第116回国会 環境委員会 第1号
本国会召集日(平成元年九月二十八日)(木曜日
)(午前零時現在)における本委員は、次のとお
りである。
   委員長 熊川 次男君
   理事 今枝 敬雄君 理事 小杉  隆君
   理事 園田 博之君 理事 武村 正義君
   理事 持永 和見君 理事 川俣健二郎君
   理事 春田 重昭君 理事 北橋 健治君
      池田 行彦君    江崎 真澄君
      齋藤 邦吉君    鈴木 恒夫君
      平沼 赳夫君    村田敬次郎君
      岩垂寿喜男君    金子 みつ君
      遠藤 和良君    斉藤  節君
      岩佐 恵美君    田中 角榮君
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平成元年十一月二十一日(火曜日)
    午前十時三分開議
 出席委員
   委員長 熊川 次男君
   理事 今枝 敬雄君 理事 小杉  隆君
   理事 園田 博之君 理事 武村 正義君
   理事 持永 和見君 理事 川俣健二郎君
   理事 春田 重昭君 理事 北橋 健治君
      池田 行彦君    鈴木 恒夫君
      村田敬次郎君    岩垂寿喜男君
      金子 みつ君    新村 勝雄君
      遠藤 和良君    斉藤  節君
      岩佐 恵美君
 出席国務大臣
        国 務 大 臣
        (環境庁長官) 志賀  節君
 出席政府委員
        環境政務次官  宮崎 秀樹君
        環境庁長官官房
        長       渡辺  修君
        環境庁企画調整
        局長      安原  正君
        環境庁自然保護
        局長      山内 豊徳君
        環境庁大気保全
        局長      古市 圭治君
        環境庁水質保全
        局長      安橋 隆雄君
 委員外の出席者
        環境庁長官官房
        参事官     小林 康彦君
        国土庁地方振興
        局山村豪雪地帯
        振興課長    長田 綏男君
        文化庁文化財保
        護部記念物課長 大澤 幸夫君
        厚生省生活衛生
        局水道環境部水
        道整備課長   藤原 正弘君
        厚生省生活衛生
        局水道環境部環
        境整備課長   坂本 弘道君
        厚生省生活衛生
        局水道環境部環
        境整備課浄化槽
        対策室長    櫻井 正人君
        林野庁林政部木
        材流通課長   岸  廣昭君
        林野庁指導部計
        画課長     田中 正則君
        林野庁指導部基
        盤整備課長   福嶋 毅一君
        林野庁指導部研
        究普及課長   眞柴 孝司君
        林野庁業務部経
        営企画課長   高橋  勲君
        通商産業大臣官
        房審議官    合田宏四郎君
        通商産業省基礎
        産業局化学品安
        全課フロン等規
        制対策室長   小島 直樹君
        通商産業省生活
        産業局紙業印刷
        業課長     井田  敏君
        資源エネルギー
        庁長官官房省エ
        ネルギー石油代
        替エネルギー対
        策課長     大津 幸男君
        資源エネルギー
        庁石油部精製課
        長       宇都宮 誠君
        資源エネルギー
        庁公益事業部原
        子力発電課長  谷口 富裕君
        建設省河川局河
        川計画課長   定道 成美君
        建設省河川局治
        水課長     矢野洋一郎君
        建設省道路局国
        道第一課長   松延 正義君
        建設省住宅局建
        築指導課長   鈴木 俊夫君
        環境委員会調査
        室長      川成  昭君
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委員の異動
十一月二十一日
 辞任         補欠選任
  岩垂寿喜男君     新村 勝雄君
同日
 辞任         補欠選任
  新村 勝雄君     岩垂寿喜男君
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九月二十八日
 水俣病問題総合調査法案(馬場昇君外二名提出、第百九回国会衆法第二号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
 国政調査承認要求に関する件
 環境保全の基本施策に関する件
     ────◇─────
○熊川委員長 これより会議を開きます。
 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
 環境保全の基本施策に関する事項
 公害の防止に関する事項
 自然環境の保護及び整備に関する事項
 快適環境の創造に関する事項
 公害健康被害救済に関する事項
 公害紛争の処理に関する事項
以上の各事項について、その実情を調査し、対策を樹立するため、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。
 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○熊川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ────◇─────
○熊川委員長 この際、先般環境庁長官に就任されました志賀節君及び環境政務次官に就任されました宮崎秀樹君から発言を求められておりますので、順次これを許します。志賀環境庁長官。
○志賀国務大臣 八月二十五日付で環境庁長官を拝名いたしました志賀節でございます。
 環境問題の重要性は、昔も今も変わらぬところでございますが、特に我が国において環境という価値がより大きく認識されなければならない転換期に来ているのではないかという感じがいたします。我が国が世界の一大経済国に成長した現在、
その経済力にふさわしい質的な豊かさを求めたり、精神面で一層のゆとりを持つべきだという声が高まっております。
 私は、環境という価値は、今、日本国民が目を向けるべき最も重要な価値観念であり、国民一人一人に、暮らしと環境について従来以上に認識を持っていただくことが強く求められているのではないかと考えます。
 政府としても、人と環境とのかかわりについて国民の理解を深めながら、環境問題に従来よりもさらに強い力点を置いた施策を展開していかなければならないと存じます。
 私は、国民の健康と生活を守り、さらには地球環境問題の解決を図るため、環境政策を総合的に推進するという環境庁に課せられた使命を深く認識し、健全で恵み豊かな環境を後世に引き継いでいけるよう、環境行政を積極的に推進してまいりたいと存じます。
 具体的には、まず、窒素酸化物対策などの大気保全対策や、生活雑排水対策などの水質保全対策、あるいは自然保護対策など、国内の環境対策の推進に最大限の努力を払ってまいります。次に、地球環境問題につきましては、各地で次々に国際会議が開かれるなど、問題解決に向けての取り組みが日に日にテンポを増している感があります。こうした問題につきまして、地球環境問題担当大臣として、地球環境保全関係閣僚会議の場などを通じて、政府一体となって積極的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 本年九月に開催した地球環境保全に関する東京会議においては、環境倫理の理念を初めとする幅広い提言が打ち出されたところでありますが、今後、国連環境計画などの国際機関や各国政府と協力しながら、その具体化を図ってまいりたいと考えております。
 さらに、地球環境問題のうちでも主要課題の一つである地球温暖化に関しては、この六日及び七日にオランダのハーグ市近郊のノールトベイクにおいて、オランダ政府の主催により環境大臣会合が開催され、私が日本政府代表として出席いたしました。
 この会合は、地球温暖化対策の推進のため、世界各国の一致協力した取り組みを促進する目的で開催されたものであり、世界の約七十の国の環境大臣と、関係する十一の国際機関の代表が出席いたしました。
 私は、会議において、各国環境大臣が一堂に会し、地球温暖化対策の推進について宣言に合意することは、各国における施策の推進への取り組みに弾みをつけるものであり、その意義はまことに大きいこと、二酸化炭素の排出抑制については、今後その排出を安定化させることが必要であるとの認識を示しつつ、実施可能性の検討を踏まえた着実なアプローチが必要であること、一九九二年の環境と開発に関する国連会議において、東京会議で提唱された環境倫理に立脚した国際ルールの確立に資する地球環境保全宣言の採択を目指すべきであること等を強調しました。
 また、会合の成果となる宣言の取りまとめに向けて最善の努力を払い、その結果、二酸化炭素等の排出をできるだけ早期に安定化させることについて、初めて世界各国の合意を見るとともに、森林の減少傾向に歯どめをかけ、さらに二十一世紀初頭から純増に持ち込むことを目指すことについても合意を見るなど、温暖化の防止に向けての大きな前進を促す画期的な宣言が出されたところでございます。
 今後も、地球環境問題を初めとする環境問題の解決を図るため、最大限の努力を払う所存でありますので、委員長初め練達の委員各位の御指導、御鞭撻を心からお願いをいたしまして、私からのごあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○熊川委員長 宮崎環境政務次官。
○宮崎政府委員 八月十一日付で環境政務次官をを拝命いたしました宮崎秀樹でございます。
 私は、就任前は参議院の環境特別委員会に所属し、環境行政に深い関心を有していたところでございます。今後も、長官を補佐し、環境行政推進のために全力を傾けてまいります所存でございます。
 委員長初め委員各位の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げまして、ごあいさつにかえさせていただきます。(拍手)
     ────◇─────
○熊川委員長 次に、環境保全の基本施策に関する件について調査を進めます。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。今枝敬雄君。
○今枝委員 ただいま環境庁長官が過般のオランダ・ハーグにおける会議の成果について御報告をされまして、まことに御苦労さまでございました。大変大きな成果をまとめて帰国をされまして、将来の地球の環境保全ということに対して大きな示唆を受けたような気がいたします。どうぞひとつ、これからも大いに地球の環境保全の行進の先頭に立って行政をお進めをいただきますように、心からお願いを申し上げる次第でございます。
 そこで、地球環境問題は、地球の温暖化、オゾン層の破壊、酸性雨、海洋汚染など多岐にわたるとともに、オフィスのOA化などに伴う使用量が急増してまいります紙の問題、そしてその一方では、グローバルな問題となっている森林資源の保護の問題について暫時お尋ねをしてまいりたいと存ずるわけでございます。
 温暖化問題への対応を初め地球環境保全に全力を挙げて取り組むため、政府においても本年六月三十日に地球環境保全に関する関係閣僚会議を設け、十月三十一日には地球環境保全に関する調査研究、観測、監視及び技術開発の総合的推進について合意をされたものであります。このような取り組みは一歩前進していると評価するものでありますが、私は、ハーグの宣言において述べられたように、地球環境の保全のためには具体的な取り組み、すなわち経済社会活動や生活様式を地球環境保全に資するように変えていくことが重要であると思うのであります。そのために、真に実効のある取り組みが必要であると考えております。
 そこで、熱帯雨林保護の問題についてであります。開発途上国における爆発的な人口増、食糧増産、家畜増産に伴う森林資源の開拓、また先進諸国における木材の需要増加、紙、パルプの需要増大による森林資源の減少、さらには酸性雨等による森林破壊などが地球的規模で大問題になっておるのであります。この対応に各国が知恵を絞っているのが現状であると思うのであります。我が国の製紙産業も世界各国からパルプ、チップの輸入を図っておるのであります。そのため、世界の自然保護団体から地球環境保全のために強い要請があり、森林資源の保護に対処するため、製紙各社は海外において積極的にユーカリやアカシヤなどの植林に着手しているのであります。
 今日、日本の企業による海外植林事業は次のような幾つかの問題が指摘をされ、要請を受けておるのであります。単一な種類の人造林における保水能力が、自然林と人造林とでは保水問題に差があり過ぎて、自然林を伐採した後に人工林を育てても環境保護には何ら役立っていないというのが今日の情勢のようでございます。したがいまして、その実態は一体どうなっておるかということをお尋ねするわけでございます。
○田中説明員 先生御指摘のように、熱帯地域における造林といいますものは、主として焼き畑移動耕作とか、あるいは放牧によりまして森林が草地化した大変土壌条件の極めて悪いところで行われております。このために瘠悪林地やそういったものに強い、かつ成長の早いマメ科のアカシヤでありますとかあるいはユーカリ、松類といったような植林が行われている実態にございます。これらの早生樹の植林は瘠悪林地の早期緑化という点には大変有効でありまして、また同時に土壌侵食の防止なども行いまして、時には地域住民の薪炭材として使用されるなど、熱帯林の保全には少な
からぬ役割を果たしているものと考えております。
 なお、先生御指摘のように、保水力の高い森林の造成ということにつきましては、現在フタバガキ科の樹種でありますとか、あるいはマホガニー、チークといったような郷土樹種の植林についての取り組みが見られておりますけれども、いかんせん草生地、草原状のところは土壌条件が大変悪うございますので、いろいろ技術的な面でも解明すべき点が多いかと思っております。そんなことで、我が国の海外林業協力におきましても、早生樹を植えた後にマホガニー等の郷土樹種の植え込み試験などを行いまして、森林の回復技術の開発に取り組んでまいっているところでございます。
○今枝委員 ただいまなかなか努力をしていらっしゃるという状態は認めることができるわけでございますけれども、問題はやはり根本的な一つの人造林というものに対する、自然林に対して比較ができるような御指導をこれからしていただいて、ひとつ世界から指摘を受けないような方途を講じていただきたい、こう思うわけでございます。
 次に、自然のいろいろな動植物に及ぼす影響についてお尋ねをしたいと存じます。自然林はさまざまな種類が共存しており、そのさまざまな種類の木により落葉して豊かな土壌を形成していると言われております。しかし、人造林ではそれが期待できず、環境破壊問題になっていると言われております。自然林には豊かな種類の木の恵みでさまざまな生命が生存しておると言われております。それには微生物に始まり昆虫、鳥類、リス、シカ、猿などといった野生動物が食物連鎖の中においてお互いに共存共栄しているのであります。しかし人造林ではかような自然連鎖は全然発生していない。実に寂しい林となっているのであります。これが各地各国の環境に重大な問題を提起していると言わねばなりません。
 以上のように、人造林そのものの生産能力が自然に対して明らかに劣っており、自然林を伐採した後、人造林は補完能力を欠き、地元の人にさまざまな問題を投げかけておると言われております。このような事態を放置しておけば日本に対する批判が強くなることは自然であると思うのであります。将来日本の製紙産業の安定、持続、発展のための原料調達面から制約をされる可能性があると思うが、林野庁はどのような見解を持っていらっしゃるか、ひとつお尋ねいたします。
○田中説明員 先生御指摘のように、熱帯林は大変豊かな森林相を呈しておりまして、世界の動植物種の約二五%に相当します七十五万から二百五十万種が現存すると推定されておりますが、今日この熱帯林の急速な減少問題、生物種の多様性の保全ということは極めて重要な課題になっているのは御指摘のとおりでございます。
 このために、過度の焼き畑移動耕作等によります草原地の地域におきましてまず早急に造林する必要がありますし、また豊かな森林生態系の維持保全という観点からは、現在開発途上国におきまして、択伐施業でありますとかあるいは先ほど申し上げました郷土樹種による植林といったようなさまざまな取り組みがなされております。こういったものを支援するために、我が国におきましては従来から造林専門家の派遣でありますとか、あるいはかの国からの研修員の受け入れといったような技術協力あるいはこれに関連する資金協力などを実施してきたところであります。
 林野庁といたしましては、これまでの海外林業協力の実績を踏まえまして、熱帯地域における森林の持続可能な開発と失われた森林の早期回復を図るために、今後とも関係機関と密な連絡をとり、一層積極的な役割を果たしてまいりたいと考えております。
○今枝委員 ただいま林野庁の方から大変御苦心で、しかも自信のあるお答えをいただきまして、本当にありがとうございました。どうぞひとつ現地においてそのように御指導をしていただきたいと思うわけでございます。
 次に、古紙の有効利用問題についてであります。
 地球環境の森林資源を守り、環境保全に先進的な役割を果たし、より一層高まる森林資源の需要にこたえるため、あわせて森林資源を原材料とする日本の各産業が安定をし、持続し、発展をするためには、古紙などの再生資源の有効利用が今日ほど利害を超越して国家的緊急の課題になっているときはないと思われるのであります。このような時代の要請に対応して、政府はどのように古紙政策を推し進めていく御意向か、ひとつ承っておきたいと存じます。
○志賀国務大臣 きょうはちょうど持ってまいりましたので見ていただきたいものがございます。これは東京都知事の名刺でございますが、再生紙でございます。それから、この間のオランダの会議に行きまして、アメリカの環境保護庁長官の名刺をもらいました。これがそうでございますが、このとおり完全に、スーパーマーケットの何か物を入れる紙でございますが、その紙の裏面利用ということで、これはひとつ委員長からごらんいただければと思います。
 今まさに時代はそういうことになっておるという気がするわけでございますが、古紙の利用を促進することは、ただいま先生から御指摘のとおり森林資源の保護あるいは廃棄物の減量にもつながるわけでございますから、地球環境の保全には大きく貢献すると認識をいたしております。
 政府といたしましては、昭和五十七年から実は環境白書にも古紙利用の再生紙を使っておりますし、この答弁用のペーパーも再生紙でございます。また、封筒やコピー用紙の一部についても再生紙を試験的に導入中でございます。ただ問題は、コピーなぞをいたしますときに、質の高い紙の方でございますと相当安い機械も働いてくれるのでありますが、安い機械に再生紙を入れた場合に故障が起きやすい、ストップしてしまうということがございまして、もうちょっとインプルーブしなければいかぬのじゃないか、こういうことになってございます。環境保全型の商品に対するエコマーク事業においても、古紙利用のトイレットペーパー等の普及促進に努めているところでもございます。
 今後とも古紙再生紙の使用が一層推進されるよう官民一体となって努力することが必要であると存じますし、そのためにも国や地方の行政機関が率先して再生紙の使用に取り組むとともに、国民各界各層にこの普及啓発活動を推進してまいらなければならない、そういうつもりでおるわけでございます。
 特に、コピー用紙がただいま申し上げましたとおりの状況でございますから、環境庁では、その状況を見ながら政府部内での利用促進についてもこれから働きかけを行いたいと考えておるところでございます。また、地方公共団体においても再生紙の利用促進の動きがございますが、このような動きが他の自治体にも広がってまいりますような環境庁の活動もしなければならない、かように考えておるところでございます。
○今枝委員 長官から、世界の趨勢についての御説明とサンプルまで御提示をいただきましてありがとうございました。そのくらい世界の古紙の再生ということに重大な関心が寄せられておるという証左であろうと思うわけでございます。
 次に、国民生活のレベルの向上に伴うごみの増加問題が全国自治体の深刻な問題になっていることは御承知のとおりでございます。ごみ減量化政策の一環として資源リサイクル運動が叫ばれておりますが、各自治体によってその対応はまちまちであるように思われます。
 そこで、去る十一月一日、愛知県の豊橋市で全国都市清掃会議を開催し、古紙問題を切々と訴えた例がございますので、それを御紹介申し上げておきたいと思います。
 当日の参加者二十三団体を代表いたしまして、名古屋市が動議の趣旨の説明をいたしております。
 動 議
    再生紙の利用と紙類の回収について
  社団法人全国都市清掃会議評議員会は、昨今のごみ量とりわけ紙類の急増が、清掃行政に著しい負担となっていること、及び資源の有効利用が必要であることを共通の認識とし、理事及び評議員各会員が次の課題に取り組むことを申し合わせる。
    記
 一、各会員が作成する庁内(社内)印刷物や資料(コピー)等について、可能な限り再生紙を使用する。
 二、庁内(社内)から発生する不用の紙類についても、資源として再利用できるような方途を講ずる。
 〔提案会員〕
 東京都、大阪市、川崎市、岡山市、札幌市、釧路市、仙台市、盛岡市、横浜市、千葉市、名古屋市、新潟市、静岡市、神戸市、京都市、奈良市、広島市、松山市、北九州市、福岡市、長崎市、(株)タクマ、川崎重工業(株)
 〔提案の趣旨〕
  わが国の廃棄物の量は、昭和六十年以降急激に増加し、各自治体ともその対応に苦慮しているのが実情で、ごみ急増対策に関する国への要望は勿論、それぞれが減量化を目的としたPR活動の強化等に取り組んでいるところであるが、減量化の対象となるもののうち、紙類については会員自らが減量化・資源化を実践し得るものと考え、この度「再生紙の利用と紙類の回収について」の申し合わせを提案するものである。
  特に紙類については、生産、流通、消費の段階における使用量の増加、また、古紙市場の低迷から紙類が廃棄物として排出され清掃事業を圧迫しているのが現状で、今後、わが国の産業の拡大に伴って更に増大するものと考えられる。
  そこで、再生紙の利用を拡大し、古紙需要を高めることにより、古紙回収率の復調を促し、以てごみの減量化がはかられるよう期待するところから、会員自らも減量運動の実践を図るものである。
こういうような動議が提出をされておるのであります。ごみ減量化の政策は現下の緊急な課題であると存じます。政府はどのように対処する御意向か、承っておきたいと存じます。
○坂本説明員 最近の消費活動の拡大や事業活動の活発化に伴いまして、ごみの排出量は毎年ふえ続けております。特に大都市において紙の増加等が急増しておるわけでございます。
 排出されましたごみは、焼却して減容化するだけではなく、リサイクルを進めまして廃棄物量を減らすということが重要でございます。厚生省では、従来から地域の実情に応じた廃棄物の資源化、有効利用につきまして指導してまいりましたところでございますが、新たに本年度から廃棄物再生利用総合施設への補助制度を導入いたしまして、その整備を推進するとともに、リサイクルの重要性、啓発等、ごみの減量化対策に努めてまいります。
○今枝委員 厚生省の方の方針は大変焦点がぼけているような気がしまして、現状としてはやむを得ないのだろうと思いますが、どうぞひとつこれから前向きで検討していただきたいと存じます。
 そこで、問題を紙パルプ産業に焦点を合わせてみたいと存じます。
 紙パルプ産業すなわち製紙メーカーは、エネルギー消費型産業であり、多量の重油及び石炭を必要とするのであります。特にパルプ化の工程は、自家発電において熱エネルギーを大量に消費する産業であると言われておるのであります。すなわち、地球温暖化を進行する産業とも言われておるのであります。紙パルプ産業は資源消費型産業であり、また経済の拡大により紙の需要は物すごい伸びを示すものと思われるのであります。つまり資源を消費するわけであります。そこに紙パルプ産業に課せられた問題が生じてくるのであります。改めて古紙を再利用することにより熱エネルギーの消費節約につながり、森林資源の保護にもなると存じます。
 そこで、製紙メーカーの現状と古紙の回収状況についてお尋ねをしてまいりたいと存じます。
 まず、現状の製紙メーカーの紙、板紙の年間生産量はどのくらいか、教えていただきたいと存じます。
○井田説明員 我が国の紙、板紙の生産量は年々増大しております。昭和六十三年度の数字で申し上げますと、紙の生産量は千四百七十五万トンでございます。一方、板紙の生産量が千四十二万トンございまして、紙、板紙合わせまして二千五百十七万トンとなっております。
○今枝委員 膨大な数字で、ちょっと私たちにはその量だとか大きさがよくわかりませんけれども、大変な量だと推定ができます。
 次に、現状の製紙メーカーの古紙の利用量と利用率についても教えていただきたいと思います。
○井田説明員 お尋ねの古紙利用量、利用率でございますが、製紙メーカーにおきましては、従来から古紙の利用に取り組んでおりまして、古紙の利用量は年々増大しております。六十三年度の数字で申し上げますと、古紙の利用量全体が先ほど申し上げました生産量の約半分に達します千二百五十二万トンでございます。これは、例えば十年前の数字と比べまして約一・八倍というような極めて大きな数字になってございます。
 利用率を申し上げますと、六十三年度で、厳密に申し上げますと四九・四%ということでございますが、この数字は、例えばアメリカの現在の数字と比べますと、アメリカが約二六%でございます。世界的に見ましても極めて高い利用水準にあるものと我々は考えておるところでございます。
○今枝委員 ただいまの御答弁のように、大変前向きに古紙利用について製紙メーカーは取り組んでおられるような御答弁でございまして、これは今後も引き続いてそれ以上の使用率ができますように御指導を願いたいと思います。
 次に、現状の古紙の回収量、回収率はどのくらいか、教えていただきたいと思います。
○井田説明員 古紙の回収量も年々増大しておりますが、六十三年度で申し上げますと、回収量が千二百十九万トンでございます。
 回収率でございますが、過去ここ五年ぐらいを見てまいりますと、五十九年度で五〇・七%、六十年度で五〇・二%、六十一年度が四九・七%、六十二年度が四九・三%、六十三年度が四七・五%、若干六十三年度は下がった数字にはなってございますが、先ほど来から申しておりますように、ほぼ五割前後の高い水準で回収率が続いておるという状況にございます。
○今枝委員 大変回収率が高いようではございますけれども、現実はなかなかそのような実感を受けておらないようでございます。引き続いてひとつ御指導をいただきたいと存じます。
 次に、主な紙、板紙の古紙の混入量、混入率についても教えていただきたい。特に新聞用紙、段ボール原紙、印刷用紙、トイレットペーパー、その他についてもわかっておればひとつ教えていただきたい。
○井田説明員 主な紙における古紙混入率でございますが、新聞用紙では、これは企業秘密にも属するようでございまして、また会社によってばらばらであるわけでございますが、推計で約四割程度、今我々が使っております新聞用紙の約四割程度は古紙と言われております。
 それから段ボール原紙でございますが、これも品種によってまちまちではございますが、少ないところで六割、多い段ボールの場合にはもうほとんど一〇〇%古紙ということでございます。
 それから印刷、情報用紙でございますが、これは大体一割程度。これも、多いものは五割ぐらい入っている用紙もございますが、平均で一割程度ということでございます。
 それからトイレットペーパーでございますが、こういったトイレットペーパーとかあるいはティシュ、いわゆる衛生紙と呼んでいるものにつきましては、これも一〇〇%古紙でつくられているものもございますが、平均で約八割というのが現状
でございます。
○今枝委員 最近の紙の軽量化は目覚ましいものがございます。特に、新聞社の合理化に伴い新聞用紙の軽量化が進み、新聞古紙の消費がむしろ減少していると聞き及んでおります。一方では、景気拡大により新聞の増ページも進行しているとも言われております。したがって、古紙の発生量が増加の一途をたどっておるのであります。米国では古紙再生の立法化が進んでおると聞いております。既に六州で立法化がされていると聞き及んでおりますが、その事実はつかんでおられるかどうか教えていただきたいと存じます。
○安原政府委員 米国における古紙利用につきましての立法化の問題でございます。当庁としましても大変重大な関心を持ってその把握に努めたいと考えておるところでございますが、お尋ねの点につきましてはまだ現在情報収集中でございまして、この場で的確なお答えをいたしかねる状況でございます。御理解いただきたいと思います。
○今枝委員 米国では、どうも六州ではもう既に立法化されておると聞き及んでおりますが、どうぞひとつ、できれば早いほどに情報収集をして、御報告いただきたいと存じます。今六州で立法化がされておると言いますが、一方ではさらに十五州においても審議中であるという情報が流れてきております。局長から今お話がございましたように、調査中である、資料収集中であるとおっしゃるなら、その資料が収集されたら、いずれ米国のことについてはぜひひとつ御報告をいただきたいと思うわけでございます。
 そこで、局長が今おっしゃいましたのでさらにお尋ねをするということはどうかと存じますけれども、私の方の手元に入っておるのは、カリフォルニア州では新聞用紙に最低四〇%は古紙をもって構成するよう規定してあると聞き及んでおるが、そういうこともまだ情報未収集でございましょうか。
○安原政府委員 その点につきまして私どもも情報は耳にしておるわけでございますが、米国大使館を通じまして公式にコンファームをしたいと考えておりまして、その点今情報待ちの状況でございます。
○今枝委員 古紙の利用の先進国とでも申しましょうか、アメリカでは非常にそういうことに対して前向きの姿勢で古紙の再生利用、リサイクルに全力を挙げていらっしゃいますので、我が国においてもぜひひとつそういうものを検討をして、これから対処してもらいたいと思います。
 そこで、資源のない我が国には他国にも増して古紙の有効利用に対する強い要請があると存じます。古紙の利用に対する哲学あるいは基本的考え方とでも申しましょうか、志賀環境庁長官からその基本的な理念についてひとつお聞かせをいただきたいと思うわけでございます。
○志賀国務大臣 今枝委員もそうかと思いますが、私なぞもいわゆる駅弁を食べるときにはふたの方から食べる暮らしでございまして、大変物をもったいないとする教育を受けてきた年代であろうかと思います。したがいまして、私ども大事なことは、これは生き物に対してもでございますが、紙のようなものに対しても感謝の気持ちを常に持ち続けながら、これを有効利用をしていかなければいけない。粗末な気持ちを持てば、有効な利用、活用ができなくなります。そこで感謝の気持ちを絶えず持ち続けることが大事なことではなかろうかと考えております。
 それから、もう一つ私が考えておりますことは、ともすれば現代においては自制を失いがちである。セルフコントロールでありますが、みずから制御することを忘れがちである。そして、事情が許せば何でも使い、そしてそれを使い捨てにしてしまって、これを省みてはばからない。これが、現代失われた私ども人類の精神面の大きな欠如の点ではないかと思います。これを補っていくことが、すなわちただいま今枝委員が御指摘の古紙の再生利用、こういうものにつながる一つの哲学ではないかと私は考えておりますので、このような面を大いにこれから若いあるいは幼い者たちにもわかってもらえるようなことをしていかなければいけない、それがひいては人類の目の前に立ちふさがりつつある危機を乗り越える道ではなかろうか、かように考えておる次第でございます。
○今枝委員 次に、米国の各州で規定または法制化しておる、ただいま情報収集中だとおっしゃいますが、古紙の使用について何らかの法制化を検討すべきではないかと思うが、政府の見解はいかがなものでございましょう。
○安原政府委員 古紙の利用促進につきまして、今枝先生からも今るる御指摘のとおりでございまして、国あるいは地方公共団体等公的な機関が率先いたしまして再生紙の利用を進める、その上でさらに国民各界各層に対しまして普及啓発を積極的に展開しまして、協力を求めていくということが何よりも重要であると考えておるわけでございます。このような当面の取り組みの成果の状況もよく見きわめまして、また諸外国の対策の状況も参考にいたしまして、必要があれば何らかの法的な取り組みの可能性も含め、さらに古紙利用促進を強化する方策につきまして十分検討してまいりたい、かように考えている次第でございます。
○今枝委員 どうぞひとつしっかりやっていただきたいと思います。
 次に、志賀長官には、先般オランダのハーグで開催されました会議では取りまとめ役として大活躍をされ、極めて大きな成果を挙げられましたことをよく承知をいたしております。まことに御苦労さまでございました。そこで、将来的には世界的規模で森林保護のため古紙利用に関する条約づくりが必要になると考えるわけでございますが、長官はどのような御所見をお持ちであるか、ひとつお尋ねをいたしたいと存じます。
○志賀国務大臣 ただいまは大変ありがたいねぎらいのお言葉、感謝にたえません。
 そのオランダの会議でも私申し上げてきたことでございますが、地球環境保全のために条約づくりなど、国際的な枠組みづくりが必要であることは私も全く同感でございます。このような考え方に立ちまして私としても、東京会議で提唱されました例の環境倫理という言葉がございますが、この環境倫理に立脚した国際ルールの確立に資するような地球環境保全宣言の採択を目指すことをオランダの会議におきましても提案をしてまいりました。
 また、このオランダの会議では、世界の森林の減少傾向に歯どめをかけ、増減をバランスさせる、さらに二十一世紀初頭からは、純粋にふやすという意味の純増でございますが、純増を目指すという画期的な合意がなされたところでございます。我が国といたしましては、こうした森林資源への取り組みとあわせてこの古紙利用、先ほど来強調しておられる先生のお考えを十分に踏まえて、その利用促進、そして世界全体の社会経済活動を地球に優しい姿に変えていくための国際的な政策の合意推進に貢献してまいりたいと考えております。
○今枝委員 次に、古紙のリサイクルシステムについてひとつお尋ねをしたいと存じます。
