第114回国会 商工委員会 第2号
平成元年三月二十二日(水曜日)
    午前十時開議
出席委員
  委員長 田原  隆君
   理事 甘利  明君 理事 浦野 烋興君
   理事 尾身 幸次君 理事 額賀福志郎君
   理事 与謝野 馨君 理事 奥野 一雄君
   理事 二見 伸明君 理事 青山  丘君
      逢沢 一郎君    石橋 一弥君
      石渡 照久君    小川  元君
      越智 通雄君    片岡 武司君
      古賀 正浩君    島村 宜伸君
      谷川 和穗君    中山 太郎君
      鳩山由紀夫君    原田昇左右君
      福島 譲二君    穂積 良行君
      森   清君    山崎  拓君
      渡辺 秀央君    小澤 克介君
      上坂  昇君    城地 豊司君
      関山 信之君    辻  一彦君
      権藤 恒夫君    森本 晃司君
      薮仲 義彦君    北橋 健治君
      工藤  晃君    藤原ひろ子君
 出席国務大臣
        通商産業大臣  三塚  博君
 出席政府委員
        通商産業大臣官
        房長      山本 幸助君
        通商産業大臣官
        房総務審議官  内藤 正久君
        通商産業省通商
        政策局長    鈴木 直道君
        通商産業省産業
        政策局長    児玉 幸治君
        通商産業省生活
        産業局長    岡松壯三郎君
 委員外の出席者
        大蔵省関税局企
        画課長     大塚  功君
        農林水産省農蚕
        園芸局繭糸課長 加藤 清氣君
        商工委員会調査
        室長      倉田 雅広君
    ―――――――――――――
          
委員の異動
三月三日
 辞任         補欠選任
  中野 寛成君     北橋 健治君
同月二十二日
 辞任         補欠選任
  水田  稔君     辻  一彦君
同日
 辞任         補欠選任
  辻  一彦君     水田  稔君
    ―――――――――――――
三月二日
 特定新規事業実施円滑化臨時措置法案(内閣提
 出第三二号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する
 法律案(内閣提出第一〇号)
     ――――◇―――――
○田原委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 これより趣旨の説明を聴取いたします。三塚通産大臣。
    ―――――――――――――
 繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する
  法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
○三塚国務大臣 繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び趣旨を御説明申し上げます。
 繊維工業につきましては、現行の繊維工業構造改善臨時措置法に基づきまして、昭和四十九年度から構造改善事業を実施し、商品開発力、技術開発力の強化、設備の近代化等を推進してまいりました。
 しかしながら、近年の我が国の繊維工業をめぐる経済的環境は、円高の定着、アジア新興工業経済群等の追い上げ等による輸入の増大、需要の多品種、少量、短サイクル化など、かつてない激しい変化を見せておりまして、我が国の繊維工業は、このような変化に即応した構造改善を推進するため、新たな対応が強く求められておるところであります。
 これらの状況を踏まえまして、一昨年十一月、通商産業大臣より、繊維工業審議会及び産業構造審議会に対しまして、今後の繊維工業及びその施策のあり方について諮問がなされ、約一年間にわたりまして両審議会において慎重な審議が重ねられてまいりました。
 その結果、昨年十一月、我が国の繊維工業が現在の厳しい環境を克服いたしまして、今後さらなる発展を遂げてまいりますためには、需要の多品種、少量、短サイクル化等に対応する新たな実需対応型供給体制を構築することが必要であるとの趣旨の答申を得たところであります。
 政府といたしましては、この答申の内容に沿って政策を推進すべく、本法律案を提案することといたした次第であります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一は、この法律が廃止するものとされる期限につきまして、本年六月三十日までとなっておりますものを、平成六年六月三十日まで五カ年間延長することといたしたところであります。
 第二は、繊維工業の新たな構造改善事業を積極的に推進するため、構造改善事業計画の承認制度につきまして、その事業が相互に密接に関連する繊維事業者等の連携に関する計画に対するものとするとともに、繊維事業者が実施する構造改善事業を円滑にするための商工組合等による構造改善円滑化事業の計画の承認制度を創設することであります。
 第三は、繊維工業の構造改善を効果的に推進する観点から、政府は、繊維工業の高度化のための事業を総合的に行う繊維工業高度化促進施設の整備を図るために必要な資金の確保などの措置を講ずるよう努めることとし、産業基盤整備基金に繊維工業高度化促進施設の整備の事業に対する出資業務を追加するとともに、繊維工業構造改善事業協会に繊維工業高度化促進施設の整備の事業に必要な資金の借り入れに係る債務の保証並びに繊維工業高度化促進施設の運営を行う者に対する情報の提供並びに指導及び助言の業務を追加することであります。
 第四は、近年急速に進展しつつある情報化の成果を繊維事業者がその構造改善に活用し得るよう、繊維工業構造改善事業協会におきまして、繊維事業者が繊維製品に関する情報の処理を効率的に実施するための調査研究及びその成果の普及の業務を新たに行うこととすることであります。
 以上が、この法律案の提案理由及びその趣旨であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
 以上で提案の説明を終わります。
○田原委員長 これにて趣旨の説明は終わりまし
た。
    ―――――――――――――
○田原委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石渡照久君。
○石渡委員 繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案について、政府側に御質問をいたします。
 繊維産業を取り巻く情勢は、一九八五年のプラザ合意以降の急速な円高により著しい変化を遂げております。すなわち、為替レートは一九八四年の二百五十一円より八五年二百一円、八六年百九十五円、八七年百二十四円と急速な円高をたどり、実にこの三年間に円の対ドルレートは倍にもなったわけであります。
 この間、東南アジア地区を中心とするNIESの急速な台頭が顕著であり、我が国の繊維輸出市場に対する進出、また、我が国国内市場に対するこれらの国々からの繊維製品の輸出の急速な拡大が見られ、その結果、繊維製品の輸入は一九八二年から一九八七年までの五年間に約二・二倍に増加したわけであります。
 国内市場においては、国内景気の好調は持続しているものの、繊維業界にとっては必ずしも容易な状態ではないわけであります。輸出が困難になった事業者が争って国内マーケットに向かっておりまして、NIESからの輸入の急増と相まって、国内市場での過当競争が一段と激化している現況にあります。
 昨年十一月に繊維工業審議会、産業構造審議会により公表された繊維ビジョンの「結び」の一節にも、「昭和五十八年以降の数年間に繊維産業が直面した環境変化は、戦後、繊維産業が遭遇したもののうち、最大規模のものであった。」との記述があるわけであります。
 そこで、伺います。このような状況を見るにつけ、繊維産業を取り巻く情勢は、五年前の現行繊維法の審議を行ったときと比べても一段と厳しくなっていると思われるわけでありますが、この内外の環境の変化を踏まえて、繊維産業が直面している課題について通産省はどのように認識をしているのか、また、繊維産業の振興のためにどのように対応する方針なのか、お聞きをいたします。
○三塚国務大臣 お答え申し上げます。
 ただいま石渡委員御指摘のように、繊維業界を取り巻く環境、極めて厳しく相なってまいりました。内需振興という基本政策の中で他産業かつて見ざる順調な成長でございます。本日も経済調査の報告がございましたが、依然として拡大基調にあります、力強い進展を伴っておりますと、これは全般的な言い方でございますが、そういう中にありまして、御指摘のように繊維産業を取り巻く諸情勢は五年前と全くさま変わりに相なってきたのではないだろうか。NIESの追い上げがそのことを端的に示しておるとも言われます。そういう中で、輸入の急増、さらに需要の多品種・少量・短サイクル化などの急速な進展が厳しい環境変化をもたらしておりまして、我が国伝統産業であります繊維産業がこれに対応し切れないという一面も出てきておるわけでございます。このような諸状況の中で、伝統産業であり中心産業であります繊維産業をどのように活性化せしめるかが政治に課せられた重要な課題であろうと存じます。
 さようなことの中で、本法をさらに五年間延長しなければならぬというのもその第一でございまして、新しい実需対応型供給体制の構築によりまして、さらに国民に対し生活文化を積極的に提案する産業への脱皮を図っていくことが大事ではないのかというふうに考えるわけであります。さような観点から、法律にもうたったわけでありますが、内需の変化に即応する供給体制の構築、そのための新たな構造改善の推進。そして二番目として、繊維産業の商品企画力、情報収集発信力を向上させるための基盤整備。ファッションはアメリカとパリとイタリーと言われるのではなくして、日本がファッションの発信地であるということに対応することが大事かなとも考えます。そのためにさらに情報化の環境整備を内容とする新しい繊維産業の施策を講じることが緊要である、かように考えておるところであります。
○石渡委員 我が国の所得水準は一人当たり国民所得のレベルでアメリカを抜いたと言われておりますように、世界有数な市場を形成していると言えるわけであります。このような拡大しかつ高度化した内需を的確にとらえていくことが、繊維産業の発展のために極めて重要であると思うわけであります。
 しかしながら、繊維産業は、国内の他の産業と比べても零細性が強く、また地域性も強い極めてユニークな構造を有している産業であり、このような環境変化に自力で対応していくということはなかなか難しい状況にあるわけであります。一方、困難な状況にあるものの、繊維産業は今なお二百八十万人の雇用を支える重要産業、農業関係の専業農家の数が六十一万戸ということと比べても、この二百八十万人の大きさというものがわかろうかというものでありますが、その地域性がゆえにその消長が地域経済の安定を左右する産業であるということも忘れてはならない事実であろうかと思うわけであります。したがって、政府が適切な支援をして、繊維産業の産業構造、企業構造を内外環境の変化に適切に対応できるようにしていくことが緊急の課題ではないかと思われるわけであります。
 そこで伺いますが、構造改善事業については今回の法律の改正のポイントの一つでありますが、従来の構造改善事業にどのような変更を加えたのか、その内容と考え方をお伺いいたします。特に、新たに構造改善の円滑化計画を創設した理由をお伺いいたします。
○岡松政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、新たな環境変化に向かって我が国の繊維産業をどういうふうに再構築していくかということが大きな課題であるわけでございますが、約一年間かけまして繊維工業審議会総合部会及び産業構造審議会繊維部会合同部会の形で六十回を超える議論をしたわけでございますが、そこでも、今御指摘のような零細企業でございます繊維産業をどのように、特に川上、川中、川下と言われる中の川中部門の合理化、再構築というものをいかに進めるかというのが議論の焦点であったわけでございます。その意味で、この厳しい環境変化に直面しております繊維産業、これを克服していくためには、先ほど大臣の答弁にもございましたように、多品種・少量・短サイクル化という環境の変化を明確に受けとめ、これに対する対応策を検討していかなければならないということで構想を練っていったわけでございますが、その結果、従来から進めております構造改善事業制度、ここでは商品開発単独に着目をいたしまして支援をしてきたわけでございますけれども、このような商品開発事業を含めた多品種・少量・短サイクル化への対応。一つの例として申し上げますと、このような環境の変化にクイックレスポンス、速く対応できるような体制という意味でございますが、このクイックレスポンス体制をとっていくというような数々の事業を幅広く支援していく必要があるというふうに考えたわけでございます。
 このような観点から、事業の実施主体につきましても、この多品種・少量・短サイクル化に対応するための事業を着実に実施し得るよう、従来の垂直連携型の提携ということに加えまして、事業相互に密接な関連性を有する事業グループということ、これを答申ではリンケージ・プロダクション・ユニット、略してLPUというふうに言わせていただきますが、このLPUという要件、こういうものを加えたものを要件として構造改善を進めていきたいというふうに考えておるわけでございます。
 また、先生最後に御質問のございました円滑化事業でございますが、この構造改善に取り組むこととなる繊維事業者、先ほど御指摘のように非常に零細性の強い事業でございますが、これを側面から支援するものといたしまして、新たに商工組合等、具体的には産地の組合というふうにお受け取りいただいてよろしいわけでございますが、このような商工組合が人材の養成、情報の提供、生
産または経営の合理化に寄与する施設の設置等を行いまして、この個々の事業者の構造改善を下から支えていくという制度を設けたわけでございます。これを構造改善円滑化事業と名づけまして、この事業に対しましても金融、税制面からの支援を行っていこうというふうに考えておるわけでございます。
 このような対策を通じまして、繊維工業が置かれております経済環境下で急速な構造改善を進めていくことができるように考えているということでございます。
○石渡委員 さきにも触れた繊維産業のビジョンにも明確に方向が打ち出されているところでありますけれども、私は、今後繊維産業が活力ある産業として力強く再生していくためには、ファッション化の波にも的確に対応していくことが極めて重要だと考えます。この意味で、構造改善事業についての変更と並んで今回の法律の改正のもう一つの大きなポイントである繊維リソースセンターの構想には大きな期待と関心を持っているところであります。そこで、この繊維リソースセンターについて二、三の質問をいたします。
 最初に、繊維リソースセンターの趣旨及び具体的な立地の方針を問う。なるべく簡便に御答弁をお願いします。
○岡松政府委員 御質問の繊維のリソースセンターでございますが、法文の上では「繊維工業高度化促進施設」というふうに名づけさせていただいておりますが、ここでは繊維製品に係る素材あるいは衣服の見本を収集、展示するということを根幹の事業といたしておりますが、そのような見本を一つのやかたに集めることによりまして、デザイナーと産地の方々との出会いの場をつくろうというのが大きなねらいでございますし、そのほか生産、加工についての技術あるいは需要動向、お話のありましたファッション動向などをオンラインで産地まで届くようにしたいという情報の収集、整理、提供を行っていこう、あるいは繊維の事業者が必要とする後継者の育成のための研修事業を行う等々の制度を考えておるわけでございまして、これを繊維のリソースセンターと名づけまして、第三セクターを考えておりますが、繊維の産地あるいは消費地に設立をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
 また、具体的な立地の方針ということでございますが、初年度三カ所程度をつくることを考えておりまして、これを皮切りに、構造改善の期間を通じまして、業種、地域バランス、繊維事業者の集積度等を考慮いたしまして、全体として有効なネットワークを形成されるように検討してまいる所存でございます。
○石渡委員 今年度三カ所ということでありますけれども、東京も立候補しているのではないかというふうに思いますが、東京にも実は下町の方と三多摩の方とございまして、私ども三多摩の立場といたしますと、繊維のあらゆる部門が八王子あるいは村山、青梅に集中をしております。下町はメリヤス関係が主体の産地でありますが、そういう意味で、この立地については、東京の立候補、そして私ども八王子産地の立候補ということを次なる機会にぜひお願いをしたいと考えております。
 続いて、この繊維リソースセンターの採算性の確保、経営面で困難が起こる可能性があるのではないかという心配がされますけれども、その点についてお伺いをいたします。
○岡松政府委員 繊維のリソースセンターは、先ほど申し上げましたような設備を考えておるわけでございますが、そうなりますと、初期投資としてはかなり多大な投資ということになってまいりますので、率直に申しまして短期間で採算性をとるというのはなかなか難しい点もあろうかと存じます。しかしながら、次第に期間とともに償却負担も逓減していくというふうに考えられますし、また事業の内容が繊維事業者に浸透してくるに伴いまして、利用率の増大、それに伴う事業収入も増加するというふうに見込まれますので、中長期的には採算性は確保できるものになるというふうに考えておる次第でございます。
○石渡委員 よろしくお願いしたいと思います。
 政府の施策は往々にして手続が煩雑であるというようなことが言われておるわけでありまして、繊維リソースセンターについては、簡略な手続で迅速に対応できるようひとつ希望をしておきます。
 リソースセンターについては、ぜひこれが早急に全国の繊維産地の要望を十分に考慮して設置され、我が国繊維産業のファッション化のための強力な支援施設として大きな役割を果たすことを期待するわけでございますが、ここで海外に目を向けてみたいのであります。これまでファッションといえばフランス、パリと言われておったわけでありますが、先ほど大臣のお話のように最近はイタリア、ミラノがファッション分野でパリと並んで有力視をされておるということでございます。そのミラノ市の目覚ましい飛躍ぶりについて、どういうわけでそのような形になったのか、わかることをお知らせをいただきたいと思います。
○岡松政府委員 御指摘のようにイタリアのミラノを中心とした地域が近年ファッションの一つの中心地になってきておるわけでございますが、これはなぜかということにつきまして、一つの見方といたしまして、北部、中部イタリアは申すまでもなくローマ帝国、ルネッサンスという大きな文化遺産を持った地域、ここに建設あるいは皮革製品、アクセサリー等の雑貨あるいは料理といったようなファッションに関連する幅広い文化的な集積があるという点が、基本的な基盤として考えられるところでございます。特に北部イタリアにおける絹、人繊産地のコモ、有名な地域でございますが、そのほかも織物の産地としてのビエラ、プラト、ニット産地としてのボローニャといったようなところがございますが、ここは結局、紡績、織り、編みあるいは染色、縫製といったようなそれぞれの段階、繊維の生産工程がワンセットで存在している、一貫生産が産地内で可能であるということが大きな強みになっているというふうに思います。
 しかしながら、この地域も一朝一夕で成ったわけではございませんで、長年パリのファッション界の素材提供あるいは下請加工基地として機能してきたというところから、良質な職人が育ってきた、あるいは優秀な企業群が育ってきたということがあろうかと存じます。それに加えまして、そのような背景のもとで著名なデザイナーも輩出してきたということが言えまして、二、三例を挙げさせていただきますと、ジョルジョ・アルマーニあるいはジャンニ・ベルサーチェといったようなデザイナーがミラノを中心として活躍を始めておるわけでございまして、十年ほど前からミラノコレクションというのが、パリの下請的な地位から脱して、パリと並ぶ一つのファッション基地になってきたということでございます。
 このような民間側の努力に加えまして、さらに申し上げたいのは、やはりイタリア政府もこのファッションというものを輸出戦略として重点的に位置づけておりまして、イタリア貿易振興会、我が国でいいますとジェトロに当たるのかと存じますが、こういうところを通じまして資金援助も行っている。すなわち官民一体となって世界にミラノをアピールすべく努力してきた。このような努力が実って近年飛躍的にミラノのファッション界における地位が高まってきているということかと存じます。
○石渡委員 フランスやイタリア、そしてパリやミラノ市は、繊維産業やファッションの振興のために国や市みずからがさまざまな努力をしていると聞いているわけであります。日本は、これまでに、経済力や技術力の向上については国もさまざまな支援措置を講じて、世界に冠たる経済大国を築いてきたわけでありますけれども、しかしながらファッションについては政府の政策の面でもほとんど顧みられることがなかったのではないか。日本の伝統文化は世界でも価値の高いものでありますが、日本が経済大国になった今日、文化面では伝統文化にのみ依存することなく、現代に生きるファッション文化についても政府として力を入
れる時期が来たのではないか。三塚大臣の力を随分発揮していただいて、このファッション文化について力を入れる時期が来たのではないかと私どもは考えるわけであります。経済力だけでは、世界の中で尊敬される国にはならない。今こそ平和文化国家日本を象徴すべくファッション文化の中核を担う力強い繊維産業を育てて、そしてパリやミラノに並んで、あるいはこれらの国々を超えて、すばらしいファッション文化を築き上げることが必要ではないかというふうに思うわけでございますが、この点についてひとつ大臣のお考えを伺いたいと思います。
○三塚国務大臣 石渡委員の御指摘、極めて重要な御指摘だと思います。日本といいますと、ハイテク、技術大国というイメージがあります。また、もちろんそのために全力を挙げて戦後復興の目標にそれを掲げてきたことだけは事実であります。しかしながら、先般の大喪の儀に見られますように、古式ゆかしい喪列、さらにそれを保持されましたあの喪服、絹織物、衣冠束帯の盛装であろうと思うのでありますが、あれを見ました各国代表は、つとに日本文化の重厚性というものに深い驚異を感じ、敬意を表したと言われております。そういうことどもの中におりまして、繊維産業は、お蚕を初め素材製品、そして今日まで自力、独力で伝統文化の中で築き上げてまいった。しかしながら、世界経済の関連の中で押し込められる機運にある。えてして文化というものは守り抜く気迫がございませんと消滅していくというのが歴史の事実であります。さような中にございまして、先端技術産業も極めて重要であります、同時に歴史の歩みの深い我が国が、この分野を大事にしながら、現代に生きる発展を仕上げていくということが政府に課せられた重要な課題だというふうに思います。そういう意味で、リソースセンター構想がここに出てまいりましたのはその具体的な一つでありまして、まずもって着実な推進、前段も申し上げましたワールド・ファッション・フェア等のイベントに対する支援等を通じまして、ファッション文化は東洋の日本である、こういうことで高く各国にその焦点をここに向けさせるという、歴史が古いのでございますから、そういう点が現時点において極めて今世紀的に重要な課題だということでありますので、委員各位、委員長を初め皆々様方の御鞭撻を賜りながら、より的確に、より実効性、より迅速性ということで取り組んでまいりたいので、よろしく御鞭撻を賜りたいと存じます。
○石渡委員 今度の予算で政府開発援助は世界一になって、外国に対する援助というようなことをやろうということでありますけれども、しかし、日本が果たして外国から尊敬されている存在であるのか。経済大国と言われておりますけれども、親しまれ尊敬される存在であるのかということになりますと、必ずしもそうは言えないというふうに思います。そこで、平和産業であります、そして文化産業でありますこの繊維産業の再興といいますか、そういうことによって、世界の中に本当の意味の平和を愛する、そして文化を愛する日本ということが訴えられるのではないか、浸透していくのではないか。また、繊維産業はいわば大衆の商品であります。芸術品とは違う面もあります。そういう意味で、ぜひこの繊維産業の再興に政府としても、日本の国としても全力を注いで、世界の中に日本の文化を広めるべきであると考えるわけでございます。
 きょうは実は農水省からもおいでをいただいて、生糸の一元化の問題について御質問をするわけでございますが、大変時間が少なくなってきておりますので、簡便なお答えをしていただきたいと思います。
 生糸の一元化輸入を実行した時期は昭和四十九年であります。それから、これは議員立法ということで生糸の一元化というものができたということでありますが、それでよろしいでありましょうか。
○加藤説明員 お答えいたします。
 昭和四十七年に一元輸入の立法がなされまして、発動いたしましたのは昭和四十九年からでございます。
○石渡委員 一元化輸入制度のために日本の絹織物業界は国際価格に比べて倍以上の生糸を購入させられてきたわけであります。絹は繊維の女王であります。そして日本は、世界最大の生糸の消費国でもあり、また、その生糸の取り扱い技術も世界一であるわけであります。しかしながら、日本の絹関係技術は、戦前の技術者がこれを支えている状況にあります。私考えますのに、昭和十四、五年までがこの技術者が育った時期ではないか。そうすると、現在六十五歳以上の人が本当の意味の絹の技術者ということでありまして、非常にもう時間的に、この保存といいますか、その活躍の場が少なくなってきているということであります。現在のような制度のもとで、外国の絹織物業者と不平等な競争条件下でやっている限り、早晩絹織物業界は崩壊してしまうのではないでしょうか。生糸をめぐる環境は著しく変化してきたわけであります。シルクブームが全世界に広がっているわけです。生糸過剰時代から不足時代に入り、今や一元輸入制度はその存在価値を失いつつあるのではないかというふうに私は思っております。
 この一元化の問題を私はオリンピックの陸上競技の四百メートルリレーに例えられるのではないかと思うのです。オリンピックでリレーをやるときには一線でスタートをいたします。しかし、この生糸一元化ということによって日本の絹業界、織物業界、絹の製品の業界は、スタートラインで既に五十メートルくらい後ろからスタートしている。四百メートルリレーで五十メートルも後ろからスタートしたのでは、これは勝負にならぬわけです。初めから負けているわけです。絹が女王でありますから、絹がそのスタート時点で負けてしまっているわけでありますから、ほかの綿、毛、合繊というようなものの意欲も薄らいでくるし、全体的に日本の繊維業界というようなものの地盤沈下はそこにあると私は思うわけであります。
 養蚕農家の方々にそれではどうなんだということになりますけれども、この生糸の一元化撤廃というものが養蚕農家の衰亡、滅亡には決してならない。日本の養蚕農家はそれなりの工夫をし、なお大学等も、私もある大学の教授に話を聞きましたけれども、養蚕の今後というようなものは決して暗くない、日本の技術を発揮すれば日本独特のお蚕さんはできるのだというようなことも言っているわけでございます。
 私は、この際、農家にも不信感を持たれ、そして需要家にも、絹を使う業界からも不信感を持たれておるこの制度を撤廃すべきであるというふうに考えておるわけでございます。大臣の所感をお伺いをいたします。
○三塚国務大臣 極めて重要な御指摘でございまして、政府また各党協議の中で、また与党の中におきましても、本一元化問題については、安定価格決定の際に基準価格があるわけでございますが、大変な論議の中で方向づけをしておることは御案内のとおりでございます。
 さような観点から、基本的には、需要業界の要望を踏まえた主管省たる農水省の適切な対応を期待しなければならぬと存じます。生糸価格が少しでも国際価格に近づけるような努力、そしてその成果として安定的に生糸が供給できるということでありますれば、石渡委員の御指摘にマッチをするわけであります。
 そういう意味で、養蚕の構造改革がただいま進められておるわけでございますが、ここまで参りました日本の繊維業界、養蚕業界、一体であるわけでございますから、思い切った政府の措置が望まれるわけでございまして、農水省とも、政府として主管省たる通産省、よく連携をとらせていただきながら相進まなければなりません。
 まさに日本の伝統的産業である絹織物業界というのは、前段申し上げましたとおり続けていかなければなりませんし、極めて高い需要の中にありますことも御案内のとおりでございますから、兼業農家とのバランス、発展というものを前段申し上げました構造改革の積極的な推進によりまして
対応できるようにしていかなければならぬという適切な御指摘でございますので、十分その趣旨を踏まえて努力をしてまいるつもりであります。
○石渡委員 どうもありがとうございました。終わります。
○田原委員長 上坂昇君。
○上坂委員 繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案を中心にして質問をいたします。
