第113回国会 リクルート問題に関する調査特別委員会 第3号
昭和六十三年十二月十六日(金曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 原田  憲君
   理事 熊谷  弘君 理事 中村正三郎君
   理事 堀内 光雄君 理事 山下 徳夫君
   理事 与謝野 馨君 理事 坂上 富男君
   理事 村山 富市君 理事 貝沼 次郎君
   理事 神田  厚君
      甘利  明君    上村千一郎君
      衛藤征士郎君    小里 貞利君
      大石 千八君    太田 誠一君
      奥田 幹生君    北川 正恭君
      小泉純一郎君    佐藤 文生君
      杉浦 正健君    鈴木 宗男君
      園田 博之君    谷垣 禎一君
      玉生 孝久君    玉沢徳一郎君
      戸塚 進也君    中島  衛君
      中山 利生君    中山 成彬君
      林  義郎君    堀之内久男君
      松田 九郎君    綿貫 民輔君
      稲葉 誠一君    小川 国彦君
      小澤 克介君    渋沢 利久君
      山下八洲夫君    山花 貞夫君
      草川 昭三君    坂井 弘一君
      橋本 文彦君    日笠 勝之君
      宮地 正介君    川端 達夫君
      楢崎弥之助君    児玉 健次君
      野間 友一君    松本 善明君
 出席国務大臣
        法 務 大 臣 林田悠紀夫君
        大 蔵 大 臣 竹下  登君
        文 部 大 臣 中島源太郎君
        郵 政 大 臣 中山 正暉君
        労 働 大 臣 中村 太郎君
        国 務 大 臣
       (内閣官房長官) 小渕 恵三君
 出席政府委員
        警察庁刑事局長 中門  弘君
        総務庁行政管理
        局長      百崎  英君
        法務省刑事局長 根來 泰周君
        外務省経済局次
        長       内田 勝久君
        大蔵省主税局長 水野  勝君
        大蔵省証券局長 角谷 正彦君
        大蔵省銀行局長 平澤 貞昭君
        国税庁次長   伊藤 博行君
        国税庁調査査察
        部長      八木橋惇夫君
        文部大臣官房長 加戸 守行君
        文部大臣官房総
        務審議官    菱村 幸彦君
        文部省初等中等
        教育局長    古村 澄一君
        文部省教育助成
        局長      倉地 克次君
        文部省高等教育
        局長      國分 正明君
        文部省高等教育
        局私学部長   野崎  弘君
        文部省学術国際
        局長      川村 恒明君
        文部省体育局長 坂元 弘直君
        通商産業省機械
        情報産業局長  棚橋 祐治君
        工業技術院長  飯塚 幸三君
        郵政大臣官房長 松野 春樹君
        郵政省電気通信
        局長      塩谷  稔君
        労働大臣官房長 清水 傳雄君
        労働省婦人局長 佐藤ギン子君
        労働省職業安定
        局長      岡部 晃三君
        自治省行政局選
        挙部長     浅野大三郎君
 委員外の出席者
        会計検査院事務
        総局第五局長  三原 英孝君
        参  考  人
        (日本電信電話
        株式会社代表取
        締役社長)   山口 開生君
        参  考  人
        (日本電信電話
        株式会社代表取
        締役副社長)  村上  治君
        リクルート問題
        に関する調査特
        別委員会調査室
        長       志賀 稲穂君
    ─────────────
委員の異動
十二月十六日
 辞任         補欠選任
  大塚 雄司君     中山 成彬君
  冬柴 鉄三君     日笠 勝之君
  阿部 昭吾君     楢崎弥之助君
同日
 辞任         補欠選任
  中山 成彬君     園田 博之君
  日笠 勝之君     冬柴 鉄三君
  楢崎弥之助君     阿部 昭吾君
同日
 辞任         補欠選任
  園田 博之君     杉浦 正健君
同日
 辞任         補欠選任
  杉浦 正健君     大塚 雄司君
    ─────────────
十二月十五日
 リクルート疑惑徹底真相解明に関する請願(三野優美君紹介)(第三五七七号)
 同(伊藤忠治君紹介)(第三五九五号)
 同(串原義直君紹介)(第三五九六号)
 同(中村正男君紹介)(第三五九七号)
 同(山花貞夫君紹介)(第三五九八号)
 同(上田哲君紹介)(第三六一五号)
 同(緒方克陽君紹介)(第三六一六号)
 同(河上民雄君紹介)(第三六一七号)
 同(左近正男君紹介)(第三六一八号)
 同(高沢寅男君紹介)(第三六一九号)
 同(安田修三君紹介)(第三六二〇号)
 同(上坂昇君紹介)(第三六二七号)
 同(清水勇君紹介)(第三六二八号)
 同(関山信之君紹介)(第三六二九号)
 同(野口幸一君紹介)(第三六三〇号)
 同(田中恒利君紹介)(第三六九七号)
 同(野坂浩賢君紹介)(第三六九八号)
 リクルート疑惑全容解明に関する請願(安藤巖君紹介)(第三六四二号)
 同(石井郁子君紹介)(第三六四三号)
 同(岩佐恵美君紹介)(第三六四四号)
 同(浦井洋君紹介)(第三六四五号)
 同(岡崎万寿秀君紹介)(第三六四六号)
 同(金子満広君紹介)(第三六四七号)
 同(経塚幸夫君紹介)(第三六四八号)
 同(工藤晃君紹介)(第三六四九号)
 同(児玉健次君紹介)(第三六五〇号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第三六五一号)
 同(柴田睦夫君紹介)(第三六五二号)
 同(瀬長亀次郎君紹介)(第三六五三号)
 同(田中美智子君紹介)(第三六五四号)
 同(辻第一君紹介)(第三六五五号)
 同(寺前巖君紹介)(第三六五六号)
 同(中路雅弘君紹介)(第三六五七号)
 同(中島武敏君紹介)(第三六五八号)
 同(野間友一君紹介)(第三六五九号)
 同(東中光雄君紹介)(第三六六〇号)
 同(不破哲三君紹介)(第三六六一号)
 同(藤田スミ君紹介)(第三六六二号)
 同(藤原ひろ子君紹介)(第三六六三号)
 同(正森成二君紹介)(第三六六四号)
 同(松本善明君紹介)(第三六六五号)
 同(村上弘君紹介)(第三六六六号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第三六六七号)
 同(山原健二郎君紹介)(第三六六八号)
は本委員会に付託された。
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 リクルート問題等に関する件
     ────◇─────
○原田委員長 これより会議を開きます。
 リクルート問題等に関する件につき調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、参考人として日本電信電話株式会社代表取締役社長山口開生君及び同じく代表取締役副社長村上治君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ─────────────
○原田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。熊谷弘君。
○熊谷委員 十二月二日の参議院の税制問題等に関する調査特別委員会におきまして、本件リクルート問題につきまして総理が答弁をされておるわけでありますけれども、竹下総理特有の物の言い方で、やや私流に言いかえてみますと、総理はこういう発言をされておられるわけであります。今次の問題ということについて、やはりきちんと整理整とんをしなきゃならぬと思いまして、およそ四つの点に分類したところでございます。一つは、これは証取法上の問題でございます。二つ目は、これは税法上の問題であろうと思います。三つ目は、刑事上の問題であります。四つ目の問題がいわゆる道義的責任の問題であろう。このように四つの分類をされておるわけでありますけれども、そこで大蔵省、この本件の問題が明らかになって既に国会でも幾多の審議がされましたし、また新聞等の報道も行われておる。この証取法上の問題について大蔵省はどのような認識のもとにどういう調査態勢をしき、どういう取り組みを行い、どういう結論を得たのか、また現在結論を得ないものについてはどういう検討態勢を持っておられるのか、その辺についてお伺いをさせていただきます。
○角谷政府委員 リクルート問題に対する証券行政上の取り組みとしては、大きく分けまして二つの対応があろうかと思います。一つは、現に起こっている事案に対しまして、証券取引法を執行する立場からこれに適正に対応していくという立場でございます。もう一つは、こういった事案の経験といいますか反省を生かしまして、今後こういったことが起こらないといいますか再発防止といいますか、そういったことにならないような形でこれに今後どういうふうな改善策を株式公開制度等についてとっていくか、こういう二つの面からの対応が考えられると思います。
 まず第一の証券取引法上等の問題について申し上げますと、これは既に幾つか問題があるわけでございますが、一つは、昭和五十九年十二月のいわゆる七十六人に対しますところのリクルート社によりますリクルートコスモス社株式の売却、これがいわば証券取引法第四条に規定いたします有価証券届出書を提出すべきであったのではないかどうかといった問題でございまして、これにつきましては既に去る八月末の参議院の予算委員会で御報告申しましたように、私どもといたしましては、これはいろいろな判断があろうかと思いますけれども、これは結論的には売り出しに該当するという判断をいたしまして、現在その有価証券届出書を提出するようにリクルートコスモス社を指導している、これに従わない間は一定期間いわゆるファイナンス増資といいますか、そういったファイナンスを自粛してもらうように証券会社に要請している、こういう実情にございます。
 それから、六十一年九月のいわゆる還流株といいますか再譲渡の問題につきましては、これは証券業協会におきましてもこれが特別利害関係人による株移動があったかどうかといった点について調査をしているところでございますが、これも先般御報告申し上げましたように、一部に役職員に対して株が還流しているといった問題がございました。これは明らかに証券業協会の自主ルールに違反するといった実態にございますが、その点につきましてはさらに協会において詳細に調査中でございますけれども、そういったことの裏腹の問題といたしまして、逆に役員の有価証券の保有、株式の保有というものが大蔵省に届け出ておりますところの有価証券報告書に記載がない、したがいまして、これは一種の虚偽記載に当たるのではないだろうか、こういった問題については現在私どもといたしましても調査に着手しているところでございます。
 と同時に、先ほどの証券業協会の調査におきまして協会のルール違反といった問題が起こった場合におきましては、これにどう対応するかということは協会において現在調査中、こういうことでございます。
 それから一方再発防止といいますか、その問題に関しましては、これは現在証券取引審議会の不公正取引部会といったものを九月九日から再開いたしておりまして、株式公開制度のあり方について検討を加えております。この考え方は、今回のリクルート事案について申しますと、やはり株式の公開制度に対しまして一般投資家の信頼が得られるような公平性の確保を図っていくというのは極めて重要である、そういった意味で証券取引の公正性あるいは透明性を高めるといった観点から、具体的には公開前の株式の移動でございますとか第三者割り当てのあり方でございますとかあるいは公開価格の決定のあり方、こういった問題についていろいろ調査検討をしているところでございまして、できれば年内にも結論を得たいというふうに考えているところでございます。
 なお、必要がございましたら個別の問題についてさらに詳細にお答えさせていただきたいと思います。
○熊谷委員 一般論の話も伺ったわけでありますが、もう一つ事実確認をしておきたいことがございます。それは、リクルートコスモス社の有価証券報告書においては同社役員の自社株式保有状況が正しく記載されていない、こういう新聞報道が行われているわけですね。この事実関係、それからもし事実だとした場合の法律関係はどうなりますでしょうか。
○角谷政府委員 証券業協会におきましてその自主ルール違反があったかどうかといったことをいろいろ調査したわけでございますけれども、十一月三十日に私どもに中間的な報告がございました。その段階におきましては、リクルートコスモス社の役職員十数名が第三者割り当て先からリクルートコスモス株の取得をしているといった点が一つございます。それから、リクルートコスモス社の役職員の相当数がリクルート社の役員数名から同じく株式の譲渡を受けている。このうち役員の持ち株につきましては有価証券報告書に記載して大蔵省に報告してもらうということになっているわけでございますが、実はこの点を調べてみますと、どうもその移動した持ち株が有価証券報告書で記載されているというふうな事実が必ずしもない、したがって、そこは果たしてどうなっているのであろうかといったふうなことから、現在その役員所有の株式数に対する有価証券報告書の記載が正しいかどうかといった点から個別にいろいろ実態を調査しているところでございまして、調査しました上でその事実関係を確実に把握する必要があるわけでございますけれども、有価証券報告書に記載漏れがあるということでございますと、これは当然のことながら訂正報告書という形で直していただくということになろうかと思います。
○熊谷委員 次に、税法上の問題について伺いたいわけでありますが、大蔵省、この総理の答弁は全体によくわかりにくいところがあるのですけれども、立法政策としてどうも不公平だからキャピタルゲインについてもっとしっかりした課税をやれという議論が一つ。それからいま一つは、今度の問題、確かにある意味ではキャピタルゲインですから税金がかからない、税法上の問題はないように見えるけれども、NTTの裏口座のような話が出てまいりますとこれは税法上いろいろ議論が出てくるんじゃないか、執行上の問題があるんじゃないか、こういう立法政策の問題とそれから執行上の問題と二つあるわけですけれども、この税法上の問題から、大蔵省は現在どのような観点からこの問題をとらえて検討をしておられますか。
○水野(勝)政府委員 第一点の税法上の問題、いわゆる公平確保の問題でございます。この点につきましては、先般御提案を申し上げました税制改革法案の中で、今までは原則非課税という株式のキャピタルゲイン課税につきまして、これを原則課税に転換をするということで御提案は申し上げておりました。しかし、この点につきましては税制特別委員会におきましてもいろいろ議論がございました。また、与野党間での御協議も九回にわたって行われたところでございます。
 その結果といたしまして、政府提案にはやや十分でない点がある。そこで、政府提案としては一応原則課税ということではございますが、その実際の課税方式といたしましては、市場を通じて売却される場合につきましては、その五%を利益とみなして二〇%を源泉徴収をする。結果として、売却価格の一%源泉徴収課税でございます。この源泉徴収課税、源泉分離課税方式と、その他の場合につきましては二〇%の申告分離課税ということで御提案を申し上げておったわけでございますが、最近の現象といたしまして、公開時点を境といたしまして値幅がかなり大きく動くということが多いわけでございますので、したがいまして、与野党いろいろ御協議の結果といたしまして、また税制特別委員会におきます審議も踏まえまして、去る十一月十日の税制特別委員会の場におきまして修正をいただきました。
 その第一点は、公開後一年間におきますところの売却につきましては、市場を通した場合におきましても、これは源泉分離課税の選択はできないというふうにいただきました。これが第一点でございます。
 第二点といたしましては、その公開後一年間の売却でございましても、公開前三年以上さかのぼった時点から保有をされておった株式、これにつきましては、これは源泉分離課税はできないわけで、先ほど申し上げた二〇%の申告分離課税になるわけでございますけれども、そういった点につきましては原則の二〇%課税というものを一〇%課税とする。この法文の書き方といたしましては、課税標準を半分にするという方式でございますが、実質的にはこれは一〇%課税とするという内容でございます。これが第二点でございます。
 それから第三点といたしましては、政府提案は原則課税、これにつきまして委員会でいろいろただいま申し上げた二点の修正をいただいたわけでございますが、さらに株式の譲渡益課税につきましては今後見直しを行うという内容の修正でございます。そうした見直し規定が改正法の附則に挿入されたということでございます。これは、昨年利子課税の見直しのときに、五年経過したところで見直しを行うという、やはり修正の規定を国会でいただいたわけでございます。その利子課税につきましての見直しとあわせて、株式の譲渡益課税につきましても把握体制の整備等の状況を踏まえて見直しを行うとする、そうした中身の内容の附則を挿入していただいたということでございます。
 以上三点につきまして、税制特別委員会で修正をいただきました。これは委員会での審議の状況、それから与野党での御相談の結果を踏まえたものでございまして、一応法制上の問題につきましては、こうした三点の修正でもってセットをいただいたというのが現況でございまして、この修正の内容を含みましたものを現在参議院で御審議を願っている状況でございます。
○伊藤(博)政府委員 執行に関連する部分についてお答えを申し上げます。
 リクルートコスモス株の未公開株式の譲り受け、譲渡に関連しまして、各種の新聞報道あるいはいろんな議論がなされておりますことは私どもも十分承知しております。また、当局としても関心を持っておるところでございます。ただ、個別具体的な問題としては事柄の性質上御答弁を差し控えさしていただざますが、一般論として申し上げまして、議論されております主な項目といたしますと、譲渡されました譲渡益の課税の問題、あるいは譲り受けられました価格が適正であるかどうかといったような問題等々が議論されておるということは承知しております。
 一般的に、私ども従来からもそうでございますけれども、税務の実務におきましては常々各種の情報収集、マスコミの情報を含めまして情報収集に努めておりますし、そういった各種資料から課税上問題があるという場合には必要に応じて調査をするというようなことで課税の適正化に努めてきておりますけれども、今後とも同様な方針でやってまいりたいというふうに考えております。
○熊谷委員 そこで、最後のといいますか、三番目の刑法との問題でございます。
 これは法務当局に伺いたいわけでありますけれども、このリクルートコスモス株の譲渡問題は大変政治、行政に対する不信をもたらしているわけでありまして、まことに憂慮すべき事態だと思うわけであります。このような状況のもとにおいて、早期に権限ある機関が事実関係を解明して、法に触れる事実に対しては厳正に対処するということがまず何よりも大事なことだと私は思うわけでありますが、このリクルー事件については、松原前社長室長を起訴してから既に一カ月余りが経過しているわけであります。東京地検における捜査の進捗状況について、法務当局からお伺いしたいと思います。
○根來政府委員 このリクルート問題は、いわゆる川崎市の助役の問題に端を発しまして、その後いろいろな報道がございまして、たしかこの衆議院の予算委員会でも八月当初からいろいろ御質問がございまして、私どもこれにお答えしてきたところでございます。しかしながら、その当時はなかなか話も漠としておりまして、内容もつかみがたかったわけでございますが、その後、国会でも証人喚問が行われ、あるいはいろいろの報道が行われまして、大体その輪郭もはっきりしてきたところでございます。
 ところで、九月の初めごろに楢崎議員の告発問題がございまして、その問題で検察庁がいろいろ捜査をいたしまして、十月二十日に強制捜査いたしました。それから、十一月十日に起訴したということでございます。しかしながら、この問題は国会でもいろいろ御議論がありますように、非常に範囲が広くて、なかなか難しい問題がいろいろあるわけでございます。したがいまして、検察庁もまずそのいわゆる非公開株の譲渡問題の全貌を明らかにしないと、個々の問題についての犯罪性といいますか、犯罪の嫌疑について検討することができないという立場から、松原元社長室長を起訴した後、いわゆる共犯関係を捜査を継続するとともに、その譲渡関係に集中いたしましてその事実を解明するために調査を続けているところでございます。
 繰り返すようでございますが、なかなか事実も広範囲にわたり、また国会の御質疑もあるいは御指摘も非常にいろいろの面から指摘されているところでございまして、なかなか苦労をしているところでございます。したがいまして、現在まで松原元社長室長を起訴してから、これも参議院で御質問がありまして若干あいまいな答弁をいたしましておしかりを受けたのでございますが、実数はつかみにくいのでございますけれども、延べにしまして約三百人ぐらいの方々の取り調べといいますか御協力を得まして、いろいろ事実解明に当たっているところでございます。検事も二十五人の検事を投入いたしまして精力的にいたしているところでございますが、いまだ焦点が定まらないという状況でございまして、大臣も申しておりますように、なお若干日時を要するのではないかという見通しでございます。
○熊谷委員 このリクルートコスモス株の譲渡先は大変多方面にわたっているわけでありますけれども、この中でも刑法上の問題として考えなければならないのは、公務員あるいは準公務員、NTTの役員、職員の場合は法律によりまして公務員と同じ責任を問われているわけでありますが、公務員もしくは準公務員に対する譲渡であると思うわけであります。
 そこで、非公開株の譲渡がわいろとなる要件について、いわゆる殖産住宅事件の最高裁決定というのがあることになっているわけですけれども、この殖産住宅事件の最高裁決定はどのような判示をしているのか、お伺いさせていただきます。
○根來政府委員 これも今まで国会でいろいろ御質問がございましたので概略御説明いたしますと、殖産住宅事件というのは、昭和四十六年から四十八年にかけまして殖産住宅相互株式会社等の株式の新規上場をめぐりまして証券監査官及び証券取引所の幹部がその職務に関して、上場直前でございますが、これは大体五日から十四日前でございますけれども、上場に際しまして新規に発行する株式の割り当てを受けてわいろを収受したという事件でございます。この事件につきましては、東京地方検察庁におきまして、昭和四十八年七月に、刑法及び証券取引法の贈収賄というのがございますけれども、これで起訴したわけでございます。
 この事件の裁判におきましては、このような上場に際して新規に発行する株式を上場直前に割り当てることがわいろとなり得るかどうかということが、すなわち今御質問の点が争点になりまして、第一審の東京地方裁判所は、五十六年の三月に、この公開価格とそれから上場のときの初値でございますが、その差額がわいろになるという判示をいたしたわけでございます。しかしながら、その後東京高裁にこれが係属いたしまして、五十九年の一月にこの原判決が破棄されまして、そういうことでなくて、その差額がわいろになるのではなくて、親引け株の割り当てによる株主となるべき地位それ自体、上場直後の値上がりによるその上昇した価格と売り出し価格との差額を取得し得る期待的利益を含んだものがわいろになるというふうな判示をしたわけでございます。
 ところで、最近、六十三年の七月でございますけれども、最高裁の方は、第二審の判決を支持いたしまして、「間近に予定されている上場時にはその価格が確実に公開価格を上回ると見込まれるものであり、これを公開価格で取得することは、これらの株式会社ないし当該上場事務に関与する証券会社と特別の関係にない一般人にとっては、極めて困難であった」という二つの前提を置きまして、こういう場合には、いわゆる非公開株といいますか、これの譲渡もわいろの対象になり得るということを判示したものでございます。
○熊谷委員 ただいまのお話ですと、二つの要件が満たされればわいろになる、上場に際し新規に発行する株式を上場直前に割り当てるということはわいろになる、こういうことなのですが、その一つは、一般の人にとってはめったに手に入れられないというのが一つの条件、いま一つは、値上がりが確実かどうか、この二つだろうと思うわけであります。そうしますと、リクルートコスモス株が公開価格で一般人にとって容易に入手できるということはこれは難しいというのは自明だと思うわけでありますから、問題は、このリクルートコスモス株を手に入れて売る、その場合に、これは必ず値上がりしますよと声をかけられたと新聞等では報道されておりますけれども、客観的に見て値上がり確実であったかどうかということが大変大事な論点だろうと思うわけであります。
 そこで大蔵省にお伺いいたしますが、このリクルートコスモス株式は、六十一年の九月に第三者割り当て先から新聞に報道されているようなあるいは当委員会で両社からリストが出されているような人々に対し一株当たり三千円で譲渡され、公開時に五千二百七十円で初値がついた際多くの人が売り抜けて多額の利益を得た、こういうことになっているわけです。そこで、今までに新規公開されたケースで、公開時の市場の初値が公開時に類似会社比準方式等によって算定されたいわゆる公開価格に比べて、大幅に上回る傾向があるようですけれども、いやそうじゃなくて、実は下がったんだ、そういうようなケースはございますか。
○角谷政府委員 新規公開銘柄につきまして初値と公開価格の状況を見ますと、最近におきましては初値が公開価格を下回った事例はありません。むしろ三割とか四割とか公開価格に比べまして初値の方が高くついているというのが平均的な例でございます。
○熊谷委員 いま一つ、一般的な状況を伺いたいわけですが、この六十一年ごろの株式市場の動向を私どもは思い出すと、あのころは何か株を買えば何でももうかるような、そういうような雰囲気だったように記憶をしておるわけですけれども、一体どういう状況だったのでしょうか。特にこのリクルートコスモスに関係する不動産関連銘柄、この株価の動向は実際はどのような状況だったのでしょうか。
○角谷政府委員 この二、三年、株価は非常に好調でございまして、特に今御指摘の六十一年でございますが、六十一年の株式市況というのは金利低下とか世界的な株高傾向ということで非常な上昇基調をたどっておりまして、六十一年八月二十日には日経平均株価が一万八千九百三十六円というふうに、その年度におきましては年間の最高値、これは年初に比べまして大体四四%の値上がりでございます、これを記録しております。その後若干調整局面に入りましたわけでございますが、十月下旬以降さらに公定歩合の引き下げ等を背景といたしまして再び上昇基調になるといったことで堅調になりまして、年末には一万八千七百一円ということで、年初来五千五百六十七円、大体四二%の上昇率ということになっておるわけでございます。
 一方、不動産業種はどうかという御指摘でございますが、これにつきまして、実は日経平均ではちょっと指標が足らないものですから東証株価指数で申しますと、東証株価指数も日経平均と大体似たような伸びをいたしております。まあ若干、何ポイントかは違いますけれども、伸び率からいいますとほぼ似たような傾向でございますので、東証株価指数の方が業種別比較がとりやすいものですからそれで御説明するのをお許しいただきますと、そこで東証株価指数におきますところの不動産業種十七社、これをとってみますと、これもむしろ当時の不動産ブームといったことを背景といたしまして日経平均株価を一般にもっと上回った上昇をいたしておりまして、九月二十九日には大体九三%ぐらい年初来値上がりをしておる。その後同じように一たん調整局面に入りまして、また年末にかけて上がったわけでございますが、年末時点で見ますと約七七%ぐらいの値上がりをしているといったことでございまして、そういった意味では、一般的にも株価は好調であった、不動産業種について見ますと不動産ブームを背景といたしまして一般の株価よりもさらに大きな上昇率になっている、こういう状況にございました。
○熊谷委員 そうしますと、どこから見ても値上がり確実だ、こういう印象は否みがたい事実だろうと思うわけであります。そうなりますと、いよいよ刑法に触れるかどうかということは、法によりますと「職務ニ関シ」ということでございまして、それぞれもらった人が職務権限を持っておったかどうかということが大変大事なポイントになってくるだろうと思うわけであります。
 そこで、最初に、当委員会で証人喚問いたしました高石さんに関係いたしまして、文部省にお伺いをしたいわけであります。
 さきに文部大臣は、審議会委員の選任について局長及び次官はタッチし得る立場にあるということを表明されたわけでございますけれども、江副氏の教育課程審議会委員及び大学審議会委員の選任に当たって高石さんは局長として、また次官としてどういうふうにタッチしたか、お伺いしたい。
○中島国務大臣 お尋ねの件は、二つ具体的にお挙げになりましたので、教育課程審議会委員の任命は六十年の九月でございます。大学審議会委員の任命は六十二年の九月でございます。おっしゃいますように、六十年当時は高石氏は初等中等教育局長、六十二年は事務次官でございますから、それぞれの立場は若干違いますけれども、その任命について仕事上タッチし得る立場にあったということは事実でございます。どのようにタッチしたかということは、それぞれの職務によってそれぞれの、これは八条機関でございますから、任命の手続の法令がございます。その法令に従って厳正に任命をいたしたということでありますが、その中で、高石氏につきまして、私が知る範囲では特に影響力を行使したということはないというふうに承知をいたしております。
○熊谷委員 それではお伺いしたいわけですが、
 一つは、審議会委員選任に対する一般的な選任手続というのはどういうふうになっておるのか。それから、江副さんの場合の選任に至る具体的な手続、これはどういう形で行われたのか、そのことを事務方からひとつ御説明いただきたい。
○加戸政府委員 文部省におきます審議会の委員の発令手続でございますが、それぞれ担当する局によって実務的には若干いろいろな差はございますけれども、一般的に申し上げますと、担当する局におきまして、局の中で具体的な選考の方針を決め、それに基づいて具体的な人選を行い、その人選した結果を局の段階で原案といたしまして事務次官、大臣に上げていくということでございまして、通常の場合でございますと、人選に当たりまして事前に一応の案を固めた段階で事実上の了承をとりまして、そしてそれを局の原案として決裁として上げて大臣までの決裁をいただくという状況でございます。そしてそれに基づきまして具体的に委員に交渉いたしまして、了解が得られました場合にこの原案に基づきまして担当の局から文部大臣あてに発令の上申書が提出されまして、それに基づきまして大臣官房で発令の手続を行う、こういうことでございます。
 それから江副氏の発令につきましては、教育課程審議会の委員の場合は、教育課程審議会令という規定によりましてそれぞれ教育職員及び学識経験者のうちから文部大臣が任命することとなっておりまして、この場合は、教育課程に関することでございますので、初等中等教育局並びに体育局の方で関係がございますので、関係の各課から検討課題に照らしましてリストアップを行いまして、それを担当課において取りまとめ、調整し、そして原案を作成して局の段階の案としてまとめ、先ほど申し上げたような手続をとっていくということでございます。
 それから大学審議会の場合につきましては、大学の今後のあり方について幅広い視野から検討するということで、これは高等教育局の中で人選を行い、もちろん次官、大臣の了承を得ながら進めるわけでございますが、これも同様に局としての案が最終的に固まりましてから決裁として上がっていく、こういうようなシステムでございます。
○熊谷委員 リクルート社の幹部というのは、江副さんだけではなくて、かなりの方々が審議会あるいは協議会等の委員に選任されていると伺っておるわけですが、それは数で言うと九あるいは十に上る、こういうことですけれども、これは事実でしょうか。大体一つの民間企業からこれだけの委員が選任されるというのは、どう常識的に考えても多過ぎるのではないかと思うのですけれども、こういう例はほかにございますでしょうか。
○加戸政府委員 現在文部省におきまして外部の方からいろいろな御協力をお願いする方法といたしまして、いわゆる八条機関でございます審議会、これが十六ございます。それから文部省内におきまして事実上の私的諮問機関的な立場で調査研究協力者会議といったような形での会合が三十九ございまして、審議会の場合の委員数は数百人、それから私的諮問機関でございます協力者会議の場合には約千二百名の方に御協力をいただいているわけでございます。その中で江副氏を初めといたしますリクルートの幹部の方々がこれらの審議会または調査研究協力者会議に登用されているわけでございますけれども、江副氏の場合につきましてを除きますと、その他のリクルート関係者が占めました過去十年間におきます実数といたしましては十一でございまして、延べ人数といたしますと、同一人物が何回も登用されたということがございますので、江副氏並びにリクルート関係の方々の実人員は四名でございます。こういった形で、同一の企業からこのような形で登用されている例といたしましては、これほど多くございませんが、例えば特定の企業としましては広告会社の方であるとか、あるいは銀行等のグループの方であるとか、一つの企業から三名程度あるいは二名といったケースはございますけれども、同一の企業から四名も登用されているということにつきましては、文部省の中では一番多かったということが言えようかと思います。
○熊谷委員 文部大臣、前回の証人喚問、この委員会における高石さんの証人喚問をお聞きになったと思います。場所は事務次官室でございます。我々も胸つぶれるような思いをしたわけでありますけれども、加えて、高石さんについては生涯学習振興財団の問題等でいろいろ議論をされておる。大臣、特にこの生涯学習振興財団の問題に関連して、私学助成の見直しに着手する、こういうことも表明されたと伺っておりますけれども、やはりこれは文部省内の綱紀粛正を図っていくということが恐らく大臣一番お感じになっておられるだろうと思うのですけれども、この文教行政の信頼を回復するためにどういう決意をされておられるか、お伺いさせてください。
○中島国務大臣 まさに熊谷委員御指摘のように、今回の一連の行為、事象というものは、文教行政を担当する文部省に対しまして信頼を甚しく損ねたという点で、それが一番心に痛い点でございます。三つの点で、一つは、まさに教育改革を進める上に与野党の各委員の先生方からも御熱意ある御審議をいただいておるところでございます。また一方では真剣に教育に取り組んでいらっしゃる多くの教員の方々、あるいはそこに学んでおられます多くの方々、それから生涯学習ということを打ち出しております上で、幼児から高齢者まで今ほど文教行政に注目をされておるときはないと思います。これを着実に進めますには国民の方々の信頼なくして進めることはできないわけでありまして、この信頼が損なわれたということは最も残念至極に存じますので、そこでこれからは私どもは綱紀の粛正に改めて心をいたしまして、私は三倍も五倍もと申し上げておりますが、何倍努力すればこの信頼が取り戻せるかということではございませんので、できる限りの努力をいたしたい。また、特に本日閣議決定をいたしました官庁綱紀の粛正の問題もございます。これに照らしまして、さらに厳正に職務の遂行に対しまして指導し対処してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○熊谷委員 さっき、文部省に対する質問等で、具体的に江副さんの選任について高石さんが影響力を行使したという事実は認められなかったというお話もございました。しかし、全体のいろいろな話を総合していきますといかにも不自然さを感ずるわけですし、過去のいわゆる収賄罪の判例等見ますと、単に正月の儀礼的なあいさつですら収賄罪に問われて職をやめている者もいる。これは判例にあるのです。そういうことを考えますと、次官室で、先ほど言いましたように全く値上がり確実なものを、普通の人が得られないものを入手する相談を受くるというのは、仮に司直が調べてどうこう、私どもまだ即断できませんけれども、しかし先ほど来文部大臣がおっしゃられたように、倫理上の問題というのは非常に重く残るだろうと思うわけでありまして、ぜひひとつ文教行政立て直しのために頑張っていただきたいとお願いをしておきます。
 次に、労働省に御質問をさせていただきます。
 加藤さんは、当委員会における証言におきまして、いわゆる職業安定法の一部を改正する問題についてはほとんどタッチしない、この職業安定法の一部を改正する法律案大綱の存在も知らなかった、こういうことを言っておられるわけでありますけれども、このような重要な案件を当時所管局長に報告もしないで担当課長が全部処理した、これも何かよくわからないのですが、お調べになっておられるでしょうか。
○岡部政府委員 お尋ねの職業安定法の改正作業につきましては、昭和五十八年夏ごろから事務的な検討が始められたわけでございます。しかしながら、当時職業安定局におきましては非常に大きな問題を抱えておりまして、一つは労働者派遣法の制定の問題でございます。もう一つは雇用保険法の改正の問題でございます。特に派遣法の問題というのは、労使関係者等々の合意形成が進まずに法案の提出が一年おくれるというほど難航をきわめた事案であったわけでございます。当時局長でございました加藤前事務次官自身この派遣法の制定作業に非常に没頭をいたしたということでございまして、あわせて、雇用保険法もこれまた非常に難産の末、成立をいただいたわけでございます。
 したがいまして、このような作業の中におきまして、職業安定法問題というのは専ら担当課において行っていたようでございまして、御指摘のこの大綱というものにつきましては、これは事務レベルの検討試案の一つでございます。当時の資料を見ましても、大綱というものが幾つもございます、要綱とあるものもございます。幾つもある試案の一つにすぎないということでございまして、当時の加藤局長に説明をしなかったというように私ども調査をいたしております。説明をいたさなかったわけでございます。
○熊谷委員 これも報道ですけれども、労働省の内部資料であった職安法改正案大綱が何者かによって外部へ持ち出され業界へ出回り、これに対して業界は規制反対のキャンペーンをして、職業安定法研究会報告書なるものをまとめている、また職安法改正に関する要望書を加藤職安局長に提出した、報道ですけれども、こう言われておるわけであります。
 そこで、前回の当委員会における証言で、加藤さんは職安法の改正については今おっしゃったように担当者に任せきりで知らなかった、こういうわけですから、それでは労働省は、つまり加藤さんを除く労働省は、この報告書や要望についてどのような取り扱いをなさったのですか。
