第118回国会 逓信委員会 第12号
平成二年六月十四日(木曜日)
    午前十時開議
 出席委員
   委員長 上草 義輝君
   理事 井上 喜一君 理事 大野 功統君
   理事 鈴木 恒夫君 理事 園田 博之君
   理事 前田 武志君 理事 上田 利正君
   理事 武部  文君 理事 草野  威君
      赤城 徳彦君    金子徳之介君
      小林 興起君    佐田玄一郎君
      中山 正暉君    長勢 甚遠君
      吹田  ナ君    福田 康夫君
      真鍋 光広君    村田 吉隆君
      森  英介君    森  喜朗君
      秋葉 忠利君    伊藤 忠治君
      上田  哲君    田中 昭一君
      山下八洲夫君    吉岡 賢治君
      遠藤 和良君    伏屋 修治君
      菅野 悦子君    中井  洽君
 出席国務大臣
        郵 政 大 臣 深谷 隆司君
 出席政府委員
        郵政政務次官  川崎 二郎君
        郵政大臣官房長 白井  太君
        郵政大臣官房人
        事部長     桑野扶美雄君
        郵政省郵務局長 小野沢知之君
        郵政省貯金局長 成川 富彦君
        郵政省簡易保険
        局長      松野 春樹君
        郵政省通信政策
        局長      中村 泰三君
        郵政省電気通信
        局長      森本 哲夫君
 委員外の出席者
        大蔵大臣官房企
        画官      大久保良夫君
        大蔵省主税局税
        制第一課長   長野 厖士君
        大蔵省銀行局金
        融市場室長   日下部元雄君
        逓信委員会調査
        室長      辛島 一治君
    ─────────────
委員の異動
六月十四日
 辞任         補欠選任
  吹田  ナ君     福田 康夫君
  坂井 弘一君     伏屋 修治君
同日
 辞任         補欠選任
  福田 康夫君     吹田  ナ君
  伏屋 修治君     坂井 弘一君
    ─────────────
本日の会議に付した案件
 郵便貯金法の一部を改正する法律案(内閣提出第五五号)
 郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律案(内閣提出第六〇号)
 簡易生命保険法の一部を改正する法律案(内閣提出第四二号)(参議院送付)
 簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四三号)(参議院送付)
 簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出第四四号)(参議院送付)
     ────◇─────
○上草委員長 これより会議を開きます。
 郵便貯金法の一部を改正する法律案、郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律案の両案を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山下八洲夫君。
○山下(八)委員 おはようございます。きょう郵便貯金二法の質疑でございますが、まず最初に郵便貯金法の方から一、二点確認をさしていただきたいと思います。
 いろいろと私なりにこれは問題の部分も多少はあるなと思いながら勉強さしていただいたわけでございますが、総体的に見ますと反対するほどの激しい内容のものではございませんので、ほんの一、二点危惧するところを質問させていただきたいと思います。
 まず最初に、今回債券、国債の貸し付けについてということになっているわけでございますが、その中で特に金融機関そして証券会社に貸し付けるわけでございます。その場合、取引形態やらあるいは担保はどうするのか。これを見てまいりますと、簡単に言いますと、結局貸し賃をいただくんだということでございますが、やはりこの問題は、国民から預かりました資産をある面では有利な運用利回りに活用するとかあるいはまた安全が第一というのがどうしても中心になってくるわけでございます。そういう観点から考えていきますと、やはり担保の問題等もやや心配になってくるわけでございますが、いかがでしょうか。
○成川政府委員 先生御指摘のございましたように、貴重な国民の預金を運用という面で債券という形で私ども保有しておりますので、その債券の貸し付けに当たってはそれが万一おかしなことにならないようには十分注意しなければいかぬというふうに思います。
 それで、一般的には債券を貸し付けする場合には担保をとるわけでございますが、私どもの今回改正をお願いしております債券の貸付先は金融機関、証券会社、証券金融会社というようなことでございまして、これらはいずれも法律に基づきまして主務大臣から免許を付与されて監督を受けております。
 その信用性が極めて高いことから大蔵省証券局あるいは銀行局等の指導で担保をとることは必要ない、担保を受け入れなくてもよいというものとされているところでございます。言ってみれば、安全確実であるという意味合いにおきまして、担保をとる必要はないということにされております。したがいまして、債券の貸し付けにつきましては安全性について問題はないと考えておりまして、私どもも担保をとる考えはございません。
○山下(八)委員 深追いするのをやめまして、次に移っていきたいと思います。
 一つは、今回証券金融会社が東京、名古屋、大阪と三カ所できまして、そのうち東京が日本証券金融会社、ここが大変しっかりしている会社だから担保をとらなくてもいいというような指導なのか、約束なのかよくわかりませんが、そのような考えから来ていると思うわけでございますが、いずれにしましても、この証券金融会社はその相手先の事業会社等にはやはり担保を要求するわけでございますから、私はこの点ではやはり担保は必要ないのだということについては一定の疑義をいまだに持っております。その辺につきまして、どうしてもとってほしいとか今答弁しろとかいうことは申し上げません。
 それからもう一点は、大体今約四兆円の国債をお持ちでございますね。その中のどの程度の債券貸し付けをしていくのか、そして利回りはどのように考えているのか、その辺ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○成川政府委員 私ども、さしむき国債を貸し付けの対象の債券と考えております。四兆円のうちどの程度が貸し付けられるのか。市場の大きさ、動向、需給等によってもどの程度貸し付けられるのかわかりませんが、仮に五%程度、二千億程度といたしますと十八億円程度の収益が上げられるんじゃないかというふうに思っているところでございます。(山下(八)委員「収益がですか」と呼ぶ)ええ収益、貸借料が年間そのくらいの程度がいきますと十八億円程度の収益になるのではないか。
 貸借料というのは需給動向によって変わってくるわけですが、〇・二%から二・〇%くらいの幅で動いているようでございます。現時点におきましては〇・八前後くらいだというふうに聞いておりますので、それで試算した結果で十八億円程度の収益といいますか、収入がそれだけふえる、クーポンレートにプラスしてふえるというふうに考えられているところでございます。
○山下(八)委員 債券売買で、空売りですけれども、収益がどんどん上がるということになってくれば、当然税引き債券を借り受けたいという形もふえてくると思うわけです。それが市場でどう動いていくのかという課題はありますから、一概にどれだけ今なると言うことは大変難しいと思いますけれども、将来もしこの債券の空売りで収益がどんどん上がるということになってきますと、郵政省の方にも当然その債券の貸付料がふえてくるということになると思うのですね。
 ただこの場合、一週間とか十日とか短期であろうと思いますので、四兆円分そっくり全部貸し付けるということはあり得ないと思いますけれども、量がふえてくる可能性もあると思うのです。それにはやはり一定の歯どめが必要であるのではないかというふうに思うわけですが、その辺の考えはございませんでしょうか。
○成川政府委員 債券市場は、債券市場といいますか貸借市場といいますか、そういうものが昨年の五月にできましてから月を追ってふえてまいりまして、今六兆円くらいの市場になっているというふうに聞いております。六兆円か五兆数千億円ですか、はっきりした数字はわからないわけですが、証券金融会社あたりでの仲介業務を見てみますと六千億程度の市場になっているということで、店頭市場を入れますとそれの八倍から九倍、十倍くらいになっているんじゃないか。実ははっきりした確たるデータはないようでございますが、いずれにいたしましてもかなり大きいわけでございます。
 そのうち私どもがどのくらいのシェアを占められるかということでございますが、そう多くは期待できないし、また私どももその四兆円余りの債券、国債をすべて貸し付けるということは考えておりませんので、常識的には五%から一〇%くらいがせいぜいじゃないかというふうには思っているのですが、先ほど申し上げました数字は、五%を仮に貸したとした場合には二千三百億くらいで十八億くらいの収入になる、全体の利回り向上は〇・〇二%ポイントくらい引き上がるというような感じで考えられるところでございます。
○山下(八)委員 運用利回りのためには当然このようなことも私否定はいたしませんけれども、最近、日本はどちらかといいますと金余り現象がありまして、外国へ行って土地は買うわビルは買うわ、また国内でも、株の動向を見てみますとどんどん株は値上がりするわ、土地はもうとても買えない状態である、その土地にしましても銀行からの融資で土地を取得し、また担保を入れてまた取得をする、こういう悪影響なんかで大蔵省も銀行に対してある面では土地への融資の引き締めとか、そういう指導等があったりしているわけでございますけれども、私は、一方では運用をしたい、その気持ちはよくわかるのですが、これも一方ではマネーゲームの後押しを後ろの方で今度は国がしていく、手をかしていく、そういう危険性もありますので、それについて私は御答弁をいただこうとは思いませんが、やはり節度ある取引といいますか、そのようなことをぜひしていただきたいということを強く要望しておきたいと思います。
 次に、ボランティア預金の方に移らしていただきたいと思いますが、今回ボランティア預金の法律案が提出されているわけでございますが、この制度の創設に当たりまして、なぜ郵便局が国際ボランティア預金制度を創設しなくてはならないのか、その理由を説明いただきたいと思います。
○成川政府委員 先生御案内のとおり、我が国の経済的地位が高まってまいりまして、国際社会に一層の貢献を果たしていくことが求められているところでございます。ODA等、その面でも世界的にも一、二位を争うような量になっていることは、御承知のとおりでございます。また、国民一人一人も国際社会の一員として行動することが求められる時代になってきているんじゃないかというふうに思います。
 国民参加による海外援助の積極的な推進はいろんな面で言われてきているわけでございますが、世界的に見ても我が国のNGO団体というか、民間海外援助団体を通じての援助額というのは非常に低い状況になっていることは、御承知のとおりでございます。私どもは、全国津々浦々に二万四千の郵便局を持っておりまして、そういうことから国際社会に郵便貯金事業としても何か貢献できる道はないだろうかと考えましたわけでございます。
 その際に一つの方法として郵便貯金の預金者の善意によって利子の一部を民間の海外援助団体に寄附できるようにしたらどうだろうか、簡易な手段といいますか、身近にある郵便局を通じて日ごろ貯金をしていただいておりますが、それの利子の一部をやるということであれば国民が非常に参加しやすいのではないかというふうに考えましてこのような制度を考えたところでございます。そういうことによって民間の海外援助の一層の充実にも寄与することになるので、大きな意義があるのじゃないかということからこのような法案を提出させて御審議していただいているところでございます。
○山下(八)委員 その中で、この国際ボランティア貯金、結局、寄附の対象を開発途上にある海外のみに限定をしているわけでございますけれども、その海外のみに限定した理由はどのような理由でございましょう。
○成川政府委員 先ほど趣旨といいますか、設けた理由等につきまして御説明させていただいたわけでございますが、そういうことで国際社会に一層の貢献を果たしていくことが重要になっているということが一つと、それから開発途上国におきまして、我が国では考えられないような悲惨な状態に置かれている人が多数おられるというようなこと、日本との格差が非常に激しいところもあるというようなことで、こうした方に積極的に救いの手を差し伸べることが世界とともに生きる日本の大きな役割となっているのではないかという観点から、本制度におきましてはこの政策課題に対応するために、まず国際ボランティアといいますか、海外援助を中心として考えさせていただいたところでございます。
 先ほども申し述べさせていただきましたけれども、国民一人一人が国際社会における一員としての行動が求められているわけでございますので、このような海外援助を通常貯金の一部の利子を寄附していただくことを通じてやっていくことが、国民の理解と、それから協力の促進に役立つのではないかというふうに考えて、このようなことから海外の援助を対象に考えさせていただいたところでございます。
○山下(八)委員 実は日本には相当外国から多くの留学生もお見えになっていらっしゃるわけです。当然開発途上国からも留学生は見えていらっしゃるわけでございますけれども、そういう国内にいらっしゃるその留学生を中心とした外国人の方も大勢、やはり大変苦しい思いをしたりしているわけでございますね。そういうことを見てまいりますと、この方もいずれはまたそれぞれ本国へ帰られて、日本のよかった点あるいは悪かった点、学んだ点、また本当によくしていただいて感謝していること等、当然本国へ帰られたら宣伝もされるわけでございます。
 そういうことを考えますと、私はそういう留学生等に対する援助も大変意義が高いのではないか、そのような気もするわけでございます。ですから私は、なぜ海外に限るのだろう、まだいろいろと検討すればより有効な使途があるのではないか、援助のしようがあるのではないか、そのような気がいたしておりますので、ぜひその辺も今後の課題として検討をしていただきたいと思います。
 次に、寄附金の配分決定の手順と配分額の決定方法について若干お尋ねしたいと思います。
 郵政省の方からいただきましたこの資料にも配分決定フローが順次示されているわけでございます。寄附金の総額の確定を四月中旬にいたしますと。時間がありませんからまとめてお話ししておきたいと思いますが、その次に配分団体の公募を四月下旬にいたしますよと。まとめて後で答弁いただきたいと思いますが、一つは、この公募の仕方はどのような公募の仕方で行うのか。それからその次に、五月から六月にかけまして各団体からの申請を受け付けますよと。当然、日本赤十字社あるいは日本ユニセフ協会など、このような団体が念頭に置かれていると思いますし、またいただいた資料にも多くのボランティア団体の会の資料もいただいております。そういうものが念頭にはあるのだろうなと思いながら私も一読させていただいたわけでございますが、この辺はどのようなところを念頭に置いていらっしゃるのか。
 その次に、どうしても一番重要な問題になってくると思うわけでございますが、七月から八月に審査・検討をいたしますと。この審査・検討の構成メンバーはどのような構成メンバーであるのか、またその委員を選ぶとき、どういう選び方をなさるのか。その次に、今度は、九月上旬に郵政省の原案策定と。このときにはほぼ九〇%くらいコンクリートされている、決定されていると思うわけです。その後は正直申しまして付録みたいなものだと思うのです。
 この段階までに、私は大臣には大変申しわけないのですが、大臣の必要以上の発言力の行使が行われたりすると、これまたせっかくのいいものがひずみが生じてきますので、この原案策定までに国民の皆さんに理解をしていただく、また開かれた原案策定をしていただく、そのためにはどういう手法を考えていらっしゃるのか。その辺について、今四点ばかり申し上げたわけでございますが、お答えいただきたいと思います。
○成川政府委員 お答えする前に、先ほど海外留学生、日本に来られる留学生の方の支援に役立てられないのかという御趣旨の御発言がございましたけれども、私ども今回の法律でお願いしておりますのは、開発途上国の住民の福祉の向上に役立つということで、そういう観点に合えば、趣旨に合えば留学生についても援助の対象にできるのではないかというふうに考えております。
 NGOの海外援助活動は必ずしも開発途上地域の現地で行われるわけではなくて、我が国の援助団体を見てみましても、研修生の受け入れとかいうようなこともかなりの団体で行われておるようでございます。例えば開発途上地域の方々を日本国内に招聘いたしまして、保健衛生や農業などの基礎的な研修を行うなどの活動も実施されているところでございまして、こうしたNGOへの寄附金配分を通じまして留学生の支援に役立つことも可能と考えております。具体的に申請があって決めていくわけでございますけれども、そういうことも対象にはなり得るのではないかと思っているところでございます。
 それから、先ほど順を追っていろいろと御指摘ございました点でございますが、元加されるときに寄附金総額が大体確定いたしまして、それは四月中旬でございます。配分団体の公募をするわけでございますが、これは公明、公正にやらなければいかぬということで官報に掲示いたしまして、応募していただくということになるわけであります。各種団体からの申請受け付けをいたしまして、書面審査といいますかしっかりした団体であるかどうか、海外援助事業に実績があるかとかそういった形式的な審査もかなりの部分あると思います。
 それから中身につきまして検討させていただくわけですが、専門的な知識を私どもの方も余り持っておりませんので、それらにつきましてはいろいろな方面から御意見を聞きながら、関係省庁との協議というのもあるわけです。関係省庁との協議は郵政省原案策定の後というふうに書いてありますが、その前にもいろいろとお知恵をおかりしたりなんかするという場面はつくっていかなければならぬのじゃないか。職員は専門的にそういうことをやる職員を配置いたしまして、形式審査といいますか書面審査といいますか、これと事業内容等につきましては、先ほど申し上げましたようにどうしても私どもの判断が難しいようなところにつきましては関係省庁からの御意見も聞くとか外からの御意見も聞きながら詰めていって中身を決めていきたい。
 それから郵政審議会に諮問いたしまして、郵政審議会には御案内のとおり預金者の代表と考えられるような方もおられますし、それから海外援助団体についての知識を持っておられる方もそう多くはございませんが一、二おられるようでございますので、そこらにかけまして中身について答申をいただきまして大臣が決定していくというふうにしていきたい。
 配分団体につきましてはその決定したあと官報に掲示させていただきまして、こういうところにこういう金額を配分いたしましたということをしまして皆さん方に知っていただく、それから郵便局等におきましても、どういう内容になったかというようなことを冊子につくって預金者の方に理解していただく、知っていただくということも必要ではないかということで、これはまだこれからの検討課題でございますが、そういうことも考えていかなければいけないのじゃないかと思っております。
 それから、配分金の交付が行われました後、実際にどのように使われたかというようなことにつきましては監査等もするわけでありますけれども、それらにつきましていろいろときちんとしたやり方をしていくようにしていきたいと思っておるところでございます。
○山下(八)委員 私がお尋ねしてないことは答弁は必要ないのですけれども、私がお尋ねした部分で今でも半分ぐらいしか答弁が返っていないわけです。
 審査・検討をしますというこの審査・検討する構成メンバーと、その委員の選出はどういう方法でなさるのですか、それだけ明確にお答えしておいていただきたいと思います。
○成川政府委員 先ほど答弁させていただいたつもりだったのですが、ちょっと不十分で申しわけなく思っております。
 先ほど申し上げましたように、職員を選んでその職員を中心にして書面審査といいますか、審査をさせていただくということでございます。内容等につきましては、先ほど申し上げましたように余り専門的な知識を持っていない職員もおるわけでございますので、そういうときには関係省庁とかにも意見を聞いたり部外の人から意見を聞くということはありますが、委員会というようなものをつくってやるというような考え方を持っておるわけではございません。
○山下(八)委員 私きょう郵務局長さんにもおいでいただいておりますので、この貯金二法につきましては後ほど同僚委員の秋葉さんの方に譲るといたしまして、せっかくお越しいただきましたから、ちょっと話題を変えさせていただきたいと思います。また、私四十分ぐらいでおきまして、残り十分ぐらいを同僚の秋葉さんに譲る予定にしておりますので、御理解と御了解をいただきたいと思います。
 大臣にちょっとお尋ねしたいのですが、この間の委員会で一言だけ申し上げまして積み残しになってしまいましたので、きょうもう少しいろいろとお話をお聞かせいただきたいと思っているわけです。実はせんだっての委員会で申し上げましたのは、要するに郵便切手であろうと官製はがきであろうと大口利用者にある程度割引制度を導入したらどうだということを半分言いまして終わってしまったわけであります。
 郵政省にしましても、コスト軽減、増収等の効果を勘案して低い料金を設定しているものと、それから政策的な割引料金を設定している、大きく分けてこの二つのグループがあるわけでございます。特に政策的な問題につきましては、定期刊行物の第三種でございますとか第四種の通信教育あるいは盲人用とか学術とか、そんなことで、こういうことはよく理解できるわけでございます。また第一種の方でも利用者がある程度の郵便物を区分いたしますと大口でございますと割引をなさる。あるいはまたダイレクトメール、広告郵便につきましても三千通以上出しますと一八%から三〇%の割引があるとか、また市内の特別郵便でありますと割引をするとか、コスト軽減、増収等の関係からの割引制度がいろいろと導入されているわけです。
 このことを見てまいりますと、例えばどれぐらいから上が大口か、その基準は別にいたしまして、大口を買い求めますとはがきであろうと郵便切手であろうと一定の割引をしてもいいのではないか。物を買いますとたくさん買えば大体安くなるというのが相場でございますので、ぜひその辺の大臣の考えをまず最初にお聞かせいただきたいと思います。
○深谷国務大臣 過日も山下先生から御指摘がございました。現在の郵便料金の割引制度というのは、まず郵便番号ごとに区分されること、そしてそれで出されるということで作業が軽減される、あるいはただいまのお話のように大量に一挙に出すこと、それから送る期間にゆとりがある場合、それから郵便局長が指定した時刻までに差し出すことなどいろいろな条件を満たす場合や、あるいは料金を割り引くことによって需要の拡大が見込まれるといったような、そういう場合に郵便物の処理作業が一部省略できることによるコストの軽減とか需要拡大による増収といった効果の有無、程度を検討した上で実施しているのが現在の割引制度でございます。こうしたことから、切手を張った郵便物や官製はがきについては一般の郵便物と同様に消し印作業が必要であるとか、その分のコスト軽減が期待できない、したがって料金割引制度の対象にはしていないわけでございます。
 先生御提案の、例えば切手、官製はがきの大口購入をした場合の料金割引制度の導入、私どもはたくさん出していますから本当は一番望みたいところでございますけれども、郵便事業財政に対してマイナスの影響が及ぶであろうということがまず一つ想定されます。それからもっと大事なのは、郵便切手類の販売制度の基本にかかわってこないだろうか。これはそういう意味での問題を引き起こすおそれがあるのではないか、あるいは郵便事業の手数が増加するおそれがあるのではないかといったようなさまざまな問題点がございまして、現時点の判断としては実施はなかなか困難ではないかなとお答えせざるを得ないと思うわけであります。
 しかし、切手を張った郵便物や官製はがきでも大口購入した場合に料金割引してくれという声が先生だけでなくていろいろなところから来ていることは確かでございますので、郵便をより効果的に利用したいといったお客様のそういうさまざまなニーズにどうやってきめ細かく対応することができるか。仮に、今度は逆に料金の割引制度を実施した場合にどんな問題点が予測されるのであろうかといったような、そしてそれをどうやったら解決できるかといったような研究をぜひやらしていただきたいと思っております。
○山下(八)委員 私もこの問題でいろいろと郵政省から御説明を受けまして、困難さはある程度理解をいたしておるわけでございます。特に大口で切手を販売した場合、今度別納で郵便を発送しますと、料金にかえて切手でお支払いすることができる、そうしますと二重割引制度がそこで生まれてくる。そういうことは、私も一定のことは理解をいたしております。そのことにつきましては技術論でございまして、もし郵便を別納で出せば、切手で受け取るのではなくて今度は現金で受け取るということにすれば、切手へ向かって消印も同じように押しているのですから、封筒には消印を押しませんけれども切手には全部押しているわけでございますから、そういうことを考えますと一つは技術論だと思うのです。それと同時に、はがきにいたしましても封書にいたしましても、例えば特定地域だけに郵便物を発送する、集配局の範囲でありますと、市内特別割引料金でございますとかいうことで安くなる、そういう格好になっておりますので、私は大口であっても割引することはそれほど難しくないだろうなというような気がいたしているわけであります。これは私も今この場でいい御答弁を期待しておりませんので、これは大臣の方でぜひ検討課題にしておいていただきたいというふうに強く要望をしておきたいと思います。
 せっかくですから、郵政省の方にお尋ねをしておきたいと思うのです。
 郵便切手類販売所につきまして、私、この法律を読ましていただいたのですが、例えばお菓子屋さんとかちょっとしたお店で郵便はがきや切手を売っていらっしゃるのですね。そういうところはどういうことで許可になっているのか。私この法律でちょっと読み切れなかったものですから、どういうところにどういう資格で切手類販売所ができるのか。ぜひ教えていただきたいと思います。
○小野沢政府委員 郵務局長でございます。
 昨年初めて郵務局長に着任して、郵務局の仕事で大きな問題を死に物狂いで片づけてまいりましたので、今お尋ねの件は正直申し上げてよく承知しておりません。早速帰りまして勉強して、御報告に上がりたいと思います。
