふうに考えております。
○草川委員 ぜひ生命保険の膨大な運用金というもののあり方についての関心を深めていただきませんと、せっかくこの土地問題、いろいろな議論をしておりますけれども、単なる銀行局長の通達が守られないのではないだろうか、守られていない、そういう問題がたまたまこの日本建設に対する本間企画社長の殺人事件にまで発展をしておるわけですから、慎重な対応を求めたいと思うわけであります。
 そこで、今資料を委員長と両大臣にお渡しをしましたが、今株というのが非常に高騰をしております。株が高騰しておるというのは、今のような、生命保険会社が集めたお金で機関投資家として購入をするという場合もございますけれども、最近顕著な例として、不動産業者の株買い占めということが非常にたくさんあらわれてきておるのではないだろうか。そういう意味で、建設大臣、大変お忙しいところでございますけれども、不動産業者を監督というか、そういう業界を見られてみえる役所でございますから、ぜひこれは明快な御答弁をいただいて、次の御日程に移っていただきたいと思うのでございます。
 これは長官もぜひ見ていただきたいと思うのですが、私が集めてきた今から申し上げます資料というのは、実は非公開でも何でもございませんが、有価証券報告書の中からある企業を抜き出すと、不動産業者の方々が株の買い占めをして上位の株主になったという、もう既に明らかになった数字。それから、一部は、一番新しいのでございますが、三月二十五日に発売になりました会社四季報の中から一年前とか二年前の四季報と比べてみて、そして会社の説明書きの中に例えば株の買い占めによって株主がこのように変動しましたという、そういうものを探し出してきた資料であります。そういう意味で、この資料を今から申し上げます。
 第一不動産という会社がありますが、昭和五十九年に九十六億四千三百五十三万円の売り上げでございましたが、これが六十年、六十一年、六十二年、六十三年になりますと四・九倍に売り上げを伸ばしておみえになる企業であります。この会社というのは、資本金二十億で従業員百五十名でございますが、ミツウロコという銘柄百四十万株を六十一年、占有率二・六%で十位でございましたが、六十二年に三百十五万株、占有率五・三%、そして、ことしの二月現在では四百二十万一千株、占有率六・六%で二位に浮上をしておるわけであります。鉄建建設という会社の有価証券報告書を見ますと、六十一年に二・四%、八位の株主であったわけでございますが、これが三百七十七万株、占有率二・七%、六位になっているわけであります。これはいずれも東証一部であります。さらに協同飼料という銘柄を買っているわけでございますが、六十一年には一一・九%、これは突如として一位になっておるわけであります。これが六十一年には千二百万株でございましたが千二百七十万株に上がりまして、一二・五%の位置になりまして一位であります。六十二年には大丸を五百万株買って、これも六位に浮上しております。こういう会社が一つあります。
 住宅流通センター、第一不動産の子会社だと言われておりますが、これも売り上げが五十九年には百七十一億でございましたが、今日では四・四倍にふえておるわけでございます。どこの株を買っておるかと申しますと、東洋埠頭、端数は切り捨てますけれども、これが六十年二百十四万株、占有率二・九%、九位であったものがどんどんふえていきまして、二百四十八万株、三・三%、六位の株主になっておることが有価証券報告書で明らかになっておるわけであります。
 原田不動産は、六十一年に巴組鉄工所、かなり有名な企業でございますが、これも二百五十六万株買う。そして、六十二年に二百五十六万株でございますが、これがさらにふえまして七・三%の一位になっていくわけでございます。ここの売り上げも、五十九年当時は十九億でございましたが、これも三十五億というようにふえてきておるわけでございます。
 関東ビルという会社がございますけれども、これも五十九年には三億六千万の売り上げでございましたが、六十三年は二六・四倍の売り上げに急成長をしております。勝村建設という会社を六十八万五千株、これは六十一年の話でございますが、三・一%、三位でございましたが、これが今日百十二万株にふえておりまして、三位は三位でございますが、五%にシェアがふえておる。
 不二建設という会社がございますが、これも五十九年に三百十七億の売り上げでございましたが、二・二倍になりまして七百十一億の売り上げでございますが、理研ビタミン二百七十五万株が買われまして、ある日一位になってしまったわけであります。ちなみにこの理研ビタミンの株価は、昭和五十八年に八百八十一円、高値でございますが、これが六十三年二月には六千八百円にはね上がっているわけであります。先ほどの巴組鉄工所の場合を申し上げますと、五十八年に二百円の株が、ことしの二月には二千六百十円にはね上がってきているわけであります。いわゆる地上げ屋が――地上げ屋とは言いませんけれども、地上げ商法というものが、今や株の買い上げのところに移ってきておるのではないだろうかという気がしてなりません。
 さらに、エスポ環境開発という十七億の会社がございますが、これは昭和五十九年には五億六千万の売り上げでございましたけれども、六十三年二月には十五・五倍の売り上げになってきておりますが、セイレイ工業という、これは東証二部の株を買い占めまして、六十一年に百七十万株、占有率五・三%、四位でございますが、これが四百四十一万一千株で二位、一三・七%にはね上がってきておるわけであります。
 こういうように、これは有価証券報告書だけの例でございますけれども、たまたままだこの有価証券報告書では三月三十一日締めで出ていないのでございますが、私どもが会社四季報等その他の資料で調べたのがあるのでございますけれども、三井埠頭という三井グループの輸入貨物の取り扱い業者、これは名門ですね、三井財閥でありますから。その三井埠頭という会社があるのでございますが、これが東証二部に上場されておるのですけれども、ケンジコーポレーションという会社によって買い占められまして、四百十八万八千株買われまして、占有率二六・八%、一位、ある日突然三井埠頭の株主が、従来の関係する銀行あるいはその他の商社関係からこのケンジコーポレーションというところにかわるわけであります。ちなみに、株価はどういうことかといいますと、昭和五十八年に二百八円していたものが六十三年二月に六千二百七十円、最近では七千円までこの株が上がってきておりまして、この三井埠頭の関係者のお話を聞きますと、いろいろな含み資産があったとしても、少なくとも二千円程度で御評価願えれば会社としては非常に張り切って今後の運営をしたいけれども、いかにも七千円になってくると、私どもとしてはその対応に苦慮するというようなお話があったやに聞くわけであります。
 あるいは日本トラストという会社がございますけれども、これも小池酸素工業三百九十一万株を買いまして、株主順位一位。あるいはこの会社が、辰村組百二十六万株で株主順位三位。
 そして有名なコスモポリタン、これも新聞報道、雑誌等で紹介をされている企業でございますが、雅叙園観光の株を昭和六十一年二百四十七万六千株を買いまして、占有率九%、三位でございましたけれども、これが六十三年の私どもが調べた範囲内では九百四十一万九千株、占有率三四・三%、一位というようになってきておるわけであります。
 こういう数字について大蔵省と事前にいろいろとお話をしたのでございますが、大蔵省としてのかかわり合いは、有価証券報告書に書いてあるという事実があるかないかということだけまずお伺いをしよう、こう思ってきょうは大蔵省にも来ていただいておるわけでございますが、有価証券報告書に記載された分の数字について間違いがあるかどうか、まず大蔵省に御質問をする次第であります。
○水谷政府委員 お答えをいたします。
 最初、鉄建建設の第一不動産にかかわるケースでございますけれども、私若干聞き違えたかもしれませんが、お示しいたしました数字、有価証券報告書において示されております株式の取得状況等と基本的には変わっていないのではないかと思います。
○草川委員 私もはしょって説明しておりますから細かい数字は別といたしまして、大筋では変わらないという大蔵省の御答弁でございます。
 そこで、建設大臣、時間がないようでございますのでお伺いをしますが、いわゆるこの不動産業界という業界、大小さまざまな業界がございますし、営業方法も違いますから一概には言えないと思います。しかし、私が今申し上げましたように地上げで莫大な利益を上げた金がどこへ行くかというと、証券取引の方に向かっている。証券取引で通常の将来の成長株を買うのは全く自由ですね。金持ちであろうとサラリーマンであろうとだれであろうと、いい会社の株を将来を楽しみに買うということは全く自由な取引です。これは問題ない。しかし、ある日突然買い占めを行う。買い占められた側の企業としては、公開であなたの会社の株を買うという制度で来ておるわけではありませんから、どうも最近株がどんどん値上がりをする、喜んでいた、ところが、自分の企業の評価というのは全部経営者は知っていますから、自分の評価より高い株に上がってくる、そしてある日突然名義の変更があって、経営に参加させろ、あるいはこの金額で引き取れと言われたときに、今の日本の産業界の経営者というのは本当に対応できるかどうか。私は、そういう立場からいうと、今の日本の経済あるいは日本の企業というのを世界で一番の企業にしたというのは経営者の努力、そしてそこで働く勤労者の方々の協力、そういうものがあったからこそ世界最高の企業になったわけですけれども、そういう企業の方々というのは安心して企業活動をしておるわけです。まさか自分の会社が買収されるなどということを思ったら、後ろを向いて仕事をしなければなりませんね。だったら日本の今日の高度成長なんというのはあり得ない。しかし、それを根底から揺すぶろうとする事例を、今、私は例を挙げて申し上げたわけです。それがしかも不動産業界の方々だ、しかもその利益というのは、今申し上げますように昭和五十九年から六十三年に比べると四・九倍だとか、あるいはひどい例になりますと十五・五倍だというような売り上げを上げられる。我々は別にひがんで、十倍もうけよう、そんなことを言うつもりはありませんけれども、それが本当に日本の将来のためにいい会社だから私は株主になりたいというならいいけれども、明らかにその資産内容、いろいろなことを含めても信じられないぐらいに株をつり上げて、そして買い占めをし、その会社に引き取りを要求するというようなことが出るということならば、これは許すわけにはまいらぬ、私はこう思うのでございますが、建設大臣、どのようにお考えになられるかお伺いをしたいと思います。
○越智国務大臣 今、表をいただきまして、いろいろ御説明を承りました。
 お説にもありましたように、商法の問題で定款なりいろいろな問題で投資してもいいということになっておれば、一般的に言ってそのことは許される、かように思うわけでございますけれども、今のように、言い方が悪いかもしれませんが、会社の乗っ取りとか、あるいは地上げでございませんが株の急激な上昇ということになれば好ましいことではない、こう思います。いずれにしても、よく調査をしてみたい、かように思います。そして今後、先ほどもお話がございましたように、金融機関と同じように、やはりまじめな不動産業者なり、あるいはその他の業界もまじめな姿勢でいってもらいたい、投機的なことばかりをやってもらうのではちょっと困る、こういうふうに思いますので、よく調査をしてみたい、かように思います。
