第114回国会 文教委員会 第5号
六月七日
 工藤巌君委員長辞任につき、その補欠として鳩
 山邦夫君が議院において委員長に選任された。
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平成元年六月二十一日(水曜日)
    午前十時三十九分開議
出席委員
  委員長 鳩山 邦夫君
   理事 麻生 太郎君 理事 臼井日出男君
   理事 北川 正恭君 理事 鴻池 祥肇君
   理事 船田  元君 理事 佐藤 徳雄君
   理事 鍛冶  清君 理事 中野 寛成君
      青木 正久君    小川  元君
      岸田 文武君    工藤  巌君
      古賀 正浩君    斉藤斗志二君
      杉浦 正健君    渡海紀三朗君
      平泉  渉君    福島 譲二君
      松田 岩夫君    渡辺 栄一君
      江田 五月君    木間  章君
      嶋崎  譲君    中西 績介君
      馬場  昇君    有島 重武君
      塚本 三郎君    石井 郁子君
      山原健二郎君
 出席国務大臣
        文 部 大 臣 西岡 武夫君
 出席政府委員
        文部政務次官  町村 信孝君
        文部大臣官房長 國分 正明君
        文部大臣官房総
        務審議官    佐藤 次郎君
        文部大臣官房会
        計課長     吉田  茂君
        文部省生涯学習
        局長      横瀬 庄次君
        文部省初等中等
        教育局長    菱村 幸彦君
        文部省教育助成
        局長      倉地 克次君
        文部省高等教育
        局長      坂元 弘直君
        文部省高等教育
        局私学部長   野崎  弘君
        文部省学術国際
        局長      川村 恒明君
        文化庁次長   遠山 敦子君
 委員外の出席者
        文教委員会調査
        室長      松原 莊穎君
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委員の異動
五月二十五日
 辞任         補欠選任
  井出 正一君     近藤 鉄雄君
  佐藤 敬夫君     渡辺 紘三君
  斉藤斗志二君     粕谷  茂君
  杉浦 正健君     森下 元晴君
  渡海紀三朗君     小沢 辰男君
同日
 辞任         補欠選任
  小沢 辰男君     渡海紀三朗君
  粕谷  茂君     斉藤斗志二君
  近藤 鉄雄君     井出 正一君
  森下 元晴君     杉浦 正健君
  渡辺 紘三君     佐藤 敬夫君
六月三日
 辞任         補欠選任
  井出 正一君     丹羽 兵助君
  町村 信孝君     麻生 太郎君
同月六日
 辞任         補欠選任
  中村  靖君     林  大幹君
  丹羽 兵助君     鴻池 祥肇君
同月八日
 辞任         補欠選任
  林  大幹君     青木 正久君
同月十二日
 辞任         補欠選任
  愛知 和男君     福島 譲二君
同月十三日
 辞任         補欠選任
  佐藤 敬夫君     長谷川 峻君
  斉藤斗志二君     石渡 照久君
  杉浦 正健君     古賀 正浩君
  渡海紀三朗君     村田敬次郎君
同日
 辞任         補欠選任
  石渡 照久君     斉藤斗志二君
  古賀 正浩君     杉浦 正健君
  村田敬次郎君     渡海紀三朗君
同月二十日
 辞任         補欠選任
  鴻池 祥肇君     大塚 雄司君
  斉藤斗志二君     友納 武人君
  杉浦 正健君     水野  清君
  渡海紀三朗君     山口 敏夫君
  松田 岩夫君     鹿野 道彦君
  石井 郁子君     安藤  巖君
同日
 辞任         補欠選任
  大塚 雄司君     鴻池 祥肇君
  鹿野 道彦君     松田 岩夫君
  友納 武人君     斉藤斗志二君
  水野  清君     杉浦 正健君
  山口 敏夫君     渡海紀三朗君
  安藤  巖君     石井 郁子君
同月二十一日
 辞任         補欠選任
  岸田 文武君     小川  元君
  松田 岩夫君     古賀 正浩君
  嶋崎  譲君     木間  章君
同日
 辞任         補欠選任
  小川  元君     岸田 文武君
  古賀 正浩君     松田 岩夫君
  木間  章君     嶋崎  譲君
同日
 理事町村信孝君同月三日委員辞任につき、その
 補欠として麻生太郎君が理事に当選した。
同日
 理事鳩山邦夫君同月七日委員長就任につき、そ
 の補欠として鴻池祥肇君が理事に当選した。
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六月十九日
 著作権法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 五六号)(参議院送付)
同月十二日
 新学習指導要領の白紙撤回に関する請願(石井
 郁子君紹介)(第二五一七号)
 同(経塚幸夫君紹介)(第二五一八号)
 同(東中光雄君紹介)(第二五一九号)
 同(藤田スミ君紹介)(第二五二〇号)
 同(正森成二君紹介)(第二五二一号)
 同(村上弘君紹介)(第二五二二号)
同月十四日
 四十人学級の完全実施等に関する請願(石井郁
 子君紹介)(第二七四三号)
 同(経塚幸夫君紹介)(第二七四四号)
 同(辻第一君紹介)(第二七四五号)
 同(東中光雄君紹介)(第二七四六号)
 同(藤田スミ君紹介)(第二七四七号)
 同(正森成二君紹介)(第二七四八号)
 同(村上弘君紹介)(第二七四九号)
同月十五日
 国・公・私立大学学費値上げ反対、育英奨学金
 の充実等に関する請願(藤原ひろ子君紹介)(
 第二七八六号)
同月十六日
 学校図書館法の一部改正に関する請願(石井郁
 子君紹介)(第二九二七号)
 同(山原健二郎君紹介)(第二九二八号)
 障害児の後期中等教育の保障に関する請願(矢
 島恒夫君紹介)(第二九二九号)
 学費値上げ反対等に関する請願(有島重武君紹
 介)(第三〇二六号)
は本委員会に付託された。
六月三日
 学校図書館法の一部改正に関する請願(第七〇
 三号)は、「町村信孝君紹介」を「鳩山由紀夫
 君紹介」に訂正された。
    ―――――――――――――
六月十三日
 学校教育法の一部改正に関する陳情書(兵庫県
 姫路市菅生台七〇の一福井清司良)(第一六三
 号)
は本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 閉会中審査に関する件
 著作権法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 五六号)(参議院送付)
 請願
   一 教育の充実に関する請願(井上一成君
     紹介)(第一号)
   二 文化政策の拡充に関する請願(伊藤英
     成君外一名紹介)(第二号)
   三 私学助成大幅増額等に関する請願(土
     井たか子君紹介)(第六号)
   四 私学助成の大幅増額等に関する請願
     (土井たか子君紹介)(第七号)
   五 私学助成大幅増額、四十人学級の実現
     に関する請願(東家嘉幸君紹介)(第
     一六号)
   六 義務教育諸学校の学校事務職員に対す
     る義務教育費国庫負担制度維持に関す
     る請願(海部俊樹君紹介)(第一七号
     )
   七 義務教育教科書無償制度の存続に関す
     る請願(魚住汎英君紹介)(第一八号
     )
   八 私学助成大幅増額に関する請願(平沼
     赳夫君紹介)(第一九号)
   九 私学助成の充実に関する請願(椎名素
     夫君紹介)(第二〇号)
  一〇 学校図書館法の一部改正に関する請願
     外四件(井出正一君紹介)(第一一五
     号)
  一一 同(海部俊樹君紹介)(第一一六号)
  一二 同(工藤巌君紹介)(第一一七号)
  一三 同(中尾栄一君紹介)(第一一八号)
  一四 同(中村喜四郎君紹介)(第一一九号
     )
  一五 同外九件(細田吉藏君紹介)(第一二
     〇号)
  一六 同外七件(堀之内久男君紹介)(第一
     二一号)
  一七 同(森喜朗君紹介)(第一二二号)
  一八 同(林保夫君紹介)(第一三二号)
  一九 同外七件(相沢英之君紹介)(第一六
     二号)
  二〇 同外八件(鳩山邦夫君紹介)(第一六
     三号)
  二一 私学助成の大幅増額、四十人学級の早
     期実現に関する請願(三野優美君紹介
     )(第一六一号)
  二二 学校図書館法の一部改正に関する請願
     外一件(林保夫君紹介)(第一七七号
     )
  二三 同(塩谷一夫君紹介)(第二二七号)
  二四 同外二件(谷川和穗君紹介)(第二二
     八号)
  二五 同(藤本孝雄君紹介)(第二二九号)
  二六 同(藤本孝雄君紹介)(第二三三号)
  二七 同外三件(畑英次郎君紹介)(第二四
     六号)
  二八 同(藤本孝雄君紹介)(第二四七号)
  二九 同(藤本孝雄君紹介)(第二五〇号)
  三〇 同外六件(北川正恭君紹介)(第二八
     六号)
  三一 同外六件(鳩山邦夫君紹介)(第二八
     七号)
  三二 私学助成の増額に関する請願外一件
     (田口健二君紹介)(第二一八号)
  三三 同外一件(田口健二君紹介)(第二二
     六号)
  三四 同外一件(田口健二君紹介)(第二三
     〇号)
  三五 同外一件(田口健二君紹介)(第二三
     四号)
  三六 同外一件(田口健二君紹介)(第二五
     八号)
  三七 同外一件(田口健二君紹介)(第二八
     八号)
  三八 同外一件(田口健二君紹介)(第二九
     二号)
  三九 同外一件(田口健二君紹介)(第三五
     三号)
  四〇 私学助成の大幅増額に関する請願(中
     西績介君紹介)(第二九一号)
  四一 私学助成の増額に関する請願外一件
     (田口健二君紹介)(第三五九号)
  四二 同外一件(田口健二君紹介)(第三六
     〇号)
  四三 同外一件(田口健二君紹介)(第三六
     七号)
  四四 同外一件(田口健二君紹介)(第三七
     三号)
  四五 同外一件(田口健二君紹介)(第三八
     一号)
  四六 同外一件(田口健二君紹介)(第三八
     七号)
  四七 同外一件(田口健二君紹介)(第三八
     八号)
  四八 同外一件(田口健二君紹介)(第三九
     二号)
  四九 同外一件(田口健二君紹介)(第三九
     五号)
  五〇 同外一件(田口健二君紹介)(第四二
     八号)
  五一 同外一件(田口健二君紹介)(第四四
     七号)
  五二 同外一件(田口健二君紹介)(第四五
     七号)
  五三 寄宿料の値上げ反対、学生寮に対する
     国庫負担の増額に関する請願(鍛冶清
     君紹介)(第三六四号)
  五四 学校図書館法の一部改正に関する請願
     (高村正彦君紹介)(第三六五号)
  五五 同(船田元君紹介)(第三六六号)
  五六 学校事務職員・栄養職員の義務教育費
     国庫負担法適用除外反対に関する請願
     (野間友一君紹介)(第四一五号)
  五七 学校図書館法の一部改正に関する請願
     (中山太郎君紹介)(第五六八号)
  五八 同(山下徳夫君紹介)(第五六九号)
  五九 私学助成の大幅増額、四十人学級の早
     期実現に関する請願外七件(江藤隆美
     君紹介)(第五七〇号)
  六〇 大学院生・研究生の学術研究条件改善
     等に関する請願(松本善明君紹介)(
     第六七三号)
  六一 学校図書館法の一部改正に関する請願
     (鳩山由紀夫君紹介)(第七〇三号)
  六二 私学助成の増額に関する請願(田口健
     二君紹介)(第七〇四号)
  六三 同外一件(田口健二君紹介)(第七三
     〇号)
  六四 同外一件(田口健二君紹介)(第七四
     一号)
  六五 同外一件(田口健二君紹介)(第七四
     八号)
  六六 同外一件(田口健二君紹介)(第七六
     〇号)
  六七 同外一件(田口健二君紹介)(第七七
     九号)
  六八 同外一件(田口健二君紹介)(第七八
     三号)
  六九 同外一件(田口健二君紹介)(第八三
     四号)
  七〇 同外一件(田口健二君紹介)(第八九
     六号)
  七一 同外一件(田口健二君紹介)(第九一
     七号)
  七二 教育の改善に関する請願(工藤晃君紹
     介)(第一一二八号)
  七三 同(瀬長亀次郎君紹介)(第一一二九
     号)
  七四 同(山原健二郎君紹介)(第一一三〇
     号)
  七五 寄宿料の値上げ反対、学生寮に対する
     国庫負担の増額に関する請願(永井孝
     信君紹介)(第一二二六号)
  七六 学校図書館教育の充実・発展に関する
     請願(江田五月君紹介)(第一七一一
     号)
  七七 同外一件(佐藤徳雄君紹介)(第一七
     一二号)
  七八 同外一件(嶋崎譲君紹介)(第一七一
     三号)
  七九 同外一件(中西績介君紹介)(第一七
     一四号)
  八〇 同外一件(馬場昇君紹介)(第一七一
     五号)
  八一 私学助成の大幅増額、過疎地私学に対
     する特別助成に関する請願(安藤巖君
     紹介)(第一九四三号)
  八二 同(石井郁子君紹介)(第一九四四号
     )
  八三 同(浦井洋君紹介)(第一九四五号)
  八四 同(経塚幸夫君紹介)(第一九四六号
     )
  八五 同(瀬長亀次郎君紹介)(第一九四七
     号)
  八六 同(辻第一君紹介)(第一九四八号)
  八七 同(寺前巖君紹介)(第一九四九号)
  八八 同(野間友一君紹介)(第一九五〇号
     )
  八九 同(東中光雄君紹介)(第一九五一号
     )
  九〇 同(藤田スミ君紹介)(第一九五二号
     )
  九一 同(藤原ひろ子君紹介)(第一九五三
     号)
  九二 同(正森成二君紹介)(第一九五四号
     )
  九三 同(村上弘君紹介)(第一九五五号)
  九四 障害児の後期中等教育の保障に関する
     請願(石井郁子君紹介)(第一九五六
     号)
  九五 同(岩佐恵美君紹介)(第一九五七号
     )
  九六 同(岡崎万寿秀君紹介)(第一九五八
     号)
  九七 同(金子満広君紹介)(第一九五九号
     )
  九八 同(経塚幸夫君紹介)(第一九六〇号
     )
  九九 同(工藤晃君紹介)(第一九六一号)
 一〇〇 同(佐藤祐弘君紹介)(第一九六二号
     )
 一〇一 同(中島武敏君紹介)(第一九六三号
     )
 一〇二 同(東中光雄君紹介)(第一九六四号
     )
 一〇三 同(不破哲三君紹介)(第一九六五号
     )
 一〇四 同(藤田スミ君紹介)(第一九六六号
     )
 一〇五 同(正森成二君紹介)(第一九六七号
     )
 一〇六 同(松本善明君紹介)(第一九六八号
     )
 一〇七 同(村上弘君紹介)(第一九六九号)
 一〇八 同(矢島恒夫君紹介)(第一九七〇号
     )
 一〇九 国・公・私立大学学費値上げ反対、育
     英奨学金の充実等に関する請願(矢島
     恒夫君紹介)(第一九七一号)
 一一〇 高校四十人学級の早期実現、私学助成
     の大幅増額に関する請願(安藤巖君紹
     介)(第一九七二号)
 一一一 同(石井郁子君紹介)(第一九七三号
     )
 一一二 同(岩佐恵美君紹介)(第一九七四号
     )
 一一三 同(浦井洋君紹介)(第一九七五号)
 一一四 同(岡崎万寿秀君紹介)(第一九七六
     号)
 一一五 同(金子満広君紹介)(第一九七七号
     )
 一一六 同(経塚幸夫君紹介)(第一九七八号
     )
 一一七 同(工藤晃君紹介)(第一九七九号)
 一一八 同(児玉健次君紹介)(第一九八〇号
     )
 一一九 同(佐藤祐弘君紹介)(第一九八一号
     )
 一二〇 同(柴田睦夫君紹介)(第一九八二号
     )
 一二一 同(瀬長亀次郎君紹介)(第一九八三
     号)
 一二二 同(田中美智子君紹介)(第一九八四
     号)
 一二三 同(辻第一君紹介)(第一九八五号)
 一二四 同(寺前巖君紹介)(第一九八六号)
 一二五 同(中路雅弘君紹介)(第一九八七号
     )
 一二六 同(中島武敏君紹介)(第一九八八号
     )
 一二七 同(野間友一君紹介)(第一九八九号
     )
 一二八 同(東中光雄君紹介)(第一九九〇号
     )
 一二九 同(不破哲三君紹介)(第一九九一号
     )
 一三〇 同(藤田スミ君紹介)(第一九九二号
     )
 一三一 同(藤原ひろ子君紹介)(第一九九三
     号)
 一三二 同(正森成二君紹介)(第一九九四号
     )
 一三三 同(松本善明君紹介)(第一九九五号
     )
 一三四 同(村上弘君紹介)(第一九九六号)
 一三五 同(矢島恒夫君紹介)(第一九九七号
     )
 一三六 同(山原健二郎君紹介)(第一九九八
     号)
 一三七 私学助成大幅増額に関する請願(岩佐
     恵美君紹介)(第一九九九号)
 一三八 同(岡崎万寿秀君紹介)(第二〇〇〇
     号)
 一三九 同(金子満広君紹介)(第二〇〇一号
     )
 一四〇 同(工藤晃君紹介)(第二〇〇二号)
 一四一 同(児玉健次君紹介)(第二〇〇三号
     )
 一四二 同(佐藤祐弘君紹介)(第二〇〇四号
     )
 一四三 同(柴田睦夫君紹介)(第二〇〇五号
     )
 一四四 同(田中美智子君紹介)(第二〇〇六
     号)
 一四五 同(中路雅弘君紹介)(第二〇〇七号
     )
 一四六 同(中島武敏君紹介)(第二〇〇八号
     )
 一四七 同(不破哲三君紹介)(第二〇〇九号
     )
 一四八 同(松本善明君紹介)(第二〇一〇号
     )
 一四九 同(矢島恒夫君紹介)(第二〇一一号
     )
 一五〇 同(山原健二郎君紹介)(第二〇一二
     号)
 一五一 寄宿料の値上げ反対、学生寮に対する
     国庫負担の増額に関する請願(山原健
     二郎君紹介)(第二〇一三号)
 一五二 学校図書館法の一部改正に関する請願
     (鳩山邦夫君紹介)(第二一三五号)
 一五三 私立幼稚園の助成金大幅増額に関する
     請願(太田誠一君紹介)(第二三一〇
     号)
 一五四 私学助成の大幅増額に関する請願(太
     田誠一君紹介)(第二三一一号)
 一五五 新学習指導要領の白紙撤回に関する請
     願(石井郁子君紹介)(第二五一七号
     )
 一五六 同(経塚幸夫君紹介)(第二五一八号
     )
 一五七 同(東中光雄君紹介)(第二五一九号
     )
 一五八 同(藤田スミ君紹介)(第二五二〇号
     )
 一五九 同(正森成二君紹介)(第二五二一号
     )
 一六〇 同(村上弘君紹介)(第二五二二号)
 一六一 四十人学級の完全実施等に関する請願
     (石井郁子君紹介)(第二七四三号)
 一六二 同(経塚幸夫君紹介)(第二七四四号
     )
 一六三 同(辻第一君紹介)(第二七四五号)
 一六四 同(東中光雄君紹介)(第二七四六号
     )
 一六五 同(藤田スミ君紹介)(第二七四七号
     )
 一六六 同(正森成二君紹介)(第二七四八号
     )
 一六七 同(村上弘君紹介)(第二七四九号)
 一六八 国・公・私立大学学費値上げ反対、育
     英奨学金の充実等に関する請願(藤原
     ひろ子君紹介)(第二七八六号)
 一六九 学校図書館法の一部改正に関する請願
     (石井郁子君紹介)(第二九二七号)
 一七〇 同(山原健二郎君紹介)(第二九二八
     号)
 一七一 障害児の後期中等教育の保障に関する
     請願(矢島恒夫君紹介)(第二九二九
     号)
 一七二 学費値上げ反対等に関する請願(有島
     重武君紹介)(第三〇二六号)
     ――――◇―――――
○鳩山委員長 これより会議を開きます。
 この際、一言ごあいさつ申し上げます。
 このたび、私が文教委員長の重責を担うことになりました。委員各位の御指導と御協力を賜りまして、公正かつ円満な委員会運営を図ってまいりたいと存じます。
何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
○鳩山委員長 理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。
 私の委員長就任及び理事町村信孝君の委員異動に伴い、理事が二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鳩山委員長 御異議なしと認めます。よって、理事に
      麻生 太郎君 及び 鴻池 祥肇君
を指名いたします。
     ――――◇―――――
○鳩山委員長 この際、文部大臣西岡武夫君及び文部政務次官町村信孝君から発言を求められておりますので、順次これを許します。西岡文部大臣。
○西岡国務大臣 このたび、新内閣におきまして、引き続き文部大臣を拝命いたしました西岡武夫でございます。
 国政の基本である教育、学術、文化、スポーツの担当大臣として、みずからに課せられた役割と責務を十分認識いたしまして、文教行政の充実発展のため、決意を新たにいたしているところでございます。
 委員長並びに各委員の皆様方の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げます。
 よろしくお願いをいたします。(拍手)
○鳩山委員長 次に、町村文部政務次官。
○町村政府委員 このたび、文部政務次官を拝命いたしました町村信孝でございます。
 微力ではありますが、大臣を補佐し、全力を尽くして教育改革の推進を初め、我が国の教育、学術、文化、スポーツの振興に努力してまいる所存であります。
 委員長並びに各委員の皆様方の御指導、御鞭撻を心よりお願い申し上げます。(拍手)
     ――――◇―――――
○鳩山委員長 この際、先刻の理事会の協議に基づき、委員長より一言申し上げます。
 我が国の宇宙開発は、これまで着実に進展し、宇宙科学の分野においては、文部省宇宙科学研究所の開発したM3SU型ロケットによる科学衛星の打ち上げを通じて、国際的に評価される数々の顕著な実績を上げてきているが、一九九〇年代以降における大規模な科学ミッションに対応するには、従来より規模の大きい科学衛星の打ち上げが必要とされるに至っている。
 この要請に適切に対処し、宇宙科学の分野において将来にわたり積極的に研究を進め、国際的にも貢献していくためには、科学衛星打ち上げ用ロケットの大型化について前向きに対処すべきものと考える。
