第113回国会 法務委員会 第2号
昭和六十三年十一月十八日(金曜日)
    午前九時三十一分開議
 出席委員
   委員長 戸沢 政方君
   理事 逢沢 一郎君 理事 井出 正一君
   理事 今枝 敬雄君 理事 太田 誠一君
   理事 保岡 興治君 理事 坂上 富男君
   理事 中村  巖君 理事 安倍 基雄君
      赤城 宗徳君    石渡 照久君
      上村千一郎君    金子 一義君
      木部 佳昭君    佐藤 敬夫君
      塩川正十郎君    杉浦 正健君
      鈴木 恒夫君    松野 幸泰君
      伊藤  茂君    稲葉 誠一君
      山花 貞夫君    冬柴 鉄三君
      山田 英介君    安藤  巖君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 林田悠紀夫君
 出席政府委員
        法務大臣官房長 井嶋 一友君
        法務大臣官房司
        法法制調査部長 則定  衛君
        法務省民事局長 藤井 正雄君
        法務省刑事局長 根來 泰周君
        法務省矯正局長 河上 和雄君
        法務省保護局長 栗田 啓二君
 委員外の出席者
        警察庁長官官房
        留置管理官   片山 晴雄君
        総務庁人事局参
        事官      河野  昭君
        最高裁判所事務
        総局総務局長  金谷 利廣君
        最高裁判所事務
        総局民事局長  泉  徳治君
        最高裁判所事務
        総局刑事局長  吉丸  眞君
        法務委員会調査
        室長      乙部 二郎君
    ─────────────
委員の異動
十一月十八日
 辞任         補欠選任
  稻葉  修君     石渡 照久君
  加藤 紘一君     鈴木 恒夫君
  佐藤 一郎君     杉浦 正健君
  塩崎  潤君     金子 一義君
  宮里 松正君     佐藤 敬夫君
同日
 辞任         補欠選任
  石渡 照久君     稻葉  修君
  金子 一義君     塩崎  潤君
  佐藤 敬夫君     宮里 松正君
  杉浦 正健君     佐藤 一郎君
  鈴木 恒夫君     加藤 紘一君
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十月十九日
 神戸地方法務局家島出張所の存続に関する請願(新井彬之君紹介)(第一七六八号)
 刑事施設法案の廃案に関する請願外三件(江田五月君紹介)(第一八三六号)
同月二十六日
 刑事施設法案の早期成立に関する請願(中山太郎君紹介)(第一八九五号)
 刑事施設法案反対に関する請願(佐藤祐弘君紹介)(第二〇三五号)
同月三十一日
 刑事施設法案の廃案に関する請願(佐藤祐弘君紹介)(第二〇六七号)
 同(坂上富男君紹介)(第二一一二号)
 同(清水勇君紹介)(第二一一三号)
十一月七日
 刑事施設法案反対に関する請願(安藤巖君紹介)(第二二四五号)
 同(正森成二君紹介)(第二三三一号)
 同(石井郁子君紹介)(第二四〇一号)
 同(浦井洋君紹介)(第二四〇二号)
 同(岡崎万寿秀君紹介)(第二四〇三号)
 同(児玉健次君紹介)(第二四〇四号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第二四〇五号)
 刑事施設法案の廃案に関する請願外一件(安藤巖君紹介)(第二三二五号)
 同(柴田睦夫君紹介)(第二三二六号)
 同(中路雅弘君紹介)(第二三二七号)
 同(野間友一君紹介)(第二三二八号)
 同(不破哲三君紹介)(第二三二九号)
 同(村上弘君紹介)(第二三三〇号)
 同(稲葉誠一君紹介)(第二三六〇号)
 同外二件(安藤巖君紹介)(第二三九八号)
 同(岡崎万寿秀君紹介)(第二三九九号)
 同(松本善明君紹介)(第二四〇〇号)
同月十日
 刑事施設法案の廃案に関する請願(児玉健次君紹介)(第二五五七号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第二五五八号)
 同(坂上富男君紹介)(第二五五九号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第二五六〇号)
 刑事施設法案反対に関する請願(金子満広君紹介)(第二五六一号)
 同(辻第一君紹介)(第二五六二号)
同月十四日
 刑事施設法案の廃案に関する請願(関山信之君紹介)(第二六四三号)
 同(山花貞夫君紹介)(第二七一三号)
同月十五日
 刑事施設法案の廃案に関する請願(寺前巖君細介)(第二九八四号)
 同(正森成二君紹介)(第二九八五号)
同月十六日
 刑事施設法案の廃案に関する請願(橋本文彦君紹介)(第三一〇五号)
 執行官・執行事務に従事する職員の待遇改善に関する請願(中村巖君紹介)(第三二一三号)
同月十七日
 刑事施設法案の廃案に関する請願(安藤巖君紹介)(第三三七四号)
 同(山田英介君紹介)(第三三七五号)
 同(岩佐恵美君紹介)(第三四四九号)
 執行官・執行事務に従事する職員の待遇改善に関する請願(稲葉誠一君紹介)(第三三七六号)
同月十八日
 刑事施設法案廃案に関する請願(田中恒利君紹介)(第三四五八号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
 裁判所の休日に関する法律案(内閣提出第一一号)
     ────◇─────
○今枝委員長代理 これより会議を開きます。
 委員長が所用のため、その指名により私が委員長の職務を行います。
 お諮りいたします。
 本日、最高裁判所金谷総務局長、泉民事局長、吉丸刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○今枝委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
     ────◇─────
○今枝委員長代理 内閣提出、裁判所の休日に関する法律案を議題といたします。
 まず、趣旨の説明を聴取いたします。林田法務大臣。
    ─────────────
 裁判所の休日に関する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○林田国務大臣 裁判所の休日に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
 政府としては、公務の円滑な運営を図りつつ週休二日制を推進するため、土曜閉庁方式を導入することが必要であると考え、行政機関について行政機関の休日に関する法律案を提出しているところでありますが、裁判所においても、これと同様の趣旨で土曜閉庁方式を導入する必要があります。
 そこで、本法律案は、裁判所において土曜閉庁方式を導入するための法整備をしようとするものであります。
 本法律案の要点を申し上げますと、第一は、日曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日及び年末年始に毎月の第二及び第四土曜日を加えた日を裁判所の休日と定め、その日には裁判所の執務が原則として行われないことを明確にすることといたしております。なお、裁判所の休日においても、裁判所が必要に応じて権限を行使することを妨げるものではないことを念のため規定することといたしております。
 第二は、司法行政に関する事項についての裁判所に対する申し立て等の行為の期限の特例並びに民事訴訟法及び刑事訴訟法等における期間の計算について、所要の整備を行うことといたしております。
 第三は、検察審査会の休日について、裁判所の休日と同様の法整備を行うことといたしております。
 以上が、裁判所の休日に関する法律案の趣旨であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いをいたします。
    〔今枝委員長代理退席、委員長着席〕
○戸沢委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ─────────────
○戸沢委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂上富男君。
○坂上委員 それでは、裁判所の休日に関する法律案について御質問をさしていただきたいと思います。
 まず、休日に関する法律案になりますると、そこに働く裁判官並びに職員あるいはまたこれに関連をいたします弁護士等に及ぼす影響も少なからずあるものだと思うわけであります。また、国民の立場からいたしましても、国民生活に重要なる影響を及ぼす部分も相当散見できるわけでございます。そんなような意味におきまして、本法案に関連をいたしましてこれに対応いたしまするところの職員労働組合であります全司法あるいは日本弁護士連合会、こういうところとこの休日法律案に対する協議あるいは了解、そういう点はどの程度なされたものであるか、できるだけ詳細にお答えをいただきたい、こう思います。
○金谷最高裁判所長官代理者 ただいま御指摘のような点がございますので、私どもの方といたしましても、全司法あるいは日本弁護士連合会の方には今回の土曜閉庁の趣旨を十分御説明申し上げた次第でございます。
 具体的に申し上げますと、日本弁護士連合会の方に対しましては、この休日法案の具体的な立案に入る相当前の段階でございますが、内部的な検討を始めたばかりの六月の時点でこの趣旨をお伝えしまして御要望を伺いに参りました。そして八月の時点で日弁連側からこの回答をいただいたわけでございます。
 回答の内容は、裁判所の土曜閉庁方式はやむを得ない、しかし、裁判所の性質にかんがみて、緊急性を有し、国民の権利義務に重大な関係のある保釈手続、令状手続、保全手続などについては人的、物的な体制を確保して、事件の受理だけではなしに、事件の処理についても適切な対応がなされるように配慮されたい、こういう趣旨の御回答でございました。
 その際に、日本弁護士連合会の方から、閉庁の土曜日に取り扱う事務の内容あるいは緊急処理を要するか否かの判断基準等について、規則とかあるいは通達で定める予定があるのかというような御質問もございましたので、その点につきましては、こういう事情で適切でないという趣旨のことを詳しく説明さしていただいたわけでございます。それに対しまして、その後、日弁連側の方からは格別の御意見、御要望もなかった、こういうことでございます。
 私どもの方としましては、これで先生のおっしゃるように合意が得られたとまで言うのは適切ではないと存じますが、趣旨は十分御説明申し上げ、御理解を得られた、このように考えておる次第でございます。
○則定政府委員 本省といたしましては、本年九月上旬の段階になりまして、先ほどの最高裁と日弁連等との従前の話し合いを踏まえました案文作成が一応形が整いました段階で日弁連に説明いたしまして御意向を聞いたわけでございますが、その時点で今回提出させていただいております法案の内容とほとんど同一のものにつきまして、特段の意見はないということで御了解を得ておるわけでございます。
 以上でございます。
○坂上委員 この休日法案というのは一体どういう目的を持っておるのでございましょう。
○則定政府委員 端的に申しますと、日本の国が経済力が相当高まりまして、国民の各レベルで生活上のゆとりといいましょうか、あるいは生活文化を高めるということで、内閣が行政府各機関一般につきまして勤務時間の短縮と週休二日制を推進していくという一環の政策のもとで、裁判所につきましても同様の趣旨から従前の日曜、祝日及び年末年始のほかに毎月の第二、第四土曜日を閉庁方式による休日とするということでございます。
○坂上委員 今の問題はまた具体的事例と関連をいたしましてお聞きをさしていただきます。
 さてそこで、裁判所においては日曜日、祭日に執務をしないという法的な根拠というのはこれまであったのでございましょうか、あるいは今まではなくて、この法律で初めて法的に休むことができるようになったのか、その辺はどういう歴史的な休日の取り扱いになっていたのでございましょうか。
○則定政府委員 従前、官署としての裁判所の日曜、祝日等におきます執務体制といいますか、全員が出るあるいは休むという意味での執務体制について直接規定した法令はございませんでした。しかしながら従前から、一般職たる裁判所職員、つまり裁判官及び裁判官の秘書官以外の職員でございますが、これらにつきましては、裁判所職員臨時措置法によって準用されます一般職給与法におきまして、日曜日、祝日には、特に勤務を命ぜられた者以外は勤務を要しないという規定になっておりまして、裁判官につきましても、従前から一般職裁判所職員と同様の勤務を行ってきた。つまり全般的に日曜、祝日等については休む、言うならば一般職職員と同様の取り扱いということで休んできたというのが実情でございます。
 今回、改めましてこういう法案を出させていただきましたのは、従前の日曜、祝日、年末年始のほかに、新たに月二回の土曜日が休日になるということになりますものですから、それら全般につきましてこの法律で全般的に規定させていただくということになった次第でございます。
○坂上委員 法案の第一条でございますが、第一項には「執務」とあります。それから第二項は権限の行使とありますが、これは同じ意味なんでご
ざいましょうか、あるいはどういうふうにこの関係を解釈したらいいのか、その点まずお答えいただきましょうか。
○則定政府委員 法案一条一項に規定しております「執務」という用語でございますが、これは裁判所全体の執務体制ということを意味しておりまして、一条二項の権限の行使とは、裁判所が裁判所法や訴訟法等に基づいて個別に行使する権限を指称しておるものと考えておるわけでございます。したがいまして、一条一項におきまして「執務」という言葉を用いましたのは、同項が個別の事務について規定したものではなくて、裁判所が全体としてもろもろの事務を処理している状態を規定する言葉として的確であると考えておるわけでございます。一条一項と二項の用語の差から問題を将来に残すということはなかろうと理解しておるわけでございます。
○坂上委員 一条第二項の「権限を行使することを妨げるものではない。」という規定ですが、これはどうも読み方によりましては、裁判所の自由裁量でやってもやらなくても裁判所が勝手に選べるというふうに読めるわけでございます。また私たちは、少なくともそういうようなことを心配をいたすわけでございます。
 しかも法律施行後は法がひとり歩きするというようなこともあるわけでございまして、法文によって今言ったような趣旨でないということをやっぱりはっきりさせなければならないんじゃなかろうか、こう思っておるわけでございまして、私らの心配をいたしますのは、国民の権利行使に関連することを、これによってサービスが低下するということを恐れているわけであります。したがいまして、この第一条第二項は、裁判所が単に恩恵的にやってやるんだ、したがってあなた方から意見は聞くけれども、これについて余りつべこべ言わぬでくれ、こういうような趣旨、いわゆる自由裁量権が大変裁判所にあるということになりますと、私たち国民の立場からいたしますと、これはなかなか心配をせざるを得ない、こうなるわけでございまして、この点もう少し明確な御答弁をいただきたい、こう思っておるわけでございます。
○則定政府委員 確かに語感の上からいいまして、一条二項が裁判所側の裁量によって一方的にある行為を行うというふうな受けとめ方がないわけではないかと思いますけれども、この法案の趣旨は、本来その日にあるいはその時点で裁判所がその職責を果たす上で行わなければならないことを行って差し支えないといいましょうか、本来期待さるべきことをその時点で果たすことができるのでありますということを規定したいという趣旨でこういう用語を使わせていただいておるわけでございまして、裁判所側の専ら自由裁量でやりたいときはやればいいということではない。