 まず、法の改正の問題でありますが、この法律は、昭和四十九年の第七十二国会で制定をされ、繊維工業の知識集約化促進のために、紡績、織布、染色整理、縫製等、異業種間の事業者の連携によって新しい構改事業が進められてまいりましたが、本来は五年間でその任務が終わるわけでありました。ところが、なかなかそれがうまくいかないということで、五十四年の八十七国会で五年延長、さらに五十九年の百一国会で、ことしの平成元年六月三十日までに五年延長されて、今また新しく延長されようとしていると思います。
 そこで、この法律によって行われてきたものは、スクラップ・アンド・ビルドと構造調整が主として行われてきたのではないかというふうに私は認識をしております。そこで、今までのスクラップ・アンド・ビルドにしても構造調整にしても、一体成果が上がっていたのかどうか、この辺をもう一度説明していただきたいと思います。
 それから、昭和三十一年に繊維工業設備臨時措置法が制定されて以来約三十年間に、約七百億円ぐらいの資金が補助金であるとか長期低利融資とかという形で投入をされたというふうに言われておりますが、これは一体どのぐらいの投資が行われてきて、それがどのような効果を上げてきたのかということについて、まずお聞きをいたしたいと思います。
○三塚国務大臣 どれぐらいの投資と、それの成果、評価というものは局長にお任せをいたしますとして、委員御指摘の四十九年度以降の構造改善事業の評価ということでありますが、本件については、垂直連携グループによる商品企画開発能力の強化を図ろうというので構造改善事業を進めたわけでございますが、その実績において一定の成果をおさめておるものと存じておりますし、理念において基本的に評価できるものと考えておるところであります。
 現行法、まさに今申し上げましたような商品企画開発力の強化であるわけでございますが、繊維産業全体の知識集約化を図る、こういうことで、御案内のとおり四十九年度から六十三年度まで百七グループの構造改善事業が実施されてきたところでございます。この百七の実施グループの実績を見ますと、新商品の開発の面で一定の成果をおさめるなど、ほぼ目的を達しておるのではないだろうかと思いますし、現行法の理念である垂直連携による消費者需要を反映した新商品の開発という考え方についても、基本的に評価できるものではないかと思っておるところであります。
○岡松政府委員 先ほど御質問の中にございました総投資額でございますが、四十七年度以降の総投資額は約三千億円になるというふうに承知いたしております。
○上坂委員 これだけの資金を投入する以上は相当な成果が上がらなければならないわけでありますから、今大臣からお話があったように、百七グループが構造改善事業をやって実績を残したということで評価をしておられることについては、私も認めていきたいと思います。
 そこで、今度の産構審の答申の問題であります。「今後の繊維産業及びその施策のあり方」ということの中で、答申の第一章(2)の項の「繊維産業の特異な生産・流通構造」が、第一に「生産・流通構造の分断性、複雑さ」、二番目に「産地性」、三番目に「企業の零細性」、四番目に「賃加工生産形態」、五番目に「労働集約性」、六番目に「設備の老朽性」、これを指摘しまして、なおこれについて検討を加える必要がある、こういうふうに出ております。
 そこで、お伺いしたいのは、この六つの特異性というものは繊維業界の発展過程でいつも問題にされてきたものだと思います。それがゆえに、そのときどきの時代時代に応じて、これらに対する対策が立てられてきたのではないかと私は考えております。そこで、現行法制定から今度六十三年までの間に同じような状況の分析になるということについて、何となく割り切れないものがある。今大変実績が上がっているというふうに言われているのですが、この実績というのは、単に構造改善事業をやって企業が転換をしたりあるいは別な商品を開発したりということにだけ集中をしてきているというのでは、本当の構造改善にはならないのではないか。指摘されているこの六つのいわゆる特異性を変えていくような、そういう構造改善でなければならなかったのではないか、こういうふうに私は思うのです。
 特に四項の賃加工生産の形態というのは、零細小規模企業にとっては非常につらい立場に置かれて、そして常に経営の危機に直面し、そこに働いている人たちは常に失業の不安に脅かされている、離職の問題を抱えているというようなところに問題があったんじゃないかというふうに思います。この賃加工の形式というものは、そこに働いている労働者のいわゆる労働条件というものを念頭に置いて、これを改善するということに非常に大きく影響していくというふうに思うのです。そういう意味で、毎年毎年通産省に対しあるいは労働省に対して労働組合の側からも改善の要求が提起をされてきたと私は思うのです。ところが、一向にそういうものが改まっていない。こういうことについて、どういうふうに考えておられるのか、ここのところをひとつ解明をしてもらいたいと思うのです。
 それからもう一つは、この間に取り組まれてきた過剰設備の処理が各業種にわたっていますね。何回か計画され実施されてきています。そのたびごとにまた大きな問題を起こしています。そういう問題と引き比べてこうした過剰設備の処理はスムーズに行われてきたのかどうか。ここでもまた、どういう成果が上がってきたのかということを、ひとつ解明をしていただきたいと思うのです。
 それからもう一つ、時間の関係がありますから申し上げますが、その間に転換政策というのがずっと行われてきたのですね、転廃業の問題で。
 転廃業の問題を考えた場合は、繊維業種の内部の転換が一つあります。これはいろいろやり方としては成功の率は多いと私は思うのです。
 それから、繊維という業種から全く異なった業種への転換というものも行われてきたと思うのです。これはなかなか難しかったと思うのです。特に不況の時期において事業を転換するということは非常に難しい。事業の転換というのは概して景気のいいときにやった方が成功するので、もうにつちもさっちもいかなくなってから業種転換をやってもどうにもならないということがあると思うのですね。こういうことについても、どういう成果があったのか。
 それからもう一つ、第三番目には、第三次部門、これはサービス関係、特に製造業なんかからサービス関係の方に転換をするというようなことが出てきていると思うのです。ところが、第三次部門への転換ということになりますと、どうしてもそこでは労働者の人たちを解雇していく、離職をさせなければならない、こういう状況が出てきて、それほど雇用問題としては大きな成果が上がらないような感じを私は受けておるわけであります。
 こういう転換政策の実態、転廃業の実態というものについて、御説明をいただきたいと思います。
○岡松政府委員 幾つかの点御質問でございますので、順次お答えさせていただきます。
 まず第一点、答申にございます繊維産業の実態についての分析、御指摘のように六つの点について指摘がなされておるわけでございますが、その中で特に賃加工形態について、ここに働く労働者の問題も含めてどういうふうに考えていくかということでございますが、この点につきましては、答申にも触れられておりますように、確かに賃加工形態というのは、一つは設備投資がそれだけ少
なくて済む、あるいは情報につきましても親の方から仕事がもらえるという問題があるわけでございますが、逆に受託企業に安住しているということになりますと自主性が損なわれてくるという問題があるわけでございまして、ここらの点について新しい時代に即した対応をしていかなければならないという課題があろうかと存じます。
 それで、これらについての対応でございますが、基本的には繊維産業全体が国際環境に適応できるように体質改善をしていくということが必要ではないかというふうに考えるわけでございまして、今回の法律案の中でお願いしてございます構造改善事業あるいは構造改善円滑化計画というのを産地組合を中心とする商工組合で行うことになっておりますが、このようなことを通じて繊維産業全体が魅力ある産業になっていくということが、雇用者の面でもよい影響を及ぼしてくるのではないかと考えておる次第でございます。
 また、第二の御質問の過剰設備の問題でございますが、四十七年以来六十二年度まで二十五業種について過剰設備についての共同廃棄事業を実施いたしてまいりましたが、それによりまして中小企業者の転廃業の円滑化が図られ、産地の構造改善あるいは業界の経営基盤の安定に寄与したという評価ができるのではないかというふうに思っております。しかしながら、この設備廃棄事業ということが行われますと、本来であれば廃棄されるべき設備が温存される、したがって経営責任のあいまい化あるいは行政への過剰依存というような弊害も指摘されておるわけでございまして、この制度につきましては六十二年度までで打ち切られているということは御高承のとおりでございます。
 また、第三の、事業転換がどのように進められているかという御質問でございましたが、事業転換につきましては、率直に申し上げまして、成功した例と必ずしも成功しなかった例とがございます。
 成功した例を御説明させていただきますと、染色業から電子管製造業へ転換した例というのがございますが、この企業は電子管製造分野でトップございますが、転換後、当初の決算においても高い経常利益を計上することができたというように、極めてうまくいったわけでございますが、これは、時期を失することなく最先端技術を持つ成長産業へ転換したという、そのタイミングのよさが成功の理由ではないかと言われております。
 一方、うまくいかなかった例があるのでございますが、これは瀬戸内海に立地する織物業でございますけれども、瀬戸内海にあるという地理的条件を生かそうと考えまして、冷凍すり身等の製造業に転換をした企業がございます。この場合には、この冷凍すり身業というものが既に成熟産業と言われている段階になっていたわけでございまして、こういう産業に新たに入っていったこと、その際の生産計画に見合わない過剰な設備投資をした、また、そのための過剰な借り入れをしてしまったということが、失敗の理由というふうに言われておるわけでございますが、通産省といたしましても、このような転換に当たりましては、正しい方向の選択ができるように、種々今後とも指導をしてまいりたいと考えておる次第でございます。
○上坂委員 成功例と失敗例をお聞きしたわけでありますが、比較して成功している方が多いのか失敗しているのが多いのか、その辺はどういうふうに把握をしておられるのか。
○岡松政府委員 中小企業の転換法と言われる法律が施行されましてから六十三年までに、この法律に基づきまして事業転換計画の承認を受けましたのが、製造業全体で二百五十七事例があるのでございますが、その約三分の一は繊維関係が占めている。また、転換円滑化計画ということにつきましても、約四分の一が繊維産業が占めているということでございまして、先ほど申し上げましたように、これらは一部失敗例もございますけれども、おおむね新しい市場に向かって転換が遂げられているというふうに考えておる次第でございます。
○上坂委員 そのことは後でまた資料を示していただくようにしたいと思いますが、先ほどの賃加工形態の問題でありますが、答弁を聞いていると、何を言っているのかさっぱりわからない。賃加工形態を検討するということは、いろいろ注文する、例えば親企業とその下請企業との間の関係を正常化するといいますか、下請の方でいろいろ物の言えるような状況をつくるとか、それから、きちんとした賃加工の金額にして、圧力を加えられて安くそれをしなければならないというような形態をなくしていくとか、労働時間をどうするとかというようなことだろうと私は思うのですが、外国のあれがどうだからとか、新しい品物がどんどん入ってくるから賃加工形態だなんて言われたって、何を言っているのか焦点がぼけてさっぱりわからない。私が聞いているのは、その賃加工形態を一体どういうふうに今まで検討をし、それを直そうとしてきたのか、こう聞いているわけです。そこのところをひとつはっきり答えていただきたいと思う。
○岡松政府委員 賃加工形態につきましては、端的に申し上げますと、今後事業者の自主性を高める方向で考えていくということが必要な施策ではないかと考えておる次第でございます。
○上坂委員 これはまた後で聞きますが、自主性を高めたって、みんな自主性を持っているんだけれども、自主性を高めたから賃加工形態が改まってくるなんて思ったら、これもまたおかしな話じゃないかと思うのです。下請代金の遅延防止法とかいろいろありますが、そういうものの中で、下請企業が親企業と交渉する力も持てない。下手に物を通産省の方に言ってくれば、もうそれで今度は下請は切られてしまう、あるいは注文をもらえない、いろいろな制約があるわけです。そういうことを排除していかないと、いつまでたっても中小企業、零細企業は救われない。そういうところから近代化というものは阻害をされる、こういうことになるのだろうと私は思うのです。そういうことを聞いているので、後でまた聞くから、よく考えておいてください。
 次に、今かなりの成果が上がっている、こういうことでありますから、それは大変いいことだと思います。ところが今度の改正では、生活文化提案型産業への発展として繊維業に新たな課題を課そうとしていると私は思うのです。今の繊維の状況が、先ほど挙げました六つの特異性がいまだに存続をして改善されない段階で、果たしてこの課題にこたえていくことができるのどうか、私はここに非常に大きな不安を感ぜざるを得ないわけです。どうも今度のは、何回も構造改善事業をやり、いろいろな手当てをしてきた、過剰設備の廃棄から何からいろいろなことをやってきたけれども、もう打つ手はなくなった、それで出てきたんじゃないかという感じもしないわけじゃないのです。そんな印象も持つような気がするわけです。
 リンケージ・プロダクションの制度とか、繊維リソースセンター、いわゆる第三セクターによるところのそうしたものによって国内外の今の困難な情勢を乗り切るんだ、こう言っているわけですが、先ほど言ったように、今まで非常にネックになっていた特異性、あるいはそれがある時点では産地性とかなんとかという形で特徴を発揮したかもしれない。しかし実際には、この特異性が存続する中で、なかなか近代化もできなかったし、いろいろな問題が生じたということを考えますと、そういうものを温存しておいて、一体今度の新しい構造改善の事業というものが推進できるのかどうか、自信のほどをひとつお示しをいただきたいと思うのです。
○岡松政府委員 今回の繊維産業ビジョンにおきましても指摘されておりますように、また、大臣からも御答弁申し上げておりますように、繊維産業の現在置かれております環境は、輸入の急増、輸出の停滞、片や国内の需要が高級品化する、多品種・小ロット・短サイクル化するというような内外の厳しい環境変化があるわけでございまし
て、これにどのように適応していくかというのが大きな課題であると思っておるわけでございます。そのためには、従来からの商品開発のみによるのではなしに、さらに商品開発を含めまして、ただいま申し上げました多品種・小ロット・短サイクルという市場に適応できるような生産体制をつくり上げていかなければいけないと考えておるわけでございます。
 そのような観点から、先生御指摘のリンケージ・プロダクション・ユニットというグループ化によって対応していく必要があるんだということでございまして、先ほど来お話に出ておりますように、個々の企業は極めて零細な企業でございますので、個々の企業にそれに対応をしろと言ってもなかなか難しいわけでございますので、企業がグループ化することによってまた非常に緊密な連携関係を持つというグループをとらえまして、この構造改善を実施していくことを考えておるわけでございます。しかし、個々のグループといっても非常に零細な企業の集まりでございますので、それをまた下から支える意味で、商工組合等による構造改善の円滑化事業を新たに今回法改正で制度を加えさせていただこうと思っておりますが、そういう下の支えも使いながら、零細繊維産業が新たな環境への適応をしていく道を探っていきたいと考えておる次第でございます。
○上坂委員 この繊維業界の中小企業の問題、それから労働問題について触れたいと思うのです。
 今申し上げました生活文化提案型産業というのは、繊維業が国民の生活文化形成に積極的な役割を果たすあるいは契機をもたらす、そうしたモニュメントを持っている、こういう意味に解釈するのかどうか。そこで、このような解釈のできる産業は繊維業以外にどういうものがあるか。ここのところをひとつ説明をしてもらいたいと思います。
 それから、繊維業ということでは、これからはファッション化あるいは高付加価値化、それから実需即応、クイックレスポンスといった難しい名前が出てくるわけでありますが、それを実現できることが生活文化提案型の産業を志向する、こういうふうに言われておるわけでありますが、繊維業界において中小企業がそういうような産業への発展に一体どの程度の役割を果たすことができるのだろうか。ここが非常に重要な点ではないかと思うのです。小規模企業のいわゆる体質改善はそこで必要になってくるわけでありますが、たくさん繊維業界にあるところの川中、川下のそうした中小零細企業というか小規模企業の体質改善について、どのように指導されるおつもりなのか、お聞かせいただきたいと思います。
○岡松政府委員 生活文化提案型産業と言われますものは、私どもの考え方では、繊維産業が一つの典型でございますが、例えば雑貨関係あるいはインテリア、さらに消費財としての家庭電器関係、あるいはさらに建築を含めて言う人もおりますが、広く生活を取り巻く文化を形成しているようなものというふうに解釈をしておるところでございます。このような生活文化を形成する産業は、お話しのように高付加価値化を図っていかなければいけませんし、また、クイックレスポンス体制をとらなければならない。すなわち、そのようなものは高級品化してまいりますし、小ロット・短サイクル化してくることになるわけでございますので、これに中小零細企業がいかに対応していくかということが大きな課題になろうかと思います。
 市場がそのような変化をしていく中で中小企業だけが取り残されてはいけないわけでございますが、しかし個々の中小零細企業にこれに対応することを求めても難しいかと考えまして、先ほど御説明申し上げましたように、これをグループを形成することによって構造改善事業という形で対応していただく、これに対して政府としての必要な支援をしてまいるということでございますし、個々の中小企業でもできないものにつきましては、繰り返しの説明になりますが、産地組合を中心としてそれを下から支えていくという形での構造改善を進めていってもらおうということでございまして、この産地組合が行います構造改善円滑化事業につきましても、政府としての所要の支援を行っていくということを考えておるわけでございまして、以上のような措置を通じまして、中小企業もこの生活文化提案の中で大きな役割を果たしていってもらうことを期待しておるわけでございます。
○上坂委員 話を聞いていると何だかうまくいってしまいそうな感じがするのですが、なかなかそうはいかないというところに問題があるのではないかと思うのです。そこで、これについては十分配慮を持って、そして中小企業の立場を理解し、それを高めていくような政策の中で進めていっていただくことを特に要請いたしておきたいと思います。
 今度の答申の第二章の中で、こういうことが書いてあるのですね。繊維産業が高級化、多品種・少量・短サイクル化する需要に適合し得る供給体制を構築することを基本とするから、そのためには、具体的には、第一の課題として新しい実需対応型供給体制をとり得る構造改善を推進する、もう一つは事業転換等の産業調整を進める、これは今までもあったことだと思うのです。第二に需要のファッション化に対応するために情報基盤の整備、人材育成などの環境基盤の整備をする、これが新しく加わってきた感じがするわけであります。第三に需要の変化に対応する供給体制をつくるために技術革新や情報化を生かす、こういうふうに大体三つに分けてあります。
 ところが、その下に大変な問題がありまして、このような課題に対し、雇用確保、労働条件の悪化を防ぐ等の配慮が必要だ、こう言っているのです。何だこういうことをやると労働条件が悪化してしまうのかと心配しないわけにはいかなくなつてしまうような分析の仕方なんですね。こういうことをやりながら労働者の労働条件が低下をしていくようでは、私は所期の目的はとても達成できないと思うのです。そこで、労働条件が悪化するおそれのあるような施策、こういうことを念頭に置くような形ではなくて、むしろ労働条件を改善し向上させるようなところに重点を置くという形で雇用の確保も求めていかなければならない。この書き方では私はどうも納得がいかない、答申としては不安を感じて仕方がないということをひとつ申し上げておきたいと思うのです。
 それから、これは大臣にお聞きしたいのですが、NIES地域からの輸入品がかなり多いわけですね。そして、そういうのが今の日本の繊維業界を圧迫していると先ほどから言われておるわけでありますが、NIES製品というのはどうしてそんなに日本で売れるのだろう。これだけ日本の繊維業がすばらしい力を持っているのに、それは品質からいっても技術からいっても世界一流であって、NIES地域ではとても太刀打ちできないものを持っているのに、これがどんどん入ってきて日本でうんと売れる、どんどん売れるということは一体どこに原因を求めたらいいのか、ここのところをどういうふうに思われるか。私はこれは大臣にお答えをいただきたいと思うのであります。
○三塚国務大臣 委員も既に御承知で御質問いただいているわけですが、よくて安ければどこでも売れるわけでございまして、さはさりながら繊維産業王国である日本、そういう意味で、なおかつ韓国であり台湾でありその他の地域から大量に入ってくるのであろうか、この辺が安いだけで考えられない問題であります。
 特に需要者動向、まさにそういうことでございますから、品質が多様化しまして、需要者に選ばせる選択の範囲が非常に広いということもそうでございましょうし、一日一日製品製造に大変勉強を加えてきておるということが一つであろうと思います。やはりかつて我が国がアメリカと繊維交渉で大変な交渉をしましたときの彼我の関係とようやく似てきたのかなと思いますから、私どもはそのことの実態をさらに精細に分析をいたしまして今後に対応しなければいけないのかな、もって極めて重要な御指摘であると思っております。
○上坂委員 私は、今おっしゃったような品質の多様化、それから選択性、そういうものがあると思うのですが、究極は国民の所得がNIESの方向に対応しているような感じがしてならないのです。
 ですから、今、日本で、生活文化を高める、それから高付加価値化、ファッション化をやって、高品質なものを進めていって、それを買い得る階層が多ければ、これはすばらしい成果を上げることができると思うのですね。ところが、所得が伴わないのでは、特に消費税などが出てきて物価がまた上がって買いにくくなったりしますと、これはそういうものを幾らつくっても、対応しようとしてもなかなか対応できない。やはり安いところに逃げていってしまうと思うのですね。今NIESの製品にしましても品質がかなりよくなっておる。技術も向上しておりますから、価格競争力で
 いけばもう向こうのもので十分賄う。したがって、ファッション性のあるもの、高級品であるものについては、だれでも欲しいのですから、一つか二つ買おう。しかし、そのような大きなお金を出す以上は、中に着るものなどは向こうので間に合わせちゃおう、こういうことになってしまうと私は思うのですよ。だから、国民の所得が伴っていかないと実際だめなんですね。これが一つなんです。
 それからもう一つは、せっかくそうしたファッション化を、すばらしいデザインのものを国民には提供するけれども、実を言うと、繊維でそれをつくっている、提供する側の繊維の労働者はまさに最低賃金の中に置かれていくということでは、これはその労働者の人たちは本当に情けなく思ってしまうのじゃないかと私は考えないわけにはいかないのです。そういう意味で、繊維の労働者の置かれている立場はまさに零細でありまして、労働組合もつくれないような事業体も非常に多いところから、なかなか所得も上がらない、しかも常に失業、離職の不安に脅かされる、こういうことになりますと、私は非常に問題であろうと思うのですね。こういうことについての深い配慮がないといけないのではないかと私は思っているのです。
 そういう意味で、先ほど言ったように、賃加工形態等を通じて、これからは週休二日制あるいは労働時間の短縮ということも実施していかなければならないわけでありますから、そこで、親企業との交渉権であるとかあるいは親企業にいじめられるような、そういう形態の取引条件といいますか、そういうものについては特に力を入れて改善をしていかなければならないのじゃないか、こういうふうに思うのです。そこがさっきも言いたかったのだけれども、頭がいいから言えば大体わかるだろうと思った、ところがわからないから、しようがない、もう一回言わざるを得なかったわけであります。
 そこで、加工賃の適正化という問題がありますね。それから、手形支払いがほとんどでありますから、これを短期化をしていくとか、そういったもろもろの問題があると思うのです。それからもう一つは、商社とか何かが入ってきていますから、流通段階でつなぐのはみんな商社とかなんとかのものでありますから、金融をしたくても銀行からなかなかお金を借りられない、そこで商社がこれに対して手当てをする、こういうような格好になってしまいますから、ますます条件というものが抑えられる条件に置かれる。そういうことのないように、政府の中小企業金融公庫なりあるいは国民金融公庫なりあるいは銀行筋から十分融資を受けられるような体制というものもつくってやって面倒を見てあげないと、本当のことを言うと成果は上がらないのではないか、私はこういうふうに思うのです。その辺のところをどういうふうにお考えになっていますか。
○三塚国務大臣 賃加工を含め下請企業に対する政策をきちんとしろ、簡単に言いますとそういうことで具体的な御指摘をいただきました。
 具体的な対応については局長からまた申し上げるといたしまして、まさにおっしゃるとおりでございまして、NIESから追い込まれるというその根底にも、御指摘のとおり、ここに携わっております大変な人々が、自分たちがつくり上げたものを買えないというのであってはならぬだろう、その御指摘は同感であります。よって、賃金体系がこれに追いつくような形というのを私どもは慫慂していかなければなりませんし、そのことは民間企業の自主性ということではありましょうけれども、中小企業政策という、最低賃金制という、こういう要請も片やあるわけでございますから、そういう意味の行政指導というものも片やとっていかなければなりませんし、同時に、貿易摩擦を解消するという意味でとってまいりました内需拡大政策がようやく地について成果をあらわしつつあるものでございますから、そのことが、所得税改正ではございませんが、パートの課税標準を上げるということなども含めまして、やはり可処分所得が勤労者の懐に入るという諸施策が一体的に講じられるということなどが極めて重要なことでありますので、特に象徴的な繊維産業業界ということでありますだけに、引き続き通産省として心して取り組んでまいらなければならぬと思います。
 さような意味におきまして、加工賃を値切りますと、そこで働いている人たちの単価がまた値切られる、こういうことになるわけでございますから、その辺のところも、法律もあることでございますから、弱い立場の企業がほぼ共存共栄という形で進んでいけまするような措置を、政策としてあるわけでございますけれども、行政指導よく目をそこにいたすということの中で取り組まさせていただければと存じます。
 商社融資ではなく銀行融資でありますことの方がはるかによいわけでございますから、特に昨今の公定歩合が世界最低の率で二・五であるわけでございますから、こういうときにこそこういう措置を講ぜられますように、担当局長も真剣にそのことのレジュメをやられておるようでありますので、私からは、御趣旨を踏まえて、極めて重要な問題でありますので、ベストを尽くしてまいりたいと存じます。
○岡松政府委員 先ほど来先生御質問の点でございますが、繊維産業で働く勤労者あるいは関係者にとりまして繊維産業が魅力のある産業になるということが非常に重要な政策であるというふうに基本的には考えておりまして、先ほど来申し上げております構造改善を主軸に据えてまいりますけれども、そのような形で支援策の拡充を図ってまいりたいと思っておる次第でございます。
 また、先ほど来先生御指摘の労働者への配慮の問題でございますが、現在決められております構造改善の基本指針の中にも労働者への配慮ということを決めておるわけでございますけれども、今後、新法制定後定めます指針におきましても、この点についてもきちっと定め、事業者から出てまいります構造改善事業計画あるいは構造改善円滑化計画の承認に当たりまして、従来同様、事業内容につきまして、雇用の安定あるいは労働環境の整備について適切な配慮がなされているかどうかということをきちんと見てまいるようにしたいと考えております。
 また、親企業と下請との関係につきましても、親企業が優越的地位の乱用というような行為に及びます場合には、当然のことながら、独占禁止法あるいは下請代金支払遅延等防止法等の体系がございますし、家内労働につきましては家内労働法に基づく規制が行われているわけでございますが、今後とも関係省庁と十分連絡をとりまして法律の厳格な運用に努めるよう努力してまいります。
 さらに、商社等による企業のグループ化が進むかという点でございますが、先ほど来述べておりますような環境の変化に的確に対応していきますには、繊維業者が、繊維事業者のそれぞれの特性を生かして対応していくことが必要でございまして、必要な機能の有無相通じ合うような形で連携をしていくということが今回のグループ化の趣旨でございまして、系列化をもたらすというものではない、そういうものにはならないように配慮し