○山下(八)委員 それは私もきちっと通告しておりませんでしたから後ほどでいいですが、私、なぜ申し上げたかといいますと、郵便切手類販売所の場合、一カ月十万円までの売り上げですと一〇%の手数料をいただくことができるわけですね。そういうふうに、裏返せば割引制度と同じなんですね。山下八洲夫が自分で使うために切手類販売所を設置すれば、これは割り引くことができるのですよ。ですから、私はその点お尋ねしたわけでございますが、それは後ほどで結構でございます。大臣、ぜひ検討をしておいていただきたいと思います。
 次に、例の暑中見舞いの「かもめーる」のはがきについて若干質問をさせていただきたいと思います。
 年賀はがきで申し上げますと、昭和六十二年度が三十五億二千六百万枚と大変な努力で大変な枚数が販売されているわけでございます。そして「かもめーる」が、それの一割までいかないわけでございますが、二億八千五百万枚。それから、春に出ております「さくらめーる」が一億一千九百万枚。年賀はがきからいたしますと目勘定で約三十分の一でございますか、六十二、六十三年度と、大体率でいいますとほぼ同じような形であるわけでございます。だんだんとふえているわけでございますが、平成元年度で申し上げますと、年賀はがきが三十八億三千万枚、「かもめーる」が三億三千四百万枚、それから「さくらめーる」が九千二百万枚、これは昭和六十二年度から比べますと減っていますね、年賀はがきからいいますと四十分の一ぐらいの感じでございますか。このような形でいろいろと努力されて販売がされているわけでございます。
 年賀はがきというのは大変国民の皆さんに定着をしておりまして、とにかく元旦の日には首を長くして、早く年賀はがきが来ないかというふうに待っていらっしゃるわけでございます。これは郵政省にいたしましても、そこで働くすべての職員の皆さんの努力のたまものだと思うわけでございます。しかし、その半面、私もこんな仕事をしておりますから、同僚議員も同じだと思いますけれども、よく特定郵便局長さんあたりから、山下さん、何とか「さくらめーる」を買ってもらえぬだろうか、何とか「かもめーる」を買ってもらえぬだろうか、このようなセールスもちょこちょこ受けております。それぐらいやはり努力をなさっている。
 努力をなさった上で「かもめーる」で大体一割程度。皆様方も当然努力をなさっているわけでございますが、せっかくこの「かもめーる」もかなり定着をしてまいりました。私は、「さくらめーる」もあるから、ひょっとすると秋の「もみじめーる」あたりもまたつくられるのかなと思ったりしまして、そうすると、出先は一年じゅうこのようなはがき売りで走り回らなければいかぬというような心配も一方ではするわけでありますが、一方では、どうしてもそういう郵便物を国民の皆さんに少しでも多く利用していただきたい、この気持ちからであろうと思います。
 そのことを考えますと、「さくらめーる」は現在規模的に小さいですから、できればこの「かもめーる」を二割でも三割でもアップをしていく、できれば年賀はがきの半分ぐらいまで追いつく努力、これが今一番大事じゃないか。年賀はがきが一番国民の皆さんに親しまれているのは、元旦に着く、これがやはり定着をして楽しみになさっているというのがあると私は思うのです。
 そうしますと、夏の「かもめーる」にいたしましても、暑中の日がいいのか、あるいは夏の盛りの盛夏の日がいいのか、この辺は別にいたしまして、また、日にちも、八月一日がいいのか、あるいは七月二十五日がいいのか、いつがいいのかは別にいたしまして、配達日を年賀はがきと同じようにしまして、そして夏の年賀だ、暑中見舞いだ、それを定着をさせていく。こういう努力をされれば逆にもっと利用者もふえてくるんではないのかというような気がいたしているわけでございます。
 これは、郵政省にたくさん売れる知恵をお与えするわけでございますから、私はこれについてぜひ検討をしていただきたいと思いますし、また、どういう努力で今日まで、特に「かもめーる」、「さくらめーる」の販売をなさっているか、それについてお尋ねをしまして、私の持ち時間が大体参りましたので終わることにしたいと思います。
○小野沢政府委員 お答えいたします。
 「かもめーる」に対しましていろいろな問題点を御指摘いただき、また御好意のある御提言ということで、非常に感激いたしております。
 実はびっくりしているのですが、先生がお考えのことと全く軌を一にした考え方を私持っておりまして、そういった意味で「かもめーる」の強化ということで着手していたところでございます。今御指摘のありましたとおり、売れ行きが伸び悩みということで何とかしなければいけないということと、また、年賀はがきと並ぶものとして育てるとすると、やはり「かもめーる」が夏休みとかそういった期間中にある点に着眼いたしまして、何で伸び悩んでいるかということの原因を分析、検討したのでございますけれども、その結論としてこれまでの発行のあり方が、商品に魅力がないとか販売期間に工夫がないとか抽せん日に工夫がないということで、利用者の価値観の多様化と社会の変化に即応してないという判断をいたしました。
 そこで早速、六月四日から発売した平成二年度の「かもめーる」ですが、かなり思い切った改善をいたしております。例えば賞品でございますが、これまでA賞旅行券、B賞ワールドゆうパックと書いてあったのですが、これに相当する賞をまとめて、ふるさと小包賞というふうにいたしました。
 そこで、地域振興施策の一環と位置づけまして、全国の過疎地域のふるさと小包五十品目の中から一品目を選んでいただくといったこと、それから、多数のお客様に喜んでいただくために魅力的なデザインを工夫しておりますが、「ふみの日」にちなむ小型切手シートを切手シート賞として、その当せん割合を従来の百本に一本から百本に六本に引き上げた。それから、発行日は先ほど申し上げましたように、これまでより約十日間短縮して六月四日にした。また抽せん日ですが、これまでは(山下(八)委員「いいです、細かいことは」と呼ぶ)はい、それでは省略して、後ほど御説明いたします。
 そこで、先生の御質問のポイントに入ってまいりますが、先生の御提案の、ある特定の日に一斉に配達をする方法、こういうことでございますが、これはここ何日か一生懸命考えてみました。そこで、先般、切手文通室が切手文通振興課に変わりましたから、ちょうどいい時期ですから、こういったときに政策的な観点からやるとおもしろいのじゃないかということで、七月二十三日が「ふみの日」で、ちょうどそのころが二十四節気の一つの大暑の日に近いものですから、その「ふみの日」を「かもめーるの日」とかそういった名称をつけてそれに向けて今いろいろな行事を考えております。
 それで、ことしを初年度として、それを契機としてさらにこれから毎年充実していきたいということで考えております。したがって、「かもめーる」についても、七月二十三日を一つの盛り上げの日として設定して、これから一層力を込めていきたい、こういうふうに考えております。
○山下(八)委員 せっかく人事部長さんにおいでいただきまして質問をいたしませんでしたので、通告した質問は撤回をさせていただきまして質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○上草委員長 次に、秋葉忠利君。
○秋葉委員 まず最初に、山下委員が時間を約十分譲ってくださいましたので、お礼を申し上げたいと思います。できたら少し詳細にわたって、主に、これは仮称ですが、ボランティア貯金について伺いたいと思います。
 まず最初に、大臣から伺いたいのですが、山下委員の指摘にもありましたように、郵政省として海外援助の一翼を担う、それほど規模は大きくありませんけれども、かなり国際的な仕事を行うということなのですが、そういった新規事業を始めるに当たっての郵政省の基本的な理念、なぜ郵政省として今このような仕事、国際ボランティア貯金といったような制度をつくろうとしているのか、その辺の基本的な姿勢を伺いたいと思います。
○深谷国務大臣 日本の経済的な地位が高まってまいりまして、国際社会に一層貢献をしていかなければならないという責務を帯びております。国民一人一人も、国際社会に参加する、そういう貢献をするという行動が求められておりますので、そういう意味では貯金をなさる方々の一部または全部の利子についてのボランティア貯金というのが時代に合致しているのではないだろうか、こう思うわけであります。
 国民の身近な郵便局でこうした制度を行うということで、海外援助に対する国民の皆様の理解と協力を促進するとともに、民間レベルの海外援助の一層の充実に寄与する、そのように考えております。
○秋葉委員 大体の大枠はわかりました。私も、国際的に現在経済大国と言われている日本がさまざまな形での貢献をすることは非常に大切だと思います。
 同時に、海外援助だけではなくて、国内にも国外にもさまざまな問題があるわけですけれども、このところ郵政省としては、例えば今回のこの新しい国際ボランティア貯金においては、さっきお話がありましたけれども、我が国では見られないような非常に困窮した生活を送っている人たちが海外にいる、そういった人たちに手を伸べる、そういった積極的な姿勢を持たれているようであります。それから、きのうも私が質問の中で言及いたしましたけれども、例えば障害を持った人たちのためにさまざまな施策を始めているということで、これは、ただ単にこの二つが特別な思いつき、例ということではなくて、これから郵政省がこういったさまざまな社会的問題に対して、ある意味で省としての、あるいは官庁としての枠をはみ出してももっと積極的にいわば社会的な責任を果たしていく、そういう決意と覚悟の表明であると考えてよろしいのでしょうか。大臣、お願いいたします。
○深谷国務大臣 秋葉先生の大変御理解の深い御発言に感謝いたします。
 私たちは郵政行政全般にわたって進めてまいりますが、国家やあるいは世界の中の日本、そういったさまざまな角度から物を考えて対応していくということが大事でございまして、そういう意味では先生のただいまのお言葉も私たちの意の中に含まれていることでございます。
○秋葉委員 今後ともその方向でさまざまな、かつ柔軟な企画あるいは実行をお願いしたいと思います。
 このボランティア貯金について、もう少し具体的な内容について幾つか伺いたいと思うのです。
 まず最初に、幾ら理念が立派であっても本当に需要があるのか。つまり、こういったボランティア貯金を創設いたしました、皆さん寄附をお願いしますというふうに呼びかけて、実はそれはお役所の、あるいは私たちだけの頭の中にあったアイディアであって、具体的には一人もボランティア貯金、寄附をしなかった、まあそういうことはないと思いますけれども、具体的に需要があるのかどうか。それについて郵政省としてはこれまでどのような調査なりデータを持った上でその需要があるというふうにお考えになっているのか。まず、その辺をお教えいただきたいと思います。
○成川政府委員 昨年の六月に、郵便局で国際ボランティア貯金を実施した場合に利用していただけますかということでアンケート調査を実施いたしました。項目を幾つか申し上げさせていただきますと、「ぜひ利用したい」「何らかの特典があれば利用したい」「利用するかどうかわからない」「利用するつもりはない」その四項目でお尋ねしたのですが「ぜひ利用したい」というのが一六・五%「何らかの特典があれば利用したい」というのが四六・八%「利用するかどうかわからない」というのが二九・四%「利用するつもりはない」というのが七・三%でございました。「ぜひ利用したい」と「何らかの特典があれば利用したい」という両者を合わせますと六四%の方が利用していただけるというような感じでございました。
 それから、郵便貯金会館に国際ボランティア貯金を紹介する、これは重要施策事項として昨年要求しておりましたので、そういうことなどを書いたチラシなどを置いておったのですが、それを見た人から投書がございました。ぜひ協力したい、自分も参加したい、それから、実施に期待しているというようなことが書かれた投書をいただいているところでございます。
 こうした結果からも、多くの方に利用していただけるというふうには思っているのですが、実際ふたをあけてみませんと本当のところ数字がどれくらいまでいくのかというのはわかりませんが、これらをもとにして、三割程度は利用していただけるのではないか。当初三割というわけにはなかなかいかないと思いますが、行く行くは、成熟した段階では三割程度まで御利用していただけるのではないかと考えているところでございます。
○秋葉委員 そのアンケートの結果について伺いたいのですが、約半分くらいの人が「何らかの特典があれば利用したい」という答えをしているということなんですが、「何らかの特典」というのは具体的にはどういうことなんでしょうか。逆に言いますと、ちょっとこれは必要条件と十分条件を混乱させて考えると、このボランティア貯金で寄附をしてもいいけれども、一体自分にどんな得があるんだ、得がなければやらないよという人が結構いるんだというふうにもとれるのですが、まあ、そういうふうに悪意にとってはいけないところかもしれませんが、その特典の内容、どんなことが挙げられていたのか、あるいはそれを今回の法案の中にどういうふうに生かしているのか、伺いたいと思います。
○成川政府委員 まことに、アンケートの仕方が悪かったのかどうかわかりませんが、その特典の中身につきましては具体的には触れておりません。何らかの特典があればということでお尋ねしただけなので、特典の具体的な中身をもう少しあれすれば、先生おっしゃるとおりそれを施策に生かすということも可能だったのでしょうけれども、そういう尋ね方はしていなかったものですからわからない状況でございます。
○秋葉委員 これは具体的に実施される段階でぜひ――半数ほどの人がそういった答えをしているわけです。四六・八%ですから、いわば二月の総選挙で自民党が得た得票率と大体同じぐらいでございます。それは選挙の前には国民の大多数の意思というふうに解釈することができるほどの重みのあるパーセンテージですから、やはり特典の内容についてはお調べいただいた上で制度上に生かしていく、そういったことをぜひお願いしたいと思います。
 その場合に、私は、特典の一つとして常識的に考えられることはたくさんあると思うのですけれども、その一つを申し上げたいと思います。それは、現在は利子に課税がされているわけですけれども、例えばその利子によって自分がお菓子を買うとかおもちゃを買うとか、子供の場合を考えているわけですが、そういうことではなくて、海外の、医療、食糧といったところで困っている人たちの援助のために使うんだ、そういう目的であれば当然その利子には課税がされない。常識的に考えてそういったことが特典のうちの一つになるのではないかと思うのですけれども、このボランティア貯金制度では、これを利用して利子を寄附するあるいは委託することにしても、非課税にはならないというふうに理解しておりますが、なぜ非課税にならないのか、その辺のところ、お教えいただきたいと思います。
○深谷国務大臣 本来的に私は、あるいは私どもは、利子を非課税にすべきだと考えております。せっかくの国民の自発的な善意によって国際貢献のために拠出されるお金でございますから。
 そこで、郵政省といたしましては、局長以下、この旨を税務当局に要望いたしまして、法律案提出ぎりぎりまで頑張ってくれました。しかし、残念ながら、税務当局の強い反対があって、最終的には非課税措置が当面講じられないということになりましたが、平成五年の利子課税のあり方を見直す際に、最良の方法を再検討しようということで政府内の合意が形成されております。郵政省といたしましては、全力を挙げて非課税措置について引き続き関係方面の理解を得るべく努力をしたいと思っております。
○秋葉委員 郵政省の態度としてはそういうことだと思うのですが、大蔵の立場としてはまた別の意見がおありなんでしょうか。大蔵省の方もお願いしているのですが、お答えいただければと思います。
○長野説明員 税務当局としての、いろいろと郵政省と御相談させていただきました事柄を御理解いただきたいと思いますが、利子課税の非課税という問題、あるいはこの問題は寄附金税制の新しい特例をつくるという問題でございますけれども、大前提といたしまして、利子課税が現在源泉分離課税という仕組みをとっております。
 それで、源泉分離課税と申しますのは、御承知おきのとおり、支払い段階ですべての課税関係を終結するという趣旨のもとにつくられている制度でございますから、特定のものに例外を設けることは、分離課税という制度をつくりました本来の目的になかなかそぐわない点がございます。これは税の理屈でございます。
 寄附金控除との関係で申し上げますと、今先生おっしゃられました、ボランティアに出すときというのは特別に配慮すべきではないかということでございますけれども、現在、寄附金控除は一万円を超えた場合に、その超えた金額を対象とするということにいたしておりますけれども、このボランティア預金のケースでございますと、言ってみますと源泉分離課税で税引き、税金が取られました残りの手取りを、例えばでございますけれども、赤い羽根募金に御自分がなさったというケース、それからこのボランティア活動の方に、郵政省の方にお預けされたというケースというのは、税務上区別する理由がない。赤い羽根と全く同じような扱いということでよろしいのではなかろうかということでございます。
 例えば、税引き後手取り八十円、税金が二十円ということでございますけれども、その八十円を赤い羽根の購入に充てられる方もありましょうし、それをボランティア活動に郵政省を通じて出したいということでございましょうけれども、それは寄附金税制上は同列に扱いたいというのが私どもの考え方でございます。
○秋葉委員 税制上のさまざまな考え方というのはわかりますし、それなりの論理が当然あるわけですが、実は、やはりそれを伺っても幾つか問題があると思います。
 まず一つは、今、赤い羽根の場合と比較をされましたけれども、赤い羽根の場合とこの場合で非常に大きな違いは何かというと、例えば、典型的にどういった人がこのボランティア貯金を使うか、その中でどういう人に使ってもらったらこれから先、例えば二十一世紀の社会を考えるに当たって一番大きな社会的な利益を得るか、それを考えますと、やはり子どもたちだろうと思います。一生懸命お小遣いをためてそれを貯金していた、その貯金の一部をぜひ何らかの形で社会的に役立てていきたいというふうに考える子供たちが、このボランティア貯金を利用して何らかの形で自分も社会参加をするということだろうと思います。
 赤い羽根の場合には、具体的にもう自分の手の中にお金がある、しかもそのお金は、親が税金を払った後子供に小遣いとして渡すお金がほとんどでございます。その自分の手の中にある、例えば十円玉で赤い羽根の募金をする、そうするとそれは募金活動をしている高校生あたりが箱の中に入れて、それが赤十字社に行ったりさまざまなところへ行って役立つという、直接の因果関係がはっきりわかるお金の使い方です。その場合にも、自分の持っている十円からは特別にお金がどこかほかへ入ってしまうということではなくて、それが全部困った人のところに行くんだという理解のもとに募金に応じているというのが現状だろうと思います。
 今のあれですと、そういった同じ子供の立場で考えますと、ボランティア貯金の場合には、自分が一生懸命ためたお小遣いを貯金した、貯金には利子がつきます。ああ利子がこれだけ入ったんだ、それは例えば百円かもしれませんし千円かもしれません、一万円以上になるということは子供の場合はほとんどないと思いますが、それを、こういうボランティア貯金という制度ができたから寄附をしたいと思って寄附をした。その結果どういうことになったか。お母さんによく聞いてみると、自分が寄附をして全部海外の困った子供たちのところに行ったと思ったのが、実は二〇%天引きをされて、しかも制度としては、恐らく幾つかの団体に寄附されることになるわけですから、その中で一つの団体をとると、一番多額の援助を受けたのは日本国政府であったということになりかねない。その場合のその理屈が子供にはなかなかわからないんじゃないかというふうに私は思います。
 それをそういう状況にある子供に、例えば大蔵省としては一体どういうふうに説明をするのか。いや、あなたが本当に心から寄附をするつもりで出したお金、赤い羽根の場合には十円は十円がそのままちゃんと困った人のところに行くんだけれども、ボランティア貯金の場合にはそうじゃなくて、二割は国の金庫に入ってしまうんだよということをどういうふうに御説明なさるのか、ぜひ御教示いただきたいと思います。
○長野説明員 ただいまの御質問で、寄附と課税の関係が二つほどあることをおっしゃられたと思いますけれども、お父さんがお子さんにお小遣いを上げて、そのお小遣いでそのまま赤い羽根をお買いになったというとき、そのときはお父さんがお子様に上げられたお小遣いの元には、お父さんはそれは税金をお払いになった後の手取りからお払いになっておられます。その点が一点。
 それから、今度はお子様が預金をされたというときでございますけれども、先ほど私が申し上げましたことは、預金されてその預金の利子からお子様が寄附をなさる、そのときにボランティア貯金という形でなさるお子様がいらっしゃるかもしれませんし、いや、郵便局から利子を受け取ってきたら八十円あったから、これで赤い羽根を買おうということもある。これで赤い羽根を買おうという場合はこの国際ボランティア貯金のらち外でございますから、それは二十円の源泉課税というのが行われている、そのこととそのボランティア活動に八十円持っていかれるということは全く同じではないか。
 お子様に御説明するのは大変難しいことでございますけれども、大事な点でございますけれども、言ってみますと、税引き前で百円の利子がありました、あなたの志で八十円が国際ボランティア活動に行きました、二十円は社会福祉、公共事業その他もろもろのお国の役に立っておるのでありますということを申し上げるということでございます。税の性格はそういうものだと理解しております。
○秋葉委員 一々のことに一応理屈があるというのは私もよくわかっております。今御説明があったことは十分わかった上で質問しているわけであります。
 そういう制度上の問題があるけれども、具体的にお金を出している、寄附をする当事者、しかもある程度私は一応学歴もありますし、かなり複雑なことが理解できる能力をつけてきたつもりですけれども、こういったボランティア貯金をする特に子供たちの理解能力あるいはその社会的なさまざまな制度についての理解度ということを考えた上で、本当に説得力のある説明をどういうふうにされるのかということを伺っているので、私は制度上こうなっているということを説明してくれと言っているわけではありません。
 具体的にボランティア貯金を使って寄附をした場合には国の方にお金が取られてしまうというのが子供の理解です。だけれども、赤い羽根の場合にはそれが全部十分に使われるのだというのが子供の理解なんです。子供にとってはこのボランティア貯金というのは非常に不公平感の多い一つの制度だというふうに私には思えるわけですけれども、その不公平感を払拭するための説得力ある説明が私にはどうしても考えられないというところを申し上げているわけですが、それを制度上の説明ではなくて、子供が本当にそうなんだ、二割も国に入ってしまうということがわかるかわからないか、それは別問題といたしまして、そういったところで非課税なんだけれども、それが十分に納得のいくような形でどういうふうに子供に説明されればいいのかということをいま一度お答えいただきたいと思うのです。
○長野説明員 先生の御指摘の点につきましては、お子様に御理解という設例でおっしゃられますと二つのことを御理解いただかなければいけないと思います。
 その公平ということをおっしゃいましたけれども、一つは、ポケットマネーで赤い羽根を買っておる場合、そのポケットマネーというのは税金をお払いになった後のものなのである、それはボランティア貯金が源泉徴収された後の所得と同じものである、このことは正確に御理解いただいておく必要があるだろうと思います。
 もう一点、税金を非課税にするということにいろいろ問題があるという点につきましては、税金というものも世のために役立つ大変重要な役割を持っておるということはぜひとも御理解いただかなければならないことだと思います。
○秋葉委員 税金が世の中のためになっているということを理解してもらうためにも、子供が初めて自分の人生の中で遭遇する税制との機会というものがやはり非常に積極的な肯定的なものである必要があると思います。
 今の場合、私が申し上げているのはまさにその点でして、自分がせっかく一生懸命ためたお金、その貯金の利子を寄附しようと思ったそういう善意が、その全部が寄附をしようという対象には行かなくて、どういう理由かわからないけれども、ともかく全然違うところに行ってしまうというところに問題があるわけです。
 そういった、初めて会った税制が自分にとっては納得のいかないものである場合には、それから生涯にわたって税制に対して、あるいはそういった税金の取り方に対して非常に大きな不信感を抱くもとになるのではないか。それを払拭するためには、実は今のお答えは現在の制度に基づいたお答えなわけですけれども、それはそれなりに理解できるのですが、こういった善意を生かすためには非課税措置についての考え方を抜本的に変える必要があるのではないか。
 例えば今おっしゃったのは、赤い羽根の場合には、当然それは少額なんで、課税された後のお金なんだということをおっしゃいましたけれども、そういう少額の寄附に関しても、それはさまざまな計算の仕方あるいは把握の仕方があると思いますけれども、赤い羽根募金などの場合に対してもその寄附額に対しては何らかの税的な措置を講じるということも全くその逆の意味では可能だと思います。そういった仕方において例えば公平感を増すというようなこともできると思いますし、ボランティア貯金の場合には、私はやはりこういう少額の場合に非課税にするということが非常に大事な点ではないかというふうに思います。
 それは、今申し上げたように、例えば典型的な利用者と私が考えている子供が寄附をする場合にも当てはまることですけれども、もう一つ大事な理由があります。それは、全く同じような制度で、その別の制度を利用すると利息には税金がつかない、それで全く同じような海外援助ができる、あるいは善意の援助ができるという制度が存在するからです。そういった競合する制度があるにもかかわらず新しくできる制度が非課税の特典を受けられないということは法律上のある意味での後退でもありますし、制度上の後退だというふうにも考えられます。
 私がここで今申し上げたもう一つの制度というのは、安田信託銀行で行っている善意信託「ほほえみ」というものです。この場合には全く同じようなメカニズムで、安田信託銀行に預けたお金、それの生む利子を、この場合には日本赤十字社ですけれども、特定されていますけれども、そこに寄附をすることによってその利息には課税されないということで、こういう制度があります。
 仮に私がこの二つの制度を目の前にして、一方では郵便貯金、その利子を海外援助に回す、もう一方では安田信託銀行にお金を預けてその利子を赤十字を通してですけれども海外援助に回す、その二つの選択がある場合に、私は税金は払わなくてはならないと思っていますけれども、現在の場合、ともかく善意の寄附をしたいというのであれば安田信託銀行の「ほほえみ」の方にお金を預けるだろうというふうに思います。
