第118回国会 農林水産委員会 第19号
平成二年八月七日(火曜日)
    午後一時開議
 出席委員
   委員長 亀井 静香君
   理事 石破  茂君 理事 大原 一三君
   理事 中川 昭一君 理事 穂積 良行君
   理事 柳沢 伯夫君 理事 石橋 大吉君
   理事 日野 市朗君 理事 西中  清君
      愛野興一郎君    内海 英男君
      大石 千八君    唐沢俊二郎君
      古賀  誠君    鈴木 宗男君
      田邉 國男君    仲村 正治君
      丹羽 兵助君    鳩山由紀夫君
      二田 孝治君    松岡 利勝君
     三ツ林弥太郎君    御法川英文君
      有川 清次君    遠藤  登君
      北沢 清功君    鉢呂 吉雄君
      堀込 征雄君    目黒吉之助君
      倉田 栄喜君    東  順治君
      藤原 房雄君    藤田 スミ君
      阿部 昭吾君
 出席国務大臣
        農林水産大臣  山本 富雄君
 委員外の出席者
        内閣法制局第一
        部長      大森 政輔君
        経済企画庁物価
        局物価調整課長 小林 勇造君
        農林水産大臣官
        房長      鶴岡 俊彦君
        農林水産省経済
        局長      川合 淳二君
        食糧庁長官   浜口 義曠君
        林野庁長官   小澤 普照君
        農林水産委員会
        調査室長    西島  勝君
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委員の異動
八月七日
 辞任         補欠選任
  佐藤  隆君     御法川英文君
 三ツ林弥太郎君     松岡 利勝君
  東  順治君     藤原 房雄君
同日
 辞任         補欠選任
 松岡 利勝君     三ツ林弥太郎君
  御法川英文君     佐藤  隆君
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本日の会議に付した案件
 農林水産業の振興に関する件
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○亀井委員長 これより会議を開きます。
 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
 この際、山本農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。山本農林水産大臣。
○山本国務大臣 先月末にアイルランドで開催されました第二回の五カ国農業大臣会議に出席してまいりました。以下、御報告を申し上げたいと思います。
 この会議に先立ちまして、まずベルギーを訪れ、今回、議長を務められるマクシャリーEC農業委員にお目にかかり、さらに、先進輸入国として我が国と似通った状況にありながら、これまで余り交流のなかったオーストリアを訪れ、フィッシュラー農業大臣にお会いをいたしました。・
 ブラッセルにおいては、マクシャリー委員とウルグアイ・ラウンドについて、特にECの輸出補助金についての我が国の基本的考え方を申し上げ、意見を交換いたしました。また、ウィーンにおきましてはフィッシュラー大臣と、ウルグアイ・ラウンドについて、特に非貿易的関心事項について共通の認識を確かめ合うことができました。
 次いで、アイルランドのドロモランド城で七月二十九日から三十一日にかけまして開かれた五カ国農業大臣会議に出席をいたしました。
 会議は、前回のフロリダ会合同様、交渉をするためのものではなく、五カ国の農業大臣が、それぞれの考え方を理解し合うためのものであり、国内農業政策、農業貿易、農村地域開発及び東欧問題の四つの議題について各国の大臣と率直な意見交換ができたことは大変有意義でありました。
 まず、私が最初に国内農業政策についてリードオフを行い、二十分にわたり、輸入国としての立場と食糧安全保障の重要性を強調しつつ、我が国の農業に対する考え方を詳細に述べました。これが引き金となって各国の活発な議論が引き起こされました。
 本年十二月にガット・ウルグアイ・ラウンドが終局を迎えるということもあり、全体として、国内農業政策及び農業貿易の議題のもとでのウルグアイ・ラウンド関連の議論が中心でございました。
 会議は、厳しい意見の交換でありましたが、さすがにお互いに政治家であり、落ちついた雰囲気の中で進められました。
 各国とも、ウルグアイ・ラウンドにおける従来の考え方に基づいての議論ではありましたが、大臣レベルで、直接顔を合わせての討論で、他の国の間の問題も含めて議論し、改めてお互いを知る上で有意義であったと思っております。
 この中で、特にアメリカ・EC間に輸出補助金を中心として激しい応酬がございまして、米国農業法、ECの輸出補助金等をめぐる最近の動きについての非難を初め種々の議論が行われたところであります。
 また、ECのマクシャリー委員から、一九八六年から九六年までの期間に農業の支持、保護をAMSベースで三〇%削減するとの考え方が示されました。
 この会議は、交渉の場ではありませんので、中身に入っての議論には至りませんでしたが、EC側からは九月に正式に提案するとの意向が示されました。
 我が国に関しては、食糧安全保障の問題を説明いたしました。アメリカ側からは、従来の主張であります米も含めた関税化の可能性を問われ、これに対しましては、我が方からも、従来の立場に立って詳細に反論をいたしました。前回会合に出席された鹿野前大臣に続き、各国の大臣レベルの方々に私の考え方を知っていただいたことは、大変よい機会であったと思っております。
 なお、次回の会合の開催についてでありますが、今年後半に開催する可能性を残しつつも、ウルグアイ・ラウンド関係の会合の日程が詰まっていることもあり、何ら具体的結論には至りませんでした。
 最後になりますが、今後とも、我が国の基本的考え方につきまして名国の理解が一層深まるよう引き続き精力的に努力してまいりたいと考えております。
 以上で報告を終わります。
    ─────────────
○亀井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀込征雄君。
○堀込委員 ただいま大臣の方から、七月二十九日から三十一日までアイルランドでの五カ国農相会議の御報告がございました。大変御苦労さまでございました。国民の世論の期待を背負って一生懸命奮闘された大臣に心から敬意を表する次第でございます。
 さて、しかし、さまざまな報道やあるいは議員の発言を通じまして、食糧安保論、すなわち米の成り行きに対して国民が大変な不安を持っていることもまた事実でございます。そこでお伺いをするわけであります。
 今御報告ございましたように、もともとガット・ウルグアイ・ラウンド農業交渉、最大の課題が今アメリカとECの間で輸出補助金問題に置かれている、そこでアメリカとECの先鋭なまでの対立がある、こう今も御報告がございましたし、私どもも理解をしているところでございます。十一月に中間選挙を控えておるアメリカ、そして九二年、市場統合を控えているECとの間に農業交渉を最大の焦点としながらさまざまな綱引きが行われている、だから双方に鋭い対立、激論があって交渉が難航している、こういうふうに理解をしているわけでございます。
 そこで私どもが心配をするのは、両大国が対立をしている、食糧安保論あるいはこの非貿易的関心事項、このルールができないまま、私ども、日本の米問題が個別交渉あるいは二国間交渉という場に引きずり込まれるおそれがあるのではないかという点を大変心配をするわけでございます。この点で、ドゼウ・ペーパーにも盛り込まれた意見書あるいは附帯文書の中に食糧安全保障論の配慮という、この文言が結論的にはこの農相会議でどうなったのか。あるいは、今後この日本の米問題がアメリカ、ECの対立の中で二国間交渉に持ち込まれるというようなことの心配はないのかどうか、まずお尋ねをしたいと思います。
○山本国務大臣 お答えをいたします。
 私は、これはあくまでも日本もアメリカもウルグアイ・ラウンド、ガット交渉の場で新しいルールづくりを目指す、期限は十二月いっぱいを目途する、これはその後のサミットでも確認をされたわけでございますし、私どももウルグアイ・ラウンド交渉、新しいガットづくりというものは成功裏に終わらせなければならない、こういうふうに考えておりますが、この米問題等を含めましてあくまでもウルグアイ・ラウンドの場でやるということを日米ともに確認をしておるということでございますから、ウルグアイ・ラウンド交渉、多国間交渉の場で今後これは推移をしていくというふうに私どもは考えております。
○堀込委員 今大臣の答弁で、これは日米確認済みだ、こういうことでございますので、引き続きウルグアイ・ラウンドの中で私どもの立場を正々堂々主張していただきたいと思います。
 そこで、この農相会議で山本大臣は唯一の輸入国として大変な御努力をされた、また正々堂々と論陣を張られた、こう報道されており、また今も御報告がございまして、私どもも力強く思い、また敬意も表するわけであります。そこで、これからの新ラウンドの日程についてお伺いをするわけであります。
 伝えられるところによりますと、八月末から交渉が再開をされる、そして集中的な交渉が行われる。第二には、各国は十月十五日までに関税及び非関税措置に関するオファーを提出するんだ、そして第三には農業の国別のリストを十月一日までに提出するんだ、そして十一月二十三日ごろまでに最終案の文章を仕上げる、こういうスケジュールが報道されているわけであります。これは十二月にラウンドを終了させるぎりぎりの日程であるというふうに想定をするわけでありますけれども、実際にどうなろうか。私どもが思うに、例えば農業以外でも繊維の分野で、これは立場が逆でありますけれども輸入制限を主張するアメリカ、完全自由化を目指す途上国との間で交渉が進展をしていないという事情がありますし、あるいは知的所有権やサービスの分野でも先進国と途上国の対立があって進展をしない、こういうふうに聞き及んでおります。こうした情勢を判断すると、果たして十二月の閣僚会議まで本当に交渉がまとまるのかどうか、合意がなされるのかどうかという疑念を私どもも持たざるを得ないわけでありまして、場合によれば新ラウンド延長というような事態があるのではないかということも一部報道されておりますし、私どもも想定をするわけであります。
 私が心配をいたしますのは、日本の世論がそういう状況下で、新ラウンドの成功は日本の国運を左右するのだ、日本の命運を左右するのだ、新ラウンドの失敗は日本こそ大変な損害をこうむるので、日本経済は新ラウンドの失敗によってはかり知れない損害をこうむる、こういう世論が出てきて、だから最大の焦点である農業交渉で日本は譲歩していこうではないか、こういう世論が出てくることを一番恐れるわけでありますし、心配をするわけであります。
 そこで、十五分野の交渉枠でありますが、農業、つまり米をこの国際交渉の中でいけにえにしない、こういう決意が改めて今大切なのではないかというふうに思うわけでございまして、第一に、政府部内はこの点で、米をいけにえにしながら新ラウンドをまとめるという気持ちなどはさらさらない、断固として守り抜くという点できちっとした意思統一がなされているかどうか、そして第二に、新ラウンド延長というような事態は現状では予測できるかどうか、その辺について御答弁をいただきたいと思います。
○川合説明員 私、事前にスケジュールについてお話を申し上げたいと思います。
 今御指摘がございましたように、七月の会合におきまして二つの大きな時点が決まっております。一つは、国別表を十月一日までに提出するということでございます。この国別表はデータの提出であって、オファーリストではないというふうに解釈されております。それから十月十五日までにオファーを出す、この二つでございます。今お話もございましたように、こうしたスケジュールに先駆けまして八月二十七日から各交渉グループの会合が再開される、特に農業交渉グループは二十七日から二十九日という予定でございます。
 こうしたスケジュールでございますが、国別表といい、それからオファーといい、スケジュールは決まっておりますが、その中身も、どういうふうに出すか、あるいは今後の交渉をどういうふうに進めていくかということにつきましては、八月二十七日以降の交渉にゆだねられているわけでございます。私どもは先月の会合におきまして、こうしたスケジュールを決めただけでは交渉は進展できない、この交渉をどういうふうな方式で、あるいはどういうふうな具体的な事項について議論をしていくかというようなことが決まらないと、なかなかこのオファーリストの提出までいかないのではないかということを主張しております。こうした段階でございますので、大臣の答弁に先立ちまして事前に御説明させていただきました。
○山本国務大臣 今、川合経済局長からお話しのようなスケジュールで今後推移するだろう、こう思っております。ただ、先生よく御承知のとおりで、もう指折り数えて本当に時間というか日時がございませんで、ほとんど綱渡りのような状況の中で期限ぎりぎりを目指すというふうなことになると思います。
 ただ、アメリカにいたしましてもECにいたしましてもその他の国にいたしましても、もちろん日本もそうでありますが、非常に困難な状況をそれぞれ抱えております。特に農業問題は非常に困難な状況を抱えておりますが、その各国がお互い、この五カ国の農業大臣会議でも激しい応酬がございましたが、その応酬に先立ちまして、あるいは最後の締めくくりでは、世界の自由貿易体制を維持発展させるためにウルグアイ・ラウンド交渉、すなわち新しいガットのルールづくりはどんなことがあっても成功させようではないか、こういう大前提を必ず置いて発言をしておるということでございます。できるかできないかの見通しの問題につきましては、その前提をとにかくお互いが死に物狂いで守りながらこなしていくということになるのではないかというふうに思っております。
 また、ちなみに、先ほどの先生の御指摘にもございましたが、あるいは今、米がいけにえになるのではないかという御心配の発言もございましたけれども、私は結論からいいますと、そのようなことは絶対にあり得ない、またあってはならない、閣内でも意見は統一をされておるということを先に申し上げたいと思いますが、先ほどの報告でも読みましたとおり、私はかねがね予想はしておりました。しかし予想以上に、例えばアメリカの代表はヤイターさんですが、ヤイターさんの言々句々はECに対する輸出補助金の批判、非難、それも終始一貫非常に激しい。では今度EC側から言わせるならば、アメリカの農業法について、上院で可決した、まだ下院は可決する前だったが、一体どういうことなんだというふうな非常に激しい応酬が全体会議でもあり、あるいは五大臣だけの昼食を挟んだトップの懇談とでも言うのでしょうか、そういう場でも、ほとんど飯がのどへ通らないぐらいやり合う、これは国際会議では当然今までもあったことだと思いますけれども。
 そういう状況などを見ながら私が痛切に感じましたのは、引きずり込まれてもならない、まして漁夫の利などということも考えてはならない、日本は日本の従来の主張というものを確信をしながら、全力を挙げて各国にこれを理解をしてもらう。私は輸入国の立場でという言葉を何回使いましたでしょうか、あるいは、私だけしか輸入国の立場を代表して主張できる者がこの五大臣会議ではないんだということをもう何回も何回も繰り返し申し述べた。輸出国の立場だけでこの世界の農業問題は今後論じられてはならない、ましてウルグアイ・ラウンドの新しいルールづくりは輸出国の立場、原理で進行されてはならないというふうなことであります。
 しかも、御承知のとおりこれは十五分野の中の一分野でございまして、先生御指摘のさまざまな問題、繊維にしても知的所有権その他の問題にしてもございまして、ただ農業だけが特筆大書される、特に日本の米問題は象徴的に報道される現状でございますから、そのことも十分踏まえながら、先生はいけにえとおっしゃいましたけれども、それがやり玉に上げられて、日本の米問題だけが高く掲げられるということのないように注意を十分払ってきたつもりでございますけれども、これから先もそういうことのないように、従来の方針どおりしっかり、時間は少ないのですけれども、強力に進めていきたい、こう考えております。
○堀込委員 ただいま御説明がございましたように、アメリカが国内農業保護をうたった九〇年農業法案を上院、下院で成立をさせた。そしてまた、ECはこの交渉のさなかに脱粉、バターなどの乳製品の輸出補助金を引き上げる、つまり各国とも厳しい交渉をやっているけれども、一方では自分の国の農業だけはやはり保護していこうという姿勢が具体的な行動になって現在あらわれているというふうに思うのです。しかも、これも一部報道によりますと、ケアンズ・グループに属するカナダ、マザンコウスキー農相ですか、記者会見でガット十一条二項(C)の規定を今後も継続すべきだという発言をしたと報ぜられているわけでありまして、こうした動向を見ますと、農業保護の削減は各国の実情をベースにすべきだという方向にだんだん流れが傾いているのではないかという感がするわけであります。完全自由化を主張するアメリカの立場がだんだんどうも孤立しつつあるのではないかというような読みも、私ども全体の流れを見て感ずるわけでございます。しかも自分のところで九〇年農業法を可決する、こういう事態があるわけでありますから、どうもアメリカの立場がだんだん難しくなっているのではないかというのがひいき目に見た私どもの、今の交渉の成り行きを見ている感想でございます。