 これは一般行政機関につきましての規定の仕方を参考にいたしまして、裁判所の組織法上の特殊性と申しましょうか、一般行政機関におきましては職務の遂行を妨げないということを、裁判所法等の用語例から見まして、権限の行使を妨げないというふうに規定させていただきましたものでございまして、今御指摘の懸念はないというふうに理解しておるわけでございます。
○坂上委員 心配するような趣旨でないという御答弁、それはそれで大変結構なことでございます。しかし先刻申しましたとおり、法律というのが私らの意思とかかわりなくひとり歩きされては大変でございまするし、また私が心配をする危惧をなくするためにも、法文上、閉庁日にも行うべき事務というのを何らかの形で政令等で明記をすることが国民の人権保護の上においてもいいのではなかろうか、こう思っておりますが、これに対する御意見はいかがですか。
○則定政府委員 この一条二項の趣旨は、今申しましたように裁判所がその職責を果たすためにある行為、権限行使をしなければならないときはして差し支えございませんということでございまして、その場合に訴訟法上いろいろな裁判所の権限というものが規定されておるわけですが、それを具体的案件に当てはめましてその時点において処理する必要があるかどうかは、御存じのとおりそれぞれの独立した裁判体の権限ということでその独立性が保障されておる関係上、改めてこの法律で個々の案件をそれぞれ言及して、それらについては仮に、新たに休日になります土曜日等にやるべきであるというふうな規定を置きますと、今申しましたような訴訟法の構造なり裁判所の職権発動の特殊性と申しましょうか、そういった点についていわばコミットすることとなる嫌いがございますので、せっかくの御指摘でございますけれども、この法律なりあるいはその委任を受けた政令で規定するというのは妥当でないと判断しておるわけでございます。
○坂上委員 それでは今度各論に移らしていただきます。
 刑務所、拘置所関係についてでございますが、十一月八日の衆議院内閣委員会における矯正局保安課長さんの御答弁があったそうでございますが、これによりますと、刑務所、拘置所等における収容業務、特に日常的な処遇業務は閉庁日でも行うが、面会、差し入れ等の対外的な窓口業務は行われない、こういうふうにおっしゃったそうでございます。そうだといたしますと、受刑者は閉庁日、休日でも就労させられる、就業させられる、こうなるのでございますか。
○河上政府委員 矯正の実務で、受刑者に就業させないのを免業という言葉で言っておりますが、現在は、この土曜閉庁日には免業にする予定にしております。つまり就業させない予定でございます。
○坂上委員 あるいはこの質問では蛇足になるかわかりませんが、監獄法の二十五条によりますと、「大祭祝日、一月一日二日及ヒ十二月三十一日ニハ就業ヲ免ス」こう規定されておるそうでございます。また、同法七十一条にも死刑の執行について同様の規定があるそうでございます。
 ところが、この土曜閉庁法案の附則では、監獄法の免業日時に第二、第四土曜日、十二月二十九日、三十日、一月三日を加える手当てをしていないようでございます。土曜閉庁法案に伴う監獄法の改正というのも、まだ刑事施設法ができておりませんので、監獄法の改正法、この附則で行うということが必要になるのじゃなかろうかと思いますが、いかがでございますか。
○河上政府委員 確かに現行監獄法で御指摘のような規定がございます。
 ただ、現行監獄法の中で、今委員御指摘のような規定がありますが、日曜日については、実は直接の規定がないわけでございまして、土曜閉庁法は、土曜日を日曜日と同じように扱うということになりますので、この直接の規定のない日曜日と同じような扱い方になるわけでございます。というのは免業、つまり作業させる、させないと、それから日曜日、土曜日休ませるということは、法律的には必ずしも一致する性格のものではないようでございまして、現在の監獄法施行規則五十八条一項に基づきます大臣訓令によりまして、懲役受刑者の作業時間を一日八時間、四週間で百六十八時間と定めておりまして、結局それで、原則として日曜日、それから四週六休制を現在とっておりますので、隔週の土曜日については休み、こうしておるわけでございます。したがって、現在御審議いただいております刑事施設法案の附則で手当てする必要はない、こういう考えに立っているわけでございます。
○坂上委員 それでは、今度は同じく十一月八日の答弁において、土曜日については、対外的な窓口については、土曜閉庁方式の趣旨にのっとって閉めますが、弁護人接見の重要性にかんがみまして、弁護人接見の緊急性あるいは必要性が認められる場合は、各庁でそれぞれ職員配置等の手当てがつけば、極力実施する方向で努力する、あるいは、職員配置等の手当ても行き届くように努力する、こう答弁なさったそうでございます。
 そこで、この答弁というのは、閉庁土曜日の接見については、他の閉庁日と異なって特段の配慮をするというのか、あるいは単に他の閉庁日と同じ取り扱いをする、こういうことなのか。特に、
今回の閉庁土曜日、これについては重点的に万全の努力をする、こういうふうに解釈していいのでしょうか、いかがでございましょうか。
○河上政府委員 内閣委員会における中間保安課長の答弁の趣旨は、閉庁土曜日においても、基本的には他の閉庁日と同様の扱いとなるという趣旨でございます。
 ただ、今度の閉庁土曜日というのが新たにいわば休みになるといったような趣旨を考えまして、運用の面では、これは各施設によっていろいろ職員事情が異なるものですし、それから立地条件も異なりますので、各施設の職員配置などいろいろなことを考慮して、できる限り柔軟な対応が図られるように、各施設ごとに現在検討を進めさせているところでございます。
○坂上委員 ひとつ特段の御努力をお願いいたしたい、こう思っております。
 さてまた、局長さんの方では、日弁連の昭和六十三年九月十四日付の「拘置所の夜間勤務体制等について」の照会に対する六十三年十月三十一日付の回答で、「休日、夜間における接見は、原則として取り扱わない(予め接見の申出がある場合で極めて重要性、緊急性、必要性等のあるときは、申出を受けた施設において、個別の事案ごとに、諸般の事情を考慮し、実施につき判断することになる)」、こうしておりますが、この趣旨と今の答弁の趣旨とは同じなのでしょうか、違いますか。
○河上政府委員 ほぼ同様の趣旨というふうに御理解していただいていいと思いますが、土曜閉庁日については、それよりはもう少し前向きにできないものかと検討したいと思っております。
○坂上委員 法務当局は、日本弁護士連合会との意見交換会におきまして、「刑事施設の執務時間外においては、刑事施設の職員の勤務配置が夜間体制となり警備、保安力がぜい弱となる時間帯を除き、事前に弁護人等から連絡があったときは、その弁護人等からの面会に応じるものとする「このように実施できるよう、当局において、今後刑事施設の設備・構造の充実向上及び職員事情の改善等管理運営体制の整備に努める」、こういう内容を「弁護人等との面会の運用方針の骨子(案)」として示したということでございますが、これは事実でございましょうか。そうだといたしますと、さっきの答弁との内容ではどういう関係になるのでございましょうか。
○河上政府委員 御指摘のような「弁護人等との面会の運用方針の骨子(案)」というものを日本弁護士連合会の方にお示ししております。
 刑事施設法案につきましては、昭和五十七年の四月、第九十六回の国会に提出されたわけでございますが、その後、日本弁護士連合会から種々の御批判をいただきまして、五十八年の二月から昨年の四月まで多数回にわたって意見の交換を行ったわけでございますが、その間に衆議院の解散がございまして廃案となったので、意見交換会の際、いろいろお聞きしました御意見に基づいて法案の修正の必要性を検討いたしまして、合計二十一項目の修正を加えて、さきの国会に再提出いたしましたことは御案内のとおりでございまして、この日弁連との意見交換会の中で特に重要な問題点の一つとして日弁連側から御指摘されたものの一つに、法案第百十条に定める弁護人等との面会の管理運営上の制限に関する規定がございまして、昭和五十七年度の法案では、法制審議会の答申のとおりに、管理運営上の制限の具体的内容はすべて法務省令に委任していたわけでございます。しかし、その権利保障性を強めることが必要であるという日弁連側の御主張も私ども十分わかりましたので、その後考慮いたしまして、現在の法案の百十条一項から三項までのような修正を加えたわけでございます。
 この論議の過程の中で日弁連側から、百十条三項の基本的な運用方針の骨子案を示せ、示してもらいたいという御要望がございまして、御指摘のような骨子案を提示したわけでございます。これに対して日弁連の方からは、刑事施設法案のもとにおける弁護人等の面会について、この骨子案のような実務が運用されれば評価したい、こういうふうな御見解をいただいております。
 ただ、これはあくまで現在御審議いただいております刑事施設法案に係る運用の問題でございまして、先ほど私がここで御答弁させていただきましたのは、あくまで現在の監獄法令のもとにおける取り扱いについてのものでございます。新法案のもとでこの運用方針の骨子案というものが示されたわけでございますけれども、現行法とそれから刑事施設法案というのは実は基本的な立て方について若干の違いがあると私ども考えております。
 現行監獄法令の考え方というのは、何といいましても明治四十一年につくられた古い法律でございますので、刑事施設というものは有限の人的あるいは物的施設によって継続的に多数の被収容者を収容して処遇しているわけですから、逃がさないといった所期の機能を十分に果たすように管理運営を円滑に遂行することにどうしても重点を置いている法律でございまして、被勾留者と弁護人等との接見についても、この法律の字面から申しますと限界がかなりあるというふうな考え方をせざるを得ないような立て方をしているわけでございまして、その限界を現行法で定めておりますのが監獄法の五十条の規定に基づく委任命令規定でございます監獄法施行規則の百二十二条でございます。
 もとより、現行監獄法令のもとにおきましても弁護人面会の重要性というものはやはり大きなものでございまして、刑事施設といたしましては被勾留者と弁護人等との面会あるいは接見について、その防御権ないし弁護権、そういったものを侵害することのないよう十分配慮しなければならないということは私どもも承知しているわけでございますが、現実には明治以来現時点まで、こういういわば古いと言うとちょっとあれだと思いますが、古い監獄法のもとで限られた人的な、物的な手段を前提として現行監獄法の施行規則百二十二条の規定が設けられて運用されてきているわけでございます。
 被収容者の接見について刑事施設の管理運営上の制限として執務時間内に限る旨この監獄法施行規則百二十二条が定めております関係から、刑事施設法案の第百十条のように権利保障性を現在より格段に強めるようなことを前提といたした条文、それに基づく運用方針の骨子案、それとは内容的にはいささか異ならざるを得ないというのが現実でございます。
○坂上委員 そうだといたしますと、局長、いかがでございましょうか、この土曜閉庁法案というのは結局のところ執務時間外の時間を広げるという意味でございます。この問題のある監獄法施行規則の規定を維持しながら執務時間外の時間を広げるというのは、この点に関する限り改悪になるのじゃなかろうか。これを改悪としないためには、少なくとも閉庁土曜日についての接見については現状どおりとすべき措置をとるのが正しいのじゃなかろうか、こう私は思いますが、いかがですか。
○河上政府委員 どうも物事にはいろいろな面があるようでございまして、土曜日を閉庁することによりまして、確かに弁護人あるいは家族その他の面会というものは必然的に制限されざるを得ない。しかし反面、委員御承知のとおり、監獄職員というのは実にまじめでございまして、例えば、各施設でできる限り夏休みをとるように私どもの方で指導いたしましても、三日間夏休みをとれないというのが現実でございまして、職員を何とかして少しでも休ませたい、休ませるのにはやはり法律できちっとそういうふうな形、土曜日も閉庁する、休むということになりますと、比較的頭の切りかえがきくわけでございまして、休むということもできるようになってくるだろう、職員にとっては大変恩恵のある法律でございます。
 ただ、そうはいいましても、やはり入っている人たちにとって、とりわけ弁護人との面会というのは大変な意味を持つことは私ども十分理解しているわけでございますので、先ほど御答弁申し上
げましたように、何とか少しでも前向きの形で検討できないかということで現在検討させているわけでございます。
○坂上委員 大変大事な発言もあったわけでございます。刑務所の職員等は年休は本当にとれないというお話のようです。もう少し実態をお話しください。これはやはり大変なことでございます。また上の方から幾らとれとれと言っても、人数が足りない、保全方法が完璧でない、こういうようなことになっても、とれとれと言ったって現実にかわる人がいなければとれるわけではございませんし、どうも実態が思うように完全に休暇がとれるような配備がなされていないのじゃなかろうか、こういうことも考えられるわけでございますが、実態はいかがでございます。
○河上政府委員 実態の非常に細かなことは各施設によってそれぞれ違うわけでございます。手元に資料がございませんので、ここで直ちに申し上げることもできかねますが、一応夏休みのことを申し上げましたのは、夏休みというのはどうしても集中して職員がとるわけでございますので、例えば夏休みのための代替要員というようなものが確保できればかなりの期間とることはできるかもしれませんけれども、それはなかなかできかねる。つまり監獄職員、特に被収容者に直接接する保安関係の職員というのは相当の経験あるいは知識がないと勤まりかねる職種でございますので、どうしても一カ所に固まるような休みの場合は非常に困難でございます。
 それから年間を通じての休みというのも、他の国家公務員と比べてたしか年休の消化率は悪うございますが、これは上の方で幾らとれとれと言ってもなかなかとらない方もおりますし、それから、何とか無理してでも十分とられる方がおりますので、一概には申しかねると思います。ただ、夏休みの場合と年間を通しての場合は違います。この法律が通ることによって、年間を通してかなり休みをとることができるようになるというふうに私どもとしては期待しているわけでございます。
○坂上委員 時間がありませんのでちょっと急がしてもらいますが、確かに今おっしゃるとおり、職員の皆様方にとっては休日だと規定づけられればとりやすい。しかし現実に夏休みあるいは年休、これはなかなかとりにくい。非常にいいようでございますが、これは本当のことを言いますと、やはりとってもらわなければいけない問題なんだろうと私は実は思っておるわけであります。ことに私たちの立場においては、何としてもこういうものは強制的にもとっていただきたい、こう実は思っておるわけでございます。
 さてそこで、そういう立場に立ちながら今度は国民の立場に立ってみますと、例えば休日が月に四日ないし五日から六日ないし七日にふえるわけでございます。これが十二倍ということになるわけでございます。そこで、働いている人から見ますると、こういうふうに休日が多くなります。したがって、その休日以外の日はきちっと働くわけでございます。そういたしますと、休日のとき、例えば自分の家族が刑務所に入っている、拘置所に入っている、こういうようなときはやはり休日に面会をしなければならないのじゃなかろうか、こう思っておるわけであります。しかも単位労働時間当たりの賃金がそのことのためにまた変わってくるわけでございます、高くなるわけでございまするから、その労働賃金を犠牲にして休日以外のときに面会に来るということは、いわば働く立場の方々から見ますると大変なことでございます。