○岡部政府委員 業界によりますところの要望でございますが、これは私ども調べましたところ、当時の業務指導課長及び課長補佐が対応いたしまして、これらのものにつきましてはその担当課で保管をしておる、こういう状況でございます。
○熊谷委員 労働省とリクルートの関係というのはいろいろあるようですけれども、例えばリクルート人材センター、これは株式会社ですね。それから株式会社シーズスタッフ、これはいずれも大臣許可を受けていると聞いておりますが、この辺の経緯をお聞かせください。
 なお、それからリクルートの関連会社の行ういわゆる民営職業紹介事業及び労働者派遣事業に対して、労働省として行政処分を行い得る範囲、これはどのぐらいのものですか。
○岡部政府委員 お尋ねのリクルートの関連会社でございますリクルート人材センターにつきましての民営職業紹介事業、これは大臣許可が必要でございます。これにつきましては、有料職業紹介事業をリクルートにおきまして行う形態は幾つかの変遷がございますが、昭和五十二年から昭和六十三年に至りまして内容が変わったもの、あるいは各地に支社が設けられたもの、いろいろございますが、合計七件にわたるところの大臣許可が与えられております。これにつきましては、関係審議会の中でこれを検討いたしまして大臣に上がるものでございます。
 それからもう一つ、シーズスタッフというのは労働者派遣事業でございまして、これも大臣許可を受けているわけでございます。これは六十一年の七月からこれについての業務の大臣許可が行われてこの事業が始まっておりますが、六十二年にはその横浜事業所というふうな、地域における事業所の大臣許可も与えられたということで、合計三件の大臣許可がございます。
 それで、これらにつきましての行政処分を行い得る範囲ということでございますが、これは法令あるいはその処分に違反したような場合、あるいはまた一定の欠格事由に当たったような場合、当然のことながらこれは大臣は当該事案の許可を取り消したり、あるいはまた事業の改善、廃止を命ずることができるということに相なっておるわけでございます。このことは人材派遣事業のみならず、民営職業紹介につきましても同様の処分をすることができる、このような内容になっております。
○熊谷委員 労働大臣、伺ってまいりましてもう十分おわかりのとおり、職務上の関連というのは、リクルート社の展開する事業と労働省は非常に関係が深い。そういう中で、さきの証言でも明らかになったとおり、次官がおい判こ判こといって取引をするというようなことは、やはりこれは大変な問題だろうと思うのです。
 こうした状況を踏まえて、現在どのように労働省全体としてこの問題をとらえて、今後どのように対応していかれるのか、大臣の御決意を伺いたいと思います。
○中村国務大臣 御指摘のように、加藤前事務次官の行いましたリクルートコスモス株の取得に関する一件につきましては、さまざまな問題を世間に投げかけまして、労働行政に対する国民の信頼を著しく損ねたということにつきましては、私も大変残念至極、遺憾に思っておるところでございます。まあ、これを単に加藤さんだけの問題で終わらしては私は失われた信頼は回復できないと考えまして、先般、省内に対しましての綱紀の厳正な保持につきましての指示を行ったところでございます。とりわけまして幹部職員に対しましては、常に自省自戒し、まさに李下に冠を正さずの姿勢のもとに、襟を正して信頼回復のために全職員一丸となって努めるようにという強い要請もいたしたわけでございます。ずっとその後、全職員に対しましても同じような要請も行っておるわけでございます。やはり長い歳月がたちますと、どうしても綱紀の厳正な保持に対しましては認識が薄らぎ、気の緩み、油断というものが出ると思いますので、この際、乾坤一てき、厳正な保持に向けての徹底を期してまいりたいというように考えておるわけでございます。
 先般の閣議におきましても内閣総理大臣から指示がありましたし、本日はそれを受けて官庁の綱紀粛正に対する閣議決定がされたわけでございます。その点を踏まえながら、さらに一層の厳しい綱紀の保持に向けて一層の取り組みをいたす決意でございます。
○熊谷委員 NTTの真藤会長は、リクルートコスモスの株式売買に関し一昨日引責辞任をされたわけですが、伝えられるところによりますと、真藤会長は大変質実剛健で清廉潔白な人だというふうに伺っておるわけであります。その真藤会長が、今回の株式売買に関する説明については、新聞あるいはテレビ、我々も拝見をしますと、二転、三転をしておる。どうしてこのような結果になったのか、私ども大変理解に苦しんでいるわけですけれども、郵政大臣は一昨日真藤会長にお会いになったと伺っておりますが、どのような事情の釈明がなされたのか、お伺いしたいと思います。
○中山国務大臣 まことにNTT関連で残念なことが起こっておりまして、特に電電公社を民営化するということで土光さんからの御指名で真藤さんが出てこられまして、そして社長として自由化した後、大変御活躍をいただくためにこれまた初代の会長に御就任をいただいて、それもつい六月に、私から了承をして会長に、代表権のある会長に御就任いただいたということでございましたが、今回村田幸蔵秘書がリクルートの株の売却益を得ていたということの関連で、関係がないというお話をしていらっしゃったのが、実は事実であったということで、私は、会長らしい責任をおとりになったという気持ちでおります。特に、造船界でも有名な方で、真藤船型と言われるような大型のタンカーをつくって、あの石油ショックのときにも大量の石油を運んでくるための大型タンカーは、今でも真藤船型と言われるようなそういう面でも御活躍のあった方でございますし、私どもも信頼をいたしておりましたことがこんな結果になりましたことを私も残念に思っております。
 NTTに調査委員会を設けまして、厳正な調査をしていただきたいということをお願いをいたしておりましたが、これもまた限界がありますし、私ども郵政省としても、自由化した限りは余り管理監督というような支配的な影響を及ぼすことにも問題があるように思いますので、自由化で、特にお得意さんだということで新規参入の会社が今第一種電気通信事業が四十一社になっておりますし、第二種電気通信事業がゼロであったものが六百六社になっております。それから特別第二種が二十二社という競争相手ができてきたということで、自由化したそのふたのとれた気安さから、お得意さんを大事にするということでこういう結果になったと私は思いますが、お金を借りて株を買って、そしてすぐに売って利益を得るというのは、これは経済行為とは私は思えません。私は株をやりませんので、就任のときの記者会見でも、株をやりますかと言いますから私はやりませんということを宣言をしてございますが、自分の金で買って、長期保有でそして安定株主になるというのは、これは経済行為だと思いますけれども、そうでない限りは経済行為でない。今後こういうことがないように、先ほど熊谷議員のお話にもありましたように、日本電信電話株式会社法の十八条では御承知のように涜職罪が規定されておりまして、公務員に準ずるという規定があるわけでございますので、今後はひとつ規律をしっかりと保っていただきたい。先ほどから各大臣からもお話があっておりますように、官庁綱紀の粛正ということでけさ閣議決定もいたした次第でございますので、これからひとつ厳正に連絡をとってまいりたい。特に、千五百六十万株のうち五百四十万株を売却して、まだ千二十万株という多数の株を持っております国家が大株主でございますので、国民の信頼を得るために、大展開をしていく電気通信のためにも新しい情報社会のためにも私は立派な公社になっていただきたいと期待をし、また、私どもはそのための監督官庁としての責任を果たしたいと思っております。
○熊谷委員 きょうは参考人山口社長に来ていただいておるわけですけれども、NTTはリクルート社に対する転売用のスーパーコンピューターを六十一年及び六十二年に米国クレイ社からそれぞれ購入された。この時期、日米関係は大変な時期でございまして、政府もNTTにいろいろ要請を行っておって、NTTとしても国際的調達実績を上げることはいわば至上命令であった、こういう状況は私どももよく承知しておるところであります。ところが、この購入をめぐって、裏に何かあるんではないかとか不自然だとかというようなことが問われているわけであります。
 そこで、もう時間がございませんので二点だけ伺いますが、一つは、リクルート社は、このスーパーコンピューターの購入について当初日本クレイ社と直接交渉に入ったが、その後突如としてNTT経由で購入することに変更したと言われるわけですが、この変更経緯を説明していただきたい。これが第一点。
 第二点は、回線リセール事業のためのNTTの回線貸し出しにより、リクルート社はその六十数%のシェアを有していると言われる。占有率が六割を超えているというのですから大変なものなんですけれども、この一社に集中したその経緯、これを御説明いただきたいと思います。
○山口参考人 お答えいたします。
 ただいまのスーパーコンピューターの購入に関します、当初日本クレイ社とリクルート社との関係の中にNTTが突如割り込んだというような話でございますが、実際私が承知しておりますところによりますと、NTTはそれ以前に私どもの研究所におきましてスーパーコンピューターを米国クレイ社から購入しております。これはやはり日米貿易摩擦の一環といいますか、その関連でNTTが世界から広くいいものを購入するという姿勢をとりまして、以来、アメリカでいいコンピューターがございましたので研究用として購入しておったのでございますが、そういう経過がございましたので、NTTはいわばスーパーコンピューターに関しましては我が国で初めてのユーザーであったわけであります。
 そういう状態にありましたので、リクルート社が新しい事業を始めるに当たりまして、やはりスーパーコンピューターを買いたいという希望があったようであります。で、日本のスーパーコンピューターもまだ初歩の段階でありましたが、一応日本のコンピューターメーカーさんとそれからアメリカのスーパーコンピューター等についても検討しておったようでありまして、したがいまして、詳細な検討は私存じませんが、リクルート社がアメリカのスーパーコンピューターの方がいいんじゃないかという判断になったようでありまして、じゃ、その関係についてはNTTが日本で一番ユーザーとしては最初であり、その経験がございますので、NTTにいろいろと協力を求めた方がいいのではないか、こういう判断でNTTにスーパーコンピューターをクレイ社から買ってほしい、こういう話がございました。
 NTTは商社ではございませんので、ただ右から買って左に売る、こういう行為はやっておりません。必ずそのコンピューターに付加価値といいますか、業務も付加しまして、例えば設計、検査あるいは建設業務、こういうものを付加しまして、いわば受託工事の関係で販売をしたわけであります。そういった状態でございますので、必ずしも言われますように途中から介入したことはないと考えております。
 また、リクルートのリセール事業において六十数%のシェアを持っているというお話につきましも、NTTがリクルート社だけに営業活動したのではなくて、聞きますところによりますと、やはりリクルート社が大変多くの営業の人をつぎ込ましてユーザーさん獲得のために活躍をされて、その結果パーセンテージが業界で一番大きくなった、こういうふうに承っております。
○原田委員長 これにて熊谷弘君の質疑は終了いこしました。
 次に、村山富市君。
○村山(富)委員 時間がわずかですから端的にお尋ねしますが、率直に要領よくお答えいただきたいと思うのです。
 まず私は、NTT関連に絞ってお尋ねしたいと思うのですが、NTTの今度の株譲渡に関連する疑惑の本質については、三つの問題があると私は思うのですね。一つは、今もお話がございましたが、回線リセールをリクルートが六十%のシェアを占めるようになった、しかもこのセールスに、式場さんの証言によりますと同行している。なぜそこまでそのサービスをする必要があったのか、こういうことがやはり常時あり得るのか、こういう問題について責任者である山口社長はどういうふうにお考えになっていますか。
○村上参考人 お答えいたします。
 リクルート社の回線のリセールでございますが、それに関して式場が販売に同行したと言われておりますけれども、これはリセールそのものはリクルート社が行うものでございまして、同時にそれを使っていろいろユーザーの方々が社内のシステムその他を構築されるわけでございますので、その際に必要ないろいろなPBXであるとかあるいはTDMであるとか、そういうシステムとしてつくり上げるための仕事は企業通信にしても事業本部の仕事でございますので、そういったビジネスチャンスがあるということで同行いたしましてそういうチャンスをつかみたい、こういうことでございますので、これは私どもの仕事の一環であるというふうに考えております。
○村山(富)委員 これは議論をしていると時間がなくなるものですから、事実関係だけお尋ねしたいと思うのですが、次に二つ目の問題は、今お話もございましたように、NTTがリクルート社にスーパーコンピューターを転売した、こういう問題について長谷川さんの証言によりますと、これはNTTの上層部で決めたことで、私は関与してません、こういう証言があったわけです。聞くところによりますと、六十二年四月の常務会で決定をされたというふうにも聞いているわけでありますが、もう少しその転売をするに至った経緯について明らかにしてもらいたいのですが、特にこの中で、おやめになりました真藤前会長が何か役割を果たされたのか、何か発言があったのか、さらにまた、リクルートに転売をすることを提案をしたのは一体だれだったのか、そういうことについてわかれば御答弁いただきたいのです。
○村上参考人 お答えいたします。
 リクルート社へのクレイ・コンピューター、これの設置工事等を私ども受託工事として行ったわけでございますが、これにつきましては先ほど山口から御説明いたしたとおりの経緯でございまして、ただ相当の金額になるものでありますから、常務会に諮りまして、そういったお仕事を受けてよろしいかというようなことを承認をとったものでございます。お尋ねのように真藤前会長から特段そういった御指示があったというものではございません。
○村山(富)委員 そういたしますと、この六十二年四月の常務会の議事録の提出をしてもらいたいと思うのですが、それはできますか。
○村上参考人 委員会からの御要求があれば、お出しさせていただきます。提出させていただきます。
○村山(富)委員 それじゃ、後でまた理事会でもお諮りいただきまして、委員長の方から御要請をいただきたいというふうに思います。
 それから次は、これだけスーパーコンピューターを転売したことが問題になっておるわけです。これまで参議院でも問題になりましたけれども、クレイ社から幾らで買って、そしてリクルート社に幾らで転売したのかという価格については明らかにされてないわけでありますけれども、それは一体どういうことになっていますか。
○村上参考人 個別の契約の内容につきましては、契約当事者の営業上あるいは技術上のいろいろな重要な情報が含まれておりますので、非公開を前提といたしまして契約を締結しておりますので、購入価格等につきましてはこれも大事な情報かと考えますので、当事者以外に明らかにできませんのでお許しをいただきたいと思います。
 なお、こういった契約に関しましては、社内の必要な手続によりまして適正に実施いたしております。また、会計検査院の検査も受けております。これまでのところでは、特段会計経理上問題になるような点はないというふうに見ていただいております。(発言する者あり)
○原田委員長 大事なところだから、ちょっと静かにしてください。
○村山(富)委員 会計経理上問題があるからないからという意味で私は聞いているわけじゃないのですよ。ですから、NTTがクレイ社から幾らで購入したのか、それからNTTがリクルートに幾らで転売したのかということを秘密にしなければならぬような何かあるのですか、決まりが。
○村上参考人 繰り返しで大変恐縮でございますけれども、売買の価格につきましては、個別の営業上の問題でございますので、その後のいろいろな私どもの営業上にも差しさわりがございますので、この点については御容赦をお願いいたしたいと思います。
○村山(富)委員 営業上の差しさわりがある、こう言うのですけれども、これはクレイ社の方から価格については公開を差し控えてもらいたいというような条項が契約に際してついておるのか。そうでなくて、NTT独自の立場からやはり公開は困るというふうな理由があるのか。どうも私はその理由が納得できないのですが、どうですか。
○村上参考人 お答えいたします。
 私どもいろいろな売買契約などいたしておりますけれども、一般的には契約書の内容につきましては守秘、お互いに秘密を守るというのが一般的な契約書の中身になっております。
 なお、リクルート社へ納入のこのクレイのコンピューターにつきまして、契約書そのものには書いてございませんけれども、一般的に、先ほど申しました商習慣上これは当然守秘義務があるというふうに解釈いたしております。
○村山(富)委員 じゃ端的に聞きますけれども、これはクレイ社からはそういう注文は全然ついてない、要請はない、ただこれはNTT独自の経営上の立場からやはり秘密にしなければならぬというふうに考えている。どっちですか。
○村上参考人 お答えいたします。
 私どももそう考えておりますし、クレイ社も当然そう考えておると思っております。
○村山(富)委員 いや、それは考えておるというのではなくて、売買契約をするに当たってクレイ社の方からそういう意味の注文といいますか、申し出か何かあったのですか。
○村上参考人 繰り返しで大変恐縮でございますが、営業上あるいは技術上のいろいろな情報というのは漏らさないのが商習慣かと思っております。
○村山(富)委員 いや、そうじゃなくて、クレイ社の方から、契約に当たって何かそういう注文とか申し出があっているのですか、こう聞いているわけです。
○村上参考人 この点は大変大事な情報でございますのでクレイ社とも相談いたしておりますけれども、購入価格等につきまして限られた場所でならばオープンにしてもよろしいという見解はとってございます。
○村山(富)委員 いや、今見解はとっているというのは、NTTがとっているんですか。クレイ社からは何らの注文もそういう要請もないのですか。
○村上参考人 一般論で申しますと、そういった情報は公開しないのが、これはもう商習慣上のことでございますけれども、こういったこのたびの問題がいろいろ発生いたしておりまして、どうしてもという場合につきましての当社の考え方あるいはリクルート社の考え方を明らかにしておきたいということでクレイ社に照会いたしましたところ、ただいまのような、一般的には好ましくないけれども、こういうようなことの解明に必要であれば、限られた場所においてオープンにしてもよろしいというふうなことでございます。
○村山(富)委員 参議院でもこれは若干意見が出ていましたけれども、昭和六十二年十月二十三日に工業技術院がやはりクレイ社からコンピューター、XMP216というのを買っているわけです。その購入に際して一切秘密はありません、いつでも公開できますといって、すべて公開をされているわけです。いみじくも工業技術院が購入をしたスーパーコンピューターと同じものをNTTが買って転売しているわけですよ。工業技術院が買ったものについては公表されているのになぜNTTができないのかということが一つと、どうしてもできなければ、その工業技術院が買ったものとNTTが買われたものとは価格が違いますか、どうですか。
○村上参考人 お答えいたします。
 ただいまのNTTの購入価格につきましては御容赦を願いたい、こう思いますが、工業技術院様がお買いになりましたものにつきまして約五十億というお話がございましたが、コンピューターの価格につきましては、もちろん先生御存じのように、コンピューターのいろいろな、本体がどのような構成になっておるか、あるいは周辺装置がいかなるものがついておるかというふうなことによりまして、あるいはソフトウェアがどのぐらいその中へ入っているのかというような点で、それがそれぞれの購入のケースによって違ってまいりますので、直接の比較にはならないと思っております。
○村山(富)委員 同じクレイ社から購入して、工業技術院が買ったものについては、中身についても価格についても明らかにしているわけですよね。これはもう通産大臣が、そんなことはありません、いつでも公表しますとはっきり言っているわけですよ。それに、NTTが買ったものについては秘密にしなければならぬという理由はどうも私どもわからないんだけれども、それではお尋ねいたしますけれども、今NTTが民間会社だからそれは営業上の理由があってできないんだ、こういうふうに言われるんだとすれば、電電公社の時代にやはりクレイ社からコンピューターを購入して、武蔵野通信研究所に配置されていますね。これについては、契約やらこの価格等については明らかにできますか。
○村上参考人 お答えいたします。
 先生御指摘のように、民営化以前に研究所に導入しておるわけでありますが、そういった商取引でも一般的な商習慣に基づいて行っておりますので、契約内容を開示することは、先ほど申しましたような今後の営業の活動に影響を与えると懸念されますので、購入価格を明らかにすることを御容赦いただきたいと思います。
○村山(富)委員 私は、NTT、民営化された後については、これは民間会社ですからいろいろまたあるかもしれませんから、それ以上は申しませんけれども、しかし、公社時代に購入したものについてはやはり契約の内容を明らかにしてもらう必要があるというふうに思いますから、これもひとつ委員長に要求をしておきまして、あと理事会の方でお取り計らいいただきたいというふうに思います。
 それから三つ目の問題は、真藤前会長さんは責任をお感じになっておやめになっておる。先ほど郵政大臣からも、せっかく民営化された会社ですし、これからの日本の電信電話事業に大変な影響力を持つ会社だからやはり立派な会社になってもらいたい、これはまた同感ですね。そういう意味で私はお尋ねをしたいと思うのですけれども、村田秘書の名義でもって一万株が売買された、そして売却益が二千二百万円あった。その二千二百万円の売却益は、村田さんの通帳に入った後、真藤さんの個人口座に九百万円、それから秘書室長が管理をする銀行口座に千二百万円というふうに振り込まれているということが明らかにされたわけですね。この経過から見ますと、これは村田さん個人が株を買ったのではなくて、村田さんの名前を借りてあるいは仮名で株の譲渡がなされたのではないかというふうに思われるわけです。そうなりますと、これは、株の取引について仮名を使ってはいけないといって厳しく禁止をしておりますけれども、それにも抵触するのじゃないかというふうに思われますが、その点はどうでしょうか。
○角谷政府委員 私どもが証券会社に対して指導しあるいは通達を出しておりますところの仮名取引の自粛あるいは禁止というのは、そもそもの趣旨が、証券を通じますところの不公正な、例えばインサイダー取引のような不公正な取引を防止するあるいは証券会社の内部管理体制をきちんとして事故の起こらないようにする、こういった観点から証券会社に対するいわば一種の行為規制としてこれを行っているわけでございます。したがいまして、証券会社が仮名であることを知ってこれを受託するといったことは、これを厳しく禁止しあるいは自粛するといったことをやっているわけでございますけれども、ただいまお話しの点は、これはいわば当事者間といいますか、仮にそういう事実が――事実について私ども詳しく承知はいたしておりませんけれども、例えばある御本人が、これは自分のものであると言って株を持って売られたといったケースにつきまして、それが実は他人のための取引であるかどうかということは証券会社を通じてはチェックしようがないわけでございまして、そういった意味では、証券会社に対する行為規制という意味での通達といったものに対する違反ということには、これは証券会社の注意能力を超える問題でございますのでそういことにはならないのではないか、一般的にはそのように考えているわけでございます。
○村山(富)委員 そうすると、私はNTTの社長さんにお尋ねいたしますけれども、この秘書室が管理している通帳というのはどういう性格のものですか。
○山口参考人 お答えします。
 秘書室が管理しているという表現につきましては、私も明確ではありませんが、少なくとも秘書室が管理している会社の口座というものはございません。
○村山(富)委員 いや、そうしますと、この二千二百万円の売却益は、先ほども申し上げましたように九百万円は真藤さん個人の口座に入っている、それから残りの千二百万円は――千三百万円ですか、千三百万円は秘書室が管理する銀行口座に入っておる、これは全く会社は関与しないものだというふうに言われるのか。これはどういう性格のものですか。
○山口参考人 お答えします。
 秘書室が管理している会社の口座というのはございませんので、会社の経理はすべて経理部がやっております。したがいまして、今のお話ですと、それは全くプライベートなものだと思っております。
○村山(富)委員 これは性格によっては大変大きな問題になる可能性があると思うのですけれども、私は一連の経過から推しはかってみますと、これはやはり村田秘書にリクルート社が株を譲渡したのではなくて、たまたま村田さんの名前を借りて株の譲渡がなされた。したがって、その売却益は真藤会長の個人名義に入るし、同時に、会長として会社の仕事をする上に必要ないろいろな金が要る、その裏金にするために秘書室が管理をする口座に振り込まれたということになっておるのではないかというふうに思われるわけです。そういう推移からしますと、これはさっきも言いましたように、村田個人に対してリクルートが株を譲渡したのではなくて、あくまでも真藤会長、NTTという会社に対して譲渡したのだ。先ほど来私はこのリセール回線の問題やらあるいはスーパーコンピューターの問題やら等々について若干お尋ねしましたけれども、そういう経緯から考えてみても、これはリクルート社とNTTとの関連というのは非常に強いものがあった、そして今度の株譲渡については、やはりお世話になったりいろいろしたところにお礼奉公のつもりで株の譲渡がされているというふうな節もあるわけですから、そういう意味から申し上げますと、今度のリクルート社のNTTに対する株譲渡というのはやはりこの真藤会長、同時に会社自体にされたのではないかというふうに推察をされるわけです。そうなりますと、これはやはりわいろ性という性格もまたそこに生まれてくる。きょうの新聞を見ますと、法務省も検察庁も重大な関心を持っているというようなことも報道されておりますけれども、これは刑事局長にお尋ねしますが、どういうふうな見解をお持ちになっていますか。
○根來政府委員 ただいまご意見をいろいろ拝聴しておりまして、御推論の根拠はよく拝聴しましたけれども、私どもが従来から申し上げておりますように事犯罪に関することでございますので、一つの前提を置いてそれが犯罪の嫌疑があるとかないとか言うことはできない立場であることを御了解いただきたいと思います。
 ただ、従来から申し上げておりますように、そういう国会の御指摘なり御議論というのは検察庁も十分拝聴しております。したがいまして、先ほど来申し上げておりますように、株の譲渡関係を検討しているわけでございますから、その検討の過程におきましてただいま御指摘の問題については十分頭に置いて対処するものと考えております。
○村山(富)委員 この問題に関連して、最後に郵政大臣にちょっとお尋ねしたいのですけれども、これはさっき答弁がありましたように、株の過半数はまだ国が持っているわけですから、そういう意味からしますと、監督官庁として責任が十分にあるというふうに思われるのですが、その監督官庁としての郵政省はこういう疑惑問題に対して郵政省自体で何か調査をされたことがあるのか、あるいはNTTの中に調査機関があるからその調査機関の調査の結果を報告を受けておるのか、これからこの疑惑の解明に対してどういうふうな取り組みをしたいと考えておるのか、そういう問題について見解をお聞きしたいと思うのです。
○中山国務大臣 一番最近でも、十二月の八日に電気通信局長からNTTに対して、今御指摘のありましたような問題に関する調査結果を報告するように、また、翌日九日には山口社長にも来ていただきまして、いろいろと私から厳正な調査をしていただきたいという御依願を申し上げておりますし、また、先ほど真藤会長が責任をとってやめたいというお申し出のありました十四日の日の会合でも、山口社長にお目にかかりました際にも再度お願いをしておりますので、先生のお話のありました後段の方でございまして、NTTの調査委員会での調査の報告を受けるという形で、先ほどから申しておりますように、民営化されましたその趣旨にかんがみまして、NTTに郵政省自体が調査活動をするという権限もございませんので、さようなことはいたしておりません。
○村山(富)委員 しかし、さっき申し上げましたように、やはり国にも十分責任があるし、株の過半数を持っているわけですから、私は権限権限というだけではなくて、政治的にも道義的にも郵政省はもう少し本腰で疑惑の解明に取り組む必要があるというように思うのです。
○中山国務大臣 事業法の見直しというのが三年目に行われることとなっておりましたが、これが審議会で猶予をいただいて、朝令暮改にならないようにということで様子を見て事業法の見直しをしようということにいたしておりますので、国会の御意見その他また伺いながら、郵政省とNTTの関係をどういうふうに調整をしていくか、電気通信事業全体についてどう考えるかということは、十分こういう御意見が参酌されるのではないかと期待をいたしております。
○村山(富)委員 これは時間がないから中途半端になるかもしれませんけれども、今回のリクルートコスモス株の譲渡は、先ほど大臣からも、通常言われるような経済行為とは思われないという意見がありました。私はずっと経緯を調べて見ますと、例えば五十九年の十二月に千二百円、それから六十年の二月には二千五百円、これは類似会社の比準方式で計算したものです。それから六十一年の九月には三千円、これは還元株を取引する場合の価格です。それから六十一年十月にはその基準価格として四千六十円が設定されておる。そして六十一年の十一月末に五千二百七十円の割高でもって公開された、こういう経緯になっているわけです。
 キャピタルゲインが原則非課税になっておるというのはいろいろな理由があると思いますけれども、やはりゲインもあればロスもあるというので非課税になっておると思うのですが、今度の場合にはこれは上がることが確実だということが想定されて、今申し上げましたように半月か一カ月くらいの間にこう上がってきておるわけですから。しかも、リクルートがお客さんに株を譲渡する際に、確実に値上がりをしますということを前提にして、あるいはまた、相手によってはこれくらいの価格は上がりますよということまで言って、そしてその株の譲渡をされておるというようなことがいろいろな今までの調査でわかっておりますし、新聞でも報道されておるわけです。特に六十一年九月の七十六万株については、政財界関係者など八十三人に譲渡されているわけです。これは三千円です。これは三千円で譲渡されていますけれども、もう基準価格が四千六十円になるということがわかっておって、その前提でもってこれは三千円でもって売買された、こういうことから考えてまいりますと、これはもう単なる株の譲渡でなくて、単なる経済行為ではなくて、明らかに贈与になるのではないかというふうに私は思うのです。したがって、これは国税庁の方にお尋ねしたいと思うのですけれども、そういう関連についてちゃんと調査をする考えがあるかどうか、そのことをお伺いします。
○伊藤(博)政府委員 先生お尋ねの問題は、キャピタルゲインか、あるいは場合によっては贈与とおっしゃいましたけれども、ケースによっては一時所得になるのではないかという趣旨かと思います。
 これはたびたび御説明申し上げておりますけれども、有償で取得して、ある期間持って、その後それを売る、その間に利益が出たというときの一般的な法律関係は譲渡益の課税の法規制を受けるというのは先生おっしゃるとおりだと思います。問題は、一時所得とかあるいは贈与税云々という議論が出てくるケースというのは、譲り受けた段階の譲り受け価格がその時点における時価を下回るかどうかという点で、もし適正な価格を下回る価格で譲り受けたということになりますと、そこに一種のみなし課税を行うというのが現在の法律体系になっておるわけでございます。事後的に振り返ってみたときに利益が出る、あるいは譲り受けのときに将来上がりますよということが仮にあったといたしましても、あくまでも譲り受け時点でのその価格かどうかというのが判断の基準になるものでございますから、おっしゃるように、結果が仮に利益が出るあるいは値上がりする見込みがあるよということが言われましても、そのことでもって直ちに一時所得あるいは贈与ということに相なるわけではないというふうなのが今の法制でございます。
 ただ、具体的な問題についてどうかという点につきましては、これは事柄の性質上お答えできませんけれども、一般的に私どもは、御議論されているようなことを含めまして、常に課税上問題があればしかるべく対処したいというように考えております。
○村山(富)委員 先ほど申しましたように、六十一年九月の還流株については三千円で売買されているわけですね。その次の月の十月には四千六十円という基準価格が設定されているわけですよ。したがって、これは私は、三千円で株が売買されるときに四千六十円という基準価格はもう想定されて売買されたのではないか。だから、これは一千億すぐ売買益があるわけですよ。こういうことがもし事実とすれば、私はやはり当然違った意味で課税ができるのではないかというように思うのですけれども、そういう問題について国税庁は今後検討し、調査をする意思があるのかないのか。どうなんですか、それは。
○伊藤(博)政府委員 先ほども申し上げましたように、常々私どもいろいろな資料収集等しておりますし、そういった収集過程において課税上問題があれば、必要に応じて調査等行うことによりまして適切に対処してまいりたいという一般的な考え方でおります。
○村山(富)委員 終わります。
○原田委員長 これにて村山富市君の質疑は終了いたしました。
 次に、小澤克介君。
○小澤(克)委員 リクルートコスモス株売買の事実関係のうちで、店頭登録前における政官財界関係者等多数による株購入についての状況は、これまでの衆参両院における審議あるいは証人喚問あるいは報道等によって相当程度明らかになっているかと思います。しかしながら、店頭登録後の売却についてはまだ必ずしも十分明らかになってないかと思いますので、この点について絞ってお尋ねいたします。
 あらかじめ申し上げておきますが、事実関係だけ端的にお答えください。余計なことを言い出したらその場で遮りますことをあらかじめ申し上げておきます。
 そこで、参議院の税特の審議におきまして、証券局長が三十人ないし四十人の分については証券会社の取引口座の開設の手続等をリクルート側で一括して代行した、かように答弁しておられますが、ここで言うリクルート側とはだれでしょうか。
○角谷政府委員 私どもが聞いたところによりますと、リクルートコスモス社の社員だそうでございます。
○小澤(克)委員 名前を特定把握しておられますでしょうか。
○角谷政府委員 名前は把握しておりません。
○小澤(克)委員 それは役員でしょうか、社員でしょうか。
○角谷政府委員 社員が幹事証券会社に持ち込んできた、役員ではないというふうに聞いております。
○小澤(克)委員 いつごろ、どこで、どのようにしてその口座開設をしたのでしょうか。
○角谷政府委員 十月の末といいますか、正確には十月二十八日ごろじゃないかという記憶のようでこざいますけれども、リクルートコスモス社のいわば担当者の要請によりまして口座開設申込書が欲しい、こういう話があった。そこで証券会社がこれを渡したところ、それぞれの名義人の届け出印のある口座開設申込書を幹事証券会社である大和証券本店に十月、これも三十日ごろじゃないかというふうな記憶のようでございますが、持ち込んできて口座開設を行った、こういう経緯のようでございます。
○小澤(克)委員 中一日だけですべて必要事項を記入し、判こ等をついた口座開設の申込用紙が持ち込まれたということは、リクルートコスモス側ですべての印、判こ等を預かりあるいは三文判等を調達したのかわかりませんけれども、すべてそろえていた、準備していたということではないかと思いますが、この点について何か御存じのことがございますでしょうか。
○角谷政府委員 そこはリクルートコスモス側の中の話でございますので、証券会社からの事情聴取ではそこら辺ははっきりいたしておりません。
○小澤(克)委員 知らないなら知らないでいいです。それで、普通はこのような口座開設の申し込みをする場合には、今言いましたように、判こを押してこれを届け出印とする、そのほかに、売買代金の振り込み銀行口座の指定をする指定書をつける、あるいはまた源泉分離課税の選択の申告書等をつける、これらをワンセットとしてつけるのが普通じゃないかと思うのですが、これらについてはこの時点では、十月三十日時点ではあったのでしょうか、なかったのでしょうか。
○角谷政府委員 実際の売却は十月の三十一日ぐらいに行われたようでございまして、代金の振り込み口座につきましては四日目決済になっておりますので、その後にリクルートコスモス社の担当者が名義人の個々の口座、口座を指定してここに振り込んでくれ、こういう話があったようでごさいます。
 源泉の話は聞いておりません。
○小澤(克)委員 よく質問を聞いてください。その時点であったかなかったかと聞いたのですから、あったかなかったかだけ言ってくだされば結構です。――いや、いいです。次の質問に移ります。
 それで、普通は売却を依頼する場合には、株券を持ち込んで、そしてこれと引きかえに株券の預かり証の交付を受けるというのが普通のようでございますが、この十月三十日時点ではこういうことは行われたのでしょうか、行われなかったのでしょらか。
○角谷政府委員 四日目決済でございます。したがいまして、十月三十一日のあれとしますと、株券はその後の十一月の四日ぐらいに持ち込まれたようでございます。したがいまして、これは預かり証は出しておりません。
○小澤(克)委員 預かり証を出していないというよりも、株券自体がその時点では持ち込まれてないということですね。
 そこで次に、そういたしますと、売りの注文がどこかの時点でだれかから出されたと思うのですが、この三、四十人に関してだけで結構ですが、これはいつ、だれがどのようにして証券会社に指示をしたのでしょうか。
○角谷政府委員 口座開設が三十日ごろというふうに申し上げたわけでございますが、その時点におきまして三十一日ぐらいに売ってほしいという指示がそのリクルートコスモス社の担当者の方から依頼があった、こういうことのようでございます。
○小澤(克)委員 しかし、あれでしょう。この店頭登録の場合には、いわゆる成り行きの売り注文ということはなくて、すべて指し値でないと受け付けないのではないかと思うのですが、本当にそうですか。三十日時点で既に売りの指示をしたのでしょうか。
○角谷政府委員 注文の形態については聞いておりません。
○小澤(克)委員 もちろん、このくらいの値段で売ってほしいという指し値といいますか、まあ幅はありましょうが、そういう指示をしたのでしょうね、売り注文の際には。いかがでしょうか。
○角谷政府委員 個々の取引の内容については私も存じませんが、いろいろなその後の新聞情報等を見ますと、上場当日に五千二百七十円で最高値の入札が行われたというふうになっておるわけでございますが、大体結果として恐らくその程度の価格で売れたのではないかというふうに推定しておりますけれども、ただ、どういう形で売れたか、どういう注文があったかということについては、申しわけありませんが聞いておりません。
○小澤(克)委員 そうすると、三十日の時点で、三十日というのはこれは分売だけで一般投資家による売買はまだなくて、翌日三十一日が初日だろうと思うのですけれども、この三十日の時点で既にとにかくあしたこれを売ってくれという指示をリクルートコスモスの社員がした、こう伺っていいですね、結論として。
