第114回国会 社会労働委員会 第4号
平成元年五月二十三日(火曜日)
    午前十時二分開議
出席委員
  委員長 津島 雄二君
   理事 伊吹 文明君 理事 高橋 辰夫君
   理事 戸井田三郎君 理事 長野 祐也君
   理事 丹羽 雄哉君 理事 池端 清一君
   理事 田中 慶秋君
      粟屋 敏信君    井出 正一君
      稲垣 実男君    今井  勇君
      尾形 智矩君    木村 義雄君
      北村 直人君    古賀  誠君
      佐藤 静雄君    笹川  堯君
      自見庄三郎君    高橋 一郎君
      竹内 黎一君    戸沢 政方君
      中山 成彬君    二田 孝治君
      三原 朝彦君    持永 和見君
      大原  亨君    川俣健二郎君
      河野  正君    田邊  誠君
      永井 孝信君    渡部 行雄君
      新井 彬之君    伏屋 修治君
      吉井 光照君    塚田 延充君
      児玉 健次君    田中美智子君
      大橋 敏雄君
 出席国務大臣
        労 働 大 臣 丹羽 兵助君
 出席政府委員
        労働大臣官房長 若林 之矩君
        労働大臣官房審
        議官      石岡慎太郎君
        労働省労政局長 岡部 晃三君
        労働省労働基準
        局長      野崎 和昭君
        労働省婦人局長 佐藤ギン子君
        労働省職業安定
        局長      清水 傳雄君
        労働省職業安定
        局高齢・障害者
        対策部長    竹村  毅君
 委員外の出席者
        経済企画庁調整
        局財政金融課長 森田  衞君
        経済企画庁物価
        局物価政策課長 井坂 武彦君
        経済企画庁総合
        計画局計画官  堀   一君
        経済企画庁総合
        計画局計画官  新保 生二君
        法務省入国管理
        局入国審査課長 堀口 松城君
        法務省入国管理
        局警備課長   町田 幸雄君
        外務大臣官房領
        事移住部査証室
        長       旭  英昭君
        文部省学術国際
        局教育文化交流
        室長      西澤 良之君
        通商産業省産業
        政策局産業構造
        課長      前田 正博君
        工業技術院総務
        部技術企画課長 上村 雅一君
        労働大臣官房政
        策調査部産業労
        働調査課長   粟野 賢一君
        労働省職業安定
        局雇用保険課長 中井 敏夫君
        社会労働委員会
        調査室長    滝口  敦君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月二十二日
 辞任         補欠選任
  池田 克也君     伏屋 修治君
同月二十三日
 辞任         補欠選任
  小沢 辰男君     北村 直人君
  野呂 昭彦君     井出 正一君
  持永 和見君     二田 孝治君
同日
 辞任         補欠選任
  井出 正一君     野呂 昭彦君
  北村 直人君     小沢 辰男君
  二田 孝治君     持永 和見君
    ―――――――――――――
五月二十二日
 年金制度の改悪反対に関する請願(上田哲君紹
 介)(第二一三六号)
 同(中路雅弘君紹介)(第二三四八号)
 退職後の生活の安定と生きがいに関する請願
 (日笠勝之君紹介)(第二一三七号)
 年金の改善に関する請願(岡崎万寿秀君紹介)
 (第二一三八号)
 同外一件(中島武敏君紹介)(第二一三九号)
 同(中路雅弘君紹介)(第二一四〇号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第二一四一号)
 同(松本善明君紹介)(第二一四二号)
 同(不破哲三君紹介)(第二一四三号)
 同(工藤晃君紹介)(第二一四四号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第二一四五号)
 同(瀬長亀次郎君紹介)(第二一四六号)
 国民医療の改善に関する請願(岡崎万寿秀君紹
 介)(第二一四七号)
 同(工藤晃君紹介)(第二一四八号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第二一四九号)
 同(瀬長亀次郎君紹介)(第二一五〇号)
 同(中路雅弘君紹介)(第二一五一号)
 同(中島武敏君紹介)(第二一五二号)
 同(不破哲三君紹介)(第二一五三号)
 同(松本善明君紹介)(第二一五四号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第二一五五号)
 年金・健康保険制度の改悪反対等に関する請願
 (安藤巖君紹介)(第二一五六号)
 同(石井郁子君紹介)(第二一五七号)
 同(岩佐恵美君紹介)(第二一五八号)
 同(浦井洋君紹介)(第二一五九号)
 同(岡崎万寿秀君紹介)(第二一六〇号)
 同(金子満広君紹介)(第二一六一号)
 同(経塚幸夫君紹介)(第二一六二号)
 同(工藤晃君紹介)(第二一六三号)
 同(児玉健次君紹介)(第二一六四号)
 同(佐藤祐弘君紹介)(第二一六五号)
 同(柴田睦夫君紹介)(第二一六六号)
 同(瀬長亀次郎君紹介)(第二一六七号)
 同(田中美智子君紹介)(第二一六八号)
 同(辻第一君紹介)(第二一六九号)
 同(寺前巖君紹介)(第二一七〇号)
 同(中路雅弘君紹介)(第二一七一号)
 同(中島武敏君紹介)(第二一七二号)
 同(野間友一君紹介)(第二一七三号)
 同(東中光雄君紹介)(第二一七四号)
 同(不破哲三君紹介)(第二一七五号)
 同(藤田スミ君紹介)(第二一七六号)
 同(藤原ひろ子君紹介)(第二一七七号)
 同(正森成二君紹介)(第二一七八号)
 同(松本善明君紹介)(第二一七九号)
 同(村上弘君紹介)(第二一八〇号)
 同(矢島恒夫君紹介)(第二一八一号)
 同(山原健二郎君紹介)(第二一八二号)
 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(大橋
 敏雄君紹介)(第二一八三号)
 同(平石磨作太郎君紹介)(第二三三〇号)
 難病患者などの医療と生活の保障に関する請願
 (大橋敏雄君紹介)(第二一八四号)
 同外一件(大原亨君紹介)(第二一八五号)
 同(竹内黎一君紹介)(第二一八六号)
 同(田中美智子君紹介)(第二三三三号)
 年金・健康保険の改悪反対、制度の確立に関す
 る請願(伊藤茂君紹介)(第二一八七号)
 同(中路雅弘君紹介)(第二一八八号)
 療術の制度化促進に関する請願(上草義輝君紹
 介)(第二一八九号)
 同(臼井日出男君紹介)(第二三三四号)
 消費生活協同組合の育成強化に関する請願(橋
 本文彦君紹介)(第二一九〇号)
 同(松前仰君紹介)(第二一九一号)
 同(薮仲義彦君紹介)(第二一九二号)
 同(安倍基雄君紹介)(第二三三五号)
 同(中路雅弘君紹介)(第二三三六号)
 被爆者援護法の制定に関する請願(橋本文彦君
 紹介)(第二一九三号)
 同(松前仰君紹介)(第二一九四号)
 同(薮仲義彦君紹介)(第二一九五号)
 同(安倍基雄君紹介)(第二三三七号)
 重度戦傷病者と妻の援護に関する請願(大坪健
 一郎君紹介)(第二一九六号)
 同(自見庄三郎君紹介)(第二一九七号)
 同(熊川次男君紹介)(第二三三八号)
 国民医療改善に関する請願(中島武敏君紹介)
 (第二一九八号)
 小規模障害者作業所の助成等に関する請願(新
 井将敬君紹介)(第二一九九号)
 同(粟屋敏信君紹介)(第二二〇〇号)
 同(伊吹文明君紹介)(第二二〇一号)
 同(池端清一君紹介)(第二二〇二号)
 同(稲垣実男君紹介)(第二二〇三号)
 同(江田五月君紹介)(第二二〇四号)
 同(小澤潔君紹介)(第二二〇五号)
 同(大橋敏雄君紹介)(第二二〇六号)
 同外五件(大原亨君紹介)(第二二〇七号)
 同(岡崎万寿秀君紹介)(第二二〇八号)
 同(柿澤弘治君紹介)(第二二〇九号)
 同(川俣健二郎君紹介)(第二二一〇号)
 同(河野正君紹介)(第二二一一号)
 同(菅直人君紹介)(第二二一二号)
 同(古賀誠君紹介)(第二二一三号)
 同(児玉健次君紹介)(第二二一四号)
 同(櫻内義雄君紹介)(第二二一五号)
 同(笹川堯君紹介)(第二二一六号)
 同(自見庄三郎君紹介)(第二二一七号)
 同外一件(田中美智子君紹介)(第二二一八号
 )
 同(田邊誠君紹介)(第二二一九号)
 同(高橋一郎君紹介)(第二二二〇号)
 同(竹内黎一君紹介)(第二二二一号)
 同(戸井田三郎君紹介)(第二二二二号)
 同(戸沢政方君紹介)(第二二二三号)
 同(長野祐也君紹介)(第二二二四号)
 同(野呂昭彦君紹介)(第二二二五号)
 同(三原朝彦君紹介)(第二二二六号)
 同(渡部行雄君紹介)(第二二二七号)
 同(安倍基雄君紹介)(第二二二八号)
 同(青山丘君紹介)(第二二二九号)
 同(伊藤英成君紹介)(第二二三〇号)
 同(小沢貞孝君紹介)(第二二三一号)
 同(大矢卓史君紹介)(第二二三二号)
 同(岡田正勝君紹介)(第二二三三号)
 同(川端達夫君紹介)(第二二三四号)
 同(河村勝君紹介)(第二二三五号)
 同(神田厚君紹介)(第二二三六号)
 同(木下敬之助君紹介)(第二二三七号)
 同(北橋健治君紹介)(第二二三八号)
 同(小渕正義君紹介)(第二二三九号)
 同(佐々木良作君紹介)(第二二四〇号)
 同(田中慶秋君紹介)(第二二四一号)
 同(滝沢幸助君紹介)(第二二四二号)
 同(玉置一弥君紹介)(第二二四三号)
 同(塚田延充君紹介)(第二二四四号)
 同(塚本三郎君紹介)(第二二四五号)
 同(中野寛成君紹介)(第二二四六号)
 同(中村正雄君紹介)(第二二四七号)
 同(永末英一君紹介)(第二二四八号)
 同(西村章三君紹介)(第二二四九号)
 同(林保夫君紹介)(第二二五〇号)
 同(吉田之久君紹介)(第二二五一号)
 同(米沢隆君紹介)(第二二五二号)
 同(和田一仁君紹介)(第二二五三号)
 同(阿部昭吾君紹介)(第二三三九号)
 同(新井彬之君紹介)(第二三四〇号)
 同(石原慎太郎君紹介)(第二三四一号)
 同(今井勇君紹介)(第二三四二号)
 同(太田誠一君紹介)(第二三四三号)
 同(岸田文武君紹介)(第二三四四号)
 同(田中慶秋君紹介)(第二三四五号)
 同(中路雅弘君紹介)(第二三四六号)
 同外六件(吉井光照君紹介)(第二三四七号)
 医療費抑制反対及び医療と福祉の拡充に関する
 請願(安藤巖君紹介)(第二三一二号)
 同(田中美智子君紹介)(第二三一三号)
 年金制度の改悪反対等に関する請願(安藤巖君
 紹介)(第二三一四号)
 年金制度改悪反対等に関する請願外一件(石田
 幸四郎君紹介)(第二二三五号)
 同(柴田弘君紹介)(第二三一六号)
 年金・健康保険制度改悪反対、社会保障・社会
 福祉制度の確立に関する請願(田中美智子君紹
 介)(第二三一七号)
 輸入食品の監視体制強化に関する請願(村山喜
 一君紹介)(第二三一八号)
 同(伊藤忠治君紹介)(第二三一九号)
 同(大出俊君紹介)(第二三二〇号)
 同(小林恒人君紹介)(第二三二一号)
 同(新盛辰雄君紹介)(第二三二二号)
 同(田中恒利君紹介)(第二三二三号)
 同(土井たか子君紹介)(第二三二四号)
 同(堀昌雄君紹介)(第二三二五号)
 同(武藤山治君紹介)(第二三二六号)
 同(安井吉典君紹介)(第二三二七号)
 社会福祉制度の拡充に関する請願(児玉健次君
 紹介)(第二三二八号)
 同(田中美智子君紹介)(第二三二九号)
 年金改悪反対に関する請願(児玉健次君紹介)
 (第二三三一号)
 同外一件(中村正男君紹介)(第二三三二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関
 する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第
 二五号)
 日本労働協会法の一部を改正する法律案(内閣
 提出第二六号)
     ――――◇―――――
○津島委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。丹羽労働大臣。
    ―――――――――――――
 雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関
  する法律の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○丹羽国務大臣 ただいま議題となりました雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 近年、我が国においては、サービス経済化の進展、女子の就業意欲の高まり等を背景として、就業形態の多様化が進展しております。特に、いわゆるパートタイム労働者につきましては、その数が著しく増加するとともに、勤続年数の伸長、就業分野の拡大等の質的な変化も見られるなど、今や経済社会にとって欠くことのできない重要な労働力になっております。今後ともこの傾向はさらに進むものと見込まれます。これに伴い、雇用保険制度においても、パートタイム労働者の生活の安定、福祉の増進等を図るため適切に対応することが課題となっております。
 また、今後の経済構造調整期においては、経済変動と高齢者問題、地域問題等の雇用問題が密接に関連して生ずることが予想されることから、雇用に関する各般の施策を総合的、一体的に実施していくとともに、その財政基盤の強化を図ることが必要となっております。
 このため、これらの問題につき中央職業安定審議会に検討をお願いいたしておりましたところ、昨年末に現行制度の改善の方向が示されたところであります。政府といたしましては、この改善の方向を踏まえつつ、この法律案を作成し、関係審議会にお諮りいたした上、提出した次第でございます。
 次に、その内容の概要を御説明申し上げます。
 第一は、雇用保険法の一部改正であります。
 その一は、短時間労働者について、新たに適用拡大を図ることとした上で、その就業及び労働市場の実態に応じた失業給付の特例を設けることであります。
 まず、短時間労働者の範囲については、一週間の所定労働時間が、同一の適用事業に雇用される通常の労働者に比し短く、かつ、労働大臣の定める時間数未満である者としております。
 次に、受給資格については、実質的に労働時間が短いこと等にかんがみ、賃金支払い基礎日数が十一日以上の月を一年以上必要とすることとしております。
 また、賃金日額については、その賃金の実情にかんがみ、二千四百十円を下限とすることとしております。
 さらに、所定給付日数については,通常の労働者に比し再就職が容易であること等を考慮し、年齢と被保険者であった期間等に応じ九十日から二百十日までの日数としております。
 このほか、高年齢求職者給付金等について所要の特例を設けることとしております。
 その二は、雇用保険四事業を再編し、雇用安定事業と雇用改善事業を統合することであります。
 現在、雇用安定事業は経済変動に対処し、雇用改善事業は高齢者問題、地域問題等に対処するものとされておりますが、今後は、これを統合し新たな雇用安定事業とした上で、失業の予防、雇用状態の是正、雇用機会の増大その他雇用の安定を図るため、各般の事業を総合的、一体的に行うことができることとしております。
 第二は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正することであります。
 現在、雇用安定資金の残高については、四事業に係る保険料収入と同額まで確保できることとされておりますが、今後の経済構造調整期における経済変動に備えるため、これを改め統合後の三事業に係る保険料収入の一・五倍まで確保できることとしております。
 なお、この法律のうち短時間労働者に係る規定は本年十月一日から、雇用保険四事業及び雇用安定資金に係る規定は本年四月一日から施行することとしております。
 以上、この法律案の提案理由及び内容の概要につきまして御説明申し上げました。
 何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げて、説明にさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
○津島委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
    ―――――――――――――
○津島委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。池端清一君。
○池端委員 まず最初に、ただいま御提案のありました雇用保険法等改正案について、若干の問題点について御質問をいたします。
 今回の改正案の柱の一つは、ただいま大臣からもありましたように、パートタイム労働者への雇用保険の適用拡大でございます。パートタイム労働者への適用拡大ということは、これまでも我が党が強く主張してきたことであり、一歩前進である、私はこのように考えるわけでございます。
 しかし、パートタイム労働者問題で対応が今日求められていることは、単なる雇用保険の適用の問題だけにとどまらない、こういうふうに思うわけであります。パートタイム労働者は、しばしば雇用の調節弁として活用されている。しかも、労働条件の面でも一般の労働者に比べて著しく劣悪な取り扱いがされているわけでございます。したがりて、今日パートタイム労働者を保護するための法的な措置を求められている、これが緊急の課題であろう、私はこういうふうに思うわけでございます。
 労働省においては、パートタイム労働問題専門家会議等も設置をして、パートタイム労働者福祉法、この制定について検討を重ねているというふうにお聞きをしておるわけでございますが、今回パート法案の提出を見送った理由は那辺にあるのか、その点をまずお尋ねをしたいと思うわけであります。
○佐藤(ギ)政府委員 先生御指摘のように、パート労働者の問題はさまざまあるわけでございまして、私どもといたしましてもこの問題について総合的な対策が必要であるということで、先生御指摘のパートタイム労働問題のための専門家会議を行ったわけでございますけれども、この会議で御審議いただきました結果、規制すべき事項とかあるいは規制の方法などが労使の主張においてかなりの開きがまだあるというような状況でございますので、さらに今後もこの問題について引き続き検討していこうということで、とりあえず関係法案を提出することは見送ったわけでございます。
○池端委員 我が党は、六年前の昭和五十八年十月に短期労働者及び短時間労働者の保護に関する法律案、いわゆるパート等保護法案を提出して、以来、毎国会にこれを提出してきているわけでございますが、この我が党案について労働省はどのような御見解をお持ちになっているか、ひとつその評価のほどをお聞きしたいと思うのであります。
○丹羽国務大臣 お答えさせていただきます。
 先生、今御発言のありましたように、先生の方からは昭和五十九年及び六十二年に短期労働者及び短時間労働者の保護に関する法律案を国会に提出されておられます。私どもよく承知しておることでございまして、労働省としても、その出していらっしゃる内容をよくよく勉強させていただいておるのでありまするが、何と申しましてもパートタイム労働問題専門家会議がございまして、その専門家会議の論議にかんがみまして、労使のコンセンサスを早急に形成することはなかなか難しいと考えております。それで、何とかして、労使のコンセンサスを早急に形成させることは難しいけれども、そのような努力をしておるということで御了承いただきたいと思います。
○池端委員 労働団体の側も、連合と総評がこの問題について統一要求を取りまとめて、労働省にもその内容について申し入れをしている、こういうような経緯もございますが、この連合、総評の統一要求について労働省はどのように受けとめておられるのか、その点についてもあわせてお尋ねをしたいと思います。
○佐藤(ギ)政府委員 先生御指摘のとおり、連合、総評からはことしの四月十八日にパートタイム労働法の制定等を内容といたします要請書をいただいているところでございます。
 ただ、先ほどから申し上げておりますように、パートタイム労働問題専門家会議における議論にかんがみますと、まだまだパートタイム労働者の就業条件の整備を図るための法的整備の問題につきましては労使の間での考え方にかなりの乖離がございまして、労使の合意形成を図りながら、関係諸法令についての検討を含めて、これからの引き続き検討していくべき課題だというふうに認識をいたしております。
○池端委員 近年、パートタイム労働者は八百万近くとなるなど著しい増加を示している、さらに勤続年数の伸長、就業分野の拡大など質的な変化も見られる、こういう状況になっておるというのが労働省からいただきました資料にも書いてあるわけでございます。したがって、とのパートタイ
ム労働法の制定というのは、私先ほど申し上げましたように非常に喫緊の課題である、これは重要な課題で急がなければならない、こう思うわけでございます。確かに労使双方に意見の乖離があるというようなこともあるでしょうけれども、ぜひその点を克服して、一日も早い法制定に向けての取り組みをしていただきたいということを強く要望しておきます。
 そこで、今回の改正の中身でございますが、今回雇用保険の適用を拡大しようとしている対象者の範囲についてお尋ねをしたいと思います。
 改正法案によれば、適用対象とする短時間労働者の範囲については、「一週間の所定労働時間が、同一の適用事業に雇用される通常の労働者に比し短く、かつ、労働大臣の定める時間数未満である者」とされておるわけでございますが、具体的にどのような者を考えているのか、明らかにしていただきたいと思います。
○清水(傳)政府委員 お答え申し上げます。
 今般新たに対象としようといたしております短時間労働者につきましては、今御指摘がございましたように、一週間の所定労働時間が、同一の適用事業に雇用される通常の労働者に比して短く、具体的には二十二時間以上三十三時間未満であって、年収が九十万円以上見込まれ、かつ、反復継続して就労する者を予定いたしております。
○池端委員 今の御答弁によりますと、この改正法案における短時間労働者というのは、労働時間が一般の労働者の二分の一から四分の三までの者とするという基本的な考えのようでございます。現状では平均週所定労働時間が四十四時間でございますから、短時間労働者というのは週二十二時間以上三十三時間未満の者とするということになるわけであります。
 そうしますと、一般の労働者の平均週所定労働時間が今後短縮をされれば、この雇用保険の適用対象の範囲も変えられる、変えていくことになるんだ、こういうふうに理解をしていいかどうか。具体的に申し上げますと、平均週所定労働時間が四十時間になったとすれば、短時間労働者は二十時間以上三十時間未満の者とされるもの、こういうふうに理解をしてよろしいか、その点について確認を求めたいと思います。
○清水(傳)政府委員 労働時間の下限につきましては、ただいま申し上げましたように当面の通常の労働者の週平均所定時間、これが御指摘のように四十四時間二十分でございまして、その四分の三から二分の一、この範囲を適用対象とする、こういう考え方でございます。今後、労働時間短縮の動向に合わせまして、こうしたことにつきましては必要に応じた見直しは行ってまいる考え方でございます。
○池端委員 必要に応じて見直しを行っていくという答弁があったわけでありますが、私はいささか消極的ではないか、こういうふうに思うわけでございます。
 現に、政府は一九九三年までに週四十時間労働制を実現する、こういう目標のもとに今時間短縮に積極的に取り組んでいるわけでございますし、また、ことしになってから官庁においても第二及び第四土曜日閉庁あるいは金融機関の完全週休二日制というものも実施をされておるわけであります。諸外国の例を見ましても、一般労働者の平均週労働時間を反映いたしまして、週十七時間前後以上の者については雇用保険、失業保険を適用する、こういうような国際的な状況にもなっておるわけでございます。
 そうしますと、短時間労働被保険者の範囲についても、週四十時間を先取りするような形で週二十時間以上三十時間未満とすべきではないか、こういう積極的な姿勢があってしかるべきではないか、私はこう思うのでありますが、この点についてはいかがですか。
○清水(傳)政府委員 御指摘のような御議論もあろうかと存ずるわけでございますが、この法律の形といたしまして、いわゆる短時間労働者の範囲について決してリジッドな、固定的なそういう法制的な仕組みにいたしておるというわけではございません。具体的な範囲については労働省令で規定をしていく、こういう形で対応できるような形にいたしておるわけでございまして、新たに対象とする範囲につきましては、現下の労働市場なり労働時間の実態を反映する時間とする必要があることから、先ほど申し上げましたような範囲にいたしているということにしておるわけでございまして、今後につきましては引き続き短縮の動向等も把握をいたしまして、必要に応じた見直しを行ってまいりたい、このように考えております。
○池端委員 先ほどの答弁では年収要件として九十万口以上、こういうようなことがあったわけでありますが、この九十万円以上とした理由についてお答えをいただきたいと思います。
○中井説明員 年収要件は、その賃金によって生計を立てているか否かを区別する基準として設けられておりまして、この趣旨から公務員であるとかあるいは民間企業の被扶養者の判断基準とかあるいは所得税の非課税限度額との均衡を考慮して九十万円というふうに、私どもしております。
○池端委員 どうも十分な理解ができないわけでありますが、確かに女子のパートタイム労働者の側でも、年収九十万円以内、現在では年収九十二万円以内と言った方が正確だと思うのですが、働こうとする者が少なくないことは、これは事実でございます。これは雇用保険上の問題ではなくて、それを少しでも超えた場合には、自分の賃金収入に税金がかかってくる、また夫の賃金収入についても配偶者控除が得られなくなるという税制上の理由なわけでございます。ですから、既に週二十二時間という資格要件が設けられているのですから、週二十二時間も働いている方についてさらに年収九十万円以上という要件を求めるのは酷に過ぎないか、これは非常に問題があるのではないか、こういうふうに私は考えるわけでございます。週二十二時間も働いている方についてさらに年収九十万円以上という要件を、ハードルを設けないで、パートタイム労働者の賃金差別をなくするための法的措置を含めた対策を強化すべきではないか、こういうふうに私は思うのでありますが、この点についての御見解を承りたいと思います。
○中井説明員 九十万円というふうに決めましたのは、先ほど申し上げましたように賃金によって生計を立てているか否か、具体的に言いますと公務員であるとか民間企業の被扶養者になるかならぬか、要するに被扶養者になるような収入の低い方には雇用保険の保護の対象としなくてもいいのではないかという趣旨で先ほど九十万円と申し上げた次第でございます。
○池端委員 ちょっと私が言っている質問の趣旨と違っていると思うのですよ。私は、二十二時間も働いている方についてさらに年収九十万円以上という要件を加えるということは非常に酷に過ぎる、むしろパートタイム労働者の賃金差別をなくするための法的措置を含めた対策を講ずることが今日必要ではないか、こういうふうに言っているわけでありますが、その点についてはいかがですか。