 こういった競合相手があった上で、しかもこちらの方が新しい制度であるという点を考えますと、やはりどうしても現在の時点から非課税措置ということが必要ではないかと思われますけれども、その点についてはどうお考えになっているのでしょうか。郵政あるいは大蔵、どちらでも結構ですが、お答えいただきたいと思います。
○成川政府委員 先ほど大臣から答弁申し上げましたように、利子非課税の問題は残念ながら今回実現を見ることができませんで、平成五年の利子非課税見直しの段階において最上の方法について検討するということになっております。当面は課税されるという形になっているところでございます。
 「ほほえみ」という先生御指摘の制度があるということは承知しておりまして、それとの関係ではいろいろと私どもも残念な点があるわけでございますが、ただ、あちら側は信託の制度でございまして、税制度の根本から異なっておりますので、そういう点からも一概に中身について比較はできないわけでございます。難しいわけでございますが、私どもの方は非常に簡易に利用しやすい、向こうはいろいろと条件がございまして、十万円以上とか預け入れ期間が二年とか五年とか長期にやらなければいかぬとか、利用のしやすさという点では若干私どものに比べると劣っている点もあるのではないかというふうに思います。できるだけ国民の理解、預金者の理解を得られるように周知宣伝等もしながら勧奨をしていきたいというふうに思っております。ただ、非課税の問題につきましては、平成五年度見直しに向けて全力を尽くして実現を図らなければいかぬというふうに思っているところでございます。
○長野説明員 ただいま郵政省から御説明があったところでございますけれども、信託の例は、いわゆる信託の仕組みの中の他益信託という仕組みの中で可能になってきておりまして、それは法律的に申しますと、その受益権が要するに本人には帰属しないで第三者に行く、その第三者が公益法人の場合にはしたがって課税関係は起こらないということでございます。
 郵便貯金の中に他益信託という概念を取り込むことができるかどうか、郵便貯金の利子が預金者ではなくて他人に帰属するという考え方ができるのであるかどうかというのは、これは郵貯制度の基本の大変難しい問題であろうかと思います。その点につきましては税務当局としてコメントすべき事項ではございませんけれども、信託という仕組みを前提とした税制であるということは御理解いただきたいと思います。
○秋葉委員 制度の違いということはわかりますが、再びこれは利用者の立場、消費者の立場、その中でも例えば子供の立場から考えていただきたいのですが、同じお金をともかく海外援助のために使うという目的があるわけですが、そのために例えば安田信託銀行の場合ですと、幾つかの制限は確かにありますが、その制限でもこちらに郵政省が資料として出されている数字を見ますと、平均的な貯金者の貯金額が十二・四万円か五万円ということで考えられていらっしゃるわけですね。
 その上での数字を一方では出されていて、じゃあ安田信託銀行の方は信託で非課税だというと、いや、あれは十万円以上の制限があるという説明は、ちょっと矛盾するのではないでしょうか。貯金者の方の、例えば概算を考えるときに十二・五万という基礎的な数字があるのであれば、それだけのお金があれば当然安田信託銀行の「ほほえみ」も利用できるというふうに、やはり同じ前提で比較しなくてはならないと思いますので、今の御指摘の幾つかの不利な点というのは、それほど実質的な欠点にはなり得ないというふうに思います。
 それで使用者の側から考えますと、利用する側から考えると、例えば安田信託の場合には郵便局から振り込みができる。振り込みによって寄附できるということにもなっています。ですから、手続としてはともかく郵便局に行けばいいということです。金額も、一応自分の貯金が十二万くらいあるのであれば、その中の一部を回せばいいということであります。その結果、それは片方は信託で、郵便局としては、郵政省としては信託事業はできないかもしれません。
 それは、そういった制度上の違いはあるかもしれませんが、片方では自分が寄附する全額が海外援助に使われる、あるいは赤十字社の仕事に使われる。もう一方では、最終的には赤十字社もNGOのリストの中に入っていますので赤十字社に行くのかもしれませんが、その過程で二〇%国庫に入ってしまう、私はその国庫、国の財政の中に入ってしまうということが、イコール非常に否定的な価値を持つとは思いませんけれども、寄附をしたいという側の気持ちから考えると、ともかく自分の意図とは違ったところに行ってしまうという、非常に大きな欠点があるわけです。
 その点から考えると、新たに郵便局が一生懸命こういう制度をつくるというその意図はわかるのですけれども、そういった非常に大きな欠点があるにもかかわらず、なぜこれを始めなくてはいけないのか、その説明が利用者の立場に立ったときによくわからないということがあるわけです。その点を、そういった欠点があるにもかかわらず現在始める長所というのを幾つか挙げていただければ、非常に説得力があると思うのですが、いかがでしょうか。
○成川政府委員 先ほどもちょっとお話の中で十二万五千円あって、十万円以上預けられるのじゃないかというお話でございましたのですが、私どもの方は通常貯金でございますので、出し入れが自由でございます。平均残高が十二万四千円ということでございますので、ある時期においては十二万円を切るというようなこともあり得るわけでございます。十万を切るとか数千円になるというようなこともあるわけで、平均残高が通常貯金のものとしては十二万四千円あるということでございます。したがいまして、そういう意味合いにおいては利用しやすいという点があるということで申し上げさせていただいたところでございます。おっしゃる御指摘もよくわかりますので、非課税制度につきましては先ほど来申し上げておりますように、全力を尽くしてやっていきたいというふうに思っております。
 それから、この制度につきまして、なぜそういう非課税制度なども決着していないのに、決着してないというか、実現していないのに始めるのかということでございますが、私どもは昨年重要施策事項ということでこういう制度をぶち上げましたところ、先ほど来お話し申し上げておりますように、アンケート調査でも、それからそのほかのものでも、非課税とかなんとかいうことは余り触れておらないのですが、ぜひ利用したいとか協力したいというような声もございますし、それから新聞等あるいは国会の議員の先生方にも大変御支持をいただいておるように感じておるところでございます。
 そういうことから、国際的な協力といいますか、国際的な貢献といったことは時を急ぐ問題でございますので、時間をずらしてやるということは許されないのじゃないか。今でも一日何万人という人が飢餓に飢えておられるというような状況もございますし、難民もかなり発生しているような状況でございますので、できるだけ早い時期に若干の手当てをしなければならない点は残っているわけでございますが、まずは出発して国際社会に貢献していく必要があるのじゃないかということからこのような提案をさせていただいているところでございます。
○秋葉委員 先ほどのお話では、広くあまねく、ともかく郵便貯金をしている人は日本じゅうに過疎のところにもいるし、へんぴなところにも住んでいる人がいるし、非常に人数が多い。そういったことで、さらに国際協力もしなくてはいけない。それはよくわかるのですけれども、ただそれだけですと、例えばODA、さまざまな問題がありますけれども、かなり反省がされている面もありますが、ODAあるいは外務省とかその他の省庁で行っている現行の海外援助の制度があります。
 これもまた税金という、先ほど大蔵省からの御指摘もありましたように非常に重要な、私たちが価値を認めているからこそほとんどの場合には喜んで少しくらい高くても払っているというケースが多いのではないかと私は思っているのですが、そういう税金を集めて、税金を集めるということはそれこそ広くあまねく税金を集めているわけですが、その税金によって既に日本国政府としてODAその他の形で海外援助を行っている。
 海外援助が緊急でしかももっと多くの額が必要だということを問題点だというふうに把握した上で郵政省が何をできるかということをお考えになると、例えばその一つの可能性としては、郵政省の一事業を廃止して、その分を全部外務省に差し上げますから外務省でこれを海外援助に使ってくれというような、そういったことが通るかどうかは別として、そういった税を生かして海外援助を行う方向へのさまざまな可能性ということを探る必要もあるのじゃないかと思いますが、あえてそういう道を選ばずに現在のようなボランティア貯金をつくらなくてはならない、あるいはつくろうとしたということをぜひ伺いたいのですが、現行の海外援助の制度ではなぜだめなのか、そこを伺いたいと思います。
○成川政府委員 ODAは先生御指摘のとおり年々ふえてまいりまして、現在では世界一、二位を争うような量になってきておるところでございます。しかしODAにつきましてはいろいろと御批判等もあるようでございますが、私どもの考えておりますのは、そういう政府がやるものではございませんで、私どもがやるというか、私どもが、寄附をしていただきましたものを配分してNGO団体を通じてやるということでございますが、これは草の根的な、言ってみれば機動的、弾力的に本当に海外の住民の方のきめ細かい支援に役立つようなものということで考えたところでございます。
 先ほどもちよっと申し上げたのですが、海外援助団体の実績というのは世界的にも私どもの国はおくれておりますし、その必要性というのは皆さん理解されているのですが、なかなか寄附をする手段というものが手短にはないというようなことで、私ども郵便貯金がその手短な手段としてなり得れば幸いだというようなことでこのような制度をやって、それを海外援助団体に配分して、発展途上国といいますか開発途上国の住民の福祉の向上に役立てていきたいということでこのような制度を考えさせていただいたところでございます。
○秋葉委員 例えば外務省、あるいは現在さまざまな省庁で行っている海外援助の制度について確かに非常に問題が指摘されています。恐らく他の省庁の批判的なことはおっしゃりにくいのだろうと思いますので、これは思い込みかもしれませんが、今のお答えの中にちらっと私が読み取った点を私なりにちょっと敷衍させて言わせていただきます。
 例えば、今までのODA批判がありますが、その批判の内容の当否はまた別の問題ですけれども、批判、そしてその結論の部分の非常に大きな要素になっているのはODA、そういった形での海外援助が非常に一般市民と隔たりのあるものになってしまっている。例えばODAを出す側、日本の側にしても、主に政府の省庁が中心になって一部の商社が絡んでくる。そういった形で、いわば財界と官界との非常に閉じた環境の中でODAが行われている。それからそれを受け取る側についても、やはり政府であるとか幾つかの企業、その周りにたむろする幾つかの権益を持っている人たちが中心になって、そこでもやはり本当に生きている一人一人の住民との間に非常に大きな距離があるということ、それが非常に大きな問題点だろうというふうに私は思いますし、批判の大半もそういったことを指摘しています。
 これからの海外援助というものを本当に生きたものにするためには、我が国においてもあるいはそれを受ける国においてもそれを住民と直結したものにする必要がある、市民ともっともっと近いものにする必要があるという指摘は、私は正しいのだろうというふうに思います。今おっしゃった、政府間で行うのではなくて、この場合には、非政府団体、NGOの団体にそのお金を寄附することによってもっと草の根レベル、つまりそれを受ける国の側においてはもっと一人一人の市民あるいは住民との間が近いような形の援助ができるというところにメリットがあるというふうに私は今のお答えを解釈したのですが、そういたしますと、受ける側では確かに市民との間の距離が近づく。しかしながらさっきの、実際にはどういう団体にこの援助のお金を回すのかといったことの決定過程では、実は今までの援助とほとんど違っていないというところもあると思います。
 日本の中においても援助をする側、ただ単に貯金者が自分のお金を出すというだけではなくて、お金を出したのだけれどもそれが最終的にどこに行くのか、その配分を決定する際にもこういった貯金者の一人一人の意思、一人一人というのはもちろん大変な数になるわけですから無理にしろ、そういった貯金者の意思が決定過程に生かされれば、私たちはこのお金をこういうところに使ってほしいのだという気持ちがその制度の中により直接に、正確に反映されれば、ある意味でそれは郵政省として新たに事業を起こす意義があるのではないかというふうに私は思います。
 しかしながらそれでも、例えば安田信託銀行との競争力がどうかという問題は残りますけれども、少なくとも他の政府主導型の海外援助に比べてより市民に近い海外援助ができるのじゃないかと思います。例えばその配分の決定をする際に、地方の過疎の村に行って、その地方でこのボランティア貯金を利用した人たちの意見を聞く機会を作る。そこで、全部とは言いませんけれども、このボランティア貯金で集まったお金の一部はその人たちの決定によってどういう団体あるいはどういう使い方をするといったことを決める。配分の過程においてももっと市民参加の道が開かれないのか、そういったことを検討してくださる余地があるかどうか、伺いたいと思います。
○成川政府委員 制度といたしましては、先ほど御説明申し上げましたように、関係行政機関とも協議いたしまして、預金者の代表も一部ではございますが入っております郵政審議会等の審議を経て決定していくということでございますが、私どもは全国津々浦々に郵便局がございまして、預金者と接触する機会もございます。預金者の会というのもございますし、モニター制度というようなことでいろいろと預金者の御意見も聞く場はかなりございます。そういういろいろな場を通じまして預金者の意向というものを吸収しながら、そういう場に反映させていきたい、郵政審議会の場とか、そういう場面場面に預金者の意向を反映させていく道を工夫させていただきたいというふうに思っているところでございます。
○秋葉委員 実はもう一歩突っ込んだことを考えていただきたいと思っているわけです。先ほど申し上げましたODAにおいても税金を使ってこういった事業が行われているわけですけれども、御存じのように税金というものは税務署が、ということは、これは大蔵省の管轄ですけれども、大蔵省がその中心になって活動しているわけですが、もちろん税金を集める過程で大蔵省のお役人は税金を納める納税者の非常に多くの人たちと接触をしております。その人たちの意見を取り入れるチャンスもたくさんあるわけですけれども、そういうふうにして集めた税金が使われる段階で問題が起きてきたというのが今までの例です。
 今おっしゃったように、確かに郵便局のレベルで郵政省のお役人が貯金者と話をするチャンス、いろいろな意見を自分たちの仕事の中に生かしていくチャンスというものは確かにあると思いますけれども、それは全くパラレルなケースだというふうに思います。そういう間接的なやり方ではなくて、もっと直接的に、最終決定をする段階において、ただ単に参考意見として意見を聞くというだけではなくて、例えば一割でもいいですけれども、集まったお金の一割の決定は、例えば作文を書いてもらって、そのうちの何人かのいい作文を書いてきた人たちを選んで、その委員会によって一割の使い道は決めるとか、そういった具体的な直接的な参加が望ましいというふうに思っております。そういった直接的な参加をこれから検討して実行に移す可能性というものはあるのでしょうか。
○成川政府委員 初めて、初めてというか、お伺いしたわけでございます。全国に通常貯金の預金者というのは七千万とか六千万とかいうような非常に膨大な数、御利用いただける数がどれくらいになるのかわかりませんが、その寄附していただいた方々の意見を決定の段階に反映させるというのは、いろいろの面で工夫しなければならない非常に難しい点が多々あるのじゃないかと思います。せっかくの先生の御提案でございますのでいろいろと検討してみますけれども、ここで、はい、そのとおりいたしますというような御返事ができるような自信が私ございませんし、制度的にそういうものが可能かどうかというのも、いろいろな点を検討しなければいかぬというように思っておりますので、そういうことで御容赦いただきたいと思うのです。
○秋葉委員 今すぐさま決定をしてくれということを申し上げておるわけではありません。そういった具体的、直接的な参加の方法をぜひ、この制度を生かす上でそれこそ本当に郵政省でなくてはできないようなそういった貯金者の意思を反映する方法というのをぜひお考えいただきたいというふうに思います。それでこそ、この郵政省のすばらしい海外援助のためのアイデアが生きることになるのではないか。逆に言えば、それがなければなぜ郵政省がこんな仕事を始めたのだという非常に大きな批判にさらされることになると思いますので、その点はぜひ真剣に、まじめに正面から取り上げていただけたらと思います。要望しておきます。
 これを実施するに当たってもう少し、仕事のコスト、それから仕事をする労働力の点について最後に伺いたいと思うのですけれども、この制度を立ち上げて運用をするためのコストはどのくらいに見積もっておられるのか。それは、これから制度を始めるわけですから当然予測になるわけですけれども、具体的に、寄託される額の大体どの程度というふうに見込んでおられるのか。
 それと、あとは労働力ですけれども、例えばこういう新しい制度が始まりました、ぜひ協力をしてくださいということを貯金者にPRしたり依頼したりするのは、具体的には郵便局の窓口で働いている方になると思いますけれども、現在の労働量、例えば、お客さんと言っていいのだろうと思いますが利用者、一人の職員当たり一日何人ぐらいの利用者と話をして、利用者にサービスをして、一人当たり大体何分ぐらいの時間を使っている、このボランティア貯金が始まると、一人について例えば三分説明の時間が必要だとかある程度の概算ができると思うのですが、そういった予測上の労働力はどのくらい余計に必要なのか、時間的にどれくらいかかるものなのかというところを概算で結構ですからお教えいただきたいと思います。
○成川政府委員 まず立ち上がりの経費の問題でございますが、新たなボランティア貯金を始めますとシステムの開発等に経費を要します。それらを含めまして約八千万円程度必要ではないかというふうに思っております。これだけの費用をかけることでございますので、効果的なPRに十分配意いたしまして、より多くの方々の協力が得られるように努力してまいりたいと思っております。
 寄附金がどれくらい集まるかということでございますが、私ども、初年度でございますので七、八億円程度集まればいいのじゃないかと思っておるところでございます。その七、八億円程度集められるといたしますと、百二十万人ぐらいの方々に参加していただかないとそれぐらいの額にならないわけでございます。百二十万ぐらいになりますと一局当たり五十人程度でございますので、一月から仮に始めたといたしますと一日一人ぐらいにはなるのじゃないかと思っております。ボランティア貯金、通常二冊持ちまして、普通の通常郵便貯金とボランティアの貯金通帳ということで、新規の通帳の取り扱いになるわけでございますが、新規の通帳の取り扱いということになりますと一件当たり五分程度でございます。
 従来のあれからいたしますと余りPRとかお客様の勧奨というのは、ボランティアの趣旨からいたしましてお客様の発意というか、やりたいという意思に基づいてやるというものでございますので、それほどそちらの方に時間をとられるということはないのじゃないか。お客様は新聞とかチラシとかいろいろなものをごらんになってぜひ利用したいということで来られますものですから、それの中身について詳しい説明を申し上げる時間は余り必要にならないのじゃないか。したがって一件当たり五分程度ということになりますと、手すき時間で十分対処し得るのじゃないかと思っております。
 ただ、将来どっと、ふえれば喜ばしいことなんですが、ふえたと仮定いたしまして、事務量が相当大幅になっていくということになれば、適正な要員配置についても考えていくべきだし、当然それはやるべきことだというふうに思っております。
○秋葉委員 実はそれは仮定があるわけで、ほとんど説明をしなくてもこのボランティア貯金を利用したい人がたくさんいてともかく向こうから申し込んでくる、それまで待つという前提があるわけですが、先ほどのお話にも出てきましたように、国際協力をする、海外に援助をする、なぜそれが必要なのか、どうしてそれがただ単に政府の問題ではなくて私たち市民一人一人の問題なのか、そういうことを実は郵便局を通じてPRをしていただく、教育をしていただくと言ってもいいのかもしれませんが、そういった大変大切な面もあると思います。
 直接援助にはつながらないかもしれないけれども、一人の人に参加をしてもらうために例えば十人とか二十人の人に説明をした上で、それがこのボランティア貯金にはつながらないにしろ、例えば赤い羽根募金の方につながったり、あるいは子供の場合でしたら将来の仕事を選ぶときにつながったりと、そういうさまざまな教育効果も非常に期待できると思いますし、そういったことが海外援助の健全化のために役立つと思うのです。それを一方ではぜひお願いしたいというふうに思います。
 そうすると、実はこれは大変に矛盾する要求なのですけれども、きのうの簡易郵便局制度の話の中にも出てきましたように、都市部の郵便局では非常に混雑している状態があり、それから待ち時間も長くなっているといったようなことがあって、それと同時に同じ窓口でこのような、郵便局の仕事とは直接関係がないと言ってしまってはちょっと誤解のおそれがあるのですけれども、そういった仕事のPRあるいは教育的な仕事もしてもらうということは矛盾するのですけれども、例えば機械化とか事務の能率化といったようなことでその点を解決していただいた上で、やはり海外援助に関しては、せっかくのチャンスですから、こういう制度ができました、そしてまた、郵便局で働いている方すべてにこれに積極的に参加してくださいというふうにお願いをするような立場にも私はありませんし、郵政省としてもそういったことをある程度要請するというのは行き過ぎかもしれませんけれども、局員が率先して、実は私もこういうボランティア貯金で海外援助の一翼を担っているのですというような形でPRなり教育なりできればすばらしいことではないかと思うのです。そういった上での総合調整といいますか環境づくりといったところでは、郵政省はどういうふうにお考えになっているのでしょうか。
○成川政府委員 先生御指摘のとおり、PRといいますか内容等について御理解をいただくということは大変重要だと思っております。したがいまして、郵便局を中心として、その地元での有識者の会合とかいろいろな場面があると思うのですが、そういうところに出かけていきまして国際ボランティア貯金の趣旨等について御説明をし、御理解をいただくようにしていきたいと思っております。
 また職員自身も、ボランティア貯金をやりたいという人に対しまして対応しなければいけないわけですから、自分自身がまず理解することが大事でございます。職員の研修等にも意を注ぎまして、国民全般に理解していただけるように努めていきたいというふうに思っております。
○秋葉委員 それと委託金の割合なんですけれども、現在では利子すべてではなくてその二割というところから始める計画であると理解しております。二割というのは暫定的な措置で、自分の好きな額だけ寄附できるようにシステムを変更されるということですけれども、一体どのくらいたったら、つまり一年なのか二年なのか、どのくらいの期間でこの二割という線が取り除かれるのか伺いたいと思うのです。
○成川政府委員 先生御指摘のとおり、全部または一部の利子を寄附できるという法律上の手当てをさせていただいているところでございます。当初二割で出発するというのは、預金者の意向等も聞きましたら二割程度ならという答えの方がかなり多かったものですから、まずは二割で出発させていただいて、預金者の意向等も踏まえて順次どの程度の種類をつくっていったらいいのか考えていきたいと思っております。
 システムの開発自体には約一年程度かかるというようなこともございますものですから、できるだけ早く預金者の意向を把握した上で次のステップに進めさせていただきたい。今の時点でいつやるというようなことは決めておりません。
○秋葉委員 寄附額については当分二割程度で、それは常識的な線だと思いますので、できるだけ早くシステムの変更をお願いしたいと思います。
 それから、国際ボランティア貯金の寄附金の利子課税部分は一般会計で補てんするというような報道もなされているのですけれども、これはどうなんでしようか。一般会計の方から補てんされるのかどうか。
○成川政府委員 非課税問題の最終決着の段階で、政府・与党といいますか政府内で合意された条項の中に、利子非課税相当額については一般会計の面で適切な措置をするということがございます。その中で、先ほど来申し上げておりますように平成五年の税制見直しのときに最良の方法について検討するとか、あるいは当面は非課税は認めないとか、そういうような条項がいろいろとあるわけですが、最後に今申し上げました一般会計においてボランティア貯金の趣旨に基づき適切な措置をするという条項がございます。
○秋葉委員 再び申し上げますと、そういう回りくどい方法をとるよりはいっそのこと最初から非課税にしてという方がすっきりしますし、説明をするにしても非常に理解しやすいというふうに思いますので、非課税の点については大蔵省、郵政省とも今後の方向で、ともかく非常にすっきりしてだれにでもわかりやすい、そして本当に特典があるんだということがわかるような制度にぜひしていっていただきたいというふうに思います。
 それから、この法律案について、あるいはこの制度自体をつくることに関して、実は昨年の六月にアンケート調査をやられている。もうその段階からこういった案についてかなりさまざまな検討がなされているわけですけれども、この案が私たち野党の前にある程度具体的な形をとって提示されたのはことしになってからです。もちろん、私の場合には二月以降しか国会での活動をしておりませんのでそれは例外だと思います。しかしながら、最終的にこういった法案で、趣旨としては非常にすぐれているけれども、その内容についてさまざまな可能性がある、そういったことに関しては検討している段階から、例えば私たちの持っているさまざまな情報あるいはネットワークを生かすような形でのインプットができれば、最終的にこれに賛成か反対かという二者択一の形で決定をせざるを得ないという非常に苦しい立場に追い込まれることがないだけ、建設的な一つの事業ができるのではないかという気がいたします。
