第114回国会 法務委員会 第5号
平成元年六月二十日(火曜日)
    午前十時五分開議
出席委員
  委員長 戸塚 進也君
   理事 逢沢 一郎君 理事 井出 正一君
   理事 井上 喜一君 理事 太田 誠一君
   理事 保岡 興治君 理事 坂上 富男君
   理事 中村  巖君 理事 河村  勝君
      赤城 宗徳君    伊藤宗一郎君
      稻葉  修君    上村千一郎君
      江口 一雄君    大坪健一郎君
      木部 佳昭君    佐藤 敬夫君
      塩崎  潤君    白川 勝彦君
      戸沢 政方君    伊藤  茂君
      稲葉 誠一君    山花 貞夫君
      冬柴 鐵三君    山田 英介君
      滝沢 幸助君    石井 郁子君
出席国務大臣
        法 務 大 臣 谷川 和穗君
 出席政府委員
        法務大臣官房長 井嶋 一友君
        法務省民事局長 藤井 正雄君
        法務省刑事局長 根來 泰周君
        法政省入国管理
        局長      股野 景親君
 委員外の出席者
        内閣総理大臣官
        房参事官    藤井紀代子君
        文部大臣官房人
        事課長     岡村  豊君
        労働大臣官房秘
        書課長     岡山  茂君
        法務委員会調査 乙部 二郎君
        室長
    ―――――――――――――
委員の異動
六月十五日
 辞任         補欠選任
  清水  勇君     小林 恒人君
同日
 辞任         補欠選任
  小林 恒人君     清水  勇君
同月二十日
 辞任         補欠選任
  大塚 雄司君     大坪健一郎君
  鹿野 道彦君     佐藤 敬夫君
  友納 武人君     江口 一雄君
  安藤  巖君     石井 郁子君
同日
辞任      補欠選任
  江口 一雄君     友納 武人君
  大坪健一郎君     大塚 雄司君
  佐藤 敬夫君     鹿野 道彦君
  石井 郁子君     安藤  巖君
六月十九日
 法例の一部を改正する法律案(内閣提出第四一
 号)(参議院送付)
同月十五日
 民事保全法案反対に関する請願(辻第一君紹介
 )(第二七六七号)
 同(松本善明君紹介)(第二七六八号)
 法務局、更生保護官署及び入国管理官署の増員
 に関する請願(中島武敏君紹介)(第二七六九
 号)
 同(松本善明君紹介)(第二七七〇号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第二七七一号)
 同(沢藤礼次郎君紹介)(第二七九六号)
 刑事施設法案の廃案に関する請願(中路雅弘君
 紹介)(第二七九五号)
同月十六日
 刑事施設法案の廃案に関する請願(石井郁子君
 紹介)(第二八六七号)
 同(早川勝君紹介)(第二八六八号)
 刑事施設法案の早期成立に関する請願(石渡照
 久君紹介)(第二八六九号)
 同(林義郎君紹介)(第二八七〇号)
 同(原田憲君紹介)(第二八七一号)
 同(平林鴻三君紹介)(第二八七二号)
 同外一件(天野光晴君紹介)(第三〇一七号)
 同(井上喜一君紹介)(第三〇一八号)
 法務局、更生保護官署及び入国管理官署の増員
 に関する請願(奥野一雄君紹介)(第三〇一九
 号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 閉会中審査に関する件
 法例の一部を改正する法律案(内閣提出第四一
 号)(参議院送付)
 請 願
   一 刑事施設法制定反対に関する請願(山
     花貞夫君紹介)(第四号)
   二 刑事施設法案の廃案に関する請願(安
     藤厳君紹介(第七五号)
   三 同(石井郁子君紹介)(第七六号)
   四 同(岩佐恵美君紹介)(第七七号)
   五 同(浦井洋君紹介)(第七八号)
   六 同(岡崎万寿秀君紹介)(第七九号)
   七 同(金子満広君紹介)(第八〇号)
   八 同(経塚幸夫君紹介)(第八一号)
   九 同(工藤晃君紹介)(第八二号)
  一〇 同(児玉健次君紹介)(第八三号)
  一一 同(佐藤祐弘君紹介)(第八四号)
  一二 同(柴田睦夫君紹介)(第八五号)
  一三 同(瀬長亀次郎君紹介)(第八六号)
  一四 同(田中美智子君紹介)(第八七号)
  一五 同(辻第一君紹介)(第八八号)
  一六 同(寺前巖君紹介)(第八九号)
  一七 同(中路雅弘君紹介)(第九〇号)
  一八 同(中島武敏君紹介)(第九一号)
  一九 同(野間友一君紹介)(第九二号)
  二〇 同(東中光雄君紹介)(第九三号)
  二一 同(不破哲三君紹介)(第九四号)
  二二 同(藤田スミ君紹介)(第九五号)
  二三 同(藤原ひろ子君紹介)(第九六号)
  二四 同(正森成二君紹介)(第九七号)
  二五 同(松本善明君紹介)(第九八号)
  二六 同(村上弘君紹介)(第九九号)
  二七 同(矢島恒夫君紹介)(第一〇〇号)
  二八 同(山原健二郎君紹介)(第一〇一号
     )
  二九 同(伊藤茂君紹介)(第一〇二号)
  三〇 同(清水勇君紹介)(第一〇三号)
  三一 同(山花貞夫君紹介)(第一〇四号)
  三二 同(稲葉誠一君紹介)(第一一三号)
  三三 同(坂上富男君紹介)(第一一四号)
  三四 同(金子満広君紹介)(第一二七号)
  三五 同(工藤晃君紹介)(第一二八号)
  三六 同(辻第一君紹介)(第一二九号)
  三七 同(寺前巖君紹介)(第一三〇号)
  三八 刑事施設法案反対に関する請願(寺前
     巌君紹介)(第一二六号)
  三九 刑事施設法案の廃案に関する請願(安
     藤巌君紹介)(第二一二号)
  四〇 同(石井郁子君紹介)(第二一三号)
  四一 同(岡崎万寿秀君紹介)(第二一四号
     )
  四二 同外二件(清水勇君紹介)(第二一五
     号)
  四三 同(辻第一君紹介)(第二一六号)
  四四 同(中路雅弘君紹介)(第二一七号)
  四五 同(稲葉誠一君紹介)(第二三二号)
  四六 同(伊藤茂君紹介)(第二四五号)
  四七 同(山花貞夫君紹介)(第二五五号)
  四八 同(石井郁子君紹介)(第三二一号)
  四九  同(岩佐恵美君紹介)(第三二二号
      )
  五〇  同(浦井洋君紹介)(第三二三号)
  五一  同(岡崎万寿秀君紹介)(第三二四
      号)
  五二  同(経塚幸夫君紹介)(第三二五号
      )
  五三  同(工藤晃君紹介)(第三二六号)
  五四  同(児玉健次君紹介)(第三二七号
      )
  五五  同(佐藤祐弘君紹介)(第三二八号
      )
  五六  同(柴田睦夫君紹介)(第三二九号
      )
  五七  同(瀬長亀次郎君紹介)(第三三〇
      号)
  五八  同(辻第一君紹介)(第三三一号)
  五九  同(寺前巖君紹介)(第三三二号)
  六〇  同(中路雅弘君紹介)(第三三三号
      )
  六一  同(中島武敏君紹介)(第三三四号
      )
  六二  同(野間友一君紹介)(第三三五号
      )
  六三  同(東中光雄君紹介)(第三三六号
      )
  六四  同(不破哲三君紹介)(第三三七号
      )
  六五  同(藤田スミ君紹介)(第三三八号
      )
  六六  同(藤原ひろ子君紹介)(第三三九
      号)
  六七  同(正森成二君紹介)(第三四〇号
      )
  六八  同(松本善明君紹介)(第三四一号
      )
  六九  同(村上弘君紹介)(第三四二号)
  七〇  同(矢島恒夫君紹介)(第三四三号
      )
  七一  同(山原健二郎君紹介)(第三四四
      号)
  七二  刑事施設法案反対に関する請願(安
      藤巌君紹介)(第三四五号)
  七三  同(金子満広君紹介)(第三四六号
      )
  七四  同(田中美智子君紹介)(第三四七
      号)
  七五  刑事施設法案の廃案に関する請願(
      矢島恒夫君紹介)(第三五八号)
  七六  同(伊藤茂君紹介)(第三八六号)
  七七  同(坂上富男君紹介)(第三九一号
      )
  七八  同(山花貞夫君紹介)(第三九七号
      )
  七九  同(浦井洋君紹介)(第四六七号)
  八〇  同(柴田睦夫君紹介)(第四六八号
      )
  八一  同(寺前巖君紹介)(第四六九号)
  八二  同(中路雅弘君紹介)(第四七〇号
      )
  八三  同(加藤万吉君紹介)(第五六四号
      )
  八四  同(浦井洋君紹介)(第六六三号)
  八五  同(瀬長亀次郎君紹介)(第六六四
      号)
  八六  同(田中美智子君紹介)(第六六五
      号)
  八七  同(野間友一君紹介)(第六六六号
      )
  八八  同(矢島恒夫君紹介)(第六六七号
      )
  八九  同(山原健二郎君紹介)(第六六八
      号)
  九〇  刑事施設法案の早期成立に関する請
      願(玉沢徳一郎君紹介)(第六九五
      号)
  九一  同(保岡興治君紹介)(第七五七号
      )
  九二  同(井上喜一君紹介)(第八〇〇号
      )
  九三  同外一件(石渡照久君紹介)(第八
      〇一号)
  九四  同(小澤潔君紹介)(第八〇二号)
  九五  同(田原隆君紹介)(第八〇三号)
  九六  同(武部勤君紹介)(第八〇四号)
  九七  同(渡部恒三君紹介)(第八〇五号
      )
  九八  刑事施設法案の廃案に関する請願(
      稲葉誠一君紹介)(第六九六号)
  九九  刑事施設法案の早期成立に関する請
      願(伊吹文明君紹介)(第九一三号
      )
  一〇〇 同外一件(亀井静香君紹介)(第九
      一四号)
  一〇一 同(田中龍夫君紹介)(第九一五号
      )
  一〇二 同(田原隆君紹介)(第九一六号)
  一〇三 同(逢沢一郎君紹介)(第一〇二〇
      号)
  一〇四 同(井上喜一君紹介)(第一〇二一
      号)
  一〇五 同(衛藤征士郎君紹介)(第一〇二
      二号)
  一〇六 同(橋本龍太郎君紹介)(第一〇二
      三号)
  一〇七 同(二田孝治君紹介)(第一〇二四
      号)
  一〇八 刑事施設法案の廃案に関する請願(
      安藤厳君紹介)(第一〇〇九号)
  一〇九 同(岩佐恵美君紹介)(第一〇一〇
      号)
  一一〇 同(金子満広君紹介)(第一〇一一
      号)
  一一一 同(経塚幸夫君紹介)(第一〇一二
      号)
  一一二 同(児玉健次君紹介)(第一〇一三
      号)
  一一三 同(佐藤祐弘君紹介)(第一〇一四
      号)
  一一四 同(柴田睦夫君紹介)(第一〇一五
      号)
  一一五 同(東中光雄君紹介)(第一〇一六
      号)
  一一六 同(不破哲三君紹介)(第一〇一七
      号)
  一一七 同(藤田スミ君紹介)(第一〇一八
      号)
  一一八 刑事施設法案反対に関する請願(山
      原健二郎君紹介)(第一〇一九号)
  一一九 刑事施設法案の早期成立に関する請
      願(衛藤征士郎君紹介)(第一〇五
      三号)
  一二〇 同(相沢英之君紹介)(第一一〇五
      号)
  一二一 同(井上喜一君紹介)(第一一〇六
      号)
  一二二 同(江口一雄君紹介)(第一一〇七
      号)
  一二三 同(衛藤征士郎君紹介)(第一一〇
      八号)
  一二四 同(倉成正君紹介)(第一一〇九号
      )
  一二五 同外一件(佐藤一郎君紹介)(第一
      一一〇号)
  一二六 同(杉浦正健君紹介)(第一一一一
      号)
  一二七 同(鈴木宗男君紹介)(第一一一二
      号)
  一二八 同外一件(砂田重民君紹介)(第一
      一一三号)
  一二九 同(戸沢政方君紹介)(第一一一四
      号)
  一三〇 同(額賀福志郎君紹介)(第一一一
      五号)
  一三一 同(吹田ナ君紹介)(第一一一六号
      )
  一三二 同(松本十郎君紹介)(第一一一七
      号)
  一三三 同(森喜朗君紹介)(第一一一八号
      )
  一三四 刑事施設法案の廃案に関する請願(
      寺前巖君紹介)(第一〇八〇号)
  一三五 同(藤原ひろ子君紹介)(第一〇八
      一号)
  一三六 法務局、更生保護官署及び入国管理
      官署の増員に関する請願(安藤厳君
      紹介)(第一二一七号)
  一三七 同(野間友一君紹介)(第一二一八
      号)
  一三八 刑事施設法案の早期成立に関する請
      願(稲村利幸君紹介)(第一二一九
      号)
  一三九 同(衛藤征士郎君紹介)(第一二二
      〇号)
  一四〇 同(大原一三君紹介)(第一二二一
      号)
  一四一 同(原田昇左右君紹介)(第一二二
      二号)
  一四二 同(渡辺省一君紹介)(第一二二三
      号)
  一四三 同(伊吹文明君紹介)(第一二九七
      号)
  一四四 同(佐藤一郎君紹介)(第一二九八
      号)
  一四五 同(鈴木宗男君紹介)(第一二九九
      号)
  一四六 同(中山太郎君紹介)(第一三〇〇
      号)
  一四七 同(野呂昭彦君紹介)(第一三〇一
      号)
  一四八 同(吹田ナ君紹介)(第一三〇二号
      )
  一四九 同外三件(前田武志君紹介)(第一
      三〇三号)
  一五〇 同(渡辺省一君紹介)(第一三〇四
      号)
  一五一 刑事施設法案廃案に関する請願(金
      子満広君紹介(第一四六六号)
  一五二 同(佐藤祐弘君紹介)(第一四六七
      号)
  一五三 同(柴田睦夫君紹介)(第一四六八
      号)
  一五四 同(中路雅弘君紹介)(第一四六九
      号)
  一五五 同(中島武敏君紹介)(第一四七〇
      号)
  一五六 同(不破哲三君紹介)(第一四七一
      号)
  一五七 同(松本善明君紹介)(第一四七二
      号)
  一五八 刑事施設法案の廃案に関する請願(
      岩佐恵美君紹介)(第一四七三号)
  一五九 同(山原健二郎君紹介)(第一四七
      四号)
  一六〇 同(中路雅弘君紹介)(第一五七三
      号)
  一六一 刑事施設法案の早期成立に関する請
      願(井上喜一君紹介)(第一四七五
      号)
  一六二 同(伊吹文明君紹介)(第一四七六
      号)
  一六三 同(上草義輝君紹介)(第一四七七
      号)
  二六四 同(岡島正之君紹介)(第一四七八
      号)
  一六五 同(小坂善太郎君紹介)(第一四七
      九号)
  一六六 同(玉生孝久君紹介)(第一四八〇
      号)
  二六七 同(中川秀直君紹介)(第一四八一
      号)
  一六八 同(野田毅君紹介)(第一四八二号
      )
  一六九 同(松本十郎君紹介)(第一四八三
      号)
  一七〇 同(山下元利君紹介)(第一四八四
      号)
  一七一 同(渡辺省一君紹介)(第一四八五
      号)
  一七二 同(阿部文男君紹介)(第一六〇四
      号)
  一七三 同(石渡照久君紹介)(第一六〇五
      号)
  一七四 同(浦野烋興君紹介)(第一六〇六
      号)
  一七五 同(亀井善之君紹介)(第十六〇七
      号)
  一七六 同(鴻池祥肇君紹介)(第一六〇八
      号)
  一七七 同(左藤恵君紹介)(第一六〇九号
      )
  一七八 同(塩崎潤君紹介)(第一六一号)
  一七九 同(砂田重民君紹介)(第一六二号
      )
  一八〇 同(塚原俊平君紹介)(第一六一二
      号)
  一八一 同(前田武志君紹介)(第一六一三
      号)
  一八二 同(牧野隆守君紹介)(第一六一四
      号)
  一八三 同(三ッ林弥太郎君紹介)(第一六
      一五号)
  一八四 同(渡辺省一君紹介)(第一六一六
      号)
  一八五 同(北川石松君紹介)(第一七〇五
      号)
  一八六 同(前田武志君紹介)(第一七〇六
      号)
  一八七 同(竹中修一君紹介)(第一七五七
      号)
  一八八 同(前田武志君紹介)(第一七五八
      号)
  一八九 法務局、更生保護官署及び入国管理
      官署の増員に関する請願(安藤巌君
      紹介)(第一四八六号)
  一九〇 同(石井郁子君紹介)(第一四八七