○佐藤(ギ)政府委員 パートタイム労働者の賃金の問題につきましては、先ほどもお話に出ました。パートタイム労働問題専門家会議におきましては、労使においてその就業の実態、通常の労働者との均衡等を考慮して定めるように努めるという考え方が示されているわけでございますが、私どもといたしましては、労働条件全般の改善につきましては啓発、指導も含めてさらに労働条件の改善向上につきまして努力してまいりたいと考えております。
○池端委員 それでは、次の問題に移ります。
 パートタイム労働者に対する雇用保険の適用のあり方についてお尋ねをいたしたいと思うのですが、被保険者期間の計算や賃金日額の問題については私は理解できないことはない、妥当とは言えるかどうかはわからないにしても理解できる、こう思うわけであります。しかし、所定給付日数については非常に問題がある、こう思うのであります。パートタイム労働者の給付日数を一般の被保
険者の給付日数と区別しているのは何ゆえか、その理由をお尋ねをしたいと思うのです。
○清水(傳)政府委員 今般新たに適用対象とすることといたしました短時間労働者、これは所定労働時間が相当短い、こういう特性があるわけでございますし、それからまた、労働事情の中におきまして一般的に離職率が非常に高い、それからまた、求人倍率を見ましても一般の労働者の三倍程度というふうに非常に高い水準にございまして、就職が容易な状況、これは持続的にずっと続いておるところでございまして、賃金につきましても、労働時間が短いことを反映いたしまして相対的に低いという実態はございます。
 このように短時間労働者につきましては、一般労働者と就業なり労働市場の実態が異なったそうした層というふうに見ることができるわけでございまして、これにつきまして一般の被保険者と同じ給付を行うという形をとりますと、給付と負担の著しい不均衡が生ずることが予想されるわけでございます。そういった意味合いから、短時間労働被保険者として区分をいたしまして、必要な給付の特例を設けることといたしたわけでございます。
○池端委員 有効求人倍奉がパートタイム労働者の場合は一般の労働者の三倍程度になっている、こういう御説明があったわけでありますが、この三倍という数字の中には、常用のパートタイム労働者だけではなくて臨時の方も含まれているのではないでしょうか。ですから、私はただいまの説明は必ずしも納得できないわけであります。有効求人倍率がどの程度実態を反映しているかについてはいささか疑問のあるところでございます。
 しかも、再就職の難易度を考慮して所定給付日数を決めた、こう言っておりますけれども、もし本当に再就職が容易であるなら、常時週二十二時間以上働くようなパートタイム労働者は、その収入は家計にとって欠くことのできないものになってきておるわけであります。ところが失業の場合は、失業給付は賃金の六割しか保障されていないわけであります。ですから、解雇や雇いどめをされたらできるだけ早目に再就職するということになるのではないのでしょうか。それからまた、自己都合退職の場合には三カ月の給付制限がある、こういうような事情を考えた場合、所定給付日数を同じにしても、決して私は不都合が生じない、こういうふうに思うのであります。そのパートタイム労働者の実態から考えて、私は不都合はあり得ない、こう思うわけでございますが、その点についての見解はどうでしょうか。
○清水(傳)政府委員 有効求人倍率につきましては、常用的なパートあるいは臨時パートタイム労働者を含めた数値等いろいろあるわけでございます。私ども検討いたしておりますのは、その臨時パートタイム労働者を除いた数値を用いまして比較を行ってかような判断をいたしたわけでございます。
 それで、御承知のように雇用保険の所定給付日数につきましては、再就職の難易度、すなわち再就職に要する期間の長短に応じて給付をする、雇用保険制度に切りかえました時点からそういう原則を導入をいたしまして、それに離職率とか給付と負担の均衡をも勘案をした年齢階層区分と勤続年数の区分によって定めておるわけでございます。一般的に年齢別に見た有効求人倍率ということが年齢階層区分の一つの背景としてデータ的にそういうことを念頭に置いてやっておるわけでございまして、パートにつきましても基本的にそうした同様の考え方も導入をいたしておるわけでございます。
 パート労働者の実態、これはいろいろあるわけでございますが、一般の労働者に比べまして求人倍率が高いということは、これは相当長期間にわたりまして持続的にそうした傾向が続いてきておるわけでございまして、またその労働市場への出入りが非常に一般の労働者に比べても頻繁である、こういう一つの大きな特性もあるわけでございます。そうしたことを、給付と負担の均衡等を総合的に勘案をいたしまして、こうした給付日数として、法律案として御提案を申し上げておるわけでございます。もちろん、雇用失業情勢、求人倍率、いろいろな諸要因に応じましてこれは変動するということ、これは考えられるわけでございまして、そうした面での今後顕著で持続的な変化がありますれば、そうしたものも勘案をしつつ今後検討をしていくということは十分考えられることであろうというふうに思うわけでございます。
○池端委員 職安局長はそういう御答弁でございますけれども、労働者がフルタイムでなくてパートタイム労働を選ぶには、就労時間及び時間帯、通勤時間等の特別な理由があって、単に平均的な有効求人倍率が高いからといって再就職が容易だ、こういうことは必ずしも言えないではないか、私はこういうような考えを持っておるわけでございますので、十分今後これらについても御検討をいただきたい、こう思うわけであります。
 そこで、今回の政府案では、現行制度のもとで一般被保険者となっているのに今度の改正によって短時間労働被保険者とされてしまう者が出てくるわけであります。現在、一般被保険者であるのが改正によって短時間労働被保険者になる。例えば週所定労働時間が四十時間の職場で週三十時間働いているパートタイム労働者のような場合には、一般被保険者として現在も取り扱われておるわけでございます。しかし、この改正法が施行されれば短時間労働被保険者として扱われるようになるわけであります。このような労働者はまことに既得権が侵害される、不利益をこうむる、こういうことになるわけでございまして、私ども従来の審議会の意見等も聞いていますと、そういうような不利益な扱いは絶対にしないというようなのが審議会でのコンセンサスだというふうにもお聞きしておるわけでありますが、なぜこういうようなことになるのか、この点についてお尋ねをしたいと思うのです。
○清水(傳)政府委員 現在の取り扱いといたしまして、いわゆるパートタイム労働者につきましても、同じ事業所の所定労働時間の四分の三以上の労働時間の人たちにつきましては適用対象といたしておるわけでございます。今般短時間労働者に対する適用拡大を導入するに当たりまして、どういうふうな形で導入していくかということを検討いたしたわけでございますが、そうした従来の取り扱いの実績ということをやはり十分考慮していく必要があるであろう、こういう考え方からパート労働者、一般の被保険者から一般的に短かければすべて短時間労働被保険者とするということではなしに、先ほど御説明申し上げましたように四分の三と二分の一、この範囲の人たちを新たな適用対象という形にしていくことにいたしたわけでございます。ただ、個々の事業所によって労働時間、これは当然一定ではございません。制度的に行ってまいります場合には、やはり一律の基準を設けていく必要がある、こうしたことから四分の三に相当する三十三時間と二十二時間、この範囲の人たちを適用対象としていく、こういうことにいたしたわけでございまして、その考え方自身の中にそういった意味合いにおける既得権保護、こうした面も考慮されているというふうに御理解もいただきたいわけでございます。
 そうした中におきましても、ただいま例示的に御指摘になりましたようなケースにおきましては、改正後に現在の一般被保険者が短時間労働被保険者として取り扱われるような形になり得るわけでございますが、ケースとしては非常にごく少ないケースであろうというふうに思います。そのような例に該当する場合におきましては、四年間を限度といたしまして施行後も引き続き一般被保険者として取り扱う経過措置を講ずることといたしておりまして、このような形で十分な措置を講じ得るというふうに考えているところでございます。
○池端委員 今度の改正というのは、適用拡大、これを目指したものであります。ところが部分的には、今局長言われたけれども、ごく少数の方についてではあるけれども、かえって不利益になる者が出てくるということですね。これは改正法の
精神に逆行しているのではないか、こういうふうに私は思うわけであります。現行法のもとで既に一般の被保険者になっている方、これが四年間の経過措置はあるものの、今度の改正によって短時間の被保険者になっていくということは明らかに既得権の侵害であり期待権の侵害だ、こういうふうに思うわけでありまして、この既得権なり期待権というものを尊重して、不利益をこうむらないような措置をぜひ講ずるべきではないか、私はこう思うのであります。仮にそれが少数であろうとも、その少数の人たちをきちっと守っていくというのが法の精神だと思うのでありますので、労働大臣のこれについてのお考えをお聞きしたいと思います。
○清水(傳)政府委員 これらの点につきましては、いろいろ御議論のあるところでございまして、確かに既得権という観点からするならば、先生御指摘のお考えというのも一つの考え方として私どもも理解できるところでございますが、四年間というふうにいたしましたのは、パート労働者の一般的な労働市場における実態から考えまして、その経過の中でそういう形態というのがほぼなくなっていく可能性が十分あり得る期間、このように考えてもおるわけでございまして、これらの点につきましては今後ともいろいろ御議論を賜りたいというふうに存じます。
○池端委員 何ですか。最後のところ、聞こえませんでしたが。
○清水(傳)政府委員 当委員会におかれましても、いろいろ御議論を賜りたいと思うわけでございます。
○池端委員 それでは、雇用保険法の問題については以上の質疑にとどめまして、私は、JRに対する労働委員会命令の問題について少しくお尋ねをしたい、こう思うわけでございます。
 労働大臣御案内のように、今日まで十七の地労委で二十五の命令が出ております。それから、中労委からも一つの命令が五月二十三日現在出されておるわけでございます。これまでの命令の出された対象組合員数は、最大の北海道の千七百四名を初めとして、全国で四千五百十二名にも上っておるわけでございます。今後も各県の地労委から同様の救済命令が出てくることは間違いございません。こういう状況でございます。連続して労働委員会の救済命令が出ているというこの現実。
 さらにマスコミ報道、新聞社説、世論等は一斉にJRにその非があることを認めておるわけでございます。例えば朝日新聞の本年一月二十二日付社説は、「第三者機関がはっきり認定した意味をJR各社は重く受けとめ、紛争の解決に誠意をもって取り組んでほしい。」また同じ日北海道新聞は、「一般常識から言ってJR側の主張には無理があり、地労委判断は極めて妥当というほかない。」「地労委もれっきとした公的機関で、その審査は重んじられなくてはならない。これを無視するかのようなJR側の姿勢は、労働法、ひいては労働基本権を保障する憲法精神にもとるものと言わなくてはなるまい。」このように断じておるわけでございます。また熊本日日の五月十二日付社説では、「熊本地労委は今回の命令の中で、参院特別委の国鉄改革関連法案採決に際し、客観的かつ公正なものとするよう付帯決議がなされたのは、組合間差別などが危ぐされたからだと指摘している。現にそのことで紛争が生じている以上、政府としてもこの際、問題の抜本的解決に向けて積極的に乗り出すことを期待したい」。いいですか。「政府としてもこの際、問題の抜本的解決に向けて積極的に乗り出すことを期待したい」。また、この社説では、「われわれが望みたいのは、政府と国会が、改めてこの余剰人員問題に目を向けることである」とも指摘をしているわけでございます。
 こういうような救済命令あるいはJRに非があることを認めている各種報道、世論、これについて労働大臣はどのような認識をお持ちなのか、まずその点をお聞かせ願いたいと思うのであります。
○丹羽国務大臣 お答えさせていただきます。
 最近、お話がありましたように、JRの不当労働行為に対して地方労働委員会から連続して救済命令が出されており、マスコミ、世論などからこの問題の早期解決を望む声が上がっておる、これを労働大臣はどう考えるか、こういうお尋ねでございます。
 私も労働大臣に就任いたしましてまだ日がたっておりません。余り長くはございませんが、しかし、その長くない期間におきましても先生が二回も三回も私のところへわざわざ訪ねていただき、しかも一人でなくして大勢様を連れて一緒に来ていただいて、私に今お尋ねのあったようなことで厳しく政府もしていかなければならぬではないかと聞かされておりますので、私も、いろいろと労働の中には問題がございますけれども、この問題は大変大事な問題だ。今申し上げたように日は短うございますけれども、真剣に先生から言われて取り組んでおります。取り組んでおりますから、どんなことを今考えておるかということを率直に申し上げさせていただきたいと思いますが、JR各社について多数の不当労働行為が労働委員会に摘発されており、また、既に多数の救済命令が出されておることは、先生からも聞いており、私も十分承知しております。JR各社は国鉄の大改革の結果生まれた会社でございまして、私としては労使関係を安定し、国民の期待にこたえられるよう発展することを期待しておるのでありますが、それにもかかわらずこういう問題があって、労使の間での争いが絶えないなんということは甚だ遺憾でございますから、できるだけ前向きの姿勢でそれぞれの方面に働きかけていきたい、こう考えております。
○池端委員 重ねてお尋ねをしますが、JRは中労委への再審査申し立てあるいは行政訴訟の提起を理由にいたしまして、一切命令を守っていないわけであります。これは政府が株式を一〇〇%保有する企業としてはあり得ない、あり得べからざる異常な事態ではないかというふうに私は考えておるわけでありますが、この点についての大臣の御認識はどうでありましょうか。
○岡部政府委員 現在百六十一件、全体の件数を数えるわけでございますが、この不当労働行為事件の当事者が地方労働委員会の命令に不服のある場合は、中央労働委員会への再審査の申し立てあるいは地方裁判所への取り消し訴訟の提起というようなことで争い得ることも、これまた法律上認められておるところでございます。このようにしてもし争われました場合には、地方労働委員会の命令はいまだ最終的な確定には至っていないわけでございます。法の認める手続の進行中という現状の事態であろうかと存ずるのでございます。
○池端委員 不当労働行為の具体的な事実は、本当に私どもいろいろ命令書を読みまして生々しく出ているわけでございます。きょうは時間がございませんのでそれを御紹介する余裕はございませんし、また、既に先刻労働省はその内容については御承知のはずでございますから、あえて申し上げません。しかし、極めてこれは本当に異常な状況が今日起こっているわけでございます。私は、労働省としてはこの問題について本当に積極的に問題解決に乗り出す、このことが重要ではないか、こういうふうに思うわけでございます。
 先般、労働大臣は所信表明におきまして、今日労働省内部で不祥事が起こった、非常に遺憾である、国民の労働省に対する、労働行政に対する不信を回復するためにも積極的にひとつ今後も頑張っていきたいという趣旨の所信表明がなされました。ぜひ私は、言葉だけではなくてそれを具体的な行動であらわしてもらいたい。こうやって多くの皆さん方が清算事業団という中で今苦しんでいる。本当に悩み苦しんでいるわけであります。
 ここに「ぼくのお父さん 私のおねがい」というお子さんたちの作文集を私は持ってきました。これをぜひ読んでいただきたい。どんなにか幼い子供たちがこのお父さんの状況を毎日目の当たりにして小さな心を痛めているか、こういうことをぜひ御理解をいただきたい、そして積極的に立ち上がっていただきたい、こういうふうに思うわけ
でございます。先般、北海道や九州から国労の組合員のお子さんたちが上京してきまして、父の復職願ということで小沢官房副長官にもお会いをしました。三月三十日ですね。官房副長官も、国鉄で国民のため、国のために働いてきたお父さんたちだから、再就職に私たちも頑張る、皆さんもお父さんを元気づけて頑張ってください、こういうふうに言われた。そういうふうにして、子どもたちはほっと安堵の胸をなでおろして北海道や九州に帰った、こういうことでございます。ぜひこういう立場でひとつ労働大臣も対処していただきたい、こう思いますが、決意のほどをお伺いしたいと思います。
○丹羽国務大臣 ただいま先生のお考えを聞かせていただいて、私も世間並みの苦労をしてきた男でございますから、そうやって家庭の子供までがそのような願いをしておられるということを聞いて、本当に胸の痛い思いをいたしました。今申し上げましたように、私も皆さんと同じように苦労をしてきておるものでございますから、よくわかります。だから、御趣旨のように労働省としてやれることは前向きに努力をさせていただきたい、こう思っております。
○池端委員 労働委員会の認定内容を見ますると、昭和六十一年十一月二十五日、参議院における日本国有鉄道改革に関する特別委員会においていろいろ交わされた質疑、政府の答弁あるいは同月二十八日の附帯決議、こういうものの趣旨が守られていないというふうに私は考えるわけであります。
 例えば当時の橋本龍太郎運輸大臣は、この日の質疑に対して「所属する労働組合によって差別が行われるようなものであってはならないと思います。」「職員の採用手続の過程におきまして、いわゆる労働処分というものを具体的に明示するような形で勤務成績をお示しをするようなことはあり得ないと思いますし、あってはならないと思います。」こういう答弁をなさっておるわけでございますし、それから附帯決議におきましても、「所属労働組合等による差別等が行われることのないよう特段の留意をすること。」といったような趣旨の附帯決議も上げられておるわけでございます。
 しかし、今度のこの一連の地労委の決定を見ますると、これは守られていないということははっきりしておるわけでございまして、この点についての大臣の認識といいますか、大臣のこれからの対処の方針について御見解を承りたいと思います。
○丹羽国務大臣 お尋ねに対して労働大臣としてはっきり答弁させていただきたいと思います。
 国鉄改革法案が審議された際、JR各社への採用については所属組合による差別が行われることのないよう特段の留意をする旨の附帯決議がなされたこと等は承知しております。所属組合による差別があってはならないことも、これまた当然であります。また、このことは今後とも尊重されるべきことであると考えております。ただ、現在私が挙げました係争中の個別の事案につきましては、とかくの見解を述べることは差し控えさせていただきたいと思います。
○池端委員 いつも労働省は係争中の案件に対して意見を差し挟むことは控えたいということを言われておるわけでありますが、先ほども言ったように、こんな異常な状況を放置しておいていいのか、私はこういうふうに思うわけでございます。
 例えば初審命令などについても守られなければならないものであるということを私は思うのであります。しかし、それも全然守られておらない。これは本年三月十日、中労委会長から北海道旅客鉄道株式会社代表取締役社長の大森義弘さんあてに初審命令履行勧告書が出されておるわけでございます。これも全然履行されておらない。これは労働委員会規則の第四十五条「命令の履行」、こういうものにも反している内容だし、あるいはまた五十一条の二の「命令履行の勧告」にも反していると私は思うわけでございます。こういうことがまかり通るならば、労働委員会の命令というものが全く形骸化、空洞化してしまう。そこには本当に労働基本権尊重の精神も何ももうあったものではない、こういうふうに思うわけでございまして、単にこれは係争中だからどうのこうのという問題ではなしに、やはり労働省が毅然とした態度を示すべきではないか、そういうふうに思うのでありますが、重ねてお尋ねをいたします。
○岡部政府委員 先生御指摘のように労働組合法二十七条の五項でございますが、再審査の申し立てば地方労働委員会の命令の効力を停止しないということになっております。しかしながら一方、同法は当事者の再審査の申し立て権を認めておりますし、また裁判所におきまして審理することも認められておるわけでございます。その行政訴訟になった場合における裁判所による緊急命令というふうな形を除きましては当事者に命令の履行を強制するという仕組みにはなっていないわけでございます。
 先生御指摘の労働委員会規則の五十一条の二における履行勧告の制度も、これまた法的強制力はない制度として昭和二十七年以来つくられているものでございます。したがいまして、現在のように中労委に係属し、あるいは裁判所に係属している現況におきましては、基本的には地労委命令につきましては使用者の任意履行にまつべきものであるというふうに解されるわけでございます。
○池端委員 ここで労働法規の解釈の問題をお尋ねしているのじゃないのですよ。そういうことは私どもも先刻承知でお尋ねをしておるわけであります。こういうような異常な状況を何とかして早期に解決をしてもらいたい。しかも、雇用の問題は来年三月三十一日がリミットになっておるわけですね。そういう差し迫った問題でございますから、やはり今までの姿勢を一歩乗り越えてもっと積極的に立ち向かう、そういう姿勢を示してもらいたい。それがリクルート問題でいろいろ労働省に批判が出ているその汚名を挽回する道でもあると私は思うのですよ。そういうことで、ぜひ前向きの姿勢をとっていただきたいということを強くお願いしておきたいと思います。
 そこで、今申し上げたように、一日も早い労使の正常化が世論からも求められている。特に、今日安全輸送確保の観点からもいろいろな問題が指摘をされているわけであります。中央線の東中野駅の衝突事故の問題やら飯田線での正面衝突事故等も出てまいりました。こういう大事故が出ておるわけであります。私はかねて災害対策特別委員会で、今の労政局長の岡部さんが監督課長のときに例のニュージャパンの問題を取り上げたことがございます。あのニュージャパンでも当時不当労働行為が非常に横行しておって、ああいう大事故につながったわけでございます。そのことを私は今想起しておるわけでございます。JRもまかり間違えばその二の舞になる、私はそういうふうなことを懸念するわけでございますし、また今も申し上げましたけれども、清算事業団の雇用問題は来年三月三十一日までの時限立法でございます。ですから、事の解決は急がなければならない緊急な問題でございます。これについての大臣の御見解とJR各社に対する強力な行政指導をお願いをしたい、私はこう思うわけでございますが、これについての所信のほどをお伺いをしたいと思います。
○丹羽国務大臣 ただいまお尋ねのことにつきまして、私の考えを率直に申し上げて答弁させていただきたいと思います。
 先生もおっしゃいましたように、JR各社の事業が円滑に行われるためには、各社の労使関係が安定しておることが最も重要であり、JR各社が安定した労使関係を保っていくためには、労使が信頼関係を持って十分に意思疎通を図っていくことが最も必要であると考えております。このような考え方に立って、労使関係安定の重要性についてJR当局をこれまでも指導してきたのでありまするが、先生からも御指摘がございまするので、私も同感でございますから、今後とも運輸省とも十分な連絡をとりながら、JRの労使関係の安定に全力を挙げて努力するよう努めてまいりたいと思っております。
○池端委員 今後とも運輸省とも協議をして十分な対策を講じていきたいという大臣の決意のほどをお伺いしたわけでありますが、ぜひそれを強力に進めていただきたい、このことを重ねてお願いを申し上げておきます。
 具体的な提案でございますが、どうでしょう、労働委員会の権威を守り、ひいては労働省の行政責任を明確にするためにも、JR各社の社長を労働大臣が集めて、そしてその株主でもある政府の立場から改めて強く指導する、こういうような方法をとっていただけないでしょうか。このことについては事前に通告はしておりませんでしたけれども、この点について検討していただけませんか。
○丹羽国務大臣 せっかくの御提案で、私も聞いておりましてもっともだ、こう思いまするので、どういうぐあいにやった方がいいか、ひとつ時間をかしていただきまして検討させていただきたい、こう思っております。
○池端委員 申し上げたいことの多くは時間の関係もありまして申し上げられませんでしたけれども、今特に北海道、九州等を中心にしてこれは非常に大きな政治問題になっておるわけでございます。労働省もこの問題についてはぜひ積極的に、前向きにこの労働委員会決定を守らせる、そして国鉄清算事業団にいる仲間の人たちの雇用の問題をしっかりとする、こういう立場から今後とも全力を挙げて、全省を挙げて取り組んでいただきたいということを強く強く申し上げて、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
○津島委員長 渡部行雄君。
○渡部(行)委員 まず大臣にお伺いいたしますが、この間の所信表明の中で、最も重要な点は我が国の経済的地位にふさわしい豊かな勤労者生活の実現であるという旨のことが述べられたわけですが、そこで第一に、我が国の経済的地位と豊かさとをどのように評価されておられるのか、これをひとつ国際的にお話しを願いたいと思うのです。
○丹羽国務大臣 お答えさせていただきます。
 ただいま渡部先生から、さきの日に私が所信において述べました、我が国の経済的地位にふさわしい豊かさという言葉を使っておるが、これをひとつ具体的に説明しろ、こういうお尋ねでございます。なるほどこういう言葉が最も適した言葉であると私は思って使ったのですけれども、さあこれを具体的に説明しろと言われまするとなかなかこれは難しいことでございますが、考えておりますことを素直に申し上げましてお答えにさせていただきたいと思っております。
    〔委員長退席、高橋(辰)委員長代理着席〕
 我が国の経済的地位にふさわしい豊かさとは、物心両面にわたる充実した幸せな生活を確保、維持することであると考えております。
 その具体的なことは何か、こうおっしゃいますが、具体的にはまず雇用の安定の確保を考えております。第二番目には、労働時間の短縮による自由時間の充実。自分の自由になる時間をもう少しふやすようにすることはできないか、こういうことを考えております。三番目には、長い職業生活を通じての安全で健康的な生活の確保を考えております。四番目には、安心できる老後の生活の確保。特に高齢化社会になってまいりまするので、高齢者の雇用等を考えまして、安心できる老後の生活の確保を考えております。
 なお、住宅問題でございますけれども、快適な居住生活の確保等が実現されることを意味するものであると考えておりまして、私としても、まだまだあるでしょうが、このような目標に向けて積極的に労働政策を推進してまいりたい考えでございますので、どうか先生の御協力のほどお願いをいたします。
○渡部(行)委員 よく日本の経済力は世界一だと言われておるわけですが、しかし労働者の生活実感というものは先進諸外国に比べて非常に低いではないか、こういうことをよく耳にしたり本で読むことがあります。今、実際に西ドイツでは週休三日制がとられておる企業もあるし、大体そういう方向に向かっているやに聞いておりますが、こういうことを考えますと、果たしてこの最重点課題の豊かさというものを今の手法で実現できるのかどうか非常に心配するものでありますが、それに対する大臣のお考えをお述べいただきたいと思います。
○丹羽国務大臣 お答えさせていただきます。