てまいります。具体的には、都道府県の担当者で組織します指導援助委員会というものを現在設けておりますが、この場を活用いたしまして指導助言等を随時行うということで、今後とも御指摘のようなことのないよう万全を期してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○上坂委員 ここに最低賃金についての労働省の監督実施の調査結果があるのです。それによりますと、産業別に見て最低賃金すら守らない企業の数が出ておりますが、繊維産業が一番多いのですね。監督実施事業場三千七百六十四に対して九百五十七事業場が違反しているのです。しかも、これは比率で二五・四%になっているのです。四分の一以上になるわけでありますが、二番目は飲料・飼料・食料品産業なんです。これが二千九百三十七事業場のうちで六百十六事業場が違反している。これは二一%です。これが二番目なんですね。繊維産業が一番多いです。
 ところが、ひどいのは、この繊維産業の九百五十七事業場のうち最低賃金が適用されていることを知っていて違反しているのが何と三二%あるのです。正確には三一・八%です。金額は知らないが最低賃金制が適用されるということは知っているのだというのが六三・九%もあるのです。こうなりますと、これは悪質なのです。これではとても労働者は救われないのです。こういう企業家の体質というものも直していかないと、これはどうにもならない。
 このほかにもいろいろ不当労働行為がたくさんあるわけなのです。そこで、この不当労働行為とか、あるいは労働基準法に違反をしているような、承知でやっているような悪質事業者に対しては、一たん円滑化のところに入れるとか、あるいは構造改善事業の四事業者の中に入れるとか、いわゆるLPUですか、そこに入っても、こういう悪質なものは、その次はぴしっととめちゃう、そのぐらいのことをやらないと、これはだめですからね。それをほうっておいたのではだめですから、この辺は十分気をつけて、そのぐらいの意気込みでひとつやってもらいたいと思いますが、どうですか。
 それから、時間が来ましたからもう一つ。繊維産業の場合には、従来は、先需ということになるのか、実需というのではなくて仮需が中心になって生産をやらせて、そしてつくった。ところが、今までの例でいくと、仮需をやって売れるのは大体三分の一ぐらいなのだそうですね。二分の一まで完全にはければこれは大成功だというふうに今まで言われてきたのです。そうなりますと、結局つくらせたものはみんな余っちゃうのです。白生地にしたってあるいは製品にしたって余っちゃうわけです。その余ったものについては一体どうなるかというと、これは在庫になっている。この在庫について、一体これはどこに退蔵されているのか、どこでこれがなくなっていくのか、処分されていくのか、私はどうもこれがわからないのです。これは通産省はどういうふうにお伺いになっているか、このことをひとつ一緒に答えていただきたいと思います。
○岡松政府委員 第一点の、最賃法を守らなかった、あるいは不当労働行為を行った事業者についてどうかということでございますが、先ほど御説明申し上げましたように、これらの計画の策定に当たって、その事業内容について雇用者の立場も配慮して決定することは言うまでもないのでございますが、実施の過程で実際そのような配慮を欠くようなケースが出た場合どうかという御質問かと存じます。
 このような問題につきましては、具体的な案件に即しまして、通産省の方で具体的な指導をするということを行ってまいりますなど、ケース・バイ・ケースで適切に対処をしてまいりたいというふうに考えております。
 それから、第二の、在庫の問題でございますが、先生御指摘のように、繊維の生産というものは、確かに、糸の段階、布の段階、製品の段階、それぞれの段階で仮需に基づく生産を行っているということが重なっておりますので、末端から見ますと多くの在庫を抱えてしまうというのが非常に大きな産業上の問題点でございます。在庫を少なくするようにということの努力をしていく必要があるわけでございまして、そのためには、見込み生産を減らすということ、あるいはさらにこれを逆転させて受注生産体制に持っていくということでございますが、先ほど来申し上げております点で御説明させていただきますならば、その生産体制でクイックレスポンスの体制をとるようにする。実需に即応できるような体制をとっておくということが、在庫を減らしていくということに対応していくことになるということであろうかと存じます。
 以上は今後の対応ということでございますが、先生の御質問に即して申し上げますならば、在庫が過剰になった場合には生産を削減をするというのは当然の手当てでございますが、現にある在庫をどうするのかという場合には、従来のマーケット以外の販売ルートを通じて販売をしていくというのが一つの現実の対応ということで行われているように承知いたしております。
○上坂委員 今度はLPUについてお聞きしたいのですが、実需を把握していく、こう言うのですが、ことしの天候は冬はとっても寒いと言われた。ところが、寒くなくて暖かくなってしまった。なかなか予想というのがつかないわけで、実需対応型というふうにするといっても非常に難しいと思うのです。そこで、実需の把握の仕方というのは大変ですから、これについては十分な情報の提供なりなんなりをやってもらうように特にお願いをしたいと思うのです。
 そこで、そうしたことが構造改善計画に入っていろいろ決めがあるわけでありますが、第四条と第五条のところに、通産省令で定める要件に該当するものというのがありますね。この要件というのは一体どういうものか。
 それから、この計画を作成する主体のいわゆるLPUですか、これの集団規模、これは具体的にどんなふうになるのか、示してもらいたいと思うのです。
 それから、四番目に共同出資会社というのが出てくるわけでありますが、これらの出資額はどのぐらいにしたらいいというふうにお考えになっているのか。
 それから、こういうものをつくる場合、いわゆる商社とか大手の企業が陰で糸を引くような組織づくりがあってはならない。先ほど系列化は極力排除をしていく、こういう話もありましたが、それをやらせないためにはどういうふうにしていくかということも、あわせてお答えをいただきたいと思うのです。
 それから、もう一つ、第五条の二、三の関係で、円滑に推進するためにいわゆる新しい円滑化推進事業というのですか、そういうものをやる、そのためには今までの異業種の垂直連携だけではだめだから、これは連携の分についてはもっと違った形でやる、こういうふうに言っているわけでありますが、特にどんな計画を立てたら承認をしてもらえるのか、その辺のところもひとつお聞かせをいただきたいと思います。
 それから、もう一つは、人材の養成ということを特にうたっているわけでありますが、養成する対象、人材をどこに求めていくかということ、あるいはその人材を養成をしていく間、これをどこに所属をさせていくのか。あるいは一定の養成期間が過ぎた後に、その人材を定着をさせなければならないと思うのです。その定着させるための措置というものはどんなふうに考えていくのか。この辺をひとつ聞いておきたいと思うのです。特に、私は、こうした人材を置くためには、やはり中退金制度なんかに加入を義務づけていくというような形をやらないと、そういう人材は別のいいところへ離れていってしまうおそれがあるので、その辺をひとつ考えていただきたいというふうに思うのです。
 それから、もう一点は、LPUについて、運営の問題になるのですが、産地組合がここに入ったり、あるいは地方自治体がこれにいろいろ知恵をかして共同事業というようなものを、リソースセン
ターでは第三セクターという形でそうなっているわけでありますが、このLPUについてもそういう格好にして、特にここでは福祉厚生施設、そういうものの充実を図ることが必要ではないかというふうに思うのです。そういうことによって人材が定着をして立派な指導ができるようにする、こういうことが必要ではないかと思いますので、ひとつまとめて御説明をいただきたい。
○岡松政府委員 何点か御質問いただきましたが、順次お答えをさせていただきます。
 まず第一点の、実需対応型というけれども、具体的にどういうふうに進めるのかという御質問でございます。市場がくるくる動く中で、これを現実に把握していくというのはなかなか難しいことも事実でございますが、やはり事業者がみずから積極的にアクセスするような情報収集機能の向上を図っていくということが必要ではないかというふうに思っているわけでございまして、そのためには、川下の事業者と、それは自分よりもより川下のという意味でございますが、川下の事業者との連携によって、できるだけ市場の情報を的確に早く把握するという状態をつくり上げていくことが必要であるというふうに考えておるわけでございます。そのために、先ほど来話の出ておりますリンケージ・プロダクション・ユニットというまとまりの中に、グループの中に、そういう人たちの情報をとりやすいような設備、事業をしていくということが大事ではないかというふうに考えておる次第でございます。
 また、第二の御質問のリンケージ・プロダクション・ユニットを進めるに当たっての省令で定める具体的な要件は何かという点でございますが、これは「事業が相互に密接に関連している場合」というふうに書いてありますが、これはそのリンケージ・プロダクション・ユニットといわれるものの趣旨を念頭に置きまして、現在行われております垂直連携要件に加えて、繊維製品の製造、加工、販売に関しまして商品企画機能あるいは今申し上げました情報収集機能その他の機能を補完するということ、すなわちグループが全体として一体的に連携していくということでございまして、構成員がこれらの機能を分担して事業を行う関係にあるということを要件として定めたい。ややごちゃごちゃいたしましたが、全体としては一体となっている、しかしグループの中で相互に機能を補完し合っているということでございますが、そういう関係を要件として定めていくということを考えております。
 また、その際に、その出資の規模ということでございますが、これは行います事業に応じていかようにも決まってくるものでございまして、一律幾ら以上というようなことは考えておりません。
 それから、系列化にならないようにということでございましたが、先ほど申し上げました段階、すなわち政府の承認の段階で、そのようなことのないように個別にチェックをさせていただきたいというふうに考えております。
 また、円滑化計画のところかと存じますが、円滑化計画につきましても、商工組合等から出てまいりました計画を政府で一定の承認基準に基づきまして承認をする。それが的確に事業者が行う事業を支えるものであるかどうかという観点で見てまいりたいというふうに思っております。
 それから、人材養成の御質問がございました。確かに、人材養成をしていく、すなわち人材養成と同時に御質問のございましたように確保していく、定着を図っていくということが大事でございますが、これは一にかかって繊維産業が当該勤労者にとって魅力ある産業に発展していくということが必要であろうというふうに思っておるわけでございまして、政府といたしましては、先ほど申し上げました構造改善というこどを主軸に据えまして支援策の拡充を図り、そこに働く勤労者から見ても魅力のある産業であるということになるように、政府として一層の努力をしてまいりたいというふうに思っております。
 また、中退共済金の点につきましては、これを義務づけるというわけにはまいらぬと存じますけれども、制度の趣旨の理解の徹底には努めてまいりたいというふうに思っております。
 最後に、LPUについて福祉厚生施設のようなものが対象になるのかという趣旨の御質問がございましたが、LPUでとらえていく助成の対象といたしますのは産業関連の施設ということでございますので、厚生施設となりますと対象にはならないわけでございますが、そのようなグループ化の生産施設を支援することによりまして企業としての存立基盤を支え、それによって福祉厚生面での配慮も行き届くように、間接的にはなりますけれども、そういうふうにしていくということが大事なポイントではないかというふうに考えておる次第でございます。
○上坂委員 リソースセンターのことでありますが、ここにはこの施設を研究者であるとか学生とか関係者に開放するという形になっておりますが、私は、これは消費者にも開放するような形にしたらいいんじゃないかと思うのです。消費者の持っているニーズがそこに反映していくということも非常に大切ではないかというふうに思うのです。したがって、この施設の運営についても、消費者団体とかあるいは労働条件が問題になってきますから、定着とか何かいろいろな問題が出てきますから、労働組合の代表なんかもここに参加した運営委員会のようなものをつくって運営をしていくということが必要ではないかというふうに思うのです。そういうことでやってもらいたいと思いますが、いかがですか。
 それから、こういう建物、立派な建物なんですが、建物は立派だが中身がお粗末では困りますから、中身をよくしなければだめですから、その件で一つお願いしたい。特にみんなが心配しているのは、こういうものをつくるとまたすぐに通産省から流れてきて、通産省をやめた人が来るのではないか、こういうふうに思っている。天下り。お得意だから。天下りは極力避けていくような形で、大臣、ちゃんと監視をしてもらわなければいけないと思いますね。その辺をひとつお願いします。
 最後に、これは簡単に答えてください。消費税の関連でありますが、実は六十三年度補正予算で百十八億円設けたわけでありますが、この運用益をどの程度に見込んでいるのかということであります。
 それから、消費税の実施がされると繊維業界に非常に大きな混乱が起こるということを分析をしているわけでありますが、どんな影響が起こってくるのか。私は景気動向には非常に大きな影響を持つのではないかと思いますが、これをひとつ川上、川中、川下でどういうことが具体的に起こるかということを説明していただきたいと思います。
 それから、繊維業界というのは外税にした方がいいのか、内税にした方がいいのか、あるいはカルテルの利用というものをやるような形にした方がいいか、この辺はどうなのか。細かい問題としては、返品やクレームがついたものについては一体どういうふうに処理するのか。非常に難しい問題が出てきていると思うのです。特に繊維業界はバーゲンが日常的に行われている業界でありますから、価格の転嫁はそういう場合には一体どうするのかというような問題も非常に重要ではないかというふうに思うのです。
 それから最後に、繊維業界では消費税の実施の一年凍結を要求をしているわけであります。税制国民会議の会長は旭化成の、繊維業界のトップがこれのトップになっているわけでありますが、そこで、一年間の凍結についてはどういうふうになってくるか。それから、消費税の実施で繊維全般のコストアップは一体どういうふうになるだろうというふうに予想されているのか。この辺をお答えをいただいて、私の質問を終わります。
○岡松政府委員 まず第一点のリソースセンターの運営に当たりまして地域の消費者団体、労働者団体の意見を聞くようにという御指摘でございます。この点につきましては、各地のリソースセンターの運営に当たりまして、基本的には出資者の間で相談が行われるものと理解をいたしておりま
すが、地域の実情を踏まえて、センターの趣旨、目的に照らして幅広く関係者の意見を聞きつつ適切に運営されるように指導をしてまいりたいというふうに存じます。
 また、リソースセンターの運営に当たっては優秀な人材が確保されなければならないというのは御指摘のとおりでございまして、このセンターがうまく運営されるためには、大きな施設があるということではなくて、むしろそれが生かされるために、繊維産業の実情に詳しい人がそこにいることが非常に大事でございまして、その産地等の繊維産業の実情に精通していること、あるいは豊かな感性を持ってこのセンターの目的を的確に遂行できるような知見と経験を持っている方を、関係機関の協力を得つつ、幅広くこの人材を求めていきたいというふうに考えておる次第でございます。
 次に、消費税の関連でございますが、川上、川下、川中、それぞれ影響いかんということでございます。また、転嫁のカルテルの問題の御指摘もございましたので、あわせて御説明させていただきますと、消費税につきましては、繊維関係は一般的にすべて外税方式で対応するということを考えておるわけでございまして、その多くが既に公正取引委員会にカルテルの届け出を行っております。三月十日現在の数字でございますが、表示カルテルで届け出件数は繊維関係で四十件、これらはいずれも外税になっております。今後とも恐らく大多数がこの外税方式を採用するというふうに思われるのでございますが、通産省といたしましては、これらを通じて円滑、適正な転嫁が行われるよう業界に要請、指導をしておるところでございます。
 このような方向で繊維業界が整理されつつあるという背景といたしましては、まず川上と言われる三団体、化学繊維協会、紡績協会、それから羊毛紡績会、この三団体がいち早く表示カルテルで外税方式で進めていくんだということを発表いたしました。届け出られましたのは二月七日でございますが、私の記憶では一月の中旬ごろかと思いますけれども、そのような発表をいたしました。川上の三団体がそういう発表をしたということを受けまして、最終段階といいますか、川下のアパレル業界もこのような措置をとるということを発表し、すなわち川上と川下が一つの方向を打ち出しますと、川中の部門もそれに応じて次々に外税方式という形で対応を考えているわけでございまして、恐らく繊維の業界は外税方式で整理をされていくというふうに考えておる次第でございます。
 それから、バーゲンの問題、確かに繊維製品につきましてはバーゲンという形で取引されるのが多いわけでございますが、仮に一万円のものが七千円にバーゲンされるといたしましても、まさに売られる価格の三%の消費税をかけるということでございまして、バーゲンの結果新たに決められた価格に対して消費税がかけられるということでございます。これはカルテルの中にも、価格交渉は税抜きで行い、価格交渉決定後三%乗せるということを表示カルテルの中で申し合わせをいたしておりますが、それはバーゲンにも当然適用になるものというふうに考えておる次第でございます。
 一年間凍結云々の点につきましては、大臣から御答弁申し上げたいと存じます。
○三塚国務大臣 残念ながら一年間凍結はできませんで、四月一日、誠心誠意、混乱が最小限でありますように、今一生懸命頑張っておるところであります。深い御理解を賜ります。
○上坂委員 終わります。ありがとうございました。
○田原委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時五十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後一時二分開議
○田原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。辻一彦君。
○辻(一)委員 私は、きょう、過日の日韓のニットのダンピングのその後の経緯とこれからの問題、それから、新繊維法の、構造改善臨時措置法の問題について、幾つかお尋ねしたいと思います。
 まず最初に、大臣は過日、ECの方にも出られて、いろんな意見交換をされておったと思いますので、最初にお尋ねしたいのです。
 それは、アメリカとカナダは自由貿易協定、いわゆる米加の協定を結んで、二億六千万、三億近いこの市場圏を一つの市場として進めようとしている。また、ECは十二カ国で一二億二千万の人口を持って市場統合を図っている。こういう中で、ある面に見れば経済のブロック化が進められるんじゃないかという懸念があるし、また、ある角度からすれば、それらをもとにして自由な貿易がさらに拡大される糸口というか手がかりになっていく、こういう見方もあります。しかし、ECの動きは、過日、日本・EC委員会等もあって、いろんな論議をしましたし、私も去年九月にはしばらくECの方をぐるぐる回ったのですが、とりでではない、城塞ではないということを彼らは明確に言ってはおりますが、いろんな最近における経緯を見ると、その心配もないとも言えない。こういう中で、どういうように通産大臣として見ていらっしゃるか。
 それから、その中で、我が国は、環太平洋、太平洋に縁のある地域の中でそういうつながりをつくっていくべきか、本来のアジアに拠点を置いて、そしてNIES、それからASEAN等々含めてアジアにおける経済圏をさらに強化をする方向に進むべきか、そこらのことについて、貿易通商の責任者として大臣の御見解を少し承りたいと思います。
○三塚国務大臣 辻委員もEC問題に深い関心を寄せられておりますことをお聞きいたしておるわけでございますが、昨年就任をいたしまして直ちにヨーロッパ五カ国、主としてECの九二年統合が、ただいま御指摘のフォートレスヨーロッパ、とりでを高く掲げてヨーロッパ貿易経済圏、先行きは政治統合とよく言われておるわけでありますけれども、そういうことが果たしてそうなのかどうなのか、まさに重要な世界の課題でありますものですから、ECの委員長、また副委員長、域外担当アンドリーセンさんであるわけでございますが、この方と意見交換を申し上げ、英、独、仏、ベルギーの経済担当指導者と率直に意見交換をさせていただいたわけであります。これに対して、御指摘がございましたとおり、委員長以下各国の首脳も、決して保護主義ではございません、自由経済体制の中でヨーロッパが果たす役割を進めてまいりたい、そのためにはまず十二カ国統合、経済統合をなし遂げることによりまして域内経済の活性化を図ってまいりたい、こういうことでございました。よって、我が国の経済政策はまさに自由貿易体制が基本であり、世界に貢献するという観点で、すべてをそれに焦点を合わせておるところでありますので、一層の緊密化と、さらには対日QR差別というようなことがまだ依然として濃厚でありますので、その辺を、あかしとは申し上げませんでしたが、撤廃をしてまいるということが正しいことではないでしょうか、こんなことを申し上げ、それなりに努力をいたしておるところであるということでありました。しかしながら、経済統合でありますから、どうしてもブロック化への誘惑が強くなることは流れとして見とれるわけでございますので、自由主義貿易の推進という点で努力をしていかなければならぬと思っておるところであります。
 第二点のアジア・太平洋協力経済圏の問題でございますが、御指摘のとおり、本件、一番稼働性の高いアジア・太平洋でございますものですから、日本の持つハイテク、またこれに付随するもろもろの力というものをアジアの発展のために役立つことができ得ますならば、こういうことで取り組むべきであると思っております。
 ただ一点重要なポイントは、かつての大東亜戦争、大東亜共栄圏という概念がアジアの諸国に依然として残っておりますことにかんがみまして、
通産省及び日本政府がイニシアをとる形でこのことをやるのではなくして、協調ということでこれに取り組んでまいる、こういうことで取り進むべきかなと思っております。村岡通商審議官、一昨日帰ってまいりましたが、二週間余アジア諸国を回りながら本問題に対するサウンドをしてきておるところでありまして、まさに我が日本開放性の確保ということで、アジアが発展をしていく形の中で世界経済が発展をしていくということに焦点を合わせるべきである、こういうふうに考えてお
 るところであります。
○辻(一)委員 もう一度伺いたいのですが、もちろん大東亜共栄圏のような、こういうことはあり得ないわけでありますが、アジアにおける経済を考えれば、我が国、それから中国、NIES、ASEAN、これらをずっと含めればかなり大きな人口、中国を含めれば膨大な人口になりますが、それから市場圏が形成され、将来はEC等に大体輸入輸出においての匹敵する経済圏になるだろう、こういうことがいろいろなデータから言われておりますが、そういう意味のアジアの経済圏をもう少し強化するというような方向を考えていらっしゃるのか、そこらはいかがでしょうか。
○三塚国務大臣 これは、亡くなりました五島昇前日商会頭が委員長となりまして、経済界が、辻委員今言われましたような方向の中で相協調していこうということで、委員会をつくりながら、重立った経済人が参加をし、それぞれの国との協調を進めるということでございました。よって、政府といたしましても、まさに御指摘のような方向でいきますことが正解だと私も思っております。そういう中で、ただいまはホークさん、豪州の首相が大変御熱心に、韓国でありますとか、以下巡訪されておるようでございますが、総理も四月末からASEANを回られるようでございます。そのときに本問題についていろいろなサウンドなりがあり、日本の総理大臣としてそれぞれの見解を申し述べられることだとは思いますが、お互いが経済の分野で協調、協力し合いながら、また技術の投資などを進めて、この地域が向上していくということは、平和国家日本の国是にも通ずるわけでございますから、そういう理解の中で今後理解を深める努力を進めながらそれを行っていくということであろう、こんなふうに思っておるところでございます。
○辻(一)委員 この問題はまた別の機会に詳しく触れることがあろうと思いますから、およその方向を伺ってとどめておきたいと思います。
 そこで、日韓のニットダンピング問題が去年の十月に日本のニット業界から提訴されて、そしてこの二月にいろいろな曲折を経ながら一応妥結をして自主規制という方向でひとまず決着した、こうなっておりますが、このニットダンピング問題はこれからのことを考えるとなかなか難しいたくさんの問題を含んでおると思いますが、これらの経緯から今度のこの妥結についてどういう評価をされておるのか、それをまず伺いたいと思います。
    〔委員長退席、浦野委員長代理着席〕
○岡松政府委員 御質問のニットのダンピング、これは具体的にはセーターのダンピングでございますが、若干数字に触れて御説明させていただきますと、八六年に対前年四二%、八七年は二六%、昨年は結果論でございますが六一%増、実数にして六千三百万枚のセーターが輸入されたというように、極めて急速な増加を示したという背景がございました。これらに対しまして通産省といたしましても、また民間レベルでの話し合いも韓国と続けてきたわけでございますが、御指摘のように十月にダンピングの提訴が行われたということでございます。韓国政府は、実は昨年七月から輸出推薦制度というのを設けていたのでございますが、それではなかなか実効が上がらないということから、去る二月の二日に韓国の商工部が今後の日韓貿易の健全な発展を図るために自主的な措置をとる、具体的には七月から実施しておりました制度をさらに詳細に実施していこうということでございまして、チェックプライス制を導入して、それを通じて数量の管理も行おうという自主的措置を発表したわけでございます。
 このような韓国政府の姿勢というものは、ニット製品についての対日輸出の秩序化を図る具体的なあらわれと見て評価をしておるところでございますし、我が国といたしましては、秩序ある輸入が行われることの重要性を認識いたしまして、輸入の拡大を図り、自由貿易主義の維持強化をしてまいりたいというふうに思っておりますし、このような形で解決したということは、今後とも日韓両国の相互の努力によりまして二国間の経済関係が一層強化されるように努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○辻(一)委員 今回のダンピング提訴の取り扱い、それからその経過を今報告がありましたが、それらを含めて見ると、提訴後二カ月をめどに調査開始か却下を決めるとなっておった。これが大幅にずれ込んでおった。再調査があったようでございますが、ずれ込んでおった。それから業界の方では、日韓両国で話し合いがついてダンピング提訴を取り下げるということになっておったのですが、四月一日の自主規制が発動される前にまだ取り下げていない。こういう状況の中で、関税定率法の空洞化のおそれがないか、こういう懸念が今いろいろ出ておりますが、これについてどのように考えていらっしゃるか、お伺いしたい。
○大塚説明員 今御指摘のとおり、ダンピングというものは関税定率法第九条に規定されている制度でございます。その具体的な手続とか運用方針等につきましてガイドラインというのを設けて政府としてはやっておるわけでございます。このガイドラインは、昭和六十一年の十二月に大蔵省が中心になりまして関係各省と御相談をしてつくったものでございますが、ガットの協定でありますとか国内の関係法令を補完するものということで設けているわけでございます。このガイドラインによりますと、ただいま先生御指摘のとおり、二カ月をめどといたしまして調査を開始するかどうかを決定する、こういうことになっておるわけでございます。これはダンピングの提訴がありましてから政府が調査開始するかどうかを決めるまでの間に合理的なめどを設けることによりまして提訴者に対しまして期限の利益を与える、こういう趣旨でございます。
 今回の場合、実はこの提訴が昨年の十月二十一日に行われました後、追加資料の提出等が提訴者の方からございました。そんなこともあっておくれたわけでございますが、二月二日には韓国側から御指摘のように自主規制をやるということが発表されまして、これを日本側は評価をして、提訴者でありますニット工業組合連合会におかれましては、二月二日に近々提訴を取り下げるという声明を発表されたわけでございます。ただ、現在のところ、まだいかなる事情かはつまびらかにいたしませんが、提訴の取り下げはございません。本件の提訴は、先ほど申しましたガイドラインが策定されまして初めてのケースということで、いろいろな問題があったことも確かでございますが、それにつきましてはその都度通産省とも十分協議をいたしまして適切に対処してきたというふうに考えております。今後も関係各省と御相談しながら適切にやっていきたいと考えておる次第でございます。