 今後ともこれと同じようなすばらしいアイデアがどんどん郵政省からは出てくるというふうに私は期待をしておりますけれども、そういったアイデアを具体的に法律にする、あるいは制度化するに当たって、最終的にまとまってしまって、もうこれには修正もきかない、あるいは与党の中の調整は済んでいるからそれに対して制度の変更はできない、あるいは重要な問題については折衝済みだから、あと三年先でないと全く調整がきかない、そういった状態で審議にかけられる、委員会にかけられるという形ではなく、それ以前の段階で、ある程度柔軟性のある段階でぜひ野党のインプットもその中に取り入れた上で、よりすばらしいアイデアの生かせる道というものをぜひ今後は検討していただきたいと思いますし、そういった方法をとっていただきたいと最後に要望いたしまして、私の質問を終わります。
○上草委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午前十一時四十三分休憩
     ────◇─────
    午後一時開議
○上草委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑を続行いたします。伊藤忠治君。
○伊藤(忠)委員 まず、国際ボランティア貯金からお伺いをいたします。
 第四条で、寄附金の処理の項がございますが、ここでお尋ねをいたしたいのは、NGOの公募対象、それから配分団体の資格要件、さらに配分額、つまり一団体の配分額はどういうふうにお考えなのかなどなどについて、どのような基準で認定をなさるのか、まずお伺いをいたします。
○成川政府委員 国際ボランティア貯金の寄附金は、開発途上にある海外の地域の住民の福祉の向上に資するように全国の預金者の方々から託された小さな善意の浄財の集まりでございまして、したがって、万が一にも配分金が使途目的以外に使用されるようなことがあってはならないのではないか、善意が生かされることにならなくなってしまうので、そういうことのないようにしていかなければいかぬというふうに思います。
 配分団体につきましては、組織の管理者や代表者等がきちんと定められ、責任の所在が明らかになるものを対象としていきたいと考えております。
 細かいことで申し上げますと、寄附金配分の基準につきましては、現在その詳細についてはまだ検討中でございまして最終的に固まっておりませんが、少なくとも次のような要件が必要ではないかというふうに考えております。
 一つとしては、法律にもあるのですが、日本国内にある民間の法人または団体であるということ、それから営利を目的としないものであること、これは法律にあることでございます。それから、組織の管理者や代表者がきちんと定められている、意思決定や活動についての責任の所在が明瞭なものであること。それから、開発途上地域の住民の福祉の向上のための効果的事業の実施につき相応の実績を有するものであること、過去において何らかのそういう事業をやっておって実績を持っているというようなこと。それから、開発途上地域の住民の福祉の向上のための効果的事業の具体的な実施計画を持っているものであること、それから過去においてその活動が相手国政府だとか現地住民から非難されたことなどの経歴を持っていないということ、前科といいますか前歴に悪いことをしたことのないというようなことなどが考えられるのではないかというふうに思っております。
 それから、対象となる事業の要件でございますが、これにつきましては開発途上地域の住民の福祉の向上、特に生活上の基礎的ニーズにこたえるための事業であるということ、草の根的な援助に役立つようなものであるということなども要件になるのではないか。それから、相手国の現地の住民から歓迎されて、外交上問題を生ずるおそれのない事業であって、先ほど来他の委員からのお話もございましたけれども、現地の住民と一体となって実施されるようなものであれば一層いいのではないかというようなことで、それらも要件になるのではないか。それから、現地の環境破壊等の問題が生ずるおそれのない事業であるというようなことなどが要件になるのではないかというふうに思っておりますが、詳細はまだ詰め切っておりませんので、これから詰めて的確な基準をつくっていきたいというふうに思っております。
 それから配分の金額につきましては、どれぐらい集まるかまだ現時点においては把握しかねる状況でございます。先ほど来お話ございましたように、配分金額が決まって、それから原案を決めて郵政審議会等に諮って、あるいは関係行政機関の長とも協議をして、金額、事業内容に応じて金額等も定めていくということになるわけでございます。
○伊藤(忠)委員 基本的なお考え、今説明いただきましてよく理解ができます。基準をこれから具体化されるわけですが、そのときにぜひとも要望を申し上げたいのは、NGOといいましても非常に数が多くて大きいところもあれば、今もお話ございましたように全く草の根、本当にグループ的な小さな規模で日常ふだんにやられているというふうにさまざまだと思うのです。それを全部に行き渡るように配分ができるかとなるとこれまたいろいろな認定の基準をつくればつくるほど、やはり行き届かない部分が出てくる、私はこう思うのですが、組織の大きいところはいろいろなところからも資金援助というのですか、窓口にどうしたってなりますから意外と日が当たっていると思うのです。問題なのは、地域社会で地道にやっている草の根ボランティアになかなか行き届かないということでございます。
 具体的に私も小さな市民団体二つにかかわっております。外務省のODAの関係で申請をしたのですが、とてもじゃないけれどもその基準に達しなくてこぼれてしまったということです。ですから、本当に毎日毎日奥さん方を中心に、非常に理解のある社長さんなんかが繁華街に店を一軒持たせてくれまして、現地でつくった民芸品を送ってきまして、国内で日本でそういうのを売りまして、売上金を今度は書籍を買うだとかあるいは向こうの医療品を買うだとかしてまた送ってあげるというようなことで非常に歴史も積み上げているというボランティア、私二つほどかかわっているわけですが、ということになりますと、そういう草の根ボランティアにも、こういう貴重な財源ではございますが、額の問題というよりも政府も知っているのだということで日を当てていただくということがありますと、非常に励みになると思います。
 逆に、もしこれから何回も申請やっていっても全然その網から漏れてしまうということになりますと、関係者の皆さんにしてみれば、こういうボランティア貯金ができましたから自分も積極的に参加をするし、宣伝もした、ところが全然自分たちのところにはそれが来ないというのだったら、まあでは別のことでやろうじゃないかというので、これは非常にいいことなんですが、具体的にはまたこのリアクションというのですか、そういうものだって結果起こりかねないというような問題も出てくると思うのです。それだけに私は非常に気を使うわけです。
 だから、そういう点の現状をひとつ十分御理解いただいて、この基準は基準でつくられるのですが、どのように配分をやっていくかというときに、ぜひとも日の当たるような結果を出していただくとありがたい、励みになる、このことを強く要請を申し上げたい、こう思っているわけでございます。その点についてどうでございましょうか。
○成川政府委員 ボランティア貯金は通常貯金の利子の一部を寄附していただくということで、いってみれば一件当たりの金額は非常に額としては小さな善意の集まりでございます。したがいまして、そういう小さな善意といいますか、預金者の意向に沿うように、その金額が不適正な使用のされ方をしてはまことに申しわけない話でございますので、その点については先ほど来申し上げましたように代表者等きちっとしているとか団体の責任の所在がはっきりしているとか、あるいは事業計画内容どおり行われるようなことが見込まれるというようなことなどいろいろな要素を考えていかなければいかぬというように思います。
 これらにつきましては、関係行政機関の長の意見を聞きながらというか協議しながら決めていくわけでございますが、その際にいろいろな有識者、部外の方々の御意見も取り入れながらやっていかないと、正しい適切な配分が難しいのではないかというように思っております。私どもも初めての経験でございますので、皆様方のいろいろな御意見をお聞きしながら適正にやっていきたいというふうに思っております。
○伊藤(忠)委員 ぜひともひとつよろしくお願いをいたします。
 続いてボランティア貯金を積極的にPRをしていただきたいな、こう思っているわけでございますが、PRの一つの方法としてはがきのコーナーに端的な表現でもって印刷をする、そういうふうなことを考えてはどうか。大臣が、目の不自由な方のためにはがきの一つのコーナーに、どういうのですか、手でさわってわかるようなことを提案されましてそれが実行に移されるわけですが、これは非常に喜ばしいことでございます。
 やはりはがきというのは多くの人が利用いたしますので、なるほど郵政省はこういうものをやっているのかと。はがきを利用する人が、これは表の方だと思いますが、適当なところにそういうPRの文字が印刷をされておれば、ああこれができるのだな。これはPRの手段としては非常に大きな武器だと思いますので、そういうことをひとつお考えいただけないだろうかな、このように思うのですが、どうでございましょうか。
○深谷国務大臣 伊藤先生の御指摘はまことに的確だと思います。せっかくボランティア貯金というものが実現いたしましても、それを正しく理解して参加していただく方が十分に広がっていかなければ意味をなしません。そういう意味ではいろいろな角度からPRをいたしますが、今先生の御指摘の、例えばエコーはがきあるいはそれに類似するような形の周知、宣伝などは十分考えていくべきではないだろうかというふうに思います。いずれにしても、効果的なPRは可能な限りさせていただきたいと思っております。
○伊藤(忠)委員 ぜひともひとつ御検討をいただきたい、積極的な立場でそういうことについてもひとつ対処いただきたい、こう思います。
 次に、勧誘に熱が入り過ぎまして、外務といいますか、セールスに行かれる皆さん方に具体的なノルマがかかっていくということは、まずそういう方針じゃなかろうと思うのですが、そうなってしまいますとこれは非常に労働条件にも関係をいたしますので、その点についてのお考えを端的に聞かせていただきたい。私が申し上げたいのは、このためにさらに何か勧誘のノルマを課していくということは、そこまではお考えになっていないのじゃないかと思いますが、その点についてどうでございましょうか。
○成川政府委員 先生御指摘のとおり、国際ボランティア貯金というのは預金者の自発的な善意によって成り立つわけでございます。したがいまして、無理強いするということは考えていないわけでございます。例えば目標を割り当てをいたしまして、それを達成しなければペナルティーはございませんけれども表彰しないとかというようなことは直接的には考えておりません。できるだけPRをして預金者の理解を求めていくということは必要でございますので、それは積極的にやっていただきますが、目標を割り当ててその数字を達成しなければというようなことは今のところ考えておりません。
○伊藤(忠)委員 次に、ボランティア基金がどれだけ集まったのかという収支報告ですか、さらにどういう団体が今年度は対象になりましたよというような結果、これの報告をぜひともテレビだとかあるいは新聞だとか一般のメディアを使って広く公表いただくと、なるほどそういうことでやられているのか、それじゃもっとボランティア貯金も利用しようという人が、さらにNGOにしてみればこういうふうな条件を満たせば私たちも政府に認められた上で頑張れるのか、こういうことになりますので、そういうPRについて積極的にひとつ対処いただきたいと思いますが、どうでしょうか。
○成川政府委員 全国の預金者の善意が集められたものが国際ボランティア貯金の寄附金でございますので、このお金がどのように使われているかあるいはどのような配分団体に配分されているのかにつきましては、預金者にきちんとお知らせすることが必要だと思います。こうした観点から先ほど来お話し申し上げておるのですが、寄附金の受け払いの状況だとか寄附金の配分団体、金額等が決まった際には官報に掲載いたしまして報告することにしております。
 ただ、官報というのは一般の方々は余りお読みになる機会もないかと思いますので、一般の預金者に理解してもらうためには、先ほど申し上げました内容などを冊子にまとめまして郵便局に置いてごらんいただくというようなことも考えていかなきゃいかぬじゃないか、あるいはテレビ、新聞等のマスメディアを利用するというようなことでございますが、これにつきましては、記者会見などの場でお知らせして報道をできるだけしてもらうように努力はしていかなければいかぬと思いますが、いろいろな面で国民の理解を得られるように努めていきたいというふうに思っております。
    〔委員長退席、大野(功)委員長代理着席〕
○伊藤(忠)委員 私が強調しておりますのは、赤い羽根運動が実は年々落ち込んできていますよ。あれは、その結果というのは意外と公表の方法もなかなか大々的にやられていないわけです。それに比べますと、民放がやっていますね、二十四時間ですか、四十八時間ですか、ずっとやっていますね。あれはその結果が、放送局がメディアを持っていますから、自前で宣伝できるわけです。そういう結果がわかるものですから、どうしてもそちらの方に関心が寄りまして、まあ赤い羽根運動はこれはちょっとPRの仕方にも問題があるのですが、年々こういう感じですね。
 だから、そういうことを考えますと、民意というのは、国民の意識というのはやはり積極的に出したい、出したら、自分たちのカンパがどのように使われておるのかということを知れば知るほどやはり流れが大きくなっていくという点を考えるものですから、そういう提起をさせていただいたのですが、ひとつぜひともお願いを申し上げたい、こう思います。
 次に、ボランティアとは直接関係がないのですが、外国とのかかわりという点で外国人労働者の問題について、電通局長お見えでございますが、ちょっと私の考えておりますことを提起させていただき、ぜひとも御理解を願いたいな、こう思っております。
 問題提起をさせていただきたいのは、人手不足で通建業界の、これは第一種事業者の元請も当然でございますが、それの下請のもう一つ孫語というのですか、孫ですからひ孫になるのですね。第一種事業者からいいますとひ孫請ですね。その下だとやしゃごというのですか、何かそんな格好でずっと重層的にこの業界というのは大体仕事がやられているわけですね。
 どのように要員問題が深刻かということでございますが、私は、昨年の八月に調査報告が出ました電気通信情報産業労連という労働組織がございますが、これは大体通建業界をほとんど網羅しているわけです。ここの調査結果を資料として私は目を通したわけでございます。その要員状況というものの問題点が克明にまとめられているわけです。
 抜き出した格好でその部分だけを読ませていただきますと、例えば「元請要員だけですべての管理業務を行うことは、事実上不可能な状況」にあるという点ですね。したがって、管理業務ですら一次下請に回してしのいでいるというのが実態でございます。次に具体的な作業になりますと、土木工事の管路、マンホールの工事も同様に元請職員というのは一名か二名ぐらいしか配置をされておりません。安全管理からなにからしまして、もう専門家の皆さんですから、御承知のとおり、これは大変な不安をそこに私も抱いているわけでございます。
 いずれにしても、このような人手不足というのは、世に言われておりますとおり、三Kの職場には若い人たちが寄りつかないということが非常に大きな全体の要員不足をもたらしていることは御承知のとおりでございますし、このままほっておきますと、結局マンパワーが確保できませんから、仕事の遂行能力を維持する点からしましても、行く末は大変危機的状況ではないのか、表現はオーバーですが、そう表現しても決して表現し足りないぐらいの深刻な状況でございます。
 したがって、現実にはそれでも仕事をやらなければいけませんから下請労働者の高齢化が物すごく進んでおります。ところが、この高齢者の皆さんは、ではだれでも来てくれというわけにいきません。一定の技術が要りますから単純労働者ではなかなか対応できませんので、一定の技術を持った高齢者の退職者の皆さんを含めて来てくれということになるのです。さて、こういう人たちはもう今日まで十分働いたのでこれからは余生を送りたい。大体経済力もありますからそういう人たちはまたなかなか寄らないというので、どういうふうにやっていけばいいのかということで頭を悩ましているというのが現状ではなかろうかということでございます。
 こういう状況の中で仕事を続けていくものですから、最近では下請労働者のベテランが死亡するケースが非常にふえております。調査結果の報告によりますと、私も見ましてああそういうことになるのかということで目を見張っているわけですが、これは非常に注目をしなければいけない点ではなかろうか。今後もこの傾向は、衰えるどころか依然として続いていきますし、傾向としては非常に深刻になっていく、こんなことではないかと非常に憂うるわけでございます。
 実は数字の点で調べたのですが、昭和五十八年には元請の要員数が三万二千六百八十一人いました。ところが、調査は少し古いのですけれども、六十一年の調査によりますと二万六千五百二十四人。つまり、このわずか三年の間に六千百五十七人も人が減っているわけですね。これは大変な減りようだと思います。同じく、この系列会社の下請、孫請というところですが、こういう会社の職員トータルで調査をしましたところ、五十八年の人員数が五万五千九百七十三人。三年後はどれだけ減ったかといいますと、四万一千四百四十人、マイナス一万四千五百三十三人というのです。ですから、トータルで申し上げますと、これは足していただけば数字が出ますが、わずか三年の間に要員が二万人も、これは削ったのではなくて、来てほしいのですがなかなか来てくれないという、言うならば人手不足の実態をこの数字があらわしている、こう思うわけでございます。
 そういうふうな問題を抱えながら、一方では年間の設備投資が一兆七千億あたり、こうありまして、この場合には特にNTTが中心になるわけでございますが、部分的には電力会社もかむわけですが、それだけの設備投資をやる。そのうちの四〇%に近い資金が局外の建設工事に使われていく。これは電通局は御承知のとおりでございます。しかもディジタルネットワークの建設は前倒しの格好で早めていけという至上命題がございます。私も現場に行ってみたのですが、工事計画や稼働計画を組みましてもこれがなかなか実行できません。大変なことでございます。
 こういう慢性的な人手不足のままでは、とてもじゃないけれどもこういう建設工事というのは計画どおりに進んでいかないわけです。一方では情報化が進みまして、ネットの構築を急がれて時代の要請にこたえなければいけないと思いつつ、言うならばヘッドの部分ではそういうことにきちっと対応されましても、手足が動いてないということでございます。この乖離といいますか問題点をどう解決していくかということがなければ、これはとてもじゃないけれどもトータルで物事を判断することができない、こういう問題点があるわけでございまして、電通局の方として現状把握についてどのようにお考えなのかということがございましたら、ひとつお聞かせをいただきたい、こういうことでございます。
○森本政府委員 御指摘のようにこの人手不足問題というのは、とりわけ三Kと言われる屋外の工事に大変顕著に出ているということは我々も頭で思っておりましたけれども、実はたまたまきのう電信電話工事協会とおっしゃるNTTの工事を請け負う業者の集まりがございまして、いろいろ話を聞かしてもいただいて、やはりこの人手不足という問題が大変大きな関心事になっておるわけであります。
 今現状で御指摘のありますとおり、一種事業者、これはNTT以外にNCCも、今専ら回線を拡大するのに懸命でございます。しかし、直営の工事というのは少なくて、大半が外注に出されておる、いわゆる建設業者に請け負わされている。しかもまた、業界の実態はさらに下請、孫請という形になっているのはそのとおりだろうと思います。
 基本的にやはりそうした状況で、また、たまたまのことを申し上げて恐縮なんですが、実はけさNCCの幹部の人たちとも現況の意見交換をいたしまして、現下の人手不足で皆さんがやろうとしておられる工事にどういう影響が出ているかということもいろいろ話し合ってみたわけであります。さしあたり、直ちに重大な支障が出ているということではないようでございますが、しかし、全般的に発注側としても人手不足の実感というものはやはりあるようでございまして、従前に比べれば工事の延び、工期が間に合わないとか工事の質がどうだとか、そんな点は憂慮されているようでございます。
 私どもとしては、御指摘がありますとおり、ディジタル化の前倒しというのが大きな国の政策でもございますし、もし万一人手不足というものでこういう社会インフラとしてのネットワークの構築に重大な支障が出るということでございますれば、本当にこれは料金の面、あるいはサービスの面で直接国民生活にはね返ってまいりますので、重大な関心を持って臨みたいと思っておりまして、これからできるだけこうした問題についても業界との意見交換は十分やってまいらなければならないかなと考えておるところでございます。
○伊藤(忠)委員 実態の把握について、今御答弁ございましたとおり努力をしたいとされておりまして、ありがたいと思っておりますが、いずれにしても深刻な状態であることは事実でございます。これは何も通建業界だけではございませんで、政府全体が所管をされております建設業界だとかさまざまありますが、なかなか表には出てこないと思うのです。建前の部分になりますが、その部分ではそう顕著に出ていないのですけれども、実態というものはもうかなり乖離しております。
 これは私も知っておりますが、自動車ですか、この産業の分野というのは一番大変な実態でございます。もう御承知だと思いますけれども、大体日本の品質管理というのは、四時間で回しているわけですから、言うならばそれに部品をすべて納めるという下請、孫請の工場というのは一瞬たりともその部品はおくらすわけにはいきません。そのコンベヤーベルトはとまってしまいますので、どうしても人が要る。そういうところに不法労働者というのは相当面で入っておりまして、こういうことが社会問題まで惹起するというようなところに今来ているわけでございます。
 そういう他産業のことはともかくといたしまして、この通信産業についても同様に、例外じゃございませんで、これの緩和策について私は考えるわけですが、六月一日に入管法の改正がございました。正直言いまして、あれは専門的な技術を持った人たちが合法的に日本で労働ができるというのは、その枠が看護婦さんだとか教育だとかの部分に広がったわけでございます。
 もう一つ特徴的なのは、不法労働者をあっせんした業者に対して罰則を強化するということが二つ目の問題。三つ目の問題は、入管手続をオープンにし、簡素化するということだと思いますが、いずれにしても、現状の制度でも活用すれば、一つは人手不足の緩和策にも役立ち、二つ目は技術移転の効果を非常に上げることができる。通信インフラの分野で申し上げますと、かつて円の安い時代には日本から発展途上国に技術指導にどんどん出ていたわけですが、今円が高くなりまして、行ってもなかなか引き合わない、また行くことのメリットもない、そういう面も含めて出てきたものですから、ほとんど現地に行かない。
 そうしますと、発展途上国はどういう状態に置かれるかといいますと、マンパワーがなくて、インフラはどんどんとやらなければいけない。これまた相手国も途上国の場合も非常に困っているわけですね。そういう技術者あるいは熟練労働者というのですか、こういう人たちに研修生として来ていただいて、仕事を、OJTも含めながら一定の水準に技術を身につけてまた帰っていただくということが、技術移転、相互に発展をするという点では先進国の果たさなければいけない一つの大きな役割ではなかろうか、こういうふうにも思うわけでございます。
 ということになりますと、二国間協定といいますか、政府が仲介をしていただきまして、民間相互のレベルでもって研修生を積極的に受け入れていくということが現行法制の中でも十分活用されているかといいますと、この点では通建業界を見る限り、私は決して積極的でないような気がしているわけでございます。これは、御意見がございましたら局長の方からもお聞かせをいただきたい、こう思っております。
 なぜかといいますと、政府トータルとしましてはやはり鎖国主義をとっているわけでありまして、これはトータル的に見ればそうだと思います。各省庁の姿勢はそれはさまざまで違いますが、両極を挙げれば、労働省は積極的、ところが法務省や警察庁は消極的、中に入っているのはほかの省庁、こういうふうになるのじゃなかろうか。いずれにしても、トータルでは鎖国主義でございますから、そういう鎖国主義でやっていくということが本当に、これは基本的な議論になってしまいますから一概に言えませんが、それだけではやはり対応していけないということになるのではないか。
 現状を申し上げれば、御承知のように鎖国主義で来ておるけれども、不法労働者は、統計上出ておりますのは一万六千名あたり、全部合わせて二万二千名ぐらいでございますが、実際に潜在的な不法労働者は三十万を超えています。これはもう少し調べればそれをさらに超えるかもわかりません。すると、この現状というのは解決しないわけですね。
 ですから私は、ここで外国人労働者の基本的な問題を結論づけるという話じゃございませんが、現状の政府の非常に消極的な立場でいったら、ますますゆがんだ格好で不法労働者が居ついてしまって、日本の社会問題として、あるいは政治問題として抱えていくことになるのじゃなかろうか。そういう、言うならば現状の、決して正常ではない異常な状態を正常な状態に少しずつ戻していくという意味においても、この現行制度で許されております研修制度を各業界が積極的に最大限に利用して、技術移転もやり、そのことが同時に人手不足の解消にもつながるのだ。これは部分的な範囲に限定されるかもわかりませんけれども、それをやっていくことが今後の外国人労働者政策を立てる我が国の言うならば試金石、一つの道を開いていく、そういうケースになるんじゃなかろうかという思いも強いわけでございます。
 以上のような考え方をあれこれ考えまして、結局二国間あるいは民間の正規ルートで通建業界に研修生を積極的に受け入れていくということについてぜひとも郵政省が指導的な役割を果たしていただきたいものだ、このように考えているわけですが、そのことについて郵政省の見解をお伺いしたいと思います。
○森本政府委員 人手不足の解消の一方策として外国人労働者の問題の御提起がございましたわけで、その形で、研修生としてという問題がございました。御案内のとおり、一種事業、つまり電気通信事業自体としてはこれまで研修生も相当受け入れられておりまして、一年間にNTTもKDDもせいぜい百数十人、二百人はいきませんがそのくらいは受け入れて、それなりの交流をし、技術交流の実を上げているということはよく承知をいたしておりますが、今御指摘の電気通信建設業界ということについては、冒頭申しましたような形で、ネットワークの構築自体に影響するという意味で我々としても重大な関心は持っておるわけでございます。