○草川委員 大変恐縮でございますが、もう一回大臣に質問をしますけれども、いわゆる地上げ商法というのが株上げ屋というのですか、株価を引き上げる要因の一つの要素に今なっておるのではないだろうかという私の問題提起なんですね。しかもそれが単純な世界経済なり日本の国内経済から来る株高ではなくて、意図的にある企業が集中的に攻撃をされる、その資金としてこの地上げ資金というようなもの、地上げによって得た利益金というのが、ユーロダラーというのですか、何とかダラーという形で株式市場に流通をし、しかも産業経営者の方々に不安感を与え、本来の産業活動ができないような形でその金が使われておるという事実があるとするならば問題だということを私は言っておるわけです。今、大臣は調べてみて考えるというようなお言葉でございましたが、とりあえず不動産業界を管理監督される立場でございますから、少なくとも日本経済の発展のために、お互いにモラル、節度のある行動をしようじゃないかということぐらいの御発言があってしかるべきだと私は思うのですが、その点どうでしょう。
○越智国務大臣 先ほどお答えいたしましたのもそういった方向でのお答えであります。一般的に言って、定款なりそういうものにうたわれておるといたします範囲内ならば、投資のことは私は許されると思うのでありますけれども、それ以外とか、あるいは先ほど言いましたように、地上げに類する株上げをやるようなことであればこれは指導してまいりたい。でございますから事実関係を調査してみよう、こういうことであります。
○草川委員 ぜひ、事実関係は、今大蔵省の答弁にもありますように、少なくとも私が今問題提起をしたのは公になった資料をたまたままとめたにすぎぬわけです。だから、これは明快な現状であると思うので、厳正な指導をお願いしたいと思うのです。
 建設大臣、もう結構でございます。
 この際国土庁長官にお伺いをしたいと思うのですが、せっかく土地の騰貴が鎮静化してきた、こうおっしゃいますが、実は私どもが調べてみますと、土地の需要は相変わらずあるというのです。地上げ要求というか地上げ屋的な、地上げに対する、地上げという言葉が悪ければまとめですね、そういう働きかけも結構大手ゼネコンからもありますよ、そこで我々としては銀行に金を借りに行けば大蔵省通達でだめだ、だめだから仕方がなくて町の金融に手っ取り早く走ります、町の金融は今大変資力がありますから幾らでも貸してくれますよ、こういうことを言うわけであります。
 今るる説明を申し上げましたように、大手不動産会社もそういうような膨大な株を取得するわけですから、それを担保にすれば幾らでもまたもう一つ転がす形での金融というのは出てくるわけであります。そうすると、結論的には騒いで一体何があるかというと、高い金利を払ってでも土地の需要があるならば、結局また土地は高騰するということになりかねません。ですから、今長官は、大蔵省の通達が非常に厳しくて資金源はパイプを閉じたからこれ以上の土地の高騰はないよという趣旨の御発言がございましたが、我々が足で歩くと、小さな物件かもしれませんけれども相変わらず高い利子で借りてそういうことが行われていると思わざるを得ません。今の不動産業界における株の買い占め例、こういう問題、いわゆる地上げの手法そのままに手当たり次第に買いあさりが行われていると言っても過言ではないのですが、長官、どのようにお考えになられるかお伺いをしたいと思います。
○奥野国務大臣 私は大蔵省に対しまして、従来の金融規制決して緩めないで続けてくださいよとお願いを申し上げておるわけでございまして、加えて、私はそういう銀行等から貸金業者にお金が回っていくことを大変心配しておるわけであります。表では指導に従っているけれども裏ではくぐっている。先ほどどなたかが、草川さんでしたか、建設会社融資する道もあるじゃないかとおっしゃったのと同じようなことでございますが、私たちなりにお金がどう流れているかということを絶えず見ているつもりでございまして、決して緩めてもらってはならないし、一層強めてもらわなければならないぐらいの気持ちでおるわけでございます。
 株の買い占め問題は、アメリカ方式を日本も取り入れるようなことをとったわけでございましたけれども、それとは違った株の買い占めのようでございますから、まさに少し経済的な正常的な手段を外したようなやり方が行われているのかなと疑問に思ったところでございました。これらの問題につきましても、違法な取り扱い、あるいは正当なことを逸したような行き過ぎ、こういうものについては国民的な監視を怠らないようにしたいな、こう思っておるところでございます。
○草川委員 今、長官がおっしゃいましたように、土地対策というのが政府の後手後手に終わらないように、一つの問題提起があれば押さえる、しかしそこからまた抜けて次の新しい事態が生まれるということのないように、ぜひ長期計画を立てて対応をしていただきたいというように思うわけであります。
 そこで、少しこの問題に時間を食ってしまいましたが、肝心の法案の審議のことについて私の方でまだ二、三お伺いをしなければいかぬ点がございますので、ちょっと法案審議の方に戻っていきたいと思います。
 この法案の中で、特色ある機能を集積させる上で中核となる民間事業者の能力の活用、いわゆる民活法を中心に多極分散を図って振興拠点地域基本構想を作成しようというくだりがあるわけでございます。そこで、それは具体的な政令について今後政府部内において幅広く検討を行っていくということになると思うのでございますが、厚生省に来ていただいておりますので、健康政策局の立場から、従来のいわゆる民活法十幾つあり、今度の国会でも追加が出ておりますが、その中で高度な医療施設等が想定されるのではないだろうかという意見がございます。とするならば、この民活法と関連をして、高度な医療施設等というのは一体どういうイメージを頭の中に描いたらいいのか、お伺いしたいと思います。
○仲村政府委員 具体的な内容につきましては政令事項でございますのでこれから協議をしてまいるわけでございますが、私ども今おっしゃいましたような高度な医療施設ということで考えますれば、ただ単に医療機関があるということではやはり中核的施設とは言いにくいのではないか。したがって、例えば、これは例えばでございますけれども、先端的な医療技術の研究開発とそれと組み合わせました治療施設というものがあるような複合施設と申しますか、研究開発機能と医療機能をあわせ持つような施設、このようなことで考えられるというふうに思っておるところでございます。
○草川委員 国のかかわり合いと、それから今後の、例えば長寿社会になるわけでございますので、今度の法案は国主導型ではなくて地域の吸い上げということが中心になり、その中にも今御答弁があったような医療施設ということが出てくるわけでございますが、それが全国的にどのように広がっていくのか、そういう将来計画というのはある程度厚生省の方も早目に出していただかないと、従来の医療圏の問題もあって、これはダブってくるのではないかと思うのですが、その点はどうお考えになられるのか、お伺いします。
○仲村政府委員 私ども高齢化社会を迎えるに当たりまして良質の医療を効率的に提供するという立場にあるわけでございまして、今おっしゃいましたように地域医療計画ということで医療の均てんを図るということと同時に、日本の医学水準を維持し、さらに向上させるということで、いろいろ地域的な振興等を考えていかなくてはいけないわけでございます。今国立病院として私ども持っておりますのは、御承知のようにがんセンターでございますとか循環器病センターでございますが、その他の機能につきましても今後そういう形で、これを国立で持つかどうかということは別の観点があるわけでございますけれども、良質な医療を提供するという立場、それからさらに地域の振興、あるいは先ほど申し上げましたような住民の医療の均てんに資するような形での高度先進医療施設というものを私ども位置づけていかなくてはいけないということで、現在考えておるところでございます。
○草川委員 それでは、厚生省にお伺いする点はそれだけでございますから結構でございます。
 大蔵省というよりは国税になると思うのでございますけれども、先ほど菅さんの方からも相続税の問題が出ておったわけでございますが、いわゆる相続税についての路線価、そして固定資産税との関係、また国土庁の公示価格、これはかつては臨調の方からも一本化という話があったのではないかと思うのでございますが、たまたま相続税の評価額というのは各地域によってまちまちになっているのではないだろうか、それは国税の方としてはどういうふうに判断をしておみえになるのか、これをお伺いしたいわけであります。
 例えば私ども青森県の八戸の例が手元にあるのでございますが、これを見ますと、昭和五十八年一月に坪十六万五千円で購入の土地を六十二年八月に十八万円で売却したという例があるわけでございますが、この土地の相続税の評価額というのは、時価に対する掛け算が六四%ということになっています。先ほどの御答弁の中でも、個別案件によっていろいろな事例の違いがあるというようなことを言っておみえになりますが、例えば東京の亀有の相続税の評価額は、割合だけ申し上げますと一三・五%、湯島の場合は二八・七%、渋谷の場合は三五・二%、調布の場合は一一・六%、あるいは二〇%、二六%というのがあるわけであります。これがごく最近の地価の高騰によりまして東京の場合も非常に掛け算が上がってまいりまして、六十二年から六十三年にかけては上野の場合は四〇%というように高い率に急激に上がってくるわけです。私は必ずしも東京と青森を同じにしろという意味で言っておるのではないから誤解のないようにしていただきたいのでございますが、東京都区内でも個別の物件によって時価に対する相続の評価にばらつきが見受けられるのが少し目につくのではないだろうかと思うのですが、そういう点について国税の評価に対する御判断はどのようなものか、お伺いしたいと思います。
○伊藤(博)政府委員 相続税におきます土地の評価につきましては、先ほども御答弁申し上げましたが、相続時点における時価をもとにいたしております。ただ、金融資産等と違いまして不動産につきましては、その流動性を欠いておるということ、それからまた評価についてかなり値に幅があるという特性を持っております。したがいまして、私どもといたしましては、相続という、取得した財産をもってその一部を納税していただくというような特殊な性格のものでございますので、値幅のある時価の中でも多少かた目に評価するという原則をとっております。
 具体的にどの程度をめどにしておるかという点でございますけれども、公示価格ベースのおおむね七割を目途に評価してまいりたいということでやっております。ただ、実際のところ地価の動向等の急激さもございまして、現実を申し上げますと、全国の最高路線価の単純平均で見てまいりますと、その水準は六割程度になっておるのではないかなというふうに推測しております。その場合にも、お説のように、地価の急騰地区におきまして私どもの評価の仕方がややおくれておるような感じが率直に申し上げていたしております。それだけに全国どの地区におきましても、公示価格を一つの目安にしたときに、その公示価格のベースの七割というのは、一つの目安としてそれに向かって今後とも適正化の努力を図ってまいりたいと考えております。
○草川委員 本委員会でも繰り返し他の議員の先生方からも問題提起があるわけでありますが、土地の急騰した場所における七〇%というのは、今私が申し上げましたように東京の場合は現実的に時価が非常に上がっておりますので、せいぜい上がっても今四〇%ぐらいの評価なんですよね。それが一挙に七〇%まで引き上げられるということになると深刻な事態が出てくるのではないかと思うのですが、それは行政指導として段階的な指導等があってしかるべきではないかと思うのですが、その点はどうでしょう。
○伊藤(博)政府委員 お答え申し上げます。