    〔委員長退席、大原委員長代理着席〕
 それで、どうもガットの行方というのは、そういう意味ではアメリカの譲歩以外にもうまとまる見通しがないのじゃないかという情勢がだんだん強くなっているというふうに思います。私は、そういうふうに追い込んでいくためには、やはり国内世論がどう統一されていくかということが一番大切なのではないかというふうに思います。ヤイター長官が、日本の世論が変わったなどという発言をあちらこちらでやっているようでありますけれども、何としても日本の国内世論を統一をしていかなければならない、我が国が主張していることは正論であって、やましい点は何もないんだということでしっかり取り組んでいかなければならないというふうに思います。
 とりわけ国会議員が、これは国会決議に沿ってきちっと発言していくというようなことが今最も求められる大切なことではないかと思います。新聞報道では幾つか遺憾な発言もあったようでございますけれども、やはり私は、国会決議がある、そしてさきの総選挙では各党すべてが、そしてまた議員のほとんどの人々が、日本の米は自給すべきだという公約を掲げて選挙の結果が出てきた、こういう事態があるわけでありますので、しっかりとその点は対応していくべきではないか。もし米の完全自給が崩れるようなことがあれば、やはり議員全体の責任問題なのではないかと思うわけでございまして、そうした事態になればやはり内閣の責任、議員の責任、当然問われなければならない事態だというふうに私は思います。また、そうした決意でぜひひとつ、そういう責任が問われる課題なんだという重要性を持って今後の交渉に臨んでほしいし、交渉に臨む皆さんだけではなくして、後方にいる我々もそういう気持ちでバックアップしていきたい、こう思っております。この点、前の臨時国会からもう何回も恐縮でございますが、改めて大臣の決意をお伺いをしたいと思います。
○山本国務大臣 もう先生何回でも申し上げたいと思っております。
 ヤイターさんがアメリカの関税化の主張の一つの例示として、私の方を向きまして、そして例の米七〇〇%、こういう試算値を出して、そしてずっと彼なりの議論を展開しまして、結局先生のおっしゃるとおり、山本大臣のリードオフの中で、農業というのは長い伝統がある、歴史もある、そしてその長い伝統と歴史は結局はその国の人たち、国民の世論と力に支えられて今日があるという発言があった、私もそう思っているというくだりから、日本の世論は最近は変わってきたのではないか、こういう結びになっているんですね。
 それから私の方からいろいろ事細かくやりました。やりましたが、そのくだりだけ申し上げますと、世論は、日本の世論を一番よく知っているのは、残念ながらヤイターさん初めここにいらっしゃる皆さんよりも私自身が一番よく知っている。それは日本の農業の責任者で、日々日本の国民あるいは生産者、消費者の心を心としなければ農政はできないという、責任者であるがゆえに一番私が知っているんだ。その私が毎日見ている世論の動向は、大宗としてちっとも変わっていない、変わっていないどころか、日本の農業を心配する気持ちや、あるいはもっと端的に言いますと、先ほどヤイターさんはおっしゃったけれども、日本のその自由化の努力は多とするというくだりがあるのです。日本の自由化の努力を大変多とします、敬意を払いますというのがありますが、その牛肉・かんきつ、牛肉・かんきつということを挙げて言っているわけですから、その牛肉・かんきつなどは本当に血を流しながらやった仕事なんだ、そこへくるまでの日本の死に苦しみというものは、それは本当にわかってもらいたい、そしてその気持ちの中で、生産者はもとより日本国民の中には、米はないんでしょうねという切なる気持ちがある、このことはぜひ理解をしてほしいというふうなこと、あるいは主婦連、地婦連のデータも引きながら話をした最後に、うちの方は、さっきヤイターさんが米の七〇〇%というのを、それでも日本が一考を要しないというふうな態度なら、キャピトルへ行って、アメリカの議会へ行って議会で物を申しようがないのです、こういうのがありますけれども、うちの方はもう国会決議が再三にわたってされているのです、衆参両院、与野党一致してやっているのです、そして世論の最たるものは国会の決議じゃないんでしょうか、しかもこれは与党、野党全員が、衆議院と参議院と両院にわたって国会決議をして、米は国内産自給というふうに決めているというのは、これはもう世論の動向がそこで既に決まっているというふうに思っておるのですというふうに私は結びをいたしまして、それについては一言も反論がありませんでした。
 これは、時間がなかったから反論しなかったのじゃないかなどというマスコミの質問などもその後ちょっとありましたけれども、とんでもないと。マクシャリーさんが、何かありませんかという話があっても、反論をする材料がなくて反論しなかったのか、あるいはその後の作戦があって反論しなかったのか、それはわかりませんが、私が長々としゃべったことに対する反論はなかったということでもございます。
 そこで、ちょっと長くなりまして恐縮でございましたが、もう既に国会で再三にわたって、委員会でもあり、本会議でもあり、先生方の質問の中で、国内産で自給するということについては間違いないんだな、政府としてそれは確認するぞ、海部総理大臣からも再三にわたってございました。私からも再三にわたって申し上げておりまして、これは閣議においてもその方針というものは確認をされておる。特に国会決議ということになれば、これは与党、野党すべてでございますから、与党の先生方だけじゃなくて野党の先生方にも全部責任は同じだ、ともどもこれは責任を持っていただくということで、今後とも、内閣の方針どおり国会決議はしっかり重んじてこの問題については対処していきたい、こういうことに何の変更もありません。
○堀込委員 そういうことで、大変力強い決意をいただきました。
 もう一つだけ心配がございます。ドンケル・ガット事務局長が示したリストとオファーの問題であります。十月一日と十五日と迫っているわけでございますけれども、これは私どもとしては、米は当然でありますが、脱粉、でん粉、これについても提出リストには含まない、こう考えておるわけでございますが、これはそういうことでよろしいかどうか。
 しかし、その場合、アメリカ、EC、ケアンズ・グループ、それぞれが例外主張を認めるのかどうか非常に不安を持つわけでございまして、しかし一方では、ドゼウ議長報告案、ドゼウ・ペーパーが交渉強化の手段という意味の格下げになったというふうにもお聞きをしているわけです。つまり、このすべて関税化するという方向については、多少ではあるけれども、そういう流れについてそうではないという可能性が出てきた、こういうふうに判断をするわけであります。いずれにしても交渉が大変複雑に絡み合っているようでございますけれども、今その大変な正念場、こういうことでございます。
 そこで、今申し上げましたように、このオファーが一体どういう性格を持つのか。例えば、一部報道されたとおり、アメリカがこのオファーの際に、日本の米は輸入すべきだというような市場開放を要求するなどということをその中に書き入れることができる性格のものなのかどうか、あるいはこのオファーの持つ条件というのはどういうものなのか、また日本政府としてそれにどう対応するつもりなのか、この辺ちょっと御説明をいただきたいと思います。
○川合説明員 先ほど申しましたように、十月十五日までに各国はオファーを提出するということになっております。ただ、先ほども申しましたように、その中身と申しますか、スケジュール的にはそういう形で決められているわけでございますが、交渉の方式とか、あるいは今後のどういう点から議論をしていくかということにつきましては、八月以降の会合にゆだねられているわけでございます。したがいまして、国別表の提出、それからオファーの提出も今後のそうした議論にまたなければならないところが多いわけでございますが、私どもといたしましては、この提出の段階で我が国の従来の基本的立場が反映できるように考えてまいりたいというふうに今のところはお答え申すような段階であると思っております。
○堀込委員 それでは、ガット関係の質問は以上にさせていただきまして、続いて、自主流通米の価格形成の場についてお伺いをいたしたいと思います。
 これはこの場でも何度も取り上げられてまいりました。そしてまた、先日は理事懇でかなり具体的な議論もしてまいったところでございますので、私の方もなるべく簡潔に質問いたします。ぜひ食糧庁の方も簡潔に答弁をいただきたいと思います。
 今までの討論で大体見えてきたというふうに思うのですけれども、まず、第三者機関であります。これはこの前の説明で、財団法人とする、その資金は財政資金で賄う、理事会と運営委員会を置く、東京と大阪に事務所を置く、八月じゅうに設立する、こういう説明がなされておりますが、これで間違いございませんか。
 それとあわせて、理事会、運営委員会あるいは設立発起人などについて構想がございましたら、大枠の人数だとかについてまず明らかにしていただきたいと思います。
○浜口説明員 ただいま堀込先生の御質問のとおり、前段の部分は先生おっしゃったとおりでございます。
 さらに具体的にというお話でございますので、現在のところ一応考えております形につきましてお話し申し上げたいと思います。
 まず、理事会の構成あるいは規模といいますか、そういったことでございますけれども、理事会は、透明性の確保を図るというこの法人の趣旨にかんがみまして、規模としてはできるだけ簡素化したものがいいだろうということでございまして、一応十人以内ということでしてはどうかというふうに考えているところでございます。その中身といたしましては、会長のほかに常勤の理事を数名、さらに非常勤を置く場合にはそれぞれ関係者、直接関係者の方々を数名置く、こういう形がいいのではないかというふうに思っております。
 続きまして、運営委員会でございますが、法人の中に業務執行の機関である理事会とともに、売り手、買い手の代表者から成る運営委員会を設けるというような趣旨でございまして、価格形成の場の管理運営に関する重要事項を議決するということを使命にしてはどうかと思っておりまして、これもまだ具体的に決め切ったことではございませんし、関係者等とお話を進めていくことではございますが、十名程度のことを考えてはどうかと考えております。会長のほかに売り手側あるいは買い手側というものをそれぞれ三ないし四名ということを頭に置いて考えていってはどうか。そのほかに、今十名程度と申し上げましたが、いわゆる消費者側の代表者というものも含めたことの、俗な言葉で言いますと、学識経験者の方々を少人数で構成するということが妥当ではないかと思っております。
 最後に、この設立の発起人等でございますけれども、この法人の設立の趣旨に賛同される米穀関係団体、その方を設立発起人として考えていってはどうかというふうに考えておるところでございます。
○堀込委員 運営委員会の構成についてただいま説明がありました。この第三者機関をつくっていくわけでございますが、従来、米は、検討会報告にもございましたように全農が九五%集荷して力を持っていた、そのよしあしの論議をこの委員会でもやったわけでありますが、しかしそういう力があったおかげで供給過剰ぎみのときでもその販売力で何とかしのげたという経過があったわけですね。今後はこれはもろに価格が出てくる、需要と供給で決まっていく、こういうふうになるわけです。検討会報告に言いますように消費者にわかりやすいということも大切でありますけれども、やはり生産者側の意向というものが無視をされていくようじゃ困るのではないか、うまくいかないのではないか、こういうふうに懸念するわけであります。まして今、血のにじむような減反をそれぞれ苦労してやっているわけでありますから。こうした観点から、やはり今長官の説明がございました運営委員会には、生産者側といいますか産地側といいますか、過半数といいますか相当数の委員の皆さんを入れて意見反映をしていくことが必要なのではないかというふうに思うのです。
 といいますのは、今申し上げた理由ともう一つ、全国的な需給調整というのはやはりどこかでやらなければいけない。これは今までの説明を見ても、どうも第三者機関、運営委員会でできるような代物ではなさそうでありまして、大体生産誘導をしていくというような作業も従来農業団体がやっていた、あるいはそれを農林省がバックアップしていたというようなことについてはどうしても団体の力をかりなければいかぬということも出てくるだろうというふうに思うのです。そういう意味では、やはりこの価格形成の場ができても団体が相当の責任を持って対応していかざるを得ないのではないか。そういう生産調整なり需給の調整をだれがやっていくかという問題も残るわけでありますから、委員会の構成については、生産者側委員はかなり力点を置いた構成にぜひすべきだと思いますが、この点は具体的でなくも結構ですが、考え方をちょっと聞かせてください。
○浜口説明員 先生がおっしゃるとおり、日本の米は直接に農家の方々につくっていただいているわけでございます。また、そういう意味において先生の御趣旨は十分わかるところでございます。
 なお、今回の考え方は、日本の国民の皆さん、これを消費していただくといいますか食べていただいているというような状況から、やはり国民各層の中で目に見える形でというのがこの第三者機関をつくる趣旨でもございます。そういった点を十分勘案いたしまして、先生の御指摘の点を踏まえましてこの構成を考えていかなければいけないと考えているところでございます。
○堀込委員 それでは、取引の回数についての考え方をお伺いします。
 検討会報告では「定期的に相当な回数」、つまり月一回程度ということを表現しているわけです。しかし、年一作の米でありますから生産者にも安定した価格が必要でありますし、消費者にもまた主食という性格上安定した価格が必要であります。そういう意味で、私は、回数はそんなに多くすることはどうかなというふうに思うわけでございます。また、回数をふやすと、消費者の求める、あるいは買い手の方が求める玉ぞろえが本当にできるのかどうかという心配も当然出てくるわけでございまして、やはり適切な回数というものがあるのではないか。また卸、小売の皆さんが取引したものをまたすぐ売り切れるわけではなくて、当然在庫というものも持っている、そうでないと流通が円滑にいかない事情があるわけでありまして、どうしても毎月のように価格が変動しますと円滑な流通が行われにくくなるのではないかというふうに思うのです。そこでぜひ、米という商品の特性に合った適切な取引回数というものが必要だというふうに思います。この点の現状における考え方を聞かせてください。
○浜口説明員 ただいま先生の、米の取引実態からどういうふうに考えるのかという御質問でございます。
 これにつきましては、いろいろ考え方がございましょうけれども、私ども四つの節目があるように思います。一つは、七月から九月の早期米の出回りの時期とか、あるいは十一月のお米が出そろう時期、それから集荷が確定する時期といたしまして翌月、翌年の一月ということも挙げられましょうし、それから米穀年度の米の手当てがほぼ終了するということで三月ぐらいを想定することができようと思います。
 そういうことで、米は年一作ということから流通がございますが、この点については検討会の報告におきましても、需給動向や市場評価を的確に反映するために、作況や品質が明らかになる時期等々を考慮しながら、定期的に相当の回数を実施するようにという御提案になっているわけでございます。私どもといたしましても、取引回数は必ずしも月一回と決めたわけではございません。
 他方、取引回数が少ない場合に、スポット的な価格になるおそれがあるというふうな御指摘もあるところでございます。それからまた、取引回数が少ないと思惑が流れるというようなことを言われる方もございます。そういうことから、適切な価格形成が図られるためには、やはり特に年を越してから定期的に相当の回数の取引を実施するという必要があるのじゃないか。
 そういうことから、今申し上げました節目の四つを中心に考えまして、おっしゃるような過度の回数ということではございませんが、定期的にやらせていただければと思っているところでございます。
○堀込委員 四つの節目という話がございました。
 次に、数量の問題を御質問いたします。
 検討会報告で百万トン程度というふうになっているわけでございます。これは大変な量でございまして、先ごろの理事懇談会で長官の方から御説明がございましたのは、一万トン以上流通している銘柄で一定量をカバーし得る数量という考え方をおおむね出されたというふうに思います。指標価格の形成ということでありますから、私も、百万トンにこだわらず十分その目的が達成できるのではないかというふうに思います。自主流通米は三百九十万トンから四百万トンあるわけでありまして、そのうち自県産流通が百二、三十万トン、そして特別自主流通米もございますし、少量銘柄を引きますと、やはり残った二、三〇%といいますと、三、四十万トンの取引があれば適切なところではないかというような感じが私はいたします。