○角谷政府委員 さようでございます。
○小澤(克)委員 そういたしますと、株券の持ち込みは、いつだれがどこにどのようにして行ったのでしょうか。
○角谷政府委員 株券の持ち込みは、先ほど申しましたようにリクルートコスモス社の担当者から、これは十月三十一日に売ったとしますと受け渡し日が十一月五日になりますので、その前の日の十一月四日に持ち込まれたということのようでございます。
○小澤(克)委員 この持ち込み先なのですが、これは幹事証券会社の本店というふうに伺っていいでしょうか。
 それから、この株券の持ち込みなのですけれど、どの株券がだれの分であるというふうにきちんと区分して持ち込んだのでしょうか、それとも、一括してどかっと持ち込んだのでしょうか。
○角谷政府委員 本店でございます。
 それから、区分していたかどうかはっきりわかりませんけれども、恐らく区分していたはずだと思います。
○小澤(克)委員 その点は確認はしていないということですね。
 それで、この時点で預かり証の交付というのはあったのでしょうか。もう成約がなされていて決済の段階ですから、どうなるのでしょうか。
○角谷政府委員 既に成約がなされておりまして、それを引き渡すためだけの手続でございますので、預かり証なるものは改めて出していないというふうに聞いております。
○小澤(克)委員 そういたしますと、次に売買代金の引き渡しの問題が起こるわけですが、この売買代金の振り込み先、銀行口座ですね、これの指定はどのように行われたのでしょうか。
○角谷政府委員 十一月四日の日にリクルートコスモス社の担当者が株券を持ってきた、その時点におきまして名義人個々の銀行口座を指示してここに振り込んでほしい、こういう依頼があったようでございます。
○小澤(克)委員 普通は証券会社の扱いとしては、届け出印を押したところの振り込み銀行口座の指定書を交付させて、そしてそこに振り込むという扱いをしているわけでこざいます。そういたしますと、あなたが今おっしゃった指定の際には、そういう文書が作成されたのでしょうか。そして、個々の判こが押されたのでしょうか。いかがでしょうか。
○角谷政府委員 既に株券が持ち込まれまして、証券会社として見ると、それでもう既に、何といいますか、履行は確実だということでございますので、特段そういった口座開設申込書のようなものをつくったというふうには聞いておりません。
○小澤(克)委員 おかしいですよ。履行というのは、株券を持ち込む側は、売る方からすればそれは履行ですが、金をもらう方は履行云々ということはないでしょう。どの口座に振り込むかということは証券会社にとっては大変重要なことですね、関係ない口座に持ち込んだら、これは責任問題になりますから。どうなのですか。
○角谷政府委員 株券が持ち込まれたという場合は、あとは履行だけの問題になるわけでございますので、そこは、この件が特におかしいということではなくて、従来の慣例からいいまして、特に証券会社において口座申し込みの依頼とかそういうものを書いてもらってそこで代行するということはやっていないということが一般的な例のようでございます。
○小澤(克)委員 いずれにいたしましても、リクルートコスモスの社員が持ち込んだ書面等によって、振り込み先を書いたものに基づいて振り込んだ、こういうことになろうかと思いますが、そういたしますと、振り込み先の一覧表のようなものを作成してリクルートコスモスの社員から証券会社に交付された、こう聞いてよろしいでしょうか。
○角谷政府委員 大体御指摘のような状況だったようでございます。
○小澤(克)委員 一覧表というものが存在したわけですね。
 これはどうなんでしょうか。普通この種書類については証券会社は五年間くらいは保存するようでございますが、現在もあるのでしょうか、あるいは大蔵省としては、この振り込み先の指定の一覧表について見ているのでしょうか。
○角谷政府委員 売買報告書等のような法定の資料につきましては、これは保存義務があるわけでございますが、今回の話は、何といいますか、いわばそれの補助資料といいますか、そういったふうな関係のようでございますので、どうも現物はないようでございます。既にもうなくなっているようでございますので、私どもこれは見ておりません。
○小澤(克)委員 変ですね。あなたの参議院での説明では、リクルート側で一括をして口座を開設したのが三十ないし四十人いた、これは担当者の記憶である、こうおっしゃっているのです。ところが、この中に宮澤さんの秘書官の服部さんですかの分が含まれている、こう断言しているわけですよ。これはどうやってそのことを確認したのでしょうか。
○角谷政府委員 正確な記録が今申し上げたように残ってないものですから、そのとき扱った担当者の記憶で三十ないし四十と、こう言ったわけでございますが、宮澤大蔵大臣の元秘書官である服部さんについては、そういった中でそういう記憶があったということでございます。
○小澤(克)委員 それは通りませんよ。三十人ないし四十人というような数は漠然としている、とにかくそれらについては一括してリクルート側で口座を開設した、その中に服部さんという、これはかなり平凡な名字だと思いますが、そういう人がいたということをはっきり記憶していた、そこだけは間違いないなどということはないでしょう。何らかの資料に基づいてあなたは前回参議院でああいうふうに断言したのではありませんか。その資料というのは、この一覧表が残っているからではありませんか。
○角谷政府委員 資料が残っていたということではございません。向こうの記憶でそういうものがあったということを確認したわけでございます。
○小澤(克)委員 いや、それはだめです。三十人ないし四十人と、人数もはっきりしない中に服部などというそれほど特異ではない名字の人がいたことを担当者が二年後に覚えているなどということは、これはそんなはっきりしたことではありませんよ。あなたはその程度のいいかげんな記憶を聞いてあのように参議院で答えたのですか。服部さんのケースはこのケースに含まれますとあなたははっきり断言していますよ。何らかの資料に基づいて言ったのでしょう。ちゃんと言ってくださいよ。
○角谷政府委員 売買報告書というのは残っているわけでございます。そういう意味では、売買報告書等はあるわけでございますので、それを手がかりにして担当者の記憶でそういうことを申し上げた、こういうことでございます。
○小澤(克)委員 売買報告書はすべてについてつくられるわけですから、三十人ないし四十人についてだけつくられたわけではありませんね。売買報告書によってこの分はリクルートコスモス社の者が一括して開設した口座に含まれるということがどうしてわかるのですか。
○角谷政府委員 それは、そういうふうなことであるというふうに記憶しているという報告があったわけでございまして、それを私どもはそのとおり申し上げたわけでございます。
○小澤(克)委員 全く納得できません。三十人ないし四十人という人数もはっきりしてない、単なる記憶である、その中に、服部という名字は比較的平凡な名字でございますから、それが特に含まれていたということを明確に記憶しているなどということは、これは信頼できません。あなたはその程度のいいかげんな情報に基づいて参議院で報告したということになりますよ。
 何らかの資料に基づいてこのうちに服部さんの例は含まれていたということをあなたは言ったんだと私は確信しております。そうだとすれば、この三十ないし四十というのも単なる記憶ではなくて何らか資料があるはずだと思います。この際の資料としては先ほどおっしゃったこの一覧表、これしか考えられないのですけれども、そうではないのですか。
○角谷政府委員 繰り返しになって恐縮でございますが、正確な記録が残っていないようでございますということでございます。
○小澤(克)委員 今の点については全く納得できません。三十人ないし四十人というような漠然とした記憶の中で特に服部という名字の者がその中に含まれていたなどということを単に記憶していたということは到底納得できません。
 ところで、この振り込みを指定された銀行口座については、その名義人はすべて口座、口座というのは証券会社の取引口座ですが、証券会社の取引口座の開設の際の名義人と同一であった、こう聞いてよろしいでしょうか。
○角谷政府委員 証券会社の口座開設のときの名義人と同じ名義の銀行の口座に振り込まれたということでございます。
○小澤(克)委員 そういたしますと、売買代金の決済についてはこの三、四十人についてはこの指定された口座に振り込まれた、もちろん当然のことですが、そう聞いてよろしいですね。
○角谷政府委員 そのように聞いております。
○小澤(克)委員 そういたしますと、売買代金全額が指定された口座に振り込まれるのは当然のことでして、ファーストファイナンスから融資を受けていた人についてその分を控除して振り込まれるなどということの方がむしろ異例なことになりますね。そう聞いてよろしいですか。
○角谷政府委員 そういうことでございます。証券会社の方も通常そういうややこしいことはやらないというのが通例の扱いでございます。
○小澤(克)委員 そういたしますと、ちょっとわからない点があるのは、いろいろ報道等によりますと、中には自分の口座に売買差益だけが、まあ手数料、金利等は控除されたのでしょうが、基本的には売買差益だけが振り込まれたと言っている方も多数いるのですけれども、そうなりますと、これは証券会社から直接振り込まれたのではなくて、証券会社から例えばファーストファイナンスの事実上管理しているような口座に一たん振り込まれて、そこからファーストファイナンスの方で融資分等を控除して再度今度はこの売り主の口座に送金された、こう解釈するしかないのですが、この点について何らか大蔵省として把握をしていることがございますでしょうか。
○角谷政府委員 証券会社としてはそこに振り込んだということで終わりでございますので、そこから先のことについては私どもは存じておりません。
○小澤(克)委員 例えば先ほど出ましたNTTの前会長ですかの真藤さんの秘書さんですか、村田さんと言いましたか、そのケースなどではその売買差益だけが振り込まれたということのようでございますので、そういたしますと、名義はともかくとしてリクルートコスモスの方で管理していた口座があり、そこに一たん証券会社から振り込まれた、こう解釈せざるを得ないわけでございます。リクルートコスモスの方で銀行口座まで三文判等を使ってつくっていた、そうとしか考えられないわけでございます。
 それから、株式売買報告書の発送並びに受送についてはどのように聞いておられますか。
○角谷政府委員 それは届けられました名義人のところに直接発送をした、もし仮名とか違ったことがあれば戻ってくるはずでございますけれども、そういったものはなかったというふうに聞いております。
○小澤(克)委員 以上から明らかになったことは、本件一連の株の売買というのはノーマルな株の取引あるいはノーマルな経済行為とは到底思えないということでございます。
 まず、この政官あるいは財界関係者がこの登録前に株券を購入した経緯について言うと、これはもうこれまでのいろいろな経過の中で既に明らかになっているわけですけれども、その前に第三者割り当てを受けていたワールドサービスとかドゥ・ベストとか五社に対して、江副証人を初めとするリクルート側の人から、これを売ってくれという依頼をする。一方で多数の人たちに対して、これまた江副証人を初めとするリクルート側の人から、株を買わないかという勧誘があった。結局、延べ八十三人ですか、そして計七十六万株の購入がその結果合意された。値段もリクルート側で三千円に設定をした。それから、売買約定書などの作成の手続はすべてファーストファイナンスの小林前社長を初めとするリクルート側の人々によってその実務作業が進められた。そして形式的にはその五社とそれから購入側八十三人の間の直接の売買という形で六十一年九月三十日付の株式売買約定書が作成された。そして金に関しては、これはワールドサービス等についての私どもの党での調査も含めまして明らかになったところは、売却側の五社に対してファーストファイナンスから一括して売買代金が振り込まれ、支払われた、株券についてもリクルート側が一括して引き渡しを受けた、こうなっているわけです。そしてこの購入側からの代金の支払いに関しては、多少のバリエーションはありますけれども、大部分はファーストファイナンスから代金相当額の融資を受ける形で処理されております。江副証言から明らかなように、融資に関する書類すら作成されないままにファーストファイナンスで立てかえ払いとなったケースもある。もちろん株券は、これらのケースはリクルート側で保管をされた。そしてその後、今度は店頭登録後の売却に関しては、先ほどからお尋ねしているお答えの中から明らかになったとおり、既に十月二十八日にこの売却の準備行為に着手をしている。そして三十日に既に、あしたで売ってくれという申し込みをしている。いずれもリクルートコスモス関係者による。そして代金はこれこれに支払ってくれということもリクルートコスモス社から一覧表を提出して銀行口座を指定をしている。そしてそのとおり売却をして、中にはその差益だけを受け取った人も多数いる。こういたしますと、これは株式の売買という形はとっておりますけれども、実質的には売買差益の贈与それ自体にほかならないとしか言いようがないと思います。先ほど刑事局長のお話で、値上がりを期待し得る地位がわいろの対象であったという判例があるということでございますが、本件については、売却し終わるところまで全部リクルートコスモス側で面倒を見ているわけでございますから、一連の行為として結局売却益を確定的な利益として提供した、むしろそう見ることもできるのではないかと思うほどでございます。
 そして、このような売却についてまですべてリクルートコスモス側で手続をとったということは、江副証人の証言、すなわち株主安定のために株の購入を願ったとか、あるいは売るのが早過ぎたように思う、もっと持っていればもうかったのにと言わんがごとき多少人を食ったような証言をしておりますけれども、これはすべて全くの詭弁であったということが明らかになったと思います。
 それからもう一つ、宮澤前大蔵大臣が、自己資金を秘書が払った、その根拠として、売却代金全額が秘書の口座に振り込まれた、こう言っているわけですけれども、これは全く根拠にならない。証券会社としては指定された口座に売却代金全額を振り込むのがむしろ当然であるということが言えると思います。
 以上の点を指摘いたしまして、これは株式の売買という形はとっているけれども実質は贈与そのものであるといることを指摘をいたしまして、質問を終わります。
○原田委員長 これにて小澤克介君の質疑は終了いたしました。
 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時二分休憩
     ────◇─────
    午後一時一分開議
○原田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。渋沢利久君。
○渋沢委員 私は労働を担当いたしますので、労働省に絞ってお尋ねをいたしますが、率直簡明な御答弁をまずお願いをしておきたいというふうに思います。
 最初に、雇用情報センター、これをお尋ねをしておきたい。五十八年の八月にオープンする予定で案内状までできて、会場設定までされる、そこまで準備が進んでおったが、これは実現できなかったという経過が最初の構想の段階でありました。それが出資金の五千万のうち四千万がリクルート社関連で、残りの一千万を他社数社で分けるというような、そういう構想であったり、事務所がリクルート本社ビルの中に定められるというような構想であったり、ほかにもあったと思いますが、新聞協会を初めとしてその他の関係業者の猛烈な批判を受ける、反対を受ける、こういう経過もあって、オープンの案内状までできておって実現ができなかった、こういう経緯だろうと思います。
 一度だめになったこの計画が、しかし加藤職安局長が大変骨を折られて、リクルート社との折衝、あるいは反対する新聞協会その他の団体との根回しなど、御自身も根回しという言葉を使っておられるが、そういう努力があって、出資金の構成など枠を、出資社数を広げたり、いろいろ調整をしてセンターの設立にこぎつける、こういう経緯だった、ざっと言うとそういうことであったかと、こう思うのですが、これは間違いないですね。
○岡部政府委員 雇用情報センターの設立につきましての日時あるいはそのときの出捐関係等につきましては、先生のおっしゃることは大体事実でございます。
○渋沢委員 私が今申し上げたとおりだということでよろしいですね。
○岡部政府委員 さようでございます。
○渋沢委員 そこで、ただこのことの経緯で痛切に感じることが一つある。それは全国の職安で管理している求人求職情報というものをセンターを通して広く就職希望者に提供しよう、こういう構想であった。それは扱い方によっては大変なことになる。当初のこの計画のように、それをあまたある業界の中で出資金の五千万のうち四千万もリクルート社が分担をする、残りの一千万を五、六社が分担をするというような構成、あるいは事務所はリクルート社の本社に入れ込む。類推すれば、これは一歩間違うと大変な権利、特権を特定の社に与えるということになることはだれが考えてもわかる話です。こんな構想が実現しなくて、つぶされて、実際は労働省も大変よかったんだと思うのですね。しかし、職安局を挙げてその指導でこういう新しい施策に取り組む、その構想の中身が、まさに業界の批判があったように、これじゃまるでこのセンターはリクルート社丸抱えのセンターではないか、こういう指摘があったように、まさにそんなものがごく当然のようなものとして構想され、準備され、企画され、そしてオープン寸前まで、案内状を出す寸前まで状況は進んでいる、しかし余りにも反対が激しくてやめざるを得なかった。そこまでのめり込んでいる姿を、これはまさに、センターがリクルート社丸抱えじゃない、労働省がリクルート社丸抱えの一つの図ではないか、業者のみならずこう感じる。そう受けとめた、感じた者があったとしてもおかしくない。私も実はこの話を聞いてそう思った。大臣、私のそういう受けとめ方に間違いありますか。
○岡部政府委員 雇用情報センターの業務内容にかかわるお尋ねでございます。当初から計画されておりましたとおり、例えば求人情報などにつきましては扱う予定は一切ございません。求職、職を求めるのに困難な人たちを含めました求職情報誌を作成しようということで構想が出発していることは当初からの計画書のとおりでございまして、そのほかに一般的な労働市場の動向についての情報、あるいは職業ハンドブックの整備等の内容でございます。したがいまして、そのような言うなれば職業安定機関の補助的な業務ということでございまして、別にこれが金もうけの種になるとかそういうふうなものではございませんで、最初のときになぜリクルートにこれを推したかということについてのお尋ねでもあろうかと思いますが、これは最初呼びかけましたときに実は企業の出捐が一千万円程度しか集まらなかったのでございます。そこで業界の最大手であるリクルートに打診をいたしまして、そこが四千万を出して合計五千万になったというふうな経過でこの出捐ができ上がったわけでございます。
○渋沢委員 局長、余りここで前の仕事で労働省がやったことを言いわけすることはないと思うのです。どう考えたって、今あなたがおっしゃったような事情があったにしても、これだけのセンターをつくる上で、例えば出資金を五千万、金が集まろうと集まるまいとそういう比率で構成するということで仕事を発足させること自体、あるいは事務所をあそこに求めるというような構想自体、労働省の仕事としては、このセンターのあり方としては、それ自体非常に大きな誤解を招くというのは当り前だ。現に猛烈な反対でできなかったじゃありませんか。余りそう言いわけをすることはない。
 それで、そういう経過を経て、恥ずかしいと思うのは労働省が、これはちょっと行き過ぎかな、こういうものでいいかなということで取りやめたのじゃなくて、業界の反対でできなかったのです。あなたはいろいろ言いわけされるけれども、できなかったことは事実なんです。それでその後加藤さんが、この間もこの委員会で言っていましたけれども、文書をとられた。実にみっともない文書を、新聞協会へ行って局長の角印を押して、新聞協会の代表と取り決めをしている。「「財団法人雇用情報センター」の設立・運営方針についての確認書」となっているが、中身はまるで誓約書だ。「労働省は、「雇用情報センター」の運営に当たっては、新聞広告、とりわけ案内広告に悪影響を与えるような業務や情報提供はいっさい行わない。」わざわざ労働省の局長がこんな誓約を、「とりわけ案内広告に悪影響を与えるような業務や情報提供は」させませんということを出さなければ新聞協会もこの事業に協力するということにならなかったいきさつが、こういう労働行政の上では大変みっともない文書を残すようなことに相なっておるのではないかと思うのであります。
 しかし大臣、こういう経過を経て一たんつぶれると思われたはずのこのセンターが、加藤さんの大変な根回しと努力で出資金の規模も構想も変える幾つかの調整をやってともかく発足にこぎつけた、これはリクルート社はどんなに感謝をしているかわからない。あそこの会社だけじゃない。その他の業界を含めて、大変これは当時の加藤職安局長のこの情報誌業界に与える恩恵といいますか功績といいますかというものが一つ、この雇用情報センターの設立の経過の中で読み取れる事実であろうかと思うのであります。
 ちなみに、ちょっとこれは伺っておきますが、どの省も外郭団体づくりというのは、折あらばつくっていくというようなムードのようですけれども、この過程でできたこの雇用情報センター、かなり労働省の天下りをきちんと押さえている。天下り全体について行き過ぎがあっちゃならぬというそういう指摘が多くある中で、例えば職安局関係で言うと、たった一つしかない特殊法人、これは五千億近い事業規模を持って四千六百人の職員を抱えておるほどの大きな事業である雇用促進事業団、ここで労働省出身者の主要職員、これは職安局の資料を出してもらったら、そのリストによると八名と、こうなっておる。ところが、三十七ある公益法人の中ではこの雇用情報センターなんというのは実に際立っておって、役員二名中二名は労働省、職員十四名中六名、合計八人名は労働省枠で押さえるというような取り組み方になっておる。これはまさにこの情報センターづくりの中で残した功績、業界に対する業績がいわばこういう形で一つあらわれておるかなと思うのですが、天下りという問題で考えると、これは他の三十幾つの公益法人と比べると、リクルート社がどんと真ん中に構えているかに見えるこの雇用情報センターの中では、非常に際立った、天下りの質も数も多いというのが特徴的だなというふうに思うのであります。
 こういうことの中で、時間が少ないのではしょりながら先へ進みますけれども、この労働省職安局の仕事の中では非常に不可解なことが起こってきておるように思うのです。質問も既にありましたけれども、五十八年末から雇用情報誌に対する届け出制を含む強い規制を内容とした法改正の検討というものが行われておったと思うのです。これがいうところの大綱という名のたたき台、午前中の局長の答弁では何かどうでもいいようなもののように殊さら説明をしておるが、これは紛れもない、法改正を頭に置いて、そのために考えられる検討案というものとしてつくられたものじゃないのですか。
○岡部政府委員 最近マスコミ等で報道されております大綱なるものは、これは五十八年当時からでございますが、本問題につきまして業界の自主規制はこれは行わせなければならない、と同時に、法的に何か規制することはあるだろうか、この二本立てで検討が進められておったわけでございます。その法規制の中でどういう法規制があり得るだろうかということで幾つかの試案ができたわけでございます。したがいまして、これはあくまでも事務段階、課の中におけるところの試案の一つにすぎないという位置づけでございます。
○渋沢委員 それはそうだろう。だからたたき台という言い方もわかるのです。しかし、法律にする、案を削る寸前の要綱とか大綱とかいうもの、要綱以前の大綱、それほど重いものであるかないかは別として、業務指導課の中では明らかに法改正を前提とした場合にどこまで踏み込めるかということでの一つの有力なたたき台であったことは、これは間違いない。これは加藤さんのこの証言の中でもはっきり、自主規制という道もあるが、同時にこの法規制、あれこれ批判もあって、そして議会の批判もあって、そしてこの職安法の見直しの際にこういう求人誌についての何らかの法的対応というものを検討しよう、こういうことで、いわば一つには自主規制の大きな流れ、もう一つは法的に何ができるかということで検討作業が始まった、こう言う。この始まった作業はいつからですか。
○岡部政府委員 五十八年暮れからでございます。
○渋沢委員 これがいわば没になるというか、これはこの内容で法規制を、改正を考えるに値しないということを結論づけた時期、場所、どの機関でいつ決めたのですか。
○岡部政府委員 この職業安定法改正問題につきまして結論が出ましたのは五十九年の十月から十一月という段階でございますが、しかしながら大綱が没になったということではございません。この大綱の中には、罰則あるいは立入検査、届け出云々の非常に厳しいものから、それから業界に対するいろいろな自主的な規制を求めるというふうなさまざまなアイデアが盛り込まれているというものがごったになっているものでございまして、したがいましてその全体が没になったというよりも、その中の厳しい規制の部分が、その辺は放棄されたという……(渋沢委員「始まったのはいつだ。それを言わなければ……。検討が始まったのは」と呼ぶ)検討が始まったのは五十八年暮れでございます。
○渋沢委員 その五十八年末から五十九年の十月までの間にまた幾つかの問題が出てくる。
 まず、この大綱の漏れというやつですね。これが、この法案が要綱どおりに、大綱どおりに決まるとすれば、直接にその職務上規制をしなければならない、規制対象になる直接の業者、その大手業者にこのたたき台が、この要綱、大綱が流れるというのは大変な事態でしょう。大変な問題でしょう。厳しく考えれば、行政の上でこんなことが、簡単にたたき台が、ぽんぽん外に検討中のものが漏れていくようなことがあれば仕事できませんでしょう。ましてその規制対象の、もろにストレートに対象になる大手業者のところに手に入って、その後の事態を見ればわかる、業界挙げての問題になる。その加藤さんの証言で言えば、漏れて大騒ぎになるという表現になるわけであります。だれも騒いだわけじゃない。業界が、やられる業界が騒いだ。これは大変なことでしょう、役所、行政的に考えれば。どういう調査と原因究明、どういう処置が行われましたか。
○岡部政府委員 法制定作業というのは、あくまでもこれは部外に出さずに部内で行われるのが慣例でございます。しかしながら、その一部の文書が漏れたということは非常にこれは残念なことでございまして、私どももどのようにしてこれが漏れたのであろうかということを調査をいたしたわけでございます。しかしながら、今までのところこれは判明をいたしておりません。
○渋沢委員 こういう程度の話である。全く中身のない、きちんとした報告ができないほど、率直に申し上げてきちんとした調査あるいはこの検証が行われたというふうにも思えない。ここが大変問題なところだろうと思うのであります。
 さて、その間またこういう問題が出てきている。既に指摘されている部分であるけれども、五十九年の四月に社労委でこの加藤局長が、これはどう見ても、何回も読んでみましたけれども、自主規制の方向を明らかにこれは示す局長の答弁をしておる。大臣をわきに置いて、職安局長が議会の野党の鋭い指摘に対して、この非常に問題のある部分を、しかしかなり明確に、法規制の検討なんということは一言もなくて――部内で検討中という、まだこの時期は、今のあなたの説明のとおりに大綱やその他のことを含めて法規制のありようについて検討が続けられている、そのさなかに、法規制の検討部分などは一言もなくて自主規制の重要性、その方向性というものを強調している。これは御存じのとおり。部内で、二者択一ではない、自主規制と法規制と二つをどう併用するかということもあるでしょうが、いずれにしても法規制ということについての検討を迫られてやっているさなかにこういう局長見解が出てくるということは、これはどういうことですか。局議も何の決定もない中でああいう言い方が出るというのは、これは局長の個人の意見ですか。
○岡部政府委員 国会の衆議院社会労働委員会で質疑が行われましたのは五十九年の四月及び五月でございます。その当時の状況を御説明いたしますと、五十九年三月にセンターができまして、非常にばらばらであった業界がまとまりを見せるという時期でございます。つまり自主規制につきましても、これはその機運が盛り上がってきた時期でございまして、そのときに自主規制というものを呼びかけてそれが結実をいたすわけでございますが、そのようなことが加藤局長の念頭にあったというふうに推察されるわけでございます。
 法的規制は、これは一方において当時あわせて検討されていたことはこれまた事実でございます。
○渋沢委員 事実だけれども、その一方の一つのことは一言も触れないで自主規制だけ言っているという、頭の中にそれがあったか知らぬけれども、これは全くバランスを欠く発言であると言わざるを得ない。これは個人の意見ということになる。
 それで、そこだけやっていると時間がありませんからもう一つさらに聞いていきますけれども、数日前の新聞にちょっと報道されておりましたので気になる。職安法改正の作業をしていた職員、業務指導課の主要な職員が雇用政策課の法案づくり作業の併任を命ぜられるということ。これは課の垣根を越えた職務配置であるからして当然これは局長の指示でやったことだと思うけれども、これは、事情はいいです。言いわけとか説明を別に聞く必要はありません。それはまた後で尋ねますけれども、事実関係だけ。そういう事実が指摘の時期にあったかどうか。つまり、五十九年九月十七日付でそういう三人の併任という処置があったかどうか、これは事実関係だけ言ってください。
○清水(傳)政府委員 事実だけを申し上げますと、五十九年九月十七日付で業務指導課職員三名の雇用政策課併任の発令が行われております。
○渋沢委員 それは官房長、仕事によって法案がダブる、重なる、課の垣根を越えてプロジェクトを組んで仕事をする、これは幾らでもあることです。しかしそれは一〇〇%、特に改めて併任という辞令を出して任務づけなければならない、それはやればいいにこしたことはないが、ならないというほど厳格なものではなかろう。そういう場合もあるし、そうでない場合もあり得るというふうに思うのですが、それはどうですか。一〇〇%そうせざるを得ないものであったのですか。
○清水(傳)政府委員 事情を御説明申し上げます。
 五十九年当時は、長年の懸案でございました労働者派遣事業法の制定作業、これを改めて本格的に取り組もうとした時期でございます。この派遣事業と申しますのは御承知のように労働者供給事業、これを一定の範囲で認知しよう、こういう性格のものなんでございます。したがいまして、業務指導課というのはこの労働者供給事業を担当しているところでございます。そうした意味で、両方どういうふうに調整をするか、法的にどのように位置づけていくか、そうしたことがその中の課題でございまして、かねてからこの点については共同作業を行っておったわけでございます。それからまた、民営職業紹介事業と派遣事業の関係もある、これも共同作業を行っておったわけでございます。いずれこれらにつきましては一体化していかなければならない、こういう意味合いで指導命令系統も明確にする観点から併任の発令が行われたわけでございまして、決して法案作業、安定法を担当者を一斉に外してその作業をおくらせるとか、そういうふうな意図のもとで行われたものでは全くございません。
○渋沢委員 併任という処置をとる以外に方法がなかったのか、そういうこともあるまい。プロジェクトを組んでやっておることもあるし、そのことも可能であったろう。特に、しかしここはこういう辞令がおろされたな、その事実関係だけ聞いたので、今の答弁は答弁になってない。いいです、これは。
 それで、とにかくどうにもわからないことが今までのこの審議の中でもございます。それは例えば、情報が漏れて、その月に業界は研究会を発足させて、そして数ヶ月かけて方針を決める。あの文章を僕もざっと見たけれども、ここにもありますが、その中で例えば、労働省の働きはこういう働きで、法制化に向かって進んでいる。社労委の決議もある。こういう方向だ。そして政府の考えているらしきもので言えば、例えば――「例えば」といって、その例えばで出されている部分の文章は、かぎ括弧で出ているものは全部この大綱の文章がそのまま引用されている。そしてそれに対する反論がこんな大きな本になっている。まさにそれはもう、幾つもあるなどと言ったが、あの大綱こそ入手して、それでそれをもとにして時間をかけて報告書をつくり、この報告書に基づいて例の業界としての懇話会の要望書、陳情、これは困る、やめてくれ、法規制などとんでもないという働きかけがあるのです。その働きかけが、課長サイドが預かって局長が見ておらぬ、知っておらぬ、いつ幾日何だと言いませんけれども、しかしこれだけの長い期間でこの法規制問題、自主規制問題、あれこれ議論がある中で、この業界がまとめてこれだけの陳情、要望、要求をぶつけてきているということについて局長が知らない、全くさようなものは聞いておらぬなんということは通る話ではなかろうと思う。余り世間では通らないことを今役所の皆さんおっしゃると、これはそういうことを強調されればされるほど、むしろおかしいんじゃないかという話に相なるのですよ。
 ですから、そんなばかなことはなかろう。最初に持っていったときに、会ったか会わないかは別として、それは確かに当該安定局長の手元にその趣旨は渡されてある、伝わっていると思うのが自然じゃありませんか。もっと違った形で接触があるのですから、リクルート社とは。個人的なつき合いだろうが何だろうがあるのですから、わかっているはずだと思うのですが、それはどうですか、全くないとおっしゃいますか。
○岡部政府委員 御指摘の業界の集まりであります日本就職情報出版懇話会の要望書でございます。これにつきまして局長に当時上がったかどうかというふうなことでございまして、私どもも、私自身もこれにつきまして担当者からいろいろと聴取をいたしました。その結果、当時の担当局長及び課長補佐がこれが提出されましたときに対応したということでございますが、しかしながら、その報告書はその課限りで保管をしたと聞いております。
そしてまた、それを一体上に上げたかどうかということにつきましては、その担当課長あるいは課長補佐に確認をいたしましたところ、これは加藤当時局長に説明をした記憶はないということでございます。
○渋沢委員 これは既に指摘をされていることですけれども、ここにコピーがあります。日本就職情報出版懇話会、業者団体の世話人会の議事録の中で、いつ幾日要望書をだれとだれが持っていって、だれに会って、鹿野課長からどういうコメントがあってと、さまざま報告がある中で、この「「要望書」が加藤局長に提出されたのは、八月十八日であるが、局長の反応は(業界に自主規制をお願いしていると国会で答弁しているのに)このような要望書が出てくるのは納得がいかない。」という対応を示しているという文章が出ている。これは本当に、今だからこういうところに出てくるけれども、まさに業界内部の連絡議事録みたいなものですから、しかも、殊さら会ってもいないのに会ったと日にちを特定して、そしてそういうことを文章に残さなければならない理由がないですよ。これが作り事だというなら、そういう作り事をしなければならぬ動機が業界の中に全くないばかりか、加藤さんの言っている中身はなかなか説得力があるんだ、委員会で自主規制をぶち上げているのですから。おれはこんなに自主規制で言っているのに法改正をやめてくれなどというようなことを言うのは納得いかぬという、あの人らしい、言いそうなことをにじませている。これはなかなか内容的にも説得力がある。しかし、なおかつあなたは、先ほど来、午前中でもそうだ、一貫して局長の手元に届いておらないなどということを言い通すのか。ばかばかしい話だと思う。
 それから、第一、大綱がこうして出て、そして法案の成案ができるまでの間、先ほど聞いたように、五十八年の暮れから、決まったのは五十九年の十月だ、こういうのでしょう。そんな長い期間に、一方では自主規則、一方では法規制、検討案、漏れた、騒ぐ、議会では追及がある、決議がある。決議の方向は、規制を強めろ、指導を強めろと言って、本来職安が、役所がやらなければならない仕事を何でもこうやって民間に任せてトラブルを起こしていていいのかという意味できちっとしなさいということを決議で言っているのですね。そういうことを受けながら検討して、これだけ長い時間をかけてきて、業界の陳情、これも聞かなければいかぬでしょう、仕事をする上で。どうあれ、これはそういうことも必要だ。それも見ておりません、聞いておりません。そして法案は、法規制の大綱から逆に自主規制で固めて、しかも別件の法案を緩和の方向で内容を変えるというような、そういう決定をするまでの長い一年からの期間を、すべてこれは課長任せで、局議に成案が上がってくるまで局長が知らなかったなどというふうな、そんなばかなことが労働省はあり得るのですか。こういうことを説明しちゃいけませんよ。そんなはずはない。
 それは当然成案として局議に出る前に、課長は局長の意見を聞き、問題によっては大臣の意見も次官の意見も、事前にその意向を確かめて案づくりをするというところにいくのが当たり前でしょう。しかも、一週間で勝負しなければならぬというような、そんなせっぱ詰まった話じゃない。一年かけて検討している課題の中で、課長が何ら局長と事前の協議もなしに、意向を受けることもなしに、この改正案の成案を局議に突き出されるまで知らなかったなんということは通る話ではない。どうおっしゃるのです。
○岡部政府委員 そのことを御説明いたしますために、当時の背景も少し申し上げなければならないと思うのでございますが、簡単に申し上げます。
 当時の情勢といたしまして、非常に問題でございました労働者派遣法の調整に加藤局長は没頭しておった時代でございます。
 この職業安定法改正の問題でございますが、これは大綱は上がっておるのかというふうな、先ほどからまたお尋ねでございます。これは大綱は上がっておるというふうな事実は出てまいりません。それではその法改正そのものにつきましては、これは国会でもいろいろと御質疑が先ほどのように社労委でございましたので、法改正等をめぐる議論の主要点は一、二度は上がっていると思います。しかしながら、この大綱というものが局長に上がっているという事実は、私ども詳細に調べましたけれども、出てまいっておりません。
○渋沢委員 局長のところに事前に協議があったということだね。国会に出すべき法律案のその原案となるべき局の成案が局内会議で決められるまで、局長に相談もなかった、局長の意見を聞くこともなくて課長にすべて任して作業をしておったということはまさかなかろうね、こう聞いているのです。一、二度は事前の段階で協議があったということですね。わかりました。
 そこで、とにかく大変時間がないのではしょった話になるけれども、余り常識で考えられないことを言い張ってはいけません。常識で考えられないことといえば、一つだけやはり言っておかなければならぬのは、これは新聞が報道しておりましたけれども、六十二年の十一月二十七日にリクルート社を代表する江副氏、位田氏らが主催をして、銀座の料亭吉兆で招宴がされた、これは新旧の交代の次官を招き、加藤氏が次官になったときも同じようなことがあった、そして、やめたときにもやった、こういうことなんです。これは、出席者を見るとほとんど全部の局長がそろっている。職業能力開発局長だけが何かの都合で出なかったようだけれども、あとは全部、局長、官房長、次官がそろい、担当の課長もそろい、こういうことをやっておる。こういう習慣はいつごろからですか。業者団体とか財界ともそれは飯を食うことはあるでしょう。そんなことを言っているのではない。特定の企業、しかも直接指導し規制をしなければならない相手の大手の業者に、こういう形でまさにぞろっと、大臣以外みんなそろえたようなこういう形で豪華な宴会が持たれる。あるいはまた、一人二十五万円もかけたと言われるゴルフツアー。もちろんここにも、加藤さんも呼ばれているが、ほかの労働省の職員も行っているんでしょう。こんなことが平気で行われるのはいつからですか。
