第118回国会 運輸委員会 第3号
平成二年四月十八日(水曜日)
    午前十時一分開議
 出席委員
   委員長 田名部匡省君
   理事 岡島 正之君 理事 亀井 善之君
   理事 鴻池 祥肇君 理事 佐藤 敬夫君
   理事 森田  一君 理事 左近 正男君
   理事 山中 末治君 理事 草川 昭三君
      関谷 勝嗣君    平泉  渉君
      藤井 裕久君    三塚  博君
      宮崎 茂一君    山村新治郡君
      赤松 広隆君    上野 建一君
      緒方 克陽君    小林 恒人君
      常松 裕志君    速見  魁君
      浅井 美幸君    北側 一雄君
      佐藤 祐弘君    高木 義明君
 出席国務大臣
        運 輸 大 臣 大野  明君
 出席政府委員
        運輸大臣官房国
        有鉄道改革推進
        総括審議官   大塚 秀夫君
        運輸省国際運輸
        ・観光局長   宮本 春樹君
        運輸省地域交通
        局長      早川  章君
        運輸省地域交通
        局陸上技術安全
        部長      松波 正壽君
        運輸省貨物流通
        局長      寺嶋  潔君
        運輸省海上技術
        安全局長    石井 和也君
        運輸省海上技術
        安全局船員部長 田辺 淳也君
        運輸省港湾局長 御巫 清泰君
        運輸省航空局長 丹羽  晟君
        海上保安庁次長 野尻  豊君
 委員外の出席者
        科学技術庁原子
        力局核燃料課長 結城 章夫君
        外務省国際連合
        局原子力課長  貞岡 義幸君
        労働省労政局労
        働法規課長   山中 秀樹君
        建設省建設経済
        局建設業課長  木下 博夫君
        参  考  人
        (日本鉄道建設
        公団総裁)   岡田  宏君
        参  考  人
        (日本国有鉄道
        清算事業団理事
        長)      石月 昭二君
        参  考  人
        (日本国有鉄道
        清算事業団理
        事)      荘司 晄夫君
        参  考  人
        (東日本旅客鉄
        道株式会社取締
        役)      内田 聰吉君
        運輸委員会調査
        室長      長岡日出雄君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 参考人出頭要求に関する件
 日本国有鉄道清算事業団の債務の負担の軽減を図るために平成二年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案(内閣提出第二九号)
 船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第三〇号)
 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東運輸局埼玉陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件(内閣提出、承認第一号)
 陸運、海運及び航空に関する件等(運輸行政の基本施策)
     ────◇─────
○田名部委員長 これより会議を開きます。
 陸運、海運及び航空に関する件等について調査を進めます。
 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
 陸運に関する件について、本日、参考人として日本鉄道建設公団総裁岡田宏君、日本国有鉄道清算事業団理事長石月昭二君、同理事荘司晄夫君、東日本旅客鉄道株式会社取締役内田聰吉君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○田名部委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。
    ─────────────
○田名部委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。速見魁君。
○速見委員 私は初めての国会質疑でありますから、要領を得ない点があるかと思いますが、先輩委員、当局者の御寛容をお願い申し上げまして質問いたします。
 まず、大臣に運輸行政の基本姿勢についてお伺いいたします。昨日の所信表明でもありましたように、今日の陸海空とも大型化、高速化されたとはいえ、今日の日本の経済の礎をつくったことは間違いないと思います。その反面、一極集中の都市化現象も起き、そのひずみに中小都市の低迷、そして取り残された町村が過疎化されつつあることも事実だろうと思います。
 そこで、次の事項についてお伺いをいたします。
 一つは、地方の中小都市は、都市交通機関の発展により逆に交通渋滞、交通事故の多発、そして国民生活に著しく影響を及ぼしていますが、それに対する対応策について。
 二つは、離島空港の開発は住民の利便性に大きく寄与しておりますが、採算性あるいは住民や地方自治体に負担をかけております。離島空港に対する財政援助をより充実させるべきだと思いますが、この点について。
 三つ、海上交通もジェット化時代を迎えてまいりました。今日の規制は日の出、日没と聞いておりますが、住民のニーズはやはり夜間航行も非常に高まってきております。運航方法など研究、対策を考えてはどうかと思いますが、その点について。三点お伺いをいたします。
○早川政府委員 最初に、都市交通と申しますか、地方の中小都市の交通混雑あるいはそういったものに対する対策の御質問がございました。
 先生御指摘のとおり、三大都市圏というところでは公共輸送手段、JRあるいは私鉄、地下鉄等の整備が進んでおりまして、これはデータは平成元年でございますが、自家用車による輸送人員というものはシェアでおよそ三〇%にすぎませんが、それを除く都市につきましては、自家用車による運送の比率というのはおよそ七〇%弱という数字になっております。特に、通勤通学というものと都市規模との関係を見てみますと、例えばマイカーによる通勤は、人口二十万ぐらいの都市でございますと四〇%ぐらいがマイカーによっているというような形で、東京等のわずか一〇%弱というような数字に比べては非常に大きなウエートになってきておる。これによりまして交通渋滞等が非常に道路等に発生いたしておりまして、バスの表定速度というようなものも、ちょっと古くなりますが、昭和三十五年度から六十三年度までの間で、例えば秋田市、徳島市等は、およそ三〇%から四〇%バスの表定速度が落ちている、こういうような実態になってきているわけでございます。
 こういった点に対しまして運輸省といたしましては、従来からも関係の行政機関、警察とか道路管理者の方にお願いいたしまして、バスの優先レーン等を整備させていただきながら、バス事業者の側におきましても、ドアが広いとか床が低いとか、冷房化した車を用いるとかあるいはバスの接近表示装置を使ってもらうとかいう形で、なるべくバス利用、バス離れがないように対策を講じていただくようにお願いをいたしております。
 また、運輸省自身、ちょっと金額は少のうございますが、年間で二億七千百万円という数字でございますけれども、バス交通活性化補助金というのを設けておりまして、これによりまして、自分で関係方面といろいろ話しながらこういうバスの円滑な運行を確保していくような手段を講じたいというような事業所がございました場合には、それぞれ補助金を出す等の措置を講じまして、バス等の公共輸送手段に極力乗っていただくような形のものを地方都市の対策として講じてきているところでございます。
 このような措置によりまして具体的に実施をいただきました地域では、バスが数%から二〇%程度のスピードアップになっているという実績もございますので、今後我々といたしましてはその辺を十分考えながら一層充実した施策を講じていきたいと考えておるところでございます。
○丹羽政府委員 先生の御質問の第二点目、離島航空の問題につきましてお答え申し上げます。
 現在、離島航空路線は、離島住民の足としまして生活に密着した交通機関の役割を果たしておりますが、この離島に就航しております路線を経営しております就航企業は、現在幸いにしまして活発な航空輸送需要がございますので、それに支えられておおむね黒字経営というところでございます。それで、企業経営としては、企業全体としての離島路線の維持、こういう形をしております。
 それで、その状態の中で国といたしましては、従来から着陸料の減免というようなことをやっておりますし、地方公共団体は固定資産税の減免ということの助成、あるいは長崎県などは路線補助のようなこともやっておりますが、これらの助成を受けまして航空企業自体も、みずからの経営努力というんでしょうか、合理化努力をやって、それでその三者が相まってその路線の維持という形になっております。
 今後とも、国と地方公共団体と航空企業のそれぞれが離島路線の維持のための必要な役割を果たしていくべきであると思っておりますし、私ども国の方といたしましても、今後離島における航空路の維持を図るための施策をさらに検討していきたい、かように考えております。
○石井(和)政府委員 現在、ジェットフォイルなどの、特に高速で特殊な航走形態をとる船舶につきましては、障害物の視認の困難な夜間の運航の危険を回避する観点から、夜間の翼走を行わないことにしております。しかしながら、近年海上交通の高速化に伴いまして、ジェットフォイル等の高速船の夜間運航についての社会的要請が高まる一方、暗視装置等の高速船の夜間航行のために利用可能な設備の開発が進んでおることにかんがみまして、現在関係者から成る検討委員会におきまして運航体制、航行方式、船舶の設備等の対策の検討及びその安全性の評価を慎重に行っているところでございます。
○速見委員 それでは、次にプルトニウム輸送の護衛船問題について質問いたします。
 まず初めに、外務省からも御出席願っておりますので、外務省に質問をいたします。
 新日米原子力協定の国際輸送指針では、航空輸送の場合、墜落にも健全性を有する容器の使用となっていたのに、今回改定されました海上輸送では容器には触れず、「海上における積荷の移動を防ぐ」措置と改定されていますが、容器については関係ないのかどうか。また、この「積荷の移動」とは一体何なのか、お答え願います。
○貞岡説明員 速見先生御質問の一点目でございますが、先生御指摘のとおり、プルトニウムの海上輸送の指針については輸送の容器についての規定はございません。しかしながら、上記の指針を作成しました際、日米間で文書を交わしております。そこでは、海上輸送につきましては国際海運危険物規定、それから国際原子力機器の輸送規則、これらの適用可能な条項において勧告された要件を満たすという規定がございます。したがいまして、海上輸送の際の輸送の容器については、先ほど申し上げました国際海運危険物規定、それから原子力機関の輸送規則、これに従って行われることとなります。
 それから先生御質問の二点目でございますが、「積荷の移動」でございます。これは輸送中のプルトニウム、それからそれを入れております輸送の容器、それをクレーン等によって所定の場所から物理的に移動させることをいっております。先生がおっしゃられました附属書の五の趣旨でございますが、万一盗取とか奪取等があった場合に輸送の容器を防護する、そういう観点からハッチの開閉装置それからクレーン等の作動を不能にする、そういう措置を念頭に置いております。
 以上でございます。
○速見委員 それでは確認をいたしておきます。
 今のお答えでは、例えばシージャック、要するに核ジャックを想定をした防護措置、こういうぐあいに解釈していいですか。
○貞岡説明員 先生御指摘のとおり、海上輸送には万全の防護措置、安全装置を講ずるものでございます。これはおっしゃられますとおり、核物質、プルトニウムの奪取等を万一の場合には想定して対処するものでございます。
○速見委員 答弁は私の質問に簡単に明瞭にひとつ願いたいと思います。
 それでは次に、海上保安庁に質問をいたします。
 一つは、海上保安庁がプルトニウム輸送船を護衛する任務につく法的根拠について。
○野尻政府委員 プルトニウム海上輸送の護衛は、盗取や妨害行為を予防し、輸送船やその積み荷を十分に防護することを目的としたものであります。これを言いかえますと、海上における犯罪の予防及び鎮圧を目的としたものでございます。
 海上保安庁法の第二条におきましては海上保安庁の任務といたしまして、「海上における犯罪の予防及び鎮圧、」そのほか海上における安全の確保を定めております。そうした観点から、これに当たる行為としてプルトニウム海上輸送の護衛を行うものでございます。
○速見委員 それでは第二条の「海上における犯罪の予防及び鎮圧、」これは第二条では一つの原則を決めておりますが、第五条の海上保安庁における具体的な所掌事務、この中では第何号に属しますか。
○野尻政府委員 海上保安庁法の第五条には所掌事務を定めておりますが、この所掌事務の規定というのは海上保安庁の通常の業務を列挙したものでございまして、任務を限定したものではございません。
 そこでプルトニウム海上輸送の護衛が、今申し上げました庁法の第五条に規定する所掌事務のうちのどの事務に該当するかという御質問であろうかと思いますが、強いて言えば、十四号、十五号、二十八号の事務に該当するというように考えております。
 ちなみに十四号というのは「海上における暴動及び騒乱の鎮圧」、十五号は「海上における犯人の捜査及び逮捕」、二十八号は「前各号に掲げるもののほか、第二条第一項に規定する事務」、こういうふうに規定されております。こういった規定、これらを総合的に読むこととなると思います。
○速見委員 そこで、ちょっと具体的に質問いたしたいんですが、ここに海上における暴動及び騒乱鎮圧に関する事項ということは、具体的に海上において暴動及び騒乱が起こった場合にこの任務につく、これがそうなろうかと思うのです。今度の場合、暴動、騒乱が起こっておるという状態でもないし、そういう予見をする状況の中でない。これを護衛という状況の中では一体どのように解したらいいんですか。私はやはりそこら辺が、第二条は一つの所掌事務を決めておるわけでありまして、次のことをやるという具体的な事例の中では、これは明らかに護衛と「暴動及び騒乱の鎮圧」とは違うと思いますけれども、その点はどうですか。
○野尻政府委員 今回海上保安庁が担当いたしますプルトニウム輸送の護衛というのは、先ほど申し上げましたように、プルトニウムが輸送途上におきまして盗取あるいは妨害行為が起きないように予防するということも当然でありますが、さらにまた、万一盗取あるいは妨害行為が起きた場合に、それを鎮圧するということもこの任務であろうというふうに考えております。
 今先生が御指摘になられました庁法五条の十四号あるいは十五号の規定については、確かに、例えば十四号につきましては「暴動及び騒乱の鎮圧に関すること。」というふうに書いております。海上保安庁が任務としておりますプルトニウム輸送の護衛の一部として鎮圧ももちろんございます。しかし、予防についてはどこで読むのかということでございますが、この条文についてほどの規定にも予防ということはございません。強いて言えば、十四号にいいます「鎮圧に関すること。」ということに読むことになろうかと思いますし、あるいはまた二十八号で、先ほど申し上げました第二条、任務に関する規定でございますが、この二条一項に規定する事務ということで読むことになろうかと思います。
○速見委員 むしろ私は、海上保安庁法の精神というのは、この第十三号の「沿岸水域における巡視警戒」、これが本来の任務じゃないんですか。今までの海上保安庁が、それぞれ海難救難だとかそういうものに出動しておる状況について知っておりますけれども、具体的に一般論として海上保安庁の巡視船がこの海域を警戒をする、そのことは日本の領海における巡視、すなわちこの第十三号の「沿岸水域における巡視警戒に関すること。」これが本当の海上保安庁の任務じゃないんですか。
○野尻政府委員 庁法第五条十三号に言います巡視警戒、この規定は一般哨戒に関する規定というように私ども理解しております。したがって、この一般哨戒というのはこういったいわゆるパトロールですが、我が国の沿岸水域において通常の業務として行われるという観点から規定されているものでございまして、今回のプルトニウム輸送というような特殊な業務についての規定ではないというように理解をしております。
○速見委員 そうであれば、この海上保安庁法第五条の十七の二「国際緊急援助隊の派遣に関する法律(昭和六十二年法律第九十三号)」、これが新しく追加されておりますけれども、これを追加をした理由はなんですか。
○野尻政府委員 今御指摘の十七号の二というのは、国際緊急援助隊の派遣に関する法律、これは昭和六十二年に成立、施行された法律でありますが、この法律に基づく国際緊急援助活動に関することということでありまして、いわばこの法律に基づいて行う業務でございます。したがいまして、プルトニウム輸送の護衛問題とは直接関係ないというように理解していただきたいと思います。
○速見委員 私はプルトニウムの輸送と関係があると言っているのじゃないのです。したがって、国際緊急援助隊の派遣に関する法律は、この目的はこう書いてあります。「この法律は、海外の地域、特に開発途上にある海外の地域において」云云、こう書いてあるのです。すなわち、今私が言いました十三号では、沿岸水域を守る、こうなっておる。そして、そういう状況であるので海外に出動する、要するに領海内から海外に出動する、そういうための法律ができたために、要するにそれを根拠に、海上保安庁としてそうする根拠法規としてこの十七の二というものを挿入した、私はそう解するんですよ。
 そうしますと、当然このプルトニウムの海上輸送なんて今まで想定したことのなかった状況じゃなかったのか。そうであるとするならば、新しくプルトニウム輸送、しかもフランス、イギリスから持ってくるわけでありますから、地球を半周する状況にあるとするならば、相当はっきりそういうものを明記しなければ、現在の海上保安庁法の解釈の中だけでは、私はプルトニウムの護衛というものを、しかも武装をして護衛するわけですから、そういう根拠にはならぬと思いますが、いかがですか。
○野尻政府委員 海上保安庁法二条に言います「海上における犯罪の予防及び鎮圧、」この場合の海上ということにつきましては領海、日本の領海あるいは日本の沿岸水域といった限定されたものではなく、公海一般に及ぶものというのが従来からの解釈でございます。
○速見委員 ちょっと時間がございませんから……。
 私は、今の答弁では実は納得できません。というのは、先ほど申し上げましたように、十七の二を挿入したのも、実はそういう海外援助という状況の中で海上保安庁の船が出動する。そういうことをわざわざ十七の二に挿入した根拠というのは、やはり海上保安庁の船を海外、特に領海外に出す場合の条件を満たすためにこの法律が決められた、このように私は解するわけであります。
 それともう一つは、海上ということ。海上ということだけで地球上のどこの海上でも巡視船が出ていける、しかも特定の任務を持っていける、こういう解釈は余りにも拡大解釈だと思うのであります。要するに平和憲法九条を拡大解釈をしてそれぞれ自衛隊をつくり、そういうような形の中でやったものと同じように、海上保安庁の船が、しかもプルトニウムという危険性のある輸送船を護衛するがためにそこに出ていくということについては、法的解釈としては納得できません。これは後日また委員会の中でひとつ論議をさせていただきたい、このように思いますので、しかるべく委員長の方で取り計らいをお願いいたしたいと思います。
 それでは、質問がちょっとこの問題で長くなりましたので、質問通告をしておりましたけれども若干外しまして、まず一つには、護衛船の武装ということになっておりますが、武装の内容、そしてその武器の使用についてはどういう状況を想定をして武器の使用を認めるのか、この点についてお伺いいたします。
○野尻政府委員 護衛巡視船の武装でありますが、これにつきましては、現在就役しておりますヘリコプター二機搭載型巡視船程度のものを考えております。
 具体的には、護衛業務に必要な装備といたしまして、三十五ミリ機関砲及び二十ミリ機銃を性能を強化いたしまして複数装備することとしております。
 また、こういった武器をどういう場合に使用するのか、こういう御質問でありますが、テロリストの武力攻撃等急迫した危険がある場合に使用するということにしております。
○速見委員 その武器を使用する場合の法的根拠は何をもってやるのですか。
○野尻政府委員 警職法の七条でございます。
○速見委員 これも、警職法七条の問題についてはいろいろ解釈がございますが、これまた論議は後に譲りたいというぐあいに考えます。
 保安庁、最後に、護衛船の一往復の経費並びに予定される護衛回数、これについてお尋ねいたします。
○野尻政府委員 護衛巡視船の一往復の総経費という御質問でありますが、現在まだ護衛巡視船は建造中であります。また、輸送ルートなど経費算出の基礎が定まってないという状況でございますので、その経費についてのお答えは現段階で申し上げるのは困難であります。
 なお、予定される護衛巡視船の出動回数という御質問でありますが、これは何回輸送するのかということにかかるわけでありまして、むしろ私どもが御答弁申し上げますよりも科学技術庁から答弁するのが適当かと思いますが、私どもが聞いている範囲で御答弁申し上げますと、一年ないし二年に一回程度というように聞いております。
○速見委員 それでは、一年に一回、二年に一回となりますと、実質的に私が聞いている範囲内では、仮にフランス、イギリスから持ってくるにしても一カ月ないし一カ月半程度、こういうぐあいに航行が考えられると聞いているのですが、とにかく六分の一、仮に二カ月間かかったとしても、要するにあとの十カ月はそのままの状態の中でこの護衛船、しかも二百三億もかけてつくってある。そういうことではちょっとむだ遣いも甚だしいのじゃないかというぐあいに考えますけれども、この論議はまた後にさしていただきます。
 それでは次に、科学技術庁にお伺いいたします。
 プルトニウムの購入、輸入の総量と現保有量についてお答え願います。
○結城説明員 これまでの海外から日本へのプルトニウムの輸送量でございますが、昭和四十年から昭和五十九年にかけまして輸送が行われておりまして、総量で一・三トンでございます。これは核分裂性プルトニウムの量で申し上げております。
 それで次に、現在どのくらい持っておるのかということでございますが、平成元年度末、ことしの三月末の現在でございますが、我が国の保有しております原料プルトニウムの量は、核分裂性プルトニウムの量にいたしまして約〇・五トンでございます。
○速見委員 アメリカの核管理研究所での公表では、元年度末、日本の保有量約一・五トン、しかも今後それぞれの原子力発電を稼働させていくわけでありますから、そういう状況の中ではその可能性というのはもっとふえるだろう。要するに現在の状況の中ではやはり不足は生じない、こういうようなコメントが来ておりますし、その所長が今来日をされておられますが、その文献の中でも数多く出ておりますが、この点についてはいかがですか。
○結城説明員 ただいま申し上げましたとおり、現在の我が国のプルトニウムの保有量は約〇・五トンでございます。
 これからどういうふうになるかという見通しでございますが、今年度、一九九〇年度から一九九二年度までの三年間をとって考えてみますと、この間に我が国の国内で生産されますプルトニウムは、これは東海村の再処理工場で生産されるわけですけれども、この工場の操業が順調に進んだといたしまして、約一・一トンでございます。この間我が国はプルトニウムを必要といたしまして消費してまいりますから、この間の消費量は一・六トンでございます。したがいまして、現在の手持ち量〇・五トンにこれからの生産量一・一トンを加えましてその間の消費量一・六トンを差し引きますと、九二年度末には在庫がゼロになるということでございまして、こういうことで、一九九二年の秋ごろまでには外国からのプルトニウムの返還が必要であるということになっております。
○速見委員 その点についても見解の相違でありますが、次にそれでは経済性の問題についでお尋ねします。
 一九八四年に二百キログラム、船で英国より購入しておりますが、このときの一キログラム当たりのプルトニウムの単価と、それから輸送費についてお伺いいたします。
○結城説明員 昭和五十九年にフランスから海上輸送でプルトニウムを持ち帰っておりますが、これは動力炉・核燃料開発事業団が関西電力から買い取ったプルトニウムでございます。このときの買い取り価格は、総量で約百九十キログラムのプルトニウムでございますが、総額で約十億円でございました。
 このときの輸送の経費でございますが、これは動燃事業団が輸送を行いまして、晴新丸という貨物船をチャーターして行ったわけでございますが、そういったチャーター料その他を含めまして動燃事業団で負担した費用は約五億円でございます。
○速見委員 それじゃこのような高いプルトニウムを購入して、そして再生をして今度のあれに使おうとしているわけでありますが、増殖炉自体今外国では、アリメカでも中止になりましたし、フランス、西ドイツ等でも削減あるいは中止の方向にあるわけですが、商業用としての採算性についてはどうお考えですか。
○結城説明員 プルトニウムは我が国の貴重なエネルギー資源でございますから、これを再び核燃料として原子力発電に使っていくということでございます。
 その使い方といたしましては、高速増殖炉という新しい型の原子炉で使うのが最も効率的でございまして、現在我が国におきましては、この高速増殖炉の実用化に向けて研究開発を進めておるところでございます。ただ、その実用化は少し先になりますので、その実用化までの間におきましても、軽水炉、これは通常の原子力発電所でございます、それからもう一つの新型転換炉という新型動力炉がございますが、こういった原子炉におきましてプルトニウムを有効に使っていきたいというふうに考えております。