 古紙の高度再生利用については、高い関心を持っておるのは事実でございます。古紙の再生を促進するための前提条件となる古紙のリサイクルシステムについて楽観視されがちでありますけれども、現実を直視すれば、古紙はあり余り、集める人は集荷コストもはじき出せない現状で転廃業を余儀なくされているのであります。また、直納問屋は極端な古紙の低価格と大量在庫のコスト高にあえぎ、極めて苦しい経営を強いられているのが古紙業界の現状であるということをひとつ御認識をいただきたいと存じます。そこで、国が幾ら古紙の高度利用を促進しようとしても古紙は集められず、その前の段階でつまずいてしまうというような結果が生まれてくるのではなかろうか、こんな心配をしておるわけでございます。古紙の高度利用は、科学的技術的研究のみならず、発生、流通、メーカーへの納入、各段階を含めたリサイクルシステムのあり方を検討し、適宜な対応策を樹立することが急務であると存じます。そうした
観点から、現状のリサイクルシステムに見られる幾つかの問題点をひとつ指摘しておきたいと思います。
 再生資源の流通を阻害する要因に、製紙原料として再生利用のできない多品種の紙が開発、使用されているということでございます。多品種とは、例えばファックスの用紙あるいは感圧紙、発泡スチロールの混入をしておる紙、こういうことだそうでございます。そのため、材質の不安定さ、ばらつきが従来から指摘されておるようでございます。古紙を円滑にリサイクルさせようと図るのであるならば、古紙を破棄する一般家庭やオフィスに対して、古紙を分別して出すよう啓蒙、PRが不可欠であります。雑誌なら雑誌、チラシならチラシと、排出をきちんと分類する生活慣習の涵養がまず求められると存じますが、政府はどのような考え方でこれに対処していこうとしていらっしゃるか、ひとつお尋ねをしておきたいと存じます。
○坂本説明員 古紙のような資源ごみにつきましては、リサイクルを進めて廃棄物の量を減らすということが重要でございます。厚生省では従来から市町村に対しまして、地域の実情に応じた廃棄物の資源化、有効利用について指導するとともに、環境衛生週間等の機会を通じまして国民意識の啓発に努めてきたところでございます。また本年の十一月に、ごみ減量化を語る女性の会を厚生省は発足させまして、女性の立場からの減量化の考え方をお聞きするとともに、国民意識の啓発に努めてまいりたいと考えております。
 御指摘の、ごみを極力出さず資源ごみを分別することによって有効利用に努めるような生活様式が定着するように、ライフスタイルの見直しを含め、国民意識の啓発に一層努めてまいりたい、かように考えております。
 さらに平成二年度の予算でございますが、広く国民の意識の高揚、関係業界への働きかけ、先導的市町村の啓発を通じて積極的にこのごみの資源化、有効利用等を推進し、ごみの減量化に資するということから、こういう事業を総合的に行うためのごみ減量化促進対策事業費というものを要求しているところでございます。
○今枝委員 自治体は最近、ごみ減らし政策から、古紙の排出団体に対して補助金などをつけて回収を奨励しておる現状でございます。この補助金行政にはいろいろの問題が発生しているようであります。つまり、せっかく補助金をつけて集めても、消費量以上に集まり、古紙は業者の在庫となり、長期の保存で品質が悪くなりごみ化につながり、むだな補助金となるような場合も多々あるようでございます。
 自治体はごみ減量化のために補助金を出しておりますので、今後は古紙の有効利用について政府はどのような施策を講じ、古紙の使用量の拡大を図っていくお考えか、御所見を承りたいと存じます。
○井田説明員 通産省といたしましては、従来からいろいろな施策を通じまして古紙の利用促進のための政策を進めてきたわけでございますが、例えばその一つに、財団法人古紙再生促進センターという団体がございまして、これに対する助成を行っております。そのセンターの行っておる事業は多々ありますが、例えば例を申し上げますと、古紙を使いましたいろいろな製品にグリーンマークというようなマークを表示いたしまして、学校等でそういうマークをある程度集めましてそしてセンターに送りますと、センターからいろいろな苗木あるいは球根といったものを学校等に贈るというようなグリーンマーク制度を行っております。それからまた、このセンターは古紙を使いましたいろいろな製品の開発に努めておりまして、例えば一〇〇%古紙入りの封筒を試作いたしまして、これを官公庁等希望いたしますところに配付しまして、実際に使っていただいてどういうような問題があるかないか、モニター調査を実施する等に努めてきたわけでございます。あるいはまた、古紙を製紙原料以外にも使えないかというようなことで、我が国としてはいろいろ研究に努めておりまして、例えば古紙からエネルギー源となりますメタンガスをつくれないかということで、メタン生産型の古紙再生処理技術というようなものの実用化開発につきまして補助金を交付する等の施策を講じてきたわけでございます。
 こういうようにいろいろやってまいりましたけれども、先生御指摘のとおり、今後ごみの減量化を初めといたしまして森林資源の保護、省エネルギーの推進という観点から古紙利用の拡大を一層進めていく必要があると考えておりまして、例えば先ほど申し上げましたグリーンマーク事業でございますが、対象となる商品をもっと拡大するとか、あるいは今贈っております苗木にかわりまして再生紙を使いました学習帳といった文房具を学校に配付するというようなことを通じまして、制度の拡充に努めたいと思います。
 それからまたもう一方で、メーカーに対する指導も非常に重要と考えております。すなわち、製紙メーカーが再生紙を安定的にかつ大量に供給する必要がございます。これは従来から指導してまいっておりますが、引き続き指導を続けていきたいというふうに考えておるところでございます。
○今枝委員 大分時間も迫ってまいりました。申しわけございませんが、もう一、二の問題をお尋ねしていきたいと思います。
 ただいま課長からお話がありましたように、苗木だとか球根というようなものは、やはり都市においてはなかなか庭というもの、そういうような条件が整っておりませんので私は心配をしておりましたが、今のお話を聞いておると、今度は再生紙だとか学用品を子供に与えていくということなんかは、まことにユニークな一つの発想であると私は心から敬意を表するものでございます。どうぞひとつ、学校だけじゃなしに、職場までそういう制度がどんどん伸びていきますことを御期待をするわけでございます。
 近年、アメリカ及びヨーロッパの先進諸国では、再生資源を流通させ消費する企業に対して、環境保護の高まる役割を果たしておる、こういう点から、税制面や行政面で手厚い保護、助成を与えられていると言われております。先ほど局長がおっしゃったように、情報収集、未収集とあるならばこれはやむを得ませんが、そういうようなことはヨーロッパやアメリカの方ではやっておるということをひとつあわせて収集の条件として、ぜひこれから情報を収集して御検討いただきたい。我が国でそのようなことがこれから配慮されていけるかどうかということもあわせて検討をしていただきたいと思うわけでございます。
 次に、製紙メーカーは、自治体のごみ減らし運動から古紙がコンスタントに出てくるとして、一つ、品質管理化、これは品質のよいものを納入させるということだそうでございます。二つに、価格の低位安定、低い価格で安定をさせたいという考え方を持っておる。あるいは、在庫減らし、こういうような三点を強力に進めているのであります。これが流通業界を圧迫し、古紙のリサイクルシステムの健全育成に大きな妨げになっておると言われております。
 こういう行き過ぎたこれら三点のメーカー対策について、ある一定の歯どめをかける必要があるのではないか。そうしなければ古紙のリサイクルシステムは円滑に作動しないと思われるのであります。とりわけメーカーの在庫減らしは極端な流通在庫へのシフト化をもたらし、これがもとでリサイクルシステムが硬直化していると言われておるのであります。品質、価格等については需給双方のコンセンサスが前提とされるような環境をつくらねばならないと思うが、その点について通産省はどんな考え方を持っていらっしゃるか、お尋ねをしたい。
○井田説明員 今、先生から製紙メーカーの問題点を御指摘いただきましたが、そういう面があることは事実でございます。
 ただ、ぜひ御理解いただきたい点は、製紙メーカーが古紙を再利用していく上で非常に大きな問題がございます。これは古紙の中にいわゆる原料として使える紙以外の異物が多種混入しているこ
とでございまして、これをまず除去しない限り原料として使えないというわけでございまして、メーカーは、古紙の品質管理、いい古紙をぜひ買いたいということで相当厳しく回収業者に指導しているというようなことは事実でございますが、ある程度品質管理はやむを得ないというのは御理解願いたいと思います。
 それからまた、現在、古紙価格が非常に低迷しております。これはメーカーにとりまして低価格である方がいいことは事実でございますが、余り値段が下がりまして回収システムが崩壊するようなことになりますと、製紙メーカーとしては非常に困るわけでございます。我々、今古紙価格が低迷しておりますのはあくまで需給の緩和状況にある、すなわち古紙を使いました製品に対する需要が非常に伸び悩んでおるということから、古紙を集めてもなかなか利用する量が少ないというようなところで古紙需給が緩和しているのが原因であろうと見ております。また、在庫の話が御指摘ございましたけれども、私ども調べましたところ、メーカーのいわゆる古紙在庫でございますが、月々確かに変動はございますが、過去数年を見てみますと、それほど大きな変化はないというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、この古紙利用を促進していくためには、何といいましても再生紙のニーズの拡大、コストダウンということが不可欠でございます。先ほど来申しております財団法人古紙再生促進センターの啓蒙普及活動あるいは製紙メーカーに対する指導、こういうものを引き続き行いまして、需給双方の面から古紙利用拡大に取り組んでいきたいと思っております。
○今枝委員 現状としての御報告を受けたわけでございますが、問題は、リサイクルシステムが硬直化しないようなひとつ御指導をこれから進めていただきたいと思うわけでございます。
 そこで、通産省にもう一つお尋ねをしておきたいのですが、メーカーの在庫量というのは、何か規制というか義務づけられたようなものがございますか、その点ひとつおっしゃっていただきたい。
○井田説明員 特にそのような義務づけはやっておりません。
○今枝委員 最後に、ひとつ環境庁長官にお尋ねをしたいのでございます。
 世界的な規模における環境問題、森林保護問題に適切に対処し、国際世論の非難を浴びないためにも、古紙の有効利用促進は近年の主要な政策課題であると確信するものでございます。かかる観点から、古紙の流通システムをあらゆる角度から見直し、検討し、より豊かなリサイクル社会を形成すべく政府と国民が一体となって運動を展開し、その実を上げるべきであると思うのでありますが、環境庁長官の最後の御見解をひとつ承りたいと存じます。
○志賀国務大臣 おっしゃるとおりだと存じます。資源のリサイクルを促進することは、限りある資源の保護や省エネルギーにつながることでございますし、地球環境の保全に大きく貢献することでもございます。環境倫理のいわば根幹をなすものであるという認識に立っております。政府としては、本年の六月の地球環境保全関係閣僚会議におきまして、「省資源、省エネルギーの推進等地球環境への負荷がより少ない方法で経済社会活動が営まれるよう努力する。」ということを申し合わせの中に織り込んでございます。また、さきの東京会議や先ほど御指摘のハーグ会議におきましても、すべての国が社会経済活動及び生活様式を環境保全上健全なものに変える、そういう必要があることをその宣言に盛り込んでございます。
 これらの点を踏まえまして、国民各界各層の協力を得つつ、リサイクルを初めとする地球環境の保全のための活動を一層強力に推進してまいりたいと存じております。
○今枝委員 大変ありがとうございました。
 どうぞひとつ今後は再生業者そして古紙業者の円滑なリサイクル活動ができますように御指導を賜りますことをお願い申し上げまして、質問を終わります。ありがとうございました。
○熊川委員長 春田重昭君。
○春田委員 私は、本日の質問に当たりまして、四つの角度から御質問を展開してまいりたいと思います。一つは二酸化炭素の問題、一つは政府開発援助の問題、三番目は水の問題、最後に地球環境保全に対する国会決議の問題です。限られた時間でございますので、どうかひとつ簡潔に御答弁をいただきたいと思っておるわけでございます。
 オランダのハーグ郊外で行われました大気汚染と気候変動に関する閣僚会議、長官も御出席されたわけでございまして、大変に御苦労さまでございました。
 先ほどのごあいさつの中では、この宣言、大変画期的な宣言である、こういうことでございますが、その宣言の取りまとめに我が国のとった行動が必ずしも評価はされてない、むしろこの地球環境に対する消極的な態度ではないかという批判の声が出ているわけでございますけれども、ひとつ御出席された長官の率直な御感想をいただきたいと思います。
○志賀国務大臣 御指摘のとおり私出席をいたしました当事者といたしまして、私の率直な見解を申し述べさせていただきたいと存じます。
 二酸化炭素の排出抑制につきましてはヨーロッパ諸国、特にイギリスを除きますがEC諸国あるいは北欧等の諸国と、もう一つ米、英、ソ、中国あるいは日本などとの間で意見が分かれたわけでございます。我が国は、この温暖化対策を進める上で、二酸化炭素の主要な排出国である米国、ソ連等を含めて参加国の合意を形成しなければならない、そして閣僚会議として一致した宣言を取りまとめることが何よりも重要なことであるというふうに理解をいたしました。もし、この意見が二つに分かれたままでありますと、宣言である以上は両論併記ということは当然考えられませんし、もしこの宣言が取りまとめられないままに分裂状態で終わるというようなことになればその後の国際政治に与えるであろう悪影響ははかり知れないものがある、よって、これを一本化してその宣言を取りまとめなければいけないという考えに立ったわけでございます。
 そのために、要するに一本化のために、日本としてはこの二つの間に立ちまして、両論の間に立ちまして、中間的ないし建設的な意見を述べながら、双方の歩み寄りを求めつつ一本化に努めたわけでございます。もとよりこれは非公式にいろいろ進めまして、そして議長国のオランダや北欧等の諸国の歩み寄りを引き出すことにも積極的なイニシアチブをとって成功いたしまして、全会一致の合意を見た、こういうことでございます。
 世界の環境大臣クラスが二酸化炭素等温室効果ガスの排出の安定化について合意をしたことは、先ほども申し上げました各国の取り組みに今後弾みをつけるものとして私自身高く評価をしておる次第でございます。
○春田委員 当初のオランダ案には、この二酸化炭素につきましては二〇〇〇年までに現状凍結である、それから二〇〇五年までには二〇%削減、こうなっていたわけでございますけれども、このオランダの当初案に反対した国はどこの国なのか、ひとつ御答弁いただきたいと思うのです。
○安原政府委員 ただいま先生御指摘のオランダの会議にかけました原案でございますが、先生おっしゃるとおりCO2の排出抑制の問題につきましては、先進国は二〇〇〇年より遅くない時期までにCO2の排出を現状レベルに安定化させる必要性を認識する、そして二〇〇五年までにCO2の排出を二〇%削減する案の実現可能性を検討する、そういった内容でございました。これに対しまして同意できないというのは、先ほど大臣からお話がありましたが、主要国といたしましては米国、ソ連、英国、日本等でございました。
 そこで、なぜ我が国がそれに同意できなかったかという点を御説明させていただきたいわけでございますけれども、我が国としましては、CO2の排出の抑制あるいは安定化の必要性は十分認識
するというものでございますが、あわせて世界経済の安定的発展を図っていく必要があるということでございまして、専門家による十分な検討をすることが必要ではないか、現段階ではまだオランダ案につきましてそういう十分な検討が行われている状況にないという認識でございます。そこで、オランダ案のように具体的な安定化のレベルとか時期を定めまして直ちにそれにコミットするということはなかなか難しい問題であるということであったわけでございます。
 そこで、我が国としましては、先進国が進んで省エネルギー対策を実施しましてCO2の排出の抑制方策をとっていくということは当然でございますが、あわせて、今この問題につきましては専門家レベルということで政府間パネル、IPCCで検討が進められておりますので、このIPCCに対しまして定量的な抑制目標の実現可能性を検討してもらいまして、その検討結果を来年の秋に予定されております中間報告に盛り込んでもらおうというのが適当な対応ではないかということで、我が国の見解を申し述べたわけでございます。
 それが一つのベースとなりまして、先ほど来環境庁長官の方から御説明がありましたように、いろいろな調整努力が重ねられまして関係国の同意が得られたということで、全会一致の合意に到達したということでございます。
○春田委員 参加した国は七十数カ国でございまして、この当初オランダ案に反対したのは五カ国だけである、こうなれば、やはり日本が消極的であるととられても仕方ないんじゃないか、私はこう思うわけでございます。新聞報道では、我が国のとった対応は、要するに米国からの要請によってオランダ案には反対した、先ほどの長官のごあいさつの中でも、まとめられなかった、国際的に多大なる影響があるということで御答弁があったわけでございますが、そういった面も配慮されてこういったオランダ案に反対されたのか、それとも我が国独自で判断して当初のオランダ案には反対したのか、どちらですか。
○志賀国務大臣 米国からの要請を受けてということはございません。私、米国のウィリアム・ライリー環境保護局長官にお目にかかったことは事実でございますが、彼の一方的な見解といたしまして、自分たちの態度はこうである、我が国はたとえ一カ国になろうとも自分たちの意思はこのとおりであるという強い意思表示がございました。それに対して、日本はだからこうやってくれというお話は全くございませんでした。でありますから、アメリカに引きずられたとかアメリカのことをあくまでも主にして我々が従になって考えた、こういうことではございません。その点は明らかにしておきたいと存じます。
 もう一つ御理解をいただきたいと思いますことは、ただいま春田先生御指摘の国々がCO2排出の半分以上をしておるのですね。ですから、この国々がオランダ宣言の蚊帳の外に出てしまったならば、事実上この宣言というものはどれだけの意味を持ち得たであろうかということもひとつ考えなければいけない。そういう点も考慮に置きまして、先ほど申し上げました国際政治の悪影響を避けるという面もございますが、同時に実効的な地球環境問題も念頭に置いて私どもは対処した、このように御理解を賜りたいと存じます。
○春田委員 二酸化炭素の増加と温度上昇の因果関係は明らかになっているのですね。しかし、どれくらいの温度が上がるか、それによってどういった海面上昇が起こるか、そこまではまだ明確にはなっていない面もあります。したがって、先ほど安原さんがおっしゃったように、専門家会議でそういった科学的な知見を十分得るのは私は重要であろうと思います。しかし、UNEPのトルバ事務局長はいみじくも、確実な根拠を待っていたら手おくれになると。その間地球環境破壊のスピードは進んでいるわけであって、決してとまらないわけでございます。したがって、どの時点でか各国が利害を超えてこの地球といいますか、とうといかけがえのない地球を守る、手をつなぐというのが私は大事であろうと思うのです。したがって、遅いより早い方がいいわけです。
 我が国がなぜそのように非常に批判されるかといえば、それは過去にある。例えばフロンガスの規制においてもその対応が二年おくれたと言われているわけでございまして、また象牙の取引の全面禁止提案にも我が国は棄権をした。そういった問題もあって、地球環境問題については、日本は言葉では確かに国際会議を東京で開きましたと言うけれども実行は伴っていないのじゃないか、やはりそういった批判があるわけでございまして、今回取りまとめて、そういった五〇%以上出している米ソ並びに中国やイギリスをなだめてそしてこちらの方に近づけたんだという長官のお話でございますが、私はむしろ、そういった国々がオランダ案に近づくようなそういった行動をとる、そういった姿勢をとることが国際的に評価される一つの要因になるのではなかろうか、こう思うわけでございます。
 そこで、局長からもお話がございましたけれども、来年の八月にIPCCの全体会議でこの因果関係につきまして報告がされる。それを受けて十一月の第二回世界気候会議があるわけです。我が国も当然参加すると思うのですが、この宣言を見ますと、炭酸ガスにつきましては削減でなく安定化となっておりますね。いわゆるこのIPCCの全体会議、そして、第二回の世界気候会議、この中で日本が関与した場合、当然関与すると思うのですが、この場合においてこの二つの会議が非常に重要になると思うのです。そこで、この会議におきまして日本としてはいわゆる削減という強い姿勢を先ほど言った理由から出すべきではないかと私は思いますけれども、環境庁としてはどんなお考えを持っておりますか。
○古市政府委員 ただいま御指摘の点でございますけれども、お話しのように、現在オランダの会議におきましても、それらの詳細な点についてはIPCCで現在進行している作業を待つ、その作業を全面的に支援するという形になっております。我が国からもそのワーキンググループの第二、第三の中には議長国なりそれぞれ枢要なところに専門家を派遣しておりますので、その審議に全面的に協力をしていきたい、その結果を見て我が国の態度が決まってくるという形で、現在の段階でそれを予見して申し上げるという形はできない、こういうことだったと思います。
○春田委員 それからもう一点、この宣言には、二〇〇〇年までに排出量を安定化させるのは多くの先進工業国という文章になっていますね。すべての国となっていないわけです。ここに逃げ道があるように思うのですけれども、日本としてはいわゆるこの項目に入る国なのかどうか、その辺のところはどういう御所見をお持ちか、答えていただきたいと思うのです。
○安原政府委員 宣言案につきましては、もう御案内のとおり、すべての参加国が安定化を図る必要性を認識するというのが第一点でございます。そのうち先進工業国はIPCCと、一九九〇年、来年の十一月の第二回世界気候会議で検討される水準にできるだけ早期にその排出を安定化させることに合意するというのが第二点でございます。それから第三点は、先生今御指摘の、多くの先進国の見解によれば炭酸ガス排出の安定化は遅くとも二〇〇〇年までに達成されるべきである、こういうことになっておるわけでございます。
 そこで、すべての先進国が合意しましたのは先ほど申しました第二の点でございまして、したがいまして現段階では、CO2の排出を安定化させるべきレベルというものがIPCCあるいは第二回世界気候会議で検討されるということになっておりますので、その安定化させるべき時期もそれとの関連で検討されることになるというぐあいに理解しておりまして、すべての国が第三の点につきまして直ちにコミットするには至らなかったというものでございます。
 そこで、それじゃ多くの先進国の範囲はどうかということでございますが、特にどの国とどの国ということではっきりしているわけではございま
せんが、私どもの理解としましては、その会議におきまして当初オランダの原案に賛成いたしておりました、英国を除きますECとか北欧等の諸国が入るのではないかと理解いたしております。
○春田委員 カナダのトロントにおいてはすべての先進工業国となっておるのですよ。ところがオランダのハーグの今回の会議では多くの先進工業国、そういった形で逃げる形になっておりますので、十分その辺のところは監視していきたいと思っております。
 ところで、このまま推移していけば四十年後の二〇三〇年には産業革命のときから二酸化炭素が約二倍になる、その結果温度が最高三・五度ですか、プラマイ一度ぐらいあるらしいのですが、上昇する、それによって海面上昇が二十センチから百十センチになる、こういった報告がされているわけでございます。
 建設省の方にきょう御出席いただいておりますが、その影響度について建設省としてはどのように研究、検討しているのか、お答えいただきたいと思います。
○定道説明員 海面の上昇の規模によって影響の度合いはいろいろ異なるわけでございますけれども、現在定性的に勉強しております。
 影響の考えられる項目といたしまして、一つが低平地の災害のポテンシャルが増大するということでございます。二つ目に、海面上昇が起きますので当然海岸侵食が起こります。それからまた、海岸保全施設の機能が当然低下するということが考えられます。三番目には治水の安全度。河川の海面が高潮とかでずっと上がりますから、危険が増大し安全度が低下する。それから四番目には、河口部におきましては地下水が当然塩水の影響を受けたりいたします。そういうことから水利用の面でも影響を受けてまいるということでございまして、これは決して期待するわけではございませんので、現在いろいろなケースについての勉強を局内でやっているところでございます。
 以上でございます。
○春田委員 海面上昇が二十センチから百十センチでございまして幅があるのですが、もし仮に最高の一メーター十センチ上昇があった場合、今御説明ございましたけれども、例えば海岸周辺が大変な被害になってくるのじゃないかと思うのですが、例えば東京湾周辺の建物が浸水される、それから銀座方面まで海水が流れてくるのじゃないか、そういったことは考えられませんか。
○定道説明員 海面が先生御指摘の一メーター二十上がりました場合に、平常時におきましては、ちゃんと水門もございますしそれから低い土地の水を海に吐くポンプもございますので、海水が入ってくるということは考えられません。しかし、先ほど申し上げましたように海面が上昇しますと、台風が来たときに高潮が起こりますが、その部分だけ相対的に堤防が低くなりますので危険が増大するということでございます。
○春田委員 そうあってはならないわけでございますけれども、今後建設省ではひとつ大いにその研究等図っていただきたいと思っております。海面上昇によっては、稲作の問題とかその他もろもろの影響があろうと思うのです。
 そこで私は、環境庁の方に提案いたしますけれども、こういった二酸化炭素の増加による温度上昇、それによるいろいろな影響が出てくるわけでございますから、いわゆる検討委員会等を環境庁を中心にやるべきではないか。また、先ほどの二酸化炭素の削減による影響も、例えば自動車業界とか電力会社、鉄鋼関係その他、もろもろの影響があるわけですね。通産省とか運輸省、建設省等々を大体集めて現在政府に関係閣僚会議がありますけれども、それはあくまでもトップクラスでございまして、事務的なことを検討する委員会というものがこの時点で必要でないかと私は思うのです。そういった点で環境庁の御所見をいただきたいと思うのです。
○古市政府委員 ただいまの御指摘のように、トップクラスでは地球環境保全関係閣僚会議がございまして、その方針を踏まえて幹事会議で各省庁連携をとってやっているわけでございます。それからまた、ただいま御指摘のような地球温暖化、海面の上昇等、関係省庁でそれぞれ検討会をつくってやっておりまして、その情報交換もやっております。それから各省が持っております学識経験者の中には幾つかの省庁に入っている方もおられまして、実態上情報交換はできているわけでございますけれども、今後の大きな問題でございますので、環境行政の総合的な責任を持つ環境庁といたしまして、必要な部会を設けることも検討してまいりたいと思っております。
○春田委員 次に、政府開発援助の問題について質問をいたします。
 我が国の政府開発援助予算は、平成元年度におきまして約一兆四千億円であります。さきのアルシュ・サミットで、政府は向こう三年間で環境分野のODAを三千億円に拡充する国際的な表明をされました。三千億は単純平均で一年間に一千億円の増加でございます。この一千億のうち、環境庁に関係する予算を見ますと、平成二年度において既に二億二千万概算要求が出ているわけでございますが、平成元年度が一億円でございますから、わずか一億二千万の上積みである。この一億二千万は、一千億円のうちわずか〇・一%でしかないわけでございます。
 地球温暖、地球環境が世界的な問題になっている今日、そのかなめの環境庁としてこれで地球環境保全のリーダーシップが発揮できるかどうか、私は疑念を持つわけでございますけれども、長官の御所見をいただきたいと思うのです。
○渡辺(修)政府委員 先生御指摘のように、私ども環境庁の予算に計上しておりますODAは、今年度で一億、来年度要求で二億強という小さな金額ではございます。
 我が国のODAの今の予算計上の仕組みを御説明させていただきたいと思いますが、大きな柱として有償資金協力、無償資金協力、技術協力あるいは国際機関への拠出というものがございます。外務省やJICAが中心になって進めているわけでございまして、実際に仕事をする段階では私どもも相談に乗りまして、環境に役に立つような分野に使われるように努力をしているわけでございます。環境庁自身の予算に計上しているものは、外務省やJICAが相手国の要請に基づいて行う協力の前の段階のものでございまして、基礎的な環境の状況を把握するためとか情報の整備に関するもの、こういう分野について私どもみずからの予算に計上しているということで、基本的に金額がそう大きくならないということでございます。
 しかしながら、一昨年の六十二年度の段階で私どものODA予算は一千七百万でございましたので、来年度の二億余の要求は、この数年間で十倍にもなっているということでございます。ASEANへの協力を強化するとか、地球環境問題に対する途上国の御理解を深めていただく、こういう新しい分野も含めまして、これから大いに拡充強化をしていきたいと思っております。
○春田委員 確かにシーリング等でかなり厳しい査定がされているわけでございまして、そういった中では一六七%とか二〇〇%とか、数字の上ではかなり大きいと思うのですが、絶対量が低いのですから。一千億円のうちわずか〇・一%なのです。そういった点で、もうちょっと環境庁として予算もとっていただきたいと私は長官にお願いしておきます。
 そこで、我が国の政府開発援助でございますが、金額面だけ見ても、今や米国に次ぐ世界第二位となっておりまして、大変な事業でございます。しかし、そのODAの事業の内容に至っては、種々問題が提起されているわけです。
 私の手元に、五ページにわたる環境的配慮を欠いたプロジェクトということで出ておりまして、ちょっと時間がありませんのではしょって代表例を幾つか挙げますと、インドネシアにおけるブランタス川の流域総合開発計画、ガーナにおけるボルタダム、それからマレーシアのテメンゴールダム、パキスタンのタルベラダム、スリランカのマハベリ川地域開発計画、パラグアイの南部パラグ
アイ農林業総合開発、ブラジルの大カラジャス計画等が、非常に環境的な配慮を欠いたプロジェクトであるということで実は問題になっておるわけでございますけれども、せっかくの援助が被援助国のそういった環境を破壊して、かえって恩が仇になっているのですね。
 その原因は、十分な調査が行われてなくて援助されている、またその国の主権や法律にゆだねざるを得ない、そういった側面もあろうかと思いますけれども、例えば米国の場合には、開発援助につきましては、事業と環境保全を大体セットにしながら援助している。そこへいくと我が国の場合は、お金や需要やそれだけであって、環境面の配慮は今まで欠いていた、こういった点がございますので、今後の援助につきましては、そういった米国方式、やはり環境保全も一体とした援助にすべきである。向こう側がそれを受けつけなかった場合については援助しないという形にしなかったならば、トップクラスはわかっておりますけれども地元住民にとってみればわからないし、要するに環境破壊になっておるわけでございますから、私はやはり、今後政府開発援助につきましては環境庁がそういった点で十分配慮をしていただきたい、こう思いますけれども、どうでしょうか。
○安原政府委員 春田先生ただいま御指摘のとおり、ODAプロジェクトを実施していきます際に、環境配慮を徹底するということは極めて重要な事柄であると考えております。この点につきましては御承知のとおり国際的にも取り上げられておりまして、OECDから関係国に対しまして環境配慮を徹底するようにということで勧告も出ておるわけでございます。
 それを受けまして環境庁といたしましては、この環境配慮の基本的な方向につきまして報告書をまとめまして、それに基づきまして関係省庁に働きかけをやったわけでございます。また、先ほど出ました地球環境保全に関する関係閣僚会議におきましても六月三十日に基本的な方向を申し合わせておりますが、その一項目の中に、政府開発援助の実施に際しまして環境配慮を強化するということを閣僚会議でうたっておるわけでございます。これに基づきまして関係省庁におきましても、具体的な援助の実施機関でございますJICAとかあるいは海外経済協力基金におきましてその具体化の作業を進めておるということでございます。ガイドラインの整備あるいは体制の整備ということをただいま進めておるところでございます。
 アメリカの例に言及がございました。確かにアメリカの場合には、法律に基づきまして環境アセスメントをやっておるという体制になっております。この問題につきましては、先生もお触れになりましたように、相手国の主権の問題もございますし、それから相手国の事情というのは区々まちまちな面がございます。そういうことも踏まえながら、弾力的に、しかも環境配慮を徹底していくという手法が必要かと考えておりまして、法制化の問題につきましてはなお慎重に検討すべき問題ではないかというぐあいに感じているわけでございます。
 当面私どもとしましては、先ほど申しましたように具体的な援助実施機関のガイドラインの策定、それに基づく的確な環境配慮の徹底ということで進めていきたい、しかもその審査に当たってはそういう責任体制をきちっとしていただくということが肝要かと考えている次第でございます。
○春田委員 私は、このODAの事業だけじゃなくして、やはり民間企業におきましての海外投資、これにつきましても十分なる指導と監視が必要であろう、こう思っておりますので、その点もひとつ環境庁が十分なる指導、監視をしていただきたい、このように要求しておきます。
 次に、水の問題です。私は山紫水明という言葉が大好きでございまして、長官も本当にこういった言葉が好きであろう、こう思うわけでございます。おいしい水、それから豊かな緑、澄み切った空気、これは環境の三原則でございますが、私は大阪でございまして、大阪の飲料水は淀川に頼っている。大阪府民約八百八十万の貴重な飲料水となっているわけでございます。この淀川の水が残念ながらまずい。また夏の時期になりますと水臭い。それから、そういったことによって塩素を投入することによってトリハロメタンが発生する危険な水である、こういったことで大変評判が悪いわけでございます。環境庁の水質調査でも、六十二年度は環境基準値三ppmを上回って汚染度が高いという報告がされております。そこで、この淀川の汚染の原因等を調べてみますと、産業用の排水とともに生活の雑排水が非常にウエートが大きいわけでございます。