 ただいま私の述べたこと、こうしたことに豊かだということの具体的なことを申し上げましたが、これを逐次具体化していき、実現化していくことであろう。まだほかにもございましょうが、まず私の申し上げたことをひとつ進めていきたい、こう思っております。それをやらなければ本当に豊かな労働者の生活といいますか、働きがいのある明るい人生を送ることはできない、こう思っておりますので、どんな苦労がありましても、難儀さがありましても、それを推進するために努力をさせていただくように労働省は努めていきたいと思っております。
○渡部(行)委員 次に、経済構造の転換と就業形態の変化、多様化等との表現がありますが、この転換とか変化という現象はどういう時点からどのような要素によって判断されたのか、その時点と要件についてお聞かせ願いたいと思います。
○清水(傳)政府委員 昭和六十年秋以降の円高を契機といたしまして、大幅な対外不均衡を是正していくためにも、また国際的な我が国の責任を果たしていくためにも、我が国経済、外需依存型の経済成長から内需を中心とした経済成長を実現する、そういう方向へ向けての構造に転換をしていくのが非常に大きな課題になってきておったことは御承知のとおりでございまして、そういう方向へ向けて雇用面におきましてもそうした転換が円滑に進むように、私どもの方も各般の施策を通じて六十年以降さまざまな施策も展開いたしてまいったわけでございます。
 全体といたしまして、そうした中で産業なり職業構造の面で大きな変化が起こってきておる。これは産業別の就業構造あるいは職業別の就業構造、こうした面で大きくそうしたことが見てとれるわけでございます。また、そうした中で一方、地域間の雇用機会の格差の問題、こうしたところも懸念をされておるところでございます。
 就業形態の多様化という面につきましては、いわゆる経済のサービス化その他を背景といたしまして、また女子を中心とした就業意欲の高まりというものもございまして、パートタイム労働者の増加を初めといたしまして派遣労働者あるいはアルバイト労働者、いわゆるフリーワーカー的な層が第三次産業を中心に増加してまいってきておりまして、そうした層あるいは企業の人事・労務管理のあり方等を背景といたしまして、就業構造、就業形態の多様化ということが最近特に顕著に見てとれる、こういうふうに見られるわけでございます。そうした事柄を申し上げておったところでございます。
○渡部(行)委員 今の問題は、これは例えば日本の産業構造がどういうふうにその重点が移動してきておるか、あるいは就業人口の割合がどういう変化をもたらしてきておるのか、そういうもろもろの条件によって今後どういう方向に労使関係なり雇用全体の問題が動いていくのか、あるいはサービスについても、そういう点もっとわかりやすく御説明願いたいと思いますが、ひとつお願いします。
○清水(傳)政府委員 具体的な数字を挙げて御説明申し上げるのが一番いいかと思うわけでございますが、現時点適切な資料を持っておりませんが、やはり産業構造といたしましてはこうした傾向はなお持続的に続いていくものであろうというふうに考えられるわけでございまして、サービス経済化の進展も同様であろうかと思います。いろいろ企業の動きにいたしましても、産業間の壁を乗り越え、また企業の壁を乗り越えた横への相互の提携の中でさまざまな活動が行われてきており、そうしたことを反映いたしまして、企業内外の労働市場の面におきましても、国民の価値観の多様化とかそうしたこともバックにしながら、今
大きなうねり的な変化が進んできておる、このように見られるわけでございまして、今後の労働市場のあり方というのがそうした中でさまざまな形でのいわゆる労働力需給の不適合、ミスマッチと申しますか、そうしたしこりが大きくごろごろ残りながら、労働力需給の全体の中期的な今後の変化の中でさまざまな問題点が惹起をしてくるであろう、このように考えておるわけでございまして、そうしたところへ向けて今後雇用対策等の面できめ細かな努力をしていかなければならない、このように考えておるところでございます。
○渡部(行)委員 そこで、この労働大臣の所信表明の中で、雇用情勢において地域間格差が拡大しているという指摘がなされておりますが、それはどういう地域において格差が出ておるのか、あるいはどういう原因でそういうことが起こっておるのか、その辺に関する考え方と、さらに人材の地方還流の促進について触れておられますが、その具体的な手法はどういうふうにして還流をさせていくのか、この辺について御答弁をお願いいたします。
○清水(傳)政府委員 雇用就業情勢、全般的に顕著な改善を見せておるわけでございますが、そうした中で、調整過程の中で、いわゆる不況業種に大きく依存をしてきたり、あるいは産業の集積度合いの少ない、こうした構造的な問題により地域によって改善がなお緩やかであったり、あるいは全国的に見て地域間格差が拡大をしているというふうに指摘もなされておるわけでございまして、六十三年一年間で雇用増百万人、そのうち南関東が際立って就業増加が大きいわけでございます。これが三十数万人、近畿が二十数万人、東海が十数万人、こうしたところでもうほとんどを占めているという状況でございまして、それ以外の地域におきましてはなかなか目ぼしい雇用増が図り得ていない、こんなふうな状況になっておるわけでございます。全体としての底上げはある中で、そうした格差という意味合いにおいてさまざまな課題を抱えておる、私どもこのように見ておるところでございまして、そうしたところへ向けまして、地域雇用開発等促進法に基づきまして地域開発の援助あるいはそれぞれの地域において自主的な形で雇用開発への援助、努力を助成するような施策を展開すると同時に、ただいま御指摘ございました人材の地方還流対策、これはさまざまな地域問題がございましてなかなか一色に言うわけにはまいりません。近畿なら近畿あるいは東海地方なら東海地方、それぞれがまたそうした地域問題を持っております。過疎地域の問題もございます。やはり地域間格差の是正なり雇用の開発という面におきまして、人材の問題が非常に重要な要素を持っておるところでございまして、多極分散化の視点に立ちました人材の地方還流対策をここで新たに今般取り上げで実施していこうといたしております。
 具体的には、東京圏に人材Uターンセンターというのを設置いたしまして、各地域の新たな企業立地なり事業展開あるいはそこで必要とされる人材についての情報を各地域からUターンセンターに集約をいたしまして、そこで地元へのUターン就職の実現に援助をしてまいりたい、こうした構想を推進もしていくことといたしているところでございます。
○渡部(行)委員 ただ、人材uターンセンターというものをつくれば地方還流ができるか、これは非常に問題のあるところだと思います。大体地域間格差がなぜ生ずるかというと、それはその地域なりの産業の構造によって生じていると言っても過言ではないと思うのです。したがって、その地域に人材が少ないとこるには、その人材を必要とする企業を誘致するなり配置するなり、あるいは一つの研究センターを配置するなり何かの具体的な方策がないと、人材還流というのはなかなか口で言うようにできないと思うのですが、その点についてはいかがなものでしょうか。
○清水(傳)政府委員 まさに御指摘のとおりの面が非常に強いと私も考えるわけでございまして、私ども、具体的にはもちろん関係各省庁との連携ということも踏まえつつ、地域雇用開発協議会、こうしたものを市町村あるいは産業団体等との間で各地域につくっていただきまして、そうした中でそれぞれの地域での地域振興、地域開発、地域雇用開発、こうした面での青写真、具体的なアイデアを出していただき、そうしたものから生まれてくる地域における雇用開発に対する援助を行っていくという手法を講じつつ展開をいたしてまいってきております。
 これまでの間、地域雇用開発等促進法に基づきます地域における雇用増というのも相当な実績をこの一年の間上げてまいった面もございますが、さらに平成元年度におきましては、地域関係者が一体となった大規模で波及効果の大きい雇用開発プロジェクトの援助事業を創設するということも予定をいたしておりまして、こうしたことを通じまして施策を展開いたしてまいりたいと考えております。
○渡部(行)委員 次に、高齢化社会の対策について述べられております。そこで「我が国が経済社会の活力を維持していくためには、六十五歳程度までの雇用就業の場の確保が極めて重要な国民的課題となっております。」とはっきり言い切っておられるわけでございますが、六十五歳までの労働力を活力として就業させていくには、それを保障する制度が当然考えられなければならないはずだと思うわけでございます。したがって、その方策、例えば定年制の六十五歳延長やあるいは一部労働と年金の前払い等を組み合わせるなど、その他いろいろな工夫によって退職後年金支給時まで豊かな人生が送られるようにする必要があると思うのでありますが、その点大臣はいかがにお考えでございましょうか、お聞かせ願いたいのでございます。
○竹村政府委員 先生御指摘の六十五歳までの安定した雇用をこれから確保するということが、本格的な高齢化社会を迎えて我が国の喫緊の課題となっております。ただ、現在六十歳定年の定着化という対策を進めておりまして、私どもといたしましては、それがほぼ定着したという解釈をとっております。したがいまして、今後は六十五歳まで御指摘のようにいかようにしてでも雇用を確保する、そしてまた基本的には生活の保障を図るということが労働行政としての大きな柱であるというふうに認識しております。
 しかしながら、六十歳を超えて、特に六十歳代前半層の雇用対策を考えますときに、いろいろな要件が変化してまいります。一つは、個人サイドのいろいろな就業のニーズが多様化するとか、そういう問題もございます。そして、企業側にも労務管理制度なり従来の雇用慣行制度をいかに高齢化社会に適合したものに変えていくかというふうな問題がございます。私どもといたしましては、今後六十歳代前半層の雇用対策を進めてまいりますときに、今申し上げましたような人生八十年時代にふさわしい雇用のあり方、またそれに伴います国の施策の方向をまず確定するということが喫緊の課題ではなかろうかと思います。したがいまして、現在、平成元年度におきまして長寿社会雇用ビジョンというものをまず策定したい、そしてそういうビジョンをもとに労使の社会的な合意の形成を図りつつ、六十五歳までの雇用就業の場の確保について必要とあらば法的な整備も含めまして、先生の御指摘がありましたような問題に対応してまいりたいというふうに考えております。
○渡部(行)委員 大臣、私あなたを直接指名したのですが、なぜお答えにならないのですか。あなたの立場、最高責任者の立場で、ここにあなたの所信表明の中に書かれているのだから、それに対してお答えしてくださいと言ったら別な人が出てきて答えて、これはどういうことかわかりませんな。
○丹羽国務大臣 今先生のお尋ねで私がお答えしなくてはならなかったでしょうが、まず政府委員の方から具体的なことの説明を申し上げた方が、こう思いまして遠慮しておりましたけれども、せっかく先生の御指摘でございまするから、重ねて私からお答えをさせていただきたいと思います。
 事務当局もどんな答弁をするかというので私も答弁させていただいておる間ずっと眺めておりました。私は要点だけを申し上げますると、今後八十年時代にふさわしい雇用のあり方、国の施策の方向を示すということでございましょう。とにかく今後さらに八十年時代にふさわしい雇用のあり方や国の施策の方向を示すために長寿社会雇用ビジョンの策定を急ぎまして、これを通じまして労使の社会的合意の形成を図りつつ、これは労使の社会的合意がなくてはなりませんので労使の社会的合意の形成を図りつつ、六十五歳までの雇用就業の場の確保について必要とあれば法的整備も含めて、ここを私は力を入れて申し上げておきますけれども、六十五歳までの雇用就業の場の確保について必要とあらば法的整備も含めて必要な施策の展開を図ってまいりたい、こう考えております。
○渡部(行)委員 今大臣は非常に重要なお答えをされましたが、必要があらば法的措置を講じてもということは、例えば六十五歳定年も考えるし、あるいは民間においてはそれに倣うような一定の義務づけ等々、あるいは指導によってなされるかそれは別といたしまして、とにかく六十五歳までの就業の場は確保する、どんなことがあってもこれを実行していく、こういうふうに御理解をさせていただいていいでしょうか。
○丹羽国務大臣 高齢者の知識とか経験、能力というものは実にとうといものだと思っております。それだけ長く生きて経験しておられますから、その体験、知識というもの、経験というものは実にとうといものと私ども考えております。そういう考えから、やはり六十歳代の前半層の雇用対策は最重要課題として考えていかなくてはいかぬ、そういうことでございます。ただ、お役所に勤めてみえる人だけではなくして民間企業に携わっている人もおいでですし、そういう方々はやはり民間の考えも聞いていかなくてはなりませんので、直ちに延長するか、あるいは引き続いてやっていけるか、また新しい雇用ビジョンを考えて新しいよその職場を求めるようにしていけるか、いろいろ考えてみたい、こう思っておりまして、そうしたこと等を含めての法的な整備の必要があればまた国会に御相談を申し上げて考えていきたい、こう考えております。
○渡部(行)委員 それでは前に進みますが、一体、日本人の文化水準を維持しながらの活力を期待できる限界労働力というのはおおむね何歳で線引きするのが適正であるのか。もちろん、人それぞれに健康に差もあり、能力に差もあり、それぞれ技術にも差があるわけでございますが、そういうものをひっくるめて平均的に考えた場合どの辺が適当なのか、お聞かせ願いたいと思います。
○竹村政府委員 いろいろな労働関係の資料、例えば労働力の率だとかまたは雇用者比率というものを見ますと、一つは六十四歳までと六十五歳以上ということに非常に大きな差異がございます。例えば労働力を見ますと、いわゆる働き盛りの年代ですと七〇から八〇%台の労働力率でございますけれども、これが六十歳代前半層になりますと五四%台ぐらいになり、しかも六十五歳を超えますと二四%ぐらい、非常に格段の差が出ておるということがございます。また一方、雇用者比率を見ましても、五十歳代までと六十五歳まで、六十五歳以上ということには著しく違った状況にございます。
 そういうことから私どもといたしましては、一応高年齢者の雇用就業対策というものは六十五歳を一つのアッパーと考えまして、六十五歳未満を対象としてこれからも考えていけばいいのではなかろうかというふうに思っております。
○渡部(行)委員 大体、日本の政治というのは逆の方から進められることが非常に多いと思うわけでございます。例えば今度の年金一元化問題にいたしましても、また六十五歳支給開始年齢の引き上げにいたしましてもそうでありますが、結論を先に出して、そして後から条件づくりに入っていると言っても過言ではなかろうと思うわけであります。特に六十五歳支給年齢の引き上げなどは、退職してから六十五歳になるまでどうして生活をしていくかという、人間にとって一番大切な生きる問題について全然明確になっていませんし、具体的な対応が示されていないわけであります。こういうことでは今高齢者の方々は非常な不安におびえておるわけでございまして、そういう不安を取り除くという政府の役割からしても、この支給開始年齢まで退職した失業者の人たちが働く意思のある者はどこにでも働ける、自分の持っておる能力を十分社会的に発揮できる、そういうものを早くはっきりと示していただきたいと思うのですが、その点はいかがなものでしょうか。
○竹村政府委員 先生御指摘の厚生年金の支給開始年齢の問題もございまして、最近特に高齢者の就業対策というものの重要性が強調されておるところでございます。厚生年金の支給開始年齢の引き上げも、ある意味では高齢化社会に対応する一つの年金サイドからのアプローチということが言えようと思いますし、私どもといたしましては、厚生年金が問題になる以前から将来の高齢化社会というものを見通しまして、今申し上げましたように六十五歳程度までは何としても雇用就業の場を確保しなきゃいかぬ、そして先生が今御指摘ありましたような、適性と能力があれば働けるという社会を、また労働市場を構築しなければいかぬということを強く認識して今までまいった次第でございます。
 これからは、特に六十五歳という厚生年金の問題もございまして、従来以上に国民的課題というふうな形にこれを位置づけまして、労使はもちろんでございますけれども、例えば直接かかわりのない、また事業所やサービスの提供を受ける側の国民の意識も変えていって、そして働く能力があれば、また意思があれば、そして適性があれば六十五歳までは働けるんだ、こういう社会をできるだけ早く形成してまいりたいというふうに思っております。そのための手段といたしまして、先ほどお答えいたしました長寿社会雇用ビジョンというものも、一つの大きなきっかけといいますか、目標ということになろうかと思っております。
    〔高橋(辰)委員長代理退席、委員長着席〕
○渡部(行)委員 この問題は、非常に難しい問題であることには間違いありません。そこで、一応定年制等が今までは考えられてきましたが、一つの年齢で線引きをして、そこでいろいろな持っておられる可能性あるいは技術その他社会に役立つもの等々についてこれを十分引き出していく、そういう政策が今後はとられなければならないと思うわけです。ですから、そういう点では七十歳になろうと八十歳になろうと、すばらしい能力の持ち主に対してはどんどんとそれを発揮することのできる社会的条件をつくっていくことが大事ではなかろうか。もちろん社会主義の国のように労働を国家が確実に保障する、そういうふうになればまた別な論議が出てくるかもしれませんが、私は今の段階ではそういうことは申しませんが、もっと自由で、そして社会というものを意識して、自分個人のためでなしに社会、国家のために、あるいは世界のために、そういう一つの目的意識を持った労働というものを考える必要があるのではないか、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
○竹村政府委員 先生の御指摘はもっともな御指摘でございまして、私どもといたしましても、先ほど労働対策としては六十五歳という一応の線引きを考えておりますけれども、そのほかにせっかく長年職場で培った知識なり技術なり経験を特に社会に還元したい、そして役立てたいという方々も非常に多いわけでございます。そういう方々の対策といたしまして、例えば現在やっておりますシルバー人材センター、いわば働く、そしてその報酬を得るということが主目的ではなくて、地域社会に自分の技術、経験、そういうものをもって貢献するという趣旨の対策も講じておるところでございます。いわば、これから非常に高齢者層がふえてまいります。私どもといたしましては、このシルバー人材センターの拡充整備というのをまず現在は最重点で考えておりますけれども、その
仕事の内容、そしてそのシルバー人材センターでお働きになっている方々のいろいろな意見も十分取り入れまして、先生の御指摘のような社会というものを構築したいというふうに考えております。
○渡部(行)委員 そこで一つ聞きたいのですが、今度どうしても六十五歳年金の支給開始という一つの流れを見てみますと、財政上の問題が一番先に考えられて、高齢者の問題が重点に考えられているだろうかと頭をかしげる点もないわけではないのです。そこで、六十五歳が一つの労働者の年齢として定着した場合に、今度は年金支給開始年齢を七十歳まで引き上げる、こういうことはないでしょうか。その点、ひとつ念を押しておきたいと思いますが、いかがなものでしょうか。
○竹村政府委員 今、年金についてのお尋ねでございます。
 年金は、私どもの所管でございませんので非常にお答えしにくいのですけれども、私どもとして承知いたしておりますのは、五年ごとの財政の見直しといいますか、そういうものが今までされておりまして、財政の問題というのはやはり年金では非常にウエートが高いと思います。しかしながら、現在いろいろ長期の見通しで年金サイドの方で御検討され、お考えになっておるようでございまして、私どもといたしましては、当面六十五歳から支給されるということを前提にしていろいろなものを考え、また対策を講じていくという立場でございますので、よろしく御了解いただきたいと思います。
○渡部(行)委員 そこで、高齢者の労働力の有効利用というものが考えられるわけですが、改正前の高齢者法によりますと雇用率六%というものがあったのを、今度はこれを削除されましたが、それはいかなる理由によるものか、これはまた復活してもいいのではないかと私は考えるのですが、その点についてお伺いいたします。
○竹村政府委員 御指摘の高年齢者雇用率制度というものは、従来六十歳への定年延長を進めていくための行政的な手段として私どもが活用したものでございます。しかしながら、昭和六十一年に高年齢者雇用安定法におきまして六十歳定年というものが立法化されましたので、この際に廃止したということでございます。
 確かに今考えてみますと、六十歳定年というものに引き上げるについては大きな効果を発揮いたしましたけれども、一方、この雇用率制度というものは企業における例えば業種の違いとか業態の違い、そして個々の企業の年齢構成、こういうものが非常に多様であるにもかかわらず一律に一定割合を課すという問題点がございました。今後、この問題を高年齢者、特に六十歳代前半層の雇用就業対策を進めていくために、果たしてまた手段として有効かどうかということはまだ未知数でございますので、いろいろ今後とも幅広い形で六十歳代前半層は考えていきたいというふうに考えております。
○渡部(行)委員 そこで、この個別延長給付のうち雇用保険法第二十二条の二に係るものについては、なぜ適用しないことになっているのか、この問題について御説明を願いたいと思います。
○中井説明員 個別延長の二十二条の二という規定でございますけれども、これは昭和五十九年の改正で給付の体系が変わりました。その変わったところで、その中でも一部の非常に気の毒な方については、その給付の引き下げを阻止をするという意味で個別に、そういった不況地域であるとか特定の、法律に書いてあるような者に該当する人たちだけにその個別の延長給付を認めた、そういう趣旨でございます。
○渡部(行)委員 これは少し議論したいのですが、時間がありませんから次に移らせていただきます。
 労働者供給事業組合の雇用保険加入がもっと容易にできるようにすべきではないかと思うわけですが、雇用先が短期で変わる場合、加入者が非常に少ないのもここに原因しているのではないかと思うわけですが、この点についてはいかがなものでしょうか。
○中井説明員 労働者供給事業の許可を受けた労働組合から供給をされて事業主に雇用される人の中で、例えば臨時内職的な方というものは、これは雇用保険の対象にはなりませんけれども、供給先の事業所の適用事業におきまして、一般の労働者と同様に被保険者となるのが原則でございます。いろいろ適用の関係でおくれている面があるかもしれませんけれども、労働者供給事業の組合員の方につきましても、被保険者となるべき方については適用の促進に努めてまいりたいと考えております。
○渡部(行)委員 次に、登録型派遣労働者の雇用保険加入状況はどうなっているのか、この内容を数字等によって聞かせ願いたいと思います。そしてまた、パートをあわせて加入促進のための対策や措置についてはどうあるべきかを御説明願いたいと思います。
○津島委員長 雇用保険課長、みんなによく聞こえるように答弁してください。
○中井説明員 登録型派遣労働者につきましては、反復継続して派遣就業する者に対しまして雇用保険を適用しております。昭和六十三年度末現在におきまして、被保険者として取り扱われている者は私どもの集計によりますと約三万二千人と推定しております。
 それから、パートとの関係でございますけれども、派遣労働者がパートに、要するに短時間の被保険者に該当するような場合、今回の適用拡大ということになりましたらそれを契機にいたしまして、こういった方々についても一層制度の広報とか周知を図りまして適用促進に努めてまいりたいと考えております。
○渡部(行)委員 今、反復型の雇用者には適用していないという趣旨の御答弁がありましたが、これは短期雇用契約者が加入した時点でこの加入手続をとるように義務づけはできないものでしょうか。いわゆる雇用時に加入手続をとらせて、それを次に更新した場合あるいは何回かその更新の回数が重なった場合、そういうものが当然に加算されていって一年を経過すればこの支給対象、いわゆる受給資格を獲得する、こういうふうにできないものかどうか、その辺についてお伺いいたします。
○清水(傳)政府委員 雇用保険は、申し上げるまでもなく保険制度でございまして、そういった意味で保険事故を補てんをする、こういう性格のものでございます。当初から予定をされているそうしたものは保険制度になじまない、こういうことが原則であるわけでございます。したがいまして、短期雇用者の反復継続型の場合、その実態に応じての考え方というふうなものが出てくるわけでございまして、当初からはっきりした短期間の有期雇用、こうしたものを当初から雇用保険の適用というふうな形にするわけにはそうした制度の仕組みの上から難しいわけでございます。
 ただ、有期契約でございましても、これが反復更新が見込まれるようなそういうふうな実態があって、実質的に雇用期間の定めがない、それと同様の実態にあるというふうに認められる場合には、当初から保険の適用を図っていく、こういう取り扱いも必要になってくるわけでございまして、私どもそういう面の取り扱い基準が必ずしも明確じゃないじゃないか、こういう御疑問もこれはあろうかと思います。そういう点は今後も審議会等におきまして詰めまして、基準をさらにより一層明確にさせていく努力はさせてもらいたいと思います。考え方としては、そういうふうな考え方で対応してまいりたいと思います。
○渡部(行)委員 これは実際問題として、雇用主はなるべく加入してもらいたくないわけですよ。そうすると、そういうことが重なって本人のそういう意識も手伝って、いわゆるどうすればよいかわからないままに放置しておく、そういうのが続いて、やがてこの反復更新がなされて一年も優に過ぎて、おまえもう受給資格があるんじゃないかと言われて初めて気がつくというようなケースもないわけではないので、そういうことをさせない
ためにもこれはもう一つのセットにして、そこに雇用される場合にはこういう手続で雇用される。そうすればあとは今のコンピューター時代ですから、とても計算が難しいとかなんとかということは聞いていられない議論なのです。ですから、そういうことを考えた場合に、これは一つの義務づけとして考えてもいいのではないか、こういうふうに思うのですが、いかがなものでしょうか。大体そっちの方向に傾きつつあるようなお考えのように受け取ったのですが、もう一度お願いします。
○清水(傳)政府委員 取り扱い基準をできる限り明確化して対応していく、こういう考え方でおりまして、現実にそういう取り扱い基準の検討に関係審議会の部会において着手しつつある、こういう状況でございまして、そういう方向へ向けて努力をいたしてまいりたいと思います。
○渡部(行)委員 次に、短時間労働被保険者である高年齢継続被保険者が失業した場合の高年齢求職者給付金についてお伺いいたしますが、その額の定め方が一般労働者と違っている理由は、一体どういう条件あるいは理由によるものか、その辺を御説明願いたいと思います。
○中井説明員 現行の一般被保険者と高年齢継続被保険者との関係を申し上げますと、六十五歳をまたがって雇用されて六十五歳を過ぎて離職した方につきましては、本来の所定給付日数の約半分の日数の一時金を差し上げる、こういう制度になっております。
 今回、短時間労働被保険者につきましては、一般の被保険者と違った給付体系でその給付を決めておりますけれども、考え方は全く同じでございまして、短時間労働被保険者が六十五歳を超えて離職した場合には、その本来の給付、要するに短時間労働被保険者の給付の約半分の日数の一時金を差し上げる。ですから、考え方としては給付日数の一律二分の一というのが原則であるということでございます。
○渡部(行)委員 次に、多重就職者の取り扱いについてですが、その主たる方の一方のみを対象とするようになっておるようでございます。これを両方について考えることはできないものかどうか。つまり、午前中はどこかの事務所に働いて、午後は食堂に行って給仕をしたり皿洗いをする、そういうようなことも実際にあるわけでございますが、こういうものを両方を巧みに対象として救済することができないかどうか、これについてのお考えをお願いいたします。