 ただ、今日、今御指摘ございましたように、研修目的で日本に入ってきて、実態がいろいろ問題を起こしているという点について、御案内のとおり、先ほど来研修とそうでない部分との整理ができておるというふうに承っております。ただ、研修というのは相当厳密な格好になっておりまして、母国の方では技術が習得できないそういう技術であるとか、あるいは実務研修という、お金をもらって何か研修するという場合には全体の従業員の五%以内だとかいろいろな制約もあるようでございますが、そういう意味で、私どもとしても通信建設というのは大変大事だと思いますが、やはり国全体の労働政策との兼ね合いというものを考えていかなければならないと思いますので、そうした立場に立ちつつ、今御指摘の問題でネットワークの構築に支障が出ないような配慮は十分関心を持って当たってまいらなければならないとは思っておるわけでございます。
○伊藤(忠)委員 言われている意味、私もよくわかっておりまして、だからこれは第一種の本体ではなくて、通信建設業界の限られた範囲内で、それは例えば機械の建設工事だとかということを言っているわけじゃありません。言うならば屋外のケーブル敷設の分野での特定の仕事をどのように、技術者といいましても幾つかランクがあると思うのですよ。だから、そういう分野で本当にベテランが途上国からお見えかといいますと、これまたそうはお見えにならないんじゃないのか。そういう方々がこちらへ来ていただければ、今言ったようにお互いの相互のメリットを生かしていけるような幅というものは何とか追求できないものかというのが私の言っていることでございまして、局長のおっしゃることと私は一致していると思っております。
 いずれにしても、時間の関係がございますので、電通局としても関係業界の事情聴取なんかを既に始めていただいているわけですが、最後にお願いを申し上げたいのは、業界の経営者の方もそうでございますが、これは労使に関係する問題でもございますので、今後引き続き労使に事情も聞いていただきまして、問題点が出てくる、そういう問題解決のために省としても指導に当たっていただきたい、このことを御要望申し上げたいと思いますが、大臣、どうでございますか。
○深谷国務大臣 先生お話しのように、最近とみに情報化が進展しているだけに、通信ネットワークの構築に支障が出てくるような事態が起こりかねないという御指摘はそのとおりだと思います。ただいま局長が申し上げましたけれども、国民生活に大きな影響を与えてまいりますので、事業者の意向をよくお聞きをいたしたり、あるいは国全体の労働政策との整合性をとりながら、今後の人手不足対策には私自身としても重大な関心を持って対処してまいりたいと思います。
○伊藤(忠)委員 次に、貯金に関連をしまして質問をいたしますが、時間の関係がございますので、大蔵省銀行局お見えですか。質問をいたします。
 国家公務員の給与の振り込み、これは郵便局で利用できないのですか。市中銀行は利用ができて郵便局で利用できないということは、これはどういうことでしょう。
○大久保説明員 お答え申し上げます。
 国家公務員の給与振り込みは国庫金の大量の定期的な振替送金業務でございまして、国庫金取扱機関でございます日本銀行及び指定金融機関たる民間金融機関のネットワークを使用して処理するということが効率的と考えられることから、現行のような扱いが行われているというふうに認識しております。
 郵便局において国家公務員の給与振り込みを行うということにつきましては、まずこれが既に民間の金融機関が行っている業務であるということ、また郵便貯金業務のあり方として、これまで行革審等で指摘されているように、官業は民業を補完するという基本的な考え方が示されているというような点も含めて慎重な検討が必要であるというふうに考えております。
○伊藤(忠)委員 官業が民業を圧迫するというような議論でこの問題を仕分けるんだったら、それはもう全然、もとの議論からやらなきゃだめなんです。どうして郵便貯金でMMCができるのですか、そうでしょう。あれも全体の金融の自由化があって民間市中銀行はやりましたね。それで郵便局もそれができますね。ですから、そういうもとの議論やるのだったら次元が違うと思うのですね。
 現実に郵便局の、言うならば郵便貯金業務というのは日常やられていまして、そして十年前にはこの国家公務員の給与の振り込みが制度としてやられるようになって、民間はいいけれども郵便局はいかぬ。あなた、こんなの理由にならぬでしょう。これは常識で考えて納得できませんよ。それは、利用者の立場からしたら全然通らない理屈じゃないですか。振り込んでいただきたいなという利便さを考えるのが金融機関の基本的な使命じゃないのですか。本当にサービスがよくて、しかも中身が非常に充実しておったら、どこでやられておろうとそれはニーズに対応するという点では一番いいことじゃないですか。そういう立場に立って行政というのは物事を考えるべきでありまして、あなたの言う点ではちょっと次元が違うと思うのですね。
 ですからこれは、既にもう公務員の振り込みは十年前からやられていて、それで問題なのは、給与振り込みを郵便局が利用できないというのはこれは不便だ、これは大きな壁ですから何としても早急に解決してください。それは理屈にならぬ。郵便局の場合には全国あまねくネットワークがありますから、どんな地方へ転勤された方でもそこが利用できる。民間の銀行というのは、田舎へ行ったらありませんから非常に不便でしょう。もともとそういうサービスを提供するために郵便事業というのはあるんじゃないですか。それを最大限に活用させていこうと考えるのがこれはおたくの考え方の基本に据わってしかるべきだと思うのですが、どうですか。反論をあなた、してください。私、次に質問ありますけれども時間がありません。どうですか。
○大久保説明員 お答え申し上げます。
 民間金融機関によります国家公務員の給与振り込みの実施に当たりましては、国民の利便ということを考慮いたしまして、給与振り込みが可能な金融機関は広く、信用金庫、信用組合、農協といったところまで拡大されているところでございます。その結果、現在では都銀から農協まで非常に幅広い業態によりまして給与振り込みの取り扱いがなされているところでございます。
○伊藤(忠)委員 何かこう物の言いにくいような発言ですけれども、隣の農協ができて何で隣にある郵便局が利用できないのですか。郵便局というのは国の機関でしょうが。農協というのは民間の、俗に言う市中銀行ですか、歴史からいったら違いますよ。今は農協というのはすごく力を持っているかもしらぬけれども、あれは店舗ふやしていったわけでしょう。だから国の機関が、国家公務員の給与の振り込みが、言うならば金融機関を通じてできるというその利用を郵便局ができないというのは、これは絶対おかしいじゃないですか。それは、あなたの言うのは、理屈、通らぬです。何としても解決してください。それは話にならぬと思うな。利用者に対する理由にならぬと思います。
 次にお伺いいたしますが、郵便局の窓口で国税の支払いや国税還付金の受け取りはできるんですね。ところが、口座の振替の方法で利用することはできないというのですね。これも不合理の中の大きな問題点だと思いますが、その理由について聞かせてください。
○大久保説明員 お答え申し上げます。
 郵便局におきまして口座振替の方法を利用するということにつきましては、そもそも官業たる郵便貯金の業務のあり方といたしまして、これまで行革審等で繰り返し指摘されているように、官業は民業の補完という基本的な立場から検討する必要があるというふうに考えております。特に民間が既に行っている業務に郵便貯金が参入する場合には、郵便貯金と民間との間のいろいろな面でのトータルバランスを図るという必要があるところでございまして、郵便局における国税の口座振替につきましても、このような観点をも含めて種々の角度から慎重に検討していくべきものだというふうに考えております。
○伊藤(忠)委員 国税とか還付金の受け取りが可能なのですよ。そのことの道が開かれておりながら、口座振替はいかぬというのですね。何もかも中途半端だと思います。先に質問いたしました給与の振り込みも一緒なんですよ、そういう意味では。全く一緒なんですね。だから、中途半端なんですよ。それだったら初めから何でも認めなければいい。もとの問題にメスを入れたらよろしい。でもそうはいかぬでしょう。現実にはやはり郵政事業は進んでいるわけですよ。その中で、言うならば国民に対するサービスというのはむしろ業務としては拡大されてきているわけです。その現実を直視してもらわなければいかぬと思うのです。
 民間にすれば民間の言い分がありますよ。しかし、こういう中途半端なことはいかぬ。中途半端なことをやるから、利用者にとっては非常に不便な部分が出てくるわけで、どう考えても、これは常識からいってもどうもあなたの言う理屈の方が私はおかしいと思います。ですからそこのところは、それは民間の金融機関に言い分があったにしても、やはり現実にこういうふうにサービスの拡大が進んできておって、しかも官業が民業を圧迫すると言うけれども、いわゆる国営の郵政事業の一つの分野の貯金でしょう、これのサービスなんですね。そこのところが除外されているというのはどう考えたってこれは利用者にとっては納得ができませんから、そういう考え方については私たちとしては承服することができませんので、問題解決に向けて大蔵省としても取り組んでいただきたい、このことを強く私は要望いたします。
 以上で質問を終わります。
○大野(功)委員長代理 次に、遠藤和良君。
○遠藤(和)委員 郵便貯金の損益状況についてでございますが、一般勘定では昭和六十三年度に四千百二十一億円の黒字、金融自由化対策特別勘定はやはり昭和六十三年度末の累積で四百六億円の黒字になっていますね。郵便貯金は独立採算制をとっているわけですけれども、経営効率もかなりよいと聞いております。この黒字をどのような形で利用者に還元するおつもりなのか、まずその辺から聞いていきたいと思います。
○成川政府委員 郵便貯金事業でございますが、非営利の国営事業として、「国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進する」という目的を達成するために、収支相債を原則として健全経営を行っているところでございます。したがって生じました黒字につきましては、将来の金利変動などに伴う損失に備えて積み立てることとなっておりまして、最終的には預金者に還元されていくものと考えておるところでございます。
○遠藤(和)委員 要するに、金利として還元する考えはありますか、この点だけ絞って。
○成川政府委員 金利変動がございまして、それに対応するために、それを取り崩して特別会計の方へ繰り入れまして支出するということはありますが、現在のところは積み立てて将来の金利変動等に備えていく、自由化対策資金として預金者のために積み立てて、将来そういう必要性があったときにそれに応じて金利の支払いに充てていくということになるわけでございます。
○遠藤(和)委員 金利の自由化というのがあるのですよね。そうすると、やはり金利に還元できなければダイナミックな運用ができない、こういうふうに考えるわけです。
 六月八日に発表されました中間報告ですけれども、これは趣旨はどのようなものですか。――詳しく申し上げましょう、「「定期預貯金金利の自由化と郵便貯金」(郵便貯金に関する調査研究会金利自由化に関する専門委員会中間報告)について」、このことです。
○成川政府委員 先般、私どもの私的諮問機聞でございます郵便貯金に関する調査研究会の金利自由化に関する専門委員会から中間報告をいただきました。
 先生御指摘のものでございますが、これにつきましては早急に小口金利自由化をすべきである、それから小口MMCの金利の付与方法等につきまして正していくべきであるというような御指摘等ございます。それから、金利の決定の方法につきましては、経営責任を持ってやりなさい、それと同時に民間の金利にも配意しながら決めていくというような趣旨のことが言われているところでございます。それから、地域ごとに金利格差をつけるかどうかという問題につきましては慎重に検討すべきである、若干消極的な意味合いのことが言われているところでございます。
 私どもは、これを踏まえまして関係の向きとも折衝を重ねながら、小口の金利自由化あるいは小口MMCの金利の付与方法の改定等に取り組んでいきたいと思っております。
○遠藤(和)委員 例えば、読んでみましょう。「郵便貯金が、その固有の使命を果たし健全経営を確保していくためには、金利を含めた全体的な商品性が民間金融機関に比して劣位とならないよう格段の制度改善、運営姿勢が求められる。」という一言がありますが、この「劣位とならないよう」というのは、優位に立ってはいけないのですか。
○成川政府委員 民間の預金との関係でございますが、私どももいろいろな面で制約を受けておりまして、全体としてトータルバランスがとれる状態で金融サービスを提供していくのが私どもの使命ではないかというふうに思っております。
 私どもは、全国あまねく公平に個人金融サービスを提供することによって国民の福祉の増進に寄与していくということで事業を運営しているところでございますが、ただ御承知のとおり、郵便貯金法十二条では、預金者の利益の増進に留意し、あわせて民間の金融機関の金利にも配意しながら金利も決定していくということでございますので、預金者の利益ということも念頭に置きながらやっていかなければならぬと思っています。
 劣位というのは、劣位にあってはならない、トータルバランスという意味合いでそういうことをおっしゃっておられるんじゃないかというふうに私どもは理解しております。
○遠藤(和)委員 これをよく読んでみると、民間との間でいろいろなスタンスがあるのですね。劣位に立っちゃいけないと言っている、これは優位に立てということは言ってないんですね。劣位に甘んじてはいけないというのは、やはり民間を補完するというふうな認識があるのですね。その一方で、「郵便貯金金利は、郵便貯金が自ら経営体としての責任の下で決定すべきである。」自律性を言っていますね。それから、「郵便貯金は民間金融機関の提供する自由金利型商品の平均金利を上限とすべきであるという考え方については、必要十分な資金確保が困難となったり、ひいては独立採算制を維持することができなくなるなど、郵便貯金の使命を果たす上で問題が生じると考えられる。」これは、ある意味では、優位に立てという意味ですね。どうも官民論のスタンスが明確じゃない、こう思うのです。
 それで聞きたいのですが、官は民を補完をするのであるという考え方、これは法的根拠ありますか。
○成川政府委員 法律的な、そういう根拠はございません。
○遠藤(和)委員 そうでしょう。私は郵便貯金法、全部読んでみた。それは全然ない。例えば、郵便貯金法の第一条、目的規定。「この法律は、郵便貯金を簡易で確実な貯蓄の手段としてあまねく公平に利用させることによって、国民の経済生活の安定を図り、その福祉を増進することを目的とする。」例を一つ申し上げましょう。住宅金融公庫法、第一条は目的規定です。「住宅金融公庫は、国民大衆が健康で文化的な生活を営むに足る住宅の建設及び購入に必要な資金で、銀行その他一般の金融機関が融通することを困難とするものを融通することを目的とする。」これは明確な規定がありますよ。それで、行革審が言っているからどうのこうのという話があるのですけれども、法的根拠がない官民論がまかり通っているわけですね。これに対して、郵政省は一体どういう基本的スタンスでいくのか、これを明確にしてもらいたい。
 そして、私の質問の一番最初の、黒字がいっぱいある、経営効率もいい、その金利があるのですから、お金があるのですから競争力の強い金利に還元をしてやっていくことが考えられるわけですね。どういうスタンスでいくのか、これを読んでいたらわからないのですよ。どういう考えでいますか、はっきりしてください。
○成川政府委員 先生おっしゃいますように、全国あまねく公平に個人金融サービスを提供するということによって福祉の増進を目的とするというのが郵便貯金事業の基本的な考え方でございます。
 民間金融機関との関係でございますが、先ほどトータルバランスというようなことを申し上げたのですが、お互いに切磋琢磨することによって国民によりよいサービスを提供していくということが私どもの果たしていく役割ではないかというふうに思っております。
 それで、先ほど御指摘ございました、劣位にあっては資金が集まらないのではないか、経営責任がとれないのではないかというお話がございましたけれども、状況によっては資金を確保しなければならない事態もあるわけでございます。そういった際には、資金を集めるために、金利についてある程度弾力性を持って、私ども自身が責任を持って決めなければならない事態もあるわけでございますので、そういう点で劣位とか優位とかいうことではなくて、トータルとしてバランスがとれる状況で切磋琢磨することによってお互いに長所を伸ばし短所を直してやっていくことが、より国民のサービスの向上につながっていくのではないかというスタンスで臨んでいるところでございます。
○遠藤(和)委員 これは大臣に聞きたいのです、基本的な問題ですから。金利の自由化に対して、郵政省、貯金ばかりではありませんけれども、どう対応するかという問題で巷間官民論が言われているわけです、まかり通っているわけです。これに対して、御承知のとおり法的根拠は何もない。これに対してどう政治判断をしていくかというのは非常に大事な問題だと思うのです。銀行局は言うでしょう。しかし、こちらとしてはどういう考え方なのか、基本的なスタンスを一言で結構ですからお願いします。
○深谷国務大臣 郵便貯金は、全国あまねく公平に個人金融サービスを提供して、そして社会資本の整備等のために公的分野へ資金供給を行うというのが私どもの役目でありまして、そういう国民福祉の増進に大きく貢献していくというスタンスは金融の自由化のもとにおいても基本的には不変である、このように考えています。それから、局長が答弁したように、民間金融機関とはお互いにやはり切磋琢磨してバランスをとっていく、この基本姿勢を続けていきたいと思っております。
○遠藤(和)委員 上手に表現されましたが、私は別に劣位に甘んじる必要はないと思うのです。やはり公正な競争でお互いにサービスをし合っていく、これは国民にとって幸せなことだと思いますので、どうかその姿勢でお願いをしたいと思います。
 それから、個別の問題でございますけれども、この法案では債券の貸し付けをできるようにしたわけですが、初年度に計画しております債券の貸付額及び収益見込み、現時点における国債の保有額、対策資金の運用利回り、それからこれは私の杞憂かもしれませんけれども、国債が債券貸借市場に出回ることによりまして民間金融機関への資金供給が増加するわけです。このことによって、巷間言われておりますように土地投資への財源を提供することにならないのか、地価高騰にさらに拍車をかけることにならないのか、こういう心配を持っておりますけれども、こういう心配はありませんか。
○成川政府委員 まず第一点の、初年度どれくらいの貸し付けを見込んでおるのか、あるいは利回りはどのくらいかということについてお答え申し上げます。
 金融自由化対策資金による債券の貸し付けは、貸借市場における借り入れのニーズあるいは金融自由化対策資金の保有債券の状況等を勘案して行うこととしております。私ども現在持っております債券は平成元年度末で、ほかの債券もございますが、国債が約四兆四千億でございます。貸し付けの規模やその収益につきましては、債券貸借市場の需給動向等によって変わってくるわけでございますし、また貸借レートも、それから貸付規模も、その需給動向によって左右されるわけでございますので一概に申し上げることはできないわけでございますが、仮に五%ぐらいが貸し出しされるといたします。その貸借料を年利〇・八%と計算いたしますと、年間約十八億円という数字になりまして、自由化対策資金全体で〇・〇二%ぐらいの利回り向上になるということでございます。
 先ほど申し上げました貸借レートというのも今の状況で〇・八%でございますが、過去の例を見てみますと〇・二から二・〇と非常に幅が広いわけで、需給状況によって変わってまいります。そういうことから、見通しとして確たることは申し上げるわけにはいきませんので、仮定を置きますとこういうことになるということで申し述べさせていただいた次第でございます。
 それから、土地の投機、地価高騰につながることはないかという趣旨のお尋ねでございますが、自由化対策資金による債券の貸し付けは、ショートセール、空売りされる債券の手当てを目的として平成元年五月末に整備された債券貸借市場において行われるものでございます。この債券の貸し付けは、金融自由化対策資金で保有している債券、さしむきは国債に限っておりますが、国債を貸し付けることによって行うものでございまして、資金自体を供給するものではございません。
 しかし、先生おっしゃったように、間接的には資金を確保するということにもなるわけでございます。ただ、借り手である金融機関は、主にキャピタルゲインを得るためにショートセールを行いまして、その手当てとして債券借り入れを行っているわけでございますが、その実態を見てみますと、貸借期間はほとんどが一週間程度でございます。非常に短いものでございますので、長期の土地投資とかなんとかいうことに回ることはないのではないかと考えております。またさらに、大蔵省銀行局あたりが金融機関等に土地融資等につきまして規制指導もしていると聞いております。けさの新聞にも地銀あたりにもやっているということも出ておりますので、そういうことがないように私どもも期待して債券貸し付けをやっていきたいと思っております。
○遠藤(和)委員 ちょっときょうは時間が短いものですから先に進ませてもらいます。
 国際ボランティア貯金法の方ですけれども、役所の皆さんにはちょっと耳ざわりの悪い話をしますけれども、パーキンソンの第一法則というのがあります。役人の数は、なすべき仕事の軽重、時には有無にかかわらず一定の割合で増加する。拡大するピラミッドの法則というのですけれども。この国際ボランティア貯金法という法律は、何かいいことをされるわけですけれども、郵政大臣の権限が広がるわけです。その成熟段階では百二十億円のお金を、法的根拠なしに世界各国に寄附ができる。そうしますと、郵政省の業務の拡大を目的にするものではないのか。これは非常に冷たい見方になるかもしれませんが、こういう見方もできるわけです。そういう憂いはないのかということをまず確認をさせてもらいたいと思います。
○成川政府委員 先ほど来、趣旨を説明させていただいておりますが、その繰り返しになりますけれども、我が国の経済的地位が高まってまいりまして国際社会に一層の貢献を求められております。国民一人一人も国際社会に貢献する一員として行動することが求められる時代になってきているので、何か手助けできないかということでこのような制度を考えさせていただいたところでございます。
 この法律案は、郵便貯金の預金者の善意により、利子の一部を民間の海外援助団体に寄附できるようにするものでございまして、国民に身近な郵便局においてこうした制度を実施することによって海外援助に対する国民の理解と協力を促進するとともに、民間レベルの海外援助の一層の充実に寄与することを目的としているものでございまして、業務拡大を図って、また権限の拡大を意図しているものでは全くございません。本当に善意に従ってこのような制度を考えさせていただいたので、国民の善意に、小さな善意と言っては失礼ですが、小さな善意にこたえられるように適正な運営を図っていかなければならないというふうに思っております。
○遠藤(和)委員 そのパーキンソンの法則はなぜそういうふうになるのかというのがあるのですが、二つ、役人は部下をふやすことを望む、しかしながら競争相手は望まない。役人は互いのために仕事をつくり合う、したがって数がふえるのだという話なんですが、こういう新しい仕事をする、要するに国際的な日本の貢献が言われていますね。これを郵政省がやりましょう、そうすると当然仕事の量がふえますね。そしてまた、一面は世界的に役割を果たしている、こういう仕事があります。しかし、こういう業務の拡大を、私は郵政省設置法を改正しないで行ったことに問題があるのではないかと思うのです。新しい業務ですから、やはり郵政省設置法を改正をして業務を付加するわけですから、やるのが本来の筋ではないか、こう考えます。
 調べてみますと、簡易郵便局法のみを改正して、要するに委託業務として追加しておりますけれども、ほかの法令改正はありませんね。これはどこで読むのですか。こういう仕事ができるということを設置法ではどこで読むのですか。
○成川政府委員 国際ボランティア貯金業務につきましては、郵政省設置法第三条第二項第一号の郵便貯金事業の附帯業務として位置づけられておりまして、そこで読むわけでございます。
○遠藤(和)委員 そうすると、附帯業務で読むと何でもできるということになるのですよね。附帯業務というのは非常に幅広い読み方ができますね。ですから、これは本来、今までやってきた郵政省の仕事とはちょっと違っているんですね。そうすると、この附帯業務として読んできた事例があるでしょう。どんなことを読んできましたか。
○成川政府委員 国際ボランティア貯金というのは、通常貯金の利子の一部を寄附していただきまして、その寄附の委託を郵政大臣が受けて配分するということでございます。このような、これに似たようなことは、寄附金つき郵便はがきの業務においても、寄附金を委託を受けまして配分するというようなことを郵政大臣が行っております。これは郵便事業の附帯業務として実施しているところでございまして、先例があるといえば、その先例に従っているところでございます。
○遠藤(和)委員 それは国際的な寄附金になるんですか、使えますか。
○成川政府委員 今申し上げましたのは、附帯業務ということで申し上げたわけでございまして、中身はちょっと違いまして、寄附金つきの寄附の部分につきましては、国内の福祉あるいはその他に使われているところでございます。
○遠藤(和)委員 そうすると、だんだん拡大解釈が進むのですよね。いろいろな仕事を何でもできるようになってしまうんですよ。ですから、私は少しきちっと、これは内閣法制局がどういう見解かよくわかりませんけれども、恐らくこれでいいということでそうなっているんでしょうけれども、やはり新しい業務を追加するときはそれなりの根拠のあるやり方をした方がフェアでないかな、こう思います。法律を追加することにそんなに、これは法律、字句を追加するだけのことですからね、大したお金もかからないわけですね、実際は。そうでしょう。ですから、それはきちっと、だれかに言われぬでもこんな疑義が起こらぬようにした方が賢明ではないかな、こういうふうに御忠告だけさせていただきます。
 それから、この寄附金が集まってまいりまして、それを配分するわけでございますけれども、その配分するに当たっての原則が政令にゆだねられているわけですね、省令ですか。この省令の原案というものを示してもらいたいと思いますが、やはり公平、公正、公開の原則というものが私は必要ではないかと思いますが、どのようにお考えになっていますか。