○清水(傳)政府委員 加藤前次官の退任時におきましてその種の会合があったということは事実でございますが、就任当時も、証言がございましたようにそのようなことがあったかと思われるわけでございますが、特段こうしたことが慣行になっているということではございません。
 それからまた、ゴルフツアー云々の話でございますが、加藤前次官が参加をされたというふうに聞いておりますけれども、ほかの職員は参加はいたしておりません。
○渋沢委員 私は、リクルート社が加藤前次官にああいう株分けをして利益を与えるという処置をとった理由はよくわかるのです。少なくとも彼が職安局長時代に、先ほど指摘した事実、もう既に捜査当局も十分掌握のことと思うけれども、雇用情報センターづくりでの功績、あるいはそれ以上に、法規制という強い意見がある中で、あるいは議会の野党の追及や決議まであるということの中で、あえてこの自主規制というものを堂々と委員会で強調するだけではなしに、局議もなければ何もないところでそういう一方的な意見を強調しながら、また自主規制の受け皿をみずからつくりながら、一方では、こうして確かに法規制を強化するのではなしに緩和するような職安法の改正をやった。この二点だけでも、リクルート社にとってはこれは御恩返しをしなければならない関係にあることは明らかだ。そういう意味で株が加藤さんに渡ったということはよくわかる。非常によくわかるというふうに思うのであります。
 大臣、最後に、このトラブルはその後減っているかというと、ふえているのです。東京都にこの資料があります。これは時間がなくて具体的に言えないのが残念だけれども、急増しているのです、六十一年、六十二年。そして、これは六十三年の東京都労働経済局の、局の正式な議会に対する報告書ですけれども、このトラブルが激増しております。内容が具体的に出されております。自主規制では減ってないのですよ。ふえているのです。しかも、これは労働省のデータですけれども、労働省の雇用動向調査の資料の中で、職業につく際の動機についての分析が出て、これは雑誌、情報誌広告によって就職を決めたというのが二八・一%、縁故によるもの二二・三%、職安が二〇%、学校が一二%。圧倒的に抜群にこの情報誌の広告による就職の機会をつかんでいるんですね。こういう状況の変化があり、トラブルが絶えない、こんな状況の中で、その加藤さんの時代にこういう経過をとってきたけれども、大臣、まさにこの癒着の構造、リクルート社と労働省との癒着構造というものを本当に絵に見るような形で幾つかの事実を我々は見ている。国民もそれを見ている。だから、あなたおっしゃるように、大変な不信感が今労働行政に集まっておる。もはや法規制の再検討を含めて、この仕事の、単に宴会に出る出ないの問題じゃない、この労働行政の中で政策的にこれは改めて再検討を必要とするときに来ていると私は思いますが、大臣の御意見を伺いたい。
○中村国務大臣 御指摘のように、加藤前次官の行為は大変遺憾なことであります。実はこのことが初めて話題に、新聞紙上に載ったときに、その日のうちに労働省では直ちに事情聴取をやったわけでございます。まあ内部の事情聴取でございますので、おのずから限界はありますけれども、しかし加藤氏が言うように、政策決定をゆがめたとかあるいは利益を供与したということはありません、あくまで私の個人的な行為でありましたという程度の実態調査しかできませんでした。まあしかし、それにいたしましても、これだけの問題を引き起こして世間にさまざまな問題を投げかけて労働行政に対する不信を買ったということは、やはり責めは免れないと私どもは考えておるわけでございます。
 いずれにいたしましても、執務の厳正公平、これがやっぱり基本になければならぬと思いますし、今御提案になりました自主規制かまたは法規制かという問題やらは、これは今後の動きを見ながら検討していかなければならないというふうに考えております。
○渋沢委員 終わります。
○原田委員長 これにて渋沢利久君の質疑は終了いたしました。
 次に、山花貞夫君。
○山花委員 法務大臣いらっしゃっていませんので、順番を変えまして、労働省の関係から伺いたいと思います。渋沢委員の質問に続きまして、若干確認をさしていただきたいと思います。
 実は、問題となりました職安法の一部を改正する法律大綱案、加藤前次官はこれについて知らなかったというのが本人の弁解でもありましたけれども、午前中以降、今日までの職安局長初め皆さんのお話でも、そのとおりだということのようであります。高石前次官の問題についても同じですけれども、印象といたしましては、省庁ぐるみで前次官をかばっているというのが私たちの印象でありまして、今渋沢委員も追及いたしましたとおり、当時の経過を振り返れば、責任ある立場にあった自分の権限の範囲内の大問題について知らないはずがなかったというのが一般の印象でもあります。
 午前中の熊谷委員に対する答弁におきましても、実は大変大事な職安法研究会の報告書については、質問にはありましたけれども、回答では一言も触れなかった。今渋沢委員の質問に対しましても、この問題についてはほとんど触れていないわけでありますので、一つの当時の職掌柄知っていたに違いないという材料については確認をしておかなければならないと思っております。労働省絡みでは、前回加藤証人に対して、いわば贈賄の意図と金銭の授受については明確でありますから、私は職務権限中心に伺ったわけですが、そのこととの絡みで確認しておきたいと思います。
 一九八一年の四月に雇用情報研究会の報告書が出されたこと、八四年の二月に労働者派遣事業問題調査会報告書が出されたこと、そして今問題となりました職業安定法研究会の第一回報告書、副題といたしまして「高度情報化社会における「雇用・就職情報誌」への法的規制の問題をめぐって」という分厚い研究報告書でありますけれども、こうした報告書がそれぞれあったことについて承知しているか、また、その内容については検討したかということについて伺いたいと思います。労働省、お願いします。
○岡部政府委員 業界が設けました職業安定法研究会のお尋ねと存じまするが、これは五十九年年初から始まったと聞いております。五十九年七月にその報告書が出、十一月にその補論が出たというふうな事実経過と存じております。
○山花委員 中身についての検討は、五十八年いっぱい準備をいたしまして、五十九年初めから正式の研究会が始まり、報告書ができたのは七月であります。この内容につきましては、実は先ほど申し上げました五十六年の雇用情報研究会報告書あるいは五十九年の労働者派遣事業問題調査会報告書等についても分析した上で、当時の時点における、すなわち五十八年から九年にかけての行政的ないし立法的規制への動向について総括的に研究をしているところであります。
 先ほど、この報告書のできた時期その他につきましても答弁が間違っているわけでありますから、中身について検討したかどうか大変疑問であります。例えば、このうち雇用情報研究会報告書におきましては、当時この状況について一言で申しますと、監視とか規制の必要が顕在化しつつあるということについて指摘しております。あるいは派遣事業報告書におきましても、結論的には雇用規制の方向について打ち出しているところであります。
 こうした五十八年来の労働省も関係した報告書に絡んで、民間団体だからおれは知らぬという言い方をしましたけれども、内容については決してそうしたものではないわけでありまして、先ほど渋沢委員も質問いたしましたとおり、法的規制問題についての労働省の動きを中心として、同時に大綱の問題についての内容を正確に分析をしておる。決して、五十九年から始まって一年、五十九年の一月に議論をしてうやむやになったという問題ではないわけでありまして、詳細な内容が検討されているわけでありまして、こういうことについてきちんと把握をした上で問題に対する対応をしていただかなければならないと思っています。
 労働大臣に伺いたいのですけれども、内部的に綱紀粛正についての通達をなさったということについては伺いました。当然必要だと思います。しかし、一般的に将来に向かって、これまで何度も繰り返されたようないわば形式的な通達を出すのではなく、こうした問題について専門の労働省内における調査の機関を設けるなどして、徹底的に、やはり身を切らしても社会の信頼にこたえるような省の立場というものを明らかにすべきである、こう考えますけれども、そうした真剣な取り組みをするということについて決意がおありかどうかということについて伺いたいと思います。
○中村国務大臣 今回、内閣総理大臣の指示によりまする官庁の綱紀粛正が出されたわけでございます。労働省はこの問題につきまして、かねてから全職員に対しまして綱紀の厳正保持という指示をいたしたわけでございますけれども、今回の官庁の綱紀粛正にかんがみまして、一層厳重な眼で見ながら、おっしゃられたような構想をもあわせ検討をいたしまして、一層の徹底を期してまいりたいと考えております。
○山花委員 そうした構想についてあわせ検討するということでありますから、文部省に移りたいと思います。
 実は、労働省全体の対応と文部省全体の対応を私なりに比較をいたしますと、申し上げにくいことですけれども、文部省の方がいわばぐるみになって高石さんをかばっているんじゃないか、こういう気がいたします。これまた率直に申し上げますと、大臣はできる限り国会の質疑等に誠実に対応しようとされておるけれども、周りの皆さんが、文部省の皆さんが前次官をかばっているんじゃないか、こういう気もするわけであります。
 例えば、具体的な問題としますと、委員会、他のところでありますけれども、一体高石さんは退職金をどのくらいもらったのかということについて質問がありました。大臣は、この問題については明らかにすべきじゃなかろうかといった態度をおとりになりましたけれども、文部省のお役人の皆さんは、プライバシーだからだめだと言う。そして、私もきょう質問するに当たりまして、この問題について具体的にどうなのかと聞きましたならば、文部省としては答えるべきではないと考えていると言って内容をお聞かせいただけませんでした。
 したがって、私は独自で計算をしてみたわけであります。実は高石さんにつきましては、独自で計算しますと、もし間違っていたら文部省に指摘していただきたいと思うのですけれども、退職金は六千七百八十七万二千九百四十八円である。ここで問題なのは、実は高石さんの場合について、単なる退職金じゃなくて勧奨退職ということになっているわけです。肩たたきで退職金をもらっている。一体どのくらい多いかといいますと、本来五千百四十一万八千九百円のところ、勧奨退職ということでありますから、一千六百四十五万四千四十八円多い。高石前次官につきましては、次官在職の当時から、選挙に出るということで次官の仕事をほったらかして地元で選挙運動ばかりやっているじゃないか、こういう批判がありました。世の中のだれの目から見たって、文部省だってそうでしょう、選挙に出るということをだれもが認めておった。肩たたきで、勧奨退職で一千六百万余計に退職金をもらうということは、世間の目から見ればおかしいのではないか、こういうことではないかと思うのですが、まずこうした退職金の問題について大臣としては把握されておられるかどうか。そうしたことについての正確性について、文部省のお役人に聞いたらだめなんですから大臣に伺いたいと思いますけれども、そうした問題について正確にされるお気持ちがあるかどうか。また、選挙に出るということを内外に表明しておった方が、肩たたきでやめたという格好で一千六百万余計に退職金をもらったようなことについては、国民からやはりちとどうかといった疑問が出るんじゃないかと思うのですが、この点について大臣の御見解を伺いたいと思います。
○中島国務大臣 二点申し上げたいと思います。他の委員会でそういう御質問がありました。そして政府委員から、その計算は規定どおり、規定に従って計算をしたものである、こういうお答えをいたしたわけであります。私は、一個人が退職されるに当たって正規の規定どおりに計算をしたものであり、それが官僚の退職金でありますから、言うなればその財源は税金と申しますか、多くの方々からの御意思によって集められたものということからすればプライバシーには当たるまい、こういう答弁を申し上げたわけであります。
 一点目はそう申し上げたことを明らかに御答弁申しますが、二点目につきまして、先生がせっかく金額を挙げられたわけでありますが、申しわけございませんが、現在正しく承知をしておらずにここに参っておりますことをお許しいただきたいと思います。
○山花委員 大臣のお考えはそういうことだとわかったのですが、文部省の周りの皆さんは大臣には恐らくそういう問題についてお話もされないんじゃなかろうかと思っております。
 実は同じような問題がたくさんあるんじゃないかと思っておるのです。高石さんの問題についてお名前が出たときに私が思い起こしたものが、八二年暮れの段階のことでありますけれども、当時も委員会で問題となりました九産大にかかわる事件です。大学の皆さんが文部者の官僚の皆さんを接待をするために、毎月上京して料亭で酒食を提供しておったという問題が議論となりました。慣例化しておったというのであります。年間この財源といたしましては六千万円もの交際費を使っておったということの中で、当時も高石さんの名前が出ておりました。料亭での、私学の助成をもらうための、そのための接待ということでありますけれども、当時新聞に出ておりますから、失礼かもしれませんけれども名前を読み上げますと、文部省側は当時の官房長、そして高石邦男管理局審議官、その他私学振興の課長等が料亭で接待を受けたということになりました。実はこの問題が出たときに一緒に出た官僚の方は、申しわけありません、そのとおりであると認めたのであります。高石さんはどうしたか。全く私は知らぬ存ぜぬで突っ張りました。事実があったんだけれども、彼は否定した。その後かなり正確な資料というものがたくさん出ました。三十万円の料亭の領収書が出ることから初めとして、高石さんがそうした接待にあずかっておったことについては間違いないということになった。
 実は後ほど総理に伺うつもりですけれども、今回また自粛についての通達が出されましたが、当時も自粛についての通達が出されまして、関係業界という言葉を使われていますけれども、そうした接待などについては慎まなければならぬということが当時からあったのだけれども、高石さんについては全くそんなものは無視してこうした接待にあずかっていたのではなかろうかという当時の記録が残っているわけであります。こんなことから考えますと、今度の高石さんの弁解につきましても、当初の、妻が妻がというところから証言が撤回されたということを含めて、いろいろな問題について前回の証言については疑問がなおたくさん残ります。
 なお、その後私たちの党では九州に調査団を派遣いたしました。その問題の詳細につきましては、改めて文教委員会その他で伺うことになると思うのですけれども、たくさん問題点が高石前次官をめぐって実は出されているわけであります。芸術工科大学の問題があります。例えばそれにつきまして申し上げますと、六十三年六月二日、九州芸大二十周年記念式典に高石文部次官がいらっしゃって祝辞を述べた。その後でありますけれども、全くそれまで議論となっておりませんでした地元における附属研究施設の概算要求というものが大学で極めて慌ただしく取りまとめられまして、概算要求が出されるという経過になりました。私どもに来た投書によりますと、実はこれは長年、大体そうした大きな予算を文部省からとるためには、時間がかかるものだから、まず概算要求を出しておくことになるだろう。ことしはそれがけられたようであります。もし高石さんが当選して文部省族の議員になったならば来年はこれが通るかもしらぬ、再来年はこれが通るかもしらぬという格好で出されたのだというような疑問が持たれている具体的なケースであります。
 あるいは、そうした問題について幾つか申し上げますと、地元で問題となっている問題といたしましては、さっき申し上げました接待問題の九州産業大学、補助金がカットされました。本年三月三十一日まで五年間であります。ところが、ことしの三月十八日にこれがもとに戻る。もとに完全に戻ったわけではありませんけれども、基準を緩和して二五%復活し、一億九千九百七十四万七千円の助成が出たということについても、高石さんがこれは動いたのだということについての問題がございます。
 あるいは、そうしたことにつきましては、ありとあらゆるお金の集め方をしたということについてはいろいろ伝えられておるわけでありますけれども、全国学校栄養職員協議会というのがあります。高石さんが給食課長をやっておった当時、協力者会議をつくったそうですけれども、八月六日、これは福岡で集まったときですけれども、栄養職の皆さんに、高石さんが当選したならば、そうしたならば高校栄養教諭という資格、教諭資格です、資格の問題について法律が実現してくれる可能性がある、高石さんというのは力を持っているんだ、当選したらそうなるからと言って、一人一万円当てのカンパの要請があったというような格好で、資格を売るというような金の集め方もしている。
 たくさんの問題、こう出てくるといたしますと、実は大臣にいろいろ省内の圧力あるかもしらぬけれども、やはり張り切ってやっていただきたいと思うことは、先ほどの労働省と同じであります。この問題については文部省全体の信用がかかっているわけでありますから、一般的な問題じゃなくて高石問題について、過去のこうした具体的な事例とか今起こっている国民の疑惑にこたえるような、専門のこうした何らかの調査の機関をつくって徹底的に調査して、身を切らしても文部省としてはここでもう一遍国民の信頼を立て直すためにスタートするという、そうした意気込みを示していただきたいと思いますが、大臣いかがでしょうか。
○中島国務大臣 おっしゃる意味はよくわかります。特に、私どもが一番心を痛めておりますのは、文教行政をつかさどる文部省に対する信用、信頼が甚だしく損なわれたということが返す返すも残念でございます。私は、省内におきまして、かばうべきものはかばい、守るべきものは守る、それは何を守るかというと、文教行政に対する信頼を守るんだ、そのためには内に厳しく、そして個人をかばうというようなことはさらに文部行政の信頼を損なうだろう、これを間違えないようにということを再三話し合いまして、今日まで厳しく対処してきたつもりでございますが、しかしこの信頼を回復するには一朝一夕ではいかぬ、こう思っております。私どもが何倍努力すれば信頼を回復できるかということは言い切れませんので、できる限りのことをしなければいけない。省内に対しましては厳正な職務の遂行を徹底いたしてまいったつもりでありますが、きょうの閣議決定を見ましてさらに厳正な対処を考え、検討してみたい、このように気を改めて取り組むつもりでおる次第でございます。
○山花委員 本日の閣議決定を含めて、これまでの長年の閣議決定全部読んでみましたけれども、監督責任、部下に対する問題でありまして、みずから一体どうするかということが実は抜けているわけであります。したがって、ぜひ高石問題について、この問題についてはやはり一番大事なことでありますから、何らかの調査の機関を設けたらいかがでしょうか。その点についてだけ大臣にもう一遍伺いたいと思います。
○中島国務大臣 今までの経過から見まして、どういう形が先生の、あるいは皆様方のお気持ちに的確に沿えるかという方法も含めて、十二分に考えてみたいと思います。
○山花委員 法務大臣いらっしゃいましたけれども、いらしたばかりですから、その前に一つ自治省の関係で伺っておきたいと思います。
 実は、きょう冒頭、自民党の委員の方から、竹下総理は事件全体について、証取法違反、贈収賄事件、そして所得税法違反と政治倫理である、こういう格好でお話しになりましたけれども、やはり政治の場におきまして大事な問題が抜けているんじゃなかろうかと私は総理の答弁についてずっと考えておりました。政治資金規正法違反の問題であります。
 とりかけ、午前中問題となりましたけれども、NTTの真藤会長の株の利益の使途につきまして、口座が二つあった。会長のところにも行ったんだけれども、そうじゃなくてNTT本社関連の口座に入って、千三百万円入って、この口座が管理され、パーティー券その他に使われておった、こうなりました。恐らく、この問題につきましては、そういうことに使われたんじゃなかろうかと思うんです。これまで政治家本人の名前が出たり、秘書の名前が出たりしましたけれども、実は政治資金規正法違反の問題については議論されていないし、今の段階ではそうかもしれません。
 しかし、自治省に確認しておきたいと思うんですけれども、例えばこうした問題について、その目的がこの先生の、あるいはこの党の、あるいはこの派閥の、この後援会の政治活動のために使ってもらいたいということでお金が、株がストレートに来た場合だけではなくて、実質上金が来たような場合で、実際に政治家個人の政治活動に、後援会の活動に、あるいは派閥の活動に使われておったとするならば、これは政治資金における寄附あるいは収入として取り扱わるべきものではないかと思いますけれども、選挙部長にこの点について御見解を伺いたいと思います。
○浅野(大)政府委員 具体の問題につきましては事実関係を十分承知しておりませんので、一般論という形でお答えをさせていただきたいと存じます。
 政治資金規制法上届け出をすべき政治資金としては、二つのポイントがあろうかと思います。それが政治活動に関するものであるということ、それから寄附であるということでございます。寄附であるかどうかというのは、要は対価が払われたか払われていないかということがポイントになろうかと思います。
 そこで、まず政治活動に関するものでなければもう初めから場違いになるわけでございますが、それが政治活動に関するものであって、次に寄附になるかどうか。例えば株の譲渡ということだけを考えますと、一般的にはこれは妥当な対価を払って譲渡を受けたのなら、それは寄附ではないだろうと思います。ただ、仮装売買みたいなものもあるわけでございますから、対価そのものが妥当な価格よりも非常に低いというような場合もあるかもしれません。そういう場合は、恐らくその差額は寄附と見なければいけないだろう、こんなふうに考えております。
○山花委員 若干回りくどかったのですけれども、結論的には、本人の名前でも秘書の名前でも、政治団体に入った、派閥に入った、それをそこで使えば政治資金規正法違反の問題になるということではなかろうかと思いますが、実はあと五分ほどでありますので、法務大臣はいらっしゃっているので、法務大臣に伺いたいと思います。
 これまでは贈収賄に当たるのではないか、将来所得税法違反の問題が出るかもしれませんし、今言った政治資金規正法違反の問題も出るかもしれない。大臣はこうした問題についてこれまで幾つかお話しになっておられます。例えば、捜査の進展について、年を越すんじゃないかなんてことについてお話しになった。そうした状況については、一体どなたからどういう話を聞いた中で大臣がそうお答えになるんだろうか。全く推量で言っているんじゃなかろうかと思いますけれども、捜査の現段階についてどういう報告を聞いて把握しておられるか、この点について伺いたいと思います。
○林田国務大臣 去る十二月九日の記者会見におきまして、捜査の見通しについて質問を受けましたので、この件は複雑で広範に及ぶ問題であるから、短期間のうちに解明するのは難しいのではないかと私の推測を述べたものでございます。
 国会でもしばしば説明しておりまするとおり、検察は非公開株式の譲渡問題を中心にその事実関係を明らかにして、その上で犯罪の嫌疑の存否を検討するために引き続き調査中でありまして、なお日時を要する、かように考えております。
○山花委員 報告ということならば刑事局長の方に伺った方が正確かもしれません。
 午前中の質疑の中で、鋭意取り組んでおられること、そして二十五名の態勢で、三百人ぐらいの参考人について調べたということについてお話しになりました。ただ漠然に何人と言ってもよくわからないので、地検の特捜の態勢というものは全体どのくらいの人員で構成されておって、三人の副部長いらっしゃって、従来はそれぞれのグループでやっておると伺っていますけれども、そうした態勢がどのように変えられてこのリクルート問題についての捜査が進展しておられるのか、そうした取り組みの態勢について伺いたいと思います。
○根來政府委員 特捜部の検事の在籍者数でございますが、三十数者おります。ほかに副検事あるいは検察事務官が勤務しておりますけれども、そのうちの二十五名をこのリクルート問題といいますか株の譲渡問題の解明につぎ込んでいるわけでございます。もちろんいろいろ内部的には分担があるようでございまして、広く浅くやっている者もおりますし、また深く狭くやっている者もおると思いますけれども、そういうふうな態勢でやっております。
 なお、先ほど御質問の中に、三百人と言われましたけれども、午前中も申し上げましたが、延べ三百人でございますので、ひとつ御了解願いたいと思います。
○山花委員 延べ三百人の中には既に被告人となった人もおりますけれども、参考人なのか被疑者なのかということについて伺いたいと思いますし、今三十数名とおっしゃいましたけれども、私が把握しておるところでは、東京地検特捜部は部長以下三十二名である、副検事が四名である、合計三十六名。部長以下二十五名が担当しているということですと、ほぼこの総力を挙げてという気もいたしますけれども、ロッキード事件のときの態勢と比較していかがなんでしょうか。ロッキード事件の場合にも、大物逮捕前後はまたどかっとふえたと記憶しておりますけれども、当初の態勢とすると比較していかがなんでしょうか、その点についてもお話しをいただきたいと思います。
○根來政府委員 御説明では調査という言葉を使っているところに問題があるわけでございまして、まだその犯罪のにおいをかぎつけて要するに捜査に入っておるという状況じゃないということで調査という言葉を使っているわけでございます。したがいまして、言うなれば水面下に沈みまして、いろいろ多角的にあるいは網羅的に研究しているということでございます。
 ただ、ロッキードの場合はいろいろ、あれは五十一年の二月二十四日に捜査本部を設けたと思いますけれども、それから十月、十一月ごろまでやったと思いますが、一番多いときで検事が四十一人ぐらいだという御報告をしていると思いますが、これは非常に記憶があいまいでございますので、ひとつ御了解いただきたいと思います。
○山花委員 四十何名というのは一番多いときでありまして、それ以下だと思うのですけれども。
○原田委員長 時間が過ぎていますからね。
○山花委員 はい、わかりました。
 以上で質問を終わりますけれども、ぜひ一度そうした問題についてロッキードのときのように中間報告などをしていただきたいということを要請して質問を終わります。
○原田委員長 これにて山花貞夫君の質疑は終了いたしました。
 次に、日笠勝之君。
○日笠委員 時間もありませんので早速質疑に入ります。
 まず、江副前リクルート会長の、政府のいろいろな審議会等の委員に任命をされておったわけでございますが、まず教育課程審議会、大学審議会、これは文部省関係でございますが、出席状況はいかがであったのか、御報告をお願いいたします。
○加戸政府委員 教育課程審議会への出席につきましては、総会、これが二十一回のうちの八回出席でございます。それから、教育課程審議会には分科会が設けられておりまして、江副氏は高等学校教育課程分科審議会に所属しておりましたが、その会には十四回のうち一回でございました。それから大学審議会の方でございますが、これは九回の会議中六回の出席でございます。
○日笠委員 大蔵省に同じくお伺いしますが、政府税調特別委員でございましたけれども、出席状況はいかがでございましたか。
○水野(勝)政府委員 六十年九月から六十三年七月まで在任されておられました。総会四十八回、このうち二十二回に御出席、部会、小委員会等四十五回のうち二十六回出席され、合わせて九十三回の会議のうち四十八回に出席をしておられました。
○日笠委員 同じく総務庁、土地対策検討委員会、いわゆる土地臨調の参与としてはいかがでございましたか。
○百崎政府委員 土地対策検討委員会への出席状況でございますが、三十八回のうち十九回となっております。
○日笠委員 時間もありませんから文部省にお伺いしますが、こういう委員の任命に際しては、いわゆる精勤ですね、皆勤ではなくて精勤、一生懸命出てくるということが第一条件である、このように伺っておりますが、これには間違いございませんか。
○加戸政府委員 先生おっしゃいますように、委員会、審議会に御出席をいただくことを前提として選考するわけでございますが、委員の中には専門的な分野ということでお選びする委員もございますし、あるいは幅広い視点から貴重な御意見をいただけるということでお願いする場合もございますし、また特定の職業によりまして委員会の出席がなかなか難しい方もございますが、御多忙の中を御出席を願うということで貴重な御意見をいただく、そういうような意味での選び方もあるわけでございまして、一概に必ず出席率がよいから、確実に出てくれるからという観点からでは選考はいたしてないと思います。
○日笠委員 そんなことを言われると、学校はどうなんですか。大体二百四十日ぐらい学校は行くわけですね。八十日すなわち三分の一以上欠席をすると進級とか進学が一応できなくなっておるわけですよ。教育課程審議会なんかは例えばすべてを含めて三十五回中九回しか出ていませんね。大学審議会の方は九回中六回ですから六七%。これでは卒業も進級もできませんですね。それからまた、政府税調も土地臨調もあわせてそれぞれ出席率でいきますと、五一・六%、五〇%と非常に出席率が悪い。なのに、なぜかしらわずか二年間余りに四つも、兼職は四つしかできないとなっておりますが、四つすべてを、最高の職を兼ねておるということでございまして、これはもうステータスシンボル、肩書が欲しい、こういうふうに言い切ってもいいのではないか、かように思うわけでございます。
 特に主税局にお伺いしますが、この前の江副証言によりますと、主税局より電話があった、こういうことでございますね。ところで、税制調査会令を見ますと第三条に「委員及び特別委員は、学識経験のある者のうちから、」云々、こうあるわけでございます。そしてまた、先ほど私が申し上げましたが、精勤、一生懸命勤めて出るということも条件ではあると思います。これを見事クリアしておるということで推薦されたのでしょうか。
    〔委員長退席、中村(正三郎)委員長代理着席〕
○水野(勝)政府委員 御指摘のように、税制調査会は税制についての基本的事項を調査、審議、これをお願いすることがその任務でございます。そしてその委員としては、こうした見地から御審議をいただくということで各界各層、御指摘の学識経験者に御就任を願っているということでございます。
○日笠委員 学識経験者ということを大蔵省は認めたということですね。
 それから労働省、労働省にもお一人リクルートの役員の方が就任をされておる専門家会議というのがございますが、これはリクルートの今日までのいろいろな就職情報といいますか、こういうことに関して相当いろいろな問題を起こしてきているわけですね。
 ずっと挙げますと時間がありませんが、ごくごく最近のを申し上げましても、六十年十月には適性テストのモニターということで学生を集めまして、自社向けの学生を就職活動のいわゆる解禁日前に事前選抜したということで労働省から注意があった。最近は六十一年では、業界の協定を破り会社案内を学生に送付し、江副会長みずからが謝罪文を書いたとか、また五十九年、五十五年、四十八年、四十七年といろいろな問題を起こしておる。
 そういうところの方を労働省の専門家会議のメンバーに入れるということは、これは反面教師でそういうことをしちゃいかぬということで入れておられるのか。そうしか感じられないわけでございます。なぜそういう社会的問題を次から次へ起こすような一営利会社の役員が入るのか。そしてまたもう一つは、文部省の方はこれは二人、関係者はもう辞任をさせた、してもらったということですが、労働省の方はまだそういうような動きはないのでしょうか。
    〔中村(正三郎)委員長代理退席、委員長着席〕
○佐藤(ギ)政府委員 パートタイム労働問題専門家会議のことについての御指摘かと存じます。この会議は、労働省として今後のパートタイム労働対策のあり方につきまして総合的に検討を行うに当たって、労使の代表及びパートタイム労働問題に見識が深い学識経験者の方の御意見を聞こうということで御参集をお願いしているものでございます。
 御指摘のリクルートの役員につきましては、女子労働問題、パートタイム労働問題につきましての学識経験者のお一人ということでお願いしているわけでございますけれども、御本人からは、近くパートタイム労働問題専門家会議での話し合いの結果が中間的に整理される予定でございますので、それを機会にお引きになりたいというお申し出があるように聞いております。
○日笠委員 では今度は、女性が答弁されるとそれ以上言えないものですからね、NTTの山口社長に参考人に来ていただいておりますが、先ほどから真藤前会長に絡みます諸問題がここで論議されております。私は一つ、二つぜひお聞きしておきたいと思うのですが、まず村田幸蔵氏でございますが、この方はリクルートコスモスの株をいわゆるファーストファイナンス社の資金で買ったのか、また自己資金だったのか、またどこからか借りて買われたのか、この辺の調査はできておるのですか。
○山口参考人 お答えいたします。
 ただいまの村田元秘書の株購入に関しましては、ファーストファイナンスから融資を受けたというふうに聞いております。
○日笠委員 それから、いわゆる二千百万円の売却差益ですね、もうかったお金だけが村田氏の個人口座に振り込まれた、そのうちの九百万円が真藤前会長の個人口座、残りの一千二百万円が、きょうの報道によりますと林取締役秘書室長名義の口座に振り込まれた。この事実は間違いございませんか。
○山口参考人 今の利益の金を別の口座にやったかどうかということにつきましては、本人から直接聴取できませんのでお答えいたしかねますが、これも真藤元会長に聞いたところでありますけれども、会長も、自分は直接やってなかったのでよくわからないから、こういうような返答でございまして、申しわけございませんけれども、現在よくわかっておりません。
○日笠委員 真藤前会長はさておきまして、林取締役秘書室長名義の口座に一千二百万円入ったというのはどうなんでしょうか。同じ社内ですよ。
○山口参考人 現在調査をしておりますが、まだよくわかっておりません。
○日笠委員 NTTというのは情報産業の世界のトップでしょう。同じ秘書さんの室長といえば、しょっちゅう顔を合わせておる方でしょう。そういう口座があるのかどうかだけはどうですか、いわゆる林豊取締役秘書室長名義の口座があるのかどうか。
○山口参考人 お答えします。
 現在いろいろと本人からも聞いておりますけれども、まだ確認している状態になっておりません。
○日笠委員 郵政大臣どうなんですか、これで本当に、国民の疑惑にこたえる社内調査委員会をつくられて、二転、三転してきて、今もって同じ社内の取締役の中でわからないということは、これはもう審議をやめてもいいくらいです、本当に。どうですか。
○中山国務大臣 私どもが報告を受けております限りでは、秘書室名義の口座はないという報告を受けております。
○日笠委員 ないのですね、それでは。大臣にまさかうそをつくわけはないです。だから、大臣、林取締役秘書室長名義の口座はない、こういうふうに御報告を受けたわけですね。それでは、新聞情報は全然違う、こういうふうに私は、大臣がそうおっしゃるのだから理解をせざるを得ないわけですが、これはだれから報告を受けたのですか。
○中山国務大臣 電気通信局長からNTTに聞かせた限りでの報告ではそういうことになっておりまして、今わからないというのは、今のところ存在が確認できないという意味のないという意味だと私は思っております。
○日笠委員 きょうの新聞によりますと、東京地検はNTTの秘書室長を聴取した、こうあるのですが、これは現実ですか、社長。
○山口参考人 相手様のあることでございますので、私の方からその件についての御回答は控えさせていただきたいと思います。
○日笠委員 これは本当に、これだけ問題になって、リクルート特別委員会でこれだけ皆様方もお忙しい中を集まって、疑惑を解明していこうという私たちの声は全然聞いていただけない。国会なんかいいかげんに言っても、時間さえたてば後はもう適当にいけるんだ、こういうふうにしかとれませんね。この件についてはまた後日にやらなければいけないと思っております。
 そこでいずれにしろ、長谷川、式場両氏が、報道によりますとリクルート本社の株を一株四百円で購入した、その資金はFF、ファーストファイナンス社から借りたということは記者会見で既に、これは事実でございましょう。そこで、リクルート本社の株は非公開株でございますが、これは四百円というのは果たして適正な価格なのかどうか。例えば国税庁の方でいろいろ財産相続だとか贈与だというときに、株の場合にこれは適正価格かどうか、いろいろ計算する方法はあるわけでございますが、社員持ち株会でも七百七十円で社員に売るということでございますし、民間調査機関によりますと少なくとも時価評価は数千円以上する、このようにも言われておるわけですが、時価相場より非常に安い四百円という価格で買い取ったということであれば、これはそこに一時所得とか贈与とかいう問題が頭に浮かぶわけでございます。また、もう一つはわいろということにもなってくるわけですが、国税庁それから法務省はそれぞれこの件についてどういうふうなお考えでしょうか。
○八木橋政府委員 未公開の株式の場合に、その譲渡価格が適正かどうか、またそのときの時価に比べて低廉であるかどうかという認定問題についてでございますが、税務上の取り扱いは、その未公開株式の譲渡時点におきまして適正な売買実例があるというぐあいに認められる場合には、その売買価格を基準とすることにいたしておるわけでございます。それがない場合、そういう場合の方が多いわけでございますが、その場合には、相続税における評価方法等を参考にいたしながら、具体的なケースに即しましてその間にございますあらゆる事情を総合勘案しながらやるという取り扱いになっておるわけであります。ということで御理解をいただくことにいたしまして、具体的な問題につきましては、そういう一般的な取り扱いの中でやっているということで御承知おき願いたいと思います。
○根來政府委員 事実関係についてもいま一つ明らかでない点がございますから何とも申し上げかねますけれども、こういうお話は初めてのお話だと思いますので、いろいろ研究する問題だと思います。
○日笠委員 それでは社内調査委員会、NTTの中にあるわけですが、式場、長谷川両氏以外にリクルート本社の株の譲渡を受けたという方はいらっしゃるのですか、いらっしゃらないのですか、調査されましたか。
○山口参考人 調査委員会におきまして、今先生御指摘の我が社の社員、役員含めまして、役員には全員、それからリクルート社との関係の業務のございます部署の幹部等につきまして聴取をいたしましたけれども、現在まで長谷川元取締役、それから式場元取締役、それからやめました村田秘書、これ以外にはございません。(日笠委員「リクルート本社株ですよ」と呼ぶ)失礼しました。本社株につきましては、長谷川、式場二名でございます。(日笠委員「そう、いない」と呼ぶ)いません。
○日笠委員 次に、リクルート社がいわゆる情報産業へ乗り出すということで、いわゆるINS事業とかRCS事業というものに乗り出していったわけでございます。
 私は、官公庁、またその関係機関、そのまた所管法人、これを全部当然調べればいいのでしょうが、時間がなかったものですから、文部省と労働省、運輸省だけちょっと調べますと、リクルート社のINS事業を利用しているのは、文部省では東北大学がございます。労働省は産業医科大学がございました。運輸省は日本気象協会がRCSとINS両方使っておる。こういうことで、いわゆる国の官公庁、またその関係機関、所管法人、こういうものも相当使っているのではないかということになりますと、これはまさに構造的汚職ということにもなりかねないわけです。