○速見委員 それでは、先ほど海上保安庁の方にお尋ねいたしたように思いましたが、このプルトニウムの容器、非常にこれは問題があるところでありますから、仮に深海に沈没をしたとかそういう場合には水圧にどのくらい耐え得るのか。これはいろいろ国際防護基準の中で研究もされておると思います。今回プルトニウムを輸送するに当たってのプルトニウムの容器、これの強度の問題あるいは材質の問題、この点についてお尋ねをいたします。
○結城説明員 プルトニウムの海上輸送に用います輸送容器でございますが、昭和五十九年に既に運んだ実績がございまして、このときの輸送容器は今でもあるわけでございます。ただ、今後何を使うかはまだ実は決めておりませんで、現在イギリスあるいはフランスそれから日本にもございまが、各種のプルトニウムの輸送容器の中から適当なものを選んで使用していきたいと思っております。
 その安全性でございますが、これはもちろん我が国の法令に従ったものであるとともに、出発国でありますイギリス、フランスの法令にも従ったものになるわけでございまして、そういうことで安全の確保には万全を期してまいりたいと思っております。
○速見委員 安全に万全を期すのはもう当然のことでありますけれども、私が具体的に聞いているのは、仮に沈没した場合に、この前のタイコンデロガ事件の問題等もありますから、このことを私は特に――地球環境の問題との関連があるのです。要するに、仮に沈没をした場合、そういうことがないという保証はないわけでありまして、そうした場合に、深海に沈没した場合どのくらいの水圧までに耐え得るのか、非常にこれは世界各国が心配をしている問題でありますから、今の容器がどのくらいの深海までに耐え得る容器になっておるのか、そこら辺を御説明願います。
○結城説明員 先ほど申し上げましたとおり、どの容器を使うかまだ決めておりませんので確たることは申し上げられないわけでございますが、まず輸送船が沈没するようなことがないように、衝突の防止等の輸送の万全の措置を講じてまいりたいというふうに考えております。
○速見委員 私の質問に的確に答えてもらわぬと、先へ進めないですよ。
 沈没がないようにするのは当然なんですよ。衝突だとかそういう事故がないようにするのは当然のことじゃないですか。しかし、仮にそういう事態があった場合に、現在百九十キログラム持ってきているわけですから、それではそのときの容器と水圧との関係はどうなっているのですか。今でもあるものを使うとするならば、今の容器がどれだけの水圧に耐え得る容器になっておるのか、具体的に説明してください。
○結城説明員 昭和五十九年に使いました輸送容器でございますけれども、これはもちろん我が国及びフランスの法令を満足するものでございました。もし万一沈没した場合どこまでもつかという計算でございますけれども、これは動燃事業団の計算でございますが、設計上七百五十メートル程度までは大丈夫であるということになっておりました。
○速見委員 それでは、七百五十メートル以上の水域に落ちた場合には危険性が生じるということですね。
○結城説明員 ただいまの七百五十メートルは、いわば計算の評価でございまして、実際はもっともつ可能性もございます。それで、実際に沈んだ場合どうするかということでございますが、その場合には最新のサルベージ技術を用いまして、できるだけ容器の回収を図りたいと思っております。
○速見委員 時間がございませんので、今のような答弁ではこれは本当に笑い事としか聞けません。プルトニウムという危険なものを持っていくのに、そんな笑い事で済むような、要するに安全性を考えておられるとするならば、いっそのことプルトニウムの輸送はやめてもらう以外にないと思います。そう思いますけれども、もう時間がございませんから、後の質問に入りたいと思います。
 国鉄清算事業団職員の解雇問題について質問いたします。
 私は長崎県の佐世保市でございまして、私の近くに、早岐に清算事業団の事務所がございます。私はその近くでありますから、朝夕そこの清算事業団には今まで行ってまいりましたが、本当に率直に言って、事業団幹部の人たちが、清算事業団職員あるいは人活センターのときを含めて、人間的な取り扱いをしてきたのかどうかということについては、本当に疑わしいものがございます。むしろ私は、職員の将来を考えながら、私自体知人の会社に三名ほどあっせんをした経緯もあるわけでありますが、いずれにしてもこの三年半余、職員はあらゆる差別に我慢をして、我慢の哲学で今日までやってきたというぐあいに考えます。
 その頼みの綱であります公平、公正なところで地労委の命令が出たわけでございますが、この国鉄清算事業団の幹部の方たちは、この地労委命令を厳粛に受けとめて、そしてこれを完全に履行するようにするのがその義務と責任であるというぐあいに私は考えますけれども、まずその基本的な所見についてお伺いいたします。
○石月参考人 お答え申し上げます。
 地方労働委員会からJRの各社に対しまして、改革時の採用に関する不当労働行為の救済命令が出ていることにつきましては、私どもも承知しております。現在、JR各社は中央労働委員会におきまして、この問題につきまして係争中であるということもよく承知しているところでございます。
 これらの事実につきましては、現在当事者間での係争中の問題でございますので、私どもとしてはコメントを差し控えさせていただきたいと思っておりますが、一方、私どもの方の再就職対策は、この不当労働行為の問題とは別個の事柄と理解しております。
 私どもといたしましては、過去三年間、政府の御指導のもとで、再就職対策の期限の最後まで、四次にわたる、JR各社に広域採用の追加採用をお願いしたのを初め、公的部門、民間企業、関連企業における極めて多くの再就職先のあっせんに努めるなど、最大限の努力を払ってまいった次第でございます。
 この結果、御高承のとおり、当初の再就職先未定者の七千六百二十八人のうち六千五百八十一人、約八七%の方々が、再就職等によりまして退職されたわけでございます。私どもの具体的な再就職対策に応じることなく解雇という形で去られた方がおられますのは大変残念でございますけれども、私どもといたしましては、これまでの対策で、再就職の意思のある方の再就職というのは十分可能であったというぐあいに考えており、個人的にはまことに御同情申し上げますが、解雇に至ったことはやむを得ないというぐあいに考えております。
○速見委員 私は、再就職問題を聞いているんじゃないんですよ。地労委の命令というものを一体どう厳粛に考えているのですか、こう言っているのです。しかも、地労委に対しては一回も出席していないのでしょう、JR各社は。そうしてJRの言い分は、当時の国鉄、これから引き受けた人たちだけが我々の責任であって、そういう人たちについては別段関係はない、こう言っているのです。
 国鉄も清算事業団も、今御答弁があったように、JRと、要するにその関係組合との係争中のものだ、だから我知らず。それでは、だれがこの人たちの責任を持つのですか。国鉄から清算事業団に移すとき、あるいは清算事業団が三年間雇用して、しかも三月三十一日で期限を切って解雇する、清算事業団また旧国鉄、責任は重大じゃないですか。私は、今のように雇用問題を聞いているんじゃないんですよ。的確に質問に答えてください。
○石月参考人 ただいま申し上げましたように、地方労働委員会からの救済命令が出ていることは私どもよく承知しておりますけれども、これはJR各社に対して出されたものでございまして、私どもに対して出されたものではございませんので、私どもとしては、この問題についてお答えする立場にないということでございます。
○速見委員 しかし、これは国鉄改革法に基づいて、そこにJRという民間会社をつくり、そして残った人たちを清算事業団に置いたのじゃないですか。根源は旧国鉄であるのじゃないですか。清算事業団の責任がないということは言えませんよ。
○石月参考人 私どもに課せられました使命は、国鉄の改革に伴いまして、JR各社等の承継法人が債権債務等を引き継ぎ、その他権利の承継をしました後における債務の償還、土地の適正処分、このほかに、一時に多数の退職者が出ることにかんがみまして、その再就職対策を臨時にやるということで、その職務をやってきたわけでございまして、その再就職対策につきましては、ただいま御説明申し上げましたように、組織を挙げてこの三年間やってまいりまして、十分その職責を果たしたというぐあいに考えている次第でございます。
○大塚(秀)政府委員 政府といたしましても、清算事業団を通じ、また政府の雇用対策本部等を通じ、この三年間再就職対策に懸命の努力をしてきましたことを御理解いただきたいと思います。
 また、先ほど清算事業団から申し上げましたように、現在係争中の案件については政府としてコメントを差し控えさせていただきたいと思いますので、この点も御理解いただきたいと思います。
○速見委員 時間が参りましたので、労働省に一言だけお尋ねをいたしておきます。
 まず、中労委は、地労委の命令が出たときに速やかに履行するようにJR各社にも勧告したというぐあいに聞いています。いずれにしても、三月三十一日までに中労委の命令なり見解が出なかったことで解雇という問題が生じてきたわけでありますけれども、今後労働省としては中労委に対して一日も早い結審、結論が出るように私は指導すべきだと思います。最後にこのことについてのお答えを願いたいと思います。
 以上です。
○山中説明員 先生御承知のとおり、中央労働委員会は公労使と三者構成で構成されております独立の行政機関でございます。その意味で、法令上独立してその権限を行使するというふうに定められております。したがいまして、労働省が個別の事案について具体的指揮あるいは指導を行うことは制度上不可能となっております。私どもとしては、中労委のそのような今後の動きを慎重に見守ってまいりたいというふうに考えております。
○速見委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○田名部委員長 赤松広隆君。
○赤松委員 限られた時間でございますので、ただ新人議員初質問ということで、あれもやりたい、これもやりたいということで、多くの課題について、約七つばかりでございますけれども、質問を順次させていただきます。多少なれてないところもあると存じますけれども、御理解をいただいて御質問に対する御答弁をいただきたいと思います。
 まず第一は、さきの第百十六国会において貨物運送取扱事業法及び貨物自動車運送事業法が成立いたしましたけれども、一体その施行日をいつにするのか、また施行に至りますまでのいろいろな準備作業もあると思いますけれども、こうした準備作業あるいはスケジュールについてどのように措置をされようとしているのか、まず第一にお尋ねをしたいと思います。
○寺嶋政府委員 ただいまお話にございましたように、さきの第百十六回国会におきまして物流ニーズの多様化、高度化等の物流をめぐる環境の変化に対応しまして、事業規制の見直しを行うことを目的とした貨物自動車運送事業法及び貨物運送取扱事業法の二つの法律が成立いたしまして、昨年の十二月十九日に公布されたところでございます。
 この二つの法律の施行期日につきましては、それぞれの法律に公布の日から一年を超えない範囲内で政令で定める日からというふうに規定されております。運輸省といたしましては、トラック事業者のほとんどが中小事業者であること、またその数が四万近い多数に上ること、またこの改正が約四十年ぶりの大改革であることなどを考慮いたしまして、国会におきます御審議あるいは附帯決議を十分踏まえて、円滑な施行に向けて最大限の努力を払うことが必要であると思っておりまして、そのためには、十分の準備期間をとることが必要であると考えます。
 そのために、施行の日は本年の十二月一日とすることを方針としまして、現在政省令あるいは通達等の制定作業等諸般の準備及び法律そのものの周知活動を行っておるところでございます。政省令とか通達等の制定に際しましては、関係者の御意見も十分聞いて取り進めていきたいというふうに思っております。
○赤松委員 わかりました。十二月一日の施行ということで、ぜひそれまでに、今御答弁いただきましたように、また、大野大臣も昨日の所信表明の中でも述べられておられましたけれども、法案審議の経過では、特に貨物輸送の秩序の確立あるいは輸送の安全確保を中心として多くの議論がなされておりますので、これらの審議経過、さらには、今もお話ありましたが、多数の附帯決議もなされておるところでございますので、これらに基づいて遺漏なきようきちっと措置をしていただきたいということを御要望しながら、さらに一点、政省令並びに通達策定に当たっては、ぜひまた関係労働組合、労働団体を初めとする、これらの意見も十分聴取をしながら対応していただきたいということを要望だけしておきたいと思います。
 次に、大型車に対する安全対策についてお尋ねをさせていただきたいと思います。
 仄聞いたしますところ、ABS、すなわちアンチロックブレーキシステムについて大型車への導入と、その装着義務化を検討中とのことであります。また、一部には既にその方向に進んでいるということを聞いておりますけれども、その見通しとあわせて、貨物自動車運送事業法に関する附帯決議にございます積載重量及び運転時間を正確に把握し得る車両機器の装着義務化についてどのように措置をされるお考えか、明らかにしていただきたいと思います。
○松波政府委員 お答えを申し上げます。
 今御質問ございました二つの前段の件でございますが、アンチロックブレーキシステム、我々いわゆるABSと称しておりますが、これは先生御案内のように、滑りやすいところでの停止距離が短くなるとか、あるいは急ブレーキをかけたときでも安定した姿勢でとまる、こういったような効果を持っておりまして、いわゆる制動時の車両の不安定な挙動を防止する上で効果があることから、運輸省におきましては、昨年来パンフレットをつくったり、ビデオをつくったりいたしましてPRに努め、大型車に対するABSの普及促進に努めてきたところでございますが、本年三月でございますけれども、危険物を運搬する大型連結車等に対しましてABSの装着義務づけを決定いたしまして、現在この規制に先立ちまして必要となりますところの国際的な手続、我々、ガット通報と称しておりますが、これを行っておるところでございます。
 次に後段の御質問でございますけれども、運転時間及び一般トラックの積載量を把握する機器については、現在ではなかなか精度等技術的な問題がございまして、これを克服する必要がございます。したがいまして、直ちに装着の義務づけを図るということは困難でございます。したがいまして、今後はこれらの機器の信頼性が高く、容易に装着できる機器の開発に努めてまいりたいと考えております。
○赤松委員 わかりました。特に本年三月から、今言われた危険物については、既にそういう方向に進んでいる。バスについてもそうだということだろうと思いますが、あと一般的な大型車についても早くそういう方向で、価格の点だとかいろいろな問題があるようでありますから、そういうことも解決をしながら、そんな方向に早く御指導いただけるようにお願いをしておきたいと思います。特にEC諸国では、来年十月からこういうような形で全体的な装着義務化が行われるというこも聞いておりますので、ぜひ日本においてもそんな方向で進めていただけるように御要望を申し上げておきたいと思います。
 また、後段の積載重量等の機器の装着義務化でありますけれども、これにつきましては今技術開発中、そういう機器の開発に努めているということでありますから、ぜひ指導官庁としても御指導いただいて、早くそういう方向になるように、これも御期待を申し上げて次の質問に入りたいと思います。
 さて、数日前NHKの報道番組もございました。また、過般の四月の二日ぐらいからの連載だったと思いますが、朝日新聞にも「命を守る車づくり」と題する連載記事もございました。これらを見ますと、例えば運転台の強化や反射蛍光板の装着などによって大型トラックの事故の防止をすべきだ。あるいは事故があっても運転者になるべく大きな被害がないようにというような、いろいろな警鐘も含めた指摘があったわけでございます。これらの警鐘を運輸省としても真剣に受けとめて、車両構造や車両機器の改善について早急に研究、検討を進め、関係法令の改正、整備を行うべきと考えますけれども、御所見を賜りたいと思います。
○松波政府委員 お答えをいたします。
 今先生御質問をされましたことの前に、少し現在取り組んでおりますところの自動車の交通安全対策につきまして御説明申し上げ、その上でお答えをさせていただきたいと思います。
 先生御承知のとおり、交通事故に対します死亡者の数が昨年は一万一千人を超えまして、交通事故非常事態宣言が発せられる状況下にございまして、今こそ多面的な対策が求められる状況にございますから、我々といたしましては三つの対策、一つは自動車の構造、装置に対するハード対策、一つはハード対策でございます構造、装置の維持をするための対策あるいは定期点検の励行、さらに一つは事業用自動車に対する運行管理の充実など、いわゆるソフト対策、こういうことを柱にいたしました行動計画、いわゆるアクションプログラムをつくりまして、現在自動車の安全対策に積極的に取り組んでいるところでございます。
 そこで、先生の御指摘のございました運転者室の強度につきましては、これまでキャブオーバートラックなどを対象にいたしまして実車試験を含む調査研究を行いまして、技術的な要件、例えば前面衝撃試験、動的な試験でございますが、あるいは静的な試験、屋根の強度試験、こういうことを定めておりまして、現在これらの要件を踏まえまして一定の強度を有するトラックが生産されている状況ではございますけれども、今後とも事故の実態あるいは乗用車、二輪車との混合交通状況等を十分踏まえまして、追突を回避するような装置の開発などを含め、多角的な見地からトラック乗員の安全確保につきまして取り組んでまいりたいと考えております。
 後段の方の御質問でございますが、夜間の追突事故防止につきましては、現在我々といたしましては後部反射器の装着等を義務づけているところでございますけれども、さらに、先ほど来新聞等で御紹介がございましたが、大型車への追突防止のより一層の徹底を図るために、話がございましたところの反射板の装着を含めまして、あるいは後部から見やすくする、専門用語でいいますと被視認性の向上、こんなことを図るために必要な措置について現在鋭意検討をいたしているところでございます。
○赤松委員 そういうことで結構でございますけれども、一点指摘をしておきたいと思います。
 きょうの質問は主にトラック、大型車について私はしましたが、特に乗用車につきましても、日本車と外国車との安全格差についてはますます広がっているというのが現状でございまして、そういう意味で命に対する日米の取り扱い、ある意味では考え方が違うと言ってしまえばそれまででありますけれども、輸出用にはサイドドアビームというんでしょうか、ドアの中に鋼鉄板が入っている。日本の国内用にはそういうのをつける必要はないというような、仕様がそれぞれ輸出用と国内用で違うなんということはやっぱりおかしいわけでありまして、こういう問題点もあるんだということだけ、きょうはたくさんやらなきゃいけませんので、時間がないので指摘だけして、次の課題に入りたいと思います。
 さて、次は空港問題についてであります。
 既に、地元といいますと私の地元でもあり、大野大臣の地元でもあり、海部総理の地元でもありということでありますが、地元では中部空港調査会という、県なりが入ってつくっておる調査会でありますが、この調査会では、本年一月にこの中部新国際空港について基本構想案骨子を作成をいたしました。そしてまた、それを発表されておるわけでありますけれども、それをもとにしまして五月初旬を目途にして今基本構想案を策定中でございます。それができますと、それを地元の総意あるいは決意として政府や運輸省に提出の予定ということを伺っております。
 海部総理大臣自身も、昨年十二月十一日の衆議院の決算委員会の答弁の中で、地元構想のまとまるのを待って五カ年計画、すなわち五カ年計画ということは六次空整でありますけれども、六次空整にのせるよう運輸大臣に話したという答弁もされております。また、大野大臣自身も四月八日の新聞社とのインタビューの中で、「私が(運輸相で)いる間に何としてでもやらなければいけないという決意でいる」ということを語られているのを新聞で読ましていただきました。
 そこで、まずお尋ねをいたしたいと思いますが、この中部新空港建設について運輸大臣としての所見と見通し、決意のほどをまずお聞かせをいただきたいと思います。
○大野国務大臣 先生も私も同じ中部地区の出身であり、特に近年は名古屋を中心とした中部地区というのは、人口にしてもあるいは産業にしても非常に集積の高いところですから、将来を考えるとますますこれらがより以上発展していくであろう、そういうことになったときに、どうしても中部地区に国際空港がほしいというのはだれしもの願いであることは先生も御承知のとおりであります。
 そこで、私も四月八日の記者会見でそういう話をしたのも、現況を見ていますと、日本の将来はやはり一極集中でなく多極分散にするためにも大切な空港になるということは言うまでもございません。しかし、それだけのものをつくろうとすれば、空域の問題もありますし、あるいは地元補償もあるでしょうし、アクセスの問題あるいは財源の問題、いろいろクリアしなければならないことがありますが、調査会等でも近い将来それを出すということでありますから、それを見てよりよいものをつくるように検討する、政府としてもできる限りの協力をいたしますので、先生もひとつ大いに御協力を賜りたいと思います。
○赤松委員 できる限りの協力をしたいというようなことで、大変ありがたい御答弁もいただきましたけれども、しかし、地元が今何に一番注目をしているかといいますと、大変言葉はありがたいのですが、じゃ具体的に政府はこの中部新国際空港についてどんな形で、目に見える形で取り組みをしてくれるのかということに注目をしておるわけでありまして、そういう点でいいますと、六次空整の中にやはりこの中部新国際空港というものがどんな形で織り込まれていくのかということではないかなと思います。
 たまたま六次空整に織り込むには、その前提として、運輸省の平成三年度予算の概算要求にやはり新空港関連費がどういう形で盛り込まれていくのか、運輸省はどういう形で政府に対して概算要求をしていくのかということではないかなと思います。地元出身の久々の運輸大臣でもございますし、そんなところをどんな決意とお考えを持って進んでいこうとされておるのか、大臣にもう一度改めてお伺いをしたいと思います。
○丹羽政府委員 私の方から若干、六次空港整備五カ年計画をどのようにやっていくかという御説明をさせていただきたいと思っております。
 去る三月十五日だと記憶しておりますけれども、運輸大臣から航空審議会に対しまして、空港整備の長期的なあり方につきまして諮問をいたしました。これは、第六次の空港整備五カ年計画へ向けて航空審議会での御審議をお願いしたということでございますが、今後のスケジュールといたしましては、先ほど先生がおっしゃっておりますような概算要求時点、ことしの八月の段階では中間的な取りまとめをお願いいたしたいと考えているわけでございます。
 これは今までの数次の五カ年計画のやり方に沿っているわけでございますが、その場合は大プロジェクト、例えば今やっておりますのは、今年度が最終年次でございます第五次の中では、成田、羽田それから関西空港、それが三大プロジェクトという形でやっておりますが、このような大プロジェクトの問題につきまして一つの項目を立てていくということと、そのほかの空港整備の問題につきましては、一般的な空港整備につきましての方針問題、そういったようなことを御議論いただいたものを中間的に取りまとめていただく、過去の例からしますとこういうようなことをやっておりますので、そのようにお願いしていきたいと考えております。
 その先がどうなるかということでございますが、これも今までのやり方に倣いますと、来年の三月ぐらいのタイミングで六次空整につきましての全体の事業量を閣議了解をいたしまして、それから来年の十二月に五カ年計画の具体的な内容を閣議決定していくというような手順になるかと思います。各飛行場の具体的な名前が出てこの五年間でやっていく問題につきましては、来年の十二月の段階で具体的に出ていくというようなやり方を今後スケジュールとして予定しております。当然最後の段階の前の段階におきましては、航空審議会の御答申もいただくようにお願いしたいと思っております。
 そういうことでございますので、先生のただいま御指摘になられました中部新国際空港の関係につきましても、ただいま航空審議会でいろいろこれから御審議していただくというところでございますので、私どもの取り扱いにつきましても、その経過を踏まえて考え方をこれから固めていくという形になると考えております。
○大野国務大臣 ただいま局長から六空整の日程等について御説明したところでございますが、私としては、先ほど申し上げましたように、地元の調査会ですか、そこからの提案をなるべく早くいただいて、六空整の現在の審議の中へそれが議題となり話題となり議論となり、そしていい方向へ持っていけるように何らかの形をとりたい、こんなことを考えております。日程としての問題は別として、そういうような気持ちで頑張ります。
○赤松委員 六十二年六月三十日に閣議決定されました四全総、もう十分御承知のことでございますけれども、この中でも「二十一世紀初頭における我が国の国際航空網の充実を図る上から、航空需要の動向等を見極めつつ、中部圏等における対応策について調査を進める。」というようなことできっちり位置づけられておるわけであります。また前の江藤運輸大臣も、昨年十二月の決算委員会の中で、やはりこの六次空整の中で中部新国際空港について何らかの形で位置づけるというように、公の場でもきちっと御答弁されておるわけでありまして、ぜひこんな経過も踏まえながら、話をもっと先へどうぞ進めていただきますようにお願いをしておきたいと思います。
 その辺が固まらないと次の質問になかなかお答えにくいと思うのですけれども、局長さんなりあるいは大臣から、どちらでも結構でございますけれども、やはり新空港建設についての基本的なイメージというのがあると思うのです。例えば、航空需要予測がこれから二十一世紀に向かってどうなっていくのか、そんな中で中部にやはりどうしても空港が必要なんだという視点が出てくると思いますし、それから新空港をつくる上で性格は、羽田、成田あるいは関西と違ったどんな性格のものを求めようとしているのか。新空港の性格について大臣あるいは航空局長さんなりの所感があればお尋ねをしておきたいと思います。