○深谷国務大臣 細かいことは局長から答弁させますが、原則としては考え方、まず配分団体の決定につきましては、寄附金の配分を希望する団体を官報に掲載して公募いたしまして、公平にその申請を受けつける。それから第二に、寄附金の配分決定に当たっては、郵政省が独自に行うことなく関係行政機関とも協議し、かつ郵政審議会の審議を経た上で公正に決定をする。それから三番目に、配分金を交付すべき団体及びその金額を決定したときは、速やかにその内容を官報に掲載して公示する。
 それから当然のことでありますが、その善意が完全に生かされたかどうかを十分に配慮しながら、若干でも問題があったときにはすぐに対応していくということも含めて考えていこう、これを一応原則としております。
 細かいことについては局長が述べます。
○成川政府委員 省令で定めようとしております事項、まだ最終的に固まっているわけではございませんが、今考えておりますところを申し上げさせていただきますと、寄附の委託関係では、寄附の委託の申し出の手続、それから寄附の委託の取り消しの請求の手続、通帳の二冊交付の請求の手続等々を考えております。
 それから寄附金の処理関係でございますが、配分団体の公募の方法及び内容、それから配分団体の配分申請の手続、配分の交付の方法、配分団体が守らなければならない事項等につきまして共通的な事項、個々にまた守ってもらわなければならない事項等も言わしてもらうことがあるわけですけれども、共通的な事項につきましては省令等であらかじめ定めておくべきではないかというふうに考えております。
 そのほかにもまだあるわけですけれども、現在のところ考えているのは、このような条項を考えているところでございます。
○遠藤(和)委員 それから、利子の寄附を委託した方がその使途について報告を求めたり、あるいは意見を述べたりすることができる仕組みになっているのかどうかということと、配分団体に対し監査することができるということが書いてあるのですけれども、これは大臣はできるのですが、例えば会計検査院がこのNGOに対して検査ができるのかどうか、その辺はどうなっておりますか。
○成川政府委員 配分団体及び配分金額の決定内容につきましては、先ほど申し上げましたように郵政審議会の議を経て確定した後に速やかに官報に掲載して公示することとしております。
 それから寄附金の経理状況につきましては、年度単位で年度終了後速やかに経理の内訳を官報に掲載して公示することとしております。
 なお、預金者に十分理解していただくために、寄附金がどのように役立っているのかについては冊子などをつくって、郵便局で預金者にごらんいただけるようにすることなども考えていかなければいかぬということでおります。
 それから会計検査院の関係でございますが、この寄附金は預金者の寄附金でございます。したがいまして国の金ではございませんで、預金者の寄附を委託を受けてNGOに配るので、NGOに対する会計検査院の検査は行われません。
○遠藤(和)委員 わかりました。
 それから、これは私のアイデアなんですけれども、例えばこういう事業とともに再生紙を利用いたしまして寄附金つきの記念はがきとか寄附金つきの記念切手をつくって国際ボランティアに寄附をするという考えがあります。これは寄附の金額が本人にわかりますね、十分に。ですから幾ら寄附をしたというのがその場でわかるわけですね、はがきを買ったとき、あるいは切手を買ったときにわかりますけれども。こんなことも考えられるのではないかな、こういうふうな考え方を私はしております。
 それから、それとともにこのODAを初めこうした海外援助というのは政府として一元化を進めるべきである、私はそういう考え方を持っているのですけれども、これに対する郵政大臣の見解を承りまして質問を終わりたいと思います。
○小野沢政府委員 お答え申し上げます。
 ただいまの御提案は初めてお伺いしましたけれども、再生紙の活用ということで一つの検討課題とさせていただきたいと思います。
○深谷国務大臣 海外援助は一元化すべきではないかという御趣旨はよくわかるのでありますが、このたびの国際ボランティア貯金に係る寄附金というのは、先ほど局長も言いましたように私金でございまして税金とは違うものですから、そういう意味では国庫から支出されるODAとは性格を異にする。一般論としては一元化という方向は重要な検討材料だと思います。
○遠藤(和)委員 次の質問者に了解をいただきましたので、あと一問だけお願いいたします。
 郵便局で取り扱う年金を、希望する方には配達サービスする考えを持ってはどうかなと思うわけでございます。今年金を受給される方で寝たきりの方も大分ふえているわけですね。そうすると、近くに郵便局があるといっても山をおりていかなくちゃならないという人もいるわけです。できれば御希望の方には郵便局の方が書留か何かで持っていってあげる、このぐらいの配慮はできないものかな、こういうふうに考えているわけでございますが、これに対する御見解を賜って質問を終わります。
○成川政府委員 年金等の支払い方法といたしまして、受給者に現金で直接お届けするとした場合にはいろいろな問題がございます。正直申し上げまして、なかなか解決は難しいのじゃないかと思います。
 第一点を申し上げますと、年金等の支払い日はそれぞれ種類ごとに定められておりまして、その当日までの一時期に集中した作業が必要となるわけでございます。支払い日当日中に多数の受給者に年金を届けることが可能なのかどうかといった問題。また、ある程度の余裕期間を置いていただいたといたしましても、今度は現金を受給者に届けるための事務コスト、郵送費などがかかります。
 現金書留にするとなりますと現金書留料はいただきますし、現金封筒が要るとかそれを詰める作業などでコストがかかるわけでございます。これをだれが負担するか。受給者が負担するのかそれとも裁定庁といいますか支給する側が負担するのか、郵便局でやらずにもとの裁定庁のところで現金書留で発送するのかといった問題などもございまして、それらを解決していかなければならないのではないか。
 それから、郵政官署における年金等の支払いにつきましては年金等の裁定庁と協議の上で、現金払いあるいは振替預入の方法により行っているわけでございますが、新たに現金を直接届けるために裁定庁とどのような手続をしたらいいのかということにつきまして、関係の向きと詰めていかなければならない点が多々ございます。しかし、高齢化社会に向かいましていろいろな問題が生じてきているわけでございますので、それらの点も含めまして関係の向きと折衝を重ねて、よりよい改善策があるかどうか検討をしていきたいと思います。
○遠藤(和)委員 いろいろ難しい問題があることは承知しておるわけでございますが、ぜひ御検討いただきたいと思います。
 それから、念のために申し上げますけれども、先ほどの官民の問題もそうだと思うのですが、これを郵便局がサービスをすると銀行の方が文句を言うということは考えられるわけです。しかし、私はサービス合戦であると思うわけです。民間がやらないから官ができないんだということではありませんから、これは郵政省が独自にそのサービスを行うことを精力的に御検討いただきたい。これを要望いたしまして質問を終わります。ありがとうございました。
○大野(功)委員長代理 次に、菅野悦子君。
○菅野委員 まず、いわゆるボランティア貯金について質問をいたします。
 民間の海外援助事業への寄附を郵便貯金の利子で行うというものですけれども、この事業は郵政省設置法に定められております郵政省本来の仕事あるいは郵便貯金法に定められた郵貯の目的などとはちょっと異質な感じがするのです。郵政省が民間の海外援助事業を支援する必然性が一体どこにあるのか疑問なんですが、その点をまず御説明いただきたいと思います。
○成川政府委員 先ほど遠藤先生にも御答弁させていただきましたように、本来業務とはちょっと違っております。したがいまして、附帯業務という形で国際ボランティア貯金を実施するということでございます。
 なぜやるかということでございますが、先ほど来御答弁を何回も申し上げておりますように、我が国の経済的な地位が高まってまいりまして経済大国と言われるような状況になっているところでございますが、そういう観点から国際社会に一層の貢献を果たしていくことが重要な責務となっているところでございます。そういう関係でODA等は量的にも質的にも年々かなりふえてきて世界一位、二位となっているところでございます。
 ただ、NGOの海外援助を見てみますと世界的にもまだまだおくれている状況にございます。国民一人一人につきましても国際社会の一員としての行動を求められている時代になっているんじゃないか。国民参加による海外援助の積極的な推進が必要となっているのではないかと思います。
 私どもの郵便局というのは全国津々浦々に二万四千の窓口を持っているわけでございますので、預金者が海外援助をしたいといった場合に容易に利用し得るのではないか、貯金をしながら手軽に安心して海外援助に参加できる手段が郵便局の窓口を通じて提供できるのではないかということから、このような制度を考えさせていただいたわけでございます。
 郵便貯金としても、本来業務という形ではないのですが、附帯業務という形で国際社会に寄与していくべきではないか、それはまた国営事業としてやるべきことではないかという観点からこのような提案をさせていただいたところでございます。
○菅野委員 なぜ郵政省がこの事業をやる必要があるのかというのが今の御説明でもよくわからないのです。
 私は民間の海外援助事業、いわゆるNGOによるさまざまな活動自身は本当に結構なことだと思っております。しかし、この提案の制度は、民間の団体が行う寄附活動を政府が肩がわりするということになると思うのです。その結果NGOの活動に政府が介入する余地ができるのではないかというところに不安を持つわけです。なぜ政府が民間の募金活動の肩がわりをする必要があるのかというのがよくわからないのですが、その点をお伺いします。
○成川政府委員 私どもは預金者の善意の寄附の配分のお手伝いをするという立場でございまして、NGO団体をコントロールするとか、国の支出で賄うODAとは性格が違うわけでございます。あくまでもNGOの自主性を尊重して、預金者の善意が海外援助の一層の充実に役立つようにお手伝いをしていくという立場からこのような制度を考えさせていただいたところでございます。
    〔大野(功)委員長代理退席、委員長着席〕
○菅野委員 その点、郵政省としてはどれくらいの寄附を当てにしているかということで、当初七億円、将来は百二十億円というふうな数字ですから、これは相当なものだと思うのです。
 それで、具体的にその配分なんですが、郵政大臣が寄附の配分を決定するということになっておりまして、どの団体のどの事業に配分するかというその認定の基準、また、たくさん要望が出てきた場合、優先順位などはどんなふうに決定するのかということについてお伺いしたいと思います。
○深谷国務大臣 国際ボランティア貯金は、預金者から利子を拠出していただいてNGOに配分することによって民間レベルの海外援助協力をさせていただこうというものでありまして、今局長から言いましたようにNGOの活動を制限する気は全くございません。
 まず、毎年四月に寄附金の取りまとめを行いまして、配分団体の公募、申請の受け付け、それから申請内容の審査・検討、関係行政機関との協議、審議会への諮問、そういうことを経まして配分団体を決定して寄附金の交付を行うという仕組みにいたしてまいりたいと思います。
 なお、国際ボランティア貯金の寄附金の配分につきましては、まず配分団体が営利を目的としていないということ、組織の管理者や代表者がきちんと定められていて意思決定や活動についての責任の所在が明瞭であるということ、それから開発途上地域の住民の福祉向上のための効果的な事業を行うものであるということ等を基準として対応していきたいと思っております。
○菅野委員 結局配分については、るる具体的な受け付けをやって関係省庁と協議した上でということで、政府として検討して決定するということだと思うのですが、結局このボランティア貯金によって集められた寄附がどこの国のどういう事業に使われるのかということを最終的に決定するのは、団体への配分という形で政府、郵政省、この行為で決まると思うのですね。つまり、NGOへの配分という形をとりますけれども、寄附を受ける団体は国も事業もすべて具体的に決定して申請するわけですから、郵政大臣が関係省庁と協議して、郵貯を通じて集まった国民の寄附をどこの国に投入するか、これを決定するということになると思うのです。
 これはNGOを支援するというものとはちょっと言いがたいのではないか。集めた寄附金の配分に政府の意思というのが入る余地が多分にある。ですから、ときどきの外交政策と一致しないNGOの海外援助事業にはこの寄附は配分されないということになりかねないのではないかというふうに思いますけれども、その点どうでしょうか。
○成川政府委員 NGO団体の数はかなりたくさんございまして、いろいろな事業をやっておられるところでございます。私どもの預金者の善意の固まりである寄附金の配分につきましては、特定の国に偏ったり、あるいは特定の団体に偏ることのないように十分注意していかなければならないと思います。
 それから、どの事業にやるべきかというようなことにつきましても、画一的にプライオリティーを決めるというようなことは避けていかなければいけないのじゃないか、プライオリティーをつけるための基準をあらかじめ設けておくことはできないのじゃないか、人道的な見地とかいろいろな面から緊急的に援助をすべきようなものが出てきたらそれに応じて弾力的に配分するというようなことなど、政府とは違ったというかODAとは違った趣旨を生かせるようにしていかなければ、国民の善意を生かしたことにはならないのではないかと思います。
○菅野委員 結局NGOの行う募金の肩がわりを国がするというところにやはり無理があるのじゃないかと私は思うのです。
 それを決定する審議の段階で審議会に諮るというふうに言っておりますけれども、この審議会はどこの審議会になるわけですか。
○成川政府委員 郵政審議会を考えております。
○菅野委員 その郵政審議会がこうした海外援助について審査するということが適当なのかどうかという疑問があるわけです。
 郵政審議会令を見ますと、郵政審議会の委員というのは学識経験者、郵貯預金者の利益を代表する者、それから簡保加入者の利益を代表する者から郵政大臣が任命して、委員は二十五人以内というふうになっています。ところがこの寄附金の配分ということになりますと、今もるるお話がありましたけれども、国内のどの団体がどこの国にどのような援助をするのかということについて審査するわけです。
 例えば開発途上国の医療とか教育の状況とそれからどのような援助をするのが適切かというふうな判断が求められるわけですね。今のこの郵政審議会の委員はもともとそんな任務のために選任されているわけではないわけです。ですから、そういう点でこの二十五人の郵政審議会委員に、この開発途上国の医療や教育、経済などの専門家で、寄附の優先順位や配分を判断するように求めるということ自体無理があるのじゃないかと思うわけです。この郵政審議会の本来の任務や性格からいって、この郵政審議会に諮るから大丈夫などとはとても言えないのじゃないかと私は思いますけれども、その点どうでしょうか。
○成川政府委員 先生御指摘のように、郵政審議会委員は学識経験者とか郵便貯金の預金者の利益を代表すると認められる者などから構成されているところでございます。国際ボランティア貯金の寄附金の配分に当たっても預金者の観点に立った公正な判断はしていただけるのじゃないかと思います。
 それと、郵政審議会にかける前に私どもの原案をつくるわけでございますが、その際にはいろいろな人の意見といいますか関係行政機関の長との協議も前広に重ねながら慎重にやっていかなければいかぬと思います。そういう預金者の声も聞くチャンスもございますし、それから部外の方の意見も聞けるわけでございますし、関係行政機関の長とも前広に意見を交換しながら、適切な制度運営のできるようにしていかなければいかぬというふうに思います。
○菅野委員 このNGOの海外援助事業というのは、国の意向にとらわれるのではなくて、あくまで自主的に行われるべきだと思いますし、そこにNGOの存在意義もあると私は考えるわけです。国がこれを支援することというのは当然あり得ることなんですけれども、その場合やはり口を出さないことが大前提でなければならないと思います。今度の法案では国が決定して寄附を配分した団体には監査も行えるようになっているという状況で、これはNGOの自由な活動に国が介入する余地を残すという、その危険を依然として持つわけなんです。
 国が国民から寄附を集める責任からこうした制度にしたというのだと思いますが、もし郵政省の目標どおりにこの制度成熟期に年間百二十億円、こういう大きな寄附が集まるとしたら、それは各団体に配分する郵政省の力は民間海外援助団体にとっても非常に大きなものになると思うのです。寄附の配分をガラス張りにするということで提案されている制度でこれはちょっと不十分ではないかと思うのですが、大臣、どうでしょうか。
○深谷国務大臣 先ほど申し上げたように、国際ボランティア貯金はあくまでも預金者の善意をどう生かすかということでございますから、NGOに配分をいたした後、そのお金がその善意の預金者の意向に沿うて使われているかということについては当然いろいろな角度からその使途の監査というのは当たっていかなければならぬと思っています。しかし、あなたがおっしゃるように、仮にもNGOの自主性が損われるということがあってはなりませんから、これには十分留意していきたいと思います。
 なお、配分の公表につきましては、先ほどからいろいろ申し上げましたが、別の公表の仕方も検討の余地はあると私どもは思っております。
○菅野委員 私がなぜこの点を心配してるるお尋ねするかということなんですけれども、政府の援助事業、ODAが多くの問題を抱えているということだからです。
 関連して少し聞きたいのですが、電気通信の専門家を派遣したり研修員を受け入れる事業がございます。これは政府のODAとして行われていると思うのですけれども、実際の仕事は外務省が所管する特殊法人国際協力事業団、JICAが行っているようです。電気通信の技術者ということで郵政省も関係していると思います。どの国から研修員を受け入れ、どの国へ専門家を派遣するかというようなことはどのような基準で決めておられるのかお伺いしたいと思います。
○中村(泰)政府委員 郵政省のODAとしましては、郵政省の所掌分野にかかわります技術協力並びにITUなどの通信放送関係の国際機関への分担金等の拠出がございます。
 JICAの専門家の派遣につきましては、JICAからの要請にこたえまして専門家をJICAの方に推薦をいたしております。それからJICAの研修員の受け入れにつきましては、毎年外務省の方から各省に照会がございまして、郵政省としての要望を提出しているわけでありますが、それに基づきまして外務省との間で協議を行いまして翌年度の研修計画を決定するということになっております。
 どういう基準で途上国を決めるのだというお話でありますが、郵政省としましては、途上国からの要望でありますとか、我が国と通信放送分野での協力関係、あるいは途上国に派遣されております専門家からの意見聴取などをいたしまして、総合的に勘案して研修員の受け入れの対象国を選定しているところでございます。
○菅野委員 この専門家の派遣、研修員の受け入れの国の資料をいただきました。率直に言って、非常に偏っているというのが現状なのです。我が国のODAは、世界でも特に発展がおくれた後開発途上国、LLDC四十二カ国の援助が全体の一八・五%にしかすぎません。このLLDCというのは、国連の分類で、開発途上国の中でも特に開発のおくれた国ということで、国連総会で四十二カ国が承認されているのです。
 こうした傾向は、残念ながら電気通信の専門家派遣とか研修員受け入れの事業でもあらわれております。研修員の受け入れは八五年から八九年の五年間で二千二百九十九人受け入れておりますけれども、そのうちいわゆる最もおくれていると国連でも認めているLLDC諸国からの受け入れは三百二十七人、一四%にすぎません。一方、タイ一国で百七十人、インドネシアは百五十七人、この二つの国だけでLLDC諸国の受け入れ数全体に匹敵するという状況にあるわけです。専門家派遣の方はもっと極端で、この五年間に各国に派遣した六百九人のうち、タイとインドネシア二国で百二十八人、全体の五分の一です。ちなみにLLDC諸国への派遣というのは五年間で九カ国、たった三十二人にすぎません。
 これは一例なのですけれども、いただいたリストを見ますと、研修員の受け入れ、専門家の派遣とも一定の国に偏った数字になっているということを指摘せざるを得ません。相手国の事情などもあるとは思いますけれども、余りにも偏り過ぎているのではないかと思うのです。なぜこのような結果になっているのか、御説明をいただきたいと思います。
○中村(泰)政府委員 ODAにつきましては、先生御承知のとおり、いわゆるODA四省庁体制といいますか、外務、大蔵、通産、経企で所管をしておるわけでございまして、もちろん要請主義に基づいている。相手国からの要請に基づきまして、そういう中で何を優先するかといったようなことが決められているわけでございますが、先生御指摘のとおり、LLDCに非常に少なくて特定の国に特化しているじゃないかという御指摘はあろうかと思います。
 電気通信の分野につきましても、それは各国からの御要請につきまして総体的に政府として決めたプロジェクトが非常に長くかかる場合もありますし、当然、アフターケアあるいは真にODAの効果が発揮できるようにフオローも必要でありますから結果的にそうなっているのだと思いますが、あえてLLDCに目を向けないということではないと思います。あくまでも相手国からの要請と、結果としてそうなっているということでございまして、それ以上私の立場からちょっとお答えいたしかねます。
○菅野委員 こういうふうな郵政関係ですから、電話、通信、無線など本当にどれをとっても生活上の基礎的なニーズにこたえる、そういう部類じゃないかと思うのです。ですから、どこの国にも非常に待たれている援助なわけですから、今の御説明を聞いても、研修員の受け入れ、専門家の派遣数の国が偏っている、余りにも極端過ぎるという思いは消せないわけでございます。
 今度のボランティア預金につきましても、国民が郵貯の利子を寄附するときは開発途上国への援助という一般的な目的でしかないわけで、それを民間の発意という形をとっておりますけれども、寄附の配分の決定ということに国が関与して行うということで、事実上贈られる国、事業などの決定に政府の意思が反映する仕組みが心配なわけです。ですから、こういう今の状況の中では、私どもとしてはこのボランティア貯金には賛同するわけにはまいらないというのが今のところでございます。
 続いて、資金運用についてお聞きをいたします。
 これは新たな運用方法として債券を貸し付けることができるようにするということですが、具体的には債券貸借市場での運用を図るために金融機関などに郵貯として保有する債券を貸し付けるということになるのだろうと思います。この債券貸借市場とはどんなものなのか、なぜこうした市場が新たに開設されたのか、簡単に御説明をいただきたいと思います。
○成川政府委員 債券貸借市場につきましては、債券のショートセール、空売りが解禁されたことに伴いまして、ショートセールされる、空売りされる債券を手当てする場として昨年の五月に整備されたものでございます。
 債券貸借市場の概要を申し上げますと、参加者は特に制限はございませんが、主な貸付者は機関投資家、それから主な借入者は金融機関、証券会社などの債券ディーラーとなっております。それから対象債券は既発債券で、転換社債、ワラント債を除くすべての既発債券となっております。それから取引形態でございますが、債券の消費貸借取引という形でございます。市場は店頭取引市場と証券金融会社による仲介市場の二つでございます。
○菅野委員 国として債券貸借市場を育成するという方針がありますけれども、郵政省としてそれに協力するということも今回の法改正の目的の一つなのかどうか、お尋ねいたします。
○成川政府委員 私どもがこの債券貸付制度をお認めいただきます理由は、その自由化対策資金の一層の有利運用、確実な運用を図るために行うものでございます。従来から自由化対策資金の運用範囲の拡大あるいは多様化につきましては努力してまいりましたが、今回はこのようなことをお認めいただきたいということで提案させていただいておりますが、そのほかに大型私募事業債への運用等も政令の改正によって実施可能となっている状況にございます。
○菅野委員 市場の育成を目的とするわけですから、この市場がどんなものかということは非常に重要なことだと思います。
 そこで、お聞きしたいのですが、この債券貸借市場は空売り、ショートセールによって相場下落時のリスクヘッジやキャピタルゲインの獲得が可能となると言われておりますが、どうしてそのようなことが可能なのか、お尋ねをいたします。
○成川政府委員 ショートセールでございますが、ショートセールというのは、債券売却の約定日におきまして既発行の債券を保有していないのだけれども売却することをやるわけでございます。その受け渡し日にはその債券がなければ実行はできないわけでございますので、その際には買い戻し、または借り入れた債券を受け渡ししているわけでございます。それがショートセールでございます。したがいまして、その債券の価格が安くなると思われるときには高い時期に売っておいて、債券を手当てしてキャピタルゲインが稼げる、逆の場合もあるわけでありますが、そういうような金利裁定、裁定といいますかヘッジをしてやっていこうという趣旨だというふうに思います。
○菅野委員 時間がありませんので詳しく聞けませんけれども、この債券貸借市場というのは銀行などの機関投資家のためにつくられた市場でありまして、債券の空売りという投機そのものの市場じゃないかと思うのです。債券貸借市場への貸し付けというのはもちろん直接投機には当たりませんが、投機を促進する市場に国民の零細な預金という性格を持つ公金を運用するということには賛成できません。また、この債券貸借市場というのは大手金融機関の利益追求と金融自由化推進として生まれたものでありまして、この点からも本改正案には賛成いたしかねます。
 最後にもう一問、住宅積立貯金について少しお聞きします。
 この貯金の目的、限度額及び利用件数、それから、この貯金をすると住宅金融公庫の割引融資が受けられるということになっているようですが、これは幾らまで融資されますか。この点をちょっとお聞かせください。
○成川政府委員 住宅積立郵便貯金でございますが、住宅の取得等を希望する国民の資金需要にこたえるために昭和四十七年に創設されたものでございます。その仕組みでございますが、一年以上五年以内の範囲内で五十万円を限度として貯金の積み立てを行いまして、この積み立てを行った預金者は、郵政大臣のあっせんに基づきまして住宅金融公庫等から一般貸し付けに加えて二百七十五万円を限度とする割り増し貸し付けを受けることができるというものでございます。この二百七十五万円とか一年以上五年以内というようなものは当初からではございませんで、途中から若干改正はされてきておるところでございます。
 利用状況でございますが、住宅積立郵便貯金の利用状況といたしましては、昭和六十三年度末の新規預入件数は約七千件でございます。それから、昭和六十三年度末の口座現在数は約三万七千件となっております。預入金額は百二億円という状況にございます。