 したがいまして、休日面会ができないということになりますと、どうもやはりそういう被拘禁者の家族の立場から見ると、これは本当に容易でないのじゃなかろうか、こう思っておるわけでございます。土曜日が今までであればいいと思うのですが、土曜閉庁が今度導入されますと、相当年間で休日がふえるということになりますと、結果的に働く人が働けないという結論になるわけでございます。でありまするから、これはやはり土曜閉庁の土曜日ぐらいは面会ぐらいはさしていただかなければいけないのじゃなかろうか、こう思っておるわけでございます。いかがでございましょうか。
○河上政府委員 委員のおっしゃる趣旨は私どもの方も十分わかるわけでございますが、土曜日は閉庁とするというこの行政機関の休日に関する法律案の趣旨からまいりますと、土曜日はやはり日曜日と同一である、それでようやく職員は休むことができる。もっとも、職員は休むことができるといっても、保安関係の職員は当然休めないわけでございますが、職員は休むことができるというわけでございますので、どうしても執務時間外というふうなことで、一般の家族あるいは友人の接見、差し入れについては御遠慮いただきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
○坂上委員 これはひとつ特段の御配慮をいただかなければ、土曜閉庁をせっかくつくっても、今言ったような環境にある人たちにとりましてはやっぱり改悪になる。しかも自分の賃金、単位労働賃金といいましょうか、少し高くなるわけであります。これを犠牲にしなければ会えないというような形になってきまして、結果的にやはり国民の権利の侵害になるんじゃなかろうかということを危惧しておるわけでございます。また、職員にとっては休日でなければ休めないんだからこれは仕方がないということ。これはまた、職員の増員、そういうようなことによって十分できることでもございますから、この点はやはり予算の上においてもあるいは人員の面においても考慮すべき点だ、私はこう思っておるわけでございますので、これは今これでぴたっと論戦をなしにしないで、さらに今後ひとつ御努力をいただきたいな、こう思っておるわけでございますが、いかがでございましょうか。
 法務大臣、今そういう問題があるわけでございますが、いかがでございましょうかね。
○林田国務大臣 なかなか難しい問題でございまするけれども、できるだけ努力をすべき問題であると認識をいたします。
○坂上委員 ぜひひとつ御努力をお願いいたしたいと思います。
 さて、今度、保釈でございます。保釈面接というのが東京あたりでは行われておるわけでございますが、これは、土曜閉庁、どうでございますか。やりますかやりませんか。
○吉丸最高裁判所長官代理者 裁判所といたしましては、閉庁土曜日におきましても、令状事務その他の事務で特に緊急を要するものにつきましては処理することといたしておりまして、保釈についても基本的には同様に考えております。
 ただ、これまでの実務の経験から申しますと、保釈につきましては、例えば勾留の執行停止などと異なりまして、急病その他の急な事情の変更に基づいて急遽請求されるという事例は少のうございます。そういうことから、金曜日までに請求された事件で保釈相当と考えられるものにつきましてはできるだけ処理を急ぎ、遅くとも金曜日中に処理をする、これは若干遅くなっても処理をしてしまうというような方法で対処すべき事例も多いと思われるわけでございます。このような点も含め十分配慮して、保釈の運用につきましては遺漏のないようにいたしてまいりたいと考えている次第でございます。
○坂上委員 ちょっと急ぎますが、それから、これは検察関係でございましょうか、保釈について、弁護人が保釈許可決定の謄本その他を検察庁の執行係に提出をする、検察庁が拘置所に対して釈放指揮をする、こう聞いております。検察庁は、執務時間外において釈放指揮のできる体制にあるのでございましょうか。また、拘置所は、執務時間外において釈放指揮があった場合、これに応じられる体制にあるのでございましょうかどうでしょうか、待たねばならないのでしょうか。
○根來政府委員 御承知のように検察庁職員は、別途御審議いただいております行政機関の休日に関する法律の適用を受ける職員でございますが、従来から、執務時間外でありましても、保釈許可
決定があり保釈保証金が納付されたものについてはできる限り釈放指揮を速やかに行っているところでございます。したがいまして、この法律が施行されましても同様の姿勢で臨むものと考えております。
○河上政府委員 拘置所におきましても、執務時間外に釈放指揮が検察庁からあったような場合もあり得るわけでございますが、これは事前に十分連絡体制をとるなどしまして応じられるように措置してきておりますし、これからもしていきたいと思っております。
○坂上委員 この点の最後のまとめでひとつお聞きをしたいのです。
 日弁連が本年の四月二十一日付で、これに関連をいたしまして要望いたしました。
 その一つは、仮差し押さえ、仮処分等の保全事件でございますとか差し押さえ等の強制執行事件で裁判所からなされる嘱託登記でございます。この問題どういうふうになるか。
 それから二番目に、裁判上緊急に必要な登記簿謄本等の証明書類の交付、これがどうなるか。
 三番目に、保全事件や民事執行上の保証供託の受け付け、これはどういうふうになるか。
 特に、緊急を要する権利実現のための登記それから供託事務は一刻を争うものでございまするから、何か閉庁日でも受け付け窓口を開いておいていただきたいな、これが大変な要望でございますが、以上の四点でございましょうか三点でございましょうか、ひとつ御答弁いただきたい、こう思います。
○藤井(正)政府委員 登記に関しましては、これは受け付け番号の順序に従って登記を行うということが登記法上義務づけられております。この登記した権利の順位というものはこの受け付けの順序によって決まる、こういう定めになっておりまして、登記の順位というのがいわば生命でございます。そういうことになりますと、この順位を決めることになる登記の受け付けは、一般の方の申請による登記とそれから裁判所の嘱託による登記とでこれを異なる取り扱いをするということには極めて大きな問題がございまして、これはあくまでも同一の取り扱いをするべきものであると考えております。
    〔委員長退席、今枝委員長代理着席〕
 そこで、日弁連からの御要望のございました、裁判所からなされる嘱託登記だけを受け付けるという特別の取り扱いをすることは、権利の平等という見地からもこれは行うべきではない。もしそれをやるならば一般の登記も受け付けなければならない、結局土曜の閉庁を行えないという結果になるわけでございますので、この点は御理解を賜りたいと思うわけでございます。
 登記簿の謄本あるいは抄本の請求につきましても御要望があったわけでございますが、この謄抄本の請求も、これも何人といえども平等な立場にあるわけでございまして、その使用目的によって優劣はないわけでございますので、先ほど申し上げましたと同じような理由によりまして同一の取り扱いをさせていただきたい、いただくべきであるというふうに考えております。
 最後に、供託事務に関しまして、保全事件などの保証供託などの窓口をあけておくべきではないか、こういうお話でございますが、これは裁判所の方の執務とも関係があるわけでございますけれども、行政機関の休日法が定められた趣旨というものが週休二日制をとにかく推進をするということでございますので、そういう意味から申しまして、土曜日、これもやはり原則として供託事務は行わないという体制をとらせていただきたい。この点につきましては裁判所の方の執務と関係ございますので、そちらの方と十分連絡をとりまして、どうしても緊急やむを得ない事件の場合には処理に遺憾のないようにしてまいりたいと思っております。
○坂上委員 この問題はこの程度で終えさせていただきますが、土曜閉庁に伴うところの職員の労働過重、これは何としても排除していただかなければなりません。また、これに伴いますところの国民の権利のサービスが低下するようなことがあってはこれまたいけないと思っておりますので、どうぞひとつ、休日法案というものはそんなようなところに問題点があろうかと思いますので、今後関係する皆様方と十分な協議の上で問題点を消化していただきまして、法律ができた、もうこのとおりやるというようなことのないように、十分な協議を尽くして国民的な立場で運営していただきますことを要望をいたしまして、これに関連をいたしまして、少し別のことになりますが御質問をさせていただきたいと思います。
 まず、狭山事件の石川一雄君の仮出獄に関する件でございますが、既に無期懲役の刑が確定して服役をしておるわけでございます。未決勾留で十一年ぐらい勾留になったのだそうでございます。それからまた無期懲役の仮出獄条件として十年以上ということがあるそうでございます。
 いろいろ統計も見せていただきました。十年からいろいろとあるようでございますが、これによりますと平均して十六年、十七年あたりが仮出獄の一番多い基準に、基準といいましょうか、実態になっておるようでございます。大体十六年以内が三一・八、十四年以内が一八・八、これは四十六年から五十年の平均人員の総数七十の場合でございますが、十二年以内というのが一・四あるわけでございます。この中で、結局のところ在所の期間というのが十二年から十八年以内、どうもこんなような無期刑の仮出獄者の在所期間になっておるようでございます。
 さてそこで、私たちの心配することの一つが、これは冤罪だということで再審の申し立てをいたしております。しかも十一年間も未決勾留となっておりました。しかも現在はもう法律で規定する十年以上の在所になりました。
 こんなことから、関係者の皆様方から法務大臣あるいは関東地方更生保護委員会に要請書が出て、仮出獄させていただきたいという要請がなされているようでございますが、簡単にひとつこの状況等について御説明をいただきたい、こう思います。
○栗田政府委員 お答えいたします。
 ただいま委員が御指摘のように、既に刑法二十八条に規定されました期間を経過していることは事実でございますし、また現状の無期刑の仮出獄が、十五、六年無期刑としての服役を行った後仮出獄しているという点も委員御指摘のとおりでございます。
 こういった事態を踏まえまして、私どもといたしましては、この当該受刑者につきまして他の受刑者との間に公平に取り扱うように、つまり特に不利に扱うことはもちろん特に有利に扱うということもなく、公平にしかも更生保護の基本原則にのっとりまして検討するようにということで対処いたしております。
 今ちょっと御発言ございましたように、再審ということで何かひっかかりになるのじゃないかという御懸念があるのではないかと存じますが、現に本年、現実に再審請求いたしております者の仮釈放も実施いたしました。また、これから仮出獄になれば再審請求をするということをはっきり申しております者につきまして仮釈放にいたしまして、仮釈放になってからその人が再審請求をした、こういう事例もございます。
 ということで、私どもといたしましては、更生保護という見地から見まして適切と思う者をほかの者と公平な段階で仮出獄するように運用いたしてまいっておりまして、石川一雄受刑者の場合もその原則に合わせて進めてまいりたい、このように思っております。
○坂上委員 ちょっとお伺いしますが、未決勾留日数十一年間、無期懲役で算入されたので今までの事例の中でこんな長期の未決勾留というのはあったでございましょうか、どうでしょう。
○根來政府委員 突然の御質問で資料はございませんけれども、そういう意味では長い未決勾留日数算入だと思います。
○坂上委員 いかがでしょうか。今御答弁ありましたとおり、もう十一年の未決勾留というのは、
しかもこれは算入になったと思うのですが、大変長期なものでございます。これは法律的にはいわば刑期に算入されている、服役しなくてもいい期間に算入されているわけでございます。もちろん、どうも通達その他を見ますと、これは仮釈放の計算の中に入れないというような通達があるようでございますが、ちょっと本の中には、入れてもいいんだというようなこともあるわけでございます。必ずしも定説がないようでございます。これについて、また裁判所が判断するという事項でもなさそうのようでございますから、確定的な解釈というのはなかなか得られないわけでございます。
 そんなようなことから見まして、一つは安心しました。再審しているからという影響は全くないということ、それから十一年間の未決勾留は相当長期にわたっているということ、今までの事例の中には数少ないというふうに理解していいんだろうと思います。しかしながら、これは法律上十年の算入の中には考えないというようなことになっているというようなことが今の状態でございます。少なくとも十年以上ということが条件でございます。しかも調べてみますると、十二年というのが仮出獄を許されている条件にもなっておるようでございます。だといたしますならば、石川君については相当考慮されてしかるべき問題でなかろうか、こう実は思っておるわけでございます。
 遺憾ながらまだ刑務所の方から関東地方更生保護委員会の方には上申が出されていないようでございますが、ひとつそういう点を踏まえまして御配慮いただきたいな、こう思っておるわけでございますが、まず実務の当局、いかがでございましょうか。それから大臣ひとつ、これはたびたび質問があるようでございますが、いかがでございましょうか。もうそろそろ時期も来ておったと見ていいんじゃなかろうか、こう思いますが、いかがでございます。
    〔今枝委員長代理退席、委員長着席〕
○河上政府委員 確かに御指摘のように、まだ刑務所の方からは委員会の方に上申が行っておりません。これは、ただいま保護局長の方からの御答弁にもございましたが、結局刑務所の中の各受刑者の取り扱いにとって一番大切だと私どもが信じてやっておりますのは、各受刑者に対する公平さ、公平な取り扱いだろうと思っております。
 委員御指摘のように、法律の解釈で、刑法二十八条の刑に処せられたというのは、無期刑が確定した、そして無期刑の執行というふうに私どもとしては解釈しております関係で、まだ十年を経過してそこそこだということで他の受刑者との関係からどうしても公平さを保っていきたい、こう考えているわけでございます。
○林田国務大臣 石川受刑者につきましては、私も要請を受けたことがございます。そこで、ただいま各局長が答弁を申し上げましたように、私も各局長に対しまして、いかにすべきか検討をするようにその要請を受けた後で申したような次第でございまして、いろいろな事情がございまするので、まだ検討を続けておるという状況でございます。
○坂上委員 もう余り時間がありませんので、ちょっとリクルート問題についてお聞きをいたしたいと思います。
 松原前室長は、いわばわいろ申込罪で起訴されたそうでございます。これはまだ保釈になっておらないのでしょうか。ならぬとすれば、証拠隠滅等の理由でございますか、あるいはまだ相当余罪もあるということなんでございましょうか、どんな見通しでございますか。
○根來政府委員 御承知のように、保釈は保釈請求を待って行うことと理解しておりますけれども、まだ本人から保釈請求は出ておりません。
○坂上委員 そうですか。別の容疑はあるのでございますか。
○根來政府委員 恐縮でございますけれども、そういう問題については従来からお答えいたしておりませんので、御了解願いたいと思います。
○坂上委員 さて、松原氏の起訴にかかわる事件について、検察当局は家宅捜索をなさったわけでございます。新聞の報ずるところによりますと、シュレッダー百台を購入されまして、リクルートの会社の捜査に必要だと思われる書類を破棄なさったというふうなことが出ておるわけでございます。こういう事実は推測あるいは捜査の上で出てきたのでございましょうか。これに対しまして、検察当局としては証拠隠滅罪というようなことで捜査をなさっておるのでございましょうか、いかがでございましょうか。
○根來政府委員 私どもも検察庁の方もそういう報道がなされたことは十分承知しておると思います。検察といたしましては従来からそういうことについても、犯罪に触れるようなこと、法律に触れるようなことがございましたら適正に対処するものと我々は解釈しております。