 しかも、ことしは豊作が予想されており、価格が下がりそうだ、こういう情勢がございます。現に、この二日に決定した早場米価格は、新潟コシヒカリが百七十円上がった以外は、他の銘柄は全部下がった、こういう事情もあるわけであります。入札の数量をふやせばふやすほど、こういう時期でございますから、下げ模様の中で相当な取引がされてしまうという懸念が一つございます。また、入札数量をふやすほど、買い手の方も、これは玉を確保するために不正規流通に走るのではないかという傾向もなしとはしないというふうに予測されるわけですね。この辺でぜひ適切な数量を見きわめなければならない、こういうふうに思いますが、その辺はどうお考えなのか。現状の考え方を説明いただきたいと思います。
○浜口説明員 先生が引かれましたように、この報告書におきまして、例示でございますが百万トンという教字が挙がっているわけでございます。これは、本文の中にございますように「指標価格を形成するために必要な相当量」、そういうものを目標にして努めるように、努力目標にということでございまして、現在の協議会方式におきましては二十万トンというのが現状の数字でございます。前回の理事懇談会におきまして申し上げましたように、現行の銘柄の中で一万トン以上流通しております銘柄のものは約三百万トン程度に上ろうかと思います。そういったものの指標価格が形成されるためには、それぞれのという点もございますけれども、約二、三割といったものが計上されることが一応努力目標かなというふうに思っております。
 ただいま先生お話しのように、この価格形成の場というものは、一つの姿が、農家の方々あるいは消費者の方々によく見えるということがねらいでございますので、そこのところを十分慎重に、現状のものから出発をいたしまして、各銘柄の指標価格ができるような数量というものを関係者と話し合っていかなければいけないと思っております。
○堀込委員 時間がなくなりましたので、あと箇条書き的に何点かちょっと簡潔に質問させていただきますので、答弁をいただきたいと思います。
 一つは仮渡金問題です。今までは自主流通米の実勢価格に近いところで、取引価格に非常に近い値段で農家に仮渡金が払われてきた、こういうことがあるわけです。今度は入札で取引が決まるからそういうことができなくなりますね。ここのところは後で農家に精算をするというスタイルにならざるを得ないということになるわけです。ここのところはやはり食糧庁の責任で農家に周知徹底をしてもらう必要があるのではないか。つまり、自主流通米の価格形成の場をつくったから概算払いは、仮渡金は去年より少なくなっています、後で精算されますよというようなことは生産者農家にわかってもらう必要があると思うのですね。ここのところはぜひやってもらいたい。
 その場合、やはり不正規流通が生まれるおそれが一つありますので、この対策もしっかりやってもらう。農家の庭先へ行って現金で集めた方が高く買えるというようなところがありますから、ぜひ対策をしてもらいたい。
 それから、入札、上場する玉の確保、具体的手だてをどういうふうに考えるのか。入札しないというようなところもあるかと思いますが、具体的な手だてがありましたらお聞かせをいただきたい。
 あともう一つ、特別自主流通米は対象にするのかどうか。これは対象にしますと、将来的に落札価格が政府米価格を下回るおそれもなしとはしないという事情が出てくると私は思うので、これはやはり外すべきではないかというふうに考えますが、この辺はどうでしょうか。
 あと細かい問題はたくさんございますけれども、以上の点について当面の考え方をお聞かせをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
○浜口説明員 先生が第一番目に挙げられました仮渡金の問題でございますが、やはりこれは先生のおっしゃるように、こういった状況を農家にも十分周知徹底を図るような努力を食糧庁としてしなければいけないというふうに思っております。
 ただ、私どもの把握しております仮渡金の場合につきましては、政府米価格プラス奨励金の水準ということだろうと思います。そういう意味におきましては、やはり従来どおりの価格形成がされていくということを私ども十分念頭に置いて、この対策、この価格形成の場が展開できるように考えていかなければならないと思っております。
 次に、玉の確保の問題でございます。これはあくまでも強制というようなことはできないことでございまして、この価格形成の場を通じて農家の方々にも十分に現状の価格の動きが把握できるというプラスの面があるんだというふうなこととか、現実におきます、県知事さんを中心に各県連が行っておられるような努力みたいなものの延長線上のことを、十分指定法人と協力をいたしまして各経済連にお話をして、自発的に玉の確保ができるようにしていくべきだというふうに思っております。
 なお、特別流通米につきましては、おっしゃるように、現在の姿においては建て値との関係がございます。私どもといたしましては、政府米が一つの最下限、その上に自主流通米の価格が形成されるということを考えておるわけでございますので、先ほどのような、ある一定の流通されたものの特別自主流通米についても、価格が政府米を十分基準にして考えられるように、先生の御懸念のようなもののないような形でしかるべき、上場については御納得の上で上場していくことかなというふうに考えているところでございます。
○堀込委員 終わります。
○大原委員長代理 目黒吉之助君。
○目黒委員 大臣に対する質問は堀込委員の方からほぼ出尽くしておりますので、最後に二、三御意見を伺いたいと思います。引き続いて価格形成の場の問題を先にお伺いをしてまいりたいと思います。
 一、二の点について、ちょっとおさらいになりますけれども、お伺いをしておきたいと思っております。
 今お話がありました、上場する数量の問題でありますが、伺っておりますと、一万トン以上の銘柄で大体三百万トン集荷されておる。そのうちの二ないし三割ということになってまいりますと、上場する量については、現段階で上限九十万トン、下限六十万トンぐらいを考えておるというふうに理解をいたしたわけでありますが、そういう理解でいいのかどうかというのが一つと、それから、県内流通の分を差し引きますと、百五、六十万トンじゃないかと思うのです。そのうち九十万トンが上場されるというようなことになってまいりますれば、事実上は自主流通米はおろか相対取引にかかわる米全体の価格をここで決めてしまう、実態としてそうなると思うのですが、いかがですか。
○浜口説明員 先生御指摘のように、一万トンということを基準にいたしますと先ほど申し上げたような数量になりまして、流通する全体のものは大体三百万トンぐらいになろうかな、品種の数からいいまして、大体二百七十以上の品種のうち、数で六十二、三の数になろうと思います。そういったもので指標価格というものができることがこの価格形成の場の機能といいますか、そういうような役割を担うのではないかと思います。
 全体のというお話がありましたが、確かに、現行でこの価格が決められるものの、量からいいますと六十品目ということでかなりの大きな分野になろうかと思います。その他の品目はそれぞれ量的には少のうございますけれども、先ほど申しましたように、数は約二百を超えるような形になりまして、そういった価格のものについては、今考えておりますこの価格形成の場では決められないということだろうというふうに思います。
○目黒委員 そうしますと、品種、銘柄は非常にたくさんあるから全体には及ばないけれども、価格面では大方ここで決められる価格が価格になる、こういうことですね。そうしますと、指標価格の形成ということで今までこの問題を理解もし、議論もしてきたわけですけれども、実際は指標価格じゃなくて全体の価格を決めてしまう、こういう場になってしまうのじゃないですか。
○浜口説明員 例えば一つの銘柄をとりまして、そのうちの、先ほど二、三割というように申し上げましたが、具体的に上場されます部分については確かにそのもの自体の価格が決められるわけでございます。同じ品種のものにつきまして、当然に同じ形で決められていくというふうに考えられるわけでございますけれども、全体のうち一つの品目をとりました場合に、八割ないし七割の部分は上場されない、いわゆる指標価格に準拠してそれぞれの相対で決められるという形でございます。そういう意味で、すべてが決まるといいますか、そういう形にはならないというふうに私どもは思っております。
 ただ、先生御指摘のように、この価格形成の場におきまして、できる限り公正な一つの価格が決められて、農家の方々あるいは消費者の方々の中に目に見える形で決められるというのが一つの考え方だと思います。
 なお、指標価格ということでございますので、繰り返すようでございますが、この価格形成の場にかけられなかった部分についてはそれぞれの相対で決まっていくわけでございます。
○目黒委員 県内流通する分まで上場をして決めるという考え方はないのだろうと思いますので、残った部分についてほぼ百二、三十万トンから五十万トン県内で流通をしていたといたしますれば、九十万トンここへかけるということになりますと、もはや指標価格ではない。どうも今のニュアンスを聞いておりますと、この場で決定するものが全体の価格になるように、そういう期待を持っておられるようなお答えに聞こえたのですが、そうなってまいりますと最初の趣旨と非常に違ってくる。事実上、第二米審ということになるわけでございまして、ここらあたりは上場のさせ方や回数と密接に関連しているものですから、私どももこれまで非常に関心を持っておったところですが、そこのところもう少しはっきりしてくれませんか。どうもこのままですと、全部決まっていくのが皆さんの期待になっておるようですけれども、指標価格ということになりますれば、先ほど来議論がありますように、年一遍しかとれない米であり、なおかつ価格安定ということが食管法の趣旨でもあるわけですから、そういう意味で指標価格づくりというのはやはりそう多くなくていいはずですし、それから上場されて得る入札価格もそんなにたくさんなくていいはずだ、こういう考え方を私どもは基本的に持っておるわけでありますが、どうも今のニュアンスは少し違っておるようですので理解が一致しないように思いますが、いかがですか。
○浜口説明員 この議論は委員会等においてもかなり御議論があったところでございます。
 一つは、私どもの考え方は、現在協議会方式で決まっております部分は、一方では指定法人と卸売の間で建て値というのが主に決まっております。その中から一つの知恵といたしまして、六十一・年以来入札方式というのがだんだん積み重ねられているわけですが、そういったものを今回の第三者機関で構成いたします価格形成の場でつくっていこうということで、先生のおっしゃるように、この議論は、一方では、その価格形成の場でつくられるものについては指標価格でございます。あくまでもこの形成の場に出てきておりますものを基準にいたしまして、形成の場に出てきていない方々はそれに準拠をいたしまして相対で決めていただくということなのでございまして、そういう意味では、先生の御提起のものについてはこれまでいろいろと御議論がございましたけれども、大きな考え方の差はないというふうに思っております。
 ただ、先生おっしゃるように、すべてが決まるかというとそうではございませんで、現在の農家の方々がつくっておられるものはできる限りここの価格形成の場に主なところは上場していただきまして指標価格というものを形成させていただくことがやはり国民の方々、農家の方々に納得いく段じゃないかと思っておりまして、言い方のところでやや私の説明が不十分であるかもしれませんが、その点は大きくは変わっていないと思っているところでございます。
○目黒委員 そうしますと、これ以上そこのところは議論しませんが、大体六十万トンから九十万トンということでいろいろ構想されておるようですが、これははっきり申し上げていただけないのは、まだ関係団体とこの辺は詰めておるということじゃなかろうかと思うわけでありますが、したがってこの点は、はっきりしたものはこれからというふうに理解をしておるのですが、それでいいのかどうかというのが一つと、それからまた、話がありました回数、回数についても四つの節目ということですので、節目を指標価格づくりにどうとらえるかという問題と深く関連するわけですけれども、供給の面に重点を置いて回数を決めていくのか、指標価格づくりに重点を置いて決めていくのかというのとこれまた深く関係してくると思うのですけれども、いずれにしましても四つの節目というのが出ました。おおむね四回というふうに理解しておいていいですか。
○浜口説明員 第一の点は、先生御指摘のように、一応主な銘柄といたしまして一万トンということにしてはどうかということを関係者に提起をいたしまして、関係者の方も、これについては、私どものあれかもしれませんが、前向きに対応していただいているんだというふうに理解しておりますが、まだ最終的にこういうふうにしようというような関係者の同意が成立していないという段階でございます。
 続きまして、取引の回数でございますが、やはりお米の流通の実態から、私どもは現実の流れという形で四つの節目があるのだろうというふうに申し上げました。そういう意味で、検討会報告の括弧書きの例示という形で月一回を必ずやらなきゃいけないというふうには考えていないというふうに申し上げたわけでございますが、ただ、これは具体的な状況の中でできるだけ定期的に行うような仕組みにしていった方が、ここの上場を出す方々においてもやはり一番安心なことではないかというふうに思っておりまして、この四回に限るというふうに申し上げているわけではございません。これはあくまでも現実の、そのときどきの作況とかそういったことにもかかわる問題があるかもしれませんが、やはり価格形成の場の中において、主といたしましては関係者の場でございます運営委員会で十分現実に即した運営がなされていき、この価格形成が立派なものになるように慎重に考えていかなければいけないのではないかと思っているところでございます。
○目黒委員 これもこれまで議論のあったところですけれども、相対取引への価格の反映のさせ方については新たなルールをつくる、それから、今ほど議論になりました第二次集荷業者から玉を上場される方法についても新たなルールをつくる必要がある、こういうことで今日まで来ておるわけでありますが、この点のルールづくりについてはどのように準備が進んでおりますか。
○浜口説明員 この相対取引におきますルールづくりでございますが、これは関係者とも今お話をしているところでございますが、食糧庁といたしましては、売り手は第二次集荷業者または指定業者、指定法人、買い手は卸売業者といたしまして、その間の協議に任せてはどうか。協議といいますのは、指定業者あるいは二次集荷業者とのお話し合いに任せてはどうかというふうに考えているところでございまして、確かに報告書において、きちっとしたルールというものをつくるようにというふうにも読めますけれども、ここのところは両者間のお話し合いに基づいて一つのルールができてくるのではないかというふうに考えているところでございます。今、私どものところはそういうことでございます。
 あと、上場の問題でございますが、これは先生御指摘のように、何か話し合いという形ではなくて、経済連といったような全国各地にあることでございますが、関係者の話し合いを通じながら納得のいく形で一つの基準といいますか物ができるのが望ましいと思います。そういう意味で、先ほど、一万トン以上の流通というようなことを申し上げたのですが、そういったものを基本にいたしまして上場する。もちろんそのほかに、新しい品種でその数量に満たないものについても自発的に上場したいとおっしゃる方は上場されるということもあろうかと思いますが、一つの上場のルールといたしましては、私どもは今一万トン流通ということを考えているところでございます。
○目黒委員 そうしますと、相対取引については、言うてみますれば、全農と経済連と話し合って価格を反映させるようにという、いわば一定の規定などではなく指導的な関係でここのところを賄っていくと申しますか、価格の反映のさせ方についてお任せする、こんなふうに理解していいのですか。
○浜口説明員 経済連と指定法人との間の協議ということにしてはどうかというふうに思っております。
○目黒委員 これは少し問題なのではないでしょうか。どのような協議が行われるか、中身ははっきりいたしませんけれども、価格形成の場で価格ができる。全農、全集連の場合もありますね。そうしますと、自分の下部組織に、価格形成の場でこんな価格ができましたよ、したがって相対取引についてはこれを参考にしてやれとかという、要するにそんな協議で相対取引全部を取り仕切る、こういうことですか。
○浜口説明員 だれが当事者になるかを決めるということです。その価格をどうするかということではございませんで、相対取引になるときに指定法人か二次集荷業者、どちらがなるかということでございます。
 例えば、先生が先ほど御提起のように、県内流通の場合には、実態上はそれぞれ経済連が行っていると思いますが、今の形の中ではこれはあくまでも指定法人の名前で行われているわけでございます。そういうような実態からすれば、当然にこの県内流通のものについての相対取引というのはやはり経済連が主体になっていくものだろうと思いますが、この相対の取引のときの当事者を、経済連なのか指定法人なのかはその両者の間の指定銘柄をめぐっての協議にしてはどうか、そういったようなことから出てまいりますルールができました場合について、おのずから業務の一つの相対取引のルールができてくるのではないかというふうに思っておりまして、私どもの方から、そのルールにこういうことをしてはどうかというのをまだはっきり出していないわけでございます。