      号)
  一九一 同(岩佐恵美君紹介)(第一四八八
      号)
  一九二 同(浦井洋君紹介)(第一四八九号
      )
  一九三 同(岡崎万寿秀君紹介)(第一四九
      〇号)
  一九四 同(金子満広君紹介)(第一四九一
      号)
  一九五 同(経塚幸夫君紹介)(第一四九二
      号)
  一九六 同(工藤晃君紹介)(第一四九三号
      )
  一九七 同(児玉健次君紹介)(第一四九四
      号)
  一九八 同(佐藤祐弘君紹介)(第一四九五
      号)
  一九九 同(柴田睦夫君紹介)(第一四九六
      号)
  二〇〇 同(瀬長亀次郎君紹介)(第一四九
      七号)
  二〇一 同(田中美智子君紹介)(第一四九
      八号)
  二〇二 同(辻第一君紹介)(第一四九九号
      )
  二〇三 同(寺前巖君紹介)(第一五〇〇号
      )
  二〇四 同(中路雅弘君紹介)(第一五〇一
      号)
  二〇五 同(中島武敏君紹介)(第一五〇二
      号)
  二〇六 同(野間友一君紹介)(第一五〇三
      号)
  二〇七 同(東中光雄君紹介)(第一五〇四
      号)
  二〇八 同(不破哲三君紹介)(第一五〇五
      号)
  二〇九 同(藤田スミ君紹介)(第一五〇六
      号)
  二一〇 同(藤原ひろ子君紹介)(第一五〇
      七号)
  二一一 同(正森成二君紹介)(第一五〇八
      号)
  二一二 同(松本善明君紹介)(第一五〇九
      号)
  二一三 同(村上弘君紹介)(第一五一〇号
      )
  二一四 同(矢島恒夫君紹介)(第一五一一
      号)
  二一五 同(山原健二郎君紹介)(第一五一
      二号)
  二一六 刑事施設法案の廃案に関する請願(
      安藤厳君紹介)(第一八二五号)
  二一七 同(岡崎万寿秀君紹介)(第一八二
      六号)
  二一八 同(金子満広君紹介)(第一八二七
      号)
  二一九 同(工藤晃君紹介)(第一八二八号
      )
  二二〇 同(児玉健次君紹介)(第一八二九
      号)
  二二一 同(瀬長亀次郎君紹介)(第一八三
      〇号)
  二二二 同(寺前巖君紹介)(第一八三一号
      )
  二二三 同(中路雅弘君紹介)(第一八三二
      号)
  二二四 同(松本善明君紹介)(第一八三三
      号)
  二二五 同(村上弘君紹介)(第一八三四号
      )
  二二六 同(不破哲三君紹介)(第一八三五
      号)
  二二七 同(矢島恒夫君紹介)(第一八三六
      号)
  二二八 同(山原健二郎君紹介)(第一八三
      七号)
  二二九 同(中路雅弘君紹介)(第一九〇〇
      号)
  二三〇 刑事施設法案の早期成立に関する請
      願
      (石渡照久君紹介)(第一八三八号
      )
  二三一 同(野田毅君紹介)(第一八三九号
      )
  二三二 同(前田武志君紹介)(第一八四〇
      号)
  二三三 同(松野幸泰君紹介)(第一八四一
      号)
  二三四 同(伊吹文明君紹介)(第一八九九
      号)
  二三五 法務局、更生保護官署及び入国管理
      官
      署の増員に関する請願(伊藤忠治君
      紹
      介)(第一八四二号)
  二三六 同(串原義直君紹介)(第一八四三
      号)
  二三七 同(井上一成君紹介)(第一九〇一
      号)
  二三八 同(伊藤茂君紹介)(第一九〇二号
      )
  二三九 同(緒方克陽君紹介)(第一九〇三
      号)
  二四〇 同(新村勝雄君紹介)(第一九〇四
      号)
  二四一 同(高沢寅男君紹介)(第一九〇五
      号)
  二四二 同(山下八洲夫君紹介)(第一九〇
      六号)
  二四三 同(山花貞夫君紹介)(第一九〇七
      号)
  二四四 夫婦同氏・別氏の選択を可能にする
      民法及び戸籍法の改正に関する請願
      (竹内猛君紹介)(第二〇七四号)
  二四五 同(中村巖君紹介)(第二二九四号
      )
  二四六 刑事施設法案の廃案に関する請願(
      上田哲君紹介)(第二〇七五号)
  二四七 刑事施設法案の早期成立に関する請
      願(江口一雄君紹介)(第二〇七六
      号)
  二四八 同(岡島正之君紹介)(第二〇七七
      号)
  二四九 同(町村信孝君紹介)(第二〇七八
      号)
  二五〇 同(岸田文武君紹介)(第二二九五
      号)
  二五一 法務局、更生保護官署及び入国管理
      官署の増員に関する請願(安藤巌君
      紹介)(第二〇七九号)
  二五二 同(五十嵐広三君紹介)(第二〇八
      〇号)
  二五三 同(井上泉君紹介)(第二〇八一号
      )
  二五四 同(池端清一君紹介)(第二〇八二
      号)
  二五五 同(石橋大吉君紹介)(第二〇八三
      号)
  二五六 同(稲葉誠一君紹介)(第二〇八四
      号)
  二五七 同(岩垂寿喜男君紹介)(第二〇八
      五号)
  二五八 同(上原康助君紹介)(第二〇八六
      号)
  二五九 同(小野信一君紹介)(第二〇八七
      号)
  二六〇 同(大原亨君紹介)(第二〇八八号
      )
  二六一 同(岡田利春君紹介)(第二〇八九
      号)
  二六二 同(佐藤観樹君紹介)(第二〇九〇
      号)
  二六三 同(坂上富男君紹介)(第二〇九一
      号)
  二六四 同(新盛辰雄君紹介)(第二〇九二
      号)
  二六五 同(竹内猛君紹介)(第二〇九三号
      )
  二六六 同(三野優美君紹介)(第二〇九四
      号)
  二六七 同(村山喜一君紹介)(第二〇九五
      号)
  二六八 刑事施設法案の早期成立に関する請
      願(高村正彦君紹介)(第二三六五
      号)
  二六九 同(月原茂皓君紹介)(第二三六六
      号)
  二七〇 同(今枝敬雄君紹介)(第二四三〇
      号)
  二七一 同(玉沢徳一郎君紹介)(第二四六
      八号)
  二七二 同(糸山英太郎君紹介)(第二四九
      三号)
  二七三 同(砂田重民君紹介)(第二四九四
      号)
  二七四 法務局、更生保護官署及び入国管理
      官署の増員に関する請願(田口健二
      君紹介)(第二四三一号)
  二七五 同(小澤克介君紹介)(第二四五七
      号)
  二七六 同(吉原米治君紹介)(第二四五八
      号)
  二七七 同(左近正男君紹介)(第二四六九
      号)
  二七八 同(清水勇君紹介)(第二四七〇号
      )
  二七九 同(戸田菊雄君紹介)(第二四七一
      号)
  二八〇 同(関山信之君紹介)(第二四七二
      号)
  二八一 同(石橋政嗣君紹介)(第二四八〇
      号)
  二八二 同(嶋崎譲君紹介)(第二四八一号
      )
  二八三 同(辻一彦君紹介)(第二四九五号
      )
  二八四 刑事施設法案の廃案等に関する請願
      (小澤克介君紹介)(第二四五六号
      )
  二八五 刑事施設法案の廃案に関する請願(
      伊
      藤茂君紹介)(第二四六五号)
  二八六 同(稲葉誠一君紹介)(第二四六六
      号)
  二八七 同(清水勇君紹介)(第二四六七号
      )
  二八八 同(土井たか子君紹介)(第二四九
      二号)
  二八九 刑事施設法案の早期成立に関する請
      願(左藤恵君紹介)(第二六一八号
      )
  二九〇 法務局、更生保護官署及び入国管理
      官署の増員に関する請願(細谷治嘉
      君紹介)(第二六一九号)
  二九一 刑務所等の土曜閉庁に伴う業務の打
      ち切り反対に関する請願(坂上富男
      君紹介)(第二七二六号)
  二九二 刑事施設法案の廃案に関する請願(
      中路雅弘君紹介)(第二七二七号)
  二九三 刑事施設法案反対に関する請願(金
      子満広君紹介)(第二七二八号)
  二九四 同(矢島恒夫君紹介)(第二七二九
      号)
  二九五 民事保全法案反対に関する請願(辻
      第一君紹介)(第二七六七号)
  二九六 同(松本善明君紹介)(第二七六八
      号)
  二九七 法務局、更生保護官署及び入国管理
      官署の増員に関する請願(中島武敏
      君紹介)(第二七六九号)
  二九八 同(松本善明君紹介)(第二七七〇
      号)
  二九九 同(矢島恒夫君紹介)(第二七七一
      号)
  三〇〇 同(沢藤礼次郎君紹介)(第二七九
      六号)
  三〇一 刑事施設法案の廃案に関する請願(
      中路雅弘君紹介)(第二七九五号)
  三〇二 同(石井郁子君紹介)(第二八六七
      号)
  三〇三 同(早川勝君紹介)(第二八六八号
      )
  三〇四 刑事施設法案の早期成立に関する請
      願(石渡照久君紹介)(第二八六九
      号)
  三〇五 同(林義郎君紹介)(第二八七〇号
      )
  三〇六 同(原田憲君紹介)(第二八七一号
      )
  三〇七 同(平林鴻三君紹介)(第二八七二
      号)
  三〇八 同外一件(天野光晴君紹介)(第三
      〇一七号)
  三〇九 同(井上喜一君紹介)(第三〇一八
      号)
  三一〇 法務局、更生保護官署及び入国管理
      官署の増員に関する請願(奥野一雄
      君紹介)(第三〇一九号)
     ――――◇―――――
○戸塚委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、参議院送付、法例の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、趣旨の説明を聴取いたします。谷川法務大臣。
    ―――――――――――――
 法例の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○谷川国務大臣 法例の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
 この法律案は、近時の諸外国における国際私法、国籍法等の改正の動向及び最近の我が国における渉外婚姻を初めとする渉外的身分関係事件の増加にかんがみ、婚姻関係及び親子関係における準拠法の指定をより適切なものとするため、法例の一部を改正しようとするものでありまして、その要点は、次のとおりであります。
 第一に、婚姻の効力、夫婦財産制及び離婚につきましては、現行法では夫の本国法を準拠法としておりますが、これを改め、夫婦に共通の本国法または常居所地法等、夫婦に共通する法律を段階的に準拠法として定めることとし、準拠法の指定を両性平等の精神に一層即したものにすることとしております。
 第二に、婚姻の方式、嫡出親子関係の成立、認知及び準正に関する準拠法につきましては、当事者に関係がある複数の法律のうちのいずれかにおいてその要件を満たせばこれらの身分関係の成立を認めることとする、いわゆる選択的連結の方法を採用するとともに、養子縁組につきましては、各当事者につきそれぞれその本国法を適用する、いわゆる配分的適用を廃止することとして、これらの身分関係の成立の容易化を図ることとしております。
 第三に、親子間の法律関係につきましては、現行法では父の本国法を準拠法としておりますが、これを改め、子の本国法または常居所地法を準拠法とし、また、認知及び養子縁組の成立につきましては、子の本国法において子の同意等がその要件とされている場合には、その要件をも備えなければならないものとして、準拠法の指定を子の福祉の理念に一層かなうものにすることとしております。
 第四に、親子の法律関係等についての準拠法指定の連結点として常居所の概念を採用することとし、また、夫婦財産制につき当事者の合意による準拠法の選択を認めることとして、諸外国の国際私法の立法等の動向との調和を図ることとしております。
 第五に、世界各国の国籍法の改正によって、子がその出生により複数の国籍を取得する場合が増加したことにかんがみ、複数の国籍を同時に取得した場合の本国法の決定の方法について規定するほか、準拠法指定のための補則的規定について所要の整備をすることとしております。
 以上がこの法律案の趣旨であります。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○戸塚委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○戸塚委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井出正一君。
○井出委員 自民党の井出でございます。
 本日のように緊急かつ短時間で質疑を終えて採決といったような場合は、従来ですと与党は質問を御遠慮するのがしきたりだったようでございますけれども、そういう中であえて質問させていただくゆえんは、我が党、今まで党の部会で役所の方とはかなり詰めてきてはおるのですが、国会でやはりきちっと質問をした方が国民の皆様にもわかっていただけるのじゃないかということで、今後は本委員会においては必ず自民党も質疑時間をきちっと確保していこうということを内外へ明らかにしたいという意味で立ったわけであります。
 とはいえ、十分間の割り当て時間しか私はございませんで、いかにも短いわけでありまして、そこで具体的な内容に立ち入らずして、次の三点についてだけとりあえずお伺いしておきたい、こんなふうに思うわけでございます。
 まず、立法形式についてでございますが、当初は何か単行法というのですか、として立法化することも企画されておられたというように聞いておるのですが、結局は法例の一部改正という形できたわけでありますが、この間の経緯をちょっと聞きたいわけであります。
 と申しますのは、この法例は法規の適用関係を定める諸規則を掲げている法律でありますが、現行法は全文三十一カ条から成り、法律の施行時期に関する第一条と慣習法の効力に関する第二条のほかは、すなわち第三条以下はすべて国際私法に関する規定になっているわけであります。したがいまして、三条以下の条文で今回改正の対象とされなかった部分についても、いずれ十分な検討を加えた上で、法例から独立させて、国際私法に関する規定を分離して独立の法律として制定すべきじゃないかとも思うのですが、いかが御当局はお考えか、お聞きしたいと思うのであります。
 時間がないものですから、三点続けさしていただきます。
 いわゆる渉井戸籍事件の数が大変増加しておると聞いておりますが、その実態と、この今回の改正は戸籍事務の処理にどのような影響を与えるのでしょうか。例えば今度出てまいりました常居所という概念、私はなかなか理解できないのですが、これはいわゆる住所とどう異なるのでありましょうか、その認定方法はどうなんだろうか、また、直接の窓口であります市区町村に対してどのような措置あるいは対策を法務省としては講じていらっしゃるのかということであります。
 第三番目といたしまして、国際私法というのは渉外的事件の法適用を規律するものでありますから、国によって法律の適用関係が異なってまいりますと、まことに好ましいわけじゃありません。この国際的統一という問題について重要な役割を果たしている機関として例のハーグ国際私法会議があるわけでございますが、この機関の組織について少し伺いたい。
 例えば、離婚を認めていないカソリックの国なんかはこのハーグ国際会議とどんな関係を持っていらっしゃるのか、それからまたこの会議と我が国のかかわり合い、それから現在この会議でもし検討されていることがあったら、どんな内容のものなのか、あるいはまた将来どんなものが検討されると予想されるのか、こんな点についてお聞きできたらありがたいと思います。
 一括してお尋ねいたしました。
○藤井(正)政府委員 法例は、御指摘のように第一条、第二条は法の適用に関する通則を定めているものでございまして、第三条以下もやはり適用に関する通則でございますが、これは主として渉外的法律関係における適用関係、すなわち国際私法でございます。
 そこで、このうち第三条以下の国際私法部分を全部取りまとめて抜き出して、国際私法という単一の法制にするということが一つ考えられるわけでございますけれども、今回はこのうち財産法的規定あるいは総則的規定の検討が全部は行われていないわけでございまして、特に財産関係における国際商取引を規律する準拠法の決定などは極めて重要な部分でございますけれども、そのような点について関係諸団体の意見を聞いて全部を取りまとめるという作業を行うためには相当の期間が必要でございまして、そこまでやる余裕がございませんでした。