 また、事業主体についても、既にいろいろな記者会見等では大臣もお触れになっておりますけれども、この事業主体についても一体どうあるべきか、あるいは総事業費についても一体どの程度の、けさの新聞ですか昨日でしたか、関西空港については約一兆二千億くらいになるぞという記事も出ておりましたけれども、中部の新空港については一体どんな規模の、あるいはどのくらいの事業費がかかって、またその負担のあり方についても、やはり旧来と違った考え方もあるでしょうから、そんなことについて感ずるところがあれば聞かせていただければありがたいと思います。
○丹羽政府委員 ただいまの先生の御質問でございますが、先生も十分御存じのことと思いますけれども、中部新国際空港の問題につきましては、目下地元の財団法人でございます中部空港調査会におきまして、ことしの一月に中部新国際空港基本構想案骨子というのが発表されております。それで、先生ただいま御指摘の各項目につきましては、こういう地元の基本構想案骨子の中におきましては当然触れられている話でございますけれども、これから地元の方ではこの骨子を踏まえまして、さらに基本構想をつくっていくという作業をしているように承っておりますが、近々それをまた私どもに御説明いただけるということも伺っております。
 また私たちの方としては、今特に具体的にこの空港につきまして、今先生の御指摘のような問題につきましてのイメージというのでしょうか、そういうようなことにつきましては考えている問題ではございませんで、これから地元のお話をお聞きするという段階でございます。
○赤松委員 余り時間がありませんからそうくどくど言いませんが、今局長さん言われた地元の案というのはもう早々に、五月になって出てくるわけですから、ぜひそれを前向きに受け取っていただいて、具体的に先ほど大臣言われたように六次空整の中にきちっと位置づけができるように強く強く御要望を申し上げておきます。
 空港問題に関連して最後に一点だけお尋ねをしておきますが、例の日米構造協議に関連しての質問であります。
 さきの中間報告の中では、アメリカ側の要求にもかかわらず検討中のプロジェクトであるということで具体的な形で盛り込まれなかったというふうに聞いております。七月の日米構造協議の最終報告では、アメリカ側の要求項目として再び取り上げられると思いますけれども、それについての見解をお聞かせいただきたいと思います。
○丹羽政府委員 日米構造協議の先日の中間報告に入っております空港関係の問題につきましては、大きく言って二つのところに触れられておりまして、一つは「貯蓄・投資パターン」、そういう項目がございますが、その中に今後の中長期的な公共投資のあり方、そういうものに関する記述ということで空港が社会資本の一つという形で言及をされております。
 それからまた、もう一つの項目は「流通」という項目でございますけれども、その中に輸入関係のインフラの整備、そういうことの一つといたしまして今後の中長期的な国際航空需要に対応します空港整備が取り上げられております。
 それで、今先生のお話の最終報告の段階でどんな話になるかということにつきましては、米側からどのような要求が出るかということは、現時点においては予測しがたい話でございますので、これからの問題ではないかと思っております。
○赤松委員 一点だけ申し上げておきますが、いつまでも検討中のプロジェクトだということで、それで許してくれるほどアメリカは甘くないと思いますので、きちっとした対応ができるように御要望申し上げておきます。
 次に、リニアの中央新幹線について二、三お尋ねをしたいと思います。
 昨日の大臣の所信表明の中でも、リニア中央新幹線について以下のように述べられております。「二十一世紀における高速交通機関として期待される超電導磁気浮上方式鉄道につきましては、山梨新実験線の建設に着手し、実用化に向けた技術開発を推進して参ります。」こういうように言われておるわけでありまして、大変結構なことで私ども期待をしておるところでございます。
 さて、そこでお尋ねをしますが、まず第一点については、その実用化のめどについてであります。実験線の建設等を繰り返す中で七、八年かけて実用化できるかどうか、研究するというように言われておられますけれども、おおよその今後のスケジュールあるいはめどについてお聞かせをいただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 リニアモーターカーにつきましては、現在国会で御審議いただいております平成二年度の予算において必要な国庫負担を計上しておりますので、予算が成立しますれば、直ちに山梨県において約四十三キロの新実験線を建設開始するという計画でございます。そして、この設線について三年半目ぐらいから実験を開始し、建設線全体は五年間かけて完工しますが、その後もさらに三年間実験を重ね、八年後、つまり平成九年度をめどに長距離リニアの実用化を実現したいというふうに考えております。
○赤松委員 わかりました。平成九年度をめどにということでお答えをいただきましたが、御承知のとおり建設促進期成同盟あたりからも、できるだけ早くという意見も多く寄せられておるところでありまして、ぜひ九年度と言わず半年でも一年でも早くこうした事業が前向きに進んでいきますように御期待を申し上げておきたいと思います。
 第二にお尋ねをしておきたいのは、例えば今の期成同盟あたりが出しておるプランを見ますと、東京―大阪七十五分、東京―名古屋四十九分、こういう高速性といいますか、これはリニアにとって生命線だと言ってもいいと思うわけですが、それと各駅の配置ということを考えますと、その辺をどうやって整合させていくのかなということを考えるわけであります。もっとはっきり言えば、期成同盟に今八都府県が入っておるわけでありますが、八都府県すべては、東京都や大阪、名古屋については問題ないにしても、その他の県については少なくとも県内に一つぐらいは、おらが県に駅は来るだろうということを前提として建設促進を一生懸命に言っておられるわけであります。
 そういうことを考えていきますと、駅をたくさんつくることはいいが、つくった以上とめなければいけない、とめればリニアの生命線である時間は短縮できないというような問題もあるわけでありまして、これはお答えをいただかなくて結構ですが、こんな問題も含めて、ハード面だけではなくてソフトの面でいろいろな難しい課題が出てくると思います。こんな問題についてもぜひ慎重に御検討いただいて、みんなが気持ちよくこぞって建設促進ができるように御配慮がいただけたらと思います。
 さて、ルートについてだけ一点確認をしておきたいと思いますが、特に名古屋以西の問題については御存じのとおり両論あるというふうに私は理解をしています。先ほど引用しました新聞等のインタビューでも、大臣自身もこのように言われているわけですね。「そこ」というのは愛知県ですが、「そこから西は三重県、奈良県を横切っていくものやら、今の東海道新幹線と同じ方向に行くやら」、これはこれからのことだよということを言っておられるわけでありますけれども、いつごろどのような形で決めていくのか。既に本来は奈良を通るコースがあるんだぞという話も聞いておりますけれども、ではそれは変わっていってしまったのだろうか。こうした大臣のインタビューを聞いておりますとそんな気がしますので、ルートについてこうなんだというところをはっきりと委員会の公的な場でお答えしていただければと思います。
○大塚(秀)政府委員 ただいまの先生の御指摘がリニアということになりますと、リニアは先ほど申し上げましたようにこれから八年かけて実用化を行っていくということでございますので、いまだルートという問題は検討されておりません。
 一方中央新幹線につきましては、現在全線にわたって調査を行っているところでございますので、このような調査を終え、工事実施計画が定められました段階で正式なルートが決まる、これも将来の問題でございますので、まず調査を行うことが先決だと考えております。
○赤松委員 時期はいつごろですか。見通しは。
○大塚(秀)政府委員 新幹線問題につきましては、今後の整備方向、いろいろ問題がございますので、ここで時期は明確に申し上げることはできません。
○赤松委員 これも答えにくいことだと思いますが、大臣は経営主体についてどうあるべきと考えておられますか。――いや、大臣に聞いているのです。
○大塚(秀)政府委員 ちょっとその前に、手続的なことを申し上げたいと思いますので、私から答弁させていただきます。
 中央新幹線あるいは中央リニアというのは、今申し上げましたようにこれから検討する問題ではございますが、この経営主体、営業主体というものは全国新幹線鉄道整備法に基づいて定められるものでございまして、ただ、中央新幹線というのは、将来東海道新幹線の輸送能力が限界に達するために、第二の東海道新幹線として建設が検討される面がございます。そういう点において、東海道新幹線との関連で営業主体、建設主体も検討しなければならないと考えております。
○赤松委員 言わんとするところはわかりましたので、本来大臣にというのはそれなりの意味があったことですが、審議官がそうやって御答弁されましたのでそれでよしとして、時間がありませんので、次の課題に行きたいと思います。
 昨日の委員会の質問でも一部触れられましたけれども、東葉高速鉄道線の習志野台トンネル建設工事にかかわる問題についてお尋ねをいたします。
 時間がありませんから二、三の点に絞って御質問を申し上げます。
 事実関係については昨日の委員会でもう既に明らかになっておりますから省略をいたしますが、先日のJR東北新幹線御徒町トンネル建設工事における薬液注入不正に引き続いての不祥事でありまして、まさに業界全体の体質に問題があるとの指摘も今されておるところでございます。また、その施工管理、検査のあり方に問題があるのではないかと思いますが、運輸大臣から施行指示を受け、この工事に責任を持つ立場の鉄建公団、きょうは総裁もお見えでございますけれども、この不祥事に対する見解をまず第一に求めておきたいと思います。
○岡田参考人 東葉高速鉄道習志野台トンネル掘削工事に関連をいたしております、また、それの一環でございますところの薬液注入工事につきましては、現在事実関係を鋭意調査中でございます。調査の結果を申し上げるにはまだ二、三日の時間を要するというふうに考えておりますが、現在までの調査の結果によりますと、一部の部分で設計数量どおりの注入が行われていない可能性があるというふうに考えております。このことは、工事請負契約の基本的な原則であります信義誠実の原則に反するものであり、極めて遺憾であるというふうに考えております。また、工事の安全の確保、さらに建設工事の適正な履行の確保につきましては、在来にも増して一層の努力をしたいという所存でございます。
○赤松委員 元工事関係者からの通報によってこれらの事実が判明したと伝えられていますけれども、この通報前には全くこのことに気がつかなかった公団の検査体制に反省すべき点はないのか、総裁にお尋ねします。
○岡田参考人 薬液注入工事につきましては、土木工事の中でも最も確認の難しい部分だという認識は以前から持っております。また、これに関連いたしましていろいろな問題が過去に生じていたことも事実でございます。そういった背景を受けまして、私ども公団といたしましては、数回にわたりましてこの薬液注入工事の監督の仕方と申しますか、監督要領と申しておりますが、それについていろいろな改正を加えてまいりました。
 現在の時点におきましては、薬液を注入しますポンプに附属しておりますところのチャート紙と申しておりますが、ポンプの圧力と流量が自動的に記録できる用紙がございます。その記録用紙を全数について提出を求めるということ、それから、薬液を注入するために穴をくるわけでございますが、この穴をくった部分の長さを含めての記録写真の提出、あるいは薬液注入いたします――何種類かの薬液を混合するわけでございますが、それらの薬液の納品書を提出してもらうということを含めまして、また現場での施工記録写真の提出を求めるということを含めまして確認を行ってたところでございます。
 しかしながら、今回の事態にかんがみましてさらに一層のチェック体制をとらねばならないということで、事実関係を明らかにしつつそちらの方につきましても鋭意検討を進めているところでごさいます。
○赤松委員 時間がないですから、聞いたことだけきちっと的確に答えてもらえれば結構です。
 私が聞いているのは、今総裁がこういうことで写真も撮ってグラフもとって、あれもやってこれやってといろいろ言ったけれども、現にそれで決められたとおりのことをやられてなかったという事実があるわけでしょう。だから、公団の今の検査体制に反省すべき点はないんですかということを聞いているんですよ。あるのかないのか。
○岡田参考人 大いに反省をして、検査体制の充実を図りたいというふうに考えております。
○赤松委員 わかりました。
 それで、不正を働いた熊谷組というのは、実は卸存じのとおりに前のJR東北新幹線の御徒町トンネルのときもやはりこの業者がかかわってこういう問題を起こしているわけでしょう。こういう熊谷組だとかあるいは大本組に対する工事のやり直しをやらせるなんということは当たり前のことでありますけれども、この事実がもう二、三日うちにきちっとした形で出るということでありますから、当然その折には指名停止等の厳重な処分が行われると思いますけれども、それについてはどうですか。
○岡田参考人 委員御指摘のとおり、厳正な処分をいたしたいということを考えております。
○赤松委員 それでは最後に、指導官庁の立場で運輸大臣として、こうした不正手抜き工事事件に対する見解を求めたいと思います。それは、今後こうしたことが再び起こらない方策をどう考えたらいいのかという意味でこの事件に対する大臣の見解を求めて、この質問を終わりたいと思います。
○大野国務大臣 あってはならないことでございまして、まことに遺憾だと思っております。
 そこで、私も昨日、鉄建公団また鉄道事業者に対しまして、必要な徹底した調査と今後の不正防止、こういう対策を十二分に講じるように指示いたしました。今後再び起こらないように、これを一つの契機として徹底的に今申し上げた二点を解明できるようにしたい、こう思っております。
○赤松委員 それでは最後の質問に入ります。あと五分しかありませんから、簡単に御質問申し上げます。
 去る四月十一日、運輸省が、二十一世紀を展望した名古屋圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備について運輸政策審議会に諮問することを決定されたというふうに聞いております。今月二十五日には運政審の地域交通部会が開かれて、そこで諮問の後、具体的には名古屋圏都市交通委員会を設置して検討を早急に始めるということも聞いております。
 新しい時代、二十一世紀に向けてのこの地方の鉄道網を基本とした交通網整備の基本計画が進められることになったわけで、大変喜ばしいことでありますけれども、もともと名古屋圏は、JR、私鉄、市営地下鉄等大量輸送機関としての公共交通が極めて立ちおくれておる地域であり、鉄道と自動車の依存度の比率を見ましても、東京が鉄道六〇に対して自動車四〇、大阪は五二対四八であるのに対して、名古屋圏では何と二五対七五と決定的に鉄道が立ちおくれて、マイカーを初めとする自動車に頼っている構造となっているわけであります。
 既に愛知県では、こうした国の運輸交通政策、計画に反映すべく地元としての計画、新中京圏陸上交通整備調査会報告を取りまとめております。私自身も県議会代表として二年間この報告作成のお手伝いをしてまいりましたけれども、これら地元の意見も十分に尊重していただくことを期待しながら、順次質問をいたします。
 まず第一は、名古屋圏都市交通委員会の構成はどのようになるのか。時間の関係があれですから、全部ばっと質問しますから、後で答えられるところから答えてもらえば結構です。
 それから第二に、既に作成された東京圏は二〇〇〇年、大阪圏は二〇〇五年を目標年度としておりますけれども、今度の運政審の目指す名古屋圏については一体いつごろを目標年次とするのか、これが二点日。
 三点目には、四十七年策定の前計画は何と達成率は五〇%、新線ベースでも六〇%という低い達成率であったわけですが、絵にかいたもちにならないように、今回はその計画をより高い達成率で実現をするためにどんな形で計画を担保していくのか、これが三つ目。
 そして四つ月には、前例からいたしますと、答申が出るまでに二、三年、早くても一年半から二年くらいかかるのじゃないかと言われていますけれども、名古屋圏の実態を見ますと、平成四年に地下鉄等の工事が終了するものも多いわけでありまして、こうした事業の継続性ということを考えますとできるだけ早く答申を出すべきだと考えますが、御見解を賜りたいと思います。
 以上四つについて、御答弁していただけるところからしていただければ結構です。
○早川政府委員 まず、名古屋圏の都市交通委員会と申しますのは、これは仮称でございまして、これから地域交通部会で諮問した後決めていただくものでございますが、地域に即しました具体的な路線についての御審議が必要かと思いますので、そのメンバーの構成は地元の方を中心といたしまして、地方公共団体の長、学識経験者、交通関係者、財界、労働界等から参加をお願いしていくことになろうというふうに考えております。
 それから目標年次でございますが、先ほど先生御指摘のように、東京圏、大阪圏、それぞれ二〇〇〇年、二〇〇五年というふうに考えてまいりました。今度諮問をいたします名古屋圏につきましても、西暦二〇一〇年あるいは平成二十年というようなのが目標の目安になるのではないかと現在のところ考えております。
 それから、この審議会の答申をいただきましたものの達成率が、名古屋に限りませんで、必ずしも順調にできていくというわけではございませんが、これは、大都市圏における鉄道の整備につきましては用地の確保の問題、あるいは大変多額の資金を要する、こういうものの調達をどうするかという問題がございます。公的整備主体と申しまして、従来こういう整備の中心になってまいりました国鉄というような形のものがなくなった後の問題でございますが、公営の地下鉄の能力あるいはその他どういう形で第三セクター等を構成していくか等もこの審議会でまたいろいろ御議論もいただくつもりでございます。
 そういった中で、地方公共団体あるいは関係の地元等の御協力をいただいて、そしてできるだけこういった御協力を得た上で、どんなものをつくっていくか、こういうことの御審議をあわせてお願いしていくつもりでおりますので、答申をいただいたものの達成率というものにつきましては、できるだけ高いレベルのものを願っていきたいと考えております。
 最後に答申の時期でございますが、これは既に二年間、中部運輸局が中心になりまして、運輸省といたしても事前の予備的な調査を行っております。したがいまして、データ等は既に集まっておりますので、一応現在話題になっておるようないろいろなプロジェクトにつきましては、来年の秋ごろには答申がいただけるのではないかと考えているところでございます。
○赤松委員 ありがとうございました。いろいろまだ御質問したいこと、意見もありますが、ちょうど時間が参りましたので、今後また運輸委員として長いおつき合いになりますので、また別の機会にゆっくりと御指導いただきたいと思います。
 ありがとうございました。
○田名部委員長 常松裕志君。
○常松委員 最初に大臣にお伺いをいたします。
 昨日の大臣の所信表明につきまして、大変感銘深く承りました。とりわけ、印刷をされました所言表明の以前に大臣がみずからの言葉で、運輸行政の根幹は安全確保であるということを申されました。私はまことに感銘を受けた次第でございます。
 私は実は旧満州ハルビンからの引揚者でありまして、あの引き揚げ、五歳のときでありましたけども、自分とほとんど同じぐらいの年の子供たちがあの引き揚げの行軍の中で亡くなっていく、あるいは博多に引き揚げてくる船の中で亡くなって水葬に付するというような大変悲惨な事態をこの目で見、間違った政治が行われると命が損なわれるということから、だれにとっても、私にとってもそうですが、大臣にとりましても、またすべて人間にとって一番かけがえのない命を守るために立派な政治をやろうということで政治家を志しました。私、運輸行政あるいは政治に当たっても、人の命を大切にする、人命第一、安全第一というのが運輸行政の基本であり、また政治の基本と考える次第でございますが、ぜひ改めて大臣の運輸行政にかかわる御所見についてお伺いをいたしたいと思います。
○大野国務大臣 ただいま先生の政治に対する基本姿勢というものを承って、私も大変に感銘をいたしました。人命というものは、一運輸行政のみならず、本当に人間社会において最もとうといものだ。これを原点として政治も行政も行わなければならないことは言うまでもございません。
 私は運輸大臣になって、運輸省はいろいろ幅友い行政を持っておりますけれども、やはり動くものが主体のところでございますから、安全確保、それが人命につながり、それが人間社会を形成する上において、これは世の中みんながそういう連帯感を持って働けるような環境というか、そういう社会をつくりたい、そのためには、そういう悲惨な思いをする前に転ばぬ前のつえで、そのつえをひとつ私自身やっていってみたい、こういう気持ちでございます。
○常松委員 ありがとうございました。
 さてそこで、現在のJRに生起をしている事態についてでございますが、私は、人の命とかあるいは安全第一という点から見ると、非常に遺憾な事態が続発をしているのではないか、こんなふうに考えております。
 例えば、せんだって起こりました凝固剤の注入不足による問題であるとか、あるいはJR移行後、私の調べによりますと、四十二人の方々が殉職をされています。ついせんだって三月五日には、新宿駅の構内で二十歳の柴崎さんという学生さんがお亡くなりになる、こういう悲惨な事態。また鉄道事故につきましても、東中野の駅の追突事故、あるいはアルカディア号の炎上、また北海道などにおきましては、この冬、わずか三カ月間に踏み切り事故が続発をして、九名の方が亡くなる、三十一名が重軽傷を負う、こういう事態が起こっております。
 またとりわけ、きょう特に私が取り上げたいと存じます清算事業団におきましては、この四月一日付で千四十七名の方々の解雇を行う。こういう人命、そして生活権を損なうような事態が続発をしているわけでありまして、この点につきまして、個々につきましては結構ですが、全体として大臣の御所見をお承りをいたしたいと存じます。
○大野国務大臣 先ほども申し上げましたように、やはり安全最優先ということを今日までも努力はしてきたつもりでございますが、しかし、まだまだ盲点というかそういうものも、世の中でございますから起こり得ることもございます。しかし、それをまたょき師として、安全教育のここら辺が足らなかったんだ、こういうようなことに思いをはせて、安全教育の見直し、徹底というようなことに意を注ぐ所存でございます。
 また同時に、清算事業団の方々の問題につきましては、先ほども総括審議官から答弁いたしたことをお聞き及びだと存じますけれども、私どもも本当にJRに対しても最後の最後まで、第四次というのは、もうそこまで考えていなかったのですけれども、私、大臣に就任してから、いや、最後まで徹底的にやるということでもってやらさせていただいた。それは人命と同時に、今お話しございましたように生活権もあると思いますけれども、しかし三年間、それこそたゆまぬ努力を政府としてはやってきたということでございますので、どうかそこら辺の御理解は賜りたいと思います。
○常松委員 その清算事業団の解雇の問題について、少しくお伺いをいたします。
 私は、解雇というのはあってはならないこと、極めて非道、非情、冷酷な仕打ちだというふうに考えています。
 先ほども申し上げましたように、私は引揚者の子弟でございましたから、父が満州からこちらに引き揚げて以来、何度も倒産あるいは解雇されました。解雇されたサラリーマンの家庭に育つ子供あるいは家庭というのは大変悲惨なことでありまして、みずからそうしたことを経験しながら、私自身、解雇する、あるいは解雇される、首を切られるということは、いわば死ねというのに等しい、こんなふうに受けとめております。
 そこで、今回の解雇でございますけれども、私は、この解雇は法的な根拠がない、そして道義的にも、政治責任としてもむしろ雇用は継続すべきであるというふうに今考えています。
 大臣も御存じのとおり、国鉄改革法の審議に当たりまして、先ほどもお見えでしたけれども、当時の三塚運輸大臣、橋本運輸大臣初め、一人も路頭に迷わせないという約束は再三にわたってされていたわけでありまして、にもかかわらず千四十七名の方々について再就職のあっせんができなかったということは、むしろ私は政治の責任だ、かように考えているところであります。
 そこでお伺いをいたしますが、一体どのような法的な根拠に基づいて今回の解雇が行われたのか、その法的な根拠についてお尋ねをいたしたいと思います。
○石月参考人 今回の私どもが解雇に至りました考え方を御説明申し上げますと、再就職促進法が三月三十一日をもって失効いたしました。私ども清算事業団といたしましては、再就職促進法に基づきまして、臨時に再就職を必要とすると指定された職員の再就職の促進業務を行ってまいりましたが、この業務も同時になくなったわけでございます。したがいまして、私どもの就業規則第二十二条四号に定める、「経営上やむを得ない事由が生じた場合」ということに該当すると解釈いたしまして、解雇に踏み切ったわけでございます。
○常松委員 私は、運輸省、運輸大臣に対して、法的な根拠をお尋ねいたしました。
○大塚(秀)政府委員 清算事業団は、再就職未定者約七千六百名を承継し、再就職促進法に基づき、三年間の期間に再就職先をあっせんするという業務を行ってまいったわけでございますが、再就職促進法の期限が切れ、再就職業務を行わなくなったということに基づきまして、その期限とともに解雇を行った、またこの解雇については、就業規則その他に照らして正当に行われたと考えております。
○常松委員 これは私といたしましては、国鉄改革法なり清算事業団法の趣旨からして、あってはならないことだと理解をいたしております。
 すなわち、国鉄改革法並びに清算事業団法は、今日においてもまだその効力を持っているわけであります。そして、国鉄改革法の第十五条、これは条文は読み上げませんが、十五条はこのまま有効に機能しているわけでありますし、加えて、それに基づく事業団法第一条の二項、これもまた厳然として継続をしているわけであります。
 さらに、こうした法的根拠だけでなく、清算事業団法の第十七条は、職員の任命につきまして、雇用の期間、契約の期間の定めがありません。いわば期間の定めのない雇用契約であります。
 さらに申し上げますと、昭和六十一年十月六日における国鉄改革法の提案説明など、橋本運輸大臣その他の、三年以内にすべての職員の再就職が、成されるような内容のものとして国は基本計画を定め、事業団は実施計画をつくる、こうした趣旨などの審議経過からすれば、これは当然法的には継続されなければならない、こんなふうに考えているところであります。