○菅野委員 今の御答弁の数字でも明らかなように、庶民が住宅を建てるための貯金というにはちょっと実態からかけ離れ過ぎているのではないかというふうに思うわけです。割り増し融資の限度額は昨年四月に改定されたようですけれども、それでも二百七十五万円ですね。これは住宅を購入するという場合には、これでは本当にわずか過ぎる。私どもの住んでいる大阪の吹田市なんかでも坪三百万と言われるほどですから、今はもちろん地価高騰のために、どんなに貯金をしても、融資を受けても、マイホームというのはだんだん遠のいているという状況がありますが、もう少し実際に役立つ貯金の制度にできないかどうか、御検討していただきたいということをお願いいたします。
○成川政府委員 私ども、この制度改正につきましては従来から鋭意努力してまいったところでございますが、今後とも利用の実態とか国民のニーズ等に配意いたしまして、今五十万となっております預入限度額の引き上げだとか割り増し貸付金額の引き上げ等に努めていきたいというふうに思っております。
○菅野委員 終わります。
○上草委員長 次に、中井洽君。
○中井委員 最初にボランティア貯金のことについて二、三お尋ねをいたします。
 先ほどからも御質疑があったと思いますけれども、大体どのぐらい最低集めて、一年間にどのぐらいの利子を寄附をされるという御計画ですか。
○成川政府委員 通常貯金の利子の二割を寄附していただくということで当面は出発させていただきたいというふうに思っておりますが、一通常貯金口座の平均残高は十二万四、五千円でございます。したがいまして、その二割の寄附となりますと七百四十円、先ほど来いろいろと御指摘ございましたように非課税になっておりませんものですから、課税されました後の金額は五百九十円でございます。五百九十円でございますが、初年度は一月から三月までしか動けないわけでございます。と申しますのは、システムの開発等に時間がかかりますものですから、幾ら早くやっても一月がせいぜいじゃないかと思っております。三カ月ぐらいしか初年度は勧奨といいますか利用していただけない状況にございます。したがいまして、それほど大きな金額は期待できないわけでございますが、百二十万人ぐらいは御利用いただけるのではないかというふうに試算しております。というのは、一局当たり五十人ぐらいでございますと、三カ月間で百二十万人ぐらいになるわけでございます。
 そういうことでいきますと、計算いたしますと七億強ぐらいの初年度寄附金が期待できるのではないかというふうに思っているところでございます。
○中井委員 勉強不足で恐縮ですが、お話を聞いていると、今ある貯金をそういう形に移してくれというお願いをするのですか。それとも、ボランティアによって寄附をするために新しく貯金をしてくれとお願いをしていくのですか。どちらが主ですか。
○成川政府委員 通常貯金につきまして、この国際ボランティア貯金を実施する際にもう一冊手にすることができるように改正させていただいているところでございます。したがいまして、新規に国際ボランティア貯金を利用していただく方もおられます。それから、従来の通常貯金を利用している方で国際ボランティア貯金にしてもいいよという方につきましては、それを国際ボランティア通常貯金に移していただきまして寄附をしていただくということで、両面でございます。
○中井委員 私は、新しくこういうのを大々的に宣伝なさって、学校とか常に海外へ援助活動をされておる団体とかそういったところへお願いをして、預金獲得と一緒におやりになる、こういうふうに理解しておったわけでありますが、両方いける。そうすると、今あるものを運用もしてもらう、転換もしてもらう、こういう形でございますね。
 大臣、大変お忙しいようですから、簡単に一、二点だけお尋ねをいたします。
 一つは、利子の運用の仕組み、あるいはこれを課税するかしないかという問題をめぐって複雑な交渉があって、趣旨は大変結構なんだけれども、非常にわかりにくい仕組みになっていることも事実でございます。私は、善意の方が多いけれども、こういう預金をそれだけ集める、あるいはそれだけ転換をしてもらうということはなかなか大変なことだ、このように考えております。そういう意味で、PRを兼ねて大臣みずから第一号でこの預金をおやりになる気がおありかどうかお尋ねをいたします。
○深谷国務大臣 ぜひ第一号になりたいと思っております。
○中井委員 もう一つ政治家としてお尋ねをいたしますが、こういう仕組みも大変郵政省としては、それはもう預金とあわせて結構なことでありますが、お互い本当に考えられないような経済大国になってきた。本来はもっと地方公共団体に対する寄附であるとかあるいは海外に対する正式な援助、これに対する寄金なんというのは、もともと本来そのものをノータックスにしてしまう、こういう成熟した社会へ進んでいかなければならない、このように思います。残念なことにまだまだ日本はそこまでいかない、そして地方公共団体や海外への援助にしても、そこから税金を取られる、こういう情けない状態であります。
 郵政大臣としてじゃなしに政治家として、お互い大いにこういったことを早く払拭して、公共に対する寄附、海外に対する認められた寄附というものはノータックスでやれるという仕組をつくるべきだと私は思いますが、お考えいかがでございますか。
○深谷国務大臣 このようなボランティア活動だけでなしに、例えばアメリカと比べましても、日本は寄附をするのに非常に税を外すということが難しい国であることはかねがね承知しております。それがために、せっかく寄附行為をしたいという方がいろいろなところにかなりいらっしゃるのに思うように進まないという点は、私は一人の政治家としてこれは直していかなければならぬことだと思います。
 まして今度のように、特に大事なのは国際的に経済的な地位が高まった日本がODAその他で、海外援助ももちろん結構ですが、こんな国際社会ですから一人一人が自分も参加しているんだという意識を持っていただくことが非常に大事で、そのためにこの善意のボランティアを始めるわけですから、せめてこのくらいは真っ先に理解が欲しいものと思いましたが、大蔵省にも立場がありますので、なかなか簡単にはいきません。平成五年の見直しを期して一層努力してまいりたいと思います。
○中井委員 ボランティア貯金の方はこれぐらいにいたしまして、次に、貯金法の一部を改正する法律案の方に参りたいと思います。
 この法案をお聞かせをいただきましたときに私は、何年前でしたか、逓信委員会で初めてこの自主運用二千億か四千億かの枠で始めたときの質疑を懐かしく思い出しております。おいおいと御努力をいただいて自主運用が広がる、また自主運用的な手段が拡大をされる、大いに結構なことと考えております。今日まで郵政省で資金を自主的に運用をされてこられた、どのくらいの成果を上げられたと計算をなさっておられるか。自主運用したときとしていなかったときと、どれぐらい利益というものが出てきたのか。どういうふうに計算をされておられるかお聞かせをいただきます。
○成川政府委員 金融自由化対策資金でございますが、資金運用部から借り入れをいたしまして、それを運用して利益を上げているところでございます。昭和六十二年度の運用利回りで申し上げますと五・五四%になっておりまして、借り入れしている預託利率との差が〇・六二%になっております。それから昭和六十三年度におきましては、運用利回りが六・〇〇%でございまして、預託利率との差は一・〇六%でございます。
 平成元年度につきましては現在取りまとめ中でございまして、確定的なことは申し上げられませんが、債券の市場等いろいろと上げ下げしたりいたしましたものですから、そういう中で運用利回りの向上に努力してまいりました結果、運用利回りは五・七%台は確保できるのではないか、預託利率との差は〇・八%台ぐらいは確保できるのではないかと思っております。それだけ有利に運用できているということでございます。
○中井委員 今回の法案の改正でどのぐらいの差益というものを見込んでおられるわけですか。
○成川政府委員 先ほどもちょっとお答えさせていただきましたが、需給状況によってどれくらい債券が貸し付けられるものか、今の時点ではっきり申し上げることはできませんので、仮にということで数字を置かせていただきますと、今四兆余りの、四兆四千億弱ぐらいの国債がございます。その五%ぐらいが仮に債券市場に貸し付けられるといたしますと、今の貸借市場の貸借レートというのが〇・八%ぐらいの年利でございますので、それは常時貸されたという前提でございますが、年間十八億円の利益が上がるわけでございます。貸借料が入るわけでございます。その十八億円を自由化対策資金全体で見てみますと〇・〇二%ぐらいの利回りの向上になるというふうに思います。
○中井委員 その自主運用を始められたときに私質疑をしているのでありますが、そのときに、通常の郵政省の人事という形でその人たちが大変な金額を運用するというのはなかなか難しいこともあるのではないか、専門家を育てていかなければ激しい金融合戦の中で利益を上げるというのは大変難しいことではないか、このように注文をしたことがございます。
 今お聞きしますと、本当に六十二年、六十三年、それぞれ厳しい情勢の中で差益を上げてこられ、郵貯そのものの財源を確保されておる、心から敬意を表するところであります。同時に、これからもまだまだ金融自由化を含めて専門家――あるいは普通の役所の人事ではなかなか専門家というのが育ってこない、このようなことを心配いたします。
 大臣、こういう運用の専門家というものを郵政省という枠の中でどのようにお育てになっていこうとされておられるのか。あるいは、郵政省の職員の方は優秀だから、普通の転勤や何かで十分だれでもやれるとお考えになっていらっしゃるか、その辺のところをお尋ねいたします。
○深谷国務大臣 中井先生がかねてから御心配をし、また御指摘をいただいた、やはり専門家がきちんと育っておりませんと、これは自主運用と幾ら言っても、実際の利益を上げなければなりませんから、そういう意味では全くお説のとおりでございます。
 今日まで運用担当職員には、債券相場の分析に関する研修などを実際に行ってまいりまして、専門家あるいは専門的な知識の向上に全力を挙げるようにいたしてまいりました。さらに、実務経験を積ませることも重要であると考えておりまして、先生の御指摘を踏まえて一層頑張るように省を挙げて努力したいと思います。
○中井委員 この機会に金利自由化の問題について何点かお尋ねをいたします。
 過般の委員会の質問で、大臣は、金利の自由化、郵政省としては積極的に賛成して取り組んでいく、このように言われました。その後現在まで、どういう状況にあるのか。特に五月の終わりに金融問題研究報告というのが提出をされました。それらの報告について郵政省としてどのように評価あるいはお考えをお持ちになっておられるのか、お聞かせをいただきます。
○成川政府委員 金融自由化につきましては、先月、五月二十一、二十二日でございますが、日米金融協議がございまして、アメリカ側は一年以内に完全自由化せよという主張だったようでございます。大蔵省の方は、その時期を明示せずに終わっているところでございます。
 ただ、私どもといたしましては、従来から、小口預金者の利益が大口定期の利用者に比べると損なわれているといいますか、金利格差があるのではないかという観点から、金融自由化になりますと、光の面といいますか、小口預金者の利益の増進につながるという観点から、早急に実施すべきであるという主張をしてきたところでございます。これにつきましては、業態にいろいろな事情がございまして、一気にやるということはなかなか難しいのではないかと思いますが、大蔵省の銀行局長の私的諮問機関でございます金融問題研究会でも、早期に実施すべきであるというようなトーンになっておりまして、その点につきましては私どもは全く同意見でございます。
 ただ、スケジュール等を具体的に示して取り組んでいかないと先延ばしができないような事態になりつつあるのではないか。そのためには、私どもも、効率化、合理化といいますか、体制を整えてそれに対応できるようにしていかなければならぬと思いますが、民間の金融機関、各業態あるわけでございますけれども、そういうところでもそういうような体制を整えて金融自由化に対応していくことは望ましいのではないかというふうに思っております。
○中井委員 こういうふうに理解していいですか。自由化の体制というのは、郵政省としてはもう十分整えて準備をしておる。アメリカは、大蔵省が考えているよりももっと早く自由化をしなさいと言って、大蔵省が今のところ抵抗しておる。だけれども、郵政省としてはアメリカの要求のような日にちで自由化しても何ら心配はない、こういった情勢にある。こういうお答えですか。
○成川政府委員 私どもだけが突出して早くやるということは、金融界全体の秩序とか情勢からして難しいのではないかと思います。そういったことから、業態間にいろいろと差がございまして、早くやってもやれるようなところと、余り早過ぎると経営困難に陥って混乱が起こりかねないということで御心配されているようなところもございますので、できるだけ早急にスケジュールを決めてそれに対応できるようにしていかなければならない。
 私どもも、完全自由化が今すぐに来たらやれるかといいますと、正直言ってそこまでは体制ができているわけではございませんが、その大口定期、今一千万になっておりますが、それを段階的に下げていくということにつきましては対応できるような体制にはなっております。これからも、自由化対策資金の運用範囲の拡大あるいは運用量の増大等をいろいろと検討しながら、自由化に向けて誤りなきを期していきたいと思っております。
○中井委員 金利の自由化というのはもう避けられない、また歓迎すべきことだと思うのでありますが、この金利自由化をした後の郵便貯金の金利の決定について、いろいろと政府間で議論がある、また他の金融機関とも議論がある、このように聞いておりますけれども、その点はどのような状況になっておりますか。
○成川政府委員 金融問題研究会では、民間の金利の平均を基準として、それを上限として郵便貯金の金利を決めたらどうだというような趣旨の答申が出ているようでございます。
 私どもといたしましては、事業経営の責任を持っているわけでございますので、事業経営がそれによって不可能になるというようなことになっては困るし、また金利というのは事業の根幹をなすものでございます。したがいまして、我々の自主的な判断でやっていかなければいかぬというふうに思っているところでございます。
 ただ、民間の金利とかけ離れた金利を決定するなんということは、運用面のいろいろな制約だとか商品のあれからいたしましてもつけられないことは当然のことでございます。郵便貯金法十二条でも、民間の金利に配意しながら決定していきなさいというような趣旨もございますので、機械的、他律的に金利が決められるというようなことは、私ども経営責任を有する者としてがえんぜられませんけれども、民間の金利に配意をして決めていくことは当然のことだと思っております。それに、民間の金利とかけ離れたような金利をつけることによって大幅な資金シフトが起こるというようなことが許されるはずはないと私どもも考えているところでございます。
○中井委員 大変難しい問題であろうかと思うのです。郵政省としては、もちろん郵政省の判断で民間金利をにらみながら自由に決めさせろということであろうし、他の金融機関を含めて、大蔵省も含めて、民間金利を少し下回るくらいで一律的に決めたいという意見もあるやに聞いております。
 特に大都市では金融機関の競争が大変激しいし、また自由化に伴って金利の合戦みたいなところもあります。余り低く決めたのでは大都市で郵貯が集まらない。しかし、大都市の標準に競争できるような形でやっていけば、地方へ行けば郵便貯金の金利が地方の中小の金融機関を上回って、中小機関から猛烈な反発が来る。ひいてはそのことが郵便貯金の存在ということについてもいろいろな論議を招くことになる、このようにも思うわけであります。
 そういったところから、地域間での金利というような話まで論議がされておる、このように聞かせていただいておりますが、この地域金利差ということについて郵政省はどのようにお考えですか。
○成川政府委員 地域別金利の問題につきましては、今後の金融エレクトロニクスの進展によりまして、そもそも市場において地域格差が生じないという有力な御意見もございます。私どももまた事業経営は単一の経営体として運営しているところでございます。それから、あまねく公平にサービスを提供するというような趣旨もございます。
 そういったことから、地域別金利をつけるということについては、国民、利用者の理解が得られないのではないかと考えられますことから、地域別金利の設定につきましては極めて慎重な検討が必要であると思います。
○中井委員 勉強のためにお聞かせいただきたいのですが、この金利自由化、特に郵便貯金の自由化も含めてやかましく注文しておりますアメリカにおける郵便貯金というのはもう既に今ないのですか。ヨーロッパなんかは随分自由化が進んでおりますが、ヨーロッパの郵便貯金というのはどういう形になっているのですか。またそこの金利はどういう自由化になっておるのか、郵便局の貯金の金利の決め方はどういうふうになっておるのか、お聞かせをいただきます。
○成川政府委員 西欧諸国の状況を申し上げますと、イギリスではもう完全自由化がなされております。それから、西ドイツにおきましても金利の自由化が完了しているところでございます。西ドイツの金利の決定の仕方を申し上げますと、運営主体でございます郵便貯蓄銀行の自由な判断にゆだねられていると聞いております。
 西ドイツが世界で一番早く完全自由化がなされたところでございますが、イギリスの郵便貯金でございますが、大蔵省の一部局でございます国民貯蓄庁が運営しておりまして、金利は国民貯蓄庁が銀行金利だとか国債利回り等を考慮して決定していると聞いております。
 フランスでございますが、フランスはまだ金利自由化が完了しておりません。郵便貯金の金利は政令で定められているわけでございます。
 米国は、先ほど先生からもちょっと御指摘ございましたように、郵便貯金はもう現存しておりません。
○中井委員 私は、この金利の自由化の問題というのは将来的に郵便貯金の制度そのものを大変大きく揺るがす問題になってくると考えております。アメリカなんかはああいうお国柄、しかも郵便局等は民間金融機関の少ないところでやれということでやっておって、効果が出てこなくてあっさりとやめてしまった、こういう経過であったように聞かしていただいております。
 日本の郵便貯金というのは世界に冠たる仕組みを今日まで御努力いただいて維持をし貢献をされてまいりました。これからもそういう独特の国のやっておる金融という特別の仕組み、それと同時に世界の大きな金利自由化あるいは金融機関の枠の撤廃、証券や何かとの枠の撤廃、こういった流れ、その中で独自性を守って十分国民サービスができるように御検討いただきますことをお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。
○上草委員長 次に、赤城徳彦君。
○赤城委員 最初に、郵便貯金事業のために日夜御努力されています関係者の皆様に心から敬意を表したいと思います。
 特に、最近の金融自由化の流れというものは大変急激なものがありまして、また、預金者の方も金利に対する選好が強くなってきたということで、民間の金融機関との競争というものが現場では大変熾烈なものがあるというふうに聞いております。また、V九〇といいますか、集中満期を迎えております定額貯金の再吸収のために激しい競争がある、こういうことをよく伺うわけでございます。こういうときでございますから、郵政省を初めとしまして、二万四千の郵便局の皆様が一丸となって金融自由化に向けて努力しなければならないときであるというふうに考えております。
 そこで最初に、個々の質問に入る前に、郵便貯金の基本といいますか、これからの金融自由化に向けてどういう姿勢でいくのかといったところをお尋ねしたいと思うのです。
 私思いますのに、郵便貯金事業には二つの大きな役割があるというふうに思うのです。一つは、庶民の身近な貯金手段として過去明治八年から今日まで発展してきたわけでございますが、それぞれの人生設計の中で、老後に備えとか入学に備えということで蓄えをしてくる、そういう身近な貯蓄手段としての意味と、それからそこで集められましたお金というものを地方のために、学校や公園のために地域に還元していく、こういう地域社会への貢献という基本的な役割があると思うのです。
 ところが最近は、財テクブームといいますか、ごく一般の御家庭でも株でありますとかゴルフ会員権でありますとか、そういったものを持つ時代になりました。当然貯金に対しても金利の違いというものを非常に敏感に感じるようになりまして、いわゆる金利選好が強くなったということであります。郵便貯金といえども単に老後の蓄えであるというだけでなくて、利殖の場とか財産形成の場としての意味づけが大きくなってきたのではないか、ある程度郵便貯金も生まれ変わるときが来ているのじゃないかというふうに感じるわけであります。そういう意味で、金融自由化の流れというものをまさに庶民の貯蓄手段である郵便貯金こそがこの流れを先取りして貯金の小口化、自由化というものに向けてその牽引車になるべきであるというふうに私は思うのであります。
 そこで、金融自由化に向けての郵便貯金としてどういうふうに対処していくのかということ、それから既に導入しています小口MMC、POSTの現状、将来どういう商品ができてきて、例えば大口定期の限度額、この引き下げがどういうふうになるのか、郵便貯金でどういう商品が扱えるようになるのかといったその将来像といったことをお尋ねしたいと思います。
○成川政府委員 自由化に向けての郵便貯金の取り組み方でございますが、郵政省といたしましては、大口預金者に比べまして小口預金者の利益がかなり損なわれるというわけではございませんけれども、金利が低いというような状況になっております。小口預金者の利益を守るためにもそれから社会的な公正さを確保するというような観点からも、あるいは金融の国際化といいますか、国際的な要請というような観点からもできるだけ早く完全自由化を進めていくべきだということで考えているところでございます。関係の向き等ともいろいろと意見交換もしながら鋭意対処していきたいというように思っております。
 それから、先生御指摘のように郵便貯金には二つの役割を持っておりまして、一つは全国あまねく公平に個人金融サービスを提供いたすということでございます。第二点目といたしましては、社会資本整備等のための公的分野への資金供給を行う、そういうことによって国民福祉の向上に大きく貢献しているわけでございまして、今後、金融の自由化が進展する中にあっても、この基本的な役割は変わっていかないのではないかというふうに思います。
 それから、小口MMCの状況でございますが、おかげさまといいますか、昨年の六月以来、発売されましてから今日まで十二兆円余りの小口MMCの預入がございます。しかしながら、民間の金融機関等に比べますと、その割合はなおまだ低いというような状況にあるかと思います。
 小口MMCの貯金POSTといいますか、小口MMC貯金の商品性でございますが、昨年の九月以来私どもいろいろと申し上げておるのですが、金利の決定方法につきまして若干問題があるのではないかというふうに考えております。キャップルールというのがございまして、国債のクーポンレート、表面利率マイナス〇・七%というものでキャップがはまっておりまして、そのような状況から十一月の時点ではもしそのまま放置いたしますと、規制金利を市場金利連動型預金である小口MMCの金利が下回るというような状況もございまして、緊急避難的な措置としてフロアルールが取り入れられたような状況にございます。いずれにいたしましても、大口定期と小口MMCの預貯金金利との格差は一%ポイント近いような状況にございますので、その金利の決定方法につきまして改善を図っていかなければいかぬではないかというふうに思っております。
 それと最低預入金額が現在百万円になっているわけです。四月から、三百万円から百万円に引き下げられて利用しやすくなったということは言えるわけですが、まだ庶民といいますか、預金者の立場からいたしますと、さらに引き下げるべきではないかというふうに思うところでございます。したがいまして、これらを中心といたしまして、鋭意折衝を重ね早期に小口預金者の利益が守れるようにしていかなければならぬというふうに思っております。
 それから、先ほど来くどく申し上げて恐縮ですけれども、一千万円未満の小口預金者の自由化につきましても、早急に実現するように努力していかなければならぬというふうに思っているところでございます。
 いろいろと金利自由化だけではなくて金融自由化も進展しておりまして、私どもその中で事業をやっていく上において商品の開発あるいはニーズに応ずる商品の多様化といいますか、そういうものも鋭意検討していかなければならないというふうに思います。
○赤城委員 次に、自由金利商品がどんどん導入されるということになりますと、利用者にとっては預金金利が上がるという大きなメリットがありますけれども、郵貯事業としては調達コストが増加するわけです。そのために金融自由化対策資金というのを設けて少しでも預託利率よりは有利に運用しようということでやっておられるわけであります。先ほどの別の委員からの御質問でも御回答いただきましたけれども、預託利率との差が六十三年で一・〇六%、平成元年度でおよそ〇・八%ということで大変有利な運用をされておるということを伺いました。
 ただ、今回やる債券の貸し付けで、見通しとしては〇・〇二%ほどの改善だ、この部分はごくわずか、わずかであっても少しでも有利に運用するということが大事でありますから、これはこれで大変結構なことだと思うのですが、これから先、金融自由化が進むということで、金利の高い商品がどんどん導入されるということになりますと、調達コストがますます上がってくる、上がってくれば、この自由化対策資金でより有利な運用をしなければならないだろうし、また自由化対策資金自体の規模ももっと拡大しなければならないだろうというふうに思うわけです。
 そこで、自由化対策資金は平成三年度で十五兆円、ここまでは見通しが出ておるわけですけれども、それ以降どういうふうな規模に持っていくのか。また、余りこれが無際限に規模が大きくなってしまっても、本来の資金運用部に行く分が影響されてしまいますので、どこら辺を歯どめと考えるのか、その辺、お尋ねいたします。
○成川政府委員 自由化対策資金の運用規模でございますが、平成元年度末の残高では約七兆五千億でございますが、今後も拡大してまいりまして、平成三年度末には十五兆円の残高となる予定でございます。平成四年度以降の運用規模につきましては、郵便貯金事業が金融自由化に適切に対応するために設けられた趣旨を踏まえまして、今後の金融自由化の進展状況、預貯金金利の動向とか自由金利商品への移行割合とか業際問題とかいろいろとございますが、金融自由化の進展状況あるいは郵便貯金事業の経営状況、その中身といたしましては、商品の開発状況とか郵便貯金の市場競争力等、それから先ほど先生から御指摘がございましたように、財政投融資にどれだけ協力していくかという財政投融資の資金需要などを総合的に勘案しながら検討していかなければならぬというふうに思っております。