 そこで私は、この汚染の対策といたしまして、一つはやはり公共下水道を普及していく。ところが公共下水道の場合、大体国の予算では年間二兆円と少しです。それで全国的なベースで約一・五%の進捗しかしない。したがって、大体今、公共下水道が普及しているのが全国的で四〇%でございまして、六〇%が未整備である。一・五%の毎年の進捗からいけば、大体あと四、五十年かかってしまうわけです。そういった点で下水道の整備には相当長期間、また莫大な資金がかかる。こういった点で今特に評判がいいのが合併浄化槽、これは単独浄化槽と違いまして生活雑排水もきちっと浄化する、こういったいわゆる合併浄化槽があります。汚染度二〇〇ppmが出口では二〇ppmという形で、いわゆる公共下水道にかわるそういった一つの、相当低いことで今見直されているわけでございます。昭和六十二年度にこれが創設されまして、年々普及化が相当広がっていっております。
 そこで質問するわけでございますが、実はこの補助対象範囲が下水道の事業計画地域には適用されないのです。大阪府域でもほとんどが下水道の事業計画になっておりますので、実は合併浄化槽がつけられないというか、補助金が出ないとなっております。したがって、それが結局淀川に生活雑排水としてたれ流しになって、汚染度の大きな原因となっているわけです。そういった点で私は、厚生省の補助基準でございます下水道の事業計画地域を見直して、水道水源の河川については合併浄化槽はもう一番先に補助対象の項目になっておるわけでございますから、この辺のいわゆる事業計画の地域を取っ払ってすべての地域を合併浄化槽の補助対象にしていただきたい、私はこのように思うわけでございますけれども、厚生省からの御答弁をいただきたいと思います。
○櫻井説明員 合併処理浄化槽の設置整備事業につきましては、公共用水域の水質保全という観点から昭和六十二年度に発足をいたしまして、先生御指摘のとおり下水道の事業計画区域外を対象にいたしまして鋭意進めておるわけでございまして、おかげさまでこれを実施する市町村も大変ふえておるわけでございます。
 ただいま先生の方から、この対象区域といたしまして下水道の事業計画区域という限定を外す考えはないかという御指摘でございますけれども、淀川の状況あるいはまた下水道の進捗状況るる御指摘ございまして、私どももそれなりに承知をいたしておるわけでございますが、やはり国の補助金という形で限られた財政の制約の中で進めていくということでございますので、下水道の事業計画のある地域におきましては計画どおり下水道を進捗させていただく、そして区域外におきまして私どもの方で合併処理浄化槽の設置を促進をしていくということで、それぞれが努力をしていくということが重要ではないかというふうに考えておりますので、御了解願いたいと思います。
○春田委員 しかし、下水道には先ほど言ったように大体五カ年計画で十兆円か十二兆円ですよね。一年間に一%か一・五%しか進まないわけですよ。待っておれないのです、やはり莫大な資金が要るわけですから。そういった面では、この合併浄化槽につきましてはそういった区域を見直すことを私は強く要求して、またこの問題につきましては次の機会にやらせていただきたいと思います。
 さらに、おいしい水の供給のため現在大阪府で
実験プラントでやっております高度浄化処理の問題です。
 最近、大阪府がアンケート調査をやりましたところによりますと、非常に府民の方たちの期待度が高いのですね。ただし、若干コスト的に高くなります。したがって、高くなりますけれども、国がこれに助成措置をやっているわけですね。そういった面で、その助成額を大幅といいますか、思い切った積極的な助成をして、この高度浄化処理によってできた水が府民の皆さん方に安くておいしい水として供給できるように国の特段の御配慮をいただきたい、こう思うわけでございますけれども、この点についても厚生省から御答弁いただきたいと思うのです。簡単に。
○藤原説明員 簡単にお答えいたします。
 六十三年度から厚生省では新たに高度浄水処理施設の補助制度を設けさせていただきまして、六十三年度は十六億円、それから平成元年度は二十億円、平成二年度の要求を現在させていただいておりますが、この要求の案では二十五億円ということで、順次この高度浄水処理施設の補助金を増加させていきたい、こういうことで努力いたしておるところでございます。
○春田委員 この淀川は琵琶湖から流れる宇治川と、それから奈良県から流れてくる木津川と京都から流れてくる桂川の三川が合流して一本の淀川となっております。そのうち、特にこの桂川の汚染度が非常に高いのです。したがって、この汚染度の高い桂川の水を淀川に直接流さないで、第二水路というべき流水保全水路という計画が現在建設省であるやに伺っているわけでございますけれども、現在どの段階に来ているのか。具体的に事業に着工するのは大体いつぐらいなのか、完成はいつぐらいなのか、その辺を御答弁いただきたいと思うのです。
○矢野説明員 御説明申し上げます。
 流水保全水路整備事業は、河道内に新たな低水路を設置いたしまして、先生御指摘のとおり汚濁流入水を現在の低水路と分離をいたしまして、必要に応じて浄化をしながら流下をさせて、流水の適切な保全を図ることを目的とした事業でございます。淀川の流水保全水路整備事業につきましては、昭和六十二年度に新規採択をされたものでございます。御指摘の桂川の支川でございます天神川あるいは西高瀬川といった水質汚濁が著しい流入支川等を、この新たに設置する保全水路に分離をして流そうという計画でございます。
 竣工の時期あるいは計画の諸元、総事業費といったものにつきましては、現在現地で実験水路をつくりまして実験を行っております。この実験の結果を見て計画の諸元、総事業費等が決まってまいりますので、それが決まってきませんとその竣工の時期については今明言することができないというのが実情でございます。
○春田委員 いずれにいたしましても、この淀川の水質を浄化するということは、おいしい水の供給にとどまらないで水辺の環境整備へもつながってまいりますし、現在この淀川河川敷を利用する若者や家族のスポーツ、レクリエーションにも大きな影響を与えるのですね。利用価値が広がると思います。したがって、各省庁が相協力してひとつ早急にこの淀川の汚染された水を浄化していただきたい、かように要望しておきます。
 最後に長官にお尋ねいたしますが、地球環境保全に関する国会決議について御提案を申し上げたいと思います。
 この決議は、ことしの六月、衆参の環境常任委員会におきまして決議がされております。しかし、国会決議はされていません。さきの予算委員会で、海部首相も我が党の市川書記長の質問におきまして、その趣旨には十分賛成できるという御答弁をいただいているわけでございますが、志賀長官の御所見をひとつ賜りたいと思います。
○志賀国務大臣 春田委員おっしゃるとおり、六月に本委員会におきまして決議していただきました内容については、その趣旨を踏まえましてその後政府において地球環境保全に関する関係閣僚会議の申し合わせがなされ、環境庁としてもその内容に沿って各種施策に努めているところでございます。
 各院で決議するか否かにつきましては、各院における各党各会派の方々の御判断によるべきものでございまして、行政府としてはただいま意見を申し上げる立場にないと存じますので、そのようなことで私どもは対処、対応させていただこうと考えております。
○春田委員 終わります。
○熊川委員長 この際、休憩いたします。
    午前十一時五十八分休憩
     ────◇─────
    午後零時三十一分開議
○熊川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。新村勝雄君。
○新村委員 大臣にお伺いいたしますが、大臣には先般ノルドベイク会議に御出席で、大変に御活躍をいただいて敬意を表するところでございます。そこで、この会議ではCO2の排出量の凍結等大変重要な宣言が採択をされたわけでありますが、ただ、伝えられるところによりますと、日本政府の行動、方針等について、どうも環境維持、環境政策について消極的であったという論評があるわけなのですが、日本政府が終始消極的であった、あるいはまたアメリカ追随であったというような論評が実はあるわけでありますけれども、これらについては大臣、どう評価をされますか。
○志賀国務大臣 日本は環境問題に関して消極的であったかのような評価ないし報道があったことは事実でございます。ただ、私の見解を率直に申し上げさせていただくならば、先ほど春田委員からも御指摘がございましたが、米、英、ソ、それにつけ加えていえば中国も、この排出規制に対しては慎重な態度で臨んだ国々でございましたが、仮にそれが可能であるとして日本がそこから離れてオランダ宣言案に同調するような態度、姿勢をとったならば、それで四方八方うまくいったのかどうかというと、私はそうではないという理解でございます。したがいまして、日本はあくまでもこの排出規制に慎重な先進工業諸国を説得し語らいながら、同時にまた、オランダ案を中心とするイギリスを除くEC諸国あるいは北欧諸国と一緒になって宣言案を一本化することが最も妥当で正しい道であった、このように私は確信をいたしておるものでございます。
 ただ、あえて一言ここで申し添えさせていただくことありせば、オランダに私が行っておりましたところ、オランダの現地の新聞が大変日本に対して厳しい報道をいたしておりました。これは私、オランダ語は読めないのでございますが、日本の駐オランダ大使館のオランダ語を専門にやっている人などにこれを翻訳してもらいまして知った結果でございます。まことに厳しい報道がなされております。これは率直にそのまま受けとめることもひとつ大事かと思いますが、もう一つ私ども忘れてならないと思いますことは、オランダの国内世論が必ずしも日本に対して温かくはない、厳しい側面がございます。それは、かつて太平洋戦争時代にオランダ俘虜に対する日本の大変手厳しい俘虜虐待というような名目で糾弾をされております事実がございますし、その他、オランダが過般の昭和天皇の御崩御に際しても女王陛下御自身がその御葬儀に参列をされなかった等のことによっても、この点は理解がいくわけでございまして、されば私はこういう機会に、日本がかって戦争というものを通じて諸外国に及ぼした迷惑というものにもう一度顧みて、深い反省の実を上げなければいかぬな、こういうこともこの機会に考えさせられた次第でございます。
○新村委員 今大臣がおっしゃったように、日本が負っておる歴史に対する反省なり償いというようなことがありましょうし、またオランダという国がCO2については特に関心を持っているということがあると思うのです。海水が上がればオランダの大半は水没するというふうな国でありますから、そういう受け取り方の違いはあるにしても、
それからまた、大臣がおっしゃるように日本の基本的な外交のスタンスというようなこともあると思いますけれども、やはり環境問題について日本が率先して世界をリードするくらいの意気込み、あるいはまた公害対策についてもこれは先進国でありますから、そういう特殊な技術をもって世界をリードするという気概といいますか、これが必要ではないかと思うのです。そしてまた、ことしの九月に地球環境保全東京会議が開催をされまして、そこで海部総理がみずから世界に貢献する日本、あるいは地球環境への積極的な取り組みというようなことも言っておられるわけでありますから、日本が環境問題については強い関心とそれからその解決についての熱意をどこよりも持っているのだ、そういう印象を国の内外に与えていくことが必要ではないかと思うわけです。
 そこで、このCO2の凍結に限らず地球環境の保全ということが、これからの世界の政治的なあるいは科学的な施策、課題のこれは最大のものであろうと思います。これは今さら申し上げるまでもなく、かけがえのない地球をいかに保全をしていくかということでありますから、必要なわけでありますが、そこで日本は戦後経済大国として今日まですばらしい発展をしてきましたけれども、そういう面についてもこの際発想の転換なり政策の基本的な再検討なりをしなければならない時期ではないか。それは経済優先から環境維持優先にと切りかえていく必要があるのではないかと思います。そういう点についても、やはりノルドベイク会議は一つの将来に対する示唆を与えている。あるいはまたそういう討論もされたかどうかわかりませんけれども、そういった点についてこれからは、もちろん経済は人間社会を、また我々の生活を支える基本でありますけれども、経済優先から環境維持優先に発想あるいは政策の重点を切りかえていくべきではないかということについては、大臣はどうお考えですか。
○志賀国務大臣 人類の将来の重大な脅威となる地球温暖化問題に立ち向かうために、環境政策を担当する閣僚クラスの代表が、先進国あるいはまた開発途上国の別なく、それから国の体制、いわゆる国家体制の違いを乗り越えて閣僚レベルで初めて具体的な政策にコミットした、そして全会一致で大気汚染と気候変動に関する宣言を採択したということが、大変意義があるし、重要なことではなかったかと私は思うのでございます。特に、同宣言におきまして二酸化炭素等の温室効果ガス排出の安定化、それからこれと並んで熱帯林等の森林の造成、開発途上国への援助等について具体的な目標を含む提言がなされたことが大変有意義であったと思うのでございます。この宣言は、地球温暖化防止に向けた取り組みの大きな前進を促す画期的なものであったと存じますし、我が国としても、その趣旨を十分踏まえつつ地球温暖化対策を一層強力に推進すべきであるという認識に立っておりますから、これらの点を勘案いたしますならば、ただいま新村委員御指摘のとおり、物の豊かさよりもむしろスタンスを精神面の豊かさに置いていく、そういう面に全体のスタンスがかかってきておる、このように私は理解をいたしておりますし、またそうでなければ人類の前途を担保することができないのではなかろうか、このように考える次第でございます。
○新村委員 そこで、それに関連して、私たちの一人一人の生活の態度についても、消費生活に対する考え方についても、やはり発想の転換をしていかなければならないのではないかということであります。日本はすばらしい経済発展をしまして、国民の生活も極めて高度であるということでありますが、その豊かさに任せて華美な生活を追うだけでいいのかどうかということがあるわけですね。例えば、最近、同じ自家用車を買うにしても大型車が売れている。これが非常にブームをなしているというようなことも、車は確かに必需品ではありますけれども、必要以上に大きな車を一人で乗り回す必要もないわけでありますから、そういう生活を楽しむということが過剰消費あるいは過剰享楽というようなことになりますと、これはひいては環境問題にもつながっていくわけでありますから、そういう面での国民生活の考え方の転換、発想の転換ということも必要であると思いますけれども、そういう面で大臣はいかがお考えですか。
○志賀国務大臣 私自身全く同感でございます。個々人の環境問題に対する認識とその取り組みがなければ環境保全は全うし得ないわけでございます。したがいまして、個人個人の自覚と認識によるところ極めて大であると思うのでございます。
 私は、先ほども答弁させていただいたわけでございますが、あらゆる面においてこれから人間生活はみずから制御する、自制が求められる時代に入っておるのではないか、余りにも今まで野方図に事に当たり過ぎておる、物を粗末にする、物を使い捨てにする、こういう点でまことに野方図でございますから、それゆえに資源枯渇をも招くでありましょうし、あるいはまた環境破壊をも招くわけでございまして、そういう点でまず自制をしなければならない時代に入ってきておると思うのでございます。その表裏をなすものは、人間に対する、生き物に対することはもとよりでございますが、物に対しても感謝の気持ちを持ち続けなければいけないのではないだろうか。我々が今感謝の気持ちを忘れつつあるところにも、この環境破壊というものを進めている実は源がありはしないか、私はこのような反省をしておる者の一人でございます。
○新村委員 次に、具体的な問題として、環境問題あるいは環境維持の一つの重要な局面になっていると思うのですが、東京湾の環境維持あるいは自然機能の保全ということについてお伺いをしたいわけであります。
 東京湾は、東京の繁栄と一体となって今までその湾機能というものが日本経済の発展にある意味では寄与してきた、あるいはまた第一次産業、漁業というようなことにも現在も寄与しておるわけでありますが、それからまた、関東の大きな部分の流域の水が東京に集中して来ている、そういう自然のサイクルを通じて東京を中心とする関東圏の自然のサイクルを機能させることにも役立ってきたということでありますが、この東京湾は徳川時代以来ずっと埋め立てが進行してきた。特に戦後の高度成長期がピークになって、今若干下向きになっているようでありますけれども、東京湾の埋め立てが一貫して続いてきたわけです。現在までに表面積にして約二〇%近い東京湾の水面が埋め立てられてきたということが言われております。したがって容積もそれだけ減っておるということであります。東京湾の自然機能というのは、これは皆さんよく御承知だと思いますけれども、東京湾のあの水面あるいは水量が存在することによって周辺の気候の緩和、夏は涼しく冬は暖かくといういわゆる海洋性、海洋が影響を与えることによって沿岸に、東京、千葉にマイルドな気象を与えているということが言えるわけですね。現在の面積は観音崎から富津崎の線を境界にしますと十二万ヘクタール、水の容積が百八十億立方メートルというふうに言われております。この十二万ヘクタールあるいは百八十億立方メートルという水、この水の存在が東京あるいは千葉県の地域に人間が住むに適した自然条件をそこにプラスとして与えているという面があるわけですね。例えば、東京、横浜で夏は二度ないし三度東京湾の影響によって低くなっているということが言われております。夏でも湾の中央部では東京の中心部よりも七度ないし八度低い。その影響が東京の気温を低くしている。また、冬の場合には西風が吹くわけですけれども、西風が千葉県に当たって千葉県の沿岸地帯が湾上の暖かい空気を受けて、冬はこれまた二、三度暖かくなっている、こういうように言われております。それからまた、海水の自浄作用によって川が運んできた汚いものを浄化している。
 こういうことが言われておるわけですが、これが現在のように埋め立てが進行しますと、それからまた沿岸の開発が進みますと、この湾の自然機能が次第に損なわれてくるという危険があるわけ
であります。現在既に着工しております東京湾横断橋、横断橋をつくることについて必ずしも反対ではありませんけれども、ああいう施設をつくることについては湾機能を損なうということは争えない事実ということになります。それから、現在東京湾の沿岸には大変な開発のプロジェクトが計画をされているわけでありまして、主要なプロジェクト、六十三年四月の時点で七十三にも及ぶ。このプロジェクトはほとんど全部が海面の埋め立てを伴う開発計画であるということが言えます。それからまた、既に埋め立ての免許を取っている市川第二期の埋め立て等がありまして、今後はこのまま推移をいたしますと東京湾の埋め立てがますます進む、野方図とは言いませんけれども、ますます進んでいく傾向にあるわけです。そうしますと、東京湾の自然機能がそれに比例をして失われていくということでありますから、この辺で東京湾の将来像、東京湾は将来いかにあるべきか、開発という観点からいかにあるべきかということ、それからまた、東京湾の水、天然の恩恵をいかに沿岸の国民が享受することができるかというようなことについての総合的な計画、構想が必要ではないかと思うのです。ところが、現在東京湾に対する施策については、一次的には運輸省あるいは建設省が担当でしょうか、それから環境の部分については環境庁が関与なさっていると思いますが、各省庁の縦割りでありますから、東京湾を総合的な配慮のもとにいかに管理をし、あるいは開発にブレーキをかけ、あるいはいかに将来像を構想していくかという点については、かなり抜けが多いわけです。そういう点について環境庁としてはどういうお考えでしょうか。
○志賀国務大臣 私、寡聞にして存じませんでしたが、東京湾が天然のエアコンディショニングを行っているというようなこともわかりまして、ありがとうございました。
 東京湾は大変大事な港湾であると私は考えております。この東京湾地域の環境保全につきましては、水質や大気の総量規制の推進など各種の施策を現に実施しておりますが、また、公有水面埋立法の手続等において環境保全の立場から環境庁の関与がなされていることから、既存の仕組みでまず対応できるのではないかと考えております。それからまた、現在、東京湾地域を含む首都圏の広域環境管理指針を策定すべく作業を進めておりまして、環境保全面から東京湾全体を管理するための方針については鋭意検討を行っております。ただいま先生からお話がございましたような全体的なことにつきましては、ただいま申し上げたようなところが現在環境庁として行っておるところでございます。
○新村委員 東京湾の開発が現在のように進んでいきますと、湾の自然機能を害するということのほかに、湾内の海上交通の危険性も増大する、それからまた、荒天のときには港の中にいる船が沖に出ていわゆる退避をするわけですが、退避をするときのいわゆる錨地、投錨する場所が減っていくということです。そうなりますと、海上交通あるいは船舶の安全性についても問題があるというようなことも指摘をされているわけであります。そうなってまいりますと、どうしてもこの東京湾の無制限な埋め立て、これについては根本的に検討する段階に入っているのではないかと思います。そういった面で、環境維持については環境庁の所管でありましょうけれども、環境の問題、交通の問題、安全の問題、例えば「なだしお」の衝突にしましても、これは直接埋め立てとは関係ないと言えばそれまでですけれども、ああいう事故が起こるような湾内の状況に今なっておるわけですね、船舶交通の非常なふくそうが年ごとに激化しておるわけですから。そういった点からしてもこの湾の埋め立ての抑制ということがどうしても必要になってくると思うのです。
 そこで、担当の省が見えていないのでその点についてはお伺いできないのですが、そのうちで埋め立てと関連をして、東京湾が廃棄物の最終処分場になっているということがありますね。廃棄物というのは最終的にどこかに廃棄をする場所が必要なわけですが、最終処分場の選定はよほど考えていただかないと困るわけです。ところが、東京初め湾岸の地域では湾内に最終処分場をつくるということ、これが一番安易なわけですから、こういう方向に走りがちなわけであります。この点について最近も、東京都が東京湾に二十年ぶりにごみ処理場をまた新しくつくるということが報道されております。これはことし九月の新聞報道でありますけれども、OA機器による紙の使用量の激増などによるごみ量の急増に悩む東京都は、東京湾に新しい埋立処分場をつくる方針を決めた。年内にも都の港湾審議会に計画を諮問して護岸工事を急ぎ、平成八年度の使用開始を目指す、こういうことが言われておりますけれども、これがさらに発展をしていきますと、関東各都県のごみをここへ集中的に投棄をして東京湾を埋め立てる、これからこういう流れになるのではないかと思うのですが、こういう事実について環境庁はどうお考えですか。
○志賀国務大臣 ただいまのごみ投棄につきましては担当の方からお答えを後ほどさせていただくといたしまして、前の方のことについてちょっと答弁をさせていただきたいと存じます。
 再々新村先生から承っておりますように、この東京湾は首都圏における限られた極めて貴重な水面であり、空間である、そしてかけがえのない自然環境だという認識は私どもも十分いたしております。そこで、東京湾地域については各種プロジェクトによる開発が構想、実施されているのはただいまの御指摘のとおりでございますが、こうした中で東京湾地域の環境を守るために、東京湾を含む首都圏の広域的環境管理の考え方を早急に確立し、それに基づいて適正に環境を保全していくことが重要であるという認識に立っております。環境庁においてはこうした観点から、有識者から成る懇談会を設けまして、東京湾地域の開発と環境保全に関する基本的方策についてことしの三月とりあえず中間報告をいただいております。この報告においては、東京圏の機能分散を推進し東京湾への開発圧力を軽減する、それが一つ。それからもう一つは、未利用地や再開発を活用し東京湾の埋め立てを抑制する。それからもう一つは、臨海部の開発は既成市街地の環境改善に寄与すべきである旨などの提言でございまして、環境庁としては、各種開発計画策定に当たりまして関係行政機関に働きかけを行うなど、こうした提言を生かすように努めてまいりたい、このように考えております。
 なお、廃棄に関しましては担当の方からお答えをさせていただきます。
○安橋政府委員 御案内のとおり、廃棄物の処理には陸上埋め立て、海上埋め立て、それから海上に投入するという三つのタイプがあるわけでございまして、それぞれにつきまして廃棄物処理法なり海洋汚染防止法の中で、廃棄物の性状、性質でございます、タイプでございますが、それに応じまして、例えば前処理できるものは焼却して減量した上で処分するというような処分基準をつくっておりますし、また最終処分場につきましては、その構造基準でございますとか維持管理基準というものを定めまして、廃棄物の処理につきまして環境に悪影響を及ぼさないように基準をつくっているところでございます。環境庁といたしましても、こういった基準が遵守されますように、関係省庁でございます厚生省との連絡を密にしながら、都道府県なりあるいは市町村なりの地方公共団体を指導してまいりたい、このように考えているところでございます。
○新村委員 大臣の先ほどのお話では、埋め立ては抑制していく、基本的な方針としては抑制をするというお話でありますけれども、抑制といいましても今までも特に埋め立てを奨励したということではないと思います。一時高度成長の時代には奨励したような気配はありますけれども、その後、埋め立てについての反省はかなり前からあるわけです。反省はあるけれどもなかなかやめられない。というのはなぜかといいますと、東京湾に埋め立てをして最終処分をすることが一番やさしい
わけですよ。安易なわけですよ。地上に最終処理場を求めるということは大変なことですよ。先般も千葉県のある市で青森県の方までごみを持っていったという話がありますけれども、そのくらい地上に最終処理場を求めるということは今難しいわけです。
 これについては後でお願いをいたしますけれども、そういうことで、大臣がそういう方針でおられましても、東京湾に対するごみの投棄というのはよほど決意を持って、決断をして、絶対阻止をするんなら阻止をするという方針を立てませんと、東京湾が将来ごみで埋まるということなんです。ですからその辺についての毅然たる方針が望まれるわけでありますけれども、これはどうなんでしょうか。
○安橋政府委員 先生御指摘のとおり東京湾というのはいろいろな環境保全上いい機能も持っておるわけでございますし、他方、東京湾につきましてはいろいろな開発なりあるいは埋め立てなりが計画されているのも事実でございます。私どもといたしましては、環境保全上持っております東京湾の重要性にかんがみまして、東京湾の埋め立てというものにつきましては慎重な対応が必要だというふうに考えておるわけでございます。
 具体的には、先ほどお話が出ましたとおり公有水面埋立法というもので、五十ヘクタール以上の埋め立てが行われます場合でございますとか、環境上特に配慮を要する埋め立てというようなものにつきましては、主務大臣が埋め立ての認可をいたします場合に、環境庁として環境保全の観点から慎重な審査をしているということでございます。こうしたことを通じまして東京湾の埋め立てによります影響ができるだけ出ないように努めているところでございます。
○新村委員 環境庁におきましても、東京圏の機能分散を推進し、東京湾への開発圧力を軽減する、あるいは未利用地や再開発を活用し、東京湾の埋め立てを抑制する、抑制の方針は出しておられるわけです。出しておられるわけですけれども、例えば東京の新しい計画というようなことが次々に出てくるわけですから、そういう場合に、これはやむを得ない、これはやむを得ない、これもやむを得ないということになりはしないか。ですから、一番安易な最終処分の方法でありますから、今後ともこのごみ処理については東京湾を集中的にねらわれる、東京等というと失礼かもしれませんけれども、他の都県からねらわれるわけです。そういう場合に毅然としてそれを抑える、こういうことが必要なんですけれども、その辺についての御決意はいかがですか。
○安橋政府委員 東京湾の埋め立てにもいろいろなタイプがございまして、いわゆる工場用地のために埋め立てるというような場合もございましょうし、横断道路のために埋め立てが行われるという場合もございましょうし、ごみの処分場のために埋められるというようなことも現実にはあるわけでございます。私どもといたしましては、東京湾というのは先生御指摘のように環境上貴重な資源でございますし、これの埋め立てが安易に行われるということがないように、現に環境庁としても意見を申し述べる立場にあるわけでございますので、そのような埋め立てが行われます場合には慎重にも慎重な配慮をしていきたいと考えているところでございます。
○新村委員 このプロジェクトを計画する当局、あるいは埋め立てをやろうとする当局は、いろいろと人工海岸をつくるとか親水施設をつくるとかそういう代替措置を出しまして、こういうことをするのだから埋め立ててもいいだろう、こういうことをするのだから環境維持はされているのだという言いわけをしているような傾向があるわけです。確かに人工海岸がある程度できていると思います。あるいはいろいろな親水施設もできていると思いますが、繰り返すようですけれども、東京湾の自然機能というのは突き詰めて言えば十二万ヘクタールの面積、それから百八十億立方メートルの水量、これなんですよ。これが減ったのではだめなんですよ。ですからいかに人工海岸をつくっても、面積が減ったのではそれだけ確実に湾の機能は低下するわけですから、水量が減ったのではそれだけ湾の機能は間違いなく低下するということですから、ぜひ一大決意をもって、埋め立ては絶対しないと今おっしゃることはできないかもしれませんけれども、埋め立ては極力抑制する、絶対に抑制すると言っていただければ一番いいのですけれども、大臣、そういう決意をお持ちいただきたいのですが、いかがでしょう。
○志賀国務大臣 極力抑制する方向で頑張らせていただきたいと思います。
○新村委員 ぜひお願い申したいと思います。
 次は廃棄物の問題でありますが、廃棄物は家庭から出る一般廃棄物、それから産業廃棄物に分かれるわけであります。一般廃棄物は自治体が最終処分までするわけですが、問題は産業廃棄物が最近急増しているということ、それからまた性質も非常に複雑多岐であって、また今までなかったような化学物質もどんどん開発をされるということでありますから、この産業廃棄物をいかに合理的に処理をするかということがごみ対策の非常に大きな問題であろうと思います。そこで産業廃棄物は、これは一般廃棄物でも同じでありますけれども、ごみ処理の基本的な一つの重要な点はいかに分別をするかということです。分別が完全に行われればごみ処理は九〇%成功すると言われております。それからもう一つは、特に産業廃棄物において最終処分場をどう確保し、どう管理をしていくか、周辺に迷惑を及ぼさない形でいかに管理をしていくかということがこれまたもう一つの大きなポイントなわけです。
 そこで廃棄物、特に産業廃棄物の処理については、今まで確かに法的な規定はありますけれども、必ずしもそれが合理的に行われていない。物の生産、使用、廃棄、あるいは生産工程から出る不要な物の廃棄ということは生産活動のうちで大きな要素をなすものでありますが、物が生産をされるという生産の部分については最新の技術を駆使し、合理的な組織のもとに行われるわけでありますし、生産については世間一般の認識も非常に高まっているということであります。一方、廃棄という部面については、一般の認識も必ずしも十分ではないし、そのプロセスについても技術的にもおくれている。またそれに従事する人たちについても、零細業者が思いつきの方法でやっている面があるわけです。しかも、最終的にこの問題を解決する最終処分場の確保、管理については極めて遺憾な点が多いということです。この点については千葉県――千葉県のために言うわけではありませんが、東京周辺の県が東京のごみを引き受けて大変困っているという事情があるわけです。特に千葉県あたりはそうなんです。これはなぜ困るかといいますと、最終処分場がなかなか確保できない。確保したにしても良好な管理がされていないということです。それからまた、最終処分場の確保についてもごみ処理業者がやっている場合が多くて、公共団体は余りこれに関与していないわけですから、したがって極めてこそくなやり方でやっている。そのために周辺の住民も迷惑をかけられるということですから、この処分場の確保あるいはまた分別収集の徹底というようなことについては、現在の法体系では不十分ではないかという気がするわけです。そういったことについて、今大臣はどういう御認識を持っていらっしゃいますか。
○志賀国務大臣 実を申しますと私は地元が岩手県でございますが、青森県どころか私ども岩手県も素通りしませんで、物を投棄、廃棄をする場所の、こういう言葉を使ってよければ、えじきにされている地域でございます。地元の住民感情といたしましては、地元から出た廃棄物が廃棄されることにはある程度気持ちの上では我慢できるのでございますが、なぜよそで廃棄された物の処理場あるいは投棄場に我々の土地がならなければならないかという住民感情がございます。また、そのことによってもたらされる地域の汚染等についても特に敏感になっておりまして、こういう点を考えますと、全国的な投棄、廃棄についての真剣な
取り組みがなされなければならない時代になりつつある、私はこのような受けとめ方をしておる次第でございます。
○新村委員 これは生活環境審議会廃棄物処理部会産業廃棄物専門委員会の「産業廃棄物処理に関する当面の方策について」という報告ですが、その中に現在のごみ問題の問題点がいろいろと指摘をされているわけです。その中に、今大臣がおっしゃったように、産業廃棄物が発生をした都道府県以外のところで処理をされている量が八割だ。ですから、東京の名前ばかり出して悪いのですけれども、仮に東京で発生をした産業廃棄物が十あるとすれば、そのうちの七割はほかの都道府県へ行って捨てられるということなんです。これについてはいい悪いは別として、それを東京に捨てる場所はないでしょうけれども、東京に捨てる。東京に捨てることは実際は困るわけですが、そういう現実があるわけです。そういう状況の中で、これからの産業廃棄物の解決の最大のポイントは最終処分場をどう確保するかということに尽きると思うのです。これは地方の市町村の行政にしても、一時ごみ戦争などという言葉があった時代がありますけれども、現在でもこれは依然としてそうだと思いますが、当時のごみ戦争は主として一般廃棄物の戦争であったわけです。ところが、これからのごみ戦争は産業廃棄物の処理の戦争ではないか。その戦争が、自分の都道府県で発生したものの八割はほかへ持っていって捨てるということですから、これでは解決にはならないし、持っていかれたところは大変な迷惑をこうむるということなんですね。
 そこで、問題点がここにいろいろ指摘をされておりますけれども、要するに最終処分場の確保をどうするか。この最終処分場の確保については、現在は産業廃棄物は事業者の責任において処理をするという法の建前ではありますけれども、実際には事業者が処理業者に一切委託をして、処理業者が委託を受けて最終処分までやっているというのが実態です。そうなりますと、最終処分場の獲得も処理業者がやるということですし、また、そういう広大な土地を中小の業者が確保する能力もないわけであります。したがって極めてこそくな方法でやっている。狭いところに捨てて、それがはみ出して近所の住民から大変な苦情が来るというのが千葉県あたりの一般的な状況なわけです。ですから、どうしても最終処分を業者に任せるというのであれば、厳重な指導監督が必要であろうと思いますし、こういう大規模な大量投棄の時代には、やはり中央政府あるいは地方自治体、特に都道府県の段階で最終処分場を十分なスペースをとって確保して良好な状態で、常に公的な責任で管理をしていくということが必要だと思うのですね。そういった点はいかがですか。そのお考えはありますか。