 特に、両性の平等を実現するための婚姻及び親子に関する準拠法部分の改正が急務でございまして、これを非常に急いだということがございまして今回のような改正の形式となったわけでございます。将来、国際私法全体について検討を加えまして、これを単行法として抜き出して規定するということは考えられてしかるべきであろうというふうに思っております。
 それから第二点でございますけれども、渉外的身分関係あるいは渉井戸籍の現状でございますが、お手元に差し上げております関係資料のうち六の法律案参考資料というものの三十四ページをごらんいただきますと、「渉外婚姻数調べ」というのがございます。これは人口動態調査結果によるものでありますが、「日本人と外国人との婚姻届出数」を見てみますと、昭和六十二年におきましては、「夫日本人・妻外国人の場合」が一万百七十六件、「妻日本人・夫外国人の場合」が四千四百八件、合計一万四千五百八十四件でございます。これを五年前の昭和五十七年と比較してみますと、五十七年は八千九百五十六件でございますので、六割以上の伸びを示しておるわけでございます。また、裁判所の司法統計によりますと、昭和五十七年と六十二年の渉外養子縁組の許可件数は百七十二件から五百五十二件へと三倍強の増加が見られておりまして、非常に渉外的身分関係の増加が顕著であると言えると思われます。
 今回の法律案の中では、属人法の連結点としまして常居所という概念を用いております。これはハーグの国際私法会議でもってなるべく統一的な連結点を用いることとしたいという考えからこういう概念を採用したものでございますが、これは世界各国で住所というものの中身がかなりまちまちであるところからこのような概念を採用したわけでございますけれども、この認定は、居住年数であるとか、それから居住の目的が永住目的であるのか観光目的であるのかといったようなこととか、あるいは実際に居住をしております状況などによって認定をすることになります。我が国で申しますと、民法で住所というものを定めておりまして、生活の本拠であるということになっておりますが、これとほとんど同一のものであると考えてよろしいかと思います。
 ただ、実際に離婚届など届け出を受ける市町村役場の窓口において取り扱いに戸惑うとか、あるいは不統一が来されても困りますので、法務省といたしましては、この点につきまして通達を発出いたしまして一定の基準をお示しし、できるだけ実務の統一を図りたいと思っております。もちろん具体的な事案に応じまして、この認定に困難を来すような場合には、監督法務局に対する受否伺いをしていただくというようなことも考えられるかと思います。
 それから三番目の国際私法会議でございますが、これは明治二十六年、一八九三年にオランダ政府の発議によりまして、国際私法の分野における統一を目的としましてこの会議が始まっております。ヨーロッパの十三カ国が当初これに参集したわけでございますが、この中にはドイツ、オーストリア、ハンガリーなどのほかに、スペインであるとかフランス、イタリア、オランダ、ポルトガル等々の国が含まれております。
 我が国は一九〇四年にこれに参加をいたしまして、それ以来主要な構成国としてこの活動に加わっております。現在遺言などについての国際的統一が図られる、そういう活動がなされております。
○井出委員 ありがとうございました。
○戸塚委員長 以上で井出正一君の質疑は終了いたしました。
 次に、稲葉誠一君。
○稲葉(誠)委員 今、井出議員の質問を聞いておりまして、非常に感心と言うと言葉が悪いのですけれども、あれしましたが、与党が質問するというのは非常にいいことだと私思います。ただ、いつまで与党かどうか、それはまあ別な話ですけれども。
 そこで、この法案なんですが、何でこんなに法案がおくれたのかということですね。これはたしか私の記憶では、今旭川地裁の所長をやっている元木さんが商法の改正をやった当時にこの法案にかかるということを言われておったんですよね。どこがどうしてこんなふうにおくれるのか、ちょっとよくわからないので、どうして国籍法と一緒にできなかったのか。国籍法は公法だ、こつちは、これは公法になるのですか私法になるのですからょっとよくわかりませんけれども、性質が違うからというのかもわかりませんけれども、どうしてこういうふうにおくれたのですか。
○藤井(正)政府委員 国際私法の改正作業が大変おくれていることは御指摘のとおりでございます。昭和三十六年と四十七年に婚姻及び親子についてそれぞれ改正試案を作成いたしました。しかし、その当時ハーグの国際私法会議で国際私法上重要な条約案が数多く作成されておりまして、そのための対処方針をつくるという必要がありましたことと、それから、その個別の条約を批准をするために国内法も整備をするというような必要もあったこと、これが一つでございます。
 それから、近時ヨーロッパ各国におきまして国際私法の改正が幾つか行われております。スイスでございますとか西ドイツあるいはオーストリアといったような国がこれを行っておりますが、そのような改正の動向を見るという必要があったわけでございまして、そのようなものとの国際的調和を図るということを考えていたわけでございます。
 それといま一つは、御指摘のございました国籍法の改正でございまして、国籍法は女子差別撤廃条約を批准するためにもどうしてもこれを急がなければならないという事情がございました。国籍法と国際私法とは、これは法律の分野としては明らかに異なるわけでございますが、しかし、法制審議会におきまして国籍法部会を構成している先生と国際私法部会を構成している先生とかなりの程度重複がございまして、両方を同時並行的に進めることができないというような事情もございまして、とりあえず国籍法の改正を急ぎまして、これが昭和五十九年に成立しました直後から、昭和五十九年から改めて国際私法の改正作業に入りまして今日に至ったわけでございます。
○稲葉(誠)委員 スイスやドイツの法律の改正の仕方と日本の法律の改正の仕方とは違うというのでしょう。まあそれはいいんですけれども、昭和五十九年からかかっていてこんなにおくれるというのは、私は法制審議会のあり方に問題があるんだ、こういうふうに思うのですよ。すべての法律を法制審議会にかけなければならないということもないのじゃないかと思いますが、もっと生のまま、ある程度煮詰めた生のままで出して国会で十分に審議をするという方法が本来の姿である、こういうふうに思うのです。ただ、こういう法案を出されても、率直に言って、国会でこういう法案を審議できるだけの十分な能力と言うと言葉が悪いので困りますけれども、専門的な力というのはなかなかないわけですけれどもね。いずれにいたしましてもちょっとおくれ過ぎていると思う。
 今言った女子差別撤廃条約とこれは関係があるのですか、ないのですか、どうもよくわかりませんね。あるとすればどこが関係があるのですか。それから国連との関係ですね。国連へこれを報告するというのか、可決されれば報告するのですか。あるいはどういうふうに関係あるんですか。
○藤井(正)政府委員 婦人差別撤廃条約は、婦人に対するあらゆる形態の差別を排除するということを目的といたしておりますが、私どもは、法例中の国際私法規定がこの条約に直接違反するものであるとは思っておりません。したがいまして、この条約を批准いたします際には、国籍法は明らかに抵触をいたしましたのでこれの改正は行いましたけれども、法例の改正はその後に回しているわけでございます。ただ、法例の規定の中にある「父ノ本国法二依ル」あるいは「夫ノ本国法二依ル」という規定それ自体は、適用の結果そのものは別といたしまして、その形態自体はやはり男女平等の理念に即しないものがあるのじゃなかろうか。そこで、この条約の精神をより一層具体化するという意味におきましてこの改正作業を行ったということでございます。
○稲葉(誠)委員 婦人と女子の言葉の使い分けをきちんとしないといけないんじゃないですか、どうですか。
○藤井(正)政府委員 仰せのとおり注意をいたしたいと思います。
○稲葉(誠)委員 どういうふうに注意するのか、注意すると言ったって。婦人と女子と違うというのでしょう。今あなたは婦人差別撤廃条約と言ったでしょう。これは正式には女子という言葉を使っているわけでしょう。婦人と言うと既婚の婦人という意味になるという意味ですか。女子と婦人とは違うというのだけれども、外務省の方は女子という言葉を使っているわけでしょう。法務省の方は婦人という言葉を使う可能性がまだ残っているかわからぬけれども、これは違うのじゃないですか。
○藤井(正)政府委員 私もただいま答弁の最初では女子差別撤廃条約と申し上げたつもりでございますけれども、後になってあるいはその辺が混同したかもしれません。
 この二つの言葉がどのような差異をもたらすのか、私は余り明確に承知いたしておりませんので、甚だ申しわけございませんけれども、かつて夫婦という言葉は適当でない、婦というのは女性に対するいささかべつ称の意味を含んでいるので、これは夫妻あるいは夫と妻、こういうふうに法律上も表現すべきである、こういう議論がなされたことはございます。
○稲葉(誠)委員 その議論は今でもあるんですがね。これはたしか私の記憶では立石芳枝さんがそういう議論をされておったような気がしますね。
 そこで、身分法小委員会でこの前いろいろ議論された中で、留保事項というのはいっぱいあるわけですね。それはどういう点が留保事項なのかということで、例えば当時でも私どもも率直に言うと迷ったといいますか、はっきりとした考え方が出なかったんですが、相続の場合の嫡出子と非嫡出子の区別の違い、何か相続分が一番大きいですね。その他は、あとは法律的な問題ではなくて実質的な問題かもわかりませんが、これについて、率直に言うと、私どもの方というか私自身がこれはまだ意見がまとまってないんです。ただ、イギリス、フランス、スウェーデンなどでは相続分は平等になっているんだ、アメリカではすべての子は母の嫡出子として、法律上非嫡出子の生まれる余地をなくしているということを言われる法律家もいらっしゃるものですから、この点はどういうふうになっているかということをお尋ねしたいわけなんです。
○藤井(正)政府委員 諸外国の中では、嫡出子と非嫡出子の区別をなくしているところがございます。ただいま挙げられました国のうち、イギリスとかスウェーデンはそのような区別を廃止しているというように承知をいたしております。フランスにつきましては一嫡出と非嫡の区別は法制上あるようでございますが、相続分に違いがあるかどうかということはちょっとただいま私は承知をいたしておりません。
 法制審議会の民法部会の身分法小委員会で、三十四年に仮決定及び留保事項を発表いたしましたが、この中に非常に多くの事項が留保事項として公にされております。我が国では、その当時もそうでございますけれども、嫡出子と非嫡出子の相続分に違いがございまして、昭和五十五年に配偶者の相続分とか寄与分についての改正をいたしました際に、その前段階の作業として法務省が公表いたしました改正要綱試案には、この嫡、非嫡の相続分の区別を廃止するという一項がございましたが、一般世論の動向が、その当時調査いたしましたところ、この部分に限っては反対が大変強うございまして、そこで改正法を作成する段階でこれを落としたという経緯がございます。
○稲葉(誠)委員 私も、今の問題について私自身の結論が出てないんです、率直に言いまして。それから、世論の動向と言うけれども、これは総理府の世論調査だと思うのです。これは、世論の動向というのは質問の仕方によるわけですよ、これ以上詳しく言いませんけれども。質問の仕方によって答えが変わってくるわけですから、違ってくるんだ、こういうふうに思うのです。
 そこで、この法律の改正案が通る前、現在ですね、現在と通ってからとで、具体的に言うとどこがどういうふうに違うことになるんですか。それは例を挙げて、日本とどこの国でもいいですけれども、例を挙げて説明を願いたいと思うのです。それはよくわからないですよ、余り専門的で難しくて。
○藤井(正)政府委員 法例の改正案についてのお尋ねだと思いますが……
○稲葉(誠)委員 いやいや、現在の案、現在旧法があるわけでしょう。旧法といったってまだ現在施行されている法律があるわけでしょう。これ、改正案が通るでしょう。そうするとその場合に、前と後とで具体的にどことどこがどういうふうに違ってくるのか、具体的な例を挙げて二、三御説明願えませんか。
○藤井(正)政府委員 はい、お答え申し上げます。
 渉外的身分関係で最もよく出てまいりますのは例えば離婚でございます。現在の法制では、夫の本国法を準拠法として離婚の成否を判断することになっております。これを、改正法案におきましては三段階の連結方法を採用いたしまして、当事者の共通の本国法があればその本国法による、それがなくても、ともに住んでいる場所があればその法律によるということにいたしますが、さらにそれがない場合、国際的な別居状態になりましてそれもない場合でございましても、夫婦の一方が日本人で、かつ日本に住んでいるという場合には、これはすべて日本の法律によることができるということになります。ですから、日本人の当事者にとりましてはそういう意味で離婚が容易になる。特に、夫の本国法が離婚を禁止している国の場合でございますと、今までの法制では、夫の本国法に準拠いたしますので離婚ができないということになります。ただ、このような場合には、それは日本の公の秩序、善良の風俗に反するという考え方をとりまして、外国法の適用を排除したという裁判例も幾つかございますけれども、そういう難しい考え方をとらなくても今後は離婚が可能になるということが言えるわけでございます。
 また、例えば国際的な養子縁組を例にとってみますと、従来は養子縁組につきましては「各当事者二付キ其本国法二依リテ之ヲ定ム」ということになっておりまして、これはいわゆる配分的適用と申しておりますが、養親の方の要件については養親の方の本国法を適用し、養子の方の要件については養子の本国法を適用する、両方ともに養子の制度がなければ養子縁組ができませんし、この適用関係がかなり複雑になる。特に養子縁組の成立の形式としましていわゆる契約型、日本は原則的にこれに当たるわけでございますが、それと諸外国に多い決定型、裁判所の決定によって養子縁組が成立するという、そういう二つの大きな流れがございまして、この二つの法制のもとでこの両方を配分的に適用するというのは大変法律関係が複雑になるわけでありますが、このあたりがずっと簡略になり、養子縁組の成立が容易になるという点を挙げることができようかと思います。
○稲葉(誠)委員 私は具体的な例を挙げてどこの国とどこの国、片方日本ですよ、その場合にどこの国とどこの国との間の問題が起きたときに、具体的に今の法律と改正案とが違うのか、こういうことをお聞きしているわけですけれども、どこの国とどこの国という名前を挙げることがちょっと差し支えがいろいろある、国際的にもいろいろ差し支えがあるというふうなことならば、今のお話は抽象論のような具体論のようなあれですけれども、それでもいいのですけれどもね。
 それからもう一つ、今身分法の小委員会でいろいろな留保事項がいろいろあるわけですね。相続分の問題もありその他の問題もあるわけでしょう。それを具体的に今後はどういうふうにしていくということになっているわけですか、大体のもくろみは。
○藤井(正)政府委員 ただいま御指摘の留保事項の中には非常に数多くのものがございまして、これまで昭和三十七年、それから五十一年、そして五十五年、六十二年と四回ほど身分法の改正を、行ってきております。
 一番最近のものは養子制度の改正でございますし、その前は配偶者の相続分などの改正、その前は婚氏続称などの新設というようなことで、まあ留保事項の中身を必要の度合いに応じましてつまみ食いしてきているような形になります。これは全体を一挙に検討して全部を実現しようとなりますと大変な時間を要するということになりますので、そのような形になっているわけでございます。
 昭和六十二年に養子法の改正を行いました後、この身分法小委員会は現在動いていないわけでございますけれども、この身分法の法改正につきましては、今後どの事項を検討事項として取り上げるかということを小委員会でまず検討いたしまして、留保事項に掲げられた事項あるいはそれ以外に相続に関する問題点も含めまして、全般的に問題点を挙げて議論がなされるようにしてまいりたい、こう思っております。いずれ、この検討を始められることになるであろうと思っております。
○稲葉(誠)委員 今夫婦別姓の問題だとか、私が前に申し上げたような嫡出子と非嫡出子の相続分のあれを同じにしようとか、した方がいいとか、いろいろ議論が女性の間から非常に起きているわけですね。そういうようなことがあるし、私の考え方だと身分法の場合は昔は、まあ言葉も悪いんですが、学界の一つのリーダーがおられたような感じがするのですよ。今は何かリーダーが余りいらっしゃらないような感じを受けるものですからなかなかまとまりにくいんじゃないか、こう思うのですが、これ以上言うとまずいですから言いませんけれどもね。