 なお、ロケットの開発に当たっては、宇宙開発委員会の総合調整のもとで、我が国全体としての整合性を保ちつつ、効率的にその進展が図られるべきであることはもとよりであり、今後も引き続きこのことを踏まえ対処していくべきである。以上であります。
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○鳩山委員長 内閣提出、参議院送付、著作権法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 趣旨の説明を聴取いたします。西岡文部大臣。
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 著作権法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
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○西岡国務大臣 このたび、政府から提出いたしました著作権法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約、いわゆる実演家等保護条約の締結に伴い必要となる国内法の整備を図ることを目的とするものであります。
 実演家等保護条約は、昭和三十六年にベルヌ同盟、ILO及びユネスコが中心となって、著作物を公衆に伝達する役割を果たす実演家、レコード製作者及び放送機関の国際的保護を図ることを目的として作成されたものであります。我が国は、昭和四十五年の現行著作権法制定の際、この条約を参考として国内的には著作隣接権制度を導入しましたが、同条約の締結については見送った経緯があります。その後、著作隣接権制度は国内において定着し、また国際的にも締約国が主要先進国を中心とする三十二カ国に増加していること、近年における我が国の国際的地位等を考慮すると、我が国がこの条約を締結し、著作隣接権の国際的な保護の充実を図ることは極めて意義があることと考え、今国会において別途その締結について御承認をお願いしているところであります。
 この条約の締結により我が国が負うこととなる義務は、他の締約国における実演家等の権利者に対し、条約に従って所定の保護を与えることであり、今回の著作権法の一部改正の趣旨は、同条約上の保護義務を果たすために必要な規定の整備を行うことにあります。
 次に、本法律案の内容について申し上げます。
 第一は、著作権法による保護を受ける実演、レコード及び放送に、実演家等保護条約により我が国が保護の義務を負うものを追加することであります。
 現行の著作権法は、許諾を得ないレコードの複製からのレコード製作者の保護に関する条約により保護の義務を負うレコードを除き、外国で行われた実演、外国人をレコード製作者とするレコード、外国人である放送事業者の放送等については保護の対象としておりませんでした。このたび、我が国がこの条約を締結することに伴い、同条約により保護の義務を負う実演、レコード及び放送を新たに保護の対象として加えることとしております。
 第二は、著作隣接権に関する規定を、国内に常居所を有しない外国人である実演家についても適用することとすることであります。
 現在は、国内に常居所を有しない外国人である実演家については、著作隣接権による保護が与えられておりませんが、実演家等保護条約の締結により実演家の国際的な保護の仕組みができることから、これらの外国人である実演家についても著作隣接権による保護を与えることとしております。
 このほか、商業用レコードの二次使用料に関する規定を我が国に対して適用しないこととしている締約国の商業用レコードについては、二次使用料に関する保護を与えないこととする等、この条約が認める相互主義の原則に基づいた措置を定めることとしております。
 最後に、施行日等であります。
 この法律は、実演家等保護条約が我が国について効力を生ずる日から施行することとし、所要の経過措置を講ずることといたしております。
 以上が、この法律案を提案いたしました理由及びその内容の概要であります。
 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○鳩山委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
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○鳩山委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北川正恭君。
○北川(正)委員 先ほどの大臣からの説明の中で、国際条約に基づいて国内法の整備をする、こういうことでありますけれども、いろいろな国際団体からも、あるいは芸団協やレコード協会からも強い要望があったわけでありますが、この件についての国際条約加入の意義についていま一度大臣から所見をお伺いしたいと思います。
○西岡国務大臣 お答え申し上げます。
 御指摘のように、実演家等保護条約の早期締結につきましては、国内の権利者団体から強い要望が今日までございまして、また昭和五十三年以来、当文教委員会から数回にわたる附帯決議をいただいてきたところでございます。さらに国際音楽家連盟、国際俳優連合、国際レコード・ビデオ製作者連盟など国際団体からも我が国の加入について強い要望があっていたところでございます。今回我が国が実演家等保護条約を締結することは、まずこれらの要望にこたえ、著作権制度の分野において今日我が国が置かれている国際的地位にふさわしい体制を確立することができるという意味において、大変意義深いものがあると考えているところでございます。
 また、我が国は著作権の権利に関するベルヌ条約に加入し、また万国著作権条約、レコード保護条約に加入するなど、著作権の国際的保護については積極的に今日まで参加してきたところでございますが、このたび御審議をいただきます実演家等保護条約を締結することによりまして著作権及び著作隣接権に関する国際的保護の体制がこれで真に確立するもの、このように考える次第でございます。
○北川(正)委員 それに伴いまして、この保護条約は俳優や歌手や演奏家などの実演家やレコード製作者の権利を国際的に保護し合うための条約であるわけですが、これの具体的な内容、その概要について、どちらでも結構なんですけれども、お答えをいただきたいと思います。
○遠山政府委員 実演家等保護条約と申しますのは、御存じのように実演家、レコード製作者、それから放送機関という著作物を公衆に伝達するという役割を持つ、いわゆる著作隣接権者を国際的に保護するという目的のために昭和三十六年にでき上がった条約であるわけでございます。具体的には、歌手、演奏家あるいは俳優など実演家等が自分の実演の固定についての録音あるいは録画権、あるいはその録音物、録画物を複製する権利などを保護するということと、さらに、同じくその著作物を世の中に伝えるという媒体でありますレコード製作者、それから放送事業者などの権利も守りまして、さらにこの三者の権利関係を合理的に調整するということによって著作物の伝達の円滑化を図るという枠組みをつくるというのがこの条約の内容であるわけでございます。
 実演家等の保護につきましては、基本的に、他の締約国におきます実演家等に対しまして、自国の領域内において自分の国の国民あるいは自国の機関に与えておる保護と同様の保護を与える、これは内国民待遇と申しますけれども、その条件を整えて、同時に付与すべき保護というのを具体的に規定しているわけでございます。
 付与することとしている保護の内容は、一つは、実演家に対しましては、その許諾を得ない実演を放送するあるいは録音・録画をすることの防止等でございますし、レコード製作者に対しましては、レコードの複製権の付与ということでございますし、実演家またはレコード製作者に対しましては、商業用レコードの二次使用料の請求権というものを付与するということでございます。さらに、放送事業者に対しましては、放送の再放送権、録音・録画権を付与するというような中身でございます。
○北川(正)委員 この条約は昭和三十六年に作成をされておるわけですが、こういった重要な条約には、本当はもっと早く加入をするべきではなかったかと思っておるわけです。現在、日本も経済大国とは言われますけれども、文化大国なりその他の大国とは言われがたいことなのです。したがって、現在まで加入がおくれたことについて理由を伺いたいと存じますし、今後こういった国際的な問題については文部省ももっと早くに対応して、世界各国をリードしていくというようなことが重要であろうと思いますけれども、おくれた理由と、今後、国際国家日本、文化大国日本ということで、その方向に突き進んでいく理由なり決意をお聞かせいただきたい、こう思います。
○西岡国務大臣 お答え申し上げます。
 今日まで、御審議をいただくことになりました今回の法案提出、条約の締結がおくれました詳細のこれまでの経緯につきましては文化庁の次長から御答弁させていただきますが、これからの我が国の取り組むべき姿勢といたしまして、委員御指摘のとおりに積極的に、むしろ諸外国に先鞭をつけるという姿勢でこうした問題にはこれから取り組んでいかなければいけないのではないか。まさに委員御指摘のとおり、これから文部省、文化庁といたしましても取り組んでいく決意でございますので、よろしくお願いを申し上げる次第でございます。
○遠山政府委員 加入がおくれた理由でございまずけれども、我が国は、現行の著作権法は昭和四十五年に制定されたものでございますけれども、その際には実演家等保護条約を参考としていわゆる著作隣接権制度というものを制度として導入したわけでございますけれども、その際には国内において行われる実演家等に限定しているわけでございます。当時、この著作隣接権が国際的あるいは国内的にどのように運用されていき、あるいは定着されていくかということを見きわめる必要があったわけでございますし、また、国際的に見ましても当時は加盟国が十一カ国でしがなかったというふうなこともございまして、そのときにはだこの条約に加入するという段階に至っていなかったわけでございます。
 しかしながら、この条約の早期締結につきましては、国内、国外の権利者団体からも早く締結するようにということが繰り返し要請されてまいっておりますし、また、昭和五十三年以来著作権法の改正法案が国会審議に上ります際に、五回にわたりまして文教委員会において附帯決議が行われているようなこともございまして、したがいまして、国内のこのことにかかわる制度の定着の状況、国際的な動きあるいは近年の我が国の国際的な地位などを考慮いたしまして、今回改正法案を出させていただいているわけでございます。
○北川(正)委員 よくわかるわけですけれども、これから横並び方式の考え方ということでなしに、むしろリードをしていくということで日本も国際社会にどんどん出ていくべきだ、そう思っておりますので、そういった方向でこれからも御努力をいただきたいな、そう思います。
 そういう国内法の整備に伴いまして、今、国内的な問題で、例えばゼロックスのような複与のための機器が普及して、特に多色刷りのような高性能なものまで出回るようになってきておりますが、こうした機械は大変便利なものではありますけれども、一方において、苦労してつくり上げられた本や雑誌の記事が極めて安易に、また大量にコピーされるようになると、著作権制度上問題が出てくるわけであります。
 そこで、文化庁の著作権審議会で、この問題は出版者の保護という観点から取り上げて検討をしていると言われておりますけれども、その検討の状況をお伺いをいたしたいと存じますし、日本は高度な管理社会を構成しているわけでありますが、その管理社会を構成していくにはやはり公平、公正、そういったことが前提となってくると思います。さらにもう一つ基本的な条件としては、権利と義務がきちっと行使をされて、お互いが互恵互助だなという感覚が出てこないといけませんけれども、その中で著作権審議会において出版者の保護という観点、それを取り上げて検討しているのですが、そのことについて、まず検討されている状況についてお伺いをしたい、こう思います。
○遠山政府委員 先生御指摘のように、近年の複写機器の発達、普及に伴いまして著作物が出版物から簡単にかつ頻繁に複写されるという事態が起きているわけでございます。この複写問題のもたらす事柄につきましては、既に著作権審議会第四小委員会が昭和五十一年の報告書におきまして、著作者及び著作物を書籍等として世に出している出版者の利益というものが、大量に行われる複写によりまして害される可能性が非常に強まっているという認識のもとにその対応策をおまとめをいただいたわけでございます。
 その報告書が出されまして十余年を経まして、今日なおその問題が解決を見ていないわけでございますけれども、そのようなことを背景にいたしまして、著作権審議会に昭和六十年九月に第八小委員会を設置いたしまして検討を進めてまいったところでございます。同小委員会は昨年十月、次のような中間報告書を公表したわけでございます。
 一つは、複写機器の発達、普及に伴いまして出版物が複写利用される機会が非常に増加していて、著作権者のみならず出版者の利益に影響を与えていることは否定できない、と同時に、著作物の伝達者として重要な文化的な役割を果たしている出版者の出版活動というものは独自の知的行為が認められるのではないか、そのような役割を持つ出版者に対しまして、出版物の複写を中心とした複製について一定の権利を認めることが適当ではないかという趣旨の内容でございます。この小委員会は、中間報告書を関係団体に送付いたしまして意見を求めたところでございまして、ヒアリングをいたしましたり、今意見を聴取し終わったところでございますが、その中身につきましてまだ幾つか検討の課題が残っておりまして、審議が継続されているところでございます。
 先生が御指摘になりましたように、今日の社会では権利と義務というものがお互いにきちんと守られていく、そういう社会を形成していくということが非常に大事であるわけでございますが、複写の問題もその一つの例でございますし、この問題について著作権審議会の審議の状況を踏まえながら、文化庁といたしましてもできるだけ早い機会に解決を見たいというふうに考えている次第でございます。
○北川(正)委員 出版者の保護という点一つ見ても非常に複雑な権利義務関係が発生をして、よほど巧みにこの問題を検討しながら推進していかなければ種々の問題がいっぱい起こる、こう思っておりますので、ぜひその点は慎重かつ迅速に御検討し推進をしていただきたい、そう思います。
 そういう中で、著作権審議会の中で出版者への保護という観点から検討されているわけでございますが、今その説明をいただいたわけです。しかし、現在著作権制度のもとでも、著作者には既に権利が与えられている部分がたくさんあろうかと存じます。そういう中から複写複製問題に対処して、この著作者の権利を現実的に行使できるようにするために、関係者が複写権センターを設立しようという動きをしておられると思いますが、これは本当に現実的な権利義務の問題が発生してまいりますから、よほど慎重に対応しておいていただかなければいけないということを指摘をいたしますとともに、その準備状況についてもお伺いをいたしたいと思います。
○遠山政府委員 先生御指摘のように、現在の著作権法におきましても、著作者に関しましては複製権を行使するという権利が与えられているわけでございますけれども、個々の権利者がなかなか個別にその権利を行使するのは難しい状況にございます。
 そのようなことから、著作権を特定の機関が集中的に管理いたしまして、利用者がその機関の許諾を得て一定の使用料を払うことによって、個々の著作権者の許諾を得なくても著作物を利用できるようにしようということで複写権センターというものの設立が急がれてまいったわけでございます。社団法人日本複写権センター設立発起人会というものが、著作者団体、それから出版者団体の協力によりまして文献複写に関する著作権の集中的処理を行うための機関といたしまして社団法人日本複写権センターを設立するということを目的にいたしまして、既に昨年の十月十七日に発足したところでございます。
 この設立発起人会では、このセンターの設立及び設立後の運営に必要な事項の調査研究を行いますために、目下実行委員会を設けて検討を行っているところでございます。現在実行委員会におきましては、出版物の複写利用に関する使用料の設定の問題あるいは徴収、分配の方法はどうあったらいいかというふうな問題について検討を行っているところでございまして、同時に出版物の複写利用者団体に対する話し合いも始まっているところでございます。
 情報化社会と呼ばれます今日、先生御指摘のように、著作権の保護を図る一方で、著作物の円滑な利用に積極的に寄与できる実際的な方法としてこのセンターの進捗というものを見守ってまいりたいというふうに考えております。
○北川(正)委員 こういった具体的な作業というのはいろいろな問題があって難しいと思いますけれども、迅速にぜひ進めていただきたいと思います。
 そこで、著作者や実演家の方々の権利が社会に広く尊重され、かつ利用者との関係で円滑に運用されることがこれから特に重要になってまいります。そういう中で、制度とか法律とかそういったこと以前に、著作権思想の普及ということが図られてその上に乗っかって制度、法律がある、こう思うわけであります。したがって、これから我が国は、国際国家としても、あるいは衣食足りて礼節を知るという観点からも、文化振興の基盤を整えることが非常に重要になってまいるわけでありますが、この点に関して、文化庁は、著作権思想の普及あるいは文化振興の基盤といったことについて今後どのような御努力をいただいていく考えがあるかということを含めて、一遍所見をお伺いしておきたいと思うわけです。
○遠山政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、国民一人一人が著作権保護の大切さを十分認識して著作権保護の意識を高めるということは、個人の著作権を守るという角度ばかりではなくて一国の文化の発展にとって極めて重要なことであると考えております。
 そのため、文化庁といたしましては各種の施策を講じているわけでございますが、具体的には、例えば講習会を開催したりしております。一般人向けの著作権講習会を全国的に開くと同時に、著作権審議会の報告等の説明会あるいは研究協議会あるいは各都道府県の著作権事務担当者講習会等を開催しているところでございますし、また最近では、各省でいろいろな講習会などを開催されます場合に、著作権の担当の者が講師として招かれて著作権思想の普及に努めているところでございます。さらには、わかりやすいハンドブックをつくったり、今後は若い人たちにもわかりやすいビデオ資料の製作、活用なども進めてまいりたいと思っております。
 このような努力を少しずつ積み重ねることによって著作権思想の普及というものが図られて、日本の文化の発展により一層寄与するように、文化庁といたしましてもできるだけ努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○北川(正)委員 国際条約に伴って国内法の整備ということになります。それは早急に、横並びでも結構なんですけれども整備をする必要はあるわけですが、国内法の整備に伴って、むしろこれからこういったことに関してだけでなしに、日本の国が国際的な条約についてどんな役割を果たすかということは、もう少し前向きに積極的に出ていかなければ、このアジアの極東という地域に位置する日本人が、あるいは日本の国が世界的に認められにくいということになろうかと思いますから、こういったことを積極的に前向きでぜひやつていただきたい、それを強く要望いたしておきたいと思います。
 一方、こういったことに法律制度ができてまいりますと、必ずそこに権利者あるいは義務者という権利義務の両方が発生するわけでございますから、このあたりをよほどスマート、スムーズ、的確に行っていきませんと、行政に対する不信感というのも生まれてこようかと思うわけです。したがって、ハードというよりはむしろソフトという面が強いわけでありますから大変難しい状況でありますけれども、そういったことを処理して初めて管理された国家なり、あるいは文化的な国家なり、こういうことになってまいりますので、以上、国際条約は積極的に、さらにこういう法整備、制度整備は当然しながら、運用面でもしっかりこれから御努力をいただくことを要望して、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
 どうもありがとうございました。
○鳩山委員長 次に、江田五月君。
○江田委員 著作権法の一部を改正する法律案の質疑でございますが、大臣の所信をいただいて、その所信に対する質疑が行われていない。今国会、これが最後の当委員会の質疑になるということですので、大臣の所信に対する質疑を同僚の中西委員にお願いをすることにして、著作権法の一部改正法案の質疑をごくごく手短に行いたいと思いますので、ひとつ簡潔な答弁をお願いしたいと思います。
 今回のこの改正ですが、これは長く待たれておつだ実演家等保護条約の締結に伴う国内法の整備、随分このいわゆる隣接権条約、実演家等保護条約ですか、締結に時間がかかりまして、当委員会でも、何度も附帯決議なども行ったりしていて、やっと関係者間で合意もでき上がったということですが、なぜ一体こんなに随分かかったのか、これも聞きたいところですが、そんなこと聞いておりますと時間がなくなりますので、ずばりと幾つかの問題点に入っていきたいと思います。
 一つは、この日本における著作権秩序の中には、いわゆる貸与権という法秩序が一つつくられているわけで、これは一時大変な社会問題にもなりかけたレコードレンタルに関する円満な法秩序をつくっていこうということで、貸与権というものをつくった。それで、この貸与権については、今回の実演家等保護条約によって保護されるべき権利に、貸与権はこの保護が与えられていない、そういう立て方になっておるわけですね。これはちょっと考えようによっては、貸与権についてのみ実演家等保護条約を留保しているというような見方もできるかと思いますが、それはそういうことになるのですか、留保とはまた別のことになるのですか。
○遠山政府委員 今の御指摘の点は、留保には当ならないというふうに考えております。つまり、今回の実演家等保護条約の加入に際しまして、実演家あるいはレコード製作者に与えられている貸与に関する権利を、内国民待遇として外国の権利者にも認める義務があるのではないかという考え方もあるわけでございますけれども、実演家等保護条約には、この権利は明記されていないわけでございます。そのために、このことについては、留保する必要はなく、現在の日本の現行の著作権法の中での保護は、国内の貸与権というものについて有効であるというふうに考えております、
 ついでながら、この貸与権について、条約加盟国で定めている国はフランスーカ国のみでございますけれども、この国でも、国内で固定されたレコードにその効力を限定いたしております。
 そのようなことから、今回はいろいろな事情もまだ整っていないということもございまして、貸与権については、明確に条約上の義務としてこれを定めることをしなかったということでございます。
○江田委員 論理の組み立て方によっては、実演家等保護条約は、貸与権という制度を認識しないまま一つの法秩序をつくっておる。国内法の体系が別にあって、この国際法体系を国内法に持ってくるときに、その貸与権のところだけ外しちゃうわけです。ですから、留保かなというふうにも見られるのかと思いますが、いずれにしても、今回は貸与権のところまで実演家等保護条約による保護を与えていないことになっているわけですが、これは、著作権審議会第一小委員会の審議結果の報告を読ましていただきますと、レコード保護条約、それから今回の実演家等保護条約、こういうところでは、貸与権は保護しなきゃならぬ、そういう権利になっていない。しかしながら、日本では、この貸与権をめぐって一つの法秩序が形成されているので、この貸与権に関しても、保護を認める方向に行くべきである。しかし、内外の関係者間で、貸与に関する円満な利用秩序が維持、形成されていないので、その形成の方向を、しっかり見通しを立てて導入をしなきゃならぬ、そういう理解になっているようですが、これは文部省、文化庁の理解と同じと考えていいですか。