 特にこの特別措置法の附則の第六条には経過措置についても言及されているわけでありますから、むしろこの附則は、三年以内に再就職業務について完了しない場合には政令を制定をすることの義務を政府に負わせている条項、かように考えているわけであります。したがって、答弁は必要ありませんけれども、こうした点についてぜひ御留意をいただいておきたいというのが運輸省に対する要望であります。
 次に、理事長に対してでございますが、就業規則によって解雇を行った、こういうことでございますけれども、就業規則によって解雇を行う場合には、最高裁の判例などからして当然に必要な条項があります。例えば、必要やむを得ざる事態であるとか、あるいは使用者が解雇回避の努力を尽くした、あるいは合理的な解雇の基準とその公正な適用が行われているとか、あるいは団交を誠実に行ってきたとか、そうした最高裁判例からしても、就業規則によって解雇をする場合には必要な要件というものが定められているわけであります。今回の事態というものは、これらの最高裁判例自体からしてあってはならない、就業規則にめられているとはいえあってはならない解雇、こんなふうに私は考えますが、理事長のお考えはいかがですか。
○石月参考人 事業団が行っております再就職の促進業務は、附則の七条によりまして再就職促進法に基づいて行うということになっておりますので、その再就職促進法が失効いたしましたので、当然事業団法の第三項の臨時に行う就職促進業というのはなくなるわけでございます。それから、雇用対策の対象とされた職員、このような方方につきましては、これらの方々の職務内容は一般の従業員の職務内容と違いまして、再就職のための教育訓練を受けるという特殊な内容でございます。
 したがいまして、これらの雇用対策の対象職員と指定された職員につきましては、事業団を退職してほかに職を求むべき者ということでございまして、このことはこの特別措置法が失効いたしましても変わらない事実でございまして、特別対策は終了するが、再教育の対象職員は事業団に雇用され続けるというのはやはり特別措置法の趣旨ではないと考えますので、私どもの解釈といたしまして、経営上やむを得ない理由が生じたというぐあいに解釈しているところでございます。
    〔委員長退席、森田委員長代理着席〕
○常松委員 理事長、そういうことにはならないわけです。これまでの清算事業団理事長の国会答弁があります。例えば、社会党の先輩であります穐山篤議員あるいは堀昌雄議員あるいはきょうもお見えの緒方議員などが、三年間で再就職あっせんが尽くせなかったときはどうするのだということを再三にわたって質問をいたしております。
 例えば、穐山議員は昭和六十二年八月二十五日の質問で、「職場の環境をよくしませんと、これは再就職問題は最終的に三年以内で解決をしないという心配を私は現実にするわけです。」というように質問をいたしております。これはいろいろな不信感があるということですが、それに対して当時の杉浦理事長は、三年間で完全に再就職させるということを約束をしているわけであります。
 また、堀昌雄議員が昭和六十三年四月二十二日に質問をいたしました。この場合も、もし残された期間で全員を再就職できなかった場合にはどうするのだ、こういう質問に対して、当時の杉浦理事長は「法律上の身分といたしましては、そのことについて特段の規定はございません。」こういうふうに答弁をしています。解雇をする、決してそういうことを答弁はしていないのです、今まで国会で一度も。きょうあなたが答弁するまでは、ただの一度もそういう答弁はございません。さらに、そのときの堀議員の質問に対して、これは趣旨はこういうことです。恐らく残り二年間で全員の再就職を果たすことはできないだろうから、したがってひとつ積極的に清算事業団が雇用の場をつくっていくように努力したらどうだ、こういう質問を堀昌雄議員が行っております。
 これに対して当時の竹下内閣総理大臣の答弁は、そういうことが必要だろう、貴重な意見だから、そのことについて検討する、そういう趣旨の答弁をされているわけです。つまり、これまでの国会答弁の中でただの一度でも、解雇する、三年終わったら解雇なんだ、そういう趣旨の答弁はありません。ありませんし、これまでの経過の中でいえば、その三年間かけて全力を挙げて事業団は再就職のためのあっせん活動を行うというのが言明をしてきた約束であります。つまり、このたび千四十七名の方々が再就職ができないで残ったということは、千四十七名の方々に責任があるのではなくて、まさに再就職をさせることができなかった、あっせんすることができなかった清算事業団の責任というふうに言わなければならないと思うのですけれども、理事長の考えはいかがですか。
○石月参考人 ただいま議員が言われましたように、杉浦前理事長がそのような発言をしたということは私聞いております。解雇をしないという発言は聞いておりませんけれども、再就職、雇用対策の対象者という方々は、同法が失効したからといって自動的に身分が失われるというような趣旨の規定は置かれていないことは私もよく承知をしているところでございます。
 しかしながら、先ほど申し上げましたように、これらの再就職を必要とする者、すなわち事業団を退職してほかに職を求めることが必要である方方につきましては、この法律が失効しまして事業団の再就職促進に関する臨時業務もなくなったわけでございますので、私どもは就業規則に照らしまして解雇に至ったわけでございます。また、千四十七名に及ぶ解雇者を出したのはおかしいではないかというお言葉でございますが、事業団といたしましては、発足以来再就職の対策につきまして、政府の御指導のもとに、史上空前ともいうべき陣容を構えまして今日までやってまいりました。また、三月に至りましても、大臣の御指導を得まして、最後の最後に至るまで広域採用をやりましたり、また離職していかれる方に対しましては退職金の上積みもやりましたり、もう最大限の努力をしてきたと私ども自負しているところでございます。
 不幸にして私どもの誠意が御理解いただけなく解雇のやむなきに至りました方々につきましては、あくまでもやはり地元のJRへの復帰を希望されるというようなケースが非常に大きゅうございまして、この点につきまして解雇者が出ましたことは大変残念でございますけれども、我々としましてはもう最大限の努力を尽くしたというぐあいに考えているところでございます。
○常松委員 理事長の答弁には納得できません。納得できませんが次へ進みます。
 しかし、理事長、ぜひ御承知いただきたいことは、ここに音威子府の御家族の方から手紙が来ています。この手紙はいろいろなことが書かれておりますけれども、「音威子府支所長は最後に「四十八人全員再就職させる事が出来なくて申し訳ありませんでした」」というふうにおわびをしているということなんです。この方だって温かい人だとは思いませんけれども、それでも理事長の言葉から、再就職させることができなくて申しわけなかった、そういう温かいお言葉をいただけなかったということについては、私は極めて残念に思いますが、次に進みます。
 法的に見ても、そして道義的に見ても、私は今回の解雇は極めて不当だというふうに考えているわけでありますが、さらに私がけしからぬと思いますのは、解雇された方々というのは、もともと清算事業団に行きたくて入った方じゃないんですね。希望して入ったんじゃないんです。むしろ、当時の国鉄によって、あなたは清算事業団へ行きなさいというふうに、意思に背いて清算事業団に行った。しかも、その中には、例の国鉄の分割・民営化に反対をする思想、信条を持っていた方もあるわけです。つまり、みずからの思想、信条に反して行かされるということでもあったわけです。そういうふうに考えてきますると、大体清算事業団に行ったこと自体がいわば国鉄改革の犠牲だというふうに考えるのが普通の人間の心情じゃないか。ところが、それにもかかわらず今回解雇した。
 しかも、政府はこれまで国鉄改革の過程の中で何度となく、差別はしない、労働組合の所属その他によって差別はしないということを言明してきました。例えば、これまた一々申し上げませんが、橋本運輸大臣にしてもあるいは平井労働大臣にしても、そして当時の杉浦国鉄総裁ははっきりと「私ども、そのような不当労働行為は絶対にあってはならないと。そのことにより、かつての大変問題になりましたマル生運動のようなことはもう絶対にいかぬということで、終始一貫私は現場に指導をしてまいったところでございます。」これは八六年十一月二十七日の当時の杉浦総裁の国会における答弁でありますけれども、こうした答弁をしてまいりました。国会に対して約束をしてきました。そして、参議院におきましては同様の附帯決議も行われました。
 これは運輸省に伺いたいわけでありますけれども、ところが実際はどうだったのか。差別が行われたというのが実際じゃないか。例えば、その具体的な証拠を挙げますと、先ほどの質問にも出ておりましたけれども、採用差別に対して十七都道府県において地方労働委員会の命令が出ています。これは全部採用差別が行われた。今まで出ている命令は、全部採用差別が行われたということを地方労働委員会は明確にし、そしてその改善を命令しているわけです。
 それだけではありません。当時の杉浦国鉄総裁は採用差別はしないと言っているわけでありますけれども、そういうことで現場を指導していると言っているわけでありますが、現実にどうだったかといいますと、例えば、一九八八年四月二十日の北海道地方労働委員会において、旧国鉄の車両関係職場のもとの助役の方がこういう証言をしているわけです。私たちは国鉄労働組合員を排除した、この管理調書を作成するのに当たって、「項目の半分は組合にかかわる内容で、国労である限り、仕事はできても低い評価になった」、こういうことを地方労働委員会の場で証言をしています。
 あるいは香川の地方労働委員会、これは一九八九年、去年の四月十二日ですけれども、もとの松山駅の助役さんが証言に立ちまして、新会社と清算事業団との振り分けに使用された職員管理調書については、国労の組合員の評価は「普通」からわざわざ「極めて悪い」という五に書きかえるというふうなことまで行ったということをその地方労働委員会の場で証言しているわけです。
 ですから、今回この解雇される方々の中には、もともと自分の意思ではなくて清算事業団に行って、しかもそれが採用差別、今この助役さんの証言にあるような差別が行われて、そしてここでまた解雇される、こういう事態でありまして、この国会における再三の運輸大臣あるいは国鉄総裁の、採用差別はしない、組合による差別はしない、こういう約束についてどういうふうに現場を指導してきたのか、その指導してきた中身についてひとつ御答弁いただきたいと存じます。
○大塚(秀)政府委員 かねてお答えしておりますように、国鉄改革時におきまして正当かつ合法的に手続が行われたと考えておりますが、個々の案件について、係争中のものにつきましては政府としてコメントを差し控えさせていただきたいと思います。
○常松委員 答弁が極めて事実に反しておりまして、私が聞きましたのは、現に国鉄のもとの助役が地方労働委員会で証言をしているわけです。私はやりました、そういうふうに証言をしているんですよ。一方国会では、当時の総裁も運輸大臣も、決してそういう差別はしません、こういうふうに答弁をしていながら、この間にはこんなまるで真反対の格差があるじゃありませんか。こういう実態について運輸省はどういうふうに指導してきたのか、こういうことを承っている、その指導してきている中身を大塚さん答えていただきたいと思うのです。
○大塚(秀)政府委員 国会等でも当時政府側で答弁させていただいておりますように、そのような差別がないように国鉄及び政府は指導してきたと私ども聞いております。かつ、現在、そのような個々の問題で係争中のものもあると聞いておりますが、その点につきましては、先ほども申し上げましたように、コメントを差し控えさせていただきたいと考えております。
○常松委員 全然答弁になってないんですけれども、時間がありませんから、また後刻その点については御質問することとして、次に進みます。次に、事業団の再就職についての指導、あっせん、援助、この実態について少しお尋ねをしたいと存じます。
 先ほどの理事長の御答弁もそうですし、三月三十一日の杉浦理事長の談話もそうでありますが、こんなふうに杉浦理事長は談話で言っております。「とりわけ地方労働委員会命令にとらわれ自身の雇用確保に向けて決断の機会を失った職員が数多くいたことは遺憾であります。」こういう談話を発表しているわけであります。これは、地方労働委員会の命令を、敵視と言ったら少し強過ぎるかもしれませんが、しかし否定をする立場に立っておりますし、同時に、就職の未内定者につき、その責任はあなたたちにある、こういうふうにみずからの責任を職員に転嫁をして、みずからの責任を放棄をしている立場だというふうに私は考えるわけです。
 そもそも理事長、私どもが若い単身者であったって、例えば東京から北海道に転勤しなさいというふうになったら大変ですよ。それが、例えば両親と一緒に住んでいるとか、あるいは夫婦共働きで奥さんが働いているとか、子供が入学シーズンを迎えているとか、そういう条件の中で再就職に応ずるということは非常に困難なわけです。そして、そういう困難な職員の方々に対して手厚い、そして誠実な態度で就職あっせんをするというのがあの特別措置法を制定した趣旨じゃありませんか。しかし、実際ほどうだったのか。
 ちょっと済みませんが、これを大臣に私は見ていただきたいのです。――今大臣に見ていただくのは、旭川の藤原さんという人がつくった木彫りなのです。この藤原さんから手紙が来ています。ちょっと読み上げさせていただきます。
  就職について家族とも相談し、技術を身につけるため、趣味でもあった木工クラフトを生かすことが再就職への道だと判断しました。当局との個人面談においても、再就職希望は木工関係の仕事のあっせんか独立自営したいと伝えました。
  そして、七カ月間技術研修に励み、清算事業団に戻ってからも技術向上のために努力をしてきました。
そこに今持っていったのが、その技術向上の結果彼がつくったオートバイの木彫りですよ。
  しかし、木工関係の就職のあっせんはなく、独立自営についても何ら示されず、三年間その他の個人的な就職あっせんもありませんでした。そういった当局の不誠意な対応に不安を抱きました。木工クラフトの仕事を考えながらも、地方労働委員会救済命令が出ており、今まで働いてきたJR北海道に復帰をしたいという決意を改めて固めました。
というのがこれをつくった藤原さんから私がいただいている手紙であります。あるいは、今の藤原さんは旭川の人ですけれども、音威子府の佐藤敏行さんという人はこういう手紙をくれました。
  私自身当初はJR北海道という気持ちもありましたが、二年目ぐらいから早く再就職したい、親を一日も早く安心させたいと思いながら、公的、民間へと要求を広げてきました。しかし、当局から再就職あっせんというものは一度も受けたことはありませんでした。ただ一度、一年目の六十二年の十月ごろ、トイレですれ違いざまに、本州の公的があるけれども行かないかいと言われただけだ。
こういう手紙が来ているわけであります。しかも、そして、途中略しますが、
  私自身も、昨年の第三次広域採用を当局の言う最後の広域という言葉で十分考えました。これについては、当局が唯一自信を持ってやってきたにもかかわらず、出向はないのかとか、勤務地や宿舎はどうなっているのかといった質問には一切答えられず、じゃ一体何ができるのかという質問にも、コンテナを用意するとしか答えられませんでした。しかし、そのコンテナすらも準備ができず、宿舎を東京で現地視察してみると、子供二人抱えて入居するスペースではなく、断念せざるを得ませんでした。
これが佐藤敏行さんからの手紙であります。あるいは、もう一人、これは名寄の西根正春さんという方の手紙であります。これも読ませていただきますが、
  地元での再就職に重点を置き、元職に戻ること、公的、民間と幅広く考えてきました。企業訪問二回、企業への売り込みと言ったらいいのか、何とか使ってほしい旨を当局に話し、当局が動いた企業三件、採用試験三回、当局が私が腰痛で悩んでいることを知りながら、あっせんしてくるものは木工関係ばかり。試験を受けた二件については一般公募であったが、面接だけは絶対してくれるとのことであったが、結局はしてくれず、最悪の事態は、面接の日程を二、三日したら報告できるとの話で、その間に身内の者が紹介してくれた会社を断らざるを得なかったことです。その後当局は、私に対するあっせんはばつが悪いのか一件もありませんでした。私は私なりに各種試験に挑戦してきました。
ということで、この人はガスの溶接とか大型自動車とか大型特殊とか、そういう資格を取っています。しかし、最後には、
  杉浦理事長の一言で、再就職をする意思のない者としてのレッテル張りは何としても許されるものではありません。
こういうふうな手紙が来ています。
 理事長、こういう事例を承りますと、私は清算事業団がなすべきことを尽くしてきたのか、本当に困難な条件を抱えている方々に対して事業団として尽くすべきことを本当に尽くしてきたと言えるのかという点について、理事長の御見解を承りたいと存じます。
○石月参考人 私どもが行ってまいりました再就職促進対策につきましては、もう議員先刻御承知だと思いますので細かいことは申しませんけれども、ともかく私どもといたしましては、今までの炭鉱離職者等に比較しましてもはるかに手厚い再就職対策を講じてまいりまして、この間の予算は三千億にも及んでおるわけでございます。
 再就職の促進のために、全国に百四十八カ所の雇用対策支所を設置するほか、そこに千五百人に及ぶ管理者を配置し、一人当たりにいたしまして延べ七十四回の職業相談、三十四回の就職あっせんというようなものを行ってきております。また、職員の就職をスムーズにするためにいろいろな教育訓練というものも行ってまいりまして、延べで一万九千人に上る受講数の専門教育を実施してきた次第でございます。このように各種のとり得るすべての手段を尽くして再就職の促進を図ってきたわけでございます。
 さらに、最後の段階といたしまして、昨年の十一月でございますが、総理みずから雇用対策の本部長になっていただきまして、JRグループの広域追加採用を初めといたしまして三万件以上に及ぶ再就職先を職員に提示し、また、さらに三月二日からは再度の広域追加採用を実施したほかに、みずから退職する方々に対しましては基本給の六カ月分を支給するということまでやってきたわけでございます。このようにるる申し上げましたが、私どもとしては、とるべき手段は全部とったというぐあいに考えております。
 それから、ただいま議員御指摘の藤原さんの木工の仕事でございますけれども、これにつきましても、私どもの方で一応担当の雇用対策支所に照会いたしましたところ、本人から確かに木工関係に進みたいというお話がございまして、私どもの方といたしましては、六十三年の十月に旭川の第二支所長、助役、相談室指導員が成人施設あかとき学園というのを訪問して実習を依頼いたしました。園長からは、本人がやる気があるのなら受け入れるという回答がございましたので、直ちに本人に伝えて、本人は実習を開始いたしました。しかし、約九カ月ほどたちまして、平成元年の七月に至りまして、本人から一方的に、あかとき学園の実習はもう今週でやめるという連絡がありました。その後本人は、木工の実習はしたが、希望はあくまでもJR北海道に戻ることだ、私はJRにこだわるというようなことで、今日、最後の段階まで至ったというぐあいに報告を受けております。
 もう一つ、名寄の方の……(常松委員「時間がありませんから、わかりました、後で教えてください」と呼ぶ)それなりの対応を全部誠心誠意、かつて長年鉄道の仕事をしてきた同胞でございますので、全力を尽くしてきたということでございます。
    〔森田委員長代理退席、委員長着席〕
○常松委員 もしやってきたんだったらこういう手紙が私たちのところには来ませんし、仮にやっても、相手に通じなかったらどうにもならないじゃありませんか、結果として千四十七名の方が残ったんですから。このことは私は責任あると思いますよ。しかも、国鉄再建のときには、雇用対策のためにたしか九千億のお金を使うということを約束をしています。今の理事長のお話だったら三千億です。三千億しか使っていないということじゃありませんか。そういうことからしても極めて不十分だったと言わざるを得ないと思うのです。
 私は、時間がありませんから、最後に大臣にぜひお願いをしたいと思うのです。
 地方労働委員会でこうした命令が数々出ます。出ますると、法治国家ですから、地方労働委員会の命令が出て、地元のJRに採用しろ、こういう命令が出れば、普通の方ならだれでも、これは地元のJRに採用されるだろうというふうに期待をすると思うのです。そういう期待を持つのは当たり前じゃありませんか、法治国家なのですから。労働省にも伺いたいところですけれども、時間がありませんから伺いません。しかし、それは法治国家に生きている人間ならだれでもそうなはずです。そういたしますと、そういう状況の中で地元のJRに採用してほしいという希望を持つのはもうごく当たり前のことです。
 先日運輸省にお尋ねをいたしましたら、かつて丹羽政府委員が国会で答弁をいたしまして、これは社会党の戸田議員に対するお答えでしたが、JR北海道の所要員として一万一千四百九十人というふうに答弁なさいました。きのういろいろお尋ねをいたしましたら、今出向に出ている人が九百四十五人、そして四月一日現在のJR北海道が一万二千二百六十二人、そういたしますと、差し引きをいたしますと鉄道業務に携わっている方は一万一千三百十七名ということで、所要員を現実に下回っているわけです。下回っておりますから、そういうところに採用されるだろう、こういう期待を持つのもこれまた当然です。
 先ほど申し上げましたように、事故が続発しています。この清算事業団の方々にしても、みんな国鉄を愛し鉄道事業を愛して国鉄に入った方々です。したがって、そういう事態のもとで地労委の命令もある、人員ももう足りなくなっている、人員不足からくる事故が続発している、そういう事態になれば、何とかJRに戻りたい、戻ろうという希望を持つのが当たり前じゃありませんか。
 しかも、運輸大臣も御存じだと思いますが、去年の十二月、広域採用の直前に、広域採用に応じた、これは西日本の方ですが、鳥栖の客貨車区の高尾秀敏さんという人のお母さんが強盗に入られて殺されました。広域採用で行っているときに殺されたわけです。こういう事態が起こりますと、当然広域採用にも応ずるには非常に不安が出てくる、こういうことから、当然地元のJRに採用してほしいという気持ちを持つのは当たり前じゃありませんか。私、もう一回最後に先ほどの西根さんの手紙を読み上げます。
  私たちこの近くでも、二月十五日には北見の仲間がみずからの命を絶ち、ついこの間、旭川の仲間が解雇通告の出た二十日に遺体が発見されるという、これまたみずからの命を投じた事件がありました。私たちは二度の首切りで感ずることは、一生の汚点となって履歴書に残ってしまうということです。必ず事業団解雇という一項目はぬぐい去ることはできません。まさに両肩に入れた入れ墨と一緒です。こんな者を採用してくれる会社はないのです。私はどうしてもJR北海道で働かない限り生きる道はないのです。
こういうふうに訴えられています。どうか運輸大臣、政治家として英断を振るっていただいて、事業団に雇用を継続するかあるいは地元JRに雇用するように強力に働きかけるか、強力な指導をお願いいたしまして、私の質問を終わらしていただきます。
○大野国務大臣 今先生からるる承りましたが、先ほど来も清算事業団の理事長あるいは総括審議官からも答弁いたしました。また同時に、予算委員会でも当問題につきましては相当多くの御質問もいただいたところでございますけれども、政府といたしましては、やはり再就職の意思のあ方るについては十分にやってきた、こういうふうに考えております。そういうような現況も承りましたけれども、いずれにしても三年有余という間全力を尽くしたことを御理解賜り、そしてまた、再就職の意思のあった方と同時に、今日千人有余の方が解雇ということになったことは、甚だ残念だと思っております。
○田名部委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時三十五分休憩
     ────◇─────
    午後一時三十二分開議
○田名部委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。上野建一君。
○上野委員 まず、午前中に清算事業団の問題がございましたので、そこから始めていきたいと思います。
 いろいろ清算事業団の立場で十分に就職のあっせんをやった、これ以上できないくらい十分にやったというお話でございました。そこで、それらの問題についてはほとんどやってないというのが、もちろんその当事者を初め私ども社会党の見る点でも一致しているわけですけれども、その問題について、就職をあっせんした数は確かに多いことも知っています。ただ内容的に、当初からもう差をつけて、いわゆる差別採用という形で行われたということが言われているのですけれども、まず清算事業団の責任者として、そういう事実があったのかないのか明確にしていただきたいと思います。
○石月参考人 差別待遇というのはどういう事実でございましょうか。大変申しわけございませんが、もう少し具体的にお聞かせください。(上野委員「だから、採用に差をつけて特定の人たちを最初から入れないということですよ、答弁を求めているので、差別採用があったのかなかったのかと聞いているのですよ」と呼ぶ)
○田名部委員長 上野委員に申し上げますが、発言を求めてからお願いします、議事録がとれませんので。
○石月参考人 申しわけございませんが、就職あっせんに際して差別待遇があったかという意味でございますか。(上野委員「そう」と呼ぶ)そのようなことはないと確信いたしております。
○上野委員 それでは、私は具体的な問題を挙げます。
 関東雇用対策部主催の雇用対策係長、担当主席会議、これが昭和六十三年七月二十五日に開かれています。そして、それに出席をした係長と主席が復命書を提出しています。これが復命書ですけれども、その復命書の中で明確にしておるのは、幾つかの点でもう最初から差別をしているということが、九州や北海道だけじゃなくて関東においても行われているということが明確になっています。時間がありませんのでその点だけ、要点だけ読みますからちゃんと聞いておいてくださいよ。
 一つはまず、
  雇用対策業務の進展の面でみれば「良い子」と「悪い子」の二つしかない、その面でいえば、関東と千葉は「悪い子」で他は「良い子」と言われるのはやむを得ない。