○中井説明員 雇用保険におきまして多重就職者の場合、先生御指摘のように、生計を維持するために主たる一の雇用関係についてのみ被保険者としております。これは仮に両方適用いたしますと、失業の認定というのはどうしたらいいのか、片方だけの仕事がなくなった場合果たして失業と言えるのかどうか、あるいはその給付をどういうふうにしていったらいいのかということで、法制上非常に難しい問題が生ずるわけでございます。ただ、この問題につきましては、今回お出しをしております制度改正の議論をしていただきました中央職業安定審議会の雇用保険部会の中でも議論になりまして、今後の検討課題というようなことにされておりまして、私どもといたしましては、そういった就業形態の多様化というような状況を見ながら検討を続けてまいりたいと考えております。
○渡部(行)委員 そろそろ時間が参りますのであるいは最後になるかもしれませんけれども、雇用保険四事業について、その基本的問題に対する考え方をお伺いするわけですが、まず第一に、助成対象がほとんど事業主に限られているため、例えば有給教育訓練休暇奨励金などは、せっかく制度としてあるにもかかわらず事業主の意思でなかなかこれが使われていないということを聞いておるわけです。こういう問題についてはどういうふうに考えておられるのか。
 第二点は、この運営に労使代表が参加していないのはいかなる理由によるものか、今後参加させる御意思はあるのかないのか、その点について明確にしていただきたいと思います。
 第三番目には、この四事業費が職員人件費、施設費、事務費等に充てられて、所期の目的のために十分使われていないと聞いておるわけでございます。特に五年前の雇用保険法改正に対する附帯決議すら尊重されていないと言われておりますが、この問題についてどのようにお考えなのか、明らかにしていただきたいと思いますpO清水(傳)政府委員 御承知のように、雇用保険四事業の事業主負担の保険料率部分を財源といたしまして、雇用保険被保険者の失業の予防、雇用の改善、雇用の福祉の増進、そういう方向へ向けて積極的に努力をする、そうした事業主に対して助成を集約的に行っていくことによって全体として保険制度そのものの健全な運営に資していく、そういうふうな考え方が基本となっておるものでございます。
 そうした中で、今御指摘の有給教育訓練休暇制度、これは創設をいたしましたのは雇用保険四事業制度創設時以来のことでございます。ここがなかなか伸びないというのは、これは当時として教育訓練について休暇を導入する、こういうかなり相当先を進んだ政策なり、あるいは企業内の扱いという性格のものでございまして、そういった意味で一般的に普及がなかなか難しい面があったわけでございますが、いわゆる生涯教育訓練、こういうふうな考え方を推し進めてまいっております過程の中でその活用というのも図られてきつつある、こうした状況になっておるところでございます。
 それから運営面の参加という面でございますが、私どもの内部の中央職業安定審議会、これは三者構成の審議会でございまして、この中に雇用保険の四事業についての特別の部会を設けておりまして、雇用保険四事業の運営面につきましては定期的に、あるいは節目節目に重要な問題をそこで御相談しつつとり行ってまいっておるわけでございます。そうした意味合いにおきまして、労使参加型の運営は私どもとしてはそういった形で進めさせていただいている、このように考えておるわけでございます。
 この雇用保険四事業で行っております諸事業、今度の場合三事業というふうな形にいたしてまいることでお願いをしておるわけでございますけれども、相当な幅の広い形で運営をいたしております。いわゆる失業の予防のための雇用調整給付金制度、地域の雇用開発あるいは高齢者対策、それから基本的にはやはり需給調整というものを円滑に行っていくということがすべての雇用対策のベースになるわけでございまして、そういった意味合いでも雇用面への情報を提供していく、またそのベースになるさまざまな調査研究というふうなものも基礎的な部分としてこの四事業の経費を使わせていただいておるわけでございます。御指摘の人件費云々というのは、例えば能力開発面におきます職業訓練の施設の人件費とか、こうしたものはこうしたものでこの四事業で支弁をいたしておるところでございますが、私どもといたしましては節度のある経費の支弁、こういうことを常に念頭に置きつつ対応をいたしてまいっているところでございます。
○渡部(行)委員 時間が参りましたので、最後に一つ大臣にお伺いいたしますが、今日本の雇用情勢というのは大変変化をしておりますし、外国人労働者の受け入れ等も非常に問題になっておるところでございますが、最後に「良好な労使関係の維持発展を図る」、こういうふうになっておりますが、現実にこの良好な労使関係、そして近代的な労使関係というのは一体どういう関係なのか。私はそれを数字であらわすならば、やはり労働組合の組織率がどんどんと年々ふえていかなければならないと思うのですよ。ところが現実には減ってきておる。こういう問題を考えると、なかなか言うはやすく行うはかたしで、非常に逆に方向と違った歩み方をしているのはでなかろうか。こういう点に対する今後の対策として大臣はどのようにお考えですか、これをお聞きいたしまして、私の質問を終わります。
○丹羽国務大臣 先生のお尋ねの、労働組合員がどんどんふえていくことは私は好ましいことだと思っております。しかし、労働組合の数がふえるとか減るとかいうことは、これは組合の方でよくお考えになって、近ごろも連合とあれといろいろと問題が出ておりますが、そういうこと等もございますので、組合内部でよく御相談願えればいいことで、私どもは、働いていただく方々が結束してお互いの幸せを招くために頑張ってくれることは労働組合として結束してもらわなければ望まれぬことでございますから、労働組合員のふえることは心から望んでおります。しかし、組合の数云云は私は差し控えさせていただきたいと思っております。
○渡部(行)委員 終わります。
○津島委員長 この際、暫時休憩いたします。
    午後零時十六分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時三十三分開議
○津島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。新井彬之君。
○新井(彬)委員 私は、労働大臣の所信表明に対する質疑、また雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案について質問をさせていただきたいと思います。
 きょうはほかの省庁にも来ていただいておりますので、ほかの省庁の分を先に質問していきたいと思いますけれども、これは経企庁に対する質問でございますが、景気が今非常にいいわけでございまして、景気がいいということは労働条件の改善、労働者の生活向上ということについてはよくなる。しかし、景気が悪くなりますとやはり失業者もふえてどうしようもなくなるわけでございますから、今非常に景気がいい、その中で、今後の景気の見通しというのは専門家がいろいろ言われておりますけれども、まず経企庁に、これからの景気の見通し等についてどのように見ておるのか、お尋ねをいたします。
○森田説明員 お答えいたします。
 まず、最近の経済の現状でございますが、対外不均衡の是正を反映いたしまして外需がマイナスに寄与する一方、個人消費、設備投資を中心といたしまして国内需要が堅調に推移しておりまして、経済は自律的拡大局面をたどっているところでございます。また、企業収益も一段と増加しておりまして、先生御指摘のように雇用情勢も引き続き改善しているところでございます。
 今後の見通しでございますが、平成元年度につきましては、外需は引き続きマイナスに寄与するものと見込んでおるところでございます。一方、内需でございますが、一つは、個人消費が消費税の導入の影響というものが考えられますけれども、物価の安定基調が持続すると見込まれておりますし、雇用者所得の増加とか所得税減税の効果とかいうものも期待されるところでございますので、引き続き堅調に推移するのではないかと考えておるところでございます。また設備投資につきましても、堅調な国内需要を反映いたしまして着実な増加が見込まれるところでございまして、こういった点を考えますと、今後とも引き続き日本経済は好調を維持するものと考えているところでございます。
○新井(彬)委員 この経済の見通しというのは非常に難しい問題があろう。特に日本の場合は、世界の中の日本ということで世界一の債権国である。そういう中で貿易摩擦の問題とか、景気がよければよいでそういう問題にもなってこようと思いますし、そうかといって各国やはり保護主義的な動きというのもあるわけでございます。
 そういうわけで、経済運営五カ年計画というのを出しておるわけでございますけれども、これからの五カ年先くらいまでの予想というものをもう一度具体的に示していただきたいことと、その根拠を言っていただきたい。特に、これから景気が悪くなると言う人についてはいろいろな根拠を出しておりますし、よくなるならよくなるで根拠がいろいろ出ておるわけでございまして、これは経済学者の中にはいろいろありますけれども、経企庁として一体どんなようなことを出しておるのか、これをお尋ねいたします。
○新保説明員 お答えいたします。
 御案内のように去年の五月に経済運営五カ年計画というものを出しておりまして、この中では、昭和六十三年度から平成四年度の五カ年の成長率を三カ四分の三%程度というふうに出しております。
 その中身を見ますと、内需の方は過去よりも内需主導型への移行ということでやや高目の成長を見込んでおりまして、寄与度で見ますと四カ四分の一%程度ということであります。他方外需の方は、過去はプラスの寄与度を続けておったわけでありますが、経常収支の不均衡是正ということで今後五年間について見れば、平均的にはマイナスの寄与をするというふうな形を想定しておりまして、全体で三カ四分の三%ということに考えておるわけであります。それで、計画の初年度である六十三年度については実績見込みの数字がほぼわかっておりまして、この数字を見てみますと、内需の寄与度は六・二%ということでございまして、計画で見込んでおったものよりもはるかに高い数字になっております。これは消費、設備投資等内需が極めて堅調であるということであります。他方、外需はマイナス一%で、大体計画どおりにマイナスの形になっておるわけであります。
 お尋ねの先行きについてでありますが、今の六十三年度について見れば、全体として四・九%というのは我々が想定していたよりもやや高い成長でありまして、これがどんどん続くというふうには見ておりませんで、循環要因とか御案内のとおり世界景気の鈍化ということを反映して成長率はややスローダウンすると思いますが、それでも内需を中心に基本的には堅調な成長が続くというふうに見ております。その根拠の一つは、今後、いろいろな要因がありますけれども、特に景気過熱からインフレというのが欧米では心配されておりますが、この点に関してはアメリカでもヨーロッパでも従来よりも早目に金融政策の方で手だてが打たれておるということで、インフレ加速から景気後退に陥る危険性は比較的少ない。それから、国内の面におきましても設備投資は極めて好調でありまして、この背景には技術革新投資というものが相当盛んである。この傾向が続くとすれば、内需中心の高目の成長というのは今後数年間についてかなりの確度をもって見込めるのではないかというふうに見ております。
○新井(彬)委員 もう一つ、今もちょっとインフレの話が出ましたけれども、物価上昇というものがどういうぐあいになるかということですね。特に今日本でいろいろ指摘されておりますのは、賃金が上がった、賃金が上がったけれども三年間で実際の、実質賃金というのは一万円強である。こういう中で、やはり物価をどのように逆に言えば下げるかということが非常にこれからの課題になっている。こういうことがあるわけでございますが、世界のいろいろな主要国と比べまして、日本の安いものもございますけれども、大分高いものもあるわけでございます。それがなぜ下がらないんだということが今指摘されておりますけれども、物価を横ばいで維持するというよりも、安くする、下げる努力といいますか、そういうことについては今後どのように考えておりますか。
○井坂説明員 お答えいたします。
 最近の我が国経済は、先ほどもお話がございましたように、内需が堅調に推移して企業収益が一段と増加する。景気は拡大局面にございますけれども、物価は今のところまずまず安定をいたしておりまして、当面といいますか足元、景気を過熱してインフレになるというおそれはないというふうには思っております。
 ただ、我が国の物価をめぐります情勢、御案内のとおり為替レートが円安に振れておりましたり、あるいは原油価格の動向がこのところ強含み、あるいは企業の人手不足感の広がりというようなことがございますので、物価は息の長い景気
拡大にとって重要な条件でありますので、物価上昇面という点では引き続き努力をするというのが一つかと思います。
 それから、その後で御質問がございました物価水準の話でございますけれども、これは委員御指摘のとおり、確かに我が国の物価水準はここ数年の円高の影響等もございまして諸外国に比べますと割高な傾向にあるということは、私どもも十分承知をいたしております。もちろん、厳密に諸外国の物価水準と比較をするというのは生活様式の違いその他がございますので難しい点もございますけれども、概して言えば割高な面がある、それは確かにそのとおりだと思っております。それで、それに対しましては、計画でもいろいろな施策が挙げられておるところでございますが、少し述べてみますと、例えば円高のメリットのようなものを価格に適正に反映させていくようなPRに努めるとか、あるいは経済構造の調整を進めていく中で、例えば輸入の促進でありますとかあるいは農業等におきます生産性の向上でありますとか、さらには昨年末に閣議決定されました規制緩和推進要綱等に触れられております公的規制の緩和でありますとか、あるいは流通業における競争条件の整備、こういった内外価格差の縮小策というものにつきまして、私どもといたしましては各省庁の御協力を得まして施策を進めてまいりたい、かように考えております。
○新井(彬)委員 所得は、今ドル換算なんかしますと日本が最高になっている。しかし豊かさということにつきましては、いろいろのデータを見てみますとちっとも豊かではないということを思っていらっしゃる方が大分おられるわけですね。したがって、これからは豊かさを保つというためには、どうしても賃金と見合って、諸外国と同じような状況の中で物価というものを安定させなければいけない。高いものを安くしなければいけない。そういうことで上げる、高くすることについては努力をされておりますけれども、もう一歩突っ込んで見直しをして、物価というものを下げる努力を今後ともきちっとやっていただきたい、このように思うわけでございます。そういうことで要望だけ経企庁にいたしておきます。
 次に、通商産業省にお伺いするわけでございますが、今後の構造調整を進めていくに当たっては雇用問題が一番重要になってくると思われるわけでございます。現在の構造調整の現状と今後の雇用確保の観点からの産業構造調整問題に対する通産省の取り組みをお伺いしておきたいと思います。
○前田説明員 まず、我が国の構造調整の現状について申し上げますと、プラザ合意以降の円高といった経済情勢の変化を背景にいたしまして、第一には製品輸入を中心といたしました輸入が大変伸びてきております。これは我が国の輸入に占める比率で申し上げますと、八五年度に三一%程度でありましたものが現在では五〇%までシェアを上げてきておるわけでございます。そのほか、海外生産比率が上がってきておりますし、また国内では内需主導型の経済成長が定着しておるというふうなこともございまして、私どもは構造調整は全体として着実に進展しておると見ております。また、これを雇用面から見ますと、最近におきましてはサービス業とか情報通信といった産業の分野で雇用確保への貢献が進んでおります。
 次にお尋ねの、雇用確保の観点からの産業構造調整に向けての私どもの取り組み方でございますが、私ども通産省といたしましても、産業構造調整を進めていく上で雇用をいかにつくり出していくかというその重要性は十分認識しております。したがいまして、私どもといたしましては、まず一方におきましてはマイクロエレクトロニクスとか新素材といったような技術革新を進めまして、そういう産業分野を広げていくと同時に、また情報サービス産業を初めとするサービス産業の分野、これも伸びていく分野でありますから、こういったところで雇用機会の確保に努力をしていきたいと思っております。また、これとあわせまして、そういった全体の雇用を伸ばすということのほかに、ミクロ的に見ましても業種別あるいは地域別の雇用に配慮いたしまして、いわゆる円滑化臨時措置法を中心といたしました構造調整の円滑化施策あるいは地域の活性化施策を引き続き図ってまいりたいと考えております。
○新井(彬)委員 通商産業省が平成元年の五月に「最近の我が国の構造調整について」というのを出しているわけでございますが、「構造調整の基本的方向」として「構造調整により達成すべき目標」、一つが「対外不均衡の是正」、一つが「国内の産業活力の維持」、一つが「国民生活の質の向上」、これは実感としての生活向上ということだと思います。それからまた「構造調整の進め方」については、「供給面からは、雇用の、ミスマッチの回避、地域経済の活性化、」こういうことがあるわけでございます。この雇用のミスマッチの回避と地域経済の活性化ということは非常に今後大事な問題だと思いますが、私の知っている範囲においては、大都市圏においては非常に人が不足している。しかし地方に行きますとまだまだ人が余っている、こういうような状況になっておりますが、この点のところをどのように認識して、今度具体的にどのような手を打っていくのかをお伺いしておきたいと思います。
○前田説明員 構造調整の過程で雇用にミスマッチができてくる、これは主として地域的に出てくるというのは御指摘のとおりであります。私ども先ほど申し上げました円滑化法によりまして地域の活性化に努めておるわけでございますが、最近の状況を申し上げますと、いわゆる企業城下町と言われたような地域、大きな企業がその地域にあってその企業に大変な雇用を依存しておる地域、こういうところでは、一般的な物の申し上げ方をいたしますが、まだミスマッチの存在といいますか、雇用を改善する余地が大分ある。これに対しましていわゆる輸出などの産地でございますね、特産品をつくっている、そういう産地におきましては、比較的改善が進んでおる。こういうふうな色分けもできようかと思います。
 そのほかにも、地域によって状況は区々でございますけれども、私どもといたしましては、都道府県や市町村においても企業誘致努力あたりを最近では大変熱心にやるようになってきております。単に日本企業のみならず、海外からの外資系企業というものの導入についても地方は熱心になってきておりますから、そういったエネルギーを上手に組み合わせるような形で地域におけるミスマッチが一日も早く改善していくように努力を重ねてまいりたいと思っております。
○新井(彬)委員 もう一つ、これからの世界の状況を見てまいりますと、いろいろな製品について発展途上国であるとかNICSであるとか、いろいろな国からも追い上げられているわけでございまして、どうしてもこれからの日本の経済というものを安定させていくためには技術革新をしていく必要がある。こういうことで通産省は、その一つの仕事の中に技術開発ということがうたわれておりますけれども、これを今後どういう形で、予算的にもどのように伸ばしていくのか、具体的にお伺いしておきたいと思います。
○上村説明員 先生御指摘の技術開発政策でございます。
 我が国の産業技術水準を欧米と比較をいたしますと、カメラでありますとか時計でありますとかオーディオ、ビデオ機器といったような従来型の製品、それから最近のファクシミリでありますとか半導体メモリー、VTR等々のいわゆるハイテク製品につきましては、世界のトップレベルにあるかあるいはそれに近いものが多数ございます。しかしながら、二十一世紀を支えますような最先端の研究分野の技術水準を見ますと、一部の素材でありますとか素子はトップレベルにあるものの、多くの分野で立ちおくれが見られることは事実でございます。したがいまして、最近欧米各国から基礎研究ただ乗りという批判も一部出ているところでございます。したがいまして、御指摘のとおり今後の産業技術開発政策の最大の課題といたしましては、世界の知的共通財産を生み出す観
点から二十一世紀を支える技術革新を率先して日本が行い、基礎研究を中心とした研究に取り組むことを政策の基本といたしております。
 第一に、工業技術院には十六の国立試験研究所がございまして二千五百人の研究者を擁しております。ここで基盤的基礎研究を鋭意推進をいたします。第二に、国民経済上重要であり、また開発期間も長く、リスクも大きくて膨大な資金を要するプロジェクトにつきましては、国みずからあるいは民間の能力を活用して開発を進めてまいります。これら施策が大型プロジェクトあるいは次世代産業基盤技術研究開発プロジェクト、エネルギー関係ではサンシャイン、ムーンライトプロジェクト等々でございます。第三に、我が国は民間企業の研究開発活力も相当なものがございます。この活力を基礎研究、応用研究面で発揮するために民間の研究開発の環境条件の整備を進めてまいります。基盤技術研究開発促進センターによる出融資等々の施策でございます。
 これら施策に加えまして、御指摘のとおり先進国との先端国際共同プロジェクトの共同開発、あるいはNICSあるいはLDCに対しまして、日本の生産技術等々の移転につきまして施策を講じておるところでございますとともに、外国研究者の国立研究所への受け入れ等々につきまして施策を講じているところでございます。今後とも、御指摘のとおり二十一世紀を担う基礎研究分野で努力を続けたいと考えております。
○新井(彬)委員 もう一点だけちょっと聞いておきたいのでございますが、通産省として、先ほども産業構造の調整とかいろいろなことをやっていただいておるのですが、雇用の形態というものが今後どのようになっていくのかということをちょっと聞いておきたいのでございます。
 私の知る範囲では、日本の雇用形態というのは、大体学校を卒業して一つの会社に入りますと終身雇用制である。最後まで働いて退職される。こういうことでございましたけれども、その中にもうワンクッションとして下請企業というのを入れるわけですね。二回のオイルショックにおきまして、このままいったら大変である、何とか人件費というようなものを切って労働コストを非常に下げなければいけない、こういうことですから、まずは構造不況業種については下請は切ってしまう。その次には正社員も切る。そこで今度出てきたのは何かといいますと、パートタイマー的な雇用の形態である。したがって、それが今八百万人、これからどんどん伸びようかと思いますけれども、とにかく企業とすれば終身雇用制で二億円払わなければいけないのを、パートにすれば非常に効率的に逆に給料は一億円くらいで済むのじゃないか。また仕事をする方も、そういう終身雇用制とかそういうことよりも自分の好きな仕事を自分の好きな時間にやりたい。こういうようないろいろな条件がいまして、これからの雇用形態というのはいろいろな形で大分変わってくるのではないか、このように考えておるわけでございますが、そういう面については通産省はどういうようにお考えでございますか。
○前田説明員 雇用につきましては、私必ずしも専門的な知見を持っておりませんが、八五年からの構造調整の過程を振り返ってみますと、まず業種で言いますと製造業、つまり八五年から八八年くらいまでを比べますと、全体としての製造業の雇用は一時期大分減った時期もございますけれども、再び最近の景気等の影響でほんのわずかでございますが、八五年くらいからプラスのレベルではないかと思います。これに対しましてサービス業におきましては、百万人を超える雇用の増がこの間に見られたわけであります。こういうふうな産業構造の変更といいますのは、当然それぞれの業種に応じた雇用の形態といいますか特色を業種ごとに持っておりますから、その中で御指摘のようなパートを含めた部分が伸びてくるというのも事実であろうかと思っております。
 ただ、サービス業と言います場合に、大変幅が広うございますから、年齢によりましてある種のソフトウエアの分野、あるいはシステムエンジニアの分野、プログラマーの分野、いろいろによりまして年齢的なものもやや関係してくるものですから、労働力の流動化の傾向というのは次第に強まってきておるのではないかというふうに推察をしておるわけでございます。
 また、先生御指摘の中小企業の点につきましては、かねがね私どももそのあたり配意をしておるところでございますが、何しろ我が国がこれだけ大きな経済になりましても九九%というものは中小企業でありますから、そこで雇用がしっかり確保されておりませんと産業全体の基盤が揺らぐということになってまいります。したがいまして、いかなる形態をとるにせよ、雇用につきましては安定的な事業活動が中小企業分野を含めて行われることが大変重要であると思っておりますので、私どももそういった観点から今後とも雇用の安定的な推移について配慮をしてまいりたいと考えます。
○新井(彬)委員 それからもう一つ、雇用形態の変化というのは、きつい仕事であるとかあるいは汚い仕事といいますか、そういう仕事はなるたけしなくて、極端に言えばわりかた楽な仕事でよりょい仕事といいますか、そういう方向に向いている。この前からも大分問題になっております外国人労働者の問題についても、雇い主の方は日本の方々は来てくれない、労働力がなければもうどうしようもないということで非常にそれが問題になっておるわけでございますけれども、そういう一つの傾向性の中で、あらゆる業種にバランスよく行けるように考えているのかどうか。それだけ最後に聞いて、通産省に対する質問を終わりたいと思います。
○前田説明員 確かに、学校を出まして就職するその際の業種、どういうところへ人が行く傾向があるか、特にまたきつい仕事、汚い仕事についてどういうふうな状況であるかというのは、私どもも承知しておりまして、おっしゃられましたような傾向も出てきておると思います。企業にとりましては、特に最近では、その上に理科系、理工系を卒業した方がなかなか製造業に来てもらうのが難しくなっているというふうな、そういう問題もあるわけでございます。
 最近、海外に投資がどんどん進んでいる。それも従来とは違いまして、製造業を中心にして出ていったりする場合に、国内におきまして産業活動が適正に維持されておりませんと、それはいろいろ雇用上の問題も起こすことになります。現在まで私どもが分析、検討したところでは、いろいろ投資が進みましても、国内のいわゆる空洞化といったような心配は、一定の政策よろしきを得れば余り心配はしなくてもいいのではないだろうかということを考えておりますけれども、いずれにせよ、大変よく注意はしておかなければならない分野であろうと思います。
 さらに、外国人労働力の問題の御指摘がございましたが、対外的な問題もいろいろありますでしょうし、現在政府は入管法の改正を出しておるところでもございます。こういった審議の過程等を通じまして、引き続き国内におきまして健全な産業構造が実現され、また、それとの関係におきまして十分な雇用機会がつくり出されるように考えてまいりたいと思います。
○新井(彬)委員 では通産省、結構でございます。ありがとうございました。
 ほかの省庁を呼んでいますので、先にまた外国人労働者問題についてお伺いをしたいと思います。
 法務省入国管理局の資料によりますと、上陸拒否者数は昭和六十一年で二千七百五十一人、昭和六十二年四千百五十一人、昭和六十三年一万一千百七人、こういうことで大幅な増大となり、また不法就労者は昭和六十一年八千百三十一人、昭和六十二年一万一千三百七人、昭和六十三年一万四千三百十四人、前年比二六・六%の増となっておるわけでございますが、これらは入国管理局で違反事件として扱われたものでありまして、潜在的な不法就労者は十万人とも二十万人とも言われておるわけでございます。