 相続税の評価は、あるべき姿を申し上げますならば、あらゆる資産を通じて共通の尺度ではかっていくということが税負担の公平から求められておるわけでございます。それからまた、私どもの土地についての評価が、お説のようにあるべき姿といいましょうか、目途としているところに比べますと少し低いということから、いろいろな節税対策等々の議論もございます。それだけに適正化の努力をなるべく早い時期にやってまいりたいというふうに考えておりますが、さはさりながら、おのずからテンポもございます。したがいまして、課税の目的は何かということを十分に念頭に置きながら、しかし同時にステップ・バイ・ステップでやってまいりたいと考えております。
○草川委員 もう時間が本当にあと二、三分しかございませんので、本来予定した中部国際空港あるいはテレポート問題、東京ドーム問題等があったわけでございますが、時間が来ましたので終わります。
 ただ最後に、実は農水省に苦言があるわけです。実は三重県で鈴木養鶏という全国でも有名な四十万羽の養鶏場がつい最近倒産をいたしました。倒産をしました内容をつぶさに調べてまいりますと、いろいろな問題があるのですが、その鈴木養鶏なり関係者の持っておるところの土地がわずか二、三カ月の間に地上げによって三倍にも高くなっている、こういう例がわかってまいりました。それを調べていくと、いわゆる飼料業者が養鶏場に対してえさを供給する。ところが、供給するといっても四十万羽の鶏でありますから大変な量になるわけです。それをとめるとかとめないとかということが武器になって土地転がしに利用されて、B勘定屋と言われるような架空の取引にも巻き込まれていくという事例がわかってまいりまして、そういう事例を私なりにつかみましたが、それが真実かどうかということについては当然役所を通じて調べる以外にはございませんので、先週のたしか木曜日だと思いますけれども、農水省に質問通告をいたしました。そして農水省は当然のことながら、手足がないので暫時待ってもらいたい、我々のしかるべき農政局あるいは県に依頼をして資料集めをするということを言っていただいたわけであります。いよいよ金曜日でございますので、きょう、月曜日の質問予定もしなければいけないということを申し上げましたら、実はなかなが手足がないので資料が集まりません、しかも民事上の問題も絡んでいて非常に複雑な事案でございますし、鈴木養鶏というのは倒産をしたから本人がいないという連絡がございました。そこで私は、それはしようがない、本人がいなければしようがないので質問をやめましょうということでございましたが、たまたま私は土曜日、地元へ行きまして四日市まで行ってまいりましたら、鈴木養鶏というのは四十万羽の鶏を飼っているわけでございますから本人はいるわけです。奥さんも事務所にいるわけです。それで、私は一生懸命今仕事をやっておりますし、たまたま倒産をしたということではなくて、それは和議の申請をし、裁判所の方からも和議の開始をするように今弁護士先生も決まったところでございます、きのう来から私は一生懸命ここで仕事をやっておりますが、どこからも電話はかかってきません、こういうお話がございました。
 私は、国会議員の国政調査権というのはそんな簡単なものではないと思うのです。真実を言っていただいて、そして私どもの質問の内容が間違っておるならば遠慮なしに役所は、あなたの質問の内容は間違っておるから、それはしかじかかくかくですと言っていただければ、それだけの話であります。しかし、そういうように明らかに事実と違うことを国会議員に事前に説明をし、そういうことならば仕方がないという、そういうことになっていっては、本来の土地政策についてもその他の国政審議もできないのではないかと私は思います。
 そういう点で、きょうはちょうどこれで時間が来ましたので、その他の質問もありまして運輸省からも来ていただいておりますし、ほかの方もお見えになっておられますが、残念ながらこれで終わりますけれども、ひとつ農水省にその点だけは苦言を呈して私の質問を終わりたい、こう思います。以上です。
○小此木委員長 次に、岡田正勝君。
○岡田(正)委員 奥野長官、日程外でございますが、冒頭にちょっとお尋ねしておきたいと思うのです。
 今回のこの法律案というのは、昭和三十三年から三十八年ごろにかけて活発に遷都論というのが随分やられたものです。それから一時鎮静化しておりまして、今度のこの地価高騰によってまた俄然遷都論という問題がちまたをにぎわしております。国会の中でも有志の先生方が相当数お集まりになって真剣に論じておられるのでありますが、この遷都論と今回の法律案とのかかわり合いというものは、あえてくっつけて言うならばどんな関係があるでしょう。
○奥野国務大臣 御指摘のように三十年代にいわゆる遷都論がございました。今回は、東京の過密を救うのには抜本的にやはりいわゆる遷都の手段が必要じゃないかということから再燃してきた、こう申し上げていいと思います。また、そういう背景もございますので、行革審におきましても、政府関係機関の移転を考えたらどうか、こういう御提言もあったと思いますし、昨年十月の緊急土地対策要綱の閣議決定の中にも同じ趣旨が盛られておるわけでございます。それを受けまして、政府関係機関の移転のことをこの法案の中に織り込んでいるわけでございます。単に閣議決定で遂行していくのじゃなしに、国会で御論議をいただいて法律という枠組みの中で進めていきたい、こう考えておるわけでございます。
 でございますが、ここですぐ政府機能一括移転の問題を考えているわけじゃございませんで、あくまでも政府関係機関の移転でございます。そういう意味においてはいわゆる遷都論とは違う範疇のものではあるけれども、またある意味においてはいわゆる遷都論に根差した関係の問題でもある、こう申し上げてもいいのじゃないかと思います。
○岡田(正)委員 ここに京都大学の天野教授の御意見があるのですよ。遷都とは一体何か、これはいろいろ論の分かれるところでありますが、五つぐらいに先生は分けて書いておられます。
 一は「改都」。都を改めるということで、「首都機能を移転したり、分散することはなく、東京湾上の新都市や現市街地の積極的な再開発によって量的・質的なニーズの増加を受けとめてゆこうとする。」これがいわゆる改都というふうに論じておられます。
 それから「展都」。これは「首都東京の機能を関東平野に展開することによって東京の過密化の現状を打開しようとする。」ものである。
 三番目に「分都」。分都としまして、「東京の首都機能のうち一部、たとえば研究・学園機能や一部政治機能、工業機能などを東京以外の一地区にまとめて移転する。」
 それから第四番目が「遷都」。これは「東京からある程度以上離れた新都市あるいは既存都市に首都機能を一括して移し、東京への集積度を緩和するとともに、均衡ある国土の発展を実現しようとするもの。」である。
 五番目が「拡都」ですね。これは「リニアモーターカーなどの超高速交通機関で結び首都機能を複数の都市に移動して東京を含む多極首都をつくる。」
 こういうような選別の仕方を天野先生はしていらっしゃるわけです。それで、今の長官の御説明によりますと、この中の幾つかが今度の法案にまことにどんぴしゃりとはまってくるような感じがするのです。
 そこでお尋ねをしたいと思いますのは、私も余り海外出張の経験がありませんけれども、私が自分の目で見たのは、完全にいわゆる遷都といいますか首都機能を移した事例の中で、ブラジルという国、これはリオデジャネイロからブラジリアへ全くの新しい都市をつくりましたですね。私も現地に行ってみました。一九六〇年に首都を移したわけです。もう既に二十八年になるわけでありますが、まさにだだっ広い高原地帯に政府、国会を初めとして最高裁から全部の機関がずっと建っております。整然としておりますね。ところが、ほかに何があるのかなと思って見てみますと、各国の大使館とか公使館、そういうものが無理やり区画を割り当てられてそこに大使館などを建てていらっしゃるというぐらいのことでありまして、本当に見渡せど見渡せど人影が見えないというような状況で、閑散たるものですね。そのときに私がふっと感じたのは、全く人のにおいがせぬなと。ああいう暑い国だからひょっと思ったんでしょうが、ドライフラワーみたいな感じだなというような感じさえして、これは寂しいものだなと思いました。それで、一九六〇年に遷都いたしましたのは、リオからブラジリアまで一千キロメートル移動しているわけですね。だけれども、人のにおいがしない、本当におかしい現象だなと思いました。
 それから、きょう、オーストラリアを見てこられた人のお話を承りました。私は行っておりません。そこでは一九二七年にメルボルンからキャンベラに首都を移した。距離は約四百七十キロ移動しておるわけでありますが、ここがまた実に殺風景なもので、政府機関の建物があるだけ。車で十分も走らせたら羊ばかり飼っておる牧場の中へ突っ込んでしまう。行けども行けども牧場というような状況で、羊の牧場の真ん中に首都が建っておるというような感じである。この人もやはり私と同じように全く人のにおいがしませんという感想を言っていらっしゃいました。
 それから、もうこれはおいでになりませんから言ってもいいと思いますが、ブラジリアの当時大使をしていらっしゃった方の個人的な感想、いかがでございますかと言って聞いたら、いや私は大使でここに今おりますけれども、やめるまでに、大使でなくていいから、公使でいいからリオに住みたいですな、こういう本当に偽らざる感想をお述べになっておりました。
 こういう二つの国の首都が移った、政府の機関がそっくり移った。であるのに人けがない、人のにおいがしない。これは一体何でしょうか。私にもわからぬのでありますが、長官どう思われますか。
○奥野国務大臣 自民党の中に首都機能移転に関する調査会が設けられておるわけでございまして、そこでは宮城を移す移さないは論議の外にしよう、だから遷都という言葉は使わないようにしようではないかと言っておられますので、首都機能移転とか首都移転とかいうような言葉を使うようにしようではないかという話になっておるわけでございます。三年の間に結論を出そうということでございますから、今御指摘になりましたように、一体移転するとすればどこに移転するかというようなことも論議の的になっていくのではないかと思います。政府としてはこの論議が煮詰まる前に結論的なことは言うのは避けたい、こう言っているわけでございます。
 ただ、岡田さんがおっしゃるような主張をとっておられる方は、例えば名古屋の近くの丘陵、やはり都市機能の集積のある近いところへ持っていかなければ、今おっしゃったドライフラワーのようなところになってしまうよという趣旨を込めて言っておられるのだろうと思います。やはり首都移転ということになりますといろいろな角度から物を考えていかなければならないと思います。もちろんかなり広大な空き地がありませんと移転などできるものではございません。その空き地をどこに求めるかということでございますし、やはり国有地の広いところがあるところでなければだめではないかという議論があったりするわけでございます。
 いずれにいたしましても、政府の立場としては今首都移転の結論的な話は避けておきたいという姿勢をとっていることを御理解いただきたいと思います。
○岡田(正)委員 それでは次の問題に移らせていただきます。
 現在問題になっておりますのは、一省庁一機関移転の問題が、現実の問題として七月には方針を決定して来年度には予算要求をしたいというぐらいの意気込みで今頑張っていらっしゃる。まことに敬意を表するのでありますが、その中で政府機関だけではいかぬ、研究機関、教育機関、そういうものの移転をやらなければいかぬ。それで教育機関の移転も非常に有効ではないかということで御論議になっておるようでございますが、大学移転というのが本当に多極分散に役立つのかなという現象を、実は一つ私は見てきておるのであります。長官といたしましては、いわゆる大学移転ということが全く多極分散ということには実効のある手段であると自信をお持ちでしょうか。