○遠山政府委員 先生の今のお話しのとおりでございまして、これは将来的には、著作権審議会第一小委員会の審議結果に示されておりますように、いろんな条件整備が整いました場合には、これを国内におきましても、外国にかかわる貸与権について認めていく方向であることは確かでございます。
○江田委員 ただいまの条件整備と言われる内容ですが、二つあると思うのですね。
 国内における貸与権の法秩序がいまだきちんと整備をされていないので、そこへいきなり外国の権利まで持ってきちゃったら混乱に混乱を重ねるだけになるからというそういうことと、それから国外の権利者と国内の秩序とがうまく整合していないということと、二つあろうかと思いますが、これはどちらになるのですか。
○遠山政府委員 国内的にも円満な利用秩序が形成されている必要があるわけでございますけれども、現在この権利をめぐりまして日本の国内で数件の訴訟が係属しているわけでございます。すなわち貸しレコードをめぐる争いにつきましては、レコードメーカー、貸しレコード業者、双方から数件の仮処分申請及び本訴が提訴されているところでございまして、いまだ円満に利用秩序が形成されたと言えない段階でございます。
 国際的な利用秩序ということの形成ももちろん大事でございますが、少なくとも国内での利用秩序が円滑に形成された後に、国際的な方向につきましては既に幾つかの話し合いが行われており、形成の見通しもあるわけでございますけれども、国内問題の解決というものをまず行わなくてはならないというふうに考えております。
○江田委員 ただいまの答弁は、国内における権利関係の調整の秩序が整備をされれば、外国との関係の権利関係の秩序の形成は、例えば商業レコードの二次使用料の支払い関係などの秩序が既にできているから、これを前提としてやっていけば比較的容易にできる。そこで国内における秩序形成といいますか、一遍秩序はできていたわけですが、それが途中で壊れたわけですが、この修復に全力を挙げる、そういうふうに聞いていいんでしょうか。
○遠山政府委員 先生の御指摘のとおりかと存じます。
 ただ係争中ではあると申し上げましたけれども、本年の三月にある決定が出たこともございまして、当事者間の話し合いによって解決を図ろうとする空気も強まっておりまして、両者の話し合いも行われているというふうなことで、国内的な秩序形成についてもある程度の見通しが立ちつつあるというふうな段階でございます。
○江田委員 その問題に深入りしていきますと時間がかかって仕方がないので、これはこの程度で終わりますが、やはり当委員会で貸与権について著作権法の改正を行った際にいろいろ質疑をした、そのときには、集団的権利処理関係がきちんとできている、そういうことを大切にしてその集団的権利処理関係をほかの分野にもずっと広げていく形で秩序をこれからつくっていこう。そこで、レコード関係ですといろいろな権利者がいるわけですが、実際の作曲家、作詞家あるいは実演家がそれほど異議を唱えていないのにレコード製作者が特に強い異を唱えて、このでき上がった秩序に対してもう一度混乱を持ち込んでいるという事態で、私はそれを非常に遺憾に思いますので、ひとつ文化庁としての強力なリーダーシップをお願いしたいと思います。
 ところで、実演家等保護条約、これはアメリカが締約国でないというのは国際的にはどういうことになるのでしょうか。いささか問題だという気もしますが、アメリカの著作権問題についての交渉、日本は西岡大臣ということなのでしょうが、アメリカの方はどういうことになって、そしてこれまでどういうような経過があるのでしょうか、そのあたりのことをちょっと教えてください。
○遠山政府委員 実演家等保護条約に米国は加入していないわけでございますけれども、その理由は、アメリカにつきましては、レコードを著作物としてレコード製作者を保護しているわけでございますが、実演と放送にかかわる保護がないわけでございまして、国内体制ができていないということで条約に加入していないわけでございます。
 このことに関しまして、アメリカの著作権の問題に関しましては、米国の議会図書館の中に著作権局というのがございまして、そこが担当するわけでございますが、この問題に関しましては日米間の貿易の問題にかかわりますワーキンググループにおいても取り上げておりまして、私どもといたしましては、アメリカに著作権条約に入っていないことについての問題点を指摘したりしている経緯がございます。
○江田委員 ひとつ率直に、これはもう西岡大臣、政治家として機会をとらえてアメリカとお話しになったらどうかと思うのです。
 それと同時に、先ほども同僚委員の質問にございましたが、録音・録画機材に対する賦課金制度ですね。一般にコピーというものに対する集団的な権利処理関係をきちんとつくっていく、いよいよ最後に録音・録画機材に対する賦課金制度の導入というのが残っておるという感じがするのですが、こういう問題について深い見識と、そして同時に大変な政治力をお持ちの西岡大臣が、ひとうここは大いに張り切って、この録音・録画等々に関する最終的な解決を図っていくというためにリーダーシップを発揮される場面かと思うのですが、大臣の覚悟のほどをひとつお聞かせ願いたいと思います。
○西岡国務大臣 お答え申し上げます。
 先ほどアメリカとの関係につきましては遠山次長からお答えを申し上げましたように、実際問題としてはアメリカの国内問題というふうなとらえ方をせざるを得ないわけでございまして、政治的にぜひアメリカも加入されるべきであるということをいろいろな場面で申し上げるということについては、委員御指摘のとおり、やぶさかではないわけでございますけれども、そこのアメリカの内政の問題であるということを前提としてぜひ御理解をいただきたいと思いますし、先ほど次長から御説明申し上げましたように、次長もこのメンバーに加わっておりまして、ワーキンググループ等でもそうしたことについての議論がなされているというわけでございますので、そうしたことを十分見守りながら、委員御指摘のとおり、アメリカについても積極的にこの問題への解決をしてもらいたいということを強く希望をしてまいりたいと考えております。
 それと、委員御指摘のとおり、この著作権の問題はやはり三十条の問題が最終的には残っているわけでございまして、私自身も今日までこの問題に文部大臣に就任いたします前から実は取り組んできているところでございます。ただ、この問題は非常に厄介な点は、もちろん対外的な関係もございますけれども、国内的には、御承知のとおりに我が国がハードとソフトのメーカーが親と子というような関係もございますし、そうしたところでなかなか利害の関係がすっきりしないということもございまして、文部省、文化庁といたしましてもある場面でかなり積極的に動かなければいけないであろう。もちろん著作権審議会での御審議をいただいているわけでございますので、そうしたところできちっとした議論をしていただいたことを前提といたしまして、一方においては、場合によっては委員の皆様方のお力もいただきながら、それぞれの利害が対立する関係団体に対して説得していくという努力もしなければいけない。そして、やはり三十条の問題についてきちっとけりをつけなければ著作権の問題については、先ほど御質問のございました出版の問題とこの問題とが最後に残った問題になるのではないかと考えておりますので、今後とも努力をしてまいりたいと存じます。
○江田委員 終わります。
○鳩山委員長 次に、中西績介君。
○中西(績)委員 私は、所信に対する一般質問を申し上げたいと存じます。そこで、時間が制約をされておりますから簡単にお答えをいただきたいと思っています。
 本年度予算について詳細な論議がなされないまま今国会を終わろうとしておりますので、大変残念なんですけれども、この上に立って来年度予算はどうするかということを考えなくちやならぬわけでありますけれども、そこまで至っておりません。しかし日時はどんどん進んでいくわけですから、八月末には概算要求をまとめなければならないという状況が出ています。ということになってまいりますと、基本的な論議はこれからだと思いますけれども、二、三の点についてお聞きしたいと思っています。
 そこで第一は、シーリング枠をかけられると、文部省予算、本年度が一般会計が四兆六千三百七十九億二千九百万です。一・三%の伸びしかないわけですから、シーリングをかけられますとほとんど拡大が無理だということになってまいります。ところが、その中で来年度絶対増額しなくてはならぬという、いろいろ予算面で財政措置をしなくちゃならぬというものがあると思うのです。
 そこで、まず一つは給与費の改善。一%相当額で三百二十五億と言っておりますけれども、大体来年度は予算の中にどれほどのものを予定しなくてはならぬのか、この点、簡単に答えてください。
○國分政府委員 現在の給与費の取り扱いでございますが、ここ数年来、概算要求時におきましては、定期昇給等の昇給原資については概算要求の中に盛り込みますけれども、給与改善費というものは概算要求時には盛り込んでおりませんで、人事院勧告があり、そして通常、年末に政府の予算編成をやるわけでございますが、その際に対応する、こういう考え方でここ数年来対応してきておるところでございます。
○中西(績)委員 そうなってまいりますと、いついかなるときに対応するということはあり得ても、金額だけは必要なんですよ。これは、予算の中でやるわけですから、全然別個のものだということにはなり得ない。その点で、民間が五・一%程度アップしていますから、試算をしますと、定昇分が大体二・一%だとすると、三%分程度を措置しなくてはならぬ。ということになると、文部省全体で九百七十五億、さらにまた国庫負担分が八百八十七億程度になるのではないか。これは大変な額ですが、これが大きな影響を及ぼすと私は思うのですけれども、これは間違いないですね。
○國分政府委員 御指摘のとおり、平成元年度ベースで申しますと、文部省の人件費の場合に、文部省職員だけでなくて、いわゆる小中学校の先生の給与費、それから国立学校の教職員の給与費等々があるわけでございまして、先生御指摘のとおり、一%が三百二十五億という数字が出ておるわけでございます。これは義務経費でございますから、毎年、年末の予算編成時に当然予算計上しなければならないわけでございます。例えば平成元年度のケースで申しますと、前年度、六十三年度に二・三五%という人勧がございました。これを平成元年度予算において予算化しました際に六百七十三億という措置が必要であったという経緯があるわけでございます。
○中西(績)委員 次が、この補助率の復元による改定。この分が、長期給付改善分が今度手当てしなくてはならない。八分の三を二分の一にするのですが、この額は三百五億必要だということになると思うのですが、よろしいですね。
○國分政府委員 そのとおりでございます。
○中西(績)委員 次に、ODAの文部省予算、この分を見ますと、いろいろ指摘できると思うのですが、時間がありませんから簡単に申し上げますが、最終的には、平成元年の伸び率、六十三年度から見ますと六十七億になっております。ということになりますと、この分は、また再び来年度予算にはこの程度くらいは措置をしないと、従来からの方針に基づく額を満たすことにはならないのじゃないかと思うわけでありますけれども、大体六十億から七十億程度必要じゃないか、こう推測するのですが、その点、どうでしょう。
○國分政府委員 明年度の具体の概算要求につきましてはこれからの作業でございますので、しかと数字は申し上げられませんけれども、今までの施策の延長線あるいはさらに改善を進めていくということになりますと、やはり相当の経費増が見込まれるのではないであろうかと考えております。
○中西(績)委員 この分は、私たちなり多くの留学生なりが期待をするような予算ということになってまいりますと、シーリング枠で規制をされるということでなしに、配分の構造をどう改善するかということが極めて重要になってくるのですね。ですから、そうしたことを含んで、できるだけこの文部省予算の中で負担を強いられないようにどうするかということが将来問題になるし、今までも言ってきたことなんですけれども、この分は、いずれにしましても一応従来どおりの線でいけば、今指摘したような額程度はやはり必要なんだということになると思います。
 次に、第五次学級編制及び教職員定数改善計画を見ますと、ことしは教職員定数の改善がおくれておるわけであります。この分だけ見ていきますと、あと二年しか時間的な余裕がないわけでありますから、来年度はこの分をどうするかということになってまいりますと、極めて大きな問題がここからまた出てくるのではないかということを私は心配いたしております。
 学級編制に当たって自然増減を見ますと、二年間で二万二千二百人ですけれども、これが学級編制の改善で一万六千百十五人、定数の改善で一万九千二百六人ということになっていますから、これをはるかに超える一万三千百八十一名手だてをしなければならぬということになってくる。そうなってきますと、これに必要な、おたくの方で計算をしてもらったわけでありますけれども、いずれにしても、来年度、平成二年度の分が特に一万三千三百人程度減になるわけでありますから、ある程度カバーされるにいたしましても、両方とも単純計算でいきますと、減の分と相殺して百三十三億程度必要になるのではないかと思っておりますけれども、この点、どうでしょうか。
○倉地政府委員 今先生御指摘ございましたように、第五次教職員定数の改善計画はあと二年ということでございます。その中で、先生が御指摘になりましたように、自然増減と改善増の計を差し引きますと、約一万三千人程度の純増になるわけでございまして、私ども、現在の進捗率が五五・四%ということでございますから、非常に厳しい状況にあると認識している次第でございます。
 ただ、来年度具体的にどういう予算を要求するかということでございますけれども、これにつきましては、先ほど御指摘のありましたような教職員の定数の自然減、それから全体のシーリングなども総合的に十分勘案いたしまして、私どもとしては十分努力をしてまいりたいと考えている次第でございます。
○中西(績)委員 これはよほど努力をしないと、残る二年間で充当するということは非常に困難になってくるわけです。これはこの十年間くらい言い続けてきているわけですから、その点で毎年文部行政の中における位置づけをどうするのか、そしてこれをどう充足していくかということは大変重要な課題になっています。これらをある程度早く解決しないと、次の手が打てないわけですから、この分については十分措置をしてもらいますが、先ほど申し上げるように、単純な計算で百三十億程度は必要になるのじゃないかということなんですけれども、この点のお答えがなかったが、一応そのように私なりに計算をさせていただきます。
 それから初任者の研修はどうなっておるでしょうか。本年度は小学校全新任教員の実施に入ったわけでありますが、来年は中学等になってきますが、その人数と額はどの程度になってきますか。
○倉地政府委員 御指摘ございましたように、本年度小学校につきまして本格実施をいたしているところでございます。来年度はどうするかということについてはまだ最終的に文部省として決めておりませんけれども、事務的には私ども中学校について本格実施したいと考えている次第でございます。
 それで人数などのお尋ねがあったわけでございますけれども、来年度の初任者ということにつきまして、まだ私ども推計いたしておりませんで、数字として今持ち合わせておりますのは、平成元年度において全面的に本格実施したらどうであろうかという数字は持っている次第でございます。その数字によりますと、中学校については新採用教員数が大体六千名をちょっと超える人数になるのではないか、そのように考えている次第でございます。
○中西(績)委員 そうしますと、今年度が小学校の場合一万二、三千名あったわけですから、その半数に近い数が大体予定されるのではないかと思うわけです。
 そこで私学助成ですが、これは経常費の中に占める割合が本年度で大体何%になったのか、ここを明らかにしていただきたいと思います。なぜかといいますと、経常費に占める割合というのがどんどん下がっていくばかりでありますから、そういう中で何とかして頑張ったと言われる結果が一・九%、私学助成については伸び率を示して六十二億一千九百五十八万ということになっています。こういうことになってまいりますと、これまた大変困難なことでありましょうが、今申し上げるように、その落ち込んでいくのを少しでも支えるということになってまいりますと、これまたことしより以下ということにはなり得ないのではないかと私は推察をするわけですけれども、この点、どうですか。
○野崎(弘)政府委員 お答え申し上げます。
 平成元年度の分、それから昭和六十三年度の分、これはまだ全体の経常的経費の額が出ておりませんのでパーセントが出ないわけですが、昭和六十二年度の段階で一七%という数字になってございます。
○中西(績)委員 今申されましたように、当初の目標が五〇%を目標にすると言って憲法論議までやあやあやつてつくり上げたものが今や落ちるばかりで、このような状況にまでなっておるということを非常に残念に思うわけですけれども、この点についての論議はまた別の機会にしたいと思います。
 今、私は五、六点について、来年度予算の中ではどんなことがあっても引き下がることのできない部分について一応ずっと拾い上げてみたわけです。そうしますと、合計額は千四、五百億くらいになってくるのではないかと大体推計をいたしました。そうなりますと、枠内処理というのはほとんど不可能に近くなってくる。ということになってまいりますと、今度は予算内における他の削減をどんどんやらなくてはこれを補充することはできないということになるわけですね。
 今までは公立学校設備あるいは施設費が五千億円台あったものを四百億くらいどんどん削って、ある程度これで補うという措置をしたり、いろいろなことをしてきたのですが、これも平成元年度の予算は二千四百三十九億となっていまして、これだって二百三十六億少なくなっておるのに、これだけまた削減をしたということになっています。しかし、これは私は、小学校なんかずっと建てかえたという時期からいたしますと、この前ちょっといろいろ聞いてみますと、その部分の改修をどうするかとか、いろいろな問題が出てき始めておると言われております。そうすると、これは限界に来ておるのではないかと私は思います。ということになると、先ほど申し上げた枠内処理が非常に難しくなってくる。
 そこで、じゃ不足分をどう補うかということになるわけですが、これまた動かしがたいのは人件費、七五%を超えるものになっているわけですから、この事業費がないから削ろうにも削れないという、義務的経費だけが膨大なものになっているわけですから、ここら辺でもう一度、従来から我々が論議をしております特別枠として予算を、文部省、特にこうした問題については防衛費だとかODA同様にやるべきではないか。
 従来からずっと大臣とそのことを論議してまいりましたけれども、塩川大臣だけがちょっとおかしかった。けれども他の大臣は大体特別枠に向けて努力するということを今まで答弁をしてきているのですね、したかどうかは別にいたしまして。しかし、ここでの正式な答弁は、ちゃんとそうして出てきておるわけですが、西岡文部大臣はどのようにお考えでしょうか。
○西岡国務大臣 お答え申し上げます。
 中西委員から御指摘のございました点、文部省の予算編成についての問題点、ほとんど全部正確に御指摘をいただいたわけでございまして、実は先ほど来官房長、また局長からお答えを申し上げておりますように、平成二年度の概算要求、八月にかけましての作業に具体的にはこれから文部省といたしましても取り組むところでございまして、先ほど来委員が御指摘の問題点、すべて御指摘のとおりに私ども問題点であると考えているわけでございます。
 実は、与党の自民党文教の皆様方ともまだ具体的な御相談を申し上げていない段階でございますので、具体的なことを今ここで申し上げることは差し控えさせていただきますけれども、委員御指摘のとおりに、文部省の予算編成、もうぎりぎりのところに来ていることは事実でございますので、何らかの形で文教予算についての別枠の論議というものを提起してみたい、私自身もそのように認識をいたしているところでございます。
○中西(績)委員 ですから、この点はぜひ全部はいかぬにしましても、特定のところ、それは非常に財政処理の面から困難だとは思いますけれども、どのようにすればできるかという予算の組み立て方なり理屈を考えていただいて、増枠をしていただくということが今大変重要な時期に私は来ておるのではないか。特に、口を開けば国家百年の大計だとかなんとかいうことはみんな言っているわけでしょう。そこになると、とんとトーンが落ちまして、二段も三段も落ちていくからしようがないわけですけれども、それを少しでもどこかで支えていただく、こうしたことで処置をしていただきたいと思います。
 次に、義務教育費国庫負担制度について確認をしたいと思いますけれども、従来どおりの堅持をするということで、特に学校事務職員あるいは栄養職員、財政当局は適用除外の方針を変えてないわけでありますけれども、文部省としては従来どおりであるということを確認してよろしいでしょうか。
○西岡国務大臣 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおりにお考えいただいて結構でございます。文部省といたしましても、委員御指摘のとおり事務職員、栄養職員――栄養教員につきましては基幹的な、私は的をとって基幹職員であるというふうに今日までも答弁しているわけでございまして、文部省としてはその基本方針を貫いてまいる考えでございます。
○中西(績)委員 次に、文化庁の予算を見ますと、四百九億四千五百万ですから、伸び率は確かに八・三%という、従来のほかのところに比べますと一応の額を確保はしておるようであります。しかし、これは諸外国と比べてみますと、もう私はここで申し上げることが恥ずかしいぐらいに非常に低い。ですから申し上げませんけれども、この点について、国際的にも経済大国としてどんどん国際化されていく状態の中で、今、日本の政治が、民主主義が問われておるわけでありますけれども、これと同様であってはならぬわけでありますね。少なくともこの点だけは際立って大きく伸びていったというくらいにしていく必要があろうと思います。
 これもまた予算との関係があるわけでありますけれども、二国の問題等これからどんどん具体的に予算化しなくてはならぬ面が出てくるわけですから、しかもそれが四百九億という中では消化できないような状況にあるわけですから、この分についても、先ほど申し上げた特に特別枠なり、あるいは財政的には非常にできにくいと言われる公共的な建物として、公共事業なりどんどんあるわけですから、こうした箱物ですから、そうしたことができないかどうか、そこいらまで含めて考えていただき、本当にこれはもう私たちがどこに行っても胸を張って言えるくらいに少しでも前進をさせるということが必要ですが、どうです。
○西岡国務大臣 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、文化庁の予算につきましては、私どももこれで十分であるとは決して思っていないところでございます。もちろん国際的な比較をいたしますときには、それぞれの国の予算の組み方が違っておりますから、地方自治体等の文化に関する支出を含めて考えますと、必ずしも日本が国際的に著しく劣っているかどうかという点につきましては議論のあるところであろうと思いますが、それにいたしましても、文化庁の予算をもっと思い切ってふやしていかなければいけないという基本的な認識につきましては委員御指摘のとおりでございます。