○目黒委員 わかりました。
 価格の反映のさせ方についてもそうですね。
○浜口説明員 おっしゃるとおり、この反映の仕方でございますが、このときは協議ということではございませんで、やはり先ほど来御議論ありましたように、指標価格でございますので、私どもは各経済連あるいはそういったものを買い受けた卸からも報告をとりまして、その指標価格が守られていくように指導していかなければいけないというふうに思っております。
    〔大原委員長代理退席、委員長着席〕
○目黒委員 ここのところはルールをつくるとなっておったと思うのですが、ルールではなく単なる行政の指導ということですか。できていないならできていないでいいですよ。さっき私が聞いておりますが、幾つかできておりませんので、できておらない部分についてはなおいろいろな場所があるわけですから、せっかく拡大理事懇もつくっていただいたわけでありますので、できていない部分については、やはりそれらの場を活用してできる限り明らかにしていく中でこの問題の最終決着を見なければならぬ、こんなふうに思っておるものですから、私もできていない部分についてそれ以上きょうここで突っ込んで聞こうなどとは毛頭思っておりませんので、できていないものについてはできていない、こういうふうにおっしゃって結構でございます。
 第三者機関の性格等につきましては、寄附行為等も含めまして、また日野先生からもお話があろうかと思いますので私の方は省かせていただきますが、いずれにしましても、先ほど堀込委員のから第三者機関の運営委員会の構成、ここについてお話があり、参議院でも議論があったところであります。参議院の方では、売り手が四、買いが四というあたりまで運営委員会の構成についてお答えが出ておるようであります。ここから先がよくわからないわけですが、売り手それから買い手、それから学識経験者と申しますか、それに生産者の代表あるいは消費者の代表、こういったものが当然考えられるわけでありますけれども、どうも生産者代表については嫌っておられるように聞こえてならないわけでありますが、生産者代表も構成メンバーとして当然考慮されてしかるべきだと思うのですが、この辺はどのように構想されておりますか。
○浜口説明員 運営委員会について参議院において申し上げたのは、四名というような言い方ではございませんで三、四名、先ほど堀込先生にもお答えしたお話を申し上げております。
 そういう意味で、四名の場合には、全体大体十名程度というものを構想してはどうかということですので、差し引き会長を除きまして一名とかそういった数字になるわけでございます。三名というふうに構成をいたしますれば、この点についてはやはり残りの者が会長を入れまして四名、そういったような数字になるかなということでございます。
 なお、この考え方は、価格形成の場の具体的な運営についての重要事項を審議し決定をするという機関でございますので、現在のうるち米部会、協議会で行われているような形でそれぞれ生産者の代表あるいは流通業者の代表、卸の代表というようなことで考えていってはどうかということでございます。
 これについては重ねて申し上げますが、やはり米をおつくりになっている農家の、生産者の代表といったような意味で、十分生産者サイドの代表の方が出てくる必要があるというふうに考えますが、全体に米全体の国民の立場というものも反映するような仕組みを工夫していかなければいけないというふうに思っております。
○目黒委員 はい、わかりました。その点は強く要望しておきたいと思います。
 さて、きょうは経済企画庁からおいで願っております。
 さて、この価格形成の場を開設した場合に、卸売価格で年間一〇%の値幅を設ける、それから定期取引で、大体前回取引、これは累積加重平均になりますか、五%のプラスマイナスの幅を設ける、値動きの幅を設ける、こういうことになっております。
 私は、卸で五%、それから年間を通じて一〇%の値幅の動きというのは非常に大きいのじゃないか、こうやって議論をして、いわゆる国会がそこのところを承認をしていくということになるわけでありますが、全体として値動きの幅というのは非常に大きいというふうに思いますが、一つは、仮に米の卸価格が一〇%動いた場合に全体の物価にどのくらい影響するか、米はどうも一万分の二百二十九ポイント持っておるようでありますのでかなり大きなウエートを占めるということから見ましても、余り好ましい姿じゃないのじゃないか、こう思うわけです。したがいまして、これは本来できる限り圧縮されるべきものでありますし、やはり圧縮されていかなければならない、こんな認識を持っているわけでありますが、実際に卸で一〇%動くというようなことになってまいりますと、消費者物価にどのような影響を及ぼすことになりましょうか。
○小林説明員 ただいま先生から御指摘がありました、一〇%卸売価格が動いた場合、最終的な消費者物価にどう結びつくかというお話でございますが、まず幾つか考えなくてはいけないポイントがあるかと思います。
 一つは、価格形成の場で取り扱われるお米が全体のマーケットの中のどれぐらいのウエートを占めているのか。現在、全体のマーケットがたしか七百万トンぐらいかと思いますが、そのうちどの程度のウエートを持っているのか。また、そこで形成された価格が全体のお米に対してどういうような波及効果があるのか、そういうようなことがございますし、卸売物価が最終的な消費者に渡る際にまたそこにマージンだとか流通費だとか乗っかってどういうような動きになるのかというようなこと、さまざまなことがございますので、現時点で一概に、何%動けば何%消費者物価が動くかというようなことを簡単に予測することは困難だと思いますが、先ほど先生の御指摘がありました、現在の消費者物価の中でお米が占めるウエートがちょうど一万分の二百二十九でございますので、仮に卸売物価の動きがそのまま最終消費者の方までまた全部に波及したというふうに仮定すれば、卸売物価が一〇%動いて消費者物価指数では〇・二%程度の影響があるのじゃないかというふうに試算されます。
○目黒委員 大臣、この点は答弁は要りませんけれども、かなり大きな物価に対する影響もあるようでございますので、私としてはもっと圧縮すべきだ、こう思っておりますので、この点についてはひとつ十分に御検討願いたいということを要望申し上げておきたいと思います。
 ちょっと時間がなくなりまして大変恐縮ですが、法制局も来ていただいております。
 法制局の方に、委員会でいろいろと議論をした中では、現行の食糧管理法の中で市場開設ができる、こういう判断でずっと進んでまいっております。ただ問題は、これを形式上できるにいたしましても、実態として出てまいりますのは、食管法そのものは御案内のとおり価格の安定、それから安定供給ということを目的にして価格調整などもする、それから流通を特定して供給の安定を図るということも柱にしながら今日まで運用されてきているわけですね、また法の目的もそうですし。ところが、価格形成の場を設置いたしますと、価格の安定を旨とする食管法の趣旨に照らして、大枠で自主流通米は認められるにいたしましても、価格面でいいますれば極めて価格を動かすと申しますか、価格を流動化させる、こういう要素を必然的に持ってまいります。しかも、回数が多ければ多いほど現場ではリスクも出るでありましょうから、そこのところをどうやって補うかというような問題も入ってこれは検討されなければならないという意味では、市場原理とそれから食管の言うておる価格の安定とは実態として一つの法域の中で違った要素を取り込んでいくことになりますね。こういう点ではやはりもう少し明確にされるべきじゃないか。
 例えば政府米については生産費、所得、再生産を旨として決めるということになっておるわけですが、自主流通米については発足当時からそれが全くない。ないまま走っております。したがって、農家の再生産は市場価格に任せるという形で来ておるところへもってきて、価格の変動をむしろ求めて開設されるということになります。つまり、一つの法域に二つの違ったものを包含せざるを得ない状況というのが出てまいります。これは法体系上、やはりベターなものかどうか、御見解を伺いたいと思います。
○大森説明員 食糧管理法の趣旨が何かということは、ただいま御指摘になりましたとおり、第一条によりますと、「国民食糧ノ確保及国民経済ノ安定ヲ図ル為食糧ヲ管理シ其ノ需給及価格ノ調整並ニ流通ノ親制ヲ行フコト」であるというふうに規定されているところでございます。
 そこで、お尋ねのこの価格形成の場の設置が法の趣旨に反するのかどうかという点でございますが、この問題は、この設置の趣旨、目的及びその機能というものがどのようなものであるかということと関連をする問題であろうかと思います。
 そこで、先ほどから断片的にはこの構想についていろいろ御意見を伺っていたわけでございますが、この施策につきましては、主管庁におきまして現行食糧管理制度の枠内でその実施を検討されているようでございますが、法制局といたしましては、先ほど若干の御議論は拝聴したわけでございますけれども、その詳細をいまだ了知しておりません。したがいまして、法令との、規定ないしその趣旨とのすり合わせ検討も何らいたしておりませんので、この場では法制局の見解を申し述べることは差し控えさせていただきたいというふうに思う次第でございます。
○目黒委員 この場で控えられたのではちょっと困るのでございますがね。
 最後に大臣、アメリカが新しい農業法などをつくりまして――農業問題というのは、大臣からも説明がありましたように、各国非常に難しい問題を抱えておって、それぞれの国がそれぞれ独自の対応をしなければ解決しない問題がたくさんあるわけで、今一生懸命それを真剣に出し合い、かつ、二十一世紀に向かって人類が何をしなきゃならないかといった方向で農業問題が議論されておるというのは、私は大変結構なことだと思いますし、頑張らなきゃならない課題だと思っております。そういった中で、たまたまこのアメリカの新農業法なんというのが出まして、いわゆる保護削減にいたしましても、自分のところはちゃんとやることを決めておいて相手国に開放を迫ったり、保護削減を迫ったりというのはまことに理不尽な姿なんじゃなかろうか、こんなふうに思っておりまして、大臣から批判されるのも、これもどうかと思いますけれども、また面倒な問題を持ち込んだという雰囲気をつくっているような気がしてならないのですが、この点についてはいかがでございましょう。
○山本国務大臣 これは先生御承知かと思いますが、上院それからまた下院の方、多少中身が違った形で通過をいたしました。そこで、両院の協議会をこれから行いまして、そこで意見が一致するかどうか、今すり合わせをこれからするところだというふうにヤイターさん自身も苦しい答弁をしておりました。私ども、まだこの結果も出ておりませんし、伝えられるところによると、大統領が何とかするんじゃないかというふうな話などもございましたりして、正式なコメントをする段階ではございませんので、重大な関心を持っております、こういうふうに申し上げたことで御了解を願いたいと思います。
○目黒委員 終わります。ありがとうございました。
○亀井委員長 日野市朗君。
○日野委員 大臣、非常に御苦労さまでございました。世界的にも有名なタフネゴシエーターたちを相手にいろいろやってこられて、さぞお疲れであったろうというふうに思います。先ほども御報告を伺いましたし、それから、新聞等の報道なども通じて大体概観的なイメージとしては思い描いておったところでありますが、本当によくやってこられたと思います。本当に御苦労さまでございました。これからもひとつ頑張っていただきたいということを、まず冒頭申し上げておきたいというふうに思います。
 それで、私が非常に心配をしておりますのはアメリカの態度でございますが、かなり、まあ手前勝手と申しては非常にアメリカに対して失礼かもしれませんけれども、かなり手前勝手な態度が見えるわけでございますね。ヤイターさんは何かまた八月に訪日される、個人的な用件で来られるということでございますが、時が時でございますから、これは、個人的に行くと申しましてもなかなか個人的なことばかりではなかろうと思います。
 それで、いろいろお会いしたりなんかする機会もあるのではなかろうかと思いますし、ヤイターさんも、政府、政界、いろいろなポイント、ポイントにお会いになるような話を伺っておりますが、ここで心配するのは、ヤイターさん自身も、ということはアメリカ自体もということですが、この米問題についても二国間協議についてはやらないということは申し合わせているわけでございますね。
 しかし、私もヤイターさんとお会いをする機会を持ちましていろいろ話をする機会があったわけでございますが、彼は非常に今焦りを感じておられるのではないか。どうも自分が思うとおり物事が進んでおりませんで、焦りを感じておられるのではないかという気がいたします。そこで、この問題を突破するためには、まず日本といろいろ話をして、米問題について一つの突破口でも開いておきたいような気持ちもお持ちなんじゃないかと思うのですが、私はやはり、これはガットできちんとやりましょうという話をした以上、二国間での協議というものはやるべきではないというふうに考えております。
 先ほど大臣の御見解も堀込委員に対してお示しいただいたところですが、そういう個人的な場であれ、いろいろな場であれ、今後、とにかくガットの方をまず優先させる、二国間の協議、これは進めないのだというふうに理解をしてよろしゅうございましょうか。
○山本国務大臣 結論から言いますと、そう思っております。公式の場でやりとりいたしましたのはもう明らかにもなっておりますし、先ほども申し上げたとおり、私の方から、テーマを与えられました国内の農業政策問題に触れて、日本の食糧安保論を中心にさまざま申し上げた後、各国の大臣がずっと意見を出す、その中でヤイターさんが関税化問題の例示として出した、こういう形になっております。そこで、こちらから詳細に再度反論する時間が十二分にあったというふうに思っておりまして、私は、不敏でございますけれども、かなり意を尽くして申し上げることができたな、こういうふうに思っております。
 その後、たまたま農場視察などもございましたり、一緒の席におりましたり、いろいろ話が出まして、それから会議に入る前に飛行場の待合室などでもお会いをしました。これは全く個人的な話、家族がどうとかいうふうな話なんですけれども、その際に、八月には日本へ行くのを楽しみにしている、実は娘と娘の婿に会いに行く、東南アジアにも私的な用があってそちらへも行くというふうなことでございましたので、それはもうおいでくだされば歓迎します、これは儀礼的にもそういうふうに申し上げるのが当然でございまして、そういうお話はいたしました。
 先生の御指摘のとおり、重大な米問題を中心にした農業問題について、これは今までの経過からしても、多国間交渉で行うということでガット・ウルグアイ・ラウンド交渉が進んでおるわけでございますから、私が今まで発言をする場合でも、交渉の成功を前提としながらも、交渉はその場でやっていただくというふうに言い続けてまいりました。またヤイターさん自身も、従来の経過からしてそういう発言をずっとしてきておる。ただ、たまたま会えば農業事情の中でそういう話が出ないとは限らないということも私は承知をしております。しかし、あくまでもこれは両大臣間の二国間交渉などと間違われるようなことがあってはならないということは十分意識をいたしまして、会う場合にはお会いをしよう、あくまでも交渉事はガット・ウルグアイ・ラウンドの交渉の場でやる、多国間交渉でやる、こういうことを前提にして話をさせていただこう、こう思っております。
○日野委員 日本の農民、特に米づくりをやっている農民というのはほとんどが家族で農業を営んでいる人たちでありまして、この人たちは本当に現在のガットの交渉がどうなるのか、日米間でこの米の問題をどのように処理していくのかということについては非常に強い関心を持っているわけですね。私は、農業というのは家族農業が中心に行われなければならないと頑固に信じている一人なんですよ。やはり農業というのは土を大事にしなければいかぬし、それから環境を大事にしなければいかぬ、そういういろいろな要素がありまして、工業的な手法に立つ農業、これはアメリカの農業なんかはそういう農業が圧倒的に多いわけですが、そういうところの論理と、日本のような家族農業を中心にやっていく農業というものは全く違った論理があるだろう、こう思っております。
 これからの交渉を進めるに当たっても、まず、この家族農業をやっている農民を大事にしていくという立場というのは見失ってはいけないと思うのですね。そういう観点から、大臣のお考え、いかがでございましょう。
○山本国務大臣 全く日野先生のお説に賛成でございまして、私もそういうふうに心得ております。
 ところが、今お話の出ましたアメリカ農業の責任者、当面の責任者のヤイターさんがこの五大臣会議の中で、農村開発というテーマがございまして、オーストラリアがリードオフをいたしまして、それに関連してさまざまな討論をした。そのときに私の方から事前に、農業と工業は違うのだ、こういうこともかなり繰り返して申し上げましたし、したがって各国にはそれぞれ伝統的な農業がある、歴史がある、そしてそれが文化を形成している、こういうふうにやっておったわけです。
 それを受ける格好で、大農業をやっているアメリカの農業の中でもこれから一番必要なのは指導者だ、特に農村を今後新しく変えていく場合に必要なのはただ単なる組織ではない、まして機械的な、一律的ないろいろな見方ではないのだ、非常にその地域地域にある伝統に根差したユニークな農法というものをやっていこうとする指導者が必要だ、指導者という言葉を盛んに挙げまして、自分の意見を展開しておりました。