○奥野国務大臣 御承知のようにいわゆる工業等立地制限法がございまして、東京の既成市街地には大学を設けるときには許可を受けなければならない、こういう仕組みをとっておりますので、東京都の既成市街地への立地はなくなってきておるわけでございます。
 そんなこともございまして、たしか昭和三十六年における全国の学生のうちの四四%が東京二十三区内にいたわけでございます。それが六十一年でございましたでしょうか、現在では二一%を割っているのではないか、こう思います。かなりな成果を上げているわけでございます。やはり大学もいろいろな文化的な、知能的な要素の供給者でもございますので、一切なくていいというわけのものでもなかろうと思います。現在、東京外国語大学が出ることになっているわけでございますが、なお熱心な方々は東京大学を出すべきだとおっしゃるわけでございます。私もその勇気がございませんで、東京大学の附置研究機関が六本木や中野にあるものでございますので、これはもっとよい環境のところへ移したらどうでしょうかということを文部省にお話ししているわけでございまして、文部省もまた東京大学と話し合っていただいているところでございます。
○岡田(正)委員 これは私が広島県で実際に見聞きしておることでございますが、文部省おいでになっていますか。――文部省の方にお尋ねをいたしますが、広島大学の大移転ですね、これはまさに。大学を直線距離にして三十キロ、道路の距離にいたしますとまさに四十キロメートル移動したわけです。この大学移転が間もなく完了するというような状況になりまして、東広島市というところが本当に一大学園都市になりつつあります。
 ここで不思議な現象があるのです。その東広島というところは人口がわずか四、五万人しかおらなかった町でありますが、広島大学が移ってくることによってもう間もなく十万都市になろうとしております。新幹線もことしの三月十三日からとまるようになりました。そこまでなったのでありますが、どういうことが町の中で起こったかといいますと、あれだけの大きな大学が移転をしてくるのでありますから、これはその学生用のアパートを建てたらもうかる、民宿を建てたらもうかるというので随分民間で先行投資をなさったのです。ところが、実はさっぱりで、閑古鳥が鳴いておるのです。それは勝手につくったんだからええじゃないか、泣きたい者は泣けということでほっておけばいいようなものでしょうけれども、実際には当てが外れてしまったんですよ。この原因は何だと文部省は思いますか。
○阿部政府委員 突然のお尋ねで私も詳しいことはお答えいたしかねるわけでございますけれども、同じようなケースとして、東京教育大学が筑波に移転をいたしまして筑波大学ということになっております。これも相当長距離移転をしたケースでございますが、やはり教官あるいは学生等の意識と申しますか、それがどうしても都市集積のあるところへ向いてしまうというようなこともございまして、必ずしもその現地になかなか定着しない。定着するまでには恐らく相当の時間がかかることではなかろうかと思っておりますが、それに類するようなことが広島の場合もあるのではなかろうか。これは私、想像でお答えいたしたわけでございます。
○岡田(正)委員 今のは模範解答でありますが、もっと砕いて言いますと、長官、これはたくさんの原因があるのですけれども、一番大きな原因というのは何かといいますと、やはりアルバイトをするところがないというのですね。ほとんどの学生というのは親の仕送りだけでさっと勉強できる人ばかりじゃないですね。何かアルバイトをしてその穴をふさぎませんと食べていかれない、学校に行かれない、こういう人がほとんどでございますので、アルバイトが必要なんです。ところが、大広島市から四十キロメートルも離れた全くの田園地帯へ移ってしまいますと、アルバイトしようにもないのですよ。それで、たちまちおまんまを食べるのに困ってしまう、これが一つ。学資に困る。
 それから、いま一つは、これは理由にはならぬかもしれませんが、大体遊ぶところがない、そういうことがやはり大きな原因なんですね。だから学生の移動が起こらないのですよ。それで、せっかく建てた新品のアパートや民宿というのがほとんど閑古鳥が鳴いているというような状態であります。
 これに似たようなことが、これは大臣ごらんになったかと思いますけれども、週刊新潮ですが、今下へおりておりましたらちょうどその週刊誌がありましたので、大臣に見ていただこうと思うのですが、八王子でもやはり起きているのですね。これもやはり東京から四十キロですよ。広島大学と同じですよ。そこへ現在二十もの大学で八万人の学生が集まっていらっしゃるのです。多いですね。西ドイツ全部で大学が二十五といいます。我が日本では八王子だけで二十です。それで八万人の大学生が集まっていらっしゃるのでございますが、さてその大学生が地域に根づかないで困っておる。やはり同じような理由だろうと思います。これは文部省にちょっと聞いてみようと思うのですよ。あれだけ二十も大学が集まって、何で学生が根づかないのだろうか、その地域に。そのことをちょっともう一遍言うてください。
○阿部政府委員 八王子の場合も恐らく同じようなケースであろうかと思いますが、学生の側から申しますと、例えば都区内に住みましてそこから八王子へ通うということで、電車の向きが逆になりますから、通うのにはさして不便ではないし、そして住むのは都心部の方に住んだ方がいろいろな面で便利があるということであろうかと思います。
○岡田(正)委員 今のは全くどんぴしゃりのお答えですが、そのとおりなんですよ。だから、通学するのにそんな四十キロも電車に乗っていくのじゃかなわぬだろう、ところが、かなわぬのじゃない、がらがらすきの電車に乗って行くのですから。通勤の列車とは逆ですから、通学するのにはまことに便利、そして、都心に住んでいる方がよっぽど便利、こういうことになりますから学生が動きません。
 そこで、いよいよ八王子では民間の方々までが一生懸命になりまして、知恵を絞って、今そこへお見せいたしておりますが、カレッジタウン八王子などというような、日本語で言ったら高級御下宿というものを、これはすごいものですね。これはもう国会議事堂が見劣りするぐらいの、六百二十五も部屋があるようなまことに斬新奇抜な建物を建てまして、レストランはあるわ、レンタルショップはあるわ、プールもあるわ、バス、トイレつき、そしてミニキッチンもついておる。それで、もうドアなんか全部カードキーというような調子で、これはもう実に最先端をいくような部屋をつくっているのですね。そうやって、入ってちょうだい、入ってちょうだいと言っておるのですが、現在のところそれでも入居者が七割、こういう状況です。
 こういうのを考えてみますと、大学の移転ということが人口の移動を起こしてくれるのではないかという願い、私もそういう願いを持っておるのでありますが、実際には筑波学園都市の問題、八王子の問題、広島大学の問題、どれ一つをとってみても学生がついていかないのです。こういう問題について、いわゆる大学移転ということが果たして有効な手段となり得るであろうか。まことに失礼な質問でありますが、お答え願いたいと思います。
○奥野国務大臣 この週刊誌を私も読ませていただきましたし、私たちの学生時代とは違ってまた奇抜な下宿稼業が始まっているのだなと驚きを持って読んだ一人でございました。
 八王子に大学が集中いたしましたのは、やはり東京に近いからだ、こう思っておるわけでございます。東京では大学を増築しようと思っても許されない。そうなりますと、今のうちに近いところで立地を確保しておきたい。これが八王子に集中していったのじゃないだろうかな、私はこう思っているところでございます。やはり日本ほど大学が急成長した国もないのじゃないだろうかな、私はこう思うのでござまして、大学需要がもう目先にぶら下がってきている、どんどん応募者がふえてきている、しかも二十三区内に立地が困難だということになれば、早いうちに東京に近いところに土地を確保しておくということでわっと行ったのじゃないだろうかな、こう思っておるわけでございます。幸いにして学生が通学するのには、今御指摘ございましたように逆方向なものでございますから、案外東京からも通えるものだから、八王子におけるせっかくの施設がすぐには埋まらないということになっているのだな、こう思っておるところでございます。
○岡田(正)委員 そこで、文部省に再度お尋ねをしたいと思います。
 さて、こういうふうに新しい法律に基づきまして政府の機関あるいは学校等を移動することが有効な手段であるとして真剣に論じられておるのでありますが、大学を移転をしてもなかなか根づかないということに対してのいわゆる対策、その地域に根づく対策はどういうものを打ったらいいと文部省はお考えになるでしょうか。
○阿部政府委員 大変難しい御質問でございますけれども、やはり大学がある新しい土地に根づいて育っていくためには、そこにある程度の文化的な集積あるいは都市的な集積というものができ上がって、そういう土壌ができ上がって初めて大学はすくすくと育つという性格のものであろうと思っております。もちろん、新たなところに立地をする場合に、最初からそれができているというふうにはなかなかまいりませんので、そうなりますと、これはある程度の時間をかけていくしかないたぐいのことであううと思います。
 現在筑波の研究学園都市も逐次安定して、学生の寮等も相当できてまいりまして、学生もあそこにかなり住むようになってきておりますが、これから新しい土地に大学が立地する場合にも、それぞれかなりの時間がかかることを覚悟しながらやっていかなければならないことだ、こういうふうに思っております。
○岡田(正)委員 それでは次の問題に移らせていただきます。
 長官、これも新聞で読んだだけですから、実際にその会議に臨んだわけではありませんから間違っておったら修正してもらいたいと思いますが、この今回の法律をいろいろ論議していく中で、政府機関の移転、一省庁一機関、七月にはどうしてもまとめる、協力しないところはもう総理が強権発動してでも決めるんだ、それで六十四年度には予算要求するんだというような意気込みでやっていらっしゃるのでありますが、ちょっとそれに水をかけるような意見があるようですね。政府機関の移転に際して、政府は金を出しませんよ、出す金はないよと言って大蔵省がえらい牽制をしておるというのか冷淡というのですか、そういうことを言っておるようでありますが、本当でしょうか。
○奥野国務大臣 財政当局が幾らでも金を出しますよと言ったら、大変な財政破綻を来すのじゃないかな、こう思いますので、そんなことを言うはずはないと思います。しかし、政府関係機関の移転のためにある程度の財源が必要になる場合もあるだろうという考え方は持っていらっしゃると思います。しかしながら、私としてはできる限り新たな財源を必要としないやり方でいけるなら一番好ましいな、やり方によってはお金は余るじゃないか、こういうことを言ったりしているわけでございまして、財政当局のことも頭に置きながら政府関係機関の移転の問題の具体化を図っているつもりでございます。
○岡田(正)委員 そうしますと、例えばごく簡単な話でありますが、移転をするその跡地が高く売れれば、移転先の土地も買える、建物も建てられるということになって、差し引き勘定してみたら、場合によったらお金も余るかもしれぬといううまい方程式ができるのです。ところが現実には、ここにあるものをこっちへ動かそうと思いますと、先に先行取得で土地を買って建物を建てて、住宅をつくって、そしてそれに対する交通機関も全部、それからそのほか環境整備、それもやって、さあ移れ、こういうことになって、それから今度は売り出すということになりますね。ということになりますと、先行投資に莫大な金を要するのではないかというふうに思うのでありますが、大蔵省はオーケー、それは後で清算できると見込みが立っていることなら、いつでも先行投資に金は大量に出しましょうというように宮澤さんはどんと胸をたたいていますか。