  雇用対策業務と言うのは、どんな方法でも再就職をさせることが、雇用対策の業務であり、全国の未内定職員当初七千六百二十八人、六十三・七・一現在四千六百二十七人のうち、関東百五十一人、
そして新潟、高崎、水戸、千葉、長野、こういうことでやられています。今読んだところが復命書の文章です。
 そしてさらに、千葉でこれに対していろいろ説明したようですけれども、
  千葉の説明は弁解に聞こえる。再就職する気があるのか無いのかだけを確認して、後はほうって置いてよい。
さらに、
  「千葉労」との議論に巻き込まれては駄目です。無駄であるし、巻き込まれても良いことはない。集団はほうっておいて
やれ、こういうことになっています。さらに、こういうことを答弁しているのは、関東雇用対策部の根岸雇用対策課長、南雲企画係長、その他本部から松尾係長に染谷係長が出ていますね。
 そして、
  六十五・三・三十一まで再就職しないでおいておくだけの職員については、しっかりと確認ができれば、それはそれで片付いている。
  ただ、職業相談の際に後のフォローをきちんとして、後日に問題を残さないようにして、支部長が確認すること。
こういうことを言っている。これはもう明らかに差別でしょう。しかも、三月三十一日までほっておいて、やめるやつはやめるんだ、こういうことを言っているのです。首を切るんだという意味のことを明確に出しておる。これで再就職をちゃんとやったと言えますか、答弁をいただきます。
○石月参考人 ただいま議員のおっしゃいましたことをメモしてございますが、具体的な状況を存じておりませんので、後刻よく調べてみたいと思っております。
○上野委員 それでは、これは明らかになって事実だとわかったら、あなたは責任をとりますか。
○石月参考人 どういう趣旨でそのような発言があったのかよくわかりませんので調べさせていただきたいと思いますが、御承知のように大変よい景気が続いておりまして、雇用対策につきましては、先般来申し上げておりますように、たくさんの求職先がございましたので、これを特に関東地方等におきましては再就職対象者に十分示してきたつもりでございます。しかし、再就職対象者の中では、恩給その他を勘案するとそのまま退職した方がいいということで、再就職の意思が薄かった方がおったというようなことを私も仄聞をしております。いずれにいたしましても、具体的に那辺の事情を調べました上でお答えしたいと思っております。
○上野委員 そこで、これはもう今言ったような答弁を繰り返しているだけで、非常に責任感もなければ、私はどう考えても人間的な温かさとか、先ほどから、午前中もいろいろ議論が出ましたけれども、いかに人間を大事にするかという態度というか姿勢というものが全然感じられない。そこに今度の問題の大きな、根本的な問題があると思うのです。最初から差別をしてかかっている、そういう中では信頼関係ができませんから、なおさらこういう問題というのはこじれてくるし、問題の解決になっていない。
 私どもは、特に皆さん方に申し上げるのは、やはり一番はそこの問題なのです。そこら辺のところも認めようとしない、事実関係も認めようとしない、しかも自殺に追い込まれた人たちもいる、こういう状態があります。したがって、そこのところを清算事業団とかその他のところではどうしようもないだろうと思うので、そこで私は大野大臣にこの問題についてお伺いをしたいのです。
 これはまず、大野大臣は前に労働大臣もやられておる。そして、労働大臣というのは働く者の労働条件なり権利というものを守る立場にありますね。もちろんそれだけが仕事じゃありませんが、大きな仕事の一つだと思う。そういう大臣も経験をされている。しかも、私どもが少年のころには大野伴睦先生を私どもはよく知っています。もちろん直接じゃありませんが、大変な政治家の大物でありまして、その御子息であるということを考えますと、今度の問題の処理を誠心誠意やっていく、それがやはり大臣としての仕事じゃないだろうか、またそれを期待できる大臣であろう、私はそう思いますので、特に次の点についてお答えをいただきたいと思っています。
 まずこの国鉄清算事業団の問題について、これはもう明らかに分割・民営化の犠牲者ですよ。これはどう考えましても清算事業団に入れられたという人たちはもう完全に犠牲者です。国鉄の問題を今さら申し上げませんが、ああいう形になった責任はどこはあるかと言ったら、決してそこで働いている人たちに、全然ないとは言いませんけれども、大部分は歴代内閣にあり、そして国鉄の幹部の人たちにある、私はそう言ってもいいと思うのです。言われたとおりにどんどん線路は敷いていく、政治的なことをかなり多くやってきたために赤字が出てきた。これはもう明確な形です。したがって、そういう意味では、まさに今度の国鉄の分割・民営化の中で、いわばその犠牲を国民に、金の面では国民に負担をさせ、そして直接にはそこで働いている人たちの首を切るという形でしわ寄せをしている。これはやはりあってはならないことだと思うのです。こういうことはやめなければならぬと思うのです。
 しかも、現にあらゆる時の政権に携わった人たちが、先ほども一部紹介がありましたけれども、明確に、首を切るなどということは言っていない。逆のことを言っているのですね。例えば当時の中曽根総理大臣は、これは有名な言葉ですけれども、一人も路頭に迷わせない、こう言っているじゃありませんか。あるいは当時の平井労働大臣も、とにかく雇用不安を起こさないよう全員速やかな再就職、それが今後の円滑な分割会社の発展に一番重要なポイントである、こう言っています。
 これは時の政権に携わった人たちですけれども、あるいはさらに参議院と衆議院で附帯決議をつけていますね。その附帯決議は、これはもう自民党も野党も皆一緒になってした決議ですから、これをまともに読めば、今日千名余りの人たちの首を切るなんということは出てこないはずだ。
 そう考えますと、大野大臣どうでしょう。この際、政治的な配慮を含めてこれは運輸大臣が発議をして、やはり全体のものとしていく必要があると思うのです。この首を切った問題、その責任を言っているわけじゃありませんが、いずれにせよ、この人たちを救うという態度があってしかるべきじゃないか。私はそれを大野大臣に期待したいのですが、どうでしょうか。
○大野国務大臣 先ほど来鋭意私も数回答弁をさせていただきましたが、今日こういう形で解雇者が出たということはまことに残念だと思っております。しかし、その間三年間というもの、本当に最大の努力をして政府も再就職あっせんに臨んだわけでございますが、私も労働大臣経験者でありますけれども、労使関係というのは信頼も大切ですが、やはり冷静に同じテーブルに着いて話をするということが一番根本であろうかと思うのです。私も労働大臣のときに数回そういう経験もいたしましたけれども、やはり相手にテーブルに着いてもらえないというようなこともございました。そうなると、いつまでたっても平行線をたどるという結果になります。そういうことはあってはならないことですが、世の中には間々あることでもございます。
 しかし私は、運輸大臣になってから間もなくではございましたけれども、やはり何としてでも再就職を最後まであっせんしたいという気持ちでJR等に対して広域採用を追加させたとか、あるいはまた退職金を六カ月上積みさせた。これでも随分と、これは財政的な問題もございますし、それからその他のこともございまして、私自身もいろいろ言われましたけれども、そういうものではない、人間の生活ですから、当人もまじめに考えていただきたいし、こちらもまじめに考えてきたと思います。
○上野委員 どうも大臣もだめみたいですね。しかし、先ほども出ていましたが、首を切るという根拠になる法律は実際問題はないのですね、そういうこと。それから、三年、三年と言うけれども、三年の中では、もう最初から差別をつけての採用をずっとやってきているという事実。それから、もう広域採用に応じられる人は応じているわけです。そういうことがあるし、現に関東にも先ほど言ったようにまだ残っていた。
 そういうことなどを考えますと、やはりこれはどう考えても不当じゃないですか。政府として公にしたことについてもこれは反している、こういうことですから、これはもう明らかに政府自体が責任を持って処理すべき問題だと思います。しかもこれは今後とも、これからも続く問題なんです。JRが株を上場しようとしても、私はやはりこれに障害が出てくると思いますよ。それから清算事業団は三年間、雇用問題だけじゃなくてほかの問題なんかでも全然解決していないじゃないですか。土地の問題もそうだし、いろいろな処理についてももう全面的におくれている。そういうことなどを含めて考えると、この雇用の関係だけは三月三十一日でぴたりと首を切る、あとの仕事は残りっ放しじゃないですか。これはどう考えていますか。
○大塚(秀)政府委員 先ほど来申し上げておりますように、再就職対策につきましては、再就職促進法に基づきまして三年間で再就職対策を行うということで、清算事業団が最大限の努力をしてまいりました。これは、他産業の離職者に対してよりも極めて手厚い対策であったと考えております。
 一方、土地や株式についても現在準備を進めておりまして、できるだけ早期に処分を行うということで、清算事業団は鋭意努力しているところでございます。
○上野委員 大臣に聞いてもだめなんだから、もう血も涙もない答弁と言わざるを得ない状態ですから、この問題は改めてまた出直して、いろいろな角度から申し上げてまいりたいと思いますので、清算事業団の問題は以上でやめまして、例のJRの、東北新幹線が東京乗り入れの際に起こった陥没事故、それからさらに、鉄建公団が行っておる東葉高速鉄道の不正手抜き工事について質問をいたします。
 そこでまず、これだけ重要な問題が起こっているし、私は、当然JR東日本の社長さんはきょう出席をしてもらえるものだと思っていた。ところが、社長は忙しくて出られない、こういうお話です。じゃ、社長がだめなら副社長がいるだろうと言ったら、副社長も忙しい、大阪なんかへ行っていると。大体、国会を少し軽視しているんじゃないですか。そんなにたびたびあるわけじゃないでしょう。忙しいといえば皆忙しいですよ、暇な人なんかいやしませんよ。それなのに出てこない。
 それで、聞くところによると、社長はJRの社長だけじゃなくて、いろいろな仕事を十ぐらいやっているというお話を聞いているんですけれども、それは事実ですか。こんな重要な段階で、しかも、JR東日本についてもいろいろな問題が今起こっているのに、いっぱい仕事を持っている。だから忙しいのでしょう。そういうことというのは実際はどうですか。十ぐらいの肩書を持っておられるというのですが、その事実を……。
○大塚(秀)政府委員 JRの役員については、JRの関連企業、子会社等との関連でそういう肩書を持っている例はあろうかと思いますが、社長について、現在すべての肩書を手元に持っておりませんが、少なくとも、JR本来の業務に支障のあるような他の職務を兼ねているということはございません。
○上野委員 そうするとあれですか、社長も副社長も出られないというのはどんな重要なお仕事なんでしょう、参考に聞かせておいていただきたい。
○大塚(秀)政府委員 委員会でお決めいただいたことでございますので、私の方からちょっとコメントは差し控えさせていただきたいと思います。
○上野委員 委員会は出られないということだからやむを得ないといった話だというのだけれども、委員会に出られないのは、もうきのうから私の方に話があったのですよ、社長、副社長も出られないと。だから、それは一体どういうことかと言っているんです。何でそんなに忙しいのか。忙しいと言ったでしょう、副社長は大阪に行っていると。
○内田参考人 当社の社長、副社長、大変きょう多忙で出席できないということで、申しわけございません。私、かわりに、工事担当の取締役でございまして、責任を持ってお答えするようにという指示を受けて出席させていただいております。
○上野委員 その出られない理由というのは、場合によってはそれはわかりますよ。わかるけれども、内容を明らかにしたらいいじゃないですか。多忙というのはみんな多忙ですよ。だけれども、委員会に要請があったらやはり出るのが本当じゃないですか。どういう仕事で忙しいのですか。私どもの聞いているのでは、どうもいろいろな仕事があって本業に専心できないというふうにも聞いているんだけれども、それはどうなんです。
○内田参考人 社長も副社長も以前から、もうやんごとない用事で人と会うという約束をいたしておりまして、どうしても欠かせないということのようでございます。出張いたしております。
○上野委員 もう話にならないね、これは。僕は久しぶりで国会に出てきたのですけれども、委員会というのはこんなものですかね。ひどい答弁ですよ。委員長、我々は時間が限られているのですよ。そこで聞いているんだから、あんな答弁はないでしょう。なぜ出られないのですかと聞いたのに対して多忙だという。多忙なんというのはもうわかっている。さっきから聞いていると、午前中の答弁もそうだけれども、きちっと聞いたことに答えるようにしてもらわなければ。委員長どうですか、それをちょっとやってくださいよ。
○大塚(秀)政府委員 申しわけございません。
 JR東日本も極めて国民の日常生活に深い関係のある公益事業を行っておりまして、そのトップの座にある社長も業務において多忙だと推察されますので、今後、その予告期間その他において、できるだけ幹部が出られるようにはしなければならないと思いますが、今回は他の業務のために出られなかったものと考えております。
○上野委員 これから少し、ぜひ委員長を先頭にこの委員会の内容を高めるように、ひとつお願いしたいと思うのです。やはり聞いたことに的確に答えてもらう。JRの人がいるのに大塚さんが答弁したり、これは越権行為ですよ。時間がありませんから先に進みます。
 そこで、この事故というよりも、事故を起こした原因は手抜き工事にあったということが今明らかにされていますけれども、その中で、特にこの薬液注入というものについて両方ともやっているのですね。しかも大体同じメンバー、熊谷組とその下請会社、この二つでやっている、こういうことなんですが、事実関係はもう相当明確になっていますから、そこで私は、主として、これからこういう問題を起こさないためにはどうするのかということの角度からお伺いしたいと思います。
 そこでまず第一は、こういうことがたびたび今まであったということが言われています。五十六年のフジタ工業による手抜き工事、六十一年の名古屋市の地下鉄工事、これは会計検査院から指摘をされて初めて明らかになった、こういう問題があります。そしてこの不正を再び起こさないということがその都度言われてきたのですけれども、相変わらず起こっている。
 そこで、私が思うには、一つはJRの発注のやり方、ここにまず問題があるんじゃないだろうか、こう思うのです。というのは、この場合には熊谷組と契約をしているわけですけれども、その際に、薬注は幾ら幾らで工事はやるのですよ、こう明記されているわけですね。ところが、果たしてその金の範囲内で、適正な価格でその下請に出してあるかどうかということがまず問題になります。
 ところが、どうもそこのところ、まだ明確じゃありませんが、相当な金を、いわゆる俗な言葉で言うとピンはねをされている、熊谷組がピンはねをしている、そういうことが明らかにされつつありますが、その関係はどうでしょうか。金額、幾らでやって幾らであれしたか、ちょっと明確にしてくれませんか。
○内田参考人 薬液注入工事につきましては、御徒町トンネルの工事の一部として熊谷組に発注をいたしております。トンネル工事全体の工事の請負金額につきましては、当社で定めております一般的に常識的な積算の基準に基づきまして積算をいたしまして、それで元請人である熊谷組に発注をいたしております。
 それで、熊谷組が下請会社とどういった契約をしているかにつきましては、その下請会社との契約の態様によりますので何とも申し上げられないと思いますが、発注者である私どもといたしましては、元請人の熊谷組にすべてゆだねておりますので、下請会社に対応するその契約関係あるいは対応関係については熊谷組にお任せをしておるというのが実情でございます。したがいまして、その下請会社との契約の内容については知り得る立場にございません。
○上野委員 金額は。答弁が抜けている。だから熊谷組には幾らでやったかということ、ちゃんと聞いていてメモぐらいとっていてくださいよ、あなた。
○内田参考人 大変失礼しました。
 ただいま事故の発生いたしました御徒町トンネルの、第九工事というふうに申し上げておりますが、その中で含まれております薬液注入の工事金額は八億四千八百万円でございます。
○上野委員 この薬液注入というのは、いわば地下にやるものですから、終わるともうわからない、こういうことをねらってその金額が使われないで、例えば今度の場合は熊谷組が金を取った、こう思われるわけです。そこで今答弁がありましたように、熊谷組にすべてを任せて、あとはチェックしてない、ここに最大の問題があると思うのです。だから、熊谷組にやったこの八億四千何がしの金を、例えばその半分ぐらい削ってこれでやれと言われればやらざるを得ないのが今日の構造ですよ、土建業界の構造です。
 もう時間がありませんから詳しいことは申し上げませんけれども、そういう体質になっている。そうだとすれば、もう明らかに最初からわかっているのですね。金を中で抜いて、そしてその金で下請でやらせるということは、もうわかっているわけですから、抜く金が常識で言えば一五%ぐらいだと言われている。ところが今度の場合は半分近く取ったと言われているのです。実は新聞には一リッター当たり九十円のものが五十二円で出したと載っておりますけれども、さらに内容を私どもの独自の調査をしてみますと、どうも実際には三十七円でやらせているようだというのです。そのことはこれから確めなければなりませんが、いずれにせよ、それだけいわゆるピンはねしているわけですね。そのことをJRが、発注者がチェックできないというのはどういうわけですか。また、やろうとしないのはどういうわけですか。それをやらなければ絶対こういうことはなくなりませんよ。また起こりますよ、どうですか。
○内田参考人 下請会社の対応につきましては、元請会社を通じていろいろな注意を申し上げるというふうになっておりまして、例えば今回の工事のように非常に安全の問題にかかわるような部分につきましては、私どもから元請会社である熊谷組を通じましていろいろ必要な注意をさせていただいております。ただ、幾らで発注したとかそういった商行為に関する問題は、現在のところ元請人の熊谷組と下請の間に任されておりますので、私どもとしては知り得る立場にございません。
○上野委員 それじゃまた起こりますね。また起こってもそういうことをやらない。そうするとあなたは、今大臣も言っていたけれども、安全については第一に考えると言っているのに、今度もしあれが、ちょっと何か変化があったら大変な死者を出したでしょう。そう言われているでしょう。そういう人間の命にかかわる問題を特にやっているわけですけれども、そういうことがあってもこれからもチェックも何もしないということですか。
○内田参考人 実は今回の事故につきましては、当社の進めておりますトンネル工事でこういった大きな陥没事故が起きたということでございまして、けがをされた皆様、あるいは地域の商店街の皆さん、関係者の皆さんに大変御迷惑をおかけしたということで遺憾に思っております。
 したがいまして、当社といたしましては、こういったことが二度と起こらないように安全の確保のために万全を期したいというふうに考えておりまして、今社内でそういった事故が二度と起こらないような方法につきまして、運輸省の指導を得ながら検討してまいりたいというふうに思っております。
○上野委員 きょう建設省にも来てもらっていますね。
 建設経済局に聞きますが、今やりとりしたとおりですが、そうすると建設業法も変えなければだめなんじゃないでしょうか。その点、どうです。
○木下説明員 お答えいたします。
 まず、現在のような状況が起こっておることにつきまして、業界を担当しております立場から大変厳粛に受けとめております。
 先生お話がございました発注者としての元請あるいは下請との関係につきましては、原則的には工事をゆだねられた業界が責任を持ってやることは言うまでもないことでございます。恐らく御指摘がございますのは、業法改正という問題よりは、そうした発注者と元請との間に結ばれる約款の中でどう位置づけるかという問題でございますが、私どもは原則的には業界の自主的な施工というのがまず第一だと思っています。
 しかしながら、預けられた仕事について発注者が自分の立場から適正に行えるかどうかということを常々見守ることも必要であろうと思いますから、それは工事の規模あるいはその難易度、こういうものを含めまして、それぞれ発注者が業者にどういう仕事ぶりをするかということについて双方が情報交換することもケースによってはあり得るのではないかと思っております。
○上野委員 それともう一つは、今度のJRのあの区間というのは元請が約九社ですか、熊谷組を初め九つの会社でやっておるようですね。その九つの会社、これは最近は、あれだけの大きな工事になるとJVを組んでおるのが多いのですけれども、この場合はどうしてJVを組まなかったのでしょう。
○内田参考人 お答えいたします。
 この区間については今九社に発注をいたしておるわけでございますが、トンネルとかあるいは高架橋とか技術的に割と高度なと申しますか、そういった工事になっております。それで、いわゆる大業者と言われる専門業者であれば一社で責任を持ってやれるというふうに考えまして、一社に発注するような体制をとらせていただいております。
○上野委員 不正があったということは、東葉高速鉄道の場合もちょうど全く同じような状態にありますが、それを、JRもそうですが、監督をしていると言いながら、実際にはこれは発見できなかった、あの埋没事故があって初めて明らかになった。あれは埋没がなかったとすれば、今もなおわからないで終わる可能性がある。後で陥没するというようなことも考えられるわけですね。
 そうすると、その監督体制というのは業者を信頼してやっていると言うけれども、過去にだっていっぱいあるわけですね、信頼しておったのにいろいろなことが起こっているわけです。いわゆるその監督体制も不備なんじゃないでしょうか。例えばJRの場合には、かつての工事事務所なんかも大幅に人数が減っていますよね。そういうことを考えると、検査体制、チェック体制が非常に弱い、こう思われますけれども、その点はどうですか。どれだけ工事事務所だとか関係人数が減ったのかもちょっと数字であらわしてください。
○内田参考人 お答えいたします。
 このトンネルの監督は、東京工事事務所の上野工事区というところで監督をいたしておりますが、総員二十名でございまして、通常の監督に必要な要員は確保できているというふうに考えております。
○上野委員 前はどのくらいいたのですか、前のことを聞いたのだけれども。
○内田参考人 以前、国鉄時代の最後でございますが、上野駅の工事が最盛期の関係でございまして、二十四人になっております。
○上野委員 次の問題としては東葉高速鉄道、そこで鉄建公団、今の同じ質問をしたいのですが、どうですか。
○岡田参考人 鉄道建設公団におきますところの監督体制についてお答えを申し上げます。
 先ほども赤松委員の御質問にお答えをいたしましたけれども、薬注工事につきましてはえてして問題がある工事であるという認識は持っておりましたので、チャート紙の全数提出、それの確認でありますとか工事現場の記録写真の提出でございますとか現場の施工状況の写真の提出でございますとか、そういうことで相当立ち入った監督体制をしているところでございます。
○上野委員 立ち入った体制にあると言いながら、実際はやられておるわけでしょう。そうすると、検査、チェック機能というのはどう考えているのですか。今のままで、二十名で十分だと言うのだけれども、それで起こっているんですけれども、一体JRの方はどうする気なのか。鉄建公団はどうなんですか。その責任ほどうなるのです、一体。
○内田参考人 今回のこの薬液注入の手抜きというか不正につきましては、材料の納入からあるいはいろいろな報告書類のいわば改ざんと申しますか修正やら、写真の修正とか非常に計画的に行われておりまして、そういう意味では残念な事柄だと思っております。私どもがこれまでいろいろな対応、こういったことが起こるだろうということで対応をしてまいったわけでございますが、それがいわば全部裏をかかれたということで、残念に思っております。したがいまして、これからそういったことを前提に、そういった不正が二度と起こらないような対応を現在検討いたしております。
○岡田参考人 鉄道建設公団におきましては、先ほどの東葉高速鉄道に関しまして、西船橋と習志野台と八千代の三カ所に建設所を設け、ここに今数字がはっきりしないで申しわけございませんが、約四十名程度の監督要員を配置しているところでございます。そのもとに、先ほど御説明しましたような注入工事につきましては監督体制をしいていて、これで十分であると考えていたわけであります。
 今回の事態にかんがみ、まことに愕然といたしておりまして、今後のチェック体制を、昨日も運輸省からさらに十分なチェック体制をとるようにという御指示も受けたところでありまして、今回の実態を十分調査の上、十分なチェック体制をとるようにさらに強化をしてまいりたいというふうに考えております。
○上野委員 それでは時間が来ましたので、結論の方を申し上げてやってもらいたいと思いますが、まず今度の中で、これだけ問題になっているのにJRと熊谷組で結んだ契約書を明らかにしない、しかも国会にも明確にしないということがわかりました。そこで取締役さん、あなた委員会なんかにも契約書を出せないのですか。ちゃんとした契約書を見なければ実際の形がわからない。契約書を出さないところを見ると、JRも一枚かんでいるのかなという感じがしたのです、答弁ではそういうことはないように見られるのですけれども。そこで、こういう問題が起こったら、普通のときじゃないですよ、こういうときに、熊谷組とあなたの方で結んだ契約書をなぜ国会に報告できないのか、見せることができないのか。その点は何を根拠にしてそういうことをやっているのかお聞きします。
○内田参考人 お答えいたします。
 一般的な請負の契約書につきましては、ひな形として先生にもお示ししたとおりでございます。熊谷組との契約につきましても、ほとんどあれと同じような内容で契約をいたしておるわけでございますが、やはり事柄が私企業間のいわば商行為でございますので、私どもの方からその契約書を提出するのはいかがなものかということで御遠慮申し上げている次第でございます。