 そこで、山口社長にお伺いいたしますが、式場前取締役は、江副氏と一緒にビジネスチャンスということでセールスに同行された、こうおっしゃっておるわけでございますが、官公庁には行かれたのですか、またその関係機関、またその関係の所管法人、いかがでしょうか。
○村上参考人 お答え申し上げます。
 官公庁関係には同行いたしておらないというふうに聞いております。
○日笠委員 それは式場さんからお聞きになったと理解してよろしいですね。
 それからもう一つ、江副証言が我々の調査と若干内容が食い違うのではないかというところがあるわけでございます。それは、証言によりますと、外国製品としてクレイ社のスーパーコンピューターは非常に高度であり、保守管理、アフターサービス、ソフトの面ということを考えてNTTを経由したのだ、いわゆる保守管理もお願いをしておる、こういう意味の証言をされておるわけでございますが、私どもが先日、横浜西ビルのスーパーコンピューターを設置しておるところに調査団として行きまして、NTTの方々からお話を聞きましたところ、いわゆる建物の管理はしておるけれども、スーパーコンピューターの保守契約とかそういうものは一切やってない、全部これはほかの業者がやっております。こうおっしゃっておりましたが、これはどちらが正しいのでしょうか。
○村上参考人 お答え申し上げます。
 クレイ社のスーパーコンピューターは、大変大量な計算を高速に行う、そういった特殊なコンピューターでございます。性能だけではなくて設置の条件につきましても、大変発熱量が多いとか、あるいは重量が重いというふうなこと、あるいは電源装置も特殊であるというようなことがございまして、私どもは、リクルート社からの御依頼によりまして、そういったこともございますので、私どもの経験を生かしまして設計建設工事の受託をいたしたわけでございます。
 なお、先生御指摘のように、コンピューターはNTTの局舎内に設置しておりますので、局舎の賃貸契約あるいは電源設備の保守等につきましては受託いたしておりますが、コンピューターのシステムそのものの保守は受託いたしておりません。
○日笠委員 山口社長もお忙しいところですから、最後に、RCSをNTTの方が利用しておるということはないのでしょうか、これが一つ。それから、リクルートが回線リセールを他の同じ回線リセール業者に販売というのか転売というのですか、又売りというようなことはないのでしょうか。この二つをお聞きします。
○村上参考人 お答えいたします。
 私どもはリクルート社のRCS事業、こういったものの利用ということはいたしておりません。それから、リクルート社が再々販売といいましょうか、そういったことにつきましては把握いたしておりません。
○日笠委員 再々販売をもししておればこれは契約違反とかになるのでしょうか、それとも構わないのですか。
○村上参考人 回線の利用につきましては大変自由になっておるものですから、いわゆる公専公というようなものの接続以外につきましては自由だと思っております。したがって、再々販売をなされてもそれはよろしいのではないか、このように考えております。
○日笠委員 では、最後に山口社長、国民の財産でもあるNTTでもございますし、社内調査委員会でぜひひとつ国民にわかりやすい形で徹底的に究明をする、身内をかばって何か守るというのではなくて、今私が言ったことも、きのう、きょう出たこと、また村田さんだって十一月にやめられて長くたっておるわけですから、それが今もってつかまらない、わからないというようなことではなくて、徹底的に解明をしていく、そういう御決意があるのかどうか。
 最後に、郵政大臣に、これは郵政省が監督権限もあるわけですから、NTTの社内調査委員会に望まれること、これをお聞きして終わりたいと思います。
○山口参考人 先生からも御指摘いただいておりますように、大変にこの問題につきましてはいろいろと世間をお騒がせして責任を感じております。したがいまして、今後とも調査委員会も本件の究明に努力してまいりたいと思っておりますし、郵政大臣からも再三にわたってその旨注意を受けておりますので、今後ともその点については努力をいたしたいと思っております。
○中山国務大臣 けさほどもお答え申し上げましたように、千二十万株という大きな株を私ども国家が保有をしておるという明治以来の国民の財産でございますから、新しい参入者がふえたとは申せ、NTTの長い間の蓄積に対しまして、電気通信事業を先導していく大きな国家的な使命があると思いますので、けさほども申しましたが、電気通信事業の中で日本電信電話株式会社法を見直す際にいろいろとこれからの将来のための規範になるようなことを私どもも考えてまいりたい、かように考えております。
○日笠委員 どうぞ、私はもう参考人よろしいです。
 次に、大蔵省にお伺いしたいのですが、いわゆるリクルートコスモスの株を購入する際、ファーストファイナンス社の資金を借りて購入した、こういう方々が結構いらっしゃいます。中にはNTTの村田さんのように、もうかった差益、もうかった金額だけ振り込んでもらった、こういうふうな話もありますし、相当多くの方がこのFFの資金をお借りしておるようでございますが、まずこのファーストファイナンス社というのは貸金業者としてどこへ登録されておりますか。
○平澤政府委員 貸金業規制法に従いまして、大蔵省に登録ということになっております。
○日笠委員 そうしますと、一連の株の売買の時期の様子を新聞やテレビの報道で見ておりますと、どうもこの貸金業の規制等に関する法律の十七条、書面の交付、十八条、受取書の交付、これがきちっと厳格になされていなかったんではなかろうかという強い疑念を持つわけでございますが、この点はいかがですか。
○平澤政府委員 今委員からお話がございましたように、貸金業規制法十七条の規定によりますと、貸し付けに係る契約を締結したときは、遅滞なく、書面を交付するというふうになっております。したがいまして、仮に今回の事例が貸し付けに係る契約を締結したという場合に当たる場合には書面の交付が必要であるというふうになるわけでございます。
○日笠委員 だから、それは調査されましたですか、この書面の交付、十七条と、受取書の交付、十八条が厳格になされておったかどうか。これは違反しますと三十万円以下の罰金ですね。また、していなければ今後する用意があるかどうか、いかがですか。
○平澤政府委員 前にも本院においてお答え申し上げましたように、金融機関あるいはこういう貸金業者に対する検査、調査につきまして、具体的にやったかどうか、あるいはこれからやるかどうかという点については答弁を差し控えさせていただいているわけでございますが、こういう貸金業者につきましては常時行政上の監督をしておりますので、法令上認められている権限の範囲内において大蔵省としては常に適切な対応をとるよう努めてきているということでございます。
○日笠委員 どうもリクルート疑惑と称するこの問題については大蔵省さんは本当に積極的に打って出ようというのではなくて、証券局長もいらっしゃいますけれども、本当に八月ぐらいからこの問題が、どんどんいろいろな問題が起こっても、日本証券業協会の自主ルール違反だとか証取法の違反があるのではないか、どうもそのたびにころころ変わるし、積極的にやろうという気はないし、せめて銀行局長、私はこれは大変疑いが濃いと見ておりますので、ひとつ念頭に入れて、十七条、十八条、ファーストファイナンス社がこの貸金業規制法に違反しているかどうか念頭に入れておくかどうかだけでも、どうですか、全然もうやらないということですか。
○平澤政府委員 このようなリクルートの場合に限らず、常に念頭に置いて我々としては対処しているところでございます。
○日笠委員 非常に疑いが濃厚であるという情報も私どもの方へございますし、これはぜひひとつ取り組んでいただきたいことを要望しておきます。
 では、文部省の方へちょっとお伺いをしたいと思います。
 文部大臣、高石さんに五十項目の質問をみずからワープロでつくって送られた、こういうふうな報道がありましたが、返事は届いたのでしょうか。また、その中で目新しい何か新事実というのでしょうか、ございましたですか。
○中島国務大臣 せっかくの御質問ですが、ちょっと経過を御説明しないとわからないと思います。
 十一月三日に高石氏のリクルート問題、奧様が株を売買したということが報道されまして、当時は九州におられたものですから、一番早い方法は電話でございました。電話で事実を確認をいたしました。ただ、電話では要領を得ない面があろうと思いまして、六日に上京を促しまして、六日に御当人から状況を聴取したわけであります。その結果、不分明、不鮮明な点がございましたので、さらに上京を促したわけであります。しかし、その一週間上京の機会がありませんでしたので、そこで単に漠然と上京を促しても答えにくいかもしれない、こちらがまさに質問したいことを整理してそれをお渡しして、その方が聞き落としがないであろう、また答え落としがないであろうと思いまして、十三日に項目を整理をいたしまして、十四日に手渡しをするように命じたわけであります。そして上京を促したわけでありますが、その後十八日に高石氏が地元で記者会見をされまして、それまでの説明を再修正されたわけであります。
 したがって、その私が項目にいたしましたのが確かに五十項目近くあったわけであります。しかし、それに対しては――私がなぜそういうことをしたかと申しますと、一番身近な文部省の職員かあるいは私に、一番身近な者としてまず真実を語ってくれるであろうということを信じていたからでありますが、十八日にみずから会見されまして前言を撤回されて、そして真実は二十一日の証人喚問の日に述べたい、こういうことを言われたものでありますから、事実上その数十項目への回答は私の方に来てないわけであります。これは大変残念なことでありまして、その点、私に徳がなかったからであろうかな、こう思うわけでありますけれども、二十一日に真実を述べられるということでありますので、それにお任せをするというか、で、事実重要部分については質問もされました、また答えてもおられるわけであります。
 その後どうしたかということでありますが、その後は私の方から直接お会いできませんので、今後は、もし申し落としたこと、もし新しい事実があれば、あらゆる機会に御当人が公表していただきたい、こういう言葉を伝えて今日に至っておるわけでございます。
○日笠委員 本当に文部大臣の御努力を良とするところでございますが、これも推測、観測になるのですが、文部省の関係者にリクルート本社の株讓渡というのはあったのかなかったのかということで調査をされましたですか。
○加戸政府委員 リクルートコスモス株に関しましては調査をいたしましたが、リクルート本社の株につきましては調べておりません。
○日笠委員 その辺の対応が、先ほどから文部省の中でも大臣の積極的な解明しようという姿勢と周りの方の、NTTで二人も出たらひょっとしたらということですぐ調査に着手する、そういう対応というか、非常に敏感でない、何となく早く幕をおろしたい、おろしたい、こういうふうな感じがぷんぷんでございます。これは即やってもらいたい。
 それからもう一つ、生涯学習振興財団、これは帝京大学が八億円全額寄附、こういうふうに報道はされておりますが、これはほかの私立大学、特に九州系の新しくできようとしている、できたところの私立大学からはこの生涯学習振興財団へは一円も寄附金が行っていませんですか。調査されましたか。
○加戸政府委員 生涯学習振興財団への寄附は八億円でございますが、すべて学校法人帝京大学からでございまして、それ以外にございません。
○日笠委員 ではもう一つ、高石氏のパーティー券は国立大学の佐賀大学なんかには行ったようでございますが、私立学校、学校法人、こういうところへは一切行かなかったのでしょうか。
○加戸政府委員 いろいろな報道がなされておりますが、この高石氏のパーティー券につきましてどのような状況になっているのかということは、私どもは承知してないわけでございます。
○日笠委員 だって学校、私立学校というのは監督する義務があるわけでしょう。これはぜひやってもらいたいです。この二つ、生涯学習振興財団の寄附金は本当になかったのかどうか、それから高石氏のパーティー券は私立学校、大学とか高校を含めて、またその団体、あったのかなかったのか、これは後日報告をしてもらいたい。委員長いかがですか。大臣どうですか、報告してもらえますか、後で、調べて。
○加戸政府委員 私立学校に関しましては、それのまとまった団体等もございますので、そちらの方へのお問い合わせはすることは可能でございますし、また文部省が、あっせんをしたケースがあるかどうかというような事実確認は求めたこともございますが、何校で幾つというようなことは学校ごとには調査いたしかねますので、団体を通じてお願いしたいと思います。
○日笠委員 では労働省、先ほど山花委員がここで労働省の幹部の銀座での接待云々言われておりましたけれども、私は非常にけちな根性かもしれませんが、この際どうですか、労働大臣、接待を受けた分だけリクルートに返したらどうですか。返す。口頭注意とか訓戒とかじゃなくて、返しなさい、全額。見積もればわかるのですから、利子をつけて。それぐらいの厳しさがなければだめですよ。食いっ放しで、ごちそうさんでした、あとは今後気をつけなさいよ、そういうことでは綱紀粛正になりません。返させたらどうですか。
○中村国務大臣 その件につきましては、会食した労働省の次官以下幹部は、私の方から文書による既に厳重注意を行ったところでございます。なお、次官に対してはそういうことでしたけれども、幹部に対しても口頭による厳重注意を行ったところでございます。私はそのことで社会的評価といいましょうか制裁といいましょうか、それによってこの件は落着させてもよいではないかなというふうに判断をいたしております。そのことの方がごちそうになった分のお返しよりもはるかに懲罰的には高いというふうに考えているわけでございます。
○日笠委員 食い逃げというのですよ、そういうのは。だめですよ。やはり厳しく、今後例えば厳重注意するときには、返しなさいということを含めた厳重注意をすべきですよ。それならいいわけでしょう。一たん処分が済んだから二度処分はできないということなんでしょう、恐らく。ならば今後はそういうことを含めた処分をする、これはできるでしょう、大臣。
○中村国務大臣 そういうことが二度と起こらないように根絶をするということの方が大事だろうと思っております。
○日笠委員 それを御信頼申し上げたい、心から。
 それでは最後に国税庁、ちょっとお伺いしますが、普通不動産を買ったり、いわゆる家を建てたり土地を買ったりしますと、国税庁、税務署さんの方から御丁重なる「お尋ね」という書類が来るわけでございます。これは本当に事細やかに、例えば預金、貯金は、名義人はだれで、続柄はどうで、預け入れ先の名称はどこの銀行でどこの支店で、幾ら引き出したのか、借入金は同じくどうなのか、前年度の所得の金額は幾らなのかと、非常に事細やかな、記入し切れない場合は適宜の用紙に記入してくださいというくらいまで非常に事細やかな、不動産等々、建物を増築、新築した場合は「お尋ね」が来るわけです。
 ところが株の方は、いわゆる秘書さんが株を買っております。秘書の給料は、私もおりますから知っておりますが、中には六千九百万とか五千百万とかいう、秘書の方でこれだけの大量の、大金をお持ちになって、それで株を売買しておった、そういうふうに本人がおっしゃっているわけですから、これを信じたとした場合は、一体その五千万とか六千万というお金はどこから来たのか、この点を確認しなければ、いわゆるキャピタルゲインへの課税というのは不手際だ、不公平だ、私はかように思いますので、この点、今後念頭に入れて、きょう私が申し上げたことを端緒として、そのことも調査をされる御用意があるのかどうか。
 それから最後に、真藤前NTT会長のように、秘書を通じてひょっとすれば自分の親分の代議士のところに行っている可能性もなきにしもあらず。いわゆる一たん利益は秘書さんのところに来たのかもしれない、そこから先に持っていったかもしれない、政治献金とか政治資金とかいわゆる裏口座とか、そういうことも考えられますが、これは刑事局長、そういうことも念頭に入れて捜査をされておられるのでしょうか。この二つを国税庁と刑事局長に聞いて終わりたいと思います。
○伊藤(博)政府委員 最初の点につきまして国税庁関係、御答弁申し上げます。
 先生御指摘のようにいろいろな形で私ども資料収集しております。不動産も当然ですし、それから場合によっては株式についてもやっております。あらゆる、あるいはマスコミでの情報その他もろもろの情報を可能な限り収集するように努めておりまして、そういった中で課税上問題があれば、申告書との対比において必要に応じて調査するというようなことでやってきております。今後とも同様の方針でやってまいりたいと思います。
○根來政府委員 繰り返しで恐縮でございますけれども、いろいろ調査をいたしております。そういう調査に当たりまして、御指摘のようなことも頭に置きましていろいろな場合を想定して考えていると思います。
○日笠委員 私の質問を終わります。
○原田委員長 これにて日笠勝之君の質疑は終了いたしました。
 次に、宮地正介君。
○宮地委員 最初に法務大臣の方にお伺いしておきたいと思います。
 松原弘被告が贈賄工作を認める戦術、いわゆる単独犯行、こういう方向にどうも考えを変えた、こういうことが昨日来のマスコミで報道されているわけでございます。これは非常にこれからのリクルートの解明の一つの道筋として重要なポイントではないか、ある意味ではリクルート隠しに故意に被告が行う、自分がみずからかぶって、いわゆるリクルート隠しに一つの道筋をつくる、こういうことになると、本来の司法権というものが非常に大きな問題になるのではないか、私はこういう感じがするわけですが、この点について大臣の所見を伺っておきたいと思います。
○林田国務大臣 お尋ねの趣旨につきましては、報道によって承知をしております。しかし、その真偽あるいはまた意図につきましては私として把握をしていないわけでございまして、ちょっと申し上げかねるのを御理解願いたいと存じます。
○宮地委員 もしそれが意図的にそういうようないわゆる戦術転換、こういうことになりますと、これはこれからのこうしたリクルートの解明にとっても非常に、さらに疑惑を上塗りするのではないか、そういう点、刑事局長、やはり厳正な立場で、検察当局としてもその辺の意図を見抜いた上でこの問題に対処すべきではないか、こう思いますが、そうした点についての検察当局の今後についての決意といいますか、こういうものについてお伺いをしておきたいと思います。
○根來政府委員 問題は二つあると思いますが、公判上どういうふうな対応をしていくかということについては、これは報道で知る限りでございまして、向こう側の意図も何もわからないわけですけれども、御承知のように、公判というのは当事者主義でございまして、相手方がどういう作戦に出るかということは一つの戦術みたいな話になりますので、これについて当事者の片一方である私どもがいろいろ申し上げる立場にはないと思います。
 二番目の問題でございますが、これは先生御指摘のように、いろいろ共犯者もおるということで楢崎委員からも告発もございます。その点については継続的に捜査をしているという状況でございますので、今後その捜査は厳正に継続していくものと考えております。
○宮地委員 きょうはNTTの参考人の方が、社長、副社長お見えになっておりますので、この点について少しお伺いをしてまいりたいと思います。
 山口社長にお伺いしますが、現在のNTTのいわゆる交際費、こうしたものの取り扱いの処理というものは会社としてどういうふうにされておるのか。特に、政界からのパーティー券の購入問題あるいは出版記念パーティーなど、そうした交際費の処理は会社のきちっとした口座の中で処理をされているのかどうか。また、その決裁はどの程度の段階でされているのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○山口参考人 お答えします。
 私どもNTTでは交際費というものは認めておりません。したがって、交際費という費目はございませんので、必要に応じまして文書でもって決裁をしております。その決裁はその段階に応じて決裁をしております。
○宮地委員 その団体というのは具体的にはどういうことでございますか。
○山口参考人 組織の中に各事業本部等がございますので、その組織の中で事業本部長が決裁するなりしておるわけであります。
○宮地委員 特に真藤さんが総裁になられてから、今まで政界からのパーティー券の処理などは、電電公社時代だと思いますが、いわゆる下請業者といいますか傘下のそういう別の業者、そこに請け負ってもらってそして処理をされておった。しかし、真藤さんが総裁になり、また会長になってそれをおやめになった。そして真藤さんは、役員が毎月かあるいは定期的にボーナスの中から、あるいは自分たちのポケットマネーから出し合って、そしてそのお金をプールして、そこからそういう政界へのパーティー券の購入だとか、民間会社で言ういわゆる交際費のようなそういう資金の捻出をされるようになった、こう言われていますが、事実でございますか。
○山口参考人 NTTの役員等は、例えばパーティー券というようなことについてはやはり常識の範囲でおつき合いをしておると思います。今のような、真藤会長が来られて云々という話がございますが、私は直接そういう話は聞いたことはございませんし、またそんなようなことで金を集めたというようなことは聞いておりません。
○宮地委員 ということは、社長も副社長も、何らかそうした政界対策といいますか、そういう面の資金として、役員の一人として今までに提供した事実、それはありませんか。
○山口参考人 政治工作とかそういったことについて資金を提供するとか金を出したということは記憶がございません。
○宮地委員 政治工作という意味でなくて、私が今言うのは、先ほど申し上げたような交際費的なもの、会社の正式な会計制度の中からきちっと処理するのでなくして、役員が少しお金を出し合って、いわゆるプライベート口座というものをつくって、そこから政界のパーティー券の購入とか出版記念パーティーとか、あるいは会食とか、こういうような交際費的なものの資金に充てる。こういうことで、あなた自身あるいは副祉長の村上さん自身がそういった趣旨のお金としてみずからポケットマネーを出された、そういう事実はありませんかと、こう聞いています。
○山口参考人 役員だけで何か出してやったりというようなことに、特にそれを政治工作に使うとか、そういったことについてお金を出したという記憶はございません。
○宮地委員 その辺が今回の問題の中で、特にNTTとリクルートの関係を含め、過去にさかのぼった場合に、一つは電電の民営化、中曽根内閣の電電、専売、国鉄という民営化、この電電の民営化の中で、土光さんの行政改革、中曽根総理から土光さん、土光さんの秘蔵っ子と言われた真藤さんが民営化の先兵として新電電の総裁についていく、そういう中で、そうした一つの人脈、この民営化へ移行するときのいわゆる国会対策といいますか政界対策に相当なお金が必要であった、こういうことがもう当然のように言われているわけです。そうしたお金がそれでは電電の正規の会計制度の中で処理できたのか。これは現実的にはできない。それではどういう形でそれをしたのか。そこに一つの問題が提起されているわけです。
 もう一つは、御存じのように、真藤さんと北原さんの総裁、副総裁、この新電電における壮絶な役職の争い、人事の争いが特に中曽根派、田中派を中心としてあったとも言われているわけです。そういう中で、やはり相当な政界工作の資金というものが両者の間でも行われたのではないか。そういう中に、中曽根・レーガン会談という中での貿易摩擦の中からスーパーコンピューター輸入問題、こういう問題が浮上してきているわけで、その辺にやはり淵源があって今日のこのリクルートとNTTとの相関関係が大変疑惑を招いているのも事実であろうと思うのです。
 郵政大臣、この辺の大局的立場から、その経緯というものはやはり事実としてこの数年の歴史の中にあったことでございますので、そういうところにやはり淵源があって今日のこうした大きな問題が出ているのではないか、こういうことは今後あってはならないわけですが、やはり真相解明の中でこうしたところにも謙虚に率直にメスを入れていかなければ、このNTTにまつわるリクルート疑惑の解明はできないのではないか、こう思いますが、その点についての御所見を伺っておきたいと思います。
○中山国務大臣 北原、真藤両巨頭の問題に関しましては、週刊誌的には大変喧伝された事実は確かにあったということでございますが、しかし郵政省としては、その事実には関係がないと申しますか、それはもう全くのうわさであると信じております。特に、北原さんもlSDNを考えた技術者として世界的な権威でございますし、科学技術会議の議員として今大変御活躍をいただいております中でも大変御立派な方だと思っております。また、真藤さんもけさほど申しましたような立派な方でございますので、ともに国家のために新しい電気通信の自由化をどうするかということで、両雄にそういう周りのうわさはあっても直接の争いはなかったと私は感じております。
○宮地委員 私は、問題のその底の深さといいますか、その根っこの部分からの解明の必要性というものを今大臣にお話をしたわけでございまして、やはりよほどの政府としての決意がなければこの根っこの部分からの解明は非常に厳しいのではないか、そんな感じをしているわけでございます。
 そこで、山口社長にお伺いしますが、あなたは社内の調査委員会の委員長であります。あなたが今まで調査してきた結果については、まことに申しわけない話ですが、大変にずさんといいますか、非常に未完全といいますか、大変に弱い感じをする調査委員会であったと思います。そこで、やはり今回の真藤会長の辞任の最終的なけじめをつけるということで、村田幸蔵元秘書への一万株の売却益約二千二百万円、これが村田さんの口座に入っておった。そして、そのうちの九百万円の利益が真藤さん個人の口座に入っておった。これは一つは、やはり一万株というリクルートコスモスの株の譲渡は、村田さん、秘書ではなくて、真藤さん、会長本人ではなかったのか、これが国民の偽らざる率直な思いであろうと私は思います。
 もう一つ大事なことは、それでは残された千三百万円の売却益がまた村田さんの口座から余り期間を置かないで別の口座に振り込まれた。どうもその別の口座に振り込まれた一千三百万円はNTTのいわゆる組織的な口座ではないのか、こう今国民は大変疑問視しているわけです。あなたは先ほど来から、林秘書室長の口座はない、あるいは秘書室管理の口座もない、こう否定されました。しかし、この一千三百万円のいわゆる口座の帰属はどこにあるのか、またその使途はどのようになっていくか、これは今国民は大変に注目とまた監視をしているわけであります。
 山口社長、あなたの財界人としての、実業家としての、また男としての使命と責任にかけてこれは解明しなくてはならない、そしてできるだけ早い機会に国民の前に明らかにする責任があろうか、私はこう思うわけでございますが、この点についての御決意をお伺いしておきたいと思います。
○山口参考人 私どもの調査委員会につきましていろいろ御批判がございますが、調査委員会としましてはできるだけの範囲で事実調査、特に長谷川、式場といった取締役の業務に関する内部的なものについては、これは徹底的に調べをいたしました。また、株等の所有についても調査をいたしました。大変残念なことには、私どもの調査がどうしてもできない範囲において後で事実が出たということに対しましては、先生御指摘のように私どもの調査委員会が不十分であったことは申しわけないと思っております。
 ただ、私どもはやはりこの調査委員会を通して今後とも調査を進めていく所存でございます。そういうことを通してやはり物事を明らかにしていきたい、このように考えております。
○宮地委員 もう一つの、やはり大事な山口社長がやらなくてはならないポイントの一つは、果たしてもうリクルートコスモスの株あるいはリクルート本社の株を譲渡された、そうした役員が本当にいないのかどうかという問題ではないかと思います。
 先ほど来、現段階の調査では見当たらない、こういう答弁をされております。しかし既にマスコミ報道の中には、現在の副社長さんあるいは常務さんのお名前が具体的に挙がって、非常に疑いの眼にあるわけでございます。もう既にこれはあなた方は私から言わなくても十二分にわかると思いますので、私は個人の名誉もあろうかと思いますので述べませんが、ぜひこの点についても事実の解明、本当にその方々がいわゆるリクルート関係の株を譲渡されていなかったのかどうか。特に皆さんのNTTは、準公務員扱いの大変責任のあるいわゆる公器の会社であるわけであります。まさに国家公務員に準ずる大事な会社であります。最も大事なことは、国民に対する信頼と信用の問題であろうかと思います。そういう点から見て、この第二点の問題についての御決意を改めて御確認をさしていただきたいと思います。
○山口参考人 株の取得等を通じて大変疑惑を招いておりますことには申しわけないと思っておりますが、ただいま御指摘ありました、さらに持っている者がいるかどうかという点につきましては、現在まで私どもが調べております範囲ではないというふうに考えておりまして、また、こういうことがあってはならないことだと考えております。
○宮地委員 もし新たなる新事実が出た場合は、社長は責任をとる御決意ですか。
○山口参考人 郵政大臣からの指導も再三ございますし、今後さらに精力的に調査を進めてまいりたいと思っております。
○宮地委員 私の質問に率直に答えてもらいたい。責任をとるお考えはあるかどうかということを伺っているのです。国民の前ですから、はっきり言ってください。
○山口参考人 繰り返すようで申しわけございませんが、一層にこの調査に努力をしてまいりたい、このように考えております。
○宮地委員 郵政大臣、今の質問を聞いていて、やはり大臣も先ほどから、国家的に重要な会社である、その認識を再三お述べになっております。新たなこうした事実が出たら、これはただごとでは済まない。ましてや、国会でのこうした場での発言であります。大臣としてしっかりとした指導をされることを望みたいと思いますが、その点の御決意を伺っておきたいと思います。
○中山国務大臣 先生からの今の御指摘、肝に銘じて、郵政省としても新たな決意で臨みたい、かように考えております。
○宮地委員 次に、少し具体的問題について、時間がありませんが、お伺いをしておきたいと思います。
 NTTの資材調達部あるいは国際部、オペレーションシステム開発センターが昨年の六月に千代田区の六番町六番地二十八に所在する丸金番町ビルに入居されておりますが、この契約はどのようになっておるのか、また、この入居に当たってどういう手づるで入居されたのか、この二点についてまず御説明、御報告いただきたいと思います。
○村上参考人 お答え申し上げます。
 今御指摘の幾つかの部署が今御指摘のビルに入っておるわけですが、私どもNTTの千代田ビルというものの再開発を進めておるわけでございます。したがって、そこに入っております本社の一部の事務スペースを確保する必要がございまして、幾つかのビルを物色いたしておったわけでございますが、そういった中で丸金ビルでしょうか、そういったものがJRの四ツ谷駅に、あるいは地下鉄の丸ノ内線に大変近いというようなことで利便性にすぐれておる、あるいは連続して四つのフロアが確保できる、それから、日比谷の周辺がよろしいわけですが、日比谷の周辺には適当な物件がないということで、いろいろな検討の上から、各組織との連携あるいはオフィスビルの機能性等からここが最も最適ではないかということで、ここを選びまして、入居いたしておる次第でございます。(宮地委員「契約内容」と呼ぶ)契約は、借入面積が事務室として約四千八百六十平米、倉庫といたしましては二百八十平米でございまして、六十二年の六月二十日から二年間ということで契約をいたしまして、自今は特段のことがなければ自動更新ということでございます。
○宮地委員 この契約者は、当事者はどうなっておりますか。
○村上参考人 失礼いたしました。大事な点を落としておりますが、契約の当事者は、丸金商事株式会社の代表取締役渡辺さんと、私どもNTTの建築部長の森下でございます。
○宮地委員 この丸金商事株式会社、また、この代表の渡辺金男さんについては、NTTとしてはどういう認識をお持ちですか。またどの程度の知識をお調べになっておりますか。
○村上参考人 お答え申し上げます。
 丸金商事は山梨県に本社がございまして、代表取締役は先ほど申したとおりでございまして、不動産関係の売買あっせんあるいは建築工事、設計、施工及び請負というふうなことを主たる業務といたしておる会社と存じております。(宮地委員「代表については」と呼ぶ)ただいま申し上げましたとおり、代表取締役は、先ほどの契約書で御説明いたしました渡辺金男さんかと思います。
○宮地委員 私の質問によく適切にお答えいただきたいのですね。会社はどういう会社であるか、代表者はどういう方であるか、そういう知識をきちっとどういうふうにお調べになって契約を結ばれたのですか、こう聞いているのです。渡辺代表はどういう方なんですか。
○村上参考人 私どもはこういった局舎の賃貸契約をビジネスべースでやっておるわけでございますので、それ以上のことは存じません。
○宮地委員 まあ大変に、これだけのNTT、この大変な、日本でもトップレベルの企業が、その重要な資材調達部あるいは国際部、こういう各部が入居されるそのビル、そのビルの持ち主がどういう方でどういう会社であるか、こういうことが副社長さん自身が何もわからない。一般の中小企業の会社でさえやはりどういう会社でどういう代表だということを全部調べて、そして今後この場所を借りるにしてはどうなんだということをちゃんと精査して契約をするのは、これは常識じゃないのですか。そういう姿勢でリクルートの解明をやりますと言ったって、国民、信用しますか。もう一度伺っておきます。
○村上参考人 この会社の中身につきましては、登記簿謄本等で調査いたしまして、信頼の置ける会社だというふうに存じまして契約をいたしております。
○宮地委員 時間がありませんから、私の方から少しお話をしますが、もうあなたの方は十分にわかっておられてそういう答弁をしていると思います。
 この丸金商事という、いわゆるあなたが先ほど言いました不動産関係の会社、これはリクルートコスモスのいわゆる不動産関係の地上げの業者と大変密接な深い関係にある会社なんですね。それは御存じでしたか。
○村上参考人 大変残念でございますが、私は存じません。
○宮地委員 社長はどうですか。全然御存じでなかったですか。
○山口参考人 私も今初めて聞きました。存じておりませんでした。
○宮地委員 天下のNTTの社長、副社長御両者がその程度で、少し余りにものんびりし過ぎているのではないかな。私はこれだけ謄本を持ってまいりました。これは大宮市の桜木町一丁目といいまして、大宮駅の西口の一等地です。これは現在埼玉県がソニックシティーをつくりまして、将来もしあの大宮のJRの操車場跡地が埼玉県等に払い下げになれば、まさに埼玉の中心、中枢都市のメッカになるところであります。ここに約三千四百平米、一千坪の地上げを数年前から行いまして、その地上げのまず先頭に立って行ったのがリクルートコスモスなんです。そして、そのリクルートコスモスの同じ系列の子会社である日栄興産、これが中心になって地上げをやった。その地上げをされた、リクルートコスモスが地上げをしたものをすべてこの丸金商事、これが今度は引き受けている。そして、この日栄興産というリクルートコスモスの同系の子会社が地上げしたものについては、今度は丸金商事の子会社の富士五湖開発という会社が地上げしている。その地上げした、いわゆる抵当権の全部所有権は、今申し上げたように、最終的には丸金商事、リクルートコスモスが地上げしたものは丸金商事、そして日栄興産が地上げしたものは富士五湖開発、簡単に言えば、リクルートコスモスがすべて地上げ、関係がしたものは丸金商事が全部それを受ける。それで最終的にはそうした形で、その抵当権というものも、住友銀行の麹町支店が根抵当権者になっておる。極度の限度額も三十六億、こう言われておるのです。ここは、まさにこれから一等地で、今ここは坪三千万を超えると言われているところです。三千万で一千坪ですから、大変な額です。
 そういうように、この丸金商事がまさにリクルートと非常に深い関係にある。昨年の四月、このあなた方が借りている番町ビルの竣工式があった。そこには江副さんが会長として、来賓として御出席になっておる。そして、あなた方が六月から借りているんです。まさにNTTとリクルートを結ぶ一つの象徴的な殿堂なんです、ここは。それが全く認識がないというのは、これはどういうことなんですか。経営者として失格じゃないんですか。本当に知らなかったのですか、社長。
○山口参考人 本当に存じておりませんでした。
○宮地委員 ましてや、この渡辺金男さんという方は山梨の元県会議員です。言われるところによれば、山梨の大御所である金丸信副総理の後援会の役員であるとも言われている。金丸副総理については、先ほど来申し上げているように、真藤さんと北原さんの葛藤の中で非常にいろんな役割を果たしたということは、もうマスコミ界では常識になっている。今回のこのいわゆるあなた方が入居に当たっては、金丸前副総理とは関係はなかったですか。御確認だけしておきます。
○山口参考人 経緯よくわかりませんので、私は存じませんが、そういう関係はなかったと思っております。
○宮地委員 時間が参りましたので、この程度で本日はとめておきますが、非常にこれは私は大事な、また新たな問題の一つではないかと思います。
 きょう御質問させていただきまして、社長、副社長が国会に参考人としてお越しいただきまして、あなたのいわゆる答弁を聞いておりますと、本気になってこの大事なNTTのリクルート疑惑解明に取り組むという姿勢が余り感じられなかったのは残念であり、私一人ではないと思います。
 最後に郵政大臣、ぜひとも、このリクルート疑惑の解明の大きなポイントの一つがNTTにまつわる問題であります。国民の信頼の回復、また信用の回復のためにも、私は国民の前に徹底解明をして明らかにする必要があろうかと思います。その御決意を伺って質問を終わりたいと思います。
○中山国務大臣 民営化に大変貢献のあった方ではございましたが、真藤会長がその当時は社長であるということで責任をとって、今回監督不行き届きということで、十四日の日の十二時四十五分、私十分間ばかり面談をいたしまして、その責任のとり方という決意を伺って私も了承したわけございます。
 その際、現社長の山口社長を筆頭にして、ひとつこれからの事業に邁進をしていただきたいという御依頼が私にもございましたので、私としては、NTTにとりましての今回の難事でございます疑惑問題に、山口社長が就任早々でございますが、大いに御活躍を期待をしておりますので、その意味も込めまして、郵政省としても山口社長と連携をとりつつ、この調査委員会を駆使して国民の疑惑を晴らすためにNTTにも頑張ってもらいたいと私からも期待をし、そして、また私からも、郵政省としてもその意味で大いに国会と連携をとりながら、この解明に当たってまいりたい、かように決意をいたしております。
○原田委員長 これにて宮地正介君の質疑は終了いたしました。
 次に、川端達夫君。
○川端委員 初めに郵政大臣にお尋ねいたしたいのですが、今回まことに残念なことに、NTTの真藤会長がおやめになった。国民の信頼を大きく裏切ったということでは非常に残念に思いますし、これからその信頼を回復すべきお立場にあると思うのですけれども、おやめになるに際して、監督官庁の大臣ということでお会いになられたやに伺っておりますが、その経過も含めて、大臣として、真藤会長が責任をおとりになった、それでおやめになった、どういう責任をおとりになったというふうに認識をしておられるか、まずお伺いをしたいと思います。