○坂本説明員 今御指摘の廃棄物の件でございますが、産業廃棄物のみならず一般廃棄物につきましても、最終処分場の確保というのは大変大きな問題でございます。特に今先生御指摘の産業廃棄物につきましては、第一義的には事業者の責任ということでございまして、今の廃棄物処理法の制度の中でも事業者が業者にお願いするというのが法的に決まっておることでございまして、そういう形でもやっておるわけではございますし、かつまた、公共関与といいまして市町村等が関与している。例えば昭和六十二年四月現在でございますが、そういうところが四十八カ所ほどございます。そういうところは公共関与でやっておりますが、それ以外の一般の民間でやっていただいているところにつきましても十分監視をして、問題が起こらないようにということでございます。
 それから、先ほどから、処分場の確保が大事じゃないかということと東京湾の埋め立てはぐあいが悪いのじゃないかという先生のお話でございましたが、要するに処分場の確保というのは非常に大きな問題になっておりまして、東京湾に何もかも持っていくわけでございませんで、内陸でどうしても処分できないものについては東京湾の方に持っていくというようなことで、広域臨海環境整備センター法という法律をつくっていただいて、それでもって今仕事をやらせていただいている、こういうことでございます。
○新村委員 都道府県で公共的に関与してやっておられるということでありますが、実情は、実際に処理場に行ってみますと管理が必ずしもよくない。また、そのスペースも十分でないというのが実態なわけです。ですから処分場の確保についてはもっと抜本的な対策が必要だと思うのです。それから、例えばくぼ地に投棄をして平らになった場合の跡地の利用についても、投棄した物質の分別が完全に行われていれば有害物質があるかないかははっきりわかるわけですから、そこで分別が必要だということが出てくるわけです。そういう管理を完全にやっていけば、跡地はほかの良好な自然の土地と同じように住宅を建てるなどして使えるわけです。要するに完全な管理が必要なわけですけれども、現場へ行ってみますととてもそうはいっていないのが実情です。そういう点で、処分場の確保とその後の管理といった点についても公的な責任でもっと徹底して行われなければ、今後のごみ処理については問題をますます拡大することになるのではないかということですけれども。
○坂本説明員 今の廃棄物処理法の体系の中で、廃棄物の埋め立てにつきましては安定型と管理型と遮断型、比較的安全なものは安定型に入れる、浸出水の処理などをしていくものは管理型、外へどうしても出ては困るものは遮断していく、こういう形でやらせていただいておるわけでございます。それを何もかもむちゃくちゃに入れるということになりますと、今先生のおっしゃったような大変大きな問題になるわけでございますが、そういうことのないように今やっておるわけでございます。
 湾の埋め立てになりますが、フェニックス計画などはきちっと区画を決めておりまして、この区画は土砂を入れるところ、こちらは一般廃棄物の焼却灰を入れるところ、こちらは産業廃棄物とか、跡地利用ということも考えて計画を立てる。これからの廃棄物の埋立場は大体そういう形でやっていかないと地元の皆さんの御了解も得られないということでございますので、そこらの指導は十分図っていきたいと考えております。
○新村委員 最終処分場はどこかにつくらなければいけないわけです。それを大きく分ければ海中か陸上かということになります。それから、海中であった場合に、外洋がいいのか内湾がいいのかということも検討の対象になると思うのです。これは我々の考えからすれば、最終処分場はできる限り海洋を避けて陸上にすべきではないか。そこに捨てる物質を完全に分別して、遮断すべきものもあるでしょう。しかし、これは比較的少量だと思うのです。例えば、大きく分ければ放射性物質などは完全に遮断をしなければいけないでしょう。それから化学物質で外にしみ出していけないようなものもあるでしょう。これは完全に遮断しなければいけない。ただし、そういうものはそんなに大量ではないわけですから、特殊の施設をしていけばいい。一般の大量な産業廃棄物は、それを埋めた跡地も十分使えるわけです。人間がそこで生活をすることができるはずであります。そういった将来も展望しながら管理をする必要があると思うのです。
 一つの問題としては、陸か海か。どうしても海にするのだったら、内湾にするのか外洋にするのかということも検討の対象だと思うのです。そういうこともあり得ると思いますが、どうしても海にするのだということであれば、東京湾のような閉鎖性の水域は避けるということは当然考えられなければならないと思いますが、そこらはいかがでしょう。
○坂本説明員 廃棄物というのは毎日出てくるものでございまして、これを出さないでおき得ればこれにこしたことはないわけでございますが、これは出てくるからしようがない。これをどう処理するかというところでなるべく出る量を減らすという、減量化ということですね、まずもとを絶つ
ということ、それから、出てきたものの量を減少させるということで焼却したり固めたり、こういうことをやってなるべく最終処分場をたくさんつくらなくて済むように努力はしておるわけでございますが、どうしてもやはり最終的には、例えば焼却しても全体の一五%くらいは灰で出てくるわけです。これを埋め立てるところが必要なものですから、できるだけ内陸の方にそういうものを確保するように努めておるわけでございますが、なかなかそうはいかない分につきまして、先ほど申し上げましたように海面の方に出てくる。海面の場合、内湾か外洋かということもございますが、その工事の仕方だとかそんな辺からいきますと、それからまたその運搬距離ですね、こういうことからいって東京湾とか大阪湾等が候補としてやらせていただいているということでございます。
○新村委員 大臣に最後にお願いというかお伺いしますけれども、生産から消費、これは人間活動の一つのサイクルをなすわけですね。ところが今考えてみてみますと、生産についてはこれは最新の技術、そして資本力も最高の資本力で最も合理的にやられているわけです。いわゆるそのサイクルの日の当たる部分ですよ。これについては国民も常に関心がありますし、国民の監視といいますか、目が届いているわけです。したがって、日本の産業界を見ても、世界に冠たる施設の中で、技術で行われているということです。ところが、その生産が消費段階に入り、さらに廃棄されていくという、生産の裏の面ですね、消費あるいは廃棄という部面については極めて体制もおくれているし、またそれに従事をする人たちも、言ってみれば零細な人たちがやっている。やり方も極めて原始的である。またそのシステムも整備されていない。したがって生産に比べて消費、廃棄の面がおくれていると思うのですよ。人間の体に例えてみても、人間の体の摂取して消化する部面、それから廃棄する部面、これはともに生命に対しては同じ重みを持っておりますよね。排出部分の一部に故障が起こっても生命を失うわけですから。ところが生産、廃棄のサイクルの中で、今の社会の中でそれがどういうふうに行われているかといいますと、生産は確かに立派に生産をされていますけれども、消費、廃棄の部分では極めて前近代的な状況が残っているということが言えると思うのです。ですから、この廃棄の部分についても、これから十分行政としても監視というか指導というか、それを強化をしていただいて、生産の部分のように立派な廃棄ができるように、物が生産されてから最終の処分場に到着するまでの間、それから到着してからその後の管理についても、生産と同じような最高の技術と最高の組織で行われるように、ぜひ指導をいただきたいと思うのです。それがごみ処理行政の最終の責任であり姿ではないかと思いますけれども、その点を特に大臣にお願いしておきたいと思います。
○志賀国務大臣 私は、下水道問題について実は大変関心が深うございまして、長いことこの勉強をさせていただいてきた者の一人でございます。ヨーロッパで再三にわたりまして襲いましたペスト、これのもとは人間の排せつ物の処理を誤ったからのようでございます。しかし長い間その原因がそうであるということが理解がいかなかった時代があるわけでございますが、しかし一たびそうだとわかってからヨーロッパの人々が下水道を整備したその勢いというものは大変目覚ましいものがございました。今まさに私どもの環境問題におきまして、このごみの処理が我々の前途を危うくするものであるという一人一人の認識と自覚が生まれることによってこれが早急に解決されなければならない、私はそういう考え方で先ほど来新村先生の御高見を拝聴した次第でございます。その線に沿って一生懸命やらさせていただきたいと存じます。
○新村委員 終わります。
○熊川委員長 川俣健二郎君。
○川俣委員 大臣は、国際環境会議、御苦労さんでした。オランダ会議の報告はさっきあいさつでなされましたが、あの日国内で非常にニュースになりまして、九時でしたか、特に大臣の行く場所を追っかけたニュース、これは日本は孤立するんじゃないかと思って案じておったのですが、しかしさすがめでたしめでたしで、まず孤立は免れたのでございますが、さりとて、ではCO2の規制の問題を国内でこのままにしておくのか、一体これから先どうするつもりなのか、環境庁は検討中でしょうが、大臣の気持ちを聞かせてもらいたいと思います。
○志賀国務大臣 オランダ会議の趨勢につきまして大変御心配を煩わしたことを、この機会におわびとあわせて感謝を申し上げたいと存じます。
 今回の会議の結果、日本が、アメリカあるいは工業界と環境庁は仲よくしたことによってほっとして楽になって帰ってきたんじゃないかというようなことをおっしゃる方がいないでもないのでございますが、実は私どもの率直な気持ちは、重荷を背負って帰ってきたという気持ちでございます。それは、このCO2の排出規制をめぐりまして、先ほど来企調局長の方から御報告がございましたように、IPCCでまだ未解明ではっきりしていない点等を科学的知見によってはっきりさせて、そのはっきりさせた結論に基づいて私どもは積極的にCO2の排出規制に取り組んでまいるという姿勢でございます。したがいまして、まず第一点は、積極的に私ども日本政府からこのIPCCに協力をさせる、しかもIPCCの結論を得ることを促進させる、先送りさせるのではない、なるべく早い機会に結論を得るように促進をさせる、その結論を得たならば日本が積極的にCO2の排出規制に向かって取り組んでいく、これが私どもの基本姿勢でございますから、いわば宿題を背負うて帰ってきた、そういういわば重荷と申しましょうか責務を担うて帰ってきた、こういう気持ちであることを率直に申し述べさせていただきたいと存じます。
○川俣委員 重荷をむしろしょったという気持ちを披瀝してもらって、私もそうではないかなと思っております。私も鉱山会社に奉職十八年、私は事務屋ですけれども門前の小僧でCO2の何たるかを知っておりますが、これは非常に難しい問題だと思いますね、企業との関係。特に自民党政権としてはかなり難しい問題だと思います。ただ、例えばこれはエネルギーというものにかえますと、今日本もかなりの比率で原発に依存しているのですが、CO2を皆無の状態にするエネルギーは原発以外にないのです。そういうように別にはね返ることはないとは思うが、その辺を特に留意をしながら、このCO2というのは重荷をしょったという問題意識に敬意を表するわけですから、したがって、環境庁というのはいろいろと問題をしょっている官庁だなと思って、去年業務分掌をなで切りに局長さん方に聞いたことを思い出すのでございます。環境庁というのは、自然にしておくのが環境庁の責務なのか、そうではない、近代社会と適合するようなことを考えつつ自然保護、環境保全というものに取り組むところなんだなというふうに私は感じていますので、さらにその問題意識を将来どなたが大臣になっていても伸ばしていただきたいということをこの際に議事録にとどめさせてもらいたいと思います。
 そこで大臣、その話の延長で思い出すのですが、去年、おととし、カモシカの問題を取り上げながら、その前に鳥のカモですね。カモどりの話をここでしたというのは、カモの狩猟が解禁になるのは北海道は十月一日、津軽海峡を渡ると津軽から十一月十五日、四十五日の期間がある。十一月十五日でなければカモをとれないというのは内地。十月一日からは、早目に四十五日前に北海道が狩猟できる。ところが、四十五日たって十一月十五日ぐらいになるとカモは会津の方を飛んでいっている。しかもそれは沖縄までの規定だ。これは何と理不尽な法律だなと思っておりましたが、案の定、私らが環境委に入ったら、何とかしてくれよ、何年狩猟の皆さん方が陳情しても物にならない、こういうことでありました。そこで私たちは、革新側としては、そんなカモどりの味方はできないよ、こういうことでありましたが、やはり四十五
日の格差があるというのをほうっておいていいのだろうか、本当にとらせないのなら最初からむしろ北海道の方を十一月十日ぐらいにして、五日ぐらいですからね、あの津軽海峡の五、六十キロの季節の差などというのは。そこで何とかならないかということで皆さんに考えてもらいました。自然保護局長の山内さんに非常に御心労かけたというのは――鳥類保護の団体と狩猟をする団体は当然あります。これが環境庁なんだな、環境庁の分掌というのは、さっきのCO2ではないが。環境庁の分掌規程を見ますと、両方やるように書かれている。とる方がほかの官庁で守る方が環境庁ではなくて、守るのもとる方も環境庁の業務分掌になっておる。環境庁設置法の四条の七号に「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律」云々あって「の施行に関する事務を処理すること。」とあって、そしてこの設置法を受けて規則を見ると、目的にこう書かれてある。「本法ハ鳥獣保護事業ヲ実施シ及狩猟ヲ適正化スルコトニ依リ鳥獣ノ保護蕃殖、有害鳥獣ノ駆除及危険ノ予防ヲ図リ以テ生活環境ノ改善及農林水産業の振興ニ資スルコトヲ目的トス」。何でここに農林水産業の振興が入るのだろうと思ってずっと、私も国会活動二十年になりますが、ああなるほどなと思っております。そこで話を戻しますが、皆さんの御同意を得まして十一月一日、いわゆる十五日間早めてやるということに条例を改正してもらって、去年が初めて、ことしは二回目。そこで私はこの条例の改正のときに傍聴者を両方ここに連れてきて、鳥獣を守れというのと、適正な捕獲をやるのだから我々はとっていいのだ、十一月十五日を早めるという団体を両方呼んでみて、ここでやってみた。もちろんその前にはいろいろと私の部屋で両方の団体なり自然保護局長を中心に御心労をかけたわけでございます。
 さて、これを私が皆さんの同意を得てやってみたものの、やってみようとするものの、なぜこのように十一月十五日になっているのかというと、農作業との関係で危険防止の関係から内地はそうなっているのだという歴史もある。ところが、大臣も同じ東北ですからわかると思いますが、今はほとんど機械化されて十一月といったらもう田んぼにはいない。十月の末といったらもういないという状態なので、問題は十五日早めたことによる過ち、事故があったのではないかなと思って、去年の実績を非常に心配しておったら、なかった。むしろ減るくらいだった。
 そこで、大臣にもう少し話をしますと、これは奥羽四県が特に強かった。そうでしょう。対岸の北海道、蝦夷、函館までが十月一日で、こっちの方の龍飛崎の方が四十五日待てということではとてもじゃないけれども。そこで青森、秋田、山形、岩手、こういう狩猟の団体が詰めかけたわけです。それでいろいろと検討してそれじゃひとつやるか、鳥獣保護の人方にも了解を得て私はここに質問に立った。以降初めてかな、きょうは。それで新しい大臣。ところが岩手県の狩猟の皆さんが、おら、その請願陳情からおりる、こう言い出した。なぜかといったら、自然保護団体、鳥獣保護団体とのあつれきに屈服して、おっかなくて、おら、おりる、こういうことだった。どうせその条例は改正にならないのだろうから署名からおりるということであった。ところが、ほかの北奥羽の三県は、いや、やはりやってほしいということでやった。ところが、やったら岩手県が、やってから、おらも入れてくれ、それはないよと、これはよくある話ですが、そういうことになって現在に至っております。それは大臣にちょっと今までの報告をするようですが。
 そこで一年、そして今二年目の経過でございますが、その後、環境庁のどなたでもいいですから、状況変化に基づく状態を話をしていただけませんか。
    〔委員長退席、今枝委員長代理着席〕
○山内政府委員 東北地方のカモの猟期の変更とその後の経過について御説明したいと思います。
 今先生からお話ございましたように、この問題は狩猟の適正化といいますか、天候の条件などを考えた場合に、北海道における猟期の実態と東北地方における猟期の実態に私どもの考え方では公平な扱いが必要じゃないかということで、実は私どもデータとしては、もちろん狩猟の実態も頭に置きましたが、降雪日数でございますとかあるいはいつから雪が降り始めるかというようなことを調べますと、やはり大体東北七県、それより南とは違った差がございました。ただ、やはり結果的に青森、秋田、山形あたりが北海道に近い現象がございましたので、私どもは、最終的な判断は該当の都道府県知事の御判断をいただこうと思いまして、こちらから逆に関係県に提案をしたわけでございます。
 岩手県のことについて御指摘ございましたが、実は岩手県からの公式の意思表示の一つの理由としては、県外からの狩猟家が多いので、直ちにこれには乗りにくいということ、これは実はお名前を挙げて恐縮ですが、福島県も同じような理由で意思表示がございませんで、結果的にはこの三県になったわけでございます。
 それはそれといたしまして、先ほど先生の御説明にございましたように、この猟期変更は、実質猟期を長くするのではなくて、十五日早めるかわりに南の方よりはおしまいを十五日短くする、一月末で終わるということでございますので、トータルとしてはカモ猟がこれによってそんなにふえるということは私どもは懸念しなかったのでございますが、やはり環境方面からは、こういうふうなことをするとカモの狩猟数が急激にふえるのじゃないか、それでは鳥獣保護に資さないのじゃないかということを強く言われましたので、実は私自身も、昨年のこの猟期変更に伴って該当三県あるいはその周辺の東北県でどんな捕獲数が出るか、非常に注意をしておったわけでございますが、結論をまず申し上げますと、青森、秋田、山形の三県の昨年の猟期の捕獲数は、過去五年間の平均の九〇%、つまり一〇%少なく出ております。これについては私ども当初余り懸念をしなかったと同時に、もし今後これと違ったような数字が出てきた場合、つまり過去にないような伸びでふえた場合には何らかの措置を講じなければならないということで非常に気を使っておりましただけに、第一回目の結果としては現状で私どもは特に問題はないと考えておりますし、また、ことしもこれから猟期が始まりますが、この点は引き続き環境庁としても注意をしてデータを追っかけていきたいと思っております。もちろんこのときに、後でまた御説明した方がいいかと思いますが、実は猟友会側にも鳥獣保護の観点からいろいろ御協力をいただいた点がございます。
 それからもう一つ、先生が御指摘になったことで事故の問題でございますが、この点も昨年の猟期変更の際に、十五日早めることによって、その間に農作業をしている人に事故が起こるのではないかと強く言われました。といいますのは、それより十数年前に、古い時代にはもっと早くから猟期が始まっておったのを直したときの理由が、今先生御指摘のように農作業による影響ということがあったようでございますが、この点につきましても、幸いなことに昨年の猟期においてはこの十五日間にいわゆる農作業とのかかわりで起きた事故は皆無でございました。もちろん狩猟事故というのはなかなか根絶はできませんで、ハンター同士の事故とかそういうものはございますけれども、農作業との関係で懸念したものは昨シーズンは皆無であったことを御報告したいと思います。
○川俣委員 それで大臣、猟友会というのは、私はそういう世界は余り知らなかったんです。自分でも猟銃を持ったことはいまだにないのですが、非常な危険物を持っているだけに自主管理が非常に厳しいところです。データもあるし人員もおります。そこで、今言ったようなことで私もほっとしておりますが、福島県は最初からおりておったのです。なぜかというと、福島あたりが十一月十五日ごろはちょうどいいんです。渡り鳥だから。大臣のところは十一月一日あたりがちょうどいいんです。それで、おりたというのは、本当の理由はさっき言うたようなことではなくて、自然保護団体との話し合いがつかなかったことなんだか
ら。そこへ中へ入るのが政治家の務めではないかな、これは怖がらないで。両方が真っ向から対立するわけだから。そういう意味です。ただ、カモはどんどん渡って季節ごとに南に行くわけですが、ハンターに渡って歩かれるのでは、十一月一日に青森に東京のハンターが来たということではなかなかないよと言ったら、それはどういう方法でやっているのか免許でやっているのか鑑札でやっているのか知らぬけれども、大日本猟友会が割合に自主的にやっているということなんです。
 私の質問がちょっとおくれましたが、そこまで報告して、この話は、ごんべえが種まきゃカラスがほじくる、三度に一度は追わずばなるまい、こういうあれが基本にあるわけですが、なぜ私はこれを取り上げるかというと、先ほど言いましたように、この目的に「農林水産業ノ振興ニ資スルコトヲ目的トス」ということがあるものだから、これはやはりほってはおかれないだろうな。
 ここにカモシカによるヒノキの食害の写真がございます。これはほんの一部であろうと思いますけれども、ちょっと……。これは、植えたらすぐ、若芽なものだからカモシカにとられるという騒ぎが大変なんですってよ。私は木曽福島を見て歩いた。山林を見るのが目的でしたけれども、その際に、全林野ばかりじゃなくて地元の農民とかそういう人方から大変な陳情を受けてきたことを思い出します。二、三年前でした。
 そこで、その問題に入る前に、これは林野庁かな、やはり質問しなければ答弁できないんだろうから一つずつやります。
 地球規模の森林保護が叫ばれているその中で、日本の林業、林産業の経営が厳しい状況にある、これも御存じですね、皆さん。また森林国の日本として自給率の向上が求められているが、一体対策はあるんだろうか、これが一つ。二つ目は、山林で働く人々の年齢構成はどうなっているか。推移などもどうなっているか。三つ目は、新たに社会に出る若者の林業、林産業への就業と定着状況はどうなっているか、こういったところをまず林野庁の方で、専門ですから聞いてみたいと思います。
○岸説明員 林業、林産業対策についてお答え申し上げます。
 戦後造成されました一千万ヘクタールに及びます人工林が本格的な主伐期を迎える国産材時代が間もなく来るわけでございまして、私ども国内森林資源の有効な活用をいかに図るか、こういった問題が非常に緊要な課題となっております。しかしながら、近年、木材需要全体が拡大している中で国産材の供給は停滞しております。相対的に輸入がふえまして、自給率は低下してきております。このような状況のもとで、外材との競争に耐え得るような林業、木材産業の活性化を図ることが私どもの大きな役割でございます。
 このため従来から、木材需要の拡大と木材産業の体質の強化、林道等林業生産基盤の整備、国産材生産基地の整備、技術開発の推進等低コスト林業の確立、林業経営の活性化等、各般の施策を総合的に推進しているところでございます。また、国産材の供給の円滑化を図るためには川下から川上までが一体となった取り組みが不可欠でございまして、こういった観点からの林産業対策、流通対策等に今後とも力を入れてまいりたいと考えております。
○眞柴説明員 山村で働きます人々の年齢構成でございますが、昭和六十年度の国勢調査によりますと、林業就業者の数は十四万人でございまして、このうち五十歳以上の方が占める割合が六〇%となっております。これに対しまして五年前の五十五年の国勢調査におきましては、林業就業者は十七万人でございまして、五十歳以上の方々は四七%でございます。以上のように、大変高齢化と就業者の減少傾向が続いております。
 これら林業への若い人たちの就業状況でございますが、山村の振興あるいは林業の発展を図ります上で若い林業就業者の育成、確保ということが大変重要であると考えておりますが、しかし、最近におきます高等学校新規学卒者の林業への就業者数は年々減少傾向にございまして、平成元年度におきましては二百人弱という状況でございます。若手林業者の就業者を安定的に育成、確保していくためには、まず林業を魅力あるものにすることが重要であると考えます。このため従来から、造林事業、林道事業、林業構造改善事業といったいろいろな林業施策を通じまして林業の活性化を図りますとともに、就労条件の改善、あるいは定着促進を図る林業労働力対策、あるいは林家の後継ぎの育成、確保を図ります林業後継者対策を推進をしているところでございます。今後とも、これらの施策によりまして若手林業就業者の育成、確保に努めてまいりたいと存じております。
○川俣委員 その問題を深めると農林水産委員会になってしまうので、ちょっとやめます。
 国会には、通称林活議連という超党派の議員連盟があります。林業活性化ですね。自民党はもちろんですが、社会、公明、民社、共産党、超党派の林活議員連盟というのがあります。そこで、今のお話は皆さんお悩みでしょうからちょっと申し上げておきますけれども、山村振興連盟の臨時総会がこの三十日にあるそうですから、それにひとつ今の悩みを持ったようなことを決議として超党派の場で上げようではないかということになっております。これは蛇足でございますけれども。このように五十歳が五十五年には四七%、今は六〇%超、そして人員は少なくなったということの報告でございます。
 そこで伺いたいのは、森林にすむ絶滅の危機に瀕していたカモシカ保護には政府としてはどういう施策で臨んできたのか、そして、その結果カモシカの最近の生息動向はどう推移しているのか、さらに、各地でカモシカが木の芽や皮を食い荒らす被害が出ているが、実態を皆さんが調べておるか、そして訴えも出ておるか、その辺を話してもらいたいと思います。
○山内政府委員 お答え申し上げます。
 まず、カモシカの保護についてどういう施策で臨んできたかという点でございますが、ニホンカモシカはまだこの法律が狩猟法といっておりました大正十四年から捕獲を禁止されておりましたが、文化財保護法によりまして、昭和九年でしたか天然記念物、それから戦後、三十年には特別天然記念物に指定され、保護が図られておるわけでございます。この三十年ごろからのことを申し上げますと、その後密猟に対する対策を、これは文化庁だけではございませんがいろいろな角度から対策を講ずる、あるいはその他の意味での保護の結果、むしろ生息数がふえるという傾向が三十年ごろから四十年にかけて出てきたわけでございまして、むしろカモシカによる被害が昭和四十年代の後半になりますとかなりの社会的な問題になってきております。
 そこで、政府の中でも、カモシカの保護ともう一つの方の被害の防止の両面からの対応を図るために、昭和五十四年の八月に環境庁のほか、文化財ということで文化庁、それから今先生も何度もおっしゃいました林業対策振興という見地から林野庁という三つの庁が協議を重ねまして、三庁合意というものを御存じと思いますが整えたわけでございます。簡単に申しますと、今後は地域を限った天然記念物の指定が考えられないか、そのために、それに至る経過措置として全国的に保護地域を設定して、保護地域の設定が終わった場所においてはカモシカの個体数調整と申しますか、ある程度被害の状況をにらんだ上での捕獲調整を行おうということの方針を決めて今日まで至っているわけでございます。昭和五十四年から幾つかの県で個体数調整を続けてきておりますが、生息数の方で申し上げますと、今申しました特別天然記念物になりました昭和三十年ごろは、実は多く見積もっても数千頭に少なくなったのではないかということが言われておりましたが、その後の先ほど言いましたような増加が見られまして、環境庁自身が昭和五十年から五十三年に調査しました結果では、推計の方法にいろいろの幅はございますが、約七万五千頭は全国的に確認できる、さらにそれから六年たちました昭和五十八年から六十
年に調査しました場合も、これも推計の幅はございますが九万九千頭、約十万頭の生息数がこの時点で確認されたという状況になっております。その後の正確な悉皆調査はございませんが、この十万頭という数はその後若干ふえているとお考えいただいて間違いないと考えております。
 そこで、こういった生息数の増加にある程度比例と申しますか関連いたしまして、確かに森林、特に造林木に対する被害が言われております。きょうは林野庁がお見えでございますから、後ほど林野庁から御答弁いただくのが正しいかと思いますが、一応私どもが聞いております数字を申し上げますと、昭和四十八年以降非常に被害がふえてまいりまして、これは民有林、国有林両方にあらわれるわけでございますが、実は昭和五十二年には全国十一の県で三千ヘクタールというカモシカによる被害の状況が報告されております。この数字は五十四年ごろまではやや横ばいでまいりまして、先ほど申しました三庁合意による個体数調整もその一つだと思うのでございますが、その他の面でも文化庁その他でいろいろ被害防止対策に御苦労いただきまして、五十四年ごろからは若干減少傾向が見えております。それで五十九年ぐらいまでにかなり下降線をたどりまして、一千六百ヘクタールという数字がございますが、残念ながら六十年度からはまた増加傾向が出ております。一番新しい被害の取りまとめを聞きますと、六十三年度には全国で十数県に約二千ヘクタールに近い被害が発生していると聞いております。また、今主として造林木に対する被害のヘクタール数を申し上げましたが、生息数が人間の集落周辺にまで拡大している地域では若干新たな問題として農作物に対する被害も聞かれているというのが現状でございます。
○川俣委員 個体数調整という言葉、個体数調整だそうです、我々は捕獲、捕獲しと何となく言っているけれども。
 それで文化庁に論議に入ってもらいたいが、その前に、毛皮の売却、肉の自家消費を認めるというのはどこで決まったんですか、いつからですか。
○山内政府委員 これはニホンカモシカが片や天然記念物、文化財保護法の適用があり、片や私どもの鳥獣保護法の適用がございますので、先ほど言いました三庁合意のような場で協議しながら政府として決めたことでございます。時期につきましては、実は五十九年度までは調査研究のために全個体を回収するという措置を義務づけておったわけでございますが、六十年度からは肉については捕獲町村の地元で自家消費の道を認める、それから毛皮についても、実はこれは保護法の決めがございますが、一部に商品化を認めるということを昭和六十年から認めております。
○川俣委員 六十年からはわかるけれども、政府が認めなければ認めるところがないのだけれども、具体的に官庁というのはどこですか、環境庁ですか。
○山内政府委員 これは都道府県との関係では、環境庁が関係省庁を代表してそういうふうに指導していると御理解いただいて結構でございます。
○川俣委員 そうすると、文化庁に聞きますけれども、カモシカの個体数調整にかかわる、いわゆる手続というのですか、その辺は文化庁に聞いていいんだろうか、どうなんですか。
○大澤説明員 御説明いたします。
 先生御指摘のカモシカの個体数調整に関する手続でございますけれども、先ほど来御論議ございますように、私ども文化財保護サイドとそれから環境庁さんの方の鳥獣保護サイド、両面の手続があるわけでございますけれども、文化財保護サイドについて御説明いたしますと、文化財保護法の規定によりまして、この個体数調整を実施いたします市町村が都道府県を経由して行った申請に対しまして、文化庁の長官が文化財保護審議会にお諮りした上で許可を行うという形で手続が進められることになってございます。
○川俣委員 そんなに手続が大変なのか。この手続は大変だと言うのですよ、何カ所歩くんだと言ったかな、人間様の死亡届というのは一カ所でいいんだけれどもカモシカの場合は五カ所くらいと言ったかな。僕ら無知なものだから聞かせてくれないか。
○山内政府委員 まず、私どもの申しますカモシカの個体数調整には大きな流れとして二つの手続がございます。一つは今文化庁からお話のございましたように、調整することについての文化財保護法の手続がございます。それからもう一つ、これはやはり先ほど先生の御指摘がありました私どもの鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律に基づくいわゆる許可捕獲でございますので、まず個体数調整を実施します市町村が県庁を経由して環境庁長官に捕獲許可を求めることが大前提になっております。ですから、大きな政府との関係では、文化庁のサイドの手続と環境庁サイドの手続が要るわけでございますが、先生が今御指摘になりました非常にあちこちにかかわって手続が煩瑣であるという点は、先ほど先生も御指摘になりました毛皮の利用に関しまして、本来これは違法捕獲のものがうっかり流通してはいけませんから、毛皮の流通に関してかなり手数を踏んだ措置を講じております。
 参考までに申し上げますと、まず捕獲したときに市町村で耳票、耳の票というものを個体にくっつけます。それで捕獲台帳を市町村でつくりまして、県はそれが製品化されますと目印を、タッグと申し上げてよろしいでしょうか、県庁の方でも製品台帳をつくる、それにさらに環境庁としてはそれが適正な商品であることを認めるための証明書を出しておりますので、まず市町村役場と県庁にまたがって、しかもその毛皮をなめす段階で二回手続が必要になること、そういうことの総体を含めて言われておることではないかと理解しております。
○川俣委員 そうすると調整の場合は、市町村、県庁、環境庁ですか、それで文化庁ですか。毛皮にするときにもそのようにやるわけですか。その辺をちょっと具体的に、どことどこがやるのですか。
○山内政府委員 一定の頭数を決めて捕獲する場合は一回文化庁と環境庁の手続に行けばよろしゅうございますが、一匹一匹捕獲したものを毛皮にする段階には市町村と県庁、それから環境庁が後で証明書を出す。捕獲を決めるときは二つの役所に関係がありまして、毛皮にする場合には市町村役場、県庁、環境庁という三段階を経由する、そういうことになっております。
○川俣委員 そうすると、毛皮にするときは文化庁はいいのですね。
○山内政府委員 毛皮にすることは私どもで鳥獣保護法に基づく措置として認めておりますので、文化庁を経由しておりません。
○川俣委員 それから国土庁、このように手続も大変、沈滞ぎみの林業、さっきお話しされました全く沈滞ぎみ、さらにそれに加えてカモシカの被害、ごんべえが種まきゃカラスがほじくる、三度に一度は追わずばなるまいという日本の長いことわざがあるが、そうなると、窮地に陥っている働く人たちの士気に重大な影響がある山村です。私がさきに行ったというのは長野県の木祖村。この木祖はどういうわけだか祖先の祖なんです、普通の木曽の曽ではなくて。長野県の木祖村というところなんですが、そこへ行ったのですけれども、一たん国が林野行政で林業国会といって予算委員会から何から、若者が帰ってくるように対策を立てたことがあるのです。そうしたら、やはり若者が帰ってきたのです。もちろん手当てしたのですよ、都会にいないで帰ってこいと。帰ってきたらこの被害で、とてもじゃないがというのでまた都会に戻っていったという実態を、数字で見せられたのですけれども、このような対策、これは国土庁の振興課だろうかどこだろうか、これはだれか答えてください。