 そこで、これら不法就労者が急増しておる実態について、労働省と法務省、外務省、経済企画庁、おのおのどのようにこれを分析されているのか、考えておられるのかをまずお聞きしたいと思います。
○町田説明員 私どもの所掌しております出入国管理及び難民認定法の基本的な考え方は、外国人につきまして在留資格というものと在留期間というものを決めて、そしてそれを通じて管理するという考え方でございます。
 御質問の不法就労者というのは、在留資格に定められた内容に違反して、働いてはいけない在留資格であるのに専ら働いている者、それから在留期間を正規の手続で更新しないで在留期間経過後も働いている者、これを私ども不法就労者と見ているわけですが、そのうちの要するに先ほど申しました在留期間を経過してしまっている者を不法残留者と申しておりますが、この不法残留者が非常に多いわけでございます。そういう基本的な考え方に立ちまして私どもは、出国した人と正規の在留期間内に出国しないで残っている者、これがどのくらいいるだろうかというようなことをコンピューターではじきまして、それを基本にいたしまして、あと摘発等で資格外活動の割がどのくらいあるだろうかというのをある程度推計いたしまして、そういった数字をもって大体の目安といたしておるわけでございますが、その数字によりますと、昭和六十二年末現在で、私ども不法就労者の数は約五万人というぐあいに見ておりました。それが六十三年の六月末現在で約七万人にふえまして、六十三年の十二月末現在で約十万人になった、こういうぐあいに認識しております。
 この数自体をどう評価するかということはいろいろ見方があろうかと思います。ほかの先進国に比べて数自体ではそれほど大きいとは言えないと思いますが、私ども非常に関心を持っておりますのは、増加率が非常に大きい、高いということでございまして、これは非常に警戒すべき重要な問題であるというぐあいに認識いたしております。したがって、現時点において適切な対策をとらないと将来の我が国にとって重大な影響を及ぼすものというぐあいに懸念いたしている次第でございます。このまま放置いたしますと、私ども所管しております出入国管理行政の根幹を脅かすだけでなくて、国内の治安、労働、社会生活、・保健等各般の分野に及ぼす影響も少なくないというぐあいに考えております。
○清水(傳)政府委員 近年外国人の不法就労者が増加をしておるそうした背景といたしましては、基本的には我が国と送出国との間の大きな所得水準の格差の問題、それからそれらの国々における雇用機会が少ないこと、また、円高により我が国へのいわゆる出稼ぎメリットが増大をしておるということ等が要因になっていると考えられるわけでございますし、また最近、我が国の労働市場に広がりつつございますいわゆる人手不足感の広がり、こうした面から安易に外国人労働力に頼ろうとする傾向が一部に見られることも一因ともなっているのじゃなかろうか、こういうふうに推測をいたしております。
○旭説明員 ただいまの不法就労問題でございますけれども、この問題に関しましては、対外的には別名ジャパゆきさん問題等とも言われております。我々、この問題はもう既に幾つかの省庁から御説明がありますとおり、我が国の内外の構造的要因等に起因する非常に新しい問題であるという形で憂慮しております。既に対外的な場におきましても、広く国際的な場ないし二国間の話し合いの席上において、我が国における外国人の人権侵害の問題としても注目をされつつあります。このまま放置した場合においては、対外的にも無視し得ない影響を及ぼすものとして我々としては早急に、かつ的確な対応が必要な問題であると認識しておる次第でございます。
○堀説明員 不法就労の問題につきましては、広範な影響を及ぼすものでございまして、経済社会全体にかかわる重要な課題というふうに考えております。昨年五月に閣議決定いただきました「世界とともに生きる日本」経済計画におきましても、そういう重要性にかんがみ明確な位置づけを与えているところでございます。
○新井(彬)委員 私は、この問題については各省庁が違った見解を出すことは当然のことではないかと思うわけでございます。それは、外務省はやはり世界との外交関係に当たっているわけでございますから、いろいろの都合でこれはやはりある程度入れるべきではないかとか、あるいは法務省はこれは入った場合は、逆の面ですね、治安であるとかいろいろの問題について問題が起こるのではないか、あるいは労働省は今度は日本の労働力がそれによって圧迫されるのではないかというようなことで、いろいろの省庁がいろいろなことを発表しているわけですね。
 例えて言いますと、外務省では外国人労働者の受け入れ、研修ビザを大幅拡充、滞在期間を二年にする、これはまだ決まったものかどうかはわかりませんが、基本的な考えとしてはこういうぐあいにやらないと、世界の国々に対して申し開きができない。それから労働省は、外国人不法就労、雇用許可制先送りということで、これは今後この問題についてはほっておいていいわけじゃないので、では一体どういうことを出されるか後でお聞きしますけれども、そういう形になっている。それからあと法務省の方としては、今までの法律が日本にはちゃんとあるわけでございますから、正式に仕事をしたがったらこういう形でいらっしゃいということを言われるわけですね。今度はそれをもう一つ法を改正して、雇い主も罰則規定を設けるというようなこともいろいろ考えておるようでございますが、この問題については私もいろいろの方から意見を聞いたり本を読んだりしたわけでございますが、プラスマイナスは必ずあるわけでございますね。入ってくれば入ってきたでの問題があるでしょう。また入れなければ入れないでの問題点がある。そういうものをやはり明確に整理を各省庁していただいて、そしてもしも入れる場合はこういうことできちっとやっておりますというものをつくらなければ、今後とも大分問題が出てくるのではないか。
 世界各国、いろいろ受け入れている。西ドイツだったら、初めイタリア人の方が入られて、それが今度はトルコ人の方が入られてというような経過で、一つのサンプル的なものとしてのプラス面、マイナス面というものもずっとあるわけでございますし、また日本は日本で、ああいう陸続きのECの国の中ではなくて、やはり海に囲まれて単一民族なんて言われてきたわけでございますから、そういう中にあっての問題点、これは別にあろうかと思いますが、そういうものをどこかが中心になってまとめてもらわなきゃいけないと思うのでございますけれども、この件について労働省、こういうのを出さないと言うのですけれども、労働省はこういうことに対して今何かお考えを持っておられますか。
○清水(傳)政府委員 御指摘のように、この不法就労の増加を放置すれば労働市場なり経済社会のいろいろな面で大きな影響をもたらすおそれもあるわけでございまして、労働省といたしましても、法務省等関係省庁とよく御連絡、緊密な連携協力を図りながら実効ある対応をしていかなければならない、このように考えておるわけでございます。
 いわゆる受け入れ問題といいますか、そういうあり方につきましては、昨年来各般の政府の計画その他閣議了解、閣議決定等をなされている局面が幾つかあるわけでございますけれども、共通して申し上げるならば、専門的、技術的な能力を有する外国人等について受け入れを拡大をしていくけれども、いわゆる単純労働者については慎重な対応ということが基本的な政府の方針になっておるところでございますし、私どももその立場で対応していかなければならないわけでございますが、現在入管法の改正が国会にも提出されておりまして、その実効ある運営というふうな面につきまして、私ども関係省庁御協力を積極的に申し上げつつやっていかなければならないと思っており
ますが、いわゆる専門的、技術的な能力を有する外国人についての受け入れという面についてはできる限り積極的な姿勢で臨んでいくことも必要であろう、そういう面での受け入れ態勢ということについてはきっちりした体制をつくって整備を図っていかなければならない。
 そういう点についての組織的な対応といたしまして、労働省内に外国人を専門的に扱うセクションを設置いたしまして、また事業主等に対しましても、いわゆる外国人雇用ということについての物の考え方について私どもの方からいろいろと御理解をいただくようなそういうことも積極的にやっていく、また保護の問題という面につきましても、出先にそれぞれ体制を整備をいたしまして、保護に欠くることのないような体制づくりもやっていく。こうした形をとりつつ、いわゆる発展途上国に対する協力、こういう面については、人材育成という面においていわゆる技術移転の促進ということが極めて重要であろうかと思うわけでございまして、そうした観点につきましても関係省庁と協議をしながら具体的な対応策をさらに検討をいたしてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○新井(彬)委員 一つは、日本の労働人口といいますか、単純労働は今のところは入れないことになっているわけでございますが、ある意味では単純労働をする方がだんだんこれから日本ではいなくなってくるのじゃないか。したがいまして、技術者とかそういう方というのが入ってくるのは、日本以上の技術者というのは非常に少ないのじゃないか、それはもう数えるほどしかないと思うのですけれども、やはりこの単純労働者というものが非常に必要になっている。いろいろのところで言われておりますが、中小企業でとにかく幾らやっても人は来てくれない、こういうような問題と、逆の意味で言えば、日本の労働人口というのは別の意味ではたくさん余っている。そういう労働人口が足らなくて中小企業の方が困っているところの配慮というものを考えなければいけないのか、そうじゃなくて労働人口は十分あるのだ、ただ不法就労者というのは、なおかつ賃金が安くて労働時間も長くて非常にコストが安くなるのでやっているのかというようなこともあろうかと思いますけれども、その辺のこれからの単純労働者の日本の動向というのは、どのように判断されておりますか。
○清水(傳)政府委員 特にいわゆる若年労働力等を中心といたしまして、勤労に対する価値観の変化というのが徐々に進行しておる面は否定はできないであろうというふうに思いますし、そういうことからいたしまして、いわゆる肉体的な労働あるいは余り魅力の少ないと思われるようなそういう業務につきたがらない傾向というのがふえてきておることも事実であろうと思うわけでございます。労働力の需要供給の全体のバランスの面、これはもちろんその経済全体の成長がどうしたレベルで今後進んでいくかということとも密接な関係はあるだろうと思うわけでございますが、そうした中で逼迫基調ということも十分予測されるわけでございます。
 ただ、その中におきまして、やはり高齢者の問題あるいは地域の問題、そういういわゆるミスマッチ問題を解決しなければならない問題として抱えておるわけでございまして、高齢者問題にいたしましても、いわゆる六十歳定年の達成率が六割に満たない、こうした状況でございます。こうした分野においてさらに一層今後力を注いでいかなければならない。私どもといたしまして、そうした高齢者の問題その他も含めましていろいろなミスマッチという大きなしこりが幾つか残っている、そうしたものをできるだけ解きほぐして、できるだけ需給の円滑な調整が図り得る、そういう方向にまずもって最大の努力をしていくべきであろうというふうに考えております。いわゆる高齢者問題はお金のかかる問題。そういう意味でもコストのかかる問題でございますが、外国人労働力を受け入れるということも、いろいろな意味合いで治安その他社会的な大きなコストを伴う問題でございます。私どもといたしましては、今申しましたような努力をまずもってやっていくことが先決であろう、このように考えておるところでございます。
○新井(彬)委員 労働者の問題でございますから、やはり日本の労働者との兼ね合いというものを一番中心で考えていかなければいけない問題かなとは思っているわけです。ただ、外国がいろいろ言ってくる中において、まあそれはそれなりのまた別の手当ての仕方、ODAとかいろいろあろうかと思いますので、そういうところもよく詰めまして、これから景気が非常に悪くなってきた、高齢化社会を迎えた、そういう中で、そのために非常に労働力が余ってしようがないというようなことはあってはならない、このように私も思うわけでございます。
 ただ、労働力というのはいろいろあるなと思うのですけれども、うちのおばあちゃんというか母が八十三歳、大体家で寝たきりみたいになっております、寝たきりではないんだけれども。ところが、だれか家にいないと出ていけないわけですね。何するにしても、だれか一人ちゃんといないといけない。ところが、六十歳でも七十歳でもいいのですけれども、だれかいてくれる人というのが今いないのですね。昔は、僕らの小さいときというのは、それこそこの前竜野でも夕焼け小焼けの赤とんぼの記念の会合をやっておりましたけれども、本当にお手伝いさんとかそういう方もたくさんおられまして、ある意味では非常に豊かな生活をしておった。しかし、今はちょっとした労働力がないために何にもできないというようなこともあるような状況になっているわけですね。
 そういうわけで、単純労働だからだめだとか、あるいは非常に技術を持っているからいいかというような世の中の仕組みにはなっていない。ただ、そういうようなこともあるので、いろいろの面からひとつ考えていただいて、各省と打ち合わせをして、労働力が足らなくないように、日本経済がちょっとでもよくなって、そして外国とも協調していける、そういう方向に向くのが一番ありがたいとは思いますけれども、そんなことを基本にして、ひとつ早急にきちっとしていただきたいな、このように思います。
 これは言っていると切りがないくらいたくさんの問題がありまして、きょうはこのくらいにしておきますけれども、もう一つは日本人学校の問題でちょっとお伺いをしておきたいのです。
 昨年の十一月、中国の上海市で、日本への渡航を希望する中国人青年たちが入国ビザの早期発給を求めて日本総領事館前に連日押しかけるという事件が起こったわけでございますが、この問題について外務省は今どのような状況をつかんでおられるか、お聞きいたします。
○旭説明員 この問題の事件発生の経緯は先生御案内のとおりでございますが、この問題が当初発生した去年の後半以降から日中間の大変な外交問題に発展しているということでございまして、日中当事者間では鋭意話し合いを続けてまいっております。そのような話し合いの中で、基本的なこの問題に対する収拾の方向といたしまして、現在存在します日中の友好関係あるいはその大局に悪影響を及ぼさないように配慮しつつ、両国間で共同して対処するということでもって意見の一致を見ております。
 そのような枠組みの中で、当面の問題といたしましては、これは日本語学校の方が既に中国にいる就学希望者に対して約三万八千ほど入学許可証を出したとされておりますが、その人たちの中から日本の入国基準に適合する人たち、我々これをいわゆる適格者と申しておりますが、その人たちの就学の実現に努力するということ。それと、そのような過程の中において、実際金は払ってしまったけれども日本には来れなくなったという人たちの問題、これはいわゆる金返せ問題と我々言っておりますけれども、この問題に関しましては、実は金を払った人、間に介在するブローカー、あるいは金を取った日本語学校の間のいわゆる民間の問題であるとして処理する。ただ、そうはいい
ましても、日本政府としても、できることは非常に限られておりますが、そのできる範囲内でもって、例えば日本人関係者の方に金を返すように指導する等々の当面の対応がございます。
 もう一つ、これと切り離しまして、中長期的に中国人就学生の受け入れのあり方の問題を考えようじゃないか。この基本は日本語学校の整備の問題でございますが、このような当面の課題あるいは中長期的な課題、これに沿って、現在日本政府部内の関係部局でもって鋭意努力しているところでございます。
○新井(彬)委員 この問題は、学校の問題だからということで文部省に聞きましたけれども、文部省はこれは一切関係がない。要するに、そういう学校は都道府県知事あるいは文部大臣に許可をもらってつくるような学校ではない、会社がやろうと個人が塾みたいにやろうとそれはもう自由である、そういうことですから、文部省はこれは一切関係がない。
 今度は入国管理の方は、とにかくきちっとしたビザ、それがなければ入れられない。それについては、その学校が実際問題勉強をするに値するところなのかどうなのかというようなことの基準がある。したがって、入管としてもこれは別に問題はない。ただ、問題が起こっているのは、ある人がとにかく日本人学校というものをつくって、そうして本来勉強中心ではない、要するに肩書がないと日本に入れないわけですから、そこへ入ってきて、そして就労する、仕事をするわけですね、そういうような形で入りたい。ところが入管の方では、今こっちに来て仕事をする場合は、日本人が経済人としての生活、面倒一切見ますということの保証人も要るわけですから、なかなかその保証人がいない。その保証人だってだんだん厳しくなっているわけですから、今まで三万円とか五万円のブローカー賃が今や二十万、三十万になっている。こういうことですから、問題はたくさんあるのです。大変なことですけれども、外務省としてもそれはもうどうしようもないわけです。したがって、日本では一切問題がない。これは詐欺事件みたいになりませんかといっても、私はこういう詐欺に遭いましたといって警察に問題が持ち込まれない限り警察は動くわけにはいかないというようなことにもなっているわけですね。したがって、これは我々日本人としては大変申しわけない、みっともない、こんなふうな感じを持っておるわけでございます。したがって、この問題についてこういうことを二度と起こさない、幾ら相手が外国人だからといって、詐欺をして金をとって入れないようなことをして返さないなんというようなことは許されるわけがないわけでございますので、これは入管の法律を変えてもなかなかできないかもわかりませんが、そういう面について外務省と文部省とそれから法務省の入管、そういうところの見解だけちょっと、問題点と解決の方法がありましたらお答えを願いたい、このように思います。
○西澤説明員 先生今御指摘のように、近年我が国と諸外国との間の国際交流の進展等に伴いまして、国の内外におきまして日本語学習を希望します外国人が非常に急増してきておるわけでございます。その学習目的というものも非常に多様化してきておる。そういう中で、こういう事情を背景といたしまして、我が国の国内におきましても外国人を受け入れて日本語教育を行う、いわゆる日本語教育施設というものもたくさん数がふえてまいりまして、また、その内容等あるいは水準等も極めて多様なものになってきておるのは御指摘のとおりでございます。また、そういうものの中には、従来こういうものが民間のいわゆる自主的な教育事業ということでその自主性にゆだねられてきたということもございまして、その教育水準や経営の内容というものに問題があるのではないか、あるいは先ほど来御議論になっております不法就労の隠れみのになっているのではないかというようなことを指摘されるような状況もまた出てきておるわけでございまして、こういう状況に対応いたしまして我が国といたしましては、我が国と諸外国との国際交流を進展させていくという観点に立ちますと、本当に日本語を勉強して積極的に我が国で学習に励もうという外国人に対しましては、これを積極的に受け入れて、今後とも質の高い学習の機会をつくっていくことが必要であろうということが基本的な考え方でございまして、このような問題の意識に立ちまして、上海での就学生問題発生以来、文部省といたしましても外務省あるいは法務省と緊密な連携をとりましてこれに対処してきたところでございます。
 特に文部省といたしましては、先ほど外務省の方からもございましたように、中長期的な立場からあるいは教育的観点に基づきまして、昨年七月に日本語教育施設の質的向上を図るための調査研究協力者会議を設けまして検討を行ってきたわけでございます。昨年十二月の二十三日に法務省、外務省等関係省庁の御協力も得まして、例えば授業時間数、教員数、教員の資格、生活指導担当者の配置等の要件を定めました「日本語教育施設の運営に関する基準」につきまして御報告を得たというような状況でございます。その後、この基準の趣旨を実現するための施策のあり方につきまして関係方面の方々と広く協議をしてまいったわけでございますけれども、この五月九日に日本語教育施設関係者などから成ります日本語教育振興協会というものを発足を見たところでございます。今後、同協会が中心になりまして、この基準に基づきます各日本語教育施設の審査・認定事業など、いわゆる日本語教育施設の質的改善を図っていくためのさまざまな各種事業が展開されていくのではないかというふうに考えておるわけでございます。文部省といたしましては、同協会が行います事業に対します援助、助言等を通じまして、真に日本語の学習に励もうとする外国人に質の高い学習機会を提供していくという観点から日本語教育の質的改善に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。
○堀口説明員 我が国におきまして真に日本語の学習を行おうとする外国人につきましては、委員御指摘のとおりその入国を許可することとしておりますが、他方、日本語の勉強を口実にして入国し、専ら就労活動に従事しようとする外国人につきましては、入国を認めないという方針で臨んでいるところであります。入管当局といたしましても、今後ともこれら外国人の入国審査に当たりまして個別に慎重な審査を実施していく所存でありますし、また、ただいま文部省の方から御説明がございましたように、これら就学生を受け入れる教育施設の適格性の確保につきましても、関係省庁と協力しつつ遺漏なきを期していきたいということでございます。
 それから、現在国会に提出中の出入国管理及び難民認定法の一部を改正する法律案におきましては、新たな在留資格として就学を設けることとするとともに、これまで内部的な通達の形をとっておりました入国審査基準を省令で定めまして、その明確化を図ることにしております。
○旭説明員 既に先ほど御説明申し上げましたとおり、中国との間ではこの問題に対処するための処方せんができ上がっております。そのもとにおいて今関係省庁の中で施策を尽くしておるところでございます。
○新井(彬)委員 まあとりあえずは、やはり外務省にお願いする以外にないと思います。
 バングラデシュとかいろいろなデータをこの前いただいたわけでございますが、ビザが要る国と要らない国があるのですけれども、ビザが要らないといってとにかく日本へ入ってきて、そのまま消えちゃって不法就労する。今は、上陸拒否をして本国へ帰す。その場合は、乗せてきた飛行機に責任があるわけですから、その飛行機を使って帰ってもらう。それから一泊する場合は、しようがないからホテルなどを紹介しますけれども、ホテル代も自分持ち、逃げないようにガードマンを一人つけるのですが、その費用も自分持ち。こういうことですから、金を稼ぎに来て、余り金を持っているとも思えないのですが、そんな支払いでも大分困るのではないかな。しかし、それを振り切
ってまたどこかへ行ってしまって日本で仕事をしている。
 今、入管の関係者の方々は大変な御努力の中で頑張っておられるなと思うわけでございますが、とにかく外務省を通じてビザの発給とかいろいろなときに、向こうの国に対して日本の国の場合はこういう条件でないと入国できないのですよということをよく教えてあげないと、私たち国会議員であっても、ではアメリカが一体どういう条件なら入れているのかとか自分はどういうものをとったら入れるのかということはなかなかわかりにくいわけでございますので、ましてはかの国の人が日本へ入ってくるときは、こんなうるさい法律があってこんなことになっているのかということはほとんどおわかりにならないのではないか。したがって、さっき言いましたような詐欺師的な男が、学校もつくるという希望もあるのでしょうけれども、行って先に入学金とか授業料を取ってしまって、実際には入ってこられなかったということがこれからもたびたび出てくる可能性は十分ある。特に中国の場合は、三万五千人ぐらいの方々がビザの発給を待っているというような現状でございますので、そういう問題についてはとりあえず外務省を中心といたしまして法務省あるいは文部省――文部省が幾らそういうものをきちんとしたからといって、来る人がわかっていなければ何にもならないわけでございますので、そういうところをよく詰めた上で国際問題にならないようにやっていただきたい、このようにお願いをしておく次第でございます。
 法案も質問するという約束をしましたので、まだこの問題も大分ありますけれども法案の方を少し質問しておきたいと思います。
 公明党の政策審議会と公明党婦人局によりましてパートタイマーに関するアンケート調査というものをやったわけです。これは労働省にちゃんとお渡ししているかどうかわかりませんが、昨年の八月から九月末にかけての調査でございます。これを読むといろいろな意識、実態というものが明らかになっております。本当にパートの方というのは大変だなということを思うわけでございます。
 その中で、一つは賃金の問題を取り上げますと、いろいろと書いてますし時間がないのであれですけれども、今最低賃金というのは時間給で四百二十八円、それから最低日額というのは三千四百二十四円、こういうことが決められているわけでございますが、これが最低が三百四十円あるいは日額が二千円とか、地域によっても大分違いがありますし、あるいは業種によっても非常に違いがある、こういう一つの実態がございます。それから、「一方、所定労働時間は、限りなく正社員の労働時間に接近しているにもかかわらず、その処遇をみると社会保障面では、雇用保険の適用がない人(八二・〇%)、健康保険の適用がない人(七八・三%)、労働災害保険の適用がない人(八二・五%)、厚生年金保険の適用がない人(八一・四%)」こういうことで、八割以上のパートタイマーというのが一般の労働者と同じように本来しなければいけないことがほとんど抜けているということがあるわけです。ちょうど昭和五十九年五月の名古屋地方裁判所の判決でも、「パートタイマーであることを理由に正社員と賃金を差別するのは、憲法、労働基準法に違反する」という判決も出ているわけです。
 それから、事業主の一つの認識でございますけれども、「パートタイマーには、労働基準法、最低賃金法、労働安全衛生法、雇用保険法、労災保険法は適用しなくてもよいとの誤解」というのを非常に持っている。「また、知っていても、企業側が負担を免れるために、適用していないケースもかなり多い」ということです。それからもう一つは、「雇い入れ時の労働条件の不徹底」というのがございまして、「労働基準法第十五条により、使用者はパートタイマーについても、主要な労働条件を明示することが義務付けられています。しかし、現状では、労働条件の明示が不徹底であり、よくても、採用の時に、口頭で説明を受けるという状況」である。だから、そのパートの方の初め勤めるときの気持ちというのは、ちょっと時間があいている、三時間がいい、あるいは五時間ぐらい行こうかな、それで職場は近くだ、いろいろな条件と雇用側とが気持ちが一緒になりまして、そしてパートに出かける。しかし賃金も、言っていることも大分違いがあるということでなるたけいいパートを探す、こんなことでずっと出発しているわけでございますから、働く方も自分たちは一般の正社員みたいなそういうことについての要求は一切できないのだ、同じように八時間働いてもこれはあくまで私はパートなんだ、だからほかのそういう法律は適用されないのだという認識も皆ほとんど持っているわけですね。また、たまたまそういうことでない人であっても、そんなこと言ったら雇用者に首切られてしまう、もうちょっとだからいいや、もう私は何カ月か何年かでやめるのだし、そんなことまで言っていられないという人もいる。この調査結果によれば、知っていて言わないのか、知らないで言わないのか、使用者側と労働者側が両方ともそういう状況になっている。こういうことについて、労働省としては一体使用者側に対してどのようなパートの問題の徹底をされているのか、お聞かせ願いたいと思います。