○奥野国務大臣 跡地を売却する場合にも地価問題は考えていかなければなりませんので、やはり後先の問題はあるだろうと思います。細かい話を宮澤さんとの間でしたわけじゃありませんけれども、宮澤さんとの間では、特特会計を使って、場合によっては特特会計で金を借りておったっていいじゃありませんかという話はしているわけでございます。いずれにしましても、もっと詰まっていった段階で具体的な話をしなければならないと思います。
○岡田(正)委員 そういたしますと、資金づくりはできた。さてそこで、売りに出しますね。売りに出しましたときに、その跡地が幸いにうまく売れた。売れました場合、その跡地の利用ということについては何にも注文はつけないお考えですか。
○奥野国務大臣 午前中に、発展途上国の外交機関に何かお世話すべきじゃないかというお話がある、外務大臣からも協力を求められている、したがって、跡地の利用の場合にはそういうことも頭の中に置いていますとお答えをいたしました。やはり跡地をどう生かしていくかということは大切な問題でございますので、具体的に決まりました暁には多角的に検討しなければならないと考えております。
○岡田(正)委員 そこで長官、私が非常に気になりますのは、長官の御努力をもちまして大変抵抗する各省庁、各機関に対して協力を要請をされ、ある程度のものはまとまりつつある、全部で二百ぐらいのものにしたいと思うがさしずめ百は何とかなるんじゃないか、こういうようなところまで今詰めてきていらっしゃるようでございますが、もうはや四月の半ばを越えました。七月にその計画をまとめ六十四年度予算要求をなさるということになってまいりますと、当然その跡地利用なんかについてある程度の基本方針が固まってないと何かちょっとおかしいなというような気がするのです。それで、跡地の利用の仕方によっては、首都機能の分散あるいは人口の抑制ということとは全然逆の効果を起こしてしまうようなこともあり得るんではないかという心配をするのでありますが、それはもう要らぬ心配でありますか。
○奥野国務大臣 移転の機関が百だ、二百だというお話がございましたけれども、私は余りそういう数のことは考えておりませんで、四つのカテゴリーに属するものはこの際移転してもらおうという方針をいただいておるわけでございますので、その方針どおり決着を見たいな、こう考えているところでございます。
 そのためには、やはり四つのカテゴリーをさらに細かくした方針が必要でございますし、その方針に基づいたら各省のどういう機関が移転対象になるかということも決まってくるわけでございます。その辺の詰めを今事務当局で具体的にやっている最中でございます。内閣としては、竹下内閣の政策なんだから政策らしい具体化の決着をつけなければならないということは強く皆さんおっしゃっていただいているわけでございますので、必ずできるものと私は考えておるわけであります。
○岡田(正)委員 これは今お答えができないのかもしれませんが、七月にまとめられる案としては大体百ぐらいですか。二百ぐらいはちょっと無理な話だと思いますが、百ぐらいは固められそうでありますか。
○奥野国務大臣 私はそのリストを知らないわけじゃありませんけれども、正直言って余り数のことは意識にないものでございますから、自分で数えたことはないのであります。しかし、この機関は移転を求めるべきである、求めるべきでないということについては、それぞれについて私なりの強い考え方は持っているつもりでございます。
○岡田(正)委員 それでは、東京への一極集中ということが問題となりまして、四全総策定の段階でも東京への集中が問題となったことは御承知のとおりであります。ところが、現在東京湾岸などの開発、再開発という計画がメジロ押しになっていますね。これは、まゆつばものも入れますと約五十ぐらいに上っているのではないでしょうか。これらは東京の一極集中の是正ということと矛盾するのではないかなと思うのでありますが、いかがでございますか。
○奥野国務大臣 国際社会はどんどん進展してまいっておりますし、情報化社会とも言われておりますし、またそうだとすればそういう基盤整備もどんどんやっていかなければなりませんので、高度化した今日の経済社会において必要な環境を確保するということになってまいりますと、どうしても再開発でありますとか新しい土地造成でありますとかいうことが必要でございますので、東京湾臨海部にそういう地域を確保するということは、私は、国として大事なことではないだろうかなと思います。
 一つの例を挙げますと、テレポートの建設がございます。宇宙衛星と連絡をとりながら通信情報の基盤を整備するということは、企業活動の上においても極めて重要なことでございます。そうなりますと、東京湾臨海部に第七番目の副都心をつくろうという東京都の考え方は正しいわけでございますし、またそういう意味において、政府、各省もこれに協力して先般計画をつくったところでございました。個々の企業はいろいろな計画をお持ちかもしれませんけれども、この副都心の実態につきましては、政府、関係各省、東京都と一緒になってつくり上げたものでございますし、これからもまた相談事が起こってくるのではないだろうか、こう思っております。
○岡田(正)委員 東京一極集中という状況の中で大規模震災が生じた際――今一極集中というと言葉は悪いのですが、七つの副都心を設けて極を分散しよう、これは東京都内でのことでありますが、いずれにしても東京へ集中することになります。そういうときに大震災が起きたような場合、行政機能、経済機能が麻痺しはしないかという心配があるのであります。これは、数年前の世田谷の電話ケーブル火災、たったあれだけのことでも大混乱を見ましたね。こういうことから見まして、本当に大震災が来たときにはその被害は相当なものになるのではないかと心配をするのでありますが、これに対する備え、オンラインが途絶をしたというような場合、法的な措置の面も含めまして検討を進めていくべきではないかというふうに考えておりますが、いかがでございますか。
○奥野国務大臣 私がヘリコプターで東京を上から見ましたときに一番心配した問題は、やはり大地震が起こると大混乱が起こるのではないかな。今の東京の木造家屋の密集地帯を見ますと、車も入らない、まとまって避難する緑地もない、これは大問題だと思いました。そんなことで、今度の法案の中にも安全ということをかなり強い気持ちで書き出しておるわけでございます。安全対策は都市建設の基本に置かなければならないことじゃないかな、こう思っているわけでございます。
 同時に、今世田谷の過去に起きた事例からどう考えているのかというお話がございました。NTTの方でもそのことを心配いたしまして、通信交換施設をさらに別途につくっておくとかあるいは通信線についてバイパスを設けておくとかというようなことをいろいろ努力しておられるようでございまして、ある線がだめになれば他の線を使うあるいは左から回っていったものが回線を使って回れなくなれば今度は右から回っていくとか、いろいろな工夫をしておられるようでございまして、一つがだめになれば他を使うのだという仕組みで、そういうふうに対応できるようにふだんからしておこうということで努力を続けておられるところでございます。
○岡田(正)委員 これはまた意地の悪い質問かもわかりませんが、この法律案では、機能の分散それから地域の振興などを図り、多極分散型国土の形成を行っていくということを目的としていらっしゃいますが、本法律案での具体的な施策ということになりますと、何でございますか。
○長沢政府委員 この法律案は具体的な措置規定と努力義務規定と両方含んでおりまして、具体的な措置規定といたしましては政府機関等の移転措置、それから地方における振興拠点地域の整備の制度、それから大都市地域における業務核都市の整備の制度、この三つが具体的措置規定になっております。その他はかなり広範な分野におきまして努力義務規定を規定しておりまして、それぞれ国、地方公共団体の施策の方向づけを行っているわけでございます。
○岡田(正)委員 建設大臣、時間はよろしいですか。いいんですか。――はい、わかりました。
 それでは次に、まず行政機関の移転策におきまして、現在一省庁一機関の移転を行うものとされていらっしゃいますが、これと本法律案でいうところの行政機関の移転策との関係はどうなるのでございましょうか。いわゆる一省庁一機関の移転の後ろ盾となり得るのでありましょうか。
○北村政府委員 ただいま検討しております国の行政機関の中には、移転先から見ますと二種類あると思います。一つは、関東ブロックを所管いたします諸機関でございます。もう一つは、全国を対象とし、あるいは特定の分野を対象といたしまして、全国からの研究成果等を集めている研究機関あるいは研修機関等でございます。この関東ブロックを所管する機関につきましては、私どもでこの法案でもその整備を考えております業務核都市、こういうものに一応移転先として予定しておるという考えで進んでおるわけでございます。その他の機関についてはそれぞれの機関にふさわしい移転先というものを機関と相談しながら、あるいは地元地方公共団体の御要望等も踏まえ、これから検討してまいりたいと存じます。
○岡田(正)委員 一省庁一機関の移転策を見ますと、さきの本会議でもお伺いをしたのでありますが、一体いつ、どのような形で移転が決定されるのかということについてお答えください。先ほど私もちょっと触れましたけれども、これはこっちの想像で言ったことですから、七月の問題、六十四年度の問題等につきまして。
○奥野国務大臣 一月の二十二日に一応方針を閣議決定したわけでございまして、それを基礎にしていろいろ具体策を各省間で詰めているところでございます。そして七月には正式に具体的に閣議決定をしたい。その際には機関の名前も出てくるわけでございますし、受け皿をどうするかという問題にもなってくるわけでございましょうし、あるいはまた職員の処遇をどうするかというような問題にもなってくるわけでございまして、そういうような方針を受けまして、六十四年度予算要求の際には必要な予算の要求をしてもらおう。政府関係機関の中にはすぐ移転できるところもあるし、またかなりな期間を要するところもあろうと思うわけでございまして、個々に七月に具体化する際には明確になってくるのじゃないかなと思っております。
○岡田(正)委員 本法律案では、政府行政機関の移転に際して基本方針を定めるということになっています。この基本方針とは、現在の政府機関の移転に関する四つのカテゴリーがあるのでありますが、それと全く同じもののことをおっしゃっておるのでしょうか。あるいは本省や本庁の移転基準等も定めることとしていらっしゃるのでありましようか。
○奥野国務大臣 どういう範囲のものを移転するかということになりますと、今の四つのカテゴリーの考え方が中心になると思います。そのほかに、今私が申し上げたようなものが基本方針の中に加わっていくということでございます。
○岡田(正)委員 私がここでこの本法律案を審議しておる中で、ほかの議員さんも全く同じではないかと思うのですが、この法律案が決定されまして、政府行政機関の移転が効率的かつ効果的に行われるように国土庁としては相当覚悟を持ってリーダーシップを発揮しないとこれはなかなか動かぬのじゃないかという心配があるのでありますが、いかがでございますか。