 だから私はまたもう一つ常々問題だと思っておりますのは、この中でも認知の問題が出ていますね。日本の民法の七百八十七条「認知の訴」というのがありますね。これは戦争中できた条文ですね。このできた経緯を読むというと非常におもしろいですね。大森洪太さんなんかいろいろ答弁したりなんかしているのがありますね。実に愉快な、あの方らしい答弁だというように私は、答弁なのかあるいは書物なのかわかりませんが……。これは父の死亡の場合だけなんですか。そんなこと書いてないでしょう、ここには。それで、これが形成の訴えだというのがどうも意味がよくわからないのですがね。どういうわけで形成の訴えなのか。
 それから、この前最高裁で判例がありましたね。これは不存在の場合ですか。存在の場合は形成の訴えで、不存在になってくると確認になっちゃうわけですか。父と母との場合で関係があるのか、それから存在の場合と不存在の場合で法律上の性質が変わってくるのですか。
○藤井(正)政府委員 我が国の民法は認知につきまして「父又は母がこれを認知する」、こういう規定になっておりまして、したがいまして、「認知の訴」の条文である七百八十七条においても「父又は母の死亡の日」となっておりまして、いずれも「母」という文言が入っておりますが、母と子との間の法律上の親子関係の成立は、これは分娩という生理的事実そのものによって生ずるのであって、一般的には認知という行為は必要でないと解釈されております。例外的に捨て子などで長く関係が途絶えていたあるいは分娩の事実が必ずしもはっきりしないというような場合に母の認知ということはあり得るという解釈はなされておるようでございます。したがって、この七百八十七条で「父又は母の死亡の日から三年」と規定がございますが、これは主として父の死亡の日から三年という規定として読んだらよろしいのではないかと思っております。
 この訴えが形成の訴えというふうに言われておりますが、これは法律上の父と子との親子関係というものは単に生理的な親子関係があるとかないとかということによっては成立をしない。任意の認知あるいは認知の訴えによる認知の判決というものがあって初めて非嫡出の父子関係が発生をする。その意味では、認知の判決というものは法律上の非嫡の親子関係を形成する形成の判決であるというふうに解釈されているのであると理解をいたしております。
 最近ございました判決にお触れになりましたが、これは認知無効の判決ではなかったかと思います。この無効の判決の場合に、これが形成判決であるのか確認判決であるのかというのは争いのあるところでございますけれども、多くの考え方は、これは確認の判決であるというふうに解釈をしていると思います。それは、身分行為の無効、およそ法律行為の無効というものは、これは裁判上であろうと裁判外であろうと、それからまたいつでもこれを主張することができる、そういう性質のものである、それを裁判上確認する行為であるという考え方から、そのように確認判決であるという考え方がとられているのではなかろうかと思います。
○戸塚委員長 以上で稲葉誠一君の質疑は終了いたしました。
 次に、坂上富男君。
○坂上委員 法例に関する質問は、党といたしましては稲葉先生がやりましたので、私はこれに関連をいたしまして、リクルート関係と日本語学校について少し質問をさしていただきたいと思います。
 まず、リクルート関係でございますが、先般お話を聞いたわけでございますが、略式命令で処分をされた四件、安倍晋太郎議員の秘書清水二三夫、宮澤喜一議員の秘書服部恒雄、それから加藤六月議員の秘書片山紀久郎、同じく坂巻正芳、この四名について略式があったそうでございます。罰金があったそうでございますが、そしてこれが確定したそうでございますが、この罰金の金額、おのおのどんな結果が出たのか。
 それから、もう事件は確定をいたしたそうでございますから、私は先般来から委員長を通じて確定記録の提出を要求をしておるわけでございまして、これは国政調査権に基づく要求でございますから何ら拒否すべき理由もなかろうかと思いますが、この点についてどんなふうにお考えになっているのか。それから、一般に確定記録が閲覧できるわけでございますが、一般人が閲覧できる時期というのはこれはいつごろになるのか、具体的にお答えをいただきたい、こう思います。
○根來政府委員 まず、四名に対する罰金額でございますけれども、罰金はいずれも二十万円ということで確定いたしております。
 次に、この訴訟記録でございますけれども、それは確定後一般の方が閲覧できるということになっております。これは検察官がその都度許可をするわけでございますが、一般的に申しまして、確定後大体一カ月ぐらい手続に要するものと考えております。
 それから、その確定記録をこの国会に国政調査権に応じて出すのはどうかというお話でございますが、これは私どもとしては一歩も譲れない線でございますけれども、国会に出すことは一切まかりならぬ問題だと思います。といいますのは、これは司法権との関係がございまして、裁判記録によって裁判が行われたわけでございます。その裁判記録を再び国会に出しまして国会の議論に任せるというのは、若干裁判権あるいは司法権との問題がございまして、それは一切お出しできない問題だろうと考えております。
○坂上委員 この議論をすると時間が長くなりますし、私は答弁には反対でございますが、ぜひさらに検討の上、提出を要求したい、こう思っております。
 そうだとすると、あれですか、七月十三日ごろから閲覧ができる、こうなりますか。
○根來政府委員 この記録でございますが、私どもも具体的にその記録の内容も見ておりませんし、記録の量も見ておりませんが、順番でやりますのでいつまでというわけにはいきませんけれども、一般的に申しまして大体一カ月ぐらいかかるという話でございますから、六月十三日に確定しておりますから、大体そのころに記録が整備できるのではないかと考えております。
○坂上委員 それから、ぜひこれを見ていただきたいのでございますが、リクルート委員会に答弁になった回答書でございますけれども、これはリクルートの社長それからコスモスの社長からリクルート問題調査特別委員会に提出されたものでございます。問題は、捜査報告書の中に、六十一年の九月にいわゆる株の譲渡を受けた十一名中、竹下それから中曽根、塚本、もう一人どなたでしたかな、宮澤さん、この人ののは間違いなく株の譲渡を受けたけれども、それ以外の、それを除いた十一人中の人たちについては法務省としてはお答えにならない、こういう話でございます。宮澤さんらののは十一名の中に入っているということは、国会の中で御本人が積極、消極的にお認めになっておるのでお答えができるのだ、こういうお話でございます。
 そこで、これはリクルートからの回答書でございまして、この回答書によりますと、やはり同社はかくかくしかじかの政治家諸君に株の譲渡をいたしましたという、これは国会に対する報告書でございまして、記載されたこの部分の中には間違いない部分だろう、こう思っておるわけでございますが、この点についてもあれですか、法務省としましてはここに書かれておる政治家諸君の名称、そして、これらの諸君がこれだけの株数の譲渡を受けたということは否定なさいますか。
○根來政府委員 申し上げておりますように、六十一年の九月に株式の譲渡を受けた国会議員に係る、これは重要なところでございますが、係るものが十一名の国会議員がいらっしゃいます。そのうちの中曽根議員に係るもの、それから竹下議員に係るもの、それから宮澤議員に係るもの、あるいは塚本議員に係るものは、譲渡を受けた御本人が国会でそれぞれお認めになっておるわけでございます。その点については、私どもは、六十一年九月の十一人に係るという中に入るのであろうという判断をいたしております。
 ただいまお示しの件につきましては、これはたしか六十三年の十一月十五日に株式会社リクルートなり株式会社リクルートコスモスの社長の連名で国会に出されたものと承知しておりますけれども、そういう責任で出されたものでございますから、私どもとしては、それは肯定も否定もできる立場ではございません。
○坂上委員 それでは、この中に徳田英治それから池田謙と、譲渡を受けたと書いてありますが、この徳田さんは藤波さんの秘書であること、それから池田さんは池田代議士の弟さん、秘書であるということ、これは否定なさいますか、どうですか。同一人物ではありませんか。それから、安倍さんの秘書の清水二三夫、中曽根さんの秘書の筑比地康夫さん、それから竹下さんの秘書の青木伊平、それから中曽根さんの太田英子、同じく上和田義彦、これはあれですか、明確になっておると思うのですが、これはいわゆる今言った人々であることは否定しますか、どうです。
○根來政府委員 一つは、詭弁にとられるかもわかりませんけれども、その資料に基づく御指摘としては何ともお答えいたしかねるわけでございます。ただ、私どもの判断といたしまして、先ほど申しましたように、藤波議員に係るもの、あるいは池田議員に係るものについては公判請求をいたしております。その他の四名に係るものについては、私どもの判断で国会でその十一人の中に入っていると申し上げておるわけでございます。
○坂上委員 時間がないから、これはこの程度にします。
 じゃ、文部省と労働省、お見えのようでございますが、いらっしゃいますか。――文部省の元事務次官の高石氏、それから労働省の元事務次官加藤氏、いずれも収賄で起訴されたわけでございます。この身分関係を見てみましたら、勧奨退職ということになっておるそうでございます。今裁判にかかっておりまして、裁判の結果によって禁錮刑以上に処せられますと退職金を返還をしなければならないという、返還を求めることができる、こう規定があるようでございますが、文部省と労働省、一体退職金を幾らおもらいになり、これについてどういうようなお考えを持っておられるのか。
 それで、ずばりお聞きをしたいのでございますが、こんなことをして待っておったら、いつまでも裁判かかって時間がかかるわけでございます。いっそのこと勧奨退職を取り消して、懲戒免職該当になるんじゃなかろうか、こう思いますが、そういう行政処置ができないんでございますか。特に、私は、これは事務次官室を舞台にいたしましてこういう贈収賄行為が行われていることは、国民としても大変激しい怒りを感じておるところでございまして、これは勧奨退職を取り消して懲戒処分を直ちにしていいという事案なんじゃなかろうか、こう思いますが、この辺どういうふうなお考えですか、簡単に要領よく。
○岡村説明員 お答え申し上げます。
 まず、退職金の金額でございますが、高石事務次官は、昭和六十三年六月十日に退職いたしまして、国家公務員退職手当法の規定に基づきます退職手当を支給されております。ただ、具体の金額につきましては、個人の事情に属するものでございまして一般に公表しない扱いとなっておりますので、御容赦いただきたいと存じます。
 それから、勧奨退職扱いをさかのぼって取り消して懲戒免職というお尋ねでございますが、懲戒処分は御案内のとおり、公務員関係の秩序を維持するために行っておるものであり、既に公務員の身分を有しない者についてさかのぼって辞職を取り消す、そして懲戒処分を科するということは、この懲戒処分の趣旨になじまないものと承知いたしておりまして、したがいまして、お尋ねのようなことは考えていない次第でございます。
 以上でございます。
○岡山説明員 労働省の関係につきまして御説明申し上げます。
 基本的にはただいま文部省からお話がありましたとおりでございますが、私どもも、加藤元事務次官は通常の退職ということで、勧奨退職を受けまして退職をいたしたものでございます。したがいまして、勧奨退職としての退職手当を支給をされておるわけでございますが、具体的な金額につきましては、文部省の方からもお話ございましたとおり、個人の事情によるものでございますので公表をいたしておりませんので、御了承をいただきたいと思います。
 この退職手当の問題につきましては、先ほどお話ございましたとおり、さかのぼって退職の取り扱いを変更するということは法律的にできないものというふうに考えておるわけでございます。そういうことで御了承をいただきたいと思っております。
○坂上委員 退職金の金額言えないというんだけれども、言えないというのは、これは禁錮刑以上に両人が処せられたとき、あなたたちどうするんですか。
○岡村説明員 御案内のとおり、国家公務員退職手当法が昭和六十年に改正されまして、一たん支給された退職手当の返納についての規定が新たに設けられたわけでございます。これは「その者が在職期間中の行為に係る刑事事件に関し禁錮以上の刑に処せられたときは、」「返納させることができる。」ということでございますので、禁錮以上の刑に処せられたということが確定した時点で考えるべきことというふうに考えております。
○岡山説明員 御説明申し上げます。
 労働省といたしましても同じような考え方でございますが、退職手当の返還につきましては退職手当法の規定の趣旨に沿った取り扱いをするべきものと考えておるわけでございますが、その規定の内容につきましては、禁錮以上の刑に処せられたということが確定をした段階におきまして、その規定の趣旨に沿った措置をとるということでございます。
○坂上委員 だから、規定の趣旨にのっとってどっちにするかと聞いているんだよ。よく条文読んでごらん。条文読んで答えているのかね。「させることができる。」と書いてあるだけであって、しなくてもいいとも書いてあるかもしれないんですよ。どっちなんですか。それで、これは幾ら取るというのですか。それを聞いているんですよ。仮定の話じゃないの、現実の話なんだから。これは財産がなくなったらどうするの、この人たち。もうちょっときちっと答えなさいよ。
○岡村説明員 退職手当法は「禁錮以上の刑に処せられたとき」ということでございますので、その禁錮以上の刑に処せられたことが確定した時点において判断すべきものというふうに考えております。退職手当法の規定の趣旨、精神等については十分尊重しながら、その時点で検討すべきものというふうに考えておる次第でございます。
○坂上委員 あなた、禁錮というのはどういう処罰か知っていますか。禁錮というのはどういうことをするのか、わかっていますか。それから、支給を「全部又は一部を」一部でもいいんですよ。それから「返納させることができる。」であって、返納させなくてもいいような規定にもなっているわけです。だからどうするかと言うんだ。こんなもの、判決がありてから考えますと言ったら、国民は怒りますよ。判決があったらきちっと私らの方でこれだけ請求するという対応をしてもらわぬといかぬ。これは財産がなくなったらどうするんだ。だれが責任を負うのか。
○岡村説明員 お答え申し上げます。
 まず、「全部又は一部」の意味でございますが、一部というのは、当該者が失業状態にある場合、支払われた退職金の額からその部分を差し引いた額、これを返還すればよいという規定になっておりまして、一部という意味はそういう意味だというふうに私ども理解いたしておるところでございます。
 また、何度も繰り返しで恐縮でございますが、今刑事事件として司法判断にゆだねられている段階でございまして、刑がどういうふうに確定するかというのは未定の状態でございます。したがいまして、禁錮以上の刑が確定した時点において、どのようにするかということを退職手当法の規定の精神、内容等を十分勘案して判断する、こういうことになろうかと考えている次第でございます。
○戸塚委員長 労働省はいいですか。
○坂上委員 いやいや、きちんと答えてください。
○岡山説明員 この退職手当法の十二条の二の規定の趣旨は、ただいまお話がございましたとおり、返納すべき金額の範囲につきましては退職手当法施行令で定められておるわけでございます。したがいまして、禁錮以上の刑に処せられるということが確定をした段階におきまして、この法律、政令等の規定の趣旨に沿って措置をとることと考えております。
○坂上委員 この規定の措置に従うとどうするというのか、具体的に答えてください。
○岡山説明員 この退職手当法の規定の趣旨は、「禁錮以上の刑に処せられたときは、」「全部または一部を返納させることができる。」こういうふうに定められておるわけでございますけれども、この政令によりまして、その返納すべき退職手当の額は、受けた退職金の中から場合によってはいわゆる失業状態に当たる場合の受けるべき給付を除いた額について返納させるということを定めておるわけでございますが、「返納させることができる。」というこの規定の趣旨に沿って、私どもとしましては適切な対処をしたいというふうに考えておるわけでございます。この退職手当法の政令の規定の運用の趣旨に沿って対処することにしておるわけでございます。
○岡村説明員 ただいま労働省の方からお答えがありましたように、刑が確定した時点におきましてこの退職手当法の精神、規定の内容等を十分勘案して判断させていただく、こういうことだと考えております。
○坂上委員 だから、請求するというのか請求しないのかと聞いているのだ。しかも、これは下手なことをしたら、裁判なんというのは十年もかかるのだから、そうした場合には一体どうするのか、こう聞いているのです。そして、この御両人が返還すべき財産がなくなったら、あなたたちどうするのですか。仮差し押さえぐらいしたらどうかね。どうですか。簡単に答えてください。
○岡村説明員 繰り返しになって恐縮でございますが、返納させることができる状態になるのは禁錮以上の刑が確定した時点でございまして、それ以前におきましては保全措置を含め退職手当の返納措置についてはとり得ないというふうに考えております。