○中山国務大臣 一連のNTT問題というのが世間にあらわになってまいりました段階で、私は真藤会長それから山口社長とも連絡をとりつつ、真藤会長自身に関しては全く心配がないという御報告をいただいておりましたが、真藤会長が石川島播磨のころに社長を、たしか昭和四十七年であったと思いますが、石川島播磨の社長をしておられたころから秘書として使っておられた方を、土光さんの指示で行革の一環として電電公社の改革に当たられ、民営化されたときに、自分の子飼いの秘書としてお連れになって、嘱託として働いておられたわけでございます。その秘書のところにリクルート関連の株の譲渡益が入っていた、それを全く自分は知らなかった。社会生活上女房のようにしていた村田幸蔵氏にもう判こも預金通帳も全部渡しっ放しにしていたということで、それを自分は関知しなかったけれども、その関知しなかった、報告を受けていなかったということが監督不行き届きであったと自分は自覚をしておる、そういうことで今回自分の名前が出てきたので、この責任をとって二十九万五千というNTTの全職員に対する責任を果たしたい、かようなことでございました。七十七歳という大変な御高齢でございますので、まだかくしゃくとはしていらっしゃいますが、潔い責任のとられ方をなさったものと、私はかように存じております。
 あと二年、まだ会長に就任されたばかりでございますし、会長職といえども今度初めて、初代の会長ということでございますから、私はこの初代会長には任期を全うしていただきたいと申し上げたのでございますが、これは国民に対する責任をとり、二十九万のNTT職員に対する、社員に対する責任を自分が痛感をしておるということで辞意を表明されたので、私も了承をしたということでございます。
○川端委員 確認をしたいのですが、今の御説明ですと、いわゆる監督不行き届きということなんですが、広く国民の皆さんのお感じ、私もそうなんですが、そういう部分も確かにあるだろう。しかし、結果的に御自身のお名前、預金口座というお金の流れを含めてこのリクルートの株取引に関与をしていた、御存じか御在じでないかは別にして、関与をしていたということで責任をおとりになったという部分はないのでしょうか。何かまるで秘書が知らないことを言って、知らないことをやっていたということがいけなかったのだというふうに、今のお話ですとやや受けとめられるのですけれども、女房のようにしていた秘書が知らない間に知らないことをしていたということ、中身は別にしまして、ということが監督不行き届きである、これは理解できるのですけれども、その対象として結果的に自分の名前の口座にリクルートのお金が入っていたということには責任が非常にあると私は思うのですけれども、その点はいかがなんでしょうか。
○中山国務大臣 私が伺いましたところでは、自分の全く関知しないところで村田秘書が疑惑のもとになっているリクルート株の売却益を自分の口座に入れていたということ、それも任せっ切りにしていた自分の責任、それが監督の不行き届きである、そういう国民の疑惑を受けたことに対する真藤さんらしい認識も、今先生のおっしゃるような意味で入っていたのかもわかりませんが、私としては、村田秘書に対する監督の不行ぎ届きということで責任を痛感していらっしゃる、かように解釈をいたしております。
○川端委員 それをお聞きになって大臣の御認識もそうなんでしょうか。
○中山国務大臣 これはうろ覚えでございますが、電電公社時代の飲み食い問題というのが関西の方であったように思います。それを何とか電電公社時代の経理問題、そういうものを君が行って解決をしろ、先ほども社長室には交際費というものがなかったというお話がございましたが、それほど厳格に改革をしたいという意欲に燃えておられて、土光さんという清廉潔白の士から男が男を見込んで電電公社というところへ入ってこられた方だったと思います。そんな方でございますから、私は真藤さんの土光さんに似た、イワシをかじっておられるなんといううわさがありましたが、そういうお人柄が見込まれたお人柄というものに私は信頼をしておりました。
○川端委員 それでは、NTTから社長、副社長、参考人御苦労さまでございます。
 一、二お伺いをしたいのですが、NTTのいわゆる民営化に関しての法案が逓信委員会で、衆議院で審議をされている過程で、回線の単純再販というのですか、こういうものが非常にNTT自身民営化したときの業務としては悪影響を与えるのではないか、いわゆる卸売をするということ自体はみずからの事業とバッティングをすることをみすみす許すということで悪影響を与えるのではないかというふうな議論があって、その結果も踏まえて法案の成立時に、五十九年七月十九日の法案の採決時の附帯決議に「政府は、現行の専用線の料金体系の下では第二種電気通信事業者による専用線の単純再販が日本電信電話株式会社の経営に支障を及ぼすことにかんがみ、単純再販を禁ずる約款についても認可すること。」いわゆる民営化したときに経営に悪影響を与えてはいけないから、単純再販はできないという約款を結んでもいいというふうな附帯決議をされ、経営がうまくいくようにという背景のもとにされたという、このこと自体は御存じなんでしょうか。
○村上参考人 お答え申し上げます。
 ただいまのような、NTTの経営を考えてそのような約款を認可申請してもいいという趣旨で御配慮を賜ったというふうに承知いたしております。
○川端委員 そういう法案審議の過程では、NTTの経営をかなり配慮して、むしろ単純再販というものに非常に危惧を持っていた背景があったわけですけれども、結果的にNTTの約款をお決めになる部分では、非常に難しい言葉で書いてあるのであれなんですが、八十四条だと思うのですが、要約して言えば、基幹回線から一部のアクセスだけを禁止するということで、実質的には専用回線を使えばリセールをしてもいいというふうに、衆議院の逓信委員会の附帯決議の趣旨からいうと、実質的にはその趣旨は全く骨抜きになったというふうな約款に実際は変わったわけですけれども、この部分の社内的な議論等々はいかがなものであったのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○村上参考人 我が国の回線開放といいますか回線を自由に使わすべきだというふうな議論は大変長く行われまして、第一次、第二次といろいろな歴史が繰り返されまして、六十年四月からの通信の自由化というふうなことになってまいったと認識いたしております。そういった中で、先生先ほど御指摘のように、原則的には自由であるべきなんですが、現在の専用料金の体系のもとでいわゆる専用線と一般の公衆網を結ぶことまで自由にするというようなことにいたしますと、簡単にいろいろなことができる。要するに、不特定多数の方がそういったいわゆる単純再販の回線を使えるというようなことでございまして、いろいろ議論した末に、一般電話網と専用線の接続、いわゆる公専接続というのでしょうか公衆網と専用線の接続あるいは公専公といいますか公衆網と専用線とさらに公衆網につながるというふうな接続は制約する、制限する、そういう契約約款を郵政省に認可申請いたしまして、お許しをちょうだいしている、こういうことだと認識いたしております。
○川端委員 その部分で確認をしたいのですが、いわゆる衆議院の附帯決議で、単純再販を禁ずる約款をつくってもいいという部分で表現をしている制限する規定の領域と、結果的にNTTが規定を、いわゆる公衆電話回線につなぐという部分はだめだというふうに限定された部分というのは、領域的に言えばNTTの約款というのは一部に、その逓信委員会の附帯決議の範囲から見ると、一部に限定をされたというふうに理解をしてよろしいのでしょうか。
○村上参考人 お答えいたします。
 単純再販という定義が極めてあいまいといいますか、大変広うございますので、先生御指摘のように、その中からそういう公衆網と専用線の接続は制限するというふうなことにその後コンクリートされたといいますか、明確にされたというふうに考えております。
○川端委員 結果的に、法案審議の過程で、NTTの経営に支障を及ぼすことにかんがみというふうなことで配慮をされて考えられた部分から、実質的に約款ができた場合では非常に限定されて、実質的にはその経営に支障を及ぼすことにかんがみということは小さな親切、大きなお世話みたいな形になってしまったというふうに思うのですけれども、その部分ではこれは随分社内的にも議論があったのではないかというふうに思うわけです。マスコミ等々ではその部分で、随分社内的にも反対があった、しかし、ツルの一声といいますか、かなり強引にその反対議論を押し切ったというふうな報道までされているわけですけれども、その部分の社内議論というのはどんな状況であったのか、簡単にお聞かせいただきたい。もうそういうことではなくて、みんながこぞってやろう、やろうということでやったのか、随分議論があった中でここへ落ちついたのかという程度で結構ですけれども。
○村上参考人 お答え申し上げます。
 当時の議論は私ども子細に覚えておりませんが、今回問題になっておりますような専用線と専用線の接続というようなことにつきましては、これはもう初めから自由であるべきだというふうなことで、そういった議論は余りなかったのではなかったかと思っております。
○川端委員 そうすると、新聞で、そういうふうに非常に反対があったのをかなり強引にしたということではないということでございますか。
○村上参考人 先生おっしゃるとおりでございます。
○川端委員 時間が非常にわずかですので、大臣にお聞きをしたいのですが、いわゆる逓信委員会でこの法案を審議する過程では、単純再販というものは非常に抽象的だとおっしゃいましたけれども、いわゆる自分のところでつくっている回線を、しかも小売もしているものをみすみす卸売をして競合するというふうな部分はいかがなものかというふうな心配から、そういうものをしないということ、制限してもいいですよというところまで議論をし、附帯決議をおつけになった。ところが、結果的にNTTの約款はその部分で、委員会の附帯決議からいうと非常に後退をしたというか、ほとんど制限をしないような形でリセールを認める約款になったという部分のことに関して、郵政当局としては、その経緯も含めてどのような御認識をお持ちなのか、お伺いしたいと思います。
○塩谷政府委員 再三のお尋ねでございますのではっきりさせておきたいと思いますが、法案の審議の過程から、単純再販売、いわゆるNTTの経営に支障を与えるような単純再販売、これは専用線と公衆網、電話の公衆網をくっつける、これはいかぬということであったわけでございまして、専用線と専用線をくっつけること、これは別段経営上支障がないので差し支えないということであったわけでございます。したがいまして、附帯決議も、そういった単純再販売を禁ずる約款を作成しても不当な制限には当たらない、回線の使用というものはもともと自由でしかるべきであるけれども、そういった約款を承認しても自由な回線使用の制限には当たらないということで認可するに至ったわけでございます。
 したがいまして、リクルート社がやっております回線の再販売というのは、自分のところでNTTから借りました大束の専用線を分割いたしまして、また専用線とくっつけていろいろなサービスをやるということで、公衆網とは接続しておりません。したがいまして、この附帯決議とそれに基づく約款認可とは無関係であるということでございます。
○原田委員長 川端君、時間が来ております。
○川端委員 時間が来ましたので、残余の分、交代をいたします。どうもありがとうございました。
○原田委員長 これにて川端達夫君の質疑は終了いたしました。
 次に、楢崎弥之助君。
○楢崎委員 私は、九月八日に贈賄罪で関係者を告発しました夜に、テレビではございましたけれども、このリクルート疑惑の本命と申しますか、本筋は、中曽根前総理の民活ではないのかというふうに指摘をしました。その後今日まで同僚諸君の国政調査権の発動によって大体その筋が、形が明確になってきたのではないか、このように思うわけです。それで、そのようにこのリクルート疑惑の全体構図が、中曽根政治あるいは中曽根政策との関係において非常に絡み合った複雑な構造になっておる。はっきり言えば、今日のリクルート疑惑は言うならばすべて中曽根前総理の政権のときに起こったものであります。しかも、リクルートコスモス未公開株の譲渡を受けた政治家関係のうちに、中曽根政権時代の閣僚が九名、中曽根派関係延べ七名で、与党の各派閥の中で最も多いのであります。
 しかも、先ほども同僚諸君が問題にいたしました高石前文部事務次官であります。妻が妻がとおっしゃっておる。とうとうそれは間違いであった。大体奧さんがそうであっても、だんながかばうのが普通なんです。残念ながら彼は私の後輩で九大で、こんな男は九州男児の風上にも置けない。こういう人を選挙に出そうとした人は一体だれなんですか。そういう点においても、その問題も含めて、中曽根前総理は、刑事責任があればそれは東京地検特捜部が対応するでしょうけれども、中曽根時代のこういう問題ですから、中曽根前総理はそれだけでも政治的、道義的責任があると私は思います。それなのに、あの巧言令色、多弁の方がこの問題については黙して語らず。私は不思議でならないのであります。
 それで、そういう責任について一体どのように考えておられるのか、総理・総裁はおられませんけれども、小渕官房長官に、竹下総理に、総裁にお話しになって、私が今申し上げたことについて中曽根前総理はどのような責任をお感じになっておるかぜひ聞いていただきたい。それが一つであります。
 それからいま一つは、これはかつて新聞でも発表されておりますけれども、中曽根政権時代の官房長官でありました藤波さんが、六十一年のリクルートコスモス未公開株を徳田という秘書の方が一万二千株譲渡され、それからしばらくして六十一年の十二月、ほんのすぐですね、東京杉並区に一億三千九百万円で自宅を購入されている。これは既に明らかになった。ところが、議員が議員であれば秘書も秘書というのはどうかと思いますけれども、こういう問題がなかったら、これはプライバシーですから別に私は問題にしようとは思いませんけれども、この徳田という方は、私が調べたところによると、ことしの四月一日に練馬区の光ヶ丘七丁目、これは住宅・都市整備公団でございますけれども、光ヶ丘パークタウン春の風公園街分譲マンション六の九の五〇一号室、ことしの四月一日に四LDK、建ったばかりです。即金で払えば四千九百八十万円、大変な額です。四十四歳という若さで立派なものですね。
 このマンションは、六十二年十一月から募集を始めておりました。この部屋の応募倍率は百五十五倍であります。まあ偶然か何か知らぬが、よくうまく当たったもんだと私は思うのですが、職権をもってこれを手に入れられたかどうかわかりませんが、その辺は非常に、こう言われています、リクルートマンションと言われている。だから、この二つの点もぜひ、非常に疑問がございますから、竹下総理に官房長官から御報告の上、適当なときに当委員会にその御報告をまたいただければと思いますが、官房長官いかがでございましょう。
○小渕国務大臣 ただいま先生の御意見は拝聴させていただきました。
○楢崎委員 法務大臣にお伺いをいたしておきますが、衆議院でも参議院でも証人を喚問いたしました。あの喚問の中で、たとえ委員会が偽証あるいは証言拒否で告発しないでも、地検特捜部の独自の判断で偽証罪あるいは証言拒否の疑いで逮捕できますね、委員会が告発しなくても。
○林田国務大臣 今まで把握をしておる限りにおきましては、いわゆるロッキード事件におきまして大久保元丸紅参与及び伊藤元丸紅専務の二名を委員会の告発前に議院証言法第六条の偽証罪によって逮捕し、その後なされた委員会の告発を受けまして起訴をした例があります。しかしながら、委員会の告発が訴訟条件とされている趣旨にかんがみますると、できるだけ告発を待って捜査に着手するのが原則でありまして、ただいまの例は、証拠隠滅とかあるいは逃亡のおそれが認められるなど、特段の事情があったことによるものと承知をしておるところであります。
○楢崎委員 つまり、私も当時ロッキード特別委員会の委員としてその経験があるわけであります。あのときには偽証罪で逮捕の方が先にあって、そして委員会の方がそれを後追いして、満場一致でその偽証を決めたという経過がございますから、必ずしも委員会が告発しなくても、地検が独自の判断で逮捕はできる、ただし起訴は、最高裁の判決によって委員会の告発がやはりもとにならなければならないというように理解をしておるところであります。
 もう一つお伺いをしますが、山口NTT社長さんにお伺いをしますけれども、式場さんが今横浜市の戸塚区の平戸町に住んでおられますが、歩いて四、五分のところ、距離で言えば四百メートルか五百メートルぐらいのところに、もう一つ家を買われておる事実を御存じですか。
○山口参考人 お答えします。
 何か近くにやはり持っているようであります。
○楢崎委員 これを仮に第二住宅といたしますと、これは同じ戸塚区平戸町の四丁目七の二十、面積は百八十・九一平米、六十年十二月二十日に買われております。ちょうどこれは、たしかリクルート本体の株一万株を譲渡された時期とダブっておると思うのであります。問題があるのは、どうしてこんなにお金を持っておられるのでしょうか。これはげすの勘ぐりかもしれませんけれども、ただ時期が時期だけにこれは非常な疑惑がある。あるいは、このリクルート株を担保にして融資を受けられたのかもしれない。
    〔委員長退席、中村(正三郎)委員長代理着席〕
その当時の都府県の基準価格から、土地の価格から割り出して、当時、六十年十二月段階では土地だけで約五千万円近く、家も合わせますと七千万か八千万ぐらい、今日では八千万か九千万ぐらいしておるはずであります。それで私は、この式場さんがどのようなふうにしてこの金をつくられたのか、これはひとつ時期が時期だけに、NTTの調査委員会で明らかにしていただぎたい、これが希望であります。後で私が持っておる資料を差し上げてもよろしゅうございますから、参考にしてひとつお調べをいただきたい、このように思います。
 それから、もう一つ聞いておきますけれども、NTT堂島のいわゆるクレイリサーチの、通常二号機と言っておりますが、これは今作動しておりますか。
○村上参考人 お答え申します。
 私どもの堂島ビルに、リクルート社にお納めいたしましたのは六十三年二月でございますが、その後の、どうお使いになるかということにつきましてはこれはリクルート社のことでございますので、私正確に把握いたしておりません。
○楢崎委員 これは、ぜひはっきりしていただきたいのであります。作動していないのではないですか。つまり、お客がつかないから作動していないのではないですか。そうすると、これはだれがリクルート社に勧めたのか知りませんけれども、ひょっとしたら中曽根さんかもしれない、真藤さんが中へ入っている。要らぬ買い物をしたことになる。それで、ぜひこれは明確にしていただきたい、お願いをいたしておきます。
 それから、今月までNTTを通じてリクルート社に渡されたハードウエアの部分はどのくらいありますか。
○村上参考人 お答え申します。
 ただいま御指摘のRCS用のコンピューター、これが二台でございます。それから、今正確に把握いたしておりませんが、回線リセールの関係で多重分割装置といいましょうか、いわゆる大束の回線を小束の回線に分割いたしますTDM装置、あるいはお客様とTDMの間を結びます変復調装置と言っておりますが、モデムであるとか、あるいはそれらを保全上監視いたします監視装置といいますか、そういったものをコンピューターの場合と同様に私ども御依頼を受けまして、それの購入なりあるいは設置工事、そして据えつけ工事といいますか、そしてお引き渡しをいたしておるというようなことでございます。
○楢崎委員 なぜ、リクルート社の回線リセール用の附属機器までもNTTが中に入って買わなければいかなかったのでしょうかね。
○村上参考人 お答え申します。
 リクルートの場合には回線の再販売というような形ではございますけれども、ほかの例えば第二種事業、あるいは企業内のあるいは企業グループの中のいろいろな専用線を使いましての通信システム、この場合には一般的にそういうふうなことを私ども仕事をさせていただいております。特段、リクルート社だけにこういうことをやっておるということではございません。
○楢崎委員 説明が不十分ですね。時間がありませんから私の方から申し上げますので、違っておった部分だけについてお答えをいただきたい。
 リクルート社は、回線リセール用の附属機械である、TDMと普通言われておりますが、これは時分割多重装置、今御説明のあったとおり基幹のディジタル回線を小口に分ける装置であります、それとモデムという変復調装置、これはアナログ回線をディジタル回線に切りかえる装置であります、これをアメリカのメーカーから日本ダイレックス社を代理人としてNTTが仲介して購入をしておる。日本ダイレックス社はNTTに対して、TDMはアメリカのエイディーン・コーポレーション社から約三十台、モデムの方はアメリカのレーカル・ミルゴ社より約千五百台をそれぞれNTT用に設計し直して輸入をしておる。それで、NTTはそれをリクルートに転売をしている。
 それで、そのアメリカの両社とNTTの契約時期は、エイディーン社、ミルゴ社ともに契約時期は六十一年ニ月である。納入は、エイディーン社の方は契約と同時の六十一年二月、ミルゴ社の方は一月おくれの六十一年三月、価格は双方で数十億と言われております。そのメンテナンスは、NTTとリクルート社で契約をされておるはずである。リクルート社は回線リセール営業について、NTT民営化の六十年四月直後の六月から回線リセールを始めたことになっておりますが、今申し上げたとおり、その附属機械が来てないから附属機械が来るまでは顧客をとっておった。そして、今言いましたTDMやモデムが納入された六十一年三月から操業を開始しておる。間違いございませんね。
○村上参考人 お答え申します。
 リクルート社が、六十年七月からかと思いますが、リセール事業を始めましたが、これは自社のネットワークの余裕といいますか、そういったものを使って始められたというふうに私承知しておりますが、その後大量に、六十年七月時点であったかと思いますが、大量なディジタル回線の申し込みがありまして、それに必要ないろいろな機器類、今先生がおっしゃったような機器類だと思いますが、そういったものの調達なり設置なりあるいはテスト、あるいは保守契約の点は私先ほど言い落としましたが、そういったことを依頼されたわけでございまして、全国的な事業を展開されますので、こういった装置を集中監視できるものということでこの機種を選びまして私どもビジネスをさしていただいた、こういう関係でございます。
 それから、数量とか日にちについては、ちょっと私今手元にデータ持っておりませんので、先生の御指摘が違うかどうかは、ちょっと私今自信がございません。
○楢崎委員 私は間違いないと思います。日本クレイ社にも本国の方のクレイリサーチにも私自身が問い合わせをいたしておりますので、間違いない。
 それで、どうしてNTTが中に入ったか。社長は御存じないかもしれませんが、国際調達室の責任者である副社長も御存じないかもしれないけれども、最初リクルートは直接日本ダイレックス社に輸入してくれと申し込んだのですね。ところが、日本ダイレックス社はメンテナンス、支店が少ないから故障が起こるとすぐ即応できないから、直接やるのに対応できなかった。そこで江副氏は、この回線リセールの責任者である式場さんに相談をした。そして式場さんが、今言ったアメリカのメーカー二つを紹介なさったはずである。それでその式場さんの指導を受けて、あるいは助言を受けて、NTTの国際調達室はアメリカのメーカーと契約をなさったはずであります。どうでしょうか。
○村上参考人 先ほども申し上げましたように、こういうふうな仕事は、TDMを設置するあるいはモデムをというような、いわばディジタル専用回線を用いましてのシステムをつくるというのは、いろいろなお客様の御要望に応じてそういうことをいたしておるわけでございます。
    〔中村(正三郎)委員長代理退席、委員長着席〕
その中で、確かに御指摘のように全国的に展開されるということで、ネットワーク全体は、これはもちろんリクルートさんが責任を持たれるということでございますが、モデムであるとかTDMの保守につきましては、私どもきちっとした費用をちょうだいしていたしましょう、こういうことになっておりまして、そのために私どもが仕様を定めて、私どもが購入し、設置工事をし、そしてお引き渡しをする、部分的なモデムであるとかTDMの装置そのものの保守は、私どもが費用をちょうだいして保守に当たるという契約でございます。そんな仕事でございます。
○楢崎委員 式場さんが助言、指導をなさったことは間違いないのです。一体幾ら、価格の何%NTTは仲介料を取られましたか。スーパーコンピューターの場合も取られていますものね。
○村上参考人 これは個別の御契約の中身でございますので、お答えは御容赦いただきたいと思いますが、私どもで必要な費用並びに管理等の諸費用も含めまして、すべてちょうだいをいたしております。
○楢崎委員 日本のメーカーのスーパーコンピューターの価格の中には販売促進費、普通販促費と言っておりますが、これが含まれております。したがって、当然アメリカのクレイリサーチも販促費が価格の中に含まれておるはずである。それはいかがですか。
○村上参考人 販促費の点については私、今把握いたしておりません。
○楢崎委員 これで終わりますけれども、これは間違いないのですが、もし販促費が含まれておるとすれば、その部分だけに限って言うとロッキード事件と同じ構図になるのですよ。いいですか。そうすると、それを職権をもって、もし中曽根さんがそれにかかわっておるとしたら、中曽根さんは非常にある刑事的な責任の可能性が出てくる。これを指摘しておきたいと思います。
 まだ中曽根・レーガン会談、そしてそれによって日米で約束されたアクションプログラム、こういうものの関連を聞きたかったのですけれども、時間がございませんので一応これで終わりますが、お願いをした点はひとつ委員長の方でお取り計らいをお願いいたします。
○原田委員長 これにて楢崎弥之助君の質疑は終了いたしました。
 次に、児玉健次君。
○児玉委員 法務大臣にはちょっとお待ちをいただいて、最初に御三人の大臣にお伺いしたいと思います。
 まず中山郵政大臣にお尋ねをしますが、郵政省はNTTに対し、リクルート疑惑について内部調査を厳格に行うようにと再三要請されておりますが、これは当然のことだと思う。
 さて、率先垂範という言葉もありますが、郵政省関係者にコスモス未公開株またはリクルート社の株の譲渡を受けた者がいるかいないか、このことについてどのような内部調査を行われたか、その結果はどうであったか、OBも含めてお伺いしたいと思います。
○中山国務大臣 この問題が起こりましたときに、私早速省内に指示しまして、二回にわたり調査をいたしておりますが、全くございませんので、御安心いただきたいと思います。
○児玉委員 同様のことを文部大臣にお伺いいたします。
○中島国務大臣 御指摘の点は調査をいたさせました。調査をいたさせたのはリクルートコスモス株の譲渡に関して種々報道がなされてからでありますが、その結果、譲渡を受けた者はおりません。また、詳しくは直接調べさせました政府委員から、もし御要望があればお答えさせます。
○児玉委員 ちょっと中島大臣にお言葉を返すようですが、高石さんがいらっしゃったわけですから……。
○中島国務大臣 失礼いたしました。高石氏以外に調べた結果おりませんということでございます。
○児玉委員 労働大臣にお尋ねをしたいのですが、大臣は十一月二十五日付で「今般、前労働事務次官が行った未公開株式の引受けという行為により労働行政に対する国民の信頼を損なう事態が生じたことは、誠に残念である。」この言葉に始まる指示をお出しになりました。加藤氏のことを指していると思うのですが、加藤氏以外にコスモス株の譲渡を受けた方はいないかどうか、その点についてお伺いします。
○中村国務大臣 あとう限り内部調査をいたしましたが、加藤さん以外にはありませんでした。
○児玉委員 ぜひ今の三大臣のお答えになるように私は期待もしますが、決して身内の疑惑隠しに皆さんが力をかされることがないように強く述べておきたいと思います。
 そこで、十一月二十一日のこの委員会で行われた証人尋問で、私は加藤氏に対して、昭和六十年十月二十七日、岩手県のゴルフ場にリクルート社の招待ツアーに加藤さんが参加されたかどうかということを伺いました。加藤証人は、私も一緒に行った記憶がございますと証言されました。
 さて、私どもが承知しているところでは、このとき当時の山口労働大臣も参加されたようですが、その事実はありますか。
○清水(傳)政府委員 加藤前次官が参加をされたということは、本委員会の証言で述べておられたところでございますので、そのとおりであると考えますが、当時の労働大臣が出席をされたかどうかにつきましては承知をいたしておりません。
○児玉委員 先ほど清水官房長は、労働省の中からはそのゴルフツアーに行った者はいないと言われましたが、この十月二十七日、間違いなく山口大臣は二人の秘書を伴って岩手県の招待ツアーに参加されたはずです。六十二年の二月二十八日、当時の加藤六月農水大臣が江副氏を同行されて岩手県のゴルフに行かれた。去年の五月三十日、竹下大蔵大臣が岩手にゴルフに行かれた。農水省と大蔵省はその事実を明らかにしていますが、なぜ労働省は明らかにできないのですか。
○清水(傳)政府委員 当日は日曜日でございまして、労働大臣の公式日程外のことでございました。また、そういう関係で記録も残っておりませんので、私どもといたしましては承知をしていないところでございます。
○児玉委員 この点は労働大臣に私は要請をしたいのですが、大臣の十一月二十五日の指示では、まず幹部からということを強くお述べになっております。現在の労働省の行政上の責任者は中村労働大臣でいらっしゃいます。当時にあっては山口労働大臣です。この方は労働省の関係者のらち外ではございません。したがって、今私が言った日時に山口大臣が同行されたかどうか、この事実を御調査いただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○中村国務大臣 私の聞き及ぶ範囲におきましては、いわゆる公設の秘書は当日は行っておりません。それから、山口さんの事務所に問い合わせたところわからないということで、今の官房長のような答弁になったと思うのです。そういうことですけれども、なおできる限り調査をしてみたいと思います。
○児玉委員 次に、きょうの午前中から問題になっている昭和五十八年、五十九年、六十年の段階での職業安定法の一部改正と加藤前事務次官との関連について若干お尋ねをしたい、こう思います。
 先日――先日といいますのは十月の税制特別委員会で、私は職業安定法の一部を改正する法律案大綱を労働省に提出していただきたいとお願いをしましたが、国会がそれを求めるのであればと、国会が求めなかったら出すわけにいかないというお話でした。その後苦労して入手いたしました。その二の「(二)募集関係者に関する倫理規定等の創設」、イでは「適正な内容の広告等を提供するよう努めなけれはならないものとすること。」そのように述べつつ、ロで「もっぱら労働者募集のための広告等の発行等を行おうとする者は、事前に届出なければならないものとすること。」ハ「ロの者に対し、その行う事業又は業務に関し、報告を求め、又はその事業所へ立入り検査等を行うことができるものとすること。」ニ「行政庁の処分に違反し、又はその事業若しくは業務が公益を害するおそれがあると認めるときは、その事業若しくは業務を停止することができるものとすること。」四「(一)罰則」、そこでは、ちょっと前段を省略しますが「罰則を科するものとすること。」このような内容になっています。法律案大綱のもともとは三ページだと聞いておりますが、私が伺った内容が大綱の中に含まれているかどうか、御確認いただきたいと思います。
○岡部政府委員 大綱と申しましても一つだけではございませんで、幾つかの試案があるわけでございます。その中におきまして、罰則あるいは立入調査権あるいは倫理規定というふうなことをいろいろ担当者が書いたというふうなことは、これは事実でございます。
○児玉委員 私がお尋ねしていますのは、百歩譲って幾つかあるとしましょう。その幾つかあるものの中の一つ、法律案大綱、ここには案はございません。この法律案大綱に先ほど私が紹介した文言がそのとおり含まれているかどうか、確認を求めたいと聞いているのです。
○岡部政府委員 おおむね一致していると思います。
○児玉委員 さて、この法律案大綱、労働省の職安局の鹿野茂課長、当時でございますが、昭和五十九年二月の就職情報誌業界の会合で職安法改正について説明される機会があったと私たちは承知しておるのですが、それはそのとおりでしょうか。
○岡部政府委員 当時の担当課長でございます鹿野課長に確認いたしましたところ、記憶は完全ではないようでございまするが、日本就職情報出版懇話会の要請によりまして昭和五十九年一月下旬から二月上旬に一度説明し、その後に恐らくさらに一、二度説明したであろうというふうな記憶でございました。
○児玉委員 先ほども同僚委員から御指摘がありましたが、私はここに昭和五十九年五月八日衆議院社会労働委員会の会議録を持ってきております。その中で加藤孝政府委員はこのように述べていらっしゃる。
 こういう就職情報誌関係において自主的に何かそういういわば倫理綱領、こういうような形で、いろいろそういう情報掲載についてのモラルといいますか、モラルアップといいますか、あるいはまた事前チェックをやるとか、何かそういう面での対応といったものはお願いできないだろうか、こういうようなことは私どももいろいろ折に触れて今申し上げておる、
折に触れて申し上げておる、どのような折に触れて加藤局長は申し上げたのでしょうか。
○岡部政府委員 情報誌業界における自主規制というのは、これは五十八年当時から労働省が志していたことでございます。しかしながら、業界が非常にばらばらでございまして、その実現がなかなかできなかったのでございますが、しかし、五十九年三月に雇用情報センターが発足して以来、業界のまとまりが見られるようになったのでございます。そこで、労働省といたしまして、業界に自主規制を十分にやるようにという指導をいたしまして、それがやがて結実をするということになったわけでございますが、その労働省としての対応のことを局長は言われたと私ども承知しております。
○児玉委員 今の御答弁は全く納得できません。そこで、納得できない根拠を示したいと思います。
 これまでも論議をされましたが、昭和五十九年七月、職業安定法研究会「高度情報化社会における「雇用・就職情報誌」への法的規制の問題をめぐって」、渋沢委員からの御質問があったけれども、労働省はお答えにならなかった。この内容について皆さんは当時検討されたかどうか、事実の有無だけを聞かしてください。
○岡部政府委員 業界の研究会でございます職業安定法研究会の報告書でございます。これは七月につくられたとのことでございますが、受け取ったのは八月であるということでございまして、それは受け取って担当者が見るというほどのことはしたということでございます。
○児玉委員 この時期、昭和五十九年の七月です、「リクルート一一〇番」からの就職情報誌をめぐっての社会的トラブルについての要望書が労働省に届けられております。決して労働省を取り巻く全体がいわゆる労働者派遣法だけで回っていたわけでない。「リクルート一一〇番」からはそういうものが出てくる。一方、さっきも議論になりました就職懇話会からの要望書もこの時期出されております。全く相反する方向からの、要望の内容は全く背中合わせのものがほとんど同じ時期に労働省に出されています。労働省はどのようにこれを処理されたのでしょうか。
○岡部政府委員 前回のこの委員会でも申し上げましたように、当時最大の懸案事項は労働者派遣法の成立でございました。したがいまして、加藤前局長、その方に全力投球をしておったと言っても過言ではないのでございまして、その職業安定法の改正ということにつきましては、これは専ら課長任せというふうな状況であったことは、私自身当時の関係者にもいろいろただしまして、そのように見ておるところでございます。
○児玉委員 ここに日本就職情報出版懇話会世話人会議事録、私どもが独自に入手したものでございまして、先日、この委員会の理事会にこの資料は各党にお配りもいたしました。この議事録の中で「昭和五十八年九月三日」というのは明らかにミスプリントで、これは昭和五十九年である。昭和五十九年八月三十日に懇話会世話人会の協議があった。「協議内容」として「@要望書提出の件」というところがございます。この世話人会議事録について労働省は御承知ですね。承知されているかどうかだけ聞かしてください。
○岡部政府委員 業界の内部資料でございますが、私どもも努力いたしましてそれを入手しております。
○児玉委員 図らずも一致して話が早い。
 それで、その「協議内容」の中で「八月八日 労働省加藤局長あての「要望書」を鹿野課長に提出。」今岡部局長も手元に持っていらっしゃいます。「(当方、ダイヤモンド・ビッグ社 佐藤社長、リクルート 位田専務)」
 「鹿野課長のコメント 法改正はまだ考えていない 届出制をすれば何故業績がダウンするのか」、一つ飛ばして、「現行法ではトラブルを未然に防ぐことはできない」、こう鹿野課長がコメントしたことが議事録に載っておりますが、確認できますね。
○岡部政府委員 議事録にそのようにプリントされていることは、お読みになったとおりであると思います。
○児玉委員 そのすぐ下の段でこう書いてあります。「職安法研究会の第一回報告書に対しては、」先ほど紹介したものです。「非常に注目されていた。」「三沢補佐、後藤補佐に読むよう指示されるなど、大きな影響を与えそうであった。」と書いてあって、その下の段です。「「要望書」が加藤局長に提出されたのは八月十六日であるが、局長の反応は(業界に自主規制をお願いしていると国会で答弁しているのに)このような要望書が出てくるのは納得がいかない。」こう明記されております。局長のところまで行かなかったとか届かなかったというのでなく、局長自身が八月十六日それを受け取って、そのことについてのみずからの意見も述べている。明らかに先日の証言と食い違います。労働省、このことについてはどのように受けとめていますか。
○岡部政府委員 私どももこのプリントを見まして驚きまして、この鹿野課長の言としてこのようなことがあったかどうか、あるいはまたこれに随行した者がいるかどうか、いたとしてそれが発言したかどうかというふうな点を含めまして当時の関係者に事情聴取いたしましたが、そのような事実はございません。このような過大に出ておるようなことは言ったことがないということでございます。
 それからまた、そのように八月十六日に局長に上がったのかどうかという点も、もう一つ裏をとる必要がございます。私、加藤前事務次官にこの点を聞きましたところ、これもそのようなことはなかったということでございます。
 したがいまして、それらを総合しますと、ここに書いてあること、これにつきましては、この議事録をつくった人がどのような意図で書かれたのかということは私存じないところでございます。
○児玉委員 ここに述べてある事柄は、この十月来労働省がさまざまな機会にお答えになっている事柄を根底から覆すのです。一つは何かといいますと、加藤局長は課長任せにしていたと言われる。その課長とはまさしく担当課長、鹿野課長です。鹿野課長は、この議事録によれば、八月のこの段階で届け出制を考えているし、そして「現行法ではトラブルを未然に防ぐことはできない」というふうに述べている。もし課長任せにすれば、一転して自主規制が出てくる余地はないですよ。局長が介入しなければ自主規制だけが生き残るということはないはずです。その点はどうですか。
○岡部政府委員 当時の経緯でございますが、その当時、先ほども他の方にもお答えいたしましたように、自主規制を行うとともに、それから法的規制を考えるということで進んでおったわけでございます。結果は、自主規制を実現しますとともに、法規制につきましては職業安定法三十五条及び四十二条の改正という形で結実したわけでございます。