○奥野国務大臣 先ほど申し上げましたように、竹下内閣の全閣僚がこの政策を強く支持してくださっております。したがいまして、必ず実現できるものだと考えておるわけであります。
○岡田(正)委員 時間が詰まってきましたので、建設大臣にお尋ねをしたいと思うのでありますが、この多極分散を図るにおきましては、やはり何といっても、今はもう東京の都心では地価高騰で手も足も出ない。したがって、どうしても通勤圏一時間ないし一時間半というようなところへ住宅を求めなければしようがない。結局通勤地獄というものを体験することになるわけでありますが、そうなると働く人も疲れが残るというようなことがありまして、この住宅の供給の問題について、交通機関の関係もあわせて、住宅の供給といろいろと法律面でもあるいは具体策の面でも、いろいろなことが考えられると思うのでありますが、建設省ではこういうことについて何かお考えがございますか。
○越智国務大臣 先ほど来国土庁長官がいろいろお答えをいたしておりますが、これは政府一体になって物事を進めていかなければならない。事務所の問題にいたしましても床面積を広くしなくてはいけない。住宅にいたしましてもよりよい住宅を供給しなければならない。そのためには地価を引き下げなければならない。その地価を引き下げるのはやはり需要と供給のバランスでありますから、できるだけ土地の再開発もいたしますし、また近郊の新しいところの開発もいたしましょうし、そういうことによって進めてまいりたいと思います。
 また、これに伴います交通機関、交通機関にもいろいろございますが、建設省としては道路網の整備、そして通勤時間が短くなるようにいたしたい、かように思います。
 それから、国公有地のお話も出ましたけれども、これをぜひとも地方公共団体、それから私の方では住都公団に適当な価格で譲り受けて、ひとつ住宅を含めた、もちろん事務所にも必要でございましょうけれども、住宅の建設を進めていきたい、こういうふうに考えております。
○岡田(正)委員 今、長官、建設大臣にお尋ねいたしまして、非常に詳しく御説明があったのでありますが、やはり問題は道路網の整備、これは運輸になるでしょうけれども、鉄道の整備だとか、あるいはコミューターですね、いわゆる都市間航空、こういうような問題等もいろいろ真剣に対策を講じていただかなければなりませんが、何といってもやはり一番問題は、帰するところ地価をいかにして下げていくのかということの問題で、今建設大臣から具体的な抱負が御披瀝になりましたけれども、国土庁としましては地価を、今高値安定をしていると言われておるわけでありますが、この高値安定を下げていくためには具体的にどうやったらいいのであろうかということについてお伺いをさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。
○奥野国務大臣 高値安定にしないために監視区域の設定をしておりますので、売買については一々届け出があるわけでございます。届け出に対しまして勧告する、勧告しないを決める指導価格がございます。その指導価格も地価がだんだん下がっていくという意味合いで、時点修正と呼んでおるのでございますけれども、過去の価格を今の時点において修正して低い価格で指導するというような運用の仕方をするわけでございまして、そういうことを通じまして漸次引き下げていきたい。しかし、根本はやはり需給の関係でございましょうから、東京における需要を分散させる、東京における供給をふやしていくということを積極的に進めていかなければならない。そのための諸法律案も国会に提案されていることは御承知いただいているとおりでございます。
 なお、運用の点におきましても、都市計画の用途地域の変更その他のことについても御努力いただいているところでございます。
○岡田(正)委員 これをもって質問を終わらせていただきますが、運輸省の方、総務庁、郵政省、通産省の皆さんには質問通告をしておきながら質問をさせていただく時間がとうとう切れてしまいました。まことに失礼をいたしました。おわびをして終わらしていただきます。
○小此木委員長 次に、辻第一君。
○辻(第)委員 この法律の目的に、「人口及び行政、経済、文化等に関する機能が過度に集中している地域からこれらの機能の分散を図り、」云々、こうございます。この人口や機能が過度に集中している地域とは具体的にどの地域なのか、お尋ねをいたします。
○北村政府委員 具体的にこの法律で想定しておりますのは、東京、それから大阪を中心とする近畿圏それから名古屋、この三圏でございます。
○辻(第)委員 その東京の中には、東京のいわゆる都心部、都区部、それと東京圏、この両方が入っているのですか。
    〔委員長退席、石川委員長代理着席〕
○北村政府委員 具体的に、この部分で範囲を確定するという趣旨ではございません。それぞれの法案内容の条文によりまして範囲は定まっておるわけでございますが、一番小さく見れば東京二十三区、広く見ましてその周辺既成市街地等を考えておるわけでございます。
○辻(第)委員 次に、これまで全総、新全総、三全総といずれも分散を掲げてきました。しかし、実際は逆にどんどんと集中がふえて、そして過疎過密という状態が起こりました。殊に六〇年代に起こりました。七〇年代は少しそれがおさまった。また、八○年代に入って、強く過疎と過密が広がってきた。殊に東京一極集中が強まってきたということだと思います。殊に、今は非常に東京集中が強まっているというふうに考えるわけでございます。四全総も多極分散を掲げております。しかし、実際に見てまいりますと、分散というよりも、現実に起こっていることは、東京の改造計画に大きな力点が入っているのではないか。国際都市、金融・情報都市東京を目指しておられる。結局、現在の姿というのは東京圏の一極集中が強まっているのではないか、このように考えるわけでございます。
 もう少し具体的にお尋ねをいたしますが、この前も代表質問のときにお尋ねしたわけでございますが、東京湾臨海部開発、もう少し丁寧に言いますと、東京臨海部副都心開発基本計画あるいは東京駅周辺の再開発、また汐留の再開発、横浜みなとみらい、あるいは幕張メッセ計画、このようなプロジェクトが、言うならメジロ押しというのが今日の状態だと思うわけでございます。これらのプロジェクトは一体何カ所ほどあるのか、そこでの企業数、幾らほど誘致することになるのか、そこでの就業人口は合わせて何万人ぐらいになるのか、お尋ねをいたします。
○北村政府委員 それぞれ東京湾周辺の開発計画、構想の段階あるいは単なる御提案の段階から計画の段階までさまざまございます。まとめて幾らというのはちょっと今の段階では難しゅうございます。
 例えば、一例でございますと、この間その協議会でまとまりました東京都の臨海部でございますが、五百五十ヘクタールくらいの土地に、就業人口といたしましては十七ないし十九万人、業務用あるいは商業用の床面積五百ないし六百ヘクタール等を想定しているわけでございます。
○辻(第)委員 今のは私のお尋ねしたことを少しも満たしていただいていないと思いますので、後で一覧表をつくっていただいて資料として御提出いただきたいと思いますが、いかがですか。――時間がありませんので、ひとつよろしくお願いいたします。
 この前も申しました東京湾臨海部開発は、四百四十八ヘクタールの埋立地に建造物は霞が関ビルの二十六棟分、それから二十四時間体制の国際金融センターや高度情報通信基地など巨大なビジネスセンターをつくろうというもので、居住入口が六万人ですね、それから就業人口が十一万人です。千葉の幕張新都心構想では十三ヘクタールの国際見本市会場を初めとして、ハイテク産業でありますとか、外資系企業のインテリジェントビルやホテルなど、ここでの居住人口は二万六千人、就業人口は十万人でございます。横浜のみなとみらいでは大規模国際会議場あるいは展示場、ホテルなど、居住人口が一万人、就業人口は十九万人でございます。この既に動き出しております三つのプロジェクトだけでも予定就業人口は四十万人になるわけでございます。これではやはり東京圏集中を強める計画ではないのか、このように考えるのですが、大臣、いかがでございますか。
○奥野国務大臣 本会議でも辻さんからお話がございましたので、私が三つのことを申し上げて、これを総合的に判断してくだされば誤解が解けるのではありませんかと申し上げた。ところが、誤解ではないというまた御批判もありました。
 あのとき私が申し上げましたのは、東京につきましては、一つは、肥大化を防止していかなければいけないのです、したがって、東京に工場をつくったり学校をつくったりするのには許可制をとってつくらせないようにしているのです、むしろ工業分散などで出ていくことについて誘導政策をとっているのですということを申し上げました。もう一つは、再開発が必要なんです、やはり密集地帯などにつきましては、安全を考えますと、どうしても再開発していかなければならない等のことを申し上げました。もう一つが、どんどん技術的にも発展してきている時代だから、高度な機能を果たせるような地域社会を整備していかなければならないのです、それが東京臨海部の再開発等の仕事だ、こう思っているわけでございます。
 こういう三つを例に挙げたわけでございますけれども、そういうものは東京一極集中とは別な問題ではありませんでしょうか、東京に企業が集まってくるのは、よい事務所があるから東京に来るのではなくて、やはり東京が世界の金融センターになっている、東京に来れば経済的な関係を結べるし、またいろいろな情報を早く入手できて次の手が打てる、いろいろなことで、私は、東京に集中してきていると思うのでございます。そういう意味で、誤解が解けるのじゃないでしょうかということで申し上げたわけでございまして、あとのことは申し上げなかったわけでございますけれども、集中しているのは東京によい場所があるから来るのじゃなくて、やはり東京が世界の金融センターになっていることが基本で、国際化、情報化社会においては先を行かなければならない、その先を行くためには東京で活動しなければならないのだということだ、こう考えているわけでございますので、よろしく御理解を願いたいと思います。
○辻(第)委員 御丁寧にまた御説明をいただいたわけでございますが、誤解でも何でもなしに、どのように申されようとそれは東京集中を強める政策であると私どもは言わざるを得ないものでございます。
 次に、総理大臣の定める基本方針に基づいて東京圏に業務核都市を整備する、業務核都市の問題でございますが、このようになっておるわけでございますが、業務核都市はどこどこなのか、具体的に教えていただきたい。また、東京区部から移すということでありますが、企業数はどれほどお考えになっているのか、また就業人口はどれほどお考えになっているのかお尋ねいたします。
○北村政府委員 ただいま想定されております業務核都市は、八王子・立川、これで一地区でございます。浦和・大宮、これもこれで一まとまりでございます。それから千葉市、それから横浜・川崎、これも二都市で一グループでございます。それから土浦市と筑波研究学園都市、これも一グループでございまして、このほか副業務核都市として幾つか想定されておるわけでございます。
 人口等でございますけれども、これから具体的な計画等に立ち至るということでございますけれども、ただいま地元等で想定されております人口等を若干御披露いたしますと、立川・八王子業務核都市におきましては最終的な従業者数として約十四万人、これはただいま約五万人おりますので九万ないし十万程度の増加を見込んでおるわけでございます。浦和・大宮につきましては、これは現在三十数万人おりますところを六十万人、三十万人余の増加を見込んでおります。千葉の業務核都市、これは現在御承知のとおり臨海埋立地でございますので、就業人口十万人を想定しておりまして、これは全部純増加分でございます。それから横浜のみなとみらい計画ですと就業人口十九万人、これも現状、工場跡地と申しますか造船所跡地等でございますので、これが増加分ということでございます。それから土浦・筑波研究学園都市、これが七万人程度の増加ということでございます。