 金融自由化のピッチは従来に比べますとここ一、二年かなり急ピッチになってまいっておるわけでございます。そういったことから、具体的な運用規模につきましてはこれから検討するわけですが、いずれにいたしましても、運用規模を拡大していかなければならないのではないか。それで、平成四年度の予算要求時、したがいまして、来年の夏までに、運用規模をどれくらい拡大したら対応できるかというようなことにつきまして検討を重ねていかなければならぬというふうに思っております。
 いずれにいたしましても、金融自由化というのは、預金者に利益をもたらす反面、事業経営には厳しさが要求されるわけでございまして、郵便貯金事業もそのらち外にあるわけではございません。したがいまして、私どもも経営の効率化、合理化ということをしながら、一方におきまして、運用面において利払いの向上等も図っていかなければ自由化に対応できないことになってしまうのではないかというふうに思っておりますので、これから精力的にその面の勉強といいますか検討を進めていきたいというように思います。
○赤城委員 次に、自由化対策資金の運用先の方なんですが、私、ちょっとおかしな仕組みになっているなと思いましたのは、この自由化対策資金の半分を新規国債の引き受けに充当する、こういうルールになっているということなんですが、預託利率が今六・七%のところを、国債の方が六月現在では六・四%と、預託利率を下回っているわけですね。資金運用部に預託するよりも有利な運用をしたいということで始めたのに、その半分を預託利率よりも低い国債で引き受けなければならない。これは何か不思議な仕組みだなというふうに思ったのですが、なぜこういうふうなルールが必要なのかということ。
 それからあわせて、より有利な運用先があればどんどん取り入れるべきだと思うのですが、例えば昨年要求しました地方公共団体とか第三セクターへ出資、融資するというようなものもあるでしょうし、またほかにいろいろな商品があるのじゃないかと思うのです。ですから、これから運用先としてどんなものが考えられるのか、あわせてお答えいただきたいと思います。
○成川政府委員 金融自由化対策資金の出発点におきまして、国債の円滑な消化に政策的に協力するという観点から、新規運用額の二分の一を新発国債の引き受けに充てるということにしたところでございます。その当時は国債の売れ行きもそれほどよくなかったという背景もあるんじゃないかと思いますが、いずれにしてもそのようなことで出発したところでございます。
 しかし、国債引き受けについては、先生御指摘のとおり、他の債券と比べまして利回りが低いわけでございます。運用上負担となっていることも事実でございますが、ただ国債は、一般の債券に比べますと安全性とか流通性といった面ですぐれている面もございまして、かなり人気も高いものでもあるわけでございます。相場動向によりましては売却も可能でございますし、一概に不利だとは言い切れませんが、ただ運用利回りという面ではやはり負担となっていることは事実でございますので、今後の金融自由化の進展に対応した資金運用のあり方を検討する際に、この国債引き受けルールのあり方についても検討していかなければならぬと思っております。先ほど申し上げましたように、十五兆というように平成四年度までは固まっているわけでございますが、その後の運用規模あるいは運用のあり方等につきまして検討する際に、それらも含めて検討していかなければいかぬというふうに思っているところでございます。
 それから、運用範囲の拡大等についてでございますが、御案内のとおり平成元年の七月には、株式等に運用可能な指定単に運用することといたしたところでございます。平成二年度におきましては、今回お願いしております債券の貸付制度、あるいは大型事業私募債への運用ということで、運用範囲が多様化あるいは拡大されたところでございます。今後の自由化対策資金の運用対象としましては、先生御指摘の地方公共団体あるいは第三セクターへの融資だとかあるいは債券先物取引、オプション取引等への運用等があり得るわけでございますが、これらについて検討をして実現に向けて努力していきたいというふうに思います。
○赤城委員 次の質問に参ります。
 集中満期定額貯金ということで再吸収に今御尽力いただいておりますけれども、それとの関係で定額貯金の限度額のことでちょっとお尋ねしたい。と申しますのは、十年前に三百万円で預けたものが元利合計で六百五十万円ぐらいになっているということで、それの預けかえがスムーズにいくように七百万ということになっているらしいのですが、現場に聞いてみますと、どうも七百万では足りない。家族名義のものを合わせて、あるいはほかの預金と合わせて一千万を超えるというような御家庭も多いわけでございます。一千万を超えますと大口定期が、より有利なものが利用できますので、そっちに逃げてしまうという例も幾つか聞いております。
 そもそも考えてみますと、この限度額というのはどういうふうに決まっているのかなということが出てくるわけです。過去からずっと見てみますと、大体日銀の調査した一世帯あたりの平均貯蓄額と見合いで限度額が引き上げられてきたように思うのですが、四十八年に三百万円として以来ずっと据え置きされてきて、六十三年に入ってようやく五百万円に引き上げられました。この五百万円というのも非課税措置を廃止した見返りだというふうに言われておりまして、必ずしも一般家庭の平均的な貯蓄額と、それを預け入れるのに十分な限度額というふうな形になっていないんじゃないかと思うのです。
 最初に申し上げましたように、今財テクブームだと言われて、一般の家庭でも金融資産をたくさんお持ちであります。最近は、年率で大体一割ぐらいふえているという状況でありますから、いかに庶民の金融機関といえども、一般の御家庭がごく普通に、十分に利用できるだけの額というものが必要じゃないか、それはどのぐらいかなというふうに考えてみますと、平成元年では一千万を超える千十三万円平均貯蓄額を持っているわけです。このままの伸びでいきますと、平成二年にはほぼ千百万円を超えるのではないかというふうに思うわけです。でありますから、限度額としては少なくとも一千万、できれば一千二百万ぐらい必要じゃないかと思うのですが、郵政省のお考えをお尋ねいたします。
○成川政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、ことしの一月に七百万円に引き上げられたところでございますが、その実施は前回の法律の改正でお認めいただいたところでございまして、昨年の予算の要求時点におきましては、一千万円に引き上げてもらいたいということで努力したのですが、結果的には政府部内で調整がつかずに、七百万円のままいかざるを得ないというような状況になったところでございます。
 それで、日銀の貯蓄に関する世論調査によりますと、一世帯当たりの貯蓄目標額は二千四百万円にもなっておりますし、先ほど先生御指摘のように、平均貯蓄金額も一千万円を超えているというような状況にもあるわけでございます。年率一一%ぐらいに伸びているというような状況にもなっておりますので、それらも勘案しながら、来年度の予算要求におきましては限度額を引き上げて、預金者のニーズといいますか要望にこたえられるようにしていかなければならないのではないかというふうに思っております。具体的な数字につきましては、これから鋭意検討して詰めていきたいというふうに思います。
○赤城委員 せっかく大蔵省の方お見えですので、なぜこの限度額七百万円なのかということ、その決定された根拠といいますか、そこをお尋ねしたいと思います。
 それから、定額貯金の再吸収ができるようにというふうな話を聞いておるのですけれども、そうだとしますと、今七百万円預けた定額貯金というのは十年後に千百四十万円になる、そうなったときには、では限度額は千二百万円にする、そういうふうになってしまうので、ここら辺はぜひ一般家庭の平均貯蓄額に見合う限度額という考え方をとるべきじゃないかと思うのですけれども、御見解をいただきたいと思います。
○日下部説明員 郵便貯金の預入限度額につきましては、国営による簡易で確実な少額貯蓄の提供手段という郵貯制度の趣旨に基づいて設定されたものというふうに考えておりまして、いわば郵貯制度の基本をなすものというふうに承知しております。
 具体的に預入限度額をどういうふうに決定するかということにつきましては、こういう郵貯制度の基本的な性格を前提として、金融情勢の推移等を踏まえつつ、必要に広じて見直しをしてきているわけでございます。昨年度の予算におきましても、このような観点、それに、今先生御指摘のありました平成二年四月に定額貯金が集中満期を迎えるという事情を勘案して、預入限度を五百万円から七百万円に引き上げたところでございます。
 今後につきましても、郵貯の預入限度額につきましては、金融情勢の推移を踏まえつつ、先ほど申し上げました、国営による簡易で確実な少額貯蓄の手段の提供という郵貯の制度趣旨に基づいて検討してまいりたいというふうに考えております。
○赤城委員 この限度額の問題につきましては、郵政省だけではなかなか実現しないことでありますので、先ほど申し上げた趣旨を踏まえて大蔵省の方にも御理解をいただいて話を進めていただきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
 次に、時間がございませんのでボランティア貯金の方の質問に進めさせていただきます。
 今回、大変すばらしい制度だと思うのです、このボランティア貯金といいますもの。今まで日本は援助大国となかなか呼ばれてこなかった。ODAでは、額はもう世界第二位の援助国であって、一人当たりで見ても遜色のない援助大国であると思うのですけれども、なぜそう呼ばれてこなかったのかと考えてみますと、どうも援助の心といいますか草の根レベルの援助というものがまだまだおくれていたんじゃないか。そういう意味で、こういうボランティア貯金という民間の一般の方の善意を各国に送ろう、そういうシステム、仕組みができたのは大変時宜を得たすばらしいものだというふうに思います。
 ただ、ボランティア貯金という、まさにその名前のとおりでありまして、この制度の成否のかぎを握るのが預金者の自発的な意思、預金者の気持ちをどれだけ酌めるのかということにかかってくるんだと思います。そうしますと、本制度では預金者がその利子から二割ですか、出したものを一たんプールして、それを民間の団体の希望に応じて配分するということで、預金者がどこへ寄附したい、どこへ送りたいという希望がかなえられない、そういう仕組みになっているんじゃないかと思うのです。
 これは、預金者一人一人の希望を聞くというのは難しいかもしれませんけれども、例えばアフリカの難民のための寄附です、あるいは中国の天安門事件が起きたとき、そこへ寄附したい、そういうような希望のかなえられるようなシステム、また、寄附の割合についても、二割ということじゃなくて全額寄附したいという人もいれば、一割がいいという人もいる、そこら辺の希望がかなえられるようないろいろな形のものをつくるということが大事じゃないかと思うのです。その辺、御見解をお答えいただきたいと思います。
○成川政府委員 まず、寄附の割合でございますが、「利子の全部又は一部」ということでございますので、幅広くお認めいただくべく審議をお願いしているところでございます。出発点は二割で出発させていただきますが、預金者の意向等も踏まえながら順次種類をふやしていきたいというふうに思っているところでございます。
 それから預金者の意向等も考えてやるべきではないかという御趣旨でございますが、先ほど来申し上げておりますように、預金者の会とか郵便貯金モニターとかございます。また、預金者の声もお聞かせいただけるいろいろな場面もあるのじゃないかというように思います。ODAと違って機動的、弾力的にできるというところにこのNGOのよさがあるわけでございますので、預金者の動向等によりまして弾力的、機動的に、海外援助に預金者の善意が生かせるように努めていくべきだというふうに思います。
○赤城委員 それからもう一つ、この制度の成否のかぎを握るものといたしまして、預金者なわけです。預金者というのは少しでも利子を、とらの子のお金を少しでもふやしたいという気持ちで預けるわけですから、黙っていたのではそこからせっかくの利子を寄附しようという人は出てこないんじゃないかと思うのです。ですから、より積極的に寄附していただくように、勧誘するとか何かインセンティブになるようなもの、お年玉つきとか景品つきというのがどうなのかちょっとわかりませんけれども、何かそういうアイデアを出して、預金を、寄附をしたいなと思うような仕組み、そうういうものが考えられないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○深谷国務大臣 赤城委員の御指摘のように、せっかく皆さんの御理解をいただいて出発をいたしましても、実際にそれに参加してくださる方々が多くなければ意味をなしません。そういう意味では、欣然として御参加いただけるようなPRとか、さまざまな対応というのは御指摘のとおり大変重要になってくるだろうと思います。
 私どもといたしましては、例えば国際ボランティア貯金にふさわしいデザインの専用通帳を発行するとか、あるいは国際ボランティア貯金の協力者であることを証明するボランティア協力証といったようなさまざまなことをこれから工夫してまいりたいというふうに思っております。どうぞお若いアイデアをまたお寄せいただくように、こちらからもお願い申し上げます。
○赤城委員 ありがとうございました。
 まあ、赤い羽根なんていうのがありますから、預金、ボランティアやっているんだよというのがわかるような、例えばバッジなんていう、私もこういう菊のバッジつけて、これは大変うれしいのですけれども、そういうものもいいのじゃないかと思います。
 最後に、ボランティア貯金に対するPRを兼ねての大臣の意気込みと、それから最初にお尋ねしたのですが、これから金融自由化に向けての郵便貯金事業をどういうふうにやっていくのかというその意気込みをお尋ねいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○深谷国務大臣 金融自由化に向けて私たちが積極的に対応していくのは国民の、つまり預金者のニーズにいち早く対応するという意味でございまして、私どもはその自由化に向けて十分な体制をつくっていくように万全を期してまいりたい、積極的に対応してまいりたい、そう思っております。
 それから、ボランティア貯金につきましては、恐らく川崎政務次官もお答えしたと思いますが、日本がこれだけ経済的に発展をして、当然世界に奉仕しなければならない立場に相なっております。それは税金という形で、つまりODAを中心とした国の援助ももちろん大事なことでございまして、今相当の伸びを見せておりますけれども、それだけではなしに、国民一人一人が国際社会のボランティアに参加しているんだという意識を持っていただくということが非常に大事だというふうに考えます。全国二万四千ある郵便局を中心にいたしまして、全国くまなく国民お一人お一人が何らかの形で国際的なボランティアに参加しているのだという意識を高めることも極めて大事であろうと思いますので、その二つの目的をかなえるために郵政省としましても全力を挙げたいと考えております。
○赤城委員 ありがとうございました。
 私どもも、世界に貢献する日本、その一員として一生懸命頑張ってまいりたいと思います。
 質問を終わります。
○上草委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。
    ─────────────
○上草委員長 両案について、日本共産党から討論の申し出がありましたが、先刻の理事会において協議の結果、御遠慮願うことになりましたので、さよう御了承願います。
 これより採決に入ります。
 まず、郵便貯金法の一部を改正する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○上草委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ─────────────
○上草委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、鈴木恒夫君外三名より、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。鈴木恒夫君。
○鈴木(恒)委員 ただいま議題となりました郵便貯金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    郵便貯金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、この法律の施行に当たり、郵便貯金事業をめぐる厳しい環境に対応するとともに、我が国内外の諸情勢にかんがみ、貯蓄の増強が必要であることを強く認識し、次の各項を実現するよう積極的に努めるべきである。
 一 預金者の利益を増進するため、郵便貯金を含む小口預貯金金利の完全自由化の早期実現を図ること。
 一 国民の健全な資産形成に資するため、郵便貯金の預入限度額の一層の引上げを図ること。
 一 多様化する国民のニーズに適切に対応するため、個人貸付制度の改善・充実、ATM・CDの増置・利用時間の延長、口座振替の方法による国税の収納・還付及び公務員の給与振込等のサービスを推進し、国民の利便の向上を図ること。
 一 金融自由化の進展に対応し、郵便貯金事業の健全な経営を確保するため、金融自由化対策資金の運用対象の多様化及び運用規模の拡大に努めるとともに、郵便貯金資金を地域の振興、生活環境の整備拡充等に活用するなど、資金運用制度の一層の改善・充実を図ること。
以上のとおりであります。
 この附帯決議案は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党の四派共同提案に係るものでありまして、案文は、当委員会における質疑の動向等を参酌して作成したものでありますから、各項目についての説明を省かせていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○上草委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○上草委員長 起立多数。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
    ─────────────
○上草委員長 次に、郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律案について採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○上草委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ─────────────
○上草委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、前田武志君外三名より、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 提出者より趣旨の説明を聴取いたします。遠藤和良君。
○遠藤(和)委員 ただいま議題となりました郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律案に対する附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、案文を朗読いたします。
    郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、この法律の施行に当たり、国際社会の発展に一層貢献するため、次の各項を早急に実現するよう努めるべきである。
 一 寄附金充当分の利子については、預金者の善意に応え、民間海外援助事業の拡充に資するため、できるだけ早期に非課税とするよう努めること。
 一 預金者が寄附委託を行った貯金については、一般の郵便貯金の預入限度額の別枠とするなど、より多くの国民の参画が得られるよう努めること。
 一 寄附金の処理に当たっては、海外援助事業の困難性を認識し、より被援助国並びにその国民の立場に立った配分に留意するとともに、寄附金が預金者の善意に基づくものであることにかんがみ、専門家の意見、預金者の意向等が反映されるよう適切な措置を講ずること。
以上のとおりであります。
 この附帯決議案は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党の四派共同提案に係るものでありまして、案文は、当委員会における質疑の動向等を参酌して作成したものでありますから、各項目についての説明を省かせていただきます。
 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。
○上草委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
 採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
    〔賛成者起立〕
○上草委員長 起立多数。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
 この際、郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。深谷郵政大臣。
○深谷国務大臣 ただいま郵便貯金法の一部を改正する法律案及び郵便貯金の利子の民間海外援助事業に対する寄附の委託に関する法律案の二法律案を御可決いただき、厚くお礼申し上げます。
 本委員会の御審議を通じて承りました貴重な御意見並びにただいまの附帯決議につきましては、今後の郵政行政を進めるに当たり、御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
 まことにありがとうございました。(拍手)
    ─────────────
○上草委員長 お諮りいたします。
 ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○上草委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
    ─────────────
    〔報告書は附録に掲載〕
     ────◇─────
○上草委員長 簡易生命保険法の一部を改正する法律案、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案、簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。
 順次、趣旨の説明を聴取いたします。深谷郵政大臣。
    ─────────────
 簡易生命保険法の一部を改正する法律案
 簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案
 簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部を改正する法律案
    〔本号末尾に掲載〕
    ─────────────
○深谷国務大臣 最初に、簡易生命保険法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 この法律案は、近年における社会経済情勢の推移及び保険需要の動向にかんがみ、簡易生命保険及び郵便年金の一元化並びに加入者に対する保障内容の充実を図るため、郵便年金制度を簡易生命保険制度に統合するとともに、保険金及び年金の保障を一体として提供する簡易生命保険の制度を創設すること等を行おうとするものであります。
 次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。
 第一は、郵便年金制度を簡易生命保険制度に統合することてあります。現在、郵便年金法に基づいて終身年金、定期年金及び夫婦年金を提供しておりますが、改正案は、現在の終身年金、定期年金及び夫婦年金と同様の内容を有する終身年金保険、定期年金保険及び夫婦年金保険を簡易生命保険法に基づいて提供することとし、加入限度額も現在の郵便年金と同様に年額七十二万円までとするものであります。
 第二は、保険金及び年金の保障を一体として提供する簡易生命保険の制度の創設であります。これは、被保険者が死亡したこと等により保険金の支払いをする終身保険と被保険者の死亡に至るまで年金の支払いをする終身年金保険を一体として提供することができる制度を設けるものであります。終身保険と定期年金保険、家族保険と夫婦年金保険につきましても、同様に一体として提供することができる制度を設けることとしております。
 このほか、保険契約の変更の制度を整備すること等を内容といたしております。
 なお、この法律の施行期日は、平成三年四月一日としております。
 次に、簡易生命保険及び郵便年金の積立金の運用に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 我が国の金融・経済環境は、急速に変化しており、簡易生命保険事業及び郵便年金事業におきましても、これらの変化に適切に対応し、資金の一層の効率的運用を図ることにより、簡易生命保険及び郵便年金の加入者の利益を増進する必要があります。
 この法律案は、こうした要請にかんがみ、簡易生命保険及び郵便年金特別会計の積立金をもって取得した債券を貸し付けることができることとするものであります。
 なお、この法律の施行期日は、公布の日としております。
 次に、簡易保険郵便年金福祉事業団法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 近年、高齢化の進展等我が国の社会経済情勢は急速に変化しており、簡易生命保険事業及び郵便年金事業におきましても、これらの変化に適切に対応し、簡易生命保険及び郵便年金の加入者の福祉を増進する必要があります。
 この法律案は、こうした要請にかんがみ、簡易生命保険及び郵便年金の加入者福祉施設の設置及び運営等の業務を行っている簡易保険郵便年金福祉事業団の適切かつ能率的な業務の遂行に資するため、同事業団の委託によりその業務の一部を行う事業に同事業団が出資することができることとするものであります。
 なお、この法律の施行期日は、公布の日としております。
 以上が、これら三法律案の提案理由及び内容の概要であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○上草委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
 次回は、来る二十日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後四時四分散会