○上野委員 そこで、もう一問だけしなければなりませんが、東葉高速鉄道は非常に住民の要望を担って今日までやってきた第三セクターです。その第三セクターで、今までも既におくれているのですけれども、来年の三月三十一日に開通するということを県知事は約束をしているのですね。それについては間違いなく実行できますかどうか、おくれるとするとどのぐらいおくれるのか、その点を鉄建公団にお伺いします。
 それからJRの方に明確にしてもらいたいのは、ぜひ一日も早く調査をしてもらって、熊谷組が業者にいかなる金額でこれを発注したのか、これを明確にしてもらいたい。その調査を終わり次第、委員会の方で結構ですから連絡をしてもらいたいと思いますが、その約束ができるかどうか。
 それから、最後に大臣にお伺いしたいのは、もう再びこういうことを起こさないと言ってしょっちゅう起こっているわけですね。そういうことについては大臣としては、この時点に立ってどこをどうすればいいのかという基本的な点でお考えのことがあると思うので、その点をお聞かせ願いたいと思います。
○岡田参考人 東葉高速鉄道の完成期限につきましては、一部の区間におきまして用地買収が難航している区間がございます。したがいまして、私ども公団といたしましては、今所定の開業時期に向けまして鋭意努力をしているところでございます。現在の時点でそれが一〇〇%完成できるということを申し上げ切るだけの自信はないわけでございますけれども、私どもといたしましては、極力その目標に向かって邁進をしているところでございます。
○上野委員 目標は三月三十一日ですね。
○岡田参考人 第一期工事の期間といたしまして、平成二年度末ということになっております。
○内田参考人 熊谷組と下請の注入業者との契約内容につきましては、いろいろな条件があると思いますが、できるだけ調査をいたしまして後ほどまた御報告させていただきたいと思います。
○大野国務大臣 今回の事故に対しましてはまことに遺憾だと考えております。
 そこで、昨日もこの問題に対しての調査、そして今後こういうような不正が再び起こらないような防止策等を検討させるべく指示したところでございます。そういうような結果を聞いた上で、JRあるいはまた鉄建公団等により一層厳しく指導していきたい、私はこう思っております。
○上野委員 ありがとうございました。
○田名部委員長 北側一雄君。
○北側委員 まず、関西国際空港に関してお尋ねいたします。
 関西国際空港の全体構想の件でございますが、日米構造協議の中間報告では、社会資本整備の大幅な拡充が示されております。また、「輸入関係インフヲの整備」の項では、関西国際空港の拡張計画の取り扱いを検討する旨明示されております。さらには、関西空港の一期工事の完成が平成五年三月の予定でもう三年足らず。また、明年からの第六次空港整備五カ年計画の策定に向けて今作業を進めておられます。こうした中で、関西新空港の全体構想について今後どのように取り組まれていかれるのか、大臣にお尋ねしたいと思います。
○大野国務大臣 関西国際空港につきましては、現在平成四年度末を目途として鋭意建設を進めております。そして、その後の問題につきましては、昭和六十三年度から近畿圏におけるところの航空需要の予測というか基礎調査をいたしておりまして、その基礎調査の結果と、それから、現在ございます大阪国際空港、これのあり方等も勘案した上で、六空整におきまして、国際航空需要というものがどうあるべきかというような中長期的なものを踏まえて考えたい、こういうように思っております。
○北側委員 先日の予算委員会で、大臣の御答弁の中にこの関西国際空港の問題につきまして「中長期的な考え方を持って前向きに検討したい、」また「キャセイ航空が横風にあおられて危うく大事故になりそうになった、これも滑走路が一本しかないという点があると思いますし、そういうことを考えると、関西国際空港もそれは立派な空港にしたい、かく考えております。」このように御答弁されておられるのですが、この御答弁からは、明年の空港整備計画に関西新空港の全体構想が取り入れられる可能性が強いというふうに考えてよろしいでしょうか。
○大野国務大臣 先日と違って答弁をはしょって申しわけございませんでしたが、気持ちは別に変わるものではございませんし、また、今御指摘のようにしたいということも考えておりますが、いずれにしても今航空審をやっておるところでございますから、私から先走った答弁もできませんけれども、ひとつお酌み取りいただきたいと思います。
○北側委員 この新空港の件に関連いたしまして、現在埋め立てがされておるのですが、埋め立てが当初の予測値を上回る沈下状況になっております。御承知のように、空港島の計測地点の沈下状況が当初の予測値を大きく上回って地盤沈下をしている状況でございますけれども、私の調べたところによりますと、計測地点の埋め立てが完了しましたのが平成元年の五月の末、三カ月経過した八月の末には六メートルの予測値にもかかわらず六・六メートルの沈下がされております。その後も沈下予測値を超える地盤沈下をいたしまして、ことしの二月の中旬現在では六・七メートルの当初予測値に対して七・五メートルの沈下、八十センチもの誤差が生じております。当初の予測では、開港五十年後に約八メートル沈下して地盤が安定する、海面からの高さで言いますと、開港時に海面から約五メートル、開港五十年後に海面上四メートルで地上が安定すると予測しておられたわけですが、こうした計画もこの地盤沈下の状況によっては変更を余儀なくされることになりはしないか、そう思います。
 現在、その原因、今後の見通しにつきまして空港会社の方でしっかり調査をされておられると思いますが、現段階で最終的な沈下見通しがどう予測されるのか、また、埋め立てに必要な土砂の量をふやさないといけないのか、こうした問題で現在会社の調査結果が明らかになっているのか、お答えをお願いしたいと思います。
○丹羽政府委員 関西国際空港の埋め立ての問題でございますけれども、先生御承知のとおり、六十三年十二月に護岸が概成して以来、空港島の埋立工事を進めているわけでございますけれども、これは来年の十二月の埋め立て完了ということを目指しております。
 それで、今の御指摘の埋立地の沈下の問題それ自身は、当初から想定していろいろな対策を講じながらやっているわけでございますけれども、関西国際空港株式会社の方は、沈下の状況につきまして、去年の五月からただいまのお話のように埋立調査工区というのをつくってございますが、そこで計測を行っておりまして、今その観測データの分析中という段階でございます。
 それで、現在までの埋立調査工区におきます沈下量、それが当初予測よりも先生のお話にございましたように大きい傾向になっているということにつきましては、私どももその報告を受けておりますけれども、先ほど申し上げましたように現在観測データの分析中だということで、その最終結果はまだ出ていないというふうに聞いております。
 それで、この問題につきましては、関西空港の建設の工期というんでしょうか、工程に影響が出ないように対応していくということが大事なことだろうと思っておりますので、まずは関西国際空港株式会社におきましても調査結果について早急に取りまとめる意向であるというふうに聞いておりますし、私どもの方としても適切な指導をこれからも続けていきたいと思っております。
○北側委員 仮に埋め立ての土砂の量をふやさないといけないというふうになりますと、これは公有水面の埋立許可の変更をしないといけないことになるのでしょうか。
○丹羽政府委員 ただいま申し上げましたように、沈下の測定の結果についての分析につきましては、現在分析中でございますから今はっきりしたことは申し上げられませんが、この調査が、これはできるだけ早く確定しようとしておりますけれども、それが確定し次第埋立免許の、仮に先生のおっしゃるように埋め立ての土量を多くするとかそういったことが必要でありますれば、埋立免許の変更に必要な所要の手続をとっていくということになります。
○北側委員 当初の予定では本年度に空港施設の建設が開始されると思うのですが、この空港施設の建設の関係もございますので、早急に調査結果を明らかにされて、平成五年三月の開港に万全を期していただきたいと思います。
 この空港の問題に関連しまして、大阪湾の臨海再開発構想についてお聞きいたします。
 御承知のように、この大阪湾の臨海につきましては先日地元で、大阪湾ベイエリア開発推進協議会が「大阪湾ベイエリア開発整備の基本的方向」という中間報告を発表されました。大阪府は府で独自に研究されてもおりますし、また国におきましても、国土庁が昨年の十二月に「阪神臨海地域の再編に向けて」と題されまして、「阪神臨海地域再開発構想策定調査の概要報告」というものを発表されておられます。建設省、通産省もそれぞれの立場で大阪湾の臨海について調査をされていると聞いております。
 昨年あたりからこの大阪湾、関西新空港との関連だとは思うのですけれども、この臨海再開発についての議論が非常に活発になっておるわけでございますが、この大阪湾につきましては、特定重要港湾とか重要港湾をたくさん抱えているわけで、運輸省としても非常に関心を持っておられるものと思います。この大阪湾の臨海の再開発について運輸省が今後どのように取り組んでいかれるのか、またどのように取り組んでこられたのか、御答弁をお願いしたいと思います。
○御巫政府委員 お答え申し上げます。
 堺泉北港等いろいろと大阪湾に多数の港がございますけれども、臨海部の再開発プロジェクト、これにつきましては、地元に第三港湾建設局というのがございますけれども、ここにおきましてこの湾の開発利用、保全につきまして大阪湾長期構想というようなものを勉強中でございます。昨年十二月より学識経験者から成ります懇談会等を設けまして、その御意見をいただきながら、いろいろな方面からのデータあるいは御意見等を伺って策定作業に入っております。この構想の策定に当たりましては、当然地元市町村の方々の御意見も十分伺うということになると思っております。
 なお、この構想とは別ではありますけれども、堺泉北の臨海部再開発につきましては、泉大津の旧港地区の再開発あるいはその周辺地域の再開発のプロジェクトというようなものまで現在着手をいたしておるところでございます。
○北側委員 運輸省の方で「大阪湾の長期構想の策定について」というものを今作業を進めておられる。ことし、平成二年度を完成目標。この中にも構想の検討方針として「自然と人間が調和した創造性豊かな先進空間」というふうに書かれておるのです。これは阪神だけではないと思いますが、今後の臨海の再開発計画には、一番大切な視点は、私は環境保全、さらには一歩踏み込んで、既に悪化してしまった環境の改善という視点がこれからの臨海再開発には非常に大切であるというふうに考えます。運輸省として、この環境保全、環境改善という観点からどのような施策をとっておられるのか、御答弁をお願いいたします。
○御巫政府委員 大阪湾の臨海部の開発というものにとりまして、環境をいかに保全するか、あるいは環境を造成、つくっていくかということが非常に重要であると思います。現在私ども、環境保全の問題につきましては、環境の悪化した地域におきます汚泥の除去、あるいはそこに浮遊しております油とかごみの除去というようなことを鋭意やっておりまして、よりよい環境をつくっていきたい、こういうふうに思っております。
 また、そういう現実に行っているものとは別でありますけれども、港湾は交通とか産業の基盤であることはもちろんでありますが、それと同時に国民生活の質的な面を支える、国民の諸活動を支える基盤としても非常に重要な意味を持っていると思っておりまして、潤い豊かな緑地とか広場とか海浜、そしてヨットとかモーターボートの活の基盤になりますマリーナ施設というようなものを整備して、市民が海や港に親しめるような、ういう方向での整備を進めているところであります。今後とも国民生活の質の向上というようなに資するように、港湾の環境保全あるいは造成ということに取り組んでいきたいと思っておりまして、大阪湾の長期構想をつくるに当たりましてもその点は十分に考えてまいりたい、こういうふうに思っております。
○北側委員 今後の臨海の再開発構想、さまざまなところで今されておられるわけですけれども、今申し述べました環境の保全増進という視点と、もう一つ大切なことは、地元市民のコンセンサスを構想の具体化の進展に従ってきちんととっていく、これが非常に大切であると思います。
 そのためには、地元の市民に対してこうした再開発構想のしかるべき情報の公開とか、さらには地元の意向などを構想段階からしっかり聞いていく、こういうことが非常に大切であると思うわけです。大阪府の意見は聞いているんだというふうになるのかもしれませんが、例えば私の地元の堺泉北港であれば、地元には堺市とか高石市とか泉大津市とか地元の市があるわけで、こういう地元の衛星都市の市民への情報公開、意見聴取をぜひ心がけていただきたいと思います。この点、運輸省としてどのように対応されているのかお聞きしたいと思います。
○御巫政府委員 臨海部の再開発というものはなかなか難しい面もございます。そこで、こういう再開発を行うに際しましては、開発プロジェクトの構想づくりという段階から調査をやらなければいけません。例えばポートルネッサンス21というような調査の仕組みがございますけれども、そういう調査をやってまいりますときに地元の港湾管理者が中心になって調査を進められますが、そのときに例えば委員会方式をつくるとかということで、地元の市町村あるいは経済団体等々、いろいろ関係する方々の御意見を十分に構想づくりの段階から取り入れていくというふうな仕組みをつくっておりまして、今後ともそういうふうに地元の方々の御意見を十分反映するように努力をしていきたいと思っております。
    〔委員長退席、森田委員長代理着席〕
○北側委員 それでは、清算事業団の債務償還についてお聞きいたしますが、新聞報道によりますと、六十二年度から土地売却の実績が三年連続当初見込みよりも相当少なかったというふうに聞いております。事業団所有の売却可能な土地が三千三百五十ヘクタールあると聞いておりますが、これは総額幾らぐらいに資産評価されておられるのかお聞きしたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 清算事業団用地のうち売却可能な土地の総価額につきましては、昨年初めの地価公示額をもとにかた目に踏んで九・九兆円という一応の試算がございますが、その後新しい地価公示額も出ましたので、街区の形成等あるいはその他の付加価値も加えて、現在資産評価をしている、作業中でございます。
○北側委員 資産評価を常に正確に掌握しているというのが前提になりますので、この三月に発表された一月一日付の公示地価に基づいた再評価を正確に早くしていただきたいと思います。
 現在事業団の債務が約二十七兆円、毎年利子負担だけで一兆五千億円と大変な利子負担があるわけなのですけれども、この債務を早く償還しなければいけない、そういう要請からは清算事業団の保有する土地を早期にかつ効率的に、効果的に処分し、債務処理を図っていかなければならないという要請があるわけですけれども、一方で、御存じのように地価の安定、抑制を何としても図っていかねばならないという現状にあります。
 こういう二つの問題点を調和させるためには、地価を顕在化させない土地の処分方法というものが非常に重要とは考えております。この地価を顕在化させない土地の処分方法について幾つか具体的に検討されておられるみたいですし、また実施もされておられるようですので、この状況と今後の見通しについてお尋ねしたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 地価を顕在化させない方法、つまり周辺の地価に悪影響を与えない方式として現在いろいろな形で土地の処分を考えておりますが、まず土地信託方式につきましては、既に渋谷と蒲田で実施中でございます。また、建物つき土地売却方式、これは上にマンションを建てて一緒に売るというものでございますが、津田沼、甲子園口で実施済みのもので、今後も各所で実施していきたいと考えております。また、ことしの三月に不動産変換ローン方式のための出資会社を設立し、今年度は梅田駅南口、また中央病院跡地、恵比寿駅前、名古屋の赤萩、四カ所においてこの方式で処分をしたいと考えております。
 また、今後汐留等の大規模用地につきましては、いわゆる株式変換予約権付事業団債方式と称しておりますが、このような形で処分を進めるべく現在その内容、方法等について鋭意検討中で、できれば平成三年度からそのような方法の実施に移りたいと考えております。
○北側委員 この地価を顕在化させない土地の処分方法というのが、ほかの方法に比べて周辺の地価に悪影響を与えない、確かにそうだと思うのですけれども、ただ、この方法を一つ一つ検討してみますと、きょうはもう時間がないのでやりませんが、また後日に回しますが、それでは地価問題がこれですべてクリアできるのかと言うと必ずしもそうではないのじゃないかというふうに私考えておりまして、地価問題を先送りにするとか、また別の出資会社が結局は土地を売却しなければいけないというような方法もありますし、ですから、今後とも地価を顕在化させない土地の処分方法を積極的に活用されるのは結構なのですけれども、常に地価問題とにらみ合わせながら、また監督されながらやっていただきたい、要望いたします。
 最後に、JR株式の件についてお聞きいたしますが、今後のJR株式の上場の時期、またその処分方法について、見通しをお聞きしたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 JR株式につきましては、清算事業団の抱える膨大な長期債務の貴重な償還財源であるとともに、JRの完全民営化のためにもその迅速かつ適切な処分が必要だと考えております。現在のところ、平成元年度決算で主な上場基準をクリアするJRも出てまいりますことから、遅くとも平成三年度には上場を開始したいと考え、その上場に当たっての基本的な問題点等につきまして、JR株式基本問題検討懇談会を設け、学識経験者に検討をしていただいているところでございます。
○北側委員 今の株式基本問題検討懇談会といいますのは、運輸大臣の私的諮問機関になるわけでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 運輸大臣の私的な懇談会で、平岩東電会長を座長にし、学者その他の学識経験者から成る懇談会でございます。
○北側委員 ありがとうございました。
○森田委員長代理 草川昭三君。
○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三です。
 まず最初に、日米構造協議に伴う運輸省の見解、これは特に見解というよりは規制緩和が向こうから言われているわけでございますが、その規制緩和への取り組みの姿勢をまずお伺いしたいと思います。
○寺嶋政府委員 日米構造協議におきましては、米側より、トラック事業の事業規制が過剰であって物流コストを引き上げているのではないか、こういう指摘がございました。我が方の立場といたしましては、米側のこのような指摘を待つまでもなく、日本政府として高度化、多様化する物流にーズに対応しまして、事業者の創意工夫を生かした事業活動が迅速かつ的確に行えるよう規制の見直しを図るというような見地から、貨物自動車運送事業法案及び貨物運送取扱事業法案を既に昨年の三月に国会に提出し、昨年末、臨時国会において成立いたしまして、十二月十九日に公布されたところでございます。
 トラック事業につきましては、この新しい法律によりまして新規参入を免許制から許可制に改めることによりまして、原則として需給バランスを審査しないということにいたしますし、また運賃を認可制から届け出制に改めることとしておりまして、トラック事業者の創意工夫を生かした事業活動を迅速に行うことが期待されております。
 この法律の施行は、法律の規定上は交付の日から一年以内で政令の定める日とされておりますが、運輸省といたしましては、本年十二月一日とする方針で、現在施行に向けての政省令制定等の準備を行っているところでありまして、その円滑な実施を図っていきたいと思っておるところでございます。
○草川委員 今の答弁は、いわゆる物流二法の新しい法律改正の説明をしてみえると思うのです。この法律というのは、御存じのとおり、もとをさかのぼればいわゆる臨調の精神から来ておるわけでありまして、いうところの日米構造協議の米側の提案事項とは少し異質な問題だと思うのです。ただ、米側が日本側の答弁に対して了解をしておるわけですから、殊さらここで物を言う必要はないと思うのですけれども、いわゆる新規参入には外資も入ってくることは当然予定をされるわけであります。既に国際小口混載で、あるいはDHLやフェデラル・エクスプレスというのですか、あるいはユナイテッド・パーセル・サービスと言われるような企業が手を挙げているわけでありますし、あるいはまた、直接実運送をするという意味ではなくて、ソフトウエアを武器に営業する物流商社ともいうべき企業の参入というのは当然予定をされてくることになる。いわゆる利用運送事業というジャンルになると思うのですけれども、そういう方々が手を挙げてくるということになると、今の答弁、いわゆる物流二法をもう我々は手配をしておりますよという答弁とは食い違う点が出てくるのではないだろうか。これは七月になるのか、あるいはその後になるのかわかりませんけれども、そういうことを予想をあらかじめする必要があるのではないだろうかと私は思うのです。
 そのことの議論は、きょうは時間がございませんので置いておいて、ひとつそれを踏まえて、いわゆる需給調整ということから認可じゃないよというような答弁なんですが、今までの場合、俗に言う聴聞会というのがありますね。実質的にはこの聴聞会に申請してここではねられるとか、あるいは聴聞会に提案する以前に、ヒアリングの段階で申請は取り下げるという例が間々あるわけです。我々はもうそういう経験をたくさんしてきておるわけですが、この物流二法がいよいよ十二月から実施をされる段階になりますと、例えば聴聞会は必要とするのかしないのか、この点を明確にしていただきたい、こう思います。
○寺嶋政府委員 現行の道路運送法におきましては、御指摘のとおり、事業の免許申請があった場合に、利害関係人が意見を述べる機会として、聴聞の制度が法律上規定されておるところでございます。利害関係人の申請があったときには、運輸局長は利害関係人、参考人から聴聞しなければならない、こういう規定がございます。
 ところで、新しい貨物自動車運送事業法におきましては、許可に際して利害関係人が意見を述べるための聴聞制度というものは規定されておりません。つまり、制度は廃止されておるところでございます。
○草川委員 じゃ、その答弁をもらいまして、次に、サテライト型物流拠点整備構想に移っていきたいと思います。
 運輸省は、平成二年度の要求で、このサテライト型物流拠点整備構想についての調査費をつけておるわけでございますけれども、まずその概要についてお伺いをしたい、こう思います。
○寺嶋政府委員 今年度の政府の予算案で調査費が計上されておりますサテライト型物流拠点整備の構想でございますが、これは、大都市圏におきまして宅地化の進行あるいは地価の高騰によりまして物流施設が狭隘化し、新規の用地の確保が大変困難になっておるという状況にかんがみまして、このような大都市を取り巻く衛星都市において集約的な物流拠点を整備して、その衛星都市の内部及び大都市と衛星都市との間の物流の効率化を図るとともに、この大都市内の物流施設の補完機能を持たせる、これによりまして、交通混雑の緩和とか土地の有効利用に資するということを目的としたものでございます。
 このような物流拠点には、地域の必要に応じまして、自動車ターミナルのような文字どおり物流施設にあわせまして、情報機能とか商流機能とかあるいは生活の快適化に資するいわゆるアメニティー施設等の諸機能も付加されることを考えておるところでございます。
○草川委員 今、このサテライト型物流拠点整備の概要ということについての答弁があったわけでありますが、確かに、従来のような物流拠点であるところのトラックターミナル、こういうものだけでは、土地が高騰している、だからそういうのではなくて、大都市周辺に情報化オフィスあるいは福利厚生施設その他の俗に言うところのアメニティーというのですか、快適性、こういうものを付加したいというようなことであると思うのですけれども、全国で、これは計画によると五つぐらいあるというのですね。
 私はたまたま愛知県でございますけれども、この愛知県の東海市がサテライト型の物流拠点整備のための調査の対象地区となっているというように聞いておるわけでありますけれども、御存じのとおりこの地域というのは、ちょうど第二東名が入ってくることになります。あるいは現在でも環状二号線というのがあるわけであります。そして、いわゆる中部国際空港というものをその南部に控えているわけであります。でございますから、二十四時間の空港というようなものを将来にらむとするならば、あるいは貨物の物流というのは、大変な国際化の時代の中でニーズが大きくなってくるというものを控えますと、まさしくこのサテライト型の物流拠点というのは非常に大きな意義づけがあり、もってこいの場所ではないだろうか、こう思うのでありますけれども、その点、対象地区となっているのかどうかお答えを願いたい、こう思います。
○大野国務大臣 対象地区の選定というところまではまだ行っておりませんが、いずれにしても、その選定に当たってはいろいろな条件がございますけれども、東海市は中京地区の拠点として格好の地であろうと考えておるところであります。
○草川委員 それは、今大臣から候補地の一つであるという答弁がありましたが、局長の方にも、その他全国で手を挙げているところがあると思うのですが、一応現在は五地区ですか、五地区の中にこの東海地区というのが有力な候補の一つであるかどうか、もう一回、今度は局長の事務方の方から答弁を願いたいと思います。
○寺嶋政府委員 予算上、五地区の調査が可能な経費が計上されておりまして、全国で五地区を選定したいと思っておりますが、今までに私どもが聞いております希望から考えますと、東海市は有力な地点というふうに申し上げて差し支えないと思います。
○草川委員 そこで、一体このサテライト型の物流拠点というもののイメージなんですけれども、具体的な規模というのはどういうものになっていくのか。
 例えば、私ども、東名高速あるいは名神高速の小牧インターチェンジというのがあるわけですが、その地区のそばにトラックターミナルというのがある。かなりでかいターミナルがありますが、これは約二十万坪、まあ坪というのはちょっと古い表現でありますが、俗に言う二十万坪ぐらいの大きさだ、こういうわけですね。