○坂上委員 民事局長、どうですか、今の論理で。こんなことをしたら大変だ。これはもう仮差し押さえしなければならぬじゃないの。民事局長、どうですか。――後でちょっと御検討して、時間があったとき御答弁いただくことにしまして、ちょっと今度は日本語学校のことについてお聞きをいたします。
 もう既におわかりのとおり、先般来から興和日本語学院と称する日本語学校において、入管の統括審査官がどうも癒着をされまして、公務員としてあるまじき行為があったんじゃなかろうか、こういうようなことが各種の新聞に出ておるわけであります。しかも、我が社会党の方でも今、日本語学校問題についての調査特別委員会をつくって調査をしているわけであります。たまたまこの調査中、この興和日本語学院の問題を私たちは発見をいたしたわけであります。これは大変なことでございまして、この事態について法務省はどの程度把握をなさっているのか、時間がありませんので要領よく頼みます。それから、発覚をいたしましてどのような御処置をなさったのか、そして今後どのような対応をなさろうとしているのか、要領よくお答えをいただきたいと思います。
○股野政府委員 お答え申し上げます。
 ただいま委員御指摘の日本語学校の問題につきましては、本件が我々当局側に知られて以来、学校側さらには報道で指摘された当該職員それぞれについて調査を行ってまいっておるところでございます。
    〔委員長退席、逢沢委員長代理着席〕
 この学院自体の状況でございますが、四教室を持ち、また事務室、教員室等必要な施設を持っておって、そして四教室のうち三教室を利用して二部制のもとで七名の教員により約九十名の外国人に日本語教育を行っておる、こういう状況でございます。この学校については、私どもも直接職員を派遣してその状況を把握することにさらに努めているところでございます。
 他方、指摘されました入管局の職員の問題でございますが、その職員は成田の支局の職員でございますので、この日本語学校という問題あるいは就学生という問題について審査するということに直接関与し得る立場にはありません。したがって、今問題となっているこの日本語学校についてこの職員が何か具体的に職務上の権限を行使するというような余地はなかったわけでございます。ただ、我々さらに調査いたしましたところでは、この職員はこの日本語学校の経営者と大学在学以来の友人関係にあったということでありまして、したがってこの日本語学校の経営者の相談相手として手続上一般的な助言を与えたことがあった、こういうことは認められるわけでございます。
    〔逢沢委員長代理退席、委員長着席〕
 また、我々としまして、こういう状況がいろいろ問題があるのではないかという御指摘を受けるということ自体決して望ましいことではございません。そこで我々としても、今後、まず学校側については、その施設あるいは教育体制さらには就学生の在籍状況、こういうものをきちんと把握して、もし改善すべき点があればきちんと改善するよう措置をしてまいる所存でございます。
 また、当該職員についても、ただいままで調査したところでは、この学校についてただいま申し上げましたような一般的な助言をしたというようなことはあったということでございますが、それ以上の点については我々としては今まだ確認はしていないわけでございます。ただ、委員御指摘のように、こういうことが報道関係機関で指摘されるということは決して望ましいことでございませんので、我々としてはさらにこの職員についても調査を続けまして、もし何か疑念を招くようなことがあったとすれば、それはやはり適正な措置をとるという考えで臨んでまいりたいと思っております。
○坂上委員 時間がないから私の方から指摘を申し上げます。
 まず、学校についてでございますが、私たちは現地調査に行ってまいりましたら、就学生だちの水を飲む場所が全くありません。トイレの手洗いの水を飲んでおるという状況でございます。これには弁解があるそうです。図書館です。図書館と書いてありますけれども、戸をあけてみたらありませんでした。これからやるつもりでございます、こういうことでございます。それから今度は、私たちはかつて勤めた人たちを探し出しまして調査をしてみました。そういたしましたら重大な証言がありました。一つは、法務省の方にいわば就学生の授業日数を報告しておるのだそうでございますが、この報告に当たって改ざんを命じられた、こういうことを言っておる。そういうような行為がこの学校にあるのではなかろうかと思うわけであります。出欠簿見せていただきました。相当欠席も多いようでございまして、こういう点に対する調査がどの程度行われたのか。私の方は、ちょっとやはり問題があるんじゃなかろうか。
 問題は、今度保証人ですが、この保証人については、中国関係については学校当局が保証人になれない、こういうようなことで、探さなければならない。しかし、保証人になった人と就学生本人は全く面識がない。いわば、この保証人がこの就学生のために保証人になるには、数十万円の金を就学生が払って、その保証人が名前を出すだけです。しかも、この保証人がどういう人であるかわからない、保証人からするならば、就学生がどういう人かわからない、こういう状況のようです。こういう点について、ここにも大変大きな問題があるんじゃなかろうか。
 いま一つは、今度は、ここの学校の理事長、社長なんでしょう、理事というのはちょっとわからないのですが、理事長と称せられる人とこの公務員の方が一緒に台湾に旅行に行った。実は、台湾にはこの学校の代理店があって、顔という人だそうでございますが、ここから、台湾から学生が来ることについて、いろいろこっちに紹介をしてよこすという役割を演じているらしいのですが、この人は私はブローカーなんじゃなかろうかと思うのでございますが、ここへこの二人が行っておられるわけでございます。でありまするから、私は、おのおのが旅行費を出して行った、こうおっしゃいますが、ちょっと信じがたい問題で、何だって台湾に行って、この顔さんたちと会って、どんな話をなさっているか、極めて問題があるんだろう、こう思っておるわけであります。
 そんなようなことで、どうも日本語学校というのは問題がたくさんあるわけでございます。たまたま法改正があるものでございまするから、じっくりとこの問題を議論したかったのでございますが、ちょっとこちらの方が緊急の事態が飛び出したものだから、この機会を利用して申し上げているわけでございまして、特に一番の問題は、やはり就学生対保証人の問題だろう、こう実は思っておるわけでございます。これは、法務当局も、大変頭を悩まされておることでございまして、本当に日本に就学した諸君が、日本をよく言わないで、帰ったら、日本懲り懲りだ、だけれども日本は働くと金になるんだ、こんなようなことで、まかり間違えまして、この日本語学校というのが、いわば仕事をする隠れみのになっているのではないかということを大変私たちは恐れているわけでございます。
 こんなような状況が、私たちが本当に半日調査しただけの中で出てきておる問題でございまして、この学校は、決して悪質だと言われる学校ではないんだというような評価を受けているそうでございますが、この学校ですらこういう状況でございまするから、ほかの学校をもっと徹底的に調査してみると、相当な問題が出てくる、こう実は思っておるわけであります。今御指摘を申し上げたのは、全く私たちが、経験に基づいて、実際に調査をした結果に基づいて言っておるわけでございまして、この点ひとつ法務省はどんなようなお考えで今後対処されるのか、お答えをいただきたい、こう思います。
○股野政府委員 ただいま委員が御指摘になりましたこの当該日本語学校、さらには日本語学校にかかわる一般的な問題それぞれについて、私どもも十分これは注意を払わなければならない問題であると存じております。
 個々の施設の問題について、興和日本語学院の関係で御調査いただいた点、ただいま御指摘いただいたわけでございまして、私どもも調査をいたしておりますが、確かに先生の御指摘のように、例えば水飲み場という点では、水飲み場そのものはやはり学校の中にはなかったと我々も承知しております。また図書室についても、図書室が今整備されていないということでございますが、この点は、私ども日本語学校を一々、就学生を受け入れる際の審査に当たって、その施設の中身について点検することにいたしておりますのですが、図書室というものについて、これはあることが確かに望ましいと思います。
 ただ、これまでの扱いでは、必ずしも図書室そのものがなくてもほかの点でこれが、授業内容等でカバーできるということであれば、必ずしも図書室そのものが必要要件というふうには従来の扱いではなっていないわけでございますが、施設全体を改善するということはぜひ必要でございますので、そういう点での今後の注意というものは十分払ってまいりたいと思っております。
 それから今度は、施設以外に授業日数あるいは出欠率、こういう問題は本当に大事な問題でございますので、我々の方でもこれは引き続き実態を十分把握することに努めてまいります。
 また、保証人の点御指摘もございまして、これもまことに先生の御指摘の点は、この学校あるいは一般論として、我々として非常に重視している点でございますので、保証人が本来の保証人の役割を果たすように制度を運用していくことが私どもの使命と考えておりますので、この点保証人制度についてはさらに、この学校についてもあるいは一般的にも改善をしっかり図るということで努力してまいりたいと思います。
 それからもう一つ、入管職員の本人の問題でございますが、これと、それからその学校経営者との関係について、私ども御指摘の台湾旅行の実態等を含めまして目下調査をいたしておるところでございますが、これまでのところでは、先ほど申し上げましたような、一般的な経営上の助言というものを与えたということは本人も認めておりますのですが、それ以上のことについてはまだ我々の調査の中でははっきりしたことがわかっておりませんので、この点はさらにしっかりと調査をして、それに基づいた適正な措置を講ずる、こういうことで臨んでまいりたいと存じております。
○坂上委員 最後の一点でございますが、一般的な抽象的な助言ではない。しかも非番、非番というのは大体一週間に二回くらいあるそうですが、ほとんど非番の日にお見えになっておった。しかも職員は、この方は経営者の一人か、こう思っていたそうでございます。その辺も私の方は調書をとってありますから、ひとつ十分なお調べをいただきたい、こう思っております。
 さて、そこで、なぜこういう癒着が起きるか。しかもまた新聞によりますと、管理官のOBが大活躍をしておるなんというのが出ているわけです。私は、実は一年半くらい前に、行政書士の立場から物を申しました。本来こういう仕事は行政書士がやる仕事ではないか、それにもかかわらず、行政書士との話し合いはなく日本語学校にこういう申請を認めるなどということは、どうもちょっと越権行為なんじゃなかろうか、一体こういう点についてどう考えるか。こういう点について、御指摘確かに受けました、よってもって行政書士会とも十分話をして、行政書士の仕事を奪うようなことのないようにいたしたい、こう思っている、こういうふうに御答弁があって、自来一年半にわたりまして行政書士会といろいろお話がありまして、一部の人については、この業務を行政書士に認めるというふうな方向が決まったようでございますが、これも相当厳格なようでございます。やはり私は、日本語学校にこういうことを認めますと、こういう事例が起きるんじゃないかということを実は心配していたわけであります。だから、本来行政書士の仕事なんだから、行政書士からやってもらえばいいんであって、日本語学校にこういう資格を与えることは問題じゃないか、実はこう指摘をしたことがあるわけでございます。
 でありまして、どうぞ局長の方でひとつ今後、行政書士さんはできるだけこういう業務に業務として責任を持ってやるわけでございますから、幅広くお認めをいただかなければいかぬと思うのでございますが、今後その方向についてはどのようなお考えにあるか。私は要請とあわせて見通し等についてもお聞きをしたいな、こう思いますが、これで最後でございます。
○股野政府委員 ただいま入国管理当局に対するいろいろな申請手続について学校側の関与という点が問題を起こす一つの原因ではないかという御指摘がございました。これはそういうことがあってはならないと私ども思っておりますし、また余りにも現在この入国管理事務の業務量が多いために、そういう点の事務の合理化を図る上で、取り次ぎということは、就学生に限らず、例えばほかの留学生の学校あるいは研修等についても関係の機関が取り次ぎをすることによって事務の合理化を図るという点を考えてきたわけでございます。
 それに関連して、委員からただいま行政書士の点について御指摘ございまして、我々入管当局としてこれについては御趣旨を踏まえまして検討してまいりました結果でございますが、在留資格の変更、在留期間の更新、永住権及び再入国の申請、こういう手続につきましては、法務大臣が適当と認める行政書士が申請の取り次ぎを行うことができるように入管法の施行規則を改正いたしまして、六月十五日に公布をいたしたところでございますので、この面における行政書士の活用というのは、今後十分私どもとしても留意してまいりたいと思います。
 行政書士の方にできるだけ幅広くこの取り次ぎ事務に参加していただくように考えるべきではないかという御指摘でございまして、私どもも御指摘の点は十分念頭に置いてまいりますが、これはたまたま扱います案件が出入国に関係いたしまして、例えば旅券とか査証とかいう問題もございますし、そのほか出入国管理関係特有のいろいろな手続がございますので、そういうものをよく理解している方にこの事務に当たっていただくということが大事だろうと思っております。そこで、その範囲については、行政書士会連合会側の御意向というものも十分参酌しながら、今後その役割について今のような点も踏まえた、行政の性質も踏まえた対応をいたしてまいりたいと思っております。
○坂上委員 ありがとうございました。時間を超過して済みませんでした。
○戸塚委員長 以上で坂上富男君の質疑は終了いたしました。
 次に、冬柴鉄三君。
○冬柴委員 公明党の冬柴でございます。
 法例という法律名は、本法の内容を何人に対しても的確にあらわしたものとは言いがたいのではないか、平素そのようにも思っておりまして、本法の第一、二条は、なるほど法律一般についての通則規定でありますから法例でいいわけでございますが、三条以下はすべて講学上いわゆる国際私法と言われる範疇に係る規定が占めていると思います。今回の抜本改正もこの三条以下について行われているものでありまして、このことを考慮しますと、この際第三条以下を法例から分離して単独法とし、法律の名称も端的に国際私法と命名すべきではなかったかと考えるのですが、その点について、簡単で結構ですから、お答えをいただきたいと思います。
○藤井(正)政府委員 法例という名前は古代中国に由来するもののようでございまして、それなりに由緒のある名前だとは思いますが、御指摘のとおり、三条以下を抜き出して国際私法という単行法をつくるということが最も望ましい形式であろうと思います。
 今回改正したのは婚姻と親子に関する部分だけでございますので、将来の方向といたしましては、これ以外の分野についても今後の検討により改正すべき点があれば改正いたしまして、全体を一体として平仮名書きの国際私法を制定するということが望まれるところでございます。
○冬柴委員 改正法の婚姻の実質的要件につきまして、旧法がとってきたところのいわゆる配分的適用主義、すなわち夫は夫、妻は妻について、それぞれその本国法によるとする立法主義を踏襲しているようであります。したがいまして、我が国において外国人、A国の夫とB国の妻が婚姻をしたという場合には、配分的適用主義をとっておりますので、婚姻の成立に関与する国家機関等は、A国及びB国における婚姻法の内容をそれぞれ一々調査しなければならない。そうしなければ準拠法の適用関係がわからず、また複雑であるということは言うまでもございません。現在世界には百数十カ国が存在していること、それぞれが言語を持っている、このようなことを考えますと、このような調査が大変困難を伴うものであり、煩瑣であるということは言うまでもないと思います。
 このような配分的適用主義に対する立法主義として婚姻挙行地法主義というものが挙げられていることは周知のとおりでございますけれども、このような婚姻挙行地法主義をとるならば、我が国でA国の夫とB国の妻が婚姻した場合におきましても、我が国の婚姻法、民法、戸籍法等だけを適用すれば足りるのでありますから、当事者の本国法の調査というものは不要になると思います。
 このように考えますと、今回抜本的改正をされたわけですから婚姻挙行地法主義を採用することに踏み切ってもよかったのではないかというふうに私自身考えるのですけれども、その点についてどのようにお考えになるのかお伺いしたいと思います。
○藤井(正)政府委員 現行法の配分的適用を維持するかあるいは婚姻挙行地法主義をも採用するかということは、今回の改正に当たりまして法制審議会でもいろいろ検討はされました。さきに発表いたしました改正試案では、この両案を併記して各方面に御意見を求めたりもいたしたわけであります。御指摘のとおり、婚姻挙行地法主義をとりますと、その挙行地が日本であれば端的に日本の法律が適用できるわけで、本国法であるA国なりB国なりの本国法を探索する必要がないという点では大変メリットがあるわけでございますが、他方、A国なりB国なりの定める婚姻の実質的要件を満たしているかどうかということを判断する点については、逆に難しい問題を生ずるわけでございます。