○坂上委員 これは大変なことでございまして、帳面一冊なくなったとかというようなことでなくして、百台も購入してなさったという事実のようでございます。別にこういうことはなかったというような会社側の発表もありませんし、どうも事実と認めざるを得ないのじゃなかろうかと思うわけでございます。今、国会の中でもリクルート問題が国政調査の上で大変真剣に議論が尽くされておるわけでございます。検察並びに警察の方でも鋭意捜査なさっておるわけでございます。こんなようなことから、証拠が足りない、証拠を隠滅したというようなことで真相が明らかにならないということになりますと、国民の期待を非常に裏切ることにもなるわけでございますから、これらの点についても、もちろん期待する検察庁でございますから万遺漏がないかと思いますけれども、ぜひひとつこういう観点からもきちっとしていただきたいな、こう思っておるわけでございます。
 それからまたお聞きをいたしますが、先般衆議院のリクルート委員会がリストをリクルート本社から取り寄せたわけでございます。私も写しを回答書という形でいただいておるわけでございます。元会長である江副氏は、病床質問というのだそうでございますが、病床質問に金丸税制委員長らが行きましたとき、死んでも答えるわけにはいきません、刑事罰を受けても答えるわけにはいきません、こうおっしゃったそうでございます。殊に今リクルートの社長あるいはコスモスの社長は別の方でございまして、江副氏ではありませんけれども、提出なさった、回答書が出てきた、こうなっておるわけであります。これは検察当局もどらんになりましたか、あるいはまた入手をされましたか。十一月十五日付でございます。
○根來政府委員 委員長に提出されました問題のリストといいますか、そういうものの写しは私どもも入手いたしまして検察庁の方に送付しております。
○坂上委員 さて、この回答書によりますとこう書いてあるわけでございます。
 「リクルートコスモス株式譲渡」に関する政官界関係譲渡先についての貴委員会からの資料請求に対しましてここに謹んでご回答申し上げます。
  以下のリストは、私どもが第三者割当先等も含め、調査してまいりましたもので、政治家または官界関係者及びその秘書、緑戚者、知人等関係者などを、譲渡時の肩書にもとづいて確認し、その全てを記載したものであります。
  又、政官界関係者以外については氏名を伏せておりますがこれらの人物を介して更に政官界関係者に再譲渡されている事実はないことを申し添えます。
 リスト1 昭和五十九年十二月(株)リクルートからの譲渡分(額面五百円)
 リスト2 昭和六十一年秋(株)リクルートコスモスの第三者割当増資先からの譲渡分(額面五十円)
こう書いてあります。
 さてそこで、これ以上間違いありません、こう言っているわけです。しかし、江副氏は、刑罰を受けても申せません、それだったら自殺した方がよろしゅうございますと言いながら、しかもここ
の実力者でございます。新聞によりますと、社長さんらが説得をした、そして承知をして回答したんだ、こう言っておるわけです。しかし、私は死んでも申さぬと言ったぐらいですから、このこと自体で回答しないことが刑罰の対象になるわけでもございませんし、どうも真実を回答なさったかどうかということに若干の危惧を持っておるわけでございます。
 そこで、検察庁の方といたしましては、まずいかがでございましょうか、大体この五十九年十二月のリストあるいは六十一年の秋のリスト、譲渡先、政官界、そういうようなところもどうも捜査なさっておるようでございます。私はあるところから押収品目録交付書というのをいただきまして、検察事務官、佐々木美喜雄さんが捜索をされまして任意提出を受けて交付なさったのだろうと思うのでございますが、ここまで捜査の手が伸びていることに極めてよくやっていただいているなということを実は感じておるわけでございます。
 これは、お話し申し上げますと、六万株のリストでございます。見てみますと、検察当局は、報道等でも報じられておるわけでございますが、株の行方というものをどうもきちっと捜査なさっておるようでございますが、もうそろそろあれでございましょうか、大体の把握はできたのじゃないかと私は思いますが、いかがでございましょうか。
○根來政府委員 去る十一月十日に松原元社長室長を起訴いたしましたけれども、その際、検察庁といたしまして今後どういうふうにするかということについて新聞記者に多少お話ししております。その内容といたしましては、引き続き共犯関係についての捜査を継続いたします、それが第一点でございます。それから第二点といたしまして、事件の背景となっているリクルートコスモス社の非公開株の譲渡関係についても鋭意検討いたします、こういうふうに説明しておるわけでございます。私どもは、国会の御議論も当然その中に入っておるのじゃないかというふうに考えておることはしばしば御説明いたしているとおりでございます。
 したがいまして、仰せのような非公開株の譲渡関係についても、それは捜査というのはあるいは言葉としては行き過ぎかもわかりませんけれども、検討していることは事実だと思います。しかしながら、その検討の結果現在どういう状況になっているかということについては、こういうことについては従来から答弁は勘弁していただいておりますので、その辺御理解いただきたいと思います。
○坂上委員 さて、いかがでございましょうか。このリストは昭和五十九年十二月の譲渡先、あとリスト2はワールドサービス、三起、それからドゥ・ベスト、ビッグウェイ、エターナルフォーチュン、この譲渡先でございます。いわばリスト2はトンネル会社になったと言われている会社でございます。例えばビッグウェイ等は私たちがこのリストを入手いたしまして具体的に調査をいたしまして発表したリストでございます。確かにビッグウェイに関する限りはこのとおりのようでございます。そのほかのものについては、果たしていかがかなと思う部分も私の方はないわけではないのであります。
 検察庁、現在捜査されている中で、検察の方の調査の状況等から見てみまして、今言ったリストというのは正確さがあるというふうに御理解なさっておるのでございましょうか、いかがでございましょうか。
○根來政府委員 ただいまお示しのリストというのは、国政調査権に基づきましてリクルート委員会の委員長がリクルートコスモス社その他から受理したものと考えております。したがいまして、私どもの理解といたしましては、近々江副氏あるいはその他の者が証人として喚問されるというふうに聞いておるわけでございますが、まさしくそういう喚問の場でそのリストの真偽がいろいろ議論されることと思います。したがいまして、私ども行政機関といたしまして、国会の国政調査権の行使としまして提出された資料につきましていろいろ申し上げる立場でないということをひとつ御理解いただきたいと思います。
○坂上委員 それではまた別の角度からお聞きいたします。
 これ以外に、ほかのトンネル会社になったところがあるわけでございます。例えば飯田さんのセコムあるいはヤクルト、こういうところに割り当てになった二けたの株数が江副氏に返された、こう言っておるわけであります。この株がどういうふうになっているかなんということはまだ全くわかっておらぬわけでございます。検察の方はこういうところもお調べになっておりましょうか。調べておるとするならば、トンネル会社的なものあるいは江副氏に返された株というのは、大体何社ぐらいあるのか、幾株ぐらいあるのか、おわかりならお答えいただきたい、こう思います。
○根來政府委員 ただいま御指摘のような具体的な点について私ども申し上げる立場でございませんが、先ほど申し上げましたように、一般的に非公開株の問題も検討する、これは捜査でございませんけれども検討いたします、こういうふうに言っておりますから、一般的にはそういう観点で検討していると考えております。
○坂上委員 再度お聞きをして大変恐縮でございますが、今言ったリスト以外のところも調査をしている、こういうふうにおっしゃったのでございましょうか。
○根來政府委員 検討の内容といいますか調査の内容といいますか、そういうことについて具体的に申し上げているわけではございません。ただ、検察庁の方針としまして非公開株の譲渡問題につきましても検討する、こう言っておるのでございますから、まあ大きく言えばそういう今御指摘のあった問題も御指摘として検討するものと考えております。
○坂上委員 さて、また同じような裏返しの質問になるわけでございますが、検察庁の方では複数の証券会社に問い合わせて店頭公開直後の株の売却の政治家の有無を調べた、このリストに載ってない新たな政治家が約十名ぐらいいる、こういう報道がきのうあたりからなされております。さっきの質問の裏返しの質問になるわけでございますが、どうもそこからしてみますると、国会に報告になった回答書、江副氏の病床質問の答弁、今の報道そして今の刑事局長の御答弁、こう総合いたしますと、まだ別のトンネル会社の株の譲渡があるのじゃなかろうか、その中にまだ発表されていない政治家の名前があるのじゃなかろうか、しかもそれが約十名前後、こう大体言えるのじゃなかろうかと思いますが、いかがでございますか、答弁。
○根來政府委員 昨日の一部の新聞に「政界関係者ほかにも(複数)検察幹部が言明」という報道がなされたことも私どもよく知っております。しかしながら、こういう問題については従来から国会で申し上げていないことでございますし、検察幹部が報道関係者にこういうことを申すはずがないと考えております。
 したがいまして、私どもの基本的態度といたしまして、従来から御理解いただいておりますように捜査の内容あるいは検討の内容については答弁を勘弁していただくということでございますので、そういうふうに理解していただきたいと思います。また、この報道の内容についても、私どもとしては批判あるいは申し上げる立場でございませんけれども、そういうことは申し上げていないのではないかと考えております。
○坂上委員 刑事局長、私が質問しているのはテレビのことで言ったわけです。検察の首脳が言ったとか検察の関係者が言ったと言っているわけではございません。私は事実を挙げて実は答弁を求めたわけでございまして、新聞に書いてある検察が言ったというのは否定をする、それはそれで結構でございますが、私が言ったのは、それ以外のいろいろな材料を出していかがかという御質問でございます。
○根來政府委員 まことに恐縮でございますけれ
ども、そういう検討の内容とか捜査の内容にわたることはひとつ勘弁願いたいと思います。
○坂上委員 さて、最後でございますが、大臣には税特で本当に一生懸命な御答弁をいただき、また誠実な御答弁をいただいて大変敬服をしておるわけでございます。ついては、政治的な立場に立って御答弁いただいて結構でございますが、御存じのとおりこうやって回答書が出てきて政治家がリストに載りました。今言ったように十名前後の者が隠れているとするならば、与野党を問わず不公正だと私は思っているわけです。もうこの段階に来たらやはり明らかにすべきものは明らかにして、四つぐらいに分類されると思うのです。一つは職務権限のある人、これは刑事責任を負うべき人でございます。いま一つは政治的責任を負わねばならぬ人。いま一つは道義的責任を負わねばならぬ人。いま一つはばつの悪い思いをしなければならぬ人。この四例ぐらいに分かれると私は思うのでございます。
 だから、あからさまにばんと出していただきまして、しかも信用のあるところからこれを出していただきまして、そして平等に、名前が出ても今言った四つに分類されるわけでございますから、ばつの悪い思いはするでございましょうが、刑事責任を問われない人もあるわけでございます。そんなようなことからも私は、この際、権威あるところ、責任のあるところからきちっとした公表があってしかるべきなのじゃなかろうかと思っておるわけであります。従前の委員会の大臣の御答弁をお聞きいたしますと、出す用意はありますとおっしゃっておるわけでございます。ただし、条件があるようでございますが、これはこれで結構でございます。これは捜査の妨害になるわけでもございませんし、年内ぐらいに出していただいていい問題でなかろうかと思いますが、いかがでございますか。
○林田国務大臣 私、前からお答え申しておりまするように、国会における国政調査権につきましては法令の許す範囲内でできる限りの協力をさせていただこうという所存でございまして、お尋ねのコスモス株の譲渡関係につきましては私承知をいたしておりません。聞いていないところでございます。
 それで検察当局におきましては、国会における御議論も踏まえまして検討しているところであると承知をしております。まだその全容が明らかになっていないところから、現時点におきましてどのような事実を御報告することができるかについては申し上げることができないわけでございまして、御理解をいただきたいと存じます。できるだけこれからも努力をして捜査を続けていこう、こういう次第でございます。
○坂上委員 最後ですが、刑事局長、捜査状況はどの程度まで進んでおり、見通しはどの程度ですか。
○根來政府委員 十一月十日の起訴によりまして一つの区切りをつけたわけでございますが、その後どういう検討をしているかということについては、言うなれば水面下に沈んでやっておりますので、ここで申し上げる材料はないわけでございます。ひとつその辺御了解をいただきたいと思います。
○坂上委員 どうもありがとうございました。
○戸沢委員長 山田英介君。
○山田委員 私は、まず最初に、土曜閉庁問題全体にかかわる点で二、三質問をさせていただきます。
 まず、総理府が本年六月に公務員に関する世論調査を実施されまして、その資料を拝見いたしますと、官公庁が週休二日制を進めていくことにつきましては、行政サービスへの配慮をするならば賛成、配慮が欠けていれば反対、こういう点で二八・一%という回答であった。確かに官公庁が週休二日制を進めることにつきましては賛成が三〇%を超える、あるいは反対が二七・七%ということで賛成が上回ってはおるわけでございますが、この二八・一%の方々が行政サービスへの配慮をするならばという条件つきであるわけでございます。この二八%余の国民の声は非常に重いものがあると私は考えますが、この点をどう受けとめ、また行政サービスへの配慮をしていかれるのか、まずお伺いしたいと思います。
○河野説明員 ただいま先生お示しのとおり、調査結果によりますと、二八・一%の方が行政サービスへの配慮をするならば賛成、それでなければ反対ということで、私どもまさにこういう条件つきの方に賛成に回っていただくような努力をしなければいけないと思っております。
 実は昨年来、総務庁を初め各省庁におきまして、土曜閉庁方式について御意見を各方面から伺ってきたわけです。その際も条件つき賛成という方が相当数おられまして、具体的にその条件の内容でございますが、例えば民間部門では経営の効率化によって時短をしているのであるから公務員も公務能率を増進しなければいけないとか、緊急時の対応をしっかりしてくれ、また土曜閉庁するにしても一斉に全部閉めるのではなくて必要なところはあけておくべきである、そのほかにこの際行政サービスを全般的に見直す努力をして、公務員がそういう努力をしているということがわかれば土曜閉庁についても理解できるというような御意見もあったわけでございます。
 そこで、五月三十一日に土曜閉庁方式導入の具体的方策について閣議決定したわけでございますが、その際、まずどの官署を閉庁するかにつきましては、例えば航空官署とか気象観測の官署、そういう交代制勤務の官署は当然でございますが、美術館、博物館のような特に週末に国民の皆さんが御利用になるような官署は閉めない、あるいは非常に影響力の大きい学校とか病院の外来部門は閉めない。一つはそういうことを決定したわけでございます。
 それからもう一つは、閉庁する官署におきましても極力行政サービスを低下させないための工夫を行う。さらに行政の簡素効率化を一層進め、現在総務庁で進めておりますさわやか行政サービスというようなものを一層進めていくということを閣議決定したわけでございます。