○辻(第)委員 どうも済みません。時間がありませんので総合してお願いしておったのですが、こういう人口がそこへ出る御計画でございますが、これも果たして都区部から本当にそこへ行かれるのかどうか。私は、もっと外から来られる方がふえるのではないか、こういうふうに思うのですね。結局大体今の場所を見てみますと四十キロ、五十キロ以内というのですか、そういうところが中心ですね。こうなりますと東京の都心部の一極集中を東京圏に広げるというだけで、東京圏の集中は解消されないということになると思うのですね。本当に東京圏の集中を解消するということにするなれば、もう少し遠いところを考えられてはというようなことも思うのですが、逆に東京圏以外、そこからそこのところへ集中をする、そういう格好の受け皿になるのではないか。結局一層東京圏集中が強まるのではないか、こういうことを私どもは懸念をするわけでございます。
    〔石川委員長代理退席、委員長着席〕
 東京圏というのは、私、東京、埼玉、神奈川、千葉で国勢調査ですか、それで調べてみますと、昭和四十年には二千一万人ですね。五十年には二千七百四万人、六十年では三千二十七万人ということで、四十年から五十年に六百万ふえました。それで、次の五十年から六十年には三百二十万ですね。
 それで、今大体東京圏の人口は幾らなのか、七十五年には幾らの目標にされているのかお尋ねをいたします。
○北村政府委員 四全総で想定しております数字は、東京圏、一都三県でございますが、昭和六十年が三千二十七万に対しまして、七十五年におきまして三千三百十万人でございます。
○辻(第)委員 今は、大体一番最近はどうでございますか。
○北村政府委員 最近は、ちょっとお待ちください。
○辻(第)委員 いろいろ想定をされておるのがあるのですが、経済審ですか、四月の五日ぐらいに明らかにされた、それのなにを見てみますと、五十五年から六十年、そのふえ方でふえると仮定をすれば、全国で一千万人の人口がふえる、そのうちの五百万人は東京圏でふえるのではないか、こういう推定もされている。またNIRA、下河辺さんのなにでは、三千七百万人は昭和七十五年になるのではないか、こういうようないろいろな御推定もあるわけであります。いずれにいたしましても、まだ相当ふえるということが想定をされますね。
 今でも大変な状況、殊に地価の高騰の問題、これはまさに住宅と土地を奪うというような内容になっているのではないか。それから先ほどもお話しになりましたように、こういう状況の中で災害が起これば、大地震でも起こればどうなるのか、本当に心配をせざるを得ないような状況なんですね。こういう点から見てまいりますと、東京圏の一極集中を是正をするということは非常に大事なことだと思うのですが、大臣、簡単にひとつ御所見を伺いたいと思います。
○奥野国務大臣 東京が果たしているような国際的な役割を他の圏域においても果たしてもらえるようにしていこうじゃないか、だから関西国際空港、二十四時間オープンしている、今のところこういう国際空港はないわけでございますけれども、そういうものをつくろうじゃないかということになってきておるわけでございますし、また国際会議場をつくるに当たりましても、東京に持ってこないで横浜みなとみらい21に持っていこうということを先般決めたところでございまして、奈良県にもそれなりの整備を図っていきたいというようなことになってまいりますと、受け皿が東京だけじゃなしにあちらこちらにできるわけでございますので、そういった社会増はほかのところへ転ずることができるじゃないか。それなりにいろいろな手法を講ずることによりまして、均衡ある国土にしていきたい。そのためにやはり国土基盤整備ということになりますと、交通、通信、情報の体系を整備するということじゃないだろうかな、こう思っておるわけでございまして、そういうふうな考え方で地域格差をなくする国土基盤の整備、これを急がなければならないんじゃないかな、こう思っています。
○辻(第)委員 御答弁いただいたわけでありますが、実際のところこの法律で東京圏の集中を是正をするという対策といいますか、非常に心もとないのですね。大臣も、もっとこうもというお考えもあるのかもわからぬ。今最大公約数ということでここまで法律になっているのかもわかりませんけれども、その点では私どもも大変、これでできるのかな、それどころか一極集中を強めているのじゃないかというのが私どもの考え方でございます。
 さて次に、今政府機関の移転を進められておるわけでありますが、この計画は竹下内閣の目玉商品というような感じを受けるのですね。ところが国民の声は、いま一つぴんとこないというのが国民の声ではないかというふうに思うのです。いろいろ議論もしたいわけですが、時間がありませんので、一体どの程度の移転を考えておられるのか、対象となる機関の全容について、機関名、その所在地、敷地面積、職員数について一覧表にでもして当委員会に資料として提出をしていただきたい、このように考えるわけでありますが、いかがですか。
○奥野国務大臣 現在、具体の機関をどれとどれにするかということの話し合いをしている最中でございます。いずれまとめまして七月に閣議決定するわけでございますから、当然国会にも御報告できると思います。
○辻(第)委員 お忙しい中、農林大臣にお越しをいただきましたので、ちょっと前後するわけでありますが、農林大臣にお尋ねいたします。
 今、過疎の問題というのも非常に深刻でございます。後で述べることにいたしまして、この過疎の問題を打開をしていく、是正をしていく一番中心的な柱というのは、地域の産業をどう振興していくのか、農村、山村、漁村でございますね、そのことを是正する方法はいろいろあると思いますが、一番中心的なところはそこにあると私は考えるわけでございます。残念ながら、農業や林業あるいは漁業がだんだんと衰退するという状況の中で大きく過疎になってきた、こういうふうに思うわけでございます。しかも、今、日本の農業、林業、漁業を見ましても、一層深刻な度合いを深めておるわけです。
 そういう状況の中で、この間もお尋ねをいたしましたが、農産物の輸入自由化、殊に牛肉とオレンジの自由化の問題が大問題になってきているわけです。もし、これが本当に自由化をされるということになると、例えばオレンジで見てまいりますと、余り私は専門家ではないのですけれども、少し勉強させていただいたのですが、約三十万人ですか、かんきつの農家がおられるのですね。この冬のミカンというのは本当に暴落をいたしまして全く大赤字ということだと思うのです。ほかの果実も大体生産過剰、こういうことでございます。そういうところへオレンジが自由化されるということは一層大きな打撃を与える。まあ極端な言い方ですと、致命的な打撃を与えるのではないか、私はそんなふうに思うわけでございます。ですから、どうかひとつ大臣、ぜひこの牛肉、オレンジの輸入自由化を拒否をしていただきたい、重ねて強くお願いをするわけでありますが、御所見を伺いたいと思います。
○佐藤国務大臣 牛肉、かんきつの自由化問題につきましては、ことしの一月、日米両首脳間におきましてテーブルづくりをして話し合おうというのが、なかなかそのテーブルができませんで延びてまいりまして、三月末ぎりぎり、直前になりましてやっとテーブルができて、そして私、この間行ってまいりました。
 両方の考え方に大きな開きがございます。決裂をするのは簡単でございますけれども、しかし、これを友好国として平和的にどう解決するか、そして我が国の農業をどう守り育てていくか、我が国の食糧政策をどう進めるかということについて、国際化の流れは承知しておりながらも、話し合いをとことんいたしましたけれども、とうとう自由化は困難であるという我が方の基本的な主張について合意を得るに至りませんで、まことに申しわけないと思っております。
 しかし何としても話し合いは継続しよう、こういうことで提案をいたしましたところ、第四回目の会談において、話し合いは継続しよう、こういうことで意見の一致を見まして、三局長も先般派遣をいたしましてこのたび帰ってまいりましたけれども、その話し合いの合意に基づく延長線上でいろいろ実務的な話し合いもさせておりまして、一日も早くこれが決着を見ることができるように鋭意努力を重ねておるところでございます。やはり牛肉、かんきつ、それに携わってきた人たちが生きていけるようにしなければいかぬのでございますから、そういう意味におきましても日本の食糧政策、基幹食糧の維持ということについて全力を傾け、今努力をいたしておるところでございます。
○辻(第)委員 大臣、もう結構でございます。どうぞ。
 今少し農業の問題に入ったわけでございますが、本当に集中を是正し分散を進めていく、そして過密過疎を解消していく、この上で決定的に重要なのはやはり産業政策ではないか。いろいろ国土政策として御努力いただいておりますけれども、一番大事なのは産業政策ではないか、このように考えるものでございます。
 昭和五十九年十一月の国土庁の「四全総長期展望作業中間とりまとめ」というのがございますが、この中に「一九六〇年代の大都市集中」というところがあるわけでございます。少し読んでみますと、「集中と分散のこれまでの動向を振り返り、その要因を明らかにすることにしよう。戦後の高度経済成長期には、とりわけ一九六〇年代前半を中心に、大都市圏への人口の大量集中が生じた。軽工業から重化学工業へと産業構造が大きく転換し、鉄鋼、電気機械、化学等の成長産業を軸に高度成長が達成される過程で、工業集積の高い大都市圏と第一次産業比率が依然として大きなウエイトを占めていた地方圏との間の所得格差が拡大し、生産性の低い農村地域から需要の旺盛な大都市地域へ大量の若年労働力が移動したのであった。この結果、人口・諸機能の地域的偏在が強まり、過密・過疎問題が深刻化するに至った。」一九六〇年代はこう言っているのです。一九七〇年代は「地域間の所得格差が縮小し始めるとともに、大都市圏への転入超過も減少の方向に転じ」た。八〇年代は「ここ数年わずかながら三大都市圏への転入超過が生じている点が注目される。」こう言っているわけです。それで、「大都市圏では技術力の蓄積や市場への近接性を背景に、加工組立型を中心とした高付加価値型の生産機能が多く立地している。」ところが「地方圏では素材型を中心に比較的付加価値の低い生産機能がなお高い比率を占めている」、こういう差が「重厚長大から軽薄短小への産業構造転換のもとで、大都市を擁する地域に有利に作用し、最近、所得格差がやや拡大している一因ともなっている」、こういうふうに言っているのですね。
 さらに、これは経済審議会地域・産業部会報告というのが昭和六十三年四月五日、ごく最近出ているのですが、「地域の活性化の必要性」というところがあるのですが、これは「国際的な産業構造の調整は、農業やいわゆる重厚長大産業の相対的縮小と都市型産業の伸張をもたらすので、東京圏(一都三県)への一極集中とその他の地域経済の停滞を強めるおそれがある。すなわち、東京圏では金融等をはじめとする経済活動、情報等の各種機能、人口の集中が続く可能性が高い。」そして、先ほど私ちょっと触れたのですが、「今後の人口の社会増が昭和五十五―六十年の趨勢で続くと仮定すると、全国の昭和六十―七十五年までの人口増加数約一千万人の半分が東京圏での増加となると予想される。」こういうふうに言っているわけでございます。