○辻(一)委員 通産の方にお伺いしますが、そういう約束をして四月一日から自主規制をやるというならば、やはりその前に取り下げるというのが筋であろうと思うのですが、そこらのいきさつを通産から見てどのように感じていらっしゃるか、ちょっとお伺いしたいのです。
○岡松政府委員 ただいま先生御指摘のように、現在まだ取り下げは行われていないわけでございますが、先ほど大蔵省の課長から答弁申し上げましたように、二月二日に近く取り下げるということを表明いたしております。
 具体的にまだ下げていない理由はどうかということでございますが、組合の手続といたしましては理事長一任ということを、三月の二日だったと記憶いたしておりますが、取りつけておりまして、後は理事長の判断ということでございます。理事
長といたしましては、参加企業六千社を超えるインサイダーがおりますし、アウトサイダーを含めますと八千社を超える企業の責任者という立場から、理事長なりに非常に熟慮しているということでございまして、実は先日も話す機会があったのでありますが、本人としては近く取り下げる意向であるということを申しておりますけれども、その彼の立場を考えますと、彼が納得するまでちょっと時間をかしてあげた方がいいのかなということで今までのところ経過してきているという状況でございますが、本人がそう申しておりますので、近く取り下げが行われるものというふうに考えておる次第でございます。
○辻(一)委員 理事長に一任されている、なかなか大変だと思うのですが、そういうことについては通産省としては行政的な指導は仕事の範囲外なんですか。
○岡松政府委員 まずダンピングの提訴につきましても、被害を受けたと考える産業界の当然の権利としてあるわけでございますが、取り下げについてどうするかということについて法文上の規定というものは明確にはございません。したがいまして、今の段階では私どもとして法文上取り下げるということを直接求めることはできないポジションではございますけれども、訴えに係る事情が大きく変化してきているわけでございますので、その点を考えますともう取り下げるに十分な環境になったのではないかということは私どもとしてよく話をしておるところでございますが、何せ先ほど申し上げましたような関係者の利益を彼は一人でしょっているという立場で、非常に熟慮をしておりますものですから、その点についてもひとつ御理解を賜りたいと思う次第でございます。
○辻(一)委員 ひとつ要望しておきますが、自主規制に至る過程にはやはり通産のいろいろな働きかけも日本側においては恐らくあったと思うのです。だから、結論が出たらそれがひとつ早く行われるように、介入の限界はいろいろあろうとは思うのですが、いい方向に処理されるように努力をしていただきたいと思います。
 そこで、これからのNIES諸国との貿易関係等をいろいろ考えるあるいはASEAN等を考えると、このダンピング問題は、今回だけに限らず、これからもいろいろこういう問題がふえていくのでないか、そういう感じがいたしますが、ダンピング審査体制の不備な点があるのではないかという指摘が一、二ありましたが、これからはそういう体制をどういうように強化をしていくかということについて考えがあれば聞かしていただきたいと思います。
○鈴木(直)政府委員 先ほど大蔵省からも御答弁申し上げましたとおり、申請者の方々に十分なる情報を提供するということは非常に重要な点でございまして、手続面につきましては大蔵省なり私どもが十分お示しをする、かつまた、その内容、まあ従来でございますと内規的な点でございますけれども、それをガイドラインという形で発表いたしまして、それについての解説を十分そういう方々にしてあげる。さらにはまた、実はいろいろな情報というものを集積いたしまして、つまり海外におきますいろいろな実績なり経験というものを集めまして、それをお教えしていくということも非常に重要だろうど思っておりますので、私ども公益法人で公正貿易センターというのをつくっておりますが、そこにそういう情報を集積いたしまして、希望をされる中小企業には御指導申し上げる、こういう体制をつくっているわけでございます。
○辻(一)委員 やってみれば恐らくいろいろ問題点が出てくるでしょうから、足りないところは大いに不備を補ってほしいと思います。
 そこで、これから繊維製品の輸入が今日の状況の中ではだんだんふえていく。そうしますと、そういう中でMFAを発動していないのは先進国の中では日本とスイスの二カ国と言われていますが、これは非常に大事な点だと思うので、我が国もこの発動をせずにおろうということを聞いておりますが、今回の自主規制が疑似MFAの発動ではないかという批判もありますが、むしろMFAを正規に発動すべきではないかという声も少なからずあるわけですが、これらについてどういうふうに考えていらっしゃるか、ひとつそれをお尋ねしたい。
○岡松政府委員 我が国といたしましては秩序ある輸入の実現は必要であると考えておるわけでございまして、先ほど数字を申し上げましたが、特定の品目の輸入が急増するということによって国内産業に重大な被害が生ずるような場合には、やはり輸出国との情報交換を進めるというような対策を講ずることがまず最初に打つべき手ではないかというふうに思っておるわけでございます。
 また、特にそこに不公正な貿易、いわばガットのルールで決められている公正貿易を乱すようなルール違反があるとすれば、それはルール違反に対する制度があるわけでございますので、それによって解決する必要があるというふうに考えておる次第でございます。
 御質問の点でございますが、MFAにつきましては、我が国は膨大な貿易黒字、七百七十億ドルを超える黒字を持っておりますし、また、今輸入がふえてきておりますアジアNIESとの間のバランスを見ましても二百四、五十億ドルの黒字を持っているという状況でございますので、現段階におきましては慎重に対処すべきだというふうに考えておる次第でございます。
 これら種々の努力の結果、実効が上がらない場合の最後の手段としてMFAの発動ということは考えていきたいと考えておる次第でございます。
○辻(一)委員 これでこの問題は切り上げたいと思うのですが、大臣、アメリカに対しては我が国は繊維の規制をするなといって昭和四十年代に随分やったのです。我々も参議院におってそれを論議したことがありますが、今もいろいろな面でアメリカにそういう規制をするなということをやっている。片方では追い上げられて苦しいけれどもそれを言わざるを得ぬような状況がある。我が国はこの二面を持っておるのですが、その中における貿易というのも非常に難しさがあるのですが、その両面を持つ我が国の立場についての感想をちょっと大臣から伺いたい。
○三塚国務大臣 今回、両国業界代表が真剣に模索をされたようでございまして、局長から答弁がありましたように、見守ったわけでございますが、結果的に自主規制のような形でおさまりダンピング提訴も取り下げるという形で円満に決まったという表面がございます。これもお隣が韓国であるという長い歴史の中の、現代の中の問題もあると思いますし、追う立場が追われる立場というのが率直に今日を象徴しておるわけでございまして、NIESの代表である韓国が繊維分野において大変な技術革新をもたらしながら、特にニットなんというのはもっと大変なもののようでございまして、日本が追い込まれてくるということ、この現実をしっかりと踏まえまして、我が国繊維業界の再生、そして活性ということを図らなければならぬ。まさに貿易国家を標榜しておる我が国でありますから、MFA発動で対抗するのはもう伝家の宝刀であろうと思いますので、構造改革をさらに進めながら、特にその競争的な共存でまた伸びていく。韓国はさらにこれを目指す、他のNIESも目指す、こういうことで、拡大均衡が図られてまいりますならばということでありますが、まさに今昔の感でございます。そういう中にこそ原点を踏まえて、先ほど来議論の充実を図りながら取り組むべきかな、こういうふうに思っておるところであります。
○辻(一)委員 そこで、新繊維法の問題点を少しお尋ねしたいのです。
 去年の二月二十七日に衆議院の予算委員会の一般質問で私も触れたのですが、この北陸産地は合化繊、長繊維では世界に誇った産地であった。ところが、設備の更新度といいますか、設備はいつの間にか古くなって、はるかに韓国、台湾の方に設備としても大きく水をあけられている。これは役所の方にもある数字でありますが、例えば世界
一だった北陸三県の合化繊、いわゆる長繊維ですね、ウォータージェットの高速革新織機が六十二年末に二万四千台あった。これは福井が一万四千三百、石川九千四百で、富山千二百であった。韓国は一万三千九百五十台、それから台湾は一万四千八百五十台、数はまだ北陸三県の産地の方が多いのですが、五年以内に新しい織機をどれくらい装備しているかというと、北陸三県は二九%ですね、五年以内の新しい高速織機は。韓国は四七・七%、台湾は六二・三%。設備の新鋭度といいますか、それでははるかに水があいてしまっておる。こういうものを踏まえて、どうするか。
 韓国はこの間北陸で日韓繊維シンポジウムというのを両方の業界が寄ってやっているのですが、その六十三年十月に行われたシンポジウムの発表を聞いてみても、韓国では三年以内に既に二万台をスクラップにしたというのですね。そして一万一千台を新設した。そのうち革新織機は四千二百台。新しいのをどんどん入れている。そして、津田駒等々の日本の有力な織機会社を見ると、新鋭の織機は予約は全部韓国と台湾で、日本の産地に行くようなのはありません。こういうのが中身である。これでは、労働力が安いとかそういうものではなしに、設備の装備度においてはるかに我が国が合繊分野では引き離されている。ほかにも幾つかの繊維の分野がありますが、似たことが言えるのではないか。
 これらを踏まえて、今度の新繊維法、繊維構造改善の臨時措置法では一これらの状況に対してどういうようにこたえようとしているのか。法案全体がそうであると思うのですが、ちょっと要点を伺いたいのです。
○岡松政府委員 先生御指摘のようなNIES諸国の設備投資環境というものが、先ほど来御説明申し上げております輸入の急増にもつながってきているというのが現実の姿であろうと思います。そのような海外の環境と、それから国内における需要の動向の変化、多品種・小ロット・短サイクル化しているというマーケットに合った生産をしていくことが必要なわけでございまして、このような現状に対応できるような供給体制をつくっていくことが必要であろうというふうに考えております。これを実需対応型の供給体制というふうに申しておるわけでございますが、これに必要な設備の更新を進めていく。そのための構造改善事業計画の承認をしてまいりますし、また、個々の事業者ではできない部分につきましては、商工組合等その産地の組合がこれを下から支える形で構造改善の円滑化計画を進める、これを政府として承認をしていくということを考えておるわけでございます。
 このような織機の更新に伴いまして資金の負担が生ずるわけでございますが、これについては、その負担の軽減を図るために、組合主体で行います場合、従来の金利二・六%を今回引き下げまして二・一%の金利にするということを考えておりますし、また、一部要件を満たすものにつきましては無利子の融資の道を開くということも考えまして、設備の更新をこういう形で支援をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○辻(一)委員 それは通産の方からいろいろ御説明も今まで伺いましたが、これは努力していただきたいことであると思います。
 そこで、構造改善事業を進める場合に、産地活性化のためにこれはもう必要欠くべからざるものであるということは当然でありますが、過去の例を見ても、無秩序な近代化とか革新化が産地全体の需給調整を崩すおそれがある、産地全体としての需給調整機能の確立ということが必要であると思うのですが、これらについてどう考えていらっしゃるか、お尋ねしたい。
○岡松政府委員 構造改善事業計画の承認に当たりましてと申しますか、構造改善事業計画を提出するに当たりまして、必要な指針というものを前もって国の方で示してございます。ここで、設備の近代化のための投資に当たっては、特に生産性の著しく高い設備を導入しようとする場合には、需給動向を十分見きわめることが必要だということを指摘事項として書いてございます。このような形で基本指針の中に需給配慮条項を入れてあるということで、行き過ぎた投資にならないようにするわけでございます。
 さらに、先生御存じのように、現実には中小企業団体法に基づく登録制があるわけでございまして、これによりまして当分野につきましてはスクラップ・アンド・ビルドを原則にするという形で、無秩序な織機の革新というものは行われないというふうに認識しておる次第でございます。
○辻(一)委員 LPUで設備を一〇%合理化する、縮小均衡を今度ある程度制度化をしたわけですが、それだけではなかなか解決できない問題があると思うのです。その一つは、革新設備を導入することについて、今非常に高速タイプが入れられておる。そうしますと、現行の換算率をもってすると非常に問題点がある。例えば昭和四十三年には織機の交換率は一対一が、五十七年には一対二・八、今一に対して三・八というように高速の方はなっておりますが、実際入ってくる機械は、今どうも六倍、七倍の高速織機が入っている。そうすると、そういう前の交換率で換算をして革新をしていくと、実際としては革新織機の力によって生産が非常にふえていくという問題があります。これらの従来の換算率をある程度考える必要があるのではないかという声も今随分聞きますが、これらについてどう考えていらっしゃるか。
○岡松政府委員 先生御指摘の換算率の問題でございますが、これは現在の換算率は五十七年に学識経験者を初め関係繊維業界の方々、織機メーカー等の意見を聞きまして、その検討を踏まえて制定したものでございます。先生御指摘のように、その後も新鋭機が登場してくるという事態になり、五十七年に決めた基準というものが実情に合わなくなってくれば改めて検討をする必要があるわけでございます。ただ、なおその設備の登録制につきましても、これを漸進的に緩和する方向で措置が講じられているということも十分踏まえまして、これらの対応には慎重を期してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○辻(一)委員 それはまだ今のところはその必要はないというように感じていらっしゃるのですか。必要が出てくれば検討しなければいかぬということならば、今どういうふうに認識しておるか。
○岡松政府委員 現時点におきましては、直ちに換算率の改正をする必要があるというふうには考えておりません。
○辻(一)委員 ひとつ十分データを精査をして検討してほしいと思います。
 次に、さっきの御答弁で、需給状況を十分勘案をして設備更新、高度化をやるようにという指針も条項で示しているということですが、それは結構ですが、既に共同廃棄事業は終了した、これは終わったわけですが、なおやはり産地としての、全体としての需給調整機能を確立していくには、例えば北陸産地、福井産地では構造調整のためのなお織機の買い上げ、それから需給調整のための設備の凍結等を中心に独自の需給適正化事業基金制度案を用意をして取り組もうという方向で今苦労しておるのです。共同廃棄事業は一応終わったということは事実でありますが、なお産地のこのような努力に対して、政府としては何らかのこれらを支えるあるいは支援をしていく考えがあるのかどうか、そこらをひとつ伺いたい。
○岡松政府委員 設備の共同廃棄事業につきましては、御存じのように六十二年度をもって終了いたしまして、必要な対応は終わった、必要な対応をその時点で図ったというふうに考えておる次第でございます。本制度につきましては、今回のビジョンの策定に当たって審議会等でもさまざまな批判的な議論も多く行われたところでございまして、今後このような過剰設備の廃棄に着目をした助成措置ということにつきましては極めて慎重に対処していく必要があるというふうに考えておる次第でございます。
○辻(一)委員 慎重に対応するというのはどういうことなのか、もうちょっと聞かせていただきたい。
○岡松政府委員 設備の廃棄につきましては、先ほど申し上げましたように六十二年で廃止したわけでございますが、今回の新法に盛られております構造改善を進める上で設備調整を行う必要のあるケースも想定されるわけでございますが、一定以上の設備の廃棄を行いながら構造改善事業を行うグループ、具体的には設備の一〇%以上の廃棄を伴うものというふうに考えておりますが、このようなグループの行います新規の投資については融資条件を優遇するスキームを導入するという形で、この設備の調整の問題と今後の新たな事態に対応する構造調整政策との対応を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○辻(一)委員 その一〇%の縮小をしながら、一割縮小しながら更新を図る、それは伺いましたが、ただそれだけではやはり産地における需給調整確立の機能は必ずしも十分に果たし得ないのじゃないか。こういう点で、さっき私の指摘した点をなおひとつまた今後の機会に検討してもらうようにお願いをいたしたい、要望いたしたいと思います。
 そこで、LPUの認定問題なんですが、北陸の産地では、太平洋岸の産地と変わって、機屋企業は九〇%以上が下請で、非常に小さい機屋さんが多いですね。そして生産能力的に見ると、メーカーチョップが一〇%、メーカーの県外商社と三五%、メーカーの産元と二〇%、県外商社の手張りが二〇%、産元の手張りが七%、自由販売が八%、ごく大枠で言えばこういう大別をされておる。実態としては、企業の機屋の数としては過半数以上が非常に小さいために県外の小さな商社あるいは県内の産元商社と結合している場合が非常に多いのです。そこで、LPUの認定に当たって、このような産地の特徴をどう生かしていくかということが大事でないか。そこで一本の形に産地を入れてしまうと、零細な、小さな多くの企業がこぼれてしまうというか参加がなかなかできなくなっていく。だから、認定に当たって、具体的に言えば実施要領ですが、この中でこういう配慮をいろいろとすることがなるべく多くの機屋企業が参加ができる、そういう内容にすることが大事であると思いますが一これについてはどういう考えを持っているか、お尋ねしたい。
○岡松政府委員 構造改善事業計画の実施に当たりましては、できるだけ産地の事情を酌みまして、産地が新しい環境に向けて対応するにふさわしい構造改善事業計画ができるように、またそれを産地組合が支える円滑化事業ができるように指導をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○辻(一)委員 実施要領はいつごろ出す予定ですか、計画ですか。
○岡松政府委員 実施要領につきましては、法律を御審議いただいて成立の暁には制定をするわけでございますが、その後大蔵省ともよく協議をいたしまして、できるだけ早くこの新法に基づく制度が動くように努力してまいりたいと思っております。
○辻(一)委員 この法案に余り反対はないように聞いていますから、多分きょう成立するのではなかろうか、これはちょっとわかりませんが、そう思いますが、仮に本日の夕方可決されて、年度内に成立するとなった場合に、実施要領はいつごろ出す予定ですか。
○岡松政府委員 具体的な日時を申し上げることはちょっと控えさせていただきますが、法律を早く御審議いただき御成立をいただくという趣旨にかんがみまして、私どもといたしましても、最大限の努力をし、できるだけ早く導入できるように努めてまいりたいと存じます。
○辻(一)委員 いや、日時というのは、そんな細かい、何時に出るということを聞いているのではなしに、何月の上中下と、三つぐらいに分ければおよそいつごろかということをお尋ねしておる。
○岡松政府委員 法律成立後公布、一月以内で政令云々となっておりますので、その後一、二カ月以内には何とかするように努力してまいりたいと存じます。
○辻(一)委員 一、二カ月というと非常に幅がありますが、その一カ月の方で、産地の方も待っておると思いますから、早く進めてもらうように要望しておきたいと思います。
 それから、先ほど私は政府委員の方に、産地としていろいろ予想されるケースとして八つのケースは産地の中に組み合わせを考えておるのですが、その八つは大体認定されるのかどうか、そこらはどんなものでしょうか。産地の皆さんは、これぐらいはひとつ認めてもらえばやりがいがあるのだ、こう言っておりますが、そこらをちょっと伺いたい。資料は行っていますね。
○岡松政府委員 前もって委員からいただきました八つのケース、承知いたしております。御指摘の八つのグループが法律に定めますリンケージ・プロダクション・ユニットとして承認されるかどうかという点につきましては、個別、具体的な計画を審査させていただきまして、お答えを出したいと思っておりますが、基本的には産元や商社と結びついているグループでございましても、その行う事業が相互に密接に関連している繊維事業者のグループということであれば、承認できるというふうに考えておる次第でございます。
○辻(一)委員 産地の皆さんは、この八つのケースをひとつぜひ認めてもらって全力を挙げたい、こう言っておりますから、十分検討して、そういう方向で努力をいただきたいと思います。
 そこで、さっき言いましたように、産元中心のグループ等は非常に小さな企業が多いので、これが認められないと、福井産地においても七割からの小さな企業がこの計画になかなか乗れなくなる。今、産地では、平成元年度に二十五億円の事業費を見込んで、これは融資や自己負担、いろいろありますが、二十五億の経費を見込んで取り組もう、こういう動きにあるようであります。そこで、基準が余り厳しくなって、そういう多くの中小企業が参加できないという状況がもしも起こるとすると、中にはやはり機屋さんでも後継ぎがいないとはいいながら若手の人で機をやってみようという人もいるわけですから、そういう人の芽が摘まれないように、ぜひひとつできる限り幅広く認定をして、意欲のある人が参加できるような体制をとっていただきたい。そのことについてもう一度、これは大臣にちょっとお伺いしましょうか。
○三塚国務大臣 御説のとおり配慮しつつ対応してまいりたいと思っております。
○辻(一)委員 それから、事業計画の承認期間をもう少し短縮できないかという問題がありますが、これは五カ年計画で出発すれば、初年度はやはり慎重を要しますから通産大臣の認可というかいろいろ現行法による手続は当然必要だと思うのです。ところが、従来の状況では、組合がアクションを起こしてから指導援助委員会の承認までに大体半年かかっている。経済は生き物なので、決まったならばなるべく早くやった方が経済波及効果が大きい、そのおくれをなるべく短くしたい、こういう声が強いのです。
 そこで、初年度は別として、二年度以降は知事のいわゆる認可といいますか権限で導入できるようにできないか、そうすれば期間をかなり短縮できるのではないか、こういう声が随分と強いのですが、これについてはいかがでしょうか。
○岡松政府委員 御指摘の一連の手続についてできるだけスムーズに進めるようにという点でございますが、計画の承認に当たりましては、御存じのように金融の審査と計画そのものの審査と二つが並行して進むという形で、すなわち計画が終わってから金融審査するのではなしに並行して進めるという形で、できるだけプロセスを短縮化するようにという努力をいたしておるところでございまして、構造改善努力が報われますように対処してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
 先生御質問の第二点の、次年度以降は知事承認でできるのではないかという点でございますが、業種対策でございます繊維工業の構造改善ということになりますと、やはり繊維産業全体のバランスを考えながら進めていかなければならないということが一つと、それから複数の県にまたがる組
合というものも過去の例でもあるわけでございまして、そういうことも考え合わせますと、やはり通産大臣の承認にかからしめる必要がある、それが適当であるというふうに考えておる次第でございます。
 ただ、手続の点につきましては、先生の御指摘の趣旨も踏まえまして、できるだけ早く進めるということに努めてまいります。
○辻(一)委員 なかなか難しい問題ですが、一番大事なのは期間をなるべく短くするということなので、これをぜひひとつ具体的にやっていただきたいと思います。
 それからもう一つ、実需対応型供給体制の確立が繊維における生き残りの道である、こういうふうにされておりますが、産地によってはこれまで発注側が負担をしていたリスクが川中に逆流してくるおそれがある。従来賃織りは二カ月前に原糸を、二カ月前原糸というのが常識となっておったのですが、最近は短期納入化の流れの中で当月の原糸、当月の織物の発注も珍しくなくなってきた。もちろん発注側の原糸供給を待っておっては間に合わないので、手持ちの糸もしくは市中買いをして投入している。こういう点で、資金の負担、生産段階における少量分割生産方式による対応など、随分と努力をしておりますが、必ずしもこれに見合う工賃が保証されていない。そういう点で、従来と異なって実需につながったものしかつくらないとなると、産地によっては受注形態の抜本的な見直しが必要ではないかという意見もありますが、これについてどう考えていらっしゃるのか。
○岡松政府委員 需要が多品種一少量・短サイクル化していくということになりますと、繊維産業も、今後発展を遂げていくためには、繊維産業の各段階におきまして、こういう需要の変化に適切に対応していかなければならないということも事実でございます。
 この法案におきましては、繊維産業のこのような環境変化を乗り切るための努力を支援していくということをねらいといたしておりまして、構造改善事業計画あるいは構造改善円滑化計画の承認を通じて、金融、税制上の支援措置、対策を講じてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 ただ、そのようなプロセスで、先生御指摘のように、そうなりますとまた下請が親との関係においてさらに厳しい状況に立つのではないかという御懸念もごもっともでございまして、このようなプロセスで親企業による不当な取引条件の押しつけ等があるというようなことがございますならば、これは従来ともやってきたことでございますが、適切化のための努力をしていかなければならないというふうに考えておる次第でございます。
○辻(一)委員 もう何ほども時間がなくなったのでありますが、ちょっと大急ぎでお尋ねします。
 今度の新法によって繊維リソースセンターが、ことしは三カ所見込んでおるのですが、将来の計画として何カ所くらいを何年間でやるのか、ちょっと伺いたい。
○岡松政府委員 繊維のリソースセンターにつきましては、平成元年度予算で三カ所の設置を予定していることは先生御指摘のとおりでございます。その後の整備はどうかということでございますが、繊維の産地あるいは消費地に設けてネットワークを組むという構想でございますが、具体的に全体で何カ所かということにつきましては今ここで申し上げかねるのでございますが、実情を踏まえまして適切に対応し、その効果が上がるような全体構想を私どもとしては持っておりますので、これが実行されるように努力してまいりたいと思っております。
○辻(一)委員 何かわかったようなわからないお話であるが、産地では今準備委員会をつくってこれをぜひやろうというような準備をしておりますから、そこらの実態をよく踏まえていただいて、せっかくの効果をぜひ上げるようにやっていただきたいと思います。
 最後に、消費税の問題を一、二点だけお尋ねします。
 商社の方から下請の機屋さんに対して、おたくは免税業者ですねという問い合わせが来る。これは転嫁問題の布石であるわけですが、そういう中で、免税業者といえども仕入れをしたりいろいろとかかる経費等は消費税分を負担しているわけですが、これが転嫁ができないとなると、結局小さな業者がそういうものをしょい込まなくてはならない。カルテルを今やっておるのですが、それがどう実効を上げ得ると判断されておるか、どう対処しようとしているのか、これをちょっとお尋ねしたい。
○岡松政府委員 御指摘のように繊維関係は極めて多くの小規模零細企業を擁する産業でございまして、特に川中と言われる機屋の部分が中小零細企業のウエートが高いということは十分承知いたしております。しかしながら、消費税は事業者間の各取引段階ごとの転嫁を通じて最終的には消費者に負担を求めるという性格でございますので、免税業者のいかんにかかわらず消費税負担分についての転嫁を行うと考えておるわけでございます。
 このような零細事業者も含めまして、繊維業界といたしましては適正かつ円滑な転嫁が行われることが最も重要であると考え、当省として、消費税導入に当たって取引の力関係によって消費税の転嫁ができたりできなかったりということのないように環境づくりをしていくというのが大事であると考えております。そのためには、数々のPRを行ってまいりましたし、また説明会も開催してきたわけでございますが、特に繊維業界につきましては他の業界よりも多い頻度で行っているということでございまして、繊維産業の実態に即した消費税の導入円滑化のための所要の助成策を講じ、繊維産業対策の拡充に努めてまいりたいと思っておる次第でございます。
○辻(一)委員 時間が来ましたので、大蔵の方に消費税問題を二、三お尋ねするつもりでおりましたが、また別の機会に譲りたいと思います。消費税は、現場を歩いてみると、実態がわかればわかるほど複雑で、批判がどんどん出ている。だから、そういう意味では、まずは凍結をして状況を見るべきである、このことを強く申し上げて質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○浦野委員長代理 薮仲義彦君。