 文部省といたしましても、これまでややもいたしますと文化庁の前年度の実績の予算というものを踏まえた予算編成ということで取り組んできたところでございますが、特に平成元年度の場合に、当時官房長にも大変苦労をしてもらいまして、文部省全体として文化庁の予算というものを考えるという取り組み方をして平成元年度の予算編成に取り組んできたという経緯もあるわけでございまして、そういう考え方をこれからも貫いてまいりたい、このように考えている次第でございます。
○中西(績)委員 地方自治体の予算だとかなんとか言っていますけれども、西独にいたしましても、あるいはフランスにいたしましても、連邦政府とそれから地方の予算合わせますとこれはもう大変な額になって、日本は落ちますよ。だから、その点はやはり十分、弁解がましいことでなしに積極的にとらえていただきたいと思うのですね。
 そこで、私学問題ですが、経常費の補助の配分方法で従来どおりだということを聞いておりますけれども、この点について私一つだけ指摘をしておきたいと思います。
 特別補助金の配分について二百億程度になっていますけれども、この点はよほど私たちが注意をしておかないと、今度は握りでいくような格好になったときには、つかみでいくような格好になったらこれはまた大変なことになるわけですから、この点についての、他の配分方法もそうなんですけれども、基準というものをやはり公開して皆さんに理解を得るような体制というのをとっておかないと、これは後になってまた大きな禍根を残すのではないか、こう考えるわけです。ですから、この点ひとつお答えいただきたいと思います。
○野崎(弘)政府委員 経常費助成の中の特別補助につきまして御質問があったわけでございますが、これは御承知のとおり、大学院の充実とか教育研究の国際交流等の社会的要請の高い特色ある教育研究に対して行っておるわけでございます。このやり方については、例えば夜間部の教育なんかも対象にしているわけですけれども、こういうものは学生数を基礎にしたりして私どもとしては客観的な基準をつくって、しかもそれは私学振興財団の理事長が私立大学等経常費補助金特別補助配分基準というものをつくりまして、それに基づいて行っておるわけでございます。今後改正等を行いました場合には十分その辺の周知徹底も図っていきたい、こう思っております。
○中西(績)委員 そのほか私学の問題でいろいろ聞きたいところがございましたけれども、時間の関係で割愛をいたします。
 次に、リクルート問題と高石前事務次官との問題について簡単に質問を申し上げたいと思います。
 江副氏は、教育課程審議会あるいは大学審議会のそれぞれ委員をやっておったわけですが、昨年十月十九日、私が質問をいたしました際に答弁をいただきましたのは、適任であるということを最後まで答弁していただきました、大学関係者を中心にして広く各界の有識者を求めるということで。ところが、中に入っておった企業人、半々程度だと言われた一般社会人の中の江副氏を含む企業人、諸井氏にしてもあるいは牛尾氏にしても、みんな問題が出たわけですね。あのときにはまだその中身は明らかになっておらなかったということを言うかもしれませんけれども、むしろ教育関係法の専門家にいたしましても、それから日本学術会議のメンバーが一人も入っておらないとか、いろいろな問題があったわけですよ、特に大学審議会は。ですから、このことは今もなお適任として江副氏をこの委員として任命をしたかどうか、この点、どのようにお考えですか。
○西岡国務大臣 お答えいたします。
 文部省の各種の審議会に江副氏が委員をしておられたということにつきまして、それが適任であったかどうかということにつきましては、当然のことでございますが、その当時におきまして適任であったからこそ委員にお願いをしているわけでございますので、私も過去をいろいろと振り返ってみまして、当時江副氏、もちろんただいまお話のございました諸井さんや牛尾さんもすばらしい方でございますし、文部省の各種の審議会の委員をしていただいたということについて何ら不都合がなかった。江副氏の問題につきましても、当時江副さんの持っておられます企業人としての経験と、大学、学生、そして就職等の関係をめぐっての専門的な、非常に造詣の深い知識を持っておられたという観点から、適任であったというふうに当時判断されたということは今なお生きていると考えております。
○中西(績)委員 そうしますと、先ほど私指摘しましたように、教育関係法の専門家だとかあるいは日本学術会議等の人が一人も入っておらないというような状況の中で、こういう江副氏あたりを中心にして、中曽根さんお気に入りの人たちを中心にしてやっておるという状況が見受けられるのですよ、特に大学審議会の場合は。ですから、こうした選考の仕方が果たしてよかったのかどうかという、ここに私は大きな問題が一つあったと思うのです。
 ついでにあれしますならば、そのときにやはり一緒に指摘をしましたけれども、今度また大学審議会委員と同時に中央教育審議会委員になった田中健蔵氏などの問題だって、本当に適任であったかどうかということが私は疑わしいと思うのですよ。だから、もう全部政治絡みの格好になっておるとしか言いようがない。このときの答弁だって、学識に着目をした、その中身は大学運営だとか国際的な視野ということを説明されておったのです。しかしこの人は、私はこの前も指摘をしたように、不見識さと常識外れはもうとてつもない人だ。例えば奥田氏があいさつに行ったところが、学長であった当の本人は、学者は知事になるべきではないということを懇々と言って、本人は今度とんと出ているんですよ。さらにまた、共産主義者が企業を破壊し、企業誘致は全くできないなどということを正式の公開討論の場でやったんですから。そういう感覚の人が今文部省の言う学識者として適当かどうか。
 まだ言えば変なこともあるのですよ。これはもう言いません。ですから、こういう感覚がずっと生き続けておったのではないかということ、当時はあったのではないかということを私は指摘をせざるを得ないわけですね。しかも、私がそう指摘をしても奇異に感じないとか知事に出たからといって、この種の職に一切ついてはいけないということはないなどということを答弁で言ってあるのですよ。そうなってくると、これは極めて政治絡みであるということになると、国大協にはもうこれ以外の人はいなかったのかということを私は言いたい。
 そして、政治的に中立だとか何だかんだ言って処分せよという文部省が極めて政治的に対応していったという当時の状況、こういう中身を見ると、教育の中立性なりに私は非常に危惧をしなくちゃならぬ、こう考えていますが、今文部大臣答弁されましたが、依然としてこれには変わりはないのですか。
○西岡国務大臣 お答え申し上げます。
 田中健蔵先生のことも御指摘がございました。私、文部大臣といたしまして、今回の第十四期の中央教育審議会の委員にお願いをしたところでございます。私自身、田中健蔵先生のこれまでの学者としての御見識について敬意を表している次第でございまして、私の考え方は誤っていない、このように確信をいたしております。
○中西(績)委員 そこで、文部省の態度というのがそういうものなんだということを全面的に広めたということになるわけですよ。リクルート問題が発生をした当時の皆さんの考え方と現在の文部省の皆さんの考え方というのは依然として全く変わりがない、こういうふうに言わざるを得ないわけであります。ですから、私があえてこれを出したのは、このような大学審議会委員論議をしたときいろいろ指摘をしたけれども、また再び中央教育審議会に任命をするということになれば、これをちゃんと保証したということになっているわけですから、そうした点で私は確認をしたいと思います。
 ですから、これから後に出てくるであろう教育課程の問題についても、あるいは指導要領の問題についても、全部底に流れるものはそういう基本的なものであるし、皆さんの姿勢というのが如実にそこに出ておるのではないか、こう考えます。
 そこで、もう一つ聞きます。高石、江副関係について、西岡大臣は、いろいろな点を調査した結果、三局長、それから氏名等は明らかにしませんでしたけれども、他に十一名処置をいたしております。これを見ますと、高石氏は次官室で、政治に打って出ること等を含めていろいろな計画を実行していったと言われておるのです。ですから、まだこの十九日時分にはこうした内容が全く不明であったときに、必ず高石問題は後になって出てきますよということを私は指摘をしたのですね。そのとおりに、二週間後の十一月三日にぱっと出たのですね。ところが、妻がということから始まって、うそからうそにつながったという状況です。
 ですから、文部大臣はそうした問題について部内の調査を徹底してやったかどうか、この点、お聞かせ願えますか。
○西岡国務大臣 お答えいたします。
 その前に、先ほど来中教審の委員にお願いをいたしております田中健蔵先生の問題についていろいろと御指摘がございましたが、あたかもリクルートと関係があるがごとき御質問でございましたけれども、委員が御指摘になられたのは、あくまでも、知事選挙に立候補した、そういう政治的な行動があったということをとらえての御指摘であったであろうと思いますので、そこのところは峻別してこの問題についてはお答えをさせていただきたいと思うわけでございます。
 今の御質問でございますが、高石氏にかかわる問題につきましては、この委員会でもいろいろと御指摘をいただきまして、私自身、省内、いろいろな経緯につきまして調査をしたところでございます。リクルートの問題につきましては、既に司法の判断をまつという段階でございますので、私がいろいろと言及すべき事柄ではないと考えますが、特にパーティー券の問題につきまして、省内、いろいろと個々にも尋ねまして調査をしたところでございます。
 その結果、今までも御答弁を申し上げてきているわけでございますけれども、文部省が文部省の組織を通じて高石氏のパーティー券を売りさばいたという事実は、調査の結果ございませんでした。パーティー券を都道府県の教育委員会の幹部職員が個人的に購入をした県というのが、これも既に数字を発表しているところでございますが、二十県ございました。全く購入していない県は二十四県でございます。個人的な処理が行われたということでその間の事情が明確でないという県が三県であったわけでございます。
 それでは、その場合に、具体的にどういう形で、文部省が関与したとすれば、そういうことを疑われるようなことがあったのかということまで突っ込んでいろいろと調査をしてみたところでございます。それは例えば、何分にも文部省の前事務次官であったわけでございますので、高石さんがパーティーを開くということになりますと、いろいろと地方からの担当者が来られたときにそうしたことが話題になったというようなこともあったようでございます。また、電話などの連絡の中でそういうことも話題になったということもあったようでございます。それからもう一つ問題だと思いますのは、高石さんの事務所からパーティー券についての依頼があった場合に、それが文部省から依頼があったというふうに勘違いをされたという点もあるいはあったのではないだろうか。あるいはもと文部省にいたOBの方々がそうしたことについて言及したということがあったかもしれない。
 そうしたことを総合的に見ますと、先ほど申し上げましたように、文部省が組織として高石氏のパーティー券を売りさばいたという事実はありませんでしたが、そういうふうに受け取られるような、そういう誤解を生じたというようなことはあるいはあったかもしれない。そういうこともございまして、中島前文部大臣のときに、これからこうしたことが再発しないようにしなければいけないということで、昨年の十二月に服務調査指導委員会というものを省内に設けられたわけでございます。
 その後、私が大臣に就任をいたしましてから、先ほど来御指摘の人心一新を図るというようなこと、あるいはそれぞれの責任のある案件につきましては、それに対応した懲戒、戒告あるいは厳重注意という処分を行うというようなことを行ったわけでございますけれども、今後のことに備えまして、服務調査指導委員会を服務規律委員会に改組いたしまして、そこで新たな使命も付与をいたしまして、これからの再発防止に向けて省を挙げて取り組んでいくという体制を整えたところでございます。
○中西(績)委員 もうちょっと真実を皆さんに、私たちが本当にそうだったかと落ちるような答弁をしてもらわぬと。
 例えば課長がこう言ったということを、帰ってきた県段階の人、教育委員会関係の人だとかいろいろな人が言っておるのに、文部省関係では、なかったと言う。こういうように言われておるのですけれども、そこのとらえ方が、個人の資格と公の資格であるかどうかということになってきますと、非常に不明なんですね。私はこれを個人でやっていますということを言っていないのです。ということになってまいりますと、課長がやれば文部省の課長なんですよ。それくらいに厳粛に受けとめておかないと、私は間違うと思うのです。ですから、これにあります三局長あるいは十一名等がいろいろ処置されたということになってまいりますと、そこにはやはりあったということを意味するわけですね。しかも、高石氏が次官室でいろいろなことを計画したということもわかっているわけでしょう。
 ですから、こうした状況を考えてまいりますと、従前私が指摘をしましたように、福岡の記者会見のときに、立候補するということをまだ次官の時代に言っているわけでしょう。そして問題になったわけです。だから、私はそれをやめさせろ、こうやったわけですよ。ところが、出したけれども、それは百十二国会が終了するまでちゃんとやろうじゃないかということを大臣が言ってとどめておるわけでしょう。それを終わった後に今度は提出をしてやめていったという結果になっているのですよ。ですから、彼は次官の時代にずっとそういうことを考え、そして立案をしておる。そうすると、その下にいる人たちは何をするかといったら、全く無関係でシロなんということはあり得ぬでしょう。これはもう当然ですよ。こういうことが全く、調査はしたけれども明らかになっていない、それとも明らかになったけれども大臣は発表を差し控えておる、こういうこととしかとられないわけです。
 それで、先ほどの田中問題と云々ということがありましたけれども、あの当時こうして極めて政治的に動いておる、その事実がある、その中で選ばれた人だということを私は指摘しておる。だから、時期的には一致するわけですから、リクルートから金をもらったとか株をもらったということを私は指摘しておるわけではありません、そういう体質がそこにはいつ起こってもおかしくないような状況にあったから、こうした問題をおろそかにされていくのじゃないかということを指摘しておるわけですよ。
 そこで、もう一つ、退職をされる際に勧奨退職にしたということを聞いておりまして、これは参議院でも取り上げられましたけれども、そのときの局長と大臣の答弁が全く食い違ったわけですね。これはどのように措置されたのですか。返済はしましたか。
○西岡国務大臣 お答えいたします。
 今委員の御質問は、高石氏が退職金を返済したかという御質問でございますか。――それはしておられません。
○中西(績)委員 そうなりますと、彼は六月末に退職でしょう。七月八日には立候補宣言ですよ。彼は立候補するためにはやめなければならなかったんだね。だから、勧奨退職じゃないですよ。自主退職ですよ。だから、参議院でこれが問題になったときに、局長は、プライベートだから明らかにすることはできない。大臣は、プライベートではありません、調査をして報告します。こういう答弁になった。だから私は――大体、金額は何ぼですか。
○國分政府委員 これは従来から申し上げておりますように、個々人の事情に属することでございますので、私どもからその退職金の具体的な額が幾らであるかということについては公表しないということでお許しをちょうだいしているところでございます。
○中西(績)委員 もうその姿勢が第一、皆大体わかったでしょう、あの姿勢なんですよ、文部省の、行政側の態度、考え方というのは。何がプライバシーですか。しかも前の大臣はプライバシー問題じゃないと言って、調査をすると言ったのです。それに抵抗したのは、局長、あなたたちじゃないですか。だから発表できないのでしょう。私はこれは大変なことだと思います。ちょっと非常識過ぎますよ。これは三割増しでしょう。そして金額は当たっているかどうか知らないけれども、六千七百万か七千六百万かどっちかですよ。大臣、どうお思いになっているのですか、このことを。それじゃ前の中島大臣が間違っているということになるのですか、お聞きします。
○西岡国務大臣 お答え申し上げます。
 私も先ほど國分官房長からお答えを申し上げたのと同じように考えるわけでございますが、前大臣が御発言になったことは前大臣の大臣としての一つの見識でおっしゃったのであろうと思いますので、それを私は否定するものではございませんが、私は國分官房長と同じ考え方でございます。
○中西(績)委員 いよいよこれはどうすることもできなくなってきたですね。とにかく文部省のかたくなな態度と申しますか、高石問題について文部省は、これを見ますといまだにいろいろ言っていますよね、大臣、所信表明の中では言われていますよ。しかし、私は、それはもうないことにした方がいいんじゃないですか。
 国民におわびをしなきゃならぬとかなんとか言っているけれども、所信表明の中に一番冒頭から「一連の不祥事により文部省に対する国民の皆様方の信頼を著しく損なう事態に立ち至ったことは、まことに遺憾であり、」こう言われまして、「深刻に受けとめ、」云々から始まり、「深く反省し、今後、かりそめにも国民の皆様方の疑惑や不信を招くことのないよう、綱紀の粛正について一層の徹底を図る決意でございます。」と言っているけれども、私は国民の一人として、そうとは受け取れませんね。
 そこでもう一つ、帝京大学問題で文部省が言っておりました生涯学習振興財団に対する八億円寄附問題で、我々社会党が調査に参りまして理事長からいろいろお聞きしたのですけれども、文部省は、理事長から文部省が要請されて彼が理事長に就任をした、あるいは高石氏が要請をされたということになっておるけれども、高石邦男理事長とは考えておらなかった。文部省より要請があったので、文部省とは後々のこともあるので了承しました。八億円は財団へ、高石邦男個人に寄附したのではなく、現在凍結しておりますという回答を正式にいただいておるのですが、こうした点、文部省との食い違いはどうするのですか。
○西岡国務大臣 お答えいたします。先ほどから委員のお話を承っておりまして、私が、今回の一連の文部省をめぐっての不祥事につきまして国民の皆様方におわびを申し上げるという発言は取り消した方がいいのではないかという、これは私としては全く心外なことでございまして、私自身は、文部省の信頼を回復させるべく全力を挙げて取り組んできているところでございます。
 しかし、委員の御指摘がございました退職金の問題につきましては、あくまでもこれは、いろいろな見方がもちろんあるでございましょうけれども、措置としては勧奨退職をした。しかも、二年間の事務次官の任期がちょうど来ていたところでございますから、これについていろいろな御意見があることは承知をいたしておりますけれども、これまでも個々の具体の退職金についてこれを公表するということはどこもいたしていないわけでございまして、それに従ってこの数字は申し上げられないということを申し上げているわけです。そのことをとらえて、文部省が国民の皆様方に対して深くおわびを申し上げるという私の発言を取り消すべきであるというような御発言についてはいただきかねるので、あえて申し上げた次第でございます。
 帝京大学の問題につきましては、私もこの間の事実関係を調査いたしました。文部省として、高石前事務次官の理事長就任を要請したという事実はございませんでした。
○中西(績)委員 とにかく、おたくの方は全くそういうような要請などしたことはないということですか。そう確認してよろしいですか。
○西岡国務大臣 お答え申し上げます。
 文部省として要請をいたした事実はございませ
 んが、この間の事情を御説明させていただきます。
 高石氏の依頼によりまして、文部省の職員が個人的にこの生涯学習振興財団の設立趣意書等のたたき台を作成してお手伝いをしたという事実はございました。その際に、沖永氏に対してそのたたき台を説明する中で、可能性の問題として、前後の状況からそういうように受けとめられるやりとりがあったかもしれないという経緯があったという報告を私自身受けているわけでございまして、そういうような経緯が、若干そういう誤解を生むようなことがあったということはあったであろう、このように考えております。
○中西(績)委員 もう私は答弁をもらうのが嫌になったですね。言えば言うほどおかしくなってくるのですよ。この問題は、我々調査に行って、ちゃんと沖永理事長の方からそういうふうに明確に言っておるわけですから。ですから、今度は参考人かなんかに呼んででも明らかにしなければしょうがないみたいな格好になりますね。これだけうそからうそ、調査をしてもうそですから、これは問題ですね。
 それから、さっき大臣が開き直りみたいなことを言っておられましたけれども、少なくとも勧奨退職の位置づけは何なのか。これは、やめたのは六月末ですよ。七月八日には立候補声明ですよ。前々からそのことが全部わかっておるわけです。そして、中でそういうことをやってきた人が今度は割り増し金つきの退職金をもらっている。しかも、大臣と食い違いが生じ、そのことを今度は局内なり文部省内で全部抑え込んでしまうそのやり口が私は問題だと言うのです。ですから、今やっても結論が出る問題ではありませんが、帝京大学問題にいたしましても、パーティー券の問題についても、この退職金の問題にいたしましても、全部そうでしょう。人事問題にしてもそうなんです。
 そこで、時間がありませんが、私が一つお聞きしたいのは、福岡県の問題です。
 福岡県でもまたうそばかりです。当時の竹井教育長、久保総務課長――久保さんを参考人で要請をしておったのですけれども、委員長、どうなつたのでしょうか。
○鳩山委員長 これは理事会で協議いたしまして、参考人としてはお呼びしないことになりました。
○中西(績)委員 これはまさに、今ちょっと言っていますけれども、福岡県問題では私は今度は事実を聞かなければいかぬわけです。そうすると、知らない人ばかりそこにいるわけですから、そしてまた、聞いたことがうそだということを聞いておるし――なぜ私がそのことを言うかというと、竹井教育長にしても久保総務課長は、我々、同僚の馬場氏を初めとして行ったところが、二人そろって座っているのですよ。そして、うそを言っておるわけです。だから当人に聞かなければわからぬと言うのです。しかもその人は省内にいるのですから。こういうばかげたことがなぜこの国会の中で平気でまかり通っていくかということを考えますと、真実を追求し、真実を論議しようというこの国会の場はどこにいったかわからぬですね。極めて形骸化しているし、問題がある。
 そこで、恐らくまた聞いてもわからぬだろうから、だれが答弁するか知りませんけれども、局長なんかに聞いたってわからぬです。そのときだれがどう発言したか、その本当の事実だけだったのです。
 そこで、私は県教委に行きましてそういうあれをやりました。そのときに明らかになってきたことは、私は非常に問題だと思ったのは、福岡県の私学協会に後援会から昨年の七月中旬に高石さんの後援会の申込書が三千枚行っているのです。これを四つの支部に全部送付しています。官僚です。それから学校栄養職員協議会福岡県支部、公的会議の中で一万円を寄附せよというものを流しています。とにかくもう、けじめも何もあったものじゃないですよ。こういうことが平気で行われておるわけです。