 現在外国人が婚姻をする場合には、本国の官憲、つまりA国とかB国の役所が発行いたしました婚姻要件具備証明書の添付を求めております。これによって婚姻要件を審査しているわけでありますが、これは本国の官憲が自国の国民について自国の婚姻要件を具備しているということを証明するものでございまして、他国の法律に基づく婚姻要件を具備しているかどうかということを証明することはいたしませんし、また日本の官憲がA国なりB国なりの要件を具備しているということを証明するというようなことも、どこもいたしておりません。そういうことで、婚姻要件である身分関係事実の審査が困難になりまして、これを単に供述書で賄うというようなことになりますと、仮装婚姻を多く発生させるというような問題も起こってまいりまして、現代の社会情勢のもとでは婚姻挙行地法主義を採用することは見送った方がいいという判断に達したわけでございます。
○冬柴委員 一方、婚姻の方式につきましては、婚姻挙行地法主義をとっております。したがいまして、外国人同士が我が国において婚姻を挙行いたしましても、我が国の戸籍法所定の届け出をしていない場合には原則として婚姻の成立を認めることはできないというふうに思うわけです。しかし、その外国人の本国法によれば届け出じゃなしに儀式婚あるいは宗教婚というものでいいというような場合、あるいは届け出はしているけれども、それは本国法によって在日の大使館に届け出ているというような場合にはどのようになるか。今まではこれは無効だったと思うのですが、これはどういうふうになりますか。
○藤井(正)政府委員 本国法の方式によることも認めることとなりますと、その本国法が宗教婚とか儀式婚を認めております場合には、我が国においてそのような、教会での挙式とかあるいは公開の場所における儀式というようなものが行われて本国法の要件を満たしております場合には、それは有効となるわけでございます。
 それからまた、ある国の国民同士が結婚しまして、日本にあるその国の大使館に届け出るというような場合、これは現行におきましても、日本国民が外国で結婚しまして外国の在外公館に届け出ればそれは有効であるという民法の規定がございますが、それと同じような意味合いにおきまして外国人が日本国内にあるその大使館などに届け出ると、有効といたしております。ただ、A国とB国との国民が結婚をした場合でも日本にあるそれらの国の在外公館に届け出ることを認めるという法制がございますので、そのような国の場合にはそれも有効となります。
○冬柴委員 次に、婚姻の効力について伺います。
 現行法は「夫ノ本国法二依ル」こういうふうに定めていますので非常に単純明快であったように思うわけですけれども、改正法によりますと、夫婦の共通の本国法、あるいは夫婦の共通の常居所地法、また夫婦の密接関係法と、三段階連結という非常に複雑な立法主義が採用されたように思われるわけです。この改正の実質的理由というものが両性の平等、夫の本国法というものだけを決めるということになると何か法文上両性の平等を害しているように見えるようなところからこういうことをやられたとするならば、私としては、夫婦が合意によって採用するいずれかの本国法によるという定め方もあったのではないか、こういうふうにも考えるのですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
○藤井(正)政府委員 十四条は婚姻の身分的効力についての準拠法を定めたものでございますが、十五条では婚姻関係にある夫婦の財産関係について規定をいたしておりまして、ここでは、ただいま御指摘のございましたような当事者の選択による準拠法の指定ということは認めております。しかし、身分的効力につきましては、法律選択を認めるということは、財産的関係におけるような当事者自治を認めるというのは必ずしも適当ではないのではないか。そこで、純然たる身分関係については法律選択を認めないでこのような三段階の連結方式にしたわけでございます。
○冬柴委員 その点には私は若干異論がありまして、我が方でも氏をどちらにするか、夫の氏にするのか妻の氏にするのかというのは当事者の選択に任せられているわけですから。また、先ほど挙げられた十五条も、これは財産関係ではありますけれども、選択を認めているというところからすれば、私のような提案も理由なきにしもあらずだというふうには思いますが、それはさておきまして、次に進みます。
 婚姻の効力として、我が国の民法のように夫婦が同氏の原則を採用しないという国はたくさんあると思います。いわゆる別氏制を採用している場合、外国人と結婚をした日本人の氏はどのようになるのか、またこれについて戸籍の届け出ですね、日本の場合は夫の氏を定めれば夫の氏というものに戸籍上なるわけですけれども、別氏制をとっている国の外国人と結婚した配偶者の氏、このようなものを我が国の戸籍ではどのように反映させるのか、その手続等について御教示をいただきたいというふうに思います。
○藤井(正)政府委員 日本人が外国人と結婚いたしました場合には、その日本人につきまして新戸籍を編製いたします。しかし、外国人は日本人でございませんので、その戸籍に入るということはございません。したがって、当該日本人の氏はあくまでも従来の氏のままでございます。戸籍の考え方といたしましては、氏はそれぞれの属人法によるという考えでございます。
 ただ、御承知のとおり昭和六十年に法律改正をいたしまして、戸籍法百七条の二項で、外国人と婚姻をした者がその氏を外国人である配偶者の氏に変更しようとするときは、婚姻の日から六カ月以内に限り、単なる届け出で変更ができる、また婚姻の日から六カ月を経過したときでありましても、これは本則に戻って百七条の一項で、家庭裁判所の許可を得てその外国人の夫の氏に変更ができるという手当てをいたしております。
○冬柴委員 十四条等でもいろいろあるのですが、「何レノ法律モナキトキハ夫婦ニ最モ密接ナル関係アル地ノ法律」という、これはちょっと耳なれない一つの概念だと思うのです。それで、その意義とか要件ですね、こういうことを簡潔に御説明いただきたいと思います。
 それとともに、そういうものに準拠して戸籍の届け出を強制する場合、戸籍官吏はそういうものを実質的に調査する能力、あるいはその用意があるのかどうか、その点についても伺っておきたいと思います。
○藤井(正)政府委員 夫の本国法という準拠法の指定を改めまして、共通本国法あるいは共通常居所地法という定め方をいたしますと、最後の押さえが必要になってくるわけでございまして、密接な関係を有する地の法律という定め方をするのが立法例になっております。お手元の資料の中の六の法律案参考資料の二十八ページに西ドイツの法律が掲げてございますが、ここでやはりそのような手法がとられております。これは一つの例を申し上げますと、夫婦が直前まで一緒に住んでいた地というような土地が考えられますし、あるいは夫婦の一方が子供と一緒に生活をしているといたしますと、その地というものが考えられるわけであります。
 いずれにしましても、この認定につきましては戸籍の窓口においてその判断をしなければならないわけでありますが、具体的場合に応じて直ちに判断しにくい場合もあろうかと思います。そこで、そのような場合には、市町村長は監督法務局長の方に受否伺いをしてもらいまして、法務局の方で必要な事実を調べて受理あるいは拒否という適切な指示をするというような行政の運営が考えられるところでございまして、そのような指導をしてまいりたいと思っております。
○冬柴委員 次に、離婚法についてお尋ねいたします。
 我が国は協議離婚制度というものを採用いたしておりますが、この制度は必ずしも国際的に見て普遍的、共通なものであるとは言えないと思います。そうしてみますと、外国人の夫と日本人の妻が日本で婚姻を挙行し我が国の戸籍法に従って婚姻届をした。このような夫婦があるとしますが、その後夫の本国へ転居をした、現在は夫の本国にいるという場合に、その夫の本国法が協議離婚を認めていない、極端に言えば離婚を認めていないという場合にはこれはどうなるのですか、その点についてお伺いしたいと思います。
 また、仮定の問題ですが、この夫婦が再び日本に帰ってきた場合には協議離婚はできるのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
○藤井(正)政府委員 十六条にただし書きを設けておりまして、夫婦の一方が日本に常居所を有する日本人であるときは離婚は日本の法律によるといたしております。ただいまの事例でございますと、この夫婦には共通本国法はございませんし、日本人の妻が日本に逃げ帰ってきたといたしますと共通の常居所地法もないわけでございますが、そのような場合でも、日本に常居所を有する限りは日本の法律に従って協議離婚をすることが可能となるわけでございます。
 ただ、ただいまの事例でございますと、夫の本国では離婚を認めていないようでありますので、そういう場合には、夫の本国では離婚は無効だ、我が国では離婚は有効である、こういうふうな跛行的状態が生ずるということにはなりますが、少なくとも日本の国内では、日本人妻は離婚したものと扱われるという意味ではやはり十分な意味があるのではないかと思っております。
○冬柴委員 日本人妻が逃げ帰った場合でも認められる、このような答弁、非常に重大だと思うのですけれども、そのような扱い、解釈ができるということであればそれで結構だと思います。
 次に、嫡出親子関係の成立について伺いたいと思います。
 現行法は、出生の当時母の夫の属したる国の法律による、こういうことでありますが、今回これを改正されようとしていますが、私は改正の必要はないのじゃないか、こういうふうに思います。なぜならば、嫡出親子関係の制度というのは、子供が婚姻関係にある父母から出生したか否かを決定する制度であります。しかもその根本は、子と母親の夫との親子関係、父子関係の存在を確定することにありまして、あくまでも父と子供との法律関係が中心になっているからであります。したがいまして、この子の出生当時母の夫の属したる国の法律によるというのは、一見何か両性の平等に反するような規定に見えかねませんけれども、実質的理由は十分にあって、何ら平等に反していない。したがって、改正する必要はなかったのではないかと思うのですが、その点についてはどう思われますか。
○藤井(正)政府委員 嫡出の親子の関係が子供と母の夫との父子関係の確認にあるんだという御指摘はまことにそのとおりでございまして、そういう意味からしますと、現在のこの法律の決め方が十分に実質的な理由があるということもまさにそのとおりであろうかと思います。
 しかし、自分の子が嫡出子になるのかどうかということは母親にとってもやはり重大な関心事でございまして、両性平等の観点からいたしますとそういう母親の利害も無視することはできない。ですから、現行の法例の決め方が決して両性平等に反しているとは申しませんけれども、この両性の平等を一層推進するという観点からいたしますと、やはりこれは改正した方が望ましいのではないか。そしてまた、世界の多くの国では嫡出と非嫡出との間で法律上の地位の違いがあるわけでございまして、嫡出子の方が一般的に有利な地位にあるということからいたしますと、子供の保護の観点からも嫡出関係の成立をできるだけ幅広く認めるような、そういう選択肢を多くした方がよろしいのではないか。
 こういう二点から、改正法案のように父親または母親のどちらかの法律で嫡出関係が認められるならば嫡出子とする、こういうように考えたわけであります。
○冬柴委員 次に、非嫡出の親子関係なんですが、これは現行法は、父は父、母は母、子は子というような配分的適用をやっているわけですが、これを改正法では廃しまして、父または母の単一準拠法を適用する、こういうような立法主義をとられたようですけれども、この実質的な理由はどういうところにあるのですか。
○藤井(正)政府委員 現行法の配分的適用主義を採用いたしますと、実際上の問題といたしまして、認知者の方と子供の方との両方の属人法を重畳的に適用しなければならないということになりまして、その結果、勢い認知の成立を困難にするという結果になります。そこで、認知というものは、当事者に関係のある何らかの法律で認められるならばできるだけこれを認めた方がよろしい。認知をできるだけ容易に認め、親子関係の成立をよりたやすいものにするという意味でこの選択制を導入したわけでございまして、出生それ自体によって嫡出親子関係が生ずる場合にはその出生当時の親の、父または母の本国法によるというのと平仄を合わせる意味でやはり出生の当時の父または母の本国法によることもできる、それからまた、現行法は認知の当時の法律ということを規定いたしておりますので、認知のときの認知をする親あるいは子供の法律によってもよろしい、非常に選択の幅を広げたわけでございます。
○冬柴委員 次に、養子縁組の要件について伺いますが、これは配分的適用主義を廃しまして養親の本国法に一本化されたと思います。そうしますと、日本国民が外国人の養子となる場合、まあ逆もありますが、その場合、養親の属する国の養子制度、養子法が適用されることになりますけれども、その制度が養子と生みの親との親子関係断絶を生ずるという法制をとっている場合、これが大体国際的には通例だと思われるわけですけれども、養子となった子供は、日本人である実親との間の親子関係が断絶することになると思われるのですけれども、そう解釈して間違いないですか。
○藤井(正)政府委員 養親の本国法を適用いたしますので、養親の本国法がそのように定めておりますと実親との間の親族関係は断絶をすることになります。ただ、その前提といたしまして、改正法案の二十条の一項の後段に規定がございますように、養子の実父母の同意とかあるいは裁判所の決定というものが日本の養子法では要求をされておりますから、この要件が満たされることは必要になってまいります。
○冬柴委員 特別養子制度というような改正法が成立しましたね。このときの審議でも私もいろいろと質疑の中で申し上げたと思いますけれども、日本の養子制度というのはどうも家のため、あるいは親の将来の扶養というものの手段を確保するというような目的が濃厚にあって、子供のための養子、子供の幸せのための養子制度という点では各国から見て若干おくれているようにも思うわけです。しかしながら、特別養子制度というのがやはり特別であって、それを子供のためにというふうに一般、普遍的な定め方ができなかったのは、我が国の国民の法意識の中に、子供を養子にやっても実親との間の親子関係は切れないのだというような情理が働いているからだと思います。そうしますと、先ほどの民事局長の御答弁にあったように、外国人の養子になった子供は実親との関係で親子関係が断絶してしまう、切れてしまうということは、日本人の一般的な法意識、現時点ではまだそこまでいってないと思うのですね。それは非常に重要な問題で、もっと国民合意を形成した後でなければこのような大胆な改正法を提案するというのはいかがなものかというふうにも私は思うのですけれども、その点はどうですか。
○藤井(正)政府委員 六十二年の民法改正によりまして特別養子制度が導入されたということは、そのような国民世論も日本に形成をされてきたということをあらわしているのではなかろうかと思うわけでございますが、養親の本国法が基本的に準拠法となるといたしましても、子供の本国法である日本法上の保護要件が満たされているかどうかということはこの改正法案の二十条一項後段でも要求されるわけでありまして、我が民法の八百十七条の六で「特別養子縁組の成立には、養子となる者の父母の同意がなければならない。」と規定いたしておりまして、この同意というのは特別養子とすることの同意でございまして、もし我が国の家庭裁判所で養子決定をする場合には、父母の同意という点につきまして実父母に十分に説明をいたしまして、親族関係の断絶ということも理解してもらった上で、納得の上で審判がされるものであろうと考えております。
 問題は、外国で養子決定がなされるという場合のことでありますが、現在、諸外国におきまして特別養子、完全養子という制度が行われている国におきましては、その国の立法上同意というものについては慎重な手続が求められておると理解をしておりますので、実父母が養子の効果を知らないで同意をするということはまず起こらないのではないかと考えております。
○冬柴委員 反対に養親の本国法が離縁というものを認めない、養子縁組をしてしまえばもう離縁ということは一切ないのだ、こういう完全養子制度を採用している。これは国際的にはそういうのが一般的だと思うわけですけれども、こういう場合、我が国の国民が養子となった場合、いろいろな事由があっても離縁が認められないことになるというのも大変だし、逆にこれからそういうのが多いと思いますけれども、外国人が日本人の養子になるという場合に、その外国人の本国法の法意識によれば、縁組に行った以上は離縁されることは絶対ないのだと思っている国民がある。そうだと思うのですね。その場合、日本の法律では離縁が認められる、こういうギャップがあると思うのですけれども、そういう点についてはどうお考えになりますか。