 ちょうど日本のスタッフがこう並んでおりまして、うちの方の審議官もおったわけでありますけれども、草の根なんということも言うのですね。ですから、そんなことは日本でも再々やってきたことだ。それから、日本では個人の農家経営というものを非常に大事にして、そして個々の農家の技術力、あるいは基本的に言えば学問のレベルといいますか教育のレベルといいますか、そういうものも含めて、我々は地域地域でリーダーをつくってきた、それが今日の日本農業を実は支えてきた。
 それから、これから新しく中核農家をつくろう、あるいは中山間地対策などということもやっていくわけでありますが、それも全部そういう個々の農家を中心にして、そして新しい農村というものを形づくっていこうというふうに思っているのだという話を私語したのですけれども、そういう気持ちでこれから先も日本農業というものを考えていきたい、また展開していきたい、こう考えております。
○日野委員 私、このガットの交渉、交渉の現状といいますか実態といいますか、そういうものと、日本の国論との間にどうもいささかのギャップがあるような感じを実は持っております。あたかも日本は、これから産業構造というものを大きく転換をしてまいるのだ、そういうことから、これの基礎になったのは前川レポートだというふうに思うのですが、ある評論家などは、この前川レポートによって米の輸入自由化への道筋も敷かれたのだというふうな、どこからどう前川レポートを読めばそういうことになるのかと私も理解に苦しむのですが、そんなことを言う人もいるわけですね。
 前川レポートを読んでみますと、農業に関係する部分に、これは前後は省略しますが、「基幹的な農産物を除いて、着実に輸入の拡大を図り、内外価格差の縮小と農業の合理化・効率化に努めるべきである。」こういうようなくだりがございます。ここで「基幹的な農産物を除いて、」こういうふうにあるし、こういう点を見ますと、やはりこの前川レポートあたりでも、基幹的農産物として米などは除いてあるというふうに考えられるのですが、いや、実はそうではないんだというようなことを言う人がおりますので、ちょっとここのところを農水省の基本的な考え方、基調になる考え方、ちょっとお示しをいただきたい。
○鶴岡説明員 国際協調のための経済構造調整研究会の報告、いわゆる前川レポートにつきましては、「国際化時代にふさわしい農業政策の推進」ということで農業問題についても言及されていますけれども、その中で、生産性を上げながら改善策、構造政策を進めていけというようなことでございますけれども、その中で輸入関係につきましては、ただいま先生御指摘のように、六十一年レポートでは、基幹的な農産物を除いて、内外価格差の著しい品目について、内外価格差の縮小のために努力をしろというような指摘になっております。
 それを修正しました新前川レポート、六十二年のレポートにおきましても、「国民の主食である米については、今後とも国内自給を基本としつつ、」対応しろ。それから、「その他の農産物についても、国内生産の合理化、効率化に努める一方、国境調整措置は必要最小限にとどめるべきである。」そういうような指摘になっておりまして、私どもが現在ウルグアイ・ラウンドで主張しておることをだめにするような報告ではないというふうに、私ども承知いたしているわけでございます。
○日野委員 現在のウルグアイ・ラウンド交渉では、日本の立場というのは孤立してもいないし、そしてECにしてもアメリカにしても、日本をどっちが味方につけるかというような話がいろいろありまして、非常に日本の立場というのは、考えようによってはそう不利な立場ではないというよりは、むしろある意味では有利な立場ではないかというふうに私は思うのですが、どうも日本の国内にこの話が持ち込まれますと、いささかギャップがあって、日本は米の問題で首を縦に振らない限りは完全孤立みたいなことがずっと伝えられているのですが、そういう状況ではございませんわね、これは。ちょっと、そこのところだけ御意見を伺いたいと思いますが。
○山本国務大臣 私は、今、日野先生のおっしゃるようにかねがね感じておりました。しかし、まあこれがマスコミによりますと、いかにも米問題で日本が孤立化する、あるいはしておる、あるいはしていくのではないかというふうな報道がかねがねずっとされておった。私、今度参りまして、その点を十二分に肌身で感じたい、各国の状態を、特にアメリカがどう考えているのか、ECはどういう主張をしようとしているのか、あるいはケアンズ・グループと言われるグループがどういう考え方を持っているのか、これはどうしても生で知っておきたい。しかも、五カ国農相会議は交渉の場ではもちろんないわけで、ネゴの場ではないのですけれども、しかし、ガット・ウルグアイ・ラウンド交渉というものは着々とその横で進んでいるわけでございます。そのことを各大臣が全部意識をして言っているわけでありますから、この機会はそういう意味でも非常に貴重だということでずっと聞いておりました。
 冒頭の報告でも申し上げたと思うのでございますが、私が思っていたとおりといいましょうか、思っていた以上にEC対アメリカの主張は大きく食い違っておる。片や輸出補助金問題、片や農業法問題などなど、そのほかにもたくさんございます。非常にはっきり理論的にも対立をしておるということが明らかである。あるいは先ほど、冒頭堀込先生がちょっとお触れになりましたか、例のガット十一条の条項の問題などにつきましても、ケアンズ・グループのカナダがこの明確化を強調するというふうなシーンもございまして、これはやはり現場で見なくちゃいかぬなというふうに痛切に感じました。
 ところが、私とヤイターさんとやりとりをいたしますと、ヤイターさんが関税化の問題七〇〇%、これを主張したということが比較的大きく報道をされて、山本の反論は、ちょうど時間にすると私は三倍ぐらいやりましたかね、中身もそんなに悪いとは思っておりませんけれども、その方は勝手知ったるごとく余り大きくは報道をされないというふうに私が見てとりまして、これはさまざま先生方から御指摘をいただいているような、もっとしっかりPRをせよ、内外に向かって、そういうことに通じるんだなというふうに強く感じたわけでございます。
○日野委員 これからもなかなかきつい上り坂みたいな感じのことになりますが、ひとつ頑張ってやっていただきたいというふうに思います。
 では、今度は自主流通米の価格形成の場の問題について質問をさせていただきたいというふうに思います。
 前回、理事懇談会が行われましたときに私の方からお話を申し上げておいたわけでございますし、委員長からも御指摘がございましたが、この価格形成の場、これを食管の枠内でやりますというふうに今まで大分御説明を何度も何度も伺ってまいったわけでありますが、これを食管の枠内にきちんととどめておくということが、これはどうしても制度的にも裏打ちされていなければならないというふうに私は考えております。
 それで、この形成の場の第三者機関、運営主体でございますね、これを食管の枠内にとどめるためにどのような手法を使うのかということを伺ってきたわけでございますが、それについてまずお伺いをしたいというふうに思います。
 まず、食管の場にとどめるためには、これは食管法の改正は行われません。そうすると、法が変わらないとすれば、政令とか省令とかそういったようなものできちんとつなぎとめるのだということがわかるようになっていなければならないというふうに思いますが、その点はどうでしょうか。
○浜口説明員 ただいま日野先生から、この第三者機関について、監督の態様について法令的にどういう対応にするのか、あるいは具体的に対応の指導の面でどういうことをするのかというお尋ねでございます。
 まず、法令の面でございますが、私どもまず第一に、政令の改正は要らないというふうに考えておるところでございます。と申しますのは、価格形成の場の創出に係る点について検討をしておりますところ、現行の政令におきまして、自主流通米制度については食糧管理法第三条ただし書きの規定を受けまして、売り手は、指定法人または二次集荷業者というふうに並列に書かれております。それから買い手は、卸売業者その他農林水産大臣の指定する者であることというふうに明確に書かれておるわけでございます。そういう意味で、この点については既に政令で、今回考えられておりますことは、ただいま先生がおっしゃったように食管の枠内に入れるということにおいて政令の改正は不要であるというように考えております。
 次に、省令の場合でございますが、次の三点について明確にしてはどうかというように考えておるところでございます。価格形成の場を開設する公益法人を農林水産大臣が指定するということ、第二番目といたしまして、価格形成の場合の上場の数量というものを現行の自主流通計画の中に明確に定めるということ、それから価格形成の場の創設に関連をいたしまして、指定法人への売り渡しの委託についての所要の見直しを行うことということでございます。
 次に、監督の態様でございますが、これは一つは、第三者機関の役員の選任あるいは運営委員の選任についてきちっと対応が行われるべきだというふうに考えております。また、業務の運営を行いますルールとして業務規程というものが当然に設けられると思います。さらにまた、年間の事業計画、予算といったものにつきましても、対応が明確に図られる必要があろうと思います。
 そういう意味におきまして、検討会報告におきましても、今回の第三者機関は民間の法人だということではございますけれども、その民間の法人に対して農林水産省の監督のうち一番厳しいといいますか、きちっとした対応が食管制度の枠の中で図られるという意味において、次のような対応をしてはどうかということでございます。
 役員及び運営委員会の選任については農林水産大臣の承認に係らしめることにしてはどうか。あるいは業務規程については農林水産大臣の承認に係るということにしてはどうか。さらに、年間事業計画、予算についても農林水産大臣の承認に係るということで、この点につきましては民法法人、財団法人を予定しておりますが、明確に原始寄附行為に書かせまして、それを認可するという形をとってはどうかというふうに思うわけでございます。
 なお、これに基づきます法人の業務の監督は当然のことでございますが、民法に基づく法人の監督業務というものを明確にしていく必要があろうというふうに考えておるところでございます。
○日野委員 この役員ですね。これは運営委員まで含めて、その選任については農林水産大臣の承認ということでございますが、これを農林水産大臣の承認に係らしめるということなんですが、その任期についてはどの程度というふうにお考えでしょうか。これは余り任期が長いと、任期中に勝手なことをするという場合がややもすれば出てくるのですが、それぞれ理事それから運営委員と分けて、どの程度の任期というふうに考えておられるか。
○浜口説明員 明確にまだ決めておりませんが、一つの考え方として、例えば二年といったようなもの、あるいは特殊法人等々に準じまして三年とかそういったようなものを検討して、先生御指摘のような点につき妥当なる期間というものを明確にしていく必要があろうというふうに思っております。
○日野委員 ここで、この理事会と運営委員会の機能の違いといいますか、権限の違いといいますか、それをちょっと御説明ください。どのように考えておられるのか。
○浜口説明員 この場合、第三者機関というものをなるべく簡素化するという意味におきまして、委員会、理事会といったものは業務の執行機関だというふうに考えております。そのほかに運営委員会でございますが、この業務の、自主流通米の価格形成の場のための重要事項を審議する審議機関、議決機関ということで、俗の言葉で財団法人でいきますと評議委員会というものがございますが、形の上ではそれに当たりますが、もっと内容的に充実させた委員会、運営委員会というものを考えて、この業務の、価格形成の場が十分関係者の意見を表明しつつ行われるべき機関として考えてはどうかと思っております。
○日野委員 それから業務規程についても大臣承認というようなことがございました。この業務規程にどれだけのことを盛り込むのかということは、これは業務規程なんかつくる場合、非常に面倒なことではございます。
 そこで、これまで一連のこの価格形成の場をめぐっての論議がありましていろいろな問題点が出されたわけですが、業務規程に盛り込まれるのはどういうものが盛り込まれていくかということになりますね。例えば価格形成の場の実施時期、回数、数量、取引参加者、こういったものは盛り込まれることになりますか。
○浜口説明員 御指摘の点は盛り込まれるものと思います。盛り込まれるべきものと思っております。
 一つの主な盛り込み事項といたしましては、具体的な取引の日時あるいは基準価格の公表等の総則的な部分を除きますと、集荷業者と卸売業者との間の取引に関連いたしまして、一番重要な取引参加者の問題、立ち会いの方法の問題あるいは上場対象銘柄の問題等を盛り込んでいただくということになろうというふうに思います。
○日野委員 価格の変動幅なんかはどうでしょう。
○浜口説明員 値幅制限の問題等についても明確に盛り込むべき重要な事項だというふうに思っております。
○日野委員 それから、実際の実務的な金銭の支払いであるとか仮渡金の問題とか、こういう点はどうなりましょうか。現在全農がやっているいろいろな実務的な問題がございますが、それは十分この中に盛り込み得ることだと思っていますが、ほぼ現状を崩さないでやっていくという点についてはどうでしょうか。
○浜口説明員 今の点につきましては、運営の問題といたしましてはやはり現状の協議会方式を踏襲していく面が多かろうと思います。先生御指摘のような代金決済の部分については、いわゆるマーケット、市場等においてはこの第三者機関に当たるものは代行しておりますが、この点についてはこの機関の役割等々から、代金決済機関はこの機関では行わない、従来どおりということで考えてはどうかと思っております。
○日野委員 我々が価格形成の場で一番心配するのは、この価格形成の場が食管の枠を外れて暴走をするのではないかという点を非常に強く懸念をしているわけなんであります。でありますから、これは指導監督というのは随時行われなければならないのではなかろうかというふうに考えております。民法に基づいて法人の業務を監督するということは、それは監督官庁として随時行われるわけでありますから、こういう点については遺漏なく指導監督を行うということはお約束いただけますか。
○浜口説明員 この第三者機関は、検討会の報告あるいは農政審の報告のときにおいても、あくまでも食管制度の枠のもとで行われるべきものと考えておりまして、そういう観点で、ただいま先生御提起になった考え方に立って指導、運営等に心がけていかなければいけないというふうに思っております。
○日野委員 民法によりますと、設立の許可を取り消すところまで主務官庁は権限を持っている。そういうところまで踏み込んだ指導監督をきちんと行っていくという御趣旨でございましょうね。
○浜口説明員 御質問のとおりでございます。
○日野委員 じゃ、次にちょっと国有林の問題についてお伺いをいたします。
 国有林の問題については、関係者一同心配していない人はいないというふうに、私思っております。五カ国農林大臣会議で、食糧安保に加えて自然環境の保護であるとか農山村社会の維持、そういう問題なんかも含めてこれは話題になったのだろう、こう思っておりますが、農業を守ると同様に森林を保全して育成をしていく、そのための国家の投資というものが大切だということは、もうだれしもが当然考えているわけでございます。
 今度日米構造協議によりまして四百三十兆円の公共事業の投資計画というものが実現をされていくことになるわけでありまして、これについて、国有林それから民有林を含めて、森林の育成についてこういった公共事業の長期計画に入れていくという考えはございますでしょうか。いかがでしょう。
○山本国務大臣 小澤新林野庁長官も来ておりますけれども、基本な問題をまず私から申し上げたいと思います。
 今先生のお話しになりました例の十カ年計画、これの基本になります公共投資基本計画の中で、次のように書かれておるのです。「我が国のすぐれた自然環境、豊かな資源を次世代に引き継ぐとともに、自然との触れ合いの場を確保するため、森林の整備を推進する」、これは基本計画に書かれておりまして、私どもといたしましては、先生の今御指摘のとおり、予算委員会あるいは本委員会でもたびたびございました森林は国民財産だ、こういう基本的な考えにのっとって、今後の公共投資を進める上でも主要な施策をこういうふうに位置づけて進めてまいりたい、具体的な推進の計画につきましても現在検討を進めておる、こういうことをまず申し上げたいと思っております。
○小澤説明員 森林の整備につきましては、私どもも従来から進めてきておりますけれども、さらにより充実した森林の整備を念願しておりまして、今後さらに計画的に実施をしてまいりたい、そのように考えておる次第でございます。
○日野委員 これから四百三十兆円に及ぶ十カ年間の公共事業ということになるわけでありまして、その中で最も大事な柱の一つとして、この森林を育成、保全していくということは考えられてしかるべきだと思いますので、この点については熱意を持ってやっていただきたい、このことをお願いしておきたいと思います。よろしゅうございますか。