 具体的に行政サービスを極力低下させないための工夫でございますが、例えば港湾関係の官署では、船舶が急に入港してくることもあるわけでございますので、そういうときには臨時開庁というような制度で対応する、あるいは土曜日国民の皆さんが申請書を持ってこられたときには、受付窓口、受付ポストを設けまして、無人でも受け付けだけはできるようにするとか、その他もろもろの工夫をそれぞれの官署の実態に応じてやっていただくということを各省庁にお願いしているところでございます。
○山田委員 行政機関の土曜閉庁方式による週休二日制の導入に当たりましては、予算あるいは定員はふやさないで、しかも行政サービスも低下をさせない、政府はこういう方針でございます。
 国家公務員の労働組合の方々のお話をいろいろ伺っておるわけでございますが、昨年アンケート調査を関係の組合の方でなさったそうでございます。その結果、国家公務員の労働条件につきましてこういう結果が出ておるということなんですが、一つは、本省、本庁を中心とした超過勤務の問題がありまして、残業・健康実態アンケートの調査結果では、通常業務を残業で処理しておると回答がありましたのは職員の方々の半数を超える。いま一つ、健康面ということで、六割を超える職員の皆さんが医者にかかったり薬を服用しながら仕事をしておる。実際に閉庁方式による週休二日制が導入された場合に、超過勤務がさらに一層過重されるのではないだろうかという心配が一つあるわけでございます。このアンケート調査の結果をそのまま私申し上げたわけでございますが、御当局はこういう点についてどういう認識をなされておられるのか、どういう実態であるのか、まずお尋ねを申し上げます。
○河野説明員 まず、今回の土曜閉庁方式の導入と職員の勤務時間との関係について御説明させていただきたいと思いますが、御存じのように、国家公務員はこの四月から四週六休制をやっており
まして、その四週六休制は、週平均の所定労働時間四十二時間、四週につき二の土曜日を休むという方式でやっておるわけでございます。
 今回の土曜閉庁方式でございますが、これは現在既にやっております四週六休制の枠内で実施するということでございまして、したがって、その土曜閉庁方式を導入いたしましても職員の休日がふえるわけではございませんし、過所定労働時間四十二時間が短くなるわけでもないわけでございます。したがって、私どもは一般的には土曜閉庁方式を導入したからといって超過勤務時間がふえることはないと考えておるわけでございます。
 ただ、今、先生から組合のアンケート調査に基づいて御指摘があった超勤問題につきましては、私どもも問題があると思っております。なお、政府として総労働時間の短縮ということを進めていく中で、四週六休制等によって所定内の労働時間の短縮ということだけではなくて、例えば有給休暇の取得率を上げるとか超過勤務時間の短縮をするとかいうことを考えていかなければいけないと思っております。
 具体的にどういうことをしなければいけないかということでございますが、まず一つにはつき合い超勤というようなものが結構あるわけでございます。これは上司が残っているから残る、こういうのは全くむだなことでございますので、まずやめていただく。それから二つ目には、各省庁で事務の見直しとか事務のやり方の見直しということをやっていただかなければいけないと思っています。私どもが日ごろ見ておりましても、例えば各省折衝などで補佐同士にやらせておきますと明け方までかかる、それを局長同士で直接やれば五分で済むというようなことも間々あるわけでございます。それから三つ目に、そういう努力をしましてもどうしても恒常的に忙しいというところにつきましては、各省庁それぞれ内部で人員配置の見直しをしまして、少しでも暇なところから忙しいところに人を回す、そういうような措置もやっていかなければいけない。私ども、こういう措置で相当改善されるのではないかということで、機会あるごとに各省庁にはお願いしているわけでございます。
○山田委員 次に、「土曜閉庁日に行うことが予定される事務(案)」という五月三十一日に総務庁が出されておりますものの中で刑務所あるいは拘置所が挙げられております。その事務の内容につきましては「被収容者の処遇に関する事務」とございます。基本的なことで恐縮でございますが、現状における刑務所あるいは拘置所の土曜日の面会あるいは差し入れ、こういう手続の取り扱い状況はどういうふうになっているのか、教えていただきたいと思います。
○河上政府委員 お尋ねの土曜日でございますが、土曜日につきましては、現在のいわゆる四週六休制のもとでも一応面会、弁護人の接見、差し入れなどについては通常どおり行っております。
○山田委員 分けて考えてみたいのですが、家族とか親戚、友人、こういう方々が被収容者に対しまして面会あるいは差し入れ、今の御答弁でございますと行われておるということですが、今回のこの裁判所の休日に関する法律が成立をいたしますと、それはどのように変わるのでしょうか、あるいは変わらないのでしょうか。
○河上政府委員 行政機関でございますので裁判所の休日に関する法律ではございませんが、同じく国家公務員の休日に関する法律の関係で、四週六休制といいますか、第二、第四土曜日が日曜日扱いということになりますと、面会、差し入れあるいは弁護人の接見などについても原則として閉庁日には行わないということになる予定でございます。
○山田委員 今は失礼いたしました。そういうことでございます。
 そこで、実際は一般の面会とか被収容者に対する差し入れなどは土曜日に集中しておるのだろう。これは生活あるいは経済活動の実態からして当然こういうことになるのだろうと思います。行政機関の土曜閉庁でこれができなくなるということは、被収容者にも人権があるわけでございますから、その観点からすればかなり大きな制限となると考えられます。ここのところ、ちょっと何とかならないのか。土曜日の午前中に面会、差し入れ等が集中をしているという実情、それから被収容者にも人権がある、しかし、この行政機関の土曜閉庁によりましてこれができなくなるということはかなり大きな制約である、大変な問題である、こう考えるわけですが、この点いかがでございましょうか、もう一度お願いします。
○河上政府委員 まず前提でございますが、土曜日に面会などが集中しているかどうかというようなことでございますが、面会の件数、これは本年の十月を例にとりますと、既決囚、受刑者の場合、土曜日はいわゆる半ドンでございまして、半日しか執務時間がないわけでございますが、平日の約五五%ということで、必ずしも大きな集中は既決囚の場合にはないと言っていいのじゃないかと思います。ただ、未決の被収容者の場合については、この率がもう少し高くなっているようでございます。もちろん普通の平日に比べて少のうございますけれども、約七割近くまでいっていると思います。そういう意味では、集中ということかどうかは別として、ある程度半日の間にたくさんの方が見えるということは事実でございます。
 ただ、先ほども私御答弁申し上げましたが、職員もなかなかぎりぎりの配置をしている状況でございまして、土曜日を休ませていただくというのはまことにありがたい法案でございまして、何とか土曜日が休めればそれだけ職員の休養にもなると考えているわけでございまして、土曜日を日曜日と同様に扱うという今度の法案の趣旨から、やはり何とか日曜日並みに休ませていただきたい、こう考えているわけでございます。
○山田委員 職員の方々に対する配慮、それから、既決、未決で差別を必ずしもしていいかどうかまた議論があるかと思いますけれども、特に御答弁にありましたように、未決の被収容者の方々に対する面会、差し入れ、ある意味ではこの辺の調整、バランスをどうとるかということでもあろうかと思います。その点も今後ぜひ御検討を継続していただきたいと存じますが、大事な問題かと存じますので、林田大臣に一言御答弁をお願いします。
○林田国務大臣 私も二十五年間ほど公務員をしていたものでございまして、公務員は滅私奉公みたいな気持ちを持ってやってきたものでございます。しかし、時世が進んでまいりまして、公務員につきましても四週六休というようなことに皆さんが認めていただくような時代を迎えたわけでございまして、本当にありがたいことであると存じます。しかし、公務員としてできるだけのサービスをいたしますることは当然のことでございまして、局長が答弁いたしておりまするように、今後できるだけの努力をしなければならぬ問題だ、かように存じております。
○山田委員 先日、内閣委員 会でいろいろ審議がなされました。その中で、弁護人の接見について矯正局保安課長さんからこういう御答弁がございました。「弁護人によりますところの接見というものの重要性にかんがみまして、この弁護人接見の緊急性あるいは必要性、こういうものが認められる場合には、各庁でそれぞれ職員配置等の手当てがつきますならば、これを極力実施する方向で努力いたす所存でございます。」接見の緊急性、必要性が認められる場合には職員配置等の手当てがつけば極力実施する方向で努力するということは、事実上これは土曜日は無理ということなんでしょうか、そう読めなくもないのですが、この点はどういうことでございましょうか。
○河上政府委員 各施設の地理的条件とか職員配置の条件等いろいろございますので、一律に申し上げるのは非常に困難でございますが、私どもといたしましては弁護人接見の重要性というものを十分認識しているつもりでございまして、あらかじめ弁護人の方からそういった電話連絡なり何なりをいただいて、どうしても当日会う必要があるといったようなこと、またそれが非常に合理性が
ある場合が多かろうと存じます。例えば東京の弁護士さんが遠くへわざわざ出かけていかれるのはその日しかない、土曜日の午後しかないといったようなこともあり得るわけでございます。そういった場合には、結局職員を残業させる、あるいはわざわざ招集するという形をとらざるを得ないわけでございますけれども、職員配置がつく限りは何とか前向きでやれないものかどうか、ともかく検討してくれということで検討しているわけでございまして、何とか前向きに考えたいと思っております。
○山田委員 最後の質問になりますが、この裁判所の休日に関する法律案の第一条第二項を拝見いたしますと、「前項の規定は、裁判所の休日に裁判所が権限を行使することを妨げるものではない。」とあります。ここに言います「権限」の行使の範囲についてでございますが、先ほど同僚委員から保釈手続についての質問もあったかと思いますけれども、この保釈の手続あるいは勾留の執行停止あるいは勾留理由開示手続あるいは執行停止手続、こういう国民の裁判を受ける権利について非常に重大な関係のあるそれぞれの手続でございます。そういう点から、閉庁土曜日にありましても、こういう裁判を受ける国民の権利に重要なかかわりのあるこれらの事務は私はぜひ行っていただきたいと思いますし、ただ受け付けだけではなく、裁判所側の審理あるいは決定、許可などの処理もぜひ平常どおりと申しますか、できる限り対応していただきたいと存じますが、この点はいかがでございましょうか。
○吉丸最高裁判所長官代理者 ただいま御指摘の各事務のうち、令状、勾留等につきましては、これは裁判所によって細かいところは異なりますが、基本的には当番制によって遺漏なく処理されていくということになろうと思います。
 準抗告ということになりますと、三人の裁判官の合議体で行わなければならない場合がございます。また、保釈ということになりますと、これはその事件を担当している部が裁判所として行わなければならないということがございまして、必ずしも当番制によって賄い切れない部分がこぎいますが、これらの事務につきましても、特に緊急を要するものにつきましては閉庁土曜日においても処理をいたしまして、御指摘の国民の権利等に支障が生じないように十分配慮してまいりたいというふうに考えております。
○山田委員 終わります。
○戸沢委員長 中村巖君。
○中村(巖)委員 今審議をしております裁判所の休日に関する法律案、これにつきましては、私どもとしてもこれは賛成でございます。労働時間短縮というのは世界的な趨勢であるわけでありまして、その中で、公務員といえども昔みたいに無定量の勤務なんて、こういうことはないわけで、やはり労働時間というものをできるだけ少なくするということは望ましいことでございます。そういうことでありますけれども、そういう体制ができる中で混乱が起こっては困るわけでございまして、混乱さえなければそれはそれで大変いいことではないか、こういうふうに思っております。
 法案の内容は、要するに第二、第四土曜日も日曜日並みだ、お休みなんだ、こういうことに尽きるわけでございましょうけれども、そうなりますと、まず第一に裁判所にお尋ねをすると、やはり裁判所の執務体制というのも第二、第四土曜日も日曜日並みになる、裁判所の門は閉めて職員は登庁しない、それから裁判官も原則的には登庁をしない、こういう体制になるのだろうというふうに思いますが、そういうことになりますと、その間全然職員がおらないというような状況ではやはり困るのではないかという感じがいたします。まして、過疎地で職員の数が少ない、一人あるいは二人というようなところでは、では宿直、日直の体制をとるかというとそれもできないことになるのではないか、そういう点についてどういうふうにお考えですか、まず伺います。
○金谷最高裁判所長官代理者 閉庁土曜日の執務体制というのは、おっしゃるとおり日曜日と同様の体制になります。そういうことでございますので、受け付け事務、令状事務それから緊急に処理を要する事務以外の事務につきましては行わないということになります。
 緊急事務につきましては、従前から宿日直で対処してまいりました庁につきましては同様宿日直でやる。宿日直を廃止している庁がございますが、そういうところでは閉庁土曜日の午前も日直は行わないということになります。
 御指摘の過疎地の裁判所の場合には、そのほとんどにつきまして現在宿日直を廃止しております。そのかわり、緊急事務が生じた場合には、一つは隣接した裁判所がその緊急事務を処理するという体制をとっているところがございます。もう一つは、自宅待機の職員を指定しまして、そして庁舎入り口の見やすい場所に職員の連絡先を明記したものを張りまして、緊急事務が生じたら直ちに登庁してその事務の処理に当たる、こういう体制をとっておるわけでございます。閉庁土曜日につきましてもその体制を続けていく。ただ、緊急事務を処理するについて、そういう連絡体制等に落ち度があってはいけませんので、そのあたりを再点検、再確認してきちんとやっていきたい、こういうふうに考えております。
○中村(巖)委員 具体的な場合に、令状事務などというものはやめるわけにいきませんから、どうしても逮捕状あるいは勾留状の請求などというものは来るわけでありまして、こういうもの、さらにはいろいろな申し立てあるいは訴状等が、どうしてもその日のうちにやらなければならない、こういうようなことがあるわけです。その場合に、体制としては今おっしゃられるように宿日直ということでございますけれども、その宿日直そののを、二日も休みが続くということになるとやりある程度強化をしなければ対処できないのじゃないかというふうに感じられますけれども、その辺がどうなりましょうか。
○金谷最高裁判所長官代理者 月二回の土曜日が閉庁になりますと、その土曜日の午前につきまして日直体制をとる、とらなければならなくなるという点が今よりは変わる点でございます。しかし、従来も土曜日の午後は日直体制をとっておりまして、結局、その日直の時間が朝からに延びるということでございます。日直の時間はそういうふうに延びるのでございますが、日直のローテーションが非常に頻度が高くなるというものでもございませんし、今まで開庁方式の四週六休制でやってきました実績なども見ますと、閉庁土曜日の朝あるいは閉庁土曜日全体について格別緊急に処理を要する事務がふえるというようなこともないのではないか、こう考えておりますので、ふえる土曜日の午前の分の日直の分について予算的な手当てさえ確保すればほぼ現在と同様の体制でいけるのではないか、こう考えておる次第でございます。
○中村(巖)委員 先ほども聞かれておりますけれども、法案の中には「裁判所の休日に裁判所が権限を行使することを妨げるものではない。」こういうことがありまして、そのことは、言ってみれば裁判官が休日に登庁をして仕事をして、何らかのいわゆる裁判所の権限行使になることをやることができる、こういうことになるわけですけれども、こういう規定を置かなければならないという必要性というのがどこにあるわけですか。