○藤井(正)政府委員 養子の本国法が離縁を認めていない法制のときにはこれは離縁ができないことになるわけであります。また、そのこと自体、これは我が国の法制とは相入れないわけですが、そうだからといってこれが直ちに大変けしからぬことであるというふうに評価することはできないのではないか。それぞれの国にはそれぞれの法制があるわけでございまして、国際的問題を考える上では必ずしも内国法を前面に押し出すということはいかがなものかという気がいたします。
 ただ、当該養子にとりまして離縁の認められない現在の具体的な状況が非常に過酷であって放置できないというような状況が認められるような場合ですと、いわゆる公序に関する法則を適用いたしまして、これは、その外国法の適用の結果が日本の公序良俗に反すると認めて、その外国法の適用を排除して、日本法によって離縁を認めることもあり得るであろうかと考えられます。
 また逆に、外国人が日本人の養子になった場合の例も挙げられましたが、親の方からの縁組、離縁ということになりますと、これは普通養子の場合を考えるべきものであろうかと思いますけれども、普通養子は普通養子に従った日本の法律の制度に基づいて場合によっては離縁を認めるということがあっても特に不都合はないのではないかと思います。
○冬柴委員 私の質問の趣旨は、現行法すなわち配分的適用主義を採用しておれば今のような問題は回避できる。しかし、今回の改正で養親の本国法に一本化したところにこういうギャップが顕在化するのではないかという疑問を呈したわけです。
 時間もありませんので、次に移りますが、これは法務大臣にちょっと伺いたいのですけれども、いずれにしましても、国際化は急速に進展いたしております。したがいまして、身分関係も、日本人と外国人間の身分関係が今後もどんどん進んでいくのではないかと思います。このような中にあって、日本の民法では、夫婦同氏の原則あるいは協議離婚を認めるとか協議離縁を認めるとか、あるいは国際的に見て一般的でない諸制度が我が国の古来の伝統として若干残っているわけですけれども、こういうものを国際的な一般性、普遍性というものに合わせていくために今後どういう努力をされる所存なのか、お聞かせいただきたいと思います。
○藤井(正)政府委員 私法の統一の問題と国際私法の統一の問題と両面があろうかと思いますけれども、私法、民法の統一という面からいたしますと、特に身分法関係につきましてはその国の伝統、風俗、習慣、社会環境といったものが最も強く反映しているところでございますので、これを統一することはなかなか難しいのではないか。
 そこで、国際私法の統一という点につきましては国際私法会議でその努力がなされておりまして、我が国もその方向に沿うべきであろうと思っております。
○谷川国務大臣 ただいま局長から答弁させていただきましたように、日本の国内法におきます民法の改正その他につきましてはずっと長い伝統がございますから、それはそれとして法制審議会の中で検討しながら行くべきであって、その問題と、国際化の中で国際私法の面でいろいろと我が国の法制を整えていかなければならない問題とはまた別の面があると思います。特に後段につきましては、今回法例の改正を提案させていただきましたのも実はそこに一つの遠因というか根拠があるわけでございまして、ひとつよろしく御審議賜りたいと考える次第でございます。
○冬柴委員 これで終わるわけですけれども、この法例は明治三十一年に制定されて今日まで実に九十一年間、日本国民の行動を規律してきたわけでございます。そのように考えてみますと、この改正法が通りますと、今後五十年、時には百年末の子孫までも行動を拘束することになります。こう考えてまいりますと、我々は慎重な審議が厳粛な義務であるということの思いを深くするわけでありますけれども、今回の審議が余りにも短時間に行われた点につきまして、国会に在籍する者として、未来の子孫に対して陳謝の意と遺憾の意を表して、私の質問を終えたいと思います。
○戸塚委員長 以上で冬柴君の質疑は終了いたしました。
 次に、河村勝君。
○河村委員 先ほどの質問の中で、今回の法改正が、改正しようという意思表示があってから大変長くかかったという質問がありまして、お答えもありましたが、私も、昭和三十二年に法制審議会に諮問があって、三十六年には婚姻の部の改正要綱試案ができていて、なおかつ六十四年までおくれてきたというのは本当に理解に苦しむわけであります。
 先ほど御答弁の中で、ドイツやオーストリア、スイス等で国際私法の改正が進んでおって、そういう状況だから国際調和を図るために慎重を期したのだという御説明がありましたが、国際調和というのは別段ほかのところが決まったからそれに追随することではないはずであります。一体この時期に、ドイツやオーストリア、スイスではこの改正案に見合う部分でどういうような改正が行われようとしてそれを待っておったのか、それはどういうことなんですか。
○藤井(正)政府委員 国際私法の発祥の地はヨーロッパでございますが、そのヨーロッパ各国で相当長い期間をかけてこの国際私法の改正に取り組んでまいってきております。主な国だけを申し上げたわけでありますが、スイスとかオーストリアとか西ドイツなどが近年ようやくその改正に到達をいたしました。しかし、フランスとかイタリアなどはまだ改正にまで至っておりません。例えば西ドイツあたりでございますと、西ドイツの国際私法の規定と申しますものは、西ドイツ人と外国人とが関係を生じた場合にどういうふうに適用するか、西ドイツ法はどういう場合に適用されるかというような片面的な関係からの規定でございまして、国際私法の規定としてはかなり後進的といいますか、不備なものであったと言われております。
 これに比べまして、日本の国際私法はかなり進んだものでございまして、一般的に両面的に規定されているという意味では、一応世界の範とするに足るものであったと言われております。ただ、それにいたしましても、条文が非常に簡単でございますのと、男女平等の精神にそぐわないものがございまして、これの改正だけはどうしてもやらなければいけないというのが今回の改正の直接的なきっかけであったわけでございます。
 非常に長い時間がかかっているということは御指摘のとおりでありまして、もっと早くできなかったかと言われれば一言もないわけでありますが、ただ、この法律は一度改正いたしますと、なかなか容易には手が加えられない。そういう意味では非常に寿命の長い法律でございますために、審議には慎重の上にも慎重を重ねて、法制審議会でようやく今回の結論に至ったというのが現状でございます。
○河村委員 日本のは大変すぐれた法制だと言って今胸を張ってお答えになったけれども、結局ヨーロッパ諸国の改正というのはでき上がったのですか、国際調和を図るためにそれを待っておったと言うのだけれども、それは一体結論は出たのですか。
○藤井(正)政府委員 ただいま申し上げましたように、ヨーロッパの中で一九七八年ごろから八〇年代にかけて幾つかの国で改正がなされております。しかし、他方まだ改正がはかどっていないというところもあるわけでございまして、日本はいわばその中間的な位置にあるということを言ってよろしいかと思います。特に、我が国はもともといろいろな法制について、ドイツとかフランスとかの法制を継受したという経緯もございまして、あちらの方の改正の動向にはかなり注意を払うのが例でございますが、別にそれに追随をするとか、そういう考えでそれを待っていたわけではございません。
○河村委員 どうも余りお答えにならないようでありますが、それと一緒に、おくれた理由に国籍法の改正を急いだからというお話でしたね。女子差別撤廃条約を批准してそれに国籍法が直接抵触をするというようなお答えでありましたが、これは、今回の法例の改正だって立法趣旨の一番大きなのは、やはり男女差別撤廃を主としているわけでしょう。法律的な違いは余りないようですけれども、具体的に国籍法に限って何で直接にこの条約に抵触するということになるのですか。
○藤井(正)政府委員 女子差別撤廃条約におきましては、母親は自分の国籍を子供に継承させる権利がある、そういう建前になっておりますので、父系血統主義は正面から抵触をするということになります。
 ところが、現行の法例はいわゆる実質法の場面において男女の差別をしているわけではございませんで、どこの国の法律に準拠して法的判断をするかというその準拠法指定の場面で男女に異なった扱いをしているというところに問題があるわけでございます。「夫ノ本国法二依ル」と規定をいたしているといたしまして、実際に夫の本国法が果たして夫に有利に妻に不利な内容の実質法を定めているのか、あるいは逆に、妻の権利に十分配慮した男女平等の法制に配慮しているのかというのは、その具体的な適用の場面になってみないとわからないわけでございまして、どちらの場合もあり得るわけでございます。ですから、「夫ノ本国法二依ル」ということになったその結果が常に夫に有利に妻に不利な結果になるということは言えないわけでございまして、その可能性はフィフティー・フィフティーであろうかと思います。ですから、この現行法例が両性平等の趣旨に違反しているかというと、そのこと自体が直接に違反しているということは言えないかと思います。
 ただ、男性にとってみますと、勝手知ったる自分の国の法律が適用される、そういう意味では女性より有利な地位にあるということは否定できないわけでございまして、そこで準拠法の決定のレベルにおいても男女平等の精神が一層生かされるようにすることがより望ましいということで今回の改正に至ったわけでございます。
○河村委員 さっき法例というのは中国古来の由緒ある言葉だというお話であったけれども、これは中国古来のどういう趣旨の言葉ですか。
○藤井(正)政府委員 古代中国の律、すなわち刑法の適用に関する通則を定めたものを法例と呼んでいたということでございます。法例律という名前で呼ばれていたということでございまして、そういう意味合いから、刑法の適用に関する通則のことを法例と呼ぶ。現に日本の刑法は第一編総則第一章法例、こういう章名になっております。これが刑法以外の法律にも及びまして、商法も第一編総則第一章法例となっております。それからまた、明治二十一年の旧民法の草案では第一編人事編の前に法例というものがございまして、そこに現在の法例の第一条、第二条のような規定とさらに国際私法の規定がございまして、それが抜き出されまして現在の法例になった、こういう沿革があるようでございます。そういう意味で由緒のある名前であると申し上げたわけであります。
○河村委員 由緒ありそうですけれども、大きな法体系の中で法例というのが出てくればこれは意味はわかります。しかし独立に、ただ単独法で法例というのはどう考えたって何の法律だか一つもわからないですよ。こんなだれが見てもわからないような名称の法律を残しておくというのは余りいいことじゃありませんよね。そういう意味からも、今回試案の段階ではみんな単独法でつくることになっておるのをやめてしまって、また法例の一部改正に戻してしまったというのは大変遺憾だと思うのですよ。
 その理由で、さっき伺うと国際商取引関係の法の適用に関する部分の検討が不十分だからまとまった国際私法という名前での法律にすることができなかったというお話だったけれども、しかしこの法例の中には国際商取引に関する部分というのは何にもないのですよ。、それにもかかわらず、わざわざ単独法にしない理由に国際商取引を持ち出したというのはどうも脇に落ちないのですけれども、これはどういうわけなんですか。
○藤井(正)政府委員 国際商取引を規律する準拠法ということを申し上げましたが、これは具体的に申しますと、法例の第七条以下に法律行為の成立とか効力とか方式についての準拠法の定めがございまして、一般的にこれが適用される関係にございますので、そちらの方の検討が必要であるという意味で申し上げたわけでございます。実際の国際取引におきましては、それぞれの具体的な契約において準拠法に関する部分も含めまして非常に詳細な契約上の取り決めがなされるわけでありますけれども、法律上の根本原則というものはきっちりとした手当てをしておく必要がある、そこの検討をするためには関係団体、関係業界などの御意見を相当聞く必要があるであろうというふうに思っております。
○河村委員 そうすると、現在は国際商取引に関する準拠法については今法例の中にあるわずかな法律行為に関する幾つかの条文だけを使って訴訟の場合でも処理をしておる、そういうことになるのですか。
○藤井(正)政府委員 実際には国際取引におきましては非常に詳細な契約書が作成されておりまして、準拠法に関しましても大変細かい取り決めがなされておりますので、そういう当事者の意思に基づいて準拠法が決められ、あるいは実体関係が決められるというのが現状であろうと思っております。
○河村委員 そういうことであれば、商慣習で大体が処理をされていくということであれば別段新しく国際私法の上での改正は必要ないということになるのじゃないですか。
○藤井(正)政府委員 今回の改正要綱試案では婚姻及び親子の部分だけを取り出して単行法にする、そのほかの部分には手をつけないという考えでございました。しかし、それは立法技術上いろいろ制約があったということが一つと、それから同じ抜き出すならば親族法関係を全部抜き出して単行法にするべきであろう。ところが、後見の問題と人の能力の問題とにつきましては法制審議会の国際私法部会でも全く手つかずの状態でございまして、親族法の部分だけを取り出して単行法にするということも難しかったという事情がございます。
○河村委員 ところで、国際私法の統一について現在国際的に話し合いが進んでいるというようなお話でありましたが、このへーグの国際私法会議、これと日本政府とのかかわり合いというのは一体どういうふうになっているのですか。この国際私法会議というのは常設の会議ではないのでしょう。どういう性格のものですか。
○藤井(正)政府委員 ハーグの国際私法会議は、オランダの主唱によりまして一八九三年にこれが設立されまして、常設の国際機関となっております。現在の構成国は、本年三月現在でヨーロッパそれから南北アメリカ、アジアなど合計三十六カ国でございまして、アジアでは我が国が一九〇四年に参加したのを初めといたしまして合計五カ国が参加をいたしております。
○河村委員 そうするとそこに事務局があって、そこに日本も参加していることになるのでしょうか。
○藤井(正)政府委員 事務局がございます。そして、ここには会議のたびに我が国から出席をいたして参加をしております。
○河村委員 先ほどのお話のようにヨーロッパ各国でそれぞれ国際私法の改正が進んでいるということですね。そうするとこの国際私法会議での統一の作業と各国がそれぞれやっている改正の作業との連携といいますか、そういうのは一体どういうふうにしてやられておるのですか。
○藤井(正)政府委員 ハーグの国際私法会議では戦後に三十一の条約を作成いたしております。このうち我が国が締結したものは六つでございます。この条約に対する対処の仕方というのは各国それぞれまちまちでございますけれども、我が国といたしましては、例えば先般の扶養義務の準拠法に関する条約を批准していただきましたときには、これに合わせて国内法として扶養義務の準拠法に関する法律を制定していただきましたが、必ずしも批准をして条約を締結するというまでに至らなくてもその精神をできるだけ取り入れる、その中身を先取りをして国際私法の中に取り込むという考えで対処いたしておりまして、今回の改正法案の中にも例えば夫婦財産制の準拠法について夫婦による法律の指定を認める、でありますとか、あるいは養子縁組の準拠法を養親の準拠法にするといったような幾つかの点をこの法律案の中に取り入れております。
○河村委員 終わります。
○戸塚委員長 以上で河村勝君の質疑は終了いたしました。
 次に、石井郁子君。
○石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。本日は女性問題を質問いたしますので安藤議員にかわって参りました。
 まず、本法案についてでございますけれども、両性平等の精神並びに子の福祉ということに照らして準拠法の指定を変えたということでございますけれども、具体的に一つ伺いたいのですが、今回の改正で、日本法によって離婚できても相手男性からその国の法律で認められない、そういう場合どうなるのでしょうか。一般に女性に不利にならないのかどうかということをお尋ねしたいと思います。
○藤井(正)政府委員 日本人で日本に常居所を有する場合には日本の法律によって離婚をすることができますが、相手の男性の本国では離婚を認めないという場合があり得るわけであります。そういう場合には当該国へ行きますと離婚したものと扱われないということにはなりますけれども、既に別れて日本へ戻ってきて日本に住んでいるという限りでは、日本の国内において、あるいは相手国以外の国においてはその人は離婚したものと扱われるわけでございまして、それぞれの国の法制が違うためにそういう跛行的状態が生ずるのは避けられないことではありますけれども、少なくともその女性自身にとりましては国内において何ら不利益はないと思っております。