○山本国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、最大限の熱意を傾けてやってまいりたい、こう考えております。
○日野委員 国有林事業でございますが、これはもう国土の大体二〇%ぐらいは国有林になっていようかというふうに思いますが、国有林の財政状態が非常に悪い、これは本当に関係者だれしもが心配をしているところなのでありますが、この財政状態を改善をしていくために大変な苦労をしなければいけないことになろうかと思うわけでございますね。それで国有林野事業の赤字対策、これをやるためには、さあ赤字解消のために本気になって頑張りますよ、そのための具体的な施策を進めていきましょうということを、やはりきちっとした節目をもってといいますか、始めていくことが大切ではないか、私はこんなふうに考えるわけですね。
 それで、よく言葉として言われるわけでありますが、財政再建元年をいつにするかというようなことをきちっとした節目をつける、そして再建に乗り出していくということをやる。その再建元年というのはもうそんなに後に延ばせない問題ではないか。私は平成三年度あたりの予算の中でそれを大胆に再建のために金をつぎ込んでといいますか、そういう努力をしていくべきときではないかというふうに思うのですね。どうですか。この三年度あたりから再建元年ということでしっかりとやっていこうというお考えをひとつお示しいただければというふうに思うのです。
○山本国務大臣 先生御承知のとおり、現在までの経緯といいますか、昭和六十二年の七月に改訂強化をされました改善計画、これに基づいて今まで振興してきた。その中には、自己収入の確保それから組織機構の簡素化、要員の縮減などの自主的な改善努力を尽くすとともに、所要の財政措置を講じ、経営改善に努めている、こういう形で進んでまいりました。ところが、さまざまな努力を傾注したにもかかわらず、非常に遺憾なことに、平成元年度末の債務残高は二兆円、いわゆる二兆円の大赤字、こういうことになっておりまして、国有林野事業の財政事情というものは極めて厳しいということでございます。
 そこで、まさに先生のおっしゃった財政再建、これをできるだけ早く推し進めなければならないということで、本年の三月以来、林政審におきまして、もう過去八回、近々やりますから九回の審議会審議を進めてきておる、そして総括的な対応策を現在検討中ということでございます。この検討の中間報告もいずれ出てまいりますので、それらもにらみながら、年内には一つの方向をできる限り打ち出したいというふうにも考えております。
 もちろん予算との関係もございますので、それらとの関連をどうするかというふうな問題等もございますが、いずれにせよこの二兆円克服を何としてもそのきっかけをつかみ、軌道に乗せたい、そして国有林事業というものの再建の方向をどうしても見出したい、こういうふうに考えておりますので、ぜひ御協力もお願いをいたしたい、こう思っております。
○日野委員 今の大臣のおっしゃったこと、もっともなのですが、我々もこうやって見ておりまして、財政再建のために労働組合も随分協力をして一生懸命やっているのですね。それから林野庁も努力をされる。それでもこの赤字二兆円というのは余りにも、内部的にいろいろな努力をしても、とても消せる赤字ではございませんね。これを消すためにはきちんとした財政的な措置が必要だと思いますので、我々も財政を再建するためには協力は惜しまないつもりでおりますし、ひとつここは私の方で、この財政の再建のためのステップを踏み出されるように強く要望をしておきたいというふうに思うわけであります。
 そして、この問題につきましては、総理が予算委員会におきまして、与野党で十分協議をしながら進めてくれ、このような御意向を示してもおられるわけでございますが、我々もこの再建のためには協力することは全くやぶさかではございません。それで、与野党で十分協議ということでございますから、与野党で話し合いがつけば、これはかなりの大なたも振るえるのではないかというふうに私なんかは考えておりますが、具体的に与野党にどういうふうな形で、協議をしてくれまいかというようなことで何かお考えになっておられることがあったら、ひとつお示しをいただきたいと思います。
○山本国務大臣 今総理の話も出ましたが、総理も答弁しておりますし、私も先生の御質疑に答えた形で、十分相談させていただきます、こういう答弁もしておるわけでございます。この与野党協議あるいは国会の先生方との御相談、もっと広く関係方面の意見も十分踏まえて、具体的な、しかも実効性のある案を早急につくりたい、こういうふうに考えておりますが、今のところその時期の問題、それから中身の問題、先ほど申し上げましたが、林政審だけですべて決まるわけではございません。林政審の意見を尊重しながら、さらにそれをしっかりたたいて案をつくりたい、しかもそれは、先生と同じ考えでございまして、そう悠長にやっているわけにいかない、できるだけ早くしっかりやりたい、こういうふうに考えておりますので、その節の御協力を重ねてお願いする次第でございます。
○日野委員 極めて前向きに、しかも急いでこの問題は解決しなくてはいけませんので、我々も努力をいたしますし、林野庁としても懸命の努力を要請いたしまして、私の質問を終わります。
○亀井委員長 倉田栄喜君。
○倉田委員 まず大臣、五カ国農相会議、大変お疲れさまでございました。
 私、先ほど大臣からのお話をずっと承っておりながら、例えばヤイター農務長官のお話に対する反論等々、どうして大臣のお話というものがきちっと、もっと大きくマスコミに報道されておらないのかな、こういうことを強く実感したわけでございます。
 と申しますのも、我が党にはかつてウルグアイ・ラウンドの農業交渉に関連しまして厳しい議論があることは既に御案内のとおりだと思いますけれども、その中で、大臣と同じ気持ちで議論をしている者の旗色がどうもだんだんと悪くなってしまっているような状況があるわけでございますけれども、その一つとして、いわゆる新聞報道等々で見出し等に躍る文字を見るたびごとに、非常に厳しい状況が伝えられてくる。大臣の反論等々が余り伝わってこない。それは現実に厳しい状況なのかどうか、また果たしてこれから先も厳しい見通しなのか。実際に五カ国農相会議のテーブルに着かれて、大臣の実感としてどのような印象をお持ちなのか、またその見通しはどうなのか、その辺のところをお聞かせ願えればと思います。
○山本国務大臣 私は、交渉の前途に格別楽観もしておりませんし、しかし悲観もしていないということでございます。先ほど来るる、もうその見てきたとおりというかやってきたとおり、もちろん国会ですから、担当委員会ですから当然ですけれども申し上げておるわけでございますけれども、厳しくないと言ったらこれはうそになります。それはなぜかというと、日本だけが厳しいとか厳しくないんじゃない、これは各国全部事情がある。それは、農業の問題だけに限って言えば、先ほど出したEC対アメリカ、アメリカ対ECあるいはアメリカ対日本という問題もございまして、それは各国の農業事情、そして農民、国民というふうなものを抱えて自国の利益をいかに公正に認知してもらうか、理解してもらうか、そして、これはガット交渉という新しいルールづくりを数字の上で示すわけでありますから、新しい方向を出すわけでありますから、これはもう苦心、苦労はあるのは当たり前の話だ。しかし、日本の国の国益なり日本の農民なりを守るのは、これはアメリカに頼ってもECに頼ってもだめなんでありまして、日本の我々が、そして日本の農政の当事者である我々が頑張る以外に、ほか様に期待をしてもこれは無理だ。私は、農林水産省の皆さんに淡々としてやろうやと、そしてまた相手をひっかけるような、あるいは漁夫の利を得るようなやり方をするべきではない、日本のかねての主張を正々とやろう、こう言って終始してまいりました。
 具体的に申し上げますと、先生、例えば米問題について、これはECからは何の注文もありません。ケアンズ・グループからは特に指摘がされてこうでなければならないということは一言もありません。ヤイターさんから関税化という問題の大きな例示として、日本の従来の自由化の努力は認めます、牛肉・かんきつまで。しかし、米というものがあります。これは私どもの計算によれば七〇〇%の関税化に相当しますというところからずっと話がありまして、アメリカが日本に対して、特に日本の米問題に対して異常な関心を抱いておるということは、私は事実だと思います。
 ですから、これに対して専らアメリカ向けに、ヤイターさん向けに、基本論としては農政のあり方、これからの農業の地球的あり方などを含めてやりましたけれども、専らアメリカを相手にしてやったということでございます。
 ですから、今後もこの方針に沿って、従来とちっとも違いませんから、冒頭の報告で私申し上げましたが、各国とも従来の方向を変えたところはないんですよ。もう大筋としては、自分たちのウルグアイ・ラウンドに最初に提案したものを説明し、説明し、説明するということに終始しておるわけですから、これはひとつ日本の我々としては、あるいは農業に一番関心を持っておる我々としては、責任を持っている我々としては、今までの日本のスタンスというものをガット・ウルグアイ・ラウンド交渉で貫くということに終始させていただきたい、それが私の感想でございます。
○倉田委員 大変ありがとうございました。
 そこで、まだこの点に関連して質問を続けさせていただきたいと思いますけれども、いわゆる食糧安保論、これをどう見るかということでいろいろ議論があるみたいでございますし、新聞等々の報道の中で、アメリカのヤイター農務長官の発言もいろいろ報道されているみたいでございます。
 そこで、各国が我が国が主張をしておる食糧安保論についてどのように理解をしておるのか。サミット経済宣言に食糧安保論が盛り込まれたことの意義、さらに食糧安保論といわゆる米の完全自給論というのを各国はどのように考えておるのかということについて、農水大臣はどのようにお考えになっておられるのか。
○川合説明員 経過につきまして、私の方から御説明させていただきます。
 ウルグアイ・ラウンドの中間合意がございます。これにつきましては、今御指摘の点につきましては、交渉においては食糧安全保障のような各国が貿易政策以外の関心事項に取り組むことを目的とする提案に考慮を払うということになっております。
 これを受けまして、今回のヒューストン・サミットの経済宣言にもその文言があるわけでございまして、正確に申し上げますと、「農業交渉は、一つの共通の計測手法を含み、すべての国の間で衡平な形でなされたコミットメントにつき規定し、食糧安全保障についての関心を考慮する枠組みの中で行われるべきである。」ということでございます。私どもといたしましては、従来から私どもがやってまいりましたこの主張がここに認められているというふうに考えております。
 それから、安全保障の理解でございますが、これはそれぞれその国の置かれました食糧問題、農業問題によっていろいろな受けとめ方があろうかと思います。輸入国の中におきましても、例えば日本のような主食というようなものを持っている国、あるいはスイスのように備蓄というものを中心とした安全保障政策をとっている国がありますので、これの受けとめ方はそれぞれの状況に応じたものであろうというふうに考えております。
○倉田委員 先ほどからの御答弁承っておりまして、農業交渉についてはともかくウルグアイ・ラウンドで合意をまとめていく、こういうことであって、仮にウルグアイ・ラウンドで最終合意をできなくてもやむを得ないのではないか、こういう考え方はとらない、こういうふうに私理解したわけでございますけれども、そうしますと、このウルグアイ・ラウンドでともかく最終合意を目指して努力をしていく、こういうことでございますので、これはもう参議院の方で既にお答えになっているかと思いますけれども、政府から見た場合、このウルグアイ・ラウンドの成功の要件、この点についてはどのようにお考えになっておられますでしょうか。
○川合説明員 ウルグアイ・ラウンド交渉は、御承知のように本年十二月初めの合意期限までにいろいろな問題につきまして、農業だけではなく十五分野にわたりますいろいろな交渉が行われることになるわけでございます。
 農業について申し上げましても、期間の割に各国の立場の隔たりというものは、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたようにかなり大きなものがあるわけでございます。したがいまして、この最終合意につきましていろいろな懸念を申す向きもあろうかと思います。しかしながら、我が国といたしましては、ウルグアイ・ラウンドの農業交渉の成功に向けて今後とも積極的に交渉に参加していくという態度をとっているわけでございますので、その際、我が国の立場が反映された結果が得られるように努めてまいりたいと思っております。
 その条件がどうかということでございますが、やはり我が国の立場が反映される結果が得られるように、今の段階では努めてまいるというふうに申し上げる段階だろうと思っております。
○倉田委員 大臣はこの点についてはいかがでございますか。
○山本国務大臣 今の経済局長が申し上げたとおりでございます。
○倉田委員 参議院の方でたしか大臣が、輸入国、輸出国それぞれに納得のいく新ルールができること、それから経済局長の方で、それぞれの国の主張がうまく調和をしてバランスがとれること、このようにお答えになっていると思います。我が国の主張というのがもちろん盛り込まれることが一番望ましいわけだと思うわけですけれども、成功のためにはやはり何らかの部分で譲歩をせざるを得ないことも、交渉でございますのでこれはあり得ると思います。
 そこで、米の市場というのは絶対に譲歩しないという立場に立った場合について、我が国としてはどのようなものについて成功のために譲歩をする用意があるのかどうか、この点についてはいかがでございますか。
○川合説明員 我が国といたしましては、ウルグアイ・ラウンドの農業交渉を成功させることが重要であるという考え方は、ただいま申し上げましたように政府としての考え方でございますが、その際には我が国のような輸入国の立場が反映された交渉結果が確保されることが必要であると考えております。したがいまして、御承知の点でございますが、例えば関税化につきましては、基礎的食糧、それからガット十一条二項等の規定に基づきます輸入数量の制限品目についてはこの関税化の適用は困難であると主張してきております。このような考え方は変わりはないというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、従来の我が国の立場を踏まえて対処し、その結果が得られるように最大限の努力を払ってまいりたいと思っております。
○倉田委員 ちょっとこの場合はどうすればいいのか、私もよくわからないわけですけれども、今の御答弁の中では、まだその譲歩の内容等については具体的には公表できるような段階ではない、こういうことでございますか。
○川合説明員 私どもは、従来から主張している点を踏まえまして、この交渉に最大限の努力を投入していくということでございます。
○倉田委員 今の点はそのぐらいにしまして、次の点に進みたいと思います。
 いわゆるドゼウ・ぺーパーというのがございます。ドゼウ・ペーパーの、一段と言っていいのか二段と言っていいのかわかりませんが、一段、二段と分けて書いてありまして、一段の方で非貿易的関心事項というのは関税化の枠内で最大限の尊重をする、その趣旨のことが書いてございます。二段の方で個別交渉ということが書いてあるわけでございますけれども、農水省としては、この交渉強化のために採択をされたドゼウ・ペーパーというものに対してどのような対応、方針で臨まれるわけでございますか。
○川合説明員 ドゼウ・ペーパー、いわゆる議長テキスト案でございますが、これにつきましては輸出国寄りの面が強く、我が国のような輸入国の主張を明確に反映したものとはなってないという考え方を持っておりまして、さきの農業交渉グループ会合におきまして詳細に同テキスト案の問題点を指摘したところでございます。また、その他の国々からも、このテキスト案に対する問題点の指摘がなされております。
 今先生も御指摘のように、その結果、いわゆるカバーノートと言われるものと、それからそれに基づきます議長の締めくくり発言というものと一緒にこのテキスト案ができ上がっているわけでございまして、今後の交渉におきましては、先ほどお触れになりましたようにテキスト案は採択に至っておりませんので依然として案の状態のまま、しかも交渉の基礎ではなくて交渉を強化するための手段というふうに位置づけられておりますので、各国とも、当然我が国もでございますが、従来の立場を維持しつつ今後の交渉に臨むことができるというふうに考えております。
○倉田委員 農業交渉におきましては、それ以外にもさまざまの交渉が今なされておるわけでありまして、その主要な論点の一つとして、国内政策の中に、例えば我が国が主張をしております一定の規律の下に置くべき政策、青、赤、黄ということがあるのだそうですけれども、その黄色、これを選別する、価格支持、不足支払い等の政策だと理解をしておりますけれども、これは大体どのようなものがあるのかどうか、また総額どのくらいになるのか、この点。
 それから、もしこういうふうに国内農業政策の保護の削減の方向でこれから交渉が進んでいくとすれば、今申し上げました価格支持、不足支払い等も含めて、日本の農業政策というのは根本的にその面からもまた見直していく必要が出てくるのではないか。同時に、大臣も御発言になっておりますように、いわゆる足腰の強い農業、自立できる農業、これをつくっていくためには今の農業政策の見直しということも含めて考えなければいけないのではないかと思うわけでございますが、この点についてはいかがでございますか。