○長田説明員 お答えします。
 山村地域は国土保全それから水源涵養、自然環境の保全と国民生活に非常に重要な役割を持っておるわけでございまして、これらの地域の所得格
差の是正等が必要ということで昭和四十年に山村振興法ができまして、山村振興法に基づきまして農林漁業の産業基盤の整備とか道路整備、生活環境の整備といった各般の施策の推進をしているところでございます。それで四十年来着実にその整備が進んでいるわけでございますが、片や山村における農林業の停滞等もございまして、もう片一方で都市側で非常な急成長をしているということから、なかなか格差が縮まらないという状況にございます。このため現在も山村振興法に基づきまして第一期、第二期の対策をやってまいりまして、現在第三期対策ということで、これは基本的には県が市町村と協議をして計画を立て、それを関係省庁がその協議を受けて、それに基づいて計画を樹立し推進をしていくという仕組みでございますが、第三期の山村振興計画を立てて山村の活性化に努めているところでございます。第二期の山村振興計画の一地域の平均計画事業費が二十七億というのが今現在第三期の事業費は五十億ということで、一・八倍の事業計画がございます。それを達成すべく現在関係省庁とも努力しながら推進しているという中で、地域の活性化等のいろいろな催しもございますので、そういったものも応援しながら、若者ができるだけ定着できるように私どもも事業の推進に努めているところでございます。
○川俣委員 もう一つ振興課長に聞きますが、今まで話をした深刻な問題、特に長野、愛知、岐阜あたりが大変深刻だという訴えですが、この訴えというか叫びというか、今まで話をしたことを聞いておりますか、国土庁。
○長田説明員 一般的なお話として私どももカモシカの被害というのは聞いていますが、山村の振興の基礎は農林漁業の振興ということで、今お話が出ました例えば岐阜でも、現在木造の産直住宅というのをやっておりまして、協議会をつくっている町村が十五、六ございますが、そのうちの大部分は過疎になっていないといったこともございまして、私ども、そういういろいろな面で農林漁業を中心とした地域の振興策、それを関係省庁とも協議をしながら進めていきたいというふうに考えております。
○川俣委員 聞いてはいるんですね。
○長田説明員 はい。
○川俣委員 それで、この辺で諸外国は一体どうなっているのだろうかなと思うのだが、国際化時代だからほかの国のカモシカの問題、これは唐突な質問ですけれども、何かわかりませんか。わからなかったら後で資料で結構ですから。
○山内政府委員 手元に詳しいものは持っておりません。もし何かございましたらお届けしたいと思いますが、ただアメリカなどの場合、国立公園の実態などを聞きますと、かなり広いところに野生生物がおりまして、日本のように集落に近いところで被害が起きたという例を余り真剣な問題としては聞いた記憶はございません。しかし、なお調べまして、またそれに対する対策などもわかれば御報告したいと思います。
○川俣委員 大臣、そうなんです。これを最後にします。うちの方の時間、さっき食い込んだ分を私が調整しますからぼつぼつ終わりますが、国土の狭隘がありますけれども、結局、諸外国の自然と日本の自然というものとある程度違うのですね。ほうっておけばいいというどころじゃなくて、こっちはそれこそごんべえが種まきなんで、すぐ植えているわけでしょう。また、植えなければ、国土保全、険しい日本の国土ですから、だから水が非常に豊富なわけですけれども、こういうわけですからどうしても自然というものに手を加えなければならないのが日本です。自然はほうっておけばいいんだという国と違って、こういう狭隘な国土に一億二千万人がひしめいて暮らしているわけですから、その辺が自然保護と鳥獣保護と人間の生活、特に農林水産業の振興という業務規程があるわけですが、それとの関係があるので、大臣に最後にこれを聞いて私は終わります。今までの対策では調査結果からもわかるとおりに不十分で、山村、山林崩壊はもう待ったなしだと思います。これは中長期的には党派を超えて、困ったものだ、水の被害、国土が崩壊する、がけ崩れがある。何で日本はがけ崩れがあるかというと、かなりの山奥にまで暮らさなければならないという日本国土なんですよ。そして、そこへ山林を育成しなければならないという日本国土なんです。だから、諸外国のカモシカなんか自然にほうっておいてかえって鑑賞用にいいんじゃないかという感覚では日本国土の環境庁は満足できないものがあると思いますので、余り諸外国と同じように過剰保護というところからではなくて、今言ったようなことで個体調整をする方向でこの辺で考えるべきではないのだろうかな。国土の均衡ある発展という意味からも、あなたもそう都会でもないところから選挙に出ているから、私に劣らないところでやっておりますので、まだ一関は大都会かもしらぬが、あなたは文化のレベルの非常に高い人だと私は尊敬しておるので、その辺の調整を、非常に難しいと思うが、今のカモシカの問題は非常に悩んでいるということを受けとめていただいて、ぜひお願いしたいものだなと思うので、ひとつ御高説を拝聴したいのです。
○志賀国務大臣 承っておりまして、これは哲学にもかかわる大命題だと存じます。私は、裸山に植林をするのは環境保全か開発かということをよく例に出します。それから、これは日本だけではないと思うのでございますが、一見自然と思われるものに手を加えていく、刈り払い等をやるということ、手を加えること自体が実は立派な環境保全につながる、これはまことに御高説のとおりでございまして、そういう面から、鳥獣保護とあるいはその反対の間引きというものも念頭に置かなければいけないことだと思うわけでございます。ただいまいろいろ意見がございましたように、これまでカモシカにつきましては三庁合意に基づいて対応してきはしたものの、今いろいろな問題が御指摘のあったとおりでございます。保護を前提としつつも、現に起きている被害の状況を踏まえながら適切な対応をとるということで、今後ともそのような対処、対応をしてまいりたい、環境庁はさように考えておる次第でございます。
○川俣委員 ありがとうございました。以上で終わります。
○今枝委員長代理 遠藤和良君。
○遠藤(和)委員 私の持ち時間は三十九分という短い時間でございますので、答弁はできるだけ簡潔明瞭に、めり張りのついたものをお願いしたいと思います。
 私は、生活雑排水の問題、自然保護の問題、それから地球的規模の環境問題、この三点に絞りまして質問をさせていただきたいと思います。
 最初に、生活雑排水の対策でございますけれども、環境庁は現在の水質汚濁の問題について、この生活雑排水対策の必要性というものを具体的にどう認識されておるのか。まず認識を問いたいと思います。
○安橋政府委員 水質汚濁防止対策といたしまして、従来は産業系の排水規制ということを中心に対策を講じてきたわけでございますけれども、今日におきましては、生活系の排水が汚濁負荷の中に占めます割合が相対的に大きくなってまいってきているわけでございます。例えば、東京湾におきましては、流入する汚濁負荷のうちの七割程度が生活系であるというような実態になっているわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、産業系の排水規制の強化ということはもちろん今後ともやっていかなければならないと思いますけれども、あわせまして、生活雑排水対策ということも考えていかなければならないというふうに考えまして、その充実強化について検討を進めているというような状況でございます。
○遠藤(和)委員 これは環境庁からいただいた資料でございますけれども、「今後の取り組みの方針」といたしまして、その中に「今後の生活雑排水対策の推進方策については法的措置を含めて検討を進める」、こうあるわけでございますが、この法的措置というのは法案を用意しておるということであろうと思いますが、この法案の骨子並び
に提出のめど等につきまして具体的にどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
○安橋政府委員 現在、生活雑排水対策全般につきまして検討を進めているところでございまして、現段階では具体的にこのような措置をとるというところまで固まったものではございません。しかしながら、生活雑排水対策と申しました場合には、従来やっておりました企業排水規制というのとは、やはり対象が家庭であるということで、企業と同じような排水規制というようなことではうまくいかないじゃないかということで、生活雑排水対策に合ったような対策が何かないものだろうかということで鋭意検討を進めているという状況でございます。したがいまして、その検討の結果、また法制化するということになりますれば法案で御審議をお願いしたいということでございますが、まだそのような段階まで至っていないような状況でございます。
○遠藤(和)委員 確かにこの生活雑排水問題は、環境汚染の被害者も国民である、しかし加害者もまた国民であるというところが、大変問題が複雑であると思います。それから個人の基本的人権、生活権ですね、それに対して法的縛りがどうなるのかというかなり難しい問題があると思うわけでございます。私は、やはりこれは合併処理浄化槽の設置を義務づけるところまでいかなければ実効が期待されないのではないか、このように考えるわけでございますが、どこまで法律でそれができるか、あるいはそれができないとすると、少なくとも地方公共団体や住民の役割の明確化あるいは生活雑排水対策の計画を推進する、この枠組みを法案の中で盛り込む、こういうところが出てくるのではないかと思いますが、その辺、少し具体的にお答えをいただきたいと思います。
○安橋政府委員 生活雑排水対策を考えます場合に、合併処理浄化槽というのは一つの策ではないかと考えております。もちろん、生活雑排水対策の基本といたしましては下水道等の整備というようなものが基本的な問題ではございますけれども、下水道につきましては、御案内のとおり集落が散居形態のようなところではやや効率的な面で劣るわけでございますし、あるいは下水道処理が適切な地域におきましても現実に下水道が布設されるまでの間相当期間を要するというような地域においては、合併処理浄化槽というようなものの導入ということは必要ではないかと思っているわけでございます。そういうようなことで、現在厚生省におきましても合併処理浄化槽に係ります補助というようなものも道を開いていただいておりますし、私どもの方でも公害防止事業団の融資というものを合併処理浄化槽について認めているというような状況でございます。
 ただ、この合併処理浄化槽自体を設置義務づけというようなことになりますといろいろな問題もあるというようなことで、どのような形でこの合併処理浄化槽を推進していくか。一つは今申しましたような誘導措置というようなことが考えられますけれども、それ以外にどのような方策があるかということは、今後の検討課題であるというふうに考えているところでございます。
○遠藤(和)委員 一部の新聞報道によりますと、義務づけを考えている、こういうふうな報道がありましたが、これは義務づけを含めて検討しているのか、義務づけは頭から考えてない、こういうことなんですか。そこら辺のスタンスはいかがなんですか。
    〔今枝委員長代理退席、委員長着席〕
○安橋政府委員 合併処理浄化槽の設置問題も含めて検討しているわけでございます。
○遠藤(和)委員 わかりました。
 我が国には下水道神話というのがあるんじゃないかと私は思うのです。いわゆる公共下水道が完備できれば生活雑排水もみんな含めて水質が浄化するんだ、こういう神話がありまして、毎年国費が大体三兆円近く投入されて建設をされているわけでございますが、大体年一・三%ぐらいずつしか進捗しておらぬ。しかも人口密度の低いところはほとんどいってない。いつになったら日本全国にできるのかなということを考えておりますと、五十年以上かかるんじゃないかという人もおるし、百年ぐらいかかってもできないんじゃないかという人もおります。まさに日暮れて道遠しという感じがいたします。また公共下水道というのは、終末処理を大体海の近くで行いまして、処理した水を直接海に流してしまうという関係がありまして、川の流量が減少をする。したがって川が崩壊してしまう。その点、この合併処理浄化槽というのは個人下水道という性格のものでございまして、設置費用も一世帯で大体百万円ぐらいだ。公共下水道に比べてはるかに安いし、しかも早く建設ができる利点がある。また、この合併処理浄化槽で浄化された水は再び川に返されるものですから、川も流量が減少しない、水が循環をする。こういうふうな考え方をおっしゃる方がたくさんいらっしゃるわけでございますが、こういう考え方につきまして、今合併処理浄化槽の設置事業を進めております厚生省はどのように基本的に考えているのか、伺いたいと思います。
○櫻井説明員 私どもも、公共用水域の水質の保全という観点から生活雑排水対策は大変重要であるということで、昭和六十二年度以降合併処理浄化槽設置整備事業を推進しておるわけでございます。
 合併処理浄化槽の利点と申しますかそういったものにつきましては、大変費用的に安価であるとか、設置しようと思えば短時間で設置ができるとか、いろいろな地形的な制約を受けないとか、そういった面がメリットではないかということを私どもも考えておるところでございます。
○遠藤(和)委員 それで、分野調整じゃないのだけれども、厚生省で今行っているいわゆる整備事業については、補助対象地域は、下水道法第四条第一項の認可あるいは同法第二十五条の三第一項の認可を受けた事業計画に定められた予定処理区域以外の地域、こういう縛りをかけていますね。この縛りを取ってしまって、ある意味で厚生省と建設省が競合し合いながら、住民のためによりよい下水道のあり方はどういうあり方なんだ、こういうものをやられたらいかがかなと私は思うのですが、何か厚生省さんは建設省さんに遠慮されているのではないか、こう思います。いかがですか。
○櫻井説明員 先生御指摘のとおり、私どもの合併処理浄化槽設置整備事業におきましてはその対象地域を下水道の事業計画の区域の外ということでやっておるわけでございますが、やはり私どもも国の補助金ということで政策を進めておるわけでございますので、下水道の事業計画がつくられている区域内におきましては下水道を計画に従って促進をしていただく、私どもは事業計画の区域以外において合併処理浄化槽の設置に努力をしていくということで、お互いに努力をしていくことが大変重要ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○遠藤(和)委員 この整備事業で、昭和六十二年度に創設をされまして以来、来年平成二年度は三十五億円要求されておる、今年度に比べて一六九・九%になる、かなり進捗はしてきておる、二年度には約一千市町村になろうか、こういうことでございますけれども、私は考えるのでございますが、この補助金というのは公共下水道の費用から比べれば本当に少ないものでございますね。
 しかし、これはある意味で民活を導入した事業推進の形になるわけですね。もともとの単独処理浄化槽の分は個人に負担をしていただく、残りの合併処理浄化槽にした上乗せの部分、ここの三分の一を国費が負担するということでございますから、国としてはそんなにお金をかけなくても有効な推進ができるという形になるわけですね。私はもっと積極的な取り組みをすべきではないかな、このように思うわけでございますが、下水道対策は建設省がされておりましたから、後から始まったわけですから遠慮されている気持ちはよくわかりますけれども、その本音の部分はいかがなんですか。もうちょっとどんどんやりたいのではないかと思いますが、いかがですか。
○櫻井説明員 合併処理浄化槽というものが登場いたしまして、下水道以外の一つの生活雑排水対策の有力な施設ということで私ども設置を促進しておるわけでございますが、下水道なり合併処理浄化槽、そういったいろいろなメニューの中から何を選んでその地域の雑排水対策を進めていくかということにつきましては、やはり地域の実情に応じまして地方自治体が選択をするということを基本に考えていくべきであろうと思っておるわけでございます。そういう意味におきまして、下水道の事業計画ということで下水道が選択をされているという地域につきましてはやはり下水道の整備を促進していただきまして、それ以外の地域で私どもは合併処理浄化槽の整備を促進していくということで努力をしておるところでございます。
○遠藤(和)委員 随分遠慮をされて申されている気がいたしますが、これ以上はやめます。
 この補助対象になる合併浄化槽について、厚生省はどういう基準を設けていますか。
○櫻井説明員 基準ということになりますと、一つは、その合併処理浄化槽がどういった地域に設置されるかということでございます。この点につきましては、先ほど先生から御指摘ございましたように、まず下水道の事業計画区域以外の区域であって、例えば、湖沼法の指定地域でございますとか水道水源の流域でございますとかといった特段の生活雑排水対策を必要とする地域、そういった地域に設置される浄化槽ということが一つでございます。
 それからもう一つ、合併処理浄化槽の性能基準という面におきましては、いわゆる浄化槽の構造基準に合致するものでございまして、かつBODの除去率が九〇%以上、放流水の水質が二〇ppm以下というものを対象にして私どもは補助を行っておるわけでございます。
○遠藤(和)委員 建設省に聞きたいのですけれども、建築基準法に基づく構造基準に適合しというところの認定でございますが、いわゆる工場で生産されるものと現場打ちのものにつきましてはどういうふうな理解をしていますか。
○鈴木説明員 お答え申し上げます。
 浄化槽法におきましては浄化槽の型式、設置の手続等について規定されております。浄化槽の構造につきましては建築基準法令によるということになっておるわけでございます。それで、同じく浄化槽法の十三条一項におきまして、工場において浄化槽を製造しようとする者は、試験的に製造する場合を除き、浄化槽の型式について建設大臣の型式認定を取得しなければならない、このようにされております。
○遠藤(和)委員 現場打ちのものはどうなんですか。現場の建築主任が認定するということでいいのですか。
○鈴木説明員 工場で浄化槽を製造する場合は今申し上げたとおりでございます。現場につきましては建築主事がかわりに運用いたしております。
○遠藤(和)委員 いわゆる石井式合併処理浄化槽という浄化槽があるんです。これはよく新聞等でも報道されておりますけれども、九州第一工業大学の教授である石井さんが考案されたもので、私も現地に行って、石井さんのお宅にも参りまして見せてもらったのです。これは排水のBODが一ppmまで浄化されるという大変優秀な性能を持っているのですが、不思議なことにこれが合併処理浄化槽設置整備事業の対象にならないという話を伺ったわけでございます。これは何でならないのでしょうか。
○櫻井説明員 私どもの整備事業につきましては、先ほどお答え申し上げましたとおり、浄化槽法で構造基準は具体的に建築基準法並びにそれに基づく政省令等にゆだねられておるわけでございますが、そういったものに合致するということが第一、それから第二がBODの除去率九〇%以上、PPmで四〇ppm以下、そういったものを対象にしておるということでございます。
○遠藤(和)委員 そうすると、石井式合併処理浄化槽については対象にならないという理解ですか。
○櫻井説明員 先ほど申し上げましたような条件に合致するものであれば、私どもの補助事業の対象になるものでございます。
○遠藤(和)委員 建設省はこの石井式合併処理浄化槽についてどういう認識をしていますか。
○鈴木説明員 先ほど御答弁申し上げましたように、建築基準法令におきまして浄化槽の構造基準を定めております。それでこの中で、私どもの建設省告示におきまして第一から第七につきましては、それぞれ要求される性能に応じて具体的に構造についての基準を決めております。それからさらに第八の規定で、この規定に合わない構造の浄化槽でございましても、建設大臣が同等以上というふうに認めますと設置が可能でございます。
 ただ、今御指摘の石井式浄化槽、いろんなタイプがあるようでございますが、いわゆる石井式浄化槽と申し上げたいと存じますが、これにつきましては告示の一に該当するものもございます。それから、タイプとしては告示の八にどうも該当しそうなものもございます。ただ、いずれにしましても、現時点ではまだ告示を通っておりませんし、それから建設大臣の同等以上という第八もまだ使った例もないところでございます。ただ、具体的には二社ほどでございますが、既に認定直前のものもございますし、まだ申請段階のものもございます。そういう関係で、厚生省の補助には結びついてないというのが実態だろうと思います。
○遠藤(和)委員 次に、自然保護の問題についてお伺いいたします。
 いわゆる国有林の施業計画と原生林の保全の問題でございますが、先日福島県の柳津町の博士山というところに私行ってまいりまして見たのでございますが、伐採計画がありまして大きなブナが切り倒されるということで、町も議会も皆反対をしておる、こういう状態でございまして、先日大臣にも申し入れをさせていただきましたが、これを林野庁さん、切らないという約束ができますか。
○高橋説明員 お答えいたします。
 博士山の国有林の施業につきましては、自然環境の保全等に十分留意して、健全な森林の育成を図るように、そして木材資源の利用による地域産業の育成、それから地元住民の就労の場、こういうふうな観点も含めて計画をしたところであります。
 現在、伐採計画をしておる周辺といいますか、上部には二百ヘクタールに及ぶ風致保護林がございまして、これは伐採しないでおくという目的のものでありますけれども、その周辺で伐採を計画したところがあるわけであります。この計画は今申し上げたようなことで計画したわけでありますけれども、その伐採につきましても、地元から伐採計画の見直しということが出されておりまして、大変強い要請でありますので、地元との調整を図りまして適切に対処していくというふうに考えております。
○遠藤(和)委員 これは環境庁長官も聞いてもらいたいのですが、僕は行って木を見てきたのです。聞きましたら、切る計画のものは四百五十本くらい。幾ら入るのですかと言ったら五百万円くらいなんですね。立ち木で売りまして一本大体一万円くらいなんですよ。その木はどういう木か、木を直接山の中まで入って見てきたのです。そうすると、大体樹齢が二百年ですよ。手で二人くらいで抱えていっぱいくらいの大きい木ですね。四十メートルくらいの高さがある。そういう立派なブナが、それが一本一万円なんですよ。何で切るのかなあと私は思いました。
 そして国有林野特別会計の決算を見せてもらったのです。昭和六十三年度の決算ですよ。そうすると、こういうことですよ。林野庁の自己収入が二千九百七億円あるのです。そのうち林産物の収入は千九百二十六億円。林野とか土地を売却した利益が七百三十一億円あるのですよ。人件費は二千八百十五億円かかっているのですよ。ということは、人件費を支払うために林産物の収入じゃ間に合わないのです。足らない。だから土地を売却して、売り食いですね。まさにこれは戦後のタケ
ノコ生活みたいな会計を今やっているわけです。私は、この林野特別会計は既に破綻していると思いますよ。
 それで、このブナの木、二百年たって一万円でしょう。これを売って収入にしたとしても、これはまさにこの会計から見れば焼け石に水なんです。このままこの特別会計を置いておくと、私は日本じゅうの山がはげ山になってしまうのじゃないかという心配をしているわけです。もともとこの林野特別会計というのは、戦後GHQの指導によりまして、日本の国の戦災復興資金として国有林が一般財源に使われては困る、だからくくりを入れなければいけない。だから国有林を保護するためにつくった会計制度なんです。ところが今時代が変わりまして、逆になって林野特別会計を圧迫しているわけです。これは構造的な欠陥だと僕は思うのですよ。実際行って営林署の皆さんに聞いてみると、一万円で売るということについてはもう悲痛な思い、本当は切りたくない、しかし何分人件費も出ないような会計繰りですから切らざるを得ない、こういうものが背景にある。だからこの構造的な欠陥を直さない限り、本当にブナの自然保護にはならないのです。
 そこで私、長官に、長官は国務大臣のお一人ですから、ぜひ自然保護の立場から、この国有林野事業特別会計の抜本的見直し、これをぜひ呼びかけていただきたいと思うのですよ。昔は国破れて山河ありと言ったけれども、今は国栄えて山河なしだ。そしてどんどん木を切って、天然のダムが全部なくなってしまって、人工のダムを建設省さんが一生懸命つくっている。ダムをつくってもすぐ砂でいっぱいになってしまう。これは私はおかしい財政の仕組みになっていると思います。この辺、特に御発言をしていただければと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○志賀国務大臣 大変勉強になるお話をいただきましたので、早速御指示に沿うた方向でこの検討をさせていただきたいと存じます。
○遠藤(和)委員 もう一つ博士山について、私の地元の徳島県木沢村に、剣山周辺にしもあれ国有林というのがあったのです。これも私は切るなと言ったのだけれども、択伐してしまった。大変遺憾に思っているのだけれども、今後は絶対に切らないと言えますか。ちょっと確認をしておきたいと思います。
○高橋説明員 お答えいたします。
 しもあれの国有林につきましても、この地域を保全地域あるいは調整地域あるいは木材生産の地域というふうに位置づけて伐採の計画を立てたわけでありまして、全体で二十九ヘクタールの伐採計画をつくったわけでありますけれども、六十三年度に十三ヘクタールだけ択伐をした実績でございます。
 今後の計画につきましては、現在その森林の保全につきまして要請がありますので、それを見合わせております。ちょうど今度第六次の地域施業計画に当たるわけですが、これを樹立する時期に当たりますので、来年度、そういう経緯を踏まえまして慎重に検討したいと考えております。
○遠藤(和)委員 この剣山周辺は、今度環境庁の努力によりまして国設鳥獣保護区に指定していただきましたね。私はよく山に登るのでありますが、剣山の周辺は昔は一面のブナ林だったのですけれども、今はぽつぽつしかない。ほとんど枯れてしまった。こういう状態です。もう対策は遅いのではないかなと思うのですけれども、今もはっきり、今後は一切切りませんということは断言できない。何でかというと、国有林野特別会計にその構造的なネックがあると私は思うわけです。海抜千メートルを超える地域の原生林を切って、後から生えてくることはないのです。もっと低いところであれば杉を植えたりいろいろできますけれども、そういう海抜の高いところの木については天然更新をしていく以外にないのです。この辺をよく配慮していただきたい、このように思います。
 もう一度伺いますが、周辺が国設鳥獣保護区にもなっておりますし、一本も切らない、こういう方向で検討してもらいたいと強く要請しますが、いかがですか。
○高橋説明員 お話しの国設鳥獣保護区の設立の経緯は私どもも承知しておりまして、鳥獣保護区約一万ヘクタールのうちの六千ヘクタール強が国有地でございます。私どもも、鳥獣保護という観点からも含めて、こういう森林の取り扱いということには十分留意して慎重に計画をつくっていきたいと考えております。
○遠藤(和)委員 それでは信用いたしまして、最後に地球環境問題についてお伺いしたいのでございます。
 ことしは地球環境フィーバーといったらなんでございますが、日本でもたくさんの世界会議が行われました。世界じゅうでもたくさんの会議が行われたわけでございますが、その会議のフォローアップをどうするか。具体的に申し上げますと、日本としての具体的なアクションプログラムをやらなければいけない。森林破壊の問題、地球の温暖化の問題あるいはオゾン層の破壊の問題、酸性雨の問題、有害廃棄物の越境移動の問題、砂漠化の問題等たくさんあるわけでございます。日本政府として、具体的にこう行動しますというものを示すべきではないかと思いますが、その辺に対する長官の認識はいかがですか。
○志賀国務大臣 全くごもっともでございます。地球環境問題は人類の生存基盤に深刻な影響を与える重大問題でございますから、我が国としては「世界に貢献する日本」の立場から国際的な地位にふさわしい役割を積極的に果たしていくことが必要だと考えております。
 そのため政府としては、ことしの六月の地球環境保全関係閣僚会議において当面の地球環境保全施策の基本方針を申し合わせたところでございます。現在、これに沿って国際的枠組みづくりへの参加、調査研究等の推進、途上国への支援と環境配慮の強化、そして国内対策等の各面で各省庁が連携し、諸施策の推進、具体化にまさに努めているところでございます。
 私は環境庁長官、地球環境問題担当大臣として、政府における関係施策の旗振り役に徹してまいりたい、このように考えております。これが、議論を超えた行動の時期にある我々のとるべき態度かと考える次第でございます。
○遠藤(和)委員 具体的にお伺いしますけれども、今国会の衆議院本会議の我が党の石田委員長の代表質問で、ODAが金額ベースでは世界で一番多くなった日本として環境に配慮した途上国へのODAのあり方のガイドラインを総理は責任を持って早急につくりますという答弁をしましたが、見ておりますとまだ一向に出てこないわけでございます。我が国のODAについては途上国から何かといろいろな議論もあるわけでございますから、このガイドラインを政府として、日本の国はこういう基本方針に沿ってODAを考えますというものを早急に出さなければいけないと思うのですけれども、やはり環境庁長官は閣議でもっとリーダーシップをとりまして、このガイドラインもそれぞれJICAが行ってとかいうのじゃなくて閣議決定できちっとつくる、こういう考え方で日本国政府の態度というものを世界に示す必要があるのではないか、このように思いますが、どのようにお考えになりますか。
○安原政府委員 先生御指摘のとおり、ODAを実施していきます場合に環境配慮を徹底するということは極めて重要なことでございます。そのために環境庁といたしましても基本的な方向を報告書としてまとめまして、関係省庁に働きかけを行ってきたところでございますが、先般六月の地球環境保全に関する関係閣僚会議の申し合わせにおきまして、その点につきましても明確な方針を示しているわけでございまして、政府開発援助の実施に際して環境配慮を強化するという趣旨の方針を打ち出しております。これがいわば政府の基本的な方針の表明でございます。
 今この方針を受けまして、関係省庁あるいはその援助の実施に当たります機関、すなわちJICAとか海外経済協力基金におきまして具体的なガ
イドラインづくりを進めておるというのが現在の状況でございます。
○遠藤(和)委員 森林保護に対して、アメリカの自然保護団体等が実行しているようでございますが、途上国の債務を肩がわりするかわりにその国の森林保護権をいただく、いわゆる債権と森林保護権のスワッピングですね。こういうものについて日本国政府も考えたらどうかと思いますが、いかがですか。
○安原政府委員 自然保護と債務のスワップの問題でございますが、これは民間団体がお金を集めまして、それによりまして累積債務国の債務を購入いたしまして、その見返りで相手国政府との話し合いのもとに自然保護をやっていただくというものでございます。
 これは今民間ベースで何件か行われておるわけでございますが、私どもも自然保護を進めていく上での一つのスキームであると考えておりますけれども、今のスキームは民間ベースが主体となって進めていただくというような内容ではなかろうかと思います。と申しますのは、自然保護のあり方につきましてはそれぞれの国の考え方がございますので、その考え方をよく聞きながら民間活力と結びつけていくというような形になっているわけでございます。
○遠藤(和)委員 時間が参りましたから、最後に長官に、私の提案も含めましてお伺いしたいのです。
 今地球環境の問題が非常に注目をされているわけでございますが、いろいろなお話がありまして、一つはちょっと行き過ぎて、国民が不安がるようなものもあるわけです。私は、わかりやすくて権威のあるものを環境庁できちっとおつくりになった方がいいのじゃないかと思うのです。そういう意味で、我が党で漫画でちょっと地球環境問題を取り上げたわけでございますが、例えば地球環境に的を絞りまして、漫画環境白書であるとかあるいは環境マップですね。世界の酸性雨の状況はどうである、あるいは砂漠化の問題がどうである、そういうものをマップとして出す、あるいはビデオライブラリーをつくる、あるいは義務教育の児童に対する権威のある地球環境に関する副読本ですね、こういうものを環境庁で監修をするなりあるいは制作を直接行うというふうなものをやっていくことが大事じゃないかな、こう思うわけでございます。具体的には政府委員の方がお答えになると思いますが、そういうふうな地球環境の保全に対しまして環境庁ができるアクションをまずみずから起こす、そして政府として行うものについても審議をしていく、こういうことをされてはいかがかな、このように考えますけれども、決意といいますかお気持ちをまずお伺いしたいと思います。
○志賀国務大臣 予算委員会であったかと記憶いたしますが、公明党の市川委員から似たような御趣旨の御発言がございまして、特に、公明党独自におつくりになりました環境問題にかかわる漫画本、単行本でございましたが、御持参になられまして、こういうものをつくってはどうかという御提案がございました。私もまことに結構なことだと思うので、前向きに検討させていただきたい旨の答弁をさせていただいた記憶がございます。
 おっしゃるように、権威のあるわかりやすい、大方に理解の行き届くような印刷物を出すということは、私もまことに結構なことだと存じます。したがいまして、漫画であれ写真入りであれ、わかりやすいものをつくるということは本当に結構なことだと考えますので、そのようなことも庁内で検討させていただきたいと存じます。
 まことに個人的なことでございますが、実は昨晩、私、小学校の一年生のときからの同級生十有余名と会食をする機会に恵まれました。その中の一人が比較的筋のいい特殊印刷をやっている会社の社長でございまして、出版業界の方々とのつき合いが深い人間でございます。彼から聞きましたところ、一時はもう漫画本が売れて売れて大変だったのに、最近はもう一度活字本に回帰の風潮が出てきたんだ、こういうことも聞きました。したがいまして、私はただいまの漫画を否定して申し上げているのではなくて、漫画と言わず写真と言わず活字と言わず、大方に理解が行き届きやすい方法でこの環境問題を大いにPRするということはまことに大事なことだと思いますので、先生の御趣旨を十分に体してまいりたいと存じます。
○安原政府委員 地球環境問題に取り組んでいきます上で、広く国民の皆さんに正確な理解を持っていただくというのが出発点かと存じております。今後ともその面での最大限の努力を払っていくべきものと考えておる次第でございます。大臣から御答弁がありましたとおりで、私ども事務当局としてもそのための努力を払っていきたいと考えておる次第でございます。
 具体的には、環境教育の推進を環境庁としては重点施策として行っておるわけでございまして、学校教育における環境教育のみならず、生涯学習の面でも充実を図っていかなければならないと考えております。このため、地方公共団体におきますもろもろの実践活動を支援助成していくことをやっておりますし、また正確な理解を得ますベースになります情報の提供をきちっとやっていかなければならないということで、そのための体制強化を図っておるわけでございます。そしてまた、必要な普及啓発用のパンフレットの作成、配布も進めておるところでございます。