○薮仲委員 私は、ただいま上程されております繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、大臣並びに関係局長に質問をさせていただきます。
 本日は非常に時間が限られておりますので、大臣は別といたしまして、大変御無礼な言い方で申しわけないのですが、局長方の御答弁は要点を簡潔にお答えいただければ大変助かりますので、よろしくお願い申し上げます。
 今回の構造改善というものが、そもそもスタートはどうかといえば、歴史はさかのぼりますけれども、このような構造改善として法律が整ったのは、昭和四十九年にスタートしておるわけでございますが、その後二度にわたりまして改正されて今日を迎えているわけでございます。今回は、近年の我が国の繊維産業を取り巻く経済環境、また国際環境の変化等に対応するために、大臣が繊維工業審議会、産構審に諮問をいたしまして、その答申に基づいてこの法案ができ上がってきた、そのための改正であると認識をいたしております。本来ならこの法案は予算委員会が終わってしかるべき時期にということでございますけれども、予算委員会が非常に不正常で、にわかに審議となりましたので、多くの繊維産地を視察する機会に恵まれませんので、産地全体のことごとくの意見は聞けませんが、私は地元の産地に赴きまして関係の方々の御意見あるいは現場も拝見させていただきました。
 それに基づいて何点か質問するわけでございますが、これは午前中から何回か御答弁いただいておりますが、昭和四十九年から今日までずっと繊維産業の構造改善を進めてきたわけでございますが、またここで答申に基づいてそれを進めていく
わけでございますが、通産省が進めてきたこれまでの構造改善は、一体どう通産省としてはそれを分析し、評価し、認識しておられるか、その辺、簡潔にお答えをいただきたいと思います。
○三塚国務大臣 御指摘のとおり、四十九年度以降、五十四年、五十九年、二度にわたる改正を経まして今日まで来ておるわけでございますが、六十三年度まで承認を受けた構造改善事業計画、施設共同化事業計画は百七件、参加した企業数は、調べましたら一万五百六十三でございまして、全繊維製造業企業数の約一割であります。このような利用率は必ずしも高いとは言えませんけれども、構造改善事業の実施グループについてその実績を見ますと、新商品の開発が進捗するなどの成果を示しており、こうした点から見て、現行構造改善事業については基本的に評価できるのではないかと思っておるところであります。
○薮仲委員 今大臣の御答弁のように、いわゆる知的集約化あるいは繊維産業の異業種の垂直統合、こういう形の構造改善をやろう。そこには商品化の強化のためにいわゆる商品の開発センターをつくりなさいという形でやってまいりました。
 私は現地の浜松を見て質問をするわけでございますけれども、浜松は静岡県あるいは日本においても有数な繊維の産地でございます。今はハイテクあるいは自動車、それらのもろもろに押されておりますけれども、戦後のある時期は、静岡県の浜松の繊維産業は全国の中でもあるいは浜松市の中でもトップの産業であったことは間違いございません。これは大臣、局長、御承知のとおりでございます。しかし、その浜松市の繊維業界が、この構造改善の中で何ができたか。これは今大臣のおっしゃるとおりだと思うのでございますが、現地の繊維業界の方々の御意見は御意見として耳を傾けていただきたいわけでございますが、現地の方々が浜松のあれだけの大産地で何ができたかといいますと、遠州織物工業協同組合と天龍社織物工業協同組合、この二つの協同組合が単一一括組合として構造改善に取り組んだ。それから、組合員だけが利用できると言っては語弊があるかもしれませんが、そうならざるを得ない商品開発センターをつくってそれなりに努力をした。乗れたのは単一業種、いわゆる異業種が合体してという垂直統合は一つのアパレル、これは今形骸だけあって実体がございませんから名前は差し控えさせていただきますけれども、アパレルを中心に異業種を集めてやろうとしました。しかし、異業種交流というよりも、その異業種が一つの垂直統合をしようとした。本来通産省が最も改善のねらいとするその連携は不成功に終わっているわけです。それじゃ、業界の方が、浜松で何が残ったかというと、商品開発センターと、それから遠州織と天龍社のこの二協同組合が構造改善事業に乗っかっただけだ。そうすると、あれだけの繊維産業の産地が乗れなかったのは一体どこに問題があるのだろう。この現実を本気になって解明しないと、幾らまた同じような改正をしても、五年たち十年たつと、建物は残っておるけれども本質は変わっていない、一番大事なところが変わらないじゃないかという気がするわけでございますが、浜松のことは通産省はよく御承知のようでございますので、この実態をどう御認識なさいますか。
○岡松政府委員 先生具体的なケースで御質問でございますが、過去五年間、現行法に基づく構造改善を進めてこられた遠州織それから天龍社の例でございますが、これらは産地一括型の構造改善を進めてきた事例でございます。
 その後の環境の変化ということを考えますと、これからの対応の仕方はやはり多品種・少量・短サイクルという市場の目まぐるしい変化に対応していけるような形をとる必要があるというところから、新たに構造改善事業計画としてリンケージ・プロダクション・ユニットと言われるような非常に緊密な連携関係を持ったグループをつくり、産地組合はむしろそれを下から支える、円滑化計画という形でこれを支えていく形をとるということによって新たな環境への対応策を探っていただこうというふうに考えたわけでございまして、過去の対応をさらに環境に応じて一層強化をしてこの事態に対処していきたいというふうに考えておる次第でございます。
○薮仲委員 ここで短い時間で局長と論議を尽くす気持ちはございませんけれども、私は、じゃもう少し厳しく言いますけれども、決して恨みつらみで言うのではなくて、こういう点が現地では大事なんですよという点で知っておいてもらいたい。
 まず、乗りにくいというのは何が乗りにくいかというと、組合単位じゃないと乗れないのですよ。それは商品開発センターというのがぶら下がっていたからです。だから個人で、個人企業が商品開発センターまで資力があるか、ないですよ。だから乗れなかったのです。そういう点を問題点として通産省がしっかり認識していらっしゃると私は思うけれども、こういう場ではっきり言われた方がいいのです。これがあったからできなかったと言わないと、通産省の認識はあいまいだと思うのですよ。あいまいな認識で幾ら新しいスタートをしようとしても、関係者は不安に思うのです。
 それから、これからだんだん問題点を言いますけれども、ちょっと厳しく言いますが、気にしないで聞いていただきたいのです。
 私は昭和四十九年からの法案をずっと読んでみたのです。通産省がやろうとしている構造改善のコンセプトは変わらないと思うのです。こういう考えで、こういう概念でやっていこうということは変わらなかったと思うのです。今度局長が御説明になったいわゆるリンケージ・プロダクション・ユニットあるいは繊維リソースセンター、これは今までだっていわゆる異業種の垂直統合という言葉であったのですよ。そしてまた商品開発センターも、それは全然やり方は違いますよ、でもコンセプトは同じなんですよ。なのになぜ乗れなかったかというところをしっかり見きわめなければいけない。
 今私は冒頭に、大臣の諮問に対して答申があったでしょう、答申に基づいて法案をつくったわけでしようと言いましたが、あそこの答申で指摘されたことは、我々から言うと、逆に言うと繊維産業の構造改善が進んでいないということなんです。通産省のコンセプトどおり変わっていればあんな指摘はないのです。変わっていないから、これをやるためにこうしなさいという指摘があるわけです。
 しかし、私は、今度の法律それ自体にもまだ問題があると思うのです。後で指摘しますけれども、今度こういうコンセプトにどうやったら乗せられるか。これを厳しく言いますと、今までなぜ変わらなかったのか、そしてなぜ変えることができなかったのか、あるいはなぜ関係者が変えようとしなかったのか。これにはっきり答えを出して、そして法律は法律として、実施要領の中で本当に変えられるように、変えやすいように、意欲がわくようにしてあげなければ絶対だめだと思うのです。この辺を今のような答弁の繰り返しでおやりになるようであっては、また五年たったら局長と、何だ残ったのは繊維リソースセンターだけじゃないかということになっては、形は異業種はLPUがあるいはできるかもしれませんけれども、魂はもぬけの殻になる。同じことになってしまいますよ。形骸だけ残るのです。そういうような構造改善を何回繰り返してもいかぬと私は思うのでございますが、この辺の問題点を、一体なぜこれが本質のところで乗らなかったのか。もう一度聞きますけれども、同じ御答弁だと困るのですが、いかがでございますか、私はこれから問題をこう認識していると指摘しますから。
○岡松政府委員 先生御指摘の構造改善についての私どもの認識ということでございますが、構造改善事業につきましては、五十九年でございますか前回の改正のときに、審議会における議論を経て一つの方向を出し、延長し、今日まで四十九年から続けてきたわけでございます。今回の改正に当たりましても、約一年間かけ、六つの部会でグループに分けまして六十回を超す議論をして、この環境変化をいかに深刻に受けとめるかというこ
とで議論をし、新しい政策を立案してきたというふうに考えておるわけでございます。その意味で、先ほど御指摘の今後の対策として構造改善事業、構造改善円滑化事業、繊維のリソースセンターということを盛り込んでいるわけでございますが、ここに参加できる事業者につきましては、これをできるだけ広げて幅広く参加できるように、意欲のある事業者は幅広く参加できるようにしていくことが大事ではないかというふうに思っておるわけでございます。
 また、商品開発センターが従来の構想でございますと必須の設備ということになるわけでございますが、今回は実需対応型ということで考えますと必ずしも商品開発ではなしに広く実需に対応していくためにグループとして何を目指すかというところから事業の範囲も広げているということでございまして、新しい制度の内容に沿って要件についても変更していくということで対応してまいる所存でございます。
 このような対策を通じまして、この新しい厳しい環境に繊維業者が対応していくのを私どもとしてサポートしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○薮仲委員 私もこの答申はずっと古くからのものを勉強させていただきました。その上で現地の声をもう少しずばっと言った方が、言っていることを蒸し返してここで論議しても進まないと思うのです。ですから同じ御答弁ではというふうに申し上げるのです。私は本音の部分で申し上げますから。
 例えば、現地に行ってなぜ問題なのかと指摘してまいりますと、簡単に言いますとこういうことなんですね。例えば現実社会、Aさん、Bさん、Cさんが共同事業をやろうと計画を組んだ。ところが世の中の経営者というものは、たとえ零細企業であろうと中小企業であろうと社長というのは一国一城の主なんです。経営に対する哲学を持っているのです。また、この変化に対してこうすべきだという方針も理念もきちっと持っているのです。通産省は、おっしゃるように、川上、川中、川下とあって、いわゆる消費者のニーズや国際情勢にクイックレスポンスで川上まで反応して供給体制を早くつくればいいということはわかっているのです。でも、現実に例えば川上、川中、川下の異業種の方が、社長が集まって、やろうかと言えば事もなげにできるのです。浜松が失敗したのは、いわゆる世間で言う共同事業形態ですと、結局は形営方針に対して意見が割れるのです。利害も相対立しているのです。例えば染色と織布と縫製とアパレルそれぞれの業者が集まれば、本当に商売をやれば全部利害が相反するのですよ。共同事業は非常に成立しにくいなということについてどう解決をするかということをまず通産省としてもっと論議を深めていただかなければならないのです。いわゆる経営者としてのそのしっかりとした経営哲学に対してどうサポートしてそれをやっていけばいいのか。
 ここで一つ考え方があるわけです。それは、染色とかあるいは織布でもいいですよ、あるいはアパレルでも結構です、その一人の経営者が、本当に元気のいいやる気満々の経営者が、例えば織布なりアパレルをやっている人が自分で染色も縫製もあるいはデザインもやってみて、自分でやろうと言って立ち上がる。これは恐らく局長に今答弁を求めると、それはまさしくLPUのねらいでございます、こう答弁すると思うのですよ。そのとおりなんです。そこまではいいのです。そのとおり、それをやりたいのです、こう言うと思うのです。ところが、そこから先へ進まないのです。そこを考えてくれ、私はこう言うのです。
 なぜこれが進まないかといいますと、例えば今とうとうと構造改善のお話をなさいました。構造改善といっても、通産省が手当てをするのはハードなんですよ。織機を今まで例えば五十台あるいは四十五台持っていました。全部それを新しくしますと、設備は三割減でいいです、しかし生産力は一・五倍に増強されました、これが構造改善の強みなんです。人間も何名減りました、ですからやっていきます。ところが、ハード面しか手当てしないのです。しかも、そのためのいろいろないわゆるランニングにコストがかかるわけですよ。運転資金や、運営上、金がかかるわけです。それは全然今手当てがないわけです。あるいはまた、資金のすべては高度化資金を利用できるわけではありません。民間の五%を超える金利でやらなければならない。そうしますと、設備は改善したけれどもその返済に十年間追われるのです。新しいものに出ていこうというと、資金ショートするのです。
 もう時間がないからどんどん言ってしまいますよ。ここで質問すると、例えば国金だとか中小企業金融公庫だとかいろいろと中小企業に対しては手当てがあります、こう答弁する。それもだめなんです。きょうは恐らく中小企業庁長官お見えかもしれませんけれども、そう御答弁になったってだめなんです。なぜかというと、担保能力がございません。構造改善でずぼんと担保をとられているのですよ。それは御承知でしょう。ですから、民間がお金を貸すのには、もう少し地価が高騰して担保に余力ができて、担保を見直さなければあなたにはお金は貸せません、こう言う。しかも五%から上の金利で借りていると大変なんです。
 具体的に、私は工場を見てくれというので工場を見てまいりました。これは、局長、名誉のために企業名は言いませんけれども、この方は通産省の言うとおりいわゆる構造改善に乗ったのです。織機を全部かえたのです。そのために大体幾ら投資したかといいますと、二億三千万の負債をしょい込んだのです。今営々とそれを五年目で返しております。約一億減ったのです。でも、この方は言っておりました。自分は五千万を超す自己資金があったので、それを手当てをしたので何とか乗り越えてこられた。ところが、これは局長現地に行ってよく聞いてください、一億を超えた構造改善をやって残っている人はたった一社だけなんですよ。あとはみんな撤退したのです。やめたのです。廃業して負債を払っていったのです。一人しか残っていないんですよ。この現実をもっとしっかり見きわめてこの改正案の施行、実施要領をつくっていただきたい。これを見てもわかるとおり、この方のいわくは、私は新しいところへどう出した、ところが資金ショートしているんです。銀行も貸さないのです。最近地価が高騰したので貸そうかと言ってきた。ところが、通常の場合は機械を設備しますとその返済で十年かかるのです。十年たったときにはた織機は新鋭機になってくるんですよ。そうすると、私の十年何だったの、構造改善の借金払いで、借金の中へ埋もれて終わってしまうのです。だから乗れないのです。だから私は、ハードだけでやればいいだろうというのはだめですよと言うのです。もっとここまで手を差し伸べないと、だれもこの構造改善に乗れないんですよ。ですから、いわゆるランニングコストをどうするか、真剣に論議していただきたい。どうすればもっと乗りやすくなるのか。そうしてあげないと、私はここに収支のあれを持っておるのですが、これは申し上げませんけれども、同じような苦しみを皆様お持ちになるのではなかろうか。
 そこで、これは私の希望でございますけれども、こういうのが現実でございます。恐らく今度構造改善をやろうとすると、今度は無利子もございますが、それでも乗れない。繊維リソースセンターについてはこの次やりますけれども、いわゆる資金面でもう少し乗りやすいように、そして体質を改善しやすいように、本当に参画しやすいように、力をつけられるようにしてあげなければいけないと思うのです。そういう意味でのソフトの面で、ハードの面はわかります、ソフトの面での施策が私は乗るためには重要な課題ではなかろうかと思います。これは現地の生の声でございますから、これを今後施策としてどう実現くださるか、御答弁いただきたいと思います。
○岡松政府委員 先生御指摘のように、構造改善事業を進めるに当たっては、ハードだけではなしにソフト面での事業を充実していくことが重要であるということは十分認識いたしております。こ
れも先生の方から先ほどお話がありましたことで恐縮でございますが、組合等が行う場合であれば、商品開発、人材育成等に要するソフト資金は事業団から極めて低利な貸し付けを行うという道がありますし、他のソフトの資金につきましても中小企業金融公庫からの融資を行うことができるわけでございます。また、中小企業者が必要なソフト資金一般につきましては、公庫、国民金融公庫からの融資で対応しているということでございます。ただ、先生御指摘のように、もうこんなことはわかっているというお話が先ほどございましたが、要はこのソフトの重要性というものを御指摘を踏まえて十分認識いたしまして、今後いろいろ個別のケースに対応してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○薮仲委員 私も、全国を回りたかったのですけれども、回れなくて言うのもいかがかと思うのですが、構造改善というのは事ほどさように使ったお金、借りたお金をどうやって返すかということがついて回りますので、それをもう少し不安のないように、リスクをしょわなくていいように変えてあげて体質を強化してあげないと、その部分を強化しないと新しいところへ手を伸ばせないのです。その方が言っておりました。私もやりたい、でも金がないのです。知恵はあっても金がないのです。熱意があっても金がなければできないのです。ですから、その辺で、安い金利で、少なくとも二%とか、二%とかなんかをやりますとすぐ大蔵省あたりが民業圧迫と怒るかもしれませんけれども、そこは今度の三塚通産大臣は力の強い大臣でございますから、局長もしっかり大臣にお願いをして、大蔵省のそういう壁を破ってソフトの面の充実を進めていただきたい。今のは個人の話です。
 もう一つは、先ほど来論議されておりますけれども、産元という企業の経営の形態があるのです。私は、これはある意味では非常にすぐれた特性を持っているのかなと思うのです。産元すべていいなんて礼賛しているわけではありませんが、好ましい形で育成する必要はあろうかなと思うのです。これは今度の構造改善に非常に乗りやすい体制でもあろうかと思うのです。というのは、共同経営の場合にAさんとB社長、例えば布屋さんと染め屋さんでしたら、おまえのところは染め方が悪いぞともろに社長同士けんかになると思うのです。しかし、この産元というのは、うまいように糸屋があって織り屋があってそれから染め屋があってと、一つ一つ行ったり来たりするわけです。そうすると、例えば私が織り屋で、染めがぐあい悪いときに染め屋の社長に直接文句を言うんじゃなくて、産元の大将に、おたくのやっている染め屋の技術は、あれは何だ、あんな技術じゃだめだよとワンクッション置いてこう言うわけですね。ですから、染め屋の大将とは仲よくしながらも、こっちでは物すごいけんかができる。これは共同事業の非常にあつれきする部分はワンクッション置いてありますから、形態としてはいいのです。
 しかし、産元支配という言葉もございます。ですから、私はそれはまずい行き方だと思うのですね。いわゆる産元に対して対等、平等に意見の言える織物屋さんがいなければならない、あるいは染色屋さんがいなければならない。あるいは縫製業者の方も対等に言える。今の産元の中で本当に織物屋とか染色とか縫製の方が力をつけてきて産元に対して物を言える、対等、平等に仕事ができるといえば、私はある意味ではこれは今度の構造改善の、いわゆるLPU、リンケージ・プロダクション・ユニットの一つの理想的な姿になるんじゃないかな、その素地はあるんじゃないかな、こう思っておるわけでございます。決して産元礼拝でも何でもございませんけれども、しかし素地としては好ましい形があるので、産元支配ではなく、対等、平等の中に理想的な構造改善がある、いわゆるクイックレスポンス対応ができるように、そういう事業体に育成するということが好ましいんじゃないかなと思いますが、この点はいかがでございますか。
○岡松政府委員 産元と個別の繊維業者との関係でございますが、この繊維法におきましては、五十四年の改正以来、産元も繊維事業者として助成の対象としているわけでございますが、今回の構想におきましては、実需対応型の構築をしていく上でこの産元の果たす役割というのは非常に大きくなってくるのではないかというふうに思っているわけでございます。
 具体的には、構造改善に直ちに乗れない小さな事業者が出てきた場合には、今度新たにつくります構造改善円滑化計画ということによって、その個々の業者を構造改善事業が実施し得るように育て上げるという機能も産元組合に果たしていってもらえるのではないかというふうに期待しておるわけでございまして、依然として繊維産業におきましては産元の果たす役割は非常に大きなものがあるというふうに考えておる次第でございます。
○薮仲委員 産元については当然もう少し研究をしていただいて、好ましい形での育成というものをどうかよろしくお願いをしたいと思うのでございます。
 それから、繊維リソースセンターについてお伺いしたいわけでございますけれども、私はハード面の重要性というのはもう論をまたないと思うのです。これは絶対必要であろうし、時代に即応していろいろな情報やあるいはファッション性やデザインとか、いろいろなものをリソースするということは非常に大事なことであって、これは好ましいことであろうと思いますし、そこにすばらしい人材が育ってくれる、いろいろなファッションショー等もできるといえば、あるいは世界の情報もそこへ入ってくるといったら、地場産業にとってはこんなすばらしいものはないと思うのでございますが、やはりこれも今度の政策を見ますと、十三億といいますけれどもハード面の建物と設備に集約しているわけですね。
 現地の方々が何を一番問題点とするかというと、私も同じ意見なんですが、これでもやはりランニングコストですね。三年でといいますと、三年で果たして収支がペイできるか、あるいは少なくとも見通しが立つかというと、非常にリスクの大きいといいますか、危機感を、ある意味ではその現場の方は困ったなという考えは持っておられます。しかし、これは乗り越えていかなければならないのかもしれませんけれども、私は繊維リソースセンターで何が一番大事かというと、これは失敗すると、こんなことではいけないのですけれども、県にいろいろな何とか試験場、何とか試験場とあるのです。建物があって、いろいろな情報が並んでいるのです。死んだようになっているのです。繊維、ファッションというのは、生きていなければだめです、生き生きとしていなければ。何が大事かというとマンパワーです。本当に優秀なデザイナーや、そういうものに対して産地を育成しようという情熱を持った中心になる人がいて、そこに行けばいろいろなことがわかる、いろいろなことをやっている、躍動しているという、建物よりもそこにいる人間が生きてないと、これはとんでもないことになるのです。私は、そのために優秀な人間をそこに置かなければ、センターなんかつくったって、そんなものは何か博物館か図書館のでき損ないになったのではしようがないという感じ、そんなことは極論でございますけれども、生き生きとしたものにするためにはマンパワーだと思うのです。優秀な人材だと思うのです。
 こうなってくると、やはりそのために通産省が相当な支援と、あるいはさっきの資金面での支援があろうかと思うわけでございます。さっきからソフト面、ソフト面と言いますけれども、ここも運営コストについて皆さんは不安を持っています。不安がなくできるように、立派な人材を集めスタートできるように、これをやるかやらないかは非常に大事なことですので、局長にお伺いしますけれども、大臣に私の言わんとするソフト面での充実については何とかやっていただきたいと思うのでございますけれども、大臣から御決意のほどをお伺いしたいと思うのでございます。
○岡松政府委員 繊維のリソースセンター構想を私どもも取り上げますときに、先生御指摘のように、これはよく地方に見られます物産館のように
社会科の生徒が見に行くだけのもの、そういうものになってはいかぬということを痛感いたしておりまして、全く先生御指摘のとおり、生きたものにしなければいけない。その意味ではソフトが大事であるし、また、ネットワークを組んで、そこに、産地にはあるけれども、東京の、消費地の情報あるいはパリの情報も入るようにしていくということが必要であるというふうに考えておる次第でございます。
 問題は、その運用に当たってどういう人がそこにいるかということでまた設備の活力が変わってくるわけでございまして、やはり産地の繊維産業の実態に詳しい人であると同時に、それだけではなしに、豊かな感性を持った、繊維センターというものの構想について深い理解を持ち経験を持った人がそこにおられるということが大事ではないかと考えておる次第でございまして、御指摘を踏まえまして、私どもといたしましても、いかにしてソフト面を充実させるかということが、このセンターの成功のかぎであるというふうに考えておる次第でございます。
○三塚国務大臣 ただいま薮仲委員から織維産業という我が国の重要な産業についての現地調査、また、かねがねの商工委員としてのノーハウの集積の中で、御見識をいただきました。
 リソースセンターをこの法改正の重要の場面に据えましたのは、前段申し上げました三回の改正に基づいて、よりよきものをという、もちろんそこもありましたが、今回は、追われる立場の我が国繊維産業、こういう位置づけの中で、日本の伝統産業たる繊維産業がどのように息を吹き返すか、再生、活性化を果たすことができるか、こういうことで、その中で大胆な取り組みをしなければならぬのではないだろうか。初年度三カ所ということを目標にいたしましたのも、それだけの意欲と集積のあるところを指定いたしまして、これがまさに繊維産業のあり方だ、これが二十一世紀、二十二世紀に向けていく生活産業のモデルであるし、このとおりの経済活動体である、こういうことを示したいという地域の強い念願をまさに集約した形で取り組まさせていただくというのがそういうことであります。
 ただいま御指摘にありましたとおり、共同事業をどうするのかということで、五カ所しか大浜松になかった。それも四カ所アウトで一カ所だ。さらに、それは担保力がございませんで、機械更新も思うに任せない。取り巻く環境がそうでありますから、売り上げが伸びないということも、さような制約に相なるでありましょうし、土地の値段が上がったから何ぼか貸してやろうかということでは、企業金融ということでは到底相ならぬであろうというふうに思うのでございます。そういう点から、特に二百八十万人の雇用機会を持つ重要な産業でもございますし、特に一億二千万、また特にアジア・太平洋において、全世界において、日本の繊維産業というのは大変地道な発展を遂げてきたこともそのとおりであるわけでございますが、イタリーやフランスに負けぬような衣料産業、繊維産業ということになりますためには、後段言われましたマンパワーの活用、そのためにはどうするか、この辺が最大のポイントであろうというふうに思うのであります。そういう意味で、第三セクターであるわけでございますが、事業者の営業上のノーハウ、苦労というもの、経験というものを大いに活用すべきでありましょうし、それに向けて中小企業が到底及びもつかないファッションの動向、また需要者のそれに対するデマンドの方向ということなどを的確につかまえていくという点であろうかというふうに思います。
 かような意味で、繊維産業を二十一世紀に向けて活力ある産業に発展させるため法案を成立させていただきましたならば、積極的かつきめ細やかな対策を立てていかなければならぬ。ただいまの具体的な御提言、本法案成立後の事業執行について極めて有意義なポイントでありますことを感謝申し上げながら答弁にかえます。
○薮仲委員 それでは、時間が参りましたので、問題点だけちょっと指摘をしておきますので、今後の課題として御検討いただきたいのです。
 一つは消費税ですね。このことについてざっと問題点を言っておきます。これはもう皆さん御承知のとおりです。繊維業界というのは、いわゆる製造が多段階にわたっているということ、それから自動車業界のように一定の下請という体制にない、ばらばらなんですね。また、そのばらばらな規模が、大企業もあれば中小あるいは零細もある。しかし全体としては零細企業が多い。しかも取引上の力関係が非常に複雑、ふくそうしておる。さらに、繊維製品の一番困ったのは、シーズン商品であるものあるいはファッション性の高いものというのは売れ残りの課題があるわけです。これが今の商慣習の中で一つの取り決めがあるわけでございますが、これが消費税が入ったときに一体どうなるのか。特に問題は転嫁の問題です。通産省も出荷額で五十一兆と言っています。これは三%掛けますと一兆五千億です。今度の消費税でねらい撃ちしている金額とほぼ拮抗するのかなと思うほどでございますが、特にこの繊維業界は利益が少ないわけです。