○鶴岡説明員 一九八九年四月の中間見直し合意におきまして、農業支持、保護の相当程度の漸進的削減が合意されました。それに基づきまして、各国からその削減方策が提案されているところであります。
 我が国といたしましては、従来から農業交渉グループ会合におきまして、農業の有する多面的な役割にかんがみまして、これら政策を撤廃することができないというような基本的な立場を堅持するとともに、今御指摘のように、ガット上、一定の規律のもとに置くべき施策については貿易に直接的な影響を与えるものに限定すべきであるというような立場に立ちまして、それに該当する施策としまして価格支持や不足払いが考えられる旨主張しているところでございます。
 その削減の対象につきましては、個別政策ごとではなくて、支持の総合的な計量手段、いわゆるAMSによるべきものである。さらに、削減につきましては、国内支持、国境措置、または両者の組み合わせのいずれかにより行い得るものであるというふうな提案をいたしておるわけでございます。
 その具体的な数値につきましては、予算そのものだけではなくて内外価格差を含めたものである、あるいは削減の対象となる品目をどうするのか等々具体的な内容につきましては、今後の交渉事項でもあります。それはまた、仮に前提を置いた計算をいたしましても数字がひとり歩きするというようなことは影響が大きいということで、数字を申し上げることにつきましては御容赦をお願いしたいと思います。
 いずれにいたしましても、先ほど来からお話がありますように、国内支持政策につきましては歴史的、経済的、社会的条件が国によって異なっておるわけでございます。各国とも農業の保護をやっているわけでございます。それにつきまして各国が協調して相当程度漸進的に削減するということになりましても、やはり機械的、一律的な削減ではなくて、農業生産の実情でありますとか輸出国と輸入国の有する諸条件の差等に配慮することが必要であろうというような考え方で臨んでいるわけでございます。今後とも我が国農業の維持発展に支障を及ぼすことのないよう適切に対応していきたいと考えております。
○倉田委員 大臣にもう一点お伺いしたいと思います。
 このいわゆる削減の方向みたいな交渉がなされている中で、先ほど私申し上げたわけでございますが、今の日本農業の政策のあり方、これから二十一世紀に向かっての展望、そういうところは大臣として見直し、あるいは展望みたいなものはどのようにお考えでございましょうか。
○山本国務大臣 基本的には変わりはありません。ただ、今度のガット交渉の状態なども十分踏まえながら、今官房長からもるるお話がございましたが、我が国の農業の持つ特殊事情、そして最終的には農村地域を守っていく、こういう精神にのっとってこれを具体化していくという方向でやってまいりたい、こう考えております。
○倉田委員 我が国農業の持つ特殊事情、例えば国土保全あるいは貯水能力、そういうことを盛んに議論をされておられますし、私もまたそのとおりだと思います。そういう観点から考えていきますと、議論をされておりますように、農業というものは決して経済的合理性のみでは割り切れないものがある。その部分を考えれば、単に足腰の強い、自立できる農業という言葉だけを押しつけてもどうなのかなという気を私は持っております。
 そこで、今盛んに国土保全あるいは貯水能力、水田、農業が果たしているこの面の役割を政府としても各国に主張をされておられますし、また農業保護の観点からも国民的な大きな世論となっているようでございます。
 そこで、私申し上げるわけでございますけれども、これは言葉としていわゆる国土保全や貯水能力、水田が果たしているこの役割だけを強調しておっても、実際に農業、水田を守られている方々にとっては、いわば腹の足しにはならないわけであって、この点を考えるならば、それだけ言うのであれば、いわゆる国土保全の評価あるいは貯水能力の評価、それぞれきちんとして、まあどの程度のことができるかわからないけれども、それ相応にこの機能に対して対価を払っていくことも将来的には考えていくべきではないか、私はこのように思うわけでございますが、この点については、大臣としてはいかがお考えでございましょうか。
○山本国務大臣 今回の私の五大臣会議の主張にも十分そのことは反映してまいった、こう思っておりますけれども、各国の特殊の農業事情、それから農業の持つ、我が国の場合には水田稲作ということが一つの大きな象徴的な事柄なんですけれども、これの持つ多面的な役割、こういうものを施策の中で展開をしていく必要があるという訴え方を随分してまいりましたが、その面に沿って進めてまいりたい、こう考えております。
○倉田委員 続きまして、価格形成の場の件でお伺いをいたしたいと思います。
 価格形成の場、これはさまざまな議論がされておるわけでありますけれども、もう一度確認をする意味において、価格形成の場の設置の趣旨というのを御説明いただきたいというふうに思います。
○浜口説明員 価格形成の場の設置の趣旨でございますが、自主流通米の価格の値決めについては、平成元年六月の農政審議会の報告におきまして「市場原理がより活かされる仕組み」とするという観点から提言をされているところでございます。これは、自主流通米が米流通の主体を占めるようになっている状況のもとで現在行われております協議会による値決めの方式が、透明性の問題についていろいろな指摘があることを踏まえまして、新しい仕組みのもとで産地銘柄ごとの需要向や品質評価を的確に反映した価格形成が行われる必要があるということに起因するものでございまして、これによりまして、消費者あるいは農家の方々に、この値決めが単に当事者だけの問題ではなくて、より見える形で実現することになりまして、需要に応じた米の生産、流通の一層の活性化が図られることになるのではないかと考えるものでございます。
○倉田委員 その考え方の中に、価格形成の過程において透明性、公開性を高めていく、こういうこともその中の一つとして入ってくるのだろうと思いますけれども、透明性や公開性を高める、これは具体的にはどのような手段で担保をしようとされるのでしょうか。
○浜口説明員 一つの大きな仕組みといたしましては、この取引の仕組みに関連いたしまして、第三者機関に設置される運営委員会の決議を得て決定をする、あるいは関係者に対して周知徹底を図る、さらに一般にこの値決めの手順あるいは価格形成が行われた部分について公表を図るということにおいて担保できるというふうに考えられるわけでございます。
○倉田委員 今御答弁の中にありました第三者機関としての実施機関、これは先ほどの議論の中で、どのような監督あるいは指導体制、その法的な根拠はどうなのかということを御議論ございましたけれども、一つは選任、予算、あるいはその始期、規則等々を大臣の承認事項とするというふうな御答弁でございました。これは監督という面に関してはそういう面から事後的にはできるのだろうと思うのですが、具体的な指導というと結局どういう形でできるわけでございますか。
○浜口説明員 具体的なこれに対する監督という点につきましては、今先生御指摘のような任命等々あるいは業務規程というようなことを通じて行われるところでございます。
 これの指導でございますが、一つは現実におきます価格の値決めにおきまして、食管制度は政府米の価格というものがございます。これにつきましては米価審議会の議論を得て行われるわけでございますが、今回の自主流通米の価格決定過程というのは、政府米と対比いたしますと、できる限り民間流通のよさを生かしていこうというところがございます。一方では消費者の方々の多様化する需要というものに対応すること、それから他方におきましては農家の方々が各地域における、いわゆる古い言葉で言えば産米改良というような御努力をなさってきていること、そういったことがより自主的な発揮でできるということでございますので、この指導というものについては十分慎重に行わなければいけないという反面もあるわけでございます。
 ただ、これまで御議論がありましたように、これはあくまでも食管制度の枠の中で行うということで、これについては先生御指摘のような監督の部分、人的な、理事、役員等の承認の問題であるとか業務規程における業務運営の問題であるとか、さらに事前におきましては年間の事業計画を提出していただいて、それにきちっと農林水産大臣の承認のルールを通じまして監督指導を行っていくこと、そういったことを発揮していかなければならないというふうに思っているところでございます。
○倉田委員 当事者のところでございますけれども、売り手としては二次集荷業者としての都道府県経済連、それからこの間もたしか御説明の中であったのではないかなと思ったのですが、指定法人たる全農、きょうの御答弁の中では二次集荷業者または指定法人、こういうふうなお話でございました。
 いただいた資料の中で、指定法人たる全農は一定の場合に取引に参加する、こういうふうな記述があったわけでございますけれども、この辺は具体的には指定法人も通常の形で参加をされるのか、あるいは記述にございましたように「一定の場合に取引参加」してこられるのか。もしそうだとすれば、その「一定の場合」というのはどのような場合を想定されておられるのでしょうか。
○浜口説明員 具体的には産地の品種銘柄、おおむね都道府県単位になっておりますので、一定数量以上流通しております産地銘柄については都道府県の区域の米を集荷していただいております二次集荷業者、先生御指摘の経済連を売り手とするのが適当であろうと考えているところでございます。
 具体的な一定数量ということでございますが、先ほど来御答弁申し上げておりますように、このことについては一応今の考え方といたしましては、まだ十分関係者の最終協議はできておりませんが、例えば県間、県内流通を合わせまして一万トン以上の流通を行っている銘柄ということでございまして、具体的に言いますと大体六十三ないし四ぐらいの品種銘柄になると思います。ちなみに前回、協議会方式で入札が行われておりますが、この場合でも約四十五の銘柄が入札取引という形で行われているわけでございます。
○倉田委員 まだ詰まってないのかもしれないのですけれども、その指定法人が一定の場合に取引に参加する場合というのも詰まってないということでございますか、今御答弁が漏れていたのじゃないかと思うのですが。
○浜口説明員 今の考え方は、それ以外の部分、一万トンといたしますと、一万トン未満の部分について指定法人が各地域の銘柄を委託を受けまして上場するということが反射的に出てくるということだと思います。
○倉田委員 どのくらいの数量を集めていくのか、乗せていくのかということについては先ほどから議論がございました。これも議論の中でありましたけれども、その数量自体をどのようにして集めるかということと同時に、これはいわゆる指標銘柄、価格形成の場として指標価格を形成するということであれば一通りの指標銘柄というのは集めてこなくてはいけない、こういうことになるわけでございますけれども、この指標銘柄をきちっと集める、これを担保していく具体的な手段というのは何か考えておられるわけでございましょうか。
○浜口説明員 上場する仕方でございますけれども、基本的には二次集荷業者あるいは指定法人等関係者の理解と協力を前提にしていくということだろうと思います。
 ただ、具体的におきましては、省令におきまして、現行の自主流通計画において都道府県別に上場予定数量というものを明記するということにしてはどうかと考えておるところでございます。もちろん、このやり方は現行の自主流通計画のルールを変えるわけじゃございませんで、現在指定法人が自主流通計画を作成をいたしまして農林水産省に承認を求めるという形になっておりますので、その間におきまして都道府県別の上場予定数量が明確になる、そういう手続をとりながら実際に行うということでございます。
 この場合、上場する銘柄につきましては、県間、県内流通を問わず、産地の品種銘柄別に、先ほども申し上げましたように例えば一万トン以上、一定数量以上流通しているものは上場していただくのが適当であろう、指標価格というものを形成していただくためにはそういうのが妥当であろうというふうに考えております。もちろん、それ以外の銘柄についても、二次集荷業者の方、経済連の方あるいは指定法人が上場したいという希望を持っているもの、特に新品種で、新しくこの価格は大体どういうところにランクづけられるものかということを考えられるときにはそういう場合が多いと思います。そういうこともあろうと思いますが、そういうものも上場可能としてはどうかというふうに考えております。
 いずれにいたしましても、関係者の御理解と御協力を求めながら円滑な上場の確保に努めていきたいというふうに思っておるところでございます。
○倉田委員 次に、取引の方法でございます。
 入札方式ということでございますが、この入札方式については適正な価格の形成が可能なのかどうかという疑念もあろうかと思いますし、また、この入札方式については当面というふうにたしか説明を受けたのではないかと思いますが、将来的にはどのようなことを考えておられるのかどうか、この点が一点。
 それから、例えば制度的に買い占めを防止するような法的なものを考える必要がないのかどうか、この点はいかがでございましょう。
○浜口説明員 入札方式につきまして、検討会報告では当面価格形成の仕方は入札方式だろうというふうな提起がなされております。これは、的確に反映された方式というものを現実の運営の中から決めていくことが必要だと思いますし、入札にかわるものは何かといえば競り等があるわけでございますが、従来協議会方式において入札取引が実施されているというようなことでもございますので、価格形成の場の出発におきましてはやはり入札方式が適当であろうというふうに考えているところでございます。
 具体的に、将来的にどうなっていくのかということでございますが、基本としてはこの取引の状況等から考えて大方やはり入札方式が妥当だというふうに思っております。取引方法について問題が生ずるとすれば、第三者機関の運営委員会において十分現実に即した検討が行われて改善の方策がとられるのではないかというふうに思っております。
 なお最後に、今の御質問の点の後半の部分でございますが、卸売業者の買い占めに対する防止施策ということでございます。多数の卸売業者の仕入れの安定を図る観点から、現行で卸売業者ごとに入札申込限度というものが設定されている実態にあります。そういったようなことを活用いたしまして、例えば過度な入札ということを避けるためにも、現行でも行っておりますが、過去の取引の実績の一・五倍といったものを考えて、それを枠として考えていくということも一つの考え方ではないかと思っているところでございます。
○倉田委員 最後の質問でございますけれども、この価格形成の場の将来的な展望でございますが、どのように発展をしていくことを予想されておられるのかどうか。例えば、自主流通米を全量ここで扱うみたいなことは考えておられないのかどうか、この点はいかがでございましょう。
○浜口説明員 検討会報告におきまして、取引数量について「当面は指標価格を形成するために必要な相当量(例えば百万トン程度)が取引されるように努める。」というふうな文言になっております。現実に私どもがスタートをしようとする実績でございますが、平成元年産におきましては二十万トンが入札ということでございます。
 そういった前提から考えますと、もちろん、これにつきましては数量が少なくスポット的な取引にならざるを得なかったという指摘もあるわけでございますが、この報告書の趣旨を受けまして、この考え方としては、先ほど来申し上げておりますけれども、全体で一万トン以上の流通を行っているものを対象にして行っていくのが現実的、妥当であろうというふうに考えているところでございます。
○倉田委員 質疑時間が終了いたしましたので、以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。
○亀井委員長 藤田スミ君。
○藤田(ス)委員 私は、まず最初に米の輸入自由化問題についてお伺いをいたします。
 先ほどの大臣の五カ国農相会議の御報告、私もしっかり聞かせていただきました。この場では、ヒューストン・サミットの経済宣言について一言だけお伺いをしておきたいと思います。
 ヒューストン・サミットの経済宣言を見ますと、「我々は、高度の個人的な関与を維持するとともに、本交渉の結果が成功を収めることを確保するために必要な政治的リーダーシップを発揮する所存である。」こういうふうにしているわけでありますが、これは、日本で言えば海部総理がリーダーシップを発揮してウルグアイ・ラウンドを成功させるために米問題に決着をつける、こういうふうにも言えるわけでありまして、その内容は極めて重大なものを持っているというふうに考えるわけであります。
 来月、海部総理が訪米をし、日米首脳会談を行うと伝えられておりますが、大臣はこの総理に対して、来月の日米首脳会議にどのようにコミットしていかれるのか、明らかにしていただきたいと思います。また、経済宣言をどのように評価していらっしゃるのか、お聞かせください。
○山本国務大臣 お答えいたします。
 今先生から日米首脳会談、こういうお話でございますが、これは多分来月の下旬に米国で開催されます世界子供サミット、こういうのがございまして、そのときに海部総理が行かれた場合にその可能性があるかどうか、こういうことで、極めて不確定でございまして、まだ実はその日程などについても何も決まっておらないという今日でございますので、御質問に正確にお答えすることはちょっと難しい、こう思っております。