○児玉委員 明確にお聞きしたいのですが、労働省としては、この皆さんの監督権限下にある就職情報出版懇話会、そこがおつくりになった世話人会議事録、旺文社、学習研究社から始まってずっといって最後にリクルートが鎮座しておりますが、この議事録は虚偽のものだ、そのように皆さんが判断されるのでなかったら今の答弁は出てこないのですが、どうですか。
○岡部政府委員 この問題ポイントに関する限り、これは虚偽であると存じます。
○児玉委員 ただいまの発言は極めて重要です。そこで、私は法務大臣にお伺いをしたいと思います。
 ロッキード事件のときに、時期は昭和五十一年の六月二十五日、予算委員会の会議録を持っております。この予算委員会の会議録を見て私のような新参者が驚きますのは、予算委員会が閉会中に審査された、それだけの熱意を国会が持っていたということを私は深く学びたいと思います。この予算委員会で我が党の松本善明委員が当時の稻葉国務大臣に対して次のようにお尋ねをしております。
 この国会での偽証について捜査当局、法務省、検察当局の考え方、根本的な考え方についてまず伺いたい
稻葉国務大臣は、
 国会での偽証は、国会に対する侮辱でありますから、重大な犯罪と考え、厳重にこれを処断しなければならぬというのが基本的な姿勢でございます。
そこで松本議員が、
 国会で証言がされた場合にそれが偽証の疑いがあるかどうかということについては、告発の有無にかかわらずやはり厳重にこの問題については見ていく、こういう態度であるということでありますか。
稻葉大臣
 まさにそのとおりであります。
と明快にお答えになっております。
 現在、法務大臣としては、偽証についての根本姿勢という点で変わりはございませんか。
○林田国務大臣 先ほど楢崎委員にお答えを申し上げたわけでありまするが、ロッキード事件におきましては、証拠の隠滅とかあるいは逃亡のおそれがあるというようなことが認められるなど特段の事情がありまして、そこで委員会の告発前に議院証言法第六条の偽証罪によりまして逮捕しまして、その後なされました委員会の告発を受けて起訴をした、こういうことでございます。
 稻葉元法務大臣の御答弁の趣旨もよく承知をいたしておりまして、まだその段階には至っておりませんけれども、そういう趣旨もよく承知をして対処してまいりたい、かように考えております。
○児玉委員 議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律、先日これは改正されまして、私ども、例えば証人尋問における写真撮影を禁止する、これは国民の民主主義に対する重大な侵害だと考えますから、その部分を含めて反対をいたしました。しかし、ともかくその法律が成立をしている。第六条、偽証の罪、三月以上十年以下の懲役、第七条、証言拒否の罪、一年以下の禁錮または十万円以下の罰金、こうなっております。そして第八条で、「各議院若しくは委員会又は両議院の合同審査会は、証人が前二条の罪を犯したものと認めたときは、告発しなければならない。」してもいい、しなくてもいいというのではなくて、「告発しなければならない。」こういうふうに言い切っております。
 原田委員長に要請したい。加藤証人の先ほどの問題について、労働省から重要な指摘もありました。これについては、私たちは、偽証罪について、このことについて運ぶ中で今のことについてのどちらが真実であるかということが明らかになるだろうと思います。この十二月十三日に、日本共産党・革新共同は、一つは加藤孝証人の偽証について、もう一つは江副浩正証人のリクルートコスモス社からのリストについての証言の一カ所をとらえて、これは偽証の疑いが極めて濃い、そして江副証人の証言拒絶について、この三つについて告発状の案を提出させていただきました。委員長として、この告発について、法に沿って、「しなければならない。」と言っているのですから、その立場で事を速やかに進めていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○原田委員長 今のお話につきましては、参考としていただいておりますが、理事会にも諮っておりませんから、理事会でよく相談いたしまして処置をいたしたいと思います。
○児玉委員 原田委員長が証人尋問で冒頭お触れになった江副証言の答弁の中にも、私たちは見逃すことのできない部分が何カ所かあると思っているのです。それで、私は突然何かを言っているのでなく、共産党・革新共同としては既にこういう形で文書にしてお渡しをしております。当然、本委員会の務めに照らしても、国民のこの委員会に対する期待と熱意に照らしても、委員長としてこれは積極的に取り上げるということで協議いただきたいのですが、いかがですか。
○原田委員長 先般理事懇談会の席で確かに参考として配布されたから参考としていただきましたが、これについて各理事との間にこのことについて協議をして決定をまだいたしておりませんから、後ほど協議をして処置をいたしたいと思います。
○児玉委員 重ねてで大変恐縮ですが、私もこの委員会の委員としてこの告発状について取り計らいをお願いする資格と権限がございますので、この点は積極的にお願いしたい。あえて再度お答えを求めます。
○原田委員長 答えは先ほどと同様でございます。
○児玉委員 NTTの山口参考人もおいでですから、そのことについて若干触れたいと思います。
 外務省がおいでになっていると思うのですが、昭和六十二年四月十五日付で中曽根首相に対して、共和党のデーブ・デュレンバーガー上院議員ほか十一名から成る書簡が送られております。外務省、この書簡を確認できるでしょうか。
○内田(勝)政府委員 先生ただいま御指摘の四月十五日付の中曽根総理あての米国議員からの書簡でございますが、そのような書簡が参っております。
○児玉委員 私たちこのたび入手したものでございますが、アメリカ国会の公用せんにタイプで打たれたものでございます。その内容の一部について外務省から御紹介いただきたいと思うのですが。
○内田(勝)政府委員 ただいまの書簡につきましては、冒頭で、米国議員が主語になっておりますが、「私どもは、日本、米国及び第三国の市場におけるスーパーコンピューターの調達及び販売に関して重大な懸念を有している。」ということを述べまして、その後、いろいろな点に触れておりますが、結論と申しますか、最後の部分で、「日米貿易関係が悪化することを防ぐために、貴国政府」、日政政府でございますが、「貴国政府に対し、米国政府代表と協議の上、日本のスーパーコンピューターの調達手続及び日本のスーパーコンピューターメーカーの価格政策を見直すことを要請します。私どもは、日本政府がスーパーコンピューター調達を米国の製造業者にとってより公正かつアクセスしやすいものとするような適切な措置を講ずることを希望します。加えて、日本政府は、スーパーコンピューターのコスト割れの値引を強く抑制するような行動をとるべきであると考えます。」ということで結んでおります。
 以上でございます。
○児玉委員 この時期、四月十五日付の書簡が中曽根首相のもとに届けられた。そして五月の一日、中曽根・レーガン会談がワシントンで行われました。この会談でスーパーコンピューターの導入について、外務省が会談記録をお持ちであれば、その部分がどのようになっているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○内田(勝)政府委員 六十二年五月初めの中曽根・レーガン会談におきまして、特に個別の案件の中で、スーパーコンピューターに関する事項にも大統領からの言及に対しまして中曽根総理がお述べになりましたのは、まず第一に、日本の公的機関によるスーパーコンピューターの調達手続を明確にするための作業を現在日本政府部内で行っていること、第二番目に、当時の六十二年度の補正予算でスーパーコンピューターの調達が可能となるよう考えていること、それからNTTが一台買うと承知している、聞いているということについて話をされた、そのように会談の記録から承知している次第でございます。
○児玉委員 山口参考人にお伺いしたいのです。今の外務省の記録によれば、三点ありますが、最後のところで、NTTがスーパーコンピューターを一台買うと承知をしている、こう中曽根首相は当時お述べになった。ところが、NTTの方はXMP216、これを六十一年の五月に契約されて、こっちの方はリクルート社に行った。クレイU、六十二年三月契約、これは武蔵野研究センターに今ありますが、私たちが承知しているのでは、NTTはこの一台で十分ニーズを賄うことができる。当時NTTとしては、自社用にさらに一台のコンピューターを買う計画はおありだったでしょうか。あったかないか、聞かせてください。
○山口参考人 クレイ製のコンピューターの購入につきましては、私ども研究所で最初に五十九年四月に買っておりますが、その後、これを更改用に六十二年三月に買っておりまして、これで私どもの研究所は買う予定はなかったということでございます。
○児玉委員 今参考人が明確にお述べになったように、NTTとしてはスーパーコンピューターの購入計画はなかった。しかし、中曽根首相はワシントンで、NTTが一台買うと承知をしている。中曽根首相にどなたが承知させたのでしょうか、伺いたいと思います。
○山口参考人 そういった話については私どもは何も理解しておりません。
○児玉委員 真藤前会長であればおわかりでしょうか。
○山口参考人 会長もそんなことを言ったことはございませんし、恐らく知らないんじゃないかと思っております。
○児玉委員 そうすると、これは明らかなミステリーじゃないでしょうか。一国の首相がアメリカの大統領に対して五月の一日、NTTが近く一台買うと承知をしている、外務省の記録には明記されています。NTTがと言っているのだから、NTTから何らかのインフォメーションが首相に行かなかったらそう述べるはずがない。わからないというのは、社長としてはそれは私たちはわかりません。もう一遍伺います。
○山口参考人 私どもの二号機が六十二年三月に契約しておりますので、あるいはこのことの話ではないのでしょうか。それでなければ、ちょっと私どもはわかりません。
○児玉委員 わからないことばかりですから、それで私たちとしては、先日もそうでしたが、真藤氏を証人としてこの委員会に呼んでいただきたい。これも委員長、御協議いただきたいのですが、いかがでしょうか。
○原田委員長 理事会において協議をいたします。
○児玉委員 そこで、このときの状況というのは、もしかしたら次のようなものかもしれない。中曽根前首相はNTTに、恐らく真藤さんかだれかと話をしてスーパーコンピューターの追加購入を約束して、アメリカに対してポイントを稼ぐ。NTTの真藤さんはそのことによって中曽根氏に貸しをつくり、転売でリクルートに便益を供与する口実を得る。リクルートの江副氏としては、NTTからの便宜供与と中曽根、真藤両氏に対して貸しをつくる。大岡裁判で三方一両損というのがございますけれども、これは三方一両得の構図ですね。
 最後に、私は法務大臣に伺いたいのです。
 今回明らかになった事態、すなわち真藤氏の口座とNTTの裏金に、村田秘書を中間点としてわいろたるの利益が帰属した。明らかになりました。法務省はこの事態をどのように受けとめていらっしゃるか、伺います。
○根來政府委員 この件につきましても、先ほど来御説明いたしておるように、私どもはいわゆる非公開株の譲渡関係を中心に調査しておりますので、その過程におきましてお話しのような話も当然頭の中に入れて調査を進めていくものと考えております。
○児玉委員 これは法務大臣に直接伺いたいのですが、最近の世論調査で、リクルート疑惑は解明されてない、ある調査では八七%、他の調査では八六%です。ここに国民の怒りが示されています。空前の大疑獄としての姿をあらわしつつあるこの件について、刑事責任の徹底的な追及を速やかに行うことが必要だと思います。そしてこの刑事責任の追及に際しては、当然のことながら絶対に聖域があってはならない、足を踏み込むことができない聖域があってはならない、こういうふうに私は考えますが、大臣いかがでしょうか。
○林田国務大臣 ただいまも刑事局長が申しましたように、検察当局におきましては現在リクルートコスモス社の非公開株の譲渡関係につきまして鋭意調査検討中でありまして、もし犯罪の嫌疑が認められましたならば、それがいかなる事実であれ厳正に対処するものと承知をしております。御指摘のような聖域と言われるようなものはないと存じます。
○児玉委員 終わります。
○原田委員長 これより理事会協議に基づき大蔵大臣に対する質疑を行います。
 村山富市君。
○村山(富)委員 時間もございませんので端的に一問だけお尋ねしたいと思うのですが、先般十一月九日に、我が党の調査でビッグウェイの還流株が十四名に譲渡されておるということが明らかになりました。その中に、総理兼大蔵大臣と御親戚になる福田さんの一万株譲渡の問題が明らかにされたわけです。
 その発表されました次の日に総理の元秘書の青木さんが記者会見で言っているわけですが、六十一年九月か十月ごろ、リクルート関係者から一万株を譲渡したいという話があった。これは恐らく当時の竹下幹事長に対して一万株を譲渡したいという話ではなかったかと思うのですが、当時、今申しましたように首相は幹事長でありましたので、幹事長に取り次ぐ話ではない、こう青木さん自身が判断をされて、首相の弟の義父であられる、首相とも親しい建設会社福田組の社長をされております福田正さんにお話をして引き受けていただいた、こういう経過になっておるわけですね。
 この経過からして、いろいろ議論もあったところなんですが、今日の新聞を見ますと、首相も発言を訂正されておるというような記事が報道されていますね。この中身を見ますと、福田社長を青木さんが紹介されたのは前から知っておった、しかし御子息の名義になっておったことについては私の調査はそこまで及んでいなかった、こういう答弁があった。ところがそうでなくて、福田氏を紹介されたのも御子息の名義になっておるのも青木秘書から聞いて初めてわかった、こういうふうに訂正をされているわけですね。
 この事実関係というのは一体どういうことなんですか。明らかにしていただきたい。
○竹下国務大臣 今の問題は、そういう私の当時の発言、矢田部先生に対する発言なんですが、それの速記録を繰ってまいりまして、ここの辺でそういうふうに受け取れる、それで矢田部さんにも私読んでもらいまして、なるほどな、そういうふうに読めぬことはないなという感じも持ちました。だから、若干混乱しておったとでも申しましょうか、非常に大ざっぱな発言だったな、こう思いまして、それで国会における質問者に対しての答弁のニュアンスを違えるわけですから、当然儀礼として質問者にお話をした後、昨日新たなる質問者に対しましてお話をした、こういうことでございます。
○村山(富)委員 そうすると、そのいずれが本当なんですか。
○竹下国務大臣 若干不明確な点がありますから、それを明確にしたという意味におきましてはきのうの橋本先生ですかにお答えしたのが正しい、こういうことになろうと思います。
○村山(富)委員 ここでその正しいあなたの発言をもう一度確認したいと思いますから、明確に申してください。
○竹下国務大臣 それでは、きのう言ったとおりを申し上げます。
 衆議院のやりとりが十月、青木氏の報告が十一月初め、当日質疑にお答えしたのが十二月一日という時間の経過がございまして、若干混然として整理されていなかったと思います、再度この機会に整理いたしますと、十一月九日夜に初めて青木氏から福田さんを御紹介したこと、福田さんが御子息勝之氏の名義で取引を行っていたこと、それは言いそびれておりまして申しわけないとの言葉がありましたというふうにお答えしました。
○村山(富)委員 それから、この新聞の報道するところによりますと、「首相はこの一万株の取引で二千万円余の売却益が出たことについて「通帳をみたことがあるから知っている」と、預金通帳で売却益の入金を確認していることを明らかにする一方、売買約定書については、「見ていないが、当然あるべきものだ」と述べた。」こういうふうに報道されていますが、この事実関係はどうなんですか。
○竹下国務大臣 それも今整理してきましたが、きのう橋本先生から、福田勝之さん名義で青木さんからの株の話がいった、これはお認めになった、ところが、これは売却して二千百万円以上の利益が出ておるはずなんですね、そうですね、これは御存じですね、まずこの点、こうおっしゃいまして、私は、うなずきながら、あの通帳は私見たことがございますから知ってはおりますが、知っておって、まあ福田さん、坊ちゃんに迷惑がかからぬようにお願いします、こう答えております、今調べてみましたら。
 そうすると、率直に申しまして福田さんが子息名義で行われました売買取引について詳細にわたるお尋ねを整理しますと、関係書類を見せてくれとかさらに細かく説明してくれとかと言えない間柄ではございませんが、国会の質問に答えるため必要だといってそれを出しなさいなどという考えは私自身持っておりません。したがって、福田勝之氏の通帳で入金を確認したということについては、たしか五千二百万円の入金を同氏名義の口座で見たような気がするが、私人の問題であるので、もう一遍見てこいと言われてもどうしようかなと思っておるところでございます、率直なところが。ただ、本当にこれから気をつけますから、何かこれも読みますと、うなずきながら通帳を見た、確かに売買約定書を青木君が保管しているのも見たこともございますし、そういうことと若干混然としたお話をしているなという反省はしております。
○村山(富)委員 見たことがあるような気がするとか、青木さんとの約定書とダブったような感じで何か記憶にあったような気がするとか、これまた全く混迷としてわからないわけですね。
 それで、私どもがビッグウェイのこの資料を発表する前に福田勝之さんの自宅を訪問していろいろお聞きした経緯もあるわけですけれども、これは率直に言って、福田勝之さんは、私の名義で株の譲渡がされておったというようなことは全然知らなかった、こう言われているわけですよ。これはやはり私は、せっかくこの疑惑が解明されようとしているこの国会の中で、これは宮澤さんもああいう経緯があって、そして責任をお感じになっておやめになった、そういう経緯からしますと、その大蔵大臣を引き継がれておるあなたがみずから進んでこの疑惑を解明して疑いを晴らすという意味からも、約定書があるのなら約定書をお示しいただきたい。それから、金の出と入りのものがはっきりするのならそれもはっきりされた方がいいのではないか。そうでなければやはり今のあなたの答弁を聞いても、おかしいな、何が本当なんだろうかという疑念を持ちますが、そういう疑念を晴らすためにも、私はやはり積極的にみずから解明するという姿勢を示して提出をすべきだというふうに思いますが、どうですか。
○竹下国務大臣 おっしゃる意味、私にもよくわかりますけれども、坂上先生にここでお答えしたことがあるのですが、信頼する先生が見せてくれとおっしゃればお見せして一向構わぬ、それは青木君に関するものはそう思いました、率直に言って。だって、村山さんとだってそれぐらいな信頼関係はあるわけですから。ただ、私経済的な問題を公の場に出すということが本当はどんなものかな、こう思っておりますが、この問題、その辺の節度の問題、私の考えとまた異なった考えもあるでしょうから、ひとつまた相談してみてくださいませ。それでと思っております。
○村山(富)委員 相談をしてみてって、どなたと相談されるのか知りませんけれども――国会ですか。いや、私は何といいますか、言葉は悪いのですけれどもそういう逃げ口上でなくて、もっと積極的にみずから解明するという責任が私はあなたにあると思いますよ。宮澤さんがおやめになったのも、これは宮澤さん個人の問題じゃないですよ。やはり内閣全体の責任ですよ、これは。そういう意味から申し上げますと、あなたは総理であり大蔵大臣なんです。だから、やはり国会に対して積極的に疑惑を解明するという意味からいえば、進んでそういう約定書なり、それからまた金銭の出入なんか、出たものと入ったものを示すというぐらいのことがあってもいいのではないか。
 もう時間がありませんから率直に申し上げますけれども、今国民が政治に対して大きな不信を持っておる。それはやはり、このリクルート株の譲渡の疑惑問題が世間にでまして、例えば言論界の方々は社会的責任を感じておやめになる。それから、我が党の上田卓三議員はみずから議員を辞任したのですよ。なぜ政治家はもっときれいに社会的責任を感じないんだろうか、道義的責任を感じないのだろうかと、こういう意味から申し上げますと大変大きな不信を持っていますよ。これが一つです。
 もう一つは、この臨時国会では四十年ぶりに税制改革がされているわけですよ。その税制改革を手がけておる政府と与党である自民党の偉い方々が、本人の名前でやったり秘書の名前でやったりいろいろあるけれども、大変な疑惑を持たれておる。そういう汚れた手で税制改革なんかやってもらいたくない。まして消費税の導入なんかとんでもない話だと、こういう強い国民の不満があるのですよ。これも私はやはり率直に聞かなきゃならぬと思うのです。
 そして、あなたは綱紀粛正を説かれています。政治改革も課題にしているわけです。みずからを清めずして何が綱紀粛正か、こういう意見もあるのですよ。そういう国民の声には率直にこたえるべきだ。もしどうしても三点セットの処理がなされぬならば潔く国会を解散をして信を問うべきではないか、私はそう思いますよ、本当に。総理の見解を聞きたいのです。
○竹下国務大臣 最後のところは、いつも申し上げておりますように、与えられた任期を大事に大事にするべきだという私は考え方でございます。
 それから、いわゆる真相究明問題には、私自身最大限のことをしなきゃならぬと思っております。事実、私自身いろいろな、きょうも質問が参議院でもあったわけでございますけれども、それは別といたしまして、よしんば私自身にかかわる問題でなくても、私の周囲で何としたって情報の集まりやすい立場におるわけですから、そのようなことが行われたことに対する政治的、道義的責任というのは、これは私が一番感ずべきものだと思います。
 今おっしゃいましたように、公務員に、おまえに大体その綱紀粛正の通達を出す資格があるかと自問自答いたしました、私も人の子でございますから。本当に自問自答をいたしてまいりましたが、本当のところ、いわゆる国会に対する国政調査権としての最大限の協力、これはこれとしてやります。それから、私自身の問題につきましては、私が一番よく知っていることでございますから、解明すべきであると自分自身思っております。
○村山(富)委員 あなたは、本当に言っていることがよくわからないのですよ。だから、みずから疑惑を解明するという意思があるなら、きょうあなたに御質問をしてお聞きになっても、私が聞いても、まだまだ疑念は晴れませんよ。私はやはりそれだけに国民の皆さんもあなたに対して疑念で見ていると思うのですよ。そういう立場に今あなたがある。しかも、総理であり大蔵大臣なのですね。最高責任者なのですよ。だから、やはりその国民の疑念に対してみずから解明してこたえるという姿勢があっていいのではないか。三点セットで積極的にこの国会に提出することを強く期待して、要望して、私の質問を終わります。
○原田委員長 次に、山花貞夫君。
○山花委員 村山委員の御質問を受けまして、真摯な姿勢をもって疑惑解明に努力をすべきであると、こういう観点から質問を続けさせていただきます。
 きょうのお話でも、これまでの説明には混沌とした部分があったが、これを議事録を読み直したりして昨日訂正をした、昨日の説明の方が正確であると、こういうお話がありました。私も総理のこれまでの議事録をずっと拝見いたしますと、この点についてはなお調査してといった部分が幾つか残っているということに気がつきました。
 まず、その点から伺っておきたいと思うのですけれども、例えば青木元秘書については総理と今どんな関係で仕事をされているのかという質問に対して、竹下事務所という名刺を持っておるかもしれない、この点については今確認はしていないということでしたけれども、青木元秘書は竹下総理の秘書あるいは竹下事務所の名刺などを肩書きに刷っていると、こういう現状にあるのでしょうか、どうでしょうか。
○竹下国務大臣 その問題は調査いたしまして、私の名刺が使われてあらぬ問題を起こしたことが昔ございましたので、特に総理になってからまた透かし入りの分を全員に配り直して自分もその名刺を持っていると、こう申しておりました。
○山花委員 青木さんが総理の事務所、竹下事務所の名前を入れた名刺などを現在も使っているのですか。この点について確認してみるとおっしゃっているものですから、念のために伺います。
○竹下国務大臣 あの際確認いたしまして、透かし入りの分をつくって、全員がその透かし入りにしたと言っておりましたから、見せろと言ったわけじゃございませんけれども、そういうふうにしておると思います。
○山花委員 その点は一体、まだよくわからないのですけれども、確認されましたか、青木元秘書から。おまえ使っているのかどうかと確認、調査したのでしょうか。
○竹下国務大臣 いや、おまえなどとは申しませんが、私の事務所で名刺が、私の秘書という名刺が使われてかつていけないことがあったそうでございます。それで、総理になりましたので特にまたもう一遍気をつけようというので、全員が透かし入りの名刺をつくって、私もそれを持っていますということを聞いたわけでございます。
○山花委員 青木さんの名刺のことを聞いているのです。青木元秘書が竹下事務所という名刺を使っているかどうかという点が問題になって疑問として残っておったものですから、総理の名刺ではなくて、青木元秘書がそういう肩書きの名刺を使っているかということです。
○竹下国務大臣 総理大臣は名刺を使わないそうでございますので、今申しましたのはすべて青木君の名刺でございます。
○山花委員 そうするとそれは、青木さんの名刺というのは竹下事務所のものであると、こういうことになるわけですね。
○竹下国務大臣 全部竹下事務所何のたろべえとこうして、透かし入りのものを統一して全員が持っているそうでございます。
○山花委員 わかりました。
 もう一点、よく考えてみたいという点がありました。
 青木元秘書がだれから今回の話を受けたのかということにつきまして、元リクルートの関係者あるいは経済界の人等ありましたけれども、この点については、事務所にはいろんな人が出入りをする、もし間違っておったら迷惑をかけるので、いましばらくこれについては記憶を呼び戻す時間をもらいたい、これは坂上委員に対する十月二十日の総理のお答えであります。大分時間もたちましたけれども、その点について確認はできましたでしょうか。一体だれが話を持ってきたのかということについてです。
○竹下国務大臣 ある経済人からというところからこのリクルート関係者からというところまでは、私整理いたしてみました。そこで、そのリクルート関係者の何のたろべえがと言うと、もしその人が間違っておったら大変御迷惑をかける。ところが、こういうことになりますと、あなたでしたかどうでしたかって聞くのも、本当はなかなか聞きにくいそうでございます。それはそうだろうと私も思います。リクルート関係の方でありますが、どなただったかということは、もう少し状況証拠をそろえさせてくださいませ。
○山花委員 実はその点がこれまでの質疑伺っておっても気になるところの一つでありまして、総理はそうした自分の周辺の関係についても積極的に調査をしていないのではないかと、こういうふうに考えざるを得ないわけです。
 実は青木元秘書とのやりとりにつきましても、議事録をずっと拝見しますと、例えばさっきもお話出ました一番当初、十一月の九日の晩だったと思いますけれども、報告を受けたということで総理の説明が始まっております。その後もということですべて青木氏から報告を求めたところとなっておりまして、総理がこの点についてはっきりしたらどうだということについて調査をきちんと指示をして、その結果についてこの問題がわかったということが一つもなかったのですけれども、総理としてはこの点はどうかと青木元秘書に対して事実関係について調査を指示したということはあるのでしょうか。あるとすれば、いつ何回ぐらいあるのかということについてお話しいただきたいと思います。
○竹下国務大臣 最初、七月に新聞報道があったのですか、取材を受けたという形でございましたか、そのときに話を聞きまして、ああそうかと、こういうことでございました。それで、この福田氏の問題についてはおっしゃるとおり十一月九日の夜でございますが、その間にほかに何かあってはいけませんから、青木伊平氏だけははっきりしておりますけれども、何かないか、よく調査をしておきなさいということは申しておりました。
○山花委員 ただ現在に至っても、先ほどのだれからという問題を含めて、その確認ができておらぬというのがきょうのお話だといたしますと、やはりこの点については大変お答えは不満であります。しかし、水かけ論になってもいけませんから、先に進みたいと思います。
 この委員会、参議院とは別にこの委員会で、実は宮澤前大蔵大臣の問題について伺っておりません。当初問題が発表になりましてから、事件が明らかになりましてから、二転三転ではなく五転六転である、七転八転であるといった前大蔵大臣の答弁の訂正が続きまして、最終的には最後の修正、訂正、そしてこれに対して六日の参院税特における江副証言で融資の有無についての食い違いが明らかになった等のことがありまして、最終的には辞任ということになりました。
 参議院では宮澤前大蔵大臣から釈明なりの機会がありましたけれども、衆議院ではございませんでした。したがって、今宮澤前大蔵大臣に聞く機会はありませんから、首相としては大蔵大臣の地位についても今兼任をされております。前大蔵大臣の一連の訂正訂正ということの中で、最終的には三点セットと言われた事実解明に必要な文書についても提出することなく辞表を出されてしまった。私たちの目から見るならば、政治的責任はとっていない、真相を明らかにすることが責任であった、こう考えるわけでありますけれども、この事態に対して、蔵相を兼任されている立場をも含めて総理の御見解を伺いたいと思います。
○竹下国務大臣 信頼申し上げておりますから大蔵大臣をお願いしておったわけでございます。そのお方さんが、自分はやめたい、こうおっしゃれば、やはりそれを同意するのが私の信頼感の継続であろうと思って了承をいたしたわけでございます。
 それから、この問題については私が各方面の先生方にいろいろ電話もいたしましたが、したがって、そういう責任をも含めて、皆さん方にも電話で個々に御了解もいただきましたが、行政組織法第五条でございましたか、みずからその職に当たることができるというので、大蔵大臣を兼任さしていただいております。
○山花委員 責任についての総理の考え方を伺いたいと思ったのですが、総理のお答えの様子からすると、これ以上は限度があるかもしれません。
 実は政治倫理審査会、宮澤前大蔵大臣も一番最初の委員でありました。総理も政倫審の委員であったわけであります。宮澤前大蔵大臣の一連の行動につきまして、政治倫理綱領に反すると私たちは思います。総理の御意見はいかがでしょうか。
○竹下国務大臣 第何条のどこに反するかということになりますと、お答えする能力が私にはございませんが、私自身が思っておりますのは、いささかも疑いを持たれるようなことはしてならないという意味において、私ども政治倫理綱領をそれこそ拳々服膺しなきゃならぬ。おまえは今疑いを持たれておるだけでも政治倫理綱領に対して違反しておるぞと言われれば、私は素直にそれを受けとめて結構だと思っております。
○山花委員 おっしゃったとおり、「国民の信頼に値するより高い倫理的義務に徹し、政治不信を招く公私混淆を断ち、清廉を持し、かりそめにも国民の非難を受けないよう政治腐敗の根絶と政治倫理の向上に努めなければならない。」とあるわけでありますから、私は明確に該当すると思いますし、同時に大事な問題は、「われわれは、政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもつて疑惑を解明し、そのの責任を明らかにするよう努めなければならない。」こうなっているところでありまして、疑惑を持たれた、そして本人としては仮にそうでないとしても疑惑を持たれたならば、国民の政治不信に対する答えとして、みずから真摯な態度をもってこの疑惑を解明しなければならぬ。宮澤前大蔵大臣は、疑惑解明についての国会の要求にこたえることなく辞表をお出しになりました。この真摯な態度をもって疑惑を解明する責任についても、やはりこの倫理に反しておるのではないかと思いますけれども、総理の見解はいかがでしょうか。
○竹下国務大臣 政治倫理に反しているかどうかという議論になりますと、これは恐らく国会の問題として議論すべき問題で、私どもが軽々に断定すべきことではないと思います。私は、皆さん方に比して私がもっと緊張しなければならぬといつも思っておるところでございます。
○山花委員 実は先ほどの讓り渡し側、会社についてはドゥ・ベストであるということが明らかになりました。では一体だれがということについては、きょうの段階で総理は依然としてまだ、もし間違って迷惑をかけたらいかぬからと、こういうことでお話しになっていないわけでありますけれども、この問題につきましてこれまでの総理の国会の発言を振り返ってみると、「私自身も、それが経済行為に反する違法性のある問題でないならば申し上げても結構だろうと思ってみたこともございます。」こういう議事録が残っています。どうもこれは、人の名前を出すことについては経済行為に反する違法性のある取引なんだから心配だ、こういう趣旨にも受け取れるところでありますけれども、その他の部分につきましては、いわばみずからの心情としてこの種問題については話したくないといったところもございます。
 きょうのお答えですと、わかったらお話しになるということなんでしょうか、それとも、総理の心情としてやはりこの問題についてはちゅうちょする、こういうことなんでしょうか、どちらでしょうか。
○竹下国務大臣 率直に言って、状況証拠をいろいろなことで思い出せるんじゃないかという感じがしないわけでもございません。その、どなたさんからお話があったという名前を特定することは、これはわかったら、私は青木君に関して特定するのは一向構わぬと思っておりますが、私、今もおっしゃいますように、なかなかよく答弁しておるようですが、先日から日本共産党の先生方がリレー式にずうっとこの答弁書を見ながらおやりになりますと、確かに私の答弁も正確を欠く部分が大層あるなあという反省もしております。
○山花委員 共産党の方がやるだけではなくて、我々が見たっておかしいと思うわけでありまして、この点は正確にしていただきたいと思うのです。
 総理も、さっき申し上げましたとおり、政治倫理審査会の委員であったことがあるわけでして、総理としてはもし自分に何らかの疑惑ということの目が向けられた場合には真摯な態度をもって解明のための責任をとりたい、このことについてはお話ししていただけますか。
○竹下国務大臣 そのことは、国会議員として政治倫理綱領をつくったわけでございますから、当然私がすべきことだと思っております。
○山花委員 その政治倫理綱領を具体的に動かす行為規範、そして政治倫理審査会の問題ですけれども、さっきも私は総理も委員であったことがあったということについて伺いましたけれども、総理は委員であられましたけれども一度も委員会に出て議論するということはなかったですね。これはもちろん総理だけではなくて、これは百四回の国会、第一回政倫審の委員が選ばれましたのが六十年十二月二十四日の召集日でありますけれども、以来今日に至るまで、政倫審について行為規範違反であるということで私たちは申し立てなどいたしましたけれども、実質的な審理は今日まで一回も開かれていない。打ち合わせはありましたけれども、開かれてないのです。
 私たちが理解しておるところでは、中曽根総理の行政改革に対して竹下総理は政治改革である。そして、具体的な動きについても最近御発言になっています。恐らく来年の自民党大会で政治改革を打ち上げて、来年の所信表明演説には竹下総理の政治改革を打ち出されるんじゃなかろうかと私たちは予想していますけれども、しかし、政治倫理審査会、とにかく一度も開かれていないという現状にある中で、新しい問題について何だかんだ言ったって国民は信用しないわけでありまして、具体的に政倫審に対して申し立てがある、しかし実質的な審理については、自民党多数の中でついに開かれないで今日に至っている、この事態あるとするならば、とても新しい問題を出しても国民は信用できないと思います。
 こうやって政倫審が一度も開かれていないということであるとするならば、総理・総裁の立場にあって、自民党に対しても発言権がおありになると思います。やはりまだ会期は残っているのです。政倫審については開いて、そして問題についての検討を進めていく、こういうことについて発言すべきではなかろうかと思いますけれども、とにかく、六十年にスタートして以来今日まで実質的な審議が一回もなかった。野党が何回も何回も要求しました。この事態についての総理の見解をお伺いしたいと思います。
○竹下国務大臣 これは、山花先生、済みませんけれども、国会に関することは国会で決めるべきことで、行政府がこれにコメントするということだけは、三十年ぐらい私も守ってまいりましたので、そのコメントはお許しいただきたいと思います。
○山花委員 自民党のリーダーとしての総理に、総裁に伺ったわけですけれども、その立場にありながら今のお返事があったということについては、この政倫審に対する総理の一つの考え方、総裁の考え方を示しているのじゃなかろうかと思うわけですけれども、やはりこの政倫審が一回も開かれていないということについて、では、国会にやれとかやらぬということを指示する立場じゃなくて、この事態に対して一政治家としてどうお考えでしょうか。
○竹下国務大臣 したがって、それは国会で決めるべきことだというのが、これはやはり長い国会生活の中でお互いが決めた行政府と国会とのあり方のときの答弁の定まった形であるというので、それを崩そうとは思いませんので、その辺は御理解いただきますように。
○山花委員 閣議で決められる問題として、本日この綱紀粛正問題についての閣議決定がございました。三十二年九月の閣議決定、四十四年三月の閣議決定、四十八年十月の閣議決定、五十四年十一月の閻議決定と、これまでの一連の閣議決定と比べたりして拝見しましたけれども、一言で言ってかわりばえがないというのが印象であります。
 きょうも、これまでの議論の中で文部省の関係、労働省の関係について幾つかの問題が出ましたけれども、そうした閣議決定があって綱紀粛正の通達が出されているんだけれども、相変わらずそのことが無視されたいろいろな問題というものが横行しているという事態があるわけでありまして、綱紀粛正の閣議決定をされたことは当たり前のことだと思いますけれども、いわば、拝見すると、監督者が下部に対してという格好で、一般の公務員に対する綱紀粛正の姿勢でありまして、みずからを律する、こういう観点がこれまでの全部の綱紀粛正通達については欠けているわけであります。政治のリーダーたる立場にある皆さんがまずそのことを身をもって示すということになれば、やはり政倫審の精神を体を張って率先するというところが必要ではなかろうかと思います。
 実は結論的には、そうしたもし何らかの疑惑を持たれた場合にはということについて、青木前秘書の場合もそうです。福田さんの場合にもそうです、総理が関係あるんじゃないかと見られているわけであります。そういう関係の目があるとするならば、具体的な口座はこのとおりである、あるいはお金の振り込み等については、NTTの真藤前会長の問題でもやはり秘書の名前だということだったんだけれどもそうじゃなかったという実態が明らかになったということでありますから、疑惑を持たれているんだから、総理としても、このとおりである、宮澤前大蔵大臣にやった三点セットと言われたような資料を含めて、そういう証拠によって、あるいは証拠物によって、実は私はこうなんだということを具体的に示すべきであると思いますが、いかがでしょうか。
○竹下国務大臣 国会でお決めになったことに私は従うということはいつも申しておるところでございます。実際問題、個人的な関係なら皆様方は皆信頼する方でございますから一向構わぬと思いますが、そういうことが一つの、私なりにいろいろなことを考えてみまして、通帳の出と入りの図示を出しますと、ここへ明細が書いてあったりいろいろなことがありますから、これはどういうふうにして要求してもらった方がいいのかなと思ってみたり、いろいろなことを考えておりますが、皆さん方で御相談くださいますように。