 具体的に一つ例を挙げてみますと、転嫁が失敗するとどうなるか、化学合繊メーカー、大きいところ九社ですね。六十二年の繊維部門の売り上げが一兆五千七百億と言われています。この中で輸出が約二千四百億でございますから国内向けは一兆三千億、これの三%は概算で言いますと大体四百億。この九社の六十二年度の繊維部門の経常利益は四百億です。もしも転嫁し損なうと利益が吹っ飛ぶわけです。先ほど申し上げた多段階、零細企業がもしも転嫁を失敗すると、構造改善どころか消費税によってこの産業自体が非常な危機に陥らないとも限らないわけです。この辺、消費税に対して、口先ではなくて本当に真剣な論議と対応、あるいは私は、我が党が言うように、これは凍結もしくは廃案に持ち込まなければならないかな、なぜかならば、これも数字だけ言っておきますが、ヨーロッパの間接税を入れたときの具体的な数字があるのです。フランスが一九六八年に導入しました。その前にいわゆる小売規模の商店が五十九万五千あったのですが、これが導入と同時に三十一万一千に減ったのです。四七%の減です。西ドイツは間接税導入が一九六八年です。入れる前には四十五万の小売店舗があったのです。入れた途端に三十四万軒に垂直統合されたのです。大規模直販型になったのです。二三・五%の減少率です。イギリスはどうか、間接税は一九七三年導入です。これが四十六万九千あったのが三十八万五千、減少率一八%です。スウェーデンはどうか、一九六九年の間接税導入です。七万一千六百四十二あったのが四万九千六十、三一%の減です。
 これは、好むと好まざるとにかかわらず、間接税が入りますと、競争力をつけるとすれば、つくって売るしかないのです。ショートカットするしかない。しかも大規模直販です。これが繊維業界に壊滅的な打撃を与えないとも限りません。これは単にECとはビジネスライクが違うということでは断じてないと思うのです。ショートカットをしなければ生き抜けなければ、ショートカットすると思うのです。
 この点、十分考えていただきたいし、もう一つは、先ほど来問題になりましたけれども、いわゆる国際環境における輸入秩序です。MFAの導入は日本の国際環境の中でやりにくい、こういうことであれば、繊維産業というのは、歴史を見ますと、私は本来貿易は自由であってほしいと思いますよ、しかし繊維産業全体は今までの歴史は摩擦と産業調整と管理の中で生きているのです。繊維産業は大宗は管理されているのです。ならば、MFAの協定を結んでいないのは日本とスイスぐらいですが、しかし今度の韓国とのニットの問題があって業界が非常に苦しまれた、こういうことを二国間でやらない、できない、貿易黒字国であればできないというならば、対外的に日本の国はそれらの国々ときちんとした取り決め、秩序を持つ輸出入をやるように通産省が本気になってやってあげないと、私はこの業界は参ってしまうと思うのです。ですから、そういう意味でこの輸出入に
ついての秩序についてはしっかりやっていただきたい。
 私は、結論からいいますと、繊維産業というのは夢のある、バラ色とまではいきませんけれども夢のある事業だ。例えばそこにいる生活産業局長のファッション性ががらっと変われば、それだけでも日本の繊維産業は花盛りになるのです、ファッショナブルになれば。あるいはお隣の中国がカラフルになれば物すごい産業です。一人の人のファッションが変わり、それが全国に波及すれば、これほど夢と希望のある産業はないのです。それが衰退産業に追い込まれているのは、もっと通産省がしっかりしてもらいたいし、もっとやってもらいたい。
 最後に大臣、いろいろ問題点を挙げましたけれども、二十一世紀の夢ある繊維産業を築くために、大臣の御決意を一言聞いて、私の質問を終わります。
○三塚国務大臣 大変情熱のある該博な御見識と御指摘をいただきました。
 しましまのいい物を着るわけにもまいりませんが、一生懸命ただいまの御指摘、MFAのあり方等を含めまして、ファッション産業の持つ重要性に向けて、局長中心に私どもも一体となって取り組んでまいる決意であります。
○薮仲委員 終わります。
○浦野委員長代理 森本晃司君。
○森本委員 今度の構造改善法改正に対しまして私は二、三質問をさせていただきたいのでありますが、最初にまず大臣にお伺いを申し上げたいと思います。
 御承知のように、また今一番当面の課題として取り上げておられますように、今繊維業界は大変厳しい状況下にある。この間出ました答申でも、転換期に入っているというふうにも書かれておりますし、また、「いつの時代にも他の製造業よりも早くそして深刻にその時代の我が国経済の先端的課題に直面し、かつ、これを克服してきた。」こういうふうにも書いてあります。その繊維産業が大きな転換期でございますが、私は、最近私の地元紙に載りました奈良県のニット工業組合の理事長さんの「私の提言」というのを最初に引用させていただきまして、質問に入らせていただきたいわけでございますが、この理事長さん、ニットの事業を起こされて四十年がたったわけでございます。それで、今「世界へ広まれ奈良ファッション」ということで、奈良からファッションを起こしながらニット業界をさらに前進させていこうというふうに考えておられる提言でございます。
 前文のところ大半を省略させていただきまし一て、後半の部分に入りますが、「それでも、五十年代前半は繊維業界にとっては運が良かった、「バラ色に輝くニット業界」とその未来を期待されるまでになった。しかし、その後の経過は必ずしもバラ色とは呼べないものになっているが……。」云々と書きまして、日本の地位や経済力が上がって国際収支が改善されると、今度は国際協調の問題等々が起きてきて、そして「内需拡大策、輸入促進を打ち出すことになった。そして、繊維産業に対しても先進国型繊維産業への脱皮を強調し、より高度な技術開発、人員削減による合理化などの積極経営の展開を指導し始めた。端的に言えば、大部分の繊維はNIESなどの外国に依存し、ファッション性の高い高品質なものだけを日本国内で生産せよ、ということである。その効果がいま現れ始め、セーターでは三枚のうち二枚が、Tシャツは二枚のうち一枚の割で輸入されるようになっている。」殊にニット業界のそういう状況がNIES諸国の追い上げで非常に厳しいものになっている。それでもなおかつ、最後の結びのところでは、「奈良のニット業界を支える核企業の育成、強化に努め、業界の振興に力をつくし、「物作りに汗を流す心」をいつまでも忘れないように大切にしていこうと思っている。」こういうふうに最後は結んでおります。
 業界自身、また事業者自身が今の厳しい状況を肌身で感じているし、同時に自分たちの自助努力しなければならないものは自分たちで自助努力していこう、物づくりに汗を流す心を忘れないでいこうというふうにまで自覚をし、挑戦の気構えを持っているわけでございます。
 今度のその答申の中でも、生活文化提案型産業へというふうに繊維を位置づけておりますが、大臣、今のこの繊維業界における現状をどのように把握され、またどのようにされておられるのか、また通産省は今後繊維業界をどのように導いていこうとされていくのか、お答え願いたいと思います。
    〔浦野委員長代理退席、委員長着席〕
○三塚国務大臣 今後の方向の具体的な点は岡松局長に譲るといたしまして、前段の、どのような認識をしておるかということであります。
 この件につきましては、ただいまも奈良の方の提言の中にもにじみ出ておられるようでございますが、大変伝統文化産業たる我が国繊維産業がNJESの追い込みの中で困難な場面に遭遇しておる、またファッションという形になりますと、フランス・パリそして昨今は特にイタリーのこの分野における研究と宣伝、そして販売というものがぴったりと御婦人方、男性までそれを巻き込むということで、激しい攻勢といいますか、そちらがぴったりくるという意味でそうなっておるのだろうというふうに思うのでありますが、取り巻く環境は大変厳しいところに来ておるというふうに思います。
 一言で申し上げますと、輸入の急増であり、需要の多品種・少量・短サイクル化という目まぐるしい変化が、我が国繊維産業を窮地に追い込んでおるというのが一般的な総括であろうと思うのであります。もちろん中には大変な努力の中で、我が国の繊維産業ここにありということを、方丈の気を吐いておられるところもありますことは見逃せないわけでございまして、こういう中にございまして、私どもは、繊維産業が活力ある産業として発展をしていく、今御指摘のように生活文化提案型の産業、そして生活に密着をし、また生活に潤いとある意味の誇りを持たせられるものでありますならば、そのことが法改正によって目指すリソースセンターの中核にそういうものを位置づけていきたい、このように考えておるところであります。
 最後に、委員が言われました、この方の提案の、物づくりを大事にしていきたいという、こういう心、それは前提が自助努力であります、こういうことであられるわけでありますが、極めてとうとい経営姿勢でございまして、私どもも、これを一つの示唆として、御指摘をいただいた方向として大事にしながら今後に対応していきたいな、こう思っております。
○岡松政府委員 具体的な対策の方向について補足させていただきますと、繊維産業を活力ある産業にするということで三つの柱を用意したわけでございますが、一つは、構造改善事業を進めていくということでございまして、これによって内需の変化に迅速かつ適切に対応していくようにしたいということでございます。
 もう一つは、繊維のリソースセンター、法律上は繊維工業高度化促進施設と名づけておりますが、需要のファッション化に対応するために繊維産業の商品企画力、情報収集発信力の向上を図るための環境を整備していくということを考えておる次第でございます。
 第三の柱は、近年の技術革新あるいは情報化の成果というものを繊維産業にも積極的に取り入れていく必要があるというふうに考えておりまして、以上三本の柱をもとに新たな繊維対策を講じてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○森本委員 今三本の柱の御説明をいただきましたが、今日までの構造改善事業では、とてもじゃないが現下の厳しい状況に対応していくことはできない。そこで、この三本の柱を中心として新しい構造改善事業においては現行のものをどう変えるのかという点についてお答えをいただきたいと思います。
○岡松政府委員 繊維産業の置かれている環境に
対応していくためには、従来の構造改善事業、これは商品開発に重点を置いたところでございますが、今般は、商品開発事業はもとより、多品種・小ロット・短サイクル化という事態に対応できるような種々の事業を幅広く対象にし、支援をしていきたいというふうに考えておる次第でございます。このような観点から、その実施主体につきましても、多品種・小ロット・短サイクル化に対応できるような事業を着実に実施できるようなことを考えておりまして、従来の垂直連携ということに加えまして、事業相互間の緊密な関連性を持った事業者のグループ、リンケージ・プロダクション・ユニットと言っておりますが、これを要件としたわけでございます。
 さらにもう一点新しいポイントは、商工組合等が組合員が行う構造改善事業を支援するための事業、これを構造改善円滑化計画と名づけまして、こうすることによって個々の事業者の対応を商工組合といういわば母体が支えていくという新しい構想を考えたわけでございました。
 以上、三つの組み合わせによりまして、構造改善事業を円滑に進めてまいりたいと考えている次第でございます。
○森本委員 今の局長の御答弁の中で、LPUのお話がございました。この問題について業者の皆さんと懇談をしたときに出てまいりましたのは、先ほど薮仲委員も質問をしておりましたけれども、中小企業の経営者はそれぞれ自分の経営権、経営方針を持っている。そういった人たちが今度集まるということは、集まって共同のものをやるということは、大変な作業であり、自分の経営権、経営方針を失うことにもつながってくる。そうすると、ともすればそういうことに参画しなくなってくるというのが現状だ。言葉を悪く言うと、それぞれの経営者が、自分がそういうグループの中に入りあるいは発起人になる、そうすると他の企業あるいは同業種をいつの間にか一緒に食ってしまうというぐらいの事業意欲がないと経営者もまた勤まらないのだけれども、それでもなお共同作業をやっていこうというところにまた一面の大事な部分もあるというふうにおっしゃっていました。
 これは非常に参画しにくいものであるのかどうか。このリンケージ・プロダクション・ユニットというのは、どういう事業を考えて、どうしようとしているのか。それから、例えば製造業の人々と流通業の人々も一緒になってやっていくのか。流通業の人々だけで、流通業の人々とデザイナーと一緒になってやっていくことができるのか。具体的な例を挙げて説明をお願いしたいと思います。
○岡松政府委員 現下の環境を考えますと、私どもの認識といたしましては、個別の事業者が単独でこの厳しい環境に立ち向かっていくというのはなかなか困難ではないかと認識いたしておるわけでございます。そこで、個別の企業がそれぞれ機能を分担し合いまして、例えば情報収集力あるいは商品企画、クイックレスポンスカというものを相互に分担し合い補完し合ってグループを形成し、それによって新たな対応を図っていこうということがこのねらいであるわけでございます。
 具体的に説明を一例でさせていただきますと、例えば毛織物の業種を例にとらしていただきますと、織物業者と染色業者、それに整経業者、これは縦糸を整理する業者でございますが、これが連携して行うというのを一つのケースとして頭に置きますと、まず共同の施設としてホストコンピューターを置く。これで何をやるかといいますと、需要情報をとらえてくる。それから商品の在庫生産情報を管理するということが可能になってまいりました。すなわち各種の情報収集分析力が出てくるというのが一つでございます。
 もう一つは、共同配送センターというようなものを設けて、これによって、原料、この場合でございますと糸の共同購入、それから一括出荷ができるようにする。こうすることによって、例えばクイックレスポンスも可能になってくる、またコストの引き下げも可能になってくるということが考えられます。また同時に新商品の開発をグループの方々が知恵を出し合ってやっていくということかと存じます。
 また、クイックレスポンスということを一口で申しますが、これを可能にするためには必要な設備が要る。すなわち小回りのきく設備でございますとか高速の設備というのが必要になってまいりますが、こういうものも共同で購入し実施していくというような構想になるわけでございます。
 以上のようなことを共同して行うのがリンケージ・プロダクション・ユニットの一つの例かと存じます。
○森本委員 いずれにしても、このリンケージ・プロダクション・ユニットを推し進めていくには、先ほども申し上げましたように事業者が意欲を持って取り組めるようにしなければならない。薮仲委員の指摘の中にもありましたけれども、五十年以降六十三年までの改善事業の承認件数等々を見てまいりますと、最近は新規事業参画者がどんどん少なくなっている。これは一つは、それだけ実ってきたものだという言い方がありますけれども、参加意欲をなくしてきたのではないだろうかというふうなことも言えるのではないかと思います。業界の人と会いますと、参加意欲をなくした最大のネックになったのは何かというと、中小企業の業者が集まって、そうして商品開発センターの設置が義務づけられていることが一番ネックであったというふうに率直に申しておられました。
 業界の人と話をしますと、いろいろな新商品開発というのは、中小企業の場合には、特別に部屋をつくって、そこで考えて、そして新商品が開発できるものではない。百貨店に行ったり町を歩いておったり、あるいは新しいデザインというのはよその家を訪問して床の間の掛け軸の中からでもできてくるのだ。それを一々開発センターのようなものを義務づけられて、その中で中小企業の経営者あるいはその技術者が開発しているような余裕はないんだ。中堅や大企業にいくとそれくらいのことはできるとしても、中小企業業者ではそれはとてもできない。その辺に、この商品開発センターの設置が義務づけられたところに、大きな問題点があるんだというふうにもおっしゃっていました。
 それから、これは何でもいいかげんにしろというわけではありませんが、手続が非常に複雑である、煩雑である。中小企業のおやじさんは、きょうは幾ら織るかということを一生懸命考えている、幾ら出荷するかということを考えているのに、とにかく煩雑な資料で手続が必要になってくる。そうすると、ともすれば率直な声として、今は金利が安くなっているのだから、自分のところで自力でやろうか、参画するのはやめようじゃないか、わずかなメリットで煩雑な手続に追い回されるのはたまったものではないというふうな点が指摘されてきたわけでございます。
 今回のこの新しい構造改善事業というのは、過去のそういった義務づけた問題、あるいはいろいろな手続の問題、あるいは業界の皆さんへのもっと指導性の問題等々も十分に分析し反省し、そして取り組みやすいものにしていかなければならないと思うわけですが、その辺はいかがでございますか。
○岡松政府委員 構造改善事業の推進に当たりまして、この厳しい現在の環境に対応していくためには、構造改善事業をきちっとつくり上げていくことが大事であると考えておるわけでございますが、その場合にも将来に向けて意欲のある事業者が幅広く取り組めるような形に持っていくことが大事であろうと考えておるわけでございます。
 この法律に従いまして構造改善を策定するに当たって、基本指針というものを定めることになっておりますが、この基本指針の周知徹底を図る。また現場における指導助言も遺漏なきを期しまして、繊維事業者にとって利用しやすい制度にしていきたいというふうに考えておるわけでございす。
 具体的に御指摘のございました繊維の開発センターの件でございますが、従来はこれを一つの構
造改善実施に当たっての要件といたしておりましたが、今回はこれを変更いたしまして、これがなくても、さらにほかの実需対応型供給体制の構築が行われる新たな事業があれば、それも広く対象にしていくというふうに考えておる次第でございます。
 また、手続面、実際に事業をやりながら手続をするというのは大変だという御指摘、ごもっともでございます。手続に当たりましてはできるだけ簡潔に進むように対処をしていきたいというふうに思っておりまして、繊維事業者の努力が一刻も早く実現するように、迅速な処理につきましては最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○森本委員 特に手続の問題等々は、これが実施された段階でまたいろんな点が指摘されてくるかと思いますが、そういうときに敏速なる対応もお願いしたいと思います。
 次に、繊維産業についていろいろと論じる場合に、繊維産業というのは地域を、産地を形成しているのはもう言うまでもないことでございます。それだけに、その産地に雇用機会をも生み出しておりますし、その産地の経済の発展に大きなインパクトを与えている。したがって、企業城下町と言われるような形が殊に繊維産業では形成されておるわけでございますが、この産地が極めて重要である。
 例えば全製造出荷額に占める割合では、福井県では出荷額二七%が繊維工業である。私の奈良県でも二一・九%繊維工業がその出荷額を占めている。さらにまた、従業員数は全国で福井県が一番多いわけでございますが、福井県では繊維に従事している人たちが三五・九%、石川県では二八・八%であります。私の奈良県では二丁二%。それから事業者数でいいますと、私の奈良県では二八・二%を製造業の中で占めているわけです。したがって、事業所、従業員数、奈良県の場合でも全製造業に対して依然トップである。
 そういった、地域に与える影響、地域経済に与える影響というのは極めて大きいのがこの繊維産業でありますが、今度の新繊維産業ビジョンにおいて、産地をどのように位置づけ、どのように考えておられるのか、述べていただきたい。
○岡松政府委員 御指摘のとおり繊維産業を論ずる場合に産地の重要性ということは極めて大事な点でございまして、繊維産業の従業員二百八十万人ということを申しますが、産地は約百七十あるというふうに言われております。百七十の産地における生産額が約六割弱になるということで、繊維産業というものは産地中心の産業だということが業界の実態でございまして、今回のビジョンの策定に当たりましても、審議会の検討に当たりこの産地の重要性については常に意識してきたところでございます。
 具体的に申し上げますと、この繊維産業は産地性というものが非常に大きな特色でございまして、産地を通じて、産地におきましてはその生産、流通の各部門が分業化され、かつ専門化されているという形でございますし、専門化された各工程で熟練度の高い生産加工が行われているということ、また、情報、流通、物流等の迅速性が図られることというのが大きなメリットであるということでございますし、反面、過当競争に陥りやすいというデメリットもあるというような点がこのビジョンにおいて指摘されている点でございます。
 このような産地の特色を踏まえまして、構造改善を進めるに当たりまして、このような産地を念頭に置きながらこれを実需対応型補完連携の母体として考えていきたい。すなわち、個々の事業者が行います構造改善事業の環境整備を進めていくのは産地組合だという位置づけをしておるわけでございまして、今回の法案におきましても、産地組合が行います構造改善円滑化事業を構造改善事業に加えて新たに支援の対象に加えたということでございます。
○森本委員 さきの答弁で大臣もおっしゃっていましたけれども、フランスやイタリアがやはりファッションの中心地として伸びていっている、我が国もその方向に向かわなければならないというふうなお話があったように思いますが、我が国の産業、殊に繊維産業はこれからそういった高品質なもの、ファッション化の方向に向かっていかなければならないわけでございまして、答申の中にも、基盤整備によるファッション化への対応、あるいは国民全体のファション感性の醸成、そのためにイベントの支援とかファッション関係顕彰制度等々が提言されております。今度リソースセンターができるというその流れの中で、一つのファッションの基盤もつくっていこうというふうに思われますが、先ほどの質問で、それぞれの産地の重要性を考えますと、その産地におけるファッションというのも極めて必要になってくるのじゃないかと思うのです。ファッションについて政府としてこれからどう取り組んでいくかということをお尋ね申し上げたいわけでございますが、最初にちょっと大臣、座ったままお答えいただきたいわけでございますが、私たちの目に見えないところのおしゃれでございます。大臣、きょうおはきの靴下は、けさ出るとき自分で選ばれましたでしょうか、奥方が選ばれたのでしょうか。(三塚国務大臣「自分で」と呼ぶ)自分で選ばれた。非常に感覚度が高いということでございます。
 大臣、お買い求めになりましたのは、自分でお買い求めになったのでしょうか、それとも奥方がお買いになったのでしょうか。(三塚国務大臣「奥方の方です」と呼ぶ)はい。
 生活産業局長、きょうの靴下は自分で選ばれましたか、それとも奥様が出されたものをおはきになったのでしょうか。(岡松政府委員「自分で買ったものを自分で選んだものです」と呼ぶ)これは、大臣よりも生活産業局長の方がファッション性が極めて高いというふうに言うことができるのじゃないかと思うのです。
 私は、全国靴下組合の理事長さんと懇談いたしましたときに、その質問をされました。私はとにかくあるものをはいているという、大臣よりもまだファッション性の少ない男でございました。その理事長さんがおっしゃっていますのは、四十代以上、これは大抵奥さんが買ったものをはいているということであります。極めてファッション感覚がなくなりつつある。ところが、今二十代の人々、青年たちは大抵自分で自分の靴下を選ぶというふうに聞いて私もびっくりした。その一つの裏づけとして、総理府の調査の中に、家計の中から出る靴下代金というのはだんだん少なくなってきた、それぞれの小遣いの中から靴下を買うようになってきたというふうに聞きまして、きょうは私、質問に立つ前に自分で靴下を選んではいてきたわけでございますが、そういう時代にどんどん変わりつつある。私たち四十代以上はもう古い感覚の中にいる。そういうファッション界の人たちから、国会議員が、あるいは政府の役人が、ファッション感覚の余りない人が一生懸命ファッションの議論をしていてもあんまり意味がないのじゃないでしょうかというふうに御指摘をいただいて、私も非常に反省もしているところでございますし、きょうはこのことも同時に申し上げて、まず私たちの認識から変えていかなければならないと思ったのですが、基盤整備によるファッション化への対応、あるいはイベントに対する助成等々も、これから積極的にやっていかなければならない、リソースセンターができますと。イベントの会場がないということも言われておりますが、これは地場産業振興センター等々いろいろあります。それへの助成を図っていかなければならない。六十二年二月に奈良県で初めて奈良県独自のブランドをつくって適品博物館というものを発表した。非常に好評でございまして、それが各紙に取り上げられた。共同開発の成果が二百五十点あった。これは奈良県の衣料縫製品工業組合の人々によってつくられたものであります。
 今このリソースセンターをつくり、そこで人材を育成しながら繊維の発展を行おうとされている通産省は、ファッションの育成についてどのように考えておられるのか。これは日本の経済あるい
は技術力だけの戦争から、日本が世界に一つの文化を貢献する、こういった点から極めて重要かと思いますので、お考えを聞きたいと思います。
○岡松政府委員 御指摘のファッションの点につきましては、衣料、衣服関係がファッションの代表でございますけれども、実はそれからさらに広がり、化粧品、スポーツ用具、雑貨、住宅、建築物というところまで絡んでくるわけでございますし、さらに工業製品につきましてもかなりファッション性が加わっているというのも事実でございまして、むしろこのような広がりを持ったファッション産業というものを新たなソフト産業、ハイテクと並ぶソフト産業の中に大きく位置づけをしていきたいというふうに考えておるわけでございます。現在、民間の方におきましても、日本ファッション協会というのが既に任憲法人として設立をされておりますが、この参加企業を見ましても、繊維ばかりではなくて非常に広いエリアの業種の会社が参加いたしておりますが、そこにもあらわれておりますし、また、その協会を支える商工会議所が、東京、大阪、名古屋という大都市だけでなしに地方の都市の商工会議所がこれに参加をしているという実情にございまして、むしろ地域の活性化としてファッションというものを取り上げるという姿勢に変わってきております。
 私どもといたしましては、このような機運と申しますか状況は非常に大事なことだというふうに考えておりまして、具体的な一つの動きとして、ワールド・ファッション・フェアというのが京阪神でこの十一月に行われることになっております。このような大きなイベントも一つの振興策でございますが、そういうものを通じて、我が国がさらに世界に貢献するに当たって文化面での貢献もできるようなものになっていく必要があるし、そうしていくためにこの生活文化提案型という構想、あるいはこれを生活ルネッサンスというとらえ方もいたしておりますが、そういう形でいろいろな施策を講じてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○森本委員 現下の厳しい状況を克服するには、また世界に文化を貢献していくには、ファッションというのは極めて必要であるということだと私も思います。洋服というのは戦後でございますが、我が国には伝統の着物があります。これは極めてファッション性の高いものだと評価されていますが、それだけの土壌が日本の中にあるんだということが言えるんではないだろうか。
 そこで、そういった土壌があり、また通産省が力を入れてワールド・ファッションを開いたり、あるいはイベントを応援したりしていき、ファッション性を高めていくということとともに、今度はそれを行う人々の育成、人材の育成が必要となってくる。また、特にファッションという問題になりますと、情報を収集し、情報を交換しなければならない。この人材の育成、情報収集について、どのように考えておられるのか、お答え願いたい。
○岡松政府委員 ファッションの点につきましては、御指摘のように人材の育成、情報の的確な活用ということが大事であるわけでございまして、今回の繊維対策におきましても、商工組合等が行います組合員たる事業者のための人材の育成事業あるいは情報提供事業に対しまして、構造改善円滑化事業の中でとらえ、これを支援してまいりたいというふうに思っております。また、繊維のリソースセンターという構想を持っておりますが、ここにおきましても商品の企画、情報発信力を向上させるということが大きなねらいになっておるわけでございます。
 それから、情報という点につきまして御説明させていただきますと、繊維工業構造改善事業協会におきまして繊維産業の情報化を進めるために、ビジネスプロトコルの標準化、モデルネットワークというものをつくり上げるようにし、繊維産業どちらかといいますと他の産業に比べまして情報化がややおくれている嫌いがございますが、この協会の事業を通じて繊維産業の情報化を一層進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございまして、その意味では、本法案の中にもこのような趣旨を盛り込ませていただいている次第でございます。
    〔委員長退席、浦野委員長代理着席〕
○森本委員 時間が参りましたので、最後に私の方から二、三提言をさせていただいて終わらしていただきたいと思います。