 その結果はどうだったかというと、今言ったように、竹井、久保両氏は、知らない、全くそういうものを送ってこられていないと言い続けているでしょう、パーティー券等についても。そして、私たちは今度は現場に十二月十二日に行きました。久留米高校に行きましたところが、驚くような答弁を平気で校長がするのですよ。七月に発表しておって、それでこの人たちは全部高石さんを講師として――筑後地区の研究会の会長をこの人はやっておるのですけれどもね。ここでやったあれを見てみますと、どうなっているかというと、九月にはもう集会があるというので物すごい立て看からポスターから全部地域には張ってあるのに、この人は、七月に衆議院立候補の記者会見をした後十月二十二日になるまで高石氏が立候補するなどということは全然知らなかったと言い張るのですね。これはうそだということはもうおわかりでしょう。
 このことは、ここだけではないですね。伝習がそうでしょう。それから、国立の教育大学の久留米附属小中学校の校長並びに教頭、これも同じことを言い張るのです。ですから、久留米の小中学校では、そこが発行しておる「あおぞら」校内紙とあるのですけれども、これに高石氏のことを平気で載せているし、彼の本を紹介して、買え、子供にそれを持って帰らせる、こういうことまで全部やっているわけですね。そして、みんな全部うそを言うのですよ。
 まさに文部省、高石氏を初めとして、この前私が質問してもみんなそうでないと言い張った。そして、県教委あるいは現場の校長、管理職、うそからうそで塗り固められておる状況というのは、私は、ここには教育などというのは存在しないと思うのです。そう言わざるを得ません。この点、今文部省が何をなすべきか。こうした全国的な状況というものを、管理から管理、うそを言えと言ったら全部一緒にうそを言う、こういう体制をどのように把握をしてこれから反省をしていくかということが、今極めて最重要課題ではないだろうか、こう私は断ぜざるを得ません。
 時間がありませんから、この点についてぜひ、うそからうそで塗り固められておる点についてだけでいいから、どのようにお考えか、答弁願います。
○西岡国務大臣 お答えいたします。
 ただいま委員から御指摘のありました問題につきましては、私もその間の事情等、それぞれの学校で起こったこと、あるいは私立大学の福岡の関係者のところに後援会の申込書が配られたとかというそこら辺までの事実関係につきましては、詳細を承知いたしておりません。したがいまして、これについて私としての見解を申し上げる立場にはないわけでございますが、仮に委員が御指摘のございましたようなところが事実であったとすれば、これは明らかに行き過ぎたやり方であったと思います。
○中西(績)委員 だから、ただ単に行き過ぎたということでなしに、学校現場あるいは行政、そういうところが全部そういう格好になってうそからうそでまかり通るという状況、そういうことをやる管理者でなければ校長にしない、言うことを聞く人でなければしない、こういうことであればどうなるのですか。
 私、一番驚いたのはこの伝習館の校長ですよ。自分は四月一日でやめるのだけれども、もし継続をするということになればもう一度高石さんの話を生徒に聞かせたいと言ったんですよ。こういうことをやっておる高石さんの話をもう一度生徒に、後輩の生徒たちに聞かせたいと彼は言うのですから、これにはもうみんな口あんぐりですよ。報道関係も全部入っていたのですから。そういう状況にまであるということを私たちはどう把握をするかというのが今物すごく重要な課題だということを私は指摘をしておるわけです。調査したときの問題は、言えばまだたくさんあるのです。時間がないから、私は一、二の点だけを申し上げておるのですけれども、この点もう一度文部省、大臣そして行政の皆さんは考え直さなくちゃならぬ、この点だけ指摘をしておきたいと思います。
 最後になりましたので、改訂学習指導要領を私質問をしたがったのですけれどもできませんので、問題点だけ指摘をして、この次、機会があれば論議をしていきたいと思っています。
 学習指導要領というのは、もう私が申し上げるまでもなしに、十年ごとの改訂で五回目であるわけですけれども、今回の改訂の規模、内容、これは最大のものになっております。ですから、学習指導要領の性格、規定づけというのは、私が申し上げるまでもありませんが、最初のころは試案であったし、そして、上から決めて与えられたものをそのとおり実行する画一的傾きのあったのが、下の方から皆の力でいろいろつくり上げていくようになってきたということである、このように文部省は試案の説明をしています。当初はそうだったし、臨教審の提言を見てみますと、日本の教育の問題点として画一的硬直化していることを指摘すると同時に、項末な管理主義の排除と学習指導要領をもっと大綱化すべきだと臨教審も提言していますね。大臣も所信表明の中では硬直的な側面があるということを指摘しておりますし、こういうことから考えますと、学習指導要領というのは、教科と教科の目標、それから教科時数など大綱基準にとどめておく必要があるのではないでしょうか。
 特に、都道府県、市町村教育委員会や学校の創意工夫でこれをつくり上げていくということが大変大事でありますから、文字どおり、教育活動の中心である学習指導に関してすぐれて教育的な指導助言文書にすべきだと私は思います。ところが、今度改訂されて三月十五日に出されました要領は、最大規模の改訂をしましたし、内容的に見ても、私たちは残念ながら問題があり過ぎるとしか言いようがありません。中身自体に説得力を欠いて、教育的な品位と権威が欠けておるのではないか。むしろむき出しの権力的統制をてこにした指示命令書的なものになっておるのではないか、私はこれを読んでみましてこう感じるわけであります。
 大きく分けて三つぐらい問題点がございますし、特に私はこの中で、日本教育新聞によれば、昨年十一月あるいは今年に入って一月二十六日に新聞の記事になって出ておる部分で大変なことじゃないかと思いますのは、特に昨年十一月に五つの点で要望を自民党の初等中等教育プロジェクトチームから出されたということが言われていますね。そして、その結果が、同じく日本教育新聞によれば、「「私どもがやれば、異論が出るようなことはしませんよ」と指導要領改訂には万全の体制をとったと語ったのは同チーム主査の田沢智治参院議員」と伝えておられます。こういうことを考えますと、特定政党による教育に対する不当な介入があったとしか言いようがありません。同時に、この五つを見ると、また中身は大変な問題であります。こうしたことをぜひこれから後、改めるということにならないと大変なことではないかと私は思います。
 以上、抽象的でありましたけれども、問題点だけ指摘をして終わります。ありがとうございました。
○鳩山委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時四十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時五十一分開議
○鳩山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。有島重武君。
○有島委員 提案されております著作権法の一部を改正する法律案を審査さしていただきます。
 本日ただいまの衆議院本会議におきまして、実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約の締結について承認を求める件というのが議題になりました。院として承認をいたしまして、これは内閣の方に送られた、こういったところでございますけれども、この提案されております法律案は、この条約、まさにいわゆる実演家等保護条約、こういうふうに言っているそうですけれども、私どもローマ条約だとか隣接権条約だとか、そういうふうにして呼びならわしてまいったものです。そして、昭和四十六年のときでしたか、著作権法が全面改正になったときに隣接権というものが設けられたそのとき以来、この条約締結、加盟国の一つになるというのは課題であったわけでございますね。それが今日まで二十年近く延び延びになっていたというか、あるいはいろいろな諸条件の熟するのを待っておったということになりますか、こうしてこの委員会の議題となって、形となって、これからまた一つ著作権の制度というものが充実し、進んだものになっていく、これは喜ばしいことではないかと私自身は思っております。
 既に西岡文部大臣も所信表明の中で、「知的所有権に対する世界的な関心の高まりの中で、社会の進展に応じた著作権制度の改良を図っていく」、こういうことを言ってらっしゃるわけでございますね。私も、これからの国際化社会、情報化社会、こういったものに日本全体が対応していかなければならない、それから技術革新によってもいろいろなメディアがいわゆる日進月歩でどんどん進んでおる、そういう中で我が国が文化的な貢献をやっていくという上の本法案の改正というものもその一つの足がかりとして位置づけていかなければならないんじゃないだろうか、そんなふうに感ずるものでございますけれども、最初に、この法案に取り組んでおられる大臣としての抱負といいますか御決意を承っておきたいと思います。
○西岡国務大臣 お答え申し上げます。
 有島委員におかれましては、これまでも国会の御議論を通じまして著作権問題につきましては非常な深い御造詣と熱意を持ってお取り組みをいただいておりますことに対しまして、心から敬意を表している次第でございます。
 今回御審議をお願いいたしております実演家等保護条約の締結にかかわるこの著作権法の改正につきましては、これまでも当委員会におきましてもたびたび附帯決議をつけて、その中で強い要請が行われてきたところでございます。また国際音楽家連盟あるいは国際俳優連合、国際レコード・ビデオ製作者連盟など国際団体からも我が国の加入について強い要望があっていたところでございまして、今回我が国が実演家等保護条約を締結するということは、こうした要請にこたえる、そして著作権制度の分野において今日我が国が置かれております国際的な地位にふさわしい体制を確立することができるという意味において非常に意義深いものがあるというふうに考える次第でございます。
 また著作権の問題につきましては、今回のことで一応著作権及び著作隣接権について国際的な保護体制というものが真にこれで確立をした、もちろんまだ著作権法三十条の問題等々残された課題があるわけでございますけれども、一応これで体制は整えられたという意味において非常に意味のあることだと考えるわけでございます。今後とも文部省といたしましても、知的所有権の問題、いろいろな問題が国際的にもこれから起こってくるわけでございますので、午前中の御議論でもございましたように、むしろ日本が世界的な流れをリードするような意気込みでこの問題には真剣に取り組んでいかなければいけない、このように認識をしている次第でございます。
○有島委員 著作隣接権といいますと、まだ一般的に国民の間に、ああ、あれか、そういうふうな理解はされていないと思いますけれども、今後それがだんだん常識化されていくことになると思いますね。
 きょうは、この隣接権の制度というものが国内的、国際的に定着しておるのか、その実態について少し伺いたい。それからもう一つは、法改正の後の制度的な運用の問題点。それから、社会の進展といいますか、これには二つあると思いますが、視聴覚の媒体の技術向上の問題と文化交流の一面ですね。そんなことをめぐって時間の許す限り質問させてもらいたい。その中で幾つか関連のものとして、放送大学の問題、それから日本語の辞書の問題あるいは文化交流の統計の問題、こういつたことについて触れられたらばと思っております。
 そこで、国内における運用の実態、これも大体レコードの二次使用ということに限って問題にしたいと思いますけれども、現在商業レコードの二次使用というものがどのくらいのものになっておるか、金額で言えばどういうふうになっておるか、そこから聞いていきましょう。
○遠山政府委員 お尋ねのレコードの二次使用料の件でございますけれども、現在商業用レコードの二次使用料につきましては、この制度が発足いたしました昭和四十六年以来、実演家、レコード製作者側と有線放送事業者側とが話し合いの上締結いたしました包括的な契約によりまして、使用料が毎年円滑に支払われているところでございます。
 どれくらいのものかというお尋ねでございますけれども、昭和六十三年度におきましては、二次使用料といたしまして日本放送協会ば約二億三千二百万円、社団法人の日本民間放送連盟は約五億七千八百万円、有線放送事業者は約四千三百万円ということで、合計いたしますと約八億五千三百万円を社団法人の日本芸能実演家団体協議会と社団法人の日本レコード協会に半分ずつ納めているという段階でございますので、国内的には両者の話し合いによりまして円滑な運営の実態が進んでいるというふうにとらえております。
○有島委員 放送大学分というのはどういうふうになっていますか。放送大学も使っているわけなんですね。これはどうなっていますか、幾らくらい。
○横瀬政府委員 実演家協会の分とレコード協会と両方に今出しているわけでございますが、四十万円ずつの、合計して八十万円というふうに聞いております。
○有島委員 この条約の除外部分といいますか条約の十五条、保護の例外というのがございます。私的使用、報道における使用、それからもう一つは教育目的または学術的研究目的の使用等については、国内法令によって保護の例外として定めることができるというのが条約なんですけれども、我が国においてはまだこれは徴収していることになっている。これは文化庁に聞いてもしようがない、これは大臣に――この辺は今後の問題でございますけれども、ちょっとお考えになってよろしいのではないだろうか。御検討の余地はありませんか。
○遠山政府委員 幾分技術的なことでございますので、かわりまして答えさせていただきます。
 先生、今御指摘になりましたこの条約の十五条に規定されております例外の規定に関しましては、我が国でも日本の現在の国内法上著作権の制限の中身として書き込まれておりまして、教育目的等のための使用につきましては、権利の保護の例外、例外といいますか制限として取り扱われておりますので、我が国でもこの条約に十分対応する国内体制ができているというふうに読み取ることができると思います。
○有島委員 ついでと言っては悪いですけれども、放送大学が昭和六十年から始まってもう四年で卒業生が出た、これで実験段階は大体区切りをつけてもよろしいのではないだろうか、これから本当に放送大学が役に立っていかなければならない、そういった段階だと私は思うのですけれども、ちょっと話が外れてしまって悪いみたいですけれども、文部大臣、この放送大学の全国的な普及といいますかこのことについてはどんなお考えを持っていらっしゃいますか。あるいはどんな御決意で来年の概算要求の際に臨まれるのか、この際にちょっと承っておきたいと思うのです。
○西岡国務大臣 お答えいたします。
 放送大学は、その所期の目的は全国北海道から沖縄まで、いつでも、どこでも、だれでも学べるということが大きな目標であったわけでございますので、今委員御指摘のとおりに、一日も早く全国的な規模でこれを実施するという方向に持っていかなければいけない、そういう意味におきましては、本年三月に初めて卒業生を出すということになりまして、十分その試行段階と申しましょうか第一段階が完了したということを踏まえて考えますと、一日も早く全国的な規模で放送大学を実施できるようにいたしたい、このように考えているわけでございます。
 ただその場合に、やはり放送衛星を活用することが一番早道であると考えるわけでございますけれども、残念ながら来年度の具体的な、平成二年度からの概算要求の段階でこれに着手するというところまではいかないわけでございまして、この放送衛星の利用による放送計画の調査を今年度から始めているところでございますので、まだ若干時間がかかる。と申しますのは、放送衛星の計画もさることながら、放送大学のそれぞれセンター的なものを各地域につくっていかなければいけないわけでございまして、そうした計画を今後着々と進めてまいりたい。それと並行いたしまして、これまでかなり放送大学において蓄積されておりますビデオ等の教材を活用いたしまして、放送衛星によって放送大学が全国的なネットを組むまでの間、そういうやり方で順次それぞれの地域、拠点拠点へ放送大学の網を広げていくという作業を並行してやっていさたい、こういうふうに考えているところでございます。
○有島委員 少々脱線なんだけれども、委員長さん、勘弁してください。所信表明に対する質問もなかったものだから、つい広がってしまうのだけれども、もう一ついきます。
 大臣は、大学受験の問題で大変熱心に取り組んでおられる。これは敬意を表しますけれども、私は余り乗り気でないところがあるわけなんです。それは大学受験というのは、三つ理由があるんだけれども、これはいじると必ず混乱が起こりますよね。
 それからもう一つは、今やらなければならないのは、大学の卒業資格というか単位を与えていく行き方というか、そういった学問をやっていく出口の方、一生懸命勉強をやっていって本当に積んでいくんだ、そっちの出口の方をしっかりさして、その上で入り口の入学問題もやっていくべきじゃないか。この改革の順序ですが、そのことで、いきなり入学試験ばかりいじるのはどんなものかな。これが二つ目です。
 もう一つは、入試問題がいろいろに混乱してエスカレートしている。簡単にしようとかなんとか、難問奇問を少なくしようとかいろいろやっているんだけれども、結局は大変エスカレートしておる。このエスカレートしていることでもってだれが得をしておるか。皆被害者と思っているけれども、この受験問題でもって動いているお金が三兆円とも四兆円とも、いろいろな数え方があるでしょう。そういうような構造がこの十年間、十五年間ずっと続いている。そうすると、手を突っ込めば突っ込むほど何かそちらの方がお金をもうける、それでもって学生は何か学問、教養とはちょっとつながりがないような苦労をしなければならぬ、それから父兄は大変出費を強いられる、そういうようなことがあろうかと思う。
 だから、そういったことを総合的に考えていただきたいし、それから今話題になりました放送大学ですが、放送大学は今生涯学習局の方に移管されてしまっておるようでございますけれども、これの機能、そういったものも一緒に加味してやっていってもらいたい。そういった意味を含めて、放送大学ができる限り速やかにずっと普及していくようにしてもらいたい、そんなふうに思っているわけです。
 一言何かどうぞ。
○西岡国務大臣 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、今の大学の入試の問題をいじればいじるほど混乱をするという御指摘も、確かに率直に申し上げてそういう一面もなきにしもあらずでございますが、そうは申しましても、現在の大学入試の制度が、高等学校、中学校、小学校、極端な例は幼稚園にまでその影響を与えているという実態が存在をするわけでございまして、そういう面から、文部省といたしましても各大学の理解、協力を求めながら、入試の制度についてよりよき改善を常にしていく努力をしていかなければいけない、このように考えるわけでございます。
 しかし、一方におきまして、委員ただいま御指摘のように、大学がその出口のところで、本当に就学した者がきちっと卒業できるということを、最近は個々の大学によりまして、個別には申し上げることは差し控えますけれども、出口のところでかなり厳しくするという大学も、ちらほらでございますが出てきているという一面もございます。
 また、放送大学が全国的なネットで放送されるということになりますと、これはかなり現在の大学その他の高等教育が持っております問題に大きな刺激と一つの方向を与えるエネルギーにもなるというふうに考えているわけでございまして、そうした面からも、委員御指摘のとおり、放送大学の整備については文部省としても力を尽くしていかなければいけない課題である、このように位置づけて今後努力をする考えでございますので、よろしく御指導いただきますようにお願いを申し上げる次第でございます。
○有島委員 それでは本題に戻りまして、商業レコードの二次使用という問題で、現在NHKだとか民放だとかはどのくらいの割合でレーコードを使っているのか。今御報告がありました丸めて四億円、四億円、八億円ですか、大体そういった金額でございましたか、間違っていたら後でもって訂正しますが、日本盤に限ってはそういうことです。
 ところが、外国盤と日本盤はNHKでは、全国のNHKですが、これはテレビもラジオも入れるわけでしょうが、そうすると大体半々だというのですね。フィフティー・フィフティーだ、そういうことでございましたね。ですから、単純計算をいたしますと、大分前にもし条約が決定されていれば、外国向けに大体四億円納めなきゃいかぬことになるかもしれない。ところが、アメリカは加入してませんから、使われている洋盤の中でも半分はアメリカだというのですね。そうすると、二億円くらいは本来払わなければならないのを払っておらぬ、こういうことになるでしょう。
 それから、民放なんかは日本盤の方が多い、外国盤が少ない、こういうことでしたね。四〇%、六〇%。ただし、こういった割合というのも、洋盤ならばただで使えるから、何かのときには洋盤を使ってしまえ、今度は両方ともに同じように払うのだとなればまた考えは違うよ、また考え直さなければなりませんねと言うプロデューサーもいるわけですね。そうすると、日本のレコード業界ないしは実演家の人たちはその分だけ潤うかもしれない、そういったささやかなものですけれども期待も持っているらしい、そういうことであります。
 それにしても、大きく換算して、仮定の問題として、もし今払っているとしても、大体二億円、二億円、四億円程度のものがそこに払わないでいるお金としてあったというわけですね。ところが、これは過去にさかのぼらないという条約の条文がございましたですね、これは二十条でしたか。それだから、これでもって一から始めていくというところでしょう。
 この条約が今国会でもって承認の手続が進んだといたしますと、これが政府から国連に送られる、国連の方でもって承認してこっちへまた戻ってくる、大体年内くらいかかるのですか。公布の日は大体いつごろになる見通しですか。
○遠山政府委員 国連の方へこの条約加入の件、国内手続が済んだ件を報告いたしまして、いわゆる寄託をするわけでございますが、それから三ケ月後に発効ということでございますので、見通しといたしましては、年内にこの条約が発効するのではないかということでございます。
○有島委員 年内にこれが成立したとすると、大ざっぱに言って、来年度から外国にお金を払わなければならないということになりますね。ところが、外国で固定したものを洋盤というわけだから、多分来年度にそういうものは少ないと思いますね。大変少ないのじゃないだろうか。さっきは二億円なんて言ったけれども、とてもとてもそこまで、何百万円、何千万円ぐらいしかきっとないのじゃないですか。
 そうすると、条約に入ったから、これでもって国際並みだと胸を張ったはいいんだけれども、払ったお金は何百万円、多分そういう感じになるんですね。どうですか。
○遠山政府委員 レコードの二次使用料にかかわります支払いの額につきましては、今国会でこの法律を成立させていただきましたら関係者の間で話し合いを詰めまして、どういうふうにその額を定めるかということの実際上の決定が行われてまいると思います。先生よく御存じのように、邦盤と洋盤の比率を考えましても、アメリカはこの条約に入っていないわけでございますので、かなり大きな部分を占めるアメリカについては支払う必要がないということでございまして、とすると条約に加入している国々、イギリスとかフランスとか幾つかの国々を合わせましても、邦盤の使用を一〇〇といたしますと、条約に加入している国々のレコードを使う率というのはかなり低いわけでございます。したがいまして、トータルの額は、先生おっしゃいましたようにそれほど大きくなくなるかもしれません。ただこの辺はこれからの話し合いでございますので、私どもがとやかく言うふうな実態ではないのでございます。