○則定政府委員 いわゆる裁判官なりその他の書記官等裁判所職員につきまして、それぞれ法令に基づく権限を持っているわけですが、それが役所が閉まったからといってその権限行使に支障を来すわけではございません。そういう意味では、わざわざ書かなくとも差し支えないということも考えられるわけでございますけれども、ただ、直接国民の権利義務にかかわります裁判所の権限というものを考えてみました場合に、誤解の生じないように、念のためにという色彩も非常に強うございまして、そういう規定をさせていただいたわけでございます。
○中村(巖)委員 次に、裁判所の執行官室の方は、この法案によってやはり土曜日には事務をや
らないということになるのかどうか。その場合に、今度休日になる土曜日に執行をやってもらいたいということになると、休日の執行の申し立てをしなければならないのかどうか、その辺はいかがでしょうか。
○泉最高裁判所長官代理者 執行官は、委員御承知のとおり裁判所職員の身分を有しておりまして、勤務時間や休暇の取り扱いも一般の裁判所職員と全く変わりがございません。したがいまして、これまでも日曜日、祭日等の閉庁日には原則として執務しないという取り扱いになっていたわけでございますが、この点は土曜閉庁実施後も同様の取り扱いになるわけでございます。
 ただ、執行官はその職務の特殊性から、事件が急を要するものであるときには勤務時間外であっても職務を行わなければならないことになっておりまして、これは今後も土曜閉庁についても同様でございます。緊急を要するような事件につきましては、申し立てがありましたら執行するわけでございます。これまでも日曜日、休日に執行官が職務を執行しておりました。これは、債務者がウィークデーには家にいないというような場合に、動産執行などを休日にしているということがございましたが、そういうことは今後の土曜開庁にも当てはまるわけでございます。
○中村(巖)委員 次に、民事訴訟法、刑事訴訟法の一部改正で期間の計算の仕方、それが結局第二土曜日あるいは第四土曜日を含めるためにその規定そのものの字句が改正になっているわけですけれども、この期間計算のやり方は、こういうような法文にすることで何らかの混乱は出ないかどうか。混乱が出るのか出ないのか私もわからないのですけれども、何か予想される問題点というようなものはあるのかどうか、ちょっとお伺いをしたいと思います。
○藤井(正)政府委員 裁判所が休日になりますと、国民の側から裁判所に対してある行為をするという場合に、裁判所が執務をしていない状況にあるということを念頭に置きまして、したがって従来定められておりました期間の末日が休日である場合にはそれを伸長するという規定を土曜日にまで押し広げるということにいたしますならば、国民が一定の行為をするにつきまして定められている期間を遵守するに特に不都合はない状態になるわけでございますので、格別混乱を来すということはないのではなかろうかと思っております。
 民事訴訟法に定める期間の中には、国民が裁判所に対してなす行為のほかに、裁判所の方がする行為の期間とか裁判の効力の期間とかいったようなものの定めもございますが、これも歩調を合わせることにいたしますならば、誤解等を招くこともないのではなかろうかというように思っております。
○中村(巖)委員 第二と第四だけが休日で、第一、第三、第五というような日が休日ではない。そうすると、今週の土曜日は休みだったかな、休みでなかったかな、そういうことを考慮に入れて期間計算をしなくてはならぬという非常にややこしい問題になって、混乱というか、きちっと数えればいいわけですけれども、そういうことが起こるのではないかなという感じがするわけで、その辺は余り心配しておられないのかな、こういうふうに思ったわけでございます。
 次に、この法律とは直接関係ありませんけれども、法務省の方へお尋ねをしたいと思います。
 第一に、この土曜閉庁ということになると、供託事務あるいは登記事務というものももちろんやられない、こういうことになるんだと思いますけれども、やはり今供託にしても、特に登記事務の場合に大変繁忙である、こういうことでございまして、これが土曜日にやられないということになると、その事務量がほかの日にかかってきて、事務処理が非常に停滞をするんではないか、こういうような気がいたしますけれども、この辺はいかがですか。
○藤井(正)政府委員 登記事務につきましては、ただいま先生お話がございましたように大変繁忙な状況にございます。その点について御理解をいただきまして大変ありがたく思っているところでございますが、今般、行政機関の休日に関する法律によりまして土曜閉庁を実施するということになりましたのは、これまで四週六休制をやってまいりまして、それで土曜閉庁を実施することが可能であるという判断に到達されたからであろうかと思います。それから見ますと、全体としての事務量に差は特にないということになるわけでございますが、問題は、特定の日、特に金曜日それから月曜日に事件が集中するおそれがある。その事務処理に遺憾のないようにするという必要があることは確かでございます。
 そこで、この土曜閉庁が行われるということをポスターなどを通じて、あるいは関係団体である司法書士会などを通じまして広く周知徹底を図る、そしてそういう特定の日には集中することが少ないように、できるだけまんべんなく申請が出てくるようなそういう御協力をお願いするということはいたす考えでございます。
 また、登記所の側におきましても、特に事件が集中すると予想される月曜日あるいは金曜日などの執務体制については特に工夫を凝らしたい。会議その他の事務を極力減らしまして、全員で事務処理に当たれるようなそういう執務体制を工夫するなどいたしてまいりたいと思っております。
○中村(巖)委員 次に、刑務所の関係でありますけれども、伺うところによると、刑務所は、この第二、第四の土曜日については休日になるんだから収容者に対しても免業日にするんだ、こういうようなことでありますが、この免業日にすることによって収容者の処遇としてはその日をどういうような処遇に充てるのかということ。それから、それによって職員の体制というものがどういうふうになってくるのかということをちょっと伺いたいと思います。
○河上政府委員 御指摘のように、今閉庁土曜日には免業にして刑務作業を実施させない予定にしております。それによって生じた余暇時間があるわけでございますが、これについては、例えば視聴覚器材を使用して教化改善といいますか、あるいは余暇を利用させる、あるいは読書指導をするといったような形で受刑者が社会復帰を円滑にできるような余暇活動の有効利用というようなことを考えております。
 それから、土曜閉庁することによってどのような影響が職員に生ずるかという点でございますが、土曜閉庁が実施されますと、被収容者は結局免業ということでございますので、工場で担当しております保安関係の職員というのは不必要といいますか、勤務しないで済むわけでございます。ただ、今申し上げましたように、教科指導あるいは教育行事といったようなものは日中にやることになります。それから、昼間もそうですが、夜間においても必要最小限度の保安管理の人間は必要なわけでございますから、保安系統の職員については、そういった教育行事あるいは余暇活用行事及び保安業務に従事する最小限の人間を除きまして休むことができるようになります。
 それから、それ以外の庶務とか会計あるいは用度といったようないわゆる事務部門の職員については原則として休むことができるようになります。ただ、保安系統の職員も結局土曜日といえどもかなり出てこざるを得ないわけでございますから、施設によって異なると思いますが、庶務、会計、用度等からも応援という形で順次うまく休暇をとることができるように、そういうふうな形にさせたいと考えております。
○中村(巖)委員 再び裁判所にお尋ねいたしますけれども、今度第二、第四土曜日が閉庁ということになりますと、実質一カ月に六時間仕事をしない。仕事は従来より短縮をされるということになるわけで、一カ月に六時間短縮をされるということになると、やはりそれ自体が司法行政事務や裁判事務に及ぼす影響というのはないわけではないだろう、そんなに役所は従来暇であったという話ではないだろうと思うのです。そうなるとやはりそれだけの事務をその他の日にこなすということになるわけで、その場合に残業の問題が出てきた
りあるいはまた臨時職員の問題が出てきたり、残業等々の問題が出てくれば予算的な措置も必要になるんじゃないか、こんなような感じがしますけれども、その辺について裁判所としてはどうお考えでしょうか。
○金谷最高裁判所長官代理者 土曜閉庁を採用いたしますと、役所が開いている開庁時間は確かに減るのでございますが、しかし現在でも開庁方式で四週六休制をとっておりますので、職員の労働時間そのものは短縮するということではないのでございます。ですから、職員の働く時間というのは今と同様の状況。ただ、今まで土曜日半分ずつ職員が休んでいたのが、第二、第四は原則的には全員休む、第一、第三、第五というところは全員出てくるという形になるわけでございます。あるいは金曜日あたりに少し事務が集中するかという面も考えられないではないのでございますが、現在でも同様の状況が既に裁判所の場合も起きております。そういうところから見ますと、基本的には特別の手当てをしないでやっていけるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○中村(巖)委員 あと一点、その延長線上の問題ですけれども、要するに、他の行政官庁とのかかわりはありましょうけれども、まず裁判所としては今後第二、第四以外の土曜日も休業にする、そういう対応というものが可能なのかどうか、そういうことになるという体制になればそれは即応できるということになるのかどうか、その辺を最後に伺っておしまいにしたいと思います。
○金谷最高裁判所長官代理者 現在御審議いただいております月二回の閉庁方式の四週六休制、それの実施状況をよく見ていって、そしてそこで何か問題が生ずることがないのか、国民に不便をかけることがないのか、そういった点をよく見まして、その上で、社会全体、民間の休暇の状況等もにらみながらやっていくことになろうと思いますが、基本的には国家公務員、一般と並行した形でやることになろうか、こう考えております。
○中村(巖)委員 終わります。
○戸沢委員長 安倍基雄君。
○安倍(基)委員 既に同僚議員がいろいろと聞かれておりますが、もちろん今度の法案、いかに裁判官といえども昔の戦前の我々の持っているような義務じゃないわけでございますから、ただ、今でさえ裁判が遅いということさえ言われているわけでございますから、この辺、やはり今度の土曜閉庁が裁判の遅滞ということをもたらさないようにということが私としては一つの希望でございます。この点、裁判所としてはどう対処するおつもりでございますか。
○金谷最高裁判所長官代理者 土曜閉庁によりまして裁判の遅滞が一層増大するというようなことがあってはならない、こう考えております。私ども、そういうことのないよう全般的によくいろいろな問題を検討して、そういう事態が起きないようにやってまいりたい、こう考えております。
○安倍(基)委員 裁判の遅延ということは基本問題でございます。裁判官の数とか、どうやって裁判をスムーズにやるとか、その辺の問題が解決しなくてはいけない問題でございますので、この点はこれからやはりもう少し徹底的に考えていかなければいかぬ。日本の場合、非常に裁判がおくれる。その結果、裁判官の数もありましょうし弁護士の数もありましょうけれども、基本問題として考えていかなければいけない問題だと思います。この点、法務大臣、いかがでございますか。
○林田国務大臣 ただいまも局長が答弁申し上げましたように、裁判官は現在の数といたしまして十分ではないと言われておりますが、休日におきましても家へ持ち帰って勉強してくるというような状況でございまして、できるだけの努力をいたしまして裁判がおくれないようにやってまいりたいと存じます。
○安倍(基)委員 この基本問題は、裁判官の数とか弁護士の数とか、そういうふうな基本にかかわる問題でございますから、これからの、本当に特に土曜閉庁するというのであればそちらの方向の検討は十分していかなければいかぬと思っております。
 では、次の問題でございますが、いわば司法と行政、必ずしも同じではないのですね。もちろんいわゆる行政サービスというのと比較しまして、司法の場合には国民の権利義務という問題が非常に深く絡まってくる。行政の方はサービスであっても、司法の場合にはむしろ権利というか、いわばお互いの権利義務が非常に絡まってくるという面でやや異質であるということかと思います。それがある意味からいいますと、いわば通常の行政とは別にこういったものが提起されるということかと思います。
 既に質問も出ましたけれども、いわゆる当直というか日直によってできるものと日直ではできないもの、いろいろそういった区別があると思います。例えば保釈手続なんというのは、これは日直の裁判官ではできないというように聞いておりますけれども、その土曜閉庁によってこういった問題がいわばどういう扱いになるのか、その点をお聞きしたいと思います。
○吉丸最高裁判所長官代理者 保釈の場合に、これは第一回公判前の保釈ですと裁判官がすることになっておりますので、当番制で処理できないものではございません。
 しかし、第一回公判後におきましては、これは、事件を担当する部が決定をすることになりますので当番制で行うことは困難になるわけでございます。しかしこの場合にも、先ほどから御説明申しておりますけれども、特に緊急を要する保釈につきましては、土曜閉庁においてもこれを処理するようにいたす方向でできるだけ努力いたしたいというふうに考えているわけでございます。
 ただ、実際の問題といたしましては、保釈の場合には勾留の執行停止などと異なりまして、例えば本人の急病というような突然の事情によって急遽請求されるという事例は少のうございます。そういうことで実際には、金曜日までに請求された事件のうち保釈相当と考えられるようなものにつきましてはできる限り処理を急ぎ、遅くとも金曜日中に処理をするというような方向で対処することも十分考えられるところでございまして、その点も含めましてその運用につきまして遺漏のないように十分配慮してまいりたいというふうに考えております。
○安倍(基)委員 病院でいえばいわゆる当直医と専門医みたいなもので、保釈の問題につきましては当直医ではできないというような話になるかと思いますけれども、判断は、私の承るところによりますと個々の裁判官の判断にゆだねられていると聞いておりますけれども、その点はいかがでございますか。
○吉丸最高裁判所長官代理者 御指摘のとおり、これらの事件をどのように処理していくかということは、個々の事件の具体的な事案に応じて担当の裁判官が判断していくということが原則でございます。
○安倍(基)委員 これはある意味からいえば当然なのかもしれません、個々のケースでございますから。しかし、反面国民の側からいうと、全くその中にルールがないのかな、全く個々の判断でいいのかなという問題もあるかと思うのです。これは、当事者あるいはそれを弁護する立場から見ますと、ある程度のルールづくりというか、その辺が必要なのではないかな。
 これは確かに専門医である個々の当該裁判官ということかもしれませんけれども、ある程度のルールづくりということがいわば裁判をする側と受ける側との間でつくられてもいいのではないかな。これは個々のケースだからなかなか難しいですよということはあり得ますけれども、全く裁判官の判断一つだけの話かなというこの辺が、今後ある程度ルールづくり的なことを考えられないものであるのかということについて、私は当局者の御見解をお伺いしたいと思います。
○吉丸最高裁判所長官代理者 御指摘はまことにごもっともだと思われるわけでございます。ただ、先ほど申しましたように、ある事件をどのように処理していくかということは、やはりそれぞ