 それから、後段のヒューストン・サミットのウルグアイ・ラウンドにかかわる問題でございますが、これは、ウルグアイ・ラウンド交渉は成功させたい、そしてそのためには農業交渉の成功が非常に重要なことであるということで各国首脳の認識が一致しまして、経済宣言の中にそうしたことが盛り込まれたというふうに思っております。このウルグアイ・ラウンドの成功ということにつきましては、再三申し上げたとおり、我が国でもその主張をずっとやってまいりました。この間の五カ国の農相会議でもそれを前提に私から発言をしておるということを申し添えたいと思います。
 また、これも先ほど来出ておりましたが、その宣言の中で、我が国がかねがね主張しておりました農業交渉の中で、食糧安全保障を考慮する枠組みの中で行われる、こういうことが明記されたことは非常によかったというふうに評価をしておる次第でございます。
○藤田(ス)委員 私は米の全国調査の一環として、実は大阪の消費者団体と懇談をしたわけであります。そこで出された話はとても貴重なものでありました。
 一つは、IPCC、気候変動に関する政府間パネルですが、そこで明らかになった地球環境における温暖化によって世界的な食糧貿易が深刻な影響を受けることが明確である以上、日本の食糧自給率を上げることが不可欠であり、その点からも米の輸入自由化は認められない。もう一つは、消費者の権利として、生存に必要な物資の安定的な供給を受ける権利として、そして安全を求める権利に基づいて米の輸入自由化に反対をする、こういうものでありました。
 今、米の輸入自由化攻撃が消費者の利益を名目にされているときに、消費者自身は農民のためということではなく、消費者自身のために米の輸入自由化に反対をしてきているわけであります。このことはとても大切なことだと私は思うのです。したがって、大臣はもっと積極的に消費者団体と米の輸入自由化問題で懇談を進め、米輸入自由化反対の大きな世論形成に立ち上がられるべきではないか、こういうふうに考えますが、いかがでしょうか。
○山本国務大臣 先生の御指摘のとおりだというふうに考えております。
 先ほど来答弁でも申し上げましたけれども、今度の五カ国農相会議でも、ヤイターさんの方から最後の課題で、事米に関して日本の国民の動向が変わってきているのではないか、こういう指摘がございまして、先ほど答弁したとおり、私が一番よく知っているということで申し上げたわけでございます。
 私は、現在非常に厳しさを増しております国内外の農政の担当者といたしまして、特に生産者はもとよりでございますけれども、使っていただく、食べていただく消費者の御意見は非常に大事だというふうに常々思っておりまして、この動静につきましてはテレビであれ新聞であれあるいは口コミであれ、どなたの御意見でも必死で聞いておるというふうな毎日でございます。
 これから先も、先ほどこれも申し上げましたが、国民世論というものは国会に集約をされているわけでございますから、国会決議というものを土台にいたしまして、そして今先生のおっしゃったような大阪の方々の御意見、これは人のためじゃないのだ、消費者自身の命と健康のためなのだ、こういう趣旨のお話がございまして、我が意を得たわけでございますが、地婦連とか主婦連でも同じようなデータも出ております。これらをしっかり踏まえて、今後とも頑張ってまいりたいというふうに考えております。
○藤田(ス)委員 それでは、価格形成の場についてお伺いしたいと思います。
 今回の価格形成の場の問題について、私どもも全国九カ所に及ぶ米の調査の中で、各県農協中央会や多くの農業関係者からさまざまな意見を聞かせてもらいました。深刻な懸念が表明されているわけであります。
 生産者が最も心配をしているのは、この自主流通米取引所が設置された場合、現在でも激しくなっている産地間競争が一層激化して、これが単位農協間、さらには集落間にまで発展をし、農協の基本原則である協同組合原則が成り立たなくなるのではないかという点であります。二つ目は、産地間競争が激しくなれば生産調整のコントロールの機能が失われ、結局は不人気な米しかできない産地が自然淘汰されることにならないか。三つ目は、政府買い入れ価格も市場実勢に応じて変動することにならないか。この点について農水省はどうお考えでしょうか。
 さらに、米の流通業者に対しても深刻な打撃を与えようとしています。
 今回の自主流通米取引所の設置によって自主流通米の価格の変動が生ずるわけでありますが、大阪の食糧事務所は、消費者には転嫁できないから米流通業者全体で価格変動のリスクを負うべきだとの見解を示したわけでありますが、その点についてどうお考えでしょうか。
○浜口説明員 先生の御指摘の方の最初の三点でございますが、一つは協同組合原則を揺るがせるのではないかということでございます。この点につきましては、現行の米の流通の中で、食管制度の中では、政府米と自主流通米の二つの対応という形で、新しい消費者の多面的な需要にも応じるような仕組みを現実に展開をしてきているわけでございます。
 この自主流通米の取引におきましては、現行の自主流通協議会方式にかえまして、売り手、買い手の間でより競争原理が働く、さらには透明性等が確保される価格形成の仕組みをつくっていかなければならないというふうに考えておりまして、さらに産地の品種銘柄ごとの需給の動向や品質の評価が価格に的確に反映されまして、取引の指標価格が形成されることを目的とするものであります。
 この場合に、協同組合の原則を揺るがせるのだというお話がございますが、これはあくまでも経済連が主体になっていくということでございまして、決して協同組合原則といったものにもとるということではないというふうに考えております。現に、具体的な県内流通等々ごらんになられても、そういう形で県内流通あるいは経済連主体の動きというのが実体的に動いているというふうに我々は認識をしているところでございます。
 さらに、この点につきまして生産調整に影響があるということでございますが、私どもは生産調整の中でもいろいろ各地域においてそれぞれの良質米の生産等々を実績にして考えておりますけれども、具体的に申し上げまして、水田農業後期対策の期間中、転作目標面積八十三万ヘクタールとしまして、地域的にも原則期間中の固定をしているという状況でございます。そういうような意味で、生産調整の崩壊とかそういったようなことはないというふうに考えております。
 また最後に、価格の場合に、一方で米価審議会に基づきまして定められております政府米につきましては、これはあくまでもそういう食管法に基づきまして定めることでございまして、市場原理等を発揮されます自主流通の価格といったようなものに影響を受けるということではございませんで、あくまでもこれは下支え的な機能になっていくだろうと思います。
 なお、卸売間のお話がございましたが、私ども大きなリスクヘッジのためにいろいろな卸の中で危険負担を負うという、先ほど先生の話によると大阪の事務所の者がそういうお話を申し上げたと思っておりますが、私どもは昨日来会議を持っておりますが、そういう話はないわけでございまして、もちろんその中での卸と小売との段階についてのいろいろな問題が出てくることは事実でございましょうけれども、それはあくまでも具体的な的確な価格が反映された形でそういったものが消費者価格にも適切に反映していくということがこの価格形成の場のねらい、そういうふうに考えているところでございます。
○藤田(ス)委員 私は十五分しか持ち時間がないのです。もうあと二問どうしても質問しなければなりませんから、言いわけをしないで的確に答えていただきたいのです。
 我が国最大の米卸商の大阪第一食糧事業協同組合も、五%の価格変動リスクを企業努力で吸収することは困難だと明確に指摘をされているわけです。それならばどうするか。米卸商は米小売商に対して価格変動をそのまま押しつけるのか、従来以上に低価格米の混米比率を引き上げて消費者に実質的な価格変動リスクを負わせることによって生き残るのか、この二つしかないわけです。それは卸売業者あるいは米小売業者の経営に打撃を与えるだけでなく、消費者に透明感を持たせると言いながら、ますます混米の複雑さ、格上げ混米をさらにふやす可能性もあり、米に対する不信感を拡大する問題が大きくつきまとってくるだけじゃありませんか。この点についてお伺いをしたいわけです。
 こういうふうな価格変動が起これば当然そのリスクヘッジを要求してくる、これは資本主義の流れとして当然のことです。私は大阪の穀物取引所を訪問したのです。既に米の上場に備えて検討を進めている、こういうことも確認してきました。いよいよ堂島の復活か、こういうふうに思わざるを得ないわけですが、今回の自主流通米取引所はそのためのアリの一穴というようなものと言えないでしょうか。この二点についてお伺いをいたします。
○浜口説明員 この価格変動の値幅制限は、一つは、食管制度の趣旨に基づきまして大きな変動が出てくることを抑えていこうという一つの上限を規制するものでございます。したがいまして、当然にその上限までこの価格が変動するという前提でいくということについては、そういうふうにお考えの点についてはいささか問題があろうと思います。
 現実におきまして、全体の需給というものを生産調整の枠で決めているわけでございます。豊作あるいは不況、不作といったような変動がございます、自然的な変動はございますけれども、できる限り安定的に供給するという形で需要を限定していこうということでございますので、私どもは、値幅制限というのは一つの上限を抑えたものであり、安定的に供給されるという点についてはそう大きな変動はないというふうに確信をしているものであります。
 そういう意味におきまして、ではリスクヘッジというようなことからいろいろな意味で先物とかなんとかということが言われておりますが、この検討会報告においても明言をしておりまして、この値幅制限あるいは全体的な量の上から先物は不必要だ。そういう意味で私どもは、言葉はなかなかなじんでおりませんが、取引所とかあるいは正米市場というような言葉を注意深く避けておりまして、価格形成の場が立派に機能いたしまして、より見える形、消費者の方あるいは生産者の方に見える形で価格が決定されることを願っているところでございます。
○藤田(ス)委員 私の質問はもうこれで最後にいたしますが、しかしあなた方が否定されても、あなた方自身入札は当面だ、将来は競りだ、こういうようなことも先ほどの御答弁の中で言っていらっしゃるわけです。投機があるから価格変動があるわけではないのです。価格変動があるから投機があって先物取引が必要になる、こういう流れになっていくじゃありませんか。自主流通協議会と大して変わらないんだというようなことをしきりに繰り返していらっしゃいますけれども、しかし、米の生産と流通、食管制度の仕組みに重大な影響を与えるものになることは言うまでもありません。だから産地も反対をし流通業者も反対をしているのです。それでも政府がこれを強行するというなら、それは、このことによって米流通の部分管理化から食管制度の解体方向へ拍車がかかり、食管管理費の一層の削減を進め、またこの取引所の価格競争原理によって不人気な米しかできない産地を自然淘汰させ、米の減反も減反補助金なしで実現させて農業予算の削減を行う、さらには競争原理の導入によって米の輸入自由化の下地をつくってしまう、そういう構想の本質をみずから暴露することになりはしませんか。私は、このような米取引所の設置については直ちに撤回をするべきだ。いわんや、今本当に国を挙げて米の輸入自由化阻止のために全力を挙げなければならない、そういう体制をつくらなければならないときです。そういう重大な局面の中で、これまた内においてはこういう大事な問題がわざわざこの時期に出されるということに、私は重ねて抗議をしておきたいと思います。
 最後に大臣の御所見をお伺いして、終わります。
○山本国務大臣 食管制度新時代に即してこれを生かしていく、こういう願いを込めてこれを提案しておるわけでございます。国民各層の世論というものも非常に高まっておりますので、けさ以来いろいろ御注意等もございましたが、食糧庁長官からるる御説明した線に沿いましてぜひ進めさせていただきたい、このことをお願いする次第でございます。
○藤田(ス)委員 終わります。
○亀井委員長 阿部昭吾君。
○阿部(昭)委員 大臣、この間の海外出張で大変御苦労されました。
 そこで、この間農村の青年の皆さんがこういうことを言っておるのであります。前の佐藤農水相のときに、牛肉・オレンジ、これは絶対やらぬ、彼は二回もアメリカへ行って、そのたびにだめだ、しかしいつの間にやら自由化になってしまった。その影響が間もなくじわじわと出てくる、出てきつつある。今度の米の問題もちょうどあの牛肉・オレンジのようにならぬのであろうか、こういうことを村の青年たちが集まると言う。私はそれは若干違う、あのときと今とで違うのは、自由化はだめだというふうに国会における決議がある、その立場の上に立って山本農林水産大臣が陣頭で頑張っておるわけで、この山本大臣が頑張っておるのを海部さんが出かけていってひっくり返すなんということはできない枠組みなんだ、こう言っておるのです。山本大臣は、今私が言ったようなことだろうと私確信しておるのでありますが、この間大変御苦労された。しかし、新聞は残念ながら何か山本大臣は隅っこの方に追い込められておるような書きっぷりばかりするわけですけれども、私なりにはまあなかなかよく頑張られたというふうにも思っておるのであります。私が農村の青年の皆さんにそういうことを言っておるというこのこと、大臣は全く同じ認識だろうと思うのでありますが、お考えを聞いておきたいと思います。
○山本国務大臣 先生のおっしゃったとおりの認識でございます。全く一致しております。
○阿部(昭)委員 そこで、価格形成の場――私は昭和一けた人間なんであります。昭和の初期、戦時中、あの時代を私は生きてまいりました。したがって、東京・深川の米相場や大阪の堂島の米相場などのことも、私もあの当時まだ随分幼かったのでありますけれども、非常に印象の中に残っておるのであります。今度の価格形成の場とおっしゃる、言葉は大変選んで使っておるとおっしゃるのでありますけれども、この一年ほどの間、農林省はなかなか頭がよくて、価格形成の場なんて舌をかむような妙な名前を発明してきた。しかし、田舎じゃ全部これは正米市場という話が去年あたり随分言われておったのです。この市場、価格形成の場というのはやはり食管法を改正してやらなければできないものじゃないかというのが私の認識なんであります。食管法の枠内で今のようなやり方というのは大変に綱渡りみたいなことをやらなければできないのじゃないかというのが私の認識なんであります。同じような思いを持っておる人は、全国の農村のリーダーの中に非常に多いのであります。
 まず一つは価格幅の問題で、昔の深川の米相場や堂島の米相場とは違う、それはわかるのですよ。ああいう米相場、米市場と違うのだ、食管法でちゃんと歯どめをしておるのだというふうにもっと明快に言い得るものは、私の認識では幅だと思いますよ。幅をある程度絞っておくということなんですけれども、ほかに今回のこの制度で、地方でだんだん食管は崩されるな、骨抜きだなと言っておることに、違うと言うことのできるのは幾つぐらい挙げられるでしょうか。
○浜口説明員 明確に一つ申し上げますと、関与する人たちがこの食管法に基づいて限定をされているということです。したがいまして、これは投機、先物の対象にならないということだと思います。食管法の枠の中でやっていこうということでございます。
 それから、私も先生と同じように、先生に比べますと少し若い昭和の一けただと思いますが、正米市場と先生おっしゃいましたけれども、正米市場は皆さん記憶の中に漠としたものがありまして、私の調べたところによりますと、これは卸と小売の間の取引なんです。したがいまして、俗に皆さん、正米取引と言いますと、いわゆる米市場というものを頭に観念的に置きますが、我々の中には、食管法が生まれて四十数年になりますが、そういう実態もやはりぼやけてきている。形の上で、頭の中でということでございますと、取引所というのは、繰り返すようでございますが、やはり先物とかあるいは関与する人たちがかなりオープンになったということでございましょうか。ここはやはりきちっと食管法に基づきまして、卸も許可制、都道府県知事のもとに置かれますし、やはり流通の方は農林水産大臣の認可という形で特定をされる、そういうもとで流通が規定されているというのが食管制度の一つの大きな規制だというふうに思っているところでございます。
○阿部(昭)委員 終わりますが、大臣、これ、私は大変心配しております。恐らくこの両三年の間に今日の自主流通米市場、いろいろな、今でも相当の変動があります。一般のマル政米に比べて自主流通米は若干割高になっておるわけです。この割が相当がたがたにやっていく、こういう流れになっていくだろうと思うのであります。そのことは、米どころが全部崩壊をしていくということにつながるのですよ。したがって、この今の価格形成の場の運営ということについては、相当やはり食管法の枠組みというものを踏まえたしっかりした運営をやらないと、米などのように割の合わぬ農業というのは全部崩壊しますからね。このことだけ十二分に警告申し上げると同時に、心してもらいたいということを申す次第であります。
 以上で終わります。
○亀井委員長 本日は、これにて散会いたします。
    午後四時十五分散会