 ただ、先生がおっしゃいました何百万、何千万程度では胸を張れないというお話でございますけれども、やはりこの問題は、日本が実演家等保護条約に入るか入らないかということ、そして国際的なフレームの中に入っていくかどうか、むしろその国際的な日本の役割というものをしっかりと果たしていくことができるかどうかというところにポイントがあるわけでございまして、二次使用料の額がどれだけ外国に流れるかどうかによって評価されるものではないのではないかなというふうに考えております。
○有島委員 つまり、そういう先の見通しの資料というのは余り整っていないということですか。大体の、十年後にはこうだ、十年たったら何とかかんとか、そういうのは予測を立てていらっしゃるのですか。まだこれから立てるところなのか、目隠ししたまま歩き出すということですか。
○遠山政府委員 大変難しい御質問ではございまずけれども、仕組みをつくることによりまして、実態上、どういうふうに外国のレコードが利用されていくかという実態に応じて使用料というのは定まってまいるわけでございますので、予測を立てたり、今から金額をどうのこうのという話ではございませんで、制度としてこの国会で御審議いただきますことは、先ほど来申しておりますように条約に加入するために必要な国内的な法制を整えるということでございまして、それが整えられれば関係者の間でそれの趣旨に沿って実態上の運用がなされていくというふうに考えるべきではないかと思います。
○有島委員 もっとわからないのがもう一つあるのです。今度は、日本のレコードを外国で使ってくれればそれがこっちにインカムとして入るわけですね。それはいわゆるロンドン方式というので向こうの国内でキープされて適当に使っていただくにしても、そういった一つのインカムが入るはずですね。現在、日本のレコードというのはどのぐらい使われているのですか。
○遠山政府委員 日本の著作物が外国でどのように利用されているかということにつきましての調査をすることはなかなか難しいわけでございます。したがいまして、私どもが知る方法といたしましては、大変難しいわけでございますけれども、レコードに関しまして申しますと、昭和六十三年度の通関統計というものを用いてみますと、アナログディスク、CD合わせまして、輸出が九百三十七万枚でございます。金額にして約三百四十九億円に相当するわけでございますが、これに対しまして輸入は約一千七百五十九万枚ということでございますので、確かに輸出の量といいますのは輸入に比べまして少ないというような状況ではございます。
○有島委員 そういった点についても、アメリカは加盟していないのだからそっちの方は考えないでもいいというわけにも今後いかないでしょう。大体潜在的に、我が国のそうした文化財が各国でもってどのように使われているのだろうかというようなことも捕捉なさるようにしたらどうかな、こう思うわけです。
 それからそれに関連して、レコード二次使用とは違うけれども、外国からのアーチスト、実演家たちが日本に大体どのぐらい来ておるのかということですね。留学生をおいおいは十万人にする、これぞ国際交流と言っていますが、そういうのはわかりますか。どのぐらい来ているか。
○遠山政府委員 ちょっと今、手元にその資料を持っておりません。
○有島委員 そういったことは出入国管理統計になってしまうわけですよ。ここでちゃんと統計が出ておりまして、六十二年で総数が二百十六万千二百七十五と書いてある。そのうち留学生というのが二万九千六百八十四。興行、いわゆるアーチスト、それは五万九千八百七十一というわけです。留学生のパーセンテージが、入国してきた全体の外国人のうちの二四%、大体四分の一ですけれども、アーチストとして入ってきているのは三〇%を超えているのですね。そういうふうになっている。それから六十一年と比較しますと、六十一年は三〇%が六十二年には三二・六%になる。どんどんふえている。今度はこういう人たちを、常居住者じゃないけれども、一切我が国の人たちと一緒に世話を見ましょう、そういう法律ですね。それは覚悟しなければなりませんね、いろいろトラブルがあるのかどうか知らぬが。これもちゃんと捕捉しなければならぬ。
 それから今度は、国外に我が国のアーチストがみんな行っているわけですね。これはどのくらい向こうに行って活躍をしておるのか、これは捕捉されておりますか。
○遠山政府委員 ちょっとこの問題につきましても詳しいデータを本日持ち合わせておりませんので、大変申しわけありませんが、お答えしかねます。
○有島委員 それから、ここに演劇年鑑、演奏年鑑というのがあるのですけれども、我が国における外人タレントがこういうふうにやったという記録はあっても、こっちから出向いていってこれだけのことをやってきましたということは統計として出てないのですね。演奏についても演劇についてもそうです。それからレコードについてもそうです。留学生の統計をとってこれだけになったぞと言ってやるのも大切だけれども、一つの文化交流の指標としてこういったこともこれはどこかでやらなければならないですね。大臣、いかがですか。こういうことに努力してもらいたい。
○西岡国務大臣 お答えいたします。
 確かに、委員御指摘のとおり、こうした問題についての基礎的な資料というものをきちっと整えて実態を把握するということも文化行政の非常に大事な問題でございますので、早急にその体制を整えたいと考えております。
○有島委員 自動車が何台行って幾らこう入っているとか、そういうのはばかに詳しくあるのですけれども、こういった文化の問題というのは、こんなこともわかってないで何が法案審査だと言って開き直るようなことはしませんけれども、これからの問題。
 そこで、ついでにここで言っておきますけれども、文化交流の中で日本語の問題があるわけです。外国人に日本語を教える、それを文化庁の方でもどんどん熱心にやっていってくださる。きょうの新聞報道にも、大宮の方に日本語国際センターができた、こういうのが出ておりますけれども、私は国際交流――国際交流のみならず教育も言葉でやるわけで、言語の教育。純粋な文化問題としても日本語研究の一番基礎になる日本語の辞書というもの、これをつくっておいてもらいたい。特に、用語例の多い大きなものを、これは国の力でなければできないようなものをつくってくれもう一つは、国語研究というものが従来閉ざされた日本の国内における学問というふうな印象を私は持っていたわけです。比較言語学というようなことの脈絡の中で進められているものも少々はあった。だけれども、実際問題として外国人に日本語を教えていく、そういった作業と並行してそういう日本語研究が行われていくべきだ、そんなことをかねがね主張していたわけです。
 それで、ここではちょっとまた議題を外れるみたいですけれども、日本語辞典の製作進捗状況、並びにお金は今どのくらいついておるのか、その辺を御報告いだだければ伺っておきたい。
○遠山政府委員 お尋ねの日本語辞典の進捗状況でございますけれども、国立国語研究所が編集の準備作業を進めているところでございまして、この国語大辞典は日本語の歴史的な足跡を可能な限りたどりまして時代ごとの用例を示す貴重な資料となるというふうに考えております。
 国立国語研究所におきましては昭和五十二年度からこの国語辞典編集のための準備に着手しておりまして、用例採集のために収集すべき文献、採集の方法等について調査検討を行っているわけでございますが、昭和六十年度には国語辞典編集準備の一環といたしまして、標準語の確立に大きな影響を与えた国定読本の用例をまとめた「国定読本用語総覧T」を作成いたしまして、以来毎年度続編を刊行しているところでございます。この国語大辞典の編集は大変壮大な計画でもございまして、事柄の性質上大変長期間を要する事業でございますが、当面の作業として、準備を進めてきました現代編につきましてさらに着実に成果を積み上げていきたいと考えている次第でございます。
 予算措置でございますが、平成元年度の予算といたしましては千五百三十三万円でございますけれども、前年より三百十七万円増ということで拡充をしているところでございます。
○有島委員 この点についても西岡文部大臣によく面倒を見ていただきたいと思うのですけれども、辞書をつくるといっても金をつけて人をつければそれでもってどんどんできるかというと、そうはいかないわけですよ。それだから今まで非常に慎重に、データをつくっていく、基礎のものをつくっていく、それも一番無難なところからつくっていきましょう、そういったことでもって仕事が慎重に慎重に進められてきたわけです。それで初めて編集室ができた。コンピューターもちゃんと使えるようになった。こういうふうになってまいりますと、大体今までの蓄積で、こういったふうなパターンで後これを広げていけばいいんだということになっていくわけですね。それで、ことしいっぱいくらいはまだまだでしょうけれども、来年から二、三年くらいたってきますと、極端に言うといわば人海戦術ということでしょうね。あるいは下請さんに出すといいますか、各大学ないしは研究所の方にも協力を求めるといいますか、そういうようなことが始まっていくのじゃなかろうかと私は思うわけです。
 予算にしてもささやかなもので、千五百万円だというわけですけれども、これも日本文化の一番基礎部分でありまして、日本にまだ本格的な日本語の辞書というものができてないわけですから。今は教科書部分といいますか、戦前の教科書部分みたいなのとそれから戦後の教科書とあるわけですけれども、いわゆる現代語中心ですから、文献が残っている部分、残ってない、方言としてある部分、いろいろなことがあるわけですけれども、辞書のことですから、そういうものを三十年かけても四十年かけてもやってもらいたい。文化国家であり、世界のお金持ちである、また優秀な人材もそろっている、こういうふれ込みの我が国ですから、ひとつこれを促進をしていただきたい。これはお願いというか注文というか、大臣から一言言っておいていただきたいのです。
○西岡国務大臣 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、これは極めて基本的な基礎的な重要な仕事であると考えておりまして、もちろんこれには膨大な時間が必要だという一面もあるわけでございますけれども、コンピューター等を活用しますと、今から数年ぐらいたちますとかなりピッチが上がってくるということも予測されるわけでございますけれども、一方におきまして、専門的な方々をかなり組織化して取り組んでいかなければいけない、やはり個々の正確さと整合性ということを求められる仕事でございますので、そうしたことを考えますと、予算の面でも少し加速的に大いにつけていかなければいけないという局面を迎えるであろう、このように考えますので、文部省といたしましても、この問題につきましては強い関心を持って予算、あらゆる面から取り組んでいくということをお約束いたします。
○有島委員 文化交流というところからそっちの方に飛んでしまったわけだけれども、この問題に戻ります。
 いわゆるロンドン方式ということになって、こちらの二次使用料のお金は芸団協なり日本レコード協会にキープされる、そしてそれを有効に使いましょう、こういうことですね。それから、向こうで日本のレコードを使ったらばそれは向こうで使ってください、こういったシステムは大変いいと思うのですね。だけれども、これは初めのうちは善意でやっているわけで非常にいいわけですけれども、やはり何か歯どめがないと将来心配にならないかという点が一つですね。ただ、余り初めから歯どめなどをかけてしまうと萎縮してしまう。手間ばかりかかってそんなのならやめてしまうと言われると困る、そういうこともあるでしょう。
 それから、もう一つの問題は、加盟国がこれから三十何カ国できますね。そうすると、向こうはまさか、来年、再来年はまだ微々たるお金で、そんなに威張ったお金じゃないということなんだけれども、そう思わないと思うのですね、今まで払っていなかったのを、だから。恐らく日本でそういう会議をやってくれないかとか、そのついでに京都、奈良見物するからホテル代くらい出しなされとか、芸団協だとか日本レコード協会などはそういう羽目になってしまうのじゃないかなと僕は思うのです。そういう羽目になってもいいわ、やりなされというのがあるかもしれないけれども、だけれども、そんな金はとてもとてもない、あなた方からもらっているのはまだ二百万しかもらっていませんよなどと、それでつまらないけんかをしてもしようがないから、やはりいい顔していらっしゃい、いらっしゃいとホストをしなければならないでしょうね。そういう羽目になりかねないということを承知しておいた方がいいと思うのですね。やはり何かの形でそれを激励してあげる、あるいは少しは何かの形でお金ぐらいつけてあげてもいいかもしれないし、それはやはり実質的な国際交流の一つの窓口になるわけだから、こっちはもう本当にマメモヤシにも及ばないのだけれども、向こうから見るとかなりでっかく買いかぶられているということはあると思いますね。それが一つです。
 それから、あと二つあるわけだけれども、もう一つは、レコード、レコードといいますけれども、これはテープ、オープンリールもあるしカセットもあるしCDもある、音を固定したものだ、こういうわけですね。ところが、CDとかカセットといっても、このごろはビデオが同じようにつくられているわけですね。こっちのビデオの分は、僕たちは音楽のものだと思ってオペラのカセットなどを買ってきたりなんかするけれども、あれは映画なんですね。映画扱いで著隣権ではない、隣接権とは関係がない、そういうことになっておるようですね。
 それで、ところがこれはだんだん寄ってくると思うのですね。著作権法には定義のところに「音をもつぱら影像とともに再生することを目的とするものを除く。」と出ているのですね。だけれども、「もつぱら」かどうか知らないけれども、音楽が鳴っている、そうするとサイケ調の模様みたいなものがちらちら、そんなような、別に「もっぱら」じゃないんだ、窓にカーテンがついているようなものなんだ、こういうふうに紛らわしくなってくることはこれからたくさんあると思うのです。そうすると、これも今後の問題ですよ。こういつたことも、これは世界的に問題になるかもしれないけれども、問題にされたらうちも乗っかりましょうというのか、うちの方が専ら先行を切ってそういったことを研究をし出しておるということになるか、願わくばそのイニシアチブをとっていただけるようになったらいいなと思っているわけです。これが二つ目です。
 それから三つ目は、ホームテーピングといいますか私的録音・録画の問題。これは今までも衆参両院の文教委員会で折あるごとに私的録音・録画の機器・機材に対する賦課金制度の導入について決議をされました。西ドイツではもうずっとやっておる。この問題についても、最近ディジタルのテープというのが出てきてしまったわけですね。ディジタルのテープというのは、御承知のように今までの普通のアナログのテープだとホームテーピングするとちょっと質が落ちる、孫にするとまた質が落ちるとなるのだけれども、全然質が落ちないわけですね。そうすると、ホームテーピングとも言えないわけですね。いわんや衛星放送を撮っちゃったとか優秀な放送をそのまま撮って優秀なままでどんどん孫もひ孫もできる、そういうふうになってきているわけですね。それから、これからCDが家庭で使われるようになるようです。こういった技術革新がどんどん進んでいく。そういうふうに進んでしまってから慌てて賦課をつけるというかあるいはそういった技術革新を見越してこの作業を急ぐか、そういったことも大切なのではないのだろうか、これが三つ目です。
 それでは、以上御発言を申し上げまして一時間が過ぎましたからお答えはいいです。ありがとうございました。終わります。
○鳩山委員長 次に、中野寛成君。
○中野委員 まず最初に、著作権法のあり方について基本的な姿勢を、言わずもがなかもしれませんが、お伺いしておきたいと思います。
 今回の改正案等の精神からいいますと、音楽等の文化を伸ばすか枯渇させるか、ある意味ではその生命線に触れたものであろうと考えております。創作意欲を伸ばし、すばらしい作品ができることがひいてはハードを伸ばすことにつながる、すなわち、ハードはソフトに貢献をし、ソフトによってハードも伸びる理念とシステムをつくるということではないだろうか。料理に例えれば、器に金をかけ過ぎて料理がお粗末ではその品物は売れぬ。やはりこの精神が著作権法とともに広く関係業界及び国民の思想の中に根づいていかないとどうにもならないということではないかと思うのでありますが、いかがお考えですか。
○西岡国務大臣 お答え申し上げます。
 委員御指摘のとおり、私も全くそのように著作権法につきましての基本的な考え方を認識をいたしております。やはり創作意欲というものを本当に育てていくというためにこそ著作権法というものは存在しなければいけないと思っております。これが第一義的であると思います。これが広く活用され、多くの人々が知的なものに触れる機会を多く求められるということも、また一方において創作活動というものを刺激する。この間の調和をいかに図るかということが今まさに著作権法の法の精神として問われているのであろう。そういう意味において、委員御指摘のとおり、私も同様に認識をいたしているところでございます。
○中野委員 放送二次使用料のことにつきましても先ほど来質疑応答がございましたが、洋盤と邦盤の利用率が大体五〇対五〇、しかしながら、これも、条約に加盟をいたしますと邦盤の利用率が上がってくるのではないかという期待感もあることは事実であります。ある意味では、それを一言で言えば洋楽を保護し邦楽を育成する、こういうふうなことが言えるかもしれません。しかしながら、アメリカが条約締結国に入っていないということからどれほどの効果があるだろうかという疑問も一方ではあります。
 今後これらについて、先ほど申し上げた精神がハードのメーカーだけではなくて放送局等によっても正しく認識をされ運用されなければ、単に自分たちの使用料が少なければもうかったということではかえって自分たちの品位も落とし、放送の質も落としていくことになるということをやはり認識してもらわなければなりません。そういう意味での関係業界の理解、また今日に至るまでの環境整備、それらのことについてどういうふうにしてこられたか。もう一つは、アメリカはなぜこの締結国に加盟をしないのか。アメリカはもっと進んでいるからという説明も一方ではあるわけでありまして、これらのところについてお尋ねをいたします。
○遠山政府委員 この条約加入がおくれました大きな理由の一つが、商業用レコードの二次使用料の支払いに関する放送業者の方々の御意見、態度ということにあったことは確かでございます。ただ、従来民放連など放送業者側として必ずしも積極的に賛意を示してこられなかったことは御指摘のとおりでありますけれども、昭和四十五年の現行著作権法の成立以降、邦盤の放送使用にかかわります二次使用料の徴収、分配など、関係団体の秩序といいますものは基本的にはほぼ円満に推移してきているものと考えております。
 条約加入後におきましては、他の締約国のレコード、いわゆる洋盤の放送使用にかかわります二次使用料の徴収あるいは分配など、国内的あるいは国際的に新たな秩序の形成が行われる必要があるわけでございますけれども、事態の動き、あるいはおっしゃいましたようなハードのみならずソフトを重要視することが文化の発展に資するということについての放送業者各位の御理解もあって、恐らく関係団体におきまして今後適切な努力がなされるというふうに考えておりまして、文化庁といたしましても、できるだけ関係団体にも助言を申し上げながら、新たな円満な秩序が形成されるよう努力したいと思うわけでございます。
 そこで、アメリカは確かにこの実演家等保護条約に加入していないわけでございますが、その理由は、アメリカでは国内においてレコードについては著作権として保護を非常に厚くしておるわけでございますけれども、実演家の権利あるいはレコード製作者の権利を保護していないわけでございまして、アメリカはこの条約には現在の国内法体制のもとでは入れないということであるわけでございます。
 それで、アメリカは著作権に関する基本的な国際条約でございますベルヌ条約にもことしの三月にやっと入ったという段階でございまして、日本の場合にはベルヌ条約に入ってからことしで九十年の歴史を有するわけでございます。そのようなことで、国内事情はいろいろあろうと思いますけれども、アメリカにおきましては、国際的な条約の絡みから見ますとまだまだ整備される面があるのではないかと考えますが、その点、日本につきましては、国内的には若干の問題をまだ残しておりますけれども、それなりに整備が進んでおるというふうに考えておるわけでございます。
○中野委員 アメリカも含む国際環境の整備に今後ともより一層御努力をいただきたいと思います。
 次に行きます。
 レコードの貸与に関する権利は実演家等保護条約に規定されておりますか、規定されていなければその理由は何でしょうか。
○遠山政府委員 レコードの貸与に関する権利につきましては、この実演家等保護条約の中では規定されておりません。したがいまして、日本は国内では貸与権に関する規定があり、その権利を保護しておるわけでございますけれども、今回の条約加入に伴いまして外国のレコードにかかわる貸与権についてはこれを直接的には保護する義務は負わないわけでございます。
○中野委員 これにつきましても、ある意味では、洋盤の貸与権を早く法律化することによって最初に申し上げましたように洋楽を保護し邦楽を育成するということに結果としてつながっていくのではないか、こういう感じもするわけでありまして、これはむしろ洋盤と邦盤を同様の環境下に置くという方向で努力されるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○西岡国務大臣 お答え申し上げます。
 実はこの問題は、この法案を御審議いただくに当たりまして法案を提出するときに文部省の内部においても議論を十分尽くしたところでございまして、今のところは貸与権につきまして裁判等の問題も若干ございまして、秩序が必ずしもきちっとした形で形成されていないというような状況もございまして、今回の法改正の中で御審議をお願いするというまでには至らなかったわけでございますけれども、早急に解決しなければならない課題である、このように認識いたしておりますので、関係者の皆様方の御理解をいただきましてできるだけ早い機会にこの問題は解決いたしたい、このように考えております。
○中野委員 これらは区別、差別することなく同じ条件下に置かれるということが大切であろう。なお一層の御努力をお願いいたします。
 続いて、昨年の改正で我が国も保護期間が二十年から三十年に延長されたわけであります。しかしながら、アメリカは七十五年、英国、カナダ、フランス、オーストリア等芸術先進国と言われるところでは五十年となっておるわけでありまして、日本も諸外国並みにもつと引き延ばすことが必要ではないかというふうに考えられるわけでありますけれども、なぜ三十年と短いのか、またその三十年目が来る前に再延長をするなどのお考えをお持ちなのか、これらのことも含めて基本的な姿勢をお聞かせください。
○西岡国務大臣 お答え申し上げます。
 今、既に三十年ということで御審議をいただいている段階でございますので、今ここで中野委員の御質問に対しまして積極的なお答えを申し上げたいわけでございますけれども、御審議をいただいておりますことに対しましてかえって非礼に当たるわけでございますので、なぜそうしなかったかということになりますので、結論的なことは差し控えさせていただきますが、委員の御指摘の御趣旨につきまして私も全く賛成でございますので、その御質問の方向で御期待にこたえたい、このように考えております。