 一つは、本法案とは直接関係ありませんが、ただ、円滑化という問題で設備の割り増し償却というのを今回行っていこうということでございます。ファッションにも関連してくるわけでございますが、靴下の業界の人の声でございますが、ファッション物が好調であるがそれには新鋭の設備が必要になる、しかし流行の変化が激しいために設備更新のテンポも速くならざるを得ない、設備を導入した年は売り上げも大きくたくさん納税するが、すぐに陳腐化してしまい借金だけが残ることになる、設備の加速度償却、一時償却を認めてほしい。こういった声にこたえて割り増し償却というのが実施されているように伺いますが、この設備の償却の問題、テンポが非常に速くなっているだけにこれから考えていかなければならない。これは大蔵省との関連もありますが、大臣、ひとつその償却の問題については、加速度償却、一時償却をさらに推進していくべく、その方向でお願いを申し上げたいと思うところであります。機械そのものの寿命は確かに十年、二十年ありますが、果たしてそれが今の繊維産業の流れの中できちんと役立つ寿命であるかというと、そうでもない。例えば車でも、十年前、二十年前の車でも走ろうと思えば十分走る。しかし、町の中は、そういったものはほとんどない。どんどん新しい車の型にかわっていく。こういった点から考えますと、ファッション性をさらに高めていくには償却という問題も今後考えていただきたいとお願いするところであります。
    〔浦野委員長代理退席、委員長着席〕
 さらに、最後に通商問題についてでございますが、MFAの取り扱いについては、これは緊急の場合の手段とする、また、一時的な緊急避難措置にとどめるべきである。我が国の国際的社会における立場から考えてみますと、この問題の取り扱いについてはなるほど十分に考えていかなければならない問題であります。しかし、繊維というのは、我々人間が生活し始めたころから、衣食住、衣から始まって、着る物がある。そして、どこの国に主にあって、どこの国にないということではない。自動車産業の場合には、それの発展している国はわずかである。あるいは航空機産業の場合も、それを産業としてやっている国はわずかである。しかし、繊維産業というのは、どこの国でも生活の基盤としてある問題であります。そういう観点から考えて、我が国も確かにこれからファッション化あるいは高品質なものへものへと進めていかなければなりませんが、そのためにすそ野はすそ野できちんと守っていかなければならない。フランスやあるいはイタリアのファッションが大きく伸びていくのは、絶えず製造している産地との行き来の中に新しいファッションが生まれていく。今のまま、どんどん、どんどん、日本が、外国の製品に、どこに歯どめもなく、どこまでグラウンドを残すかということもなく、ただ私たちもやりますから一生懸命頑張りなさいといって業界の人たちだけにその負担をかけているのでは、繊維産業はいずれグラウンドがなくなってしまって、高品質あるいは高価なもの、ファッション性のあるものだけが空中に浮かんでしまう、空中楼閣となってしまう。今後も繊維産業のグラウンドをここまでは残そう、そのためにこうするんだという基本的な政策が必要ではないかということを私は感じるとともに、そのことを今後の課題として提言させていただき、最後にそういった問題に対する大臣の御答弁をお伺いして、質問を終わらせていただきます。
○三塚国務大臣 大変現実的、具体的な御提言をいただきました。
 税制につきましては、割り増し償却二四でありましたのが二二に縮減をされておる昨今でありま
すが、やはりただいまのお話のように極めて機動性に富んだ形をつくり上げてやりますことが政治の基本であろうというふうに思いますので、なお大蔵省と事務方同士で今後の取り組み方についてどうあるべきかということで、ただいまの視点を踏まえつつ交渉をさせてみたいというふうに思っておるところでございます。
 また、MFAの問題は、まさに公正な競争が確保されていくことが自由貿易の基本であるという原点を踏まえたものでありますだけに、さような意味で繊維産業が一方的に押しまくられて高級ブランドだけが残るということでありましてもならぬのではないだろうか、かように思いますものですから、そのバックグラウンドがどうあるべきかということにつきましては、本法律が今御審議をいただいておるわけでありますけれども、ただいまの意見を踏まえ、早急に、グラウンドがどうあるべきか、こんなことも取り組まさせていただきたいというふうに思います。
 数々の御提言ありがとうございました。
○森本委員 以上で質問を終わります。
○田原委員長 青山丘君。
○青山委員 大臣お疲れでしょうが、民社党の立場で私からも質問をさせていただきますし、できるだけ基本的な立場で質問をいたしますので、ぜひひとつ率直な御答弁をいただきたいと思います。
 朝からの質疑者も触れられておりますので、もう既に大臣の心の中には相当整理されてきておると思いますが、日本の繊維産業、かつて我が国経済を支えてきた花形産業という思いは昔日の感がいたします。非常に厳しい状況に立ち至ってきておる。数年前から構造的に困難な状況に陥ってきた。しかも加えて相当大幅な円高、これが定着化してきておる。ここ数日前からはいささか円安報道がありますけれども、全体の大きな視点から見ますと、これはまさに大したことはないというべきでしょう。円高が定着して、したがって輸出が相当抑え込まれてきておる。しかもNIES諸国の追い上げというのがまことに厳しい。先般もニット製品のダンピング提訴の問題が一応の決着を見ましたけれども一これは一応の決着と私は見るべきだろうと思う。まだまだこれからの追い上げを相当強く受けざるを得ない状況、こういう状況で日本の繊維産業を大臣はどのように受けとめておられるのか、この点が第一点。
 それから、現行の繊維法、繊維工業構造改善臨時措置法なるこの法律が、これまで果たしてきた役割というものはそれなりの評価を私はしてもいいと思います。しかし政府の立場でどのような評価をしておられるのか。当初目標と掲げてきたことがどの程度達成されていると評価しておられるのかどうか。それから、この点はぜひ率直にお答えいただきたいのですが、反省すべき点があったとすればどんなところであったのか。これまで繊維法が施行されてきた、こういう立場で率直にひとつ御見解をまず伺っておきたいと思います。
○三塚国務大臣 お答えを申し上げます。
 繊維業界の置かれております現況、ただいま簡単に御指摘をいただきました。まさに簡単な言葉の中にも厳しい環境の中に追いやられておるということであろうというふうに思うのであります。戦前戦後、先般、つい数年前まで我が国産業の牽引車でありましたことは御案内のとおりでございます。そういう中にありまして、NIESを中心とする東南アジア諸国からの激しい追い上げがございまして、新たな展開が一つ出てまいりました。さらに、需要の構造的変化が出てまいりまして、このことにどのように対応していかなければならないのか。精いっぱい民間のそれぞれの業者がおやりをいただいておるのでありますが、着物に象徴されるものは辛うじてその権益というのでしょうかシェアを守り抜いておるように思いますが、アパレルということになりますと、フランスであり、イタリアであり、またアメリカでありと、さまざまなものが出てまいることにより、我が国産業界がこれにどう対応するかという厳しい諸状況にございまして、しかるがゆえに今回本法を改正いたしまして、これを乗り切るために新しい制度をここにつくり上げた。言うなれば、新しい構造改善事業、繊維リソースセンターの整備、情報化の推進による新しい繊維産業施策を展開する、生活文化提案型産業、こういうことであるわけであります。
 また、第二点として、今日まで現行法の成果いかん。恐らく青山委員の御指摘は、成果あれば改正はやらぬだろう、これが言外にあるのかなというふうに思うわけでありまして、激しい動きの中に業界は精いっぱい努力をするということの中でありますが、政府もその時点時点で変化対応をとってきたわけでございますが、乖離がありましたということは率直に認めざるを得ないのかな、ですから新提案、こういうことになるわけでございます。そういうような観点でありますけれども、それぞれただいまのに来るまでの間三回にわたる改正の中で転換が行われていく。また、特に成功した例などもございまして、大局的に見まするならばそれなりの御評価を賜るとは思いますけれども、なかなかもってそれが一〇%、事業者にして一万有余、こういうことに相なりますと、全部網羅をしておらないのではないかという指摘に対しては、残念ながらそのとおりである、こういうことでありますから、今までの長い道行きの中の政策の反省の中で新しい政策を今後御提示をさせていただきながら取り組んでまいる、そのことがまさにこの激しい環境に対応できるものではないだろうか。多品種・少量・短サイクル化の需要に応じ乗り越える新しい高品質のファッション、また実用的な日本的な繊維製品、安くてよいもの、多少高くてもよいもの、こういうことの展開が理解できるのではないだろうかと思います。
 足らざる点は局長から申し上げさせていただきます。
○青山委員 もう一点少し触れておきたいのは、我が国の繊維産業の将来展望というのが非常に厳しい状況にある。毛織りの産地をなくしてしまったイギリスと言っても過言ではないと私は思うし、数年前のあのアメリカの繊維産業の苦しみ方、そして今日我が国はNIES諸国から相当激しい追い上げを受けていて、我が国の繊維産業の将来展望というのはそうたやすいものではない、業界は非常に厳しい受けとめ方をしております。そういうような状況の中で政府は、我が国の繊維産業の将来展望、ビジョンというものをどのように持っておられるのか、いかがでしょうか。
○岡松政府委員 先生御指摘のように、我が国の繊維産業の置かれた環境というのは大変厳しいものがございます。特に輸出の停滞、輸入の急増がございまして、六十二年の暦年の統計で初めて輸入が輸出を上回るという状況がございました。さらに六十三年を締めてみますと、何とその収支差が三十四、五億ドルになるというぐあいに開いてきておりまして、この傾向はさらに拡大していくのではないかという趨勢にございます。他方、国内の需要の動向を見ますと、多品種・小ロット・短サイクル化というのが進んできておりまして、これはメーカーにとりましては極めて厳しい対応を迫られるということであろうと思います。こうした中で繊維の需要のこういう変化に対応していくためには、新しい実需対応型の供給体制を緊急に構築する必要があるというふうに考えておるわけでございまして、そのために、先ほど来お話が出ておりますが、生活文化提案型の産業へ脱皮していく必要があるというのが繊維産業のビジョンでございます。
 具体的に申し上げますと、構造改善を進めていくというのが一つの柱であり、もう一つはファッション化に対応するための基盤施設の整備を図っていく、これが繊維のリソースセンターというふうに通称呼ばれておるものでございます。さらに、情報化のための環境整備をしていくというのが、三本の柱というふうに考えておりまして、このような新しい繊維産業政策を展開することによりまして、繊維産業の新たな環境への新たな対応をしていけるようにしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○青山委員 そういう意味では一つの法律案だけで解決するわけではありませんから、総合的な戦略、戦術、取り組みで、これまで苦しみもだえてきた繊維産業をひとつぜひ活性化していこう、こういう取り組みという点では私は今回の法改正はそれなりに意義あるものと言えるのではないかと思います。
 ただ、構造改善事業について若干お尋ねいたしたいと思いますが、従来の構造改善とこれからの構造改善とはどう違ってくるのか。それから、構造改善を実際に行っていく企業のグループが事業の関連について通商産業省令でその要件が定められてくるということで、ここが非常に大事なところなんですけれども、なかなか明らかになってこない。通産省令で定められるというその要件、どのような内容になっていくのか、そのあたりはいかがでしょうか。この二点。
○岡松政府委員 第一点の構造改善事業の従来と今回の制度の相違点でございますが、これはとりもなおさず新しい環境に対応できるように構造改善事業を変えていかなければいけないということでございます。具体的に申し上げますと、従来は商品開発のみに重点を置くというふうに考えていたわけでございますが、これだけではなしに、多品種・小ロット・短サイクル化に対応するための幅広い事業を支援の対象にするということでございますし、さらに、特徴的なことは、それに加えまして商工組合等が組合員が行う構造改善事業の支援のための事業を行えるようにした、これを構造改善円滑化事業というふうに名づけましたが、この制度を新しく組み入れたというのが大きな特色かと存じます。
 また、第二点の御質問でございますが、省令で定めます事業が相互に密接に関連している場合ということの具体的な内容として考えておりますのは、この制度の趣旨、すなわちリンケージ・プロダクション・ユニットという趣旨を頭に置きまして、現在の垂直連携要件に加えまして繊維製品の製造、加工、販売に関して商品企画機能あるいは情報収集機能その他の機能を補完する関係にあること、言いかえますと、グループ全体として一体的に連携しているわけでございますけれども、構成員が今申し上げましたような機能を分担して事業を行うという関係にあること、これを要件として定める方向で検討をいたしておるところでございます。
○青山委員 商品開発センターのことと円滑化事業についてこの後でちょっと触れさせていただきますが、新しい構造改善事業が多品種・少量・短サイクル化に対応するためのいろいろな機能を相互に補完し合う企業のグループということで実需対応型の供給体制を確立していかなければいけない、そうした連携をとってこれからやっていくんだ、概念としてわかるのですが、具体的にどのようなことを考えておられるのか、もう少しわかりやすく説明をしていただきたいと思います。いかがでしょうか。
○岡松政府委員 実需対応型補完連携というのの具体例でございますが、一つの例として考えておりますのは、毛織物のケースでございます。この場合には整経業者、これは縦糸を張り、これにのりづけをする業者でございますが、それに織布業者が数社、それから染色整理業というのがまとまりまして、このリンケージ・プロダクション・ユニットをつくるということを考えてみますと、まず糸の共同購入をするというのが一つの大きなポイントになろうかと思います。また、このグループが全体でまとまって問屋に納入をする、共同出荷をするというのがもう一つのポイントでございます。また、効率的に進めるに当たりまして、共同情報センターを設ける、ここで入ってきた注文を各社の間に均等に、しかもその特色を生かしながら、得意な分野を生かしながら分担をしていくという共同の情報センターを設ける。また、どういう需要の動向になっているのかということを、アンテナショップと言われる店からの情報をそこに直ちに情報としてほうり込むというのも一つのあり方だと思います。また、クイックレスポンス体制、需要への即応体制ということを考えますと、このグループが共同配送センターを持つというのも一つの姿だと思っております。そういうグループを形成するというのは、一例でございますけれども、このような形でグループの形成が行われますと、言うところの多品種・小ロット・短サイクルという需要に対応できるクイックレスポンス生産供給体制が可能なのではないかと考えておる次第でございます。
○青山委員 商品開発センターの設置がこれまでは義務づけられてきていた。まあ従来はそれぞれ違う業種の人たちが集まって顔を合わせ、心を合わせ、お互いに知識を出し合って新しい商品開発の力をつけていこう、こういうことで商品開発センターの設置が義務づけられてきておりました。しかし、いろいろな立場の人たちに聞きますと、これが逆に繊維事業者の意欲を阻害してきたという一面もある。先ほどの質問者もその点は触れておられました。そういう点を考えていきますと、新しい構造改善事業を推進していく上で、承認をされていく要件というのはどのようなものになっていくのか、また、今申し上げたような商品開発センターの設置が義務づけられていたことによって構造改善事業が進めにくい、制約される要件になっておったというような受けとめ方、このあたりの認識はどのようなものなのか。そして新しい構造改善事業に取り組む、承認をされる要件というのはどのような内容を考えておられるのか、お尋ねしたい。
○岡松政府委員 御質問の構造改善事業計画の承認要件ということでございますが、具体的には実施要領を定めることで明らかにしてまいりたいと思いますが、今後検討してまいろうと思っておりますポイントを申し上げますと、構造改善事業及び構造改善円滑化事業いずれの場合でもそうでございますが、繊維事業者が実需対応供給体制を構築するために有効な事業であるかどうかというのが一点。もう一点は、参加繊維事業者が確実に遂行できるような事業内容になっているかどうかという点を具体的に判断して承認を行うべきであるというような観点から定めたいと思っております。いずれにいたしましても、意欲のある繊維事業者にとって利用しやすい制度とするということが大事でございまして、そうなるように努力をしてまいります。
 先生御指摘の、商品開発センターということが、従来は垂直連携に当たっての知識集約化のための中心事業として位置づけていたために、これを行うことが必須の要件になっておったわけでございますが、この点につきまして、今回はこれを改めることにいたしておりまして、構造改善事業として実需対応型の供給体制の構築のために、事業はそれに限らず広く対象にしたいと考えておりますので、その意味でも従来よりも利用しやすい制度にできるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
○青山委員 率直に申し上げて、人間の考えることは、よほど知恵を使って考えてきましても、少しの状況の変化でそれがまたなかなか有効に活用できないというように、政府の施策もなかなか困難だという点では、こうした、新しい展開とまで言えるほどではないかもしれませんが、少しずつ対応できるような形に変えていっていただくことが必要であろうと思いますし、今回もう一点問題になるのは、構造改善円滑化事業についてでありますけれども、この構造改善円滑化事業の制度が新しく創設されてくる、そして先ほどもちょっと触れておられましたが、商工組合等が母親の役をして傘下の組合員が新たな構造改善事業に取り組めるように支援をしていく、こういうふうになっていく。
 そこで、新しい円滑化事業の制度が創設されるその背景というものを少しわかりやすく御説明をいただきたいことと、傘下の組合員が新たな構造改善事業を進めていくときに支援をしていくのに具体的にはどのようなことを考えておられるのか、御説明をいただきたいと思います。
○岡松政府委員 まず構造改善円滑化事業構想を
まとめた背景、役割ということの御質問でございますが、繊維ビジョンで指摘されておりますように、繊維産業が新しい厳しい環境に即応し、これを克服していくためには、先ほど来しばしば申し上げておりますように多品種・小ロット・短サイクル化への対応を緊急に進める必要があるわけでございます。しかしながら、これを繊維事業者単独でやれるということには限界があるかもしれない。といたしますと、それを側面から支える、すなわち先生御指摘のように母親が子供を支えるように、その産地の組合がこれを下から支援をしていく制度を設ける必要があるのではないかという考え方から、人材育成、その他第二点で述べますような具体的な事業によって産地組合が個別企業を支えられるようにしよう、これを新たに構造改善円滑化事業というふうに名づけまして、これも助成の対象にしていこうというふうに考えたわけでございます。すなわち二段構えで構造改善を進めていこうというふうに御理解いただきたいと存じます。
 では具体的に円滑化事業、何をやるのかというのが第二点かと存じますが、一つの例といたしましては、新商品、新技術の開発を行うといたしますと、新たな糸の研究でございますとか後処理技術の開発というようなことになりますと、具体的に試験機を置くとか試作してみるということになりますと、この試験機を個別の事業者が持っている必要があるのか。こうなりますと、やはり産地の組合がそういうものを持って委託に応じて検査をしてあげるというのが一つのサポートの姿だと思います。これが一例でございますし、また人材の養成ということも考えておりますが、今新たに繊維業界におきましてもCAD・CAMと言われるコンピューターでコントロールされたデザイン製造技術が入りつつありますが、これが操作できるような専門の技術者の養成となりますと、これも個別の事業者ではなかなか難しい。としますと、産地の組合がそういう人たちを集めて教育をしてあげるのが一つのポイントかと存じます。その他、情報の提供あるいは生産、経営の合理化に寄与するような施設を持つということでございまして、ホストコンピューターを組合に置いて端末を個別の事業者に置くというのも、情報化を進める上の大きな支援になろうかと存じます。
 また、クイックレスポンスという対応をとるためには、物流センターを組合で持ってあげて、そこで共同出荷、共同管理をする、在庫管理をするというのも大きな支えになるのではないかということでございまして、またリンケージ・プロダクション・ユニットが進める生産設備のリースを行うというのも、産地組合の事業として考えております。
 以上、想定ではございますけれども、このような事業を行うことによって、個別の事業者が行う構造改善計画を支えていく事業を円滑化事業として考えておる次第でございます。
○青山委員 組合が中心になって、組合員の構造改善事業を進めていく、そのためには、人材の育成、情報提供、技術開発、設備リース、指導等々を行う、こういうことで、私は基本的にはこういう施策の推進というのは必要だと思います。
 ただ、非組合員たちが集まったときには、一体どういう絡みになっていくのか、そのあたりはどういうふうに想定しておられますか。
○岡松政府委員 組合に属しない事業者の場合には、法律にございます、新たに書きました四条に従いまして、四者以上がまとまりますとできるというのが一つの姿でございますし、四者以上集まって協同組合をつくるというのも一つの対応でございます。そのような形で、組合に属しない事業者も対応できるような形で考えてまいりたいと思っております。
○青山委員 繊維産業というのは、もうまさに釈迦に説法、また先ほど来の議論がありましたように、川上、川中、川下、多段階に分かれておりまして、こういうことは、一つの考え方として、需要の大きな変化が出てきたときに、リスクは分散できるという皮肉な強さを持っていますが、逆に新しい需要が展開されてくる見通しが出てきても、川上の方にまでなかなか情報が伝達されない。それをいかに連携を密にして社会のニーズにこたえていくのか、こういうことが私は今回の考え方の中に強くあったであろうと思います。そういう意味で、繊維リソースセンターの構想は、実は考え方として私どもの周りの近くの人たちにはある意味で期待をされています。
 ただ、こういう考え方というのも、本当の、これから進めていく繊維リソースセンターの構想なるものが余り明確ではありませんので、この機会にぜひひとつ聞いておきたいことと、こういう構想が先進国で既に進められてきておったのかどうか、全く日本独自の発想なのかどうか、そのあたりはいかがでしょうか。
○三塚国務大臣 それでは、本件、私から答弁させていただきます。
 今局長言われましたとおり、繊維工業高度化促進施設、すなわち繊維リソースセンター、このごろ横文字は余り言うなと言う閣僚もおりますが、わかりいいものですから、第三セクターとして消費地に設立するとともに、繊維工業構造改善事業協会を中核として、青山委員指摘のとおり、相互にネットワーク化することによりまして、繊維産業全体の総合的な情報収集発信システムを構築する、こういうことで激変の時代に対応していく。なるほど日本の繊維産業、なるほど日本のファッション、こういうことで、川上も川中も川下も一体となって繊維産地王国をつくり上げたい。オーバーでありますけれども、目標は大きく掲げるとすればさようなことでございます。
 諸外国に例はあるかということでありますが、さすがファッションの発祥地パリで、フランスであります。
 フランスには国立モード美術館というのがございまして、一九八二年三月、有名なルーブル美術館内のマルサン館に、テキスタイル、アパレル両業界の相互理解、貿易振興、記録保存を目的として設立をされまして、フランス衣装芸術連盟の協力により、国家予算による自治を任された新運営方式の美術館ができたわけであります。
 このほか、パリ・ガリエラ美術館等の事例もございまして、ファッションはここからノーハウを得てスタートをしておると言っても過言ではないのかな。もっとまた別なところもありますけれども、これがセンターであります。
 また、アメリカは、ファッション・インスティチュート・オブ・テクノロジー、FITと言っておりますが、これはニューヨーク州立の大学であります。ここのファッション関連教育、アメリカ最大の規模を持っておりまして、同大学はクリエーティブな技術教育からマーチャンダイジングなどの経営ソフト教育まで、アパレル産業全般にわたる人材育成を目的といたしておる。この大学内に繊維リソースセンターがございまして、文献、コスチューム、スワッチ等数万点が保管されておりまして、メディアサービスやギャラリー活動を通じて積極的な情報提供を行い、この種産業の活性源と相なっております。
 このほかにも、パーソンズ・デザイン・スクールでありますとか、以下ございます。それから、パシフィックデザインセンターというのがございまして、約百七十のショールーム、多目的ホール等から成る、いわゆる物を媒体とした情報センターと相なっておるわけであります。
 物まねかと、ここまで言いますと言われますが、そうではございませんで、日本の伝統産業、文化たる繊維を中心として、世界に誇れるものをつくっていかなければならぬ、こういうことでありまして、センター同士の連携も深めながら、ここでその成果を上げていきたい。世界のデザイナーが全部名古屋のリソースセンター、できますれば、そこに行かなければファッションに相ならぬ、かように相なりますように、初年度三カ所でありますけれども、以下、よろしければ、私はまだ打ち合わせしておりませんけれども、いいものは逐次産地において展開をすることが大事かな、このように思っております。
○青山委員 今大臣のお話ですと、ことしは全国で三カ所考えておる。リソースセンターが設置されていく。このリソースセンターが設置されて、やがてそのリソースセンターが有効な機能を発揮して繊維業界に大きな活力になっていく。それまでに、リソースセンターが設置されてくる、どれくらいの期間がなければならないのか、どのくらいの期間が過ぎればセンターの有効な機能というものが発揮されて、業界に活力として出てくると見通しを立てておられるのか。そのあたりはいかがでしょうか。
○岡松政府委員 初年度三カ所を予定いたしておるわけでございますが、ただいま御指摘の、いつごろから機能するかということは、各地の対応次第によって変わってくるわけでございますが、私どもの構想といたしましては、一カ所をつくりますのに約二年かかるのかなというふうに思っております。したがいまして、物ができ上がるのが二年度過ぎたあたりでございますが、これができましたところから、できるだけ早くこの機能が発揮するように、繊維工業構造改善事業協会が全体の指導、助言をするということを新たに法文にも加えさせていただいておりますが、そういうところも活用いたしまして、できるだけ早く機能するようにしてまいりたいというふうに考えております。
○青山委員 リソースセンターが今のところは全国で十二、三カ所希望しておられると聞いておりますが、ことしの三カ所というのは一体どこを考えておられるのか。先ほど大臣の答弁の中には消費地と言われたが、それは消費地なのか生産地なのか、あるいはもっと広域なのか、どんなところを考えておられますか。
○岡松政府委員 まず構想といたしましては主要な産地及び消費地ということでございまして、産地ばかりでなしに消費地にもつくるということがこの構想を実現していくために非常に大事ではないか。と申しますのは、消費地における需要動向というものをビビッドに産地に打ち返していくためにも、また産地の情報を消費地にも流すためにも、相互にネットワークを組むというのが大事ではないかというふうに考えております。
 三カ所がどこかということでございますが、具体的な箇所づけにつきましては、今後、業種、地域バランス、繊維事業者の集積度等を考慮いたしまして検討していく方針でございます。
○青山委員 繊維工業構造改善事業協会がこれからどういう役割を果たしていくことになっていくのかというのは、少しこのリソースセンターとの関係で出てくるのではないかと思うのですね。リソースセンターが生産地や消費地に設置をされてネットワーク化ができてくる、そして情報が順調に伝達されていくというシステムが確立されてくるときに、この事業協会なる立場はどのような支援の立場に立っていくのか。
 それから、仮に東京と言えば生産地というよりは消費地でありますが、東京にリソースセンターあたりができてくれば、それは事業協会と一体化して進めていく必要があるのではないかと私は思います。その方がより効率的である、これが第二点。
 もう一点は、この事業協会にコンピューターがことしの補正予算で設置されることになっております。これはリソースセンターとの関係は一体どうなっていくのか、リソースセンターに対してはどのような支援の立場に立つのか、そのあたりは、もう時間がなくなってきていますが、そのあたりはいかがでしょうか。
○岡松政府委員 リソースセンターの設置に当たりましては、先生御指摘のとおり事業協会からのさまざまな支援を行う必要があるというふうに考えております。特に共通の基盤整備あるいは各地のリソースセンターの調整を行うという意味で、センターのネットワーク化に協会は重要な役割を果たすというふうに考えておりまして、その趣旨を法文にも盛り込ませていただいているところでございます。