 こういうふうに、いわゆる産業政策、経済政策、そこから来る産業、経済の構造、それが一番大きな大都市集中、そして過疎過密という状況を引き起こすということでございますので、しかも今は殊に円高でございますね。貿易摩擦の問題、そういう状況の中から海外で生産をする、あるいは工場を海外へ持っていく、こういう問題、あるいは合理化、工場閉鎖の問題、いわゆる産業空洞化というような状況が出てまいりました。いわゆる前川リポートと申しましょうか、国際的な産業構造調整政策ということがやられる。この前も申しましたように、北海道を初め九州、北東北とか沖縄あたりは深刻な状況ですね。農業が大変だ、漁業も大変だ、石炭ももうどうにもならない。そして造船でありますとか機械でありますとか鉄鋼でありますとか、深刻な事態を迎えています。こういうところは特別でありますが、それでなくても釜石でありますとか燕市でありますとか広島の因島市でありますとか、こういういわゆる企業城下町というところは深刻な事態を迎えているということですね。
 こう見てまいりますと、東京は国際都市であり、情報都市であり、金融都市であるということでありますが、もう他の地方では深刻な事態を迎えている、こういうことですね。だから、私は、ここのところにメスを入れない限り根本的な解決の道はないのではないか。今の国際的な産業構造調整政策を改めて、本当に大企業本位から国民本位の地場産業や地域の産業あるいは中小企業を大切にする、そしてつり合いのとれた経済と申しましょうか、食糧や資源エネルギーを民主的に立て直す、こういうことを含めた産業構造の転換、産業政策、経済政策の転換こそが求められているのではないか。この視点で十分御対応いただきたいというふうに思うのですが、いかがでございますか。
○奥野国務大臣 御指摘になりましたように、一次産業から二次産業へ、二次産業から三次産業へ大きな転換を急速に進めておるのが日本の現状だと私は思います。その過程において、敗戦、都市という都市は焼け野原でございました。食うや食わずでございました。それが四十年余りで勝者と敗者とが全く地位逆転する状態になっていることも御承知のとおりでございます。ということは、いかに速い勢いで日本の経済成長がもたらされてきたかということだと思います。私は、日本人というものはなかなか勤勉だし、また弾力性を持って対応していくことのできる国民だなという感じがするわけでございまして、常に外圧を利用して国土の発展につないできた国だな、今も円高あるいは自由化、外圧みたいなものだと思うのでございますけれども、これをてこに国際競争力がどんどん培われてきているのじゃないかな、こう思っておるわけでございまして、私は、そういう意味合いにおいて日本の将来に明るい期待をつないでおるわけでございます。
 御指摘になりましたように、かつては新産・工特法などをつくりまして臨海に大工業地帯をつくったわけでございます。よく大企業、大企業とおっしゃいますけれども、鉄鋼でありますとか石油精製でありますとかいうものについては相当な投資を必要とすることは自由社会であろうと共産社会であろうと同じだと思うのであります。それを大企業とおっしゃっているのだろうと思うのでございますけれども、やはり大規模投資しなければ国際競争がとてもできないような企業もたくさんあることは御承知のとおりでございます。それが今日では、物をつくるよりも知恵を売る時代になったではないかとまで言われているぐらいに情報産業その他が大きな力を持ってきておるわけでございます。農業といえども国際競争ができないわけじゃないよ、畜産だってバイオテクノロジーで人工授精をやっているじゃないか、あるいはいろいろなものをコンピューターなどを利用いたしましてわずかな人間でたくさんの頭数を飼うことができるんだよとか、大変な知恵を今どんどん出しておられるようでございます。
 でございますから、そういう経済社会の変化に応じて、あるときには東京一極集中が加速されたわけでございますけれども、それでよいわけじゃないものでございますから、多極分散型の国土をつくって、みんなが住んでいる地域社会は我がふるさとと考えていただけるような誇りと希望を持てるようなものにしていこうじゃないか。その基本法みたいなものがこの法律でございますので、この法律を受けまして各省に具体的ないろいろな政策の実現をお願いしていかなければならない。この法律ができたら国土庁も動きやすいのではないかな、こう私は思っているわけであります。ぜひそのような御理解をいただきたいものだと思います。
○辻(第)委員 次に移りますが、新聞に、国土庁が有力候補地にリストアップしているのは札幌など四市の北の技術の杜構想、宮城県などの東北インテリジェント・コスモス構想、和歌山市周辺のエアシティ和歌山計画、熊本県荒尾市などを中心とした九州アジア・ランド構想など地域が独自に進めている九プロジェクトと報道しておりますが、ほぼそういうことと考えてよいのかどうか。できるだけ一言くらいで答えていただきたいと思います。
○長沢政府委員 本法案の振興拠点地域整備の制度は、従来の地域開発の手法からいたしますと大変画期的な制度になっておりまして、従前の国主導型の地域指定主義をむしろ排して地域の振興構想を国が協力して支援する、こういう制度になっておりまして、出発点は各都道府県が立てる構想にございます。
 それで、おっしゃいました北の技術の杜等々の構想というのは、その都道府県、自治体が現在持っている構想の例でございます。ですから、この法律が執行になりまして都道府県が実際に熟度の高いものとしてそういう構想を出してくればその候補の一つになり得るもの、そういうふうに考えております。
○辻(第)委員 今大変いろいろとお答えいただいたのですが、まあ結局実際の話はそういうところだと思うんですね。
 それで、時間がありませんのでなんですが、大臣、地方が創意工夫を凝らして、知恵を尽くして、こういう下からのなにだというふうにおっしゃっておるわけでございます。確かに今地方というのは真剣にいろいろな問題、どうしてその地域を振興しようかということで大変な努力をされているということを私もよく認識をしているわけでございます。しかし、先ほど来申しました現実の状況、東京へどんどん一極集中しようとする、地方はどんどん厳しい状況でございますね。こういう状態の中で、果たしてこれがどれぐらいの大きな役割を果たすのかなということを思うのです。これが一つの目玉ですね。私から見ますと、そういうふうに思うのです。
 それから、これは国としての補助その他、これもまだあいまいな形になりますしね、こういうことでどれだけやれるのかな。そのものを僕は否定するわけじゃありませんよ。そのことを一生懸命やっていただいたらいいと思うのですが、しかしこれが本当に今の状態を改善をしていく、是正していく大きな力になり得るのかというと、まだまだ小さい存在ではないのか、こういうふうに思うのですね。
 そこで、私はさっき産業の問題も申し上げましたけれども、もう一つの問題としては地方の行財政、これを拡充をしていく、このことが本当に大事ではないかと思うのですが、大臣は地方行政とか地方自治の問題ではいわゆる権威でございますので、そこのところの御所見を、申しわけありませんが簡単にひとつお願いいたします。
○奥野国務大臣 これからの国土づくりは国の方から一方的にこうしなさい、ああしなさいということじゃなくて、地域、地域が特性をどう生かしていくかということで創意工夫を尽くしてくださる、手づくりの地域政策を国が援助するという時代になっていくんじゃないかな。そのためにはやはり思い切った地方分権をやっていく。また補助金についても地方団体の創意工夫ができる限り、そこで働けるような枠の広い補助金政策でなければいけないんじゃないかな、こういうふうに思っているところでございます。
○辻(第)委員 農水大臣は参議院の決算でやっておられるのをこっちへ来ていただいたので話が前後するのですが、先生も私も同じ奈良県出身でございますので、よく御存じだと思いますが、奈良も過密のところと過疎のところというのもやはりどんどん広がっておりますね。殊に吉野の山村の、非常にテンポは緩くなりましたけれども、やはりまた過疎が広がっております。
 昭和六十年の国勢調査で比べてみますと、川上村はちょっと事情があると思うのですが、マイナス五・四九%ですね。それから天川村がマイナス四・六九%、それから黒滝村がマイナス四・四五%、十津川がマイナス三・〇七%、こういうふうに過疎が進んでおります。また、吉野町とか下市町でもマイナス二・〇三とかマイナス二・六五とか、ここまでも過疎がいっているのですね。逆にふえているところで言いますと、生駒市が五・六六ふえており、奈良市が三・一七ふえておる、こういうことであります。
 また、別の角度から見てまいりますと、非常に高齢化が進んでおるのですね。これも下北山村は、五十五年と六十年で比べますと、老人人口の比率二一・四%だったのが二五%になっております。黒滝村が一八・七プロだったのが二三・二プロになっております。東吉野も二〇・九%、川上村も二〇・六%、こういうふうに、テンポは緩くなったのですが、まだ高齢化が進んでおるということでございます。
 私も吉野へ参りますと、仕事がありませんね。本当にいろいろ御努力をされて林業の振興の問題とか、あるいは観光リゾートというようなことも努力されておりますね。しかし現実は過疎が進む、高齢化が進むということでございます。仕事の問題それからお年寄りの医療の問題なんかも深刻でございますし、もちろん子供さんの教育の問題それから一つの集落が結局なくなっていくというようなことが起こるのですね。私は、本当にこの問題というのは深刻な問題だなと思うのです。吉野のあの美しい、美林と言われているのですが、やはり森林がだんだん荒れてまいりまして、荒廃と言っていいのかそういうようなことも思われるような、国有林ですらそういう状況がございますね。これは国土を守っていくという上でも重要な問題です。そういう山村にお住みの方が営々として山を守る、森林を守る、国土を守るお仕事をしていただく、そういうことも十分できないような状況ではないのか、私は大変心配をするわけです。
 先ほど農業の問題で申しましたけれども、オレンジの自由化というようなことになりますと、たくさんの果実類の栽培をされる方がそれこそ大変な状況を迎えるのではないか、こういうことでありますので、この法案の中にも過疎地域の問題農山村の問題、そういう厳しい集落の問題について対応されるというふうに書いてございますが、しかし産業問題、農業、林業、漁業の問題も含めて本当に真剣に取り組んでいただきたいと強く要望をするわけでございます。
 時間が参りましたので、一言大臣の決意と申しましょうか、御所見を伺いたいと思います。
○奥野国務大臣 過疎問題も、やはり経済発展の過程の中に生まれてきた現象だと言えるのではないかと私は思うのでございます。従来の生活を維持するだけでありますとそのままでいいのでございますけれども、経済発展の中でより高い所得を求める。その中で農林漁業については、もっと少ない人手でも従来の仕事は維持できる。したがって、若者はより高い生産性のところを求めて動いていくというようなことになってきたのではないかと思います。
 しかし、いずれにいたしましても過疎地域についていろいろな振興対策を講ずることは必要でございますし、またそういう意味で、紀伊半島につきましても半島振興法が生まれた。それをてこに振興を図っていきたいということでもございましょうし、また国土庁の公共事業調整費の中から紀伊半島の南部について総合的な開発の調査に手をつけようという計画を関係各省との間で持っているわけでございますので、お互いの協議等はございますけれども、努力をしていかなければならないと思っております。
○辻(第)委員 終わります。
○小此木委員長 次回は、来る二十日水曜日午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時十八分散会