 この今回の物流拠点というのは、いわゆる広さだけでは意味がないわけなんで、質的にそれをどう受け入れるかという意味では、例えば十万坪なのか五万坪なのか。あるいは十万でも五万でも、上に、上屋というのですか、高さの制限を外して、アッパーを外して上にどんどん高くするということによってその機能を吸収する、満足させるということにもなっていくわけでございますが、要するに、イメージで結構なんですが、具体的な規模というのはどのようになるものかお伺いをしたい、こう思います。
○寺嶋政府委員 サテライト型物流拠点の規模は、これは各地区の実情、用地がどれぐらいとれるかとかどれぐらいの入居希望があるかとかというようなことを把握しながら、地区ごとに具体的に想定していくべきものだというふうに考えておりまして、ただいまのところ、何へクタール以上とか、そういう具体的な基準を持っておるわけでございません。ただ、いずれにしましても、最近のように地価が高騰しておりますので、できるだけスペースを有効に使うという見地から、先ほども御指摘ございましたように、なるべく建物は多階建てにして、立体的な利用を図るという方向に考えております。
 いずれにしましても、各地区のニーズに合わせた規模にしていきたいというふうに考えております。
○草川委員 いま一度、大きさということは別として、ニーズの多様化ということもあるわけでありますけれども、流通構造ということ自身も、今までのような、平地でトラックが荷物を持ってきて、またそれを分散して再配置をするということだけではない。こういうものがあると思うのですけれども、いわゆる必須施設、どうしてもそこに置かなければいけない施設というものは一体何か。あるいはまた、先ほどいわゆる建屋、建物だけではなくて付加価値というのですか、価値ではありませんけれども、付加し得る施設なり機能というもの、たくさんあると思うのですが、概略的にどんなものがあるか、お伺いしたいと思います。
○寺嶋政府委員 物流拠点でございますから、最も中核となるべきものは当然トラックターミナルでございますとか貨物の保管施設というようなものになりますが、最近の傾向としまして、単に物を運ぶ、あるいは保管だけするということに加えて、いわゆる流通加工と申しまして、荷札をつけたりパッケージをし直したりというようなこともございますし、あるいはさらに進みまして情報化、これは各事業者、いわゆる物流VANなどを取り入れつつございますが、このような情報機能、あるいは場所によりましては通関施設も備えまして国際化を図るというようなことも考えられます。また、研修施設でありますとか厚生施設、あるいは社宅等を付加しまして、最近のような人手不足の時代に労働力の確保対策にもなる、あるいは公園、緑地等を配置いたしまして、周辺環境保全の要請にもこたえる、このような多面的な機能を備えたものにしたいと思っております。
 それから、先ほどお話のありました、いわゆるアメニティー機能あるいはショッピング等の商業機能、こういうものもあわせ備えることも十分考えられるものと思っております。
○草川委員 そうすると、もちろん基本的な施設としてトラックターミナルがある、あるいはまた流通の加工施設がある、あるいは単なるターミナルだけではなくて情報化をする、地域VANのことを言っていると思うのですけれども、VANも入れていろいろな情報をそれぞれ検索することができるというような施設、それだけではなくて、従業員の住宅だとか市民生活の快適性を確保するために公園だとかいろいろなものを、ショッピングセンターのようなものもするということになりますと、新しい町というようなものになる。
 しかも通関施設というわけですから、輸入品あるいは輸出品等の税関手続もそこでできるということになりますと、従来考えているトラックターミナルとは全然違うものになる。しかもそれは地価が高いから、高さによってそれを吸収するというようなことを考えてまいりますと、相当これは大がかりな新しいものを運輸省としては考えてみえるというように思うわけなのですね。
 そこで、そういうような条件の中でサテライト型の流通拠点というものができることによってどういうメリットがあるのか。今私がたまたま少し地域的に先取りをしたような質問をしておるわけでありますけれども、このメリットというものをもう少しまとめて運輸省の方から答弁を願いたい、こう思います。
○寺嶋政府委員 多少繰り返しの部分が出ることをお許しいただきたいと思いますが、このように集約的に物流施設をつくるということによりまして、大都市圏及びそれを取り巻く衛星都市に物流施設がばらばらにできることによる混乱を防ぐことができる、これが何よりも重要な機能であろうかと思います。
 さらに加えまして、このような物流拠点を核にいたしまして、先ほど来お話しのように、高度な流通機能、情報化でありますとか国際化でありますとかあるいは環境保全、労働力確保、あるいは市民の生活の快適化というようないろいろな機能を加えることによりまして、文字どおり新しい町づくりということが図られるかと思います。そのようなことによりまして、非常に希少価値の高くなっております土地を有効に利用した開発が可能になるということが期待されるわけでございます。
○草川委員 今の答弁によりまして大体の概要がわかってきたわけでございますけれども、当然のことながら、これは地域の活性化にも大きく結びついてくることになる、こういうように思うわけでありますし、また地域の方からもいろいろなニーズというのですか、問題提起をするということになって一つの拠点というのができ上がってくると思うのでありますけれども、これは相当長期の計画にもなるでしょうし、あるいはまた愛知県なり、私がたまたまこの知多半島を地元にしているわけでございますけれども、先ほど来から申し上げておりますように大きな国際空港ができるということになってまいりますと、これはどうしても国としての、整備に対する支援措置というのも当然出てくるわけですね。もちろんこれは個々の施設に対してどうのこうのということではなくて、まず段階的に国としてのどういう支援措置があるのか、あるいは助成というものがあるのか、そこらあたりをお答え願いたい、こういうように思います。
○寺嶋政府委員 物流施設の整備につきましては、国からは補助金というような形の直接的な助成は現在まで出ておりません。しかしながら、このような施設を整備することは国策上極めて重要でございますので、主として財投及び税制措置によりまして支援を行っておるところであります。とりわけ、このような構想で大規模な構造物をつくるということでございますと多額の投資が必要でありますので、開銀あるいは北東公庫等を通じまして物流高度化基盤施設等への貸し付け、これには特利の適用がございまして、優遇金利が適用されます。それからさらに、これに加えまして、第三セクターで行われる場合には、民活法上の特定施設へのNTT株式の売却代金の無利子貸し付けも可能でございます。
 それから税制につきましては、個々の物流施設によりましていろいろな税制上の優遇措置がございますので、このような財投、税制の組み合わせによりまして国としてもできる限りの支援をしてまいりたいというふうに考えております。
○草川委員 今、国の支援の具体的な、財投を中心とするもの、あるいはまた税制上の対応というものが出たわけですけれども、私は事業主体は、これはまだ先の話でありますから簡単には申し上げられませんけれども、今もお話がありましたように第三セクターというような形になっていくのではないだろうかと思うわけですが、イメージの中に考えられておるのはやはり第三セクター方式になるのかどうか、お答えを願いたいと思います。
○寺嶋政府委員 これは各地域の取り組みによっていろいろな形があり得ると思いますが、まとまった土地を取得するということでありますから、やはり何らかの形で地方公共団体が関与するであろう。その場合には第三セクターの設立によるというケースは非常に容易に予想されるところでございます。
○草川委員 運輸省としても、この問題は相当大型のプロジェクトなり日本の国の物流政策全体を変える大きな方針になると思うのですが、大臣としての答弁をお願いしたい、このように思います。
○大野国務大臣 運輸省といたしましては、今御指摘のサテライト型の物流拠点整備構想、大都市圏における物流の立地政策の中で重要なものだと考えております。特に二十一世紀を展望し、そして今後の我が国のあり方からいっても、国民生活をますます充実するためには、まずもとをきちんとしたい、こういうことで、非常に大きな構想ではございますけれども、運輸省としては何としてでもこれを実現するために今最大の努力を払っておるところでございます。
 また、今局長から答弁がございましたように、これは財投あるいはまた税制という大きな問題がございますので、これらも私ども全力を振るって我が国の将来のために頑張りたい、こういうふうに考えております。
○草川委員 もう時間がございませんので、運輸政策審議会への諮問の内容について二、三質問を申し上げておきたいと思います。
 名古屋圏の鉄道網整備について、新たな鉄道網整備計画の必要性ということを考え、地域交通部会が四月二十五日に開かれるようでございますけれども、それについて諮問をするということのようでございます。
 そこで、答申時期はいつごろになるかということについて、一年半なり二年かかるから来年の秋ごろには答申ができるのではないだろうかと言っておみえになるわけでありますけれども、これは何月を指すのか、ひとつ具体的な目標、めどというものを教えていただきたい、このように思います。
○早川政府委員 この四月の二十五日に運政審の地域交通部会を開きまして、名古屋圏における高速鉄道を中心とする交通網の整備について諮問をさせていただくわけでございます。具体的に一年半ぐらいで何とか御答申をいただけるんじゃないかということは、中部運輸局が既に二年間にわたってデータ等の収集も進んでいる、こういう事態に基づきましてそう申し上げているわけでございます。
 具体的に何月に答申が出るかということは、実は諮問をいたした上で審議会で、小委員会の形で現地を中心に審議をいたしますが、そのピッチあるいはテーマがどの範囲まで及んでいくかというようなことに左右されますので、明確に何月ということまではちょっと申し上げにくい現状でございます。
○草川委員 なぜそういう質問をしておるかといいますと、今からこれは二つ目の質問になるわけでありますが、御存じのとおり、四全総の中で、特に中部というものは先導的産業分野に関する世界的水準の研究開発機能の集積地域だ、あるいは情報機能の拡充、あるいは国際交流機能等の充実を図り産業技術の中枢圏域として位置づけている、こういうように四全総はかなり格調高くこの地域全体に網をかぶせているわけですね。
 そこで、人口の分布状況がどうなるかといいますと、たまたま四全総が指摘をするように大名古屋圏があるわけでありますが、人口というのは北部の方へ移動しつつあるわけです。北部へ人口が移動しておるわけでありますけれども大名古屋圏に通勤をする、こういう状況になってまいりまして、その交通網の充実というのが非常に急がれているわけですよ。それでまた、この四全総の中にもありますが、地元の方においても、学術研究開発ゾーン構想というような地域開発構想というのも出しているわけですから、四全総が言うところの問題点と地域の方から言うところの問題点、また地域にしてみると大名古屋の方から北の方へ学術研究都市として北上する、こういうことになりまして、その鉄道網の整備というのはまさしく新たな検討が必要だと言われておるわけでございます。
 その中に名鉄小牧線というのがあるわけです。これは非常に古い鉄道でございますけれども、この名鉄小牧線というのが残念ながら名古屋の地下鉄とジョイントできていない。わずか二・数キロでございますけれども、その間は徒歩で連絡をするかバスを利用しなければいけない、そのために鉄道網の全体的な網になっていないという非常に不便な点があるわけでございますので、その点がこの運輸政策審議会の審議の対象になるのかどうか。そういう意味で私どもも非常に関心を持っているわけでございます。
 それからもう一つ、名古屋の地下鉄の六号線というのがあるわけでございますが、これの延伸問題として、豊明方面というのが一つあるわけです。これも交通網整備の中にいつも出てくる問題でありますけれども、東と若干南の方へ振るわけですが、これも学術研究開発ゾーンのまさしく対象になるようなところでございますが、これも二つの点が審議の対象になるのかどうかお答えを願いたいと思います。
○早川政府委員 このたび諮問をいたしまして御検討いただくことになりました非常に大きなテーマの一つが、言ってみますと名古屋市の東部方面の人口の急増というようなもの、あるいは北部の方の人口の外延化、こういうような点にございまして、今先生御指摘がございました名鉄小牧線と市営地下鉄の接続の問題、あそこの部分でございますが、そのテーマが地元の非常に大きな問題にもなっており、また具体的に今度の審議会でどんなことを議論するかというときに一番最初に挙げられるような重要なテーマとなっておることは事実でございます。
 また、名古屋市の東南部における宅地開発の進展状況からいきまして、御指摘の豊明方面への延伸問題、これも地元の方から具体的に審議に取り上げていただきたいというお話が参っておりまして、私どもとしては、このテーマはいずれも審議の対象になるものと考えております。
○草川委員 そこで、もう時間が来ましたのでこれで終わりますが、今二つの問題提起を私いたしましたけれども、この二つの線の整備方策について、当然のことながら運輸省としてもいろいろなお考えがあると思うのでありますけれども、その点についてのお考えをお聞かせ願って質問を終わりたい、こういうように思います。
○早川政府委員 鉄道の整備というものは用地の確保、多額の資金調達が必要だというような問題がございます。ただいま出ました小牧線と市営の接続部分につきましても、市営を延長するのか第三セクターをつくってそれで対応するのか、その際、市交通局への助成という仕組みでいくのか、いくという形になったらどのくらいの助成率になるのか、第三セクターにはどのような助成が考えられていくのか、この辺につきましてはいろいろまだ不確定な要素がございます。私どもとしては、結局地元公共団体等の御協力をどの程度いただき、また、どのような国の対応ができるかということを詰めながら審議をしていただく過程で、この線の整備方策が明らかになってくるものだと考えているところでございます。
○草川委員 以上で終わります。
○森田委員長代理 佐藤祐弘君。
○佐藤(祐)委員 最初にJRの安全対策に関してお聞きをしていきます。
 昨日の所信表明で大野運輸大臣は、鉄道事故につきましてまことに憂慮すべき状況にあると述べられました。国鉄からJRになって三年、列車運転事故の件数は減ってきていると言われておりますが、実は死傷者十名以上などの重大事故、これは逆にふえているという状況であります。この五年間の重大事故の推移と特徴について簡潔にお答えいただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 ちょっと手元に六十年、六十一年がございませんので、後ほど御説明します。
 六十二年度二件、六十三年度が六件、元年度が七件と、先生御指摘のように重大事故は増加しております。
○佐藤(祐)委員 重大事故というのは、例えば昨年の十二月ですか、東京の東中野駅構内での衝突事故で、あのときには二人の死者が出まして百十六人が負傷するという大事故だったわけであります。また、昨年はJR東海の飯田線、ここで百四十六人もの負傷者を出すやはり衝突事故がありました。極めて重大な、人命、安全にかかわる問題だというふうに思うのです。それがふえているという実態ですね。
 今答弁では六十二年からおっしゃったのですが、さかのぼってみますと、大体ここ五年間で言いますと、重大事故件数は二件から三件、こういう状況がずっと続いてきているわけです。民営化以前ですね。民営化以後、特に六十三年度と六十四年度、六件、七件と急増しているという実態があるわけです。私は、これは非常に深刻に受けとめる必要があるというふうに思うのです。
 そうした事故のほかにも、例えばつい先日にはやはり東京の三鷹と秋葉原で、電車が車どめにぶつかってそれを倒してようやくとまるという驚くべき事故も起きております。そのときには、JR東日本の東京圏運行本部五島運輸車両部長が「基本的な仕事を怠ったのが原因と見られる。まことに申しわけない。」こういうことを言っている。しかし、それよりさらに前、昨年ですが、高萩駅で、貨物列車がレールを取り除いた後の線路を突っ走って脱線、転覆するという、これも異常な事故ですが、こういうことが一日に三件起きまして、このときには運輸省がJR東日本に対して異例の警告書を出しています。さらに、その前八七年、八八年ですね。このときには、民営化の直後ですが、JR東日本あるいはJR東海、JR自身が負傷事故が多発しているということで非常事態宣言を出している。
 つまり、JRになって以降、JR自身が非常事態宣言を出す、あるいは運輸省が警告書を出すというようなことを重ねてきているわけですが、この重大事故というのは少なくなるどころか多発をしておる、こういう状況です。これは私は非常に重大だ、ゆゆしき事態だと思うのですが、運輸省としてはどういう対策をとってきているのか。
○大塚(秀)政府委員 先ほど五年間という御質問で、六十年、六十一年はそれぞれ三件でございます。ただ、重大事故の中で件数で多うございますのは踏切事故でございまして、運輸省としましては、従来から踏切道改良促進法等により踏切保安設備の改善に努めてまいったところでございますが、最近起きております踏切事故で第一種の踏切も多うございます。このような場合には自動車側にも問題がございますので、関係機関と連携をとりつつ、さらに自動車通行についてルールを守る、そのような面から総合的に踏切事故の防止に努めたいと考えております。
 しかし、踏切事故以外にも、先生御指摘のように重大事故に至らなかったような事故も含めて、基本動作のミスによる事故というのが最近比較的連続して起きたということにかんがみまして、私どもその対策をいろいろと講じているところでございますが、運輸省とJR各社の安全担当部長から成ります鉄道保安連絡会議を定期的に開催して、JR同士の意見交換、対策、そのような措置を講じているところでございます。また、JR各社も、基本動作のミスによる事故を防止するために、指さし喚呼の励行等基本動作を励行するということをそれぞれの安全運動の重点に置いて対策を進めておるところでございます。
 私どもとしても、鉄道輸送の基本は安全にあると考え、今後もJRに対して安全については一段と対策を強化していくように指導していきたいと考えております。
○佐藤(祐)委員 今お答えありましたが、私は非常に不十分だということを率直に指摘したいと思うのですね。やはり安全を確保するというのは重大な使命でありますから、本当にこれに全力投球するということが必要だろう。
 そういう点で考えますと、限られた時間でありますから一点だけお聞きいたしますが、運転阻害事故件数というのをとっておられますが、これが歴年、八一年度以降どういうふうに推移しているか、お答えいただきたい。
○大塚(秀)政府委員 運転阻害件数につきましては、国鉄時代は内部報告として件数をとっておりまして、国鉄改革後JRになりまして私鉄と同じような統計報告を運輸省に行わせるということになりましたので、その間時系列的に比較が難しゅうございますが、六十二年度以降を申し上げますと、六十二年度がJR七社合計で千四百四十一件、昭和六十三年度が千五百二十六件、平成元年度が千六百三十六件ということになっております。
○佐藤(祐)委員 それ以前、八一年度からというふうに言っているのです。御答弁あったのはJRになって以降です。それ以前。
○大塚(秀)政府委員 ちょっと今合計した数字がございませんので、後刻御報告したいと思います。
○佐藤(祐)委員 時間がないから申し上げていきますが、いわゆる大幅な人員削減が始まりました一九八〇年、八一年、八二年度は大体九千件台です。八三年になりまして約一万四千件、八四年度が二万件を超える。民営化直前の八六年度は二万五千九百件、非常に大きな数字になっているわけです。約二万六千件です。それが民営化直後には千四百四十一件と、けた違いに低くなっているのですね。
 これは、結局基準を大いに緩めたということなんです。国鉄の時代には十分以上のおくれはカウントするということだったのが、民営化の際に私鉄と横並びにするんだということで、分数でいいますと三十分以上のおくれしかカウントしない、そういうことがやられた、間違いないですね。
○大塚(秀)政府委員 先ほど申し上げましたように、岡鉄時代は社内の統計上十分以上のおくれを運転阻害として統計で把握しておりましたが、JRになりまして私鉄と並べて三十分以上になったということで、確かに数字がその分減っておりますが、私どもそういう意味で、先ほど申し上げましたように、時系列的には比較できないと申し上げたわけでございます。
○佐藤(祐)委員 それが非常に問題だと私は思うのですよ。国鉄時代無意味に十分以上をカウントしていたわけじゃないのですね。いかに安全を守るか。運転阻害事故というのは鉄道事故には至らない、運転事故には至らないけれども、時間をオーバーしたりというものですから、ですからこれは安全確保、事故防止の点で重要だということで、今では鉄道事故等報告規則、ここでも届け出が義務づけられているわけですね。性質としてはこういう重要なものです。それを民営化の際に、民営になったのだからというだけの理由で私鉄と同じように三十分以上に、横並びといいますか合わせた、これ自体私は問題だと思うのです。
 国鉄は、私が言うまでもなく、JRになりましても基幹的な鉄道、全国鉄道網ですね。一私鉄の比ではないわけですよ。時間のおくれにしましてもその影響は甚大なものがある。だから、当然民営になったから私鉄と同じでいいんだという論法は通用しないと思うのです。ですから私は、ここにはある作為があるんじゃないか。つまり、八〇年以降の趨勢でいえば、人員がどんどん減って逆比例する形で阻害事故というのはふえたわけです、急増したわけです。民営化直前に二万六千件を数える、恐らくそれ以降旧来のとり方だと三万件にも及ぶような実態になっているのではないか、その可能性が強いと私は思うのです。それでは困るから基準を大幅に緩めて少ない件数を出す、こうしていかにも安全が確保されているかのように印象づける、そういうことがやられたのではないか。本来統計というのは継続性が生命なんですね。それをそこでぶち切ったわけですよ。これは少なく見せよう、そういう意図からではないですか。
○大塚(秀)政府委員 先ほども申し上げましたように、国鉄時代には国鉄の部内統計としてそのような数字が把握されておりましたけれども、JRになりまして運輸大臣へ報告を義務づけたときに私鉄と並べたということでございまして、これは運転事故と運転阻害とございますが、安全正確の正確という面もございますので、事業者の負担、またどの範囲をとればそれが安全正確な行政という面において資料として必要か、総合的に判断して私鉄に合わせたということでございまして、別に安全面を軽視した結果というようなことはございません。
○佐藤(祐)委員 それを事実が裏切っているわけですよ。国鉄国会のときの議論でも、当時の総裁が説明員として答弁されたが、人を減らしても安全は絶対に確保する、そう言ったのです。しかし民営化後、非常に憂慮すべき事態がある。ここについてやはり真剣にメスを入れる、対応をするということが必要じゃないかということを私は主張しているわけです。そういう観点で見ていきますと、やはり私は、今の阻害事故の一つの基準、これを大幅に緩める、民営だから私鉄と一緒、これは通らないと思うのですよ。そういうことで、緩めるという中にやはりJRとそれを指導する運輸省当局の安全性に対する遺憾な態度があるというふうに率直に私は思っています。
 そしてまた同時に、最近のいろいろな具体例から考えますと、一つハードの問題があります。ATSが私鉄よりも五年おくれている、こういう問題もある。
 同時に人的要素、私はこれは重要だというふうに思うのですよ。人的要素の問題では、大幅に人が減って、ホーム要員が朝夕のラッシュ時以外はいない駅が山手線でもたくさんあります。そういうこともある。それから、教育、研修がなかなか十分行われていない、こういう問題もあります。同時に強調したいのは、ベテランの運転士や技術者、こういう人たちが多数いたのに、現にJR東日本でも採用されておるのに、所属組合が国労あるいは全動労だということで、いわゆる本務から外して駅の売店その他の勤務についている、こういう状況があります。
 ですから私は、安全を確保するという点でも、こういういわゆる配属差別を受けている労働者を本務に戻すべきだ。しかも、これは私が主張しているだけではなくて、地労委の救済命令も出ておるわけです。例えば三鷹電車区など七電車区がありますが、三百八名の方に対して地労委の命令ではいずれもJR東日本に対して、本務に戻せ、こういう救済命令も出ているのです。こういう点から、これに従うのも当然ですし、そして安全確保という点でも総力を挙げてやる必要がある、そういう点からももとの職場にこれらのベテランの運転士、機関士、検査や修理の技術員、そういう人たちを戻すべきだ、そういう指導をするべきだと思いますが、どうでしょうか。
○大塚(秀)政府委員 JRが安全確保に総力を挙げるべきだということはそのとおりだと私も考えておりますが、現在のJR各社において安全上要員が不足している等の事態はないと考えております。
○佐藤(祐)委員 現状を弁護するだけの答弁では真剣な態度は見られないじゃないですか。
 大臣、大臣にお聞きしたいのですが、大臣は、安全の確保というのはサービスの中心だ、運輸行政の要諦であるというふうに昨日所信表明でおっしゃいました。現に、JRがあの非常事態宣言を出したときに、JR東日本東京圏運行本部の奥田という方が三鷹電車区で訓示をされた。このときにも、国労社員という言い方をしておりますが、国労所属の労働者は事故を起こすのが少ないんだということまで言って事故防止の訓示をしているのです。こういう実績もある。ほかにもいろいろな証言もありますけれども、そういう点から、いろいろこの問題では経過もあります。けさほどからも採用差別問題、解雇問題でのやりとりがありました。私もあれは全く不当なことだというふうに思っておりますけれども、事この安全確保という点で、現に働いている労働者ですね、有能な労働者、ベテランの労働者、これをもとの職場に戻して安全確保に尽力をする、そういう立場にぜひ運輸大臣に立っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○大野国務大臣 安全確保ということは輸送機関においてもう基本的な問題でございます。そこで、運輸省としても今日までも安全体制の確立であるとかあるいはまた教育訓練、そしてまた施設の整備充実といろいろ指導しておりますし、また今後より一層指導を強化していきたいと思っております。