○山花委員 以上で終わります。
○原田委員長 これにて村山富市君、山花貞夫君の質疑は終了いたしました。
 次に、宮地正介君。
○宮地委員 きょうは大蔵大臣ということで質疑をする、こういうことでございますが、最初に大蔵大臣という立場を中心に何点かお伺いをし、若干、総理としてのやはりお立場もあるわけでございますから、その点についても御質問させていただきたいと思うわけでございます。
 まず、ファーストファイナンスのいわゆる株の買い戻しについて隠ぺい工作のおそれがあるのではないか、特にこのリクルートコスモス未公開株の譲渡疑惑で、トンネル会社から買い戻され政官界にばらまかれた還流株の売買約定書の日付がすべて六十一年九月三十日に集中をしている、これは大変に大きな疑問があるわけでございます。これは還流株の事務を引き受けた関連金融会社ファーストファイナンスが六十四年春に株の店頭登録を計画しておりまして、そのためには六十一年十月一日以降の会計監査を受ける必要があることから、株買い戻しの隠ぺいを図る目的でその前日の日付にした疑いがある、こう言われておるわけでございますが、まずこの点についてどのように大蔵省としては調査をされ、また検討されているか、御説明をいただきたいと思います。
○角谷政府委員 伝えられますところのいわゆる第三者割り当て先の五社から、延べ八十三人でございますか、への譲渡に当たりまして九月三十日付の日付の契約書になっておるのじゃないかという話があるわけでございますけれども、この点につきましては、相対の取引でそれぞれそういうふうに決められた話でございますので、これについて、証券行政上これをどういうふうにコメントするかといいますか、意見を申し上げるような立場に必ずしもないということでございます。
 それからもう一つ、ファーストファイナンス社につきましては、確かに新聞報道等におきましてはファーストファイナンス社の店頭登録等が予定されていたということが書いてございますけれども、こういったことにつきましては、証券業協会においてもそういった計画があるということは承知しておりませんし、それから大蔵省としては、もちろんそういうことでございますので私どもは承知しておる立場にございません。
 なお、これも新聞報道等によりますと、ファーストファイナンス社につきましてはそういう計画が内部にあったようではございますけれども、諸般の最近の諸情勢等にかんがみまして店頭登録の計画というものを中断しているといいますか、延期しているといいますか、要するに取りやめるということで検討されているというふうに私どもは報道等で承っておるわけでございます。
○宮地委員 これがもし計画どおり六十四年春にいわゆる店頭登録を実行に移す、こういうような状況が釀し出された場合、大蔵省当局としてはこれは却下するかあるいはペンディングにするか、その計画どおりのむか、この点についてはどう検討されておりますか。
○角谷政府委員 店頭登録につきましては、これは取引所の上場の場合と異なりまして大蔵大臣の承認等の事項にはなっておりません。むしろ証券業協会の判断、裁量でこれは決める話でございまして、その手続といたしましては、これは幹事証券会社から証券業協会に店頭登録申請をし、協会においてこれを審査した上でこれを行うということになっておるわけでございます。したがいまして、仮にそういう話が出てくるといたしました場合には、協会といたしましても、いろいろな情勢を考えながら極めて厳正、慎重に対応するものであろう、一般的にはそういうふうに考えられるわけでございます。
 ただ、現実にそういう話があるかどうかという点については、先ほど申し上げたような状況にあるというふうに聞いておるわけでございます。
○宮地委員 そこがあなた仕せということになるとまた問題があろうかと思うのですね。やはりリクルート問題でこれだけの問題を起こし、その融資のファーストファイナンスに大きな問題点がありながら、これは証券業協会のいわゆる決裁権であるからということで大蔵省が傍観視するということは大変に国民の信頼を失うことになる。むしろ積極的にきちっとした行政指導の中で国民の負託にこたえていくのが今一番求められていることではないか。この点について大蔵大臣としてのお立場からの見解を確認しておきたいと思います。
○角谷政府委員 委員御指摘の点でございますけれども、最近におけるリクルートコスモス社をめぐるこういった諸問題等の実情にかんがみまして、ちょっと日付は――先週証券業協会におきましては会員の証券会社に通達を出しまして店頭登録のための審査その他利害関係人の株移動、そういった問題について厳正にこれをきちんと対応するようにという指導をしたわけでございます。なお、そのほか現在証券取引審議会の不公正取引部会におきまして株式公開制度をめぐるいろいろな問題を議論しておりますが、その中におきましても、協会における店頭登録等における審査機能の充実といったことが重大な課題となっておるといったことがございまして、これはまだ答申は得ておりませんけれども、答申を得られた段階におきまして、そういったことについての具体策を進めるよう、私どもとしても積極的に対応してまいりたい、このように考えておるわけでございます。
○宮地委員 次に、いわゆる伏流ルートの問題について少しお伺いしておきたいと思います。
 リクルートコスモス社役員に再譲渡された還流株がリクルート役員をトンネルにした政官界へのいわゆる伏流ルートの問題であります。リクルート社が国会に提出した譲渡リストではこうした伏流ルートは記載をされておりません。まさにリストの信憑性が今疑わしいというふうに国民の間で大変に疑念が強まっているわけであります。
 そこで、今回この松原元社長室長の三万五千株のうち一万株が加藤紘一代議士の実兄名義で渡っておった。ところが加藤代議士の話によりますと、この実兄に確認をすれば、名義だけ貸して株も見たことない、お金もどういうふうに動いたかわからない、こういうばかげたことが伏流ルートとして事実が新たに判明してきたわけでございます。こういう点について、大蔵省としてはこの問題をどういうふうに現在調査をされ、今後の対応を検討されておるのか。さらに残された高島常務の五万五千株、館岡取締役の二万五千株、重田常務の二万株、このいわゆる伏流ルートの行方が非常に今大きな問題になっているわけですが、この問題について積極的に調査を実際されているのかどうなのか、こうした問題の解決に今後どう対策を講じていくのか、この解明にどのように取り組んでおるのか、この点について御報告いただきたいと思います。
○角谷政府委員 いわゆる還流株と言われているもののうち、リクルートコスモス社の役職員十数名に対しまして第三者割り当て先五社のうちから移動しているという模様である、こういう協会の報告がありまして、私どもそういった観点からいいますと実は有価証券報告書の中で本来役員の持ち株として記載されるべき事項が記載されてないんではないだろうかといった問題もございますので、そういった点から、現在協会と同様大蔵省におきましても調査を進めている状況でございます。
 今御指摘の松原さんの問題につきましても、その措置の一環といたしまして現在調査中でございますけれども、今の段階におきましては、他の人の名義によって取得されているというふうな模様でございますけれども、ただ、御本人も逮捕されているというふうなこともございまして、現在その株がどういう状況で保有され、だれの名義になり、どういう形になっているか、それは個別にいろいろ調査はしておりますけれども、現在までのところ全体についてここら辺を確認するに至っていないというような状況でございまして、こういった問題につきまして私どもといたしましても正しい記載に基づいて訂正報告書を出していただく必要があるといったことから、個別個別に今現在調査中でございます。
 ただ、今その調査中でございますけれども、現在までのところ店頭登録前にこれが他の者に再譲渡されているといった事実は発見されておりません。
○宮地委員 日本証券業協会の内規においては、店頭登録申請日の直前決算期の一年前以降、コスモス社の場合は六十年四月三十日以降、この役員らに対しましては特別利害関係人による株集め禁止、違反すれぼ登録申請を受理しない、こうなっているわけですね。松原元社長室長や高島コスモス社の常務らへの株譲渡はまさにこの有価証券報告書にほとんど記載をされておらない。大蔵省は当然この有価証券報告書の虚偽記載の疑いが濃いとして調査をしておるようでありますが、やはりこれは大変大きな問題であろうと思うのですね。この点について、調査中といっても、今までのリクルートコスモスの解明に取り組む大蔵省の調査の姿勢というものは何か弱いのではないか。はっきり言えばここまでなめられているといいますか、やられて、やはり何らかの制裁措置といいますか、こういうものを考えないで、私は国民は納得しないと思うのですね。ですから、調査の結果やはり虚偽の有価証券報告書であるということであれば厳正な処置をすべきではないか、この点についてはどういうふうに考えておられるか、伺っておきたいと思います。
○角谷政府委員 まず証券業協会の自主ルール違反の問題でございますが、この点につきましては今現在協会が調査しておりますが、既に中間報告で御報告申しましたように、一部役員に対する譲渡があったといたしますと、これは明らかに証券業協会の自主ルールに違反する行為であるということは明らかであろうと思います。なお詳細は調査中でございますが、全体の調査がまとまりました段階におきまして協会におきまして適切に対応するものというふうに期待しておるわけでございます。
 それから、有価証券報告書の虚偽記載の問題、これは非常に遅いじゃないかと言われるわけでございますが、実は非常にたくさんのものにつきまして、一体株数がだれからどの程度来て、現在それがどうなっているかといったことを個別個別にやっている。しかも関係資料も相当司法当局に押収されておるとかあるいは人によっては逮捕されて確認できないとか、いろいろな事情があるものですから、甚だこの点は、いつまでということもいきませんけれども、これにつきましてもこれが結論が出ました段階におきまして真実に従った適正な記載が行われるよう訂正報告書を出させていきたいというふうに考えておるわけでございます。
 なおこのほか、既に御案内のように五十九年十二月のいわゆるリクルートコスモス株のリクルート社への売却問題、これにつきましては証取法四条違反というふうに私ども判断いたしまして、これの訂正報告書を出せ、出さない間は当分の間リクルートコスモス社の公募による増資を差し控えるよう証券会社を指導するといった意味での実質的な制裁措置をとっておるといったところでございます。
○宮地委員 特に、加藤紘一代議士の実兄に名義を借りて松原弘氏が伏流したコスモス株一万株につきましては、違法譲渡発覚をおそれた偽装工作ではないか、やはりこういうふうな考え方もあるわけですね。ですから、大蔵省としてももっと厳正にこの問題一つ一つについても取り組んでいくべきではないか、こう思うわけでございます。
 時間もありませんから、今のこの伏流ルートの問題あるいは先ほどのファーストファイナンスの問題等を含めまして、リクルートの今回のこのいわゆる譲渡問題というのは私は大変に計画的、工作的に、非常に緻密にやっているのではないか。やはり大蔵省の行政が少しなめられているのではないか、こんな感じもあるわけでございまして、大蔵大臣として今後再発防止のためにもやはり相当な決意で今後の証券行政というものに取り組んでいかなけれは、大変なことになるのではないか。こんなことがまかり通っていたのでは、正直者が本当にばかを見る、そんな社会をつくってしまうのではないか、こう思いますが、大蔵大臣としての所見を伺っておきたいと思います。
○竹下国務大臣 いつも今回の問題につきまして四点に分けて私なりに整理整とんをしておりますが、証券業界そのものの問題、やはり私も振り返ってみますと、ニューヨークを越して、ロンドン市場なんというのは大阪よりも下というような急激ないわゆる証券市場の発達というのに法整備そのものがついていけなかったところにいろいろな問題があったというのも一つの局面としてあると思うのでございます。したがって、証取審で議論していただいておる問題、第三者割り当ての問題とか登録前株式取得の問題とかそういうことももとよりでありますが、証券行政全体のよって立ついわゆる証券関係法の整備も含めて、そしてそれがためには現実的に起こった問題を調査して、丹念に整理整とんして対応すべき問題であるというふうに、私も問題意識をそのように持っております。いわゆる国民にフェアな感じを与えるものでなければならぬというのが前提にあるわけでございます。
○宮地委員 そこで、本日、いわゆる綱紀粛正の問題で総理から官房長官に指示をされた。私もこの内容を見させていただいて、少し緩いといいますか弱い、甘いのではないか。これだけの国民のひんしゅくと信頼を失ったリクルート疑惑のこの事件というものを考えたとき、問題は確かに法整備の問題等もあるのですが、例えば未公開株の譲渡については、禁止するとすれば法改正を伴うため、慎む、こういうふうに事実上禁止措置にしているようでありますけれども、やはり国民の目から見ると非常に甘い。ですから、例えばこうした綱紀粛正の措置をとられて、その後次の通常国会あたりで法の整備もして、特に未公開株の譲渡の問題などについては禁止する、このくらいの強い整備をすべきではないか。竹下総理は余りにもいろいろ博学であるがゆえに非常にちゅうちょしたがる。しかし、やるべきときは断固として決断をしてやるべきではないか、こう感じますが、この点について今回の綱紀粛正に対する総理の基本的考え方と今後これが果たして本当に再発防止につながるのか、弱いとすれば次の通常国会で法整備をしても強くこの綱紀粛正に取り組む考えがおありなのか、この点について御確認をさせていただきたいと思います。
○竹下国務大臣 先ほど山花委員からも御指摘がありました。私自身率直に言って今回のこの綱紀粛正問題について自問自答いたしました。もっともとを正さなければいかぬじゃないか、本当にそういう自問自答を行ってみたわけでございます。それがゆえに政治改革というようなことを言い出しましたが、政治改革はまたとりようによっては、時間がかかるのじゃないかとか、法整備等からいえば。だからそこへ逃げ込むのじゃないかとか、こんな批判も受けるということも十分承知しておりましたが、やはり一番上に立つ者の自浄能力、自浄作用、そしてそれが可能な環境の整備、こういうようなことを本気でやっていかなければならぬと思っております。
 ただ、未公開株問題そのものについての法改正ということについては詳細な知識をただいま持っておりませんので、ちょっと念頭にこうしたものがあるというところまで言うだけの自信はございません。
○宮地委員 ぜひ単なる通達だけでなくして具体的に効果のある、やはりこれだけの未公開株の事件で国民の疑惑を醸し出した問題ですから、検討されて、法整備でもっていくべきであるということであれば検討していただきたいと思うのですね。
 もう一つ大事なポイントは、これから竹下第二次内閣、組閣が恐らく現実的にはこの暮れから始まるのではないか。これについてはいろいろ議会の子ですからなかなか難しいものがあるにしても、私は今回の第二次竹下内閣の改造に当たっては、リクルート疑惑に関与された政治家はもう大臣にしない、そのくらいの厳しい姿勢でこの第二次内閣を組むくらいの決意で閣僚名簿をつくっていかなくてはならないのではないか。今同僚議員から、みずからがということでいろいろおっしゃっておりますが、私は、組閣名簿をつくるに当たっては、まず国民の負託にこたえるだけの、そうしたリクルートに関係したような政治家は登用しない、そのことを明快に国民に明言すべきではないか、まずその取り組む姿勢について総理の所見を伺っておきたいと思います。
○竹下国務大臣 一般論として人事に対する哲学を持てということについては、将来私ども十分心していかなければならない問題だというふうにお答えすることは可能だと思います。が、第二次竹下内閣というのは、本当は選挙があって私が再び指名されたときに第二次内閣になるわけでございますから、その問題は別といたしまして、今そんな内閣をいつごろ改造しようなどということは私の頭の中にございません。
○宮地委員 今総理が一般論と言いましたから、一般論として次の内閣改造のときにはそういう姿勢で取り組むお考えありますか。
○竹下国務大臣 一般論として人事に対しては厳正な対応をしろ、こういうことについては大変よくわかる話でこざいます。
○宮地委員 それで、大体次の改造のときにはまさかリクルートに関係した議員が大臣に出てくるとは考えられない、厳正に取り組む、こういう答弁であると私は理解をさせていただきます。
 時間も参りましたので、最後に、このリクルートの問題と離れまして、私の埼玉県の西部地域、入間川沿いで今大変な事件が発生をしております。少女が誘拐をされ、特に難波絵梨香ちゃんが殺人に遭った、こういうことで、まだお二人の少女の方も行方不明である。私も地元の地域で大変に憂えている一人でございまして、これに対してまず警察庁、この問題解決のため相当な御努力を埼玉県警を中心におやりになっているのは私も承知をしております。今後この解決のためにどう取り組まれるのか、その点についての方向また現在の捜査状況、これについて御報告をいただくと同時に、総理にこうした問題の解決のためどのように取り組む決意であるか、一言だけお伺いして終わりにしたいと思います。
○中門政府委員 お尋ねの連続しました幼児の行方不明事案につきましては、本年八月二十二日に入間市で四歳の幼稚園児が、十月三日に飯能市で七歳の小学校一年生の女の子が、十二月九日に川越市で四歳の幼稚園児が所在不明になった事案でございますが、埼玉県警におきましては、いずれの事案につきましても多数の警察官を動員しまして、その発見のために大がかりな捜査活動を実施してきたところでございます。
 この三人のうち、一番新しい難波絵梨香ちゃんという女の子につきましては、まことに残念な結果でございますが、昨日遺体で発見されたわけでございます。遺体の解剖等から首を絞められて殺されたということが判明しておりまして、埼玉県警では現在捜査本部を設置しまして、鋭意捜査を進めているところでございます。
 いずれにしましても、非常に地域の住民に不安を与える事件でございますので、総力を挙げて取り組むものというふうに承知しておるところでございます。
○竹下国務大臣 捜査のことについては今のとおりだと、私も捜査当局を信頼しております。鞭撻もいたします。しかし、基本的には、このような痛ましい事件が起こるような環境、そうしたものに私自身も政治家としての責任を感じます。お互い、いい世の中をつくるように努力したいと思います。
○宮地委員 終わります。
○原田委員長 これにて宮地正介君の質疑は終了いたしました。
 次に、川端達夫君。
○川端委員 大蔵大臣、よろしくお願いします。
 リクルートの問題が発覚をしましてから随分の期間がたったわけですけれども、時期を経るに従って、何というのですか、ジグソーパズルを一つずつ積み上げていくようにだんだんといろんなことがわかってきた。そういう中で、この株の取引自体が、いわゆる未公開株であるという意味で、普通の人が簡単にその売買に関与できない特殊なものである、その株の売買を、場合によっては無利子の融資まで受けて、手続き等々は一切第三者といいますか、かわりにやってもらって、そして株券も見ずに、最終的には売る時期までアドバイスを受けて、売る手続きも、証券会社における口座の開設も、全部やってもらって、そして自分の預金口座にだけお金が入ってくる、こういう取引が非常に多くあるということがわかってきたわけですけれども、大蔵大臣は、かねがね、この件に関していろんな真相を明らかにするときに事実関係を調べるべきではないかという主張に対して、いわゆる通常の経済取引であり商行為であるということをお述べになっているわけですけれども、今私が申し上げましたようなこういう経緯で取引をされているこの件に関して、これもいわゆる通常の経済取引であり商行為であるというふうにお考えなのかどうか、まずその点をお伺いしたいと思います。
    〔委員長退席、山下(徳)委員長代理着席〕
○竹下国務大臣 これは厳密に言いますと、株式の譲渡人と譲り受け人がおります売買行為、それは経済行為であるという範疇に入ると思います。それで、今問題にしておるのは、その経済行為ではなく、国民の目にはいかにもそれがアンフェアな、特別な者しかそういう機会に恵まれないというアンフェアな点を与えておるというところが、私は一番大きな問題ではなかろうかというふうに思っておるところでございます。
○川端委員 そのアンフエアであるという部分は確かにそうだと思うのです。一般の人には入手できない株を特定の人が声をかけてもらったということであります。国民の皆さんが非常にいろんな思いを持っておられる中にはその部分も確かにあると思います。しかし、形として言えば株を売買したということでございますが、通常の株売買であれば、それは未公開株も含めてでありますけれども、自分で資金を用意をして手続きも自分でやり、株を購入をする、あるいはそういう専門の証券業の人にお願いをして株を購入する、株券を手元に置く、そして時期を見て新聞の株式欄等々を見て売ろうという意志を持って自分で手続きをして口座を開設し、売買をする、これがいわゆる通常の株取引だとおもうのですね。
 ところが、今回の場合は、そういういろいろと手続きをする部分は一切と言っていいほどやらずに、しかもお金も融資を受け、場合によっては利息もない、そして期間も非常に短い期間で、売る時期までアドバイスを受け、あるいはかわりに売っていただくということでいうと、形は確かに株取引という経済行為と言えないことはないけれども、これは通常の、という言葉はよく今まで使われてきたと思いますが、通常の株取引、経済行為、商行為という範疇からは甚しく逸脱をしているんではないかというふうに思うのですが、くどいようですが、もう一度、これが本当にいわゆる通常の商行為であり経済取引であるというふうにお考えなのかどうかをお伺いしたいと思うのです。
○竹下国務大臣 常識的に川端委員が割り切って判断しておられることを私も正しいと思っております。ただ、私がいわゆる経済行為と言ったのは、ちょっとこれは言わなきゃよかったなと思ったのですが、売買行為は経済行為という意味でちょっと言い過ぎたような気がいたしておりますが、具体的には今川端委員がおっしゃったような感じを持つのが常識だろうというふうに思います。
○川端委員 ということは、これは形を変えた、株式取引という装いを持った、結果として言えば、実質的に言えば現金の贈与といいますか、であったというふうにほとんどの人は思っていると思うのですが、総理自体はその点に関してはどういうふうに思っておられるのでしょうか。
○竹下国務大臣 結果としては、私も川端委員と同じ感じでございます。
○川端委員 ということは、かねがね竹下総理・大蔵大臣は、この問題自体が証券取引法上の問題とそれから税法上の問題、刑法上の問題それから政治倫理上の問題、御不在でしたが、朝の議論では政治資金規制法上の問題もあるんではないかという意見も出ておったのですが、そういうふうな中で問題をとらえるべきである、一つの見識であるというふうに私も思いますけれども、そういう中で刑法上の問題という部分は今捜査当局において懸命の努力をしておられる、これは私も評価をしたいと思います。そういう意味で、税法上の問題という部分では、これからの問題も含めては、いわゆる税制改革の議論の中でもキャピタルゲイン等々いろいろ御議論されているし、いろいろな調査もされていると思います。そういう意味で、まさに株取引の形をかりた現金の贈与が行われた。これは、証券取引法に限定せずに広く証券行政という中で、非常に株取引というものを国民に対して何かダーティーなイメージといいますか、不信の念を持たした事件だと思うのですね。そして、まさにその株取引の名前をかりるということで悪用をされたんではないかとも言えると思うのです。
 そういう意味では、竹下総理・大蔵大臣が分類をされている証取法上の部分でこれからどういうふうにそういうことが起こらないようにしたらいいのかということを、いろいろの審議会を通じて検討されているということは伺っていますけれども、そのときに、今までというか、本件がどういう実態であったかということを大蔵当局として明確に把握をして、実態を調査し、把握をしなければ、これから起こってはいけないという防止策ですね、そういうことが打てないというふうに思うのですけれども、そういう意味でこの件に関して、捜査当局ということではなくて大蔵当局として、例えばリストの譲渡の流れの全貌の解明とかそういうふうなこと、お金の流れ等々に関して真相を究明をしていくという調査を、いや、個々の取引においては証取法になじまないからできないとかそういうことではなくて、証券行政そのものに対する信頼を回復するためにおやりになるという御決意はいかがでしょうか。
○竹下国務大臣 四つに分類したお話、政治資金規制法等も四分類に当然入る話だと思います。
 そこで、今一分類、二分類に関するお尋ねというふうに私なりに整理させていただけばなるわけでございますが、おっしゃる意味は私もよく理解できます。したがって、審議会でいろいろ議論をいたしてみましても、こうしたものが起きて審議会にお願いしなければならないようになったのはなぜかというところから、おのずから限界があろうと思います。証取法の面で調査をすれば証取法の限界がございましょうが、証券業法もございましょう。しかし、それは可能な限り私どもはやらなければ、やはり審議会で議論していただいても、いい結果をできるだけ早くちょうだいするためにはそうしたお手伝い、審議会にたいしてはお手伝いでございますが、みずからそうした調査というのは可能な限りやるべきものだと思います。
○川端委員 そういう御見解の中なんですが、実際にいろいろ議論をしていくと、個々の証取法の問題等々の解釈をめぐって、これは行政になじまない云々ということが今までしばしば出てきたわけですけれども、今の御答弁を受けて、ぜひとも生まれ変わった気持ちでひとつ調査をしていただきたい。
 そういう部分で、経過として、大蔵当局自体は今の大臣の御決意の中で既にやっておられると思うのですが、いわゆる第三者割り当て増資株がそれ以降にいろいろ流れたということであるわけですけれども、その株の流れの全貌に関しては既に調査をしておられるのかどうか、お伺いしたい。
○角谷政府委員 私ども、現在の証取法の前提で申しますと、株の譲渡そのものが特に証取上違法であるとかそういう事実ではないわけでございまして、そういった意味では、委員のせっかくの御指摘でございますが、そういった個々の取引内容それ自体を調査するということは、やはり現在の実定法上私どもに与えられている権限上、そこは制約があるということでございます。
 ただ、先ほどからお答え申し上げておりますように、いわゆる環流株と言われているもののうち役職員に環流したと推定される部分につきましては、これはまさに証取法上の有価証券報告書の役員の持ち株の記載事項にかかわるものが虚偽であったかどうかといったことがございますので、こういった点につきましては、これは私ども、証取法上の権限という形で証取法上の立場を行使いたしまして、これについては調査いたしております。そういった中では一部、全体につきましてじゃなくて、そういった証取法上の与えられた範囲内におきまして、法を適正に執行する立場からこれを調査しているということでございます。
○川端委員 時間がないのでこれ以上は言いませんが、結局各論になるとそういう証取法上である、こういうふうにお話はなるのです。いわゆる証券行政の根本に突きつけられた、証券取引に名前をかりて、先ほども総理は実態はそうであろうとおっしゃいましたけれども、証券取引に形をかりて現金の贈与を行うというふうに悪用をされているわけですから、それがどういう実態であったかということ自体は、証取法を非常に狭めて解釈するのではなくて調査をすべきだというふうに思います。
 そういう部分で、個々の取引、今、リクルートコスモスの役員に関しては有価証券の取引法に違反する可能性があるか調べるということなんですが、例えば、書類上はいわゆる第三者割り当て会社と個々人の譲渡に形をかりているわけですけれども、実質的には、例えばエターナル社自体は、一括してファーストファイナンス社がお金を払い、有価証券取引税もファーストファイナンスが払ったというふうな事実まで出てきているという部分では、やはりすべてを調べなければいけないのではないかというふうに思います。
 そういう意味で、時間がきましたので、最後にエターナルフォーチュン社以外に、同じようにファーストファイナンスが有価証券取引税を一括して払ったというふうな事実があるのかどうか調べておられるかどうか、お聞かせをいただきたいと思います。
○伊藤(博)政府委員 有取税についての御質問でございますけれども、事柄が非常に個別問題にわたりますので、事柄の性質上、そういう個別問題に即しての答弁は差し控えさせていただきますが、一般的に有取税につきましては、相対取引でございましても、しかるべく納付する義務があるということで、そのようになされておるというふうに考えております。
○角谷政府委員 個別の調査の問題は先ほど申し上げたとおりでございますけれども、ただ、総理も申し上げられましたように、この問題がやはり特定の者に対して不公平感、アンフェアな感じを与えるといった現在の株式公開市場をめぐるいろいろな問題は、やはり基本的に証券行政としてもこれは対応すべきであるといった観点から、私どもといたしましては、御指摘のような第三者割り当て先を利用いたしましたそういった行為をどう防止するかとか、あるいは、もともとこういった問題が起こるのは、そもそも公開価格と初値との間に平均的に二割とか三割とかそういう価格乖理がある、したがって、そういった価格につきまして、何らかの市場原理というものを導入いたしまして、そういった特別の利益供与的な色彩をなるたけなくしていく方向で証券市場を改革していくべきじゃないか、こういったふうな観点では、今回の問題を教訓にいたしまして前向きに取り組んでまいりたい、このように考えているわけでございまして、こういった観点から、現在、証券取引審議会で御議論をいただいているところでございます。
○川端委員 終わります。
○山下(徳)委員長代理 これにて川端達夫君の質疑は終了いたしました。
 次に、松本善明君。
○松本(善)委員 昨日、総理並びに大蔵大臣ですが、橋本議員にたいして参議院で相当興奮してお答えになって、珍しいことだと思って聞いておりましたが、答弁を変更されました。青木秘書の二千株だけだと言っていたのからいいますと三度目でございますが、あなたに対する疑惑はもうますます深くなったというふうに思っております。
 これを解明をするというためには、やはり決定的に重要なのは、福田勝之名義のリクルート株売却代金の二千万円余がどこへ入金したかということがはっきりすれば解明されると思うのです。非常に大事な問題です。
 それで私は、きょう質問の前に、橋本さんの問いとあなたの答を差し上げて、この点を聞くという――先ほど読み上げられました。うなずきながらというのが入っているので、私どもの提供したものだというふうに思ったのでございますけれども、この先ほどの答弁では、福田氏名義の通帳を見た気がするということを言われました。間違いございませんか。
○竹下国務大臣 そのとおりでございます。たしか五千二百万円の入金の名義の口座を見たような気がするというふうなことを言ったような気がしております。
 それから、もう一つお断りします。興奮しておったとしたらおわび申し上げます。
○松本(善)委員 橋本さんのときには二千万ということが今度五千二百万になったということも不思議な気がいたしますが、この福田氏の名義の通帳を見た気がするというのは、いつ、どこでごらんになった気がするのですか。
○竹下国務大臣 それはちょっと覚えがございません。と申しますのは、いかに私に対して御質問があってもそれは結構でございますけれども、やはり先生の党の連係した一連の問題は、一つ一つ私自身気をつけませんと、かえって御迷惑をかけるような答弁になってはいけないと思います。
○松本(善)委員 これは非常に大事だからお聞きしているのですよ。宮澤さんの例あり、真藤さんの例ありでしょう。素直に信用できないような状態になっているのですよ、リクルート問題については。ですから、あなたの物証が必要だということで再々お聞きをしているわけでございますが、それじゃ、十一月九日の前か後かということはいかがでございます。その通帳を見たのは、十一月九日の社会党がリストを発表して青木さんから説明をされたというふうにあなたの言われた前ですか、後ですか。
○竹下国務大臣 常識的に考えまして、そのことがわかったのが十一月九日でございますから、前にそんなのを見ておるということはちょっとできないことじゃないかと思います。
○松本(善)委員 そうすると、もうすぐ、ちょっと前のことですよ、あなた、十一月九日から今一月ちょっとですよ。それが、いつ、どこで見たかということが思い出せませんのですか。私は、記憶力の非常にいい竹下総理がそんなことはあり得ないと思いますよ。どうですか、もう一度お聞きします。
○竹下国務大臣 いや、記憶力のいい点は時にはございますけれども、今、本当のことを言っているわけでございます。
○松本(善)委員 これは私は非常に大事だと思います。といいますのは、福田正氏は売却益を貯金をしてちびりちびりと使っていたということ。これは、子供の名前で大きな会社の社長が株の売買の取引をしてちびりちびり貯金をして使っていた、こんなみみっちい話は私はないだろうと思う。だから、根本的に疑惑を持っているのです。
 それで、私は、あなたの場合に、これはもし、さっき宮澤さんだとか真藤さんの例を申しましたが、あなたの政治団体の収入になっているとかあなたの秘密口座にはいっているとか、実際にあったから言うのですよ、というようなことがあれば極めて重大なことになるので、だからそれを、証明がない限りはそれは疑惑が残るのですよ。真藤さんだってそんなことは絶対ないと言っていたのが、その秘密口座に入ったり本人の口座に入ったりしたわけでしょう。だから、どうしてもやはりあなたは物証が要るんだと思うのですよ。それを私どもは再々言っております。宮澤さんは、それが求められて、そしてそれが提出できなくておやめになったのですけれども、私は、それを証明するのは竹下総理としてはごく簡単なんだと思うのですよ、この株の売買をしたときにはちゃんと書類が残るのですから。売却の際の株式売買通知書、それから証券会社の売買報告書、顧客の勘定元帳の福田関係分、これは正氏になっているか勝之氏になっているか、どうなっているかわかりませんが、この三つを三点セットで、あなた自身が努力をすれば簡単にそろうものです。これを提出をされれば私たちの疑問は解決するのですよ。それを提出をするという努力をしていただきたいと思うのですよ。いかがですか。
○竹下国務大臣 私も、福田さんという方はかなり資産もございますし、立派な方だと思っております。また、私もそうした、何といいますか、今御想像のような形で政治資金口座へ人れようなどということを考えもしたことはございません。
 そこで、物証、物証とおっしゃっておりますが、整理して申しますが、子息名義で行った売買取引について詳細にわたるお尋ねである、ただいまのは。関係書類を見せてくれとか、さらに細かく説明してくれとか言えない間柄ではありませんが、国会での質問に答えるための必要だといってそこまでやる考えはございません。国会の中で、議院、議会の中でいろいろお決めになることにはそれは従わなきゃなりませんが、やはりお互い信頼が大事だと思ってております。松本さんを私も信頼しておりますし、今までと同じようにそういう形でお互いつき合いたいと思っております。
○松本(善)委員 一般的に言えば私は通用しますよ。今しかし、宮澤さんの例あり、真藤さんの例あり、そのほか全部、いっぱいリクルート関係で社会的に立派な人が次から次へと前に言っていることをひっくり返すという事態か起こっているでしょう。日本の国民はこれで疑うということを知ったということが報道もされています。だから言うのですが、宮澤さんも今と同じような趣旨のことを言ったのですよ。服部秘書官の友人の河合のことだ、だから、人様のことだから言えないのだという趣旨のことをずっと言ってこられた。あなたも、そこまでやる気はない、きのうは人様のことだというふうにも言われました。同じ論理なんですよ。
 それで、私は、それはあなたについての疑惑もいっぱいありますよ。ちゃんと物証が出てこなけれは、福田正さんというのもこれはつくり話ではないかという疑惑だって起こりますよ。それは、そういうところが、もしあなたが言われるならば、解明をしたいと言うならば、李下に冠を正さずということを言われるならば、スモモがあなたの袋に入っているのじゃないかと言われたらそれは全部見せるというのが当たり前でしょう。それが物証を提出するということでしょう。それを私はやるべきだというふうに思うのですよ。
○竹下国務大臣 考え方の相違かもしれませんけれども、この問題についてあなたと同じ考え方に立つことは、かなり努力しても困難だと思ってっております。
○松本(善)委員 それでは私は、綱紀粛正をやるなんと言ったって、既に漫画にも書かれていますけれども、とてもできないです。
 それで、私はもう一つ聞きます。先ほどの答弁で、あなたは青木氏の約定書と混然とした気がするということも言われました。この趣旨のことを、青木氏との関係で混然とした気がするということを先ぼど村山さんには答弁をされました。それはどういう趣旨を言おうと思っていらしたのですか。
○竹下国務大臣 いや、日にちがずっといったときに、混然としておったという気がいたします、こういうこと申しまして、定約書の問題とは別でございます。売買約定書とかおっしゃいましたが、恐らく株式売買約定書のことだと先ほど聞いて思っておりましたが、その問題で別に混然としてはおりません。
○松本(善)委員 議事録を見ればわかることでありますが、しかしこれを、先ほどのところへ戻りますけれども、あなたはきっちりと福田さんの貯金通帳を見たというところへ答弁を固められたわけですけれども、そうなるとすれば、これ福田さんの通帳が東京へ送り届けられてきたのか、それとも新潟へ行って見たのか、そういう疑問もありますよ。あなたはどういう記憶ですか、これについては。
○竹下国務大臣 先ほど答えましたが、とにかくまた速記録を見て、またこう選んでおやりになるでございましようが、私は、今までいろいろなことがありましたけれども、皆さん方の速記録を見て、それで何だかんだ言ったことはこざいませんので、きょう言ったことをそのまま素直におとりいただければ結構でございます。――そんなことを言うものじゃありません。
○松本(善)委員 総理、私どもがこの事実関係について詳しくお聞きしておりますのは、これはいわゆる総理やあるいは大蔵大臣としての政策上の答弁ではなくて事実関係ですから、これはやはり一回出てきたらそういうふうに言われたという事実は残るのですよ。これは本当のことを言っているかどうかという問題が今日本の国民は非常に重大な関心があるものですから、それで食い違いがあれば、これは一体どうなんだ、どっちが本当なんだ、あるいはそれ以外に本当の事実があるんじゃないかということの疑惑を晴らす義務があるからやっているのです。その私の立場はわかりませんか。
○竹下国務大臣 声の大きい小さいは別といたしまして、お互いが信頼関係において、信頼したことをお互い申し上げておるわけで、この場をかりてお互いをそう突っ込むなどということは、あなたもお考えにならぬし、私も考えたことはございません。
○山下(徳)委員長代理 時間が来ておりますので……。
○松本(善)委員 今後追及していくということを申し上げて、終わりにしたいと思います。
○山下(徳)委員長代理 これにて松本善明君の質疑は終了いたしました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後六時三十九分散会