 次に、具体的に東京に置く場合に、協会と一体的に設置されれば効率的ではないかという御質問でございますが、これにつきましても、東京のセンターのあり方ということも含めましてまた検討してまいりたいというふうに思います。
 また、センターに対する助成措置といたしましては、設置に当たりまして産業基盤整備基金からの出資その他開銀の無利子融資等の助成を講ずることによりまして、このような事業が円滑に進むように考えておる次第でございます。
○青山委員 繊維工業構造改善事業協会が今後リソースセンターの支援をさらに進めていく、繊維産業の情報化をさらに進めていく、こういうことになってきますと、この事業協会の今後の課題、そのあたりはどういうふうに受けとめておられるのか。もっと積極的な情報化を推進していく上で整備強化をする必要があると考えておられるのかどうか、そのあたりはいかがでしょうか。
○岡松政府委員 繊維工業改善事業協会は、従来、協会の中に繊維情報センターというものを設けまして、繊維製品の生産、流通、消費に関する情報提供を図ってきたわけでございす。今後、この協会が単に従来の情報提供だけでなしに、繊維工業における商品企画力の向上あるいは情報の収集発信機能の向上のために繊維産業の情報化の環境整備事業あるいはリソースセンターというものに対する支援事業を行っていくというふうに位置づけを変えてまいりたいというふうに考えております。このために、今般の法改正におきまして、この協会の業務範囲、第四十条でございますが、ここに新たな業務の追加をお願いしておるわけでございますが、それに伴いまして、所要の財政措置を講ずることによりまして一同協会の業務の拡充を図ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○青山委員 質問は終わりますが、本法施行後は、非常に今厳しい状況に置かれている日本の繊維産業に新しい展望が開かれるように、この通産省令で承認される要綱がこれから打ち出されてきますけれども、実態に即した形で円満に実施されるように、ひとつぜひ努力をしていただきたいと思います。
 以上で質問を終わります。
○田原委員長 藤原ひろ子君。
○藤原(ひ)委員 法案の質疑の前に、私は、消費税の導入の問題について、大臣に二、三質問をさせていただきます。
 四月一日の消費税導入を目前にしまして、とんでもない税金だ、これはやめてほしいという声が噴出して、日本じゅう大混乱状態になっております。千葉県の知事選挙の結果はそれを示したものだと思われます。大臣、消費税法は廃止の手続をとって、消費税導入をやめるべきではないかと思うのですが、御見解を聞かせていただきたいと思います。
○三塚国務大臣 選挙を通じまして、地方選挙ではございますが、千葉県知事選挙、宮城県知事選挙、御指摘のような声のありますことを承知はいたしております。さはさりながら、困難の中で、長い審議の中で、経過として十年という、よく総理が言われるわけでございますが、可決、決定を見た国の法律でございます。準備おさおさと言っては準備期間が短いという御批判もありますが、短い中にも全力投球の中で四月一日導入が円滑に行われ、かつ転嫁が適正に行われ得ますように、私も内閣の副本部長という立場の中で全力を尽くしてきたわけでございまして、何とぞ各党におかれまして格段の深い御理解を賜りますよう御懇願、お願いを申し上げる次第であります。
○藤原(ひ)委員 ここに持ちました「日経ビジネス」の二月十三日号ですが、「緊急特集 消費税QアンドA ビジネスに役立つ二十四の急所」というのを出しております。例えば
 Q1 店頭は大混乱? 「まけろ」「まけない」「払わない」
 Q3 ますます財テク? 時差はカネ、納税資金活用
 Q6 カルテルの効果は? 泣く業界、笑う業

 Q9 新・下請けイジメ? 駆け込み、タレ込みが頼み
 Q21 客が払わなければ? 店が払うしか…というふうに、消費税がいかに矛盾に満ちたものであるか、大変これはわかりやすく書いているわけでございます。
 消費税についての問い合わせば日ごとにふえ、質問が具体的になればなるほど税務署や官庁は答えられないという状況が起きております。去る十六日には石川日商会頭も、国民の間に十分理解されておらず、中小企業から強い不満が寄せられている、このように導入前夜の混乱を指摘しておられます。同じ日、各地の通産局長も、業界トップは納得していても商店街レベルになるとなお説得する必要があるなどと総理と三塚通産大臣に報告をしているではありませんか。消費税は勉強すればするほど矛盾がいっぱいだ、知れ渡れば知れ渡るほど不安が広がっているというのが実態です。
 私の地元であります西陣では、消費税を表示いたしまして請求書は発行できても、歩引きや協賛引きなどが上乗せされて、本体価格の値引きが行われるのではないか、そして実質的に消費税は転嫁できないのではないか、このままでは廃業にまで追い込まれかねない、こういう不安が広がっているわけです。大臣、消費税は三%の国家歩引きだ、こういうのが産地業者の実感であるわけですね。どんな混乱が起ころうとも消費税導入を四月一日からおやりになるのでしょうか。いかがでしょうか。
○三塚国務大臣 御党は参議院で長い牛歩戦術を交えた中で審議には御参加いただいた。衆議院では御参加いただけませんでした。しかしながら、国会法の立場から、国会においての決定は四月一日施行ということでございますものですから、憲法、法律を守る立場の内閣といたしますと、この四月一日施行につきまして、前段申し上げました全力投球で、最小限の摩擦がありましても、何とか円満裏にこのことが執行でき得ますように、ただいま時点におきましてもベストを尽くし、最大の努力をいたしておるというのが現況でございます。
 さような中で、まさに下請いじめなどの断じてありませんように、通産大臣名をもちまして、八百の団体及び八千の企業にお願いも申し上げてまいりましたし、第二法人税ということで、この税法が執行されることによって倒産に追い込まれることのありませんように、これも十二分の注意と監視をもちまして、それぞれの事業に対して伝達をいたしたところでございます。どうぞ、さようなことで、このことの執行がそういう不安の中にございましてもスムーズに行われ得ますように、また税はそのことがなれてまいりますればそれなりに、総理の言ではございませんが、善法、よい法律だということとなり、血となり肉と相なるのではないだろうか、こんなことの目標に向けてただいま全力を尽くしておるというのが現況でありますので、重ねて深い御理解をお願いを申し上げるところでございます。
○藤原(ひ)委員 日経新聞の世論調査では、消費税を実施すべきでないというのが八八年十二月は四一・八%です。八九年の三月は五七・四%、一年以上延期あるいは半年延期すべきというのも加えますと八一・二%となり、八割以上が消費税四月一日実施に反対の立場であることは明らかでございます。
 この世論を背景にしまして、地方自治体における公共料金の消費税転嫁の見送り都道府県は、自治省の調べでは二十一にも及び、一般市では百二十以上で、さらにふえそうな気配です。これは、竹下内閣が消費税の円滑な価格転嫁の模範にしようとして強力に必死になって指導してこられたにもかかわらず、足元から反乱が起こっているということではないでしょうか。
 そして、地方議会では消費税廃止を明確に求めた決議や意見書が相次いで採択をされております。鎌倉の市議会では十六日、衆議院の解散を求めることに関する決議という地方議会としては異例とも言うべき決議が採択をされているのです。
 もともと公約違反、しかも不公平税制そのもの、史上最悪の悪税であります消費税法を十分な審議もしないで強行採決を重ねておきながら、国会で可決されたからもうごり押し以外にないなどというのでは、全く道理に合いません。消費税は廃止するしか道はないということを強く指摘をいたしまして、法案の質疑に入りたいと思います。
 今回の改正案は、昨年の十一月に出されました繊維工業審議会、産業構造審議会の答申「今後の繊維産業及びその施策のあり方」、これに基づいてつくられております。答申の第三章第三節「通商問題への円滑な対応」の第一項「輸入急増への機動的対応」を見ますと、「欧米諸国が輸入規制など保護主義的圧力を強めてきている状況下で、我が国繊維産業が開放市場下で構造調整を進めてきた実績は、高く評価すべきであり、」というふうに述べております。
 一九八五年九月のプラザ合意以来の政府主導の異常円高と経済構造調整政策によりまして、全国の中小企業繊維産地、中小企業繊維業者の皆さんは、大変な困難に直面をされました。これは、これまでも当委員会で私、何度も取り上げてまいったところでございます。最近は企業倒産も減少をして、大企業が史上最高の利益を更新するなど、景気は回復した、こういうふうに言われております。
 ところが、この三月十三日、帝国データバンクが全国六百四十四の産地を調査して発表いたしました「産地における転休廃業と倒産の実態調査」、ここに持ってきておりますが、これによりますと、確かに倒産件数は減ってはいるものの、「転休廃業、依然早いスピードで進む」というふうに書いてあります。六十三年十月から十二月の転業、休業、廃業は二百五十一件で、倒産件数十三件の十九・三倍です。円高直後の六十年十月から六十三年十二月までの合計では、転休廃業は八千八百二十六件、倒産四百二十三件の実に二十・九倍にもなっているわけです。
 繊維関係でこの傾向はさらに大きく、同じ期間に転業、休業、廃業は七千五百二十件で、倒産百四十二件の五十三倍というふうになっているわけです。
 繊維産地、業者の皆さんのこうした現実、未曾有の困難をどのようにお考えになるのでしょうか。繊維産業に対する認識が余りにもかけ離れているというふうに私は思うのですが、いかがでしょうか。
○岡松政府委員 繊維をめぐる環境というのは確かに厳しいものがございまして、輸入の急増、輸出の停滞、さらに国内における需要動向の変化ということが、中小零細企業を主とする繊維業にとっては極めて厳しいことになっているということは十分認識いたしております。
 このような厳しい環境変化の中にあって、繊維産業を今後どういうふうにしていくかということが大きな課題であるわけでございますが、昨年の十一月まで、繊維工業審議会総合部会、産業構造審議会繊維部会の両部会に、学識経験者にお集まりいただきまして、約一年かけた審議をお願いしたわけでございますが、そこで出てまいりました新繊維産業ビジョンというものに基づきまして、今回お願いしてございますような繊維産業の新しい方向づけをするための法改正をお願いしている次第でございます。
 そこで考えておりますのは、一つは構造改善を進めるということでございまして、それも個別の繊維事業者ではなかなか対応できない厳しい環境変化でございますので、これをグループ化することによって進めていこうというのが大きな骨格でございますし、それだけではできない部分につきまして商工組合でこれを支えるような構造改善円滑化事業を加えているということでございますし、さらに全体としての需要動向に対応できるような、ファッション化の動向に対応できるような繊維のリソースセンター構想もまとめました。
 また、一方で、繊維産業は従来情報化あるいは技術革新の面において他産業に比しおくれた面がございますので、これらについての政策も準備い
たしまして、以上申し上げました三本の柱によって、その厳しい環境に置かれている中小零細企業に代表される繊維の川中と言われます分野における対応力をつけるようにしていきたいというふうに考えておる次第でございます。
○藤原(ひ)委員 異常円高で輸出は減り、工賃は下がる。他方、繊維製品の輸入は急増する。この間、私もあちこち視察をさせていただいて勉強をしてまいりましたが、各繊維産地というのは本当に大変な状態になっております。昨年の中小企業白書では、異常円高の「昭和六十一年以降」を「戦後二十年代や第一次石油危機後よりも」「産地が最も深刻な状況に陥った時期」との調査結果を載せている、こういうぐらいになっております。そこで、こうした中で、本法に基づきまして構造改善事業を進めている組合の状況はどうだったのか、繊維工業構造改善事業協会繊維情報センター発行の「繊維情報」に載っております「構造改善計画の進捗状況」から調べてみました。産地一括型で構造改善事業に取り組んでいる工業組合、グループは現在全国で十一しかありませんが、これに参加している企業数は、昭和六十一年三月の九千百二十九社が、昭和六十三年三月には七千六百四十二社になっております。わずか二年間に、十一の組合だけで千四百八十七社、つまり一六・三%も会社が減っているわけです。大阪の泉州織物構造改善工業組合、南部織物構造改善工業組合、福井の福井県織物構造改善工業組合では約四分の一、静岡の天竜社綿スフ織物構造改善工業組合では五分の一の組合員が一挙に減っているわけです。
 このことは、本法によりまして、繊維産地や中小繊維業者の皆さんに少々の支援措置を講じましても、他方で円高政策や製品輸入の急増を進めていては、砂に水をまくようなものではないでしょうか。どういうふうにお考えになるでしょう。
 また、国内産地を重大な危機に陥れるような繊維製品輸入の急増、実際、前年比で八七年には五割、八八年には四割もふえているわけですけれども、この繊維製品輸入の急増がある場合には、国際的に認められて、アメリカやEC諸国がどんどん発動しておりますMFAを発動し、繊維の輸入制限を行うべきではないでしょうか。
 簡潔にお答えいただきたいと思います。
○岡松政府委員 第一点の構造改善事業に参加しているグループの点でございますが、五十九年から六十三年まで実施しておりますのは二十六グループでございますが、これは前回に比較いたしますと、件数では若干減っておりますが、参加企業数では、前回、すなわち五十四年から五十八年までが六千百一企業であったのに対し、第三期、すなわち五十九年から六十三年まで、現行法に基づくものは七千四百四十一企業とふえておるわけでございまして、このような形で構造改善を進めていくということが企業の対応の仕方として必要であったし、またそれなりの成果を上げてきたというふうに考えておる次第でございます。
 また、第二点の輸入との関係でございますが、確かに輸入は大きく増加いたしておるわけでございます。通産省といたしましても、このような輸入の急増の中で繊維産業をどういうふうに対応させていくかということから今回の法改正をお願いいたしておるわけでございまして、新しい構造改善事業の推進あるいは繊維のリソースセンター、情報化のための整備等、新しい繊維産業の施策を強力に推進してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
 具体的な輸入への対応ということでございますが、秩序ある輸入の実現は必要であるというふうに考えておるわけでございまして、特定品目の輸入の急増によって国内産業に重大な損害、重大な被害が生ずる場合には、輸出国との情報交換等を進めるなどの対策が必要でございますし、特に不公正な貿易がある場合にはアンチダンピング制度によって問題の解決を図るということが必要であるというふうに認識いたしております。
 ただ、MFAの発動につきましての御質問もございましたが、我が国といたしましては、膨大な貿易黒字を持ち、かつ特に繊維製品の輸出の主流であるアジアNIESとの間に大きな貿易黒字を持つということは、他の先進国とは大きく異なるところでございますし、製品輸入の拡大を図っていかなければならないという情勢を考えますと、現在の段階におきましてMFAの発動につきましては慎重に対応すべきだというふうに考えておる次第でございます。
○藤原(ひ)委員 今回の法改正に当たりましては、繊構法が全国の繊維産業、中小繊維業者にどう役立っているのか調べてみました。そうしますと、これまでの事業の中心であります産地一括型の構造改善事業は、この三年間に、静岡、愛知、石川、大阪、兵庫、滋賀、福井、福岡の八県で十一グループしか取り組まれていないわけですね。西陣、友禅、丹後ちりめんという私のふるさとであります京都を初めといたしまして、新潟、岐阜その他大きな繊維産地を抱える県は他にもたくさんありますが、そういうところでは構造改善事業に取り組まれておりません。現行法の現実の対象地域は非常に限られているわけですね。
 それが、今度の新事業でありますLPU、実需対応型補完連携による構造改善事業、朝から各党の質問に対していろいろ御答弁がありましたのでずっと聞かしていただいているわけですが、私にはもう一つイメージがはっきりしません。なぜかといいますと、これは四社以上の繊維事業者あるいは事業協同組合、つまり特定組合等が対象で、ある意味では対象が大変広いようにも見えるのですけれども、実際にはこれまで以上に知恵と力のある一部の業者、こういう人しか参加できない事業になってしまうのではないかというふうに思われるのですが、そうではないでしょうか。したがいまして、産地組合等が行います事業は今後構造改善円滑化事業になるわけですが、これをうんと重視していくべきだ、こういうふうに思うのですね。
 産地では、人材を養成しょうにも養成に当たる人材がない、こういう声が聞こえるわけです。新商品や新技術を開発しようにも何をどうしていいかまずわからない、そこの時点に立っているわけですね。このように訴えがあるわけです。ですから、都道府県とも連携を強めていただいて、情報の提供などきめ細かい支援策を拡充をして、繊維産地全体が活性化されるよう努力すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○岡松政府委員 御指摘のように、現在実施しております構造改善事業につきましては、商品開発センターの設置を義務づけているというところから、利用しにくいという声があることは承知いたしております。今回その点につきまして改正をすることにしているわけでございますが、特に構造改善の実施主体についての改正もいたしております。また、この構造改善を進めるに当たって、先生御指摘のように、産地組合あるいは産地組合等の商工組合が行います構造改善の円滑化事業、すなわち個々の事業者が行います構造改善事業を下から支えるようにさまざまな共同事業を組合で行い、情報の提供でございますとか人材の育成を図っていくべきだというふうに考えておるわけでございまして、このような事業を通じまして構造改善事業が全体としてもっと広く利用されるように図ってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○藤原(ひ)委員 今度の改正案の目玉の一つは、繊維リソースセンターの整備を図ることです。県単位で一カ所、一年間に三カ所、五年間で十五カ所程度、この程度整備をするということでございます。
 ファッション・繊維業界というのは競争が大変に激しい業界だというふうに聞いております。大企業を中心にパリ、ミラノ、ニューヨークの最新情報を現にしのぎを削って集めている、こういうふうにして活動をしておられるわけです。こうした中で、県単位で一つ繊維リソースセンターをつくって、繊維産地や中小繊維業者に役立つものになるのかどうかというふうに思うわけですが、この点はどうなんでしょうか。
 また、センターは、地方自治体の繊維や染織などの工業技術試験場やこれまでつくられております商品開発センター、こういうものとの連携を図るべきだというふうに思うのですが、どのようにお考えでしょうか。
 また、時間がないので続けて質問いたしますが、センターの誘致を進めている福井などでは、お聞きしますと、建物を整備してその後の運営費に大変不安がある、こういうふうにおっしゃっているのですが、この点どうお考えなんでしょうか、具体的にお答えをいただきたいと思います。
○岡松政府委員 繊維のリソースセンター構想でございますが、繊維産業の置かれている立場から、海外の情報あるいは国内の需要動向等を的確に把握できるように、ネットワークを組みまして、産地の事業者にもこれが迅速に提供されるようにということが一つのねらいになっておるわけでございます。このような考え方から各地に設置するわけでございますが、それを繊維工業構造改善事業協会が中核になりまして相互にネットワークづくりをするというのが非常に大事なポイントであるというふうに考えております。このようなセンターを設けることによりまして、地元の、すなわち産地の中小企業者も利用しやすいような制度に持っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
 また、第二点の御質問の公設試験場等との連携でございますが、あるいは商品開発センターとの連携でございますが、まさにこういうところとの連携を密に図っていくことが必要であるというのは御指摘のとおりでございます。
 また、この事業について考えてみますと、確かに初期投資がかなりかかりますので、短期的にこれを採算性をとるというのはなかなか難しいというふうに思っておりますが、今回の構想の中にございます講習あるいは広場、プラザみたいなものを設けます、そういうものの利用でございますとか、あるいはこの事業が繊維事業者に浸透することによりまして利用率が拡大していくということが見込まれるわけでございまして、中長期的には採算性は確保できるというふうに考えておる次第でございます。
○藤原(ひ)委員 一番最後の、三番目、細かいのですけれども、運営費ですね。もうちょっと具体的に、いろいろ利用なんかされたその利用料などはどうなっていくのか、大変細かい質問が現地であったわけですから、ちょっとお答えいただけませんか。
○岡松政府委員 具体的に一つの試算として持っておりますのを披露させていただきますと、このセンターにはさまざまな資料を持つわけでございます。すなわち生地の見本でございますとか衣服の見本等を持ちまして、それを見にデザイナーなどが訪ねてくるということになるわけでございますが、ここを利用する人を会員として参加してもらうという会員収入を一つ予定をいたしております。それから、このリソースセンターで収集いたしました資料を展示する、あるいはセミナー、シンポジウムを行うということを考えております。いわば成果の普及でございますが、これによる収入を予定いたしております。それから、ここで持ちます調査能力を利用して委託調査を考えております。それからさらに、このセンターの中にございます研修、講演会といったようなもの、この研修の場で地元を対象として後継者の育成等も図っていくわけでございますが、こういうことに伴う収入も予定いたしております。これらの収入、運営費の増加によりまして、収益は中長期的には採算がとれるというふうに考えておる次第でございます。
○藤原(ひ)委員 それでは農水省さんに、生糸の安定供給対策についてちょっとお尋ねをしたいのです。最後に通産大臣にお聞きする前に、この問題について一問聞かせていただきます。
 生糸については、一昨年の秋以降価格が高騰しまして、物すごい乱高下を繰り返しております。これが地元では大変心配なわけですが、生糸を大量に消費します丹後、西陣では、生糸の安定供給に対する不安というのが非常に生まれておりまして、乱高下のたびに電話がかかってくる、訴えられるという状態なんですね。
 そこで、生糸価格の安定と生糸の安定供給のため、これまでどんな対策をとってこられたのでしょうか。今後もぜひその取り組みを強めて、生糸の安定供給に努力をしてもらいたいというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
○加藤説明員 生糸の価格の安定を図るために幾つかの措置をとってまいっております。
 主なものを申し上げますと、六十二年の十月以降三十八回にわたりまして事業団の生糸を約九万俵程度放出をいたしてきております。また、生糸の取引所におきます現物をふやしていくということが価格の鎮静に役に立つということで、事業団みずから現物を市場に出せるように供給いたしているところでございます。また、輸入を拡大しなければならないということで、昭和六十三年度の日中の生糸協議におきまして輸入枠の拡大を図りました。二万俵の協定を結んでおります。これは六十二年に結びました協定量の約二・三倍の協定を結んでおります。
 さらに、繭の輸入も行いまして、国内の生糸の量をふやしていこうということで、繭の輸入につきましては昨年の秋、従来の百五十トンから一千五百トンということで大幅に輸入目標数量の拡大を行っております。さらには、取引所の元請を大手商社等なるべく自粛していただくよう指導したり、市場の管理の規制をやっております。
 また、今後の安定供給というものが一番大事じゃないかということでございまして、今後とも中国と積極的な協議を続けまして、必要なものがしつかり入ってくるような交渉をやりますとともに、国内におきましても遊休桑園を活用しまして、国内の繭生産の安定的供給というものに努力いたしていきたい、このように思っております。
○藤原(ひ)委員 それでは、最後に通産大臣にお尋ねをしたいと思います。
 私は通産省からいただきました繊維産業対策の予算を見ましてびっくりいたしました。といいますのは、消費税導入対策のための補正予算は別にいたしまして、当初予算で見ますと、構造改善対策等を含めた繊維産業対策予算の総計は、八八年度一億二千六百三十二万円、八九年度が大幅にふえて二億八百六十六万円です。シルクフェアや絹新製品開発への補助など絹製品需要振興対策費はわずか三千万円弱ということですね。けたが違うのではないかと目をこすってこれを見せていただいたというふうな状態で、本当に少ないわけですね。
 そこで、ちょっと調べてみたのです。合成繊維や化成品などのメーカーであります旭化成工業株式会社、これは売上高が八千億円の大企業ですが、ここに対し、化学法ウラン濃縮技術確立費補助金ということで通産省と科学技術庁から、一九八〇年度から八八年度までの九年間に何と九十七億円もの補助金が出されているわけですね。このほかにもいろいろな技術開発の名目で補助金や委託費が通産省から出ております。
 通産省所管の主なものを一社当たり平均して集計してみますと、八八年度で旭化成に八件で五億一千百万円、合繊トップメーカーの東レに対しては六件で二億一千万円も出ているわけです。中小を中心にした繊維対策の予算と比べて余りにも違い過ぎるのではないでしょうか。
 繊維産業というのは、私たち女性にとりましてはもちろんのこと、国民全体に大変大切な衣服、ファッション、美しさ、こういうものを提供し、生産から流通まで、合わせて二百八十万人もの雇用を有しております。中小零細企業が大変多いと同時に、それぞれ地域の経済に大変大きな役割を果たしているという内需型の産業です。重大な転換期に直面しております繊維産業対策として、予算ももっと大幅にふやし、きめ細かな支援策を講じていただくように要望をし、大臣の御決意をお聞きしたい、これをお願いして質問を終わりたいと思います。
○三塚国務大臣 繊維産業に係る予算の拡充、御
説のとおりでありまして、ただいま御指摘の繊維対策関係予算については、一億二千何がし、アバウト一億三千、そして平成元年度は二億一千ということで、率にすれば六五%、こういうことであります。
 一般会計の額はさようでございますが、構造改善円滑化事業の新設並びに高度化融資の一部無利子化を含む抜本的条件改善及び事業団ペースで計算をいたしますと百十億円から百四十七億円と事業規模が大幅に拡大をされるということでございます。さらにリソースセンターについては、産業基盤整備基金からの出資として九億円を計上いたしておるわけでございますし、社会資本整備勘定無利子融資及び繊維工業構造改善事業協会による債務保証がこれにまたついております。こういうことであります。
 さらに、中小企業対策費の一環として計上いたしております分が、自動縫製システムの開発、これが平成元年度予算におきまして八億八千万円計上いたし、次年度の完成を目指して推進をする。さらに、金融面におきまして、中小企業金融公庫、国民金融公庫、商工中金の制度金融が中小繊維事業者の活用するところと相なっておるわけでありまして、いわゆるシーリングという一般会計計上分が財政再建の中で圧縮をいたし、理財関係あるいはNTTの見返りによる産業基盤整備基金の出資金、こういう形の中で総合的な予算体系をとっておりますことは藤原委員御案内のとおりであろうというふうに思います。できるだけ一般会計にわかりよく計上できるように今後努力をいたすところでございます。
 また、ただいま旭化成、十年にわたり九十数億円ということでございますが、これは繊維ではございませんで、今それぞれの企業が多角的な経営展開をいたしておるところでありまして、ウラン濃縮技術におきましてすぐれた設備と技術陣を抱えておることにかんがみまして、その分野の平和利用という点で支出をいたしておりますことをつけ加えさせていただきます。
 委員のこの分野に対する心配はしかと受けとめながら、繊維の再生、繊維産業の復活をかけて全力を尽くす所存でありますので、ひとつ格段の御理解を賜りたいと存じます。
○藤原(ひ)委員 終わります。
○田原委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
○田原委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。
 繊維工業構造改善臨時措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
     〔賛成者起立〕
○田原委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました本案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田原委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ―――――――――――――
    〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
○田原委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時四分散会
     ――――◇―――――