れの事件の具体的な事案に応じて担当の裁判官が考えるということはいわば裁判の最も基本にある事柄であろうというふうに考えられます。また、実際にも、緊急の処理を必要とするか否かということは、同じ保釈をとりましても個々の事件の事案に応じて異なっておりまして、これはやはり個々具体的に判断していかなければならないという性質のものであろうと思います。そのような意味で、御指摘のようないわば統一的なルールと申しますか指針と申しますか、そういうことを定めるのは大変困難なことであろうと考えるわけでございます。
 土曜閉庁日に処理をするかどうかということは、結局のところ担当の裁判官が判断するほかはないというふうに思われますが、ただ、私どもといたしましては、先ほど来申し上げましたとおり、緊急な処理を要するものについては閉庁土曜日においても処理を行うものとするというこの趣旨は十分各庁に伝えて、運用に遺漏のないようにいたしたいというふうに考えます。
○安倍(基)委員 我々は拘禁二法についていわゆる接見交通権ということをいろいろ取り上げておるわけでございますけれども、こういった場合と似たような話で、それは確かに個々のケース、裁判官と言うけれども、逆に言えば裁かれる側、それを弁護する側からいえば、全く裁判官の裁量というのだけじゃなくて、個々のケースであるにしても、やはりこういう場合にはこうというそれなりの常識的な線の、裁判官の側からいえば、特に左翼系の弁護士あたりはしょっちゅう強い要求をしてくるというような見方もあるかもしれませんけれども、逆の立場からいえば、全く裁判官だけの話なのか、こういった場合にはこうなんだというある程度の基準が両者の間にあってもしかるべきじゃないか、この辺これからの検討課題として考えられるのじゃないかと思いますけれども、担当者及び法務大臣の御意見も伺いたいと思います。
○吉丸最高裁判所長官代理者 御指摘のとおり、裁判官の裁量にかかると申しましてもその裁量はやはり合理的なものでなければならないということは、これは当然のことであろうと思います。現実の事件の処理に当たりましては、その処理の仕方につきまして当事者である検察官あるいは弁護人からもいろいろ意見を伺うわけでございます。そして、それを聞きながら裁判所が判断していくということで、そこにおのずと先生のおっしゃられる常識的な線が出てくるというのが現実であろうと思われます。そのような運用につきましては今後ともますます十分配慮してまいりたいと考えている次第でございます。
○則定政府委員 今の点につきまして法務省の当局としてお答えいたします。
 基本的には、最高裁の御答弁と同様、個々の案件でございますので、例えばこれを、今回の法令の下位法令で、ある準則をつくるというのは、先ほども御答弁申しましたように差し控えるべき問題だと考えておりまして、今後の裁判運営の良識ある運営に期待してしかるべきであろうと考えておるわけでございます。
○安倍(基)委員 法務大臣、今までの議論をお聞きになっていらっしゃると思いますけれども、確かに一方において個々のケースだから裁判官が判断すべきだという議論と、裁判を受ける側からいえば、裁判官を信頼するとはいっても、ある程度常識的な一つのルールがあるのじゃないかな、その辺の一つのルールづくり的なことをいわば法曹の皆さんと話し合って考えていくということについて前向きな御見解であるのか、いやこれはもう裁判官の専権なんだとおっしゃるのか。これは私も、何も個々のケースだからという議論を全く無視するわけじゃないけれども、ある程度常識の積み重ねというか、そういう線が個々のケースを超えてあるのではないかなと思われます。接見交通権のときにも議論がありましたけれども、そういう点で大臣はどうお考えになるかということをお聞きしたいと思います。
○林田国務大臣 先ほど最高裁から答弁申し上げましたように、裁判官が良識を持ってやることと存じますので、それに任せたいと存じます。
○安倍(基)委員 その最高裁のさっきの答弁がちょっとはっきりしないのですけれども、裁判官の良識に任せるということに加えて、ある程度常識的な一つの線があり得るのではないかな。その点についていわば裁く側と裁かれる側との一つの統一的なある程度のルールづくりというか、一つの接点というか、そういったことについて前向きな答弁と私は聞いたわけですけれども、その点はどうなんでございましょう。積み重ねの上で一つのルール的なものが出てくるだろうというぐあいにお答えになったと思いますけれども、今法務大臣の答弁とちょっと食い違いがあるが、いかがでしょうか。
○吉丸最高裁判所長官代理者 私が先ほど申しましたのは、個々の事件の処理に当たりまして、その事件の当事者である検察官あるいは弁護人からもその処理の仕方についていろいろ御意見あるいは御要望が出る、それを受けて現実には裁判官がその処理の仕方を考えるわけでございます。そのようなことを通じて、そこに個々の事件の処理に当たっておのずと委員の御指摘になったような常識的なといいますか、穏当な解決が図られていくであろうということを申し上げたわけでございます。そういうことを基礎にして、いわば抽象的なといいますか、一般的なルールが形づくられていくかどうかということは若干面を異にするところがございまして、私どもといたしましては、例えば保釈の処理についてそのような一般的なルールをつくっていくということは大変難しいことではないかというふうに考えている次第でございます。
○安倍(基)委員 この点について、例えば日弁連あたりと抽象的な意味でも話をするというお考えがあるのですか、ないのですか。
○金谷最高裁判所長官代理者 ただいま御指摘の問題につきましては、急ぐ事務の基準をつくったらどうかという問題でございますが、今まで日曜あるいは土曜日の午後あるいはその他の休日におきましても、緊急に処理をしなければならない事件は処理してまいったわけでございます。土曜日あるいは日曜日に自宅におりましても、電話がかかっていって、飛んでいって急ぐ勾留執行停止は処理する、そういうことをずっと長年やってまいりました。また、最近では四週六休制、開庁方式のそのもとでも、裁判官は土曜日は自宅で宅調しておることが多いわけでございますが、そういう場合にも連絡体制をとりまして、それで遺憾のない運用が行われてまいりました。
 今後閉庁時間というのはふえる形になるわけですが、そこでは若干そういう問題が起きるのではないかという御懸念をいただくのももっともな面があるかと思いますが、これはまた実施してまいります過程でそれぞれの裁判所におきまして弁護士さん、検察官そして裁判所と一緒に協議いたしますそれぞれの協議会がございます。そういう場で、弁護士の方からいろいろ御指摘いただければまたそういう点で相談しながら、協議しながら、いい運用になるようにやってまいりたい、こういうふうに考えております。
○安倍(基)委員 冒頭で申しましたように、行政と司法というのは国民の特に権利という面で非常にセンシティブな問題を含んでいるわけでございますから、私はもちろん裁判官の良識を信じますけれども、それなりに裁く側と裁かれる側との意見交換というか考え方のいわば接点というのを見つけていくべきじゃないかと思います。この点、再度裁判所の方の御答弁を承りたいと思います。
○金谷最高裁判所長官代理者 先生御指摘のような趣旨で各裁判所単位に設けられております弁護士会を含めました協議会の場で、そういう御指摘、御要望いただき、協議してまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○安倍(基)委員 細かい話になりますけれども、ちょっとこれは行政機関については所堂事務の遂行という用語を使っていますけれども、裁判所においては権限という言葉を使っておりますね。こ
れはまたそれなりの基本法の問題があろうかと思いますけれども、この点の差異について御説明願えればと思います。
○則定政府委員 御指摘のとおり、行政機関のいわゆる休日法案と今回の裁判所の休日法案と、それぞれの休日における職務遂行と申しましょうか、あるいは権限行使という点で言葉が違うわけでございますが、その趣旨は全く同様でございまして、いずれもそのときに行うべき緊急用務あるいは緊急な裁判権の行使というものを妨げるものではないということを表明しているわけでございます。
 そういう用語の違いが生じましたのは、行政機関におきましてはそれぞれの設置法におきまして所掌事務というものが個々具体的に記載されておりますのに対しまして、裁判所の場合には御案内のとおり、それぞれの審級ごとあるいは種別ごとの裁判所の行うべき事務としまして裁判権の行使とか、あるいはその他法律で特に認めておる権限を有するという規定の仕方をしておりますので、そういう組織法令上の規定部位の相違から用語の区別が生じたということでございまして、重ねて申しますと、その趣旨は全く同様でございます。
○安倍(基)委員 それからまた、今度いろいろ本法の改正によって刑訴、民訴あたり、いわば期日が末日になるという問題があるわけでございますが、一応置きかえておりますね。例えば民訴の百五十六条とか刑訴の五十五条、こういったことで全部一応置きかえているか置きかえていないかということで、民訴の百五十三条あたりは従来の用語そのまま使っておりますね。その辺の趣旨はいかがでございますか。
    〔委員長退席、今枝委員長代理着席〕
○藤井(正)政府委員 御指摘のように民訴の百五十三条には「一般ノ休日」という用語が出てまいります。この百五十三条は、休日については裁判所の行う期日指定によって当事者などの安息、休養を害することのないように、一般の休日には極力期日指定はしないで当事者の安息を保障する、こういう趣旨の規定でございます。そうであるといたしますと、裁判所が今回休日になりましても、当事者などの一般社会の方が必ずしも休日でないという場合には、特にこの中に含めて期日指定をしないように制約を課するほどの必要はないことになる。
 これに対しまして百五十六条の方は、主として当事者などが裁判所に対してなすべき行為の期間についての繰り延べの規定でございます。そうなりますと、裁判所が休日であれば、当事者が休日であると否とにかかわらず、この影響を受けまして期日の繰り延べを要するということになるのではないか、そういう点に違いがあるわけでございまして、この民事訴訟法を改めるその検討過程におきまして、そういう意味合いにおいて百五十六条だけの改正にとどめた、こういうことでございます。
○安倍(基)委員 それからまた、いろいろ末日が休日になるということについて、それは全部救えるように手当てをしているというぐあいに理解をしておりますけれども、この点についてすべて皆様も十分精査した結果だと思いますが、万が一そこで漏れているようなところはちゃんと救えるような解釈をして考えていいわけでございますね。
○則定政府委員 御指摘のとおり、遺漏があってはいけませんので、期間の繰り延べを要する法令がどういうものがあるかどうか、その全般にわたりまして検討いたしまして、その結果、今回私どもの裁判所の休日法案に関連いたします関係につきましては、その附則に掲げさせていただきましたものを手当てすれば足りるという結論に達したわけでございます。
○安倍(基)委員 これをもって質問を終わります。
○今枝委員長代理 安藤巖君。
○安藤委員 この裁判所の休日に関する法律案につきましては、休日が多くなるという点については賛成であります。ところが、裁判所の休日ということになりますと、いろいろ裁判を受ける国民の権利、それからその反対面としての司法サービスの低下というようなことも懸念されますので、その関係について二、三お尋ねをしたいと思います。
 同僚議員の方からいろいろお尋ねがありましたので、その関係につきましてはできるだけ重複を避けて確認をするということにとどめたいと思うのです。勾留をされている被疑者あるいは被告人に対する弁護人の接見交通の問題がいろいろ議論になりました。ここで、先ほど来いろいろ議論になっておりますのは、この法案が土曜閉庁法案、こういうふうに言われておりまして、第二、第四土曜日も閉庁するんだということからいろいろ議論がなされておるようです。弁護人の接見交通権の重要性については理解をしているという御答弁がありまして、第二、第四の土曜日などにも緊急、必要性があるものはできるだけ応ずるように検討もしたいという御答弁を法務省矯正局の方からいただいたのですが、これは第二、第四の土曜日だけに限るわけですか。
 今度は裁判所の休日に関する法律案として、いわゆる国民の祝日、日曜日と祭日、それから年末年始も裁判所は閉庁するんだ、こういうことになるわけなんです。そうしますと、何も第二、第四土曜に限ったことじゃないと思うのですが、年末年始は一応、これもないとは限りませんが、日曜、祝日の場合にも、弁護人の接見交通については必要やむを得ない場合はできるように対応していただけるのかどうか、これをお尋ねしたいのです。
○河上政府委員 先ほど私申し上げましたのは、土曜閉庁の土曜日について何とか前向きにというふうに申し上げました。
 現在の監獄法、委員御承知のとおり明治四十一年、古い法律でございまして、その八十年の歴史の中で職員の数あるいは予算、施設、そういったようなものは、いわば日曜日には弁護人の接見というものを必ずしも考えないという形でこれまでの間運用がなされてきております。したがいまして、日曜日も弁護人の接見の重要性から考えれば土曜閉庁になったものと同じに考えるべきではないかという御趣旨はよくわかるわけでございますが、いかんせん職員の数が非常に限定されておりまして、職員をよほど泣かせる、泣かせるという言葉は適当かどうかわかりませんが、職員をよほど泣かせないと日曜日についてまで御趣旨のような接見ということは困難であろうかと存じます。
 ただ、刑事施設法案、現在御審議いただいておりますが、これは現在の監獄法とはある意味で考え方が違っておりますので、刑事施設法案がもし通りましたらば、その場合にはやはり根本から職員の配置その他というものを考え直して、そして運用上、職員にそちらは負担をかけてでもやむを得ないというもの、例えば夜間の接見とかあるいは日曜日の接見などについても前向きの形でもってできる限りやれないものだろうかというふうに考えておるわけでございます。
○安藤委員 職員を泣かせると、なかなか泣けてくるような話でございますが、今度のいわゆる土曜休日法案の関係につきましては、裁判所当局ばかりではなくして法務省当局も人はふやさない、予算もふやさない、しかしサービスは低下させない、いわゆる三ない主義でやるんだという話を伺っておるのですが、やはり弁護人の接見交通権の重要性ということを認識しておられるのだったら、今度は土曜日も今までの日曜、祝日と同じように閉庁になってしまうわけですから、同列に考えるべきだと思うのですよ。
 だから土曜日第二、第四が閉庁になるから、その分、その日だけは前向きに検討したいということでは、この法律案の趣旨からちょっと違うんじゃないか。やはり同じように見て、とにかく連休になるわけですからね、二日間連続休みになるわけですからね。今までは一日だけだった。ですから、そういうような量的な面で、第二、第四の土曜だけではなくて日曜日、祝日のことも踏まえて、前向きに弁護人の接見交通権の重要性にかんがみ検討していただくということをぜひとも考え
ていただきたいのですが、どうですか、もう一度。
○河上政府委員 職員に非常に御理解のあるお言葉をいただいてありがたいわけでございますが、土曜閉庁と日曜日、法律上全く同じになるわけでございます。おっしゃるとおりでございますが、ただ土曜日は、現在まで閉庁ではなく開庁でやってきているわけでございます。いわばその意味では、弁護人の接見というものが今度の土曜閉庁によって制限されるということの重要性にかんがみて、何とかならないものだろうかということでこれまでのようなことを申し上げてきたわけでございまして、日曜日の場合もそれは同じに重要なんだから同じに考えろということの御趣旨はわかりますが、そうなりますと、先ほど申し上げましたように日曜日について、現在配置についてない職員をさらに配置につかせなければいかぬという意味で職員を泣かせることになると申し上げたわけでございまして、御理解いただきたいと思います。