○佐藤(ギ)政府委員 パートタイム労働者につきましては、今先生からも大変問題が多いではないかという御指摘がございましたけれども、確かに使用者側にも、パートタイム労働者についても一般の労働者と同じように労働諸法規の適用が原則としてはあるというようなことについての認識が必ずしも十分でないということ、それから労働側も、働き始めるときに御自分の雇用契約の内容について十分確かめないで仕事を始めるとか、その他さまざまな基本的な問題から始まりまして、労働条件のさまざまな点につきまして問題があることは御指摘のとおりでございます。
 労働省といたしましては、パートタイム労働者のための対策要綱をつくっておりまして、これに基づいて指導しているわけでございますが、先ほど御指摘がございましたことのかなりの部分につきましては、この周知徹底、啓発、指導をさらに進めていくことで解決できるとは思っておるわけでございますが、さらにパートタイム労働問題専門家会議の先生方の御意見も伺いまして、その中間的な整理も行われておりますので、これを踏まえてさらにこうした対策を促進していきたいと考えております。
○新井(彬)委員 もう少し説明をいたしますと、労働条件の明示ということについては、現行法の「労働基準法第十五条では、パートタイマーを含め労働者を採用する際には、仕事の内容、賃金、労働時間などの労働条件を明示しなければならない」、このように規定されているわけです。そのうち賃金に関する事項については「施行規則第五条で書面を交付する方法で明示しなければならない」、こういうぐあいになっているわけでございますが、このアンケート調査によりますと、「賃金ですら文書で明示されていない人が、八〇・二%」いる。
 これはたくさんありますので、この本も後でお届けしたいと思いますが、今まではわりかたいい企業を調べたのですが、今回は従業員数が三十人未満のところも半分ぐらい入っております。もちろん、千名以上も入っております。しかし、確かに三十人未満というのはもう少し悪いわけですけれども、千人以上であってもいろいろのことで差をつけているという実態というものがあるわけでございます。したがいまして、労働省が雇入通知書というのを今奨励しているわけですけれども、これはしなければいけないという義務ではないわけですから、しかしこれからはやはり雇入通知書というものを一つの義務でなさなければいけないというぐあいに変えていただきたいと思いますが、その辺はいかがですか。
○佐藤(ギ)政府委員 義務ということになりますと、法的に規定しろということかと存じますが、この問題につきましては、パートタイム労働問題
専門家会議で労使の方々の御意見も十分聞かせていただいておりまして、その中間的整理も行われているわけでございますが、その中でとりあえずはパートタイム労働対策要綱をさらに拡充強化して、しかも役所がもっと周知徹底、指導、啓発に力を入れろということでございますので、とりあえずそういう方向でさらに一層努力をいたしたいと考えております。
○新井(彬)委員 もう一つは賃金の問題でございますが、最低賃金法からいっても大分下の賃金になっているわけですね。この賃金という問題についてはやはり最低賃金法というのがあるわけですから、それはやはり守るべきだということで、こういう問題についてはどのように認識されているのか。
○野崎(和)政府委員 先生御指摘のとおり、パートタイム労働者といえども最低賃金法の適用はございますので、それを下回るような事例がございましたならば当然是正をしていただく、そういうことで最低賃金の遵守にさらに努めてまいりたいと思います。
○新井(彬)委員 それから、今は雇入通知書だけのことを言ったのですけれども、雇用期間とか仕事の内容とか就業時間とか休憩時間、休日、賃金あるいはまた退職手当、賞与、雇用保険、厚生年金などの書面による明示を義務づけないといけないのじゃないかな、こういうぐあいにも思うのです。というのは結局、パートで長く三年とか五年になってまいりましていろいろなことがわかってきて、後になってこれは全く労働基準法違反ではないですかというようなことになりかねない状況もだんだん出てきたわけですね。したがって、やはり口頭だけでこうだああだと言うのじゃなくて、そういうときには何も高く払えとかいうのじゃない、自分たちのこういう契約でもってあなたところですよということを明示しないと、ここにもいろいろ出ております。例えて言いますと、自分は五時間で来た、しかしほかの人たちがみんな仕事をしているのでどうも八時間働かなければいけないみたいだというようなことで、本当は育児とか家事があるのでこの会社でこれだけの時間を働きたいというのが初めの話だったのだけれども、一年ぐらいたつとみんなの手前、正社員と同じように仕事をしているわけですから、自分だけパートで帰るわけにいかない。これはやはりきちっとした明示があれば、それをもとにして休むこともできるでしょう。私は五時間ですということで明確になるのですけれども、そういうようにはっきりしていないから結局うやむやに終わってしまう、こんなこともあるわけですね。
    〔委員長退席、伊吹委員長代理着席〕
 それからもう一つは、残業手当というのは、普通の正社員の場合は何時間以上は残業手当がつくんですけれども、パートの場合というのは幾ら夜中やっても、同じようにやってもやはり一時間幾らだというようなことだけで縛られてしまう、こんなこともあるわけです。
 そういうわけで、これからのパートタイマー制度というものについては、やはり使用者側もあるいは労働者側もよく周知徹底するようにしなければ、全く初めにできた、あんた何時間、時間幾らという程度に終わっているところはまだまだたくさんある。こういう実態調査でございますが、そういう問題についてはいかがでございますか。
○佐藤(ギ)政府委員 雇い入れの際に雇用契約の内容を明示するということは非常に重要なこと、これはもう先生おっしゃるとおりでございます。この問題につきましては、先ほど申し上げましたパートタイム労働対策要綱の中でも、パートタイム労働者につきましては雇入通知書という形でその内容を特に文書で明示するようにこれまでも指導いたしてまいりましたが、残念ながら必ずしも十分にこれが行われているとは言いがたい状況でございますが、先ほど申し上げましたパートタイム労働問題専門家会議での御議論の結果を踏まえまして、さらにこの対策要綱を拡充強化いたすことになっておりますので、できる限り雇入通知書というような形で文書での雇用契約の内容の確認が行われていきますように、さらに努力をいたしてまいりたいと考えております。
○新井(彬)委員 時間がかかるのでデータを言わなかったのですけれども、そんなわかっていないところの騒ぎじゃないんですね。口頭で説明する、雇入通知書、労働契約書、就業規則、その他、こういう明示の問題がありますけれども、例えて言えば雇用期間について何にも明示がないところが四六%もあるんですね。それから仕事の内容が一七・四%、始業時間とか終業時間が二一・八%明示がない。口頭で言っているのは、雇用の期間三三・四%、仕事の内容七〇・五%、始業終業時間六一・六%、こういうふうにずっとありますけれども、少なくとも口頭というよりも、こんなものはこうですというのはこれからサンプルをつくって出さなければいけないのじゃないかな、こういうぐあいに思うわけでございます。
 まだいろいろとお話ししたいことがございますが、時間が余りないようでございますので、最後に、これからのパートというものは労働者の中においてどういう立場の労働力になるのかということの認識をお聞きしたいと思います。
○佐藤(ギ)政府委員 最近、パートタイム労働者は急速に増加をいたしております。また、サービス経済化も進展しているわけでございまして、また女子の就業意欲も高まってくるというようなことでございますけれども、パートタイム労働者の就業の実態を見ますと、就業の年数、勤続年数も長くなってきておりますし、また質的にも変化が見られまして、責任のある仕事、専門的な仕事をする人たちもふえてきているわけでございます。このパートタイム労働につきましては、労働力の需要側、供給側両方にとって不可欠な雇用形態ということで私どもは重要な労働力となっているというふうに認識をしているわけでございますけれども、また反面、先ほどから先生御指摘のようにその就業の実態を見ますと、就業条件等につきましてさまざまな問題もございます。
 そこで労働省といたしましては、経済社会におけるパートタイム労働の果たす役割等を考慮いたしまして、パートタイム労働を一つの良好な雇用形態として社会的に確立するということと同時に、パートタイム労働市場の円滑な需給調整を促進する観点から、パートタイム労働者に対する雇用保険の適用の拡大のほかに、先ほどから申し上げておりますパートタイム労働対策要綱の拡充強化ですとかパートバンクの増設といったような対策を総合的に推進してまいりたいと考えております。
○新井(彬)委員 時間が参りました。最後に労働大臣に。
 私は、労働省というのは非常に大事な省である。少なくとも一億何千万人が基本的には労働省の肩にかかっている、やはり仕事をして豊かな生活をして、そして労働者の味方となっていろいろな法律をつくっていただいている、こういうことでございます。そういうことでこの労働行政は非常に大事だ、このように思っておるわけでございますが、労働大臣のそういう行政に対する御決意等を伺って、質問を終わらせていただきたいと思います。
○丹羽国務大臣 長時間にわたって先生が労働行政を中心にしてお尋ねになって、その中に先生の考えていらっしゃることがにじみ出るようにわかりました。
 今、最後に私に対して労働行政の必要性を説かれて、どういうような姿勢、考えでこの労働行政を進めていくかというお尋ねでございますが、私も、先生がお尋ねの中に、御意見の中にいろいろ述べられましたように、働く方々が気持ちよく働いてくれるように、明るく働けるように、楽しい働きができまするように、労働は何よりも大事だ、すべてのエネルギーは労働からというような気持ちになりまして、大事な大事な労働、気持ちよく働いてくれるように、もう少し余裕の持てるような働きができるように、働く楽しさというものがよくわかるような労働行政をやらせていただくように努めていきたいと考えております。
○伊吹委員長代理 田中慶秋君。
○田中(慶)委員 私は、民社党の立場で労働大臣の所信表明に対し質問をさせていただきたいと思います。
 まず最初に総論的に、大臣が先般「今日、我が国経済社会は順調な発展を遂げておりますが、一方では経済構造の転換、高齢化社会の進展、就業形態の多様化など種々の変化に直面しております。このような社会構造変化に対応し、社会の活力を維持するとともに、我が国の経済的地位にふさわしい豊かな勤労者生活を実現するため」に労働行政を積極的に推進をする、こういう所信を述べられたわけであります。私は大臣のこのような考え方に賛意を申し上げながら、さらに今私たちを取り巻く社会情勢というもの、例えば一つには、経済大国日本が、本当に勤労者の生活が豊かなのかどうか。例えば住宅は世界二局いと言われております。土地も高いと言われております。教育費はさらに加算をされている。そして物価が高い。こういう形で、賃金は円高で世界一という形にはなっているかもわかりませんけれども、実質的には生活そのものは大変厳しい状態にあるのではないか、私はこんなふうに思っているわけであります。
 そこで大臣が「経済的地位にふさわしい豊かな勤労者生活を実現するため」、大変すばらしい発想ですけれども、大臣の具体的なこれらに対する取り組み、考え方、それぞれここに述べられておりますけれども、私は、基本的にこの経済大国にふさわしいこれからの勤労者の生活というものをどのように考えられているか、総論としてまず冒頭にお伺いしたいと思います。
○丹羽国務大臣 ごちゃごちゃしゃべらなくてもいいから総論的に考えを述べよとおっしゃっていただきましたので、総論的にまとめて簡単に申し上げたいと思います。
 先生のお尋ねについて、我が国の経済的地位にふさわしい豊かさとは、物心両面にわたる充実した幸せな生活を確保し、維持することであると考えております。そういう生活ができるように努力させていただきたいと思います。
○田中(慶)委員 そこで、具体的な質問に入る前に、私は、まず勤労者が日本で一番大切にされなければいけない、働く者が大切にされるという社会をつくっていかなければいけないと思います。そういう点で、これからもまじめに努力する勤労者の人たちが報われる世の中をつくるために、大臣が一生懸命これらに対して努力をしてほしいということを要望しておきたいと思います。
 そこで、これからの勤労者が働く意味で、どうしても共働きの問題とかこういう問題があるわけであります。その一つは、今般も述べられております育児休業法の制定についてであります。労働省は、育児休業法の制定について以前から、同制度の普及率が高まってから検討していく、こういう考え方を述べられておるわけであります。現在、普及率がどのような形になっているのか、さらに高まった時点でこれを検討する、着手するということでありますけれども、これについて何%になったら着手するのか、これを明確にしていただきたいと思います。
○佐藤(ギ)政府委員 育児休業制度の法制化につきましては、昭和五十九年の婦人少年問題審議会でこの問題について御審議いただきましたときに、我が国ではまだ普及率が非常に低い、そういう中ですべての企業にこの制度を法律によって強制するということは困難であるということで、当面、行政側が積極的に指導、援助をして、この制度のなお一層の普及を図ることが先決であるという御建議をいただいたわけでございます。この御建議をいただきました当時とそれから現在とで、大変残念なのでございますが、育児休業制度の普及率には余り大きな進展が見られないという段階でございます。
 そこで、私どもといたしましては、現段階ではまず行政指導にさらに力を入れまして、普及率を上げていかなければならないということで精いっぱい努力しているところでございまして、この段階で何%なら法制化ができるかということについてはまだ考えておりません。
○田中(慶)委員 いずれにしてもこの育児休業法の制定は、例えば労働組合の連合でも要求し、また最近のニーズそのものが私は育児休業法の制定を待ち望んでいるのではないかと思います。鶏が先か卵が先か、こんな論議でこの育児休業法にそれぞれ取り組まれたのでは迷惑だと思います。やはり行政というものは少なくとも先を見通して、こういうものについて普及率が低いからそれをするという形じゃなく、制定をすることによって普及率を上げることもできるわけでありますから、その辺を明確にしてください。
○佐藤(ギ)政府委員 現時点におきましても、多くの企業でお力の強い労働組合もあるわけでございます。したがいまして、労使で交渉をなさいまして、企業単位で労働協約によって育児休業を導入するということは可能でございますから、そういう方法で導入していただくこともできるのではないか。行政だけが努力するということではなくて、そういう方向でもできるのではないかということで労働組合にも御努力をお願いいたしておるのでございますが、こういう点も、大企業の場合でも中堅企業の場合でもなかなかこれが難しいというような状況でございます。
 そういう状況の中で、中小零細まで含めたすべての企業に法律をもって強制するのは難しいのではないかという審議会の御意見も、また私どもとしては無視できない御意見だと存じます。したがいまして、組合にも御努力をいただく、また使用者でも十分に考えていただくように私どももさまざまな政策をいたしておりますが、さらに行政としても努力はいたしてまいりたいと考えております。
○田中(慶)委員 育児休業法の問題について、すなわち大企業とか力のある労使の間においては、それは黙っておいてもできるのですよ。むしろ零細企業だとか中小の人たちを法によって救ってやらなければならないのが世の中の常だと思うのです。労使みずからの努力でやるところに何も法律は要らないのです。本当に小さいところで、中小企業のところがそういうことを待ち望んで、同じに働いているわけですから、そういうところにきめ細かい行政があってしかるべきだと思うのです。ですから、答申がどうであるとか答申を無視してどうのこうのということではなくして、やる気の問題で、これから育児休業法の制定が実現できるかどうかに道が開けるのではないか、私はこんなふうに考えておりますので、もう一度所信を述べていただきたい。
○佐藤(ギ)政府委員 先ほど申し上げましたように、この問題は言うはやすく現実に法制化するということにはなかなか難しい点がございます。審議会でその御検討をいただきましてさっき申し上げましたような御建議をいただきますまでにも、大変に長い時間がかかりました結果いただいたものでございます。先生のおっしゃることは私どももよくわかりますし、育児休業制度が普及していくことは労働行政にとっても最重要課題の一つでございますので、先生のお話も十分に踏まえ、さらに努力をいたしてまいりたいと存じます。
○田中(慶)委員 時間が限られている時間であります。いずれにしても私ども、これは参議院先議で社公民として育児休業法制定に対するそれぞれ法案のお願いをすることにしているわけでありますから、そういうことも含めて前向きに取り組んでいただきたい、こんなふうに要望しておきたいと思います。
 そこで、育児休業を奨励する意味で奨励金の支給状況、支給の件数や金額あるいはまた育児休業制度の普及促進について奨励金を効果的に使っているかどうか、こういう問題を含めて御答弁をいただきたいわけであります。先日開催された連合の婦人集会でも、育児休業法の制定を数多く待ち望んでいる。こういう実態から先ほども一日も早く法制化を申し上げたわけでありますけれども、こういう一連の環境だけはぜひ御理解をいただきながら、今質問させていただいたことについて御
答弁をいただきたいと思います。
○佐藤(ギ)政府委員 まず御指示がございました数字でございますが、昭和六十三年度の育児休業奨励金の支給件数は三百三十四件、支給金額は二億九千万円でございます。労働省では、育児休業制度の普及促進を図りますために、昭和五十年度からこの奨励金の支給を行ってきたわけでございますけれども、六十年、これは均等法の施行を控えた年でございますが、この年に支給額を大幅増額いたしたのでございます。さらに、昭和六十三年度にもその充実を図っているところでございます。
 また、今先生もお話ございましたように、こういう問題につきましては広く理解が進むということが重要でございますので、平成元年度からは従来の育児休業制度普及促進旬間、これは旬間でございましたが、これを育児休業制度促進月間ということで十月いっぱいをこの月間にいたしまして、この月間を中心にいたしまして集中的に広報啓発活動を実施する予定でございます。そのほか、さまざまな形で企業への働きかけをさらに強めていきたいと考えております。
○田中(慶)委員 ぜひ努力をしていただきたいと思います。
 次に、パートタイマーの労働法について。現在、パートタイムで働かれている人たちは八百万ともあるいは九百万とも言われているわけであります。このパートタイマーの労働条件の向上を図ることが今緊急課題であります。先ほど来もこの問題については質疑をされておりますけれども、パートタイム労働問題専門家会議の中間的整理では、法的整備の検討を引き続き行うことが適当である、こういう形で先ほども御答弁をいただいているわけでありますけれども、これはむしろ早急に行うことが今の社会的な情勢の中では一番適当ではないかと考えられますけれども、いかがでしょう。
○佐藤(ギ)政府委員 パートタイム労働者の対策につきましては、従来も力を入れてまいりましたし、パートタイム労働問題専門家会議でも最近御熱心な三者構成の御議論の結果を中間的にまとめていただいておりますので、私どもとしては、こうしたものを十分に踏まえて対策を拡充していくということがまず行うべきことであると考えております。
○田中(慶)委員 行政というのは、何といっても現状をよく見詰めながら、さらに先取りするのがこの時代の変化に対応する行政のあり方ではないかと思います。そういう点では、もう既に八百万、九百万と言われておりますパートタイマーですから、そういう点をより重要視して先取りしていただきたいということはぜひ要望しておきたいと思います。
 そこで、次に労働時間の問題について質問をさせていただきたいと思います。
 経済運営五カ年計画において、一九九二年までに年間総労働時間千八百時間に向けて努力をする。あるいはまた先般の労基法改正のときにも、一九九三年までに千八百時間問題が議論をされて、閉庁の問題やらあるいはまた金融機関の週五日制の問題等々が議論されて、もう既に具体的な指導に移られていると思います。しかし残念なことに、労働時間の日本における現状は短縮どころか、昨年は総労働時間として逆に延びているのが現状であります。こういうことを考えてみますと、労働時間短縮という問題をもっともっと行政が積極的に進めていかなければいけないのではないかということが一つ。
 もう一つは、今私たちが一番憂えているのは、貿易摩擦は今まで市場開放アクションプログラムとかあるいは農産物とかそういう形になってまいりましたけれども、むしろ今、日本の総労働時間に対する問題がこれからの貿易摩擦あるいはまた国際的な摩擦に発展しやしないか、こんなことを懸念しているわけでありまして、こういうことを含めてこの千八百時間に向けて具体的にどのようにされているのか、明確に答弁をしていただきたいと思います。
○野崎(和)政府委員 まず、労働時間の現状でございますけれども、先生御指摘のとおり昭和六十三年年間を見ますと、所定内労働時間は十一時間短縮されましたけれども、所定外労働時間が十一時間ふえましたので差し引きゼロということで、六十二年に比べて横ばいということになったわけでございますが、これは六十三年の一−三月が時間外労働を中心に労働時間が延びたということが原因でございまして、したがって、その部分を平成元年の一−三月に入れかえました昭和六十三年度年間の数字を申し上げますと、所定内労働時間では二十六時間の減でございます。逆に時間外労働時間が六時間ふえておりますので差し引き二十時間の減ということでございまして、この所定内労働時間二十六時間の減というのは年率にしますと一・三%でございます。高度成長期の減少は年率一%でございますので、それを上回りまして、高度成長期の最も進んだころ、昭和四十八年、四十九年ごろが大体年率一・八とか一・六でございましたけれども、これに次ぐ状況になっている。これは言うまでもなく、先生御指摘のように四月から労働基準法が施行になった、あるいは一月に官庁の月二回閉庁制がとられる、二月には金融機関の完全週休二日制がとられるというようなことで、労働時間短縮に向けまして昭和六十三年度は大きく前進したというふうに思っております。
    〔伊吹委員長代理退席、委員長着席〕
 今年度に入りまして、御承知のとおり春闘におきまして多くの組合で労働時間短縮の問題が取り上げられまして、一日ないし三日程度の短縮について合意した企業が恐らく百組合はあるのではないかというふうに思っております。それから、ことしのゴールデンウィークの状況でございますけれども、若干カレンダーに恵まれた面もございますけれども、前年に比べまして平均して二日程度、二日前後は連続休暇がふえているのではないか、そんなふうに見ております。
 そういうことでございまして、新しい経済計画の経過期間すなわち平成四年度末までに千八百時間に向けてできるだけ短縮するという目標課題は、容易なものではないというふうには思っておりますけれども、決して不可能とは考えておりませんで、今申し上げました週休二日制の普及と時間外労働時間の削減さらに年次有給休暇等の連続休暇の普及促進という三点を重点に、目標の実現に向けて最大限の努力をしてまいるつもりでございます。
○田中(慶)委員 いずれにしても、今局長が述べられたことと現場のニュアンスが若干違っている部分があります。それは大企業とか、あるいはトータルとしてそういう傾向も見えるかもわかりませんけれども、このように経済がある程度順調に伸びていくと、中小企業を初め業種によっては労働時間がむしろふえている、これが実態でありますから、その辺を含めてトータルとして千八百時間にするための努力は――確かに今言われたように土曜閉庁の問題、第二、第四が閉庁になりました。金融機関もなりました。しかし最終的には、これが第二、第四だけではなく、公務員の皆さんが少なくとも週五日制とか、こういう形で完全なる土曜閉庁、学校も含めてそういうことをできるだけ各方面に働きかけをしていかなければ、一九九三年の千八百時間というのは非常に難しいのではないかと私は思っているわけです。
 もう一つ、例えば今いみじくもことしのゴールデンウイークのことを言われました。私たちは、この四月二十九日から五月五日までを太陽と緑の週間という形で法制定に向けて今取り組んで、皆さん方に対しても御理解をいただけるように申し上げてきているわけであります。政府は、これはむしろ為替の問題がなければ何とかそういう方向も望ましい、こんなことを述べられているわけでありますけれども、労働基準監督行政を行う立場として、これらに対してどのようにお考えになっておるのか。
○野崎(和)政府委員 できるだけ四季折々に連続休暇をとっていただきたい、それが労働時間を短縮する有力な方法の一つでございます。そういう
意味で、幸いゴールデンウイークは現在ではほとんど定着しておりまして、問題はその期間とかとり方でございます。
 御指摘のように、五月一日を国民の祝日にしますと前後が自動的に国民の祝日になりますので、文字どおり九日間の長期連続休暇ができるわけでございますけれども、そういうことが可能ならばもちろん望ましいと思っておりますけれども、中小企業、零細企業等も含めて全部の合意を現時点で得られるだろうか。それが全部国民の祝日になりますと、官庁とか大企業は当然休む、それに対して小零細企業が果たしてついてこられるだろうかというような点もございまして、その点は大きな課題として、やはり国民的なコンセンサスの形成にゆだねるべきではないかというふうに思っておるところでございます。
○田中(慶)委員 ことしのゴールデンウイークは大体四月二十九日から五月五日、こんな形で九連休とか、少なくても五連休があった。私どもの調査の中では八五%が五連休以上でありますから、今局長が心配するようなことはやる気になればできるわけであります。ですから、それぞれの立場で行政の取り組みということが私は一番重要なことだ、こんなふうに思います。日本のよき文化、それが暮れから正月の休み、そしてゴールデンウイーク、お盆、こういう形でやっていけば、千八百時間というのは私はこれ具体的に実現できる一番可能な政策ではないか、こんなふうに思っておりりますので、あなたのところが率先してやる気がなければ、それはむしろよその省庁では他に対する行政指導というのはできないわけでありますから、率先してやることを私はここで強く要望しておきたいと思います。
 そこで、続きまして高齢者雇用問題について若干質問をさせていただきたいと思います。
 大臣は、「人生八十年時代にふさわしい雇用のあり方を示す長寿社会雇用ビジョンの策定を行う」と表明をされているわけであります。このビジョン策定に関連して、労働省は高年齢者雇用安定法を改正し、定年を認める場合六十歳以上とすることを検討中であるということを報道されておりますけれども、これらについて着手をされているのかどうか、お伺いをしたいと思います。
○清水(傳)政府委員 御指摘のように、人生八十年時代にふさわしい雇用のあり方、国の施策の方向を示すビジョンの策定に取りかかっておるわけでございまして、この策定を通じまして労使の社会的な合意の形成を図りつつ、六十五歳までの雇用就業の場の確保ということについて思い切った施策の展開を図ってまいりたいと考えておるわけでございます。そして、その場合においては、必要とあれば法的整備も含めて考えてまいりたい、こうした考え方でございます。