 また、今御指摘の白書の問題でございますが、御承知のとおり六十三年度白書で初めて地球環境問題を特別のメインテーマとして取り上げまして、その普及版として「図で見る環境白書」の作成もやったところでございます。また、今後白書を作成いたします上で、できるだけそういう地球環境問題につきまして詳細に取り上げ、理解の一助になるように工夫をしてまいりたいと考えております。さらに、今月、地球環境と暮らしに関する研究会というのも設けまして、地球環境にやさしいライフスタイルを具体的にどういうものを推奨していったらいいのかということの研究も始めたところでございます。
 今後学校教育の関係では文部省等々とも連携をとりながら、一層充実を図ってまいりたいと考えております。
○遠藤(和)委員 どうもありがとうございました。
○熊川委員長 北橋健治君。
○北橋委員 民社党・民主連合の北橋健治です。長官並びに政府委員におかれましては朝からの質疑で大変お疲れだと思いますが、よろしくお願い申し上げます。
 きょう私がお伺いいたしますのは、先般のオランダでの世界環境大臣の会合をめぐる諸問題につきましてお伺いをさせていただきますが、まず長官、手ごたえはいかがだったでしょうか。新聞報道を見ますと、お帰りになられてから長官としてもいろいろと弁明をされたような記事がいっぱい出ているわけでありますけれども、長官のこの重要な国際会議に臨むに当たりましての取り組みの姿勢と、会談を終えられての手ごたえといいますか、率直な御所見をまずお伺いいたしたいと思います。
○志賀国務大臣 手ごたえは大変よかったという印象でございます。
 それから、お言葉を返すようで恐縮でございますが、私、弁明をした覚えは全くございませんで、ありのままを申し上げたつもりでおるわけでございます。
 このオランダの会議は、各国で特に意見が分かれましたのは二酸化炭素の排出抑制についての部分でございました。我が国は、二酸化炭素の排出の抑制、安定化の必要性は十分に認識をいたしてはおりますものの、あわせて世界経済の安定的発展を図っていく必要があるではないか、したがってただいますべてが明らかになるようなことではないまでも、慎重に専門家による十分な検討を待たなければいけない、科学的知見を得てからでないといけない、俗に申します見てから飛ぶのでないといけないのではないだろうか、こういう考え方に立ったわけでございます。
 この会議に先立って開催された事務レベルの協議におきましては、英国を除くECあるいは北欧諸国と米、英、ソ、日本、この二つの間に意見が大きく分かれましても、しかもなかなか収拾できる気配がなかったわけでございます。私は、温暖化対策を進める上で、二酸化炭素の主要な排出国である米ソ等を含めて参加各国の合意を形成することが何よりである、閣僚会議として一致した宣言を取りまとめることが何としても重要不可欠のことである、こういう考え方に立ちまして非公式にこれらの国との協議を続けまして、議長国のオランダや北欧等の諸国の歩み寄りを引き出すことに積極的なイニシアチブを発揮することによって全会一致の合意にこぎつけた、こういうことでございますから、これを私は一言で手ごたえあり、こういう表現にさせていただいておるわけでございます。
○北橋委員 国際会議でも、宣言を採択する最終セッションの冒頭におきまして、主宰者のオランダの大臣の方から長官の努力を評価する発言があったように伝えられております。特に各国の合意形成に果たした日本の努力を評価する、そういうことで主宰国の大臣からも志賀長官の御尽力に対しては評価がある、私どもそのように承知しております。
 ところが残念なことに、国際会議を取材した方々の現地での報道を見ますと、必ずしもそのような日本政府の努力に対して評価をするような書き方になっていないわけでありまして、新聞の見出しだけを拾い出しましても、例えば「日本、環境外交で減点続き オランダ会議でも消極派の汚名」、こういう見出しの記事もありますし、あるいは「「消極日本」また鮮明」「日本はまたしても「ラストランナー」になった」、こういう言い方でかなり日本政府の姿勢に対しましては好意的でない評価がマスコミでは出されておるわけであります。
 そこで、私も丹念に新聞報道を読んでみますと、やはりPRの仕方について考えるところはあるのではないかと思うわけです。例えばある報道によりますと、国際会議が終了いたしまして共同記者会見が行われているわけですが、この席上には日本政府の代表団は一人も残っていらっしゃらないわけであります。この共同記者会見の中で、すべての会議が終わっていますのでいろいろな質問が出るわけですが、オランダの原案、CO2の規制については最も厳しい案を提示した国でありますが、オランダの原案に反対した国はどこかという質問に対して、日本とアメリカと、オランダの環境大臣は答えているわけです。そこにいらっしゃったアメリカの代表の方は当然やはりアメリカ政府の立場をはっきりとそこで弁明されているわけでありまして、アメリカは削減に積極的だったとはっきりその場で記者団に対して言われているわけでありますが、日本はその場で発言する機会がなかったと聞いております。しかも、その後の記者会見でオランダの環境大臣は、炭酸ガスの削減に対して日本の消極的な態度は不満足である、このようにまでPRをされているわけであります。こういった共同記者会見に臨む、臨まない、それによってどうなるものではないと思いますが、例えば、そういった日本の政府の努力に対して率直にその真意というものがなかなか内外のマスコミに対しても伝わっていないというのは、まことに我々としても残念に思っているところでございます。
 そういった意味で、これからも日本は地球規模の環境問題の解決についてぜひ主導的な役割を果たしていただきたいと念願をしておりますだけに、今後そういった意味での日本政府の取り組みについてもっとPRを上手に考えていきませんとぐあいが悪いのではないかと思うのですが、その点について何か御答弁がありましたらお伺いします。
○志賀国務大臣 私自身、このプレス対策あるいはPR対策が十二分であったかどうかについてはまだ判断を下しかねておりますが、およそ人間のやることでございますから至らない点があったかと率直に存じます。
 ただ、これも私よくわからないのでございますが、アメリカとオランダとの共同記者会見に私どもが加わらなかったことは事実でございますが、私、この日本の環境庁長官である志賀節と、それから日本の政府代表団が内外の記者団との記者会見を行っておるわけでございます。別の言葉で言うと、そこにはオランダ、アメリカその他の国々が加わっておりませんで、これはどちらがよかったのか悪かったのか、これもちょっと私は認定ができないのでございますが、少なくとも内外の記者団との記者会見は私は現地で行っておる次第でございます。
 それから、新聞の報道の仕方はまさにただいま北橋先生御指摘のような報道ぶりであったことは私も承知をいたしておりますが、先ほども申し上げたわけでございますが、もしそれが可能であるとして、日本だけが米、英、ソ等と離れてオランダ案に同調する挙に出た場合はいかがであったろうか。これはあくまでも仮説、仮定の問題でございますが、そういうことを考えさせられますし、それからまた、もし日、米、英、ソ、中国等とそれからオランダ案を中心とする国々と真っ二つに割れて、オランダの宣言案が成立を見なかった場合にはいかなる事態に相なったであろうか。こういう仮説、仮定を踏まえた場合に、果たしてさきの報道ぶりはどういうことに相なるか。私はそのバランスシートをとってしかと考えてみたいものだ、こうずっと考えておるわけでございます。
○安原政府委員 会議後の共同記者会見に関連しまして、北橋委員の方から報道につきまして言及がございましたので……。
 私ども確かに共同記者会見には出られなかったわけでございますが、その後在外公館を通じて伺っておりますやりとりを御紹介いたしますと、先ほどオランダ案に賛成できなかった国はどこかというのに対してオランダ環境大臣の方から米国、日本というお答えがあったようでございますが、さらに続けまして、米国のライリー環境保護庁長官の方から、日米のほかソ連、英国、それから幾つかの途上国の名前も挙げられたように伺っております。
 それからもう一つ、日本についての消極的なスタンスということで言及があったというお話でございますが、これもよく伺いますと、例の「多くの先進国」云々というパラグラフがございまして、ここで多くの先進国が二〇〇〇年までに安定化を達成するという見解であるというのがございますが、これに入らない国はどこなのかという質問に対しまして、例として日本が挙げられたということでございます。正確にはそういうやりとりだったと聞いておりますので、補足させていただきます。
○北橋委員 御努力は理解できるわけでありますが、今後国際的な場におきまして、いよいよCO2の削減の具体的数値、展望につきまして政府間のパネル交渉にゆだねられる、日本の産業、経済の発展を考えますと、極めて重要な会議がこれから開催をされていくわけでございまして、日本政府としてもそういった内外に対するPRを含めて大いに御検討いただきたいと要望しておきたいと思います。
 さて、今回の国際的な会議の合意によりまして、日本の国内におきましても今後具体的にCO2の排出規制について取り組まねばならないというふうになってくると思うわけでありますが、しかし、私も出身地は北九州市、日本でも最も有名な産業工業地帯でございまして、鉄鋼や化学その他CO2の排出にかかわる企業がたくさんありますだけにその地域でのCO2の排出抑制に対する努力というものはつぶさに見てまいった一人でございますけれども、率直に申し上げまして、日本の産業界はぎりぎりのところまで省エネルギーなりそういった公害防止に最善を尽くしてきているわけでございまして、オランダの原案のように一律に規制を加えられましてもこれはなかなか対応ができないのではないか、そう思うわけであります。
 その見地から、きょうは通産省の方にもお越しいただいていると思うわけでありますが、現在総合エネルギー調査会、通産大臣の諮問委員会におきまして、今後のエネルギーの長期需給見通しについてもいろいろと試算をされ、鋭意今まとめの段階に入っているというふうに伺っているわけであります。今回のオランダの国際会議の結論を踏まえまして、今後相当影響が出てくるのではないかと思うわけでありますが、CO2の規制あるいは省エネルギーの対策の面で具体的に何か新しい対応を講じる考えはあるかどうか、お伺いをいたします。
○合田説明員 今般のオランダ環境大臣会議におきまして、先生御承知のとおり省エネルギー対策の促進でありますとかあるいは原子力等の環境上健全なエネルギー源の利用の促進についての合意がなされましたと同時に、また炭酸ガスを含めた温室効果ガスにつきましては、世界経済の安定的発展を図りつつその排出を安定化させることが必要である、こういう認識が合意をされまして、その安定化のための具体的な時期及び水準につきましてはIPCC等の場でさらに検討が必要である、こういう合意が成立をいたしたところでございます。
 通産省といたしましては、地球環境問題、温暖化問題は非常に重要な問題であると認識をいたしておりまして、従来から積極的に取り組んでまいりました。今後とも、今回のオランダ会議の結果を受けまして、炭酸ガスの排出量の抑制を一層進めていきますために、一つは先生御指摘のとおり省エネルギー対策のさらなる推進、それから新しいエネルギーや再生可能エネルギーの開発利用あるいは原子力発電等の着実な推進等の施策を実施いたしていきますとともに、新たに今回のオランダ会議の宣言にも強調されておりますけれども、炭酸ガスの固定化、有効利用技術の開発等の炭酸ガスの排出抑制に役立つような技術開発を推進してまいりたいと考えております。
 それから、炭酸ガスの排出安定化の検討の問題でございますけれども、御承知のとおり産業界だけでなく民生にも非常に大きな影響がございまして、経済政策、産業政策、エネルギー政策等々に与える影響につきましていろいろと検討すべき問題がございますので、国内的には、関係者に広く課題の所在と影響の程度あるいは技術的な開発の可能性等々多角的なアプローチを行いまして、適切な対応ぶりについて検討してまいりたいと思っております。国際的には御承知のIPCCの場で検討中でございますので、通産省といたしましてはこの検討に積極的に参加をしてまいりたいというふうに考えております。
○北橋委員 ただいまの通産省の御答弁の中に、原子力発電の推進という言葉もあったわけでありますが、我々民社党・民主連合は、これまで安全性に万全を期しつつ、日本のエネルギーの安定的確保のためには原子力発電は不可欠である、これの積極的推進を主張してきた立場であるわけであります。
 そこで、今総合エネルギー調査会でも鋭意検討されていると思いますが、今回のノルドベイク宣言、これがこのとおり国際的な会議で具体的に基準が定められたとすると、エネルギーの分野だけに限ってみましてもこれは大変なことになるのではないか。つまりエネ調の試算によりましても、CO2の排出量を現状よりふやさない、年率三、四%の安定した経済成長を続けると仮定した場合には、二〇一〇年までにさらに百基の原子力発電所が必要である。これも一つのシミュレーションに基づくものでありまして、そのとおりになるならないという議論をするつもりはありませんけれども、やはり原子力発電は相当今後短期間の間にふやさねばならない、そのように仮定をしないと、今後IPCCの方で具体的な基準が決まって、それに基づいてエネルギー政策を組み立てようとすると、今までのような延長線上若干手直しするだけではとても対応できないのではないか。原発についてはさらに強力に推進をする、そのための安全環境対策の必要とか、さらに踏み込んでいく必要があると思うのですが、通産省に再度お伺いをいたします。
 原発についても必要性については一言触れられたわけでありますが、私ども、民社党の立場から見ると、この際、安全性問題にさらに徹底して踏み込んで、万全の対応をとって強力に原子力の平和利用の依存度をふやすべきである、率直に国民の前にこの国際環境会議の結論を踏まえて語りかけるときに来ているのではないかと思うわけですが、通産省の見解をお伺いいたします。
○谷口説明員 お答えいたします。
 先生御指摘の数字につきましては、先生もおっしゃられておりましたように、ただいま検討中の総合エネルギー調査会での作業のための試算の一部でございまして、来年の春ごろをめどにただいま検討を進めているという状況でございまして、CO2の問題もその中で非常に重要な要因になっております。エネルギーの資源に乏しい我が国としましては、今後エネルギーの需要、とりわけ電力の需要が着実に増大するということが現在見込まれておりまして、中長期的な視点に立ちましてエネルギーの安定供給の確保に向けて努力していくということが非常に重要でございます。
 こういう観点から、原子力あるいは石炭火力等の石油代替電源の開発及び導入を従来から進めてきたところでございますが、特に原子力発電に関しましては、供給の安定性、経済性などの面で非常にすぐれた電源でございまして、現在既に我が国の総発電量の約三割を賄っているという状況でございますし、また先般、ことし七月に行われましたアルシュのサミットにおきましても地球環境問題に対しまして有効であるという認識がされておりますし、今後とも積極的に推進してまいる方針でございます。
 先生もおっしゃられましたように、原子力発電の推進に当たりましては安全の確保が第一でございますし、そういう意味で設計、建設、運転の各段階で厳しい安全規制をしているところでございますが、今後とも安全確保の徹底に万全を期してまいる所存でございます。そしてまた、原子力発電の推進につきましては、国民の理解と協力が不可欠でございまして、国民の十分な理解を得るべく、今後とも積極的に広報にも努めてまいりたいと考えております。
○北橋委員 総論についてはわかりますけれども、今後、中長期的に見まして日本のエネルギー政策をどのようにするか。その方向を決める重要な議論を今総合エネ調の方で展開をされておりますけれども、エネルギーの将来の構成をどうするかという問題は、当然この国際的な環境基準の設定に伴っていよいよ相当議論が深まるであろうと思います。そのときには、チェルノブイリ以降世論の中には原発につきましていろいろな意見があるようでございますが、日本の原子力発電の安全性の確保につきましては世界一だと確信を持っておりますし、その意味で、やはりこれからは経済成長のみならず国際的な環境の保護という立場から見てさらに一歩踏み込んで、エネルギー構成に当たっては原子力の割合をさらにふやさざるを得ないであろう、そのように私どもは考えるわけであります。発電所をつくるに当たりましては、相当中長期にわたりまして審議会の方で検討されて計画を立てているわけでありますが、原子力発電の平和利用、積極的推進についてさらに一歩踏み込んで将来のエネルギー構成を考えていただきたい、そのことを強く民社党として要望しておきます。
 さて、もう一つ、省エネルギーの対策も相当にこれから必要になってくると思います。ただ、言われておりますように、日本の産業界、民生、あらゆる場におきまして、これまで通産省を初め各省庁の緩やかな指導、援助によりましてかなり省エネは進んでおります。よく言われる数字は、日本を一とするとアメリカは一・七ですし、イギリスは一・六、フランスは一・四、西ドイツは一・六でありますから、世界の先進工業国を見ても日本ほど省エネが徹底して進んでいる国はない。省エネの技術、それに向けた国民の努力はまさに世
界に冠たるものがあると思います。しかし、今回のノルドベイク宣言に基づきまして今後さらにCO2の排出規制がかかるとするならば、さらに角度を変えて新しい哲学に立った省エネをさらに進める必要が出てくるのではないか、そう思うわけであります。
 その一つの案として、サマータイムという考え方があると思います。私どもも世界のサマータイムの実施状況というのは詳しくは知りませんが、世界の先進国の中でサマータイムという制度を導入していない国は、日本とあともう一カ国ぐらいしかないのではないか、そのような情報も聞いておりますが、その辺の状況。
 そして、サマータイムの導入ということを、政府も一度審議会をおつくりになられて、これは産業、民生全般に広くかかわる重要な問題でございますので、こういったサマータイムの導入という議論を通じて、いかに日本は国際的な環境の問題について重大な局面に差しかかっているか、国民に強くPRすべきだと思います。決してサマータイムを直ちに導入せよという意見ではないわけでありますが、政府としてサマータイムについて今後どのように実施に取り組んでいく考えか、お伺いいたします。
○大津説明員 お答え申し上げます。
 サマータイム制につきましては、今先生御指摘のとおり、我が国も終戦後直ちに、昭和二十三年から二十六年まで夏時刻法という法律をつくりまして実施したことがございます。その当時は、皆さん御存じのように日本の国民は非常にひもじい思いをしていたものでございますから、昼間の時間が長くなって夜になってまたおなかがすくとか、それから労働強化につながるとか寝不足だとかいって、当時国民の理解が得られなくて三年間でやめたわけでございます。
 それから、第二次石油ショックのときに、内閣審議室を中心にサマータイムを導入して省エネに寄与しようじゃないかということがあったのでございます。そのときは、検討したのでございますが、その時点に総理府が世論調査を行いまして、国民にサマータイムの導入について是か非かということをやったのでございます。その時点は第二次石油危機の後で、日本経済がどうなるかということもあって国民にもかなり危機意識があったものですから、サマータイムを入れると労働強化につながるという発想が強かったと思います。そういうこともございまして、賛成が四二で反対が三五と反対が強かったということで、そのときも見送った経緯がございます。
 そういうことで日本はサマータイムは今実施していませんが、世界でいいますと実施していないのは日本とアイスランドの二カ国ぐらいじゃないかと伺っておりまして、サミット諸国を初めとしてお隣りの中国も今入れてございますし、韓国もサマータイムをやったりしておる。いろいろな国にサマータイムが入ってございます。そういう意味では日本は、サマータイム制につきまして従来の経験と申しますか、よくなかったということがまだ残っておりまして、導入にはなかなか抵抗があるわけでございます。
 ところが、昨今の地球環境問題を初めとした省エネを抜本的に入れるために、通産省といたしましては、総合エネルギー調査会の省エネルギー部会というものを今鋭意開いて、今後の方向を検討したいと思っています。その中で、先生御指摘のサマータイム制度につきましても、もう一度最近の国民の考え方とか世の中の動静とかそういうものを踏まえまして、これが本当にいいものであるならば入れるべく、また国民の世論なりそういう理解を深めていきたい、そういうふうに考えております。
○北橋委員 仮にサマータイムが導入されますと、一億二千万の国民みんなにかかわりますので、これは国民に対して大変な影響力がある制度だと思うわけです。
 私どもは、産業界のこれまでのCO2の排出規制なり公害防止、省エネの努力を振り返ってみますと、今後国際的な政府間のパネル交渉で具体的な数字が決まって、うかつな数字を引き受けて合意をいたしますと大変なことになる。原発を百基つくらなければならないというのは、一つの仮定に基づく試算ではありますけれども、とてもじゃないけれどもそんなことはできないことであります。しかし、そのようなシミュレーションが必要になるほどの大変な変革を日本に迫ることになるのではないか。そういった意味では、先ほどから政府としてもPRのいいものを国民向けにつくるべきだという同僚委員からの質問がありましたけれども、一億二千万の国民の行動すべてにかかわることでございますから、サマータイムというのは省エネルギーというものを考える上においては大変大きな効果があると思うわけであります。
 政府におきましても、単にアンケート調査をするにとどまらず、国際的な環境保護の観点から日本としても重大な産業、民生用の変革を迫られるときでありますから、積極的に審議会でもおつくりになられて御検討いただき、場合によっては導入に踏み切っていただきたい。御検討を強くお願い申し上げておきます。
 さて、先ほど長官の答弁の中にもありましたけれども、CO2の排出規制の問題については必要性、重要性はよく認識している、ただし見てから飛ぶというお話がございましたし、科学的知見を待つということをおっしゃいました。私ども全く同感でございます。私どもは科学的知識には乏しいわけでありますけれども、CO2がどんどんふえますと本当に地球は温かくなるのか、それによってどのような因果関係のもとに地球の環境が少しずつ破壊されていくのかということについてはまだ完全に解明されていないわけでありまして、そういった意味では今後さらに科学的な調査研究が大事だと思っております。
 私どもの聞き及んでいる限りにおきましては、そういった地球環境の状況に関するデータというのは日本はかなり外国のものに頼っているのではないかという話も聞いております。もちろん環境庁を中心にしまして国内のいろいろな学識経験者とともに相当程度調査研究の水準は高い、そのように思っておりますけれども、まだまだ外国の方が進んでいるやにも聞いております。そこで、科学的知見を集積するために、我が国としては今後短期間に相当程度蓄積をして積極的な対応を進める必要があると思うわけでありますが、各省庁がばらばらにやっているのではないかという非難をする人もおるわけでございまして、そういった意味で今後環境庁のイニシアチブを強く期待するものであります。
 参考までに申し上げますと、アメリカの科学データというのはかなり蓄積があるやに聞いております。アメリカは御案内のとおり、このたびのオランダの会議で日本と同じようにCO2の安易な規制については反対をした国であります。私ども民社党としましても、安易なCO2の排出規制に対しては反対であります。それだけにアメリカの対応については注目すべきでありますが、アメリカも、反対をするかわりに環境保全については相当突っ込んで勉強をされております。例えば環境保護局というところが昨年十月にレポートをまとめておりまして、地球規模の気候変動がアメリカ社会に及ぼす潜在的な影響という名のもとに、実にきめ細かく最近の環境諸問題と経済社会への影響について分析をされておりますし、エネルギー省の方も中長期戦略に立ったアメリカ社会のエネルギー戦略というものをつくり直している。科学的知見の蓄積という意味においてはアメリカは常に相当やっていらっしゃるわけであります。それだけにアメリカの言い分というのは相当説得力があると思うのです。
 日本もこれからは、CO2の排出を具体的に規制するに当たりましてははっきりと物を言っていただきたい。単なる感情論や理想論に振り回されては困ると民社党は考えておりますだけに、自分たちの主張をするためにはやはり科学的知見についても相当程度突っ込んだ蓄積がこれから必要になるのではないか、その面での予算なり人員なり、あるいは環境庁のイニシアチブについてひとつお
伺いをさせていただきたいと思います。
○安原政府委員 地球環境問題につきまして科学的知見を集積していく努力が大切であるということは、委員御指摘のとおりでございます。この点につきましては国際的にも、先般の東京会議の議長サマリー、あるいはオランダにおけるノルドベイク宣言においても、地球環境に関します研究モニタリングを強化する必要性がうたわれているわけでございます。これと関連しまして、我が国におきましてもこれに対応すべく先般の関係閣僚会議で申し合わせを行っておりまして、地球環境のモニタリング体制を強化する、そのモニタリングのデータを踏まえまして国際的な共同研究等を強力に推進していく方針を打ち出しているわけでございます。
 これに基づきまして、関係省庁におきまして、モニタリングあるいは研究、さらには技術開発も含めまして総合的に推進していこうということで、今話し合いを行っております。そしてまた、予算編成の過程で検討が真剣に行われているわけでございます。十月末の第二回の関係閣僚会議におきましてモニタリング、研究、技術開発につきまして政府一体となって重点的にバランスをとって推進していこうということで、各年度当初に当該年度の総合推進計画を策定しまして、その計画に即して強力に推進していくということを申し合わせたところでございます。
 環境庁といたしましても、国公研を中心にいたしまして地球環境関係のモニタリングあるいは研究を強化するということを考えております。具体的には、国立研究機関あるいは大学あるいは外国の研究機関との連携を深めまして、国際的なあるいは学際的な研究を総合的に推進していこう、そしてまたその研究の交流の場の整備をしていこうという考え方でございまして、この構想に即しまして今鋭意検討を進めておるところでございます。環境庁初め関係省庁一体となりましてこの問題に熱心に取り組んでまいる所存でございます。
○北橋委員 ぜひ頑張っていただきたいと思いますが、例えば私どもアメリカとか外国に行きますと、大使館には書記官の方がたくさん各省庁から来ておられますけれども、環境庁からいらっしゃっているでしょうか。これは答弁は結構なのですけれども、例えば通産省とか農林省とか、いろいろと経済交流で大事な省庁、関与している省庁からは代表が行っているのですけれども、ぜひ環境庁からも代表が行かれるというふうにして、十分予算、人員の対策をとって、アメリカに負けないぐらいの科学的知見のための体制をぜひ早急に整えてほしい、強く要望しておきたいと思います。
 さて、外務省の方にお越しいただいていると思いますが、こういった地球環境保全の問題で日本が積極的に貢献していくためには、世界の連帯がますます必要になってくると思います。その中で、国連環境計画、UNEP等の国際機関があるわけでありますが、現在このUNEPという組織は予算四十億円、専門職員百八十人、その中で日本が貢献していることは環境庁から本部二名、アジア事務所二名を派遣していることだと聞いております。今後こういったUNEPなどの国際的な機関に対して我が国としてもさらにもっと積極的に支援していくべきだと思いますが、この点についての対応、それからもう一点は、東南アジア諸国でASEANの環境プログラムというものを策定をしておるように聞いておりますが、向こうの方から我が国の支援の要望が相当来ておるというふうに聞いております。こういった二点について対応をお伺いいたします。やはり世界のラストランナーという汚名を着ないように積極的に日本としても貢献をしていくべきだと考えるわけでありますが、政府の対応をお伺いいたします。――外務省が来ていないということでございますので、では、これは結構でございます。
 それでは別の質問にさせていただきますが、今回のオランダ会議に志賀長官が出られて、新聞ではいろいろな評価があるわけであります。私どもそれに一喜一憂するものではありませんが、その中の表現で、事環境問題に関する限り日本政府は世界のラストランナーであるという表現には、私ども大変衝撃を受けております。環境庁も今まで努力をされてきたことは承知をしておりますだけに、ぜひ今後はイニシアチブをとって頑張っていただきたいのですが、その面で、ひとつ今後政府に強く取り組んでいただきたい課題について質問させていただきます。
 日本の国は省エネルギーだとかあるいは公害を防止する技術に関しては世界のトップレベルにあると思うわけであります。私も出身は北九州市、かつての公害指定地域でございまして、その地域を見るまでもなく、相当程度企業は公害防止、省エネルギーのために今まで試行錯誤と苦労、そして世界で一流の技術水準を身につけております。これからは我が国としても海外に相当積極的にそういった省エネルギーだとか公害防止技術を輸出していく時代に来ているのではないか、そのことをこれから強く政府にお願いをしていきたいわけでありますが、まずお伺いいたします。
 例えばODAの予算、政府開発援助あるいは経済協力一般につきまして、いろいろと向こうの方から要望もあるからこちらも援助していくのだろうと思いますが、私どもがお伺いしている限りにおいては、その援助を受けられる途上国の皆さんの方でなかなか環境の方まで頭が回らない、それよりももっとハードとかいろいろなもので期待をされていることが非常に強過ぎるために、環境保全の分野で日本政府が援助するのはなかなか制約があるやに聞いているわけでありますが、そういう中で、今後政府として、経済協力全般の中でそういった公害防止やあるいは省エネ技術の輸出という点をどのように考えていかれるのか、それを強く推進されるお考えがあるかどうか、お伺いいたします。
○安原政府委員 日本が公害防止の面で高水準の技術を持っている、それを積極的に活用すべきだという先生の御指摘はそのとおりかと存じております。この点につきましては、さきに申し合わせをいたしました閣僚会議の申し合わせの中で、技術力を持っている我が国として積極的にこれを活用し貢献していくのだということをまず冒頭でうたっているところでございます。そしてまた、その技術移転をするにつきましても、それに関連する資金援助も必要になってくるわけでございます。そういうことで技術援助あるいは資金援助をあわせて拡充していかなければならないと考えておるわけでございまして、この面におきましてはもう先生御案内のとおり、開発途上国に対しまして環境分野のODAを今後三年間三千億円をめどに拡充していくという方針を内外に明らかにしているわけでございます。
 これに関連しまして、さきのオランダにおける会議におきましてノルドベイク宣言の中でも、先進国から途上国への地球環境保全に関連する技術開発あるいはそれの移転ということが非常に重要である、それに関連する資金供給をふやしていかなければならないということがうたわれているわけでございまして、これらのために必要な追加的な資金供給の仕組みにつきまして今後具体的な検討を進めていくことが述べられておるわけでございます。今後そういう資金供給のあり方につきましての国際的な検討が進められることになると思われますので、その際には我が国としましてもこれに積極的に参加し、貢献していくべきものと考えております。環境庁としましても、関係省庁と連携をとりつつ、これまでの我が国の環境対策の経験に基づく技術、ノーハウの提供につきまして最善の努力をしてまいりたいと考えております。
○北橋委員 ぜひ頑張っていただきたいのですが、途上国の中には、そのように日本がODAの中で予算化することに対して歓迎する一面、他面、ODAの最先端技術を使った公害防止の技術も大事でありますけれども、そこまでいかなくても普通の機械や技術者の能力を高めるような協力をしてほしいという要望も来ております。私はそのODAの中でどういう分野が今後重要視されるのか詳しくは知りませんが、途上国の中には、最先端
技術を使ったような公害防止よりは、むしろもっと身近なところでの技術なりあるいは東南アジアのそういった公害防止の専門家を養成してもらいたい、そういったところに要望が強くあることもぜひお耳に入れておきたいと思います。
 当然御承知おきだと思いますが、そういった意味で、発展途上国の方からは世界のトップランナーとも言うべき日本の公害防止技術を学ぶために日本に研修に来たいという人たちも相当ふえております。私の地元福岡県でもアジアの交流の拠点として今再開発を進めておりますけれども、まさにその地域で蓄積された公害防止技術というものは世界で一だと自負しております。ところが、それを受け入れまして実際に公害防止施設や設備を操作したり維持管理をしたり、あるいは汚染物質の測定分析をしたり、そういった研修が行えるような体制はまだまだ整っておりません。その点について、今後日本政府が公害防止という面において世界に大きく貢献する国家として働くためにも、ぜひ環境庁を挙げて、政府を挙げてこの問題に取り組んでいただきたいと思いますが、御答弁をお願いいたします。
○安原政府委員 途上国におきます環境保全を推進していく上で、その国における環境関係の人材を養成していくということは極めて重要であると考えております。この途上国からの研修員の受け入れにつきましては、従来からJICAが集団研修を行っておりまして、そのうち大気、水質の保全技術の面の研修につきましては、環境庁がその実施を引き受けているというような形で行っているわけでございます。さらに、研修員受け入れの要望が高まっていることも踏まえまして、環境庁におきましては公害研修所の研修コースがございますので、ここで分析能力を生かした研修コースを設けてはどうかということで今検討を進めておるところでございます。今後環境庁としましては、地方公共団体に蓄積されておりますそういう環境行政の経験、ノーハウなども生かしまして、JICAと連携しつつ、途上国の人材育成に最大限の努力を払ってまいりたいと考えております。
○北橋委員 最後に、環境庁長官の御決意を伺って質問を終わりたいと思います。
 それは、今回のノルドベイク宣言を受けまして、今後パネル間の交渉におきまして具体的にCO2の排出規制について各国が交渉していくわけであります。長官は現地オランダにおきましての記者会見の中でも、我が国としてもCO2の排出規制値を設定する今後の国際共同作業に率先して取り組むという決意を明らかにされているわけでありますが、日本国内におきましては、理想論でもってその数字が決められましても、現在の省エネの体制からして、あるいはCO2をめぐる産業界のこれまでの自助努力の現状からしまして、日本は相当程度世界の最先端まで来ておりますのでなかなか大変な問題もあろうかと思いますが、この環境問題についてもラストランナーではなくトップランナーとして御活躍をしていただきたいわけであります。今後重要な折衝が一年間続くわけでありますが、それに向けての長官の御決意をお伺いして、私の質問を終わります。