○佐藤(祐)委員 私が主張しておりますのは、配属・配転差別を受けている国労所属あるいは全動労所属のそういうベテランの人材をもとの職場に戻して安全対策をやるべきだということです。大臣は答弁をかわされたようでありますが、時間がありません、最後にもう一つお聞きしたいことがありますので進みます。
 常磐新線の問題です。常磐新線につきましては、昨年いわゆる常磐新線法が成立しまして、関係地方住民の期待は非常に大きなものがあります。私が住んでおります足立区ですが、これもいわゆる基本ルートに入っておりまして、区民や区当局、大変熱望しているという状況です。運輸省、JR、一都三県、これまでいろいろ協議をされてきておると思いますが、どういう状況になっているでしょうか、もう一問お聞きしたいことがあるので、簡潔にお願いします。
○早川政府委員 常磐新線、昭和六十年の運政審答申で出されたものでございますが、御承知のとおり答申そのものには守谷までが実線で、そこから先はその後の状況に応じて整備すべきとなっておりますが、先生御指摘の一体化法のときには、いわば荻城県まで通した形で考えていろいろな議論がされているところであります。
 これにつきまして、一都三県にまたがる非常に長大な路線でございますが、何とかその整備を推進したいということで、従来からも関係地方公共団体、JR等と種々議論をし、協議を進めてきているところでございますが、現在なおいささか調整を要する事項等がございますため、引き続き協議を行っているという段階でございます。
○佐藤(祐)委員 きょう特にお伺いしたいのは、この常磐新線に絡みまして、ことしの一月末に常磐新線のルート変更という衝撃的な新聞報道がありまして、これは一斉に他紙も後を追ったということがありました。これは足立を通って八潮、三郷、流山といくのが基本ルートなわけですが、そうではなくて、別にやはり運政審答申で出ております地下鉄十一号線というのがあります。半蔵門線を松戸まで延長する。これに振りかえるのだという報道で、関係地域の人は大変ショックを受けたわけであります。それはそのときに、当時の江藤運輸大臣が記者会見をされまして、基本ルートに変更はない、地下鉄十一号線については常磐新線と並行して建設するものであって代替案とすることはないというふうに明確に否定をされたわけであります。
 ところがまた先日、今度は常磐新線は基本線と地下鉄十一号線と二ルート建設だという報道が出ました。これは私の知っているところでは一社だけのようでありますが、そこでまた関係地域では一体運輸省の内部で何が起きているのだろうか。しかもその記事によりますと、運輸省がそういう方針で一都三県と調整を始めたということになっているのです。私はそうではなかろうというふうに思うのですが、そこで運輸大臣に明確に御答弁をいただきたいなということであります。
○大野国務大臣 今議員御指摘の点については、常磐新線、地下鉄十一号線を代替ルートとするというような報道がなされましたけれども、決してそんなことはございません。基本姿勢どおり、方針どおりやるということは、もう間違いございません。
 ただ、今議員からもお話ございましたように、同じ答申で地下鉄十一号線も整備をするということですから、それとちょっと混同なさっている部分もあるのじゃないかと思いますけれども、基本方針に変わりないと申し上げておきます。
○佐藤(祐)委員 基本ルートは変更ないということで、それはそれで進めていただきたいと周います。
 十一号線につきましても、その関係地域の人たちは非常に熱望もしておられるし、それは同時並行、二本ルートにするというのではなくて十一号線は十一号線でやるのだ、そういうことで理解してよろしいですね。
○大野国務大臣 結構です。
○佐藤(祐)委員 では、終わります。
○森田委員長代理 高木義明君。
○高木委員 昨日の運輸大臣の所信表明を受けまして若干の質問をいたします。
 まず、海運造船対策についてお尋ねいたします。
 今日の我が国外航海運の厳しい環境につきましては御案内のとおりでございますが、特に内外の船員コスト格差の拡大によってフラッギングアウト、いわゆる日本船の海外流出、この動きが極めて顕著になっております。現在、労使の合意によりまして外国人船員との混乗が実施されております。しかし、将来において日本人船員の職場の縮小とともに、我が国は貿易立国でありまして、我が国の日本人船員の海運存続に大きな不安が抱かれておるのもまた事実でございます。
 そこで、最近では世界的な景気の拡大ということから海運市況が回復をしておる。今後、我が国の海運界は国際競争の中で一体どのような地位を占めていくのであろうか、日本人船員の働く場はどのようになるのか、極めて関心が深いところであります。海洋国である日本の命の綱とも言われる日本海運、まさに官労使、それぞれの立場で懸命な努力が行われておるわけでありますが、新しい運輸大臣として、我が国の海運の今後の動向そしてまた日本人船員の雇用対策、これについてどのようにお考えであるのか、御所見を賜りたいと思います。
○宮本政府委員 お答えいたします。
 先生ただいまお話しのとおり、我が国の外航海運は、貿易物資の安定輸送を通じて我が国の経済と国民生活にとって極めて重要な役割を果たしているということでございますが、その企業経営が、ここ数年来の世界的な船舶の過剰という問題あるいは昭和六十年秋以降の円高によりまして、極めて苦しい状況にあったということはお話しのとおりでございます。
 ただ、最近に至りまして海運企業の経営は、不況のもとにおいて実施してまいりました合理化効果の浸透、そういうことに加えまして、海運の市況が回復したこと、あるいは円安等によりまして経営が改善の傾向にあるということは御指摘のとおりでございます。しかしながら、海運企業の経営基盤というのは依然として脆弱である、そのように我々考えております。また、海運市況の先行きあるいは為替レートの動向というのは非常に不透明である、そのように思いますので、今後とも我が国の海運企業は商船隊の国際競争力の回復と企業経営の改善ということになお取り組んでいく必要があるのではないか、そのように考えておるわけであります。
 なお、御質問のございました内外の経済社会情勢の変化を踏まえた将来の我が国海運の役割あるいはあり方といった問題、これは大変重要な問題であると思うわけでありまして、この問題につきましては、二十一世紀を展望した我が国外航海運の将来像ということにつきまして運輸政策審議会の国際部会の場で、労使の代表の方の参加も得まして現在検討を開始したところでございます。検討を行っている最中であるということをお答え申し上げておきます。
○高木委員 まず、この件につきましては、今取り組まれておりますそれぞれの課題につきまして今後とも強い御努力をいただきますように要望しておきます。
 次に、我が国の造船界の問題でありますが、これは、長い構造不況のもとで設備の削減あるいは人員の縮小が続いておりまして、これら厳しい環境の中でありますが、労使の血のにじむような合理化努力あるいはまた国会初め政府の指導、援助によりましてようやく明るさを取り戻して上昇基調にあるというふうに思われます。この際、改めて関係各位の御努力に敬意を表する次第でございます。
 現在、業界では新造船の受注もふえており、約二年分の手持ち工事量を確保しておると言われております。しかし、回復基調にあると言われながらも、将来にわたって安定した市場秩序の維持あるいはまた優秀な人材確保、そしてまた魅力と活力ある造船業の再構築という意味では、多くの課題が横たわっておると言ってもいいのであります。そこで、造船業が今後どのようになっていくであろうか、このような見通しにつきまして、あるいはまた当面の課題につきまして、政府としていかがお考えであるか、お尋ねをしておきたいと思います。
○石井(和)政府委員 お答え申し上げます。
 先生御指摘のように、長期にわたります造船不況を克服するために、政府、業界を挙げまして過剰設備の処理あるいは造船企業の集約化等の対策に取り組んでまいりましたけれども、世界的な景気の拡大と相まちまして、平成元年度に至りまして造船市況は顕著な回復を見せております。このように、これまで講じてきた一連の対策はその効果を上げつつありまして、ようやく我が国造船業は経営に将来の展望を持つことができる状況に至ったものと考えております。このような状況はしばらくの間続くのではないかというふうに我々は考えております。今後は、安定した回復基調の維持に努めるとともに、産業の活性化を図っていくことが重要でございます。
 運輸省といたしましても、テクノスーパーライナーなどの次世代の船舶の技術開発の促進等による造船業の活性化を強力に推進しますとともに、世界一の造船国として世界の造船業の安定に貢献すべく積極的に国際協調を推進していく所存でございます。
○高木委員 力強い御支援をお願いするわけでありますけれども、今までは、いわゆる暗い問題が余りにも多かったわけですが、今からは明るい、夢のある日本の海運、造船でありたい、こういうことを思うのは私一人ではございません。
 そこで、今現実に将来に向けて新しい海上輸送ネットワークの形成ということで、大きなインパクトを与えるであろうことが期待をされております、先ほども答弁の中で出ましたけれども、新型超高速船あるいはまた日の丸エンジン等の技術開発のその後の状況等、今後の見通しについて、いかに考えておられるか、お尋ねをいたします。
○石井(和)政府委員 新形式超高速船テクノスーパーライナーは、速力五十ノット、積載量一千トソを目標とするものでありまして、平成元年度に造船大手七社を組合員といたしますテクノスーパーライナー技術研究組合を設立し、五年計画で研究開発を進めております。現在水槽試験等を実施し、研究開発は順調に進んでおり、最終年度には実海域において縮尺模型船で実験を行い、新形式超高速船の要素技術を確立することとしております。その後、さらに実船に移行するための研究段階を経て、今世紀中には実用化されるものと考えております。
 また、高信頼度舶用推進プラント、通称日の丸エンジンでございますが、これは高効率六カ月間メンテナンスフリーの次世代舶用エンジンを目標とするものであり、平成元年度に株式会社エイディーディーを設立し、六年計画で研究開発を進めております。現在、新素材、メカトロニクスの試験等を実施し、研究開発は順調に進んでおり、最終年度には次世代舶用エンジンの要素技術を確立することといたしております。その後、この技術を応用し、次世代エンジンの実用化が進められるものと考えております。
○高木委員 テクノスーパーライナーにつきましては、九〇年代中には実用可能という御答弁のようでございますけれども、あと十年もありますが、まだそんなにかかりますかね。もっと早く進展をしませんか、いかがでしょうか。
○石井(和)政府委員 お答え申し上げます。
 五年計画で基礎的な研究開発を実施いたしまして、その技術を応用して、この組合に参加しております大手の造船所がさらに実船にするための研究を行うわけでございます。これにつきましては大手の技術者は非常に自信を持っておりまして、この研究は一九九三年に終わるわけでございますけれども、その後数年で実現できるという自信を持っております。ただし、注文がございませんと建造するというわけにはいきませんけれども、そういう状況でございます。
○高木委員 我が国としましては極めて重要な施策と思いますので、今後ともひとつ強力に御支援、御指導をいただきたいと思うわけであります。
 次に、海運、造船ともかかわり合いがあるわけですが、港湾整備についてお伺いをいたします。
 四月十一日に発表されました港湾整備の新しい政策指針、「豊かなウォーターフロントをめざして」というテーマでございました。これは次の第八次港湾整備五カ年計画のたたき台になるものと思われます。
 その指針によりますと、まず第一は貿易収支のインバランス、第二にはウォーターフロント開発の高まり、第三には客船ブーム、第四には大都市圏と地方の格差拡大、こういう社会経済環境の中でこれらの変化に適切に対応するものだ、こういうふうにされております。特に物流機能の充実のために臨港道路やコンテナターミナルの近代化、そしてまた、さらに大型化などが必要とされる、このように言われておりますけれども、この新しい政策指針の主たるねらいは何なのか、この点についてお尋ねをしておきたいと思います。
    〔森田委員長代理退席、委員長着席〕
○御巫政府委員 先生ただいまおっしゃるとおり、六十年につくりました「二十一世紀への港湾」というものが、ここ数年の時代の変化に少し合わなくなってきているのではないかということで、そのフォローアップ作業をいたしました。先般それをまとめて発表させていただいたわけでありますが、最近の経済社会の変化にいかに対応するかということが見直した最重点であるわけでありますけれども、この中で四点ほどその政策のねらいを挙げております。
 その第一は、物流、産業、生活といった港湾の機能の充実が従来からもされておりますけれども、これに加えて、新たな政策として港湾空間の質の向上ということを重視し、使いやすさとか美しさというものを追求していこうとするものであります。
 第二は、製品輸入のための港湾、あるいは先ほど御議論のありました新形式超高速船に対応した港湾の整備というものも考えていこうということであります。
 三つ目が、最近非常にはやり出しておりますクルージング需要、あるいは高速船を用いました近距離国際航路の開設というようなものに対応いたしました快適な海上旅客交通体系を整備しようということでございます。
 四つ目が、地方圏あるいは大都市圏という各地域の問題がございますけれども、これをいかに解決するかという視点からの政策であります。
 こういうことで、全体的にこれから長期の港湾整備政策の考え方を取りまとめまして、たたき台というわけではありませんけれども、これを基本にして次の五カ年計画をまとめていきたいというふうに思っているところであります。
○高木委員 次の第八次五カ年計画の策定が今後進んでいくわけでありますが、私は、特にこの策定の中で御配慮いただきたいのは、いわゆる多極分散型国土の形成という意味から、地方港湾の整備にとりわけ格段の力を注ぐことが大切ではないかと思っておりますが、その点についていかがお考えでしょうか。
○御巫政府委員 港湾は地域に密着した生活基盤という側面が非常に強いわけでありまして、二十一世紀に向けて豊かさを実感できる経済社会あるいは国土の均衡ある発展ということが非常に重要な要素であろうと思っております。したがいまして、第七次の港湾整備五カ年計画の策定に当たりましても、地方の港湾をかなり重視する必要がある、従来からも重視しておりますけれども、これを重視していこうということで、個性ある各地域の要請に対応して地方港湾の量的あるいは質的な向上を図ろうということがかなり重要なウエートを占めることになろうかと思っております。
○高木委員 次に、最後のお尋ねになりますけれども、整備新幹線の問題について触れさせていただきます。
 昭和六十三年八月、いわゆる政府・与党申し合わせで北陸、東北、九州の三線を優先的に建設することを決定し、この三線につきましても、ミニ新幹線などの導入で当面の建設費を一兆三千五百億円に圧縮をしております。しかし、本年一月八日、江藤前運輸大臣は記者会見でこの問題に触れまして、現在進めている三線の整備は最優先事項であって、長期的には整備五線、いわゆる東北、北陸、九州の三線に加えて、北海道、九州長崎ルートをフル規格の新幹線を運行させるべきだ、このような積極的な見解を示しております。また、五兆三千億と言われるプロジェクト全体の整備計画をもう一度改めて検討する必要がある、このようなことも語っております。どうでしょう。この問題につきまして、率直に新大臣としての見解をお伺いしたいと思います。
○大野国務大臣 今も港湾のところで御質問があったように、本当に国土の均衡ある発展のためには幹線交通体系の整備というのは大切でございます。その中において、新幹線の問題は非常に大きなウエートを占めておりますので、また非常に膨大な財源も必要だというので、今鋭意努力をいたしております。
 いずれにしても、整備新幹線は昨年制定された基本スキームに従って着実に推進していく所存でございますが、お尋ねの九州新幹線長崎ルートこつきましても、これはやはり基本スキームの施設の進捗状況等々を見ながらやっていきたいと思っております。前任の大臣がそういう御発言があったということも承知いたしておりますので、ここら辺もまた一度考えてみたいとは思っております。
○高木委員 確かに極めて大きな問題に財源問題がございます。しかし、いわゆる時あたかも日米構造協議で日本の社会資本の整備が求められ、そして大蔵大臣にしても今後新たな公共投資については考え直す必要があろう、こういう姿勢でもあるわけなんです。したがって、昨日からもお話が出ておりますように、高速道路でも車の渋滞がかなりひどい。しかし、車はふえる一方である。こういう中で高速道路の促進もしなければならないけれども、やはり大量公共輸送機関である、国民の足である新幹線の整備は、これはもう今本当にそういう新しい財政の枠組みの中で考え直すべきだと私は思います。
 したがって、今回そういう新しい立場に立ってぜひこの問題について決着をつける、少なくとも整備新幹線五線だけはきちっとやり抜く、こういう姿勢を堅持してもらいたいと思いますが、最後に大臣の決意をお願いします。もちろん長崎ルートだけではなくて北海道新幹線にも私は触れましたので、これは長崎だけじゃないんですよ。これは地方の本当に切なる願いなんです。その辺どうでしょうか。
○大野国務大臣 社会資本の充実ということは国家にとって大切なことでございますし、また地域住民の方々の切なる問題でもございますし、そういう意味合いを込めて私も財政当局とこれから十二分に折衝しなければならぬという気持ちで、今いろいろとそれこそ真剣にその対応策を練っているところであります。むしろ逆によろしく御支援のほどお願い申し上げます。
○高木委員 終わります。
     ────◇─────
○田名部委員長 次に、内閣提出、日本国有鉄道清算事業団の債務の負担の軽減を図るために平成二年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案、船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東運輸局埼玉陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件を議題といたします。
 順次趣旨の説明を聴取いたします。大野運輸大臣。
    ─────────────
 日本国有鉄道清算事業団の債務の負担の軽減を図るために平成二年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案
 船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案
 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東運輸局埼玉陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○大野国務大臣 ただいま議題となりました日本国有鉄道清算事業団の債務の負担の軽減を図るために平成二年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案、船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案、及び地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東運輸局埼玉陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 初めに、日本国有鉄道清算事業団の債務の負担の軽減を図るために平成二年度において緊急に講ずべき特別措置に関する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 日本国有鉄道清算事業団の債務等の処理の問題は、日本国有鉄道の改革に残された最重要課題の一つでありますが、改革実施時の昭和六十二年度首において二十五・五兆円であった日本国有鉄道清算事業団の処理すべき債務の予定額は、金利が金利を生む形で累増し、平成二年度首において二十七兆円を超える見込みとなっているところであります。
 一方、債務等の償還のための資産である日本国有鉄道清算事業団の土地は、地価対策との関係もあり、その処分が十分に進捗しておらず、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社の株式についてもその処分の基本方針について検討を開始したばかりの状況であり、このまま推移すれば日本国有鉄道清算事業団の処理すべき債務の一層の累増が避けられない事態となっているところであります。日本国有鉄道清算事業団の土地につきましては、新たな処分方式の導入等により平成二年度において一兆円の収入を得る予定としているところであり、平成三年度以降さらに土地処分収入の拡大を図ることとしております。また、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社の経営が好調に推移してきているところから、その株式の早期かつ効果的な処分が期待されており、今後、その本格的な処分に向けて、鋭意検討、準備を進めていくこととしております。
 本法律案は、以上のような状況にかんがみ、平成三年度以降の土地並びに旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社の株式の本格的な処分等により、日本国有鉄道清算事業団の処理すべき債務の着実な減少が図られるようにするための日本国有鉄道清算事業団の財政の基盤の整備に資するために平成二年度において緊急に講ずべき特別措置を定めるものであります。
 次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
 第一に、政府が、平成二年度において、帝都高速度交通営団に対する日本国有鉄道清算事業団の出資持ち分の全部を譲り受けるとともに、当該出資持ち分の適正な価額に相当する額の日本国有鉄道清算事業団の有利子の債務等を一般会計において承継することといたしております。
 第二に、日本国有鉄道清算事業団の政府からの無利子貸付金について、据置期間を延長することができることといたしております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 次に、船員の雇用の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 我が国外航海運は、ようやくその経営に明るさが見えてきましたが、これまでの長期にわたる不況等から我が国の外航船員数は大幅な減少を続けてまいりました。
 このような中、外航海運における日本船舶の減少を防止するため、日本船舶への外国人船員の導入の拡大が実施される等、我が国船員をめぐる環境はなお変化してきております。
 本法律案は、このような船員の労働をめぐる環境の変化を踏まえ、外国船への配乗を促進する等日本人船員について海上職域を確保し、その雇用の一層の促進と安定を図るため、船員雇用促進センターが船員労務供給事業を行うことができるようにするとともに、当該事業の適正な運営を確保するための措置、当該事業に従事する船員の職業と生活の安定を図るための関係法律の特例適用等の措置を講じようとするものであります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、船員雇用促進センターの事業として、船員労務供給事業を追加することとし、これに伴い、船員職業安定法の船員労務供給事業の禁止等の規定は、同センターについては適用しないこととしております。
 第二に、船員雇用促進センターが行う船員労務供給事業は、一定の基準に適合する者の中から同センターが雇用する者について行い、一定の場合においては、同センターが行う登録を受けた者についても行うことができることとしております。
 第三に、船員雇用促進センターは、労務供給船員の雇用の手続に関する事項、船員労務供給契約において定める事項等に関し船員労務供給規程を定め、運輸大臣の認可を受けなければならないこととしております。
 第四に、船員雇用促進センターが雇用し、外国船へ労務供給される船員についても船員法及び船員保険法の規定を適用する等関係法律の適用に関する特例措置を講ずることとしております。
 なお、平成二年度予算案においては、この法律案により船員雇用促進センターが新たに行うこととなる事業に関する国の助成を、外国船に配乗するため平成二年度から平成四年度までに同センターに雇用された者について、それぞれ三年間に限り同事業に対して行うこととして、所要額を計上しております。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 これら二件の法律案につきまして、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
 最後に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東運輸局埼玉陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し承認を求めるの件の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 この案件は、運輸省の地方支分部局として、関東運輸局埼玉陸運支局の自動車検査登録事務所を設置しようとするものであります。
 すなわち、埼玉県の南東部地域における自動車の検査及び登録に関する事務の円滑化を図り、あわせて当該地域の住民の利便を増進するため、埼玉県春日部市に、関東運輸局埼玉陸運支局の下部組織として、春日部自動車検査登録事務所を設置する必要があります。
 以上の理由によりまして、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、関東運輸局埼玉陸運支局の自動車検査登録事務所の設置に関し国会の御承認を求める次第であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願い申し上げます。
○田名部委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時十七分散会