○田中(慶)委員 そこで、局長にお伺いしたいのですけれども、現在定年が六十歳定年と言われている勤労者は全体の中でどのぐらいになっているのか、もしわかっていたらお知らせをいただきたい。
○清水(傳)政府委員 企業のベースで申し上げますと、五八%台というのが現在六十歳定年ということでございます。
○田中(慶)委員 いずれにしても、これはまた後ほど時間があれば議論をさせていただきますが、日本の雇用というのは、官民を平均しますと六十歳定年というのはまだ五〇%にも満たないわけでありますから、そういう点を含めてこれからの高齢者の雇用安定法あるいはまた長寿社会における雇用のビジョンというものをもっと精力的に進めてまいりませんと、老後の暮らしというものが大変不安な状態を招きますもので、ぜひこの辺を含めて積極的に取り組んでいただきたいと要望しておきたいと思います。
 さて、婦人の問題について若干質問をさせていただきたいと思います。
 婦人の用語の問題について、最近地方自治体の中で婦人という用語を女性に改める動きが広がっているわけであります。東京都も改正に向けて検討を始めました。また、各地方においても検討されているようであります。女性も多様な生き方を選択しようとし、また既婚者、成人さらにはまたこれらについて婦人という用語は、若い女性の評判が必ずしもよくない、こんなふうに承っているわけであります。最近の地方自治体のこのような動きに対しどのように考えられているのか、国としてもし検討していたならば、この辺について明確に答弁をしていただきたいと思います。
○佐藤(ギ)政府委員 最近、一部の地方自治体で今お話がございましたように婦人の呼称を女性に改める動きがあることは承知いたしておりますが、これはそれぞれの自治体が独自の判断で行っておられることだと認識いたしております。
 労働省ではどうかということでございますけれども、幅広く女性全般を指す呼称といたしまして労働省では婦人を従来用いておりまして、現段階ではこの変更につきまして検討する予定はございません。
○田中(慶)委員 婦人局長がそんな考え方では大変残念でありますね。いずれにしても、この女性、婦人という問題はむしろ我々よりもあなた自身が前向きになってやっていただくことではないか、こんなふうに思いますし、また、女性の社会的な地位とか女性の社会的な参加というものは大変幅広くなっておりますし、また貢献をされているわけでありますから、考えていないということではなくして、むしろ前向きに検討するぐらいの答弁があってしかるべきじゃないかと思いますが、もう一度答弁してください。
○佐藤(ギ)政府委員 言葉はなかなか微妙な問題でございまして、十分考えて対応しなければならないと思っておりますが、ただ、現在婦人局では、最も重要なことは、言葉そのものではなくて、行っておる行政そのものの質を高め充実していくということにある意味では力を入れているところでございますので、私ども、まずそのことに力を入れて名実ともに、実の方が上がっていくようにということで今後も努力してまいりたいと考ええております。
○丹羽国務大臣 このことにつきましては、労働省の中では正式に検討はいたしておりませんが、省議等を開くときに、あるいは雑談の中で、婦人なんというのはイメージが悪い、女性という方に変える方がいいということを私自身が非常に強調しておる。私の関係しておる団体等でも婦人というのはやめまして、女性ということにいたしました。それはどういう団体か、御想像くださればわかると思いますが、それほどまでに私自身は先生と同じ考えを持って、今後検討させるようにいたしたいと思っております。
○田中(慶)委員 大臣の力強い答弁をいただいて、大変感謝しております。どうか大臣の意を大切にして、それぞれの関係の局はぜひこれから検討していただけるように要望しておきたい、こんなふうに思います。
 さて、雇用保険法の改正について質問をさせていただきたいと思います。
 短時間労働被保険者の時間の下限は、一般労働者の週所定労働時間内の平均である四十四時間の二分の一である二十二時間とされているわけであります。労働時間の短縮に伴い一般労働者の平均が短縮されれば、それに連動して今回の下限の二十二時間も引き下げられるという考えでよろしいのかどうか、率直に短く答えていただきたいと思います。
○清水(傳)政府委員 現下の労働市場の実態の中で新たに短時間労働被保険者の適用拡大を図っていく、こういうところから下限の労働時間は二十二時間ということといたしたいと考えているわけでございます。今後時間短縮の動向等を把握いたしまして、必要に応じた見直しということは行ってまいる考えでございます。
○田中(慶)委員 先ほど来論議をされておりますから、ただやはりこういうものは時間というよりも、むしろ二十二時間云々というよりは現在の中の二分の一とかという形で余りすっきりした数字でない方が、ぼやかしていた方がむしろいいんじゃないかな、こういう議論もされていたことがあ
りますので、そのことも申し添えておきたいと思います。
 給付日数についてでありますけれども、所定給付日数については、パートタイム労働者の再就職を容易に考慮して、一般の被保険者と比べて短くなっているわけでありますが、なぜ三段階としたのか、その辺をまず明確に答弁をしていただきたいと思います。
○中井説明員 雇用保険の給付日数につきましては、再就職の難易度、すなわち再就職に要する期間の長短に応じまして給付をする、そういう原則がございます。そういったことで、それと同時に給付と保険料の負担の均衡をも勘案して、年齢区分と勤続年数の区分によって定めてございます。
 それで今御指摘の、短時間労働者の年齢区分を三段階にした。これは、一般の方は四段階でございますけれども、年齢間の求人倍率の開きが一般の労働者に比べて小さいというような事情を考慮して、このように決めさせていただいております。
○田中(慶)委員 一般の被保険者と比較して、四十五歳以上五十歳未満の人で、被保険者であった期間が一年以上五年未満の人の給付日数は半分となっているわけであります。これらの層の人はそんなに再就職が容易にできるとは私は思えないわけです。むしろある程度の、四十五歳から五十歳というのは比較的パートタイマーでも難しい年齢になっているわけでありまして、それを半分とした理由がどの辺にあるのか、明確にしていただきたい。
○中井説明員 四十五歳以上五十五歳未満のパートの方の求人倍率を見ますと、一般の三十歳未満の層と同等以上の水準にございます。一般の四十五歳以上五十五歳未満の層に比べますと三倍程度高くなっている、そういうような状況にございます。したがって、こういうようなことから四十五歳以上五十五歳未満のパートの方の再就職は相当容易であるということで、九十日の給付日数、これは一般の方の半分ということでございますけれども、不合理はないというふうに考えております。
○田中(慶)委員 いずれにしても、今数字の上でそういうふうに述べられているわけですけれども、大体社会的に考えてみますと、四十五歳以上の方あるいはまた五十歳、こういうところはそんなに求人倍率がいいとは私は感じられないわけですけれども、数字が示しているようですからそれを了としますけれども、今後ともこれらについてはより充実した形で取り組んでいただきたい、こんなふうに思います。
 そこで、次は、制度上の乱用防止を図るために失業の認定等を厳正に行うとされているわけであります。これらについて具体的にどのような方法を考えられているのか、明確に教えていただきたいと思います。
○清水(傳)政府委員 短時間労働者につきましては、労働市場の状況なりあるいは御本人の就業意識等から見まして、一般の労働者に比較をいたしまして非常に入離職を繰り返す、こういった実態になりやすい特性を持っているわけでございまして、そうしたところから失業給付に安易に依存をした離職あるいは滞留とかそういう面が懸念をされる、これはいろいろな審議会の審議の場におきましても労使ともにそうした面での御指摘もいただいておるわけでございます。そのため、離職の際の離職理由の確認、あるいは受給資格の決定なり失業の認定の際におきまして、労働の意思、能力の確認を十分慎重に行っていく、あるいは積極的な職業紹介を行っていく、こうしたことを通じまして乱給付の防止を図ってまいりたいと考えております。
○田中(慶)委員 制度というものが、やはり仏つくって魂入れず、こういうことをよく言われたり、あるいはまた、余り厳正に行うことによってプライバシーの侵害にならないようにするとか、そういうことも心配される向きがあるやに伺っておりますので、この問題については慎重にそれぞれ取り組んでいただきたい、こんなふうに思っております。
 次に、一般労働者と同様の状況にあるパートタイム労働者の加入促進について、今後どのように考えられているのか、この雇用保険の問題について具体的にお示しをいただきたいと思います。
○清水(傳)政府委員 これまでもパート労働者につきまして既に雇用保険の適用をいたしております。そういう方々について、事業主に対する指導を行ってまいっておるわけでございます。特に、今回の適用拡大を契機といたしまして、具体的にはリーフレットの作成、配布、広報誌の活用、それから毎年度、年度更新をやっております際の事業主の指導、あるいは月間を設ける、そうした手法を通じまして適用促進を図ってまいることといたしております。
○田中(慶)委員 次に、中央職業安定審議会の雇用保険部会の報告でも触れられておりますけれども、パートタイム労働者に対する適用拡大に関連し、四事業においてパートタイム労働者の労働条件向上のために何らかの施策を実施すべきである、こういうふうに報告が出ているわけでありますけれども、これらに対する具体的な施策、あるいはまた具体的な考え方があれば、明確にお答えをいただきたいと思います。
○清水(傳)政府委員 パートタイム労働者に適用拡大をいたすわけでございますが、四事業の性格からいたしまして、適用されている労働者の雇用の安定に積極的な活用を図ってまいる、こういう面もあるわけでございまして、またパート労働者の雇用問題、労働条件の問題、先ほど来もいろいろな御議論をいただいておるわけでございます。そうしたところから雇用福祉事業を活用し、パートタイムの雇用管理者の選任指導なり、あるいは中小企業を対象とする雇用管理の改善推進事業、そういった面におきまして、平成元年度雇用福祉事業という範疇の中で施策を行っていく、こうした考え方をとりあえず行ってまいりたいということでございます。
○田中(慶)委員 時間がありませんから、最後になりますけれども、日本の今日における労働行政は、これからの経済あるいは二十一世紀の経済の発展を持続的に考えてまいりますと、大変重要な国の政策であろうと思います。地味ではありますけれども、この労働行政がやがて日本の大きなアジアにおける、あるいはこれからの太平洋の時代と言われている中で新しいリーダーシップが日本に求められようと思います。そういうときに、この労働行政は大変な重要な役割を果たしてくるのではないかと思います。
 そこで、私は今大臣の所信表明を見させていただきながら、多岐にわたってそれぞれ重要な施策を述べられているわけであります。そういう中で、勤労者が豊かな生活をするために、具体的には住宅の問題もまだまだ大変な問題であります。あるいは自分の子弟の教育についても大変な問題であります。さらには、生活全般の日本における格差もあるわけであります。北海道と沖縄という、こんな比較をしては大変失礼でありますけれども、その格差もありますし、あるいは雇用における場についても大変な格差があるわけであります。東北や北海道においては、本当に一生懸命働く意欲があっても、わずかな自分たちの先祖伝来の土地あるいは農地を守るためになかなか働けない、こういう問題も現実にあるわけであります。そういうことを考えてみますと、これからニューリーダーとして期待されている日本が、そういう問題も含めて具体的にどのようにしていけばいいかというのは大変重要な労働施策の課題であろうと思います。大変恐縮ですが、最後に大臣にその辺の所信をお聞かせいただきまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
○丹羽国務大臣 お答えさせていただきます。
 先生がいろいろとお尋ねになった中に御意見等も聞かせていただき、最後に締めくくりのところであのような結構な御意見を聞かせていただき、もっともだと思います。私も拳々服膺して、この御意見を大事にして、日本の本当のいい労働行政、喜ばれる労働行政、みんなが大きな楽しみを
持って豊かに暮らせる労働者になれるように、そういう労働行政を進めていきたいと思います。御協力のほどをお願いいたします。
○田中(慶)委員 終わります。ありがとうございました。
○津島委員長 児玉健次君。
○児玉委員 最初に労働委員会、ここでは中央労働委員会、地方労働委員会に限定しますが、労働委員会が果たすべき役割について簡単に伺います。
 労働委員会が果たすべき役割の一つに、不当労働行為の迅速な救済があります。旧労組法では、不当労働行為の禁止を処罰でもって行うこととされていました。この場合、労働委員会の裁判所に対する処罰請求が刑事訴訟法上の訴訟条件でした。昭和二十四年の労組法改正で、いわゆる処罰主義、直罰主義を改めて原状回復主義、すなわち不当労働行為がなかったと同様の状態に速やかに復せしめることを主眼とすることになった、このように理解しておりますが、そうですね。
○岡部政府委員 直罰主義を原状回復主義に労組法改正によっていたしたという理由でございますが、これは一つには、直罰主義で使用者を罰しましても、解雇そのものは別途民訴でやらなければならないという状況から金銭的、時間的に労働者に多大の負担をかけるということで、迅速な原状回復主義を眼目になされたものであると理解しておりますPO児玉委員 不当労働行為を迅速にその行為がなかった状態に回復させるために、労働委員会は申し立てを受けたときに遅滞なく調査し、必要があれば審問を行い、事実の認定をして救済命令を発する権限がございます。労働委員会の救済命令は使用者に対する行政処分であって、これにより使用者に行政上の義務を負わせることになります。使用者が中労委に再審申し立てをしても、命令の効力は当然停止いたしません。救済命令は労働委員会がその役割を果たす上で不可欠の重要な権限の一つである、私はこう理解しますが、いかがですか。
○岡部政府委員 不当労働行為制度というものの実際的なあらわれが、この労働委員会による審問の制度であります。ただ、先生のお言葉を返すようでございますが、救済命令が労働委員会の機能を果たすのに不可欠の要素であるということでございますが、実際の不当労働行為事件というのは七割が和解で解決をしております。したがいまして、そこは生きた労使関係でございますので、白黒をつけるか、あるいは何らかの歩み寄りをするか、さまざまな試みがなされるのが労働委員会の場であると承知しております。
○児玉委員 その議論は後にすることにして、そこで、労働委員会規則五十一条の二における中労委会長の命令履行の勧告に至る手順について、手短に御説明いただきたいと思います。
○岡部政府委員 中労委におきましては、再審査の申し立てがなされました場合に、使用者及び労働者に対しまして初審命令の履行状況を照会をするわけでございます。その際に、履行していない場合には不履行の理由も聞くということでございまして、この根拠規定は労働委員会規則の第五十一条の二第二項でございます。
 それで、不履行の場合に、同条第一項にございますように、中労委は使用者に対しまして命令の全部または一部の履行勧告を文書で行うことができるわけであります。履行勧告というのは、初審命令の主文の中のポストノーティス部分、文書掲示等の部分を除きまして行われるのが通常でございます。この履行勧告が出されました場合には、労働者側にも通知をする取り扱いがなされておる、こういう手続であります。
○児玉委員 今、岡部局長から御説明がありましたが、中労委はこの初審命令の履行勧告については、必要があると認めたとき、そしてしかも、その勧告を出す前にあらかじめ使用者の弁明も求めるといった非常に慎重な手続を経て出されるものであると私たちは受けとめております。
 そこで御質問をしますが、これまでのJR関係の採用差別、差別配転、差剔出向等に関する救済命令の件数、対象人員数についてお答え願いたい。また、中労委会長による命令履行勧告は現在何件出ているか。以上について、あわせてお答えください。
○岡部政府委員 JR関係の不当労働行為救済申し立て事案につきまして、五月二十二日までに地方労働委員会から二十六件の救済命令、中央労働委員会から一件の救済命令が出されております。
 そこで、この救済命令における救済の対象となった労働者数を見ますと、採用に関するもの三千四十名、配属通知、配置転換に関するもの七百七十六名、出向に関するもの二十四名、その他不利益取り扱いに関するもの、例えばバッジ着用問題あるいは出勤停止処分問題等々が九百四十二名、計四千七百八十二名であります。
 それからもう一つのお尋ねの、中労委に係属したJR関係の不当労働行為事案につきまして、初審命令履行勧告を行った事件数は幾らであるかということでありますが、現在中労委に係属しているJR関係不当労働行為再審査事件は、全部で十八件でありますが、このうち履行勧告を行った事件は十件であります。七件につきましては調査中、一件は勧告を行わないことに決定をいたしております。
○児玉委員 国鉄の分割・民営化の是非が厳しく論議された第百七国会で当時の平井労働大臣が、十一月二十五日参議院の特別委員会においてですが、次のように述べられている。「特定の労働組合の組合員であるとか、また労働組合の正当な行為をしたこと等を理由に新会社への採用を拒否されるというようなことは絶対にあってはならぬと考えております」。これは大臣の御発言ですから丹羽大臣にお伺いしますが、丹羽大臣としてこの発言についてお変わりがないと思うのです。今後当然尊重されるべきだと思いますが、その点についてお答え願います。
○岡部政府委員 およそ不当労働行為というものはあってはならないことは当然であります。現在、JR各社における事案がいろいろ労働委員会に係属をいたしておりまするけれども、先生のお尋ねは、やはりこの現在の限られた事件についての関連したお尋ねでもございますので、しかしこれは係属中である問題でございますので、労働省としてとかくの見解を述べることは差し控えたい。いずれにいたしましても、JR各社は、国鉄改革法の理念のもとに国鉄の大改革の結果生まれた会社でございます。労使関係の安定を図り、国民の期待に沿うようにということは、抽象的に私どもお答えをするにとどめておきたいと思います。
○児玉委員 大臣、やはりこれははっきりさせなければいけない問題だけれども、私は一般論として言っているんじゃないのですよ。昭和六十一年の十一月二十五日、日本国有鉄道改革に関する特別委員会の席上で、平井労働大臣がまさしく国鉄分割・民営化に関連したことで先ほど紹介したように述べている。平井大臣が述べたことについて丹羽労働大臣として当然お考えに変わりがないと思うし、そしてこの趣旨については今後も尊重されるべきだとお考えだと思うのです。一般論を言っているのでなくて具体論を言っているので、お答えいただきたい。
○丹羽国務大臣 お尋ねにお答えさせていただきます。
 時の大臣が答えて、それはちゃんと速記録に残っておることでございますから、大臣の言ったことは私も守らなくちゃならぬ、当然のことでございまして、詳細については、ただいま政府委員から細かく先生に御了解を求めるように説明したようでございますから、それで御了承をいただきたいと思います。
○児玉委員 政府委員の御答弁は私は納得できないので、今の大臣の御答弁で私は行政とし七ごく当然のお考えだと思います。
 そこで、伺いたいのですが、平井大臣は先ほど紹介したように明言された。ところが現実はどうか。平井大臣のお話、答弁されたことと現実は全
く逆さまである。私は、これは具体的に言いたい。一例を挙げれば、ことし三月二十七日に、北海道地方労働委員会は、全国鉄動力車労働組合北海道地方本部、いわゆる全勤労、そこの三百十三名の申し立て者に対して命令書を出しました。その命令書の中で、
 昭和六十二年二月に、新会社等への移行のため、国鉄が行った選別行為は、国鉄の分割・民営化に反対していた全勤労組合員を、国鉄に同調し分割・民営化を容認していた他組合の組合員と差別して行った不当労働行為であり、これによって生ずる責任は、被申立人両会社に帰し得るものである。
 結局、被申立人両会社が行った昭和六十二年四月一日の本件不採用の措置は、労働組合法第七条第一号及び第三号に該当する不当労働行為である。
こういうふうに極めて明白に述べているところです。
 それで、全国的にも、それぞれ趣旨は違いますが、基本において同一の命令が出ている。きょうの午前中にも議論がございましたが、この事態を係争中であるからなどと言って放置することが許されるのかどうか。許されない。労働省は中央労働委員会を管轄している行政官庁です。一般論で述べられるようなことでなくて、先ほども議論した救済命令、そして初審の履行勧告、そういったものがこの際行政的にも貫徹されるように労働省として必要な努力をすべきだ。いかがですか。
○岡部政府委員 この案件、現在地労委から中労委にだんだんに移りつつある段階でございますが、あるいはまた、一部におきましては行政訴訟に移行しているものもあるということでございます。これらはやはり係属中の案件と言わざるを得ないのでございまして、これについてとかくの論評をするということは、まさしく独立機関たる労働委員会の行為につきましてとかくの評を挟むことになりますので、これにつきましては差し控えるというのが従来までの一貫した労働省の態度でございます。
○児玉委員 争いにはさまざまな争いがあります。中労委においてその多くが係争中だというのは、私も承知しております。ただ、労働大臣、もしJRが例えば君子の争いをするというのであれば、守るべきルールがございますよ。そこで、例えばどんなルールがあるか。先ほどの救済命令。これが行政上の義務を生じせしめる、公法上の義務を生じせしめる。これは労働省のコメンタールでも明白に書いていることであります。そして、先ほどの初審命令の履行についての勧告。昨日、中央労働委員会の事務局から私は御説明を承りました。それによれば、初審命令の履行勧告、これにはその履行勧告が契機になって団体交渉が好ましく好転するというそういう期待も込められているという。
 私は、労働省にお聞きしたいのですが、この問題でJR、それから貨物鉄道と全勤労、国労との間に団体交渉が行われているのかどうか、お聞きします。
○岡部政府委員 個々の団体交渉の経過については承知をいたしておりません。
○児玉委員 私の承知しているところによれば、一切行われていません。先ほどの北海道地労委の命令の主文の中に、「被申立人北海道旅客鉄道株式会社及び同日本貨物鉄道株式会社は、上記第一項及び第二項を履行するに当たり、就労すべき職場・職種について、申立人らと協議しなければならない。」そういう命令を出しています。これに応ずるかどうかというのは、まさしく公法上の義務であって、行政上の義務であって、労働委員会についてはさまざまな学説がございますが、労働委員会の救済命令には公定力があるというのが大体定説です。それに対して誠実であろうとすれば、団体交渉もやっていないという事態は放置できない。いかがですか。
○岡部政府委員 行政処分をめぐるお話もございましたけれども、この労組法は救済命令について規定をいたしますと同時に、行政訴訟に持っていくことも、あるいはまた中労委に再審査を申し立てることも道を開いているわけでございます。そのようなことで、地労委段階の命令というのは、いまだこれが確定せざる間は、これは使用者の任意の履行にまつということが法の精神であろうかと存じます。これは五十一条の二に基づきまして命令履行の勧告が出た場合におきましても法的拘束力はないわけでございますので、同様であろうかと思うのでございます。
 なお、先生お尋ねの団体交渉の件でございますが、これは労使間におきましていろいろな努力が払われているのであろうかと思います。これは労使の努力により、円満な労使関係の形成をぜひひとつ図っていただきたいと願うものでございます。
○児玉委員 事態は非常に重大だと私は思います。JRと日本貨物鉄道は国民の財産である日本国有鉄道の施設、車両、職員等を引き継いだ極めて公共性の高い存在です。きょうの午前中も若干議論がありましたが、株はすべて国が所有しているのであって、唯一の株主である国の意思がこの際大きく発揮されるべきだと、私はその点を強く求めるものです。あわせて、そのJRが労働委員会の命令を無視し、中労委会長の命令履行勧告を無視してはばかることがない、これは労働委員会制度の存続の意義が問われている問題。事態を放置すれば労働省みずからが労働委員会制度を形骸化させることになりかねない。放置できないと思うのです。いかがですか。
○岡部政府委員 先ほども御答弁申し上げたところでございますが、現在係争中の事案でございまして、中労委の再審査手続あるいは地裁における行政訴訟の手続それぞれが進行中の段階でございますので、その推移を見守りたいというふうに考えます。
○児玉委員 ただいまの点はこの後また引き続いて論議することにして、最後に伺います。
 政府は、さきの国会で再三国鉄職員は一人も路頭に迷わせないと繰り返し答弁してまいりました。清算事業団職員にとって、現状のままではあと十カ月を残すのみです。清算事業団職員の雇用対策は、JRへの採用を中心に抜本的に強化されなければなりません。現在の時点において、過去でないですよ、あと十カ月しか残っていないという現在の時点において、労働省はこの問題でどのような対策を講じようとしているのか、その点について伺います。
○清水(傳)政府委員 清算事業団職員の雇用対策でございますが、五月一日現在で再就職未定者が二千六百八十九名、こういう実態でございます。特に北海道、九州が非常に厳しい雇用失業情勢でありながら清算事業団職員が集中している地域でもありまして、特にそれらに向けてきめ細かな対策が必要である、このように考えております。労働省といたしましても、清算事業団、事業主団体、都道府県、公共職業安定所、こうしたところで再就職促進連絡会議を構成いたしておりまして、それを開催いたしまして関係機関が一体となって再就職促進対策を現在講じておるわけでございまして、今後ともこれらと十分連絡を図りながら、全員の再就職の実現へ向けて努力をしてまいる考え方でございます。
○児玉委員 抜本的な努力の強化を強く要清して、私の質問を終わります。
○津島委員長 次に、田中美智子君。
○田中(美)委員 昭和六十年の職発四百四十号の通達によって、所定労働時間の四分の三働いているパート労働者は現行の雇用保険に適用されているわけですけれども、今何人ぐらいいるのでしょうか。
○中井説明員 約八十万人と推計しております。
○田中(美)委員 これは適用されている人が八十万人で、実際に入っていない人も入れますとやはり百万を超しているというふうに思うのですけれども、この人たちは所定時間が四十時間の場合には三十時間でも雇用保険に入っているわけですね。もっと労働時間が短くなればもっと短い時間でも、二十八時間とかいうのでも今の雇用保険に
この通達では適用になるわけですね。ところが今度のこの一部改正案が通りますと、三十三時間の人たちまでもこれに全部適用になるわけですから、そうすると今適用されている人にとっては既得権が非常に侵害されるわけですけれども、この点は大臣、どのようにお考えになりますか。
○清水(傳)政府委員 短時間労働者を今般新たに適用するに当たりましては、やはりその区分が明確でなければならない、そういう要請が一方において制度的な面としてあるわけでございまして、現在事業所ごとに取り扱いが、時間数が異なることによって違う面があるわけでございますが、やはり具体的な時間数につきましては、現在の適用基準も考慮しながら通常の労働時間の平均の所定時間の四十四時間の四分の三に相当する三十三時間未満、このようにすることといたしております。これが現在の一般被保険者の範囲と改正後の一般被保険者の範囲とほぼ一致をするわけでございまして、改正前の一般被保険者が改正によりまして短時間労働被保険者になる例は極めて少ない、このように考えておりますが、しかしそのような例もなくはない。それに対しましては経過措置といたしまして、本人が希望された場合には、施行日以降最長四年までの間は引き続き一般被保険者として取り扱い、給付の切り下げとならないよう措置をする、こういうことといたしておるところでございます。