○志賀国務大臣 お説のごとく科学的知見に基づいて、この知見を尊重していくという立場が私ども政府の立場でございますから、ただいまお話がございましたように、オランダ、現地におきまして私が発言をいたしましたとおり、この科学的知見を踏まえてそれによってCO2の規制に動くわけでございます。
 現に日本の排出抑制につきましては努力の限りを尽くしておりますから、努力をさほどしていない国々とはおのずからそのスタートが違ってくることはもう御理解いただいておるとおりでございますが、しかし、さればといって日本がそれを理由にして後ろ向きになるわけにもいかない。むしろそういう立場でありながら人類の前途のために努力をする、その姿こそが世の中を動かすのではないか、こういう考え方に立っておるわけでございます。結局は、ただいま申し上げました科学的知見がはっきりいたしますれば、もしこのままCO2を放置すれば人類の破局に当面するということにもなるわけでございますから、この点で私どもは他に対する説得力も十分できるのではないか、こういう考え方に立っておるわけでございます。私といたしましてはそのような考え方に立ってベストを尽くすのみ、かように考えている次第でございます。
○北橋委員 終わります。
○熊川委員長 岩佐恵美君。
○岩佐委員 最初に、酸性雨について伺いたいと思います。
 ヨーロッパやカナダなどで酸性雨による被害が深刻になっています。森林が枯れたり湖が酸性化して魚が死滅したりする状況が生まれています。日本でも、八月に発表された環境庁の調査報告によりますと、全国的にPH四台の欧米並みかそれ以上の酸性雨が観測をされています。今度の調査で注目をされますのは、単に酸性度をPHではかるだけではなくて、雨の中に含まれる酸、アルカリ成分の絶対量を測定していることです。これによりますと硫酸イオンについても硝酸イオンについてもアメリカに比べて多いということがわかります。ところが一方で、アンモニアイオンとかスパイクタイヤ粉じんの中のカルシウムイオンとか、アルカリ性の汚染物質が多いために中和されて、酸性がアメリカに比べて強くなっていない、こういう結果になっているようであります。このことを称して、日本は排ガス対策が進んでいるから酸性雨は少ないという見方もあるわけですけれども、実は汚染物質同士が中和をしている結果こういうことが生まれているという見方もできるわけです。決して安心できる状況ではありません。
 環境庁の調査では土壌や湖水への影響はまだあらわれてきていない、こういうことでありますけれども、酸を中和するアルカリ成分の少ない湖が幾つかあって、こういう湖では今後も酸性雨が続けば影響が出るのではないか、そういうふうに心配をされています。酸性が湖で強くなれば魚がいなくなってしまうわけですから大変な状況です。また、赤城山とか丹沢の大山では大変強い酸性の霧が出て、何か食料用のお酢よりも強い酸性度、PH二・九、こういうような霧が観測されている。大山で起こっているモミ枯れ、あるいは赤城山系のシラカバが枯れる被害、こういう被害と酸性霧が関係あるのではないか、こういうふうにも言われているわけです。
 日本でも酸性雨対策は非常に急いでいかなければならないというふうに思いますけれども、この点についてお考えを伺いたいと思います。
○小林説明員 お話がございましたように、欧米では酸性雨によります湖沼、森林等の生態系に被害が報告をされております。我が国でも五十八年から酸性雨調査にかかりまして第一次の酸性雨調査結果をまとめておりますけれども、酸性の雨を全国的に観測しておりますし、また一部の地域、山岳地帯を中心にいたしまして酸性の霧も観測しておるところでございます。欧米で報告されておりますような酸性雨による被害といいますものは日本ではまだ顕在化していない状況でございますが、アルカリ度が低いために酸性雨の影響を受けやすい湖沼というのも存在をいたしますし、私ども将来に向かってかなりの懸念を持って見守っておるところでございます。
 このため、現在第二次の酸性雨調査を実施しておりまして、土壌、湖沼等への影響の予測あるいは酸性雨から植生に与えます影響に至りますメカニズムの解明、これらの調査研究を実施するとともに、全国的に酸性雨を観測し、酸性雨の中にございます酸性成分等の調査もし、今後の未然防止のための対策に資する体制をとっておるところでございます。
 さらに酸性雨、地球的規模での広がりの問題という意識のもとに、東南アジア地域におきます観測体制あるいは研究協力の強化に取り組んでいく方針を立てております。
○岩佐委員 酸性雨については、大陸方面から汚染物質が流れてくることも考えられるわけですけれども、関東などではやはり都市部の工場や自動
車などによる大気汚染の影響が非常に大きいと考えられます。特に硝酸イオンについて見ると、濃度でも降下量でも最も高いのが東京の武蔵野市、次が江東区となっています。東京の大気汚染が酸性雨の原因になっていることがわかるわけです。昨日の新聞報道でも、赤城山の酸性霧の被害は関東平野といいますか関東地方のいろいろな大気汚染が原因ではないか、こういうことも言われているわけです。
 東京では、一昨年、昨年と二年連続してNO2による汚染が過去最悪の結果となっています。こうした中で大気汚染による健康被害も深刻です。昨年二月末で公害健康被害補償法の第一種指定地域が解除され、法律による公害病認定がされなくなったため、法による認定患者は最近は減り始めております。しかし、これは被害が出なくなっているということではありません。例えば東京では、都の条例によって十八歳未満の公害病患者の医療費助成を行っているわけですが、旧指定地域である十九区について見ますと、指定解除以前は百十四人だった東京都の条例による対象者が、一年半たったことしの八月末には三千三十九人にふえています。ことしに入って八カ月間に、法による認定患者は、死亡されたり認定取り消し等によって東京の十九区で千三百六十人減っているわけですが、その間に条例による認定患者は十八歳未満だけで千三百五十六人ふえている。こういう状況ですので、全年齢で見れば明らかに患者はふえ続けている、こういうことであります。大気汚染の公害は決して終わっていない、こういう結果からはっきりしていると思いますし、ますます深刻になってきているわけです。早急な対策が必要であります。大臣に率直なところをお伺いをしたいと思います。
○志賀国務大臣 過去深刻な状況にあった大気汚染、そのことについて現在も深刻であるという御指摘でございますが、厳しい規制と各種の対策が進められた結果、硫黄酸化物等につきましては、全国ほとんどの地点で環境基準を達成するに至るなど着実な改善が見られたことは御理解いただけるかと存じます。しかしながら、窒素酸化物による汚染については、自動車一台ごとの排ガス規制を初めとして各種対策を講じてはまいりましたものの、自動車交通量の増加等により、大都市地域を中心に依然として改善がはかばかしくなく、厳しい状況にあることは先生御指摘のとおりでございます。このため、環境庁といたしましては、環境基準の早期達成を図るために、昨年十二月に策定いたしました「窒素酸化物対策の新たな中期展望」を踏まえまして、まず自動車単体対策、二番目に自動車交通対策、三番目に固定発生源対策の一層の推進に努めてまいる所存でございます。
○岩佐委員 東京の大気汚染の主な原因が自動車排ガスであって、沿道の汚染が深刻であるわけです。今言われたように、現在中公審でこうしたNOx対策等について検討されていると思うのですけれども、本当に達成の見通しがあるのだろうかという点で私たちは心配をしております。
 例えば、ディーゼル車ですけれども、これはガソリン車に比べて非常に緩い規制しか行われていないわけです。ディーゼル車の排ガス対策は技術的にも難しいと言われますけれども、そもそも公害対策の技術開発がされないうちにどんどん売ることを認めてきたことに問題があるわけです。また、燃費や耐久性を多少犠牲にするつもりなら、今でも排ガスをもっと減らすことは可能であります。ディーゼル車は産業用だからといって経済性を公害対策に優先させて考えてきたから規制が進まない、こういうことが言えると思います。これだけディーゼル車がふえてきている以上、早急にガソリン車並みの規制をすることが必要だと思います。報道によりますと、どうも技術開発がすぐにはできないといって十年くらい先に規制するということのようなので、これはどうかというふうに私たちは思っています。
 ちょっと細かくなりますが、十一月九日付の「エネルギーと環境」によりますと、ディーゼル対策が五年で三〇%から四〇%、十年で六〇%から七〇%、これが十一月十五日付の時事通信の「官庁速報」になりますと、五年で三〇%、十年で六〇%、これが十一月十九日付の毎日新聞によりますと、五年で三〇%、十年で五〇から六〇%。ですから、十一月九日付の「エネルギーと環境」の記事から十日たった毎日新聞になると、十年のところが六〇から七〇が五〇から六〇と、だんだん日が進むにつれて規制テンポがどうも遅くなってくるような状況が見られるわけです。これは自動車業界の抵抗があってだんだんこういうふうになってきているんじゃないかと心配をされるわけです。現在の汚染は非常に深刻なわけですから、ディーゼル車も五年、十年と言わないで、ガソリン車並みの規制にすべきだと思います。
 また、直噴式が副室式に比べて緩い規制になっていることや、あるいは大型車の場合のシックスモードの測定方法にもいろいろ問題がある、あるいは重量規制ではなくて濃度規制になっているために実際に町を走るときに検査時よりNOxが多くなる、こういう問題点なども指摘をされております。こうした問題点について改善をしていくべきだと思いますけれども、この点いかがでしょうか。
○古市政府委員 お尋ねの第一点の、現在の自動車排気ガスに対する中央公害対策審議会での審議の状況ということでございますが、六十一年七月に「今後の自動車排出ガス低減対策のあり方について」という中間答申をいただきまして以来、六十三年から平成二年にかけて、現在ディーゼルトラック等に対するNOxの対策、規制が行われているところであります。しかしそれだけではだめだということで、中間答申では、今御指摘がありましたように、測定モードを実態に合わせる、それからディーゼルエンジンの直噴式と副室式のバランスのとれた規制を行う、それから、ガソリン車は規制が非常に厳しくいっているわけですが、将来それを目指したディーゼルの規制に進むべきである、それから容積比率から重量規制にやるべきである、また排出ガスの試験方法を確立すべし、そういうふうなたくさんの宿題が出ていたわけでございます。それらにつきまして鋭意検討してまいりまして、年内に答申をいただくという形で現在作業が大詰めに来ているという段階でございます。
 それから、今何種類かの報道の数値を御紹介いただいたわけでございますが、現在私どもが行っているその作業は、言われたのはまことに不正確であろう、外には一切出せるような性質ではございませんで、まだ現在専門家に鋭意御検討いただいておるわけでございまして、その大きな考え方としては、大都市の大気汚染に対する自動車の寄与、殊にディーゼル自動車が問題になっておりますので、できる技術から導入して、短期目標が一応五年以内。これは三年、四年、五年ということがあり得るでしょう。できるものはそこから用いていく。しかし、将来もここまではやっていかなかったらいけないということで、長期目標値が十年以内にやるべきこと。技術の開発状況から見て二段階の御提言をいただくという方向で今審議が進んでいる、こういう状況でございます。
○岩佐委員 通産省にちょっと伺いたいのですが、ガソリン車のNOx対策に使われている排気ガス再循環装置、EGRをディーゼル車にも導入するためには、エンジンの寿命を短くする硫黄分の除去が必要だと言われております。六月に石油業界が軽油の低硫黄化の計画を発表したのですが、これによりますと、現行の硫黄分が〇・四%なのを二年程度で〇・二%にして、その後自動車の方の技術開発の状況を見ながら、長期的には〇・〇五%まで下げる、こういうことになっております。これだと恐らく〇・〇五%になるのは十年くらい先になってしまうのではないか、もっと速いテンポで行うべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○宇都宮説明員 ディーゼル自動車のNOxを低減させるためには軽油中の硫黄分を低減させることが重要であるという先生の御指摘もそのとおりであると認識しております。現在こういった問題
を含めまして、環境庁から御説明ありましたように、中央公害対策審議会で種々御審議をいただいているところであると承知しております。通産省といたしましては、こういった状況を踏まえながら、今先生のお話にありましたように、今後二年程度で軽油中の硫黄分を現在の〇・四%から〇・二%程度に低減することにしておりまして、石油業界がこのための脱硫設備の設置を円滑に行うことができるように、予算面等で可能な限りの支援措置を講じているようにしているところでございます。長期的には、今御指摘のありましたように、軽油中の硫黄分を〇・〇五%まで下げるということがやはり大事であるというふうに考えておりまして、来年度から触媒の開発を含めました技術開発に取り組んでいこうというふうに予定しております。以上のようなできるだけの努力をいたしまして、軽油中の硫黄分の低減に最大限努力を進めようとしておりますけれども、十年というのはちょっと長いかもしれませんが、かなりの長期間がかかるというふうには考えております。
○岩佐委員 硫黄分の多い軽油がたくさん使われれば、NOxだけじゃなくてSOxの汚染が沿道にひどくなることは当然予想されるのですね。先ほど環境庁長官のお話で、環境基準はSO2についてはほとんどのところで達成されているというお話でしたけれども、実はその沿道についてはよく調査をされてないのですね。東京の自動車排ガス測定局は、NO2については三十九局あるのですが、SO2については七局しかないということです。大田区の公害課が昨年一月に行った測定結果がございます。これは簡易測定によるものですから単純には比較できないかもしれませんけれども、一般地域百六十三地点、幹線道路沿道が七十地点、計二百三十三地点で観測をして、平均して沿道の汚染が他の地域の二倍以上の汚染であった、こういう結果が出ております。また二十九地点で環境基準を超えるのに相当する汚染があって、そのうち二十八地点は沿道であった。ですから、SO2の全体を言ってSO2が減ったと言われるけれども、沿道は非常に多い、そういう実際の結果もあるわけですね。このSO2の汚染の原因がディーゼル車の排ガスにあることは明らかだと思います。こういう点から見ても、軽油の低硫黄化、これは急ぐべきですし、中公審でもこの点、今お話しのように検討されているということでございますけれども、十年というと長く感じるようだけれども、それだけ必要なんだと言われますけれども、今非常に科学が高度に発達をしているわけですから、この問題について、低硫黄化について環境庁としてもこれを早くするような、そういう格好で取り組むべきではないでしょうか。
○古市政府委員 今先生から、短期的には現在の実勢の硫黄含有量の〇・四を〇・二、それから十年で〇・〇五、こういうことでございましたが、私どもが承知いたしておりますのは、石油連盟の方で環境汚染対策に協力するという立場から発表された資料によりますと、十年ということでなくて長期的には〇・〇五を目標として一層の努力を図るということでございます。これは冒頭お話がございました沿道のSOxの汚染、さらには酸性雨にも影響することなので、軽油から脱硫をできる限り速やかに促進したい、こういうような表明でございました。さらに聞きましたところ、この軽油の脱硫化が進まないために自動車の方のエンジン開発が進まない、こういうことがあっては申しわけないので全力を尽くしてやりたい、こういうようなお話がございました。
○岩佐委員 今の低公害車の開発普及の問題ですけれども、これも大いに進める必要があると思います。先日、ある自動車メーカーで研究中の制動エネルギー回生システム、大変難しい名前ですけれども、こういうシステムを使ったバスの実験車に乗ってまいりました。つまり、今まではスピードを落とすときの制動エネルギー、これがむだになっていたものを、それを生かして発電して、充電をする、加速時にこの電気を使って走らせる、エンジンの負担を軽くして排気ガスを減らす、そういうものだそうです。これを本当に実用化できれば、ディーゼル黒煙はかなりカットできるし、NOxは減るし、省エネルギー、CO2の排出抑制にもなると思います。バスや清掃車など頻繁に停車する車ではかなり利用できるわけですね。こうした車の実用化を政府としても促進をしていく、そういうことが必要なのではないかというふうに思います。
 それから、低公害車を官庁や自治体などで率先して導入していく、こういうことも重要なのではないでしょうか。最近東京都が、都バスのうち排気ガスの多い古い車九百台を買いかえる計画を発表したわけですね。こういうことも大いに促進をすべきだと思います。環境庁として、小さい旗ではなくて大きな旗を振る必要があると思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
○志賀国務大臣 大きいか小さいかはともかくといたしまして、ついこの間の土曜日に、これは東京都の主催でございまして、日比谷公園から東京都庁にかけて低公害車、ないし無公害車というのでしょうか、これに鈴木俊一都知事と私とが同乗し、その後都座席にはミス東京が乗るというようなことで、多少人目を引くような中で低公害車パレードをさせていただいたわけでございます。もとよりこれは東京都が、ただいま先生御指摘の低公害のバスに切りかえるなどということを前提としての催しであったと理解をいたしておりますけれども、私ども環境庁といたしましても、このような催しには積極的に参加、応援をしたいと思いますし、一番私どもで問題にしておりますことは、この低公害車の実用面の応用力でございます。したがいまして、私は就任早々国公研に参りまして、国公研でこの低公害車、すなわち電気自動車であったと思いますが、このことに非常に打ち込んでいる研究者の話も聞きまして、相当いいところまで来ているけれども、まだあと一歩実用面に至っていない、こういう点をもっとインプルーブしたい、こういう話なども聞きまして、これを大いに激励をしてきたところでございます。こういうことが具体化いたす方向で私どもも大いにこれをプロモートしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○岩佐委員 ディーゼルの大型トラックやバスについて、一九七九年度排ガス規制以前の古い車がかなり使われていてNOx削減が進まない、これが非常に大きな問題になっております。そこで、新車への買いかえを促進するため優遇税制が検討されているわけですけれども、果たしてこれが効果があるのかどうかという問題です。東京都が、買いかえ促進のためにことし五月から融資制度を設けているのですが、千五百台分の予算を準備して、十一月十五日現在まだ二百台しか申し込みがないということなんですね。ディーゼル車の場合、排ガス対策をきちんとしないから、だから耐久性が伸びた、こういう面もあるのです。例えば去年までの十二年間をとってみますと、耐久性について言えば、乗用車は四二%平均使用年数が伸びているわけですけれども、ガソリン車の多い小型トラックは三七%、これに対してディーゼルは六〇%も耐久性が伸びている。今もう十年くらいなんです。だから逆に排ガス対策を怠って耐久性を、よくもちますよということでどんどん売っておいて、寿命が延びて買いかえが進まないから税金をまけろ、こういうふうなことでは本末転倒ではないか、こういう批判もあるわけです。やはり排ガスをまき散らす車を売ったメーカーが責任を持って古い車を高く下取りするとかして買いかえを促進すべきではないか、こういう意見もあるくらいです。古い車についてやはり何らかの規制強化を行うということをしないと問題なのではないでしょうか。使用過程車については、一酸化炭素や炭化水素のチェックはするけれども、NOxの検査は現在されていないのですね。ところが、東京都がガソリン乗用車やライトバンについて調べたところ、使用過程車の二三%が新車のときには満たしていたはずの基準を満たしていないということになっているわけですね。ですから使用過程車についても、何年かたったらNOxの再検査をするとか、汚染のひどい車は使用させないとか、
何らかの対応が必要だというふうに思いますけれども、お考えを伺いたいと思います。
○古市政府委員 御指摘の使用過程車につきましては、現在専門委員会の方でも検討の話題に出ておりまして、検討の対象にしていきたいと思っております。今言われました、せっかく規制をしても前の車が動いていてはぐあいが悪いという形で、現在税制の方でも、昭和五十四年規制以前の車を完全に廃車にして新しい規制車に乗りかえた場合の自動車税等の優遇措置というものを、あわせてお願いしていこうというのを検討いたしております。そういたしますと前のものを完全に廃車にしてという条件がつきますので、新しい車に置きかわっていく。
 それからもう一つは、メーカーに、ある程度それを引き取らす、その他の責任を負わすべきではないかという御指摘でございますが、日本の場合に、メーカーに対しましては、これから中公審によりましてディーゼルバス、トラックの非常に厳しい線での規制値というものを指導していくことになるわけなんで、それがまた新しい状況に対応するということになっていくんじゃないか、このように考えております。
○岩佐委員 それで十分なのかどうかというのは非常に疑問に思いますけれども、中公審のお答えが出てからまた議論をしたいと思います。
 次に、NOxをたくさん吐き出す大型トラックなどが地域にどんどん入ってくるビル建設、都市再開発などの問題です。
 こういうビル建設、都市再開発などが多摩の地域では非常に多いわけですけれども、一例ですが、府中市で三井不動産が中心になってインテリジェントビルの建設を行おうとしています。用途地域を変更して日影規制を緩和するなど問題が多く、住民は反対をしています。着工すると大型トラックが一日二百台出入りをするということになるわけですが、そのために現在、大型車は通行どめ、そういう道路の規制を外してトラックを通そう。トラックが二百台も入ってくると、低目に見積もってガソリン乗用車の六千台分、多く見積もれば一台が五十台という話もありますから一万台分がその道に入ってくるということになるわけですね。近くの団地を初め、もう住民はこれは大変なことになるということで不安を訴えているわけです。排ガス対策など何もしないで大型車の通行を認める、こういうことが横行していくと、もう環境はますます悪くなると思います。交通量そのものを抑えるなど何らかの対策が必要だと思いますけれども、環境庁にお伺いしたいと思います。
○古市政府委員 今の府中市の例のように、地方のある一定地域の、また一時的なそういう作業に伴う交通渋滞、大気汚染という問題につきましては、国のレベルで対応するというような根拠は現在のところないわけでございますが、それを大規模にいたしましたのが大阪、横浜、東京というようなところでございます。そういたしますと、このように単体規制だけでは対応が十分し切れないという大都会において大型車等の乗り入れ規制が可能なのかどうかというようなことは、これは非常に影響を及ぼすところも多いわけでございまして、社会的に合意を得られるようなこういう総量乗り入れ規制というような方法が可能かどうかということについて、現在検討会をスタートさしていただきました。一年以内にそういうことについて報告を伺いたい、このように現在検討しているところであります。
○岩佐委員 次に、山形の問題ですが、山形県内で森林開発公団が建設中の大規模林道真室川―小国線が自然破壊などの点で問題になっています。この林道計画のうち、朝日町から小国町にかけては標高一千メートル前後の山の上を通っていく計画になっています。この地域は国立公園である朝日連峰に近く計画路線に接して県の指定する自然環境保全地域もあって、すぐれたブナ林が残されています。また、国設の鳥獣保護区もあって、天然記念物であるイヌワシも生息をしている。最近、この林道工事の現場付近でイヌワシが目撃され、地元自然保護団体が県に調査を要求したということですが、イヌワシは全国で二百羽ぐらいしかいないと言われる貴重な鳥です。保護の重要性が高いわけですが、今回の件について、環境庁は報告を受けているでしょうか。
○山内政府委員 イヌワシは、私どもの五十七年の特殊鳥類調査では五百羽程度はいるのではないかと思いますが、いずれにしても貴重な鳥であることは昭和四十年に天然記念物になっております事実からも御指摘のとおりでございます。御指摘の山形県の葉山地域と呼ばれている場所でのイヌワシの確認の件でございますが、実は、今お話しの場所とは隣り合わせた小国町の方の県設の柴倉鳥獣保護区では従来からイヌワシの生息が確認されていたようでございまして、ことしの場合も、自然保護団体が通称ヨモギ平の周辺でイヌワシの飛んでいる姿を確認したということで、たしか地元の新聞でもその写真が報道されたようでございます。このことも県にも自然保護団体から通報があったようでございますが、さらに今御指摘の測量用の伐採が行われているあたり、これは先ほどお話ございましたように、国設大鳥朝日鳥獣保護区そのものじゃございませんが、それの周辺から路線変更があって少し外れたところで飛んでいる姿が十一月六日に確認されたということが、やはり同じように地元の保護団体の方から県に通報があったことを私ども県庁から報告を受けております。
○岩佐委員 この林道の工事現場に私、九月末に行ってまいりました。黒鴨林道という、あちこち崩壊して今にもがけ下に落ちそうな悪路を一時間も車に揺られて、地元の人もめったに行かない山の上に着きますと、そこに突然幅五メーターの立派な舗装道路があらわれます。稜線に沿って今のところ一・五キロつくられています。稜線の西側は自然環境保全地域で、ブナ林が広がっています。東側はブナを切って杉を植えてあるのですが、標高が高過ぎるために二十年たっても全然育っていません。林業に役立つ木はないのに、この林道は何のためにつくっているのか、非常に不思議に思いました。
 この林道の目的について、大規模林道の一般的な目的ではなくて、この地域についての具体的用途が何であるか、林野庁、簡単にお答えをいただきたいと思います。それから、あと何年で完成する見通しなのか、その点もあわせて伺いたいと思います。
○福嶋説明員 ただいま御指摘のありました大規模林道真室川―小国線の朝日―小国区間と申しますのは、山形県の小国町から長井市、白鷹町、それから朝日町に通ずる全長六十四キロの計画の大規模林道でございます。これは、この一市三町にまたがります交通条件の極めて悪い奥地の低利用のままの状態に置かれております広葉樹林を主体とした森林地域におきまして、森林の造成、林産物の生産等の林業生産はもとより、森林の適正な維持管理の推進、それから良好な自然環境を利用した森林の総合利用の推進、こういったような多目的な目的を達成するための幹線的な林道として開設を行っているものでございます。どのくらいで完成するかということでございますけれども、予算の関係で現在一キロ足らず程度の進捗でございます。計画では平成十二年度を目的としておるわけでございますけれども、今申しましたような事情で、十二年度完成というのはちょっと無理かなというように思っております。
○岩佐委員 この地方は、杉は標高六百メートルから七百メートルくらいまでしか良好に育たないと言われているのですね。ですから、一千メーターもの高さのところに林道をつくっても林業の振興にはつながらないと思います。接続道路も整備をされていないし、途中に立ち寄るべき観光地もないし、冬は雪で春の六月ごろまで使えないというわけですから、観光道路としても価値はないと思うのですね。人も住んでないわけですから生活道路にもならない。要するに、何のためか、今御説明いただいても、現地に行ってきた私としてはさっぱりわからないという状況です。しかもいつになったらできるのかもわからないという現状
です。
 一昨年、総務庁の行政監察に基づく勧告で、大規模林道事業が計画に比して著しく遅延しており、「開設効果をより高める路線ルートに変更する等、なお検討を要する点が一部にみられる」と指摘をされているのですが、この朝日―小国間についてもほとんど開設効果が見込めないわけですから、大問題だと思います。役に立たない上に害の方が大きいわけですね。この地域の地質は花崗岩で、深いところまで風化が進んでいて極めてもろいのです。私、ここに石を持ってまいりました。私がこうやって握ったらばらばらと砂になる、そういう石なのです。道をつくれば山崩れが多発することは間違いないわけですね。ですから、災害だとか水源の破壊など、住民に大きな被害をもたらすことは明らかです。こういう工事が行われる。あるいは今言った黒鴨林道などの崩壊などによって現に今、下の地域の地元の水道が汚されているというような点が指摘をされています。黒鴨林道の場合、建設費の一・五倍ものお金をかけて改修をしているわけですね。相変わらず崩壊が、何度も何度もあらゆるところで崩れているということですから、大変な状態です。最近、福井県でイヌワシの生息が確認された森林で伐採を中止し、林野庁が民間業者に売った立ち木を買い戻す、こういうことがあったわけです。今回この林道予定地に、先ほど説明がありましたイヌワシが生息をしている可能性が出てきたわけですから、この点でも計画の見直しが必要だと思います。まだ一・五キロしかつくってないわけですから、今傷の浅いうちに計画の見直しをされる、こういうことが必要だ、計画を中止すべきではないかというふうに思います。この点について林野庁に伺いたいと思います。
 環境庁にあわせて伺いたいのですが、この大規模林道計画については、一九七四年に政令で路線指定をする際に環境庁も了承したという経緯があるようですけれども、路線全体について一般的に了承したといっても、この区間についてどうこうということではなかったと思うのですね。それから十五年もたっていますし、ブナ林の価値が見直される、あるいはイヌワシが見つかったり、新しい状況もあります。環境庁として、環境破壊をさせないという観点からきちんと対応すべきだというふうに思います。
 この二点、林野庁と環境庁に伺いたいと思います。
○福嶋説明員 この林道は、この地域の林業のみならず地域の振興にとって大変基幹的な林道であるというふうに私ども思っておりまして、今後とも適切に実施してまいりたいというふうに考えております。
 なお、イヌワシの発見に係る新聞報道につきましては私も承知しておりますけれども、近々山形県が調査を行うというふうに聞いておりますので、その結果も見て、文化財保護法に抵触することのないように大規模林道事業を実施してまいりたいというふうに考えております。
○山内政府委員 先ほど申し上げましたように、この林道そのものは国設鳥獣保護区に入っておりませんが、国設の大鳥朝日鳥獣保護区というのは、三万八千ヘクタールに及ぶ実はここ自身はニホンイヌワシの生息を理由に設定されたところでございます。その区域外に、先ほど先生から確かに昭和四十九年に政令で決められたことは御指摘ありましたが、実はその後、路線自体については一部県道を活用するなど、それから今の問題の場所でも、それまでよりもっと国設鳥獣区を離れるというような配慮をしてあるところでございますので、私どもはかなり配慮された計画であると現実には理解しております。
 ただ、イヌワシの発見に伴いまして、私の方からも県の自然保護当局に、イヌワシの生息状況を調べるようには一応指示をしております。ただイヌワシの場合、かなり険しいがけの上に生息しているものでございますし、実は、林道工事そのものがどのような影響になるかについてはなかなか一概に言えない、議論も出てくるかと思います。それからまた、先日私も地元の関係者にお会いいたしますと、イヌワシの発見ももちろん一つの要素でございますが、林道そのものに対する別の意味からの御議論もあるようでございますので、その辺はやはり林野庁なり森林公団の方で幅広くとらえていただく必要があろうかと思いまして、さしあたり私どもは県当局にイヌワシの生息状況をつかめる限りつかむように指示をしている段階でございます。
○岩佐委員 あと、圏央道問題だけちょっと質問したいと思います。
 建設省に伺いたいのですが、首都圏中央連絡道の建設に伴う測量、地質調査のための地元説明会が行われたわけですが、三カ所で流会をしたというような、地元説明会は合計すると四カ所まだ同意が得られていないという状況のようでございますけれども、この中で十八日にくい打ち式を強行されたということで、反対住民から非常に大きな抗議の声が上がっております。当然、住民の合意のないまま調査を強行する、そういうことはないと思いますけれども、この点だけちょっと確認をしておきたいと思います。簡潔にお願いします。
○松延説明員 首都圏中央連絡自動車道は、東京を中心としまして四十キロから五十キロ圏の厚木とか八王子あるいは川越等の近郊都市を連絡する大変重要な幹線道路でございます。これらの近郊都市を核都市として発展させ、また首都圏の機能を分散させるという非常に重要な機能を果たす道路でございます。それで早急な整備が地元からも期待されているわけでございます。
 東京都内国道二十号から東京と埼玉県境二十二・五キロございますが、これにつきましては本年三月に都市計画決定をいたしまして、このうち、事業化されております中央自動車道から都県境まで二十・三キロの区間につきまして、本年七月から測量、地質調査のための地元説明会を実施しております。現在までに全体二十地区のうち、先生御指摘のように十六地区で延長の八七%に当たります十七・七キロの区間につきまして立ち入りの了解を得たところでございます。
 私どもとしましても、事業の円滑な実施のためには地元の方々の御理解、御協力がぜひ必要であり、今後は地元説明会等実施をしまして、可能な限り地元の方々の御理解に努めてまいりたいというふうに考えております。
○岩佐委員 大臣、圏央道について私、繰り返しこの委員会で取り上げてまいっているわけですけれども、住民が何よりも納得できないのはアセスメントのいいかげんさの問題なんですね。
 高尾山は先祖代々守り伝えられてきた貴重な緑が残されています。東京都民二百五十万人以上の方々がこの高尾山に年間行かれるということで、最も身近で豊かな自然が標高六百メーターで非常に深山の趣がある、そういう山なわけですね。住民自身は専門家と一緒によく山を調査しているわけですけれども、建設省と東京都のアセスメントが出されて、これを住民の方がよくよくいろいろ見てみると、例えば植物の調査で追加修正されたものが千二百七十七種中四百七種もあるということで、本当に大問題だということです。それから、トンネルを掘ったら地下水の動きが変わってしまうのではないかという、その住民の不安に対して、ボーリング調査をやったものの、コアの写真を載せたままで、詳しい分析も示さないで大丈夫と断定をするということが行われています。狭い谷で逆転層ができて大気汚染が心配、こういう不安に対しては、アメリカの広い谷間での研究例を挙げて、大丈夫。これは私が国会で指摘をしたわけですけれども、これではもう住民の不安がなくならないのは当然だと思うのですね。圏央道のアセスメントの過程では、評価書案に対する意見書が一万一千七百五十五件、見解書に対する意見書は四万七千九百四十八件、これまでにアセスメントが行われたものの中で、こんなにたくさんの意見書が出たのは恐らく圏央道が初めてだというふうに思います。
 環境庁は圏央道について今後自然公園法に基づいて協議をする機会があると思うのですけれど