○中野委員 大臣の御答弁、了といたしたいと思います。時間的ゆとりもございますから、今後の課題としてぜひ今大臣御答弁の方向でより一層の御努力をお願いいたします。
 次に、そういうことも含めまして今回の一部改正というのは緊急避難的なものではないのかという批評もございます。著作権法の精神を生かしてもっと全面的見直しを行う必要が、もうそろそろそういう環境整備もできてきたのではないかという指摘もございます。いかがでしょうか。
○西岡国務大臣 お答え申し上げます。
 三十条の問題の解決も含めて、委員御指摘のとおりにそろそろ基本的なことについての考え方を全面的に整理をしなければいけない段階に今来ている。一応形としては体制は整ったけれども、今度は中身の点についても決着をつけるべき時期が来ているというふうに私も認識をいたします。
○中野委員 前向きにまた検討してまいりたいと思います。
 さて、私の弟も音楽実演家の一人なんですが、最近よくぼやいておりまして、外国からどんどん安いギャラで稼ぎに来る実演家が多くて日本の実演家が職場を侵食されて困っておるというふうなことをよくぼやいております。おまえの腕が悪いからだろうと言ってときどき冗談でこたえております。しかし、これは法務省とか労働省の所管かもしれませんけれども、実演家の育成保護ということについて文部省、文化庁としてはどうお考えでしょうか。
○遠山政府委員 先生御指摘のとおりに、外国の実演家がかなりの数で日本に参っているということも事実かと思いますけれども、やはりこれに対応しましていわゆる日本の芸術文化を高めてソフトの面を充実していくというためには、御指摘のとおりに人材の育成あるいはそういう方々が演ずる機会の拡大等を行わなくてはならないと考えます。
 このような観点から、文化庁といたしましても、芸術家の在外派遣の拡充でありますとか、あるいは少ない予算ではございますけれども海外に日本のすぐれた舞台芸術を持っていくための特別の推進費でございますとか、あるいは国内での舞台芸術に関する各種の援助の拡大等に最近積極的に取り組んでいるところでございまして、おっしゃいましたように外国の実演家たちに対抗するという意味ではなくて、むしろ伍してそれを上回って立派に日本の実演家たちが活躍していただくようにいろいろな施策を今後とも講じてまいりたいというふうに考えております。
○中野委員 次にホームテーピングについてお尋ねをいたします。
 現在、技術開発が進んでまいりまして、今では簡単に録音・録画が自宅でできる。これは芸術普及という意味では芸術家にとっても一つのメリットかもしれません。しかし、このことが結局芸術家の具体的な金銭的メリットにつながらない、むしろデメリットになるということはやはり問題だと思うのであります。そういう意味で、文化創造者に対する保護という観点から何らかの制度化が必要ではないかというふうに考えるわけであります。
 今著作権審議会第十小委員会で審議中とは聞いているわけでありますけれども、文化庁としてどういう方向で審議会に諮問し、そしていかなる努力を今後しようとしておられますか、その御決意のほどをお伺いしたいと思います。
○遠山政府委員 御存じのとおりに著作権法第三十条は私的使用のための複製を認めているわけでございますけれども、現代の録音・録画機器の著しい開発普及に伴いまして家庭内における録音・録画というものが非常に容易に行われるようになりまして、著作者、それから著作隣接権者の経済的利益が脅かされているという点は先生御指摘のとおりであります。このため、かねてより著作権者等はヨーロッパ諸国を中心にとられております報酬請求権制度を我が国にも導入すべきであると主張しているところでございます。
 このような背景がございまして、文化庁といたしましても昭和五十二年以降いろいろな形で著作権審議会あるいは懇談会等を通じて審議をいたしてまいりました。しかしながら、権利者側とユーザー側のいろいろな権利の処理の問題あるいは権利の性格をどうしたらいいかというふうないろいろな問題がまだ残っているわけでございます。このために六十二年八月より第十小委員会を設置いたしまして、この小委員会におきましてこの問題の解決の方向を目下探っているところでございますが、先生御指摘のような事態でございますので、その審議を進めていただきまして、慎重ながら、しかしできるだけ早い時期にこの問題の解決に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○中野委員 一つの方法として、その報酬請求権制度の一環として考えられるのではないかと思うのでありますが、例えば西ドイツの場合、録音テープ六十分物一本に十円弱、録画テープ六十分物に十四円弱、また録音機器一台につき二百円、録画機器一台に千五百弱を上乗せして販売をしている。それらの価格は、テープ一本三百円くらい、録画テープ六百円くらい、テープデッキ二万円、ビデオ約十万円というくらいの価格のようでありますが、いわゆる賦課金を乗せてそれを報酬請求権にこたえる一つの道具とするというふうな考え方があるようでございますけれども、これらのことについてはどうお考えでしょうか。また、関係業界のお考えはいかがでしょうか。
○遠山政府委員 確かに西ドイツで課されております賦課金というものは、録音機材あるいは録音機器の一台あるいは一本当たりの価格というのは少ないというような現実もございます。このようなことを参考にはするわけでございますけれども、報酬請求権制度のあり方につきましては、報酬の額ばかりではなくて、制度の考え方をめぐりましてまだ幾つか問題があるわけでございます。例えば録音・録画を行う人ではない機器・機材のメーカーがなぜ報酬を払わなくてはならないかなどというような幾つかの問題がございまして、これらもクリアした後に、日本に一番ふさわしい制度というものを見出していかなくてはならないということでございます。そのようなことから、関係者間のいろいろな御意見を今聞いているところでございまして、著作権審議会第十小委員会の御議論を待ちながら私どもとしても対処してまいりたい所存でございます。
○中野委員 いずれにいたしましても、この著作権に関することを話しますときには、いわゆるユーザー、そしてまた機器メーカー等々そういう人々、ひいては全国民の理解がいかにあるべきかがすべてを決すると言っても過言ではないと思うわけであります。その著作権法がどういう中身を持っており、どれだけ守っているかというのがその国の文化のバロメーターと言っても過言ではありません。そういう意味で、これを高めていくためにはやはり学校教育などでも大いに取り上げていく必要があるのではないか、こう思うわけであります。
 実は、先般もこういう話をしておりましたら、テレビの番組か何かでうちの子供たちも見たようでございまして、これを守らないとマッチが困るんでしようとか、明菜ちゃんが困るんでしょうとか、実に話は単純明快でございまして、結局、自分たちの好きなタレントや、そしてまたその人たちの音楽をつくる人たちにいかに自分たちがこたえるか、それによってよりよいものができるということを実に子供たちは素直に受け入れるわけであります。こういう教育というものが必要だというふうに思うのでありますが、いかがお考えでしょうか。
○菱村政府委員 御指摘のように、学校教育におきましても、こうしたことを尊重するということを教えるのは大切だと思っております。現在、学校教育では、他人の権利を尊重するという基本的な必要性を理解させるということで、社会科や道徳などで指導いたしております。
 ただ、著作権の話になりますと、ただいまわかりやすいではないかという御指摘もございますけれども、知的生産物に関する権利ということで、権利として教えるのはなかなか高度な専門性を背景にしているというふうに考えます。したがいまして、学校教育では子供たちの心身の発達段階に即しましていろいろな事項を教えることを決めていくわけでございますが、現在、義務教育段階でこの著作権というようなことを直接取り扱ってはいないわけでございます。高等学校におきまして、主として専門科目の中でこうした知的生産物に関する権利等も教えているところでございます。
 ただ、御指摘にございましたように、今後このような著作権等の知的所有権につきまして学習の必要性等があろうと思いますので、今度新しく改訂されました学習指導要領の高等学校の指導書をこれからつくるところでございますので、関理科目の中でどのような形で取り上げられるか検討してまいりたいというふうに考えております。
○中野委員 大切なことですから、ぜひそれが成就いたしますように御期待を申し上げます。
 もう一つ、やはり著作権に関する国民の意識を高めるその中で、専門家の育成というのも大切だと思います。なかなか遠山さんランクにまでは及ばないかもしれませんけれども。しかし、高等教育においても著作権法を修学する機会が今のところ余りないということをよくお聞きするわけであります。全国に専門の先生が果たしてどのくらいいるのか。大学にもそういう講座をふやしていくという努力などもまたあわせて必要なのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○坂元政府委員 お答えいたします。
 全国に著作権法の講義ができる先生方がどのぐらいおられるかというのは、まことに恐縮ですが、私ども数を細かくは承知いたしておりませんが、いずれにしましても、大学におきましてどのような授業科目を置いてどのような内容の授業をするかというのは、先生も御承知のとおりに大学自身で決めることでございますけれども、大学において著作権に関する専門的な教育というのは、法学部とか経済学部で現在盛んにやられております。
 例えば国立大学で例を幾つか申し上げますと、小樽商科大学、千葉大学、図書館情報大学、東京大学、新潟大学、神戸大学などの法学部あるいは商経学部で著作権法という講義名あるいは無体財産権法という講義名で専門的な教育が行われておりますし、それから私立大学におきましても、早稲田、青山学院、上智大学、日本大学、成蹊、中央大学、東洋大学などにおきまして、やはり著作権法あるいは知的所有権法などの授業科目を設けて教育を行っているところでございます。
 それから、大学院におきましても、最近の知的所有権をめぐるいろいろな情勢をもかんがみまして、やはり法学系だけではなくて経済の研究学科で経済関係法の専攻の一分野としまして知的所有権法を修士課程で詳しく講義をしている例が、これはやはり国立、私学を通じてかなり見られるところでございます。
 それから、これは図書館司書になるために図書館法の系列で義務づけておるわけですが、資格を取得するために図書館通論という授業科目をとらなければならないわけです。その図書館通論の中では必ず著作権法に関する講義も含めてやらなければいけないというふうに私ども決めておりますが、その図書館通論というのが文学部、教育学部などを中心にして行われておりまして、大学で申し上げますと、国公立系で大体百弱、それから短期大学で申し上げますと、やはり国公立を通じまして百弱、九十三短大でございますが、図書館通論を通じて著作権法の教育が行われておるところでございます。
 それから、音楽関係の学科につきましても、今御議論がいろいろありましたように、音楽家になるため、あるいは音楽を通じていろいろな職業を身につけるということからいって、著作権法をある程度知らなければだめだということで、音楽関係の学科でもかなりのところで著作権法の教育が行われているというふうに私ども承知しておりますが、全体的に、では全部で大体どのぐらいだというのは、先ほど申し上げましたとおりに、細かくは承知いたしておりません。まことに恐縮でございます。
○中野委員 現在どれだけいるかが問題ではなく、そういう専門家がいかにふえていくか、この思想がいかに普及されるかが問題でありますから、それ以上のことは問いません。
 また、先ほど遠山次長が、金額の問題ではなくてこの制度がいかに正しく内外で運用されるか、そのことが日本の文化意識の問題、また国民性の問題としても問われる、その最後の部分まではおっしゃいませんでしたけれども、これは制度そのものの問題だというふうにおっしゃられた、私はその思想に賛成であります。まさにそのとおりだと思います。
 同時に、やはりそういう意味で、今後まさに文化的にも著作権の面でも日本が文化国家としての名誉ある地位を国際社会で占めなければいけないという気持ち、今回の条約締結にもその精神があろうかと思うわけであります。しかし、国内において、国民はもとより、とりわけ関係業界のより一層の意識改革が必要だと思いますし、その点においては大臣の強力なリーダーシップが必要であろう、こう考えます。
 最後に、大臣の御決意をお聞きして質問を終わりたいと思います。
○西岡国務大臣 お答え申し上げます。
 中野委員から極めて有意義な御指摘を数々いただいたわけでございますが、我が国の文化を国際社会の中でより高め、そして国際的にもりレダーシップをとるような立場に高めていくためには、この著作権法の持っております考え方が象徴的に体現していると考えるわけでございまして、文部省、文化庁といたしましても、委員数々御指摘のございました点につきまして今後とも積極的に取り組んで、我が国の文化的な水準をより一層高めるように努力をしていく考えでございます。
 具体的に、先ほど来申し上げております例えば三十条の問題にいたしましても、関係者の間の合意がなかなかできない場合には、場合によっては私どもが業界に積極的に働きかけをいたしまして説得をしなければいけない場面もあるのではないか、このように認識をいたしまして取り組んでいく決意でございます。
○中野委員 ありがとうございました。終わります。
○鳩山委員長 次に、石井郁子君。
○石井(郁)委員 著作権法の改正でございますけれども、今回の改正にかかわる基本的問題につきましては前回伺っていますので、省略したいと思っています。
 出版者の権利創設問題で若干御質問いたします。
 著作権審議会の第八小委員会が昨年十月に出しました中間報告で検討内容が明らかになっていますが、出版者の権利の創設については反対また強い危惧の念を表明している著作者団体があるはずだと思うのですが、その点、いかがでしょうか。
○遠山政府委員 著作権審議会第八小委員会が昨年十月に報告書を出しまして、関係団体から御意見を伺ったところでございます。
 ヒアリングを行いました団体のうち、出版者団体は、出版者に新たな権利を認めることは時宜にかなっている、また文化的役割を果たす出版者の活動を活発化、安定化させることになり、賛成する旨の意見を提出しております。
 著作者団体からは、私どもが把握しております範囲内では、出版者の新たな権利が著作者の権利に影響を及ぼすことのないようにとの意見を聞いているところでございます。その他幾つかの団体から御意見を伺っているところでございます。
○石井(郁)委員 この中間報告が出た段階で、いろいろな著作者の団体、協会などが意見を求められまして、意見を文化庁の方に上げていると私どもは聞いているのですけれども、違うのでしょうか。
○遠山政府委員 幾つかの団体から御意見を伺っていることは確かでございます。
○石井(郁)委員 私どもはその中で、著作者の立場から反対をはっきり表明している団体があると聞いているわけです。
 そこで、伺いますけれども、出版者の権利の創設について、出版者の権利を保護するという点では私どもも理解はできるわけですけれども、著作者の権利がどうなるのか、あるいは著作者団体などがいろいろ懸念を持っておりますので、著作権が損なわれることはないという保障が明確にされる必要があると思うのですね。そういう点でどうなっているのでしょうか。
○遠山政府委員 著作者団体の御意見としましては、確かに出版者の権利が新たに認められることによって著作者の著作権に影響があるのではないかという懸念を表明しておられることは確かでございます。また、出版者の権利は複写問題に対応した限定的なものであるべきで、その性質は報酬請求権が適当であるという御意見をいただいております。
○石井(郁)委員 ですから、出版者の権利の創設によって著作者の権利が損なわれることはないということが具体的にどう保障されるのか、そこなのですね。それをもう少し明確にしていただきたいと思うのです。
○遠山政府委員 このことは中間報告でも非常に明確に書いてございます。中間報告の中で、新たなる権利が「著作者の権利に変更を加えるものではない」というふうに明記されているわけでございます。
 さらにそれを敷衍いたしますと、出版物が簡易に複製されることに対しまして、出版者がその出版活動の安定性を確保できる必要な限度において出版者に権利を認めるということでありまして、「出版者の権利は、著作者の権利に変更を加えるものではない」というふうに書かれているわけでございます。これの具体的な権利の関係の行使のことにつきましては、今後のいろいろな工夫によって保障されていくものであると考えております。
○石井(郁)委員 出版者の保護が必要であるというのは言うまでもありませんし、大体そういう大方の認識になっていると思うのです。ただ、そのことと出版者の権利の創設ということは、直接的にはちょっと結びつかないのではないかと思うわけです。
 そういう点で、この権利の創設ということで著作者や著作者団体が懸念があるということでございますから、今後とも十分に詰めていかれて、また合意が得られるように進めていただきたいということで、拙速はしないでいただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○遠山政府委員 当然ながら、その新しい権利というものをどのような形で定めていくかということについては十分な議論がなされるべきであると思います。特に外国の例を見ましても、イギリスではパブリッシュト・エディションという形の権利ということで制度をつくっているわけでございますが、諸外国のあり方、あるいはむしろ日本において複写が諸外国よりさらに頻繁に行われているような現状にかんがみまして、日本にとって一番ふさわしい出版者の権利の保護のあり方というものを今後探っていきたいと思います。
 いずれにいたしましても、現在第八小委員会におきましてこの問題について非常に精力的な御議論がなされているところでございますので、その推移を見守りながら対処したいと考えております。
○石井(郁)委員 ぜひそのようにお願いします。
 次に、学校の巡回公演に対する助成の問題について伺いたいと思っています。
 学校の巡回公演は子供たちに大変喜ばれているわけですけれども、劇団側は要保護、準要保護児童生徒からは観劇料を徴収していません。劇団負担としているところが大半でございます。八七年度の調査によれば、全国で小中学校での観客数が五百二十万人ということで、非常に大きな影響を与えているわけです。しかし、一人当たり小学校で四百円から五百円、中学校では八百円の観劇料を、要保護、準要保護の子供たちの分を負担するとなりますと、これは日本児童青少年演劇劇団協議会、八十一劇団で構成されていますが、そこの調べでは一億四千万円自己負担となっています。
 文化の退廃ということが目に余って、子供を持つ親が大変心を痛めているという中で、この学校の演劇というのは教育上の貴重な役割を果たすし、意義を持っているわけです。そういうことで、学校教育の一環として位置づけられて当然の文化活動だと思うわけですが、なぜ就学援助の対象として検討されないのか。また、当然検討されるべきではないのかと思うのですが、その点を伺いたいと思います。
○遠山政府委員 確かに児童生徒あるいは青少年が芸術に親しむことによって豊かな人間性を形成するという意味で、巡回劇団の公演の果たしている役割は非常に大きいと思うわけでございますが、文化庁でも、この事業の重要性に照らしまして、従来から補助金を交付しているところでございます。
 現在、補助事業で実施しております巡回公演は、学校または都道府県教育委員会、市町村教育委員会が予算に計上して上演契約を結び実施しているのがほとんどでございまして、まれに児童生徒から鑑賞料を徴収することもあるようでございますけれども、要保護、準要保護の児童生徒の分は教育委員会で負担しているのが通例であるというふうに私どもは把握をしているところでございます。
 公演料につきましては、劇団と学校等との契約によって行われているのでございまして、要保護生徒の鑑賞料の非徴収分があるといたしますと、その非徴収分をどうするかということは契約の問題でございますけれども、学校によりましては学校負担を明らかにするというふうな形もとっておりまして、この問題は私どもといたしましても、劇団の公演の重要性にかんがみましてできるだけの補助金等の措置をしたいところではございますけれども、現在の財政上の課題がございまして、その金額そのものが必ずしも十分でないということは認識をしているところでございます。
○石井(郁)委員 ですから問題は、就学援助費というのがありますね。それは一定の費目があるわけですけれども、こういう文化活動を学校教育活動の一環として考えるかどうか、そして就学援助の対象項目に演劇鑑賞ということを入れるかどうか、このことなんです。担当者はいませんか。
○遠山政府委員 就学援助の問題に関しましては担当が別でございますので、私は必ずしも正確なことは申し上げられないのでございますけれども、これまでは要保護及び準要保護児童生徒の援助費の費目となっておりますところのものは、学用品費でございますとか通学用品費、通学費、修学旅行費ということでございまして、観劇に要する経費というものはその対象になっていないところでございます。
○石井(郁)委員 それはよくわかっているわけで、ですから、それを入れるべきだということですね。
 先ほど学校負担と教育委員会等々いろいろな実情ということが話されましたけれども、これは児童青少年演劇劇団協議会、一億四千万円は劇団が負担しているという事実ははっきりしているわけですから、こういう問題をどうするのかということなんですよ。だから、今のところ就学援助の項目になっていないのはわかっていますけれども、それをやはり検討する段階に来ているのではないかということをお尋ねしているわけです。どうですか。
○遠山政府委員 これは必ずしも担当でございませんので答えにくい話ではございますが、この巡回演劇の公演を拡充していくという角度から見ますと、従来とっておりますような補助金の充実でありますとか、あるいは各都道府県教育委員会なり学校の負担というふうな形での対策という方がむしろふさわしい方向ではないかというふうに考えます。
○石井(郁)委員 やはりそういうのでは困るのですね。就学援助の対象項目には校外活動も入っていますね。ですから、私は文化活動として演劇鑑賞など当然入っていいと思うのですね。しかも、たかだか額が一億四千万円ですよ。リクルートでどれだけこういう千万、億単位の話が飛び交ったのですか。文部省が一億四千万円を出せないなんと言ったら本当に笑われますよ。大臣、どうですか。
○西岡国務大臣 お答えいたします。
 遠山次長からお答えを申し上げたのが当面文部省としてお答えをできる限界でございますけれども、委員御指摘の、方向としてはそういうことが文部省としてもできるようにすべきである、またできることが望ましい、このように私も認識をしているわけでございますけれども、直ちにそれでは平成二年度から御期待にこたえられるようにすることができるかと申しますと、それは非常に困難であると申し上げざるを得ません。
○石井(郁)委員 今この文化関係の団体は、消費税の導入で一層深刻な影響を受けているわけですね、それはもう皆さんも御存じのとおりだと思うのです。こういう学校公演の小規模の劇団が経営が存続できるかどうかという瀬戸際にさえ追い込まれるという事態であります。消費税を文化にも教育にもかけたということで国民は大変に怒っているわけです、そういう中ですから。