○石井(郁)委員 国際結婚が大変多くなってまいりました。そういう点での法改正だろうとも思いますが、国際結婚された方々の本法案に対する御要望というか、その声は反映されたのでしょうか。
○藤井(正)政府委員 この法律案を作成するまでには何回かにわたって関係各界の意見をお聞きする機会を設けております。昭和六十一年に法例についての中間報告として審議の結果をまとめたものを公表いたしました。さらに、六十三年二月に婚姻及び親子に関する法例の改正要綱試案を公表いたしました。
 前者の中間報告に対しましては二十一のところから意見が寄せられておりますが、その中には国際結婚を考える会という国際結婚をした女性の団体を含む二つの婦人団体からの意見が寄せられております。
 さらに、後者、つまり改正要綱試案に対しましては、やはり国際結婚を考える会、そのほか日本婦人法律家協会であるとか、そういった四つの団体から意見が寄せられておりまして、いずれも改正を早急にするように希望をいたしておりまして、この改正案を歓迎をいたしております。
 特に申し上げておきたいのでありますが、国際結婚を考える会の意見の中に、重国籍者の本国法の決定についての意見がございました。AとBという国籍を持つ男とBとCという国籍を持つ女が結婚をしている場合にその共通本国法は何であるか。この二つを単純に並べて、Bが共通しているからBが本国法だというような考え方は絶対にとらないでほしい。それはなぜかと申しますと、例えばイスラム圏の国のようなところでは、女の人が結婚しますと自動的に男の国籍を取得する。だから、そういうやり方をとりますと必ず夫の本国法になってしまう。こういうやり方は絶対にとらないでほしいという御要望がございまして、それはこの法案の中に、二十八条で本国法の決定の仕方として付言をされております。
○石井(郁)委員 次に、男女平等の促進はこのように国際的な流れでありまして、立法化や慣行の見直し等々が進んでいるということは大変結構だし、一層進めなければならないと私ども考えているわけです。この点でさきの本委員会でも安藤議員も質問いたしましたが、今、首相のスキャンダルとして問題になっている売春問題について私は質問したいと思います。
 売春防止法があるわけですが、にもかかわらず、性の売買、日常的にこれが行われるような悪化した状態だということはひとしくいろいろ指摘されているわけです。今日の売春の実態というのはなかなか掌握がしにくいというふうにも言われているわけですが、そういう性の商品化が大変横行しております。まず、こういう風潮に対して、大臣、どのように認識をされていらっしゃるでしょうか。
○谷川国務大臣 大変に悲しむべきというのでしょうか、どういう言葉を使わせていただいたらよろしいかわかりませんが、道徳上の問題、人倫上の問題、こういった問題を考えますと大変にこの問題は深刻な問題、こう考えております。法務大臣としては法秩序を維持するという責務がございますが、その面から申しますと、売春防止法の趣旨の徹底を図るというのが私に課せられた課題かと思っております。
 ただ、ちょつど売春防止法につきましては申し上げなければならぬのでございますが、売春防止法そのものは、勧誘などのいわゆる助長事犯のみを処罰する、こういう形になっておりまして、不特定の相手方との対価を伴う性交渉に対して、これは何人に対してもこういう行為をすることは許されないという形で法が規制されております。最初に申し上げさせていただきましたように、この第一条には、「人としての尊厳を害し、性道徳に反し、社会の善良の風俗をみだすものである」こうございまして、ここが非常に重要なところかと存じます。
 ただ、お尋ねのような形の意味の中には必ずしも、この売春防止法で明示されておる問題とはちょっと違う、不特定の相手に対価という形でない行為も今お尋ねの中には含まれるような感じもいたします。もしそういう意味のお尋ねであるといたしますと、先ほど申しましたように、道義、人倫上の問題ということに相なるわけでございまして、これについては直接私から申し述べることは差し控えさせていただきたい、こう考えております。
○石井(郁)委員 現代の売春が新しい形態になっているというふうに指摘されているわけですけれども、売春防止法では売る方の春ですよね。今、買う方の買春ということが大変社会問題にもなっていると思うのです。そういう点で、女性の性をお金で買う、これも買春というふうに考えるわけですけれども、そういうことは女性の人権問題人権侵害だというふうに考えることについては、大臣、いかがでしょうか。
○谷川国務大臣 本会議並びに委員会においても売買春というお言葉をお使いになられた方もおいでになられますが、もしお金でいわゆる対価として身柄をというのですか自由を拘束して、かつて昔にあったような形のものが今なお存在するということになりますと、これは売春防止法からいいましてゆゆしき事例ということに相なろうかと思います。売春防止法の立法の趣旨を生かしまして、こういうことがもし存在するということになれば、私どもとしては法の適正、厳正な執行を確保していかなければならぬ、こう考えておるわけでございます。
○石井(郁)委員 総理府にもおいでいただいているのですが、何か参議院の方にもお出かけにならなくてはいけないということで、ちょっと先にお伺いしたいと思います。
 国内行動計画でいろいろと述べられているとおりでありますし、取り組まれていると思うのですが、この性の問題、どういう認識をされて、今どういう取り組みをされていらっしゃるか、ちょっとお尋ねしたいと思います。
○藤井説明員 ただいま先生がおっしゃったように、政府におきましては、婦人の地位向上を目指しまして、昭和六十二年五月、西暦二〇〇〇年に向けての新国内行動計画を策定し、総合的な推進に努めているところでございます。
 性の問題につきましては、人間の尊厳にかかわる問題と認識しており、新国内行動計画においても、性の商品化傾向の是正と性の尊重についての認識の浸透を基本的施策の一つとして掲げているところでございます。今後とも関係省庁との連携のもとに性の商品化傾向の是正に一層努めてまいりたいと考えております。
○石井(郁)委員 ありがとうございました。時間がありませんので、結構でございます。
 それで、ちょっと具体的に伺いたいと思っています。事例についてまず伺いますけれども、例えばこういう事例はどのようにみなしたらいいのでしょうか。そばを通りかかって、ある女性がいいというふうにまず思った。それで、その女性を料亭のおかみさん、それからまた置き屋のお母さんを通して二百万円をいただいて買いたいというか、ということです。それで、料亭と置き屋にそれぞれ一割に当たる二十万円ずつをしきたりとして渡す。残りは本人のものです。その後、関係を持ちたいといったびに呼び出し、お金を渡し、・それで必要がなくなれば終わりにするという事例について、これは売春とみなしていいかどうか、また、みなすべきかどうかという点でちょっと伺いたいと思います。
○根來政府委員 ただいまお聞きした事例につきましては、単なる教室の問題でなさそうでございますし、やはり具体的な問題については、私ども捜査機関を所管している法務省といたしまして犯罪の成否を申し上げないことで御理解いただいておりますので、ひとつよろしくお願いします。
○石井(郁)委員 一般論として伺っているわけですけれども、それではいかがですか。こういう事例はどうかということです。
○根來政府委員 一般論は、法律に書いておりますように、先ほどまた大臣がお答えいたしましたように、売春防止法では勧誘とか場所提供とかあっせんとか、そういうのは犯罪になるというふうに構成されているわけでございます。ただいま御提供になりました素材というのは、一般論ではなくて具体論であるように思いますので、ひとつ御勘弁願いたいと思います。
○石井(郁)委員 それは、答えられないということは、やはりこれには売春防止法に抵触する何らかの問題があるということでしょうか。
○根來政府委員 いつもそういう具体的な問題を提供になりまして答弁を求められるわけでございますけれども、私どもの方は、ここで申し上げるというのはやはり非常に僭越な話でございまして、捜査機関というのは証拠に基づいて事実を確定した上で申し上げるわけでございます。捜査機関を所管している法務省が、そういう手続を経ないで多少具体的な問題に踏み込みまして申し上げるということはやはりまずいであろう、こういう立場でございますので、ひとつ御了解願いたいと思います。
○石井(郁)委員 言うまでもなく、これは特定のものではあるわけです。先ほど大臣の御答弁もありましたけれども、今日の売春について、売防法で検挙されるケースというのは極めてまれだと言われているわけですね。実はそういう意味で、売防法はざる法だというふうに言われているわけです。今日問題になっているのは、先ほど中身を申し上げませんでしたけれども、新しい形態としてそれが売春としてまかり通っているということが非常に問題なわけですね。しかもお金で女性を買うという問題にもなっているわけであります。
 この問題で先ほど法務大臣は、人権侵害だということでお認めになっているわけですから、今回のこれは首相のスキャンダルということで女性が告発もしている問題でもあるわけですね。ですから、どうでしょうか、今この問題で法相として事実関係をお調べになる、あるいは首相にお尋ねになるということは当然あってしかるべきだと思うのですが、いかがでしょうか。
○谷川国務大臣 売春防止法は、単純売春と申しますか、単なる売春行為そのものを処罰の対象にいたしておりません。したがいまして、実態の事例が明らかでないと、何とも今お尋ねの問題の周辺につきましてもお答えのいたしようがないわけでございます。
○石井(郁)委員 そういう点が問題だと思うのですね。まさに売防法で処罰の対象とならなければ、そういういわばお金で売買する売春が一向に問題とされない。これは御存じのように、日本の首相が東南アジアなどを歴訪されるたびに非常に非難を浴びている、いわゆる買売春ツアーという形で日本の問題になっているわけですから、そういう点での日本への批判が今非常に厳しい。また、東南アジアから日本に来られる女性がそういう対象になっているということもあるわけですから、先ほどまさに大臣がおっしゃったように道義的、人倫上の問題、そういうモラルの問題がもっと厳しく取り上げられないと、これは本当に野放しの状態になっていく。非常に性の退廃や性の商品化という形で女性の人権侵害が行われているわけですね。今そのいわば政治家のトップの、最高の公人の問題が明らかになったということでありますから、この点ではまさに女性の人権問題としてきちっと対処されるということは当然のことだと思うのですね。そういう点では、女性の間の世論も、また国内の世論も今、国会に対して非常に厳しい目が向けられていると私は思うわけです。
 時間がありませんから、その点で、ここには首相がいらっしゃらないわけですけれども、この事実について否定もされていない、そして先日の御発言では、人倫にもとることはしていないということなんですね。だから否定もされずに、いわばそれを肯定されるということなんです。先ほどお金で女性を売買するということは断じてあるべきでないということでありましたから、その点ではまさに売春を是認しているととらざるを得ないのですね。だからこういうことは本当にどうなのかということは重大問題だと思うわけです。
 それから、今、この売春は低年齢化しておりまして、少女売春ということもたびたび問題になっております。こういうことで私は、政治家としてもこういう性の産業や商品化ということで売防法が事実上機能してないという中で、社会的な政治的な問題だと思うわけです。女性の人権問題として売春問題を今厳しく考えていくときではないかと思うわけですね。そういう点で、ぜひこの人権擁護の担当大臣として、こういう点では明確に閣議の中でも態度を貫いていただきたい。それから、首相はやはり公の場で答弁すべきだという点で、ひとつ大臣のはっきりした御答弁をお願いしたいと思うわけです。
○谷川国務大臣 売春防止法が制定されますときの審議の経過では、この法はこういう行為をあっせんする、そういう行為を厳しく取り締まるということをいたせれば、この売春という行為が少なくなってくる可能性があるであろう。それからもう一つは、昔の言葉で苦界に身を沈めるという言葉がございますが、もしそういう女性があった場合には、いわば苦界からどうやって引き出してあげることができるかということも、この法の目的の一つに置こうという形に相なっております。
 なお、三条では、売春行為は両者にとって厳しく行うべきではないか、ただしここには罰則が担保されておりませんが、法の目的は先ほど言ったような諸般のことがございまして、その条項がございます。したがって私は、この売春防止法が制定されてから今日、我が国におきまする売春行為なるものは随分と改善はされてきておると思っております。しかしながら、いろいろな問題点で法を厳正に施行せねばならないような行為が今なお社会的に存在することであるならば、法秩序を維持しなければならない責任者の一人として、これに対しては厳正に対処しなければならぬ、こう考えております。
 その他の個々の問題につきましては、これはまさに道徳的な問題、人倫上の問題ということに相なりますと、法務大臣としてはここで答弁をさせていただくことについては差し控えさせていただきたい、こう考えております。
○石井(郁)委員 時間が参りましたので、以上で終わります。
○戸塚委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○戸塚委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。
 法例の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○戸塚委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○戸塚委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
○戸塚委員長 次に、本日の請願日程第一から第三一〇の各請願を一括して議題といたします。
 各請願の内容につきましては、文書表で既に御承知のことと存じますし、また、先ほどの理事会において検討いたしましたので、この際、紹介護員の説明等を省略し、直ちにその採否を決定いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○戸塚委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
 本日の請願日程中、日程第一三六、第一三七、第一八九ないし第二一五、第二三五ないし第二四三、第二五一ないし第二六七、第二七四ないし第二八三、第二九〇、第二九七ないし第三〇〇及び第三一〇の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○戸塚委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
 なお、ただいま議決いたしました請願に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○戸塚委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○戸塚委員長 なお、本委員会に参考送付されました陳情書は、法務局の増員に関する陳情書外十件であります。念のため御報告申し上げます。
     ――――◇―――――
○戸塚委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。
 まず
 第百八回国会、内閣提出、刑事施設法案
及び
 第百八回国会、内閣提出、刑事施設法施行法案につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。
     〔賛成者起立〕
○戸塚委員長 起立多数。よって、両案について、閉会中審査の申し出をすることに決しました。
  次に
  内閣提出、民事保全法案
  内閣提出、出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案
  第百十二回国会、坂上富男君外三名提出、刑事訴訟法の一部を改正する法律案
  裁判所の司法行政に関する件
  法務行政及び検察行政に関する件
並びに
 国内治安及び人権擁護に関する件
以上各案件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○戸塚委員長 御異議なしと認めます。よって、
 そのとおり決しました。
  次に、閉会中の委員派遣に関する件についてお
 諮りいたします。
  閉会中審査案件が付託になり、委員派遣を行う必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣承認申請を行うこととし、その派遣地、期間、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○戸塚委員長 御異議なしと認めます。よって、
 そのとおり決しました。
 本日は、これにて散会いたします。
    午後一時二分散会
     ――――◇―――――