も、こういう状況なので、環境庁として、環境が破壊されてからでは遅いわけですので、ぜひ慎重に厳重に対処をされたい、このことを大臣にお願いをしたいと思います。
○志賀国務大臣 お答えいたします。
 いずれ都知事が自然公園法上の処分をすることになるわけでございましょうが、第一種特別地域にかかわる車道であることから、自然保護局長には当然協議をすることになることはただいま御指摘のとおりでございます。その際、国定公園の保護及び利用の観点から適切に環境庁としては指導をしなければならない、かように考えております。
 以上をもってお答えとさせていただきます。
○岩佐委員 終わります。
○熊川委員長 武村正義君。
○武村委員 大臣、お疲れのところ恐縮でございます。余りダブらないようにお尋ねをさせていただきます。
 きょうも大変のどかな小春日和で一日が終わろうとしておりますが、朝から議論がありますように、我々の地球というのは大変な深刻な問題をたくさん抱えているわけでございます。地球を深刻にしたのは、ほかならぬ我々人間でございます。そんな意味でいささか御感想を伺いたいわけでございますが、一九八九年、もう二十一世紀もあと十年余りでございますが、この二十世紀末の人類のいわば生きざまと地球の将来、どういう御感想をお持ちなのか伺いたいわけであります。
 私はよく我々の議論の中で、人間と自然の共存という言葉を使います。それから、調和とも言います。あるいはもう少し思い上がった表現を使いますと、人間がどう自然を管理するか。あるいは自然保護という言葉も、解釈の仕方によっては人間が自然をどう保護するかというとらえ方であります。極めて西洋人的なとらえ方なのかもしれませんが、ついそういう言葉をごく自然に使っている昨今でございますが、よくよく考えてみますと、人間と自然を対置して、場合によっては人間様が自然をどうでもコントロールできるかのごとき言葉を使っているところにそもそも問題があるのではないか。大体人間と自然とは対等なんだろうか、とんでもない、私はそう思うわけであります。この大自然は、即大宇宙とも言えますし、宗教的な表現を使えば、これが神、仏にも通ずるとも言えるわけでありますが、はるかに人間を超える存在そのものだと思うのであります。いわば自然に対する敬けんさといいますか、人間そのものがまさに大自然の中ではぐくまれ、生かされている存在だということをすっかり忘れかけているというふうな気持ちもしないではありません。そんな中で、私自身は、むしろ人間というのはどんなに胸を張ったって自然に対しては第二の地位に甘んずべき存在である、ゆめゆめ自然と対等の、あるいは自然をどうにでも人間の思いどおりに変えられるような、そんな思い上がった気持ちを持つことは許されないというふうに思っているわけでありますが、二十世紀末の大変科学技術が進歩を遂げ、物質文明がありとあらゆる分野に花を開かせている昨今、確かに核分裂や核融合あるいは超電導やバイオテクノロジー等々、すさまじい科学技術の進歩を我々は経験しつつあるわけでありますが、それだけに、何かこの方向で行けば大抵のことはできるだろうというふうな気持ちを持つのも無理はない面もあるわけであります。特にバイオなんか、いわば試験管ベビーから始まって男女の産み分けとかクローン動物とか、クローン人間というようなことまで論議されておりますと、もはや神様の世界、その中に人間が入っていっているというふうにすらとれるわけでございますから、いささかそういう気持ちを持つのは無理がないとは思うのであります。しかし、そういった思い上がりが地球の環境をこんな状態にしてしまったのではないか。言ってみますと、この物質文明、人間の欲望、そして有限の緑や大気や水等々の与えられた自然、このかかわりで何となくバランスを大きく崩してしまってきている。人間の思い上がりが、その大自然を自由自在に操るということよりも思いのままにしていこうという、この姿勢がこういった深刻な地球環境の問題を生み出しているというふうに思うわけであります。
 そんな意味で、あれこれ申し上げますと、人間はどこへ行くのか、我々は新しい世紀にもっと明るい展望を持ち、期待をかけていきたい、特に政治家である以上は楽観的な気持ちで頑張っていきたいともちろん思っているわけでありますが、大臣御自身、人間としての志賀先生のお気持ちもあるだろうし、環境庁長官としての政治的な立場もありますが、率直にひとつお聞かせいただければありがたいと思います。
○志賀国務大臣 大変高邁なお話でございまして、武村先生の持ち時間をちょうだいして私長いお答えをいたしますのも恐縮でございますが、せっかくの御質問でございますので、私の率直な考え方を披瀝させていただきまして、御批判を賜りたいと思います。
 経済学を始めた人はアダム・スミスということになっておりますが、アダム・スミスの極めて楽天的な哲学は、見えざる手が働いているんだ、そういう教えは私は学生時代に教わった記憶がございます。すなわち、一生懸命働く者はそのように報いられるし、怠ける者はそのようにとがめられるんだ、それが見えざる手の帰結するところである。ところが、その後の流れを追うてみますと、持てる者は横になっていてもお金がずんずん入ってくるし、働けど働けど我が暮らし楽にならずじっと手を見るというのが貧しい方たちの実態であった。そういうところから、見えざる手なんというのは存在しないのじゃないかという認識が広がり、私流の理解を許していただくならば、そのころにニーチェが神は死んだと言ったのではないかと思うのでありますが、その結果、その土壌の中からエンゲルスが生まれマルクスが育った、私はこういう理解でございます。
 そのような経済の流れが一方にありながら、なぜか人類は自然環境の中では見えざる手が働き続けているような錯覚を今日まで持ち続けているのではなかろうか。すなわち、自然浄化であるとか自浄作用という別の名前でございます。そういうものに甘えて今日まで来ておる姿が現代の私どもが直面している姿であり、またその中から、その甘えが我々を危機的状況に刻一刻近づけているのではなかろうか。そういう見えざる手が自然環境の中でも働かないんだということにいち早く認識が到達することが大事であるということが私の理解でございます。
 と同時に、私個人に関して言わせていただきますと、この見えざる手に何が取ってかわったらいいのだろうか。これに取ってかわるものは、今申し上げましたような見えざる手がないんだという一人一人の自覚でございますが、同時に私個人は、今まで政治家といたしまして物事を選択いたしますときに、御存じのとおり政治家というのはしょせん選択をするのが大事なポイントでございますから、私の父も政治家でございましたために、もしこの場におやじがいたならばどっちを選択したであろうかということを常に念頭に置いて、そして父が選んだであろう方を選んで今日まで私はやってきたつもりでございます。私は、そのことに今日なお後悔をいたしておりませんし、私はむしろそれでよかったと思っておるのであります。それをいわば援用して言わせていただくならば、この自然環境破壊を克服していく営みの中で右するか左するかを選ぶ場合には、私は、もし神ましませば、いずれをよみしたもうや、いずれを選びたもうやを念頭に置いて、いわゆる利害得失、俗世界のそろばん勘定というものはこの際ある程度さておかなければいかぬのじゃないか、こういうことを私は念頭に置いておりまして、もしそういうことが私自身をも含めて可能になれば、私は楽観論にくみしたい。それが難しければこれは大変な事態に立ち至ることを覚悟せねばならないのではなかろうか、かような個人的な考え方を持っておることを告白させていただきます。
○武村委員 長官の大変澄んだお心でお考えを述べていただきまして、ありがとうございました。
 もう朝からノルドベイクの宣言についてはいろいろな質問が繰り返されてきたようでございます。省略をさせていただきますが、私も多分に誤解をいたしておると思うのでありますが、それはしょせんすべての事実が新聞やテレビの画面等による報道でしか理解できない昨今でございますから、国会議員といえども、まずまずは新聞、テレビの報道で物を知ってしまいそれで判断をしてしまう嫌いがあるために避けがたいことではあると思うのでありますが、たまたまお隣の小杉議員と先週ワシントンに参りまして、そこでもオランダの会議のいろいろな話が正式の議題でも何回も出ましたし、レセプションその他の雑談においても、ノルドベイクの取材に行った新聞記者なんかもワシントンに帰っていまして、日米のそういう記者からも聞いたりしたわけであります。午前中から質問がありましたように、実際はむしろIPCCの来年の専門家を中心にした会議の方向づけを待って判断するというのは何ら問題がないし、全く正しい判断であったと私も思います。ただ結果として、アメリカと日本が何かこの大気の温暖化に対して非常に消極的な役割を果たしたという報道が恐らく世界にされてしまったことを大変残念に思うわけでありますが、このことは今回に限らず、もうほとんどの国際交渉がそんな感じを与えておりますし、かつてモントリオールの議定書が決まるまでも、私はあるヨーロッパの会議に行っておりましたら、日本から来ている役人さんは、代表はちっとも発言しないといって嘆いておりました。日本国政府の公式の態度を表明しない。あるいは、先般NGOの住民団体に会ったときも、アマゾン等の問題をめぐって世銀の日本から派遣されている二人の理事はほとんど黙して語らず、発言をされない。発言をしないことは加担しているというふうにも彼らはとる場合もあるようでありますし、その辺が消極的、熱心でないというふうな報道につながってきているようにも思うわけであります。私も公務員をやってまいりましたからよくわかるわけですが、慎重であればあるほど、十分あらゆる角度から特に専門的な知見を中心にして議論をし、最終判断をしていく、そのことが当然なことでありますし大事なことでありますから、時間がかかるし、いろいろな手続を踏まなければならないことはよくわかるわけでありますが、それにしても今回のマスコミ報道に対しては長官自身も大変残念に思っておられるであろうと思うのです。この御経験からいって、何かもう少しお互いに努力する方法はないのだろうかという思いが私にも残っております。
 向こうで聞いた話では、日本政府とアメリカ政府が慎重であった。それは慎重であったということは、ある意味で一番冷静に客観的に事態を眺めて姿勢をとっていただいたということになるわけでありますけれども、ただその背景に情報の、いわゆるCO2の凍結や削減の情報じゃなしに、政治的な日米間の情報に問題がなかったのかどうか。ちらっと聞いた話では、アメリカ政府もかなり日本の顔色を見ていた。そこで日本政府がどうも慎重な姿勢でいきそうだというのを見て、それでアメリカ政府も、じゃ慎重でいこう、こんな判断をしたんだ。これはある新聞記者の話ですから真に受けるかどうかは別としまして、日本政府も恐らく在外公館等を通して事前に十分アメリカ側の情報は収集されたはずであります。アメリカ側が正式にこういう姿勢でいくと決まる前に大統領周辺の、いろいろな意見があったようでありますが、慎重な意見がむしろ大勢を占めそうだという情報が日本に入ってきて、その情報で、まだ確定した情勢じゃないけれどもそういう情報のもとに、アメリカはどうも慎重だ、さあ日本はどうしようというと、アメリカの顔色も気にする日本でありますから、じゃアメリカと歩調を合わせて慎重にいこうじゃないか、こうなったのかなと、これはげすの勘ぐりかもしれませんが、そんな記者の話から想像をいたしまして、結果としてそんな――判断そのものは間違いないのでありますが、何か一番冒頭からオランダの提案そのものは大変ラジカルとも言えますから、その違いはともかくとしましても、何か姿勢そのものがマスコミから余りプラスの面で評価をされなかったのかという、それがずっと後まで尾を引いてしまったのかなというふうな憶測を私はいたしたわけでありますが、いずれにしましても大変大事な問題でありますし、マスコミを含めて世界全体が一番注目をする問題でもありますだけに、今後の姿勢も含めて、この御苦労いただいたオランダの会議を振り返りながら、この点だけ御感想があれば承りたいと思うのであります。
○志賀国務大臣 いろいろと御心配を煩わせまして本当に恐縮でございます。
 日本のマスコミの報道は存じておりますし、一部オランダの報道も存じておりますが、世界の全体の報道はよくわかりませんのでどういうことになっているか私はすべてをつまびらかにいたしませんが、私自身はこの問題については比較的あっけらかんといたしております。と申しますのは、私には、外交交渉ないし外交交渉めいたものが国内で歓呼の声で迎えられる場合にはえてしてよくない結果に結びつくものだという経験則があるものでございますから、そういう点があっけらかんとしている理由でございます。
 それからもう一つは、先ほど来申し上げておることでございますが、仮にそのようなことが可能であったとして、日本がオランダ案にくみし米、英、ソと離れるようなことがあったらばどういうことだったろうか、むしろこれはまずい形になったのではないかという考え方をいたしております。それからもう一つは、日本だけが離れるというのでなしに日本もまた米、英、ソ、中国などと一緒に、オランダあるいはその他EC、北欧諸国と二つに分かれて、我々が米、英、ソ側について二つの対立関係になったまま、このオランダ会議がそういう終わりを告げたならば果たしてどうであったろうかということを考えますと、日本がイニシアチブをとって積極的にこのオランダ宣言を一本化のもとに物にし得た、またオランダの側もこちらに歩み寄ってくれた、そのことに対しては高い評価を下しておる次第でございます。
 そういうことで、マスコミの報道に対しては私は必ずしもとんちゃくをせず、あっけらかんとしておるわけでございますが、ただ、先ほども北橋委員からだったと思いますが御指摘がございましたように、プレス対策等につきましても、私どもは十分やっていたとは思うものの後になって振り返れば、こういう点もやればよかったかなという点もございます。そういうことを今後の参考の足しにしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○武村委員 ありがとうございました。
 ハーグの会議と並行してこのモントリオール議定書の規制強化に関する作業部会が開かれていたようでございますが、ちらっと新聞で簡単な記事を見ただけでございますが、フロン等の規制に関するより徹底した議論が行われて一応話し合いがまとまったように報道されていたわけでありますが、かいつまんで概要だけで結構でございますからお聞かせをいただけませんか。
○古市政府委員 十一月十三日から十七日にかけてジュネーブで第二回の議定書改定に関する作業部会が開かれました。この中では、オゾン層保護に関連する科学的知見、環境影響、フロン等の削減技術及び経済影響に関する総合報告書が出されまして、議論の後採択された。その主なものでございますが、特定フロンを今世紀末までに全廃する、それからまたメチルクロロホルムや四塩化炭素を規制の対象物質に加えていくという方向で検討が進められたという報告を聞いております。今後は、来年三月に予定されております第三回議定書改正に関する作業部会を経まして、六月にロンドンで行われます第二回モントリオール議定書締約国会議でこの議定書の改正案が出されて採択されていく、こういう見通しでございます。
○武村委員 我々がこの委員会で、あれは一昨年ですか昨年ですか、議論をして決めた法律を上回る厳しい内容が合意されたわけでありますから、当然また法律改正も含めてこの委員会でも真剣な
議論を進めなければならないと思います。ところで、そういたしますとフロンをやめるということになってくるわけでありますから、当然これにかわる物質の可能性、代替物質の開発の展望がより一層焦点になってくるわけでありますが、一番新しい情報の中でフロンの代替物質の可能性について、通産省、お教えをいただきたいと思います。
○小島説明員 ただいま御指摘のございましたフロン代替物質の開発の可能性はどんなものかという点でございますが、フロンの代替品といたしまして現在幾つかの物質がその候補として挙げられております。これらの物質につきましては、その代替品としての本格的な商業的な生産を開始する前に、安全性の確認等所要の試験研究を行った上で実用化に入っていくということが必要でございまして、現在そのための試験研究が精力的に進められているところでございます。ただ、これらの研究が全部終了いたしまして実際に実用化がなされますまでには、まだ数年程度はかかるというふうに現在見込まれております。
○武村委員 先日東京会議に来日したトルバ局長がおっしゃっておりましたが、代替物質が開発できたとしましても、いずれにしましても途上国に対するフロンの対策、これは大変大きな問題であり、先進国が自主的に生産をとめる段階から今度は後進国、これは使っている国でありますけれども、この国に対する対策にまた相当な金がかかるのではないか。トルバ氏自身は、途上国で五億ドルぐらいかかる、中国を除いてだから、中国だけでもまたさらに五億ドルぐらいかかるのではないかということを申しておりましたけれども、こういう途上国対策を含めたこの問題の展望はどういうふうになるのか、その中で日本政府というのは可能な限り積極的な役割を担っていくべきだと思うのでありますけれども、どういう考え方がおありなのか、お聞きをいたします。
○古市政府委員 先ほど申し上げました議定書の改正に伴う発展途上国への支援の問題等もそれらの部会で議論の対象になっておりまして、それには日本も積極的に議論に参加いたしております。
 またもう一点で、オゾン層保護の測定技術、それからまた、そもそもフロンを代替していかなかったらいけない必要性等についての教育普及というものも含めまして、我が国ではこれまでにも発展途上国の方にも参加を呼びかけまして国際会議を持ちましたし、また、来年度要求におきましても、アジア地域を対象といたしましてそれらの国の実態調査、さらにはセミナーの開催等も予算要求をして、技術の移転というものを促進していきたい、このように考えております。
○武村委員 あわせてCO2の問題に戻りますが、これも来年のIPCCの行方もかかってくるわけでありますが、いずれにしましても、今回のノルドベイク宣言もCO2の安定化の必要性については全参加国の意見が一致を見たわけでもありますし、早晩この凍結というか、また削減というような議論が出てくるわけでありますが、先般私どもこちらで経団連等の担当者の話を聞いた限りでは、大変なことだ、凍結だけでも日本経済は立ちどまってしまうといいますか、マイナス成長になりかねないという話も印象に残っているわけでありますし、新聞報道でも、石炭発電をガスにかえるとか原子力発電を数十から百ぐらい新たにつくらなきゃならぬとか、いろんなことが言われておるわけでありますが、本当にそうなのか。たまたま私はその後、経団連の専門家の話を聞いた後、ある経団連の幹部の人に会って話をしてみましたが、それは武村さん、決まれば決まったで我々も協力しますよ、こういう話もありまして、専門家の詳細なデータによる説明と、経済人の大所高所の判断だとは思うのですがそういうやや積極的な言葉と、どう理解をしていいのか戸惑ったのでありますが、中には、政府が決めればやはりこれこそ科学技術、それに対応する科学技術の開発も含めてそれは何とかなるんだ、現状で議論すれば何もかも大変壁が厚くてとても前には向かないという見方もあるわけでありまして、その点総合的に大気保全局長さん、いかがお考えでしょうか。
○古市政府委員 お答えできかねるような大変な御質問かと思いますけれども、その今の話は、過去にオイルショックのときああいう状況に省エネで対応した、それからまた、公害が非常に厳しかったときに世界に先駆けて脱硝、脱硫の技術をやって今や最先端の大気汚染防止技術を持っている、そういう経済界、技術界、技術陣の自信が、決まれば日本はやりますよ、こういう発言に結びついているのじゃなかろうか、こう思いました。しかしそういうことだけではなしに、環境庁といたしましても、関係各省庁と連絡をとりまして省エネルギー、それからまた新エネルギー、そういうものについての検討も進めていきたい、このように思います。
○武村委員 次いで、熱帯雨林についてお伺いいたしますが、農林省にお尋ねをいたします。
 ODA援助の中で、実際にこの熱帯の植林、これは技術援助、人的な援助も含めて、植林の事業費までさまざまでありますけれども、総額はどのくらいであるのか、まずお伺いをいたします。
○田中説明員 熱帯雨林に対します林業分野の援助態様というのはいろいろございますが、先生御指摘のように、造林事業などを中心といたしまして、一つは専門家の派遣及び機材の供与、それに研修員の受け入れという組み合わせで行いますプロジェクト方式という技術協力が一つございます。それからもう一つは、林業開発計画の実施に必要な森林資源調査等の開発調査という分野と、もう一つは林業技術の開発、改良に必要な機材及び研修所等の施設の供与を行う無償資金協力等がございます。
 この中で、プロジェクト方式によりますものにつきましては、造林プロジェクトを中心に現在十一カ国十三プロジェクトを実施しておりますし、これまでにインドネシアの南スマトラの造林プロジェクトなど、五カ国六プロジェクトが終了いたしております。それから、開発調査につきましては、既に十一カ国十五件が完了しておりますが、現在インドネシアの産業造林の可能性などを調査いたしますものを含めまして三カ国三件を実施中であります。それから、無償協力につきましては、これは九カ国十六件ということになっておりますが、総額で百五十二億円が供与をされております。それからもう一つ、技術協力の中心となっております専門家の派遣あるいは研修員の受け入れというものにつきましては、五十一年から始まったパンタバンガンにおきます造林プロジェクト以降、長期専門家、短期専門家合わせて六百五十名ほどが派遣されておりますし、またこれのカウンターといたしまして、受け入れが約千二百名ほどございます。
 それで、先生お尋ねの林業分野の熱帯雨林へのODAは幾らかということでございますが、六十二年の実績値でございますが、約九十五億円程度になっております。
○武村委員 百億円弱でありますから、ODA全体から見れば百何十分の一という金額であります。
 地球環境への取り組みの中でさまざまな問題があるわけでありますが、最もわかりやすい、今余り議論の要らない、すぐに行動を起こしていい問題が、この熱帯雨林の減少にどう対応していくのか、減少への対応だけでなしに、これをふやす努力をどうしていくのかということだと私は思うわけであります。特に緑をふやすことは、そのまま温暖化の議論になりますCO2にも大きくかかわってくるわけでありますだけに、むしろ科学的知見の議論を待つまでもなく日本みずからもODA、この分野に一番力を入れていくべきではないか。
 ある学者の話によりますと、今地上の緑の総面積は四十三億ヘクタールでございますが、これを一五%くらい拡大することができれば今世紀中のCO2の総排出量をカバーするに匹敵するという説がございました。ことし六億ヘクタールくらい緑を拡大すれば今世紀中の排出量に匹敵するだけの対応になる、そういう説なんでありますが、そのことを例にしましてもおわかりのように、緑が
減ることにブレーキをかける、緑をふやすためにどう努力をしていくか、それも議論でなしに、今すぐからでもこの努力を開始をすることが一番大事なことではないかというふうに思います。そういたしますと莫大な金が要るということになるわけであります。長官御出席のこのノルドベイクの宣言にも最後の方に、千二百万ヘクタールふやしていくということが書かれておりまして、これは純増が千二百万ヘクタールでございますから、リフォレステーション、今千百三十万ヘクタールと言われておりますが、これを例えば八百万か六百万かなるたけ減らしていくという努力と並行して、これを上回るプラス千二百万ヘクタールの努力を展開することによって緑を拡大していこう、そういう考え方がこの宣言に盛り込まれたものと思うわけであります。恐らく財政的な裏打ちまで議論されてこの文章が決まったわけではないと思うのでありますが、それにしましてもこれは大変なスケールの問題でございます。
 私、これも小杉議員と一緒に夏に東南アジア三カ国を訪問しましたときに、インドネシアのサリムさんも、それからフィリピンの環境大臣も期せずして、我が国では一ヘクタールの植林に千ドルかかりますということをおっしゃいました。大体一ヘクタール千本くらいだそうです。したがって、一本一ドルというふうになるわけでありますが、一ヘクタールの植林に千ドルということで計算をいたしますと、千二百万ヘクタールという数字は百二十億ドルということになりましょうか。日本の今の植林のODAの予算は九十五億円でございますから取るに足りません。私は、先般WELFの会議でもちょっと発言させていただいたのですが、大変粗っぽい提案ではありますが、世界のGNPの〇・一%ぐらいを大変シリアスな地球環境の対策に優先的に振り向けるべきではないか。世界のGNPはいろいろなとり方があるそうですが、二十兆ドルというふうなとらえ方をしますと、二十兆ドルの〇・一%というのは二百億ドルになるわけであります。そのことは、日本のGNP対比でも、恐らくことしはもう四百兆円ぐらいになっているだろうと思うのですが、四百兆円という仮定を置きますと、その〇・一%は四千億円という数字になります。ドルで言えば三十億ドル、アバウトですがそんな数字になりましょうか。たしか昨年の日本の環境関係のODAの総予算がやっと一千億を超したという報告でございましたし、竹下総理でございましたか、サミットかどこかで三年間で三千億円という日本政府の意思表示もいただいているのですが、これは一年間にすれば一千億円ですから、環境全体のODAの援助総額、上下水道やらみんな入っておりますので、とてもこの額では対応できない。ですから、そういう中でいろいろ計算してみて、〇・一%という数字は大体二百億ドルに匹敵する、この世界のGNPの〇・一%を地球環境を守るために振り向けられるのなら、その半分を緑の問題に向けて、あとの半分をその他さまざまな課題に向けるという大ざっぱな分け方をしますと、二百億ドルの半分、百億ドルくらいを毎年世界が拠出をして、失われつつある地球の緑を復元するために、リフォレステーションのために振り向けることができないだろうかというふうに思っているわけであります。この百億ドルが、ノルドベイク宣言の千二百万ヘクタール、これは一ヘクタール千ドルではちょっと足りませんけれども、ほぼそれに合ってくるわけでございまして、そのくらいのスケールで地球の人類全体が努力を開始しなければいけませんし、ましてや先進国の日本がこの問題に意欲的な姿勢を示そうとすれば、日本のGNPの〇・一%ぐらい、その半分の約二千億円ぐらいは熱帯雨林の復元に優先的に振り向ける決意をすべきではないか。今の九十五億円からいいますと約二十倍にふやすということになりますが、そのことを真剣に考えていかなければいけないと思っている次第でございます。
 そうなりますと、今の政府予算の中でやりくりをしていくのでは展望がなかなか開けません。何か新しい仕組みを持ち込まなければ、そういう大きい金額を特定の分野に出すことは不可能に近いぐらい難しゅうございます。そこで、地球税という、言い方は単純でありますけれども、これこそ目的に合わせた新しい財源を国民に訴えて、国民の理解をいただいて、その上でそういった大きな財源を確保して、目的税として地球環境を守るための新しい財源の工夫があってもいいのではないか。単純な計算をいたしますと、消費税でいいますと〇・二%プラスさせていただくと四千億円になるのですけれども、これは皮算用でございますから事はそう単純ではありませんが、これは法人税であろうと所得税であろうと何でもいいのでありますが、どんぶり勘定の一般財源の中で地球環境というとらえ方がなかなかしんどい。そういう意味では、何か特定の目的税を創設することによって国民隅々の理解をいただいて、この問題に日本の国全体が積極的な姿勢を示すことができたらというふうに考えるわけでありますが、いかがでございましょうか。大臣及び農林省の御所見を伺います。
○志賀国務大臣 大変雄大な御発想に基づく地球税のお話は、東京会議の際も御発言があったように承知をいたしておりまして、大変関心を持っております。大規模な造林計画を含む地球温暖化防止のためには、開発途上国を含めた世界全体での広範な取り組みが必要でございます。先進諸国による技術面、資金面での開発途上国支援が肝要であることは言うまでもございません。このため政府としては、環境分野の二国間援助に加えて、ITTO等国際機関を通じた協力を拡充強化していく方針でございます。
 また、既存のチャネルの活用に加え、追加的な資金供給についても、新たな国際基金の可能性等について検討することをさきのノルドベイク宣言ではうたっておりまして、その趣旨を踏まえて国際的な検討が進められる場合には、我が国としても積極的に参加してまいりたいと存じます。
 政府の一員といたしましてただいま御指摘のございました地球税について特に言及いたしますといろいろございますから、この程度でお許しを賜りたいと思います。
○田中説明員 熱帯雨林問題に対する具体的な取り組みということになりますと、先生御指摘のように、何よりも大規模な造林を推進することによりまして、失った森林の回復を図るということが肝要であろうと考えております。こういった熱帯地域におきます大造林といったものを推進するためには、それぞれ問題が若干ございます。一つは、開発途上国においてこれを担う人材なり技術といったものが不足しているということ、それから途上国内におきまして造林投資へのプライオリティーが大変低うございます。また造林資金不足といったようないろいろな課題があります。こういったものに対して林野庁といたしましては、従来からもいろいろ協力をしてまいったわけですが、今後とも、海外協力十五年の歴史がありますが、こういったものを踏まえてより積極的な役割を果たしてまいりたいと思います。
○武村委員 UNEPの方では昨年あたりから、植林の問題でなしに、今残っている熱帯雨林をどう保存するかということで、特に発展途上国にとっては単純に残せと言われても困るわけでありまして、恐らくそれは保存に対して何らかの経済的な裏打ちがされて初めて納得をする話だろうと思うのでありますが、そういう前提でブラジルとニジェールでしたか、それとインドネシアの三カ国くらいをモデルにしながらUNEPが今かなり膨大な作業をして、一定の考え方をまとめつつあるということを聞いたのであります。ドイツが伝統的にこの緑の問題は非常に熱心でございますからかなり力を入れているということも伺ったのでありますけれども、こういうことも含めて、熱帯雨林の保護、保存に対するUNEPの最新の動きについてわかる範囲でお知らせをいただきたいと思います。
○山内政府委員 実は私、UNEPが中心となって、今お話がありました三つの件について詳しくは存じておりませんが、熱帯雨林の保全はもちろ
んリフォレストと申しますか造林が大きな問題でございますが、最近はやはり東南アジアの諸国でも、今ある熱帯雨林をどう活用するか、切り出さないで活用する道はないかということでございます。過般の東京会議でも、科学者に連れられたツアーリズム、日本語に訳しますと観光ということになりますが、これは単なる物見遊山ではなくて、生物の種の観察を含めたそういう場所として先進国に活用してもらうといったような案も、発展途上国の方から提案がございました。私どもは、現在ASEAN経由で、国立公園方式あるいは生物保護区方式で日本の技術的なあるいは財政的な援助をもらえないかという話に個別に対応しておるところでございます。過般もアフリカのカメルーンでございましたか、花博への出展を機会に現地の国立公園づくり、生物保護区づくりについて日本としても関心と、できれば財政的援助もしてほしいということで、東京におられます大使そのものがわざわざ環境庁を訪問された実態もございます。
 そんなことで、先ほど農林省からお話がございましたように、これは一律一般的にすべての国に通用する保護区ができるかどうか別といたしまして、それぞれの国からそれぞれの工夫で、ただ木材として輸出するだけではなくて、熱帯雨林を生かしたい、保護していきたいという声がかなり広がっている気もいたしますので、環境庁なりの立場からできるだけのことを対応してまいりたいと考えております。
○武村委員 私ども地球環境、地球環境と申しておりますけれども、今緑の問題で農林省のお話を伺ってもおわかりのように、まだまだ具体的な努力というのはほとんど何もしていない、議論に一生懸命参加し始めたという程度であります。トルバさん自身も、フロン対策をどう途上国に広げていくかということになると五億ドルの金が要る、ですから議論じゃなしに行動そのものだという話を強調しておりましたが、熱帯雨林の問題なんかも、基本的には先進国も含めてどう行動を起こすかという状況でありますだけに、日本政府の現状、少なくともODAの金額等に見る現状とそういう客観的な熱帯雨林の状況とを考えますと、それは一気にはいかないかもしれませんけれども、かなり大胆な発想で思い切った決断をしていかなければいけない時期を迎えているわけであります。
 そのことを改めて強調しながら最後に一点だけ。そのためにも日本でできる一つの道は、問題はさまざまでございますから一つの研究所でとらえられるわけではありませんけれども、同時にまた相互に大変複雑に絡み合ってもおりますだけに、この地球環境の問題に意欲的に取り組んでいく総合的な研究所をぜひつくるべきではないか。地球環境、どの問題も科学的知見ということが強調されるだけに、何もかも集約する、そんな一大研究所ができるとは思いませんが、少なくとも世界に一つは総合的な研究所が当然あってもいいし、環境庁は来年度予算で公害研究所の中に地球環境センターの設立を目指していただいておりますが、これは第一歩としてはそれで結構だと思いますし、私どもも大いに期待をし努力していきたいと思います。将来の目標としては、この問題で世界に貢献できるような地球環境の一大研究所をむしろ日本国政府がリーダーシップをとって日本につくるという考え方をぜひお持ちいただきたいと思うのでありますが、いかがでございましょうか。
○志賀国務大臣 武村先生が御指摘くださいますような思い切った発想によらなければこの地球環境の難問題を克服していけないではないかということは、私もまことにそのとおりではなかろうかと考えておる一人でございます。
 非公式的でございましたが、実は今回オランダに行きました際も幾つかの国の環境担当大臣に私の口から、先生ほど大規模な発想ではないのでございますが、世界じゅうの軍事費の一%を削減して環境保全に回せないであろうかという、これは全く非公式でございますが打診を行ったことでございます。御案内のとおり全世界は大体一兆ドルの年間軍事費と大づかみに理解いたしますと百億ドルでございましょうか、そういうようなことを私言ったほどでございますから、武村先生のただいままでの御発想には、その数字は別といたしまして、大変納得のいくお話であると考える一人でございます。したがいまして、大規模な総合的な地球環境の問題に取り組む研究所をという御発想も、その延長線でよくわかるわけでございます。しかし、ただいま御指摘がございましたとおり、この問題に関しましては、新規の研究所を今日本でつくるよりも、まだ歴史が新しく未整備の国立公害研究所等を含めましての諸機関の拡充強化というものがさしあたって大事なポイントでございまして、そういう意味で地球環境研究センターの設置につきまして最大限今努力の途上でございますので、どうか応援方を心からお願いする次第でございます。
○武村委員 ありがとうございました。
○熊川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時四十七分散会