○田中(美)委員 非常に少ないということは言えないのじゃないですか。百万を超える権利を持っている方たちが、これが差別されている新しい法案の方に移るということは既得権が非常に侵されるわけですから、四年だとか本人が希望するだとかいろいろなことを言うのではなくて、今まである既得権というのは完全に守られなければならないと思うのですね。だから、この一部改正法案を出す前の問題としてこの既得権は絶対に守られなければいけないと思うのですけれども、この点、大臣お答えください。
○清水(傳)政府委員 短時間労働者の労働市場におけるいろいろな属性等を考えまして、四年間の経過措置を講ずることによりましてその範囲でこうした問題につきましては解消していくことは可能ではなかろうか、このように私どもは考えておるわけでございます。
○田中(美)委員 解消することが可能だということは、それはあなた方が過去の経験でパートは四年しか働かないのだとかなんとかということを言いながらそれに相応してやっているということは、これは私は政治を間違っていると思うのです。これからパートがどうなるかということを考えて、これに対して適用させていかなければならないのじゃないですか。それを今までの既得権をもぎ取るということは、これは絶対に許せないことだというふうに思います。職安局長のおっしゃることはもう許せない。これは既得権を崩してしまうというニュアンスですので、大臣はこの既得権についてはおろそかにしてもいいとお思いになるでしょうか。大臣、お答えください。
○丹羽国務大臣 田中先生にお答えします。
 先生はそういうお考えかもしれませんが、私としてはやはり政府委員が御答弁申し上げておることは政府側としては当然な考え方だ、こんなことを思っております。
○田中(美)委員 ちょっと大臣、今私の質問した意味がよくおわかりにならなかったのじゃないかというふうに私、思います。おわかりになれば、大臣もいかに労働省がおかしいことをしているかということはおわかりになるのじゃないかと思います。こういうことになりますと、今まで四年間というふうに職安局長は言っていますけれども、三十時間働いている人が雇用保険に適用になっていながら、これから入ってくる人たちというものは−ちょっと私語をなさらないで私の話を聞いていてください。大臣、職安局長、ちゃんと私の言うことを聞いていてください。打ち合わせば、質問取りをしているのですからあらかじめちゃんとやっておいてください。
○津島委員長 御静粛にお願いします。
○田中(美)委員 人が物を言っているときに私語するなんていうのは、不見識だと思いますよ。
○津島委員長 田中君、質問を続けてください。
○田中(美)委員 はい。週三十時間働いて、現行の雇用保険に入っている人と、十月以降にパートになった人が一緒に机を並べて働いている。そして、一緒に失業した。そして、いよいよ雇用保険をもらおうというふうになりますと、同じ仕事をしているその人は、例えば四十五歳から五十四歳の人だと、前に働いていた人は百八十日もらえるのに、今度の法案に適用される人は九十日ということになるのですね。二人が親しいお友達で一緒に職安に行きますと、片っ方は百八十日もらえるのに片っ方は九十日間しかもらえない、こういうおかしいことが起きるということは、正しいですか。
○丹羽国務大臣 田中先生、私語という御指摘がありましたが、私の性格をよく知っておっていただける先生は、私は先生が汗かいて御質問なさっていらっしゃるときにくだらない話をしている男ではないですから、その点はひとつ御了解願いたいと思います。
 実は、先生のお尋ねしたことについてどうお答えしたらいいか、役所はどこまでも頑張っておって通るものかというようなことから、今言っておったようなことで先生の御指摘のことを私もなるほどと思う点もありますので、この法案を通していただくまでには大いに考えてみたいと思っております。
○田中(美)委員 ですから、既得権は最後まで守り続けていただきたいし、それからやはり同じ職場で働いていながら、既得権のある人と新しい人とが違ってくるというのも問題だと思いますので、これはぜひ検討していただきたいというふうに思います。
 それから、次の問題ですけれども、現在の通常の労働者は、月十四日働けば一カ月というふうに計算されて、六カ月働いていれば雇用保険の適用の資格があるわけですね。ところが、今度のこの法案が適用されますと、月十一日以上働いた人が半月に計算されるわけですから、一年間加入しなければ受給資格がないわけです。もう一度言い直しますと、通常労働者の方は半年で資格ができるのに、今度の法案に適用される人たちは、一年間加入していないと受給資格が発生しないというのは、区別ではなくて差別ではないでしょうか。お答えください。
○中井説明員 一般の方は、先生御指摘のように月十四日以上の月、六カ月あるというので受給資格が発生いたします。ただ、今回。ハートの方を適用拡大いたしまして、そういった方の労働時間が非常に短い方たちである。ということは、一般の方と同じ評価をすることができるかどうかということが一つございます。
 それからもう一つの問題として、十一日というのがあります。例えば隔日勤務をされる方を考えたときに、週三日働かれる、二月だと十二日働かれるということですので、そうすると十四日という要件はパートの方には非常に厳しい。それで、もしここで十四日という要件になりますと、そこはもう二月は丸々働いてもゼロとしか評価されないということになります。ですから、そういう意味でそこを十一日といたしまして、それのかわりに二分の一カ月ということで、十一日あれば二分の一カ月として換算をする、いろんなことを勘案してこの制度にいたしたわけでございます。
○田中(美)委員 今のおっしゃっていること、ちょっと矛盾があるのですね。パート労働者というのは約八百万人いるわけですけれども、今度のこの法案が適用されるのは、八百万人全部に適用されるわけじゃないですからね。八百万人全部に適用されるのでしたら、それは非常に短い労働時間の人をこういうふうにするというあなたの理屈は通るかもしれませんけれども、昭和六十二年の六月に労働省が出されました賃金構造基本統計調査というのがあります。これの女子のパートの一日平均何時間働いているのか、月平均何日働いているのか、この点ちょっとお知らせください。
○粟野説明員 昭和六十二年の賃金構造基本統計調査によりますと、女子パートタイム労働者の一日当たりの所定内の実労働時間ですが、六時間。それから一カ月の平均の実労働日数ですが、二十二日でございます。
○田中(美)委員 平均を見てもそうじゃないですか。八百万のパートというと、非常に短い人がいるというようなことを言ってパートに対しては非常に厳しいことを言いながら、実際には全部に適用されるのではなくて、ほんのわずかな人に今度拡大されるだけですね。そしてこの平均で見ますと、一日六時間、月二十二日間働いているのですよ。それなのに、十一日以上働いても半月にしか計算されないということは非常に不公平だと思います。これは返事は結構です。大変不公平で、パート労働者というのは女性が七〇%から八〇%いるわけですからね、パートがすべて女とは申しませんけれども、やはり私はこの中に女に対する差別、べつ視というかそういうものを感じます。非常に厳しいものだというふうに思うのですね。これは私、許されないということを申し上げておきます。お返事は時間がありませんので結構です。
 それで、もう一つありますけれども、通常の労働者と同一の保険料率で金を取られているのですよ。そして、通常の労働者は半年で受給資格ができるのに、これでは異なった低水準の給付日額と給付日数を設けているということは、これも率は同じでありながらそれが倍もかけていかなければ受給資格が出ないというのは、前のと同じように非常に不公平だと思いますが、これは婦人局長、どう思われますか。あなたも女性か婦人か知りませんけれども、どう思われますか。
○中井説明員 これは極めて雇用保険の技術的な問題でございますので、私の方からお答えさせていただきたいと思います。
 今回新たに適用対象とした短時間労働者の方ですけれども、これは時間が確かに短いということ。しかしそれだけではなくて、質的に離職率が非常に高い方である。一方、先ほどから申し上げておりますように、求人倍率はフルタイムの方の大体三倍程度ということで、一般に就職が非常にしやすい方たちであるということ。それからもう一つ賃金につきましても、これは当然のことながら時間が短いわけですから、一日当たりの賃金は当然低い実態にございます。短時間労働者はこういった方々でございます。そういった一般労働者と異なった就業あるいは労働市場の実態にございまして、これらの方に仮に現行の一般の方と全く同じ給付を行うことにいたしますと、給付と負担の著しい不均衡が生ずるというふうに予想しております。
 したがって、雇用保険というのは再就職の難易度に応じた給付を行うという原則がございます。就職が容易という状況に対応した給付日数を設けるということでございます。また、計算された賃金日額につきましても、いわゆる逆転現象を解消するために賃金日額の下限につきましても特例を設ける、そういうような制度にいたしております。
○田中(美)委員 これは労働省の頭の中に、パート労働者というのは――八百万じゃないですよ、今度の適用になるパート労働者ですよ。このパート労働者というものを、非常に短くて、そしてすぐにやめてくるくる職場を変えていく、こういう考え方を基礎に置いて物事を考えるからそういう発想が出てくるのです。実際には、非常に不備な均等法ができてから、女性も夜働かなければならなくなる。それから、労基法の改悪によって母体保護が後退する。そういう中で、本当ならば本採用でずっと働き続けたいのに働けなくなって、心ならずもパートにならざるを得なくなっている人がたくさんいるのです。だからパート労働者というのは、むしろ政府主導型でパート労働者をつくっているのではないですか。そういうふうにして、これからはパート労働者は過去のパート労働者の形態ではなくて、どんどんパート労働者が定着した労働者になってくる。これを見通してこういうことをやらなければならないのに、過去の偏見でもって、過去の状態でもってつくるというところに労働省と私の話のすれ違いが起きるのだというふうに私は思います。話を聞いていて本当にそういうふうに思います。
 それで、婦人局長にお願いいたしますが、昭和四十五年一月十二日の婦発第五号、これの「T指導方針」というところの中のまた小さな一の「「パートタイム雇用」について」というところをちょっと読み上げていただきたいと思います。
○佐藤(ギ)政府委員 「「パートタイム雇用」について 現状では、パートタイム雇用についての概念の混乱が、近代的パートタイム雇用の確立のうえで問題となっているので、パートタイム雇用は、身分的な区分ではなく、短時間就労という一つの雇用形態であり、パートタイマーは労働時間以外の点においては、フルタイムの労働者と何ら異なるものではないことをひろく周知徹底するものとする。」
○田中(美)委員 当時は婦人少年局と言っていたわけですが、そこの通達できちっと立派なものが出ているのですね。それなのにどうしてこれよりも後退したような、パート労働者を差別するような発想の中で、この適用を拡大するということは前進ですけれども、適用はするけれどもその中に差別を持ち込んできているということは見逃せないことだというふうに思います。
 もう一つ申し上げたいことは、四十五歳から五十五歳、ここで働いているパートの方たちが特にひどく、今までは百八十日もらえたものが九十日しかもらえなくなってきている。特にここの労働者というのは年老いた両親を抱え、また子供たちが大学に行くという点では非常に大変な年代なんですね。ここが一番ひどく給付日数を減らしているというところを見ましても、私は、いかにして国が国の金を節約しようかというふうな発想がその中に流れているということを見逃すわけにはいかないと思うのです。こういう最近の中年のパート労働者の収入というのは家計にとって不可欠なものになっているのですね。単なる小遣いがちょっと欲しいとか、少し足らない子供のおやつ代を稼いでこようと、初めはそういうので進んできたし、そういう人は今もいます。八百万の中にはそういう人もいます。しかし、これが適用される人たち、特に四十五−五十四ぐらいまでの人たちというのは、その収入というのはその家庭にとっては不可欠なものになっているのですね。ですから、そこが失業しますと、これは今までのように一家のあるじは夫であったという考え方のときの夫の失業というのとほぼ似たような経済的な混乱を家庭の中に起こすわけです。これが非常に日数が少ない、そこに一番少なく持ってきているということは、これはどうしてですか。
○中井説明員 パートの方の雇用保険の適用の拡大につきまして、パートの方が家計にとって不可欠な収入を得ている、そういう前提で私どもも考えてその適用拡大を図っているわけでございます。
 ただ、具体的な給付日数については、先ほどもお答え申し上げましたように、再就職の難易度というようなこと、要するに雇用保険というのは再就職するまでの期間の生活の保障をする、そういう給付でございます。したがいまして、今パートの方、先ほど申し上げましたけれども、四十五歳以上五十五歳未満のパートの方の有効求人倍率は一・五四でございます。この一・五四という数字は、一般の三十歳未満の層と同等以上の数字になっているわけでございまして、一般の四十五歳以上五十五歳は〇・五七というような数字になって、非常に低いわけでございます。そういった形でパートの方の就職は非常にしやすい。たとえそれが四十五歳以上、五十五歳以上であっても就職はしやすい、そういう状況で、むしろ合理的な給付として九十日というふうに決めております。
○田中(美)委員 実際には就職しやすいということはありません。まだ若い人の方がしやすいですよ。それはそのときそのときによって違いますからね。今は景気がよければしやすいかもしれない。しかし、不景気になったら、四十五−五十四
になった人がどうして就職しやすいですか。あなた、法律をつくるのに、ことし一年だけ適用になる法律じゃないですよ。一度つくられたらそれは半永久とは言いませんが、私たちは徹底的にこれを改善させる努力をしようとしていますから、しかしそういう発想でもって物事を考えてはならないということを強く申し上げて、時間が来ましたので、終わります。
○津島委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
○津島委員長 この際、本案に対し、長野祐也君外三名及び児玉健次君外一名から、それぞれ修正案が提出されております。
 提出者より順次趣旨の説明を求めます。長野祐也君。
    ―――――――――――――
 雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○長野委員 ただいま議題となりました雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 修正の要旨は、第一に、原案において「平成元年四月一日」となっている施行期日を、「公布の日」に改めること。
 第二に、本案施行前において、一般被保険者であった短時間労働者については、一週間の所定労働時間が施行日の前日の労働時間以上である限り、原則として引き続き一般被保険者として取り扱うことができること。
 第三に、政府は、この法律の施行後適当な時期だおいて、短時間労働被保険毒係る新法の規定一の施行状況を勘案し、必要があると認めるときは、新法の規定について検討を加え、必要な措置を講ずること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○津島委員長 児玉健次君。
    ―――――――――――――
 雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○児玉委員 私は、ただいま議題となりました雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、日本共産党・革新共同を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 今日、パート労働者は八百万人となり、我が国の産業経済にとって欠くことのできない労働力となっています。しかし、その労働条件は財界の低賃金と人減らし合理化政策のもとで賃金は低く抑えられ、不安定で無権利な状態に置かれています。このような中で、パート労働者の七割を占める女子労働者は二重の差別の中で働いています。不況になれば、真っ先に首切り解雇を受けるのがこのようなパート労働者であり、失業中の生活保障としての雇用保険の完全適用は急務であります。
 政府が提出した雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案は、現在、通達によって「同じ事業所の通常の労働者の労働時間の四分の三以上、且つ週二十二時間以上」働く。ハートに適用していた雇用保険を、週二十二時間以上のパートに適用を拡大しようというものです。
 この改正案は、一定の前進ではありますが、次のような問題点を残しています。
 第一に、週三十三時間未満、二十二時間以上のパート労働者を短時間労働被保険者として一般被保険者から切り離し、別扱いとしていることです。このことによって、これまでは通達によって一般被保険者とされていたパート労働者が今後適用される場合は、通常の労働者と異なる扱いを受けるだけでなく、パート労働者の中にも二種類の被保険者がつくり出されることになります。
 第二は、適用拡大と引きかえに、パート労働者に対して、雇用保険の受給資格を得るための加入期間を六カ月から倍の十二カ月に引き延ばし、給付日数は三十歳以上ではことごとく切り縮め、給付に格差をつけていることです。パート労働者の保険料負担が安く改められたわけではありません。一般被保険者と同じ料率で保険料を払いながら受給資格や給付日数に異なる扱いを行うことについて、合理的理由が乏しいと言わなければなりません。
 パート労働者への差別を撤廃し、均等な待遇を確立することは、ILO第百六十五号勧告やヨーロッパ共同体・EC指令案にも盛り込まれている重要な原則です。また、労働省も十九年前の婦人少年局長通達で「パートタイム雇用は、身分的な区分駐く、短時間就労という一つの雇用形態であり、パートタイマーは労働時間以外の点においては、フルタイムの労働者と何ら異なるものではない」と述べていることからも、今回のパート労働者に対する雇用保険の差別適用は再検討を必要とするものであります。
 以上が、私たちが修正案を提出する理由であります。
 次に、修正案の概要を述べます。
 本修正案の第一は、当面週二十時間以上働くパート労働者に雇用保険の適用を拡大するものです。
 第二は、パート労働者への差別扱いを削除し、通常の労働者と同じ一般被保険者にします。第三に、今後の労働時間短縮の進展やパート労働者の変化に対応して、雇用保険の適用範囲を適宜拡大できるよう、見直し規定を設けたことであります。
 これらの実現に必要な経費は、およそ五十二億円であります。
 以上が修正案の内容です。
 委員各位の御賛同をお願いして、趣旨説明といたします。
○津島委員長 以上で両修正案についての趣旨の説明は終わりました。
 この際、児玉健次君外一名提出の修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。丹羽労働大臣。
○丹羽国務大臣 ただいまの修正案につきましては、政府といたしましては、まことに残念でございますが、賛成できず、反対でございます。
    ―――――――――――――
○津島委員長 これより本案及び両修正案を一括して討論に付するのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案及びこれに対する両修正案について採決いたします。
 まず、児玉健次君外一名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○津島委員長 起立少数。よって、本修正案は否決いたしました。
 次に、長野祐也君外三名提出の修正案について採決いたします。
 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○津島委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。
 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。
 これに賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○津島委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
○津島委員長 この際、本案に対し、長野祐也君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同の五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を求めます。吉井光照君。
○吉井委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。
 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。
    雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
 一 近年著しく増加しているパートタイム労働者等については、その処遇及び労働条件等をめぐる諸問題にかんがみ、これらの者の雇用の安定、労働条件の確保を図るため、法的整備を含め必要な措置について検討すること。
 二 小零細企業労働者及びパートタイム労働者の雇用保険への加入促進に格段の努力を払うこと。
 三 パートバンクの一層の増設を含め、公共職業安定所における職業紹介機能の強化及び体制の充実強化を図るとともに、就職情報誌紙等をめぐる諸問題に対応するため必要な規制を行うこと。
 四 いわゆる多重就労の実態を早急に把握するとともに、法的整備を含む必要な対応策を検討すること。
 五 不正受給の防止対策については、一層の強化を図ること。
 六 本格的な高齢化社会の到来を迎え、高齢者の雇用と生活の安定を保障する観点から、公的年金制度との連携を図りつつ、定年延長、雇用延長をはじめ、高年齢者の雇用就業対策について、法的措置を含め抜本的な拡充、強化を図ること。
 七 雇用保険三事業として実施している各種給付金制度については、中小零細企業における活用を促進するため、職業安定機関等における指導援助を拡充、強化すること。
 八 雇用保険三事業については、経済社会の変化に対応し、適宜各種給付金の整理統合をはじめ制度及び運営の両面にわたり必要な見直しを行うこと。
 九 本法の実効ある運営を確保するため、定員増を含め行政の実施体制の充実強化を図ること。
以上であります。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○津島委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 長野祐也君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○津島委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。
 この際、労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。丹羽労働大臣。
○丹羽国務大臣 ただいま決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存でございます。
    ―――――――――――――
○津島委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○津島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
○津島委員長 この際、内閣提出、日本労働協会法の一部を改正する法律案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。丹羽労働大臣。
    ―――――――――――――
 日本労働協会法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○丹羽国務大臣 ただいま議題となりました日本労働協会法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 近年、我が国の労働をめぐる社会経済環境は大きく変化をいたしております。
 すなわち、一方において労使関係はおおむね安定・成熟化の様相を示してきているものの、他方において、技術革新や産業構造の変化、経済活動の国際化が進展し、また、労働力の高齢化や就業形態の多様化が進行するなど、労働市場の需給両面にわたる大幅な構造変化が進んでおり、労働者の福祉と職業の確保とを図るために解決すべき課題は、雇用、労働条件、勤労者生活など多岐にわたり複雑・多様化の度を深めております。
 日本労働協会は、昭和三十三年の設立以来、労使関係の問題に関する専門的研究一教育機関として、労使関係に関する先駆的な研究を行うとともに、労使及び国民一般の労働問題に関する理解を培い、さらには諸外国の労働問題を通じた対日理解の促進等にも貢献してまいりましたが、右に述べた労働をめぐる社会経済環境の変化に対応するためには、その事業内容、要員配置を全面的に見直す必要があります。
 本法律案は、このような状況にかんがみ、日本労働協会に雇用促進事業団の設置する雇用職業総合研究所を移管して、中長期的視点に立った労働問題に関する総合的な調査研究体制を整備し、あわせて、その情報提供機能と労働関係者の国際交流機能を強化しようとするものであります。
 次に、この法律案の内容につきまして概要を御説明いたします。
 第一に、法律の題名を日本労働研究機構法に改めるとともに、日本労働協会の名称を日本労働研究機構に改めることといたしております。
 第二に、機構の目的としては、労働に関する総合的な調査研究並びに労働に関する内外にわたる情報及び資料の収集、整理及び提供を行うとともに、広く労働者及び使用者並びに国民一般の労働問題に関する知識と理解を深めることといたしております。
 第三に、機構の業務としては、右に述べた機構の目的を達成するため、
 一、労働に関する問題についての総合的な調査研究
 二、労働に関する内外にわたる情報・資料の収集整理
 三、これらの成果の提供
 四、労働に関する問題についての研究者及び有識者の海外からの招聘及び海外への派遣
 五、労働組合及び使用者団体等の行う労働教育活動に対する援助
等を行ことといたしております。
 第四に、機構の業務の拡充に伴い、雇用促進事業団が行う職業の安定に関する調査研究業務及びそのために事業団が設置している雇用職業総合研究所の施設を機構に移管することとし、あわせて機構の資本金に関する規定の整備を行うことといたしております。
 このほか、日本労働研究機構の役員に理事長一
人を加えるとともに、理事の定数を五人以内から四人以内に減ずることといたしております。
 最後に、この法律案の施行期日は、平成二年一月一日といたしております。
 以上、この法律案の提案理由及び内容の概要につきまして御説明申し上げました。
 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○津島委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る二十五日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時四十四分散会