○安藤委員 そこで、人をふやさないというこの三ない主義の柱なんですが、人をふやすということも考える、そういうことも検討の中に入れるということが必要だと思うのですが、どうなんですか。
○河上政府委員 世界各国との比較を持ち出して恐縮でございますが、行刑の職員の一人当たりの受刑者あるいは被収容者の負担率は、私ども一対三・二五ということでございまして、一人の職員が三人以上の被収容者を持つという状況になっております。これは、いわゆる世界の先進諸国というものに比べますと大変高い数字でございまして、現在でもかなりの負担を各職員にかけている、甚だ申しわけないと思っているわけでございまして、現在のような状況の中でも何とか職員をふやしたい、予算もいただいて立派な施設をつくり、できる限り機械化あるいは設備をつくることによって職員の負担を減らしたい、こう考えております。
 もちろん、この土曜閉庁ということでもって職員が休ませていただけるようになりますれば、 それだけサービスを低下させないためには、新たにさらに職員をふやしていただきさえすればある程度のことができるだろうと思いますので、私どもとしては、今後ともあるいはこれまで以上に職員あるいは予算をふやすよう努力したいと思いますし、また御支援をお願いしたいと思います。
○安藤委員 今、法務省の矯正局長の方から、職員を泣かせないためにやはり人もふやす、予算もふやすということを考えていきたい、応援してくれとおっしゃるので、しっかり応援したいと思うのですが、そのためには大臣の方からもしっかり頑張っていただく必要があると思うのですが、その点について大臣の答弁をお願いしたいと思います。
○林田国務大臣 現在、御承知のように総定員をだんだん減らしておるというような状況でございます。法務省におきましては、このほかに登記関係の職員でありまするとかあるいは入国管理の職員でありまするとか大分ふやさなければならない、矯正関係もしかりでございます。この三つが大物でございまして、それを現在は毎年ふやすように努力を重ねておるところでございます。今後ともよろしくお願い申し上げたいと思います。
○安藤委員 法務局関係のことをお尋ねしようと思ったのですが、大臣の方からおっしゃったので、そちらの方も鋭意これは協力してやっていかなければならぬと思っておるところであります。
    〔今枝委員長代理退席、委員長着席〕
 そこで、警察庁の方から来ていただいておるのですが、警察はよく知りませんけれども、日曜日あるいは今度土曜閉庁法案でこうなっても勤務体制はほとんど変わらぬのじゃないのかなという気がするのですが、警察に留置される被逮捕者の段階あるいはいわゆる代用監獄として被勾留者を収容しておる段階での弁護人との接見交通の問題は、今度のこの法案によって、まず土曜日はどうなりますか。
○片山説明員 土曜閉庁が実施されました場合、その土曜日は警察は当直体制で活動するということになります。したがいまして、留置場におきましてもその管理体制は現在の土曜日の執務時間内に比べますと弱くなるわけでございます。しかしながら、被疑者等と弁護人等との接見交通権の重要性にかんがみまして、弁護人等から事前の御連絡をいただくというふうにした上で、留置場の管理体制を整えて面会していただくということを考えております。
○安藤委員 その関係でお尋ねするのですが、事前というとどのくらいの時間を置いた事前を考えておられるのですか。
○片山説明員 これは留置場におきます管理体制を整えるに必要な時間ということでございまして、具体的に申し上げますことは困難でございますけれども、前日にとかそういうふうなことを意味するものではございません。
○安藤委員 裁判所の方へお尋ねしたいのですが、先ほどこの話はちょっと出ましたのであれですが、弁護人と被勾留者との接見交通の問題で、接見を拒否されたという場合の準抗告、この準抗告の手続の点につきましては、今度休日になる第二、第四土曜日の場合は、先ほど警察の方もお伺いしましたし、それから拘置所関係の方もできるだけ緊急性に応じて検討するというふうにおっしゃったのですが、土曜日にそういう準抗告の申し立てをするということがやはりあると思うのです。それから、先ほど来申し上げておりますように従前の日曜、祝日にもあると思うのですが、そういう体制はどういうふうに裁判所の方でとっていただけるわけですか。
○吉丸最高裁判所長官代理者 弁護人の被疑者との接見に関する準抗告というのは、これはその性質上緊急の処理を要する場合が多いと思われます。そのような事件につきましては、従前も休日においても処理をしたという例がございます。今後土曜日が閉庁となる場合にも同様の取り扱いをすることになろうかと存じます。
○安藤委員 それから、これは民事関係でございますが、保全の関係につきましては先ほどお尋ねがありました。仮差し押さえ、仮処分、これは保証金を積むわけですが、この保証金を積んだという証拠を持ってこないと仮差し押さえあるいは仮処分の決定は出してもらえないわけです。だから、そういう場合に、これは法務局の方なんですが、法務局の職員の方々をこれは泣かせることになるのかなと実は大いに気になるところでありますが、そういう場合に、法務局の方は保証金の受け入れ態勢、これはどういうふうに考えておられるのですか。
○藤井(正)政府委員 行政機関の休日に関する法律が施行されますと、原則として執務を行わないということでございまして、法務局におきましてはすべての事務を行わないわけでございますので、供託の事務も取り扱わないということでございます。
 恐らく先生のお尋ねは、それでは緊急の事件に間に合わないではないか、こういうことであろうかと思いますけれども、これは裁判所の方の執務とも関係があるわけでございますが、そのあたりのところは裁判所の方とよく連絡をとりまして、できるだけ遺憾のないように処理はしていきたい。ただ、この休日法というものが週休二日制を推進していくということのために設けられたものでございまして、法務局職員もこの恩恵を十分に受けさせたい、そうありたいというふうに願っております。そのあたりのところは十分御理解を、いただきたいと思います。
○安藤委員 やはり緊急性というのが一番のポイントでございますので、万遺漏なきようにお願いしたいと思うのです。司法サービスの低下はさせないというのが裁判所のお考えだし、それから一般的にも行政サービスの低下はさせないというのが大原則だというふうに伺っておりますので、要望しておきたいというふうに思います。
 それから、これは特に裁判所関係についてお尋ねをしたいのですが、土曜日は今のところ午後か
らが日直体制に入ると思うのです。そうしますと、普通半直というふうに言っておられるように聞いておるのですが、今度から丸一日日直体制ということになると思われます。ですから、普通考えますと、職員の日直、それから夜は宿直というのがありますから、宿直、日直体制のローテーションが大分忙しくなって早く順番が回ってくる。先ほどはそんなことはないというようなことだったのですが、例えばこれはほかの裁判所でもそうだろうというふうに思うのですが、名古屋地方裁判所管内の甲号支部、豊橋支部の場合、これは現場へも行きまして一遍事情をお聞きしてきたのですが、ここに「宿日直割付表」というのをいただいてきたのがあるのですけれども、日曜日の場合あるいは祝日の場合は、日直の人と宿直の人は違っておるわけです。日直をやった人と別の人が宿直をやる、こういう体制になっております。そして二人ずつです。
 ところが、土曜日の場合は現状は半直でございますから、土曜日の日直をやった人が土曜日の同じ日の宿直をやっておる、全部見ますとこういう体制になっているのです。だから、この前現地でお聞きしましたら、土曜日の半直をする人に朝から日直をやってもらうのだから、人の関係は変わらない、午後からのを朝からやってもらうだけだ。しかしそうなると日曜日、祝日の日直と同じように、宿直は別の人にならぬといかぬと思うのですが、その人に土曜日の半直を今度朝からやってもらう。しかし、この体制でいきますと、宿直もやらなければいかぬことになる。そうすると、これはおかしなぐあいになるのじゃないかと思うのです。そういう場合は、土曜日に朝から日直をやった、第二と第四の土曜日ですが、宿直の人は別の人が当たることになるのじゃないですか。
○金谷最高裁判所長官代理者 委員から御紹介のありましたような体制でございますと、おっしゃるとおりでございます。
○安藤委員 そうしますと、土曜日の日直を全部やるとすると、今までは日曜日、祝日のときは宿直は別の人がやっておるわけですね。別の人に宿直をやってもらう、こういう体制にならないとおかしいと思うのですが、どうですか。
○金谷最高裁判所長官代理者 そういう体制のもとでは、そのとおりでございます。
○安藤委員 そういう体制のもとではというふうにおっしゃるのですが、第二、第四の土曜日に日直をやることになれば、その同じ人が宿直はやらない。となると、宿直する人が別の人になってくるから、人の回転がそれだけ早くなるということは言えると思うのですね。人数をふやせば別ですよ。となれば、ローテーションがちょっと違ってくるのじゃないかと思うのですが、どうですか。
○金谷最高裁判所長官代理者 私が先ほど申し上げましたのは、そういう土曜日の午後からずっと宿直までやってという形のことを念頭に置かないで申し上げまして、日直の時間を朝延ばすという形で、閉庁土曜日の午前につきまして日直が延びると申し上げたのですが、先生のおっしゃるような形では、ローテーションについて頻度が少し高くなるという点は御指摘のとおりでございます。
○安藤委員 そうしますと、ローテーションは変わらないということになると、土曜日に一日じゅう日直をやった人が引き続いて宿直をやることになるのですよ。そういうような体制でいいというようなことは組合の方とも合意ができておるのですか。
○金谷最高裁判所長官代理者 日直をやった者が宿直をやるかどうか、そのあたりはそれぞれの裁判所の実情に応じまして相談して決めるという形になっております。ですから、そういう形で行われる場合もありますし、あるいはそれが職員に非常に無理な形を強いるということになりますと、そこを分離した形で行う。そういう形になりますと、おっしゃるようにローテーションの頻度が上がる、その面での手当ては必要である、こういうことになります。
○安藤委員 人の手当てが必要になる、だからその関係については今までどおりの労働条件で行こうとすれば、人員増ということは当然考えなければいかぬと思うのですね。
 それから、手当の関係で言いますと、今は、日直あるいは宿直は、賃金の面で言いますと手当が出ているわけですね。今度は土曜日の午前中も日直手当というのが要ることになるわけです。それだけ予算を多く組まなければならぬということになるのじゃないかと思うのですが、予算はふやさない、人はふやさない、こういう大きな柱でやっていかれるということになると、この予算はどこから持ってくるのですか。
○金谷最高裁判所長官代理者 閉庁土曜日の午前につきまして日直が延長する、その分につきまして予算手当ては当然講じるわけでございます。
 先ほど人の手当てということを先生おっしゃったわけでございますが、閉庁土曜日の午前について日直が延びるという程度でございますので、人の手当ては勘弁させていただく、こういうことでございます。予算的な手当てについては、土曜日の午前が延長する分については当然講じるけれども、それ以外の特別の予算的な手当ては講じないで土曜閉庁をやっていきたい、こういう趣旨でございます。
○安藤委員 ローテーションも、人の動きが少しきつくなることは目に見えておると思うのです。それはそれぞれの裁判所において決めるとしておるのですが、一日じゅう日直をやってまた宿直、これはおかしいと思うのです。だから、そういうことになれば、やはり人をふやすということがどうしても必要だと思うのです、法務省の場合についてもお尋ねしたのですが。それから、今言いました手当がその分ふえるわけですから、これは明らかにプラスになるわけですから、予算を全然ふやさないということはやはり無理が出てくると思うのです。だからそういう点で私どもは、今度の土曜閉庁の問題についてはやはり人をふやす、予算の方もふやす、そういう手当てがどうしても必要だということをかねがね言うておるわけなんです。
 そこで、この法案につきまして附帯決議がなされることになっております。この附帯決議案には私どもは賛成でありますけれども、人をふやす問題それから予算をふやす問題についての手当てが入っておりませんので、私どもは共同提案者にはならないことにせざるを得ないのですが、先ほど来申し上げておりますように、人それから予算をふやして、せっかくのこの法案がスムーズに執行されるように心から要望しまして、私の質問を終わります。
○戸沢委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ─────────────
○戸沢委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。
 裁判所の休日に関する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○戸沢委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ─────────────
○戸沢委員長 次に、ただいま可決いたしました裁判所の休日に関する法律案に対し、井出正一君外三名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合の四派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 まず、提出者から趣旨の説明を求めます。井出正一君。
○井出委員 ただいま議題となりました附帯決議案について、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    裁判所の休日に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府並びに最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の努力をすべきである。
 一 土曜閉庁の実施に当たっては、裁判手続における国民の権利の行使に遺憾なきを期することはもとより、国民に対する司法サービスの低下を来すことのないようにすること。
 二 年次休暇の消化の促進及び完全週休二日制の早期実現等により年間総実勤務時間の短縮を図ること。
 本案の趣旨につきましては、当委員会の質疑の過程で既に明らかとなっておりますので、省略いたします。
 何とぞ本附帯決議案に御賛同くださるようお願い申し上げます。
○戸沢委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 直ちに採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○戸沢委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
 この際、林田法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。林田法務大臣。
○林田国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重してまいる所存でございます。
 なお、最高裁にその趣旨をお伝えし、遺憾のないよう配慮いたしたいと考えます。
    ─────────────
○戸沢委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○戸沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ─────────────
   〔報告書は附録に掲載〕
    ─────────────
○戸沢委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時三十九分散会