 さて、それではちょっと伺いたいのですが、文化庁はこの劇団が巡回公演している回数は一体全国でどのぐらいになっているかつかんでいらっしゃいますか。
○遠山政府委員 全国的な全体の数値というのはかなりな数に上っているということは存じておりますが、国の方での補助対象としておりますのは大体年間三百ぐらいというふうに考えております。
○石井(郁)委員 ですから、こういう点でも本当に目配りをして、ぜひ実態をつかんでいただきたいというふうに思うのです。
 さっきの協議会の調査によりますと、小中だけで一万二千回です。幼稚園から高校などすべてを含めますと二万七千回だということですね。子供を持っていらっしゃる皆さんのところにみんな劇団が回っているわけですけれども、それに対して文化庁が助成しているのは、今遠山次長お答えのように年三百回、三千万円だけなんですね。これは児童演劇協会に対して僻地巡回のみを対象にしているということです。本当にこれでは子供たちに申しわけできない、また寂しいというふうに私は思うのです。
 子供によい文化を、すぐれた演劇を、そういう劇団の方が頑張っていらっしゃるわけだし、子供たちもそれで感動している、日本の教育のために大事な活動をしているわけですから、ぜひこの助成も充実強化するという立場に立っていただきたいということでこの予算増も積極的に考えていただきたいというふうに思うのですが、いかがですか。
○遠山政府委員 これらの事業は文化庁といたしましても長年大事にしてまいっている事業でございます。
 先生御指摘の金額でございますが、例えばこども芸術劇場に関しましては一億四千万余、青少年芸術劇場に関しましては二億六千万余、中学校芸術鑑賞教室には一億四千万余というふうな形で予算措置をしているわけでございます。これが十分かどうかといいますと必ずしもそうでないわけでございますが、数値といたしましてはそのような数値になってございます。
○石井(郁)委員 そういうこともありますけれども、今私が問題にしていますのは、そういう学校の巡回公演にもっと予算増をするという問題です。その点、最後にまた大臣にも伺いたいと思います。
○西岡国務大臣 お答え申し上げます。
 文部省といたしましても、委員御指摘の点につきましては、できる限り御期待にこたえるように、これからの平成二年度の予算編成にかけまして努力をいたす考えでございます。
○石井(郁)委員 ぜひそういう立場で、またそういう姿勢で頑張っていただきたいというふうに思います。
 さて、残りの時間ですが、私は新学習指導要領の問題で若干質問したいと思っています。
 今国会ではきょうが最後の委員会ということになりますし、この新学習指導要領はもう既に文部省が講習会を実施をしておりますし、実施に向けて省を挙げて取り組んでいるということかと思うのですが、しかし一方、各界から強い批判、疑義が生じているという中身でございます。本来私は文教委員会でこういう問題も集中的な議論をすべきだと思っていますが、大変短い時間の中で基本的な問題について若干文部省のお考えを伺っておきたい、今そういう気持ちで質問したいと思っています。
 まず一つは、指導要領の作成に当たりまして教育課程審議会等々をつくられ、いろいろあるわけですけれども、憲法と教育基本法にのっとってつくられている、そういうふうに当然理解するわけですけれども、このことは確認してよろしいでしょうか。
○西岡国務大臣 お答えいたします。
 当然のことでございます。
○石井(郁)委員 もう一つ、学習指導要領と申しますのは、子供たちが学校で学ぶ内容であり、また先生方が教える内容だ、そういう教育内容が書かれているわけですけれども、そういう教育の内容を決める、それは大綱であったりいろいろするわけですけれども、内容を決めるというのは例えばどういう基準でお決めになるのでしょうか。
○菱村政府委員 教育内容の基準は学校教育法の規定に基づきましてそれの委任を受けました学習指導要領で決めているわけでございますが、それを作成するに当たりましては、御案内のとおり教育課程審議会を開催いたしまして教育課程審議会で数年の御審議をいただいて基本的な方向、場合によっては具体的な教科ごとの方向を出していただきまして、それに基づきまして今度は学習指導要領の作成のための協力者会議を教科別に開く。ここにはそれぞれ小・中・高等学校の先生方、それから各県の指導主事の方々、さらには教科ごとの大学の専門家等が、延べにしますと数百人入られるわけでございますが、その方々が、同じく延べにしますと数百回にわたります教科ごとの協議を重ねられまして、そこで学習指導要領をつくっていく、こういう形で教育内容が決まっていくわけでございます。
○石井(郁)委員 伺っているのは、そういう手続や機構や体制の問題ではないのです。そういう形でつくられているということはわかりますが、そのときにある内容は盛り込まれ、ある内容は削られる。内容というのはこういうことで決めていくわけでしょう。それは一体どういう議論で、またどういう基準があって最終的に決まるのですか。
 また、それはそれぞれの教科や教育課程審議会、いろいろな会議で議論があると思いますけれども、最終的に文部省が責任を負うわけですね。文部省はこれが今ふさわしい内容だというふうに言うわけですから、文部省の見解で結構です。文部省はこれがふさわしい内容だと決めるときの原則というか基準というのは、根本にあるものは何ですかということです。
○菱村政府委員 これは基本的には、先ほど申し上げましたように教科別の協力者会議で議論を重ねまして行うわけでございますが、その土台になるものはもちろん近代学校制度が始まって以来の各教科が持っております伝統的な考え方というのがございます。特に戦後は、戦後できました学習指導要領の経緯をずっと経ておりまして、大体十年ごとに改訂しておりますが、その過去の積み重ねによりましてできるわけでございます。
 そのときに、もちろん基準となりますのは憲法、学校教育法、教育基本法というのももちろん踏まえまして、あとはそれぞれの教科の持っております論理というものがございます。それから、例えば数学の教育内容でございますと、およそ初等教育ではこの程度の内容を押さえる必要がある、中等教育ではこの程度の内容を押さえる必要があるという教科の指導の専門家ないしは教科の専門家によりますおのずからなるコンセンサスがございます。それをもとにしまして議論を積み重ねて原案を作成するわけでございますが、最終的にはもちろん文部大臣の責任においてこれを決めるということになるわけでございます。
○石井(郁)委員 この問題だけで議論しても相当いろいろあるのですが、私はそういうことだけでは大変不満なんですけれども、私流にまとめますと、教育の目的、それからどういう人間にしていくのかという人間像、それから子供たちが教育を受ける権利、学校教育できちっとある内容までは学習して力がつくという、基礎的な力を学校でつけてあげなければいけないという問題、それから、ある内容を選んだりこの内容を体したりというのは恣意的な話ではないわけでして、子供たちにわかるかどうかだとか、それから科学や学問の成果に基づいて決めていくだとか、そういうことがあるのだろうと思うのですね。一応そういうふうに私は理解しているということでおきまして、ちょっと具体的に問題点を挙げたいと思うのです。
 前回の指導要領改訂のときには、ゆとりと精選ですか、ゆとりと充実とかいうことで進められましたけれども、あのときに英語が中学校で三時間になり、大変中学生に英語嫌いをつくったり、また塾へ追いやるというようなことが生まれました。それでこの十数年、中学校でも小学校でも落ちこぼれと言われるような現状が大変深刻な教育問題になりましたね。だからそういう点で、内容を精選と言ってきたけれども、その時間数だとか、それから何年生で何を教えるかという漢字の数だとか算数の問題だとかが現場では大変な混乱を起こしているわけですね。私はそういう点で今回の改訂が、この落ちこぼれの問題で文部省がこれで本当に現状を改善していけるというふうに考えているのかどうかということをまず伺いたいのです。
 具体的に言いますと、一つは例えば算数でも一年生が二けたから三けたの数を扱うだとか、それから最大公約数とか最小公倍数は今まで中学一年生でやっていたのが五年生におりてきましたね。そういう種類の問題。ミリリットルという単位は六年生で習っていたのを今度は二年生で教える。こんなのは現場の子供たちも先生方も親も、聞いたらみんな驚くのですよね。どうしてこういうのが出てくるのか、そういう問題なんですよ。これでもって本当に落ちこぼれがなくなると文部省は言えるのでしょうか。
○菱村政府委員 教育内容の精選ということはこれまでも随分文部省も努力してきたわけでございますが、御指摘のように、確かに今日の学校教育の現状からいいますと、なお教育内容が多過ぎるのではないかという御指摘もございます。
 そこで、文部省では数年かけまして小中学校におきます学習到達度の調査等も行っております。そして一体どこにその子供たちのつまずきの問題があるのかというようなこともデータ的に調べまして、そして先ほど申し上げました教育実践の場の先生方、それから教科の専門家等が慎重に御議論いただきました結果、今回告示しましたような学習指導要領の内容になっているわけでございます。
 御指摘の数学の問題等につきましても、いろいろ専門家の御議論、それから過去の子供たちの到達度に関しますデータ等を詳細に吟味いたしまして作成したものでございます。特に今回では理科、数学、社会等につきまして詰め込み教育にならないようにかなり思い切った精選を図っているというのが実態でございます。
○石井(郁)委員 到底そういうことでは納得できないし、そういう点では私どもも本当に時間をかけて尋ねてみたいことがたくさんあるわけですけれども、これはちょっと置いておきます。
 今の改訂された中身は、本当に子供たちの学習権を保障するというものからはるかに離れているかというか、そういうものになっていないという点でも大変憲法に抵触すると私は思っているわけです。
 もう一つの中身は、これはちょっと簡単にお聞きしたいのですけれども、小学校で習う六年生の憲法の原則ですね。それと中学校、高校で教えるような原則とが違うのですね。つまり、普通、憲法の三原則というのがありますね。ずっと学校では教えています。それが小学校では日本国憲法をこの三つで書いているのです。国家の理想、天皇の地位、国民としての権利及び義務、これを六年生で教えているのですね。ところが中学校、高校では、いわゆる国民主権、平和主義、基本的人権ということで今までどおりきちっと押さえられているのですね。こういう小学校で教える憲法三原則と中学校、高校で教える三原則がこんなふうに食い違っていていいのでしょうかという問題、ちょっと簡単にお願いします。
○菱村政府委員 憲法学習につきましては、これは小学校から高等学校まで行っておりますが、それぞれ子供たちに発達段階がございますから、憲法の学習というのはかなり内容的には難しい内容になるんだろうと思います。しかし、憲法といいますのは、国の基本の規範でございますので、これはやはり小学校段階からきっちり教えなければいけないというので、小学生の発達段階に対応して教えているわけでございます。
 御指摘のように、憲法の三原則、国民主権、平和主義、基本的人権というのは、小学校も中学校も高等学校も押さえております。ただ、その押さえ方は、子供たちの発達段階によって少しずつ違ってきているということでございます。現実に教科書をごらんいただきますれば、その辺の事情は十分おわかりいただけるだろうというふうに考えております。
○石井(郁)委員 そうだと、これは文字どおり読みますと、これは指導要領、新しい本ですね、三十五ページには、今言った三つの原則、そういうふうに書いてませんよ。きちっとやはり小学校にも書くべきですね。教科書でちゃんと教えるというのだったら、指導要領、そもそもきちんとそういうふうに明示しなければいけないということだと思うのですが、残念ながら、ちょっともう時間がありません。
 最後にもう一つ、重大な問題ですけれども、今度の指導要領改訂に当たりましては、これは臨教審から出てくるわけですけれども、心の教育という、心の異常な強調があるのですね。道徳教育等の強調があるのですけれども、これはそもそも臨教審にさかのぼらなければいけないのですが、「人間の力を超えたものに対する畏敬の念」ということを、今度は学校内容にはっきりと入れるようになりました。これは、宗教的感情だし、特定の価値観だ、こういう特定の価値観をいわば公教育に強要していいのかどうかということを、非常に重大な問題だというふうに私は思っているんですね。どうですか。
○菱村政府委員 「人間の力を超えたものに対する畏敬の念」といいますのは、昭和五十年代の学習指導要領の改訂のときに、教育課程審議会から答申がございました。それで、中学校には従来入っていたわけでございます。それが、今回、小学校にも、芸術作品のうちに秘められた人間のわざを超えたものに感じたり、自然の摂理に感動して、それを包み込む大いなるものに気づいたりする、こういう畏敬の念を持つことが人間としてのあり方をより深いところから見詰めさせるという、人間としての教育として大事であるということから、これが入っているわけでございます。ですから、今回特にこの学校教育において初めて取り入れられたものではないというふうに考えております。
○石井(郁)委員 文部省はそういう形で少しずつ入れてきているということですけれども、しかし幼稚園から高校まで、今度の指導要領改訂はもう全面改訂ですよね。だから、そういう意味では、あらゆる改訂に全面的にこれを取り入れたという点では重大な段階なわけですね。
 ここで、こういう人間の内面にかかわる問題、こういう領域へ国家や行政が踏み込む、これはもう明らかに憲法違反じゃありませんか。思想、信条の自由という点からしても、重大な問題。それから憲法、教育基本法にのっとってと言われましたけれども、そこに書かれているのはまさに個人の尊厳ですよね。それから、思想のそういう問題ですから、そういう点では、これは大変なことだというふうに思うわけです。
 同じような意味で、日の丸・君が代もそうですね。文部大臣、義務づけになって、処分をするという発言をなされたようですけれども、一体何に基づいて処分などができるのか。まさに人間の心の内面、そういうものを処分の対象にするといったら、これはもう思想統制以外の何物でもないわけですね。
 そういう点で私は、最初おっしゃったことは、憲法、教育基本法にのっとってというのは、これは言葉だけが歩きまして、事実上憲法、教育基本法違反だというふうに言わざるを得ないわけです、この指導要領につきましては。その点で、もう時間になりましたので、大臣、いかがですか一
○西岡国務大臣 お答えいたします。
 委員御指摘でございますけれども、あくまでも今回の新しい学習指導要領は、憲法、教育基本法の精神にのっとって策定をされたものでございまして、国旗・国歌の問題につきましてお触れになりましたけれども、文部省といたしましては、別に処分を前提として国旗を掲揚し、国歌を斉唱するものとするということを定めたわけではないわけでございまして、そういう点では、せっかくの委員の御指摘でございますけれども、私どもの考えていることとは全く異なった視点からの御発言であろうと思います。
○石井(郁)委員 時間が参りました。
○鳩山委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○鳩山委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 著作権法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○鳩山委員長 起立総員。よって、本法律案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○鳩山委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、北川正恭君外三名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合の四党共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者から趣旨の説明を求めます。佐藤徳雄君。
○佐藤(徳)委員 私は、提出者を代表いたしまして、ただいまの法律案に対する附帯決議案について御説明を申し上げます。
 まず、案文の朗読をいたします。
    著作権法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、文化の発展に寄与する著作権保護の重要性にかんがみ、著作権思想の一層の普及に努めるとともに、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一 「実演家等保護条約」締結後における著作隣接権制度の円滑な運用を図るため、商業用レコードの二次使用料に関する関係者間の話し合いの促進など必要な諸条件の整備に努めること。
 二 私的録音・録画問題については、国際的動向にかんがみ、録音・録画の機器・機材に係る報酬請求権制度の導入など抜本的解決のための制度的対応についで検討を進めること。
 三 ビデオディスクの発達等により録音・録画された実演の利用が多様化している等の実態を勘案して、実演家の権利の適切な保護等について検討すること。
 四 複写複製問題については、文献複写に関する著作権の集中的処理体制の確立に努めるとともに、出版者を保護するため出版物の版面の利用に関する出版者の権利の創設について検討を進めること。
 五 コンピュータ創作物に係る著作権問題については、今後における技術の発達普及に十分対応できるよう配慮しつつ、検討を進めること。
 六 視聴覚障害等の障害者が、公表された著作物を適切公正に利用することができる方途を検討すること。
以上でございます。
 その趣旨につきましては、本案の質疑応答を通じて明らかであると存じますので、案文の朗読をもって趣旨説明にかえさせていただきます。
 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○鳩山委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○鳩山委員長 起立多数。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
 この際、本附帯決議に対し、文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。西岡文部大臣。
○西岡国務大臣 ただいまの御決議につきましては、御趣旨を体しまして今後努力いたしたいと考えております。
    ―――――――――――――
○鳩山委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鳩山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
○鳩山委員長 次に、請願の審査を行います。
 今国会において、本委員会に付託されました請願は全部で百七十二件であります。
 本日の請願日程第一から第一七二までの各請願を一括して議題といたします。
 まず、審査の方法についてお諮りいたします。
 各請願の内容につきましては、請願文書表等により既に御承知のことと存じます。また、理事会におきましても慎重に御検討願いましたので、この際、各請願について紹介護員からの説明聴取は省略し、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鳩山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 これより採決いたします。
 本日の請願日程中、義務教育諸学校の学校事務職員に対する義務教育費国庫負担制度維持に関する請願一件、義務教育教科書無償制度の存続に関する請願一件、私学助成の充実に関する請願一件、以上の各請願は、いずれも採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鳩山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 ただいま議決いたしました各請願の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鳩山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○鳩山委員長 なお、念のため御報告いたします。
 今国会中、本委員会に参考送付されました陳情書は、義務教育教科書無償制度の存続に関する陳情書外十一件であります。
     ――――◇―――――
○鳩山委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。
 まず、第百十二回国会、内閣提出、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をするに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○鳩山委員長 起立多数。よって、本案は、議長に対し、閉会中審査の申し出をすることに決しました。
 次に、
 第百七回国会、馬場昇君外一名提出、義務教育諸学校等の女子教育職員及び医療施設、社会福祉施設等の看護婦、保母等の育児休業に関する法律の一部を改正する法律案
 第百九回国会、沢藤礼次郎君外一名提出、義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案
 第百九回国会、佐藤徳雄君外一名提出、学校教育法の一部を改正する法律案
 第百九回国会、中西績介君外一名提出、学校教育法等の一部を改正する法律案
 第百九回国会、中西績介君外一名提出、公立幼稚園の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律案
 第百九回国会、馬場昇君外一名提出、公立の障害児教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準等に関する法律案
並びに
 文教行政の基本施策に関する件
 学校教育に関する件
 社会教育に関する件
 体育に関する件
 学術研究及び宗教に関する件
 国際文化交流に関する件
 文化財保護に関する件
以上の各案件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鳩山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次に、閉会中審査案件が付託になりました場合の諸件についてお諮りいたします。
 まず、閉会中審査のため、委員派遣を行う必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣承認申請を行うこととし、派遣委員、派遣期間、派遣地、その他所要の手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鳩山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 次に、閉会中審査のため、参考人から意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その人選及び日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鳩山委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後四時四分散会
     ――――◇―――――